不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part12

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1名無しさん@ピンキー
スレタイの通り、不気味なモノに寄生されて虜になる娘などを語ったり、小説をうpするスレです。
ネタは、版権物・オリジナルなど問いません。(版権物SS投下の際には元ネタの表記をお願いします。)
Web上のSSやOVA・ゲーム・コミック・同人などの情報も歓迎します。
雑談は書き手さんの投下と被らないようにまたーりどうぞ。

▽注意事項
◆共通
  sage進行推奨。dat落ち判定はスレの位置ではなく最終書き込み時刻が基準なので、
  全てのレスがsageでも問題ありません。レス数950過ぎか、スレ容量480KBを超で次スレ立て。
  荒らし、煽り、広告は無視して頂くようお願いします。
◆書き手さんへ
  人を選ぶ要素がある場合、嫌いな人がスルーできるように注意書きをお願いします。
  一回の投稿の最大行数は60行、最大バイト数4096バイトです。
  また、数値参照文字(unicode)が使用できます
◆読み手さんへ
  作者が望んだ場合を除き、感想の範疇を越えた批評・批判は御遠慮ください。
  感想、アドバイスには作者さんへの配慮をお願いします。

【前スレ】
不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part11
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230553347/


【過去ログ】
Part10 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222269111/
Part9 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1207923194/
Part8 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197591223/
Part7 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175912341/
Part6 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1155650032/
Part5 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1127058327/
Part4 ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1116162946/
Part3(再建) ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1087629013/
    (即死) ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1087136480/
Part2 ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1068536826/
Part1 ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1000/10002/1000205453.html

【関連サイト】@迷惑行為厳禁!!
月光蝶さんのログ保管サイト(html化されていない過去ログも閲覧できます)
 ttp://www.geocities.jp/obbs0036/log/torituki/torituki.html
SSまとめブログ版
 ttp://bukimitoriko.blog41.fc2.com/
2名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 23:04:14 ID:ITaVdC5g
不気味なぬるぽに寄生されて虜になる娘
3名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 00:31:13 ID:aSlAi305
不気味な>>2にガッする娘
4名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 06:35:48 ID:iZrwu/rC
>>1
スレ建て乙です!
5名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 08:55:37 ID:LtqJHy7N
>>1
即死せず無事着床できますように
6名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 11:19:21 ID:Wffbqkdc
>>1
>>2>>3
反応速ぇ
7名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 21:28:11 ID:f1RHiAtt
「…っ!?な、何なのこれ!?
 い…いやぁ…いやぁ!!来ないでぇ!!」

ぬるっ…ちゅぷっ…ずずずっ

「ふぁ…入ってくるぅ…
 ああぁ…気持ち…いいよぉ…
 あたま…とろけるぅ…あはあぁっ!!!
 …はぁっ…はぁっ…>>1様ぁ…乙…ですぅ…
 …はいぃ、わかりましたぁ…>>8以降にも寄生してぇ、
 >>1様のものにしてさしあげますぅ…あははぁ…♪」
8堕ちた即死:2009/08/19(水) 03:09:56 ID:gjVurqgW
妙な電波を受信したので即死回避用のネタを書いてみました。





「まだ小さいわね。」
エロパロ森と呼ばれる深き森の一角。
凛々しい顔立ちの少女が鋭い目つきを向けていた。
少女の視線の先には、彼女の背丈の半ばほどの大きさの白いブヨブヨとした塊がある。
「まだ30レス行っていない。やれるっ!」
そう言うと少女は腰に下げた鞘から刀を抜く。
彼女は『即死者』という存在だ。
白い塊、人々の黒き欲望が集まった『スレ』と呼ばれる物体が巨大化する前にそれを消滅させる戦士だった。
ちなみにスレの大きさを表す単位をレスという。

少女が刀を構えた瞬間、塊から白い触手が彼女に向かって伸ばされる。
「ふんっ!」
それを一振りで叩き切る少女。
だが続けざまに幾本もの触手が伸びていく。
(無駄な抵抗よ……えっ、レスが増えていく!?)
落ち着き払った表情で刀を振るう少女。
だがその顔に突如動揺が走る。
スレがその身を振るわせながら徐々に大きさを増し始めたのだ。
(マズイ! 30レスを超えてしまう!)
必死にスレに刀を振るおうとする少女だが、伸びる触手に邪魔され近づくことが出来ない。
そしてついにスレが30レスを超えてしまった。

ビュウッ!
「くそぉっ!」
今までとは桁が違う、数え切れないほどの触手がスレから少女に襲い掛かる。
何本かは斬り捨てたが、抵抗もむなしく彼女は触手に捕らえられてしまった。
「く、こんなもの!」
必死に手足の束縛を外そうとする少女。
だが触手は悠々と彼女の身体を運び、スレの本体に乗せる。
「ひゃぁっ!」
少女は白いブヨブヨのスレに半ば沈み込むような形で乗っかってしまった。
スレはまるでとても柔らかいソファーに寝そべったような感触だ。
少女はスレに触れて、その所々は柔らかい固体、所々は生温い液体と奇妙な構造をしていることを知った。

「ひゃうっ!」
少女が奇妙な声を上げる。
彼女の股間、そこを覆う何層もの衣服をスレが染み透ってきたのだ。
気色悪い感触を敏感な部分で感じてしまい嫌悪の情を抱く少女。
だがスレはそこに留まらず、秘所へを進み始める。
「あひぃっ! ひいいやあああぁぁっっっ!!」
桃肉を濡らし、処女膜の狭まりをもぬるりと通り越して進むスレ。
「いややああああぁぁぁぁっっっ!! もう入ってこないでええぇぇぇえええっっっ!!」
凛々しい瞳から涙を零して泣き叫ぶ少女。
だがその哀願も空しく、スレは彼女の膣を埋め尽くすほどの量で侵入してしまった。
「いやぁぁぁ……気持ち悪いよぉぉ……。」
吊りあがっていた形の良い眉をハの字に下げてしまい、少女は弱々しい声を漏らす。
彼女既に『即死者』ではなく、もはやスレに捕らえられた哀れな犠牲者でしかなかった。
9堕ちた即死:2009/08/19(水) 03:11:14 ID:gjVurqgW

堕ちた戦士の秘壺にスレは強力な催淫エキスを放出する。
瞬く間に粘膜から吸収されたそれは少女の未成熟な身体の隅々まで回っていく。
「ひぃやああぁぁぁ……わたしが……わたしじゃなくなるぅ…………だれか……たす……。」

少女の頭を侵すスレエキス。
理知的で勇ましい精神を持っていたその脳は真っ白な光に包まれ、光が晴れた後には快楽を楽しむ感情しか残っていなかった。

少女の胸と尻の肉を侵すスレエキス。
これから長きに渡る責めに耐えられるよう、肉付きの薄い胸と尻をムッチリと大きくしてしまう。

少女の子宮を侵すスレエキス。
子宮筋の締まりを緩くし、子宮口を広げてスレが侵入し易い様に少女の子宮を改造した。


「あぎゅうううぅぅぅ!!」
スレが子宮を犯しはじめ、目を見開く少女。
「いやあああぁぁっっ!! ぎもぢいいいぃぃぃっっっ!! ぎもぢいいよおおおおぉぉぉっっっ!!!」
その口からの叫びは苦痛ではなく快感に満ちたものだった。
「もうしゅれ、スレから離れられないイイィィィいい!! 」
少女は激しい快感で拘束された身体を動かせるだけバタつかせる。
「イクウウウウゥゥゥッッ!!!………アグィっ! いったのにまたぁぁぁっっ!!! ヒイイイィィィイイッッッ!!」
身体を突っ張らせる彼女。
その膣にどんどん白いスレが侵入を続けていく。



「……あぁ…………ひぃぁ………」
長い時間が過ぎ、少女は地に倒れ伏していた。
全身に白濁液がこびり付き、そのお腹は大きく膨れ上がってしまっている。
辺りにスレの姿は無く、無惨な少女の姿だけがそこにはあった。
「はぎゅいぃっっ!!」
突然彼女は目を見開いて叫ぶと、ガクガクと身体を揺らしながら立ち上がる。
「ス、スレざまぁ……わかりましたぁぁ……。」
いないはずのスレに応じるような声を出す少女。
実はスレはその大きく膨らんだ子宮に寄生してしまったのだ。
自由に動け、戦闘能力のある少女の身体を手に入れたスレ。
「はい゛ぃぃっ……"書き手"を探しまずぅぅっ!」
虚ろな瞳を彷徨わせながらふらふらと歩く少女。
スレは彼女を使って新たなる獲物『SSを投下してくれる書き手さま』を探し始めたのだ。


スレを刈り取る戦士『即死者』の少女。
敗北しスレの虜となった少女は数百レスまでスレが成長しdat落ちという安息の日が来るまで解放されることは無い。
10名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 07:54:10 ID:gAMMMC5I
なんじゃこりゃwwwww

さあ、女読み専に寄生させて書き手にする作業に戻るんだ!
11名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 12:22:16 ID:KEgTUlnX
おお、寄生スレの伝統芸能は健在ですね。
12名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 15:42:48 ID:JwQb09nR
>>9
乙彼
13名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 23:10:30 ID:TyvWYFm+
うーん、とてもいいな
14名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 23:24:19 ID:conC7zBc
>>1乙もごもご
>>8乙もごもご
(トーキングヘッドに寄生されて乙しか言えない俺!!)
15名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 10:10:32 ID:F/faD9Y1
一瞬ドーピングに見えた
16名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 10:15:12 ID:guC5P3tB
寄生虫ドーピング?
人外化した選手なら金メダル取り放題かも
17名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 11:08:11 ID:36LGofsq
検査に引っ掛からない薬を出す寄生虫を寄生させたけど、媚薬も出てた。
18名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 11:58:46 ID:+JQGUMMu
しかも、増殖しないよう遺伝子操作したはずなのに、
いつのまにか選手団の中で感染拡大してた
19名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 13:24:56 ID:RBGqpPCL
最終的にオリンピック、パラリンピックに次ぐ感染者による競技大会が。
20名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 13:39:53 ID:36LGofsq
パラサイトピック
21名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 00:20:41 ID:VnjdNtpz
そこに織田裕二が解説をいれるんですね
わかります
22名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 00:32:52 ID:CGmeVK10
「レインボーブリッジ、封鎖出来ません!」
そして一般人にも感染が拡大してゆく。
23名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 03:53:27 ID:HC+ScyN+
お台場のガンダムから密かに撒き散らされているのは・・・
24名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 06:16:37 ID:PqXRCKgE
ミノフスキー寄生菌
25名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 07:01:12 ID:vKHU+ZfX
>>24
寄生されるとフォースが使える様になるんですね。
26名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 08:55:57 ID:4qPTZ60S
通称 ミノフス菌
27名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 09:38:13 ID:F+sB1+Qc
ミノフス菌・イヨネスコ型核融合炉
ミノフス菌クラフト
ミノフス菌ドライブ
28名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 10:01:40 ID:DYHMwBqP
>>25
ララアに逢えます
29名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 12:48:10 ID:vKHU+ZfX
>>28
「まだ寄生出来る女の子がいる。こんなに嬉しい事は無い」
30名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 20:54:29 ID:A4vbetVk
親父にも寄生された事ないのに!
31名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 21:20:06 ID:ai7YdXE4
>>30
一般的な意味でとるとすごく社会的に白い目で見られそうな親父なんだが。
32名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 22:25:35 ID:HC+ScyN+
  .-、  _
  ヽ、メ、〉      r〜〜ー-、__      ________________
  ∠イ\)      ムヘ._     ノ      |
   ⊥_      ┣=レヘ、_ 了     | え−−い、台場のガンダムはいいっ!
-‐''「 _  ̄`' ┐  ム  _..-┴へ   <
  | |r、  ̄ ̄`l Uヽ レ⌒',    ヽ.   | 観客を映せっ! 寄生されたJKの堕ちっ振りをっ!!
  (三  |`iー、  | ト、_ソ   }     ヽ   |
  | |`'ー、_ `'ー-‐'    .イ      `、   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | |   `ー、    ∠.-ヽ      ',
__l___l____ l`lー‐'´____l.       |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||  .|      |
               ||  |__.. -‐イ
               ||   |    ノ/
33名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:42:31 ID:fJEpl7/7
……素晴らしいアスキーアートまで書かれた32様までの流れを無駄にしてしまっていいのか迷ったのですが……申し訳ありません。あまり時間がないので失礼します。
こんばんは。前回のスレッドの終盤にて、無駄に長い駄作を投下した者です。
スレッド利用者の皆様にはご迷惑をお掛けいたしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

あの後、私は一昨日まで旅行に出ておりましたが、携帯電話から皆様のご感想をありがとう読ませていただいておりました。
いただいた感想の中で、お気づきになられていた方もいたようですが、確かに別な終わり方をいくつか考えていました。
その中で、最初に考え出したものを、先日投下させていただいた次第です。
しかし、その感想で「感動した」という感想を貰ったのですが……正直、申し訳ないことを、と反省しております。
それはこのスレッドが培ってきた「雰囲気」というものを、ぶち壊してしまったような後ろめたさがあったからです。

なのでそれを償う……という言い方はあまりにこじ付けですが、もう一つ考えていたものを昨日書き上げました。
それを投下させてもらってもよろしいでしょうか?
……と聞いてしまえば、前回の投下の際に掛けてしまったご迷惑を再びお掛けすることになります。
なので、先に謝らせて頂きます。
お目を汚すような駄作を長々と勝手に投下します。本当に申し訳ありません。

一応、前回の設定を無理矢理に纏めたものも投下させていただきます。
長々としている本編からお分かりいただけると思いますが、纏め下手なためほとんど意味不明であるとは思いますが……。
もし、ご興味のある方はご覧下さい。
また、これから投下する物語は【ストーリー説明】にある
****************
の部分まではまったく同じストーリー展開なので、レス数を節約のためにも割愛させていただきます。ご了承下さい。
そこからは別のストーリーとなりますが、前回の話の設定のせいで矛盾している部分も多々ありますが、そちらもご了承下さい。

長々と申し訳ありませんでした。
では、これからまず、設定を投下させていただきます。
お時間有り余っているときにでも読んでいただけたら幸いです。 
では、失礼します。
34名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:43:36 ID:fJEpl7/7
【ストーリー説明】
 この地球に寄生体として舞い降りた私は、この3日間で寄生もせずに人間という生き物に絶望していた。
 私がこのまま寄生せずに生きられるのはあと4日、なんとか理想に一番近い宿主を探さなければ。
 しかし、その4日目の探索も無駄足に終わろうとしていた。そんな時、一人の少女が私を拉致した。
 彼女の名前は「さえきかおる」と言い、自ら「ゆう」という愛称をつけていた。
 そんな彼女は15歳の頃ほとんど捨てられるような形で親から離され、その後好きだった男友達の策略で集団に強姦されていた。
 私はそんな境遇の彼女に「なんで?」と思わず聞いてしまう。何故なら、なぜそんな酷いことばかりに彼女が合わなければならないのか納得いかなかったからだ。
 それを聞いた彼女は「私にも分からないよ!」と怒りを露にした。そう、誰よりも彼女自身がその原因を知りたかったのだ。
 あまりに馬鹿なことを聞いてしまった私は彼女に謝り、そしてゆうは私を優しく抱きしめてくれた。
 そして彼女は私に自らの本名をくれた。私がうまれて始めて寄生をしたのは、彼女の本名だった。

 それから2日経った6日目。ゆうが玄関を元気よく飛び出して行った。……見事に鍵を掛け忘れて。

*************
 私はゆうが鍵を忘れていることも考えて、その鍵は閉めずに開けておき、私はこの身体で最後となる見聞に出掛けた。
 この日の夜、ゆうが信頼している仕事先の「オーナー」をという人物を「食べ」、これからは彼女に擬態して、ゆうに会うということを決めていた。
 はじめは寄生対象として見ていたゆうに、私は寄生する事も躊躇するぐらいに好きになっていたから。
 しかしゆうは夜遅くになっても帰って来ない。私は玄関の鍵を開けたまま、彼女が帰ってくることをひたすら待った。
 そして帰ってきたゆうは、突然暴れだして部屋をメチャクチャにしてしまった。
 今日のゆうはオーナーの珍しき頼み事で、開店後の店内でも仕事を手伝っていた。そこに、酔った男が乱入し、ゆうを襲おうとしたのだ。
 その男が言っていたのは「オーナーの言う通りだ」と言う言葉。ゆうはもう誰も信じられないと言った。
 だから私はゆうに寄生して一緒になった。
 ゆうに寄生した私が向かったのは、オーナーのお店。
 そこから出てきた従業員のあやかを「食べ」、彼女に擬態をすると、私はオーナーを撲殺した。
 それから2週間経ち、一つの宿主の身体に合計2週間以上とどまってしまった私と、宿主のゆうの身体が腐敗を始め、私はそのままゆうと一緒に天国へと旅立った。


【寄生体の能力】
 ・宿主に寄生して、自らの子供(寄生体)を産ませる能力と宿主の記憶を得る能力。
  →宿主がいない状態で生きていられるのは7日間のみ。一度寄生した後は、本体だけでの活動はほぼ不可能。
  →最終使命は、全人類への寄生。
  →一人の宿主に寄生できるのは合計で2週間。
 ・人間を溶解して「食べる」ことによって身体の構成と、宿主の記憶を得る能力。
 ・その情報を使って、宿主の身体を変化させる能力。


【登場人物】

ゆう(本名:さえき かおる)
 両親が離婚し、母方に引き取られたが、母親の再婚の際にお腹にいた子供のために、中学卒業と同時に一人暮らしを始めた。
 それから1年は仕送りを送られていたが、その後打ち切られ、母親と連絡もつかなくなった。
 なんとか生活費を稼ぐため、中学時代の好きだった男友達の紹介で仕事を見つけたが、そこで強姦をされてしまう。
 以来、男が大嫌いなったが、なんとか昼間のキャバクラで掃除などをする仕事を見つけられ、現在に至る。

オーナー(本名:?)
 ゆうが働くキャバクラの若干24歳の若き女オーナー。

以上、前回までの設定     
35名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:46:31 ID:fJEpl7/7
(2−1) (前回の1−18から派生)

「じゃあ気をつけて人捜ししてきてね。明日は土曜日で休みだから一緒に探してあげるからね」
「うん、ありがとう。ゆうも気をつけてね」
「りょーかいしました! 行ってきま〜す!」
 そしてゆうは元気よく家の外へと飛び出して行った。
「行ってらっしゃ〜い」
 ……見事に家の鍵を閉め忘れていった。
「さすがのゆうも……家の鍵ぐらい、持ってってるよね?」
 心配になったが、ゆうだって一人暮らしの経験は長いのだ。幾らなんでもそれぐらいは忘れまい。
 私はドアの鍵を内側から閉めて、一応元栓などがしっかりと閉まっているかを確認すると、この身体での最後の見聞のために少しだけ窓を開けると、そこから外の世界へと飛び出した。

 ……時計を見れば既に10時を回っている。しかし、この狭い部屋にゆうはまだ帰ってこない。
 私が見聞を終えて夕方に帰ってくると、ゆうから電話があり今日は少しだけ遅くなるとのことだった。
 それは少しだけ私の不安感を駆り立てたが、それでもあのお店のオーナーなら信頼できるだろうと私は信じて、ひたすらゆうの帰りを待った。
 でも……それにしても遅くないだろうか。私はたまらずに窓を開けて身を乗り出し、地上3階からの階下の暗闇に目を凝らした。しかし、やはりゆうの姿は無い。
 その時だった。玄関のドアからまるでドア自体が壊されようとしているかのような荒々しい音が聞こえたのは。
36名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:47:42 ID:fJEpl7/7
「開けて! 開けてよ! ここを、開けてぇええええええええ!」 
 そんな声に私はすぐに玄関に近づいて、ドアに張り付くと身体を広げでその一部分からの視界で覗き穴を覗いた。そこには髪を振り乱して、必死な形相でドアを叩き続けるゆうがいた。
 私がすぐさまドアの鍵を開くと、間髪居れずにドアが開かれ、そして素早く閉じられた。それと同時にゆうが荒々しい息を整えることもせずに私の身体の上からドアの鍵と、そしてドアチェーンを閉めた。
「ゆう、大丈夫!? ごめんなさい、私が鍵なんてしてしまったから」
 私はそう言いながらゆうの視界に入るように、彼女の左脇の靴箱の上に移動した。しかし、彼女は肩で息をしながら俯いてしまっている。
 そんなゆうに私がもう一回声を掛けようとした瞬間、変化が起きた。
「あああああああああああああああああああ!」
 まるで獣のような咆哮でゆうは私の位置と逆にあった電話機を、その電話台ごと蹴り飛ばした。
 そして靴のまま部屋に上がり込むと、テーブルを蹴り飛ばして、持っていたバックも私が開けたままの窓から外に投げようとした。
 その時だった。まるで雰囲気に似合わない電子音がそのバックから聞こえた。
「あああああああああ…………」
 叫び続けていたゆうの行動が止まり、そして彼女はバックから携帯電話機を取り出した。小さなぬいぐるみが携帯電話機の振動と共に点滅をしている。
 ゆうは荒い息をしながらそれを、電子音を奏で続けるそれを睨むように見ていたが、やがて意を決したようにボタンを押して音楽を消すと、ゆっくりとそれを耳に当てた。
『ゆうちゃん! ゆうちゃんね!? 大丈夫!? 怪我はしてない!?』
 私はゆうの近くの箪笥に移動して、携帯電話機から発せられる聞き覚えのある声を聞いた。これは……オーナー?
 ゆうの顔を見ると、怒りを噛み締めるように歯を食いしばり、携帯電話機を握りつぶせそうなほどの力で持っていた。
「……ずっと……ずっと最初から……こうするつもりだったんですね?」
『ごめんなさい、ゆうちゃん! でも、違うの! 私はあなたを』
「うるさい! ……私の事情知ってるのに……あなたはそれを」
『ごめんなさい! 本当にごめんなさい! ゆうちゃん、ごめんなさい!』
 携帯電話機から聞こえるオーナーの声は大きな声なのに、なぜか弱々しさを持っていた。
 しかしオーナーの言葉はゆうの怒りを一層強くさせてしまった。
 ゆうは携帯電話機を持っていない右手をいきなり振り上げると、壁に掛かっていた鏡の中心に小指の方から拳をたたきつけた。亀裂がそこから四方八方へと広がっていく。
「……聞きたくない。……あなたの嘘の言葉じゃ、私の傷は絶対に癒せない!」
『っ! ……そうよね。でも、私が死んであなたが人を、せめて女の子だけでもまだ信じてくれるなら、私はすぐにそうする』
「……」
 ゆうはそのオーナーの言葉を聞いて目をそれまでより少しだけ大きく見開いた。
『ゆうちゃん。……多分、あなたがこの電話に出てくれたのはまだ本当にわずか、私を信じてくれていたからだと思うの。だから、何の解決にも……いいえ、あなたはもっと怒るかもしれないけど、ちょっとだけでも私の話を聞いて欲しい』
「……」
 ゆうは迷うように視線を泳がしている。それはゆうが彼女自身を取り巻いてきた不安と、今彼女に差し出されている希望が戦っているからだろう。
 私はゆうの右側の肩に飛びついて、携帯電話機を当てている耳とは逆の耳に身体を近づけてこう言った。
「もし、あなたをもう一度でも騙そうとしたら私が食べる。彼女の中に入り込んで、ぐちゃぐちゃに溶かし尽くす」
 そんな私の言葉にゆうがこちらを向いた。任せとけ、と言うように私は液体の身体を震わす。ゆうも私の食事を何度も世話しているから、それがけして誇張的な表現ではないことを理解しているはずだ。
 私の様子を見てゆうは目を閉じた。……後は彼女が決めることだ。私に言える事は、もう何もない。
 やがてゆうは目を開くと、こう言った。
「……私の家の住所を、教えます」
37名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:50:35 ID:fJEpl7/7
(2−3)

「ゆう……」
 私は袋に入れ終わった鏡の破片を身体に載せて、ゆうの近くまで運んだ。
「ありがとう、かおる」
 静かな笑顔で私にそう言うと、彼女は袋に向かって「ごめんね」と謝って、それをゴミ箱に捨てた。
「手、大丈夫?」
 私は包帯が巻かれた右手がやはり心配になって彼女に聞いた。すると、彼女は私をその右手で撫でてくれた。
「大丈夫だよ。やっぱり優しい子だね、かおるは」
 身体全体でゆうの温かい手のぬくもりを感じ、私は絶対に彼女を守ることをもう一度決意した。
 オーナーはゆうの住んでいるところを知らなかったらしい。なんとオーナー自身がそれを聞くことを拒んだという。
ゆうはポツリと、あれも私を信頼させるためだったのかな、とこぼしていた。よく考えれば、オーナーに住んでいる場所を教えているのなら、ゆうがここに帰ってくることもなかっただろう。
 ゆうは私を撫でることをやめ、そっと私の身体を持ち上げると胸に抱いてこう言った。
「ありがとう」
 その一瞬後、玄関のドアを叩く音がした。ゆうの顔が少しだけ怯えた表情を見せる。
 そして胸に抱く私を先ほど元に戻したテーブルに置いて、そっと立ち上がった。
 最後にちらりと私を見ると力強く頷いてゆうは玄関へと向かった。
 私は近くの壁に張り付く、そこから天井へと移動しながら玄関へと向かった。既にゆうは迷いない動きで、オーナーを家の中に入れていた。
 両者とも無言。黒い上着に身を包んでいるオーナーはゆうに頭を下げたが、家の鍵を開けてさっさと茶の間へと進むゆうを見てそれに追従した。もちろん私もそれに続く。
「ゆうちゃん……、いいえ、佐伯薫さん」
 茶の間に入って背中を向けたまま立ち止まったゆうに向かって、彼女の本名をオーナーは言った。いや、もうゆうだけの名前でもないのだが。
「本当に、申し訳ありませんでした」
 そのまま背中を向けたままのゆうにオーナーは床に頭をピタリと付けた。確かこれは、この国の人が相手に謝罪の意を伝えるための手段で……土下座、っていってたかな。
「……それをしに、あなたは来たのですか?」
 振り返ったゆうがそれを見下して一言こぼした。それを聞いてオーナーはゆっくりと上半身を上げて首を振った。
「いいえ、言い訳を……聞いていただけますか?」
 それを聞いて向かい側にゆうがオーナーと同じように膝を折った。ゆうはオーナーをただ無機質な視線で見て言葉を待っていた。
「店が開いて暫くしたら週末という事もあり、いつもより少し忙しくなりました。その最中、酔ったお客様の一人が佐伯さんの居たあの部屋に入ろうとして、その時お客様は既にドアに手を掛けていたため、
私はとにかくそこからお客様を引き離し、そのお客様が覗いた部屋の中の様子を誤魔化そうと、『今日、新しく働きたいって子が面接に来たんです。
今書類を書いてもらっているので、絶対に中にお入りにならないで下さい。おそらく近いうちに、お会いできると思いますので』と言い、なんとかお席にお戻りいただいたんです」
 オーナーは見た目に似合わないしっかりとした口調と言葉遣いで話していった。私自身、この星に来てからわずか6日しか経っていないが、
見た目がオーナーと同じほどの年齢でここまで敬語を慣れた口調で話す人物は見たことがなかった。果たしてそれはよく出来た演技なのか、それとも……。
「……多分、あの男は部屋の中の様子までは、その時見ていなかったと思います」
「え!? な、なぜそのようなことをご存知なんですか?」
 ゆうの言葉に驚きを全面に表すオーナー。しかし、その間も敬語は崩れない。
「あの男は部屋に入って開口一番に……『オーナーの言う通りだ』と、そう言っていましたから」
 ゆうの証言にオーナーは目を見開き、その焦点をゆうから外すと、震えた左手で口を覆った。
38名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:51:54 ID:fJEpl7/7
(2−4)

 そのまま少しばかりの沈黙が流れた。ゆうは口を開かないオーナーを前にしても微動だにせず、ただそれをじっと見ていた。同じように私も天井からそれを見ていた。
「……ごめんなさい」
 沈黙を破ったのはオーナーのその一言。そして彼女はそのまま震えながら、そう土下座をまた、ゆう向かってしたのだ。
「何からなにまで、本当にごめんなさい。佐伯さんに……男の人に会いたくない佐伯さんに無理を言って私の仕事を手伝わせてしまったことから……私の軽率な発言で佐伯さんの傷を抉るような事件を起こしてしまったことまで……何もかも、本当にごめんなさい」
 擦れる声でオーナーは土下座をしたままそう言った。ゆうはそれを目を細めて見下していた。
 そして顔を上げると頬から流れる涙を拭く事もせず、赤く腫らした目でゆうのことをしっかりと見据えてこう続けた。
「もちろん、こんなことをして許してもらおうなど思っていません。もちろん、償えるのでしたら何でも……いえ、厚かましいですがこの命で償わせてください」
 そこまでオーナーは震え、擦れた声でもしっかりとした口調で話し続けていた。しかし、突然口ごもるようにゆうから視線を外す。ゆうは相変わらず何も言わずにそれを見ている。
 しかし、今度の沈黙は10秒と続かなかった。
「一つだけ……ただ一つだけ、お約束していただきたいことがあります」
 そう話すオーナーの声は依然擦れはしているが、もう震えはしていなかった。
「何ですか?」
 ゆうがそう聞いたのも、おそらくそうしたオーナーの語調の変化に気付いたからだろう。
「佐伯さんが男性をお嫌いなのは重々承知しております。ただもし……本日の私のせいで、女性さえも……いえ、人間全てが信じられなくなったとしてしまったのならば、それだけは考え直していただけませんか?」
 オーナーは少し身を乗り出してた。しかし、ゆうはそれに対して静かな微笑みでこう言った。
「随分と勝手なことを言いますね」
「申し訳ありません。ただ、佐伯さん自身が一番ご存知のはずです。誰も信じずにこの世の中を生きて行くことは決して不可能だと」
 オーナーの言葉にゆうの笑顔が消え去る。そして自らが傷つけられた過去を思い出したかのように、表情が怒りを孕んだものへと変わった。
「暫く時間がかかってもいいんです。ただ、いつか。もう一度だけ、誰かを信じてください、お願いします!」
 そう言い切ると同時に再び頭を下げた。太ももの上に置いた拳を握り締めながら、ゆうは硬く目を瞑っていた。
 そして小さい声でこうこぼした。
「あなたが死んで、誰が喜ぶんですか?」
 ゆうの目は依然として瞑ったままであり、オーナーも顔を上げる様子はなくただじっとその土下座の体勢を維持している。
「あなたが死んだら、私は笑えるんですか? あなたが死んだら、私の傷はなくなるんですか? あなたが死んだら……私に何が残るんですか?」 
 ゆうはそう言って目を開いた。しかしオーナーは顔を上げない。
「……私が信じている人は、まだ居ます。……いえ、人ではないですが」
39名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:52:47 ID:fJEpl7/7
(2−5)

 ゆうのそんな告白に、オーナーは顔を上げて怪訝そうな表情をしてゆうの顔を覗きこんでいる。私はゆうの言葉に迷うことなく、天井からテーブルに向かって飛び降りた。
 私の身体はテーブルに叩きつけられると同時に四散し、そして初めてゆうと出会ったときと同じようにまたゆっくりと集まっていく。口を抑えながら私が修復していく様子をオーナーは目を見開いたまま、瞬きもせず見ていた。
 程なくしてテーブルの上に収束した私を、ゆうがゆっくりと持ち上げてその胸へと抱いてくれた。そして私の身体を撫でながらこう言った。
「この子が、私にはいます」
 ゆうの顔を唖然とした表情で見ていたオーナーは、そのまま私へと視線を写した。
「会ったのは……たしか一昨日の事です。ただ、もっとずっと前から私と会ってたみたいにこの子は私に優しくしてくれます」
 それを聞いていたオーナーの顔から驚きの色合いが消えていく。ただ私を温度のない目でじっと見つめていた。
「私の過去を話した人はほとんどこう言ったんですよ。『私も分かるよ、その気持ち』、『いいことあるよ、これから』……」
 そう言って顔を天井に向ける。
「元気付けてくれるのは分かります。でも、この子はこう言ったんですよ。『なんでそんなことされるの?』って」
 その言葉にオーナーが僅かに驚愕の色を取り戻した。それに気付いたのかは分からないがゆうは続けた。
「レイプされた私自身もいまだにそう思います。『なんで?』って。でも分からないから、だから自分で理由らしい理由考えて、名前までつけて無理矢理踏ん切りをつけてるんです」
 そして顔を下げて私を見ると苦笑いをした。私は先ほどと同じように身体を震わせて元気付ける。
「オーナーの言うとおり、一人で生きていくにはこの世の中は……辛いことばかりです。ただ、この子が……私の痛みを分かって、そして私の傷を癒すのではなく、優しさと言う愛情を注いでくれるこの子が居る限り……私は生きていけると思います。この、優しい子となら……」
 そう力強く言ったゆうが、私に向けた笑顔に……ゆう本人は気付けなかっただろうが、私は少しだけ視線を彼女から外してしまった。
「私の話は以上です。ただ……あなたが死んでも私の傷が癒されることはない。それだけは覚えておいてください」
 オーナーは自分の方を向かないでそう言ったゆうを見ながらそれを聞いた後、ふと私に視線を移すとこんなことを聞いてきた。
「あなたは、私に対してお怒りではないのですか?」
 私は少しだけ答えに困ったが、ここは自分に正直に答えることにした。 
「分からない。ただ、もしゆうがあのまま暴れていたのら、私はあなたを憎くて殺したかもしれない」
 自分で聞いておきながらオーナーは私が話し出すと、少し驚いたような顔をした。その後、私に向かってこう言った。
「あなたにも謝るべきでした。本当にごめんなさい」
 オーナーは深々と頭を下げて、私にそう言うとゆうの方を見た。ゆうは相変わらず、私のほうしか見ていない。
 それを見たオーナーはゆっくりと立ち上がると、そこでまた一礼をして、静かに玄関から出て行った。
 ドアが閉まる音がすると、ゆうは私を見ていた両目を閉じて、こんなことを言った。
「私は……」
 ゆうがこぼしたその言葉に、私はある提案をした。

40名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:53:28 ID:fJEpl7/7
(2−6)

 窓から家の下に素早く降りるとそこにオーナーは居た。口には、確かあれは……そうマスクを着用していた。テレビで言っていたがどうやら病気が流行っていてマスクをつけて外出するようにと言っていた気がする。
 そしてゆっくりとした足取りで歩き出す。時間は確かゆうの家を出たのが深夜1時過ぎで、住宅が多い周辺は大分暗かった。
 そのまま数分間歩くと、車の通りが激しい道路へと出た。そこから道路に面したところで数分待つと、近づいてきた車を止めて乗車した。私はその外側の天井に張り付き、身体を平らにして目立たないようにした。色が私と同じ緑であることも好都合だった。
 外気を切り裂きながら走ること約15分。私は時より車の中をこっそりと確認したが、オーナーは流れる風景を横の窓からずっと見ているようだった。
 そして人通りの激しい電車の駅前に着いた、そこでオーナーは車から降りると再び歩き出した。向かう方向はやはりお店のほうだ。
 私はそれにこっそりと追従する。できるだけ電飾の少ないビルにへばりつきながら、スーツを着込んだ人間の雄の間をすり抜けていくオーナーを見失わないように注視をする。時より、フラフラと倒れこむ雄もいた。
 そして3分と経たないうちに、昨日私がゆうにこっそりと着いてきたあのお店へと入っていった。とりあえずは一安心と言えるだろう。
 私はゆうのためにオーナーの尾行を彼女に提案したのだ。オーナーがゆうのことを騙そうとしたとはもうゆうは思ってはいなかったのだが、それを信じれる証拠がないのもまた事実だった。だから私はそれを確かめに来たのだ。
 正直、今日中に確かめられるとは限らないが私にはもう今日しか時間はない。私はもう、オーナーを「食べる」つもりはなかった。それはゆうとの関係がやはり以前のものと変わってしまったからだ。
 もちろん、それでもオーナーがゆうにとって一番身近な人間であることには変わりなかったが、もうゆう自身がオーナーと向き合いたくない可能性もあったからだ。それではオーナーを食べても意味がない。
 そのため私が考えていたゆうとの関係を保ちながら使命を果たす手段は、見事にパアとなってしまったが、今はそれよりゆうの安全の確保が最優先だった。
 もし、オーナーがゆうを裏切ったならばこれから誰かがゆうの家に襲いに行く可能性がないともいえなかった。オーナーはゆうの家の場所を知ってしまったのだから、それをそう例えばこの店の常連に教えたりするかもしれない。
 可能性が限りなく低くはあったが安全のため最善を尽くしたかった。ゆうは一人しかないのだから。
 とりあえず私はゆうに近くのホテルに泊まるように勧めたが、ゆうは24時間営業のファミレスに居るといった。そちらのほうが人が多いし安全だとのことだ。
 これでとりあえずは安心だろう。後は私がオーナーを監視し、怪しい行動をとったら……「食べる」。
 私はそう決意して店の中に侵入した。

41名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:54:45 ID:fJEpl7/7
(2−7)

 それから閉店の5時まで、オーナーは店の中を忙しそうに走り回っていた。天井や椅子の陰に隠れて客との会話も盗み聞きしてみたが、それらしい会話はされていなかった。
「オーナー、お疲れ様でした〜。お先、失礼しま〜す」
「はい、ゲホゲホ、お疲れ様」
「オーナー、大丈夫ですか? 最近咳が多くなってるみたいですけど、流行のインフルエンザの事もありますから病院に行ってみたほうが……」
「大丈夫大丈夫。ささっ、あやかちゃんは早く帰って今日はのんびり休んでね」
 あやかは不安そうな顔をして咳き込んだオーナーを心配したが、オーナーの笑顔に押し切られる形でお店を後にした。 
 残ったオーナーそれを見送ると、カウンター席に座ってお酒らしきものを飲みはじめた。
 静かな店内に響くのは、オーナーが傾けるコップの中にある氷と、オーナーのこんな独り言。
「流石に、お客様殴っちゃったのはまずかったかなぁ……ゲホ、ゲホ」
 そう言ってオーナーは自らの右手をプラプラと目の前で振り、そして小さく笑っていた。
 それからしばらく一人でウィスキーを飲んでいたが、段々と咳が強く、長く続くようになってきていた。
「ゲホ、ゲホ、……病院……いや、節約しなきゃ。とりあえず、ゲホ、帰って寝よう」
 オーナーは苦しそうに咳き込むと、それごと飲み込むかのようにウィスキーを一気に飲み干して、席を立った。
 その直後だった。オーナーの身体が、先ほど外を歩いていた酔っ払いのようにフラフラと足元がおぼつかなくなり、そしてバタンと倒れた。そして今までにないほど、強く長く咳き込み始めた。
 そしてそのまま立ち上がることも出来ずに咳を続けていたオーナーの口から出た何かが、白っぽい床に赤い点を打った。
 あれは……血、じゃないよね?
 そう思った直後、それが今までよりもっと大きく吐き出される。床がオーナーの咳のたびに、段々と赤くなっていく。
 私はたまらず、天井から壁伝いにオーナーの下に移動した。
「どうしたんですか!?」
「ゲホゲホゲホ、君は、どう……して……ここ、に?! ぐぅ……ゴボォ!」
 オーナーは私を見てそう言ったが、表情を変える暇もなく咳を続けていた。
 やがて咳が少しずつ収まっていく。しかし、オーナーの顔色が明らかにおかしい。
「はぁ、はぁ……だ、大丈夫。ゲホゲホ……」
 ゆっくりとオーナーは上半身を起こした。しかし、立ち上がる力はないらしく目もどこか虚ろに見える。
「携帯電話機で、ゆうに知らせてください!」
「ぐっ、ダメ。それより、聞いて欲しいことが、あるの」
 オーナーは私をゆうがしたように胸に抱き上げた。ゆうと同じで温かいだが、その奥底で心臓が悲鳴を上げるように早鳴りしている。
「私ねぇ、親に、売られたんだ。離婚して、くっ、母親と住んで、13の時、父親のところに」
 そこまで言うと、擦れた呼吸で息を吸っては吐き、吐いては吸ってを苦しそうに続け、やがてまた口を開いた。
「はぁ、はぁ、お母さん、お金貰って、私は、ゲホゲホグボォ……私立の学校に……」
「もういいです! とにかく……そう、病院に!」
「父親、愛人、たくさん居て……その癖、私には清楚に、って……だから嫌になって逃げて、ここ、開いたの」
 そこまで話すと、床に倒れこんだ。そして咳をしながら私を宙に掲げるように伸ばしてこう言った。
「私ね……君と、同じこと、ゆうちゃんに、ゲボ、言ったんだ……。面接で……っ、机、殴って……なぎながら」
 苦しそうにしながらも、子供のように笑った。
「あんがい……きみ、と私……ゲホゲホ、似ているのかも、ね」
 そう言って優しく微笑んだオーナー。しかし、その直後今までより多くの血が咳とともに吐き出され、オーナーの顔を血で塗りたくった。
42名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:55:49 ID:fJEpl7/7
(2−8)

「ゲゲホッ! 私……もう、だめ……。ガン、まっき……肺、弱かった、の……」 
 だめって……それはつまり、死……ぬってこと?
「な、なんで!? さっきまであんなに……」
 私がそう言うと、力ない笑顔のまま舌を出した。……我慢、していたんですか……。
「ゆう、ちゃん、ゲホッ…っ、よ、ろし、く」
 そう言って私を床に降ろした。赤い血だまりの上に、緑色の私の身体が着地する。
「お……ね、……が、い」
「……だめ、絶対に」
 私は反射的にそう言っていた。しかし私の方を向きながら目の焦点は既に合っていない。
「し、ま……す」
「私は、今日ゆうの前から消えます」
 私の言葉に、虚ろになっていたオーナーの目がわずかに光を取り戻す。
「……えっ? ……なん、で? どう、して?」
「私の身体も限界なんです。このまま19時間経てば、私は死にます」
 オーナーの顔に絶望の色が浮かんでいく。でも、それでいい。今は、ゆうが一人になってしまうということだけ、それだけを考えて。
「そん、な……」
「それが嫌なら、ちょっとだけ私に時間を下さい。あなたを助けて見せます」
「無、理……だ、よ」
「じゃあ、ゆうを一人にしますか? あわよくば新しく誰かのことを信じられるかもしれませんが、数日後にはあなたと天国でお会いすることになってしまうかもしれませんよ?」
 私の非情な言葉に、悔しそうに唇を噛み締めるオーナー。
「あなたがゆうに人を信じろと言うのなら、あなたは今、私を信じてください。いいですね? 必ず助けますから、それまでしぶとく耐えてください」
 私はそう言うと、オーナーの返事も聞かずにすぐさま入り口のドアの隙間から外に這い出た。
 力強くオーナーにああは言ったが、100%の確信があったわけではない。ただ、おそらく出来るであろうという過信と、とにかくゆうの力になりたいという思いだけがそこにはあった。
 外は暗闇が切り裂かれ始めていて、驚くことに誰一人通りの前にはいなかった。
「っ、嘘でしょ……」
 私は予想外のことに焦りを感じながら、とにかく人間を探した。
 その時、向かいの路地の奥のドアが開かれ、そこから若い女が携帯電話機を片手に出てきた。
 私は瞬時にその女の前に移動すると、こちらに女が視線を向ける前にその口に飛び込んだ。
43名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:57:04 ID:fJEpl7/7
(2−9)

「んんっ?! んんんんんんん!?」
 言葉にならない声を上げている女の中に、私は自らの身体をドンドン浸入させて行く。
「んっ、ぷはっ! な、なに……わ、私、今……何を飲んだ、の?」
 そんな声が身体の中に浸入しきった私の耳に届く。……ただ、ひとつあなたに私が言えるのはこれだけ。
「ごめんなさい」
 私は彼女の身体の中でそう言って、その女の身体を中から一気に溶解し、「食べ始めた」。初めて味わう甘美なる人間の味を噛み締めることもなく、ただひたすらすぐに食べ終えることに集中する。
「えっ?! なっ、何!? なん、の、こ……は」
 女は驚きの声を上げていたが、すぐにその声も上げられなくなった。彼女には、もう口もなければ喉もない。溶けていく身体だってもうあなたのものではない。既に私の身体の一部となっている。
 そんな彼女の中で私はこう願った。この人間が、ゆうや……オーナーとは違う素晴らしい人間ではないように、と。
 そして彼女の身体を完全に「食べて」その身体の情報を全て得たと同時に、その答えは私に流れ込んできた。彼女の記憶という形で。
 どうやら彼女はストリップ劇場の新人で中々の人気ダンサーだったようだ。年齢は21歳。昼間は喫茶店で働いている。去年までは大学に通っていたらしいが、今年の春に中退したようだ。しかしそんな情報よりも今は最優先すべきものが他にあった。
 私に流れ込んでくる記憶の中に病院で診察を受けたという記憶、それが重要だった。しかし、私が懸念するような記憶は流れ込んでこない。
 それを確認するや否や、私は急いでオーナーの元へと戻った。オーナーは苦しそうにしながら、擦れた呼吸でかろうじて意識を取り留めていた。
「オーナー、確認させてください! ガンに掛かっているのは、肺だけですか?」
 私はオーナーの下半身に移動して、紫の艶やかなワンピースの中に潜り込みながら白い下着をずらした。
「ゲホゲホゲホ、ちょ、っと……なにして、……リ、ンパ、せつにも……てんい、して、る……グホォゲホゲホ! っ……」
 オーナーは私の突然の行動に驚いたようだが、私の質問にはしっかりと答えてくれた。それは他でもないゆうのためだろう。
「分かりました。……私が必ず、あなたとゆうを救ってみせます」
 私は既にオーナーの服の中にいるため彼女の顔は見えなかったが、オーナーのこんな言葉が私の心に響いた。
「やっぱり……ゲホゲホ、ゆうちゃんの言ってた通り、君は、優しい……子」
 そう言われて私は……やっぱり、オーナーのことも好きであるということが分かった。
 そしてもし、ゆうのことがなかったとしても、私は彼女を助けたいと心から思った。
「ひっ、あっ、な、にか、ゲホゲホゲホ! ……はいってぇ、くぅるぅう」
 オーナーは咳をしながらも、今まで聞くことなかった甘い声を上げた。それが私の官能をわずかにくすぐるが、それを楽しんでいる暇など今はない。
「くっはぁああ! そ、んあ、はげし、すぎぃいいい!」
 そんな声が私の浸入に更なる加速を加える。
「ああっ! ゲホゲホ、いっ、たいぃいい!」
 その時だった。突如、オーナーが痛みの悲鳴を上げた。私の身体もそこで止まってしまった。そして目の前にあるものを凝視した。
「これって……処女膜……?」
 私は先ほど食べた女の記憶からそれを特定した。……でも、これってつまり……。
「ゲホゲ、ゲホォ!」
 そんな間にもオーナーの咳が私の耳に届く。くっ、小さな穴はところどころにあるけど、そこからじっくりと浸入していく時間はない!
「オーナー、ごめんなさい!」
 私は少しだけ手前に身体を戻すと、勢いをつけてそれを一息に破り抜けた。
「ひぎぃいぁああああ! ゲホゲホォ、いぁぁああああいいぃいいい!」
 オーナーはガンと、処女を喪失するという2重の痛みに大きな悲鳴を上げた。しかし、もうそこから子宮にはすぐに到着し、私はそこからオーナーの身体に私を根付け始めた。
「ゲホォホォ……くふぅ……頭が……」
 オーナーの声が弱々しくなり始め、私も段々と意識が朦朧とし始める。
 そして突然、私にもとてつもない痛みが広がり始める。それは私とオーナーが繋がりはじめた何よりの証拠。オーナー、は、こんな……痛みに。
「間に……あって……」
 オーナーの口から私の言葉が紡ぎだされる。私はただ、薄れいく意識の中、とにかく必死でそれを願い続けた。
 胸の奥底で、何かがうごめきそれを変えていく。その感触をわずかに感じながら、私は意識を失った。

44名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:58:12 ID:fJEpl7/7
(2−10)

「……ナー。オー……! を、……して……さい! オーナー……!」
 私は暗闇の意識の中、聞こえた声の方向に向けて、うっすらと目を開けた。
「ゆ……う?」
 ぼやけた輪郭の主に向かって私は声を掛けた。その輪郭が私の声で上下に動く。
「オーナー! ……よか……った、一体、何が……いえ、今、人を呼んで来ます」
 ゆうの声が私を現実に意識を引き戻させる。そして、立ち上がろうとしたゆうの身体を、私は抱きつくように止めた。
「だ、め」
「え……オー、ナー?」
 何か、声が聞こえたが私の意識がまたしても段々と暗闇に引き戻され始めた。しかし、胸の辺りに先ほど感じた痛みはないあたり、どうやら私の考えは上手くいったようだ。
「もう少し……寝かせて」
 私はそれだけを言うのが精一杯で、言い終わると同時に私はゆうに全体重を預けた。
「オーナー?! オー……! ……」
 そして私の意識はまた暗闇の中へと引きずり込まれた。

 それから何時間が経ったのだろうか。私は、宙に浮いて闇の中を漂う感覚から、ゆっくりと身体に何かの感触を覚えて目を覚ました。
「あっ、オーナー!」
 今度はその声がはっきりと聞こえた。目を開けてみると、私を横から覗き込むゆうの顔もしっかりと確認できた。
「大丈夫ですか? 一体、何があったんですか。それに、あのメールは?」 
「メー、ル?」
 ゆうの単語を繰り返すと、頭の中に存在するオーナーの記憶が私の頭をよぎる。
「『助けてあげて』」
「そうです。……あの、もしかして、かおる……オーナーが先ほどマンションで会ったあの子に、何かあったんですか?」
 ゆうの声が、わずかに震えていた。それは多分、私を心配してくれているから。
「あの子は……オーナーのことを尾行しに行ったんです。私が、もう一度オーナーを信頼できるように。……どこに行ったか、知りませんか?」
 私の顔を真剣な眼差しで見ているゆうの視線から、明らかな焦りが感じられる。
「……ゆう」
「え……ゆう、って……」
 オーナーは普段からゆうのことを『ゆうちゃん』と呼ぶ。いや、店の従業員は皆親しみを込めて『ちゃん』付けをしている。
「私の、話を聞いてくれる? ゆう」
「……かおる、なの?」
 半開きにした口で、私にゆうが問いかけてきた。
 私は頷いて事情を話し始めた。

45名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:00:08 ID:fJEpl7/7
(2−11)

「……それで、オーナーの身体に寄生して、私は肺と転移が見られた部分をその『食べた』女の人のものに変化させたの」
「そこに、私がやってきた、と」
 話は30分ほどに及んでいる。ゆうは、まず私がオーナーに寄生している事に疑問を持ったが、私が口から本体である緑色の身体をわずかに吐き出して彼女に見せると、彼女は驚きながらも納得した。
 それからは比較的に私が話すことを、ゆうが黙って聞く形になり、説明はスムーズに終わった。
「じゃあ、今オーナーの意識は身体の中で眠っているってこと?」
「うん。私が出て行かない限り、目覚めることはない。例え死んでもね」
「生きてるんだよね、ちゃんと」
 私は力強く頷く。するとゆうは、大きく息を吐いて笑顔を見せながらこう言った。
「よかったぁ……。う〜ん、とりあえず今はかおるなんだよね?」
 私は再度頷く。すると、ゆうの顔から笑顔が消え、真剣な目をしてこう言った。
「ちゃんと連絡してくれなきゃダメでしょ! 下手したら、君とオーナーの二人とも死んじゃうところだったんだよ!」
 ゆうが大きな声で対面に座る私を叱る。私はゆうに初めて説教をされて、身を縮めこませた。
「まったくぅ……。でも、ありがとう。オーナーがもし死んでたら……私は多分、とても後悔したと思う。もちろん、君が死んでしまっていても、ね」
 ゆうはそう言って優しく笑いかけてくれた。そして気の抜けたように席に持たれるとこうこぼした。
「ふぅ、やっぱりオーナーに向かってこんな風に叱るのって緊張するなぁ。部屋に来てくれたときはそんなに気にしなかったのに」
 そう言って悪戯っぽくゆうは笑った。私はそれを見てゆっくりと立ち上がった。
「ちょっと、ここで待っててくれるかな、ゆう」
「え……う、うん。なにかあったの?」
 私はそんなゆうを心配させないように笑い掛けると、お店から外に出た。眩しい太陽が暗い店内に慣れていた私の目を、ギラギラと刺激する。
 そんな炎天下の中、私は今の時間帯には少し目立つ格好のまま、あるところに向かって歩き出した。
 途中人通りの少ないところで、顔と身体を先ほど食べたダンサーのもの、『相沢 晴香』のものに変化させた。オーナーと背丈は似ていたが、胸の辺りが少し寂しい感じで、私はワンピースを胸の辺りで押さえながら走った。
 そこは相沢晴香が昼間働いているバイト先である駅の近くの喫茶店だ。今日は休日と言うこともあってかなり繁盛している。
 そこからぐるりと回り、ゴミ捨て場の目の前と、立地的にはあまり従業員に優しくない裏口に回ると、私はいつも相沢晴香がそうしているように店に入った。
46名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:01:00 ID:TZvhuugr
(2−12)

「おはようございま〜す」
 間延びした声で私が入ると、廊下でゴミを両手に立っていた中年の眼鏡を掛けた男性店長が私を見て首をかしげながら近寄ってきた。
「あれ、相沢さん今日、シフト午後からじゃなかったっけ、まだ2時間ぐらいあるけど?」
 私は相沢の記憶を反芻し、できるだけ不自然にならないように集中してこう言った。
「あ〜、ちょっとヒマしちゃってて、ダメですか、早めに入っちゃ?」
「あっはっは。そんなことあるわけないだろ? こんなに忙しいんだ。こっちは嬉しい限りだよ。はい、鍵どうぞ」
 そう言って私にロッカーの鍵を渡して狭い廊下の道を譲ると、私は軽く頭を下げながらその脇を通って、控え室兼更衣室の一室に足を踏み入れた。まったく、ちらちらと人の胸を見なさんな。
「あっ、晴香さん、こんにちは。お疲れ様で〜す」
「やっほ〜、ちぃちゃん。」
 私は中で座っていた後輩『水川 千秋』に片手を上げて挨拶をした。彼女はケータイを片手で誰かにメール打っていたようだった。
 しかし私が入るや否や、携帯を閉じるとロッカーから自らの仕事着を取り出した。メイド服という名の仕事着を。
 そう、ここは駅前に新しくできたメイド喫茶だった。こんな大人向けの歓楽街にも、世の中の流行に押されるように去年建てられたお店だ。
「あ、使用中の札出しておくね」
 私はその存在を思い出して、部屋の中のドアに付いている『使用中』という札を、ドアの外に貼り付け鍵を閉めた。
「あっと、すいません」
 水川千秋はどちらかといえば抜けている性格で、よくこの札を付け忘れる。まぁ、それが幸いして、部屋に私と彼女の二人だけの空間を作り出せた。
 私は服を脱ぎ始めた水川千秋の背後にゆっくりと近寄り、彼女の身体に手を掛けようとした。
 その時、不意に水川千秋は私の方へと振り返るとこんなことを言ってきた。
「そう言えば晴香さん、今日はいつもにまして派手な服着てますね〜」
「え、あぁ、うん。ちょっと、ね」
「あぁ〜、男ですか?」
「ち、違う違う!」
 私は慌ててそう誤魔化すと、反対にある自分のロッカーを開けた。しかし、相変わらず水川千秋はこちらを見てニヤニヤと笑っている。確か彼女は高校生だから、そういう出会いに飢えた年頃なのだろう。
 仕方なく私は自分の仕事着を取り出した。残念ながら、携帯を持っていないためそれを見るフリなどはできず、何もしていないのも怪しまれると思ったからだ。
「きっとメチャクチャイケメンなんだろうなぁ〜。いいなぁ〜、見たいなぁ〜」
 背後でいやらしく私に声を向ける水川千秋。そのため彼女の着替えはまったく持って進んでいない。
 それからもいやらしい皮肉を掛けられながら、私はあっという間に着替えが進み、もう黒いオーバーニーソックスを履き終え、後は白いカチューシャをつければ終わり……って私は何をしてるんだろう。
「あ、ヤバ。急がないと」
 やっと自らの着替えに本格着手し始めた。私が白を基調としたメイド服で、彼女が黒を基調としたそれなのはあのスケベ店長の独断によるものだ。
 そのため、私のは白いブラウスと黒いスカートを別々に履く必要があったのだが、彼女のそれは上下一体のワンピースのため頭から被るだけで実質済む。
 私はその瞬間を狙ったのだが、彼女は私の順序とは逆に座ってソックスから履いて行き、更に靴まで履く。おそらく、メイド服を着たらすぐにでも出れるように準備しているのだろう。
 その様子を今度はじろじろと私は見ていたが、相当焦っているらしく彼女はこちらに目などくれない。
 その隙に私はこっそりと邪魔な下着をスカートから見えないぐらいにまで降ろした。
 そして水川千秋が頭からメイド服を被り視界が失われた瞬間、私は椅子に座っていた彼女を押し倒した。
47名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:02:14 ID:fJEpl7/7
(2−13)

「えっ?! きゃあ!」
 当然ながらの声を上げて、腰の部分でメイド服がめくれているとううあられの無い姿で、私に乗り抱えられた。
「あ、あの、ど、どうしたんですか……晴香さん」
 さりげなく腰までメイド服を降ろそうとしているが、その手を私が軽く握って抑える。
「なっ、ちょ、ちょっと! 離し……んっ!」
 私は反論する間も与えずに自らの唇で彼女の唇をむさぼる。そのまま舌を滑り込ませて、彼女を中を少しずつ浸食する。
「んんっ、んっ、ぷはっ! はぁ、はぁ……」
 私は唇を離すと、驚いたまま声も上げない彼女に見て妖しく笑い、そのままゆっくりと彼女の下着を私と同じように降ろし始めた。
 しかしそれでも彼女は声を上げない。私はそれを疑問に思ってこう聞いてみた。
「何で声を上げないの? あなた、恥ずかしくないの?」
 私がそう聞くと、水川千秋はなんと自ら顔を上げると私の唇に自分の唇を重ね合わせてきた。
「んっ?! んんっ、んんんんっ……あっ、はぁはぁ」
「はぁはぁ、えへへ……晴香さん、もっとしてぇ」
 意外な声が彼女の口からこぼれる。しかし、彼女の表情からそれが嘘であるとは私には思えない。元々、その気がある女性なのだろうか?
 しかしそんなことは、私自身どうでもよくなってきていた。ただ、その悦に酔った顔を見ていると、私も自然に笑ってしまい、そしてこう言った。
「ふふ、分かった。きもちよぉーく、してあげるねぇ」
 私はそう言って、自らのスカートを捲り上げてあらわになった秘所を、ちぃちゃんの秘所と重ね合わせた。
「きゃっはぁ! ふぅぁああああ、きもちいぃぃ」
「ああっ! いぃ! いぃよぉぉお、ちぃちゃん!」
 自然と私の腰が動いて、私のちぃちゃんの秘所が塗れた体液をお互いに交換し合っている。
「ち、ちぃちゃんのぉお、あったかくてぇええ、きもちいぃいぃぃい!」
「はるかぁ、さんのもぉおおお、やっばぁぁああい、くぅ、はぁああああん!」
 私はただ快感を求める頭で、一つだけ、顔と身体をオーナーのものに戻し始めた。胸のサイズが大きくなったため、服に圧迫感を覚えるが、それも今は関係ない。
「いぃぃやああ、かわぃいかぉおおお! おっきぃ、むねぇええ! それでぇ、それでぇもっとわたしぃをいかせてぇええええ!」
「くぅはぁあああん! いいよぉぉお、これでぇえええ、いっちゃぇえええええええ!」
 私はそう言ってお互いの秘所から愛液が飛び出すと同時に、擦り合わせたちぃちゃんの穴を目指してオーナーの穴から私の本体を射出した。
「はぁあああああんんぅう! なにかがぁ……なにか、きてるよぉお……」
 そう言って水川千秋は疲れきったように静かになった。その間も私は素早く水川千秋の身体の奥へと進んでいく。
 そしてまたしても処女膜に出会った。やはり彼女の子宮へと続く道をふさいでいる。
「そうだ……これなら痛みは少ないかも」
 私はある方法を思いつき、処女膜に近づくとそれに身体を張り付け、ゆっくりと処女膜を溶解していった。
「はぁああ……なんかぁ、あったかくてぇぃ、きもちぃいいぃ……」
 そんな甘い声がくぐもった音で彼女の中に居る私にも聞こえた。蕩ける様な甘い味のそれを溶かしつくし、私は浸入を再開した。
 そのまま子宮に到着すると、私の身体が水川千秋へと根付き始めた。そして私の意識も段々薄れていく。
48名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:05:47 ID:TZvhuugr
(2−14)

「う……んんんっ」
 しかし、そのまま視界に靄が掛かったようにぼやけた後、すぐに気持ちよさそうに寝ている白いメイド姿のオーナーが私の視界に入った。
 私はその身体を抱きかかえながらゆっくりと上半身を起き上がらせる。24歳の若きオーナーがメイド服で眠っている姿は、どこか神秘的な神秘的なものを感じさせる。
 そして、その彼女の中には既に私の子を産める器官が備わっている感じたら、私は彼女が愛おしくなりその唇に軽く自らの唇を重ねた。
「ううんっ……んっ」
 するとオーナーは眩しそうに瞼に皺を寄せながら、ゆっくりと目を開いた。
「あなたは……誰?」
 目を瞬かせながら彼女は起きた。私はそんな彼女にこれだけを言う。
「あなたのお店でゆうが待っています。私と一緒に来てください」
 それだけを言うと、私は彼女の手を引っ張って無理矢理に廊下に出た。すると廊下に居たスケベ店長がまたしても嫌らしい視線をしてこちらを見た。
「あっと千秋ちゃん、すぐにフロアに……って、あ、あんたは……な、なんで」
 私の後ろに居たオーナーを見て、スケベ店長の顔が変わっていき、後ろにあとずさったところでダンボールに頭をぶつけ、そして眼鏡が落ちた。
「あっ、あなたは!?」
 オーナーが驚きの声を上げ、それを見た私も、私の中にあるオーナーの記憶のそれも比較的新しい部分にその眼鏡が取れた中年男性の顔があることに気付いた。
「あ、あんたが……ゆうのことを……」
 その記憶とは、昨日の夜にゆうが会計手伝いをしていたあの部屋に入り、そして……オーナーに殴られ、逃げていった男だった。
「き、昨日はよくもやってくれたなぁ!? い、慰謝料払え! そ、それにあの金も!」
 そんな風にヒステリックに叫ぶ男に、オーナーは頭を下げてこう言った。
「も、申し訳ありませんでした!」
 ……なんで? オーナーなんで謝るの? こいつ、ゆうのこと、泣かしたんだよ?
 しかし、それもオーナーの記憶がある今なら分かった。オーナーは元々誰にでも優しい人であり、更にオーナーはこの男にかなりの金を借りている。
 あのオーナーのお店の経営状態は、かなり悪かったようで、オーナーはガンの治療費さえも店舗の経営のために我慢していたのだ。そして借金の額もかなり大きい。
 それは全て……一生懸命働いてくれる女の子たちを、もちろんその中にいるゆうも守るため。
「……慰謝料、借金共に、利子100%つけて返してあげるわよ!」
 私はオーナーの手を離すと、全速力でその最低の外道の目の前まで近寄ると、硬く握り締めた拳を頬にめり込ませた。
「ひぃぎゃああぁああああ!」
 あの清楚なオーナーに殴られて、逃げ帰る程度の男なのだ。だからか弱い高校生の水川千秋に殴られても、やはり何とも情けない声を上げた。
 そのまま裏口のドアに寄りかかったその最悪な男に、私はいつかのテレビで見た懇親のドロップキックを見舞った。
「ぎゃああああああああああああああああああ!」
 何とも情けない声でドアを背中でぶち開け、そのままゴミの山に突っ込んでいった。そのゴミは確かこの外道が先ほど運んでいたものと似ている。
「ゴミの日も守れないとは、さすが外道……」
 私は記憶の中にあったゴミの日の一覧を思い出すと、燃えるゴミが火曜日と金曜日であったことに気付き、ゴミに頭から突っ込んだ外道にそう吐き捨てた。
49名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:06:47 ID:fJEpl7/7
(2−15)

「さっ、オーナー行きますよ!」
 私は呆然としているオーナーの右手を無理矢理掴むと、お店のフロアのほうから覗き込んでいたお客様と仕事仲間から逃げるように裏口から飛び出した。
 しかし結局、オーナーのお店に戻るためにはメイド喫茶店の表を通るのが一番近く、そこを通ったときは賑わっているお客から歓声と拍手をいただいた。
 それから人通りが激しくなったお店への道を、黒いメイド服を来た私が白いメイド服を来たオーナーを引っ張りながら走り抜ける。当然、道行く人が物珍しそうに皆こちらを見ていた。
「こ、この格好は、は、恥ずかしいよぉ……」
 そんな可愛らしい声が後ろから聞こえ、それが頬を赤らめたオーナーの声であることに私は小さく笑う。当然私も恥ずかしいわけだが。
 程なくして私たちはオーナーのお店へと辿り着いた。途端にゆうがこちらに駆け寄ってきた。
「オーナー!? それとも、かおる!? そ、それより一体その格好は……、それに……あ、あなたはどちら様でしょうか?」
 ゆうはいっぺんにオーナーと私に質問を投げかけてきた。しかし、私もオーナーも人通りの中を全力疾走で駆け抜けてきたため、息を切らして答えられない。
 ふと、圧迫されていたオーナーの胸のボタンがピーンと吹き飛び、たわわに実ったそれがむき出しになった。
「きゃあ!」
 オーナーが上げた小さく可愛らしい悲鳴に、私もゆうも一瞬押し黙ったが、やがてクスクスと小さく笑い出した。

「じゃあ、本当に私のガンを」
「はい。一応肺とリンパ節は、あの相沢晴香さんのものに代わっているでしょうから大丈夫でしょう」
 私がそうオーナーに言うと、オーナーは複雑な表情でこう言った。
「でも、それじゃその、相沢さんは私の代わりに死んでしまったんですね」
「……すいません。本当は男のそれにしようとしたんですが、通りにはその時間誰も居なくて」
 私の言葉にオーナーは首を振る。
「それでも誰かが死ぬのに代わりはない……。あ、けど、あなたを恨んでいるわけじゃないですよ? こうして生きていられて私は本当に嬉しいです」
 そう言ってニコリと笑ったオーナーの顔が私にはとても嬉しかった。
「かおる……」
 その時、私の隣に座っていたゆうが、不意に私の名前を呼んだ。
「本当に、かおるなんだよね?」
 水川千秋の身体の私は、その言葉にゆっくりと頷き、そしてこう聞いた。
「ゆうは……あんなふうに、緑色の身体をした私じゃなきゃ、嫌い?」
 私の言葉に、ゆうは迷いなく私を抱きしめた。水川千秋の身体の私を。
「そんなことないよー。私は優しい君が大好き。どんな身体でも、君は私に優しくしてくれると信じてるから」
「ゆう……」
 私はそのゆうの優しい言葉。
「これから、かおるはどうするの?」
「……使命を果たすために、この地球の全人類に寄生する。ただ……やっぱり男は全員『食べる』」
 身体を離してゆうとオーナーの顔を見ると、二人はそれぞれ微笑んでこういった。
「私は男が嫌いだから……そんな世界があるなら見て見たいと思う」
「ゆう……」
「男が全員大嫌いと言うわけではないですが……かおるちゃんとゆうちゃんが大好きなのは確かなこと。だから私も二人とずっと一緒に居たい」
「オーナー……」
 私は、愛する優しき二人を前に決意した。
「やっちゃい……ますか」
50名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:08:47 ID:TZvhuugr
(2−16)

「んんっ、はぁ、さいこう……」
 私はそう言って寄生したばかりの身体を持ち上げた。傍らには先ほどまで私が寄生していた同じ大学の生徒が眠っている。
 その彼女を私は更衣室のソファーに優しく寝かせると、自らの衣服を整えて更衣室を後にした。
 通り行く外国人……と言っても今の私、つまりジェニファーの視点では同じ国民なのだが、その生徒の中を通り過ぎ、大学を後にした。
 ニューヨークの町並みを歩いて高層マンションの一室に私が帰ってくると、二人の日本人女性が私を出迎えた。
「お帰り〜、かおる」
「お疲れ様、かおるちゃん」
 家を出たときとはまったく姿かたちが違う私を見ても、彼女達はいつものように私に接してくれた。
 ゆうは私の身体を物珍しそうに触る。顔を引っ張ったり、胸を触ったりと、遠慮がない。
 オーナー……もとい『すず』もいつものように、そんな様子を見て、穏やかな微笑みを浮かべている。
「そう言えば、去年より1億人近くも人口が減ったって、アジア圏で、それも男が特に」
 ゆうが私の胸に顔を埋めながら言ってきた。私はその頭を撫でると、今度はすずが話しかけてくる。
「かおるちゃんや子供達がこの1年間頑張ったから、ね」
 私はその言葉に首を振った。多分、私より子供たちのほうがずっと頑張っていると思う。
「はぁああ、どうしよ、かおるぅぅ……疼いてきちゃった」
 私の胸から顔を上げたゆうが、赤い顔をして私を見た。視線をすずに移すと、恥ずかしそうにしながらもこちらに寄ってきて、そのまま私にしだれかかって来た。
「……二人とも、元気ですねぇ」
「あぁ、酷い! 自分は寄生するときに楽しんできてるからって!」
「そ、そうだ、そうだ!」
 私の言葉に反論したゆう、それに同意するようにすずが続く。
 その二人の股間が盛り上がっている。その正体は、ゆうに寄生した時とすずにもう一度寄生し直したときにつけた雄の性器だ。私が食べた雄の中でも、マシなものを選んで二人の身体を変化させた。
 ゆうはあれから私に寄生されることを自ら望んでくれた。その股間に男のものを生やす事も、だ。彼女曰く、男がいなくなるためならこれぐらいなんともない、とのことだ。今ではめっきり楽しんでいるようだが、男は相変わらず大嫌いだ。
 それは何も二人だけにしたわけではない。雄がいなくなっても人間が子孫を残せる様に、私は子供達にも2回の寄生につきに1度はこれを生やさせるようにさせている。
 しかし……、まさかあの二人がここまで貪欲になるとは思いもしなかったが。
「まぁ、いいけど。じゃあ、楽しみましょうか」
「うんうん、さすがかおる、優しい子だね」
 私の頭を優しく撫でてくれるゆう。
「ありがとう、かおるちゃん」
 私の頬に優しいキスをしてくれるすず。
 そして私たちは隣のベッドルームに向かった。もちろん、私だってこれからの行為が楽しみで仕方ない。
 だって、私は二人が大好きだから。


(終)
51名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:22:47 ID:TZvhuugr
書いたものをひたすら番号をつけながら貼り付ける作業なのですが……自らの文章を流し読みしていると……我ながら酷い、と頭を抱えてしまいます。
それと、>>36は 一応(2−2)となります。まったく意味はないのですが、申し訳ありません。

これはもう自分が好きな【寄生】、【捕食】、【擬態】という三原則をなんともご都合主義的にちりばめたのですが……
もうその設定云々ではないですね。文章の貧弱さで泣けてきました。
もっと酷い部分はありますが、あまり自分で言うのも五月蝿いと思われますので、失礼させていただきます。


……近いうちにまた、酷い駄作をお見舞いしに来るかもしれませんが、どうか冷たい視線でお迎えいただければ幸いです。
本当にありがとうございました。
52名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 01:28:25 ID:ShwMlW1V
>>51
まずは素晴らしい作品を有り難う御座います。登場人物それぞれの思いの描写が中々に素敵でした。
特にゆうとかおるの二人の心情描写は、どうしたらここまで書けるのだろうと思わず唸らされてしまいました。


……それだけに、氏の発言は少し、読者としては悲しいです。
どうかご自身の作品を、ひいてはご自身をそこまで卑下なさらぬようお願いします。
人の数だけ作品はあり、作品の数だけ空気はあります。このスレは、『寄生』というカテゴリに含まれる様々な空気を内包するものです。
それは氏の作品とて例外では御座いませぬ。

謙虚は素晴らしき事ですが、極端な卑下は嫌悪感の種にしかなりませぬよ。あなたは立派な作品を書いてくださったんですから、その事に自信を持ってください。

以上、乱筆乱文及び手前勝手な理屈、大変失礼いたしました。
53名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 03:41:26 ID:XnJXsWg6
度が過ぎた卑下が問題だっていうのはこれは本当にその通り。
もちろん傲慢になってはいけないし、自作に満足しきらないというのは自己研鑽に大切なことだけど
かといってSS投下と共に「申し訳ない」「ご迷惑をおかけする」とまで言われてしまっては、読んで楽しんだ
俺らの気分までやり場に困ってしまうのだよ。
素直にGJと言うべきではないのかと思わされてしまうんだな。

だから自信を持って。こちらも惜しみなく賞賛するから。
実際素晴らしいじゃないですか。
前スレのバージョンの痛々しさ・物悲しさもそれだけでも良いものだったけど、それがあるから
今回のバージョンの良さも引き立つんだと思うよ。
それに、寄生生物側から見た共生関係、というものもうまく描ききっていると思いますしね。

ともあれ、楽しませて貰いました。
「近いうちにまた」ということなので、心待ちにさせていただきますw
54名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 04:15:25 ID:AzWJAdR5
とある小説でこんな台詞がある
ttp://www.occn.zaq.ne.jp/vc/novel/FP03_5.htm

謙遜は時として傲慢ともなりうる
55名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 12:32:25 ID:U7Exb9To
もうちょっと面白いもの書けばこの態度も笑えるんだが
56名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 14:16:25 ID:nx0AuBLF
>>55
うわぁ…
57名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 14:53:36 ID:TZvhuugr
52〜55様
不愉快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
私自身、そこまで謙遜をしていたというわけではなかったのですが、
正直、私の中にも「ある程度は謙遜しなければ……」という考えがあったのも確かであり、
逆にそうしていなければ不安であったのも事実です。
しかし皆様のお言葉通り、私のそれはやはり行き過ぎていますね。
本当に申し訳ありませんでした。
そして、何より読んでいただいたことと、貴重なご意見をありがとうございました。

さて、話は変わりますが……現在、早速次の作品を書こうと意気込んでいる次第です。
自意識過剰で申し訳……っていうことはもう言いませんが、ちょっと疑問が。
それは月光蝶様のサイトやSSまとめブログ版を見ていると、過去の作品は女×女が多い組み合わせだと思うんですが、
皆さんは、男(寄生する側)×女(寄生される側)とかに関してはどうお思いでしょうか?
正直、私自身は女×女の方が大好物で、男×女だと男に激しい嫉妬を覚え……。
本当のところ、寄生シーンがどうしても似たり寄ったりになりそうなのが怖いんですが。
寄生体の性質とかでバリエーションも出てくるとは思うのですが、
一応、参考までに皆様のご意見を聞かせてもらえれば幸いです。
では、お時間があればよろしくお願いします。
58名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 15:31:28 ID:a5jZaeln
俺も似たタイプで色々とトラブったことがあるので放っておけんな
とりあえず自分の意見だけなら3行くらいにまとめるようにしてみれもっとフランクにな

>>57なら
「すまん緊張しすぎてた。読んでくれてサンクス
ところで今次回作執筆中なんだが女×女と男×女だとどっちがいいかな?
俺は女×女が好きなんだけどさ」
でおk
あと自分の中で答え決まってるのに質問するのは無駄だし失礼だぞ
59名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 15:37:53 ID:bUcqVK2d
>>57
少なくとも自分が男だと思っている寄生生物が、女に寄生するの?
その場合、寄生した後にどんな行動を取るかが重要かも。
宿主の性別に合わせて男を誘ったら、寄生体の意識としては
「アーッ」な訳で(こ、こんなはずでは…orz)となる寄生体という
ギャグものになってしまいます。
それを避けるために女×女、あるいは寄生体の性別を明示しない
パターンが多いのではないでしょうか。
寄生体♂×宿主♀パターンでうまくいくには、そこが最初のハードルではないかと
60名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 16:52:54 ID:U4e5Js08
>>47
GJ
61名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 17:11:51 ID:TZvhuugr
>>58
なるほど……ご意見サンクスです。
とりあえず、敬語にはできるだけ気をつける。使うとしてもところどころとかに。
あと、自分の中で答えが決まっていたというより、バリエーションを増やしたかったってのが質問の理由です。
分かりづらくてスマン。
(こ、こんな感じですかね?)

