ghm・須田51作品でエロパロ 料亭2クシマ

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1イワザル
御主人様
ヤバイです
ヤバイにも程があります
このようなスレッドが立ってしまいました
簡潔に説明いたします
シルバー事件、花と太陽と雨と、killer7、No More Heroesなど
須田51、及びghm作品のエロと萌えを語るスレです
基本スタンスは男女及び百合となります
数字は専用板があるので是非そちらでお願いしたく思います
荒しは完全無視(アウトオブ眼中)です
2イワザル:2009/08/17(月) 16:39:02 ID:nWL+qswP
こちらは過去スレになっております
【シルバーFSR】須田51・ghm作品【killer7NMH】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189003197/
保管庫はこちらです
ttp://ghmerpr.web.fc2.com/

我はハーマンの名の下に…
3名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 23:47:50 ID:Tltcbccn
>>1乙です

時期外れで土用丑でウナギを食べようと裸足に聞いて業者が奮発したら
ヘビなんて食えるか! と暴君盗人にキレられて涙目な所を妄想した
餓鬼は見えないから、覆面は食べた事があるから、眼鏡は喋らないから、
大将はそもそも気にしない(orそういう日本食&風習があると知ってる(落日前半のアレを見るに)から
で気にせずむしゃむしゃやってるといい
4名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 00:07:29 ID:3oTfxpIS
>>1

>>3
盗人はウナギ食べられそう…って思ったのは広島弁のせいだろうか
5名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 15:52:19 ID:9se1vMoX
>>3
ケヴィンはイギリス出身だし地元に比べればなんだっておいしいですとか思ってそうだな…

それから地味に日本食が同盟内で流行って、
かっこつけながら緑茶に砂糖とミルクを入れて覆面にサバ折りを食らい、
裸足からグリーンティの粉末パックを投げつけられる暴君と盗人余ゆ… あれなんかおかしいな
6名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 00:47:12 ID:LPCaYNAQ
そういや、楓って「日系人」であって「日本人」ではないよな・・・?
海外の日本人コミュニティのことは知らんが、楓はどこまで日本を知っているのだろう?

暴君や盗人あたりが盛大に勘違いしてるのを見てツッコミを入れつつも、なんかズレてて
実際に来日経験のある覆面にさらにツッコミをいれられてショックと赤面で変になった楓がおもいうかんだのだが。
7名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 00:56:15 ID:2p4sS4vM
1乙

新スレ立って初の話題がまたなんとも言えないあたりここの住人達は流石だと感じた


同盟の日本ブームに悪のりさせていただこう

お盆ということで墓に肝試しに行く愉快な殺し屋達はどうですか

くじ引きで二人一組ルールでお願いします
8名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 01:12:29 ID:2U/vfWxP
>>6
日本じゃなくて中国だけど「グラントリノ」に出てた人達は、中国文化がしっかり浸透してる感じだった。

>>7
・ペアになれるように、くじ引きに何かしただろうメイドとハーマンペア。
・裸足と同じ組になりたくてドキドキする盗人(しかし裸足は餓鬼と一緒に)
・暗闇で光る眼鏡の目にびっくりして腰が脱ける盗人
9名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 10:25:24 ID:t5JQyBNn
>>6
政治屋の家系みたいだし、
例え日本家屋には住めなくても(いっそ建てそうだけど)風習とかは親が教えるんじゃないかなあ。
10名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 19:04:58 ID:LjZuTgYH
どうも、保管庫の中の人です。2スレ目おめでとうございます。
テンプレとかいろいろやっときました。
これからもこっちをヒィヒィ言わせてくれよな!(更新量的な意味で)

>>7
自分だと本当にヤバいもの連れて帰っちゃって最終的に部屋の角を埋め出す同盟しか出てこなかったOTL
11名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 19:39:11 ID:06VlPU0t
餓鬼は目が見えないから
音聞いただけで何の音か分ってしまいそうだな

と、此処まで考えて眼鏡消えれるし
ケスなんて唐突に生首だし
ヘヴンスマイルと戦ってるし
そもそも皆幽霊みたいなもんだし
大抵のことでは誰も驚いてくれ無そうだなと思った

怖がる振りして裸足に飛びつく餓鬼が
自然に裸足の胸に顔を埋めているのを見て盗人がギリギリしてるのを素通りして
餓鬼の頭を裸足から引っぺがす暴君とかか?
12名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 01:54:14 ID:5g0ung7y
盛り塩を勘違いして盛り砂糖をしちゃう盗人

んで夏場だから虫沸いちゃって肝試しよりも恐ろしい体験をするはめになるんですね、分かります
13名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 17:14:23 ID:QEclSese
>>12
せっかくだから網と籠持って行こうぜ!

それにしてもこのスレは馬鹿な同盟ばっかだなwwwwww
反動というやつか…
14名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 20:43:34 ID:D5+JV1Vk
盗人のヘタレ度が凄まじいな
だが、そこがいい
15名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 21:32:35 ID:cf3Gy60u
シリアスも読んでみたいっちゃそうだなー
トラ父におもちゃにされるロリジーンとかムーン勢とか
16名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 00:10:24 ID:W1snaYmX
ほしゅ
17名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 23:54:40 ID:W1snaYmX
ホリーかわいいよホリー
18名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 04:00:59 ID:kT7L2UBy
>>17
激しく同意

ホリー戦のラストは涙腺崩壊物だよなぁ…
19名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 23:44:03 ID:Fkvbcifm
デストロイマン倒してトラヴィスもプレイヤーも調子乗りかけてる所に、
(シルヴィアの電話と)ホリーっていうのは、死角からアッパーカット食らったような気になったなー
8位戦で学校に行けと云われる電話で地味にピースのおっちゃんの事引きずってるあたりとか、
やっぱ51は上手いといわざるを得ない。

ところでシノブ21歳のエロさがパネェんだがどういう事?トラ様とヤったってこと?
あの色気で処女とかでも十分おいしいけどな!
20名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 00:31:21 ID:HXL96TEI
ほしゅ
21名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 06:11:22 ID:FKhyHgcs
Hoss you!(ほっしゅー!/某14歳のニュアンスで

暇潰しごめん…
22名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:53:37 ID:/KylC6Sw
久しぶりにキラー7やったら楓さんがかわいすぎて困る
23名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 22:32:36 ID:E9DILOHq
楓やコヨーテは能力が無いと進めないところもあるけど、
デュプリケーターはダン以外でも倒せる(時間は恐ろしくかかるけど)ことを考えたら、
もしかして同盟で一番いらない子ってダンじゃね?

というようなことを考えていたら、
仕事の日の朝TVの占いを気にしたり
デュプリが出てきてくれるように願掛けをするダンが流れ星のように浮かんで消えていった
ついでに同盟内で唯一生年月日が判明してるガルシーを例のアレで占ってみた
ttp://www.geocities.co.jp/Playtown-Yoyo/3145/jasin/uranai11.htm
24名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 18:48:23 ID:/oRKO0Wi
デュプリの黄色い腫瘍はコヨで一発か二発で倒せたような気がする。

ケヴィンでやると確か200越した気がする(経験済

つかガルシーの占い吹いたwww
当たってんのか当たってないのか微妙wwwwww
25名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 00:48:11 ID:jAIdD8An
>>24です
連続投下ごめん...

訂正↓
コヨで一発か二発→コヨのチャージショットで一発か二発

普通の弾で一発か二発だったらコヨ強すぎるorz
26名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 01:04:18 ID:4UMBDjpM
ガルシーは正体知ってる人間以外には割と過小評価気味な気もするがwww

楓ちんの絶対領域を見てみたいと思うが、
裸足じゃない楓ちんは楓ちんじゃない気もする今日この頃
27名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 05:29:52 ID:ph3K54DY
ほっしゅー
28名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 00:05:35 ID:QeboAqqb
>>25
それって、魔弾より試験管使う量少なくてすむ?
だとすると、ダン涙目www

あっ、その分ストーリーに絡んでるのか
29名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 04:24:55 ID:VtX1+6Ms
まあ試験管節約は出来るけど、血闘じゃあ使えないからあんまり意味ないんだけどねorz

コヨ使っててデュプリに遭遇して交代するの面倒な時は実はそのままでイケる程度


それにしても、続編とは言わないがカットされたシーンが入ったのとか出ないかなぁ

出ないっぽいね

ダン以外の人格のムービーシーンがもっと欲しかったと思ってるのは俺だけじゃないはず
30名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 08:21:39 ID:qsd8JYgH
>>28
黄色い腫瘍は敢闘のみだから死闘と血闘じゃダン必須
なんやかんやで誰が欠けても上手く回らないようになってるのがいいところ
>>29
今続編だか焼き直しが出るとすればプラチナと組んでセガからか…余計売れないな…。
しかしネタバラシである副読本の構成からしてあんなだし、シナリオ集とかも今後出ないんだろうなあ。
その分妄想できるわけだし人の解釈も聴けてウマウマなので個人的には一向に構わんが。
31名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 20:31:08 ID:0YH8u+Yj
ほしゅほしゅ
32名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 01:51:11 ID:juDEzxKV
ほっしゅー
33名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:23:10 ID:PZtAxKbD
仕事の休憩中に机につっぷしてたらダンが楓に膝枕してる光景が一瞬見えて目が覚めた
普通逆じゃないのか
34名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 23:32:26 ID:5c8M6h4M
即座にきんたまくらの方が浮かんだ自分はどうかしている
きんたまくら楓は知らんだろというツッコミは受け付ける

NMHDSの大人になったシノブがエロくて困る
あの太腿は鞘オナニーが映える。間違いない
35名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 10:29:14 ID:pf45eAEF
  _, ,_  パーン
( ‘д‘)
  ⊂彡☆))Д´)>>34

なぜかはよく解らないが>>34を殴っておかないといけない気がした。特に上2行。
36名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 10:44:04 ID:XYHu3h7q
トラヴィスの枕オナニービデオは、ビデオ屋の女店員に見せてキャーキャー言わせるために撮影したんだろうか
37名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 18:57:48 ID:v/Wbdsrw

        ↓
    ∩   ∧_∧
    丶\_(>>34 )
     \_   ノ
∩__  //   /
|__ \/ /  /|
   \| L__ノ |
| ̄ ̄ ̄ \   ノ
| 厂Г| ̄( 。A。)
| ) | )  ∨ ∨
し し
     ノ)
    / (
    /  \_
   |   丶丶
   /\___ノ へ
   |     / |
   /\___/ |
  |      /
   \_____/




   へ――-、
`/ ̄ ̄ ̄ __\
f 厂Г|\___ \-、
| ) | ) ( 。A。\ミソ
し し  ∨ ∨
      __
      | ノ __
      / / /_ノ
    _/ /_//
    (,';人;⌒丶,'
   /丶)⌒丶 人)へ'
   |  ̄ ̄ ̄ / |
   /\____/ |
  |       /
   \_____/



俺的には全体的にアウトな気がした
38名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 22:59:02 ID:pf45eAEF
>>36
最終的にはダイアンさんも慣れきって至極事務的な留守電だったけどなwww
39名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 22:16:19 ID:hf1hVQfF
>>33
ソファでうたた寝してたらいつの間にか楓が寝てたとかか
40名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 00:13:14 ID:txKQeFlK
膝枕もいいけど肩枕もいいんじゃないかと

ふと起きたら楓が肩に寄りかかって寝てて、なんとなく動けないダンとか

コヨはマジ照れしそうだね
41名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 06:49:00 ID:+GwfkqBB
ほしゅしゅ
42名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 00:55:36 ID:R8llWL61
>>40
ダンに寄りかかって寝ている楓の腰に
コンが張り付いて寝てる姿を想像した。
ついでにその向かいや背後で他の面子が
何事も無く飯食ってたり筋トレしてたり
してて、何だかもうイライラモヤモヤ。
43名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 17:55:10 ID:hoTwFfLW
もう誰かが誰かを枕にして全員寝とけ
44名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 19:06:15 ID:qB9M/raz
>>43
全員で誰かを支えにしてブリッジみたいなかっこで輪になる同盟を想像した。
あれなんていうんだっけ
45名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 00:12:46 ID:VNj59xIM
保守
46名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 00:20:12 ID:sGr38bA3
>>43
みんなででかいソファでまったりとお昼寝してるといい。
しかし、暴君あたりが盛大にいびきをかいて他がイライラしてるのが浮かんでしまった・・・
47名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 00:37:28 ID:nnq+tHUj
だがその件で他メンバーから睨まれるのはなぜか盗人であった とかな
48名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 16:52:09 ID:vbL1Uu4N
結局盗人そーゆー役目なのねwww
49名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 21:55:40 ID:1++aanHe
みんなに白い目で見られても、楓たんだけは無表情ながらも優しく盗人をよしよししてくれると思う
50名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 23:35:07 ID:WZ8UnR3R
そんな感じで55年やってきたのかwww
51名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 02:21:52 ID:Cer9JI/g
51げと

その後目覚めた暴君がその話(楓がコヨをよしよしの件)を聞いてコヨをぶっ殺しに行くんですね、大変よく分かります。
52名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 13:46:42 ID:6D9g+9jN
お気に入りの先生取られて仕返しに行く幼稚園児みたいなことになってるぞwwww
53名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 21:36:31 ID:6x7DCf7h
>>51
「もとはといえばおまえがでかいいびきをかいてたんじゃろが。自業自得じゃけん。」
と盗人が暴君を返り討ちにしてるのが浮かんだ。。。
54名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 21:53:50 ID:YfftM0D0
議論の結果、「一番でかいやつが一番寝心地がよくあたたかい」
との理由で同盟一同ガルシーにしがみついて寝ようとし、争奪戦に
55名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:18:30 ID:djc6pwiL
三頭身のメンバーがガルシーによじ登る光景幻視余裕でした
56名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:36:24 ID:p890Kw2w
これで幼稚園7の出来上がりだなwww

エプロン着けて世話するガルシーが安易に想像できた

あと園長は勿論ハーマンで
57名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:50:19 ID:F4810MFA
周りの騒がしさに疲れ果てて、隅っこで壁に向かって体育座りしてる園児眼鏡が浮かんだ
58名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 17:26:29 ID:7jDOIiJC
保守
59名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 23:18:53 ID:0k0vD8od
保守するよ
60名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 11:52:44 ID:zDDbm9t1
そろそろ編み物の時期ですが、楓が何かを誰かに編んでるのをwktkしながら盗人と暴君が覗いてるようです保守
61名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 15:29:54 ID:XfuV5jPe
上手く編めなくて嫌になってリストカット→ふて寝してる間にサマンサが仕上げる。の流れですね
盗人、覆面、眼鏡あたりも器用に編みそうな気がする
62名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 22:21:41 ID:yyqMESfv
覆面が同盟の人数分腹巻を編んで若干引かれつつも普段の人徳で着用してもらってるところを幻視した
63名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 22:56:46 ID:bj6dh+oU
>>61
サマンサさん過保護だなw10段くらい手本編みして放置とかにしようぜ!
64名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 23:48:48 ID:Si+KpVsn
ものすごくながああああいマフラーをサマンサが編んで、同盟全員で巻いてるのを想像した
『笑顔』後はガルシアンが膝掛けに使ってる
65名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 00:17:39 ID:abQWiR/P
京都銀行のCMかとおもた。ローカルでごめん>ながああああい
66名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 16:06:29 ID:/vvzYLpI
コンは端っこにしないと首吊っちゃうね

あとケヴィンはあえて上半身裸のままマフラーを巻いてほしい俺が通りますよ
67名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 16:48:32 ID:abQWiR/P
>>66のせいでghm水着マフラー部が脳内で設立されてしまったどうしてくれるどうしてくれるウワァン
68名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 14:20:59 ID:/6/iFq3S
けしからん、続けなさい
69名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 20:59:14 ID:uSQgNm+E
保守するぜ
70名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 22:26:26 ID:VtpYpFkn
>>62
盗人、腹巻き似合い過ぎる
71名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 02:34:00 ID:JeF6PMBz
寒さで鼻赤くした同盟想像して萌えた俺が保守しますよ
72名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 19:18:49 ID:/ckU+A04
みんな寒そうにしてるのを見かねた覆面が、
ここはひとつみんなであったかいものたべてあったまろうと考え、
芋煮会をやろうと材料やら用具やらを準備しようと奔走しているのが浮かんだ。

覆面は日本で活躍してたとき、日本全国渡り歩いてて各地の郷土料理に詳しそうな感じがしたのは俺だけだろうか。
73名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 20:35:57 ID:/GgnnaOs
謝れ甘じょっぱいパジャマパーティが浮かんだ俺に謝れ
74名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 01:04:57 ID:Isqa44/5
着ぐるみパジャマが似合うと思うんだ盗人

プーさんとかの
75名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 20:58:54 ID:6mChtQFf
保守がてら

自堕落サマンサ×ガルシーっていいと思うんだが
76名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 20:41:07 ID:4ShbsuoR
メイドサマンサと自堕落サマンサってどっちが本性なんだろーね
77名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 14:19:04 ID:TjjhDwU1
ほしゅ
78名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 02:15:00 ID:5gB6sqKt
ほしゅほしゅ
79名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 12:01:14 ID:9blDH2Zm
>>76
俺的には自堕落のほうだと思ってる。
メイドのほうはなんか「洗脳」というか、「操られている」って感じに見える
80名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 15:59:55 ID:sgP2hMmF
メイド姿で自堕落なサマンサ様想像したらドストライクだったどーしよう

でも公式ではなさそうだなぁ
81名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 18:11:43 ID:6RjbWb7X
>>80
「お前は俺か」って口に出して云ってしまった
是非ともモップでしばいて欲しい

82名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 02:58:33 ID:2nwnf00m
ほしゅ
83名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 11:26:15 ID:M4IrNpWG
>>80-81
メイド姿で33歳コンビをしばいているのを想像してしまった・・・。
女が自分より体格の大きかったり、態度のでかかったりする男どもをしばく姿に萌えてしまう・・・!
84名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 23:38:00 ID:eXXPsKSm
久しぶりにkiller7やったらTVでダンと楓の間を延々ガチャガチャやっていて気が付いたら10分が過ぎていた
85名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 17:36:49 ID:BoMTn9cm
アホスww
だが分かるwwwww
86名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 02:04:47 ID:xdX6AWxM
ところでスミス同盟の皆様はハロウィンをいかがお過ごしだろうか
87名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 02:37:37 ID:h6AHCVTK
コンにマスク、コヨーテが付き合って共に仮装してトレーラーハウスを訪問
ガルシーがお菓子をあげる(ただし作ったのはメイドサマンサ)
ケヴィンがナイフでひたすらカボチャのランタンを作る
楓は子供に優しい男も悪くないかしらなどと思いつつ傍観

ハーマンやダンはコンから嫌われてるので輪に入れずテレビの中でふて寝
という絵が浮かんだ
88名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 01:51:39 ID:dudySU4R
お菓子作りメイサマに禿げ返るほど萌えたのは俺だけだろうか
89名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 04:03:47 ID:KaIKSi7W
ほしゅ
90名無しさん@ピンキー:2009/11/10(火) 21:22:31 ID:g28bb4RE
保守
91名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 00:04:27 ID:vW4EIi+c
ほっしゅー
人来ないな
92名無しさん@ピンキー:2009/11/20(金) 23:00:52 ID:SQSrQtd+
ほしゅー今日やっとファミ通読んだ
ノーモア移植版の新コスが素晴らしすぐる
下乳といいチア姿といい極小ビキニといい萌えだ

…ジーンとシルヴィアは当然だろうがスピードバスターにも来るのかな
93名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 19:54:49 ID:/0vxfdWJ
是非見たくない。
が、須田氏ならやりかねないww

つかそれファミ通何月号?
94名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 22:04:15 ID:PxadzPzt
>>93
ファミ通っていうのかな、和服着たベヨネッタが表紙の異様に濃い絵面の号だったと思う
多分週刊
しかし箱版とPS3版で違う内容の画集が付いてくるとか商売上手すぎて困る
ホリー好きなんでホリーが萌える絵柄の方を予約したいが無理かなあ…

バッドガール新コスで彼女にビールぶっかけて舐め舐めしつつバッドガールも頂いちゃうの想像して燃えた
95名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 23:46:08 ID:J4a0zuDK
>>94
ベヨ様も載ってるのか!
これは絶対に買わねばなるまい

>>94ありがとう探してみる
96名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 18:43:38 ID:j5D0SiuG
ほしゅ
97名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 01:28:35 ID:zywGXgCE
保守ー
前みたいに賑わなくなったなぁ
98名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 19:18:28 ID:Oq1d5aMW
ほしゅ
99名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 03:59:02 ID:ropjuOPY
ほしゅー
100名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 11:45:02 ID:MSubbsFE
移植版は日本語吹き替えに出来るだと…

しかもトラヴィスの声がゾロ…だと…?

