らき☆すたの女の子でエロパロ60

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1名無しさん@ピンキー
アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、TCGにも参戦中の「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。

☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること

※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。

■みゆきさんの一言メモ
・ 投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
 『sage』(←全角)では有効になりませんので、全角・半角を確認してください
・ スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
 これにより『人大杉』のエラーが回避できます
・ SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
 投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます


マターリはぁはぁしましょうか。

☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html
☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ59
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1243240638/
2名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 23:20:28 ID:AWTIOiVJ
ぬるぽの女の子でエロパロ
3名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 23:53:05 ID:tC2eZBIn
>>1

スルー技能習得を忘れずに!
4名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 00:25:50 ID:Q2wLZPJY
さあ、>>1乙ザマスよ!
5名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 00:42:15 ID:Pk1oSgN/
>>1乙でがんす
6名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 01:05:58 ID:elhEQZtK
>>1フガッ!
7名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 02:39:36 ID:90IB7fXS
いくでがんす
8名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 05:22:32 ID:AFHNG5EO
マトモに>>1乙りなさいよ!!
9名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 22:51:21 ID:P9Ppo11U
曖昧>>1乙!
10名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 22:52:08 ID:P9Ppo11U
曖昧>>1
11名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 23:04:00 ID:P9Ppo11U
操作ミスで連投してしまいスマン

黒井先生にオシオキされてくる。
12名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 01:37:43 ID:Xoc2XKU6
>>1

そろそろ、日下部みさおの誕生日だってヴァ!
13名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 01:50:07 ID:3sGIzIV2
          __       /ノ      _  _______
       , -' ":::::::::::`゛''¬-‐'ニ∠._  r'" ,二>‐'""\    >、 
.   ,へ イ-‐ァ /:::::::::::::::::::.|::::::―- 、:::::::::>>:"::::::::::::::::::::::::::\ イ::::::::::\
  /;;;;;;ヽ「;;;;;ノ '":::-―// ,イ:::::::::ヽ::::::::\ゝフ'":::::::l .ハ:::l、:::\::::: ::|::::::::::::::::ヽ
  |;;;;;;;;レ'://:::::::::,イ /| ,小 :l、:::::\:::::::::V:::::::::::::::::|,小:::|ヽ::::弋¬:::::::::::|:::::::l
. ‐L ィ V/☆rz≦/イ  l/. | l |ヽ::::::ぃ\:/:::/::::|::::X| ! ぃ \ト |ヽ!:::::::☆::::::l
   /rイ 7::::::::オ::で_ /  |_レzi::::::::ト | /:::/::::::|::::ト、!_  ヽ ィ'う‐ミ /^} |::::: | 7
 ―く,' } |_,ィy'^尨ソ     /て7ハ::::: |ヽl!/| l:: |l::::lィぅヽ    Vしリハ.├r-v l
  |y イ^) Y / `"    〈タ〃 |::: /    | |:: |\ヘ弋ハ    `‐イ l_.リ.ノ  !
  j/ ―レレ'ムヽ、  r‐ァ   {ノ:::lイ    |.ハ :|:::::(T `"  ', -、  |k-‐┘`   ',
. 〃    ` '"つj `丶 ニ  イ::::::::|:|     ! V:::::::::> 、_ヽ-' ィハ☆ヽ、   .l
 l_ /  , イ::::::ぃ、_ ト、<,ィ|:::::::::|:|       |::::::八 ト、_」>ノj  /∨ ├ニニニコ
 |  ̄h二ヽ☆:::: ヽ\  `l 7l:::::::::|.|       l:::/  レ'   /   /    }      |
r '"′ | ̄ ヽヽ:::::::\\_ レ'ハ::::: l:|     ,、_ V    ト   |   /  , 仆――‐ ┤
   _ 人   い:::::::::ヽ ミ|彡' |トl::::::ト、   ソ‐'つく    ||\ ' ム イ ./ |     |
 ‐'"   / \.l ぃ:::l::::ヽラz=ァムl:::::い / ハハ ヽ   ハ ̄ ∨、__/∨      |
     /  .l>| |. V|::::トヽ \ ̄ !、::トヽ{ノ  | `ヽ|  f ̄ フ「  \   |      |
    ハ  |  l/ V|::::ト、!_ ト、 弋廴.|   l  .l_| ./ |     } /      |
     .ヽ、) /   ||l:::| | | \\ -―! _.人  .//∨   V    ノ 〈      l
      }/     |::::.l '  \ l_>、 X   `"7/ ./    \/ \\____ノ
`< _ /,'     イ::/    _, イ   }_ 」   ∠」 /       \  |   }
 ハ l    |     l∠ -‐'"  {   /    (  V  ̄T ‐- 、_   \!  ノ
   \  `フ ¨ ̄ ̄ |  | \ | ̄        <_ /  /  `アァ¬''"く
      イ /  |  l   ! ,  |           j   /  / /   |  \
    //  /   l   !   V   |_         /  /  / /   l    ヽ
   / /  /   ノ    l  ヽ  |   ̄ 二―――ァ′ /   レ    ノ   l ∧


次スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ60
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1247667514/
14名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 01:51:43 ID:3sGIzIV2
>>1
誤爆失礼しましたorz
15名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 04:15:43 ID:P1K34z7O
>>14
どんまいw
16名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 09:02:29 ID:liuSBGdH
>>12
そうね。あと3日ね、みさちゃん。

ジュルリー
17夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:39:54 ID:fzpM1iNv
投下無ければ5分後に投下します

・夏風邪ひいた記念こなかが
・6~7レス程度
・エロなし
18夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:44:55 ID:fzpM1iNv
「いやぁ……予想以上につらくてさぁ、こりゃ今夜のエヴァ再放送も完走できるか微妙なところだね」
「エヴァの再放送って深夜じゃない、ダメよ、ちゃんと寝てなきゃ」

ベッドの上で力なく笑いながら言うこなたにツッコむかがみだが
いつものようにこなたのボケを拾うだけでなく
こなたを心配しての言葉だった
バイト先の冷房が効き過ぎていたせいで調子が悪いとこなたが言っていたのが木曜日
その翌日の金曜日、こなたは熱を出して学校を休み、かがみはそんなこなたを心配して泉家に見舞いに来ていた

「でもでも、今日はアスカ来日だよ?アスカかわいいんだよねぇ、ちょっとかがみんに似ててさぁ」
「なっ?!似てないわよっ!!バカな事言ってないでおとなしく寝てなさいったら」

この期に及んで「ほらほら、そういう所が……」と食い下がるこなたをたしなめて布団をかけてやるかがみ
元気に振舞ってはいるが、思ったよりも熱が高いのか、呼吸もどこか苦しそうだった

「ありがとね、お見舞い来てくれて」
「いいって、あんたも何度か来てくれてるじゃない、それにしても、今日はずっと一人だったの?大丈夫?」
「お父さん、締め切り間際で担当さんに拉致されちゃって……」

「俺が居ないせいでこなたにもしもの事があったらどうするんだ!俺は書かないぞ!ここでなきゃ書かない!」と必死に抵抗するそうじろうだったが
当のこなたに「お父さんここに居たら私の様子ばっかり見に来て余計書かないじゃん」と説得され
しぶしぶ「何かあったらすぐ連絡しなさい」とだけ言い残し、家を後にした

「それじゃあ、ゆたかちゃんは?もう学校終わってるはずだけど」
「ゆい姉さんに言って疎開させる事にしたよ、ゆーちゃん最近は病気もしないで元気で学校に行ってるのにうつしたら悪いから……」
「何言ってんのよ、それで、あんたは一人でどうすんのよ?!」
「大丈夫、何とかなるってば」

普段マイペースで周りの事なんか気にしない、むしろ周りの人が気になるような事ばかりするのに
変なところで気を使いすぎる、かがみはそんなこなたがいじらしく感じると同時に、心配でしょうがなかった

「まったく、何とかなるじゃないでしょうに、しょうがないわねぇ」

そう言うと、どこかに電話をするかがみ
用件はすぐ済んだようで、早速こなたの方に向き直り、言った

「明日は土曜日だし、今日は私が看病してあげるわよ、家には連絡したから」
「えっ……そんな悪いよかがみん、私本当に大丈夫だから」
「そんな事言って、私が見張ってないと本当に最後までエヴァ見てそうだからね」
「あちゃー、こりゃ録画するしかないかぁ……ま、これで本当に何とかなったみたいだね」

そう言っておどけるこなただったが、かがみが居てくれるとわかった途端
熱でつらそうだった顔に明るい表情が浮かんでいた
19夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:46:26 ID:fzpM1iNv
学校帰りに見舞いに来ていたため
制服のままだったかがみは一度荷物を取りに行ってから再びこなたの部屋に戻った

「ん、かがみんわざわざありがとうね」
「いいからいいから、調子はどう?悪くなったりしてない?」
「ちょっとつらいかも、なんか思ったより熱あるみたいで」
「そっか……薬は飲んだ?あ、ポカリ買ってきたから飲む?」

かがみがコップにポカリを注いでこなたに持たせてやると
こなたは俯いたまま息を詰まらせるように肩を震わせ
次第にすすり上げるような音がこなたの方から聞こえてきた

「ちょっと、大丈夫?どこか痛い?」
「や……ごめ……かがみ、なんか弱ってる時に優しくされると……切ないっていうか……」

ポロポロと涙を溢しながら、それでも申し訳なさそうに笑うこなた
それを見るとかがみはこなたの手から、まだ口をつけてないコップを外して机の上に置いてやると
そのままそっと抱いて頭を撫でた

「無理しちゃって、本当は一人で心細かったのよね?」

涙に声にならないので、かがみの胸に頭をうずめたまま小さく頷くこなた
かがみはそんなこなたの頭を優しく撫で続けた
こなたの涙が止まるまで、ただただ優しく

「どう?落ち着いた」
「うん、それにしても、かがみに抱っこしてなでなでしてもらえるなんて、夏風邪もひいてみるもんだねぇ」
「なっ!?さっきまで心細くて泣いてたクセに、ほら、ポカリでも飲んでおとなしくしてなさいったら」
「はーい、おとなしくしてたらまたなでなでしてね」

泣き止んだと思ったらすぐいつもの調子でかがみをからかうこなたを
「はいはい」とやりすごしながらも満更でもない様子のかがみ
体の調子の方はあまり思わしくないものの、こなたもそれなりに元気を取り戻しつつあった
20夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:49:30 ID:fzpM1iNv
「あれ?かがみん、どったの?その格好」

かがみが居る事で安心したのか、しばらく眠っていたこなたが目を覚まして
何故かエプロン姿でこなたの額の汗を拭ってくれていたかがみに声をかけた

「ああ、これ?食事、風邪ひいてるあんたに用意させるわけにはいかないでしょ?」
「かがみが作ったの?」
「な、なによ?大丈夫よ、一応つかさにメールして聞いたし、味見もちゃんと……」
「んじゃ、お腹すいたし、もらおうかな」
「え?そ、そう、それじゃ用意するから、ちゃんと上に一枚羽織ってからね」

出来に関しての不安を口にしないこなたに拍子抜けしながらも
椅子にかけられていた夏には若干場違いなフリースジャケットをこなたの肩にかけてやり
無意識に肩を貸すように組むかがみ

「かがみん、そこまでもしなくてもいいんじゃないかな?」
「え、あっ……これは……いいのよっ!病人なんだから、素直に甘えなさいよ」

赤くなるかがみにニヤニヤとしながらも「はーい」と返事だけは素直にして
そのまま腕を絡めるこなた
その行動に、肩を貸したのを指摘された時よりも一層顔を赤らめるかがみ

「これじゃどっちが熱があるかわかんないねぇ」
「う、うるさいっ!」

そんなやり取りをしながら食卓にこなたを座らせ、つかさ直伝の卵粥を用意してやるかがみだったが
どことなく先程のこなたの温もりが恋しい気持ちでいた
21夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:51:05 ID:fzpM1iNv
「おおっ、これはなかなか……熱で味覚がボケてるのがもったいないぐらいだねぇ」
「そ、そりゃどうも、半分以上つかさのおかげだけどね」

料理の出来を褒められても素直に嬉しいと言えないかがみを見て
少し眠っていくらか回復したこなたがいたずらを思い付く

「これでかがみが食べさせてくれたらす〜ぐ元気になれるのになぁ」
「はいはい、バカな事言ってないで、さっさと……いや、ゆっくりでいいからちゃんと食べなさいよ?」

一旦は軽くあしらったものの
「さっき甘えろって言ったじゃん、ねね、一口だけ」と瞳を潤ませて上目づかいにねだるこなたに
かがみの中の何かが壊れた

「……っ、しょうがないわねぇ、本当に一口だけよ?」
「えっ?……そ、そだ、かがみん、ちゃんと『はい、あーん』って言ってよ?」

今にも発火しそうに顔を赤らめて卵粥を皿から掬うかがみの仕草に
自分で頼んでおきながらもドキドキしてしまい、妙にぎこちなくなるこなた

「わかったわよ、はい、あーん……これでいい?」
「お、おっけー……」

お互い恥ずかしいので早く済ませてしまいたい反面
済ませたら済ませたでそれもまた恥ずかしい気がして
終わった後に何を言おうかと迷いながら、かがみはスプーンをこなたの口に
こなたは自分の口をかがみの持つスプーンに、スローモーションのようにゆっくり近づける

今まさにかがみの左手のスプーンがこなたの口に入る……という瞬間
二人にとって聞き覚えのある賑やかな声が食卓に響き渡った

「やほー!こなた、ゆい姉さんがうどん買ってお見舞いにきたよーーっ」

「「Σっ!!!!?」」

瞬時にそのままのポーズで固まる二人
突如現れたゆいはそれを見て少し何かを考えて、申し訳なさそうに話し始めた

「あー……いや、お姉さんこなたが心配だったんだよ、ゆたか連れて来ちゃって、こなた一人じゃない?
決して二人の邪魔をしようとかそういうワケじゃ……うん、でも安心した、二人が仲良しで……っと、そうじゃないや、こなたが元気そうで」
「ちょっ?!ゆい姉さん?これは違っ……そ、そだ、かがみがお粥作ったんだよ?ゆい姉さんも良かったら」
「あ、いえ、その……私こそ成美さんが戻って来るなら余計なことしちゃったかなー、なんて、あはは……」
「わかってる、わかってるよー、この事は内緒にしとくからさっb」

二人の弁解にもなっていない話も聞かず、必死に呼び止める二人の声に
「末永く御幸せにねー」と言い残し、嵐のように去っていくゆい

「それで、どうすんのよこれ?」
「せっかくだから、イタダキマス」

騒動の間中、すっかり放置されていたかがみの差し出したスプーンにようやくこなたが口をつけると
二人は顔を見合わせて、恥ずかしそうに、そしてどこか嬉しそうに笑った
22夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:52:54 ID:fzpM1iNv
二人にとって恥ずかしくもあり、楽しい食事も終わり
それぞれシャワーを浴びる事にした
風邪をひいているこなたをシャワーに行かせるのはどうなのかと思ったが
季節でなくても風邪をひいてもシャワーだけは浴びたいという気持ちは同じ年頃の女性として痛いほどわかってしまうので
「汗流す程度にしときなさいよ」とだけ言い、こなたを風呂場に送り出すかがみだったが
そこまで心配する事ではないと思いながらも、なんとなく風呂場の前で待ってしまう

「あれ?かがみん、部屋で待ってれば良かったのに」
「病人がシャワー浴びてるんだから、そういうわけにもいかないでしょ」
「私が心配で待っててくれたんだ、お礼にお背中でも……」
「今回は気持ちだけ受け取っておくわ、あんたは先に寝てなさい」
「かがみん?今回は……って事は次回は……って事かな?」

そんな事を言いながらニマニマと笑うこなたに「そうねぇ、まずは風邪治しなさい」と返すかがみ

「う〜ん、かがみは以外と看護婦さんに向いてるかも知れないねぇ」

そう呟いてナース姿のかがみを妄想する

「……いけないいけない、なんか熱が上がりそうだよ……」

そんな一人芝居を演じながら部屋に戻り
かがみが今夜のために用意した布団を見て、またしても何かを思い付くこなた
「なんだかんだで、今日はかがみんに甘えていいみたいだし、大丈夫だよね」
そんな事を思いながら、咄嗟に思いついたそれを実行に移すのだった

「ふぅ、お風呂いただいたわよ……って何であんたがそっちに居る」
「賢明に看病してくれたかがみのためにお布団を温めておきました」
「ほほう、サルめ、気が利くではないか……って、そんな事してないで寝てなさいよ」
「寝るよ、今から、ここで」
「何言ってんのよ、あんたのベッドはあっちでしょ?」
「今日はここが私の布団でかがみの布団、なんて、ダメかな?」
「えーと、つまり、それって……」

風呂上りで降ろした長い髪を指で弄びながら言葉を詰まらせるかがみに対して
ダメ押しとばかりに得意(?)の上目づかいで見つめるこなた

「体が弱ってて心細いから、かがみに一緒に寝て欲しいなぁ……ダメ?」
「……そんなこったろうと思ったわよ、今日だけ……だからね?」

子供のように「わぁい」とはしゃぐこなたに照れ隠しするようにかがみが続ける

「ま、まぁ、私も体が弱ってて心細くなるのはわかる気もするし……本当に今日だけなんだからねっ」
「それでこそかがみん!ツンデレの鑑だよっ!」

くだらないダジャレを呆れたように笑って受け流しながらも
どこか恥ずかしそうにしながらこなたの居る布団に潜り込む
23夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:54:28 ID:fzpM1iNv
灯りを落として真っ暗になった部屋の中、寄り添って横たわる二人

「ちょっと暑いかな?エアコン強くする?」
「ダメよ、あんた風邪ひいてるんだから、暑いぐらいがちょうどいいのよ」
「でも、それじゃかがみ……」
「もう、あんたはまた……」

そこまで言ってから一つ深呼吸して、言葉を繋ぐかがみ

「わがままで、マイペースなクセして、変なとこで気遣うんだから、つらい時ぐらいちゃんと甘えなさいよ、バカ……」
「ごめん、かがみに心配かけちゃったね」

なんとなく湿った声の調子に驚きながらも
かがみに心配されていた事を嬉しく思ったこなたは、ほとんど抱き合う形でかがみの胸に顔をうずめた

「今日、かがみが抱っこしてくれた時、嬉しかったんだ……心細かったのもあるけど、かがみだから、かがみが抱っこしてくれたから……」
「私も、こなたじゃなかったらああしてあげなかったかも知れないわね」

その言葉を聞いて、こなたが決心したように言葉を搾り出す

「えっと……かがみ?私ね、かがみに聞いて欲しい事があるんだけど、今はアレだから、治ったら言うね」
「そう、奇遇ね、私もこなたに聞いて欲しい事があるけど、今日はやめておこうと思ってたのよ」
「なんか元気出たかも、明日には良くなる気がするよ」
「それなら早く元気になってよね、無理はして欲しくないけど」
「うん、ありがと、かがみ」
「どーいたしまして」

それから、会話を止めた代わりに、しっかりと抱き合う二人
まだ熱の引いていないこなたの吐息は少しつらそうではあったが
表情は幸せそのものだった
24夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:55:55 ID:fzpM1iNv
翌朝、かがみが目を覚ますと布団の中にこなたの姿はなかった
しばらく部屋を見回した後、下階の様子を見に行くと台所を通りかかったあたりで声が聞こえた

「おはよ、かがみん、ゆい姉さんが置いてってくれたうどん茹でたから食べようよ」
「おはよ、こなた……って風邪はもういいの?」
「かがみの添い寝が効いたんだねぇ、きっと、もう全然元気、元々熱以外どこか悪いっていうのはなかったし」
「よかった、元気になったみたいね、うどん、いただくわ」

そう言って柔らかく笑い、テーブルにつくかがみ

二人で朝食のうどんを食べながら、話は昨晩の布団の中でした話の続きに

「あのさ、かがみん?昨日の事だけど」
「何よ、まさかあんたあれ、今言うつもり?」
「ダメかなぁ?」
「ダメって事はないけど、うどん食べながら言うような事なの?」
「いやぁ、それはうどんを買って来たゆい姉さんに言おうよ、それに、これはこれで私達らしいんじゃない?」
「あー……否定出来ない自分が情けないわ」
「えっとね、それじゃ、言うよ?」
「は、はいっ」






「あのね、私、―――――――」

「――――――」
25夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 09:57:23 ID:fzpM1iNv
「ふぅ……今日も暑いねぇ」
「言うな……余計暑くなる……」
「でもでもっ、この暑い中出かける気になるのはやっぱり私とかがみが愛しあってr」
「やめい!ここでそんな事言うなっ」
「つれないねぇ、かがみんは、二人っきりの時はデレデレだけど」

うどんを食べながらの告白から一週間
二人は初めてのデートに出かけた
とは言っても、お互いに想いを伝えた事以外はほとんど今までと変わってはいない

「ねぇ、こなた、いきなりだけど、夏休みに行きたい所とかある?」
「んーまずはコミケでしょ……後は……」

そこまで聞いて「あんたに聞いたのが間違いだった……」と呆れるかがみに
ちょっと待ったとばかりにこなたが続ける

「あー、かがみとは『どこに行くか』より『何をするか』なのだよ」
「ほう、それじゃあ、こなたは私と夏休みに何をしたいの?」
「私はこの夏かがみとチューしたいっ!!」
「ちょっ?!!」
「それに、忘れたとは言わせないよ?今度は私と一緒にお風呂入ってくれるんだよねっ?」
「あー、そんな事、言ったわね……言っちゃったわね……」
「言っちゃったって、もう、かがみは私とチューしたり、お風呂入ったりするの嫌?」
「ばっ!そんなわけないでしょっ!?ただ……ちょっと、恥ずかしい……かな」

かがみが顔を赤く染めて言うのを聞いて、今でも十分ご機嫌な様子のこなたが一層嬉しそうになる
少しストレートすぎるこなたの愛情表現に戸惑い気味のかがみも、その表情を見ると恥ずかしさも吹き飛ぶような気になる

「それでこそかがみん、さすが私の嫁っ!私のツボを押さえてるねぇ」
「言い方はアレだけど、私の事好き……って事なら嬉しいわよ」

ふと顔を覗かせたかがみの“デレ”の部分に、今度はこちらにあまり免疫のないこなたが頬を赤らめる
見慣れないこなたの照れる様を見て、かがみの表情に再び照れの色が浮かぶ
それでもお互いに嬉しい表情を隠せないまま、どちらからともなく手を繋ぐ二人

この先何があるかはわからない
女同士で付き合うという事は、予想している以上に大変な事かも知れない
それでも、お互いの手から伝わるこの温もりさえあれば、どこまでも行ける気がする

「行こう、かがみ」

「行くって、どこに?」

「私達の夏に……だよっ!」
26夏風邪ひいた馬鹿ガイル ◆ICiS/1x8SE :2009/07/17(金) 10:01:29 ID:fzpM1iNv
これにてお仕舞いです
地の分とかでばれてしまうでしょうが
俺には文才というものがありませんのであとがきは箇条書きで失礼させていただきます

・俺には看病してくれるかがみんもいないので自然治癒能力と薬の力で夏風邪を治しました
・エヴァ再放送面白いです、でも新劇場版の方がもっと好きです
・他の夏風邪をひいた住人の方、もしくはガイル少佐のファンから苦情があった場合、即座にHNは変更します
・ストUレインボーのガイル少佐に国に帰らされる率は異常
・なんかもう本当にごめんなさい
27名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 13:51:18 ID:D+5y9VLK
>>26
GJっした!

レインボーのガイル……ホーミング連射ソニブーの忌まわしい記憶が蘇るw
28名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 16:31:09 ID:Xoc2XKU6
>>26
GJです!
甘えん坊こなたんマジカワユス!!



夏風邪引いたっていいじゃない
人間だもの

     みさお
29名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 21:53:34 ID:Q0+r5ny2
>>26 
行動や台詞にこなたらしさ、かがみらしさがよく出ていてGJ!
まったりで甘々な作品有難う。
30名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 09:22:21 ID:CgbMo//g
>>26
ぐっじょぶ
甘々のこなたとかがみ美味しゅう頂きました。
この女子達は夏休み中、ベッドでいちゃいちゃしてそうですな。
31戸別響:2009/07/18(土) 11:57:18 ID:ENUBbcIJ
こんにちは、戸別です。
シリーズ新作が完成したので、投下したいと思います。
タイトル 至福の音 05:暖かな日々、のち
・ゆたか&つかさ
・非エロ
・6レス使用
約3分後に投下を始めたいと思います。では、どうぞ。
32至福の音 05:暖かな日々、のち(1):2009/07/18(土) 12:01:00 ID:ENUBbcIJ




タッタッタッタッ

ハッ、ハッ

軽やかな足取り、弾む息。
走ることって、こんなに楽しかったんだ。
最近までそんなこと、苦しくていやだなぁって、思ってたのに……

……あ、でも、「走ること」が楽しいんじゃなくて、
「走った先にあること」が楽しみなのかな。

昼休みになって、弁当を持って上の教室に行く。
それが最近の私の、昼休みになって最初にすること。

階段を上って、また走って、その教室の前で止まって。
走ったことで乱れた呼吸を、ゆっくりゆっくり整えていく。
なかなか治らなくて、膝の上に置いていた手を上に伸ばして、大きく深呼吸をした。
ようやく呼吸を整えて、まだ慣れない教室のドアに手をかけた。
そこでもう一度深呼吸をして、そのドアを開けた。

「……し、失礼します……」
「あ、ゆーちゃん。今日も早いねー」
後ろのドアを開けて右前の方、そこから私の大好きな人の声が聞こえてきました。

「じゃあ私はこれで……」
「わかったー。つかさ、帰って来たらまた報告お願いねー」
「いちいちそんなこと言わんでもいいっ」
「またまたー。かがみだってこの前かなり気にしてたくせにー」
「そ、それは……あ、当たり前よ! 私はつかさの姉なんだから」
「私だって、ゆーちゃんの従姉妹だよ?」
「ぐぬぬ……」
「まぁまぁ……それではつかささん、頑張ってきてください」
「うん、じゃあ行ってくるね」
33至福の音 05:暖かな日々、のち(2):2009/07/18(土) 12:04:38 ID:ENUBbcIJ

お姉ちゃん達としばらく会話をして、その人――つかささんは私の方へ歩いてきます。
「お待たせ、ゆーちゃん。じゃあ、行こっか」
「はい、つかささん」
私はつかささんの右手を握って、二人で廊下を歩き始めました。

つかささんに告白をしたあの日。
結局はつかささんの家にいたみんなに聞かれちゃったけど、
かがみ先輩を始め、みなみちゃんも田村さんも私達のことを歓迎してくれた。
田村さんは「まさかこの組合せで来るとは……」みたいなことを呟いてたけど……
何だったのかな?
高良先輩には、お姉ちゃん経由とみなみちゃん経由で伝わったみたい。

あ、ちなみに私とつかささんは、それぞれの呼び方も告白した日に変えました。
私は「つかさ先輩」から「つかささん」に、
つかささんは「ゆたかちゃん」から「ゆーちゃん」に。
どちらも数日は慣れなくて混乱しちゃったけど、
今ではすっかりその呼び方が定着しました。

「ゆーちゃん、また走って教室に来たの?」
「えっ? どうしてわかるんですか?」
「だってチャイムが鳴ってからそんなに時間がかからないで声が聞こえてきたし、
それに今のゆーちゃん、ちょっとふらついてる気がするもん。
足元が覚束ないっていうか……無理しちゃだめだよ、ゆーちゃん」
つかささんは一度私の足元に視線を落とした後、
少し心配そうな目で私と目を合わせました。
確かに自分でも、走り疲れて足元がフラフラしてる感じはする。
昔から病弱だった私は今まで全然運動することに慣れてなかったから、
ちょっと走っただけで疲れが溜まったりする。
そんなこと、一番自分自身がわかってる。
でも……
34至福の音 05:暖かな日々、のち(3):2009/07/18(土) 12:05:50 ID:ENUBbcIJ

「……だって……」
「うん?」
「……だって、早くつかささんのところへ行きたかったんですから」
私はちょっと恥ずかしく思いながら、上目遣いでつかささんの顔を見ました。
すると、つかささんの頬が段々赤くなっていくのが見えました。
つかささんは顔を真っ赤にすると、恥ずかしそうに私からそっぽを向きました。
私も時間が経つにつれて恥ずかしさが段々高まってきて、
絶対真っ赤になっている顔を横に向けました。

「……あっ」
しばらくそうしてるうちに、私達は降りるべき階段を通り過ぎてしまいました。
私とつかささんは顔を見合わせ、違った意味での恥ずかしさによって
お互いまた顔を真っ赤にして俯いてしまいました。


「それじゃあ、ここでお昼を食べよっか」
「はい」
その後も恥ずかしがったり道を間違えたりを繰り返して、何とか私とつかささんは
二人きりで腰を下ろしてご飯を食べられるところ――体育館と校舎の間の渡り廊下――
に辿り着くことができた。
「……今日もつかささんのお弁当、豪華ですね」
「そ、そうかな……」
お互いの弁当のふたを開けて、つかささんのお弁当の中身を見た私の一言に、
つかささんは少し恥ずかしそうに顔を伏せました。

「「……いただきまーす」」
はむ、と一口。うん、今日のお魚、おいしく焼けてる。
「…………」
「……? どうしたんですか? つかささん」
気がつくと、つかささんが私のお弁当をじっと見つめていました。
「……ゆーちゃんの玉子焼き、おいしそう……」
「そ、そうですか?」
そういってつかささんのお弁当をもう一度見てみると、
そこには玉子焼きが入っていませんでした。
「……ひとつ、あげましょうか?」
「えっ、いいの?」
「はい、まだ私の分もありますから」
私は自分の玉子焼きをつかささんの弁当箱に移そうとして、
そこで、ちょっと面白いことを思いつきました。
35至福の音 05:暖かな日々、のち(4):2009/07/18(土) 12:07:17 ID:ENUBbcIJ

「……つかささん」
「うん?」
「はい、あーん」
「……え、ええぇぇー!」
箸で持った玉子焼きを、つかささんの口に向けて差し出し、今の台詞。
ラブラブカップルのような私の行動に、つかささんは顔を真っ赤にして驚いていました。

「ゆ、ゆーちゃん……?」
「どうしたんですか? 玉子焼き、いらないんですか?」
悪戯っぽい笑みを作って、私はずいっと玉子焼きをつかささんに近づけました。
そこで、もう一押し。
「はい、あーん」
「……そ、それじゃあ……」
つかささんはまだ赤い顔のまま、おずおずと突き出された玉子焼きを口に入れました。

「……どうですか?」
もぐもぐと口を動かすつかささん。
すると恥ずかしそうにしていた顔が、さっきとは違った驚きの表情になって、
「……うん、とってもおいしいよ!」
とても嬉しそうに、笑顔を私に向けてくれました。


トクン


本当に純粋な、屈託のない笑顔。
私はこの笑顔があったから、つかささんを好きになったんです。

「あ、ありがとうございます……」
「でも驚いたなぁ、ゆーちゃんがこんな大胆なことをするなんて……」
「な、なんとなく思いついちゃって……」
「ふーん……あ、そうだ」
と、つかささんは何かを思いついたような声を上げると、
お弁当の中のタコさんウインナーをひとつ箸でつまんで、
さっきとは違った、にんまりとした笑顔になって。

「はい、ゆーちゃん。あーん」
いかにも仕返しです、みたいな笑みを浮かべながら、
つかささんはそのウインナーを私の顔のほうに近づけました。
つかささんはさっきの自分自身のように私が恥ずかしがることを
期待しているみたいだけど……
36至福の音 05:暖かな日々、のち(5):2009/07/18(土) 12:09:43 ID:ENUBbcIJ

「……つかささん、私はそれが欲しいとは言ってませんよ?」
「えっ……あ、そっか……」
私の顔を真っ赤にするつもりが失敗してしまい、
逆につかささんは自身の顔を赤らめていました。
……さっきもそうだけど、そんな恥ずかしがるつかささんも可愛いなぁ。

「クスッ……」
「もー、ゆーちゃん、笑わないでよー」
「ご、ごめんなさい……でも、なんだか可笑しくって……ふふっ」
「もー……」
ちょっと笑いが止まらない私を見て、つかささんは頬を膨らませましたが、
少しすると、しょうがない、といった感じに微笑んでいました。


お弁当を食べ終わって、今度はおしゃべりタイムに入りました。
話題はそれぞれの家のことから週末の予定までさまざま。
今日は土日のどちらかで一緒にお菓子作りをしようってことになって、
何を作ろうかという話になりました。
「……じゃあ今度の日曜日に、私の家で。頑張ろうね、ゆーちゃん」
「はい!……あ、もうすぐお昼休みも終わっちゃいますね」
そう言って私が教室に戻るために立ち上がろうとするのを、
「あ、ちょっと待って」
つかささんが慌てたように止めました。

「ゆーちゃん、ちょっとの間、目を閉じていてくれないかな?」
「えっ、何でですか?」
「な、何でもないよ。ほら、早くしないとチャイムが鳴っちゃうよ?」
「は、はい……」
何でそんなことをさせるんだろう、なぜつかささんは慌ててるんだろうという二つの疑問が
浮かんだけれど、つかささんに言われるままに、私は両目を閉じました。

「こ、これでいいですか?」
私はつかささんに確認してもらおうとしてけれど、つかささんからの返事はなくて、

「…………!」
そのかわりに、唇から何か柔らかいものが当たる感触がしました。

驚いて思わず目を開けると、目の前にはとてもアップになったつかささんの顔があって。
つかささんは目を閉じて、私の唇と自分の唇とをくっつけていました。
私はしばらく、体全体を動かすことができなくなってしまいました。

「……はぁ」
「…………」
ちょっとして、つかささんは唇を離しました。
実際は5秒ほどしか口を付けていた時間はなかったと思うけど、
私はもっと長くしていたと感じていました。
37至福の音 05:暖かな日々、のち(6):2009/07/18(土) 12:10:35 ID:ENUBbcIJ

私はしばらく放心状態になってしまって、
ボーっとしている間に徐々に顔が熱くなっていくのを感じました。
「……つかさ、さん?」
ようやく声を絞り出せたときには、
完全に自分自身の顔が赤くなっていることを感じることができました。
「……さっきのお返しだよ、ゆーちゃん」
そう返事をして口元を抑えているつかささんも、顔を真っ赤にしていました。

お互い顔を赤く染めて、俯いている私達。
「……わっ」
そんな私達の熱を冷ますように、一陣の風が吹き抜けていきました。
少し涼しくなってきた、さらさらとした秋風。
その風の行く道を見ながら、
「……つかささん」
「……何、ゆーちゃん?」
私はまだ俯いているつかささんに話しかけました。
――そのほうに向き返りながら、できるだけ楽しそうに顔を緩ませて。


「……私達、幸せですね」

「……うん、そうだね」
私の一番の笑顔に、つかささんもあの、眩しいくらいに輝いている笑顔を返してくれました。

「つかささん、大好きです」
「私もゆーちゃんのこと、大好きだよ」
私とつかささんは、お互いの今の気持ちを言葉にした後、
お互いの顔を見合わせて、ふふふっ、と笑い合いました。



好きな人ができて、告白にも成功して、こんな楽しい時間が過ごせて。
こんな至福に満ちた時間が、もっと、ずっと続けばいいのに。


私は暖かな空気の流れる渡り廊下の、一番好きな人――つかささんの隣で、
そんなささやかな願い事をしました。


「あ、つかささん、もうすぐ授業が始まっちゃいますよ!」
「えっ? わわっ、ホントだ! 急がないと遅れちゃうよー!」





でも、そんな幸せな日々も、長くは続かなかったんです。





38戸別響:2009/07/18(土) 12:15:25 ID:ENUBbcIJ
以上です。
一応この話が折り返しになりますが、これからちょっと大変なことになる予定……です。
続きは恐らく夏休み以降になる可能性があります。ちょっと待っていてください。
感想、批評、ありがとうございます。この話でも、よろしくお願いします。
39名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 00:09:46 ID:vXQI+cUA
>>38
これから波乱な展開があるようですが、
本当に幸せそうな二人だけに、
期待と不安で一杯です。

続きを楽しみにしています。
40名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 18:00:43 ID:lsgxsN7X
>>38
とても幸せそうな描写なのに、最後の一行が気になります。
続きを楽しみにさせて頂きたいと思います。

準備される方がおられなければ、投下いたします。
4123-251 ◆5xcwYYpqtk :2009/07/19(日) 18:06:07 ID:lsgxsN7X
「世界の全てに背を向けて」

かがみ×ゆたか(+みゆき、つかさ、こなた、みなみ)

注意事項

・エロあり
・ダーク、鬱描写あり
・破滅的な人間関係あり
・10レス程度使用

(※ 合わない方、ダークな描写に嫌悪感を持たれる方は退避願います)
42全ての世界に背を向けて 1/10:2009/07/19(日) 18:07:06 ID:lsgxsN7X
 6時間目の終了を告げるチャイムが鳴った。今日の授業はこれでおしまいだ。
 私は部活動をしていないので、学校にはもう用はない。
 さっさと鞄に教材を詰めてから廊下にでてすぐに、私の行く手を一人の少女が遮った。
「かがみさん。待って下さい」
 丁寧な口調で声をかけてきたのは、隣のクラスの委員長だ。眼鏡をかけた知性的な顔立ちをした美人で、
ゆるいウエーブがかかった髪を腰のあたりまで伸ばしている。
「なに? 」
 私は立ち止まってから、面倒くさそうな声を出した。
「お願いですから小早川さんのところに行くのは、やめてください」
「ふうん?」
 みゆきは、性格は穏やかで口調も丁寧なのに、小早川ゆたかちゃんのことになると途端にヒステリックになる。

「どうして、私がゆたかちゃんの所に行ってはいけないのかしら? 」

 私のとぼけた返事に、みゆきは綺麗な顔を歪ませながら話し始めた。
「かがみさん。貴方と小早川さんは、お互いに依存しています」
「へえ。それで」
 小馬鹿にしたような私の返事に、顔を青ざめさせながらも、みゆきは形の整った眉をひそめながら断定した。
「あなたがたの今の関係は、お互いの為になりません。少し距離をおくべきです」

 何を偉そうにこの女は言うのか…… 反論するのも面倒くさいな。
 心底うんざりした私は、みゆきの顔から露骨に視線を背けて、無言で脇を通り抜ける。

「待ってください」
 反射的にみゆきの手が伸びて、制服の端を掴みかかるが、私は激しく振り払いながら叫んだ。
「構わないで! 」

「痛っ」
 私は、手の甲を抑えて顔をしかめる少女を一瞥しただけで、すぐにその場を立ち去る。
 しかし、さほど歩かないうちに、別の女子生徒が私の行く手に立ちはだかった。
43全ての世界に背を向けて 2/10:2009/07/19(日) 18:07:51 ID:lsgxsN7X
「お姉ちゃん」
 頭上に黄色いリボンを結んだ、ショートカットの少女が泣きそうな顔で声をかけてくる。妹のつかさだ。
「何よ、つかさ」
 みゆきとの不毛なやり取りでかなり不機嫌になっていた私は、最初からケンカ腰になっている。

「ま、待って、お姉ちゃん、話を聞いて」
 それでもつかさは、強引に通り過ぎようとする私の制服の袖に縋りついて、必死に訴えかけてくる。

「おねえちゃん。お願いだから、ゆたかちゃんのところに行かないで」
「そんなこと、私の勝手でしょ」
 馬鹿馬鹿しい。なぜ、私が妹の指図を受けなければならないのか。

「お姉ちゃんがゆたかちゃんのこと好きなのは分かってる。でも、このままだと、
お姉ちゃんもゆたかちゃんもダメになっちゃうっ」
 大きな瞳に涙を溢れながら、私の制服の裾を掴み続けるつかさが、とても…… うっとうしい。

「つかさ。邪魔! 」

 私は底冷えのような声で怒鳴りつけてから、みゆきにした時と同じように、邪険に手を振り払う。
「きゃっ」
 高い悲鳴があがり、覆い被さるようにして何かが倒れる音が聞こえてきたけれど、完全に無視して前に進む。

「まったくもう、なんなのよ」
 みゆきもつかさの憐れんだ目つきが物凄く気に入らない。まるで私が全部間違っているような言い草にも腹が立つ。

 私はゆたかちゃんと付き合っているだけだ。誰にも迷惑なんかかけていない。
 苛立つ気持ちを抑えきれずに、罪のない廊下の床を何度も何度も蹴りつけると、行き交う生徒たちがぎょっとした
表情を浮かべて振り返った。
 しかし、今の私にとって、つま先の痛みも他人の視線もどうでも良い。
 私とゆたかちゃんの仲を認めない世界なんて、滅びてしまえば良いんだ。

 廊下の角を曲がって、階段を降りようとすると、踊り場に、髪を膝のあたりまで無造作に伸ばした、小柄な少女が佇んでいる。

 こなただ。

 見えない圧力を感じて、一瞬引き返そうと思ったけれど、逃げると思われるのも癪だったので、そのまま階段を下りていく。
 しかし、脇を通り過ぎようとする時も、彼女は何も言わない。

「アンタは止めないの? 」
 耐えきれずに口を開いてしまった私に、こなたは小さくかぶりを振ってから答える。

「とめることができるなら、とめるけれどね」
「ふうん」
「かがみの性格は、良く知っているから」
 苦笑を浮かべながら、こなたは両肩を竦めてみせた。

 こなたは頭がとても良い。もちろん、学校の成績という意味ではない。
 相手の感情を読み取る能力がとても優れており、不用意な言葉で他人を傷つけたり、苛立たせたりしないのだ。
 こなただけは、私を責めることが逆効果になることを分かっているから、ゆたかちゃんと一緒に、底なし沼に嵌っていく私を、
みゆきやつかさのように無理に止めようとはしなかった。

「分かっているなら…… いいわ」
 私は、苦笑いを浮かべるこなたの顔を、もう一度だけ見た後、ゆっくりと階段を降りていった。
44全ての世界に背を向けて 3/10:2009/07/19(日) 18:08:37 ID:lsgxsN7X
 ゆたかちゃんが所属している1年D組の教室の前まで歩くと、予想通り不快な騒ぎが発生している。
「お願い! 放してっ」
 扉を跨ぐあたりで、絹を裂くような悲鳴があがる。ゆたかちゃんだ。

「あんな酷い先輩のところに行ってはダメ」
 続いて彼女のクラスメイトである、岩崎みなみちゃんが鋭い声を出した。
 みなみちゃんは、小柄な少女の両腕を掴んで拘束しており、ゆたかちゃんは悲鳴をあげながら、彼女から逃れようともがいている。

「全く、失礼にも程があるわね」
 私は舌打ちをしながら、ふたりの間に強引に割り込んで引き離した。

「何をしているのかしら? みなみちゃん」
 私は背の高い少女を見上げながら、冷ややかな口調で尋ねる。
 しかし、彼女はまるで親の仇に出会ったような憎しみのこもった目つきで睨みつけながら言った。

「柊先輩。今すぐゆたかと別れてください…… 」
「どうして? 」
「あなたといると、ゆたかが不幸になってしまう。いや、既に不幸になりかけています! 」
 寡黙なはずのみなみちゃんの口から、罵声が放たれる。

「ふふっ、あは、あははっ」
 しかし、私は内心の可笑しさを堪え切れず、彼女の眼前で嘲るような笑い声をあげた。
 みなみちゃんには悪いけれど、いや、悪いなんて全く思っていないけれど、笑いが止まらない。
「何がおかしいんですか! 」
 怒りが沸点に達した彼女は、私の胸倉を乱暴に掴んだ。美人が怒ると怖いというけれど、長身も相まって物凄い迫力だ。
「いやいや、ごめんなさい。みなみちゃん。でもね。こうもストーカーばかりが勢揃いすると、流石に鬱陶しいのよ」

 まったく、みゆきも、つかさも、みなみちゃんも、揃いも揃ってうざったい。

 私とゆたかちゃんが、恋人同士としても付き合いをするのを、必死に阻止しようとあれこれ画策しているようだけど、
一度、無益で馬鹿らしい行動をしている自分たちの姿を鏡で映してみるべきだ。さぞかし滑稽な姿に愕然とするであろうに。

「ストーカーなんかするよりね。一度しかない高校生活を、もっと有意義なものにすべきでないかしら」
 私は冷たい口調で言い捨て、掴まれた手首を強引に振り払う。
「こ、この! 」
 みなみちゃんが、厚い鋼板でも焼き切りそうな凄まじい目つきで睨みつけるが、私は冷笑を浮かべたまま受け流す。

「さ、ゆたかちゃん。もういくわよ」
「は、はい」
 二人の険悪きわまりない応酬を、はらはらしながら見つめていたゆたかちゃんは我に返り、私の手を握った。
「じゃあね。みなみちゃん」
 私は、小馬鹿にするように空いた方の手を振って、廊下を歩きだした。
 尚も、みなみちゃんは剣呑な目つきでにらみつけていたが、不幸中の幸いというべきか、これ以上の手出しをすることはなかった。
45全ての世界に背を向けて 4/10:2009/07/19(日) 18:09:16 ID:lsgxsN7X
「あ、あの…… 先輩」
 脱いだ上履きを下駄箱に入れている私を見上げながら、ゆたかちゃんが躊躇いがちに口を開いた。
「なに? ゆたかちゃん」
「さっきは、ありがとうございます。でも…… 」
「うん? 」
 ゆたかちゃんは、瞼に溜まった水滴を拭ってから言葉を続けた。
「私、かがみ先輩にご迷惑をかけてしまっているのではないでしょうか? 」

「そんなことないわ」
 私は、きっぱりと否定してから、人差し指をおでこにぴたりと当てて言った。
「いい。ゆたかちゃん。私はゆたかちゃんと一緒にいたいの。ゆたかちゃんが嫌じゃない限り、あなたの傍を離れないわ」
「せ、せんぱい…… 」
 ゆたかちゃんは顔を真っ赤にしながら声を詰まらせる。
「私、先輩に甘えても良い…… ですか」
 ゆたかちゃんは、私の胸に飛び込んできて、あどけない顔を埋めた。

「泣いていいわよ」
「ご、ごめんなさい」
 堪え切れなかったのか、微かに嗚咽を漏らし始める。
「私こそ、ごめんね」
 私は、小さな背中を撫でながら謝った。
 常に強気な私と比べると、はるかに打たれ弱いゆたかちゃんは、私の目が届かないところで、いっぱい嫌な思いをしているはずだ。
 しかし、彼女は私に迷惑をかけまいと気を遣っているのか、なかなか話してくれない。

「ゆたかちゃんは、私が守ってあげるから」
「ひっく、かがみせんぱい…… 」
「ゆたかちゃんを傷つけるヤツは、絶対に許さないわ」
 私は、彼女を苛む者に対する激しい怒りを露わにしながら、少女の華奢な背中をなで続けた。
46全ての世界に背を向けて 5/10:2009/07/19(日) 18:10:13 ID:lsgxsN7X
 ゆたかちゃんが泣きやんだ後、私達はホテルにいくことに決めた。
 私の家には家族が大勢いるし、ゆたかちゃんもこなたやおじさんと一緒に住んでいるので、性行為はできないが、
ホテルならば、巫女として勤めたバイト代が溜まっているので、休憩料の支払いに困ることはない。

 校門を出てから5分程の場所にあるホテルの敷地に入った時、ゆたかちゃんがおずおずと尋ねてくる。
「かがみ先輩、あ、あの…… 」
「なに? ゆたかちゃん」
「ここ、制服で入って問題ないんでしょうか? 」
 何度もホテルに行っているくせに、いまだにゆたかちゃんは逡巡している。まあ、初々しくて可愛らしいのだけど。
「構わないわよ。誰も見ていないわ」
「は、はあ」
 最初、ホテルを利用した時はそれなりに緊張したけれど、何度か繰り返すうちに慣れてしまった。

 ここは何もしゃべる必要はない。
 無人のロビーらしき場所で、休憩をしたい部屋を選ぶだけで、点滅した矢印によって部屋まで案内してくれる。
 コトを終えて帰るときは、所定の場所にお金を入れてボタンを押すだけでおしまいだ。
 更に、料理やお酒を注文する時もリモコンに打ち込めば、小さな窓から差し入れてくれる。
 試行錯誤の末とは言え、ここまで徹底的に対人接触を避けたシステムをつくりあげた業界の人々に対しては、
ある種の感銘すら受けてしまう。

 装飾過剰の部屋に入った私達は、陵桜学園の制服を脱いでから、バスタブにお湯をいれる。
「ゆたかちゃん。一緒にはいろっか」
「あ、はい」
 いそいそと制服を脱ぎ始めるゆたかちゃんを、私はじっくりと鑑賞する。
 まず、彼女が汗を含んだセーラー服を脱ぐと、ぬけるような白い肌が露わになる。
 次にスカートのホックを外して下ろすと、美味しそうな太腿と純白のショーツが姿をあらわした。
「み、みないでください」
 私の無遠慮な視線に気づいたのか、ゆたかちゃんは、顔を真っ赤にして両手でショーツを隠す。

「ゆたかちゃん…… 私、ガマンできないわ」
 しかし、半裸となった少女にすっかり欲情してしまった私は、まるで野獣のように、小動物のような少女を
あっという間にベッドに押し倒してしまう。
「せ、せんぱい!? 」
 目をぱちくりと瞬かせながら、驚いた声をあげるゆたかちゃんに構わず、私は口を塞ぐ。
「だ、だめっ、んむぅ」
 ゆたかちゃんの小さな口を開かせて、舌をねじこむ。
「ん…… んんっ」
 私の口から流れ落ちる唾液にむせながらも、小さな舌を懸命に伸ばして絡めてくる。
「んあっ、はうっ」
 私は、喉の奥までゆたかちゃんを味わいながら、小さな背中に手をまわして、白いブラのホックを外す。
「ひゃうっ」
 ブラをめくると、ほんの少しだけ膨らんだふたつの乳房が視界にあらわれる。
「ん…… んはあっ」
 一旦、唇から離して、ゆたかちゃんの桜色の突起を眺めながら私は嬉しそうな声をあげた。

「ゆたかちゃんの乳首、とっても綺麗ね」
「は、恥ずかしいです」
 顔を紅くそめながら恥じらうゆたかちゃんを横目にしながら、私は桜色に染まった乳首に吸いついた。
47全ての世界に背を向けて 6/10:2009/07/19(日) 18:10:52 ID:lsgxsN7X
 ちゅばっ…… 
 イヤらしい音を立てながら吸い上げると、最初は小さかった突起がだんだんと膨らんでくる。
「ひゃ、ひゃあああ」
 裏返った声をあげながら、目をぎゅっと瞑って耐えているゆたかちゃんがとても可愛くて、いじらしい。
「か、かがみせんぱい…… 」
 さらにじっくりと乳首を責め立てていくと、ゆたかちゃんが口を開いた。
「なにかしら? 」
 彼女はとても恥ずかしそうに、それでも何かを期待するような顔で私に囁いてくる。

「あ、あの、私の、あそこ、気持ちよくして頂けませんか? 」
「あそこってどこかしら? 」
 私は意地が悪い。純粋で可憐な彼女をみていると、どうしてもいじめたくなってしまう。

「あ、あの、そ、そのお」
「きちんと言ってくれないと分からないわ」
 固く膨らんだ乳首を摘みながら、更に追い詰める。

「ひゃうっ、で、ですから、そ、その」
 散々逡巡してから、ゆたかちゃんは、首筋まで真っ赤になりながら蚊の鳴くような小さな声を出した。
「わ、わたしのおま○こを、いじって…… ください 」

「良くできました」
 私は満足げにうなずいてから、ゆたかちゃんの純白なショーツに指先を伸ばすと、布地越しにも関わらずぐっしょりと濡れている。
「ふふっ、ゆたかちゃん。もう、ベタベタね」
「いやあっ、い、言わないでくださいっ」
 事実を指摘にされて、可愛らしい悲鳴をあげる少女のショーツの上からまさぐると、染みが拡がった為に生地が透き通り、
うっすらとアソコが見えてしまう。

「んひゃあ、あっ、あううっ」
 私に、アソコを揉まれて悲鳴混じりの甲高い声をあげながら、ゆたかちゃんは華奢な身体を捩る。
「んっ、か、かがみ、先輩、もっと強く、して…… 」
 こんなにも気持ちよくよがっているのに更に強く愛撫をしてほしいと願うのだから、ゆたかちゃんは欲が深い。

 私は彼女の期待に応えるべく、可憐な少女に残された最後の衣服を、ゆっくりと脱がしていく。
「はあ、はあっ、先輩、みないで、お願いです…… から 」
 恥ずかしいのか、少女は両手で顔を覆いながら、イヤイヤと首を振る。

「ゆたかちゃんのアソコから、イヤらしい糸がひいているわよ。半透明で粘性があってちょっと変な匂いがするわね」
「や、やだあっ」
 いじわるを言いながら、コットンのショーツをずりおろしていくと、アソコから伸びた愛液で
つくられた糸がぷつんと途切れた。
48全ての世界に背を向けて 7/10:2009/07/19(日) 18:11:37 ID:lsgxsN7X
「ゆたかちゃん。つるつるね…… 」
「い、嫌ああっ、お願いだから見ないで! 」
 悲鳴混じりの哀願は当然、無視する。
 私は、まだ産毛程度しか生えていない、少女のアソコをじっくりと鑑賞したあと、ゆっくりと撫でていく。
「ふああっ、んああっ、駄目、だめえっ」
 ゆたかちゃんは淫らな声をあげながら、太腿を閉じようとするけれど、私は利き手である左手を、
ゆたかちゃんの華奢な太腿に差し込んで妨害する。
「もう、ゆたかちゃんのアソコから出るお汁で、ぬるぬるになってしまったわ」
「やだあっ、そんな事、言わないでください! 」

 私は、羞恥に悶える少女の表情に我慢ができなくなっており、アソコに中指を一気に突き入れる。
「あ、ふああっ」
 ゆたかちゃんが熱い息を吐きだしながら、あどけない顔を酷く歪めた。

 挿し入れた中指の腹に、ざらざらとした感触が伝わる。私は指の第一関節を折り曲げて、少女の膣壁を引っ掻いていく。
「あああっ、だめえ、んああああっ、んああああ」
 奥に激しい刺激を受けた彼女は、裏返った声を何度もあげて、身体を何度もくねらせる。

 私は、可愛らしい少女が見せ続ける痴態に、すっかりと興奮してしまい、半ば無我夢中になって
差しこんだ中指の出し入れを続ける。
「ん、んはあっ、ひゃああ、だめ、わたし、もう、だめええええええええっ」
 ゆたかちゃんは、トロトロとした液体を吐き出しながら、部屋中に響くような甲高い声を何度もあげ続ける。

 こなたが言うように、二次元の世界でロリと呼ばれるキャラが、そのまま現実世界に飛び出してきたような少女が、
淫らによがり続ける姿は、あまりにも危険な魅力に満ちていて、私のアソコから、熱い液体が零れ出しそうになっている。
 ついに、私はどうにも我慢ができなくなって、ゆたかちゃんの膣壁への刺激を続けながら、空いた手でスカートの中に手を突っ込み、
白いショーツを脱ぎ捨てた。

「ゆたかちゃん、入れて」
「えっ!? 」
 とまどうゆたかちゃんの左手首を掴んで、既にぐっしょりと濡れた私のアソコを触らせる。
「か、かがみ、先輩? 」
「ゆたかちゃん、お願い。私も気持ち良くなりたいの」
「は、はいっ」
 素直なゆたかちゃんは、おずおずとではあるが、私のアソコへの愛撫を始めた。

「んくっ、ふああっ」
 私も負けじと、ゆたかちゃんの膣壁への愛撫を再開する。
 中指だけでなく薬指も狭い膣の中にいれて、二本の指で激しくアソコの中を掻き回す。
「ひ、ひあああ、ああっ、あああっ」
 ゆたかちゃんは、陸に揚げられた鮮魚のように口をぱくぱくと開けながら、小さな身体を何度も跳ねさせる。
「ん、んくうっ、ふあああっ」
 私も、クリと膣の中を同時に責めたてられて、はしたないよがり声を何度もあげてしまう。
49名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 18:15:13 ID:RNj/DAPr
投下支援
50全ての世界に背を向けて 8/10:2009/07/19(日) 18:15:56 ID:lsgxsN7X
「はあっ、はあっ」
 何度も荒い息を繰り返していると、悦楽の波はゆっくりと退いていく。
 ベッドで仰向けになっているゆたかちゃんも、短い呼吸を繰り返しながら、火照った身体を沈めている。

「かがみ、せんぱい? 」
「何、かしら? 」
 汗みずくになった少女の顔を見つめながら尋ねると、ゆたかちゃんは微かな笑みを浮かべた。
「わたし、先輩のこと大好きです。愛しています」
「私もよ…… ゆたかちゃん」
 余程嬉しかったのか、嬉しそうに掌をそっと握ってくる。

「せんぱいの手って、温かいんですね」
 私は、ほんの少しだけ唇の端を歪めながら言葉を返す。
「掌があたたかい人は、心が冷たいって言うわね」
「一度、みなみちゃんと田村さんが同じ話をしたことがあります」
「そう」
 ゆたかちゃんの掌を握ってみると、少しだけひんやりとしている。
「でも、私、かがみ先輩の心は凄く温かいと思います」
「そんなこと、ないわよ」
 私は、少し寂しげな口調で言った。
 こなたは兎も角として、みゆきやつかさ、みなみちゃんに取った態度は、冷酷としかいいようがないからだ。
「ううん。かがみ先輩は、私にはとても優しいんです。私にとってはそれで十分なんです」

「そっか」
 私は、ゆたかちゃんの言葉に頷いた。
5123-251 ◆5xcwYYpqtk :2009/07/19(日) 18:20:34 ID:lsgxsN7X
>>50
は順番を間違えたので、8/10を投下しなおします。
52全ての世界に背を向けて 8/10:2009/07/19(日) 18:22:48 ID:lsgxsN7X
「んあっ、はあっ、んああああっ」
「くうっ、んんああっ」
 私とゆたかちゃんは、以前興味本位で見たレズものの、アダルトビデオに出演した女優のような喘ぎ声をあげながら、
全身からは大量の汗を流し、狂ったようにお互いを求め続ける。

「あうっ、せ、せんぱい、とても、きもちいい、気持ちいいですっ」
 嬉しそうな嬌声をあげる、ゆたかちゃんのアソコからは、とどめもなく愛液が湧き出し続けて、
以前は綺麗だったシーツに、染みを塗りつけている。
 
「んああ、ゆたかちゃん、私も、もっと強く、強くいじって」
 私は、もっと強い刺激をもとめて、彼女におねだりする。
「は、はいっ、わかり、ましたぁああああっ」
 ゆたかちゃんはとっても良い子だ。絶え間なく受ける愛撫によって、幾度も悲鳴をあげてよがりながらも、
懸命に小さな手を動かして、私を気持ちよくさせてくれる。

「ふあああっ、わたし、もう、駄目、いっちゃう、いっちゃうのっ」
 高まり続ける性的な刺激に耐えきれなくなったゆたかちゃんが、大きく口を開けながら叫んだ。
「ゆたか、ちゃん、私も、いくっ、くうううっ」
 私も身体の中心からあふれ出す、焼きつけるような熱さを我慢できず、裏返った声をあげる。

 私とゆたかちゃんの嬌声が響き合って、お互いを絶頂に導いていく。
「んはああっ、はああっ、んんっ」
 ゆかかちゃんは、間近に迫った頂きを待ち構えるように、瞼をぎゅっと瞑って身体を細かく震わせている。

「いくっ、いくうっ」
 視界がぼやけるのを感じながら、私も必死に快楽の頂きの到来を引き延ばすけれど、ついに限界が訪れる。
「はあ、はあああっ、んあああああっ、ふああああああっ」
「んん、んくううううううっ、ああああああああっ」

 私とゆたかちゃんは絶叫し、ほとんど同時に頂上を越えていった。
53全ての世界に背を向けて 9/10:2009/07/19(日) 18:23:28 ID:lsgxsN7X
「はあっ、はあっ」
 何度も荒い息を繰り返していると、悦楽の波はゆっくりと退いていく。
 ベッドで仰向けになっているゆたかちゃんも、短い呼吸を繰り返しながら、火照った身体を沈めている。

「かがみ、せんぱい? 」
「何、かしら? 」
 汗みずくになった少女の顔を見つめながら尋ねると、ゆたかちゃんは微かな笑みを浮かべた。
「わたし、先輩のこと大好きです。愛しています」
「私もよ…… ゆたかちゃん」
 余程嬉しかったのか、嬉しそうに掌をそっと握ってくる。

「せんぱいの手って、温かいんですね」
 私は、ほんの少しだけ唇の端を歪めながら言葉を返す。
「掌があたたかい人は、心が冷たいって言うわね」
「一度、みなみちゃんと田村さんが同じ話をしたことがあります」
「そう」
 ゆたかちゃんの掌を握ってみると、少しだけひんやりとしている。
「でも、私、かがみ先輩の心は凄く温かいと思います」
「そんなこと、ないわよ」
 私は、少し寂しげな口調で言った。
 こなたは兎も角として、みゆきやつかさ、みなみちゃんに取った態度は、冷酷としかいいようがないからだ。
「ううん。かがみ先輩は、私にはとても優しいんです。私にとってはそれで十分なんです」

「そっか」
 私は、ゆたかちゃんの言葉に頷いた。
54全ての世界に背を向けて 10/10:2009/07/19(日) 18:24:08 ID:lsgxsN7X
「かがみ…… 先輩 」
 天井を見上げていた私に、ゆたかちゃんが再び口を開く。
「なあに? ゆたかちゃん」
「二人で、どこか遠いところに行きませんか? 」
「遠い、ところ? 」
 私は、豪華そうなシャンデリアを見上げながら、少女の言葉の続きを待つ。

「誰もいないようなうんと離れたところで、私達の行く手を遮るひとがいない場所で暮らしませんか? 」

「そうね。悪くないのかもしれないわ」
 いい加減、みゆき達と不毛な争いを続けることにもうんざりだし、私とゆたかちゃんが何処かに消えてしまった方が、
彼女達にとっても心配の種が減って良いかもしれない。
 もっとも、こなたと会えなくなることは寂しいけれど。

「ねえ。ゆたかちゃん」
 私は、ゆたかちゃんの瞳を見つめながら、ゆっくりと告げた。
「今夜10時に、必要な荷物をもって駅に来て」
「今夜…… ですか? 」
 ゆたかちゃんは、目をぱちくりとさせながら尋ねてくる。

「決心が鈍るといけないからね。それとも、嫌かしら」
 ゆたかちゃんはしばらく逡巡していたけれど、やがて、私に挑みかかるような表情で答えた。

「分かりました。かがみ先輩こそ未練は捨ててくださいね」
「思い残すことは何もないわ。ゆたかちゃん」
 喉元まで出かかったこなたの別れの言葉を飲み込んでから、ゆたかちゃんに向けて微笑んでみる。

「ねえ。ゆたかちゃん。一緒にシャワーを浴びない? 」
「はい。かがみ先輩」
 少女が頷くのを確認してから、私は汗で濡れてしまった制服を、何か大事なものを捨て去るように脱ぎ捨てた。

(おしまい)
5523-251 ◆5xcwYYpqtk :2009/07/19(日) 18:28:29 ID:lsgxsN7X
以上です。(一話完結ものです)

途中、順番を間違えて投下してしまいました。申し訳ありません。
>>50を、飛ばして読んで頂ければ幸いです)

また、途中で、連投規制がかかり、1レスのみ携帯から書き込みをいれました。
以前より、規制が厳しくなっているようです。

読んでくれた方、ありがとうございました。

56名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 19:01:45 ID:0ACOiTgf
GJ
同じ欝話でも導入のうまい人が書くとこうもちがうのか
57名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 02:39:26 ID:JoTCfMqV
>>38  今後の展開が非常に気になります。ハラハラしながら続きを楽しみにしております。

>>55  鬱話は苦手なんですが、引き込まれました。GJです。


準備されている方がいらっしゃられなければ、投下したいと思います。
58:2009/07/20(月) 02:42:18 ID:JoTCfMqV
ご無沙汰しております。

投下前に、前回のSSを読んでいただいた方々、コメントいただけた方々に、この場を借りて御礼申し上げます。
どうもありがとうございました。
すごく嬉しくて、マジで励みになります。
拙い文章ですが、今後も細々とのんびり書かせていただきますので、よろしくお願いします。

では、新しいのができましたので、投下させていただきます。

かがみ×みさお
13レス使用予定
みさお視点
エロあり(みさお自慰)
※苦手な方はスルーしてくださいませ。

よろしくお願いします。
59恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 1:2009/07/20(月) 02:45:08 ID:JoTCfMqV
「ただいま〜」

 学校から帰ったわたしは、真っ直ぐに自分の部屋に向かい、かばんを床に置いた。
 制服から着替え、そのまま床に寝転ぶ。

「はぁ〜・・・・・」

 わたしは大きくため息をつくと、目の前に置いてあった座布団を抱え、一点を見つめた。
 視線の先に浮かんでくるのは、わたしが世界で一番大好きなひと。
 柊かがみ。

 怒るとすげー怖くて、
 がみがみ口うるさくて、
 冷たいつっこみで泣かされそうになる(実際泣くけど)。

 そんな、おっかねーやつなんだけど・・・・・、

 勉強できて、
 運動もできて、
 紫の長い髪も、
 あの大きくて蒼い目も、
 それに、たまに見せるあの照れた顔も、
 全部がすっごく可愛くて・・・・・。

 そんな柊が、すんごく好きなんだ!!

 柊のことは、中学の時からずっと好きで、今でも大好きだ。
 でも、その頃は柊と話す機会も少なくて、教室でも挨拶するくらいだった。
 きっと、あんまり意識もされてなかったんだろうな・・・。
 高校になってからも同じクラスになったけど、休み時間は隣のクラスに行っちゃうし。たまに話しかけても、冷たくあしらわれるし・・・・。

 今まで、何度も告白しようと思った。
 でも、柊の横にはいつもちびっ子がいて、それを見るたびに、無理なんじゃねーかと思って、結局何もできなかった。
 だけど、どうしても諦めきれなくて、毎日話しかけたり、ちびっ子を真似てじゃれついたりもした。
 そのお陰なのか、前よりも少しは仲良くなれたかなって思ってたけど・・・・・・。

 でも、最近は話しかけても上の空だし、たまに相手してくれても、すぐにどっかいっちゃうし・・・。  何か、避けられてる感じがする・・・。

「やっぱり、わたし・・・・、嫌われちゃったんかな・・・・・」

 わたしは、胸の奥にモヤモヤとした気持ちを感じながら、今日の柊を思い出していた。


60恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 2:2009/07/20(月) 02:47:18 ID:JoTCfMqV
「ひぃらぎ〜。一緒に弁当食べようぜ〜」

 授業が終わり、待ちに待った昼休み。わたしは、弁当片手に柊のとこに向かう。
 今日はちびっ子のとこに行く前に、声がかけられた。

 最近、すぐにいなくなってたもんな。
 それに今日はあやのもいねーから、柊とふたりだけ♪
 あ、そうだ!ついでに次の授業のノートも借りちゃおう。
 くふふ。そうすりゃ、指されても大丈夫だし、それに、もっと柊と一緒にいられるしな。

「あ、う、うん・・・」

 声をかけると、一瞬、柊の表情が強張ったように見えた。
 ん?何かあったのか?

「どーした?元気ねーな」
「そ、そんなことないわよ」

 そう言って、柊は顔を伏せた。

「そうか〜? 何か気になるんだよな〜」

 その様子がどうしても気になって、うつむき加減の柊の顔を覗き込む。
 だけど柊は視線を逸らし、顔を合わせようともしない。

「だ、だ、だ、だから・・・・・な、なんでも・・・」
「ん? 顔、真っ赤だぞ?」
「なっ!?」

 わたしがそう言うと、柊は慌てた様子で、ほっぺに手を当てた。
 お、おい!大丈夫なのか?

「熱でもあんのか?」

 心配になり、柊のおでこに手を伸ばして熱をはかってみる。

「あ、あ、あわわわ!!」

 あ、あれ?なんか、段々熱くなってねーか?
 それに・・・耳まで赤くなってきてるように見えるけど・・・?

「ん〜?ちょっと熱い・・・・かなぁ?」
「ち、ち、ちょ、ちょっとトイレ!!」

 柊は、わたしの手から逃げるように顔を離すと、そのまま教室を飛び出していった。

「お、おい! ひ〜らぎ〜!!」
61恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 3:2009/07/20(月) 02:49:19 ID:JoTCfMqV
 咄嗟に追いかけようかとも思ったけれど、逃げるように走っていった柊の様子に、わたしの足は動かなかった。

 いっちまった・・・・。
 わたし、何か悪いことしたのかな?

 仕方なく柊の席に座り、弁当を開く。

「はぁ・・・、一人で食べるか・・・・」

 大好物のミートボールをつまみ、口に放り込んだけど、おいしくもなんともない。

 あ〜あ、一人じゃうまくもなんともねーよ・・・。

 早々に弁当を食べ終えたわたしは、もしかしたら柊がいるんじゃねーかと思って、洗面所に向かった。
 だけど、柊は見つからず、仕方なく歯を磨いて教室に戻った。
 教室にも柊の姿は見えず、どこか物悲しい気持ちを感じたわたしは、そのまま柊の机に突っ伏した。

 今日は長く一緒にいられると思っていたのに・・・・。
 こんなことしてるんだったら、もっと探しに行った方が良かったのかな・・・・。
 でも、あんな態度とられたら、行けねーよな・・・・。

 そんなことを考えていると、じわりと涙がでてきた。

 もしかして・・・・・、わたし、迷惑なのかな?

 重苦しい気持ちが、全身を包み込んでいく。
 それを紛らわしたくて、柊の机に顔を乗せていると、いつの間にかわたしの意識は遠のいていった。




「んぁ? ん〜・・・・」

 気がつくと、誰かにほっぺを押されているような感覚がする。
 
 うるさいなぁ〜・・・・。
 何だ?誰かがふざけてんのか?

 目を開けるのも面倒臭くて、手で払ってみたけれど、何も当たらない。
 
 気のせいか?
 まぁ、いいや。もうちょい寝よ。
 
 その時、甘く柔らかい香りが、ふわりと鼻先を掠めた。

 あ、あれ? 何かいい匂いがする・・・・。
 どこかでかいだことあるんだけど・・・・・・、どこだっけ?
 う〜ん・・・・。
62恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 4:2009/07/20(月) 02:51:21 ID:JoTCfMqV
 はっきりしない頭で、記憶を辿っていく。
 
 ああ、そうか。柊の・・・・。
 柊の髪の匂いだ・・・。
 でも、柊はいないはずだよな?
 ・・・夢でも見てんのか?