>>59
思ってたのは寄生生物の性格自体が男、後は寄生に使う性器が男っていう両方とも。
ただ、そうか……男の宿主の身体で女に寄生するとなると、
最初に男に寄生するときに、いわゆる「アーッ」っとなるのは想定外だった。
まぁ、カットすれば済むかもしれないけど……あまりやらないほうがよさそうだ。
スマン助かった。わざわざご意見サンクス。
62名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 17:30:17 ID:u1eIbNsr
>>61
男に寄生するときは色気抜き、女に移るときはその分色気2倍で問題解決。
何も男女で同じ寄生方法をとる必要はない。
63名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 17:39:30 ID:U4e5Js08
>>62
男の時は作業として書いちゃえばいいんだな。
64名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 18:55:03 ID:u1eIbNsr
ぽとり。
実際にはそんな音はしていないはずだが、その「物体」が男の肩に落ちてきたとき
男はそんな音を聞いたように錯覚した。
木の上から猫でも落ちてきたのか?といぶかしみつつ,、肩の上の物体に手で触れる。
違う! 子猫は…いや、男の知るいかなる生物も、こんな感触ではない!!
だが、驚愕したときには既に遅かった。物体から伸びた「何か」が男の首筋に突き刺さり
頸椎に沿って一気に脳まで貫く。破壊された神経が送るでたらめな信号で、男の体は
滅茶苦茶な痙攣を繰り返す。転倒しなかったのは、単なる奇蹟だろう。
そして数秒後、痙攣が治まった男は…既に元の男とは全く別の存在であった。


即興で書いたので出来は評価しないでくれ(^^; 男への寄生シーンなんてこんなもの、
いや、この半分でもたくさんだろ。難しく考えないで、書きたいことを書いてくれ。
65名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 20:06:55 ID:TZvhuugr
>>60
そ、その部分は触れないでぇ……//
でも、なんでそのシーンを書いたのか未だに思い出せない。
そう、まるで何かに寄生されて(ry
スマン、魔がさしたんだ。だが、反省はしていない。

>>62
>>64
62をイメージしただけで息子がスタンディングオベーションに……ふぅ……。
わざわざ丁寧な例文まですまない。助かった。ふぅ……。
つまり、男の部分は結果だけにして、その分女の部分を濃厚に、と……ふぅ。
サンクスです。まぁ、期待せずに待っててくだせぇ、だんな。
66名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 21:45:56 ID:a5jZaeln
男はたいてい寄生されると寄生体の操り人形というかロボット化して
寄生体が女に寄生するための単なる道具と化すよね

女×女で俺が考えたのは女の快感をエサにする寄生体だから宿主をレズ化させたら二倍おいしい!みたいな
67名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 22:11:48 ID:a5jZaeln
駄目だこの間妄想ぶちまけたせいでさらに拍車がかかったようだ
たとえば寄生されるときのシチュは映画スリザーよろしく風呂に入ってるときにまず
首の後ろに筋弛緩剤+媚薬+催眠効果のある薬液を注射されて動けなくなり
わけのわからないまま首から肩口にかけてでかいミミズかナメクジのような肉色のワームが這いずってきて
手を動かすどころか悲鳴を上げることさえかなわず、なすすべないまま今度は両乳首に薬液を注入され
さらにワームが頭でクリクリしたり巻きついてしごきあげてるうちにピンピンに勃起した両乳首に
二つに分裂して細くなったワームが体をピチピチおっぱいにたたきつけながら潜り込んできて
最初はその様子を驚愕の目で見てるんだがワームが半分くらい入ったころには痛みが快感に変わってきて
完全におっぱいに入り込んだ時にはもう眉根を寄せてハァハァ言いながら快感に耐えてる始末で
ワームが内部で同化していくうちにどんどん増していく快感に耐えられず自分でおっぱいを揉みしだきたいんだけど
まだ体が動かせないから焦らしプレイされてるのと同じで、体が動かせるようになったころには
もう理性なんかぶっ飛んでてひたすら自分でおっぱい揉んだり乳首しごいたりして盛大にイッたところで
はっと目が覚めて気付いたらベッドの上で今のは夢?しかし実際は寄生されていた彼女のおっぱいはその後
淫らな快感と媚薬母乳を生み出す道具となっていき毎晩エッチな行為をさせられるようになるのでしたっていう感じ

こんな話をだれか書いてくれよ
68名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 00:13:40 ID:TDTVx3th
空の再販検討のなんかきてる
買えなかったやつはメール送っとけ
69名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 01:28:59 ID:f5Fzvlh6
>>67
つ[言い出しっぺの法則]

て言うか書いてください、お願いします。
70名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 13:55:31 ID:Oj4l3J/p
>>67
読みたい。
71名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 19:44:14 ID:oEK6W6rt
>>67
その電波だけで息子が反応した。
72名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 21:02:23 ID:r/8+VdfB
>>67地獄先生ぬ〜べ〜スレにそれに似たようなシチュの作品が投下されてたな。
http://sslibrary.arings2.com/
73名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 21:45:19 ID:Gx3uhu8b
>>72
美樹が虫に寄生されて母乳出るようになって郷子とアハンウフンな話な
俺本人だけど>>67はその話で3回は抜いてると思う。俺には分かる
74名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 07:45:48 ID:LZFIwqTk
不気味な鬼に寄生されて虜になる美少女先生
75名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 17:23:29 ID:vNSW4+uS
>>73
276氏続きはまだでしょうかと言ってみる
76名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 03:18:38 ID:gj7YPN4x
>>72
貴様に何がわかるというんだバカモノめ
77名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 15:30:20 ID:nZn3WMy7
ぽかーん
78名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 05:54:16 ID:eZ36dgQU
練金3級まじかる
79名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 01:26:20 ID:PzjfVpYW
http://up2.pandoravote.net/img/pandora00042636.jpg
興奮しちゃった俺駄目人間
80名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 01:27:58 ID:hFJG0eBC
トマト祭りかな?
81名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 02:18:50 ID:1lxAKoIB
母親?の髪留めが寄生生物っぽく見えるw
82名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 08:56:48 ID:hIR6oH8w
不気味なトマトに寄生されて虜になったベジタリアン
83名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 11:44:03 ID:obQp/Kew
いつの間にこんなのが…
http://maniax.dlsite.com/work/=/product_id/RJ050641
【突然届いた前回までのあらすじ】
今日も一匹旅ガラス。蛇っぽいボディのお馴染み寄生生物たんは、雨の日にふらりと辿り着いた教会に住み着きます。
じめじめした空気が大好きな寄生生物たんですが、生乾きの泥がウロコの隙間でカピカピになるのは不快なのです。
信徒のために雨の日も開いていた礼拝堂の祭壇が寄生生物たんの新しいねぐらです。
落ち着く隙間に体を横たえてみれば、ぐったりフィット。先住民には見つかりません。

地面が乾くまでの数日。寄生生物たんは奇妙な事に気付きます。
司祭様と呼ばれる先住民の雄や、シスターと呼ばれる先住民の牝がやたらと寄生生物たんに丁重なのです。
神よ神様よゴッドよ、と寄生生物たんのねぐらに跪いて朝晩祈りを捧げます。
誰に呼び掛けているのか不思議でしたが、ねぐらの辺りには他に生き物もいません。
よくよく考えてみれば、寄生生物たんには固有名詞がありません。
そうすると、やはり論理的な帰結として寄生生物たんの名前が新世界の神なのでしょうか。
そろそろ考えるのがめんどくさ…、おおらかな寄生生物たんは一つの結論に達します。

「じゃあそれでいいや」

寄生生物たん改め神様は、じゃあいただきますと神のねぐらに捧げられた供物をおいしく頂きました。
牝の股の間の穴蔵はじめじめして快適なので引っ越しました。
穴蔵の奥の部屋は繁殖にもぴったりです。
嫌だ痛い神様お助け下さいと最初はうるさかった牝ですが、穴蔵の中から誠心誠意物理的な説得を行ったら大人しくなりました。
漠然とした意志疎通しかできませんでしたが、神様が私の中におわす、神の子を宿すのは光栄だと繁殖にも乗り気です。
神が胎内に宿る苦痛と、その痛みが恍惚に変わる瞬間の喜びを皆に分けてあげたいそうです。
敬虔な信徒って本当にいいものですね。


……という、カルトっぽい理論武装で高潔な使命感に燃えた連鎖墜ち話のプロットが届いた。
誰かあと頼む。
85名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 19:30:40 ID:YBm/gwIe
マグダラのマリアは、教会に裸婦画を飾る為。
聖書に色仕掛けの話が多いのは、堂々と官能小説を読む為。
だそうだ。
86名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:03:55 ID:ApPeRrxg
どうも、こんばんは〜。
さて、とりあえず予告どおり作品をお見舞いさせていただきます。お覚悟を。
まっ、御託は並べず、とりあえず今から投下します。
お時間があれば見てってくだせぇ、だんな。

ちょっとだけ注意。不埒は後半集中、今回もENDが二つ、以上。
87名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:05:51 ID:ApPeRrxg
(1−1)

 暗い。今自分は地面に接しているのか、それとも闇の中へと落下して行っているのかも分からないぐらいの暗闇が私の視界を覆っていた。
 首を動かして周りを見ようとすることもままならない。まるで全身に血が通っていないかのように身体が重い。
 しかし、その私の身体が突如揺り動かされた。私の力によるものではない。そして、私の視界に段々と光が灯り始めた。
「……ら? あ……た! 目が覚め……かしら?」
 暗闇の中に差し込まれた光が私の目をくらませる。しかし、それを遮ろうと自然に右手が動いていた。
 そして段々と肌寒い空気が私の身体を包んでいくのを感じる。それに刺激されるように、段々と目が光に慣れていく。
「あぁ、良かった。無事みたいね。あなた大丈夫?!」
「だ、れ?」
 私は目の前で私を覗き込んでいる金髪の女性を見て、疑問を口にした。
 その人物が私の身体を支え、上体を起こし上げてくれた。水の音がする。ここは……何処だろうか?
「怖かったわね。もう大丈夫よ。私はジェニファー。大統領のSPよ。あなたの名前は?」
 ジェニファーさんが私の身体を軽く抱きしめながら聞いてきた。私は答えようと頭を働かせる。
「私は……え、私は……私は……分からない。分からない! 私は、だれ!?」
 思い出せない。私の年齢も、私の家族も、私自身の顔さえ今の私には分からない。
「お、落ち着いて! まさか……記憶喪失?」
「はぁ、はぁ……、分からない。何も思い出せない、です」
「そう……でも。無理もないかもしれないわ。とりあえずここを出ましょう。危険だわ」
 そう言って私に肩を貸して、ゆっくりと立ち上がらせてくれた。それでここがバスルームだと言う事に気付いた。
 バスルームから小さな部屋通り抜けると、そこはどうやらホテルの部屋のようだった。その横長のベットにジェニファーさんが私をゆっくりと降ろした。
「ちょっと待ってて。更衣室からあなたの服を取ってくるから。出来れば、左にある鏡を見といてくれる? 何かを思い出すかもしれないわ」
 私を残して出てきたばかりの更衣室にジェニファーさんは戻って行った。
 私は左に顔を向けて、そこに映る……一人の人間の姿を確認した。白い肌とその肩に掛かる茶色い髪、あどけなさが残る童顔、しかし胸は大きい。でもその全てが私にとっては違和感のあるものだった。
 そして足音共にジェニファーさんが私の元へ戻ってくると、苦笑いをしながら声をかけてきた。
「……その様子だと思い出してないみたいね。はい、これ。ちゃんと着替えを持って入ってたみたいね。汚れた服の隣にこれがあったわ」
 ジェニファーさんはそう言って私にジーパンと白いTシャツ、そしてピンクのブルゾンと下着類をベットにおいた。
「とりあえず着替えながら聞いて欲しいのだけど、世界が今どういう状況におかれているか、覚えてる?」
「……ごめんなさい。まったく持って覚えてないです」
 私は首を振った。するとジェニファーさんは微笑みながら首を振ってこう言った。
「大丈夫よ。今から説明するから安心して」
88名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:06:34 ID:ApPeRrxg
(1−2)
 少し恥ずかしかったが、下着を身につけながら彼女の話に私は耳を傾けた。
「今から3ヶ月前ぐらい前から、人々に寄生体が寄生し始めたの。……と言っても、本当は1年以上前にこの国で見つかった寄生体が研究所から逃げ出したのだけれどね」
 ジェニファーさんが黒いスーツの胸ポケットから手帳を取り出し、その中からなにか紙のようなものを取り出して私に見せた。
 それは黒い液体で……そう、スライムのような物体が写された写真だった。
「この寄生体は人間の穴と言う穴から侵入するわ。それから3日ほどその体内に潜伏。そして3日後、男性なら肛門から、女性なら……膣から子供を産むように、自分の姿かたちが同じ生物が産まれるの」
 ジェニファーさんはそう言って写真をしまうと、ゆっくりとベッドの右横へと移動してその場に屈んだ。
 私もジーパンを履きながらそれを目で追うと、なにやらその床にピンクシーツが何重にも掛けられ、それが何かを隠すようにしかれている事に気づいた。
「ごめんなさい……見たくはないかもしれないけど、これを見れば何かを思い出すかもしれないから」
 それだけ言うと、ジェニファーさんは一思いにそのシーツを引き剥がした。ピンクのシーツが私の視界を一瞬だけ隠す。
 そしてそれが私の視界からずれると……一人の人間の姿があった。白い肌とその肩に掛かる茶色い髪、そしてそこに映る顔はどれも……先ほど見たことのあるものだ。
「これがあなたが産んだ寄生体。胸の大きさとか、顔の形が微妙に違うけど……そっくりでしょ? これがさっきあなたに覆いかぶさっていたの」
 ジェニファーさんが私の顔を覗きこみながら話し、やがてシーツを元に戻した。
「……あまり、見ないほうが良いわ。私が後頭部の横から銃弾を撃っていて……あなたと違う部分が決定的にあるから」
 そこからジェニファーさんが離れても、私はまだそれに目を奪われていた。果たして、このシーツのピンクの着色は……元々、シーツに彩色されたものだったのだろうか?
 その答えを導き出す前に、私はジェニファーさんにTシャツを押し付けられた。その顔には微笑みを浮かべているが、これ以上私に横を向かせることは許してくれなさそうだった。
「この寄生体は自分が生み出されたあと、その宿主を抱きしめて……全身で溶かして身体に取り込むの。そして新しいスライム状の寄生体を一匹産む。食べた宿主の身体はその栄養素になるの。あなたはその一歩手前、おそらく寄生体の自分が生み出された直後に私に助けられたの」
 それじゃあ……つまり、寄生体の自分を自分で産んで、それが寄生体じゃない自分を食べて、それがスライムの寄生体を一匹産む。つまり……。
「このままだとこの星は人間の形をした寄生体に乗っ取られる。大統領はそれを防ぐために今、動こうとしているの」
「い、一体……何をするつもりなんですか?」
 私はジェニファーさんの顔を見たままブルゾンを着て、私の着替えを終わらした。それと同時にジェニファーさんも口を開いた。
「地球上から寄生体と、人間の両方のほとんどを今から……殺します」
 そう言った瞬間、左のほうから大きな音が聞こえ、部屋の中にジェニファーさんと同じような格好をしたがたいのいい男が飛び込んできて、私を一瞥したあと、ジェニファーさんにこう言った。
「ジェニー、大統領が決断した。軍はもう当てにならない。今から突撃を敢行するとのことだ」
「……了解です。ごめんなさい、すぐに出発するわ。一緒に行きましょう」
「で、でも、私は寄生されたってことですよね? そ、それなのに私を連れて行っても」
「安心して。あなたの身体からはもう寄生体は出て行っている。寄生されてもそこから出て行った後なら、あなたの体内にはもう寄生体は残っていない。逆に外を歩いている人間よりよっぽど信頼できるわ」
 ジェニファーさんが差し出した手を私が取るとゆっくりと私をベットから引き上げてくれた。
「残念だけど、ここにはあなたの服以外は何もなかったわ。……じゃあ、行きましょう」 
89名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:07:18 ID:ApPeRrxg
(1−3)


「君が隣の部屋にいた少女だね。ジェニーによれば記憶喪失らしいが、私のことは分かるかね?」
 白い髪のスーツを着た中年過ぎぐらいの男性が私に笑顔で話しかけてきた。
「だ、大統領、さん……です」
 私は名前が分からなかったが、車の中で一人だけ格好が違うため、私はそう答えた。
「ははは、その様子だと私のことを覚えていなかったようだね。私はジョン・シルバー。現アメリカ合衆国の大統領をさせてもらっている。よろしく……ええと」
「ア、アリスです。ジェニファーさんに、とりあえずの名前を考えてもらいました」
「おお、そうか。よろしく、アリス。次の選挙には我が党に一票頼むよ」
 私は差し出された大きな右手を慌てて掴んだ。大統領さんは楽しそうに笑顔で言ったが、握手を終えると苦笑いになりこう続けた。
「もっとも、党も、国も、人類さえも存続できるか分からないがね」
「ご安心を、大統領。私達が絶対にあなたをセーフルームまでお連れします」
「ありがとう、頼りにしているよ、ジェニー」
 私の隣のジェニファーさんは大統領さんの言葉に敬礼をした。しかし……この車の中には私と大統領、そしてジェニファーさんと先ほどの男のSP、それと運転中の男のSP。わずかに5人だけしかいないのだ。
 あのホテルには私達以外に誰もいなかった。ジェニファーさんによれば、大統領と彼の3人のSPはこのホテルに避難して偶然にも私が居た部屋の隣に入ったらしい。
 暫くすると、隣の部屋からなにやら騒がし音がしてきて、ジェニファーさんが見に来てくれたところを私は助けられたらしかった。
「アリス、今私達はニューヨークの郊外にある緊急用施設に向かっている。その理由、君にも教えておこう」
 大統領さんが表情を真剣なものに変えて、私にその理由を話し始めた。
「これからいく施設にはある設備がある。一つは隔離シェルター。別名セーフルームと呼んでいる。ここでなら、たとえこの国が水没しても一ヶ月ぐらいなら充分生きていける」
 眉間に皺を寄せて大統領さんが続ける。
「更にもう一つ……あるミサイルの発射装置がその部屋にある。そのミサイルとはまる1ヶ月、地球上全てを低酸素状態、人間なら確実に死んでしまうような状態にさせるミサイルだ。唯一安全なのが、セーフルームなんだ」
「……つ、つまりそのセーフルームに残っている人間以外は」
「死ぬだろう。同時に世界中に電子機器を破壊、停止できる小型ミサイルも撃つ。寄生体は人間と基本的には同じ構造をしている。酸素がなければ生きてはいけない。おそらく1ヶ月の低酸素状態で地球もそれなりの被害は受けるはずだが、なんとか持ちこたえられるはずだ」
 大統領さんがそれを言い切った瞬間、窓を幕で囲って車内灯をつけただけの車中が突然、大きな轟音と共に揺れだした。
「っ、見つかってしまいました! 一気に駆け抜けますから、捕まっててください!」
 運転手のSPが叫ぶ声も、轟音でしばらく馬鹿になった耳ではなんとか聞こえる程度だ。
 後部座席にいる2人のSPは車内の幕を破るように開くと、のどかな農村を走るこの車に併走するようにパトカーが何台もいた。
「そこの車止まりなさい! 我々は人間だ!」
 パトカーから聞こえる声にジェニファーさんが怒りの声を上げた。
「だったらさっきの轟音はなんなのよ!」 
 2人のSPは窓を開け、手に持ったマシンガンのような銃をそれらの車に向けて発砲しだした。すぐ隣から聞こえるけたたましい音に私は耳を塞ぐ。
「君は伏せていなさい! 目も瞑って、何も見ちゃいけない!」
 そう言いながらも大統領さん自身は拳銃を持って併走するパトカーに向かって発砲をしている。……私もやらなくちゃ。
 私は後ろの荷物を漁って大統領と同じような拳銃取り出すと、窓からパトカーに狙いを定め、引き金を絞ぼりきった。
「きゃあああ!」
「ぐあああああああああああああ!」
 大きな反動と銃声で私は思わず悲鳴を上げて尻餅を着いたが、どこかから私のものではない叫び声も聞こえた。
 起き上がりながら窓の外を見てみると、先ほどのパトカーが全ていなくなっていた。
 私は唖然とするジェニファーさんの視線の先を追うと、離れ行く車の後方で大破する何台ものパトカーが見えた。
「……なんという少女だ。よければ私のSPになってくれないかね?」
 大統領が額に手をやってそう言うと、小さな笑いが車内に生まれた。
90名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:07:50 ID:ApPeRrxg
1−4)
「大統領、見えました!」
 運転手が大きな声でフロントガラスの先に映るその大きな建物を示した。
「なんだか、大きな天文台みたいですね」
「いや、実際そうなんだよ。ここは普段は、天文台として一般公開もしている」
 大統領さんはそう説明しながら、近づいてくる天文台を見ながら厳しそうな顔をした。
「誰も……いなければいいんですが」
「どうだろうな。この施設の存在を知っている人物は僅かしかいないが、それでもその機密を知っていてこの車に乗っていない人物は何人もいる」
 大統領さんがジェニファーさんの言葉に頭を振った。
「大統領。では、作戦通りに行きますよ」
 ジェニファーさんがそう言うと、大統領さんの表情が一気に曇った。やはり、不安なのだろうか?
「……すまない。よろしく頼む」
 大統領の言葉に運転席と後部座席に座っていた二人の男のSPが力強く頷いた。
 そして車は道を外れたところでゆっくりと停車し、後部座席にいた男のSPが無言でドアを開いた。
「大統領、アリスさん、降りてください。ここから歩きます」
「え? な、なんで私達だけ降りるんですか?」
 私の言葉に一斉に皆、目を逸らした。その中でジェニファーさんが小さな声で私に言った。
「彼ら二人には……囮になってもらいます」
「お、囮?」
「このまま正面から突っ込んで、もし待ち伏せされていたらまずいことになる。だから私たちは裏口から侵入する」
 ジェニファーさんと大統領さんが暗い表情で私に説明をした。
「大統領、ジェニー、それとお嬢さん、どうかご無事で」
「奴らは俺らが引き付けておきます。手はずどおり、もしいつか私たちがセーフルームに近づいても絶対に開けないで下さい。それは多分、私たちではないと思いますから」
 そんな二人とは対照的に、車に残った二人の男のSPの表情には笑顔が浮かんでいた。 
「二人とも……よろしく頼む」
 大統領さんはそんな二人に向かって敬礼をした。ジェニファーさんもそれに続き、私も流れそうな涙をこらえながらそうした。
 すると彼ら二人も真剣な顔で敬礼をし、そして後部座席のドアが閉じられると二人を乗せた車は天文台へと動き出した。
「……行こう。我々は彼らの勇気を無駄にしてはならない」
 その車を見て涙を流してしまった私の肩に、大統領の大きな手が優しく載せられた。
「うぅっ、ぐすっ、……はい」
 私は涙をブルゾンの袖で乱暴に拭き取ると、ジェニファーさんを先頭に、それに私と大統領が続くように歩き出した。
91名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:08:36 ID:ApPeRrxg
(1−5)


「あの二人、派手にやってくれているな」
 目の前の天文台の反対側から、爆音やら銃撃音が絶え間なく聞こえている。聞こえているということは、あの二人はまだ生きているということなのだろう。
「開きました。ここからは一気に駆け抜けます。……準備はいいですか?」
 ジェニファーさんが私と大統領さんに向かって確認をした。大統領は足首や手首などを回し、私はスニーカーの紐を結びなおした。
「では、行きます!」
 大きなマシンガンを片手に、ジェニファーさんがドアを蹴破って建物に侵入するやいなや、こちらを振り向かずに走り出した。私と大統領もそれに続く。
 そこはいきなり道が3つに分かれていたが、ジェニファーさんは迷わずに右に曲がる。それからも何度も通路を曲がったり、部屋を通り抜けたりする。
「くっ……銃声が……」
 かなりの距離を走ってからこぼしたジェニファーさんの声で私もいつの間にか銃声も、爆音も消えていることに気付いた。階段も何度か降りたが、決して地下に潜っているから聞こえなくなったわけではないのだろう。
「もうすぐだ。アリス、頑張れ!」
 私を心配してくれる大統領も、もう汗だくで走り方も最初に比べるとかなりおかしくなっている。
 もちろん、私も例外ではない。先ほどから視界が揺れに揺れて仕方がない。頭も酸欠のために痛み、足だって今にももつれそうだ。
「ん!? あれだ! あのエレベータに乗り込め!」
 大統領さんが指をさす先に銀色のドアがあり、先に辿り着いたジェニファーさんが横のパネルを操作している。
「ああ! なんで下の階にエレベータが下りているのよ!?」
 ジェニファーさんが表示板を睨みつけて、壁を殴りつけた。表示板は『30』という数字から段々と数を減らしてきている。ここは地下5階、あと25階分を上ってきてもらわないといけない。
「いたぞ!」
 しかしその時、背後からそんな叫び声が聞こえて、次の瞬間には銃声も聞こえ出した。
「くっ! ジェニファー、応戦するぞ!」
「はい! アリスさん、こっちに隠れて!」
 私とジェニファーさんは通路を挟んで、大統領さんの向かい側の通路の横の壁に背中から張り付き、ジェニファーさんが通路の向こうへと銃撃を開始し、大統領も拳銃を取り出すと同じように発砲し始めた。
 その時、私はジェニファーさんが撃ち終わると同時に、彼女の拳銃を手渡し、交代に渡されたマシンガンの弾倉を入れ替え、拳銃を撃ち終わった彼女から拳銃と交代にマシンガンを渡した。
「もう少しです! あと、10階でここに着きます!」
 私はジェニファーさんに最後の弾倉を入れ終わったマシンガンを渡しながら叫んだ。
 ……『10』、『9』、『8』、『7』、『6』。
 チーン、という音が一瞬だけ銃声の合間に鳴り、銀色のドアが左右に開いた。
「二人とも乗るんだ! 私がここを食い止める!」
 大統領さんが銃撃を続けながらそう叫んだ。そして片手を青いスーツの内側に突っ込むと、こちらに何かを投げてきた。
「それがセーフルームを開ける唯一の鍵だ! 急げ、奴らが来る!」
「大統領、しかし!」
「行け! ジェニファー!」
 あんなに優しい顔つきからは想像できないほどの剣幕で叫んだ大統領さんの言葉に押されるように、ジェニファーさんは私の身体を抱え込むようにしてエレベータに飛び込むと、エレベータのドアが静かに閉じられた。
92名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:09:04 ID:ApPeRrxg
(1−6)
 銃声が遠いていくなか、ジェニファーさんは何も言わずに私の身体を抱きしめて一層強く抱きしめてこう言った。
「私……大統領を……守れなかった……くっ」
 悲しみを噛み締めるようにジェニファーさんが零した。しかし、ゆっくりと私から離れると涙を拭きながらパネルの下を先ほど貰った鍵で開き、何かのケーブルを引き抜いた。
「これで……このエレベータはもう二度と上には昇らない。あとはセーフルームであのボタンを押したあとに動くエレベータが、唯一の地上への出口」
 ケーブルを投げ捨て、鍵をパネルから引き抜くとそれを大事そうに握り締めた。
 やがてパネルの上部の階数表示が『30』へと変わり、そしてチーンという音ともにエレベータが開かれた。
「待ってたわ。ジェニー」
「なっ!? リリィ?!」
 開かれたドアの先で、ジェニファーさんと同じ黒いスーツを着た女性がこちらに拳銃を構えて立っていた。赤毛が混じったショートヘアーに、狼にように鋭い目つきのいかにもSPという女性だった。
「くっ!」
 ワンテンポ遅れて、ジェニファーさんが持っていたマシンガンを構えようとそれを持ち上げた。しかし……。
「くあああああ!」
 重い一発の銃声と共にジェニファーさんの右腕から血飛沫が上がると、彼女のマシンガンがエレベータの床にがしゃんと落ちた。
「あっと、あなたも動かないでちょうだいね。動いたら、ジェニーの頭に虫食い穴が開くわよ」
 私に向かって微笑みながらリリィと呼ばれた女性は釘を刺した。
「さっ、二人ともそこから出てちょうだい。このエレベータは使えないみたいね。まぁ、暫くすれば迎えが来るでしょう」
 リリィさんに脅されて私とジェニファーさんはゆっくりとエレベータの外に出た。
「はぁ……これで面白くなりそうね。くっくく……あはははははは!」
 私とジェニファーさんがリリィさんに銃を向けられながら、目の前で楽しそうに笑う彼女を見ていた。
 しかし突然、ジェニファーさんが握り締めたままの左手を開いてセーフルームの鍵を落とし、それと地面が接触する音が聞こえると同時にリリィさんさんに肩から突っ込んだ。同時に、彼女はもう一つ何か黒いものを地面に落とした。
「っ! アリス、それで彼女を撃って!」
 私はジェニファーさんの腰から落とされた黒いもの……彼女の拳銃を持ってリリィさんに構える。
「ぐっ! 待ちなさい!」
 ジェニファーさんに馬乗りされているリリィさんが、自らの持っている拳銃をジェニファーさんの唯一のふくよかな部分である胸に向かって突きつけていた。
 しかしジェニファーさんは私に向かって叫んだ。臆する表情さえ見せずに。
「撃って、アリス! 撃てぇえええええ!」
93名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:09:40 ID:ApPeRrxg
(1−7) 
 私はそのジェニファーさんの必死の叫びに、リリィさんに向かって狙いをつけた拳銃の引き金を絞りきっていた。
 一発の発砲音にほんのわずかに遅れて、もう一発の銃声が重なった。
 リリィさんの額に穴が開き、彼女に馬乗りになっていたジェニファーさんがその横に崩れるように倒れた。黒いスーツの背中から、同系色の穴が開いている。
「ジェニファーさん!」
 ジェニファーさんに駆け寄って、私はその顔を持ち上げた。彼女が咳をすると、その口から血が吐き出され、彼女の白くなった顔を赤く染め上げていく。
「ゴホッ! よ、よか、た……じ、実は……この階は、ミサイル、撃っても……すぐ酸素、消えないから……リ、ィ……死なない、とこ、だった……」
「ジェニファーさん! そうだ、セーフルームに治療薬ぐらいは」
「む、り……あ、ても……治せ、ない……しん、ぞう……貫通……してる……」
 血を口の端から垂らしながら私の両目から流れ出した涙をジェニファーさんが震える手で拭き取り、ニコリと笑うと擦れた声で言った。
「い、き……て、せ、かい……お、わり……み、と、ど……け……て……」
 その言葉を最後に首がカクりと横に垂れた。私の涙が彼女の頬に落ちても、彼女の表情は何一つ変わらなかった。
 その時、地面がわずかにゆれ、耳に重い響きが小さく届いた。おそらく、上の階の人たちがこちらに降りてこようとしているのだろう。……ジェニファーさんの遺体をセーフルームに運ぶ余裕はなさそうだ。
 私は涙を拭うのもせずに、ただ目を見開いたままのジェニファーさんの両目を閉じると、地面に落ちていた鍵を拾ってエレベータの間逆にある大きい扉へと近づいた。
 その右の壁の鍵穴に鍵を差込てゆっくりとまわすと、その大きな扉が軋みながら開かれた。
 もう一度耳に届いた轟音に私はせかされるようにその内部の部屋に入ると、点滅とブザーを鳴らしている『CLOSE』と書かれた赤いボタンを押して大きな扉を閉めた。
 そして広いとはいえない部屋の奥で今度はブザー音が鳴り同じように点滅をしている部分があった。そこには『ALL CLEAR』と書かれた赤いボタンがあった。
 私は迷わずそれを押した。すると、そのボタンの下から薄いガラスに守られた……そう、学校の消火栓の緊急用のボタンのようなそれが出てきた。
 深呼吸を一つした後、私はそれを拳で叩き割り、内部のボタンを押した。
 間を置かずに建物が大きく揺らぎ始め、私はとても立っていられずにその場に膝を着いてその振動に耐えた。しかし、耐えられないような音が絶えず耳を刺激している。
 やがてその揺れと音が収まると、私は近くにあったいくつものテレビに近づいた。どうやらこの建物内の監視映像らしかった。
 そこには建物内の人間が泡を吹きつつ倒れていく様子が映し出されていた。私は思わず目を背けてそのテレビから遠ざかった。
 壁に寄りかかって誰もいない薄暗い部屋の中で一人、私は膝を抱えて暗闇に視界を投じた。もう何も……何も考えたくはなかった。
94名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:13:23 ID:ApPeRrxg
(1−8)

 私は壁の穴から勝手に出てきたカンパンと水を口に運んでいた。決して美味しくはない。
 水を口に含んで私は自分を罵った。あんなに人が死んでいく様を見ながら、一日もしてしまえばお腹がすいてしまっていた自分を。
 それももう三日目。最初の日は映像を鮮明に思い出してしまい、食べたものをすぐに吐いてしまったものだが、今では淡々と食べられるようになっていた。
 しっかりとカンパンを水で押し込んでから、私はちらりと監視映像を見た。そこに見えるのは誰もいない建物の内部か、動かなくなった人間の山。
 その映像を見た私は、思う。一体私は何のために生きているのかと。私の人生が仮に80年だとして、おそらく私が10代だと考えれば、残りの60年余りを一体どうやって一人で消化すればいいのか、と。
 自殺しようと考えたこともあった。しかし、ジェニファーさんが命懸けで私を守ってくれたのだ。それを無駄にすることはしたくはない。……でも、私に何をどうしろと言うのだろうか。
 そんな事を考えていたとき、私の下腹部がズキズキと痛み出した。くぅうう……消化器官が調子悪いのだろうか?
 しかし、その痛みが段々と別のものに代わっていく……。えっ……なんで? なんで……気持ち良いんだろう?
 それはまるで……自慰行為をしたときの快感に似ていた。そしてそれは私の官能を徐々に高ぶらせていく。
「はぁ、はぁ、くぅぅうあああ! な、なんでぇ? はぁあああ、だめ、だめ! な、何かでちゃぅううううう!」
 愛液が出て絶頂に達しそうな感覚が私を襲う。何故? 私はそんな興奮するようなものなんてみてないのに……。
 しかし、私の膣から今にも愛液が外の空気を吸いたくてたまらない、とでも言うかのように私の絶頂を誘っている。
「きゃあああああ、だめぇえええええええええ!」
 私はそう言いながらも膣から液体を放出させた。しかしそれだけでは私の官能は納まらず、膣の奥から何かが這い出てこようとしている。
「ぃゃあああああ、な、なにか、でてきちゃぅぅうううううう!」
 そしてその一部が私の膣から頭を出した。それはまるで暗闇が私の膣から生まれてくるかのようなほど真っ黒でぬるりとした液体だった。
「はぁ、こ、すれてるぅう、くふぁああああ。そ、こぁああああらめぇえええええ!」
 私の感じやすい部分をわざと通っているかのように刺激したまま、私の膣からそれは絶え間なく這い出てくる。
「ひぃ、ひぃ、ふぅううう、くぅん! ……ひぃ、ひぃ」
 呼吸をラマーズ法のようにすると、その物体が私の中から出てくるのも大分楽になってくる。痛いわけではないが、絶え間なく快感が襲ってくると息をするのさえも忘れてしまう。
「ひぃああ、いぁぁあああ! ひぃ、ふぁああああああああああああ!」
 たっぷり10分ほどは掛かっただろうか。私から生まれた闇の水溜りは大きな水溜りぐらいの大きさで私の膣の前に溜まっていた。
95名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:13:52 ID:ApPeRrxg
(1−9)
 それが呼吸さえもが疲労する行為に感じるほど疲れ切った私の目の前で、地震で揺れる液体のように揺れ動いている。
 そう、思った次の瞬間、いきなりその水溜りが噴水の水のように宙に向かって立ち上り始めたかと思うと、人の形を作り始めたのだ。
 長い髪が毛の一本一本まで生え、その下に輪郭が出来ていき、目と鼻と口、耳などがそこに加わっていく。
 細い首が途中で生まれ、胸の部分で大きな膨らみが生まれる。そこからくびれる様におなかが出来ていき、恥部の割れ目が出来ると水が二つに分かれていく。
 そして長くて細い華奢な足が完成すると同時に、その足下にあった水溜りは既になくなっていて、目の前には黒いマネキンのような人影が出来ていた。
 次の瞬間、その身体がまるで光を放つかのように一瞬で彩色されていった。長い茶色い髪、童顔だといわれる顔、その割に成長していると笑われる胸、そしていくら食べても太らないと自慢のお腹……どれも見覚えがあるものだった。
「な、んで……私が……」
「ありがとう、私。私を産んでくれて」
 私が産んだ私はそう言って、ニヤリと不敵に笑うと、彼女の出産の疲れで動けないでいる私に馬乗りになってきた。やっと終わらない快感から解き放たれた濡れた膣が、同じような彼女のそれと重なり、私に新しい快感を与え始めた。
「ねぇ、何か思い出さない? ふふっ、私はもう思い出したよ」
 そう言って私の上に乗っかっている私が、彼女の下にいる私に向かってそう言ってきた。確かに、この光景はいつか見たことがあった。
「その顔だと思い出してない、って顔ね。じゃあ、こう言えば思い出すかしら」
 私に乗っかる私が少しだけ考えたような仕草をして、こう言った。
「えっと……大丈夫だよ、レラ……お姉ちゃんに全てまかせて……」
 その言葉を聞いた瞬間、私の頭の中に情報の津波が襲ってきた。

96名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:15:11 ID:ApPeRrxg
(1−10)
「レラ〜、お待たせ〜」
 こんな状況なのにやけに間延びした声で、リムお姉ちゃんがバスルームに入ってきた。
「お姉ちゃん、大丈夫? やけにトイレ長かったみたいだけど」
「あ、うん。ほら、食事のあとにすぐ逃げ出したからトイレ行く暇なくてさぁ、いやぁ快便だったわ」
 そう言ってお姉ちゃんは私の身体の背中に回ると、不意に抱きついてきたのだ。
「わ! な、なに?! どうしたの、お姉ちゃん!?」
「レラ、怖かった。レラを助けたとき、私本当はあなたを見捨てようか一瞬だけ迷っちゃった……」
「あ、当たり前だよ! あんなに人がいっぱい襲ってきたんだから! それに……お姉ちゃんは、結局私を助けてくれた。襲ってきた男の人をぶん殴って、さ」
 私は胸の辺りに巻かれたお姉ちゃんの腕を抱きしめた。今浴びているシャワーのお湯より優しくて温かいぬくもりが伝わってくる。
「ふふ……じゃあ、私のこと大好き?」
「もちろん、お姉ちゃん」
 私がそう言うと、後ろから私の頬にキスをし、そしてその次の瞬間、信じられない力で私を押し倒したのだ。
「きゃああ! い、痛ったぁ〜……お、お姉ちゃん大丈……」
 私の上に乗りかかるお姉ちゃんの顔は……何故かとても楽しそうだった。
「ごめんね。でも、これからは優しくやってあげるから……じゃあ、ちょっと濡らそうか」
 そう言うとお姉ちゃんが私の視界の下の方へとフェードアウトしていった。
 それを私が上体を起こして追おうとした瞬間、私の……恥ずかしい部分をぬめりとした感触が襲った。
「ひゃあ! お、お姉ちゃん?!」
 私は思わず手でその部分を覆おうとしたが、お姉ちゃんの手が私の手を抑えた。
「んんっ、大丈夫だよ、レラ……お姉ちゃんに全てまかせて……」
 そう言って私の秘所を一定の感覚で優しく舐めてくる。私は足を閉じようとするが、その刺激が襲ってくるたびに足から力が抜けてそれすらままならない。
「あんっ! ひぃっ! お、お姉ちゃん、んあっ! や、めてぇ……」
「あっ、レラ、あなたの蜜が出てきたよ。んんっ、か〜んろかんろ、あはっ」
「やぁあぁああ、おねえちゃんにぃいいいいい、すわえてるぅううう!」
 秘所の中に姉の舌が段々と侵入して、私の入り口を嘗め回してくる。私は思わずその刺激に身体を浮き上がらせてしまう。
「んんっ、ふぅ。もうそろそろ大丈夫でしょ。これで痛くならないわ」
 そしてさっきの映像を逆回しするように、私の視界の下から姉がフェードインしてくる。自分の口をぺろりと嘗め回しながら。
「はぁ、はぁ……おねえちゃん、いったいどうして?」
「ふふ、大丈夫。ちょっと待ってね。……ぁ、ふぁっ、でぇ、でてきたぁあ」
 お姉ちゃんが火照った顔で自身の秘所をいじっている。その顔は悦にいったものだ。
「んぁあああああっ!」
 そして大きく身体を仰け反らせたかと思うと、黒くて長い触手のようなものをそこから出してきたのだ。
「きゃぁあああああ!」
「ふぁぁああ、もう我慢できない。いくねぇ、レラ」
97名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:16:49 ID:ApPeRrxg
(1−11)★ちょっとグロいかも
 悲鳴を上げる私に赤く染まった顔で微笑み掛けると、その黒い触手が私の視界から消え去り、そして私の恥部に何かの異物感を感じた。それが何なのかなど、見なくても分かっている。
「ぁああぁあああ! はいってぇえええ、こないでぇえええええええ!」
 そんな叫び声を私が上げても無駄だった。その触手は私への遠慮などまったく気にもせずに私の奥へと侵入してくる。
「きゃはぁあああん! レラのなかぁああ、あついぃいいいいいいい!」
「らめぇえええええ! ぬいてぇえええええええ、おねえちゃんんんんんぁああああああああ!」
 私はお姉ちゃんのよがる姿に必死に助けを求める。しかしお姉ちゃんは私の入り口と自身の入り口を重ねるようにして小刻みに前後している。まるで男の人がしてるみたいに。
 やがて前かがみになってたお姉ちゃんの胸と、私の胸が重なる。同じぐらいの大きさの胸がお互いをもみ合って、互いに刺激を送り送られている。
「はぁあん、れらぁああ、そんな顔してたらぁあ、わたしもっといじめちゃぅうううう!」
 お姉ちゃんがそう言うと同時に、私の中を蹂躙している触手の速度が一気に上がる。それに対する悲鳴を上げようとしたときには、姉に唇を奪われていた。
「んんっ! んんんんんっ! んんんんんんんんんんんんんんん!」
 私は舌を絡ませようとしてくるお姉ちゃんをもう受け入れていた。それは間近にあるお姉ちゃんの顔が、いかにも気持よさそうにしていたからだ。
 おそらくそれは私とて同じことだろう。もう私の中は、触手を拒むどころかそれを楽しんでいる。それを私のものにしてしまいたいぐらいに。
「んぁあああ、いくよぉぉおおおおお、うけとってぇ、れらぁああああああああああ!」
「ふぁあああああああああんっ、なにかぁあああああくるぅううううううううううう!」
 私は揺れ動く視界で、それが私の中に入ってくる瞬間を見た。お姉ちゃんの女の部分が大きく私の気持いい部分から離れたと思ったら、お姉ちゃんの中から出ていた触手がそこから離れて私の中に消えていった。
「んぁあああああああ、わたしのなかでぇええええ、おねえちゃんのがうごくぅううううううう!」
「はぁはぁ、あは、だいじょうぶ、もうすぐわたしとおなじになれるからぁ……あははははは」
 私とそっくりな顔のお姉ちゃんが楽しそうに笑っている。双子の私の姉が、妹の私を犯して楽しそうに笑っている。
 だから私も同じように笑った。だって私達は双子なんだから、片方が笑ったら同じように笑わなきゃ、それこそおかしいことだ。
 そうして大声で笑っていたときだった。突如、姉は頭から私の左側へと思い切り倒れた。そしてバスルームに反響するように銃声が響いている。
 私が左を見ると、飛び散った脳漿や頭部の皮膚のカケラがバスルームの壁にべったりと赤黒い色を塗っている。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
 私はそれを見て発狂した。怒りと恐怖と、悲しみと……いや、感情の全てを爆発させるように叫んでいた。
 叫びながら私の頭がボーッとしてきた。かすんだ視界の中で金髪の女性が私に何かを話しかけている。
 しかし、その声は私の耳に届くことはなく、私はそのまま暗闇へと引きずりこまれた。
98名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:17:22 ID:ApPeRrxg
(1−12)



「うぁ……あぁ……」
 リムお姉ちゃんと私は、双子の姉妹だった。性格はちょっと違っていたけど……。
 私が着ているこの服も……これは着替えなんかじゃない。リムお姉ちゃんがあの時着ていた服だ。綺麗に畳まれていたのは、それを一度も着ていなかったからじゃない。お姉ちゃんが自分の服をしっかりと畳んだからだ……。
「そ……んな……じゃあ……ジェニファーさんが殺したのは……」
「双子のリム姉さんでしょうね。最も、寄生体のリム姉さんだったみたいだけど。ほら、あの時トイレ長かったから、多分あのときに産んだんだよ。それで食べられちゃったんだろうね。姉さんは寄生体の自分に。そして私の養分となったのね」
 自分の身体を抱きしめて微笑みながら目を瞑る寄生体の私。
「でも、まさかこんなことになるとはね。もう、私の仲間はみんな死んじゃったでしょうね。もちろん、あなたの仲間もね……ふふっ、怖い? これから一ヶ月は私と二人きりでここで過ごすのよ?」
「……った。」
 私は涙と言葉を同時に零した。私に乗りかかっている寄生体の私が首をかしげて聞き返してくる。
「え? なんて言ったのかしら?」
「よかったぁ……よかった……わたし、もうずっと……ひとりぼっちなんじゃないかって……ううっ」
 私は寄生体の私の腕を引っ張って、無理矢理に抱きしめた。
「あらあら、このままだと、私はあなたを溶かしちゃうわよ? 知ってるでしょ? 寄生体が宿主から出たあと、こうやって宿主を食べるのは?」
「それでもいい。一人ぼっちで生きていくより……ずっとまし」
 私はそう言って一層強く、私と同じ身体を抱きしめる。同じ大きさの胸が押し合い、私は同じ私の顔に向かって唇を近づけた。
 そのまま彼女の口の中に私の舌を入れようとするが、彼女はゆっくりと私から離れて口を人差し指で拭うとこう言った。
「ふふふ、う〜そ。そんなことしない。あなたしか人間がいなくなったならもう寄生体を増やす必要もないし……なによりあなた、可愛い顔してるから」
 優しく微笑んで私の唇についばむように軽く触れ、そしてもう一度微笑んでから再度唇を重ね合わせてきた。私はすかさず彼女の口の中に自分の舌を滑り込ませる。彼女もそれを優しく受け入れてくれた。
「ああんっ、んんっんっ、んんん〜」
「んっ、んんんっ」
 私には彼女の身体、彼女の動きが手に取るように分かった。だから、私が喜ぶように彼女の口内を蹂躙していく。
 相手の歯茎を舐めまわし、そして舌を突きあうようにしてから、滑りあうようにお互い絡ませあう。
 目の前にあるのは私と同じ顔なのに……それなのに、その顔はとても綺麗で可愛かった。鏡で自分を見ていたときはそんなこと感じないのに……私、おかしくなってるのかな……。
「んん〜っ……ねぇ、あなたはジェニファーに新しい名前貰ったでしょ? だから私がレラ。あなたがアリス。んふ、これでいいでしょ?」
「いい、それでいいからぁ、もっとぉきもちよぉくしてぇ……れらぁ、おねがぃ……」
「ふふ、分かった。アリスのこと、もっと可愛がってあげる……」
 同じ顔なのに、私には到底出せないような笑顔をレラは私に向けてきた。
 堪らなくなって私はレラの身体を強引に引き寄せると、その豊満な胸の可愛らしい先っぽを咥えた。するとレラはお人形のような手で私の頭を優しく撫でてくれる。
「いいよぉ、ありすぅ。あぅう……」
「んっあ、えへへ……れらぁのちくびが、きゅんってたってるぅ……かわぃい……」
99名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:19:02 ID:ApPeRrxg
(1−13)
 私の唾液で濡れたレラの胸の先っぽが、まるで赤ちゃんが二本足でゆっくりと立ち上がろうとするみたいに大きくなっていく。
 それを再び咥えて、舌で転がすように舐めながら、時折アマガミをしてそのたびに反応するレラの顔を私は楽しんでいた。
「うあぁぁぁ、きもちぃぃ……くあっ!? そ、んなぁかまないでぇ……そんなことぉされたらぁ……おかしくなっちゃうよぉぉ……」
 レラの口からそんな声が出ていても、彼女は自ら私の顔に胸をくっつけようとしてきている……。まったくぅ……正直じゃないんだから。
 天邪鬼な彼女をいさめるように、柔らかい胸をもみながら、その先端を断続的にアマガミする。
「くっ、ひぃ、だぁ、めぇ、あぁ、たぁ、まぁ、がぁ、おぉ、かぁ、しぃ、くぅ、なぁ、るぅ!」
 私がアマガミするたびにレラは言葉を切った。何とも可愛らしいその反応に私はさらにアマガミを続けてあげる。
「あああああんっ、れちゃぅううううううううううううう!」
 レラが太もも辺りについていた自分の秘所を私の同じ部分にあてがうと、その部分が密着するように身体を抱きしめて、大きな嬌声を上げて達した。
 彼女の秘所から出た温かいお汁がそのまま私の中にゆっくりと垂れながら入ってきた。
 顔をずらしてその部分を見てみると、それはどうやら何の変哲もない愛液のようだった。やっぱり寄生体でも人間なんだ、と私はその時改めて思った。
「くはぁ、はぁ……ごめん……わたしだけ、いっちゃったぁ……こんどは、アリスのば〜ん」
 口で息をしながら私の上からどいたレラは、私を起き上がらせると、先ほどとそれぞれの体位を入れ替わるようにレラが下になり、手を引っ張って私を自分の上にのせてくれた。
 そしてゆっくりと私の胸にレラの顔が埋まっていく。私は先ほどレラがやってくれたように頭を優しく撫でてあげる。
 やがて彼女は顔を上げると、私のようにいきなり乳首を咥えるようなことはせずに、優しい手つきで私の胸を揉みほぐしてきた。
「はぁあ、これぇええ、きもちぃいい……」
 そんな彼女の手さばきは見事なるものだった。私は先ほど咥えながらただ揉みくちゃに彼女の胸をいじるだけだったが、レラのは力加減や揉み方を絶えず変化させて私を飽きさせない。
「あぁ……そんなかおしてるといじめたくなっちゃうな……」
 レラはそう言って再び私の胸の顔を近づけたと思いきや、突然私の胸に短く鋭い痛みが駆け抜けた。
「ひぁああっ!」
 あまりの気持ちよさで先ほどまでぼやけていた頭が一瞬で覚醒される。レラはそんな私の様子に不敵に笑っていた。
「んふふ……さっきのわたしのきもちわかったぁ? からだがおなじだから、よぉくわかるでしょ?」
 言われてみると、痛みと反比例するようにじわじわと快感が胸から伝わってきた。こんな……感じだったんだ……。
「も、もしかして……おこってる、の?」
「ふふ、ぎゃ〜く。きもちよかったから、アリスにもやってあげようとおもって」
「あぁ、ありがと……うれしい」 
 私の言葉にレラはにっこりと笑うと、私の乳首を優しく咥えた。彼女の舌で私の乳首は踊らされている。
「ふぁああ、すごぉぉいいぃぃぃ……あんっ!」
 優しい刺激に身を任せようとすると、突然のアマガミが乱入してそれを許さない。
100名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:19:43 ID:ApPeRrxg

(1−14)
「そ、そんなぁつよく、しないでぇえ……」
「んぁっ、わたしにもこれぐらいのつよさでやってたんだよ、アリスはぁ」
 頬を膨らまして不満そうな表情でレラは言った。こ、こんなつよくしてたんだ、わたし……。
「でもだいじょうぶ……なれてきたらそれもきもちよくなるから……は〜むっ」
 レラが再び私の乳首を咥えて優しい刺激と鋭い刺激を交互に送ってくる。
「んっ、ふぁっ! ああっ、やんっ! そ、んあ! こう、ごに! しな、いでぇ!」
 私はそのアメとムチの刺激に身をよじらせた。私は鋭い刺激を断続的に送っていたのに、彼女はそれに優しい刺激を混ぜることによって、それぞれの刺激を高めあっている。
「ひいぁっ! いっ、くぅううううううううううううう!」
 ついに耐え切れなくなって私がそう叫ぶと、レラは先ほどのように素早く私の秘所と彼女の秘所をぴったりとつけてきた。それが更に刺激を与えて私は、いってしまった。
「やぁあああああああああんっ、でてるぅうううううううう!」
「ふぁあああああああああんっ、きてるぅうううううううう!」
 私から出た愛液が、今度はレラの中に浸入していく。レラがまるでそれを一滴も逃すまいとするように身体を強く抱きしめてきた。
「あっはぁぁ、わたしのとぉ、アリスのがぁまざってはいってきてるうぅ……じゃあこんどはぁ、いっしょにいこっかぁ」
 レラが今度は何をしてくれるのかと楽しみにしながら、私は彼女の上を降りて横に座った。
 するとレラが上体を起こすと、足をM字に開いて私に自分のおま○こを見えるような位置に座ると、右手がゆっくりとその中へと潜り込んで行った。
「ひぃああああっ、これだけぇいっちゃいそう……くぅはあぁぁん……」
 ぐちゃぐちゃに濡れたおま○こからいやらしい水音を鳴らしながら、快感に身をよじるレラに私は見入っていた。
「んはぁ、みぃつけぇた。みてて、ねぇ……いくよぉ……んはぁああああああああああああ!」
 右手が完全に彼女の中に消えそうになったとき、レラはそう言って右手を一息に引き抜いた。
 その手には……見覚えのある黒い触手が握られていた。
「あぁ、それはぁおねぇちゃんが、きせいしてくれたときのだぁ」
「はぁはぁはぁ……これはわたしのからだのいちぶだから、きせいはできないんだけど、これでぇいっしょに、いこっ?」
 レラが両手を広げて私に微笑み掛ける。私はもちろん迷わずにその胸に飛び込む。
「じゃあ、ゆっくりときてぇ……これをぉありすのなかにぃ、いれてあげてぇ」
101名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:20:06 ID:ApPeRrxg
(1−15)
 右手で触手を固定して私への侵入を待つレラを、私は両手を彼女の首に、両足を彼女の腰に巻きつけるように抱いて、私への入り口をその触手のまるっこいさきっぽにあてがった。
「ふあぁぁぁ……もうがまんできないぃい! はやくきてぇえええ!」
「うん、いっくよぉ……くっ、ふぁあああああああああ!」
「ああああああああああああああんっ!」
 私は一息に腰を下ろしきった。濡れた私の中にすっぽりとレラの触手が入ってきた。とてつもない快感の嵐が頭を一気に真っ白にしてしまう。
「つつまれてるぅうう! アリスのあったかいなかにぃ、わたしのがぁつつまれてるよぉぉぉおおお!」
「きゃぅううううううう! えへへ……レラのぉ、たべちゃったああぁぁぁ……」
 身体の中でピクピクとレラのものが痙攣している。同じようにレラ自身も虚ろな目で挿入の快感に浸っているようだった。
 私はその無防備な唇を奪い、そのままゆっくりと子宮近くまで侵入している触手を抜いていく。それでも彼女の触手は筒にでも包まれているように元気に起きている。
「んんんんんんっ! ぷはぁ、やだぁ! ぬかないでぇええ!」
 レラが私の身体を抱きしめて、私の行為を止めようとする。その子供のように必死にすがる顔がまた可愛らしい。
 私は触手が抜ける直前で止まると、安心したような顔をしたレラに向かって彼女がするような不適な笑みを浮かべると、再び一気に腰を下ろした。
「ぁああああああああああんっ!」
「はぁあああああああああんっ!」
 私は再び侵入された快感に、レラは再び挿入した快感に甘い嬌声を二人揃って合唱した。
 しかし私の動きはそれで一段落はしない。お互いの太ももが重なったと同時にまた一気に腰を浮かせて触手を抜いていく。
「ひぃあああああああああああ!?」
 解き放たれていく触手の快感にレラが声を上げたと同時に、一気に腰を下ろして再び彼女の触手を下の口で食べすすんでいく。
「んぁああああああああああああ!」
 それを素早く繰り返して私はレラを快感の頂点へと誘っていく……なんて思いながら、結局は自分の快感を貪るために腰を動かしているのだけれど、ね。
「きゃはぁんっ! ふぁあぁ! くぅうううう!」
「あああああんっ! らぁあああ! めぇえええ! ありすぅううううう、いくぅうううううううう!」
「きてぇええええええ! れらぁああああああああああ!」
 レラの触手が私の腰の動き以上に素早く動き始め、私も快感の頂点が目の前に訪れた。
「いっくぅうううううううううう! ふぁあああぁあああああああああああ!」
「きゃああああああああああああ! あっつぃいいいいいいいいいいいいい!」
 私の中にレラの愛液が触手を通して直接注ぎ込まれる。同時に触手は私が出す愛液は吸っているようで、私は暫く達したあともその快感に身をよがらせることになった。
「ありがと……おいしかったよぉ、ありすのぉ……」
「はぁはぁ……こちらこそ……れらぁ……もっと、もっとあなたのにおい、わたしにつけてぇ」
 レラの胸の中に顔を埋めて私は懇願した。
「……こわいんだ……わかるよ……わたしもおなじ……」
 その言葉に私は顔を胸から離して彼女の顔を見た。彼女はニコリと微笑んで続ける。
「だぁいじょうぶ……もうはなれない……ううん、はなれなれない」
 私の髪を撫でつけ、そのまま私の首に顔を近づけると優しく舐め始めた。私もそれを真似て彼女の首筋を舐めつける。
「これで……もうだいじょうぶ……アリスにわたしのにおいがついたよぉ……」
「うん……レラにもわたしのにおい、ついたぁ……」
 二人して顔を見合わせると、ニコリと笑って再び交わりを再開した。


(終)
102名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:21:35 ID:ApPeRrxg
(2−1)【(1−6)から分岐】
「……だめぇ……私には……できない……ごめん、なさい……」
 私は構えた拳銃を地面に落とし、俯いて涙を流した。
「そう、それでいいの……ジェニー、一般人の彼女に人を撃てなんてあまりにも酷なこと言うのね?」
「くっ! ……うぁああああああああ!」
 ジェニファーさんが怪我をしていない左手でリリィさんの銃口を自分の胸から逸らした。
 そしてそのままもつれるように転がりながら私に向かって叫ぶ。
「今のうちに、セーフルームに行って! 早く!」
「あははははっは! 無駄よ、ジェニー。やめときなさい」
「うるさい! アリス、お願い!」
 転がるったところにジェニファーさんの血の道が出来ていた。……こんな傷を負ってまで戦ってるのに……私は。
 意を決して私はジェニファーさんが落とした鍵を拾うと、彼女たちに背を向けてセーフルームの大きな扉へと走り出した。
「ああっ! だめ! やめてぇええええええ!」
 背後から聞こえるリリィさんの声が、逆に私のやっていることが間違い出ないことを証明してくれた。
 鍵を使ってセーフルームに飛び込んだ私は、ブザーを鳴らしながら点滅しているドアの横の赤いボタンを押した。
 閉まり始める扉の先で銃を突きつけられながらも、こちらを見て満足そうに頷きながらジェニファーさんが微笑んでいた。
 しかし……その銃を突きつけている人物、リリィさんの表情も扉が閉まる一瞬、笑ったように見えた。
 でもそれを気にしている余裕はなかった。部屋の中では次のブザーが鳴り、奥のほうで別のボタンが点滅している。
 今度はそれに近づいてタックルをするように押し込んだ。するとその下から薄いガラスに守られたボタンが出てきて、ガラスの下で明滅を繰り返している。
 深呼吸を一つして、私は拳でガラスを叩き割ると同時にボタンを押し込んだ。途端に部屋が揺れ、轟音が響き渡る。
 床に膝を着き、両耳を塞いでしばらく続いたそれを耐えると、やがて嘘のように静かになっていた。
 ふと、薄暗い部屋を見回すとなにやら明るい部分があり、そこに近づくとそれは建物の中の監視カメラの映像を映すテレビの羅列だった。
 その幾つかに人間が映っている。……おそらくただの人間ではないのだろうが、そのどれもが苦しそうにのた打ち回る姿を映し出している。おそらく、もう酸素が減り始めているのだろう。
 そしてこのセーフルームのすぐ外の廊下、ジェニファーさんとリリィさんがいる映像も映し出されていた。
 しかし、その映像だけ他の映像とは違う。そう、二人ともまったく苦しそうではないのだ。
 その二人が映し出されているテレビへと顔を近づけようとすると、私はその下にあったボタンの羅列のどれかを押してしまった。
103名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:22:26 ID:ApPeRrxg
(2−2)
「……お前はリリィにいつ寄生をしたんだ?」
 ジェニファーさんの声が、突如パネルに配置されたステレオから聞こえ始めたのだ。パネル上のボタンを見ると、そのうちの幾つかが光っていた。
「5日前、トイレにいるときよ。その後、すぐにあなた達の前から姿を消したでしょ? あの時は死のうと決意したみたいだけど、死ねなかったみたいね」
 リリィさんはジェニファーに拳銃を構えたまま立ち上がると、こちらのセーフルームの入り口へと向かってきた。思わず背後のその扉を私は直視する。
 ドアを叩く音がモニターからのそれと、実際のそれが交わりあって部屋の中に響いた。思わず私の身体を鳥肌が走る。
「やっぱり開かないわよね……まぁ、いいわ……だって、ここにジェニーがいてくれるんだもの」
 モニターの中のリリィさんがそれまでに見せなかった、嬉しそうな笑いを浮かべると天井に向けて手に持っていた拳銃を撃ち始めたのだ。
 短い轟音が連続して部屋の中に響く。その様子を唖然とした表情でジェニファーさんが見ていた。
「ふぅ……もうこんなものはいらないからね」
 そういうと今度は私が落としたハンドガンを拾い、同じように天井に穴を開けて弾切れになったそれを捨てるとエレベータの中にあったマシンガンも同じように弾を使いきってしまった。
 私も音に慣れてくるとジェニファーさんと同じような表情でその様子に見入ってしまっていた。……一体何を考えているのだろうか。
「これで危ないものはなくなった、と。ふふ、じゃあ始めましょうか。ここの酸素だっていつまで持つか分からないものね」
「……やっぱり気付いていたか、リリィ」
 左手で身体を支えながら立ち上がろうとしたジェニファーさんに、リリィさんが急いでかけよるとそれを制した。
「貴様、さっきから何を考えている!? アリスさんはもうミサイルを撃ったのだぞ? もう今は貴様しか寄生体はいなくなってしまったし、この星の人間も、もう私と部屋の中のアリスさんのみだ! この期に及んで何を」
「あなたが好き」
 突然リリィさんがジェニファーさんの言葉を遮って話した。ジェニファーさんと私は先ほどからの予想外の連続に空いた口がふさがらない。
「最初あなたに会ったときは、正直嫉妬したわ。ジェニーは私より強かったし、頭もきれたから、大統領や仲間達にも信頼された。……もちろん、私も。けど、それだけじゃない。……あなたは優しかったし、何度も私を助けてくれた」
「な、何を言ってる……んだ?」
 ジェニファーさんが後ずさりを始めた。その顔には、私が初めて見るジェニファーさんの恐怖の色が浮かんでいた。
 やがてジェニファーさんが背後の壁に追いやられた。それを見てリリィさんがにっこりと笑い、そしてジェニファーさんを抱きしめた。
「リ、リリィ! は、離せ!」
「はあぁぁ……暖かくていい匂いがする……」
 ジェニファーさんは動く左手で彼女のことを引き離そうとするが、なにせリリィさんさんもおそらく大統領のボディーガードなのだ。抱きついた彼女もまた、ぎゅっとジェニファーさんから離れようとしなかった。
「ジェニー、そんなに怖がらないで……あなたのために……プレゼントも用意してるんだから……ふふっ」
 リリィさんさんが不敵に笑うと、片手で自らの黒いスラックスのベルトを器用に外し始め、それが終わるとジェニファーさんのそれも外しに掛かる。
 ジェニファーさんはもう言葉に何を言っても無駄だと思ったのか、身体を引き離すことに集中しているようだったが、リリィさんさんの表情は笑ったまま崩れず、ついに二人のスラックスが床にぱたりと落ちた。
「くっ……もう、やめてくれぇ……」
「やっぱり……ジェニー、意外とかわいい趣味してる……ふふ」
 モニター越しなのでよく見えないが、ジェニファーさんは……なんというか想像していたより可愛らしいパンツをはいていた。一方、リリィさんさんは怪しい黒のきわどいパンツをはいていた。
「ふぁっ! な、にをする……ひぃぁぁ……」
「この白いパンツ越しでもすぐ分かるわよ……充分濡れてるじゃない、ジェニー」
 ジェニファーさんの白いパンツの上から……女の人の弱い部分のところをリリィさんが弄っている。
104名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:25:16 ID:ApPeRrxg
(2−3)
「ジェニー……私、あなたのためにこの2日間ずっと我慢してた……あなたのためのこの子を身に宿したまま、ね」
 リリィさんがジェニファーさんの秘所をいじりながら、自分のパンツを降ろした。とたんに、リリィさんの秘所とパンツの間に何かが糸を引いていた。
 それは黒い色で、私ははじめパンツの繊維かと思ったが、それにしてはなにやらおかしいし、量が多すぎる。
「ま、まさか……それは……」
「そう。あなたも何度か実物を見たでしょ? これは私の宿主の身体、まぁ元の私の身体を栄養にして産まれた子供……これを、あなたに植え付けて、あ・げ・る」
「や、やめろぉおおおおおおおおおおお!」
 ジェニファーさんがこれまでにないほど暴れ始めた。しかし、リリィさんは慌てずにボディブローを彼女に見舞った。目を見開いてくの字に身体を曲げたジェニファーさんをリリィさんがゆっくりと床に横たえた。
「ごめんなさい、ジェニー。でも、すっごく気持ちいいから……私を信じて……」
「カハッ、ゲホッ! やぁ……めろぉ……」
 ジェニファーさんの擦れきった声がわずかにステレオから聞こえる。しかしそんなことを気にする素振りを見せず、ジェニファーさんのパンツをリリィさんは優しく降ろしていく。
 私はここを開けて彼女を助けるべきか迷った。しかし、私が今出て行ったとして果たして何が出来るのだろうか? それを考えると、結局私はモニターの前から動くことは出来なかった。
「ほぉら……これが今からジェニーのおま○こから中に入って、あなたの情報を三日かけてコピーするの……って言わなくてもわかるわよね」
 リリィさんが秘所から黒いスライム状の液体を人差し指に引っ掛けた。それは、ホテルでジェニファーさんに見せてもらったものと似ている色をしていた。
「じゃあ、いくね……ゆぅっくり私のおま○こがジェニーのとくっつくよ……あはんっ!」
「くぁあああ!」
 ジェニファーさんの上に寝そべるようにしてリリィさんのおま○ことジェニファーさんのそれが密着した。上にのるリリィさんのそこからは黒い液体がわずかに垂れだしている。
「なんて……ジェニーのやわらかいの……さいっこうよぉ……やっぱり、ジェニーとはしょくしゅをつかわずにやってせいかいだったわ……」
「ああっ、やめろやめろやめろぉおおおおおおお!」
 リリィさんがジェニファーさんの上を上下に移動するたびにわずかにいやらしい水音が聞こえてくる。頭では目を離そうとしても、私の目はその画面から離れなかった。
「はぁっ! もうだめぇ! ジェニーにだしちゃぅうううううう! はぁああああああああああああんんっ!」
「きゃああああああああああああああああああああ!」
 リリィさんの秘所から大量に放出された液体が、ほとんど外に垂れることなくジェニファーさんの中に吸い込まれていく。ここから見ていると、まるでジェニファーさんが自ら吸い込んでいるようにも見える。
「はぁはぁ……じぇにー、さいこおぉ……」
「あぁぁぁぁっ……いやあぁぁぁぁぁ……」
105名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:26:26 ID:ApPeRrxg
(2−4)
 リリィさんがジェニファーさんを抱きしめている。一方のジェニファーさんは虚ろな目で天井を見て涙を流している。
「ねぇっ……見てるんでしょ、アリスさん」
 突如リリィさんが私の名前を呼んだ。そして廊下にある幾つかの監視カメラを順々に火照った顔を向けてくる。
「いい事教えてあげる……あなた、寄生されてるわよ?」
「えっ!?」
 ……な、んで? 私は自分のお腹を見て震えた手で触ってみる。……おかしな感触はない。
「嘘だと思ってる? 私には同じ寄生体だから分かるわよ。ふふ……多分、3日後には生まれてくるわ、その子」
 私は頭を掻き毟ってその場にしゃがみこんだ。何か……何かを、記憶が……。
 3日後に生まれるってことは今日のうちに私は寄生されたということ……。で、でも、リリィさんがしたみたいなことを私にしたのは……。
 その時、私は全ての記憶を一瞬で取り戻した。
「お、お姉、ちゃんに……寄生、された……?」
 私が倒れていたホテルのバスルーム。ジェニファーさんが助けに来る10分ぐらい前の記憶に、その行為は鮮明に残っていた。
「その子が生まれたらこのドアを彼女が開けられるでしょうけど……その頃にはもう私とジェニーは窒息死してるでしょうね。さすがに3日はこの廊下も持たないわ。だから……アリスさん、開けてくれないかしら?」
 一気に重くなった頭を上げて、再びモニターを見た。リリィさんの下にいるジェニファーさんの焦点のあっていない顔が私の目に飛び込む。
「あなたの決断一つで、私もジェニーも、彼女のお腹の子も救われるの。もちろん、あなたもジェニーも絶対に殺したりもしないから」
 まだ記憶が残ったばかりで思考が鈍る頭にリリィさんが入り込んでくる。
 でも……私だってジェニファーさんには生きていて欲しい。リリィさんと同じように私もジェニファーさんには何度も助けられた。だから……リリィさんのジェニファーさんに対する気持ちも、少しだけ分かる気がしたからだ。
「今から、その扉をもう一度開ける方法を言うわ。……もし、助けてくれるなら……お願い……」
 ようやく記憶が馴染んできた私は、ゆっくりと立ち上がってモニターの前に立った。
 ……ドアを開ける決意を胸に。

