1 :
名無しさん@ピンキー:
スレたて乙です
アルケミストは
>>1乙の術式を起動した!!
……すいません、一度やってみたかっただけです。乙です。
>>1スレ立てありがとうございます。
昨日は半端なところで止めてしまって失礼しました。
ともあれ、前スレ600-617のエピローグの投下行きます。
そして翌日。
「私…またやっちゃった……」
リザは安宿の一室で、毛布をかぶって膝を抱えて身体をちぢこめていた。
早い話が昨日の出来事が脳裏にフラッシュバックして絶賛自己嫌悪中である。
「もー、アンタそんな風になるから、あん時逃げようって言ったんだけどねえ……」
ジャギィは一つ溜息をつく。
リザが自己嫌悪モードになると大体だいたい2,3日は使い物にならない。
よって、余裕で勝てる相手であってもなるべくガチンコの争い事は避けたいところなのだ。
「ううっ……オマケになんか身体じゅう痛いし……最悪だよぉ……」
「そりゃアンタ、アンだけ大暴れしてりゃ、筋肉痛とかにならないほうがおかしいっての」
リザが『魔王』へと変貌して、人知を超えた力を行使した翌日は大抵全身がギシギシと痛む。
「……ま、リザがいくらチートだからって、身体は生身ってことじゃないの」
「もう……死にたいよぉ……」
「はいはい。リザの死ぬ死ぬ詐欺は聞き飽きたから」
「死ぬ死ぬ詐欺って何よぅ……私ホントに悩んでるのに……」
「死にたいとか言ってるわりに食欲旺盛よね、アンタ。それでケーキ何個目?」
痛いところを指摘されて、リザはケーキをつついていた手を止める。
「そ、そ、そのっ……なんか、おなかすいちゃって……」
昨日の大暴走で養分を使いすぎた反動か、リザは異常な空腹を覚えていた。
結局その飢餓感に耐え切れず、リザはばつが悪そうな顔をして、菓子を口へと運ぶ作業を再開した。
「……んで、今度はいつまでヒキってるつもり?」
「ごめんなさい……」
「別に謝んなくていいからごめんじゃなくてさ。
……ってかまあ、むしろ昨日の件はわたしが悪いんだけど。ごめんね、リザ」
「そっちこそ謝んなくてもいいよぅ……」
「ううん。ケンカの種を種のうちに潰しておかなかったのはマズかったわ。ごめん。
まー、怖いお兄さん達のトコには今『話し合い』に行ってもらってるから、安心して」
「……話し合いって、誰が?」
その問いの答えが得られる前に、
「入りますよ」
ドアがノックされ、一人の眼鏡少女が入室してきた。
入ってきたのは、今、リザが一番あわせたくない顔――アリスであった。
「わっわわっ……そっ、そのォっ……」
途端にリザは挙動不審になる。
「……なんで貴女がビビってんですか。『手元で飼ってやる』って言ったのはそっちでしょう」
「ううっ……」
涙を浮かべてぐずり始めたリザを見て、埒があかないと思ったのか、アリスはジャギィの方へと向き直る。
「……この人、いつもこんな感じなんですか?」問い掛ければ、
「普段はね」ジャギィが苦笑しながら肯定する。
「まったく……めんどくさい人ですね。とにかく『話し合い』の報告です」
「ああ、どうだった?」
「使えるだけの人員を使って押しかけたら、快く『話に応じて』くださいましたよ。
あたしとしては鉛ダマの一発ぐらいブチ込みたかったところですけど」
「そんなことしたら、話がややこしくなるから止めてよね……」
「とにかく、首にかかった賞金は取り下げさせました。後はそちらで良い様にして下さい」
「そ。ありがと」
二人の会話を聞いていたリザがようやく事態を把握する。
「……えと、その、助けてくれたの? 私、昨日、あんな酷いことしたのに……」
「お気遣いなく。貴女の『犬』として最初の仕事です」
「『犬』って、そんな……」
「貴女が名づけたんでしょう、あっなったっがっ!」
「そ、そうだけどぉ……」
「ともかく、一仕事してきたんで、ご褒美下さい」
「……ご褒美?」
「いじめてください」
「――えっ、えぇぇぇえええっ?!」
「昨日さんざんあたしの事もてあそんどいて、今更何が『えー』ですか。
あの時リザさん言いましたよね。いずれ窮極の快楽とか言うの味わせてくれるって」
「言ったけど、言ったけどぉ……アレはその場のノリっていうか雰囲気でぇ……」
「へー、リザさんって、その場のノリでヒトのこと性家畜とかにしちゃうんだ。へー」
「ご、ごめんなさい……」
「別に謝って欲しい訳じゃないです『飼ってやる』って言い出したのリザさんからだったでしょう。
飼い主だったら責任とってあたしの面倒見てくださいって、言ってんです。
どうしようもなく疼くんですよ、身体が。誰かさんが隅々まで開発してくれたせいでねっ!」
「あ、あうぅ……」
アリスに詰め寄られたリザの目には涙が浮かび始めていた。
「何が『あうぅ』ですか! 未通女(おぼこ)じゃあるまいしっ!」
しかしアリスのそのセリフを、ジャギィが横から訂正する。
「いや、リザってば処女だから」
「……マジですか」呆然とアリスが呟く。
「マジで」
アリスは大きく嘆息する。
「あきれた……処女の分際で、よくもまあ、あんな酷いプレイしてくれたもんです」
「あ、あんまり処女とか言わないでよぉ……」
リザは顔を赤らめつつも反問する。
「言いますよ。男も知らない癖に……昨日のアレとかコレとか……ドンだけ溜まってんですか?」
「う、うるさいぃぃ……」
「正直、ドン引きですよ。処女が許されるのは幼年学校までですよねー」
「止めてよッ!」
「あは、ムキになっちゃって。ヘンに高望みするから23にもなって未経験なんで――むぎゅっ!!」
リザが施術服から取り出した包帯が、まるで生きた触手のようにアリスに襲い掛かり、
口を封じ、手を縛り、足を括って動けなくしていった。
リザの目が据わり、口元は邪悪に歪んでいる。
いや、今この場にいる女は、施術服こそ着ているもののメディックのリザではなく――
「――止めろ、といったはずだが。貴ッ様、人の言葉が通じぬのか?
ああ、そうか、すまんすまん妾(オレ)が勘違いしておったわ。
貴様は牝犬であったなァ!! 人語が通じる道理もないはずよ!」
――次に口を開いた時、その女は怒れる魔王へと変貌していた。
「――むーっ!!」
「貴様……妾が純潔を保っているというのが、そんなに可笑しかったか? あァ?!」
「――うぅッ!!」
「たかが、マク一枚の有る無しの話であろうが……たかがその程度の事で
妾はそこまで女として不恰好だと言いたいのか? 答えィ、牝犬ッ!」
「……ぅあぁっ」
「ハ、女陰にナニを咥え込んだ本数で女の格が決まると言いたいのだな?
よかろうよかろうよかろう。ならば今から貴様の格を上げてやろうでは無いか。
存分にハメ狂わせてくれるわーっ!!」
そして、クラウディアの暴虐に晒され、激痛と快感にとろけ行く意識の中、
アリスは『ああ、リザさんはこうやってコントロールすればいいんだ』と一人学習していた。
<了>
投下終了です。
そして、こんな反応に困るものを完読して下さった方には本気で感謝を。
以下余談。
作中ではハンドカルバリンをふつーのフリントロック式小銃として扱ってますが、
アレは火口を必要とする原始的なタイプの砲なので作中の戦闘描写は大嘘です。
あれはもう、ただ単にクラウディアさんに『あのセリフ』を言わせたいがために、
持ってきただけなので、軍オタ、銃オタの人は生温かい目で見過ごしてくれると喜びます。
DMC! DMC!
DMC! DMC!
相変わらずここは心暖まるお話ばかりなスレですね
いいぞもっとやれ
激しくGJ! 今回はちゃんと普通にもエロい。それが主眼かどうかはともかくw
他のメンバーの話も読んでみたいですねー
今のところ脳内にはジャギィ姐さんがドサ回って火を噴いてる絵がぐるぐる。
DMC! DMC!
>>9 このスレで書いてたノリのまま思いつきで他スレに投下したら
それまで和やかだったスレが週末なのに突然スレストしたでござる
の巻。ごめんなさいごめんなさい……
>>11 おまwイ`w
ネタの守備範囲が異常に広いのも世界樹様の懐の深さの賜物ですね
そういやUのNPCの公式設定ってないのか?
保管所のはTのだし
公式なのは出てないんじゃない?
まあTの方も公式設定と言うにはちょっと語弊があるけど。
「シトトは屋号であって交易所の娘さんが『シトト』と言う名前なわけではない」ってのはどっかで見たな。
まだちょっと新スレ即死が怖いので、半端ですができたトコまで投下しときます。
登場人物
♂メディック(タマネギ):こっちが後輩。本作の語り手。
♀アルケミスト(メガネ):こっちが先輩。
♂パラディン(ショタ):ガンナ子の彼氏。
♀ガンナー(フロスト):ショタパラの彼女。メディック♂の血縁。
キャラを増やしたらエロまですっごい遠くなったでござるの巻。
……ごめんなさい、今回エロ無しです。
おかしいな、即エロシリーズのはずだったのに。
どっかの性悪女に有り金ほとんど巻き上げられて、貧乏なもんだから
ここ一週間ほど三食ずーっとフロースさんとこの食堂でメシである。
嫌いじゃねーンだが、たまには樹海料理以外が食いたいぜ……
んで、遊びにいくカネもねーモンだから、そのまま茶でも飲みつつだらだらしてると、
「メディ兄ちゃん、ココいい?」
銃砲師のガンナちゃんがやってきた。
兄ちゃんとか呼ばれてはいるものの彼女は俺の妹では無い。血縁ではあるけど。
「全然かまわねえっスよ。ま、座って座って」
「やだ、メディ兄ちゃん。敬語やめてよっていつも言ってるでしょ」
「ちゅーても、ガンナちゃんは一応ココじゃ先輩だし、それに叔母さんだからたてとかないと」
「もー! 次に叔母さんとか言ったらぶつからねっ!」
ガンナちゃんは属性としてはかなりの珍品、叔母っ子である。
姪っ子では無い。ウチの爺ちゃんの娘でありオヤジの妹、ただし俺よか年下みたいな。
ジョータローとジョースケの関係に近いと言えばわかる奴にゃわかるだろう。
「へいへい、気ィつけますって……んで、何の用っスか?」
「……うん、えっとね」
座るなりガンナちゃんはもじもじしはじめた。普段はもっと快活な子だからこーゆーのは珍しい。
しかしまー、いつの間にやらずいぶん可愛くなったモンである。
パッと見ツンデレっぽい外見だが別にそう言う事は無く、単純に素直で明るいよいこである。
「どしたん、ガンナちゃん……ははぁ、まさか俺に惚れちゃったとか? ダメっスよー、俺ら三親等だし」
人生のラストをハーレムエンドで飾りたいと望む俺だが、流石にガンナちゃんは攻略対象外キャラである。
くそう、せめて従兄弟なら口説けるのに。
「ないない。メディ兄ちゃんだけは無いから。お父さんと同じタイプの変態だし」
「爺ちゃんと似てんの俺だって気にしてんだから、あんまはっきり言うなやっ!」
だいたい、いくらなんでも俺ァ爺ちゃんほどの変態じゃねえよ。
「あははっ、ごっめーん」
笑って緊張がほぐれたのか、喋る決心がついたのだろう、
ガンナちゃんはあたりときょろきょろ見渡して人気を確認している。
俺もつられて見渡すが、自分ら以外に客はいないし宿のオッちゃんは厨房だ。
「こんな事メディ兄ちゃん以外に相談できないんだけど……」
「うん」わりと深刻そうな話である、こりゃ茶化すのは無しだな。
「あのね、彼が遅くて困ってるの……」
「……遅い?」探索時の行軍スピードの話か?
ガンナちゃんは少し頬染め、しかしハッキリと口にする。
「だから、その……えっちのとき」
わお。
そっかー、もうガンナちゃんもハメたりハメられたりするお年頃だったかー。
四年程前にちょっとしたお医者さんごっこをしたときにはまだマクがあったのになぁ。
「カレっつーと……パラ君?」
「……うん」
ふむ。やっぱ付き合ってたのか。
パラ君ってのはウチのギルドの守護神で、特殊なシュミの方々からは『アレならちんちん付いててもいける』
『あんな可愛い子が女の子のワケ無い』と絶賛されるほどの美ショタ聖騎士である。
絵に描いた様な美ロリ美ショタのカップルなわけだが、まさかとっくにハメ合う仲だったとはなあ。
……パラ君の裏切り者、童貞仲間だと思ってたのに。付き合い方があまりに初々しいので油断していたぜ。
「遅い……ってぇのは、カレがイクまでに時間かかるって事?」
「……そう」
「うーん、言いづらいかもしんねーけどさ、挿れてから何分くらいかかるわけ?」
単にガンナちゃんが慣れてないだけと言う可能性もあるから、パラ君ばかりを責めるわけにも行くまい。
……べっ、別に下世話な気持ちで結合時間を尋ねてるわけじゃないんだからねっ。
「えと、40分……とか、長いときには一時間ぐらい……」
「そりゃ立派な遅漏っスわ……」
「ちろーって?」
いやぁ、年下の女の子が邪気なく舌っ足らずに淫語を口にするのは実に萌えるねえ……。
「だから、イクまでに時間のかかるおちんちんの事」
「…………はぅ」淫語を口にし、耳にして、さらに頬染めるガンナちゃん。うーむ、かわいい。
こういう時のセクハラは『学術用語の説明なんですよ』って風に、悪びれず真っ直ぐに口にするのがポイントだ。
「わ、わたしが悪いのかなぁ……わたしの、魅力が足りないから、パラ君があんまり気持ちよく……」
途端にガンナちゃんの顔が曇る。
「ちっ、違うっ! そーゆー意味で言ったんじゃないっすから! ガンナちゃん充分魅力的だしっ!」
まったく、こういうときの女の子は爆弾である。うかつにいやらしい事も言えやしねえ。
「……メディ兄ちゃんの変態基準で『魅力的』って言われてもねぇ」
いやそれすっごい傷つくんスけど……。
しかし、パラ君が遅漏と言うのも少々心当たりが無いでもない。
半年ほど前、野郎ばかりの酒の席でお馬鹿にも『僕のセンズリ大紹介』的な流れになった事があった。
パラ君は恥ずかしがってなかなか白状しやがらなかったのだが、
みんなで飲ませて吐かせて(いろんな意味で)みた所、どーもパラ君は床オナ派らしいのだ。
それも並の床オナじゃねえ。
数十キロの全身鎧をほぼすべて装備したまま、勃起したペニスの先端でその重量を支えつつこすり付けるという
一種の苦行としか思えないハードな告白をパラ君がしたときにゃ『お前はヨーガかなんかの修行僧か』と、
その場にいた野郎共がみんなパラ君に一目置いたほどだったのだが……
……考えてみりゃ、そりゃあ遅漏にもなるわな。
「パラ君って、けっこー激しそうっスよね……」
床オナの時の感覚でガンガンやったら、ガンナちゃん壊れちゃうぞ。
「激しくなんか無いよぅ……パラ君、いつも優しくしてくれるし……」
その『優しく』の詳細を超聞きてぇ。
「パラ君の性格的に、彼女の身体を気遣って余計に時間が……ってのはあるのかも知れないっスね」
くそう、もっと話術のセンスがあったらセクハラと悟られずいろいろ聞き出せるのにっ。
――と、俺の願いが天に通じたか、
「えっとね……二人っきりになったら、いっぱいキスしてね…ふわーってなったら、いつの間にか脱がされてるの」
聞きもしてないのに勝手にガンナちゃんがぺらぺら喋り始めた。
「そのまま、さわりっことかして……その、カラダの準備が出来たら、ゆっくり一つになって……」
ほうほう、それでそれで?
恐らくはいつかのプレイを脳内ではんすうしてるのだろう、ガンナちゃんの顔がぽーっとなってきた。
「でね……わたしもけっこうイクまで時間かかるほうだから…パラ君とタイミングが合うとすごく良くってぇ……」
なんかもー、単なるのろけになってきましたよ。ちくしょう、なんだかとってもちっくしょう!!
「つーかさ、それならパラ君とは相性バッチリじゃねーんスか?」
「うん、一回目は」
このお嬢さん『一回目』とか言い出しやがりましたよ。
「……や、待った待ったガンナちゃん。もう、ズバリ聞いちゃうけどさ、いつも何回戦までヤってんすか?」
「だいたい3回……かな?」
ってことは、最短で『40分×3回=2時間』ハメっぱなしかよ。
ガンナちゃんどっちかっつーとロリめのカラダなのによく持つな、マジで。
「正直、結構痛いッしょ?」
「……うん、時々次の日まで残るぐらい」
急速に余計な下心が抜けていくのを自覚する。イカンな、ただの遅漏だとちょっと軽く考えすぎてた。
パラ君も呼び出して一度面談せにゃなるまい。
「なるほど、状況がだいたいわかってきた。こりゃ思ってたより深刻っすわ」
「パラ君……病気なの?」
まあ、一種のビョーキではあるか。
「そこまで行かない。だけどちょっと良くない生活習慣になってるから色々改めましょう、って話。
主原因はパラ君の方にあると思うから、ガンナちゃんが魅力無いとかじゃない。そこは安心して」
「わかった……」
「でね、性行為の回数……というか交接時間が長すぎるから、今日からでもパラ君と話し合って減らした方が良い」
「でも『彼が求めてくるのは愛されてる証拠だから、なるべく応じた方がいい』って、Hanako Lagaardに書いてたから……」
スイーツ系の雑誌ってのはホンッとロクなこと書きやがらねえな!
「拒否ったら嫌われちゃうかもって、考えてんスか?」
「……うん」
「嫌なモンを嫌って言ったり、それを受け止めたりすんのも愛情のうちだと思うんスけどね……。
……ま、言いづらいようなら近々俺から言うわ。この件、任せてもらっちゃっていいスか?」
「……おねがい」
それに、任せてもらったほうがやりやすい。
パラ君にしてみりゃ彼氏として彼女にゃ聞かれたくないだろー話になるからな。
ぶっちゃけ遅漏の治療なんてたいていの場合は『ただしいオナニー』を指導するしかないわけで。
まあ、パラ君の件は後回しにするとして、だ。
「とりあえず俺もメディックとして今やれる仕事をやらせてもらうとして、
……そっスね、長時間交接の苦痛を軽減したいだろうから粘膜強化とかしてみる?」
カバンから乳鉢やら試験管やらの商売道具をゴソゴソと取り出し、薬の調合を始める。
「あー、粘膜かぁ……」
「コレね、本来は風邪ン時に鼻とか喉とかそこいらの粘膜を丈夫にする薬だけど、
あっちの方にも効果あると思うんスわ。5服ほど出しとくから、まあ、試してよ」
「……ん、ありがと」
薬を出す以上はカルテもちゃんと残しておいた方がいいな。
ペンを走らせつつ、俺は前々から気になってた事をガンナちゃんに尋ねる。
「後さァ、ガンナちゃん冷え性?」
「え……そうだけど、わかる?」
「わかるって。夏でも結構ゴッついの着てンじゃん。ま、スナイパーって『待ち』が仕事だから
どーしても血行悪くなっちゃう事あるんだろーけどねー」
「うん、うん、そうなのよ!」
賛同者を得たとばかりにガンナちゃんが力強くうなずく。
「ガンナちゃんもイクのに時間かかるってのも冷え性が一因だと思う。
血流が滞ると、カラダもエンジンかかんないっスから」
男の冷え性はちんちん勃たなくなることもあるぐらいだが、話し相手が女の子だしそこは割愛。
「そうなんだ……」
「それに各種の体内分泌液も結局は材料が『血液』っスから。
血のめぐりが悪いとハッキリ言っちゃうと濡れないわけよ……あんまり濡れなくて痛いときとかは?」
「……ある」
ふむ。ハメてる時間が時間だから途中で乾いちゃったりとかもあるだろう。
「それとまた下世話な方に話が戻っちゃうんスけどね、パラ君の遅漏が改善したとして、
ガンナちゃんが遅いままだと……その、タイミング合わなくなっちゃうっしょ?」
「あ……」
『納得』と『羞恥』その二つが入り混じった微妙な表情をする。コレはコレでかわいいのぉ。
「まー、そーゆーワケだから、ガンナちゃんの冷え性もついでにどうにかしちゃおう」
「うん、そだね」
「つっても……今すぐ癒せるタイプの症状でも無いから、とりあえず対処療法だわなぁ……」
カバンを探ってとっておきを一つ取り出し、
「コレ、血流量を増加させる奴ね。一応劇薬の部類に入るから一服だけ渡しとくわ。どーしてもダメなときだけ使って」
ちなみにコレが何かといえば、本来は勃たない男のちんちん勃たせる薬である。
冷え性がインポを誘発するというなら逆もまた真なりで、
ある種のインポの薬は冷え性に絶大な効果を発揮する事があるというわけだ。
「なんか……色々ありがとね、メディ兄ちゃん」
「うはは、お安い御用っスわ」かわいい叔母さんの頼みだから、
と言う言葉は飲み込んだ。この子マジで殴ってくるし。
「ただまー、さっきも言ったけどあくまでも対処療法っスから……
こーゆーのは生活習慣や食べ物から変えていかないと」
「うーん、むずかしいねえ……」
「根本的に冷え性治すなら……そーっすねー、俺らメディックよりも、
地域に根ざしたドクトルマグスとかに相談した方がいいのかもしれないっすね……あ、そうだ」
そこで一人の巫医を思い出し、
「アーテリンデさんって知ってる? エスバットの。あの人、冷え性とか詳しいはず」
「げ」
出した名前はなにやらガンナちゃんに不評だった。
「……なんで『げ』なんスか?」
「あー、そっか。3層攻略してた頃はメディ兄ちゃんまだいなかったから……」
なるほど。俺が加入する前の話か。
「その頃なんかエスバットと揉めたン?」
「向こうが一方的にからんで来て殺しあった」
えらくさらっと言うガンナちゃん。こーゆー所はさすが爺ちゃんの娘だわ。
「初耳っスわ……ンで、どっちがどれだけ?」死んだか怪我したか。
「ミもフタも無くリーダーが超核熱の術式でどっか〜ん!! まあ、向こうも結構丈夫でギリギリ生きてたけど」
「……うわ、アルケミ先輩らしいっつーかなんつーか」
「あははは、だよねー。でも、わたしも頑張ったんだよ。えっとね、リーダーが核熱仕込むまで牽制したりとか」
「パラ君は?」初期メンバーだから一緒に行動してたはずだ。
「えっとね……チャージショット中のわたしの事守ってくれててぇ――」
ミスった。
おのろけスイッチ入れちゃいましたよ。
その後、ウチのメンツが1〜4層をうろちょろしてた時代の武勇伝とか、パラ君との馴れ初めとか、
パラ君との初デートの話とか、パラ君との初キッスの話とか、
パラ君との初体験の話(俺が入る前からとっくに関係してたらしい)などなど、お腹いっぱいになるまで聞かされた頃――
「楽しそうだな、メディ君にガンナ君。私もここに掛けさせてもらって構わないか?」
――アルケミ先輩がやってきた。
先輩が声をかけるやいなや
「あ! 私そろそろ行かなきゃ!」
と、ガンナちゃんは唐突に立ち上がり、
「じゃーねー、リーダーと兄ちゃん。ばいば〜い」
ああっという間に食堂から駈けでていった。
めんどくさいのが来たからって、逃げやがったな……。
だが、あえてガンナちゃんにはありがとうを言わせて頂くっ! おかげで先輩と二人きりだぜ。
「ども、先輩」
挨拶しつつ先輩の顔色を観察しておく。
自力でセットするスキルが無いからだろう。この間カリスマ美容師とやらにカットしてもらったという髪は
ダサいわけでもないがイケてるわけでもないという残念な結果になっている。
「やれやれ……ガンナ君には逃げられてしまったな。しかしメディ君もそんな風にしてると――」
先輩の方も、カルテを書いたり卓上に散らかした薬剤を片付けている俺を観察してきたと思うと、
「――まるで本物のメディックみたいに見えるな」
めちゃくちゃ失礼な事を言ってくれた。
「俺はいつだってマジモンのメディックですよ、先輩!!」
「ふふ、冗談だ。ところでガンナ君はどこか悪くしてるのか?」
「……ま、ちょっと冷え性に悩んでるってところっすわ」
まともに全てを喋れる類の話じゃない。先輩にゃ悪いが勘弁してもらおう。
しかし俺のそんな気遣いも無駄だったようで――
「そうか? 私にはパラ君との夜の生活についての悩みを相談してるように見えたが」
直球で言いやがったよ、この女。
「……ったく、いつから聞いていたんスか」
つーか、周りに人なんかいなかったはずだし、よほどの腕っこきのレンジャーでもない限り
遠方から聞こえるような声量でもなかったはずなんだが……?
「正確には聞いていたわけじゃないぞ。君達二人の会話を少し離れた所から唇を読ませてもらっただけだ」
またそれか! 会話のプライベートも何もあったモンじゃねえ!
「いやいやいや、見てたってどっから?」
このテーブル、窓からもドアからも二人分の唇読むほど視線を確保できねーだろ。
「自室から『千里眼の術式』でな」
「うわ、タチ悪ィ…ハイラガじゃ禁術っしょ……それ」
っつーか千里眼は、最近じゃだいたいどこの国でも禁術である。
何で禁術かと言うと、もちろんこんな風に悪用する奴が後をたたないからなワケで。
「すまない。ただ、私もガンナ君の事は前々から気になっててね」
「前々からっつーと?」
「……その、彼女…股に物が挟まったような歩き方をすることがたびたびあってな」
「あー、なるほど……」
な、生々しいな、おい。
「時々探索にも関わるほど歩きづらそうにしてる事もあったし、おそらくパラ君との関係で
何かあったんだろうと思ってたんだが……事が事だけになかなか聞き出しづらくてね。
悪いとは思ったが相談にただ乗りさせてもらった」
「まー、そーゆーことなら……」盗み聞きもしゃーないか。
「だから……べ、別に君が他の女と話してるのが気になったとかそんなんじゃないからな」
「そんな言い方するとツンデレと勘違いされますよ、先輩」
「つんでれ?」
先輩、そーゆー単語には詳しくないようだった。
「狭義で言うと、素直じゃない女の事です」
「……素直じゃなくて悪かったな」
「いや、だから先輩のことをツンデレだって言ったわけじゃないンスけど……」
どっちかっつーとアンタは素直クールだ……いやしかし、素直じゃないってのは当たってる気がしないでも。
「……まあいい。そろそろ夕食時だし、ここも人目が増えてくる。
このまま食事を摂って、続きは私の部屋で話さないか?」
「よろこんで」
そして、うごめく球根のスープを注文したら先輩はいつぞやのことを思い出したんだろう。
顔を赤らめつつスゲェ恨みがましい目でにらんできたんだが、無視して完食。
いやあ、食い飽きたはずの料理だったのに実に旨かったぜ。
♂♀
投下終了。
なんか無駄に長くなりそうですが、続きはまた後日。
新作ktkr!
「嫌なモンを嫌って言ったり、それを受け止めたりすんのも愛情のうちだと思うんスけどね」に吹いた。
君は好きなものを好きと言いすぎだ
即死などさせるものか!!
相変わらずこのシリーズはほんのりと(生)暖かい面白さで大好きです。
続きをwktkしながら待っております!
しかし毎回毎回すごく微妙なタイミングにSSが仕上ってしまう俺はつくづく残念な奴だなあと。
GJ!GJ!GJ!
ああもうどっちも可愛いよチクショウ!
話は変わるがUのギルド長を使ったSSを書いてくれる猛者は居ないのだろうか…
>>24 昨晩、保管庫に直投稿しておられた作品の作者さんでしょうか?
だとしたら、余計な気遣いをさせてしまってごめんなさい。
せっかく書いておられるんだから(ってか、投下時間的にはそちらが先みたいだし)
こっちに気にせず、どうかこのスレなどでのご紹介を。
(もし違っていたら申し訳ない)
それはさておき、保管庫作品新作。
彼らのエデンでの新たな戦いに幸あれ。
ところで、パラディンとソードマンならぬ、
ファイターとナイトのフラグは向こうの世界で進展しますか。しますよね。
27 :
24:2009/03/04(水) 07:31:26 ID:51C7lm8G
ああこちらこそ余計なお気遣いをいただいてすいません。
投稿してこちらで宣伝しようかと思ったら規制に巻き込まれまして。
ではお言葉に甘えまして宣伝を
ttp://w3.abcoroti.com/~eparo/sekakyu/wsb.php?mode=view&num=278 いつもどおり厨二秒全開でだらだらとした作風に仕上がっております。
保守代わりにSS書こうと思うといつも中途半端なタイミングで仕上がるんだよなぁ……
ところで「石」の元ネタが分かる人は少なくない、はず。
……では後半をSS書きつつ楽しみに待つ作業に戻らせていただきます。
>フラグは向こうの世界で〜
心が折れさえしなければ…します。頑張ってさせます。
>>24氏
やっぱり規制でしたか。完結乙です!
それはともあれ、grOH0oZHc2氏の新作が某所に…
心が折れている暇はないようですぞ。
>>28氏
ありがとうございます。
おっしゃるとおり折れている暇はなさそうなので全力で追いかけ……
ちょぴっと追突気味になってしまいました。ほんっと
>>26氏すいません。
一応前作で完結のつもりではありますがまた今回のようにネタを思いつくかもしれないので
そのときはよろしくお願いします。
ギルド長「何の用だ、私が恋しくなったか?」
このセリフ聞いてギルド長を押し倒したくなったのは俺だけじゃないよな?
むしろ押し倒されたいです。
ビジュアルは読む人にお任せ。
ほんのり異種姦要素あり
アッシュ アルケミスト
メリィ メディック
俺の目の前で、メリィはウーズの群に飲み込まれた。
白衣の裾が紫色とオレンジ色の粘液の下に
かろうじて見える。
俺はウーズを引きはがそうと、でっかい塊に
小手の指をかけた。
しかし俺は生憎力仕事は得意じゃない。
ウーズの粘液が小手の表面をこがしてゆく。
もう無駄だ。間に合わない。
そう思いながらも俺は叫ばずにはいられなかった。
「ちくしょう! メリィ! メリィーッ! 」
どうしてだよ。どうしてよりによってあんたが。
あんたはメディックじゃないか。
どうしてこんな所を一人で歩いているんだよ。
いくら熟練者だからって、どうしてあんたが
こんな無謀なことをするんだよ。
ギルドに入ったばかりの頃によく通った
泉のすぐ近くにある深い藪の奥。
いくら地上に近いったって、
ここは危険なヤツらが集まっている場所だ。
距離もあるし、助けを求めても人なんか来やしない。
どうして俺はあの時、仲間を呼ばずに
黙ってつけてきちまったんだよ。
分かってる。俺の下心が悪いんだ。
憧れのメリィに告白のチャンスかも、
もし駄目でも二人っきりで、
ピンチに颯爽と現れてカッコいい俺!
なんて思ったのが馬鹿だった。
引退した師匠の代わりにここに来て、
全然役に立てなくて右往左往していた俺を、
嫌な顔ひとつせずに面倒見てくれた人。
あの人が笑いかけてくれる。新米の俺には
それで十分だったはずじゃないか。
俺は命と引き替えにしても彼女を助ける。絶対に。
力で引きはがすのが無理、
それなら術式で追い払うしかない。
俺の術式レベルじゃかなわないのは分かってる。
ちくしょう、師匠の忠告を聞いとけば良かった。
あれもこれもと面白がって手を広げなきゃよかった。
俺は、狼の群に囲まれて死を覚悟したその時よりも、
もっと強く願った。
神よ、いつもは信じてないけど
今日だけは信じさせてくれ。俺に力を。
炎? 氷? 雷撃? 何だっていい。
俺に注意を向けるだけでも。
俺がやられても、もしメリィが生きていたら、
きっと何とかしてくれる。
次々とガラス管が排出される。砕ける。
炎がウーズの表面をあぶる。一部を凍らせる。一瞬ひるませる。
思った通りだ、全然効いてない。
俺はすぐに次の術式を発動させるため、胸元のベルトをさぐる。
ずらりと並べられていた薬品はほとんど使いきって、
もう後二本くらいしかない。
スイッチをちょいと切り替えて、
この二つを違うスロットに突っ込めば「帰還の術式」が発動する。
俺だけは助かる。
俺は躊躇うことなく一本をスロットに入れて、雷の術式を発動させた。
やっとウーズが一匹はがれ落ちて地面に広がった。
粘液の中で何かが動いていた。
人間の形を保っているように見えた。
心臓が一つ大きく打った。
メリィなのか? まだ生きている?
俺は思いきってもう一度ウーズの群に手を突っ込んだ。
震える白い指先に手が届いた、そう思った瞬間、
俺はもろともにウーズの群に呑み込まれていた。
俺は巻き付き引きずり込もうとするウーズに必死で抵抗した。
ジュッと不吉な音がして頬が灼ける。
俺は顔にのしかかろうとしたウーズを
大きな小手で防ぎながらメリィを探した。
いた。手を伸ばせば届きそうな少し離れたところで
短い息を吐いて攻撃に耐えている。
細い眉を寄せ、乱れた髪を額に張り付かせ、細い顎をそらせて。
白い肌を上気させて、体をくねらせ、
時折ひきつっては泣き声をあげている。
……全裸で。
指先をぴくりと震わせて、
腰を自分からウーズにこすりつけるようにして、
ぼんやりした顔で切れ切れの息を吐いている。
片方の手で自分の胸もみしだいて、
片方の手が股で動いていて、
指の間からウーズがはみ出しているのが見えて、
それどー見ても中に入っていて……
ぐちゅ、ずる、とねばついた音がするたびに、
細い指の間でサイケな色がふるふると震えて白い腰が揺れる。
……え? あれ?
えーっと。
なんだこれは。
フリーズした脳味噌再起動。
やっぱりメリィは素っ裸で俺の目の前で
ウーズに巻き付かれてあんあんいってる。
俺の方はそろそろリミット、これ以上やられると
施薬院の人体模型みたいになっちまう。
皮膚がやられ始めててすげー痛い。
OKこれは現実だ。
1、彼女が正気じゃない場合。
残り一つの術式で何が何でも二人で逃げなきゃならない。
何とか正気に戻せたらいいけど、
駄目なら二人揃って泥になるかなー。それは勘弁。
2、彼女が正気の場合。
声かけたらまずいよなあ。恥かかせちまう。
でも俺このままじゃマジで死んじゃうし。それも勘弁。
さてどうしよう。
一瞬考えて、
俺は何とか大きく息を吸い込んで声を限りに叫んだ。
「メリィ! 大丈夫かっ! 」
メリィの方は見ないで声を張り上げた。
なるべく必死に真面目に。何も見てない聞いてない。
助けに来てハマっちまっただけだ。それは嘘じゃないし。
「メリィ! いるんだろ! メリィッ! 」
すると、俺の体に何か冷たいものがふりかかった。
一瞬全身の火傷にしみて俺は思わず悲鳴を上げた。
しかしそれから綺麗さっぱり痛みが消えた。
キュア3に……医術防御?
メリィはっていうと、俺が無事なのを確認したら
すぐにまたウーズに溺れ始めた。
えーっ。おいおい放置かよ。
そうか、医術防御してるから平気なのか……
って、そういう問題か?
あんなの、あんな所に突っ込んで平気なのか?
メリィは俺がいるのもお構いなしに、
両足広げて腰を回してる。
腰の下でウーズがごぼごぼ音を立てて蠢いている。
いつも楚々としたお嬢様風にしてんのに
何なんだこの落差。
俺はもう、股間に来る来ねーって問題じゃなく、
ただただ呆然としていた。
ウーズども、足首に巻き付いて引っ張ったり、
胸の上を這いずったり、
首筋を撫でしゃぶったり、やりたい放題だ。
まるでウーズのプール、ウーズのベッド。
寝心地はいまいち。
ウーズには基本的に体温とかないけど、
俺たちの体と密着しているせいか時々なま暖かい。
メリィはM字開脚状態。
足首は両方ともウーズが巻き付いていて
動かせないみたいだ。
足絡めたままで片方のウーズが
脇の方に動き出したものだから、
無理矢理片足を引っ張りあげられる格好になって、
その……丸見えになった。いろいろ。
さすがに見てるのはまずいかと思ったんだけど、
仕方がないだろ!
俺は一応気を使ってみて、
その上でこの状況なんだから不可抗力だ!
それに、興味あるし。いろいろな意味で。
ちらっとメリィの顔を見たが、
あっちはもう俺のことなんか見えていないみたいだ。
ぼんやり曇った目をこっちに向けちゃいるけど
焦点はどっか別の世界だ。
……なんかすっげぇ落ち込んだ。
もうこうなったらガン見してやる。
悪いのは俺じゃないからな!
ウーズが重なってうごめくたびに
メリィは身をくねらせてかすれた声をあげる。
自分の指でウーズの上から股間まさぐっちゃって、
時々流れ出てくるウーズを押し込んですらいる。
右胸にはオレンジ色のウーズが貼り付いて、
胸の上から垂れていた。
ぴんと立った乳首にひっかかって
ゆるゆると押しつぶしながらへその方へ流れてゆく。
下半身にはべっとりと紫色のウーズが
貼り付いていてほとんど肌は見えない。
ただウーズの体の向こうにかすかに
物の輪郭が見えるくらいだ。
ウーズのとは少し違う液体でテカテカ光るやつが
トロトロ尻の方に流れていく。
敏感な所をじっとりとなでられたのか、
メリィは派手に身を反らせて首を振った。
ウーズは獲物がどう感じているかなんて
まるでおかまいなしに、
あくまでもゆっくりとびっしょりと濡れた肌を這う。
いや、とかダメ、とか、そんな意味合いのことを口走って、
メリィはひときわ大きく震えてぐったりした。
もうウーズの粘液だかなんだかよくわからないもので
びしょびしょになっている足の間に、
紫色のものがぬるんと滑り込んだ。
メリィは弱々しく声を上げ、
それからまた急激に体をはねさせる。
もう言葉にもなっていない喘ぎ声と、
やけにぬるついた水音か派手に響く。
メリィの指が力をなくして、
中に押し込められていたウーズのかけらが
ごぽりと音を立てて這いだした。
逃げだそうとしたんだろう。
しかし横から這いずってきた新しいウーズが
無理矢理突っ込んだのでぐちゃりと音を立ててつぶれ
また中にメリィの指ごと押し込まれていった。
ちくしょう、単細胞生物の分際で羨ましいぞ。
俺と代われ代わってくださいお願いします。
変な趣味はないはずなのに妙な気分になってきたのは、
医術防御でダメージを受けない俺の体も
撫でこすられているからだろうか。
ようやく分かった。
こいつら普通に獲物食おうとしてるだけだ。
全然溶けないから一生懸命柔らかいところから
溶かそうとしてるんだ。
しかしこっちは全然痛くもないから、
全身マッサージ受けてるような気分。
すこぶる気持ちよかったりもする。
突然背中にぞくぞくきた。
タマはやめてタマは。
つか俺の服に入って来んじゃねぇ。
読者はそんなん求めてねぇよ。
それからしばらく俺は全身弄ばれつつ、
憧れの女の子が目の前で悦がり続けるのを見せられるという、
嬉しいんだか嬉しくないんだか
ぜんぜん分かんねぇ時間を過ごした。
ただひたすら悶々としたのは事実で、
なま暖かいものに全身包まれる気持ち悪いのと
気持ちいいのとの境目で、
俺はどうしようもなく、何かやり場のない
気持ちが膨れ上がっていくのを感じていた。
が、それは突然終わった。
ピリピリとした感覚が首筋をつたったかと思うと、
突然また俺の全身をやけつく痛みがおそった。
医術防御が切れた、そう思ったとたん、
メリィが悲鳴を上げた。
パニック状態でばたばたと暴れているが、
口に貼り付いたウーズが邪魔で薬を取り出せずにいる。
俺は何とか最後に残った術式の管を
小手に押し込んで、発動させた。
ウーズのかけらが挟まったのか、
小手は黒い煙を上げてガリガリと音を立てたが、
何とか最後の術式は発動した。
俺が放った術式で一瞬自由を取り戻してからの
メリィは素早かった。
もう一度医術防御で守りを固めて鈍器で大暴れ。
そういやそんな技も持ってましたね。
こんな階層のモンスターとか
はっきりいってあんたにとっちゃ雑魚ですよね。
はいはい。最初に思い出さなかった俺が馬鹿だった。
『何故よりによって』『一人で』『こんな所に』
違う。あいつは『わざわざ一人でここに来た』。
何故かって?
ウーズ処理が妙に手慣れていたのも、
服がきちんと畳んで防水鞄に入れられていたのも、
『ウーズ遊び』が初めてじゃないからなんだろう。
だけどさ。
「やっぱまずいだろ、こういうの」
「うん……」
「一歩間違えたら死ぬぜ」
「そうかな……」
たったさっき死にかけたことを忘れましたかこの馬鹿女。
俺のマフラーは少し溶けて縮んでいた。
くそ、これ高かったのに。
「いつもは一人だから、
医術防御が切れる前に……もの」
なんかぼそぼそ言ってる。
「聞こえない」
メリィは何故か少し赤くなったように見えた。
「いつもなら切れる前にね……終わるから」
「何が? 」
俺は生返事しながら小手を点検した。
あーあ、線焼けちゃってる。
修理に出さなきゃな。
くそー、術式用の管もずいぶん割ったし、
タバ売りでも700エンは飛んだな……
突然耳を引っ張られた。メリィが大声で怒鳴る。
「アッシュの意地悪!
アッシュが悪いんだからね!
勝手について来たりするから、
効果足りなくていけなくて、
だからあんなことになったんだからっ! 」
……はい? なんか今すんごいこと
口走りませんでした? この人。
「あとちょっとだったのに」
いや、そんな恨めしそうな顔されても。
こんな時どうしたらいいんですか師匠。
以上 続きはまた今度
ブラボー、おお、ブラボー・・・
緊迫した前半と、馬鹿エロ風味な後半の落差がヒデェww
なぜ宿屋の病弱娘を使ったSSがない!
>>47 それは今の今からお前自身が書く運命にあったからさ・・・
キリイっていう名前のショタガンと
サナカンっていう名前のガン子さんが殺しあってた
メディックのシボさんが起こしてくれた
夢だった
30階層+30階層なんて全体のごくごく僅かじゃないか
そして学園世界樹へ・・・
と(r
>>50 >>51 ときめきBLAME世界樹学園! それだ! それでちゃんとエロくなるよ!
無理wwwそんなの書けないwwww
そこで大合作世界樹でさらにカオスにしてみるテストですよ
メディ子「あなたの病気は・・・
包 神
(真)
m9(´・ω・`)
茎 性」
55 :
32-44:2009/03/14(土) 03:06:51 ID:014DDTew
挑戦 後編 を書いたんですが、
やたら長くなってしまったこと、後日談が長めな上エロくないこと、
既に投下した前編が改行入れすぎてブツ切りになってしまったこと。
以上の理由から、前後編まとめて保管庫にまとめて上げさせていただきました。
後編は、「メリィ曰く。」からです。
56 :
32-44:2009/03/14(土) 03:08:23 ID:014DDTew
だからメルトワームをどうするんだよ!!w
しかし、メリィの外見は某『新作』のヒーラー子さんで脳内再生されてしまった。
むう、だいぶ影響されてしまってる喃。
メルトワームに期待せざるを得ない。
最近世界樹2wiki裏絵版に投下してる人って
もしかしてここの有名なシリーズ書いてる作者ご本人様?
もしそうだとしたら俺は尊敬する&嫉妬する。
自分の小説のキャラが書けるなんて最高じゃないか。
>>59 筆者は殴り倒されたメルトワームが左手で描いたような絵しか描けませぬ。
よって必然的にあの作品群は筆者ではございません。
絵師の方からは事前にメールを頂戴しております。
おかげで裏絵板の場所もわかって、なにからなにまで大感謝であります。
61 :
59:2009/03/17(火) 21:12:22 ID:V0z+HtOS
>>60 成程そうでしたか。了解しました。
自分も瀕死の森ヤンマが書いたダイイングメッセージのような絵しか描けません。
それはそうとメルトワームはとこまでが右手でどこからが左手なのでしょうか。
メルトワームに関する哲学的課題については、32-44氏が次回作で華麗に解決してくれると聞いています。
そういえば、シリカの職業はプリンセスだったわけだが、
某ゲームのおかげでプリンセスと言うクラスの仕様が
明らかになった今、新たに色々と夢が広がるのではなかろうか
リクエスト『購入』
……すいませんでした
相手の再行動と連動して、精根尽き果てるまでひたすら続ける訳ですか
シリカさんがブシドー(仮)を鞭で打つ
↓
HPの残りが少なくなったブシドー(仮)が再行動
↓
シリカさんの再行動誘発
↓
シリカさんがブシドー(仮)を鞭でry
あったんだ! 柄汰那流梵泥爾(エターナルボンデージ)は本当にあったんだ!!
けしからんきょうだいだな。うむ、実にけしからん。
いいぞ、もっと犯れ。
ねーちゃんエロイな
と、言うかなんで死姦モノにするって発想がでてくるんだw
むしろどっちがどっちを殺るつもりだったのか気になるw
常識的に考えればアルケ→メディ姉だがしかし。
しかしここの所カップリングは近作三つともメディ×ケミかw
みんな好きなのねw
ええい、ショタパラ復権の日はまだか!
うーんwiki等見てもうちの
ブシドー ダクハン マグス
カスメ メディ
という例は珍しいのか…?
ごばーく\(^o^)/
俺はメディの代わりにガンナーだな
何か書いて!
厳しくも優しいリーダーのメガネガンナー
そんなリーダーにかまってほしくてあえて反抗するヘタレメディ男
寡黙だが人望はあるバード
三歩ひいた物影からリーダーに思いを寄せる巨乳アルケ
バードを慕うやかましい双子のソド兄弟&ペットのジャガーとコンドル
リーダーの妹でわがままお嬢様な地味子
地味子のお目付け役で苦労人でウサミミのブシ子
キャラ設定だけは固まってるが肝心のストーリー創作スキルがないために中二ノートのメモの域を出ない…
保管庫管理お疲れ様です
ただ、一部作品の改行がおかしい気がするのですが、
うちの環境だけなのでしょうか?
>80
遅レスですまん
新規保管された3作品について、改行変って事は無いな
ちなみにこっちのブラウザはFireFox
赤ソド男の為に青ガンがマフラー編む話を思いついたが、
どうやってエロに繋げよう
赤ソド男はいま旅に出る。
青ガンが編んだマフラーを身にまとい、
カウンターだけを武器として。
やめれww
>>82 詳しいシチュエーションが分からないとあれだが、まあ思うように突き進めばいいのでは。
というわけで期待
圧縮回避支援
>>保管庫管理人様
保管乙です!
また何か書きたくなってきたな…
圧縮来そうです。
圧縮回避
やっぱ例の作品に流れてんのかね。
セブドラ?
イエス。
まあ実質あれが『新作』だし
漫画版も完結しちまったか……
何気に男ブシドーのハーレムだよな、あのパーティ
>>93 つ ペット
敵から攻撃される前に倒せの世界樹だと、あのパーティ火力それなりだが辛そうだな
睡眠とかテラー使えばどうとでもなるけど
イチカ師匠を使いたいです、安西先生
フレースヴェルグのカースメーカーとサコンジが使いたいです、安西先生
って、これキャラスレの内容じゃないかい?
あぁこっからパロディに発展させれば良いんですね・・・。
・・・誰かお願いorz
ああいう服着た男ブシドーってのは欲しかったな
世界樹のブシドーは半裸分が多すぎるんだ
要するにヒメ子至上
姫ブシはLv99+1まで育てたなぁ。99になったときは
俺の可愛い可愛い姫子がこんなに大きくなって…なんて
感慨深い気分になったものよ……
胸も成長すればよかったのになあ…
定期姫子は稚児
ずいぶん遅くなりました、すみません。
ともあれ
>>21の続きの投下いきます。
あと、このターンもエロ無しです。多分、次からエロありになるかと。
人物一覧。
♂メディック(タマネギ):こっちが後輩。本作の語り手。
♀アルケミスト(メガネ):こっちが先輩。
♂パラディン(ショタ):ガンナ子の彼氏。出番無し。
♀ガンナー(フロスト):ショタパラの彼女。出番無し。
ところ変わって先輩のお部屋である。通称ガラクタルーム。
ちょっと来ない間にまーたモノが増えてやがんな……そのうち床が抜けんぞ、コレ。
モノとモノとの間を潜り抜け、いつものベッドにたどり着くなり、
「ああ、食った食った」先輩はシーツの上にごろりと仰向けに転がった。
「先輩、アンタいくらなんでも人前でくつろぎすぎっスわ……」
しかし先輩、寝っ転がってもおっぱいの形が崩れないのは実にお美事。お美事にございまする。
「ふふっ、サービスだよ、サービス。女が見せるこういう無防備な一面に男はくらっと来るものだろう?」
ちくしょう良くわかってやがんな大好きだよコノヤロウ。
「いいえ、別に。全然。これっぽっちも。俺がいつもそういう手に引っかかると思ったら大間違いっスわ」
俺もそろそろ学習せねばなるまい。
先輩はこーやってちょっとエロい手法で誘っておいて、いつもロクでも無い提案を持ち掛けてくるのだから。
「そういうセリフは、せめて私の胸を凝視しないで言うべきだな」
「ぎゃふん」
だってしょーがないじゃんよー、先輩ホンっといい乳してんだもん。あと、乳とメガネ。
それにこうやって先輩に呼ばれたときは、五回に一回ぐらいの割合でガチでエロいイベントが
発生するものだから、男の子としてエロスイベントに期待して何が悪いというのだろうか。
まー、一つ心がけて置くことがあるとするなら……あんま本気になるなってトコか。
いつぞやの告白も(ありゃ事故みたいなもんだが)なんかスルーされてるし、どーせ遊ばれてる。
そもそも仮にも先輩は『救国の英雄』サマだし、後々からオマケで加入した俺なんかと釣り合うわきゃねー。
だから、現状の『普通の先輩後輩以上、セックスフレンド未満』っつー関係で手を打っとこうじゃないか
……なぁ、俺?
「どうしたメディ君?」
おっとイカンね顔に出てたか。先輩がなんか不信がってる。
……ったく、こんなことで悩むとか俺らしくねー。
いつもどおり、やれる仕事はやらせてもらって、楽しむところは楽しませてもらう。そんだけだ。
「いや別に何でもねっス」
「まあ、くつろいでくれ」
言われて俺もベッドの端に腰掛けようとしたのだが……
「くつろぐとか無理でしょコレ……」
この部屋唯一のくつろぎスペースであったベッドの上ですら、ロッドやら本やらに侵食されつつあった。
「つーか先輩、こんなところでよく寝れますね……」ケツの下がごつごつするから何かと思えばペンだった。
「むしろ、こうしてないと落ち着かないぐらいなんだがな」
ヘンです。それは。
「ところでメディ君。一つ聞きたいんだが」
「なんすか」
「……気を悪くしないで欲しいんだが、その、なぜガンナ君はキミを相談相手に選んだんだろうな?」
「えーっと、つまり、俺って男だし、オープンスケベだし、いくら親戚だからってそんな野郎に
年頃の女の子が夜の生活なんてデリケートな問題をわざわざなんで持ちかけるのか、と?」
普通に考えりゃ確かに変だし疑問に思って当然だろう……が、自分で言うのもなんだがこの手の話は俺で正解。
「ありていに言ってそういう事だが……ああ、キミが悪いといってるわけじゃない。
実際、彼女へのアドバイスはそれなりに的確だったと思うし」
先輩には『何でリーダーであり、女性である自分に相談してくれなかったのか?』と言う思いもあるのだろう、
いつもハキハキ喋る先輩には珍しく、言葉の端々に常には無い澱のようなものが混ざっている。
こりゃいらん誤解を招かん為にもハッキリ説明しといたほうがいいだろうな。
「うーんと、ウチの実家の話ってした事ありましたっけ?」
「キミから聞いたことはないが、ガンナ君の実家と同じだろう? 彼女は施薬院の類だと言っていたが」
間違っちゃいないが、あってもいねえな。まあ、女の子の口からはウチの実家は言いづらかろう。
「くまひげ薬局って知ってます?」
「大きな街の歓楽街には大抵一・二件あるアレか……知ってはいるが、それが?」
「アレ、ウチの実家」
先輩は十秒ばかり絶句したと思うと、絞り出すように言葉をつむいだ。
「……………ああ、なるほどなあ……キミの医術知識がかたよってる理由はそれかぁ……」
「そこはせめて『かたよってる』じゃなくて『専門』つってくださいよ!」
男も女も性のお悩みズバリ解決!! 精力剤の総合デパート、それが我々くまひげ薬局!!