 その香りは、さっきまでの重苦しい気持ちを消し、代わりに暖かい気持ちを満たしてくれる。

 すっげーいい匂いだな・・・。
 ふふふ。夢でもいいや。柊の匂いが一緒なら・・・。

 目を閉じたまま、幸せな気分でその香りを楽しんでいると、突然、口の中に何かが入ってきた。

 もごっ!!

 細長くて柔らかい。しかもプニプニとした感触。

「う、う〜ん・・・・」

 な、何だこれ!? 

 目を開けて確かめようとした瞬間、それは一気に引き抜かれ、同時に耳元で大きな叫び声が聞こえる。

「ひゃあぁぁぁぁっ!!」

 その声に驚いて、わたしは危うく椅子からズリ落ちそうになる。

「うぉあっ!!な、なんだ?」

 何とか体勢を立て直すと、目の前には、真っ赤な顔の柊が立っていた。

「あっぶね〜・・・・。  あ、あれ? ひぃらぎ? なんでそんなとこにいるんだ?」

 思いがけない光景に、一気に目が覚める。
 
「な、ななな、な、なんでって・・・そ、その・・・・。
 そ、それより、あ、あんたこそ、なんで私の席に座ってんのよ!」

 うわっ!!  や、やべー・・・・。
 え、えっと・・。寂しかったから?
 なんて言えねーよ!!
 こ、こうなったら、誤魔化すしかねーか?

「ん〜? なんだっけ・・・・・?」

 いつものように、とぼけてそう言うと、柊は、あきれ顔でわたしを見た。
63恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 5:2009/07/20(月) 02:53:20 ID:JoTCfMqV
 よしっ!いつもの反応だ! これならいけそーだな。
 んーと・・・、さて、どう言い訳すっかな・・・。
 ん? そ、そうだ!ノートだ!ノート!!

「あっ! そうだっ!ノート借りようと思ってたんだ」
「はぁ?な、なんでよ!」
「いや〜。次の授業で指されそうだからさ」
「い、いつもみたく、峰岸に借りれば良いじゃないっ!」
「あやのは風紀委員の集まりで、まだ戻ってきてねーんだよ」
「そ、そう言えば、さっき一人だったわね」
「そうなんだよ。な? 頼むよ〜」

 立ったままの柊の顔を、下から覗き込むように見る。
 ダ、ダメかな?

「うぅぅ・・・・。 わ、わかったわよ・・・」
「お、サンキュ。ひぃらぎ」

 ふぃ〜、良かった〜。これで一安心だな。

 柊からノートを受け取り、鼻歌交じりにそれを写していく。

 ふふ。しかも、これで授業まで柊と一緒♪
 やっぱ頭いいな。わたし。

 機嫌も良くなり、柊に話しかけようと思った瞬間、ふと、さっきの柊の行動を思い出した。

 ところで、さっきは何で走ってったんかな?
 それくらいは、聞いてみてもいいよな・・・?

「なぁ、ひぃらぎぃ」

 それでも、流石に面と向かって聞くだけの勇気はなくて、ノートを写しながら、柊に声をかけた。

「ななな、な、なによ?」
「あ、あのさ・・・・、さっきは何で走ってたんだ?」
「へっ? は、あ、あの・・・・、ちょ、ちょっと気分が悪くなって」
「ふ〜ん・・・・」

 確かにおでこは熱かったけど・・・・、ホントにそうなのか?
 最近の柊の態度・・・。それに、さっきのも・・・。

 はっきりしない柊の言葉に、疑問がわいてくる。

 やっぱり変だ・・・。
 柊はなんかを隠してる・・・。

 わたしは思い切って顔を上げ、柊を見据えた。
64恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 6:2009/07/20(月) 02:55:20 ID:JoTCfMqV
「なぁ・・・、何か隠してねぇか?」
「なっ!? な、な・・・」

 そう言ってじっと見つめると、そのまま柊は俯いてしまった。
 その様子に、私の疑問は確信へと変わる。

 やっぱり・・・。何かあるんだよな・・・。

 教室は、みんなの声でざわついてるはずだけど、今はそんな声は入ってこない。
 柊は俯いたまま、黙りこくっていた。しかも、身体が小刻みに震えている。
 そのただならない様子に、わたしの中の不安が大きくなっていく。

 ま、まずいこと聞いちゃったのかな・・・・。

 徐々にその不安は大きくなり、耐えきれなくなったわたしは、柊に声をかけた。

「ひ、ひぃらぎ?」

 その途端、柊は俯いたまま、大声で叫んだ。

「う、うるさい!!」

 柊の声に、身体がビクリと跳ね、一瞬、頭の中が真っ白になる。

「あ、あぅ・・・。   ひ、ひぃらぎ・・・。ご、ごめん」

 反射的に、謝罪の言葉が口を突いて出た。

「え?あ、いや、そ、その・・・。こ、これはちが」
「変なこと言って・・・、悪かったな・・・・」

 柊は、モゴモゴと何かを言っていたけど、それをもう一度聞きかえす勇気はなかった。
 泣きそうなわたしは、やっとのことでそれだけを言い、視線をノートに落とした。
 何とかノートを写そうとするけれど、手が震えてうまくかけない。

 うぁぁ・・・、本気で泣きそう・・・。
 でも、柊の前でマジ泣きなんて・・・、そんな顔見せられねぇよ・・・。

 苦労してノートを写し終えたわたしは、そこまで出かかっていた涙を何とか堪え、精一杯の笑顔を作って、柊にノートを返した。

「ありがと」

 それだけを伝え、急いで自分の席に戻った。

 わたしが席に着くと同時に先生が入ってきて、すぐに午後の授業が始まった。
 わたしの気持ちとは正反対の、つまんない話のお陰で、泣くことだけは耐えられたけれど、柊から言われた辛い言葉は、いつまでも頭の中で繰り返されていた。

 柊にあんなこと言われるなんて・・・。
 わたしって、迷惑なのかな・・・?
65恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 7:2009/07/20(月) 02:57:26 ID:JoTCfMqV
 授業が終わって休み時間になっても、柊は近づいてくる様子はなかった。
 わたしも、どうしたらいいのかわからなくて、柊の方を見ることさえできない。

 仲良くなれてきたと思ってたけど・・・、わたしの勘違いだったんだ・・・。

 その後も気持ちは立て直せなくて、わたしは鬱々とした気持ちのまま、6時間目の授業が終わった。
 教科書を片づける気力もなく、ボーっと机に座っていると、後ろからあやのが話しかけてきた。

「みさちゃん。一緒に帰ろ」
「・・あ、うん・・」

 あやのって、こういう気持ちになったりしねーのかな・・・。

「なぁ、あやの・・・」
「ん? なぁに?」
「あのさ・・・、あやのってアニキとケンカすることってある?」
「へ? いきなりどうしたの?」
「え?いや、ちょ〜っと気になってな」
「ま、まぁ、あるけど・・・」

 へぇ〜。 そうなんだ?

「そっかー。いっつも仲良いけど、やっぱりケンカすんだな」
「うん」
「それじゃあさ、ケンカした時って、どうすんの?」
「う〜ん・・・・。少し冷静になってから話をしたりとか・・・かな?」
「そうなんだ。じゃ、じゃあさ、すげー頭にきてて、話したくないとか、もうだめだーとかって、思ったりしねーの?」
「え?  う〜ん・・・。  そういうこと考えないとは言わないけど・・・・」
「ふんふん」
「・・・・・でも、きっと仲直りできるって思ってるから・・・」
「なるほど。   って、すげー自信だな!」

 途端にあやのは顔を真っ赤にした。

「!? も、もう!!みさちゃん!!」
「ははははは。ごめんごめん」

 あやのの照れた様子に、思わず笑いがこぼれる。
 だけど、わたしの中には重苦しい気持ちが燻っている。

 あやのと兄貴は仲いいもんな。
 わたしだって柊とは中学からの付き合いだし、いままでケンカしたこともあったけど・・・。
 でも、今日のは今までのケンカとは違う気がする・・・・。

 気になって柊の席を見ると、そこにはだれもいなかった。
 慌てて教室を見渡したけれど、柊はどこにもいない。
66恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 8:2009/07/20(月) 02:59:46 ID:JoTCfMqV
「あ、あやの〜? ひぃらぎ見なかった?」
「え?さっきまでそこにいたと思うけど・・・・」
「いねーんだよなぁ・・・・」
「・・・そういえば、妹ちゃんが来たのが見えたけど・・・・
 もしかしたら、先に帰ったのかな?」
「え・・・?」
「何か用事でもあったの?」
「あ、い、いや。何でもない。  か、帰ろーぜ」
「?」

 柊が先に帰るのはいつものことなのに、今日に限ってわたしの胸はざわついていた。



 あやのと2人の帰り道。
 普段と違うわたしの様子に、あやのも心配しているみたいで、いろいろと話しかけてくれた。
 わたしもできるだけ笑顔を作って、それに応えようとしたけれど、どうしてもいつもと同じようには話せなかった。

「じゃあ、また明日ね・・・」
「お、おう・・・。じゃーな・・」

 家の前に着き、ぎこちない挨拶をしてあやのと別れたわたしは、相変わらずざわついている胸を抱えながら、玄関のドアを開けた。



「やっぱり、わたし・・・・、嫌われちゃったんかな・・・・・」

 柊とのことを思い出し、床に寝ころんだままのわたしは、もう一度同じ言葉を言った。
 部屋は段々薄暗くなっていき、それに合わせるかのように、私の気持ちも沈んでいった。

 気分転換にゲームを始めてみたけれど、柊と一緒にしたことを思い出して、余計に辛くなった。
 身体を動かせば、少しは楽になるかとも思ったけれど、どうしても、外に行く気分にもなれなかった。

 こりゃあ、重症だな・・・・。

 結局わたしは、夕飯まで電気も点けず、ダラダラと部屋で寝ころんでいた。
 
 夕飯を食べ、お風呂に入っても気分は戻らない。
 家族といる気分でもなかったわたしは、すぐに部屋に戻り、またベッドに横になった。
 わたしはため息をつきながら、頭の横に置いてある携帯のアドレス帳を開いた。

 はぁ・・・、電話してみっかな・・・・。
 だけど、何て話したらいいんかわかんねーし・・・。
 それに、もしつながんなかったら・・・・。
67恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 9:2009/07/20(月) 03:01:48 ID:JoTCfMqV
 あまりの不安にわたしは、枕に顔をうずめ、両足をばたつかせる。

 うあぁぁぁ!ダメだ!
 やっぱり、できねぇよ〜・・・。

 ひとしきりベッドの上を転がってはみたけれど、それでも不安は消えず、わたしの上に重く圧しかかってくる。

 なんで、あやのみたく信じらんねーんだろ・・・。
 わたしも柊とは付き合いなげーのに・・・・。

 でも・・、私よりもちびっ子の方が、ずっと仲良し・・・だよな・・・・・。
 同じようにじゃれついてても、わたしの時とはどこか違くて・・・。
 わたしの時より、笑顔の時が多くて・・・・。

 ・・・・・・・。
 ・・・もしかして、柊って、ちびっ子のことが好きなのか・・・?

 その瞬間、思いきり心臓を鷲掴みにされたような痛みを感じた。
 そして、瞳からは、みるみるうちに涙が溢れてきた。
 
「あ・・、あぅぅ・・・。うっ・・く・・・ひぅぅ・・・」

 わたしは・・・、
 わたしは柊のことが好きで・・・・・。
 好きで好きでどうしようもなくて・・・・・。

 もっと柊に触れたい・・・。
 もっと柊に近づきたい・・・。
 もっと柊と一緒にいたい・・・。

 その気持ちだけで、毎日柊を見ていた・・・。
 それなのに・・・。

「な、なんで・・・ひっく・・・なんでなんだよぉ・・・うぅぅぅ・・・」

 無力感と絶望感に捕らわれたわたしは、布団を噛みしめながら、いつまでも泣き続けていた。
68恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 10:2009/07/20(月) 03:03:35 ID:JoTCfMqV
 気がつくと、時計は23時を回っていた。
 ようやく落ち着いたわたしは、おもむろに枕カバーの中に手を入れ、中のものを取り出す。

 それは、柊に無理を言って、二人で撮った写真。
 わたしは、満面の笑みで柊の腕に手を回し、柊は、ちょっと困ったような笑顔で、わたしを見ていた。

「ひぃらぎ・・・」

 わたしはそう呟くと、写真の柊にそっと口づけをした。

 ちびっ子と柊が、楽しそうに話している時・・。
 話しかけても相手にされなくて、冷たくあしらわれた時・・。
 そんな辛いことがあった時、わたしはいつもそうしていた。
 それだけで、すごく気持ちは楽になった。

 だけど・・・、今日は、それだけでは治まらない。
 気がつくとわたしの右手は、パジャマの上から、自分の胸を揉みしだいていた。

「・・・ん・・くぅ・・・。は・・ぁぁ」

 柊のことを考えてると、身体の奥がどんどん熱くなっていく。

「はぁ・・・んっ・・・ひ・・いらぎ・・・」

 さっきまであんなに哀しくて、どうにも辛くて仕方なかったのに、今はこんなことをしている。
 そんな自分が嫌なはずなのに、どうしても指を止めることはできなかった。

 パジャマの前をはだけると、スポーツブラの一部が盛り上がっている。
 指でなぞると、ビリビリとした電気みたいのが背中を走った。

「んっ!・・・くぅ・・ん・・・」

 そのままブラをずらすと、露わになった乳首は、すでに固くなっていた。

「はっ!! あぁぁ・・・。き、もち・・いい・・・・」

 人差し指と親指でそれを摘み、コリコリと転がす度に、身体は小刻みに震えてしまう。

「あ、あぁ・・。はぅ・・んっ! はぁ、はぁ、はぁ・・・んくぅ・・・・・」

 その行為を繰り返しているうちに、徐々にお腹の奥が熱くなっていき、わたしは痛いくらいに固くなった乳首から指を離し、そのままお腹の方に移動させた。

「あ・・・、す、すげー濡れてる・・・・」

 ベッドから起き上がり、ズボンを膝まで下ろして、グレーのショーツを見てみると、そこには大きなシミが広がっていた。
 指をショーツの中に入れると、そこは今までにないほど濡れている。
 その様子に戸惑いながらも、わたしはそのまま、直に花芯をなぞった。
69恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 11:2009/07/20(月) 03:05:24 ID:JoTCfMqV
「は! くぅぅ・・・んっ! き、きもち・・・ふぁ・・あ・・よすぎ・・る・・・」

 気がつくと、左手には写真を持ったままになっていた。
 わたしは写真の柊にキスをしながら、花芯を撫で続けていく。

「ちゅっ・・・あっ・・・はぅぅ・・・ひ・・ひい・・・らぎぃ・・・。
 わ、わた・・し・・、あっ! ひぃ・・らぎが・・・す・・き・・いぃぃ!!」

 お腹の奥にはムズムズとした感覚があり、それは自分でも抑えられないくらい大きくなっていた。
 その感覚に我慢ができなくなったわたしは、中指を自分の膣にゆっくりと差し込んだ。

「ああぁっ!! くっ! はぁぁ!! あぅ・・ん!! ひぃらぎぃ・・・」

 指を出し入れするたびに、静かな部屋にグチャグチャと卑猥な音が響き、わたしの頭は白くなりかける。
 指の動きは次第に早くなり、徐々にお腹の中から何かが上がってくる。

「はぁっ! く・・・んぅ!・・ひ、ひぃ・・・らぎ・・・。
 も、もう・・あ!あぁぁ・・ふあぁぁ!! い、い、くぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」


 わたしは天井を向いたまま、荒い息を続けていた。
 放心状態のまま、左手の写真を見つめる。

「はぁっ・・はぁっ・・はぁっ・・・・。ひぃらぎ・・・・」

 ・・・ずっと前から思ってたんだ・・・・。
 ホントは、柊がちびっ子を好きなんじゃねーかって・・・。
 けど・・・、そんなこと考えたくなかった。
 考えたら・・・、もう何もできない気がして・・・。

 だけど・・・。それに気がついちゃったんだよな・・・。
 柊のことは好きだけど・・・。
 もう・・・、わたしは・・・・・・。

 その時、突然、携帯の着信音が鳴った。

「 Prrrrrr」
「うひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 突然の着信音に驚き、ベッドから落ちそうになる。
 な、なんだ?! も、もしかして、柊?

 焦りながら携帯を開くと、あやのの名前が表示されていた。
70恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 12:2009/07/20(月) 03:07:40 ID:JoTCfMqV
「も、もしもし・・・」
「あ、みさちゃん?遅くにごめんね。 明日の調理実習のことなんだけど・・・」
「へ?  あ、あした?」
「明日、調理実習でカレー作るから、じゃがいも持ってきてってお願いしてたじゃない」
「え?・・・・・・。あれ? そうだっけ?」
「もう。やっぱり忘れてたのね。電話しといてよかったわ」
「ご、ごめんごめん。 忘れてた」
「今から準備できる?」
「あ〜・・・、ちょっと待って」

 うぅぅぅぅ、濡れたパンツが気持ち悪いぜ・・・・。

 足音を忍ばせ台所に行くと、野菜置きにじゃがいもがあるのを見つけた。

「おおお、あったあった。え〜と、どれくらい持ってけばいいんだっけ?」
「そうねぇ・・・3つくらいかな」
「ん〜と・・・・、あ、調度3つあるから大丈夫だぜ」
「良かった。じゃあ、よろしくね」
「おう。 あ、そうだ。柊って、何持ってくるんだっけ?」
「え?えーと・・・、確か玉ねぎだったかな?」
「そっか」
「柊ちゃんのことだから、ちゃんと準備してると思うけど」
「そうだよな・・・。 ありがと、あやの」

 はぁ・・・。諦めようと思っているのに、何でそんなこと聞いてんだ・・・・・。

 電話を切ろうとした時、携帯の向こうから、あやのの声が聞こえた。

「ねぇ、みさちゃん?」
「ん?」
「・・・・・・。今日、何かあった?」
「え?」
「学校から帰ってくる時、何か、いつもと違ってたから」
「そ、そうか?」
「うん・・・・」
「・・・・・・・」

 やっぱわかるよな・・・・。

「・・・・・。私は、みさちゃんが何に悩んでいるのかはわからないけれど・・・。
 でも、みさちゃんが変に考え込んでいる時って、うまくいかないこと多いよね?」
「? ・・う、うん・・・。たぶん・・・」
「きっと、みさちゃんは考えちゃいけないのよ」
「あ、あやの・・・・?」
「みさちゃんは、みさちゃんがしたいように、行動してみれば良いんだと思うよ」
「あ・・・・・」
71恋 の 病  〜 みさお 発症篇 〜 13:2009/07/20(月) 03:09:27 ID:JoTCfMqV
 あやのの言葉を聞いた瞬間、まるで魔法みたいに今までの重苦しい気持ちが消え、目の前が開けたような気がした。

 そう・・・。そうだよな。
 確かに柊は、最近変な態度ばっかりだし、今日も変だったけど、
 それで、わたしを嫌ってるかはわかんない。

 柊はちびっ子のこと好きかもしんねーけど、
 でも、それだってどうなのかはわかんねー。

 だって、何も聞いてないんだもん。

 だったら、ちゃんと話してみねーと。
 言いたくないなら、無理には聞けないけど、でも、何もしないで諦めるのは、わたしらしくないよな。

 あぁ、やっぱりあやのはすげーな・・・。
 あやののお陰で、わたしは頑張れているんだな・・・・。

 わたしのことを心配してくれたあやのの優しさが、痛いほど伝わってきた。
 そして、わたしが受け取った優しさは、涙になって溢れだした。

「う、うぅぅぅ・・・・ぐすっ・・・あやの〜」
「よしよし」

 あやのは理由も聞かず、泣いているわたしを慰めてくれた。
 ひとしきり泣いたあとのわたしの気持ちは、夜中だけど、とても晴れやかだった。

「ありがと。あやの」
「うん。じゃあ、また明日ね」
「おうっ。おやすみ〜」

 さっきまで、あんなに辛かったのに、あやののお陰で、ウソみたいに元気になれた。
 そうだよな。クヨクヨ考えてても仕方ねーか。
 いつものわたしらしく、何も考えないで、やるだけやってみよ。

 おしっ! 玉ねぎも持っていくか!
 ・・・2つもあればいいか?

 わたしは鼻歌を歌いながら、手近にあったスーパーの袋に、じゃがいもと玉ねぎを入れた。


                                        続
72:2009/07/20(月) 03:11:21 ID:JoTCfMqV
以上です。長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
初めてエロを書いてみたのですが・・・・・・、精進いたします・・・(汗
かがみ篇については、近いうちに投下したいと思っています。

それと、後編も考えてますので、後日(と言っても、かなり先になりそうですが)投下したいと思います。
ではでは。

あっ!みさお、誕生日おめでとう!!
73ペテ・クルルーソウ:2009/07/20(月) 04:29:27 ID:hO85RfN9
 差し支えてなければ、5分後に投稿致します


 タイトル:日下部みさお誕生日記念SS
カップリング:複数
 非エロ ネタ系
 フェチ設定借用・キャラ崩壊有り
使用予定レス:4〜6レス


74:2009/07/20(月) 04:34:08 ID:hO85RfN9

 3月30日は、日下部みさおの日
 よって、3月30日は日下部みさおの誕生日だ



 嘘ですorz

 ↓ここから本題に入ります

 オッス、私の名前は日下部みさおだってヴァ!
 突然だが、最近、私の周りの人間が、かなりおかしくなって来てるんだってヴァ!
 特にあやのが、何を考えているのか、正直判らないだってヴァ!!
 まぁ、みんなが急におかしくなったのは、今から2日前に遡る……


 2日前に、学校の昼休み時間中に、普段から隣の教室で、弁当食べに行っていたかがみが
 珍しく、自分の教室(私が居る教室)で、弁当を食べている時に
「あ〜ん、パクッ、モグモグゴックン。
ん〜、やっぱりミートボールは美味いってヴァ!」
「それは良かったね日下部、確かに美味しそうだわ。
私は日下部のミートボール、或いは、ミートになりたい。
でも、キン肉〇ンが王子なのは嫌だ」
「何言ってるんだ?お前は……」
「柊ちゃんの言っていること、私には理解出来るわ」
「何をどう理解出来るんだ?」
「私も柊ちゃんも、みさちゃんを食べたいって事よ」
「ちょっ、おまっwwww」
 何を昼間から、セクハラ発言してんだ、此奴等は……

75:2009/07/20(月) 04:35:02 ID:hO85RfN9
「ちょっとみさちゃん、ほっぺにご飯粒が着いてるよ。
舐めとって良い?」
「駄目だって、取るなら普通に取れよ。
って言うか自分で取るよ」
「ちょっと日下部、口の中にミートボールのタレが着いてるわよ。
舌で絡め取って良い?」
「ふざけんなよ、そりゃあついさっき、ミートボールを食べたばっかりだからだよ」
 なんなんだよ、此奴等は……

「おーい、みさきちー!」
 隣の教室からちびっこ、泉こなたが入って来た
「弁当食べ終わったから、デザートにみさきちを食べに来たよー!」
「お前も何を言ってるんだ?」
「あら良いわね、私もご一緒にしても良いかしら?」

「うん、良いよー」
「なら私も混ぜて貰うわ」
「みんなで仲良く4Pだね」
「ちょっと待てお前等、ここは何処だと思ってやがる」
「う〜んとえ〜と、………………私達のエデン?」
「さしずめ、みさちゃんは私達のオアシスね」
「阿呆だろお前等、って言うか場所関係無しに壊れてんじゃねぇよ。此処は学校だ!」
「もうみさちゃん、そんなに我が儘言わないの!」
「我が儘じゃねぇよ、勝手な事言ってんのはお前等の方だ」
76:2009/07/20(月) 04:36:06 ID:hO85RfN9
 本当になんなんだよ此奴等、誰か助けてくれよ
「あら日下部さん、今日も可愛らしいですネダバダバ」

 助けを求めてるのに、何故変人が増えんだよ

「みさちゃーん、みさちゃんを食べに来たよー!」

 柊の妹も来たよ、然もお前までその名前で私を呼ぶのか。
 なんで、私の周りに、こんな奴らが集まるのか。本当になんなんだよ此処は?

(だから此処は私達のエデン……)

 コラちびっこ……私のモノローグに勝手に乱入すな。私にとっての此処は地獄だよ……

「よう、日下部ー」
「あっ、何ですか?黒井先生」
「お前が提出した歴史の宿題の答案が間違ってたぞ」
「うっそ、マジっ!?」
「そうだ、だから放課後は私の所に来い。
私と個人授業するから、その時みっちり教える。
勿論、 カ ラ ダ で 」
「それは遠慮するZE……」
 あぁ、先生も変人だったよ……、つーか歴史の宿題提出してないし、宿題受けてない筈だよな……
 出鱈目な嘘付いて、私をどうする気だ?

「あら、このみさちゃん美味しそうね。食べて良いかしら?」
「駄目よ峰岸、私が食べるから」
「もうお前等……本当に黙ってくれ……」


 まっ、こんな調子で現在まで至った訳だ。
 どうだ、本当にみんなおかしいだろ?

 えっ、なんだって……全然普通だって……

 よく見ろよ!明らかにおかしすぎるだろ!!
 だって、黒井先生が……あの黒井先生が…………

 標 準 語 だったぞ!!

 只でさえ、みんなあんなにおかしいのに、あの人標準語を使ってるんだぞ!
 一瞬、桜庭先生かと思ったわ!!

 それはさておき、今日は7月20日、私の誕生日だ。
 みんなもお祝いに来てくれるが、正直来て欲しくない。
 彼奴等は私の家で何をしでかすか分からない
 然も、寄りによって祖父祖母と両親と兄貴が居ない。兄貴に至っては、昨日から姿が見えず、行方不明になってるが……一体何処に行ってんだ?

 あっ、もう時間だ、そろそろみんなが来る頃かな?

 ピンポーン
 おっ、来たかな
 ガチャ
「おーい、来たよー」
「おう、ちびっこいらっしゃー。みんなはもう来てるのか?」
「うん、みんな後ろに居るよー」
「やあ日下部、来たわよ。早速だけど襲って良いかしら?」
「下らんこと言わないで、さっさと上がれー」
77:2009/07/20(月) 04:39:15 ID:hO85RfN9

「みさちゃーん、お誕生日おめでとーう。早速だけど襲ってi」「入れ、良いから入れ、さっさと入れ」

「日下部さんお誕生日おめでとう御座います。今日も相変わらず可愛らしいですネダバダバ」
「ありがとう。取り敢えず鼻血を止めてから入れな」

「みさちゃん、誕生日おめでとう」
「おう、ありがとうな。あやの」
「ねえ、これから抜け駆けして2人でお祝いしない?ホテルの予約取っとくから」
「なんでだよ、合コンじゃあねぇぞ。お前も良いから入れよ」
「もう、つれないみさちゃんはつれないな」
「何語だよそれ、早く入れよ」
「お邪魔します」
 本当に此奴等は……せめて今日は普通に出来ないのか?

「みんな集まったわね。では改めて…………日下部誕生日おめでとーう!!」
「「「おめでとーーう!!!」」」

「ありがとうみんな、私の為に集まってくれて、本当に嬉しいZE」
「よーし、先ず私から誕生日プレゼントを捧げてしんぜよう」
「おっ、ありがとなちびっこ。これはなんだ?」
 ちびっこからリボンで縛られた袋を受け取り、中身を確認した。
「…………………………本当になんだこれは?」
「これはね、猿轡だよ」
「なんでこんな物を私に?……」
「私が思うにはねー、みさきちは動物で例えると『お猿さん』かなーと思ってね。
だから、これにしてみたんだけど、どうかな?似合うと思うけど」
「お前は私のこの涙が見えないのか?
これは私が猿だと例えられた悲しい涙じゃない。
プレゼントが余りにも下らなさすぎて、悲しくて残念な涙だ」
「日下部さんの涙、私が舐めとってあげます」
「そして、お前黙れ」

「では日下部さん、これを受け取って下さい」
 高良から何かの紙を手渡された
「なんだこの紙は………………権利書?なんの権利書だ?」
「私は日下部さんの為に、ミートボール工場を建てました。
この権利書は、その工場を貴女の自由に出来る権利書です」
「ありがとう、お前マジでパネェ」

「次は私ね、日下部誕生日おめでとう」
「ありがとう柊、これはなんだ?」
「これはねー、…………ジャーン、バイブー!!」
「……………………」
「うふ、喜んで何よりだわ」
「喜んでねぇよ、引いてるんだぞ。
よく見てみろよ、私の無表情キープを……」
78:2009/07/20(月) 04:40:20 ID:hO85RfN9

「では私もー、
みさちゃーん誕生日おめでとーう。私のはね〜〜これなの〜〜きっとみさちゃんは喜んでくれると思うよジャーン、バイブー!!」
 一気にまくし立てて、柊と同じ様なバイブを取り出した

 …………この腐れ姉妹は、私に何をするつもりだろうか……

 するとこの腐れ姉妹は、何をするのか手に持ってたバイブを上に挙げて

「バイブとー」「バイブでー」

「「バイブレーショーン!!」」




「「よしっ」」

 よしっじゃねぇよ、意味分かんねえよ。本当に何がしたいんだよ

「あら、柊ちゃんと妹ちゃんはお茶目ねー」
 いやいや、お茶目を超越して、かなり滑稽だぞ。
 よく見ろよ、なんとも言えない程の無意味さだぞ。何2人でバイブを高々と上げてんだよ

「最後に私ね、はい、みさちゃんお誕生日おめでとう」
「おっありがとなーあやの……これはなんだ、また紙みたいだけど……」
 なんだ、また何かの権利書か?
「これはね、婚姻届よ」
「……………………はっ、今なんて……」
「だからこれは、私とみさちゃんの婚姻届よー。
もう私のはちゃんと書いてあるし、判子も押してあるから。」
「……………………」
「後はみさちゃんが、記入欄に名前の記入と判子を押すだけよ」
「………………なぁ、あやの」
「なあに、みさちゃん」
「兄貴はどうするんだ?」
「えっああ、兄君ね…………………………別 れ た わ 」
 なっななっ、…………なんだってぇぇぇぇ!!!
「別れた!?何時!?どうして!?」
「理由はね、私が結婚したいのは兄君じゃなくて、みさちゃんと結婚したいのよ。だから別れたの
別れたのは一昨日だったけかな」
「なぁ、あやの、昨日から兄貴の姿が見えないんだけど……」
「あら、そうなの?知らなんだ」

 知らなんだってお前……まさか兄貴……早まった事してるんじゃあないよな……
 まさか、いや、兄貴の事だからまさかな……ハハハ……

 ………………

 兄貴ぃぃっ、何処だぁぁぁぁ!自分を追い詰めんじゃねぇぇぇぇぇえ!!
 あっ兄貴っ、目の前は崖だぞ、これ以上前へ進んだら危険だ!それに地面に置いてある封筒はなんだ?遺書か!?
 『人生に絶望したぁ!!』とか言うなぁぁぁぁ!!!


「みさちゃん、どうしたの?」
「はっ!?」
 ヤバッ、衝撃な事実に少しトリップしてた
79ラスト:2009/07/20(月) 04:43:04 ID:hO85RfN9
「もう、みさちゃんったら、ボーっとするから、思わず襲ってしまおうかと思ったわ」
 アブねー、間一髪だったZE
「2人の話を聞くと、日下部のお兄さんが峰岸にふられた後から、行方不明になった訳ね。
何と言うか、かわいそうだね」
「うん、本当にかわいそう」
「かわいそうですね」
「川獺」
「かわいSONY」
 おっお前等……なんであんなに他人事なんだよ……。私の身内に関わる事件だぞ
 もし明日のテレビのニュースや新聞に載ってたら、それこそ目覚めが悪いぞ

「では私が、勝手に行方不明になった兄君の所為で、大変落ち込んでるみさちゃんを慰めてあげるわ」
 そう言いながら、あやのは立ち上がり、徐に服を脱いでみせた
「なに服を脱いでんだ?あやの」
 服を全部脱ぐと、あやのの裸体の周りにリボンで巻かれていた
「勿論、私の……カ★ラ★ダ★でね♪」
 あやの……お前……
「それじゃあイくわよ。マイ、ハニー♪」

「おっ、峰岸ヤルねー。なら、私も」
 あれ、今日は何の日だったけ?
「お姉ちゃん、私もヤルよー」
 ああ、思い出した。確か私の誕生日だ
「流石はかがみさんとつかささんですね。なら、私もヤらさせと頂きます」
 いや、これは『誕生日』じゃないな
「よーし、みんなに負けてられないなー。私も徹底的にヤるぞー!!」
 そう、これは、ただの……
「あら、みんなヤる気ね。みさちゃん覚悟しててね」
 ただの……………………『乱交日』だ……


こな「てな訳で……みさきち!」
かが「誕生日!」
つか「おめでとう!」
みゆ「御座います!」
あや「これからもよろしくネ!」
「「「「「だってヴァ!!!」」」」」←みさお以外全員ルパンダイブ
「ちょっ、待て、みんな落ち着K!何を暴走してんだってヴァ!!私にはその様な趣味は無い!!
だから止め、あっあやの、変なとこ触んな!ちょっ、やめ、助けt、あっああ、ヴァアァァー!!」

 結局この日は、みさお自身の操は守れなかったようです


 その頃、日下部兄貴は、あやのにふられた腹癒せに、スーパーのミートボールを全て買い占めて、独りで全部食べて腹を壊して入院したようですとよ

 happy birthday 日下部みさお


 乙
80ペテ・クルルーソウ:2009/07/20(月) 04:47:27 ID:hO85RfN9
 無事に投稿完了致しました
 有難う御座います
 はい、またです。
 またこんな感じのネタを書いてしまったとです

 いつかか分かりませんが、他のジャンルに挑戦致します

 こういったキャラ崩壊ネタではなくて……

 感想な指摘等が有りましたら、よろしくお願い致します

有難う御座いました
81ペテ・クルルーソウ:2009/07/20(月) 05:00:03 ID:hO85RfN9
 あっ、よく見たら誤字発見

 また、やらかしてしまったorz
82つまりはGJ:2009/07/20(月) 05:35:38 ID:I/2/yoqq
姉>ジャーン、バイブー!!
妹>ジャーン、バイブー!!


腹痛いwwmwww助けてwwwww
83名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 08:07:51 ID:ZGUSApuh
>>72
とても興味深く読ませていただきました。
みさおの切なさが、うまく表現されていたと思います。
エロシーンは初挑戦とのことですが、かがみへの想いが溢れていて、良かったですよ。
またの投下を期待して、お待ちしております。

>>80
みんなの壊れっぷりを楽しく読ませて貰いました。
でも、一番危険なのはあやのですね。みさおの兄貴はどこへいってしまったのでしょうか?
次のお話も楽しみに待っていますね。
84名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 17:53:17 ID:1KPsLjEU
一年ぶり位に来てみたけど、空気は変わってないですねえ。
人がちょっと少なくなった感はあるけど、雰囲気は当時のままだ。
久しぶりにまた何か書いてみようかな…

>>80
久しぶりに来てこれを一発目に見てしまったので、ある意味懐かしさを感じましたw
これまたいい感じの壊れっぷりですね。
そして兄さん、不憫だ…
85さすらいのらき☆すたファン:2009/07/20(月) 23:24:17 ID:6zBgISER
いつもお世話様になっております。
新作のSSを投下させていただきます。

タイトル:血に潜む欲望〜after story〜(前編)
カップリング:みゆき×みなみ、みなみの母×ゆかり
属性:エロあり(ただしやや少なめ)、ダーク注意
http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0194.txt


血に潜む欲望シリーズのその後のお話です。
コメントフォームにみなみとみゆきのカップリングで続編を希望するコメントをいただきましたので書いてみました。
よろしければご覧くださいませ。
86名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 23:51:25 ID:0NEmmBtz
被りの方いなければ3分後位に投下いたします。
8742-15:2009/07/20(月) 23:53:46 ID:0NEmmBtz
こんばんは、42-15です。
まず始めに、みさお!誕生日おめでとう!
ということで誕生日記念SS投下いたします。

・タイトルは『最高のプレゼント』
・6レスお借りします
・エロくないです。
8842-15:2009/07/20(月) 23:55:47 ID:0NEmmBtz
「おはよう、みさちゃん」
「おっ、あやの。おはよ」
「みさちゃん、お誕生日おめでとう! はいっ、プレゼント」
「……あっ、今日誕生日か!」
「忘れてたの? とにかく開けてみて」

あやのから手渡された小さな白い箱。開けてみると、
「おお、可愛いなこれ!」
中から出てきたのはシルバーのネックレス。そのチェーンに通されたペンダントは、クリスタルのストーンで作られていた。
シンプルな作りではあるが、決してありふれているわけでもない。きっとあやのがよく行くお店で買ったのだろう、どことなく彼女が好みそうなネックレスだ。
控えめというか、気品があっておしとやかというか……うーん、よく分かんないけどたしかにこれはあやのの選んでくれたものだ。
「元気なみさちゃんはモチロン好きだけど、そろそろ大人なみさちゃんもいいかなー、なんてね」
「たしかに大人っぽいなーこれ」
「でもね、それだけじゃないのよ、みさちゃん。ストーンを覗いてみて?」
「この中か? ん、どれどれ……」
あやのに促されてストーンを覗くと、中には黄色い細かな装飾が施されているようで、ストーンの中に差し込んできた光が中を通って屈折し、それを受け黄色はまだらに光る。
それはまるで万華鏡のようで、幻想的にキラキラと鮮やかに輝いている。
「うわぁ、きれい……」
「でしょ? 私もついおんなじの買っちゃおうと思っちゃったくらいだし」
「あやのぉ……ありがと……」
「どういたしまして、みさちゃん」

「おいっす、何見惚れてんだー日下部?」
私があやのからもらったネックレスに見入っていると、柊が教室に入ってきた。
「あっ、おはよ」
「おはよう、柊ちゃん」
「ほらほら、柊も見てみ!」
「お、ペンダントか。中? んー……」

すご……と声を上げ、それから見入りっぱなしの柊。そんな柊を見てあやのと顔を見合せ、頬を緩める。
つい先日梅雨が明け、いよいよ灼熱の太陽が大活躍の季節。
今日も朝から熱い日光が照りつけており、教室にいるみんなはハンカチで額の汗を拭っていたり、下敷きで扇いでいたりしている。
開けっ放しの教室の窓からは時々生ぬるい風が吹きこんできて、その度に誰もが鬱陶しそうに顔を顰める。

夏。私の生まれた季節。
ギラギラと燃える太陽だとか、涼しかったりぬるかったりする風だとか、それに揺れる風鈴だとか、その音を聞き青く突き抜ける空を眺めながら食べるスイカの味だとか。
夏には私の好きなシーンがたくさん散りばめられている。それを探すのは、楽しくて仕方がない。そして、そのシーンを見つけた時、嬉しくて跳び上がってしまいそうになる。

だから、何をするにもやる気がみなぎってくる。
――だって、夏は私の大好きな季節だから。
8942-15:2009/07/20(月) 23:57:09 ID:0NEmmBtz
「まぁいかにも夏生まれっぽいもんな日下部は」
「へへっ、そうかー?」
「みさちゃんは夏休みになるとさらに活発になるっていうか、ね」
「まぁ夏は私のためにあるみたいなもんだしなー」
「ははは、そうだよなー」
冗談はよせ、とでも言いたそうな顔で柊は興味無さげにはいはいと受け流す。
なんだよー、茶化すなよー。私は結構本気なんだからさー。
「そんなにむくれるなよ」
「うるさいなー」
「まぁまぁ2人とも……」
「ごめんごめん」
ふーんだっ。私はぷいっとそっぽを向く。
「……んじゃこれなら許してくれる?」
そう言って柊がぶっきらぼうに淡いピンク色の丈夫そうな作りの紙袋を私に差し出す。
「ふぇ?」
「お、お誕生日おめでとう」
え……私の誕生日、覚えててくれたのか……?
「ま、まぁね。峰岸が教えてくれたのよ」
「え? あぁ、あの時ね……」
「うれしい……ありがとうな柊!」
ちょっぴりはにかみながらどういたしまして、だって。
かわいいなぁとつい口に出すと、うるさいなぁと頭を掻きながら柊は私に微笑んだ。

「どれどれ柊のデレも見たことだし、何貰ったのかなー私」
「こなたに毒されてんなぁ、って今開けんなよ!」
「えー何でだよ、何か見られちゃいけないもんなのか?」
「そ、そういうことじゃないわ! って言ってるそばから開けるなぁ!」
柊の忠告を無視して紙袋をひっくり返すと、中から透明な袋に詰まったクッキーと丁寧に折りたたまれた手紙が出てきた。
「お、うまそうなクッキーじゃん!」
「あらあら……」
「だからやめろって言ったのに……」
「これ、柊が作ったのか?」
「まぁね。今回はつかさの助言なしで作ったのよ」
両手を腰にやり、どうだ、すごいだろ? と胸を張る柊。
……あ、怪しい。柊の料理の腕は調理実習とかを思い出す限り……ねぇ。
「だ、大丈夫かぁ……?」
「うるさいわっ!」
「みさちゃん、そんなこと言わないのっ」

「まぁとにかく柊、プレゼントありがとう!」
「クッキーは家に帰ってから開けるんだぞ」
「あいよ。手紙もその時読むよ」
「……クッキー以上に念を押しとくわ」
9042-15:2009/07/20(月) 23:59:06 ID:0NEmmBtz
昼間の日差しもすっかりと影を潜め、空はもう茜色に色づいている。
朝にあやのと柊からプレゼントをもらった私は、背景コンビの一角とは思えないほどのもてはやされっぷり。
昼休みにちびっこにつかさ、高良さんの3人がうちのクラスにやってきて、それぞれ心のこもったプレゼントをくれた。
まずは高良さん。スポーティさとゴージャス感を兼ね備えたようなTシャツ。私に不相応な位に良いものだろう、きっと。
つかさがくれたのは、柊と同じくおいしそうなクッキー。でもつかさのは、まるでお店に置いてあるかのような出来だ。……柊には悪いけどね。
最後にちびっこがくれたのはコスプレの衣装。なんか色々そのキャラの説明をしてたけどいまいち覚えてない。ただ一つ言えることは、学校内で中身を見るのを憚られるようなものらしい。……エロいのだな、確実に。
プレゼントを貰ったついでにみんなで一緒にお弁当を食べることに。柊も久々にうちのクラスで弁当食べたことになるわけだ。
他のクラスメートからも沢山祝福を受けた。プレゼントも一杯貰った。それはもう、両手では持ちきれないくらいに。
ということであやのに少し持ってもらい、今日を振り返りながら帰り道を歩く。
「みさちゃん、一杯プレゼント貰ったね」
「ホントだよな! 今までで最高の誕生日だよ!」
「みさちゃん、それ毎年言ってない?」
「そうか? まぁ毎年最高が更新されていくからなー」
「ふふ、みさちゃんったら」

「ところで、いつ聞かれたんだ?」
「え? 何を?」
「私の誕生日、柊に教えたんだろ?」
「あぁ、その話ね。実はね、そんな話柊ちゃんにしてないよ?」
「……へ?」
「覚えてたんだよ、柊ちゃん。みさちゃんの誕生日」
柊が私の誕生日を……? そ、そうなのか……?
「当たり前じゃない。みさちゃんが柊ちゃんを想っているように、柊ちゃんだって同じくらいみさちゃんの事、想ってるはずよ?」
「……う、うれしいや。なんか、ちょっと泣きそう、かも……」
「だって私たち、ずーっと一緒にいたじゃない。だから誕生日くらい覚えていてくれて当然よ?」
「へへっ、そうだよなー」
「泉ちゃんたちと仲良くしていたって、私たちはいつまでも友達なんだから。だから大丈夫よ」
そう言ってにこりとしながら汗臭かったらゴメンね、と私にハンカチを渡してくれる。

たしかに、私はちょっと不安だったんだ。もしかしたら柊が私たちの事、どうでもいいとか思ってるんじゃないかって。
でも、そんなことなかった。私の思い違いだった。柊はちゃんと私たちの事、想ってくれてる。
ホント、正真正銘の最高の誕生日だ。そして、最高の友達を持ったなぁ、とあやののハンカチで涙を拭いながらそう思う。

「お疲れ、この辺でいいよ。ありがと、あやの」
「ううん、私こそありがとう」
「?」
「私と友達になってくれて、ってこと」
「……それなら私も思ってるよ。ホント、ありがとう」
「やっぱ、みさちゃんにはその笑顔が一番だね♪ それじゃあまた明日!」
「プレゼントありがと! ハンカチも荷物持ってくれたことも、友達でいてくれることもありがと!」
そして私はあやのの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。目を細めてしまうのは、眩しい夕日のせいじゃないと確信していた。
9142-15:2009/07/21(火) 00:00:42 ID:0NEmmBtz
「おいおい……こんなの一体いつ着ろっていうんだよ……露出が多いってもんじゃないだろこの服……」
私は早速みんなからもらったプレゼントを開けて、あれやこれやと感想を述べていた。
でっかいヒマワリが描かれたうちわとか、黄色のペンケースとか、鮮やかな青のブレスレットとか。あと、ミートボールのキーホルダーくれたの誰だ? 間違えて食べちゃいそうになるってば!
で、今ちびっこからもらった衣装を開けてみたんだが……。
「みさきちにそっくりのキャラがいてさー」とか言ってたけども……。いくらそんなこと言われてもこれは着れないな……。
次に開けたのは高良さんからのTシャツ。見るからに高そうな服だったので、何となく優しく丁寧に袖を通してみる。
おぉ、意外と可愛い! 姿見を前に思わず感嘆の声を上げる。
「お、誕生日プレゼントか? それ。高そうだけど似合ってるじゃん」
と兄貴からも高評価。よしっ、高良さんに今度着て見せに行こうっと♪

最後に柊姉妹からもらった、ピンクの紙袋と水色の紙袋をテーブルの上でひっくり返す。きっと同じ店で買ったんだろうな。色は違えどデザインはほとんど一緒だし。
というわけで、クッキー品評会を開始いたします! 勝ち負け付けるのは間違ってると思うけどね、まぁさせてよ。
まずは見た目。形が一つ一つ違う柊のクッキーに対し、まるでコピー機でも使ったんじゃないかと思うようなほどに均一なサイズのつかさのクッキー。きっと味も違うんだろうな。見た感じで色がどれもこれも違う。
よって見た目はつかさに軍配。さて、味の方はどうだろうね。
まずはつかさのを。いっただっきまーす、さくっ。
……おおお! うまぁい! すげぇ! 口の中でまろやかに広がる甘さ、間違いなくこれだけで商売できる!
……すげぇな。同い年なのにこんだけ美味いのを作れんだもんなぁ。私にはとってもじゃないけど無理だわ。
さて、続いては柊のを。形はちょっといびつだけど、いい匂いだなぁ。どれっ、さくっ。
……おぉ。おいしい。普通においしい。なんかちょっと意外……って言ったら失礼だけど、おいしい。それに……
このクッキー作るのに柊、すごい頑張ったんだろうなぁ。普段からは想像もつかないほどあたふたして作ってる柊が容易に想像できる。
私の事を想って作ってくれた、と思うとなんだかすっごい嬉しい。
味はさすがにつかさが勝ちだけど、やっぱり総合的に見れば柊の、だな。食べた時の嬉しさが全然違うから。

そのまま柊姉妹のクッキーをニヤニヤしながら食べ、そういえば柊から手紙も貰ってたんだっけ、と手紙の事を思い出した。
プレゼントの包装紙やら紙袋やらで、すっかり散らかったテーブル。あのピンク色のすぐ傍にあるそれを手に取り、よくある手紙の折り方で折ってあるこの手紙を開けてみる。
ぱっと見ですぐ分かる、柊が書いた整った文字。どれどれ、どんなこと書いてあるのかな……。
9242-15:2009/07/21(火) 00:02:16 ID:0NEmmBtz
――――――
――――

日下部へ


おいっす、柊かがみです。
まずは確認しておきたいんだけど、これ家で読んでるよな?
手紙自体滅多に書かないから緊張するのよね。だから誰にも見せないでよ、頼むから。

えーっと、まずはクッキーどうだった?
こういうのはつかさの得意分野だし、今までお菓子なんかほとんど作ったこと無かったから、正直自信ないのよね。
出来ないなりに一生懸命作ったけど、もしおいしくなかったらごめんね。

あとこの手紙なんだけど……
私の事だし、きっと面と向かっておめでとうも言えないだろうから書きました。
日下部、お誕生日おめでとう。
書いた文字で伝わるかどうか分かんないけどね。でも、おめでとう。


それと……
これも、っていうか、これの方がむしろ言えないわね。直接なんて無理だわ、想像しただけで、ね……。

えーっと、私たち中学校から一緒ね。クラス一緒なのももう5年目。今まで色んなこと、あったわね。
中学校の修学旅行、覚えてるよね? 一晩中ホテルの部屋でいろんな話をしたわね。
中3の2学期かしら? 席があんたと前後になって、授業中しょっちゅうちょっかい出してくるんだから。ホント困ったわ。
高校に入ってからもずっと一緒……ってわけでもなかったけども……。
いっつも隣のクラスに行って本当にごめんなさい。
でも日下部や峰岸のこと、嫌いになったわけじゃないのよ。
たしかにこなたたちは大事だよ。でもこなたたちはこなたたち、日下部たちは日下部たち。
うーん……違うのよ。でもあんたたちも同じくらい大事。……わがままなんだろうけどね、こういうの。
だから、これからはもっと日下部や峰岸と一緒にいたいって思う。話したいこと、まだまだたくさんあるからね。

それともう一つ。
出会った時から呼び方、変わってなかったわね。
もちろん、恥ずかしかったからに決まってる。
なんか呼び方変えるのって勇気がいるじゃない。
いつか名前で日下部や峰岸のこと呼んでみたかったけど、あんたたちもずっと柊って呼ぶからいいかな、ってちょっと逃げてた。
……ちょっぴり寂しかったのよ? 名字で呼ばれるのって。でも日下部もそんな風に思ってたんじゃないかな、っても思う。

だから明日から私は日下部じゃなくって、みさおって呼ぶことにする。
みさおも私の事、柊じゃなくてかがみって呼んでね?


って感じかな。手紙からじゃ伝わんないだろうけど、私顔真っ赤っかよ。
でも、この手紙書いて良かった。私の性格からして、こんな風に話をするなんて無理だからさ。
それじゃこの辺で。お誕生日おめでとう、みさお。

かがみより

――――
――――――
9342-15:2009/07/21(火) 00:03:36 ID:0NEmmBtz
心のこもった手紙を読み終え、私は何だか胸の中のモヤモヤが晴れた気がした。
私が感じた、嫌われているかもしれないという気持ち、名前で呼んでくれないことへの寂しさ。そういった感情にけりをつけてくれた。
なぁんだ、そういうことだったのか。良かったぁ……。
安心感に満たされた私は、笑いながら泣いていた。嬉し泣き、ってやつかな。
私の思っていた以上に大切にされていたんだなぁ、私たち。
私たちもそれ以上に大切に想ってたつもりだったけどね、ちょっぴり負けたかも。

……へへっ、うれしいっ。あーもう、うれしいっ!
あやのに言った通り、今までで最高の誕生日だ!
手紙の事誰にも言うなって書いてあったけど、別にこの人にはいいよね?
喜びで一杯の私は手元に置いてあるケータイを手に取り、アドレス帳を開く。
相手はモチロン……
「あっ、もしもしあやの? 今ね、貰ったプレゼント開けてたんだけどね――」



――――――

翌日。昨日よりもさらにパワーアップした陽射しがさんさんと私に降り注ぐ。
ほらね、夏はやっぱり私の季節でしょ? 私の気持ちがしっかりと太陽に反映されてるんだもん!
教室のみんなは、昨日よりもさらに暑い今日をどう送ろうかとか話をしている。
地球に住む皆さん、そして教室の皆さん、今日も暑苦しくてごめんなさい。でも今日だけは許してね。
だって今までで一番嬉しい事が昨日あったんだもん。しょうがないじゃん。
あっ、ってことは今年の夏は猛暑決定だね! でも悪いのは私じゃないよ?
一番悪いのは今教室に入ろうとしているあのツインテールの子。文句があるならあの子によろしく!


教室のドアが開く。それと共に生ぬるい風が教室に入り込んでくる。
私の姿を見つけると、恥ずかしそうに目を逸らしながら自分の机へと向かっていく。
自分の席に着くと、教科書をバッグから取り出し机へと詰め、それが終わると私たちの方へと向かってくる。
くくっ、そんな露骨に横を向きながらこっちに来なくたっていいのに。

開口一番、彼女におはようって言おう、気持ちのこもったおっきな声で。まずはプレゼントのお礼をたっぷりとしなきゃね。
それと、あの約束。モチロン破るつもりなんかないよ?
だって、これからも私たちはいつまでも友達じゃん?
だから、言うんだ。出来る限りの笑顔で――

「――おはよ! かがみ!」



9442-15:2009/07/21(火) 00:07:04 ID:DDv0qWUR
以上です。読んでいただいた方、ありがとうございます。
今日に間に合ってよかった! と思いましたが、結局……。
最近、誕生日や何かのイベント絡みでしか投下できていないので、次回はそういったものではないものを書きたいな、と。
今度こそエロいの書きます。

それと、このスレに投下した皆さん、まとめてなんですがGJです!
このスレはまだ見てないので、明日ゆっくり見たいと思います。

それでは、おやすみなさい。みさお、誕生日おめでとう!
95名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 00:11:05 ID:+yoCrYNi
GJ
96名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 00:42:52 ID:INY7HzWw
かがみとみさおらしい、気持ち良いお話でした。GJ! ミートボール食ってくるお
97名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 19:37:03 ID:gzgkbwJB
>>94
みさお一人称の中にみさおらしさがあふれ出ていました
ラストの太陽とみさおあたりがすっごくみさおらしくていいです
GJでした
98名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 19:50:58 ID:gzgkbwJB
被りいなければ投下します
994-320 ◆oJsJ6TJSoY :2009/07/21(火) 20:06:33 ID:gzgkbwJB
>>84
出戻り組みお帰りなさい
私もしばらくぶりですが、過去の作品見返し、最近の作品を眺め、
「ああ、やっぱここっていいな」
と思えるここが好きです

新作投下します
☆欝です。大変申し訳ないですが欝です
☆一部オタク的教養が要求されます
☆続き物……うん、完結できる!! ……見込み
100輝く季節へ:2009/07/21(火) 20:08:40 ID:gzgkbwJB
 青い、空。
眼下に一面に浮かぶ、白いもこもことした羊雲。
透き通った蒼はずっと天蓋に続き、宇宙へと続くような透明な藍へのグラデーション。
現実には存在し得ないような美。その真ん中に私は立っている。
どうして悲しいのか、分からない。
涙がこぼれおちそうなのに、涙をこぼす肉体が存在しない。
ただ、どうしようもなく、涙が出そうになるぐらい、私は悲しかった。
101輝く季節へ:2009/07/21(火) 20:10:54 ID:gzgkbwJB

「う゛〜、かがみ、つかさ、おはよう」
「おはよ〜、こなちゃん。あれ? どうかしたの?」
糟壁駅、いつもの駅前。
私の変化に最初に気づいたのはつかさだった。
「ん〜、ちょっとよく眠れなくてね〜」
「どうせあんたの事だから、徹夜でネトゲーしてたりするんでしょ?
 まったく、そんなことしているといつか体壊すわよ」
かがみんはいつもどおりツンツン。でもその言葉の奥底で私を心配しているのが分かる。
私の大切な、かけがいのない親友。
二人を心配させないための、ちいなさ嘘。
「だって〜、昨日、どうしてもメンバーが離してくれなくてさ〜。抜け時って難しいよね」
「そんなもん分かるか!!」
たわいもない話をして、学校へつくまでの時間。
あの頃からは、想像できないぐらい、明るく楽しい日々。
そんな毎日がずっと続いてゆく、そう信じていた。
102輝く季節へ:2009/07/21(火) 20:12:18 ID:gzgkbwJB
今はこんな風だけれど、中学の頃はそりゃもう今からは考えられないぐらいの生活だった。
小学校の頃から母親がいないというくだらない事でハブられていた私。
小学校からの持ち上がり組みが多い中学に進学しても、その現実は変わらなかった。
他の人は私を必要としなかったし、私も他の人を必要としていた。
友達はネットの向こうにいくらでもいるし、
友達のお喋りよりも面白いものがパソコンの中にある。
だから、私は一人でも生きていけた。
楽しそうにしているのは、そりゃまあ羨ましいとは思ったこともあるけれど、
自分の楽しみはネットの向こうにあったし、友達もネットの向こうだった。
べつに、それでかまわないと思っていた。
ずっと、ずっと……
103輝く季節へ:2009/07/21(火) 20:13:16 ID:gzgkbwJB
「でさ〜、ほんっと臭いよね〜」
放課後、四人でぶらぶらと町を歩く。
少ないお小遣いで服を見たり、買い食いをしたり。
たわいもない話に花を咲かせる、そんな時間。
つかさはぼーっとしているようで一生懸命頑張っててかわいいし、
みゆきさんも萌え属性の塊。それにいろいろなことを教えてくれる。
かがみはそんなぼんやりしたみんなをまとめてくれる。
四人で思い思いのクレープを買って、みんなでかぶりつく、そんな平凡だけれども、幸せな時間。
「!!」
一瞬で体に冷気が走る。
あの姿、見覚えがある人。多分、中学の同級生。
向こう側からこちらに向かって歩いてくる。
……向こうは私だと気づいていない。
息を潜め、なんでもないふりをしてすれ違う。
充分距離が離れた事を確認し、安堵の息をつく。
「あら、こなたさん。どうかしましたか?」
今度は私の異変に気づいたのはみゆきさんだった。うちのぼけーっと組みは意外と鋭い。
慌てそうになる心をぐっと抑え、なんでもないふりをして返す。
「いや〜、最近寝不足のせいかぼーっとしちゃってね。立ったまま寝そうになったよ」
「まぁ、睡眠時間はきちんととらなきゃいけないですよ。寝ている間に分泌されるホルモンのバランスが崩れてしまいますから」
うん、うまくごまかせたかな。
嘘をつくのは、ちょっとだけ心が苦しいのだけれど。でも私は、この大切な日々を守りたいから。
「もしかして、夜更かししてばっかだから成長ホルモンが足りなくて身長伸びないかもね」
「う゛……それを言われるとイタイ……」
昔は身長のことで言われると落ち込んだ事もあったけれど、でもかがみに言われるとあんまり気にならない。
同じ言葉でも、発する人でこんなにも受けるイメージが違うなんて。
「じゃあ、つかさよりも胸が大きいかがみは、きっと夜中一人でごにょごにょしてたから女性ホルモンが……」
「ぐわーっ、そんな訳あるか〜っ。それにそんな事を人がいるところで大声で言うな〜っ!!」
「あ、あの……私、そういったことはあんまりやっていない……つもりなんですが……」
「む〜、私もお姉ちゃんみたいにもうちょっと大きくなりたい……」
くだらない話をして、一緒に笑い会える友達。
孤独だったから分かる、その大切さは何にも代えられないもの。
友達のためなら、どんなことだってできる。そう、思っていたのに……
104輝く季節へ:2009/07/21(火) 20:15:15 ID:gzgkbwJB
「でさ〜、ほんっと臭いよね〜」
放課後、四人でぶらぶらと町を歩く。
少ないお小遣いで服を見たり、買い食いをしたり。
たわいもない話に花を咲かせる、そんな時間。
つかさはぼーっとしているようで一生懸命頑張っててかわいいし、
みゆきさんも萌え属性の塊。それにいろいろなことを教えてくれる。
かがみはそんなぼんやりしたみんなをまとめてくれる。
四人で思い思いのクレープを買って、みんなでかぶりつく、そんな平凡だけれども、幸せな時間。
「!!」
一瞬で体に冷気が走る。
あの姿、見覚えがある人。多分、中学の同級生。
向こう側からこちらに向かって歩いてくる。
……向こうは私だと気づいていない。
息を潜め、なんでもないふりをしてすれ違う。
充分距離が離れた事を確認し、安堵の息をつく。
「あら、こなたさん。どうかしましたか?」
今度は私の異変に気づいたのはみゆきさんだった。うちのぼけーっと組みは意外と鋭い。
慌てそうになる心をぐっと抑え、なんでもないふりをして返す。
「いや〜、最近寝不足のせいかぼーっとしちゃってね。立ったまま寝そうになったよ」
「まぁ、睡眠時間はきちんととらなきゃいけないですよ。寝ている間に分泌されるホルモンのバランスが崩れてしまいますから」
うん、うまくごまかせたかな。
嘘をつくのは、ちょっとだけ心が苦しいのだけれど。でも私は、この大切な日々を守りたいから。
「もしかして、夜更かししてばっかだから成長ホルモンが足りなくて身長伸びないかもね」
「う゛……それを言われるとイタイ……」
昔は身長のことで言われると落ち込んだ事もあったけれど、でもかがみに言われるとあんまり気にならない。
同じ言葉でも、発する人でこんなにも受けるイメージが違うなんて。
「じゃあ、つかさよりも胸が大きいかがみは、きっと夜中一人でごにょごにょしてたから女性ホルモンが……」
「ぐわーっ、そんな訳あるか〜っ。それにそんな事を人がいるところで大声で言うな〜っ!!」
「あ、あの……私、そういったことはあんまりやっていない……つもりなんですが……」
「む〜、私もお姉ちゃんみたいにもうちょっと大きくなりたい……」
くだらない話をして、一緒に笑い会える友達。
孤独だったから分かる、その大切さは何にも代えられないもの。
友達のためなら、どんなことだってできる。そう、思っていたのに……
1054-320 ◆oJsJ6TJSoY :2009/07/21(火) 20:15:58 ID:gzgkbwJB
以上です。
ああっ、最後の部分投下ミスすみません……

欝一直線、ただし前振りのみ……
思いついたきっかけがこのあたりだったりします
http://www.nicovideo.jp/watch/sm586984
次回あたり、話進んできます
106名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 00:23:36 ID:K8lTM4YJ
うわぁ、すごい続きが気になります!
続きにwktk
107名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 22:46:23 ID:jk1j5EVc
準備されている方がいらっしゃらなければ、投下したいと思います。
108:2009/07/22(水) 22:48:15 ID:jk1j5EVc
こんばんは。
先日投下したものの、かがみ視点を投下したいと思います。

・かがみ×みさお
・11レス使用予定
・かがみ視点
・エロあり(かがみ自慰)
※苦手な方はスルーしてください。

では、よろしくお願いします。
109恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 1:2009/07/22(水) 22:50:21 ID:jk1j5EVc
 この日も私は憂鬱な気持ちで家に着くと、自分の部屋に入った。
 かばんを置き、ベッドに横になって天井を見上げる。

「はぁ・・・・。どうしたらいいんだろ・・・・・」

 視線の先に浮かんでくるのは、私を憂鬱にさせている張本人。日下部みさおだ。

 勉強は嫌い。
 宿題もやらない。
 遊ぶことばかり考えて、
 将来のことなんて何も考えていない。

 こんなどうしようもないやつなのに・・・・・。

 底抜けに明るくて。
 いつも楽しそうに笑っていて。
 黒髪のショートカットも、
 栗色の大きな瞳も、
 それに、あの八重歯も、
 全部がとっても可愛いくて・・・・・。

 なんでこんなに好きなのか、全然わかんない!!!!

 日下部とは中学から同じクラスだけど、そんなに意識したこともなくて、ずっとただの友達だと思ってた。
 でも最近は、気がつくと日下部のことばかり目で追ってるし、普通に話しているだけなのに勝手にドキドキしてくる。

 それだけならまだしも(いや、良くはないけど・・・)、一人になると日下部の顔が浮かんできて、
 なぜか身体の奥が熱くなってきてしまう。
 気がつくと、いつの間にか自分で胸を触っていて・・・、その・・・、一人でしちゃったり・・・・とか・・。
 って、な、なに言ってんのよっ!!

 も、もとい。ま、まぁ、こんな状態が続いてるのよ。
 だけど、自分でもどうしたらいいのかわかんないんだよな・・・。

「しかし・・・、今日は最悪の日だ・・・・・・」

 私は目をつぶると、胸に小さな痛みを感じながら、一日を振り返った。
110恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 2:2009/07/22(水) 22:51:47 ID:jk1j5EVc
「ひぃらぎ〜。一緒に弁当食べようぜ〜」

 午前中の授業も終わり、教科書をしまっていると、待ち構えていたように日下部が声をかけてきた。
 それだけなのに、すでに鼓動は速くなっている。

「あ、う、うん・・・」
「どーした?元気ねーな」

 日下部の言葉に、一瞬ギクリとする。
 い、いかん。平常心、平常心。

「そ、そんなことないわよ」
「そうか〜? 何か気になるんだよな〜」

 そう言って日下部は、私の顔を覗き込んできた。
 大きな瞳が私の目に飛び込んでくると、途端に心拍数が急上昇し、しどろもどろになってしまう。

「だ、だ、だ、だから・・・・・な、なんでも・・・」
「ん? 顔、真っ赤だぞ?」
「なっ!?」

 思わず頬に手を当てる。
 な、なんでこんな熱くなってんのよっ!!

「熱でもあんのか?」

 言いながら日下部は、突然左手を伸ばすと、私のおでこにくっつけた。

「あ、あ、あわわわ!!」
「ん〜?ちょっと熱い・・・・かなぁ?」

 日下部の突然の行動に、さらに体温が跳ね上がる。
 くはっ!!やばい・・・・・。も、もう・・・無理!!!

「ち、ち、ちょ、ちょっとトイレ!!」
「お、おい! ひ〜らぎ〜!!」

 私はそう叫んで教室を飛び出し、そのまま女子トイレに向かった。

「はぁ・・はぁ・・・はぁ・・・・・こ、これは・・・本格的にヤバイわ・・・」

 洗面台に寄りかかり、懸命に落ち着かせようと深呼吸をする。
 でも、走った所為なのか、それとも日下部の所為なのか、呼吸は全然整わないし、心臓はバクバクしっ放し。

 もうっ!!なんで、いっつもあいつは突然なのよっ!!!

 心の中で日下部に毒づきながら、さっきのことを思い返し、また顔が熱くなる。
111恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 3:2009/07/22(水) 22:53:26 ID:jk1j5EVc
 はぁ・・・・、なんでこんなになっちゃうのよ・・・・・。
 絶対、おかしいって・・・・。

 蛇口を捻り、冷たい水で顔を洗うと、少しだけ頬の火照りも治まったみたいだった。
 けれど、お昼を食べる気分にもなれず、気持ちを切り替えようと、一人校舎をブラブラして過ごした。

 はぁ〜・・・。何か、教室戻るのも憂鬱だな・・・・。

 そのまま早退したいくらいだったけれど、そんなことをして、余計に日下部に心配されるのも嫌だった。
 時計を見ると、昼休みも終わりに近づいていて、仕方なく私は教室に戻ることにした。

 ドアの端から中を見渡すと、日下部が私の机に座り、口を半開きにして昼寝をしていた。
 周囲も慣れたもので、誰一人気にしてはいない。
 峰岸もどこかに行っているのか、見当たらなかった。

 あんまり近づかない方がいいんだけど・・・。
 でも・・・日下部の寝顔・・・かわいいなぁ・・・。

 恐る恐る日下部に近づいてみると、完璧に熟睡しているみたいで、まったく起きる気配はなかった。
 その様子に少しだけ安心して、私は日下部の前の席に座り、しばらくそれを眺めていた。

 あぁ・・・、ホント、かわいい。
 
 起こさないように、日下部のほっぺをプニプニと指で押してみる。

「んぁ? ん〜・・・・」

 日下部は一瞬眉間にしわを寄せたけれど、また寝てしまった。
 もう一度押してみると、今度はうるさそうに指を払おうとする。

 ふふ、日下部のほっぺって柔らかい・・・。

 ムニムニと日下部のほっぺで遊んでいると、あるものが目に留まった。
 それは、口元から可愛らしくちょこんと見えている、日下部の八重歯だった。

 そういえば、前から気になってたのよね・・・・。

 マジマジと日下部の八重歯を観察してみる。
 それは独特の光沢を放ち、日下部の呼吸に合わせて上下していた。

 ・・・田村さんが言ってたけど、確かにポイント高いわ・・・。

 お昼の後に歯を磨いたのだろうか、日下部の息からは微かにミントの香りがしていた。
 その香りをかいでいると、なぜか全身が熱くなり、つい顔を近づけてしまう。
112恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 4:2009/07/22(水) 22:55:17 ID:jk1j5EVc
 な、なんか・・・変な気分になってきちゃった・・・・。

 口元に近づくとミントの香りは一層強くなり、その香りが私の心臓を早鐘のように鳴り響かせた。

 ・・・・・日下部の息・・・・。良い・・匂い・・・・・。

 気がつくと、日下部の唇に触れそうなくらいにまで、顔が近づいていた。

 うぉあっ! ス、ストップストップ!!

 間一髪のところで何とか思いとどまり、日下部から離れる。

 だ、誰も見てなかった・・・・よね?

 慌てて周りを見回したけれど、特に変わった様子はない。
 ほっと胸を撫で下ろし、改めて日下部を見ると、相も変わらず気持ち良さそうに眠っていた。

 あっぶな〜・・・・。これ以上、日下部にちょっかい出すのはまずいわね・・・・・。
 名残惜しいけど・・・、そろそろ止めとこ・・・・。
 ・・・・・。
 でも・・・、最後にもう一回・・・。

 柔らかな感触をもう一度感じたくて、日下部のほっぺを指で押そうとした瞬間、
 日下部が身じろぎ、指はそのまま日下部の口に入ってしまった。

「えっ?」

 一瞬、何が起こったのか理解できなかった。

 あ、あれ?日下部の・・・口に・・・・。

 次の瞬間、指が生暖かい感触に包まれているのに気がつき、一気に顔が紅潮する。

 ちょちょちょ、ちょっと!!な、なんてことしてんのよ!!