106名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:26:45 ID:ApPeRrxg
(2−5)
 流石に、低酸素状態の外気を入れないようにするためのここのドアを、再び開けるのには相当な手間がかかった。
 しかし、リリィさんがゆっくりと説明してくれたおかげで、後は先ほどドアを閉めるときに押した『CLOSE』のボタンをもう一度押せば、再びこのドアが開くらしい。
「これで全部……もし、私の言うとおりやってくれたなら、開くはずだわ……聞いてくれていれば、ね」
 外との連絡手段が見つからず、廊下にいるリリィさんには私がドアを開くための作業をしているのか、そうでないかは知ることが出来ないことだった。それゆえに、今の彼女には不安そうな表情が浮かんでいる。
 私はモニターの前でそんなリリィさんの表情と、壁にもたれかかってまま、黙ってリリィさんが説明をする様子を見ていたジェニファーさんの複雑そうな表情を見た。
 正直、ジェニファーさんに聞きたかった。ここを開けるべきなのか、と。ジェニファーさんは命懸けで私をこの部屋に入れてくれたのだ。それを果たして無駄にしていいのか、私は迷っていた。
 だけど……もう、人間は私とジェニファーさんしかいないのだ。いえ、そんなこと以前に、私はジェニファーさんに生きていて欲しい。
 リリィさんだって……本当に純粋にジェニファーさんが好きなだけなら彼女にも生きていて欲しい。
 だから私はドアの横の『CLOSE』ボタンに歩み寄ると、一思いにそれを押し込んだ。
 ゆっくりとした動作で扉が開かれ、リリィさんが目を見開きながらも、ジェニファーさんに肩を貸してこちらに歩いてきた。
 私は彼女達が部屋に入ったのを確認して再びボタンを押してドアを閉め、そしてゆっくりと振り返った。
 そこにはジェニファーさんを部屋の中心に下ろして、こちらに歩み寄ってくるリリィさんの姿が見えた。
 それに対して恐怖感は持っても、別に逃げたり抵抗したりしようとは思わなかった。殺される可能性も考慮して扉を開けたのだ。覚悟は出来ていた。
 でも……彼女が私の目の前に歩み寄ってきて立ち止まり、両手を動かし始めたときは思わず目を閉じてしまったが。
「……ありがとう」
 私の身体を温かくて柔らかい人肌が包み込んだ。思わぬ言葉と、思わぬ行動に私はゆっくりと目を開けた。
 するとリリィさんが私の身体を抱きしめていた。その横顔を見ると安らかな表情で、私の視線に気付くとあの鋭い目が今は優しく垂れていた。
「私のしたことは正しかったのでしょうか?」
 ふと私の口からそんな質問がこぼれた。リリィさんは驚いた表情をしていたが、やがて元の微笑みを取り戻すとこう答えた。
「私には……分からないわ。だから、彼女に聞いてみたら?」
 リリィさんは私からゆっくり離れると、背中をゆっくりと押してジェニファーさんの元まで歩かせてくれた。
「ジェニー……あなた、アリスさんがしてくれたこと、正しかったと思う?」
 ジェニファーさんは顔を上げるとリリィさんを見て、それから私を感情のない目でじっと見た。
「私のしたことを……ジェニファーさんは許してくれますか?」
「大統領や、私の仲間達、多くの一般市民……人類は、あなたの行動を恨むでしょうね。何のために命を奪われたのか……と」
 冷たい言葉がジェニファーさんの視線と共に私を刺した。そう……私の行動は死んでいった人たちにはとても顔向けできないものだろう。
「でも……全ての人類がアリスさんを恨んでも、私はあなたに感謝します。大統領だって……私やアリスさんに生きて欲しいから、あの時命を掛けてくれたんです。だから……ありがとう、アリスさん」
 ジェニファーさんが一筋の涙を流して微笑みかけてくれた。
 その微笑みに私は思わずジェニファーさんの胸に抱きついて涙を流した。その理由は、多くの人を私は殺してしまったこと、その人たちが死んでも生き残れた人間はわずかに二人だけのこと、そしてそんな犠牲を払っても寄生体が絶命していないこと……挙げればきりがない。
「うぁあああああああああ! わたしは……わたしは……なんてことを……ううっ」
「……過去の失敗より未来への努力で頭を痛めろ……と、大統領はよく言ってました。……アリスさん、喜びましょう。多くの人たちのおかげで生きていることに……」
 私が泣き疲れるまでの、何時間もジェニファーさんは背中と頭を撫で続けてくれていた。
 それからジェニファーさんに聞いた話だが、その間リリィさんも涙を流し続けていた、とのことだった。
107名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:27:19 ID:ApPeRrxg
(2−6)
「ふぁああああああんっ、イ、ヴ! もっとぉおおおおおおおおお!」
 私の下でジェニーから産まれた彼女のそっくりの寄生体、イヴの触手を私は身体の中に侵入させて楽しんでいた。
「らぁぁぁぁああめぇええええええええ! ありすぅううう、いっちゃうううううううううう!」
 ジェニーそっくりのアメリカンボディから上がる、可愛い嬌声が私の官能を電撃のように刺激していく。
 私は身体を揺らしてながら横を見る。そこには私そっくりの寄生体、レラの上で私と同じように腰を振り続けるジェニー、そしてその背後にはリリィの姿もあった。
「いやぁああんっ! ジェニー、はげしすぎぃいいいい!」
 彼女の下にいる私そっくりのレラが口元に手の甲を当てて首を振りながら悶えている。
「くぅうううううんっ、ごめんんんっ! でもぉ、きもちぃいいいいいのぉおおおおお!」
 その上のジェニーは謝りながら私とは比べ物にならないぐらいに激しく腰を振り続けている。
「いいわぁ、さいっこうよぉ、ジェニー! あはんっ! でも、しぼりすぎぃいいいい!」
 その後ろから彼女のお尻を蹂躙しているのはリリィだ。背後から抱きつくようにしてジェニーの豊満な胸も攻め続けている。
 まぁ、おそらくリリィのせいもあってあそこまでジェニーさんも腰を振っているのだと思うけれど……ジェニーは、結構タフだからなぁ。頑張ってね、レラ……。
「はうんっ! でちゃぅうううううううううう!」
 一番先に出したのはリリィさんだった。ジェニーさんの身体もその放出を受けるためにわずかに動きが止まった。
 息を切らしながらジェニーの身体に擦りつくリリィさんが、ふと私と目が合った。その次の瞬間、彼女は不敵にニヤリと笑うと腰振りを再開させたジェニーさんから触手を引き抜いた。
 蜜を垂らしながらこちらに歩いてきた彼女は、私が表情を強張らせても動きを止めない。
「たのしそうねぇ……あ・り・す」
「う、うん! だ、だからこれいじょう……ね?」
「ふふ、だ〜めっ。ありすかわいすぎるからたえられないわ〜」
 リリィが私の背後に回ったと思ったら、もう肛門に何かが当たっている感触がある。
「だぁっ、めえええぇぇぇぇっ」
「ふふふっ、いくわよぉ……くぅうううううううううあぁああああっ!」
「きゃあああああああああああっ、らめぇええええええええええええっ!」
 私の直腸がリリィの触手によって押し広げられていく。しかし、あまり痛み自体は感じない。おそらく触手が充分濡れているからだろう。
 その衝撃に私は耐えながらゆっくりと目を開いた。すると……私の下にいたイヴが火照った顔で笑っていた。
「ああっ……だ、だめぇっ……いまうごいたらぁ……」
「……そんなかおされたらぁっ……がまんできないぃいいい!」
「ふぁあああああっ、うごかないでえぇええええええええええ!」
 私の下のイヴが軽く腰を浮かせて激しく私を突いてきた。まるでさっきまでの仕返しといわんばかりに。
「はあああああああんっ! いいわぁっ、しまりぐあいがさいこぅううううううう!」
 その間も遠慮なく私のお尻の中を激しく出入りするリリィ。閉まり具合など、イヴの攻めが激しすぎて勝手に閉まってしまうだけなのに!
「らめぇえええええええええええっ、こわれるぅううううううううううう!」
 私の身体はイヴの上で絶えず激しく揺れ続ける。イヴに突かれて後ろに動くと、途端にリリィに突かれて前に動く。
 その動きに耐えられず私はイヴの身体の上に寝そべった。しかしこれが逆効果だった。
108名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:27:57 ID:ApPeRrxg
(2−7)
 背後のリリィは私のお尻をつかむと一層激しい連打を繰り出してきた。
 イヴの方は腰を動かしていないにもかかわらず私の中を素早く攻め続けている。おそらく触手だけを動かしているのだ。
「あああああああああああああっ、もうらめえええええええええええええっ!」
「わたしもいくぅうううううう、ありすにだすううううううううううううう!」
「いやああああああああああんっ、うけとってぇええええええええええええええ!」
 私が自らの蜜を放出すると共に、二人の甘い蜜がお尻とおま○こから入り込んでくる。その量はとてつもなく多い。
「くっ、いっ、あっ、はあぁぁぁぁぁっ……」
 小出しに出されたそれを私は受け取りながらイヴの胸のお山に顔を沈めた。心地よい柔らかさが頭を包みこむ。
 するとその背後にリリィが倒れこんできた。私の身体を抱きしめて、耳たぶにアマガミしてきた。彼女のお気に入りの行動だ。
 そのくすぐったい刺激を受けながら、いまだ激しい行為を続ける横の二人に目をやる。
「もうぅぅぅぅぅ、らめぇぇぇぇぇ……」
「まだぁあああああ、もっとぉおおおおおおおお!」
 いまだ二人とも達していない……というわけではないらしい。少なくともレラのほうはもう何度もジェニーの中に出しているのだろう。
 しかしジェニーが満足していないのだ。彼女はかなり欲求には貪欲らしいことはこの1週間でよく分かった。
 けど良かった……あれから私とジェニーから産まれた寄生体とリリィは私達に申し訳なさを感じていた。寄生体のせいで私達が深い傷を負ったと感じていたのだろう。
 だから私とジェニーはそんな3人と強引に交わり、その誤解を解くことにした。最初は嫌がっていたけれど……今ではこうして楽しんでくれている。
 もちろんそれは私達だって変わりない。彼らを受け入れるたびに快楽はうなぎのぼりにあがっていっている。
 まぁ……そのせいでジェニーはもうその虜というわけだけど……。
 でも私だってそれは同じ。
 何故なら私はもう休憩を終わりにして、イヴがまだ息遣い荒くしているのを気にせず腰を動かし始めているのだから。
「さぁ……って、第2ラウンド開始よ!」

(終)
109名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:30:05 ID:SJamtYI3
(2-7)とか書かれても(2-9)まであるのか(2-28)ぐらいあるのか全然分からないんで(終)だけでいいんじゃない
110名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:38:14 ID:ApPeRrxg
IDって変わるんですね……一応、35の作者です。分岐とかでお分かりかと思いますが。

さて、以上です。やっぱり実際に上げてみると、長いなぁ……。
あとあまり確認作業してないから、誤字とか脈絡がおかしかったりするかもです。お許しを。
さとて、これで終わったと思うなよ? またお見舞いしに来るからな……?。
と、大きな口を叩いて失礼をさせていただきます。よいお年を〜。
111名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 23:49:12 ID:gx9S9MJ1
IDは基本的には毎日変わる
(たまに変わらない事もある)
名前欄を有効に使ったら?
112名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 00:03:51 ID:U6h2eeQl
まず長文投稿乙です。

多レスにまたがる投稿については、
>>111さんの書いてるように、名前欄をタイトルにするか、
トリップ付けてしまうかがわかりやすいと思いますよ

あと個人的には、分岐であるなら、どこかに
>>92から>>102に飛ぶのがbルートです」
みたいに書いてくれると専ブラ使用者としては確認が楽なんですが…
113名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 00:24:23 ID:2Dci19DH
>>109
そうですね……実際打つのもめんどくさかったり。
次回からは分岐に印とか、場面のチャプター割りとかにしたほうがいいですね。

>>111
>>112
実はタイトル自体考えてなかったり……。
タイトルとか、登場人物の名前考えるの苦手なんですよね。面目ない。
でも、多レスに跨りそうな場合は考えないと逆に迷惑掛かりますからね。なんとか考えます。

こんな応用が出来たとは……ご教授助かります。
ただ、毎回上げていく途中で行数計算してないから、多分先にやるとずれちゃったりすると思うんで、
102に「>>92の続きです」みたいなことを書く形になっちゃうかもです。それでも大丈夫ですかね?


ご意見、本当にサンクスでした!
114名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 02:49:23 ID:ew0Zxl4H
よくもまぁこんなに連続で話を書けるもんだ…凄いな
>>87-92
>>93-101
>>102-108
こんな感じで安価目次作っておけば新規の人も読みやすい気がする
と言うか俺も時間あるときに読ませていただきます、まじ乙です
115名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 18:10:12 ID:cR46595B
>>100
GJ
116名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 00:32:20 ID:81NADlZn
>114氏
まぁ……頭の中が常に変態なのであまりネタには困らないですね;;
ただ、不埒なシーンが苦手というかパターンが同じにねぇ……精進します;;

頭イイ!(゚∀゚)
こんな方法があるとは……助かりました。
分岐がある作品にはありがたく使わせていただきます。

>>115
恐縮です;;
そのシチュエーションは特に受けるか不安だったので、正直ホッとしました。
どうもサンクスです!


さて、またこりもなく次のを書いているわけですが……これまたかなり長くなりそうです。
そこで、どこかのスレで一度見たのですが、長すぎる場合は
txtファイルでどっかのアップローダに上げてリンクを貼るほうがいいですかね?
正直、レスが100代なのにスレ容量が膨らみすぎてて不安で仕方ない;;
117名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 02:44:41 ID:jwm7KaI5
ろだの使用は自由だけど、そんなに早いスレではないですよっと
細切れ連載の人だっているんだから、敢えて何回かに分けて出し惜しみって手もありw

感想書いてる人いないのでなんとなく出しゃばってみる
設定が少しぶっ飛び気味にも見えるけど伏線の張り方と盛り上げ方はやっぱ上手い
あと百合好きなのがよくわかりました、いい感じでごちそうさまでしたw
意思乗っ取り・クローン系と来てるのでよかったら堕ち描写も書いてほしいです
118名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 23:50:46 ID:VO78Y5IY
寄生生物出産シーンが好きな俺としては非常に良かった
もう一個の出産シーンも見たかったな
妙に設定が重い&人類を滅亡させたがるのは趣味か、趣味なのか
119名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 14:49:26 ID:ewfwOc3k
>>116様(コテハンかトリをつけると他の方も呼びやすいのではないでしょうか)
遅ればせながら「ゆう」の話2バージョンともようやく読み終えました。
無垢で無力な少女が無垢で無力ゆえに最凶のジェノサイダーになる、という
どこかねじれた感じの構図にしびれました。こういうのも独特の「悪堕ち」かなと。
(ひょっとすると楽しみ方のツボとして微妙にずれているのかも知れません。ご容赦下さい)
細かい小道具や心理描写、それにもちろんエロ描写も堪能しました。読み応えありました。
ごちそうさまでした。

新作の方はまだなんですが、また時間あるときの楽しみにします。
120名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 22:16:09 ID:8Hrpz+y8
前スレの「白濁の巫女」を読んでこのスレに取り憑かれた新参者ですが、
みなさんのSSを拝読している内、2ちゃん某所に投下した下記SSの続編を書いたら、
書きようによってはこのスレ向きになるのではないか、とふと思いました。どうでしょうか?
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1237203917/269-289
しばらく忙しいので実際に書くのは遅れるとは思いますが…

ちなみに、上記SSも一応寄生ネタと言えそうながら、ちょっとずれている気もします。
また、一応全年齢板なのでエロ描写は控え目ですが、父娘相姦ネタがあるのでご注意下さい。
121名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 22:17:03 ID://OUxv1C
>>117
よかったぁ、とりあえず一安心しました。
出し惜しみかぁ……そうするとどこに完成品を保存したか忘れ(ry

言い訳なんぞしてみると……ぶっ飛んでるのは、当初あれは「短編」の予定だったんで、
もうかなり端折ったんですけど、後半の分岐で、ボリュームがアップしてきてもう\(^o^)/


>>118
被っちゃうと思って、後半のほうではカットしちゃったんですよね、申し訳ない。
一応ジェニーとアリスが二人でよがりながら出産……っていうのも考えてはいたんですけどね。
設定は自分に責められるのを書いてみたい、っていうのだけを頭に入れてたらああなってましたw
重い設定なのは逆に世界平和を隠喩してる、みたいな感じだからね。嘘じゃないからね!

 
>>119
とりあえず、馬鹿みたいに長い話なので本当にお疲れ様でした;;
「ゆう」のやつですが、結末自体はもっと多く考えてて、その中にはもっとカオスなものも考えてました。
例えば、ゆうに彼氏が出来て嫉妬した寄生体が彼氏に寄生して、最終的にゆうを食べちゃう……とかw
結果的に、最初の結末自体は最悪な気分の悪い終わり方にして、もう一つで逆に喜劇みたいにしようと……。
だからメイドとか出て更にカオスに……w
細かい部分までお褒めいただき光栄です。新作も同じように長いのでお時間があるときにお読み下さい。


みなさまご感想、ありがとうございました。


さて、これからこりもせず別の作品を上げさせてもらうわけなんですが……。
先に言うとこれは117氏の「悪堕ち」という言葉に魅入られ、
それまで書いてた作品を休止して適当に書いたものです。
だから「悪落ち」を狙って書いたものです! 狙って、ね!
まぁ……結果は、これからあげさせてもらいます。
時間があるときにお読み下さい。
122快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:18:54 ID://OUxv1C
「次の方、どうぞ」
 私は今日も治療に励む。それは患者の笑顔を見るのが大好きだから。特に私が担当している精神科は笑顔を患者さんに与える場所だと私は思っている。
 でも、精神科に初めて来た人にはほぼ笑顔と言うものは見られない。というより、笑顔で病院に来る人もあまりいないのだけど。
 けど、その人たちが病院から帰るときにわずかにでも笑顔を見せてくれれば、それだけで私にも笑顔が溢れてくる。
 そしてまた今日も誰かが私の元を訪ねてきてくれた。その笑顔を求めて来てくれた人のために、今日も私は頑張るのだ。
 ……けれど、その日最後にやってきたその女性は、始めから笑顔を携えていた。それも何て言うか……艶やかでとても何か不安を抱えているようには思えないような笑顔を。
「市原 夢魅さん、ですね。今日はどうされましたか?」
 私はいつものようにドアの鍵をボタンで閉めた。外部の人間と接触を怖がる人も多いからだ。こうすればナースと言えど入ってくることは出来ない。
「ふふっ……あなたが有名な『笑顔のドクター』ね」
「え、ええ。まぁ、名前だけ先走ってる感じがしますけどね」
 市原さんは微笑みのような笑顔を絶やさずに聞いてくる。『笑顔のドクター』かぁ……改めて言われると恥ずかしいなぁ、なんか。
「名医って言う噂だけど……、そんなあなたでもないかしら? 自分の力不足を感じること……」
 前かがみになって私に顔を近づけながら市原さんが問いかけてくる。私にはない大人の魅力を持った女性。私は正反対に子供っぽく、医者らしくないとよく言われる。
 しかし、彼女が言った言葉……それは私がこの1年、精神科医をしてきて感じている大きな壁だった。
「……患者さんにこんなことを言うのは申し訳ないですが……力不足を感じることはいつもあります」
 例えば麻薬中毒者。彼らがここに来るときも笑顔を浮かべている。しかし私はそれを笑いとは認めない。あの笑いは苦痛の叫びなのだ。私が最も憎むべき病がそれだ。
 しかし……そうした人たちに私が出来ることは数少ないし、なんとか彼らが本当の笑顔を取り戻した後、再び手を染めてしまうこともとても多い。
 その他にだって強姦された人、愛する人たちを失ってしまった人、いじめなどの苦痛に耐え忍んできた人……特に私と同性の人たちの患者が多いが、彼女ら全てを癒してあげらえることはまず不可能だ。
「ですが、私は諦めません。無責任かもしれませんが、もし諦めたら100人中1人も助からない。でも、諦めなければそのうちの1人でも助けられるかもしれないからです」
「流石ねぇ……純粋だわ。その白衣みたいにあなたの心も真っ白ね。でも……そんな綺麗な身体を持て余すのはちょっと勿体無くないかしら?」
「……は、い?」
 思わず私は何の話をしていたのかをすっかりと忘れてしまった。それに……私の身体が綺麗って、そんなこと急に言われても意味が……。
 そんな風に頭が真っ白になっていたとき、突然私は後ろから羽交い絞めにされた。
「きゃあっ! な、何?!」
 気付けば目の前にいた筈の市原さんの姿が無い。辺りを見回そうとすると、首筋に暖かい息が掛けられた。
「ふふっ……力を抜いて……私があなたに力をあげるわ……ふふっ」
「やめて下さい! はな、して!」
123快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:19:44 ID://OUxv1C
同じ女性とは思えないほどの力で私を拘束していて、上半身はほとんど動かない。下半身は動きそうだけれど……さすがに蹴りを入れるのは失礼すぎる。それに冗談のつもりだったら、相手は深く傷ついてしまう。
「い、市原さん。落ち着いてください。あなたの抱える病を私に話してください」
 抵抗するのをやめて私は背後の彼女に話しかける。そうだ、彼女は患者なのだ。その傷が彼女を追い込んでいるのだ。落ち着け、落ち着け、私!
「病ねぇ……欲求不満ね」
「なっ!?」
 私の手を自由にすると、今度は私の腰に抱きつき、そのまま部屋の脇のベッドに私を押し倒してきた。その上に黒いワンピースを着た市原さんが静かな微笑みで乗っかってくる。
 頭の中で必死に相手を落ち着かせる方法を考ようとするが、頭がパニック状態で何も思い浮かばない。ただただ目の前の光景に唖然とするばかりだ。
「いいわ、その顔……可愛いくて、興奮しちゃう」
「そ、そんな市原さ、んんんっ?!」
 真っ赤なルージュの柔らかな唇が私の唇に重なる。同時に私とは対照的な彼女の胸と、理想的な肉付きのお腹が擦れる。
 私は反射的に口を閉じようとしたが、その瞬間彼女の舌の感触を僅かに感じて躊躇すると、一気に彼女の舌が私に侵入してきた。
「んんっ! んんんんんんっ!」
 激しく私の口の中を動きながら、私が白衣の下に着ていた赤いブラウスをビリビリと荒々しく破り捨て、露になった私の胸のピンクのブラの真ん中を長い爪で切ってしまった。
「ぷはっ、やめてぇ! いやぁあああああっ!」
「ふふふ、もうこんなもの要らないわ……」
 口についた私の唾液を妖しくすすりながら、自らのワンピースを横に脱ぎ捨てた。それだけで彼女は一糸纏わぬ姿になる。ブラどころかパンツまで穿いてないなんて……。
 そして私のスネの上移動すると、私の黒のタイトスカートをあっさりと破り捨てて、黒のタイツとパンツは一気に太もまで下ろされ、私も抵抗むなしく裸に白衣という姿にされてしまった。
「もうやめてぇ……何がしたいんですかぁ……?」 
「ふふっ、だから私がしたいわけじゃなてあなたにして欲しいの……まぁ、楽しみたいのよ……私もね」
 だめだ……まったくもって話になってない。欲求不満ならあなたのその豊満な胸と妖しく大人っぽい顔なら男の人に困らないとはずなのに……。
「はぁんっ……もう我慢できないわぁ……」
 私の上で股を弄くり始めた彼女に私が何を言えばいいのだろう……まぁ男に襲われてるわけじゃないし……このまま暫く放っておけば落ち着いてくれるかなぁ……。
 もう、そう割り切ることにした私は光悦な表情で自慰行為を始めた彼女を黙ってみていた。それにしても……大きな胸だなぁ……動くたびにあんなに揺れてる……いいなぁ……。
「だめっ、だめっ! もう溶けるぅうううううう!」
「……えっ?」
 その時、私の身体に乗っている市原さんの姿が……溶け始めた。白かった素肌が、黒い液体へと変貌を始めている。
「きゃ、きゃああああああああああ!」
 私はベットから転がり落ちてでも逃げようと暴れだしたが、黒い液体はその見た目からはありえない重さで私の上で束縛し続ける。
「ひぁああああああああああ!」
 膣に冷たい感触を感じて上半身を持ち上げるとその液体が勢いよくそこから浸入してきている。そしてそのお腹の上の大量の液体は私の顔にも這いずるように近づいてくる。
124快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:21:17 ID://OUxv1C
 とっさに口を閉じて片手で鼻も閉じた。お腹のへその辺りからも何かが入ってくる感覚を感じたが、それよりも顔にせまるその液体のほうが恐怖を私に与えていた。
 液体は私の顔の手前で数秒だけ止まると、なんと腕を素早く伝って指の先から耳の奥へと浸入を始めたのだ。
 それに驚いて思わず口を開いてしまったが最後、そこからも浸入を許し、手で口を塞ごうとすれば鼻からも浸入を開始された。
 液体が入ってくるたびに頭が揺さぶられ、真っ白な意識でただただ液体にされるがままになった私は、浸入のなんともいえない感覚を受け続けることになった。
「くぅ、あっ……」
 その全ての液体が私の中に浸入し、私は久しぶりに空気を吸った。しかし、口や鼻から浸入されている間にも息苦しさは感じなかった。
「なっ……なん……」
 人間一人分の液体が身体に入っていったにも関わらず身体は重くなく、むしろ今日の仕事の疲れが消えた感じさえする。ただ、頭だけは状況が飲み込めずに真っ白なままだ。
 震えた身体をなんとか起き上がらせる。白衣の中に包まれている私の肢体には先ほどの黒い液体の姿は無いけど、触ってみると粘液のようなべたべたとした体液がべったりとついていた。
 そしてベットから足を下ろすと先ほど市原さんが着ていた黒いワンピースと、彼女の黒いハイヒールが落ちていて、私に先ほどの行為が夢ではなかったことを認識させた。
「……なによぉ……なんなのよぉ!」
 そう叫んでも部屋にいるのは私だけで、誰も答えてなどくれるはずもなかった。


「ううっ……ううっ……」
 私は家に帰るなり、雷鳴以外の光がない暗闇の中、自らの家のベットの上で黒いワンピースを纏った身体を抱きしめた。
 あれから着る物がなくなり仕方なくこれを着て帰っては来たが、家についた瞬間に静まっていた理不尽さが再び私の頭を混乱させた。おそらく家に帰って安心できたせいもあると思うけど……。
 一体、何が私の中に入ってきたのだろうか? レントゲンやCTで調べようかとも思ったけど……その勇気は私にはなかった。だから私は別の決意をして病院から家まで帰ってきたのだ。
 私はベットの横においてある包丁を見る。……これから何か私に起きればこれを使うつもりだ。
 考えすぎかもしれないけど……もし何か人に……患者さんに危害を加えるものを私が持っているのだとしたら、それを広げるわけにいかないから……。
 カルテなどの診療以外の仕事はしないで帰ってきたから家に着いたのは8時過ぎで、今はもう12時過ぎを回っている。
「このまま何も起こらないで……お願い……」
 私は膝小僧に額を載せて祈った。もう一度……昇ってくる朝日を拝み、そして……また患者さんに笑顔をもたらせる大好きな仕事を続けられるように。
(ふふっ……元気ないわねぇ、笑顔のドクターさん?)
「ひゃっ!」
 身体の内側から聞こえてくる声に私は思わず驚きの声をあげた。しかしそれは聞き覚えのある声で……もう二度と聞きたくない声でもあった。
「あなたは……市原さんですね?」
(まぁ、それはもちろん適当な名前……それに、もうそんなことはどうだっていいじゃない。私はあなた……あなたは、私なんだから)
「何を勝手なことを……」
 私は拳を握り締めながら自分の身体に言い放つ。しかし……そんな個人的な怒りは後だ。もっと聞かなきゃいけないことがある。
「一体、あなたは何をしたいんですか? いえ……あなたは何者なの?」
(う〜ん、そうねぇ……早い話が寄生生物ってことかしらね。目的は女の子に私の子供を産み付けて快楽を貪ることかしら)
「っ! ……つまり、私の患者さんにもあなたは手を出すつもりなんですね?」
(もちろん。あなたのところには比較的若い女性が集まるし、それに……快楽を与えれば彼女たちにも笑顔が浮かぶ。それはあなたの目的と一致するんじゃないかと思ってね)
「ふざけないで! 患者さんの心の傷を何だと思っているの!? 甘く見ないで!」
125快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:22:17 ID://OUxv1C
 思わず私はベットを拳で叩きつけ、そのまま包丁を掴むと自らの首のすぐ横まで持ってきた。
(あらあら、死ぬつもり? どうしてかしら?)
「私の患者さんには絶対に出だしはさせない! そんなことさせるぐらいなら、死んでやる!」
 しかし……包丁の刃を喉元まで数センチのところまで近づけても、寄生生物はいたって冷静なままだった。
(なら、そうすればいいわ……ふふっ)
 その態度に歯軋りをして包丁を近づかせる……もう刃の部分は私には見えないほど近くにある。時折落ちる雷が妖しく包丁を照らし出す。
(ほらっ、早くしなさいよ……あなたの血もさぞ綺麗なんでしょね……楽しみだわ)
「くうぅぅ、くっそぉおおおおおお!」
 その挑発に私は包丁を握る手に一層力を込め、雷鳴が落ちた瞬間その包丁を……
 ……首から離すと、ベットの横に落とした。……手が滑ったわけではない。
「やだよぉ……死にたくないよぉ……ううっ、あああああああああ!」
 私は膝を抱えて泣き出した。何で私が……ただ私は医者として人に笑顔を与えたかっただけなのに……なんでこんなことに……。
(落ち着いて……大丈夫、死ぬことなんてないわ)
「うる、さい……」
(ふふっ……しょうがないわねぇ……)
 勝手なことを喋りつづける寄生生物にやり切れないほどの怒りが湧き上がったが……今の私にどうする手段もない。患者のために命を捨てられない私に……。
「あっ……ひんっ……お、しりがぁぁああ……」
 お尻に力も入れていないのに何かが肛門から近づいて来る感覚が私を襲った。
「ひあんっ! でるぅう、なにかぁでてくるぅうううううう!」
 ベットに倒れこみ、お尻を突き出すようにしてその衝撃に私は耐えた。出てきた何かがワンピースのスカートに当たり、そのまま私の前まで出てきた。
(可愛いでしょ、これ……もうあなたのものなのよ?)
「や、やだああぁぁ……やだぁあああああああああ!」
 私は後ずさりしてそれか遠のこうとするが、離れない。当たり前だ、私のお尻から出てるのだから……この太くて大きな触手は。
 ……けど、それだけじゃない。後ずさりしてその触手が地面に当たるたびにその感覚が私にも感じられる。つまり……この触手はやはり私のものなのだろう。
(驚いて当たり前ね、いきなりこんなの出されちゃったら。……けど、これはあなたを快楽へと導いてくれるわ。そんなに恐れないで……)
 声も出ない私はその触手に向かってただ首を振るばかりだ。こんなものが私を快楽になど導けるはずがない! そう言いたかった。
 触手はゆらゆらと私の顔の前で揺れている……と、思った次の瞬間、私の視界からそれは消え……思わぬところから刺激が飛んできた。
「なっ、ああああああああんっ!」
 刺激が飛んできた場所……私のオマ○コに目をやるとそこに向かって触手が突き刺さり、そしてよく見れば奥へと入ろうとしていた。
「ふあぁああああんっ! やめてぇえええええええええ!」
 私は反射的にその触手を掴んでその動きを止めようとする。しかしその触手はまるでウナギの体表のようにヌルヌルとしていて、私の手をすり抜けて侵入してくる。
「やあっ、めぇっ、こわれぇぅううううううううう!」
 子宮のあたりにまで届いたかと思えばいきなり逆流し、そしてまた突き戻ってくる。触手が私のお尻を擦れるたびに刺激し、更には触手が味わっている私の身体の中の感覚までもが頭に送られてくる。
126快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:22:41 ID://OUxv1C
(ふふっ……快感に頭がおかしくなっちゃいそうでしょ? それでいいのよ……もっと喘ぎなさい……もっと、もぉっと、ね……ふふっ)
「ひああああああああああんっ!」
 外の雷鳴が私の行為と同じように激しく鳴り響くなか、それと呼応するように私の行為も激しくなっていき……そして何かが変わり始めてしまった。
「ふあんっ、そこぉおおおおお……いいのぉ……もっと、もっとぉおおおおおお!」
(ほぉら……あなたいい笑顔になってきたぁ……分かるでしょう、自分でも)
「くふんっ! うんっ、わっ、かるぅううう! きもちよくてぇえええ、さいこぉおおおおおお!」
 これまでこんなに笑ったことはあっただろうか? だめだ、笑いが止まらないや。だって気持ちいいんだもん。
 私はもっとその気持ちよさを手に入れようと自らの胸を揉む。しかし、先ほどの市原さんのたわわな胸を見てしまった後では自らの品疎なそれを揉んでもイマイチ官能は刺激されない。
(可哀そうに……でも、もう大丈夫よ。あなたはいい子だからもっと気持ちよくなったら、私が御褒美をあげる……だから頑張って……)
「くんっ、うんっ、がんばるぅう、わたしがんばるぅうううううう!」
 頑張るといっても触手の動きに合わせて微妙に腰を動かすぐらいしかできないが、それでも快感を貪ろうという意思があるだけで私の頭はもう真っ白になっていた。
(さぁ、くるわよぉ……思いっきりよがりなさい……)
「んあああああああああっ! わたしぃ、わたしぃいいいいいいいいいい!」
 触手に何かがたまっている様子が私にも伝わり、それを自らの意思で私は私の中に解き放った。
「はぅうううううんっ! あつい、あつぃいいい! でもぉ、きもちぃいぃいいいいいいいい!」
(ふぁんっ! ……あなたっ、さいこうよぉ……わたしまでこんなにかんじるなんてぇ……ふふっ、ごほうびをあげないとね……) 
「やんっ!」
 勢いよく私のオマ○コから抜かれた触手が、目の前に上がってくる。私のお汁と、触手から出たらしい緑の液で触手はべとついていた。
(お口を開けて……ああっ、大丈夫よ。これはお尻から出てるけど、もうあなたのお尻からはこの触手しか出てこないわ。今までトイレで出してたもの全部、私がこのいやらしい液体にかえてあげるから……)
 ピュッと触手の先から出た緑の液が私の顔にかかり、何とも言えない甘い匂いが私の鼻に入ってくる。……おいしそぅ……。
「わかったぁ……たべるぅ……はむっ」
 私はべとべとの触手を自ら動かして口の中に迎え入れた。アマガミしてみると柔らかいお肉のようなその感触と共に、ピリッとした刺激が走った。
「んん〜っ、おいひぃくへぇ、きもひぃいいいい……」
 口の中で触手を出し入れしてみるとこれもまたオマ○コに入れるときとは違う快感が私を襲った。ほとばしる緑の液も匂いに違わず、舌が蕩けそうなほど甘美な味をしている。
「んんっ、あへぇ……?」
(気付いたかしら……これが私からプレゼント……)
 先ほどまでぶかぶかだったワンピースの胸部分が膨らんできている。それだけじゃなくて、なんか体中が熱くて……きもちぃい。
(あなたはこの新しい身体でもっとみんなに笑顔を与えてあげてるの……笑顔、大好きでしょ?)
「うんっ……ぷはっ、わたしぃ、がんばるぅ……」
(えらいえらい……さぁ、今日はそれを咥えながら眠りなさい……あなたの身体を心に相応しいものにしてあげるから……)
「やったぁ……たのしみだなぁ……ありがとうね」
(ふふっ……これから一緒に楽しみましょうね……おやすみなさい、先生)
「おやふみぃ……」
 私は触手から流れ出る液体をまるで酸素のように吸いながら深い深い眠りへと入った。

127快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:23:32 ID://OUxv1C
「……んっ……ふぅあ〜っ、朝だぁ……きれいだなぁ……」
 ベットから起き上がって差し込んだ朝日に私は思わず笑顔がこぼれてしまう。いつもなら幾ら寝ても疲れが取れず、ベットから中々離れられないほど朝は苦手だったけど。
 跳ね上がるようにベットから飛び出て改めて感じる。身体がまるで浮いているかのように軽い。軽く飛んでみたら、150cmしかない身長でも軽々と天井に手が届いてしまった。
「あはっ。楽しい。……おおっ!」
 そしてそのジャンプにあわせて大きく揺れる胸。まさか下を向いてつま先が胸に隠れるなんて……。
「ちょっと触ってみ……きゃっ! やだっ……これだけでオマ○コ濡れてきちゃう……」
 私はワンピースのスカートを捲り上げて秘所をいじくり回す。しっとりと濡れたそこも少し触るだけで、立っていられないほどの衝撃を私にお見舞いしてくる。
 その快感に浸ろうとした私の目に目覚まし時計が目に入る。……そうだ、私には大事な患者さんたちがいるんだから、そんなことしてる暇はないや。
 まだ鳴っていなかったその目覚まし時計のボタンを押してアラームを切ると、台所に向かっていつもよりかなり多い朝食を用意した。
「あはは……ちょっと作りすぎたかなぁ?」
 ご飯、納豆、味噌汁、卵焼き、目玉焼き、インスタントカレー、ハンバーグ、チキン南蛮、ゴーヤチャンプル、そして野菜室の冷蔵庫の野菜を詰め込んだサラダ……と。もう冷蔵庫はスッカラカンだ。
 しかしそのせいで出勤時間が間近になってしまった。私はそれらを一気に詰め込む。不思議なことに食べても見た目も中身もあまり膨れない。
「んぐっ……ぷはあっ! さてとお化粧……っていいや! それより着替えないと!」
 私は鏡を見て化粧をする意味があまりないように感じ、そのまま箪笥を開け……そして愕然とした。


「よっと! ぎりぎりセーフ!」
 私は自らの診察室に駆け込むなりやっと、黒いワンピースを脱ぐことが出来た。
「まさか、家の服が全部着れなくなっちゃうなんて……」
 両手に持った紙袋を机の上に置き、とりあえず紺のセーターと黒のタイトスカート、そしてストッキングを穿いて白衣を着てみた。
「おはようございます、先生……あれ……?」
「あ、おはよう、桜ちゃん」
 私は壁の鏡から目を離して、部屋に入ってきた後輩のナースに近寄った。彼女は目を丸くして私を見ている。
「えへへ、どうかな?」 
 腕を組んで胸を持ち上げると、溢れんばかりの胸が彼女の目の前に差し出された。昨日と同じような服を選んだのにこれだけ違うなんて……。  
 私だってそう驚いているんだから、当然桜さんも声が出ないようで私の胸のふくらみに目を奪われていた。
「……私も……そんなに胸があれば……」
「あれ……どうしたの、桜ちゃん」
 不意に涙目になった彼女の肩に手を置いて顔を覗きこむ。いつもなら私と負けないぐらいにおしゃべりで、職場で一番の笑顔を持つ彼女からは想像できないことだ。
「ううっ……彼氏に……フラれちゃいました……お前は、胸がないからって……うああんっ!」
 泣き出してしまった彼女を私はゆっくりと優しく抱きしめる。私の豊満な胸に彼女の小さな胸は簡単に押しつぶされてしまう。
 私と桜ちゃんは医者と精神科のナースとしての関係以上に、お互いに胸が小さいことで特に仲がよく、励ましあってきた。
「ねぇ、桜ちゃん。あなたの担当は精神科……ここの人たちは笑顔を取り戻すために来るの。あなたがそんな顔をしてたら、患者さんは不安になっちゃう」
 桜ちゃんは私の言葉に反応すると、嗚咽を何度か零しながらも涙を拭き取ると、私の顔を見て笑顔を作った。
「だ、大丈夫です! ほらっ、いつもどおり……」
128快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:24:20 ID://OUxv1C
 その懸命な努力を見て、私は笑顔のまま首を振るう。違う、これは彼女の本当の笑顔ではない。
「桜ちゃん、まだ診察まで少し時間がある。ちょっとここに横になって」
 軽々と彼女をお姫様抱っこして、驚いた表情の彼女をゆっくりと診察台のベットに降ろした。
 そのベットの私も腰掛けて、ニコリと笑ったまま彼女の顔へ自らの顔を近づけていく。
「……いい匂い」
「えっ……せ、先輩? 香水なんてつけてませんよ、私」
 患者さんのために香水などもちろんつけることを禁止されている。しかし、私が感じているのはそんな匂いじゃない。女の子から自然に発せられる甘いフェロモンだ。それが私の頭を蕩けさせる。
「あ、あの顔が近いんです……先輩」
「ふふっ、人のことは言えないけど、子供みたいな顔……うん、食べちゃおう」
「えっ? んんっ?!」
 私は彼女の唇を奪うと、ナース服の上からその貧乳を揉みほぐす。もうすぐこれは、貧乳じゃなくなっちゃうから。
 彼女の口内をかき回して、彼女の甘い唾液を受け取る代わりに私の唾液を流し込む。目を見開いて必死に離れようとしているけど、それすら可愛く感じちゃう。
「んんっ……んっ……」
 そうしているうちに桜ちゃんの目が悦に入ったような虚ろなものに変わってくる。少しだけ白目をむいているようにも見える。
「んんっ、あっ。……桜ちゃん、次はこっち……」
 私は素肌にそのまま着ていたセーターを捲り上げると、たわわに実った片方を彼女の口元に近づけた。
「いい匂い……食べて、いいですかぁ?」
「もちろん。さぁ……たんとお食べ……んっ……」
 柔らかな桜ちゃんの小さな舌が私の乳首に当たっただけで、もう私の胸からは緑色の汁が出てくる。私は彼女が咥えていないもう片方を自ら咥えてそれを味わった。
「おいひぃ……ひぇんぱぁい……んんっ……」
 上目遣いに私を見てくる彼女が愛おしく、興奮してしまい思わず胸から液が溢れ出てくる。しかし、それでも嬉しそうに彼女はそれを飲んでくれた。
「んんっ……可愛い……ねぇ、桜ちゃん」
「なんれふかぁ? ……んっ」
 離す間も私の乳首から口を離さない彼女の無邪気な仕草がまた子供っぽくて愛らしい。
「もぉっと、気持ちいいことしてあげよっか?」
 しかし、私がそう言った瞬間にぱっと乳首から口を離して顔を輝かす。ああっ、本当にもうっ……。
「して下さい! お願いします、おねがい〜」
 胴体に抱きついて私をぐらぐらと揺さぶる。
「はいはい、がっつかない、がっつかない。じゃあ、下着を降ろしてこっちに向けて足を開いて」
 私は一人だけベットから降りると彼女にそう指示をした。彼女は従順に素早くそれを脱いでベットにほっぽり出した。
 そして私はオマ○コに力を入れて一息に触手をそこから這い出させて、彼女に見せ付けた。
「ふぁ〜っ、おっきいぃ! ん……はむっ!」
「あっ! きゃんっ!」
 ま、まさかいきなり触手を頬張るとは……何のためにそのピンク色の入り口をこっちに向けてって言ったと思って……でも、きもちぃい……。
129快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:25:27 ID://OUxv1C
 桜ちゃんは私の触手をアマガミしたり、舌で転がしたり、口で絞めてきたりと思いのほか多芸を駆使して、私を翻弄する。
「んんんんんっ、もうだめぇえ! いっかいぃ、ださせてぇええええええええ!」
 私は桜ちゃんの頭を掴むと乱暴に前後に振り回し、自らの快感を貪った。驚くことにその間も彼女は舌技などを続けていた。
「はぅうううううううう、うけとってぇええええええええ!」
「んんんんんんんんっ、ぷはぁあああああああああんっ!」
 おびただしい量の白い液体が彼女の口へと入り込んだが、途中で桜ちゃんは口を離して白地のナース服とその肌に私のが大量に付着した。
「んんんっ、すいません、もったいないことを……」
 悪戯がばれた子供のようにシュンと縮こまる桜ちゃんに、私は顔についた白い液体を舐めてニコリと笑いかけた。
「いいからいいから……さっ、今度はこれを直接中に入れてあげるからねぇ……」
 すぐに無邪気な笑顔を取り戻した桜ちゃんを、私は軽々と抱き当てると、私を迎え入れるように開いている彼女のオマ○コに触手をあてがった。
「ふあんっ……いれてえぇぇぇ」
 足を私の胴体に絡みつかせて彼女は軽く腰を左右に振ってきた。私はその顔をセーターの中に入れてあげて、胸も吸えるようにしてあげる。
「いくわよぉ……くぅ、はぁああああんんっ!」
「あああんっ! あんんんんんんんんっ!」
 力を抜いて彼女の腰を少し降ろすだけで一気に触手は奥まで入り込んだ。セーターの中の彼女の頭が挿入の爽快のためか、少し暴れた。
「くふぅんっ……いくわよおぉぉぉぉ……」
 私の言葉に、乳首が彼女の口に咥えられる感触を感じ、セーターの中で膨らみが縦に揺れるのを確認し、私は自らの腰を動かし始めた。
「くんっ! あぅ、いっ、きゃんっ!」
 くぐもった彼女の喘ぎがセーターの中から聞こえるが、しっかりと胸が吸われている感触も感じる。
「ゆ、ゆるゆるかとおもったらぁ、すごいぃい、しめてるうぅぅぅぅ……」
 愛液が床に垂れるほど彼女の中は濡れているため、動くことにはスムーズだけど、子宮を突いた瞬間にしっかりと反応して触手を締めつけてくる。
「んんんんっ、つぎぃ! つぎいくわよぉおおお!」
 当初、もっと楽しんでから出そうと思ってたけど……私はお尻からもう一本の触手を出すと、まだまだ余裕のありそうな彼女のオマ○コにぶち込んだ。
「きゃああああああああっ! そんらのはいらなぃいいいいいいいい!」
「はううんんんんんっ! きっつきつぅ……ふふっ、いっちゃぇえええええ!」
「らめえええええええええええええええ! あんっ! やんっ!」
 私は二本の触手を交互に出し入れして彼女を一気によがらせる。二つの触手が入っているというのに、彼女の中はヌルリと私を受け入れ、そしてギュッと締めつけてくれる。
「くぅうううううんんっ! ねぇ、だしていい!? だしていい!?」
 快感の嵐に頭がおかしくなりそうな私はセーターの中の彼女にせっつく。
 すると彼女はそのままセーターの首元を無理矢理広げながら顔を出してきて、私の目の前に火照った顔を出現させると、そのまま唇を重ねてきた。
「んんっ! らひぃへぇええええ! ひぇんふぁいの、くらはぃいいいいいいいいい!」
 舌を滑り込ませながら彼女は私に訴えかけてきた。それを見て私もフィナーレへと更に激しく彼女と繋がる。
 キツキツのセーターの中で彼女の成長した胸が私のとおしくらまんじゅうをするほど、私は身体を密着させると桜ちゃんに私を放った。
「あんんんんんっ! わらひぃを! うけほっへぇえええええええ!」
「んあああああああああっ! はいっへふるぅうううううううううううううう!」
 桜ちゃんの小さな身体に私をドンドンと流し込む。私を受け取るたびに彼女は大きく身体を跳ねさせながら、私を全て受け取ってくれる。
「あんっ、くんっ……せんぱいが、はいってきますぅ……」
「あはっ……いいかおしてるよぉ……さくらちゃぁん……ふふっ」
 嘘偽りのない笑顔を浮かべた桜ちゃんを、私はゆっくりと降ろした。あ〜あ、買ったばかりのセーターがビロンビロンだぁ……。
130快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:28:15 ID://OUxv1C
 私がそれを引っ張りながら苦笑いをすると、目の前の桜ちゃんのナース服の胸元のボタンが3つも一気に吹き飛んだ。
「くすっ……あはははははは!」
 思わず私が吹き出すと桜ちゃんも楽しそうに笑い出した。なんて最高な笑顔なんだろう……これをみんなに渡さなきゃ。
「あっ、桜ちゃん! ほら、急いで準備しないと!」
 私は壁の時計を指差して彼女に指示をした。彼女は胸元を隠しながらオドオドとしていたので、私は買ったばかりのコートを投げ渡してあげた。
「使って。多分、ナース服はステーションの奥にいくつか予備があるから」
 桜ちゃんはそれを聞くと慌しく一礼をして部屋から出て行った。が、顔だけドアから覗かせるとこうつけ加える。
「また後で、可愛がってくださいね?」
 悪戯っぽく笑うと彼女は私の返事も聞かずに消えて行った。今頃身体が身軽なことに驚いているだろう。
「さってと……もっとも〜っと寄生してみんなに笑顔を配らないと……あはは、楽しみ……」
 私はベットリと濡れたベットのシーツを取り替えながら触手を身体の中に戻し、ぶかぶかになったセーターの代わりにブラウスを着て、患者さんを待った。
 パソコンが受信音を鳴らし、早速本日最初のカルテが届いた。高校2年生の女の子かぁ。えっと……同級生による苛めの疑い……可哀そうに……。
「次の方、どうぞ」
 私は簡単にカルテに目を通すとマイク越しに言った。ゆっくりとドアを開けて入ってきたのは、紺のブレザーを着た可愛らしい女の子だ。
「……ぃ……ます」
 小さく頭を下げた彼女はこちらを見ようとはせず、しきりに眼鏡を掛けなおしては回りをちらちらと見ている。
「はい、どうぞ座って」
 私は対面の椅子を示して、いつものように笑顔で接する。彼女はおどおどとした仕草で椅子に座りかけてくれた。
「さて……秋月 ひとみさん……今日はありがとうね」
「えっ?」
「病院に来てくれて。ほら、ここって人が多いし、精神科に来てくれるだけでも勇気のいることだよ」
 精神科……特に若い女の人がその待合室で待っていると、よく他の患者さんは白い目でちらりと見てくると言う。時には受付をしたのに耐え切れずに帰ってしまう人もいる。
「珈琲、紅茶、ジュースもあるけど、何を飲みたい?」
「あっ……じゃ、……紅茶を」
「はいはい。牛乳とかはいれて大丈夫かな?」
 私の言葉に小さく頷くひとみさんを確認し、私はいつものように紅茶と珈琲を用意し始めた。
「……私……本が好きで……人と話すのは苦手で……根暗、って……」
 突然、ひとみさんが言葉を紡ぎ始め、私は用意する手を休めて彼女の前の椅子に戻った。俯いたまま彼女は続ける。
「教科書無くなる位だったら……でも、屋上でずっと……殴られたり……蹴られたりして……」
 私はそこまで言ってくれた彼女の口の前に人差し指を出して、それ以上の言葉を止めてあげた。なんて勇気のある子だろう。
「……ありがとう。すごいよ……私よりず〜っと偉い」
 顔をあげて私を見るひとみさん。レンズ越しの目に涙がたまってくると、同時に嗚咽がこぼれ始めた。
 その頭をゆっくりと胸に抱きいれてあげる。それが彼女の涙のダムの決壊原因となって一気に彼女は泣き始めた。
 眼鏡をゆっくりと取ってあげると純粋そうな目をしていて、涙なんかより笑顔の方がよっぽど似合いそうな顔をしている。
 黒いボブカットのショートヘアーを撫でつけてあげると、私や桜ちゃんよりも無垢であどけないまさしく女の子の匂いがした。……たまらない。
131快楽処方箋:2009/09/03(木) 22:28:47 ID://OUxv1C
 私は右手でカルテを書き上げると、ひとみさんの顔をゆっくりと離し、その小さな唇に私のそれを重ねた。
「んんっ……んっ? ……んんっ」
 驚いたのはひとみさんが拒むことも大して驚くこともなく私を受け入れたからではなく、なんと私の口内に自ら舌をもぐりこませてきたからだ。
 しかし彼女の涙は止まるどころかさらに流れ出てきた。彼女の舌も、私をまるで離さないようにと絡み付いてくる。……本当に寂しく、そして悲しかったのだろう。
 私はその涙を指で拭き取って彼女の笑いかけてあげる。すると彼女も頬を緩ませて私を強く抱きしめ、その舌の動きも激しく私を求めて動き回っている。
「んんん……んんあっ……きもちいい?」
「あんっ……もっとぉ……もっとぉ……」
 その無垢な目をした彼女のだだに、私はベットへと彼女を案内した。
「ふふっ、じゃあ服を脱い、きゃんっ!」
 しかしひとみさんは意外な力で私を押し倒すと、その上に強引に被さって来て、唇を弄りながら私の自らの服をはだけさせていく。
「んんんんっ……ひぃかはぁない子……んんっ」
 私もそれを手伝いながら膣とお尻から触手を出して準備を整える。その途中、まるで玩具を見つけた子供のように私の胸を今度はひとみさんはしゃぶる。
「ふふっ……いくわよぉ……」
「はぅんっ、くはぅ、まへなぃいいいい!」
 荒々しく乳首をしゃぶっていたと思ったら、彼女は私の触手を自らの中に収め始めた。挿入される快感に耐えようと、私の乳首を強めに噛んで来る。
「せん、せぃああぁぁぁ、ひろへてえぇぇぇ、はいっへきゅるぅううううううううう!」
「くぁあああああああ! ぎちぎちいぃいいいいいいいい!」
 私はそのういういしくて締りの強い中を強引に掻き分けると、処女喪失の痛みが安らぐようにと乳首から大量の緑の蜜を彼女に注ぎ込む。
「はうあぁぁ……ひ、ひとみさぁん、だい、じょうぶ?」
「ふあぁぁぁぁ……きもひいぃぃよおぉぉぉ……」
 私のそんな心配をよそに彼女の顔は悦に入った笑顔で埋め尽くされていた。私もキツキツの彼女のお尻と中から侵入した触手の快感ですぐに絶頂に達してしまいそうだ。
「くっ、あっ、いっ、あぅ!」
「ひとみさんんっ、いい! いいよぉおおおおおお!」
 腰の上下運動を自ら彼女が繰り返し、私もそれに合わせてお尻の触手を出し入れする。入りきった瞬間に乳首をきゅっと噛んで来る辺りがたまならく可愛らしい。
「ひゃうっ! もうらめぇっ! だす! だす! ひとみさんにだすぅううううううう!」
「くらはぃいいいいい! わはひぃにぃ、せんせいをくらはぃいいいいいいい!」
「いいわぁああああああああ! わたしをあげるぅうううううううううう!」
「んあぁああああああああああぅっ! もちぃいいのがきゅるぅうううううううううううう!」
 私は彼女の足を掴むと彼女のお尻と中に私を送り込んだ。
「んんんっ、んんんんんっ」
 彼女の中が私で満たされるまで私は彼女を離さず送り込み、そしてそれは終わった。
「はぅ……うん、いい笑顔してる」
「くうんっ……せんせー、もっとちょうだぁい……」
 私を見上げるひとみさんのその頭を撫でながら私は彼女にお願いをする。
「ひとみさん、多分あなたを苛めた人も本当の笑顔を知らないんだと思う。……今のあなたなら教えてあげられるよね?」
 ひとみさんは少しだけ悩むような顔を見せた後、すぐに満面の笑みで答える。
「はい! その人たちに笑顔をあげてきます!」
 ひとみさんは顔をわずかにしかめると、ういういしいオマ○コから私と同じぐらい立派な触手を出してきて、その先っぽに唇をつけた。
「ふふっ、ありがとう」
 ひとみさんはすぐさま立ち上がると制服を着なおしていくが、ワイシャツはもうボタンが閉まらないらしく、私はとりあえずブラウスをプレゼントした。
「先生、また今度来てもいいですか?」
「もちろん、待ってるよ」
 笑顔で一礼すると彼女は胸がきつきつのブレザーのボタンを結局閉めずに病室を元気に飛び出して行った。そして眼鏡も忘れていった。まぁ、視力ももう問題ないだろうけど。
 私はそれを引き出しにしまいながらカルテを打ち込み、そしてマイクのボタンを押した。
「次の方、どうぞ」

(終)
132快楽処方箋@あとがき:2009/09/03(木) 22:38:08 ID://OUxv1C
120氏と被ってしまいました。申し訳ないです。

さて、何度も言う様にこれは「悪堕ち」を狙って書いたんだ……でもさ。
これって「悪堕ち」じゃないよね?(;´・ω・`)
117氏……ご期待にそえず面目ない!
133名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 00:23:02 ID:mKcg1Hk7
おお、ブラボーブラボー
134名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 09:46:05 ID:+4R88oFr
>>132
幸せ堕ちも悪堕ちの一種なので問題無しかと。
GJ……と言うかエロス。あぁエロス。
135名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 11:31:38 ID:xgV5gzFY
>>131
フタナリGJ
眼鏡が要らなくなるとは素晴らしい。
胸が唯大きくなるんじゃなくて、相手に合わせて大きさを変えられたりしたらいいなあ。
所謂確信犯に悪堕ちしたんですね。
136名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:28:11 ID:5ewgR41u
快楽は麻薬のようなものなんて言葉がよく似合う堕ちっぷりにGJ
笑いが止まらない〜のくだりになんかゾクッときた
137119:2009/09/06(日) 17:36:02 ID:sYeB/oO/
>>132様 >>122-131乙でした。
「悪堕ちじゃない」というのが、いつものご謙遜なのか、
壁を乗り越え「本当の笑顔」を振りまける医師(?)になれた、
という「ハッピーエンド」だからなのかわかりませんが、興奮できました。
冷静な女医さんの、>>126レスあたりでの豹変っぷりがいいです
(その前レスの「死にきれない」というあたりが前ふりとしてあるのでしょうが)
あと、「甘噛み」がエロかったです。

二作目も拝読しました。
とりあえず、エロいシチュにもっていくためためなら、世界を何度破滅させてもいいや、
といわんばかりの、書き手としての心意気が素敵です(w。
138名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 21:34:21 ID:2U9b+dci
昔読んだ寄生物SSをどうしてもまた読みたくて色々探してはいるのですがどうしても見つからず
もし知っている方は載っている所を教えていただけないでしょうか?
寄生されたら性衝動が増すタイプのもので
あらすじは小学生の男の子が帰り道に性器を蟲に寄生された知らないお姉さんにレイプるところから始まって
男の子の性器も蟲に寄生されてしまい、学校で女の先生をレイプし蟲を先生に寄生させ
先生と男の子はクラスメートを放課後呼び出して襲って行く所で終わっていたきがします
139名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 00:01:01 ID:cjaE3UIQ
これだな
ttp://hkwr.com/syousetu/okasi/intyuu.html

未出の寄生系SSを是非、披露してホスイなぁ。
140名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 00:14:27 ID:PQUN6p6v
>>139
これです、ありがとうございます。
141120(=119):2009/09/07(月) 02:07:56 ID:lAIdeWHU
>>120の「SSの続編が云々」という話、何を伺いたかったのか、ちょっと補足しておきます。
(以下、リンク先のSSを読んで下さった方あての話になります。すみません)

>>120のリンク先の話の続編を書くとすると、娘とそのオヤジが二人で「自己複製」という名の
寄生まがいの行為を周囲の人に行って連鎖させていく話になるはずですが、
実は、その「寄生後のオヤジの外見」について深く考えていませんでした。
それで、どうなるのがこのスレで一般的か、、伺っておきたい気がしました。
 つまり、

 1)娘とまるっきり同じ顔、同じ年齢の女になるのか、
 2)娘とは別人がだ、ともかく女に変貌する(上共々、いわゆるTSネタ)のか、
 3)オヤジの外見はそのままで、中身だけ異形になっているのか、

どれがいいか、ということです。

 1)はつまらないのでやめるとして(1以外だとそもそも「複製」ではないのではないか?
という問題はありますが、気にしないことにしますw)、
自分は、3)の、男女入り乱れて寄生(異形化)が蔓延していくパターンで
十分萌える方なのですが、例えば>>122-131の作者様の前スレでのカキコを読む限り、
寄生の連鎖に男が絡むパターンに抵抗をもつ人が多いとすると、
それはしない方がいいのかな?と思ったりしたので、念のため伺ってみた次第です。
(あとは宣伝もありました 汗)。
それで差し支えない、ということなら当初のイメージ通り3)で書きます。
142名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 04:02:27 ID:zzWy9DOv
>>141
一通り読みました。
娘の頭部の造形がヨーダのイメージが付きまとったw
けどSFモノって余り見ないから斬新で面白かった。

俺としては物語的に考えて1〜3どれでもアリだと思う。
ただ、個人的には親父の外見よりも今後の娘の外見のが妄想膨らむな。
自己複製した末にバトロワって強い者が生き残って「進化」する。
オリジナルの娘は前代で勝ち残ったくらいだから当然強い。
故に「進化」する。進化に合わせて、より凶悪でより妖艶な化物に変貌していく。

進化に追いつけず変わらぬ父。
パラサイトイヴ的には女が後世代のEVEを生む機械として重宝されたが、
彼はより近い遺伝子の子種を生みだす機関として娘に犯され続ける。

と、ごめんなさい妄想が暴走してしまったw
俺的に、男は逆レイプ専として必要ww
書き手さんの自由に書くのが一番だと思います。
143名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 11:01:39 ID:FupFmC8o
>>141
進化の為の闘争ってゾクゾク来ます…
幾万種にも枝分かれした「娘」達が戦いあうマンアフターマンな世界

個人的には親父はこのままがいいかな。
もっともオリジナルに近い人類として娘達の闘争を見続ける親父
全ての娘の「父」として神格化されたり。
144120:2009/09/07(月) 21:50:55 ID:TYC4O+B8
>>142様、>>143
ありがとうございます!
自分の趣味にのってもよさそうかな、と思えたと同時に、
自分では思いつかなかったような方向性を知ることができて、質問したかいがありました。
すべて使わせて頂くのは難しそうですが、参考になります。
特に、「マンアフターマン」というのはインスピレーションになりました。
仮にあんな感じで年代順の連作にしたら(地球到着後、数年後、百年後、という風に)、
色々なシチュの話が書けるかもしれません。

今月中は多分無理ですが、いずれ投下したいと思います。
145名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 02:41:16 ID:9ksTzuhs
誰もいない・・・コメントするなら今のうち・・・

>>132
胸が大きくなったり触手が使えたり、ハッピーエンド(?)だったりと色々ツボでした!
132氏的には悪堕ちかどうか疑問らしいけれど、>>134氏のおっしゃる通りなので無問題さ。
次回作も楽しみです!

>>120
拙作を読んでいただいてありがとうございます。「白濁の巫女」の続きはプロットだけ出来ていて、文章が出来てないんです・・・なんとかします(´・ω・)
拝読しました。融合した娘がたもさんもまた美しいです。これから新人類(?)としてどんどん増えて行くんですよね。楽しみだなぁ・・・
第一宇宙速度で衛星軌道を周回しながら待機してます wktk
146120:2009/09/10(木) 13:25:04 ID:ykm1Uses
>>145白濁の巫女の著者様
プロットできてるんですか!?wktkです
好意的な感想頂けてうれしいです。
早めにこのスレデビュー果たせるようがんばります
147名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 15:32:24 ID:4LUITdKe
アイドルの撮影会で、緊張気味の新人アイドルが先輩アイドルに寄生生物を寄生させられる話が書きたい。

……新人が初めての撮影会で緊張しているところで、場の空気がおかしくなる。
先輩の水着は彼女の性器から這い出したスライム状の粘液に溶かされ、
先輩は粘液だけを纏ったまま、ハダカで撮影会は続行。
撮影者は皆先輩アイドルに魅了され、精液を漏らしながら一心不乱に先輩アイドルを撮りつづける。
そんな異様な光景に足がすくんでしまった新人アイドルに、
先輩の食指が動き、先輩は新人の身体を捕らえ、自分と同種の存在にさせるシーンを撮影させる……。
みたいなやつ。
148名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 16:29:53 ID:cfUWEN6z
そこまで書いたらもう満足しちゃったんじゃね?
149名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 23:34:30 ID:CAfkrATI
保管庫の人、お疲れさまです。
150名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 19:19:37 ID:yR+LnHYj
>>148
賢者に寄生されたんですね。
151名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 05:06:40 ID:vuRzYQ7h
やつらは最強の寄生生物だからな
恐らくこの世のほとんどの男性が寄生されているんじゃないか?
とかレス書いていたら今思いついたのでネタ投下

誰もが驚くような研究結果を残し続けた、ある天才女科学者が居た
が、その女科学者には秘密があった
彼女は身体に寄生虫を宿していたのである
その虫は絶頂を迎えることで短時間の間、宿主の身体能力の一部を大きく強化する
筋力だったり器用さだったり思考力だったり……
どこが強化されるかは種類によるが、いずれも表世界には出てこない存在だ
その女科学者は研究のたびに自慰を行い、虫の力で"賢者"となっていたのである
彼女は段々と身体を侵食されていくことを理解しながらも、今日も研究の為にと股間に指を伸ばす――
152名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 11:19:38 ID:xzd7+JXQ
最後にはマッドサイエンティスト宜しく自分を化け物にしてしまうのですね
153名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 14:06:43 ID:QHfaosH+
超人になろうと全種類寄生させたら、性感を高めるのがいて大変な目にあうんですね。
154名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 18:03:31 ID:FAQr1Ay9
その流れなら魔法っぽいのが使えるようになっても不思議じゃないな
155名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 15:22:11 ID:4KeW/BN5
三十路過ぎても魔法が使えない件について
156名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 19:55:43 ID:jqh4ebEo
あなた自身が既に魔法的存在だから
157名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 09:53:39 ID:StpHo2s/
今の日本ならそうでもない
158名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 10:58:10 ID:CdmXx1ej
茶柱立つ事事態が既にいい事なので、な感じ。
159名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 17:24:53 ID:9kCY1dBE
『木曜の怪談』の「怪奇倶楽部」のエピソードで、子役の頃の野村佑香が人間の目玉そっくりの
甲虫に寄生される話、タイトル分かる方いますか?