いつの時代もどこの世界でもこーゆー商売は絶対的に需要がある。すなわちエロス最強。
『くまひげ先生』ことウチの爺ちゃんは大陸全土に広がるこの薬局チェーンを一代で築き上げた。
俺が世界樹登ってるのも、『なんか面白そうな材料探して来い』と言いつけられたからなワケで、
こないだ先輩に飲まされた強壮効果のある茶もサンプルとして爺ちゃんトコに送ってたりする。
「まあ……確かにそういうことなら、その手の相談相手としては最適なわけだ」
「――っしょ? 7つか8つのころから爺ちゃんにいろいろ仕込まれてましたから」
「人格形成には大きな問題があったようだがな」
「いくら先輩でも失敬な! 仕事の影響で女好きになったんじゃなくて、
ガキの頃から女好きだったからこそ仕事を仕込まれたんですっ!」
「……はいはい、わかったよ。まったく、君との会話は脱線していけないな」
先輩はデコを押さえて頭を軽く振りながら新たに話を切り出す。
「とにかく本題に入るぞ」
「うっす」
そうそう、危うく忘れるトコだった。
ガンナちゃん達の性生活をどう改善したらいいのかって相談をだな――
「実はな今ちょっと欲しいものがあってな、メディ君の力を借りたいんだ」
――しなきゃならんのに、なんで先輩の欲しいものの話になるんだ。
「……はい? それとガンナちゃん達の夜の生活とどーゆー関係があるんスか?」
「そう急くな。話は最後まで聞いてくれ」
「しかしメディ君があの薬店の係累だとはな……たまたまとは言え、この話いよいよもって君向きだ」
「俺向きって……精力剤でも作れって話っすか?」
半分ギャグで言ったんだが、
「その通り」がっつり肯定された。マジかよ。
「ちょ、先輩……誰か落としたい男でも居るとかっ?! ……はっ、まさか俺ッ?!」
「ありえんな」がっつり否定された。ガックリ。
しかし、しょげる間無く先輩はさらにシャレにならないことを口にする。
「落としたいのは人じゃない、竜だ」
竜を落とすって……先輩いきなり何を言うんだ。
「はぁ? 竜って、三竜っすか?」
このハイラガで竜といえばいわゆる三竜――火竜・氷竜・雷竜――を指す。
三体が三体とも、並の冒険者なら瞬殺間違いなしの化物の中の化物だ。
「うん、その三竜だがあれらはもともとはラガード公家の守護獣だったらしいんだよ」
「公家の……って、大昔は人が操ってたって事ッすか?!」
「うん、詳しくはこれを読んでくれ……と、言うか、
いつものように詳細な翻訳を頼みたい。私じゃ大筋しかわからないのでね」
先輩が差し出したのはハイ・ラガードの公家紋章が捺された一冊の本。
「あー、なるほど。そんで俺をアテにしてたんすね」
「そういうことだ」
それはシンジュク文字――早い話が旧世界の言語で記された古文書だったのだ。
風化しかかった紙の上を、これまた薄れ掛けたインクの文字が踊っている。
ともかくも、言われるままにページをめくり読み進めていく。
「……はー、相変わらず信じられんスピードで読みこなしていくな、君は」
「ま、ほとんど唯一の取り得っスからねえ」
メディックとしてもまだまだ未熟なところの多い俺が、一流どころばかりが集まった先輩の
ギルドに参加できたのは、この高Lvな古代語マスタリースキルによるところが大きい。
「研究記録……それと女の字ッすね、コレ。著者は誰なんスか?」
「ふふ、読めばわかる。そう言えば前から聞こうと思ってたんだが
君はどこでそんな技術を身につけたんだ?」
「ほぼ独学っす。たまに爺ちゃんに聞いたりとか」
言えない。
爺ちゃんがシンジュクから発掘してきた旧世界のエロ本の類を読んでるうちに
いつの間にか勝手に身に付いてただなんて言えないっ。
「ふーん。メディ君の癖に生意気な」
「なんでっ!?」いきなり何を言うか、アンタは。
「なんというか……メディ君ごときが仮にも『知』の分野で私より上というのが普通にむかつく」
「先輩アンタ今日はたびたび失礼っすよ?!」
「ふふっ、冗談だよ。冗談」
冗談なわけねえ。今のはめっちゃマジ顔で言ってたじゃねえか。
ただ……最近先輩がそういう『素』の部分を見せてくれるようになったのは
距離が近づいたようで地味に嬉しかったり。
――などとアホな話をしつつも、古文書を読んでいったのだが、
読めば読むほどにドン引き。なんだこのヤバイ内容は。
「………………先輩。この本どっから持って来たんスか?」
「ラガード公宮」
ですよねー。それ以外ありえませんよねー。
「こんなモン、どーゆー口実で借りて……いや、そもそも閲覧だって
許してもらえるかどうかってレベルでしょ?」
「許可など得てないぞ? 公女殿下の御機嫌を伺いにいったついでに書庫から勝手に持ってきた」
それは窃盗という名前の犯罪です。そういやこの人堂々と正面から公宮に入れる身分だったな。
「……先輩、アンタねえ、人としてやっていい事と悪いことが」
「なぁに、読んだらこっそり戻しておけばいいだけだ」
「だからってバレたらタダじゃすまねーっしょ?! ――建国女王の手記なんてっ!!」
ハイ・ラガード建国女王。
おおよそ千年程前に『天の城』から降臨して緑の樹海に埋まった地上を平定し、
この地にラガード公家の基礎を築き上げたという、伝説の女王だ。
現在では『彼女』に関係する研究も進んで“プロジェクト・ユグドラシル”の
関係者の一人だったのだろうと言われているのだが――今、俺の手の中にある書は、
内容を読めば読むほどにその『彼女』の肉筆手記だとしか思えない。
「お見事。この短時間でそこまで内容を理解したか」
「……褒められてもぜんっぜん嬉しくねえっス、ぜんっぜん。こんなん俺も共犯じゃねえか……」
「ふふふ、君と私が一蓮托生である事を理解できた用で何よりだ」
先輩、今日のアンタはすっごい輝いてるよ。悪い意味で。
「なんか、先輩っておとぎ話とかに出てくるダークな魔法使いそのものっスよねえ……」
そのうち国の一つや二つ滅ぼすんじゃねえか、この人。
「魔法と錬金術を一緒にするな。まあ、褒められて悪い気はしないが」
褒めてない、褒めてない。
そして数十分後、古文書読了。
「……人間ってえげつないなぁっ!!」
読み終えるなり思わず叫んじまったよ。
要するにこれは建国女王直筆の、いわば『ドラゴンの取扱説明書』なんだが……
手段がひどい。ひどすぎる。
1.竜を秘薬『真竜の玉香』で発情させる。
2.性的に興奮させた果てに産卵を促し、卵を奪う(あれらの竜は単性生殖、らしい)。
3.その後『お前の子供の命が惜しかったら言うこと聞け』と友好的に交渉。
手順を単純化すると上記である。どんだけひどい女だよ、建国女王は。
「残念ながらドラゴン語が現代では喪失しているのでね、手順三番は実行不可能だ。
よって今回はとりあえず竜卵の採取までを目標とする」
そして、その建国女王に負けず劣らずひどい女がここにも一人。そんな事しれっと言わんでくれ。
「先輩、だいたいそんなモン手に入れて何するつもりなんスか……?」
「んん……出来ると書いてあるからやってみたいだけで、使い道は考えてなかったなぁ。
でもほら、人の持ってないものを所有するのって純粋な優越感があるだろ?」
アンタそんなだから部屋が片付かんのだ。
「……ったく、ロクでもねえ。そんなしょーもない話なら今日は帰ります。
俺は可愛い叔母っ子の為に、パラ君の遅漏をどーにかしなきゃならんので」
エロイベントが発生しそうな流れじゃ無い以上、この部屋にはもう用は無い。
「待ちたまえ、メディ君。話は最後まで聞いてくれといっただろう?」
「……ま、聞くだけなら。要点だけパパっとお願いしますよ」
先輩のポイントを稼ぐだけでも損はあるまいと思って、話に再び耳を傾けたのだが、
「要点というか、核心だが、手順一番の『真竜の玉香』が人間にも効果があると言えば……どうする?」
「……なっ?!」
どーするもこーするも。
竜すら発情してのけるという一品が人間にも利くとなりゃ、その効果は激烈だろう。
「先輩、詳しく。そこのところ詳しく!」
先輩は新たな手記を取り出すと(公宮からパチって来たのは一冊だけじゃなかったらしい)
「ここに使った際の記述がある。おそれ多くも建国女王おん自らの体験告白記だ」
と、畏れも尊敬もまったく感じられない口調で、ページを開いて指し示す。
んで、その内容を三行で要約すると。
彼女の夫も遅漏で悩まされていたが、『真竜の玉香』を使ってみたら改善した。
ついでに彼女自身にも使ってみたらすっごい良かった。
そして朝まで二人でケダモノのように愛し合った。
……ウチの実家の広告みてーな内容だな。
「ぐは……女性誌も真っ青の黒歴史っすね、コレ」
「子供が出来なければお家は断絶だからな。王侯にとっては子作りも仕事の一つだよ」
確かに王様って商売にとって夜伽は重要事項だし、ヤれなきゃクスリ使うぐらいは当然か。
そういや真性包茎を手術で改善した王様なんてのもどっかにいたなあ。
「……それにしても、そんな強烈な精力剤があるなら、ウチの爺ちゃんあたりが
すでに目ェつけてそうなモンなんすけどねぇ?」
「素材入手の困難さと、それ以上に製法を再現するのがほぼ不可能だろうからな」
「……再現が不可能って。じゃあ、俺らだって」
「我々はその条件をすでにクリアしてるんだよ。ほら、調剤レシピはコレだ、君なら読み解けるだろ?」
差し出されたそれを半ばひったくるようにして受け取り、目を通す。
使用素材。竜の玉礎、濡れた紫糸、弾ける木の葉……などなど、いずれも激レアなものばかり。
そして使用機材に――
「――ああ! 『諸王の聖杯』を使うんスか、そりゃ普通じゃ無理だわ!」
「その通り」
俺がレシピを読んでる間に取り出していたのだろう、先輩は『聖杯』を片手でくるくると弄んでいた。
「……つーか、まだ公宮から借りっぱなしだったんスね、それ」
「返せと言われてないからな」
そのまま借りパクするつもりじゃないだろうな?
――しかしなるほど。
レシピと効能を読み込むほどにわかってきたがこれは精力剤としては面白いアプローチだ。
ウチの実家で扱ってるような単純に強壮効果をもたらしたり、感度を高めたりするだけのモノじゃない。
人もケモノの一種である以上は生殖に最適な季節が存在するはずで、
おそらくかつては発情期があったはずなのだ。
その失われた発情期を復活させる。これはそういうクスリなのだ。
「まー、大体わかってきたっす。コレならパラ君もどーにかなりそうな感じっすね」
自然環境下においては交尾を手早く済ませる必要があり、すなわち早漏こそ優性なのだ。
発情時においてはその形質が発現する可能性が非常に高く、遅漏の治療にかなりの効果が見込めるだろう。
「メディ君もそう思うだろ? 試すだけの価値はあると思うが」
「……んで、先輩は本番のドラゴンの前にパラ君達で一回実験しとこうってハラな訳っすね?」
「あ……いや、その……」
うわ、この女、目ェそらしやがった。
「先輩、アンタねえっ! いきなり人体実験とかなに考えてんスかっ?!
ギルドメンバーの事を自分の道具かなんかだと思ってんじゃないでしょうねっ?!」
「そんなことは無い、私は皆のことを自分の手足と同じぐらい大事に考えているぞ」
「また微妙な例えを……」
手足って言われると『壊死して脳や重要臓器に悪影響を及ぼすときは切り落す』的な意味を
感じてしまうのは、俺がメディックだからなのだろーか。
「ともかく、素材は既に集め終わっている。後は君に詳細な製法の解明と、製薬そのものを願いたいわけだが」
「……あのね、先輩。俺も一応人様の命を扱う商売な訳でね。
そんな色々と職業倫理的に問題ありそうな話に、俺がうんと言うとでも思ってるんスか?」
おお、カッコいいぞ俺。やっぱし言うべき事は言っておかんとな。
「ふふん、思っているさ。君なら必ず話を飲む」
むう、いくらなんでもナメられたもんだ。先輩後輩の上下関係があるとは言え、アカンもんはアカンっての。
「……根拠は何スか?」
「報酬を出そう。完成した『真竜の玉香』の一部を君にくれてやる」
「な……なんだってーっ?!」
……くっ、認めねばなるまいッ! うっかり心動いてしまったことをっ!
ヒトの発情を促すクスリなんて物が手に入るとなったら話は違う。
例えば。
例えば、だ。
この眼前の、人格には色々と問題があって、部屋の片付けが苦手で、
ヒトをヒトとは思ってないようなひどい扱いをする女錬金術師が
“私をメチャクチャにしてーっ!!”と、アヘ顔丸出しにして
俺に迫ってくる。そんなシチュエーションが夢ではないわけだ。
「……君はいやらしい本の読みすぎだ。と、言うか私のことをそんな風に思ってたのか」
「エスパーッ?!」まずい、心を読まれたっ?!
「だから、唇だ唇。動いてるぞ。いいかげんその癖をなおしたまえ」
「しまったーっ?!」
「まあ、メディ君が私に使おうとするのは想定内だ……私は対抗手段を用意してるかもしれないぞ?」
「くぅぅ……」
ちくしょう、読まれてるっ。
しかし、先輩に使えないとしても、ほかの気になる女の子に……
……いや、駄目だ、だめだ、ダメだっ!!
こんな外道な話を飲むわけにはいかないッ!!
―― そう、男として!
―― そう、人として!
一度バシッとこの女には人の道と言う物を説いておかねばなるまいッ!!
「――先輩ッ!!」
「どうした、メディ君。そんな大きな声を出して」
「おまかせください、我がギルドマスター!
不肖この俺、必ずやご期待に添えるものを創り上げてみせましょう!」
そして気づけば、俺は深々と頭を下げて臣下の礼を取っていた。
………………あれ?
「うむ、頼んだぞ、我が右腕よ」
いやぁ、すっかりノリが悪の組織の女幹部とそのシタッパ一号である。
♂♀
投下終了です。
なんかコレもどんどん酷い話になってきました。
続きはもーちょいマシになるよう努力します。
>>109 投下乙!
久々の先輩後輩ktkr 思わず読みふけっちゃったぜ
なんか作るものがヤバ過ぎますが後編をwktkして待ってるぜ
で、こっから私事なんだけど、
レンジャー×擬人化ペット書いたんだけど需要あるかしら・・・?
>>109氏のすぐ後に投下するのもあれなので
需要あるようなら明日にでも、と思うのだが・・・
>>109 投下乙!もはや酷いとかそういう問題じゃない気がw
>>110 もちろんだ、明日を楽しみにしているぜ!
それはそうとまたもや裏絵板とリンクしている気が……
やっぱりそういうことですか?
>>111 まぁ、その、そういう事です
>>112 すまん、擬人化ネタなんだw
何かこう、恥ずかしくていても経ってもいられなくなったので
さっさと投下してしまおうかと。
という訳で、SS自体初心者ですが、お付き合い頂ければ幸いです。
金髪レンジャー(♂)×ペット(狼擬人化)
人化してるから獣姦じゃ無いとは思うけど
駄目って人はタイトル「ルゥ・ガル」をNGでお願いします。
あと、今更だけどネタバレは無いはず。
114 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:39:27 ID:nG+yqHky
「おいで、ルゥ。」
月光の下で照らされた端正な顔が優しげに微笑みかけてくる。
むぅ。あの格好、少し恥ずかしいのに・・・。
「ルゥ?」
微笑みを崩さずに発せられた言葉は疑問というより命令に近い。
諦めて私はそっと月光に身をさらし、
大木に寄りかかっている彼の元へ足を踏み出す・。
////////////////////////////////////
彼も私も、いわゆる"採集係"と呼ばれる物だ。
特に彼はレべリングもソコソコに
採集に必要なスキルの取得し採集係のリーダーを任せられた。
寡黙な彼。文句も言わず、1軍が森の探索中は私たちの世話をし、
宿泊や休憩時間の合間を縫って私たちを引き連れて採集に行く。
ギルマスに掛け合って採集係の装備を揃えてくれてるのも彼だ。
彼が一緒で良かったと、私は思っている。
ところで、残りの採集メンバーは、
熊のブライアン。喋れる。何か訳有りだっていってた。
トラのビャク。喋れない。普通のトラだ・・・。
パンダのテンテン。喋れない。普通の(ry
実は、私も基本的に喋れない。そして、普通の狼だと思っていた。
115 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:40:27 ID:nG+yqHky
その日も、いつも通り採集のため迷宮に潜っていた。
時間は夜。
1軍が宿屋で休憩を始めたので入れ替わりに私たちは迷宮に入った。
どういう訳か、迷宮に入れるのはギルド内で1パーティと決まっているらしい。
所持アイテムは最小限。
リーダーの彼が糸を一つとメディカを数個。
私たちにはネクタルが一個ずつ。
蘇生薬を染み込ませたガーゼを皮袋に入れて首輪から下げている。
ネクタルは何かって言うと、私たちは糸を使えない(まぁ獣だしね)ので
緊急時に彼に使用して脱出するためだ。
そして「!!ああっと!」は無慈悲に訪れた。
その時の事は私は良く覚えていない。
木々から洩れる月光と、地面を濡らす濃い液体。
熊もトラもパンダも倒れて、彼も私を庇って倒れた。
彼を引きずって何とか逃げ出した私は、
練習どおりネクタルを使えたんだと思う。
皮袋を引きちぎって、中のガーゼごと、彼の口元で噛み潰す。
そのままガーゼを傷口に押し当てていく。うん、多分出来てたと思う。
よく覚えていないって言うのは、その、その後の事の方が印象的で
うん、よく覚えていない。
目が醒めた彼の優しい手がゆっくり頭を撫でてくれたのを覚えている。
「ルゥ?」
と聞かれ、コクンと頷いたのを覚えている。それから、えーと、
「その格好は?」
と聞かれ、自分の姿を確認して・・・。そっからしばらくは空白の記憶。
気付いたら、やっぱり彼が頭を撫でてくれていた。
彼から後で聞いた話では月下に裸で獣耳の生えた女の子が泣きながら
「死なないで。死んじゃ嫌だ。」
と繰り返して、ネクタルのガーゼを傷口に当てていたそうだ。
どうやってって、ガーゼを口に咥えて。
どこをって、傷が深かったのは、右脇腹から左の腰の辺りまで。
って、彼が言ってた。
その後に「・・・エロかった」とボソッと言ったのが聞こえたので、丸齧りした。
////////////////////////////////////
116 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:41:14 ID:nG+yqHky
ん、回想終わり。
月光に晒された所から、淡い光に包まれて、人の手足になっていく。
彼に近づくたびに、裸身が月光に照らされていく。
毛が無いってのは人間で言う服が無いのときっと一緒だ。
「くうぅ・・・」
やっぱり恥ずかしい。
腰まで伸びる灰色の髪の毛と耳、そして尻尾が
その存在が元は狼であることを示している。
そういえばこの姿のときも首輪の装備を外させてくれない気が・・・
「・・・逆狼男。いや娘、か・・・」
彼の囁きが聞こえる。恥ずかしいので引っ掻きたい。
どうやら、満月の夜、月光の下でのみ人の姿になるらしい。
で、人間の姿になったらちゃんと人語を喋れる。不思議だ。
変化の時間は、月光の浴び時間にも寄るけど
月光の無い所で最大1時間が限界みたい。
「おいで、ルゥ」
その優しい一言で私は彼に全てをゆだねる。
彼の胸に頭を預け、撫でてもらうのを待つ。
月一回の逢瀬。
いや、毎日一緒なんだけどさ・・・、なんていうか、特別?なんだよね。
彼の手が指が髪を撫で上げていく。
いつもと同じだと思うのに、これだけで体が熱くなっていく。
額にキスされる。左手で髪を撫でられながら、彼の右手が
腰から左脇をくすぐって前に回ってくるのを感じる。
私はゾクゾクして動けない。
「あぅぅ」
彼の指がオヘソから弧を描いて、私の控えめな起伏を上り始める。
「んんっ・・・」
指の背が起伏をなぞり、その頂点を往復する。
「・・・っんあぁっ」
断続的な刺激が私を襲う。あぁ、この調子だと多分もう下の方は・・・
117 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:41:58 ID:nG+yqHky
「そろそろ、こっちの準備も、な?」
そう言って、彼が自分の物を取り出す。
「あぅ・・・」
準備って言うと、やっぱりいつものアレですよね?
"傷舐め"しろ、と。傷は負ってないのにと思いつつ、
彼の物に舌を近づけていく。えーと、丸齧r・・・
「・・・・・・」
ゾクッッ
なんか頭上からプレッシャー感じますよ?
一瞬で空気が変わりましたよ?
彼の顔が怖くて視線を上げれません。多分笑ってないです。
あー、危険感知持ってましたっけ。
ついでに先制ブーストやアクトファースト発動して
パワーショットやダブルショットの挙句
パラライズ(絶頂での気絶的な意味で)させられたり、
ポイズン(媚毒的な意味で)させられた挙句
サジタリウス(数ターン焦らし責め的な意味で)させられたりは、
かなり大変なのでおとなしく従います。
あぁ、悲しきかな躾の行き届いた犬のサガ。
傷舐めでしたね。はい。
まずは先端に口をつけ、頭の部分を飲み込む。
「くちゅっ・・・ちゅぱ、べちゃ・・・」
全体に唾液をまぶし、今度は細部を舐めあげていく。
「ちゅっ・・・ちゃぷ・・・」
袋の上側から頭の方に向かって何度も舌先を這わせる。
竿の真ん中。右側。今度は左側。
「・・・んん・・・っちゅぅ、・・・くちゅ」
おなか側はうまく舐めれないので、口の中に唾液を溜め込んでから
口いっぱいに頬張ってゆっくりスロートする。
彼の物は一般的なサイズだと思うけど、私の口が小さいのでかなり大変。
「くちゅ・・・んぅ、ぷはぁ。」
「うん、気持ち良いよ、ルゥ」
あぁでも、褒めてくれるのが嬉しい。
私が嘗め回している間も、彼は髪の毛を撫でていてくれる。
彼の指が髪を梳く感触と鼻腔をくすぐる彼の香りで、それだけで
あそこから溢れて来るのを感じてしまう。
118 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:43:46 ID:nG+yqHky
>>117 ごめん、数行抜かしてたので一個上を再投稿する
「ほら、もうこんなになってる」
私の思考を読んでか、彼の右手が私の割れ目をつつーとなぞり、
指先を粘度の高い液体で濡らしていく。
あぁ。恥ずかしいなぁ。
「そろそろ、こっちの準備も、な?」
そう言って、彼が自分の物を取り出す。
「あぅ・・・」
準備って言うと、やっぱりいつものアレですよね?
"傷舐め"しろ、と。傷は負ってないのにと思いつつ、
彼の物に舌を近づけていく。えーと、丸齧r・・・
「・・・・・・」
ゾクッッ
なんか頭上からプレッシャー感じますよ?
一瞬で空気が変わりましたよ?
彼の顔が怖くて視線を上げれません。多分笑ってないです。
あー、危険感知持ってましたっけ。
ついでに先制ブーストやアクトファースト発動して
パワーショットやダブルショットの挙句
パラライズ(絶頂での気絶的な意味で)させられたり、
ポイズン(媚毒的な意味で)させられた挙句
サジタリウス(数ターン焦らし責め的な意味で)させられたりは、
かなり大変なのでおとなしく従います。
あぁ、悲しきかな躾の行き届いた犬のサガ。
傷舐めでしたね。はい。
まずは先端に口をつけ、頭の部分を飲み込む。
「くちゅっ・・・ちゅぱ、べちゃ・・・」
全体に唾液をまぶし、今度は細部を舐めあげていく。
「ちゅっ・・・ちゃぷ・・・」
袋の上側から頭の方に向かって何度も舌先を這わせる。
竿の真ん中。右側。今度は左側。
「・・・んん・・・っちゅぅ、・・・くちゅ」
おなか側はうまく舐めれないので、口の中に唾液を溜め込んでから
口いっぱいに頬張ってゆっくりスロートする。
彼の物は一般的なサイズだと思うけど、私の口が小さいのでかなり大変。
「くちゅ・・・んぅ、ぷはぁ。」
「うん、気持ち良いよ、ルゥ」
あぁでも、褒めてくれるのが嬉しい。
私が嘗め回している間も、彼は髪の毛を撫でていてくれる。
彼の指が髪を梳く感触と鼻腔をくすぐる彼の香りで、それだけで
あそこから溢れて来るのを感じてしまう。
119 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:44:15 ID:nG+yqHky
「さて、そろそろ良いよ?」
彼からのお許しが出た。
今だって、彼の物を舐めるとか充分に恥ずかしい事をしていたのに
これからする事を考えて、顔がカァッと熱くなるのを感じる。
視線をフワフワと漂わせながら上体を起こして
彼に覆いかぶさる位置に移動する。
右手で彼の物を支え、左手で自分のを広げる。
多分、下から見てる彼からはすごい光景だと思う。あうぅ。恥ずかしい。
「ん・・・。」
充分潤ったソコにあてがい少しずつ埋めていこうとする。
と、頭の部分が少し埋まったところで、彼に腰を固定される。
「あ、あぅぅぅ?」
ご褒美が目の前で"待て"をされてしまった気分だ。
恨みがましい目で彼を睨むが、すまし顔は崩れない。
「ルゥ? さっきから、"あう" とか "ん" ばかりだよな?」
はわわー。ばれてらっしゃるー。
「家畜の相手はしない。ほら、ちゃんと喋ってどうして欲しいか言ってごらん?」
「・・・・・・うぅぅぅぅぅ」
「ルゥ?」
「・・・・・・」
「・・・ほら。」
腰はがっちり押さえられていて動きそうに無い。
先端だけを舐めている下の口が待ちきれないとばかりに涎を垂らす。
もう、我慢が出来ない。
「"ご、ご主人様のおち○ち○を、おま○こに入れさせてください"」
いつもの口上だ。
「ん、良く出来ました。それじゃ、ご褒美だよ」
彼の手がはなされる。私の腰が落ちる。
彼の物が膣壁をこすって、一気に最奥まで貫く。
「ーーーーーーーっあぁぁ!!!」
一回目の絶頂が彼の物を余計に締め付け、快楽を加速させていく。
あとは、まぁアレだ。折角2本足で立てるようになったってのに
四つん這いになって後ろからされたり、
仰向けになって彼の顔を見ながら向かい合わせでしたり、
およそ、人というより獣のように交わった。
あぁ、そうそう、警戒歩行って止まっててもずーと効果続くんだよね。
不思議☆
120 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:45:00 ID:nG+yqHky
交わりも一段落して、彼の膝枕で髪を撫でて貰う。
あれも気持ちよくて大好きだけど、
髪を撫でてもらうのも別の意味で気持ちよくて大好きだ。
「そういえば、あの、その」
「どうした、ルゥ?」
「・・・あ、赤ちゃんとかって出来ないの・・・かなって」
「あー・・・ん。それか。えーと、安心しろちゃんと避妊している。うん。
採集チームからお前が抜けるのも困るし、その、なんだ、
もしかしたら一緒に居られなくなる可能性も有る。」
「--あ!」
人と狼の子供。それは確かに色々な面に波紋を投げるだろう。
「だ、だからお前にその気があるのならもう少し待って欲しい。
引退も考えているが出来るだけ貯蓄をしておきたいし
その手の口の堅いコネも探している。」
「・・・」
「もう何回かこの現象を調べてからとかずっと人間で居る方法は無いかとか
・・・って、あー、いやすまん、お前の意見も聞かずに決めるつもりは
無かったんだがタイミングというか、その、色々あってな。すまん。」
「・・・」
普段ほとんど喋らない彼が、こんなに饒舌なの初めて見た。
あー、そんなにこっちの事を考えてくれてたんだなぁと思うと
体の中がさっきとは違う物でほんわかと満たされていくのを感じる。
「って、ルゥ?」
体がうずうずして押さえ切れなくなる。
「・・・わんっ!!」
「おわぁ。」
気付けば、彼に抱きついて押し倒していた。
「わん! わんわんっ!!」
「ちょっ・・・ ルゥ!!?」
彼のほっぺを舐める。鼻先、額、瞼の上・・・
この気持ちをどうにか表現したくて仕方ない。伝えたくて仕方ない。
あー、もう、めんどくさい。
--フォーススキル:究極傷舐め 発動!!--
意味も無く彼の体力が回復していく。
「・・・ルゥ? いったいどうした?」
あぁ、嬉しくって目の端があつい。尻尾が勝手にパタパタなる。
そっか、喋れたっけ。ちゃんと言葉でも伝えなきゃ。
「えーと、えーと。嬉しい。うん、嬉しいよ。大好き。大好きッ!!」
「!」
彼の顔に瞬間、赤みが差すのが見える。こんな表情もするんだ。
「ね、もう一回しよ? ねっ? ねっ? しようよ? ねぇ早くぅ」
「・・・わかった。わかったからちょっと落ち着け。」
そう言って、彼の上から下ろされ、地面にちょこんと座らされる。
はやくぅ。はやくぅ。(パタパタ)
「あー。コホン。」
はやくぅ。はやくぅ。(パタパタ)
「俺もお前が好きだ。愛してる。」
「▼*・ヮ・▼----wwwwwwwww!!」
「ぉわぁ。」
本日二回目の押し倒し。あ、今の台詞でまたフォースゲージ溜まったかも。
というわけで、月が移動して月光が浴びれなくなるまで
目一杯、お互いの愛を確かめたのでした。
121 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:57:20 ID:nG+yqHky
月が樹海に沈み、そろそろ私の人化も解ける。
そういえば、気になった事が一つあったっけ。
「・・・あの、"避妊してる"って言ったけど・・・どうやってしてるの?」
毎回、中で出してるし、避妊具をつけている様子も無い。
まぁ、外だしとか避妊具の有無とか言う知識自体、私には無かったけど。
「・・・・・・」
「・・・あ、あの?」
顔を背けた彼がボソッと呟く。
「・・・夢幻陣形・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
フォーススキル/夢幻陣形
今作一番の残念賞フォース。
ゲーム内の説明では味方の素早さアップ。
公式ベーシックガイドによると「敵も味方も」素早さ・回避率アップ。
しかしながら検証の結果、こちらの回避は増えておらず、
その上強化枠を3つ上書きすると命中率が戻ることから、
バグで「味方全員の命中率を下げる」スキルになってしまっている可能性がかなり
高い。
フォースが溜まっても使わない事をお勧めする。
(Wikiより抜粋)
その瞬間の彼は、ものすっごく複雑な表情をしてた。
スーと、自分の体が狼に戻っていくのを感じる。
「・・・ク、クゥゥーーン(滝汗」
こ、こういう時こそ傷舐めだよね? ねっ?
///////////////////////////
それから数日、ずーとマフラーに表情を隠していたが
そんな彼も愛おしい、と思う私であった。
終わる
122 :
ルゥ・ガル:2009/04/19(日) 05:58:44 ID:nG+yqHky
最後の最後で連投Errorにつかまりましたorz
以上、投下終了。
読んで下さった方ありがとうございます。
ネクタルは"触れた所の破損した組織の生成を活性化させる"って脳内設定なので
体内に傷がある可能性も考慮し、口元→外傷の順で蘇生薬を掛けて行くのが
セオリーになっているとかかんとか。
書いてる間にスキル使ったシーンが色々降って来て
思いの他、エロシーンが長くなった。
でも基本シチュエーション萌えの人なので本番シーンがほとんど無いとか言う…。
あと、文中でお気づきの点、読み難い等ありましたら
今後の参考にいたしますので忌憚無く仰って下さい〜。
でもっておまけ
ttp://www.halb-katze.jp/cgi-bin/pbbs/sekaiju_a/data/IMG_000492_1.png
乙。
オチがひどいwwwwwwwwwwww
命中率ってそっちの事ですかw
残念スキルと思われていた夢幻陣形に
そんな有効活用法があったとは!!
命中率DOWNにこんな用法が!
しかもパーティ全員に有効だなんて!
これで乱交もばっちりサポート(ry
つまり、ブシドーの「死地の心胆」も
その方面で使い道が生まれるということか・・・
ダクハンの蟲毒の極は触手・ウーズプレイ用ですね、わかります。
一応保守
保守
皆執筆してるんだな…
保守。
超デレデレな青ガンを書いてみたいと思って
そんな話を書いてるんだが、やっぱ青ガンはツンデレもしくはツンツンであるべきだろうか
超デレデレな青カンに見えて、何を言ってるんだこの人はと素で
思ってしまった事を本当に…………………………………………
………………………………………………………………………
すまなく思っている!
大統領はコミックも読んでいるので、デレデレでも対応OKだっ!
よって書いても構わない! むしろ書け!(銃を突きつけながら
フロストガン子ならむしろストレートにデレてくれたほうが。
保守age
漫画版だとフロスト子は「普通の女の子」だったよな。パッと見の性格的には。
普通に見えて静かに深く歪んでるけどな
やはりわかりやすい属性の持ち主であるロリメディ子こそ万人の嫁
ならば、褐色パラ子の魅力は俺だけが理解していれば良い
いやいや、俺が俺が
眼帯レンジャー姐さんに、「仕方ない奴だな」とか言われつつも変態チックな要求を受け入れられたい
ししょーに前は残しといて後ろだけで調教したい
>>140 >>141 いい妄想だ。さあ、その妄想を文章に(ry
いや正直やってみないか?一レスだけでの妄想でも全然構わないぜ?
地味子を地味地味いって泣かせた仕返しで夜這いされたい
しかもなかなか行かせてもらえない、無自覚にドSな地味子
わっふるわっふる
そしてイカせてもらえない反動から、男はオオカミ(ペット)にチェンジするのですね、わかります
そしてベッドの上で蜜を採集ですね、基本です
だがちょっとまって欲しい
ベッドに限らずともレンジャーだけに野外プレイと言うのもアリではなかろうか
チャレンジャーだな
だれうま
ガタンゴトン ガタンゴトン
踏み切りの音に合わせてジャンプしてナイフ投げてると無敵になるんだな
何だこのおっさんホイホイの流れw
金ドク子の歯を磨いてあげたい
>>153 「金歯ドク子」に見えた。
どこのババアかと思った。
甘いものの食べすぎで歯を治療する必要があったんだと思えばアリ
上げて寄せるブラに興味を示す姫子を妄想しつつage
世界樹1をやってて思ったが、
世界樹の双葉とかって全部の攻撃が弱点なんだよな
擬人化したら全身性感帯って事じゃね?
保管庫管理さん乙です
>>153 粘膜に硬い棒を差し込んで、ぐちゅぐちゅかきまわしたいだとぉ? この変態め!
ドク娘「ふぁ…白いの(歯磨き粉)、いっぱいだょぅ…」
そして気弱メディ男の意外な強引な部分にドキドキしちゃうんだな
162 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 00:59:38 ID:K+ozuopa
空age
163 :
名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 17:23:31 ID:OLv4JxUi
世界樹で階段見上げたら赤ドクがいてさ、スカートの中見ちゃったんだよ。
そんでその赤ドクにいきなり振り向かれて
「せ、責任とってお嫁に貰ってください・・・」
って言われちゃったんだ。
俺は慌てちゃってさ
「・・え?は、はぁ・・・」
みたいに返してそのまま通り過ぎようとしたら
俺の服をチョコンと指で掴んでずっとついてくるのね。
そんでとうとう宿までついて来ちゃってさ
「はじめてですけど覚悟は出来てます・・・」
とか言うわけよ。
俺もう理性が吹っ飛んじゃって・・・
部屋に入った途端、いきなりスカートを
(全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください)
アムリタアムリタ
アクセラアクセラ
デコドク子はおいらが責任をもって嫁にするよ
アリアドネアリアドネ
テリアカテリアカ
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・)
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
メディ子に治療と称してローション塗りたくりたい
むしろ塗りたくって欲しい
姫子「あの…こんなこと言うなんて…はしたないことだってわかってるんです…。
その…わたし…女の子からお、おねだりするなんて…でも、もう…もうわたし…
は、はっきり言いますね、わたし、『先輩と俺。』の続きが読みたいんです!!」
気長に待ってますんで宜しくお願いします……
世界樹で戦うブシ子とガン子であったが、ブシ子は
既に刀は手から離れ、防具も砕かれて使い物にならない状態であり。
彼女の身を覆うものはもはやボロボロになった袴と、サラシだけであった。
まともなのはガン子であるが彼女は、武器はもっていなかった。
>>172 「やれやれ、忍耐を旨とするはずの東方の剣士も、そうなってしまえばただの女か。
自分がどんなにあさましい顔をしてるかわかってるのかな。何なら鏡でもみるかい?
そんな我慢の利かない女に言ってやれることなんて一つしかないね――」
――すいません、書く書く詐欺師でホントすみません。
7月中にはどうにかします。
175 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 21:42:07 ID:fMFddGhu
支援age
176 :
172:2009/07/12(日) 21:44:59 ID:jiZ6FsyU
>>174 おお、いらっしゃったんですね。ご返事ありがとうございます。
こちらこそごめんなさい、ROM風情がせかすような事言ってしまいました。
どうぞ気の向いたときに執筆なさってください。
>>177 超乙。文章の感じ好きだ
練炭は悪夢から目覚めるどころかこれから更なる悪夢に引きずり込まれるわけですねわかります。
いやぁ最近の冒険者はけしからんですないいぞもっとやれ
じつにけしからんですね、GJです
お堅い子に快楽を叩き込むのってたまりませんね。
そういや、友人が散々首飛ばされたとぼやいてたなぁ
乙。救いの無い〜暗い話っていうから相当ダークかと思ったらそんな強烈って訳じゃなくてよかった。
この調子でアーデリンデちゃんも…
こないだ薬泉院に担ぎ込まれた怪我人、背中に銃創があったってね
暑いのでスキュレーさんにクライソウルしてきます
そういやスキュレーには『這い寄る触手』なる技があったな・・・
抱擁も催眠もあるし、そうとうなヤリ手なんじゃね?
クライソウルで斬殺されたり
身動きとれない所に抱擁されてグシャッとなったりするイメージしかない…
男も女も骨抜きにされるエロい攻撃ですよ
いいな
世界樹の15階、六花氷樹海の最奥にて。
今、まさに地獄が繰り広げられていた。
パラ子はクライソウルを一身に受けて、身体を起こしているのがやっとの状態。
ヒメ子は盲目にされ、触手に手足を封じられてパニックに陥り。
地味子は子守歌に眠らされたまま、触手に身体を弄ばれ。
メディ子は全身を触手に縛られ、されるがままに犯されていった。
そして慈愛の抱擁を受け、その激痛に泣き叫ぶいいんちょ。
続かない
そうね…名前は…アーテリンデがいいわ…
アーちゃんにエロい質問した後、赤面したアーちゃんにバカぁ!って罵られたい
>>192 あのね乙
セブンスドラゴンの新刊が出てるが、ゲストとして日向さんが描いてるぞw
暑い、エトリア三層あたりで涼みてぇ・・・
隣に水着のブシ子でもいればベスト
地味子はチューブトップの水着とか似合いそう
姫子はスク水。異論は認める。
レイプ予防のためチューブトップは禁止です
なんでだよw
じゃあ代わりにダク姉に小さめの競泳水着を着てもらうか
ケミ姉は露出度低めな黒で是非
あまりにも下品すぎて場末の娼婦でも着ないような紐水着を着させられるパラ娘
そんなのを着せられることを想定しておらず、
微妙に毛処理が甘かったりするとディモールト・ベネ
すげぇ…
カス子は普通に全裸で泳ぎそうだ
投下いきます
>>108の続きになります。
七月中とか言いながら結局今日になっちまいました、申し訳ない。
後もう一つごめんなさい。このターンまでエロ無しです。次からは必ず。
登場人物
♂メディック(タマネギ):こっちが後輩。本作の語り手。
♀アルケミスト(メガネ):こっちが先輩。
♂パラディン(ショタ):ガンナ子の彼氏。
♀ガンナー(フロスト):ショタパラの彼女。メディック♂の血縁。
時間は少々キングクリムゾンする。
場所は例によって先輩のガラクタルームである。
「えへへへへ……」
俺の目の前にはガキっぽい無邪気な笑みを浮かべた女が一人。
なんと先輩である。
紅いタマゴ――『偉大なる赤竜』の竜卵だ――を手に取り、
そいつを眺めてさっきからずっと、にやにやにこにこしているのだ。
先輩のこんな表情、見慣れていないから少々キモいと思ったりもするのだが……
はっきり言ってしまおう、スゲー可愛い。いつもこうならいいのに。
「いつか言っただろう。勘違いされがちだが、私は基本的に俗物だと。
そりゃ欲しかった物が手に入ったら表情もゆるむさ」
――と、可愛い可愛い先輩の笑顔を眺めていたら、唐突にそんな事を言われた。
「……唇は動いてなかったと思うんスけどね」
このクセの兆候を自覚するよう努めていたので、抑制してたつもりなんだが……
「まあ、なんとなくだ」
なんとなくで心を読まれていた。
「君との付き合いもそこそこの長さになってきたからな。
メディ君の場合たんじゅ……素直な性格をしているから顔を見れば大体わかるさ」
「はいはい、どーせ俺は単純っスよ……」
「ふふっ、すまない。とにかく君のおかげで無事に竜卵を採取できた。礼を言う」
「そりゃどうも。ただ今回、俺はクスリ作っただけっスからね。
その礼は実働メンバーにもゆっといてください」
「わかってるって、後でジャクソン料理店で皆に豪勢な食事でもおごるさ」
「……また高い割に微妙なチョイスを」
本店はエトリアなのだが、こないだハイラガに出店してきた樹海料理のお店だ。
「そうかなぁ……私は美味しいと思うんだが」
「俺もジャクソンさんとこは好きっスけどね。ただあそこは好き嫌いあるから
もっと普通に美味しい物をご馳走したほーがいいと思うんスけど」
「食事の話はさておき、約束通り報酬を出さなければな。真竜の玉香、君の取り分だ。好きに使うといい」
頭をひねってどっか旨いメシ屋が無かったか思案してると、先輩は小ビンを数本取り出して俺に渡し、
再び指先でつまんだ竜卵をうっとりと眺めはじめた。
さて、経緯を説明した方がいいだろう。
エロ本の中にしか存在しないような、あらゆる生物を発情させてのけるというクスリ――真竜の玉香。
そんな全てのおとこのこの夢が詰まったブツが手に入るという期待感が
俺の中のジェバンニをブーストさせ、玉香の製法解明は一晩で終わった。
とはいえ、青年男子のエロパワーもさることながら、そんな短期間でクスリの練成が
可能になったのは、伝説の神器である『諸王の聖杯』の力によるところが大きい。
だってアレ、本来3年かかる発酵過程を20分で終わらせたりするんだぜ?
もっと凄いのはたいていの不可逆反応を可逆にできる事――まるで時が巻き戻ったみたいに。
なんつーチートアイテムだよ。
製法が解明できたところで、ある程度まとまった量の生産に移り、
平行して樹海のモグラだのネズミだので動物実験を行った。
期待通り、今の季節は発情期ではないはずの奴らも交尾しはじめ、
また、気になるほどの副作用がないことも確認した。
そこで興味に耐え切れず、自身に投与してしまったのだが、
『ほわぁぁぁぁあっ! メディック汁出ちゃうのぉぉぉぉおぉぉっっ!!』と、言うぐらいスゴかった。
ある程度目鼻が付いたので先輩にサンプルとデータを手渡したところ――次の日、先輩は目の下に
クマを作って憔悴していた。俺の顔を見るなり『……試したか?』と尋ねてきたので、応とだけ答えておいた。
恐らく先輩も好奇心に負けて自身のカラダで『人体実験』したらしく……ひと晩中オナニーしていたのだろう。
やっぱこの人も結構エロだ。いや、知ってたけど。
効果が実証できたところで、いよいよ計画実行。
今回のターゲットは『偉大なる赤竜』。
理由は単純に磁軸から近いから。最近ウチのギルドが赤竜にたびたびチャレンジしていたのは、
コレの予行練習も兼ねていたらしい。つまり、結構前からの計画だったことになる。
先輩は玉香の材料が集め終わったところで俺に話を持ちかけたわけだ。
『殺さずいたぶり弄ぶ』必要があるため、通常の赤竜攻略よりはずっと難易度が高く、
パラ君を守りの主軸に据えたウチの精鋭メンバーにプラスして、調教にたけたダークハンター姐さんを
一人ゲストで入れたそうだ。ちなみに先輩の知り合い。どういう人脈だ。
聞いた話だが、そのダク姐さんが赤竜の巨体を縛り上げて陵辱するありさまは、
それはそれはムゴかったそうである。いやぁ、俺も見たかったような見ずにすんでよかったような。
――んで、数時間前に帰還して至る今。
「えへへへへ……」
こうして俺は竜卵を鑑賞している先輩の無防備な笑顔を鑑賞しているわけだ。
「しっかし……竜のタマゴっつーわりには随分ちっこいんスね」
一抱えほどもあるものを想像していたが、アヒルの卵より気持ち大きいぐらいしかない。
赤竜の卵というだけあって、殻は炎のような紅色でただモノじゃないことだけは理解できるのだが。
「資料によると孵化直前にはコレの40倍にまで膨れ上がるらしいんだがね」
先輩は怪しいファイルをペラペラめくりながら言う。入手先は怖くて聞けない。
「そーいや生きてる卵でしたね……孵化までどんぐらいかかるんスか?」
「さぁな、ハッキリしたデータがない。何せ数百年単位の話らしいからな」
そんときゃオレらとっくに死んでんじゃん。
「……ンなやばいモン、先々の管理はどーするつもりなんすか」
「まあ、いざとなったら何らかの形で処分するさ。
何なら食べてみるかね? 不老長寿の妙薬だったりするかもしれないぞ」
「全力で遠慮しときます」
竜の幼体が殻中で形成されつつあるようなものをどう食えと。どこの世界ビックリ寄食だよ。
「さて、私の目的も達成できたところでパラ君たちの件についてだが――」
「なっげー前フリだったっスねえ……」
ともあれ、ようやく俺の本題だ。
親戚であるガンナちゃんの快適な性生活のために、その恋人であるパラ君の遅漏を解消する。
そのため適度なカウンセリングを行い、必要があるなら真竜の玉香の投与も視野に入れる。
「茶々を入れるな。とにかくパラ君はいつもだったら激しい戦いの後、
昂ぶった気持ちを静めるためにガンナ君の身体を求めるはずだ」
「……なんでそんなん知ってんスか」
「階層支配者やFOEとの連戦を終えた日の、パラ君とガンナ君それぞれの観察からの類推さ。
断言こそ出来ないが、当たらずとも遠からずだろうと思うよ」
先輩の表情からなんか妙な引っ掛かりを感じるんだが、
この人が隠し事すんのはいつものことなのでイチイチ気にしてらんない。
「つまり今晩あたり二人はヤるっつー事っすね?」
「ストレートに言うとそうなる。例の話を持ちかけるのなら今日コレからがいいかもな」
「んじゃ俺ちょっといって来ます」
「任せる。ついでに一つ仕事をしてきて欲しいんだが」
言って先輩が取り出したのは一枚の術式符だった。
♂♀
「あ、先生。ようこそ」
「……や、パラ君。その『先生』ってのやめて欲しいんスけど。俺のほうが後輩だし」
「何をおっしゃいますか。先生はウチのドクターですし
そもそも僕より先に生まれた方への敬称としては適切なはずです」
そんな訳でパラ君を訪ねたわけだが、なんというか実に礼儀正しい。
ウチの家系の女はお固い男が大好きなので、ガンナちゃんが惚れるのも納得である。
……まあ、爺ちゃんを始めとしたちゃらんぽらんな男ども(俺含む)を見て育ってるので
軽い男を避けてるだけなのかもしれないが。
「先生、どうぞお楽に」
部屋に通され、豪華なテーブルセットにかけるように薦められる。
しかしまぁ、俺と同じ宿屋とは思えんほどのデカい部屋である。
デカイばかりだけではなく、調度は絢爛、窓は大きく(エトリア五層産ガラスだろう)日当たりはいい。
いや、本来は先輩の部屋もコレと同じつくりのはずなんだが、
あそこはモノで埋め尽くされてるわ窓はふさがってるわで広さや豪華さをまるで感じさせない。
この宿で一番高い部屋の本来の姿がここにはあった。
座り心地のいい椅子にかければ、パラ君が手ずから茶を淹れてくれた。
香りだけで相当値の張るモノだとわかる。
「んじゃ、遠慮なく……旨ぇ」
「いえいえ粗茶で申し訳ない。この国はなかなか良い茶葉が手に入りませんもので、失礼をします」
これで粗茶だというなら俺が普段飲んでる奴はなんなんだ。
しっかし、この人も救国の英雄さまだというのに、俺みたいなの相手でも実に丁寧に接してくれる。
そのクセ気取ったところがなく、おまけに可愛い。これで性別が女なら俺が嫁に欲しいぐらいだ。
「そんで、まぁ……ちょっち話があるんスけど……」
「……ええ、はい。ガンナさんから大体の所は聞いています」
ガンナちゃんナイスプレイ。話しづらいことだろうに良く頑張った。
「そりゃ良かった。聞いてくれてんなら話は早ェんで」
「その……僕も、遅いという自覚は……ありまして」
パラ君がぽつりぽつりと語りだす。やはり彼自身にとっても悩みの種だったよーだ。
「ちょっと突っ込んだ話をさせてもらっても良いんスかね?」
「かまいません……いえ、ぜひお願いします、先生。僕としても……ガンナさんと愛し合う事で
彼女の身体を傷つけるのは本意ではありません。少しでも改善できるのならそうしたいと思いますので」
強い意志を持った瞳がまっすぐこっちを見据えてくる。カッコいいね。
ガンナちゃんもコレにやられちゃったんだろうなぁ。
「んじゃまー、とりあえず。セックスのとき射精に要する交合時間は大体どんぐらいっすか?」
「その……だいたい40分ぐらいですか」
イカン、恥じ入るパラ君の表情がなんかゾクゾクくる。俺は男の娘属性なかったはずなんだがなぁ。
「じゃあ時間がかかりすぎて女性の膣でイケない事ってあるんすかね?」
「……はい、あります」
うーむ、やはりそうか。しかしパラ君の歳でそれは重症だ。
「パートナーの身体を気遣うあまり、思うように動けないことは?」
「それは、時々……だけど、盛り上がってくると制御が利かなくなって……」
「ガンガンいっちゃう、と?」
「……はい」
この歳のおとこのこに本能の動きを我慢しろっても無理な注文だろう。
俺だってそんなん自制できる自信が無い――まあ、童貞なんだけどな!
「だけど一応ガンナちゃんの身体は気遣ってくれてるわけだ。そっか、ありがとう」
『ありがとう』と言う言葉に反応して、パラ君が少々怪訝な顔をする。
「え……? どうして先生がお礼を?」
「いやその……ガンナちゃんとは家族っスから。一緒の家で育ったんスよ、俺たち。
歳が近いこともあって仲良かったし」
仲が良すぎて性的いたずらをしたりされたりする関係だった事は黙っておかねばなるまい。
ごめんなさいパラ君。俺、ガンナちゃんに指とか挿れたり広げたりしちゃってます。
おまけにファーストちゅーの相手も俺でした。いきなりディープキスでした。ほんとうにごめんなさい。
そればかりか一度など『……ね、最後までしてみない?』と誘われすらしている。
もっとも俺の方が『い、いや、俺たち血ィ繋がってるし、子供だし……』と、
ヘタれたせいで結局ヤってはいないのだが。だってあん時ガンナちゃんお赤飯前だったんだぜ?
以降はヤバイと思って手をださなかったのだが、それでもガンナちゃんは俺にべたべたと
甘えてくることが多く、このままこの子がまともな恋愛が出来ない身体になってたら
どうしようと悩んだりしたものだった。
「パラ君いい人だし、大事にしてくれてるっぽいし、だから礼の一言ぐらいは言っとかなきゃ」
「それは……どうも」
こないだ話した時のガンナちゃんの態度を見るに、俺の事は吹っ切れてるみたいだし、
パラ君というちゃんとした彼氏が出来たと知ったときにゃ、ほっと一安心であった。
ただ、パラ君には俺たちの黒歴史を押し付けてるようでちょっと心苦しい。
だからこそ二人の仲はどうにかしてやりたいわけで。
その後、ガンナちゃんにも聞いたのとほぼ同じ質問を確認のためにいくつか行い――
「……うん、普通に遅漏っスね」
「……やはりそうですか」
わかってたことだが、やっぱ気まずい空気になった。
「んで、パラ君的に心当たりとかは?」
ちなみに俺的には心当たりがあるのだが、本人に思い当たる点があるなら先に聞きだしておきたい。
「……強いて言うなら、ですけど」
「うん」
パラ君は顔を伏せていたのだが、やがて俺に向き直り、
「僕、初体験が結構早かったんです」
「ちょい待ち。何歳の時の話っスか?」
現時点で既に『性体験が結構早い』部類だろうに、それより若い時って。
「その……4年前のことですから、じゅう――」
「――あー、やっぱ良いやっぱ良いっス。俺から聞いといてアレっスけど、怖いんで」
主に児ポ法とかが。
んで、4年前つったらガンナちゃんは俺と一緒に実家にいた頃だから、
「つまり、ガンナちゃんがはじめての女じゃないっつー事っすね?」
「……そうなりますし、彼女もそれは知っています」
「んじゃその、そんときのお相手は?」
一見、治療にはまるで関係ない質問に思えるかもしれないが、パラ君の遅漏が心因的な問題だった場合
何が役に立つのかわからないんで、一応聞いとく必要がある。
べっ、別に単なる好奇心で聞いてるわけじゃないんだからねっ!
「名前は出せませんけど……7つほど年上の親戚の女性でした」
うわ、その女マジモンのショタだ。犯罪者だ。
「ひょっとして精通もその女で?」
「よく覚えてませんけど、たぶんそうだったと思います」
やっぱそうか。
愛玩系の少年奴隷に時々見られる症状なのだが、オナニーよりも先にセックスを覚えさせられてしまった場合、
自分のペースと言う物を見つけられず、射精のコントロールが苦手になる事が多い。
本人の言うとおり性体験が早すぎることも一因か。
「それは向こうから誘ってきたわけっスか?」
「そんな感じ…ですかね。僕はその頃そういう知識がぜんぜん無かったんで
最初のうちはされるがままになってたんですけど……」
「けど?」
面白い話すぎるんでついつい続きを促してしまう。
やっべぇ、オラなんだかわくわくしてきたぞ。
「その人も僕が初めてだったんで、コツがつかめてくると
そのうち僕のほうがリードするようになってきまして……」
「ほほぅ」
いいなあ、年上女の調教かぁ。パラ君可愛い顔して結構やるなぁ。
「それで……その、最初の頃はすぐに射精(だ)しちゃったりしてたんですけど、
我慢すればするほど、彼女が悦んでくれることに気付きまして……」
だがパラ君はそこで口をつぐんで固まってしまった。こりゃ助け舟が必要か。
「言いにくいっスか? だったら俺から質問するからイエスかノーだけで答えてくれたら」
「……はい、先生」
「こんな事直球で聞いて悪りィんスけど、ちんちん鍛えたりした?」
「………………はい」
パラ君は表情をこわばらせていたが、やがて重々しくうなずいた。
しかしなるほど、だいたいの事情がわかってきた。こりゃ遅漏男の典型的なパターンの一つだ。
ハメる時に時間をかけりゃ良いという、男の側の勘違い(あるいは自己満足)で、
聞きかじりの知識でペニス増強法を試した結果、著しく感度が低減してしまってるのだ。
「その……Men's Lagaardとかの特集を参考にしまして……」
うわ、雑誌の情報を鵜呑みにするとか、なんて言うかガンナちゃんと似たものカップルだ。
「ああ言うのは割といいかげんな事書いてるから、
うっかり信じ込むと結構大変なことになったりするんスけどねえ……」
「はぁ……すみません、先生」
身内の話じゃなければ情報弱者乙とか言ってる所だ。
しかし嘘ばっかり書いてるあの手の雑誌はマジで全部滅びれば良いのに。
「やっちゃったモンはしゃーないんで、そこはおいといて。
性機能そのものの衰えを感じることはある? 勃たなかったり、射精の勢いがゆるくなったとか」
「そういうのは無いです」
ふむ、ならば一応その辺は心配ないか。
「ちんちん鍛えるのってまだやってる?」
「……いえ、今はもう」
なら、考えられる遅漏の主原因は結局――床オナだろう。
「いつぞやの酒の時こと覚えてる?」
男連中でパラ君に呑ませてオナニーのやり方をはかせた時のことだ。
「……おぼろげに」
パラ君の顔がかあっと赤くなる。
まあありゃ、本人にしてみりゃ身もだえするほど恥ずかしい思い出だろうが
うっかり襲いたくなるほどかわいいんで、その照れ顔は勘弁してください。
「かなりハードな事してるみたいっスけど、それはいつから?」
「ラガード騎士団に入団して寮生活になった頃から……ですかね」
「それまでは彼女との関係だけで解消していた性欲を、自前で処理しなきゃならなくなった、と」
「……はい」
「ちんちん鍛えて感度が落ちてるもんだから、どんどん強い刺激を求めるうちに
鎧を着込んだまま床でこするなんて無茶をするようになったって感じ?」
「……はい」
んで、激しいオナニーでますます亀頭が鈍感になって更にオナニーが激しく――って悪循環だろう。
ありがちだが、やっぱこっちも一朝一夕にはどうにもなりそうにないなぁ。
「それと、彼女もその頃から仕事でラガードを離れることが増えたものですから、
僕が騎士団に入った頃から疎遠になって……」
「関係は自然消滅しちゃった、と?」
「はい」
補足しとくとパラ君は代々ハイラガ騎士の家系だとか言ういいところのボンボンだ。
騎士団への入団も親の薦めで断りきれなかったという所だろう。
「そっからアルケミ先輩とかとギルド創設して、ガンナちゃんに出会うまでは女っ気ナシ?」
「はい」
「えーと、言いたくなかったら言わなくて良いけど……その間、男に言い寄られたりとかは?」
男所帯でパラ君ぐらい綺麗可愛い子だととそういうことがありうるし、
それがトラウマになってることも無いとは言えんのでついでに聞いておこう。
「何度かありましたけど……」
「やっぱあったか……」
「でも全部はっきり断ってきましたんで、特に問題は無いと思います」
それは良かった。アヌスを開発されてるとかだったら、そっちを満足させる方法も
考えなきゃならんところだった。
「んー、でもパラ君。彼女いるのに今でも自分で抜く必要あるわけ?」
要は床オナを控えてくれりゃ良いんで、ガンナちゃんとの関係だけで欲求が解消できるなら
それがベストに近いんだが。若いんだからそれだけで痛んだ粘膜も回復するだろうし。
「その……僕が毎日求めたらガンナさん壊してしまうのは目に見えてますんで」
「ぐっふっふっふ、そっかー、パラ君は毎日求めたいぐらいえっち大好きかー」
「い、い、いやっ……そのっ!!」
「大丈夫、男はみんなエロだから! かくいう俺も弩スケベっスわ!」
キメ顔作ってサムズアップ。
「いや、ははははは……」
なんか苦笑いされてしまった。
「ちなみに週何回抜いてるん?」
「そ、それは答えなきゃダメなんですかっ?!」
唐突なエロ質問にパラ君の声がひっくりかえる。
「べーつーにー、ぜんっぜん。単なる好奇心で聞いてるだけー」
なんつーかその、パラ君ぐらい可愛い子だとちんちんついててもセクハラしてて楽しいなぁ!