「う、う〜ん・・・・」

 突然日下部が起きそうになり、私は驚きのあまり、指を引き抜くと同時に、大声を出してしまった。

「ひゃあぁぁぁぁっ!!」
「うぉあっ!!な、なんだ?」

 日下部は、驚いてズリ落ちそうになる身体を、寸でのところで立て直す。
 さ、さすが陸上部!!
113恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 5:2009/07/22(水) 22:57:21 ID:jk1j5EVc
「あっぶね〜・・・・。  あ、あれ? ひぃらぎ? なんでそんなとこにいるんだ?」
「な、ななな、な、なんでって・・・そ、その・・・・。
 そ、それより、あ、あんたこそ、なんで私の席に座ってんのよ!」
「ん〜? なんだっけ・・・・・?」

 おいおい・・・。

「あっ! そうだっ!ノート借りようと思ってたんだ」
「はぁ?な、なんでよ!」
「いや〜。次の授業で指されそうだからさ」
「い、いつもみたく、峰岸に借りれば良いじゃないっ!」
「あやのは風紀委員の集まりで、まだ戻ってきてねーんだよ」
「そ、そう言えば、さっき一人だったわね」
「そうなんだよ。な? 頼むよ〜」

 椅子に座ったままの日下部は、そう言って上目遣いで私の顔を覗き込んだ。
 くぅぅ・・。その顔は反則よ・・。

「うぅぅ・・・・。 わ、わかったわよ・・・」
「お、サンキュ。ひぃらぎ」

 日下部は、上機嫌で私の差し出したノートを受け取ると、自分のノートに写し始めた。
 何の疑問もなく写している日下部の態度に、小言の一つでも言ってやろうかと思ったその時、人差し指のひんやりとした感覚に気がついた。

 そう言えば、さっき、この指が日下部の口に入っちゃったんだっけ・・・・・。

 よく見てみると、指先が日下部の唾液で少しだけ濡れていた。

 これって・・・日下部の・・・・・。

 指を見つめていると、あのミントの香りが思い出され、どうしてもそれを味わってみたい衝動が湧き起こってきた。

 ・・・・・日下部のって、いったいどんな味がするんだろ・・・・。

 ドクドクと、大きく脈打つ心音を聞きながら、指をゆっくりと口元に近づけていく。

「なぁ、ひぃらぎぃ」

 すると、それまで黙ってノートを写していた日下部が、不意に声をかけてきた。
 その声に慌てて指を引っ込め、日下部の方に向き直る。

「ななな、な、なによ?」
「あ、あのさ・・・・、さっきは何で走ってたんだ?」
「へっ? は、あ、あの・・・・、ちょ、ちょっと気分が悪くなって」
「ふ〜ん・・・・?」

 一瞬の沈黙の後、日下部は顔を上げ、私を見つめた。

「なぁ・・・、何か隠してねぇか?」
「なっ!? な、な・・・」
114恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 6:2009/07/22(水) 22:59:19 ID:jk1j5EVc
 あまりにも唐突な質問に、一瞬、心臓が大きく跳ねる。
 目を見開き日下部を見ると、日下部は首を傾げたまま、私をじっと見つめていた。
 その真っ直ぐな視線は、私の気持ちを見透かしているような気がして、耐えきれずに、うつむいてしまう。

 ど、どうしよ・・・・。このままじゃ日下部にばれちゃうよ・・・。

 床を見ながら、必死に考えを巡らしても、一向に考えはまとまらない。
 それどころか、頭の中ではいろんな言葉が浮かび、私を混乱させていった。
 
 わ、私は・・・・。
 日下部のことが・・・好き・・・・・・。
 でも・・・。
 でも、言ったら日下部にひかれちゃうよ・・・。
 そんなことになったら私・・・・、耐え切れない・・・・。

 ・・・・・。
 だけど・・・・・、
 ずっとこのままでいいの?
 このまま卒業するまで。
 卒業したら・・・もう会えないかもしれないのよ?
 そうなったら、一生言えないのよ?

 そ、そんなこと言ったって、やっぱり無理よ!!
 だって・・・、好きなんだもん・・・。
 すごく・・・、すっごく好きなんだもん!!
 だから・・・。
 そんなことになるくらいなら・・・・。
 いっそこのままの方が・・・・。

 でも・・・・。
 本当に・・・、
 本当にそれでいいの?

 あぁー!!うるさいうるさいうるさい!!
 いったい、どうしたらいいのよ!!

 積み重なる葛藤と、言葉にならないもどかしさ、私を見つめる日下部の視線、その全てが私をイライラさせていく。

「ひ、ひぃらぎ?」

 そのイライラは、日下部に声をかけられた瞬間、爆発し、自分自身に向けたはずの言葉が、口をついて出てしまった。

「う、うるさい!!」

 その声に日下部は身体をビクッと震えさせる。
 はっとして視線を上げると、日下部は、今にも泣きだしそうな顔でこっちを見ていた。

 あ・・・、わ、私・・・なんてこと言ってんのよ・・・・。
 日下部は、何も悪くないのに・・・・。
115恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 7:2009/07/22(水) 23:01:15 ID:jk1j5EVc
「あ、あぅ・・・。   ひ、ひぃらぎ・・・。ご、ごめん」
「え?あ、いや、そ、その・・・。こ、これはちが」
「変なこと言って・・・、悪かったな・・・・」
「あ・・・・」

 そう言って日下部は、またノートに視線を戻した。
 その寂しそうな姿に声をかけることもできず、私はただ黙ってそれを見つめていた。
 気まずい沈黙が流れ、その間私の胸は、ズキズキと突き刺さるような痛みを感じていた。

「ありがと」

 ノートを写し終えた日下部は、少しだけ寂しそうな笑顔でそう言うと、ノートを渡して自分の席に戻っていった。

 午後の授業が始まっても、どうしても日下部のことが気になってしまい、私はチラチラと様子を伺っていた。
 日下部は何か考え込んでいるようで、珍しく真剣な顔でノートを見つめている。

 日下部・・・・・。嫌われちゃったよね・・・・・。
 授業終わったらちゃんと謝らないと・・・・。
 で、でも、何て謝ったら・・・・。

 何度か声をかけようとしてはみたけれど、なかなか決心がつかず、ずるずると6時限目まできてしまった。

 つ、次こそは・・・。

 授業が終わり、意を決して日下部のところへ向かおうとした時、ドアの方から声をかけられた。
 見ると、つかさがかばんを持って立っている。

「お姉ちゃ〜ん。一緒に帰ろう」
「う、うん。あ、あれ?こなたは?」
「今日はバイトなんだって〜」
「そ、そうなんだ」

 日下部の方を見ると、峰岸と何かを話していた。
 日下部は、さっきまでの泣きそうな顔じゃなくて、すごく楽しそうな笑顔になっていた。
 2人が話しているその光景は、なぜか私の心をざわつかせた。

「お姉ちゃん? どうしたの?」
「う、ううん・・・・。なんでもない」
「?」
「・・・・。さ、帰ろ」

 帰り道、つかさはクラスの出来事を、とても楽しそうに話していた。
 私も適当に相づちを打ってはいたけれど、頭の中では日下部のことばかり考えてしまう。

 あ〜あ、結局謝れなかったな・・・・。
 絶対、日下部に誤解されちゃったよね・・・・。

 つかさの笑顔とは対照的に、私の中には重苦しい気持ちが満ちていった。
116恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 8:2009/07/22(水) 23:03:24 ID:jk1j5EVc
「かがみ〜。ごはんよ〜」
「う・・・・・、ん?」

 お母さんの声が聞こえ、ゆっくりと目を開く。
 気が付くと部屋の中は暗くなっていて、慌てて時計を見ると、もう夕食の時間になっていた。
 あ、あれ?寝ちゃってた・・・・のか?

「みんな待ってるわよ〜」
「あ・・・、い、今行くー!!」

 お母さんの声に促され、急いで着替えると、下に降りてご飯を食べた。
 正直、食欲はなかったんだけれど、食べないとみんな心配するだろうから、無理して食べた。
 その後、居間でテレビを見始めたけれど、胸を締めつけるような苦しさは消えず、どうしても落ち着かなかった。

「わ、私、先にお風呂入るね」

 居たたまれなくなり、一緒にテレビを見ていたつかさに声をかける。

「うん。   あ、お姉ちゃん。この後見たいドラマがあるから、ちょっと早めに出てほしいんだけど」
「う、うん。 わかった・・・」
「よろしくね〜」

 そう言ってつかさはテレビに向き直り、また無邪気に笑い始めた。

 あの子はこういう気持ちとは無縁そうよね・・・・。
 やっぱり、双子でも違うものなのかな?

 そんなことを考えながら、着替えを持ってお風呂に向かった。

 身体を洗い終え、いつもより熱めのお湯に、ゆったりと身体を伸ばして浸かる。
 いつもだったら、それだけで気分も軽くなるはずなのに、重苦しい気持ちはいつまでも消えなかった。

 今日のこと・・・・。日下部には悪いことしちゃったな・・・・。
 私んとこ・・・、全然来なかったもんね・・・。
 やっぱりあれじゃ・・・、嫌われても仕方ないよね・・・・。
 ・・・・・・・。

「・・・・・うっ・・・、ぐす・・・・・・・、うぅぅ・・・・」

 取り返しのつかないことをしてしまったような想いが募り、絶望感と一緒に涙が溢れてくる。

 うう・・・・、嫌だよ・・・・・。
 このまま・・・離れていくなんて・・・・。
 このまま・・・話せなくなっちゃうなんて・・・・。

 もう・・・・、どうしたらいいのかわかんないよ・・・・・。

 不安感と孤独感に苛まれ、私はただ、声を殺しながら涙を流すことしかできなかった。
 涙を拭い、顔を洗おうとしたその時、ふと、左手の人差し指が目についた。
117恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 9:2009/07/22(水) 23:05:16 ID:jk1j5EVc
 お湯で多少赤くなっただけの、何の変哲もない指。だけど・・・・・。

 日下部の口に入っちゃった・・・のよね・・・・。

 指を見つめていると、日下部の口中の感触が思い出され、鼓動は次第に早くなっていった。
 同時に、身体の奥の方が、徐々に熱くなってくる。

「日下部・・・・・・」

 重く、苦しい気持ちのはずなのに、身体を熱くしてしまう自分を、浅ましく思う一方で、
 私を包む孤独感は、そんな自己嫌悪の気持ちを無視させた。
 私は、日下部とのつながりを求めるかのように、見つめていた指を口に含んだ。

「は・・んむ・・・・ちゅ・・・く、くさ・・んっ・・・か・・・べ・・・・」

 指を舐めながら、あのミントの香りを思い出していく。

「ん・・・・・。ちゅぷ・・・・・くちゅ・・あ・・・・んむ・・・・ちゅぱ・・・・」

 指全体を口に含み、丹念に舌を絡めていくと、次第に気分は高揚していき、
 私はまるで日下部とキスをしているような気持ちになっていた。

「あ・・・・ん・・・・ちゅっ・・・・くさ・・・・かべ・・・に・・触れ・・たい・・。ちゅ・・・は・・あ・・・ん・・・もっと・・感じたい・・・」

 あたかも口中を犯すかのように、激しく指を出し入れすると、その度に口の端からは唾液がこぼれ落ち、首筋から鎖骨にかけて、生温かい感触が伝っていった。

「ん・・あぁぁ・・くさかべ・・・。はっ・・ん・・・。キス・・・したい・・・。
 キスしたいよぉ・・」

 口の中は、まるで性器のように敏感になっていて、差し込んだ指で口の内壁を優しくなぞると、身体は小さく身震いをしてしまう。

「あぁぁ・・・・。はっ・・ん・・く・・くさ・・かべ・・・・。も、もっと・・・あっ・・んむ・・・キス・・して・・・。
 日下部の・・・舌・・あっ・・・は・・ん・・・いっぱい・・い・・入れてぇ・・・」

 そのうち、指を舐めているだけでは、どうしても我慢ができなくなり、
 私は空いている右手で身体を伝っていた唾液をすくうと、そのまま胸の先端に塗りつけた。
 ヌルヌルとした感触が、乳首をより敏感にさせる。
 優しく指先で転がしながら、時折強くつまむと、そのたびに身体は小刻みに震え、吐息と一緒に声が漏れてしまう。

「んっ・・・く・・・・。はぁっ、はぁっ・・・んっ・・・く・・はぁ・・・。
 つ、つま・・んで・・・。もっと・・・つ・・よ・・・くぅぅぅ・・・」

 繰り返される快感の波に、私の理性はもう何の役にも立たなくなっていた。
 欲望に支配された私は、口に含んでいた左手を抜くと、内腿の間に差し込む。

「あっ!  あぅ・・・・んっ・・・・ぐ・・ぅ・・・むぅぅぅぅ!!」

 そこは今までにないくらい濡れていて、お風呂の中にいるのに、ねっとりとした体液が、指にまとわりついてきた。
 指が秘裂をなぞるだけで身体は大きく仰け反り、お風呂にいることを忘れて、つい大きな声を上げそうになってしまう。
118恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 10:2009/07/22(水) 23:07:15 ID:jk1j5EVc
「はっ・・・あぁぁ・・・ん・・む・・・。あっ・・・・はぁ・・・だ、だめ・・・。き、きちゃう・・・よ・・。く・・さ・・・かべ・・・」

 お腹の奥から、徐々に登りつめていくような感覚が迫り、自分でも限界が近づいているのがわかった。
 私は、秘裂をなぞっていた指を秘芯へと移し、優しく撫でる。

「あ・・、あっ!・・ぐ・・・ぅぅ・・んっ!
 き、きもち・・・いぃぃ・・あっ・・・もっ・・もっと・・こすっ・・・て・・」

 すべりの良くなった指は滑らかに動き、想像以上の快感がゾクゾクと背中をなぞっていく。
 口からは、唾液と一緒にあられもない言葉が漏れ、最早私は、快感を貪ることしか考えられなかった。

「は・・あっ・・あぁぁ・・ん・・。はぁっ・・・はぁっ・・も、もう・・・む・・り・・・」

 秘芯を撫で回す指の動きは徐々に速くなり、その動きに呼応するかのように、お腹の奥の感覚も、次第に大きくなっていく。

「あぁぁ・・・はっ・・・あぁぁぁ、んん!・・・だ、だめっ!くぅぅ・・くさかべ・・・はぁぁ・・
 く、くるっ・・・きちゃうっ・・・・・あ・・あ・・あっ!
 いく・・・い・・・く・・、い、い・・・ぃくぅぅぅぅぅぅ!!!!」

 その感覚が私の中ではじけた瞬間、大きな快感の波が一気に押し寄せ、頭の中は真っ白になった。





 気がつくと私は、お風呂の縁に頭を乗せ、天井を見上げながら荒い呼吸を続けていた。

「はぁっ・・・・・・はぁっ・・・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」

 おぼろげな意識の中、目の前には日下部の姿が浮かんでいる。

「日下部・・・・・好き」

 そう呟いた時、パズルのピースが、スルリと枠にはまったような感覚が訪れると同時に、自然と気持ちが溢れ出してきた。

 そう・・だ・・・。
 私は、日下部のことが好き・・・・。
 すごく好きなんだ・・・・。
 だから嫌われたくない。
 離れたくない。
 そんなの・・・絶対、嫌・・・。
 だけど・・・・。

 もっと日下部に近づきたい。
 もっと日下部に触れていたい。
 もっと日下部と・・・一緒にいたい。

 学校で私を混乱させたのと同じ言葉が、次から次へと浮かんでくるのに、今はまったく混乱はしない。
 むしろ、その言葉たちが不思議な力で紡ぎ合わされていく。
119恋 の 病  〜 かがみ 発症篇 〜 11:2009/07/22(水) 23:09:38 ID:jk1j5EVc
 このまま何もしなかったら・・・・、日下部のことで悩むだろうけど・・・・、
 そのまま卒業して、大学行って、就職して、社会に出て・・・・、そのうち、今の気持ちも忘れていっちゃうんだろうな・・・。

 それも一つの選択肢よね・・・。大人になってくって、そういうことだもん・・・。

 だけど・・・・、それを選んだら、私はきっと後悔する。

 振られたら・・・。嫌われたら・・・・。
 そんなことを考えると・・・、怖いし・・・、苦しいし・・・。

 それでも私は・・・、自分が好きになった人に何もしないで、まして、気持ちを忘れるのを待つなんて・・・。
 そんなこと、絶対にしたくない。

 日下部の気持ちは、正直わかんない・・・。でも・・・、私はもう、自分の気持ちを誤魔化したくない。
 日下部に嫌われても・・・・・。そうしないと・・・・、私は一生後悔してしまう・・・。
 だから・・・・・・。

 私の胸を支配する重苦しい気持ちは、相変わらず消えていなかった。
 でも、その時の私には、そんなものは気にならないくらいの、大きな覚悟があった。

            私は日下部に告白する。

 それに思い至った時、日下部への想いが、胸の奥からフツフツと溢れてきた。
 その想いに奮い立たされるかのように私は立ち上がると、お風呂にいることも忘れて叫んだ。

「よし! 今度こそ絶対にするわよ!!」
「え?何を?」

 その時、着替えを抱えたつかさが、突然ドアを開けた。

「・・・・・・・つ、かさ?」
「う、うん」
「あ、あの・・・、い、いつから・・・、そこに?」
「え?い、今来たんだけど・・・。ところで、なにをするの?」
「あ、あの・・ちがうのよ・・ここ、これは・・・、って、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 何とか取り繕うと、焦って前に踏み出した瞬間、私は湯船の底に足を滑らせ、盛大にひっくり返った。

「ブクブクブクブクブクブクブク」
「お、おねえちゃ〜ん!!」

 つかさに助けられ、なんとか湯船から起き上がる。

 は・・はは・・・・。
 こんなんで・・・・大丈夫なのかな?

 頭までずぶ濡れになった自分を見つめ、私はちょっぴりだけ、先行きに不安を感じた。

                                         続
120:2009/07/22(水) 23:11:25 ID:jk1j5EVc
以上です。

読んでいただいた方、ありがとうございました。
ではでは。
121kt:2009/07/23(木) 08:27:15 ID:pUggGC20
どうも
ktでございます

それでは
『太陽なカノジョ☆3:はじめての、』

・12+1レス
・桜藤祭主人公×みさお
・オリキャラあり
・あやのファンの方、すみません
※男性注意    です
5分後に投下開始します
122太陽なカノジョ☆3:はじめての、   1:2009/07/23(木) 08:33:04 ID:pUggGC20


――
:男子組
そうやの部屋の座布団にはゆうすけ、岡、白石が座っている
「―という訳でお前の家に来たんだ」
ゆうすけが顔をかきながら事を話した
「……お前らちょっと勝手すぎないか?」
…まぁ、、でも一応俺達の事を思ったからなんだよな…
「…まぁ……ありがとう」
「お礼を言うのはまだ早いと思うぞ?」

太陽な彼女☆3:はじめての。

白石は一息付いてから発言する
「それもそうだな…」
しかし、ゆーすけの話からするとこれは…
「…みさおの方にはみゆきさん達が行ってるんだっけ?」
「おお!、つまりバ○風に言うと"次に会った時、俺と君はセックスをする"ってヤツだ!」
岡は満面の笑みでサムズアップをしながら答える
ゴっ!
「…殴るぞ」
「って既に殴ってるじゃねぇか!、痛いわ!」
「と、それはともかく、、気をつける事とかあるの?」
「…そうだなぁ……」

ゆーすけはしばらく悩んだあと
「…ブラジャーは後ろの金具の上になってる方をこう…横にぷちんって外すんだ」
と両手で外す仕草をしながら答えた
「ほら、そこで戸惑ってたらめちゃ恥ずかしいぜ?」
とゆうすけは神妙な顔をしながら言う、、どうやら実体験らしい…
「そっか…気をつけとくよ」
「俺からは…そうだなぁ…」
白石はう〜んと悩んだ後
「最初からかっ飛ばすなよ?、ゆっくりといたわりながら…だな、あき…女の人ってのは色々あるらしいから」
「おい、それは俺に対する当てつけか?」
ゆーすけは白石に笑いながら訊ねる
「それほどでもない」
その返答はどうかと思うぞ…
「お、おお…そうか」
俺の返答に不安になったのか白石はゆーすけを引っ張りこそこそ話だした
「…なぁ、これ……一種の羞恥プレイなんじゃないか?」
123太陽なカノジョ☆3:はじめての、   2:2009/07/23(木) 08:34:39 ID:pUggGC20
「文句言うならベランダで死んでるあいつに言えよ?」
2人の視線の先にはベランダで椅子に座って真っ白に燃え尽きている岡の姿があった
「……言い出しっぺのあいつが一番ダメージ受けてんのかよ」
ゆーすけは再び俺を見たあと辺りを見回して
「そういえば、、今日お母さん見掛けないな」
「ん、あぁ…昨日から近所の人達と旅行に行ってんだ」
「ふぅん…」
どくんっ、どくんっ…
やけに心臓の音が響く、俺は胸に手を当てた

―そーやっ!
―手、繋ぐってなんか…いーよな!

あいつの太陽の様な笑顔や元気な声が浮かんでは消える
するとかどうとかじゃない、ただあいつに会いたい・会って話をしたい…と、ふとそう思った
「…ちょっと外、出てくるわ」
「…ん、頑張れよ」
ゆーすけがほほ笑みながら言う
「あ、俺らはあと少ししたら帰るから」
白石は手をぷらぷらさせながら言った
「…ああ、ありがとな」
俺は2人……3人に向かって笑いかける
そして俺は玄関の扉を開けた

:女子組
みさおの部屋にはあやの、みゆき、こなたが座布団に腰掛けている
ちなみにかがみは「付き合ってられんわ」とみさおの兄と話している
「…―という訳でみさちゃんに会いに来たの」
あやのはためらいながら?みさおに話した
「…ぁ、あんたらヴぁかじゃないの?」
みさおは赤面したり焦ったりとうろたえている
「まーそう言われても仕方ないねー…」
こなたは苦い顔をして笑う
「―では、今のままでいいのですか?」
みゆきはみさおに優しく問い掛ける
124太陽なカノジョ☆3:はじめての、   3:2009/07/23(木) 08:36:47 ID:pUggGC20
「今の…って別に…」
「峰岸さん、確か日下部さんは○○くんを起こしに行った時、誤ってお胸を触られてしまったんですよね?」
「ええ、そうだけど」
「では、みさおさんはその時どう感じられました?」
「どう…って……」
どうって言われても―…
あの時はたまたま手を伸ばしたそーやにおっぱい触られて…
一瞬恥ずかしかったけど…でも―
「……嫌じゃ…なかった…けど…」
何か変だった、けど嫌じゃなった…なんだか変な感じだった、と思う…
むしろ、もっと―…
「なるほど…そういうことですか」
みゆきは悟った様に微笑む
「どういう事なの…」
こなたは疑問だらけだ

「―みさおさんは素直になればいいんですよ、ただ自分の心に従えばいいんです」
「心に…?」
「ええ、自分の魂の響きを、心の声に耳を傾けて素直に行動するんです」
みゆきは自分の胸に手を当てて頬をほんのり赤くしながら話す
…あー…なんかわけ分からなくなって来たぞ…
「…いやさ、みゆき達は私たちをえろい方向に持っていきたいんでしょ?」
「別に私は今日じゃなくてもいいんですよ」
「はァ?」
いや、意味分かんねぇんだけど…
「…まぁしなかった時はあなたの心にしこりが残って、尾が引いて、今の状態が続くだけですし、、ね」
とみゆきは微笑えんで話す
「……なんかそれ脅しじゃね?」
「さぁ?、どうでしょうか」
そしてまたみゆきはにこりと笑う
「…あー!もー!」
みさおは、ばんっ!と床を叩いた
「ちっと息抜きに走ってくる…」
と言いながらみさおは立ち上がり玄関へ向かおうとしたら

「あ、待って!」
あやのが焦った顔をして追いかけてきた
「…何だってヴぁ?」
がしっ、と私の両肩を掴んであやのは、真顔でこういった
「いい?、みさちゃん覚えておいて、おち○ちんは舐めるモノで…精液は飲むモノよ」
「…え?…あー……………はい?」
125太陽なカノジョ☆3:はじめての、   4:2009/07/23(木) 08:38:17 ID:pUggGC20
「―お前は何言ってんだ」
パァンっ!
柊があやのの頭を思いっきりはたく
「…ったくさっさと行ってこい、○○君も待ってるんでしょ?」
「ん…分かった、、、ありがと!」
「おー…」
私は走ってたから柊の姿はよく見えなかったけど、手を振っている姿は目にしっかりと焼き付けた
恥ずかしかったからか柊は後ろ向きながらだったけど…柊らしいとも思った
「もう!、柊ちゃん?、何するのよ!?」
「…お前1回ぐらい頭打って気絶した方がいいんじゃないか?」

部屋では、みゆきとこなたが話している
「みゆきさん、、ちょっとやり過ぎじゃない?」
「……こうでもしないとヤる気なんて起きないですよ」
「そんなものかなぁ…」
「………どうかされました?」
みゆきはこなたの様子がおかしいと感じ質問をぶつけた
「んー…大丈夫、古傷が少し…疼いているだけ」
「……?」
「いやねー、私的に1度言ってみたい言葉ランキング2位だったのよ、特に深い意味は―」
がたっ!
「うおぉおぉおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーー!?!」
「な、何?」
突然の叫び声と共に部屋から日下部兄が飛び出し、そしてその場に倒れまた泣きだした
「…かがみんどったの?、アレ」
「あー…私らが来た理由を話したらああなって…」
かがみは頭をぽりぽりと掻いた
「…そりゃ仕方ないね」

「あやの…みさおが大人になるんだってな…」
「…うん、、まだ分からないけど」
「そか、じゃ祝杯だなっ!」
という言葉と同時に、がばっとあやのに抱き付いた
「きゃっ…そんな、お兄さっ//、こんな所で…ぇ//」
「そうだな!移動するか!」
「うんっ♪///」
そして日下部兄はあやのをお姫様だっこをしながら部屋へ駆けて行った
「……なぁ、あいつ何しに来たんだ?」
かがみは部屋の扉を指差しながらツッコんだ
126太陽なカノジョ☆3:はじめての、   5:2009/07/23(木) 08:40:02 ID:pUggGC20

そうやは1人途方にくれていた
「…勢いで飛び出したはいいものの…どこ行けばいいんだ?」
どうする?、家行くか?…でも家の方にはこなたさん達が行ってるんだよな、、すれ違うかもだし…
「……学園行くか?」
今までデートらしいデートした事なかったからなー…思い付くとこって言ったらここぐらいしか無いし……
「迷ってる暇はないな…行くか」


「何でここに来てんだろ…」
一方、みさおは陵桜学園に来ていた
「何で…って、、ここから始まったから?」
そう、私達はここから始まった
出会ったのも・劇の事でケンカもした・告白されたのも・キスをしたのも・深く手を繋ぎあったのも―
「…何でもかんでもここなのな」
みさおは苦笑いした

「…みさお?」
「ふぇ?」
声のした方を向くと、そこには息を切らしたそーやがいた
「え、な…」
ち、ち、ちょ何でいるんだってヴぁ!?
「…俺達って言ったらやっぱりここしか思い付かなくて…」
「あー…うん、私も」
「「…………」」
そして、2人して無言、聞こえるのは風邪が吹く音だけ
数分後、そうやが口を開いた
「…中、入ろうか」
「うん…」

俺達は手を絡ませ合い、歩幅を合わせ廊下を歩く
「ほとんど人いないなぁ…」
「夕方だもん、そりゃいないんだってヴぁ」
ふと窓へ顔を向けるとあの木が目に止まった
「…あそこから始まったんだよな」
「…うん////」
彼女は照れて、口をむずむずさせながらもはっきりと返事をした
……てか何で木の下に毛布とシーツが置いてあるんだ?

―そして自然と足は体育館へと向かっていた
体育館はあの劇の時やいつもの授業の時とは違って、とても静かで……私たちの声だけが響く
127太陽なカノジョ☆3:はじめての、   6:2009/07/23(木) 08:42:12 ID:pUggGC20
するならここかな…?、するって何を?、そりゃナニだってヴぁ!
私が一人で赤くなっておろおろしていると
「初めて会ったのってここだよな?」
「え、あー…あんま覚えてない」
「…実は俺もなんだ」
…何回か繰り返していたからいつ初めて会ったかなんてさっぱりだ、、ってそれでいいのか、俺
「…ケンカをしたのもここだな」
「あれは私が吹っ掛けー…あ…」

そうやが、手を強く握り返す
汗ばんでる…緊張してるんだ…って私もだけど
どくん、どくん、どくんどくんどくんどくんどくんどくんどくん…
心臓が過去最大級に音を刻む
けど、妙に落ち着いている、、何か変な感じだ
そうこうしているとそうやの顔が近付いて来た
私は目を閉じ― リラックスして唇を受け入れた

「んっ…んん…」
いっときしたあと、唇はゆっくりと離していく
「………」
よし…よーし、えーとこれからどうしよう
「……?」
私は自分の唇を軽く触れて見る、そうやはその様子を不思議がっていた
…そうなんだよなー、何でキスっていつも新鮮なんだろ、、とそういえば―
「…短かった」
頬を膨らませて、上目使いでそうやを見てみた、、ちなみに上目使いで―というのはちびっ子情報だ

「あー…うん、これからもっとするからさ」
俺は自分を追い込んでみた
「「…////」」
……そして案の定、二人して赤くなった
「……続けよーよ」
「え、あぁ」
私から誘ってみた、恥ずかしいし心臓もずっとあの感じだけど…少しリードしないと動かねーもんなこのヘタレ
と、自分の事を棚に上げてみた
「あふっ…んんっ…んんんっ…」
自分からがっつくなんて…どう何だろう?、変態とか、えっちとか思われないかな?
「ぷはっ…」
でも好きなんだからしょーがねーじゃん、いーじゃん、今はさ
「!」
腰に置かれたそうやの手が強くなった
128太陽なカノジョ☆3:はじめての、   7:2009/07/23(木) 08:43:58 ID:pUggGC20
「…ごめん、今度は俺の番」
そうやは力強い眼差しで私を見つめる
「…そーゆーのってふつー男の方からじゃね?」
何このかっこよさ5割増しみたいなの
「最初にキスし始めたのは俺だしおあいこって事で」
「わけ分かんね…」
「……俺も」
「おいィ?…ふぐっ…んっ…」
有無を言わさず、みさおの口を塞ぐ、より強く抱き締める
「ん、ふぁ…ん、ちゅ…」
私のむね、そうやに当たって、、けっこうやーらかいのな私のって…ん?
「んっ…ん、んん…んん〜!?」
…そうやのアレ当たって…?
びつくりして思わず勢いが付き過ぎて、その場で一回転した

「うおおっ?」
…って、あれ?、俺押されてる?
「ふぁ…んんんっ…んぁ…んぁぁ…っ」
―欲しい
「ぷはっ…うをっ?」
―キスの先を知りたい
「そーやぁv…んぁ…んん…」
――ひとつになりたい
「ぷはっ…ちょ、押すなー」
がたんっ
「「うわぁっ?!?」」

私たちは派手に転んだ
「…痛ったぁ、、そーや大丈夫?」
「……なんとか、みさおは?」
「私は大丈夫、そうやのおかげで、さ」
「それは何より…」
私の下敷きになったそーやはしばらく起き上がれそうにない
何ここ……あぁ、男子更衣室か…って何で?、鍵空いてるし
「…毛布と、、布団?」
床には場違いな毛布と敷き布団が置かれている
そして辺りを見回すと手書きの紙が落ちていた
「『お二人でご自由にお使いくださいませ』ってこれ…」
…みゆきだ、間違いなくみゆきだ、証拠ないけど
「あ痛っ〜!…って何この布団」
「―せっかくだから使わせてもらおーよ、ね」
―この時の私は、自分がこっ恥ずかしいセリフを喋っている事に気付かなかった

…勿論、あとで悶え苦しんだんだけどそれはまた別の話

129太陽なカノジョ☆3:はじめての、   8:2009/07/23(木) 08:45:22 ID:pUggGC20
――
「じゃあ触る…ぞ?、おっぱい」
「…うん」
俺は呼吸を整え、みさおのおっぱいに手を伸ばす
私はそれに出来る限り答えようとそうやが触りやすい様に、くっと体を突出した
むにゅぅ…!
「はぅ…ん、んっ…」
私の体に電撃が走った
ふにゅん…むにゅん…!
「やーらけー…すごいやわらかいな…うん…やわらかい」
感触に感動した俺は何度も同じ言葉を口走る、てかそんなありきたりな言葉しか出てこない
今なら分かる気がする…ゆーすけが"おっぱいはロマンだ!"って言ってたの

「んぁ…ぁ、ごめん……ん、ひぁ…みゆきやパティみたいに…おっぱいデカくなくて…」
と彼女は申し訳なさそうにうつむく、その仕草がいつもよりも更に可愛く思えた
「…その、、初めて女の子のおっぱい触るのがみさおのでよかったと思ってる」
「…ほんと?」
「ホント、あれはあれで良いけどやっぱ俺、ゆーすけみたいにおっぱい星人じゃないし」
…我ながらヒドい答えだと思った
「……キス、して」
「ん」
ちゅっ…
「ひぁ…ん、くちゅ…ひぁ…」
数分のキスをし、唇と唇を離すと間には唾液の橋が出来、落ちていく
「エロい…」
「…うん、エロいな」

「…あの、さ…おっぱい、生で、触りたい」
「うん、どうぞ…」
えっと…上になってる方を横にずらす、、と
ゆーすけに言われた通りにブラジャーを外す…こんな感じ、かな?
ぷるん!
「……!」
思わず息を飲んだ
見るだけで分かるやわらかさと膨らみ
そしてすべすべの肌、淡い桜色の乳房、乳首、、どれをとっても―
「綺麗?、だ」
「……何でそこで疑問系なの?」
「いや…生で女の子のおっぱい見るの初めてだし…」
「……ヴぁカやろ…冷めちゃうじゃんか…」
130太陽なカノジョ☆3:はじめての、   9:2009/07/23(木) 08:46:56 ID:pUggGC20
彼女は赤面しながらそっぽを向いた
「……ごめん、、じゃあお詫びに―」
「ひゃうッ?!…んぁ、ぁ…」
俺は乳首を摘み、前に軽く引っ張った、、うん…程よい固さが堪らない…
「おわ、び…違っ、はぁ、んっ…ち、ちくっ、ダメぇっv…」
私の中に更なる電撃が走った、視られてるだけでもアレなのに…直に触られるなんて…も、もう…
むにゅぅぅ…っ!
乳首を引っ張るのを止め、おっぱいに手を置くと体重もかけてないのに沈んでいく
すごい…としか言い様がなかった

「…ぁ」
「…みさお?」
「ひ、ひゃ…ひゃあぁぁぁああっ!?!」
彼女はのけ反り恍惚な表情になった、体はビクンビクンと反応し、目には涙が浮かび、息もだえだえだ
「イッた…の?」
「みた、いv、はー…そうやに触られてるって思うと…はー、何か、キてぇv…」
ばくん、ばくん、ばくん、ばくん…
心音が高ぶる
普段とは・キスをしたあととは違う、彼女の見たことのない表情…それが今、自分の前だけにある、、堪らない
「…ねぇ…そうやはまだ、気持ちよくなって…ないんでしょ?」
「え、おお…」
さっきの言葉と共に、彼女はパンツを脱ぎ捨てた

パンツと彼女の間には糸が引かれていた、それは、つぅ…とせつなそうに毛布に落ちていく
ごくりっ…
その光景に思わず唾を飲み込んだ
…彼女のお○んこに見とれていた事もあるけれど、、
そして俺は―「きれいだ…」
と、呟いていた
「次は、そーやの番…な♪」
「お…おおとも!脱ぐとも!脱ぎますともさっ!!」
何故か俺は躍起になってズボンとパンツを降ろした
俺のは彼女に俺みたいな感動を与えられるだろうか?、どんな感想を言うんだろうか?
と不安に駆られていたからかもしれない…多分
ぴんっ!
と俺のが顔を出した
「…おっきい……」
「あんま驚かないのな…」
「そりゃ、兄貴の見慣れてるし・毎晩隣りの部屋であやのうるさいしさ…」
「あー、さいですか……え、と」
「……うん…」
「挿れ―」
…あーもー!
がしっ
「っ?!」
ずぼっ!
俺はいきなり腕を捕まれ、そして足で尻を押された
その拍子で見事に俺のは彼女のにフィットした
「ちょっ、おまっ」
「…さっきから私を心配してくれてるのは分かんだけどさ?…こっちとしては早く
そうやにも気持ちよくなってもらいたいし!私も更に気持ちよくなりたいんだってヴぁ!!
、、だから…えと……さ、あんまり焦らさないで、、欲しい、って言うか…」
みさおさんの心からの叫びに俺は圧倒された
「あ…うん、ごめん…」
「…もうちょっと強引にシても…いいから、さ」
彼女は視線を合わせずに喋る、頬は赤く染まっていた
「……分かった、次からはちょっと強引にしてみる」
「…あー…それもどうかと思う」
「どっちだよ…」

――
彼のが更に奥に押し込まれる
ばちんっ
ナカで何かが弾けた音がした
「くぁっっ?!?」
思わず悲鳴を上げてしまった
「大丈夫っ?!、やめるなら―」
「だからっ、さっきごーいんにつったじゃん?!」
目から涙が止まらない
ほら、やっぱこー言うじゃん

「…でも痛いんでしょ?」
「いたい!、目茶苦茶いたい!、シャレになんないくらい!!」
身体かズキズキと痛い
でも、でもなんか―
「でもすごく…満ちてるっていうか…そうやのが…えっと…いと…いと?」
「…愛おしい?」
「そうそう、それそれ…」
"痛さ"と"喜び"(快感?)が同時にとか矛盾してるのに、今、ここに、それがある
…なんかすごい、せっくすって…
「…動かす、からな」
ぐっ、ぐっ、ぐっ…
下半身の方にある固いモノが出入りする異物感、それが嬉しくて堪らない
「ぁ、んっv、ひゃ…ぁんv、んぁぁv…」
その気持ち良さに思わず場所を忘れて声が出てしまう
ふと下を見ると、シーツがだだ濡れになっていた
…これ全部私の、なの?、どうしよう…
って…ここけっこー汗臭くない?……やば…頭、ボーっとしてきた
「す、す、ごぉっv、ひゃv、んぁ…」
そしてそうやを見ると、彼は一生懸命に腰を動かしていた
私もこれ以上困らせないようにしなきゃ――…あ

布団の上側が盛り上がっていた→気付かずそこに寝っ転がって…→結合部丸☆見☆え

―――!?!
「ぃやぁ…みえて、るぅっv…みえちゃっっv、そーやのがぁv、私のナカにはいるのぉv…」
わ、わた、こ、こんなやらしーこと、こんな場所で、みだれながら…?!、彼の、私の血が付いて…
ぐちゅ…ぱちゅ…
音も…
「はー…みさ、はー…くっ…はー…」
息使いも…
匂いも、臭いも、、何もかも…
ここにある音やにおいの何もかも…!
私たちが出して―…

「くっ、出っ、出るっ…」
彼のが私のナカから出ていくのが感じられた
「…ゃぁ……」
いやだ、いやだ、もっと…もっと…もっと…
がしっっ
「ナカにらしてぇ、欲しいの!、そーやの欲しいのぉっ!、私どうらってもいいからぁっ!」
「………分かっ、た」
直感的に彼の手を掴み、足を交差して彼の背中を抑える
―泣いて懇願した
「―ぁ」
どびゅうううううぅぅ…!!!
「は、にゃ、あああああああああああぁぁぁぁっっーーー」
のけ反る、上を見る、天井は白く霞んでいた
どくどくとせーえきが奥に流れる
「…はいったぁv…せーえき…はいっちゃっ、たぁv…」

ふと思った、きっと幸せと言うのは、満ちると言うのは ―こういうことなのだと

――
-体育館前:場外階段
「…ヤっちゃったな」
「…うん」
「「……」」
「ヤっちゃったね…」
「…あぁ」
かれこれ5分以上この状態である
「なんかさ、シてた時ってあんま記憶に無いんだよね…なんていうか……」
「…スイッチが入った?」
「そうそう、それそれ」
風が吹いた、丁度汗をかいた体には心地いい
「……私ね、夢があるんだ」
彼女ははにかみながら話す
「シた後は繋がったまま・抱き合ったまま寝てさ、朝起きたら私がおはようっ…って言うみたいな、さ」
「そっか、、そうだな…じゃあ次は俺かみさおの部屋でしよっか」
「…うん」

「おいィ?、そろそろ体育館閉めたいんだが?」
「「うひゃあ!?」」
俺達の背後には桜庭先生が立っていた
「「何でここに?」」
「…そんなシンクロして言わなくてもいいじゃないか、今日は私が当番だからな」
と言って鍵を見せる先生
「もうとっくに下校時間過ぎてるぞ…さっさと学校出ろ…なさい」
「「はい…!」」
「いちゃいちゃしてるのを黒井先生に見つかるなよ、この時期あれだから、あの人」
「「はい!」」
「というかヤるなら…図書室、保健室、屋上、給水塔の上、体育倉庫、、とか色々あるだろうに」
「「hai!」」
「じゃ、さっさと帰れよ〜!」

と言いながら桜庭先生は去っていく
「言うだけ言って帰ったな、あの人…」
「見逃してくれたのかな……」
「かもなー……じゃ帰ろうか」
「うんっ♪」
手と手を握り合う、同時に歩きだす
見つめあい、笑いあう、思い出し赤面しあう
―俺達は・私たちは、今日、本当の意味でこいびと同士になった


134おまけ:2009/07/23(木) 08:52:14 ID:pUggGC20

翌日、学園はある話で持ち切りだった
「何か毛布と布団が3年の教室に置いてあったらしいな」「桜の木の下にもあったんだろ?、気味悪いよなー」
「体育館にゃ女子更衣室とステージ裏にもあったとか…」「でも男子更衣室にはなかったんだろ?」

「…あのさ、みゆき」
「はじめてが男子更衣室なんて結構大胆ですね、みさおさん?、ところで何でしょうか?」
「じ、じゃあみゆきはどこでしたんだよ!?、見ろ、見事なカウンターで返した」
「宿です、英語で言うとラヴホテル」
「………」
135kt:2009/07/23(木) 08:53:52 ID:pUggGC20
ありがとうございました
気が付いたら長くなってて私の心を照らすSUN SHINEがSUN SETしそうになりました
…これでも短くしたつもりなんですが……

あの木の下で初めての―って最初から外ってアグレッシブな!…という事で体育館に変更しました
桜庭先生が発言した場所で2人に色々させようかと血迷っていたのですが
さすがにそれは…と思い直して出来たのが『としょしつノふたり』です
136名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 20:30:17 ID:B/JqobLI
>>120
お互い好きあってるのにムズムズしますねぇ…
続き待ってます!
>>135
あやのとみゆきさんの崩壊っぷりがwww
学園内に敷かれてる布団を想像するとまた…w

お二方GJです!
137名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 13:20:00 ID:KlJ6Z0/i

ここ一週間で大量の作品が、
全員まとめてでスマンが、GJ

ついでに電波を受信したので小ネタ

もし、ひよりんが自重しなくなったら

「小早川さん、コミケにだす漫画のネタにするから、
『みなみちゃんのオッパイおおきくなーれ』
って言いながら岩崎さんの胸を揉んでくれないかなぁ。」

「「田村さん自重して!」」
138名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 17:31:02 ID:o9isluaT
へんたいひよりさん

へんたいかがみさんのように、対象に直接行動はしないが、
対象に直接行動「させる」ことを自重しない。

そして自覚のないマゾw
139名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 00:24:57 ID:Yg+U3XZb
>へんたいひよりさん

多分コミケに追われ平均睡眠時間が2時間を切って、作品のネタが本当に尽きて窮地に追い込まれたらやりかねないなw
140名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 13:07:58 ID:Vgn95DuI
是非小ネタじゃなく書いてほしい。
141名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 23:03:58 ID:Cb8FlCHA
準備しておられる方がいらっしゃらなければ投下したいと思います。
142さすらいのらき☆すたファン:2009/07/26(日) 23:07:03 ID:Cb8FlCHA
タイトル:1レスSS:親子の日
カップリング:こなた&かなた
属性:エロなし
2レス使用予定
1431レスSS:親子の日 1/2:2009/07/26(日) 23:08:19 ID:Cb8FlCHA
「ふぅ……」
初夏に日差しが眩しい休日の午後、私はお父さんとゆーちゃんと一緒にクーラーの効いた居間で小の字になって寝転んでいた。
お昼ごはんの後でお腹がふくれているということもあって、私たちはのんびりまったりとまどろんでいた。
窓からは強めの日光が差し込んでいるが、この心地よさを邪魔するような事はなく、むしろ蝉の鳴き声や風の音と相まってほのぼのとした雰囲気をより強くしていた。
横を見ると、ゆーちゃんは早くもすぅすぅと寝息をたてていて、既に夢の世界の住人となっている。
お父さんもうとうととしはじめていて、ゆーちゃん同様睡魔の誘惑に屈するのは時間の問題と思われる。
どこの家庭にも見られる平和な風景……
私も心地よさに身をまかせて昼寝してしまおうかと目を閉じたときだった。
ふわっと私の身体にタオルケットがかけられた。
あれ?
お父さんもゆーちゃんも寝てるんじゃ……
そう思って目をあけてみると、
「あら、起きちゃった?」
私と同じ色の長い髪と、私そっくりの顔をした女性……
私が小さい頃に死んじゃった、写真でしか見たことのない、私のお母さんがいた。
「おか……」
声を出そうとすると、お母さんは人差し指を唇に当てて、しーっ、っと言って隣を指差した。
見るとお父さんとゆーちゃんにもタオルケットがかけられていて、二人とも気持ちよさそうに眠っていた。
「くすっ、いいこね……」
そう言いながらお母さんは、そっと私の額に手をあてて、子守唄を唄い始めた。
「ねんね〜んころりよ おころりよ♪
こなたはよい子だ〜ねんねしな〜♪」
とたんに強烈な睡魔が私を襲った。
瞼がたちまち重くなり、ゆっくりと閉じていく。
「ぼうやのお守りは どこへ行った♪
あの山こえて 里へ行った♪」
目を閉じると、まだ私が物心つく前のこと。
お母さんがまだ生きていて、私に子守唄を唄ってくれたことがおぼろげな記憶としてよみがえった。
「お……か……ぁ…さ……」
涙が溢れて頬を濡らした。
お母さんは指でそっと涙を拭い、子守唄を続けていく。
「里のみやげに 何もろうた♪
でんでん太鼓に 笙の笛♪」

目が覚めたとき、もちろんお母さんはいなかった。
でも、私たちにかけられたタオルケットが、それは夢ではなかった事を物語っていた。
1441レスSS:親子の日 2/2:2009/07/26(日) 23:14:20 ID:Cb8FlCHA
「どう思う?ゆーちゃん」
その夜、私はこのことをゆーちゃんに話してみた。
「もちろん、かなたさんがお姉ちゃんに会いに来てくれたんだよ」
意外にも、ゆーちゃんははっきりと言い切った。
「お姉ちゃん、今日は親子の日だってこと、知ってる?」
「親子の日?」
「うん。7月26日は親子の日なんだ。
親と子の関係を見つめ、生をうけたことを感謝できる社会を築こうと、
長年親子の姿を撮影し続けてきた写真家のブルース・オズボーン氏と井上佳子氏が提案して生まれた日なの。
5月の第2日曜日が『母の日』、6月の第3日曜日が『父の日』であることから、7月の第4日曜日をその記念日としたんだって」
「へぇ〜」
「それとね、今日は幽霊の日でもあるの。
1825年(文政8年)の今日、
日本の代表的な怪談ばなし、鶴屋南北の作とされる『東海道四谷怪談』が江戸・中村座で初演されたことに由来するんだ。
今でも、四谷怪談が演じられるとケガ人が出るとの言い伝えがあり、関係者は必ず四谷・左門町のお岩稲荷にお参りするのだとか。
つまり、幽霊の日ということでかなたさんはこっちの世界にくることができて、お姉ちゃんと親子の日を過ごしたいって思ったんだよ」
「そっか……なんかすごい説得力あるなー」
そう言うと私はゆーちゃんに背をむけて大きく背伸びした。
涙ぐんでるのを、悟られないために。
額にはまだお母さんの手のぬくもりが残っていて、油断すると寂しさがこみ上げてきてしまうのだ。
「ぐすっ……」
「お姉ちゃん……」
不覚にも嗚咽が漏れてしまい、ゆーちゃんに聞かれてしまう。
「あはは……そだ、今の話お父さんにもしてあげてよ。
親子の日だから、お父さんも仲間に入れてあげないとね」
「そ、そうだね!」
言いながら私とゆーちゃんは今を出てリビングへ向かった。
(お母さん。来てくれてありがとう。
私、幸せだよ。
家にはお父さんもゆーちゃんもいるし、学校に行けばかがみやつかさ、みゆきさんがいる。
大好きな友人に囲まれて、楽しくすごしてるよ。だから安心して、これからも見守っていてね。お母さん)
145さすらいのらき☆すたファン:2009/07/26(日) 23:16:41 ID:Cb8FlCHA
以上です。
今日は何の日シリーズの編集をしていたら今日が親子の日だと知り、急遽書いてみました。
親子愛がテーマの文章は書くの初めてですので、違和感があるかもしれませんが、読んでくださると嬉しいです。
146名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 23:45:19 ID:8XX4j6wH
>>145
親子の日と幽霊の日のテーマの組み合わせが、
上手く合わさってGJですよ。
147名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 07:36:37 ID:OlR2eHG0
GJ
148名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 10:39:52 ID:YM/fxDfF
>>145
何の日シリーズはこういう不意打ちがあるからまた良いです。GJ
149名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 11:22:59 ID:2bYeqXAe
>>145
>どこの家庭にも見られる平和な風景

どこの家庭にも?
今、女子高生2名かかえた家庭でこんな状況になれるなんて
ものごついレアケースのような気が…w

ともあれ、ほのぼの不意打ち何の日GJ。和ませて頂いた。
150名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 11:34:16 ID:pPSYwYds
>>145
GJ!
ゆーちゃんはとても良い子だ。
氏の作品は、いつもほんわかと温かくて、優しい気持ちになれるので大好きですよ。

151名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 14:32:37 ID:dJ3Rf3Jv
ゆーちゃんがみwikiさん化してるw
152名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 14:54:38 ID:PTMddt+7
バレンタインやめちゃうのか…

>>145
そうは言っても実際こんな有り様じゃなあ
もう十分だよ潮時だよ
153名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 14:57:52 ID:PTMddt+7
ごめん誤爆
154名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 16:10:54 ID:mcyOV6+K
どこへの誤爆かなぁw
先生怒らないから正直にry
155名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 22:08:15 ID:NM7vqG1p
名探偵こなたんの推理

文面から推測すると恐らくバレンタイン監督今季限りの事と思われる、
このスレでマリーンズといえば、ただ一人!

>>152は黒井先生の誤爆だ!
156名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 12:40:59 ID:NnPLyk8E
_________
│/


(気絶したそうじろう)
157名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 12:50:39 ID:J0TcxSbD
体は子供、頭脳はヲタク!





「ペロ…これは…コロネのチョコ…」
158名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 00:34:16 ID:3OPpziE5
そういえば「カケラ」って続きはもう書かれないのでしょうか?
結構、好きなんですけど……
159名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 04:27:14 ID:UZ8SMngb
>>158
作者の意向次第
160kt:2009/07/30(木) 20:50:02 ID:U7IVD/5v
どうも
ktでございます

それでは
『かりのじかん。』

・5レス
・一応こなた×パティ
・ゆたか視点あり
・パティが壊れてます
・ネタ多め です

5分後に投下開始します
161かりのじかん。    1:2009/07/30(木) 20:55:12 ID:U7IVD/5v
ここはこなたの部屋
部屋には交換留学生として日本に来たパティがベッドに寝転び、こなた本人は絶賛エロゲ真っ最中だ
「〜♪」
「コナター…」
「んー?」
「…ドウキョニンいるのに超!ダイオンリョウでエロゲをPlayするのはどうかと…」
画面には給水塔の上でバニールックで励んでいる男女が映っている


かりのじかん。


因みに先ほどは、男女が2匹のペットを連れてのんびりと散歩していた
「そーゆーパティも、そこら中に散らかして堂々とエロマンガ読んでるじゃん?」
「ベツにいーじゃナイですか…この部屋にイルのコナタだけですし」
パティが読んでるエロマンガの中には彼氏にテスト問題のヒントを尋ねる度におっぱいを揉みしだかれる彼女や
褐色の女の子とエレベーターの中で励んでいる女の子、海賊ルックで励む男女、大自然の中で大乱交スマッシュブラザーズ!等…様々だ
「―でも!やっぱりナマがイチバンですネ!」
「…流石にその持って行き方は……ま、やるけどさ」
パソコンの電源を落とし、立ち上がるこなた
「キョウはHitしますかネ?」
「どうだろねー…私としては巻き込みたくないというか、半々なんだけど…」
ちゅっ…
「んっ…」
「ん、はぁっ…れろ…ずずずっ」
どちらかと言うとパティが攻めている
アメリカ仕込みの技でこなたの唇にダイナミックに吸い付きダイナミックに唾液を啜る
「ふぅ…やっぱりこなたとワタシは相性がいいです、n〜♪…なんというゴウホウロリ!!」

「…やっぱりそれなのね、、ま、私もそのデカいおっぱいに顔うずめたいから強くは言えないけど」
「では、ワタシはウシろをムいてますので、ハヤくヌいでクダさいね♪」
「別に女同士だから恥ずかしがらなくても…」
ぱさっ
スカートを脱ぎながら呟くこなた
「Nonoっ!…イイです?、シンのカイラクとはタクサンのガマンのウエにナリタッてるんですよ?…ワカリます?」
「それとこれとは違うような…」
「ハヤクハヤク、まだですか〜♪」
パティの声は先ほどよりも軽やかだ
「んー…あと下着だけー…あ、でも靴下は脱がない方が―」
162かりのじかん。    2:2009/07/30(木) 20:57:16 ID:U7IVD/5v
「あーもうシンボウタマらんですーーーーーーーーーーッッ!!」
という声と共にパティはこなたの体目掛けてダイブし、ベッドに押し倒した
ぼっすんっ!!
「言った事とやってる事違うよっ?!」
「もうジュウブンガマンしたのでス♪」
「あー…さいですか…」


――
-ゆたかの部屋
「〜〜♪」
こんなところ…かな
今日描いた絵日記を見返す私
絵日記は数日前― 岩崎みなみと付き合うようになってからよりカラフルな色で描かれている
ゆたかはその中でも特にカラフルに描かれたページを見る
「……みなみちゃんのくちびる…やわらかかったな…」
ゆたかは唇に軽く触れながら呟く
最後の行には〈キスのその先……?〉という走り書きがある
初めてのキス ―それは甘く甘く、とても甘酸っくて…
目をつぶるとほら、今でも鮮明に―
ぼっすんっ!!
「な、なにっ?」

お姉ちゃんの部屋からだよね…?
パティさんも来てるのになにしてるんだろ?
そういえばえっちなゲームの音も聞こえないし…
〈キスのその先……?〉
さっきの日記の言葉が頭を過ぎる
…まさか、そんな…ね
「…ジュース取りにいこっと」

実を言うと半分は何をやっているのか見るためだった
「…音の事を聞くだけだもん、悪くない…よね」
そーっとそーっと、と抜き足差し足忍び足で歩く
「あ、ぁあっ…んっ…!」
え…?
「ソコはぁっ…や、んんっ」
〈キスのその先……?〉
まさか本当に―…?
あれ?…丁度ドアが開いて―
ごくりっ
唾を飲み、腕を開いていたドアにかけた
163かりのじかん。    3:2009/07/30(木) 20:58:49 ID:U7IVD/5v
「さ、さっきの音の事を聞くだけ……だもん…」
ごくっ…―――キスの……先…
視線の先にはほぼ裸で抱き合っているこなたお姉ちゃんとパティさんの姿があった
「ん、ぁ…あ…」
ちゅ、ちゅっ、ちゅっ…
パティさんがこなたお姉ちゃんの肌にキスの雨を降らせる
その様子に思わず息を飲んだ
そんな…あんな事を…2人で…
あんな激しく…キスして…お姉ちゃん…気持ち良さそう…

「―!?」
きゅうぅぅん…!
…なに?…これ?
何で…体、熱く……
胸に手を当てる
心臓は寝込んでいた時よりも―
みなみちゃんに告白した時よりも―
みなみちゃんとキスをした時よりも―
みなみちゃんと保健室で添い寝した時よりも―
これまでしたどんなことよりも・何よりも、高ぶっていた
「っ……は、ぁっ…?」
どさっ
力が抜け、その場に膝をつく
熱い…苦しい…せつない……
むずむずする…おかしい…私、おかしいよぉ…おかしく、、なっちゃったよぉ……
口からは唾液が溢れ、だばだばと流れ出す
「…!?」
それを抑えようと唇を手で塞いだ
―いつの間にか手の平は唾液でべらべらになっていた
「…っぁ」
2人のしている事を食い入る様に見ていた内にいつの間にか指を咥え込んでいた

ゆび…噛んでると落ち着くなぁ…
でも…体のむずむずは取れないし、私…わたし…どうしたら―
いつしか2人は抱き合って足を挟んで体を揺らしていた
「あぁ…アァ!、ん…イイっ…」
「パティ…そろそろ…ヤバっ…い…」
何でそんなに気持ち良さそうなの?
どんな感じなの?、どんな…どんな――…
『〜〜―――……!』
がたっ…どさっ
呼吸をする事を忘れ、見入っていた私はふらふらとその場に倒れ込んだ
164かりのじかん。    4:2009/07/30(木) 20:59:50 ID:U7IVD/5v

びくっ、びくんっ!
「「ふぁ…あぁあぁぁっ…!!」」
それは丁度こなたとパティが同時に達した時だった
がたっ…どさっ
「!!」
『Fiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiーーーーーsh!!!」
「キタキタキタキターー!!」
「コウソクのVisionミノガスなァー!」
「付いて来れるなら…―!、、って何でさ!?」
2人は飛び起き、わざと開けていた扉の前に走り込んだ

「…はー…お姉…ちゃ…はー…」
「muu…てっきりオナニーしてるモノとオモッテいたのですが…フク、ミダレてないですシ…」
パティは全然納得していない様子だ
「…オナ…ニー……?」
「むぅん、どうやらした事ないみたいだね」
こなたはあごに手を当て喋る
「ナン…だと…?……Pureですネ」
「だねー、ピュアすぎるよ…」
「―だからこそ!ソメガイがあるとイウモノです!…ウフフ、ウフフフフフフフフ♪」
パティは手をわさわさと動かし目を輝かせた

「―…ちょい待ち」
「ユタカ〜♪♪♪、ハジメテですよネ〜?…オネエサンがキモチヨクしてあげますヨ〜♪」
パティは興奮しハァハァと息を荒げている
「…きもち……よ…く…?」
対するゆたかは(別の意味で)息もだえだえでパティの言葉の意味さえ気づかない
「D、DEでは、ままままずはオイシャサンごっこから―」
「待ってって言ってるでしょ」
べしぃっ!
「gaっ!?」
こなたはパティの頭目掛けてキツめのチョップをした
「コ…コナタ…ナ…ナニヲサレル〜〜」
ぷるるるるる…
「―ってホントにナニをしてるんでス?」
「電話だけど?」
「…Why?」

かちゃ
[はい、岩崎です]
「みなみちゃん?、私私、こなただよ」
165かりのじかん。    5:2009/07/30(木) 21:00:55 ID:U7IVD/5v
[はぁ…今晩は]
「ごめんねー、こんな夜遅くに」
[いえ…そんな…]
「突然だけどさ、私とパティが付き合ってるの知ってるよね?」
[ええ、それがいったい…?]
「2人でえっちしてたらさ、ゆーちゃんに見られた…というかわざと見られる様に仕向けてた
んだけどそれでゆーちゃん発情しきってるんだよねー、、あ、パティの発案なんだけどね、これ」
[………]
「ゆーちゃんオナニーも知らないみたいでさ、発散方法知らないわけよ」
双方の部屋に沈黙の時間が訪れた
「…だから、みなみちゃんここに来ない?」
[……どういう…?]
みなみのクールな声がぶれた
「ゆーちゃんとはまだ保健室でチッスして添い寝しかしてないんでしょ?、、みなみちゃん溜まってるんじゃないの〜?」
[……………!]
「私らがアシストするから、さ」

「んぁあああああ!!!もうガマンデキません!ユタカをイタダきますヨ!イイですか?イイですよネ?」
ちゅっ…
「ん、ひ…みな、み…ちゃ…?」
ゆたかは軽く朦朧として相手が誰かすらも分かっていない
「Aaow!…Verrrrrrrrrrrrrrrry cuteッ!Verrrrrrrrrrrrrrrrrrry prettyーーーーーーッッ!!」
もはや何かに変身しそうなパティである
「あー…今パティが我慢仕切れずに強引にゆーちゃんにキスしたよ?、早くしないと―」
[……聞こえてます]
バキぃっ!
「…ばき?」
電話の向こう側から聞こえる何かが壊れる音に戸惑うこなた
[………分かりました、行きます]
ぷつ…ツー…ツー…ツー…ツー…
「コナタ?、コイビトをウルとはどういうコトです?!、まぁハツアンしたのはワタシですけど!」
パティは凄い剣幕だ
「…………いや…今のはパティが悪いでしょ…それよりも…」
「いったいナニがハジマルんです?」
「……死亡フラグ立っちった」

パティは一瞬顔をしかめたが、直ぐに言葉の意味を理解した
「…マジで?」
「\まじで/」
「ちょ、それどうやってやったンですか?!…はトモカクどうしますカ?」
「…………かがみも呼んどく?」
こなたは苦笑いした

……もう、いっそ4Pでもしようか―…?
166kt:2009/07/30(木) 21:02:15 ID:U7IVD/5v
すいません、注意書きが抜けてました…本誌ネタバレちょいありです、、、

ありがとうございました
元ネタも書こうと思いましたが、、割愛と言うことで……

なぜこなた&パティ(主にパティ)×ゆたか、みなみ×ゆたかがないのか?
―何故ならこの方が カッコイイから!!
……じゃなくて省いただけです、長くなるので…サーセンw
167kt:2009/07/30(木) 22:44:28 ID:U7IVD/5v
すいません、単発物です

ホント何やってんだ自分...Orz
168名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 02:30:56 ID:X9WqNyvL
>>166
ホームステイネタ、キターーー(゜∀゜)ーーー!!

パティが初代ドラマCD並みのパワーキャラに仕上がってますね
みなみのブチギレぶりも可笑しかったですw GJ!

しかし、このシチュは色んなカップリングを生み出せそうだなぁ
169名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 04:03:56 ID:YfNdhMRG
>>166GJ

むしろキレたみなみのその後が気になる
170名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 20:32:42 ID:0Hw5egRG
>>158 俺も同感
171名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 21:11:13 ID:bK57cicg
>>170
作者が亡くなってる訳でもない。
気が向くまで待つしかなかろう。

作者が亡くなってしまって二度と続きが見れなくなる作品も有ったりする板だ。
贅沢いうな。
172名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 00:10:54 ID:DSTs3mFY
>>171
それが現実かもな
何故かは知らんがソリッドスネークを思い出した
173名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 00:41:32 ID:pEayYw0b
ちょっと質問なんだけど…
こなたのメール見てかがみが死んだふりする…みたいなSS前に読んだ気がするんだけど、題名わかる人いる?
174名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 01:21:48 ID:uK6L95jd
>173
エロパロじゃなくて、らき☆すたSSスレまとめの方にある「刃」かな。
リレーSSの分岐の一つなのかね、これって。
175名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 02:36:36 ID:pEayYw0b
>>174
トン!
ちょっと探してくるわ
176kt:2009/08/01(土) 20:09:45 ID:zMP39XgU
立て続けにすいません
どうも、ktでございます

それでは
『かりのじかん。2:みなみside』

・3レス
・かりのじかん。の続きな様な…裏の話の様な…
・一応みなみ&ゆたか
・みなみ視点
・キャラ崩壊    です
5分後に投下開始します
177かりのじかん。2:みなみside 1:2009/08/01(土) 20:15:03 ID:zMP39XgU
〈〜You've been ay -a smoouh criminal…〉
部屋にはマイケルジャクソンの Smoouh Criminal が流れている
「ふぅ…」
…私だって、洋楽を聞きたい時だってある
……実の所、本人が旅立ってからCDを買ったミーハーみたいなものだけど…


かりのじかん。2:みなみside


〈〜You've been ay -a smoouh criminal…〉
この文の日本語訳はこのCDでは
〈君の身体を通り過ぎたのは ―罪深いスゴ腕の恋泥棒さ〉だったかな
「…確かに…ね」
全体の歌詞とはともかく、ゆたかは私の中ではスゴ腕の恋泥棒だ
ぷるるる、ぷるるる…
携帯電話が鳴った、ゆたかから以外の着信音はいじくってないから味気無い
「はい、岩崎です」
[みなみちゃん?、私私、こなただよ]

軽いノリで泉先輩が話しかけて来る
「はぁ…今晩は」
[ごめんねー、こんな夜遅くに]
「いえ…そんな…」
…本当にどうしたんだろう
[突然だけどさ、私とパティが付き合ってるの知ってるよね?]
「ええ、それがいったい…?」
本当に突然だなぁ…
[2人でえっちしてたらさ、ゆーちゃんに見られた…というかわざと見られる様に仕向けてたんだけど
それでゆーちゃん発情しきってるんだよねー、、あ、パティの発案なんだけどね、これ]
「………」
……な、何を…言って…?
[ゆーちゃんオナニーも知らないみたいでさ、発散方法知らないわけよ]
…そうだ、あの時だってそうだった

―――
――

-保健室
178かりのじかん。2:みなみside 2:2009/08/01(土) 20:16:23 ID:zMP39XgU
確かこの時はベッドの上で私達は寝ていたんだよね、、
「ゆたか…」
そう言って肩に優しく触れる
「きゃっ…みなみちゃ…ん?」
「ゆたか…もう、いいよね…?」
スカートの上をなでるように擦る
「…あ、あの…ね、心…の準備が…」
「…うん」
すすすっ
左手はスカートの中に忍び込み、太ももを触れる
「…………」
「…みなみちゃん?」
「………ごめん」
ゆたかのきらきらと光るエメラルドの様な純粋な ―今にも泣き出しそうな瞳
それを見つめていると罪悪感が勝っていつも行為を始めの方で止めてしまうのだ
「…本当にごめん」
そしていつもどこかの場所で添い寝するだけになるんだよね…

――
―――

…―ゆたかに悪気が無いのは分かってる
でも、でも――ヤりたいっ!
ゆたかの柔肌を触りまくりたいし・舐めまくりたい・涎をだらだら流し込んでディープキスもしたい
舌も舐めまくりたい・髪を舐めたい・おっぱいを揉みしだきたい・乳首を吸いたい、舐めたい、甘く噛みたい
アナルに指をブチ込みたい・マン○に顔を埋めたい・具合わせしたい、それからそれから――
[スッー…]
泉先輩が呼吸している音が聞こえ私は我に返った
………私は何を考えていたんだ、何をやってるんだ…私は、、、

[…だから、みなみちゃんここに来ない?]
「……どういう…?」
[ゆーちゃんとはまだ保健室でチッスして添い寝しかしてないんでしょ?、、みなみちゃん溜まってるんじゃないの〜?]
「……………!」
…どこまでお見通しなんだこの人は……
[私らがアシストするから、さ]
ごくっ
思わず大きく息と唾を吸い込む
…ゆたかとヤれる………の?
もう後にも先にもこんな機会はないかもしれない
どうする?、どうしたらいい?!
179かりのじかん。2:みなみside 3:2009/08/01(土) 20:18:00 ID:zMP39XgU
〈〜Just beet it,beet it,beet it,beet it…〉
〈〜ヤバイことに巻き込まれる前にとっとと逃げな、早いとこ逃げちまえ…〉
そうこうしてる内に5曲目のBeet Itが流れていた事に気付いた
…確かにそうかもしれない、一時の感情に身を任せるなんて―…

《「んぁあああああ!!!もうガマンデキません!ユタカをイタダきますヨ!イイですか?イイですよネ?」》
――――!?!
パティ声と、ゆたかの呼吸音…?!
《Aaow!…Verrrrrrrrrrrrrrrry cuteッ!Verrrrrrrrrrrrrrrrrrry prettyーーーーーーッッ!!》
[あー…今パティが我慢仕切れずに強引にゆーちゃんにキスしたよ?、早くしないと―]
「……聞こえてます」
…ゆたかにキスをした?
私の、ゆたかにッ?!
私でさえ、強引にキスするだなんてまだやってないのにッッ?!?
そもそもゆたかの全裸なんてまだ見てないのにッ!?
がたっ!
思わず立ち上がった
…あっ、ヤバっ…
その拍子に棚から貯金箱が落ち、そして割れた
バキぃっ!