人間の手のひらにとりついて精神を支配する甲虫が病院に蔓延する話で、
エリカ(野村佑香)の弟がまず寄生され、見舞いに来たエリカも犠牲になる。
そのシーンがとてもよくて、まず、手のひらを見せず、目つきもおかしい病院の
人間にエリカが不審を抱きつつあるとき、一人マトモな女性看護師さんに出会い
安心する。ところが次に会ったとき彼女は寄生されていて、エリカを襲う、という。

見てしばらく、エリカやら看護婦さんやらの妄想を広げてオカズにしまくった覚えがあります。
160名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 17:49:30 ID:vqprxdH9
>>159
夢遊病院
161名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 17:55:36 ID:9kCY1dBE
ありがとうございました!
162名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 17:58:51 ID:vqprxdH9
163名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 22:28:48 ID:9kCY1dBE
>>162
画像の紹介ありがとうございます。
写真ありますが、当初善良そうだったナースの人のギャップがやっぱりよかったなあ
164名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 23:44:32 ID:sfVykMzt
オレは冒頭で婦長らしきひとが真っ暗な中に冷蔵庫を開けて口の周りを血だらけにしながら生魚食ってるところが
一番衝撃的だったよ。
165名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:07:51 ID:0ck6LPBO
未だに覚えてるなあ
なぜか二酸化炭素だか窒素だかが弱点で都合よくおいてあったボンベで倒すんだったっけ
166164:2009/09/22(火) 01:03:13 ID:THcfAKAE
滝沢「てのひらに目があるんだ!」
人工知能「普通てのひらに目はありません」
滝沢「だから、病気かもしれないんだ!」

んなアホな、と思ったものだ。
ちなみに、寄生方法は
1.手のひらの目が赤い光を発する
2.対象が立ったまま朦朧となる
3.対象の肩か首筋のあたりを手のひらでポンと叩く(産み付ける?)
4.寄生生物が対象の皮膚の下を通って手のひらへ向かう
5.手のひらで「ぐぱっ」

思い出してたら興奮してきた。
五行戦隊の続き読みたい。
167sage:2009/09/22(火) 01:32:02 ID:YZN7l84F
>>159

>エリカ(野村佑香)の弟がまず寄生され、見舞いに来たエリカも犠牲になる。

 逆だったと記憶します。「エリカ先、弟あと」
 お姉ちゃんの様子が変わって、ビビリまくる弟が滝沢に電話をかけるシーンがありましたから。
 そこをお姉ちゃんに見つかって、問い詰められる展開にドキドキ。

 さらに、夜中に病院に忍び込んだ級友たちが、エリカの催眠光を受けて、寄生されるシーンにもドキドキ。
168名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 01:36:52 ID:YZN7l84F
怪奇倶楽部話に興奮して、久々書き込みでsageミス
名前欄じゃなく、メール欄だった
あげてしまって、スマソ
169159:2009/09/22(火) 16:10:27 ID:uNG7hqCw
>>167
記憶違いの指摘ありがとうございます。
野村佑香がクラスメートに寄生体を広める中心だったんですね。
記憶以上にイイ話だったんだと再認識できました。

恐らく「今さら」な質問につきあわせてしまって恐縮です。
170名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 02:15:50 ID:fNWUeubP
どうも。快楽処方箋以来の投稿になります。ご無沙汰しておりました。
いつものように前置き長くなるので、「うぜえ」と思う方は空白行まで飛ばして下され。
前作の感想、ありがとうございました。大きな励みと同時に、またしても駄作を生み出す原動力になりましたよ〜。
そして、SSまとめブログ版の管理者様。本当にありがとうございました。
素晴らしいタイトルまでお付けいただき……正直、今度からタイトルつけてく(ry。
そんな多くの方に多謝。


さて、今回は『ゆうと私』のED2つと同じくらい長くなるのでアップローダーに上げました;;
また……正直、寄生モノなのかどうかも怪しいので、見てくれる方はお覚悟よろしく;;
一応HTMLにしたけど、素人の浅知恵だから見れなかったらスマソ。IE7で動作は確認しました。
ウィルスは無いと思うけど、心配ならお手数ですがチェッカーを。

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org172333.zip.html

PASS:kisei
171名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 07:58:14 ID:yZnSsXX0
ラブラブ寄生スバラシイ
172名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 15:47:14 ID:gcIgyais
そういえば昔、幽遊白書の螢子が飛影に魔剣で斬りつけられ
第三の目が開くと妖怪になっちゃうシーンで興奮したなあ

当時からこんな趣味あったんだな
173名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 18:57:36 ID:p4Bm75OA
牡丹あきらめろ!と思ったことが私にもありました。
174名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 18:58:45 ID:6SnAwWZd
>>172
俺は、戸愚呂兄が幻見せる樹に連れ去られる場面で興奮した。
つうか、兄もグルメに寄生してたわw
男ばっかなのが残念。
175名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 19:38:45 ID:4FEMNFzU
同じ経験してる人多いもんだなw

その当時のジャンプだと……たしかZENKIのエピソードで
精気吸われてミイラ化した女性の唇にヒルが取り憑くと妖艶な美女に変化
他人の精気を吸うために襲いかかる、というものがあった。
ヒルが憑いた女性の唇が黒いルージュを引いたように見えるのも良かった……
176名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 20:24:02 ID:W06tB2he
ハイ エ ロ ファントグリーン
177目玉寄生大好き:2009/09/23(水) 20:46:08 ID:G4Cxi9l5
>>172
アニメしか見てなく記憶がないけど漫画だけ??
ぜひ何巻か教えて欲しい!

>>175
寄生物の俺様ベストはZENKIだな!ヒルみたいな軟体モノが寄生するのが好きな俺は空物語の大ファンだ。

あと憑依の実自体も、目玉が寄生してる姿も欲望に反応するっていう設定も最高だったな。
額に目玉よりも女将のように女性なら胸に目玉があるってのがグッときたけど、作中ではあんま女性が取り憑かれるってのはなかったんだよな・・・orz
小明に取り憑いて欲しかったw
178名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 21:05:58 ID:Pu6/1iVa
19時間も経つと消えるんだ…もっと早く気づいていれば
179名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 22:16:17 ID:gcIgyais
>>177
3巻

でも結局目は開かないし、螢子は意識を失ってるだけだから期待外れかもよw
牡丹が霊力で目が開くのを抑え込んでるけど、
それも長くは持たないから大変っていうシチュエーションだね。
180名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 22:17:00 ID:7S3eOn7T
>>170
消えとるがな!
181名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 22:35:35 ID:iRzj70O+
携帯からだと見れないので普通にスレに投下してホスィ
182名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 22:45:57 ID:2yAgrzWJ
女性の唇で諸星大二郎の赤いくちびる思い出した
優等生の唇に仏像に閉じ込められてた唇が寄生する話だったような
私の唇が赤いのは口紅なんかじゃないのよふふふ
的な話だったような...
183名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:09:02 ID:5n33x2xJ
>>170
今回は間に合ったのでまとめブログ更新しておいたけど
今後見逃す可能性を考えるとスレ投下してほしいです
184名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 23:57:48 ID:fNWUeubP
ごめんなさい!
まさかローダーが一日も持たないなんて……ご迷惑をお掛けしてしまいました。
また、まとめブログ管理人様、お手数をお掛けしてしまい本当に申し訳ありませんでした。

今後は方々のご意見通り、こちらに上げるようにしたいと思いますが……、
正直なところ、今回のを読んだ方々はあれを「寄生モノ」として納得していただけたでしょうか?
他に書いている物も、正直寄生モノか曖昧な物ばかりで、ちょっと不安。
個人的な事を聞いてしまい申し訳ないです。

あと、一つだけ書き忘れの注意を。
先ほどの作品ですが、プロローグだけ視点が「フィオ」で以降は「ひより」です。
185名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 00:32:55 ID:c3fyJXEr
もう削除されてる…流れんのはえぇなorz
186名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 01:03:51 ID:9FR8WVnR
187名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 11:04:41 ID:ja8XSV5N
>>184
まあ寄生モノと言っちゃ寄生モノだと思う
寄生するんじゃなくて寄生してほしいように仕向けていく自然な感じが良かったよ
できればまた次の作品も見てみたい

188名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 18:06:41 ID:TP2qq266
ZENKIは、「死の恐怖」は「生の欲望」だ、ってのが怖かった。
189名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 00:09:56 ID:4l5V+KB2
さっき、阿云の最新号買ってきたんだが、寄生・堕ち・増殖系の比率が高い希ガス…
アタリ引いたとオモタw
190名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 03:28:07 ID:uzQEh5e6
ZENKIのミイラホテルの話だが、昔エロパロ版の黒岩よしひろスレに
ミイラホテルのバッドエンドSSがあった

いまでもピンクログちゃんねるのエロパロ版の一番最後のほうにある
黒岩よしひろスレにて閲覧が可能
191名無しさん@ピンキー:2009/09/26(土) 12:44:43 ID:WV3Me1xL
だったらURL貼ればいいのにね
192名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 05:55:11 ID:Yg43e1+6
>>190
さあ、直リンを貼るんだ

基本的に何かのバッドとか考えるのは大好きだな
逆に自分はオリジナルはできないわ
193名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 07:37:33 ID:tCMJXkCt
見てきたがMC保管庫にあるZENKIネタと同じ人が書いてたんで
なんか納得してしまった
194名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 19:23:42 ID:qHwp6sp/
あれで悪落ちに目覚めおれには吉報だ
ありがたやありがたや
195名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 12:07:42 ID:hQFOsPZG
ZENKIが最高すぎで誰も>>189に触れないのなw

俺買ってないからわかんないけど、良いのかな??
196名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 19:33:10 ID:GxH6P8Yh
早売りすぎて付いていけない by地方民
197名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 12:39:25 ID:6qj9IGHj
バイオハザード5の寄生体に少し萌えた。あああからさまにグロイ人外化は嫌だけど
外見は美少女で中身は異形というのはやはりいい
198名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 14:34:56 ID:N+uKW5NW
うむ
199名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 23:10:28 ID:fy8DXHW8
むう
200名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 05:53:02 ID:UphlVvJ+
雛見沢症候群に取り憑かれた
201名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 23:21:59 ID:MqPygl/A
こんばんは〜。
>>187氏に後押しをされ、再び作品を作ってしまいました。
ただ今回のはえらく長くなりそうで、まだ冒頭も冒頭しか書き終えてませんが、小出しに投稿させてもらおうと思います。
今後完成できるかは正直分かりませんが、お時間があればお読み下さい。
202きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:23:39 ID:MqPygl/A
0日目 ?:??  百合女子高3年 北条 蘭(ほうじょう らん) 【未寄生】

「あうぅ……んっ、まぶ……しぃ?」
 暗闇から差し込まれる光に瞼を開こうとすることを思わず躊躇してしまう。
 それでもなんとか目を擦りながら、ゆっくりと視界を確保していく。白い光が絶えず目を刺激し続ける。
「んぁぅぅ……」
「あら、やっとお目覚めかしら?」
 聞きなれない女性の声に、私はぼやけた視界をそちらに向ける。もうもうとしたその中に紫色の人影を見つけた。
「おはよう。ほらっ、早くしゃきっとしなさい。他の人はもう目が覚めてるわよ?」
「えっ?」
 その言葉に促されて私は首を振って意識を覚醒させると、少しずつはっきりとし始めた視界で周りを見回した。
「ら、蘭! 大丈夫?」
「あ、しぃちゃん。おはよ〜」
 機能を取り戻した視界で最初に見つけたのはクラスメイトの『長谷部 静香(はせべ しずか)』、しぃちゃんの姿だった。
 しかし、その見覚えのある彼女の姿に、私はどこか違和感を覚えて首を傾げた。
「蘭! しっかりして! 私達、誘拐されたのよ!」
「あぇ? ゆ、ゆうかい? あ……」
 しぃちゃんに言われて、私は初めて周りに居るのが同じ学校の制服に身を包んだ私のクラスメイトであることに気付いた。
 そして私達が居るこの部屋も黒板や教卓があり、どうやら教室であるらしかったが私達には見覚えのないところだった。それに、壁や室内の物も全てどこか古めかしく、年代を感じさせるものばかりだった。
「はい、そこまで。そこからはこれからみんなに説明するから、静かにしてちょうだい?」
 その中で唯一制服に身を包んでおらず、かつ見覚えのない女性が私に言った。年齢は20歳後半で眼鏡をかけた彼女は紫色の服でスレンダーな身体を包んでいた。
 彼女はまるで教師のように教卓に手をついて私達を見回し、そして静寂を確認するように一呼吸置いて口を開いた。
「じゃあ皆さん、改めまして。皆さんを誘拐させてもらった『南野(ミナミノ)』です。まず、誘拐してごめんなさい」
 そうして儀礼的に南野さんは頭を下げ、すぐさまそれを上げるとざわめく私達を気にせず話を続けた。
「今日はちょっと皆さんに寄生してもらおう……いえ、寄生されてもら……まぁいいわ、どちらでも対して意味は変わらないもの」
 なにやら一人でぐちぐちと独り言をつぶやき始めた南野さんは、すぐに納得したというに頷いてこう言い直した。
「今日は皆さんにちょっと寄生したり、されたりしてもらおうと思います」
 担任が朝のホームルームで連絡事項を言うかのように南野さんは淡々とそう言った。途端に周りでクラスメイト達がざわめく。
「ふざけんなよ! 意味分からねぇこと言ってんじゃねぇよ!」
 そう叫んだのはよく担任から指導を受けている中野さんだった。みんなが座って困惑している中、彼女はその中心ですくりと立ち上がって南野さんを怖い目で睨みつけていた。
「幾らなんでも血の気がありすぎなんじゃないかしら、中野さん。まだ話は始まってもないんだけど……まぁ、クラスでも一番の問題児のあなたなら仕方ないかしら?」
「てめぇ……ふざけてんじゃねぇぞ、ババァ!」
 その怒号と共に中野さんがクラスのみんなの間を素早く駆け抜け、南野さんとの距離を急速に縮めていく。しかし対する南野さんはどこ吹く風、といった表情を浮かべているのみ。
 やがて、中野さんが教卓の目の前まで辿り着いたとき……突然聞いたことも無いような大音量が短く響いた。
 普通ならそれを聴いた瞬間に悲鳴を上げるのだろう。しかし、それはあまりに衝撃的過ぎて、中野さんの行動にざわめていたクラスメイトも全員黙り込み、中野さんも行動を止めていた。
「あっ……ひぃ……」
 そして中野さんが情けない声で尻餅をつく共に、彼女の身体で隠れていた南野さんの姿が再び確認できた。
 その南野さんがこちらに向けて伸ばしている右手には……黒い拳銃があった。その銃口からもやもやとした白い煙をうつろに天へと昇っていた。ちらりと後ろを見れば、教室後ろのロッカーの上に黒い穴が開いている。
203きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:25:16 ID:MqPygl/A
「きゃ、きゃあああああああああ!」
 誰かが叫びだしたと同時にそれは瞬く間に広がった。全員が悲鳴を上げながら、少しでも南野さんから離れようと教室後ろの出口へと向う。ただ私はそれをぼーっとしながら見送っていた。
 そして誰かがその扉に手を掛け、その引き戸が荒々しい音を立てながら開いた。
「ひぃ、きゃぁあああ! ど、どいてぇええええええええ!」
 その扉の先頭のほうからそんな叫び声が聞こえ、群がっていたクラスメイトたちが一斉に教室内に戻ってくる。
 そうして私からも見えた扉の先には、迷彩柄の帽子と服を着た人たちがこちらに南野さんのよりも大きな銃を向けていたのだ。
 結局、クラスメイト達はその二方向の銃口から一番遠い、カーテンで閉められている教室の窓側の隅に押し合うように収まった。その広くなった教室の中心に、私は取り残されていた。
「ふふっ、みんな。ちょっとは北条さんと有馬さんを見習いなさいな」
 南野さんが微笑みながら私を見て、そして窓際の壁へとその視線が移動した。私もその視線を追う。
 その先には、壁に寄りかかったまま南野さんをじっと見ている『有馬 千尋(ありま ちひろ)』さんが居た。どうやら彼女もあの混乱の中、ずっとそこにいたようだった。
「ら、蘭! こっち来なさい!」
「あ、う、うん」
 私は駆け寄ってくれたしぃちゃんに強引に引っ張られるようにして、クラスメイト達の元へと合流できた。しかし、有馬さんには誰も近寄らず、彼女もこちらに寄ってこない。
「さて、静かにしてもらったところで本格的にルールを説明するからよく聞いてね?」
 拳銃を下ろした彼女は、背後の黒板からチョークを持ち上げるとそこに達筆な文字を書きながら説明を始めた。
「みんなもう気付いていると思うけど、みんなに首輪をつけさせてもらいました。あ、無理に外さないでね? 爆発するから」
 私はそれを言われてはじめて気付いた。先ほどしぃちゃんを見て感じた違和感の原因と、自分の首にもそれがついていることに。
「まぁ無理に外そうとしなければ安全だから安心してね? それに今日の午前0時から72時間、つまり3日後の午前0時になったら自動で外れるから我慢してね」
 こちらを振り返ってニコリと笑ってみんなの無言の反応を確認すると、そのまま続きを話し始めた。
「そしてみんな気になっているこの現在地は、みんなが住んでいる日本本州から結構離れた無人島です。ここは以前まで使われていた小学校の校舎で、ちょうど島の中心にあります」
 そう言って教卓から彼女はポスターのような巻紙を教卓から取り出し、マグネットを使ってそれを貼り付けた。その様子はまるで学校の授業風景のようだ。
 そして貼り付けられた紙には、四方を青い海で囲まれた島の全体図が上から覗き込むように描かれていた。
 その中心に大きな赤丸があり、そこを指差して現在位置がここであることを南野さんは私達に伝えた。
「それで、基本的に何処へ逃げ回ってもらってもいいんだけど……万が一、海から逃亡しようとかした場合は、首輪を爆発させるから3日間はこの島から出ないこと」
 南野さんは島の周りの海の部分をぐるりと指差しながら私たちに警告した。
「後はここを一度出たら、3日後の午前0時まで入らないこと。もしそれ以前にここにもう一度入ろうとすれば、誰これ構わず首輪を爆破します」
「まぁ首輪の機能はそれぐらいね。あなた達がこのルールを守ってくれるなら、決して危険なものじゃないから安心してね。はい、じゃあ次。これが一番重要だからよく聞いてね」
 誰の返事も待たずに南野さんは手を叩いて首輪の説明を終えると、黒板に向き直って次の説明を始めた。
「さて、私達は今から2年ぐらい前にある寄生体を作り出しました。簡単に説明すると、それに寄生されたら皆さんは人間をやめることになります」
 その淡々とした口調に込められた理解不能な言葉にクラスメイトが再びざわめきだす。しかし、南野さんは気にせずに続ける。
「まぁ例えばどこかのSF映画の怪物みたいに見ためが醜いものになる、なんてことはないわ。むしろ、その綺麗で若々しい身体をいつまでも保ち続けられるでしょうね」
 振り返った南野さんは私達を見て羨ましそうな顔をした。
204きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:27:01 ID:MqPygl/A
「ただ、それに寄生されたら極度の性的欲求が芽生える。男性ではなく……女性にね。もちろん、そこに理性なんてものはない。親でも姉妹でも……友達でも、自らを寄生させようとするわ」
 ニヤリと笑った南野さんが妖しく舌なめずりをし、そしてこちらに向き直るとこう言った。
「この寄生体はね、宿主の子宮にその本体を植えつけるの。すなわち子宮がない男には寄生出来ない。……だから、あなた達を誘拐したの。私立百合女子高等学校3年3組のみんな、をね」
 ざわざわとクラスメイト達はお互いを見回す。そのみんなの性別は……当然ながら全員女子。
「これからあなたたちには、その寄生体に寄生されてもらおうと思います!」
 あまりに一方的な南野さんの言葉に再びクラスメイトは大きくざわめきだすが、間髪を居れずに南野さんは教卓を強く叩いてそれを黙らした。
「……でも、そんなのあまりに一方的よね? だから皆さんには救済措置があります。よく聞いてね?」
 優しい口調で南野さんはそう言うと、みんなの静寂という反応を待って説明をした。
「もし、これから72時間寄生されずにいられたら、皆さんをお家に帰してあげます。……賞金付きでね」
 言うや否や南野さんは黒板に振り返り、でかでかとした文字でその賞金額を書いた。
「100億! これを寄生されずに72時間過ごせた生徒で山分けしてもらいます!」
 バン、と黒板を叩いて南野さんは興奮気味に捲し立て、そのまま言葉を吐き出し続ける。
「寄生された人間を攻撃してもよし! 寄生されていない人間をされる前に殺してもよし! ひっそりとどこかに隠れ続けるのもよし! とにかく72時間、精一杯生きること!」
 言い切った南野さんは教卓に手をついて激しく息を切らした。その鬼気迫る様子に私達は誰一人言葉も出せない。
「はぁはぁ……今回の参加者は百合女子高校3年3組33名、泉女子高校3年5組34名、聖マリア女子高校3年B組33名、合計100名。今、隣でも同じような説明がされているはずよ」
 そして南野さんはパチンと指を鳴らした。乾いた音が一瞬だけ響き、それと同時に教室に慌しく武装した迷彩服の人物達が侵入してきた。
 その行動にクラスメイト達は動揺をするがその人たちはこちらに目もくれずに、なにやらバックが山積みになっている荷台を部屋の中心に運び入れた。
 そこから一つを南野さんが持ち上げ、中身を取り出しながら説明した。
「これはそんな皆さんに私たちからの餞別です。中には……3日分の食料と水、地図にルールブック。これはよく読んでおいてね。そして、ランダムに……」
 南野さんがそう言ってバックから取り出したのは……軍服の人が持っているのと似たような大きな銃だった。
「あら、結構な当たりを出しちゃったわね。まぁ、こんな武器が一つ入ってるわ。そのほかにも、この島中にいろんなものが置いてあるから好きに使っていいわ」
 バックに中身を乱雑に戻し、そのバックは教卓の横にポンと投げ出されて隔離された。
「じゃ、これから一人ずつ名前を呼ぶからそこから餞別をもらったら、ここから出て行ってちょうだい。あ、自分の荷物も持って行っていいわよ」 
 そう言って南野さんが指差したのは、教室後ろのロッカーだった。その上には私たちのスクールバックが羅列されていた。
「じゃあ出席番号順に……まずは『新井 彩香(あらい さいか)』さん」
 その名指しに、クラスメイトのちょうど中心あたりに居た新井さんから、みんなが円形に離れていった。
 ただ一人、その中心でカタカタと震えながら新井さんは周りのクラスメイトに助けを求めるかのように視線を送っている。   
「新井さん、早くしてください?」
「ひぃ!」 
 そのとき、わざと音を立てるようにして南野さんが黒光りする拳銃を再び取り出して銃口を新井さんに向けた。
 やがて拳銃の恐怖に押されるようにして彼女はクラスメイト達から離れ、背後のロッカーからバックを持ち上げると、支給される新しいバックを取りに向った。
「新井さん」
「は、はぃ!」
 その様子をにこやかに見守っていた南野さんが突然口を開いた。
205きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:28:05 ID:MqPygl/A
その様子をにこやかに見守っていた南野さんが突然口を開いた。
「一つアドバイスです。ここから出たらすぐに逃げたほうがいいですよ?」
「は、え?」
「だってもう……誰かが寄生されているかも知れませんから、ね?」
 まるで子供をあやすかのような微笑みで南野さんが首を傾げた。その言葉に新井さんは震えた頭でこちらに振り返る。
 その顔は恐怖に歪んでいた。
「あっ、あああああああああああ!」
 そのままひったくるように至急品のバックを一つ掴むと、壁にドアに身体をぶつけてよろけながらも教室から駆け出して行った。
「くっくっく……正しい判断ね。さぁ、次の人……有馬 千尋さん」
 次に呼ばれた有馬さんはゆっくりと身体を壁から離すと、堂々とした足取りで二つの荷物を回収するとこちらを見向きもせずに出口へと向う。
 しかしその間際、ピタリと立ち止まった有馬さんはこちらではなく教卓の南野さんへと顔を向け、そしてそのまま出て行った。
「……次、『井原 望(いはら のぞみ)』さん」
 そうして……ある子は脱兎のように、ある子は友達とわずかに内密をしてから、ある子はよろめく足でここから一人ひとり出て行った。
「ふぅ、えっと次は……長谷部 静香さん」
 しぃちゃんは名前を呼ばれると、私の耳に口を近づけてこっそりと囁いた。
「校舎の出口付近で待ってるよ。他にも何人か居るはず」
「えっ……?」
 最後にちらりとしぃちゃんは微笑み、そしてバックを回収して振り返ることなく出て行った。
 それから3人ほどが呼ばれ、教室を後にし……ついに私が呼ばれた。
「次は、北条 蘭さん。ふふっ……あなたには期待しているわよ?」
 私はその言葉を受け、残り少なくなったクラスメイトから離れて荷物を回収すると、最後に有馬さんがそうしたように南野さんを見た。
「あらあら……あなた、やっぱり化けるかも知れないわね」
 南野さんが楽しそうな微笑みを浮かべ、私はそれを見たのち廊下を駆け出した。
 廊下には出口と書かれた紙が張られ、その下の矢印が指している方向へと私は迷い無く走り続けた。
 そして出口はすぐに見えた。ふと足元を見ると、教室に居たのに履物は靴のままであった。
「そっか……確か修学旅行のバスの中でそのまま眠くなって……」
 私は今日の朝からバスに乗って修学旅行の地へと向っていたのだ。その最中で突然眠くなり、気付けばこの有様だ。
 もう何故か遠い記憶のようにそれを感じながら、私は校舎を出た。
 外は暗闇に満ちており、ふと思い出して携帯電話を取り出すと圏外の表示の横に現在時刻、11:49と示されていた。
 暗闇に目が慣れきて、周りを見回すとどうやらこの校舎は森に囲まれたつくりになっているようだった。だから見渡す限りに広がるのは木々ばかり。
 ……その中に、幾ら探せどしぃちゃんの姿は見えない。それどころか、人の子一人見当たらない。
「あっ……」
 そのとき背後の校舎の奥から聞こえてくる足音、誰かが来る。
 ……迷っているヒマはなかった。この状況下で、出会う人物全てを信用するのは危険すぎる。
 気付いたときには、少しでも校舎から離れようと私は全速力で森を駆け出していた。

206きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:29:46 ID:MqPygl/A
1日目 0:05 秘密兵器開発委員会・委員長 南野 【未寄生】 
ゲーム終了まで……残り71時間55分


「ふぅ、みんなお疲れ様」
 私は歩きながら横に並ぶ仲間達の労をねぎらった。
 すると私の横に軍服を着た部下が帽子を外し、長い髪を整えながら私に話しかけてきた。
「委員長、あれはちょっと言い過ぎなんじゃないですか?」
「うん? 何のことかしら」
 先ほど、私と同じ教室で百合高校の生徒にバックを渡していた『藤原』が続ける。
「あれですよ。“もう誰かが寄生されているかも……”って」
「ああ、あれね。……でもまぁ、ルールブックを見れば誰でも気付くことよ?」
「それはそうですけど……はぁ、あなたって人は本当に」
 肩を竦めて藤原は首を振り、私はその様子ににやりと笑いながら作戦室へと入った。
「さぁて、一応確認するけど校舎に残っている人は居ないわね?」
「大丈夫です。先ほど確認部隊が戻り、レーダーにも反応はありません」
 オペレータの一人が手早く説明を終えた。私は彼女に頷き返し、椅子に座って近くのマイクで仲間達に檄を飛ばした。
「さぁて、長くなるわよ。みんな、気を抜かずに頑張ってちょうだい!」
 その私の号令に、律儀に全員が素早く立ち上がって敬礼をしてくれた。
「あっ、委員長!動きがありました!」
 オペレータの声に全員が作戦室の一番大きなモニターに注視した。
「始まったわね……ふぅ、どんなことになるやら……」
 そのモニターのど真ん中に、黒い背景に赤の文字で表示されている大きな数字に変化が起きた。
 寄生完了数が0人から……1人へと変わり、ゲームが始まった。

207きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:31:22 ID:MqPygl/A
1日目 0:02 百合女子高3年 長谷川 静香 【未寄生】
ゲーム終了まで……残り71時間58分 寄生完了数0人


「はぁはぁ……こ、ここまでくれば大丈夫でしょ」
 先頭を走っていたこずえちゃんが息を切らして立ち止まった。結構走ったが、森は以前途切れる様子はなかった。
「う、うん。か、かなりはし、ったから……はぁはぁ……」
 そう言って木に寄りかかったのはあゆみちゃんだった。
 それに続くようにのどか、けいこが草の上に倒れこんだ。私もその隣に倒れこんで酸素を求めて口と鼻を動かし続ける。
「や、やっぱり……ら、らんも待ってたほうが……」
 やがて私は息が整い始めると同時に、口を開いてみんなに後悔の念を伝えた。
「それはだめだよ! やっぱり、らんってちょっと……抜けてる、っていうか。なんか、足手まといになりそうだし」
 こずえちゃんがどこか申し訳なさそうにしながらも私に言った。
 確かにらんは普段からどこか抜けている性格ではあった。常にボーッとしていて、授業も目が半開きのまま寝てたり、今日の集合時間もギリギリだったし……。
「で、でも!」
「分かった分かった。じゃあ、今度もう一回会ったときに合流しよ? 今から行っても多分、もうあそこにはいないよ。ね?」
 あゆみちゃんがその妥協案を提示するとみんなが納得し、私も渋々同意した。本当はすぐにでも助けに行きたかった……あの子は私が居ないと、だめなのに。
「それよりこれ開けてみようよ。聞いた話だと、武器が一つ入ってるって言ってたし」
「あ、そうだ。よし、みんな開けよう」
 のどかとけいこが思い出したようにバックを引き寄せ、その中身を広げ始めた。カンパン、ペットボトル、地図とルールブック。
 そして……のどかのバックからは刃渡りの長いナイフが、けいこのバックからは登山用のピッケルがポロリと地面に落ちてきた。
 それに見てから私とこずえちゃん、あゆみちゃんも自分のバックを引き寄せた。
「こ、これって……本物だよね」
 自分のバックに手を掛けたとき、こずえちゃんが一足先に自分の武器を取り出していた。
 黒光りするそれは……先ほどの南野という人物が手にしていた拳銃によく似たそれだった。
「わたしの……え? な、なによこれ」
 それに続くようにあゆみちゃんが手にしていたのは、プラスチック製の円盤ブーメランだった。 
 普通の状況なら笑えるのだろうが、それが武器として支給されたものであるのだから誰一人として笑わず、そして私の手元に視線が集まった。
 ゆっくりとチャックに手を掛けて横に引っ張ると、スムーズにそれは暗闇の口を開いていく。
 やがて半分ほど開いたとき……中から何かが飛び出した。
「きゃ、ゴポポォ!」 
 それはそのまま私の口へと飛び込んでいった。いや、それだけでは終わらない。緑色のそれはどんどん私の身体に飛び掛ってくる。
208きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:32:46 ID:MqPygl/A
「あっ……ああっ!」
「きゃああああああああ!」
「に、にげろぉおおお!」
 あゆみちゃん、のどか、そしてけいこの悲鳴がくぐもって聞こえた。しかし私はそれど頃ではなかった。
 身体がその緑色の液体に包まれ、それは口、鼻、耳、へそ、そして……オマ○コから私の中にドンドンと入ってきていたのだ。
 でも……なんだろうこの感覚。さっきまで恐怖と驚きで頭が埋まっていたはずなのに……あぁん、なんか……きもちいい。
 まるで雲の上で頭が蕩けるような甘い感覚を全身に感じながら、私はその液体を身体の中に受け入れていた。
「んぐっ……ぷはっ……ぅぅ……」
 そしてその緑の液体は全て私の中に入り込んだ。たいそうな量があったと思うが、今はその甘美な液体がなくなってしまったことが口惜しい。
「あんっ……あついぃ……なんか、きちゃうぅぅ……」
 身体中が何かを求めているかのように疼き、そして熱く火照っている。その熱の中心はお腹じゃなく、もっと下の部分。
「くあんっ……あああああああ!」
 そしてその疼きが最高潮に達したとき、私の下着を何かが押し上げ、そしてその隙間から飛び出してきたものがあった。
「きゃ、きゃあああああああ!」
 それが生まれると同時に突如聞こえる悲鳴。それは私のすぐ横からのものだった。
 しかしそちらには目もくれず、私はスカートを捲り上げ、下着の隙間からそそり立つそのモノに目を奪われていた。
 それはまるで……オトコのヒトのオチ○チン。ビクンビクンと私の血流と共に脈打ち、そしてそれが下着に擦れるたびに私の頭に電流のような刺激が送られてくる。
「あっ……ああっ……」
 それを確認してからやっと私は横を向いた。そこには……足を震わせ、まるで腰が抜けたかのように動けずにこちらを見上げるこずえちゃんがいた。
 その彼女を確認したとき……私の全身の血が煮えたぎるように熱くなる。同時にある感情が湧き上がってきた。
 それは……彼女を犯したいという興奮。
 この股間のオチ○チンを彼女の穴に突っ込み、よがらせ、その中にぶちまけ……私を彼女に植えつけたい!
「こずえちゃぁん……あんっ、これぇ……こずえちゃんのおま○こにぃ、いれさせてぇ……おねがいぃ」
 私はそのモノを無意識に手で擦りながらこずえちゃんにゆっくりと近づいていく。
「ひいぃ、こ、こないでえぇ! く、くるなぁあああ!」
 そんな私に対して彼女は自らの武器の銃口を向けた。しかし、そんなもの私には関係ない。恐怖など感じないのだ。
 今あるのは、ただ穴にこれを突っ込み……彼女を犯し、私を植えつけることのみ。
 だから足は止まらない。いや、止められない!
「うあぁあああああ! くるなぁああああああ!」
 拳銃を片手で構え、涙を流しながらこずえちゃんは後ろに後ずさりしていく。しかしその銃口が火を噴く事はない。
「むりだよぉ……むり、むりぃいいいいい!」
209きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:33:53 ID:MqPygl/A
 抑えられない欲望の波に押されるまま、私はこずえちゃんの目の前に仁王立ちをする。
 その恐怖に歪み、情けなく半開きした彼女の口に私はモノを強引にねじ込んだ。
「んんんんんんっ!」
「あんんんんんんんんっ! な、なにぃ!? なんなのこれはぁあ!」
 私のモノが彼女の口に入り込んだ瞬間、垂れる唾液が、擦れる舌が、ぶつかる歯が雷撃のような快感を私に叩き込む。
「くああああああああんっ! すごぃいいい! すごぃいいい! すごぃいいいいいいいいい!」
「がぁっ! んんぁうぅ! んんんんっ!」
 小さな彼女の頭を両手で鷲づかみにして乱暴に前後に振るう。それだけじゃ物足りなくて、腰も勝手に動いてしまう。
 そして私のモノに何かが溜まり始め、それはすぐに私のモノの先端までを満タンに埋め尽くす。
「でるぅうううう! でちゃぅううううううううう!」
「んんんんんんんんんんんんっ!」
「ふぁああああああああああああああああああんっ!」
 こずえちゃんの顎が外れるんじゃないかというほど私は腰を動かし、それを彼女の喉に直接放った。頭を押さえつけ、私が全てを出し切るまで一切彼女に動かせない。
「んんんんんっ、ゴフッ!」
「ああんっ、こずえちゃんもったいない……」
 私の放った緑の液体がこずえちゃんの咳によって口の端から垂れるが、それでも口の中にある私の液体はドンドン彼女の喉の奥へと吸い込まれていく。
「んぐっ……あぅぅ……」
「んんっ、っと。えへへっ、こずえちゃん。おいしいでしょ〜?」
 私は膝を追って座っている彼女の顔を覗きこむ。すると彼女はやはり虚ろな目で私を見ていた。
 それは私が彼女の口に流し込んだ液体の効果だった。私の一部が彼女に入り込んだことで、彼女の意識は一時的に私に奪われているのだ。
「で〜も、これじゃこずえちゃんにまだきせいはしてない。はい、こずえちゃん。おまたをひろげてぇ?」
 私の言葉に促されるようにこずえちゃんはゆっくりとおまたを開き、私のモノが入りやすいように両手で広げてくれた。
「よくできましたぁ……ほらっ、これいまからそこにずぼずぼいれるからねぇ、あははははっ」
 こずえちゃんの足を掴んで彼女を優しく横たえると、私はその上で彼女が招いている入り口に自分のモノをあてがう。
「んっ……こずえちゃんのいりぐちぃ、ひくひくしてるぅ……えへへっ……いっくよぉおおお!」
「あんっ、んんああああああああっ!」
「んんんんんんんんっ! うあぁぅ、す、ごいぃぃ……」
 濡れた彼女の穴は私のモノを吸い込み、無数のヒダで絡みついてくる。
 意識が吹き飛んでしまいそうな快感の嵐に悶えながら、私はゆっくりとこずえちゃんと繋がり、重なっていく。
「んあぅ! ふふっ、こずえちゃんにわたしのぜ〜んぶ、のみこまれちゃった……」
「ふああぁぁぁ……」
 やはり私が彼女の意識の主導権を握っているだけあって反応自体は薄い。しかし火照った顔に、垂れる涙と愛液はまぎれもなく彼女が悦んでいる証拠。
210きせい・ろわいある:2009/10/01(木) 23:34:28 ID:MqPygl/A
「じゃあ、うごくよぉぉ……あんっ、ヒダがぁ、すごいぃいぃ!」
 繋がった私が出て行くのを拒むかのようにヒダが私のモノに再び絡みつき、その彼女の円形の壁が私のモノを圧迫する。
 そして私のモノの大半がその穴から出てきたところで、間髪居れずに再び彼女の中にねじ込む。その衝撃に、こずえちゃんの両目が大きく開かれる。
「こずえちゃぁん、すぐぅ、すぐぅきせいしてあげるぅ。これからぁ、いっしょにぃ、なかまをぉ、ふやそぉおおおおお!」
 湧き上がる液体をギリギリまで溜め込みながら、私は彼女の中を思う存分に味わい、犯す。
「こずえちゃぁん! うけとってぇえええええええええ!」
「ふぁああああああああああんっ!」
「あああああああああああんっ!」
 私はその瞬間にこずえちゃんと重なると、彼女の子宮に溜まりきった液体を注ぎ込んだ。私を受け取るたびに痙攣を繰り返すこずえちゃん。
「んっ、んっ……ふあんっ……こずえちゃん、きぶんは、どう?」
 全てを出し切った私は、彼女と繋がったまま話し掛ける。
 彼女は最後にビクンと大きく身体を震わし終えると、悦に入った表情で私の問いに答えた。
「さいこうぅ……あつくてぇ……きもちよくてぇ……あんっ、なんか、おまたがぁ……あんんんんっ!」
「ふふっ、だいじょうぶ……ほらっ」
 私はこずえちゃんの生えたてオチ○チンを掴み、やさしくしごいてあげる。
「あんっ、さわちゃ、だめえぇ……」
「ふふっ……これをみんなにいれてね……ずぼずぼよがらせて……あなたをきせいさせるの……さいこうよぉ……」
 こずえちゃんの背中に手を回して私は彼女を起き上がらせ、そのまま身体を支えながら一緒に立ち上がった。
「さっ……行きましょ? まだまだ、ゲームは始まったばかり……ね?」
「クスッ、うん。あんっ、楽しみで濡れちゃう」
 私とこずえちゃんはもう少しお互いに楽しみたい気持ちを抑えつつ、新たな仲間を増やすために行動を開始した。

211名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 23:40:08 ID:MqPygl/A
今回は以上です。
タイトルからお分かりいただけるかと思いますが、ネタ元はアレです。
元々ありそうなネタだったんですが……まさか被ってましたかね?
私自身、書いててまったく先が見えないのですが……頑張ります。
では、失礼しました〜
212名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 23:40:40 ID:1oHamt6I
sien
213名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 23:59:37 ID:Y4FwW9v5
>>211
いや、ありそうでなかった、とはこういうことを言うんじゃ無かろうか。
確かにこのネタは寄生と相性が良いなw 盲点だった。
もちろん続きも期待。
214名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 01:14:30 ID:TacvpMAA
>>211
なるほど、それで南野な訳ですかww
今までこのネタの寄生話は見た事無いんで新鮮でした。
続き待ってます。
215名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 08:47:50 ID:+k9Pl49f
殺しあうんじゃなくて寄生させる
まったく盲点だったw
小説持ってるがまさか引用するとは
これは期待せざるおえない
216名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 09:46:47 ID:lN1n38X6
乙!これはいい改変。
南野(政府?)の最終的な目的とかも気になるなあ。
217名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 11:08:19 ID:26TXbNmn
>>211
これは名作の予感!
続き楽しみにしてます!
218名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 15:20:53 ID:8Ogo6/xo
>>210
GJ
219名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 17:49:27 ID:E5jYUw8V
>>211
GJ
ただ長谷部が途中から長谷川になってる・・・
220名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 00:21:22 ID:8252ws5f
そのうち谷川→谷口・・・と変わっていくんだろうな
221名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 00:25:55 ID:8m6FmCUw
勝手に改造の山田さんみたいだな
222名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 02:15:53 ID:Jvlm0gzb
前原→前島→前山とかあるしな
223名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 17:02:02 ID:OVWoMjJ6
>>222
某大臣の事かー!まぁあの人は前さえついてれば判別可能だからいいけど。
224名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 17:38:42 ID:0h1U5PLi
不気味なモノに寄生されるシチュエーションって、これ以上ないくらい不健全なはずなのに、
なぜそれに惹かれるんだろうか
225名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 18:02:08 ID:SJ/RBZSS
本当だよな
無気味な俺に寄生されて喜ぶ女なんていないのにね
226名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 18:20:00 ID:LzdE5WXf
>>225
サボってないで、はやくカワイイ娘をよがらせてらっしゃい。
227名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 20:26:53 ID:K2yFkJ9w
エロ妄想は不健全なものほど輝くからな
228名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 18:45:18 ID:X7DNEdjy
それに寄生されても女の子は気付かない。
だが、女の子の体は見えないところで変わっていく。
体臭というものは本人には無臭だ。
しかし、その女の子の体臭を嗅いだ男は、その女の子を犯しちゃう。
229名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 19:04:05 ID:XL0AeJ3l
レイプの虜になる娘になるんじゃないか
230名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 03:18:13 ID:BuXdBEYX
寄生されて頭に響く声に従って男を襲う女の子ってよさそうだよね
231名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 04:23:33 ID:BR2Goq8a
寄生されて頭に響く声に従って女を襲う女の子って方が好きだ
232名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 04:48:35 ID:bCDzVDUW
>>231がたまらん
233名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 10:54:46 ID:S9dScH4H
心霊研究部の同人誌買ってみたけど一々エロすぎる、エロ好きだけど読むのが
恥ずかしい自分にとってはちまちまとしか読めない(´・ω・`)でも寄生物としては
とても良かったよ
234名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 18:42:33 ID:r2m9tZYU
>>224
魔法・触手萌えだったはずがいつの間にか寄生・百合萌えに変わってた!ふしぎ!
ついでになんか投下したくなってきた
235名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 18:58:30 ID:pPegQm6p
>>234
堕とせ!堕とせ!
236名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 21:10:43 ID:iZ4Q/8jZ
>>234
よし、投下作業に移るんだ
237名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 22:17:11 ID:VG2NuJUe
俺はグロとか苦手な口だが、なのに寄生ネタだと興奮する
自分でも不思議
でも女の子としての原型を失うようなものはやはり苦手だ
238名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 17:52:45 ID:eyDM7Vxa
じゃあ男の子としての原型失って女の子になっちゃうものは?
239名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 18:10:03 ID:VZxFNTqv
>>238
女湯とかに行って悪戯しまくるんですね。
240名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 20:10:39 ID:rf0s+ZTe
TS好きな自分に隙はなかった
241名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 20:47:12 ID:CykHnTYD
寄生好きも変態だが、寄生TS好きはさらに変態中の変態だな
いやおれも好きなんだけどさ
242名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 21:24:55 ID:/kV3Zo4/
寄生されて生えちゃったのか寄生主がその部分なのか
243名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 01:49:51 ID:lbdSsY1u
寄生TSとか、思い切りツボだわ。
あるなら、すげー読みたい。
244名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 10:25:12 ID:33s25OYk
男のモノは嫌だが寄生体のモノなら男でも女でもいいや
245名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 10:40:32 ID:7Fie4F64
tsはクソ
246名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 12:38:29 ID:MuX8Z2IS
バーディーに寄生されて強制的に女湯行きとなった彼のことか…
247名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 12:40:43 ID:HzK7jSNJ
強気な僕っ子が、妙な眼鏡かけたらおとなしい優等生に性格チェンジとかそう言うスレだと見て居たが。
248月光蝶:2009/10/09(金) 14:45:53 ID:SorV0izA
249名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 21:03:37 ID:spPmk8C8
お、凄く久しぶりな気がする人キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
毎度お疲れ様です。
250名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 22:01:54 ID:oD3SfmR1
更新超お疲れ様です!
251名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 00:58:50 ID:nxjwiLve
毎度毎度、更新お疲れさまです!!
252名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 01:26:58 ID:3XJiV0G9
>>248
おつです
細かいとこだけど11thが11hになってるので報告しときます
253名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 17:41:01 ID:lbELBOKG
>>242
その部分になる方が、しっかり味わえそう。
254>>233のレスを見て:2009/10/11(日) 21:23:59 ID:5lyobRmG
エロに興味津々だけどHシーンをチラ見しただけで恥ずかしくなっちゃうような
>>233のようなかわいいかわいい女の子が寄生されてしまう

心の中はいつも通り、だけど外面はエロス全開レズ大好きな性格に
寄生体の能力は宿主の欲望(主に性的な)を悪い方向で過剰に膨らませた人格を作り出すというものだった

Hを通して同じ学校(勿論女子校)の女の子に自分の寄生体の一部を寄生させる
身体の内側と外側から快楽を送り込まれ
身体に根付いて成長した寄生体の(主に性的な)せいで生徒や先生が次々と…という連鎖堕ち

心中真っ赤になりながらも回数が重なるにつれ自らも快楽の海に溺れていく……

やがて表も裏も無くなり、そこには女王として立派に君臨する>>233の姿が……


…というプロットを考えてから、月並みだし長くなりそうだから自分向きじゃないなと思ってやめた
勝手にネタにしてゴメンね>>233
255名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 00:19:08 ID:koPpnfOp
さて、こんばんは〜。>>211です。
まず始めに月光蝶様、更新本当にお疲れ様です!
次に前回のご感想をどうもです〜! 設定負けしないように頑張ります;;
一応>>210の続きが出来たのでこれから投稿させてもらいます。お時間があればお読み下さい。
ではでは。
256きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:21:03 ID:koPpnfOp
1日目 1:48 某国秘密特殊部隊 アリス 【未寄生】 現在地:島北部・洋上
ゲーム終了まで……残り70時間12分 寄生完了数5人


『あの島が任務の目的地か……全員、波に流されてないな?』
『ジェニファー副隊長、状態良好です』
『ロック隊員、同じく』
『リリィ隊員、体力有り余ってますぜ、隊長』
 島が見えてきた私たちは海底から洋上に頭を上げ、アレックス隊長の号令に階級の高い順番で返事をしていく。
『おい、アリス。まさか波に攫われて流されちまったか?』
「……アリス、問題なし」
 隊長の再号令に私は渋々応答する。暗視ゴーグルを着けているのだから、わざわざ聞かずとも分かるだろうに……。
『か〜っ、やっぱり可愛くねぇ奴だ! 顔はそんなに美人なのに、なんでそんなに性格捻じ曲がってるかねぇ?』
『まぁまぁロック、落ち着いて』
 勝手な怒りの声を上げたロック隊員をジェニー副隊長が黙らせてくれた。
『はぁ……あいつらと違ってジェニー副隊長は外見も中身も最高です』
『おい、“ら”ってなんだよ。私だって外見も中身も最高なレディーだろ?』
『馬鹿言え。お前みたいに女らしくない女、軍隊には山ほどいるっての。アウチ!』
 相変わらず減らず口を叩くロック隊員の頭をリリィ隊員が小突く。
『おいお前ら、冗談はそれぐらいにしとけ。そろそろ侵入方法を考えるぞ』
 その隊長の一言にロック隊員の減らず口が無くなった。彼は軍の人間なのに口がうるさいのだ。敵に捕まり拷問などを受けたらすぐに情報を吐いてしまうだろう
 この島に未確認生物兵器が運び込まれてる、との情報が入ったのはかれこれ16時間ほど前のこと。それからすぐに私達に潜入および偵察の命が下った。
 私達はすぐに日本に向かい、島の近くまで船で接近して泳いで辿り着いた。レーダー等を警戒したためだ。
 船から離れる最中に追加の情報として、女子高校生が拉致されてこの島につれて来られているらしいとの情報を得たが、未確認兵器に関しては以前情報が手に入らなかった。
『俺達はこれから島の中心部にある建物を目指す。衛星写真によればその建物の屋上に簡易のレーダー機器らしきものがあるらしい。おそらくそこに誰かがいるんだろう』
『じゃあ予定通り二班に分かれ、片方は北側から、もう片方はこのまま島の南に回り込んで潜入でいいですか?』
『その通りで大丈夫だろう、ジェニー。その班は俺とロックとアリス。回り込むのがジェニーとリリィにしようと思うんだが』
『待ってくださいよ、隊長』
257きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:21:34 ID:koPpnfOp
 またしても割り込んできたのはロック隊員だった。彼は失礼にも私を指差しながら訴える。
『俺はこんな生意気な新人に命を預けられません。訓練のときもコイツは勝手に判断して行動しちまうじゃないですか。下手すりゃコイツのせいで死んじまいます』
『ったく……だが、アリス。確かにこの間の任務でもお前はやはり単独で動いた。結果的には問題なかったが……そのままだと仲間の信頼を失っちまうぞ』
 隊長の言葉に私は押し黙る。何を言っても無駄なのだ。この間の任務も、あのまま傍観していれば人質の命が危うかったから私は思い切って動いたのだ。
 効果のない交渉に、要求の先延ばしに犯人の苛立ちが溜まっていたのだ。あの時動かなければ一人や二人は死んでいた。
 それを分かってくれないのだ。彼らは。
『隊長。アリスはこちらと一緒に行動してもらってもいいですか? ……女同士なら気も合いますし。いいよね、リリィ』
 そんなことを言ったのはジェニファー副隊長だった。女同士ならだなんて……そんなこと戦場に出れば関係ないのに。
『ジェニーがいいのなら問題ねぇよ。まぁ、腕はあるんだ。足手まといにはならないだろ』
 私が足手まといになるのではなく、あなたのほうが足手まといになりそうですがね、リリィ隊員。
『……分かった。まぁ寂しいがこっちは男二人で行くとしよう。じゃあ俺達は先に北の浜辺から上陸する。これ以降、こっちは無線を切る。傍受されると厄介だ』
『イエス、サー! 気をつけてください。隊長、ロック』
『くぅ〜っ! ジェニー副隊長もお気をつけて!』
 ロック隊員のやかましい返事を最後に、二人はゆっくりと島へと泳ぎだした。私達も東側から島を回り込むように移動を開始する。
『さぁて、私達はもう少しだけ遊泳を楽しむとしましょうか』
『りょ〜かい、ジェニー。それにしても……なんか嫌な雰囲気の島だな』
『……ええ、本当に』
 リリィ隊員の言葉にジェニファー副隊長も賛同の声を小さく上げる。……それに関してだけは、私も同じ気持ちだった。 
 暗闇のシルエットを浮かび上がらせるこの島で一体何が起こっているのか。
 しかし、何が起きても私がやることに変わりはない。ただ、私は与えられた任務を忠実にこなすのみ。
 それが兵士という職業の仕事なのだから。

258きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:22:28 ID:koPpnfOp
1日目 1:38 百合女子高3年 有馬 千尋 【未寄生】 現在地:島北部・住宅街
ゲーム終了まで……残り70時間22分 寄生完了数5人


 右手の崖の先から聞こえる荒々しい波音を聞きながら私は海沿いに目的地を目指す。
 この視界が取れない暗闇の中では警戒するより、むしろ迅速な移動が肝要。なにより、この草原では森の木々のように身を隠せるものは少なすぎる。
 そのため私は全速力で走りながら時計を確認する。暗闇の中で、目が時計に擦るかぐらいの近さまでそれを近づける。
 ……廃校を出てから1時間と30分以上が過ぎている。あのルールブックに目を通したものは私以外に何人ほど居るだろうか。
 1時間半前、私は校舎を後にすると、すぐに地図を確認して身を隠せそうな場所を探した。それは二つの理由のためだ。
 一つはそこに一時的に身を隠すため。それは武器とルールブックの確認をしたかったからだ。しかし、私に配られた武器……なべのふた、という洒落にもならない品だった。
 もう一つの理由は、そこが安全な場所ならばそのまま立て篭もるためだった。先ほどの説明を聞く限り、この試合は戦うよりどこかに隠れていたほうが有利であることは明白だったからだ。
 そして目を付けたのは島の北東の端に存在する灯台であった。それはその高さと周りの海が、敵の侵入地点をかなり絞ってくれるためだった。
 そこに辿り着くまでは特に問題はなかった。灯台の内部には、痛んではいたものの家具や道具が想像以上にあり、バリケードぐらいは作れそうだった。
 しかし、その予定を狂わしたのがルールブックに記載されていた多くの事柄だった。 
 そしてその灯台を捨ててまで私が走っているのは、その事柄の一つを重要視したためだった。
 それは……『PDA』という存在のためだった。
 ルールブックに書かれていたのは、島の西、南、東、北のある部分に情報端末であるPDAを13個ずつ置いてある、ということだった。
 つまりそのPDAは全部で52台。それらは支給されたバックのタグを差し込み、それと交換で手に入れることができるらしい。
 詳しい記載は無かったが、それは今後この試合を生き残るために役立つものであるらしく、武器に恵まれなかった私としてはそれを手に入れざるを得なかった。
 しかし急がなければならない。用意されている数が全参加者の半分しかないうえ……寄生された人物がこの情報を知っているとしたら、そこに待ち伏せされる可能性があるためだ。
 それが置かれているのは、島の西部分の牧場、南部分の漁港、東部分の工場……そして北部分の教会だった。
 その教会は先ほど私がいた灯台からそう離れた場所にはなく、寄生されている人物がまだ少ないと思われる今なら間に合うと確信したからだった。
 灯台で支給されたバックに自分の持っていたバックの必需品を纏めることができ、そのことによって移動が大分楽になった。
 そのお陰で灯台を出て20分ほど経ったとき、私の視界にそれが映りこんできた。
「……着いた」
 私は闇に溶け込む明かりの灯っていない家々を目にする。ここは島で一番の住宅密集地であるらしく、その真ん中に教会は存在するとルールブックに記載されていた。
 その静寂に包まれた住宅街に足を踏み入れた瞬間、その奥のほうから重い響きの鋭く短い音が聞こえた。
 私の予想が間違っていないのなら……おそらくそれは銃声。
 そして再びその音が二度三度響く。やはり寄生された人物が既に辿り着いているのだろうか? 
 ……いや、違う。これは多分寄生されていない人間の……。
259きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:22:56 ID:koPpnfOp
私はそう確信し、家の陰に隠れられる路地を選びながら住宅街を縫うように走る。その間も銃声はやむことはなく、近づくたびに私の心拍数を上昇させていく。
 やがて数分もしないうちに、私の目に光が差し込んできた。それは久しぶりに見る暖かな光だったが、鳴り止まぬ銃声のせいで私の心は休まらなかった。
 家の影から顔を覗かせると、そこは他に比べて開けた広場のような場所であり、その奥に十字架を掲げて淡い光を放つ建物があった。
 その手前で鋭く強い光が時折閃光し、わずかに遅れて轟音が私の耳に届いた。
 それらの現象は教会を中心線として、右と左から光が放たれ音が鳴っていた。そしてその閃光に映る人の顔は左の人物は右に、右の人物は左を向いていた。
 つまりそれは……銃撃戦をしていたのだ。まさしく教会を境界線として。
 神聖な場所と一般的な見地のある、教会の目の前でのその光景はどこか滑稽な雰囲気を醸し出していた。
 広場を右から回りこむようにして教会に近づくにつれてその原因が分かった。
 その銃撃戦には……迫力が足りないのだ。
 右側から左側に銃撃をしていたのは、同じクラスの中野であり、彼女達が盾にしている古めかしい車の影には他にも5人のクラスメイトの姿があった。
 しかし、そのうち銃撃をしているのは中野ただ一人。他のクラスメイトはある者は耳を塞ぎ、ある者は車の影から向こう側を覗き、ある者はルールブックを確認していた。
 おそらく……彼女達の中で銃器が当たったのは中野だけだったのだろう。そのせいで他のクラスメイトは何も出来ないのだ。
 そしてそれは対する向こう側も同じ状況であるらしかった。
 中野が撃ち、そして隠れ、また撃つという間延びする動作に対し、あちらは中野が撃つと隠れ、中野が隠れると撃つのだ。まるでもちつきか何かのような作業的な動作。
「やめてください! 神を信じれば寄生体など恐れることなどありません! さぁ皆さん、武器を捨てて神に祈りましょう!」
 そんな声が聞こえたのは教会の中からだった。開け放たれたその扉の中には、赤いブレザーを着た同い年ぐらいの少女が5,6人ほど居るのが見えた。
 更にこっそりと近づくと彼女らの前に、おそらく武器として彼女達に支給されたものがいくつか転がっていた。
「うるせぇ! お前らがPDAを他の奴にホイホイ渡しちまうからいけねぇんだろうが! こっちの5人分と、あっちの6人分じゃ2個も足りねぇんだよ!」
 中野の怒号を聞きながら、教会の側面に回りこめた私は窓から教会の内部を覗く。
 すると何百もの小さい蝋燭に囲まれた礼拝堂の司祭の机らしきところに、金属の板のようなものが置かれているのが見えた。
 しかしその数は9個しかない。先ほど中野が言っていたことから推測するに、礼拝堂の中に居る少女達が誰かにそれを渡してしまったのだろう。
 それに対し教会の外に居るのは、中野たちが5人、その向こう側に居るのが6人。……別に全員分を手に入れる必要もないだろうに。
 おそらくこの教会に立てこもっている少女達は、まず武器を捨てているのだからPDAも取るつもりはないのだろう。
 だが、この騒ぎは私が教会の中に侵入するにはかなりの手助けになった。
 裏口のドアは鍵が閉まっていたものの、教会の中に居る少女達は中野たちの戦いに気を取られているために、銃声に合わせて私が窓の一つを割ったことに気付く者は居なかった。
 そこから手を伸ばして窓を開けると、私は腰を低くしながらPDAの置かれている机まで素早く近づいた。
 そしてバックに付いていたタグを取り外す。そのタグはシリアルナンバーのような英数字が刻まれた、いわゆる兵士の認識票のような薄く小さい金属だった。
 PDAは机の上の鎖と繋がっているらしく、その鎖の根元にタグの挿入口があった。
 その鎖のうち4本が外れており、その鎖の根元にはいずれもタグが既に差し込まれており、それらの鎖の先には既にPDAは無かった。
 形と画面に表示されている内容はどのPDAも同じらしく、私はそのうちの一つの鎖の根元にタグを挿入した。
 それと同時に金属音が鳴り、PDAに繋がっていた金属がするりと抜け落ちた。
260きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:23:34 ID:koPpnfOp
「えっ!? あ、あなたは誰ですか?!」
 同時にそれが床に落ちてしまい、教会に居た少女達がこちらに視線を向けてきた。くっ……まぁこれが回収できたのなら問題ない。
 私がそのまま裏口から逃走を図ろうとしたその時……突如悲鳴が教会の外から聞こえた。
「うぁああああっ! な、なんだよお前! はなれ、んんんんんっ!」
 その声に教会に居た少女達は全員こちらから教会の外に視線を向けた。私も少女達に近づいてその背後から外の光景を覗く。
 背後の淡い蝋燭の光に照らされて、中野たちと対立していた相手側の陣営が薄暗いながらも見えてくる。ちらりと逆側を見ると、中野たちもそちらの光景に目を奪われているようだった。
 その光景とは……少女が少女に抱きしめられているという異様なものだった。片方はだらんと肩を垂らし、もう片方はその相手に腕を回して抱擁をしている。
 更に二人はまるで男女の営みをするかのように接吻をしているようだった。その様子に、その二人の周りの何人かの少女達は各々の武器を構えながらも動けないでいる。
 しかしそれもルールブックの内容をしっかりと見ているのなら納得がつく。あれは寄生体の能力の一つだろう。
 寄生された人物、つまり宿主が接吻などで別の人間の体内に寄生体を侵入させることにより、その人間の一時的な支配が可能になるらしい。
 あくまでそれは寄生ではなく一時的なものではあるが、そうして相手の行動を封じられれば寄生行為自体が確実なものになる。なにせ相手が抵抗しないのだから。
 そして淫靡な水音が聞こえ始めた。おそらくあれは寄生をしているのだろう。宿主には男性器に似た寄生の為の器官が股間に生え、それを相手の膣に挿入して子宮に寄生体を放つらしい。
 それが始まっても彼女の周りの少女達はその宿主に攻撃をしない。あれだけ密着していれば攻撃しようとすれば、襲われている仲間を盾にされる可能性もあるからだろう。
 だが、一番の原因はそのためではなく単純な恐怖だろう。動けなくても動けないから、そこから逃げることもせずにその光景に目を奪われる。
 対照的に中野たちはいつの間にか姿を消していた。おそらく先ほどの無駄な撃ち合いのせいで弾もなかったのだろうし、ここに来たということはルールブックから寄生体の特性を得ていたためだろう。
 私もその光景から目を離して足元に転がっている武器の中から、一番役に立ちそうなものを手にした。
「あ、それは」
 その私の様子に気付いた教会の少女の一人が口を開いた。私は彼女に背を向けて一つだけ忠告をしておく。
「……逃げたほうがいいですよ」
「え?」
 その単語に少女の疑問の声が聞こえたが、私は構わず彼女から離れた。
 おそらくこの教会の中に居た少女達は、先ほどの言動から考えて聖マリア女子高校の生徒なのだろう。
 彼女達にとってこの教会が大切なものであるのかもしれないが、それに固着して目の前の状況を読めないようでは意味がない。
 寄生された人間を撃退できないならば逃げ切るか、寄生されるかのほかに結末はないのだから。
 私は教会の少女達を逃亡させる為に、教会の蝋燭の列をなぎ倒すように横に倒し、更にそこに近くの椅子などを投げつける。
「な、何をしてるんですか!」
 私の行動に教会の少女達がこちらに駆け寄ってくるが、私はそれを彼女達が捨てた武器、日本刀の剣先を向けて牽制した。
 その間に地面の絨毯に燃え移った蝋燭の火が、私が投げた椅子などに燃え移りその勢いを増す。
 それを確認した私は更に近くの椅子をもう一つ持ち上げ、机の上に残っているPDAに向けて何度か振り下ろした。
 残っていた8台のPDAの画面が真っ黒になったことを確認し、私は教会に残っている少女達を一瞥してから裏口から外へと飛び出した。
 そして民家の陰に隠れながら私は教会から素早く離れる。行き先はとりあえず灯台の方角。
 やがて住宅街の外れまでなんとか辿り着いた私は、走りながら振り返る。
 深夜の住宅街の空が、淡く赤く染まっていた。

261きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:24:20 ID:koPpnfOp
1日目 2:00 聖マリア女子高校3年B組 戸塚 美紗(とつか みさ)【未寄生】 現在地:島北部・住宅街
ゲーム終了まで……残り70時間00分 寄生完了数7人