「じゃぁ……」
「だけどいわなかったら俺の中でパラ君はチキン野郎としてカテゴリーされます」
顔を見るにパラ君はものすごい逡巡してたんだろうが、チキン呼ばわりは嫌だったか
やがてポツリと、
「………………7回」
ほほぅ、ソロプレイのほうは毎日でございますか。しかしまだまだ甘いな。
「勝った。俺14回」
だからって何の勝ち負けだよ俺。
「一日二回はやりすぎだと思います……」
「大丈夫。昔のエロい人はいいました。『オナンそのたねのおのれのものとならざるをしりたければ兄の妻の
ところにいりし時兄に子をえせしめざらんために地に漏らしたり』――こすれよ、さらば満たされん」
「あははっ、そんなこと言ったらバチあたりますよ。でもそんな引用が良くすらすら出てきますね」
「だって俺、博学LV5だもん」
意外って言うな。言うなったら言うな。
「だけどパラ君はよく自制してるもんっスよ。俺があんな可愛い彼女いたら毎日求めずにいられないねっ!」
茶化しのつもりで口にしたセリフだったが、それを聞くとパラ君は不思議そうな顔をして、
「彼女がいたらって……先生、アルケミさんとお付き合いしてるんじゃないんですか?」
「はぁ? いや別に――」
――先輩とは付き合ってるわけじゃねーよ、と言いかけたのだが、先輩の部屋から朝帰りしたりとか
よく考えてみりゃ周囲から誤解されても仕方ないことはやっている。
「んん……どうだろ。少なくともヤってるヤってないで言えばヤってねーっス」
たまーに、チンコしゃぶってもらったりはしてるけどな。
「あ、そうだったんですか。僕はてっきり……」
「うん、先輩の裸を見たコトあるとかそういうのもない」
こっちの裸は何度か見られてるけどな。
「でも気は合うんでしょう? 時々お二人で楽しそうに話してますし」
「そりゃまぁ……」
「あの、ズバリ聞いちゃって良いですか?」
「いいっスよ」
こっちもさっきからヘンなこと聞いてるし。
「アルケミさんのこと、お好きなんですか?」
「うん、好きだけど」
それはもう、あのチチとケツとメガネが俺のモンになったらなー、とか思うぐらいには。
あの若干歪んだ性格だって嫌いじゃない。
「……即答しますね」
半ばあきれたように言われてしまった。好きなものは好きだからしょうがない。
「いや、見たままっしょ? 吹聴こそしてないものの隠してねーもん」
たぶん、ギルドの全員にバレてるだろう。
「告白とかは?」
「んん……事故っぽい流れだったけど、一応は。好きってのは伝わってるはずなんスけどねぇ」
そもそも向こうに気持ちを見抜かれて今の関係がある……て、言うか良いように利用されてるわけで。
「じゃあ一応脈アリじゃないんですか?」
「わかんねー、あの人ヘンだしイマイチ反応が……」
「……あー」
先輩。
『あー』って言われてるぞ『あー』って。
新入りの俺でさえ先輩の変人っぷりに振り回されてるのだから、
初期メンバーとして先輩とずっと付き合ってきたパラ君の苦労と心中は察して余りある。
「……その、男性とお付き合いしても長続きしないんですよ、アルケミさん。
もっと気持ちを態度や表情に出せばいいんじゃないかな、と思ったりもするんですが……」
「あー」
スゲェ分かる。今度は俺が『あー』とか言っちまった。
「だから……気が合うようなら、なるべくアルケミさんとは親しくしてあげてください。
先生とお付き合いするようになったら、彼女も少し落ち着くかもしれないですし」
いやぁ、照れるね。
……とか思ったりしたのだが、よくよく考えてみるとそれって、
「パラ君」
「なんでしょう?」
「苦労の押し付け先を探してる訳じゃねーっスよね?」
「いっ、いえっ! そ、そ、そんなっ!!」
パラ君。目ェ泳いでる。目が。
「やっぱそーゆー目論見もあったか……」
人畜無害の善人に見えて、やっぱパラ君も海千山千を越えてきた一流の冒険者だ。
情に訴えつつも自分の利になる交渉をしっかり行ってくる。
「だっ、騙すつもりとか無かったんですけど、そのっ……!」
「まーまーまーまー、おちついて……って、ゴメン。いつの間にか俺、態度でかすぎっスね」
年下とは言え仮にも先輩であるパラ君(しかも国の英雄様だ)に、タメで口きいてる俺がどうなんだって話だ。
俺はアントキラーさんのように上下関係にきっちりしてるアニキを目指してるってのに。
「いえ……そんな、先生こそ僕なんかにそんな気を使っていただかなくても」
「パラ君腰低すぎ。もっとこー、強気にいこうぜ、強気に」
うー、いかん、またタメ口になってる。我ながら躾がなってねェなぁ。
「ふふっ、先生はガンナさんと同じことをおっしゃいますね。流石は彼女の従兄弟殿だ」
「あー、うん、そっスか……」
正確には従兄弟より更に一親等近いんだけどな。
ガンナちゃんはめんどい血縁を説明するのが嫌で、単に従兄弟とかゆってんだろう。
「でも僕嬉しいです」
「ん?」
「身近にこういう話をできる人がいてくれて。正直、そういう友達が欲しかったんです」
……へぇ。
パラ君まじめっぽいもんなぁ。一旦作った対外用のキャラを崩すのが難しかったんだろう。
それに俺ごときの事を友達、と呼んでくれるか。
こんな素直で可愛い子に言ってもらえるなら(ちんちん付いてても)こっちだって嬉しいね。
「そりゃどーも。まあ、俺で良きゃエロ話の相手はナンボでも」
「いえ、まあ……できればいやらしい話以外もお願いしたいんですけど」
「んー、恥ずかしがってるトコ悪りィけどまだエロ路線は続くっスよ。だってまだなんも解決して無いもん」
「あ……そうでした」
忘れんなよ。
いや、俺もあやうくこのまま帰っちゃう所だったけど。
「んじゃま、話を本題にもどすんスけど」
「はい」
「先輩からこんなんを預かって来てんスわ」
そして俺は小ビンをテーブルの上に置いた。
「あ、コレって今日のドラゴン攻略で使った……」
そう言えばパラ君は攻略のメインメンバーだった。知ってるのも当然か。
「うん、真竜の玉香っス。実はコレ、人間っていうかだいたいの動物につかえる」
「え、え、え、え、え……だ、だけどコレ……すごかったですよ? 竜の巨体がよがり狂って……」
悪夢とも思える光景だが、そんなトラウマものの話は聞きたくないので、パラ君をやんわりさえぎって、
「うん、すごい。実はわたくし自分で試してしまいました」
思い出すだけでおもわず一人称が別人になってしまうぐらいの威力であった。
「……そんなにですか?」
「……うん、スゲェよ」
「……はー」
パラ君、興味津々と言った風情である。やはり男の子なら魂を惹かれずにはおられまい。
「俺が使った感じ、主観で感度が十数倍になった。コレならパラ君の遅漏も余裕でどうにかできると思う」
「それを……僕に?」
「うん、使う使わないはパラ君に任せるけど、渡すは渡しておく」
「……はい、先生」
ごくりと唾を飲み込みながらパラ君は小ビンへと手を伸ばす。
「使用法は二通り。粘膜への塗布で感度増強、経口摂取で精力増強。効果は激烈だから
使用量には十分注意して。詳しくはこっちの紙に書いといたから熟読必須。
わかんないことがあったら必ず俺に聞きにきて」
「はい、先生っ!」
うは。使う気満々だな、こりゃ。
まあ初めてガンナちゃんとまともに愛し合えるとあっては無理もあるまい。
「でもねパラ君。こんなんは対処療法だから根本からどーにかしなきゃならんってのはわかるっスよね?」
「……はい、先生」
「まあ、ぶっちゃけちゃうとパラ君の場合、遅漏の主原因は床オナっすわ。
とりあえず、それだけは今日からでも止めてもらわなきゃなんねーっス」
「……やっぱりそうですか、でも」
「うん」
「僕、他のやり方を知らなくて……」
実の所それは想定内だった。
パラ君の場合、初体験のあとでオナニーを覚えたっぽいから腰振る以外の方法を思いつかなかったんだろう。
「そーだろーと思って一応準備はもって来てんスけど」
「……準備?」
「うん、コレ見て欲しいんスけど」
言いつつ俺が取り出したのが、1房のバナナであった。
「あの……もしかして、これ」
「思ってる通り、もしかしてっスね」
コレをちんちんに見立てて訓練していただこうと言う寸法だ。
「どうしてもやらなきゃダメですか……?」
「嫌ならいいっスよ」
「あ、はい……」
パラ君がほっとした瞬間をついて、
「嫌なら現物のちんちんでやってもらうだけっスから」
そっちを選択しなかった場合のより残酷な事実を告げてさしあげる。
「そ、そんなっ……」
「それともオナニー自体完全に我慢する? なんにせよ、感度の落ちた亀頭を回復させるのが第一っスから」
それに溜めりゃぁ、ちょっとでも早くはなるもんだ。
「………あ、う……うぅ」
くっくっく、迷っとる迷っとる。
可愛い顔しててもやはりヤりたい盛りの男の子ですなぁ。
そしてパラ君、たっぷり3分は悩んで、
「………………………………バナナで」
「おっけー、手ェ出して」
「……はい、先生」
羞恥でぷるぷる震えるパラ君の掌に一本のバナナを握らせる。
頬の赤みは増し、目の端には涙さえにじんでいる。
コレはヤバイ、可愛すぎる。俺の新たな扉が開いてしまいそうだ。
「今から覚えてもらうのは、俗に言う手淫っス。手コキとも言う」
「……はい、先生」
「んでコレ」
「えと、避妊具……ですよね。こんなの使うんですか?」
更に俺が取り出したのは個包装したいくつかの避妊具だった。俗にスキンと呼ばれるタイプで、
勃起したちんちんに被せて精液の膣内への流出を防ぐアレである。
普通は豚だの羊だのの腸で作るのだが、ウチの爺ちゃんがエトリアで大虐殺されるシンリンガエルに目をつけ、
アレの浮き袋を使った物を考案した。安価で丈夫なのが受けて今では実家の主力製品の一つである。
「自分ひとりで楽しむ単なる自慰ならつかわねーんスけど、今日のは遅漏の改善っスからね。
なるべく実地に近い条件でやってもらおうと思って。今日はバナナだけど、一人になった時に
本物の方で試しといて」
「……はい、先生」
ちなみに『ナマでやる』というのは、遅漏の治療に結構有効だったりするのだが、
流石に俺もメディックと言う立場上その方法を推奨するのはためらわれる訳で。
「んじゃバナナに付けて」
「わかりました」
パラ君は避妊具を一個手にとり、ちゃんと空気抜きをしてロール状の部分をくるくると
押し下げてバナナに被せていく……めちゃくちゃ手馴れてんなぁ。
流石は法律家がビックリするぐらいのお年頃から女の子とエッチしてるだけの事はある。
そこを突っ込むと恥ずかしがって話が進まなくなるだろうから黙っとくけど。
「先生、出来ました」
「そんで、こう握って」
俺も一本バナナを手に取り握り締める。動きを見せる為だけなんでスキンは省略。
「……こう、ですか」
「うん、で、この先っちょのあたりを亀頭とカリに見立ててこう動かす」
その動きや手付きを精緻な筆致で描写する事は可能であるが、あえて省略させていただく事にする。
そんなん一部マニアを除いて誰も喜ばないし、第一俺が語りたくねえよ。
「はい……こう、ですね?」
うん、素直な生徒だ。実に教えがいがある。
パラ君は教えた通りちんちんに見立てたバナナを一生懸命こすりあげている。
そのうちなにやら息が荒くなってきた。
「なんか……コレ、フェイクとわかっていてもヘンな気持ちになってきますね……」
しかし俺がやったらキモイ動きも、パラ君がやると意外と絵になるのはさすが美ショタっ子。
て言うかエロい。どうしようチンコちょっと硬くなってきちゃいましたよ奥さん。
「パラ君。力強すぎんぞ、バナナ潰れちまってるじゃねえか――やりなおしだ!!」
とりあえずスポ魂モノの教官っぽくふるまって気持ちをごまかしてみたのだが、
「すみません、先生ッ! 僕、頑張りますッ!」
さすがは前衛のリアル体育会系、こーゆー返事はきびきびとしてて気持ちがいい。
そして新たなバナナが取り出され――
「違うッ! グリップが甘いッ! もっと全体を掌で包み込むようにッ!!」
「はいッ! 先生ッ!!」
「左手が遊んでるぞッ! 自分のチンポだと思ってちゃんと先っちょを可愛がってやれッ!!」
「はいッ! 先生ッ!!」
「ふざけるな! 大声だせ! タマも揉んでやれッ!!」
「はいッ! 先生ッ!!」
「こすれ! こすれ! こすれ! マスかき続行!!」
「はいッ! 先生ッ!!」
「気に入った、ウチの従姉妹を呼びつけてファックしていいぞ」
「はいッ! 先生……って、ええぇぇぇっ?!」
――いつの間にか二人とも超ノリノリであった。
「いやいや旦那。どーせ今夜あたりガンナちゃんと一発ヤるんでげしょ?」
ところで俺はどこの太鼓持ちだ。
「い、い、いっ、いえそのっ……あのっ……」
パラ君はかわいそうな位キョドっている。ヤるのか。ヤるんだな。
「いいっていいって隠さなくたって。てか隠せてねーっス、バレバレっスわ」
「は、はい……」
「そんなパラ君に俺からビッグなプレゼントがあります」
「プレゼント……ですか?」
「うん、コレをあげよう」
「……って、その、コレも避妊具ですよね?」
俺が差し出したのは一ダース入りのスキンの箱だった。
「確かにその通り。ただしフツーの奴と思ってもらっちゃァ困るんスわ」
「どんな、違いがあるんですか?」
「超極薄」
「!!」
その一言で全て通じたようだった。
厚みは従来品の五分の一。熱伝導も素晴らしくまるで付けてないかのような触感を貴方に。
旧世界の技術を応用しているらしく、爺ちゃんを含めた数人しか製法を知らない。
ちなみにこの一箱で高目の娼館で一晩4pできるぐらいの狂った価格設定なのだが、貴族相手に結構売れる。
「先生ッ! ありがたく使わせていただきますッ!」
ああ、使い心地が良かったら次からはウチの店で買ってくれっ! リピーターが大事なんでな、リピーターが。
「じゃあパラ君、男だったら一発バシッとキメてくるんスよッ!!」
「はいッ!!」
魂の通じ合った男と男の間にそれ以上の言葉はいらなかった。
パラ君と熱い抱擁を交わし、肩をバンバンと叩いた後、俺はパラ君の部屋から失礼した。
いやぁ、やっぱ男同士の友情ってエロを通じて育まれていくもんだよなっ!!
――――んで。
「……男ってバカだよな」
用事を済ませ、先輩の部屋に戻ってくるなり開口一番そう言われた。
「どーしたんすか、いきなり」
「別に……随分パラ君と意気投合してたようじゃないか」
「見てきたよーに言うんスね」
「見てたからな」
さらっと言うから一瞬意味を掴み損ねたが、
「はぁっ? 見てたって……千里眼の術式っスか、またっ!!」
「その通り」
相変わらずとんでもねえ女だ。
「いや、だって、待ってくださいよ。あーゆー高い部屋って
その手の術式への対抗結界とか張ってるっしょ、普通は」
高価な宿賃は伊達じゃない。一流の部屋はセキュリティだってウリなのだ。
「ほう、メディ君の分際でよく知ってるな」
「分際は余計っス」
「しかし今日の君はカンが鈍いな。まだわからないのか?」
「……何がっスか?」
「薬泉院近くの指定ポイントで、術式符を使うように頼んで置いただろう」
「あ」
アレか! あとで説明すると言ってたから何かと思えばっ……!
「あそこからフロースの宿まで経絡が通っていてな、
あの術符をつかって一時的に結界に『穴』を開けてもらった。
さすがに宿内で解除術式を発動すると、いつぞやみたいに女将さんに怒られてしまうのでね」
「外からでも怒られますッ!!」
て言うか、追い出されても文句いえねえぞ。
「まあ、大丈夫だよ」
「どう大丈夫なんスか」
「実行犯は君だから、私にはほとんど累が及ばないようになっている」
どちくしょう。最近マジで遠慮がなくなってきやがった。
「……勘弁してくださいよ、もー!」
「そうしょげるな、メディ君。『穴』は一日程度でふさがるように
術式を組んであるから露見する心配はほとんど無いよ」
そーゆー問題でもない気がするが、今のセリフに気になる所が一つ。
「一日だけ?」
「そうだが」
って事は、今日限定で発生する何かしらのイベントが宿内で起きるわけで……
「……って、先輩、アンタまさか」
「ん、ようやくカンがさえてきたか?」
「ガンナちゃんたちがヤってる所のぞくつもりじゃないでしょうね?」
「のぞくとは人聞きが悪いな、メディ君。玉香を投与したヒトとヒトが
交わる場合の実地のデータが欲しいだけだ」
こ、こ、この女っ、マジで術式使って覗きをするつもり……だとッ?!
なんて、うらやまし……いや、けしからんっ! 実にけしからんっ! ホントけしからんっ!
「なに考えてんスか! つーかデータだったら自分の身体でとりゃいいじゃないスか!」
そのぱっつんぱっつんのわがままボディで。
「残念ながら私には特定のお相手がいなくってね」
くそう、その言い方だとやっぱ俺は員数外か。
「…………それに、だな」
先輩はちょっと口ごもり、
「アレを自分で使うと理性が相当飛んでしまう。客観的なデータなんてとても望めないよ」
そーいや、この人自分で使ってたな。そうか理性とびますか。飛ぶほど良かったですか。
「……まー、俺も使いましたからその辺はわかりますけど」
「私も使ったからこそ言えることがあるが、アレの効果は激烈すぎるし、
不測の事態に備えて誰かが彼らの行為を監視しておくべきだとは思わないかね?」
うーむ。
ゆってる事は正しい気がしないでもないが、すっごい丸め込まれてる気がする。
しかし、メディックとしての俺の職業的カンからすると、渡した説明書を遵守してる限り
大きなトラブルは起きないだろうという自信はあるし、パラ君はそれを守れるだけの器量もあるだろう。
データがほしいと言うのなら、明日以降それぞれにヒアリングすればいいだけの話なのだ。
やっぱり術式による監視だなんてプライベートの侵害にも程がある。
そしてココで先輩を止められんのは俺しかいないッ!!
―― そう、男として!
―― そう、人として!
今度こそ先輩に人の道というものを教え込まねばなるまいよッ!!
「先輩、あのですね――」
そして人権意識に欠けるこの女に一言説教しようとしたの、だが……
「ああ、メディ君。コレをちょっと掛けてくれないか?」
言葉を続けるより先に、先輩から指示を与えられてしまった。こうなってしまっては無視も出来ない。
「メガネ……っスか?」
差し出されたそれは、先輩とおそろいの金属フレームの奴であった。
言われるままに掛けてみると――
「うぉぉっ?!」
「んん、その様子だとどうやら上手くいってるようだな」
――レンズの内側には別の部屋が映し出されていた。
「ココって、ひょっとして……」
「パラ君の部屋だな」
確かについさっきまでいたスイートルームだ……って言うかパラ君がいる。
そしてメガネを外すと、散らかり放題の先輩のガラクタルームに元通り。
だんだんわかってきたけど、コレって要するに、
「千里眼の術式ってこんな風に見えるんスか……」
「飲み込みが早くて助かる。そのメガネはそこの錬成炉と直結してあってね、
錬金術の素養のない者でも、いま君がみている通り千里眼の術式を体験できる。
もっとも視界は私と連動してるだけだから自由自在とまでは行かないがね」
しかし音や匂いこそないモノのかなりの臨場感だ。
視界の中のパラ君は、どこか落ち着きなくそわそわしている。恐らくもうじきガンナちゃんが来るのだろう。
つまり、このまま見ていればもうじき……
「ところでメディ君。さっき何か言いかけていたな」
おっと、驚きのあまり大事なことを言い忘れる所だったぜ。
「先輩、あのですね――」
「うん」
「――やっぱデータの採取には目視での観測にまさる手段ってねーっすよね!
それに実験においては安全を第一に考える必要があるから監視は必須ですもんね!
さすがは先輩、研究者の鑑っス! 不肖この俺、感服いたしました!」
そして気づけば、俺は先輩の計画に心の底からの賛同を覚えていた。
…………アッルェ〜〜?
「ふふ、そんなに褒めるなメディ君。さすがに照れるぞ……っと、来たな。ガンナ君だ」
どこで道を踏み外したか悩んでいるうちに、視界がぐぃんと動いてドアの方を映し出す。
開いたドアの隙間からひょっこり顔を出したのは確かにガンナちゃんだった。
しかし、身体が動いてないのに視界だけが変化すると言うのはなんだか妙な感じである。
「さてメディ君。せっかくだから楽しもうじゃないか。こんなの滅多に見れないぞ」
そういう先輩の声は普段には無い弾んだ雰囲気を漂わせていて、
俺は『やっぱりこの人ムッツリすけべだったんだなー』と確信したのであった。
♂♀
投下終了です。
なんか寸止めですみません。続きもなるべく早く用意できればと思うのですが。
ちゃんとメガネを用意した先輩にGJといわざるを得ない。
しかしこれってメディ君相当酔うんじゃないだろうか……
おぉぉ…。
久々の新作が先輩と俺だなんて…。
べっ、別にうれしくなんかないんだからねっ!
GJなんて…言うわよっ!!
ショタっ子×ロリっ子実況中継が今から楽しみです…!
先輩キター!!!!ありがとうありがとうホンマありがとう
そろそろ、遂に、今度こそ、先輩と玉葱がラヴく結ばれることを期待しつつ、
こ れ か ら 読 む !
よっしゃー読むぜー!…ん?
>このターンまでエロ無し
ヽ(・ω・)/ ズコー
\(.\ ノ
うそうそw各所大層笑わせて頂きました。改めて乙。GJ。
しかしカエル道場にそんな副産物が有ったとはw
次回はあっちが始まったらコッチも始まっちゃうなんて
そんなチャチなもんじゃねぇもっと恐ろしい物の片鱗が垣間見えますな…
>>220 >実況中継が今から楽しみです……!
やあ俺!
GJ!
そろそろメディくんに本懐を遂げさせてやってほしいと思いつつ、とりあえずは叔母っこに萌えておきます
夏が終わってスキュレーさんがアップを始めました
秋が始まって魔神さんがアップを始めました
冬に向けてキマイラさんがアップを始めるようです
スキュレー「・・・」
スキュレーさんで女性パーティと触手プレイ同時進行とか、
カスメ子とペット狼で傷舐めあいっことか、マニアックなシチュばかり思いつく俺
如何せん文章力がないので他力本願なのが辛いところ
>>229 >スキュレーさんで女性パーティと触手プレイ同時進行
マニアックではないさ。むしろ普通さ。たぶん。
某同人誌がそんな感じだったな>スキュレーと女性パーティ
百合触手好きにはたまらん一冊だった
スキュレーたんから触手を奪い取った師匠が人気女性キャラをレイプする話はまだですか。
まずはフロストガン子からですね、わかります。
悶えるガン子に更に人気が出てムキーってなってるところが目に見えるようだ
ししょー「ええのんか? ここがええのんか?」
ガン子「あーれー」
それは違う師匠だw
笑福亭パラ光のオールナイトニッポン
そういえば、1と2のスキルの違いって
意識したりする?
カスメに色々させようと妄想したら
1と2のスキル両方使わないとできないプレイだった
微妙に気にはしてるけど、もういいかなっても思ってる。
「先輩と俺」みたいに、それをネタにするんじゃなかったら、
お話のほうを優先でいいかなーとか。
エトリア出身ハイラガ住みで両方使えるとかじゃダメかい?
逆でもいいし、放浪していてどちらかの街に寄ったとき習得したとかでもいけそう
構えに1ターンかかる時点で居合じゃないよな?
「腰を落とし、鯉口を切り、半身で構える」といういわゆる時代劇的な居合いの構えをするには1ターンかかるのだろうよ。
2では技能が進歩して、自然体からの抜きつけの一刀を繰り出せるようになった。とか考えると剣豪ヲタ的に美味しい。
出しっぱなしの刀をしまうのに1ターンかかりました
やっぱ構えもマスタリーというか、
ターンかけずにスイッチ変えれるようにして欲しかったな……
投下行きます。
>>217の続きです。やっとこエロパートです。
登場人物
♂メディック(タマネギ):こっちが後輩。本作の語り手。
♀アルケミスト(メガネ):こっちが先輩。
♂パラディン(ショタ):ガンナ子の彼氏。
♀ガンナー(フロスト):ショタパラの彼女。メディック♂の血縁。
ドアをくぐったガンナちゃんは擦り寄るようにパラ君に抱きつき、パラ君はそのまま唇を奪った。
二人の幼い見かけに反してそのキスには色濃い性的な艶があり、平たく言うと大変ねちっこい。
やがてくっつきあった唇が離れ、唾液に濡れたそれらが動いて言葉をつむぐ。
《ベッド……いこっか?》彼女が求め、
《……そうしましょうか》彼氏が応じる。
千里眼の術式は音声までは届けてくれない。
だが先輩に読唇術の基本は教えてもらってんで、今のセリフぐらいは読み取れる。
「んー、いきなりベッド行くんスねぇ。パラ君の性格的に茶ぁ薦めたり、
会話で場を繋いでから、エッチ方面に移ると思ってましたけど」
ンで、俺たち出刃亀コンビは二人がいちゃらぶしてる有様を、まるで眼前であるかの様に観察しているわけで。
ちなみに俺らはいつものベッドに並んで腰掛けてる。あいも変わらず散らかっていて、座り心地は良くない。
「普段だったらそうだったろうな」
メガネの隙間からちらりと先輩をうかがうと、視線はレンズの向こうの風景を覗き込んだまま、
指だけが素早く的確に動いてレポートを取っていた。手元を見ないでよくもアレだけ綺麗な字が書けるもんだ。
「……っつーと、なんか仕掛けておいたんすか?」
「察しが良いな。メディ君がさっきパラ君を色々と煽っていたのと同様に、
私のほうも食事で同席するついでにそれとなくガンナ君を煽っていたからな。
今、彼らの頭の中は性的な欲求で一杯のはずだよ」
「ほほぅ、どんな風に煽ったんスか?」
そんな話を聞かされて興味を押さえることができようか……と、思ったのだが。
「聞かないほうが良いぞ。女性に幻滅すること請け合いだ」
あー、オンナ同士の猥談ってエグい事多いもんなぁ……。
千里眼の『視界』は寝室に入った二人を追いかける。
パラ君は小さな身体に見合わぬ膂力でガンナちゃんをしっかり抱きかかえ、そしてベッドに横たえた。
《コレ……使ってみませんか?》
彼氏が小ビンを取り出す。『真竜の玉香』だ。
《あ、それって……》
軽く驚いた顔で小ビンを見やるガンナちゃんにパラ君が、
《ええ、今日の攻略で使ったあのクスリです》
《……ひょっとして、人間にも利くの?》
《ええ》
《マジ?》
《マジマジです》
そしてパラ君は詳細な説明をはじめる。おっけい、ちゃんとトリセツは読んでてくれてるようだ。
やがて彼女の方もクスリの使用に同意し、二人はスポイトで一滴だけたらした薬液を水に溶かして飲み干した。
《……にがーい》
《ええ、確かに……》
良薬口に苦いしと言うし、味ばっかりはどうにもならんから勘弁しておくれ。
「よしよし。ちゃんと玉香を使ってくれるようだな」
満足げにそういう先輩に向かって俺は、
「使ってくんなきゃ俺ら単なるのぞきっすからねぇ」
「……まぁな」
ショタロリカップルがクスリ使おうが使うまいが、俺らがやってることが
のぞきであるという事実に変わりはないと思うがそれはさておき。
《……ね、苦いのの口直しに、あまーいキスして》
《ええ、よろこんで》
なんとも情熱的に求めるガンナちゃんの唇にパラ君は素直に吸い付き、二人の口唇は乱れあう。
彼女の唇からとろりとこぼれた唾液を彼氏の舌先がなめ取り、その舌を追いかけるように
彼女のぬめった舌先と突き出され、絡み合い交じり合った二人の舌は粘っこい糸を引く。
口付けあった唇がもごもご動いてる所を見ると何か言葉を交わしてるのだろうが、
さすがにこの状態からセリフを読み取れるほど、俺は読唇術に達者ではない。
ぴくん。
ガンナちゃんが小さく身体をふるわせた。彼氏が胸に手を伸ばしたのだ。
彼女は唐突な刺激に驚いていたようだったが、すぐにうっとりとした顔をしてその愛撫を受け入れていく。
軽くトび始めた彼女の意識の隙間を縫うようにして、パラ君は空いた片手でぷつんぷつんとボタンを外し、
そして次々脱がせていく。簡易ながらも脱がせた服をきちんとたたんでいるのは、流石の気づかいである。
「……んん、実に甘エロ」
「先輩でも甘エロとか言うんスね……」
先輩の意外なつぶやきに俺が反射的に応じると、
「なんだ、メディ君。私にそういう俗っぽいセリフを言うなとでも?」
少々不機嫌な声で言葉が返ってきた。
「いや、そーゆー訳じゃないんすけど……」
「じゃあ、どういうわけなんだ」
どうしたよ。妙にからんでくるな。
「つまらない茶々を入れてる暇があるなら君もレポを書け。さっきから全然手が動いてないじゃないか。
なにも私はのぞきの共犯が欲しくて君にそのメガネを貸してるわけじゃないんだぞ。メディ君なら
私とはまた違った視点でこういうものを見れるだろうからな」
「ああ、むっつりスケベとオープンスケベの違いですね」
「メディックとアルケミストの違いだ! と、言うかそれは誰がどっちだ?!」
アンタがむっつりだよ。甘エロ大好きっ子さん。
「えー、自覚ないんスかー?」
「……うるさいっ!」
まー、出刃亀コンビの感想はおいといて。
しばらくのち、ベッドの上には一糸まとわぬ姿になったガンナちゃんの姿があった。
まだまだ恥じらいが残ってるのか彼女は手で胸と股を隠してしまう。うーむ、初々しい。
……しかし、いくらなんでも育ってなさすぎじゃね? 一瞬しか見えなかったが胸はぺたんこ、お股は無毛。
裸になると幼さが一層顕著に感じられる。まあ、ひむかいさんだからしかたがないのか?
「ガンナちゃんちっこいなぁ……」
「……どこを見てるんだ、どこを」
「普通に体格全般の話っスけど? ハイラガ来て何年かぶりにガンナちゃんと再会した時
『変わって無いなぁ』と思ったんスけど、コレはいくらなんでも変わって無さすぎるっつーか……
てか、先輩こそどこの話だと思ったんスか?」
「……どこでもいいだろ」
「くっくっく、乳っスね、乳?」
「君はもうちょっと言葉を選べ!!」
いやぁ、相手が墓穴った時のセクハラ突っ込みって楽しいなぁ。
「と、言うかメディ君。そんな話が出るという事は、ここ数年内にガンナ君の裸を見たことがあるわけだな?
いくら家族とは言え、既にシャレで済む年齢ではなかったはずだろ?」
……俺も墓穴ってました。
「いやほら、大家族だとドッキリイベントとか結構発生するんスよ。脱衣所とかで」
「ふーん、へーえ……まさか、いい歳になるまでお医者さんごっことかしてた訳じゃあるまいな?」
バ、バレてるっ?!
「……い、い、いやっ、そんなっ、べつにっ、俺はッ!」
「声が裏返ってるぞ――してたんだな?」
「……いや……その……」
「……変態」
ああああああ、今ので先輩フラグが一本折れた予感がするっ!
だけどいかにも軽蔑した風に『変態』とののしられるのは、ちょっとしたご褒美です!
――などと俺がもだえてる間にも、視界の向こうの事態は進行を続け、
《パラくぅん……》
ガンナちゃんがせつなげな顔をして恋人の名を呼びかける。
呼ばれたパラ君はベッドに並んで横たわり、二人はそのまま抱きしめあった。
パラ君の手がガンナちゃんの長い金髪をすきながら頭を撫でると、彼女はとても嬉しそうな顔をする。
《パラくん……すきぃ……》
《ええ、僕も……愛してます……》
らぶらぶだ。
二人はすきすき言い合いながら、ちゅ、ちゅ、と互いの顔にキスの雨をふらせあう。
頬に、まぶたに、耳に、そしてもちろん唇に、優しく甘い口付けが。
ガンナちゃんの表情がとろけ始めた所で愛撫は次の段階へ。
《ん、んうぅんっ……》
とか喘いでるんだろうと思う。彼氏の手が彼女の腋から腰の敏感なラインをさすり始めたからだ。
彼女のうっとりした顔をうかがいながら、彼氏の手は下へ、下へ。
やがて掌は、彼女の白くて丸いお尻にたどり着いた。
肉付きの薄い尻たぶを撫で回しながら、時にはそれを揉みしだき、円を描くように手は中心部に近づいて――
《……こら、そこはダメだよ》
――菊座に指がかかりかかった所でガンナちゃんから静止がかかった。
《すみません、つい》
《もー、『つい』じゃないよう。いっつもそこ触りたがるんだから》
……ほほぅ、パラ君はひょっとしてアナルマニアか?
《だけど、ガンナさんだって悦んでくれてるでしょう?》
《よ、よろこんでなんかいないよぉ……》
《そうですか……でも》
《ひゃぁんっ!》
やりやがった。
ついに指は尻の割れ目にもぐりこみ、すぼまった穴を撫でくり始めたのだ。
《そんな嫌そうな顔してませんよ?》
《ばっ、ばかっ、ばかっ、へんたいっ! へんたいっ!》
《ごめんなさい》
謝りつつもやめないのは、流石ヤりたい盛りのおとこのこ。
《って、あれ? ひょっとして綺麗にして来てくれてたんですか?》
《……だって、パラくん絶対さわって来ると思ったもん。だから、お風呂で……》
どうやらいつもの事らしい。ガンナちゃんの方も準備万端である。
《ありがとうございます》
《……なんでお礼言うのよぉ。べっ、別にさわって欲しいわけじゃないんだからねっ、
洗っておかないと恥ずかしかっただけなんだからねっ!》
ガンナちゃん。そのセリフはツンデレ丸出しだから逆に解釈されても文句をいえないぞ。
《じゃあ、今日は開発を進めて指挿れちゃってもいいですか?》
案の定、彼氏は自分の良いように意味を汲み取って――
《あはははは――脳漿を床にブチ撒けたい?》
――うぉ、怖ぇェ!
ガンナちゃんはにっこり笑って、枕もとから取り出した銃をパラ君の額にポイントしていた。
しかし、胸を隠してた手を外したおかげで桜色の可愛い乳首が丸見えですぜ、お嬢さん。
《いっ、いえっ!》
《じゃあ、今日はお尻はここまでね》
《……はい》
いやぁ、女は強いね。
しかし頑張れパラ君。いつの日かガンナちゃんをアナルバージン卒業させるその日まで。
「パラ君にあんなシュミが……」
毒気を抜かれた風情で先輩がボソリとつぶやく。
「いやいや、男はみんなケツが大好きですから」
「……だ、駄目だからなっ!」
何もセクハラしないうちから、キツい口調でダメ出ししてきた。
後ろが駄目なら前はいいんですかと軽口を叩きたい所だったが、
さっき一本フラグを折ったばかりなんで一応自重しておく。
パラ君がアナルマニアだったと言う驚愕の事実を俺たちが論評してる間に、
当の本人もいよいよ服を脱ぎ始め――
「うぉ、でけぇ!」
「あんな、凄く……」
パラ君のそそり勃った一物の大きさにお互い思わず声が出る。
巨根――までは行かないまでも、確実に俺のよりデカい。
ショタな身体つきとの体格比があるからなおさら大きく感じるし、
それに年齢を考えればまだまだ成長期だからコレが完全体ではないわけだ。
色・形もかなりエグい。
『鍛えた』成果なのだろうが、色素が沈着してどす黒い。
パラ君、地肌は女の子みたいに色白なのでギャップがヒデェ。
包皮もおそらく相当早い時期から剥いていたのだろう。
皮に阻害されること無く成長した亀頭はサオよりも二周りは太く育っており、
カリが出っ張って大きく膨らんでいる。
それを支えるサオもまた実に凶悪である。
血管が表皮にくっきり浮き出てツタが絡み付いているかのようだ。
流石に4年も前に童貞を捨てていると言うだけのことはある。
これはもう、おちんちんとかペニスとかそういう可愛らしい物じゃない。
チンボコだ。
暴れん棒だ。
ご立派様だ。
遅漏だと言うのも納得の形状であった。
――ところで、さっきから延々と男性器の色ツヤ形を描写しているわけだが、
俺だって何もこんなのを語りたくて語っているわけじゃぁ無い。
じゃぁなんで、こんな一部の人しか喜ばない話をしてると言うとだな……
「先輩」
「……なんだ」
「俺たち視界を共有してるんです」
「……わかってる」
「俺たち視界を共有してるんです」
大事なことなので二回言いました。
「……わかってるって」
「いいかげん勘弁して欲しいんスけど」
「……うるさい」
コレはもう、はっきり言わねばなるまい。
「先輩。パラ君のチンコ見すぎです」
さっきから『視界』が固定されてガン見状態なのだ。
「仕方ないだろ! 私だって生身の女なんだから、男性のセックスシンボルに
ついつい目が行ってしまうことぐらいあるさ!!」
開き直りやがったよ、この女。
「やだなぁ、先輩。一言いってくれれば貴女の隣にも一本
そそり勃つものがあるので、いつでも鑑賞していただけるんスけど」
当然と言えばそうだが濡れ場を眺めている俺自身のも、もうガチガチである。
「君のは見慣れたからもういい」
「HAHAHA、まぁそう言わずに」
「……これ以上しつこいと、メディ君のとパラ君のを比較した上で、
キミの身体的コンプレックスを刺激するような発言をしなければならないんだが?」
「それは俺のMっ気を存分に満足させてくれると思うのでぜひお願いします」
「ああああ、もうっ! なら言ってやるッ! この短小ッ! 仮性包茎ッ!」
わざわざご丁寧にありがとうございます。
……でも、言うほど小さくは無いんだよ? たぶん標準サイズ。
うん、ちっちゃくは無いぞ……きっと。それに俺のだってまだ成長期だもん……
あれ? いやらしいことばっかり考えてるせいかな? 目からガマン汁があふれてきたぞ……
想像以上のダメージに打ちひしがれてると、先輩が意見を汲んでくれたのか
いつのまにか『視界』はちょっと引いて二人の全身を映し出していた。
いよいよ本番間近なのだろう、文字通りの乳繰り合いが始まっていた。
服を脱いだパラ君はガンナちゃんの裸身に覆い被さり、発展途上のちっぱいに指を伸ばし、舌を這わす。
小さいながらもちゃんと乳首が勃ってる。
そのピンと自己主張する桜色の突起をパラ君が刺激するたびに、ガンナちゃんは
その愛らしい顔を快感にゆがめて《やぁぁ…あんっ!》とか喘ぐ。
手と口で乳首をかわいがりつつ、へその辺りを撫で回していた彼氏の手が、
わき腹、太ももと移動し、そしてついには股間に指がかかった。
しかし脚を閉じてると完全に一本すじだ……やっぱ変わってない。
年齢を考えればそろそろ肉のはみでたオトナのまんこになっていてもおかしくないはずだが、
毛の一本も生えてないおんなのこの性器は、ある種の清楚ささえ感じられる。
パラ君の指はそのすじを上下になぞり、徐々に割れ目に指先をうずめていく。
《ひぁ、あ、あぁああぁっ!》
指先が可愛い割れ目に埋もれたクリトリスを探り当てたのだろう、ガンナちゃんが肢体を身悶えさせる。
パラ君はおんなのこの一番敏感な部分をいじくって少しずつ彼女を骨抜きにしつつ、
隙を捕らえて少しづつ閉じていた脚をひらかせていく。
大事な部分が御開帳。
脚が開いても、すじはほとんど『中身』を見せない。露骨なまでに子供のまんこだ。
だがその子供のまんこは今やしっとりと濡れて、見えない所で着々と男を受け入れる準備をしているようだ。
そしてガンナちゃんの脚の間に、パラ君は顔を埋めた。
頭で隠れて見えないが、下のお口にお口でご奉仕を始めたのだろう、
《――――――――――――!!》
ガンナちゃんが何か訴えているが、早口かつ支離滅裂すぎて、
もう俺程度の読唇術ではなにを言ってるかさっぱりわからない。
口唇愛撫を受け続ける幼い肢体は悩ましげに身をよじらせ、ときおりびくびくと腰を震わせる。
おまんこ舐められてるだけではちょっと物足りないのか、彼女はちっぱいの先端の突起を
自分でくりくりしている。あらまー、知らない間にそんなエロい子に育っちゃってたんですね。
お兄ちゃんは感動で震えてしまいそうです。
やがて朱に染まった全身はたちまちのうちに高まっていき、玉のような肌に汗滴が浮かび上がっていった。
《――――ッ! ――――――ッッ!!》
そして快楽を訴え続けていたガンナちゃんの身体が唐突に大きく反り返り、びくんびくんと痙攣を始めた。
口をぱくぱくさせているが、これはもう声など出てはいないだろう。
「イッた…んスかね?」
「……だろうな」
さっきまでペラペラ喋ってた俺たち二人までもが、もはや言葉少ない。
先輩もまた『視界』の向こうの光景に心を奪われつつあるようだった。
しかし、いつぞやのガンナちゃんの自己申告では『イクのに時間がかかる』と言う事だったが、
今の豪快な達しっぷりを見るに玉香の効果はバッチリでているようだ。
《す、スゴかったよぉ……》
快感の余韻にとろけていたガンナちゃんの唇が、ようやく意味のある言葉をつむぎだす。
《大丈夫ですか》
心配げに気遣うパラ君だったが、
《……ふーん、アレだけ一杯いじめてくれて今更『大丈夫』ぅ?》
ジト目をしたガンナちゃんに皮肉げに返されてしまった。
《ご、ごめんなさいっ!》
《あはははは、うそうそ。怒ってないよ……て言うか、すごくよかった……うん》
一転して笑顔になった彼女の顔がまたすぐ移り変わって、男を誘う艶っぽい表情を浮かべる。
《ね、今度はわたしがしたげる……おちんちん出して》
《はい……》
パラ君が剛直を差し出すと『視界』はそのままズーム・イン。先輩アンタ欲望に忠実すぎ。
しかしヒデェ絵ヅラだ。
ギンギンに勃起したぶっといドス黒チンコが、ガンナちゃんの顔先に突き出されているのだから。
この画面だけ切り取ってみれば、荒くれ男が可憐な美少女に奉仕を強要してると言われても信じてしまいそうだ。
ガンナちゃんは、既に鈴口にあふれている先走りの汁を指先に取り、
くりくりと円を描くように亀頭の先をなでくっていく。
《ふふ、かわいいよね。コレ》
かわいくない。かわいくないよソレ。むしろ男の俺がみてもエグいって感じるレベルだよ。
《うん、アグネヤストラみたいですっごくかわいい》
言われて見ればガンナちゃんの愛銃に感じは似てる。それをかわいいと感じるセンスは理解できんが。
ちゅ。
そして彼女は臆することなく、エラの張った大人チンポ(持ち主はショタだが)に口付けた。
ちゅ。ちゅ。ちゅ。
剛直へのキスは繰り返され、やがては舌がのばされて舐めあげていく。
《ん……おちんちんおいしい……》
ああああ、そんなエロ本みたいなセリフを口にするだなんて! いいぞ、もっとやれ!
ガマン汁と唾液で剛直はいやらしく汚れ、ベタベタのツヤツヤのテカテカになって行く。
この『視界』ではパラ君の顔は見えないが、黒い肉茎はぴくぴく振るえ、ときどき大きくしゃくりあげる。
感じてるのは間違いない。
《食べたげる……》
おいおいおい、くわえちゃったよ! スゲェよ! アゴはずれんじゃねえの?!
流石に全部口に含むのは無理だったようで、カリの辺りまで唇の中に納まったところで動きがいったん止まる。
しかしその後ほおばるようにモゴモゴとして、ガンナちゃんの小さな口は亀頭をねっとり味わっていった。
いやー、アレは気持ちいいだろ、絶対。いいなぁ、うらやましいなぁ。
……などと思っていると、パラ君の手が下りてきて、くわえていたガンナちゃんの唇をチンコからはずした。
黒い地肌がさらに充血して、なんとも言えないエグい色合いになっていた。
『視界』が引いてパラ君を映す。
《ガマンできないです……そろそろ、挿れたい》
フェラの官能ですっかり出来上がったパラ君がそう持ちかけると、
《パラ君のえっち……うん、だけど、わたしも……》
ガンナちゃんは恥ずかしげながらもこっくりとうなずいた。
……おお、ヤるのか。
彼氏がスキンを一つ取り出すと《つけたげるね……》と、彼女がすっとそれを手にとって、
いまやバッキバキに硬くなった剛直に被せようとしていったの、だが――
《わ、わわっ!》
――おおっと、ココでパラ君のご立派様が暴発です。どうやらさっきのフェラで限界寸前までいってたようだ。
びゅくっ、びゅくっと大蛇がカマ首をもたげるように震えながら、その先端から大量の精液がはきだされ、
スキンをつけようと悪戦苦闘していたガンナちゃんの顔に白濁液が直撃する。うーむ、玉香が利きすぎたか?
遅漏のパラ君でコレなら、普通の人間相手なら一回の投与量をもうちょっと下げてもいいな。
《もー、早すぎるよぉ……》
たっぷり顔射され白い粘液でベタベタに汚れたガンナちゃんを、
《ご、ごめんなさいっ!》
パラ君があわててタオルでふき取っていく。
《んふ……えっちな匂いで一杯になっちゃったぁ……》
しかし精液の匂いにアテられたか、ガンナちゃんの顔が幼さに似合わぬ媚態を帯びていって――
《でも、こんなスゴイの今まで無かったね……》
《……はい》
《ちゃんとクスリ利いてるみたいだね……》
《はい》
《今日は私のナカで一杯気持ちよくなってね?》
《はい》
いよいよ、というべきか。
濡れた幼い割れ目に、エラが大きく張り出したたくましい亀頭がすりつけられ、
まんこからとろとろと零れるすけべぇな汁をねっとりと絡めつけていく。
……で、今更なんだが。
は、入るのか、コレ? 互いのサイズが違いすぎるだろ。コレで遅漏とか拷問としか思えないんだが。
《きてぇ……》
だが、ガンナちゃんは恐れることなくその凶悪なブツを求め、
《ええ……いきます》
いかつい亀頭の先端が細い膣口を押し広げ、いやらしい肉穴にうずもれていく。
エグく張り出した雁首の辺りは流石に抵抗があったようで、すんなりとは行かなかったが、
それでも膣は男のモノを次第次第に飲み込んでいった。
ちっちゃなまんこに、パラ君のゴン太暴れん棒がねじ込まれていく様子は、
めりめりと言う音まで聞こえてきそうだった。
いともたやすく行われるえげつない行い。そんな言葉が思わず浮かんだ。
あまりに背徳的な光景で妹が乱暴されてるみたいでいたたまれない。(実際妹みたいな物ではあるんだが)
……どうしよう、俺ってロリコン属性まったく無かったみたいです。コレはなんと言うか、その、ヒく。
そりゃ俺だってガンナちゃんにいたずらしてた時期もあったけどよ、ありゃお互い子供だったからであって、
子供のまんこに大人のちんぽ挿れちゃ駄目だよ。YESロリータNOタッチだよ。
だが俺とは逆に、隣に座ってる女性はこーゆーのがお好きなようで
『視界』が結合部からブレ無い、動かない、大アップ。
「……あの、先輩。ちょっと視界を引いてもらえません? 絵ヅラがムゴすぎるんスけど」
「…………」
聞こえちゃいねぇ。
先輩はいまやレポを取る手すら止めて『視界』の向こう側に見入っていた。
コレはコレで面白いのでほっとくことにする。
しかたなく俺もメガネを掛けなおすと、ガンナちゃんの身体がパラ君を根元まで受け入れていた。
そっかー全部入っちゃうのかー。スゴイね、人体。
膣口はいまやいっぱいいっぱいに広がり、痛々しいほどだが……愛液もまた零れ落ちるほどに豊富に分泌され、
シーツにいやらしいシミをつくっていた。あんなスゴいのををねじ込まれて……感じてる、のだろうか?
性器と性器はしばらくお互いを味わいあっていたようだが徐々にうごめき始め、
やがてはたっぷりとエロ汁にまみれたそれらの本格的な抽送が始まった。
しかし、ダイナミックでプリミティブなエロティシズムとでも言えばいいんですかねー。
繋がってるトコばっかり見せられても、チンコしぼむほどじゃないけどノリ切れないと言うか……
うん、やっぱ術式なんぞに頼ってのぞきをしちゃイカンな。
のぞきのだいご味はさ、バレるかもしれないスリルとかさ、ヤってる連中と空気を共有している臨場感とかさ、
あと、ゆれる乳とか、そーゆー所にあるわけじゃんよ!(力説)
『千里眼の術式』の存在を知ったときには、なぜ俺は錬金術師の道を歩まなかったのか心底後悔した物だが、
今ならわかる。治療にかこつけて女の裸を拝めるメディックの方が断然お徳だったと!
ありがとう、爺ちゃん。俺の進路を定めてくれたアンタには感謝してもしきれないよ。
それに千里眼は音を伝えない。
やっぱ、喘ぎ声とか悩ましい吐息とか聞こえてこねぇと――
「ん……んふぁ……」
――悩ましい吐息が聞こえてきた。
千里眼は音を伝えない。それはつまり。
「……う、うぅん」
こんどは小さな、本当に小さいながらもあえぎ声。
千里眼は音を伝えない。それはつまり。
――リアルで興奮し始めてるオンナが隣にいると言う事ですよ、奥さん。
♂♀
投下終了。
なんか毎回いってる気がしますが、寸止めですみません。
たぶん、次で終わり……だと、思います。きっと、たぶん、おそらく。
続編降臨! なんというロリショタGJ。
そして次回はバーチャル乱交ですね、わかります。
面白……けしからん。もっとやっちゃってください。
乙です。
ああ、そりゃ遅漏にもなるわなぁ……
某わんこのカイエ並みの超巨根を想像してしまった。
なんというけしからん面白さ
乙です!
先輩が「ごんぶと」と「結合部」ばかり見たがるのは……
いや、念のため完結するまでやめておこう。
読唇術で《脳漿を床にブチ撒けたい?》これよくわかったなw
ほ
>>258 昔、同じことを言われたんじゃなかろうかw
久しぶりに見に来たらすげぇ…
先輩のエロさに今後も期待
保守
スカイク□ラシリーズの書き手さんかな?おかえりなさい
しかし「どうせこんなことになると、わかっていたのだ」とか懐かしすぎるw
>>263 GJ。
なんかもう、ただただ圧倒された。
続きも楽しみだ!
おぉぉぉぉぉぉぉおおお。新作来てたああああああ!!
読ませる文章に続きをワクテカせざるをえないっ
「危険が危ない」「マーフィーの法則」「解説せねばなるまい!」
に吹いた。こういう乗り好きだわw
保管所、なんだか荒らされてるみたいなんだけど…
3竜(蒼)とか流れちまってる……なんてこった
保管庫、世界樹の方は対応してもらえたみたいだ
(アトラス総合も爆撃受けてるが復旧してない)
管理人の人、ありがとう
メール受けて惨状に気づきました。
見れないページとかあったら連絡お願いします。
管理人様、乙
そしていつの間にか来ている
>>263の後編!!
今からちょっと読んでくる!!
…ついでに自分の作品消してもらえないだろうかとちょっと思ってみたりw
ふっと懐かしくなって巡回してたらこのスレ健在で泣いた
書き手さんも読み手さんも管理人さんみんなみんなGJなんだぜ
273 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 10:40:36 ID:SgPcf4UV
上げ
投下行きます。
>>252の続きです。
……ええとすみません、このターンで終われませんでした。
後一回だけ続けさせてください。
♂メディック(タマネギ):こっちが後輩。本作の語り手。
♀アルケミスト(メガネ):こっちが先輩。
♂パラディン(ショタ):ガンナ子の彼氏。このターン空気。
♀ガンナー(フロスト):ショタパラの彼女。このターン空気。
「…………はっ…………はっ……はーっ……ん、ふぅ……」
横目で先輩の様子を探れば、頬は朱に染まり、半開きになった口からは艶っぽい吐息が不規則に漏れ出し、
知性の光が失われつつある瞳はメガネの内側で展開される濡れ場に釘付けであった。
おそらく無意識の動きだろう、さっきまでレポを取っていた手はゆったりと太ももをなでくり、
その太ももは互いをもじもじと切なげにすり合わせていた。
うん、エロい。
やっぱ俺はいまいちシュミに合わない遠隔のぞきよりは、こっち見てる方がよっぽど性に合う。
絶好のセクハラチャンスではあるが――今の今からかったり、おさわりしてしまうのは愚行の極みだ。
まだまだ先輩に正気が残ってる状態でうかつに手をつけてしまったら、こっちがボコにされたあげく、
ふたたび理性の手綱を引き締めてしまうだろう。そうなってしまっては、もうこれ以上
エロい展開は望めない。まず、先輩にはこのまま帰還不能な地点まで欲情してもらう必要がある。
……では、どうするのがベストだろうか? よく考えろメディ。思考しろ。KOOLになれ。
鞄の中に入れてある『真竜の玉香』を意識する――だが、コレを使っちゃぁ面白くない。
確かに玉香ならばどうにかできるかもしれないが、先輩ならば対抗策を用意してる可能性もあるし、
たとえ利いたとしても『自分の意思でいやらしい事をした訳じゃなく、
クスリのせいでエロい気持ちになったのだ』と、言い訳の余地を残してしまうことになる。
まるっきりゼロの状態から堕とすのならばともかく、先輩はいま自分から堕ちかけているのだから、
コレに余計な手を加えるのは極上のステーキにハチミツをぶちまけるがごとき暴挙である。
うむ、やはりエロは天然物に限るぜ。
「……ふぁっ」
……などと、脳内でセクハラ計画を練っていると、またもや喘ぎ声。
先輩が動く気配を見せたので、俺は慌てて『視界』に没入しているふりをしつつ、
「うゎ、ヤるなぁ」などとクサい芝居をしたのだが……なんか画像が薄れてきてねーか?
映る風景が薄れて半透明になり、先輩のガラクタルームがレンズを透かして見えてきた。
「ぁ……千里眼の集中が緩んできたか……」
なるほど。性的興奮で先輩の理性が弱って、術式の効果が落ちてきてるのか。
一言つぶやいた先輩は術式の再詠唱を行い、
「ん、これでよし……」
よくねーよ。こっちのは『薄い』ままだよ。自分のだけかよ。
だが、逆に考えるんだ。
先輩の観察に注力するなら、むしろ半透明のこの視界の方が都合がいいんだって。
ココから先は諜報戦だ。
おそらく先輩はもうすぐ己が欲情していることをしっかり自覚してしまうだろう。
自身の発情に気がつけば、先輩も俺の方角を意識するだろうから、
その場合、互いの様子を探りあう横目と横目がごっつんこするのが最悪である。
俺は鞄から手鏡をとりだし、先輩から見て逆側にそびえるガラクタ山の中腹に設置する。
冒険者向けの規格品で誰が持っていてもおかしくない物だから、この仕掛けが
バレた所で『もともと先輩のじゃないんスかー?』と、一応のごまかしは利く。
角度を微調整すれば、鏡の中には興奮した様子の先輩が映し出され――
「……あぁ、んっ!」
ギリセーフ。
勃った乳首が服の内側でこすれでもしたのか、今度はかなりハッキリした喘ぎを漏らした先輩は
あわてて口をおさえ、眼球は落ち着きなくきょろきょろと動いて俺の方をうかがっていた。
「メディ君……」
探りを入れてくるが、聞こえないふり。
眼鏡の内側に視線を戻し、俺もまたショタロリらぶらぶエッチに集中していた風を装う
……って、こりゃスゲェ。
薄れた『視界』の中では、玉香の効果で完全に理性がトんだ二人がケダモノの様にまぐわいあっていた。
コレを画質クッキリで注視していたのなら、思わず声が出てしまうと言うのも納得である。
「メディ君」
再び呼びかけられる。シカトを続けると俺が『気付いてない』とでも勘違いしてくれたか、
鏡に映った先輩はホッとした安堵の表情を浮かべる。くっくっくっ、いいぞ、その調子だ。
「めーでぃーくん」
しかし無視されるのも嫌なのか、語気を少々強めてさらに声をぶつけてきた。
「なんスか? いいとこなのに」
やや不機嫌な感じで『邪魔すんな』と意思表示すると、
「……ああ、いや、その、なんだ……」
そもそも呼びかけに『探り』以外の目的がなかったことを思い出したらしく、
途端に挙動不審になったのだが、
「すごいな、あの二人。アレはなんと言う体位なのかな?」
もう頭が回ってないのか、かなりとんでもない質問をぶつけてきた。
口にした後でものすごい失言だったことに気付いたらしく『しまった』という表情を浮かべ、
上気した顔で恥ずかしげに、ちらちらこちらを盗み見る様がとってもプリティでした。
「ん〜、後背座位の亜種……乱れ牡丹に近い感じっスねぇ。つっても二人ともそういう知識が
あったわけじゃなくて、興奮するカッコを試行錯誤するうちにあんなんなっちゃったんでしょーけど。
ほら、座ってるパラ君に乗っかる形で、ガンナちゃんが大股開きで挿れられちゃってるっしょ?」
「……うん」
「で、まあ、寝室のつくりが先輩の部屋と同じ訳っすから、ちょうど正面にクローゼットの鏡があるわけで、
二人とも繋がってるトコとか、感じちゃってる自分の顔とか丸見えで大興奮。
あとは、今パラ君がやってるみたいに挿れながらクリとか乳首とかいじくりやすいっス」
「……」
「ちなみに『牡丹』っつーのは、陰唇を花弁に見立てた隠喩で、それが乱れる様をよーく観察する為に……」
画像は薄れて見づらいものの、自ら地雷を踏んづけた相手へのセクハラチャンスを見逃す俺ではなく、
それはもう、ねっちりたっぷりしっぽりと体位解説を行っていると――
「……もういい。まったく、君はこういう事は何でも知ってるな」
「何でもじゃねーっスよ。知ってることだけ」
どっかの委員長みたいな切り返しをしてしまったが、それはさておき。
さっきの体位トークにアテられてくれたか『視界』はぐるぐる動いて
ショタロリ二人がえっちしてる有様をあらゆる角度からとらえようとする。
もー、先輩ってば『研究熱心』なんだからぁ♪
しかし、ここで大きな問題が一つ。
――激しく動かれるとめっちゃ酔うのだ、千里眼の術式って。
いつの間にか頭痛がする。吐き気がする。そう言えばずいぶん前から違和感はあったのだ。
おそらく『視界』の動きと三半規管が連動しない為に、脳が誤作動を起こしてるのだろうが、
おいおいおい、コレからいい所だってのに――いや、『酔い』程度に負けてなるものか!
馬車酔いに近い症状だと判断してテリアカを服用すると、どうにか気分が楽になる。
ざまぁみろ、俺のエロスハートはこんな事で屈したりはしないのだ!
「……ん、んっ、ふぁっ……んぅ」
……と、俺が『酔い』と格闘していると、またもやいやらしい吐息が聞こえてきた。
どうやら先輩は更に欲情を深めたらしく、だいぶと呼吸が荒く悩ましく、そしてエロくなってくる。
――って、あれれ?
『視界』が完全に消失した。いまやメガネは完全な素通しだ。
ついに俺のほうの術式を保つことができないぐらい、先輩の理性は薄れてしまったということか。
そして、更なる術式詠唱が聞こえたかと思うと……
「……うぁ、すご……パラ君の、ペニスが……あんな、ふかく、でたり、はいったり……」
……あの、先輩。
えっちな思考が口からダダ漏れですよ?
まさか、先輩ってば最後に残った理性のひとかけらまでも自身の術式の維持に使っちゃったわけか?!
のぞきの為にそこまでやるって俺が思ってた以上のすけべぇですよ、この人。
確認の為にそっと先輩に近づき、目の前で手をひらひらふってみる。
「ん、ぁ……、あ、あんなにヴァギナが広がって……」
見えてねぇ――て言うか、かんっぺきにアッチの世界に行っちゃってますよ、コレ。
今度は試しにほっぺたを突いてみる。
「ん……んんっ……ん、くすぐったい……」
いける。
コレはいける。
多少の反応はあるが、目はうつろで、どこかぼんやりとした状態のままだ。
どこかしら夢見ごこちの表情で、俺の突っつきを受け入れているようですらあった。
つまりコレは――おっぱいチャンス以外の何者でもないッ!!