なぜPS3で出したしo...rz
101名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 04:16:07 ID:NH9z74bq
ほしゅ
102名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 02:09:13 ID:OoJeiIEb
保守
103名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 21:41:30 ID:OoJeiIEb
殺し屋達のクリスマスの話が聞きたいけど、最近は誰も来ないからなぁ
104名無しさん@ピンキー:2009/12/31(木) 21:51:03 ID:98XcDk2Y
>>103
自分みたいに規制巻き添えになってる人もいるよ 泣かない泣かない
それはそうとして今年も終わりだな 来年も人が集まっていい作品が投下されますように!
105名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 01:40:08 ID:YU+xCz+y
だいぶ遅いが明けましておめでとう
今年もよろしく&いいエロが読めますように

久々に詰んで放置してた死闘killer8アヤメ戦(邂逅・後編)をやったら
マスクとヤングハーマンにサンドイッチされて二人から責められつつも
カー君に放っておかれて疼いてたためか結果的に搾りとるアヤメという珍妙なものを連想した
もしくはやっとカー君に振り向いてもらえるも彼が腎虚になるまで吸いつくしちゃうアヤメ
あそこのアヤメ硬すぎるだろjk…もう二度とやりたくないorz

106名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 02:04:29 ID:dBnPzsrx
規制トケタ\(^p^)/

もはや2月だが明けましたおめで虎ヴィス

killer7作品もいいけどNMH作品も沢山投下されますように!
107名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 18:14:40 ID:p05vXLFQ
ほしゅ
108名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 20:26:12 ID:PQbuCvhN
盗人をかっこよくする方法を考えながら保守

あの声で広島弁とか、ひょっとしたら他人を穏やかに恫喝するタイプなんでなかろうかとおもったんだが
竹中直人の「笑いながら怒る」芸や既にいる暴君とのタイプ差別化や
後マグナム弾とか南京錠外しとかカウンターの動き見るに三枚目化するのは逃れられない宿命なのか…

後考察スレ向きの話題だと分かってるんだが、前後編のある事件の時に
いちいち人格が休眠状態になる&シアトルのガルシーハウスに戻る理由が分からん
ゲーム上セーブポイント作りのためって言っちゃ身も蓋もないが
落日って前編・後編が連続した一日なのによく戻れたな…
109名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 20:52:13 ID:FfpY0Irl
>>108
コヨーテって確かに三枚目キャラだよね


でもそのおかげで愛され度が上がってる気もするし、
コヨーテはカッコ悪いカッコ良さを持ってますって事でどうだろう

でもアメコミ7では前歯が欠けてるらしいね
誰だやっぱカッコ悪いって言ったやつ


あとガルシーは自分家のベッドじゃなきゃ寝れなくていちいち帰ry
110名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 22:48:19 ID:kgTo3b+g
>>109
だね。やっぱ一番かっこいいとしたら没設定の苦しんでる瀕死の女性にとどめを刺すような
意外と女性にはジェントルなところなんだろうなー>盗人
(その点自分の中では暴君は男だろうが女だろうが邪魔だと思ったらお構いなしに見下して
相手の心情など歯牙にもかけずに足蹴にしてるイメージがある)
空きっ歯は間抜けで愛嬌ある半面凄みも出そうな気がするな

ガルシーハウスはもう事件の度に現場まで運転してるって事でいい気がしてきた
せっかくのトレーラーハウスなんだし…と思ったがアレって特定場所に定住する目的のもの
(外部からライフラインが引ける)なんだな
あの世界確か飛行機がない&高速道路網が整備された世界なんだから仕事場所への移動も可能だと思うけど
運転に疲れたら他の人格に代わる→スピード違反でお縄なんて醜態には陥らないんだろうかw

そして枕が変わると寝られない業者モエスw
ベッドとかマグとかスーツとかお気に入りで手放せないんだろうなw
111名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 15:45:15 ID:l5TAeQAp
>>110
そのジェントルな所が乙女心組に入ってる理由だよねきっと


ダンはクールでカッコいいけどコヨの持ってるジェントル面がないし、コヨはジェントルだけど三枚目

それを選べないのが乙女心ってもんなんだろうか
おせーて楓さん


あとスピード違反もコヨとダン辺りがやらかしそうだww

マスクはもちろん安全運転で、ケビはものすごいアクロバティックな運転をしそう

爆発する車の中から緊急回避で飛び出してくるケビを想像して盛大に吹いたw
112名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 16:47:01 ID:uYwiqG6f
>>111
そういえば75年小説でダンは助手席に座ってバーキンに運転させてたような気がするんだぜ?

あと>>111のせいでT-1000走りをしながら車に追いつき、
後部ボンネットにナイフで取り付くケヴィンが脳内再生されたんだけどどうしてくれるどうしてくれるウワァン
113名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 20:13:33 ID:KofuMqio
楓はハンドル持つと性格変わるタイプ

コヨーテ「このままじゃ追っ手が!」
マスク「仕方ない、撤退だ」
ガルシー「楓、運転を頼む」
楓「(こくこく)」
ダン「おい、本気でこいつに任せるのか?
リロードすらあの遅さだぜ」
コン「俺やりたい俺!」
楓「………」


楓「マッハでぶっちぎるぜぇぇぇぇッ!!」
マスク「あばばばばばば」
コヨーテ「あっこれヤバい、主にさっき食った胃の中のホットドッグヤバい!」
114名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 21:40:19 ID:u7PjSWp/
T-1000www クイックターンの件といい奴ならやりかねんwww
楓もハンドル握ったら滅多な事では離さなさそうw

「ちょ、誰か! 誰か楓を止めろ!」
「皆この運転でダウンしてるだろうが!」
「…そうだコン! コンに代われ!」
「ちょ、コンは未成年じゃろが!」
「問題そこじゃねえええ!!!」
というコントを思いついたが何だこれ

乗り物酔いって体感の揺れと視覚の差による混乱で起きるから
盲人のコンは乗り物に酔わないと思ったんだがどうだろう
115名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 22:42:36 ID:uYwiqG6f
あれっ運転席と助手席に7人ぶちこまれてるの?と頭をひねった結果最終的に中国雑技団で落ち着きました
本当にありがとうございました
116名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 19:36:55 ID:Nsblx1Im
雑技団w
そして>>112の元ネタがブラックラグーンの殺人機械女中だと半日以上経ってから気づいたw
眼鏡と撃ち合うのが餓鬼で止めるのが対戦車砲持ち大将で泣いてるのが業者になるのかwww

実際は運転手&ナビ役だけ車部分で他面子は居住スペースにいるって事になるんだろうな>トレーラーでの移動
車を運転する同盟を妄想したらバックしようとして後ろぶつける楓や
足がアクセルに届かないコン(そもそも絶対運転させられない)やスーパーカーマニアなミルズとガルシー
やたらどこのガソリンスタンドが安いかに詳しいマスク
どれが車上荒らししやすいかでしか車種を覚えてないコヨーテ
どれが中で色々しやすいかでしか(ry なダン
対戦車砲と車椅子を狭い車内に同時に詰め込むのに熟達したサマンサと
名ナビ役のようでいて地図が読めないハーマン 余裕でした

楓とケヴィンの性格を考えた時同じ鬱だとしても方向性真逆だよなと思って妄想が止まらん
117名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 15:42:55 ID:Jx/TyVBs
さて、殺し屋の皆さんはバレンタインをいかがお過ごしだろうか?


「楓が持ってるのは俺のチョコだな」

「何を言うとる、あれはどう見ても俺のチョコじゃろ」

とか33歳と28歳のいい歳こいた二人の大人げないやりとりも虚しく、楓のチョコはコンとかガルシーに渡ってしまえばいい

とにかくダンとコヨはチョコの数とか大人げなく競ってればいいな

でも同盟で一番チョコを多くもらってたのは実はマスクとかそんな落ちでお願いします
118名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 07:59:01 ID:rMu+GyJL
コンじゃないかと予想。
業者は数は少ないが、妙に豪華なチョコを貰ってたり。
眼鏡はマメに同盟全員に贈ってたり。
119名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 23:29:45 ID:3wewsCKK
>>118
眼鏡の手作り友チョコに戦々恐々の乙女心ですね分かります
暴君&盗人「ちょっと待てあいつこっちも守備範囲なのかよgkbr」
裸足「えっちょっとケヴィンってソッチの人じゃなかったのgkbr」

結局眼鏡が同盟全員に配っていた事を知って安心するも
裸足の手作りよりも美味しくて更に修羅場とかな!

後ウイスキーボンボンで見事に出来上がって覆面におかんの如く
甲斐甲斐しい世話と説教を受ける餓鬼が見たいです
120名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:32:10 ID:Q18LNcyI
カーティスとアヤメの話を書いてみた。
とりあえず前編だけ投下
121名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:35:30 ID:Q18LNcyI
アヤメ・ブラックバーンが世界の誰より愛し、心酔しきっているのは
なんといっても師匠であり義父のカーティス・ブラックバーンである。
彼はアヤメの知る誰よりも強く、賢く、美しかった。
カーティスがいなければ、アヤメ・ブラックバーンはこの世に生まれ落ちることすらかなわなかっただろう。
生物学的にどうとか、そのようなくだらない問題ではない。
第一、カーティスと出会う前にはアヤメはアヤメですらなかったのだ。

人が考えうる限りの悲惨な場所でみじめに生き長らえていたあの時、アヤメは
人間などではなくて、ただの空っぽの器だった。
もちろん、世界なんて始まってすらいなかった。
その空の器に魂を与え、光に充ち満ちた素晴らしい世界をアヤメに与えてくれたのが、誰あろうカーティスである。

それから、アヤメはとにかく無我夢中でカーティスに尽くした。
神に奉仕するような、厳かで清らかな気持ちで彼に仕えた。
否、“ような”ではなく、アヤメの中ではカーティスは確かに神そのものであった。
まさしく彼女は神に身を捧げた修道女のごとき敬虔さでカーティスに尽くしていたのである。

けれど、あるときアヤメは己に芽生えた罪深い感情に気付いてしまった。

アヤメが仕事を終えて血まみれ(返り血であることが多い)で帰ってくると、彼はいつも労うように頭を撫でてくれる。
最初はただひたすらに嬉しかったそれが、次第に嬉しさと、甘やかな痛みの入り交じった複雑なものに変わった。
彼がまっすぐに自分を見つめるだけで胸が高鳴り、指先がほんの少し触れるだけで、顔や身体が燃えるように熱くなる。

そのうちアヤメは、カーティスが愛でている少女の剥製に心のざわめきを覚え、また
ほうぼうからさらって来た生身の少女たちを、彼が
どこかぎらついた目で見つめているのを発見しては胸が苦しく締め付けられた。
122名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:37:02 ID:Q18LNcyI
それが嫉妬だと気付いた瞬間、アヤメは自分が彼に恋をしていることに気付いた。

アヤメはカーティスに師匠であり、義父であり―――恋人であってほしいと、願うようになったのだ。
罪深いことだ、と思う。
何せ彼は神様で、アヤメのすべてで、これ以上何も望むことは
ないはずなのに、自分はどこまでも貪欲で、おこがましくも彼を恋愛対象として見ている。

雑誌も新聞も星占いばかり見るようになったし、毎日の服選びの時間は倍に増えた。


―――彼の特別になりたい。彼だけのアヤメでありたい。
彼女の願いは、それだけだった。
日を増すごとに、その願いは焦りを伴って加速していく。
というのも、このところカーティスの様子が―――。


「ああっ!」
長いこと物思いに耽っていたアヤメは、オーブンから漂う不吉な
黒煙と臭いで現実に引き戻された。
慌ててオーブンを開けたものの、何もかもが手遅れであった。
黒焦げのぺしゃんこになった、チェリーパイもどきとも呼べない
残骸を前に、アヤメはただ力なく溜め息をつく。

「もう……カー君が心配かけるから、チェリーパイだめになっちゃったじゃない」
今ここにいない彼に皮肉げに語りかけながらも、その頬は、
ぽっとさくらんぼの色に染まっていた。
123名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:43:59 ID:Q18LNcyI

デスペレートなチェリーパイをすぐ処分して、心機一転新しい
ものを作り直そうとしていたアヤメだが、カーティスから今夜は帰れないと連絡を受けると途端にやる気が失せてしまった。
シャワーを浴びてパジャマを着、ベッドにごろりと寝転がる。
目を閉じて考えるのは、もちろん大好きな彼のことだ。

もう仕事は終わっただろうか。
カーティスはいつでも格好いいけれど、仕事をしている時の表情はまた格別だ。
銃を構え、脳髄まで腐ったくそったれどもの頭を次々吹っ飛ばして行くその横顔を
見る度に、アヤメはくらくらとなってしまう。

「(カー君、カー君……)」

じゅん、と下腹部が疼く。
代えたばかりのパンティーに、ねっとりとしたものが染み込むのがわかった。
ごく自然な流れとして、アヤメはパジャマのズボンに手を突っ込んみ、パンティーの隙間から中指を差し入れる。
微かに湿りを帯びている割れ目を何度か中指で往復しつつ、
空いた左手でぷっくりと立ち上がった乳首をこねまわす。

「ああ」

ゆっくりと息を吐き、アヤメは脳内にカーティスの姿を思い浮かべる。
冷酷にターゲットを始末する凛々しい横顔ではなく、自慢の
剥製をひとつひとつ眺めながら愉悦に浸る顔、幼い少女たちを
前にぎらぎらとたぎるような欲望を向けている彼の顔ばかりが、快楽に溺れつつある意識の淵に登って来る。
出来ることなら、カーティスの情欲をすべてひとりじめしたい。
他の誰でもない、自分の身体にありったけ、彼のぎらついた欲望をぶつけてほしい。

「(私は……カー君が言えばなんだってしてあげるのに……)」

どんないやらしい言葉も、体勢も。
たとえそれが人間としての沽券に関わることであったって、彼が望むなら、自分はいくらでも応えよう。
124名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:45:54 ID:Q18LNcyI
カーティスの長い指がアヤメの肌をまさぐり、秘部をいじくるところを想像する。
耳元で囁かれる愛の言葉までが鮮明に聞こえるようだ。

湧き出す愛液をたっぷりとクリトリスに塗りたくると、そこだけ
絶え間なく弱い電流が流れているかのごとき錯覚に陥る。

「(カー君、アヤメはこんなにやらしい子だよ……。
だから、あんな何も知らないばかな女の子たちなんかより、アヤメのほうを見てよ)」

指の動きが激しくなるほどに、アヤメの脳裏には欲情にまみれたカーティスの瞳が浮かぶ。
けれど、その瞳はけして自分に向けられることはない。

歪みきった彼の性欲のはけ口はいつも、アヤメ思うところの“ばかな女の子たち”なのだ。

アヤメは再度、その豊かな想像力でもって夢想する。
彼の手がアヤメに嗜虐の限りをつくす場面を、ぎんぎんに
そそり立ったペニスをアヤメの小さな口にむりやり咥えさせる場面を、そして大量の
精液が髪に顔に子宮にたっぷりぶちまけられる場面を。

「ああっ!ああっ!いいよカー君、もっとだよ、もっと奥までびゅるびゅる出してぇ……!」

じゅぷじゅぷとはしたない音を立てながら、アヤメはより腟穴を
往復する中指の動きを早める。

だが行為に夢中になっても、アヤメはカーティスの姿を頭の中で
鮮明に思い描くことだけは忘れなかった。
そうしなければ想像の中でさえ、彼は途端に現実と同じようにどんどん遠ざかっていくのだ。

カーティスはあまりにも偉大で美しい。
アヤメの望むものはすべて持っている、それこそ神と同じ存在だった。
けれど、アヤメはカーティスに、神の慈悲ではなく男としての愛欲を、執着を求めるようになってしまった。

そしてその瞬間に、ほとんど天啓のように彼女は思い知ったのである。
彼がアヤメにとっての神でありつづける限り、この願いはけして届かないのだと。
125名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:48:55 ID:Q18LNcyI

「(なのに……なのになのになのに!)」
あの少女たちは、いともたやすくカーティスの、アヤメにとっての神様を、一人の男に変えられる。
アヤメがいくら渇望しても得られぬものが、彼女たちには当たり前のように手に入る。

そして少女たち以外にもう一つ―――今度は彼の“執着”をほしいままにする存在があることをアヤメが知ったのは、つい一か月前だった。

「(……あいつらだけは、絶対私が)」

身体は快楽を噛み締めながらも、心中では憎悪の火が燃え盛り、カーティスへの報われない愛情が咲き誇るお花畑を覆う。
アヤメが立ち入れぬ聖域を我が物顔で歩き回る彼らへの嫉妬と羨望は、思い起こす度に気が狂いそうになる。


身体と心の釣り合いも取れぬまま、それでもひときわ高い嬌声を
あげて達したアヤメは、荒い息の中である言葉をつぶやく。

この一か月、ことあるごとに思い出しては憎しみを再確認するその言葉。
そしてカーティスが今何より執着するその言葉―――。

「……キラー、セブン……」

合衆国最強と謳われる、七人の殺し屋たちの名前を。

【後編に続く】
126名無しさん@ピンキー:2010/02/19(金) 23:49:41 ID:Q18LNcyI
投下終了。後編は現在製作中。
ところどころ改行が変なのは携帯で打ってるので、PCから見やすくするため。
タイトルはいいのが浮かばないので好きにどうぞ。
「カー君は強い、カー君は賢い、カー君は美しい、カー君は正しい…誰よりも、誰よりもだっ!」なアヤメが好き。
127名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 01:59:33 ID:xhiF7W7Q
>>120
そんなおまいが好き。

後編楽しみにしてるよGJ!
128名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 16:36:10 ID:MIKPYAKO
>>120
乙〜ノシ
病んでるところが実によい。まあまともな奴なぞ存在せんけどな、あの世界。

ただ、ごめ・・・カー君連呼で、ぷよぷよのカーバンクルが脳裏を跳ねていった。
打ち消そうとしたら、カー君着ぐるみのカーティスが浮かんで更に悪化した。うぼぁー。
129名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 18:18:07 ID:qeTFORMu
>>120
アヤメたんは病んでてナンボだよな!GJ!
>>128
おまえの所為でスミス同盟ぷよランキングが出来上がりました 本当にありがとうございました
130名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 09:15:09 ID:QT5W0q7g
ほっしゅっしゅ
131名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 02:02:33 ID:VXYaAzHA
2月22日は猫の日って事でトラヴィスがジーン(猫の方)をいつにも増して愛でてる図が浮かんだ23日…

もっと早く気付いていればorz

そーいえば22年2月22日っていう無駄にゾロ目な日だったね
132名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 19:43:06 ID:G0LeRHb6
たまにはあげ
133名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 13:40:42 ID:EKgFULSU
ほしゅ
134名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 20:50:05 ID:k/Ah9x0C
ほしゅついでに明日は雛祭りだねとか言ってみる