「ああっ、ふぁあああああああんっ!」
「くぁあううぅぅ……えへへっ、これであなたもわたしのなかま……よろしくね、んんっ」
 扉の向こうでそんな声が聞こえる。しかし、ひたすらに祈りを捧げている私にはあまり関係のないことだった。
 あぁ、どうか神様。あの逃げた仲間達を無事にお守り下さい。あの二人には愛すべき殿方がいるのです。どうかどうか、もう一度その殿方に会えるように……。
 私はその二人の仲間の安全を、ここに残ってもう二人の仲間と一緒に祈っていた。私は彼女達にも逃げるように行ったのだが、私と同じで頑固な二人はここに残ってしまった。
 私がここに残った理由は二つ、それはどちらもとても単純なものだった。
 一つにこの島で神様に一番近い場所はおそらくここしかなく、もう私たちに逃げるにふさわしい場所などなかったからだ。
 もう一つは、多くの人が神に祈ったであろうこの古びた教会が、誰にも看取られず孤独に逝ってしまうのをとても悲しく思ったからだった。
 しかし私たちとて最初から、この教会と運命をともにしようと思っていたわけではなかった。
 ただ祈りをはじめてしまったら不思議なことに誰一人として動けなくなってしまったのだ。火が近づいてきても横の二人は私と同じように微動だにしない。
 おそらく神様がそうさせているのだろうと私たちは思い、だからこの教会と同じ最後を辿ることに決めたのだ。 
「きゃっ! な、なにしてるの〜!」
 そんな風に祈りを捧げていると背後から声が聞こえ、私は誰かにブレザーの襟首を掴まれて放り出されるように教会から放り出されてしまった。
「あんっ!」
「そこでちょっと待ってて。他の二人も連れ出すから〜」
 そう言葉を残して燃えゆくに教会に戻っていったその女性は、あっという間に二人の親友も担ぐようにして外に運び出してしまった。
「ふぅ……。まったく、危ないじゃないですかぁ! 死んじゃいますよ、あんなところいたらぁ!」
 ……私の記憶が正しいのなら、目の前で説教をする彼女は先ほどこの教会に突然現れ、女生徒に不埒な行為をしていた人物のはずだった。
 しかし、その彼女は私達を今度は火の手が回る教会から救い出してくれた。それは先ほどの行為からすれば意外なものだった。
「あ、わたしは泉女子高校の工藤 渚(くどう なぎさ)です〜。どうぞ、よろしく〜」
 頭のリボンを揺らしながらペコリと礼をしてくれた工藤さんの後ろで、教会の屋根に付いていた十字架が崩れ落ちる。
 その燃える教会を背景にした彼女の姿が……私には何故かまばゆく尊いものに見えた。
「それより! だめだよ〜命を無駄にしちゃ〜。……それだったら、わたしの仲間になってよ〜」
 そう言って彼女は自らスカートを捲り上げ……女の人には無いはずのものを私たちに見せた。
 親友達を見ると、二人とも口を覆って言葉を失い、じりじりと後ずさりをしていた。
 しかし、私はそれを見て驚きはしたけど、恐怖のようなものは感じなかった。
 いえ……むしろ……。
「分かりました。ただ、私だけにして下さい。二人は逃がしてくれませんか?」
「「ミサちゃん!?」」 
 親友の二人が驚きの声を重ねて上げた。
「う〜ん。けど、それであなたをくれるならいいかなぁ。えへへっ、私もちょっと生の女の子を味わいたくなっちゃったから〜」
「交渉は成立ですね。さぁ、二人とも逃げて」
262きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:25:02 ID:koPpnfOp
私は二人の親友に微笑みを投げ、ゆっくりと歩み寄ってくる工藤さんを待った。
「な、なんでよ? 一緒に逃げようよ、ミサちゃん! わ、私が身代わりになるから!」
 すると親友の一人……『ふみ』ちゃんが私に叫んでくれた。どうやら彼女は私が自己犠牲の精神で彼女達を助けようと思っているみたいだ。
「ふみちゃん、違うの。……私には、この工藤さんは神様の使者のように見えるの」
「し、使者?」
 聞き返すふみちゃんに私は頷く。
「教会で祈っているときに、神様が私達に『死ぬな!』って思ってて、そこに通った工藤さんがその神様に代わって助けてくれたんじゃないか、ってね」
「ふふっ……私はただ偶然なんだけどね〜」
「運命とはそういうものですよ」
 私は目の前に座り込んだ工藤さんに笑いかけた。彼女は私の頬を擦りながら火照った息を吹きかけてくる。
「……じゃあ、私も残る」
 突然の発言で、私の右隣に腰を降ろしたのはもう一人の親友、『ゆみ』ちゃんだった。その行動に彼女以外の三人が驚く。
 私はそれに反対しようとしたが、私のそんな行動にいち早く気付いた彼女は、口に人差し指を立てながら笑いかけた。
「まったく、神様のお告げなら仕方ないわね」
「ふみちゃんまで……」
 今度は私の左隣にふみちゃんが座り込んだ。しかし彼女はお世辞にも信仰に厚い教徒ではなかっただけに、私にもその発言が嘘であることにすぐ気付いた。
 それでも彼女は先ほど、私と同じく教会に残る際に見せてくれた快活な笑顔を向けて、その意思が真であることを伝えてくれた。
「くすっ、いい友達だなぁ……じゃあ遠慮なく、みんなをもらっちゃうね〜? もう私も待ちくたびれちゃったよ〜」
 そう言って彼女はそのほんわかとした表情に似合わない、ビクビクとそそり立つものを右手に持った。
「それじゃ、私から……」
 そして私も白いショーツを脱ぎ、工藤さんのそれを受け入れる準備を整える。
「あれれ、ミサちゃんはもちろん“はじめて”だよねぇ〜? あんまり濡れてないと、痛いかもしれないなぁ……」
「……くすっ、仕方ないわねぇ。ふみちゃん、私は下をやるから、胸とか頼むわ」
「んっ、わかった」
 工藤さんの話を聞いたふみちゃんが不敵に笑い、彼女の呼びかけにゆみちゃんも追従する。
「え、ちょちょちょ、ちょっと! な、な……ひぁあんっ!」
 そのまま戸惑う私のお股に顔を埋めたふみちゃんが、ぺろりと私の秘所を舐めて来たのだ。
「ふ、ふみちゃん、そこぉ、汚いからぁ、あんっ! って、ゆ、ゆみちゃんまで、なにを、んんっ!」
 その横から私の顔を覗きこんできたゆみちゃんが、不意打ちで私の唇と自らの唇を重ねてきた。更にブレザーの上から私の胸を揉み解してくる。
 私がその思いも寄らぬ行動に驚いている間に、ふみちゃんに下の穴は優しく舐められ、口の中ではゆみちゃんの舌が少し強引に暴れまわっている。
 二人のそんな行為に驚きながら、私は不覚にもその快感に悶え始め、身体全体が熱く火照ってきていた。
「んんっ、ぷはっ……こんなものでいいでしょ。じゃ、工藤さん、お待たせしました」
263きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:25:47 ID:koPpnfOp
ふみちゃんがぺろりと口の周りを舐めながら、そのポジションを工藤さんに明け渡した。同時にゆみちゃんも私の口からするりと抜け出した。
「あうぅぅ、本当にいい友達だねぇ〜。うらやましぃ〜。……ふふっ、出来れば私も『なぎさ』ちゃんって呼んで欲しいなぁ〜」
「あ、はい。……なぎさちゃん、あの、よろしくお願いします」
「おまかせあれ〜。やさしく、きもちよ〜く、やってあげるからね〜」
 優しい言葉と共に、なぎさちゃんが私の身体をゆっくりと押し倒して、私の穴の入り口にその大きなモノをこすり付けてきた。
「ふあぁぁ……それが、わたしの、なかにぃぃ……」
 私は上半身を持ち上がらせて、そのなぎさちゃんのモノの大きさを再確認した。
「えへへ、じゃあ、ゆ〜っくりいくよぉ〜。ん、っしょ〜」
「ああんっ! な、ぎさちゃんがぁ、はいって、くるうぅぅ……」
 ついになぎさちゃんが、私の中にじわじわと入り始めた。私もなんとか力を抜いてそれを受け入れようとするが、初めてのその感覚に思わず力がこもってしまう。
「くんんっ! すごいぃ……しめつけてくるうぅぅ……」
 なぎさちゃんが片目を瞑りながら絞るように声を上げる。
 その様子を見ていたふみちゃんとゆみちゃんが視界の隅で頷き合うと、突如私の赤のブレザーとブラウスを乱雑に脱がせ始めた。
 しかし今の私はそれどころではなく、抵抗するまもなくブラジャーまで外された私は胸元をはだけさせられてしまった。
「んんっ……な、なにを……ひぁああんっ!」
「わぁっ! んんんんんっ! ……ふあぁ、はいっちゃったぁ」
 思わず私の身体から力が抜けたと同時に、なぎさちゃんのモノが一気に私の処女膜を破って埋まりこんだ。
 その原因はふみちゃんとゆみちゃんが私の乳首をアマガミし、そして吸い舐めてきた行動によって私の力が抜けてしまったからだった。
「くあぁ……いっ、たぁいぃ……」
「ごめんね〜、ミサちゃん。で〜も、もうこれ以上痛いのはないから、安心して……ゆ〜っくりと動いてあげるから」
「う、うん。くっ、ああぁ……ひっ、ぱられるうぅ……」
 私の中を満たしたなぎさちゃんのモノが、私のヒダに絡みつきながら抜け出していく。まるで何かに吸い込まれるような感覚が私に伝わる。
「んっ、しょ。それで〜、つぎはもういっかいぃ……いれるぅうう!」
「くぁ、ああああああんっ!」
 なぎさちゃんのモノが抜け出し、私の穴が元の大きさに戻ろうとしたところで再びなぎさちゃんが帰ってくる。
 しかし今度は痛みもわずかにしか襲ってこない上に、それと入れ替わるように感じたことのないような快感が私の身体をしびれさせた。
「んん〜、ミサちゃん。ちくびもおいしいよぉ〜」
 一心不乱に私の乳首を吸い上げるふみちゃん。彼女の舌で乳首を転がされていると意識が蕩けてしまいそうになる。
「うん。こうふんして、かっちかち……あんっ、んんっ……」
 かたや、ゆみちゃんの舌の動きはどこかぎこちなかったのだが、ちらりと彼女は片手を自分のスカート中にもぐりこませているのが見えた。
 そんな愛すべき二人の親友の寵愛を受けて、私はなぎさちゃんと一緒に絶頂に達しようとしていた。
「くぁあ! だっ、めぇ! もう、いくぅ! いっ、ちゃ、うぅうううう!」
 がっしりと私の身体を抱きしめたなぎさちゃんが、私の身体が壊れてしまいそうなぐらいに蹂躙していく。
 ちらりと顔を横に向ければ、二人親友が火照った顔で自慰をしながら私を見守ってくれている。
264きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:27:03 ID:koPpnfOp
「んっ! じゃあ、いくよぉ! あんっ、くぁあああああああああんっ!」
「きゃぁあああああああああんっ!」
 思わずお互いに抱き締め合って、なぎさちゃんのモノから出てくるものを私は受け取った。熱いものが、私の奥底へと入り込み、根付いていく。
 同時に頭の中に何かが入ってくるような違和感を私は感じた。しかし、その違和感はすぐに私の中に吸収されていく。
「ふぁんっ……あ、ついぃぃ……んぁああうぅ!」
 なぎさちゃんのモノが私の中から抜けると同時に私の身体は急激に熱くなり、そしてお股に……立派なモノが生えた。
「ふふっ、からだがほてってしかたないでしょ〜? さ〜あ、ふたりにもわたしたちのをわけてあげよ〜」
 なぎさちゃんの手を借りて私は立ち上がり、親友の二人に顔を向ける。
 すると……二人をめちゃくちゃに犯したくてたまらないという欲求がふつふつと湧き上がってきた。
「ふぁっ、ふたりともぉ、わたしにぃ、いれさせてえぇ……」
 私は二人にそう懇願しながらも、もう耐え切れずに無意識のうちに私のモノを自らの手で擦り始めてしまう。何故だろう、こうしていると少しだけ興奮が落ち着く。
「くすっ、りょ〜かい。……んっ、はむっ」
「くぁああああああんっ!」
 ふみちゃんが私の生えたものを、唾液で濡れた口の中に収めてしまう。それだけで私は目が回ってしまいそうなくらいの快感が溢れ出てくる。 
 けど口の中に出すわけにはいかなかった。出せばなぎさちゃんの言うところの、生の女の子が味わえなくなってしまうからだ。
 先ほどなぎさちゃんに寄生された直後に、私の頭の中にはその寄生された素敵なものの情報がすぐさま流れ込んできた。
 その中の一つに、『寄生体を子宮以外の体内に侵入させられれば、相手の意識を一時的に奪える』というものがった。
 しかしこれは逆から言えば相手が私の行動に対して、あまり反応してくれなくなることを示していた。
 この場合、せっかく自らふみちゃんが望んで身体を差し出してくれているのに、そんなことをしては彼女がよがる様を見れなくなってしまうので、そんなことはしたくなかった。
 だから私はふみちゃんの舌の妙技に放出したい欲望を何とか押さえ込んで、彼女の口から私のモノを引っ張り出した。
「ふ、ふみちゃん。したの、おくちでしてえぇ」
「あらあら、も〜う? ふふっ、仕方ないわねぇ……」
 そう言って彼女は自らのショーツを脱ぎ始め、その隣に居たゆみちゃんがこっそりとなぎさちゃんに歩み寄る。 
「なぎさ、ちゃん……あの……私の相手を……」
「くすっ、は〜い。おまかせあ〜れ」
 その隣では、待ちきれなくなったゆみちゃんがなぎさちゃんの上に跨り始め、それに続くようにふみちゃんも私の上に乗っかる。
「さ〜あ二人とも〜、私たちの上で存分によがって踊って〜」
 なぎさちゃんが私と彼女のモノが、ふみちゃんとゆみちゃんの穴の入り口にピタリと着いたところで上にのる二人に促す。
 そして二人が頷くと、ゆっくりと彼女達が腰を沈め始め、私となぎさちゃんのモノの頭が彼女達の中に包み込まれる。
「あ、ぐうぅぅ、お、っきいぃ……」
 ふみちゃんが私の上で小さく声を漏らして、歯を食いしばっている。対する私も、口の中とは違ったその穴の感触に目を見開いてしまう。
265きせい・ろわいある:2009/10/12(月) 00:27:27 ID:koPpnfOp
「あんっ、は、はやすぎるよぉ、ゆみ、ちゃん!」
 その隣で早くもゆみちゃんはなぎさちゃんの上で激しく揺れていた。その大胆かつ貪欲な行動には、さすがのなぎさちゃんも驚いたような声をあげている。
「あぐうぅ……ゆ、みちゃん、す、ごいなぁ……」
「んっ、こ、こっちはゆっくりやろう? ね?」
 足を震わしながら動けずにいるふみちゃんに私は口を開く。そう、私自身も頭がおかしくなってしまいそうなほどの快感の波が押し寄せてきていたため、少しずつゆっくりとやってほしかった。
 しかし、私の言葉にふみちゃんは苦しそうにしながらもニヤリと不敵に笑うと、一気に腰を降ろして私のモノを飲み込んでしまった。
「くっ、ぁああああああああああああんっ!」
「あぅ?! うぁあああああああああああああああ!」
 突然のことに私は驚き、息をするのさえ忘れてしまいそうな挿入の快感に思わず天を見上げて硬直する。
 しかしふみちゃんは止まらない。
 私のモノを全ておさめたと同時に彼女は腰を上げ、今度は勢いよく私のモノを引き抜いた。ぐちゃぐちゃの粘液と無数のヒダが私のモノに絡まり、私の快感の限界が早くも近づく。
「ぁあああんっ! ふみちゃん、だ、だめええぇ! こわれちゃうぅううううううう!」
「だめぇ、とまらなぃい! これぇ、きもちよすぎて、っ、とまれられないぃいいい!」
 ふみちゃんの血と粘液が私の穴の中で混ざり合い、ぐちゃぐちゃと激しい水音をかもしだしている。
 その隣でもゆみちゃんとなぎさちゃんが同じ音を出していて、私たちのそれと重なりいやらしいハーモニーを奏でている。
「でちゃぅううう! ふみちゃん、もうわたし、でちゃううううう!」
「んんんっ、だしてぇ……あんっ、なかにだしてえぇ、みさちゃんを、うえつけてぇえええええええ!」
 ふみちゃんが大きくよがると、彼女は更に激しく踊り始めて私を絶頂へと誘ってくれる。
「ゆみ、ちゃん、くうぅ……わ、たしもおぉ、もう、でそうぅぅ」
「んあぅ、いいですよぉ……いっぱい、いっぱいぃ、なぎさちゃんのを、くださいぃいいい!」
 隣のペアもより一層行為を激しくし、まるでクラシック楽曲の最後の盛り上がりのように水音が騒がしくなる。
「も、もうらめぇええ! だすうぅぅ……だしちゃうぅううううううう!」
「があっ!? くぁああああああああああああああんっ!」
 私は絶頂を迎える瞬間にふみちゃんの腰を掴んで、彼女の一番奥に私のモノが差しまれると同時に彼女にたっぷりと種を放った。
「くあああぁぁうぅぅぅう!」
「うぁああんっ! あっいぃ! あついのがきてるぅううううう!」
 ふみちゃんの中に出すのが精一杯で顔を向けることは出来なかったが、隣でもなぎさちゃんがゆみちゃんに種を植え付けたようだ。
 やがて私がたっぷりと放ち終わると同時に、ふみちゃんがへたりと倒れこんできた。彼女の荒い息が耳に吹きかかってくる。
「はぁはぁ……きゃあああうぅ!?」
「あははっ、さわられただけでも、すごいでしょ?」
 私は生えたばかりのふみちゃんのモノを右手で包み込んで囁いた。対してふみちゃんがコクコクと頷き返してくる。
「ふふっ、神さまが私たちの中に来てくれたんだもん……この幸せ、みんなにも分けてあげないと、ね?」
 軽く上下にふみちゃんのモノを擦ってあげるだけで、彼女は体感したことのないであろうほどの快感に身を悶えさせる。
「くすっ、一緒に頑張ろうね、ふ・み、ちゃん。あはは、あははははははは!」 
 そう……みんなに教えてあげないと、この神さまを身体の中に招き入れることの素晴らしさを……ね。

266名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 00:32:55 ID:koPpnfOp
今回は以上で終わりです。お粗末さまでした!

さて、話は変わりましてなにやらTS寄生について話題があったみたいなのでちょっと質問。
TSって男→女、女→男……どちらがお好き?
お時間があるお方、参考までにお聞かせいただけると嬉しいです。
ちなみに自分は……どっちも好きですw
では、失礼します〜
267名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 00:40:03 ID:H33vJy0T
今更にGJ、超GJ
投下乙であります

>どっちも好きですw
こたえはでているようだ…
268名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 00:40:32 ID:MGBQ0iPB
女→男派の俺が通りますね

GJ、次も期待してるよ
269名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 02:12:13 ID:qxBTcDDR
GJ!

ちなみに俺もどっちも好きだ!
270名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 05:10:18 ID:TafxDTHr
GJ
しかし寄生されてないほうが変態というのは新しいw
271名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 09:08:55 ID:K6IO5hPC
やば…この展開マジ大好き
しかしこんな調子だと後半からネタが尽きそうだが大丈夫だろうか
266氏の腕を信じたい
まあ気長に頑張ってくりゃれ
272名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 10:12:43 ID:6vvbSPF5
GJ
男→女が好きだぜ
次も楽しみにしてるよ
273名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 10:28:38 ID:qbuSY6x9
GJ!
時刻と同時に表示される寄生された生徒の数が知らないうちにじわじわ増えている……
果たして元ネタ通り、誰か逃げ延びられるのか……?

あと何か色々大人の思惑も動き始めてるのがまた面白い。
274名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 14:46:31 ID:hyXWiViF
素晴らしい。
一つの読み物のように読める。
けど緊張して息子が縮んじゃった。
あ、俺は男→女なTSが好きです。
275名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 18:30:39 ID:bcFz9Qb+
>>263
GJ

俺は、女の子を男に変えて、快楽漬けにした後女の子に戻したい。
276名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 19:03:20 ID:PLIKTimV
おお、GJ

男から女へTSする方が好きだから
逆に男を女の子に変えて、
快楽漬けにした後男の子に戻したいなぁ。
そして、戻されたあとに自ら寄生されてTSするとか。
277名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 22:10:43 ID:RLCeJ3S2
>>263
GJ!!

問いに関しては当然両方歓迎。
「薔薇カップルや百合カップルが端から見るとノーマルカップルになって(当事者が)さあ大変!」もいいし、
ノーマルなカップルが百合ルートや801ルートに突入するのも余裕のよっちゃんですw
278名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 00:47:36 ID:qbcF1krC
>>263
GJ!!
「どっちもいい」というより「それぞれいい」って思うなぁ俺は
全面的に>>277に同意だわ

ていうか生徒100人か・・・後々減るとしても、この人数をどう扱うのか楽しみだ
279名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 01:43:12 ID:/xge8zyh
こんばんは。 >>266です。
私は口うるさいと評判なので作品を投下するとき以外にはあまり書き込まないようにしようと思ってたんですが、
質問に関するご回答をいただけたのでそちらのお礼などを書かせていただきます。ごめんなさい。
まず作品のご感想、本当にありがとうございます! 一心不乱に今後も頑張る所存でございます!
そして質問に対する多くのご回答もありがとうございました!
それを見ての私の感想ですが、やっぱり皆さんはなんというか……天才ですw
改めて今回はそれをいい意味で痛感させていただきましたw

では、最後に本当にありがとうございました。今後とも頑張ります!
失礼しました。
280名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 04:01:27 ID:nsxAF4Ed
こういうのを集合恥と言ってな
281名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 19:03:51 ID:L2iM00Z4
ウィキパラサイト
282名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 12:16:46 ID:FQXUubUo
「不気味なモノに寄生されて虜になる娘…ですって?
こんなスレが許されてるなんて、寄生なんて異常よ異常!即刻削除依頼を……」

数日後

「なんで?なんで消えないのよ!?
寄生スレなんて即刻規制されるべきでしょう!?
こうなったら荒らしでも何でもやって潰してやるわ!!」

数週間後

「何なのこのスレ……。住人の結束が固くて、
いくら荒らしても、グロ画像貼っても、歯が立たないわ。どうすれば…。
はっ……そうだわ!敵を潰すにはまず敵の事を知らないと!
そういえば私、寄生についてなんて全然知らないし。調べればこのスレの弱点がわかるかも!」

少女検索中...

「あったわ、ここなら分かりやすそう。wikiって書いてあるし。
さっそくクリッ……クしたくないなぁ。そうとうキモチ悪いんだろうなぁ。
…いけないいけない!あのスレを潰すためよ!勇気を出して…えぃ!」

カチッ!
ページ取得中...
283名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 12:19:57 ID:FQXUubUo
「んっ……ぁ…アレ?思ってたより普通…。文字ばっかりだし。
もっと寄生虫とか、グチョグチョしたのがいっぱいとか…そういうのを想像してたのに。
まぁ、いいわ。これで寄生スレの弱点が探せるわ。
ん?『寄生が初めての人へ』?何コレ?」

カチッ…バチッバチィッ!

「きゃあ!!!?……ったぁ〜、何よもぉ〜。マウスから電気みたいのがバチバチって…。
PCは壊れてないけど…びっくりしたぁ。
もう!どれもこれもみんな寄生スレのせいよ!絶対潰してやるんだから!
まず『初めての人へ。寄生とは…』!? 何なのよ!早く教えなさいよ!」

数分後

「…ハァ……意外と詳しくて真面目なサイトじゃないの…ハァ…。
それにしても、何か暑いわね。秋も半ばだっていうのに……上着脱ごう…。
ん…よいしょ、で続きは…?」

『初めての人の為の寄生オナニー』

「いきなりバカじゃないの!? 少し気を許したらすぐこれじゃない!
やっぱり寄生なんて卑猥で穢らわしいだけね!! 最っ低!!」

…チラ

「…ハァ…ハァ……ん…」

カチ…カチ…

「…ちょ、ちょっと見るだけよ。ここまで見て止めるのもアレだし、
せっかくだから見てあげるだけよ。見るだけなんだからね!
284名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 12:23:32 ID:FQXUubUo

(誰に言ってるんだろ私…)」

カチッ

数分後


「…はぁ……スゴ…ィわね、けど、こんなの現実で、できる、んっ…わけ無いじゃない。ハァ…
(それにしても…なんだかさっきから、身体が熱くて、…ピリピリするわね…)
…んっ…続き…見なきゃ…」

数分後

「もう……ダメ…ハァハァ…我慢できない!
こんな、寄生なんかで、オナニーなんて、フゥー…んっ、ダメなのに…なのに…!
ああっ!普通のよりイイ!キモチイイ!!」

数十分後

「アッ、アッ…イイ…ピリピリするの、イイ…。
あぁ…いいなぁ…このSSの女の子みたいに触手でぐちょぐちょにされたぁい。
アハ…アハハ…ハ? なぁにコレぇ?」

『寄生がイイと思ったら→[クリック♪]』

「イイよぉ…スゴくいいのぉ…。はい、クリック♪」

カチッ

『アナタもこのサイトの“一部”になってみませんか?
なりたいという方は下の ハイ をクリックして下さい。


     [ ハイ ]        』
285名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 12:28:02 ID:FQXUubUo
「サイトの“一部”?
…一部って何だかわかんないけど、…このピリピリより…キモチイイのかなぁ?
イイんだろうなぁ…このサイトの一部に……。
このサイトに寄生されて…このサイトの女の子達と、一緒になっちゃうのかなぁ…。
ウフフ…キモチよさそう…。

もちろん、ハイ♪」

カチッ
『今夜、お迎えに上がります。PCの前でお待ち下さい。』

「フフフ、楽しみだなぁ〜。それまで何してようかなぁ…。
そうだ…寄生スレのSSでオナニーしてよう。
こんなにいいスレを潰そうとしてたなんて。ゴメンね〜みんな。
そうだ。この事をみんなに教えてあげないと。
こんなにキモチイイんだもん。寄生スレのみんなにも知って貰いたいもんね。

……これでよし。あぁ…早く迎えに来ないかなぁ〜」



281 名無しさん@ピンキー sage 2009/10/13(火) 19:03:51 ID:L2iM00Z4
ウィキパラサイト



END
286名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 12:46:11 ID:nJDTJsWc
リwwアwwwルwwwタwwイwムwwwww
287名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 18:40:39 ID:1EwnSrDk
>>285
GJ
餌撒いて罠張るのいいね。
288名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 20:43:07 ID:FQXUubUo
そういえば……結構久しぶりに来たんだけど、
FBX氏や黒い人氏は何処にいかれたの?
もうSS投下なされないのかな…?
289名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 04:17:07 ID:NNEGnSkB
>>285の巧みさに嫉妬した
290名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 05:19:11 ID:EPG3vZJa
>>285
ちょっwww
GJ!
291名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 19:52:59 ID:bPJZ7auN
1日と経たずによく書いたもんだぜ…
292名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 02:58:43 ID:ZI651Ve+
今日宅配便が来たときに急に浮かんだので書いてみた


「お届け物でーす」
 なんだろう?
 なにか私たのんだっけな?
 まぁいいか。
 それにしたってこれなんだろう?
 机に置いたけどなんか箱開けるの怖いなぁ……

 ピリッ

 なに、今の?

 ピリッ

 あ、箱、開けなきゃ……
 うわっ、何この匂い、最悪ね、なんで開けちゃったんだろう?
 なんかピリッって電気が流れたから開けなきゃって急に……

 ピリッ

 これ、持ってみましょう……
 うわ、何これ、カードゲームに出てくる、ワームみたい。
 しかもなんかヌメヌメして生温かくてて気持ち悪い。
 それよりあまり大きくないわね、親指よりちょっと太いくらいかしら?
293名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 02:59:28 ID:ZI651Ve+
 ピリッ

 これを、私の子宮に、ってなんで?
 おかしいおかしい。
 ありえない、なんでこんなのを入れなきゃならないのよ。
 というかなんか暑いわね……

 ピリピリピリッ

 とまどっちゃだめ……
 えっ、そんな、私、そんなの、入れ……
 いやっ、これ、の……
 入れ、なきゃ……

 ピリピリピリピリッ

 すご、わたし、濡れて、る…さぁ、入れちゃいましょう。
 んっ、あっ、んっ、入っ、たぁ……
 どんどん、奥に、あぁっ!
 なかで、動いてる、私、受け入れられたぁ……
 あ、私の、体を、どんどんつかっちゃって、くらさい……


終わりです
294名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 08:59:23 ID:7gP7BV6S
>>293
新手のバイオテロですね、わかります。
295名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 20:43:19 ID:p5BL5X0j
そこでカードゲームが出てくるアタリハンパないな
296名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 14:09:41 ID:YqupATVy
最近寄生スレが健康的に活発しててなかなか嬉しい
297名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 16:42:40 ID:mtuiSXir
>>293
GJ
寄生する前から操れるとかパねえ。

>>296
寄生虫を寄生させるとアレルギー症状が起きなくなるんだぜ。
298名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 06:02:01 ID:rAuDzDuJ
花粉症は人間の寄生虫が減ったからとかなんとか
そんなん話を聞いたことがある
寄生をないがしろにしちゃいけない
だから人間は我々にどんどん寄生されるべき
299名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 06:50:53 ID:vENgX2zq
人間は花粉にも寄生虫にも寄生されているんだよ…
300名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 09:32:09 ID:ZrTEBp/n
嫁というものに寄生されてみたい
301名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 09:42:52 ID:+Swrzgj/
>>300
寄生虫を嫁と思えば解決じゃね?
302名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 11:27:25 ID:DLsllLue
黒い人氏は俺の嫁
303名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 12:21:36 ID:W5Os/3RW
鮟鱇は、雌に複数の雄が寄生する。
304名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 22:43:35 ID:wp6S1qbk
巨大サナダ虫に心身ともに犯される少女
305名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 06:23:37 ID:bXbljNLv
>>300
画面の中にいっぱいいるから惨事はいりません


いや、惨事もOK
忘れていたが惨事嫁もいるよ


ドルフィードリームだけどな
306名無しさん@ピンキー:2009/10/19(月) 16:59:07 ID:B4ULeO1h
寄生虫は、自分の身を守る為に免疫抑制物質を出す。
結果、アレルギーも抑えられる。
307名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 01:24:40 ID:p/s1zwQ+
花粉症の時期にマジで辛い人はサナダ虫の一匹くらいいても構わないという思考になりがち
308名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 05:36:47 ID:94Xqiz+V
サナダムシに寄生されたらどうなるの?
ヤマトの真田さんみたいに手足がなくなっちゃうの?
309名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 18:41:26 ID:KRQ43Tin
サナダさん「女の子のお腹の中って、あったかい」
310名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 01:57:15 ID:BE8EUmV+
免疫低下と聞くとAIDSなどという現実的な思考が邪魔しやがる…寄生虫のためならばっちこいなのに
311名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 09:07:14 ID:rQbw5TNj
そもそも仕組みが違うわな。
寄生虫は対免疫抗体で身を守るのに対し、
AIDSは免疫細胞そのものを破壊するからねぇ。
312名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 19:18:07 ID:rMPsS0kO
>>311
つまり寄生虫は、女の子を壊さずにエロく出来ると。
313名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 00:20:30 ID:rmhqaMg0
なんとなく浮かんだから書いてみたけど寄生虫出なかったw


空港第一ターミナルの国際線到着ロビー、私は降りてくる人たちを眺めている。
どうやら相手はまだ来ていないようだった。

「彼女に会うのも何年ぶりかしら…」
待ち人の真田さんは海外で活躍している医師の一人だ。
日本の窮屈な研究環境に嫌気がさして海外へと渡り、
僅か数年で様々な成果を出した免疫医療の期待のホープである。
その名声は日本にも届き、今回私の所属する研究所への招聘が実現した。
海外へ立った経緯から不可能だろうと予想していたのだけど、
彼女との再会を私は素直に喜んでいた。

「お久しぶり」
その声に私は我に返った。
いつの間にか物思いに沈んでいたのだろう、
慌てて顔を上げ――そこには美しい女性が立っていた。
思わず嫉妬してしまうほど艶やかな黒髪。
大きなアーモンド型の瞳と綺麗に笑みの形を浮かべる真っ赤に染まった唇。
そして、同姓でも紅潮してしまうほどスーツの上からでは隠せないほどに起伏のある胸もと。
私の知っている彼女の姿は無かった。
「さ、真田さん……?」
私は一瞬だけ相手が誰だったのかを忘れてしまった。
「はぁい」
でも、だって……
「もうそんなに惚けた顔をしないで頂戴、感動の再会なのよ?」
と、目に稚気の色を浮かべ、クスクスと笑いかけてくる。
思わずうっとりしまうような蠱惑的な彼女の笑顔。
先程より笑みが深くなっているようだった。
「感動してるわよ……ただ、貴女が綺麗になっちゃって驚いているの」
からかわれるのを承知で、返事を返す。

「ありがとう…嬉しいわ」
ゾクッ
彼女の唇が大きな弧を描いた瞬間、私の体に奇妙なしびれが走った。
今のは、何……?

「新しい健康維持法を見つけたの。きっと、そのおかげ」
314名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 05:37:00 ID:Y7grzNgN
おいこら、その新しい健康維持法とやらを早く教えないか
315名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 08:50:29 ID:f9c9ofKQ
詳細は>>318あたりに
316名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 18:44:24 ID:yVnGtMNF
>>311
つまり寄生虫を予防接種のワクチンにすれば万事解決じゃないか!
317名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 05:10:21 ID:6JlXnlRX
寄生虫が海外で大流行しています
水際対策や全国の市町村・学校で予防摂取が必要です
そして>>316
318アレルギーの治し方 上巻:2009/10/24(土) 07:11:46 ID:rkGFVLgP

「ブァックッシッョン!!……〜ぁあ…しんどい…」

カランコロン♪

「いらっしゃ〜、ひいっ!?」
「…あぁ、大丈夫です。強盗じゃないです。花粉症なもので」
「そ、そうですよね、すいません! こちらにどうぞ」

「……ふぅ」
「メニューはこちらになっております。本日のオススメは…」
「すいません。私、アレルギーで…ケーキは…」
「で、では当店自慢の紅茶など…」
「あの…紅茶もちょっと…、水だけで…」
「そ、うですか…水…、す、すぐお持ちいたします。(何しに来たんだろ…あの人
…)」

「……ハァ、何しに来たんだろ、とか思われてるんだろうなぁ。
特にこの時期は外に出たくないのに…」

カランコロン♪
「いらっしゃいませ〜」

「おっ? いたいた。何よ、憂鬱な顔して」
「アンタのせいよ。外で待ち合わせようだなんて。
私が酷いアレルギー体質だって……あれ?
ちょっ、アンタ、マスクは?花粉症はどうしたのよ?」
「へへ〜、チョットね〜」
「この時期はアンタも私と同じくらい苦しい苦しい言ってたのに…!
どんな魔法を使った!? 吐け!吐くんだーっ!!」
「ちょ、くっ、苦しい苦しい!! しまっ…絞まって…る…!」
「お客様、ご注文…きゃああああ!?」


-♪-


「とまぁ落ち着いた所で」
「何が落ち着いたよ。警察まで呼ばれそうになって」
「まあまあ。…で?どうやって治したのよ、花粉症」
「いい治療法があってね。今日呼んだのもその話なの。ハイこれ」

「何?薬? ダメよ。私の薬物アレルギー知ってるでしょ?」
「普通の薬じゃないわよ。どんなアレルギー体質の人でも使える優れものなんだから。
さらに、花粉症だけじゃなく、アレルギーというアレルギーを治療してくれるの」
「へ〜〜(嘘くさ…)」

「実際に私は花粉症なんて無くなったし。
私には充分あるから。騙されたと思って試してみたら?」
「まぁ、試してみるだけなら、いっか。ありがたく貰っておくわ」
「ちゃんと使いなさいよ〜」
「ハイハーイ」


-♪-

319アレルギーの治し方 上巻:2009/10/24(土) 07:20:15 ID:rkGFVLgP

「さて。一日一回、寝る前に…だったわよね?
コレを……アソコに…やっぱり胡散臭いわよね…。やっぱり止めようかなー。でも…」

『そーいう理由で女性専用の薬だから。勝手に他人に譲ったりしないでよね?
後、ちゃんとやったかどうか、明日確認するからね。じゃね〜』

「って言ってたし。しょうがない…。
ちゃんと薬を舌で濡らして……んっ…あっ………あれ? スルッと入っちゃった。
大丈夫かな?寝てる間に抜けちゃわない?とりあえず、今日は色々疲れたし…寝よ…」




……っ…
…っ……はっ…
……ふ…っ……あ…
…ぁ…っ……ん…
……ぅ…っ………
…ぁ………ぃ…
………ク……


「んああぁあああっ!!  ………あ?………もう朝?
…げげっ!?もうこんな時間!? ヤバい急がなきゃ!」


-♪-


「でね?急いでて花粉症セット忘れてったんだけど、
外に出ても全然大丈夫!あんまり気にならなかったの!
あんなに酷かった花粉症だったのに。
もうあんなゴツいマスクしなくていいのね……ありがとう神様!」
「コラコラ、感謝すべきは私でしょう。
ったく、だから言ったでしょ。ちゃんと信用しなさいよ」
「ありがとー女神様♪ 今ならなんでもしてあげる♪」
「ハイハイ、今度頼むわ。
ところで、まだ完治したわけじゃないんだから、ちゃんと毎日続けなさいよ」
「もうコレぐらいなら充分平気なんだけど…」
「ダメよ。他のアレルギーも治したいんでしょ?
せめて譲った分は使いきってくれないと。
ケーキ、食べれるようになりたいんでしょう?」
「なれるの?」
「毎日休まず続ければ必ずね」
「うーん、じゃあ…やってみる!」


〜3日後〜

320アレルギーの治し方 上巻:2009/10/24(土) 07:31:06 ID:rkGFVLgP

……はぁ………
…ぁ……ふっ……
……く…ぁ…っ……
…ゃ…ぁ…っ……
……ひ…っ……ッ…
…は…っ…ぅ……
………ッ………


「……はっ!? ま…まさかね、まさか………ぅゎぁ…」

-♪-

「で、最近どう調子は?」
「超イイ!……んだけど、ね」
「どうしたの? 何かあった?」
「いや、別に。(オネショしたなんて言えないわよ…)」

「確か一週間分渡したと思うから、それくらい続ければ大丈夫ね」
「あと3日続ければ、アレルギーにビクビクする生活ともオサラバってわけね」
「そういうこと。そしたら記念パーティでもしましょうか」
「何でも好きな物食べれるようになった記念?」
「まぁ、何でもいいけど…それまでちゃんと続けるのよ」
「はーい。あ、ちょっとトイレ」
「声がデカイ。はしたないわね……おっと!」

「あうっ…おっと」
「オマケにおっちょこちょいね」
「エヘヘ、ごめ…んっ…」
「…………?」
「…ぁ………」
「ちょっと、いつまで寄っ掛かってるのよ?」
「え、あっ、ゴメンゴメン。何かボーッとしちゃって…」

「もう。早く行って来なさい」
「ハーイ」
321アレルギーの治し方 上巻:2009/10/24(土) 07:41:06 ID:rkGFVLgP

〜3日後〜

「今日も大洪水か……。やっぱり薬の副作用なのかな…?
まぁこれも今日で最後だし。今夜は奢りでパーティだし。あぁ〜楽しみだなぁ〜〜」

-♪-

「どこかの店で豪華な料理〜…とかだと思ってたのに…」
「祝って貰うってのに文句言わないでよ。私の家で私の手料理、これのどこが不満なのよ。
それに、ココの方が都合がいいし…」

「都合? 明日何か予定でもあるの?」
「別に。ただ、どっかの店で酔い潰れた貴女を、背負って帰ってくる手間が省けると…」
「ナニを〜!そんなんなったこと無いよ!……たぶん」
「私の家ならいつもみたいに飲んでも大丈夫だし。
今日は貴女がいつも食べたいって言ってたけど、アレルギーのせいで食べれなかった料理ばかり用意したから。
だから機嫌を直して、ね?」
「…やっぱり優しいなぁー。流石は私の親友。
アレルギー治してくれただけじゃなくて、そこまで私の事を考えてくれるなんて。
もう結婚したい!っていうか結婚しよう?」
「ふふふ、ありがとう。それじゃあ今から料理するから、邪魔にならないようにTVでも見てて」
「ハ〜イ。……邪魔て」


-♪-


続きは『寄生基本&応用マニュアルシリーズ−アレルギーの治し方 下巻』を御購入下さい。



(実の所。小ネタ程度で終わらそうと思ったけど、どんどん長くなって
小ネタでは収まらなくなってしまった…。お付き合い下さい。)
322名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 11:32:50 ID:Tx4mwFbN
ほとんどセリフだけなのに分かりやすいね
下巻購入します
323名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 11:49:53 ID:gvUjcLWX
>>321
済みません、下巻がkonozamaで見当たらないのですがw
324名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 12:25:47 ID:AKjkmb6f
>>319
期待
325名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 16:59:35 ID:56rYBEin
>>321
下巻を希望させていただきます
326名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 17:13:20 ID:bOChWSS5
下巻の発売日が楽しみでたまりません
327名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 23:43:16 ID:sIoSEXxT
アフィ付きでもいいからリンクさらせや とか言ってみたり
328名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 05:53:52 ID:xoDQ1Fis
とあるブログで蝶々の蛹7匹中3匹に寄生虫が付いてたって話を見た
羽化せず変色して死んだので蟻のエサにしたそうな
残り4匹のうち1匹も羽化せずら中から蛆が出てきたらしい
329名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 20:24:32 ID:s5la50X7
宿主を殺すなんて、寄生虫の風上にも置けない寄生虫だな!

俺ら位の寄生虫になると、羽化した蝶が女の子になってた程度は朝飯前 ニョロ
330名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:00:05 ID:jqETZXMP
なんか今、書いてたやつがちょうど上げ時だと直感したからこれから上げる。
まぁ、時間があったら見ておくれやす。



 チョウ目コビトチョウ科。小さな人間にチョウの羽が生えたようなその昆虫が、地球に生まれるのは少し先の時代。
 しかし地球とは別の星ではそのチョウは既に生まれている。これはそんなチョウの中の、ごくありふれた一匹のお話。
 彼女の名前は『アゲハ』。彼女の年齢は人間で言えば、16〜18歳というところだろうか。身体もその歳相応に成熟しはじめ、その背の羽も見事に蒼く煌く年頃になった。
 今日も彼女はせっせと蜜を吸い渡る。地球で言えば春のようなこの季節は、彼女たちコビトチョウを含めた昆虫全てにとって嬉しい時期であることは言うまでもない。
 特に食べることと寝ることが大好きなアゲハにとっては最高の季節だった。 
「んん〜っ、おいしぃ〜!」
 黄色い花の中に身を預けるようにしてアゲハは一心不乱に花の蜜を頂いていた。甘い蜜の味が彼女の頭も蕩けさせる。
 そしてそれを吸い終わればすぐさま隣の花へと飛び移ってまた蜜を吸い始め、やがてこれを1時間もしたら後はのんびりと彼女は眠りに入るだろう。
 しかし……その平和を狂わす一匹の昆虫がじわりじわりと彼女を狙っていることに、彼女自身が気付くはずもなかった。
「あう〜っ……も、もうそろそろお腹一杯……。あと、もう一個ぐらい……ん?」
 アゲハはお腹を擦りながらも、欲張りな彼女は更にもう一回ぐらい花の蜜を吸おうとしていた。
 そのとき、彼女の鼻を突いたのはこの花畑の中でも一際甘く、強い匂いだった。舌なめずりをした彼女はすぐにそちらに移動を始める。
「うわぁ……こ、これはおいしそう〜! はぅ〜!」
 そして見つけた赤い花に彼女はすぐさま突撃する。
 だが……アゲハはこの花畑で何年も年を越した。そんな彼女が今まで気付かなかった花、ましてや匂いの強いものが……あるだろうか?
 しかし、そんな思考は食いしん坊のアゲハの前に働くはずもなく、彼女はそのまま赤い花にダイブするといつもように蜜を吸い始めた。
「んぁうぅぅ、あ、あますぎ〜!」
 赤い花の蜜は確かにその匂いの通りの甘美なる味で、今まで彼女が吸ってきた中でも1、2を争うほどの美味しさであった。
 花の蜜に夢中になる彼女は段々と花に身を預け始める。それと同時に、彼女の背後でゆっくりとした変化が始まる。
 花びらが、閉じ始めているのだ。まるで外の世界から彼女だけを切り離すように、それはじわりじわりと彼女を隔離し始めている。
「ぷは〜っ……あ、あれ?! あれぇ!?」
 やっと気付いたときには太陽の光が花びらで遮られてしまうほどまでなったときであり、もう既に手遅れであった。
「に、逃げないとっ! うあっ! は、花が、足に絡まってくるなんて……」
 アゲハの足に雌しべや雄しべがまるで生き物の触手のように絡み付いてきた。更に蜜を吸った彼女の身体は重く、彼女はそのまま花のベッドに引き戻されてしまった。
「ああっ……」
 そうして天を見上げている間に花は完全に閉じてしまった。昼間だというのにその中は太陽光が赤い花びらを貫通するせいで、赤く淫靡な雰囲気をかもし出している。
「クスクスッ……可愛い子が来たわね……」
「だ、だれ?!」
 その中に突如、自分以外の声が聞こえたアゲハは声の主を探す。すると突然、後ろから首筋にそって二本の腕が回わりこんできた。
「ひあっ!?」
「クスッ、綺麗な蒼い羽ねぇ……うらやましいわぁ」
 アゲハの背後の雌しべと雄しべの間から一匹のハチがそれらに押し上げられるように現れた。
 しかしそのハチもまた、地球に存在するようなハチとは違う。
331名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:00:46 ID:jqETZXMP
 ハチ目コビトバチ科。小さな人間の身体にハチの特徴的な部分が合わさったような昆虫である。
 背中には小さな羽、ふわふわとしたマフラーのような身体のところどころにある黄色い体毛、そしてお尻の部分には黄色と黒の大きな袋がくっついている。もちろん、その先から針も出る。
 しかし、その最大の特徴は、その繁殖方法にある。
 コビトバチには性別はなく、同じ種族間での交尾で子孫を作ることは不可能。では、彼女たちは一体どうやって繁殖を可能としているのか?
 それは……別の種族の身体を頂くのである。
「あ、あ、あ、あなたは誰なんですか!?」
「私はコビトバチの『ナギ』って言うの。仲良くしましょ? クスクスッ」 
 そう言ってナギはアゲハの身体をギュッと抱きしめる。黒い髪からちょこんと生えた触覚、黄色い体毛からちらちらと覗く見事な胸の谷間。ナギはコビトバチの中でも抜きん出たスタイルの持ち主だった。
「どうかしら、この花は? クスッ、私が特別にこしらえたのよ?」
「こ、こしらえたって……?」
「クスッ、簡単なことよ。私たちコビトバチは生き物だけじゃなく、植物にも毒を与えられる。それでちょちょいと花に仕掛けをしたの……あなたみたいな可愛い子をおびき寄せるためにね、クスッ」
 その妖艶な笑みと耳に吹きかけられる生暖かい吐息がアゲハの身体をブルリと振るわせた。
「い、い、い、い、一体私をどうするつもりなんですか!?」
「クスクスッ、そんなに暴れないの……簡単なことよ? 身体の力を抜いて、ほら」
「あっ、ふあんっ!」
 ナギはより一層アゲハの身体を引き寄せると、彼女の福耳をアマガミして身体から力を抜いてしまう。
 それを見計らって、ナギはお尻を持ち上げるとその大きな袋の先から小さな針を生やしてプスリと力の抜けたアゲハの身体に突き刺した。
「いたっ! な、なにぃ……?」
「だ〜いじょうぶ、死にはしないわ。ただ……あんまり暴れられても嫌だから、ちょっと身体を痺れる毒をね……クスクスッ」
「か、身体が、動かない!?」
 コビトバチの毒はその加減によっては刺した生物を死に至らしめる可能性もあるが、本来彼女たちの毒はこうして獲物を殺すためではなく動きを制限させるためにあるものだった。
「クスッ、改めて見るとやっぱりかわいい顔をしてるわ……んっ」
「んんんんっ!?」
 ナギはアゲハと体位を入れ替えて彼女の上に乗り、おもむろに唇を重ねた。当然、アゲハは突然のことに口を閉じてそれを拒もうとする。
 しかしナギの口からだらりと液体が注がれ始め、それに驚いたアゲハがわずかに口を開いてしまったが最後、次々にその液体が口に入り込むと同時にナギの舌も滑り込んできた。
「んんんっ、んんっ……んんっ……」
 アゲハは毒のために首を動かしてナギから逃げることも出来ず、仕方なく液体を飲み込み始めた。
(あまくて……おいしい) 
 するとどうだろうか? その液体の味はどの花の蜜より甘く、どんな花でも出せないようないい匂いをしているのだ。アゲハはそれが分かると嫌がることなくそれを飲み込んでいく。 
 それはもちろん、コビトバチの蜜。色々な花から集めた花の養分などを身体の中でブレンドしたそれは、まさに自然のジュースともいえるほど美味であった。
「んっ、ぷはっ、あっ……」
 しかしそのナギの口はすぐにアゲハの口から離れてしまう。口の周りに蜜をつけたナギがニヤリと艶やかに笑う。
332名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:01:22 ID:jqETZXMP
「じゅる……美味しかったでしょ? あらあら、もっと欲しかったのね。でも、今はお・あ・ず・け……クスクスッ」
 実際に食いしん坊のアゲハは既にその蜜の虜となってしまっていた。ナギの下でアゲハはお菓子を取り上げられた子供のような顔でナギを見ている。
「ほらほらっ、そんな顔しないの。……これからも〜っと、イイことをしてあげるから……クスクスッ」
「いい、こと……?」
 アゲハがその言葉に期待の色を浮かばせると、ナギはその素直さに思わずニコリと笑ってしまう。
 そしてナギはアゲハの身体の下の方へと移動すると、アゲハの腰の辺りに生えている羽と同じく蒼い体毛を掻き分けて彼女の秘所を探り合てた。
「クスッ、やっぱりまだ初体験よね? ピンク色の穴がかわいいわぁ……でも、このままじゃちょっとダメね……んっ」
 ナギの言葉にアゲハは顔を赤く染めながらも、これから一体何をしてくれるのかと言う期待に胸を躍らせてしまっていた。先ほどの蜜のことですっかりとナギのことを信頼してしまったのである。
 その一方でナギはちゃくちゃくと準備を進める。口の中に蜜を貯め始め、そしてゆっくりと体毛を掻き分けながらアゲハの秘所に顔を近づけ、やがてゆっくりと唇をあてがった。
「ひぁんっ! んえっ、あはんっ!」
「じゅる、んんっ、んっ」
 アゲハの秘所につけた唇からナギは蜜を注ぎ込んでアゲハの中を濡らしていく。生暖かいその蜜が穴に入ってくる感覚にアゲハは快感を感じてしまう。
「クスクスッ、まるで下の穴が口にみたいにひくひく動いてるわぁ……かわいい、んんっ」
「やあぁ……いわ、ないでぇぇ……」
 ナギの言葉にアゲハは頬を赤く染めながらも、まるでまだ物足りないかのように腰をくねらせてよがる。
 ほどなくしてアゲハの秘所は蜜壷のようにナギの蜜で満たされ、ナギの準備は完了した。
「んっ……さぁって、と。クスクスッ、そろそろ始めましょうか」
「あうぅぅ、な、なにを……?」
 いい具合に火照ってしまったアゲハは、蜜の詰まった自分の秘所が送ってくるじわじわとしたぬるい快感にじれったさを感じながらナギに聞き返した。
 ナギはアゲハの問いにニヤリとした笑いで返事を返し、お尻の袋の角度を調整し、その先端の針がちょうどアゲハの秘所の直前でピタリと構えられた。
「ひぁっ!? や、やめて」
「クスクスッ、だ〜いじょうぶ……ほらっ」
 ナギは腰を上げてアゲハが針を見やすいようにすると、お尻を振ってゆれる針に注目させる。
 すると尖っている針の先端が段々と丸みを帯び始め、やがて針の根元から先っぽまでが同じ程度の太さの、いわゆる産卵管へと変化をした。
「さぁ〜って、これなら入っても痛くないでしょ?」
「で、でも、そんなの私に入れて、い、いったい何をするつもりなんですか?!」
 そのアゲハの問いに、ナギは待ってましたとばかりに満面の笑みを浮かべてさらりと答えた。
「あなたに、卵を産み付けるの。クスッ」
 ナギのその言葉にアゲハは先ほどの快感も忘れて顔を青ざめさせる。
「……やだ。やだ、やだ、やだ、やだ、やだぁああああああああ!」
「あらあら、暴れようとしてももうだ〜め。クスクスッ、どの道その身体じゃもう逃げられないわ」
 先ほどの毒は少しずつ収まりつつあったが、それでもアゲハが必死の抵抗を試みたところでせいぜい首を振る程度しか出来ない。
「クスクスッ、じゃあいくわよぉ〜」
「やだぁああああ! ひっ、ぁあああああああああああ!」
333名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:01:58 ID:jqETZXMP
 アゲハの叫びも虚しく、ナギは彼女の秘所に産卵管を宛がうと、一気に彼女の中に滑り込ませた。
「んはあああああっ! い、っぱつでおくまで、はいっちゃったぁぁ……」
 蜜でぬるぬるに濡れたアゲハの秘所は彼女の意思とは無関係にナギの産卵管を受け入れ、彼女の最奥までそれは入り込んでしまった。
「かっ、はああぁぁっ……や、だあぁ……」
 しかし濡れていても自らの身体の奥を突き抜かれたその衝撃は緩和されることなくアゲハに伝わり、開いた口からだらりとした涎と搾り出すような声がこぼれた。
「んあぁぁ……さいっ、こおぉ……。ぬれてるけど、しめ、つけてくるうぅ……」
 一方のナギはその挿入の快感に酔いしれ、アゲハの身体を強く抱きしめる。アゲハの大きな胸が、ナギのそれなりの胸と混ざり合う。
「じゃあ……ゆっくりと、うごくわよぉ? んっ、んっ、はんっ!」
 ナギが次の快感を追い求めてアゲハの中をほぐすように動き始める。産卵管がアゲハの身体を突き刺すたびに彼女の身体がビクンと跳ねる。
「くあっ! やっ、めぇ! うっ、ああああ!」
「クスッ、諦めなさいな。全てを忘れて快感に身を任せて……堕ちてしまいなさい、クスクスクスッ」
 少しずつ早くなるナギのピストン運動にアゲハの意識は彼女を拒否しているのに、一方で彼女の秘所はまるでナギの産卵管の中身を求めるかのようにそれを締め付ける。
「やぁあああ、だぁあああ! んんっ!」
「んっ、んっ、じゅる……ほ〜らっ、これをのみなさい……んんっ」
 アゲハの首に腕を回して彼女の首の行動を制限すると、ナギは彼女に再び自らの蜜を与え始める。あまりの美味しさに、思考さえもが停止してしまうようなその甘い蜜を。
 その間も腰を振り続けるナギはアゲハの変化を微笑ましく感じ取り始めていた。
 ナギはアゲハに与えている蜜の中にわずかに解毒作用のある成分を含ませている。すぐに、とはいかないまでも少しずつ身体の自由を取り戻せるものだ。
 そしてナギが腰を止めるとアゲハの変化がすぐに明らかになる。
「くぅんっ、んっ、はんっ、んっ……」
 ナギが腰をわずかに上げた状態で止めると、アゲハの腰が自らナギの産卵管を求めるように跳ね上がるのだ。
「ぷはっ、クスクスッ、えらいわぁ……それでいいのよ、もっと、もっと、わたしをともとめなさい……クスクスクスッ」
「ふぁああっ! だめ、だめ、だめなのにぃ! もっと、もっとぉ、もっとぉおおお!」
 アゲハ自身はと言うと身体が動くことなど既にどうでもよくなってしまっていた。頭ではダメだと分かっていても、身体が求めている以上もう彼女にはどうするすべもない。
 元々彼女は自らの欲望に忠実なために、欲望の対象があれば周りが見えなくなる。今回の花に引っかかったのもそれが原因だ。
 その彼女が今、新たに性欲という新たな欲望を知ってしまったのだ。
 そしてそれを与えてくれる最高の対象が目の前にいる今、彼女は無垢な子供のようにそれを求め続ける。
「あはんっ! もう、わたしもイクわぁ……そして、あなたのなかに、たまごをうむの……クスクスッ」
「んっ、た、まご、きもち、いい?」
「きもちいいわよぉ……さいこうにね?」
「ほしい! たまご、ほしいいい!」
 アゲハが目を輝かせてナギの卵を求めたとき、ナギは想像以上の獲物を手に入れたことに思わず笑みが浮かんでしまう。
 産卵管がわずかに膨らみ、ナギの卵がいよいよアゲハに注ぎ込まれる。
334名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:03:45 ID:jqETZXMP
「クスクスッ、んんっ、じゃあ、いくわよぉ」
「きてぇ! たまご、きてぇえええええ!」
「んあっ、はああああああああああんっ!」
「ふああああああっ、くるぅううううううううう!」
 ナギの大量の体液と共に彼女の大きな一つの卵がアゲハの身体に吸い込まれていった。対するアゲハは本来コビトチョウの子供を産むべき場所にそれを受け入れてしまった。
「はぁはぁはぁ、あはっ、あったかぁいぃぃぃ……」
「クスッ、そうでしょう? クスクスッ……さっ、産まれるまで私の蜜を思う存分、味わってね? クスクスクスッ」
 ナギは卵を受け取ってくれたアゲハのお腹を優しく擦り、そしてアゲハに再び蜜を与え始める。卵が育つための充分な栄養もその蜜は与えてくれる。
 アゲハのお腹の中でコビトバチの卵が早くもピクリと動いた。孵化までそう時間は掛からないだろう。
 しかし、アゲハにはそれさえもはやどうでもいいことである。彼女はただ目の前のハチがくれる甘い蜜を一心不乱に飲み続けるのであった。

335名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 22:04:12 ID:jqETZXMP
 それから3時間ほど経つと、アゲハは既に蜜を吸ってはいなかった。もはやそれどころではなくなっていたのだ。
「ひあぁぁぁ……くる、しいぃぃ……か、からだがぁぁ……」
 まるで身体の中から何かを押し広げるような、例えるなら身体が窮屈になる感覚を感じたのは10分ほど前だった。
 それが段々と強くなっていき、今では身体を蹴破ってしまいそうなほどそれは強くなってきていた。
 その様子に満足そうな笑みを浮かべ、アゲハとは対照的にのんびりとしているのはナギだ。苦しむアゲハの様子を見ても何一つ助けようとはしない。
「はっ、ぎゅえぇぇ……たて、は……ご、めん……ぐっ!? がぁあああああ!」
 アゲハは大きく目を見開いて断末魔の叫びを上げると、その場にうつ伏せに倒れて動かなくなってしまった。目は見開き、口から涎をたらし、蒼い羽も力なく倒れている。
「……さぁ、出てきなさい……私のかわいい、む・す・め……クスクスッ」
 ナギがそうつぶやくのとほぼ同時にアゲハの身体に電流でも走ったかのような痙攣が断続的におき始める。それを見てナギは嬉しそうに笑う。
 その断続的な痙攣はすぐに止まり、再び静寂が訪れる。
 しかし、突如アゲハの背中にピリピリという切れ目が走り、それは腰の辺りまで一気に駆け巡った。
 それが終わると同時にアゲハの背中が小さく二つに割れ、まるで蝉の脱皮のようにそれはそこからゆっくりと姿を現した。
 ぬるりと最初にそこから出てきたのは黄色と黒の袋、それに続いて丸まった背中が出てきて、二本ほどの触覚が長く黒い髪から顔を覗かせている。
 そして身体の大半が出たと同時に、丸まっていた背中から何かがふわりと離れるとすぐに広がった。
 『それ』は小さいながらも鮮やかに蒼く、夜空の星のように煌く羽だった。
「ふぁ、ぅぅぅ……」
 アゲハの背中から産まれた『それ』は彼女の背中からぬるりと抜け出ると、花のベッドの上にパタリと倒れた。その様子を見てナギがゆっくりとそれに近づく。
「クスクスッ、おはよう。……気分はどうかしら?」
 まだアゲハの中身を溶かした粘液にまみれた『それ』の身体を、ナギがゆっくりと抱き寄せる。すると、それのまだ開ききっていない目がナギを捉える。
 身体がまだ安定していないのだろう。何せ、彼女は今までとは器の違う入れ物に魂を入れ替えられたのだ。
 つまりその産まれたばかりの子供のコビトバチに入っているのは、他でもないコビトチョウだったアゲハの魂なのだから。
 それでも段々と魂が身体に定着し始め、アゲハは小さな声でナギに答える。
「おかあ……さん?」
「クスッ、そうよ。私があなたのママ……クスッ、どうかしら、生まれ変わった気分は?」
 その言葉に生まれ変わったアゲハは目を擦りながら首を傾げ、無邪気な声で素直にこう言った。
「う〜ん、わかんない! ねぇ、それよりお母さんのあま〜い蜜を飲ませて!」
 あまりに正直な答えにナギは思わず笑い出しながらも、その愛する子供の髪を優しく撫でつけながら諭す。
「クスッ、やっぱりあなたはあのチョウチョさんの生まれ変わりね。でも、その身体になった今、もうあなたも蜜を作ることが出来るのよ?」
「えっ、本当!? じゃあ作り方教えてよ!」
 アゲハはナギの身体に抱きついて彼女を揺らしながら無邪気に迫る。その無垢な仕草が愛おしくてナギはアゲハを抱きしめながら耳元で囁く。
「今はだ〜め。クスッ、それよりも〜っときもちいいこと、教えてあ・げ・る」
 そして顔を離してみるとナギの予想通り、アゲハの目はまるで新しいおもちゃを見つけたかのように輝き始め、ナギはそれを見て母親の微笑みを浮かべる。
 春の息吹の中で、どれも満開に咲き誇る中の仲間はずれのつぼみ。
 その中では、つまりこういうことが起こっていたのである。

<<終>>
336名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 23:07:16 ID:m7uwmqx0
ふぅ…
337名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 23:43:34 ID:wL/JZYYk
春が楽しみになりました
338名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 01:07:42 ID:3K/AtIFA
ふぅ……。

……エロイっす。
339名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 02:50:55 ID:jiVyA6tM
ふぅ・・・今度の春は花粉症も気にならなくなるほど、花を見れば楽しめそうだ・・・
340名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 03:58:20 ID:cvkbehkf
オスの蝶も犯されちゃうのかな
TS?
341名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 20:23:51 ID:dmSkmTnN
>>337
でも冬眠禁止
342名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 20:42:30 ID:YuzYCXTr
>>341
大変です。冬眠に失敗したコビトバチが、無差別に産卵しています!!
343名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 12:10:17 ID:Sd+nw70a
よかった!
読んでて、かまいたちの夜2の底蟲村編を思い出した
344名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 13:54:57 ID:cAcuYb6f
みぃのぉむぅしぃーぶらりんしゃん
345名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 16:35:01 ID:rgmQ/kOf
寄生されると食べても食べても空腹感が取れない
346名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 18:47:13 ID:KatyLMeZ
食べれば食べるほど巨乳に…

いや、ひんぬーロリも好きなんだが
347名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 01:47:22 ID:VmRwPcHf
食べるほど巨乳になる、か…それなら寄生されたい
現実は尻と太股ばかり肉がつくよ!
348名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 08:07:07 ID:QuYfK4uT
>>344
虫の実ぶらりんしゃん

>>345
栄養摂る為に満腹にならない様にする、って実際にいそうだな。

寄生されると、イってもイっても満足出来なくなる。
349名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 06:32:01 ID:Xy6e17h7
>>343
キスとかの粘膜接触でうつるのがエロかった。
350名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 22:04:39 ID:dlX18npH
傲慢な狐に規制されて(ry
351名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 13:51:17 ID:9YvgwKA1
山で遭難して、変な生物に出会って口封じに(ry
352名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 17:14:25 ID:qZrRceM/
遊星からの物体Xみたいに時間をかけて寄生するのもいい。
353名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 14:48:10 ID:0yMRfpns
乙×風氏の富士神学園が懐かしくて抜きながら保存してきた。

白濁の巫女と五行戦隊の人の続きが待ち遠しいぜ…。
354名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 14:54:28 ID:nGmXBveU
五行やパラエボはもう来ないな
355名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 21:45:11 ID:obeqhyVM
読者は待つか、そうでなければ自らの妄想を文にして放つ事しか出来ないのが辛いところだよな……。

個人的には『愛が支配する世界』シリーズを楽しみにしていたりするが……。
356名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 10:39:05 ID:uQRWvYJl
そういやこのスレではオリSSに対する二次創作やリレーって全然見ないな
まぁ作者の了承を得るのも難しいし、そもそも俺だってうまく書けないけどw
357名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 17:19:25 ID:sqwn4kQ4
>>356
止めていても作者が続編を練っていることもあるしな……。連絡手段が無いのが辛いところ。
358名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 17:58:29 ID:HXZdpxvm
そんな時こそ寄生ネットワーク
359名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 01:39:28 ID:7AhvYAW9
最近読んだ漫画の影響か、夢に寄生して淫夢を見せるってのもありと思うようになってきた
360名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 21:04:48 ID:3JfqllSy
古典的なサキュバスかな?
361名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 04:58:57 ID:WQxGb+G9
ドリームハンター霊夢か


耳掻きの後ろにある毛ふさふさの梵天
あの中に変な虫がいた
知らずに使っていたら耳の中にその虫が入ってきて
寄生されてたんじゃないかと考えるとドキドキした


おかしいな
この場合は普通はゾッとするもんだよな
362名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 18:30:23 ID:YJgXMgmW
耳の穴の中って自分じゃ見えないから、そこから寄生するのは相手の恥部を犯す様で興奮する。
363名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 11:24:20 ID:0ok2Ir9S
その理論だとへそでも鼻でも尻でも…ってのは野暮だろうか
364名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 12:26:13 ID:AbmX1q17
鼻はダメだがへそや尻はOKだな
365名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 17:05:43 ID:vlVQHxKn
マトリックスのエージェントみたいに
貧乳がふたなり巨乳に挿入中出しされて
ふたなり巨乳になる話マダー
366名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 17:25:50 ID:nIrg8h2R
エージェントのは寄生だしおんなじのがわらわら出てくるのは普通にホラーなのに、なんであの場面で笑ったんだろう。
367名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 18:15:08 ID:FnBm9qXw
>>366
おまえも寄生されてたからだよ


…おや、こんな半端な時間にお客だ
368名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 20:44:46 ID:9HXZxuhn
その後、>>367の姿を見たものはいない。
おや、誰か来たようだ。
369名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 00:22:48 ID:R5lY8nUX
まったくおまいらときたら…現実にお目にかかれないから萌えるってのに

ん?こんな夜中に誰だろうか
370名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 01:49:30 ID:GCX166fG
ああ、窓に!窓に!
371名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 03:57:37 ID:Ua46qvOt
うぅ、オレのところにも早くお迎えが来ないかな。

おっ、キ
372名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 06:48:08 ID:bpJQY+bD
○○駅改札口を出た瞬間から××の公衆電話に駆け込むまでに自分(主人公)を
捕まえて下さいってのがあったな
捕まえる方は必ずエージェントの格好をして、という条件付きでだが
大阪でも行われて50人ぐらいが参加
追いかけっこが終わった後
JR大阪の横断歩道をその50人ぐらいのエージェントが一斉に歩いていたらしい


おや、チャイムが鳴ったな誰だろう
373名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 12:17:46 ID:5gFmAJ8w
うおっ!!なんもきてねぇ!!
374名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 14:58:59 ID:JBUql7Dk
エージェントだと服や装備だけでなく顔も何もかも同じになるからな・・・

髪型も眼鏡も本人のままのスクール人魚が良いよ良いよ


て、うおっ
375名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 18:15:42 ID:c+5bk885
寄生解除記念に書き込んでみる
これで書き込めない焦りから開放されるぞイヤッハー!
あれ?今な
376名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 01:52:52 ID:mug+md76
解除なんてされるはずないじゃないのぉ…、あなたはもうワタシの虜なんだから!
377名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 06:32:49 ID:551By22q
一度寄生されたものが解除されるなんて

あ り え な い
378名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 10:22:13 ID:ZW/kY68A
解除されたって思い込んでるだけでしょ

だって、こんなに気持ちいいんだし…ねぇ
379名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 22:30:36 ID:b5SykaiT
これはアレね、いつものこのスレ名物の半なりきり……
でも大丈夫!今回私は寄生から逃れるために退魔術を勉強してきたんだもん♪

……あれ、こんな夜更けにお客さん?誰だろ
380名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 02:58:21 ID:ur3BztS4
>>361
それ霊夢やない、麗夢や
381名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 05:56:03 ID:uBVW42z8
幻想郷全土に寄生異変か……!
382名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 09:06:44 ID:s6GQKs+I
>>378
ひとたび寄生された時の快楽信号は脳に刻み込まれ、
依存性のある麻薬のように内部からカリカリと苛みながら、
次の寄り付き先を探すようになるのさ…
383名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 18:02:50 ID:YWsYBu3B
>>382
「誰でもいいから寄生して〜!」
こうなるんですね。
384名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 20:23:39 ID:nqRAd3OB
ふと思いついたのだが、血液に擬態した液状の生物というのはありだろうか
寄生対象に注射なりで血管に入り体や精神を好きなように作り変えるとか
385名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 20:53:00 ID:JDKFrBe3
蚊を使うというのもありだな
蚊の唾液の代わりに生物をいれて
386名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 21:01:17 ID:ntck3IN8
痒くなる代わりに気持ちよくなると
387名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 21:06:07 ID:tFp1sHKi
>>384
血液を採取して火であぶると、血が逃げ出すのか。
388名無しさん@ピンキー:2009/11/19(木) 21:34:09 ID:hZxKyt9z
>>387
遊星からの物体X?
389名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 01:55:30 ID:1+FLwLZc
血を媒介にって言うと吸血鬼とかが思い浮かぶな。
アレも一応不気味なものだがどちらかというと悪落ちスレ行きだなw
390名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 06:09:33 ID:eDSOyx2n
吸血鬼も実はウイルスが増えるための一つの手段だったりしてな
狂犬病とかみたいにさ
391名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 07:53:33 ID:I3B1kRKO
>>390
寄生されると噛み付きたくなっちゃうんですね。

接触感染を促す為に、寄生した女の子をエロくする。
392名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 12:02:10 ID:pZanKX6U
うおっ!!なんもきてねぇ!!
393名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 18:02:49 ID:qW/7k2Bn
・寄生解除
寄生(の規制)が解除される。
つまりは寄生ラs(ry
394名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 21:17:17 ID:pkqcT78X
年末の寄生ラッシュにはまだ早いか

来月の今頃にはみんな(ry
395名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 21:58:29 ID:3zeNOajC
>>394
ビッグサイトでヲタと触手…
396名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 14:44:33 ID:r6Bizeo1
ヲタに触手絡めておにゃのこにするのか
397名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 15:16:15 ID:XJY6/cJk
>>395
寄生する段になると触手がほどけて
「これが俺の本体のブサイク顔だ!!」

ですねわかります
398名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 13:00:11 ID:dlo8GaD1
KOF思い出した
399名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 23:17:07 ID:0yNfwbp3
オロチ編までしかよくわからん
400名無しさん@ピンキー:2009/11/24(火) 03:08:41 ID:Lwi8dQ69
>>390
藤子不二雄作「流血鬼」をどうぞ。
401名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 14:34:05 ID:vfkxaZwU
寄生するターゲットによっては絡め手で行くのが最適な場合もあるよね
ターゲットに妬みや嫉妬・歪んだ想いを抱く別の人間に望みを叶えてやるとか言って寄生して
利用するだけ利用してターゲットを陥落させて寄生成功したポイッと捨てるって感じな
402名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 10:01:18 ID:j5RD8piz
それは、話の途中で中断されたSSに魅せられて裸で続きを待ち続けるオレらに
似て・・・
403名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 19:25:00 ID:MLuDwiTz
>>401
「お願〜い。また、寄生してぇ……」
404名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 20:11:07 ID:FkmdtXp+
>>403
あと一月もすれば、また寄生ラッシュさ。
405名無しさん@ピンキー:2009/11/30(月) 06:34:49 ID:79cqGLgP
帰りの新幹線の中に一人でも寄生されてる奴がいたら大変なことになるぞ
406名無しさん@ピンキー:2009/11/30(月) 08:40:27 ID:0Q/ZMota
>>405
それ、どこかの作品通り…w
407名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 02:10:37 ID:+i0EIZNE
淫乱女が初心な女の子に寄生とかどうよ?
408名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 08:38:37 ID:Tz7N96Lq
>>407
寄生した奴に開発されてくのいい。
409名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 06:09:45 ID:lcSRufNX
寄生体が抱き枕に寄生して
抱き枕と人間の男の子とのアホなラブロマンスが始まる
410名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 13:41:13 ID:oz5Hee8l
寄生体によって生物化(淫魔化)した抱き枕に全身を触られ、その感触と快楽に溺れる男の娘
気絶して目が覚めたら連鎖寄生されててTS百合、まで妄想した
411名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 23:54:48 ID:etAr2nV1
そこで男の娘だTSだ、が来るとはなかなかの強者だな
いい妄想力だ
412名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 23:59:34 ID:61lQ2gsW
つまり、その…枕に寄生するという新ジャンル?
413名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 00:03:42 ID:Yee5Mp9v
枕に寄生されるんだ
さらに布団にも寄生されるんだ
あまりに気持ちよくていつしか繭のように取り込まれるんだ……

そして寝坊
冬の朝にはよくあること
414名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 01:32:38 ID:STZ5NYVl
俺の布団は寄生されてたのか
415名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 06:40:46 ID:3MJZYIQM
うちもだ
416名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 07:58:19 ID:yPAX1hhe
なら俺は、抱き枕に寄生するぜ。
寝ている女の子と密着出来るのは、確かに狙い目だな。
417名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 13:18:37 ID:f8jfA4Uv
──それが、抱き枕に取り込まれた>>416の最後に残した台詞だった…なんちゃって
418名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 05:09:56 ID:giz/Kzjr
その抱き枕を使うのは男だったりしてな
メタポが肉汁みたいな寝汗かいたり
「○○た〜ん(抱き枕の絵柄)」とか言いながら脂肪まみれの体で
背骨が折れるかと思うほど抱きついてきたりチュッチュされたりするかもしれないぞ
419名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 05:36:12 ID:OvENQf0d
貴様を抱き枕にしてやろうか!
420名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 13:23:33 ID:fqVfVxV3
お前を、北枕にしてやる!
421名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 15:59:00 ID:DcPq7vH4
>>420
一瞬、北欧に見えたw
422名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 16:01:43 ID:Fe9PQCeY
北欧の美女に寄生とな
423名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 18:24:57 ID:21HUWc8Y
ワルキューレさまぁーーーーーーーーーーーに寄生したい
424名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:12:28 ID:1ryzjCSu
流れを切って失礼。角川ホラー文庫先月新刊の影姫って本が
なんかこのスレ的要素を満たしてるっぽいみたいなんだけど読んだ人感想はどう?