どうする?!
撫でるか?! 揉むか?! 嗅ぐか?! 埋めるか?! 挟むか?! 舐めるか?! 吸うか?!
いやもー悩んでる時間がもったいねー!
料理の仕方は行動しながら考えりゃ良い、と――豊満なおっぱいに手を伸ばしかけたその時、
「あぁぁあぁあっ!?」
先輩が突然大きな声をあげてガバっと立ち上がったのだ。
「す、すんませんっ! 違うんス! コレは出来ごころっ…じゃなくて……えと、そう!
先輩の意識が消失しかかってた感じだったので、触覚を刺激することで回帰させようと試みたわけでしてね、
今のほっぺたつんつんには決して、まったく、ぜんっぜん、やましい意味は……って、ありゃ?」
俺は謝罪の言葉を一ダースほど並べ立て、土下座の準備をしかけていたのだが、
棒立ちになってた先輩は魂が抜けたような感じになってぺたんと再びベッドに腰をおろし、
「……で、でてる……、あんな、いっぱい、射精、しちゃってる……」
ビビったー。
つーかそーか。パラ君たちが一回戦終了したわけですね、わかります。
先輩は射精シーンに興奮するあまり、思わずスタンディングオベーションしてしまったようだった。
自身が精を受け止めている所でも想像してるのか、切なげな顔をして時折ふるりと身体をくねらせる様は、
それだけでご飯三杯いけてしまいそうである。
「……ぁ、あぁあ、そんな……出した、ばっかりなのに、……もう、次に……」
おおっと。
俺にゃ見えねーけど『視界』の向こう側では既に二回戦が始まってるっぽい。
流石は玉香と言うべきか、それともパラ君が元々絶倫なのか。(最初の暴発を数に入れりゃ既に3発目だ)
そしてそれを見やる先輩はますます欲情を深めて、知性や理性や常識を揮発させていく。
「んっ……ふうっ……」
口元の手は喘ぎをこらえる物かと思ってたが――違う。
よく見ればそれは唇をなでくり、時々突き出される舌は指先に唾液を補給してぬめりを与えていた。
おいおい。自分で自分を気持ち良くし始めちゃってますよ、この人。
バレてないと思ってんのか――それとも、もう、そんな事を気づかえないほどサカちゃったのか。
「あ、あ……あぁ、も、もぅ……我慢が……駄目……となり、メディ君、いるのに……」
はいはい、貴女の右腕メディ君はこちらに控えておりますとも。
コレはコレはしかし。ヘタに手を出すよりじっと見てた方が面白いことになりそうだ。
先輩の手はベッドの上を撫でるように探り、やがて愛用のロッド――ケリケイオンを掴んで手繰り寄せた。
「駄目……駄目……でも、もう……んっ、だめッ……だめッ……」
最後の最後に残った理性が抗ってるようだったが、
すっかり欲望に忠実になった身体は杖を股下に挟み込み――
「んっ、あぁぁぁっ! 駄目ッ、だめぇぇっ! こ、んなの……だめぇっ!!」
――勝った。第三部完ッ!
ついに先輩はゴリゴリとした杖の表面に、ボトムスの布地ごしに女陰をこすりつけ始めたのだ。
しかしまー、超高額な最強杖をこんなエッチな一人遊びに使ってると知ったら、
学院の錬金術師やシトト交易所の職人さんは涙を流さずにはおれないだろう。
「だ、駄目……声でちゃ…メディ君に、聞かれちゃ……あ、ああぁぁ……」
とっくに聞いてますよー。見てますよー。バレてますよー。
ケリケイオンにまたがった先輩は、必死で口を押さえつつも、もう腰振る身体を止められないようだった。
「んっ、あぁっ……パラ君たち……あんな、激しっ……!」
そう言う先輩自身の動きが激しさを増す。ゆっさゆっさと揺れる乳はまさに眼福というほかない。
それに杖がぬめって妖しくテカり始めてる。変わらずエッチなお漏らしがたっぷり溢れる体質らしい。
……とはいえ、俺もそろそろ見てるだけじゃあガマンできん。
こんだけ先輩がサカってる状態なら『お手伝いしましょうか?』っつー流れで、
乳の一つも揉んだところでシバかれることもなかろうし、その後で『お礼』に
チンコしゃぶってもらったり、脚で踏んづけていただけるかもしれない。
「あ、あ、あ、あぁっ! もうっ、もうっ……!!」
完全に理性も抜け落ちてしまったようで、いまや先輩は一心におまたをゴシゴシしている。
激しすぎる動きにメガネはずり落ちかけ、だらしなく開いた口元からは一筋よだれが零れている。
おっけー。手を出すなら今だろう。
「せ・ん・ぱ・い♪」
俺が意地悪っぽく呼びかけながら、先輩の肩をぽんと叩くと――
「――ふぇっ? め、メディ……く、ん……?」
ずり下がっていた先輩のメガネがぽとりと落ちて、互いに何も遮る物の無くなった目と目があった。
あってしまった。
「め、メディく……ん、あぁ…ヤぁ……っ! だめッ、やぁっ……、だめっ! 来、きちゃぁぁっ?!」
「……え、ちょ、その、先輩ッ?!」
「だめっ! ヤぁっ! だめッ! 止まら……止まらないっ! あ、ダメッ、ああぁぁぁああっ!!!」
せんぱい、ふるえてる。
て言うか、イッてる。
…………ええと、その。
どうも俺が居ることをさっぱり忘れていちまったらしい。
自慰行為に耽ってる最中を突然男に見られると言うとびっきりの羞恥が
興奮を最大値にまで押し上げてしまったのだろう。
ついでに肩を叩いたアレがトドメになった様で先輩はあっさりと達してしまった。
「あっ……ああぁっ! イッ……ってるッ! イッてるところメディ…くんに、見られてるッ!!」
あふれる快楽を押し込もうと自身の身体をギュっと掻き抱いて、しかし果たせず、
上体がぐらりと倒れてベッドに突っ伏し、それでも性の絶頂は収まらずひくんひくんと痙攣する。
メスの匂いが鼻腔をくすぐり、そちらに目を向けると杖を挟み込んだままのまたぐらから
じわじわと生暖かい液体が漏れ出してシーツを汚していた。
たぶん、先輩、潮ふいてる。
「あ、あ、あ、見ちゃ……見ちゃダメッ、メディくんっ、見ちゃだめぇっ!」
「いや…その、そー言われてもっスね……」
ココまで本能を直撃する光景から目をそらすことなど出来ようはずも無く、
俺はただただ官能に翻弄される先輩の肢体を眺めていたのであった。
♂♀
「う、ううっ……見られた……メディ君に見られた……」
メディックですが、部屋の空気が最悪です。
イッてしまった先輩は一応の正気を取り戻していたが、いつもは瞳に宿っている怜悧な知性の光が今は無く、
かけなおしたメガネの内側のその瞳は涙目だった。時々さっきの羞恥プレイがフラッシュバックしてくるらしく、
顔を押さえて「あうぅぅ……」とかうなっている。うむ、実に可愛い。先輩の新たな魅力発見である。
しっかし、サカってる真っ只中ならともかく、達して賢者モードに入られてしまうと
(つーか女にも賢者モードってあったっけ?)どうにもセクハラしづらいから困る。
「でもほら、先輩の痴態を見るのは今日がはじめてでもないですし」
「見せる気があるかないかの覚悟の差だ!
それに、その……達する所を見られてしまうのは今日が初めてだし……」
「いや、イクとこだったら前にも見たことあるんスけど?」
「嘘だッ!」
「嘘なもんスか。ほれ、いつだったかのポーカー勝負の時に」
「え、え、え……あ、う、うぅぅ……だって、だって……」
うわー、顔真っ赤、可愛すぎる。
「だってあの時、メディ君気絶してたんじゃなかったのかっ?!」
うはー、前言撤回、酷すぎる。
「微妙に意識はあったんスよッ! 先輩アンタ酸欠で失神してるとわかってた
男の顔にまたがり続けるって殺す気っスか?! エッチ! スケベっ! 痴女っ!」
激しく言い返してくるかと思ったが、そうはならず、先輩はしゅんとなって、
「殺す気というか……実はあの時、ネクタル使ってる」
マジで死にかけてましたよオイ。通りで天にも昇る気持ちよさだったわけだ。
「……ったく。それに今日のも見られたつっても、俺はなんもしてないっつーか、先輩が勝手に……」
「ほっぺたつついてたくせに……」
ぎゃー、ミスった。薄々ながらも認識はしてたらしい。
「くっ……そ、それはっスね……」
「言い訳はいいッ! そもそもっ、いつから見てたんだ!」
あ、基本アンタが悪いってのに逆ギレすんのはズルいとおもいます。
「えーと、ほぼ最初から? て言うか、先輩がエッチな気持ちを自覚するよか前からっス」
「ばか―――っ!!」
こぶしを振り回してぼっかぼっか殴りつけてくる……ああ、痛い、痛いけど……
「しかし俺にとっては余裕でご褒美」
「声に出てるぞ、このドMっ! へんたいっ! のぞき野郎っ!」
「最後のは先輩も同罪っしょ」
「ううっ……うるさい、うるさい、うるさいっ、メディ君のクセに生意気だぞっ!」
うわ、なんと言う小動物的可愛さ。(身長自体は先輩のほうが俺よか数ミリ高いんだが)
「よしよし」
思わず先輩の頭をわしわしと撫でくると、
「さわるなーっ!!」
きーきーわめいて手を跳ね除けられてしまった。
そーゆー行動がむしろ可愛さ成分を増しているということに、この人は気付いてるんだろうか?
しかし、こうして険が抜けると先輩は随分若く見える。
いつもは強豪ギルドの長にふさわしい年齢相応――と、言うかそれ以上の貫禄が全身に満ちているのだが、
今の先輩はまるで俺と同年代の小娘みたいだ。
一通り悪態をつき終えると先輩は濡らしてしまった下半身が気になってきたらしく、
「ああ、もう、気持ち悪い……」
「盛大に潮ォ噴いてたっスからねぇ」
「うるさいっ! 誰のせいだと思ってるんだ!」
「え。誰のせいって先輩の超自業自得っスよね?」
「ちがーうっ! 君のせいだ君のせいだ、メディ君のせいなんだからなーっ!!」
何で俺の責任なんだよ。
「ともかく。気持ち悪いなら着替えたらどうなんスか?」
「ああ、うん……そうだな」
言いつつ、汚してしまったボトムスに手を掛けて引きおろし……って、あの、先輩。
俺、アンタの目の前にいるんスけど?
ひょっとして正気に返ってる風に見えて実は全然頭が回ってないッ?!
「よっ…と」
そして現れ出でたのは濡れたおパンツ。
おお、高そう……というか実に大人っぽい下着だ。
華美でありながらどことなく清楚で、そしてもちろん大変にエロい。
当然エッチなお汁がたっぷり染みて駄目になっているのだが、いやらしさは更にそれで倍率・ドン。
「流石っスね、先輩。いっつもそんな勝負パンツっぽいのはいてるんスか?」
「ばか。こんなスースーするの、毎日なんてはくか……大体、コレは昨日買ったばかりだ」
「んじゃなんで、今日はわざわざそんなエロいのを?」
「う、う、う、うぅぅ……まったく、君はなんでそんなに鈍いんだ……」
「……はい?」
「わかってないならもういいっ! ああもう……計画が台無しだ、予定じゃこんなはずじゃ……」
計画とか予定とか、まーたアンタはなんか企んでるのか。
そしてボトムスを脱ぎ捨てた先輩は、いよいよぱんつに指を掛け――
「――待った、メディ君。何でさっきから凝視してるんだっ?!」
ちっ。
気付きやがったか。
「見るなとは言われなかったからっス」
「ばかーっ!! 普通目をそらすとか、背を向けるとかするだろっ!!」
この場合、普通は男を退室させると思うが、その選択肢すらもう思い浮かばないらしい。
「先輩。そんな時はこう考えるんス。“ぱんつじゃないからはずかしくないもん”って」
「やかましい! これでもくらえ!」
大量のサイコロをロールする先輩を幻視したが、それとは全然関係なく、
「ちょ、先輩っ?!」
目の前まっくら。
「……って、コレ、盲目の香ッ?! ひ、酷いッ! 先輩の人でなしっ!
人間にはあまねく知る権利という奴が認められねばならぬというのにっ!」
「――だったら私の知的欲求を満たす為に、人体実験の素体になってみるか、んん?」
「すっ、すんませんっ、モルモットより役に立たない素体ですんませんっ!」
やべぇ、今の先輩って声が超マジだった。
「言っておくがリフレッシュとかで盲目解消したら許さないからな。着替え終わるまでじっとしてろ」
ちっ、こーなったらもー、視力以外の五感に全てをかけるしかあるまい。
ず、ず、ず、ず。
濡れた下着が肌にひっかかるのか、やけに生々しい衣擦れの音が耳に届き、
そして陰部が外気に露出したせいだろう。いやらしいメスの匂いがいっそう色濃くなった。
眼前にぱんつはいてない状態の先輩がいることを実感する。
「しかし、潮ってあんなに噴いちゃうものなんスねえ。貴重な物を見せていただきました」
「言うなバカッ! あ、うぅぅぅ……思い出しちゃうじゃないかぁ……」
おお、弱ってる、弱ってる。こういう先輩も貴重だ。
俺は基本的に受けだが、先輩からアドバンテージ取れることって滅多にねーし、たまには攻めも悪くない。
「いつもオナニーの時はあんな豪快にイッてるんすか?」
「そんなわけ無いだろ! 私だってあんなの初めてだ……君に見られて
ビックリしちゃったと思ったら、どんどん体が言うこと利かなくなって……」
「へー、そんなスゴかったんスか」
「……うるさい」
あ、スゴかったこと自体は否定しないんだ。
「あんな全体重をかけてこすりつけちゃうからっスよ。指でヤってれば
頭のネジが外れてトんでても、ちったぁ調整もきくでしょうに」
何の気なく、セクハラ半分で投げかけた言葉だったが――
「……だって私、アレ以外に方法を知らないし……」
――思わぬ答えが返ってきた。
「方法?」とぼけてみる。
「だから……その、わかるだろ……」
見えはしないがシーツに『の』の字でも書いているのか、しゅるしゅると何かがこすれる音がする。
「そっかー、角オナはシュミでやってんのかと思ってたんスけど、先輩もパラ君の同類でしたかー」
ぶん殴られることすら覚悟したセクハラ台詞だったが、
「そんな事いっても……だって、だって……」
パンチも術式も飛んでこないばかりか、先輩が妙にしおらしい声で続けてくる。
「ママが…不浄の場所だから、触っちゃ、ダメ、って……」
あー、なるほど。
ガキの時分の親のしつけが今まで後を引いてるのか。おそらく幼少期に偶然覚えたオナニーの現場を
親に見咎められて、こっぴどくしかられたのだろう。しかし、いっぺん覚えた性的快楽の味を
忘れることもできず、『触るんじゃなくてこすり付けるんならセーフ』っつー子供らしいトンチで
自分の中で折り合いをつけた、と……まあ、そんなところだろう。
これ以上つつくと先輩の妙なトラウマをほじくり返してしまいそうなので、一旦それは止めにして、
「先輩。良ければご教授できますよ」
「……なにを」
「俺は女のオナニーにも詳しいです」
「そのセリフだけ切り取って聞くと、変態以外の何者でもないな」
「いやぁ、それほどでも」
「いまのは褒めてないっ! じゃぁ何か、君がパラ君にやっていたように、
いまからマスターベーションの方法を教えてくれるから、実地でやってみろとでもっ?!」
「その通りっス、せっかく先輩パンツ脱いでるわけですし」
「バカッ! 変態っ! そんなの私の痴態を君が見たいだけだろ!」
「見えませんよ? いま俺ってば誰かさんのおかげで目潰しされてますし。ほら、安心、安全」
「だからって!」
「んじゃ、ぶっちゃけて聞きますけどね。自慰行為の後、陰部がヒリヒリ痛くなることってあるっしょ?」
「――――っ!」
ビンゴ! 先輩が息を呑む雰囲気が伝わってくる。
デリケートな場所を硬いモンにガンガンこすりつけちゃうわけだから、痛くならないわけが無い。
「パラ君みたいに毎日毎日ヤってるわけじゃねーから、それほど悪影響はでてないみたいっスけど、
それでも先輩のやり方じゃぁ、自分の身体を好んで傷つけてるのと同じっスわ。
んで、痛みを感じて『止めときゃよかった』と後悔したり自己嫌悪したりする事は?」
「……ある」
「でしょうね。だったらいい機会だし、悪癖はなおしておかねーっスか?」
「だけど……ママが……」
よし、その気になってきてる。責任の所在を他人に求めるようになったら、あと一押しだ。
どうでもいいが、先輩ぐらいの年代の女性が母親をママと呼ぶのはちょっと萌えです。
「ご両親のしつけがあるのはわかりますけどね、子供の時ならともかく、先輩だってもう
オトナなわけですし、成熟した身体をもてあますこともないではないでしょう?」
「そりゃ……まぁ……」
「特定のセックスパートナーがいるのならともかく、そうでないのならキチンとした
性欲解消法を身に着けておくべきなんじゃないかなーと、俺なんかは思ったりするわけっスよ」
「だけど、そんな……」
「ははぁん……それともビビってます?」
「……べっ、別に怖気づいてなんかいないぞっ!」
「あっはっはー、先輩のこわがりー」
「怖がりなんかじゃないっ! こう見えても私はな、不落といわれたラガードの世界樹を踏破し、
迷宮の謎を解き明かした大陸でも有数の冒険者だぞっ! 恐れる物など何も無いっ!」
「だったら、ここらで一回試しときません?」
「ああ、やってやるっ!」
くっくっく。いやー、今日は先輩ホント頭まわって無いっスねえ。
普段のアンタだったら、こんなしょーもない口車に乗せられることなんて絶対無いでしょうに。
「言っておくがな! 別に君を喜ばせるためにやるわけじゃないぞ!
あくまでも必要な知識の一端を得るために、経験を積み重ねておこうと思っただけなんだからなっ!」
「はいはい、わかってますって」
しかし俺はどうも先輩と言ういきものを見誤っていたらしい。
この人、普段は表情には乏しいし、エロい事もはきはき言うから素直クールの類だとばかり思ってたのだが、
どうも自身の根幹に関わる肝心な部分ではツンデレになってしまうらしい。
そう考えると今までの行動の不可解な部分にも一応の説明がつく――って、あれあれあれ?
その場合、大前提として誰かさんに心中ひそかにデレているというわけで……
「メディ君、何をボーっとしてるんだ。こっちは覚悟が決まったっていうのに」
……思考がまとまる前に先輩から不満げに声を掛けられた。
確かにボーっとしてる場合じゃねぇ。心変わりされる前に、ちゃっちゃと状況を開始するべきだろう。
「ああ、もう……どうしてこうなった……」
目潰しされてるが、額を押さえて嘆息する先輩の姿が見えてくるようだ。
「ま、なんにせよ、気分を落ち着かせましょうか。深呼吸して欲しいっス」
「わかった」
すう、はぁ、と深く規則的な呼吸音。それも数分後には浅く乱れたエロ吐息になってるでしょうがね。くくく。
「おちついたみたいっスね。んじゃ、上もはだくか脱ぐかしちゃいましょ」
「……なぜ脱がなきゃいけないんだ」
「後でおっぱい揉んでもらうためっス」
「ばか。そんなの君がやらせたいだけだろ」
「『芯』から遠い部分から徐々に身体を温めていった方が気持ち良いと思うんスけどねぇ。
ああ、それとも、いきなりおまんこ弄くりたいんスかぁ? いやぁン、先輩ったらはしたない」
「はしたないのはメディ君のその思考だろっ! それと女性器のスラングを堂々と口にするなっ!」
丁寧語の『お』までつけたというのに何が不満というのだろう。
「まあ、その辺は冗談ということにしとくとしても、脱がなきゃ汚しちゃうかもっスよ?」
「……そういうことなら仕方ないが、本当に見えてないんだろうな?」
「マジで見えてませんって」
「だったら――」術式詠唱が聞こえて。「――ふむ、確かに盲目が継続してるな」
「……あの、何をされちゃったんでしょうか、ボク?」
うっかり一人称が変化してしまうぐらい、イヤな予感がする。
「君がかけっぱなしのそのメガネに、この世の地獄を映し出してやった。
見えていたらトラウマ確定の衝撃映像をな――ま、見たいというなら止めはしないぞ?」
「い、い、い、イヤっ! 遠慮しときますッ!」
やっべー。あぶねー。こっそりテリアカ飲むつもりだったよ。
そして、ボタンを外す音や、服を脱ぎ捨てる衣擦れの音が一通り聞こえ、
「……準備、出来たぞ」
半ば投げやりに先輩は宣言した。
嗚呼……今の先輩ってば全裸かぁ、すっぽんぽんかぁ、丸はだかなのかぁ。
コレばっかりは見えないのが残念だ。たいへん残念だ。ひたすらに残念だ。ディ・モールト残念だ。
くそっ、俺がブシドーだったら心眼とか言って、見えざるものを見ることが出来たかもしれないのにっ。
「んじゃ、唇を撫でくってみましょうか。さっき自分でやってたから、コレは抵抗ないっしょ?」
「そんなところまで見てたのか、この助兵衛……」
などと文句をいいつつも、先輩は自身への愛撫を開始したようで
「……ん、ぁっ」などと、押さえ気味ではあるがかわいい吐息を漏らし始めた。
ちゅぴ。ちゅぱ。
何かに吸い付くような水音。もちろん唇なでてるだけじゃぁ、こんな音はしない。
つーことは指フェラですか。そこまでやれとは言ってないのに、いやホント先輩はエロですね。
「えーと、今、指なめてますよね?」
「……だったらなんだ?」
文句あるのか、とでも言いたげな声。
「唾液でぬめった指のほうが気持ち良いから、身体の各所を弄くってもらおうかと思いまして」
「汚れちゃうだろ……」
「後で拭いてあげますから」
「さりげなく君が私の身体に触れることを前提にするんじゃない……で、どこを弄くれと?」
うははは、やる気満々じゃないスか。
「喉元から二の腕のラインなんてどうっスか? 自分の体温を確かめるつもりで手のひらをあてがって、
揉んだりなでたりしてみてください。ほら、こんな感じで」
言いつつ、俺もお手本のつもりで指示したとおりの動きをやってみせる。
うむ、こっちも結構興奮してるもんだから、なかなか気持ち良いぜ。
「わかった……やってみる、ンっ……んんっ、こ、こんな風にか?」
「つっても見えませんってば……ま、声の感じからすると感じちゃってるみたいっスけどね」
「言うな……ばか……」
「くっくっく、すんません。じゃ、次は肌をなでくりながら徐々に手を下におろして――」
「――胸か?」
「ほほぅ。早速おっぱいをマッサージしたくなっちゃったんスか?
ま、そんな立派なモンを持ってたら、自分で揉みたくなっちゃう気持ちもわからんではないですけど、
もーちょっと別の場所を触ってもらうつもりだったんスけどねぇ……先輩のえっち」
「う、う、う、うるさい。だまれ、ばか」
「ふーん。マジで黙っちゃっていいんスか?」
「ち、違っ! い、今のはっ!」
ココまで来て置いてけぼりにされるのも流石にイヤなのか
あたりの空気がおたおたと動揺しているそれへと変化する。ああもう、かわいいなあ。
「冗談、冗談ですって。じゃ、お望みどおりおっぱい行きましょうか」
「べ、別に私はそんなの望んでなんか……」
「うはははは、先輩ってば今日はホントにツンデレっスねぇ」
「ツンデレって……いつぞや言ってた素直じゃない女の事か? 悪かったな、素直じゃなくてっ!!」
「すンません、あん時の説明は正確さを欠いてました」
「……どういうことだ?」
「正しくはツンデレっつーのは――素直じゃないトコが、かわいい女のことです」
「――――ッ! か、かわい……って、そ、そんな……」
おー、動揺しとる動揺しとる。
「いやいや、今の先輩ってばスゲーかわいいですよ、マジで」
「ばかばかっ! 年上をからかうなっ!!」
「からかっちゃいませんよ。俺は本気で先輩をかわいいと思ってます」
「……うー。君は何でそんなあけすけに……」
「言わなきゃ伝わらねーっスもん。ま、かわいいかわいい先輩に次の指示を出しちゃいますよ?」
「……うん」
「自分で乳揉め」
「ストレートすぎる! もっと他に言い回しを考えろ!」
「もー、注文が多いっスねぇ……んじゃ、乳房の愛撫に移りましょうか。
こんな風に、おっぱいを下から支える感じで持ち上げて――」
残念ながら、俺自身にはもちろんあんな豊満なおっぱいはついてないのでジェスチャーだけだ。
「こう……、か?」
視覚は奪われているが、空気に緊張感が孕まれ始めたのを実感する。いよいよエロスの本番だ。
「だから見えねーですって……なので、先輩の口から状況説明をお願いできますか?」
「え、え、え、えええっ?」
「ほら、早く。身体冷えちゃいますよ。どんな風なんスか?」
「どんなって……胸を、押さえてるから、心臓の鼓動が手に伝わってきて……
肌が、汗で濡れてて……体温がいつもより高くて……」
「おっぱいは?」
「やわらかい……でも重い。だけど、こうしてると自分の身体なのになんだかいとおしい」
「じゃあその愛しいおっぱいをかわいがってあげましょうか。
乳を搾るよーな感じでゆっくりと揉んで、徐々に刺激部を先端に近づけていって」
「わかった……ん、ふぁ……あぁ、ん……」
言われるままに、もみもみしはじめたようだ。ああ、先輩の手のひらになりたい。
「いい感じみたいっスね……さきっちょ、触りたくなってきました?」
「……うん、まあ、そりゃ」
「乳首イジるんだったら濡れてたほうが気持ちいいスし、もっかい指フェラして湿らしときましょ」
「んん……わかった」
ちゅぴ、ちゅぱ。
素直に指示に従ってるようで、やらしー水音が聞こえてくる。
「まあ、舐めるのはそんなところで――んじゃ、あとは乳首をつまむなりコネるなり、お好きなように」
そして放置すること3分。
「あ、あ、あぁ……んっ……」
なかなか大きな声は出さないものの、先輩はいい感じでとろけてきてる。
「今、なにやってんスか?」
「先端を指でっ、ん、くうぅっん……押しつぶして……」
「押しつぶして――どうなんスか?」
「き、きもちいい……ん、あぁんっ…ぴりぴりして、きもちいい……」
ふむ、性的快楽を素直に口に出せるようになったら次だな、次。
「さて、そろそろメインディッシュっスかね。おまんこ、いっちゃいます?」
「……だからそのスラングを軽々しく言うなと」
「じゃあ、なんと呼んだらいいんスか。陰華? すじ? 花芯? 割れ目? プッシー? 観音様?
下の口? 水蜜桃? 秘所? 肉壺? 茶臼? ヴァギナ? ぼぼ? 瑠璃光如来? 巾着?
ビーナスの丘? 神秘の扉? 赤貝? ひなさき? あわび? 玉孔? 紅割瓜? 雌宝具?」
「君はホントそんな知識ばっかり豊富だな!!」
「まあ、コレだけ列挙すれば一つぐらいは先輩の御気に召す物があるかなー、と。どれにします?」
「どれって……じゃあ、おま………………もうっ! 一番最初の奴でいいっ!」
ちっ、惜しい。あと一息で全部言わせられたのに。
「まぁとにかく。片手はおっぱいのまま、利き手の方をおまんこに伸ばしてください」
「だからぁ、あんまりその単語を連呼するな……はずかしい」
「そりゃ辱めてますから、恥ずかしくって当然っス」
「しんでしまえ、ばか……」
文句をいいつつも、先輩はきっちり指示に従ってるようで、
「今、さわってるぞ、その……あそこに」
「どうなってます?」
「そりゃぁ、当然……濡れてる。ぬるぬるしてる」
「風呂とかで洗うでしょうから触ったことがねーってこたぁ無いと思うんスけど、
こーゆーエロい目的で触るのは初めてなんスよね?」
「一人の時は、な……」
「ひとりのとき……って、じゃあ、二人以上のときは?」
「馬鹿っ! 聞くなっ! 察しろっ!」
「す、すんませんっ!」
よく考えたら俺だって、昔の男がからんできそうな話なんて聞きたかねーよ。
「――それで、これから私はどうすればいいんだ?」
待ちきれないのか、脱線しかけた話を先輩が強引に戻してくる。
「おーらい。ではまず『自身の性器を愛撫する』って事自体に慣れましょうか。
手のひら全体を使用して、局部そのものだけでなく恥丘のあたりも含めて『面』で刺激してみてください」
「ええと……こう、か? ううんっ、ぁあ……こ、これ、悪くない……な」
ならもっと『悪くなく』してみようか。
「角オナん時の要領で、腰を使っておまんこの方を
お手手にくちゅくちゅさせんのもアリかもしれないっスよ」
「……やってみる」
とうとうエロいスラングに突っ込みが入らなくなった。だいぶ余裕がなくなってきてるらしい。
「あ、あぁ……ああっ……んうぅんっ……」
いわれるままに腰ふっちゃってるのか、ベッドががくがく震える振動が伝わってくる。
「先輩、良くなってきた?」
「うん……かなり」
「そしたら次は、お待ちかねの割れ目ちゃんっスね♪」
「私は別に待ちかねてなんか……」
「素直になりましょうよ。もう触りたくて仕方ないっしょ?」
「…………まぁな」
「んじゃ、指先を陰唇に埋めて『線』にそわせる形でゆっくり上下してみましょうか。
愛液を指にからめて、おまんこ全体に塗り広げるような感じで」
「……わかった。う、ふあぅんっ! ふぁ、あぁ、あ、あぁぁぁぁっ!?」
ずいぶん素直にそして快楽に忠実になった先輩は、もう指示など出さなくても行為に没頭しているようだ。
荒くなっていた吐息は更に乱れ始め、更には手とまんこが擦れ合うエロい水音が聞こえてきた。
「今、おまんこどんな風になってんスか?」
「充血、してて、指も、性器も、愛液でべたべたになって……
陰唇は……いつもより、ふくらんでっ……あ、あぁ……きもちいいっ!
ぴらぴらの所つまむと気持ちいいっ!」
おほほほほ、随分とほぐれてきておる様でおじゃるのぉ。
「そろそろ一番気持ち良いトコいっときます? クリトリスってわかりま――」
「――ひうんっっ?!」
全てをいい終わる前に、唐突に甲高い喘ぎ声。おやおや、せっかちさんめ。
「んっん〜〜、いい声で鳴くじゃないスか」
「な、鳴くとか言うなぁ……」
「ひょっとして、もう勝手にクリちゃんイジちゃってます?」
「……悪いか、自分の身体だぞ……だって、だって、指っ……勝手にうごいてっ……
あ、ダメ……あぁ、ダメ、ダメ、指、うごいちゃ、だめぇ……イヤだ……あぁっ…
イヤ、ぁ、ああぁだ――あ、あぁ、ああぁぁっ!!」
もう止まらないらしい。
「そっかー。クリちゃんコネコネするのそんなお好きだったんスか」
「うん……くりとりす……好きっ…いつも、こすりつけて、する、時も、
ココが、一番気持ちよくて、あ、あ、あ、こんな、勃起してっ……
こりこりするとぴりぴりするぅっ!」
もう、言えといわなくても自分から実況し始めた。
「コレはそろそろトドメを刺してやるのがブシドーの情けという奴っスかねぇ」
「んんっ、くぅんっ、メディくんはブシドーじゃないだろぉ……」
こーゆーところの突っ込みは忘れないのが、なんだかとっても先輩だ。
「言葉の綾って奴っスよ。そのままクリトリスいじくるだけでもイケるはずっスけど、
やっぱオトナの女性だったら――膣でイきたいっスよねぇ?」
「……うん、そうかも」
こんなセクハラ提案にも素直に賛同してくる。
とうとう快楽への欲求が心と身体を支配し、理性は隅へと追いやられてしまったのだろう。
「指とか挿れた事ってあります?」
「挿れられたことなら……ある、けど」
だからって先輩、回答が素直すぎます。
「……あー、うん、そっスか」
うう、イカン。声が硬くなってる。こーやって昔の男の影がちらちらすんのはどーにもこーにも。
そりゃあ先輩は経験者らしいし、指どころかチンコの二本や三本は挿れられた事はあるんだろうけど、
少なからず好意をもってる女性からこんな話を聞かされんのは何気にショックである。
あーもー、俺ってこんな純情キャラじゃなかったはずなのになぁ……。
「メディ君……?」
ボケっとしちまってたのか、先輩が心配げに呼びかけてくる。
「――っと、すんません。もォ我慢できないって感じっスよねぇ、くっくっく」
「……うん、我慢できない、次、はやく……はやく……」
おやまぁ。イジるつもりでセクハラってみたのに、こんな率直におねだりされるとなんだか肩透かしだ。
「はやく、どうしたいんスか?」
「もう……いじわる。はやく、きもちよく、なりたい」
「どうしたら良いかわかんないほどコドモじゃないっしょ?」
「でも……だって……」
そこで口をつぐんでしまう。おそらくは『自分の意思でやったのじゃない』と言う
免罪符が欲しいのだろう。ご両親のしつけはよっぽど厳しい物だったようだ。
「しょうがないなぁ……膣口、は当然わかりますよね?」
「……うん」
「そこはどうなってます?」
「愛液……いっぱい、とろとろって……こぼれて……」
「じゃあ、そのエッチなおつゆで挿れたい指を濡らしときましょ」
「うん、濡らす……ひゃ…ぁ、あ、あ……ああ…ぁぁ……んぅ……」
ぴちゃ、くちゃ、くちゃ。
蜜の源泉をいじくってるせいだろう。コレまでに無く明瞭な水音が聞こえてくる。
「メディくぅん……も、もう……」
「やれやれ。そこまで指示して欲しいんスか……つーか、先輩、
実は俺にエロいセリフ言わせるのがシュミなんじゃないんスか?」
「…………」
沈黙を持って返ってくる。
いやコレも本来はイジりのつもりだったんだよ……?
「え、嘘、図星?」
「…………」
またも沈黙。どうやらマジらしい。
「ったく、ホント助兵衛っスよね、先輩って。実は俺よかエロいんじゃないスか?」
「…………」
コレも沈黙。
「くっくっく。まあ、このままにしとくのもかわいそーっスし、エロ〜い命令いっちゃいますか。
まんこおっぴろげて、指ィぶち込んじゃってください。ズブっと!」
「うん、挿れちゃう……ゆび、いれちゃう……」
そして待ってましたとばかりに先輩は指を挿入したようだったが――
「――痛っ! いたた……」
……え? 『痛い』? コレは予想外。
「あのー? つかぬ事をお伺いしますが、先輩ってば処女でしたっけ?」
「ば、バカにするなぁ、どーてー野郎のメディ君と違って私はちゃんと経験があるんだからなぁ……
ええと……最後にせっくすしたのはぁ、確か……いちねん……」
「いやいやいや、いいっスいいっス」
すんません、童貞野郎としてはあんま聞きたくない話なんでご勘弁を。
「まあでも、多少のブランクはあるわけっスね? 痛みを感じるレベルまで退化しちまってるなら、
今日は無理しないで入り口だけとかにしといた方が……」などと、一言付け加えようかと思ったのだが、
「ううん、痛いけど挿れてたら…感覚を思い出してきた。久しぶりにナカでイきたい……」
久しぶり……ねぇ。
なんか俺さっきからダメージくらいまくりなんですけど。
「……んじゃま、ナカをほぐしていきますか。焦らず、ゆっくりと指を出し入れしてみてください」
「うん、いたっ……あ、あぁ……痛っ…あぁぁあ……あん……っ、あー、んっ……!
きゃ……ぁんっ、あ、あ、あ、やぁあんっ、あ、あ、あ、ふぁ、ああんっ!!」
痛みが混じっていたのか始めのころは引き攣れた悲鳴に近かったそれは、
やがては快楽が勝りはじめたのか徐々に甘い響きの喘ぎへと変化していった。
「慣れてきたみたいっスね。指を二本に増やしてみましょうか?
それと膣内かきまぜながら、クリちゃんくりくりするのも効果的っス」
「ふぁぁ……ああんっ! ナカと、ソトと…両方っ、あぁあっ……きもちいいっ! きもちいいっ!」
ぴちゃっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ。
喘ぎとともに、激しい水音が耳に届いてくる。
もはや先輩の理性は完全にトんで、一心不乱に指の抽送を繰り返しているのだろう。
「さて、そろそろ仕上げっスかね。感じすぎて『腰が引けちゃう』かもしれねーっすけど、
もっとイイ所、ありますよ……やっちゃいます?」
「やりたいっ! おしえてっ! めでぃくん教えてっ!」
ああもう先輩ってば『エロい事しか考えてません』って感じだ。トびまくり。
「指をこう、『く』の字に曲げて膣内のおなかの側を引っかくよーな感じで刺激してみてください。
指はあんまり深く挿れないで、むしろ入り口に近い部分に、俗に言うGスポットって部位があるんスわ」
「――ふぁぁっ!? ああぁぁあああぁっ?!! コレ……すごいっっ……!」
一発で発見したらしい。
「あんましキッツイなら、止めといた方がいいかもっスよー?」
「ううんっ、やめないっ、するっ、したいっ!
ココを…自分でいじるのは初めて……だけどっ…昔から、昔からだいすきなんだっ!」
「ほほぅ、大好きっスか――って、はい? 昔からって……」イヤな予感が言葉になるより先に、
「お、思い出してきた…ココっ、ココっ……おちんちんでぐりぐりされるとすっごく気持ちいトコロっ!」
先輩はトんだ頭で素直すぎるほど素直に告白してきてしまった。
ああ、そうですか、ナカの部位をおちんちんでぐりぐりがだいすきですか。うん、その、それは、つまり。
――前の男が開発済みかよ……。
い、いや知ってたよ、先輩が処女じゃないことぐらい。さっき直接確認したし。
うん、わかってた。先輩ずいぶん男慣れしてるし。エロいし。やらしいし。フツー処女じゃないよね。
だいたい俺は別に処女厨じゃないしね。って言うか、処女なんて痛がるばっかでめんどくさいだけだしねっ!
手淫のやり方を知らないだなんてちょっとウブいところがあるからって、ドリーム見たりはしないよ。うん。
……だけどなんだろう。
これから足跡を刻もうと思ってた新雪の大平原が既に誰かに踏み荒らされていたかのようなこの気持ちは……。
「………………」
「………………」
いつの間にか二人して絶句していた。
空気が異常なまでに重々しい。
どうやら今の大失言はブッ飛んでいた先輩の理性を呼び覚ますほどの威力があったようで、
さっきまでアレほど生々しく室内に響いていた、やらしい実況も、助兵衛な喘ぎも、
そしてエロい水音も今はもう聞こえない。
しばらく沈黙があたりを支配していたが、それを最初に破ったのは、
「ぐすっ……」
先輩の泣き声だった――って、おいおいおい、
こんなタイミングで泣かれるとかマジでどうすりゃ良いんだよ……。
「や、やっぱり……ぐすっ……メディ君までそんな顔をするんだ……ううっ……」
「い、イヤ、その、先輩、あのね?」
俺も動揺しまくりである。何があのねなんだか。同人のタイトルじゃあるまいし。
「いつも……いつもこうなんだ……」
「な、何がっスか?」
「私と寝た男はみんな言うんだ……『もっと清純な感じの女だと思ってた』とか
『こんないやらしい女だとは思わなかった』とか……」
きっついカミングアウト大会が始まっちゃいましたよ! マジで勘弁してくれよーっ!!
まあでも確かに先輩はパッと見、学者風というかおとなしそうな感じではあるからな。
そう言う勘違いをしちゃう男もいるだろう。つーか俺もそうだった。
「でも、酷いと思わないか?! どの男もこの男もヤってから言うんだ! ヤってから!!」
さっきまで泣いてたと思ったら今度は突然キレはじめた。
でも確かに居るヨネー。賢者モードに入るといきなり冷たいこと言い出す奴。
「ちょッ…先輩ッ、落ち着いて! 落ち着いて!」
「コレが落ち着いていられるか! そりゃ私は人様より性欲が強いほうだがな……
『やっぱ身体がエロいと性格までエロくなるんだな』は無いだろっ!!」
「俺はそんなんゆってませんよっ?!」
「大体そのいやらしい身体とやらが目当てでそっちから寄ってきたクセにっ……
『女がエロ過ぎると引くわー』って、お前が私の身体を開発したんだろっ!!」
「だから俺はしてませんって!!」
だめだこりゃ。キレてる時の女の理不尽さには勝てん。
「ああもう……イヤだもう……ぐすっ……ううう……」
ひとしきり叫び終わったらテンションが下がってきたのか、またもや先輩はしくしく泣きはじめた。
……どうするよ、コレ?
どうするって、そりゃぁ……爺ちゃんには女を泣かすなってしつこく言われてるし、
当たって砕け散るしかねーのかもなぁ。
「先輩……」
「うるさい……どうせメディ君だって、私のことを助兵衛な女だと思ってるんだろうっ?!」
「そりゃ思ってますよ」
間違いなく、俺の知ってる女の中じゃ5本の指に入るエロさだ。
「く、くぅ…やっぱり……やっぱり君までっ…うぅ、ううっ……」
でもね先輩。頼むからもう泣かないで。
「だけど俺は先輩のそう言うエロいところ含めて好きですから」
くぅぅ、いくら俺でもコレは恥ずかしい。なんだかんだといって面と向かって『好き』は初めてだ。
「――――っ?! 何を、いきなりっ……」
しかし、言われた先輩は俺以上に恥ずかしかったようで、すっごい動揺している。
「ンなもん先輩がエロい女だってのは、はじめてこの部屋に呼び出された時からわかってる話ですって。
なにせいきなり『君の精液が欲しいんだ』だったんスから。でも俺はそんなエッチなお姉さんが大好きです」
「好きだから、なんなんだ……」
よかった。一応は泣き止んでくれたようだ。でも、そうだな……俺は一体どうしたいんだろう?
「だからその、好きだから……」
だけどそんなの決まってる。
「先輩の気が向いたときで良いんで、そのうち……」
「……そのうち?」
好いた女にやりたいことと言ったらそりゃぁ、
「ちんちん挿れさしてください」
ええと、その、なんだ。
――うあああぁぁっ! 何を勝手に喋ってるんだ俺の舌ッ! 大暴投にも程ってもんがあるだろ!
いや、伝えたい気持ちとしては間違っちゃいねーが、もっと他に言い回しがだな!
「そんな事をいうのはこの口かっ! この口かっ!?」
「せ、せんふぁいっ、痛ひゃっ、いひゃひゃたたたたっ!」
案の定先輩の怒りを買ってしまったようで、ほっぺたをぎーりぎりぎりと抓りあげられてしまう。
「……どうやらそんな悪い口には、おしおきが必要なようだな」
ダメだ。コレは死んだ。
空耳だろうか。ゴゴゴゴゴゴゴって大気が鳴動してる音まで聞こえてきますよ?
覚悟を決めた俺がギュっと身を硬直させると――
「えい」
――先輩の小さな掛け声の後、ふよっとした肉質の温かい物が俺の唇に押し当てられていた。
「んふぉっ?!」
「こら、うごくな……んっ」
間近で感じる吐息。そして再度唇に触るぬめり気を帯びた粘膜の感触。
――キス、されてるっ!? 先輩にっ!?
状況を掴みかねていると、俺の唇を強引に割って舌が進入してきた。
口内に這入って来た先輩の舌は、俺の舌へと絡みつき、
手渡すかのように一粒の錠剤を押し付けてくる。
この味…テリアカかッ?!
流し込まれた先輩の唾液と共にその錠剤を飲み下すと、
盲目状態にあった俺の視界は徐々に光を取り戻していき――
「……ん、見えてるようだな」
最至近距離で先輩の瞳といきなり目が合った。
まなじりにはまだ涙が残っていたが、その瞳はすっかりとろけた風情で俺を覗き込んでくる。
そのままわけもわからずキスを続け、互いに唾液をたっぷり飲ませあった後、
先輩の唇はようやく粘った糸を引きつつ離れていった。
「お、おお……」
若干距離が開いたせいで、先輩の全身が目に入る。
裸だ。
エロい。
すばらしい。
性的興奮の為に全身はほんのりと桜色に染まり、浮き出た汗が薄く全身を濡らしている。
そして濡れているといえば下腹部の黒いかげりだ。ついさっきまで弄くっていただけあって、
汗とはまた違うテカリを帯びた液体がねっとりとまとわり付いていて大変にいやらしい。
そして何より――おっぱいですよ。おっぱい。おっぱいなんだよ!!
なんというかもう、ただひたすらに、おっぱいがおっぱいであって、おっぱいだった。
「……感想は? ずっと見たかったんだろう、私の裸」
先輩はそのむっちりとした裸身を隠そうともせず、むしろ誇るかのように俺の前に晒していた。
「その、なんつーか……綺麗っス」
陳腐な言い回しだが、もうそれ以外に飾る言葉を必要としなかった。
そして、事ここに至ってようやく俺も事情を把握する。
「あの、ひょっとして、俺、今日は―――誘われて、ました?」
自意識過剰、ではないはずだ。
『一緒にのぞきをしよう』って提案も、あの高そうな勝負ぱんつも、
ツンツンでデレデレな態度も、つまりはそういう事だったのだ。
「ばか……いまさら気づいたのか……この鈍感。
大体そのつもりで呼び出したのは今日が初めてでもないんだぞ、ばか……ばか……」
「……すんません。あの、その、なんで俺なんかのこと……?」
「ばかっ! アレだけ率直に好きだの綺麗だのかわいいだの始終言われてれば、そのうち情にもほだされるさ!
大体いつも言ってるが、君は自己評価が低すぎるっ、もっと自分に自信を持てっ!
少なくとも私の目から見ればそれなりに……その、魅力的な…男性だと、おもうし」
威勢がよかったのは年長者としての立場としての台詞だけで、後はごにょごにょと声が小さくなっていった。
「……はぁ、そりゃどーも」
先輩の評価があばたもえくぼじゃないことを祈りたいね。
しかし確かに先輩を無理目の女だと思うあまり、多少のセクハラをすることはあっても、
あと一歩が踏み出せないところがあったのは間違いない。
誘いに気づかなかったのも、無意識のうちに『そりゃねーよ』と思考に制限をかけていたのだろう。
「ああもう、自分がイヤになる……メディ君みたいな変態にあんな下品な誘われ方をして、
それでも…それでも……こんなに嬉しいだなんて……うん、うれしかった。
こんないやらしい女でも、いつかは抱きたい…って意思表示してくれて本当に嬉しかった」
「先輩……」
どうしよう、こんなときなんて言えばいいのかわからない。
「――今日こそは、私を本気にさせてしまった責任、とってくれるんだろうな?」
悩んでいると、言葉に詰まってた俺を見かねたか、先輩が二者択一で済む問いを投げかけてくれた。
「そりゃもちろん。したいです。先輩とエロい事がしたいです」
もちろん即答できた。
「まったく君は、どこまでも直球だな……でも、」
あきれたような先輩の顔が、ゆっくり笑みを帯びていったかと思うと――
「ちょ、せんぱいっ?!」
――そのまま抱きついてきた。もちろん全裸で。
「えへへへへ……」
先輩は赤竜の卵を眺めているときに見せていた、ガキっぽくも無邪気な笑顔を俺に向けてくる。
「今日はいい日だ。前から欲しかったモノが二つとも手に入った」
「うわ俺、先輩のコレクションと同列の扱いっスか……」
「そうとも。私の蒐集品の中でも最も貴重なモノの一つだぞ? 光栄に思え」
「へいへい……」
「えへへへへ……」
その笑顔が純度100%混じりっ気無しの好意を意味することに気づき、どうにも先輩がいとおしくなりすぎて、
いつの間にやら今度は俺からちゅーしていた。
♂♀
投下終了。
ホント毎回言ってる気がしますが、寸止めですみま(ry
120kも書いてまだ本番にいってないとか、一体どういう書き方をしたらこうなるんでしょう。
……おかしい。即ヤリ即ハメの話にするためにキャラを全員エロいと言う設定にしてたはずなのに。
No.おもエロければ正義だ。
二人とも可愛いなあもう。
続ききてた! 相変わらずGJです。
しかし次でこのシリーズは終わってしまうんでしょうか。
いやあんなこととかこんなことを開発するターンになるに違いない。きっとそう。
先輩シリーズの続きが…!やたら二人が可愛くて仕方ない。エロいのに微笑ましくで大好きです。
このスレで一番好きなシリーズだけに、完結は嬉しいような寂しいような…
メディ君以上に先輩おめでとう!な回でした
大変GJなのだがシリーズ終りそうで淋しい
先輩ごめん
>「お、思い出してきた…ココっ、ココっ……おちんちんでぐりぐりされるとすっごく気持ちいトコロっ!」
俺もここでリアルポカーン面しちゃった
>>293 あれだ、先輩があきれるんだろうね。
「全く、そうじゃないかと思っていたがここまで底なしとは・・・」
うわっ、テラカワイスwwww
乙でGJ!
「ちんちん挿れさしてください」(お約束なのに盛大に吹いたw)
↓
「……どうやらそんな悪い口には、おしおきが必要なようだな」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴg
↓
「えい」 チュッv
なにこの流れwwwこんな三段活用見た事無いわwwwww
…俺、心のどこかで、2%くらい、まさかの先輩処女ルート期待してたんだけどなwww
俺がもし「俺。」だったらと想像すると、怖いな…
あれだけ心抉られたらさすがに勃たんかもわからんね…
えぇい!そんなことはどうでもいい!!遂に、遂にこの二人が結ばれる日が、
夢にまで見た日がもうすぐカミングスーーン!!スーーン!スーーン
ええい、まだか!続きはまだかー!
続きマダァw
「これでもくらえ!」→ダイスロール
メディくん死んじゃうwww
カザンの闘技場にぶち込まれるメディ君か
ニヤニヤが止まらないんだがどうしてくれる…w
なんか創作したくなってきたな…(´ゝ`)ケンカップルとか需要はあるのだろうか
需要なんてものは、供給が生まれてから発生するものなりよ。
乙です
モチーフになった曲(?)や、演劇の紹介が
つべの動画か何かであるとうれしいかも
ちょっと情景を想像しにくいので
>>306 投下乙ー。
相変わらず惹き込まれるわ。
いったいどんな頭をしていればこんな話を作れるのか・・・。
今更ながらにChapter2だと言う事に気付いたので、
続編を裸でワクテカしながら待つとするぜ。
>>306 GJ!!
エロパロスレでこんな話が読めるなんて感動だ…。
続きもwktkしながら待ってる!!
>>306 情緒的な作品GJ!
という流れのところに余韻ブチ壊しの質問で申し訳ないんだが、
このスレで死姦モノというのはアリなんだろうか……?
保管庫に一本あるのは一応ハッピーエンドなわけだし。
何にせよスレへの直接投下は避ける予定、駄目な人が多いようなら
問題のパートを丸っと削るか前後編に分けようと思っている。
ルール、マナー的に有りか無しかはわからんが、
個人的には死姦はさすがにちょっと……
冒頭しっかり断りを入れて、直接投下じゃ無ければいいんじゃない?の?
個人的には大歓迎だけど、駄目な人の方が多いだろうな…。
冒頭で注意書きすればおkだと思う。
わざわざシチュ専スレに投下→誘導まではしなくていいんじゃないかと。
314 :
311:2009/10/22(木) 07:33:39 ID:D4J5NIwA
>>312 >>313 助言サンクス。やっぱり注意書きと隔離は必須だよな。
今はまだ妄想の段階だし書き上がるのは当分先になりそうなので、
自分でももうしばらく考えてみる。
315 :
311:2009/10/25(日) 01:58:12 ID:NvmaXLWL
GJ! 堪能させていただきました。
眼鏡は無事補完されました。
>>315 おまいさんと絵板の神のせいで、もう赤目ケミが♀にしか
見えなくなっちまった俺が通りますよ。
GJだけどあんまりじゃないか……
GJ!
赤目かわいかった!
愛の力で云々は好きじゃないが
とりあえずハッピーエンドものが恋しくなった
>>315 切ねええええ
らぶらぶエンドは無理だろうな、と思っちゃいたけど・・・
自分を着衣フェチに染めてくれた二人なので寂しくもあり
でも萌えちゃうビクンビクン
後編は読まないつもりだったのに、さわりだけと思って読み始めたら・・・
話運びもそうだが、ゲーム内テキストを自然に地の文に織り込む手腕に脱帽した。
作者さんもしかして、絵もいけちゃう両刀だったりしないか?
設定見てて、ひょっとするとこのサイトの人かなという心当たりが・・・
いや作風というか路線が全然違うんで、見当違いだったら申し訳ない。
当人であろうがなかろうが、詮索すると書き手さんは顔を出しづらくなるんじゃないか?
いいじゃん別に誰だって。
んだんだ
仮面煩悩会でいいじゃない
まあ俺も心当たってるんだが
323 :
311:2009/10/29(木) 23:44:40 ID:JIcX/IJ0
目を通して下さった方、コメント下さった方ありがとう。
保管庫の参照数を見たら、後半も意外に見てもらえてるようで嬉しい。
あと、Iの方とはいえネタバレの注意書きを忘れたことを反省しきり。
>>320 画力も文章力も才能に恵まれた中学生には劣る程度なので
両刀を名乗るのは気が引けるが、確かに両方やってる。
ただ、
>>321のおっしゃる通り、2chでそういう詮索はやめといた方が。
自分は正体だだ漏れになっても気にしないからいいんだけども。
こんばんは。投下の報告に参りました。
>>290の続きとなります
先輩と俺。また別の日。(6)
http://w3.abcoroti.com/~eparo/sekakyu/wsb.php?mode=view&num=296 恒例になってしまいましたが、まずは謝罪から。
まずは一つ目。
今回、目が滑るほどの長文になってしまったので
保管庫への直投下とさせていただきました。
基本的にヤってるだけの話なので、つまんない所は
読み飛ばしてやって問題ないと思います。たぶん。
そして二つ目。
そんだけ書いてて、終われませんでした……。
ええ「後一回だけ」とか言いながら、本当に申し訳ない。
寸止め詐欺師をどうにか廃業できそうかと思えば、
今度は最終回詐欺師にクラスチェンジしてしまいました。
そんなわけでもうちょっとだけ続くんじゃぞい。
以下は感想とか私信とか
>>315 お気づきかもしれませんが、ウチの↑のシリーズは
カップリングそのものとか、着エロへのこだわりとか、
ヒロインのぶっきらぼうな喋り方などなど、
そちらの前作・前々作にかなりの影響を受けてます。
おそらく「生きた彫像」などが無ければ、このシリーズも無かったかと思います。
結末はどうあれ、そんな彼ら二人お話の続きを読むことが出来て良かったです。
酉付きの感想になってしまいましたが、ご容赦を。
>>302 >>303 そのネタに気づいてくれてありがとう。だけど某所で、
「『これでもくらえ!』は固定ダメージだからダイスロール無しだよバーカバーカ!(意訳)」
って突っ込まれちゃいましたよ、しょんぼり。
>>324 うぉぉぉもぉぉぉGJ!!!!
次が最後だと思ってたから、まだ続きが読めるのが普通に本気で嬉しい。
エロかった。伏線にやられた。もう本当に最高だ。
別ジャンルなんだが、この先輩と俺シリーズに感化されてSS投下してる最中なんだ。
この作品がなかったら絶対出来てなかったと思う。
続きも楽しみに待ってる。全裸で待機しとく。
>>324 神!
あなたにならいくら騙されても構わない
あそこで先輩のあの台詞がくるとは…
この大長編を始めから追っかけてきてよかったと心底思った
最終回も楽しみに待ってます
>>324 グッジョブ過ぎるにも程が有る!マジ神と言わざるを得ない!ちょっと感動すら覚えた。
ああもう、いろいろ言いたいけどここは必死で自重する!
なんならあと3回くらい寸止め詐欺でも構わないんだぜw
>>315で投下した際、並行で書いていたものがあったので、遅まきながら
推敲して保管庫に投稿して参りました。舞台は無印B22Fの小部屋。
技術と叡智の使い方:何を血迷ったか ふたなりもの につき注意
ttp://w3.abcoroti.com/~eparo/sekakyu/wsb.php?mode=view&num=298 メディ×ケミ(♂×♀寄りふた)。グラフィック特定するような描写はゼロ。
今まで投下した作品の反動か、軽いです。無駄な会話も多いので内容の割に量が……
時系列的には保管庫165と293の間に当たる話ですが、
番外と言うかいっそ別物だと思って頂ければ。
彼らの生活が痛い・暗い・血生臭いだけではなかったということで
ご勘弁下さい。
>>324 文体軽妙、小ネタ山盛り、エロ描写もお腹一杯と、貴方は自分にとって
「憧れの書き手さん」だったので、口から内臓がドロリしました。
拙作が何らの影響を与えられたというのは、光栄を通り越して大変恐縮です。
一ファンとして、続きを全裸でお待ちしております。
ただ、結果的に投下クラスを偏らせたことは反省している。
次があったら別のカップリング引っ提げて来ます。
>>328 あー、さすがにそっちは無理だなぁ。まあ読むけどさ
↓
チクショウ…メディ男になりたい←今ここ
先生、出来ればこの属性には対応したくなかったです…
というか複数箇所で爆笑したです。明日からあの言葉に動揺すると思うw
クラスの偏りは気にしなくていいと思うんだぜ
書きたい奴が書きたいように書く、でいいとおもうの
どっちにせよ、次があることを願ってます
>>328 躊躇っていた所に329の感想を見て、今読んで来た。
最初はメディ男に同情していたはずが、今はメディ男が羨ましくてしょうがないんだぜ!