スミス達には関係ないかな
135名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 07:57:10 ID:tKIcch6T
保守
136名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 13:47:29 ID:ClvEL2ht
ほしゅ
137名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 23:15:45 ID:OJNXBFd2
保守オッス!
138名無しさん@ピンキー:2010/03/24(水) 22:16:38 ID:ChKKuRTE
ほしゅほしゅ
139名無しさん@ピンキー:2010/04/01(木) 02:34:37 ID:xxaDR8vd
ほしゅ
140名無しさん@ピンキー:2010/04/11(日) 15:08:03 ID:WFYfdajB
保守ー
141名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 19:13:54 ID:/hu00Bu2
保守
142名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 21:26:10 ID:Pdv/iUau
チラウラ

トモコレでFSRキャラ作って遊んでるんだけど
カーティスとアヤメが真っ先に親友になって吹いた
他のキャラだと割と親友の相手は入れ替わることがあるけど
この二人だけはいつまでも変わらぬ友情で結ばれているよ……
143名無しさん@ピンキー:2010/05/01(土) 18:17:34 ID:XrF7YYRs
保守ついでにもう少しで餓鬼の日だねとか言ってみる
144名無しさん@ピンキー:2010/05/11(火) 11:23:40 ID:m+qTwHRi
ほしゅほしゅー
145名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 22:34:05 ID:8LpRYvb7
保守ー
花のアヤメが咲いてるね

>>143
マスクに肩車してもらって楓に折ってもらった新聞紙のカブト被って
ご満悦の餓鬼を幻視した
いくらなんでも子供すぎるだろうというツッコミは受け付ける

そういや子供の日には「菖蒲湯」に入るよな…
幼アヤメと一緒に風呂に入っていかがわしい展開になるカー君とか想像した
146名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 23:05:26 ID:U+iAbSPT
保守
147名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 00:04:47 ID:aQiHYtWn
killer7が5周年すなぁ
148名無しさん@ピンキー:2010/06/10(木) 02:21:35 ID:f86o0q7F
もう69の日かぁ
早いもんだね
149名無しさん@ピンキー:2010/06/27(日) 20:36:04 ID:AZ7XlDgZ
保守
150名無しさん@ピンキー:2010/07/01(木) 02:40:20 ID:ku5HFFqu
覆面は紳士っぽいし出番も多いけど、ココでは活躍出来なさそうだな
151名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 22:34:46 ID:57G+hmkh
ほしゅついでに、もう少しで七夕だねとか言ってみる
152名無しさん@ピンキー:2010/07/03(土) 23:23:43 ID:99boycQK
killer7だとどうしても相手役が裸足に集中しがちだから
あらゆるベクトルが真逆に思える覆面と裸足の間にはエベレスト並の壁がある気がする
そこをヘッドバットでぶち壊してくれるのが覆面が覆面たるところであり
そこにシビれる!あこがれるゥ!けど、そのとき裸足はマリアナ海溝の底にいるのだった、くらい
合わないんじゃ?
でもなにかのタイミングが合ったら、これ以上ないわかりやすい裸足のハッピーエンドが待っているだろう
というか、裸足以外でもそんな可能性を感じさせる、それが我らが覆面なのだ!
153名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 21:37:06 ID:jEexW4pE
トラヴィスとシノブで考えようとしたはずが、どうしても
トラヴィスの家のリビング、ジーンと2次元嫁に見守られるなか
騎乗で逆レイプされるトラヴィスしか思い付かない自分の脳ミソを暗殺したい
154名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 18:49:08 ID:CmvZoXxf
>>153
暗殺しちゃらめえええええ
でもなんか、シノブが別れた当時のジーンと同じ年頃(推測)なせいで、
無意識にブレーキかけちゃって手を出せないとかはあるかもしらん。

155名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 19:01:55 ID:3Pnf1BP8
騎乗と聞いて、トラヴィスに無理矢理顔騎するバッドガールを受信した
156名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 19:55:53 ID:9fZa0MxT
トラヴィスの逆レイプ率www
157Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:47:18 ID:S3DEsA7M
NMHで盛り上がりかけているところすみませんが投下です

killer7のコヨーテ×楓

注意
・加虐表現(楓が被虐趣味)
・登場人物が死にます
・イラマ、フェラあり
・乙女心の三人だがコヨーテが一番乙女
・過去ねつ造(コヨーテの思い出)
・あるバンドの「てのひら」という歌がモチーフ

不可な方は名前欄「Hand コヨーテ×楓」で避けてください。
158Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:48:00 ID:S3DEsA7M
ひた、と水滴が乳白色の背中に落ちる。抽送に揺れる額からこぼれ落ちた自分の汗だ。
たかが一滴が、この狂乱のひと時を止める力は持ち合わせていない。
ベッドに組み敷かれる女も、自分も、我を忘れて性交にふけっているのだから。
それでも、女は小さく呻いた。落ちていった汗が、女の背に走る赤い筋に滲んだからだろうか。

白い肌に走る幾本もの爪痕だった。

男は勢い、女の細腰を掴んでいた親指で汗の落ちた跡を荒く潰す。
「く、ぁっ」
苦痛に似たその声色は、指の下で滲んでいく汗と似て、愉悦に溶けていく。
指で傷跡をなぞりながら背を上らせ、男は女の体に覆い被さった。女は自分に完全に
隠れてしまうくらい小さく細い。息切れの合間に、女の耳元で囁く。
「ええか、楓、守れよ」
男の止まらない腰の動きに、女はがくがくと首を振った。言葉への返答かどうかを
確かめるべく、背に押し付けていた指で、女の短い髪をわし掴みにした。
「もうあのクソ野郎ンとこにゃ行かんて、言え」
「っは、あ、あっ」
「言え!」
首をのけぞらせるまでに腕を引く。垣間見えた女の首筋にも、赤い跡が散っていた。
それは背同様細い筋だったが、指のような太さの跡も見られた。
男は、まだ白さを保っている黒髪の生え際に唇を押し付け吸った。女ののどが鳴る。
「……かな、い」
吐息で押し出された薄い声だった。だが次の瞬間には変化し、ベッドのきしむ音を叩き落とす。
「もう、行かない、からっ。もっと強くして、強くっ!」
言い終わらない内から、女は自らも腰を動かし始めた。女自身を貫くモノを抜かぬよう、
男の腰からぎりぎりまで逃げて、押し返すように、あるいは自分から差し込むように激しい。
それでいて内部の締め付けはグリリときつい。
男はその攻勢に一瞬陶酔しかけ、が、すぐさま己の角度を変え、女の内壁を斜めへ突き刺す。
女が悲鳴する。
「ええな、守れよ、守れよ!」
「強くっ、し、あっ、痛い、ぃっ。いた、痛く! 痛くしてっ!」
男は髪を掴む頭部をベッドへ力ごなしに叩き付けた。
華奢な頭が、男の寝汗の染みつくシーツに息をふさがれている。
頭がもがいているのは、だが、単なる反射なのだ。誰より男は、その意味を知っている。
だからこそ、あの野郎にはもう会わせない。会わせたくない。
「楓、ええな、これで最後じゃ! 守れよ!」
叫んだ男は己の名、コヨーテを体現するように女の肩口へかぶりついた。
女の汗を浮き立たせる肌を、歯で破っていく。歯をあと数ミリも進めれば、肩胛骨まで
届くだろうほどに、本気で両顎を食い込ませた。男をくわえ込む女の内部が、強く強く縮む。
反撃のようなその締め付けは、しかし男にとって褒美である。
褒美の礼に、男は肩を解放した口で、傷つけた肌をそっと舐めた。
鉄の味をそのままにして、狭い膣内をせっかちに荒らす。
徐々に弛緩してきているそこを惜しみ、両手で女の腰を固定し猛った。
男は上りきる手前、女から身を引いた。背には赤い血の走り。その傷跡目がけ、己の白濁を放出した。
「んう……」
傷に沁みたのか、女がまた呻いた。突っ伏し、腰だけを立たせた淫らな姿でありながら、
その横顔は、真冬に日だまりを見つけたような、幸福な横顔をしていた。
荒れる息をなだめなだめ、男は女の腰を横たわらせた。腰から尻の柔らかな稜線をなで、
歯裏で、舌先に残っていた女の血をこすり舐める。
159Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:48:30 ID:S3DEsA7M
楓の隣に、コヨーテは身を横たえた。楓は虚脱したままだ。余韻にふけっているのではない、
動くのが面倒というだけなのだ。可愛げもない。それでも体くらい拭いてやりたいのだが、
今少し、射精後の疲労感を慰めたかった。
そう、楓とのセックスの後はいつも、今までの女以上に『疲労』を強く感じる。
マスターベーションで妄想する女は、目の前で裸体を放り出している人物と姿形を同じくしているが、
中身いおうか、反応は真逆といってよく、彼女はコヨーテの望むように悦ぶ。
だから快感はそのまま射精とともに自由に解き放たれ、爽快だ。
これは、妄想故に思い通りになるから気持ちいい、という論ではない。
女が、乳房を揉まれ、頂きをつねることで息を上がらせ、股の間をねめ回すことでひだを震わせる女、
つまり初体験の相手から始まり、AVで見てきたような女優――あえて重ねて語るなら、
自分と同じ嗜好性だからだ。
対して、現実の楓といえば、自らの傷口に爪を立てさせ、髪を引きちぎさせることで恍惚する。

性感帯が違うなどという次元ではない、妄想と現実の、この果てしないギャップ。

最中は快楽を求めるだけ我を失い突っ走れる。だが、たぎるものを昇華させたこの時間、
両者の溝のど真ん中に立っていることに気づかされ、コヨーテは毎度、底知れぬ闇へ無様に
落ちるしかない。これがひどく疲れる。
(奴ぁ、こがぁな思いもしとらんじゃろう)
楓を抱いているのは、コヨーテだけではない。
もう一人、ダンという同じ同盟員も、この女を抱いている。

もちろん、自分が第二の男だとわかっていたら、初めから楓を抱いてはいなかった。
相手がそりのあわないダンというのだから、なおさらだ。そんな面白くもない状況、
誰が好んで招くものか。
だが、初めての誘いは唐突だったのだ。避けようがなかったと弁解したい。
常から口数の少ない、表情変化の乏しい女が突然部屋を訪ねてきたと思ったら、
挨拶もなく口付けられた。面食らっている間に体を押されて後退させられつつ
口内に侵入してきた舌が絡んできて、仕事で見せるリロードの鈍くささが嘘のように
素早くベルトが外され、イチモツを探り出されてなで上げられた。
その刺激にほとんど反射で体を離した瞬間、見計らったように足首を引っかけられベッドに
押し倒された。

それからは流されるまま、だ。

それでも、責めに柔軟に応える器に、初めての挿入から軽い感動を覚えもしたし、
果てた後すぐさま2回目を、体位を変えての3回目を自分から求めたのは事実だ。
なぜだか、離したくなかったのだ。
今まで抱いてきた女たちのような濃厚でぎらついた色香とは無縁な、両手で抱えられそうな細腰。
銃を扱うせいか腕だけは筋肉で引き締まっているが、全体的には肉付きは薄い。
まだマシ、というレベルでなら、手の内で抱えられる適度な重さを持った乳房をあげられるが、
自分にとって、セクシュアルな興奮を感じるには難しいはずの女だ。
しかし、最近になって、楓を積極的に抱く理由を意識できた。
楓の体を覆う死人のような色の薄い肌は、欲情すると、なまめかしく朱となるのだ。
この微かな変化、微かであるゆえに求め、探し、夢中になってしまう。
発情した楓には、自らを求めさせてやまなくさせる淫らな中毒性があった。
コヨーテはその毒に、まんまと囚われてしまったというわけだ。
だから、何度目かの楓の訪問で、テーブルの上に押し倒したとき、
乳首に強く噛まれてできたのであろうかさぶたを見つけ、自分とは別の男の存在を
認めさせられた時にも、到底この女を手放す――自分から身を引く気にはならなかった。
なれるわけがなかった。むしろ、その時は暴発しそうな怒りで、体を傷つけこそしなかったが、
それまでになく激しく楓を蹂躙してしまった。
――それは楓が暗に求めていた抱き方だった。

以降、楓は臆面なく加虐プレイを求めてきた。
それはダンにも同様のようだった。部屋を訪ねてくる楓は、いつもあざや血の跡を
まとうようになった。
それも血の固まっていないような状態で。コヨーテは、さらに気づかざるを得なかった。
楓はダンに抱かれた後、物足りないと、コヨーテの部屋へやってきていたのだ。
160Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:48:58 ID:S3DEsA7M
コヨーテは掌で、楓のうなじを撫でた。しっとりとした汗が感じられる。
手を眼前にかざすと、水分が掌の線に入り込み、明るく浮かび上がらせていた。

楓との情事で、コヨーテは女を傷つけまいとした。歯を使ったとしても、甘噛み止まりだ。
そのことをなじられ、最中に蹴られたこともあった。
カッとして殴り返してしまい、その締め付けで果てた時は、快感と反比例して落ち込んだものだ。
あの男と同じ立ち場になりたくない、という思いかもしれない。
都合よく楓の自虐欲求に使われる男になりたくない。
だが、抱くことだけは、コヨーテの中では違うように納得している。
(楓に使われとるんじゃのうて、わしがヤリたくち、ヤっとるんじゃけえ)
わしの欲を満たしとるだけじゃ。わしはこいつとヤリたいだけ。
わしのイイように鳴かせたいだけ。ただ普通に、交じり合いてぇ。
お前のイイように抱いていってみぃ、もっと殴ったら、その内お前を殺してしまう。
お前を殺しとぉない。死なせとぉない。お前をもっと、抱いていたいんじゃ。
だからコヨーテは今日、来るなり首に腕を絡ませてきた楓に言った。
「殴られたいんじゃったら、わしはもうお前とはやらん。去ね。
ほいでも、もし、わしとやりてぇんなら、あいつんとこにゃもう行くな。……約束せぇ」

コヨーテは顔を一撫でし、体を起こした。タオルを探して薄暗い部屋を歩き回る。
以前、テイクアウトフードに付いてきたナプキンで体を拭いたら、「……痛い」と睨まれたのだ。
それからはなるべく清潔に見えるタオルで拭いてやっている。
(……痛いことが好きなわけじゃないんじゃ)
椅子の背からずり落ちそうなタオルと、テレビに乗ったタオルとを見比べた。
椅子から取ったタオルを戻し、ベッドへ足を掛ける。今や、小さなスプリングの音さえ、
耳にたゆたう。
白い背をそっとタオルで拭う。まずは目立つ精液をあらかた取り、タオルを裏返して
薄い汗に取りかかった。
「……」
「ん? なんじゃ?」か細い声を聞いた気がして、声を掛けた。
「……同じタオルで拭かないでよ」
コヨーテは手を止め、タオルを見やった。少し考えて、手の中の湿り気を床へ落とす。
続いて、楓の背中に口付けた。位置をずらし、時に舌で肌を撫でた。
「……ちょっと」
「汗拭いてやっとるんじゃ、おとなしゅう……」
柔肌の背中が浮き上がった。スキンシップに応えてきた、のではない。
楓は無言でベッドから立ち、コヨーテの視線を背で払いのけて、シャワー室へ向かう。
コヨーテが起き直るスプリングの音は、楓がシャワー室の扉を閉める音にはねつけられた。
取り残されたベッドの主は、足を組み、両手で顔をさする。
現実と妄想のギャップはまだその隔を狭めてはいなかった。落ちゆく闇は本当に底知れない。
丸めてしまった背筋は諦めて、せめて目だけでもシャワー室をにらみつけてやった。


楓との逢瀬は続いた。
以前より会う回数は減っていたが、このところ楓に仕事が集中して入っているようなので仕方ない。
回数が減ったが、内容には前よりずっと満足できているのだ。女の肌に傷はない。
自分も相手を傷つけることもない。ただ、お互いを貪る日々だ。
女の胸に顔を埋めたとき、ふとその純粋さに気づいた。
「……なに笑ってるの」
冷めた風で言われ、自分との温度差に悔しくなり乳首をいじってやる。
妄想ほど期待した反応はやはりない。男は鼻で笑った。
これからだ。車だって、同じ車種であってもおろし立ての運転はしっくりこないものだ。
時間を掛けて、自分に合うようにこの女を改造していったらいい。
楓はもう、自分だけの乗り物なのだから。
161Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:49:31 ID:S3DEsA7M
笑い声が聞こえた。
コヨーテは瞬いて、標的を空間から浮かび上がらせる。
ぞろり、と気味の悪い肌色を見せた人型が1体、数歩先で体を揺らしていた。
銃を構え、発砲。腫瘍を狙うが外し、舌打ちで続けて撃ち込んだ。
一発目の反動で照準からずれた腕を戻し、再び狙う。
発砲音をかき消す狂ったような笑い声が部屋に満ちた。標的の消滅を気にせず、
コヨーテは部屋を進んだ。

そこは公的機関のビル。コヨーテは楓とともに、同盟の仕事に来ていた。
すなわち、ヘヴン・スマイルの駆除である。
ヘヴン・スマイルとは、最近突如として現れた自爆テロリストどもだ。
ヘヴン・スマイルの起こすテロ事件は――果たして彼ら自身の意志で起こしているかは不明だが――
未だ予防策を講じられていない。いや、策を練りようがないのだ。
ヘヴン・スマイルは、一般人には自分と変わらない『普通の人間』として見えており、
見分けが付かない。テロの標的は政府の要人であることが多いが、例えば記者会見、演説会場、
はたまた支持者との握手……いずれも、即座に事件現場になり得る。
前触れなく起こりうる不運、それはすでに事件ではなく天災に近い。
しかし、天災同様、抗える術はあるのだ。それが、同盟だった。
コヨーテたち同盟員だけがヘヴン・スマイルを見分け、その殺傷能力で撃退できる。
しかし『予防策がない』のも事実だ。いつ何時現れるかわからない奴らを殺るため、
たった7人の同盟員がこの国全土に散らばるテロの対象を、日がな一日、そして毎日、
警備できるはずがない。
従って、多くの対象者は、記者が指名されて起立した途端、あるいは拍手喝采の中、
もしくは赤子の笑顔を見ながら、見殺しにされる。

今日コヨーテが仕事に駆り出されているということは、幸運な人間がようやく一人できたと
いうことだろう。
もしかしたら、殉職の後片付けなのかもしれないが、まあ、跋扈する
ヘヴン・スマイルを殲滅し、ビル外への被害の広がりは食い止められるだろう。
学のないコヨーテには見当も付かないが、今後徐々に、こうしたテロ情報を収集、
分析、提供するシステムが構築され、事前に同盟へ仕事を依頼できるようになるのかもしれない。
システム作成者は血眼だろう、ともすれば、明日にも自分の命が狙われるかもしれないのだから。
グッド・ラック。