ttp://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=200906000495
425名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:52:24 ID:f22CIISd
なにやら昨日、今日と盛り上がってるのに、さらに一段と話を切って申し訳ないんですが、最近作品が上がってないので駄作ですが書いてみました。
スレのタイトルを無視してる気がするんで、いいのか悪いのか分からないですがとりあえず上げ逃げさせて貰います。
お時間があればお読み下さい。
426名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:53:18 ID:f22CIISd
「やぁああああばぁああいぃぃいいい!」
 僕は冬の寒空の下、自転車に跨って駆け抜けながら思わず叫んだ。田舎の張り詰めた冷たい空気の中で僕の声は大きく木霊する。
 そうしたところで時間がまき戻ることも、スピードが速くなることもないのは分かっているけど、それだけ僕は追い詰められていた。
 今日は高校2年生2学期の期末テストの日で、1時間目のテストは数学だ。
 遡ること1ヵ月半ほど前の中間テストで、僕は0点に限りなく近い点数で見事赤点を獲得し、お陰で昨日はその汚名を返上すべく一夜漬けで勉強していた。
 しかしそのしわ寄せが、最悪なことにテスト当日の朝に来た。
 今日の朝、僕が起床した時刻はいつも起きる時間を大きくオーバーし、朝のHRの時間までをも飛び越してちょうどテストが始まるであろう時間にやっと目が覚めた。
 それから3分で身支度を整え、母さんが投げ渡した食パンを片手に家を出て、それから自転車に飛び乗り3分ほど全力で走ったところで筆入れを忘れたことを思い出し、急いで逆走。
 結果、僕はテスト開始から20分ほどを過ぎて、やっと家と学校までの全道のりの半分ほどまで辿り着いた。
 テスト時間は50分、ここから何も問題なく進めば10分で着くはず。20分でどれだけ解けるかは分からないけど、とにかく急がないと!
 すっかり身軽になった木々の間をすり抜けて、僕は山道から舗装された道に自転車を横滑りさせながら入った。中学までは家からまだ近いところに学校はあったけど、高校からは大分遠くなってしまった。
 それでも自転車で行けるだけまだありがたかったけど、ボコボコの茶色い道を走りなれていた僕にはこの冷たいねずみ色の道がどうも走りづらかった。友達に言ったらお前だけだ、と即答されたけど。
 ここ最近になってやっと慣れてきたその道を疾走していたそんな時、無機質な道路に似合わない……とても生々しい光景が僕の目に飛び込んできた。
「はぁはぁはぁ……えっ? くぅっ、っと。うわっ、ひど……」
 道路の上にぺしゃんこに横たわっていたのは、真っ赤に染まった何かの死体だった。
 その様子はまさに魂が抜けてしまったかのようだった。おそらくこのあたりでは希少な車に運悪くはねられてしまったんだろう。
 それを見て僕が先ほど胃袋に入れ終えたばかりの食パンを吐き出さずにすんだのは、以前にまったくのデジャブとも言える光景を目にしたことがあったからだ。
 あの時はおそらく猫の死体だったようだけど、まさしく今僕の前にあるこの死体と同じく、一見しただけでは猫とも犬とも狸とも分からない状態だった。
 とりあえずの冷静さはなんとか保てた僕の頭の中では、この状況をどうしようかということで議論を始めようとしていた。
 しかしそんな無駄な議論は開始されることなく、全会一致の結論を導き出した僕はすぐに自転車を降りてリュックの中身を漁った。
「何かないか? 何か、っと、これなら大丈夫かな?」
 右手で掴んだのは母さんが作ってくれた弁当を入れていた、いわゆる給食袋だった。
 遡ることかれこれ10年ほど前、小学校入学時に母さんが作ってくれたありがたいものだけど、さすがにこの年齢では堂々と出したくはないレトロな図柄をしている。
 だけど、クラスメイトが口を揃えて大きすぎるという僕の弁当箱を入れられるこの袋なら、この目の前の死体を入れられることはたやすくできそうだった。
 弁当箱を教科書で動かないようにリュックの中に直接降ろし、僕は空っぽの袋中にできるだけ形を崩さないようにその死体を移動させ始めた。
 手に付く生暖かい血、それにアリなどが近くに群がっていないため、事故が起こってからあまり時間が経っていないのだろう。
 事故を起こしてしまった人は事故自体には気付いたのかな? もしそうなら、1秒でもこの子に謝ってくれたら幸いだけどね。
 そこまで飛び散っていなかったため、その子の欠片を集めるのにはそこまで苦労はしなかった。さすがにコンクリートの地面に染み込んでしまった血までは無理だったけど、大きなものはほとんど集められたと思う。 
「ん? これって、この子のかな?」
427名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:54:33 ID:f22CIISd
 欠片の残りがないか探していた僕が見つけたのは、赤く染まった細長いカケラだった。
「あっ、これ尻尾だ。そっか、君は狐だったのかぁ」
 それはペシャンコにはなってしまっていたけど、よく見れば黄金色の毛並みが生えそろい、その先っぽだけがちょこんと白く染まっていた。
 僕自身もこの近くで狐は何度も見たことがある。冬の時期で餌が少なくなって、山から降りてきてしまったのだろうか。
「運が悪かったね。さっ、山に戻ろっか」
 給食袋の口を閉じると自転車のカゴにリュックの中身である教科書や弁当箱を置き、入れ替わりに給食袋を丁寧に詰め込んで口を閉じてそれを背負った
 ちらりと腕時計を見ようとしたけど、馬鹿らしくなってやめた。どうしたってもう間に合わないから仕方ない。
 僕は開き直ると自転車の進行方向を半回転させ、来た道をゆっくりと戻り始めた。これ以上この子の死体を崩してはいけないからね。
 さぁってと、それと同時に先生への言い訳も考えないと。どうせ、僕は嘘は下手だからすぐに寝坊だってばれるんだろうけど。
「じゃ、行きますか、っと」
 僕が誰に言うでもなくそんなことを言うと、背負ったリュックがまるで返事をするように少しだけ動いたような気がした。


「はぁ、追試かぁ……追試、かぁ……」
 僕があの狐の死体を発見して、山の中腹まで自転車で昇り、大きな木の根元に給食袋に入った狐の欠片を埋め、手を合わせて黙祷してから全速力で学校まで自転車を飛ばした結果……2時間目のテストが始まって10分後に僕は教室に滑り込んだ。
 それからテスト後、クラスメイトに笑われながら僕は数学担当で、僕のクラスの担任でもある先生に必死で謝った。
 そこで僕が言った嘘は、言い出して三秒で看破されて10秒ほどのアームロックを僕を味わった。でも、できればもう少し味わいたかったかなぁ。
 いや、それが先生、女性だからその、僕の頭の後ろに先生の胸が……ぐふふっ。
「ぬふふふっ、何でスーパーで鼻の下伸ばしてるのかなぁ〜?」
 頭の中で先生のクッションの感触を思い出しながら、僕は背後から聞こえたその声の主に思わず返事をする。
「えへへっ、それはせん……って、うわああっ!」
「おっと、危ない」
 驚きのあまり、豚肉が並ぶチルドコーナーに僕が倒れこみそうになったが、すぐに僕はその人に引き寄せられ、そして学校でのデジャブが起きる。
 今度は顔からだったけど。
「ぶっ! んんんん!」
「ふぅ、相変わらずリアクションが素直でよろしい。おっと、ごめんごめん」
「ぶはっ! ご、ご、ご、ご、ごめんなさい!」
 暗転した視界がその人を捕らえる前に僕はすぐに頭を下げてその人に謝る。心臓が夏祭りのピークを迎えた太鼓のように暴れている。
428名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:56:07 ID:f22CIISd
 まさか1日で二回も女性の胸を味わうハメになるとは……はたしてこれは運が良いのか、悪いのか……。
 何秒ほどそうしてたか分からないけど、気付くとスーパーのチープなオリジナルソングの合間でかみ殺すような笑いが頭の上から聞こえてきていた。
 僕が機嫌を伺うように顔を少しだけ上げると、その人はお腹を抱えて声を殺して笑っていた。
「クスクスッ、あ、ごめんごめん。ふぅ……まったく、私が自分でしたんだから気にしなくていいの」
 僕の額を人差し指で優しく小突きながらその人は僕に笑い掛けてきたが、そのまま両手で自分の身体を抱きしめると途端に寂しそうな雰囲気で笑顔も鎮めてしまった。
 驚きつつも声をかけようと僕が近づくと、突然その潤んだ瞳で僕の顔に向けてこんなことを言ってきた。
「お姉さんはいつでも、準備できてるんだよ? し、い、ちゃん」
「ぶっ!」
 妖しさを滲ませながらも守りたくなるその表情と、思わず目がくらんでしまいそうな甘い声のダブルパンチに僕は一撃でノックダウンされてしまい、すさまじい鼻血の大噴火に乗せられて僕の意識はしばらく吹き飛ぶことになった。
 先輩、それはだめだって……。


「はぁ〜もう、本当に素直で可愛いなぁ、しぃちゃんは」
「だ、だからもうその呼び方はやめてくださいよ、先輩!」
 活発なイメージのあるスーパーの赤いエプロンから、少しだけ落ち着いた雰囲気を見せる高校の制服に着替えた先輩と横に並びながら夕日の畦道を歩く。
 小さな僕は先輩に気を使わせないように自転車を押しながら大股で歩いていたのだけど、すぐにそれに気付かれまたこうしてからかわれてしまった。
「ふふっ、私にとってはしぃちゃんはいつまで経ってもしぃちゃんだよ。だから私のことも、また名前で呼んで欲しいんだけどなぁ?」
 先輩が僕の顔を覗きこみながら小首を傾げてくる。僕の身長より大きいのに、その愛らしさはまるでリスのようだ。
「だ、だ、だ、だめですよ! またクラスのみんなにからかわれます!」
「それはしぃちゃんが恥ずかしそうに言うからよ。もっと堂々と……くーちゃん、って呼べば」
「無理ですよ! 絶対無理!」
 5年ぐらい前まで僕が先輩に対して使っていたあだ名を先輩は持ち出して来た。対して僕は首を大きく振って断固拒否する。
 すると先輩は先ほどスーパーで見せたようにまた寂しそうな雰囲気で首を垂れる。
 僕はそれを見るや否や、今度は絶対に動揺しないように進行方向の夕日を見ながら声を出す。
「ぼ、僕だってそうそう引っ掛かりませんよ! もう十年間の付き合いな」
429名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:56:48 ID:f22CIISd
 突然、僕が見ていた夕日が消えると同時に自転車が動かなくなる。時折鳴いていた鳥や虫達の声も聞こえない。
 その代わりに、僕の全神経が視覚に集まって夕日を遮った目の前の姿に集中する。眼球を僅かに動かすことすら出来ない。
 当たり前だ。先ほどまで僕が見ていた夕日も美しかったが、今僕の前に立つその人の姿と比べてしまったらそれはもう足元にも及ばない。
 そして目の前に立った人物は口を開いて震えた声で静かに告げる。
「私の事……嫌いに、なっちゃんったんだ……うっ」
 言い終わると同時に先輩の長い黒髪が風でなびき、僕は先輩にまるで包み込まれるかのような錯覚を感じた。
 そして僕に襲い掛かるとてつもない罪悪感。女神を泣かせてしまった様な重罪の重さがのしかかる。
 口を開いて謝罪の言葉を言おうとしても、それを許さない先輩の悲しい目。結果、僕は罪の重さに後悔を感じるしかない。 
 随分とそうした果てのない懺悔を続け、やがて後悔が恐怖に変わろうかと言う頃、それはやはりこうして終わりを告げた。
「ぷっ、あははははははははっ!」
 先輩は僕の自転車から手を離して大笑いしている。しかし、僕はそれを見ることが出来ない。
 僕は目の前の夕日を見ていた。でも、しばらくぶりに見るその光景を別に懐かしがったわけじゃない。
 それから数秒してから、やっと僕の身体は再び血が通い始める。まばたきすら忘れていた目は砂漠の砂のようにすっかりとうるおいをなくしてしまっており、ちくちくと痛んだ。
 目の痛みが取れるまで瞼のシャッターを切り続けた僕は、まだ笑い続けている先輩の方を見た。すると僕の視線に気付いたのか、先輩もすぐに笑い声を止めた。
 それから悪戯っぽく僕に笑いかけてくる。その表情は先ほどの女神とはまるで別人であったが、しかしその女神とは違う可愛らしさを振りまいていた。
「まったく、本当にしぃちゃんは面白い! 抱きしめちゃう!」 
 自転車を支えていた僕は逃げることも出来ずに、先輩にぎゅっと強く抱きしめられた。甘い香りが鼻をくすぐる。
「ちょ、ちょちょちょっと、せんぱ」
「でもね……私はしぃちゃんのこと大好きだよ? ……前から、ずっと、ず〜っと」
 先輩の口調が先ほどまで僕と話していたときのそれとはまるで違う。別人と話しているようにさえ感じた。
 当たり前だ。先輩は無理をしているんだ。
「……ごめんなさい」
 僕は謝った。それが僕に言えるただ一つの言葉だった。
 僕の気持ちが分かってくれたのか、先輩の暖かい拘束はゆっくりと解かれた。顔を上げた僕が見たのは先輩の涙でもなんでもない。
 ただ、何か言いたそうだけどそれをぐっとこらえて寂しそうに笑い掛ける先輩の顔だった。
「ごめんなさい」
 僕はもう一度そう言って自転車に乗ると先輩を置いて全速力で逃げ出した。これ以上先輩のあの顔を見続けるのは辛かったから。
 この沈み行く夕日みたいに先輩の存在は僕には眩しすぎるのだ。だれもが羨むほどに。もちろん僕を含めて。
 だから……手に入れたくなる。独り占めしたくなるのだ。
「……くそっ!」
 ギアを更に一段重くして僕は更に自転車を飛ばす。逃げるように。振り切るように。
 そう、自分自身を。

430名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:57:29 ID:f22CIISd
「さぁってと、母さんがいない洗っちゃわないと」
 夕食を食べ終わった僕は、母さんが農協の集まりに行っている間に給食袋を洗うためにリュックを開いた。
 そして教科書の手前に置いてあったそれを取り出してそのまま口を閉めようとしたとき、僕はその存在に気付いた。
「んっ? げっ、これなんでここに?!」
 給食袋を脇に置いて、僕はそれをリュックの中から引っ張り上げる。口に釣り針を引っ掛けれたかのように思わず顔が引きつる。
 黄金色のそれはやはり狐の尻尾であった。うわぁ、これだけリュックの中に落ちちゃってたんだ。埋めたときに気付かなかったなぁ。バチ、当たらないよね……?
 だけど僕はその物体のおかしな部分に気付いた。
「あれ……でも、これって確か血が付いてたような……」
 その尻尾には朝見たときにべっとりと付いていた血がまったくついていないのだ。血など最初から付いていたのかさえ、疑わしくなってきてしまう。
 僕がその違和感に首を傾げた時、それは突然起きた。
 右手で先っぽをつまむように持っていたその尻尾が僕の指先から飛び出し、まるで芋虫か何かのように僕の顔面めがけて飛んできたのだ。
 その様子を僕はスローモーションで見ながらも、驚きのあまり身体はぴくりとも動かずにそれを見つめていた。
 そしてそれは僕の視界の下の方へと段々とフェードアウトしていき、少し遅れて口の中に何かの物体の感触を僕は覚えた。
 尻尾が僕の口の中に飛び込んできたのだと理解し、僕の右手がとっさに動いた。しかしその尻尾は口の中でうごめいて、僕の更に奥へと進んでいこうとしている。
 右手が喉元までやっと上がり、そして僕の身体の中へ消えかけようとしている尻尾の先っぽを掴もうと手を閉じ始めた。
 だけどそれと同時に僕は思わず息を吸い込んでしまい、僕の口から出ていた尻尾の先っぽもついに僕の中へと消えてしまった。
「ぐっ、ゲホゲホ、おぇっ、ゲボォ……ぐっ、オェエッ、ゲホゲホ!」
 僕は指を口の中に突っ込んで吐き気を催し、なんとか吐き出そうとしたけど出てくるのは咳と涎だけ。
 そして段々と冷や汗と共に恐怖がこみ上げてきて身体が震え始める。
「や、や、や、や、や、やっぱり、た、た、た、祟られちゃったんだ……」
『んっ、くぅ……ふむ、まぁ確かに祟られたという表現は近いの』
「ひゃああああああああああ!」
『うぁっと! 大声を出すでない、たわけ』
 あ、あ、あ、あまたの中で、違う! あ、あ、頭の中で声が、声がぁああ!
『くっくっく、っと、人間の前ではコンコンコン、と鳴いてやったほうがいいのかの?』
 タタリタタリタタリタタリタタリタタリタタリ、タタリだぁあああああああああ!
『だぁあああああ! 小僧、お主やかましい! ちぃとは黙らんか!』
「ひぃっ!」
 僕の声とは明らかに違う頭の中に声に怒られ、僕は耳を塞いでガタガタと振るえることしかできない。だ、だ、誰か、た、た、助けて……。  
『まったく、そう怯えるでない。別にお主を喰らおうというわけじゃありんせん』
 ガタガタブルブルガタガタブルブル。
『……はぁ、まったく。とにかく一つ、お主には礼を言っておく。此方(こなた)の骸を葬ってくれたこと、感謝し申す』
「えっ?」
 頭の中の声が冷静なそれになったことで、少しだけ落ち着きをを取り戻した僕は聞き返した。
『明け方、少しばかし山を降りたところで……此方としたことがたわけてしもうての。気付いたら、此方の身体はもう紙のようになっておったわ』
「そ、それってつまり……」
『そう、此方の“身体”は死んだ。だが、此方の魂は生きておる』
「じゃあ、やっぱりユーレイじゃないかぁあああああ!」
『だぁああああああああああ! 此方の話を聞かぬかぁあああああ!』

431名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:58:13 ID:f22CIISd
「つ、つまり……さ、三千年を生きた、そ、その……狐の妖怪、だと?」
『まっ、そうじゃの。此方は妖怪じゃ。名を……名を……うっ? ぅぅぅぅぅぅ』
 頭の中で長く小さなうなり声が響いている。 
『だめじゃ、思いだせん! 少し前までは此方の名を呼ぶものもおったのじゃがの、ここしばらく名など呼ばれたこともなかったばかりに忘れてしもうた』
「じゃ、じゃあ何て呼べば……」
『呼ぶのは此方ではない。お主じゃ。好きにせい。此方はお主を……しぃ、とでも呼ばせてもらおう』
 な、なんでそのあだ名になるのかなぁ? 僕の名前からだとやっぱりそのあだ名しか考え付かないのかなぁ……。
『ほれっ、此方の呼び名、はよう考えんか』
「あっ、はい! え、ええっとじゃあ、コロ、とかでいいですか?」
 先ほどまで喋り続けていた頭の中の声がピタリと止まる。あ、あれ? ど、どうしたのかな?
『……お主』
「は、はい!』
『此方のどこからそのような名を考え付いたのじゃ?』
「あ、えっと、コロって言うのは僕が昔飼ってた亀のなま……」
『こ、此方は亀と一緒かぁあああああ!?』
「ひぃいいいいいいっ!」 
 予想だにしていなかった怒号に僕の身体がまたガクガクと震え始める。
『ま、まったくお主は……。もう少し真面目に考えてくれぬかや?』
「うぅ……じゃ、じゃあ……ええっと……ツキ、とかはどうですか?」
 僕は窓の外を見ながら言う。気づけば今日は満月だった。
『……はぁ、真面目にと申しておるのに……。じゃが、此方も月は大好きじゃ。それでよい』
「な、なんかごめんなさい」
 僕は見えない頭の声の主に向って頭を下げた。すると小さく喉を鳴らす笑い声が返ってくる。
『くくっ、お主は素直じゃの。可愛いやつじゃ』
「あ、あの、それで……いつまで僕の身体に……」
 僕は恐る恐る聞いてみた。
 対してツキさんはまるで夕食を聞かれた母親のような軽い口調でこう返してきたんだ。
『うむ、ずっとじゃ。もう此方の身体はありんせん。これからはお主が此方で、此方がお主じゃ』
「ず、ず、ずっと……?」
『そうじゃ。つまりもうお主も妖怪、というわけじゃな。くっくっく……って、し、しぃ? だ、大丈夫かや? しぃ? しぃ!?』
 妖怪……僕が、妖怪? どどどどどどどどどど、どうしようぅぅ……。
『はぁ……色々と忙しい奴じゃの、お主は』
 そんなこんなでその日、僕は人間を辞めてしまうこととなった。

432名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 20:59:38 ID:f22CIISd
『がぁああああああ! 呑ませろぉおお!』
「だめですよ。僕、未成年なんですから」
 僕の中にツキ……が来て一週間が経った。もう怖がることはあまりなくなったけど、ツキは色々と、その……わがままな人で僕は困っていた。
『お主に申したじゃろ!? お主はもう老いることも死ぬこともない身体じゃ! どれだけ酒を飲んでも害はありんせん!』
「そういう問題じゃないですよ。守るものは守らないとだめです」
『くぅぅぅ、こ、この生真面目がぁあああ!』
 はぁ……勉強がまったく進まないよ。追試もあるのに……やばいなぁ。はぁ、コーヒーも冷めちゃったよ。
『くっ、ならばせめて自慰をして、此方に一時の快楽を味わわせい』
「ぶうっ!」
『うおおっと!』
 デリカシーなどカケラもない言葉に僕は口に含んだコーヒーを、どこかのバラエティ番組が如く吐き出してしまった。
「な、何を言い出すんですか! まったくもう……」
『そうは言っても……しぃ、此方と共になってから一度も抜いておらぬのだぞ? それこそ身体に毒じゃ』
「うっ……」
 確かに僕はツキが来てからはそうした行為を控えていた。……というより、恥ずかしかったからやりたくなかった。
 それでも高校二年生という僕の大人になりかけ身体は男として溜まるものは一方的に溜まっているようで、悶々とした気持ちになるときが時折あることも事実だった。
『お主、男女の関係を結んでおるものはおらぬのか?』
「そ、それは……」
 うっ、年頃の男には辛い一言……母さんにも最近はしつこく言われて傷ついているのにぃ……。
『んっ? なんだ、好いておる者がおるのか。お主の記憶の中に一人のおなごが』
「見るなっ!」
 僕は叫んだ。怒ったからじゃない。ツキに知って欲しくなかったら。
『お、お主、どうしたんじゃ?』
「お願いです。何も聞かないで下さい。何も……見ないで下さい」
 意味がないのは分かってるけど、耳を塞いで僕はツキから逃れようとした。
 いや、自分の罪から逃げようとしたんだ。
『……すまぬ。誰しも申せぬ過去があるものよの。本当に、すまぬ』
 ツキはしおれた声で僕にそう言ってくれた。知ろうとすればと僕の過去を知れるのに、ツキはそうしないでくれたみたいだ。
 良かった。……ツキがあれを知ったら、僕のことをどう思うのだろうか?
 ふふっ、考えるまでもないか。きっと僕のこと――。
『此方は……お主にどんな過去があろうとも気にはせん。此方は、お主が好きじゃ。お主が何をしたにせよ、それが変わることはありんせん』
 僕はそれを聞いたとき、誰かが僕を背後から優しく抱きしめてくれているような気がした。全てを包み込んでくれるような温もり、それはまるで母さんにそうされているようだった。
『んっ? お、お主、これは……』
 ……なんでそうしたくなったのかは分からない。少なくてもツキに分かってもらおうと思ったわけじゃない。
 だけど、僕はツキには知っておいて欲しかったのかもしれない。あるいは試したかったのかも。
 僕は頭の中で思い出すことにした。
 僕が犯した……罪の全てを。 

433名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 21:00:26 ID:f22CIISd
今から5年ほどまえ、僕は小学校から中学校へと進学したんだ。中学校から始まる部活は、大好きな先輩と同じ部活に入ろうと決めていた。
 だけど僕が入学する1ヶ月前に先輩は部活を辞めてしまっていた。理由は学校では禁止されているはずのアルバイトを始めるため、と言うことらしい。
 そしてその後すぐ、先輩は宣言どおりスーパーでのアルバイトを始めた。しかし狭い田舎、そんな話はすぐに広まる。
 でも……学校から注意されることはなかった。
 先輩が部活を辞めた時期、単身赴任していた先輩のお父さんが亡くなった。過労だったらしい。
 そして後を追うように先輩のお母さんも病気で亡くなった。それがスーパーのアルバイトを先輩が始める一週間ほどまえのことだった。
 つまり、先輩は中学生と言う身分で独りぼっちになり、自立した生活を余儀なくされてしまった、というわけだ。
 二人の保険金は降りたものの、それでは生活に不十分だった先輩は学校の先生達を説得してアルバイトの許可をお願いしたのだ。
 もちろん、そんなことを学校側がすぐに認めるわけがない。どんなに田舎の小さな学校だとしてもそこは公立の中学校、高校でさえも禁止されているアルバイトなど断固禁止していた。
 更に保護者のいない先輩にもしものことがあった場合を考えれば、学校側が責任を恐れてしまうのは当然のことだった。
 それを覆させたのが僕の母だった。
 母さんは近隣住民を説得して、先輩がスーパーでアルバイトをしていることを滅多に口外しないこと。先輩に危険な仕事はさせないこと。
 そして母さんが先輩の保護者代わりとして、先輩を家に同居させることを決めたのだった。
 責任を恐れた学校も、近隣住民の集団登校拒否や教師への商品販売拒否などをチラつかせ、田舎で孤立する怖さを思い知らされた学校側も、仕方なく膝を折って暗黙してくれることとなった。
 本当のところは、母さんは先輩にアルバイトもしなくていいと言ったのだが、そこは頑固に先輩も譲らなかったらしい。
 そうしたひと悶着があったものの、先輩は無事アルバイトを見つけ、そして僕の家に引っ越して来た。
 家族が一人増えただけで、僕の毎日は楽しすぎるほどに充実していた。それも同居しているのが、大好きな先輩だったからだろう。
 だけど……僕は分からなかった。
 それと同時に僕自身が先輩が好きであることを知らず知らずのうちに我慢していたということに。 
 ある日、僕と先輩は休日の昼下がりを家で過ごしていた。と、言うのも外は雨で進んで外出する気分ではなく、母さんは農協に話し合いに行っていたからだ。
 ふと僕はトイレから戻ると、先輩がテレビを見ている後ろ姿を見て足を止めた。
 長い髪から覗くうなじ、ほどよく引き締まったお尻、そして後ろから見ても分かる大きな胸。
 僕の我慢はもう限界に達していた。大好きな人がこんなに近くに居るのに今まで我慢できたほうが不思議に思えてきたほどだった。
 昔なら絶対に湧き上がってくることはなかった感情……それがそのときの僕には生まれていたのだ。
 そして真っ黒なそれは僕の背中を後押しして、僕はそれに負けてしまった。
 先輩のことを後ろから抱きすくめると、驚く先輩をそのまま押し倒して僕は先輩の上に馬乗りになった。
 これまで何度となく優しい言葉を掛けてくれたその口に僕の口を重ねて、服の上からでも充分すぎるほどにその大きさが分かる胸を両手で荒々しく揉み解した。
 その時の先輩は慌てているみたいだったけど僕の身体を押し返したりはしなかった。だから僕は、先輩も僕を受け入れてくれたんだと思ったんだ。
 だけど……本当は違かったんだ。
 やがて勘違いした僕は、先輩の穿いていたジーパンを脱がせようと右手を移動させ始めた。
 そして先輩のジーパンのボタンに手を掛けた直後、先輩は短く叫びながら僕を突き飛ばしたんだ。
 勢いあまった僕の身体は部屋の端の壁まで吹き飛ばされ、僕は後頭部を思い切りぶつけて意識が揺らいだ。
 でも、その不安定な意識の中でも先輩が何と言って叫んだのかはよく理解できた。
 先輩は、やめて、と言ったんだ。
 その言葉を数十秒かけて頭の中で反芻して頭を上げたときには、部屋に先輩の姿はもうなかった。
 ……酷く後悔したよ。何てことをしてしまったんだって。
 だけど、僕が犯した罪はそれだけじゃ終わらなかったんだ。

434名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 21:01:12 ID:f22CIISd
 次の日、僕が部屋から出てくると先輩はまるで何事もなかったかのように僕におはよう、と挨拶をしてきた。母さんの様子からしても、先輩は母さんにも話さなかったみたいだった。
 それからも先輩はやはり僕が暴挙に出る前となんら変わりなく接してくれたけど、逆に僕にはそれがとても申し訳なく思えてしまってきていた。
 母さんは農家で朝は早かったけど、先輩が家に来てからは僕達が朝食を食べる時間になると一度家に戻ってきて、一緒にご飯を食べるようになっていた。
 だから学校に行っている平日なら先輩と二人だけ、という状況はほぼ無く、休日も先輩はスーパーにバイトに行く日が多かった。
 それでもまたこんな日はやってきてしまった。
 僕が暴挙をしでかしてからまだ日が経ってないある日に僕と先輩はまたしても家に二人だけとなってしまった。更にスーパーも定休日の上、外は雨のために先輩が外に出掛けることも無いだろう。 
 朝になってからその状況を知った僕は、しばらく部屋に閉じこもっていたけどこのままだと席を共にしなくちゃいけなくなるため、11時ごろに身支度を整えて外に出掛けようとした。
 だけど、僕が玄関に向おうとしたその時、茶の間から出てきた先輩が僕の肩に手を掛けてきたんだ。
 心臓が弾丸の如く飛び出そうになるのは何とか抑えられたけど、僕は振り返ることは出来なかった。……大好きだった先輩に、何を言われるのかが怖くて。
 だけど先輩は僕がついこの間、先輩にそうしたように僕の身体を抱きすくめてきたのだ。
 そして先輩は口から言葉を出したんだ。それが僕にとってはトドメの言葉でもあった。
 この間はごめん。あの時はびっくりしちゃったんだ。
 私も、しぃちゃんが大好きだよ、と先輩は言ったんだ。
 最初は僕はそれを聞いて思わず息を飲み込んで、とてつもない嬉しさを心の中で噛み締めた。
 だけどその直後、僕の中で先輩があの時叫んだ言葉が何重にも響いて僕の心を目覚めさせた。あの時の叫びは絶対に驚いただけじゃない。
 あれは完全な拒絶の声。
 だったら先輩の今の言葉は嘘だ。でもなんで嘘をつく必要がある?
 そう考えたとき、僕の頭の中は自分でも驚くほどに覚醒し、そして答えを導き出した。
 僕は先輩を突き放し、非力は僕自身は玄関に転がり落ちた。
 だけどすぐに僕は立ち上がって、靴も履かずに玄関のドアを乱暴に開けて外に飛び出したんだ。
 行く当てもなく山を走りながら僕は叫ぶ。意味も無く、ただ叫んでそして逃げた。先輩、そして自分自身から。
 先輩があんな嘘をついた理由……いや、嘘をつかざるを得ない理由。
 それは僕の母さんが、今は先輩の保護者だったからだ。
 もし僕の犯した罪が母さんにばれたらどうなるだろう? 少なくとも先輩の保護者はやめざるを得ない状況になる。
 運よく、他の人が保護者になってくれる可能性もあるかもしれないが、学校側も今まで認めてくれたバイトは間違いなくやめなくてはならないだろう。
 下手をすれば先輩はこの田舎を出て親戚の人や、ちゃんとした施設に入ることになる可能性だってある。
 先輩は僕によく言っていた。この田舎の風景が大好きだ、と。それにここは先輩が自身のお母さんと過ごした故郷だ。離れたくはないはず。
 だから、先輩は我慢をすることを決心したんだ。ここに残るために。
 そのためだったら、自身を襲おうとした僕と付き合うことだってしようと、先輩は決めたんだ。
 先輩にそんなことをさせてしまった自分が憎くて、悔しくて、大嫌いで僕は叫んだ。
 その日から、僕は先輩を“くーちゃん”と呼ばなくなったんだ。

435名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 21:01:53 ID:f22CIISd
「先輩を襲ったこと。先輩に嘘をつかせたこと……いや、つかせ続けている事、それが僕の罪です」
 先輩は高校生になって僕の家から出て行った今でも、今日みたいに僕のことを好きだと言ってくれている。
 当たり前だ。先輩は優しい人だから、きっと僕を傷つけまいとそう決めたんだ。
 だから僕も先輩を傷つけまいと決めたんだ。それまで通り、何事もなかったかのように接しようと。
『……すまぬ、しぃ。此方は……此方は本当に』
「大丈夫ですよ。でも、ツキの方こそ僕のこと嫌いになったんじゃないですか?」
『ありんせん! そんなこと、ありんせん!』
 僕は久しぶりにツキの怒号に驚いた。そして身体が小さく震え始める。だけど恐かったわけじゃない。
 ……嬉しかった。先輩以外に僕の罪を知ってくれた人も、その上で僕を受け入れてくれた人も初めてだったから。
「ありがとう……ツキ」
 僕は心のそこからツキにそう言った。このあまりに優しい同居人が僕の傍にいてくれたことに。
 どうしても流れてしまう涙を僕が何とか止めると、ふとツキがこんなことを言ってきた。
『しぃ……すまぬが明かりを消して服を脱ぎ、横になってくれんか?』
「えっ? ど、どうして?」
『くくっ、ただの酔狂じゃ。何も言わずに、の?』
「う、うん」
 いつものツキらしからぬ静かな口調に、僕は少しだけ首を傾げながらもツキの言うとおりに敷いてあった布団の上で裸になり、電気を消して横たわった。
『くすっ、よい身体をしておる。……そのまま力を抜き、ゆっくりと目を閉じるのじゃ』
 僕は照れながらも言われるがままに身体の力を抜いて、目を閉じてみた。僕の視界は完全に暗闇に溶け込んだ。
 次はどうすれば……って、あれ? く、口が動かない。右手も、左手も、両足も、目も開けない! ツ、ツキ、一体な……。  
 慌てる僕の視界に片隅に、ふと一人の女性の姿が目に入った。いや、勝手に首がそちらに動いた、というのが正しい表現かもしれない。
 暗闇の中でその女の人は光を放っていて、雪のように白い着物に身を包み、そして流れるような黄金色の髪の毛をしていた。
 その女の人は大人の雰囲気を持ったなやましい身体つきをしているんだけど、その笑顔はまるで無邪気な子供のような笑顔であり、そして暖かな優しさをも秘めたものだった。
 僕が見とれていると女の人はゆっくりと僕に近づいてきて、動けない僕の耳元でこう囁いてきた。
「これは此方が百年ほど前まで人間の元に現れるときにしていた姿じゃ。どうじゃ? かわいいかの?」
 さっきまで頭の中でしか響いていなかった声が生暖かい息に乗せられて僕の耳に入り込んできた。
 その背後に黄金色をした、先っぽが着物と同じく真っ白な尻尾が振り子のようにゆらゆらと揺れていた。ふわふわで暖かそうなその尻尾はなんとも可愛らしい。
 更にツキの髪の上から顔を覗かせる二つの小さな耳。それが時折瞬きをするかのようにピクピクと動くさまもこれまた愛おしい。
 実際に頭は動かなかったけど僕は心の中で何度も頷いていた。ツキはそれを分かってくれたようで、顔を上げてにこやかな笑顔で口を開いた。
「くくっ、お主は素直じゃ。ほれ、お主のいちもつが既にいきりたっておる」
 してやったり、と言った感じでニヤリとツキに僕は笑われた。ううぅぅぅ、恥ずかしいぃぃ……。
「くくくくっ、すまぬすまぬ。じゃが……此方はうれしいぞ。んっ」
 儚げな雰囲気を持った表情をしたツキは、ゆっくりとその顔を僕の顔に近づけてくると、そのまま小さな唇を僕のそれに重ねてきた。
 軽く濡れたツキの舌が僕の唇を優しく舐め回し、動けない僕はされるがままにその甘い感触に酔いしれる。
 そしてツキは濡れた僕の唇の間を滑り込むようにして僕の口の中へと入ってきた。僕の口の中で彼女の舌は静かに、だけど僕が予想できない動きで翻弄してくる。
 目の前のツキは大きな目を時折細く開いて僕を見るとそのたびに小さく笑いかけてきてくれて、僕はといえばそのたびに骨抜きにされてしまっていた。
「んっ、ふぅぅ……どうじゃ、おなごに一方的に蹂躙されるのもたまにはよかろう?」
 僕の口の中をもてあそんだツキは可愛げのある顔で妖しい言葉を掛けてきた。そのギャップがなやましくて僕は余計にツキが愛おしくなってしまう。
436名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 21:02:36 ID:f22CIISd
「次は、お主の身体の逞しいこれを可愛がってやるかの。……お主、顔に似合わず立派なものをもっとるの」
 その言葉に喜ぶべきなのか、恥ずかしがるべきなのかを僕が迷っていると人肌の感触が僕の……モノを包み込んできた。
 僕の頭が勝手に動き、気付けばツキが僕が軽く広げた両足の間で膝まづいて僕のモノを掴んでいた。
「すぐにでもこれを飲み込みたいところじゃが……まずは濡らしてやるかの。……ペロッ、んっ」
 口が開くのなら僕はものすごく恥ずかしい声を上げていたことだろう。それだけの快感が僕を襲ったのだ。
 ツキは僕のモノに口を近づけると、軽くひと舐めすると僕のモノを自らの口の中に納め始めたのだ。
 頭が動かせない僕は自分のモノがツキの口の中に消えていく光景を見ながら、同時に襲ってくる津波のような快感、そして収まった部分から感じるぬくもりまで感じさせられ、頭がおかしくなってしまいそうだった。
 その津波にされるがままの僕がそれをやっと通り越したときには、僕のモノがあったところにはツキの頭が変わりにそこにはあった。
 僕がなんとか頭を落ち着かせようと心の中で荒い息を繰り返していると、ツキはなやましげな上目遣いをこちらをちらりと見ると、ニヤリと悪ガキよろしく笑ったのだ。
 そしてまたしても僕に大津波が襲いかかる。しかもさっきのとは明らかに質の違うものだ。それもそのはずだ。
 ツキは僕のモノを吸い込むように口で絞りながら、そのまま僕のモノをまるで僕自身から引き抜くように吸い込んでいるのだ。
 今度は僕の股間とツキの顔の間に一本の橋が現れるのを僕は見ながら、またしても大津波に吸い込まれてしまう。
 なんとかそれを通り越して、僕のモノがほとんど現れたのを僕は見て波を通り越せたことを安心し始めた。
 しかしその次の瞬間、またしても波が僕に襲い掛かってきたのだ。しかも、先程よりもそれは明らかに強いものなのだ。
 それもそのはず。僕のモノの先端が見えようかと言うとき、ツキはいきなり頭を止めると、すぐさま僕のモノを勢いよく再び飲み込み始めたのだ。
 油断した僕が驚いている間に僕のモノはすぐさま彼女の口の中に納まり、そして息をつかせるまもなく再び僕のモノは吸い出され始めた。
 荒れた大海原に放り込まれたような僕が出来ることなど一つもない。ただそれが過ぎ去るのを待つのみ。
 僕のモノが納めるたびにツキの尻尾は右に揺れ、吸い出すたびに左に揺れる。それが十何度か繰り返されたとき、僕の限界はもう目の前まで迫っていた。
 そして何度目かの波の途中で、その我慢はついに限界を迎え――。
「んっ! っと、まだだめじゃ」
 目の前が真っ白になり、そして僕は言いようのない感覚。絶頂の手前で地団太を踏む、あの独特の地獄を味わうことになった。
「くっ、ぬぅ……男は、一度抜いたら終わりだからの。くくっ、どうせならもっと気持ちよくなりたいじゃろ?」
 すっかりと濡れた僕のモノを掴んでいるツキのもっと気持ちよく、という言葉に僕は思わず反応してしまい、そして心の中ですぐさま頷いた。
「くくくっ、本当にお主は素直じゃの。可愛いものじゃ。こりゃ此方も応えてやらんとの」
 ツキは嬉しそうに笑うと着物をはだけさせ、そして中途半端に脱げた裸よりいやらしい格好で僕の腰の上で膝立ちをした。
「さぁて、今から此方の下の口でお主のいちもつを味わわせてもらうからの。くくくっ」
 思わずつばを飲み込んで僕はそのツキの言葉に期待をする。そしてゆっくりと降りてくるツキの腰に僕の目は釘付けだ。
「んっ、ほれ。お主のいちもつの頭が此方の口に接吻をしたぞ。くっくっく、じゃあ頂くの。お主の、ものをの!」
 僕のモノの先っぽが締め付けられ、そして飲み込まれていく。先ほどの口とは比べ物にならない快感が僕を飲み込む。
 ツキが僕の上でまるで小さな子供のようにぎゅっと目を瞑りながらも、ゆっくりと腰を降ろすその顔も僕を更に興奮させる。
「くぅ、んぁぁあっ! ふぅ、ふぅ……くくっ、お主のものが此方の中に入ったぞ。どうじゃ、気分は?」
 どうということじゃない。ただ僕のモノが何かに包まれているだけ、ただそれだけなのに僕は思わず舌を噛み切ってしまいそうな快感に酔いしれていた。
「くくっ、かわいいやつじゃ。じゃが、まだまだこれからが本番だがの? んっ、ぐっ」
 妖しく笑ったツキがまた、きゅっと顔を締めて今度は僕のモノを引き抜きに掛かる。僕のモノはツキの濡れた中に絡みついて、ツキはそれを彼女の顔と同じようにぎゅっと締め付けてくる。
437名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 21:03:07 ID:f22CIISd
 その連鎖的な快感を味わっている間に僕のモノは再び姿を現し、そして再び沈み始める。
「ぐうぅぅぅ! くくっ、此方が壊れてしまいそうじゃ。さぁて、お主の子種。此方の中に存分に吐き出すがよい。ぐんっ、んっ!」
 ツキが今度は跳ねるように僕のモノを彼女の口に納めたり引き抜いたりと繰り返す。ツキの耳は終始、ピンと逆立っている。
 そうして僕の限界が再び近づいてくると、ツキは上半身を折り曲げて、僕の身体の上に寝そべってきた。彼女のたわわな胸が僕の貧弱な胸板の上に乗っかる。
「さぁっ、此方に出すのじゃ、お主のこだねぇえええええ!」
 ツキのその一言に後押しされるように、ツキが僕のモノを全て飲み込んだ瞬間、僕はツキに放った。
 これまでにないほどの絶頂を僕は迎え、3、4度に分けて彼女の中に全てを放った。同時にどっと疲労感が身体を襲う。
「はぁはぁ……しぃ。しぃ。起きるのじゃ』
「はぁはぁはぁ、んっぐぅっ……」
 耳元で聞こえていたツキの声が段々と僕の中に響くものへと変わり、それから僕はゆっくりと目を開けた。
『くくっ、どうじゃったかの? 此方の味は』
「い、今のは?」
 僕は身体を起こしながらツキに問いかける。冬にはだかだと言うのに全身が汗ばんでいる。
『此方は狐の妖怪じゃ。化かすことなど造作もないことぞ?』
「え、えっ?」
 僕は驚きながらも真っ暗な部屋の電気をつけた。久しぶりの眩しさに思わず目をしかめる。
『お主の隣の障子』
「んっ? げぇっ!」
 白い障子に、青い模様が入っている僕の部屋の障子。そのちょうど青い模様のど真ん中に、なにやら白いぬめってそうな液体を見つけた。
 そこから布団までを目で追うとその間のところどころにおなじようなものがくっついている。
「こ、これって……」
『いや、さすが立派ないちもつをしているの。よく飛ぶものじゃ』
 心のそこから感心したような声がツキの声が響く。僕は思わずため息を吐きながら、ティッシュでそれらを拭いていく。
 そんな僕にツキが静かな口調で告げる。
『すまんの。此方の身体があればよかったのじゃがの……』 
「ううん。すんごく気持ちよかったです。それに……」
 言うべきなのかな? と、僕は思ったけどそうやって考えた時点でツキには分かってしまうんだろうから僕は正直に言った。
「ツキ、とてもかわいかったよ……」
 ああ、恥ずかしい! 僕はティッシュを掴む右手により一層力を込めてシミを拭く。だけど、顔が熱くなるのは抑えられない。
 そんな時、また背後から誰かに抱きしめられるような感覚が僕を包む。
 そして頭の中で甘い声が響く。
『お主も可愛かったぞよ……特に、達する瞬間のあのお主の顔は……くくくくくっ!』
 口元を手で押さえながら笑うツキの姿が目に浮かぶ。……相当な顔をしてたんだろうな、僕。 
『じゃがな、お主……此方も、お主が大好きじゃ……ず〜っと一緒に居て、いいかの?』 
「くすっ、当たり前だよ。ツキ」
 そんな甘えた声で言われて、あんな姿まで見たら誰だってこう答えるよ。
『くくくっ、じゃったら毎晩、此方も精一杯ご奉公させてもらうからの?』
「そ、それは……」
『嫌、かの?』
 ……だぁああっ! もう!
「よろしくお願いします!」
『くくくくっ、本当にかわいいやつじゃ』
 頭の中でツキに笑われながらも僕はすごく嬉しい気分だった。
 だって僕を分かってくれる人が、こんなにも近くに居てくれるんだから。
438名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 21:10:13 ID:f22CIISd
と、なんとも不完全燃焼のところで終わりです。
前に>>350さんの書き込み見て考えたですが、もう傲慢でも何でもない……350氏すいません。
寄生されるのも男だし……本当にすいませんでした。
439名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 21:13:08 ID:+c/QVJhh
なかなか良かった。GJ!
先輩にも寄生して和解とかなるんかな。
440名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 22:43:49 ID:+ulE51yo
普段ヤンデレとかキモ姉妹とかの修羅場系読んでるもんだから、
このあと先輩大暴れなんだろうなーとか思ってしまった
もちろん続くんだろ?w GJ
441350:2009/12/07(月) 11:14:00 ID:HapkEnqB
これはびっくりしたと言わざるを得ない
俺も狐に化かされたいです、GJです

ツキの台詞がなぜか某狼様の声で再生されてしまったw
442名無しさん@ピンキー:2009/12/07(月) 17:42:30 ID:IGJTuvLF
>>437
GJ
次は、先輩に寄生してエロですね。
443名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 00:19:26 ID:O6P0NiJR
>>425を見て読む気がなくなった。
>>438を見て読まなくてよかったと思った。
444名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 06:04:58 ID:afTWGR/d
はいはいよかったねボクちゃん
ここはお前みたいなガキの来るところじゃないからさっさと宿題でもしてろ
445名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 08:59:33 ID:mBpl76zn
荒らしに構うな
446名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 23:20:18 ID:mXJzzBza
ドラクエの作戦みたいだな「あらしかまうな」
人外婆好物なのでおいしく頂いた
今度は先輩が化かされるのを期待
447名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 01:05:26 ID:C39Gb0MN
>>438  素晴らしいねGJ
      ツキに寄生されて体が妖狐化したり先輩にも寄生されたりとか、期待してもいいですか?
448名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 10:56:11 ID:6xFVI8Py
寄生で興奮しなかったが
ひさびさに良いSSみた気がする GJ
449名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 12:45:03 ID:zMZjNHK0
羽衣狐様風なts妖狐化を期待しているのはおれだけでいい

450名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 16:22:11 ID:yrX60+10
>>449
それで、先輩を男体化して子種を貰うんですね。
451名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 16:34:36 ID:yFVSnjWP
羽衣狐様風となると、話を読む限り寄生主との精神融合系だろうか
だが、体に魂が引っ張られて徐々に変わっていくのも捨てがたい
452名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 17:01:43 ID:tgKGaSok
なんか寄生と違うような気もするけど面白かったのでGJ
453名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 17:15:40 ID:41h070cN
この流れからツキがしぃを裏切る形になるのはアレじゃね?
お互いの同意の上での変化なら問題ないだろうけどさ
454名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 20:49:23 ID:CfNV4UCJ
なんか『たったひとつの冴えたやりかた』を思い出す話だ
GJ
455名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 01:02:53 ID:xin+Kmdi
>>454
あっちは、もっと即物的だけどな。
456名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 17:24:10 ID:l7Vkswiw
>>455
当人同士は、気持ちよかったりなんだりで良好だったけど、最終的には無理心中だからな。
457名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 17:35:28 ID:mSh2rleG
ググってみたら脳寄生の話なのね、買ってみようかな

脳寄生といえば自分のエロフォルダ見てたらこんなの見つけた

ttp://up3.viploader.net/pic2d/src/viploader2d642620.jpg

これって該当?
458名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 18:07:31 ID:xin+Kmdi
>>457
サイズがまったく異なる。
体外では黄色い花粉上の粒子で、皮膚接触により"感染"する。
本来の宿主とは共生関係にある生物。(大脳部分が、この生物になっている)
脳内での姿は不明だが、たぶんゼリー状なんだろうな…
459名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 19:08:58 ID:mSh2rleG
>>458
ちょっとそそるかも、1シーンだけの小ネタって訳でもなさそうだし買ってみるよ
後押しサンクス
460名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 21:39:53 ID:SygF7spj
ちょうどこの間読んだところだ
脳寄生体は知的生物(しかもおそらく♀)なんだが
物語中で宿主になった女の子に「お礼」として性的快感を与える描写がある
まあエロ小説ではないからまったくいやらしい感じはしないんだがw

てか話自体結構感動しちゃうからあんまりエロ目線で見たくないんだぜ
461名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 22:16:45 ID:xin+Kmdi
>>459
名作50作のリストを作ると必ず入ってくる作品だから内容は安心して。
(感動が台無しになるから粗筋は書かない。)
462名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 15:56:32 ID:NFcoL/6i
こんにちは。狐の話の感想、ありがとうございました。
一応、続きが書けましたのであげさせていただきます。
では、お時間があればお読み下さい。
463名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 15:56:59 ID:NFcoL/6i
「やっ、たぁああああ〜!」
 僕は千切れんばかりに返された答案用紙を握り締め、今年最高と言ってもいいぐらいの喜びを噛み締めていた。
『くくっ、此方にも感謝してくれの?』
 得意げな声の同居人が僕に言う。でもツキの言うとおり、今日のテストで赤点を回避できたのツキのお陰でもある。
 今日の追試の数学テストの最終問題で、おそらく先生が配慮してくれたと思われる選択式の問題が出ていた。
 だけど、先生の涙ぐましい心遣いも虚しく僕はその数式の解き方をすっかりと忘れてしまっていた。しかも、他の解けていない問題は複雑な上に選択肢ではなく途中式を含めて自分で答えを導き出す問題だ。
 最悪なことに僕はその問題も途中までしか解けなかった。おそらくこのまま選択式の問題も間違えばほぼ赤点は確定してしまうだろう。
 僕が必死に思い出そうとしても、テストの制限時間はもう1分ほどまで迫っていた。だけど僕の頭はもう数字と記号の羅列で爆発寸前。
 その時だった。ツキが冷静な声で3、と僕に告げたのだ。
 理由を聞いている暇なんてなかった。僕はツキの言うとおりに解答用紙に3、と大きく書くと最後の見直しをする暇もなく中立なチャイムが鳴り響いた。
 そしてその2時間後。早くも返ってきた解答用紙には先生のにこやかな笑顔と共に、赤点ギリギリの得点がでかでかと記されていた。
「もちろんですよ。でも、なんで分かったんですか? まさか、この数式を知ってたとか?」
 僕は軽い足取りで、土曜日の昼下がりの廊下を歩いていた。今日は追試の生徒だけが学校に呼ばれる日で、他の生徒の姿はもうなかった。……ま、まさか全校で追試がぼくだけってことはないよね?
『ああ、それはな……此方の“カン”だの』
「へぇーっ。そうな……」
『くっくっく、よぉ当たるもんじゃろ?』
 背中を伝うのは季節的に運動でもしなければ掻きそうにない汗。だけど、その冷たさはまさに季節にぴったりなほどひんやりとしている。
「じゃ、じゃあ下手をしたら……」
『お主の申すところの……赤点というやつじゃの。くっく、おっとっと! し、しぃ!?』
 ちょ、ちょっと目の前がくらくらしてきた……。それはそうだよね。ツキが数学の問題を分かるはずがないですよね。
『お主、此方を馬鹿にしておるな?』
「ば、馬鹿にしてるわけじゃないですよ! ただ、得意なものがあれば苦手なものもあって当然ですし……」
 額に冷たい手を当てて頭を冷やしながら僕はツキをなだめる。それに勘だとしても、ツキのお陰で僕は赤点を回避できたのだから感謝しなくちゃいけない。
「本当にありがとう、ツキ」
『……お主のそういう素直なところが大好きじゃ。まぁ、よお頑張ったわ。帰ったらご褒美をやらんとの……くっくっく』
 妖しさ100%にも素直に反応してしまうのも僕だけなのだろうか? うぅ、ズボンがキツキツに……。
『お主の顔は心をそのまま映す鏡のようじゃの。先ほども此方が助言するまで、お主はまるで地獄にでも落とされそうな顔をしておったわ』
 かあーっ、と今度は身体全体が熱くなるのが分かる。多分、今も顔が茹だこの如く真っ赤になっているに違いない。
『じゃが、お主は此方の骸を見つけたときは返って毅然としてたの? 心悪くはなかったのかや?』
「それは……確かに直視するのは辛かったけど、実は前に」
『しぃ!』
「ひゃっ!」
 ツキの突然の大声に僕は思わず飛び跳ねた。ど、どうしたのかな?
『お主が今思い出そうとした記憶、一体いつのものじゃ!?』
「え、ええっと確か……5年前、かな?」
『その記憶、此方にも見せておくれ! お願いじゃ!』
 僕がツキに僕自身の罪を告白してから、ツキは僕の記憶を覗き見することはしないと言ってくれた。僕としてはもう、ツキに隠し事などするつもりはなかったから別によかったんだけど、ツキは頑なにそれを拒んでいた。 
 そのツキが僕の記憶の中の何かを知りたがっている。だとしたら僕には断る理由などない。
 ちょうど教室に着いた僕は、自分の席に座ると5年前の夏の思い出を久しぶりに紐解くことにした。

464名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 15:57:51 ID:NFcoL/6i
 5年前、あれは確か僕が小6で先輩が中学1年生になった夏。
 同じ小学生同士の頃はそれこそ365日一緒にいたけどさすがにこの時期は先輩も進学したため、狭い田舎でも一ヶ月に一度会えば挨拶だけを交わすぐらいの仲になった。
 そんな僕の小学生最後の夏休み、宿題である自由研究の材料を買うために町の方へと出向いたその帰り道だった。
 まさにこの前のデジャブ。コンクリートの上に平べったい死体があったのだ。夕焼けで赤くそまる道路はそこだけ黒くなっていた。
 山で蛇やイタチの死体を見たことは何度かあった。でも、コンクリートの上で死んでいるその死体は、山のそれとは明らかに違う冷たい恐ろしさがあった。
 動物同士が争って死んだのなら死体が残ることなどほとんどない。それに草木が生い茂る山の中ではそれに気付くことは皆無と言ってもいい。
 ただ、その死体は決して動物同士が争って死んだのではないことが一目で分かるほどに残酷な死に様で、夜でもない限りこの道を通ったならば気付かざるを得ないほどの存在感を放っていた。
 そう、まるで本来ならこんな死に方すらあってはならないというほどの死体。それが僕の帰り道のど真ん中にぽつんと倒れていたのだ。
 自転車から降りた僕はそれが単なる影ではなく黒猫の死体だと分かり……そして次の瞬間にはもう家についていた。
 森の隙間から見える夕日は先ほどとほとんど位置が変わっていないように見える。いや、どう考えても家まで全力疾走で走ってきたとしか考えられない。
 僕は逃げたのだ。猫の死体を置いて、そのまま。
 吐き気は喉元一歩手前まで押し寄せて絶え間なく湧き出る汗も、口を閉じれないほどの荒い息もしているにも関わらず、異常な寒気が僕の背中を震わしていた。
 それから家に入ると母さんの出した食事をほとんど残し、お風呂にも入らずに僕は布団に潜り込んだ。寝て全てを忘れてしまおう。僕はそう思ったのだ。
 だけど寝れなかった。もちろん寝るにはあまりにも早い時間であったし、お風呂にも入ってなかったから眠気もなかった。
 でも、そんなこと以上に頭にあったのは死体のこと。
 果たしてあの死体はどうなるのだろうか? アリか何かが食べてくれるのだろうか? それともあのままずっとあそこに留まり続けるのだろうか?
 ……少しでも大人びたかったのかもしれない。怖いものと向き合えば、正義を守れば少しだけ大人になれるんじゃないか、って。
 僕は母親に気付かれないように家を飛び出して、全速力であの道路へと向って山を降りていた。自転車のか弱いライトで闇を切り裂いて一気に駆け抜ける。
 やがて山道からコンクリートの道路に飛び出た僕はあの猫が死んでいた場所へと急いだ。
 だけど……その猫の死体は消えていた。
 暗闇でもそれはすぐに分かった。自転車のライトが血痕とわずかな肉片を照らしたからだ。一応、周りも見てみたがやっぱり死体自体はなかった。
 僕は安心したような、後悔するような複雑な気持ちを抱えながら、家路へと付いたんだ。一体誰が……、とそんなことを考えながら山を登って。
 その途中だった。突然、山道の外れから人影が飛び出し、僕は急ブレーキと急ハンドルでなんとかそれを避けた。
 セーラー服に身を包んだその人は、僕の知っているその人よりその姿はずっと大人びて見えた。
 それは久しぶりに会う先輩だった。……先輩は最後に会った時より大きく、そして綺麗になっていた。
 先輩は僕を見ると驚いた顔をしながら、慌てた様子で両手を後ろに隠してこちらに話しかけてきたんだ。なんでもない。ただのたわいのない話を。
 だけど僕は気付いていた。
 月明かりに照らされた先輩のセーラー服に少しだけ赤いシミと、おそらく地面を掘ったのであろう茶色い土が付いていたことに。
 それを隠して笑う先輩。久しぶりの会話だった。相変わらずの可愛らしい笑顔に今までなかった綺麗さが加わってもう僕は直視しただけで顔が熱くなってしまうほどだった。
 それが僕の小学生最後の夏休みの思い出。そして先輩に……恋をしたのも多分、その日からだったんだろう。


465名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 15:58:30 ID:NFcoL/6i
「……っと、こんなところですかね。……あの時、僕は凄く後悔したからツキを見たときも動揺せずに死体を埋葬したんですよ。……ツキ?」
 珍しく黙り込んでしまった同居人に僕は少しだけ不安になる。
 ツキが来てくれてから多分初めて頭の中が静かになって僕は孤独感を覚えた。つい1ヶ月前まではそれが普通だったはずなのに。
 初めてツキと話した時にツキが言っていた、お主が此方で、此方がお主、という言葉に僕は恐怖を覚えてガタガタと震えていた。
 だけど今は……これ以上嬉しい言葉はないってことを、このとき僕は勝手に実感していた。
『しぃ!』
「うわっと!」
 またしてもツキの突然の声に少しだけ驚いたけど、それより僕はツキの声が久しぶりに聞けたことが嬉しかった。
『此方を、此方をそのおなごに会わせておくれ!』
 だけどそのツキの声はとても焦っていて、まるで僕はツキにすがりつかれているような気がした。
 そっか。追試の勉強やら何やらがあって、ツキと一緒になってから先輩にはまだ一度も会ってないんだっけ。
「分かった。すぐに会いに行こう」
 なんで先輩と会いたいのか、なんてことはもちろん聞かない。ツキだって僕の過去を知らずとも僕を好きだといってくれたのだから。
 僕は机の横にかけておいたリュックを右肩に引っ掛けると廊下を全力疾走で駆け抜けて二十段近くある階段を一気に飛び降りた。手足を使って着地した僕の身体に思い響きが電流のように伝わる。
 ツキが一緒になってからはとにかく身体が軽かった。今までの僕の身体と比べれば、今は全身がまるで風に乗る木の葉になった気分だった。
 だから最近はそれが楽しくてまるで小さな子供みたいに走ることさえもが毎日の楽しみになってたけど、今は走るのが楽しいから走っているわけじゃない。
 まだ同居人と出会って1ヶ月しか経ってないけど、僕には無言のツキの心がまるで自分のものと同じように分かっていた。
 今、ツキは期待と不安で焦っている。
 その期待が果たして何であって、不安が何であるかなんて僕には分からない。だけど、僕にはできることが一つだけある。
 それは大好きな同居人のために全力で先輩の元に向うこと。僕みたいな馬鹿でもできることだけど僕しか出来ないことでもあるんだ。
 だから、僕は全力で走るんだ。一分でも、一秒でも、一瞬でも早くツキが先輩と会えるように。

466名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 15:59:04 ID:NFcoL/6i
 ロックしたタイヤから白煙が上がるんじゃないかというほどの急停止で先輩のアパートの前で僕は自転車を停める。2階建ての木造アパート、先輩はここの2階のいちばん奥の部屋に住んでいる。
 休日だったこともあり、僕は先輩が今日もスーパーで働いていると思い込んでたけど、実際にそちらに行ってみたところ先輩は休みであるということを店長さんが教えてくれた。
 どうやら僕が追試の勉強に追われている間、先輩も働きづめだったようで今日は久しぶりの休みらしい。 
 僕がこのアパートに来たのは先輩が中学を卒業した後に一度だけ、それも僕の家から先輩がこのアパートで一人暮らしを始めるときに母さんと一緒にその手伝いのために来たときだけだ。
 それもあれから先輩と二人だけで密室の空間にいることが僕は恐くなったからだ。
『しぃ……すまぬ』
「あっ、ごめんなさい。くすっ、大丈夫ですよ。さっ、行きますか」
 くだらないことを思い出してしまった僕はツキに心配をさせてしまったことに気付き、駆け足で茶色く錆びた階段を一気に駆け上がった。
 休日の昼間のアパートは思いのほか静まり返っていて、僕はもしかしたら先輩もどこかに出かけてるんじゃないかと一瞬だけ不安になってしまう。
 でも、これ以上ツキに心配は掛けたくない僕はそれを拭い去って先輩の部屋の前に着くなり、一呼吸おいてからすぐさまドアをノックした。
 それほど強く叩かなくても土気色の鉄のドアはアパートの廊下に重く響いた。住んでいる人はこれで自分のドアがノックされたのか、他の人のドアがノックされたのかが見当がつくのかな? 
 だけどそんな疑問は叩いてわずか2秒で吹き飛んでしまった。
 静かだったアパートに響いたドアのノック音がまだ残響を残している間に、先輩の部屋の中からボスン、という鈍い音が聞こえてきたのだ。
 僕が口をハの字に曲げながらドアの前で硬直しいると、土気色のドアは何の前触れもなく突然開かれた。
 あまりに勢いのついたそれを僕はすんでの所でかわし、そしてジャージとねずみ色のシャツをはだけて着ている先輩と対面した。
「し、しぃちゃん!? ど、どうしたの?」
 僕の顔を見るなり目を見開いた先輩に、僕はどう答えようか悩みながらとりあえず苦笑いをした。
 しかし突然、頭の中でツキが口を開いた。
『やはり……の』
『なっ!?』
「「えっ?!」」
 その言葉に対してわずかに遅れて聞き覚えのない誰かの声、そしてそれに対しての僕が驚く声と先輩が驚く声が重なった。
『元気にしておったかの、“ひな”』
『……うん』
 母親が子供に優しく話し掛けるような声でツキが言うと、少しだけ間を開けて静かな声が先輩のほうから聞こえてきた。でも、それはやっぱり先輩とは違う声だ。
「と、とりあえず中に入って」
 先輩も混乱しているみたいだったけど僕を部屋の中へと迎え入れてくれた。
 最初に目に入った台所は綺麗に整えられていた。僕の家に住んでいた時から先輩はこまめに掃除をするほうだったし僕としては、それは当たり前だった。
 だけど、そこから畳みの部屋に迎え入れられたときは一瞬動きが止まってしまった。……別にでっかいゴキブリがいたとか、生ゴミが山積みされてたわけではない。一見すればやっぱりそこは綺麗に整えられてはいるんだ。
467名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 15:59:41 ID:NFcoL/6i
 ただ、部屋の右側にある押入れのふすまに……ちゃぶ台が突き刺さっていたんだ。どこかの前衛的なアーティストの作品なら僕は思わず納得してしまったかもしれない。
 口を半開きにしている僕の視線に気付いたのか、先輩は明らかな作り笑いを僕にしながらそれを引き抜く。すると、白いふすまに大き目のブラックホールが生まれた。
 そのままちゃぶ台を部屋の中央に置いた先輩は、僕をふすまの向かい側に座らせて自分はその穴を見せないように僕の向かい側に座った。
「え、えっと……と、とりあえず」
『茶菓子は結構じゃ。その前に汝にお礼を申したい。……ひなを可愛がってくれてこと、心から感謝いたしまする』 
 腰を浮かせた先輩に、ツキがすかさず口を開いた。頭の中に響くその声はやはり先輩にも聞こえているらしく、先輩はそれを聞き終わると困ったような表情をしながらそのまま腰を降ろした。
『さて……ひな。久方の再会を喜びたいところじゃが、此方の想像が間違っておらぬならば、その前にお主はしぃに謝らなくてはならないと思うのじゃが?』 
 まるで冒頭の三十分ほどを見逃した映画を見るように、僕がまったく話の内容を掴めずにいるにも関わらず話は進められていた。
『そ、それは……』
 ツキの言葉に動揺した声が先輩の方から聞こえてくると、先輩はその声の主を心配するような表情で僕の方を向いてこう言ってくる。
「あ、あの。もうやめてあげてくだ」
『ひな。しぃはの……まだそのおなごを』
『う、うるさい!』
 ツキの言葉を遮って尖った叫び声が全面から僕を吹き飛ばすように遅い掛かり、僕は思わず身体を震わした。
『だったら……だったら!』
「きゃっ! ちょ、ちょっと! やっ、だ、だめっ……!」
 叫び声を上げた声の主が何かを決意したように言うと、先輩が弾かれたように立ち上がり自分が穿いているジャージのズボンに右手を掛け、しかし先輩自身はそれを拒むかのような声と共に左手でそれを抑え始めた。
 滑稽なその姿に僕はしばし見とれてたが、あやうくジャージのズボンが本当にずり下がろうとしたので急いで顔を俯いて視界を茶色いちゃぶ台に固定した。
『本当に好きだって言うなら、このくーを抱いてみなさい!』
 あまりに突拍子のない言葉に僕は思わず顔を上げてしまい、そして僕はズボンを下げている先輩の姿に目を奪われた。
 ……僕が女の人の裸を現実でこんな近くで見たことはない。だから確信はないけど……け、けど……でも、こ、これがついているのは……。
「あ、あぁ……」
「いっ、やあぁ……み、見ないで」
 あまりの衝撃に言葉を失った僕は先輩の言葉すら無視してそれから視線を外すこともできなくなってしまっていた。
 先輩の股間には……男にしかついていないはずのモノが天に向ってそびえ立っていたんだ。
『はぁ……まぁ、いいじゃろ。じゃが、しぃがそのおなごを抱いた時は、覚悟できてるの?』
『ふふふっ、もちろん。でも言っとくけど、くーはこれで自慰をするのは大好きよ? さっきもちゃぶ台を蹴り飛ばしちゃうほど夢中になってたんだから』
 先輩はひな、という誰かの言葉に両手で顔を覆ってしまった。僕はあまりに突拍子のない事態の連続に頭がパニック状態になっている。
『しぃ、決めるのじゃ。そのおなごを抱くのか、抱かぬのかをの』
 だ、抱けって……ちょ、ちょっとは説明ぐらいしてくれたって――。
『すまぬ……それは、今は出来ぬ。ただお主は……あのおなごが好きなのじゃろ?』
 ツキの言葉に僕の大混乱だった頭の中が真っ白になり、そして僕はただ単純に先輩が好きか、好きではないかを考える。
 その答えは一桁同士の足し算をするより簡単だった。
「うん」
『くくくっ、ならあのおなごを抱いてやるのじゃ。此方がぬしをそれに相応しい身体にしてやるからの』
 えっ、と僕がその言葉の意味を聞き返す前にそれは始まった。
468名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 16:01:34 ID:NFcoL/6i
 まず僕が感じたのは手足の違和感。まるでその骨についている肉が身体の内側へと引っ張られるような感触だ。
 その違和感に袖をまくると……僕の腕は段々と細くなり始めていた。
「なっ!?」
「し、しぃちゃん?!」
 まるでSF映画のワンシーンのようなその光景に驚く僕と先輩を尻目に、その変化が僕のあらゆるところへと広がり始めた。
 心配そうな先輩の顔がぼやけ始めて顔の筋肉が動かせなくなり、何か息苦しいと思えば僕のブレザーの胸がまるで女子の制服のように膨れ始めている。
 やがてその膨らみに遮られて僕の足すら見えなくなる頃……僕の股間に言いようのないムズムズ感が襲ったと思ったら、それが段々と退き始め今度は感じたことないスースーとした感触をそこに感じ始めた。
 そして段々と違和感がなくなり始めて視界が再び安定し始めると、最後に僕のYシャツとブレザーのボタンが勢いよく吹き飛んでいき、そしてそこから二つの果実の谷間を見ることが出来た。
『くくっ、左の鏡を見てみんせ』
 少しだけ乱れた呼吸を整えながら、僕はツキが言った通りに左を向いてそこに掛けられていた全身鏡を見てみた。
 僕の見覚えのある少女が、僕の制服を着て、僕のほうを見ていた。
 鏡の中の虚像に唖然としながら、僕は右手を動かしてみる。すると、当然だけど虚像の中の少女も同じように動いた。 
 溢れんばかりの胸に黄金色の長い髪、そしてその髪の上から覗く二つの小さな耳……ここ数週間はほとんど毎晩見ているその少女の姿は、まさしくツキが人間に化けたときの姿そのものだった。
『これなら、あのおなごと繋がれるじゃろ。……此方が毎晩お主にやったことを思い出して、あのおなごを喜ばしてみんせ』
 そう言われて思い出した僕は、逆側の先輩の方を振り向くと先ほど僕が先輩に生えているモノを見たときのように、先輩もまた口を半開きにして僕を驚きの表情で見ていた。
 だけど、僕の頭の中にあったのはツキが言った喜ばしてみんせ、という言葉だった。そして更に先輩が僕を拒絶した5年前の出来事を思い出し、僕は全てを悟った。
 先輩は好きなのは……男性じゃなくて女性だったんだ、って。
 思えば僕はよく女々しいと言われていた。ツキが僕によくかわいい、と言っていたのも僕がやっぱり女の子っぽいからだったんだろう。
 でも、そうだとしたら今の僕……ツキの姿をした僕なら先輩は受け入れてくれるはず。
『くっくっく……ほれ、その召し物を脱いでおなごに近寄らんか』
 僕はツキに言われて僕に見入っている先輩の前でブレザーとスラックスを脱いで、そしてYシャツのボタンに手を掛けた。
『おっと、しぃ。こういう時はの、かえって僅かな衣を纏っているほうがそそるもんじゃ。お主にもわかるじゃろ?』
 その言葉に再び鏡で自分の姿を見れば、その虚像に思わずドクリと心臓が大きく跳ねた。黄金色の髪とその白いYシャツはよく映えていて、まるで洋風の人形のような触れがたい儚さをかもし出していた。
『それと、これを忘れておったの。これがない此方はやはり似合わん』
 完成された料理の隠し味を忘れていたかのような口調でツキが言うと、僕はお尻の上辺りに何かが映えてくるような感覚を覚えた。
 だけどその違和感は数瞬ですぐに引き、それに引き換えて僕の身体にまるで三本目の足が生えたような感覚が生まれる。
 ためしにそれを動かすと僕の虚像の背後で揺らめくそれに僕は思わず笑ってしまう。何がおかしかったのか、自分でも分からないけど何故だか笑ってしまった。
 髪と同じように黄金色でその先っぽだけ真っ白なそれは、数週間前に僕の口に入り込んだものでもあり、そして今では僕の同居人のトレードマークとも言っていいものだった。
469名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 16:03:03 ID:NFcoL/6i
 そうして僕は完全な変化(へんげ)を終えると、ゆっくりと尻尾を回すように振り返り、目を見開いて僕に見入っている先輩にじわじわと近づく。
 ツキの身長はぼくより高かったけど先輩には敵わない。先輩の目の前まで近づいた僕は、驚きのあまりなのか動けなくなっている先輩を舐めるように見上げる。
 そして先輩の驚いた顔に向けてゆっくりと背伸びをし、驚いてまだ半開きになっている口に小鳥がついばむようなキスを繰り返した。
 僕の唾液で先輩の唇を軽く濡らしたところで、僕は先輩の唇に完全にぼくのそれを重ね、そして今度は舌で先輩の唇に唾液を塗りたくっていく。
 先輩の吐いた甘い吐息を何度か吸い込んだところで、するりと僕は先輩の口の中に舌を侵入させて、奥のほうに怖気づいていた先輩の舌に絡めていく。
 二人のくぐもった息を交し合ったところで、僕は先輩の首に両腕を絡めると少しだけ体重をかけて先輩の体勢をゆっくりと崩し、ふすまを背にした状態で座わらせた。
「んっ……くすっ、先輩のもうビンビンですね」
「やっ。言わ……ないで」
「恥ずかしがることないですよ。今からぼ……………………………………此方が気持ちよく、させてやるからの」
 此方はおなごの股に生えたそのいちもつに顔を近づけ、口元に手をあてて此方を見ているおなごに笑いかけてやり、そしてその膨れた頭に軽い接吻をしてやる。
「んぁんっ!」
 それだけで大きな声を上げたおなごに此方は少し驚いたがそのまま四足で這うと顔をそのイチモツに近づけ、おなごのモノの根元からに舌を這わせる。
「ひぁぁぁ……」
「くくくっ。さてと、お主のイチモツはどんな味をしておるのかの?」
 おなごに舌なめずりをしながら妖しく笑いかけてやると、此方は涎をイチモツの頭に蜘蛛のように糸をたらしてやると、それ伝うようにしてイチモツをくわえ込んだ。
「んぁああああん!」
 イチモツを口に納めた此方が頭を上げると、おなごは此方に弄ばれる此方のような顔をしておった。くくくっ、かわいいやつじゃ。
 此方はおなごがわずかに余裕を取り戻すを待ち、冷静さの欠片が表情に浮かび上がると同時にイチモツを空気と共に吸い上げ始めた。
 途端におなごは目を見開き、阿呆のように口を開いて声になっておらぬ叫びをあげおった。
 やがて此方の唾液に濡れたおなごのイチモツの竿が姿を現し、口の中に頭が残っておるうちに再びそれを口の中に納めに入る。
 それから此方は呼吸と同じくおなごのイチモツを口の中で反芻しておると、狐の雄が達するのと変わらぬほどでおなごはどうやらその直前まで辿り着いたようじゃった。
「くっ、はんっ、くぅっ!」
 おなごは腰を浮かせ、此方の口の抽送に合わせて腰を動かすまでになりおった。その顔は恥などとうに忘れ、すっかり己が欲を求めんとするものに変わっておる。
「んあああっ、くるぅうう! くるぅううう!」
 やがておなごは此方の頭を掴み、達するための最後の快感を得るがために強引に此方の抽送を早め始めおった。
 此方もそれに抗わず、なすがままにイチモツを咥えて達するために身を任す。
 して、おなごが此方の喉元までイチモツを納めさせると同じくおなごは達した。
「くぁあああああああんっ! ひっ、くぅぅぅぅぅ」
「ぐぅっ! ごぉ、んんぐ、んんっ、ぷはっ! ケホケホ」
 おなごから放たれた子種は此方の口の中を雄の匂いで湯水の如く満たし、更に二度三度続けて放たれた子種はむせてしまった此方の顔へと降りかかりおった。
「し、しぃちゃんごめん!」
「くぅ、んっぅ……くくく。立派な子種じゃな。むせ返りそうな匂いじゃし、量も大したものじゃ。じゃが……」
「きゃんっ!」
 イチモツを掴まれただけでかわらしいい悲鳴をあげよるおなごに近寄り、喉で笑いながら此方はおなごの震える耳元で囁く。
「まだまだ残っておるようじゃの。むしろいきり立っておるようにも見える。くくく」
 此方の言葉に恥を思い出したおなごが真っ赤に火照る。
470名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 16:04:25 ID:NFcoL/6i
 そのかわいらしい反応に此方は身体を離し、おなごに見えるように膝を折って足を広げ、此方の下の口を指で開いて見せつける。途端に此方の指を蜜が伝う。
「それをここに納めたいじゃろ? 此方も物足りのうて身悶えしてしまいそうじゃ。おなごのお主ならわかるじゃろ?」
「ひぁっ、くぅぅ……」
 おなごは獣のように息を荒げ、此方の穴に目を奪われおった。くくく、そうじゃそうじゃ。かわいらしいのものじゃ。
「ほれっ、どうしたのじゃ? 此方と繋がりたくないのかや?」
「あぐぅぅぅ……くっ、ああああ!」
 此方の誘惑に堕ちたおなごは此方を荒々しく押し倒し、まるで飢えた雄の獣のように唇を重ね、此方の胸を乱暴に弄り始めおった。
「んんっ、くはっぅ、はぁはぁ……くはんっ、いれたいぃぃ、いれたぃのにぃいぃいい」
 おなごは此方の穴の位置は分かっているもののあまりに焦っているのか、必死に此方の下の唇にイチモツを擦り付けるのみで中々入ろうとせん。
「くくく。ほれほれ、此方をこれ以上焦らすつもりかや? 仕方ないの、くくく」
 此方は再び指で穴を広げてやると、おなごはなんとも嬉しそうに顔を綻ばせ、そしてゆっくりと此方の中へとイチモツを入れはじめおった。
「くぁあああんん! すい、こまれるっぅぅぅ!」
「くぅぅぅぅ! あぐぁぁ」
 おなごのイチモツは膨らんだ頭が此方の唇を押し広げながら亀のように鈍足に入ってきおった。 
 そして膨らんだ頭を此方が咥え込むと、おなごが一息に身体を此方に向けて落とし、イチモツが此方の最深部を勢いよく突きおった。
「ひぁあああああああああんっ!」
「くぁあああああああ! あが、っいぃ……くくく、あつい棒が、此方の中で震えておる」
「はぁはぁ、しぃちゃんの中、あったかくて、んっ、ぐちゅぐちゅしてるぅぅぅ」
「くくく、ほれっ、いつまでも止まっているつもりじゃ?」
 此方に突き刺さったままになっておるおなごに言うと、こくりとおなごは生唾を飲み、此方から竿を引き抜きはじめおった。
「かはぁぁぁ、なっ、からみ、ついてくるぅぅぅぅ……!」
 対して此方はわざと下の唇を締め、おなごのイチモツを抱き込まんとする。
「んんぁ! このまま、お主のイチモツを、食べてしまいたいぐらいじゃ。くぅぅぅ」
「くっぅぅぅ、あぁぅ! はぁぁぅぅ、んんんっ!」
 おなごは呻きながらやっとのことで竿を引き抜くと、間も開けずに再び此方の中へと沈ませおった。
471名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 16:05:15 ID:NFcoL/6i
けぁああんっ、その、調子じゃ。はんっ、くゅんんっ!」
「くんっ、んぅぅ! すごいぃ、すごいょぉお。しぃちゃんのなか、きもちいいよぉ!」
 此方の腰を掴んだおなごは乱暴に此方の中を蹂躙しおった。その顔はまさに雄のそれと同じじゃ。恐悦に顔が嗤い、己が欲望のために相手を愛す雄の姿そのものじゃ。
「んぐぅ、はぅ、んんぁっ! しぃちゃん、なかに、ださせてぇ! いいよね? いいよね!」
「ぅつう! くくく、お主の、ぐぅ、子種、全て此方のものじゃ。んぅぐぅ!」
「ふぁあああっ、っぅ、うれしいいぃぃぃ」
 嘘のない笑い顔でおなごは言うと、己が全てで此方を染めんとするおなごは身を此方に預け、唇をまさぐると同時に涎を絶えず送り、そして奪っていきおった。
 その間も此方の中を蹂躙することはやめることなく、むしろより一層激しく此方を愛してきおった。
「くぅぅっ! もう、らめぇぇ、でちゃうぅぅ。おち○ちん、はれつしちゃうぅぅぅ!」
「んっかぁくぅぅっ! 此方も、限界じゃ、はようぅ、くぁああんっ!」
 此方はおなごの首根っこに腕を回して抱き寄せ、嫌が応にも此方の中から逃げ出せんようにおなごを捕まえた。
「くはああんっ! 出すのじゃ、お主の、こだねぇえええええええ!」
「あああああああああ! でるぅうううううううう! ふぁああああああああああんっ!」
 おなごが此方の奥で時が止まったように動きが固まり、同時に此方の下腹部に熱い子種がまるで洪水の如く流し込まれてきた。
「けはっ! あっ、つぃのが、ながれ、こんでおるうぅぅ」
「んぐっ、くんんっ! とまらないぃぃぃ。くああああんっ!」
 更にイチモツから子種を搾り出そうとしたおなごが勢いあまって此方の中からモノを抜いてしまい、同時に出た子種が雨のように此方の身体と布を濡らしおった。
「くふぅ……はぁはぁはぁ……」
「んんっ、くくくくくくっ。ほれ、お主の子種が此方の穴に満ちておる」
 此方は穴を広げてそこに溜まった子種を息を切らし横になっておるおなごに見せつけた。
 して、此方はゆっくりと立ち上がりおなごに近寄ると、再びおなごのイチモツを掴む。
「あああんっ! さわっちゃ、あっ、だめえぇぇぇ」
「くくくくくっ、じゃがまだまだお主の中には子種が残っておるようじゃの? くくく、これは全て此方のものじゃぞ? んっ」 
「ひぁっ!? す、すっちゃ、らめぇえええええええええ! きゃああああんっ!」
 此方はわずかにへたれたおなごのイチモツを咥え込むと一息に吸い上げた。途端におなごは痙攣し、甘い嬌声を上げおる。
「ケホケホ、ほれっ、もういきり立ちおった。まだまだ終わらぬぞ? くくく」
 口の中に飛び込みおった子種に喉を詰まらせながらも、此方はそれを飲み込み、そして再びいきり立ったイチモツの上に跨りそれを納め始めた。
 それからおなごが気絶するまで……いんや、してもしばらく此方はおなごをしゃぶりつくしたのじゃ。