アルケミスト様もアレをご覧になられているのだと思うと
本気で興奮してしまった俺はもうどうすればいいのか。
エロくも笑える素敵な作品をありがとうございました。
我々の業界では素晴らしいご褒美です。GJ!!!
ふたダメな人って意外と多いんだな
雑食の俺はおいしく頂きました
二人の会話途中で夢のコラボレーションを期待してしまったww
>>328 前後も一緒に読んだら温w度w差wwww
これを並行とか、読み専には計り知れない世界を見た気がするぜ
週末にゆっくり読もうと思ってたら
保管庫が落ちてるんだぜ……
今日中には復旧するだろうと思っていたんだが甘かったな……
投下物も気になるが管理人さんの安否が気になる。考え過ぎか。
生きてます生きてますw
どうにか1瞬でも復旧してくれないと、バックアップ取れないので結構こまってます。
あまりきちんとバックアップ取ってなかったため
手元にある最新データが「月の犬 チャプター1(後編)」なので
それ以降に直接投下してくれた職人さんには申し訳ない感じです。
一応他のサーバーに審査お願いしていますので、バックアップが取れ。審査通ったら移転予定です。
復旧しなかった場合、職人さんには申し訳ないですが
再度投稿お願いします。
>>335 そういうことでしたか、ある意味安心しました。
いつも保管庫の管理お疲れ様です。
自分は再投稿は厭いませんが、他の職人様方のためにも
一瞬でも復旧してくれるよう祈っております。
保管庫復旧来てたー!
くそっせっかく読めると思ったのに、どうして今日が月曜日なんだ
復旧お疲れ様です! 広告爆撃で落ちてたんですかねえ。
移転作業・最新レスまでの保管が完了しましたので、ご報告します。
新URL:
http://www.s-ht.com/~eparo/ 移転前に投稿された記事を編集→送信すると一瞬エラーが出ますが、
編集自体は正常に出来ているので、気にしないでください。
記事が見れない・表示がおかしい等御座いましたら、左上の掲示板にてお知らせください。
それでは、今後ともよろしくお願い致します。
乙です!
>>339 移転作業乙です。コンゴトモヨロシク!
>>328 読んでいたら、前作でちょろっと書かれていたケミ子の初めてに関する
妄想が止まらなくなったわけなんだが。
書いてくれと言うのは無茶だろうが、三次創作させてくれというのは
輪をかけて無茶だろうか。
342 :
328:2009/11/20(金) 23:09:38 ID:8cx8Ic+9
>>341 読み手さんの想像力に委ねた時点で、キャラは読み手さんのものだと
思うので、自分の作品のキャラはご自由に動かして頂いて結構です。
そもそも自分の文章も、さる絵師様の作品からの派生ですし。
・舞台は枯レ森、メディ×ケミと言うよりはケミ×メディ
・パーティ編成はソパレアメ(グラ不特定、パラに至っては性別不詳、勝手に捏造してOK)
・メディケミ間で名前を呼ばない(保管庫294でこのことを明記してしまった為)
上記三点を守って頂ければ、派生作品として破綻はしないと思います。
何にせよ嬉しいやらありがたいやら。好き勝手させてやっちゃって下さい。
343 :
341:2009/11/21(土) 08:17:36 ID:77FfAUIV
>>342 ありがとう、そこまで丸投げしてもらえるとは思ってなかった。
他にも読み取れる要素があったらなるべく拾う。
取りこぼしがあったりそもそも書き上げられないかもだが
頑張ってみるよ。
>>344 投下乙ー。
今までゆっくり読めなかったぜorz
一瞬でも緊張感ある戦闘シーンが久々に読めて、わたくし幸せです。
しかし、仲間のスキルとは言え絶対に食らいたく無い技だよなぁ、とw
一点気になったのは「今日のスペシャルゲスト〜」のくだり。
私の勘違いじゃなければ、劇団名が来る所じゃないかな、と。
コレで合ってるならスルーでお願いします。
>ですした
私は全然OKw
個人的に、貴方の作品なら何でも美味しくいけそうな気がするので〜
>>342 ごちゃごちゃ要求うるさい奴だなと思いつつも
今更興味持って貴作品読んでみたら、条件て言うか
本当に文中で明記されてるポイントだけでワロタwww
>>343がんがれー
>>344 >ですした
むしろ大歓迎。
エロパロ板でこんなこと書くのもあれかもだが
文章の感じとか非エロパートの人物同士の距離感とか好きだ。
雰囲気と言うかなんつーか…
うまい言葉が出てこない、とにかく次作も楽しみにしてる。
釣り針だよね?
にしては餌が貧相だな。
俺には三次やりたいという発想が分からんし
条件出す書き手の意図はもっと分からんが。
おまえら勘違いしてるぞ。
>上記三点を守って頂ければ
守ってくださいって言ってるんじゃなくて
この三点さえ押さえれば、破綻はしませんので。という親切というかアドバイスというか、だろ。
つうか
>>328氏のケミのはぢめてって既に保管庫にないか…?
>>349 その親切なアドバイスをしてくれた相手にごちゃごちゃ要求うるさい奴だなとか言っちゃってるのが釣りだろ?ってことじゃないの?
別に
>>346は悪意を持った発言をしてるわけじゃないから釣りとは違うよな?
>>344 毎度GJ
非エロ部分で満足しかけてたら最後にエロパートがあって逆にびっくりした。
>>346は、要求うるさいなと思ったら的確だったあんたスゴイね書く人もがんばれ、ってエールを素直に送れなかったツンデレだろ?w
これで釣りはないわ
すまん、
>>346に深い他意はなかった。
考え浅薄な書き込みでマターリスレを荒ませて申し訳ない…
お前さんは悪くないから静かにロムっとこうぜ
うむ、悪くないし別に荒んでもない
まあ何があろうと全裸待機の日々であることに変わりはないのだよ
か、風邪引くのでそろそろネクタイ付けさせてください……
許可できるのは靴下までだ
いいや、ゴムだけだ
縄なら許可しようか。
世界樹3おめでとう
そして職業一新おめでとう
うおおマジだ
世界樹系スレここしか見てなかったから今気づいた
モンクのぺたん娘ぶりが素晴らしいな
ししょー「たいへんだ わたしがおうぞくだということがばれてしまったぞ! こまったなー」
あの子の圧縮したエーテルを独占して飲み干そう!
ヤンデレカスメ♀×ヤンデレブシドー♂とか読んでみたいぜ
ヤンデレ×ヤンデレって見たことないし
ヤンデレ同士か
いいなそれ
ヤンデレ同士というとみーまーだな。
嘘だけど。
共依存って奴か?
>>367 うちのロムで真っ先に成立したカプじゃないか
マニアックだと諦めてたのに同士がいてびびった
>>370 いいねぇ共依存
イチャラブとはまた違った魅力がある
超GJ!!
いや、大作乙か??
ラストにちょっと泣いた。
エロパロっつーか、人の作品読んで泣いたのなんて初めてだよ。
いつかVモノがうpされるのも楽しみに待ってます。
gj!
>>373 ちょ!!!
畜生。決壊した俺の涙腺をどうしてくれる!!
3とのコラボレーションってのがまた乙な演出で。
どのキャラもちゃんとキャラが立ってるし、
相変わらずあんたスゲーわ。
>娘の戦闘スタイル
仕込が素晴らしすぎる。
違和感の正体が隠していた獲物って事は察知できたんだけど
先入観にとらわれて、そのスキルまで頭が回らなかったぜ
世界樹3発売って事で駄々上がりだったテンションが
限界突破しそうな勢いですよ。
あぁ、俺もなんか創作してぇ!!
>>373 乙乙。
今回は一段と元ネタのあの空気感を上手いこと自分のものにしてる感じがしてすげえなーと思いました。
ちょうど3発表の前日にスカイク■ラのシリーズを短編集まで読み終わって、このタイミングで貴方の続編が読めたのは多分今年一番の贅沢ですw
>>373 神GJ!
主人公と「彼」の関係が好きだった者としては、
色々と泣けるラストでした
V創作にも期待!
>>373 シリーズ全部読ませてもらったが、生々しいな
俺の中の姫子のイメージがガラッと変わった
全体的に鬱すぎてエロパート入っても全く息子が反応しなかったww
かなり良かったよ 乙
>>373 今更ですが乙
久しぶりに世界樹系の二次創作で
ガッツリと読ませてもらったシリーズでした
自分も世界樹系で創作したいもんですなぁ
ただ、エロネタは書いたことないから無理なんだけど
俺もネタは暖めてるけど中々な
パーティー5人中2人人外、2人半人外という厨二テイストだけど
>>380 誰にだって初めての時はあるんだぜ…つまり今がエロ初執筆の時さ(筆おろし的な意味で)
>>382 そうだな、じゃあちょっと頑張って書いてみるよ
昔考えたモリヤンマが絡んだエピソードから、何とかエロネタ作ってみる
若いころの酒場の主人×天空の城で倒れた女冒険者
がなぜない!
>>385 おぉぉぉぉ。懐かしい!!
コレ読んだあとでクエスト受けたので、クエスト完了できなくなったんだよなぁ。
クエスト完了して二度と見れなくなるのが寂しくてなー。
>>386 完了したときの会話内容とかメモってる人はいないのかな?
俺はもう完了しちゃったから見れない…
うわすげえなこれ
すげえや
>>392 あけまして、投下乙ー。
相変わらず美味しく頂きました。
>いつものようにコスプレ陵辱
・・・陵辱はともかく、コスプレ?(w と読む前にニヤ付きました
コスプレ扱いされる姉さん自重しr(ヘヴィストライク
>>392 明けましてGJ!!
素敵なお年玉ありがとう!
姉さんも良かったけど、俺はイチさんの新属性に萌えてしまったぜ!
斬られてもいいから敢えてイチたんと呼びたいよハァハァ(´Д`*)
全裸保守
ただ保守というのもさみしいし
せっかく世界樹3が近いんだから皆で思いのたけを募っていこうじゃないか
とりあえず俺は姫シノビ子たんのニーハイに踏まれたい
全身余すところ無くいじめられたい
そしてニーハイを脱がして蒸れた匂いをくんかくんかする
・・・でもよく考えたら静かなのは単に大型規制の影響かもしれんね
パラディン好きの俺はファランクスに期待だな
絵を見ただけで脳内設定が次々に湧き出てくるぜ
俺はビーストキングのおにゃのこに期待してる
操ってた獣に発情期が来て、対処に困っておろおろするような
ウブなネンネならディ・モールトよし
ししょー分が足りない
>>399 きっとメディ子と一緒に、あの黒い何かがにじみ出ている公式四コマ漫画で活躍してくれるさ!
ライバルギルドとして中ボスで登場、このスレに油を注ぎまくってくれると妄想してみる<ししょー
世界樹3の発売日が延びたのはこのスレの連中が悪い子だからバチが当たっに違いない
プリンセスたんやゾディ子のあられも無い妄想電波をアトラスに送りつけたのはだれだね?
先生怒らないからその妄想をそっとここに書いていきなさい
のび太・・・だと・・・!
Vの発売延期が悲しくて書き始めたらグラ公開で微妙なテンションに。
でもせっかく書きあがったので投下します。
Vの世界でPTはファラ子、モン子、バリ子、ゾディ子、プリ子でモン子視点。
ゾディ子×モン子っぽい感じ、百合&ちょい長めなので苦手な方スルーよろ。
「それじゃ、私はエセリアを宿まで送ってくるよ」
「わ、わたくしは一人でも大丈夫です!」
「お姫様には護衛の騎士が必要でしょう?」
カディナさんが冗談まじりに笑いかけると新米のプリンセスは耳まで赤くなって
目を泳がせた。
二人の会話に、わたしはグラスになみなみ注がれたエール酒に口をつけた。
もちろん視線はカディナさんと忌々しいお姫さまに釘づけ。
なんなのかしら、あの金髪娘。新人のくせにカディナさんにあんなやさしくして
もらうだなんて、ゆるせないわ。
「ひゅーひゅー。そのまま送り狼になっちゃうんじゃないのー?」
「な、なにを言ってるんですか! からかわないでください!」
新米のお姫さまは頬まで赤く染めてステラさんに反論した。
なんでほっぺたまで赤くしてるのよ!
カディナさんもそんな子の頭をなでなでしないで!
わたしは心のなかで抗議したけどもちろん声はとどかない。
カディナさんからしてみれば新しいメンバーの一人で、大事にしてあげたくなる
気持ちもわかるけどやっぱり割りきれないものがある。
すこし前まではわたしがそのポジションにいて、ちょっとケガしたりしたら
ものすごく心配されてお姫さまだっこまでしてもらえたのに、いまでは蚊帳の外に
いる気分だ。
パーティーの話題の中心にはいつもあの子がいて、みんな彼女に基準をおいて
迷宮探索をしているし、心配されたりほめられたりするのはいつも彼女が最優先に
なってしまった。
カディナさんの気遣いを一身に受けるのはわたしの特権だったのに、こんなの
納得がいかない。恨みがましい視線を送っているはずだけど当のお姫さまはぜんぜん
気付いていなかった。
カディナさんのなでなでに下をむいて顔を真っ赤にしている。
くやしいくやしいくやしい!
「みんな、明日もはやいから夜更かしはしないようにね」
リーダーのカディナさんは解散の合図をして金髪娘の手をひきながら酒場を
出ていった。
残されたわたしたちも解散ムードにしたがい、荷物をもって席を立った。
「あたしは武器屋にアーバレストの修理たのんでくるから遅くなるわ。あんたたちは
どうするの?」
ステラさんが大型モンスターとの戦いで壊れてしまった弩をかざしてみせた。
「わたしは、ちょっと夜店を見てまわってから帰ろうかと思います」
「……ワタシは、ツカれたのでヤスみます」
となりの席に座っていたメルは億劫そうにカバンを肩にかけた。
今日の戦いはいつにも増してはげしかったから体力のすくないメルは一刻もはやく
休みたいのだろう。ふだんから表情にとぼしくて感情が読みにくいけど、なんとなく
眠たそうな顔をしている気がする。
「そ。じゃあおやすみね。また明日ー」
まったく疲れたそぶりを見せないステラさんはぶんぶん手をふりながら去っていった。
あの人の体力はファランクスであるカディナさんとおなじか、それ以上にあるのかも
しれない。底抜けに明るい性格もあって、カディナさんとならんでたのもしい先輩だ。
「それじゃあ、わたしたちも行こ……あれ?」
となりを見るとそこにメルの姿はなかった。
わたしをおいて先に行っちゃったみたい。
いつも無表情で存在感がうすくて、いきなり現れたと思ったらいつのまにか消えてる
なんてことがしょっちゅうある。神出鬼没のメルセデス、なんてカディナさんにも
笑われたくらいだ。あまり気にしなくていいだろう。
「はぁ……」
わたしは荷物を手に、酒場をあとにして夜の街へくり出した。
行くあてなんてない。夜店だってたいして見たいわけじゃない。ただ宿にもどる
のが憂鬱なだけだった。わたしが敬愛してやまないカディナさんの寵愛をひとり占め
するなんて、あんな子、だいきらいだ。
夜の風は酒と嫉妬で火照ったわたしの体にまとわりつき、スーッと熱をうばっていった。
今日はいままで手こずっていた大型のモンスターをたいした被害もなしに倒せた
だけでなく、迷宮のさらに奥へと足を踏み入れることができた記念すべき日なのだった。
わたしたちはどんどん強くなっている。
たしかな成長の感触と未知なる迷宮の姿を目にした興奮もあって酒場の定番メニューが
まるで宮廷料理のようにおいしく感じられたというのに、わたしの心はブルー一色に
塗りたくられていた。
身を挺してわたしたちを護ってくれるギルド『アクアリウム』のリーダーで、
くすんだ金髪とときおり見せる不敵な笑みが魅力的な女性、それがカディナさんだ。
おもに回復役としてパーティーを支えるわたしとはべつの形でみんなを支援する
勇敢でたのもしいリーダー。見知らぬ南国の都で途方に暮れていたわたしを拾って
くれた恩人でもある。わたしの彼女に対する思いは一言では言い尽くせないものがあった。
それなのに、どこぞの王家の血をひくとかひかないとかいううさんくさい子が
彼女の関心をすべてかっさらっていったのだ。
今日だってわたしはずいぶん活躍したはずだ。
カディナさんやステラさんはもちろん、メルもがんばっていたけどバンバン傷を
癒していたわたしだって負けたものじゃない。新米だからしかたないとはいえ、
あの子はアイテムを使ってほんのすこし手助けしていただけであとはブルブル震え
ながら見ていただけなのだ。
それだというのに、カディナさんは真っ先にあの子を褒めてあげていた。
もちろん、わたしたちにもねぎらいの言葉はかけてくれたけど、それとこれとは
やっぱりべつ。
しかも褒められるだけならまだしも、あの子はどこかカディナさんを特別な目で
見ているようで気が気じゃない。同性のわたしから見てもかわいらしい仕草で照れて
みせるのだから手に負えない。
きっといまのわたしなら憤死することもたやすいと思う。
街の目抜き通りを歩いてみたけど鬱屈した気分が晴れるわけもなく、明日に
さしつかえると困るのでわたしはイヤイヤながらも宿にもどることにした。
部屋にもどるとメルはまだ帰っていないようだった。
わたしとメルは同室でカディナさんとステラさんも同室、新人のプリンセスだけ
気を遣われて一人で一室使うことになっていた。
そんなささいな気遣いも癪にさわる。
荷物をおいて服を脱ぎ、下着姿になってベッドにもぐりこんだ。
疲れた体がはやく寝かせてとまぶたを閉じさせようとしてくる。
眠気がもやもやした気持ちにからみつき、泥沼にひきずりこもうとしたとき、音が
聞こえた。
「――っ」
たぶん、となりの部屋。
あの忌々しくもかわいらしいプリンセスがぐーぐー寝ているはずの個室。
わたしはとっさに浮かんだイヤな想像につき動かされて身を起こし、壁に耳をよせた。
冷たい隔壁を通して聞こえてきた音が声となって意味を伝えてくる。
「んっ、やぁ、こんな……」
「こことか、とろけちゃうんじゃない?」
それはたしかにカディナさんと金髪娘の声だった。
うすい壁だから話し声はだいたい聞こえる。
音量は落としているみたいだけどまちがいなく二人の声だった。
「カディナ、さん……」
ショックのせいで頭が真っ白になってしまった。
なにも考えられない。考えたくない。
ウソでしょ?
ウソだと言ってほしい。
「あっ、そこ、いや、ぁ……」
嫉妬するよりも衝撃が大きすぎて感情が追いついていかなかった。
あの小娘の熱のこもった途切れとぎれの声といい、カディナさんの猫をなでるような
声音といい、壁のむこうで起こっていることを推測するのは簡単だった。
信じたくない。
でも、こんな声をあげてすることといったらひとつしかない。
考えたくないけど、ショックから立ち直りはじめた頭はその想像をイメージしてしまう。
イヤだ。
そんなのぜったいにイヤだ!
カディナさんをひとり占めしたいけど、それがムリならせめてみんな平等に接して
ほしいと思う。だれかひとりのものになるのではなく、距離をとって仲間として家族
として愛してくれればそれでもよかった。
なのに、あの子が来てからカディナさんはどんどんわたしから遠ざかっていく。
手のとどかないところまで、あんな子のところへ行くなんて、わたしはどうすれば
いいんだろう。ずっとずっと、あの人の背中を追いかけてあこがれて尊敬してきたと
いうのに、こんな結末はあんまりだ。
「ヤダよ、こんなの。カディナさんは、カディナさんは、わたしの……」
気が付くといつのまにか下着に染みができていた。
カディナさんのささやく声が、わたしにむけられたものならよかったのに。
下着の上から溝に沿って指を押しあてた。
心はこんなに悲しみでいっぱいなのに、わたしの体ははしたなくもカディナさんの
やさしい声とそれに責め立てられる甲高い声に反応していた。
あの声がすべてわたしにかけられた声なら、きっとわたしは幸せのあまりふわふわと
天にものぼるような気分になっただろう。
でもこの声はあのお姫さまにむけられている。
悲しみがあふれて壊れそうな心を投げ捨てたい気持ちが、いやらしい感情に罪を
なすりつけようとしていた。
「うふふ、ここ、かなり硬くなってる」
「いたっ、そこは、あっ……そこ、ん……」
目を閉じれば目の前にカディナさんがいた。
くすんだ金髪を揺らし、青い瞳がわたしのはずかしい姿を見つめてくれている。
真っ暗な穴のどん底まで落ちたような気分で指だけを動かしつづける。
快感をたよりに自分をたしかめるように、自分のそばにカディナさんがいることを
信じるために。
カディナさんの指がわたしの硬くなった小粒を下着越しにつまみあげた。
「んんっ……!」
くりくり、と親指と人差し指の腹でこすりあわせる。
カディナさんのやさしい笑顔がわたしを見ている。
わたしの痴態が見られている、そう思うとお腹の下のほうがきゅんきゅんして下着の
染みが広がってしまった。
壁のむこうで起こっている様子を妄想していると、ふいに気配を感じた。
「……あら、ナニをしているの?」
びっくりしてふり返ると、そこにはメルが立っていた。
上気した頬や濡れた髪を見るにお風呂へ行っていたようだ。
わたしは帰ってきてすぐに入っていたのでその可能性をすっかり忘れていた。
まさかメルにこんな姿を見られるなんて、はずかしいなんてもんじゃない。
どうしよう。
混乱した頭で言いわけを必死に考える。
「め、メル、どうしたの? わたし、これから寝るんだけど」
毛布をとって下半身をかくし、なんでもないようにふるまってみたつもり。
メルはゆっくりわたしに近づき、顔をのぞきこんでにやぁ、とイヤな笑みを浮かべた。
「……ナニを、してたのかしら? ワタシ、すごく、キになるわ」
バレてる。
完全に見られていたみたい。
カディナさんにはずかしい姿を見られる妄想はしたけど、じっさいに他人にあんな姿を
見られるなんて穴を掘って埋まってしまいたくなる。
顔が熱くなっていくのがわかる。たぶん耳まで真っ赤。
さっさと毛布をかぶってごまかそうとしたらメルに止められた。
「……ねえ、レイレイ。あなた、カディナのこと、スきなのでしょう?」
どこにそんな力があるのか、わたしの手首をつかむメルはステラさんやカディナさんにも
負けないくらい強い力でわたしを押しとどめた。
「な、なんなのよ。もし、仮に、そうだったとしても、メルには関係ないでしょ」
そっけない態度で切り上げようとしているのにメルはしつこく食い下がってきた。
「……カンケイ、あるわよ。ワタシ、あなたのこと、スきだもの」
一瞬、耳を疑ってメルの顔を見るといつもの無表情にもどっていた。
ポーカーフェイスの彼女からは感情がうかがえない。
でも、おもしろ半分でウソを言っているようには見えなかった。
「なな、なんのこと? なに、メルがだれを好きだっていうの?」
「……レイレイ、ワタシは、あなたのことがスきなのよ」
聞きまちがいではなかったけどなにを言っているのか理解できなかった。
わたしを好き?
おなじ時期に仲間になってそれなりに仲良くしてはいたけど、特別に深い関係だったわけ
でもないし、そこまで想いを抱かれるほどなにかした記憶もない。
だけど、メルはわたしのことを好きだと言う。わけがわからない。
「な、ななんでそんなこと言うの? からかっているんでしょ? そうじゃなきゃ、なんで
メルがわたしのこと、す、好きだなんて言うのよ」
とり乱すわたしにかまわず、メルの落ち着いた言葉がゆっくりとわたしの頭に染みこんできた。
「……いつも、あなたにタスけられている。あなたがいなければ、ワタシも、みんなも、
キョウのタタカいで、ブジではスまなかった」
「でもそれはわたしがモンクだから、だからモンクとしてみんなの回復役を――」
「そのヤサしいところが、スき」
ぎゅっと抱きしめられた。
わたしとはちがって豊満な胸に顔が埋まった。くるしい。
頭のなかはまだ混乱しているし、メルの言っていることが本当なのかどうかもわからない。
けれど、あたたかいメルの体温とやわらかい心地が、いまのわたしにはとてもとても
ありがたかった。
カディナさんがあんな子に夢中になってしまったことも、あの子がカディナさんを
たぶらかしていいようにしてもらっていることも、みんな忘れてしまえるような気がした。
メルの黒いローブからは彼女のにおいと、お風呂あがりの石鹸の香りがした。
「……カディナのこと、スき?」
それはきっと、となりの部屋でどういうことが起こっているか知っていてたずねて
いるのだろう。それを知ってもなお、カディナさんのことを想っているかどうか。
慕ってきた気持ちに変化はない。彼女のことは人として尊敬しているし、受けた恩を
いつか返したいと思っているのも変わらない。
では女性として、同性だけれども恋愛の対象としてあこがれていた彼女への気持ちは
どうだろう。
「……わからない。まだ好きかもしれないし、これから、そうでなくなるのかも」
なんとも言えない、というのが正直なところだった。
壁越しに聞こえてきたむつまじい声はショックで心臓が止まってしまいそうだったけど、
だからといって積み上げてきた気持ちがとたんに消えてしまうわけでもなかった。
かすかにではあるけど、まだカディナさんのことを好きな気持ちもある。たしかにある。
それだけは言えると思う。
メルはわたしの顔色から気持ちが読みとれるのだろう。ずるいと思った。
「……じゃあ、イマ、ワタシがレイレイをナグサめては、ダメかしら?」
ひとりで自分を慰めていたわたしを、わたしのことを好きだというメルが慰めていいか
と問いかけてきた。
応と答えれば弱い自分をさらすことになる。やさしさが痛い、なんてセリフを本で読んだ
ことがあったけどこういうことを言うんだ。胸がズキズキする。
でもわたしを好きだと言ってくれる人になら弱さを見せてもいいような気もする。
それはたぶん幸せなことだから、弱ったときくらい幸せに甘えてもいいのかもしれない。
カディナさんはエセリアを選んだ。想いがとどかずに傷付いたわたしを慰めてくれると
いうなら、好きだからそうしたいと言ってくれるのなら、彼女の気持ちに受け止められるのも
悪いことではないのかも。
カディナさんの代わりとかそういういやしい理屈は抜きに、ただ単純に好いてくれた人に
身を任せて癒してもらうのもいいんじゃないだろうかと思った。
「その、本当にわたしのこと、好き……なの?」
「……スきよ。ホントウに、レイレイのことがスき」
アメジストみたいな綺麗な瞳がわたしの心の奥までのぞきこんでくる。見つめると
吸い込まれてしまいそうで、だけど吸い込まれてしまってもいいような気分になる
不思議な瞳だった。
メルの瞳に閉じ込められたらそこはどれくらいやすらかな場所なのだろうか、知りたくなる。
感情も気配も感じさせない彼女のなかにも、やはり人並みの揺れ動きがあるのかしら。
メルの指がわたしのあごにかけられた。
わたしは目を閉じ、近づいてくる彼女のくちびるを受け入れた。
「ん……」
うすいくちびるがわたしと重なり、離れ、また重ねられる。
あっさりとした口づけはわたしの傷口を消毒してくれているのかもしれない。
静かでやさしい接触に逆にもどかしさをおぼえる。
わたしは自分からメルの背中に腕をまわし、抱擁を返してくれるように求めた。
すぐに彼女はわたしがしてほしいように抱きしめてくれた。
体格の小さいわたしをつつみ込んで自分の一部にしてしまうように抱きしめてもらう。
その安心感は幼いころに母親に抱かれていたときのぬくもりを思い出させる。
たしかこんな感じ。
このあたたかさ、やわらかさ。
彼女のにおい。思考を捨てて彼女のものになりたくなる虚脱感。
絶対的な帰属意識が芽生えてくる。
わたしはメルセデスの所有物と化して、彼女の思うままに愛され、突き放されることを
望んでいた。
ついばむようなキスが終わり、わたしはまどろむような意識のなかで彼女の指を受け入れた。
濡れた下着の端からしのび込み、無毛の丘をさする。
くすぐったさとはずかしさが快感に変換されていく。
くぼみの上部にでっぱった小岩をガラス玉をみがくように何度も円を描いて刺激する。
「あっ、ふぅ……メル、それ、だめ……」
自分でするよりはるかに気持ちいい。
メルの顔には微笑が浮かんでいてどことなくもてあそばれているように感じた。
それがまた指の動きとあわさってわたしの心を溶かしていく。
彼女のおもちゃに過ぎないわたしは彼女の言いなりになって気持ちよくなればいいんだ。
いまだけはメルを信じて、メルのものに成り果てればそれでいい。
彼女のいいようにされて、悶えてしまってなにも問題ない。
わたしはメルの首に抱きつき、下腹部からこみ上げてくる快楽に惜しみなく嬌声をあげた。
それは彼女のほそい指がせまい小道に沈んでいくとさらに大きくなった。
自分でも調節できない。かってにノドから声が出てしまう。
気持ちいいのだからしかたがない。
これは悪いことじゃないのだから、べつにいいんだ。
人に愛されることは、けっして悪いことじゃない。
頭のなかをからっぽにして体中をメルの愛で満たしたかった。
「んくっ、あ、はぁ、あ……」
全身が熱を帯びてべつの生きものみたいになっていた。
下から這い上がってくる快楽に身を躍らせ、わたしの意思から離れてメルの指を
恋しがっている。彼女のやさしい指のうねりを求めて彼女に体をこすりつけて必死に
愛情表現する。
わたしは完全に彼女の家畜でありペットであり、愛玩動物だった。
「……レイレイ、カワイいわよ」
「かわ、いい? ぁは、ほんとに、わたし、かわいい?」
「ええ、とっても、カワイいわ」
愛されたい。癒されたい。
思えば思うほど彼女のことを好きになっていく。
わたしのことを好きと言ってくれるのがうれしいからわたしも彼女のことをどんどん
好きになっていく。
気持ちよくて、うれしくて、こんなに満たされることがほかにあるだろうか。
気持ちいい。メルのことが好き。
わたしのなかでくねくね動きまわる彼女が泣きたくなるほどやさしくて、わたしを
愛してくれる彼女をどんどん好きになっていく自分のことも好きになる。
彼女はやさしくて、わたしを愛してくれる大好きな人。
「んぁ、わたし……こと、ほんとにすき? あいしてう?」
「……ホントウにスきよ、アイしてる。コワしたくなるくらい、アイしてるわ」
愛してるって言われるの、こんなに気持ちいいんだ。
胸がよろこびでいっぱいになって体がぶるぶる震え、ひときわ強い快感が背筋を
かけあがっていった。
メルの笑顔がうれしい。わたしのために笑ってくれている。
わたしを愛してくれて、わたしの反応を見てよろこんでくれている。たまらなくうれしい。
乱れた呼吸を整えるために大きく息をしようとした。
そのとき、わたしのなかを電流がかけめぐった。
「ひあぁっ……!」
絶頂に達したばかりのくたびれた細道を強引な快感が揺り動かした。
いまだ肉壁のなかに埋もれたままの彼女からなにかが放たれているのを理解した。
「……いいハンノウね」
「やらぁ、ぴりぴりしてぅ……」
たぶん雷の星術を加減して指先に電流を走らせているみたい。
ぐずぐずに濡れたお部屋にぴったりおさまった指がくいっと曲げられた。
お腹のほうの壁をこりこり削られ、しだいにビリビリの強さも増していった。
「……キモちいいの、レイレイ?」
「あっ、やはぁ、これ、へんに、なっひゃう……!」
お腹がしびれて腰から下が溶けてしまいそうだ。
皮膚の内側、気持ちいいと感じる神経を直接に刺激されてメルを受け入れているお口が
壊れるかもしれない。それでもいいと思ってしまうほど気持ちがいい。足先がピンとのびて、
背中はのけぞって腰がひけているというのにメルの首にしがみついた腕を解こうとはしなかった。
このまま溶けてしまいたい。
目の端からは涙を流し、とろとろに溶かされてメルに愛され尽くしてしまいたいんだ、わたしは。
イヤなことも悲しいこともぜんぶ忘れて、愛してくれる人のことだけ考えて幸せな気分のまま
死んでしまえばいいんだ。
「ひぐっ、ぅあぁっ、ひんじゃう、わらひ、ひんじゃ……!」
「……アイしてるわ。あなたはワタシのモノだから、ユルしてあげる。イッちゃっていいのよ」
「やら、ひっちゃう、めりゅ、しゅき、らいしゅきぃっ、んあ、あ、ぁあああああ――!」
下半身の感覚が消えて真っ白い快楽の波がいっきに全身へ駆けていった。
頭のなかがメルのことしか考えられず、メルのやさしい笑顔に見守られながら意識がかき消されていく。
める、だいすき。
わたし、しあわせ、かも。
目が覚めるとすでに朝になっていた。
部屋にメルの姿はなく、わたしはやや遅れぎみに朝食をとりに酒場へむかった。
「よぉ、このエロエロモンク! 昨日はずいぶんお盛んだったじゃん?」
「……へ?」
テーブルにはほかのメンバーがみんなそろっていて、ステラさんはにやにや、
カディナさんは苦笑い、エセリアは赤面、そしてメルはお得意の無表情でわたしを
出迎えてくれた。
「いくら新しい階層に到達したからって、あれはちょっとはしゃぎすぎなんじゃないのー?」
「え、あ、あの、いったいなにを……?」
起きぬけの頭にはなにがなんだか理解できなかった。
にやにや笑っているステラさんの言葉からなんとなく昨日のことを思い出して、
すぐにそれに思い当たった。
「あっ……」
「武器屋からもどったらとなりの部屋からすごい声が聞こえてくるじゃない?
もうおもしろいやら恥ずかしいやらさー」
「私もエセリアの部屋でマッサージしていたらあんな声が聞こえてびっくりしたよ。
ダメだとは言わないけど、もうすこし音量を考えてほしかったかな」
「え、ま、マッサージ……?」
苦笑まじりのカディナさんが口にした言葉にわたしは愕然としてしまった。
どういうこと?
エセリアの部屋でマッサージって、それじゃ壁越しに聞こえてきた声って――
「……エセリアは、すごいコりやすいタイシツ、らしいわ」
となりで淡々とスープを飲んでいるメルがしれっと言った。
ウソ……。
まさかメルはとなりの部屋でどのようなことが起こっているのか、その真相を
知っていたっていうことなの?
当のお姫さまは顔を真っ赤にしてわたしと視線をあわせるのもはずかしいのか、
うつむいたまま、
「あ、あの、わたくし、レイレイさんとメルさんのこと、応援していますので……」
「まさかこの二人がデキてるとは思わなかったなー。いやぁ、聞いてて恥ずかしく
なるくらい親密でしたなー」
「いままで気付いてあげられなくてごめんね。これからはもうすこし二人だけの時間も
つくれるように気をつけるから」
みんな、盛大に誤解していた。
いや、正しくはわたしが思いっきり誤解して、ものすごくまちがった方向に暴走して
しまったといったほうがいいのかしら。
わたしはすべての元凶と思われる張本人をにらみつけた。
「……そんなにミつめられると、ハずかしいわ」
わざとらしく頬まで染めてそっぽをむいた。
ウソだ!
ぜったい演技にちがいない。これは罠だったのよ。
わたしはハメられてしまって既成事実をでっちあげられてしまっただけなの。
「ひゅーひゅー。朝っぱらからあっついなー、このお二人さんはー」
「朝からお腹いっぱいね」
「わ、わたくしも、いつか、お二人みたいな熱愛を……」
ダメだ、いったん記憶されてしまった事実はそう簡単には取り消せないらしい。
だけど、本当のことを知っていたらわたしはメルとあんなことするはずがなかったのだ。
「ちがうんです! わたしはメルのことなんてこれっぽっちも好きじゃないんだから!」
「またまたー、恥ずかしがっちゃって、初々しいねー」
「ちょっと恥ずかしいけど探索に出ているとき以外はイチャイチャしても構わないのよ」
「公然イチャイチャ、ですか……」
「――っ!」
頭を抱えて泣き叫びそうになったわたしの服の裾がひっぱられた。
顔をむけると、スープを平らげたメルと目があった。
ほんの一瞬、無表情を形づくる均整のとれたパーツの配置がわずかにくずれ、昨日の夜、
意識が消える直前に目にしたあのやさしい笑みを浮かべた。
絶対的な安心感をおぼえるほほえみ。
ドキッとした。
胸の奥のほうで船に揺られるようなやすらかな心地がよみがえり、彼女の真意を理解した。
わたしの弱り目につけこんでもてあそんだわけじゃなかったんだ。
きっと、メルは本当にわたしのことを心配してくれていて、それでわたしにささやいてくれた
告白の言葉も本当に――
「お、見た? いまのアイコンタクト」
「夫婦ってやつだね。あぁ、もう食べられないよ」
「うらやましいです……」
はやく朝食を食べないと冷めてしまう。
わたしはメルのとなりに腰を下ろし、パンをちぎって口に運んだ。
「本当にちがいますってば。みんな勘違いしすぎです」
「ねーねー、二人きりのときはなんて呼びあってるの? レイにゃん、とか?」
「レイにゃん……かわいいですね」
「エセリアも調子に乗らないの。カディナさんからも言ってくださいよ。
はやく食べないと出発時間が遅れちゃいますよ?」
「そうね。さあ、みんなさっさと食べてしまおう」
リーダーのひと声でようやく今日の探索の話題に移った。ため息をひとつ。
スープを飲みながらカディナさんの話に耳を傾ける。
そのあいだ、テーブルの下では空いているほうの手とメルのそれがつながれていた。
わたしからそうしたんじゃない、メルが重ねてきたのだ。
みんなにはバレていないとはいえ、気恥ずかしくてたまらない。顔に出てしまいそうだ。
わたしの心はまだ整理がついたとは言えなくて、カディナさんへの気持ちが完全に
消えたわけではない。けどわたしを好きだと言ってくれたメルの笑顔にカディナさんに
勝るとも劣らない魅力を感じてしまったのも事実だった。
いまはまだ気持ちが浮ついた状態にあるのかもしれない。
でも彼女の気持ちとむきあっていけば、すこしずつ彼女のことを理解していけば表面的に
追いかけていたカディナさんよりも強く深く愛していけそうな気がして、そう思えるのなら
それはそれでいいような気がしたのだった。
重ねられた手に指をからませるとやさしく手をにぎってつつんでくれた。
メルの手は言葉では表現できないくらい、あたたかかった。
おしまい
以上です。読んでくれた人に感謝。
楽しんでもらえたら幸いです。
GJなんじゃよ!
人名と職業の対応表が
欲しかったところだけどそれはさておき
モン子えろかわいいよモン子
このままゾディ子との関係を重ねる内に
深みにはまっていくわけですね分かります
GJ!!
かなりよかった
GJ!!
規制解除と
>>420の百合SSでテンション上がる。
♀プリ1×♂ファーマーの妄想が止まらないので、頑張ってSS書くよ!
他の人の世界樹Vカップリングを聞いてみたい。キャラ絵も出揃ってきたし。
世界樹3の話題で盛り上がってるところなんですが、
相変わらずIIネタの
>>324の続きを投下に来ました。
ずいぶんと間を開けてしまって申し訳ありません。
・特殊な器具を使ったプレイがありますので『ノーマル以外は受け付けない』方はご注意を。
♂メディック(タマネギ):こっちが後輩。本作の語り手。
♀アルケミスト(メガネ):こっちが先輩。
♂パラディン(ショタ):ガンナ子の彼氏。このターン空気。
♀ガンナー(フロスト):ショタパラの彼女。このターン空気。
膣肉に包み込まれたままの息子の存在を再度意識する。
日常ではありえぬ量の血流が循環している剛直は、硬く、太く、そして熱く。
肉の凶器と化したそれは、さきほど先輩の純潔を貫き、膣内で精を放ち……そして痛みで泣かせてしまった。
だから、こんどこそ。ちゃんと感じさせて、いっぱい気持ちよくなって欲しい。
どこまでやれるかわからんが、俺に応じられる全ての手段で先輩の欲求を満たしてあげたい。
「メディ君、キスして……」
「はい…」
乞われるままに唇を重ねれば、すぐさま先輩の舌が伸びてきて、粘膜と粘膜が絡みつく。
互いの口腔に侵入して侵入されて、悦びで発熱した体温を感じあい、
飢えにも似た、だがそれとは違う欲求から分泌された唾液を飲ませあう。
先輩と俺、ふたりの舌と唇。
発声のためのその器官が、今はただ、言葉によらず気持ちを伝え合っていた。
「ん…ぁっ……んううっっ……!」
激しく求めてくる唇に俺も負けじと喰らいついてると、
先輩の身体に覆い被さったままの俺を、しなやかな腕が抱きしめてきた。
同じく俺も先輩の身体をちょいと浮かせて背中に手を回し、密着して密着して密着する。
実にスタンダードな正常位。人類が最も好む交尾スタイルの一つだ。
「先輩、重くないスか?」
とは言え、さっき失敗しかけた体位だ。今度はどうにか四肢で体重を支えてるつもりだが……
「ん、だいじょうぶ。重いは重いが……幸せの重みだ」
「……そーゆーのサラっと言われるの恥ずいんスけど」
「うるさい、君がいつもやってることだろ、仕返ししてや……む…うんっ!!」
苦情がしつこくなる前に再び唇で口封じしてやれば、先輩は嫌がる様子も無くそれを受け入れて、
二人の身体は上のお口と下のお口の両方の部分で繋がりあう。
しかし、こうして抱きつくとますます女の身体だ……いや、あえて女体と呼ぼう。
さっきまでは行為そのものに必死で気を払う余裕などなかったのだが、慣れが出てきたせいか
女体と密着した俺の全身は先輩の全身を全身で味わっていた。
俺も先輩もいつのまにか滝のような汗を流し、ぬるつく肌の触れ合う箇所すべてが気持ちいい。
ええ、特に乳ですよ。乳。
「うーむ、おっぱいだぁ」
二枚の胸で挟まれたそれは、むにゅんと潰れて刻一刻と形を変えながら
張り詰めた風船のように心地よい弾力で押し返してくる。
「さっきまでさんざん弄んでくれたクセにまだ満足してないのか……」
先輩は呆れたようにそう言いつつも、その顔はどこかしら優しげだ。
「俺がおっぱいに飽きる日が来るとかありえませんね」
意識的に上半身を軽くうごめかせて、双丘の感触を楽しむ。
とがった乳首がこっちの胸板を刺激して来てそれもまた良し。
「やれやれ……だったらこっちも遠慮なく行くぞ」
「遠慮なくって先輩、何を……ひゃんっ!」
俺の背中に巻き付いてた先輩の手が外されたかと思うと、こっちの上体を軽く押し返し、
今度は逆に先輩が胸に顔をうずめて乳首をちゅっちゅしてきたのだ。
「ふふっ、本当にメディ君は愛らしい声で啼くよな」
ぴちゃ、ぺちゃ、と乳首と舌がふれあう粘着音に混じって、くぐもった先輩の声が胸に押し付けられる。
「べっ、別に気持ちよかったわけじゃないんスよっ! いきなりだからビックリしただけなんですっ!」
「ほほう…なるほどなるほど、コレがツンデレか……わかってきたぞ、私にも」
「ち、違っ!」
「違わないだろう? 素直になりきれないところが可愛い、確かにそうだ」
この女、こーゆー事に関する理解力と成長力も俺以上かっ!
俺はひょっとしてとんでもないパンドラの匣を開けてしまったのかもしれない。
「……ううっ、やっぱり先輩ってばむっつりスケベだ」
「うるさい、かわいい奴め。いじめてやるぞ、うりうり」
「ひゃっ…あぁ……お、男の胸なんかいじくって、何が楽しいんスかぁ……」
舌だけでなく指までもが攻撃に加わり、我知らず情けない声があふれ落ちる。
「楽しいぞ。もっとも男の胸だからじゃない、メディ君の胸だから楽しいんだがな」
未だ慣れぬ強い快感が胸から産まれ、不随意のうちにびっくんと大きく俺の体が跳ねて、
「うァ、先輩っ……」
「……あっ、やぁっっ!!」
うっかり動いた腰が先輩に痛みを与え顔を歪ませる……いや違う、コレはひょっとして痛みというより――
「あの、今の……」
「んん…まあその、そろそろ、動かして……みるか? 多分大丈夫だと思う」
先輩は頬染め口ごもりながらも、そう提案してくる。やはり感じ始めてくれているようだ。
「あー、はい、やってみますです……」
おっかなびっくり、挿れたままだったチンコをゆっくりと引き抜いていく。
「そ…そうだ、メディくん…そのまま……く…ぅ」
それでもわかってしまう。先輩まだまだ痛がってる。
「いいんスか? スイッチ入っちゃったら、さっきみたいになっちまうかもっスよ」
「じゅうぶん我慢できる範囲だ。続けてくれて良い……」
そうまで言ってくれるんだ。先輩の女を立てるためにも、これ以上の問答は止めておこう。
先輩に一つキスをして、一度は止めた動きを再開する。腰引くほどに締め上げてくる膣壁がカリを
しゃぶるように撫で上げてきて、ぞくぞくするような快感がサオから全身に広がる。
「はぁ、ヤベ……スッゲ気持ちいい」
「ん…んぁっ…ふふっ、メディ君の感じてる顔すごくかわいいぞ」
「う、う、うぅ……」
今一個賢くなった。
セックスって恥ずかしい。
何もかも心の奥までまる見えだ。
だからって求める身体はもう止まらず、おまんこから抜ける寸前までチンコを引きずり出す。
結合部の方から鼻腔をくすぐる匂いを感じて目をやると、
サオには精液と愛液とそして破瓜の血がべっとり絡み付いていた。
「ばか……繋がってるところをそんなまじまじ見るもんじゃない」
「そーゆー先輩だって……」目線が思いっきりそっちを向いている。
「私は良いんだ」
理不尽な。
「だけど、その、先輩の処女…貰っちまいましたね」
肉杭に貫かれ未だ血を流し続ける膣口は見るからに痛々しいが、
それでもいじらしく一杯に開いて俺自身と繋がり続けてくれている。
「二度目のそれで申し訳ない限りだがな……」
「処女は処女っス。あんなに痛がってたのに俺とヤりたいって言ってくれて、スゲェ嬉しかったです」
「私も嬉しかった……ううん、今だって嬉しい。だから……な?」
その悩ましげな返事を合図に再びチンコをおまんこに付き挿れる。今度も、ゆっくりゆっくりと。
ただしマクを破ったほどじゃない、粘膜と粘膜がこすれ合うのが互いに感じ取れるぐらいのスピードだ。
やがてチンコの先っちょは膣の最奥をコツンと突き上げて、
「にゃっんっ!」
ちょっと猫っぽい鳴き声を先輩にあげさせる。
「……あれ? なんか全部入らねぇ?」
小指の先ほどチンコの根元にあまりが出る。さっきまではずっぽりハマりこんでいたってのに。
「あ、あ、あ……ダメだからな、それ以上ついたらダメだからなっ!」
真っ赤になって焦りながらダメ出しする表情を見て、何故かわかってしまった。
「ひょっとして子宮が降りてきてんスか?」
知識では知ってた。女の子が感じてくると精子を受け止めやすい位置に子宮が移動してくるって。
「し、しらないっ……ばか」
知らないならば行動で確かめようと、子壷を押し上げるつもりでぐいぐいチンコを押し進めてみると、
「んぃあゃぁっああっー!」
聞いたこともないような艶っぽい声が先輩の喉から漏れ出し――
「あだだだだっ!!」
痛ってぇ!
唐突な刺激にいろいろと制御が効かなくなったのだろう。俺の背中に回されてた先輩の腕が肋骨を
折らんばかりの勢いで抱きついてきて、膣は息子が潰されるんじゃないかって圧力で締め上げてくる。
「せ、先輩っ、ちからっ、力抜いてっ!!」
「あ、あぁぁぁ……ぁあっ、やぁっ! やぁぁっ!」
キュアなどを駆使して、痙攣にも似た不随意運動を繰り返す先輩の体をどうにか落ち着かせると、
「ばか! ばか! ばか! だからダメだって言っただろう!」
涙目になった先輩の瞳に恨みがましく睨みつけられた。
「すっ、すんませんっ! もうしませんっ! 絶対しませんっ!」
「……まて、止められてもそれはそれで困る」
「困るって……?」
「その…だな、開発が進んでないから痛みと快感が未分化なだけで……って、言わせるな、ばか」
それって。つまり。
「――スッゲェ感じちゃってました?」
内面の逡巡を表すかのように引き結ばれたり緩んだりしていた先輩の唇が、やがてためらいがちに開かれて、
「わ、わかってるんだったら……う、動け! 今のでスイッチ入ってしまったんだよ!」
こっちこそ今のセリフでみなぎってしまったね。
「じゃあ犯します」
「ま、待て、メディ君っ! やっぱり待てっ! 目が怖いっ!」
制止を無視して、膨れ上がったサオで膣粘膜をこそぐようにしながら、挿れたチンコをまた引く。
「……ふぁっ、んっ!」
先輩の声がずいぶんと甘い。確かに痛みはだいぶ薄れてきてるようだ。
ならばと突き挿れる。ぬちゃ、と潤滑液がいやらしい水音を立てるほどはっきりと。
「あっ、んやぁっ!」
「良くなってきたみたいっスね、そっちも良い声で啼くじゃないスか」
喜悦の混ざり始めたその顔を見ながらたずねると
「……そうまで言うからには自信はあるんだろうな?
私より先に果てたら遠慮なく早漏野郎と罵ってやるぞ」
「うっ」
なんとも辛辣なお答えがかえってきてしまった。とんだヤブヘビである。
「いやー、どーっすかねぇ……まあ、ダメでも若いんで回数でカバーするって事で」
「情けないことを言うな、この早漏野郎」
まだ出してないのに、もう言われた。
「だって先輩のおまんこってニュルニュルしてスッゲェ気持ちいいんスもん。なかなか持ちませんって」
「メディ君……いい加減にそのスラングを口にするのを、」止めろと言われる前に
ひねるように腰を動かし蜜壷をチンコでひっかきまわす。
「んふぁっ!!」
エロい喘ぎがあふれる先輩の唇を唇でふさいで、そのまま唾液とともに声を喉奥に流し込む。
「おちんちんでぐっちゃぐっちゃにしてあげますね、先輩のおまんこ」
そしたら先輩は言葉の意までを飲み込んでくれたか、
「……勝手にしろ」
口調はキツいながらも、にっこりと微笑んでうなずいた。やべぇ、かわいい。どうしてくれよう。
「あぁーっ! んふぅぅんっ!」
我慢が効かなくなって腰を振る。
さっきまでの慣らすような試すようなそれとは違う、本格的な抽送だ。
一回戦で中出しした精液と未だ溢れ続ける愛液が膣内でかき混ぜられて、音と、そして匂いを発する。
それは雌と雄の匂い。濃密な性の匂いだった。
「聞こえるっスか? 先輩のおまんこってば、こんなエロイ音させちゃってるっスよ」
「……違っ…あ、あぁ、あぁぁ……メディくんがっ、おちんちん…動かすからだろうっ!!」
「えー、でも、大半は先輩が下のお口からとろとろ流してるおツユの責任なんじゃ無いッスかねー?」
事実、チンポどころかタマまでビショ濡れだ。
「っつ……メディくんのクセに…な、生意気な…そんな生意気な奴はこうしてやる!」
「ふぉっ!!」
思わず頓狂な声をあげちまったが、先輩がとうとう腰を使い始めたのだ。
流石と言うか、身体はともかくとしても中身は経験者だ。
それは俺の腰使いを的確に受け止めて、さっきまでに倍する快感を与えてくる。
「んっ、ぁ……どうしたメディくん、顔色が悪いぞ、やっぱり君は早漏野郎なんだなっ!」
そういえば、いつの間にか童貞野郎から早漏野郎にクラスチェンジしてるけど、
果たしてどっちがレベル高いのか……などと益体もつかないことを考えつつ、反撃を開始する。
「くぁ…ぁ、そっちだって辛そうじゃないスか…つーか、腰使ったら先輩自分にもキいてますよね?」
「………」
図星だったらしく、一旦先輩は押し黙ったのだが、快楽が口をつぐむことを許してくれなかったらしく、
「ふぁぁんっ! う、うるさい、生意気言う、な…ぁ、あ、ぁああぁーっ!」
たちまちのうちにいやらしい鳴き声が俺の耳を楽しませてくれる。
「先輩、おまんこきもちいい?」
「みればぁ、わかる、だろぉっ……ふぁ、ぁ、あんっ!」
だいぶ舌っ足らずになってきてる、快楽が理性を押しのけつつあるのだろう。
膣から受け取る肉体的快感はもちろんとして、俺のチンポが先輩を感じさせてると言う事実は
精神的な意味においてもスゲェ悦びだった。
「そういうメディくんはぁ、どうなんだよぉ……んんッ!」
「く、ぅ、同じく、見ての通りっス……よ!」
きもちいい。きもちいい。きもちいい。
腰を振り続けるほどに、何の意識をせずとも勝手に動くようになってきた。
先輩も呼応して俺の動きに腰を合わせ、自分の一番いいところにチンコをすり当ててくる。
ひとつがいの雄と雌が、自分が悦ぶために、相手を悦ばせるためにひたすらに交わり合う。
それは本能と欲望にただただ身を任せる、ナマの獣としてのヒトの姿だった。
「う…ぁ、ちょっと、ヤベェ……かも……!」
だがもちろん、自分を開放するほどに限界もまた近づいてきてる。
腹の底からせりあがってきた粘液が、再び砲身に装填され、発射の時を今か今かと急かし始めてきたのだ。
「……んぁ、は、あははっ…メディくん、イキそうなんだぁ……」
先輩は肉体年齢相応の、幼い笑みを浮かべて俺の様子を伺ってくる。
「す、すんませっ……やっぱ俺、早漏野郎みたい…っス」
爺ちゃん曰く、女の膣には安全地帯があってヤバい時はそこに避難すればいいとのことだったが、
一番締りのユルい部分でも、それはそれで包み込まれるよーでスッゲェ気持ちいいわけですよ、コレが!
つーかもー、腰止まんねえし!