今日の仕事も通常通り、二人で行われていた。楓と組むのは久しぶりだ。
故か、意気高揚してビルの周辺を殺り尽くした。フェンスを乗り越える際、楓は足がもたついたのか
転んで二の腕を擦りむいていたが、それ以上の負傷はお互いになく、本丸へ進めた。
ビルに入って即座に目に入ったのは、玄関口から望める吹き抜けの中庭だ。
その大木にぶらさがるように、肉塊があった。そこから産み落とされるヘヴン・スマイル。
次々と孵るテロ兵器を、コヨーテと楓で殺り、合間に肉塊に弾をぶち込んでみたりもしたが、
まるで状況は変わらなかった。
「高い殺傷力が必要みたいね……」
楓の抑揚のない言葉を、コヨーテも渋々認めた。同時に脳裏に浮かび上がってきた人物をも。
唾棄しながらではあったが。
「まあ、奴を呼ぶんは後でもええじゃろ」コヨーテは銃先で靴裏にこびりついた砂をこじりながら言った。
「他におらんか、見て来るわ」
そうして、コヨーテは単身、各階を見て回っているところだった。
楓を残してきたのは、その方が安全だろうと踏んだからだ。ヘヴン・スマイルは一度に1体、
間隔を空けて生まれていた。落ち着いて確実に仕留めていれば、ルーチンワークそのものだろう。
コヨーテは全階を見て終えた。規模を見るに、各省庁の出張所がいくつか集まるビルだったようだ。助かった。
何十階と一部屋一部屋あたり、なんの発見もないのであれば、徒労感もひどかったに違いない。
問い合わせ口に苦情寸前だ。
162Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:50:37 ID:S3DEsA7M
仕事を終えた気軽さを持ちつつ、コヨーテは足音を警戒の邪魔にならないよう忍ばせて階段を降りていく。
笑い声も聞こえず、静かだ。
(……静か?)
踊り場で足を止めた。息を潜める。ビル外の遠い雑踏の方がよほどにぎやかに聞こえる。
(……待て、待て待て待て!!)
銃声が聞こえない。ルーチンワークをこなしているはずの証がない。
リロード中か? いや、立った今聞こえなくなったわけではない。
もう随分と、聞こえていなかったのではないか?
吹き抜けの中庭目がけて発砲しているのだ、音は、全階に通って良いはず……。
コヨーテは踊り場を飛び出す。途端、狂った笑い声が耳をつんざき、体中の皮膚が焼き付けられた。
息が詰まる衝撃。ヘヴン・スマイルの自爆に巻き込まれたのだ。
コヨーテは悪態をつきながら瞬き、標的を確認する。
「Motherfucker!!(クソったれ!!)」
ジーパンの足を蹴り上げた。適当に足を投げたとして、なにかしら痛めつけられるだろうほど、
ヘヴン・スマイルがひしめき合っていた。血塗れの赤に、壁面の白が飛び飛びで入っている。
視界の色は、圧倒的にヘヴン・スマイルが締めていた。
案の定、足が標的にめり込んだ。どう、と倒れた相手に目がけて銃を撃ち込む。
すぐさま反転し、階段を駆け上がった。階上から瞬き、とりあえずの照準で撃ちまくる。
弾が尽きたところで廊下を走った。十分距離を取り、弾を込める。
(クソ、クソ! どうなっとるんじゃ!)
どうもこうもない、理性で考えればわかる。楓が死んだ。駆除役がいなくなったから、
ヘヴン・スマイルの増殖が再開されたのだ。
(じゃけん、どうしてそうなりよん!?)
リロードが遅かった? だとして、対応できるほど中庭から距離を取っていたはずだ。
コヨーテは転げ回る思考を張り倒すように、強く一息を付いた。銃を構え、瞬く。
人型は前後になり、連なってやってくる。数は多いが切り抜けられないものではない。
「オドリャァ、しばき倒したらぁ、ワレェ!」
ビルに銃撃音が鳴り響く。

コヨーテが再び踊り場へ着くと、垣間見える一階の床に、長く人影が伸びていた。
橙の色に伸びるその暗色を見て、いつの間にか日も陰っていたことを知る。
その人影は肩に銃をかざした形を取っていた。床を鳴らす靴音は硬く、革靴と知れる。
コヨーテの首がざわつく。拒否反応といっても良い。
しかし、現状把握のためだ、殊更落ち着いた足取りを装い、一階へ降り立った。
「そこにいたのか、コソ泥野郎」
すぅ、と目を細めたダンのその顔が、理由もなく憎らしくて殴りつけたくなる。
奴は口を開けばこの調子で、自分は顔を見ればこの症状だ。本当に奴とは気が合わない。お互いに。
じゃけん、今だけは抑えろ。
「楓は」
必要最低限の疎通だけで留めたく、それだけを言った。向こうもそのようで、肩をすくめて返すだけだった。
しかし、それでは回答になっていない。もう一言。
「ガルシアンが?」
同盟の一員、まとめ役である男は重要な役割を担っている。
同盟員が死に陥った場合、しかしそれは『仮死』に過ぎない。
仮死状態になった同盟員は遺体をガルシアンに回収され、処置されて復活するのだ。
同盟員は、『生き返る』という点で不死身であった。
だからといって、確実な痛みを持って一旦は『死ぬ』のだ。コヨーテは易々と『仮死』を受け入れられない。
楓に対しても、『仮死』が最適とは思えない。
163Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:50:58 ID:S3DEsA7M
……ふと、心がうずいた。なにかが引っかかった。だが、その心中を察することもなく、
嘲笑めいた声が、この張り詰めた空気を弾いた。
「そうでしかねぇだろうが。馬鹿と組んでちゃアレが殺られるのも無理のねぇ話だ」
能なしは引っ込んで見てな。黒ずくめの男は肩に担いでいた大ぶりの銃を中庭へ構えた。
まずは生み出されていた標的を一発で崩す。次が生まれるまでの間に、肉塊の中心に照準を合わせたようだ。
続けざまの二発、それは楓は元より、自分も凌駕する破壊力だ。得物の差というよりも、
混じりっけのない純な殺気が、この差を生んでいるように思う。
自分は盗みを完遂させるために殺してきた。だが奴はただ殺すためだけにその腕を磨いてきたのではないか。
――どうでもいい。それより、楓だ。早く戻って楓の無事……復活を確かめたい。
ごどん。
コヨーテの思考を押しやる物音。コヨーテは目を疑った。ヘヴン・スマイルが、また生まれている。
「なぁ……!?」
目を疑った。ダンとはそりが合わない、徹底的に合わない。だまし討ちだろうがいつでも殺したいほどだが、
別次元で、その能力の高さは認めざるを得ない。
であるのに、奴の殺傷能力でさえ、あの肉塊を破壊することができないとは……。
「なにしとるんじゃ、ワレェ!」
怒鳴ったものの、やはり歯牙にも掛けられなかった。
「……チッ、またか」
「『また』? なんじゃそりゃあ」
「うるせぇな、お前には関係ない話だ」
「ダァホ! あるわ、ボケカスが!! ワレが殺りよらんかったら、楓が無駄死にじゃあ!」
「あぁ?」
さも、娼婦の些細なミスを知ったポン引きが、さらに売り上げをかすめ取る幸運を得たように、にやりと笑われた。
「お前がアレの『なに』に関係があるんだ?」
「ハッ、ワレにゃあ想像もつかんやろうなあ?」コヨーテは両手を広げてみせた。「あいつはもうわしのもんじゃ」
知らんのやろう、お前は今じゃ仕事でしか楓と会うてのうやけん。
初めて、負かしてやったと思った。ダンの顔がみるみる表情をなくしていく。銃を担ぎ、呆然とこちらを見てくる。
――だが。この、視線はなんだ?
なぜ目は弱気に下がらず、間男は自分の方だったと屈しない? 毅然としたこの態度は、一体――?
逆に、コヨーテの笑みが引くついたその瞬間、ダンは発砲した。孵ったヘヴン・スマイルが中庭で短い悲鳴を上げる。
だがその歩みは止めず、体を揺らして近づいてきていた。
「おいおい……外したじゃねぇか」ダンがゆっくりとヘヴン・スマイルに対した。その横顔。
ぎらりと黒光りした銃身そっくりの笑みは言った。
「冗談抜かしやがって、笑えて手が震えたぜ」
ダンの銃は、今度こそ正確に標的の肝を撃ち抜いた。耳障りな笑い声を撒き散らして、人型が霧散する。
「まったく、お前って奴は……。能はない、人の仕事は邪魔しやがる……ガキにも劣るぜ」
「……待たんかい」
「おい、ウサギちゃん、頼むよ、黙っててくれないか? 今、大人が仕事中だ」
リロード中の男に、コヨーテは食ってかかった。
「冗談ってなんじゃ、ワレ! しばくぞ、あぁ!?」
「黙れ、ママに尻を叩いてもらいたいのか? それとも、あの女の方にか?
いや、そうじゃねぇよなあ」
弾倉を戻し、ダンは笑みを変えずに言う。
「お前はアレを痛めつけてやることもできねぇチキン野郎だ」
コヨーテの腕が自動で跳ね上がり、同時に引き金を引く。目の前の男の顔が破裂――しない。
男の表情が変わる。笑みは保たれたまま、怒りが加わった。ただそれは、侮蔑の種のものだ。
「この距離で」男が腕を上げる。「自らのプライドを掛けてなお」銃口が向く。「外すとは……」眼光が。
「言葉もねぇよ」
右肩が瞬時、灼けた。熱と知覚したそれは、だんだんと痛覚に訴えてくる。撃たれた、と思考した時には、
走り込んできたダンに、右肩に空いた穴へ指を突っ込まれていた。
「があぁあああああ!」
体が硬直した。無我夢中で左手をさまよわせ、なにかもわからず掴む。ダンの右腕だった。
その右腕が握った銃は、自分の喉元を刺している。固い感触に気づきもしなかった。
「掛けてやる言葉はないが、これで仕事の邪魔をしなくなる良い子のクソガキにお使いを最後にやってもらおうか。
伝言だ、それぐらいはできるよな?」
死ぬ。思った時、低い笑い声を聞いた。だがヘヴン・スマイルのものか、ダンのものか、区別も付かない。
脳内が『死』へのみ向けられてしまっている。
「『お前の女』に言え。今度は、別のやり方で楽しもう、とな」
爆音の裏で、ただ、感じた。純粋無垢な殺意の狂笑を。
164Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:52:12 ID:S3DEsA7M
目が見開かれ体が跳ね上がった。自意識とは関係なく、視界の中から『危険』を探している。
コヨーテの一連の動きは、長年体に染みつかせたもので反射とも呼べるものだ。
特別に鋭くなった防衛本能のなせる技である。
『危険』はなかった。
鼻に入り込む嗅ぎ慣れた匂い。自分の体臭と汗も合いまったそれは、自室のベッドを連想させる。
薄暗い視界に浮かぶシルエットは、その通り、ベッドから自室を眺めたものだ。
自分は『復活』して、部屋に戻されたところらしい。
自室に『危険』を置くものではない。コヨーテが無意識に反応したのは、
『危険』のカテゴリに入れている『他人の気配』だったようだ。
喉を動かす。「……カエデ?」
「気分は?」
テーブルの近くで、うっそりと立つ女が、平坦に呟いた。声音から心配の情は感じ取れない。
それは、いつものことだ。楓は心情を表に出さない。よくわかっている。わかっているのだが、
「……なに、しとる」
コヨーテの全身がピリピリと痛んだ。緊張とは違う、気に障る微弱なストレスだ。
楓は、簡単に受け答えた。
「あんたが死んだって聞いて」真っ黒い瞳が、光を吸い込んで見つめてくる。虚ろな目。
「……」
「私の後よね。なぜ?」
(なぜ?)
「――ダンが」
「聞いたわ。的とケリを付けるのに、あんたが邪魔で殺ったって言ってた」
「聞いた?」
「私が起きたら、いたから」
「ダンが?」
「ええ」
「……ほうか」
「私がなぜ、と言うのは、あんたが邪魔なら、殺らずに話して帰せばいいのに、ってこと」
気配が動いた。ぺたり、ぺたり……素足が床に交互に張り付く音。ギ、イィ。スプリングがきしみ。
楓がベッドに腰掛け、首を傾げている。その顔には白く微笑が浮いている。
「あんたたちはいつもそうね。おかしな人たち」
仮死状態から復活した楓によく見られる状態だ。気分が落ち着いているらしく、やたらと饒舌だ。
今の楓と反比例に、コヨーテの気分はどす黒くなっていく。意識が途切れる前の、笑い声が耳に甦る。
(「『お前の女』に言え」)
「楓」
「なに?」
「ダンと会ったんか。復活するよりも前に」
ヘヴン・スマイルを探すように、楓は瞬いてから、コヨーテの姿を捉えた。
「何日か前に、一緒に仕事をした。あの時も、あのデカいビッチ・マァムを駆除できなかったのよね」
楓は足を億劫そうに組んだ。短いワンピース丈がずれるのも気にせず、内ももを露わにさせ、
裸足をぶらぶらと揺らす。薄暗い部屋の中でも、微妙な陰影がふくらはぎを柔らかく象り、
その柔らかな感触を触れているかのように見て取らせた。
傷一つないすべらかな地肌。体を支える二の腕にも、ついたはずの擦り傷はなくなっていた。

楓が死に、『復活』したからだ。それまでの体は一新され、跡はなにも――。
(残らない。知られない)
コヨーテは、思い至った。
165Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:52:44 ID:S3DEsA7M
「今日も結局、あれを駆除できなかったようだけど、ダンはなにか掴んだみたいだった。
なら、まあまあな一日ね。あんたも無駄死にじゃなかったって……」
独白となっていた楓の言葉に、コヨーテは割り込んだ。「お前はどうじゃ?」
「なにが?」
「無駄死に、せんかったか?」
「無駄なのは生きてる方」溌剌とした笑顔だった。「私にとっては、と付け加えておくけれど」
(ああ)
コヨーテは目を覆った。

この女が奴から離れられるはずがなかった。暴力を望む女が、暴力を好む男を手放すはずがなかった。
いや、暴力ではいない、それ以上だ。この女は死にたがっていた。
暴力を好んでいたのではないのだ、暴力の先にある死を、ただただ欲していたのだ。
真実死ぬことのできない身でありながら、死を渇望していた。狂いそうなほど。
男を二人も抱え込むほど。だから仮初めの死で、もろい平安を得ていたのだ。
その救いをもたらす男と、手を切れるはずがない。
「お前」
「なに?」
「ダンに抱かれたな」
コヨーテは暗闇の中で聞く。覆った手を外せない。頭が働かない。手指を動かす指令を出せない。

だがわかる、感じる。

「ええ」
「ずっとか」
「ええ」

楓の口は優しい三日月の形をしたままだろう。

「抱かれて殺されてた」
「ええ」
「……約束、したやろうが」

影を広げ細くなっていく月は、天使のような裂けた口に似ていて、低い低い声で、

「ええ、それがなに?」

狂笑する――。

女の首を掴む。細い。折れそうだ。
ベッドの上に膝を立てた拍子、向かい合っていた柔らかな腹に鋭く食い込んだ気がする。
知るか!
「――らぁあああ!!」
全体重を使って、腕を突き出した。暗がりに、女の体は白く残像を残してテーブルに突っ込む。
テーブルは激しい音を立てながら後退し、その場を女に譲った。男は俊敏な獣のごとく躍りかかる。
咳き込みながらも起きあがろうとしていた薄い胸に踵を落とした。瞬間、寝そべる女の体が縮こまる。
座り込んで、今度はすくめた肩に膝を当てた。体を開かせたのは、腕を床に伸べさせるためだ。
床の手首を掴み、男は自由な左手でテーブルの脚を引き寄せた。
一本の脚を持ち上げると、テーブルが斜めになり、天板に置かれていた物を落とした。
連続する衝突音の止まない内に、テーブルの脚を振り下ろす。女の掌に向けて。
女の傷一つない真白い首がのけぞった。
「っああああああっっ!!」
男は戦慄する、その声、過ちと戒めていたはずの、だが最高の陶酔を得られたあの荒い性交でも
聞かなかった強い反応、それもどうだ、馬乗りに組み敷いた女の体は、まるで達したように緊張し、
引きつっている。男のぞくぞくする背筋は、血が引けているからだ。
男の中心に、体中の血が音を立てるように集まってきている。
男はテーブルの脚を右手に変え、ボルトのようにねじ込む。
空いた左手で女の額を掴み、頭部が体と繋がっている意識もなく無造作に持ち上げ、
床に叩き付けた。
166Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:53:14 ID:S3DEsA7M
「が……っ」
伝わる振動を腕で受け止めた。男は女の顔を横向かせ、表に現れた耳に口を寄せた。
「約束を破ったな?」
男の顎のあたりに開く女の小さな唇は、短い息を繰り返すだけだ。
「わしをだまくらかしよった。そうじゃな?」
やはり女からの応えはなかった。別にいい。答えを聞いてどうするでもない。

(「今度は、別のやり方で楽しもう」)
自分の答えは出ている。

「ええよ、わしが間違うとったんじゃ。お前にゃ初めっから、こげえ抱きようしかなかったんじゃな」
右の拳を、真上から女の頬に振り落とした。二度、三度打ち込む。
熱い。拳ではない。腰の中心にしか感覚がない。被さるように打っていた体を起こし、
自らを見下ろした。ジーパンの膨らみが、女の胸の谷間にまさしく乗っている。
男はにやついて立ち上がった。まだ女の額を持ったままだったので、だらりと首が伸びて
女の上体だけが起き上がる。
「おうおう、早う起きんかい。お楽しみはこれからやぞ」
女の脇に手を入れ、乱暴に引き上げた。が、足が立たないらしく、膝立ちまでしか上がってこない。
額の手も脇に入れれば立たせられたかもしれないが、その前に気づいた。
女の鼻梁がジーパンの盛り上がりに当たっている。

男が脇に入れていた右手を離すと、支え手がなくなった女は座り込んでしまった。
それでも頭部は固定されているので、首だけを長く伸ばした格好だ。
まるで皮を剥がれ吊られる鳥が逆さになったようだ。
空いた右手で、男は自らの中心の熱を、抑えつける布から出してやった。
腹に触れるほどではないが、強張りは重力と反してそれを立たせている。
ちょうど、女の顔面へ突き出す方向だ。腰の位置を少し下方へ修正するだけで、
男の怒張は女の口へ入っていった。ぬらりとした温かな湿り気。
棒の上下に当たる歯が、接合とは違う印象を男に与えた。この女にモノを呑ませたのは初めてだ。
今までの女とのような乱暴な『付き合い方』はしない、とまで考えていたからだった。
(どうしてそげんくだらんことを考えとったんじゃろう)
男は右手を、女の後頭部にあてがった。ついでに未だにへたり込んでいる腹を蹴り入れる。
棒を包む湿り気が強く密着する。男は知らず震えた。
「しっかり立てやワレェ。外しよったらブチ殺すぞ」
女の口へ腰を突き入れながら、意識の遠くで、しまった、と思った。殺されたいがために、
わざと口を外すかもしれない。