<<終>>
472名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 16:08:56 ID:NFcoL/6i
とても中途半端ですが、以上で終わりです。
この先も一応は考えていましたが……寄生というテーマから
明らかに遠ざかり始めていると思うのでやめておきます。
申し訳ありません。
473名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 17:08:46 ID:IMiV+pR2
TSまで混ぜてくるとは、どうして俺のツボを理解しているんだ!
とてもGJでした。
474名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 21:39:41 ID:P9H8RtLH
あー、そう来るとはね。乙
475名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 22:45:32 ID:yI/gyR7k
>>457の画像のは寄生されて人格改変、って感じだったな
即堕ちだけどシチュに興奮できるならそこそこだと思う
476名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 01:04:22 ID:FfgYf8sL
デッドスペースで悶々きちゃったガチ変態の俺には、ドロッとネクターな
このスレはまるで練乳のように喉の奥底を満たして、渇く、ような。
477sage:2009/12/13(日) 01:06:13 ID:FfgYf8sL
あまりの渇きと潤いにあげてしまった、すまぬ
478名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 01:14:23 ID:FfgYf8sL
うがぅぅ、こんどこそ。

デッドスペース 寄生死亡 グロ注意
http://www.youtube.com/watch?v=D3NhdsxOGHU&feature=related
479名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 02:04:41 ID:5yaGY0WJ
>>472
乙。寄生と関係ないのはわかるけど続きが読みたいのは俺だけか・・・?
480名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 04:07:24 ID:gvWNHBkI
男じゃなぁ・・・
これが女声で喘いでるならともかく
481名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 11:10:39 ID:FfgYf8sL
うーんなんというか、設定萌え?
寄生された女性モンスター(毒液をはくようになる)とか、なかから寄生生物が
飛び出す妊娠モンスターとか、赤ちゃんモンスターとか、壁に張り付いて延々
モンスターを生み出すのとか、結構きつめのが出てくるんで、変化の恐怖とか
背徳感が燃えるという感じがするのです。スレだったらごめん
482名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 14:36:16 ID:tjgXPfqT
>>471
先輩×ツキGJ
483名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 01:13:00 ID:MmCU5+tK
>>472
ここでやめるなんて、それなんて生殺し?
484名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 03:25:40 ID:sjGQRRZJ
>>472
続きを期待する人が多いと思うよ?
485名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 19:01:33 ID:NdupAjEV
次のスレで続けるのはどうかな
【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】6話目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214215459/
486名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 23:15:20 ID:ikQvWQ48
デッドスペースは頭がすげ変わるのが良かったな。
487名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 18:19:19 ID:FPNrLQZh
「きせい・ろわいある」の続きが気になって毎日このスレを覗いてます。
楽しみにしているので執筆頑張ってください!
488名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 22:40:01 ID:s+3TVrtR
さぁ裸になって寄生ラッシュの準備をするんだ!!
489名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 18:38:57 ID:4qmsigsy
明後日帰省するんだが…新幹線の中は逃げ場がないからな……繁殖ガ楽ダカラナ……
ダカラ寄生サセルノヲ楽シミニ……だかラ気ヲつけテ帰らナきャな………

あレ…?頭ノ中で…何かガ…?あ…アは…あハは…
490名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 01:22:05 ID:LUIdoE2s
>>489
キサマ…ビッグサイトでヲタと触手はどうするんだ…
491名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 12:30:44 ID:qaANNN4F
>>491
スマン、資金の関係で参加できないんだ…
安心シロ、仲魔は新幹線ノ中で沢山用意シテオクからな…
492名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 12:56:54 ID:ss03eIwm
>491
誰に返事している?
493名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 13:16:36 ID:6yl5pEiC
もはや個別の人格すら失っているようだ
494名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 14:54:45 ID:3ak3bogY
ドラマとかの多重人格だと、鏡に話しかけたりしてるな。
495名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 15:15:41 ID:BbjmMHzt
>>492
寄生主さまにでしょ
496名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 23:40:14 ID:6sVlpnUK
疲れているのね…で済まされて寄生発覚が遅れるパターン
497名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 00:58:18 ID:tt17+xjk
いつもチャットしている相手が実は寄生している生命体だったら面白いよね
498名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 08:48:06 ID:wyNZ84MS
そろそろ寄生ラッシュ
499名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 02:29:18 ID:HKEi7WOC
郵便局のバイトがあるから今年は寄生ラッシュに参加できない
出来る事といえば年賀状に寄生虫を仕込んでおくくらいだ
500名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 06:50:45 ID:SIoLwfk1
>>499
このスレじゃなかったら果てしなく危険な発言だなwww
501名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 23:03:47 ID:XiX4Ke1s
テステス
502名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 23:06:06 ID:XiX4Ke1s
↑すいません。さっきまで書き込み規制があったんで間違えました。

っと、寄生ラッシュの速報が入ってきたんでちょっと上げさせてもらいます。
お暇であればお読み下さい。
503名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 23:07:06 ID:XiX4Ke1s
「ふふっ、完璧」
 私は新幹線のトイレの個室で一人、この上ない満足感に満ちた笑顔で鏡を見ていた。
 明日という1日のためにこの1年間、時間を見つけてはこの作業に費やしてきただけのものはできあがったはずだ。
 黒を基調としたこの衣装は私が一から作り上げた手作りのものだ。
 一番のこだわりはこの左足を露出させるチャイナドレスのようなスリット。この極限が見えるか、見えないかのチラリズムを刺激する境界線には苦労したものだ。
 馬鹿みたいにその部分を鏡の前でちらちらと見え具合を確認しては、私はニヤリと小さく笑ってしまう。ああ、私って本当に終わってるわ。
 だけど、ふと視線を上げると私の気分は一転して暗くなる。
 衣装は完璧だ。1mmの針のズレも許さないほどに私は妥協をせずこれを作り上げたのだから。
 私が選んだのはあの歌姫、巡音○カのコスプレだった。彼女の外見で真っ先に目が行くのは、たわわに実ったスイカかメロンのようなそのはちきれんばかりの巨乳。
 しかし、私の胸は巨乳ではなく“虚乳”なのだ。
 ……去年の冬、私がイベントに用意した衣装は鏡音○ンの衣装で、これは私の想像以上に評判が良かった。
 そして今年の夏は資金面の問題から参加を断念し、その分の時間を冬の衣装作りのためにつぎ込むことにした。
 そこで悩んだのが、この巡音○カと、言わずもがなの大御所の初音○クのどちらにするか、ということだ。
 正直、私の体型から言えば○クのほうがまだ合致している部分が多かった。私は背丈も高くないし、年齢以上の童顔だ。
 だけど私はあえてこの変化球、巡音○カを選んだのだ。
 貧乳だっていいじゃない、人間だもの。と、私自身に言い聞かせて。
 その理由を言えば、それはやはり○クの人気さゆえとしか言いようがない。
 だって、だって○クは――。
 と、そのときだった。突然、1車両に女性用のトイレは一人分しかないこの個室の扉が開かれたのだ。
 そして私は鏡に映る、私の背後にいる人物の姿を発見してすぐに振り返った。
 そこにいたのは……そう、それは正真正銘の初音○クだった。
 ……私が選ばなかった理由、それはまさにこれだ。人気のあるコスプレは人数と比例するように、その完成度がずば抜けている人が多く存在する。
 今入ってきた彼女も例外ではなく、ノンスリーブのシャツの質感と言い、アームウォーマーの点滅する機械の部分、水色のラインが入る足元までまさに完璧だ。
 そしてそれを纏う素材も、華奢で人形のような身体、主張しすぎないが存在を示す胸のふくらみ、そして青い髪の毛に似合う綺麗な顔つき――
 って……わ、私の見間違いなのかな? どう見ても彼女のしているウィッグが、彼女自身の地毛にしか見えないのだけれども。
 そ、それに……幾らなんでも、似すぎじゃない? まるでそのまま二次元から出てきたようなそんな感じが……って、鍵閉めてたのにこの人どうやって入ってきた?
「あっ、こんなところに○カねえが居るなんてすごい偶然」
 うわっ、声までそっくり……上には上が居るなぁ。……じゃなくて!
「あ、あの! ど、どうやって入ってきたんで」
「んぅ、細かいことはいいの。○カねえ、それより……○クがきもちいいこと、してあげる」
 私より少しだけ小さいその少女は私の顔を下から覗き込み、熱を帯びた空気を私の頬に撫で付けてきた。
「や、やめて……だ、誰か!」
504名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 23:07:50 ID:XiX4Ke1s
「クスッ、誰も来ないよ、○カねえ。……今、この新幹線は寄生ラッシュの真っ最中なんだから」
 寄生ラッシュ? ああっ、だめだ。彼女の澄んだ水色の二つの目は私を海中に誘いこむように吸い込んで逃そうとしてくれない。
「だ、だめっ。んんんっ……」
 小さな悲鳴も虚しく、逃れられない私は○クに抱きすくめられ、そして私の口を彼女の唇が塞ぐ。
「んっ……にへないえ……うへいれへ……」
 身体を離そうとしても華奢な身体つきの少女の力は想像以上に強くて、なれた舌使いで私の口の中に潜り込んできた。
 舌を重ねようとする彼女から逃れるように私は自分のそれを引っ込める。い、今のうちに――。
 両手でお互いの身体を突き放そうとした私を、○クは切なげな表情でちらりと見ていた。心臓が高鳴り、子供を泣かせてしまった様な肺と区間が私を襲う。
 だけどその次の瞬間、いたずら小僧よろしく笑った○クが私の舌を捕まえて撫で回し始めた。
「んんんんっ! ……んんんっ、んんっ」
 ああ、頭がボーっとしてきた。だめ、だめだよ、こんなの……でも、でも……。
「んっ!?」
「んんっ……ほらっ、○カねえのここから、きれいなお汁が出てきたよ、ふふっ」
 私のスリットの間に手を入れた○クは私の……恥ずかしい部分を下着の上からなぞり始めたのだ。
「くんっ! だ、めぇ……あんっ」
「くすっ、○カねえ、ベロシティとダイナミクスの値が小さいよ……もっと、大きな声でその歌声を聞かせてよ」
「くああああんっ! だっ、めええ!」 
 私の下着ごと私の穴へと細長い○クの指が入ってくる。しかも意思とは関係なく存分にぬれてしまった私のそこはまるで掃除機のように指を吸い込んでしまう。
「あったかいよ、○カねえのここ。下着がびしょびしょに濡れちゃうね」
「ぬい、てぇ……おねがいぃ」
 自分でするのとは比べ物にならないその感覚に頭がおかしくなってしまいそうになっても、○クは楽しそうに笑って更に奥へと指を進めていく。
「ひぁ、もう、はいら、ないぃ……」
「はぁはぁ……○カねえ、○クももう我慢できないよぉ……この○カねえのお○んこに、ずぼずぼ、いれたいの……」
「なっ、なにを……ひぃ!?」
 それを見たとき、私はついに幻覚を見ているのかと思った。だけど、それは目の前の○ク以上に異質な存在感を放っている。
「あはっ、これね、○クのマスター。私に新しい歌を教えてくれたの。この、甘くて高い声で奏でる合唱の仕方を」
 ○クはそう言って自らのスカートの股から出てきた黒いその触手の先っぽを、咥え込むようにキスをする。
「んっ、○カねえにも教えてあげる。ふふっ、そしたら○カねえももっと歌が上手になれるし……胸も大きくなるよ」
「や、やめ……こ、こないで……」
505名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 23:08:42 ID:XiX4Ke1s
この狭い個室の中では逃げ場なんてない。だから私ができるのは口での抵抗だけ。でも、○クはそんな私の言葉にも楽しそうに笑い掛けるだけ。
 そして私は再び○クに抱きすくめられてしまう。○クの頭の上から、先ほど○クがキスをした触手が顔を見せる。
「大丈夫怖がらないで……きっと、○カねえもマスターを気に入ってくれる。マスターも○カねえを気に入ってくれるから……だから」
 顔を上げた○クの表情は、本当に嬉々としていた。
「一緒に歌お」
「ぁ!? くぅぅぅぅんっ!」
 その顔に見とれていた私に何かが入り込んでくる。先ほど入ってきた○クの指とは比べ物にならないぐらいに大きくて……そして、あったかい。
「んんっ、○カねえ良い声。ジェンダーファクター小さめの可愛い声、私に持って聞かせて、○カねえ」
「んっ、ああんっ、っう、ふぁああんっ!」
 一突きされるごとに、私の頭の中は白いペンキに埋め尽くされていく。
 やだ、だめ、だめなのに……きもちいいのに、なんでだめなの? だめ? だめってなにが? だってこなにきもちいいのに。
 私は……私は誰だっけ? う、ううん、私は巡音○カ、そうだ。私は巡音○カ。目の前に居るのは私の大切な子、初音○ク。
 私たちは何のために生まれてきたんだっけ? ああ、そうか、私たちは歌うために生まれてきたんだ。だったら――
「んあああっ、いい、もっとぉ、もっとついてぇえええ!」
「くぅうっんっ、すごいぃ……○カねえのなか、ぐちゅぐちゅしてるよぉ……」
 ○クと私の合唱はCメロを終えて最後のサビに入ろうとしている。そう、もっともっと大きな声で歌わないと。
「ああああああんっ、だめぇえ、○クぅう、とめないでぇええええ!」
「んんんんっ、はぁっ、ますたー、もうぅ、だいじょうぶですぅ。○カねえにも、ますたー、はいってあげてくださいぃいい!」
「んぁああっ、きて! きてください、ますたー! わたしにも、うたをおしえてぇええ! もっと、もっとうたわせてぇえええ!」
 そして……私の願いは聞き入れられた。
「「んぁあああああああああああああああっ!」
 マスターの熱い触手が○クの身体からプチンと切れて、私の奥深くへと入ってくる。と、同時に火照った身体全体が更に熱くなる。
 前髪が段々とピンク色に変わり、私の胸の中で息を切らしている○クとの身長差が更に広がり、○クが寄りかかっている私の胸が大きく膨らんでいく。
「はぁはぁ……ほらっ、○カねえの胸が大きくなった」
「くぅぅ、ふはぁ……ふあっ……マスター、ありがとうございますぅ……」
「あぅぅ、私もぉ……」
 頬を膨らませて○クが可愛く怒りを振るう。私はそんな○クを強く抱きしめて、耳元で囁く。
「行こっか……私はもっと、歌いたい」
「うん。まだ……ステージは始まったばっかりだもんね……ふふっ」
 
 こうして今年も寄生ラッシュはピークを迎える。

506名無しさん@ピンキー:2009/12/28(月) 23:22:23 ID:XiX4Ke1s
以上です。とりあえず年内に上げれて一安心。

と、また規制が始まる前にちょっと返答にスペースを借ります。すいません。

>>485
あれから考えたところ、もう寄生でもTSでもならなくなりそうなので……複雑になる前に終りにしようかと思います。
せっかく探していただいたのに、本当に申し訳ありませんでした。

>>487
一応、ある程度の続きは書いたんですが……話が分かりづらいうえに複雑になり、エロ描写がまったくない状況なので、
現在書きなおすかどうかで迷っているところです。
期待に添えるかは分かりませんが、ありがたいお言葉をありがとうございました。


507名無しさん@ピンキー:2009/12/29(火) 00:07:49 ID:sAL15VWq
むちゃくちゃやりやがってw やっぱ素敵な奴だなあんた、さすがだぜ乙
508名無しさん@ピンキー:2009/12/29(火) 00:34:47 ID:ElGpomKB
おお、これで年が越せる・・・ありがたやありがたや・・・・
509名無しさん@ピンキー:2009/12/29(火) 06:44:16 ID:fPoRsAbU
Uターン分もお願いしますだ
510名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 19:39:15 ID:/xZhpx+1
>>505
gj
コスプレしてる女の子を、本物に変えるのか。

まさか、帰省ラッシュと同時に規制ラッシュまで起きるとは思わなかった。
511名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 16:22:23 ID:4lXI0H3v
2009年に寄生していた連中が2010年に寄生する準備が急ピッチで進んで…
512名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 18:07:28 ID:Zel4q2NS
>>511
ヤドカリみたい。
513名無しさん@ピンキー:2010/01/02(土) 11:29:49 ID:dCihKdyy
>>512
ちょっと和んだ
514名無しさん@ピンキー:2010/01/04(月) 00:00:40 ID:icazJix3
何に規制されたのかわかんないけど、クリスマスSS書いてたら年明けてた
515名無しさん@ピンキー:2010/01/04(月) 21:35:48 ID:dTRWe7kg
里帰りの途中の新幹線に乗った時からところどころの記憶がない。
なんかぬめぬめしたのがついてることもあるし・・・
ああ、新幹線でトイレ行ったときに誰かに声を・・・
516名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 03:15:17 ID:CQp8cLfY
夜行列車なら安心と思っていた時期もありました
517名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 20:25:28 ID:evyG3UdA
>>506
いつかどこかで続きを書いて欲しい
ひとまずお疲れ様でした
518名無しさん@ピンキー:2010/01/12(火) 20:35:24 ID:fRmGdxCT
月光蝶さんのログ保管サイト
もしかして見れなくなってね?
519名無しさん@ピンキー:2010/01/12(火) 23:58:23 ID:gTMINHEu
こっちは見れるよ
パソコンが何かに寄生されてるのではないか?
520名無しさん@ピンキー:2010/01/13(水) 00:15:58 ID:YyL60JgS
>>518
あるよ。保守は忙しいんでたまにだが・・・。
521月光蝶:2010/01/13(水) 00:16:46 ID:YyL60JgS
>>518
しまった!!・・久方にアゲてしまった・・・。
522名無しさん@ピンキー:2010/01/13(水) 20:03:33 ID:R7AvTeA4
浮上させることで新しい人をこのスレの虜にさせようとするとは、お主も悪よのぅ
523名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 00:37:57 ID:E35eip61
浮上させてこのスレを開いた人に寄生するとは……許セル!
524名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:42:37 ID:QRoeSo82
うぅ〜、寄生は大好きだけど規制はつらい……(´・ω・`)

さて、またスペースをお借りして作品を上げさせていただきます。相変らず、これが寄生ジャンルなのかが気になるところですが。
年末のほろ酔い気分でばばっと書いたものなので、誤字や“多少の”脈絡無視はご勘弁いただけると幸いです。
では、失礼します。
525名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:43:11 ID:QRoeSo82
「だぁ〜っ! なにやってるのよ! あの王国を落すのにいつまで時間を掛ける気なの!?」
「ひぃっ! す、すいません」
 女王の怒号に震え上がるのは気弱な隊長の兵士だ。果たしてそんな子に兵士がついてくることが毎回不思議で仕方ないこの頃。
 癇癪を起こした女王はたいそうな飾りのついた椅子に踏ん反り返って黒いショートヘアーをかき乱す。その上から見えるのは小さな猫耳二つ。
 その成熟していない彼女こそがこのブラックキャット(以下、BC)帝国の女王――レティ女王その人だ。
 彼女が率いるのは半猫、半人の猫人族だ。長い歴史はないが、レティの祖母は国民を思う善政で有名だった。
 しかしその祖母が急死すると、その娘は本性を現したかのように悪政を開始。間もなく他国との戦争を始めた。
 それまでの善政の事もあり、国としての力は持っていた帝国は周りの国を次々に陥没させていくが、近隣国に関わらず落ちない国が一つだけあった。
 犬人族のホワイトドック(以下、WD)王国、十年前程前まではBC帝国とかなり親交のあった国である。
 だが、それはもう十年以上も前の話だ。
 レティの祖母の急死後、BC帝国の前女王であるレティの母親が宣戦布告をすると、それに応戦するようにWD王国は同盟を破棄し、攻めて来るBK帝国の兵士に抵抗。
 WD王国はBC帝国の兵士を見事に撃退し続けたが、逆にBC帝国に攻め入るようなことはしなかった。
 それから7年ほどでBC帝国の前女王が亡くなり、その後を引き継いだのが唯一の跡取りのレティ女王だった。
 そうして火種となった前女王が亡くなったことによって終結するかに見えた戦争は、しかし終わることは無かった。
 レティ女王は前女王の生前からWD王国の非道なる仕打ちを教えられてきた。もちろん、大嘘のものだが。
 だが、小さなレティ女王はそれを間に受け現在まで成長し、彼女の中にとってはWD王国はもはや悪の根源と化していた。
 対するWD王国は現在まで何回も停戦、和解交渉を続けているが実る気配は微塵も無いのである。
 力の無いBC帝国はWD王国征服に的を絞って攻め続けるが、WD王国はそれを軽々といなし、やはり停戦を求める。
 そんな終わりなき戦争がもう10年も続いてしまった。
「あ、あの……」
「なに!?」
 ピリピリとした王の間に一人の兵士が現れ、女王の怒号に思わず目を瞑りながらも報告を開始した。
「ラ、ライザ様が女王様の謁見にお見えになられました!」
「ライザがねぇ……まぁ、いいわ。通してちょうだい」
「は、はっ!」
 兵士が一礼の後、王の間から出て行くと同時に女王は頭を垂れたままの隊長にも下がるように命じた。
 その隊長と入れ替わりにゆらりと現れた一人の女性。闇のように真っ黒なローブに身を包み、顔も同じく漆黒のフードに隠されている。
 それでも彼女が女性と分かるのは、ローブの真ん中の少し上に二つの大きな膨らみが存在していたからである。
「まったく、たまには入ってくる前にそのフードを下ろしてくるぐらいの礼儀を見せたらどうなの?」
「これは申し訳ありません」
 反省しているとは到底思えないような声と、人を小ばかにするようなせせら笑う声がフードの下から聞こえ、レティはわずかに顔をしかめた。
 それを察したのかどうかは分からないが、間もなくフードを取り去り女性はその長く伸びたピンク色の眩しい髪をなびかせながら一礼をした。
 最初の5年は終始フードを降ろさずにいた。それに比べれば、ライザの今の無礼はまだ大分可愛いほうなのだ。
526名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:43:38 ID:QRoeSo82
「ご機嫌麗しく、レティ女王様」
「あなたも相変らず元気そうね、ライザ」
 お互いをあまり親しみの込められていない挨拶が行き交う。
 と言うのも、ライザはそうではなかったが、レティのほうはライザのことが好きではなかった。
 BC帝国の未開拓の森林に住んでいる妖しげな魔術師、という肩書きが町に出回ったのはもう十何年も前のことだ。
 間違えて足を踏み入れたら最後、戻ってきたものは一人としていないというその魔術師は、時折こうしてBC帝国に謁見に来ていた。
 以前、その面妖な噂を真に受けたレティはライザを召集しようとしたが、ライザがそれを受けることは無かった。
 しかしライザは来るたびに舌が蕩けるような美味しい手土産やきれいな宝石などを持参してくるため、レティはライザが来るたびにこうして謁見をしていた。
「本日はお日柄もよく」
「能書きはいいの。んで、今日は何の用なの?」
 あらかじめその反応を読んでいたかのようにライザはピタリと口を動かすのを止めた。その表情からは終始微笑みが絶えない。
 対するレティの表情には更に不機嫌そうに新しい皺が刻まれるが、そんなことはまったく気にしていないような口調でライザは口を開いた。
「実は……此度の戦争、私が終わらせて差し上げましょうか、思いましてお伺いいたしました」
「……はっ?」
 思いがけない言葉にレティは滅多に出さないほうけた声を上げ、半開きの口を開けっぱなしという貴婦人らしからぬ表情をした。
 しかしそれらはすぐに引っ込み、身を乗り出して小さな星のように目を輝かせた。
「そこまで嬉しそうなお顔をしていただけると光栄の極みです」
「でも、本当にそんなことができるの? ……まさか、嘘だなんて言うんじゃないでしょうね?」
「この状況では嘘、と言っても命はなさそうですがね。まぁ、お任せ下さい」
 レティが訝しむのも無理はないというものだ。
 なにせ目の前に立っている女性は、魔術師と言う噂が先走りしているただの少女、という肩書きのほうがよほど似合っているからだ。
 何百年にも及ぶ研究と致死性の実験によって魔術はやっと成就する、というのがこの世の魔術における勉学の基本らしい。
 しかし目の前の少女の流れるようなピンクの長い髪、そして貴族より綺麗で幼げある顔とローブでも隠せないその恵まれた肉体。
 そのどれをとっても噂される魔術師のイメージとはかけ離れているのだ。
「それで、何が必要なの? 一師団? それとも大量の資源かしら?」
「いえ……そうですね。使節としての書状がもらえると助かるのですが」
 またも予期せぬ返答にレティは驚かされる。何万の兵を導入しても終わらないこの戦争を、一体どうやってライザは終わらせるつもりなのか、と。
 しかし聞いたところで眉一つ動かさない反応を返してくる、と言うことをレティは分かっていたのでその代わりにこう言うのだった。
「分かったわ。それで、書状の内容は?」
「とりあえず、油断させるために……親善、とでもしといてください」
 そんな返事を聞く頃には、もう何をするつもりかと考えをめぐらすことさえレテイには面倒なこととなってしまっていたのだ。

527名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:44:21 ID:QRoeSo82
「では、ここでお待ち下さい」
 それから3日後、ライザはすんなりとWD王国の謁見の間へと足を踏み入れていた。
 しかしその格好は相変らずで、端から見たら胡散臭い占い師かそこらに見えてしまいそうなものである。
 それでも中に入れたのはやはりBC帝国からの書状、それ親善という名目のそれがあったからこそだった。
「ねぇ……あれが本当に親善の使者なの?」
「警戒しておきましょ。お姫様に何か変な術でも掛けるのかもしれないわ」
 進められた飾り付けの椅子には座らず、立ったまま微動だにしないライザを厳しい目つきで背後から見つめるのは二人の衛兵。
 しかし数年前にライザが初めてBC帝国を訪れたときには、兵士10数人に囲まれながらの謁見だった。それに比べたらかなり丁重な扱いである。
 フードの下で表情を変えずに苦笑しながら、ライザはのんびりとWD王国の姫を待っていた。
 そして、顔を向けずとも後ろの二人が姿勢を正したのを察知し、ライザはその人が近づいてくる足音を耳にした。
「お待たせしてすまない」
 対して現れたWD王国の姫の格好もまた姫と呼ぶには変わった出で立ちであった。
 銀色の鉄にわずかに可愛げを追加したような蒼い装飾が施された鎧を見ると、どちらかといえば姫というより将軍という肩書きのほうが似合っていそうな気がする。
 しかしその防御より俊敏さを重視しているのであろうその鎧は、衛兵が着ているものよりは大分露出が多く、逆にそれがいやらしくもあった。
「なるほど。確かに使いとしては面白い格好をしているな」
「これは失礼をいたしまして」
 王女は毅然とした動きで一際装飾のされている椅子に音もなく座ろうとしたが、フードを取り去ったライザの格好にわずかに姫は驚いた。
「ほぅ、もっとがさつな者かと思っていたのだが」
「ご期待に添えず申し訳ありません。ホワイト・ベル王女様」
 恭しく頭を下げるライザに対し、ベルも降ろしかけていた腰をもう一度上げて一礼をした。とても、一使者に対して国の王女が行うに相応しくない行動だ。
「それで使者殿、貴殿の名前を伺ってもよろしいかな?」
「名乗るほどのものでもございませんが、ライザとレティ女王には呼ばれております」
 レティ、という名前がライザの口から出るとベルは少しだけ感慨深げな表情をして目を細めた。
「そうか……して、BC帝国からの書状を見せてもらってもよろしいかな?」
 ベルの言葉に反応して衛兵の一人がライザに近寄ろうとしたが、言葉なくベルが手でそれを制した。
「しかし」
「構わない。さぁ、ライザ殿。渡してもらえますか?」
 ライザはコクリと頷き、まるで影が歩くような動きでゆっくりとベルに近づき、そしてローブ下から黒い筒を取り出した。
 衛兵は持っている槍に両手を掛け、ライザがベルになにかしようものならばすぐにその尖った先端をライザのローブに突き刺そうと狙いをつけている。
「どうぞ、ベル王女」
「ありがとう」
 しかしライザはあっさりとベルに書状を渡すと、中身を見ないように数歩ほど下がって目を閉じる。おかしなことをする気配は微塵も感じられない。
528名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:45:13 ID:QRoeSo82
「……まだ、戦争は続けるのか。残念だが、こうして友好への一歩を踏み出してくれたこと、私は嬉しく思う」
 ベルの表情は少しだけ残念そうではあったが、大事そうに書状を何度も読み返してはわずかに笑顔を見せた。
「ご苦労だった。すぐに返事の書状を返そうと思うが……どうだろうか、よければ今晩こちらに泊まっては行かないか?」
 王女の意外な言葉に驚いたのは衛兵だった。
「ひ、姫様!? そ、そのような輩をこの城に泊めようと言うのですか?!」
「ニース、口を慎め」
 衛兵の過ぎた言動に、それまで穏やかだったベルの表情は冷たい怒りを孕んだそれに変わり、ニースと呼ばれた衛兵の槍を持つ手が大きく震えた。
「……すまない、失礼なことを」
「いえいえ、気になどしていませんよ。それに王女の身を一心に考えてくれるとは、立派な衛兵ではないですか」
「ふふっ、だそうだ、ニース。すまない、怒ってしまって」
 そう言って微笑む王女に衛兵は涙を目に貯めながら顔を下に向けて頭を下げる。そんな光景を見てライザは思う。
 同じくらいの年齢で、同じような地位に立つ二人でもこうも違うのか、と。

 豪華な晩餐を終え、ライザは案内された来賓室で分厚い本を片手にくつろいでいた。
 静かなその部屋にトントン、とドアを叩く音が響き、ライザは持っていた本をローブの中にしまってゆっくりとドアに近づいてそれを開ける。
 すると赤い絨毯がひかれた廊下に昼間の衛兵、ニースが槍を持たずにぽつんと立っていた。
「あ、あの……夜遅くに申し訳ありません」
「いえ、どうかされましたか?」
 フードの中から覗く微笑みにニースは思わず口ごもってしまうが、それを見たニースは黙って一歩身を引いて中に入るように促した。
「す、すいません」
「くすっ、気にしないで下さい。ちょうど退屈していたところですから」
 ライザは窓際に置いてあった椅子をベットの近くに持ってくると、その椅子を掌で示して自分はベットに腰掛けた。
 ニースが向かいに座ると、ライザはフードを取り去りその長い髪を軽く左右に振ってから口を開いた。
「ニースさんは何歳なんですか?」
「あ、こ、今年で19歳になります」
「へぇ、若いのにお城の衛兵なんてすごい出世ですね」
 小麦色の頭から覗く小さな二つの耳と同じくらいにつぶらな両目は、勇ましいという印象より可愛さあふれるものを感じさせる。
「そんな……戦場に出ても私は怯えて後ろで震えるばかりで、それを見かねた姫様が推薦してくれたお陰です」
「なるほど。じゃあベル王女を尊敬してるわけですね?」
 ライザの言葉に頬を染めるという分かりやすい反応をニースは返し、ライザはそれを見て珍しく表情を変えて笑った。
「だからあの時も、あんなに必死でベル王女のことを心配してたんですか」
「あ、そ、その、本当に申し訳ありませんでした!」
 ニースは椅子から立ち上がると勢いよく腰を折って頭を下げた。まるで釘を打つカナヅチの様なスピードだ。
「いえいえ、本当に気にしないで下さい。逆に感心したぐらいですから、気にしないで下さい」
 ベットから立ってニースの頭を優しく上げさせると、ライザはその天使のような微笑みをニースに向けた。
 ニースは先ほどの自分が謝り易い様にする話の流れと、この暖かなライザの心遣いに心から感謝していた。
 対するライザもニースに心から感謝し、彼女を優しく抱きしめた。

529名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:45:44 ID:QRoeSo82
「夜分遅くに失礼、私だ」
 星空が一番きれいに見える時間帯に、ライザの来賓室にはまたしても来客があった。
「これはこれは、ベル王女。どうかなされましたか?」
「いえ、少し貴殿と話がしたくてな。お時間、よろしいかな?」
「もちろんです。まだ寝るには早く、退屈していたところですから」
 フードの下からライザは微笑み、ドアから一歩身を引いて部屋の中へとベルを招き入れた。
 ベルの格好は昼間の出で立ちとは違い、白いドレスのようないかにも王女の気品のある衣装を身に着けていた。
「そう言ってもらえると助かる」
「いえいえ。そういえばお付の方はいらっしゃらないのですか?」
 ベットの前に置いてあった椅子を勧めながらライザはベルに問いかけた。対してベルは苦笑いをしながら返す。
「実は忍んできたのだ。任務に忠実なのは嬉しいのだが、さすがに私も気ままに行動したいときがあるのでね」
「なるほど。そこまでしてお伺いしていただけるとは、光栄の極みでございます」
 フードを取り去ってピンクの長い髪を左右に振って整えてから、ライザは口を開いた。
「そういえば、ベル王女はレティ女王と年齢がお近いように見えますが」
「ああ、その通りだ。私もレティ……おっと、失礼」
「あっ、御気になさらずどうぞ」
「すまない。私もレティも同い年だ。……小さい頃はお互いによく遊んだものでね」
 昔を思い出すベルは目を細めて小さい頃のレティの姿を懐かしんでいた。
 それから白い髪の上から生えた小さな耳の根元を掻きながら、視線を下に逸らして言葉を詰まらせた。
「元気に過ごされていますよ、レティ女王も」
 ライザの察しのよさに顔を上げたベルは、まるで子供の成長を喜ぶような母親のように満面の笑みで笑う。
「そうか……そうか」
「最後にお会いしたのは」
「10年前だ。戦争が始まる直後に会ったあの小さな姿のレティが、私が最後に見たレティの姿だ」
 最後にあった年数を即答できるところをみれば、ベルがどれだけレティとの思い出を大切にしているのかが誰にでもよく分かる。
「やはり、お会いしたいですか?」
「……うん、会いたい。私のことなんて、レティにとっては憎むべき敵なのかもしれないけど、私にとってはかけがいのない友達だから」
 ふと垣間見せたその表情は一国の逞しい王女のそれではなく、年頃の友達思いの少女のそれだった。
 レティとベルは生い立ちが似ていることもあり、そして今では二人とも親を早くに亡くした者同士でもあったからだ。
「そうですか……実はいい方法があるのですが」
「っ! 本当に!?」
 掴みかかろうとするような勢いで身を乗り出してきたベルにも、やはりライザの表情は変わらない。
「簡単なことです。戦争を終わらせればいいんです」
 帰ってきたなんとも期待はずれの答えにベルは数秒硬直した後、やがて小さく笑いながら椅子に戻った。
「ははっ、確かに。それができればいいのだが、知ってのとおりだ。私も私の感情だけで国を滅亡させる気はないからね」
 つまりベルはライザが自分に降伏するようにけしかけているのだと気付き、そしてその気がない事をしっかりと告げた。
 しかしライザは逆に身を乗り出してこう追い討ちを掛ける。
530名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:47:04 ID:QRoeSo82
「他人なんて関係ありますか? あなたはレティ様に会いたい。それで充分じゃないですか」
「残念だが、その口車には乗らない。私は母から受け継いだこの国を守る義務がある。……そのためならレティだって……」
 決意に満ちた目はその先の言葉を口で示すより明確に現していた。だが、その奥にある迷いがまだ消えきっていないのもまた事実であった。
「……くすっ、素直じゃありませんね。でも……」
 ベルの周りをゆっくりと歩き、その背後に回った瞬間、その言葉は放たれた。
「あなたの部下は素直でしたけどね」
「なっ!?」
 言葉に驚くと同時にベルの身体はライザに抱きしめられ、慌ててもがくがライザの身体は離れない。
「くっ、はっなせ!」
「いやですよ、くすくすっ。さぁって、ニース。手伝って」
 そのライザの掛け声と共にクローゼットがカタカタと音を立て、そして木目のドアがゆっくりと開かれた。
「ニ、ニース! な、なんて格好を!」
 そこに現れたのは一糸纏わぬニースの裸体。右手は胸に、左手は陰部に当てられているが、程よく育ったその身体を隠しきれてはいない。
「ふあぅぅ、ひ、ひめさまぁぁ……」
「きっ、貴様! 私の部下に非道な真似を!」
 怒気を放ち、怒号を上げて怒りに震えるベルに、ライザはまるで一体何に怒っているのかが分かっていないような顔を覗かせた。
「ベル王女、落ち着いてください。私はニースを素直にしてあげただけですよ?」
「何をいって……ニ、ニー、ス?」
「ひめさまぁ……身体が、熱くて、たまらないの……ひめさま、ひめさまぁぁ……」
 クローゼットから出てきたニースがベルの前に立った時、ベルはニースの両手が身体を隠すためではなくその火照りの煽るためのものだとやっと気付いた。
「ニース、な、何をしているんだ?」
「王女、ニースは自分の身体の快感を素直に愉しんでいるだけですよ?」
「ば、馬鹿を言え! ニースはそんなことをするようなやつでは」
「あんっ、きもちいぃのぉ……ゆびでちくびをさわったり、おま○こをいじったりすると、んんっ、きもちいいのぉ……」
 自分の部下がライザに強制されているのだとベルは考えていたが、しかしニースの火照った顔、嬌声を上げるたびに跳ねる耳と尻尾を見てその考えが揺らぐ。
 そして右手でいじっている彼女の穴の上には立派なものがいきり立っており、その先っぽは赤く丸まると膨らんでいる。
「さて、ベル王女。今度はあなたが素直になるためのお手伝いをして差し上げましょう」
「くっ、誰が貴様などにそんなことをさせるか!」
「ひめさまぁ、だいじょうぶですよぉ……すぐに、きもちよくなれますからぁ……」
 信頼を寄せていた部下の変わり果てた姿にベルは心が折れそうになるが、首を振って弱気を飛ばすと言葉を投げる。
「ニース、あなたは操られてるの! 正気に戻って!」
「無駄ですよ。操ってるわけじゃないんですから。ニースは正直者になっただけですよ。んっ……さぁって、ニース足を持って」
531名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:48:09 ID:QRoeSo82
「あっ、はぁい。らいざさまぁ」
 主の危機なのに従者はその元凶である人物の言葉に従順に反応し、ベルの両足を抱きかかえるように持ち上げた。
「きゃっ、離してニース!」
「ベットにお連れするだけですよぉ、ひめさまぁ、そんなにはしゃがないで下さい、ふふっ」
 なすすべなくベッドに下ろされたベルの上にニースが跨り、いやがるベルの服を脱がせようとする。
「やめろ! ニース、やめるんだ!」
「あぅぅ……しかたないです。んっ……くふぅ、はぅぅ……」
 突然顔をしかめて前かがみになったニースを不安に思いながらも、自分から意識が離れていることを好機と思ったベルは彼女のことを払いどけようと力を込めた。
 ニースが身体をえびぞらせたのはその時だった。
「ふああああんっ! ……くふぅぅ……はぁはぁ」
 突然の出来事にベルの全身からは力が抜け、逆にそれをチャンスと見たニースは不敵に笑うとベルの足を拘束した。
 しかしそれは自らの両手ではなく、背中から生えた新たな足で、だ。
「なっ、ひぃっ! な、なんだこれは!」
 ベルの腕に絡みつくそれは艶やかな紫色の光を放ち、ヌメヌメとした液体が絶えず分泌されていた。
「くすっ、王女があまりに強情なのでニースが怒ってしまったようですね」
 いつの間にか裸になったライザの背中にもニースと同じように八本の足が生え、その姿はまるで―ー。
「く、くも……」
「あらっ、やはりお気づきになられましたか。いかにも、私は蜘蛛人族の端くれの者です」
「し、しかし蜘蛛人族は代々紫色か黒色の髪をしているはず」
 ベルは城の書庫で見たことのある本の知識をとっさに思い出しながら口にすると、ライザは感心したように目をわずかに大きく開く。
「その通りです。この身体は森を訪れた者の身体。……ふふっ、このようなきれいな容姿をしていたので奪ってしまった次第でございます」
 そう言ってニヤリと笑うライザの表情に、これが本来の彼女の姿なのか、ということにベルはそのときやっと気付いた。
「そして私は長年研究し続けたのです。私のみたいな一介の女が他の種族を支配するその方法を」
「支配、だと?」
「大変でした。森に時折訪れる者を捕まえてはその身体を奪い実験し、そして私はこの少女の身体を奪ったとき、ようやくそれを完成させた……」
 そうして浮かべた笑顔に偽りはなく、本当にその長年の苦労を思い出してのことだった。
「この少女の身体には大きな魔力が備わっていたようで、それが私の術の最後の材料となってくれました。今まで何十年と悩んできた最後のピースをわずか5年で埋められたんです」
「っ、人の身体を奪っておきながらよくそのような笑顔を浮かべられるものだな!」
「くすっ、それはそうです。これでBC帝国とWD王国の長年の戦争を終わらせられると思えば笑顔もこぼれるというものでしょう」
 まるで自分のチェス盤の上で最高の一手が思いついたかのようなその笑顔に、ベルの怒りのボルテージは湧き上がる温泉のようにうなぎのぼりに上がっていく。
「ふざけたことを……貴様は国を、民をなんだと思っている。貴様のゲームの駒ではな」
「王女こそ、この戦争をいったいいつまでお続けになるおつもりですか? 守るだけで攻めないのならば、この戦争は終わることはないですよ」
「そんなことはない! レティは……レティは、いつか分かってくれる! もう一度手を取り合って」
「あなたのそんな理想論のために、国民をずっと戦わせ続けるのですか?」
532名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:49:53 ID:QRoeSo82
 これまでにない真剣な表情をしたライザにベルは心底驚く。端から見る限りその顔に嘘の匂いは感じない。
「……このままではあなたの政策に不満を持つ輩がいつか必ず現れ、あなたは失脚します」
 そう言ってから見せる微笑みには、まるで母親が子供に優しく教えを説くような温かさがあった。
「大丈夫、あなたは素直になれないだけ。……私が、あなたをもっと素直にしてあげます」
「そうです、ひめさま……もうこんな戦争、おわりにしましょう……」
 戦争は国を疲労させる。しかし、レティならいつかは自分の言葉に耳を貸してくれる。
 そう信じていたベルの心に二人の言葉は深く突き刺さった。
「くっ、くるな……くるなぁぁぁ……」
 ライザの足がゆっくりと顔に近づいてくるが、手を固定されてニースにのしかかられているベルにはどうしようもできない。
 顔をそむけて見たところでそれはすぐに目の前に現れ、そしてついにライザが最後の宣告を口にした。
「私が、あなたを変えてあげます」
「いっ、いやぁああああ! んんんっ!」
 ベルの悲鳴をさえぎったのは彼女の口に飛び込んできたライザの背中から生えた細い足だ。
 それはベルの口だけではなく鼻、耳の両穴からも侵入してまるで決壊を起こした川のようにドンドンと奥へと突き進んでいく。
「ぐぅ、えぐぅ……かっ……」
 宝石のような眼球が飛び出してしまいそうなほどにベルの二つの両目は大きく見開かれるが、それを見下ろすライザとニースの顔は嬉々としている。
「くすっ、そんな顔しなくても大丈夫ですよ。ちょっと苦しいかもしれませんが、すぐにそれが別の良いものに変わりますから」
 両耳をふさがれていなくともパニック状態のベルがライザののんきな声など理解できるはずもなく、やがて両目から涙が溢れ出てきた。
「ああっ、ライザさまぁ、ひめさまがないていますぅ……」
「仕方ないですね。じゃあニース、ちょっと気持ちよくさせてあげてください」
「あはっ、りょうかいです〜」
 ぼんやりとニースの顔が視界から消えたことを察知しながらも両腕はピクリとも動かず、ベルはただひたすら顔の内側でうごめく不快な感触の恐怖に怯えるばかりだ。
 そんな彼女に突如別の感触が与えられ、動かなかったはずの身体が勝手に跳ねた。
「んんんっ! んんぅぅう!
「やっぱりきもちいいですかぁ? ふふっ、うれしいです〜」
 ベルの白いスカートに隠れている女の穴のふちを覚えのある感触のものがなぞるように動き、その快感に身体が反応したのだ。
「いいですよ、その調子でもっと王女を喜ばせてあげてください、ニース。……そちらの穴はあなたにお任せしましょう、ふふっ」
「ありがとうございます……はぁっ、うれしいぃ……ひめさまのぉ、おま○こにわたしがうみつけさせていただけるなんて」
 ニースは先ほどまでベルの両腕を掴んでいた足で絶え間なくベルの秘所をなぞり続け、対するベルの頭も段々とその快感に苦しみさえもがぼやけ始める。
「くふぅぅ……ふぅぅぅ、んっ!」
「ふあぁっ、らいざさまぁ、ひめさまのおま○こぐちゅぐちゅってないてますぅ」
「ニースも気持ちよさそうですね……では、そろそろ終わりにしましょう……私も早く王女にしてあげたくて、んんっ、疼いてきちゃいます」
 小刻みに身震いをしたライザはニースと共に火照った顔でベルに笑いかけ、ベル自身はまるでそれをどこか遠くの景色でも見ているかのようにぼんやりと認識していた。
 しかしそのニース自身の身体は、ニースのそれと同じように興奮が感情以上に身体を素直にさせて女陰の上には立派なモノが天に向かって伸びていた。
 ニースはそれを片手で掴み、そして動かしていた足をピタリと止めてベルの入り口へと宛がうと、ゆっくりとベルの中へともぐりこみ始めた。
「ぎゅぅうう! んんんんんんぐううぐう!」
533名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:51:32 ID:QRoeSo82
 飛び上がるほどに大きく跳ねたのは、ベルの純潔が奪われたからであり、ライザの侵入を拒むことが出来ずにへたっていた両耳もピンと張り詰めてその衝撃に耐える。
 しかし彼女に痛みが襲うことはなかった。
「ほらっ、ベル王女……少しずつ、変わってきましたか? ふふっ、今あなたの頭の中に私の液体を染込ませているんですよ……」
 衝撃に気を取られていたベルはそのせいだと思っていた頭の違和感の正体が、ライザによって与えら得たものだと気付くが、恐怖や痛みは感じない。
「くぅぅぅっっ……ぎっちぎちに……しめてくるぅぅぅ……ひめさまぁ、わたしのあしがぁ……ちぎれちゃいそうぅぅ……きゅんっ」
「くすくすっ、ほらっニース、動いてあげないと王女も気持ちよくなれませんよ?」
「あっ、ご、ごめんなさぃ……じゃ、じゃあ、うごきますよぉ……ひめさまぁ、くぅぅっ!」
「ぎゅうぅぅっっ、がっぐぅうぅ……」
 ベル自身は頭が蕩けるような感覚に浸っており、声をあげてしまうのは襲い掛かる快感に身体が勝手に反応しているためだった。
 もちろん、彼女がニースの足をもぎ取らんばかりに秘所に力を入れているのも、そびえたったモノの先から垂れる先走りの液体もそのためであった。
「ふぅぅっ……やっぱり、この感覚……やめられないわぁ……私の頭がおかしくなってきちゃいそう……んんっ」
 絶え間なく頭に流し込まれる液体を否応なしにベルの脳は吸い込み、そしてその思考を弄られていく。
(私はWD王国の王女……民のために国を守らなくては……レティは私の大事な友達……いつか、わかってくれる……)
 そんな中でベルが考えられるのは自分がなんであったのかを思い出すのがやっとであったが、段々とそれは変わり始めていた。
(私は王女……みんなが好き……でも、レティはもっと大好き……今すぐ会いたい……)
 ゆがみ始めた記憶はベルの最後の砦であった国とレティとの思い出までおも侵食し、そして素直な彼女の思いは更に加速する。
(私はベル……王女様……レティのことが……会って、それで……)
 眼光鋭かったベルの目が幼い少女の無垢な瞳に変わり、何かが自分の中で変わっていく恐怖は自分の中を満たす快楽となった。
 やがてベルの顔の穴からするりとライザの足が抜け出ると、ベルは既に思考の変化を終えていた。あとに残るは最後の仕上げ。
 身体の変化を残すのみであった。
「んぐぅうぅ……きもちいぃぃい! もっとぉおお、してぇええ!」
「くぅうぅつ! ひめさまあぁぁ……ひめさまぁああああああ!」
 ベットの荒々しい交わりを椅子に腰掛けたライザは満足そうな微笑みで見守る。
 お互いを抱きしめ、唇を貪り、尻尾を絡めて少しでも一つになろうと身体を重ねる姿はまさに欲望に素直になった姿そのものだった。
「かふっううう、もぅうぅ、でましゅぅううう! ひめしゃまにぃいだしましゅうううう!」
 あまりの快感にろれつの回っていないニースだったが、ベルの中に入れた足を素早く動かしながらしっかりとベルのモノを両手でしごいていた。
「きゃはんっ! もうだめぇえええ! きちゃうううう! しろいのでちゃうううううううう!」
 対するベルの限界ももう近いようで、丸く開いた口から舌を出したまま白い息を上げていた。
 そして、ベルは身体の変化を受け入れる。
「くあああああああああんっ! れるうううううううううううううう!」
 先に達したニースがベルの身体の中に子供を孕むためのそれとは別の種を放つと、熱いそれが中に流れ込んでくる快感がベルの最後の一押しをした。
「きゃああああんっ! くぁああああああああああああんっ!」
 白い飛沫がニースの身体を汚し、そして二人はそれを挟み込むようにして力なく倒れこむ。
 その様子を見守っていたライザはゆっくりと立ち上がると、ニースの身体の脇についていた白い液体をすくい、口に運び入れてからベルの耳元で囁く。
「さぁ、ベル王女……もうすぐ、レティ女王に会えますよ……ふふふっ」
 その言葉に息を切らすベルの顔が嬉しそうに笑った。