「ご…ごめっ、せんぱぃっ……も、もう出るっ!」
「ふ、ふふっ……わ、わたしの勝ち…みたいだな……」
一方、先輩の快楽の底は思ってたよりも深くにあったらしくて、内面はどうあれ表情は強がってる。
「……せ、先輩っ! ナカに、ナカに出すよっ!!」
決壊の直前、口から飛び出たのは実にベタなセリフだった。
だからこそチンコ握りながら毎日毎晩、脳裏に先輩の痴態を思い浮かべていたシチュエーションでもある。
まさか本当にヤっちまう日が来るとは思ってもみなかったが。
「んん、だしちゃぇ……」
先輩が想像の中よりはずっと子どもっぽい、だけど媚態に満ちた声でささやきつつ、
ぎゅっと抱きしめてきたので、勢いに任せてそのままおっぱいにむしゃぶりついて――
「ふぅっ……ううっ!」
思いっきり射精した。
ナカに出すとハナっから腹を固めた上での膣内射精。
本日二度目といえど喜悦は薄れず、むしろワケも分からず出してしまった初めての時より、快楽は色濃い。
そして――
「あぁぁ、やぁ、ダメっ…でて、でてるっ! めでぃくんのせーし、きてるっ、あぁ…んっ、ふぁあんっ!」
余裕を見せていたはずの先輩が射精と共に乱れ始めたのだ。
ひょっとして――イケる、まだ間に合う。
「せんぱっ……じっとして」
「ダメぇ…あ、あ、そんな、奥っ……だめえっ!!」
跳ねて逃げようとする尻を腰ごと押さえ込み、先輩の『スイッチ』になった最奥に鈴口をくっつけて射精する。
「あーっ! あーっ! あーっ!」
わかる、このおまんこは今果てた。
射精にも似たリズミカルな動きで膣肉が収縮し、精液を吐き出す肉棒をさらに淫らに締め付けてくる。
「先輩、おまんこイッてますね……?」
「だって……おなかの、一番きもちぃとこに…せーえきが、びゅくびゅくしてきて……ふぁあ、あっ!」
やはり射精がトドメになったか。
「精液でおまんこイッたんだ。きゅんきゅんしてもっと欲しいっていってる」
「うん…メディくんのしゃせーでイっちゃったぁ…ふぁんっ……もっと、もっと、しゃせーしてぇ!」
肉壷が吸付きおねだりするままに、肉茎は一切の抵抗を放棄して射精し子種を与える。
それはもうひとつの心臓のように鼓動して、生命の元を胎内に送り込んでいた。
一分近くは射精していたかもしれない。少なくとも肉茎の律動は数えた限りでも50回を超えた。
「ふ、う」
快感の余韻で思わず息があふれると、ぐったりとなってた先輩がぼそりと呟いた。
「……そーろー野郎」
「えぇ……だって先輩だってちゃんとイってたじゃないスか!」
「私より先に果てたらののしると言った。あと、最後はまた体重をかけて来てる。重い」
言われて気づけば、なんの体重補助もせず完全に先輩に乗っかっちまってる。
「うぉ、すんませんっ!」
慌てて身を起こすと、五分勃ち程度に萎えたチンコが膣圧に押されてずるんと抜け落ちた。
性感が薄れるごとにダルくなってきてることもあり、ともかく一度先輩の身体から降りて、
ベッドの上にあぐらをかいた。
「全くデリカシーのない……ちょっとは落ち着いて行動しろ」
果てて気だるいのか声がなんだか眠そうだ。だけど、先輩はそのまま幸福そうな笑みを作って、
「まあでも……気持ちよかったぞ。一応だけど童貞卒業と言うことにしてやっても良い」
「ありがとうございます……俺もスゲェ気持ち良かったっス」
「……ん、しちゃったな。私たち」
そしてなにやら、感慨深げにそういう。
「ヤっちまいましたね」
今の言葉を確かめるように、結合の外れた互いの性器に目をやる。
そこには紛れもない行為の残滓が残されていた。
激しい抽送でメレンゲのように泡立った一発目の白濁液がチンコと割れ目にこびりつき、こじ開けられた
肉穴がゆっくりと閉じて行くごとに、容積の狭まった肉壷からは男と女の混合性液がこぼれ落ちる。
「すっげ……血も、汁も、ぐっちゃぐっちゃになってて……」
世の中にこんなエロイもんがあろうかってぐらいエロいのだが、あれだけ激しくハメあった後でもあり、
今のところしなびたチンコが復活する気配はない。
「言葉にするな! ……って、本当に、すごい。膣内射精されるとこんなふうになるのか……
それに、はじめての感覚だった…自分が達しながら男に射精されるとあんなに来るものなんだな……」
怒りに任せて上体を起こした先輩だったが、自分の股間に目が行くと食い入るようにそれを見つめていた。
「精液と愛液と……血がこんなになって…………いや、いや、いや………待てよ」
かと思えば先輩は唐突に押し黙り、口元に手を当てなにやら思案し始めた。
「急にどしたんスか?」
しかし先輩はその問い掛けを無視して、もごもごとつぶやき続ける。
「……そうだ。膣内で撹拌された男女の性分泌物。それに破瓜血。
更にはカリスとその触媒までもが私の手にある。完璧じゃないか……」
先輩の目がエロ方面とは別の意味でヤバくなってきてる。
「あのー、先輩? とにかく後始末しません? 拭きますよ」
カバンから取り出していたタオルをドロドロの女陰に近づけようとすると、しかし、その手をガッと掴まれた。
「先輩っ?!」
「馬鹿な。もったいないことをするな」
「……もったいないって」
「この手の体液は錬金術の素材として非常に有用なのだよ。回収する」
「回収って……」
先輩は枕カバーの裏側をごそごそすると、サンプル採集用のガラス小瓶を取り出した。
「ンなもんが、なんでそんなとこに入ってんスか……」
急展開すぎてツッコミが追いつかねえ。
「そんな細かいことを気にしてるから、君は早漏なんだ」
「早くて悪かったっスね!!」
「とにかく、自分でやるには体勢的に辛いし、君がコレを採取してくれないか。技能持ちだっただろ」
いって先輩は股を開く。その中心部ではいまだに秘裂から体液があふれ続けていた。
そりゃ、蜜といえば蜜ですけどよ、コレ。
「ンなもん採取するためにスキル取ったわけじゃないんすけどねぇ……」
「ぶつくさ言うな。それにアレだけ出したあとだ、今ならいやらしい気持ちにならずにやれるだろ?」
確かにただいま賢者モードでちんちん萎んだままですけどよ、
「あのね、先輩。ヤった直後にムードが欲しいのは女の子だけの話じゃないんスよ?」
「幻滅したか?」
「……いーえ。ある意味先輩らしくて安心しました」
「ならいい。頼む」
はー、やれやれ。
一つため息をついたあと、何を使って採取したもんかと思案してると、汗がポトリと一滴落ちた。
我にかえればお互いいろんな体液でズク濡れだ。多少の寒気までもする。
「……の前にっスね。体ふいちまいましょうか、このままじゃ冷えちまうんで。性液以外なら良いんしょ?」
「そうだな、そうしよう」
「じゃあ先輩、んーってして」
「……いい、自分でやる」
先程のタオルを再び手に取り先輩に近づけると、先輩はやんわり抵抗してきたのだが、
「汚したら拭いてあげると約束したっしょ? させてください」
「そういえばそんなことも言ってたな……」
どこか居心地の悪さを感じてるようだったが、先輩はそれ以上の抵抗はせず黙って手当を受け入れている。
まずは顔。メガネを軽く持ち上げて(完全に外さないのは俺のジャスティス)、痛みとそして悦びで
流させた涙をぬぐい取り、さんざんにキスを交わして互いの唾液にまみれた口元もふきふきする。
「なんか……メディ君ってママみたいだ」
「年下に母性を感じないでくださいよ……しかも野郎に」
まあ、弟やら妹やらイトコやら年下の叔母やらがいる大家族だったんで、面倒見はいい方だと思うが。
首筋を清めてそのまま下に降り、白くなまめかしい背中を拭い、前に回っておっぱいだ。
そこはさんざんむしゃぶりつかれたりパイズリしたりで汗以外のいろんな体液で汚れていて、
だからこその淫美さに満ちあふれていた。だけど残念ながらこっちも賢者モード真っ只中でその気になれない。
「目つきがいやらしい……」
失敬な。脳内シャッターを10回ばかり切っただけだ。
先輩の抗議をシカトして片乳づつを丁寧に手に取り、ぬぐい清める。マッサージはサービスです。
「手つきもいやらしい……」
しつこく粘ついて拭くだけで取れない汚れがあったので、舌できれいきれいにしようと口元を近づけると…
「メディ君、それ以上やったら圧殺の術式な」
「はい」
目が殺る気だったんでやめとくことにした。
おっぱいの清掃作業を終了させ「バンザイして」と指示すれば先輩は素直に両手を上げ、
普段は腕に隠された妖艶な肉の窪地が目に入る。
「おぉ……」
コレはいい腋ですね。いつかここでコイてもらおう。
処理してるのか元々薄いのかとにかく毛はなく、ヤった直後だけあって男を狂わせる芳香が漂っている。
汗を拭きとって匂いが薄れるのは惜しくはあったが、先輩の腋にタオルを触れさせぬぐった途端に――
「あんっ」
それはもう可愛らしい喘ぎが口からこぼれでる。
「……先輩、感じてる?」
「く、くすぐったかっただけだっ!」
「へーえ、そっスかぁ……」
布地をあえて押し付けず、タオルの毛羽立ちを利用して敏感な地肌をなでるように刺激する。
「やぅ…あ、あぁ……んっ……」
声がますます色っぽくなってきた。
普段だったらくすぐったいだけのその場所も、情事の余韻が染み付いた今の身体にとっては立派な性感帯だ。
「くっくっく、こりゃまた助兵衛な笑い声っスねェ…」
「ばか、やめろ……ひゃぅん! いやぁぁ……こんな、こんなヘンな場所……」
「ヘン……って、先輩まさかここ攻められるのはじめて?」
「……答える義務はない」
はじめてですね、わかります。フェチの中でもかなりメジャーな属性だし、
とっくに誰かにやられちまってると思ってたから、コレは嬉しい誤算だ。
「別に変じゃないっスよ。神経の集中してる場所はすなわち性感帯っスから」
「……だから、別に感じてなんかいない…んぅんっ!」
「そりゃ失礼、くすぐったいだけでしたね。じゃ、こっちもきれいきれいにしましょーね〜」
拭いていたのとは反対側の腋に顔を近づけ、肉感的な窪地に舌を這わすと先輩の味がした。
「ひゃぅんっ!! ……こ、こ、このエロ小僧っ!!」
そのまま思いっきりヘッドロックをかけられたのだが、我々の業界ではむしろご褒美です。
「こりゃァ、素敵な圧殺…先輩の味と、匂いが…ぎゅーって押し付けられて……ははは、天国……」
「ばか…へんたいっ…へんたい…へんたいっ……!」
そのまま舌で刺激を続けるとやがて先輩の身体からクタクタと力が抜けて、頭縛りのバステが解除された。
唾液で汚した腋を拭きとり、ふと見れば、先輩の全身にまたもや玉のような汗が浮かび始めていた。
「ありゃま、せっかくふきふきしたのにまた汗まみれになっちまいましたね」
「誰のせいだと……」
「まあ風邪を引かせちゃまずいし、コレでもひっかぶっといてください」
「……ん、ありがと」
脱ぎっぱなしだった俺の白衣を手渡せば、先輩は何のためらいも見せずに袖を通し――
「うは、こりゃァ……」
言っておく、着せる瞬間まではエロい意図は無かったと。100パー善意からの行動だったと。
「ヤベェ……エロすぎんだろ、裸白衣」
やはりメガネっ子には半裸が似合う。すっぽんぽんも大好きではあるが、
局部が隠れていてこその官能美と言うのも、やはりたまらぬものがある。平たく言うと着エロ最高。
探索用の白衣だから生地はゴツいのだが、それでも汗が染み込むほどに地肌に張り付き、
地肌を薄くすかして見せてくる。乳首だってツンツンだ。
「……っ、たく、君は、もう……!」
普段だったらすげぇ怖いのだろうが、腋攻めの快楽にとろけた瞳でにらまれてもかわいいだけだ。
今のいたずらで俺の方も賢者モードを脱しつつあり、すなわちいやらしい気持ちでいっぱいです。
「先輩、サイコーっす…」
辛抱たまらず開っぱなしの胸襟のど真ん中に顔をうずめて触感と香りを楽しみ、
白衣の上から浮いた乳首をクニクニする。
「こ、の、ば、か……やぁ、んっ、もうっ!」
「ずいぶん鼓動が激しくなっちまってますよ先輩、また興奮してきた?」
「知らない…ばか……」
ぷい、とそっぽを向いてしまう。かわいい。
意が逸れたならばと、白衣の内側に顔を侵入させ先程は拒絶された乳房の汚れに
舌を這わせてぬぐい取り、ついでとばかりに乳首に吸い付く。
「ひ、卑怯だぞっ……んやぁ…ぁ、あ、ぁあぁ……」
どう考えても嫌がってる声じゃなかったので、衝動のままに抱きつけば、
ふにゃふにゃになってた先輩の身体はそのままベッドの上にこてんと転がった。
「あ……」
「あ……」
声がハモる。
結果的に押し倒しちまった形になる。先輩からは何度か押し倒されてるが、こっちからって初めてだ。
白衣と乳に挟まれた頭を引きぬいて先輩の表情を見ると、そりゃもう、えっちな顔になっていた。
「先輩、かわいい……キスしていいスか?」
「……勝手にしろ」
「勝手に……っスか。んじゃやっぱ止めときます」
「…え、ええっ?!」
ツンツンしてても本当は待ち望んでいたものが得られぬ落胆と驚愕の表情。デレの真髄をいま俺は垣間見た。
そんな泣きそうになった先輩の顔が愛しくなりすぎて、俺もたまらずキスをした。
しばし唇と舌を絡め合ったあと、なるべく優しい笑顔を作るよう努力して、
「うそうそ。ごめんね、先輩」
「……ばか、ばか、いじわる」
ぞくぞくする。
いつもはリードされるばかりだったこの年長の恋人との情事で、初めて主導権を握れている。
もひとつ軽くキスをして、唇をずらして頬を舐め、首筋、そして開きっぱなしの
白衣の中心線からのぞく地肌をツーっと舌でなぞっていく。
「……あ、ぁ、ぁあ、また汚したぁ…」
「じゃあ後でまたキレイにしたげますって」
すっきりと縦に伸びたおヘソを舐めたくって先輩を悶えさせたあと、いよいよ下のお口にたどり着いた。
「さァて、お股のエッチな蜜の採取でしたね。先輩、足開いて」
「だからこんなふうになる前に作業的にやっておきたかったのに……」
恨めしげな口先とは裏腹に、実に自然な感じで脚が開く。
肉孔からこぼれた男と女のカクテルは小陰唇にベッタリとひっついて、更にはアナルの方にまで垂れている。
「先輩、指で開いてナカ見せて」
「……なんで私がそんなことを」
「混合性液の採取が先輩自身の頼みだからっスけど? それともお手伝いすらしてくれないんで?」
「――っ、くっ!」
心底悔しそうな顔をしたが、先輩も止めるつもりはないらしく、
ためらいがちに伸びた指先が花弁をほころばせた。
中出しおまんこが、くぱぁ。
「これでいいのか……?」
羞恥で紅に染まった顔を背けながらも、震える指先が濡れた小陰唇を開いて固定し、
精液で白く汚れた膣口やその周辺部をあらわにしている。無理やり押し広げられた先輩の下の唇は、
ときおり開口部がひくんと震えて、粘性の白濁液をよだれの様にとろりとこぼれさせた。
「ディ・モールトベネにも程があります」
「言葉の意味はわからないけど、とにかくすごい屈辱的だ……」
ともあれカバンを開いていくつかの採取用道具を取り出し、アルコールを使って消毒する。
「吸入ドレーンがベストだよな」
シンリンサイの血管をそのまま利用したパイプを対象に差し込み、空気圧で吸い上げる、そういう道具だ。
「いきますよ」
「……うん」
手もみのポンプを操作して、まずは膣外にこぼれた性液を吸い込んで行く。
「ふゃぁ…あんっ、液…以外を、吸うなぁっ!」
ときおり吸入圧が強すぎて、パイプがエロ汁ごと敏感な雌肉をちゅっちゅしてしまう。
そのたびごとに先輩がとてもかわいい悲鳴をあげるので、楽しくなってもっとやる。
「おやぁ、先輩。お豆さんこんなにツンツンにして何考えてんすかぁ?」
「――っ! ばか! 君がさっきからいやらしいことばっか……いやぁんっんっ!!」
勃起したクリトリスにパイプの先端を押し当てて吸い込めば、先輩が素敵に泣き叫ぶ。
「だめ…そんなとこ吸っちゃダメぇ……」
「ホントに止めていいんスかァ? だってこれ一度イかないとおさまんないっしょ?」
「う、ううぅ………」
口を引き結んで押し黙ったのをいたずらオッケーの合図とみなし、
先輩をかわいく啼かせつつ、ようやく外陰部の粘液をすべて吸い取った。
「んー、先輩。おツユの色が薄くなってきたっスよ。どうしちゃったのかなぁ?」
いまの愛撫で再び愛液の分泌が始まったのだろう、膣口付近のおツユの粘度が落ちてサラサラになってきた。
「わかってるクセに……ばか……とにかくじらしてないで早く…しろ」
「おやぁ、待ちきれないんスか?」
「混合比率があまり大きく変化すると困るからだっ!」
おや、先輩の理性と研究者魂はまだ生きてたか。エロには邪魔だしご退場願おう。
もっともっと気持ちよくしてあげるからね、先輩。
「んじゃま、次はナカですね」
先輩の指でくぱぁされたおまんこ。
その入口にはさっき俺が突き破ってしまったマクの残滓が残り、今でもわずかに血液がにじみ出ていて
どうにも痛々しいが、指先でそれをいじくっても先輩が大きな反応を見せなかったので、
採取を続行することにする。
「続けますよ?」
「……ん」
先輩の頷きを得て、さっきまで自分のチンポが出はいりしていた肉孔に、
太麺ほどの口径の管を挿入し、内容液を吸入して行く。
「ん…んんッ、あ……あぁあぁ……」
液を吸い上げると独特の感触がするのだろう。先輩のえっちぃ声が溢れ出る。
ポンプをきゅぽきゅぽして肉壷からガラス瓶にえっちなミックスジュースを移し替えして行ったのだが――
「――うーん、これ以上は入んねーな」
膣口付近はともかく、奥の方に挿れようとすると膣圧で柔らかいパイプが中折れしてしまうのだ。
「やっぱしさっきまで処女まんこだっただけに狭いんスね」
「余計なことを言わなくて良い……」
「キツキツで気持ちよかったです」
「ば、ばかぁ……余計なことを言ってる暇があるならなにか手を考えろっ!」
「手、ねぇ……あ、そうだ、アレ使おう」
そして愛用の鞄をガサつかせ、俺は一つの道具を取り出した。
「んじゃまナカのナカも診て確かめときますか。たぶん液体も奥の方に溜まってるでしょうし」
「診る……って、ちょっと待て! なんなんだ、それは!」
俺が新たに取り出したモノを見て、先輩は泡を食った声で慌てふためく。
コイツは一言で言うなら金属でできた鳥のクチバシだ。ワッフルコーンぐらいの大きさで、
ハンドルを握ればその先が開き、ネジ止めして開いたままにすることもできる。
「コレは膣鏡またはクスコと言ってですね、女性の腟腔内に挿入し開大して、腟腔や子宮を診るための――」
「なんであるかぐらいは知ってる! どうしてそんなの持ってるんだ!」
「メディックですから」
爺ちゃんに持たされたもんだが本当にあってよかった。
「しれっと言うな! 普通はメディックでもそんなものは――きゃうんっ!」
膣に指を差し入れてかき混ぜれば、先輩はえっちぃ悲鳴をあげる。
「ちょーっと太いモン挿入しますから、もちっとほぐして愛液分泌させておきましょうねー」
「ば、ばかぁっ! メディ君のへんたいっ! へんたいっ!」
「お褒めに預かり恐悦至極」
口では罵りながらもさしたる抵抗はこない。それに顔を見れば分かる。
施術部に熱っぽい視線を向ける瞳は、ちょっと変態じみたこのプレイを期待しているようですらあった。
性液の採取なんてのは、もう半分以上たんなる口実になりかかって、二人とも『その先』を待ち望んでいる。
「そんな嫌なら止めます? コレ以外に方法を思いつきませんけど」
「……だったら仕方がないな、続けろ」
先輩も基本、すけべぇなのだ。性的好奇心を満たすためなら結構何でもつきあってくれる。
「んっ……」
やがて、たっぷりのバルトリン腺液にまみれた膣口に、クスコの先をあてがい
ゆっくり挿入して行く。若干の抵抗感はあったが、するすると飲み込まれて行った。
「冷たい……」
「あー、金物っスからちょっとヒヤっとするかもですね。痛みはどうです?」
「だいじょうぶ」
ならばと金属のくちばしを根元近くまで押し込み、ハンドルを握って開いていけば、
女性の体の秘中の秘とでも言う部分が徐々に明らかになっていく。
「メディくん……あんまり、拡げ、ないで…ちょっと、痛い……」
それでも数刻前まで処女だったおまんこに拡張は厳しいらしい。
「……おっとと。あんま痛いなら止めましょうか?」
「あと、少しだけ、なら、我慢できる…けど……」
「無理っぽくなってきたならゆってください」
「うん……」
しかし、はぁ、はぁ、となまめかしい吐息の混ざった先輩の声には隠しようのない興奮が含まれ始めていた。
「ま、こんなモンだろ」
――と、言うところで拡大を止め、ネジを回して開いたハンドルを固定する。
そしてメタリックに輝くクスコの覗き口にヒカリゴケを応用した非熱源照明を近づければ――
コレはもう「くぱぁ」と言うより「がぱぁ」だ。
「うは、こりゃァ……」
一言で言うなら肉のトンネルだ。膣壁に肉がヒダをまいてうねってる様がありありと見える。
さっきまでこのヒダにチンポをいじめられていたのだと気づいてゴクリとつばを飲み込む。
こんなの挿れたら気持ちいいに決まってる。そして膣奥には、さっき俺がたっぷりと放出した
子種汁が粘液だまりを作っている。白濁液は破瓜血が混ざって少々ピンクがかっていた。
「あ…あ、あぁ、やぁ…はずか……恥ずかしい……」
先輩は顔を両手で覆いかくしてイヤイヤをしている。
基本的にすけべぇな女の子なのだが、コレはさすがに羞恥心が性欲に優ってしまったのだろう。
「でしょうね。こんなトコ、チンコを挿れられることはあっても、見られるのって初めてっしょ?」
「言うなばか…そんなの当たり前に決まってるだろぉ……」
「また一つ、先輩の初めてをもらっちゃいました」
「ばかぁ……」
言葉攻めの反応を楽しみつつ、再びドレーンを取り出して膣奥の精液だまりを吸い取っていく。
ず、ちゅ、と吸入音を立てながら、ついでにパイプの先で女性の最奥――子宮頸部を責めていく。
「ふぁ……んっ、あ、あ、あぁぁ……」
「先輩、感じてる?」
「う、うん……気持ちイイ……きもちいぃよぉ……」
おやまあ、先輩にしちゃずいぶん素直な返事だ。やはり子宮には女の子を正直にしちゃう何かがあるのか。
そしてやがては奥に溜まった男と女のミックスジュースをほとんど回収し終えたのだが……
「んんー? ……なんか、少なくね?」
思ってたほど量がない。
一発目のはピストン運動でけっこう掻き出してしまったけれども、それでも二発目は体感でも
相当の量を射精していたはずで、ましてや先輩の愛液がそれに加算されているのだ。
ベッドのシミになってしまったのも少なくはないが、それでもやはり足りない気がする。
「えぇ? 見せてみろ……たしかに少ない……これじゃ期待していた量ほどじゃ……」
小瓶を手渡せば先輩の瞳に若干の理性の光が戻り、見分を始める。スゲェな研究者根性。
だがその答えは思わぬところから得られた。
「……なるほどね」
膣の最奥、ナイフで小さく切れ込みを入れたような肉裂――子宮口が薄く開き、そして閉じる。
そのはずみで子宮口周辺にほんの僅かだけ残っていた体液が、中に吸い込まれたのが観察できた。
「先輩……子宮が精液飲んじゃってるんですよ」
「……あ」
先輩の白いおなかに手を伸ばし、子種汁を美味しそうに飲んでる袋のあたりをいとおしく撫でる。
一回戦終了時に先輩の口から語られた事実でもあるが、こうして己の目で見るとやはり感慨ぶかいものがある。
勃った陰茎を膣に挿入して射精し子宮へと届かせる。俺は雄の本懐を成し遂げたのだと。
「私、メディ君に種付けされちゃったんだぁ……」
言葉で事実を確認した先輩のその台詞が俺を猛烈に興奮させる。
こどもがほしい。
唐突にそんなことを思ってしまった。
トチ狂い始めてるのには気づいたが、思いはもう止まらなかった。
「先輩、足りないんスよね?」
「うん……足りない」
精液の量が、そして先輩と俺の劣情を満たすには、行為の量がまだまだ足りない。
「じゃあ…」
「…うん」
短いやり取り。それだけで互いに身体を求め合ってるのが確実に理解できた。
「んっ……」
クスコを閉じ、そして引き抜けば、拡張されていた肉孔がゆっくりと元に戻っていく。
やがて閉ざされて中の見えなくなった膣口に、指を挿れて締りを確かめる。
「よかった、元通りのキツキツだ」
「……そういえば、拡張される危険性については何も説明を受けてなかったぞ」
じろりと睨まれやや焦る。
「イヤははは、すんません……やっぱし女の子もそう言うのが気になるんで?」
「当たり前だぞ、自分の身体だ! それに……」
怒気を含んでいた瞳が、今度は悩ましげに伏せられたかと思うと、
「……ひらいちゃったら君を悦ばせてあげられなくなっちゃうじゃないか」
とんでもなくエロ嬉しいセリフをゆってくれた。
「――先輩っ!」
「ん、きゃっ?!」
辛抱たまらなくなって眼前の女体に覆いかぶさり、とっくに弾薬の再装填を終えていた剛直を肉の割れ目に
なすりつける。言葉で確認するのももどかしく、目と目が通じ合ったあとの小さな頷きを応と見て、
一気に先輩を貫いた。
「ん、くぅうぅっんっ……こ、こらっ、もっと、優しくっ…ん、んぅんっ……!」
「でも先輩、ちゃんと気持ちイイ時の顔してますよ?」
これだけ肌を重ね合えばもうわかる。コレは悦びの表情だ。
もっと悦ばせてあげたい。腰を振ってチンコでナカをかき回す。
「あ、あ、あ……うるさ、いぃ、メディくんのクセに、なまいき…ふぁ…あぁぁあ!」
「くっくっく…すんませんね、調子こかせて貰っちゃって」
なんだかんだで今日はもう3発も出してる。挿れた膣肉の感触をじっくり味わう余裕すらあった。
「さっきまで処女まんこだったのにもうそんな感じてるんだ、先輩のすけべぇ」
「メディくんだってぇ……さ、っき…まで童貞ちんちんだったクセ、にい……ん、んぅうっんっ!」
対して先輩はさんざん弄られ焦らされ、もうかなりのところまで快楽の階段を登ってるようだ。
「ねぇ、先輩。俺のちんちん気持ちいい?」
気持ちにゆとりがあるせいか、ついつい我ながら最低の質問をしてしまう。
さる筋の情報によると『女性がセックスの最中に男に言われて萎える台詞』堂々の第一位らしいが、
それだけ男が気になるところでもあるわけなのだよ、うん。
「……うん、いい、いい」
それでも火のついてきた先輩はだいぶ理性がゆるくなってるらしく、何度もこくこくと首肯する。
身をよじる度にときおり白衣がはだけて、地肌――と言うかおっぱいが見え隠れするのがたまらない。
やべぇ、たまんね、かわいいすぎる。
だもんで俺もますます調子に乗って、矢継ぎ早にろくでなしな言葉の数々を投げかけてしまった。
「先輩のまんこぐちゃぐちゃっスよ。おもらししたみたいになっちゃって……
コレは宿のおばちゃんに怒られちゃうかもなぁ?」
新たにあふれた愛液はベッドに大きなシミを作りつつあった。
「ふぁぁ…だって…だってぇ……きもちいぃと勝手に…出てくる……」
「勝手に? 違うっしょ、そんな一生懸命腰使っちゃってるからっスよね?」
「しかたない……だろぉっ! きもちいぃと止まら…ないんだ、んっ……んんっ!」
俺が先輩の肉体を堪能してるのと同様に、先輩もまた体いっぱいを使って俺自身を味わっている。
歴代の男が持て余したと言う意味がやっとわかってきた。ノってくると、この人ココまで乱れるのか。
しかし、前の男どもに負けてられん。僕が一番うまく先輩に乗れるんだ!
「以前ナマでやったときは外出しだったんスよね。どこかにぶっかけられるのって好き?」
いやはやエロ本脳でサーセン。
「外出し……って膣外しゃせえ? そんなの意味のない避妊法だろ、少なくとも私はやった事が無――」
『無い』と言いかけた唇が閉じられ、快楽にとろけていた先輩の顔がみるみる青ざめていく。
「先輩…いやだって、中出しは俺が初めてって、さっき……」
声をかけても先輩の唇は引き結ばれて固まったままだ。
固まった先輩に釣られてか、俺の腰までもが動きを止める。
流石に理解する。今のくだらない質問がとんでもない地雷だった。
俺は今、先輩の理性が官能で弱ってなきゃ言わないタイプの失言をひきだしてしまったのだ。
よせ、考えるな。
先輩は先刻『本当にはじめての時は避妊具を着けずにした』と言った。
俺以外とナマでやった経験があるのに……外出しはやった事が無い? そんなバカな話があるか。
じゃあ『膣内射精を許すのは初めて』ってのが嘘で、俺を悦ばせるためのリップサービスだったのか?
……いや、おそらくは、違う。中出しを受け入れてくれた今日の先輩の反応にはある種のウブさがあった。
官能に溺れると周りが見えなくなる先輩の、あの反応の全てが演技だとはとても思えない。
そのへんにしとけ。
それに今の発言からすると、先輩は生ハメ膣外射精に妊娠の危険性があることを知っている。
ナマ出しされても妊娠を避ける薬なんてのもあるにはあるが、副作用の高いヤツだし、
なにより性生活がだらしなくなっちゃうので、俺はギルドメンバーにソイツの処方を頼まれても
『持ってない』事にしているし、過去のメディカルチェックで先輩にその薬の使用歴が無いことは
問診の上確認している。つまり先輩は病気を避ける意味でもこれまで基本的に相手に避妊具を付けさせて
ヤッていたとみるべきだろう。
取り返しがつかなくなるぞ。
だが生でハメた例外が二人。俺自身と……先輩の本当に初めての男、だ。
先輩の言葉から判断するならば、コイツは『生でハメたが中出しはしていない。
しかし膣外射精も行ってはいない』こんな状況がおこりうるのだろうか?
もうやめろばか。
ありうる。
タネの枯れきったジジィとヤったか……精通もまだのガキとヤったか、だ。
そして後者の方に俺は心当たりがある。あってしまう。
答えを出してどうする気だ。
そもそも、引っ掛かりは最初からあったんだ。なんで先輩は『彼』が激しい戦いの後に
昂ぶった気持ちを静めるために女の身体を求めるっつー、プライベートな情報を知っていた?
観察と類推だって? オーケー。それはそーゆー事にしとこう。じゃあ次だ。
次なんてねぇよ。
先輩ってばショタコンじゃん。俺の幼い顔つきとつるつるのちんちんが好きなんだとよ。
じゃあ――代用品じゃない、マジショタはもっと大好きだってことだよなぁ?
そんなふうに考えるな。
そもそも、年齢がドンピシャだ。『彼』は初体験が四年前だと言った。
先輩も『処女まで巻き戻った三年』と性体験のブランクであったこの一年を足して同じく四年。
そして『彼』と先輩の年齢差は(実年齢では)およそ7歳。『彼』が語った数字と一致する。
つまり二人は元々そういう知り合いで――その縁でギルドを組んだのだろう。
詳細を聞きたい。
だが聞けるわけがない。
「ぅ…ぁ…」
ともすれば開いてうかつなことを口走りそうになる、唇を、喉を、必死で押さえつける。
「すまない……メディ君……」
言葉をどうにか堪えていると、腕の中から少し涙声になった先輩が語りかけてきた。
「べ、別に俺は何も……」
カッコの悪いことに声が震えてる。動揺してるのはバレバレだろう。
「いや……だいたいわかってる。変に我慢しなくて良い」
そういった先輩の指がゆっくりと俺の唇を撫でてきて――
「――まったく、相変わらず君のここは正直者だな」
「動いて、ましたか……」
おしゃべりめ。耐えていたつもりだが、無為に終わったらしい。
「言うほどには動いてはいなかったがね……それでも、思考の断片ぐらいは読み取れた」
「……じゃあ、やっぱり、その」
もはや質問を耐える意味はなく、たずねかえせば先輩の紅い唇がおずおずと開かれて、
「……そうとも、軽蔑してくれていい。私の最初の男は――パラ君さ」
♂♀
――――――――――――――――――――――――――――――――――
投下終了。終わる終わると言って相変わらず最終回詐欺ですんません。
直近の続きはだいたい書けてるので、週明けぐらいに投下できると思います。
クソウ、エロいと思っていたらいつの間にか
OTZどころか
○_Λ_
~ ~
こんなポーズをとっていた
毎回おもしろいな
うわあああああああ
GJなんだがメディ君に感情移入しちまったorz
orzしながら続きを待ってます。
大丈夫、最後はきっとハァハァ(´Д`*)させてくれるんだぜ…!!
これだけ長いSSなのに、エロのテンションを終始保ってるのが相変わらずすげぇ…。
そしてオチに次回へのwktkが止まらなくなってしまった。GJ!
にしても、なんか人が少ない感じがするね。年末年始からの大規模規制が尾を引いているのか…。
エロパロスレはいいところだぞー!みんなー!早く戻ってこおおおい!
というよりSS読んで口から砂糖吐いていたり部屋の中転げまわったりするのに忙しいんだろう
俺がそうだったから間違いない
規制解除きた!
lx5FOsHpKc氏もgrOH0oZHc2氏もGJ!
規制にも発売延期にも負けるなー!
乙ですGJ
ここにきて、ここまできて、更に何か布石ぶっ込んできたwこれをどうsageるのか…?!
座して待ちます。着衣で。
てすと
448 :
231:2010/02/03(水) 12:21:56 ID:FF1EzQGC
あげ
あのねの人もいまごろ脳内で、どの娘をぐちょぐちょさせるか考えてるんだろうなあ。
そんな変態紳士がこのスレにもっと現れることを所望。
>>439 の続きです。
週明けと言いつつ遅れました、すみません。
・非エロパートです。
♂メディック(タマネギ):こっちが後輩。本作の語り手。
♀アルケミスト(メガネ):こっちが先輩。
♂パラディン(ショタ):ガンナ子の彼氏。やっと出番。
♀ガンナー(フロスト):ショタパラの彼女。やっと出番。
――――――――――――――――――――――――――
――そして翌朝。
「……くっそ」
食堂のテーブルに突っ伏し、小さく悪態をついた。
これから探索って連中が談笑しながら飯を腹に詰め込んでるのを横目に、俺はひとり寂しくぼっち飯。
……つっても今はほとんど食う気になれない。頼んだメシは来てるのだが、少しつついてそれでおしまい。
放置して皿が冷えるごとに、立ち上っていた旨そうな匂いが薄れていった。
「なんであんなしょーもない事いっちまったんだ……馬鹿、死ね、俺……」
後悔する。だが後の祭りだ。
昨晩は人生最良の夜だったはずだ――途中までは。本当だったらあのまま先輩と同じベッドで共に眠り、
今頃は若さに任せて起き抜けの一発をキメていたところだったかもしれないってのに。
「……にしても、パラ君が、なぁ」
昔の話だってのはわかってた。頭では。
やっぱり先輩は実年齢相当の大人で、昔に恋人がいて、そいつと寝てた。それだけの話。
だれにでも初めての時と、そうでない時があって、そうでない時の方がずっと長いのだから、
大人だったらあって当然の話。
浮気されたとか二股かけられたとか寝取られたとかそんなひどい話じゃァない。
でもって、その男――パラ君はガンナちゃんと好い仲になってて、少なくともここ一年は先輩と切れてる。
昨晩いただいちまった先輩のセカンドバージンは、はからずも今は二人に体の関係が無いと言う
なによりの証明になったわけだ。
一つ不安があるとすりゃぁ、先輩が思ってたより重度のショタコンだったってことだが……
まあ、引くには引くが、俺も人様のことを偉そうに言えない程度には変態であって、そこはお互い様である。
先輩は確かにすけべぇだし、そういうの抜きでは生きていけない女なんだろうが、
それでも、単なる性的欲求だけで俺とヤったわけじゃないってのも理解してるつもりだ。
だが、そこまでわかってて今なおザラついた気持ちが収まらないのは
――俺がまだ、どうしようもなくガキだからだろう。
いちど愛情を向けてもらったばかりに、その愛情がかつては他人に向けられてたってのが我慢ならない。
愛されてたのが見知っている誰かだったと言うのが耐えられない――本当にガキ丸出しのただの嫉妬だ。
「バーカ、死ね。俺」
どうにもならない自己嫌悪感。
ヤってる最中はもう死んでもいいとさえ思ったが、別の意味で今は死にたい。
嫌悪感がつのるほどに、忘れようにも忘れられない昨夜の出来事が、勝手に脳裏に浮かんでくる。
食欲はなくても思い出すほどにひりつくように喉が乾き、茶を飲む手だけは進んだ。
♂♀
あの後、情けないことに萎えちまった。でも、それで良かったとも思う。
でなきゃ胸中に吹き荒れる嫉妬にも似た気持ちのままに――無茶苦茶に先輩を犯してしまってただろう。
気まずいってレベルじゃなく、どちらからともなく重ねていた肌が離れ、
俺も先輩もだまりこくったまま目を合わせることすらできなかった。
繋がり合うには冷めてしまった、だけれど離れてしまうには寂しい。
そんな心の距離を示すかのように、俺たちは体一つ分だけ離れてベッドの上に座り込んでいた。
先輩は白衣一枚で、俺は毛布だけひっかぶって。それでも俺は先輩の手だけは握り締めていた。
この手は離しちゃいけない。離せば俺たちはくっついたこの日にいきなり終わる。そんな確信があった。
ぎゅ。
そんな握り合ったままの掌に力がこもり、俺もまた握り返した。
ぎゅ。
暖かく、どこか冒険者らしく少しゴツゴツとして、そして力強い。だけど女の掌だった。
ぎゅ。
そうやって何度も握り合って互いの実存を確かめ合った後、今度はそのまま
くぃ、と腕を引かれ、引かれた方を見ればもちろん先輩がいた。
見つめ合う。
そしてこらえきれなくなって目をそらした……あんな時どんな顔をすりゃ良かったんだ?
笑うべきか――笑えねェよ。
泣くべきか――やめろ情け無い。
怒るべきか――キレてどうすんだ。
明確な形を得ない感情の奔流が胸の内側で渦巻いて、それをどう表現したらいいのかわからなかった。
「……先輩」
そしてついには沈黙に耐えきれなくなって、うつむいたまま声をかけていた。
「先輩って俺の女ですよね」
あまりにお子様丸出しの独占欲発言。だけれどあの時は言わなきゃいけない気がした。
「そうだな…そう思ってくれていい。私は君の女だ」
重々しいがはっきりとした肯定の応え。それを聞いてどこかホッとした。
「でもって、俺は先輩の男。そっスね?」
「……そう思ってくれているのなら嬉しい。とても」
「じゃあその…俺たちって恋人同士なんスよね」
子供かよ、とも思ったが他に言葉が出てこなかった。
「……そうだとも」
その答えを得て、俺はやっと先輩の顔を見返せた。表情は固い。俺も似たようなもんだろう。
だけどお互い、まだ気持ちが切れちゃいないことは理解できた。
「じゃあとりあえず、寒いんでくっつきませんか。恋人っぽく」
ふれあいたかった。気持ちはまだまだ整理できてなかったが、身体ばかりか心までもが
冷えていくのに耐えきれず、人の身のぬくもりを分かち合いたかった。
「……うん」
ベッドの上をにじり寄り、ピタリとくっつき身を寄せ合う。
「先輩も被って、ほら。コレで風邪引かせちまったらメディック失格なんで」
毛布をガバリと広げて、俺と先輩二人の体を丸ごと包み込む。毛布はいろんな体液を吸い込んで
少々湿っぽかったが、すぐさま二人の体温をも吸収して暖気を発しはじめた。
「あたたかいな……」
「……っスね」
一度は離した肌を再び重ねて体温を通じ合わせていると、やがてポツリと先輩が言った。
「すまないな……」
「なんで謝るんスか……」
「だって、君にしてみればパラ君のお下がりの女を押し付けられたような――」
全部は言わせなかった。
「それこそ怒んぞ、馬鹿! パラ君に気ィ使ってもらうまでもなく、俺ぁアンタのことが好きなんだよ!」
それだけは断言できた。先輩への恋心は誰に言われたからでもない、己自身の意志だと。
先輩にそれなりの男遍歴があるってのはわかってたし、言い方は悪いが遊んでる部類の女なのは承知で、
それでも先輩の事を好きんなってヤりたいとおもった。
……それがただ、色々と初々しいところを見せられて、ちょっと勘違いしちまってただけだ。
「……すまない」
「いや、こっちこそ怒鳴っちまってすんません……まあ、パラ君と昔付き合ってたってのが、
全然気にならないとか言い出したら、そりゃ大嘘っスけど。正直…今けっこう嫉妬してます」
言ってどうにかなることじゃないが言わずにはおれなかった。だからガキだってんだよ、お前は。
「うん…ごめん……」
もちろんそんなの先輩の罪悪感を刺激する効果しかなく、顔を見れば今にも泣き出しそうになっていた。
「いや、謝らないでくださいって……別に先輩が悪いわけじゃ……」
ごまかすように肩を強引に抱きよせれば、先輩は特に抵抗を見せず、そのまま身体を預けてくれた。
少しクールダウンしようと大きく息を吸い込めば、とたんに先輩の体臭が鼻腔をくすぐる。
こんな時でも女の子はいつだっていい匂いだ。
気づけば胸の中にかき抱いた先輩も、すぅ、はぁ、と同じく深呼吸をしていた。
「……ん、メディ君。いい匂いだな、君。おとこのこの匂いだ」
「先輩も…っスよ」
小さく微笑み合った。固い笑みではあったが互いに大きな前進だったと思う。
そのまましばらく肌を重ねて、体温や、鼓動や、呼吸を感じあっていると、やがて先輩が重々しく口を開いた。
「一晩……時間をくれないか?」
「え…?」
「気持ちの整理がしたい……そして、できれば話がしたい」
「話って、先輩とパラ君の昔の……?」
「昔と言う意味ではそうだが、ガンナ君と……メディ君自身もそれに含まれる」
「俺とガンナちゃんも……?」
そりゃ現状パラ君と付き合ってんのはガンナちゃんなわけで全く無関係でも無いんだろうが……俺の昔?
「もともと、私と君の仲がより進展して絆が深まったらいつかは話そうと思っていた事でもある。
……ずいぶん前倒しになってしまったが、ね。だけど今の私たちには必要なことだと思うんだ。
こんな事で、せっかく結ばれた君を手放したくない……」
「それは、俺もです……」
このまま、こんな気持ちをごまかしたままじゃ、俺たちは駄目になっちゃうだろう。そのぐらいはわかる。
「そしてメディ君さえ良ければ、そこにパラ君が同席することを許して欲しい。
彼の口から語られるのでなければ意味のない言葉もあるのでね」
「う……」
大事なことだってのはわかるんだが……今の俺にゃそりゃちょっとキツ過ぎる。
「君にとっては愉しからざる話になるだろうな――だからここは冒険者の流儀で行こう。
君は我々の話を聞いてもいいし、聞かなくてもいい。
もちろん君から言いたいことがあるならそれを話すのも自由だ」
♂♀
――そして俺は聞きたいと答え、ココでこうして待ってるわけだ。
先輩の部屋から出た後の事はほとんど覚えておらず、気づけば自分のベッドで眠っていた。
正直そのまま自室にヒキっていたいぐらいの気持ちだったが、そこは日払いで泊まってる貧乏人の悲しさ、
朝の5時になったら容赦なく一度はチェックアウトせにゃならん。ベッドメイクにやってきた
フロースさんトコの娘さんにたたき起こされ、しぶしぶ食堂にやってきて――今に至るというわけだ。
「うー、憂鬱だ……」
もう何杯目になるかわからん茶をすすり、ダラけていると、
「おっはよー、メディ兄ちゃん!」
「うおっ?!」
椅子に座ったままの背後から、突然抱きつかれてあやうくコップを取り落としかけた。
やや強引に首を巡らせ後ろを見れば、そこには見知った叔母っ子の顔があった。
「ああ、ガンナちゃんか、おはよ……だけどいきなり飛びついてくんなって、何度言ったらわかるんスか…」
昔に比べりゃだいぶマシになったが、人目を気にせずこの手のスキンシップをしてくる事がまだ時々ある。
親族だってのは公言してるから、まわりに変な誤解は抱かれてないと思うんだが。
「あははっ、ごっめーん」
しかしまあ、ガンナちゃんってば見るからにつやつやだ。ゆうべはおたのしみでしたものね。
あんな獣みたいにガンガンにやりまくって、疲れた様子すら見えないのは、
鍛えに鍛えたハイレベル冒険者だからか、単に若いからか……いや、俺も若いんだけどね。
「……パラ君に渡した薬、一緒に使ったんしょ? どうだった?」
どうだったもへったくれも、この目で結果は見届けたわけだが、まあ一応。
「もぉー、聞くかなぁ……それを」
「……ははっ、悪りぃ」
「だけど、うん……はじめて、パラ君とふつうに出来たよ…ありがとね、兄ちゃん」
「礼はいいっスよ。そりゃ何よりで」
俺自身のことはともかく、そっちの問題は一応片付いたみたいで何よりである。
すこしホッとして、茶を口に運んで喉を湿らす。
「ところでさ、メディ兄ちゃん」
「何スか」
「兄ちゃんもリーダーとえっちしたでしょ」
茶ァ吹いた。
「…ッハ、ゲッホ……ちょ、なんでいきなり、げほっげほっげほっ……」
「なんでもなにも…すごいよ、女の子の匂いが」
ガンナちゃんはぴくぴく鼻を動かす。
「匂いって、一応シャワーぐらいは浴びたんスけど……って、あー」
言いかけて気づく。
「……白衣か」
そういやコイツは先輩の汗やら汁やらがたっぷり染み付いているんだった。
ずっと着っぱなしだったから、かえって鼻が馬鹿になってたんだろう。
「白衣って………………また変なプレイに流れちゃって、えっちしなかったワケ?」
「いっ、いやっ、昨日はちゃんと最後まで、って……なんでそんなん知ってんスかっ?!」
先輩と俺の、挿入未満の乳繰り合いの日々を知ってなきゃ出てこないセリフだ。
しかしガンナちゃんはそれには答えず、なにやら意味深な顔を作り、
「ふ〜ん、そっかぁ、ちゃんと最後まで……かぁ」
「いや、その……」
「ん、おめでと」
「……ありがと」
「でも、それにしちゃ兄ちゃん落ち込んでるよね……なんか失敗したとか?」
やっぱヘコんでるのは見抜かれてたか。こりゃガンナちゃんなりに元気づけてくれてるのかもしれない。
「そんな感じっス……かね」
とはいえ、パラ君の昔にも関わることだし、流石にすべてを話すわけにもいかん。
「だいじょうぶだよ。途中まででもできたんだったら、ちゃんと好きって気持ちは伝わってるから」
「そーゆーモンっすかねぇ……」
そういえば、ガンナちゃんの方が俺よかぜんぜん経験は豊富なのだった。
年下でしかも身内の女の子に、性体験を諭されるとはなんともむずがゆい。
「わたしとパラ君もなかなか……だったけど、毎週少しづつ頑張ってできるようになったし」
あー、やっぱ彼氏のチンコがデカすぎると苦労するんだなぁ。
うん、俺はフツーでよかった。フツーで……いや、見栄で言ってるんじゃないよ?
「まあでも兄ちゃんたちがくっついたんだったら、コレで一個肩の荷が降りたかな」
「……うん?」
「今だから言うけど、わたしもお膳立てとか色々頑張ってたんだよー?
昨日はリーダーと二人の時にいっぱいエッチな話して煽っといたし」
なんだかとってもデジャビュ感のあるセリフなんですけど。
先輩ってばミイラとりがミイラになってたんじゃないかしら。
「そいつァ、どーも……おかげさんで」
「うん、それにね、こないだは一緒に勝負ぱんつ買いに行ったし。かわいかったでしょ?」
「あー、ありゃ、ガンナちゃんの見立てかぁ……」
先輩のセンスとはちょっと違うと思ったがなるほどね。
「まあコレでリーダーの愚痴を聞くこともなくなるかなぁ、お酒入るとほんっとしつこかったから」
「愚痴…って、どんな?」
するとガンナちゃんは抑揚の小さい先輩の口調をモノマネして、
「『ガンナ、君の兄だがアレはどうにかならないのかね? いっつも変態的な欲求ばかりしてきて……
そのくせヘタレだからなかなかセックスまでは求めてこない……おかげでこっちは火を着けられたまま
放置されて欲求不満だよ!』って、こんな感じの」
「ぎゃー、恥ずい。死ぬ。やめてっ!」
突発的な暴露に思わず頭を抱えていると――
「ガンナっ!! そんなのをベラベラしゃべくってバラすやつがあるかっ!!」
背後から聞き慣れた怒鳴り声がした。
「メディ君。朝っぱらからご機嫌じゃないか……そんなよその女とくっついて」
うおっ、やっべぇ!
「いっ、いや先輩これはそのっ!!」
首に巻き付いたガンナちゃんの腕を振りほどいて、椅子から立ち上がり昨晩以来の顔に向き合う。
「おはようメディ君」
「……お、おはよっス」
先輩ってば笑顔ですけど目がぜんっぜん笑っておられません。
しかも、服が勝負服なのが恐ろしさに拍車をかける。勝負服と言っても恋愛的な意味じゃなくて、先輩が
階層支配者級のバケモノをシメに行く時に気合を入れるために着る奴だ。平たく言うとチャイナドレス。
スリットからちらりとのぞく太ももがなまめかしいのだが、今はそれを鑑賞する気にはとてもならない。
まー、持ってる人は公式設定資料集のラフ絵でも参考にしてくれ。
「……おはようございます。先生」
「ああ、うん……おはよ」
そしてパラ君も同行してきてる……一気に気が重くなってきた。
肉親とは言え仮にもカノジョが他の男とくっついてたんだ、いい気はするまい。
しかしそんな重い空気を吹き飛ばすかのように、ガンナちゃんが軽い口調でパラ君に挨拶する。
「おっはよ、パラ君」
「ええ、おはようございます、ガンナさん」
続けてにへらと笑って先輩の顔をのぞき込み、
「やほーアルケミ。ロストバージンおめでとう」
「……ガンナっ、君っ、知っていたな!」
「そりゃぁね、わたしも条件は同じだったし」
そういやガンナちゃんも肉体時間を巻き戻されていたんだった……って、こたァ、
パラ君のゴン太で……二回も? それどんな拷問。女ってスゲェなぁ……。
「まったく、ガンナがあらかじめ教えておいてくれれば、昨晩あんな苦労をせずとも……」
「でもアルケミ、おかげでいいサプライズになったでしょ?」
ありゃ? なんかふたりとも互いに呼び捨てだ。プライベートじゃいつもこうだったのかしら?
「確かに…おかげと言うべきかメディ君がすごく優しくしてくれて……って、何を言わせるんだ!」
先輩の頬が朱に染まる。つられて俺まで顔が熱い。本当に何を言い出すんだ。
「はいはい、ごちそうさま……で、パラ君まで連れてきてどうしたの。みんなフツーじゃない感じだけど」
流石に雰囲気を察しられたか、ガンナちゃんのいぶかしげに細められた瞳が俺たちを端から順に睨めつける。
しばし4人ともが押し黙り、食堂の喧騒だけが耳に届いていたのだが、最初に口を開いたのはパラ君だった。
「その、僕もまだ詳しいところは聞いていないんですけど……先生に、あのことを…知られたらしくて」
ガンナちゃんは言葉の意味をゆっくり噛み砕いているようだったが、やがて大きく目を開いて、
「まさか……バレたの?!」
「……そういうことだ」
ガンナちゃんの誰何を受けて、先輩が苦々しげにつぶやく。
「あっきれた……アルケミ、あなたまさかえっちしてる最中に間違って
パラ君の名前呼んじゃったとかそんなんじゃないでしょうねっ?!」
「いくら私でもそこまで愚かじゃ……いや、似た様なものか……」
先輩は額を抑えて嘆息した。確かにハメてる最中の出来事ではあったのだが。
「あー、ガンナちゃん。どっちかっつーと先輩じゃなくて、俺が余計なことを――」
「兄ちゃんはちょっと黙ってて」
「……はい」
なんか俺の知ってるガンナちゃんと違う。昔はこんな人を殺せそーな目ができる子じゃなかったのに……。
「……で、わたしがあなた達のこと知った時みたいに、またみんなで話しようって?」
「ええ、それが一番いいんじゃないかと……」
釣り上がったガンナちゃんの瞳が今度はパラ君に向けられた。
「ちょ、まっ……まったまったまった!」
しかしこのままだと俺が置いてきぼりにされそうなので声を荒らげて静止しようとすると、
「なぁに?」「なんだね?」「なんでしょう?」
三人ともが一気に俺の方に向き直った。うわ、みんな一度にとかやりづれぇ。
それでもどうにか勇気を出して聞き返す。
「あ、あのさ、その辺の話知らないのって……こんなかで俺だけっスか?」
「……うん、そう、わたしも知ってる」
当事者の二人は重々しくうなずき、ガンナちゃんまでもが吐き捨てるようにボソリと言う。
「マジかよおい……」
男女混合ギルドって恋愛関係で内情がドロドロになりがちだって
聞いたことはあったが、ウチもご多分に漏れずだったのかよ……。
「兄ちゃん……あんまり怒んないであげて。アルケミもいつかは話すつもりだったみたいだから。
それと、あんまり言いたくないけどコレでわたしもすっごく揉めたから、タイミングとかが……ね?」
「いや、別に怒っちゃいねぇんスけどね……」
つーか怒るも何も唐突すぎてどう反応したらいいのかわかんねぇ。
「ところで、わたし声かけてもらってないんだけど、まさかハブるつもりだったの?」
怒るなといったガンナちゃん自身の声に若干の怒気が含まれる。
「いや、ガンナさん。そういうわけじゃ……」
パラ君がそんな彼女を制しようとしたのだが、
「そういう訳じゃないもその通りじゃん。わたしも行くよ、立派な当事者だもん。それにアルケミたちが
あの話をするんだったら、わたしたちの……わたしとメディ兄ちゃんの話も言わないと不公平だし」
「……あ、ガンナちゃん、まさか、話って」
俺たちのかなり気まずい肉親関係についての事だろう。間違いない。
「ね、話しておこうよ、兄ちゃん。この事も後からバレたらまた絶対にわだかまりができるよ?」
「そうかも……っスね」
先輩とパラ君が気まずい過去を吐き出そうとしてんだ、俺らだけが黙ってるワケにも行くまい。
「やはり君たちもなにかあった口だったか……この際だから膿は出しきった方がいいんだろうな。
とにかく場所をどこか落ち着いて話できるところへ移動しないか? なんなら私の部屋にでも……」
「え〜? ヤだよ。アルケミの部屋ってゴミ屋敷だもの」
「ゴミ……っ、て失敬な! アレはちゃんと意味のある配置なんだぞ!」
ゴメン先輩、そこは俺もガンナちゃんに同感。
「じゃあ、僕の部屋でどうです? 皆さんが座っても十分余裕がありますし」
余裕どころか、あの部屋だったらこの人数の5倍は楽に入るだろう。
「さんせ〜」「いいッスね。んじゃ、お言葉に甘えて……」
即答した俺とガンナちゃんに続いて、先輩が最後に口を開く。
「そうさせてもらうか。だが、その前に一つやって置くことがある。メディ君、こっちを向け」
「なんスか…………ッて?!」
不意打ちにもほどがある。
一気に間合いを詰められたかと思うと――いきなりキスされた。
「ん、むっ…せんぱっ……何……んっ…く……!」
「こら、うごくな……ちゅ……む…うぅ……ん…」
本気のべろちゅーだ。
たちまちのうちに先輩の舌が俺の唇を強引に割開いて、口腔内をいじめぬく。
心構えがまったくなかったせいもあって、それはそれはいい様に弄ばれてしまう。
「あー、おあついねえ」「……アルケミさん。なにやってるんですか」
ふたりとも、みてないで、たすけて。
「ん、ふぅ……」
「うぅ…はぁ……はぁ……」
一分近く唇を犯され、肺の空気や唾液ごと魂までも吸い取られたようになっちまって、俺は床にへたり込む。
そればかりか、気づけば食堂の四方八方から、グッサグッサ視線が突き刺さってきてる。
はずかしすぎる。もうおよめにいけない。
しかし先輩は視線にひるむばかりか(文字通りに)大きな胸をはって周囲に宣告した。
「見てのとおり――今日からコレが私の男だ! 手を出すやつは容赦しないぞ!」
ボーッとなっちまって何も言えず、周囲のざわめきを耳にしながら、今更ながらに気づく。
とんでもない女に惚れちまったって。とんでもない女に惚れられちまったって。
だけど、とりあえず――悪い気はしなかった。
♂♀
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
投下終了。次回もたぶん非エロパートになると思います。
終わるようで終わらない! 不思議! でも素敵!
GJですw ううん、続きが気になる。激しく気になる。
先輩に萌え倒す為に読んでいたと思ったら、いつの間にかメディ君にも軽く萌えていた
何を言っているのかわからねーと思うがry
とってもGJだけど続きが怖い!ふしぎ!
ぎゃー!食堂!ぎゃー!
GJGJ
いやあ、GJ。このスレ、レベル高いわー。
いいなぁ…素晴らしいスレだ。
基本男女もので少しエッチいシーンがある文章なら何でも大丈夫?
当スレは何でもウェルカム・・・!
>>463 前書きさえあれば、どんなネタでもオッケーですぜ。
俺もHシーンまでしばらくかかるもの書いてるから、エロなしも認めてくれる空気があるのは嬉しい。
Vのキャラ絵も出揃ったし、このスレもますます活気づくといいなあ。
>>464-465 ありがとうありがとう…!
キャラスレでも殆ど話題にならない、黒ダクハン君がらみの話って需要あります?
青髪ダクの方は悪そーな雰囲気からよく弄られてるっぽいけど。
さてお相手は桃ドリルちゃんか短髪レンジャーかはたまた公女様か…すげー悩む…浮気者は嫌いだよチクショー!
(*゚∀゚)<だったらパラレル設定でやれば大丈夫だよ!なおるよ!
黒ダクはいいものだ。そんな訳で正座して待ってますよー!
>>466 「需要ある?」…そんな言葉は使う必要がねーんだ。
なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、
その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際にエロパロを書いちまって、もうすでに終わってるからだッ!
だから使った事がねェーッ。
『書きました』なら、使っていいッ!
俺、3が出たらエロパロ書くって前から決めてたんだ…!
その時は『書きました』と高らかに宣言するぜ!
470 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/08(月) 23:12:57 ID:/+PT54CL
>>468 はいっ兄貴!
お約束通り、駄文ですが持って参りました。
色黒ダクハン×短髪短パンレンジャー
ほのぼのでエロ無しのプロローグ。世界樹1→2に向かう話。
君はこれを読んでもいいし、すっ飛ばしてもいい。
世界樹1を友人がやってた時、短パンレン子は初見でボーイスカウトだと勘違いしてましたよ。ええ。
北方の日の入りは早い。それは穏やかな、夕暮れだった。
―ちゃり、ちゃり、ちゃり、ちゃり。
分厚い防塵マントを纏った旅人が一人、長くくねる街道を進んでいく。
一歩一歩を踏みしめる毎、微かな金属の擦れ合う音が聞こえてくる。
目深に被ったフードの下から、不思議な色の瞳が覗く。背負った大きな荷袋といい、いずれこの地方の者ではないだろう。
ふと、顔を上げた旅人は遠くを一瞥する。
蜂蜜色に輝く瞳が油断なく走り、沈んでいく風景の中から多くの情報を汲み取った。
…荒れ果てた一本道が、ようやく荷馬車が並んで通れる程には広くなり。
なだらかに続く丘をひとつ越えれば、そこはもうハイ・ラガート公国の門。
夕餉の支度をしているのだろう、石造りの街並みにはぽつぽつと明かりが灯り始め、微風が雑多な匂いを溶かした煙を運んでくる。
ぐう、と腹が鳴る。
「…あぁ、すっかり遅くなっちまったなぁ、もう…」
やれやれ、街が近いと思った途端にこれだ。
しかしこの時代に生きる旅行者ならば、誰しもその感覚は味わったことがある筈。
いつ果てるとも知れぬ森を抜け、荒野を渡り、ヒトの生が保証された境界線に、こうしてようやく辿り着こうというのだ。
急激に主張を始めた空きっ腹をさすり、旅人は道を急ぐ。
小さな影法師がひとつ、丘の陰に屈み込んでいる。
「…ぐっす、ひぐっ、えぐ…」
遠くに広がる、街の灯りがぼやけて滲む。
もう、泣かないって決めたのに。いったい何をやってるんだろう。
「私、だって、一人前の、」
冒険者。それに憧れてきた筈だった。決意は固かった。
弓は昔から使ってきたし、森や野山を駆け回る足には自信があった。この目だって、どんな高い空を飛んでる小鳥もたちまち見分けることができる。
―それなのに、悪かったのは運か、それとも。
ちゃり。
「―!」
しまった、と感じた時にはもう遅い。
涙を拭く暇もなく、ウサギが跳ね上がるようにして振り返る。
「…だ、誰?」
黒い、塊。熊か、猪か。
相手が人を襲う大赤熊だとしても、おかしいことは何もない。
ここは城壁の外で、少し進めば手付かずの大森林地帯が広がっているのだから。
ヒト一人の命など、これっぽっちも保証されていない自然の大地。
ひどく震える誰何の声に苛立ちを覚えつつ、弓は…既に、意識する前には構えている。
背後から現れた影はしばし佇み、こちらの様子を伺っているようだ。
かなり高い位置からぎら、と光るふたつの瞳。
お互い臨戦態勢。至近距離。
膝がカタカタと鳴った。
(ひるむな、爪がこちらに届く前に撃ち抜く…!)