安心せぇ、そげんことせんでも、犯り殺したらぁ。「このド腐れアマが……!!」

掴む頭を、髪を引きちぎる勢いで前後に振った。この運動に耐えるためか、
気づけば女が、男の腰にしがみついてきた。
「んっ、ぐぅっ、むぅっ、むぐぅっ!」
モノが出し入れされる都度、呻きともつかない声が上がる。苦しんでいたとして、
それがこの女の望みなのだ。この状態から窒息死することを夢見ている。
射精を感じ、男は腰下で揺れていた頭部を抱えた。口の最奥に、先が当たったかもしれない。
当たった壁が波打つようだった。その体の苦しみのもがきさえ、男の快楽を追い立てる。
「ほれ、ようけ呑めよ、便所女! 喉詰まらせて死にさらせ!」
女の喉に直接、精子を吐き捨てた。腰を掴む女の指が、その細さを針のようにして
男の肉に食い込ませてくる。男はその痛みに息を飲んだが、精液を断続しながら出し続けた。
放出後の空虚な一時、ぱた、た、となにかを打つ音に気持ちを戻される。
見下ろせば、男根が女の口を縁にして白く彩られていた。溢れ出た白い泥が、
女の顎を伝い、襟ぐりの広く開いた胸に落ちている。その滴り落ちる音だった。
胸の液は、づるぅ、となだらかな谷間へ落ちていった。
肌に残った液の跡が、てらてらと濡れ光っている。
光る肌は、ほの明るい朱に染まっている。
ふいに、ぞり、と棒の裏筋をなめられた。突然の刺激に、男は声を堪えることができなかった。
改めて見下ろすと、口舌の責めは続けられていた。女は口からぼたぼたと白い泥を落としながら、
唇をすぼませ、吸っている。
男は笑う。「ハッ、死に損ないが」
167Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:53:39 ID:S3DEsA7M
じゅぽっ、と空気と水の抜ける音を残して、男は腰を引いた。女の舌が絡みついてくる刺激に、
男根の屹立を任せる。再び、中へ。今度はただ差し入れするのではなく、女の舌も
勃起に使うことにした。女の緩慢な舌使いの合間に、男は膝立ちする向かいの股へ、
膝を折り曲げつま先を探り入れた。
「んむっ」
小さい声が棒を伝って感じられた。男は口のにやつきを広げ、親指を立たせて、奥から手前へなぞりあげる。
「ふ、うぅっ、んっっ」
布地の感触があったが、そこはべったりと濡れていた。なぞりあげた親指の腹を、
押し付けるようにして股に食い込ませる。女の声とともに漏れた息が、男の恥毛を揺らしたらしい。
勃ちつつある男根の根元辺りが熱くむずがゆい。
今度は女の方から貪り付いてきた。自ら口を外し、顔を横にして竿をねぶり始める。
同時に袋も揉まれ、男は追い立てられた。重ねて、女の喘ぎだ。男はもちろん、
女も泡立つ自らの声にさらに興奮してきているようだ。水音に混じる声が大きくなり始めている。
「ふうっ、んむぅ、んあ、あん、んんむっ、ん、うー……っ」
「死にてぇくせに、喜びよって――!」
男は両足を踏ん張り、改めて女の口の穴へ強度を増してきている己を突っ込んだ。
「早う勃たせんかい、殺しちゃるけん!」
「うぐ! ううん! ふっ、うんっ、むっ、うっ、んむっ」
腰を振るうたび、女の反応が聞こえた。興奮は血をたぎらせ、欲望をより固くさせる。
強張りの先が、女の上顎を感じ始めると、男はかがんだ。拍子に、女の口からモノが外れる。
だがもちろん垂れ下がることはない。上向きの印は、今度こそ腹に届きそうなほどだった。
女の両脇に手を差し入れ、力を込めて女の体を持ち上げた。テーブルの上へ放り、
衝突音と短い悲鳴の中心へ、男も体を突っ込んだ。

仰向けになる女の乳を掴み、握る。「んあっ!」
ワンピースのもう一方の膨らみを、布越から歯を立ててかぶりつく。
「ぃ、あああっっ!」
服を裂きさえしないのは、肉の柔らかさを楽しむためではなくただ女を固定するためだからだ。
当然口を離さず、背を曲げて片手で女の腿を抱えた。性急に女の入り口に見当を付ける。
前のめりになると、床を踏む足がすべりそうになった。女の芽を揉んだ親指の、この濡れ方。
男は口を開放し、動きを自由にすると真っ直ぐに女に怒張を突き入れた。
「んああうっ」
入れた狭まりはやはりトロトロにほぐれていた。侵入させたモノがぬめりで絡められ、
締め付けられる。甘いしびれに似た快感を、しかし男は振り払うように腰を素早く引いた。
女に己を含ませたときのように、容赦なくごんごんと奥を穿つ。
「あっ、あっ、あひ、ひうっ」男が打つ度のよがり声は、短く間隔も近かった。
激しい抽送は女の乳房を掴んでいても、テーブル上の体を徐々に押し上げていった。
男は歪めた胸を引き寄せるタイミングで自分からぶつかりに行く。女が嬌声をあげる。
何度もそうして深い繋がりを繰り返し、女の内部で高まっていった。
下半身に血のたぎりを集中させる。獣じみた息を吐きながら作業に没頭する中、転がり出る呟きは無意識だ。
「殺しちゃる、殺しちゃる、殺しちゃる」

男の胸にわき始めた暗い衝動。女の胸にずっと巣食っていた朱い願望。

男の浅黒い拳に殴られ、女の白い肌は朱く色づく。

男と女の交わり。黒と朱は絡みついて混じり合う。

マーブル模様の色は混合を深める。

混合はやがて色を濁らせ、ただ暗色を一面に塗り広げる――。
168Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:55:43 ID:S3DEsA7M
男は闇の中、身ひとつで、ただ腰を振っているだけの野獣となった。
暗い暗いそこに、獣は太く白い色の帯を見い出す。
色のないそこでは、まるで微かな光の固まりのようだった。
光、この暗闇から這い出るための、救い。
獣は口を大きく開いた。光に向けて牙を振るう。
獣は脚しか持たないのだ、光を手に入れるためにはかぶりつくしかなかった。
牙は光に受け止められた。柔らかな弾力に抵抗される。
獣はかみ合わせられなかった顎を、無理にも進める。一度食い込んだ牙は取れない。
それに、これは自分のものだ。自分だけのものだ。誰にもやらない。早く口の中に入れてしまわなければ。
ぐち、と触感が顎の裏に感じた。柔らかい。臭いもする。硬く尖った印象を受けた。
舌でその臭いを感じた。印象通り、苦い味だ。
不思議だ、あんなに白く美しいものだったのに。光の印象に適っているのは、その柔らかさだけだ。
獣はいきり、牙をさらに食い込ませる。光はその柔らかさを楽しむためのものらしい。

楽しむ?

獣は思った。
それは、救いだったのではないか? 光は自分を照らす救いの手だったのではないか?
手? 手? 違う、これは、今、わしがかみついとるのは――!

思いながら、男はついに女の首の肉を食い破った。


――察しが良いわね。そう、ダンとのことを隠していたのは、こうさせるため。
あんたは怒り狂って私を八つ裂きにするだろうって思ったの。
八つ裂きにはならなかったけど……まあ、初めてだもの、上出来の部類じゃない?
いつバラそうか迷っていたけど、今日あっちからバラされるとは思ってなかった。
キュートなアクシデントね。気分のいいときにまた死ねるなんて、今日は結構いい日だった。ふふ。
ねえ、落ち込むのはやめたら? 私は死にたかったの。あんたに殺られたかったのよ。
こうしてくれて、私はやっとあんたを好きになれそう。

「Do you?(あんたは?)」

言葉は、扉の開いた音に邪魔された。
床に座り込んでいたコヨーテが振り返ると、大男が立っていた。
白いスーツに包んだ大柄な体格と似たような、大きな黒いケースを持っている。
分厚い唇の上から、鋭い視線を投げてきていた。
「よう、掃除屋のダンナ」コヨーテの声はかすれていた。
「――何をしている」
憤ったような言葉だが、ガルシアンの深い声は平静で抑揚がなかった。
が、嘆いているようには聞こえた。
その嘆きは、自分の手間が増えたことを憂いたのか、同盟内のやっかいごとの露見を疎んだのか。
そもそも聞き間違いかもしれない。コヨーテは判断が付かずに、首をすくめて笑うだけに留めた。
ガルシアンの革靴が部屋の床を進んでくる。
「こんな馬鹿げたことは、金輪際するな。仕事に障る」ガルシアンがケースを床に置きながら言った。
「奴は何回、アンタァ呼びよった? わしも同じ数、こいつを殺してやらにゃならん」
腕の中に抱き留めている、茶色の紙袋ががさがさと蠢いた。袋に染み出す血が踊るようだ。

(ああ、喜んどる――)

コヨーテは顔を笑わせた。それはもしかしたら歪んでいたかもしれないが、
笑顔になれと願い、顔を動かしたものだった。
169Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:56:16 ID:S3DEsA7M
ふいに、見つめていた紙袋が視界から消えた。ガルシアンがさらっていったのだ。
宙に摘まれた茶の物体は身をよじらせたが、抵抗できるわけもなく、そのままガルシアンの広げた
ケースの中に収められた。
「仕事以外のことに、口を出すつもりはないが――」
ケースのふたを閉じて、ガルシアンは立ち上がった。
「少し、冷静になれ」
大男を見上げる。そそり立つような長身に目を合わせるには、相当首を傾げなければならなかった。
しかし、それでも視線を合わせる必要があると思った。真意を知りたい。
「競うものではないだろう。これは『二人の問題』だ」
「そいつにはもう一人おる」
「それは『お前の問題』ではない」

ガルシアンが出て行った。部屋にはコヨーテが一人。
自室であるのに、取り残された、と言っていい寂しさが、情事後のすえた臭いと共に部屋に立ちこめている。
コヨーテの座る床には、白線が引かれていた。人型の下半身だけを象ったそれは、
テーブルの上へ続いて上半身を描いていた。
コヨーテは、器のように丸めていた手を見下ろした。紙袋から滴り落ちたのだろう、
赤い血がわずかな広がりを見せていた。乗せていた重みを思い返す。

小さな包みだった。それほど、楓の頭は小さいのだ。華奢で、くるりと丸い形をしていて。
ベッドで楓の小さな頭を胸に呼び込むと、思い出したものだ。
幼い頃、街の年長者に取られないように隠し持っていたサッカーボールを、再び抱きしめているようだった。
模様ははげて毛羽立ち、真っ茶色でしかなかったボロボロの宝物。

だが、今はもうない。
空の掌に走る筋は、血を吸って、赤い線を複雑に走らせ始めていた。

170Hand コヨーテ×楓:2010/07/06(火) 22:58:59 ID:S3DEsA7M
以上です。
>>157-169までコヨーテ×楓でした。
171名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 21:40:50 ID:+PNu2d8O
おおおおおおおキテたあああああ!!!!!
自分で考えるとお人よしにしかならない盗人だけれど
奴も悪党なんだよなと改めて実感しました。情の強さがたまらん。
楓もダンとも含めた三人のこういう泥沼な関係がエラくツボだった。
いいもん見せてもらいました。ありがとう!
172名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 00:22:57 ID:DnRp5ekz
保管庫の中の人が全力でアップを始めました
173名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 01:40:30 ID:DnRp5ekz
なんだこれ最高にひどい。いいぞもっとやれ。
それにしてもタナトスの塊みたいな楓ちんはマジ魔性すなぁ。
174中の人:2010/07/08(木) 01:54:48 ID:DnRp5ekz
すみません大事な事書き忘れてた。
保管庫に、>>170氏の作品を収納しました。
175名無しさん@ピンキー:2010/07/08(木) 23:14:42 ID:x2o6JBdI
>>157
暴力的でとても良かった!
176名無しさん@ピンキー:2010/07/13(火) 11:36:59 ID:dUAnFgRG
保守
177名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 08:43:24 ID:bvd14Hlj
シノブはツンじゃなくなったのか……
襲い受けから誘い攻めに転業したのかね。ますます虎の受け度がアップしたな
178名無しさん@ピンキー:2010/07/21(水) 23:05:14 ID:IDvn70cu
ほしゅ
179名無しさん@ピンキー:2010/08/02(月) 17:42:30 ID:baI6na5p
保守
180Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:45:40 ID:vexY3yTc
killer7のコヨーテ×楓

注意
・コヨーテがひどい(変態気味)
・加虐表現(楓が被虐趣味・異物挿入・緊縛・顔射)
・フェラあり
・乙女心の三人だがコヨーテが一番乙女
・エセ広島弁
・ゲーム本編より少し前の出来事設定
・あるバンドの「てのひら(漢字表記)」という歌がモチーフ

不可な方は名前欄「Hand 2 コヨーテ×楓」で避けてください。
181Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:46:31 ID:vexY3yTc
掌に汗が張り付いた。リーゼントの髪型でさらされた額をべしゃりと叩いたせいだ。
部屋にこもる湿気のせいなのだろうが、背筋は妙に寒々しい。
汗は体外的な原因にしておこう。背筋の寒さは、緊張しているとよく出る症状であるが――。
手ににじむ汗を両手でもんでいると、雨音のように部屋に満ちていたシャワーの水音が止まった。
少しの間を置いて、シャワー室の扉が開く。コヨーテは、ソファの上で、ぐっと体を強ばらせる。
「服っ、服着ろって!」
裏返りそうな声で言うと、湿った黒髪を白い額に貼り付けて、ぼんやりと返してきた。
「……? どうせ脱ぐのに?」
「脱がせん! 今日は、そげんことで来たんじゃのうてやな……!」
口ごもると、遠くに立つ裸体は、首の傾斜を深めた。微かに斜めに振られ、
裸体が恥じらう様子もなく、コヨーテの前を行き過ぎる。背を向けて、クローゼットを開く。
コヨーテは再び額に手をやる。

コヨーテは初めて、楓の部屋を訪れていた。来る前には、コンと会っていた。
東洋人には民族的に『死にたい』願望があるのか、確認していた。
もし、楓の『死にたがり』が、民族特有のものであれば、自分に払拭できるかどうか自信が持てない。
できるかどうか煩うということ、つまり『できる』のであれば、どうにかしたいのだ。
コヨーテはそう考えるようになった。振り出しに戻ったと見えるかもしれないが、
自分の嗜好性に合わない、という個人的な根があった頃と比べ、今や芯を持った確信がある。
ガルシアンの一言が後押しをしていた。
(「『二人の問題』だ」)
『問題』と、あの男は表現した。他人から見ても、障害、取り除くべきものと認識した方がいいものなのだ、
楓の希死欲求は。
それなら、あの暗い欲求を取り払ってやりたい。
あんな壊すための抱き方も、一人取り残される空しい思いも二度とごめんだ。
しかし、楓への新たなアプローチがわからなかった。
死ぬなと言って聞かない相手であることはもうわかっている。
初めて楓を犯し殺した後、また巡ってきた楓との狂おしい時間に、「殺して欲しい」と強く乞われ、
沸騰する頭は短慮してしまった。結局、挿入しながら首を絞め窒息死させた。
楓を回収に来たガルシアンは、眼光だけ鋭くし、無言で去っていった。
だから記憶は上書きされずに残っている。
(「少し、冷静になれ」)
(「『二人の問題』だ」)
今度こそ、と思いつつ、考えあぐねていたところに、コンが訪ねてきたのだった。

東洋人に必ず『死にたい』欲求があるわけではない、とコンは言った。
ならば、楓は救える。コヨーテはコンと別れた足で、楓を訪ねた。
日を改める頭などなかった。心は、楓を救える兆しを見いだせた嬉しさで一杯だった。
しかし、部屋に通されたとき、楓はシャワーを浴びている最中だった。
出鼻をくじかれ、しかし弾んだ心は帰ることを許さず、立ち往生していると、
低く「待ってて」と水煙が応えたのだった。

楓の部屋をコヨーテから訪ねるのは、知り合ってから初めてだった。
当然、部屋を見るのも初めてだ。
薄暗さは自分の部屋と変わらない。楓の得物であるスコープ付きの小銃はベッドのサイドボードに見えた。
しかし、楓の住処は基本的な家具以外、生活を思わせる物はほとんど見あたらなかった。
家具類もモノトーンで、唯一の色彩は、コヨーテの部屋にも引かれている
テレビと対面した紫色のカーテンのみ。そこだけが、まるで別の人間が住まっているような
文字通り異彩を放っている。

この部屋は、コンが楓の心中を表した言葉に似ている、と思った。
楓の中に、コヨーテはいない。
突き刺さる言葉ではあったが、事実と受け止めるしかない。
しかし、この部屋を見ると、コヨーテは思わずにいられなかった。
自分ばかりか、あの白い肌の内側には、何者もいないのではないか。
この部屋のように、寒々しい光景が広がっているばかり、
あの紫のカーテンが引かれていることさえ部屋の主と無関係に思えてしまうのは、
楓自身さえこの部屋に――彼女の心の中に――いないからなのではないか。
そういうがらんどうの心が、あの肌の下にひっそりと人型を成している。
182Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:47:17 ID:vexY3yTc
折れそうな女。楓をそう感じてきたのは、このことだったのだ、と気づいた。

体の細さ、病的な肌の白さ、その体外的なイメージではなく、
内側から女を食い潰している虚無を知らず感じ取っていたのかもしれない。

パタン、とクローゼットの扉が閉まる音を聞いた。
楓は素肌に薄紫色のタンクトップを着ていた。下半身はショーツのみで、まだ水気の香る腿を露わにしている。
「――それで?」
ソファに向かうベッドの辺に、楓は足を組んで座った。右腕で体を支えている体勢で、
肩に寄せるように首を少し傾げている。
その角度はいつもと同じだが、今は、コヨーテの来訪を言下に質している風にも見えた。
コヨーテはソファで、再び両手をもみ合わせ、広げてみせる。
「――別にどうってことはないんじゃ。なにしとるかと思うて」
黒い瞳が、しんと静かに見つめてくる。化粧をしていないだろうに、薄紅を乗せたかのように
色づく桃色の唇は、引き結ばれたままだ。
唇の感触を思い出し、吸いたくなった。コヨーテは慌てて、触感の記憶を己から突き放すように
言葉を投げ出す。
「わしゃぁのう、さっきまでコンと会うてたんじゃ。公園でな、ホットドッグ食うて。
知っとるか、あの三番通りに立っとる売店。あっこのぉは、うまいのう」
唇が動く気配がないこと以上に、射込んでくる視線が、なんの感情も乗せていない。
その薄ら寒さに気づかないよう、コヨーテは自分を励まし、声を更に明るくさせた。
「そうじゃ! 楓も今度、一緒に来んか? コンの奴、ようしゃべるけん、
わしも話し疲れるんじゃあ――」言ってしまってから、空々しいと腹の中で毒づいた。
返事のない会話を前にしながら話し相手を代わってくれとは、
嫌味にさえ聞こえてしまいそうだ。心配は的中し、そこで楓に首を振られた。
「……は、話さんでも、おるだけでもええんじゃ! あいつは、なんちゅーか、
話しとぉて話しとるよーなもんじゃけん」
「違う。外には出られない、ということ」
虫の羽ばたきに似たか細い音量は、空気を伝うというよりは、空気の重さに負けて
床を這うような速度でコヨーテの元へ言葉を届ける。
「出られない?」
「――これ」
楓は、腿の上へ投げていた腕を動かし、体を開いた。胸のふくらみは、
胸ぐりの広い薄紫色のタンクトップに収まっていた。うっすらと乳首の突起が見て取れ、
コヨーテはまた、その感触を舌で思い出しそうになる。しかし、今度は自力でなくとも
その思いを吹き飛ばすことができた。

タンクトップのふくらみの下、一カ所が、薄紫色を濃くしている。
服にプリントされた模様ではない。見ている目の前で、その濃い色が浸食していっている。
まるで生きているように、じわりじわりと楓の腹に広がっていく。
異様なのはそれだけではない、腹を縦に裂くように広がる色は、血の赤色をしていた。
「お前……っ、怪我ァしとるんか!」
立ち上がりかけた男を、楓は目で制す。続いて、タンクトップの裾をめくって見せた。
白い腹はどこも傷ついていない。
「勝手に、染みてしまうの」
裾が戻されると、血の染みは広がりを止めていた。それは、楓が普段着ているワンピースの
模様と同じように見える。
(ありゃぁ、服の柄と違うたんか……)
服を違えてもあまりに同じ柄をまとっているので、ブランド物かなにかで、
女らしいこだわりがあるのだろうと片付けていたことだ。
楓が何事かに、そこまで熱心になるようには見えなかったが。
「ここを兄に撃たれて死んだの」
今までと変わらぬ温度で告げられた。コヨーテが凝視する前で、楓は、細い指を三本そろえて、
小指を折り曲げて、赤い広がりの中心にそっと触れている。労るような、優しい手つきだった。
無表情ながら、楓の呟きだけは、熱っぽく響く。
「その痛みを、今も覚えているわ……」
183Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:48:02 ID:vexY3yTc
コヨーテは慄然とする。
この女は、本当に『死』しか見ていない。
楓は空なのではなかった。死という、空虚で厳然としたものに満ちていたのだ。
他が入り込む余地などないほど虚ろであり、だから何ものも存在できない。
しかしその腹の血の跡は違う。彼女にもたらされた『初めての死』は、
初恋のように忘れられずに、その身の内に留まり続けている。
そしてその痛みを、死に至らせた『者』と宿した胎児のように愛おしんでいる。
――楓の中に、『誰も』いないわけではなかった。