534名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:52:53 ID:QRoeSo82
 それから2週間後のほど経ち、ライザは再びBC帝国に戻ってきた。
 その傍らにWD王国の王女、白いドレスに身を包んだベル王女を従えて。
 レティはそれを聞くとライザ達を王座の間ではなく、自らの自室に来るようにと命令をし、ライザ達はもちろんそれに従った。
 城を基調とした扉の前まで5人の衛兵がついてきていたが、ライザ達がそこまで辿り着くのを確認すると、ドアをノックして二人の前から何も言わず立ち去った。
「入りなさい」
 ドアの向こうからそんな声が聞こえ、ライザがゆっくりとドアを開けると赤を基調とした部屋の真ん中で、椅子に座りながらレティが一人でティーカップを傾けていた。
 ベルと共に部屋に入ったライザは後ろ手にドアを静かに閉め、こちらに見向きもせずにティータイムを楽しみつづけるレティを見ていた。
「……ふふっ、くくっ……」
 静かな時間が流れていた部屋にもれるような笑い声が響き渡る。見れば、レティはティーカップを揺らしながら口元に笑みを浮かべている。
「ふふふっ、あはははははははははっ!」
 やがてそのティーカップを机の上に置いたレティはお腹を抱えながら人目をはばからずに大笑いを始める。上品さを目立たせるドレスを着た彼女のその行動はとても滑稽であった。
「くくくくくっ……ベルぅ、どう? 私の勝ちよ? 悔しい? 悔しいわよね?! あはははははっ!」
 席を立ったレティは笑いながらベルの前に立つと、無表情で自分を見ているベルの周りを回りながら言葉を続ける。
「捕まえた私の兵士を自分の兵士の慰めものにしたり、私の国を訪れようとする商人を捕まえて強姦したり……くくくっ、最悪ね」
 それは小さい頃にレティがWD王国の行いとして小さい頃に教えられた非道の数々だった。
 しかし、それはもちろん嘘である。
 ベルは捕まえた兵士をそのままBC帝国に帰るように釈放し、BC帝国に向かう商人には戦いに巻き込まれる危険のない道を教えていた。
 だが、塀の中で何不自由なく育ってしまったレティがその真実を知っているはずがなかった。
「……勝った。勝った、勝った、勝った、勝った! 母さんが心のそこから憎んでいたWD王国をついに滅ぼすことが出来た! はぁ……うれしい」
 レティは両手を組んで天国に居るはずの母親に祈りをささげ、不適な微笑みを浮かべながらベルの前で口を開く。
「さぁて、悪い人にはお仕置きしなきゃねぇ……八つ裂きにして、手足をもぎ取って、脳みそをかき混ぜて……あぁ、それぐらいでも足りないわ」
 なんともわざとらしい悩む素振りでレティはベルの前を右往左往し、やがて何かを思いついたかのように顔を上げてベルの目の前に再び近づく。
「でもぉ、どぉぉぉぉぉぉぉぉしてもベルが死にたくない、って言うなら……ふふっ」
 なんとも楽しそうにレティは笑うとベルは履いていた赤い靴を脱いで、赤いドレスの先から覗く黒いタイツに包まれてたその足先を空中に浮かせながら言った。
「この足先にキスをしたら……ゆるして、あ・げ・る」
 この上ない屈辱を与えるような命令を口にしたレティを、相変らずの無表情でベルは見つめる。
 が、やがてゆっくりと膝を折ると文字通り犬のように両手両足を床につけて、その足先にゆっくりと唇を近づける。
 その様子を見下すレティの表情はニヤリという笑いを口に浮かべながらも、どこか緊張した様子であった。
 そしてタイツの感触の上から生暖かい唇がゆっくりと重なってきた。
「はぁっ……んっ、くくくくくくくっ。ここから見る眺めは最高よ、ベル。あなたの気分はどうかしら?」
 わずかに一瞬、火照った笑顔を見せたレティはすぐにそれを引っ込めると、喉を転がすような声でベルを嘲笑った。
 数秒待ってベルの返事が帰ってこないことを、言葉も出せないほどの屈辱を味わっているのだと考えたレティは笑いながら口を開いた。
「ふふっ、悔しくて言葉にもならないの? ねぇ、なんとか言って……ちょ、ちょっと……私は足を舐めろなんて言ってないわよ!」
 思いも寄らないベルの行動にレティは驚き後ろに下がろうとしたが、その足をベルはしっかりと掴んで更に足を舐め続ける。
「はっ、はははははっ! 狂っちゃったの、ベル? まるでそれじゃあ本当に犬みたいよ?」
535名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:53:56 ID:QRoeSo82
「んはっ……わたしは……んっ、れてぃのいぬでも、かまわないよ……れてぃ……んっ」
「え、えっ!? べ、ベル? きゃっ!」
 あまりのことにレティが尻餅をついた時、やっと彼女はベルの様子がおかしいことに気付いた。
 ティアラを載せた頭の横に付いている耳はペタリと垂れ、白かったはずの両頬はリンゴにように赤く火照り、そして表情は悦びに満ちたその表情は……発情している、と表現するにぴったりのものだった。
「んっ、んんっ、れひぃのあひぃ……はぅぅ、すっごく、おいひぃよぉ……」
「や、やめろ! やめて! ふあっ! ラ、ライザ、この子を引き剥がしてちょうだい!」
 自分の足にすがりつくようにしてそのつま先をしゃぶり続けるベルから逃れようと、壁際でフードも取らずに俯き立ち続けるライザに助けを求めた。
 しかし、フードを捲り上げて相変らずの微笑みを浮かべていたライザの口から紡がれた言葉はその期待にこたえるものではなかった。
「申し訳ありませんが、それはできません」
「なっ?! わ、私の命令が聞けないの!? ひぁっ! 登って、こないで!」
 ベタベタに濡れた足だけでは物足りなかったのか、ベルはゆっくりとレティの身体に覆いかぶさるように身体を動かし、対するレティはそれから少し逃れようともがいている。
 その様子にライザの微笑みは笑顔へと昇華し、そしてこう言うのだった。
「ふふっ。流石の私でも、惹かれあう二人を引き裂くなどそんな無粋な真似はしたくはありませんので。よっ」
「きゃっ! は、離しなさいよ! え、衛兵! だ、誰か、くせ、んんっ!」   
 ライザがじたばたと暴れるレティの両手を掴みあげると、ベルは嬉しそうな表情でレティの目の前に到達すると桜の花びらのようなピンク色の唇を奪い取った。
「衛兵の方はご自分で引き払ってしまったではないですか。それに……皆様おそらく、レティ様と同じようにお楽しみ中だと思いますよ?」
 そう言ったライザの視線がカーテンの閉められた窓の方へ向くが、そんなことを気にしていられるほどレティの冷静さは残ってはいない。
 レティの上に重なったベルは獣のように唇を貪り、しかしレティのドレスの上から二つの膨らみを揉み解すその手さばきには力強さだけでなく優しさが感じられる。
「んっ、はぅっぅ、れてぃぃ……きもちいぃでしょぅ?」
「はぁはぁ、だ、誰が! は、早く、どきな、さい!」
「あぅぅ、もっとすなおになってぇ、れぇてぃいぃ」
 少しだけ機嫌を損ねたのか、ベルは頬を膨らませてレティの乳首の先を軽く引っ張った。しかしレティにはそんな痛みを感じる以上に、ベルのその表情を見てあることを一人心の中で喜んでいた。
 それは目の前にいるベルが大きく成長していても、その仕草には最後に会った小さい頃の面影が残っていたからだった。
「ふふっ、じゃあ私が手伝ってあげましょうかね……ベルはレティの大事なところを綺麗にして上げて下さい」
「はぅうぅ! りょうかいですぅ、らいざさまぁ!」
 しかしライザの言葉に従順なベルの姿を見ていると、ライザに対しての怒りがレティの中にふつふつと湧き上がっていき、思わず歯を食いしばる。
「ふふっ、そんなに怖い顔をしなくても大丈夫ですよ。痛いことはしませんから」
 そしてそんな風に涼しげな微笑みを浮かべ続けるライザの顔を見たとき、レティの中で怒りが爆発した。
「ふざけないで! ベルに何をしてのよ! ……返してよ! 馬鹿で、私の嫌いな……ベルを……ぐすっ、かえしてよ……ううっ」
 その叫び声に一番驚いたのはベルであり、レティのスカートの中に突っ込んでいた頭をゆっくりと上げるとレティの顔を見て更に彼女は驚きを与えられた。
 涙を流していたのだ。両手をライザにつかまれたレティは隠そうともせずに、子供のようにべそをかいて泣き始めてしまった。
 しばらくベルはそのレティの突然の変化に呆気を取られていたが、やがて再びレティの上に重なるように移動すると優しくその華奢な身体を抱きしめた。
「レティ……私の心はずっと変わってないよ……私はずっとあなたが大好きだった……だから、私は素直になったの」
「ううぅっ、ぐすっ……し、しらないわよ、そんなの! わ、わたしは……んっ、わたしはぁ……」
「いいから、レティ、分かってるから。……すぐに素直になれるから、ね? だから、ちからをぬいて……」
536名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:55:08 ID:QRoeSo82
 暖かいベルの胸から離されたレティがゆっくりと瞼を開くと、紫色の細長い何かがこちらに向かってくるのが僅かに見える。
 しかしそれに対して驚く暇さえもなく、それはレティの口、鼻に入り込み、そしてわずかに遅れて耳にもそれが入ってきていることが分かった。
「んんんんんんんんんんっ!? えぅ、んっ、ぐぇっ!」
「落ち着いて下さい、レティ様……ふふっ、大丈夫です。もう苦しみは消えますから」
 ベルのときとは違い、一息に脳まで達したライザの足の衝撃にレティはパニック状態になったが、それを目覚めさせる新たな感触が身体に送り込まれる。
「んんっ! がぁぅ、んぁぅう!」
「ふふふっ、そんなによろこんでくれてうれしいなぁ、れてぃ……んっ、わたしはれてぃがのぞむならどこだってなめてあげるよ、んっ、あしでも、んっ、むねでも、んっ、おま○こでも。はむっ、んっ」
 ライザのスカートの中から篭った声が漏れ出し、そしてその言葉が途切れるたびにレティの秘所から快感が電流のように身体を走り抜けていく。 
 レティももちろんその言葉をライザの足が滑り込んでいる耳の隙間から聞いてはいるのだが、それに対して返事をすることもその返事を考えることさえもおぼつかない状況であった。
「ほらっ、私の足の先から出る汁をレティ様の脳がしゃぶっていますよ……おいしいですか? ふふふふっ」
 否応なしに頭に流し込まれる液体を脳は勝手に染込ませてしまい、レティの精神はゆっくりと変化させられていく。
(くそっ、はなせ! ……私の言うことを聞きなさい! ……お母さんのために、ベルを殺すんだ! ……で、でも……私に服従するなら助けてあげる、私は……優しいから……)
 そんな言葉を頭の中に思い浮かべて、なんとか自我を保つのがレティに出来る精一杯のことだ。しかし、やがてそれに張り付いていた嘘がはがれ始める。
(や、やめて……は、恥ずかしい……ベルを倒さないと……でも、私はベルを助けたい……だって、ベルは私の……大事な友達なんだから……)
 うそと言う鎧がはがれたレティの本心は、この十年間悩んできた思いが詰まっていた。その悩みを解放するため、ライザは液体を一気に彼女の頭へと流し込む。
(いっしょにいて……かなしませないで……べるはわたしを、すきなままでいてくれたのかな……ちいさいころのやくそく……おぼえていてくれてるのかな……) 
 それを流し込み、全てが終わったことを悟ったライザはゆっくりと足をレティから引き抜き、頬から流れていた涙をそっと拭いてあげた。
「大丈夫ですよ……もう、悩む必要なんてないですから……」 
「はぁはぁ……ぐすっ……ほんとうに……?」
 まるで華奢な人形のようにそこに横たわるレティの表情は、以前の強気な女王という仮初めのそれとは違い、幼げな静かで気弱そうな女の子という感じであった。 
「本当です……もう戦争は終わり……そうですよね、ベル」
 スカートの中に潜っていたベルが顔を出し、べそをかいているレティを背中から生えた足と両手で抱きしめながら耳元で囁く。
「ええ。だからもう大丈夫……ねっ……レティ、だから私と一緒になろ?」
「んぐすっ、うん……私はベルと一緒になる……だからもう……はなれないで、ぐすっ」
 そう言ってレティはベルの身体を抱きしめ返した。
 それを満足そうに見ていたライザはベルの後ろから小さな声で告げる。
「では、ベルがレティ様の最初の人になってあげてください。私は彼女の後ろの方をいただきますから」
「あっ……はい、ありがとうございます。ライザさま……レティ、今から私がきもちいいことしてあげるからね……」
 ベルの言葉にレティは曇りない笑顔を浮かべて応えた。
 レティを抱き上げたベルは、小柄な彼女を持ち上げてベットに連れて行くと、長いドレスの裾を捲り上げて大きく反り返るモノを露にした。
「れてぃ……いまからこれで、れてぃをぐちゅぐちゅにしてあげる……」
「わあぁ……わたしのよりずっとおっきいぃ……くすっ、んん〜っ」
「あっ、やっ、だっ、だめぇっ! ああんんっ!」
537名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:56:13 ID:QRoeSo82
 レティの目の前でそれを見せてしまったが最後、レティはベルのモノに両手を添えるとそのまま口に咥え込んでしまった。
「んっくちゅ……おいひいよぉ、んっ、べるぅ」
「ううっぁぁ、だ、だめだめぇ! で、でちゃうよぉお!」
 ベルを気持ちよくさせてあげたい、という一心でベルのモノを優しく舐めるレティの舌使いにはテクニック以上の快感をベルにもたらしめた。
「んぁあうぅ……あはっ、ここが膨らんでる……なめちゃお〜」
「ひぁあああああう! で、でちゃううううううう!」
「あうぅぅぅ、いっぱいでたぁ、ふふっ」
 竿の裏を舐められたベルは白い液体をレティの顔に放ち、それを見たレティはまるで子供が噴水を見るかのように嬉しそうな笑顔でそれを受け取った。
「よかったぁ、こんなによろこんでくれるなんて……あんっ、んん〜っ、おいしぃ〜」
 顔についた白濁液をお菓子のように口へと運んだレティは悪戯っぽく笑う。
 その肩にライザが手を置いて上を向いたレティに笑いかけながらもこう言って彼女を制した。
「ではその身体の中に今度はそれを注いでもらいましょうか。ふふっ……す〜っごく、きもちいぃですよ……」
 ライザの言葉にごくりと生唾を飲んだレティの反応が、なんとも可愛らしくてライザは更に笑みを増やしながらレティを優しく持ち上げてベルを解放した。
 そのベルもどうやらかなりの絶頂を味わったらしくなにやらぼーっとしていたが、ライザが二回ほど呼びかけるとようやくうなづいてベットに横になり、その上に跨るようにしてレティが乗っかった。
「じゃあ、レティ……はじめてはいたいとおもうから、ゆっくりとね……」
「ふふっ、大丈夫ですよ……レティ様、もう一度失礼しますね」
 ライザの言葉に横を向いたレティの右耳に再びライザの背中の足が挿入され、その不慣れな感覚にレティは小さくうめき声を上げる。
「ふあっ……くぅぅ……」
「んっ、これで準備はオーケーです……ではレティ様、ベルのモノを……」
「う、うん……じゃ、じゃあベルの……たべ、ちゃうね?」
 今度はレティは赤いドレスの裾を捲くり上げ、その入り口がベルに見えるようにしてベルのモノをゆっくりと飲み込み始めた。
「はぐぅうぅ! れ、れてぃいにぃ、たべられてるぅぅ……」
「くぅっ! あ、あ、ぐぅぅう……」
「レティ様。いたい、ですか?」
 歯を食いしばっているレティにライザが声を掛けると、レティはぶるぶると首を振って応えた。
 レティが歯を食いしばっているのはもちろん、ベルが彼女にとって初めての相手で、そのモノを入れるための穴がまだ狭くて入りづらいからであった。
「ひろ、げてくるのぉ……べる、がぁぁぁ、くうぅう! わたしのなかに、はいって、くるのぉぉぉお!」
「きゃあああんっ! はぁはぁはぁ……」
 痛みを感じず、挿入の快感だけ感じることに気付いたレティは思い切ってベルのモノを一息に飲み込んでしまった。
 しかしそれによってレティのピンク色の薄い壁は突き破られ、その証として結合部からは赤い血がしたたり落ちた。
「はぁはぁはぁ……だ、だいじょうぶ、れてぃぃ?」
「くはぁあぅはぁ……しゅ、しゅごいぃのぉ……べるのぉ、おっきいぃのがぁ、んぁぅぅ、なかで、びくんびくんしてるのぉぉ……」
 身体の中心に突き刺さったベルのモノは果物から果汁を搾り取るかのように締め付け、それに反抗するが如くベルのモノはその中で暴れている。
 ライザはそれを見てクスクスと笑いながら椅子に座り、その背中の足を一本だけゆらりと動かし始めた。
「では、次は私がライザ様の後のお穴をいただかせてもらえますか?」
「はうぅぅ、ぐぅぅ、こ、これで、だ、だいじょうぶぅ?」
「はい、ありがとうございます」
538名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:57:26 ID:QRoeSo82
 ベルに身体を預けるようにレティが前かがみに姿勢を変えると、黒い尻尾の付け根の下に彼女のもう一つの穴の入り口がライザの足の方向へと顔を上げた。
 ぬるりとした液体を滴らせるほど纏った紫の足がその小さな口にキスをする。
「んあぅっ……や、やさしく、して……」
「ふふっ、痛くはないと思いますが……まぁ、入り口が入り口だけに狭いので、ちょっと苦しいかもしれませんね」
 にやりと笑ったライザの顔にレティが制止の声を上げようとした瞬間には、ライザの足が既に入り始めていた。
「きゃああああああぁぁ! だぁ、めぇぇ……は、らないぃ、よぉ、やぁあああああ!」
「クスッ、力を抜いてください。一度入ってしまえば楽ですから」
「あぐぅぅ、そ、くぅぅ、こと、い、た、ってぇぇぇ」
 りきむレティを落ち着けようとベルが身体を抱き寄せて優しく包むと、小さな唇から彼女を安心させる言葉を紡ぐ。
「れてぃ、だいじょうぶだから……そう、ゆっくりしんこきゅうをするの……ゆっくりとね」
「べ、べるぅ……あぐぅぅ……」
「そうですよ……んっ、あと少し……」
 ベルはレティの気を逸らすように彼女と唇を重ねて舐めまわす。
 するとレティの身体から想像以上に力が抜けたことをライザはわずかに驚きながらも、これを好機とばかりに残りを一気に突き刺した。
「んぁあああああああ! はぁはぁはぁはぁ……」
「くぅぅぅ……あはは、いま、レティのなかがきゅん、ってちぢまって、私のち○こ、たべられちゃうかとおもった」
「ほらっ、レティ様……こちらもレティ様の中で私の足をもっと吸い込みたいかのようにうごめいていますよ」
 レティは息を切らしながらも、微笑む二人に笑いかけ不思議な達成感に浸り、しばらく身体の中に突き刺さった二つの感覚を愉しんでいた。
「さぁってレティ、そろそろ動いていい?」
「あ、まって……わたしが、する、から……んくくくぅ……」
 ベルの首に腕を回したまま、レティはゆっくりと腰を上げ始めた。いやらしく淫靡な声で結合部が小さな鳴き声をあげる。
「ひああぁぁぁ……、ひ、っぱられるぅぅ……」
 先ほどまで自分をフォローしてくれていたベルが快感を感じていることをレティは嬉しく思いながら、今度は腰を沈め始める。
「がぁっ、くぅぅぅ……あっついぃぃ……べるの、まるでもえてるみたいだよぉぉ……」
 一往復しただけなのにベルのモノは更に太くなり、熱を帯びた血流が血管を膨らませている。
「はぐぅぅ……ねぇ、べるぅ、んぐ……どう? くぅ、きもち、んっ、いい? あんっ!」
「んぁう、きもち、いい! れてぃの、あぅ、なか、きもち、いいのぉお!」
 二人のピストン運動は段々と早くなり、部屋に響き渡るリズミカルな水音と嬌声のハーモニーをライザは愉しんでいたが、やがてレティの中に差し込んでいた足をゆっくりと動かし始めた。
「あぐぅ! おしりぃがぁ、だっ、だめぇえ!」
 前の穴を突かれる感覚に慣れ始めていたレティは、忘れた頃にやって来た後の穴の感触に思わず声を上げる。
「くすっ、大丈夫ですよ、ほらっ、するっと抜けて……」
 ライザはレティの声を笑ってスルーすると、レティの穴から埋まっていた足の半分ほどを抜いた。
「くうぅぅう! あんっ、ま、た、はいって、くるのぉぉお!」
539名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 22:58:17 ID:QRoeSo82
「今度はさっきより、んっ、私の体液で濡れてますから……ほらっ、すぐに入りました」
 微笑むライザの言うとおり、ライザの足は再びレティの肛門にするりと入り込み、レティはその衝撃に尻尾をピンと張り詰めた。
「はんっ、れてぃぃ、とまっちゃ、くあぅぅ、やなのぉ」
「くぅぅ……べるぅぅ……ま、ってぇ、あんっ、したから、ついちゃ、らめなのぉぉぉ……」
 ベルはレティの太ももを抱えると、レティを突き上げて更に快感を得ようとしているが、レティは肛門を往復するライザの足にまたしばらく動けなくなっていた。
 しかしそれも何度か繰り返すと、肛門のリズムに合わせて再びレティは腰を動かし始める。
「いいのぉ! もっと、ついてぇええ! くぁあうう! そう、もっとぉお! もっとぉおおおお!」
「くぅぅぅ、れてぃ、れてぃい! わたしも、んんっ! きもちいいのぉ!」
「ふあぅぅ……レティさま……わたしも、あぅ……んっ、そろそろ、だしてしまいそうです……」
 ライザは珍しく快感に酔い始めていた。頭がボーっとし始めて、背中の足から伝わってくる快感に身を任せてしまいそうになるのを、ギリギリで踏みとどまっていた。
「れてぃぃい! でちゃうのぉお! わたし、もうぅ、でちゃうのぉおおおおおお!」
「だしてぇええ! わたしのなかでぇ! らいざさまもぉ、わたしのなかにどぴゅどぴゅしてぇえええええ!」
 その声とよがるレティの表情を見たとき、ついにライザから理性が吹き飛び、その足の動きが一段と加速した。
「くぅうぅぅつ! だしますうぅ……れてぃをかえてやりますぅううう!」
「ふぁああああんっ! かえてぇええ! わたしを、ふたりぃとぉ、いっしょにしてぇええええええ!」
 そして、三人は同時に頂点に達した。
「「「くぁああああああああああああんっ!」」」
 篭った水音が鳴り響き、レティは子種と変化を受け入れた。
 その部屋の窓の外では、WD王国の兵士や民がBC帝国に流れ込み、部屋の中の状況と同じようにBC帝国に変化がおき始めていた。
 それからわずか半日で、その変化はBC帝国全国民を巻き込み、そして戦争は終焉した。


 戦争が終わると同時にBC帝国とWD王国は同盟を結んではや1ヶ月が過ぎた。
 白昼の下の両国の城下町ではお互いの国の国民が笑って行き交うようになり、それは10年前の両国の姿そのものであった。
 しかしその時と大きく違うのは、町の角を一つ曲がれば交わりを求める民が溢れるようになったことと……国民のほとんどが背中に新たな足を隠し持つようになったことだ。
 ライザが今見下ろしているBC帝国の城下町とて例外ではない。
 いつものように商売を続ける商人、槍を小脇に城下町の平穏を守る兵士、子供達に勉学を教える教師。その全員の衣服の下には8本の足が生えている。
 その大半は夜中になると見境なく交わりを求めようとするが、それまで待てない民の幾人かはすでに建物の裏でお互いの火照りを醒ましあっている。しかしほとんど余計に火照りを加熱させてしまうのだが。
 それのいい例がライザのすぐ背後で起きていた。
「ふにゃぅぅぅうう! べぇるぅぅぅう、べるのなかぁ、きもちぃぃのぉおおお!」
「きゃはぁんっ! れてぃいいい! ら、らめぇえぇぇぇっ! こわれちゃぅううううう!」
 この1ヶ月、二人は飽きもせずに時間をみつけてはこうして激しく交わりあっている。
540名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 23:00:02 ID:QRoeSo82
 これだけ交わっているのだから、おそらく二人のおなかの中にはそれぞれの子種を受け取った子供ができているはずだ。元々繁殖力の高い二つの種族。そう遠くないうちに二人の子供が何人も産まれるだろう。
 もちろん、背中に二人の遺伝子と共にライザの八本の足を受け継いだ子供達が。
 ライザはそんな二人の背中に笑い掛けるとゆっくりと部屋から抜け出た。扉をはさんでも聞こえる交わりの音に小さな苦笑いを浮かべる。
「あっ、ライザ様。……ふふっ、その御様子だと中では姫様たちが?」
「ええ。なんとも気持ちよさそうに二人で交わってるわ」
 向かいの客間から出てきたニースと笑いあいながらも、ふと半開きの客間を覗くとBC帝国の兵士がベットの上ではだけた格好のまま横たわっていた。
「まったく……あなたも人のことは言えないじゃない」
「え、えへへへっ……あっ、どちらに行かれるんですか?」
 ニースの横を通り過ぎて歩き出したライザの背中に言葉が掛かった。足を止めたライザはちらりと顔だけ振り返るとこう告げる。
「この国から去ろうかな、と思うの」
「へ……えっ? な……な、なんでですか?!」
 予想通りの返答が帰ってきたことにライザは少しだけ後悔しながらも、駆け寄ってくるニースから逃げようとはしなかった。
「だって、この国の戦争は終わったし、もう私のやるべきことないでしょう?」
「そ、そんな……姫様とレティ様を支えてくれるのではないのですか?」
「あの二人だったらもう大丈夫よ。それに、二つの国の国民に私の種が行き渡ってるのだから、何もしなくても私の子孫は残っていくわ」
 ニースはその言葉に自分自身の背中にも生えている八本の足がざわりと動くのを感じた。
「じゃ、じゃあ森に戻るって事ですよね? い、いつか私も訪れたり」
「森の家はもう焼き払ったの」
 唖然とするニースを見ず、廊下の窓の外で眩しく照っている太陽に目を細めながらライザは続ける。
「私の長年の研究成果をとられたくはないもの。それに、私は死ぬこともないし新しい種として力も手に入れたから」
 今度はライザのローブの下でざわりと八本の足がうごめいた。
「では……これから一体どこに行こうと?」
 ライザはいつもの微笑みを崩し、そして彼女らしくない恥ずかしそうな表情でニースを見つめてこう言った。
「この世から争いをなくしてみよう、と思ってるの」
 まるで子供が夢見るような言葉にニースは表情を硬直させ、ライザはそれを見て小さく吹き出しながら続けた。
「ふふっ、この身体の持ち主ね、どうも私のことを悪の元凶か何かと勘違いしてたみたいで、あなたを倒して平和を取り戻してやる〜、なんて言って襲い掛かってきたの」
「は、はぁ……」
 突然語りだしたライザに驚きながらもニースは相槌を打つ。
「私も死にたくなかったから反撃して倒しちゃったわけだけど、彼女のお陰で私の術は成就した。これで世界を支配してやろう、って私は期待に胸を膨らませたわ」
 ライザの口調はどこか楽しげであり、しかし何処か憂いのような成分を含んでいるようでもあった。
541名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 23:01:16 ID:QRoeSo82
「だけどね……な〜んか、彼女の言葉がここらへんで引っ掛かるのよ。この身体を奪ってしまったせいかもしれないわね」
 胸の辺りに手をあてたライザは小骨が喉につっかえているかのように首を傾げる。
「だから、よ。世界平和と世界征服を両立させてやれば私の願いも……この子の願いも成就させることが出来るでしょ? だから私は争いをなくそうと思うの」
 ニースはその時の目の前にいる少女を、ライザではなく本来の身体の持ち主の彼女なのではないかと思った。
 穢れを知らない大きな二つの瞳に、悪に染まらなさそうなピンクの長髪、そして子供っぽいその顔。
 そうしたまだ世間知らずな部分の残る少女が夢見そうな事を、目の前の彼女が語ったからだった。
「……ふふっ、ああ恥ずかしい。じゃ、私は行くわ。元気でね、ニース」
 まるでその恥ずかしさを覆い隠すようにライザはフードを被り、廊下の奥へと歩き出した。
「……ま、待ってください! わ、私も行きます!」
「え?」
 思わぬ言葉にライザはフードの下から覗かせる口を半開きにして時間が止まったかのように動きが固まる。
 ニースは兜を外し、数秒ほどその兜に向かって念を込めるように祈り、そしてベルたちの部屋のドアノブに引っ掛けるとライザの下に走りよった。
「さぁ、行きましょう。道中、何があるか分かりませんから、お力になれないと思いますがお供いたします」
「な、なんで……?」
 ライザはフードの下からライザらしくないトーンの声を上げる。
 ニースはそれを聞いて、フードの中の表情はきっともっと彼女らしくない表情をしているのだろうなと思いながらこう言った。
「私も……小さいときに、ライザ様と同じような事を夢見てたからです」
「え、えっ?」
「世界が平和になればいい。だけど、その頂点にはWD王国が君臨していて欲しい、と。だから兵士になろうって思ったんです」
 語るニースが浮かべる表情は先ほどライザが浮かべたばかりのそれによく似ていた。
「でも実際は誰も殺したくなくて、だけどベル様が願うように戦争は終わって欲しくて……そんなことをしているうちに、夢を忘れちゃってました」
 ライザはニースのその言葉を聞きながら、先ほどの自分がどれだけムズ痒いことを言っていたのかを痛感していた。
「それでも……その思いを捨ててしまったわけじゃなかったみたいです。ライザ様の言葉を聞いてたら、それが分かりました」
 そしてニースの顔から恥ずかしさの成分が消えると、変わりに浮かび上がった決意のこもった表情でライザに宣言する。
「私は、この世から戦争を失くしたい。ライザ様、あなたならそれを実現することが出来ます。だから私に……そのお手伝いをさせてはもらえませんか?」
 ライザは自分と同じ理想論を自分以上に堂々と語り、自分の考えに賛成してくれるニースの言葉に何十年ぶりに心を大きく揺れるのを感じていた。
 そのためにライザはフードを目深に引っ張ると、小さい声でぽつりとこう言って歩き出してしまった。
「……好きにして。どの道、できるかなんて分からない卓上の理想の話なんだから」
 1ヶ月前のレティのように、拗ねた子供よろしいそのライザの口調を聞いたニースは小さく笑いながらライザに追いついて反論する。
「理想なんかじゃありませんよ。ライザ様なら充分実行できる、そうこれは理想なんかじゃなく世界平和と世界征服のための“計画”なんです」
 そして自分とは正反対のニースの口調に、ライザは口走ってしまった先ほどの自分を悔やみながらも、表情とは裏腹の笑顔を心の中で浮かべていた。

(終)
542名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 23:09:52 ID:QRoeSo82
……長ぇ(;´・ω・`)
読んでくださった方、お疲れ様でした。

さて、触手、擬似男根、スライム状の宿主移動と、色々な寄生手段を使って書いてきたわけですが、
皆様の中で変わった寄生手段に遭遇した方は居ますでしょうか?
お時間があればぜひ教えていただきたいこの頃でございます。
では失礼します。
543名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 23:32:22 ID:9Vi7MIOL
>>542
一番槍GJ!相変わらず当人的にはハッピーエンドでよいよい

>変わった寄生手段
まあスライム系に近いけど……幽霊とかガス状生命体とか?
ウイルスやナノマシン系はありきたりだしねぇ……
544名無しさん@ピンキー:2010/01/14(木) 23:36:01 ID:VZYCHDzs
長いから後でゆっくり読もうと思って
まだ読んでないけど投稿お疲れ様です

変わった寄生ってそういうのないなぁ
目玉とかそういうのつけられるとかで
自分の妄想膨らませたけどめちゃくちゃありきたりだ
545名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 00:06:38 ID:mjouiXYw
諸星大二郎に唇寄生とかあったな
546名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 01:40:19 ID:dXxcxAzR
>>544
小松左京が目玉型寄生体の短編を書いている。
547名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 11:23:37 ID:A+GDMdUL
>>542
久しぶりに良いモノを読ませてもらいました!

失礼ながらちょっと寄生なのか微妙な感じもしますけど、神○シリーズの妖怪化エンドみたいなのだと思えば有りだと思います

>>変わった寄生ってそういうのないなぁ 目玉とかそういうのつけられるとかで
そのありきりが最高かと
548名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 13:23:48 ID:nZHsAbrw
憑依好きだから幽霊とか思念体とか正体不明のものに操られるのもいい
549名無しさん@ピンキー:2010/01/15(金) 18:55:17 ID:W9M94Ed6
>>542
乙です。めいっぱいのボリュームがありますね。
今後この国と戦争するとえらい事になりそう。

>変わった寄生手段
本に寄生して読んだものの脳内に…というと「リング」っぽいか。
精神寄生もいいよね。
550名無しさん@ピンキー:2010/01/16(土) 21:44:26 ID:JiqErX9Z
542です。皆様、お返事ありがとうございます。どれも興味深くて参考になります。
唇寄生とか目玉型寄生というのがちょっと怖いような、それでいて惹かれる様な……。
ただ私が書くと以前話題に上ったデットスペースのように表現がグロデスクなものになりそう……。

質問に質問を重ねるようで申し訳ありませんが、憑依って寄生に含まれるのでしょうか?
個人としては大好物なんで機会があれば書きたいのですが、寄生に含めていいものかどうか困惑しています。
お時間がある時に意見を聞かせていただければ幸いです。
551名無しさん@ピンキー:2010/01/17(日) 03:40:09 ID:hFHrQCkR
>>550
憑依はこのスレ風に言うなら、>>549も言ってる精神寄生と同義でいいんじゃないかな?

スレ的には寄生物によって宿主の意識が変容する方が趣旨に沿ってるんだろうけど、
個人的には寄生物が宿主を完全に乗っ取ってしまう方が好みだなあ…
552名無しさん@ピンキー:2010/01/17(日) 10:02:04 ID:xx3rDTfJ
融合より友愛をお望みか
553名無しさん@ピンキー:2010/01/17(日) 17:02:53 ID:lnjoPpuj
YouとIが一緒になって友愛
まさに寄生の理念にかなっていると言えましょう
554名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 12:00:22 ID:SnLubNbk
つい最近まで本当にYou,Iに引っ掛けてるんだと思ってた
555名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 22:36:40 ID:CJGjmJ9K
マジシャンガールに「インセクトクイーン」「融合」「魔法効果の矢」を差し向けるとかしたらおいしそうだな。
悪堕ちスレのSSと若干かぶるがこっちは女王様化みたいな。
他のよさげなモンスターとかなにかあるかな。
556名無しさん@ピンキー:2010/01/18(月) 23:05:54 ID:tPnpyMUK
>他のよさげなモンスターとかなにかあるかな

このスレにぴったしのカードがあるじゃまいか
つ「精神寄生体」
557名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 00:56:37 ID:fTrrPmgV
ありきたりだけどこういうのもどうか
つ「寄生虫パラサイド」
558名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 02:09:58 ID:Hst3CT71
寄生虫はマンガのあれがあるからイメージが微妙なんだよなぁ
559名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 08:31:00 ID:ngG47N3y
つフラッド
560名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:51:54 ID:0jNKcXXF
フラッドは良かったな。男女構わず目の前でぐちょぺきぼきゃ・・・でフラッド化。
更に合体変身までありだもんな。
561名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 01:08:10 ID:EhfCYnis
ググってもわかんね。フラッドって何、
教えろ、いや、教えてくだせぇ、師匠
562名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 02:19:12 ID:k5QstnF8
>>558
あさりよしとお氏の「ただいま寄生虫」?
563名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 04:23:02 ID:uFprweEt
>>561
まじかよ、ぐぐったらでたけどこれかどうかはわからんけど糞箱売ってくる
564名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 04:26:54 ID:EhfCYnis
HALO (ビデオゲームシリーズ)なのか。あんがと
565名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 20:14:02 ID:3NCwViDm
>555
罠カードだけど最近いいのがでたよ
「エーリアン・ブレイン」
爬虫類族を戦闘破壊した相手モンスターのコントロールを得てそのモンスターを爬虫類族として扱うの
寄生して乗っ取る感じが出てて個人的に好きだよ
566名無しさん@ピンキー:2010/01/20(水) 21:29:20 ID:Y7+3f8Kh
>>565
それ関連のカードで「惑星からの物体A」ってのもあるよね
こっちも寄生っぽいからいいよ

遊戯王って洗脳ネタ多いから嬉しい
オレのデッキもコントロール奪取を主軸にしたものだ
567名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 01:14:46 ID:Zbq17gNQ
>>566
ナカーマ
友人でファンデッキとして女の子デッキを使う人がいて、
寄生デッキで対戦するといろいろ妄想してしまう
あれは公式でエーリアン達が寄生・侵略するという設定なかったっけ?
568名無しさん@ピンキー:2010/01/22(金) 00:31:19 ID:Or+vC3ZB
エーリアンというと魔神英雄伝ワタルにでてくる魔神か
569名無しさん@ピンキー:2010/01/25(月) 01:22:51 ID:eeOu6wig
エイリガンじゃね?
570名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 23:01:00 ID:rIAD2opD
女の子モンスターにエーリアンが寄生して乗っ取る話だれか書いてくれ
571名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 19:31:31 ID:7z9iyABn
 急速にその数を増やしている寄生バクテリアがいる。このバクテリアは、宿主を性転換させて
単為生殖化を引き起こすだけでなく、宿主を“気味の悪い怪物”に変身させてしまう。このような
大惨事ともいえる生殖異常を引き起こす仕組みが最新の研究で解明された。その方法とは、
免疫系を停止させることだという。

 キョウソヤドリコバチをはじめとする寄生ハチ3種のゲノムを初めて解読した研究者チームによると、
バクテリアの一種であるボルバキアはハチの遺伝子を操作し、バクテリアの侵入に対して警報を
発するタンパク質を抑え込んでしまうという。その結果、バクテリアに対する防御機構が機能せず、
ボルバキアは悪事を働くことができる。

 この仕組みは、ボルバキアが宿主とするダニやクモ、線虫などの昆虫への感染でも使われている
可能性がある。これらの生物すべてにおいて、宿主の生殖システムが改造される現象が起きているのだ。
その結果は実に奇妙で、明らかにオスを不要とする生殖戦略が取られている。

 ボルバキアに感染したオスは、生殖能力のあるメスに性転換するか命を奪われる。メスの場合は
オスを必要とせず、単独で子を作らせる。また感染したオスの精子は、非感染のメスと交配しても
正常に受精できず子孫を残せない。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100127002

中々現実もやるじゃないか
572名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 19:45:16 ID:cK6KBLHt
>>571
貼ろうと思ったら先に貼られたw
573名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 19:51:29 ID:7z9iyABn
>>572
ν速で見かけて急いで貼りに来ちゃったw
574名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 19:57:23 ID:bfBmm2QP
もし、このバクテリアが人間に感染するようになったら……強制女性化スレの守備範囲か…
575名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 20:00:02 ID:cK6KBLHt
ν速で立ってたのか
ナショジオの方で直接読んだんだけどなw

“気味の悪い怪物”てなんだ?と思ったらフタナリかよ!w
576名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 20:23:49 ID:SdOK7kmP
なんかν速でそれっぽい書き込みしてる奴が居るなぁ。。と思ったら、
案の定お前らかw
577名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 22:07:52 ID:SQuH2+cj
ヴァンパイアウイルスじゃ駄目なん?
578名無しさん@ピンキー:2010/01/27(水) 23:51:21 ID:4dT7oD1t
>>571
スクロール進めてURLが出てくるまで「お、なんかネタ投下か?」と素で思ったw
現実すげえな
579名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 00:32:07 ID:eDLivJB3
宿主を性転換させる寄生バクテリアが急増中
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1264585029/
580名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 00:38:05 ID:RgJDlUlq
このネタは一応TSの部類にも含まれるのか?
581名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 01:00:28 ID:fAsvhyKG
性別が変わっていくときに快感を覚えてしまうのだろうか
582名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 09:06:50 ID:NB+sClaP
>>580
寄生スキーに改造スキー、TSからMCまで、ディープでコアなジャンルの
大きなお友達を片っ端か虜にしやがった…

なんて破壊力だw
583名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 10:49:05 ID:eDLivJB3
アリをゾンビ化して操るタイコバエ
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/news/1264600322/
584名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 16:03:26 ID:ukWvzolG
非現実的なニュースに衝撃を受けて虜になる大きなお友達!!
585名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 20:27:30 ID:7LWGowBG
正に「我々の業界ではご褒美です」
586名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 00:02:23 ID:ukWvzolG
>>582
怪物扱いされたふたなり派が怒っているようですがw
587名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 23:42:22 ID:+vgemyht
周囲にオスしかいないとメス化する魚だっているし、神経系を支配して宿主を操作する寄生虫だっている
カタツムリなんかさいしょからふたなりだぜ?
半分雄で半分雌の昆虫も少し前話題になったしな
本当生き物は凄いぜ


だから人間に寄生して何かやらかす虫がいてもいいと思うんだ
588名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 05:59:20 ID:4lhyZ+3I
最近寄生ネタ使われないな
規制されたの?
589名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 11:45:45 ID:GbEVeQ4f
担当者が帰省したまま戻ってこない
590名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 11:57:20 ID:MhyNpCk5
そういやつい最近も大規模寄生があったもんな
591名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 18:55:02 ID:bEgoehNz
携帯から不意をついて寄生された人が大勢…
592名無しさん@ピンキー:2010/01/30(土) 20:07:37 ID:GbEVeQ4f
携帯から寄生…こんな感じか
「あー、彼氏からメールだw」
「えー、見せて見せて〜ww」
「ふふふ…良いよ……」
593名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 01:47:03 ID:OYdNexhs
着信アリの寄生verみたいな流れで
どんどん感染者が増えていく妄想まではしたが文才はない。
594名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 23:55:36 ID:pI8b/yNC
なくてもイインダヨ!
595名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 03:46:41 ID:EEwg/sSm
グリーンダヨ!
596名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 05:20:50 ID:u3bOP9fA
ワールドエンブリオってケータイ感染だけどどうなんだろうね
597名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 23:12:11 ID:YLSwF8nG
今日女の子がビオランテの種みたいなのに寄生される夢を見た
惜しいことに寄生されたところで目が覚めたが

もう一度寝たら続きが見られるかな
598名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 08:58:09 ID:g3PUrV1p
>>597
このときは、誰も正夢になるとは思いもしなかった・・・
599乙×風:2010/02/08(月) 19:06:15 ID:hl4slLyJ
 お久しぶりです。
 本当にお久しぶりです。不肖この乙×風、帰ってまいりました。
 前作の天文部を書き終えた後、思う所があって別の投下場所で連作をやっていたのです。
 ちなみにその作品もまだ途中です。続きを書くつもりはありますが暫くお休みです。
 というわけで、暫くこちらでお世話になります。
 勝手な事だとは思いますがまたよろしくお願いします。

 え? 新作? うふふ。勿論持ってきましたとも。手ぶらで帰れませんしね。
 件の投下場所がこれまた大変レベルが高く。揉みに揉まれてきました。
 おかげで文章の質も少しは。本当に少しは、上がっていればいいね!
 っというか単に冗長になっている可能性もあります。
 台詞に対する情景描写、心理描写の量が多くなっているかも知れません。
 もし読みにくければお気軽に報告を。出来る範囲で調整します。

 以下本作品の注意タグです。
(陰鬱、ギャグ微量、エロ少なめ、寄生無し、アグ○スポイント急上昇、近親相姦)

 ちなみにとある過去作品の続編となります。
 ではどうぞ。

600永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:10:56 ID:hl4slLyJ
 第一話  醜いアヒルの子


「…いっ! はっ! んんっ!」
 仄暗い寝室に少女の喘ぎが響く。
 月明かりに照らされているのは一人の少女だ。
 髪は、耳元を覆うほどで切り揃えられているが、その色が特徴的だ。
 熟れた桃のような鮮やかな色をしているのだ。
 更に、その瞳も普通の人間とは違っている。
 どちらの瞳もくりっとしていて、幼い顔立ちと合わせて小動物的な可愛さがあるが。
 しかしその右目は蒼穹のような色。そして左目は血のように真っ赤なのだ。
 彼女はオッドアイだった。
 左右異色の瞳は幼い少女に神秘的な、或いは見る者を惹き付ける魔性を持っていた。
 その瞳に魅せられたか。或いは元々『そのような趣味だったか』。
 今少女の女性器には、彼女には不釣り合いなほど巨大な男根が突き込まれていた。
 見た目、十二、三程の少女に醜い肉棒が打ち込まれる度に、愛らしい顔が痛みに歪む。
「ち…っ」
 少女を犯していた中年の男が苛立たしげに舌打ちする。
 少女と同じ翡翠の眼に、鮮やかなブロンドを持った彼は、高貴な家柄を持つ貴族だ。
 同時に幾つもの傷跡の残る逞しい肉体は彼が戦士である事を証明している。
「いつも言っているだろう! もっとはしたない声を出せ! もっと浅ましく腰を振れ!」
 だが金髪の男が少女に浴びせたのは、卑猥で余りにも屈辱的な言葉。
 ましてや十を過ぎたかそこらの幼子に注文する事ではない。
 だが、少女は息を整えた後に、
「――はあっ…あ、あん!」
 急に甘い声を出し始めた。
 また、巨大な肉棒に合わせるように腰を使い、男を悦ばせる。
「ふんっ…やれば出来るではないか…! この雌犬め…!」
 ずん、と容赦なく子宮口を抉る。
 女を感じさせるどころかただ痛いだけの突き込みだ。
 痛みに少女は目を見開き、ヒュー、と息を漏らすが、
「――ぁあんっ」
 それでも懸命に喘いだ。
「ふん。親が親なら子も――と言ったところか。はしたなく喘ぎおって!」
 ずんっ、ずんっ、ずんっ――
「あっ! はっ! いやあ!」
 少女の反応に気をよくした男はピストンのペースを上げる。
 壊れてしまうかと思うほどの激しい交わりに少女の桃色の髪が踊った。
「はあっ! はあっ! 出すぞ! 嬉しいだろう!?」
 一瞬、少女の顔から血の気が引いた。
 中出しの恐怖に女の本能が、警鐘を鳴らす――が少女は知っている。
 逆らえばもっと恐ろしい事をされると。それをこの二ヶ月の間で無理矢理教え込まれた。
 そう。こんな時はおねだりをするのだ。とびきりいやらしく、猫なで声で。
「はいっ。リオ、嬉しいです!
 私のイヤらしいおマンコでよければ、一杯ザーメン注いで下さい!」
「はっ! この淫売め!
 貴様の望み通り、ワシの精を孕むまで注いでくれるわっ! うぉぉおおっ!」
 どぷっ、どくどくどくどく。
「きゃあんっ! リオ、イっちゃうっ! 中出しされてイっちゃうっ!」
 胎内に不浄な粘液が注がれる。
 言葉とは裏腹に生理的嫌悪感が全身を駆け巡り、鳥肌が立つ。
 先ほど食べた夕食を全て戻しそうになる。
 男が射精の余韻に浸っているこの時間、少女にとっては地獄だった。
「――舐めろ」
 無限にも感じた数十秒後。男は小さなヴァギナからペニスを抜き取ると、少女に命令する。
601永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:13:16 ID:hl4slLyJ
「…はい…」
 少女は体を前後反転させて、さっきまで自分の体を貫いていた肉棹と向かい合う。
 その際ひきつるような痛みが少女を襲った。
 びゅる――小さな肉壺に入り切らなかった白濁液が逆流し、射精するように吹き出す。
 無理矢理の挿入から行為をしたせいか、吐き出された精液には赤色が混じっていた。
「――すごい臭い…綺麗にしますね…」
 少し萎れたペニスには血と精液、そして僅かに混じった少女の愛液でベトベトに汚れている。
 むせ返りそうな性臭に吐き気が再びこみ上げるが、少女は巨根にむしゃぶりついた。
 苦しょっぱい男汁を舐めとり、イヤらしい音を 立てながら啜る。
 フェラをしているわけではない。
 あくまでこれは事後処理、だが躾された体は男の快楽を引き出すように勝手に動く。
 玉を揉み、亀頭を舌先でほじくり、小さな口で、サイズ違いの肉棒を頬張る。
「誰がそんな事をしろと言った。
 ワシはただ綺麗にしろと――いや、一回では満足出来ない淫らな体になったという事か」
 再び劣情に火がついたのか、男は少女を押し倒す。
「剣も魔術も使えない愚鈍な娘が、床上手になりおって。やはり貴様はあの売女の娘よ」
「――」
 少女は否定も肯定もしなかった。
「姉のマリオンは立派な魔術師になったというのに、全く――お前は本当にワシの子か?」
「だって、姉様と私のお母様は違、」
「口答えをするな。ワシに意見するほど偉いのか貴様は?」
「…申し訳ありません…」
「リオよ…ゆめゆめ忘れるなよ。
 貴様のような無能者が何故、我が誇り高きリビディスタの屋敷に名を置く事が出来るのか。
 誰のお陰で、寝食を得る事が出来るのか」
「――分かって、います…」
「そうか。では貴様はワシの何だ? 言ってみろ」

「私は――お父様の性奴隷です」

 そう告白した少女の瞳はガラス玉のように虚ろだった。

 ***

 どんな辛い事があっても、夜は明ける。
 少女が実の親に犯されようが、戦争で人が何人も死のうが、疫病で国が滅びようが。
 太陽は昇る。一つの不幸ではきっと何も変わらない。
(私が死んでも、何も変わらないのかな)
 窓越しから降り注ぐ陽光で左手を透かした。汚れた手、父親の体液で汚れた手。
 戦士になれば、きっとこの手は血で汚れていた。魔術師になったら、綺麗なままだった。
(でも私には、そのどちらにもなれない)
 虚弱体質な自分は戦士にはなれない。才能のない自分は魔術師にはなれない。
(姉様、元気にしてるかな)
 腹違いの姉、マリオンの事を思い出す。
 あの父と同じブロンドの髪は流水のように滑らかで綺麗だった。
 ほっそりとした体は巧みな芸術家が造形したように美しく女神のようだった。
 染み一つ無い顔は凛々しく精悍だった。
 口数が極端に少なく、自分の感情を表に出さない人なので無愛想な顔ばかりが頭に浮かぶ。
 けれどその強さは本物だった。マリオンは魔術も剣も類い希な才能に恵まれていた。
 神から二物を授かった彼女は最年少でリビディスタ家を出た。
 今は王都でヘスペリスと呼ばれる女性だけの部隊に籍を置いている。
 マリオンはリオにとって、自慢の姉であり、憧れであり、大好きな家族だった。
(でも姉様自身は、私の事なんとも思ってないだろうな)
 唯一の姉妹であるリオにさえ、マリオンは感情を出さなかった。
 もともと合う機会が少なかったのも原因だろうが、会話をした回数は数える程度しかない。
602永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:15:56 ID:hl4slLyJ
 今思えば、やはり自分は姉にとっても鬱陶しいだけの存在だったのかもしれない。
「…私が死んだら、姉様は悲しんでくれるかな」
 ふと、そんな事を思い、すぐに考えを改めた。
(そんな事ないよね? もしそうなら、今のお父様の事切っちゃうかもしれないし)
 まともな感性を持っている人間ならば、リオの父親が実の娘にした事を許さないだろう。
 だがあの鉄面皮が怒りの形相に変わり、実の父親に手を掛ける姿は想像できなかった。
「姉様、今頃どこで何をしているんだろう?」
 リオは姉の姿を探すように窓の外を眺めた。

 降り注ぐ日の光が、リオには少し眩しかった。

 ***

 暖かな木漏れ日が巨大な体に降り注ぐ。
「ん――いい天気。こんな日はゆっくり光合成でもしながら昼寝でもしたい気分だわ」
 その巨体からうら若い女の声が発せられた。
 それは、一言で形容するなら巨大な花だ。
 根の代わりに何十本もの触手を蠢かせ、地上を闊歩する花。
 花冠の中央――雌しべに当たる部分に人間の女性が下半身を埋没させている。 
 それも生まれたままの姿で。
 張りのある乳房。ひきしまったウェスト。
 二十歳過ぎに見える女の裸体は淫靡でエロティックだった。
「ふあ――」
 アネモネ――と冠されたその女性型モンスターは人間クサい動作で欠伸を噛み殺す。
 そして惜しげ無く裸身を晒しながら延びをした。
 重力に逆らうように、たわわに実った乳房が揺れる。
「……あーあ、昼寝くらいさせてくれないかしら?」
 アネモネがぼやいた時だった。

 紫電が光条となり飛来する。

 だが。高速で我が身を穿とうとする魔術を、アネモネは裸身を少し捻る事で楽に避けた。
「はい外れー。その程度の攻撃であたしをどうにか出来ると思っているのかしら?
 顔を洗って出直してきなさい」
 広く大きい花弁の上にうつ伏せになりながら、木々の向こうに挑発的な視線を送る。
 途端に木々の向こう側から紫色の光が溢れた。
「…あら? 怒っちゃった?」
 モンスターの言葉を肯定するように先程の雷撃魔術がダース単位で飛んでくる。
「もう! 森がむちゃくちゃになっちゃうじゃない!
 人間はもっと自然を大切になさい!」
 悪態をつきながら正面に魔術障壁を展開。降りかかる火の粉から巨大を守る。
 同時に左右から殺気を感じた。足止めしている間に包囲する気だろう。
「もうっ、しょうがないわねえ…っ」
 四枚ある花弁。その内側から雄しべのような触手をいくつも生やす。
 と、その膨らんだ先端が弾け、辺りに桃色の霞をバラいた。
「催淫ガスだ!」
「マズい! マリオン殿! 防御魔術を!」
 周囲から男達の声がすると同時に、雷撃の嵐がぴたりと止む。
「そうそう、あたしが逃げるまでこっち来ないでね?」
 言うや否や触手を蠢かせ、巨大な花は森の奥へと消えていった。
603永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:17:57 ID:hl4slLyJ
 ***


「ちっ、またこのガスか!」
「死にゃしないだろ! 俺は突っ込むぞ!」
「馬鹿止めとけ! ガスを吸い込んだらどうなるか知ってるだろう!
 発情した猿みたいに死ぬまでマス掻くことになるぞ!?」
 深いの森の中、武装した男達が叫んでいる。
 彼らの目の前の空間は濃度の高い催淫性のガスによって大気がピンク色に染まっていた。
 ガスは驚くべき勢いで拡散し男達を飲み込もうとする。
 だが彼らを包み込むように展開した結界に遮られていた。
 その結界の中央に、美しい女が居る。
 白銀の軽装鎧に身を包んだ金髪の少女だ。
 細い腕には魔力を放射し発光するロッド、腰には細身の剣。
 魔力放射の余波で茜色のマントがはためく。
 それには黄金色の林檎を抱く女――ヘスペリスのエンブレムが施されていた。
「しかし、マリオン殿がいるお陰で助かる」
「若干十八で剣も魔術も扱えるとは、流石はヘスペリスの称号を持つだけの事はある」
「ああ、かの名門リビディスタの名に恥じぬ、魔術騎士だ」
「いやしかしだな。俺はガスを吸い込んだマリオン殿が乱れる姿も見てみたかったのだが」
 卑下た笑みを浮かべる男の騎士。
 その時、今まで一言も喋らなかったマリオンが初めて口を開いた。
「――あ」
「マリオン殿? どうなされた?」
「…魔力がなくなりそう」
 ぎょっとした表情で男達がマリオンを見つめる。ガスは未だに消えていない。
 もしこの結界がなくなれば、足腰が立たなくなるまで乱交パーティをする羽目になる。
 それどころか獲物であるはずのアネモネに美味しくいただかれてしまうだろう。
 めでたく全滅である。
「冗談だけど」
 例によって表情一つ変えずに言ったマリオンの言葉にがくり、と脱力する男達。
「マリオン殿、そういう冗談は――」
「私も、下品な冗談はきらい」
 片目を開き、乱れたマリオンがどうこう、と先程言っていた男を見る。
「ああ……はははっ、いやスマンスマン。
 だがなにしろこっちは健全な男衆だ。
 綺麗な嬢ちゃんに、色っぽいネーチャンなんかを見てるとよ?
 こう――な? 分かるだろ?」
「色っぽいネーチャン、って、あのアネモネか?」
「確かにスタイルは良かったな」
「ボンッキュッボンッ! だな!」
「あれはモンスター」
 ぼそり、とマリオンが呟いた。
「そうだがな。いやー正直退治するのは勿体ないというか」
「そもそもモンスターであるのが勿体無い!」
『ガハハハハっ!』
 一応戦闘中の筈だが下ネタトークでテンションが上がった中年騎士達は馬鹿笑いを上げた。
 マリオンはそんな男達を尻目に、軽装鎧越しに自分の胸に空いていた手を添える。
 鎧の内側には謙虚な大きさの丘陵が育っていた。
 同世代のそれと比べて遥かに小さいそれ。
 父と母からは戦士と魔術師、両方の優秀な血を受け継いだが体型に関してはそうでない。
 なんだかムカついてきた。
 馬鹿笑いを上げる男達が、自分とあの魔物の体を見比べ、蔑んでいる気がする。
『まあなんだ? 小さくても気にするな?』ってな具合に。
「余計なお世話」
604永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:19:36 ID:hl4slLyJ
「ん? どうしたマリオン殿? 胸が辛いのか? 鎧が小さいのじゃないか?
 いやいやそんな筈はないか、がはははははっ!!」
 
 トサカに来た。

 所見の人間なら、マリオンは口数の少ないクールな人物に見えるだろう。
 ところが真実はその真逆である。
 彼女は激情家だ。切れやすいとも言う。それを顔に出すのがとてつもなく下手なだけで。
 マリオン=リビディスタは、不器用な人間なのだ。
「――あ、やっぱり持たなかった」
 結界が消え去る。男達が口を開いたまま硬直した。
 勿論わざとだ。この後男達がどうなるか想像に容易いが、知った事ではない。
「撤退。後でアレエスの街で合流する事。それじゃ」
 転移魔術陣が展開されると、騎士達が何か言う前にマリオンの姿が光になって消えた。
 男達の表情が絶望に歪む。
『嘘だああああ!?』
 催淫ガスが絶叫する男達を飲み込んだ。

 ***

 仲間の絶叫を聞き流しながら、マリオンは麓に見える街を見渡した。
 豊かな森に囲まれたその街は、彼女の故郷アレエスだ。
 その北側にリビディスタの屋敷が見える。故郷の地に足を踏み入れるのは実に二年振り。
「――リオ。ただいま」
 小さな言葉は風に吹かれて消えたが、マリオンの優しい微笑みはいつまでも消えなかった。

 ちなみに例の騎士達だが。
 哀れ、催淫ガスに理性を奪われ、明け方まで『男だけの』乱交パーティをする事になる。
 だがそれはまた別の話。

 合掌。

 ***

 マリオン=リビディスタが偶然にも帰郷を果たす前日の話である。
「おはようございますリオ様。さて。今日の体調は――どうなのさ!」
「どうして最初だけ丁寧語なの?」
「メイドだから!」
「後の方は普通だったのに…?」
「なんかめんどくさくなった!」
「最初から普通にお話すればいいのに…」
「普通はつまらん! パセットは波乱万丈な人生を送るのだ!」
 大げさな身振り手振りを交えながら(≧∀≦)な顔している彼女は、リオ専属の世話係だ。
 名をパセットと言う。
 優しいブラウン色の髪を肩まで伸ばし、犬耳のような癖っ毛が跳ねている。
 それが人見知りをしない人懐っこい性格を象徴としているようで非常に似合っていた。
 年はリオよりも二つ上だが、言動や行動が『これ』なので友達という方がしっくりする。
 そう。パセットはリオにとって唯一心を許せる存在だった。
(パセットちゃん、今日も可愛いな)
 自分の体にコンプレックスを持っているリオには、パセットが魅力的に見えた。
605永久の果肉1:2010/02/08(月) 19:21:24 ID:hl4slLyJ
「服を脱げ――っ!!」

「え、ええ!? パセットちゃん!?」
「このパセットが、リオの体を隅々まで綺麗にして、ア☆ゲ☆ル」
 世話係らしく、汗を拭くのと着替えを手伝う事を言っている。言っているのだが。
 パセットはわざといかがわしい言葉に変換していた。
「いいよ、一人でするから。パセットちゃん、他の仕事してきていいよ?」
「そんなのつまらん。パセットは、リオっちとイチャイチャしたいのだ!
 と言うわけで観念しろー!」
 布団を引っ剥がされ、腕を掴まれる。

 唐突に。昨晩父親に汚されたことを思い出した。

「いやあっ!!」
 ぱしん、とパセットの手を払いのける。
「――え?」
 パセットが理解出来ない、といった顔をした。
「――あっ…!? ごめんなさいパセットちゃん!
 その、今日は気分が悪いから、もう寝たいの」
「…でも、もうお昼だよ?」
「ごめん今日は、いらない」
「でも、ちゃんと食べないと、体力付かないよ?」
 きっとパセットは気を使ってくれているのだ、リオが体が弱い事を知っているから。
 それは純粋な優しさだ。だからこそリオにとっては、眩しく、時に嫉ましく見えてしまう。
 可愛いパセットちゃん。優しいパセットちゃん。それに比べて私はどうだ?
 この体はもう汚れている。その心も度重なる調教で卑屈に、淫らにねじ曲げられている。
(だから見ないで、こんな、こんな汚い体を――私を見ないで!)
「ごめん、パセットちゃんっ、お願いだからっ、今日、だけはっ…!」
 気がつけばリオは嗚咽を漏らし、涙を流していた。
 両手で顔を覆い、早く出て行って、と言外に叫んだ。
「あ――うにゃ。いけないいけない。やっぱり無理矢理はいけないね?
 スマートじゃないもんね。それじゃパセットは出て行きます」
 パタパタとワザと元気に部屋を横切りドアを開ける。
「何か困った事があったらすぐに呼んでね? 
 パセットは地獄の底からでも飛んで来るから! じゃね!」
 バタン。扉が閉められ、リオは一人になった。
 さっきまでの空気が嘘だと思うほど、部屋の中が静まり返る。
 パセットの存在は良い意味でも悪い意味でも、大きかった。
「――パセットちゃん?」
 不意に空虚感が溢れ出し、人懐っこい笑顔を求めて視線を彷徨わせる。
 だが部屋の中に求める人は居ない。追い払ったのは自分だ。
「――怒ったよね?」
 当然だ人の善意を、払いのけたのだから。
 少なくともリオが同じ立場だったらパセットのように最後まで笑っていられる自信はない。
「私の事、嫌いになったよね?」
 呟く言葉は宙に溶ける。
 リオはウザい。リオは汚い。リオは臭い。リオは淫乱。リオはブス。リオはイヤな奴。
 そんな人間に、友達が出来るわけがない。

 この瞬間。リオの中から唯一の友達すらも居なくなった。

「もうどうでもいいや」
 そして度重なる陵辱にすり切れた心は、悲しみ咽ぶことよりも、現実からの逃避を選ぶ。
 リオは布団を被り直し、瞳を閉じた。
 カーテンの向こうから漏れる陽光が、疎ましくて、すぐには眠れなかった。
606乙×風:2010/02/08(月) 19:23:17 ID:hl4slLyJ
 以上になります。誤字脱字等、指摘があれば宜しくお願いしますぅ。
 そしてエロ少なくてごめんなさい。
 天文部は完全に実用性重視だったから今度は別の方向性で行こうと思ったのですよ。
 なのでエロとキャラ立ちとシナリオをバランス良くやっていくつもりです。
 寄生要素は四話くらいからですかねぇ。
 エロが無い話もあるので気に入らない方はスルーしてくださいね。

 それでは今回はここで失礼します。幼女万歳。
607名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 19:56:12 ID:i7rGyvlX
おおこれは楽しみだ
608名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 22:48:33 ID:XxqzEGdn
>>606
GJ!そして幼女万歳に禿同

ついでに「クールに見える激情家」かつきっちり考えてサラリと無茶をやってのけるマリオン様にもシビレルアコガレルぅ
アネモネ、騎士団の男衆、パセット…脇を固めるキャラクター達も生き生きとしてて、これからとても楽しみです
609名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 14:03:27 ID:q5SDmAn1
乙×風氏お疲れ様です
ストーリ展開の速さと読みさすに脱帽です
4話といってましたがもうすぐにでも寄生が起きそうなフラグばかりですね
610名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 21:20:35 ID:VqPmUIc6
乙×風氏が言ってた別の投下場所での連作ってどこにあるか解る人いる?
みつからねぇ
611名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 23:46:25 ID:hW5emnbu
612名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 02:03:22 ID:EjL0zt9F
同一人物だったのか・・・
613名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 12:19:36 ID:HIle3jJj
>>606
久しぶりに見たら乙×風氏の作品が来てた!
これからの展開に期待してます
614名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 15:06:22 ID:AIE0cgUf
>>606
お疲れ様です
なんとも危ない方向に進んでいきそうな感じを匂わせるのにそわそわしますw

それにしても、続編ということは前作の方は打ち止めなんでしょうか(´・ω・)
615乙×風 ◆VBguGDzqNI :2010/02/10(水) 18:13:12 ID:jWO+6BHz
 住人の方々、感想ありがとうございます。
『あちら』にいた時間が少し長かったせいで文体が少し変わってしまいましたが。
 今のところ特に読み辛い、という意見は無さそうですね。少し安心しました。
 尚、知っている方も居るとは思いますが『あちら』に投下した連作は寄生要素がとても少ないです。
 その上超鬼畜なお話なのでこのスレ的にはお勧めできません。
 題材も東方と呼ばれる同人ゲームの二次的創作物なので元の設定をある程度知らないといけませんし。
 だからよっぽど興味があるか、もしくは暇な方以外は読まない方がいいと思います。
 ちなみ例の作品ですが異様に長いです。平均60KB程の作品を10本。
 しかもまだ途中。先はまだまだ見えません。
 
 スレ違いなのでこの辺にしておきましょうか。
 今回の『永久の果肉』シリーズですが、タイトル通り、無限の果肉の続編となります。
 しかも前作と完全に話が繋がっており、あれから約二百年後の世界となります。
 旧キャラは殆ど出てきません。一人を除いて。
 次回投下分はその旧キャラとヒロインのリオが接触するお話。
 物語は進展しますが、エロも寄生もないので抜き目的の方はスルーしてくださいね。

 尚、前作『無限の果肉』シリーズですが。
 キャラが多すぎて収集が付きません(´・ω・`) 自業自得ですけど。
 まあ、大筋は大体決めています。エンディングも考えてます。
 だがそこまでの経過を書くのが辛い。ひたすらエロシーンですから筆が進まんのです。
 ですから『永久の果肉』に続投の旧キャラに、過去話という形で『無限の果肉』の顛末を語らせるつもりです。
 ファンの方々、今まで期待させておいて大変申し訳ないのですがそういう事でどうかお願いします。
 その分今回のお話はきちんと完結させるつもりです。キャラも絞りましたしね。 

 長々と失礼しました。
 今は筆が乗っているので多分、次週くらいには投下出来ると思います。
 それではこれで。
616名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 20:48:15 ID:0YQBgIaN
次の投下までに次スレに移行しているだろうか
617名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 20:40:38 ID:8EBQ1fCH
乙風さんお帰り!


ひそかに東の方のスレでも寄生やら悪堕ちやら洗脳を期待してまし……ゲフンゲフン
618名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 21:45:46 ID:6s2VdEIA
まだ25kBあるから1話ぐらいの分量なら大丈夫なんじゃないかな
最近作品少ないから久しぶりの大作に期待です
619名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 22:15:08 ID:38eKU60w
残り22じゃない?
620名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 22:15:28 ID:38eKU60w
間違い12
621名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 01:38:44 ID:qCcambsZ
あはっ…はぁい…次スレ…立ててきましたぁ…
だからもっとぉ…もっと…くださぁぃ…

ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266079003/
622名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 18:02:15 ID:VjkYEO7V
快楽によがる>>621の目の前には、今己の身体の支配を奪い取らんと蠢く無数の虫達が何処より潜り込まんとするか品定めをしていた。
鎌首をもたげ、乙の字を描く虫達。それらはまるで新たなる苗床としての>>621を賞賛しているかのようでもあった。
――或いは、これからの幸せを祝福しているのかもしれない。どのようなメッセージが籠もっているのか、しかし>>621は知ることはない。
ただ、己が待望の瞬間を待ち続けるだけだ。

――耳穴から飛び出た、蚯蚓のような虫の合図を号令に、虫達は>>621の全身に絡み付き、思い思いの場所に身を潜らせていった……。
623名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 18:43:40 ID:7GAHZtOT
>>622
これは次スレも期待せざるを得ない。
624名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 14:30:12 ID:kHL/gF4W
>>621-622
バレンタインに甘いチョコならぬ甘い快楽…だと…
625名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 18:29:26 ID:yqmJVbJP
もらったチョコからニョロニョロがぁ!!!!
626『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o :2010/02/16(火) 18:27:33 ID:jBarBhNN
穴埋めいたす。ちょびっと食人等グロ表現あり。トリにて回避よろしく。容量関係で最後まで入らなかったらゴメン。


 思えばその日は、おかしな事が色々とあったのに迂闊にも私はその一つ一つの点を
結び付けて考えることができなかった。

 3月14日の早朝、私は仕事に向かうためにアパートの部屋を出た。いつものように
階段を通り、集合郵便受けで自分の部屋番のボックスから新聞を引き抜くと、一緒に
何かが引き出されたらしくパサリと物が落ちる音がした。
 私は何だろうとコンクリートの床を見た。その音の主はどうやら白い物体を入れた
袋状の透明なビニールを可愛らしいリボンでラッピングした物だった。

『川上美鈴さん Happy White-day バレンタインのチョコをありがとう』
「は?」

 袋の表面に張られたシールの文字を読んだ私のこの間抜けな反応には訳がある。
私はバレンタインデーには誰にもチョコを渡していないのだ。心ときめく男性と言う
ものもいないし、職場は殺伐としている所で新米の私がチョコなど出そうものなら
「そんな事で浮かれてる暇があるなら仕事を覚えろ!!」などと罵声が飛んできそうな
雰囲気の所なのだ。
 まぁ、それでもひょっとして職場の誰かが「チョコは?」などと言った時のためにと
いかにも義理だと分かるように、苺とチョコが二段になった三角のポポロチョコを一箱
買って携行した一日であったが、結局そのような事もなく、帰り道、公園のベンチに座り
独りで食することになった。
 と、ここで私は、大事なことを思い出し迂闊にもその意味不明の袋を鞄にしまって
出勤の途についた。

 家の近くの公園、そうここでする事が“大事なこと”私は目的の対象を探す。
だが、茂みやベンチの下やごみ箱あたりを探してもふわっふわの白い仔猫は見当たらなかった。
 実は、バレンタインのあの夜、私はここでチョコを食す折、迂闊にもひとつ取り落として
しまった。かなり探したのだが暗さもあり結局見つからず、仕方なく翌朝も探しに行って
その仔を見つけた。それ以来、失くしたチョコを探しつつその仔猫に餌をやっていたのだが……
見当たらない。

「良い飼い主に拾われたのなら良いが」

 私は独りつぶやいた。するとどこかであの仔猫の甘えた鳴き声がしたような気がした。
まぁ、気のせいだろうと思った。だって自分の鞄の中から聞こえた気がしたなんて……。

 少しさびしい様ななんとも言えない気持ちを抱えて出勤したが、勤め先でそんな事を
考えていたら一発でどやされてしまう。私は職場の玄関で気持ちを切り替え、自分の課に
入る時いつものように敬礼し声を張り上げて言った。

「おはようございますっ! 川上検査官、只今出勤いたしましたっ!」

 あちらこちらから「おう、おはよう」と声がかかった。
 ここは『触手管理局人的被害対策第2課』である。西暦2010年の獅子座流星群のあの夜、
流星にまぎれて地球に降り注いだ触手との攻防は未だに続いている。
 街にゴミが無いのも――ゴミを落としてはいけないのもそのせいだ。触手の中には
無機物になら擬態できる物がいる。触手の質量から言って靴より小さな物が危険とされている。
私がポポロチョコひとつに必死になっているのもそのせいだ。
 ……つまり、ポポロチョコ紛失は物凄い失態である。バレれば始末書がきっと束で襲ってくる
だろう。私はポポロチョコはあの仔猫が食べたのであれば良いと願わずにはいられなかった。

 と、まぁ、そんなこんなで一日の仕事を終え、家路につく。帰りにも公園に寄ったが
やはりあの仔猫はいなかった。
 私はアパートに帰り着き、シャワーを浴びるとバスローブのまま缶ビールを呷った。
「アパートじゃなきゃ飼えたんだけどな……」そんな、今更どうにもならないことを呟きながら、
酔いが回った私はそのままベッドに倒れ込んで寝てしまった。
627『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o :2010/02/16(火) 18:28:30 ID:jBarBhNN
 どれくらい眠ったろうか、私は違和感で目を覚ました。
――手が自由にならない?
 まるで後ろ手に縛られているように動かない。なぜ? 誰が?

「誰っ!?」

 返事はなかった。だが、ベッドサイドで何かがカサカサと音を立てた。こんな音がするものと
言えば、黒くて艶々してる6本足のアレか――じゃなくて、その音のする方を見ると今朝の
ホワイトデーの包みが落ちていて、私は鞄から出したっけ? などと思いつつも、その形状の
変化に気が付いた。その包みから白い紐状の何かが私の方に伸びていた。恐らくはその端が
私を拘束しているのだろう。
 瞬間、酔いも醒めゾワッと毛が逆立つ、アレは触手! ならば猶予はない。私は身を捩って
拘束から逃れようとした。するとその抵抗に引きずられ、紐状の物に繋がった包みが宙に舞った。
 そこで、可愛らしい包みは形状をゆがませ完璧な触手の一科の形状をなした。

――触手目流動体スライム属フィラム科
 完璧な擬態をし、その能力からもかなりの知性が窺える。雌雄異体。それから、それから……
記憶の中からソレの弱点を探すが、焦り過ぎて何も浮かばない。
 そうする間にも、ソレは幾本もの冷たい紐になって私の脚を這い上り、バスローブの中へ
潜り込んで来た。

「嫌ぁぁ!! やめて!! 怖い!!」

 叫んだところで、どうにもならないと分かっているのに叫ばずにはいられなかった。
職業がら触手に寄生された者の末路をいくつか知っている。触手局に入局するとすぐに
見せられるビデオにあるのだ。
 それは、歪んだ自分の趣味のため幾人もの患者を殺してきた死刑囚の元女医が、減刑を
条件に触手寄生の実験に臨んだ時の物だ。
 触手が寄生すると女医は、カメラの前だというのに淫らな声で喘いだかと思うと、涎を流して、
髪を振り乱すなど、知的な女医の面影はどこにもなかった。そうするうちに過ぎる快楽から
触手を引きはがそうと手を伸ばした。悲劇はそこで起こった。伸ばした彼女の手は触手に
呑み込まれ、出てきた時は骨の一部しか残っていなかった。そのまま彼女は、絶叫とともに
肥大化する触手に呑まれて消えた。
 他にも、触手の卵を産みつけられた人の腹を破って触手の仔がわらわらと出てくる映像や、
触手が肛門から入って数分後に腹がペコリとへこみ、内臓を食われ死んだ人の映像も視た。
 その現実が、今ここにある危機。

「い、嫌っ! 嫌だぁっ!! やめっ! はぁん」

 はぁん ……だと? 私は自分の口から出た声が信じられなかった。あんな不気味な触手に
躰を這いずり回られて、自分でも初めて聞く変な声を出すなどと……。

「やぁ、もう、だめぇ……そんなとこサワサワしないでぇ」

 私はバカバカしいことに膣と肛門の間をくすぐるように動く触手にお願いをしていた。
何を言っているのだと頭の片隅では思うのに、その少ない理性の部分すらどんどん痺れたように
なって行く。これではあの女医のようではないか。そう思うと情けないことだが恐怖で躰が
震えてしまう。

「いやぁっ!! そんなとこ入ってこないでぇ!! 嫌、嫌、だめぇん……あぁん」

 膣と肛門からの侵入を感じ、私は恐怖のあまり失神した。


 私が意識を取り戻すと、手の自由が戻っていた。死んでもいない。あれは酒が見せた悪い夢
なのかと、変な夢を見た自分のアホさ加減にがっかりしながら起き上ろうとして再び違和感。
 今回はダイレクトにとっても大事な部分に感じた。私は恐る恐る鏡を取って自分の大事な
部分を見てみた。

「嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!」
628『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o :2010/02/16(火) 18:29:42 ID:jBarBhNN
 エロイ事になった、じゃなくてえらい事になっていた。薄水色で透明で薄い板コンニャク
みたいなのが貼り付いていた。言わずと知れた触手である。夢だけと夢じゃなかった――。
 それが、表面に貼り付いているだけならまだ救いもあるというものだが、どう見ても私の
体内に入り込んでいるとしか思えなかった。透明ゆえに見えてしまう。ぽっかりと口を開けた
膣と肛門。そう分かってる。感触がする、前と後ろに太い何かが入ってる感触が――。
 ここで私はまた気を失いそうになったが、それは許されなかった。

「嫌? あ? 何? うご、動かないでぇ!! あぁん」

 前と後ろと両方の穴で抽挿が始まり、私は身悶えた。すると信じられないことに声がした。
≪美鈴、痛くない? 大丈夫?≫
 私の股間から……。クリトリスを震わせて。触手がしゃべってますよ?

「ひゃん、だめぇ……そんなとこブルブルさせないでぇ、あぁん」
≪え? あっ……じゃあ≫

 それはまるで水が流れるように私の乳首に延びて、今度はそこが震えて声を出した。

≪ここならいい?≫
「嫌ぁっ!! どうしてそんなとこばっかりぃっ!!」
≪アレ? おかしいな? 今、美鈴が寝ている間に確認した、心地よく感じていると
 反応があったとこなのに≫

 触手は人間の感情などを汗の成分や心拍数から感知することができると習ったが研究は
間違いないようだ。

≪それじゃ、ここならいい?≫

 胸を経由して延びた触手が私の唇の上で震えて口内に入り込んだ。そしてそのまま私の
口の中を隅々までつつきまわり、最後に舌を擦ってから吸い上げて出て行った。

「ふぁっ、あぁん」

 口から出た触手は細く二つに分かれて私の頬を撫でるように這い上って耳に入り込んだ。
ぞくぞくする。触手はそこで優しい音を出した。

≪バレンタインのチョコありがとう≫
「何の事よっ!? ひゃん」
≪2月14日に夜の公園でボクにくれたでしょ?≫

 私はあの無くしたポポロチョコの事かと瞬時に悟った。

「別に、アンタにやったわけじゃっ!! ふぁっ」
≪あ、それ知ってる。ツンデレって言うんだよね?≫
「違うからっ!!」
≪ボクはOKだよ≫
「な、何が? ひゃぁぁん」

 時々変な声が出るのは、触手が私の膣と肛門を出たり入ったりしているせいだ。

≪つがいになること≫
「つ、つがい?」

 ってあれか小鳥とか雌雄を一緒に飼うことだよね? え? え? え? それって??

「いや、いや、いや、そんなの望んでないしぃ……あはぁん」
≪ニンゲンって何かと嘘つきだよね。繁殖孔が水分を出すのって最高に気持ち良くって、
 子孫を残したくなった時だって知ってるよ。こんなにびしょびしょにしておいて……
 それにさっきから雄を誘う鳴き声を出してるでしょ?≫
「これは……あん、あ、ああぁん……違うの……」
629『INADVERTENCE』 ◆h4.Hpofy9o
≪ほら、また嘘言う。しょうがない。正直になるまでお仕置きだ≫

 それから触手は激しい抽挿をしたかと思うと、ぴたりと動きを止めることを何度も繰り返した。
私はその焦らすような動きにもう訳が分からなくなって、尻を振りながら触手に向かって懇願していた。

「あぁん、あ、あぁん、もうどうにかしてぇ、もう、正直になりますからぁぁん」
≪わかった。じゃあボクとつがいになるね?≫
「あぁん、いい……いいの」
≪ボクと一緒に触手の森に来るね?≫
「あぁん、もう……イクイクイクゥゥゥゥッ!!」

 私は膣内に注がれる熱い物を感じながら、あまりの快感にそのまま気を失い、気付くと見知らぬ森の
草の上に寝ていた。

「ここ……?」
≪触手の森だよ≫
「ど、ど、ど、ど、どうやって?」
≪みんなで力を合わせて自動車になって運んで来たんだ。マイハニー≫
「その、微妙にズレた人間情報はいったいどこから来るわけ?」
≪美鈴は知ってるでしょ? ボクらが風に乗せてメモリーを伝達できるって≫

――触手目流動体スライム属フィラム科――別名、詠う妖精

≪美鈴にチョコを貰った時、美鈴のホントの気持ちが分からなくて、暫く仔猫に擬態して
 様子を見てたんだ。そしたら美鈴はとても優しくてボクは直ぐに気に入ったよ。
 あぁ、でも、この星にこんな素敵なイベントがあってよかった。 さぁボク達の子どもを
 作ろうね。きっと美鈴に似て可愛いよハニー≫

 触手は無機物にしか擬態できなかったんじゃなかったのか? っと思ったが、その後は
もう何も考えられなかった。

「やぁぁん、そこはだめぇ……あぁん、気持ち良過ぎるのぉ、あん、あぁん」
≪美鈴ったら、ボクの受精管をそんなに締め付けて絞りだそうとするなんて、そんなに
 欲しいならいっぱい注いであげるからね≫
「ひゃん、すごぉい」

 こうして私は迂闊にも触手の妻になりました。

                  ≪終≫