[…ばき?]
「………分かりました、行きます」
ぴっ…
携帯電話の電源を切る
……今の貯金箱ので、だいぶ落ち着いた
…うん、ゆたかは私の、だ
…私だけがゆたかにえっち出来るんだ
待ってて、ゆたか!、今日私が大人に―――……そういえばどうやって行こう、夜も遅いし…

「お任せ下さい、みなみさん」
ババババババババババ…
「…はい?」
窓を開けるとみゆきさんがヘリコプターに乗っていた
「これで行きましょう!」
「…えーと…」
……何でさっきまでの電話の内容を知っているんだろう…
「どこに降りるんですか…」
「パラシュートがあります」
そう言う問題かなぁ…
「乗りますか?」
「はい…!」
私はみゆきさんの手を取った、そして目指すのは泉先輩の家
バババババババババババババ…

―その時、脳内でのBGMはRock With Youが流れ始めていた
180kt:2009/08/01(土) 20:20:03 ID:zMP39XgU
ありがとうございました
ふっ、と続きを思い付いたのできょうきょ書いてみました
…何度も我慢してるんだもの、そりゃこうなるさ

マイケルのCDの話は恥ずかしながら実話です
白スーツ…Beat Itでのダイナミック入店…カッコよすぎる!
参考
Smooth Criminal/tp://www.youtube.com/watch?v=ex30DYwQlHU
Beat It/tp://www.youtube.com/watch?v=ZkGOiS75Lwk
Rock With You/tp://www.youtube.com/watch?v=7hK3Y1Ehv9c
181名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 20:52:37 ID:KVd3Kg6b
>>180
フいたwwww

つーか、みゆきさん!
あーた一体何やってんすかwwww

    (
 b(≡ω≡.)<GJ!
182名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 22:38:29 ID:uK6L95jd
破壊音はみなみがやったのかと思ったら。
死亡フラグは立たずにすんでるのかなw
183今日は何の日シリーズ8月2日編:2009/08/02(日) 12:58:32 ID:I3Wdl66B
こなた「水色と白の縞縞だよ」
かがみ「白よ。…なによ、文句ある?」
つかさ「えっと……水玉です」
みゆき「あの…ピンクのリボンつきです」
みなみ「……黒」
ゆたか「えっと、皆さんなんの話ですか?」
こなた「今穿いてるパンツについて語っていたとこだよ」
ゆたか「ええっ!」
みゆき「今日はパンツの日です。
下着メーカーの磯貝布帛工業(現在のイソカイ)が1984(昭和59)年に、自社ブランド『シルビー802』の商品名に因んで制定しました。
後に、トランクスメーカーのオグランも「パン(8)ツ(2)」の語呂合せでこの日を記念日としました。
女性が本命の男性にこっそりパンツをプレゼントする日です」
かがみ「で?ゆたかちゃんはどんなパンツを穿いてるのかしら?」
ゆたか「え…えっと……」
つかさ「ほらほら〜黙ってちゃわからないよ〜」
ゆたか「………て………です」
こなた「ん?」
ゆたか「穿いてないですっ!」
こなかがつかみゆ「Σ(゜Д゜)」
ゆたか「だって……みなみちゃんがパンツをプレゼントしたいから今日は穿かないで、って……」
みなみ「ゆたか、穿かせてあげるから、スカートを持ち上げて」
ゆたか「ううっ、恥ずかしいよぉ……見えちゃうよぉ……」
みなみ「……ゆたか」
ゆたか「な……なに?」
みなみ「つるつる」
こなかがつかみゆ「Σ(゜Д゜)」
ゆたか「う………うわ――――ん!!!」
184名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 14:02:33 ID:HOWWS07V
>>183
「柊ぃー、今日テレビ見ていたらパンツの日だと言ってたんで、書き込もうとしたら先に書かれていたよ。」
「まあ、皆考えていることだったてことね。」
「くー悔しいゼ。」
「まあ、落ち着いて。」
「悔しいから柊のパンツ頂戴。」
「何故だ!」
185名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 14:44:36 ID:inwMI351
>>183

便乗して小ネタ

ゆたか「うえーん、恥ずかしいよー><」
みなみ「ゆたか……」
ゆたか「えっ、なっ何っ、みなみちゃん……」
みなみ「つるつるは………………ジャスティス」クラッ,バターン
ゆたか「みなみちゃん!みなみちゃーん!!」
かがみ「あらあら、岩崎さんったら、気絶しちゃって」
こなた「まったく、この2人は初々しいね〜」
かがみ「でも、こなたもつるつるなのよねー」
こなた「何故それを知ってる!Σ(=д=.)」
かがみ「だから、私にも魅せなさーい!」
こなた「ちょっ、タンマ!いい加減に自重しっt、アァァー!!」




つかみゆ「そして私ら空気……」
186さすらいのらき☆すたファン:2009/08/02(日) 14:59:02 ID:I3Wdl66B
いつもお世話様になっております。
新作のSSを投下させていただきます。

タイトル:日替わり小ネタ集:らき☆すたde今日は何の日?:7月編
カップリング:多数
属性:エロなし、○○フェチ設定拝借
台本形式注意
http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0195.txt

今回は都合によりほとんどスレに投下できなかったため、未投下の小ネタがほとんどになります。
次回もちゃんと書けるといいのですが……
187名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 15:14:44 ID:WfWKqk+r
>>185
みゆき「でもつかささんもつるつるですよね(・∀・)ウフフフ」
つかさ「Σ(゚Д゚)」
188名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 15:21:44 ID:WfWKqk+r
>>186
そしていつもながら見事な何の日乙カレー(・∀・)9m

>ななことやまと
こうがアップを始めたようです

そして また ななこは ひとり
189名無しさん@ピンキー:2009/08/02(日) 20:12:04 ID:jQEqWu4O
>188
何か黒井先生からOOのアレルヤ的な物を感じないか?
1904-320 ◆oJsJ6TJSoY :2009/08/03(月) 16:24:24 ID:cbs77qHV
投下します。前回投下の続きです

☆欝です。今回も欝です
☆一部オタク的教養が要求されます
☆続き物……完結できる……見込み
191輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:24:51 ID:cbs77qHV
 広い教室。
誰も私に話しかけない、ひとりだけ。
笑い声。それが、自分への嘲笑に聞こえてしまう。
くすくす、くすくす、くすくす、くすくす
一人机に顔を埋め、寝たふりをする。
早く、授業が始まらないかな。
面白くないけれど、誰の視線も、声も気にしなくてすむ授業。
誰か、誰か私を……
192輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:25:23 ID:cbs77qHV
オレンジ色に染まる草原。
どこまでも伸びる、緑の海
何もさえぎるものなく続く草原は、オレンジ色の空と接する場所まで続いている。
怖かった。失う事に、一人ぼっちになる事に。
誰だって、いつかは私から離れてしまう。私は一人ぼっちになってしまう。
「いっそ、幸せな瞬間でずっと時が止められたらいいのにね」
そんな事はできない。時間を止める事なんて、できっこない。
「できるよ。ずっとずっと、幸せだけが続いてゆく、そんな時間」
193輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:26:08 ID:cbs77qHV
 最初の異変は、ネトゲーだった。
久々にアクセスしようとしてネトゲーを起動するも、私のアカウントが見当たらない。
いくらアカウントとパスワードを入力しても、弾かれる。
あれ? 消されるほど放置はしてなかったと思うんだけれどなぁ……
くそ〜、あそこまで育てるのに何十時間費やしたと。
運営への抗議は後にして、とりあえず仕方なしに新規にアカウントを作成し、in。
初期レベルと装備では行けるところも限られている。
う〜、どうしよっか。迷っていると、ふと見慣れたアカウントを発見。
あ、この人同じクランの人だ。

konakona:やふ〜 何故かいつものアカウントで入れないんだけれど、どうしてか知ってる?

同じクランの人を見つけられたのは幸運だった。
うまくいけば日ごろのよしみで余ってる強い武器をまわしてくれたりで、このレベルでも少しは遊べるかも。
でも、向こうから帰ってきた返事は予想外だった。
194輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:26:52 ID:cbs77qHV
yamanka:あれ、すみません、どなたですか?
konakona:え〜、いつも一緒に狩りしてたじゃん。覚えていないの?
yamanka:え、えっと、すみません。別の人と間違えていませんか?

え、ちょっと。どういうこと。
アカウントが完全に消えてるっぽいのもショックだったけれど、この人ってこんな喋り方する人だっけ?
まるで、初めて出会った人に話しかけるみたい。これじゃあ私が空気読めない初心者みたいじゃん。
クラメンとしてまだその域に達していないってことかい、ちょ。

yamanka:すみません、私これから約束があるんで……

そう言っていつも戦いをともにしてきた友は転移魔法の光に包まれる。
レベルが低いこっちは追いかけられる魔法もない。
というよりも、ショックで動けない。なんで? 私のこと、忘れちゃったの?
失意のままに私は、ログアウトをクリックした。
195輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:28:02 ID:cbs77qHV
「あ、お姉ちゃん〜」
廊下の向こうでぱたぱたと手を振っているゆーちゃん、その隣に立つ岩崎さん。
うん、我がいとこながらそのロリっぷりはすさまじい。
ちょっと背伸びしながらあまり気味の袖をパタパタさせて手を振っているところなんか、
もう今すぐ駆け寄ってぎゅっとしてしまいたいぐらいかわいい。
「ゆーちゃん、どうしたの?」
「あのね、あのね。今日家庭科でクッキー焼いたの。はい、おすそ分け」
「ありがと、ゆーちゃん。後でゆっくりいただくね」
親しげにゆーちゃんと話す私を、いぶかしげな表情で見る岩崎さん。
とくん、胸を強く打った、小さな不安。
「それじゃーね、ゆーちゃん、岩崎さん」
「ばいばーい、お姉ちゃん」
「さよなら……」
私を見る岩崎さんの視線が、不安そうに揺らいでいる。
廊下の角を曲がり、階段を下りて、息をつく。
誰も回りにいないことを確認して、押さえ込んだ不安をため息で押し流そうとする。
ぬぐいきれない不安。
そんな訳ないと思いつつも、小さな不安がいつまでも拭い去れなかった。
196輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:29:14 ID:cbs77qHV
小さいころ、出会ってしまった。あのゲームに。
一人ぼっちに飽きて、お父さんのCD-ROMからゲームを引っ張り出して遊んでいた。
そのゲームは、CD-ROMの中に埋もれていた。
何も失わない、ずっと続いていく世界。
母がいなかった私にとって、その世界はひどく魅力的に感じてしまった。
主人公を自分に重ねて、ある登場人物をお母さんに重ねて。
何度も、何度も繰り返した。
そして、願ってしまった。
作品の中の世界を。
何も失わない、ずっと続いていく世界を。
197輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:29:50 ID:cbs77qHV
クラスでの私に対する視線も、少しづつ変化していった。
私は社交的なほうではなかったけれど、それでもつかさやみゆきさんの友達ということで好意的には見られていた。
でも、その視線が、徐々に無関心へと変化してゆく。
「おーい、白石〜」
廊下で出会ったクラスメイト。
特に友達というほどではないけれど、お互い名前を知っている仲だったのに……
「あ、えーと……」
声をかけられた方は困惑の顔。
『誰だっけ、こいつ』と一生懸命に名前を思い出そうとする、そんな顔。
すっと心によぎった不安を、無理やり押しつぶす。
「先生が呼んでたよ。進路の事で相談があるって。職員室に来いってさ」
「あ、え、ええ。分かりました。行ってきます」
彼の妙によそよそしい態度。
気づかないふりをして席に戻る。
「お帰り〜、こなちゃん。どこ行ってたの?」
名前を呼ばれた事に、ほっと安堵する。
大丈夫。私の大切な親友はまだ覚えてくれている。
198輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:30:22 ID:cbs77qHV
帰り道。四人で一緒に歩く道。
話すのはクラスのちょっとした出来事だったり、最近出番も減ってきた脇役の動向だったり、
新しくできたクレープ屋さんに遊びに行く予定だったり。
アニメやマンガの中のような、世界を揺るがせることも、人の生き死ににもかかわらない、
ただ、毎日をゆるく生きていくだけの、そんなお喋り。
そんな一瞬のたわいもない話が、とっても名残惜しくて、とっても楽しかった。
199輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:31:08 ID:cbs77qHV
中学までは、家に帰るまでの時間なんてできるだけ短いほうがよかった。
ぼやぼやしてると5時からのアニメに出遅れちゃうし、
早く帰ればマンガだっていっぱい読める。
ううん、早く帰りたいのはそんな理由だけじゃなかった。
学校から、あの空間から、一刻も早く逃げ出したかった。
お母さんがいない、そんな些細なことがきっかけで始まったいじめ。
いつの間にか、そんなもともとの原因は忘れ去られてしまって、
クラスの中での自分の立ち位置として、ずっと私は暗い闇の中にいた。
時にはお父さんが学校に来ることもあった。
お父さんが先生に直談判して、先生が頭を下げて、翌朝のホームルームでお話があって、
でも、それでおしまい。
先生がいくら黒板の前でキレイゴトを並べたって、子供達の心は変わらない。
今までと変わらず、ううん、今までよりも激しくなったいじめが、私に降り注いだ。
200輝く季節へ:2009/08/03(月) 16:31:43 ID:cbs77qHV
「それでは、また明日……」
「じゃね、みゆき」
「ばいにー、ゆきちゃん」
糟壁駅、みゆきさんは私たちと反対行きのホームへ降りていく。
ここからみゆきさんの家まで約二時間。
七時までに帰るとなると、学校が終わってすぐ、五時にはこっちを出なくちゃいけない。
みゆきさんと遊びたい、みゆきさんともっとお話したい。
色々言いたいことがあるのに、私は何も言えずにみゆきさんの背中を見送る。
「ほら、こなた。何そんなに寂しそうな顔してるのよ」
かがみの言葉ではっと我に返る。
「今日で永遠の別れってわけじゃないでしょ。ほら、みゆきが待ってるよ」
みゆきさんは心配そうな表情でこっちを見ている。
心配させちゃったね、私。
「みゆきさーん、バイバイ。また明日」
さっきまでの寂しさを吹き飛ばすように大きく手を振った。
みゆきさんは心配そうな表情を崩して、手を振りながら階段を下りていった。
バイバイ、また明日……
「ほーら、こなた。こっちももうすぐ電車来るわよ」
そうだ、つかさとかがみは、まだ時間がある。
別れる糖武動物公園までの、わずかな時間。
つかさとかがみと私、三人で過ごす大切な時間。
乗換駅までのたった五分が、一瞬に感じる。
その時間を精一杯惜しむように、私たちはお喋りに興じる。
他の人から見れば、どうでもいい、他愛もない話。
でもその時間が、この上なく幸せだった。
『まもなく、糖武動物公園、糖武動物公園です。日光線方面はお乗換えです』
別れを告げるアナウンス。
「それじゃ、かがみ、つかさ、また」
ぴょん、とホームに降り立つ。
ここから家までは一人きり。
ここでつかさとかがみともバイバイだ。
「こなた!!」
向こうのホームへと駆け出した足を止める、かがみの声。
振り返る。
「また、明日ね」
ドアが閉まる一瞬前のかがみの声。
ちょっとだけ寂しそうな顔を浮かべたかがみを乗せて、電車は走り去る。
大丈夫、明日会える。
別れ際のかがみの姿を思い出しながら、家へと向かう列車に乗り継いだ。
2014-320 ◆oJsJ6TJSoY :2009/08/03(月) 16:33:44 ID:cbs77qHV
以上です。

元ネタ分かる人はオタク歴長い人かと
ただネタバレ厳禁で!!
間隔開いてすみません。まだ続きます
202名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 20:11:01 ID:iuiOEeQF
乙。
タイトル見れば一発でわかりますがな。懐かしいなあ。
203名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 02:46:13 ID:Zjs0usd0
これはまた古いものを。
導入の独特な文体は今も余り変わっていないので、鋭い人なら気づくかもですねw

乙です〜
続き楽しみにしてますよ。
あ、後、今更1も乙しときますね^^
204名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 12:52:32 ID:PlMz0vSP
えいえんは、あるよ、

ここに、あるよ────
205名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 22:16:54 ID:f6o9mP/v
空気を読まず小ネタ投入

「かがみぃ、今日暑いからこっちで勉強会しようよ。」
「そう、あんたが来るからスク水着て待ってたのに残念ねえ。」
「…やっぱり、行く。」
206名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 23:07:17 ID:3266qRQE
行ってみるとスク水を着ていたのはみきさん
「私が着るとは言ってないわよ」
207名無しさん@ピンキー:2009/08/06(木) 23:09:08 ID:wpfJHbxH
つまりスク水親子丼ですね
208名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 00:30:31 ID:0nPbVNxK
こなたがスク水を着てかがみを釣る方がしっくり来ると思うんだ
209名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 00:48:49 ID:Nh2xpbOl
こなたと柊ツインズでトリプルスク水

そこへみきさんといのりまつりも加わってスク水戦隊w
210名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 00:59:59 ID:6+Dz42ro
そこにみゆきもくわわって

5人そろって、スク水戦隊スクミンジャーですね、わかります
211名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 02:01:08 ID:YJcM1CWL
みきさんのスク水・・・どう見てもご褒美です。ありがとうございました

「まあ四人も産んでりゃユルユルだよね〜(=ω=.)」
「こなたちゃん、ちょっとこっちへいらっしゃい・・・」

「アッーーーーーーーーーーーーー!?」
212名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 07:21:50 ID:KYGEjtpz
一方その頃
ゆかり「みゆき〜これどうかしら?」
みゆき「ちょ!?お母さんスク水なんてさすがに無理があるのでは…」
213名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 10:38:16 ID:x7IMMmZH
一方、泉家…


そうじろう「うはwww今ここにwwwww最w愛wのw妻w華w麗wにw降w臨wwwwww」
かなた「お盆の時期も近いんで降りて来て見れば…
そう君に泣いて頼まれて着せられて…
しかしこの歳でスク水が違和感ない私って…
ちょ…そう君…鼻血出しながら心霊カメラ回すのやめてえぇぇ!」
214名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 12:35:45 ID:zfent2bJ
>>213
毎年お盆は阿鼻叫喚狂喜乱舞欣喜雀躍。
215名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 14:29:55 ID:NHRyo3b3
>>208
ということはこういうことか


「かがみぃ、今日暑いからこっちで勉強会しようよ。」
「いやよ。私の宿題写す気ならそっちが来い」
「ちぇ。せっかく今スク水着てるのに、着替えなきゃだめか……」
「……やっぱり、行く。そのままの恰好で待ってなさいよ!いいわね!?」

行ってみるとスク水を着ていたのは
「おいこなた」
「ハイナンデショウ」
「あんたがスク水を着てるのはいい。むしろGJだ。だがしかし……
お じ さ ん まで 女 子 用 の スク水を着ているとは ど う い う こ と だ 」
「いや、これはその……お父さんも着てみたいって……」
 かがみが汚らしいものを見る目でそうじろうを見る。
「い、いや違うんだかがみちゃん。俺は変態じゃない、仮に変態だとしても、
変態という名の紳士dァアッーー!!」

 かがみの強烈な蹴りが決まった。
216名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 15:36:03 ID:k9T5oAsw
>>214
かなた「一昨年は体操服、去年はセーラー服、そして今年はスク水…」
こなた「お父さん、涙流して喜びながら写真撮ってたもんねぇ…」
かなた「そうそう、って、こな…た!?」
こなた「その後のお父さん凄かったねー。お母さんの身体中を真っ白に染めるわ、お母さんも『ああっ、そうくん…出ちゃう!』って
叫んでおもらししてスカート汚すわ『それ何でエロゲ?』って思ったもん」
かなた「…見た、のね?」
こなた「うん、最初から最後までばっちりと」


かなた「いやー!」
こなた「あーあ、もの凄い勢いで飛んで行っちゃった…」
217名無しさん@ピンキー:2009/08/07(金) 17:53:49 ID:Iq1SDX6Q
そうじろう「で、この娘がその時にできた妹のそなただ。天使と人間とのハーフだぞ!」
こなた「!!な、なんですと!!」
「はじめましておねえちゃん!」
21826-598:2009/08/08(土) 14:35:08 ID:qNhrzm3I
突発小ネタ

「ねえこなた、あんた大学に入ってから輪をかけてダラダラしてないか?」
「ソンナコトナイデスヨ?」
「いや、あるだろ。あんた講義ない時いっつもゲームしてるっぽいし…。体育は前期の必修に入ってなかったわよね?」
「うん、まあ…」
「体を動かす機会もないのね…身体能力落ちるし、健康に悪いわよ?」
「い、いやでも、コミケで回復できるし!あ、それに私ってアミノ式の運動全部できるよ!?」
「ああ、そんなネタもあったわねえ…」
「ネタじゃないよーーー!?信じていないなら見せてしんぜよう!」
「あんた最近運動してないんだろ?大丈夫か?」
「だいじょぶだいじょぶ。…いっくよ〜♪ねんしょ〜け〜、ねんしょ〜け〜、あ〜みの…ってうわあ!?」
「ちょ、いきなり転んでるじゃない!こなた大丈夫!?」
「いたたた…。ば、馬鹿な、何故…」
「いや、あんたが運動不足で体がついていかなかっただけだろ」
「う、うわ〜ん、私の特技が〜」
「はいはい、とにかく無理をしないようにちょこちょこ運動しなさいよ?」
「うう〜…」

そして数日後。

「というわけでかがみん、リベンジに来たよ!」
「何がというわけなのかは知らんが、またアミノ式をやるつもりなのか?」
「いやいや、あれは既に過去の遺産…。今日は新しいやつだよ」
「ふ〜ん。まあどうでもいいけど、怪我はしないようにしなさいよ」
「ふっふっふ、そんなことを言っていられるのも今のうちだよ〜」
「?」

「いっくよ〜♪はい!噛むんとふにゃんふにゃん、にゃんにゃにゃん、ふにゃん♪」
「(これは…ロッテのガムのCMだっけ?アミノ式に比べるとえらく難易度落ちたな…)」
「噛むんとふにゃんふにゃん、にゃんにゃにゃん♪」
「(あ、あれ?何この気持ち…。こなたを見てると何だか…)」
「噛む〜とやわらか」
「(こなた…可愛い)」
「ロッテのフィッツ!」
「(はうう…。こなた可愛いよこなた)」

「どう、完璧でしょ?さあお次は、かっがみ〜♪」
「(はっ、こなたが私を呼んで…いや、求めている!?そうと分かれば…)こ〜なた〜♪」
「にゃっ!?ち、違うよかがみ!名前を呼ばれたら今度はかがみが踊るってこと…うにゃあああああああああ!?」
この後ベッドの上で約3時間の間、こなたとかがみは『運動』しました。
これでこなたの運動不足は解消されたそうです。
219名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 14:37:19 ID:qNhrzm3I
すみません、コテついたままでした…orz
お目汚し失礼しました
220名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 15:00:03 ID:Qo4MrHIG
それこそ、熱い愛で燃焼系ってかwwww
うにゃああああひさしぶりwwwww
22154-290:2009/08/08(土) 20:53:53 ID:MMSTnkuY
皆様お久しぶりですこんばんちは。
ご無沙汰な54-290です。

携帯からですが投下させていただきます。

こなしゃるDシリーズの最新作でござります。


・クルマネタ、興味ないかたは面白くないかも
・コメディ系、だいたいは非エロ
・シートベルトをしめましょう。走行シーンを公道で真似しないで(ry
・リクエストはどうしたんやゴルァな方はもう少しお待ちを・・・

http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0196.txt
22254-290:2009/08/08(土) 21:26:56 ID:MMSTnkuY
連投失礼します、 54-290です。
投下にあたってWAWA忘れ物をしました
こなしゃるDの影の主役、EK4を投下します。下手な絵ですが・・・
(こなたはハノレヒ好きと設定してあります)

http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0197.jpg
223名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 22:54:06 ID:mYhdCixA
>>221-222
お久しぶりです!
こなDの続きが読めて感動です。
なるほど、今度の対戦相手は彼女でしたか。
まあ、走行会の場面で出てきた彼のことを考えればいつか出てくるんじゃないかとは思ってましたがw
ふたりの性格の違いが見事に出ていて、とても楽しめました!
GJ!
224名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 23:18:07 ID:Qo4MrHIG
>>222
待ってました!此文字!たのしみにしておった!
ある種常識を突き抜けてた前回に比べ、
今回は結構まじめに展開してましたね。
模範的に徹しリミット外しどころも計算内のこなたといい、
ステップアップに申し分ないライバルといいw
出番なしとかいっておきながら、影ながらではあるけど
最初から十分活躍しておったみゆきさんといいw

欲を言えば、もうちょっとブットンで欲しかった、ってとこでしょうかw
かがみさんが本領を発揮してないしw
それとも、”次のための温存”でしょうかwwww
白石のモードチェンジ振りには吹かせていただいたけどw

いずれにせよGJ!そして続編期待してますw
225名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 21:36:43 ID:DBW3mljU
>>221
ちょんまげってwwwwNSX-R GTかよwwww

お馴染みの筑波だからレース展開がよくわかった
226名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 22:44:42 ID:VtG++4E3
コース2000はCARトップとかホリデーオートとかOPTIONなんかじゃ定番中の定番だしね。
227名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 22:52:03 ID:sLvNY6Wb
準備されていらっしゃる方がおられなければ投下したいと思います。
228さすらいのらき☆すたファン:2009/08/09(日) 22:56:19 ID:sLvNY6Wb
タイトル:1レスSS:ハグの日
カップリング:みなみ&ゆたか
属性:エロなし
2レス使用予定
2291レスSS:ハグの日1/2:2009/08/09(日) 22:57:13 ID:sLvNY6Wb
「ゆたか……」
「みなみちゃん……」
私の腕から伝わってくるのは、ゆたかの体温……
誰もいないこの家で、私達は抱き合っていた。
私の両手はゆたかの背中に回されていて、彼女の身体を引き寄せていた。
ゆたかの腕も私の背中に回されていて、背が低い彼女の身体は私の腕の中に納まっていた。
小さいけど優しい温かさが私の心を満たして、ゆたかを愛しく思う気持ちで心がいっぱいになっていく。
「……みなみ…ちゃん」
主人に甘える猫のようにすりすりと、ゆたかは私に頬を擦り付けていた。
私もゆたかの頭に手を置き、いいこいいこをするように優しくなでてあげた。
「きゅふっ」
ゆたかは擽ったそうな声をあげ、ますます強く私の胸に自分の身体を押し付けてきた。
こんなとき、自分の平らな胸が少し恨めしくなる……
みゆきさんだったら、聖母のようなやわらかさと温かさで愛する人を包んであげられるんだろうな……
「えへへ」
「ゆたか?」
「あったかいよ……みなみちゃん」
うっとりとした声で私の名前を呼ぶゆたか。
「みなみちゃんの心臓の音が聴こえる……トクン……トクン……って。なんだかすごく嬉しい。私が世界で一番安心できる音だよ」
「ゆたか……」
「あ……ちょっとはやくなったかな?ふふっ」
「赤ちゃんは生まれる前、お母さんの心臓の音を子守唄にしてるから、抱くときは自分の心臓の位置に赤ちゃんの頭がくるようにすると安心する、って言うね」
「それって、私が赤ちゃんみたいってこと?」
上目遣いで私をにらみながら拗ねたような声で抗議の声をあげるゆたかは、どう控えめに言っても可愛かった。
「うん。こうやってゆたかを抱いているとね、いつまでも守ってあげたいって、気持ちになるの。私だけが、ゆたかを守れる人でありたい

って、思うの」
「みなみちゃん……」
「好きだよ……ゆたか……私は、ゆたかの王子様になりたい」
「みなみちゃんは……もう、私の王子様だよ」
「じゃあゆたかはお姫様だね」
2301レスSS:ハグの日2/2:2009/08/09(日) 22:58:17 ID:sLvNY6Wb
私はゆたかの頭を左腕で抱き寄せた。
するとジャンプーの匂いだろうか。
ゆたかの髪からするいい匂いが私の鼻腔をくすぐった。
「ゆたか……いいにおい……」
「み、みなみ…ちゃん?」
私はゆたかの髪を手に取り、そっと顔に近づけた。
「ゆたかの髪……はぁ……」
「みなみちゃん……はずかしいよぉ」
ゆたかは恥ずかしそうに頬を染めると、胸に顔を埋めてしまう。
その仕草がなんとも可愛らしく、さらにからかいたくなってしまう。だが、
「みなみちゃんも……いい匂い…」
「え……」
気がつくとゆたかは私の胸もとでうっとりとした表情をしていた。
「ミルクみたいな……甘い匂いがするよ……」
「っ/////」
思わぬ反撃を受けてしまい言葉につまってしまう。
「えへへ、お返しだよ。みなみちゃん」
「もう……」
「えへへ。……でも、本当に……いい匂い……」
「ゆたか」
「みなみちゃん」
「ゆたか……」
「みなみちゃん……」
「…………」
「…………」
互いを名を呼び合う声が部屋を満たし、やがてそれもすらもなくなり静寂が部屋を支配する。
私とゆたかの間に、もはや言葉は必要なくなっていた。
聴こえるのは互いの鼓動だけのこの世界で、私達はお互いの体温を感じあい、鼓動をBGMにして二人の絆を感じあう。
二人のためだけに存在する二人だけの世界で、私達は幸せな時間をこころゆくまで楽しむのだった。
今日はハグの日。
人と人とのつながりを育むハグ(Hug=抱きしめる)。
大切な人に大切であることを伝えるハグ。
人を信じ、勇気を与えてくれるハグを多くの人に理解してもらおうと、広島県広島市の「89(ハグ)の会」の有志が制定した日。
日付は8と9で「ハグ」と読む語呂合わせから。
私とゆたかは、お互いの愛と、勇気と、希望を与え合い、互いを必要としながら生きていく。
今までも……そしてこれからも……
231さすらいのらき☆すたファン:2009/08/09(日) 23:00:41 ID:sLvNY6Wb
以上です。
定番のカップリングで甘甘設定です。
なんというか、ゆたかって体温高そうなイメージありませんか?
抱きしめたら暖かそーな……
232名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 23:37:05 ID:rJEm7c73
くおおー!なんと言うかカルピスの原液をそのまま飲んでいるかの様な濃い甘さ(何のこっちゃ)!いちゃラブGJ!…自分もこういう優しい文章を書いてみたいものです…
233名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 00:38:54 ID:DAZKXonn
>>231
暖かいかどうか確かめる必要があるから連れてきてください(*´Д`)。
234今日は何の日シリーズ8月10日編:2009/08/10(月) 21:08:23 ID:a5oGieA6
みゆき「今日はバイトの日です。
学生を中心にアルバイトを通して、
インターシップのように社会経験を積むアルバイターン事業などを行っているジョイブ株式会社が制定し
た日です。
日付けは夏休み中であることと、8.10をバイトと読む語呂合わせから。
7月14日、求人広告の日の続きです。泉さん、かがみさん、メイド服に着替えられましたか?」
こなた「ぅぅ……」
かがみ「みゆき……もう少し、その、肌を隠す服のほうが……」
みゆき「では拘束具をつけましょうか。多少は肌が隠れると思いますよ」
かがみ「謹んでえんr」
みゆき「では早速夜伽の相手をしていただきましょうか」
こな・かが「Σ(゜Д゜)」
みゆき「たっぷりと躾けてあげますね……」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
こな・かが「アッ―――――――――!!!」
235名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 21:22:16 ID:DAZKXonn
『みゅきしゃん、しょれはバイブらょぉおおおお!』
『いいえ、バイトです』ぐりぐり
236何の日シリーズ作者:2009/08/10(月) 21:38:56 ID:a5oGieA6
>>235
おお…その展開は考えてなかった……
ぜひ使用許可を!
237名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 04:25:02 ID:mb51Z4RS
バイトでぐりぐりだなんて……痛そうだな……
238235許可です:2009/08/11(火) 10:14:08 ID:NToPSUlS
バイトとバイブをかけたと思ったのですが、本気でw
239名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 22:56:15 ID:LyQOKLfJ
旋盤でぐりぐり回しながらバイトで削るわけですね?
240名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 00:31:26 ID:aHgN0MJJ
うーわ、スプラッターw
241名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 02:19:54 ID:QZ7GzBou
>>237>>239>>240
どうしてこーなった、どうしてこーなーた♪
242名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 02:42:49 ID:UORq5cWX
やっぱり人生\(=ω=.)/コーナッタ



すまん…マジで……
243名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 23:51:09 ID:Jn899/A0
小ネタ、悪ふざけ注意

夏の怖い話「ベットの下の変た(r」

「はい柊です、珍しいわね、あんたから電話するなんて。」
「かがみ、私のベットの下に誰か隠れているようで、怖いよ。」
「大丈夫よ、あんたのベットの下にいるのは私だから。」
244名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 01:29:41 ID:S4XZjlyS
なんだ……
ただの夏の風物詩か……
よくあること事だよ……




こなた「って、そこで何してんのー!!」
24554-290:2009/08/13(木) 01:47:46 ID:Hlm7zxdF
皆様こんばんは。 54-290です。
>>243『もしもし、私かがみ。今こなたのベッドの下に、ツーツーツーツー』


携帯からですが投下させていただきます。

こなしゃるDシリーズの最新作でござります。
今回は少し時間軸を戻して、外伝的なお話を・・・。

・クルマネタ、興味ないかたは面白くないかも
・コメディ系、だいたいは非エロ
・シートベルトをしめましょう。走行シーンを公道で真似しないで(ry
・作中のプログラム言語はテキトーですw間違ってても知りません

http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0198.txt
246名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 01:55:34 ID:zBnRSeB9
>>245
みゆきさんが力学の計算をするあたりでキャプテン・スローを連想したのは俺だけでいい
247名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 05:33:04 ID:Hlm7zxdF
>>246

>キャプテンスロー
よく知らないで書くとこんな具合ですか

『き、今日はあのブガッティ・ヴェイロンの試乗に来ているわけでですがががななんで私が助手席に乗っている必要性ががが』
『いやぁレーシングドライバーの役得役得w』
『市販車では空前の1001馬力をW116気筒クワッド(4基)ターボから発生するこのマシンはフォルクスワーゲン傘下の新生ブガッティ初の市販車で最高時速は実に407キロ、ギネス記録では414.3キロって』
(クァアアアアアアアアアア!)
『うひゃwwwホントに400キロ出たよwww』
『いゃああアアアアア!』
『せっかく1001馬力もあるんだから、こっからドリフトしてみ』
『やぁめぇてぇえええええ!!』
『よっかな・・・!みゆきさん見てみて!今時速360kmでドリフトしてるよ!』
『・・・(白目)』
248名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 17:24:45 ID:F85iYTpy
414km/hというのは、アルティメットエアロtt(6.3ℓV8ツインターボ1183ps、151.3kgm)の記録ですね。
わかります。
249名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 23:47:14 ID:Cl8TnU/P
>>247
何の動画見たかなんとなくわかった気がする
250名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 09:11:35 ID:z9C9pjen
連載が止まってしまっている作品が多々ありますね……

作者さんたちがまた書き始めてくれるのをずっと待ってますカラ……
251名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 10:40:49 ID:roCF7+Pu
今書いてますよ
いつになるか分かりませんがね……
252名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 23:58:54 ID:s0eeh8VF
準備していらっしゃる方がおられなければ投下したいと思います。
253さすらいのらき☆すたファン:2009/08/16(日) 00:03:09 ID:s0eeh8VF
タイトル:Imitation-Love 第二話
カップリング:みき×こなた
属性:エロ有り
その他:ダーク注意・強姦要素あり
8レス使用予定
254Imitation-Love 第二話 1/8:2009/08/16(日) 00:04:37 ID:s0eeh8VF
かがみは怒っていた。
理由はわからない。
でもとにかく、かがみは怒っていた。
私はかがみが怒った顔なんて見慣れている。
宿題写させて〜とお願いしたとき。
約束の待ち合わせの時間に遅れたとき。
アニメやゲームの濃い目のネタを持ち出したとき。etc……
だけど、今日の怒りかたはそのどれともちがう。
心の底から怒っていた気がする。
それも、私に対して……
一体私の何がかがみを怒らせてしまったのか…
どうしてかがみは不快な気分になってしまったのか…
わからない…わからない。わからない!
そして、私は悲しかった。
かがみを怒らせてしまったことが悲しかった。
かがみに嫌われてしまったかもしれないと思うと悲しかった。
大好きなかがみに嫌われてしまったかもしれないと思うと……悲しかった………



「……ん……」
目が覚めて一番に目にはいったのは、見慣れた私の部屋の天井だった。
自分が自分の部屋のベッドに寝転んでいるということはとりあえずわかったが、どうして自分がベッドで寝ているのかがわからない。
ベッドに寝転ぶ前の記憶がない。
たしか私はリビングで……
「こなたちゃん、お目覚めかしら?」
名前を呼ばれてハッとすると、みきさんが椅子に座って私を見ていた。
「みきさん?私は…どうして……」
がちゃっ
ベッドから身体を起こそうとすると、金属が触れ合うような音がして起き上がることはできなかった。
「え?ええ?」
手足を動かそうとするが、がちゃがちゃと音がするだけで一向に身体が自由にならない。
「ごめんね、こなたちゃん。ちょっと、逃げられないようにさせてもらったわ」
みきさんは手に持った手錠をがちゃがちゃと弄びながら言った。
私の両手はばんざいをするような格好でベッドに固定されていて、両足もそれぞれベッドの両端につながれていた。
「みきさん?一体…何のつもりですか?」
みきさんは、くすっ、と妖しい笑みをうかべて椅子から立ち上がり、ベッドに近づいてきた。
「……っ」
その一連の動きに一瞬身の危険を感じたが、両手足の戒めが逃げる事を許さなかった。
みきさんはベッドにこしかけ、
「こなたちゃん……かわいいわ……」
人差し指で、つうっ、と私の顎をなぞった。
255Imitation-Love 第二話 2/8:2009/08/16(日) 00:06:21 ID:s0eeh8VF
「はぁ……かわいい……はあっ」
みきさんの瞳は欲情で潤んでいた。
吐息も、私に触れる指も、次第に熱を帯びていく。
「ねぇ……こなたちゃん、私ね……もう我慢できないの」
みきさんはベッドにあがり、添い寝をするように私の隣に寝転んだ。
「ちょっと……みきさん?!」
とまどう私を無視してみきさんは私の首筋に顔を埋めた。
「いや!やめて…みきさんっ!」
私は首を振ってみきさんから逃れようとするが、手錠が邪魔になって思うように動くことができない。
「ちゅ……ん」
「ふぁ!……やっ……や…め…」
みきさんの唇が私の首筋にふれ、思わず声がでてしまう。
「ちゅ……ふ……ん……ちゅっ」
みきさんに優しくキスされたり舌先でチロチロとなめられたりすると、首筋からもどかしいようなくすぐったいような感覚が全身に広がっていく。
「ふ……ん……やぁ……」
「ん……ちょっと、しょっぱいかな」
みきさんはようやく顔を上げて私を見下ろして微笑んだ。
「こなたちゃんの味……」
ペロッと舌をだすみきさんの姿は、妖艶という言葉がこの上なく似合っていた。
「みきさん……どうして…こんなこと……」
「ふふっ……私ね、ずっと……こなたちゃんのことが好きだったの」
「え?」
突然の告白に私の目は大きく見開かれた。
「ずっと、好きだったわ……つかさが初めて家に連れてきたその日から……数十年忘れていたときめきを呼び起こされたみたいだった……」
両手で私の頬をやさしく包み、正面から目を合わせてみきさんは告白を続けていく。
「好きよ。こなたちゃん」
私は少しの間、みきさんと目を合わせたまま固まってしまった。
けど、みきさんには悪いけど、その思いは受け入れられない。
「………ごめんなさい」
みきさんの目を見ながら私ははっきりと言った。
「私は……かがみのことが……」
「好きなのね」
私の言葉にかぶさるようにして発せられたみきさんの言葉には、どこかあきらめというか、達観したような響きがあった。
「知ってたわ、こなたちゃんがかがみを好きな事くらい。かがみを見るときの視線は、恋する乙女そのだったから……」
好きな人のことだからね、と、みきさんは力なく笑ってみせた。
「でもね……だからって諦められるほど、私は器用じゃないの」
みきさんの雰囲気が急に変わった気がした。
「こなたちゃんが欲しくて、私はこの姿を手に入れたの。そのために、それなりのリスクも冒したわ……今更後には引けないのよ」
みきさんはゆっくりと着ているものを脱ぎ始めた。
256Imitation-Love 第二話 3/8:2009/08/16(日) 00:09:08 ID:edIzi4RO
「こなたちゃん……あなたは私のものよ。心も…身体も…すべて私のものになってもらうわ」
下着姿になったところで、みきさんの手が私の服にのびる。
「どんな方法を使ってでも……ね」
「……っ!!」
みきさんの手が私の服のボタンをはずしていく。
「いや!やめて!助けて!お父さん!!ゆーちゃん!!」
「無駄よ。夕食に睡眠薬をいれたからね」
「!」
思い出した!
家に泊まる事になったみきさんは、ただ泊めてもらうだけでは悪いから、食事くらい作らせてほしいと申し出た。
みきさんの作る料理は私の知らない優しい味がした。
きっと、これがお母さんのあじなんだろうなって思った。
ところが、食事が終わった直後、私は強烈な睡魔に襲われて………そのあとの記憶がない。
「こなたちゃんの食事に入れた睡眠薬は量を減らしておいたけど、そうじろうさんとゆたかちゃんの食事にはかなりの量を入れておいたわ。こなたちゃんがどんなに大声を出しても朝までは起きないでしょうね」
「そんな……」
絶望で頭がクラクラした。
「だから……ね、こなたちゃん」
みきさんはやけに優しい声で囁きながら、ゆっくりとパジャマの上着をはだけさせた。
「大人しく、私のものになって」
「っ!」
みきさんの手が下着越しに私の胸に触れた。
「っ……く……」
やわやわと、やさしくゆっくりと、私の乳房を弄んでいく。
「うふふ……やわらかい……」
「いや…くぅ……」
「乳首は…この辺りかしら……」
言いながらみきさんは、ブラの中心辺りに小さな円を描くように指を這わせた。
「っ……ぅぅ……」
「くすっ、当たりね」
ブラの布地には、小さく膨らんだ突起がはっきりと見えていた。
「うれしわ…こなたちゃん、感じてくれてるのね」
みきさんはうっとりとした表情で囁きながら私の乳首を弄り続けた。
「ん……くぅ……感じてなんて、ない」
「いいえ、こなたちゃんは感じてるわ。女の子がエッチな気分になると、乳首が勃ってきちゃうことくらい知ってるでしょ?」
「ぅぅ……」
私が反論できないことに気をよくしたみきさんは私の背中に手をのばし、ブラをはずしてしまった。
未成熟な胸がみきさんの視線に晒される。
「はぁ……こなたちゃんのおっぱい……すごくかわいいわ……」
「いやっ……見ないでよぉ」
ベッドに手錠でつながれた私にはみきさんの視線を阻む術はなく、ただただ悔しさと羞恥で身体を震わせることしかできなかった。
257Imitation-Love 第二話 4/8:2009/08/16(日) 00:11:30 ID:edIzi4RO
みきさんはそんな私の気持ちなどおかまいなしに私の胸を嬉しそうに、弄ったりしゃぶったりを繰り返している。
「んくっ……んんっ……ふ…くぅっ」
「声…我慢しなくていいのに……こなたちゃんのエッチな声、聞かせてよ」
「……うるさい」
年長者に対してこれほど失礼な言葉を遣ったのは初めてだろう。
今はただ、私の身体を自由にするこの人が、強制的に快感を押し付けてくるこの女が……憎くて憎くてしかたがなかった。
やがて胸の感触を存分に楽しんだみきさんはパジャマのズボンを脱がし始めた。
ぶん殴ってでもやめさせたかったが、両手につけられた鎖の戒めがそれを許さなかった。
そのままショーツも脱がされて、まだ誰にも見せたことのない、女の子の大事な部分が露になる。
「きれいだわ……こなたちゃんの……あそこ」
みきさんの手がゆっくりと私の股間へとのびていく。
「やめて!!!」
思わず私は大声で叫んだ。
突然の大声に驚いたみきさんは一瞬手を止めるが、すぐに気を取り直して私のあそこを弄りはじめた。
「…っ……っ!!」
(初めては……かがみにしてほしいって、ずっと……思ってたのにぃっ!!)
私は涙で濡れて怒りに満ちた瞳でみきさんを睨みつけた。
だがみきさんは私の女の子の部分に夢中で私の視線に気がつかない。
「♪」
あそこを弄っていたみきさんの表情がだんだん上機嫌になっていく。
私のあそこが微かに濡れている事に気がついたからだろう。
こんなにもひどい事をされているのに、私の幼い身体は感じていた。
かがみ以外の人に……好きでもない人にこんな事をされて感じてしまう自分の身体が恨めしかった。
せめてもの抵抗として私は喘ぎ声を必死に抑え、拒否の態度を貫いた。
「―――――っ!」
「ふふっ、我慢しているこなたちゃんも可愛いわ。でも、もう少し素直に感じてほしいのだけど……」
「絶対に……嫌!」
「どうしてよ。私の指、気持ちいいでしょ?」
「気持ちよくなんて…ないもん……はっきり言って、気持ち悪いよ。みきさんの指。後でお風呂行ってよく洗わないとだネ」
自分の口からでた悪意に満ちた言葉に少なからず驚くが、それでもみきさんはまったく動じない。
「くすくす…こなたちゃんって、よくかがみのことをツンデレって言ってからかってるけど、本当はこなたちゃんのほうがツンデレなんじゃないかな」
「………どういう、意味?」
「だって、下のおクチはとっても素直に気持ちいいって言ってるわ」
みきさんの執拗な愛撫のせいで、私の身体はすっかり発情してしまっていた。
乳首は触れられてもいないのにツンと尖り、あそこからはトロトロと愛液が溢れてしまっている。
「そろそろイキそうなのもわかってるわよ。クリトリスがぷっくりしてきて、おまんこがヒクヒクしてるわ」
みきさんの指摘の通り、このまま攻め続けられれば私は大した時間をかけずに絶頂を迎えてしまうだろう。
258Imitation-Love 第二話 5/8:2009/08/16(日) 00:13:25 ID:edIzi4RO
みきさんの愛撫は自分でオナニーするよりも何倍も気持ちよく、先ほどの私の言葉も単なる強がりでしかなかった。
「だから…ね、こなたちゃん。観念して、素直になりましょう」
妖艶な笑みをうかべてみきさんは囁く。
「私のことを好きって言ってくれれば、すぐにでもイカせてあげる」
みきさんの指の動きが焦らすようなゆっくりとしたものに変わった。
私の身体を苛み続けていた快感は物足りなさを含んだむず痒いものとなり、それは強い誘惑となって私の心に襲いかかった。
「ぅ……ん……は…ぁっ」
「ほら…好きって、言ってごらん」
「……………………い」
「うん?よく聞こえなかったけど……」
「あんたなんて大っ嫌い!!こんなことして好かれるとでも思ってんの?頭おかしいんじゃないの?!身体が若返ったついでに脳みそまでちっちゃくなったみたいだね。好きだなんて、死んでも言うもうかぁっ!!!」
思いつく限りの罵詈雑言を目の前の女に浴びせかける。
ここまで言われて、ようやくみきさんの表情が変わった。
ままで優しさを帯びていた雰囲気はハンターのそれへと変化し、鋭い眼光が私を射抜いた。
「そう……なら仕方がないわね」
女の子の部分を弄っていた指の動きが一瞬ピタリと止まった。
だがすぐに、荒々しく激しいものへと変貌した。
「力ずくでイカせてあげるわ!」
「ふぁっ!ああっ……あああっ!!」
私のあそこがぐちゅぐちゅと卑猥な音をたてる。
今までの愛撫を遥かに上回る快感が私の身体を駆け巡った。
「ほら、イっちゃいなさいよ!我慢しても無駄よ。イクまで続けるからね」
みきさんは片方の手で割れ目を押し開いてクリトリスを弄り、もう片方の指をおまんこに突き立てて出したり入れたりしている。
「ふぁっ!は…んくっ……ぅ……はあっ!ああっ!」
絶望的なまでの快感に、意識も自我も持っていかれそうになる。
行ってはいけない方向へぐいぐい引っ張られていくような感覚に陥ってしまう。
「んあっ!……はぁ、はぁ…あうっ!くぅ〜」
「……!ここね」
とうとうみきさんは私のGスポットを見つけ出し、重点的に攻め始めた。
「んああっ!やぁ…だめ…っ……そこ…はぁ……」
未知な世界の快楽の前に屈服しそうになる。
このままなにもかも忘れて流されてしまいたい……
そんな思いが頭をよぎる。
だけど………
「っ!や……かがみぃ……くぅっ……かが…みぃ」
イキたくない……イクわけにはいかない……
かがみ以外の人に絶頂を与えられるなんて、絶対に嫌だ。
イクことを断固として拒否する!
「かがみ……かがみ……っ……かがみぃ」
かがみのことを想うと、この悪魔のような快感が薄らいでいくように感じる。
259Imitation-Love 第二話 6/8:2009/08/16(日) 00:16:25 ID:edIzi4RO
かがみが守ってくれているような気分になり、心が温かくなる。
そうだ。
どれだけ身体を誘惑しようとも、心までは自由にはできない。
記憶の引き出しからかがみとの思い出を呼び起こし、心をかがみでいっぱいにする。
すると不思議に、身体の快感も急激に薄らいでいった。
「……ちょっと、どうして?」
私の反応が急に鈍くなり、みきさんは怪訝そうな表情をうかべながら愛撫の手をとめた。
「……みきさんは、それでいいの?」
私はみきさんの目を正面から見据えて言葉を放つ。
「愛情が伴ってない相手の身体を弄んで満足なの?想いが通じ合っていない人と身体を重ねる事に、どれほどの意味があるの?!」
「くっ……!」
みきさんの表情が苦々しいものに変わる。
「もしそれでもいいんなら……好きにしたらいいよ。私の好きな人がかがみだってことは変わらないから」
私は目を閉じ、身体から力を抜いた。
それは私にとって、何をされても想いは揺らがないという意思表明。
みきさんの与える快感がどれほどのものであったとしても、私の心は堕とせない!
「…………………そう」
暫くの沈黙の後、みきさんは抑揚のない声で話し始めた。
「それが……こなたちゃんの答えなのね……」
「…………」
私は沈黙で肯定の意志を表した。
「……………ふぅ……」
みきさんのため息が聞こえた。
(もしかして、諦めてくれた?)
「……仕方がないわね……この方法だけは、使いたくなかったけれど………………
ねぇこなたちゃん。イミテーションパールって知ってる?
人造の真珠の一種で、ガラスやプラスチックの丸玉にパール・エッセンスっていう真珠光沢を出す塗料を塗ったものなの。
本物の真珠に比べて安いから、広くアクセサリーとして出まわっているわ。
要は形だけ似せた贋物の真珠よ。
………こなたちゃんのかがみに対する愛も、それと同じようなものだって教えてあげる」
みきさんはなにを言い出すのだろう……
不思議に思って目をあけてみて、ぎょっとした。
みきさんは長い髪を二つに分けてリボンで結んでいた。
つまりは髪型をツインテールにしていた。
………かがみの、ように………
「っ!!!」
みきさんの意図を瞬時に悟った私は逃げようと必死にもがくが、手錠ががちゃがちゃと耳障りな音をたてるだけだった。
やがて髪を結び終えたみきさんは、今までよりずっと柔らかい優しさをまとって私の名前を呼んだ。
「こなた……」
まるでかがみがそうするように……
「いや!やめてぇっ!それだけは……それだけはやめてっ!!」
涙をうかべて懇願するが、かがみそのものとなったみきさんは容赦なく私の心をかき乱していく。
260Imitation-Love 第二話 7/8:2009/08/16(日) 00:18:37 ID:edIzi4RO
「こなた、好きよ…」
「いやあっ!!お願い!それだけはやめて!!かがみを……私の好きな人を汚さないで!!!」
ツインテールになったみきさんは気持ち悪いくらいにかがみとそっくりだった。
もともとパッと見だと気がつかないくらい容姿も声も似ていたただけあって、髪型や話し方を真似られると本気で区別がつかない。
「こなた……大好きよ。愛してる……」
下着を脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿となった“かがみ”は優しく私を抱きしめ、足を絡めてより距離を縮めようとしてくる。
「ふぁ……やだ……かがみ……」
「可愛いわ……こなた……ちゅっ」
「ふぁ……ぅぅ……」
眠れない夜に自分を慰めるとき、何度も思い描いてきたかがみが目の前にいる……。
求めて止まなかった言葉をくれるかがみがいる……。
首筋に触れた“かがみ”の唇の感触は、かがみで満たされていた私の心を容易く破壊した。
「ぁぁ……かがみぃ……」
「こなた、大好きよ。…こなたは“私”のこと、どう思ってる?」
「好き……私も、大好き」
「そう……なら、これはもういいわね」
そう言って“かがみ”は私をベッドにつなぎとめていた手錠をはずした。
身体が自由になった私はためらわずに“かがみ”に抱きついた。
「かがみ……好き……」
「こなた……私も好きよ」
「かがみ……キスして……」
“かがみ”の瞳をみつめてキスをおねだりした。
しかし“かがみ”一瞬だけ辛そうな顔をした。
「キスなんて、あとでもいいでしょう?それよりも、もっといいことしましょう」
そう言って“かがみ”は私の股間に顔を埋めて、秘所に口づけした。
「ふああっ!かがみぃ、そこ……ああっ!」
「ふふっ、気持ちいい?」
「気持ちいい!気持ちいいよぉ……ああっ!!」
「もっとしてほしいい?」
「うん!もっと……もっとぉ」
大好きなかがみが私を愛してくれる……
その想いは快感を何倍にも増幅させ、私ははしたなくおねだりをしてしまう。
“かがみ”は私の望みどおりに優しく、しかし正確に私の感じるところを舐めあげていく。
「はふ……あぅ……ああっ」
「こなた、もっと足を開いて。こなたの大事なトコ、もっとよく見たいの……」
「う、うん…恥ずかしいけど、かがみにだったら、いいよ」
私は膝を立てて足を左右に開いた。
女の子の大事なところが“かがみ”に丸見えの姿勢になり、私はますます興奮していく。
「とってもきれいよ……こなたのおまんこ」
「はぁ、はぁ…かがみぃ……私、我慢できないよぉ」
「大丈夫よ。今からたっぷりと愛してあげるわ」
“かがみ”の指がクリトリスをこねまわす。
それは圧倒的な快感を呼び起こし、私はたちまち絶頂近くまで昇っていく。
261Imitation-Love 第二話 8/8:2009/08/16(日) 00:20:51 ID:edIzi4RO
「はぁん……かがみ、私っ……イキそう……イキそうだよぉ」
「ふぅん……もうイキそうなんだ」
「え……あ……」
クリトリスを弄っていた“かがみ”の指の動きが急にゆっくりとしたものになった。
「なんで?……かがみぃ、イジワルしないでよ〜」
「だってこなた。“私”のこと、好きじゃないでしょ?」
「そんなことないよ!私、かがみのこと大好きだよぉ!」
「本当?本当に“私”のこと、好き?」
「好き!大好き!!」
「じゃあ“私”にどうされたいの?言ってみて」
“かがみ”はくすくすと嗤いながら私に恥ずかしい言葉を要求する。
「あ、あの…私の、あそこ……かがみの指で、ぐちゃぐちゃに……」
「あそこって、どこのこと?はっきり言ってくれないとわからないなぁ」
「ううっ……」
“かがみ”は本当にイジワルだ。
どこまでも私に恥ずかしいことをさせて悦んでる…
だけど、かがみになら、私の恥ずかしいとこ、いっぱい見てもらいたい!
「私の…お、おまんこ…クリトリス…いっぱい触って、ぐちゃぐちゃにしてくださいっ!」
「うん。よく言えました」
泊まっていた指の動きが再開され、再び私は絶頂への階段を上っていく。
「はぅっ!はぁ…ああっ……あっあっ!!イキそう…イキそうだよぉ!!」
「いいのよ、こなた。イってもいいのよ…“私”の指で、イって!こなた」
「うん、私…イク…イクのぉ……あっあっあっあっあ…あ…ああ…ああああぁぁぁ……」
“かがみ”の手で今まさに絶頂を迎えようとした、その時…
「ね…愛なんて、こんなものでしょう?こ・な・た・ちゃん♪」
全身に冷水を浴びせられたような寒気に襲われ、私は我にかえった。
だが絶頂は目の前まできており、すでに手遅れだった。
「あああっ!!あああああぁぁぁぁああぁあぁああ――――――! ! ! !」
絶対的な快感が私の心と身体を打ちのめした。
電流のようなものが体中を駆け巡り、女の子に生まれた悦びを刻み込んでいく。
「ああ……あ…………ぁ…………………」
だが天上の快楽はすぐに消え失せ、かわりに強烈な罪悪感と絶望感が私を襲った。
かがみを裏切ってしまったという思いで目の前が真っ暗になった。
「こなたちゃん?こなたちゃん?!」
みきさんの声がだんだん遠のいていく。
絶望は心を真っ黒に塗りつぶし、私はなにもない闇の中へと墜ちていった。
「かがみ……ごめん……ね」
その言葉を最後に、わたしの意識は完全に途切れた。
262さすらいのらき☆すたファン:2009/08/16(日) 00:26:22 ID:edIzi4RO
以上です。
らき☆すたは双子などの入れ替わりネタが難しい作品ですが、少々強引にそっくりさんを生み出してみました。
第三話も楽しみにしてくださると嬉しいです。
263名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 01:19:12 ID:lTGU1J7D
亀レスですが、どうしても >>245 に言いたいことが・・・

何故C言語の秘奥義「関数ジャンプテーブル」を知っているのかとw
264名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 05:17:10 ID:mBiUO/EI
>>262
GJ!
みきさんがかがみんの真似をするとは、いろんな意味で凶悪ですな。
続きを楽しみにしています。
265名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 23:38:21 ID:HIpR2Q/L
>>262
みきさんがやっていることはドス黒いのに、なぜか胸がわくわくしてして応援したくなってきています。

これからどんな方向に進むのか続きを楽しみにまってます。
266kt:2009/08/18(火) 09:41:24 ID:Ey53voc3
どうも
ktでございます

それでは
『くれいじーず!』

・10レス
・複数視点
・あやの&みさお兄&ふゆき&みさお×かがみ
※注意:ソフト拘束、調教、媚薬、放尿、アナルプレイあり。あと壊れてます
・単発       です
5分後に投下開始します
267くれいじーず!     1:2009/08/18(火) 09:46:31 ID:Ey53voc3
「何?……これ?」
―目が覚めると布団の上でそして私は両腕をベルトで縛られていた


くれいじーず!


…えーと、私の名前は柊かがみ
陵桜学園を卒業して…今○○大に通ってて…誕生日は7/7の蟹座、趣味は読書とゲーム……よし
にしても―
「何で私、靴下除いて裸なの…?」
…何があったんだ?、思い出そう…えーと…確か
峰岸や日下部とお茶してて、で天原先生も交ざってだべって…で峰岸が特製のジュースを作って来…
………んん?
「あまり頭を使うとsYれならんことになるわよ、それ結構キツいやつだから、、」

暗闇からこつこつ、と靴音を響かせ現われた人物に私は驚いた
「峰…岸…?」
そして何故か峰岸は(靴下を除いて)全裸だった
「ちょ…峰岸!早くこれ何とかしてよ!」
「ダメよ、柊ちゃんは私の調き…教育を受けて性ど…遊んでもらうんだもん↑」
お前の仕業か!、って待て!
「おい、今調教と性奴隷って言おうとしなかったか?」
「聞こえてない」
「んぁ?、何か言ったん?」
「私のログには何もないですね」

「………え?」
峰岸の背後からは同じく(靴下を除いて)裸の天原先生と日下部が出て来た
「ちょ!峰岸?、これ…」
「2人は私の性奴れ…フレンドなの☆」
「そこまで言ったら最後まで言いなさいよ!、ってかフレンド(笑)とかなによ!」
「以外と余裕あるのね、柊ちゃん…いや、怖さをツッコミでカバーしてるのかしら?」
峰岸は笑顔だ、そしてその笑顔のまま日下部に近付いていく
「あやのぉ……私頑張った、よ」
「うん♪、頑張って演技したね、みさちゃんは偉いわ」
と言ってよしよししたあと、峰岸はキスをする…それはそれはもうとても濃厚な
ちゅぱぁっ…
「ん、ふっ…まだ我慢してね、分かった?」
「うん……」
268くれいじーず!     2:2009/08/18(火) 09:47:53 ID:Ey53voc3
「紹介するわ、私のフレ…性奴隷のみさちゃんとふゆきさんよ」
「何でCMでディスクアニマル紹介した時のヒビキさんっぽいの?、って今もろに性奴隷っt」
「聞こえ)ry」
「何か)ry」
「私のロ)ry」
話が進まない!、早くどうにかしなきゃ…!
「何で…こういうことするの?」
「4人でヤるのも飽きて来ちゃって、だから刺激が欲しくて新メンバー追加しちゃおっかにゃ?…ってノリで☆」

「そんなことでっ!?、あんたいい加減にしなさいよっ!!」
「…マンネリはこの世で2番目に怖い事なのよ?、そりゃもう深く考えるとSUNSHENEがSUNSETするくらいに」
2番かよ!!、しかも意味分かんないわよ時空勇者!
「さて、不毛な話はこれぐらいにしてそろそろ始めますか」
「ちょ、ま…待って!」
「あらあら?、こう言う時の名台詞『何でもするから見逃して』かな?」
天原先生は笑顔で私に問う
「でも、こう言う時の『何でも』って……ねぇ?」
やけに天原先生は興奮している、他の2人と比べると一目瞭然だ
「…もう少し落ち着いて下さいよ先生、ちゃんとあとでしますから」
ぐいっ
峰岸はやれやれと言いそうな表情で天原先生のしっぽを引っ張った
………しっぽ?

「柊ちゃん、先生はね、お尻で感じる変態さんなのv…ま、そうしたのは私なんだけど」
峰岸はそう言いながら、先生のしっぽを引っ張る
しっぽはずるずるとどこかからか出て来て、しっぽ状のものの先には丸い玉が繋がっていた
…見たことがある、、確かアナルビーズ?アナルバイブ?ってやつだ
「あ〜v…んん、ぁv…」
天原先生はびくんびくんっと身体を震わせ、涙を流しながらもヨロコんでいる
「じゃ、みさちゃんは全身の・先生はおっぱいの愛撫をお願いね」

「あいあい♪」
「…はぁいv」
峰岸の声を聞いたあと、2人は何かの液体を互いに塗りあって、恍惚な表情を浮かべている
「これはある企業が開発した気化したら更に効果を発揮する媚薬なの…凄い効き目なのよ、これが」
峰岸は視線を後ろに向ける、そこにはいつの間にか盛り上がっている日下部達の姿があった
「「んぁ、あ…ん、ひゃ…」」
「ほらほら、2人で盛ってないでさっさとしなさい」
269くれいじーず!     3:2009/08/18(火) 09:49:01 ID:Ey53voc3
その言葉の後、日下部はゆらりと立ち上がり私の方に向かってくる
「待…落ち着こ?、ね?、ねぇ?、聞いてる?、ちょっ、紀伊店の?!」
「…むり」
ぺろっ
「ッ?!?」
ひた…
「!?!」
ただ脇腹を舐められ、お腹を触られただけなのに身体への衝撃が・熱さが半端ない
どんどん身体が火照っていき―…ジンジンとしていく

「後ろ、失礼するわね」
むにぃ…
「!!!」
天原先生は私の背中におっぱいを押し付けてくる
もにゅ…
「…っぁ」
そして後ろから私のおっぱいを鷲掴みした
「ふふ、気持ち…いいんだ?」
「な…ち、がっ」
部屋に汗と媚薬の匂いが充満していく
触られただけで……もう…ヤバ…頭の中……くもって…
「ちが、違う、違うのよ…」
「さっさと素直になった方が身のためだってヴぁ」
と言う日下部は私の全身を犬の様にぺろぺろと舐めてまくっている
…あんたを見たら余計素直になりたくなくなったわ!

「―でもね、そうは言うけど柊ちゃん、身体はこんなにも正直なんだよ?」
ぬたぁ…!
峰岸は私の下着を擦り、私に指を見せる
「ほら!、こんなにも濡れてるっ♪」
峰岸の手は大量の愛液で濡れまくっていた、したたり落ちるほどに
「違う…ちがうっ…ちか"う"…」
「ふむ、強情ね…2人ともっ」
ぱちんっ♪
峰岸が指を鳴らした、それはそれはとても渇いた音
ベルトはいつの間にか外されていた、でも私は―…動けなかった

「先生は引き続き後ろを・みさちゃんは前ね、、そう…バイブに媚薬をたっぷり塗ったくって…」
「はー……はー…はー…」
かがみは呼吸をするだけでやっと、と言った状態だ
「では…」
「「「いただきます」」」
シャキーン!(バイブを装備する音)
ずぶりッ!
「か…は、ぁっ?!」
270くれいじーず!     4:2009/08/18(火) 09:50:05 ID:Ey53voc3
ふゆきは自身のま○こに双頭バイブを突っ込み、かがみの方には媚薬を尋常じゃないくらいに
たっっっっぷりと付けたモノをかがみのアナルにブチ込んだ
「初心者にアナルはお勧め出来ないけど…良い機会です、開発しましょう
…たっぷり濡らしてるんで……ほら、す〜んなり入った♪」
ぐぐぐっ…ばちんっ!!
「あ、あぁ"っ…」
みさおは自身のま○ことかがみのま○こを双頭バイブで連結させた
もちろんかがみの方は媚薬を尋常じゃないくらいにたっっっっぷりと付けたモノである
「わた、処女が…っ…処女膜がぁッ!!」
「柊ちゃん?、どっかの知らない野蛮な男のブツを突っ込まれなかっただけでも
いいじゃない…女同士なんだから大丈夫よ☆、ね?」
「あー…はは…あぁ"ー…えはは…ん"、ぁー…」
かがみは泣き叫びながらもヨロコんでいるどっちつかずの表情を繰り越していた
「…さて、もう一人呼びますか」

ぱちんっ♪
あやのは今度は軽やかな音で指を鳴らす
「ぁ…たす、け…」
その音と共に登場したのは日下部のお兄さんだった
「―あやの」
「うん?」
「はァ〜プリティあやののぷりぷり超ファイナルプリティな可愛いお尻クンカクンカクンカクンカしたいよォォォ
てか触るけどいい?、答えは聞いてないすりすりすりすりすりすりすりすりりすりすりすりすりすりすりすりすりリス
すりすりすりすりすりすりすりぺろぺろクンカクンカクンカクンカすりすりすりすりすりすりすりすりすすりすりすりすり
すりすりすすりすりすりすりすりすりすりすすりすりすりすりすりすりすりすすりすりすりすりすりすりすりすすりすり
クンカクンカぺろぺろすりすりすりすすりすりすりすりすりすりすりすすりすりすりすりすりクンカクンカクンカクンカ
ぺろぺろクンカクンカクンカクンカすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすり
すりすりすりすりすりすりぺろぺろすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすりすり…フゥハァァァァァァァっ!!」
こ、こいつも変態かーーーーーーーーーーーーー!!!
「せっかくだから俺はあやののファイナルプリティなお尻を舐めるぜ!てか舐めてるZE!」
「お兄さーん?」
「恥ずかしながら不肖○○、失礼しましたっ!あやののアナルにブチ込んで中にブチ撒けます!」
「それでよし♪…じゃ、みさちゃん挿入るわよ」
「………」

こくこくっ
みさおは首を縦にふる、返事をするのもおっくうな様だ
あやのは自身のま○こに双頭バイブを突っ込み、みさおのアナルに片方を入れた
みちみち…っ
「あ"〜v…あっ…クるぅvvvvv」
恍惚な表情をしたみさおの口からぽたぽたと唾液がかがみの体に落ちる
「あつい"い"ぃ"ぃぃ…あつ"いのぉぉぉぉぉ〜!!…」
――もはやかがみの肌は完全なる性感帯と化していた
271くれいじーず!     5:2009/08/18(火) 09:51:16 ID:Ey53voc3
「さ、お兄さん…」
ぐじゅう……
「あぁv、いぃぃぃぃ…v」
「………」
かがみはあやのの快楽に身を任せきった表情をぼーっとした頭で見ていた
私はこうなってなるものか、と何度も何度も何度も何度も自分に言い聞かせる
―しかしそれは長く続かなかった
「さ、ぁ……みんな動こっ」
ずぎゅおぉぉんっ!
「 っ っ ? ! ? 」
稲妻の様な衝撃がアナルとま○こを伝い全身へと響いた

部屋には気化した媚薬、汗の臭い
「「「「はぁ…ぁあ……」」」」
皆の喘ぎ声が充満し、自身も媚薬を飲まされ、塗られている
すり…すり…
背後にはふゆきが抱き付き、可愛いおっぱいの膨らみとビンビンに立った乳首が背筋を刺激し
「ぁ、あ…ぐ…」
そしてアナルには極太のバイブ
つんっ…つんっ…
正面にはみさおが覆い被さり、かがみのおっぱいを自身のと乳首で刺激し
「ひ、いゃ、ぁ…ぁ……」
そしてま○こには超!振動バイブ
ぺた、ぺた…
みさおの背後のあやのは届く範囲のかがみの肌や唇、性器を唇や手で愛撫している

これにはついさっきまで乙女だったかがみの理性が耐えられるはずもなく―
ぷちんっ…
ついにかがみは快楽に身を任せた
「…も、っと……」
「うん…?」
「v、もっとvvv、気持ちよくvvv、してぇv…」

あやのはニヤリと笑う
「もっ、と……じゅぽじゅぽっしてぇ!!お願い、はや、くっ、体が熱くて…たまらないのよぉぉぉぉ!!」
「2人とも、聞こえた?」
「「……」」
こくこくッ!!
2人は必死にニヤける顔を止どめながら首を縦に振る
「…っぁ……2人とも、もうイきそうなの…?」
「早漏だな」
272くれいじーず!     6:2009/08/18(火) 09:52:28 ID:Ey53voc3
ピストンを続けながら喋る日下部兄
「…そういう言い方をするの…っ……射精の時だけじゃない?」
「そーなのか?」
「それはともかく、2人ともイッてもいいのよ?、、罰として日常…勿論
大学や学園でも前後にバイブを付けて生活してもらうことになるけどね」
あやのはみさおとふゆきのそれぞれの耳元で囁く

「来りゅぅ!v、2人にサンドイッチにされてッ!、おっぱいサンドイッチおま○こサンドイッチッッ!!気持ちひいのぉ!v」
「柊ちゃんがこんなに乱れるなんて目を付けたかいがあったわ…」
ぺろっ
あやのは舌なめずりをし、わざと唾液を下のかがみに落とす
「あvあ〜vv!あははぁvvv!」
「やはあぁああああぁぁぁぁぁ!!!」
びくん!びくんっ!
みさおが我慢していたモノを解き放った
「あら、みさちゃん、罰ゲームが聞こえなかったの?…それとも罰ゲームに惹かれてイッたのかしら?」
「はv、はぁvv……ははv」
「変・態ねぇ、じゃあ更に罰としてブラとパンティも常時脱いだま―…と先生もイッちゃったの?」

「―ぁあ、ぁぁ……」
あやのが気付いた時、既にふゆきは絶頂を迎えた後だった
「あやのさんv、私……にも…v」
「ふふ♪、やっぱりみんな変態なんだ♪、これはもう大変態ね」
あやのは少し悩んだ後
「じゃあ先生は下着を常時脱いでて更にバイブMAX、ついでに媚薬を毎日飲んでね……v
我慢出来ずに保健室に来る男女生徒先生達を食らう教師って、、、、ふふ♪、そそるじゃない?」

ぎゅっ……
「どうした、の、柊ちゃん?」
かがみはあやのの髪をゆっくりと引っ張っていた
「ま、、まだv…ください…もっと、もっともっと、お願い、お願いしますもっと……イきたいぃぃv」
「…―――」
あやのは思わず狂喜乱舞しそうになったが、なんとか止どめた
あんなに媚薬を塗られて、柊ちゃんは常時イッてる様なモノだというのに、、そうだ、つまりこれは
―――――完全に陥落たというコト!