ある種悲壮な覚悟を決め、
だが。
「…っく、…。ぷふっ、はははっ!」
「―へ?」
黄昏時のこの時間帯が、人間にとって一番ものの見づらい明るさとなる。
「…何が、おかしい?」
ヒトだ、と言うことにやや安堵しながらも、少々むっとして言い返す。
…なに、今度は盗賊?ああもう。運が悪いにも程がある。
ふぅ、と溜息をひとつつき、肩を竦めた黒い影。
そのままゆっくりとした動きで手を動かし、頭部を包むフードを下ろす。
「だって、君、顔…ぐっしゃぐしゃだぜ」
精悍な冒険者の顔が、夕暮れの光にさらけ出されて。
心底愉快そうに、蜂蜜色の瞳を持つ青年は言った。
その胸元に飾った短い鎖が、同意するようにちゃり、と鳴る。
―夕日はさらに傾いたようで、広野は赤く赤く染まっていく。
柔らかな草の束が、風になびいて揺れていた。
「だから、その弓、その…降ろしてくれないか?」
「そう、そりゃ大変だったねぇ」
初心者相手の登録詐欺に遭い、一張羅の装備品を剥がされ、加入したばかりのギルドから叩き出された―
そんな身の上話をすると、赤毛の青年剣士は深い同情の目を向けた。フォークに刺されたイモを振り回しながら。
彼の隣にどっかと腰を下ろした聖騎士の男も、それに同調してうなずく。「最近は悪徳ギルドも多いと聞くな。とは言え、居たたまれない。なぁ、…こんな小さい子がなぁ」
ここは『鋼の棘魚亭』、ハイ・ラガートに集う冒険者達御用達の酒場である。
一同はその片隅に置かれた円卓に着き、粗末な夕食を取っていた。
先程丘で泣いていた少女も、その席にちょこんと混ざっている。
「…あたし、子供じゃありません。そりゃ、騎士のおじさんよりは、ずっと年下だと、思いますけど…」
そのストレートな言葉にパラディンは顔をしかめ、剣士の方は「ははっ、手厳しいなあ嬢ちゃんは!」などと大受けである。
やがて扉のきしむ音が響き、「ただいまー」という声がそれに続く。
片手を軽く挙げ、新たなメンバーが足早にギルドの面々が占拠する卓へと向かってきた。
白銀の髪に金の瞳、服も肌もなんだか黒ずくめ、今さっきハイ・ラガードの街に着いたばかりの旅の青年である。
少女はただ黙って観察する。さっきは夕日のせいで、よく見えなかったから。
腰に下げた赤い革鞭、反対側には一振りの細身の剣。暗く沈んだ色をした、ベルトとファー付きのコート。あれは森ウサギの尻尾の毛だろうか。
まごうことなきダークハンターの装備である。
(この人…足音がしない?)
じっと見ている少女には気付いていないのか、ダクハンはソーセージを頬張りながら頬杖をつき、話の輪に加わった。
体重を掛けられた円卓がぎっ、と傾く。
「遅くなってごめん。ギルド登録終わったぜ、ソドさん」
「うん。お疲れクロ」
このソドさんと呼ばれた男は、ここのギルドマスターなのだろう。見た目は若いように見えるけど。
まぁまぁ、取りあえず座んなよと、ソド男は皆にエールを注文する。
使い込まれた、一目で歴戦の勇士のものとわかる赤銅色の鎧がカチャカチャと音を立てた。
「で、どうするんだ」
談笑を遮り、パラディンが話題を切り替える。
ぼうっと空想の世界に浸っていた少女も、場の雰囲気の変化に気付く。
この席の周り、一隅に陣取った皆がこっちを見てる。いや、その中心に座るソードマンを。
彼がこの場の決定権を握っているのだ、確実に。
もっさりと立ち上がったソードマンはご自慢の赤毛をガリガリ、と掻き回して。
「…まぁ、拾ったお前に任せるわ。…ん、そこそこの鎧なら買えるかな。な?クロ」
その言葉が不意打ちすぎて、目を丸くする少女に。
周りに散らばったいくつかの円卓から、わっと歓声、そして拍手。
皆、このギルドのメンバーだ。古参もいるし、新入りも勿論いる。
「ん、しょうがない…」
頬の泣きボクロをぽりぽりと掻きながら、拍手に押されて立ち上がったダークハンターは自らの手袋をくわえてぐいと引っ張る。
露わになった右手をそっと、少女に向けて差し出した。
「じゃ、まぁ…
よろしくな、レン」
半ば放心状態の少女は、電撃に打たれたように立ち直る。
「…っ、はい!」
交わした握手はじんわりと暖かかった。
拾われた少女はただだだとても幸せそうで。
青年はその褐色の肌の下で頬を赤らめ照れていたかどうかは、定かではない。
投下おわりましてです。
改行など所々がおかしくてごめんなさい。
2人は見張り役つながりです。昼間は警戒歩行のレンジャー、夜は夜目が利くシャドウエントリのダクハン。(という妄想)
バトル的には、レンジャと剣ダクの相性ってぶっちゃけどうなのか…という。
アザステオールボンテージ?
478 :
黒ダク:2010/02/09(火) 00:43:47 ID:V2tmcVN5
うむ。続きはまたいつか…
「おっぱい」と「おけつ」と「ねちょねちょ」について研鑽を重ねてきます。
チョコレート色に輝く肌に生クリームてろてろは正義だ!正義だ!!
GJ!
好きな文体だ
これは良いラブラブカップルの予感
とても嬉しく思います
褐色肌ダークハンター…呼称「クロ」
短パン短髪レンジャー…呼称「レン」
おばんです。繋ぎの話ですが、ダクレン第2話をマターリ投下させて頂ます。
エロ要素はこれの次辺りから、少しずつ少しずつ頑張っていきたいと思います。
文章の書き方は初めてで試行錯誤中なので大目に見てください。
ハイ・ラガードでの冒険が始まってから幾月かが過ぎた。
ギルドマスターに新人レンジャーの育成係を(半ば強引に)押し付けられたダークハンターは、尊敬する先輩の命とあらば仕方がないと割り切ったようだ。
最初は面倒臭がりながらも何くれとなく彼女の世話を焼き、先読みを教え、新緑の森の最奥に到達した時分にはいっぱしの戦士としての義務教育を終えていた。
…職業の組み合わせとしてみれば、取り立てて相性が良い訳ではない。
けれども、何とはなしにこれらはよく似た職業でもある。
素早さを生かしての哨戒任務、道中では貴重な薬草を採取できるし、また二人で組めば、昼夜を問わず敵の警戒にあたることが可能となる。
にわかづくりの師弟コンビを解消してからも、なんだかんだで二人は一緒に行動することとなった。
「この葉っぱは赤ちゃんの手に似てるわ。ほら、ここに血管が透けて見えるでしょう?」
舞い散る木の葉を拾うなり、物騒なことを言うメディックに顔を引きつらせながら、ギルドの一行は焚き火を囲んで座った。
このお方、余所様には非の打ち所のないパーフェクト女性と思われてるようだが、時々突拍子もない発言をするので近くの人間にはとても心臓に悪い。
「…それでね、ヒトの赤ちゃんの手はもみじ手と呼んでね…」
話はまだ続いているようだが、他3人はそれに構うことなく、今夜の野営場所の設営を開始した。
「それにしてもクロ君、遅いね〜。そろそろ一曲完成しちゃうかも」
リュートを気ままに爪弾きながら、黄丹の髪をなびかせて吟遊詩人が暢気な声を上げる。
「あたしの行った方角は、すぐに行き止まりだったけどなあ」
羊皮紙の地図をひっくり返してためつすがめつ、レンジャーの少女は呟いた。
どちらにせよ、日はもう沈む。私の警戒はもうおしまい。
後は夜目の利くあいつに任せておけばいい。
本日新階層に挑むは、パラディン、ダークハンター、メディック、レンジャー、バードの5人。
所属する各メンバーのやる気と懐次第でその日樹海に潜る主力が変わるのが、このギルドの特徴だ。
二軍と呼ばれる者が居ないにも関わらず一職一人、大所帯。資金繰りはそれなりに苦しい。
根っからの冒険野郎である赤毛のリーダーが
「折角変なわざを持つ人間が集まってるんだ、色々やってみよう」
などと発言したせいでこうなったのだが…
もしも夕食のスープに入れるジャガイモが減ったり、一杯の酒を廻し飲みするような事態にでもなれば、真っ先にぼやき出すのはこの男であろう。
ふいに背後の藪が跳ね上がり、ガサガサと大きな音が響く。
すわ敵かと武器を構えたメンバーは、しばしの凝視の後にそれが見知った者であると認め、ほっと胸をなで下ろした。
「…ったく、これで何回目?いい加減慣れてよ」
誰のお陰で一晩中平和に爆睡できてんだよ、とぶつくさこぼし。
コートのファーに絡みついた木っ端をばっさばさとふるい落としながら、黒衣の狩人は野営地の周りに張り巡らされた「獣避けの鈴」トラップをまたぐ。
鈴の結びつけられた紐の端っこを踏んづけかけ、「ああっと」言いながらもそのまま、大股歩きでずんずんと焚き火に近寄った。
「日の入りを一刻も過ぎると真っ暗だしな、遠目じゃあ森の破壊者と見分けがつかんのよ」
パラディンは渋い顔をして食後の茶を啜る。どこからどう見ても頑固親父そのものである。
そんなこともあるわね、と微笑んで流し、美貌のメディックは薬草茶のお代わりを淹れに掛かった。
「それに、レンちゃんなんて最初、本気でキミのこと熊かなんかと間違えたらしいじゃない〜?」
バードにのほほんと指摘され、レン子は顔を真っ赤にして反駁する。
「やめてくださいってば!怒りますよ!
あの時は夕方でしたし、鼻も詰まってたんです!」
涙で視界ほぼ0だった事を隠し通す辺りは流石の意地。
「それでも人間と野生の獣とを間違えるレンジャーがいるかあ?」
(まったく、どいつもこいつも熊だの狼だのって。
ジンケンダンタイに訴えられてしまえよ。この国にそんなものないけど)
根暗な思考でぶちぶち考えていたダークハンターは、ぼくはくまー♪と訳の分からない節回しで歌い始めたバードに気が付くなり機敏に近付き、その頭をしばく。
が、それでも一向諦めないのがこの脳天気な美青年の良いところであり、欠点でもある。
ジャンジャカジャカジャカ、かき鳴らされるしっちゃかめっちゃかなリズムに合わせて、まさに美声の無駄遣いと言う他はない。
「こんな楽しい曲で、鹿や熊さんが惹き付けられてやってきたら困るわねぇ〜」
全く困っていない口振りでうっとりと呟き、メディックは空になった薬缶を片づけ始めた。
そうして、宴の場は盛り上がる。
明日をも知れぬ戦場では、そういった束の間の楽しみが万人に必要とされているのだろう。
野営地を照らす炎が熾き火に変わる頃、パーティは思い思いに仮眠を取った。
赤々と燃える灰を掻き回しながら、自作らしい「もえるひのうた」―名前は勇ましいのに曲調は子守歌?―を弾いていたバードも、
「さて、そろそろ僕も寝るとしようか?」
と一言、熾き火のそばから退散した。
「君達も適当なとこで切り上げて寝なよ。疲れちゃうから」と言い残すや、よく目立つ黄丹色の長髪は見えなくなった。
マントにくるまって完全に寝る体制なのだろう。
静寂の中に微かな寝息と、はるか遠くで鳥の声が響く。
ひとり火のそばに残ったレンジャーはきちんと三角座りをして、ほのかに輝く熾き火を見つめた。
早寝早起きを信条とする彼女には辛い時間になっていたけれど、今のところ睡魔が襲ってくる気配はない。
「…ね、起きてる?」
誰に向かうともなしに投げかけた言葉。
目指す相手はちゃんと拾ってくれた。
「…寝てたらさ、警戒にならないだろそれ」
ぶっきらぼうな声が上から降ってきた。
受け取りようによっては冷淡に感じられる言葉の最後、優しく諭すような調子が混じるのを優秀なレンジャーは聞き漏らさなかった。
(訓練中はあたしのことトロいだのなんだの散々言ってくれたけど、嫌われてる訳じゃないらしいな)
頭上を振り仰ぐと、野営地の上に差し掛かった木々がこんもりと真っ黒な影を形作っていた。
あの影たちのどこかに彼は“潜んで”、恐ろしい魔物たちの夜襲に備えているのだろう。
話し相手が頭上に居るのは間違いない。がどうにも真っ暗で見えないので。
暫定措置として、近くの一番大きな木を見上げながら喋ることにした。
途切れた会話の糸口を探す。
「えーっと…その、なんか話してていいかな」
待ってもどうぞ、という応えはなかったが、がさごそと何か大きいものが枝から枝へと移る気配があった。
聞く体制、みたいなものを感じたから、勝手にしゃべった。
故郷の森のこと。空のこと。
そこに棲む全部の獣と鳥の種を見分けられること。
いつか見た、「鷹の眼」と称される伝説の女レンジャーに憧れたこと。
北の地で新たな迷宮が見つかり、その国は冒険者を呼び集めていると知ったこと。
色々と無茶だったけど、路銀も無いので定期便に密航してここまで来たこと。
悪徳ギルドには強制脱退させられる時さんざボコボコにされたけど、宝物の弓だけは守り抜いたこと。
「…で、どうして、ここのギルドはあたしを拾ってくれたのかな」
暫し考え込む気配がしてから、
「…なに、なんか悩んでるの」
実に無愛想でむかつく奴だが仕方がない。
機嫌の良い日は普通に喋るのだが、この青年、元弟子のレン子には少々キツく当たる節がある。
「うん…あたしなんかが居ていいのかなって。
結構頑張ってるつもりなんだけど、ここの役に立ってるかわかんないし」
割と本気で悩んでいるらしいと察してか、返事がしばらく途切れる。
「…ソドさんがお前のこと、このギルドに居ていいって決めた。
ああ言う人だし、審査基準とか俺には分からないけど。
だから、構わないんじゃないか?」
「…でもさ、私だってずっと修行してたんだよ?
憧れのレンジャーはね、一息で三本の矢を放ってどんなに強大な敵も絶命させるんだって。
私もいつか、この技を…って思ってて、弓ダコもほらこんなに」
………。
ダークハンターは絶句した。
果たしてどう伝えるべきなのだろう。
いやそれよりも、自分などが「そのこと」を知っていて良いものなのだろうか。
恨むべきはこの樹海の上におわすモノなどより、遙かに強大な絶対者である。
「…うん、よく聞け」
「…多分さ、それ、才能とか努力じゃないんだ」
ぽつり、と言葉が降ってくる
「…クロ?」
「『ハイ・ラガート法第256条。
かの鷹眼の女レンジャーの技は、誰も見たことのない伝説の技である。
全てのレンジャーは、
彼女の技を越えんとして、また森の獣をむやみに傷つけんと欲し、
いちどきに3本の矢をつがえることは決して許されぬ』」
勿論完全なるでっち上げである。
とてもとても苦しい言い訳であったが、まあ一応筋は通る。かも知れない。
君達はこの法律を信じてもいいし、おとなしくエトリアの法に従ってもよい。
「…そん、なの…」
「すっっっごい前の王様が、そう、決めたらしい。」
…さっきから目が泳ぎまくっているが、シャドウエントリのせいで下にいるレンジャーにはばれていない筈だ。
(バード…!こう言う時こそ、あんたの得意なおとぎ話じゃないか!バァァァード!!)
無論、黄丹の髪の美青年はとっくに夢の中である。
(もうだめ。ああもう居たたまれない。くそう。)
ザワザワとした気配が頭上いっぱいに満ちたと思ったら、混乱するレンジャーの目の前にバサリ、とそれが落っこちてきた。
焚き火跡に激突する寸前、器用に身を捻って体勢を立て直し。
思わず悲鳴を上げかけたレン子の口を、薄手の革手袋のつやつやとした感触が覆った。
「コラ!皆寝てるでしょ!」
小声で叱咤したその顔には明らかな焦りと戸惑いがあった。
で、そのまま二人は見つめ合う格好になった訳だが。
「レン。さっきの、本題を言うけど」
「…は、はいっ?!」
「レンがギルドに入れた理由!」
「俺が推薦したの。最初に鉢合わせしたとき、何よりも先にぴったりこっちの心臓に狙い合わせてきたでしょ。
ズブの素人じゃあ普通ああは行かないんで。
こりゃ磨けばすごい遣い手になるかもなぁ、と思って。
分かったらそういうこと、グダグダ悩まない。
明日も早いんだし」
…結構な勢いで一気にまくし立てられた。
「…う、うん、頑張る!?
あたし頑張るよ、クロししょー」
(??結局何が言いたかったんだろう…?)
そうしてギルドの元師匠には実力を認められたのだが、当のレン子は戸惑うばかりであった。
〜おまけ〜
「…くま」
「………は?」
「…お前も、俺のこと、熊に見えてるの?」
それは唐突な投げかけだった。
「…えっと、その」
確かに、初対面で森の獣と間違えたのは自分だ。
だけど、それは極度に取り乱していたせいであって。
「…敢えて言うなら、パラディンさんの方が森の破壊者?にはそっくりだと思う…
あ!目の色が…なんか狼みたいでかっこいいね」
その一言でたちまち機嫌を直したダークハンターは、自分のことを森の破壊者呼ばわりした「パラのおっさん」に仕返しすべく、鼻歌交じりにどこかへ出掛けたという。
以上で投下終了です。
携帯で長文とかしんだほうがいいね。
今回男の方がすごくツンデレったけどどうしよう…
ツンデレな黒ダクだっていいじゃない。非常に好きだ。続きも楽しみにしてますよ!
このスレのおかげで悶々としながらプレイする羽目になりましたwww
ツンデレ×素直(でいいのか?)とかたまらんな
エロパートにも期待してます
こんばんはの投下。
ダクレン3話、いよいよ恋のはじまりです。
相変わらず色気の少ない話で申し訳ありません。
だらだらラノベやってんじゃねーよ、早よグチャネチョ寄越せ〜って人は読まずに飛ばしてください。
その日、ダークハンターとレンジャーの二人組は赤い森で採取を行っていた。
今頃、主力のパーティはもう少し上の階で大物狩りに励んでいるだろう。
久々の休日だ、彼らがわざわざ危険を冒してまで樹海にもぐる必要はなかったが、何しろギルドの家計は火の車。
1ランク上の装備やうまい酒、これらを手に入れるにはやはり金が要る。
寂しい懐を手っとり早く暖めようと、二人は樹海まで出向いた訳である。
両手を空に掲げ、レン子は無限に降ってくる落ち葉を地面に届く前に捕まえようと奮闘している。
「えいやっと…、うーん、あと1枚」
戯れに見える行動はどうも修行の一貫らしいが、そのルールは彼女にしかわからない。
――ココア色の髪が揺れ、紅と黄色に染まった背景にさらりと溶ける。
流れるような、踊るような動きで足取り軽く駆けるさまは、深い森に住まうというおとぎ話の小妖精を思い起こさせた。
そのうちに飽きたのか、とっとっ、と軽くたたらを踏んで、レン子はつくんと立ち止まった。
そうして、だしぬけに作業中の相方に声を投げかける。
「ねぇ、ペットって職業あるの、知ってるー?」
「確か、どーぶつを連れて歩くやつだろー。」
花畑の真ん中に屈み込み、短めのナイフを動かしていたダークハンターのクロは、顔だけをちょいと上げて遠くのレン子に答えた。
「…ん、もうちょっとだから黙ってて。
それと、周りの警戒はしっかり続けてるか?」
「もっちろんですよ失敬な!モグラ一匹見逃しませんー。
あたしを誰だと…」
「…ならいい」
さっさと会話を切り上げて、作業の続きに戻る。
無防備になる時間は、少しでも短い方がいい。
刃は薄く幅広で、土を掬えるように片面に緩やかにカーブした形状の、丁度園芸用こてと呼ばれる道具によく似たナイフ。
それを振るって、地表に張り巡らされた芝の根を切り進み、目当ての薬草の根本をぐるりと穿つ。
「うわー、キツいなこりゃ。
根っこまでまるっと掘り出せるかな」
お宝まであと少しというところで、石ころかなにかに阻まれてしまったらしい。
穴の底からがつ、がつ、と硬質の音を伝えてくるナイフの刃先。
さてどうしたもんかな、と握った柄を離してその場に座り直し、腕を組む。
(? …急に首が)
妙な重みが、襟足の辺りにふっと掛かる。
不審な気配を感じてクロが振り向くと、すぐ後ろに相棒の少女が立っていた。
しかも、すごい笑顔で。
「うん、思った通り良く似合ってる」
くすくす笑いながらそう言うので。
「何のことだ、」
眉根に皺を寄せて立ち上がりかけたところで、じゃりん、と派手な音が響く。
「――!?」
……肩口に当たった違和感の元を確認し、それを辿ると、…レン子の右の握り拳に行き着いた。
「じゃーん!信頼の首輪〜」
「えぇぇぇぇぇ!?」
「ペット!」
固まるクロをびしぃ!と指差し、ちびのレンジャーは高らかに告げた。
動きに釣られて、その手に握られた鎖が威勢良く鳴る。
「ペ、ぺッ…!?」
「…あたしずーと夢だったんよね、レンジャーとペットチームで樹海探索!
公国中のギルドがやってて今すっっごい大流行なんよ〜」
まったく悪びれる様子もなく、目を輝かせて語るレン子。
興奮しすぎで言葉に訛りが出てきている。
「……どうしてこうなった…」
どこかで教育を誤ったか。
クロは自分の体がひたすらに脱力していくのを感じた。
(しかし)
この首輪は、つい先日ソードマン率いる討伐チームが樹海の中から持ち帰ってきたものだ。
(…こんな鎖、見せてもらったあの時にゃ付いて無かった)
力を加えても簡単にねじ切れないよう作られた、上質の銀の鎖だ。
その辺りの道具屋ですぐ買えるような代物ではない。
「レン、お前これ…」
「あーダメッ!外すなぁ!」
(そんな制止なぞ、聞いてやらん)
首輪は重厚な作りで、大型獣の首に収まるのが相応しいサイズとなっている。
掴んでそのまま引き上げれば、するっと頭が通った。
「あっ返せ、ダメだってば、
返してそれおまじないなのッ」
びょんびょんと帽子の羽根飾りを揺らし、しつっこく取り返しに来るので。
「…ホラ返したぜ」
狙いを定めて真上からすとんと落とせば、首輪はたちまち少女の細首に収まった。
「あーっ!?」
反撃が始まる前にレン子の頭をわしゃっと押さえこみ、上から先輩の威厳を効かせたひと睨み。
トレードマークの羽根つき帽子を脱げば、レン子の頭のてっぺんは丁度クロの胸辺りに届くくらい。
そんなちっこい女の子には、いくら暴れられたところで全然怖かない。
瞬きを三つする間に形勢は逆転した。
手近な岩に腰掛けて、組んだ手の甲に顎を乗せ。
あくまで上辺は穏やかに、クロはレン子に事情聴取を開始した。
レン子はその前にぺたんと座り込み、自分の首に引っ掛けられたままの首輪を弄った。
ふくれっ面はまだ直っていない。
「…これを誰かに装備してもらってね、
そしたらペットになれて信頼が深まるんだって。
信頼のおまじないなんだって」
(なんじゃそら……)
軽い目眩を覚えながら、事態の核心に触れる。
「ほほう。んで、だ・れ・なんだ?
そのおまじないとやらを教えたのは」
その問いに、レン子は少し考えてから、
「…えっと、片目を髪で隠した人。
昨日遊びに来たよ。クロは留守ー?って」
と言った。背中を丸めて下を向き、
「…あの人やクロの着てるのって、都会のファッションなのかな?」
ぼそっと小声で付け加える。
「……やっぱりか」
それを聞くなり、クロは自分のこめかみに手をやった。
血管の辺りに触れるとちょっとぴくぴくしている。
深い長い溜息が、ひとりでに出た。
…まあ、とうに予想が付いていたことではあったけれども。
(ともかく、このバカ弟子に仕置きせにゃ。
――変態共への制裁は、その後だ)
レン子のしたことの何がまずかったかについては、最後まで触れることなく。
「んじゃいつものな。
“お尻ぺんぺん”と“脇腹こちょこちょ”と“俺の代わりに買い出し係”、
…どれがいい?」
苦労性のハンターはじとーっとした目で、怯える後輩にそう告げてやった。
結局、悩みに悩み抜いてレン子は脇腹くすぐりの刑を選んだ。
「…ったく、俺に首輪かけようなんざあ百年早いよ、チビッコが」
パンッと手をはたき、立ち上がったクロはようやく咎から解放された相方を見やり、
…そこで再び固まった。
潤んだふたつの瞳に見上げられている。
苦手な攻撃にどうにか耐えきったばかりの脇腹は、未だに激しく波打つ。
袖無しの上着から、ちらと覗いた脇はしっとり汗ばんで。
それだけならば、全然良かった。
小柄な少女の首には、あまりにも不釣り合いな大きさの革製の首輪。
ふと傾いた拍子に、それは繋がる鎖に当たってしゃらり、と微かな硬質の音を立てた。
我知らず、喉がコクリ…と唾を嚥下する。
自前の鎖がちゃりんっと鳴って、やっとクロは自らの動揺に気付く。
見惚れていた。
「……クロのばか」
レン子の小動物にも似た瞳がふいと曇り、たちまち目尻に涙の粒が膨らむ。
「だって、あたし…
信じたよ?おまじない。
それって…信頼ってどんなものかな、って」
それを聞いて、クロの胸の一点に、サボテンの針で刺されたような痺れが生まれた。
つくんつくんと波を立てて、思考の自由を僅かずつ奪う。
「ああ」
クロは片膝をついて腕を伸ばし。…二人の視線が同じ高さになる。
手袋を履いた人差し指の背で、涙の玉を拭き取ってやり。
そのままつつつ、と頬をなぞり、ついでにふに、と軽くつまむ。
「…レンは少し騙され易すぎるよ」
そう言って、少女の首には大き過ぎる戒めを外してやった。
「クロ、あたしね――」
顔を上げたレン子が何かを言いかけた時。
どすどすどすどす。
卒然、地響きが辺りにこだました。
二人の間に流れる空気も急激に張り詰め、次の瞬間。
バリバリと、雷鳴に似た轟音を立てて。
木々を割り裂き、長い首を持つ巨体がその姿を現した!
「「あ、ああーっと!!?」」
大きく跳びすさって初撃をかわす。
あんな突進をもろに食らったらひとたまりもない。
「―ええい、空気読めよっデカトカゲ!」
クロの細身の剣がひらめき、巨竜の前脚に斬りつけた。
渾身のヒュプノバイト。
振り降ろされる脚をなんとか避けながら、2、3度と剣を振るうと、ようやくその足取りが鈍る。
「っ、援護します!」
がら空きの胸部に、後列から放たれたレン子の矢が何本も突き刺さる。
「ゴオオオオオッ!!」
辺りを震わせ、響く咆哮。
「くっ…しぶとい奴だな!」
さっきからクロの頭の中で静かに沸騰し続けていた何かが、ついに弾けた。
今ならいける。やれる。
金色に燃えるふたつの瞳が、強大な敵を睨む。
その右手には、愛用の赤い革鞭。
裂帛の気合いと共に、伸びた鞭は恐竜の首に絡まり、前脚にぎちりと巻き付き。
残った後脚には、信頼の首輪に付いた鎖が飛んだ。
手元のたわみをだん、と踏み付け、敵を完全に封じてクロは叫んだ。
「レン子!いまだっ!!」
「、はいっ!!」
天空から、流星の唸りを上げて迫る一本の矢。
……高く振り上げられたまま硬直した恐竜の頭を目掛け、矢は過たず、まっすぐに貫いた。
――その日の夕刻、鋼の棘魚亭にて。
「…すごく…大人の味です……ね」
本日の夕食には急遽、苦ヨモギの天ぷらが追加された。
「流石にあれじゃあね、売り物にはならんだろ。
店の女の子もきっと困る」
もさもさと口に運んだ箸を動かしつつ、ソードマンがぼやいた。
「まぁ、薬にするのにすり潰す手間が省けたと思えばいいんでな〜い?」
バードの青年が発したフォローもいまいち冴えない。
身の丈十数メートルの恐竜にそこらじゅうを踏み荒らされて、折角掘り出したお宝はぺちゃんこになってしまっていた。
「吾(わたし)は意外と…故郷の味にどこか似ております故」
ひっそり呟き、ブシドーの娘は袖から出した懐紙で口を拭った。
「しかし、たった二人でサウロポセイドンの襲撃に遭うて、よくぞ生きて戻られた。
そなたらを見習って、吾も修行に励まねば」
「えへへ〜、褒めすぎだよ姫子ちゃん。
そうさ、これが信頼パワーだったんだよ!」
樹海を出てからにこにこと顔の緩みっぱなしのレン子に。
「……な、なんだってー」
クロは棒読みでやる気のない突っ込みを返すしかなかった。
「おーいお前ぇら!
そら、お代わりまだまだ残ってるぜ!」
途端にげんなりするギルドの一行に、棘魚亭の親父が笑いながら「早よ食いな!」と声を掛けた。
…おしまい。
初めて書いたSS、読んで頂けて嬉しく思います。
この勢いでらぶらぶエチーに突っ走ります。THX!!
…あの痴態がダクハンのフォースを一瞬でMAXにさせたので、信頼パワーはあながち間違ってはいない。
「吾(わたし)をどうしようと、言うのです」
「別に?どうにもしないさ」
さら、さらと薄い胸を覆う麻布を、ひと巻きずつゆっくりと解いてゆく。
「……それとも、僕に触って欲しくない?」
やがて生まれたままの全てを晒されて、娘は顔を赤らめ俯いた。
普段の凛々しい姿からは、まるで別人のよう。
「……狡(ずる)い、ひと…」
細い裸身が、窓から差し込む月明かりに映えた。
正座の姿勢で、時折もじもじと擦り合わされる両の太ももが、妙に艶めかしい。
月光に照らされて青白く輝くそれに、微かな目眩を覚えた。
「さあ、じゃあ言ってごらん。
君は僕にどうして欲しい?」
「あ…っ、それは、堪忍して、くださいまし……」
視線から逃げようと逸らされた顔を、顎を優しく掴んで向き直らせる。
「ん?言ってみてよ、その口で。
でないと、僕はこのままいつまでも待たないといけなくなっちゃう」
「……!
ッ、あ、貴方の…、
貴方の保守を、ここに……っ!」
…もっと直接的な表現とか、水音とかナマナマしさを強化すればエロ度UP??
教えて職人さん!
GJ!
ラノベいいよラノベ
水音あんまり多くても萎えるときがある
読み手としてはそれぞれの書き手さまの個性を楽しみたいから、己の道を貫いて下さいまし
ギシギシッ…
ダク姐「ちょっ…やめ、なにするの…はなして!」
メディ姉「私というものがありながら皆にチョコなんかもらっちゃって…」
メ「だからちょっと教え込んであげないとと思って♪」
ダ「チョコぐらいもらったっていいじゃない…っ」
メ「そうね…でも他のコのチョコの事なんてすぐ考えられなくなるわ」
ダ「なにを…んぅっ!」
ちゅうぅぅ…
メ「…ふふ、これで三点封じ…♪」
メ「それじゃ…あなたの得意技、たくさんしてあげる」
ダ「はぁ…っ、ゆるしてぇ…」
糸目「…こんやも おたのしみの ようですね」
メディ姉は攻めですよねー
ですよねー
>>514 百合だ百合ヒャッハー
清楚なお姉さんがエロエロお姉さんを虐めてるのって、不思議に逆転してて良いですね。GJ!
ダクレン4話、投下。
前座:ギャグ、軽微ウホ?
本編:日常モノ。事件。そして初めての…
(今回はダクハン・クロの一人語りでお送りします)
「だってよー、ヒドいんだぜ?
俺やっぱ姐さんに相手にされてないみたいでさー…」
「…そうかそうか」
ラガードの裏通り、寂れた屋台に愚痴が響く。
先程から鬱陶しく腕を回しつつ、ひとの肩に顎を乗せてきつつ、愚痴も止まらない隣の男に俺はほとほと手を焼いていた。
この青髪男は、裏稼業時代の商売敵、そして現・同僚ダークハンターのキタロー。
まぁ過去には色々あったが、いつの間にか飲み友達のようなものに収まった。
しかしこの男、既にびっくりする程目が据わっている。…酒の影響以外もあるかも知れない。
だがしかし、そこに深く突っ込んだら負けである。
これ、裏社会の常識ね。
「俺もあの人には頭が上がらないからなぁ…」
ちびちびと琥珀色の液体を喉に送り、下手くそな相槌を打つ。
それにしても、重い。これがほんとの絡み酒ってやつだろうか。
正直、愚痴か絡みかどっちかにして欲しい。
これじゃあ酒の味すら分からないじゃないか。
天然ヘッドボンテージ、いやヘッドロック状態。
「…ロック」
「あン?」
「…マスター、ウイスキーロックで。
…それとキタロー、さっきから重い。離れろ」
それだけならまだしも、奴の服に生えてるトゲが刺さる。すごく刺さる。
いい加減痛いので、退いてもらうことにした。
合気の要領で腕を掴み、そのまま軽〜く捻りを加えてやると。
呆気なくギブアップした奴は獲物を離し、すぐ隣のカウンターに突っ伏した。
「クロちゃ〜ん、なんか最近冷たいんでないのー?
オレ寂しいよー」
「や、愛しの姐さんはどうしたよ…」
はぁ。軽い冗談のつもりなんだろうが、コイツはダークハンターに「なるべくしてなった」と言われる程のド変態。
…どこぞのお医者様と話が合いそうなタイプである。
注意せねば奴のペースに呑まれてしまう。
つくづく違うギルドで良かったと思う。
あそこにはおっかない金ダク姐さんもいるし…。
とぼんやり考えていた俺は、奴の言葉に思わずひっくり返った。
「な。お前カノジョできたんだろ。カ・ノ・ジョ」
「?!」ぶふーっ。
「何年前のリアクションだよ、それ…ウブなんだからもう」
なんで。どうして。
俺の話ってラガードにどんな伝わり方してんの??
確かに、弓使いでもないのにレンジャーを指導するハンターなんてのは珍しいかも知れないが。
「っ…それは、誤解。誰から聞いた?」
ええい、なぜ動揺している、俺ッ。
そして目の前で勝ち誇った顔をするなこの小悪党。刺すぞ。
「ッハ!勿論姐さんからに決まってるじゃん?
もーそりゃ詳しく、有る事無い事手取り足取り教えてくれたよ?」
「…なんだ、意外と仲いいんじゃないか、姐さんと…」
溜息をつく俺に、更なる追い打ち。
「で、お前も手取り足取り、彼女にレクチャーなんだってなっ?」
「いや、その表現はちと」
「なんなら貸すぜ!?痺れ薬に睡眠やk」
「…カタストロフ!!」
その辺に置いてあった食材で、バシッと一発。
「痛ってぇ!…しかもネギでぶった!?
ああっ、なんか全身ツーンとするよ!!?」
「…そのまま尻からじわじわと固まっちまえ」
いい気味。うちのチビに変なこと吹き込んだ罰だ。
「ぐ…ケツバットと剣技を組み合わせるだと…
この鬼畜!ド外道!!ヘタレのくせに!」
「……待てよ、へたれって俺か?なぁキタロー」
「だってこんなん誰も喜ばんだろ!?
こういうことは真っ先に意中の女の子にやるべきだろ!
とっとと三点縛ってお前のモノ銜えさせちま」
「…次はショックバイトか?」
鼻先にネギを突きつけ、自分でも初めて聞くような低〜い声で俺は囁いた。
こうして、男達の夜は更けてゆく…。
俺が屋台で不埒な同僚をしばいている一方その頃、鋼の棘魚亭でひと騒動あったらしい。
これは俺が後から聞いた話だが。
レン子が、しこたま酒に酔った他のギルドの連中に絡まれたのだ。
荒くれ者の多い冒険者達のこと、些細な小競り合いはある意味日常茶飯事だったが。
ともかく、レン子はちっこい背丈やら無い胸やら田舎出身であることやら、レンジャー奥義の駄目さ加減やらをさんざん馬鹿にされたらしい。
途中で酒場の親父が仲裁に入ったものの、
「気にすんな、オッパイのあるなしなんざ個性よ個性、ガハハ」
なんて言うもんだからたまらない。
…多分、本当に慰めて欲しいのはそっちじゃないと思う。
レン子はこの親父にパライズアローを一発撃ち込んでいい。
多分メディ姉さんが許してくれる。
で、本人も実力不足は内心気にしていたようで。
最後は顔を真っ赤にして何も言い返せないまま、宿に帰ってからも暫く落ち込んでいたようだった。
別行動の俺は酔いつぶれた友人を向こうの宿まで送り届けた後、明け方近くになって自室に戻り、そんな騒ぎがあったとも気付かずに寝てしまったようだ。
(窓枠に足跡を付けちゃった件に関しては、明日フロースさんに謝ろう…)
なんて思いながら。
「なぁクロ、今日はレン子と一緒じゃないのか?」
遅い朝食を部屋で採り、その日は買出し係の担当だったので昼過ぎまで掛かって用事を終え。
紙袋を抱えた俺が宿に戻ってくると、ギルマスのソドさんに声をかけられた。
「…さぁ、見てないっすね」
なんでも、朝からレン子の姿は宿になく、黙って外出したらしいとのこと。
「その辺の野っ原に鳥でも追っかけに行ったかな…。
悪いんだけど、レン子のこと探しに行ってくれないか?俺も出る」
「わかりました」
で、俺達は(と言ってもギルド所属の暇人だけ)、何手かに分かれて。
街中をあちこち探したすえに鋼の棘魚亭に行くと、そこの親父が彼女を見たという。
顎で指し示された掲示板には、いつものように貼り出された依頼の紙達。
それらを流し読みしかけた所で、ふと気付く。
依頼…どうでも良さそうな街のお使いから行方不明の衛士探しまで、この酒場には様々な依頼が舞い込む。
街の中に居ないとしたら、レン子は一体どこに?
と、親父がちょいちょい、と俺を呼ぶ。
その手には一枚のメモ。ただしそれは厚紙で出来ていて、お洒落なカードのようにも見える。
この手の依頼請負所の管理人が、冒険者宛の張り紙とは別に持っておく依頼の写しだ。
「…俺が言うのもなんだがな、こいつぁどうも胡散臭ぇ。
ちびっこい嬢ちゃんにゃあ、正直その依頼はやめとけ、って言ったんだが…」
「いやいや、だったら力尽くでも止めてくれよオッサン!ああもう!」
写しのカードをひったくり、酒場を飛び出した俺の背中に、
「若いっていいな!そら走れ走れ!!」
と、激励だかなんだか分からない豪快な笑い声が浴びせられた。
「…言われなくとも」
走る。走る。走る。すべてを振り切って、走る。
本気を出したダークハンターにとって、この程度の市壁城壁は何ら意味をなさない。
山野に於いてはレンジャーに劣るものの、市街地では負け無し。
高い塀も屋根も木々も尖塔も、全てをただの道として踏み越えて。
ほら、もう迷宮の入り口がすぐそこに。
…多くの冒険者達の想いも命も呑み込んできた、美しくも貪欲な、迷宮が。
と。
遺跡の入口を守る大木の下。
そこに見知った者の姿を認め、俺はふたつの足に急ブレーキを掛けた。
「クロ君」
風にふわりと揺れる金糸の髪。聖母の微笑み。
当ギルド切っての癒し系、研修生時代からアカデミーの評判だったという凄腕メディック、メディさんだ。
「…なんですか?今日は俺、どこも怪我してないですけど」
「うん、そうね。…はい」
渡された、何というか…若干ファンシーなバスケット。
丁度、ピクニックでサンドイッチを入れるとしっくりくる感じ。
蓋の隙間からはみ出した、チェックの敷き紙がふわりと揺れた。
続いて、ガラスの小瓶に入った液体が手渡される。
「その籠のは、傷に効くいつものお薬。
それと、これは酔いざましね。
あまり寝ていないでしょう、顔色が良くないわ」
成る程、さすが当ギルド自慢の天使様。
…これであの悪癖がなきゃなあ。
いやさ。戦闘で大怪我する度に、嬉々として細部に渡る状況説明してくれるんだ、この人。臓物スキーなんかね?
一般人にはその描写が生々しすぎて、昔の恋人とはそれが原因で別れちゃったらしい。
本人は至って真面目なだけに、なんとも可哀想な話ではあるけど…。
ともかく、わざわざこんな所で待っていてくれたメディ姉さんに礼を言う。
小瓶の中では、透き通ったレモン色の液体が揺れている。
少々不気味ではあったが、封を切っていちどきに飲み干す。
とろり、とした喉越しと共に、爽やかな果物と薬草の香りが身体の奥で弾けた。
「こ、れは効きそうっすね。でも何で」
「皆でぞろぞろ行くよりクロ君ひとりの方が、ずっと足が速いもの。
だから、これが今の私にできる最善。
…ミイラ取りがミイラにはならないでね、絶対」
「…はい。行ってきます、メディさん」
「すぐに私達も追いつくわ。気を付けてね、クロ君」
俺はそのまま勢いを付けて、「樹海磁軸」に踏み込んだ。
ぐらり。っつ、二日酔いの頭に響くなこういうの。
振り返ると、歪む景色の向こうでメディさんが手を振っていた。
少し長いんで一旦休憩。レン子は無事に見つかるでしょうか。
…残り半分は、ホカホカのうちに急いでお持ちします。
(投下ペースはどの程度に設定するのが、他の書き手様の迷惑にならないんでしょう?)
期待支援
首から下げた鎖が、小刻みに踊る。
ちゃり、ちゃり、ちゃり、ちゃり。
辺り一面、不規則な反射で目が痛む。
どうもこの目は明るいところを好まない。
俺はただひたすらに、雪景色の中を進んでゆく。
ざく、ざく、きゅっ、きゅっ。
時折周囲の木々から、細かい雪くずがばさーっと音を立てて降り落ちる。
最初この地に踏み込んだ時はそれが起きる度にびくっとしていたものだが、もう慣れた。
固まりかけのざらめ雪、張り出した雪庇がつくる青い陰。
腰のベルトに付けた「獣避けの鈴」が鳴り響き、冷たい空気に彩りを添える。
…雪道は静かだけれども、その中に色んなものが詰まっている。
多分レン子の目ならば、もっと多くのものをこの景色の中から発見するんだろう。
…うう、早くあの馬鹿を見つけて連れ帰ろう。
いい加減に腹が冷えてきた。
上裸じゃ流石にまずいと思って、シャツ着込んだけどやっぱ駄目。
意外と繊細なお腹してるんだぜ、こんな格好だけど。
「この辺りか…」
地図とにらめっこしながら、いくつもの凍った川を通る。
と、あれはなんだ?
曲がり角のすぐ先、雪の森に、実に不自然に浮き上がる一点の「赤」。
――いちどきに体中の毛が逆立つ。不吉な胸騒ぎがした。
「……」
赤い何かは、尻だった。
正確には、見慣れた赤い膝丈ズボンを着用した、尻。
引き締まった、けして豊満ではない、子鹿のような、尻。
下半身だけ?いや。そんな馬鹿な。
俺は動悸も治まらぬまま、慎重に対象に接近し。
勿論、俺の靴にはトゲトゲのスパイクが一杯付いてるので、それが不用意に当たらぬよう爪先を使って。
「てや」
――ぺしっ。
「…きゃふぅっ!?」
ずもっともボヨンともつかぬ微妙な感触と共に、間抜けな悲鳴が上がる。
よかった。胴体は繋がってるらしいぞ。
鼻水が凍りかけた情けなーい顔が、体の影からちらと覗いた。
「…何やってるんだ、お前?」
「っ、クロ〜〜〜〜…」
あ〜はいはい。よしよし。
泣くな泣くな。
…ともかく、彼女の話をまとめると。
待ち合わせ場所まで出向くと、衛士の鎧を着た男に会った。
「この横穴に財宝があるから取ってくれ」
と持ち掛けられ、小さな洞窟のような構造の奥まで腕を突っ込んだら抜けなくなった。
男は居なくなり、代わりに虫の魔物が現れて…。
…つまり、ものの見事に騙された、と。よし。殺す。
人生裏街道似たもの同士、そんな相手に容赦は要らない。
今度会ったら、ダークハンター本式のやり方でたっぷり喰らわせてやる。
レン子を叱る時に使うお尻ぺんぺんなんか裸足で逃げ出す、痛〜いいた〜いお仕置きを。
「…で、あれか。襲ってきたのは」
甲虫の死骸は、道を挟んで反対側の壁にしっかと縫い止められている。
片手が使えない状態ではあったが、とっさに口と反対側の腕で弓弦を絞り、穴の中から矢を浴びせてどうにか倒したらしい。
一応の危機はまぬがれたものの、こうして四つん這いの格好のまま救助を待つ羽目になった。
…すごいんだか阿呆なんだか、どちらかにして欲しい。はぁ。
矢傷から時折スパークを散らし、青緑色の体液がこびりついた死骸を見やり、漂う生臭さに顔をしかめた。
日が沈めば、血臭に惹かれて集まってきたヤドカリ共がハサミを振るって死骸の甲殻を切り開き。
雪トカゲやら屍肉喰らいの翼竜が中の肉をついばんで、朝になる頃には死骸は欠片も残っていないだろう。
やって来たのがそいつらならまだしも、確かここいらには白い狼達のテリトリーがあった筈。
つまり、俺達も余りぐずぐずしてはいられない。
「なるべく早く、ここから離れたいな」
岩の隙間に仕掛けがあるようなので、剣の先を強引に突っ込んで壊し、罠にかまれた手を外してやった。
幸い、横穴のすぐ側に別の小さい洞窟があり、入ってみると中はそれなりに暖かい。
地熱に加え、風が当たらないだけでも随分違うもんだ。
俺のいつも着てるコートをレン子の頭からすっぽり被せ、かじかんだ手足を調べる。持ってきたバスケットを手早く開け、できる限りの治療を行った。
うん、怪我はほとんど無いみたい。
薄っすら紫に変色した膝頭と手のひらが痛々しいが、どうにか凍傷にはなってないみたいだし。
うちのメディックならこの位、すぐ綺麗に治療してくれるだろう。
穴からひょいと顔を出すと、冷たい風が鼻を掠めた。
そのまま天を仰げば、鉛色の空がヒュルヒュルと不気味なうなりを上げている。
風にあおられ、乾いた雪くずが雪原に舞った。
こんな天候はそうそうあるものではないが、地元の人々は口を揃えて「世界樹様のお怒り」だという。
ラガード公宮におわす老大臣によると、こういった嵐の最中には、樹海内部の磁場が不思議な力で並び変えられ、あるいは整理整頓されてるとかで。
酷い時には「アリアドネの糸」を使ってもどこに飛ばされるか、それすら全く予測不可能だとか。
…そういや、この迷宮はまるごと大樹の中にあったような気がするんだが。
一体どうなってるんだろ?
「レン、今外に出ちゃだめだと思う。吹雪になるかもしれない」
中に戻った俺は、穴の奥で小さくなってるレン子にそう声を掛けた。
「うん、分かるよ。風の音がすごいし、空気がなんだかパリパリしてきたし…」
あら、早く帰りたいとか言わないんだ。普段は結構わがままな奴なのに。
で、パリパリの空気ってどんな状態?と聞こうとしたが、…どうせ理解できないだろうのでやめた。
「……どうせパリパリなら、俺は海苔を沢山乗っけた親父特製の棘魚麺がいいな」
これで場が和むとも思えなかったが、そんな冗談を言ってみた。
…無駄に腹が減るだけだと分かっていたのに、俺ときたら。あふん。
自分の想像で自爆して悶える俺を余所目に、レン子はマイペースに薬品の詰まったバスケットをごそごそして「奥の方にパンが入ってるー」とかまた脳天気な事を…
…ん?パン?
姉さんの行き届いた気配りと優しさに感謝しながら、俺達はハムと菜っぱ、それにツナと卵のでっかいサンドイッチを半分こした。
…明日から天使じゃなく女神様って呼ぼう。心の中で。
「…寒いね」
ゴゥン、ゴゥン、空の彼方で轟く音を聞きながら、二人ただ並んで、座っていた。
大抵の魔物はこんな天気の中、外を出歩こうなどとは思わないだろう。
それは俺達にとって幸運なことではあった。
ただし、この吹雪が収まるまでは、ギルドからの救援も俺達の元には届かない。
だからもう暫く、この穴蔵に小さくなって潜んでいるしかなさそうだ。
…持っててよかった、シャドウエントリ。
「あの…これ、コート。ありがとう、返す、よ」
紺色のタンクトップ一枚に鎖付きチョーカーという、ちょっと情けない格好でうずくまる俺に、レン子が心配そうにそっと寄ってくる。
「いや、いいよ。レンが着てろ」
精一杯の強がりではあるけれども、その前にレン子の方が体力を消耗している事実がある。
「…それに、飯食えば少しはあったかくなるし」
暖かく湿った薄暗がりの中にいると、どこか安心する。
目は暗闇にすっかり慣れて、肩に寄りかかって眠る少女の霜焼けの手とか、微かに上下する胸とか、うっすら汗ばむ脇、震える睫毛がよく見える。
なんなんだろう、とずっと考えている。
好きとか、嫌いとか、愛してるとか憎むとか。
――誰かから特別に愛された記憶は無かったように思う。
あの頃は戦乱続きで、どこもかしこも皆大変だったから。それはレン子も同じだろう。
どっか遠くの戦場でパラさんや、まだ少年兵のソドさんが傭兵やってて。
俺みたいなのは裏通りでやさぐれてて。
目の前のこいつはきっと、森ネズミなど捕まえてバリバリ食ってて。
…何があったかなど、詳しくは聞かない。
皆それぞれ、自分のことで精一杯で。それなのに。
好きとか、嫌いとか、愛してるとか憎むとか。
好き勝手に、よくもまあ。
レン子の腫れ上がった手は哀れだと思った。
危機的な状況でよく頑張った。
けれど一方で自業自得だとも思う。
勝手にいなくなって、一人で無茶な挑戦して。
「――っとに、大馬鹿者…」
自嘲気味に呟いて、そのままレン子の小さな身体をがっ、と抱き寄せた。
抗議に見開かれた瞳はしかし、途中で弱々しく閉ざされた。
まるで血の気のない小さな掌を捕まえ、シャツをちょっとめくって自分の皮膚にくっ付ける。丁度臍の横、筋肉が張っている辺りに。
怯えた小動物のごとくもぞもぞと抵抗を始めるので、
「動かない」
諭すように、言う。
少女は不服そうに頬を膨らませ、それから大人しく従った。
(胃腸、冷やすと弱いんだよなあ…俺)
冷たさが、薄い腹の皮を通して腹筋に沁み入ってきた。
けれどもそれもいつか止まり、氷の手が少しずつ熱を取り戻していくのが分かる。
じん、と甘やかな痺れが、触れた部分を包んだ。
白いを通り越して紫がかった小さな手と、つややかな褐色の皮膚と。
ぴたりと重なったそれが、とてもエロティックなものに見えてきて。
努力して努力して、いけないものからどうにか目を逸らした。
(…コーヒーみたい)
微かに湯気を立てながら泡立ち、くるくると混ざっていく茶色と白。
直接的なイメージを何か別のモノに変換しようとしたが時既に遅し、見事に失敗。むしろ逆効果。
そんなつもりはなかった、けど。
身体の一番奥で、静かに燃え上がる情動。
次いで、腰の辺りに微かな鈍痛を覚えた。
ああ、このままじゃ。
頭の奥でゆるゆると、温度を上げてゆく何かが。
急激に沸騰して、白い光が広がって、理性を浸食して、そして…。
そして、俺は。
俺は、レン子の唇を。
噛みつくように、奪って、しまっていた。
歯列を割り、乱暴にただ貪り、角度を変えて。
突き出された手首を掴み、じわりと捻り上げつつ、薄い肩を岩壁に押しつけた。
「っむ、…は……んッ!や、っ」
薄暗がりの中、ずっと隠され続けていた嗜虐心が煽られる。
うっすらと口内に広がる、鉄錆の味を感じて。
糸を引いて垂れる唾液。
レン子の、涙。
あ、あ……?
「!!!」
一瞬で、快楽にぼやけた頭が。
ぎち、と芯から凍り付いた。
…俺が泣かせた。泣かせてしまった。
「レン、ごめん…!!」
もう取り返しが付かない、と冷えきった心で思いながら。
自分の身体がどうしようもなく気持ち悪いものに見えてきて。
目の前のレン子は肩を落とし、荒い息をついている。
小柄な体が更に一回り小さくなったようにも見える。
涙をいっぱい溜めた目で、長い睫毛を震わせて。
「……いいよ」
「君なら…クロなら、いいよ……」
たっぷり時間を置いて、濡れた唇がもう一度その言葉を紡いだ。
――馬鹿な。
思っても、痺れた頭はすぐに返事を返せない。
俺、君のことを、あんなに酷く――。
強い視線が、まっすぐにこちらの目を射た。
猛禽の若鳥にも似た、眼差しで。
子供じゃ、なかった。
(――おんなの、おとなの)
たちまちずきん、と頭が痛む。
ずきん、どくん。
「――あ、あ」
ごめん。ごめんなさい。
俺を、どうして。そんな目で。
「……クロ?
どうしたの?ねぇクロっ?!」
大げさに顔を歪めて呼ぶので。
「っ……大した、ことないよ。
……ありがとう」
そう、答えるのが精一杯だった。
「クロ…どうしたの?
しっかりしてよ。あたしを見てよ!
……ねぇ空が晴れたよ?クロっ!!」
あぁ、そうだな。
……あいつらが、もうじき来る。
俺達を、助けに。
第4話、投下終了。
地震怖かった…
保守。
ネタを練る…
エビテン特典テレカのWゾディ子が持つ星を自分の一物に脳内変換して
二人でちゅっちゅしてもらいながらタイツ越しに二人の秘所を撫で回した後
タイツの中に手を入れて直接弄くってグショグショニした後
タイツはいたままサンドイッチしてもらって3人で抱き合いながら発射したい
>>518 「初めての」に騙されたッ! だがGJw
次こそは初めてのッ! 初めてのッ! って話的にもうちょいかかりそうねw
気長に待っておりますー 頑張ってください。
>>542 騙してごめんなさいw
次回投下するダクレン初エッチの話+過去話(18禁)を今書いとります…
恥ずかしくて中々筆が進まんのです。でも頑張るよ!
クオリティが下がるくらいなら気長に待つぜ
>>544 面白かった。だがエロさが足りない、ああ足りない。
18禁がエロ以外の部分にかかっているかのようだw
だが面白いので次回も楽しみにしています。
>>544 今回もハイレベルな話をゴチでした!
デレる彼女に、俺のハートは撃ち抜かれたぜ…。
本筋のシリアス展開も楽しみに待ってる!
>>544 うはー!良いです。ごちそうさまでした!
最近ツンデレもありかも知れないと思ってきた自分がいる…
なんだろう、この反応の遅さは…。
皆、度重なる規制に怯えて離れていっているんだよ。
多分、遠くからROMってる住人さんはそれなりにいるのでは?
自分もずっと2ちゃんへの書き込み規制されて、まさかpink板は書き込めるなんて知らなかったし…。
世界樹3が出たら、ここもまた盛り上がるかしら。
最新作に出てくるキャラだけの流れになったら、それはそれで寂しいな。既に他板各地の世界樹関連スレはずっとそんな感じだが…。
携帯規制は痛い。困ったら携帯から書き込みしてたからなあ…
でも反応遅くったっていいじゃん。反応ないよりうんと。
でも書き手からすると、投下してずっと感想がないと不安で爆発しそうになるのよ…。
553 :
544:2010/02/25(木) 20:47:56 ID:xkSixCib
規制が多いのでやむをえないと思いますよ。
むしろスレ数的に圧縮が目前に迫っているので、
定期的な保守のほうが大事かと。
もちろん今のペースなら全然大丈夫でしょうし、
実際に圧縮がくるまでまだ時間はかかりそうですが。
うむ、わかってはいるんだ。
でも、感想書こうと思ったけど「どーせ規制だろ…」とあきらめてる人は、まずトライしてほしいんだ。
ひとつ感想があるだけで、書き手のモチベは核熱レベル1→5くらいの差が出るんだ。
…まあ、まずは感想書きたくなるようなSS書かなきゃなわけだけど。
(念のため言っとくが
>>544氏ではないので)
書き手としての心情は分からなくもないけど、自己主張はほどほどにして欲しい。
なんか誘い受けに見えてきた。
読み手に感想強要しているとも取れるんだが。
おいおいなんかペルスレみたいになってきたぞ
なんで喧嘩腰なんだ
このスレで喧嘩はやめるんだ!