ほつり、と感情が生まれる。
腹の底が灼け付くような思いに囚われた。
ダンに抱かれていたと知ったとき、だまされていたと知ったとき、
沸き上がったのは怒りだった。
ガソリンをかけた火炎のように一気に燃え立ち、女をも燃やし尽くしたくなる激情だ。
だが、怒りは火勢を強めた後は、やがて下火になり消えていったものだ。
今コヨーテを取り巻こうとしている感情のうねりは、消える気配がない。
小さな種火を延々と揺らし続けている。
予感がある。やがて火は燃え広がり、心を焦土にしていくだろう。
嫉妬だと、認めないわけにはいかなかった。



コヨーテはソファから立ち上がった。ベッドの端に座る楓へ近づき、青白い顔を両手で包んだ。
ただ唇を触れさせるだけのキスを落とす。
閉じていたまぶたを、口づけながら開いてみる。黒い瞳が、焦点も合わずに見えた。
目を閉じていたのは、自分だけなのだ。コヨーテは顔を離し、女を見つめる。
黒々と闇を固めたふたつの石が浮かんでいた。コヨーテの胸の内の火が、じりじりと灼け広がる。
「やらないんじゃなかった?」
彫像のように動かなかった顔が、言葉を紡いだ。すると楓の左腕がまるで魔法が解かれたように、
衣擦れの音と共に滑らかな動きで伸びてきた。
コヨーテの首の後ろに回ってきて、下方へ引き寄せられる。
唇がぶつかり、離れ、再びかろうじて触れる程度に留まる。つぅ、と楓の舌が
下唇の盛り上がりを伝っていく。囁きが笑った。
「そんな顔をしなくていいのよ。わかっていたわ」
湿った肉が吸い付いてきた。男は自動的に口を開き、伸びてきた舌を迎え入れる。
舌の平に、自分のものではない熱が乗ってくる。柔らかく形を変えるそれを、舌で絡める。
熱の固まりは絡み遊んだ後、からかって逃げるように、ねじり動いた。逃げた舌先が、男の上顎と
歯裏の境を強く弱く、ステップを踏むようになでていく。
両者の絡み合うくちゅくちゅとした水音が脳内を浸食する。
頭がジンジンと濁り始め、麻痺した思考は、うすぼんやりと見える快楽への道しか見つけられなくなる。
こうなると止まらない。ただ一身に、その道を踏んでいくしかない。
だが、胸は熱いのだった。心の底を焼け焦げさせる炎がある。

男は丸まる女の舌の裏筋を、舌を広く使ってべったりと舐めた。女のぬめりのある表面の所々で
小さな凹凸を舌で感じた。舐め上げた舌先で、歯裏で震えていた女の舌先をくるりと返す。
左右に絡み合わせながら、男は顔を離していく。突き出すように舌を出していき、
最後まで舌をよじり合わせた。完全に繋がりがなくなったとき、男が見下ろすと、
女は雨に濡れたようだった。黒曜石の瞳は、雨粒に鈍く光り、
珊瑚色の唇に垂れる舌からは唾液の橋が一本、雨に光る蜘蛛の糸を思わせて伸びている。
女の舌が口の底へ戻っていく途中で、橋はふつりと落ちた。

男は女の腰を片手で抱えた。浮かせ、首元に唇を寄せる。愛撫しながら、自由な右手で
ベッドのブランケットをたぐり寄せた。腕で巻き付けるように取り上げ、ベッドの上を
シーツだけにする。
女をベッドへ戻しつつ、口は寄せたままだ。女へのし掛かりながら、ベッドへ上がる。
女も男の背、横腹を撫でて快感を煽りながら、肘で体を支え後ろずさって体を横たえた。
その表情は、一目ではいつもと同じ無表情に見える。しかし、わずかに目をすがめ、唇の間からは
歯列が顔をのぞかせている。わずかな違いは、体を抱き寄せる距離でしか気づかないほどに微妙なものだ。
だが、この女相手では、どれだけ貴重な変化か。それでも肌の白さはまだ変わっていない。
興奮が足りないらしい。
184Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:48:46 ID:vexY3yTc
男は太い親指を、女の股の溝の中心に置き、下着の上から埋めた。
「んっ……ぅ」息を漏らしたものの、女は眉を寄せた。「脱ぐから」
言葉はそれだけだったが、抗議されたのだろう。男は唇の片端を上げて断る。
「言ったじゃろう、今日は『脱がせん』」
女の眉間の皺が、少し深くなった。些細な変化だが、本当に、交わる時間だけは素直に感情を表してくれる。
(じゃけん、わしゃぁ、抱きたいんじゃろうか)
頭の片隅で思いながら、男は女の裸体をうつぶせにさせた。白い両手首を腰の辺りでまとめ、
右手に巻いていたブランケットで縛る。ロープには敵わないが、自由には動かせなくなっただろう。
「……なに?」
首だけをねじり、横顔で問いかけられる。男は言葉を返す代わりに、ブランケットの下に寝転ぶ双丘を撫で、
細腰だけを持ち上げる。両手を腰の裏で縛られた膝立ちの格好だ。ショーツがピンと張り、
尻の溝を覆い隠していた。男は、ショーツの端に指を引っかけ、尻肉の片方を露わにした。
溝へ布端を食い込ませ、際を舌でなぞる。上から下へ、奥へ近づく度、指を更に引いて
ショーツを寄せていく。その内、舌にぬちゃりと粘つく液が乗ってきた。
女の股の間は、肌の白さから変わって茶を帯びている。
その中心、ひときわ濃い色のひだが縦にぱっくりと割れて、内側の生々しい肉の色を見せていた。
薄暗がりでもわかるほど濡れそぼっており、肉が蠢くと濡れた光りもまたよじれるように動き、
官能をたたえている。
ひだの半ばから下には、黒い陰毛が茂り始めているが、以前見たときより薄くなっていた。
愛液で濡れる縮れ毛を指でかき分けなくとも、ひだの更に中心を見て取れた。
鼻を押し付けて陰毛に埋もれた粒を探すのも、縮れ毛に染みついた雌の臭いに興奮させられて
いいものなのだが……。
口の中に毛が入り込むのには少しいらつくので、これでもいいかもしれない。
毛が整えられたのは、先ほどのシャワーよりも前だろう。
この女が今まで、そういった気遣いを感じさせたこともなかった。
だとしたら、もう一人の男のためか――。
またも男の胸に、ちりりとした火種が増えた。

女がシャワーを浴びたばかりのため、溝の奥からは雌の甘ったるくすえた臭いだけが漂ってくる。
臭いを鼻と口で同時に吸い、味わうと、空気の揺れを敏感に察したのか、ひだが目の前でふるると震えた。
その震えを舌で感じてみたくて、薄めのひだと、更に奥の小さな分け目の間に舌先を差し入れた。
「ぅっ……ん」
塩気と共に、望み通り、ひだの微弱な震えを舌で感じた。女の声が尻の向こうから漏れ聞こえてくる。
「集中せぇよ。ここのとこだけ」男は伸ばした舌先でノックするように突いた。「考えとけ」
女は、男の言ったことに従うのではなく、愉悦の法を知っていて、その敏感になったところに
意識を向けただろう。だが男は決定的な刺激を与えはしない。男の舌は中央で蠢く箇所を
わざと避けて、強弱を付けて回りをねめていく。女もまた、じらされ、我慢することも、
快感を増す道ということを知っている。膨れあがってきたのだろう快感のまま、女が声を漏らし始めた。
「んっ、ふう、ぅん、っ!」
声の聞こえる度、舌を届かせていない中心からは水が染み出してくる。
男の顎下あたりに広がった女の内腿が、痙攣するように震え始めていた。
男がその震えに指先を沿わせると、愛液がさらに、こぽこぽと溢れ出す。

ひだの奥から湧き出る水は、下方の肉色をした粒を生温かく覆っている。ぷっくりと腫れた肉芽に
粘液が淡い光を弾くようにまとわりつき、薄暗がりの中でも存在を主張させていた。
男は、躊躇なくその芽にかぶりついた。
「あっ!?」
待っていたはずの強い刺激に、女は大きく声を上げた。腰が跳ね、股も閉じる方へ動く。
が、男は許さない。ショーツを寄せていた右手と逆の手で、女の左腿の外側から内股を抱き固定する。
動きを止めさせると、男は上下の歯を、左右逆にすり合わせた。
「くっあ、ああ……!」
直接的な痛みに、女は悦んでいるに違いなかった。おそらく、ベッドに頬を押し付けた横向きの顔は、
緩んだ口から舌をだらしなく垂らしているだろう。
舌をちろちろと動かし、焦点の合わない目で、自分を貪る男の舌を妄想し、
眼前に見ているのかもしれなかった。
見てみたい。自分を求めているだろう女の表情を確かめてみたいが、今はこの味わい深い芽のしこりから
口を離せなかった。だから、視界に映るのは、止まることを知らない赤黒い泉の底だけだ。
185Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:49:07 ID:vexY3yTc
男は歯で挟んだ粒をクチクチと甘噛みし、歯で含んだ女の尖った部分を舌先で遊んでやる。
押し潰し、なで上げ、左右に叩く。ただ動きに没頭し続けていると、
女の鳴き声に合わせて動いているのか、男の責めに女が反応しているのかわからなくなる。
「んっ、ううっ、くぅっ、い、ああっ、や、んぅっ」
女の声に当てられ、男は下の歯列に芽を置いたまま、すぐ上に開いた膣穴ごと強く吸った。
「んあっ、くう……っ!!」
ひだ全体のわななきを密着させた唇の裏で感じ、女の左足の硬直を押さえつける腕で感じる。
口の裏に置いていた舌が、吸われてくる女の体液を受け止めた。鼻から入り込む女の臭いと
舌の上で混じり合い、塩辛く感じる。

男は女に埋めていた顔を引いた。先ほど、口の間で掛かった透明な糸の橋が、再び引かれた。
だが今度はすぐに切れてしまう。粘度が足りなかったのだろう。
男は唇の端に違和感を感じ、指で何度か拭うと、身を捩らせた黒い毛が一本、指の腹に横たわった。
それ以外に、口中に気になる物はない。男は次の行動へ移る。
女の中に、誰よりも自分を刻みつけたい。

女の手首を縛るブランケットで指を拭い、今まで責めていた腰を片手で掴んで、背に覆い被さった。
挿入を予期したのか、女は立たせたままの腰を緊張させたようだった。
男の怒張は、ジーパンの前を破るほどに盛り上げている。
もしそこに自由な思考があったなら、疑問符ばかりを浮かべていただろう。
いつもなら、とっくに外に出されて温かく柔らかなぬめりに包まれるはずなのだから。
しかし、男が女の背に被さったのは、彼女の上方にあるサイドボードに
手を伸ばすためだった。白い天板の上に置かれた、女の得物。スコープ付の小銃だ。
小銃を返す返す見つめ、予想通りだったことにひとつ、頷く。

小銃に据えられたスコープは、ギミックで取り付けられているもので、操作すれば取り外せるようだった。
初めて触るが、手順は想像できる。留め金を外し、固定具をいくつか上げると、スコープは銃から分離した。
「……?」
妙な動きを気取ったらしい。女が肩越しに視線を投げてきた。男の手に収まった自分の銃を見て、
濡れた目を震えさせる。恐怖ではなく、喜びのために。
情事の最中でもなく、後でもなく、始まった矢先に殺される、死ねる。
女にしてみたら、天国の扉が開いていく心持ちかもしれない。
性的な悦びを持ちながら、最大の幸福を身に撃ち込まれる――。

もちろん、男の思惑は違った。
殺してなどやるか。思い通りにはさせない。やっと微かに色付いてきたこの肌。
この内側に『誰か』を抱えて、お前たち『二人で』逝かせてなどやるものか。
たった今、膣を責め立て、肌を色付かせてやったのは誰だと思っている?
そいつではないだろう、あいつでもないだろう。

だのに、わし一人置いて勝手に逝くだと?

男は銃をベッドへ投げ、スコープを女の視界に入るだろう背中の上で、ゆらゆらと揺らした。
女の目はスコープを見た後、焦点を男の顔へ寄越した。ああ、やっと見たな、と思った。
だが足りない。
男は女のしなる背に、スコープの端を、するりとなぞらせた。
冷たく、硬い感触に女の肌が引き締まったような気がした。尻の窪みまでスコープを渡らせると、
女の体を仰向けに戻す。ベッドのスプリングが小さな体を軽く跳ね返す中、手は後ろに縛られたまま、
股を開いて膝を立てていた。男は慎重に考え、膝を折り曲げさせて足を尻の下に仕舞い込む。
日本の習慣らしい正座という座り方で、そのまま背を倒した格好だ。
ただし、後ろ手の分、腰を前に突き出すような形である。しかもショーツは半端に寄って、
女の太股の間の陰りを、半分さらしていた。女の方から誘っているような、
淫らな体勢。その風体でありながら、顔を向き合わせた女は、今度こそ困惑気味だった。
男は笑い、摘むスコープの先を、女のタンクトップに広がる血の中心へ置いた。
186Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:49:31 ID:vexY3yTc
心が焼け焦げ、黒く煙を上げていく。
殺してやらん、絶対に。殺して欲しいなら、わしにそいつを殺させろ。
そいつを、お前の中から消し去ってくれ。そいつだけを見るな。
わしが目の前におるやろう。わしが見えるやろう? わしを見ろ。わしを見ろ。
わしだけをお前の中に置いておけ。

スコープを操って布肌をなぞらせて、小さな丘を越えさせて股の溝にあてがった。
その段になってやっと、女は感づいたようだった。
「ちょっと……なにするの……」
女は、折り曲げられた膝を解こうとした。持ち上がってきた膝を、男はベッドの上へ押し付ける。
男自身の両膝をその上へ置いた。女は、開いた股に力を込めて抵抗してくる。
筋力が締めたのか、膣からまた愛液が零れだし、ショーツに染みつつ尻の下へ伝っていった。
「ふざけないでよ……今すぐにやめなさい」
泡立つような怒りがこもった声だった。男は、それにすら嬉しくなっている自分を発見した。
今、女は自分だけに感情を向けている――。
女は身を捩って肘をベッドに付き、上半身を折り曲げようとする。
男は瞬時に女の首元を押し倒した。女が呻く。痛みからだろう、この状態では、男の体重が
女の胸元と膝の三点に掛かっているのだ。

間近に、痛みを堪える女の顔があった。頬に赤味が差し、綺麗だった。うるんだ黒い瞳は、
真っ直ぐに男をにらみ付けている。
男は、女の唇に軽く唇で触れた。噛み付かれたくないのですぐに離れる。
「こげんこと、初めてやろう? 初めては、忘れられんよなぁ……」
そうして、押さえつけたまま、残していた右手、その先の黒い筒を、
幅の広い方から女の底へ沈めていく。ショーツの偏りは、小指で退かした。
スコープの太さは男根と比べて細く、手中の円柱はつかえることなく進んでいく。
「やめ……やめて! なに考えてるの!?」
それは、一般的には普通の音量だっただろうか、この女では考えられないほどの大声と
言っていい。達する前の喘ぎと同じくらいか。女の肌を抑えていた掌が、
声の反動を受け止めていた。右手も、スコープの受けるひくつきを感じていたが、
左手と比べれば取るに足らない。

男はスコープの三分の一が女の中に埋め込まれたところで、手首を素早く返した。女の胸が反る。
「――いっ、……うぅっ」
スコープの表面には、小銃と接合するための凹凸部分が数カ所ある。その凸部分が、
性玩具のように女の内部で思いもよらぬ刺激を与えるに違いなかった。
男は女の反応を頼りに、浅黒い手の突き入れる角度を変えていく。スコープの先や表面の凸部分を
意識して、コリコリと内壁へ細かく擦りつけた。
己の半身を差し込むことと手で探ることは、やはり勝手が違った。当然ながら、自分への直接的な
快楽はない。自身の興奮に紛れないだけ、今の方が機微に対応できる気がするが、
これまでの性交で見つけていたスポットに手中の円柱で当てるには、位置が上手く掴めなかった。
それでも、反応の強さは変わらないものだ。
「くぅっ」そこだった。
スコープの細さが便利だった。女の入り口で割と自由に動かせ、膣道で詰まることなく、
女のいいところを突くことができた。じゅぷじゅぷと抜き差ししていく内に、
透明な汁はまたも溢れ出してきた。快感を身に溜めているはずの女は、顔を歪めている。
「抜い、て、抜いてよぉ……っ」
それは苦悶ではなかった。この女にとって喜びでもある痛みを感じているのではない。
性の高まりは、右手で感じる濡れ方でわかる。しかし、今女が見せている感情は
それだけではない。眉間に寄るしわ、色付く頬、噛みしめられる唇――。
男の中で期待が高まったが、決めつけられなかった。
これまで見てきた女からは、遠い感情だと思ったからだった。
だが、知りたい。
187Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:50:33 ID:vexY3yTc
「おい……今、どんな気分じゃ?」
「最、低よ、下衆野郎……! 早く抜きなさいよ……!」
「最低? どの口が言いよる……こっちは、こげえなっとるぞ?」
「んっ!! うるっ、さい、のよ! なんなの? なんで、こんな……! ああっ」
「知りたいか?」
「知りたく、ないっ、早く、終わらせれば……っ!?」
「嫌じゃのう。お前のこげえ顔、見たことない」
女を押さえつける左手の親指で、鎖骨の節を撫でる。
「ええ顔しとる……。わかるか、いっつもお前がのぞいとるスコープが、
お前ん中にあるんじゃ。それをお前、自分の汁でぐちゃぐちゃにしとるんじゃ……」
にらみ付けていた女が、ばっと横を向き視線をそらした。目をすがめ、
口を引き結ぶ横顔に、男は胸の奥が痛くなる。
そこでくすぶっていたはずの種火をおびやかすかと思ったが、その痛みは
風であった。火を消し去る威力はなく、一瞬凪いだだけだった。

男は言葉を重ねた。
「これからも、これ、仕事で使わんワケにゃあいかんじゃろう。ええんか、
お前? 仕事でこのスコープ覗くたんび、オノレのココ」
右手をひねり、内壁にグリリとスコープを擦りつける。
「覗いとるようなもんじゃあ。えっらいこっちゃのう……」
「……No(やめて)……」
「これはもう捨てるか? そげえしたって、変わらんじゃろう。お前のココが忘れんよ。
な? ええんじゃろう、これ? めちゃくちゃカンジとるわ」
「No……No……!!」
「まだ言うか。そげえ言うなら見てみぃ、ほれ」
「あっ」
男は膝をベッドの上へ下ろした。女の足を肩の上へ担ぎ上げ、膝立ちする。
もう自由に動かせるはずの女の足は、大人しくだらりと男の背へ投げ出されたままだった。
女の腰が浮き、引きずられるように上半身がベッドの上を滑る。
タンクトップはずり下がり、胸の下で溜まる。
だが、ありありと見えるだろう。己の胸の狭間から、股の間に揺れ、
ショーツの横から突き出る濡れた円柱が。
「あ……いやっ、いやあっ!」
女は身を捩り、足をばたつかせた。だが男の肩の上で頼りなく内腿の肉を揺らせる程度にしか
ならない。仕事で足技を得意とする女とは思えない力の無さだ。
男は、期待がどんどん輪郭を成していくのを待った。もう少しで形を持つだろう。