「…っぁ……お兄さん!」
「がってん承知の助ぇッッ!!!!」
日下部兄はピストンを早めた
「ちょ、あぁv、ひゃ、承知してないってば!!」
ぽかっ!
私はお兄さんの頭を思いっきりはたいた
「こっちこっち」
あやのは倒れているかがみを指差した
「あぁ、そっちね」
273くれいじーず!     7:2009/08/18(火) 09:53:52 ID:Ey53voc3
「よっ…こらせ」
「ぁ……v」
2人はかがみを持ち上げ立たせた
既にかがみの足はよろよろとして、自分で立つのは今は困難だ
「じゃあお兄さんは後ろ・私は前ね」
「……なぁー、俺もたまにはおま○こにブチ込みたいんだが」
「何を言ってるの、あなたのおちん○んが突いていいお○んこは彼女である私だけよ?!
…もしもよ、見ず知らずの野蛮な男に処女膜貫かれる女子の気持ち考えたことありますか?、を?」

「……すいませんでした、じゃあアナルにはブチ撒けていいんですよね」
「ええ、お兄さんの特濃搾りたてたっぷりねばねばミルク、どんどんブチ込んじゃっテ!」
「ロジャーっ!!」
「柊ちゃん?、今からふっといのが挿入るから……あと駅弁って知ってる?」
「…………?」
ま、今の柊ちゃんがそんなことに頭が回るとは思えないんだけどね
「……?」
案の定かがみはぽかんとするだけであやのの問いには答えなかった

「じゃ、しよっか」
ずぶりっ…!
2人同時に穴にブッ込んだ
「かっ……!?!」
かがみは戸惑っていた、いや今のかがみにそんな言葉が当てはまるのかは分からないが―
とにかくかがみは、自分のお尻に生々しい質感、肉感のモノが・狭いアナルを貫き・奥に届いて・ナカを抉り
掻き乱し・子宮の外部に何度も・何度も当たる衝撃に戸惑っていた
「ん…ちゅ、ちゅ、ちゅ……んん〜!」
そんなかがみなどお構いなしに2人はかがみの顔の横からキスを繰り返す

すごv、ま○こ、子宮、当たって、気持ち、いいv、おしり、何、これ、すごい!すごい!!すごい!!!
彼氏さんの鼻息、耳当たって、かんじるv、峰…、峰岸さんの、おっぱい、当たって、乳首、こすれて、
「サンドイッチすごいのぉぉ!、挟まれてサンドイッチ!キちゃう!イくぅっ!挟まれてイっちゃうぅぅ!!!!」
「お兄さっ、私、も…」
「くっ、出るっ」
「あ"v、ひ、ぁあ"v、ぁ、みゃぁぁ"v〜〜!!」

「うぉおおーー!!、ナカを貫け俺の愚息!、精子よ奥に届けっ!、届けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーー!!!!」
びびゅぅうぅぅぅぅぅーー!!
「イくっ!vイく"っ!vイ"くッ!!vvvイ"くぅッッ!!!…ひゃ、あ"ああああ"ああああああ"あああ"あああ
ああああ"あああああ"ああああああああああ"ああああああ"ああああああああああーーーーーーーー!!!!!」
かがみは全身を震わせ、涙を流しながら、白目をむきながら叫ぶ
大量の媚薬の影響からか、それはかがみが今にも燃え尽きそうなほど激しい歓喜の叫びだった
そして日下部兄、やたらと叫びたいお年頃――
ちなみにあやのの声は2人の声にかき消されてしまった

274くれいじーず!     8:2009/08/18(火) 09:55:23 ID:Ey53voc3

「「「はぁ……ぁあ…」」」
どろり……ぽた…
かがみの肛門からは竿を伝って精液が流れ、床に落ちる
「どう?、柊ちゃん……気持ち良かった?」
「……v…v…v………」
直ぐには答えられないみたいね、、媚薬盛りすぎたかな…
ずば……しゃばああぁぁぁ…
あやのはかがみのま○こから双頭バイブを引き抜き、日下部兄にかがみを任せた、すると途端におしっこが凄い勢いで流れ出した
「ぁv……ぁ"ぁ…へ、へv…」
「気持ちよかったのね、嬉しいな」
かがみの髪を愛撫するあやの

「なぁ、まだ突いていい?」
「さすがにこれ以上はヤバいわよ…というか突きたいなら、いるじゃない、私がv」
ずぼ……ずるずる…ぽふっ
日下部兄はアナルからペニスを引き抜き、布団の上にかがみを置いた
「…ひゅー………ひゅー……」
「ま、とりあえず息はしてるから大丈夫よね…さ、お兄さん」
「おう!」


こてん
「………」
かがみはそのまま布団に倒れた
……きもちよかった…なぁ…
また、みんなでやるのかな
かがみは床に転がっているみさおとふゆきを見ながら思う
峰岸さん…げんきだなぁ……立てつづけなのに………
……マ○コに挿入れられるってどんな感じなんだろう………
そう思いながら肛門から溢れ出ている精液を触る
それはどろどろとしていて、鼻孔を刺激するとてもいやらしいにおいだった

こんなにいいことをみんな知らないってそんだよね
つかさはどんな反応をするだろう、こなたは耳年増なのかな
みゆきはあの胸がきもち良さそうよね、いのり姉さんやまつり姉さんはこの快感、知ってるのかな?
「ふ……ふふふ…あはは……」

いいなぁ

みんなでまぜまぜするのも いいなぁ…

275くれいじーず!     9:2009/08/18(火) 09:57:14 ID:Ey53voc3

-数週間後:柊家
「なんかさ、最近かがみって連れないよねー…ま、久しぶりに遊べるからいいけど」
「うん、でも確かにそうだよー」
ずずっ…
みゆきは出されたお茶をちょびちょびと飲む
「何かね最近お姉ちゃん達と帰る事が多くなったし、一昨日はお母さんも遅かったし…」
「元3Cの男子・女子達と街に消えていったと言う情報もありますし」
「みゆきさん……それどこ情報?」
「企業秘密、で…す……?」

どさっ
突然みゆきがうつぶせに倒れた
「みゆきさん?」
「どうしたの?、ゆきち、ゃ…ん…?」
どてっ
続いてつかさが横に倒れる
「つかさ……何ふざけて…?」
「「ぁ…ふ、ぁ…ぁぁ…」」
2人は表情が赤みを増し、とろけていっている
「ふ、2り…とも…!?」

がらがらっ
「お待たせー」
かがみが部屋に入ってきた
「かがみん!、みゆきさんとつかさが何か変に…救急車を呼ばないと!」
「そうね、、ほって置いたらいいわ、体に害はないもの」
かがみは爽やかに話す
「か、が…み…?」
あれ ?な んか ゆが  ん で…
「そんなことより、あんたたち3人とも皆気に入る遊びがあるの、、最初はキツいかもだけど、絶対ハマるからさー」
「な……に、いっ…て…る…の……」
何 でそ   ん なにえ  がお なの ?
「何故だって?、今までの皆が皆そうだったもの」
引き続き満面の笑みを浮かべるかがみ
「か…………が、み………?」

「さぁこなた、つかさ、みゆ
  き
    愉
 し
          も
      う

            ?」

どさっ…
276kt:2009/08/18(火) 09:59:26 ID:Ey53voc3
ありがとうございました
すいません、1レス数え間違てました…

あやの×ふゆきモノ(似た内容なのでお蔵入り、あやのを調教していたつもりがされていたと言うモノ)
を書いてた終盤、何故かやたらハイになって寝ぼけてたら妙な電波を受信(3〜5レス目のごっちゃ煮の場面)したので書いてみました

陰惨になったら(自分が)耐えられなくなるのでネタぶち込んだら…なんだこれは
おのれディケイド!この世界も)ry
277名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 16:29:15 ID:+HUDSmiG
待ちいなければ10分後あたりに投下します
2784-320 ◆oJsJ6TJSoY :2009/08/20(木) 16:40:20 ID:+HUDSmiG
投下します。まだまだ続きます

☆欝です。今回も欝です
☆一部オタク的教養が要求されます
☆続き物……完結できる……見込み
279輝く季節へ:2009/08/20(木) 16:41:22 ID:+HUDSmiG
「おはよー、つかさ、かがみ、みゆきさん」
「あ、え……」
朝の糟壁駅。
みゆきさんに浮かぶ、驚いた表情。
「あ、こなちゃん。おはよう」
つかさが私に返した直後、はっと驚いた表情をして。
「あ、い、泉さん。おはようございます」
つかえながらも返してくれた。
いつもとは違う、動揺したみゆきさん。
まさか……
「ねぇ、みゆきさん。どうかしたの?」
「え、いえ。なんだか一瞬泉さんが知らない人のように見えて……す、すみません」
困ったように頭を下げるみゆきさん。
心臓がきりきりと締め付けられる感触。
なんで、みゆきさんまで私を……
「ねぇ、いつから? ねぇ、どうして?」
みゆきさんの肩をつかむ。
どうして、みゆさきん、友達だと思っていたのに、ねぇ、なんで!!
頭がよく回らない。
怯えるみゆきさん。
それに苛立ち、さらに言葉を続けようとして……
「ちょっと、こなた」
肩をつかまれ、引き離される。
かがみの声。
「ちょっと、いったいどうしちゃったの? あんたらしくないじゃない」
二つ荒い息を吐いて、何とか落ち着きを取り戻す。
何やってるんだろ、私。
「ご、ごめん。みゆきさん。なんか朝から体調悪くって」
「え、いえ。こちらこそ。その、すみません」
微妙な空気の中、二人で謝る。
覚悟していた。
それを望んだのは自分だったし、忘れられるのは仕方ないことだと分かっていた。
でも、何でだろう。
みゆきさんが私を見たときの表情。
それに、あんなにショックを受けるなんて……
280輝く季節へ:2009/08/20(木) 16:42:49 ID:+HUDSmiG
あのゲームをプレイしたのは、幼いころ。
あの時はお父さんもスランプに陥っていて、私のことを省みてくれる余裕もなかった。
一人ぼっちの私が目に付けたのは、お父さんのコレクション。
たくさんのマンガ、ゲーム、同人誌。
仕事で忙しく、主が省みなくなったその山をかき回して、
自分の好きなものを拾い出すのが楽しかった。
いろんなゲームを片っ端からやって、いろんなことを覚えていった。
その中で出会ったあのゲーム。
プレイしていく中、私はあのゲームの向こう側の世界に引かれていった。
何も失わない、えいえんのせかい。
その世界なら、私はきっとお母さんと一緒に生きていける。
ゲームの中盤から周りの人に忘れられ始め、次第にあせる主人公。
その姿を見て、私は失望を覚えていた。
どうして、消えたいと思ったのは自分じゃない。
絶望して、失いたくないと思って、それでえいえんのせかいを望んだんじゃない?
それなのに、ちょっと恋人ができたぐらいで消えたくないって、身勝手すぎるよ。
私はお母さんと幸せに過ごしていける世界があれば、他に何もいらない。
こんな世界からなんて、消えてしまいたい。
こんな世界なんて、どうでもいい。
そんな諦めの視点がついてしまったからか、私は私自身を冷めた視線で見るようになっていた。
いつか私は、えいえんのせかいへ行くんだ。
それだったら、こんな世界で起きることなんてどうだっていい。
どれだけ馬鹿にされたって、私は応えなくなった。
反応のないやつを、いじめても仕方がない。
いつの間にか、いじめは散発的なものになっていた。
私も中学三年になり、離れた高校への進学をエサで釣ろうとするお父さんの戦略に乗り、陵桜を受けて、
つかさと、出会った。
281輝く季節へ:2009/08/20(木) 16:43:45 ID:+HUDSmiG
「こなちゃん、大丈夫?」
朝から俯いてばかりの私を、つかさが心配そうに覗き込む。
朝あんなことがあったばかりだったから、つかさは私とみゆきさんの間をパタパタと動き回りながら心配してくれている。
あんなことがあったばかりじゃ、みゆきさんには話しかけづらい。
積極的に話しかけてくれるつかさのおかげで、私の心は幾分安らいでいった。
毎日が苦痛だった中学時代の生活から、救い出してくれたつかさ。
今の私があるのは、きっとつかさのお陰。

町で出会ったのは、本当に偶然。
助けに割って入ったのは、ほんの気まぐれ。
でも、そのきっかけから、私の人生は変わった。
出身中学から陵桜に進学したのは私一人で、
中学時代を知っている人間が周囲に誰もいないことも幸いした。
つかさと友達になったお陰で、かがみ、みゆきさんとも友達になれた。
クラスの友達に好かれてるつかさの友達という立ち位置のお陰で、
以前みたいにいじめられる事もなかった。
いじめられていた中学時代とは変わった、楽しい毎日。
でも、それでも。
私はこの世界をどこか冷めた視線で眺めていた。
面白い、楽しいといっても、ゲーセンで100円を入れてやるゲームと同程度の感覚。
終わっちゃえばそれまでだし、100円程度にそこまでむきになることはない。
えいえんのせかいへ行くことばかり考えていた私にとって、
こっちの世界での出来事はちょっとした余興に過ぎなかった。 
楽しければ、それにこしたことはない。
でも、そんなにむきになってやるほどのことでもない。
どうせえいえんのせかいに行ってしまったら、こっちの世界なんて関係なくなるんだから。
そんな冷めた視線で世界を眺めていた。そんなつもりだったのに。
282輝く季節へ:2009/08/20(木) 16:48:11 ID:+HUDSmiG
「すみません、泉さん」
今日最後のショートホームルームが終わった後、
みゆきさんはわざわざ私の席の前まで来て、頭を下げる。
「一緒に帰る約束でしたが、今日急に委員会の仕事が入ってしまって……」
みゆきさんは今日一日中、私を忘れかけてしまっていたことを気に病んでいた。
お昼休みも、ずっと私のことを気にしていてくれた。
今日の放課後も、一緒に遊びに行こうと誘ってくれたのはみゆきさんだった
「大丈夫だよ、みゆきさん。かがみも一緒?」
「はい、すみません。せっかく放課後空けておいていただいたのに……」
「いいよ、気にしなくて。それじゃ、代わりに明日、よろしくね」
本当にすみません、と何度も頭を下げながらみゆきさんは教室を出て行った。
「じゃあ、二人っきりになっちゃったけど、帰ろうか。つかさ」
「うん」
つかさと二人っきりで帰るのは、どれぐらいぶりだろう。
帰るときはかがみやみゆきさんが一緒のことが多かったから。
高校に入って、初めてできた友達。
つかさも、いつか私のこと、忘れちゃうのかな。
「どうしたの? こなちゃん」
ぼーっとしてるの、感づかれたのかな。
つかさが心配そうに声をかける。
「あのさ、つかさ……私たち、親友だよね」
その言葉を聞いたつかさは、不満そうにほっぺたを膨らませる。
「あーっ、こなちゃんまえ言ってたじゃない。『私たち親友?』って聞かれるようじゃ、
 親友としてまだまだなんだって」
あれっ、私、そんな事言ったっけ。
そういえば、なんかのセリフでそんなのあったような……
「ご、ごめん。つかさ……」
「ううん、気にしないよ。でもね、こなちゃん。
 私はこなちゃんのこと、親友だと思っているよ。
 ゆきちゃんも、きっと。私とこなちゃん、お姉ちゃんにゆきちゃん。
 四人とも、大切な親友同士」
そういって微笑むつかさを見て、いままでの胸のつかえが取れるようだった。
そうだよね。大切な親友が、私のこと忘れるわけない。
つかさが私のことを覚えていてくれる限り、私はこの世界に残ることができる。
「ねぇ、つかさ。指きりしよ」
「えっ?」
「この先、ずーっとずーっと、お互いのことを忘れないって。
 大人になっても、おばあちゃんになっても、私たちはずっと親友だって」
私の伸ばした小指に、つかさが小指を絡める。
「「指きりげんまん嘘ついたら針千本飲ーます!!」」
2834-320 ◆oJsJ6TJSoY :2009/08/20(木) 16:54:15 ID:+HUDSmiG
以上です。
中学時代のこなたについてはオリジナル設定なのでご承知を。
コミケお疲れ様でした
やっと再開です

……次いつかな?
284名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 17:20:03 ID:P2vSdcRe
みなさん乙&GJっす。

Eモバは規制が多すぎて、レスもできないから困るorz
285名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 18:56:32 ID:chEBIRev
どうも、SS落とします。
名曲「炉心融解」をらき風にアレンジして、作ったものです。

キャラ:かがみ×つかさ
注意情報:人によっては、多少鬱かもしれません。
       退廃的な雰囲気が嫌いなら、避けた方が無難かと。
       歌詞こそ踏んでますが、原曲のポップ調の軽快なメロディとは程遠い雰囲気かと。
補足:一度では落としきれないので、途中で切り上げる予定ですが、
    計算狂って連投規制喰らうかもしれません。その際は、気にせずに投下しちゃって下さい。


タイトル『炉心融解』
投下
286炉心融解:2009/08/21(金) 18:57:39 ID:chEBIRev
 ベランダに立って、町の明かりを見ていた。
地方だというのに、夜は華やかな彩りをこの目に映してくれる。
でも決して明るいのが好きなわけじゃない。
光は闇を照らし、隠しているものを人前に晒し出して浮き彫りにしてしまうから。
私には、隠しておきたい想いがあった。
人目に晒されたくない、想いが。
別に神聖なものにしておきたいから隠していたいワケじゃない。
迫害の憂き目に遭いたくないから、という卑屈な理由からだ。
だがそれも無理のない話だ、と我ながら思う。
同性を愛している、というだけでも充分過ぎる程に世間からは逸脱と看做されるのに、
それが双子の妹なら尚の事だ。
 もう午前二時だというのに、街を照らす街路灯は煌々と灯り、
遥かこの家のこの部屋の窓からですら、その華やかさが視認できた。
ああ、こんな深夜の闇ですら、光の前では隠す用を為さない。
誰かが私に光を当てたのなら、この想いが直ぐに看破されやしないだろうか。
不安が募る。
「つかさぁ…」
 呟く。想い人の名を。
この想いを、本当はつかさに伝えてしまいたい。
そしてこの後ろめたい感情を、つかさと共有したかった。
世間はおろか親や姉からも隠し通して、共犯者となりたかった。
でも、拒絶されるのが怖くてそれも出来ない。
 つかさの事を思う度、私の背筋が凍るように冷え、
代わりに心が爆発するように燃え上がる。
まるでジエチル・エーテルだ。つかさの事を考える度、私は冷たい引火物と化してしまう。
 眠気覚ましに一服点けようと、どうせ吸えないと分かっている煙草を咥えると、
ジッポライターのフリント・ホイールを勢いよく回した。
鉄と石が激しく摩擦する音と共に火花が散ったが、火柱は上がらなかった。
オイル切れか。構わない、どうせ咳き込むばかりで満足に吸う事もできないから。
287炉心融解:2009/08/21(金) 18:58:37 ID:chEBIRev
 代わりに、私はブラックコーヒーの缶を一本手に取って、プルタブを弾いた。
既に机の上には、同じ種類の空き缶が数本置かれている。眠気に抗った痕跡だ。
私はコーヒーに口を吐け、一息に胃に流し込んだ。
と、同時に、強烈な吐き気が胃を見舞った。
焼きつくような痛みが、胃に奔る。
無理も無い、コーヒーを短時間にこれだけ飲めば、胃も凭れる。
それでも私が無理に眠気に抗っているのは、夢を見る事に対する恐怖心が生まれたから。
別にこんな時間まで夜通し起きていたワケではなかった。
一度は、眠りに就いた。だが、どうしようも無いふざけた悪夢のお陰で、
飛び起きる羽目になってしまったのだ。
ああ、本当に酷い夢だった。ああ、本当に夢で良かった。
残酷な事実を告げられた後で、その事実は嘘だと告白された人のように、
私は改めて安堵の思いに浸る。
ああ、でも本当は全てが、
つかさに対するこの想いを含めた全てが、そう嘘や夢なら本当に良かったのに。

 その夢は、夢とは思えないほどにリアリティを持っていた。
そして、夢にしても有り得ないほど不快にして恐ろしいものだった。
あろう事か私は…夢の中とはいえ、愛しき愛しき者を殺めようとしていたのだから。
そう私は…つかさの首を絞める夢を見た。
光の溢れる昼下がりの中で、木漏れ日に包まれながら私はつかさの首を絞めていた。
木漏れ日の光によって斑状に彩られたつかさの顔があまりにも美しく、
酷く幻想的な雰囲気を彼女に添えていた。
その幻想的な世界の中で私がリアリティを感じたのは、曇ってゆく視界だった。
泣き出しそうな眼でつかさを見下ろしながら、視界が霞んでいくのを感じていた。
ぼやけていく視野が、まるで本当に泣いているかのような感覚を添えていたのだ。
そして、つかさの細い首が跳ねたのを合図に、私も夢から覚めた。
ゆっくりと覚醒するのではなく、夢の中のつかさの細い首の動きをトレースするように、
跳ねるように飛び起きた。
 酷い夢だった。罪悪感と羞恥心が綯い交ぜになったような感覚が、
今も胸に残っている。いや、深く深く根付いている。
いっその事、核融合炉に飛び込んでしまいたいとさえ思える。
真っ青な光に包まれて浄化されてしまいたい、この下らない命ごと。
核融合炉に飛び込んでみたら…そしたら…すべて許されるのではないだろうか。
胸に深く強烈な罪悪感を根付かせた夢を見た事も、
同性を愛した事も、妹を愛した事も、全て許されるような気がした。
 ああ、瞼が重い。異様に重い。
これ以上の思考を阻むように、胃を痛めてまで摂取したカフェインを嘲笑うかのように、
瞼が重く重く下がってくる。
そのまま私は、抗い切れずに暗闇へと落ちた。
どうか…どうかもう夢なんて見ませんように。朝まで光の差さない暗い世界の中で、
せめてもの安眠を貪れますように。
288炉心融解:2009/08/21(金) 18:59:51 ID:chEBIRev

*

 誰かが階段を登ってくる音で、私は眼を覚ました。
頭が異様に重い。また、何か禄でもない夢を見た気がする。
だがその夢の内容を、私は覚えていない。
一度目の夢の内容は、今も鮮明に脳裏に焼き付いている。
つかさの首に、手をかけた感触すら残っているようだ。
だが…その後もう一度眠りに落ちた後に見た夢、それが思い出せない。
よもや一晩につかさの首を絞める夢を二度も見るわけはないが、
それに迫るくらいの深刻さを訴える夢だったように思う。
記憶を弄ろうとして、止めた。禄でもない夢、という事は分かっている。
なら、具体的に思い出す必要なんてないだろう。
 私は気を紛らわせるように、カーテンを開け放ちベランダの向こう側へと眼を転じた。
と、同時に階段を登る足音は、廊下を歩く足音へと音質を転じた。
その足音は、私の部屋の前で止まり、代わりにこの部屋のドアを叩く音が響く。
「お姉ちゃん、起きてる?」
 ああ、可愛らしい声だ。囀るようなつかさの声。
この声を聞くだけで、私の胸は熱く滾った。
「起きてるわよ」
 寝起き間際だというのに、つかさと声を交わしているだけで
細胞の一つ一つまで覚醒してゆくかのようだ。
「入るね」
 遠慮がちな声と共にドアノブが回され、柔和な表情を浮かべたつかさが顔を覗かせた。
「お姉ちゃん、今日はお寝坊さんだね。いつもは私の方がのんびり起きるのに」
「そうね」
 言葉短く、それだけ答えた。
アンタの首絞める夢見て魘されて跳ね起きて、眠るの怖くなって夜更かししたから、
なんて当の本人目の前にして言うべきではないだろう。
つかさと話していると偶に…いや最近は頻繁に理性が飛びそうになるが、
この程度の判断はまだ辛うじてできた。
「具合悪いとか、ないよね?」
 ベランダの向こうの陰り出した空を見つめながら、
私は答えた。
「至って健康よ」
──身体は。
心の中で、そう付け加えた。
「そっか。良かった。ん?」
 つかさは訝しげな声を発しながら、テーブルの上に所狭しと並べられた缶コーヒーの
空き缶を指差した。
289炉心融解:2009/08/21(金) 19:01:23 ID:chEBIRev
「これ、どうしたの?まさか昨夜、これ全部飲んだの?」
「まー、ね。ちょっと、コーヒーが無性に飲みたくなって」
「それでこんなに大量に飲んだの?そういえば、この前箱買いしてたっけね」
 まさか、こんな形で役に立つとは思わなかったけど。
いや、何の役も為しては居なかったか。眠気なんて、飛びやしなかったんだから。
「ま、コレは後で片付けないとね」
「でも、凄いね。コーヒー飲みたいから、っていう理由だけでこんだけ開けちゃうなんて」
 つかさに悪意は無いのだろうが、
『自制心が足りない』と詰られている気分になった。
自制心があるから、アンタを襲わないでいられる、つかさを穢さないでいられる、
そう怒鳴ってやりたくさえなる。
でも、堪えた。
「そんな気分になる日も、あるのよ」
「あはは、お姉ちゃんにも、変なトコあるんだね」
 その言葉もまた、つかさに悪意は無いのだろう。
いや、悪意を推察する私がどうかしている。
どう考えても、一晩にこれだけ缶コーヒーを飲んだ事に対して、
変だとつかさは言ったのだ。
それでも…それを分かっていながらも
──実の妹に対して抱いている恋愛感情を変だと形容された気がして──
私の背筋が冷えた。
「そ、変なトコあるわよ」
 自嘲を込めて、そう言葉を発した。
陰りだした空が窓ガラスを割ってこの部屋に落ちてきたかのように、
私は陰鬱な雲に包まれていた。
「あ、じゃあそろそろご飯用意してくるね」
 部屋に立ち込めた雲に気付く事無く、つかさが部屋を出ようと私に背を向けた。
その背に、声を投げかける。
「ごめん、つかさ。私今は要らないわ。
もうちょっとだけ、眠るから」
「大丈夫?」
 心配そうなつかさの声に、私はまた嘘を重ねた。
「大丈夫よ」
 更にもう一つ、嘘を重ねる。
「昨夜コーヒー飲みすぎちゃって、胃が凭れちゃってるのよ」
 別に、凭れてなどいないのに。
「そっか。分かった。じゃ、お大事にね」
 つかさが出て行くと、私はベッドに身体を投げた。
「大丈夫、なワケないわ」
 独り言を呟く。あのままつかさと会話を続けていたら、
前後すら忘れて襲い掛かっていたかもしれない。
夢で見たように、首を絞めていたかもしれない。
「睡眠、足りないのかしら」
 何気ないつかさの言葉すら悪意が込められているように解釈してしまったのは、
まだまだ睡眠が不足しているせいだろうか。
 私は瞼を閉じて、もう一度眠気が訪れるのを静かに待った。
今度もまた、夢を見るのだろうか。
290炉心融解:2009/08/21(金) 19:03:24 ID:chEBIRev

*

「お姉ちゃん、もう夕方だよ?」
 つかさの声で、私は目を覚ました。
身体はまだ気だるさを訴えていたが、容赦せずに私は上半身を起こす。
「そう、もうそんな時間なの。寝過ぎたわ」
 外に眼を転じると、山に落ちていく燃えるような太陽の赤が、
夕暮れ時である事を告げていた。
先ほど空に陰りを与えた雲は、拡散する夕焼けの光に照らされて、
泣き腫らした後の眼のように赤く映えている。
 それにしても…結局今日一日眠って過ごしてしまった。
今日私が眠っている間に、世界はどれだけ変わっただろうか。
私が惰眠を貪っている一日の間に、どれだけの人々が結ばれただろうか。
一つ言える事は、同性愛や姉妹恋愛に対する冷たい視線は融かされていないという事だ。
そこまで、都合良く世界は動いてくれない。
寧ろ、人がやがては老いて死んでゆくように、世界もまた少し死へと近づいたのではないだろうか。
融けるように少しづつ、少しづつ死んでゆく世界の中で、私達は生きている。
その死へ向かう一方通行の時間軸からは、誰も逃れられない。
なら、いっその事、愛しき者くらい、この手で自由に死を操る事くらいはできないだろうか。
どうせこの恋慕の情が世間から許される事はないのだ、
なら生命そのものを押し潰して、せめて他の誰かにつかさを盗られる事だけは避けたい。
 気がつけば、つかさの首を絞めていた。
春風に揺れるカーテンが、窓を閉め忘れたまま眠りに就いてしまった事を教えていた。
でも、今更窓を閉めようなどと思わない。今閉めるべきは窓ではなく、
今締めるべきはこの細い細い首だ。
 それでも私は、薄々勘付いていた。どうせこれは夢だと。
また私は、つかさを殺す夢を見ている。
つかさの体温すらこの手に感じるほどの、リアリティに溢れた夢を、また見ている。
いっその事、今度は最期まで見てみようか?
この夢、最期まで見てしまおうか?
ほら、こうやって手に力をどんどん加えていってさ。
「ぉねぃ…ちゃんっ…」
 つかさの乾いた唇から、弱々しい声が漏れ出た。
黙れ。
「おっ」
 更に力が加えられたせいか、つかさの言葉はそこで途切れた。
つかさは強く強く唇を噛み締めた。血が、泣き腫らした眼の色よりも、
あの陽の赤よりも深みを持った赤い血が、唇から流れた。
そのあまりの鮮やかさに、思わず私の手の力が緩んだ。
その隙を見計らうかのように、つかさはもう一度呼んだ。私を。
私を、呼んだ。
「ぉっ、ねえちゃぁんっ」
291炉心融解:2009/08/21(金) 19:04:20 ID:chEBIRev
 乾いた唇から、切れた唇から零れる言葉は、
泡のように弱々しく頼りなかった。
それでも、私に一撃を加えるには充分すぎた。
これは夢ではなく現だと、私に教えるには申し分のない一撃だった。
「っ」
 私は絶句と共に、つかさの首から手を離した。
激しく咳き込むつかさと、狼狽のあまり口が固まった私。
互いに声を出せない状況が、暫く続いた。
「お姉ちゃん…一体どうしちゃったの?」
 先に声を発したのは、つかさだった。
その声は、詰る様でも責める風でもなかった。
「ごめん、つかさ…私、どうかしちゃってるわ」
 赤い跡が未だ残っているつかさの首筋を見つめながら、
私は言葉を返した。
「お姉ちゃん、本当に大丈夫?いっぱい眠ったり、コーヒーいっぱい飲んだりとか、
色々と心配な行動多いけど…。本当は身体の具合、悪いの?」
 その声からは、本当に私を気遣っているという優しさが感じられた。
詰ってくれた方が、いっそのこと楽だ。
だって私はつかさに…これだけの暴行を働いたのだから。
「身体は大丈夫、大丈夫だから。疲れてる…みたい」
 その優しさが痛くて、耳朶にも鼓膜にも心にも痛くて、
私は言葉足らずな返答で凌ぐ。
疲れてる、という首を絞めた理由としては到底納得を得られない言い訳にも関わらず、
つかさはその優しい態度を崩すことは無かった。
「そう…。無理、しないでね。お粥だけでも、持ってこようか?」
 私は手を振って拒絶の意を示す。
無理だ、何も胃を通らない。無理に食道に押し流しても、逆流の憂き目を見るだけだ。
 つかさは心底残念そうな苦笑いを浮かべると、
「お大事にね、くれぐれも無理しちゃ駄目だよ?」
念を押すように私を気遣って、部屋から出て行った。
…つかさが背を向ける際、私は確かに見た。
つかさの瞳の端に浮かんだ、涙の粒を。
その映像を罪悪の証として、私はこの目に焼付け、脳髄に刻み込んだ。
 ああ、本当に核融合炉に飛び込んでしまいたい。
つかさの首を絞めた記憶はもとより、つかさへの恋慕の情すらも
融かして消えてしまいたい。そうすればもう、つかさを傷つける事はないから。
 核融合炉に飛び込んでみたい。飛び込んでみたら、
また昔みたいに仲の良い姉妹に戻れて、
そして悪夢を恐れる事無く眠れるような…そんな気がして。
292名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 19:06:17 ID:chEBIRev
>>286-291
規制まで後2レス程いけそうですが、キリがいいので今回はここまでにしておきます。
では次の投稿時にお会いしましょう。
293きょうは何の日?8月21日編:2009/08/21(金) 22:08:13 ID:6KGzdw74
みゆき「だばだばだばだばだば」
こなた「みゆきさん……鼻血が相変わらずすごいね……」
みゆき「愛のなせるワザです!……あっ」
かがみ「とうとう貧血をおこしたか……」
みゆき「き…今日は献血の日です…
1964年のこの日、閣議によって、それまでの売血制度を改め、
献血推進運動が日本赤十字社や厚生省などによって展開されることとなりました。
これを記念して定められた記念日です。
現在、日本では輸血用血液は献血によって完全自給されています…
はぁ…はぁ…」
つかさ「う〜ん…献血してあげたいけど、私達三人ともゆきちゃんとは血液型ちがうよね」
かがみ「みゆきはO型だから……」
ひより「抜き足…」
パティ「サシアシ…」
ひよ・パティ「忍び足……アッ!!」


>>292
かがみの心情が鮮明に浮かんできました。
GJです!続きに期待してます。
294名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 22:41:59 ID:ockK2vbd
「ねぇかがみんや」
「何かしら」
「ココが献血車だってのはわかった。献血の日だから管が付けられているのも理解できるよ。」
「じゃ問題ないわよね」
「でもさ、管が付いてるところがなんかこう、いろいろと問題ある穴ばっかなのはどーゆー事なんだろう」
「こまけぇこたぁいいんだよ!」
「よくないよくない」
「じゃいくよお姉ちゃん」
「いいわよつかさ、パワー最大で」

ヴヴヴヴヴヴヴヴ!

「違う液がれひゃう、れひゃうよぉおおぁおお!」
295名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:44:17 ID:jtgkB5ly
ちなみに。
よく『AB型が特に不足しています』といわれているが、その理由は絶対数が少ない上にA型、B型にも輸血できる(多分)から。
なつかしの学研まんがシリーズでそういう事が書かれていたのを覚えているがうろ覚えなのでみゆきさん補足お願いします。
296名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:53:29 ID:LsUgsd/d
>>286-291の投下します。日付跨げば、連投規制回避できるかな?
297名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:54:26 ID:LsUgsd/d
ああ、そうだ。注意事項等は>>285参照お願いします。
298名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 23:55:02 ID:k44/h0lG
ななこ「私らもO型なんやけどなー…」
ひかる「まぁまぁ…わか、、活きの良い血の方が良いといいますし」
そうじろう「俺みたいなクサレオタクの血を献血したらとんでもない事になりますし」
ゆかり「ところで親子だと駄目なんでしたっけぇ…?」
あきら「ちくしょー!白石以外にフラグ立つと思ったのにー!」
ななこ「何やこの面子……」

ひなた「あらあらぁ、私も交ざりたいわぁ」
ひかげ「お姉ちゃん!、見ず知らずの人達に混ざらなくてもいいじゃない!」
ひなた「あらあらぁ?、ひかげちゃんやきもち焼いてるのぉ?」
ひかげ「違うわっ!」
299炉心融解:2009/08/21(金) 23:55:34 ID:LsUgsd/d

*

 あれから何日が過ぎただろうか。
日付の感覚すら、曖昧だ。時の経過に、本当に鈍感になった。
時計の秒針が、時を刻んでいく音が耳に届く。
でも、その音は鼓膜を揺らすだけで、私を急かす事は無かった。
あの音に追いかけられながら生きている人間が、
この世界には多く存在しているというのに。
 何気なしにつけたテレビに映る司会者は、冗談を飛ばし、スタジオを沸かせていた。
笑いに包まれている、液晶の向こう側。
そこにいるけど見えない誰か達が、笑い声を反響させているのだろう。
飽和状態に達しているんじゃないかと思うくらいに、笑い声が反響している。
あれだけ笑えるという事は、
幸福、なのだろうか。笑い声を提供している人たちは、幸福なのだろうか。
そこにいるけど見えない誰か達は、禁忌に触れるような愛に身を焦らし、
世間への不条理を感じる事はないのだろうか。
もし、あの中に私の仲間が居たら…それはきっと、
私がまだ笑える事の証明になる。そんな気が、一瞬だけした。
そんな錯覚を、一瞬だけ抱いた。
 居るわけが、ない。どちらかというと、私のような者を迫害する側なのだろう。
異性愛を押し付け、近親愛が倫理に触れるものだとする宗教を支持する、
アチラガワの人間達なのだろう。だからこそ、ああやって笑ってられるんだ。
生産性が無いものは、悪ですか?
周囲と同じような事ができないのは、害ですか?
問いかけたい。この問いを叩きつけてやりたいっ。
 いや、本当は…許されたいだけなのかもしれない。
 それを認めたく無かったから、
笑い声を響かせる彼等をじっと睥睨するように、テレビの液晶画面を睨みつけた。
羨みと妬みを込めた下卑た視線で、睨みつけてやった。
「ただいまー」
 突如、明るい声が響き渡る。
つかさの、声だ。そういえば今日は、姉さん達も親も居ない。
つかさと、二人っきりだ。あの時の、首を絞めた夕暮れの時のように、二人っきりだ。
「お帰り、つかさ」
 笑顔で迎える。あのスタジオに居る連中に負けないくらいの笑顔を表情に漲らせようと努めて。
「ただいま、お姉ちゃん」
 つかさもにこやかな笑みを私に向けて返してきた。
あの日あんな事があったにも関わらず、つかさが私に対する態度を変える事は無かった。
「あ、テレビ見てたんだー」
「別に。退屈しのぎに流してただけよ」
 私は自分の言を裏付けるように、テレビのスイッチを切った。
笑い声は、途端に止まった。
300炉心融解:2009/08/21(金) 23:57:15 ID:LsUgsd/d
「お笑い番組?」
「だったみたいね。つまんなかったわ」
それはもう、不快になるくらいに。
憎悪を覚えるくらいに。
「あはは、お姉ちゃん、笑いには煩そうだもんね」
 つかさはジャケットを脱ぐと、ソファに座った。
薄着の下から、小振りながらも形の良い胸がその存在を主張している。
──今、この家には私とつかさ二人っきりだ
その囁きが、突如として私の脳裏に反響した。
悪魔の誘惑と言ってもいいくらいの、甘美な囁きだった。
「つかさ…」
 私はつかさの隣に座った。
「何、お姉ちゃん?」
 つかさは無邪気な笑みを私に寄越しながら、そう言った。
信頼に満ちた無警戒な瞳が私を射抜く。
あれだけの仕打ちを受けながら、なおもつかさは私を信頼している。
これはつまり…つかさも少なからず私に好意の感情を抱いているからではないだろうか。
それも姉妹愛という家族愛の一種ではなく、恋情に近い想いを、
私に対して抱いているからではないだろうか。
でなければ、いくら姉妹と言えどもここまでの信頼はすまい。
 都合のいい妄想が、私の脳内を巡る。
そう、分かっている。都合のいい解釈だって事くらい。
でも、五割くらいは、自分の推理を信じていた。
「つかさっ」
 私は意を決して、つかさを押し倒した。
私は五割に賭けた。もしこの賭けに勝てば、つかさは私の物だ。
世間は許さないだろう。でも、どうせこのまま自分の心を抑えつけていても、
何れ崩落するのは目に見えていた。
なら、親にも社会にもこの愛が露見せず、
そしてつかさが私を受け入れる可能性に賭けるのも、悪くないような気がした。
認識がない限り、世間は私に攻撃の矛先を向ける事はできない。
露見さえしなければいい。出来れば恥じる事無く、
公明正大なものとして赤裸々に振舞いたいのだけれど。
「お姉ちゃっ?」
 驚愕に見開かれたつかさの表情が、この視野に映った。
構わず私は、つかさの唇を自分の唇で塞ぎ、両腕で胸部を弄った。
「ぷはっ。お、お姉ちゃん…。どうしちゃったのっ?」
「アンタが好き…」
「…え?」
「アンタが、好き。家族愛とかじゃなくって、一人の女として、アンタが好き」
「お姉ちゃ…」
 つかさにそれ以上喋る隙を与えないように、
乱暴につかさの上着を捲くり上げて直接乳房を掴む。
ああ、胸部の下着が邪魔だ。一々ホックを外すのももどかしい。
私は乱暴に下着を剥ぎ取ると、綺麗な桃色の乳首にしゃぶりつき、
白い乳房を念入に揉みしだいた。
301炉心融解:2009/08/21(金) 23:58:18 ID:LsUgsd/d
 秒針と、つかさの荒い呼吸と、衣擦れと、唾液の音が部屋に響く。
と、同時に大きな笑い声が耳骨内に響いていくのを感じた。
この笑い声には聞き覚えがある。先ほどテレビから流れていた、あの笑い声だ。
私の行為を嘲るように、その笑い声はだんだんと大きさを増してゆき、
容赦なく私の鼓膜を嬲った。
視線を移せば、確かにテレビは消えている。笑い声が聞こえてくる事など、
有り得ない。つかさが笑っているわけでもない。
なら、この鼓膜を叩く笑い声は一体何なのだろう。
幻聴…いや、耳鳴りだ。耳鳴りにさえ、あの笑い声を重ね合わせてしまっている自分に気付き、
私は愕然となった。やはり、私は世間の目が怖いのだ。
もしつかさがこのまま私を受け入れたとして、露見してしまえば世間からの蔑視に晒される。
それが、怖いのだ。だからこそ、同性愛・近親相姦を弾く世間の象徴として感じたあの笑い声が、
耳鳴りの姿を借りて私の脳内にリフレインしているのだ。
 愕然としながらも、私は行為を続けた。
つかさに感じてほしかった。喘いで欲しかった。快感のあまり発狂して、
叫喚のような笑い声を上げて欲しかった。
そうすれば、つかさの声に押されて耳鳴りがかき消されるような気がしたから。
だから、私は一心不乱に行為を続けた。つかさの乳首を摘まみ、噛み、吸い上げ、
そして舌で転がした。
つかさの呼吸は荒々しさを増したが、それでも耳鳴りを相殺するにはまだ足りない。
やはり、絶頂に達した時の獣の如き咆哮でなければ、
この笑い声に似た耳鳴りを消し去るには不十分なのだろう。
そう考えると、つかさの身体が楽器のようにすら思えてきた。
私が上手く演奏すれば、鳴いてくれる楽器。
302炉心融解:2009/08/21(金) 23:59:17 ID:LsUgsd/d
「アレグロ」
 速く鳴かせろ、その意を込めて、私はそう口にした。
「アジテート」
 自らを煽動するように、そう口にした。
「アレグロッアジテートッ」
 その言葉と共に、つかさの身体を這う手の動きを加速させる。
「アレグロ、アジテート」
 呪文のように、この言葉を口にしながら、加速させる。
「アレグロ・アジテート」
──それでも
「アレグロ・アジテート」
楽器は鳴いてくれなかった耳鳴りは消えてくれなかった──
「アレグロ・アジテート」
 耳鳴りが消えない止まない。
「アレグロ・アジテート」
 耳鳴りが消えないっ止まないっ
「アレグロッッアジテートッッ」
耳鳴りが消えない!止まない!
 
 消えろ、そう念じても消えない。乳首じゃ駄目だ。
今更その事に気付く。私はつかさの下着へ手を滑り込ませ、性器を撫でた。
「んっ」
 楽器は僅かながら、鳴いた。
続いて私は、陰核を摘まみ上げた。
「んぁっ」
 今度はよりはっきりと、鳴いた。
今度こそ、耳鳴りを消そう。嘲笑と混同しそうな、この耳鳴りを。
耳鳴りだけじゃない。私とつかさ以外、全て消えてくれても構わなかった。
寧ろ、その方が都合が良かった。嘲り虐げ、引き裂こうと目論むのなら、
世間も社会も世界も消えてしまえ。
その憎悪が心に芽を覗かせた時、私はふいに記憶が蘇るのを感じた。
そう、あの日見た夢の記憶が蘇ったのだ。
つかさの首を締める夢の後、もう一度眠った時に見た夢が、
今更ながら鮮明なる映像で以って脳に再生されてゆく。

 あれは、誰も皆消えていく夢だった。
まつり姉さんも、いのり姉さんも、お母さんも、お父さんも、
こなたも、みゆきも、消えていく夢だった。
つかさと私以外の全てが、消えていく夢だった。
誰も居ない世界で、つかさと二人きりで誰からも邪魔されずに愛を育める理想郷の夢だった。
他にも色々と消えた。みなみちゃんも、ゆたかちゃんも、峰岸も、そして日下…
誰だっけ?ああ、大切な友達だった気がする。
夢から消えただけではなく、今や私の記憶からも、
つかさ以外の全てが消されようとしているのだろうか。
303炉心融解:2009/08/22(土) 00:00:21 ID:LsUgsd/d
 ああ、でも冷静に考えれば、この世界は二人では寂しくなるくらいには広い。
私とつかさ以外の存在を消すことまで、
果たして私は例え深層心理の底であっても望むだろうか。
 真夜中のこの部屋でさえ、こうしてつかさと二人居るだけでも広いのに。
部屋の広さが胸に痞えて、呼吸すら困難になる程なのに。
 なのに、友人や家族を含めた全存在を消すことを望むだろうか。
私が本当に望んでいるのは、許容される事であるはずだ。
姉妹同士の同性愛が、許される事を望んでいるはずだ。
なのに、峰岸やみゆきを消すなんて…。いや、他にも二人居たはずだ。
うち一人は、ついさっきまで覚えていたはずだ。
私の背筋を、冷たい恐怖が走り抜けた。今こうしている間にも、
存在を消している。勿論、彼女が消えたわけではないだろう。
だが、私の中では、最早名前も思い出せない赤の他人となっている。
まるで、つかさ以外要らないと私の何処かで判断して、不要なものを廃棄しているかの如く。
…そういえば、峰岸なんて本当に実在したか?
みゆきは確かに居たと思うけど、友達だったっけ?
私の姉は、二人だっけ?一人だっけ?
お父さんの名前、なんだっけ?お母さん、まだ生きてたっけ?
 夢の内容をトレースするように、私の中から一人、また一人と消えていく。
怖い。恐怖が肺を圧迫して、上手に息ができない。
喘ぐように呼吸するのが精一杯だ。

「ぴゃああああああああっ」
 つかさの猛々しい咆哮で、私は我に返った。
遂に、彼女の身体が絶頂を迎えたのだろうか。
そう一瞬思ったが、違った。単に、破瓜の痛みからの絶叫に過ぎなかったらしい。
私が我を失って発狂寸前の自問自答をしている際、
つかさの性器深くにまで加減せずに指を挿し入れてしまったらしい。
その事を、血で赤く染まった私の右手が示している。
楽器の演奏は、失敗に終わった。壊してしまうようでは、奏者として失格だろう。
だが、耳鳴りを消す、という目的は達していた。
猛るようなつかさの叫喚によって、耳鳴りは止んだ。
だが、目的はもう一つあったはずだ。
つかさの、歓心を買うこと。即ち、つかさは私の愛を受け止めてくれるかどうか。
それが、元来の目的であったはずだ。
「ご、ごめん、つかさ。痛かった?」
 なるだけ優しい声を放ちながら、慈しみを帯びさせた視線でつかさを見つめた。
この視線に期待の色が多少混じっている事も、自覚していた。
そしてこの期待は、
「酷いよ、お姉ちゃん」
見事なまでに
「こんな事するなんて」
粉砕された。
 言葉だけなら、まだ期待の余地くらいは残していられた。
だが、つかさの蔑みに満ちた表情は、その余地を残す事すら許してはいなかった。
304炉心融解:2009/08/22(土) 00:01:31 ID:b9nnccKN
「ご、ごめん、つかさ。やっぱり痛かったわよね」
「それだけじゃ…ないよ」
 つかさは憎悪にも似た瞳で私を見据えると、言葉を続けた。
「どうして…こんな事するの?強姦するなんて…酷いよ」
 破瓜の痛みそのものよりも、
了解も得ずに押し倒した事についての怒りの方が勝っているらしい。
「本当にごめんね」
 それでも、それだけなら私はまだ救われた。
期待が粉砕された程度、希望が潰える事に比べればどうという事はない。
まだ私には、つかさの機嫌を直した上で、
次は別のアプローチ方法で迫ろうなどと図々しい事を考えていられた。
つかさの、次の次の言葉を聞くまでは。
「ショックだよ。私の初めてを奪ったことも、
お姉ちゃんが強姦するような人間だったって事もショックだけど。
それ以上に」
次の言葉を聞くまでは。
「お姉ちゃんがそんなアブノーマルな性癖持っていたなんて、信じられないよ。
どうかしてるよ。女同士、増してや姉妹同士で恋慕の情を募らせるなんて。
募らせるのは許せるにしても、その思いを口に出しちゃうなんて。
お姉ちゃんや…同性愛者の人には悪いけど、理解できないよ。
いや、ただの同性愛者なら勝手にやってて下さいって感じだけど、
姉妹で、だなんて、正直気持ち悪いよ…」
 残酷な、拒絶だった。目の前が揺らぐ。
もう、望みの欠片も持たせない拒絶の仕方だ。
性は変えられない、それ以上に、血は変えられない。
原始的なレベルで、つかさは私を拒絶していた。
私の努力では、最早どうにもならない。
 それ以上に深刻な衝撃として私の心を見舞ったのは、
つかさがアチラガワの人達と同じような価値観を持っていたという事だ。
つまり、同性愛や近親恋愛に対して蔑視の眼差しを注ぎ、
弾劾を加えてくる人々の一員に、つかさは属しているらしい。
帰属意識は無いだろうが、私から見ればアチラガワの人間だ。
「そ、そう。尤もね。尤もな意見ね」
 説得したかった。翻心させたかった。
けれど、それは徒労に終わるだろう。
社会深く根ざしたコンセンサスは、正当な論理をすら無効としてしまう。
多数派に属している、という安心感がそうさせるのだ。
だから私は、つかさの言を肯んじて聞き分けの良い姉を演じるしかなかった。
「ごめんね、部屋で、休んでくるわ」
 眩暈が酷い。その為、注意深く階段を昇った。
一段一段、足場を確かめるようにして。
眩暈という段階を通り越して、幻覚の世界を歩いているかのような錯覚にさえ陥る。
昇る階段が、歪んでさえ見える。
ああ、でも、足を踏み外してしまった方がいいのかもしれない。
そのまま頭でも打って、全ての記憶を消失してしまえばいい。
305炉心融解:2009/08/22(土) 00:02:37 ID:b9nnccKN
 どうにか、部屋に着いた。
ベッドに身を投げると、天井を見上げた。
ああ、本当に核融合炉に飛び込んでしまいたい。
旅客機ハイジャックして、飛び込むのいいかもしれない。
全て巻き込んで、この世界ごと消してしまうのも、いいかもしれない。
 止めた。下らない。原発に突っ込めば大惨事にはなるだろうが、
なお世界は存続し続けるだろう。世界を滅ぼす事に比べれば、
世に蔓延る価値観をシフトさせてしまう事の方が、
或いはつかさを翻意させることの方が、遥かに容易だ。
 それ以上に容易なのは、私が死ぬこと。
社会の価値観を変えてしまう事よりも、社会に馴染めない人間を排斥する事の方が容易なように。
私のような人間、居ない方が社会にとって有益なんだろう。
そうやって、逸脱しかけている人間を受容するのではなく排除する事によって、
歪みの生じているシステムを延命させてきたのが、今の社会なのだろう。
「核融合炉にさ、飛び込んでみたら、そしたら、
きっと眠るように消えていけるんだ…」
 思わず、独り言が漏れる。
 私のいない朝は、世界にとってもつかさにとっても、
今よりずっと素晴らしくて、
全ての歯車が噛み合った、きっと、そんな世界だ。
 排除の論理で延命を続ける、きっと
「そんな世界だ」
 そんな世界を守る為に、散るのではないけれど。
 私は机の抽斗から、カッターナイフを取り出して手首に宛がった。
冷たい刃の感触が、心地よく手首を擽る。
「もっと、心地よくて気持ちいいこと、できたはずなんだけどな…」
 私は、カッターを押し当て、引いた。
鮮血が飛び散り、私の顔と被服に斑状の赤い化粧を添えた。
「痛い…痛いじゃない」
 つかさは破瓜の際、これ以上の痛みを味わったのだろうか。
私に押し倒されている時、今の私以上の絶望を味わっただろうか。
 ああ、それにしても本当に痛い。痛い割に、死ねそうにもない出血量だ。
核融合炉に飛び込んでみたら、きっと眠るように消えていけたろうに。
真っ青な光に包まれて綺麗に、全て許されて消えられるような気がする。
 実際に私を包んだのは、青とは対極を為す赤だった。
いや、包むというよりは、彩を添える程度の出血量か。
 中性子が一つウランにぶつかれば、二つ飛び出す。
それが更にウランにぶつかり、さらに多くの中性子が飛び出していく。
そうやって臨界点を超えれば核分裂を起こし、多大なエネルギーを生み出す。
 人が迫害されていく過程に似ている。一つのコンセンサスと衝突すれば、
連鎖的に次々と糾弾してくる人が増えてくる。
そしてその摩擦の生み出す膨大なエネルギーは、差別となり根付いてゆく。
306炉心融解:2009/08/22(土) 00:03:30 ID:LsUgsd/d
 だからこそ、核融合炉に飛び込めば全てが許されるような気がした。
似たような課程を辿って生み出されるエネルギーによって消失すれば、
全てが許されるような気がしたのだ。
ああ、そういえば核分裂と核融合は違う現象だったか。
でも、どうせ核融合には核分裂の際のエネルギーが必要となるから、
似たような課程を辿ってはいるだろう。
「お、お姉ちゃんっ?何やってるのっ?」
 静寂に包まれていた部屋を、金切り声が劈く。
「つかさ…?どうして私の部屋に?」
 つかさは私の発した問いかけに答える前に、
私の肘の辺りを自分の服で強く縛った。
その後、
「お姉ちゃんの様子が尋常じゃなかったから、つい心配で来たんだよ…。
そしたら…」
語尾を濁して答えた。
「あは、もう大丈夫じゃない?そんな深く切ったワケじゃないし、
止血措置も施したし」
「良かったー。でも何で、こんな馬鹿な事したの?」
 私は気づいた。つかさの瞳が潤んでいる事に。
不思議だった。つかさには、嫌われていると思っていたのに。
「つかさ、私の事、心配なの?」
 私はつかさの問いに答えずに、質問で返した。
「当ったり前だよ。家族、だもん」
 何処か怒ったように、つかさは答えた。
「さっきの件で、つかさに嫌われたかと思ってたわ」
 ついつい、本音が漏れ出る。
「そりゃ、ショックだったよ。それでも、お姉ちゃんが大切な家族で、
大事な姉である事に変わりはないから」
 ああ、そうか。そういう、理由か。
恋愛対象としては見れないけれど、家族として大切。
いかにも一般人らしい感覚だ。
 私の心の中に、ふと暗い考えが擡げた。
利用、できるんじゃないだろうか。
その心、利用できるんじゃないだろうか。
 核融合炉に飛び込む事が侵入者を拒絶するが故に出来ないならば、
炉心融解させてしまえばいい。向こうから青白い光を放たせてやればいい。
それで、光に包まれる事ができる。融ける事が、できる。
「つかさ、さっきの問いに答えるわね。
どうしてこんな事したか、って問いに」
「うん。是非是非教えて。お姉ちゃんの悩み、私も解決したいから」
 私はなるたけ冷たい表情を作って、つかさを見つめてやった。
そして、呆れたような声でつかさに告げる。
「てかな、つかさからその問いが発された事自体、驚きなんだけどな」
「えっ?」
307炉心融解:2009/08/22(土) 00:04:57 ID:b9nnccKN
「アンタに拒絶されたから、に決まってるじゃない。
期待持たせるような態度今まで散々取っておきながら、
いざ勇気だして告白したら冷たい言葉で拒絶、なんて絶望するに決まってるわ」
「じゃ、じゃあ、私のせいだって…言うの?」
 泣き出しそうなつかさの瞳を見るのは、辛かった。
でもそれ以上に、つかさを手に入れたい。
つかさを不幸にしてでも、手に入れたい。
これは愛だろうか。いや、きっとこれも愛だろう。
愛は…増してや恋愛は独占欲の塊に満ち満ちている。
なら、相手の幸福を慮らずとも、成立しうる。一方の勝手な欲望のみでも、それは成り立つ。
「本当に…そんな質問してるの?」
 突き放すような冷たい声で、質問を返した。
「あぅ…」
 つかさが黙りこくったのを機に、畳み掛けるように私は言葉を続けた。
「つかさの私に対する態度に恋慕の念を感じ取ったから、
私もつかさに対して恋情抱いたのよ。好きになられたら好きになる、ってヤツね」
 勿論、嘘だ。私がつかさの意思など推察せずに、勝手に一方的に惚れたに過ぎない。
「そもそもの原因は、アンタにあったのよ。なのにアンタは…
私の心を、気持ち悪いとまで言った。そりゃ、生きてく気もなくすわね」
「そんな…お姉ちゃん、ごめん。さっきは、言い過ぎたよ」
 謝罪の言葉を引き出した。これでつかさは、罪を認めたも同じだ。
罪悪感という負い目を、その心に根付かせる事に成功したのだ。
さて、ここからが正念場だ。
アレグロ・アジテート。速いテンポによる論理展開により、
思考の暇を与えずに煽動する。こちらの意図通りに、つかさを誘導しなければいけない。
「いや、いいのよ。勘違いしたのは、私の方なんだし。
つかさはただ無邪気に…振舞ってただけなのよね。
その無自覚な無邪気さが、たまたま残酷に作用したってだけの話で」
 一歩退いた態度を見せると、つかさに言葉を挟む余地を与えずに矢継ぎ早に続けた。
「だから、私一人で完結させるわ。胸に巣食う絶望は私一人で、始末を付けるから」
 つかさの肩が激しく跳ねるのが分かった。
「ど、どういう…事?また、自殺しようなんて考えてるの?」
「ま、生きててもしょうがないしね。ほら、つかさには拒絶されちゃったし。
この絶望に始末を付けるには、そうするしかないの」
「だ、駄目だよ。死んだりなんかしちゃあ」
「アンタに止める権利はあるのか?」
「え?」
「そりゃ、アンタの恋慕の態度を勘違いして、アンタに惚れちゃったのは私よ。
だからまぁ、別につかさを責めようなんて考えちゃいないわ。
でも…原因を作ったのはつかさよ?罪悪感を覚える必要はないけど、
原因だけ作って解決策を閉ざそうなんて、幾らなんでもあんまりじゃない?
他の解決策提示して止める、ってんならともかく。
まぁ、他の解決策なんて無いけどな。つかさの代替なんて、居ないわけだし」
「じゃ、じゃあ…」
 つかさは押し黙った。今、彼女の中で二つの心が葛藤しているのが分かった。
今までの人生の中で獲得してきた倫理観と、
家族の命が天秤で量られ、激しく鬩ぎ合っているのが、よく分かった。
そして私の狙い通りに、秤は傾いた。
「じゃ、じゃあ…私がお姉ちゃんと恋仲になれば…それで解決するんじゃないのかな」
 罪悪感という負い目を芽吹かせたのが、決定打となったのだろう。
308炉心融解:2009/08/22(土) 00:05:45 ID:LsUgsd/d
「それは私にとって最高の解決法だけど…アンタはいいの?」
 質問の形を取ってはいるが、実態はただの確認作業だ。
儀式的な、問いかけに過ぎない。
「うん…。私、実は…よーく考えてみると、お姉ちゃんの事、好きだし。
…恋愛の対象として、好きだし」
 つかさも、儀式に則った答えを返してきた。
「そう。なら、問題ないわね」
 偽りである事など、分かっている。だが、つかさを手に入れた。
私はつかさを抱き寄せると、ベッドに押し倒した。
芳しい髪の香りが、鼻腔を擽る。
「愛してるわ、つかさ…」
 もし、私が死んでいたら…
私のいない朝は、つかさにとって、
ずっと素晴らしくて、全ての歯車が噛み合っていた事だろう。
でもその素晴らしい朝に至る路を私は閉ざした。強引極まりない手段によって。
路を誘導し心を支配した。誘惑、駆け引き、策略、それらの言葉では足りない、
もっと強引な手段によって、だ。
そう、詐術というよりは誘拐に近い。路も心も、かどわかした。
───路心誘拐、してみせた。
 これから先、二人の仲が露見すれば、世間から蔑まれるかもしれない。
それを恐れていたが、今やどうでも良かった。
つかさをアチラガワの世界から引き離した、それが嬉しかったから。
私が恐れていた迫害は、世間一般からの攻撃ではなく、
つかさを含めた世間一般からの攻撃だったのかもしれない。
それにもう、耳鳴りは止んでいる。
「これから私達が歩むのはね、何処かの歯車が狂って、
誰もみんな消えていって、それでも今よりはずっと素晴らしい、
融けるように少しずつ少しずつ死んでゆく──」
 私はつかさを強く強く抱きしめた。
「──きっとそんな世界だ」

<FIN>
309名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 00:07:32 ID:b9nnccKN
>>299-308
以上で、完結です。
お読み頂いた方、有難うございました。
310名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 06:22:55 ID:ovfIpevy
>>309
GJ!面白かったです!!
311名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 13:13:39 ID:6sNPZ+Wi
ズリネタ精液吐き溜めスレ
312名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 13:27:32 ID:eO0D/6tP
>>311ダンテ「置き溜めのゴミにしちゃガッツあるな」
313名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 18:44:50 ID:Lkx8LSVd
エロゲ表現規制対策本部 209
http://qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1250926765/

エロゲ表現規制 政治系対策本部14
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1250312111/

エロゲ販売規制問題まとめwiki - トップページ
http://www28.atwiki.jp/erogekisei/
314名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 18:45:38 ID:mAv5cc4p
>>311
安心しろ、こんなとこ見てる時点でお前も同類だw
315名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 19:20:02 ID:k5t3K0eb
書き手にとってはむしろ褒め言葉
316名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 20:23:08 ID:mGfUbgNL
皆様こんばんは。 54-290です。
携帯からですが投下させていただきます。

こなしゃるDシリーズ、
暑いからって安易に納涼企画でw

・クルマネタ、興味ないかたは面白くないかも。今回は走り成分薄めなんでスナック感覚で軽くドーゾ。
・コメディ系、エロ無
・シートベルトをしめましょう。走行シーンを公道で真似しないで(ry
・タイトルから既にオチが読める感バリバリ伝説ですがキニシナイ!

http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0199.txt
317今日は何の日?8月22日編:2009/08/22(土) 21:42:22 ID:r4KQ2rYO
つかさ「そういえば前から疑問だったんだけど、チンチン電車の名前の由来ってなんだろー?」
ぴしっ
みゆき「え ええと…詳しく話すと長くなるので省きますが、これはフートゴングの音や、車掌が運転士にあるいは運転士が車掌に合図を

送るために鳴らしていた鐘(ベル)の音に由来するそうですよ。
ちなみに今日はチンチン電車の日です。
1903(明治36)年、東京電車鉄道の路面電車が新橋〜品川で営業を開始し、東京で初めて路面電車(チンチン電車)が走りました」
こなた「そうなんだーはい、今いかがわしいコト考えた人挙手―――――」
ばっ!!!
こなた「あれ?」



>>316相変わらずの良作、GJです!

かなたとそうじろうの誕生日スルーしてもうた……orz
318名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 23:48:16 ID:mGfUbgNL
つか『そっかー鐘が
チンチンって鳴るからチンチン電車って言うんだー!はっしゃするときチンチンって言うから
チンチン電車なんだねー!』


こな『・・・私が悪かったですもう勘弁して下さい・・・』
319名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 20:22:59 ID:rXFdo7pB
320名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 23:26:17 ID:znXaHmT8
議題:彼氏が浮気したら

みさお「ソッコー別れるにきまってんじゃん。許せねーよ」
つかさ「うーん、やっぱり彼の事信じちゃうよ。だって、裏切るなんて思えないし。
    帰ってくるまで待ってるよ。私に魅力がないだけかもしれないし」
こなた「私はー。一度二度は許すかも。私も二次元に浮気してるからね」
みさお「えー、一度だって許せねーよー。だって、こっちの事軽んじてんだぜ? 
    一度二度許せば、三度も四度も繰り返すっての。
    別に他の女と付き合うなとまでは言わねーけど、まずはフレっての。
    筋ってモンがあんだろ」
こなた「まー、人それぞれって事でいーじゃん」
かがみ「ってか私等、彼氏居ないからな。まー、一人彼氏持ち混じってるけど」
こなた「仮定の話だよ。折角盛り上がってるのに、水差しちゃ駄目だよ、かがみんや」
かがみ「ぐっ。一理あるわね」
つかさ「あ、そうだ。お姉ちゃんはどうするの?彼氏が浮気したら」
かがみ「殺すわ」
みさお「…え?」
かがみ「殺すわ」
あやの「私も柊ちゃんと同じー」
つかさ「ええ!?」
こなた「随分と、過激だね」
かがみ「あったり前じゃない。弄んだ罪は重い。死んで償って貰うわ」
みさお「ちびっ子ぉ〜、柊が怖い事言うんだよ〜。
     あやのも兄貴殺す事だけは止めてくれよぉ〜」
あやの「勘違いしないで。彼には何もしない。私もひぃちゃんと同じで、彼の事信じてるから。
     殺すのは、彼を誑かした女狐の方よ。屈辱と苦痛の限界超えて貰うから」
かがみ「へぇ、私とは違うのね。私は男の方を許さない。相手の女なんて、どうでもいい。
     いや、寧ろ同情の対象ね。騙されるのは、いつだって女の方。
     だから逆に同じ被害者として、同属意識抱くわね。
     一緒にその男の事、滅多刺しにしてやりたい気分よ。峰岸は、違うのね」
あやの「当たり前だよ。彼が私を裏切るなんて有り得ない。もしあるとしたら、
     泥棒猫さんが純粋な彼を騙したのが原因だよ。だから、相手の女を許さない。
     私と彼の仲切り裂くなんて、絶対に許せない!」
こなた(この二人、怖いよ…)
つかさ(対象が違うだけで、行為は変わってないよ…)
みさお(刺々しいなー。別れちまえばそれで終わりじゃんよー)
こなた(あ、そうだ。みゆきさんなら、優しい意見が出るはず。この過激な雰囲気何とかしないとね)
こなた「あ、そうそう。みゆきさんはどうするの?」
みさお「眼鏡ちゃんは、まさか殺すなんてしないよな」
みゆき「勿論です。殺人なんてしませんよ、医療関係目指してますから」
こなた(良かった、みゆきさんはこっち側だ)
みさお(ふぅ、眼鏡ちゃんはまともで良かった)
つかさ「だよね。安心したよ。で、ゆきちゃんならどうするの?」
みゆき「ちょん切ります」
つかさ「…え?」
こなた「…何を?」
こなた(って、聞くだけ野暮か)
みゆき「ちょん切ります」
つかさ(笑顔で怖い事、言わないでよ)
みゆき「それで、もう浮気する事は無いでしょう。罰も必要ですし。
     でも、それだけで許しますよ。切ってしまえば、もう誰とも付き合えません。
     だから私から逃れる事は出来なくなるんですね。罰と再発防止と別れのリスク消滅という、
     三つのメリットを備えた解決法だと考えてます」
かがみ「でも切ると、ヤレなくなるのよねー。それに、切った程度じゃ私の憎悪は収まらないし」
あやの「私の考えだと、悪いのは相手の女だから、彼に危害加える事はできないな」

こなた(ちくしょう、みゆきさんもあちら側だった…)
つかさ(もうやだ、この3人怖い…)
みさお(眼鏡ちゃんもまともじゃねぇ…。いっそ殺してやれよ。その方がマシだろ…)
321名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 23:34:39 ID:bBavDt7B
>いっそ殺して
永遠に賢者モードになってどーでもよくなるらしいよ。





みゆき「だからいっそのこと強姦者には去勢刑の導入を(ry」
322名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 23:55:45 ID:dnlZXUVz
>>321
なんか手術用のハサミをクル、チャキ、クル、チャキと回してそうだ・・・。
323名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 00:37:56 ID:yOylqBCr
聞いてるだけで、なんだかきゅ〜っときますね・・・。
もし準備されてる方がいらっしゃらなければ投下したいと思います。
よろしいでしょうか?
324:2009/08/24(月) 00:40:24 ID:yOylqBCr
 松です。ご無沙汰しています。
 今書いてる話に行き詰って、ついつい浮気をしてしまいました・・・。
 ということで、投下致します。

 ・みさお&あやの。
 ・あやの視点。
 ・エロなし。
 ・オリキャラいます。(つっても、2,3行程度)
 ・9レス程度使用予定。
 ・以前投下した last summer の設定を使ってます。
  と言っても、本編とはほとんど関係ないです。

 それでは、よろしくお願いします。
325あやの の 神様 1:2009/08/24(月) 00:42:30 ID:yOylqBCr
 ある夏の昼下がり。
 私の家に柊ちゃんとみさちゃんが遊びに来た。
 ジュースを取って部屋に戻ってくると、二人はおしゃべりで盛り上がっていた。

「この前、あやのが初チューした時の夢を見てさ」
「おぉ〜」
「あれは・・・、アニキだっけ?」
「ほほぅ。 峰岸って、結構大胆なのね?」

 どうやら私が小さい頃、無理やり男の子にキスした時の話をしたみたい。
 2人ともニヤニヤして私を見ている。

「も、もう!!」

 まったく、困っちゃうな。
 みさちゃんて、時々昔の恥ずかしいことしゃべっちゃうんだもん。

 私は赤い顔で、ジュースを注いだコップを置いた。
 その後も2人は他愛もないおしゃべりを続けていて、私は少し離れたところに座って外の景色を眺めた。

 セミの鳴き声が遠くから響いてくる。
 部屋はクーラーが効いてて、とても快適。
 外はきっと炎天下。

 私の初キスの夢・・・か。
 みさちゃんの中では・・・、きっとそうなんだよね。

 私は窓から見える青い空を見上げ、ふと思い出した。
 私が初めてキスをしたときのことを・・・・・・。


                ― あやの の 神様 ―
326あやの の 神様 2:2009/08/24(月) 00:44:13 ID:yOylqBCr
 あれは、私とみさちゃんが小学校に入る前、みさちゃんの家族と私の家族が、
 一緒にみさちゃんの親戚の家に遊びに来ていた時のことだった・・・。

 私とみさちゃんは、家の中で遊ぶのにも飽き、2人で探検に出かけた。
 アブラゼミの鳴き声が、道のあちこちからうるさいくらいに聞こえている。
 真夏の強い日差しと、地面から立ち上る熱気に、舗装もされていない道を、2人は汗だくで歩いていた。
 すると、石を蹴りながら歩いていたみさちゃんが急に立ち止まり、森のほうを指差して言った。

「ねぇねぇ、あやの。あっちに、でっかいカブトムシいんだゼ」
「そうなの?」
「うん。この前アニキと一緒に見つけたんだ。これから行ってみようよ」
「え? で、でも、私たちだけじゃ危なくない?」
「へーきへーき。そんなに危なくなかったもん」
「でも・・・・」
「大丈夫だって。ね? いこー」
「わ、ま、まってよ、みさちゃん」

 みさちゃんは私の手を引くと、そのまま森に向かって歩き出した。
 背丈ほどもある草をかき分けると、もわっとした草いきれが顔を掠める。
 森の中に入ると、そこには鬱蒼とした木々が広がり、少し薄暗かった。

「あれー? この辺だったと思うんだけどな・・・」
「ね、ねぇ、みさちゃん。・・・そろそろ戻ろうよ」
「大丈夫だって。ほら、あそこから入ってきたんだよ」

 そういってみさちゃんは、後ろの草むらを指差した。
 見ると、確かに私たちが入ってきた部分の草がなぎ倒されている。

「な? だから心配すんなって」
「う、うん・・・」

 みさちゃんに手を引かれ、しばらく周辺を探してみたけれど、カブトムシは見つからなかった。

「おかしいなぁ・・・。この前はいたんだけど・・・」
「ねぇ、また今度来ようよ。今度はお兄さんとか、おじさんと一緒に」
「なぁ・・・。もうちょっと奥に行ってみようか?」
「え〜! 危ないよ!」
「大丈夫だって。じゃあ、ここに目印に、私の麦わら帽子置いとけば、すぐわかるじゃん?」
「う〜ん・・・・。 じゃあ、ちょっとだけだよ」
「うん! よし、行こう!」

 そういってみさちゃんは私の手を掴んで、森の奥に向かって歩いていった。
 私はちょっぴり怖くて、時々後ろを振り返りながら、みさちゃんの麦わら帽子を確認して歩いた。

「あやの、ここ、少し急だから、ちゃんと前見てね」
「う、うん。わかった」

 目の前には、少し急な坂があった。
 そろりそろりと斜面を降り、ようやく下に着く。
327あやの の 神様 3:2009/08/24(月) 00:46:29 ID:yOylqBCr
「ね、ねぇ。帽子見えなくなっちゃったよ?」
「ん? 大丈夫だよ。降りてきたところ覚えてるから」
「そ、そう?」

 そのまま森の奥に進むと、一本の大きなクヌギの木があった。

「おお! ここならいるんじゃねー?」

 そう叫ぶと、みさちゃんはクヌギの木に向かって走っていった。

「見ろ、あやの! でっかいのがいたぞ! すげーな!」
「ホントだ!  あっ!みさちゃん!そっちにもいるよ!」
「んー・・・。おお!こんなに大きいのは初めて見た!アニキと見つけたのより大きいかも!」

 私たちは、目の前にいる大きなカブトムシに夢中になって、周辺の木を探して回った。
 どれくらい探していたのかわからないけれど、気がつくと、周囲はさっきよりも薄っすらと暗くなっていた。

「ははは、もう虫かごに入らないや。これだけあれば、きっとアニキもびっくりするな」
「みさちゃん・・・・。なんか、暗くなってきてない?」
「え?  ホ、ホントだ・・・。さっきまで晴れてたのに・・・」

 さっきまで聞こえていたセミの鳴き声もいつしか止んでいて、あたりは急に静かになった。
 私は途端に心細くなり、みさちゃんの腕にしがみついた。

「ね、ねぇ。そろそろ帰ろう?」
「う、うん・・・」

 みさちゃんも、辺りが急に暗くなって不安になったみたいで、すんなりと同意してくれた。

「あ、あれー? どっちから来たんだっけ?」
「え?」

 周りには似たような坂がいくつもあって、どこから降りてきたのかわからない。
 カブトムシ探しに夢中で、いつの間にかさらに奥まで来てしまっていたようだった。

「ど、どうしよう。みさちゃん・・・・」
「だ、大丈夫だって。たぶん、あっちから来たんだよ」

 そういってみさちゃんは、私の手を握って歩き始めた。
 私の手を握るみさちゃんの手は、力が入っていて少しだけ痛かった。

 歩いても歩いても辺りは同じ風景で、どこをどう歩いているのか、まったくわからなかった。
 いくつか同じような土手を登ってみたけれど、目印の麦わら帽子は見つからなくて、何度も降りては登ってを繰り返した。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・。おかしいな・・・・。どこ行っちゃったんだろう・・・」
「みさちゃん。ちょっと休まない?私、疲れたよ」
「あ、う、うん・・・」
328あやの の 神様 4:2009/08/24(月) 00:48:11 ID:yOylqBCr
 目の前に細い木が倒れていて、私たちはそれに腰掛けた。
 そこでみさちゃんの持ってきた水筒の麦茶を一緒に飲んで、私のポケットにあったビスケットを2人で分けた。
 無言のままビスケットを食べていると、私は次第に不安になっていった。

「・・・みさちゃん・・・・」
「んあ? どうした、あやの?」
「・・・もし、このまま帰れなかったらどうしよう・・・」
「・・・・・・」
「・・・・おじさんたちも見つけられないかもしれないし・・・」
「・・・・・・」
「・・・う、うぇ・・・ぐす・・・うぇぇぇぇぇん」

 私は不安に耐え切れず、思わず泣き出してしまった。

「あ、あやの・・・」

 そんな私をみさちゃんは、ギュッと抱きしめてくれた。
 その身体は温かくて、でも、少しだけ震えていた。

「大丈夫だ! 絶対に帰れるから!」
「・・・ぐすっ・・・う、うん・・・」
「きっと、アニキたちも探してくれるよ。だから、もうちょっとがんばろう?」
「・・・・うん! 私、がんばる」

 今思えば、きっとみさちゃんだって不安だったんだと思う。
 だけどみさちゃんは、そんな気持ちは見せないようにして、私を励ましてくれた。

「ねぇ、みさちゃん。麦わら帽子は見つからないみたいだから、それを探すんじゃなくて、どこか道に出られそうな場所を探さない?」
「そうだね。そうしようぜ」

 ビスケットを食べ終えた私たちは、今度は森から出られそうな場所を探して、もう一度歩き始めた。
 周りをよく見ながら歩いていると、みさちゃんが、遠くに家のようなものを見つけた。

「お? あ、あれ、家じゃないか?」
「え? う、うん。そうだよ。きっとお家だよ」
「やったー! あそこに誰かいるかもしれない。行ってみよう」
「うん!」

 私たちは家を見つけたことが嬉しくて、短い草に足をとられながらも、一生懸命走った。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・・ん? あ、あやの、これって・・・」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・、ど、どうしたの?   あ・・・」

 目の前にあったのは、古ぼけた小さなお堂だった。
 屋根は所々色が剥げ落ち、壁には小さな穴が無数に空いていた。
329あやの の 神様 5:2009/08/24(月) 00:50:32 ID:yOylqBCr
「家・・・じゃなかった・・・・」
「・・・・う・・・、う・・、う、うわぁぁぁぁん!!」
「あ、あやのぉ・・・だ、だいじょう・・・・ぶ」
「うぇぇぇ・・・。ひ、ひっく・・・うぇぇぇぇん!」
「う・・、う・・、大丈夫・・・・だか・・・ひくっ・・・ら・」
「う・・ぐすっ・・・もう、帰れないよぉ・・・」
「・・ぐ、ぐすっ・あ・・やの・・・・」
「お父さ〜ん!お母さ〜ん!」
「・・ん・・・くっ・・・・あ、あやのっ!!」
「っ!!」

 みさちゃんの大きな声に、私は思わず泣き止んだ。
 驚いて顔を上げると、そこには目にいっぱいの涙を溜めて、口を強く結んだみさちゃんがいた。

「あやのっ!! 大丈夫だから!」
「みさちゃん・・・・」
「こういうところには神様がいるって、前にばあちゃんが言ってたから。
 だから、一緒にお祈りしよう!」
「・・・・・・・」
「『お家に帰れますように』って、一緒にお祈りしよう!!」
「・・・・ひ・・ひく・・・う、うん」

 私たちは、お堂の前に座って手をあわせて、一生懸命にお祈りをした。

(お家に帰れますように・・・。お父さんとお母さんに早く会えますように・・・)
 
 その時、突然空が光った。

「うわっ!!」
「きゃあっ!!」

 思わず2人で抱き合い、空を見上げると、真っ黒な雲が空一面を覆っていた。
 そして、次の瞬間、大きな雷の音が辺りに鳴り響き、空から大粒の雨が降ってきた。

「うわぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁぁ!! み、みさちゃん!! こわいよぉ!!」

 思わずみさちゃんに抱きつくと、みさちゃんの身体も震えていた。
 みさちゃんも私を抱き締め、お堂の軒に立ったまま空を見上げている。
 その間も、稲光は容赦なく頭上で閃き、数秒後に大きな音をたてる。
 みさちゃんの服を掴み、不安と恐怖で震えながら、ふとお堂を見ると、扉が少しだけ開いているのが見えた。

「み、みさちゃん。ここに入れるかもしれない」
「だ、だけど・・・、神様に怒られないかな・・・」
「だ、大丈夫よ。きっと神様も許してくれるよ」
「・・・・う、うん・・・」
330あやの の 神様 6:2009/08/24(月) 00:52:27 ID:yOylqBCr
 恐る恐る中に入ってみると、床がギシギシと音を立てる。
 暗闇の中、室内を見回すと、そこには小さな像が一つだけ置いてあった。
 人の形はしているけれど、今まで見たこともないような不思議な姿だった。

「ねぇ、みさちゃん。これって、神様なの?」
「う〜ん・・・。ばあちゃんは神様がいるって言ってたような気がするけど・・・」
「仏様かな?」
「そうだっけ? わかんない」
「わたしも」
「ま、どっちでもいいんじゃん?助けてくれるんだったら」
「なんか、そんなこと言ったら怒られそうね」
「んじゃ、神様仏様、ちょっとだけ雨宿りさせてください。あと、早く家に帰れますように、お願いします。
 ほれ、あやのもお願いしたほうがいいよ」
「う、うん。早くお家に帰れますように。お父さんとお母さんに会えますように」

 私たちは、その像に向かって手を合わせ、その前に隣り合って座った。

 お堂の屋根には、すごい勢いで雨が叩きつけ、外からは雷の大きな音が、ひっきりなしに聞こえている。
 雷の音が聞こえるたびに、私はみさちゃんにしがみついて泣いた。
 みさちゃんもきっと怖かったと思うけど、私を抱きしめながら、ずっと背中をさすってくれていた。

 どのくらい経ったのか、気がつくと、雨の音も雷の音も聞こえなくなり、お堂の屋根から落ちる雫の音だけが聞こえていた。

「み、みさちゃん?」
「ん? あ、雨・・・、止んだのかな?」
「そ、そうみたい」

 お堂の扉を開けると、さっきまでの黒い雲は消え、雲ひとつ無い、真っ青な空が広がっていた。

「うわぁ・・・・」
「きれい・・・・」

 そして、その抜けるような青空には、とても大きな虹が架かっていた。
 それはまるで、がんばった私たちに、神様がご褒美をくれたみたいだった。

 しばらく2人で虹を眺めていると、遠くから声が聞こえてきた。

「あ!あれ、アニキじゃねーか!?」
「え? あっ!本当だ! それにおじさんもお父さんもいるよ!」
「やった!神様が助けてくれたんだ!」
「うん!きっとそうだよ!」

 私たちはもう一度お堂に振り返り、手を合わせた。

「「どうもありがとうございました」」

 そして手を繋ぎ、一緒に走り出した。
331あやの の 神様 7:2009/08/24(月) 00:55:14 ID:yOylqBCr
 おじさんたちに連れられて家に戻ると、お父さんとお母さんからすごく怒られた。
 横では、みさちゃんもおじさんとおばさんに怒られていて、わたしたちは大きな声で泣き続け、そのまま泣き疲れて寝てしまった。

 翌日、お堂にいたことをみさちゃんのおばあちゃんに話したら、

「困った時は、ちゃんと守ってくれるんだよ。ちゃんとお礼も言えて、偉かった」

 って言って、頭を撫でてくれて、お菓子をくれた。

 お堂のことをおばあちゃんに聞くと、あそこは地元の人もあんまり行かないところだけど、
 もしかしたらと思って、おじさんたちに探すように言ってくれたんだって。

 その後、おばあちゃんに道を聞いて、私はみさちゃんと一緒にあのお堂に向かった。
 手にはバケツと布巾と箒。道に咲いてた綺麗なお花。そして、おばあちゃんからもらったお菓子を持って。

 お堂に着くと、置いてあった像を濡れた布巾で優しく拭き、お堂の中を箒で掃いた。
 像を元の場所に戻し、その前にお花とお菓子をお供えすると、少しだけお堂の中が明るくなった気がした。

「よし。これでいいかな」
「うん。すごく綺麗になったね。神様も喜んでくれるかな?」
「大丈夫じゃねーか?これだけ綺麗にすれば」
「そうだね。ちゃんとお礼・・・   あっ!」

 その時私は、まだちゃんとお礼をしてないことに気がついた。

「ねぇ、みさちゃん?」
「ん?どした?」
「ちょっと目つぶってくれる?」
「こ、こお?」
「そうそう。そのままでいてね」

 チュッ

「んあ? なんかした?」
「うふふ。みさちゃんにありがとって」
「へ? な、なんで?」
「え〜と・・・、みさちゃんは、私が怖かったり、泣いちゃったりした時、ちゃんと守ってくれたから」
「ん〜・・・。そうだっけ?」
「うん。だから、みさちゃんにもお礼ね。ありがと」
「あはは、ありがと、あやの!」
「えへへ」
「んじゃ、帰ろっか?」
「うん!」

 私たちは手を繋いで、もう一度来た道を戻っていく。
 その時見た青い空はどこまでも透き通っていて、まるでその時の私の気持ちを表しているみたいだった。
332あやの の 神様 8:2009/08/24(月) 00:57:18 ID:yOylqBCr
 空から部屋に目を戻すと、みさちゃんと柊ちゃんは、まだおしゃべりを続けている。
 お菓子を食べながら、2人はすごく楽しそう。
 その2人を見ながら、私は1人考える。


 私のファーストキスはみさちゃんとだった。
 そして、私の初恋もみさちゃんだった。

 あの時みさちゃんは、私をちゃんと守ってくれた。
 怖くても、逃げないで一緒にいてくれた。
 私はそれが嬉しくて、私はみさちゃんが本当に好きになった。
 だからみさちゃんにキスをした。
 私はみさちゃんが、今でも大好き。

 だけど私は今、みさちゃんのお兄さんと付き合っている。

 みさちゃんのお兄さんはすごく優しくて、私を大切にしてくれる。
 たまにケンカもするけれど、すぐに仲直りをしてくれる。
 私はそれが嬉しくて、私はお兄さんが本当に好きになった。
 だからいつまでも一緒にいたいって思ってる。
 私はみさちゃんのお兄さんが、これからもずっと大好き。


 私は、みさちゃんもみさちゃんのお兄さんも、どっちも大好き。
 だけど、その「大好き」はちょっとだけ違う気がする。
 どうして違うんだろう?

 私はみさちゃんとお兄さんのことを考える。

 みさちゃんは柊ちゃんが好きだけど、大好きなみさちゃんが柊ちゃんの事で悩んでると、私はとっても哀しい。
 みさちゃんは柊ちゃんが好きだから、大好きなみさちゃんが柊ちゃんと仲良くしてると、私はとっても嬉しい。

 でも、

 私はみさちゃんのお兄さんが好きだけど、大好きなお兄さんが別な誰かを好きって言ったら、私はとっても哀しい。
 私はみさちゃんのお兄さんが好きだから、大好きなお兄さんが私のことを好きって言ったら、私はとっても嬉しい。

 
 ああ、そうだ。
 
 きっと私は、

「大好きなみさちゃんが、幸せになってほしい」って思ってる。
 だから、みさちゃんが柊ちゃんのことを好きでも、私はちっとも哀しくないし、幸せになってほしいと思えるんだろう。

 そして私は、 

「大好きなお兄さんと、幸せになりたい」って思ってる。
 だから、みさちゃんのお兄さんが、私以外の誰かを好きって言ったら、とっても哀しいと思うんだろう。

「大好きな人が幸せになってほしい」のか「大好きな人と幸せになりたい」のか。
 たぶん、それが違うんだと思うし、それだけの違いなんだと思う。

 きっと2人への「大好き」は一緒で、これからもずっと変わらないんだろう。
333あやの の 神様 9:2009/08/24(月) 00:59:39 ID:yOylqBCr
 私とお兄さんのように、みさちゃんが柊ちゃんと恋人になれるかはわからない。
 だけど、その楽しげな様子を見ていると、私はこの2人が、
 いつかは私たちと同じように恋人になるんじゃないかって思うし、なってほしいと思う。
 だから私はもう一度、大好きなみさちゃんのために、あの神様にお祈りをする。


             ― みさちゃんが柊ちゃんと幸せになれますように ―


 目を開け、顔を上げると、不意にみさちゃんが話しかけてきた。

「なあ、あやの。あの話ってなんだっけ?」
「ん?なんの話?」
「ほら、あれ。えーと・・・、わたしとあやのが小さい頃、森で迷子になった話」
「え・・・・?」

 みさちゃんの口から出た思いがけない言葉に、一瞬唖然としてしまう。

「あんたら、そんなことあったの?」
「うん。確か、夏だったと思うんだけど・・・。
 一緒に虫取りしようとしてて・・・えーと・・、神様がいて・・・・・」
「神様?」
「うん・・・。あやのと2人でお祈りしたような・・・・」
「ちょ、ちょっと! 気になるじゃない!」
「う〜ん・・・・・。なんだっけ、あやの?」

 頭を抱えたみさちゃんは、そういって私の方を見る。

「ふふふ。ほら、みさちゃんが、私が止めるのも聞かないで・・・・・・」

 私は話す。
 あの怖くて、不思議で、そして、甘酸っぱい話を。
 だけど、ファーストキスの話は内緒にしとこ。
 柊ちゃんがヤキモチ妬いちゃうかもしれないから。

 私は思う。
 あの私のお祈りが、きっと神様に届いたんだって。
 もしも願いが叶ったら、その時は2人に教えてあげよう。
 私が内緒でお祈りしたことを。

 ふふふ。いつか叶えてくれるよね?
 そしたら、みさちゃんと柊ちゃんを誘って、一緒にお礼にいくから。
 だから、楽しみに待っててね。 神様。



                              了
334:2009/08/24(月) 01:01:17 ID:yOylqBCr
 以上です。
 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 最近ようやく暑くなってきて、やっと夏らしくなってきたなぁと外の風景を見ていたら、ふと湧いてきたお話です。
 出だしの初チューについては、前にコンプで読んだエピソードを改変して書いてます。
 細かい所は本篇と違うと思いますが、ご了承ください。
 あと、オリキャラ(というほどのものではないけど・・・)は、みさおのおばあちゃんでした。


 この前投下したSSの続きですが、なんとか書き上げようと思ってますので、気長にお待ちいただければと・・・。

 それではおやすみなさい。
335名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 02:12:09 ID:K0rPYSTd
誰かの心の中に強烈に残る思い出を何気なく作っていく。
やっぱりそういうのってその本人、みさおの魅力だったりするよね。
またそれをいつまでも大切にできるあやのも素敵だと思う。
かがみんもこんな二人に囲まれて幸せだねぇ。

何言ってるかよく分かんないけど要するにGJ!連載の方も楽しみにしてます。
336名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 07:54:06 ID:ysnHeXdI
かがみ×つかさ、投下します
\エロ無し
\夏休み
9レスお借りします
337開いた視線の先に(1/9):2009/08/24(月) 07:56:04 ID:ysnHeXdI


 ――目を開けたはずなのに、何も見えなかった。


 違った。
 正確には、目の前で視界いっぱいに遮っているものが何なのかわからなかったのだ。
 ちゃんと見ようと目を凝らそうとして、視界が霞んでいるのに気が付いた。
 少し身体が重い、と思いながらその目をこすろうとしたら、手が動かせないことにも気が付いた。

 ――?

 寝起きでぼんやりした頭のままで、つかさはゆっくりと考え始める。

 手が動かせないのは……目の前のものと密着しているからだ。
 身体が重いのは……その前にあるものから伸びたなにかが、自分の上に乗っかっているからのようだ。
 そしてずっと、目の前のものから甘いようないい匂いがしているのは――、……それが姉の身体であるからのようだった。
 ああ……、とつかさは思い出した。

 ここはかがみの、姉のベッドの上。
 状況は――彼女の右手で抱き寄せられて、胸の中に顔をうずめている格好。
 そして、起きたらこうなっていた経緯は――昨日、夏休み定番のテレビでやっていた心霊特集を見てしまったからだった。

 見たくなかったなら、見なければよかったのに……なんて言われるかもしれないけれど、そのときは家族が皆そろっていたときで、
 しかもみんな結構楽しみにしていたみたいだったし、もちろん今ここにいる姉もそうで、抜けるに抜けられなくて、それに抜けるのはなんかイヤだったし、
 どうしようかと思っていたらすでに始まってしまって、テレビに映った心霊写真の、あの、いわゆる写ってる……ってところを思い切り見ちゃって、そうなったらここで部屋に戻っても一人っきりになって余計に怖くなっちゃうし、
 だけどそうは言っても、もうこれ以上は見ていられな――お、お姉ちゃんなんかあそこに写ってぇえっ……!


「……ぁぅ」


 思いっきりあの姿を思い出してしまって、つかさは目の前の姉の胸に顔を押し付けた。
 ちょっと暑いな……と思いつつも、目を半開きにしたまま目の前の温もりを堪能する。
 部屋の中は、暗くないみたいだった。
 あの夜独特の、薄い闇が下りている感じではなく、朝方のうっすら青い色が部屋の中を染めていた。
 多分……6時くらい? ……どうだろう、あんまりというかこんな時間に目が覚めることなんて全然無いから、いまいちよくわからない。
 時計を確認したくても、身動き取れないし……。
 そんなふうに考えながら、段々と思考がループし始めてきた。
 まだ寝たりないみたいで、まぶたが少しずつ下がっていく。
 このままもう一度寝よう……と思って、その睡魔に身を任せようとして、

「……ぁー……」

 眠気とは違う、身体を襲う別の感覚があることに気が付いた。
 それは、まるで身体の奥底からやってくるような感覚で。
 子どもの頃、もちろん覚えていないくらい小さいころだけど、この感覚に負けてしまったことがあったけれど。
 眠くたって、それは容赦なく襲い掛かってくる。
 怖くて一人で廊下を歩きたくないときにだって、狙いすましたかのように身体へとやってきて。
 でもそれは生理反応で、絶対に処理しなければイケナイし、いろいろと大変なことになってしまうわけで。
 生きている人間。いや、ほとんどの生物が襲われる衝動。
 誰もこれを避けられない。
 自分もまた、その例外ではけしてない。

「……ん……」

 だいぶ、そこまで来ていた。

 つかさは姉のことを起こさないように慎重に起き上がり、ベッドから下りて、物音を立てないよう気をつけながら、静かに部屋を出て――、足早にトイレへと向かった。
338開いた視線の先に(2/9):2009/08/24(月) 07:57:45 ID:ysnHeXdI



「はふいー…………」

 あ、いけない。
 いくら自分の家だからって、そんな顔してるんじゃないわよ……って、お姉ちゃんにまた怒られてしまう。
 それにちょっと……はしたないかな……?
 そう思いながら、つかさはレバーを下ろした。
 ぐわしゃぁぁっ――、と水の流れる音がした。

 ようやくほっとしたらまた眠気が戻ってきた。
 大きな欠伸をしながら(これも前に姉に怒られたけど)つかさはさっきまで寝ていた、かがみの部屋まで帰ってきた。
 音を立てないよう、静かにドアを閉める。
 一瞬、自分の部屋に戻ったほうがいいんじゃないかと思ったけど、やめておいた。
 迷惑かもしれないけど……、でもやっぱり……。
 少しでも姉のそばに居たいというのは、わがままだろうか。
 ――わがままだって、いいよ。
 たとえそうだとしても……後ろめたいわけじゃない。
 姉なら絶対許してくれるとか、そういうことではないけれど。
 ただ、今のこの気持ちを、大事にしたかった。

 安心して甘えられるという、この幸せを。


 目の前のベッドの上では、かがみがさっきと変わらずに寝息を立てていた。
 ベッドの上のさっきまで自分がいたスペースを半分空けて、長い髪を無造作にシーツの上へと広げている。
 なんでか判らないけど、笑みが浮かんできた。
 自分の顔がなんだかにやけているのを感じながら、ベッドの脇にしゃがみこむ。
 彼女と同じ顔の位置から、じっと覗き込みながら、ふと思った。

 ――そういえば、お姉ちゃんが寝てるところって、あんまり見たことが無いかも。

 昔から、昨日の夜みたいに同じ部屋で寝ることは多かったけれど、こんなふうにじっくりと姉の寝顔を見たことは無かったと思う。
 夜中に寝ている姉のベッドに忍び込んだときだって、暗かったし早く中に潜りこみたかったから、寝顔を見る余裕なんて無かったし。
 一緒に寝た時だって自分が先に寝てしまったり、なのに先に目を覚ましているのも姉の方だったりで、こんなに見る機会は多いはずなのに、姉の寝顔を見た記憶が全然無い。
 というよりむしろ、自分が見られてることのほうが多いんじゃないだろうか。

 先に寝てしまってたり、起きるのが後だったり、夜遅くまで勉強していて机の上で寝てしまったときも、いつの間にか肩掛けがしてあったり。
 いろんなところで見られているような気がする。
 この前だってそうだ。
 朝、目を覚ましたら姉と目が合って。
 「やーっと起きたわね」と呆れながら、でもなんだか嬉しそうに笑っていて、すごく恥ずかしかった記憶がある。
 多分あれは、ずっと自分の寝顔を見ていたんだと思う。

 ……なんだか、すごく不公平な気がする。

 自分はねぼすけとか、どこでも寝れるんじゃないの? ってよく言われるくらいだし、睡魔にはとことん弱い。
 姉みたいに朝すぐに起きれないし、目覚ましを止めたのに気が付かないことだって多い。
 ……確かに全部自分が悪いのだけど、なんかイヤだ。
339開いた視線の先に(3/9):2009/08/24(月) 07:58:48 ID:ysnHeXdI

 寝顔を見られるのは恥ずかしいけど、別に特別嫌だってわけじゃない。
 だけど。……だけどなんだか、私が知らないところで私のことを見てるがイヤだ。
 ……自分でもよくわかんないけど、すごく……置いてかれてるような気がする。

 私の知らないところで、私を知ってるお姉ちゃんがいる。
 確かに私がそこに居るのに、私はお姉ちゃんのことが判らない。

 ――ただ、もったいないって思ってるだけなのかなぁ…………。

 さっきと変わらずに、スースーと息を吐いてるかがみを見て、つかさは小さくため息をついた。


 気持ち良さそうっていうのは、こういう顔なのかもしれない。
 穏やかな……って言ったら変な表現だろうか。いつものキリリとしたような、少し鋭い印象があんまりしない。
 無防備ともいえるくらい、なんだか隙だらけな感じだ。

 ――いいよ。今日は私がいっぱいお姉ちゃんの寝顔を見ちゃうんだから。

 いつもいつも見られてることのしかえしだ。
 彼女の知らないところで、自分だけが知っている姉のことを見つけられれば、そうすればきっと彼女とおんなじになる。
 それがまだなんだかよくわからないけれど、だけどそれで対等だ。
 もし途中で目を覚ましたら、あの時とは逆に私が微笑んであげる。
 おはよう――って。

 そんなふうに思いながら、つかさはかがみの寝顔の観察を始めた――。





『確かに、つかさのほっぺって、柔らかいのよねー』


 ぷにぷに。
 ぷにぷに。

 指で押すたび弾き返される感触。
 ぷにぷにふにふに。
 柔らかいというか、張りがあるというか、なんだかどうにもクセになりそうな感触だ。
 前に自分のほっぺたの話題になったことがあって、そのとき姉はあんな事を言っていたけれど、いつそんなことを確かめたっていうのだろうか。

 ――お姉ちゃんのだって、柔らかいよ……?

 つっつく度にかがみの表情が変なふうになって、つかさはおかしくなって笑みを浮かべた。
340開いた視線の先に(4/9):2009/08/24(月) 08:00:35 ID:ysnHeXdI


『うーん……。この張り、このもち肌、このきめ細やかさ。そろそろ手入れとか考えたほうがいいんじゃないの?』


 触りすぎてしまったのだろうか。手から逃げるように、かがみが顔を枕にこすりつけた。
 起きるかな……と思ったけど、どうやらまだその様子は無いみたいで、また静かに寝息を立て始めていた。
 かがみの手がもぞりと動いて、シーツを軽く握りしめる。
 真っ白い肌だ。
 半そでのパジャマから覗いた腕は、ちゃんと日焼け止めを塗っているからか、白い肌そのままだった。
 なんだか傷でも付かないだろうかと思いつつ、恐る恐る手を伸ばす。
 すべすべしてる。そうでありながら、もちもち……?
 さっきのほっぺといい、白い腕といい、むしろ姉の肌のほうが自分のよりも綺麗な気がする。

 んっ……、と小さくうめきながら、かがみがくすぐったそうに身をよじった。


『やっぱり私も髪の毛短くしよっかなぁ……』
『えっ、なんで? 今のままでも十分いいと思うけど……。むしろ、その方が……』
『ほら。髪の毛長いと、洗うのとか手入れが大変でしょ? つかさとおんなじくらいにしたら、それも楽になりそうだしね。つかさのは、……こんなにさらさらだしさ』


 動いた拍子に、彼女の肩にかかっていた髪の毛がふわりと波打った。まるで水のようにさらさらとすべって、身体の上を広がっていく。
 長い髪。
 自分とは違う、背中を覆うまで伸ばされた綺麗な髪の毛。
 実は結構……うらやましかったりもする。
 自分は子どもの頃からこの長さで、姉の髪の毛も気がついたときにはもうこの長さで。
 隣りにいる姉の髪の毛が、揺れているのが好きだった気がする。
 ふわふわ。
 ゆらゆら。
 跳ねる髪の毛を目で追って。どこにいるのかすぐに判って。
 さらさらと流れて、きらきらとヒカっている。

 ――やっぱりお姉ちゃんは……。そのままが一番、……好きだよ。

 顔にかかった髪の毛を、そっとずらしてあげる。
 かがみの瞳は閉じられていた。
 もちろん、それは寝ているから当たり前で。
 だけどあんまり、見たことが無い顔。
 いつもとちょっと、違う表情。

 今までどれくらい、彼女の顔を見続けてきただろうか。
 顔を合わさなかった日が有ったかどうかなんて、少しも思い出せない。
 いつもいつも、見つめていた。
 追いかけていた。
 姉の姿を、その顔を。
 そして、そうやって自分が姉を見つめているのと同じように、彼女もまた、――私を見ていてくれた。

「んぅー……」

 と、かがみがむにゃむにゃと口を動かした。
 なにか夢でも見ているのだろうか。ぁーとか、ぅーとか言いながら眉をぴくぴくとさせていた。
341開いた視線の先に(5/9):2009/08/24(月) 08:02:24 ID:ysnHeXdI

「ふふっ……」

 思わず口から声が漏れた。

 見ている私と、見られているお姉ちゃん――。

 少し、普段と立場が逆転でもしたような感覚がした。
 彼女もいつもこんな感じだったのだろうか。
 なんだろう?
 優しくなれるとでもいうような、あったかい気持ち。
 すやすやと寝ている彼女の頭をなでなでしたくなったり、ただこのまま、ずっとそばにいてあげたい……なんて思ってしまう。

 つん、とつかさはもう一度かがみの頬をつっついた。
 つんつん、つんつん、と何度もその白いほっぺたに指を押し付ける。

「お姉ちゃーん……。もう朝だよー。いつまで寝てるのー?」

 つつ……とほっぺをなぞってみる。そのままスベスベの肌を撫でてみたり、おでこの広さを確かめてみたり、あごの下をこしょこしょとしてみたり、やりたい放題やってみる。
 だけどそれだけしても、かがみは目を覚まそうとしなかった。

「本当にお姉ちゃんは、ねぼすけさんなんだから」

 なんて、普段は言えないようなことを言ってみたりする。
 といってもまだ、起きるような時間ではないのだけれど。
 でも――どうせだったら起きてくれないかな、と思った。
 見てるのもいいよ?
 こうやって見続けているのもいいけれど、でもなんか……イヤ、かな。
 見られてるのも、見守ってくれてるのもいいんだけど、どうせだったら、目を合わせたい。
 瞳を見つめたい。
 そして――視界に映りたい。

「……お姉ちゃん」

 「んんぅ……」と呻きながら、かがみが顔をしかめた。蚊でも追い払うかのように、わずらわしそうに顔の前で右手を振った。
 だけどやっぱり……起きないみたいだ。
 動かしていたその手はパタリとシーツの上に投げ出して、また元の寝息を立て始めていた。
 つかさはそっとため息をつくと、ふぁ……と小さくあくびを漏らした。

 ――もう一回寝よっかな。

 これはもう、あきらめたほうがいいかもしれない。
 それにいろいろと考えて頭を使ったら、また眠気がぶり返してきたし。
 そう考えたら、余計に眠くなってきた。目の前のベッドがとても気持ちよさそうに見える。
 姉の寝顔も十分堪能したし、どうせならまた姉のぬくもりを感じて寝てしまおう……と思って、つかさは身体を起こした。――のだけど。
342開いた視線の先に(6/9):2009/08/24(月) 08:03:46 ID:ysnHeXdI

「……ぅっ?」
「………。……………?」

 つかさは首を傾げた。
 見ると、ベッドの上で……姉が何かをしていたからだ。
 していた、というかその右手がもぞもぞと動いていた。
 もちろん、起きているわけではない。
 寝ぼけてでもいるのか、ときおり「む……」とうなりながら、空になっているスペースの中、右手を伸ばしてシーツに触れていた。
 ぺた、とベッドの上に手を置いては「ん……」と表情をしかめ、また別の(といっても狭い範囲なのだが)場所へと手を伸ばしていた。
 ゆっくりとしたペースで、その行動をとるその姿は、まるで――、

 ――何かを探してる……?

 寝起きに鳴っている目覚ましを探しているような、そんな仕草をとりながら、かがみはベッドの上で必死に何かを探っているようなのだ。
 つかさはもう一度、かがみの姿を観察しはじめた。
 さっきよりもさらに顔をしかめながら、また右手でシーツを握りしめていた。
 そうするたびに「んー……」と不満そうな声をあげるのが、なんだか可愛らしい。
 それほど長い間ではなかったけれど、何回か彼女はそれを繰り返すと、あきらめたようで右手を胸の中に抱え込んでしまった。
 どうやら目的のものは見つからなかったようだ。
 その表情は拗ねたようにふくれていて、そしてどこか寂しそうに見えた。
 つかさは一連のかがみの行動を見終わって、小さく笑みを浮かべた。
 彼女はどんな夢を見ているのだろう。
 なにをそんなに探していたのだろう。
 少し気になった。
 彼女は胸の前で小さく手を握りしめ、額の中心に眉をよせて、なんだかちょっと……悲しそうだ。

 ――お姉ちゃんでも、こんな顔するんだね。

 自分と違って、姉はいつもしっかりしていて、見ていてすごくかっこいいと思う。
 だけど今は……言い方が変かもしれないけれど、どこにでもいるような女の子みたいな気がする。
 頼れる、守ってくれるお姉ちゃんではなくて、同じ位置に、対等な場所にいる女の子。
 それでいて、自分が本当に大好きな“柊かがみ”が、そこにいた。
 まだ口を尖らせ、不満そうにしている姉に苦笑して、つかさは彼女の頭に、撫でようとそっと手を伸ばした。


『――にしても……、まさかあんたがあんなこと言うとはね』
『え? な、なにが?』
『寝言であーんなこと言っちゃって、まったく……』
『わ、私……、何か言ってたの? なんて……』
『ん? んー、どうかしらねー。いやいや、あれは……ふふっ……――』
『お姉ちゃん!!』



343開いた視線の先に(7/9):2009/08/24(月) 08:04:44 ID:ysnHeXdI


「――……かさ……」


 ピタリと、伸ばしたつかさの、手が止まった。
 大きく目を見開きながら、姉の顔をじっと見つめる。

 もう一度――、かがみが小さく呟いた。

 それは本当に、消え入るくらい小さな声だったのに、聞こえてきた耳には、やけにくっきりとその言葉が残っていた。
 彼女の口から、――自分の名前を呼ばれた。
 でも、ただ呼ばれただけじゃない。
 その口から自分の名前が聞こえるたび、自分の名前を呼ぶたびに、彼女は……とても悲しそうな顔をするのだ。
 まるで今にも、泣きだしそうになるくらい。
 ……もしかして、さっきから彼女が、ずっと探していたのは――。

「…………つかさ……」
「………」

 つかさは、ゆっくりとその顔に笑みを浮かべた。
 名前を呼ばれた。
 私のことを、呼ばれた。
 閉じられたその視界に、自分がいないというわけではなかった。
 映っている。
 見ていてくれている。
 たとえ見えていなくたって……それでも、私を見ていてくれた。

 つかさはもう一度、かがみに向かって手を伸ばした。
 そしてその、寂しげに閉じられた手を、優しく握りしめた。

「お姉ちゃん……」


 ――ここに、いるよ?


 かがみはぎゅっと、その手を握り返してきた。
 そしてゆっくりと……、嬉しそうに笑みを浮かべた。

 それはもう――。…………とても嬉しそうに。
344開いた視線の先に(8/9):2009/08/24(月) 08:05:27 ID:ysnHeXdI



 ――夢の中でも、まどろんでいた。

 そばにお姉ちゃんがいるのを感じながら、心地いい眠気に身をゆだねていた。
 あたたかい手を。大好きな手を握りしめる。
 私も、ちゃんと見てるよ?
 お姉ちゃんの……夢……。


345開いた視線の先に(9/9):2009/08/24(月) 08:06:04 ID:ysnHeXdI



「――ったく……。これじゃあ起きれないじゃないのよ……」

 朝の日差しに目を覚まして、かがみは今の状況に気付いて苦笑をもらした。

「こんなにしっかり握りしめちゃって……」

 自分のベッドの上。
 向かい側には、双子の妹が気持ち良さそうに寝息を立てていた。
 その胸の前で、自分の右手を硬く握りしめながら。

「それに……、……なんて顔してるんだか」

 つかさは、笑っていた。
 いつも笑みを浮かべてることが多い彼女だけど、今の顔は……見てるこっちまで笑みが浮かびそうなくらい――幸せそうな顔をしていた。

「お姉……ちゃん……」

 小さく、つかさの口から声が漏れる。

「………。……はいはい」

 あの時も、似たような状況だった。
 妹が言った言葉は、気恥ずかしかったけど……でも。
 …………ちょっとだけ、嬉しかった。

「ちゃんと私は……、ここにいるからね……」

 小さくて、それでも必死なくらい強く握りしめてくる妹の手を、かがみはそっと握り返した。


 先に目を開いたから、先にこの世界を知ったから。
 だから私は、……こうして“姉”でいられる――。



fin.
3466-774 ◆njAklKyHxQ :2009/08/24(月) 08:08:28 ID:ysnHeXdI

以上です。
347名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 18:08:05 ID:g7Y3c/PD
>>346
ほれぼれするほど姉妹愛! 久々に脳内京アニが稼働して劇場版余裕でした。

毎レス萌えどころがあって非常に美味しゅうございました。
「はふいー」とかがみんスマイル(つかさ限定)は反則だと思います。ぐっじょぶ。
348名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 02:33:53 ID:EbZUqgb6
なんたる姉妹愛…!
始終ニヤニヤしっぱなしでした。GJ!
349名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 08:13:37 ID:wcifb+Zm
誰かつかさオアかがみのレイプ物書いて下さい こなたでも可
350名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 10:07:28 ID:5/72Ud/r
>>346
なんなんだこの超ほんわか2828空間は!ぐっじょ。
351名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 14:32:52 ID:FUUZ7Vmx
かがみ×つかさ投下します
\エロ有り
\夏休み
18レスほどお借りする予定です
352湿度と温度の境界線(1/18):2009/08/25(火) 14:33:50 ID:FUUZ7Vmx



「――お母さん」
 ドアを開け、見えた背中に呼びかけた。
「どうしたの、かがみ」
「……つかさは?」
 母の寄り添っていたベッドへと近づき、そこで寝ている少女の顔を見た。
「大丈夫。……今眠ったところよ」
 いつもは隣にいる自分の双子の妹は、今は頭の下に氷枕を敷き、額にタオルを乗せて、赤い顔で眠りについていた。
 はぁ、と口から息を漏らしているのが、かわいそう。
「お母さん」
「なに?」
「つかさの、近くにいてもいい?」
 自分はよく知っていた。
 熱が出たとき、かぜをひいたとき、すごく苦しくって、――とっても寂しいっていうことを。
 目が覚めて、部屋に一人っきりだと、よけい熱が出てくる気がして、苦しくて泣きたくなってくることもある。
「それじゃあ、お願いしようかしら」
 母がそっと、自分の頭を撫でた。
「そばに……、居てあげてね?」
「うんっ」

 私は、――まだ幼かった頃の私は、力強く頷いた。

「だって私は……、つかさのお姉ちゃんだもん――」




     ♪




 少しボーっとしたまま、目に入ってきた時計の針を見た。
 短針は10の字を。長針は2をわずかに過ぎたぐらい。
「……ちょーっと寝過ごしたかしら」
 リビングの時計を眺めながら、かがみは小さく呟いた。
 世間で言うところの、夏休みというものに入って1週間ぐらいといったところだろうか。
 今日までずっと、朝はちゃんと早めに起きることができていたのだけど、今日はほんの少しだけ遅くなってしまった。
 ――全然遅くなんてないよ! ……って言いそうな人間を、3人は知ってるけどね……。
 まあ、一人は部活の人間だから、起きることぐらいは出来るのだろう。でもそれがなかったら、いつまでも惰眠をむさぼってそうなイメージがある。
 もう一人のほうは、休み中は完全に夜型になってそうだ。遅寝遅起きが習慣にでもなってるんじゃないだろうか。もっとも、それが勉強だったならいいんだろうけど……。
「…………はぁ……」
 思いっきり将来が心配になってくる二人のことを考えて、かがみはなんだかすごく疲れたような感覚を感じた。
 まだ1日がスタートしたばかりだっていうのに、気力がそがれるような生活をしないでくれないだろうか。
 ――ま、心配するだけ無駄だろうけど。
 一人のほうには“保護者”がいるし、もう一人はなんだかんだでちゃんと考えを持ってるし。
 実際なるようにしかならないだろう。
 ――で、だ。
「最後の一人は、どーなのかしら」
 かがみにとって悩みの種となる3人の、あと一人。
 双子の妹であるつかさの姿は、今いるリビングに見当たらなかった。
353湿度と温度の境界線(2/18):2009/08/25(火) 14:34:56 ID:FUUZ7Vmx

 というか、ここには誰もいない。
 さらに言うなら、家自体にも人の気配が全然していなかった。
 ……まあそれもそのはずで、みんなそれぞれ出かけてしまっているから当たり前なのだけど。
 なんだか気が楽なような、それでいて寂しいような感じを受けながら、かがみは食卓の上に置かれていた一枚のメモ帳に目を落とした。
 小さな紙片につづられた丁寧な字は、母親のもの。
 そこに書かれた内容は――、
 今日はみんな出かけているから、家にはかがみとつかさしかいないということ。
 もし出かけるとしたら戸締りを。
 お昼ごはんは冷蔵庫に。
 夕飯は帰ってきてから作るから大丈夫。
 そして最後に、――つかさのことをよろしく頼むわね、と一言あった。
 やっぱりね……、と思ってかがみは小さく嘆息した。
 昨日の夜から、つかさは具合が悪いようなことを言っていたのだ。
 薬を飲んで早く寝たみたいだけど、けっきょく熱を出して寝込んでしまったらしい。
 あのコにしては珍しいというか、あんまり夏風邪なんてひかないはずなんだけど。
 むしろ自分のほうが風邪はよくかかるタイプなのだ。
 覚えている限りでは、…………もしかして毎年なってるんじゃないだろうか。
 そういえば夏休みに入る前にもひいてたし……。
 ――まあ、あのコは体が(地味に)丈夫だし、私みたいに長引いたりはしないでしょ。
 今日一日寝ていれば、明日には元気になっているんじゃないだろうか。
 一日無駄にしてしまうのはもったいないかもしれないけれど、それはどうしようもない。
 無理はしないで早く治してしまったほうが得策だ。
 さて――と思いながら、かがみは下ろした長い髪の毛をかき上げた。
 時間的には、まだ昼ごはんを食べるのには少し早い。
 普段の夏休みだったら、つかさでも起こして遊びに出かけるか、それともこなたを電話で叩き起こしたり、あやのと連絡でも取ってみるのだが(みさおは普段は部活があった)、今年の夏はそうも言ってられない。
 ――しょうがない……。おとなしく勉強でもしときますか。
 妹の分まで……は無理だけど、暇を持て余してもいられない。
 こなたあたりが聞いたらまた驚くだろうけど、みゆきとかならこれが普通だっつーの。
 あのグータラ娘がボケそうな姿を想像しながら、かがみは額に浮かんだ汗を拭った。
「…………あつ……」
 さっきから、部屋の中、というか家の中全体に熱がこもっていた。
 ご丁寧に母はちゃんと戸締りをしていってくれたようなのだ。
 おかげでなんだか蒸し風呂状態です。
 ここ最近は、長引いてる梅雨のせいで、曇りや雨が多かったのだけど、今日は随分と晴れているみたいだった。
 それでいながら、じめじめとした感覚が残っているせいで、熱さに磨きがかかっているみたいに感じる。
 朝起きたときもかなり汗をかいてしまっていたし。
「……あのコ大丈夫かしら」
 風邪をひいていながら、この暑さだ。
 余計に具合が悪くなってたりしていてもおかしくない。
「………」
 脱水症状に……いやその前に熱射病? ……熱射病は違う。熱中症だ。
 だけど、まさか。あのコだってエアコンぐらいつけてるだろうし、でも昨日の夜は涼しかったからそのまま寝てるなんてことも、……だけどこれぐらいでそんなことにはならな、あーでもそうじゃなくてもすごい熱なんて出してたりして、うなされてたりしてるかも――、
「って考えすぎだろ、私……」
 かがみはイスに手を掛けながら、頭を押さえた。
 だけどそう考えたら、少し……すこーしだけ不安になってきた。
 別にこなたの従姉妹みたいに身体が弱いわけじゃないし、そんな心配なんてする必要、ないだろうけど……。
 でもほら、万が一とか、そういうこともあるし。
 様子を全然見ないのも、姉としてもどうかと思うし、母にも頼まれているわけだし。
 ずっと寄り添ってあげたいとか、面倒見てあげたいとか、そういうわけでも無いのだから、さ。
 と、そこまで考えて、かがみは頭を押さえながらその場にしゃがみこんだ。
 ホント、何に対して言い訳してんだ私……。
 どこぞの猫耳のおねいちゃんでもあるまいし、もう少し素直になっときなさいつーの。
 結局はそう――。……昨日の夜からずっと心配だったのだ。
 一瞬こなたのあの発言が脳裏に浮かびかかったのを全力で拒否しつつ、かがみはつかさの部屋へと足を向けた。

354湿度と温度の境界線(3/18):2009/08/25(火) 14:36:05 ID:FUUZ7Vmx

     ♪



「って暑っ……!」
 思わずかがみはツッコミを入れた。
 つかさの部屋に入った途端、物凄い熱気に襲われたのだ。
 蒸し風呂というよりもサウナ状態……は、言い過ぎかもしれないけれど、なんだか随分と熱い空気が部屋中に充満している感じだった。
 エアコンは……点いていない。
 それでいながら、窓も開いていなかった。
 太陽は久しぶりに顔を出せたせいか、外で思う存分暴れまくっていて、その熱射光線が部屋の中にも届いている。
 しかも時間が経つに連れて、段々と温度を上げてきているようなのだ。
 さっきからそんなに時間が経っていないはずなのに、もう体感温度が上がっているような感覚さえしている。
 今日は久しぶりに真夏日にでもなるのだろう。
 だというのに、この部屋の暑さは相当やばい。
 いつまでもこんな部屋にいたら……、本当に危ないんじゃないだろうか……(考えすぎ)。
 そう思いつつ、かがみはベッドの方へと近づいた。
 返事が無かったから勝手に入ってきたのだけど、横になっている双子の妹は瞳を閉じていた。
 この暑さだ。少し息苦しそうに寝息をたてながら、顔にはわずかに赤みが差している。
 そっと手を伸ばして、額に触れてみた。
 熱は――、……そうでもないみたい。
 そんなに熱いというわけではない。
 だけど苦しそうにしているのは、やっぱりこの暑さが原因なんだろう。
 こんなに暑いなら、目を覚ましてもいいものだけど……。
 ねぼすけ大魔神の妹には、こんな暑さでも起こすのには足りないのかもしれない。
 どっかのカエルキャラ好きの人間みたく、目覚まし時計で埋まったベッドに眠ることにはならないでほしいなぁ……と思いながら、かがみはつかさのほっぺを突っついてみた。
 つかさのベッドは、時計ではないけれどぬいぐるみがいっぱい飾られている。
 相変わらずファンシーというかなんというか。でもその割にはそんなに乙女チックな性格ではないのに、こういうとこだけはちゃんと女の子をしていて。
 だけど今の姿は……。
「あんた風邪ひくわよ……」
 いや、もうひいてますけどね。
 ベッドの上で眠る妹は見事にお腹を出していた。
 それは多分、風邪と暑さで寝苦しかったからなのだろう。
 掛け布団は足元で丸まってるし、シーツはぐしゃぐしゃになってるし、手足もバラバラに投げ出していた。
 本当に風邪をひいてるのかと思う寝相に、かがみはお決まりのため息をつくと、手を伸ばし、乱れたパジャマを直してあげた。
 と、そこで気がついた。
 触れたパジャマが湿っているのだ。
 もしかしたら昨日の夜は、かなり熱が出ていたのかもしれない。
 そしてその後のこの暑さ。そのせいで、かなり汗をかいてしまったみたいで、少しだけ服が重くなっているようだった。
 ――代えの着替えでも……、用意してあげるか。
 いつまでもこのままじゃ気持ち悪いだろう。
 起きたらすぐに着替えられるように、新しい服でも置いておこう……と思いながら、かがみは部屋のタンスに目を向けて、
「……その前にこの暑さをどうにかしないと」
 病人にこれは暑すぎる。
 エアコンも、そんなに身体にいいというわけではないけれど、今のこの部屋の状態に比べればマシだろう。
 さすがにこのままじゃ、妹の風邪も悪化してしまいそう……だけど。
 ――でも、このままじゃあ、ね。
 冷房をつけようにも……、今わかったとおり、妹のパジャマは湿っているのだ。
 これじゃあ冷やされすぎて、今度は風邪をひいてしまう事になりかねない(だからすでにひいている)。
 だけど部屋の中はますます温度が上がってきているみたいだった。
 動いてないのに汗が出てくる。
 起こして着替えさせようにも……、なんだかそれもためらわれるし。
355湿度と温度の境界線(4/18):2009/08/25(火) 14:37:28 ID:FUUZ7Vmx

 どうしたもんか、とかがみは腕を組んだ。
 早く決定的な打開策を見つけないと、病人の命に関わるぞ。
 さあ考えろ。
 考えろ。
 考えろ。
 やがて汽笛は鳴る――、……ってそんなラノベのネタは置いておいて。
「………」
 ベッドの上で眠る妹は、相変わらず寝苦しそうな息を吐いていた。
 額に汗を浮かばせながら、顔を赤くしているのが……なんだか少しかわいそう。
 取るべき手段は、あれしかないか……。
 本当にこのコは手間のかかる妹だと思いながら、かがみは準備をするために部屋から出ていった――。



     ♪



「それじゃあ、始めるとしようかしらね……」
 なんとなーく、これからすることを思って、かがみはそっと額を押さえた。
 見つけた打開策は、単純なもの。
 手っ取り早く自分が、その汗で濡れたパジャマを着替えさせてあげればいいわけだ。
 で、ついでに汗でベタベタになっているだろう身体も一緒に拭いてあげようと、濡れたタオルも今さっき用意してきたところだった。
 どれだけ過保護なんだ……、とか思わないわけではなかったけれど、でも、その、まあ……これぐらいは姉として普通の事だと思うのよ。
 なにかはわからないけれど、十分に許容範囲内であるに違いない。
 だから、これは、そう。うん。
 早くつかさの風邪が治ってほしいという、優しさなのだ。
 別に甘やかしすぎとか言われそうだけど、断じてそんなことはありませんので、間違えないでいただきたく思います。
 ――と、自分の中で何か(特に多分あの背の低いヤツ)に精一杯納得をさせたあと、かがみは寝ているつかさを起こさないよう、ゆっくりとそのパジャマに手をかけた。
 一つ一つ丁寧にボタンをはずしていく。
 黄色いパジャマをはだけると、中からは白いキャミソールが姿を見せた。
 特に飾りつけも無い、質素なものだ。
 汗のせいで盛大に湿り気を帯びていて、肌にベタッと張り付いていた。
 こんなふうになるとかなり気持ち悪いのよね……と思いながら、かがみはつかさの腕を取り、パジャマの袖を脱がしていく。
 相変わらずの細い腕だ。
 そんでもって、いい肌をお持ちでいらっしゃる。
 若々しいというか、みずみずしいというか。
 隣の芝はなんとやらではないけれど、どうにもうらやましいような気持ちがしてくる。
 パジャマを半分脱がし終わり、つかさの上半身がキャミソール一枚だけになった。
 今度はそれを脱がさなきゃいけないわけなのだが、少しここからが大変だ。
 かがみはつかさの首の後ろの隙間に手を入れて、慎重に背中の下へ手をまわす。
 そして少し強く力をかけながら、そのままつかさの上半身を抱き起こした。
 ふぅ、と一息つきながら、かがみは腕の中の妹へと視線を落とす。
 力の抜けた人間は重くなると言うけれど、確かにこのまま支え続けているのは大変そうだ。
 にしても……すっかり体重を預けきっている妹には、起きる気配が全然なかった。
 スースーと、気持ちよさそうに寝息を吐いている。
 なぜかさっきよりも苦しそうに見えないのは、――私が支えてあげてるから……?
 いやいやいやいや。
 まだ彼女の顔は赤いままだし、さっきからずっと身体に伝わってきている体温はなんだか熱く感じるし、それにそれに――、
「んぅ……」
「…………っ!?」
 かがみの表情が、固まった。
 周りの時間が止まったような錯覚を感じながら、息を潜めてつかさの顔を見つめる。
 少しの間、彼女はむにむにと口を動かして、結局またそのまま元の寝息を立て始めた。
 どうやらまだ……、起きたりはしないようだった。
「………」
 何が、後ろめたいって言うのだろうか。
 やましいことなんて一切まったくしてないし、考えてだって…………いないし。
356湿度と温度の境界線(5/18):2009/08/25(火) 14:38:21 ID:FUUZ7Vmx

 腕の中の妹は、ちゃんと目をつぶって眠りについていた。
 顔は赤いけれど、ゆっくりと呼吸をしながら、嬉しそうに微笑んでいる。
 ――嬉しそうに、ですか。
 何が、ですか。
 なにがそんなに嬉しいんだ、あんたは。
 風邪ひいて熱出して、寝苦しそうにしているっていうのに。
 こっちはさっきから妙に暑くて、ずっと汗をかいてるっていうのに。
 その無駄に緩んでいる頬をつねってやれないのが、なんだか悔しかった。
 でもまあ、いつまでもこうしてもいられない。さっさと目的を果たしてしまおう。
 さっきから、少し鼓動が激しくなってるのが気になるけれど……。
「はい、じゃあ、脱ぎましょうね」
 すやすやと眠るつかさにそう言いながら、かがみは肌着の裾に手をかけ、脱がしていく。
 あらわになる肌が視界に入ってくるけれど、なるべく気にかけない。
 キャミから頭を抜き、前の方から手を通して外していく。
 やはり汗のせいで肌にひっかかったりしたけども、どうにかして脱がす事ができた。
 つかさの上半身が、完全に裸になる。
 その白い肌は、お風呂に入って温まったときみたいな、血行が良くなったときみたいな独特の赤みを帯びている。
 一瞬、かがみは視線をさまよわした。
 ……相変わらず自分は何を恥ずかしがっているんだろう。
 同姓だし、姉妹だし、去年旅行に行ったときも一緒にお風呂に入ったことがあるわけだし、そんな、こんな、なにかでありがちな反応を自分がするとは思いもしなかった。
 ――だけど、と思う。
 それだけ動揺するような感覚が、目の前にあるのだ。
 それはこのシチュエーションだったり、つかさの身体が……綺麗だからだったり。
 その細い腕とか。
 腰、とか。
 ……胸、とか。
 首とか、柔らかそうなほっぺだったり、綺麗に伸びてるまつげだったり、うっすらと開いた少し潤んだ瞳だったり――……。

 ………。

 ひと、み?

「――お姉ちゃん……?」
「………」

 一瞬、心臓が止まったような気がしたのは、錯覚ではないと思う。




     ♪




 知らないうちに、つかさが目を開いてかがみのことを見上げていた。
「あっ、えと、……あ……えっと……」
 とにかく何かを言わなきゃダメだと思った。
 だけどいったい何を言葉にしたらいいのか判らずに、口から出るのは単語にすらならない。
 ただ心の中から、なにかが必死になって信号を送り続けているのだけは把握できた。
「……?」
 と、つかさは、寝ぼけまなこのまま、疑問顔でかがみのことを見つめていた。
 さんざん熱っぽい顔で、姉の姿を見つめた後、ふと自分の身体の事に気付いたようで、
「ぁー……」
 と変な叫び声をあげた。
 そしてゆっくりとした動作で、何も着けていない身体を隠そうと、両手を胸の前へと持っていった。
 顔がさらに真っ赤に染まる。
357湿度と温度の境界線(6/18):2009/08/25(火) 14:40:03 ID:FUUZ7Vmx

「そのね、つかさ、その」
「いくらなんでも……寝てるときはダメだよ……」
 ――なんて言葉を、上目遣いで言ってくる。
 それなら寝てないときはいいのかよっ――と、自分の奥の中心みたいな変に冷静な部分がツッコミを入れた。
 だけどどうやらそのおかげなのか、どうにか正常な思考が戻ってきた。
 だから……何を慌てる必要があるっていうのか。
 さっきも言ったように、何もやましい事なんてしていないし、考えても……、も……、い、いないし。
 それにこれはそう――。
「なに勘違いしてるのか知らないけど、あんたが汗びっしょりなのに、クーラー入れたら余計風邪が悪化すると思って、だから着替えさせてあげようと脱がしてあげてて……。
で、ついでに身体も拭いてあげようと思って、でもその途中であんたが目を覚ましたから、まだ私はぜんぜん触って無いの。だから大丈夫。それだけっ。判った?」
「えっ、あ……。う、うん……」
 そう一気に早口でまくし立てると、つかさは圧倒されながらも頷いた。
「そっかぁ……」
 一瞬残念そうに見えたのは、多分気のせい――。
「ありがと。お姉ちゃん」
 にっこりと、つかさが微笑んだ。
「わ、……わかったなら、ほら。これで軽く身体拭いて、服着なさい。それでまたしばらく寝てること」
 思いっきり顔が赤くなってくるのを感じながら、視線を逸らしつつタオルを差し出す。
 変にてんぱったせいなのか、部屋が暑すぎるせいなのか、身体にいやな汗をかいていた。
 肌に服が引っ付くような、ベタベタした感触がする。
 自分も着替えた方がいいかもしれないと思いながら、かがみは小さくため息をついた。
「………。…………えっ?」
「え、って何よ」
 つかさがかくんと首を傾けながら、かがみを見つめていた。
「拭いて……くれないの?」
「………。……なんでよ」
 そもそも起こすのがイヤだったから、寝てるうちにしてあげようと思っていたのだ。
 けっきょく目を覚まさせてしまったわけなのだが、このまま自分がする理由はすでになくなっている。
「面倒くさがってないで、それぐらい自分で出来るでしょ? それでさっさと冷房つけて、今日は一日寝てなさい」
「で、でも……」
 と、つかさは眉を寄せる。
「起きたばっかりで、頭がふらふらするし……、まだちょっと顔も熱くて、ボーっとして……。身体も少しだるいし……」
 と、確かにいつもよりもさらにスローな感じで、つかさは言う。
「…………ダメ……?」
「ぁー……、ぅう……」
 かがみはその視線を受け止めきれなくなって、目を逸らした。
 熱があって、目元が赤くなっているからか、つかさの“お願い”してくる顔が、いつもよりも攻撃力が高い気がする。
 ジーッと穴が開くくらい、相変わらず上半身裸のままで見つめられて、これ以上何も言えなくなったのを感じた。
「……判ったわよ」
 と、肌に張り付く髪の毛をかきあげながら言う。
 そう言うと、つかさはホッとしたような顔をした。
 甘い、だろうか。
 いつもいつも自分は、妹といるときは甘くなってしまう気がする。
 妹に対しても、そして……自分自身に対しても。
「ありがとう、お姉ちゃん」
「ほら……、望みどおりしてあげるから、じっとしてなさいよ」
「うん」
 ――だけどその理由は、けして妹を甘やかすことがイヤではないからだ。
 手間がかかると思いながら、頼ってくれるのが嬉しくてしかたなかったりする。
 でも……、だから困ってしまうわけで。
 そしてまた、それがそんなに困ったことに思えないのも……かなり重症だと思う。
「ふぁ……」
 と、背中にタオルを押し付けたら、つかさが声を上げた。
「……変な声出さないの」
「う、うん」
 あまり力をかけないようにしながら、その背中を拭いていく。
 まっさらだ。
 ショートカットの合い間から見えるうなじから真っ直ぐに、傷一つない肌が一面に拡がっている。
 そこには余分なモノが一切ついていなくて、ただ背骨と、肩甲骨と、筋肉が合わさりながら、なだらかな表面をつくりあげていた。
358湿度と温度の境界線(7/18):2009/08/25(火) 14:41:13 ID:FUUZ7Vmx

「っん……」
 つ……と真ん中に手を這わせたら、ピクッと背筋を震わせた。
「じゃ……次は、前ね」
「………。……うん」
 つかさは一瞬、こちらと目を合わせて、でもすぐに……恥ずかしそうに目を伏せてしまった。
 ――そんな恥ずかしがるんだったら、頼まないでよ。
 こちらもそれがうつってしまったかのように、頬が熱くなってきた。
 ただでさえ室温で暑くなっているっていうのに……。
 また少し部屋の温度が上がったような気がしながら、妹の腕をとる。
 つかさが恥ずかしそうに、でも少し嬉しそうにしている様子を視界の端に止めつつ、その肌にタオルを走らせていく。
「ちょっと、思い出すな……」
「……何が?」
 掴んだ左手が握り返してくるのを感じながら、聞く。
「もっと小さかったときね……。あんまり重い風邪をひいたことなかったのに、すごい熱で寝込んじゃって……」
 つかさはまぶたを少し閉じながら、ささやくように言葉を吐く。
「ようやく熱が引いたんだけど……。風邪ひいてるときってお風呂に入れないでしょ?」
「まあ……、ひき始めならともかく、湯冷めしたりとかあるから、それが普通よね」
「うん。だからそのときも、汗をかいててもお風呂で流せないから、身体が汚れてる感じで……」
 かがみは左手を離し、今度は右手に手を伸ばした。
「それでお母さんが、私の身体を拭いてくれて……。……そのとき以来かなぁ、って」
「………」
 子どもの頃は確かにそうだった。
 いつも風邪をひいていたあの頃は、ときおり母がそんなことをしてくれたものだ。
 熱で頭がふらふらしているのを感じながら、優しく触れてくれるのが嬉しかった気がする。
 だけどこの歳になると……さすがに人にやってもらう事はない。
 ……今みたいな例外を除けばだけど。
「だからね」
「ん?」
 肩と首周りを拭きながら、すぐ目の前の瞳に目を合わせる。
「ちょっと……、嬉しいなって」
「……そう」
 と言って、かがみは熱っぽい視線から目を逸らした。
「手、どけて」
「……?」
「前も……、拭くから」
「………。うん……」
 そう言うと、つかさはさりげなく身体を隠していた腕をどかした。
 恥ずかしそうにうつむきながら、でもわずかに口元にいつもの微笑を浮かべている妹の頭をそっと撫でると、かがみはその身体へと手を伸ばした。
「ん……」
 右手を肩にそえながら、左手でお腹の辺りに触れていく。
 タオル越しにも、呼吸をしている動きがはっきりと伝わってくる。
「………」
「………」
 妙な沈黙が二人の間に流れているのを感じつつ、かがみはタオルで拭く範囲を上に移動させていく。
「…………っふぁ…………」
 押し殺した、のかもしれない。
 ピクッと身体を反応させて、つかさがかすかな吐息を口から漏らした。
 喉の奥で鳴るような、小さな声が時々するのを聞きながら、かがみはその手を動かしていく。
 彼女の胸は意外にある。
 といっても、“すごくなさそうに見えて”、実際はある……という意味だけど。
「……っ……ん……」
 触れるたびに、形を変えるのがわかった。
 丁寧に丸く整った形状が、タオルに翻弄されて揺れ動いている。
 つかさの閉じた目蓋が震えていた。
 左手に感じる心臓の鼓動に合わせて、半開きになった小さな口から息が漏れていた。
 包み込むように、優しく、傷つけないよう、その肌にタオルをなぞらせる。
 どこまでも柔らかくて、でもしっかりと押し返してくる感触に、少しだけ指先が震えた。
359湿度と温度の境界線(8/18):2009/08/25(火) 14:43:20 ID:FUUZ7Vmx

     ♪



「――はい、終わり」
 身体の隅々までしっかりと触って、もとい拭いてあげて、ようやくかがみはつかさの身体から手を離した。
 使う前は十分湿っていたタオルも、今ではもう乾き始めている。
 なんだかすごく頭に血が上ってるような気がして、かがみはそっと額を押さえた。
 ふと見た窓の向こう側。
 そばにある神社の林から、たくさんの蝉が鳴いているのが聞こえてきていた。
 たとえ閉めきっていても家の中まで聞こえてくるその鳴き声は、もはやこの家の、夏の風物詩と言える存在だ。
 暑い。
 額が汗で湿っている。
 どうしてこんなに暑いのか。
 それは……、もちろん冷房がまったくついていないから。
 なんでって、元々はつかさのパジャマが汗びっしょりで、そのままでは風邪が悪化してしまうから……。で、着替えさせてあげようと寝ている隙を突いてその服に手をかけ、その肌を外気にさらし、さあどうしようかというタイミングでつかさが起きてしまって……。
 ――どう考えても、脱線しすぎよね。
 熱で、やられた……?
 ……なんの熱よ。
 そもそもつかさが、いや……自分のせい?
 ダメだ。
 なんだろう。
 少し熱っぽいような気がする。
 うまく思考がまとまらない。
 そういえばなんか大事なことを忘れてるって言うか、前にも思い当たるような事があったっていうか……。
「その、お姉ちゃん……」
「……なに?」
 声がして顔を向けると、つかさが上目遣いで見上げているのが目に映った。
「あ……、ほら。いつまでもそんな格好してないで、早くこれに着替えちゃいなさいよ」
 そばに用意しておいた新しいパジャマ渡しながら、かがみは言う。
「あっ、うん……。だけど、そのね……」
「……?」
「……えっと……その……」
 ――ああ。
 なんとなく、直感でわかった。
 目の前の妹は、熱で顔を赤くしながら、しどろもどろに何かを言おうと必死になっていた。
 特に今日は、風邪を引いているせいで余計に頭が回っていないんだろう。
 微妙に身体を隠しながらも、迷ったように目を動かしていた。
 自分は知っている。
 この後に妹がどんな事を言ってくるのかを。
 そして、その後の展開も。
「その……ね」
「なに?」
 首を傾げて、続きを促す。
「…………下、も拭いてほしい……ん、だけど……」
「………」
 さっきの予想は、半分当たり。もう半分は……。
「いや……。別に足は拭かなくても、いいんじゃない……?」
 一応、言ってみる。
「でも……、下もけっこう濡れちゃってるし、ベタベタして気持ち悪いし……」
「………。………」
「あ……、でも……。……ダメ……なら……」
 ごにょごにょと口を動かすつかさ。
 内容には少し面食らったけど……、――大方予想通りだ。
「ぁぅ……」
 くしゃりと、妹の頭を撫でくってみる。
 触れた額は……少し熱が上がってるような気もした。
360湿度と温度の境界線(9/18):2009/08/25(火) 14:44:03 ID:FUUZ7Vmx