腿の付け根を撫で、柔らかな腿に口を寄せる。
「おっと、こげえしても、お前からは見えないんじゃなぁ、可哀想に。教えちゃろう。
お前のココ、汁出っぱなしじゃ。オマメなんぞ、ぷるっぷる震えてのう。
旨そうじゃあ」
腿の付け根から手をスライドした。スコープの上で張り詰め、皮の剥かれた、白い頭を出している小さな角を
指の腹で押し潰してやった。目の前の硬い柱は男の指が触れていないのに、くぅぅ、と角度を変える。
男は知らず、舌なめずりをしていた。
「ははっ、殺されるより、こげえ方がよっぽどええんじゃないか?
ここはもっともっと言うとる」
「やめてぇ……言わないでぇ……っ」
「言うたるわい。こげえモンくわえ込んで、穴ァひくひくさせて……
オノレのモンに感じとるんじゃろう?」
「ちが、違うぅ……わたしは、嫌なのぉ……!」
「嫌なワケあるかい、正直になれや、ワレェ。ほれ、言えや。お前、気持ちええんじゃろう?」
「違う、違う……」
女は下半身を張るようにして、体を捻り、顔をまた逃がした。のけぞる首に筋が浮き、
あえいで上下している。わなないて開く口の上では、きつく目が閉じられている。
だが、今までのどんなとき――向かい合いペニスで繋がっているときよりも、
男は女に『見られている』気がした。
188Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:50:52 ID:vexY3yTc
「見ぃや、こっち――。わしは見とるぞ? お前のことずっと見とった。
たいぎそうに仕事しとるときも、なんも思ってなさそうに飯食うとるときも、
目ェ開けたまんまキスしよるときも、よがってほっそい腰がいやらしゅう動くときも、
お前がキモチくなってオノレで乳ィ揉んどるときも、中ァぎゅうぎゅう締め付けて首振りよるときも、
鳴いて鳴いて口から舌ァ出して逝きよるときも、ずぅっとお前のこと、見とったぞ」
男の言葉が届いているのか、自分の今のありさまを想像したのか、
見下ろす女の蜜壺は、まさに泉のような有様だった。愛液が溝に溜まり、舌で掬って飲めそうなくらいだ。
溝から溢れた汁は陰毛をたわませ、ショーツに染み跡を広げている。
そして泉は、女の臭いを湯気のように立ち上らせ男の鼻腔を刺激する。さらに、女のむずがる後ろ手が
ちょうど男の股間に不規則に当たっていた。弱々しく、ふいの刺激は却って押し込められた
熱を高めさせた。限界が近い。早く、早く『それ』を言っくれ。
「いつも、体中のどこも綺麗じゃった、お前はほんま、綺麗じゃあ。――もっと見たいわ……お前の……」
「……な、に……?」
続けない言葉に、女はぶるぶると瞳を揺らしながら、横目を開けた。男は笑う唇から、舌を
そろりと出す。舌で、目下でおぼつかなく立っている黒い円柱を、わずかに押し込んだ。
視界の端で、女の内腿の柔肉がぶるっと震えた。
「こん中」
「あ……や、いやっ!」
「普通見れんけんのう、お前にこげえもんが刺さっとるなぁ、ええチャンスじゃ」
「やめて……っ、本当にやめてよ……っ」
実際にスコープを覗いたとして、光源がないのだからなにも見えはしないだろう。
だが、女は論理的な思考などできなくなっている。『それ』のせいで。
女の眉間にしわが寄り、目は再び、強く閉じられていた。
絞り出した声が震え、
「……恥ず、かしい、ぃ……っ」
ついに、声になった。
恥辱の感情。セックスの間にも見られることのなかった『それ』。
これまでその感情を引き出した男は、自分が初めてなのではないかと期待したもの。
白い肌の上、色付く目尻に浮かべた透明な粒が音もなくこめかみに落とした。
その落下速度はそのまま、男の限界が突破される時間だった。

男は俊敏に身を引いて、南京錠を開けるスピードよりも速く、
速度のみを求めてジーパンのベルトを外そうとした。しかし気持ちだけが逸って手指がもたつく。
声を荒げて毒づき、ファスナーだけ下ろして中身を掴みだした。
掴んだそれは、濡れていた。
ファスナーの合わせに張り詰めた肉が食い込み痛む、だが動きを止めずに、
足を広げたままの女の腰を肩から下ろした。立つスコープがぶらん、と揺れた。
「ハッ、ハッ、ハッ」荒い息が口から漏れる。
その音さえ、自分を昂ぶらせる要素になった。視界が赤いのではないかと思うほど頭が煮えたぎっている。
指を食い込ませて女の腰を抱き、ベッドの上に中腰に立ち上がる。女の体が『く』の字になるほど、
下半身を持ち上げた。足は大きく開き、その向こうに、白い腹と薄紫のタンクトップ、
さらに歪んで涙に濡れる女の顔があった。
「う、ああぁ」
「ハァッ、ハァッ、ええか、ようけ見とけよ!」
男も体を折り曲げ、高くそびえた男根を手で無理矢理下がらせて女の股の中心に合わせる。
膣の入り口には黒々とした円柱が刺さったままだ。抜く時間すら我慢できない。
男はスコープの下に己のモノを添え、即座に腰を落とした。
「い、ああああああああっ!!」女が鳴くと同時に男も呻いた。きつい。
はち切れそうな自身とスコープが合わされば、いつもの挿入より質量がある。
女の入り口で先の厚みが引っかかったのも無理はない。
189Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:51:16 ID:vexY3yTc
だが男は止まらない。二度、三度と腰を揺らし、体重をかけて掘り進んでいく。
その度に上がる女の喉に絡む声も、腰に重く響いた。
「あっ、あっ、ああっ、あうううっ! 大、きぃっ、きつ、いぃぃぃい!」
女に宿った羞恥心は女の常を払拭していた。求めではなく、脳に浮かんだ言葉を
ただ叫ぶようによがっている。男も同様だ。
「おうっ、きつ、いのうっ! じゃけえ、気持ちええ! 気持ちええな!?」
「うああ、きも、きもち、いい? 気持ちいい? わた、ひ、いたい、あっ、痛い、あぁっっ!」
「ハッ、くぅ、痛いか、ええじゃろ? お前っ、はっ、痛い方がっ、ええんじゃろう!?」
「いいっ、いいっ、ううぅ、あっ、ああっ、いたいのっ、ひああっ、いいぃっ」
肉棒をギチギチと縛られるような感覚だ。上部に添えられるスコープの硬い感触も馴染みがない。
未知の感覚に、男自身も辱められているような気がしてくる。

頭の熱を振り払うように、思い切りよく女の入り口を突破した。
「ふあああああっ!!」
白いベッドの上で、白い喉がのけぞり叫ぶ。その白さは光のようで、いつか見たような気がしたが、
なにかはわからず、むしろそう考えたことも瞬時に忘れ、と同時に腰を浮かせ、また落とし込む。
「はっ、ふっ、はっ、はっ」
一心不乱に腰を上下させる。いつも以上に狭い穴によって、男根全体が縛られるように
締め付けられている。入り口を往復する度、裏筋がぞりぞりと擦られる。腰に溜まる
白い快感は、脊髄を貫き脳を駆け巡った。快感で埋め尽くされ、脳内は白く濁っていく。
声を抑える意味を失い、自分を高めていくことだけがわかっている。
それ以外考えたくない。気持ちいい。それだけ。女が自分の下にいる。それだけ。
視界の両端に揺れる白いふくらはぎにいらついて掴む。視界で無駄に揺れる動きがなくなり、
より男は己に集中できるようになる。
見下ろす女も、肩で自分を支えるような格好で、男に揺さぶられるまま意味を成さない声を上げていた。
「ひゃ、ふあっ、ああう、ふああんっ、ひもち、ひいっ、や、やだぁ、やぁ……っ」
「ええよ、ええっ、お前っ、殺さんっ、殺さんぞ、ワレェッ……!」
「うあっ、やあ、あああっ、殺ひ、殺しってぇぇ、死にたい、死っ、にたいぃっ!!」
「死にてぇ奴がっ、こげえしがみつくかっ! もっとキモチくなりたい思ぉとるんやろうが!」
「っ願いっ、殺してぇっ、殺しっ、てぇ……っ!」
「殺してやらんわっ、お前は、わしと一緒におるんじゃ……っ」
女の締まりのない口から、よだれが一筋流れている。目は男を通り過ごし、天井を見ているようだが、
焦点は曖昧のようだった。目元の赤みは、涙でさらになまめかしい。
それを見るだけで、女に包まれる男の分身は今にも弾けそうになる。
欲望の走るまま、男は抽送の間隔を狭めた。そしてもっと女の奥へ穿ちたいと、
ふくらはぎを掴んでいた手を腿に置き換え被さるように抱えた。
ギシギシと女の股の間接がきしるほど、広げさせる。
「やぁぁあっ! 奥っ、きてるっ、硬いのあたっ、てるぅっ!!」
女はあえいだが、男の先端では、そんな感覚はなかった。圧迫される膣の中、熱い生肉が
張り付き強く締め付けてはいるが、壁というほど確かな行き詰まりはない。
思っていると、下腹に、スコープの硬い尻が当たっていた。これだった。
男の抽送と共に、膣の中を進んでいたらしい黒い体の半分が、すでに女の中に埋まっていた。
女の最奥を付いているのはその先だ。

男は頭に血が結集するままに任せた。右手で乱暴にスコープの尻を掴み、引き抜こうとした。
引いた瞬間、男の怒張に電流が走る。スコープの凸部分が、男の肉を引っ掻いていったのだ。
そしてその突然の刺激は、女の壁にも滑ったのだった。
白いふくらはぎが、びん、と硬直し、黒目も大きく見開かれる。
「ああああああああああああああっ!!」
喉が破れそうな叫び。
体の中のすべてを潰そうとするかのような強い強い圧縮。
男は、スコープにもたらされた突然の責めも加わった例えようもない快楽の固まりを、
これ以上なく膨れた己に一時に受けた。しかも腰の抽送を引くタイミングだったせいで、
女の圧縮は、押し返す力となっていた。スコープの端に押し出されてペニスが飛び出す。
刹那、女の内と外の最後の狭まりが、男の裏筋を擦り、厚みを強く吸う。
抜けるのは一瞬であったのに、その瞬間さえ捉えた柔軟な締め付けが男の限界を超えさせた。
「く――っ!?」
190Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:51:36 ID:vexY3yTc
膣の上で吐き出された男根が根本から波打つ。血管さえ浮いているどす黒い強張りが
持ち手のいないホースのように暴れて精液を吐き出す。途切れることなく出た放射は、
女の体を飛び越え、下方で口を開けている女の顔に降りかかった。首を傾げた面の、
上唇から鼻梁を斜めに横切り、悲痛なまでに寄った眉間と黒い前髪に、ばたたたっ、と音を立てて落ちた。
薄く桃色に色づく白い肌と、白濁した液、黒い髪は汗に濡れて細く光っている。
そのコントラストに見とれながらも、男の下半身はまだ無駄な精子を送り出していた。
びゅく、びゅく、と断続的な射精になると、今度は女の腹にぼたぼたと落ちる。
粘度の高いそれは、のったりと舐めるように女の肌を下っていき、胸の下で溜まっていた
薄紫のタンクトップを汚していく。薄紫に染められている赤い血ににじみ、覆うようだった。

コヨーテは、自分の荒い息が鎮まるのを聞いていた。
はっ、と意識を取り戻し、楓を探した。コヨーテに下半身を持ち上げられたまま、
動かずにいる。
ふくらはぎを掴まれていない方の足は膝を折り、しかし足を閉じようともしていない。
股を開いたまま、ぐちょぐちょに濡れ、すでに役割を果たしていないショーツと
その中身をコヨーテの前にさらしていた。体をかろうじて支えている細い肩の上に、
暗い目をした汚れた顔が、ぼんやりとあった。
「楓――っ!」
コヨーテは持っていたスコープを落とし、楓の体を横たえた。
ベッドの上で腰が妙に浮いたのを見て、下敷きになっている手を思い出す。
楓をそっと横向きに倒し、拘束していたブランケットの結び目をほどく。
結び目の中に拳が入り込んでいて、抵抗の跡が見て取れた。血の気が引く。
「すまん、楓っ。わし、こげんこと……ホンマすまん!」
コヨーテは、たどたどしい手つきで、小さな拳のままの手を開かせる。
親指を緩め、残る四本を、間接から恐る恐る解いていく。
両手を終える間、楓は一切反応しなかった。そのことが、コヨーテをじりじりと苛んでいる。

再び楓を仰向きに戻し、背中に巻き込んだままの手を、体の横へ揃えさせた。
へそを出すタンクトップを引き下げようとしたが、自分の精液が張り付いているのを見て
やめる。視界に入った、偏ったショーツも戻そうかと思ったが、色を変えるほど
濡れているのだから、取り替えた方がいいだろう。そう考え、先に精液を
拭おうと、拭く物を探すために立ち上がる。
タオルでいいだろうか、物が目に付かない部屋だが、シャワー室ならそれくらいありそうだ。
歩き出そうとしたとき、股間に冷感を感じる。未だ、ジーパンのファスナーを開けっ放しにしていた。
コヨーテは慌ててベッドに背を向け、頭を垂れる分身を仕舞い込む。
気を取り直そうとしたとき、背後に音を聞く。カチリ。
聞き慣れた硬い音だ。コヨーテは、ゆっくりと振り向いた。

楓が小銃を構えていた。膝を折ってベッドの上へ座っている。
膝元に、濡れ光るスコープが転がっていた。
コヨーテは、小銃の銃口を見つめる。なぜいつまでもそこから弾丸が発射されないのか、不思議だった。
弾丸の代わりに、銃口から飛び出たのは言葉だった。
「Get out(出て行って)」
その台詞は当然だが、自分のしでかしたことに対しては、甘すぎる言葉だった。
そのことに勘違いな思いを抱くつもりはない。できもしないのだが、不可解すぎる。
「かえで」
「Get...Out...」
単語は区切られ、一音一音が強く言い放たれる。銃の後ろに見える黒い目は、真っ直ぐに
コヨーテに差し込まれている。しかし、なんの感情も見いだされない。
石よりも冷たい。今まで感じたことのない温度の目をコヨーテはしばらく見つめ、逸らした。
背を向けて、玄関に足を向ける。歩き、扉を開け、閉めた。
しばらく扉に寄りかかっていても、銃声一つ聞こえなかった。
自分は、楓の中に残ったかもしれない。だが、殺したい対象にさえなれない存在として、だ。
コヨーテは顔を掌で覆う。
「なに……しとるんじゃ、わしゃぁ……!」
胸の内の焦土は黒々と残っていて、掌の歪んだ線は焦土に裂き引かれたヒビに似ていた。

191Hand 2 コヨーテ×楓:2010/08/04(水) 20:55:42 ID:vexY3yTc
>>180-190までkiller7のコヨーテ×楓

こんな終わり方ですみません。コヨーテ哀れと思われた方は、ハッピーエンドのはずの次回まで待ってやってください。
192名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 17:56:57 ID:RnHt34yc
>>191
コヨーテがいいキャラしてるなぁ
ハッピーエンドに期待おつ!

話変わるけどNMH2の公式サイトオープンしたって本当?
携帯だから見れないんだけど、過去のランカーも出てるって聞いたんだが…マジか
193名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 23:42:16 ID:XjECXEoO
コヨたんの すごい 不憫っぷり 
なんだこれ萌えざるを得ない。

>>192
うんマジ。先週のハミ通とかでちょこちょこ情報は出てる。
少なくともデストロイマンさんは
海外版でトラヴィスに半分こにされたのをもう半分機械で補ってるっぽい。
個人的にはナオミ博士続投なのが嬉しくてたまらない。
194kwkm:2010/08/05(木) 23:48:40 ID:XjECXEoO
せっかくなんでついでに業務連絡。
私事でアレですがぼちぼち忙しくなるので、保管庫の作品収納・レス収納作業が遅れる場合があります。
具体的には10月末くらいまで続く予定。
スレ・メールは定期的にチェックするのでログ保存の点ではご安心ください。
以上保管庫の中の人でした。
195名無しさん@ピンキー:2010/08/07(土) 22:00:32 ID:iaeBBN+c
スレ下の方にあるけど平気?
196名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 14:43:23 ID:9rs1SqUi
では試しにあげ
197名無しさん@ピンキー:2010/08/10(火) 00:15:51 ID:HkfL6p2/
ageおつ
下から三番目だったので落ちるかと思った
198名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 00:37:21 ID:pN2EaOQ3
久しぶりに考察まとめで同盟の特殊能力云々のところを読んでいたら、
「魔弾の殺傷力って男のコだよな」
とかのたまうダンが脳裏に浮かんで消えていったでござる
199名無しさん@ピンキー:2010/08/26(木) 23:57:58 ID:FDo/Tmua
あまりに暑いから
ついうっかりプールに行ってはしゃいでしまう餓鬼と裸足
と、同時刻、タトゥーを指摘され入場規制くらってしまい
入口近くの日陰で体育座りで落ち込む盗人と暴君

という絵を受信した
200名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 15:40:35 ID:+OrCiOeF
そして、アルビノで日差しに当たると火傷したみたいになるから、宗教上の理由で肌を見せられない国の女性状態の眼鏡

暴君の肩のは、銃で撃たれた跡かと思っていた
201名無しさん@ピンキー:2010/08/28(土) 09:28:42 ID:teCYneWq
覆面のままプール入ったら水面から出ても覆面の中で溺れ死ねそうだな

そんなマスクを想像したら何かへこんだ…
202Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:15:27 ID:AqHM5vlU
保守がてら。エロなしです。

注意
・コンがひどい(男娼過去ねつ造・口が悪い)
・乙女心の三人だがコヨーテが一番乙女
・エセ広島弁
・ゲーム本編より少し前の出来事設定

不可な方は名前欄「Hand 0.5 コヨーテ×楓」で避けてください。
203Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:15:53 ID:AqHM5vlU
公園は陽の光をさんさんと受け、緑の葉をきらめかせていた。
平日の昼下がり、ランチボックスをたたみ始めている家族連れや余暇を楽しむ老夫婦が、
ベンチで日だまりに和んでいる。
平穏で、誰も気に留めないような風景に、あまりそぐわない二人組がいた。
派手な柄シャツを着崩すプエルトリカンと、首元の伸びきったランニングシャツを着る東洋系の少年。
コヨーテとコンだ。
二人は歳は離れているが親子ほどではなく、男の人相の悪さで、ともすれば誘拐を連想させる
組み合わせだった。しかし、彼らを遠目で観察する『一般的な』――善意はあるが
危うきには近寄りたくない――市民たちの印象では、険呑な空気は感じられなかった。
ならばと、悪目立ちする二人は遠慮なく黙殺されていた。