「……終わったら、今度こそ終わりだからね」
「え、あ……。うん……」
 本当にどこまでも予想通りというか、当たるのが決まってるギャンブルなんて、賭けにはならないっていうのに。
「ズボン……、自分で脱げる?」
「う、うん」
「………」
「あっ、っ、ふぇ……、あれっ。…………引っか、かって……――ぁ……」
 熱で手が上手く動かせないのか、湿っていて滑らないせいか、足の途中まで脱げかかっていたのを、かがみは引っ張って下ろしてあげた。
 見るからになめらかそうな太ももから足の先までが、ベッドの上に投げ出される。
 かがみはそっとため息をつくと、タオルを持って、つかさの左足へと手を伸ばした。
「……んっ……」
 やっぱりくすぐったそうに、つかさが声をあげる。
 かがみはそれを聞きながらも、優しい手つきで細い足を拭いていく。
「あの……お姉ちゃん」
「なに?」
 手を動かしながら、やっぱり足も自分のより綺麗かもしれない、と思いつつ聞き返す。
「やっぱり……、迷惑だった……?」
 少しうつむき加減で、つかさは言う。いつもよりも表情が暗い気がするのは……風邪をひいてるとき特有の、ネガティブな思考のせいだろうか。
 拭く足を変えながら、かがみはつかさに言葉を返す。
「あんただって……わかってるくせに」
「え……?」
「私が、断らないってこと」
「ぁ……」
 つかさは眠たげだった瞳を大きく見開いた。
「えっと……違っ……、あれ、で……も……。ちが……」
 わたわたと表情を変える妹に、かがみは苦笑する。
 これはちょっとした、しかえしだ。
 いつも頼りっぱなしな彼女への。
 つかさはどんどん困った顔になっていく。
「あのね、その……、私、別に……――――ひはぅっ……!!」
 ビクッ、とつかさが足を引っ込めた。
 無防備にさらけ出していたその足の裏を、思いっきりつっついてやったからだ。
 「!? 〜っ?」と、つかさは目を白黒とさせていた。
「お、お姉ちゃん……」
 眉を寄せながら、つかさはおずおずと目で訴えてくる。
「別に……そんなに気にしないでよ」
「……?」
「私は……、迷惑だったり、困ってるわけじゃないんだから」
 こうやって――、私が彼女の頼みを断らない事なんて、予想通りすぎる展開だった。
 言っちゃ何だけど、つかさに本気で何か頼まれでもしたら、無下に出来る自信は一切無い。
 それはもう、お決まりというかなんというか……。
 なにせ自分は――。
「もう、終わったから。……これでいいでしょ?」
 暑いとかいうのは、もう気にしても無駄だと思ってさっきから無視してるけど、……そろそろ真剣に危険だと思う。
 実際は、けっこう頭がふらふらだったりもしているし、なんだか少しだけ……熱っぽい気がした。
 かがみは顔を上げて――、相変わらずつかさが上に何も着ていないのを思い出して、視線をそらした。
「ほ、ほら……。もういい加減に、服を……」
「――ま、まだ…………」
「………。……?」
 まだ何か――と、一瞬身構えたけれど、……つかさの様子が少し違った。
「……つかさ?」
「………」
 顔が赤いのは、さっきからずっとだけど、今は――さらに赤くなっている。
 それはもう、真っ赤っていうくらい。
「そ、の」
 それは熱が出てるからって言うよりも……、恥ずかしいから……?
 なんだかこっちまで顔が熱くなってきそうになりながら、つかさのことを見つめる。
361湿度と温度の境界線(10/18):2009/08/25(火) 14:44:51 ID:FUUZ7Vmx

「最後が……まだ……」
「……え?」
 思わず、聞き返した。
 チラッとこちらを見つめてきた目が、普段の妹のものと全然違って、妙に……ドキッとしたから。
 それは、……予感みたいなもの?
 胸が締め付けられるような、段々と鼓動が速くなってくるような……。
「その……」
「………」
 じっと見つめる。つかさの、その少し赤みを帯びた白い身体を。
「……最後まで……」
「………」
「ちゃんと最後の……、ところまで……。……拭いて…………」
 そう呟いて、つかさは顔を真っ赤にしてうつむかせながら、その身体を震わせた。
 ――最後の、下着一枚しか着けていない身体を。

 ――あぁ……。

 つかさの言葉の意味がなんとなく判って、顔が一気に赤くなっていくのが判った。
 それはつまり……。
「……お姉ちゃん……」
 切なげに、つかさがため息をつくように呟いた。



     ♪



「えっと……」
 顔どころか、身体まで妙に暑い。
 つかさのことが真っ直ぐに見れない。
「……お願い……」
 囁く声が、直接頭に響いてくるようだった。
 見上げてきた瞳を見つめたら、今度はそこから視線を外せなくなってしまった。
「ぁ……」
 右手に感触がして、心臓がドキリと脈打った。
 掴んでいるというには弱々しくて、服の端をつまむみたいに、小さい手が指先に触れていた。
 熱い視線が顔に突き刺さる。
 頬が赤い。
 見つめてくる瞳が潤んでいる。
 ――あれ……、つかさってこんなに……。
 可愛かっただろうか。
 大人ぽかっただろうか。
 訳も分からず、胸がギュッと締め付けられる。
「……お姉ちゃんに」
「……ぇ」
「かがみお姉ちゃんに……、してほしいの……」
 ――ぁ……ぅ。
 その顔は、卑怯だ。
 その眼も、声も、そんなふうに弱々しく手を引っぱられても。
 困る。
 だって、……絶対なんにも抵抗できないって、思ってしまうから――。
「ん……」
 ギシッと、ベッドが二人分の体重に揺れた。
 いつのまにか、つかさのことをベッドの上に組み伏せてしまっていた。
 まだ結わえていない長い髪が、重力に流れて視界に陰を作る。
 シーツの上についた両腕の間で、つかさがジッと見上げてきていた。
 その視線は戸惑っているようで、でもどこか、何かを期待しているようで。
362湿度と温度の境界線(11/18):2009/08/25(火) 14:45:41 ID:FUUZ7Vmx

 ゆっくりと、つかさが目を閉じた。
 まるで、なんでも受け入れるとでも、言うように。
「………。つかさ……」
 まるで引き寄せられるように、かがみはつかさの唇を奪った。
 触れた部分が熱い。
 そこは柔らかくて、でも風邪のせいで少しかさついていた。
「んっ……、ちゅ……、っ……ぁ……」
 息苦しくなって、口を離した。
 なんだかすごく酸素が足りない気がする。
 必死に口で呼吸をしても、早くなった鼓動が元に戻らない。
「お姉ちゃん……」
「なに?」
「…………もっと……」
 かがみのパジャマの端っこを掴みながら、つかさが言う。
「もっと……?」
「ん……」
 コクリと頷く。
「……うん。わかった……」
 そう言って、かがみはまたつかさに顔を近づけた。
 かすかに呼吸を漏らす、小さな唇を、自分のものと密着させる。
「っ……、ぅん……っ、む、ん、っ……、ん……っ」
 キスをしているという事実が、頭の中を白く染めていく。
 つかさの唇の感触がやわらかくて、すごく……甘くて。余計に胸を締め付けられる。
 どうしても息苦しくなってしまって、口を離してしまう。
 もっとしたいのに、息が続かない。まだ足りなくて、何度も何度も口付けをする。
 自分でも、もう止められないのが。止まれないのがなんとなくわかった。
 とにかく……、つかさのことに触れたかった。
 目の前にいる妹の事が、可愛くて……。……ただ、好きでしょうがない気がした。
 もう暑さで、頭があんまり回らない。
「っ……、ぁ、ん……、む……ぅ、ん……っ、んぅ……っ」
 キスをしながら、つかさの胸に触れた。
 直に触れたその肌は、さっきタオル越しで感じたものよりも、数倍柔らかいと思った。
 手にうまく力が入りにくかったけど、なるべく痛くさせないように揉んでいく。
「ぁっ……、おねえちゃ、ん……、っ、ぅん…………っ」
 つかさの顔が、赤みを帯びている。
 荒く息を吐きながら、眉をハの字に寄せているけれど……。……イイのかな……。
「ふぇ……っ、……ん、ぁ……っ」
 手のひらの中で、とがって主張していた先端を、指でつまんでみた。
 痛くないだろうか……、と思ったけど。
「ぁ……。…………ん……っ」
 そうでもない、みたいだった。
 ちゃんと……感じてくれている。
「……つかさ」
 胸の中がどうしようもない気持ちになって、呼びかけてみた。
 つかさは両手の動きに合わせて、熱い吐息を漏らしていた。
 潤んだ瞳をそっとこちらに向けて、困ったように目を伏せた。
「ん……」
 もう一度、唇にキスをする。
 さっきよりは優しく。
 そのまま口をずらして、首筋まで移動する。
 ぁぅ……、とつかさが小さく声をあげた。
 胸だけじゃなく、腰やお腹あたりにも手を這わせながら、首筋を口で責めていく。
 少し、ここが弱いのかもしれない。
 ちゅっ、と吸うたび、舌で舐めるたびにお腹の辺りが震えるのが手から伝わってきた。
「ぁ……ん、……お姉ちゃん…………」
 胸の真ん中に、顔をうずめてみた。
 暖かい肌の感触がする。
 耳を当てると、トクンと心臓が脈打ってるのが聞こえた。
 すごくドキドキしてるのがわかって、……ちょっと嬉しかった。
363湿度と温度の境界線(12/18):2009/08/25(火) 14:46:22 ID:FUUZ7Vmx

「ん……っ、ひゃぅ…………」
 胸にもキスをする。
 やわらかい膨らみを吸いながら、跡をつけながら、小さくとがった先端を口に含んだ。
「ん……ぅ……、ん、っぁ…………」
 コロコロしてグミみたい。でも、固い。
 反対側にも、口をつける。
 触り心地が良くて、何度も手のひらで胸を揉んでみる。
 なめた肌は、ちょっと汗の味がした。
「……っぅ……」
「ちょっと……湿ってる」
 手を伸ばしてショーツに触れた。
 おしりのあたりに手を潜らせると、布地が少し汗で濡れているのがわかった。
「拭かないとね……」
「………。うん……」
 つかさの足の間へと、移動する。
 白い身体に、最後に残った、淡いピンクの下着。
 少しフリルがついて、真ん中に小さいリボンがあるのが、つかさに良く似合ってるような気がした。
 脇の、端っこに手をかける。
 湿っていて肌に引っかかりながらも、膝のところまで下ろす。
「ん……」
 つかさが恥ずかしそうにため息をつくのが聞こえた。
 目を見ると、あからさまに視線を逸らされた。
「つかさ……」
 近づいて、顔を覗き込む。
 つかさは困ったように眉をよせて、見つめてくる。
「ぁ……っ」
 指先で、そっとつかさのあそこに触れた。
「濡れてる……」
「………」
 指先に、べとべとした感触が伝わってくる。
 真ん中の溝を中指で押すと、さらに溢れてくるのもわかった。
「ぁっ……、っ…………っ」
 指をもぐりこませて、ゆっくりと広げていく。
 熱い蜜が、指先をつたって、手のひらまでこぼれてくる。
「ぁ、ん、ぁっ……、んんっ……」
 つかさがギュッと瞳を閉じた。
 同時にあふれる蜜の量も多くなる。
「んっ、っおねえちゃ……む……ん、ちゅ、っ……、ぁ……っ」
 いじらしい声を上げる口を、キスをして塞ぐ。
 触れた指の先に、感じる蜜の感触がなんだかちょっと心地いい。
 たっぷりとからめて、つかさのあそこのヒダに塗りこんでいく。
「ここは……?」
「ふぇ……、ぁ、……っ――んっ……ぁぅっ…………!」
 あそこの上のほうに、閉じこもっていた突起みたいな、小さい丸っこい部分――クリトリスを撫で上げた。
 案の定つかさは身体を震わせ、か細い声を上げる。
「は、ん、……っ、ぁ……、ひゃっ…………っ、あ、ぅ…………んんっ」
 指先を動かすたびに、つかさの口から声が漏れる。
 そんな妹の姿がやっぱり可愛くて、顔に笑みが浮かんでしまう。
「……気持ちいい……?」
 抱きしめて、耳元でささやく。
 つかさは少しためらって、……小さく「うん」と返事をした。
 ――良かった……。
 同じようにつかさにも抱きしめられた。
 「お姉ちゃん……」と自分のことを呼ばれると、それだけで胸がドキドキした。
「つかさ……」
 手をゆっくりあそこで動かしながら、つかさの額にキスをする。
 少し汗の味がして、ちょっと熱かった。
364湿度と温度の境界線(13/18):2009/08/25(火) 14:47:25 ID:FUUZ7Vmx

「……お姉ちゃん」
「ん……? ――ぁ……っ」
 ふと、つかさが頬に手をかけてきた。
 そしてそのまま引き寄せられて、――キスをされた。
「ぁ……、ん、む……」
 どこにそんな力があるのかっていうくらい、首に手を回して強く抱きしめてくる。
「っ、ん、…………ぁ、っ……む、ぅ…………っ」
 つかさの舌先が、唇を舐めた。
 ぐいっと押されて、口の中に侵入してくる。
「んんっ……!? む、んっ、ふぁっ……、ん、っぅ…………んんっ……!」
 強引ってくらいに、つかさの舌が口の中で動き回っている。
 狭い中で逃げられるはずもなく、舌を絡め取られてしまう。
「つかっ、しゃ……っ、む……ん……っ、はぅ…………ん……っ」
 舐められてるだけのはずなのに、頭の芯がボーっとしてきてしまう。
 なにも考えられなくなってきて、つかさの舌が口の中で動いてる事しか分からなくなってしまう。
「ちゅ……んっ…………。…………お姉ちゃん……」
「ぁ……。……つかさ?」
 ようやく放してくれたつかさの顔を、かがみは息を荒げながら見つめ返す。
 目が合って、つかさが小さく笑った気がして、
「えっ……? ――ぁ……っ」
 抱きしめられたと思った瞬間には……、視界が変わっていた。
 つかさの両腕が自分の顔のわきに伸びていて、妹の背景が天井になっている。
 さっきとは逆に、今度はこっちが組み伏せられてしまっていた。
 シーツがつかさの体温で、温まってるのが背中に伝わってくる。
「お姉ちゃん……」
「つか、んっ……、っ、む、ぁ……っ」
 キスをされて、口を塞がれてしまう。
 鼻から漏れるつかさの息が肌にかかって、少しくすぐったい。
「ぁ、……ん、む……ん……」
 やっぱり舌で唇をこじ開けられてしまう。
 そうするとすぐに力が抜けてしまって、抵抗しようという気持ちがなくなってしまう。
 口の中で舌を絡めあうのが心地よくて、このままずっとされていたいと思った。
「んっ……、…………お姉ちゃん……」
「……ん」
 つかさが口を離して、熱いため息をついた。
 はぁ、と口で息をしながら、頬から汗が流れていた。
「んっ、ぁ……、っ……」
 また唇を奪われた。
 ついばむように、何回も唇同士が触れ合う。
 全部奪われてしまいそうっていうくらい、激しく求められる。
 ――さっきの、私といっしょだ……。
 つかさの身体に手を伸ばしながら思う。
 頭の中がからっぽになるような感じで、目の前の人が欲しくてしょうがなくなってしまう。
 自分じゃないような感覚もするけど、だけどどこかで、嬉しいような思いがあって。
 よくわからない、不思議な感じ。
「……つかさ」
 抱きしめて、自分もつかさのことを求める。
 何回も口付けをしたのに、まだ足りないような気がした。
「脱がして……つかさ……」
「ぇ……。ぁ……うん……」
 つかさが赤い顔で、頷いた。
 かがみの青いパジャマに手を伸ばす。
「その……お姉ちゃん……」
 上着の前をはだけて、つかさが上目遣いで見つめてきた。
「……触って」
 かがみはそっとささやく。
「――っ……ん……」
 お腹の辺りを触られて、勝手に身体がピクッとはねた。
365湿度と温度の境界線(14/18):2009/08/25(火) 14:49:05 ID:FUUZ7Vmx

「つか……さ……」
 キャミソールもはだけさせられ、外気に触れた胸にキスをされた。
 舌を這わせながら、つかさは手をそえる。
「ぁ、ふっ……ん……、んぁ、っ……、んん……っ!」
 先端部分を口に含まれて、身体に電気みたいなのが走った気がした。
 ちろちろと舌先が動く度に、ピリっとした感覚が頭の中をぼんやりとさせられてしまう。
 なんだかすごく敏感になってる気がする。
 つかさの細い指が、さわさわと肌を撫でるだけで、身体から力が抜けてしまう気がした。
「ぁ……」
 ぼんやりと、つかさが触れてくれるのを感じていたら、ズボンに手を掛けられ、脱がされてしまった。
「ぁ……ゃ……」
 さっきの自分みたいに、つかさにおしりを撫でられた。
「……お姉ちゃんも、着替えないと……」
「ぇ……」
「ここ……、染みてる……」
「――っ」
 ……ドキッとしたを越えて、背筋がヒヤッとした気がした。
 ――ぅ、わ……、ぁぅ……、ぁ…………。
 恥ずかしさで、目の前がよくわからない。
 顔が熱くて手を添えたら、今までに無いくらい熱くなってるのが感じられた。
 実際のところは、その……多少濡らしてるのは判ってた、けど。
 だけど、そこまでなんて……、……その……。
「あっ……」
 頭の中でいろいろと考えていたら、いつのまにかショーツを脱がされてしまった。
「ゃ……」
 下半身を裸にさせられて、さすがに恥ずかしくて心が焦る。
「ぁー……」
「ぇ、ちょ、あんた、なにやって……っ!」
 つかさが、かがみの下着を、薄青色のショーツを眺めていた。
 その視線は、クロッチ部分に、
「こっ……らっ……!」
 慌ててかがみはひったくった。
 さっきとは別の意味で心臓がばくばくしている。
 つかさのことを見ると、相変わらず顔が赤いままで、だけどすこしだけ楽しそうに笑みを浮かべていた。
 多少は余裕ができてきたのかもしれない。
「おねぇちゃん……」
「ぁ、ひゃっ……」
 太ももの内側を、そっとなでられる。
 たったそれだけで、さっきまでの感覚が戻ってきたような気がした。
「濡れて……光ってる……」
「ゃ……、ちょ、っと……」
 足を左右に押し広げながら、つかさが顔を近づけてくる。
「か、お……、近い……、っん……」
 つ……、とあそこを指でなぞられた。
 ちょっとの刺激だったのに、それだけで変な、……甘い感覚が身体に流れてきてしまう。
「へ、ぇ、ぁっ……つかさ、まっ――――ぅんんっ…………っ!」
「っぅ……」
 指でするのとは全然違う感覚が、……舌で舐め上げられた感触がして、腰がヒクッと反応してしまった。
「ぁ、ぅっ……、んっ、ゃ、そんな、の……きたなぃ……、……ひぁ…………っ」
 恥ずかしくて、つかさの頭を離そうと押したけれど、段々手に力が入らなくなってきて、びくともしない。
 それにつかさは、足と腰に手を回して、がっちりとホールドして、少しも放す気はないようだった。
「はっ……、んっ……、ゃ…………っ」
 自分の大事な部分で、妹の舌が踊るのが、口で吸われるのがわかった。
 そこを中心にして、甘ったるい感覚が、段々身体に流れ込んでくる。
 中の溝のところを舌で舐められると、力が抜けて熱いため息をついてしまう。
 指で広げられて蜜をかき出されると、身体がピクリとはねてしまう。
 そして、あそこの上の部分についている小さい突起を、舌先でつつかれると、ジンという痺れが腰全体に広がってくる。
 多分、もう充血してしまっているそれを口のなかで転がされると、視界がぼやけて、頭が白く染まりそうになって、口から勝手に変な声が漏れそうになってしまう。
366湿度と温度の境界線(15/18):2009/08/25(火) 14:49:58 ID:FUUZ7Vmx

「っぇ、ぉえんちゃ、むわ、ふぇれふぁ……?」
「な、あ、……そんな……とこで……、喋らない、でっ……――ぁ、んんんっ…………!!」
 固い感触。
 多分、歯でグイッと押されたのだと思う。
 意識がどっかに持っていかれそうになる。
 目をギュッとつぶって、つかさの頭を抱えて耐えるけど、妹の口はぜんぜん許してくれる気配が無い。
 一番敏感なところを中心にして、激しく責められる。
「ぁっ……、んっ……、んんんっぁっ……っ、ん、ゃ、ぁ、んんっ……ひぅ…………っ」
 部屋全体でぐちゅぐちゅという音が、聞こえてきているのに気付いた。
 それが、自分のあそこから響いてくる音だとわかって、恥ずかしくなって顔が熱くなる。
 だけどそんな思考も、口付けされてる部分からくる刺激に、すぐに流されてしまう。
「……っ、め……、んんっ……ぁ、っ…………だ、めっ、つかさ……っ!」
 グイッと、妹の額を力を込めて押した。
 「ぇぅ……」と言いながらつかさの頭が秘所から離れる。
「……お姉ちゃん?」
 呼吸を整えながらつかさの顔を見ると、なんだか悪い事をしてしまった子犬みたいな顔をしていた。
「ダメ……」
 かがみは起き上がって、つかさに抱きつく。
「……最後は……、一緒じゃないと……、……ダメ」
「………」
 耳元で、小さく「うん……」と、つぶやく声が聞こえた。
「……つかさ」
 手を潜らせて、つかさのあそこに触れた。
 まだそこは、さっきと変わらず熱いままで、トロトロと蜜が溢れていて、少し足の方まで流れている。
「っ……、ぁっ……」
 手を動かすと、つかさが甘いため息を漏らす。
「つかさも……触って……」
「……うん」
 つかさの左手が、自分の秘所に触れる。
 すっかり熱くなってしまったそこは、ちょっと手を動かされただけで、甘い痺れが頭を霞ませてくる。
「ふぁ……、あ、……っん…………っ」
「ん……」
 ぐりっ、とつかさの手がくい込む。
 耳を舐められて身体から力が抜ける。
「つかさっ……、っぁ…………」
 半分つかさの身体にしがみつくようなかっこうで、かがみも手を動かす。
 頭がボーっとしてきて、自分の秘所で動く手のことしか判らなくなってくるけれど、それでも必死に妹に刺激を送ろうと意識をつなぎ止める。
「……お姉ちゃん」
 つかさがそっと、顔を覗き込んできた。
 その顔は少し余裕がある感じで、なのに自分は今にも意識が流されそうで。
 本気で感じてる顔を見られるのが恥ずかしくて、顔が熱くなる。
「っ……ゃ、見ちゃ……だ、ん、っか、……っん……むっ…………」
 言葉の途中で唇を塞がれる。
 さっきのように舌が入ってくるのを口を開けて向かい入れる。
 舌先同士が絡み合うだけで、身体がヒクッと反応してしまった。
「んっ……ちゅ、っ、む、っぁ…………っ、…………んんっ」
 お互いに秘所をいじりあいながらも、つかさはこちらのことをベッドの上へと押し倒してくる。
 でももうこっちは力が入らなくて、何も抵抗できなくて、ただ手を動かすことを止めないようにするだけで精一杯だった。
367湿度と温度の境界線(16/18):2009/08/25(火) 14:50:31 ID:FUUZ7Vmx

「ぁ、も、……っん、ぁっ、ひゃぅっ…………っ!」
 つかさの親指があそこの突起をぐりぐりと刺激してきて、一瞬視界がどうなってるのかわからなくなる。
 身体全部があそこから伝わる電気に翻弄されて言うことを聞かなくて。
 多分、もう――。
「ひっ、ぁっ、んんっ、ぁ……、つか、さ……っぁ…………」
「お姉……ちゃん……」
 やわらかい頬が触れ合うのが心地よかった。
「私、もっ、う、つかさぁ…………」
「私も……お姉ちゃん……」
「――っひ、ん、ぁ…………っ!!」
 そっと抱きしめられて、あそこに強い刺激を感じた瞬間――――意識が一気に流された。
「んっ、ぁっ、ん、ん、ぁあ、つかさぁっ、んんんっぁぁあああっ………………っっ!!」
 ――身体も、心もどうなってるのかわからない。
 震える身体で、必死になってつかさのことを抱きしめた。
 彼女の身体もピクッと震えているのが、ギュッと自分を抱きしめているのが、伝わってきた。
「……お姉ちゃん…………」
 ふらふらした思考の中で、妹に呼ばれたことだけが、鮮明に聞こえていた――。




     ♪




 ――身体はこんなにも暑いのに。背筋はいまだに凍りついているような錯覚がした。


「お姉ちゃん」
 近くで妹の声がして、私は、――まだ幼かった頃の私は、閉じていた目を開いた。
 つかさはベッドの脇で、心配そうに横になった自分を見つめていた。
「……ごめんなさい。私が、かぜをうつしちゃったから」
 つかさの看病をしていた後のことだ。
 ようやくつかさが元気になりはじめたと思ったら、今度はこちらが熱を出してしまって。
 ついこの前までとは、立場が逆転してしまっていた。
「ううん……。べつに、私はだいじょうぶだから」
 そっと、妹に微笑みかける。
「それより、こっちこそゴメンね」
「え……?」
「近くにいてあげるって、言ったのに」
「………」
 あの時彼女に、そう言ったんだった。
 そばにいるから……大丈夫だよ、って。
「……つかさ?」
 つかさが布団の中に手を入れて、そっとこちらの手を握りしめてきた。
「だいじょうぶ、だよ」
「……?」
「こんどは……。こんどは私が、お姉ちゃんの近くにいてあげるから」

 遠い視界の中。彼女はそう言って、優しげに微笑みを浮かべた――。

368湿度と温度の境界線(17/18):2009/08/25(火) 14:51:44 ID:FUUZ7Vmx
     ♪



「――お姉ちゃん?」
「え? ぁ……」
 つかさはベッドの中で半身を起こして、心配そうに上目遣いでこっちのことを見上げていた。
「……ゴメン。ちょっとボーっとしてた」
 少し昔のことを思い出していたせいで、うまく思考が回っていなかったようだ。
 かがみは「なんでもないよ」というふうに、つかさに笑いかけた。
 ひんやりとした空気が、肌に触れる。
 部屋の中には、さっきまでの蒸し暑さは無く、さっきからうなり声を上げているエアコンのおかげで、快適な温度にまで下げられていた。
 ずっと汗が流れていた肌も、ようやくさらさらになってきている。
 ――あれから結局、また汗をたくさんかいてしまったために、もう一度つかさは身体を拭く事になってしまった。
 タオルを用意しなおしたり、かがみも汗だくで、下着やパジャマも濡れたりしていたから変えることになったり。
 着替えを全部まとめて洗濯機に放り込んで、作っておいてあったおかゆを温めて、自分の昼食も用意して一緒に食べたりと、いろいろな事があったせいで、すでに時間は午後の2時を回るぐらいになっていた。
 カーテン越しにはうるさいぐらいの蝉の声。
 その向こう側では、夏の始まりの、空高く昇った太陽が、熱い日差しをギラギラと降り注がせていた。
 あのままだったら、きっとこの部屋の中はさらに酷い暑さになっていたと思う。
 だけどようやく冷房もつけられて、灼熱地獄から解放されたこの部屋なら、つかさも今日はゆっくり休んでいられるだろう。
「……具合はどう?」
 ベッドの脇でイスに座りながら、新しいパジャマに着替えたつかさにかがみは問いかける。
「えっと……、まだちょっと、熱っぽいかも……」
 言葉通り、確かにまだつかさの頬には赤みが差していた。
 まあ……それも当たり前だ。まだ治ってもいないのに、あんな激しい運動をしたのだから、悪化することはあっても良くなったりはしないだろう。
 また寝込んでしまう程の高熱を出してしまわなかっただけ、マシだと思う。
「それより……」
「ん?」
「お姉ちゃんのほうこそ、大丈夫?」
 膝の上にかけたタオルケットに手を乗せながら、つかさはかがみのことをじっと見つめていた。
「少し、顔が赤いし。もしかして、私の風邪をうつしちゃったとか……」
 言いながら、つかさの手が膝の上でぎゅっと握りしめられた。
 真っ直ぐにこっちのことを覗き込んでくる瞳を見つめ返す。
 ――その姿がいつかのこのコとダブって見えた。
「……まあ、ちょっと熱っぽいかな」
「え」
「多分、風邪かもね」
「………」
 今も少しだけ、頭がふらつくような感覚がしていた。
 朝早く起きれなかったのも、ときどき思考がぼんやりしていたのも、体調が悪かったからかもしれない。
 家の中があまりにも暑いせいで、頭がうまく働かないのかと思ってたけれど、風邪をひいていたせいだったのだろう。
「やっぱり、その……、いろいろとしちゃったから、かな。…………キス、とか……。それで……」
 そう言うつかさは、見るからに申しわけなさそうにベッドの上で縮こまっていた。
「何を言ってんの」
「……?」
「そんなにすぐに風邪がうつるわけないでしょ?」
「そ、そうだけど」
「そもそもね……」
 つかさのことを見つめながら、かがみはそっと嘆息する。
「あんたが風邪をひいてるんだから、風邪をひきやすい私がなってないわけがないのよ。なにせ……」
 口をつぐんだかがみに、つかさが軽く首を傾ける。
「つかさとは、……いつも一緒にいるわけだし」
「ぁ……」
「だから、あんたからうつったわけじゃないのよ」
「………」
「まあ悪化したのは、さっきのせいかもしれないけど」
 さっきの行為のコトを、あの時の手で触れた感覚を思い出して、かがみは所在無げに頬をかいた。
「そ、それなら、お姉ちゃんも少し休んだほうが」
「ん、そうね。だけど……」
 目の前の、心配そうにしている妹の顔をジッと覗き込む。
369湿度と温度の境界線(18/18):2009/08/25(火) 14:52:18 ID:FUUZ7Vmx

「つかさこそ、大丈夫? あんただって、……いろいろして疲れただろうし。……正直その……」
「……?」
「心配、なのよ」
 さっきの、あの行為のことは、自分でも少し責任を感じていた。
 いくら熱に浮かされていたとしても、つかさは風邪をひいていたわけだし。自分の衝動のままにしてしまったせいで、またつかさが苦しい思いをしてしまうのは、……イヤだった。
 自分が傍にいないあいだに、もし風邪が酷くでもなってしまったら、きっと後悔すると思う。
 かがみがそう言うと、つかさは一瞬キョトンとした顔をして――だけどすぐに、その顔に苦笑を浮かべた。
「なによ」
「……別に、大丈夫だよ?」
 そう言うと、つかさはなにやらおかしそうに笑みを浮かべて――、そっと、こっちの手を握りしめてきた。
「つかさ?」
「――明日は……」
「………」
「明日はちゃんと、お姉ちゃんのそばにいてあげられるから……」
「……ぇ」
「だから、だいじょうぶ」
 にっこり笑いながら、つかさがそう言って、――自分の顔が一気に熱くなっていくのが感じられた。
「そ、それじゃあ……、私がつかさのそばに居たがってるみたいじゃない」
 なんとかそう言い返したけれど、つかさはにこにこと微笑んだままで、ちっともその手を離そうとはしてくれなかった。
 「わかってるよ?」という顔が、なんだか憎らしい。
 だけど否定できない自分がいるのも確かで、こういうときだけは……つかさには敵わないと思う。
「ま、まあそれなら、……ちょっと部屋に戻って、寝とくわね」
 そう言って、かがみはイスから立ち上がる。握られて、すっかり汗ばんでしまった手がようやく離された。
「お姉ちゃん」
「……なに?」
「今日は、ありがとう」
 まだちょっと、熱があってぼんやりしてそうな妹は、ベッドの上からこちらを見上げて笑んでいた。
「別に、特に何もしてないと思うけど」
 謙遜ではなくて、あんまり役に立ったようなことは出来ていないと思う。やることなすこと、けっきょく裏目に出てしまったわけだし。
「ううん。そんなこと、ないよ」
「………」
「だって……、嬉しかったもん」
 「……いろいろと」と、つかさは呟いた。
「今度、もしお姉ちゃんが風邪で寝込んじゃったときは、私が看病してあげるからね」
 澄んだ笑顔で、ベッドの中の妹は言う。
 そんな妹の、いつもと変わらない、自分が……一番大好きな彼女の姿を見つめて、かがみはそっとため息を漏らした。
「明日」
「……?」
「明日、もし私が熱でも出したら、……そのときは、よろしくね」
「……うん」
 もし、と言ったけれど、自分の身体の強さを考えると、寝込んでしまうのは確実かもしれない。
 だから、だろうか。
 一瞬だけ……、ほんの少しだけ、明日のことが楽しみに思ってしまったのは――。

「でもね。言っとくけど」

 ――この肌に感じてしまった熱のせいだと、そう思った。

「今日見たいのだけは、絶対にダメだからねっ?」

「……うんっ」
 つかさはそう言って、嬉しそうに微笑んだ。




fin.

3706-774 ◆njAklKyHxQ :2009/08/25(火) 14:55:27 ID:FUUZ7Vmx
以上です。
長かった…。
371名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 23:40:05 ID:B3uJ4rBT
>>346
>>370
GJ!
姉妹愛いいですね姉妹愛。
つかさの視点、かがみの視点、それぞれから
相手のことをどんなに大切に思っているかが書かれていて
とても感動しました。

>どこぞの猫耳のおねいちゃん
あの漫画を読んでるかがみを想像すると萌えるw
372名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 23:48:03 ID:QJFTsbLE
>>370
看病してるだけだってのに、なんだろうこの滲み出るエロスは……
と思いながら読み進めてみたらこれですよ、感服です。素晴らしい。
>>346の方も含めて姉妹愛、零れるほどに頂きました、GJです。
373名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 14:17:58 ID:6OjpFbNI
やっぱノーマルが一番だ
ふたなりは邪道
374名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 18:13:50 ID:pA2VT5tc
ああ、暑い、暑い!!
クーラー入れるために体拭いてるはずなのに、
もうこの上なくアツアツです
エロに入る前からエロい脱がせっぷりにも脱帽です
3754-320 ◆oJsJ6TJSoY :2009/08/26(水) 18:28:52 ID:pA2VT5tc
投下します。前回投下の続きです

☆欝です。今回も欝です
☆一部オタク的教養が要求されます
☆続き物……完結できる……見込み
☆おまけつき
376輝く季節へ:2009/08/26(水) 18:29:47 ID:pA2VT5tc
朝、台所の私。
色とりどりのおかずを詰めたお弁当が二つ。
私がいなくなっちゃったら、ゆーちゃん一人で大丈夫かな。
そんなことを考えていると、後ろで階段を下りる音。
「おはよーっす、ゆーちゃん」
「え……あ……」
ゆーちゃんの表情は、驚きと恐怖に包まれていた。
朝起きて、台所へ行ったら見知らぬ人が包丁を持って立っていたという恐怖。
そんなことあったら、私だってこういう表情をする。
「あ、ゆーちゃん。"お父さん"起こしてきてくれないかな? もうすぐご飯できるから」
「あ、うん。呼んでくるね。お姉ちゃん」
お父さんのことがきっかけになって思い出してくれたのか、ゆーちゃんは最後に"お姉ちゃん"と呼んでくれた。
まだ、完全に忘れられたわけじゃない。でも、このままだと明日まで私のことを覚えていてくれるかも危うい。
ゆーちゃん、本当に妹ができたみたいで、嬉しかったんだけれどな。
四角い世界に押し込まれたとき卵は、悲しそうな表情を映しだしていた。
377輝く季節へ:2009/08/26(水) 18:31:10 ID:pA2VT5tc
学校までの通学路、私に合わせて登校してくれたゆーちゃんは、私に一生懸命話かけてきてくれた。
お父さんのこと、ゆい姉さんのこと、昔の思い出、
そんな共通の思い出を、一生懸命離さないように。
「それでね、この前お姉ちゃんが……」
ゆーちゃんは時々苦しそうな表情をする。消えつつある記憶を必死でかき集める。
ごめんね、ゆーちゃん。気を使わせちゃったね。
ゆーちゃんが悪いんじゃないんだよ。
頑張っても、みんな忘れていってしまう、そういうものだから。
378輝く季節へ:2009/08/26(水) 18:32:28 ID:pA2VT5tc
教室に入った私は、その場から動けなかった。
私の席が、ない。
もうすでに、クラス名簿からも、先生の記憶からも消えてしまっている。
「あ、あの……」
聞き覚えのある声。振り返る。
「あの、誰かにご用ですか? 呼んできましょうか?」
ああ、神様ってなんて意地悪。
クラスに見知らぬ人が入ってきたら、たぶん私もそう声をかけるだろう。
でもね、仕方ないって分かってても……
「あ、えと、どうかしました?」
つかさにこんな風に声かけられるなんて、耐えられないよ。
「あ、ちょっと、大丈夫ですか?」
つかさの声を後ろに、私は走り出した。
もうこの学校に居場所なんてない。
制服を着ているからみんな『どこかのクラスの娘』と思っているだけ。
この学校に、私のことを覚えている人なんで誰もいない。
頭の中、ぐるぐるとつかさとの思い出がフラッシュバックする。
初めて会ったときのこと、外人さんに話しかけられて困っていたところを助けてあげた。
一緒に海へも行った、コミケに連れて行ったとき、人ごみに巻き込まれてへろへろになってた。
お正月の巫女服、かわいかった。たわいもない話、日常、大切な日々。
その思い出を、全部忘れてしまった。
ううん、つかさが悪いんじゃない。
悪いのは自分。
自分が願ってしまったから。
『えいえんのせかい』を願ってしまったから。
379輝く季節へ:2009/08/26(水) 18:33:10 ID:pA2VT5tc
「はぁ、はぁ……」
壁に手をついて、荒く息を吐く。
息が落ち着くと同時、涙がじわりと出てくる。
つかさの嘘つき。ずっと覚えているって言ったじゃん。
寂しくて、悔しくて、ぽろぽろと涙があふれ出てくる。
何で、自分が望んでいたことなのに。
この世界すべての人に忘れ去られて、えいえんのせかいに行くことを夢見ていたのに。
どうしてこんなに、苦しいの……
「おい、そこのちっこいの」
聞き覚えのある声。
えっ、黒井先生?
そうだ、黒井先生とはよく話していたし、ネトゲでの付き合いもあった。
黒井先生なら、もしかして……
「黒井せ……」
期待をこめて振り向いた先。
そこには憮然とした表情で立つ、先生。
「あんた、どこのクラスの子や。もう授業は始まってんやで。ほら、クラスと名前、言ってみ」
言葉が出なかった。
初めて私のこと、理解してくれた先生だった。
苛めがあるという問題を、なかったことにしようとする中学までの先生とは違った。
授業中に頭を叩かれることもあったけど、それは本音でぶつかってきてくれることの証。
授業と関係のないところでも、やさしくしてくれた。
ネトゲでの二人のコンビプレー、楽しかった。
夏休み、休みを割いて私たちを海まで連れて行ってくれた。
いままでで、一番の先生だと思っていたのに……
「あっ、ちょっと待ちぃ!!」
先生の言葉を後ろに駆け出していた。
もう、この学校に居場所なんてない。
もう、この世界に居場所なんてない。
380輝く季節へ 〜おまけ〜:2009/08/26(水) 18:34:05 ID:pA2VT5tc
「そうじろう」
「かなたの」
「「『それ、なんてエロゲ?』のコーナー!!」

「さて、今回ご紹介するのはこれ、『ONE 〜輝く季節へ』。
 1998年5月29日、Tacticsから発売されたゲームだ」
「たくてぃくす? あんまり聞いたことのないブランドね」
「このブランドで有名な作品といえば、『同棲』『MOON』などがある。
 現在のエロゲーのメインストリームである『泣きゲー』という
 ジャンルを開拓したメーカーなんだ」
「ふーん、でもそうくん。ONE以降にもいくつか作品を出してるみたいだけど、
 あんまり聞いたことのない作品ばっかりなんだけど」
「確かにONE以降のTacticsの作品はパッとしない。だけどかなた。
 この作品なら知ってるだろ?」
「えっと、『Kanon』、『AIR』、『CLANNAD』……えっと、京アニつながり?」
「いや、『リトルバスターズ』、『planetarian』、『智代アフター』もあるぞ」
「えっと、これって全部Keyの作品だよね。何か関係あるの?」

「ふふふ、このONEが出た直後、開発を手がけたスタッフが一斉に退社、
 そのメンバーが新しく立ち上げたのが、現在も続くKeyブランドなのだ。
 その証拠に見てみろ、ONEのスタッフを」
「えっと、企画:麻枝准、原画:樋上いたる、音楽:折戸信治……
 あっ、『リトルバスターズ』でも活躍している人たちだよ、この人達」
「そう、現在へ続くKey作品の原点ともいえるのがこの作品、ONEだ。
 時間の進行とともに忘れられていく主人公、折原浩平。
 周りの人誰もが浩平を忘れてゆき、絶望に染まる中、
 自分のことを好きでいてくれるヒロインだけは自分のことを覚えていてくれる。
 Key作品の中に連綿と受け継がれる『絆』というテーマの源流がこの作品にはある。
 確かに10年以上前の作品、当時のいたる絵はアクが強いし、とっつきにくいかもしれない。
 だが、CLANNADやリトルバスターズから入った人たちも、ぜひ一度プレイしてほしい!!」
「ところで、そうくん」
「なんだい、かなた」
「これって、18禁ゲームよね」
「え、ああ、確かに非18禁のPS版も出てるが、追加ヒロインは不人気だし、
 それにな、みさき先輩とのエッチシーンとかな、目が見えないみさき先輩を……」
「そうくん、どうしてこんなエッチなソフト、こなたの手の届くところに置いておくかな?」
「あ、いや、そのだな。ついプレーしたまま、その、置きっぱなしというか」
「そうくん……『えっちなのはいけないとおもいます』!!」
「ぎゃー」
どっとはらい
3814-320 ◆oJsJ6TJSoY :2009/08/26(水) 18:35:58 ID:pA2VT5tc
以上です。
ああっ、おまけのはずなのに本編の半分くらいあるよ。
今回短くてすみません。後2回くらいで完結かと

とりあえず、ONEをやったことのない人に三行で説明すると、
主人公が周囲の人に忘れられていき世界から消えそうになる
→周りの人に忘れられてもフラグ立ったヒロインだけは覚えててくれる
→ヒロインが覚えていてくれたおかげで主人公帰ってくる→ハッピーエンド

といったお話です。
とりあえずやってみろ!!
みさき先輩は俺の嫁!!
……あれ、あの頃から黒髪ロング好きなのか(そして現在ひより好き)
382名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 20:38:01 ID:YToqEW+4
前の方の投下からあまり間が開いていませんが
かがみ×つかさ投下したいと思います
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\夏休み
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383その音はまだ鳴り止まず(1/4):2009/08/26(水) 20:38:55 ID:YToqEW+4



 一瞬の閃光に――、

   ――静寂と均衡。



 眩しかったと思う間もなく、    ――途方も無い音が、鼓膜を震わせた。

「ふぅぇぁっバdonRUdasakemwikktoksu――――!!」

 ついでに……、まったく声にならない声も隣の部屋から聞こえてきた。


「何をやってるんだか……」





 夕飯の時間にもほど近い午後過ぎに、部屋の外からは大量の雨が降る音が聞こえてきていた。
 夕立だ。
 聞こえてくるのは雨音だけじゃなくて、時々空が光っては、空気を裂くような音が鳴り響いていた。
 初めのうちはいたって普通の、すこし遠いところで鳴っていただけだったのだけど、今さっき落ちた雷は、かなり大きいものだった。
 空間が裂ける……、っていうのはあんな感じかもしれない。
 バリバリと周りの空気を震わせて、一瞬何が起こったのかわからなかったほどだった。
 さすがにかなり、心臓がビクッとなった。
 いまだに少し……、ドキドキしていた。
 子どもの頃からそれほど雷が苦手なわけじゃ無いけれど、今の音はさすがに驚かない方が無理があると思う。
 例えるなら……なんだろう。
 あんなにすさまじすぎる音は、実際に聞いてもらわないと、すごさは説明できないと思う。
 まあ……強いていうなら、ドアを思いっきり閉じたとして、その音を100倍ぐらいにしたぐらいじゃないだろうか。
「――さて」
 私はため息をつきながらそう呟くと、座っていたイスから立ち上がった。
 勉強道具を広げた机をあとにして、そのまま部屋を出る。
「つかさー?」
 隣の部屋のドアの前に立ち、中へと呼びかけた。
 案の定、中からは、ふぇっ……、というか細い声が聞こえてきていた。
 部屋の中で泣きそうな顔をしている妹の姿が、ありありと想像できる。
 あのコはいまだに台風なんかが怖いっていうから、今の雷も相当驚いたに違いない。
 やれやれ……と思いながら引き戸へと手を伸ばし、――ドアを開けて中の様子を伺った。
「ぁ……」
 つかさがイスに座ったまま、首だけでこっちを振り返った。
 勉強していたんだろう。右手はシャーペンをぎゅっと握りしめて、左手はノートに添えられていた。
 そしてその顔は――、
「おねぇ……ちゃ……っ」
 涙目だった。
 それはこちらの予想通り――ではなくて。思ってたよりも重症なその姿に、思わず反応が遅れてしまった。
 何を思ったのか、驚いたせいでろくに身体も動かなかったようなのに、つかさは必死の形相で立ち上がろうとして――、
「――……つかさっ!」
 イスと一緒に倒れこんだ。
 ガタタンッ、と大きな音をたてながら、イスを足に巻き込みなつつ、つかさの身体がうつぶせになる。
「……うわ」
 両手をばんざいの格好にして、顔から床にべったりと張り付いた姿は……、思わず顔を覆いたくなってしまった。
 我が妹ながら、なんというか……。
「ふぇぇえ……」
 情けない声をあげながら、つかさは顔をあげる。
 ああ、あんなに顔をぐしゃぐしゃにして……。
384その音はまだ鳴り止まず(2/4):2009/08/26(水) 20:39:56 ID:YToqEW+4

「なにやってんのよ」
 半分苦笑しながら、もう半分は本気で心配しながら、私はつかさのそばにしゃがみこんだ。
「お姉ちゃん……」
 倒れたイスを元に戻して、つかさの手をとる。
「――ちょ、ちょっと……」
 つかさは立ち上がろうとせずに、そのまま私の胸の中に顔を沈めてきた。
 力が抜けてるせいか、つかさの身体は重くて、そのまま押し倒されそうになる。
 なんとか受け止めながら、力強く身体を押し付けてくる妹の頭をそっとなでた。
 また空が光を帯びた。
 轟音が鳴り響いて、つかさの身体がびくりと跳ねる。
 なんだかな……と思いながら、雷が鳴るたびに、なんども身体を震わせる彼女の背中を、ゆっくりとさすってあげた。



「……もう、いい?」
 雨はまだ降っているけれど、雷はさっきより酷くない。
 あんなに大きい音は、もう聞こえないと思う。
「もうちょっと……」
 抱きついているせいでくぐもった声は、それほど震えてはいなかった。
 しょうがなくもう少しだけ、甘える事を許してあげる。
「それにしても驚いたわよ」
「……すごい音だったもんね?」
「そうじゃなくて」
「……?」
「つかさが思ってたよりも怖がりだったってことがね」
「えっ……」
 私の服をぎゅっと握りながら、つかさは顔をあげる。
「で、でも、だって本当にすごい音だったし……。怖かったっていうより……お、驚いちゃっただけだもん」
 そう必死に弁解するけれど、間近にある瞳は真っ赤になっていて、まったく説得力がない。
「それに……、あと、ちょっと眠かったから余計びっくりして……」
「……寝てたんかい」
「ね、寝てないよ。少し目を閉じちゃいそうになっちゃっただけだよ」
 そう言ってつかさは口を尖らせる。
「はいはい」
「ちゃ、ちゃんと勉強してたよ……」
 なんだか変なところでいじけてしまった。
 頬を赤くして、目元も赤くして、私の顔をじっとにらんでくる。
 私はそんなつかさの頭を撫でると、
「お姉……ちゃん?」
 もう一度、妹の身体を抱きしめた。
「ったく、本当に心臓が止まるかと思ったわよ」
「そんなに……驚いた?」
「そりゃあ、あんなに大きい音がしたらね」
「………」
「けが……無いよね?」
「うん……。大丈夫」
「そう」
「……ごめんね」
「………」
 抱いた背中を、そっと撫でる。
 しばらく私は、そのままつかさのことを抱きしめ続けた。
 腕の中にいるつかさも、何も言わないで顔をうずめている。
 雨足はまだ、遠のく気配はないみたいで、屋根を、窓を、地面を叩きながら、しとしとと静かな音を立てていた。
 だいぶ薄暗くなった外が、また光を放った。だけどさっきみたいな大きな音は聞こえてこない。
 心臓はまだドキドキしていて、多分それは、胸の中のつかさにも聞こえているのかもしれない。
 ホントにこのコは……、心配ばっかりかけさせて……。
 何度も妹の頭を撫でた。
 つかさが、ん……と小さく声をあげた。
385その音はまだ鳴り止まず(3/4):2009/08/26(水) 20:40:47 ID:YToqEW+4

「つかさって昔から、雷とか台風とか苦手だったわよね」
「……そうだっけ」
「雷が鳴ると、すーぐに私の腕に抱きついてきたし。……台風の日なんて、私から少しも離れようとしなかったんだから」
「あー……」
「もちろん夜には、真っ先に私の布団に入ってきたしさ」
 腕の中のつかさが身じろぎする。多分その顔は、いつもの苦笑いなのだろう。
「ま、そのおかげで、私はしっかりしなきゃって思って、そういうのは怖くなくなったけどね……」
 それに……、安心できたし。
 そんな時にも、私は一人なんかじゃないんだって。



 扉の向こうから、お母さんの声が聞こえてきた。
 いつの間にかもう夕飯の時間になっていたみたいだ。
 私はつかさの身体から手を離す。
「じゃあ……、もう行こっか」
「うん」
 立ち上がって、つかさに手を差し出し、引っ張りあげる。
「……?」
 ふと気付いて、私は眉をしかめた。
「なに?」
 つかさが不思議そうに見返してくる。
 さっきちょっと泣いていたのと、ずっと抱きしめていたからだろうか。つかさの顔は全体的に赤い。
「……お姉ちゃん?」
 もっとちゃんと見たくて、私はつかさへと顔を近付けた。
 顔全体が赤いのはそうだけど……。……また少し赤くなったわね。
 上目づかいでこっちを見ている瞳を視界に映しながら、私は目の前の額に手を伸ばした。
「……っ」
 ほんの少しだけ、つかさが眉をしかめた。
「痛む?」
 きっと思い切り頭から飛び込んだときに打ったんだろう。
 そこは赤いだけじゃなく、少し腫れてるみたいで、指で触ると盛り上がっているのが確認できた。
「これぐらい、大丈夫だよ?」
「……ホントに?」
 軽く首を傾げながら言うつかさの目を見つめながら、私は眉をしかめた。
 そっと痛みを与えないように触れながら、確かめるように額を撫でる。
 何回もそうしたら、なぜだかつかさはすごい嬉しそうに目を細めてきた。

 なでなで。
 ――にこにこ。
 なでなで。
 ――にこにこにこ。

 まるで甘えてくるときの猫みたいに、顔を緩めまくっている。
386その音はまだ鳴り止まず(4/4):2009/08/26(水) 20:41:28 ID:YToqEW+4

「………」
 ――すごく、そのおでこを叩きたくなった。
 さすがにそんなことはやらなかったけれど、代わりに手で髪の毛をくしゃくしゃと掻き乱してやる。
「……えへへ」
「なによ」
「だって、お姉ちゃんが心配してくれてるから」
 私は、平然とそんなことを笑顔で言ってのける妹に向かって手を伸ばし、その無駄に緩みまくったむにむにな頬を、両手で何度も突っついてやった。
「当たり前でしょうが……っ」 
「ぁぅ……」
 つかさの口から、情け無い声が漏れた。
 こっちがどれだけ心配したのか……、このコは判っているんだろうか。
 雷が聞こえたときよりも心臓が止まりそうだったっていうのに。
「はぁ……」
 と、私は小さくため息をついた。
 目の前にいる私と双子で妹な人物は、相変わらず幸せそうにノーテンキっぷりを披露している。
「………」
「………。……お姉ちゃん?」
 小さく、つかさが首を傾げた。
 キョトンとした様子で見つめてくる瞳を視界の端に止めつつ、私はその肩に手を伸ばすと――、

「……ぇ……?」

 そっとつかさの額の髪を掻き分け、見えたおでこに――口を付けた。

「――……ふぁ……」

 つかさが小さく、呟いた。
 ゆっくりと、確かめるように額に手を伸ばしているのを見て、私は急いで後ろを振り返った。
 腫れて熱くなっていた部分の感触が唇に残っている。
 ただでさえ夏で暑いっていうのに、……何やってるんだ私は。なんか……顔が……。

 私は片手で口元を押さえて、そのまま扉へと向かい、引き戸の金具へと手を伸ばした。

「ほらっ……、みんな待ってるからいくよ?」

 振りかえった先では、つかさが額に触れながらキョトンと目を丸くしていた。
 だけど私がそう言うと、

「……うんっ」

 と、嬉しそうに笑みを浮かべた。
 それはもう――。…………とても嬉しそうに。



「………」



 見られたくなくて、熱くなった顔を伏せたら。――つかさにぎゅっと手を握られた。





fin.

3876-774 ◆njAklKyHxQ :2009/08/26(水) 20:42:59 ID:YToqEW+4

以上です。
ちょっと時間がなかったので連続になってしまってすみませんでした
実際に雷が近くで落ちたときの音はかなりすごいものです
あれは本当に……驚く
388名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 21:57:14 ID:BqC/2GIy
いいっすねー。
雷自体はあんまり怖がってないのに
雷を怖がるつかさの心配ばっかりしてて
気が気じゃないあたりがすごく可愛い。
389名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:20:43 ID:mlKrw2ED
>なでなで
→にこにこ。
なでなで
→にこにこにこ。


部屋の隅から隅まで転がっちまったじゃねぇかコンチクショー!
390名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 23:30:27 ID:vprQL2Ci
[アニメサロン板]”こなたとかがみってやったの?”継続スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/6076/1251295941/

こなたとかがみってやったの?スレに書き込んでいた職人さんがいるかもしれないので、誘導しておきます
391名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 09:15:30 ID:5PYDZJQN
>>387
けしからん!こんなイチャイチャする仲良し姉妹はけしからん!
罰としてふたりとも一生イチャついてなさい!!ハアハア
392名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 20:36:28 ID:1rKb5TV8
>>387
実にかがつか。


実に、実にかがつか。ぐっじょぶでした。
393名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 21:46:11 ID:Z1ZdeaaT
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394甘く消える雲の欠片(1/4):2009/08/27(木) 21:46:54 ID:Z1ZdeaaT


 静まり返った家の中。
 それとは対照的に、外から聞こえてくる騒がしい音。
 参考書のページをめくる。
 直接そこへと、またはルーズリーフの一枚へと、必要なことをシャーペンで書き込んでいく。
 紙の上をペンがスラスラと滑る。
 時折行き詰まって、クルクルと回転させてみる。
 芯を出そうと、頭の部分を何度かノックする。
 そのページが終わって、ふぅと口から息を漏らす。
 そういえば――と、思ってかがみは顔を上げた。

 さっきまで聞こえていた、もう一つの音が、いつのまにか聞こえなくなっていたから。


「……つかさ」
「へっ?」
 と、目の前で自分と同じように勉強していたはずの双子の妹のつかさが、ハッとしたように見つめ返してきた。
「あ、ぅ、え、ぁ……」
 などと顔の表情だけで物凄く慌てているのを表現するという器用なことをする妹に、かがみは苦い笑いを顔に浮かべる。
「手、動いてないみたいだけど?」
「あ……。えっと、その……」
 ばつが悪そうに、つかさは頬をかく。
 かがみはそんな妹に苦笑して、持っていたペンを机の上に置いた。
「やっぱり……、――気になる?」
「え?」
「お祭り」
 あ……、とつかさの口から声が漏れた。
 相変わらず家の外からは、太鼓の力強いリズムに合わせて、盆踊りの独特のメロディが流れてきていた。
 そしてそれといっしょに、雑踏の中のような大勢の人が作り出すざわめきが、わずかに聞こえてくる。

 ここに居ると、こんなふうに聞こえるのね――、とかがみは思った。



 今日は、柊家の神社にて夏のお祭りが行われている。
 一年の中で、お正月と同じくらい人で賑わう、大きなイベントだ。
 いつもだったら、かがみたちも姉と一緒に多少なりとも準備を手伝って、そのあと夜には出店にでも繰り出したりするのだけど。
 でも今夜は……、あの人波もまったく見えない、家の中で過ごしていた。
 それはもちろん、今年二人は受験生だったから。
 手伝いについては、(しようかと尋ねもしたけれど)大丈夫だと言われ、むしろ息抜きぐらいなら来てもいいと言われたぐらいだったのだけど、でも二人はそれを断って、今はかがみの部屋で受験勉強に精を出していた。
 去年までは間近で聞いていたあの音が、この部屋では、はるか遠くにあるように感じる。
 家の中には誰もいなくて、二人っきりの静かな時間が淡々と流れていた。
 シンと静まり返っていながらも、遠くの場所からざわめきが聞こえてくる。
 周りから、ここだけくっきりと抜き出されたような、変な感覚。
「……少し、休憩しよっか」
 そう言って、かがみは開いていた参考書を閉じた。
「……うん」と、つかさが頷いた。
395甘く消える雲の欠片(2/4):2009/08/27(木) 21:48:10 ID:Z1ZdeaaT


 かがみは立ち上がると、自分のベッドまで行ってそこへと腰をかけた。
 そのまま背中から倒れこむ。
 上下逆さになった視界に、開いた窓が映った。
 休憩にでもなったのだろうか。
 さっきまでかかっていた曲が終わってから、新しいものが流れてこなくなった。
 賑やかだった音が消えてしまって、さらに部屋の中が静かになってしまったような気がする。
 ギシっ――と、つかさがベッドの上へと昇る音がした。
 視界に映った妹は、窓の前からその向こう側を見つめ始めた。

「……やっぱり、行きたかったんじゃないの?」
 その横顔へと問いかけてみる。
「んー、でも……。やっぱり遊んでばっかりもいられないし」
 つかさは少し困ったような顔で言う。
「それに私が言い出しちゃったわけだから……」
 それなのに行きたがってなんていられないよ、とつかさは苦笑する。
 『毎日がんばってるんだから、今日ぐらいはいいんじゃないの?』と母に(親なのに)言われたり。
 『遊べるときに遊んでおかないと……、駄目なときもあるのよ……』とか『たった一日ぐらいじゃ、まったく変わらないって』と(社会人と大学生なのに)姉達にも言われてたりもしていたけれど、
 今日のことについては、めずらしくつかさのほうから「やめておこっか?」と言ってきたのだ。
 もっと迷うかと思っていたのに、割とあっさりしていたのを見て、拍子抜けした記憶がある。
 ちょっとは大人になったのかな、と思ったりもした。

 つかさはいつも子供っぽい感じだけれども、最近になって……時々大人っぽくなったように見えるときがある。
 そんなとき、いつもかがみはなんだか変な感覚を受けていた。
 もやっとするような、……ドキッとするような。
 ジーッと窓の向こうを眺めている今の姿も、少しだけそんな感じがした。
 まっすぐに外を見つめる視線が、気になる。
 何を見ているのか。
 その目に何が映っているのか。
 そういえば、つかさも自分と同じ年なんだと、こんなとき実感する。……かなり失礼かもしれないけど。
 そう思いつつ、横顔を見つめていたら、つかさがふいにポツリと呟いた。
「わたあめ食べたいな……」
「………。………」
 かがみはゆっくりとした動作で、額へと手を持っていった。



 窓の向こう側からは、相変わらず人が騒いでいる音が聞こえてきている。
 つかさは口元に指を当てながら、悩ましそうに眉を寄せていた。
 さっきはあんなこと言っておきながら、頭の中ではお祭りの屋台の姿が浮かんででもいるのだろう。
 まあ、その気持ちは判らなくもないのだけど……。
「そういや……」
「?」
 呟くと、つかさが視線を外してかがみへと振り向いた。
「あんた、わたあめ食べると必ず鼻の頭につけるわよね」
「え……? そ、そうかな」
 つかさは恥ずかしそうに視線をそらす。
396甘く消える雲の欠片(3/4):2009/08/27(木) 21:48:46 ID:Z1ZdeaaT

 去年、みゆきやこなたと一緒にお祭りへ行ったときもそうだった。まるで小さい子供みたいに嬉しそうにしながら、鼻のてっぺんに白いかたまりを乗せていたっけか。
「小さいころも、顔中ベタベタにしてお母さんに拭いてもらってたよねぇ……」
 顔のいたるところにワタアメ引っ付けて、にこにこしていた姿が今でも目に浮かぶ。
「で、でもそれは……。……お姉ちゃんもだよ?」
 そう言ってつかさが反論してきた。
「……そうだっけ」
「うん。お姉ちゃんと二人で一緒に、一つの大きいのを食べてて……」
「……ああ」
 言われてみれば、確かにそういうことがあったかもしれない。
 自分もまた、母親に顔を拭いてもらっていたのを、おぼろげに思い出した。
 あれは……幼稚園ぐらいだったろうか。
 姉たちが食べていた、白くてふわふわなのが欲しくてしかたがなくて。
 つかさと一緒に買ってもらって、二人で夢中になって頬張っていた気がする。
 雲みたいに白い物体が、口の中に入った瞬間シュッと消えて、甘い味が口の中に広がる。
 ふわふわな白いヤツ。
 儚いぐらいすぐ消えてしまう、甘い――お菓子。

「思い出したら、なんか食べたくなってきた……」
「でしょ?」
 というか、少しお腹が空いてきたような気もする。
「りんご飴とかも食べたいな……」
 つかさがポツリと呟く。
「あんず飴もね」
「うん……」
 段々と頭の中に、道の両端にズラッと並ぶ屋台の光景が浮かんできた。
 どれもこれもおいしそうなものが並んでいる。
 何かの焼ける音がする。
 甘い匂いが、ソースの香りがどこかから漂ってくる。
「たこ焼きなんかも食べたいな」
「……お好み焼きとか、広島焼きとか、焼きそばとか」
「フランクフルトとか……、焼き鳥みたいなのとか……」
「じゃがバターとか、イカ焼きとか。それにさっきの甘いものに、ソースせんべい、かき氷……」
「………」
「………」
「………」
「………」
「…………射的とか、くじ引きとか、金魚すくいとかも……あるよね?」
「ま、まあ……」
 脳内で食べ物関係ばっかり並んでいた屋台の列に、それらもついで付け加えておく。

「お姉ちゃんこそ、もしかして行きたかった……、とか」
 つかさが様子を伺うように首をかしげた。
「ん? んー……、まあ、行きたくなかったって言ったら嘘になる、かな」
「………」
 未練……まではいかないけれど、多少は行けなくて残念という思いはある。
「でも、まあ……。二人で決めたことだし、それに……また来年もあるでしょ?」
 そう言いながら、かがみはベッドから身を起こした。
 窓の前で、少し元気がなさそうにしている妹に向かって、笑みを浮かべる。
「めったな事が無い限りは、また来年もあるんだから。そしたらそのとき……、めいっぱい、ワタアメを食べればいいんじゃない?」
「………。そう……だね」
「まあ、ちゃんと受かれたらだけどねぇ」
「あ、ぁー……」
 と言って、つかさが気まずそうに目をそらした。
397甘く消える雲の欠片(4/4):2009/08/27(木) 21:49:25 ID:Z1ZdeaaT


 盆踊りの曲が、また聞こえ始めてきた。
 お腹に響くようなあの太鼓の音が、今は少し遠いところから鳴り響いている。
「来年も行けなくなる、なんてならないためにも、そろそろ再開しよっか」
「……うん」
 つかさはそう言うと、少し寂しそうに、でもどこか――大人っぽい笑みで窓の外を眺めたあと、ベッドの上から降りた。
「来年は、絶対行こうね」
「……みんなと一緒にね」
「…………え?」
「それとも、二人っきりのほうがいい?」
 少し意地の悪い笑みを浮かべながら、つかさに問いかける。
「あ、えっと……」
 つかさは少し考えてから……、やがて、
「……ううん」
 と、首を横に振った。
「あ、お姉ちゃんと二人っきりがイヤとかじゃないよっ? むしろその……別にそれも……」
 と、予想通りの反応をする妹の姿に笑みを浮かべながら、かがみもベッドから立ち上がった。
「わかってるわよ」
 困ったように眉を寄せるつかさの頭を、そっと撫でる。
 確かに二人っきりもいいかもしれないけれど、去年のあの時みたいに、またみんなで夜店を回るのもいいと思う。
 来年は、同じ場所に集まる機会なんて、ほとんどなくなってしまう。
 これからだって、そんなふうに出来る事もどんどん少なくなっていくだろう。
「行ける……よね?」
 つかさが、そっと呟いた。
「約二名ほど怪しい人間がいるけどね」
「も、もうそれはわかってるよ……」
 言いながら、頬を膨らませる。
「じゃあ、また席について。……今日はつかさにやる気があるみたいだし、徹底的にやるから覚悟しなさいよ?」
「あ……、それとこれとは……」
「いいから、ほら!」
「ぁぅ……」
 さっきまで勉強していた机の前へと、つかさを座らせる。
 かがみもまた、彼女の前の席へとつく。
 つかさが憂鬱そうにため息をついた。
 だけど顔を上げると、目の前で笑っている姉と視線を合わせて――、……ゆっくりと笑みを浮かべた。





 祭囃子の音がする。
 手を繋いで、いつもと違う光景に目を輝かせ。
 手に持った綿菓子を、口いっぱいに頬張った思い出。

 嬉しくて、顔を合わせて笑いあった。
 雲に浮かんだ、――あの日のように。




 fin.