長閑な時間の中、二人は墓石を背にするベンチで、遅まきの昼食にありついている。
コヨーテは、部屋を訪ねてきたコンに引っ張り出された形だ。
なぜか昼食をおごらされているのだから、たかられている風でもある。
しかし、薄暗い部屋から出て陽を浴びるのは、実際いい気晴らしになっていた。
コヨーテは礼のつもりで、路上売店から二人分の食料を買い求めたのだった。
香ばしい茶を見せるホットドッグは、赤いトマト・ケチャップと黄色いマスタードがたっぷり、
目に鮮やかな白と緑のグラデーションを見せるザワークラフトとオニオンもトッピングさせた。
そして、炭酸の泡がブギする真っ黒いコーク。ごくありふれたランチだ。
「ンッン〜ン」
なのに、コンは頬張る度、機嫌良く鼻歌を歌い肩を揺らしていた。
口いっぱいに食べ物を詰め込み、頬をパンパンに膨れあがらせる様は、どこかで見た
カートゥーンそっくりだ。
その呆れる食べっぷりを見ていた分、コヨーテの手にする昼食は、まだ半分を残していた。
過去に「落ち着いて食え」と言ったこともあるが、コンが身を置いていた路上生活の鉄則、
『食べられるときは全力で』という習慣は抜けきらないようだった。
コヨーテも自分の幼い頃を思い返せば似たようなものだし、機を逃さないという信条は
盗みを生業としていた自分にも通ずるところがあるので、口出ししたのはそれ一度きりだった。
つかの間の幸せに水を差すこともないだろう。
204Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:16:13 ID:AqHM5vlU
コンがコークの最後の一すすりを勢いよく吸い込んでいる。「ぷっはぁ! あー食った!」
満面の笑みを正確にコヨーテへ向けた。「うまかったあ。サンキュー、コヨーテ!」
「はいよ。ほいでも、顔のそっこら中にカスやらケチャップやら付きまくっとるぞ、お前」
「マジで!」コンが両手で口を拭う。「まだ食えんじゃん! ヤベー、サンキュー」
少年が両手をなめ回している様を、コヨーテは半目で見た。
やはり、もう少し躾けた方が良くはないか。
真っ当な躾けというものはわからないが、少なくとも人間が動物じみて体をなめ回すのはどうか。
だが、そもそもこういった、『指導する』分野は自分ではなく、
他の同盟員の役割ではないだろうか。
ガルシアンか、マスクといった――いやいや、うってつけがいた。サマンサだ。
同盟のボスであるハーマンの奉仕役として、洗練された作法を見せている女なら、正しい作法を
教えられるのでは?
(女の殺し屋でも、あげえしとやかな奴もおるもんなんじゃのう)
「また楓のこと考えてんのかよ。今日何回目だよ、ったく!」
コンが、心底げんなり、という表情で、大げさにため息をついて見せた。コヨーテは目を剥く。
「はあ!? なんも考えよらんが!!」
「Fuckin'lie!(嘘付け、タコ)」
コンがケタケタと笑いながら、唾液で洗った掌をシャツに擦りつけていた。
シャツの首がさらに伸びる。
「俺に嘘付けると思ってんの?」
コンは盲目だが、生まれついて聴覚が超常的に発達している。
聞くことで、見ること以上に物事を理解する少年は、離れた他人の心音を聞くことなど朝飯前で、
心音でその者の心中を探ることなどお茶の子さいさいと、のたまっている。
事実、楓を初めて抱いた後のある日、コンに楓の名を口にされただけで、
「コヨーテって、楓のこと好きなの?」と言い出されたことがある。
その頃、すでにそこまで感情が動いていたかは今となっては思い出せないが、とにかく、コヨーテが
楓へ特別な感情を持っていることを、この最年少同盟員は承知している。

浅黒い肌が嘆息する。
サマンサを評したとき、『女の殺し屋』の比較対象を幾人も
知っているにもかかわらず、自然と、黒い短髪の物憂げな同盟員の姿を思い描いていた。
その思考に沿った心臓の動きを読まれたのだろう。
たかがそんなことで。
たかが思考の端にかすめただけの残像にすら、自分は心を乱される。
205Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:17:11 ID:AqHM5vlU
そこまで毒されていることに嘆息した。
「気にすんなよ。いいことじゃん?」
「……なにが」
「気持ちがだだ漏れ、ってことが。その方がシンプルでいいんじゃん?」
楓に言う手間が省ける、と口の片端を上げられた。
「お前、慰めとるつもりか、それ?」
「おごってもらったからね、サーヴィスだよ」
「ほっほーう、サーヴィスね」若干、自棄になりながら「別のサーヴィスに代えてもらえんかいの!」
「オーケイ、どうする?」
「なにができるんじゃ」
「たいがいのことは」
「ほーじゃのう。南の島にバカンスに連れて行ってもらおうか」
「ハハハ、一人で行けば? クソ野郎」
「おーおー行ったるわいっ、お前にゃポストカードも送っちやらん」
「楓も連れてけないのに、そんなとこ行ってどうすんだよ」
「……おっまえはホンマ……」口の中で噛み砕いて、腹いせに残っていたホットドッグを一口。
「ヘイ、プエルトリコ産のオニイサン、俺はサーヴィスするって言ってるんだ。
あんたに心から尽くすってこと! またとないチャンスだよ? きっちり好機を盗れよ。
ったく、盗人のあんたにこんなビギナーズ・ルールを言わせんなよな」

やけに押してくる。コヨーテは隣に座る少年を盗み見た。
顔を真っ直ぐに公園の方へ向けている――つまり、こちらに耳を向けて、意識を集中している。
本気で、なにかしたいと窺っているのだ。
もしかしたら、そもそもここへ連れ出したのも、このためだったのかもしれない。
コヨーテはコークをすすった。ゲップを大きくひとつして、言う。
「……お前はどうしたいんじゃ?」
「コヨーテが一番行きたかったり一番見たかったり一番食べたかったり一番触りたかったり
一番気になったり一番欲しかったりするものを手に入れる手伝いをしたい」

コンはそう即座に、よどみなく答えた。コヨーテは苦笑する。

「ほうか。ほいじゃ、楓のことで手伝ってもらおう」
「うん」
「あー……、お、そうじゃ、東洋人には全員あるもんなんか?
カミカゼ・アタックっちゅーか……『死んでもええ』っちゅーハラキリ・スピリッツみたいなもんが」
「なにそれダッセェ」
「ないんか」
「ねーのはあんたの脳みそだよ、なんだよハラキリ・スピリッツって。センスねーなー」
206Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:17:37 ID:AqHM5vlU
ジーパンの足が少年の脛を蹴ろうとした矢先、少年にすらりと足を上げられた。
頭の位置が移動したせいで、ヘッドフォンが眩しく陽光を跳ね返す。
隣は素知らぬ顔であぐらをかいて、話を進めた。
「東洋人ったって、楓はマジで日本人ってわけじゃないんだろ? それ当てはまんの?」
確かに、楓の言葉や生活様式はこの国に馴染んでいる。
しかし、民族性までは、なかなか表象しないのではないか?
もし、楓の『死にたがり』が、民族特有のものであれば、自分に払拭できるかどうか自信が持てない。

できるかどうか煩うということ、つまり『できる』のであれば、どうにかしたい。
コヨーテはそう考えるようになった。振り出しに戻ったと見えるかもしれないが、
自分の嗜好性に合わない、という個人的な根があった頃と比べ、今や芯を持った確信がある。
ガルシアンの一言が後押しをしていた。
(「『二人の問題』だ」)
『問題』と、あの男は表現した。他人から見ても、障害、取り除くべきものと認識した方がいいものなのだ、
楓の希死欲求は。
それなら、あの暗い欲求を取り払ってやりたい。
あんな壊すための抱き方も、一人取り残される空しい思いも二度とごめんだ。
しかし、楓への新たなアプローチがわからなかった。
死ぬなと言って効かない相手であることはもうわかっている。
初めて楓を犯し殺した後、また巡ってきた楓との狂おしい時間に、「殺して欲しい」と強く乞われ、
沸騰する頭は短慮してしまった。結局願いを叶えて、挿入しながら首を絞め窒息死させた。
楓を回収に来たガルシアンは、眼光だけ鋭くし、無言で去っていった。
だから記憶は上書きされずに残っている。
(「少し、冷静になれ」)
今度こそ、と思いつつ、考えあぐねていたところに、コンが訪ねてきたのだった。

「だいたい」コンが続けた。「楓が死にたがってることと日本人は関係ないんじゃない?
俺の会った日本人で死にたがってたヤツいないし」
「お前にもないんか」
「ないね。つーか、俺と楓を東洋人の代表にするって、笑えるよ?」
「ふむ……」
頷いて、コヨーテはまたコークを吸う。空になると、紙コップを握りつぶして足下に置いた。
残る昼食はホットドッグだけだ。
先にこちらを片付けてから話を続けるか――と思っていたとき、
「あのさぁ」コンが拳を肩へこつんと当ててきた。
「なんじゃ」
207Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:18:12 ID:AqHM5vlU
「楓が『死ぬ』のって、そんなにこだわらなきゃいけないこと?」
「……はあ?」
「コヨーテがヤなのはわかるよ。『復活』するまでオアズケだもんね。
でも楓は『死にたい』んだ、しょーがねーじゃん? 待っててやりなよ」
それよりさー、と続けようとした少年の両頬を片手で引っ掴んだ。
「いへぇ!!」と声を上げた顔を強引にこちらに向かせる。
「……今なに言うた、ワレェ……」
「らんらよ、はられよ、いへぇっへ!!」
「楓ぇ死によるんが『しょーがねー』で済ませられんけぇ、お前に話しとるんやろうがぁ……」
「らぁらろんらんろーららいっへいっへるらろ!」
「ランランランラン、うっさいんじゃ、ダァホ! しっかりしゃべらんかい!」
「らっならはられよ、ごろらっいんいっう!!」
あぐらを崩して、両足で交互に蹴りを入れてくる。それもコン特有の超速だ。
「っ!!」腹に穴が空いたかと思った。震えながらベンチの背に倒れ込み、腹を抱える。
「ザマァ見やがれ、クソコヨーテ!!」
「おま……おま、なにしよる……っ」
「ギャーッ! てめえこそなにしてんだホットドッグ落ちそうだ馬鹿!!」
目を上げると、コンが両手をアワアワと動かし『聞き入っている』。
次に右手を見てみれば、落ちるよりなにより、パンは確実に握り潰していたし、
噛み口が斜めどころか垂直で、トッピング類は盛大に地面へこぼれ落ちていた。
無残な食べ物の姿に、コンは蒼白めいてうろたえている。
すぐにもホットドッグを救ってやりたいのだろうが、他人の物には手を出さない、という
作法は知っているようだ。
この状況下、コヨーテはひらめき、調味料がべたべたと張り付く右手をさらに握り込んだ。
「ギャーッ!! この人でなしッ!! パンが!! パンが千切れちまう!」
慌てふためく様が面白くなってきて、悪ノリする自分がいた。
「ハッハー、おうよ、わしの手にかかりゃーこげえもん、地獄へ真っ逆さまじゃけんのう〜」
「ズゥシャオ、ズゥシャオッ!(やめろったら!)」
「離してもらいたかったらなんで楓が死によるんがええんか言え」
「ミンバイラ!!(わかった!!)」正真正銘必死のコンは即応したが、次の瞬間、
答えた口を空けたまま、固まってしまった。
「……なんじゃ、言わんのかい」
「言っ……う〜〜っ」のけぞるように背をそらして、反動で前屈みに顔を近づけてきた。
「……マジで言わなきゃダメ?」
「ほ〜れ」
「ギャーッ!! 言うからパン離せぇえええ!」
208Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:19:04 ID:AqHM5vlU
「ようし、男と男の約束じゃ」コヨーテはトマト・ケチャップとマスタードで
染まった右手を差し出した。
コンがホットドッグを引っさらっていく。少年の危惧したとおり、パンは千切れかかっており、
救助された途端、その身をだらりと手の甲へ投げ出した。
「うああ……っ、こ、こんなボロボロになっちまった……!!」
「腹ん中入りゃ同じじゃけん、食べてやりんさい」
ケケケ、と笑い、コヨーテは右手の調味料をなめ始めた。はた、と気づき、手を凝視する。
これでは先ほどのコンと同じだ。
(ナプキンは捨ててもうたな、クソ……)
毒づき、なにか拭くものは、と見回すと、隣が視界に入った。

手渡したはずのホットドッグはすでになく、少年は両手をなめまわしていた。
それだけなら早食いの彼のこと、気に留めるようなことではないが、
顔をこちらへ向けていたのだ。つまり、注意を向けている先は、ベンチの正面
――公園にやってきた一般人、ということだ。
「コヨーテ」いつも通り、シャツで手を拭き終えた彼は、少し顔をうつむけて言った。
「あん?」
「……誰にも、言わないで欲しいんだけど」
「……おう」
コヨーテは、少したじろぐ。今までの騒がしさから一変、神妙に引き締められた唇を
舌が往復したのは、ケチャップの味を確認しているのではないだろう。
やがて、ぽい、と言葉が投げ出された。
「殺り方を覚える前は、買われてたんだ、俺」
「? なにを?」
「おっさんとか、おばさんとかにさ」
「殺しで?」
「そっちじゃない」
コヨーテは、今度は自分が張り倒されたような衝撃でもって、理解した。
コンが孤児だということは本人から聞いていた。それ以上のことは知らない。
だが、少し想像力を働かせれば、容易にわかる。手っ取り早く金を稼ぐ方法は、
他人の欲求に応えてやることだ。いつの世も衰えない人の欲のひとつに上手く取り入ること、
それは孤児が生きていくために、必要なスキルだったのだろう。
だが本人は『ただのスキル』と割り切れないシコリがあって、言葉にしたくなかったのだ。
先ほど話すことを一瞬ためらったのは、そういった本心があるからなのだ。
だから、公園で団らんする幸せそうな家族へ注意を向けていたのだ。
209Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:19:25 ID:AqHM5vlU
コヨーテは右手を拳に固めた。この拳を、知らずとはいえそんなことを強要した数分前の自分に
振り下ろして本当に叩きのめしたい。

「稼がなきゃ食えない。食えなきゃ死ぬしかない。
でも俺は、さっきも言ったけど、死にたいとは思わなかったから、つまり……」
語尾を濁して、察してよ、と言わんばかりに肩をすくめられた。コヨーテは了承する。
「というワケでさ、殺り方を覚えるまでは、俺にはこれが『やらなきゃ死ぬしかない』ことだった。
俺のそういうことが、楓にとって『死ぬ』ことなんじゃないの、ってことさ。
だから、楓が『死ぬ』のもしょーがない。そうしなきゃ生きてけないんだから」
(なるほどのう……)
納得しかけて、コヨーテは眉をしかめた。「いや、待て待て。おかしいじゃろう」
「なに?」
「今のお前の言い方、『やらな死ぬしかない』は、楓にしたら
『死なな、死ぬしかない』っちゅーことになる。結局死んどるわい」
「何回死んだっていいじゃん、俺たち『復活』すんだから」
「そうはいくけえ、ダァホ! 死んでええことあるか!」
「もーぉ」コンは体中を脱力させて続けた。
「どうしてコヨーテはそんなに『死ぬ』ことにこだわんだよ? 楓、『復活』すんじゃん、
そんでまた死ぬよ、確かにね? けど『復活』と『死ぬ』の間、生きてんじゃん?
コヨーテはその生きてる間、一緒にいられる。いいじゃん、それで」
少年の首が傾いだ。口の端がやや下がっていて、バンダナの下の眉が見えたなら、
きっと八の字を描いているだろう。
目の表情が見えなくても、聞き分けない相手に心底困っている空気が十分に伝わった。

(わしかて、お前の言うとることわかってやりてぇ)
秘密を話してまで伝えようとしてくれたのだから、コンにとって大切な真理なのだろう。
だが、どうしても納得できない。楓を死なせたくないという想い、その根源を、
否定されているようで。
いつまでも応えない男に、少年はとうとううつむいた。
「……俺じゃ手伝いになれないみたいだね。ごめん」
「そげんことないわい」
コヨーテは綺麗なままの左手で、垂れた頭を一掴みした。ぐいぐいと横に振る。
「イデイデイデッ」
「楓の『死にたがり』が東洋の神秘じゃあないことがわかっただけでも収穫じゃ」
楓の意識を変えられる可能性は十分にあるということだ。
それに――。
210Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:19:46 ID:AqHM5vlU
「ええ天気に外におれて気持ちええし、うまいホットドッグも食えたんじゃ。
コンが誘うてくれたおかげじゃ」
「――そう?」
「おうよ」
浅黒い腕の下で、少年は『ニィ』と口を緩ませて、短く鼻をかいた。「……あ」
「うん?」
「俺、わかっちゃった!!」
「なんじゃ?」
「楓、コヨーテのこと嫌ってないよ!」
コヨーテは瞬く。「ほ、ほう? ちぃと詳しく言うてみい」
「そんな心臓ドキドキさせて聞くなよ、うるせーな」
「うるっさいわ! 早う話せ!」
コンが言うには、楓の部屋でだらだらしているとき、まれにコヨーテの話題を持ち出すらしい。
先が読めた、とコヨーテは胸を高鳴らせた。コンがうるさがろうが仕方ない。
「ほ、ほうか、そりゃ、その、楓の心臓がうるさいっちゅー、あれか?」
「いや、全然」
「は?」
「びっくりするほど普通」
「…………」
「ハハハ、そんな落ち込むなよ、話はこれからだぜ?」
「おまえ……おまえ、それ、わしにわざわざ言わんといけんか……?」
なにが悲しくて、想う相手が自分に無関心であることを思い知らされねばならないのだろう。
「当たり前だろ! 今まで言わなかったのが悪かったんだ、
そーやって落ち込むだろーって思ってたから。でもそれじゃいけないんだ、コヨーテ!
あんたが『死ぬ』ことにこだわるんなら、自分が『楓の中にいない』って知っとかないと!」

ガンガンと言葉の銃弾を撃ち込んでくる。おいおい、今さっきのムードはどこへいった?
結構ハートフルな展開に持って行けたと思っていたんだが?
遠い目をしかけても、コンは容赦なく言葉をめり込ませてきた。

「わかるかい、オニイチャン? だから楓、死にたくなるんだってことさ!」
「へ?」
「なんで楓が死にたがんのか知んないけど、コヨーテが楓の中にいたらさ、
楓も死にたいなんて思わなくなるんじゃない!?
俺、コヨーテといると楽しーもん! そんで、俺死にたいって思ってないじゃん!?
だったら俺みたく楓もコヨーテと一緒にいるのが楽しーって思えば、『死にたい』なんて
思わなくなるんじゃない!?」
体内にめりこんできたのは、思いもよらない嬉しい弾丸で。
211Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:20:16 ID:AqHM5vlU
「ほ……ほぉぉお? なるほどのぉおお!」
「なー!? だろ、だろ!?」
「そーーぉかもしれんのぉぉお!」
「だっろーーーー!!」
意味もなく、二人でお互いの腕をバシバシと叩きあう。
そうか、『死ぬ』ことを厭うてばかりでは進展しない。
強制的な手段、すなわち『死なせない』手段を考えればよかったのだ。
(その手段に、わしがなりゃあええんじゃ!)
今にも走りだしそうに心が浮き立っている。我慢できず、コヨーテは勢いよく立ち上がった。
「よっしゃぁあ、コン! わしゃぁ、やったるわい!」
右手はいつの間にか拳を作っていた。広げると、赤と黄がねばついて、掌を接着気味にさせていた。

212Hand 0.5 コヨーテ×楓:2010/09/05(日) 00:25:56 ID:AqHM5vlU
>>202-211まで killer7のコヨーテ×楓

前投下したものの冒頭部分として書いていたがその後と空気が断絶しているので外した部分でした。
勝手ながら保管は遠慮させてください。

とりあえず、自分のコンのイメージも世間と断絶しているようなのに、この板で気づきました。
こんなコンをイメージしてるけど、ここの天使のコンも大層かわいらしいと思っているので、
もっと投下が増えればいいのにと思います……。
213名無しさん@ピンキー:2010/09/05(日) 21:44:52 ID:yjEsou+j
兄貴と弟分って感じの二人のほのぼのした雰囲気がいいなぁ

いい子すぐるコンに目から鼻水が止まらなかったよGJ!
214名無しさん@ピンキー:2010/09/18(土) 15:50:44 ID:xzcy/w0V
ほすほす
215名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 09:12:49 ID:+3o33DPL
ほしゅついでに
須田氏と三上氏がまた組んで、EAって所からホラーアクション出すらしいね

発売とかまだまだ先っぽいけど
216名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 22:00:57 ID:dfAy1Yjf
NMHDS発売まで一ヶ月切ってるんだなー。
今回も女性キャラたくさんだし楽しみなんだぜ。
217名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 22:05:18 ID:qnpYZgdG
例によって女がみんなパワフルそうな件

ホリー戦の投げを超えるエロスなプロレス技が見られるだろうか…
218名無しさん@ピンキー:2010/10/09(土) 21:30:48 ID:edifomrU
キミーたん、そういう方向性のキャラだとは解っていたがやっぱりインパクト強ぇえwww
あとイラストじゃタレ目そばかすなんだなぁ。
219名無しさん@ピンキー
NMH2発売おめでとー

ここでのネタバレは一ヶ月過ぎたらでいいんだっけ保守