3986-774 ◆njAklKyHxQ :2009/08/27(木) 21:51:39 ID:Z1ZdeaaT
以上です。
次で最後です
399名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 22:44:50 ID:+g5xvcm+
>>398 乙
ほのぼのして、ちょっぴり切ない話ですね。
400名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 23:19:41 ID:1rKb5TV8
>>398
夏の空気まで肌に感じられそうですねー。
風情がある、というのでしょうか。
ラストも全裸にてお待ち申し上げます。ぐっじょぶ。
401名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 06:54:17 ID:Q89YLWU/
1日位息抜きしとけよw
最後まで持たないって
402名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 23:01:48 ID:O2W5w59Q
ちょっと切なくて
でもとっても幸せなひととき

そんな雰囲気をありがとう
403名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 01:07:35 ID:O77aNej8
もうすぐひかげちゃんの誕生日
404今日は何の日?8月30日編:2009/08/30(日) 01:46:50 ID:IooI49fA
こなた「黒井先生、耳を甘噛みしてもいいですか?」
かがみ「黒井先生、あの、耳を少しだけ、齧らせてくれませんか?」
ゆたか「黒井先生、耳を…噛ませてほしいんです…」
ななこ「おお……ついに来た!!これが萌えか!!ウチがフェチの時代がついに来たんや!!」
みゆき「2122年のこの日、ドラえもんがネズミに耳をかじられました。それが原因かと思われます」
ななこ「それがどないしたんや?」
みゆき「よく考えてください。耳を齧られたあと、ドラえもんはネズミが大嫌いになりました。
つまり、みなさんは黒井先生に嫌われてもかまわない。むしろネタを大事にするということです」
ななこ「ど…………ドラえもんなんて、だいっきらいや――――――!!」


今月は思いっきり誕生日ネタをスルーしてしまったorz
ひかげたんの誕生日…ネタが浮かべばいいけど……
そろそろ恒例の小ネタ集8月編をまとめなくては……
楽しみにしてくださると嬉しいです。
405名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 02:56:55 ID:tnHw1HIX
かがみ×つかさ投下します
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406灯る炎と夜の残り香(1/10):2009/08/30(日) 02:57:41 ID:tnHw1HIX


 見渡す限り、人の山。
 右を向いても、左を向いても、前も後ろも、ともすればすぐに飲み込まれてしまいそうな人波の中。
 子どもの頃のことを思い出した。
 左右の手には、必ず誰かの手の感触がしていて。
 双子の姉とは違って、いつもぽやっとしていた自分は、はぐれないようにと人ごみの中ではいつも手を引かれていた。
 そのせいだろうか。
 こういった人の群れのなかにいると、少し不安になる。
 はぐれてしまわないだろうかと。
 ひとりぼっちになってしまわないだろうかと。
 もう子どもではないから、そんなことありえないだろうけど、一瞬頭の中で想像してしまう。
「つかさ」
 クイっと、右手を引かれた。
「……お姉ちゃん」
 振り向いた先に、浴衣姿の姉がいた。
「そんなボーッとしてると、はぐれるわよ」
 そう言って彼女は、その手を引いて歩き出す。
 向こうのほうでは、こなたたちが手招きして待っていた。

 かがみの後ろ姿を見ながら思う。
 昔から、ずっとこの光景は変わらないな――と。



407灯る炎と夜の残り香(2/10):2009/08/30(日) 02:58:56 ID:tnHw1HIX

     ♪



 窓から差し込む月明かりに、天井がかすかに光って見えていた。
 ……眠れない。
 さっきから何度も目を閉じたけれど、結果は同じだった。
 なんだかすごく目が冴えていて、眠れる気配が全然なかった。
 ぐるっと寝返りをうつ。
 ひんやりとしたシーツの感触が、じめっとした肌に心地いい。
 薄暗い部屋の中でゴーゴーと鳴っている扇風機の風が、身体に襲いかかってくる。
 それのおかげで、この熱帯夜もそれなりに快適に過ごせているけれど、眠気の方はちっとも訪れそうにはなかった。
 自分にしては珍しいことだと思う。
 あんな人ごみのなかを歩き回って、身体は疲れているはずなのに、むしろなんだか逆に興奮してるみたいに、頭も冴え渡っているみたいで。
 変な感じがする。
 ちょっと退屈してるみたいな、物足りないみたいな。
 暇だな……。
 そんなことを思いながら、ベッドの上をごろごろと転がってみた。あっちへ移動し、こっちへ移動し。
 ……やっぱり眠れない。
 シーツを思いっきりぐしゃぐしゃにしてしまってから、私はそっとため息をついた。
 ――カタっ、と。
 夜の静寂の中で、どこかから音が聞こえてきた。
「……?」
 耳を澄ます。
 僅かにだけど、誰かが階段を下りていく音がしている。
 私はゆっくりとベッドから這い出して、そのまま部屋を出た。
 一階から、明かりが漏れているのが見える。
 さっきの音。私があれを聞き間違えることはないと思う。
 お母さんたちを起こさないように、同じように静かに階段を下りていく。
 明かりがついている部屋は、キッチンの方だった。
 そっと部屋の中を覗き込んで――そこに一つの人影を見つけて、私は声をかけた。
「かがみお姉ちゃん?」
 振り向いた彼女は、目を丸くして私のことを見つめ返してきた。



「もしかして起こしちゃった?」
 いつもの青いパジャマ姿のお姉ちゃんは、苦笑しながら言う。
「ううん。今日はなんか眠れなくて……。そしたらお姉ちゃんの部屋のドアの音が聞こえたから、それで」
 「そっか」、とお姉ちゃんは顔を緩める。そして「つかさも飲む?」と、いまさっき冷蔵庫の中から取り出していた麦茶をかざした。
 うん、と私は返事をする。
 お姉ちゃんはコップを二つ用意して、冷蔵庫から氷を出してきて、カラカラと音を立てながら中に入れていく。そしてそこへ麦茶を注いで、「はい」と私に差し出した。
「ありがとう」と言って私は受け取る。
 眠れなかったせいか、少し渇いていた喉に、冷えた麦茶はよく染みこんだ。
「私もね、ちょっと眠れなかったの」
 カタンと、半分ほど空になったコップを置きながらお姉ちゃんは言う。
「なんかまださっきのが残ってる感じでさ」
「……お姉ちゃんも?」
「つかさもそう?」
 うん、と私は頷く。
「けっこう凄かったものね」
 と、お姉ちゃんは苦笑するように、でも嬉しそうに笑みを浮かべる。
「それに……すごい綺麗だったよね、あの花火」
「うん」
 ――つい昨日。こなちゃんの家で勉強会(という宿題写し)をしていたとき、ゆきちゃんから花火大会があると聞いて、息抜きをかねて今日はみんなでそれに行ってきたのだ。
 都心に近く、有名なものということもあってか、かなり規模も大きくて、今までに見たことも無いほど盛大な花火大会だった。
「やっぱり混んでたけど、それでも見に行ってよかったなっていうくらい、すごかったよね」
「本当にね。さすがにあそこまでいくと、こっちでやってるのとは全然迫力が違ってたし」
「私ちょっと……感動しちゃったくらいだもん」
408灯る炎と夜の残り香(3/10):2009/08/30(日) 02:59:49 ID:tnHw1HIX

 暗闇の中でいくつも広がる光の景色に、体の中心にまで響くような重低音。
 それは今までに体感したこともないもので、全部終わってしまった今でも、まだ心に、身体に残ってるみたいで、――それが寝付けなかった理由なのかもしれない。
「あんたすっごい見入ってたもんね……」
「え?」
「まばたきするの忘れてるんじゃないかってくらい、目をまん丸に見開いててさ。なんだか小さい子どもみたいだったわよ」
 そう言って笑うお姉ちゃんに、私はなんだか恥ずかしくなって目をそらした。
 確かに……時間を忘れそうなくらい集中してたけど、それはそうなるぐらい花火がすごくて、感動してただけだし……。
 少し暑くなったような感覚がして、手に持っていたコップに口をつけた。
 そこで疑問に思う。どうしてお姉ちゃんは私の様子を知っていたんだろう。
「………」
「なに?」
 上目遣いで見上げると、お姉ちゃんはキョトンとした顔で首をかしげた。
「……………」
「……だから何よ」
「ううん。なんでもないよ」
 思わず笑みがこぼれてしまった私に、お姉ちゃんが訝しむように顔をしかめる。
 それはもちろん、嬉しかったから。
 でも、私なんかよりも、ちゃんと花火のほうを見てたほうがいいと思うけどな……。

 それからも、眠気のほうはぜんぜん訪れるような気配が無くって、私とお姉ちゃんはしばらく他愛もないような話をしあった。
 さっきの花火のあのときが凄かったとか、終わった後に虫刺されがかゆくって酷かったとか。
 残り少ない夏休みに、いつまでにはここまで勉強を終わらせたいとか、終わらない宿題についてとか。宿題も勉強もしようとしないヤツをどうにかしてくれと言う姉に、私はだいぶ終わってるよ、と返す。
 ……「それは私が手伝ってるからでしょ」って言い返されたけど。

「そろそろ寝よっか」
 「さすがに、もうこんな時間だし」と、時計を見ながらお姉ちゃんが言う。
 眠いとまではいかないけれど、少し疲労感みたいなものを身体に感じていたし、さすがにお昼過ぎまで寝てることになるのはイヤだったから、「そうだね」と返事をした。
 空になった二つのコップを洗っておく。
 なんだか今日は、すごく密度の濃かった日だった気がする。
 花火は夜からだったけれど、一日が長く感じるのは、こんなに夜遅くまで起きているせいなのかもしれない。
 まだ少しだけ、あの時の興奮が身体に残っているような感覚がした。
「それじゃあお姉ちゃん」
 行こっか、と私は声をかける。
「あ、うん……」
「……?」
 お姉ちゃんは「ほら、行こう?」と言って部屋を出て行く。私はなんだろうと思いながらも、部屋の電気を消してその後を追った。
 二階に上がって、廊下を進む。
 自分の部屋の前に立って、お姉ちゃんに「おやすみ」と言おうとして、
「あ、つかさ」
 と、声をかけられた。
「……えっと」
 2mほど離れた部屋の前で、お姉ちゃんが私のほうを向いて立っているのがわかった。でも廊下の中は真っ暗で、その顔はあまり見えない。
「………」
「………」
 家の中はシンと静まり返っていて、ただ神社の方から、まだ鳴き足りない蝉たちの声だけが聞こえてきていた。
「……お姉ちゃん?」
 お姉ちゃんが、何かをためらって頬をかいてる姿が想像できた。
 自分は知っている。
 こういう時、お姉ちゃんがどんなことを言うのか。
 そしてそれが、どんな意味を持ってるのかを――。

「そのね、つかさ」
「………」
「……今日、一緒に寝ない?」



409灯る炎と夜の残り香(4/10):2009/08/30(日) 03:00:57 ID:tnHw1HIX

     ♪




 四方八方。聞こえてくる音は、全てざわめき。
 なにも言葉を発していない自分は、その一部分では無いようで。周りから切り抜かれてしまったかのように錯覚する。
 見上げた夜空が、ひどく黒かった。
 やんわりと、その暗闇が浮かび上がる。
 会場内の照明が、ゆっくりと光を失っていく。


 ――唐突に、体を突き破るような音が鼓膜を震わせた。


 音がしたほうを見つめて、夜空に散りゆくキレイなヒカリが、瞳の中に軌跡を残した。
 周りから歓声が上がる。それと同時に、次の花火が打ちあがる。

 最初は一つだけ。
 段々と次に打ちあがる感覚が狭くなっていき、ほぼ二つ同時に夜空へと送り出されていく。
 それは次第に増えていき、二つから三つへ。三つから四つ、四つから五つ……。
 視界が埋め尽くされるほどに、いくつもの花火が夜空に広がり――そして、消えていく。

 ふいに、空気を震わすほどだった花火の群れが止んでしまった。
 終わりだろうか、と思った瞬間。
「――うわっ」
 まるで身体を打ち抜いていくような音と共に、今までとは比べ物にならないくらい大きな円を描いた光が、夜空へと広がっていた。
 それはゆっくりと、何発も続いていく。
 クスクスという声が、隣から聞こえてきた。
 視線を向けると、姉が口元を覆いながらこっちを見て笑みを浮かべていた。
 ギュッ、と繋いだ手を握られる。
 上気した頬と視線を夜空に向けながら、さっきの音で驚いて強く握ってしまった右手を――つかさはもう一度握り返した。

 ふいに、肩が触れ合う。
 ほんの少し、姉との距離が縮まっていた。
 ちらりと、彼女の顔をうかがう。
 次々と打ちあがる花火の明かりに照らされて、笑みを浮かべた横顔と、その瞳が、なんだか吸い込まれそうなほど綺麗だと――、そう思った。


410灯る炎と夜の残り香(5/10):2009/08/30(日) 03:02:22 ID:tnHw1HIX

     ♪




 湿った空気が、肌に触れる。
 薄く闇を抱いた部屋の中で、月明かりが漏れるカーテンの向こう側から、鳴りやむことのない虫の声が響いていた。
 わずかに、カーテンが風に揺られる。
 それと一緒に、お姉ちゃんの部屋の匂いを感じた。
 独特の香り。
 安心するようでいて、でもちょっとそわそわしてしまうような。
 見つめた先の、背中を覆う長い髪が、小さく揺れる。
「つかさ」
 振り返り、部屋の入り口あたりで立っていた私を見つめてお姉ちゃんが言う。
「……おいで」
 ベッドのそばで、窓から差し込む光に照らされながら、そんなふうに微笑む彼女に、胸が高鳴った。
 ひかれるように、私は近づく。
 目の前に立って、目線を合わせる。
 いつも思うけれど、こんなふうに近づくと、そんなに身長は変わらないはずのに、お姉ちゃんのほうが背が高いように感じてしまう。
 私が恥ずかしくて、上目づかいでしか見れないからなのかわからないけれど、それが余計に姉と妹っていうのを感じさせて、嬉しいようなずるいと思うような、複雑な気持ちになってしまう。
「……ぁ」
 お姉ちゃんの左手が頬にかかった。
 キスされるんだと気付く前に、唇に感触が走る。
「んっ……、……ぅん……」
 ゆっくりと目を閉じて、身体を預ける。
 お姉ちゃんの右手が私の肩を抱いて、左手が髪の毛の間をすべっていく。肌にかかる息遣いを感じながら、私はそっとお姉ちゃんの身体に手を伸ばす。
 なんとなく目を開けて、お姉ちゃんの表情を見て、
 ――……。
 まつげを震わせて、静かに瞳を伏せている姿が――ひどくキレイで、私はまぶたを閉じた。もし部屋が明るかったら、お姉ちゃんの顔が赤く染まっていたのがわかったと思う。
 触れていた唇が離れていく。
「お姉ちゃん……」
 目の前の顔を見つめる。恥ずかしそうに、困ったふうに笑いながら、お姉ちゃんは耳元でささやく。
「……していい?」
 どうしても頬が熱くなってしまうけど、私はコクリと頷いた。



 細い指が、私のパジャマのボタンを外していく。
 お姉ちゃんはよく、私の服を脱がせたがる。なんだか着せ替え人形になったみたいで恥ずかしい気がするけど、でもお姉ちゃんが少し嬉しそうだから別にいいかな、とも思う。
 上も下も脱がされて、下着も取られて裸にさせられる。女の子同士でも、姉妹でも、やっぱり服の下を見られるのは、少し恥ずかしい。別にそれがお風呂とかだったならいいんだけど、こうやって部屋の中で裸になるのはちょっと抵抗を感じてしまう。
 お姉ちゃんが、ベッドに座る私の頭をそっと撫でた。
411灯る炎と夜の残り香(6/10):2009/08/30(日) 03:10:50 ID:tnHw1HIX

 撫でられるのは嫌いじゃない。でも子ども扱いされてるような、やっぱり私は妹でしかないのかなという気もしてきて、ちょっと困ってしまう。
 ――だからそういうときは、少しだけお姉ちゃんに意地悪したくなってしまう。
「お姉ちゃんも……脱いで」
 そう言うとお姉ちゃんは困ったふうに額に眉を寄せた。でも、少し迷ったような素振りを見せてから「わかってるから」と言って私の頭をくしゃりと撫でた。
 お姉ちゃんが、自分のパジャマのボタンをゆっくりと外していく。全部外し終わったところで、私が見ている事に気付いて、視線から逃げるように身体を後ろに向けた。
 ……私のことはずっと見てたのに。
 後ろ向きで、お姉ちゃんは服を脱いでいく。パジャマの上が無くなって、長い髪の毛の合間から肩が覗く。ズボンに手をかけ下ろしていくと、細長い足が外気にさらされる。
 私がお返しとばかりに思いっきり凝視しているのに気付いたのか、お姉ちゃんはちらりとこっちの様子をうかがってきた。でも私と目が合うと、すぐにまた後ろを向いてしまった。
 躊躇いながら、お姉ちゃんはキャミソールに手をかける。器用に長い髪の毛を通しながら上半身からキャミを抜きさる。そしてショーツに手をつけて、
「………」
 と、間を置いてから、一気に下まで降ろした。
「はぁ……」と疲れたように口からため息を漏らしていた。
「――お姉ちゃんっ」
「うわっ!!」
 背後から抱きついた身体が、おもしろいように跳ねた。お姉ちゃんは驚いてからハッとなって、慌てて口元に手を当てる。そして振り向いて、顔を近づけて私にささやく。
「大きい声出させないでよ……っ」
 にらんでいる瞳がちょっと潤んでる気もした。私は「ごめんなさい……」と、一応謝っておいた。でもこういう反応するからついやりたくなっちゃうわけで……。
 私はギュッとお姉ちゃんの身体に抱きついた。裸同士であることをようやく思い出したみたいで、お姉ちゃんは「うっ」と身じろぎする。
「……つかさ」
 お姉ちゃんはもう一度小さくため息をついてから、私の身体を引き離して、ジッとこっちの瞳を覗き込んできた。さっきとは違う真剣な瞳に、もしかして本当に怒らせてしまったかなという思いが脳裏をよぎる。
 ほんの少し、窓から差し込む光を反射する瞳から目が離せない。細められた、ややつり上がり気味な目が、まるで捕まってしまったかのような錯覚を引き起こす。
「ぁ……」
 消えそうな声が口から漏れた。お姉ちゃんの左手が腰の辺りをそっと撫でる。脇腹らへんを指でなぞり上げられて、クッ、と身体が変な反応を示す。普段ならただくすぐったいだけなのに、こういうときはなんだか甘い気持ちが溢れてくるから困ってしまう。
 私の反応に、お姉ちゃんはちょっと意地の悪い笑みを浮かべていた。やっぱり少し怒っていたのかも。なんだか……楽しそう。
 そのままお姉ちゃんは、私の頬に手を添えて顔を近づけた。上目遣いの私の目を覗き込みながら唇を触れ合わせる。
「ん……、ぅ……んっ……」
 今度は唇を舐められた。お姉ちゃんの舌先が抵抗できない私の口の中へと押し入ってくる。
 舌を絡まされて、上あごを撫で上げられて、頭の芯がボーっとしてきてしまう。一緒に体のほうも触れられて、だんだん呼吸が苦しくなってくる。
 ――っ……。
 ふいに、カクンと身体から力が抜けてしまった。お姉ちゃんの身体に伸ばした手にも、まったく力がこもらない。
「つかさ……」
 唇を離して、お姉ちゃんがささやく。そしてギュッと強く抱きしめて、私を支えてくれた。
 私は顔をうずめて、お姉ちゃんにしがみつく。
 少しも離れていたくなくて。
 離れてしまうことなどないようにと。
 目の前に広がる肌からは、ちょっとだけ石鹸の甘い香りがした。

 お姉ちゃんはもう一度私の名前をささやいて、そっと頭を撫でてくれた。



 ベッドの上で、お姉ちゃんは私を後ろから抱きかかえていた。
 背中に当たる肌の感触は柔らかくて気持ちいいけれど、夏という季節を考えると……少し暑い気がする。
「つかさ」
 そう私の名前を呼びながら、お姉ちゃんは頬ずりしてくる。
 ……やっぱりお人形さん扱いなんだろうか。なんだかそんな気がして、私は顔を逸らした。
 でもそうしたら、お姉ちゃんが後ろで笑ってる気配がした。やれやれといった顔でもしてるのかもしれない。
 ……すっかりもう、お姉ちゃんのペースな気がする。
 だけど別に、それはイヤではなくて、むしろ好きだったりもする。そんな自分には少し困ってしまうけれど、ただ、こんなふうにしているのが嬉しくてしょうがないことなのは、本当のことだから……。
412灯る炎と夜の残り香(7/10):2009/08/30(日) 03:16:06 ID:tnHw1HIX

 私はそっと、お姉ちゃんの身体に体重を預けた。
 やっぱりお姉ちゃんが笑った気配がする。
 私の髪の毛を撫でて、お姉ちゃんは身体へと手を伸ばす。
「ん……」
 すくうように、お姉ちゃんの左手が私の胸を撫でる。指で、手のひらで、粘土でもこねるようにいじられる。
「っひゃ……」
 つつ、と右のわき腹を指でなぞり上げられた。それと同時に耳元に息を吹きかけられて、背筋に悪寒にも似た感覚が走る。ぞくりと背中が震え、きゅっと目を閉じる。遅れて、中毒になりそうなほど濃い、あまったるいほどの感覚が身体に流れ込む。
 左手は相変わらず胸を、右手はお腹の辺りをさすりながら徐々に上のほうへうごめいてく。
「ぁぅ……」
 首筋を、ちゅぅと吸われた。舌が踊ると吐息が漏れる。
 お姉ちゃんの細くてきれいな両手が、私の胸をもてあそぶ。指をうずめ、すくい、弾ませ、引き絞る。まるで楽器でも弾いてるかのように胸の先端で、指が踊っていた。
「ぁ……、ぅっ、んっ……っ」
 耳元に唇を寄せ、お姉ちゃんがささやいた。私の名前を呼ぶその声は、ぞっとするほど妖艶で、色っぽかった。
 頭の芯を、自分の軸を壊してしまうようなお姉ちゃんの声。
 どうして名前を呼ばれただけで、こんなに嬉しくなってしまうんだろう。
「お姉ちゃん……」
 それなら、自分の声はどう聞こえているんだろうか。
 ちゃんと届いてくれてるのか。
 お姉ちゃんの、微笑んでる気配しかわからなくて、もう一度彼女を呼ぶ。
「ぁ……」
 背後から伸びたお姉ちゃんの左手が、私の太ももを這う。それは、ちょっとしたサイン。口ではっきりと言いはしないけれど、お姉ちゃんは確かめるように私の足を指でなぞる。
 私は、ゆっくりと足を開く。大事な部分をさらけ出す。
 首筋にもう一度キスを送りながら、右手を胸元に這わせながら、お姉ちゃんは左手を足の付け根へ滑らせていく。
 ――はぅ……。
 くすぐるような動きで、長い指先が私の大事な部分の上で踊る。背筋が泡立つような感覚と、この先の期待感に熱いため息が口から漏れた。
 鍵盤でも弾くかのように動く指先が、わずかに湿り気を帯びてくる。それが自分の蜜のせいだとわかって、顔がカーッと熱くなる。
「ふわっ……」
 耳たぶを優しく噛まれた。舌先が、耳の裏側をたどって首筋へと降りていく。お姉ちゃんの興奮したような息遣いが耳にこびりつく。
「ん、っぅん……っ」
 背中に走る湿った感触。左手であそこを撫でながらも、顔を寄せ、お姉ちゃんは私の背中にキスを降らす。敏感になった肌を、柔らかい髪がくすぐった。
 ――あぅ……っ。
 背筋にみずみずしい触感が伝わるたびに、身体がピクッと反応してしまう。その感触から逃げようと背中が震え、喉の奥から声が漏れる。
「つかさ……」
 わかる? と問いかけられる。お姉ちゃんの指は、私の秘所は、自分の液体でトロトロになっていた。
 顔から火が出そうなくらい恥ずかしかった。だけどそれも、お姉ちゃんにされているという嬉しさで相殺されてしまう。
 身体の全てを預けて姉のことを呼ぶ。頭の中はもうなにがなんだかわからないくらいで、ただもっと触れてほしいという思いしかなかった。
 お姉ちゃんの微笑む気配。頭を撫でる手の動き。頬に触れるだけの、優しいキス。
 背中から私の体をギュッと抱きしめて、お姉ちゃんはあそこで顔をもたげていた突起を指で弾いた。
「っ……っぅんん……っ!」
 強い刺激に、体がぷるぷると震えた。同時に全身を包みこむように快感が広がる。
「ぁっ……、ゃ……っ」
 とろみを帯びた液体が、膨らむ突起を覆う。周りをなぞり、軽く押さえ、指先で摘まれる。
 手足に力がこもらない。ぞわりと痺れのような感覚が肌の上を走っていく。思考を奪っていく好きな人の指先。
 自分のそこは、もう全て知られてしまっている。
 肌触りも。感触も。中身も、位置も。突起の大きさも、どこをどう感じるのかも、何が好きなのかも。
 奪われる。
 与えられる。
「ひっ……ん、っんぅ……、っぁ……!」
 身体の奥底が震えるような錯覚。それは実感をともなって、全身の筋肉がキュッと収縮する。フラッシュでもたかれたかのように一瞬視界に霞がかかる。
413灯る炎と夜の残り香(8/10):2009/08/30(日) 03:18:42 ID:tnHw1HIX

「つかさ……?」
 右手を私の頬に伸ばしながら、お姉ちゃんは耳元でささやく。少し心配してるようにも聞こえるけど、左手は攻める動きを止める気配はない。
 私は無意識に反応してしまう身体を必死に動かし、手を伸ばしてお姉ちゃんの右手にしがみつく。
「ぁ、ぁ、っ、ん……ぅ、くっ、ふぅんっ……!」
 手に力をこめたら、わなわなと震えてしまった。チカリチカリと、目の前に白い画面がちらつく。心臓のドキドキがさっきから壊れてしまったみたいに暴走して、呼吸が速くなって抑えられない。
 身体全体が揃ってもう絶頂が近いと知らせていた。
「お、姉ちゃん……っ……」
 後ろにいる、私の全てを握っている人を呼ぶ。
 もう判っているはずなのに、さっきからお姉ちゃんの手の動きは変わらない。全体でまんべんなく指を動かしながらも、けして強い刺激は送ってこない。入り口付近でくちゃりと、指先が音をたてた。
「なあに?」と、お姉ちゃんは返事をする。声色が、意地の悪い笑みを浮かべているときのものだ。私の反応を楽しむかのように、ぴちゃぴちゃと指を奏でる。
 ……少し、酷いと思った。
「お姉ちゃん……、お姉ちゃん……」
 焦らされすぎて、すっかり思考能力を奪われた私は、ただお姉ちゃんを呼ぶことしかできなかった。だけどお姉ちゃんは私に頬ずりをするだけで、私の様子を見てなんだか楽しそうにしているみたいで。
「ぁぅ……」
 視界が少し潤む。身体はこんなに求めているっていうのに。こんなにもお姉ちゃんが欲しいのに。
「……イキたい?」
 いつもより低いトーンが耳をうつ。でもそれにはどこか優しい感じも含まれている気もして、胸がドキリと高鳴った。
 自分の息遣い。お姉ちゃんの口から漏れる呼吸。そしてわずかに鳴っている、粘つくような水の音。ただそれだけが、暑い夜の闇の中、響き渡っていた。
 自分とお姉ちゃんの鼓動が、私の体にリズムを刻む。
 声がかすれないようにと、唾を飲み込んだ。
 ごくりという音がやけに大きく聞こえる。
 私は、私が大好きな人だけに聞こえるように、小さな声で「うん……」とささやいた。
 顔を覗き込むお姉ちゃんの顔に、大好きなお菓子でも頬張ってるみたいな、満面の笑みが浮かんでいた。
 私の頭を撫でながら、そっと呟く。
「可愛い。つかさ」
 ………。
 そういうこと言うのは……、反則なんだよ……?
 顔どころか、体まで真っ赤に染まってしまったような気がして、私はそっと瞳を伏せた。
「っふぁっ……」
 ぬぷりという感触とともに、いきなりお姉ちゃんの指が中に入ってきた。多分中指。指先の腹の部分が、入り口あたりを引っかけてくる。静まりかけてた火が、また燃え出したような気がした。
「ゃ、ぁっ……、ひゃ、んぅっ……っ」
 つんつん、と親指があそこで震えるお豆を虐め始める。周りをなぞって固くして、潰すようにギュッと押さえつけてくる。意識が思わず飛びかける。
「お、ねえっちゃっ、ん、ぁっ……っぅんんぅ……っ!」
 急速に、身体が限界にぷるぷると震えた。視界にモヤがかかる。背中に感じるお姉ちゃんのことも、一瞬判らなくなって――怖くなった。
414灯る炎と夜の残り香(9/10):2009/08/30(日) 03:20:00 ID:tnHw1HIX

「っぁ、ん、ふぁ……、っぁ……ひゃ……っ!」
 頬にキスの感触。ぺろっという舌の動き。気持ちいいのか、寒気なのか判らない感覚に鳥肌が立つ。
 お姉ちゃんを求めて声が漏れる。
 緊張と弛緩を繰り返す手を、ギュッと強く握りしめる。
 この身体の震えは快感のためなのか、それとも不安のせいなのか。
 お姉ちゃんはただ、優しげな声で呟いて、私のことを抱きしめてくれた。
「いいよ……」
「っ――」
 その一言で、何かが外されたように意識が白く染まった。
 あそこで動いているお姉ちゃんの左手。
 背中越しに感じる柔らかな体。
 「つかさ」という私を呼ぶ声。
 そしてどこかから漂っている、甘い――香り。
「ぁ……」
 身体の震えが、もう抑えきれなかった。


 ――後は、自分でもよく覚えてない。
 何か恥ずかしい事でもひたすら口走ってたような気もするし、でも他の部屋に聞こえないようにぎりぎりと歯を食いしばってたような気もする。ようやく周りがわかるようになったときには、夏の湿気のせいで全身汗だくになって荒い息をついていた。
 だけどそれでも、いつも迎えるあの瞬間は……、やっぱり幸せだった気がする。

 お姉ちゃんはただ、そのきれいな指先で私の髪をすいていた。

「お姉ちゃん……」
「なに?」
 私の声にお姉ちゃんは返事を返す。
 やっと力が入るようになった体を、振り向かせる。
「……?」
 抱きついてお姉ちゃんの顔を覗き込む。
 シン、と静まり返った部屋の中。
 すぐそこにある深い瞳。 
 私はその手に軽く力をこめて、――お姉ちゃんのことを押し倒した。
「ぁ……」
 わずかな両腕の隙間から、上目遣いの視線を受ける。
 手に、シーツとは違う柔らかな髪の感触。
 目の前の彼女の名前をささやいて、私は顔を近づけた。

 お姉ちゃんは小さく唇を動かして、嬉しそうに微笑んだ。



415灯る炎と夜の残り香(10/11):2009/08/30(日) 03:21:05 ID:tnHw1HIX

     ♪




 ジジッ……、という残響を残して、電柱から蝉が飛び立った。
 いたるところに取り付けられた街灯が、町の闇を覆い隠している。
 頭上にはうっすらと見える星の瞬き。
 耳をうつ、二つの足音。

「花火、綺麗だったわね」

 会場の帰り、隣を歩く姉が言う。
 みゆきたちと、こなたたちと別れ、二人も自分たちの町へと戻ってきた。
 夜の街、家路の途中。
 肌にまとわりつく、湿度と温度。
 じめっとした、湿り気を帯びたにおいが鼻をつく。

「……つかさ?」

 かがみが顔を覗き込む。
 つかさは小さく笑い返して、そっと空を見上げた。

「ああいうお祭りみたいのが終わった後って、なんでか寂しくならない?」

 静かな夜空だった。
 視界を埋め尽くすような光も、花びらも、体を打ち抜くようなあの音も何も無い、キレイな星と月だけが浮かんでいる。
 なんにも無いわけではないけれど、なぜかぽっかりと隙間が空いてしまったような、さみしいような……かなしいような。
 まるでさっきの出来事が夢だったみたいに。
 あの時感じた思いが、嘘だったみたいに。
 そう、考えてしまいそうになる。

「どうして、なんだろ」

 現実へと引き戻される。
 終わりが来ると告げられる。
 世界の全てが流れていくのだと、いつかなくしてしまうのだと。
 そして、それを受け入れられない自分は、ポツンと一人取り残されたみたいで。
 寂しい夜空にひとりだけ。
 小さなため息が、夏の空気に溶けていく。

「それは、それだけ楽しかったってことじゃない?」

 隣で並ぶ、姉の顔を見る。

「つかさがそれを楽しかったって思えたから、大切なものだって感じられたから。それがなくなってしまったような気がして、寂しいって思うのかもね」

 顔の横でまとめた髪を揺らして、彼女は言う。
 確かに楽しかった。
 笑みを浮かべられた。
 心の中に、あの風景が残っている。
 まぶたの裏に焼きつくような輝きも、耳鳴りでも起きそうだった爆発も。
 そして、終わった後に感じた、あの焦げ付いた火薬のにおいも。
416灯る炎と夜の残り香(11/11):2009/08/30(日) 03:22:05 ID:tnHw1HIX

「まだ、夏休みも半分あるわよ?」

 つかさの手を取り、かがみは言う。

「学校だって半年も」

 微笑みを浮かべながら、半分自分にでも言い聞かせているように。
 つかさの手を引いて、かがみは前を向く。
 引っぱられるような形で、つかさはその後を行く。
 ぱたぱたと、ひるがえる浴衣。
 つながった手のひら。
 いつもの……子どもの頃からずっと見続けてきた、その後ろ姿。

「そうだね」

 小さく呟いて――だけどその顔には笑みを浮かべて、つかさはかがみの隣へと並んだ。

 この手の感触があれば、歩いていける気がした。





     ♪





「ふわぁ……」
 大きなあくびが、口から漏れた。
「もう寝なさいよ」
 同じベッドの中のすぐ隣で、苦笑交じりにお姉ちゃんは言う。
 「うん」と、眠い目をこすって私は返事をする。
 なんだかんだですっかり夜更かししてしまった。
 結局明日はお昼過ぎまで寝てしまうんだろう。
 でも、それもいいかもしれない。
 そう思えるくらいには、今日はとても――楽しかったのだから。
「お姉ちゃん」
「?」
 すぐに手が届くほど目の前で、お姉ちゃんは私の瞳を覗き込んでいる。

「おやすみなさい」

 淡い光に照らされた、姉の顔を目に焼き付けて、私はそっと瞳を閉じた。
 身体に感じるぬくもりと、あの人のにおいに包まれながら。



「うん……。おやすみ」







fin.
4176-774 ◆njAklKyHxQ :2009/08/30(日) 03:29:17 ID:tnHw1HIX

以上です。
途中で1レス当たりの容量をオーバーした部分があったので急遽1レス増やしました

これらの短編集を思いついたのは二年前の夏でした
連日連夜投下があるにも関わらずかがつかは少ない、なら自分で書けばいいじゃない
ですが全て書き終えたのは半年後ほど
せめて去年の夏に投下すればよかったもののあまりに忙しすぎて気づけば二年…
このまま墓まで持って行くにはちょっともったいない気がしたので、こうして投下することとなりました

今まで読んでくださったかた、コメントをくれたかた、ありがとうございます。
418名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 16:49:29 ID:IvES9BVG
投稿してくれてありがとうございます。
とても楽しませてもらいました。
やっぱり姉妹はいいな姉妹は。
419名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 21:39:21 ID:WuxUziUn
ああ。百合っていいなあ。姉妹っていいなあ。
夏の終わりの空気と、ベッドの中の二人の空気が混じりあって、えもいわれぬ読後感でした。。
投下いただいてありがとうございました。ぐっじょぶ。
420名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 22:45:19 ID:s50BiSqf
>>417
なんと・・・2年前から作っていたとは頑張りますなあ
どれもこれも素晴らしくていとおしくてニヤニヤが止まらない姉妹愛づくしでしたよ
甘美なひとときと感動をありがとう
GJ!!!!
421名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 19:37:51 ID:vJmw+JYU
この流れでちょっと気が引けるのですが、投下します。

・かがみ&つかさ
・非エロ
・キャラ壊れ気味
・4レス
422ある四姉妹の夜:2009/08/31(月) 19:38:55 ID:vJmw+JYU
 リビングで家族におやすみなさいを告げてから数時間。今は草木も眠る丑三つ時。
 お父さんは仕事柄早起きだし、お母さんも主婦だから似たようなものだ。かがみは基本
的に真面目だし、つかさは論外。絶対に起きてるはずがない。大学生のまつりだけは気を
つけなきゃいけないけど、それを除けばうちは基本的に早寝だ。
 というわけで私は自分の部屋を出て、音を立てないようにそのドアを閉めた。廊下は暗い
けど、二十年以上住んだ自分の家なんだから、目を瞑ったって歩ける。通るついでに妹の
まつりの部屋を確かめる。大丈夫、光が漏れてきてないから、もう寝ているはず。
 もう夏の暑さも盛りを過ぎていて、それでもやっぱりクーラーなしでは寝苦しい。六人
家族のうちでは全員がクーラーを使うわけにはいかないから、夏の夜を快適に過ごすことは
できない。だからって、私がこうして出歩いているのは眠れないからというわけじゃない。
 目的のつかさの部屋に辿り着く頃にはもう暗闇にも目が慣れていた。音を立てないように
慎重にドアノブを回す。ゆっくりとドアを開けて、その中に踏み込む。ベッドを確かめると、
案の定つかさは……いなかった。
 別に落胆しているわけじゃない。想定の範囲内のことだった。
 多分、電気代の節約とか言って、つかさはかがみの部屋で一緒に寝ているのだろう。その
光景を想像すると……

『お姉ちゃん、一緒に……いい?』
『あんたねー、歳考えなさいよ。私たちもう高校生なのよ』
『そんなこと言わないで……お願い』
『うっ……しょ、しょうがないわねー。ほら、こっち来なさい』

「はぁ、はぁ、はぁ……うっ」
 危ない危ない。危うく妹の部屋によだれを垂らすところだった。今かがみの部屋に行けば
実物が見れるのだから我慢よ。妄想に耽るのは後だってできる。
 音を殺してかがみの部屋のドアに忍び寄り、耳を当てる。かがみとつかさ、二人分の寝息
が聞こえる……ような気がする。
 理想郷は目の前にある……しかし焦りは禁物よ。ドアを開けるのは慎重に、慎重に。
 逸る心を必死に抑えて、ゆっくりゆっくり……私の身体が通れる程度の幅を開けた。
 部屋の中を覗き込んで……かがみが何かに気づいた様子はない。間違いなく寝ているはず。
 中に入ってこれまたゆっくりとドアを閉める。……ここからは殊更に慎重に。
 もう壁は音を遮断してくれない……忍び足で二人が寝ているベッドに……今すぐ飛びつき
たい衝動に駆られるけど、そんなことをしたら何もかもおじゃんだから……。
「はぁ……はぁ……」
 ああ、呼吸が乱れるわ。でもダメ、息を殺して。余計な音は何一つ立てないで。
 私が求め続けた理想郷……かがみ×つかさの添い寝姿が目の前にあるんだから!
423ある四姉妹の夜:2009/08/31(月) 19:39:48 ID:vJmw+JYU
 四人姉妹の長女に生まれて、妹たちは可愛く思っている。特につかさはドジで甘えんぼで
家事は得意で……かがみもかがみで双子なのにお姉ちゃんぶって寂しがりやなのに意地を
張ったり妹に厳しくしようと思っても全然できてないところなんか堪らなく可愛いわね。
よくぞこうも理想通りの姉妹に育ってくれたわ。ありがとうお母さん。
 そんな二人の姉に生まれた私がかがみ×つかさに萌える、もとい、二人が仲良くなること
を願うのは至極当然のことなのよ。
 そんなわけで、私は二人の仲睦まじい姿を堪能しに来たというわけ。
 二人には薄いタオルケット一枚が掛かっているだけ。暑いからってパジャマを脱いだり
してくれていたら最高だったけど、流石にそこまではなかったみたい。クーラーはタイマー
をかけていたのが、ちょっと前に切れたという感じの中途半端な涼しさで、これから外気と
同じくらいになっていくはず。そうなると暑苦しいからって寝ている間に二人の距離が離れて
しまうかもしれない。部屋の中を見回して……勉強机の上にリモコンを見つけた。足音に
気をつけてそっちに行き、電源をつける。……これくらいでは起きないはず。
 やっと準備完了よ。今度こそ二人の寝姿を堪能しないと。
 つかさ……あぁ、可愛いわ。普段はあどけなさを感じる顔だけど、寝顔となるとあどけない
を通り越して幼いわね。頬をぷにぷにと突きたい。その唇にキスしてしまいたい。ああ、でも
ダメ。その唇はかがみのものなのよ……!
 かがみ……かがみも愛しいわ。意地っ張りな性格に育って、普段は目つきもきつめだけど、
寝顔になるとそんなところも鳴りを潜めてしまうのよね。今は優しい表情でつかさのほうを
向いて寝息をたてていて……これが本当のかがみなのね!
 今、つかさは仰向けだけど、かがみは横を……つかさの方を向いて寝ている。本当は二人
が抱き合って寝ているのが理想だけど、これは次善の状況ね。こんなときは二人が抱き合う
ように私が動かしてあげるのが常なんだけど、動かすのは眠りの深いつかさの方がいいのよね。
 そもそも二人がこうして一緒に寝ているうちの半分は、つかさが寝ている間に私がつかさを
抱えて寝かせたものだということは、当の二人も気づいてはいないでしょうね。
 いや、普通は気づくんだろうけど、かがみはつかさが自分で布団に潜り込んできたものだと
思ってるし、つかさは自分が寝ぼけてかがみのところで寝たのだと思い込んでるのよね。
 つかさはちょっとやそっとのことでは起きない。というわけで、つかさの身体をそっと抱え
てかがみに近づける。身体を横にして二人が向き合う形にする。
 もっと近くなるように位置を調整して……顔は互いの寝息がかかるくらいに。二人が目を
開けたとき、互いの顔だけが視界に入るように向きも変えて……。
「はぁ……はぁ……んっ」
 危ない危ない。またよだれが垂れそうになったわ。まだ作業は終わってないのよ。つかさが
かがみの肩を抱くように腕を動かす。次はかがみの腕がつかさを抱くように動かす……慎重に
慎重に。ああ、かがみの手って思ったよりすらっとしてて綺麗ね……いや、頬擦りしそうに
なっちゃダメよ私。慎重に慎重に。
 次はもっと慎重にしないとダメなのよ。つかさの両脚、というより太股でかがみの脚を挟む
ようにしないといけない。姉妹で抱き枕というのが私の理想なのよ。
 つかさの脚を持ち上げて……ああ、つかさの太股柔らかいわ。でもこれはかがみのものなの。
あ、つかさのお尻も目の前に……ああ、触りたい、触りたいわ。でもこれもかがみのものなの。
 そんなこんなで、自分の理性とも戦いながら、どうにか抱き合って寝る姉妹を実現すること
に成功したわ。気持ちを落ち着けて、俯瞰で二人を見てみると……

 クラッ

 危ない、思わず立ちくらみを起こしてしまうところだったわね。
424ある四姉妹の夜:2009/08/31(月) 19:41:06 ID:vJmw+JYU
 まだあどけなさを残す高校生の双子姉妹が、生まれたときから、これからもずっと一緒だと
誓って、互いの温もりを感じながら安らかな眠りにつく……素晴らしい! 素晴らしいわ!
姉として血が滾るわ! 互いの寝息が掛かるくらいの距離で見詰め合っているのよ。このまま
ちょっと動いて自然にキスしてくれないものかしら。きっと二人の夢の中ではとっくにキス
しているのよ。

『お姉ちゃん、こんな甘えんぼな妹でごめんね』
『今更なに言ってるのよ』
『私、もっとお姉ちゃんに甘えたいんだ。こんなふうに……』
『つかさ……!?』

「そしてつかさはかがみの頬に手をかけて、唇をつきだして目を瞑って、そんなことをされた
かがみはもう我慢も限界で……はっ!」
 思わず妄想を声に出してしまった。慌てて二人を確認すると……。
 二人の寝顔は変わってない。起きてはいないみたい。
 そのままじっくりと寝顔を見つめる。ああ、このまま二人にキスしてしまいたい。でも
つかさはかがみの嫁で、かがみはつかさの嫁だからそういうわけにはいかないのよね。
「ん……お姉ちゃん……」
 こ、これは寝言! つかさが寝言でかがみのことを呼んでいるのね! これはレアな体験を
したものだわ。そうね、つかさがかがみを呼ぶのはもう本能の領域なのね。つかさはそれほど
までにかがみを求めてるのね!
 それにしてもかがみったら、なんでつかさを襲ってしまわないのかしら。こんなに可愛くて
姉にべったりの妹だったらとっくに襲っていてもよさそうなものなのに。まったく、姉として
理解できないわ。
 これはもう私が手助けするしかないわね。
 いきなり襲うっていうのもなんだから……そうね、つかさのパジャマのボタンを2つくらい
はずしておこうかしら。そーっと、そーっと……もう1つくらいはずしておこう。これなら
つかさのブラが自然に見えるくらいはだけるわね。ああ、つかさの胸を触ろうとしちゃダメよ
私の手! この身体はかがみのものなの!
 さらにつかさの肩を抱いていた腕を動かして……よし、お尻を触らせたわ。つかさのお尻を
触れるなんて、羨ましいわかがみ。
 あとは……かがみの太股を、つかさの股の方に近づけて……かがみの太股を堪能したいけど、
ダメよ、起きないようにそっと……これで、ふとした拍子でかがみの太股がつかさのあそこを
撫でたりしたら素晴らしいわね。
 あとは手を繋いでもらいたいところだけれど、もうかがみの手はお尻を触っちゃってるから
無理ね。もう片方の腕を動かすのはリスクが高いし。
 胸を手で触らせるとか、寝ている間に愛撫させるとかはまだハードルが高すぎるから、まず
はこの辺りで済ませておこうかしら。
 朝になってどんなリアクションをするのか楽しみだわ。かがみのことだから、その場は何も
なかったように済ませるんだけど、つかさのお尻の感触を忘れられなくて、次の夜にはつかさ
のことを……。
「うっ」
 は、鼻血が出てしまったわ……。この部屋から出るのは名残惜しいけど、血痕を残すわけ
にもいかないから、今夜はここが潮時ね。
425ある四姉妹の夜:2009/08/31(月) 19:41:48 ID:vJmw+JYU
 ゆっくりとドアを開けて部屋から出ると、そこには……
「ま、まつり!?」
「しっ、声が大きい!」
 吃驚して何もできない私をよそに、まつりはゆっくりとドアを閉める。
「あの、これはね……」
 深夜に妹の部屋からこっそり出てきたことを正当化する言い訳も思いつかず、しどろもどろ
になっていると。
「まずは拭きなよ」
 ティッシュを差し出してくれた。
「あ、ありがと」
「それにしても姉さんは手ぬるいよね」
「へっ?」
「媚薬でもなんでも使っちゃえばいいのに」
「何言ってるの!? そんなものを使うのは邪道よ!」
 言ってから気づいたけど、もしかして私のやってることって……。
「とっくにバレてる?」
「姉さんも難儀だよね。かがみとつかさを妹にもったばかりに『妹の双子姉妹で百合妄想する』
なんて趣味を持っちゃって」
「あんなに可愛い双子姉妹を妹に持ったんだから、当然のことよ」
 私は胸を張って言う。
「まぁ、人の趣味に口を出すつもりはないよ。私だって『妹に手を出したいんだけど、その
妹は双子の姉妹で結ばれると決めてるから手を出せないでいる長女』フェチだから」
「変わった趣味を持ってるのね?」
「四姉妹の次女に生まれたら当然のことだよ」
「そうなの?」
「そうだよ」
 世の中いろんな人がいるものね。
「まあ、今夜はこんなもんでいいでしょ。おやすみ」
 朝は起きるのが辛いだろうけど、かがみとつかさがどんなリアクションをするのかを聞く
ためにも、それより早く起きてないといけない。少しでも寝ておこうと思う。
「そうね。おやすみ、まつり」
 そう言って、自分の部屋に戻る。私の妹にしては変な趣味の持ち主が生まれたものねと
思いながら。

(おわり)
4263-283:2009/08/31(月) 19:43:33 ID:vJmw+JYU
読んでくださった方、ありがとうございます。

自分で書いといてなんだけど、誰だこいつらw
これを書いていた時の自分は、どこか壊れていたように思う。
427名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 20:12:35 ID:FRTh33cu
>>426 このド変態が!(英訳:Good job!)
428名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 21:05:46 ID:V64ODH2d
こうってかがみの事を
か弱そうな女の先輩がラブレターを出した人と思ってるから
正反対のマッチョな男と思ってたりして
名前で性別を判断できないし
知名度も特にないし
ありうると思う
429名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 21:24:53 ID:QvCYd+cg
>>426
禿ワロッシュwこれぞエロパロって感じのぶっ壊れ方だw
電車の中で読んでたから笑いこらえるの必死だったよ
いのりもいのりならまつりもまつりだな!この変態家族め!GJ!
430名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 22:11:32 ID:NHbmknd5
>>426
あんた、おかしいよ(賛辞)

必死に自重しているかのようで少しも自重出来てねぇ、いや自重してないww起こさなかっただけで好き放題してやがるwwwww

まつりもフェチ内容がニッチ過ぎるのがまたw
431名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 22:21:38 ID:o9clMNJY
>>426
おめでとう。あなたは導かれたんだ。


もう、ね。いのりもまつりも「へん☆たい」で非常によろしいです。もっとやれ。
ぐっじょぶでした。
432さすらいのらき☆すたファン:2009/08/31(月) 23:43:50 ID:JuzELPbW
いつもお世話様になっております。
新作のSSを投下させていただきます。

タイトル:日替わり小ネタ集:らき☆すたde今日は何の日?8月編
カップリング:多数
属性:エロなし、○○フェチ設定拝借、台本形式注意

http://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0200.txt

3月編から始まって早半年分6作品を投下できました。
ここまで続いたのもひとえに応援してくださる皆様のおかげでございます。
残る半年分も、お付き合いくだされば幸いでございます。
それでは、本編をお楽しみください。
433名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 19:06:26 ID:UZXS5FmJ
x
434今日は何の日シリーズ9月2日編:2009/09/02(水) 00:03:31 ID:7Z1C2phl
みゆき「今日は宝くじの日です。
第一勧業銀行(現在のみずほ銀行)宝くじ部が1967(昭和42)年に制定しました。
「く(9)じ(2)」の語呂合せです。
当選しても引き換えられず時効となってしまう宝くじが多いことから、時効防止のPRの為に制定されました。
はずれくじの敗者復活があるとのことです」
かがみ「信じられないわ!みゆきをもらえるチャンスをみすみす捨てるなんて!」
つかさ「本当だよね!いくら買っても本人どころか、パンツとか服とか身の回りの品すら当たらない人だっているのに」
こなた「私なんて、レアもののカードやグッズを売り払ってまで買ったのにぃ!ぷぅ」
みゆき「あの〜宝くじの話ですよね……?」
こなかがつか「「「いいえ“高良くじ”の話です」」」
みゆき「アッ―――――――!!」
435名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 00:19:27 ID:D4RqI/ZB
「むー、こなちゃんのくせにー」
「…素晴らしいわつかさ」
「えー、なにー?」
「6千人。一日3人ずつでも5年以上楽しめるじゃない」
「えーと、かがみん?」
「週末なんかこなたマシマシね。ああ想像しただけで妊娠しそう」
「「どんだけー」」
436今日は何の日シリーズ9月3日編:2009/09/02(水) 20:40:31 ID:zhLrzXSl
みゆき「今日はベッドの日(good sleep day)です。
ベッドによる心地良い睡眠を広くアピールすることを目的に、全日本ベッド工業会が制定した日です。
グッドスリープはグッスリ。
その語呂合わせで9月3日を記念日としたものです。
またこれから秋の夜長を迎えるので、ふさわしい日付ともいえますね」
ゆたか「わぁ〜おっきなベッドだね、みなみちゃん」
みなみ「横になってもいいよ、ゆたか」
ゆたか「それじゃ失礼して……ふかふか〜」
みなみ「このベッドは、ゆたかのために用意したの」
ゆたか「ぅぅ…なんか、急に眠気が……みなみちゃん?どうして服を脱ぐの…?」
みなみ「薬が効いてきたかな。大丈夫だよ、ぐっすり眠っている間に終わるから」
ゆたか「ナニが終わるのか訊いていい?」
みなみ「………………」
ゆたか「寝逃げでリセット!」
みなみ「逃・が・さ・な・い」
ゆたか「アッ――――!!」
437名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 01:57:22 ID:IaDLJQYZ
 涅槃を彩る花は鮮やかな赤色で、来る者を厳かに出迎えている。
 かなたはぼんやりと賽の河原に膝をつき、そうじろうの事を想った。
置いて来てしまった愛しき者は、幸せそうだ。
愛娘こなたと、幸福そうな日々を送っている。
「良いことじゃない…」
 強がりが不意に口から漏れる。
偽らずに本心を告げれば、その幸福そうな姿は面白いものではない。
「私、要らなかったのかな」
 自分が居らずとも幸福そうに咲き誇り人生を謳歌する二人を見るにつけ、
かなたの心には暗い考えが擡げ続ける。
そうじろうが悲嘆に暮れた日々を送っていれば、多少なりとも救われたかもしれない。
それだけ、自分の影響下にそうじろうを置いている事になるのだから。
「あーあ、嫌な女」
 自らを嘲ると、涅槃を彩る花々に虚ろな視線を送った。
「君死ねと 悲願する妻の 傍らに 咲き乱れたる 緋の彼岸花」
 そうじろうが死ねば、またここで二人仲良く暮らせるだろうか。
思えば思うほど、ますます自分が嫌忌すべき女にも思えてきた。
「産まなきゃ良かったな」
 ふと漏れた毒々しい独り言は、誰に聞かれる事もなく河原に響いた。
もし、忘れ形見がなかったのなら、生きる必要性を失ったそうじろうは後追いしてくれたかもしれない。
 愛するはずの娘を否定し、愛したはずの伴侶の死を願うその姿は、
彼岸花よりも強烈な彩を涅槃に添えた。
「そう君、待ってるからね。ああそうだ、早くこなたの結婚相手見つけてね。
だってそうすれば」
──この世界で貴方を独占できるから──
「娘にだって、そう君は渡さない…」
 嫉みで滾った心は、頬を紅潮させた。
どのような花よりも強烈な緋色が、頬を染め上げ艶やかに映える。

 涅槃を彩る女は艶やかな緋色で、来る者を焦がれて待ち侘びている。
そうじろうを、待ち侘びている。彼岸花よりも美しく、そして毒々しく。

長月に
咲いた彼岸の
花の色
女の心
映して燃ゆる

<FIN>
438名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 08:50:22 ID:Q9siAbyB
怖いよー、ヤンデレかなたさん怖いよぉぉぉ! GJ。
439名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 09:52:53 ID:4skdohWg
>>473
「おとうーさん、逝ってらっしゃい!」
「かなたー、こなたが冷たいよー。」

たった1レスに濃縮された、愛と狂気がGJでした。

ついでにチラ裏の投棄

「泉ー今日は寝かさへんで。」
「せ、先生…まだ心の準備が。」
「なに勘違いしとるん、夏休みの宿題終わらせてないやろ。」
キグッ!
「宿題終わらせるまで、寝かさんからな。」
「ふぇーん。」
440名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 20:09:03 ID:aRbp/NJ+
狂気と色彩の妙なるマッチングが凄スススス!GJ




カチャカチャ

最近、父がおかしいです。日に日にやつれて、写真をとると必ず白いもやがかかっています。助けてください

ポーン
いますぐ相談者の貧乳をうpうp!してくれたら強力な結界プレゼント!

『またおまえかorz』
441今日は何の日シリーズ9月4日編:2009/09/04(金) 00:22:31 ID:Z6vkZu3k
ゆたか「今日はクラシック音楽の日です。
日本音楽マネージャー協会が1990(平成2)年に制定しました。
「ク(9)ラシ(4)ック」の語呂合せです。
音楽家の無料報酬によるコンサート等が開かれるそうです。
というわけで、今日はピアノが得意なみなみちゃんにクラシックの曲を弾いてもらっています」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
みなみ「はぁ……ぁ…っ……んんっ………」
ゆたか「みなみちゃん、また間違えたね。ミスタッチが多すぎだよぉ〜」
みなみ「ゆた…か……ぁ、やっぱり、無理…だよ……ローターつけながらピアノ弾く…っ、なんて…あっ」
ゆたか「そうだね。でも、みなみちゃんの口から漏れるエッチな声の方が、私にとってのクラシックかな」
みなみ「そんなっ…おねが……いっ…コレ、はずして……っ」
ゆたか「だぁ〜め(カチカチ)」
みなみ「ああっ!だめ…強すぎ……あん!」
ゆたか「ほら、みなみちゃんの奏でるクラシックをもっと聴かせてよ。ほら…ほらぁ!(カチカチカチカチ)」
みなみ「あああっ!も、もう……ふぁっ!いっちゃ……らめぇ!!ア――――――――――ッ♪」

ゆたか「そんなみなみちゃんの奏でる“クラシック”を録音したMDをオークションにかけたいと思います」
みゆき「今日はオークションの日です。
不動産取引の新しい形として注目されているマザーズオークションを手がける株式会社アイディーユーが制定しました。
オークション形式により、公平性、透明性、合理性を追及した不動産取引の実現を図っています。
日付は9月4日で0904から「オークション」につながる語呂合わせです」
ゆたか「さぁどのくらいの値がつくかなぁ。はいったお金で素敵な器具を購入してみなみちゃんを……うふふふふふふふふふ」
442名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 02:03:37 ID:VI7RyoPV
ゆたか黒いよ 黒いよゆたか
443今日は何の日シリーズ9月5日編:2009/09/04(金) 23:04:40 ID:Z6vkZu3k
みゆき「くっくっくっ………うふふふふふ………ふはははははは!あ――――っはっはっはっ!!
TSU☆I☆NI☆
私の時代がやってきましたわー!!」
ゆたか「お姉ちゃん大変だよ!“らき☆すたの女の子でエロパロ”が高良先輩に乗っ取られたよ!!」
こなかがつかみな「「「「なんだって――――!!!!」」」」
みゆき「あら皆様お揃いで。早速ですが、新世界の神たる私に永遠の忠誠を誓っていただきましょうか」
かがみ「みゆき!これは何事なの?!」
みゆき「くっくっくっ………今日はみゆき族の日です!!
1964年、戦後初の大イベントである東京オリンピックが開催されます。
この年、一シーズンだけの突発的な流行が起こりました。
それが『みゆき族』です。
64年の5月頃から銀座のみゆき通りや並木通りに大勢の若者がたむろするようになりました。
「みゆき族」はこれら若者達の総称で、「みゆき通り」から名づけられた一種の社会現象です。
ファッションの特徴は、男性は流行中のアイビー・ルックを少し崩したスタイル。
女性はロングスカートのバックに共布のリボンベルトを結び、二つに折ったハンカチーフを頭にかぶる。
そして男女ともに、大きな紙袋か麻袋をかばん代わりに抱えていました。
紙袋はVANが大人気で、こうした袋類以外ではショルダーバッグを持つパターンもありました」
つかさ「みゆき族の日……そんな日があるなんて……」
みゆき「驚きましたか?この愚民どもが!
誉れ高き我が名を称えよ!鍵の選びし六人を生贄に捧げよ!
世界は“みゆき”の名のもとに統一され、新たなる秩序が生まれるのです!!」
こなた「でもみゆきさん?みゆき族って、一夏を境に一斉に姿を消したよね」
みゆき「Σ(゜Д゜)」
こなた「9月から始まる東京オリンピックに向けての風紀取締りとして、
築地警察が「みゆき族」を一斉に補導したとか」
みゆき「orz」
444名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 03:12:29 ID:+1qhBZK1
ネタが古過ぎてついていけんわw
445名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 03:24:35 ID:n2QA7r9W
みゆき座とか
服地はみゆきとか
みゆきーゆーあーまいえんじぇーるとか
446今日は何の日シリーズ9月6日編:2009/09/06(日) 00:14:07 ID:E9ZqJliA
みゆき「今日は妹の日です。
現代に活躍する女性の多くが妹であることを発見した「兄弟型姉妹型」研究の第一人者で、
漫画家の畑田国男さんが1991(平成3)年に制定しました。
妹の可憐さを象徴する乙女座(8月23日〜9月23日)の中間の日の前日である9月6日を記念日とし、
毎年その年に活躍した「妹」だけを対象とした「日本妹大賞」を授与しているそうです」
みさお「日本妹大賞……」
かがみ「なんという……」
ひより「それでつかさ先輩と小早川さんの姿が見えないわけですね〜」
こなた「逃げたのか拉致されたのかはわからないけどね〜」
かがみ「で?私達が縛られてるのはどういうわけだ?」
こなた「やだな〜妹属性がないからあまり話題にならないけど、みさきちもひよりんもお兄さんがいるし、かがみだって三女でしょ?
つまり、三人とも“妹”だということだよ」
かがひよみさ「「「Σ(゜Д゜)」」」
こなた「さぁさぁ覚悟はよろしいデスカ〜?」
ひより「ちょーっと待った!泉先輩、なにか大切な事を忘れてないっスか?」
こなた「大切な事?」
ひより「今日はひかげたんの誕生日ですよ!先月は多くの誕生日をスルーしましたよね?こんなくだらないネタに走ってていいんですか?!」
こなた「ふぉっ!そうだったぁ〜ならば、妹達の生け造りをプレゼントにするかな。お肉食べたがっていたし」
かがみさひよ「「「ア―――――――――ッ!!!!!」」」

プルガトリオ
ひかげ「ふぅ……私の目の前にはチョコボールと生クリームでトッピングされたケーキと、大量の黒酢の瓶がある。
とても一人で食べきれる量じゃないな〜今日が森永チョコボールの日、生クリームの日、黒酢の日だからなんだろうな……
誕生日だってのにこの扱い……
せめて鹿児島黒牛・黒豚の日ってことで、お肉が食べたかったなぁ〜」
ひなた「ひかげちゃーん、お誕生日おめでとー」
ひかげ「お姉ちゃん!私の誕生日、覚えててくれたんだ……」
ひなた「当然でしょ〜かわいい妹の誕生日を忘れるわけないじゃない」
ひかげ「お姉ちゃん……」
ひなた「というわけで、バースデープレゼントよ。
妹の日ということで、妹キャラを二人ほどらt……見繕ってきたわ。
ひかげちゃん、お肉好きだもんね〜」
ひかげ「じゅろす」
つかさ「ラッピングはやっぱり……」
ゆたか「制服なんですね……」
つかゆた「「ア―――――――――ッ!!!」」


生クリームの日
乳製品製造販売の中沢フーズ株式会社が制定した日。
ケーキなどに使う生クリームの需要が高まる季節であり、9と6で「クリーム」と読む語呂合わせから、この日を記念日とした。

黒酢の日
9と6で「黒」の語呂合わせから、愛知県半田市に本社を持つ株式会社ミツカンドライ事業カンパニーが制定。

鹿児島黒牛・黒豚の日
鹿児島県の代表的な作物である鹿児島黒牛、鹿児島黒豚の銘柄の確立と消費の拡大を図るため、鹿児島黒豚銘柄販売促進協議会が1998年に制定した日。

キョロちゃんの日(森永チョコボールの日)
1967年の発売以来「おもちゃのカンヅメ」「キョロちゃん」などで、2世代に渡り親しまれている「チョコボール」。
その発売元の森永製菓株式会社が制定した日で、チョコボールのおいしさと楽しさをアピールするのが目的。
日付けは9と6で「キョロちゃん」の語呂合わせから。
447名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 14:46:58 ID:n8pSR30L
ちなみに、あやのも妹属性です(陵桜学園入学案内書参照)。
448名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 23:23:51 ID:NC/qjyHR
あやのがあやせに見えた自分は俺妹症候群……
449名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 04:02:00 ID:1Wck1+Bc
あや(綾)に見えた……
ドラゴンボールにデンデで出てたしな…
450名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 23:21:13 ID:SRAT3dAJ
>>447
こうにも兄がいたはず
まつりも次女
言うまでもないがひかげも妹
意外なところでゆたかの母親のゆきも妹
451名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 06:37:27 ID:JZDCpHfB
480KB越したので、新スレを立ててくる。
452451:2009/09/08(火) 06:45:39 ID:JZDCpHfB
スレ立て規制がかかっていて立てられなかった、スマン。
453名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 08:16:59 ID:I/SXlxvc
OK、それなら俺が立ててみんとす。
454453:2009/09/08(火) 08:20:08 ID:I/SXlxvc
立てたー。

らきすたの女の子でエロパロ61
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1252365509/l50
455451:2009/09/08(火) 22:01:25 ID:mmAPIEoJ
>>454
スレ立て乙です。
456名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 22:16:13 ID:mmAPIEoJ
ついでに埋めネタ投入

注意!
「我が家」(芸人)ネタの丸パクリ
悪ふざけが嫌いな人はスルーして下さい。

タイトル:食い物で遊ばない事

「峰岸、小さい頃ヨーグルトをかき混ぜてパン工場ってやらなかった。」
「柊ちゃんが何を言っているのかわからないわ。」
「なにパン工場って、柊ぃ。」
「くー日下部にバカにされるなんて。」
「柊に手本を見せてあげるから、代わってよ。」

「柊ぃー、ストローでポッキー。」
「何よそれ。」
「あやのー、柊が冷たいよう。」
「みさちゃんはアソコも心も子供ね、お手本を見せるから代わって。」
「峰岸、さらりと下ネタ言ってないか?」

「この棒をみさちゃんのあそこに突っ込んで、マンk…」
「言わせねぇ!」
457名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 02:03:23 ID:uqpqUfAm
スッピンが自由メガ☆ラバ♪
皆さん執筆中かにゃ?
読書の秋の夜長にいと相応しきその文に、酔いしれるのが楽しみ也
458名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 03:03:03 ID:muOS12wU
.                                                n     .|  | (  ) |
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                                              ||./ /.  ト‐' !    .!
                _    /〉                    ,, ― 、  / ̄ヽ  |  | , -、. |
               辷ゝ⌒ く   ._              , ┐ .f / ̄ヽ.} ・  l  )  |  | (  ) |
.                |    。Y¨¨。!        _,,,, -ァ´ }―V ゚ ・ ゚ノ' ` 7  イ  |  | ` ‐' .!
               ,イ ゚_ ―- l゚⊥)       /      /  ゝ  ヾ 、 / _|_. |-.、|     !
             ヽ/ V´    ノ¨ ヽっ.    / .        /    .l ` ‐'    ノ `‐┴---- ┴
           __l  `ヽ-―f ィr‐、 `う__ ノ ,, -‐'´ ̄ ̄ ̄〃!    ハ-、  ィ⌒ヽ_
          /   └‐┴-'-‐┘‐゛-' ̄ ̄  '‐-'´ ――'  ̄ ̄ ○ヽィ、__,ノ「‐┴- '―'¨   \
         | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_ ̄ ̄__ ̄ ̄ ̄ ̄ 」!   !| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
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         |           ,- ' ア ̄ ./: :: :: :: :: :: :./: :: :: :: :: :ィ: :ハ/ ̄¨ヽ            |
         | , -――- 、-、 ./ /   f:. :.|: :: :: :ィV: :: : : :|: :/トX: :: :\/__|-‐'' ―。      |   スレ埋めは寝て待て
         | / ゚ ・ ゚  ヽノ レ'   /!: : :|: : : :(  !: :: : : :レ' 〃 !: : :トヽ(   ゚  ''  ヽ.    |
         | {      ._」_ .}  / イ: :: :!: :: :_ゝ|: :: :: :.:トミ> イ: :: :!\l┐       }‐ 、 |
        r―ヽ       )‐!  ノ/"|_ >―'´  `'''''' ―-! _/: :: :: :| イ⌒ヽ_     く  厂\
       /ヽ/   _  r‐' /_ -‐'"´               ̄ \ |  ヽ、        `ヽ_ \
   __ィ´⌒ Y -――'―'ニ¬"´    /                  `>―`┴ 、r-、      .}  \
   /                   /                         `''――- 、_∠__\
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459名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 23:28:39 ID:2D4LJMwq
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             /       /  ,イ /.     \  ∧_,ノ '´ |:::>::'--r‐<:: ::| |:|::
            ,イ    ,'   / / //∨     ∧  ハ    ||:::/ ,/'" ̄ ̄ ̄| |:|::
           //    i-‐ / /  //‐-∨   |  ∧:  }   ||/|:::j,/ ̄ ̄ ̄| |:|::
           //   .,.' | /| /  //   ∨.  |   ハ:: |   |{ ̄/'      | |:|::
           〈   :|  | /__j/  j/  ,__ ∨   |   |:: |   | ::/     /:  | |:|::
            |   |  |/ィチ弐     オテ心V.  |  ∧|:: |   !;/      /::  | |:|::
           | |  |  |'´k:::::i|     k:::::i|`,リ\|: リ::  i: |ヽ、_ノ/     :|::::  | |:|::
           jノ|  |  ハ ゛-r  )-(  ‐r-"  τ }/:::  |:.|   /'      |:::::  | |:|:_:___
                ノ,,ノ| ,/、j   `ー'   `ー" " ,r-'" /::::  l:.|  ∧      |::    | |:|//////
           '"   |/|:::::ヽ、   、__,ノ   ,.ィ':::  /:::: :  |:|  |       |:    | |:|//////
               |: : ::|::::>‐- -r‐'/:::  /|:i:: :  ||  |       |:    | |:|(◯)//
                    | : :.:|ヽ::::ヽ::::::::/   /  |:|::   |  |       |     | |:|//////
                   | : :| \,.-‐'´___∠-‐─|:|::   |  |____|    | |:|//////
                  | : :| ./ _,,//       |:|::   |   l人l:lノ::::::     | |:|:: ̄ ̄ ̄
                 |  /〈 ::〈´  / /´ ̄ \. |:|::   |     |:::::::     | |:|::
460名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 02:09:03 ID:5Gc7miTU
埋めネタ 「☆ -raki-」

らき☆すたメンバーを別作品(某百合…もとい麻雀漫画)に入れてみた。人数的にどう考えても足りない
が、そこは気にしてはならない。自分の知らないところでもう先駆者がいるかもしれないが、そう
だったらごめんなさい
[注意]
導入すらしていない、ただ置き換えたらこんなになるかなー、というのを書いてみただけ。の割に選定
基準も3センチってレベルじゃなく曖昧。
あとキャラの呼び方とかも統一していない。色々と申し訳ない

【清澄】
・咲 → こなた
「私は麻雀、あんまり好きじゃないんだよネ」
小さい頃から、父(そうじろう)に麻雀で負けても勝っても脱がされたりいやらしいことをさせられた。
それを避けるため、自然と『勝ちでも負けでもない』結果を出す打ち方をするように。

・和(のどか) →(かがみ+みゆき)
「さあかがみさん、私とフュージョンいたしましょうだばだば」
「うわぁっ!? 鼻血出しながら迫って来るなぁ!!―――アッー!!」
  完成。
髪型、視力など→かがみ
髪色、口調、胸など→みゆき

・優希(タコス)→ あきら
「白石、タコス買ってこい!」
 なお白石は、京太郎と実況の二役を兼ねさせておく。(後者は中の人的意味で)


   【龍門渕】
・透華 → みなみ
 中の人的にこの配役。性格とかは大違いに見えるが……
「あの胸…点棒もろとも…吸収…」

・一(はじめ) → ゆたか
 透華がその配役なら、ここはもうこの配役しか考え付かなかったw
「ボクは、みなみちゃん付きのメイドだから」

・衣 → つかさ
 もちろん中の人的に。やはり朝は苦手だが、こちらは夜になると強くなる。
「ふぇぇぇ なでるなぁ〜」


   【鶴賀】
・モモ → ひより
「見ていてください、先輩。ここからは、(ステルス)ヒヨークの独壇場っスよ!」
・かじゅ → こう
 ひよりの先輩……やっぱりこうか……?


   【風越女子】
・福路(キャプテン) → あやの
・池田 → みさお
 どちらから、ということもなくこの配役が思いついたこの二人。世話する役とされる役、みたいな
感じがあるからか?


 異論は大いに認める。
461名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 02:31:53 ID:XEO5y1fw
つまんねえネタの奴に限って前レスの埋めをしないで新スレに書き込む
462名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 07:42:11 ID:6D1Cc4Av
>>461
そんな事を書くんだったら来なければええのに
今更何を言ってんだよ
463名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 08:40:50 ID:NPUwt2DB
>>462
落ち着いて、まったりと行こうよ。

ついでに小ネタ

よくあるひよりんの妄想

「今日は岩崎さんの誕生日か。」

「みなみちゃん、誕生日おめでとう。」
「ありがとう…、でも何で私の胸を揉んでるの。」
「みなみちゃんのオッパイが大きくなるようにマッサージしてるんだよ。」
「ゆたか…嬉しい。」

「だめ、自重しろ私。」

あまり無いひよりんの妄想

「今日は岩崎さんの誕生日か。」

「みなみちゃん、誕生日おめでとう。」
「ありがとう…、なんで田村さんが縛られているの。」
「たまには珍味もいいかなと思って。」
「ゆたか…嬉しい。」

「だめ、自重しろ私。」
464名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 08:59:06 ID:6D1Cc4Av
>>463
興奮なんかして無いが何か?
465名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 09:35:10 ID:XEO5y1fw
                             |ノ                       
                  ,,,,,---'"" ̄ ̄ ̄ ̄"''''--,,,,
     ________/ ̄                "'ヽ,
     \                      ー--、      ヽ、
      \           \   i   \      \   ヽ、
    ∠二/            ,,,,,,-ヾ   l    l       \   l  
      /       /--'""'  |\ |   . l         \ l
    ./   /  l   /|      |  | 入   |     l  、  \l       笑わせんじゃねェェェッ!
   /    |   l   l .|      |  .| | \  ,,,|     l  \  \
   /      |   l  .| |       | | | |  入''" .|      |   Tー--ゝ
  ./    | |   l .ト  |      | | ||/  \.ト、      y    l   \
 /   /| |  /l | .\|      、 .r=イ===≡ラ |  |    .|へ   l\   \              
 l  /  l |  / l || ==≧、   ヽ!'彡ソ||}   "  |  ト、   |  へ  l \\ \
 |/   l | /  ||.Y..リ|} ".      弌ソ  ,,   | | |  |ヽ  へl  \  ̄
      l |/  .l  }.弌}           ̄"'''〃   ||  |  | )  、     \
       ll   人  .| --''" ,                | |/  _ \    l---'"~""~"ヽ       
       l   / l  .|     ,,,, ,,,--=-、       .┌ メノ'    \. ̄ \   l         ヽ     
       l  /  l  |     ヽ:::     ヽ       F----、 |\.|   く\|          ヽ    
        l /  ∠l .l\    ヘ_________ン  ,ノ ,,-┴~   \|___  }             ヽ
         レ     リ   ~ "''ーv _   ,,,--t" /~ __=====、 \    ̄ ̄           |
                      "'''"     V //''""~~""ヽ\.\             i.  | 
                          / /::{       !ヽ.\\             |  |
                         /  //i::{        ̄i、ヽ\ヽ           |__ノ
                         / // /|:l          l_ヽ\ヽ           ノ
                        ./ .// / |::l          て,.\ヽ、        /
                       / // / / |           て::\l::      ノ     
小神あきら(灰皿投げ)
466名無しさん@ピンキー
            _          ,、     .ノソ
      -一=ニニ ,, ̄ ゙'一T ̄~! ヽー- '´'',,_
            ,, -‐ ゙´: : : : : : : :i!: : : : : : : : : : ::`゙:.、
        ,/: : : ;; : : : : : : i: : ::|: : : : : : : : : : : : : : 、ヽ
.       /: : _/     :i!::: /|: : : : : :i : : :     ヽ`,
.      /:,, ィ/    /: : : | : / .|: i: : : : |:ハ,: : : : . . .  ヘi!
      // ./ . : : : :/: : : ,,|-‐ト、.|: |: : : ::|!_⊥ _ : i: : : ::i: ハ
.    /  /: : :/: : :::i!: ://|: /  |::|i; : ::::|  ヽ`ヾ|: : : :i!: :|
         l: : ::i: : : ::l: : : ./ |/   !:| l! : : :|   Y: :|:::: : ::| : |
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