お前ら、誰かを責めるなら、まず俺を責めろ!
―――俺一人の命で済むならやすいものッ
>>557 命を差し出すといいながらやってるそのフロンとガードはなんだ!
今、コピペ荒らしが当板各地に来てるようなんだけど、すごい掘り進んでるよねこのスレッド。
まめに保守し続ければ6層より深い地下でもdat落ちはしないんだっけか?
何か小ネタでもいいから、ちょこちょこ折を見て投下した方がいいのかな…
560 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/26(金) 10:57:10 ID:zcb/TgZC
久々に来て、色々読んで、俺も1つ書いてみたくなった。
ぬるーい感じのでも平気なら、完成後に投下したい。
このスレのエロなしをも許容してしまう懐の深さが好きだー
…というわけで
>>560の作品を待ってます
圧縮近そうなので保守れり。
ほす。
保守!
>>457 の続きです。
・非エロパートです。
・長い上に誰得の設定羅列&伏線回収部分です。
・『読むのだリィ』って人の為に、最後に1行でまとめてます。
♂メディック(タマネギ):こっちが後輩。本作の語り手。
♀アルケミスト(メガネ):こっちが先輩。
♂パラディン(ショタ):ガンナ子の彼氏。
♀ガンナー(フロスト):ショタパラの彼女。
――――――――――――――――――――――――――
放心してる間に手を引かれて連れ込まれたらしく、いつの間にかパラ君の部屋のソファに腰掛けていた。
良いモノだ。固すぎず柔らかすぎないクッションはぴったりとフィットして身体を支え、野牛の革張りの
表面は肌触りからして安物と違う。コレなら安心して長時間身体を預け続けることが出来るだろうし、
こんなにもゆったりしてりゃ昼寝に使うのも悪くない。
「……大丈夫ですか、先生?」
ハッと気づけば、隣のパラ君が心配そうにこっちの顔をのぞき込んでいた。
流石にパラ君の顔を直視出来るほど気持ちの整理はついてないが、彼だって悪気があって
やったことじゃないはずだ。少なくともそうだとは信じたい。
「たぶん、もうオッケーっスわ。ちょっとボーっとしてただけだし」
ごまかすように軽く頭を振って、ついでに脳みその中に残ってた白いかすみを追い払う。
「もぉー、アルケミがヘンなことするから」
「変とはご挨拶だな。所有物にツバを付けて置くのは持ち主として当然の行いだろう?」
「そーゆーのは、慣用句を文字通りに実行しないで欲しいんスけどっ?!」
今のツッコミで大声出して、完全に目ェ覚めた。
茶が四つおかれたテーブルを挟んで、俺の真向かいに先輩が座り、その隣にはガンナちゃんが居る。
こっち側のソファが野郎組、向こうが女子組って訳だ。隣は女の子が良かったなぁとか思わんでもないが、
これから話す内容を考えりゃ、異性の組で座ったら波風が立ちそうなわけで、まあ妥当な配置だろう。
もらうよ、と一言断って既に出されていた茶をすすり、
「先輩って独占欲つよかったんスね。いつもあんな?」
ちらりと隣のパラ君の顔を伺う。
「いえ、僕はあんな風にされたことは……」
密かな勝利感。恥はかいたがきっと俺の方が愛されてる。
「わたしの知ってる限りでもアレははじめてかなぁ。アルケミ、そんなに兄ちゃんの事が気に入ったの?」
話をふられた先輩が、バツが悪そうな顔を俺に向け、
「メディ君が悪いんだからな……」
「なんで俺スか? 言わせてもらいますけどアレすげェ恥ずかしかったんスよ?」
謝れとは言わんが逆ギレされんのはちょっとムカつく。
だが先輩は詫びるどころか、さらに不機嫌そうな声を作り、
「ほんっっっとうに、自分に向けられる好意に対しては鈍いんだな」
「は?」
なんの話だ?
「メディ君、自分がけっこう倍率高いって知っていたか?」
「…………嘘でしょ?」
言葉の意味がゆっくりと脳に染み渡っていく。だが、はっきり言って信じられない。
「なら聞くがな。君がここに来たばかりの頃、ブシ子君と抱き合っていたアレはなんだ?!」
彼女はしかも半裸だったじゃないかっ!」
「酒で潰れたブシ子さん介抱してただけですって。つーか、あの人が半裸なのは普段からっしょ?!」
ブシドー連中の服飾感覚は真剣に理解できねぇ、ハイラガの冬でもアレだぜ。まあ役得ではあったが。
「じゃあ半年ほど前、中央冒険者ギルドのギルド長と良い仲だったじゃないか!」
「ありゃ一回、ケーキ食いに誘っただけですって……」
台帳の整理とか手伝ってるとき、甘いもの話で盛り上がって旨い店を紹介しただけだが。
だけどあの時、なんか返事に一日待たされたな?
「私は彼女が騎士団長をやってた頃から知ってるがな。鎧を外したところなど二度しか見たことが無いぞ。
あの女が『鎧を外して』『男と食事に行く』と言うのがどれほどの大事だったかわかってるのか?」
「えー、そんなレアイベントだったんスかぁ」
ひょっとして、待たされたのは悩んでたから?
「レアもレアさ。その分だと皆が『行くか』『行かないか』賭けてたのも知らないようだな。
――ぜったい行かないと思ったてから大損してしまったじゃないか!!」
「賭けないで欲しいんすけどっ! そもそも負けたのは自業自得っしょ?!」
なんかさっきからツッコミばかりだ。頼むからボケさして。
「わたしはアルケミの逆バリしたから、オッズ高かったしすっごい儲けたけどねー、ふふん」
「ガンナちゃんまで賭けてたんスか……」
いやでもホントあの人スゲェ奥手でなんもなかったんだぜ? 帰りにちょっと手ェ繋いだだけ。
「だいたい君は女と見れば色目を使いすぎるっ! フロースの女将にまでとか見境なしかっ?!」
「見境無しなモンっスか! 俺はただ、先輩に匹敵するあの素晴らしい乳に敬意を払ってるだけっス!」
「あの駄肉と一緒にされてた……すごい屈辱だ……」
何故かダメージを食らってイジケ始めた先輩はさておき、ガンナちゃんが言葉を挟む。
「いっとくけどメディ兄ちゃんに気があるのって、その人達だけじゃないからね」
「僕の目から見ても、先生を慕ってる女性って少なくなかったと思います」
みんなから同じことを言われて思い返せば、アレとかコレとかフラグだったと言う気も……
「しまったぁ――っ! いつのまにか俺にモテ期が来てたのかっ?!」
ふさぎ込んでいた先輩が復活して、
「そこで『しまった』を口にする男だから心配なんだよ!」
「しまったっ?!」
「天丼か! だいたい私の経験から言わせてもらうとだな、メディ君みたいなタイプの男は
いちど性行為の味を覚えると他の女の味も知りたがる、ほぼ確実にだっ!」
ぎくり。
いやまあその、身を落ち着けるまではもうちょっと遊んどきたいなー、ぐらいは思ってるけど。
「いやははは、俺がさっそく浮気をするとでも? 何を根拠に……」
我ながら声が白々しい。目だって泳いでるに違いない。
「根拠も何も『俺の人生はハーレムエンドを目指してます』などと公言してる男を信用出来るかっ!」
「あ、いや。仮に俺がハーレム作ったとしても、先輩は正妻ポジションなんでご安心ください」
「安心出来るかっ!? むしろ乗り気じゃないか! 君がそんなだから乱暴な方法だったが、
ああやって釘を差して置く必要があったんだよっ!」
「それで公然ディープキスの刑っスか……」
たしかにアレだけ人目のあるところでやれば、噂も一気に広まるだろう。
『あの』先輩が堂々と所有物宣言した男に手を出そうなんて女の子が滅多と居るわけもなく……
なるほど、どうやら俺の浮気症は芽生える前に先手を打たれてつまれていたらしい。
「でもそれは色々と妬いてくれてると認識して良いんスね?」
「――っ! わ、わ、悪かったなっ! 妬いているさ! 文句あるかっ?!」
「文句など一言も。むしろごちそうさまっス」
それに俺だって、目の前のおっぱいを狙ってる男が一人や二人じゃないことを知ってる。
さっきので先輩が俺のものになったのだと皆に知れたのだと思えば、それはそれで痛快だ。
「うくっ……も、おっ! 君って奴は!」
プイとそっぽを向いてしまった先輩に代わって、ガンナちゃんがジト目で俺をにらんできた。
「なるほどねー、その調子でアルケミの事落としたんだ。ふ〜ん、へ〜え」
「な、なんスか……」
「だいたいメディ兄ちゃんはさー、ナチュラルに女の子にコナかけすぎだよ。
アレじゃ勘違いする子の一人や二人いて当たり前じゃん」
「コナって、爺ちゃんが『女はとりあえず褒めとけ』っつーからさぁ」
「そういうトコお父さんの教え方が特殊なの!」
「お父さん…に、爺ちゃん?」
パラ君がいぶかしげに復唱する。あ、こっちから言い出す前に変なトコ感づかれたかも。
「会話からすると同一人物のことを指してるようだが……いや、待て待て待て!
君たちはいとこ同士じゃなかったのか?! ガンナ! 話が違うぞ!」
先輩は俺らの血縁を理解できたらしいが、ちょっと受け入れがたいようだ。
「直系じゃないし、血の濃さで言うならいとこぐらいって意味で言ってたんだってば」
「だがガンナ……」
なんか女二人が揉め始めた。コレは余計な誤解を招く前にきっちり説明しといた方がいいのかもしれない。
「あー、先輩。ガンナちゃんも悪気があって隠してたわけじゃねーと思うんスよ。
とにかく、いま先輩が思いついたんで正解っスよ。俺が甥で」「わたしが叔母ね」
「ずいぶんと込み入った家族構成のようだな……」
「込み入ったってほどでも無いっスけどね……その辺の説明ついでに俺らからやっちゃう?」
「……そだね」話を振れば、ガンナちゃんがコクリとうなずく。
最後の一線を超えてないぶん、俺らの方がまだマシな話だろう。気は重いがしゃーない。
「わかった、まずは君たちエトリア組から話を聞こう。だがその前にルールというか我々の基本理念を
再確認しておきたい。みんなは言いたいことがあるなら言って良いし、言わなくても良い。
ただし、聞いてる方が不愉快ならば話し手を止める自由がある……と言うところでどうだ?」
「異議なしっス」「それでいいよ」「問題ありません」
三者が三様に首肯し、まずは俺から口火を切った。
「えーっと、どっから行くか」「どういう家か説明したら良いんじゃない?」
ガンナちゃんに促され、俺はなるべく暗くならないように気をつけ語り始めた。
「俺んちですけどね、大家族でした。まず爺ちゃんがいて、その嫁さんが3人いて、
それらの子供が10人以上いて、さらにその子供――爺ちゃんから見て孫が30人ほど居る、そんな家。
そんで俺が孫ポジションで、ガンナちゃんが子ポジ。つまり直系じゃないけど甥と叔母っス。
歳は申告通り俺のが2コ上であってますけどね。黙ってたと言えば黙ってた事なんで、
そこに不快をおぼえたんだったら、いま謝っときます。この通り」
そのまま頭を下げようとしたのだが、先輩に手で制せられた。
「いやいい。しかし怒ってはいないが驚いた。そちらの実家は地方豪族の類なのか?」
「ん〜、爺ちゃんはエトリアの評議員とかやってますけど、叩き上げの成り上がりだし、
そこまで格式のある家じゃないっスね。助兵衛で変態だけど、ただの気の良いおっさんですよ」
ちなみに見た目はかなり若い。俺の祖父だと紹介すると違和感でるレベル。
「つまり、ジョースケとジョータローみたいな血縁だと考えればいいんですね?」
うは、まさかパラ君の口からその喩えが出るとは思わなかった。
「そんであってる。てか、アレ読んでんだ」
今日と言う日を無事に乗り越えられたら、パラ君とは一層仲良くやれそうだ。
「読んでるどころか、人生のバイブルですよ。特に53巻の――」
「――もぉーっ! 男の子ってすぐ脱線するんだからっ! 兄ちゃん、早く先続けてっ!」
「へいへい。わかってますって。勘違いされる前に念押ししときますけど、みんな仲は良かったですよ。
爺ちゃんの嫁さん同士でさえもね。でまあ、その50人ぐらいが爺ちゃんの方針で一つの家に住んでた。
家は普通よりデカかったし、独立して出てったやつもいますけど、人が一杯でいつも狭かった。
だけどいい家でしたよ。毎日にぎやかで」
「うん、なつかしいね……」
「そんでまあ、爺ちゃんの悪癖っつーか『新キャラ作って育てるのが趣味だ』と豪語するような変態でね、
とにかく嫁には子供を生ませたがったし、孫ができたら喜んだ。生まれた子にはそれぞれの素質にあわせて
きっちり教育したんで、たいてい一流どころになりましたけど」
「わたしね……女のクセに鉄砲に興味がある変な奴って言われてたけど、おとうさんだけはちゃんと
理解してくれたんだ。エトリアなんて銃砲はほとんど流通してないのにどっかから手に入れてくれて、
流しの銃砲士さんに教師役をお願いにいってくれたり……うん、そこはすっごく感謝してる」
「そんで俺の話なんすけど、爺ちゃんの求めるタイプの才能があったみたいでね、
店の跡継ぎの一人と目されて、技術をきっちり仕込まれました」
「そのあたりの話は前にも聞いたぞ。例の薬店だったな?」
「そっす。主に各種の医学薬学と、男と女の夜の生活について」
「ますます子供に教える内容とは思えないな……」
「くっくっく。ほっといてもきっと勝手に覚えましたよ。見込まれたきっかけってのが、
爺ちゃんの書斎で医術書のエロいページを読んでるところを見つけられたからっスから」
「まったく、メディ君らしいよ……」
「それでまあ、大人たちは爺ちゃんの薬店で仕事したり、迷宮になんか掘りに行ったり、
とにかく働いてたんで、自然と年長の子が年少の子の面倒を見るシステムが確立してました。
俺も兄ちゃん姉ちゃんに可愛がってもらったし、ガキどもを可愛がったりしました」
「その可愛がった子供のひとりがガンナ君だったわけだな?」
「生まれた時からの付き合いっスよ。そんで、まあ、こっからが本題になるんスけど……」
ガンナちゃんの顔をうかがえば、目線で『いいよ』と合図を送ってきた。向こうも決意はついてるようだ。
言うべきことを頭で整理し、淀まず一気に言い切ろうとする。
「懐いてくるのをいいことに、爺ちゃんに教えてもらった内容を、ガンナちゃんの身体で試してました。
最初は子供同士のスキンシップの延長みたいなもんでしたけど、だんだんエスカレートしちまって、
かなりエグイこともやってました。で、その……」
くそ、やっぱりここは言いづらい。
「わたしが言おっか?」
「いや、いい、俺に言わせて。4年ほど前になるんスけどね。ガンナちゃんに最後まで誘われました。
身内の年下から誘われたってのも驚きだったけど、それ以上にいつの間にか互いがヤれる状態に、
大人の体になりかかってたってのにビビりました。たぶん、あの時のガンナちゃんはすごく勇気をだして
誘ったんだと思います。だけど俺ときたらヘタレて、断ったんです」
かなりキツイ話になってきたが止めようとする者は居らず、俺はそのまま話し続ける。
「そこで流石に目が醒めて、互いにこういう事はもう止めようって話しあったんスけどね、
それでもガンナちゃんの甘えグセが抜けなくて、けっきょく俺が家をでることにしました。
笑える話が爺ちゃんには何もかもバレてましてね。『どっか他所の店に修行に出たい』つったら、
『どうせこうなるだろうと思ってた』って、とっくに何もかも準備が整ってたんスよね」
「笑えないよ。兄ちゃんの馬鹿。わたし、捨てられたと思ってすっごい泣いたんだからね……」
まあ、確かにそうだ。
女の子の体をいじくりまわして本気にさせた挙句、逃げたんだ。捨てたと思われて当然だろう。
「ガンナちゃん……ごめん」
別れの時もさんざん口にした言葉だったが、今も言わずにはいられなかった」
「いいよ、もう怒ってない。だけどね、好きだったんだよ……ううん、今だって」
――まずい、こんなところに爆弾あったっ! ありうるとは思っちゃいたけどっ!
「が、ガンナちゃんっ! パラ君の前でっ!」
俺もそれを言うのが精一杯だったが、叱責されて彼女はハッと口を押さえる。
今の彼氏なんだから忘れないであげてっ!
「ごめん……パラ君」「い、いや、なんつーか」
キョドるエトリア組を前にして、パラ君は歳に見合わぬ落ち着きでゆっくりと言葉を紡いだ。
「いえ良いんです。ガンナさんが先生に想いを残しているのは承知の上でしたので。
それに昔の恋人に未練があるのは彼女だけじゃないですから……」
待てよおい。そっちまで先輩に気があるのかよ? ガンナちゃんが何も言わないところを見ると、
彼女は彼女でそれを受け入れてるんだろう。
単なる仲睦まじいロリショタカップルだと思ってたのになんてこった。
何この無理ゲー。話がまとまる気がしないんですけど。
会話が滞りかけたのを防ごうとしたのか、先輩が言葉を流し入れる。
「そもそもガンナがメディ君の事をも想ってるのは、ウチのほぼ全員にバレバレだから、今更
騒ぎ立てるようなことじゃない。それこそピンときてないのは、メディ君本人ぐらいのモノさ」
「ちょっとアルケミっ! 言わないでよっ!」
「この際だから言っておくべきだろう?」
「……勝手にしなさいよっ!」
「みんな知ってるって、まさかガンナちゃんそういうの公言してたんスか?」
当の本人はスネてむくれてるんで、代わりに先輩が口を開いた。
「流石に言いふらすような真似はしてないが、それも同然だな。
メディ君の言葉を借りるなら、彼女は典型的な"ツンデレ"だ」
「いや先輩、たぶん言葉の定義を間違えてます。
ガンナちゃんのデレはともかく、ツンとか見たことも食ったことも……」
「恋愛感情に伴う性格の二面性をそうよぶのだろう? ならばガンナは立派にそれだ。
彼女は本来ヒクイドリのように気性が荒い。パラ君相手でさえ、癇癪を起こすと
いまだにかなりキツいんだぞ――それが君の前でだけ、ものすごい猫っかぶりなんだよ」
「……は? 何スかそれ?」
「やれやれ、あそこまで完璧に偽装してると気づかないのは無理もないか。
肉体年齢が巻き戻る前のガンナは、異性からの求愛が引きも切らない美人だったが、
気の強さも天下一品でね、言い寄ってくる男を発砲してまで追っ払っていたものさ。
――ま、今じゃこんなちんちくりんになってしまったがね」
「ちんちくりんって失礼ね! それ以上言ったら頭ブチ抜くからねッ!!」
怖っ! 獣じみた唸り声さえ上げてガンナちゃんが一喝する。
今にも銃を抜かんばかりの勢いなんだが、この子がこんな怒ってるところ見たこと無いんですけどっ?!
あれ、おかしいな、俺の知ってる彼女はもっと素直で優しく可愛い子のはずなのに……
だがまあ『数年後』の彼女がスゲェ美人になってるっつーのはうなずける話ではある。
「黙ってろ。勝手にしろといったのはガンナだろ――まあ、見ての通り、本来の彼女は実に攻撃的な性格だ」
「マジっすか、ガンナちゃん……?」
「……」
無言は何よりの肯定だろう。
俺の前でだけ『ツン:デレ』比が『0:10』の叙述ツンデレとか、ひねりすぎにもほどがあるぞ。
「ですけど、先生の前で見せる顔こそガンナさんの本質ですよ。
ただ、色々あって男性に対してあまりにガードが固くなりすぎてただけで」
パラ君からのフォローが入る。さすがは今の彼氏と言うべきか、ちゃんと理解してくれててちょっと安心する。
だが『ガードの固くなってた』理由ってのが、十中八九、俺が酷い別れ方をしたせいだと思うと気が重い。
「それと恥ずかしい話ですけど、正直なところ僕は先生に嫉妬してたことがあるんです。
先生がウチに来たとき、僕とガンナさんは既にお付き合いを初めてましたけど、
彼女が僕の前でこんなに柔らかい態度をとってくれるまで2年近くかかりましたから……」
……ああ。
気づかなかったこととは言え、仲の良さを見せつけていたも同然だったわけだ。
俺が昨晩感じたガキ臭い嫉妬なんぞ、パラ君はとっくに通り過ぎた道だったと……カッコ悪いな、俺。
「それでパラ君って初めて会った頃は冷たいっつーか、よそよそしかったんスね。
なんつーかその……ごめん。俺も割と気ィつけたつもりなんスけど、
それでもなんかイラつかせたこともあったみたいで」
「いっ、いえっ、僕もそんなつもりでいったわけじゃっ!」
ホント正直でいい子だ――だが待て、なんか引っかかる。
「だったらなぜガンナちゃんはこのギルドに俺を連れてきて、そして責任者の先輩がそれを許したんスか?
どう考えたって人間関係の火種になるっしょ?」
「あ……」
それを口にするとパラ君が口ごもり、そのまま全員が押し黙ってしまった。
あー、こりゃ核心ついちまったか……?
しかたない。自分がつついちまったヤブなんだから、せめて蛇ぐらいは追い出すか。
「メイン回復役だったドクトルが上帝を討伐したと同時に引退したんで、
その穴を埋めるため俺を入れたかったっつー話でしたよね?」
「ああ、そこの部分に偽りはないよ」
だが、プラスアルファの理由がある。先輩のはそんな口調だ。
考えてみりゃ、ウチはハイラガでも一・二を争う強豪ギルドなんだ。
俺みたいな半人前を入れる理由ってのはほとんどないはず。
開いた穴を埋めたいってんならなおさらだ。
「そこんトコロもちっと詳しく聞かせてもらってもいいんスかね?」
「いいだろう……と言うか、それこそ本題なんだ。けれど昔の私とパラ君、そしてガンナも含めた
3人の関係に深くからむ話になるんでね、まずはそこからで構わないな?」
「……ッスね。俺的にはもう話すべきことは全部話したつもりなんで。次はそっちのターンで。
なんかもー、俺ってばしょーもない男すぎて、みんなになんて詫びれば……」
「いやいい、謝るなメディ君。むしろこちらこそ、パラ君との関係を隠していたことを
ちゃんと君に謝罪したい。すまなかった。この通りだ」
先輩は表情に陰りをみせて頭を下げてきた。
「ううん、パラ君だけの話じゃない。考えてみれば私は君のまだやってもいない浮気を、どうこう
言える立場じゃないんだ。昔は複数の男と同時に付き合ってたのなんてしょっちゅうだったからな……」
「いや、先輩。その……」
薄々わかっていた話だが、本人の口から改めて聞かされるとやはりキッつい。
「アルケミ。どうせ順を追って話すんだから、そのへんは後にして。それよりメディ兄ちゃん。
わたしもごめん。パラ君とのこと知ってて……知った上でアルケミと兄ちゃんくっつけようとしてた。
本当に、ごめんね」
普段は快活なガンナちゃんが言葉を濁らせながら、こちらも深々とうなだれる。
「あ、いや。ガンナちゃん……」
「僕も。本当に申し訳なかったです」
パラ君も、ぺこりと一礼する。言葉は少ないが態度や声から深い謝意が伝わってくる。
一気に暗くなっちまった。それに頭って下げることはあっても、下げられた事が滅多に無いから居心地が悪い。
「ちょ……みんなっ、頭上げて頭っ!」
声をかければともかく全員顔を上げたが、その顔が三つとも戸惑いを帯びたまま俺の顔を伺ってきてる。
うわ、やりづれぇ。しゃーない。あん時と同じでかなりギリッギリのネタだが、一発カマして空気を変えるか。
「じゃあ先輩、一個だけ文句言わしてもらっていいっスか?」
「構わない。この件に関しては、君には十分言う権利がある」
それならと、軽い笑みを顔にこさえて攻める口調にならないように注意し、からかいの言葉を投げつける。
「コレまで俺のこと変態だのなんだのとさんっざん罵ってくださいましたけど、
先輩だって人様には自慢できない性癖がございましたよねぇ〜?」
「あ、いや、それはっ、そのっ!」
「ちょおっとガンナちゃんとパラ君にも聞いて欲しいんだけどさァ、なんと先輩ってば――」
「め、メディくっ、やっぱりそれだけはっ!」
俺の話の『タメ』の間に、先輩が血相を変えて立ち上がろうとしたのだが、隣のガンナちゃんが先輩の腕を
押さえ込んでそれを許さない。さすがは生まれた時からの付き合いだ、ちゃんと空気読んでくれてる。
そして十分にタメをつくった俺は先輩を指さして、
「――こちらのお嬢様は毛ナシのつるつるちんちんがお好きなんですってよ、奥様がた」
ほんの数秒、しんとした空気が場を満たしていたのだが、ガンナちゃんの笑い声がすぐにそれを打ち壊した。
「あはっ、アハハハハハッ! 何よそれぇ、っていうか、兄ちゃん昔っから生えてこないってボヤいてたけど
ひょっとして、今も……なワケ?」
「へーへー、昔と同じパイパンちんこですとも。だいたいガンナちゃんだって、
その外見年齢の時にゃほとんど生えてなかったはずっしょ?」
はずも何も昨晩に千里眼の術式で見ちゃったから知ってるけどな。
「いっしょにしないでよっ! わたしは兄ちゃんと違って2年もしたらちゃんと生えそろうんだからっ!!」
怒鳴ってからかなり恥ずかしい事を口にしてしまったと気づいたらしく、ほんのりとほっぺたが赤くなる。
「だ、大丈夫ですよ、僕は生えてないガンナさんも好きですから……」
「パラ君のばかっ! そんなのは言わなくってもいいの!!」
フォローのつもりかパラ君が地雷を踏んづけていったが、そういや彼は『数年後』のガンナちゃんの肉体も、
色んな意味で知っていたんだったか。そこにも気づくと何故か心が少し痛む。
バーカ、俺。人の女に妬いてんじゃねえよ。
「さて、先輩」
チクリとした気持ちを振り払いつつ、年少カップルの痴話喧嘩を横目に先輩に向き直る。
「……ぁぅ、あうぅ……その…あのぉ…ばか……メディくんのばかぁ……」
うわ、涙目だ。これはレアすぎる。
とつぜん特殊性癖をバラされた先輩は、狼狽するあまりまともに口も聞けない有様だった。
「俺にとっても自爆ネタだったんで勘弁してください。じゃあ、言いたいこともいったところで
一番厳しそうなトコをやっちゃいましょうか。パラ君のちんちんがつるつるだった頃のこと、
聞かせて欲しいんスけど」
「こんな精神状態で出来るかぁっ!!」
「断っておきますけど僕も今は生えてますからねッ!!」
二人ともからキレられたが、その方がいい。暗いのヤだし。
それにパラ君のは昨日みたから知ってる。猛者猛者で暴暴。色が薄いからそこまで凶悪には感じないけど。
「こんな精神状態だからこそっスよ。こんな話どうしたって重くなるのがちったぁマシになるし、
シラフじゃ言いづらいことだって口から出やすいっしょ? せっかく空気があったまったんだし、
冷える前にやっちまいましょうよ」
「……ふん、一理はあるから乗ってやるが、後でひどいぞ覚えてろ!」
仕置きは怖いが、逆に言えばそれが終わるまで縁は切れない。そう思うと心強かった。
「楽しみにしてますよ。んじゃ、お願いします」
先輩は何かを納得したかのようにうなずき、そして口を開いた。
「私がラガード出身だって言うのは知ってるな?」
「先輩本人から聞いたことは無いっスけど、周りの反応からだいたい。結構良い所のお嬢さんなんスよね?」
「そうだな、家格でいうならパラ君の所と同等――と言うか彼とは血縁だ」
「僕らいとこなんです」
「ああ、それで……」
「うん、そういう彼が生まれた時からの縁だ」
その辺の事情はガンナちゃんと俺の関係に似てなくも無い。
「自分で言うのもなんだが、私は子供の頃はいわゆる将来を嘱望された才女と言うやつでね、
自身もそれに応えんとしてかなりの努力を重ねた物さ」
「そんな感じっスよねー。でもそーゆーのってプレッシャーあったっしょ」
「察しが良いな。そしてそうやって積み重なったストレスの解消手段が……その……」
「……ああ、それも察しときます。自慰行為ですね」
おそらくは母親に咎められたと言う一件も、その頃の話だろう。
「察したなら言うな……とにかく私のストレスは性的欲求とその解消と言う方向で『出る』わけだ。
だから、うん、いやらしい娘だったよ。子供の頃から、ずっと……」
コレは反応しづらい。あまりにも本当のこと過ぎてフォロー不可だ。
「いやでもほら、人様に迷惑かけてないんなら……」
「かけてしまったさ……パラ君に」
「……あー」
やっちまったと頭を抱えていると、隣のパラ君が顔をキリリと引き締め、凛々しい声で、
「僕は今でも迷惑だなんて思ってませんよ。あの一件は、アルケミさんが僕を子供では無く
一人の人間として真摯に向きあってくれた結果だったと思っています」
さすが。こーゆーセリフが様になると言うか普通にカッコいい。
俺が同じことやったら『〜だってお、バンバン』で終了だ。
「ありがとうパラ君。そう言ってくれると助かる」
「いいえ、迷惑だったと思って欲しくなかっただけです」
そのまま二人は見つめ合うのだが……あ、あれっ、なんか俺的に嫌な雰囲気だよっ?
「そこっ! ラブコメ禁止っ! とっとと話を続けなさいよっ!」
しかしガンナちゃんもイラッときたのか、場を一睨みして先を促す。ナイスプレイだ。
「……悪い、ガンナにメディ君。とにかくパラ君とはつかず離れずの距離で育ってね。
親には勉強の面倒などを見てやるように申し付けられたものさ。最初はうっとおしいと思っていたが
ほら、私はこういう性格だろ? 友人や恋人と言うものを得ることがなくてね。
パラ君が長じるにつれて、彼が唯一と言っていい話し相手になっていった。
彼の素直で優しく屈託のない性格にはずいぶん救われたし、さわやかな笑顔には癒された。頭の回転も
悪くなく、錬金術の専門的な話を一気にまくし立てるだけの私との会話に必死で食らいついて来てくれた。
それでいて、私が間違いを犯したときには年上だからと言って遠慮せず、それを正そうとする厳しさがあった。
いつの間にか実の弟のように可愛がっていたよ……違うか、本当に弟だと思っていたならあんな馬鹿はしない。
――そうだ、気づけば私は7つも年下の少年に本気で恋をしていたんだ」
流石に場が一瞬静まり返る。
そして胸がなんだかムカムカする。妬くなよ、俺。だから昔の話だって。
「やはり止めておくか? ここから君にとっては一番聞き難いであろう部分になるんだが」
先輩が心配げに声をかけてくる。ああもうちくしょう顔に出てたか。
「あー、いいっス……気にせず続けてください」
くそ、つくづくカッコ悪いな俺は。
「わかった、続けるぞ。そして4年前だ。先に少し周辺情報を話しておこう。
この年、とある剣士が行方不明になってな。棘魚亭の主の捜索願いに基づいて衛視たちが調べを進めた所、
本人は見つからなかったが行方を追ううちに――ラガードの大神木に『入り口』らしきものが発見された」
「……迷宮っスね」
「そうだ。もっともこの頃は一部の人間を除いて極秘扱いだった。ラガードの民にとってはあんな
常識はずれの巨木であっても生まれた時から目にしていると『あって当然』のもので、アレがそんなに
特異なモノだとは思っても見なかったからね。いらぬ騒ぎを抑えるためには必要な措置だったし
私とパラ君もそんな事実をもちろん知らなかった。ところがだ、当時私はすでにアカデミーに所属
していたんだが、迷宮発見の余波で上層部がゴタゴタし始めてね、理不尽な学閥争いに巻き込まれてしまった。
おかげで思うように研究を進めることができず、ストレスが溜まって溜まって攻撃術式の訓練で
鬱憤を晴らしたり……部屋にひきこもって自慰に耽ったりしていた」
直球の物言いだが、先輩の表情は暗い。本人にとっても愉快な話じゃないんだろう。
「先輩も、嫌ならボカしてくれても良いんスよ?」
「気遣いはありがたいが、今は良い――そしてある日、公宮付きの錬金術師であった私の両親と、
公王陛下の近衛であったパラ君の両親が最初期の迷宮調査隊として選抜されてね、数日間家を
あけることとなった。そして親たちは私にパラ君を預けて行ったんだ。
……イラつきで性衝動がかつて無いほどに高まっていた私に、ね」
再びの沈黙。流石にまいったね。
先輩はしばらく状況を見てたが話を制止しようとするものは現れず、続けて口を開いた。
「あとはまあ、わかるだろ? 鬼のいぬ間になんとやらさ…………私から、誘った。
取り返しが付かないことをしてしまったと言う自覚はあったが、そのうち互いの身体に
深く依存するようになって、引き返せなくなっていった。この一点に関しては
君たち3人に本当に申し訳なく思ってるし、何を言われても良いと言う覚悟がある」
先輩の声はメリハリこそついていたが、いつものキレが薄れて憔悴しかかっていた。
「誤解が無いように僕から付け足しておきますが、合意でした。そこだけは強調しておきます。
彼女は僕にとっても憧れでした、ずっと惹かれてました。綺麗で、優しくて、何でも知っていて。
そんな彼女から求められて、これからすることを説明されて……驚いたけど、嬉しくて。
僕はあの時今と比べてもずっと子供でしたが、それでもすることの意味はわかった上で
アルケミさんを抱いたつもりです」
――ああ、ヤベェ。キレそうどうしよう。
ごまかさないのは誠意のあらわれなんだろうが、正直がいつも美徳とは限らないの典型だ。
相思相愛だったって言われても困るんだよ。若さゆえの過ちだったって言われた方がまだマシだ。
「パラ君っ! いい加減にしてっ! 前の時もそんなので揉めたよねっ?!」
やべぇ、ガンナちゃんもキレかけてる。
「お、落ち着いて、ガンナちゃん、おちついてっ!」
むしろ俺が落ち着けよ。声裏返ってんぞ。
「大丈夫落ち着いてるよ。わたし前の時は暴れたもん」
……そりゃ暴れるよなぁ。しかしつくづく不思議だ、この三人はそっからどうやって持ち直したんだ?
「あ、おふたりとも、すみません……」
パラ君が頭を下げ、ザワつきかけた空気をごまかすかのようにそのまま言葉を続ける。
「それで半年ほど関係はつづついたんですけど、そのころ、僕は両親から騎士団付属の寮学院に入るよう
強く薦められましてね、それをアルケミさんに相談にいったんですけど……」
「時を同じくして私も両親からサウスアカデメイアへの転属の話を持ちかけられていてね。
旧世界の遺跡を足元に抱えるエトリアは知識と技術の最先端都市であり、錬金術師としての位階を
上げたいのであればそちらの方が断然有利だとね。そこの部分だけを切り取って考えれば、
たしかに魅力的な提案でさえあった……だがしかし、そんな話が双方から同時に出て流石に気づいたよ。
――親たちが私たちの関係に感づいて引き離そうとしてるんだとね。
結局、相談に来たはずのパラ君とそのまま別れ話になったよ」
そこで沈黙がおちる。親バレしちまったらたしかにどうしようもない。
くそ、さっきあっためたはずの空気がもうココまで冷えちまった。
「でも親の決めたことはいえ、パラ君ずいぶん渋ったんじゃ……」
「渋るどころか泣かれたさ。そして私も突然のことで動揺していてね、突き放そうとして酷いことも
言ってしまった。『君のような子供に本気になるわけ無いだろ。遊びだった』とね。
この件に関してはパラ君にいくらあやまっても謝り足りない」
「いえ、いいんです……あれはどうしようも無かったことですから」
パラ君は微笑みさえ浮かべて許そうとしてるが、先輩にはいまだ負い目なんだろう。その表情は暗い。
「なんか俺らと似てますね……」
「似てるようでやはり違うさ。メディ君は踏みとどまるべき一線でちゃんとこらえたし、
誰かに言われるまでも無く自分から距離をおくことを選んだ。流されるままに流されて、
最低の結果にたどりついた私とは……違う」
そのまま先輩が黙ってしまったので、やむなくといった感じでガンナちゃんが話を繋いだ。
「それでね、エトリアに来たアルケミと出会ったの。兄ちゃんが家を出てすぐぐらいにね。
わたしはシンジュクの調査隊で魔物の掃討役やってたんだけど、アカデミーの偉い人から
この女の面倒見てやってくれーってさ。第一印象はヤな奴だったなー。暗いし、理屈っぽいし
……地味目に見えてオトコ漁りしまくるし」
「うぅ……」
痛い所をつつかれた先輩が軽くうめく。
そうか、そのころから、それがきっかけで……そんなのがはじまったのか。
「それで人間関係のこともあるし、なんでそんな事するのか問い詰めたんだけど『故郷に残してきて
しまった恋人の事を忘れたい』とかいうからさ……ああ、私と同じだなーって。わたしも兄ちゃんのこと
忘れたくて危険な冒険者稼業に飛び込んだところがあったからさ」
「うぅ……」
今度は俺がうめく。ガンナちゃんに年上二人がいい様にやられっぱなしだ。
「でね、男を捨ててきた女と、男に捨てられた女が出会ってさ……お互い傷を舐めあうような
ところもあったんだろうね、いつの間にか仲良くなってたよ。今じゃアルケミが一番の親友」
「それでお互い呼び捨てなんスか」
「プライベートじゃね。公の場ではなるべくリーダーって呼んで立てるようにしてるけど。
それでアルケミとコンビを組んで、一年ほどエトリアで訓練を積んでたんだけどさ、
ちょうどその頃ハイ・ラガードの迷宮の存在が公になったんだ。ラガードって言ったら銃砲士のメッカだし、
一度はチャレンジしたいと思ってアルケミ誘ったの……そしたらすっごい渋られてさぁ」
「逃げるようにして出てきた故郷だったからな。だが、結局戻らざるを得ない状況になった。
人手が足りないと言うことで、ノースアカデメイアはさんざんに復帰の打診を行ってきたし、
決定的だったのが――迷宮探索中の両親が負傷したと言う報せだった」
「……で、地元でパラ君と再会した、と」
「うん、会うつもりはなかったんだが、曲がりなりにもエトリアで修行を積んだ探索者と言うことで
ラガード公宮に呼ばれてね……そこにはすでに見習いとして登用されていた彼がいた。
発見された迷宮に公宮の命で突っ込み、無残にも壊滅した騎士団の生き残りとして……ね」
「ぐぁ……」
それはどこの国もやる。悲しいぐらいにやる。
自国の軍が迷宮にも通じると過信して、精鋭を深部に送り込み――そして痛い目を見るのだ。
そしてパラ君はよくある悲劇の犠牲者となったわけだ。
「父と同行してたんですが、僕に甘えか油断があったんでしょうね。当時出現し始めたばかりの
炎の魔人と相対してるときに僕を守って父は……幸いにも一命は取り留めたんですが、
現役を引退せざるを得ないほどの傷をおってしまいました」
「私の両親も似たようなものでね。首から上が使えればどうにかなる商売とは言え、それ以上の探索は
とても無理という状況に陥っていた。それで互いに両親や仲間の仇を打ち、意志を引き継ごうと決意して
――このギルドを立ち上げたと言うわけさ」
いろいろと思い出しているのか、先輩は感慨深そうな表情を作る。
「だけどガンナは『女の子だけで組みたかったのに!』とパラ君が入ることをすごく嫌がってね、
最初の頃はパラ君にずいぶん辛く当たっていたよ――なにかとメディ君を引き合いに出して
『兄ちゃんだったらこうする。兄ちゃんだったらこんな事しない』などとね。ふふっ、色男は辛いな?」
「アルケミうるさい。余計なこと言わないでよっ!」
つーかマジ勘弁して。
「でもある日、ガンナのパラ君への冷たい態度がある種の愛情の裏返しだと言うことに気がついてね。
メディ君がウチに来てわかった話なんだが、君とパラ君は……なんというか似てるんだよ、顔の雰囲気とか」
「あー、言われてみれば……」
自分自身じゃわかりにくいが、並べて他人が見たらそう思うかもしれない。
「最愛の兄君に顔の作りが似てるだけに、性格がまるで違うのがイラッときたのだろうね。
だけど探索を続ける内に色々あって、パラ君とガンナは衝突を繰り返しながらも惹かれあっていった」
「……でも、先輩はそれで良かったんで?」
「私は彼を捨てた女だよ? なにか言う資格などあるわけがない。『兄ちゃん』とやらの事を
忘れさせてやるためにも、ガンナに新しい男をあてがってやるのが一番だとも思ったし、影から二人の恋を
サポートするような真似さえしたさ。パラ君はそれでも私を気にかけてくれていたようだが
『私のような酷い女のことは忘れてガンナと仲良くしてやってくれ』とだけ言って……言って……」
そこで先輩は言葉に詰まってしまった。
「アルケミ……辛いんだったらもうやめとく?」
「……いや、続けよう。すまないな。気にならなかったと言えばやはり嘘だ。
二人の恋が成就するほどに、私は嫉妬を募らせて……ははっ、馬鹿な女だろ?
それで私はそのころずいぶん荒れてね。ストレスが高じるあまりもともとの性質が悪化して、
典型的なニンフォマニアになっていた。月替わりで、終いには週替わりで、いろんな男と、
時には女とも夜を共にした。二人以上を同時に相手取った回数も両手の指の本数で足りないな。
ガンナにはずいぶん怒られたし、パラ君には心配された。だけど、どれだけ言われても止められなくて、
それが情けなくて……まあ、だからこそ避妊や病気だけは異常なまでに気を配ったよ。
だけどそれを免罪符にして妻子持ちの男とも関係を持つような最低の女だった」
思ってたよりひどい。ある程度は覚悟してたが、本人の口からそんなことを聞かされるとやはり愕然とする。
「その……当時の連中とは切れてるんスか?」
「切れてるも何も、名前や顔さえ憶えてないのがほとんどさ。たまに何か勘違いしてるのが、
『バラされたくなかったら』なんて感じでタカリに来るがね、脅そうったって脅しにならないよ、
少し調べればだれだって分かる話なんだから」
聞いてはみたが、コイツをどう受け止めれば良いものやら。
それにずいぶん空気が悪くなってきた、頃合を見て話を止めた方が良いかもしれない。
……でないと俺までどうにかなっちまいそうだ。
「そして色々と鬱屈して、その怒りにも似たエネルギーをぶつける先を探していたんだろうな。
皮肉なことに迷宮攻略そのものは実にスムーズに進行したよ。知識を探求する学士としては恥ずべき行為だが
強大な魔獣にむけて贅を尽くした大術式をぶっ放すと、いくぶん気分がすっきりしたし、
数々の謎に挑んでる時には心惑わす様々な事象から目を背けられた。だけどそこで慢心があったんだろう。
知っての通り上帝との決戦において、我々は肉体時間の逆行という手酷いしっぺ返しを喰らう事となった。
特に私とガンナはすべてでは無いにせよ、ここ数年の知識・経験まで失っていたからな……事実上の壊滅だ。
男にうつつを抜かしたばかりに、皆を危険にさらして……ははっ、まったく、最低の女だよ」
コレは良くない。先輩はどうにも内罰的になりすぎてる。
「先輩、いっぺん休憩しませんか? 顔色良くないっスよ」
「問題ない、あと少しだよ。ただ酷い依存症に陥る前まで若返ったおかげと言うべきか、色情狂だけは
随分と改善した。もっとも皆に迷惑をかけるばかりのろくでなしが治ったわけでもなかったんだがね」
「いや、だけどっスね……」
制止しようにも先輩はもう止まらない。罪悪感のあまり責めて欲しくてたまらないのか、露悪的になってる。
だけど済んだ話だろ? 俺だって怒っちゃいねぇし、他の二人だって許してるはずだ。
頼むからそんなのやめてくれよ……そう言いたいのに、饒舌になってきた先輩とは逆に俺の口は動かない。
ビビってんじゃねえよ、何やってんだよ俺。
「でも、みんなこんな最低の女に優しくて、何くれとかまってくれたおかげで、
わずかに残った思い出が刺激されたんだろうな、少しづつではあるが記憶を取り戻して行ったんだ。
特にパラ君は献身的に尽くしてくれて、私とガンナをあちこち連れ回しては、たくさん話をして、
色んなものを食べたり遊んだり、迷宮をめぐったりなどした……ところがそれが裏目に出た」
「アルケミさん。もう、本当にそのへんで……」
パラ君がいさめようにも捨て鉢な自虐が止まらない。いまや先輩は自分の言葉に悪酔いしてる。
あたりの空気も最悪だ。先輩のみならず、他のみんなも呑まれちまってる。
「精神年齢までも戻っていた私は、パラ君への想いも付き合い当時の十全の状態で取り戻してしまったんだよ。
馬鹿な小娘だったあの頃にね。彼の気持ちを隠そうとして隠しきれず、ついには想いを口に出すようになり。
――そしてそのままガンナに知れた」
「待った! 前ん時ってそこまで話がこじれてたんスか?!」
つーか、今もまたこじれかけだろコレは! だけど先輩はもう耳すら貸さない。
当時の悲しみと悔しさがフラッシュバックしてるのか、目の端には涙さえ浮かんでいた。
「一方のガンナはガンナでメディ君への想いが一番深かった頃に戻ってしまって、また『兄ちゃん』だ。
せっかくパラ君と結ばれたばかりだったのにな。だけど、わずかながらに彼女の心にもパラ君への
想いが残っていて、それを思い出すほどに彼女は二人の男への想いで引き裂かれそうになっていってたよ。
結果的に私たちはパラ君に辛い選択を迫ることになって……」
「お願いアルケミ、もうやめてっ……その辺はまだ心の整理がついてないからさぁ……」
もうだめだ。ガンナちゃんまで泣きかけてる。コレはいけない。本当にいけない。あのな、先輩?
俺のかわいいかわいい妹分泣かそうってんなら、兄貴分としてそりゃ許すわけにゃ行かねェんだよ。
だから。
立ち上がって。
絶叫した。
「ゴチャゴチャうるせぇぇえぇぇぇっ!!!」
……ああ、やっちまった。なんか母さんの口癖が伝染っちまってる。
今の怒鳴りで3人ともが絶句して、俺の顔を見上げてきてた。
全員が全員、俺を五秒で瞬殺出来る化物ってわかっちゃいたが、なぜか不思議と恐怖は無かった。
「黙れよ先輩。もういい、しゃべんな」
我ながら驚くほどスワった声になっていた。
「メディ君……」
先輩はキレた俺に呆然と声をかけてくる。
「しゃべんなつってんだろ」
向かいのソファに歩み寄り、腰掛けていた先輩の腕をつかんで引っ張った。
「立てよ」
「あ……」
先輩は気が抜けたようにふらふらと立ち上がる。
「怒って欲しいんだろ? 叱って欲しいんだろ? 罰して欲しいんだろ? いいぜ、仕置してやんよ」
手を振り上げると先輩はそのまま目をつぶり、ぎゅっと身をすくめた。
どうやら読みは間違ってなかったらしい。
「ちょっと、兄ちゃん、何すんのよっ?!」「先生っ!」
年少組二人が制止しようとしてくるがもう遅い。
――だいたいコイツはフェイントだっての、馬ァ鹿。
振り下ろした手を素早く先輩の背中に回して、そのまま抱きしめ、
「メ、メディ…く、うぅうん、っ、んっ!!」
目を閉じたままの先輩に思いっきりキスしてやった。
そして、テクもへったくれも無く、ただひたすらにガッついた。
「な、何してんのよぉ……」
ガンナちゃんのポカンとした声が聴こえるが、見りゃわかんだろ、ちゅーしてんだよ邪魔すんな。
「んっ、む……んーっ、んんーっ!」
技術では完全に先輩に負けてるが不意をつけたのは大きい。
反撃を試みる先輩の口唇を力づくで押さえ込んで、そのまま犯し続けていると、
抵抗を見せていた先輩の身体から次第次第に力が抜け、口元がだらしなく開かれていった。
あとはいじめ放題。好き勝手に舌を突きさしズボズボに出し挿れし、唾液をたっぷり注ぎこんで飲ませる。
「ん……ふぁ、あぁ…ん…あ、あぁ……」
だけど従順になったからって許さない。俺は自分の気が済むまで先輩の唇を陵辱し、
完全に力が抜けきって、うごめく舌の動きが鈍くなるまで解放しなかった。
「め、めでぃくっ……なに考えてるんだよ、ばかぁ……」
甘く乱れた激しい吐息が耳に心地良い。舌っ足らずにこぼれでる文句が愛らしい。
「さっきの公然キスのお返しっすよ。それにみんなが話止めろっつってんのに止めないから
ちょっくら黙ってもらったまでっス。なんか反論があるのなら聞きますけど?」
「い、や…その……」
頭が煮えてるのか冷えてるのか自分でもいまいち分からない。
ただ、悪い空気にアテられた俺が暴走し始めてるって事だけは理解していた。
「まあ、そんな事よりね、もう先輩たちの昔の話とか正直どうでも良くなってきたんで、
俺のいいたいことだけ言ってもう終りにしたいんスけど、聞いてくれます?」めちゃくちゃだ。
何いってんだこのバカ野郎、と頭の中の冷えた部分が自身に突っ込むが、吐きかけた言葉はもう止まらない。
「……なんだ?」
不安げな表情を見せる先輩に俺もどう言っていいものか悩んだが、結局は直球で行くことにした。
「好きです。つきあってください」
「なっ……にを、いきなり……」
先輩は言いかけたまま絶句し、今のキスでとっくに紅潮していた顔にさらなる赤みがさす。
「いきなりと言うか前から言ってましたけどね、だけどちゃんとした形で気持ちを伝えたことは無かったなと。
一晩考えましたよ、なんせ俺はガキなもんでね、ただヤリたいだけの気持ちを恋愛感情と錯覚して
好きだの惚れただの言っちまってるのかもしれない」
「メディ君、そんな事は……ちゃんと君の気持ちは……」
抱きしめたままの先輩が、夢見るようにつぶやく。
「だけどね、俺は先輩が手を欲しがってる時は協力してやりたいし、読めない本がある時は訳してやりたいし、
怪我をした時には癒してやりたいし、えっちな気持ちになってるときは満たしてあげたい。
それにテメェの事で恐縮っすけど、俺も困ってるときは先輩に知恵を貸して欲しいし、厳しく訓練や躾を
施して欲しいし、火力としては頼りにしたいし、溜ってる時には抜いて欲しい。
それで――二人ともがそんな気持ちの時は、昨日みたいにセックスして一緒に気持ちよくなりたい」
腕の中の先輩が無言で身じろぎする。
「これを愛と呼ぶのか、恋と呼ぶのか、それともやっぱりただの肉欲の延長なのか、
それは正直わかんねえです。なんせ他人に対してここまでの気持ちを抱くのが初めてなもんでね。
だけど今の欲求を満たすためには先輩に対してこう伝えるしか無い。だからもう一度いいます。
好きです。つきあってください」
言いたいことは言い終わった。セーフかアウトで言うなら間違いなくアウトだろう。
だが、気持ちはほとんど伝えきって、勝手な話だがすっきりした。
そしてただ、返事を待った。
押し黙る先輩の表情に様々な感情が浮かんでは消えていく。
喜び悲しみ怒り不安。そしていくらかの打算や逡巡。
そして俺は見た。
「すき」
短く鋭いその一言が、俺の心を貫くところを。
「初めて……先輩から好きって言ってくれましたね」
考えてみりゃそうなのだ。その決定的な言葉を俺はまだ聞いてはいなかったのだ。
そして言われて初めて気がついた。『好き』ってこんなに重い言葉だったのか、と。
「うん、すまなかった……言ったら、自分から言ったら、また安くみられて、遊ばれて、逃げられるのが怖くて。だから私の身体で繋ぎ止めて、溺れさせて、言うならそれからって……ズルい女ですまない。
だけどもう我慢出来ないんだ。ずっと言いたかった……好きなんだ、メディ君。君のことが好きなんだ」
「大丈夫っスよ。とっくに溺れちまってぞっこんですから」
むしろ、そこまで思いつめた上での『好き』なら冥利に尽きるってんだ。
「だからね。愛してますよ、先輩」
家族以外に『愛してる』なんて口にするのは初めてだったが、その言葉は不思議と気持ちにしっくり収まった。
「メディ君……私も……うん、愛してる」
それを口にしたら何かが決壊してしまったんだろう、先輩が俺を強く抱きしめ返して来たかと思うと
瞳からは涙滴が次々に零れ落ち、ついには嗚咽が始まった。泣かせちまったと言うバツの悪さと、
泣きが入るほどに慕われてたのかと言う驚きはあったが、それに勝る喜びもあった。
「好きだよ先輩。愛してる」
「ぐすっ……うん、すき…すき、メディくん……だいすきっ」
そのまま互いに抱きしめ合って、見つめ合って、好きだと気持ちを伝え続けた。
ハメてるワケじゃないのに、昨晩のセックスにも勝るとも劣らない多幸感があった。
想いが通じ合うのってこんなにも気持ちいいことだったんだな。
ひとしきり泣き終えて、若干の落ち着きを見せた先輩はまじまじと俺の顔を見つめて、
「まったく、どうして……こんな奴の事を好きになっちゃったんだろう」
本当に疑問そうに、そんな失礼なことを口に出した。
「……そりゃねーっすよ、先輩。このタイミングで」
「だって私、最初は君のこと普通に嫌いだったんだぞ?」
「あー、やっぱと言うか……そんな感じでしたね」
「当時の君は年齢の割に調剤の腕はなかなかの物だったが……それだけ。後は酷いものだった。
行軍には付いてこれない、戦闘時の回復行動はとろくさい、おまけに女の子にすぐちょっかいを出す」
最後の言葉と共にギロリと睨まれた。
「えい」
妬いてくれてるとわかって嬉しくなって、そのままちゅーした。
「……う、く……も、おっ! ごまかそうとするなぁっ! とにかくっ!
そんな半人前の助兵衛野郎がウチに来たっ! 私の胸ばっかりジロジロ見るようななっ!」
「ええ、引き合わされた時の第一印象から『良いおっぱいちゃんだなー』と思ってました」
「君がそんなだからな、つれてきたガンナには悪いが適当に理由をつけて追い出そうと思ってたよ」
「ひっでぇ……じゃあ、なんで俺みたいな使えないのを結局手元に置いたんで?」
「結果的に使えたからさ。ものすごく」
「俺ってなんか役に立つようなことしてましたっけ?」
「入団試験の一環と言う形で大量の古文書を訳書させたことがあっただろう。
実はあれはただの嫌がらせだった。追い出すための口実を作るための、ね」
「たびたび酷ェ……ああ、だけど……」
「うん、絶対に不可能だと思った量を渡したのに、君は一週間で仕上げてきた。内心舌を巻いたよ。
中には私自身が手を焼く程の難解な物もあって……そしてその中のいくつかは聖杯の解析になくては
ならないものだった。おかげで停滞しかけていた聖杯の研究が一気に進んで、結果は君も知っての通り、
大公閣下の傷は快癒して床から起き上がられたというわけさ。誇っていい、君もこの国を救った一人だ」
「めんどくさそーなんでそーゆーのは良いっす……つーか、大公さんって病気じゃなくて怪我でしたっけ?」
「えい」
キスされてごまかされた。
まあいい、この唇が味わえるんだったら、いくらだってごまかされてやる。
「ふふっ、まだまだ不意打ちだと照れるんだな。可愛い奴だ」
「うー」
「思うに……そこらで君への認識が改まったんだろうな。実際、長所に目を向ければ君は有能だったよ。
古語の訳書は言わずもがな、浅いが広範な知識は私の研究助手として非常に有能だった。
それに、基礎がしっかりしてたのか、君は探索を続ける内に着実に力をつけていった」
「そのへんは爺ちゃんのおかげっスね。なんやかんや仕込まれましたから」
「話を聞くだに変わった人物のようだが、そこは私もお祖父様とやらに感謝しておくよ。
それでメディ君の相手をするうちに、君のあからさまな好意と劣情が無視できなくなってきてね。
外見はそれなりに可愛いと言うか普通に好みだし、そろそろ新しい男が欲しかったから、
まずは味見をしようと思って――自室に呼び出したと言うわけさ」
「ああ、精液おもいっきり絞られたあん時の……そういやホムンクルスってどうなったんスか?」
「望みのフラスコ小人を得ることはできなかったがね、ある種の人造生命を作ることには成功したよ。
私の部屋のバスタブに居るが、なんなら見るか?」
「全力でお断りしときます」
バスタブと言う単語が不吉すぎる。きっとズルズルでグチョグチョの何かだ。
「それとね。せっかく君と言う有能な手駒を手にいれたんだから、
身体で釣って飼い慣らしておこうという思惑もあったわけさ」
「先輩アンタホントひどいなっ!!」
しかし実際、おっぱいにたぶらかされて良いようにコキ使われてしまった感があるのは否めない。
「ふふっ、だけど、その時身体で釣られてしまったのは私も同じだったみたいでね……」
「身体って、俺のどこにそんなアピールポイントが……」と、言いかけて気づいた。
「……パイパンちんちん?」
「そうだ、それで。一度ぐらいは食べておきたいなー、と」
「直球っすね……」
「すまないな。劣情が先にたつような女で……」
「それはイイんすけど……えと、じゃあ、その……かなり初期からそのつもりで?」
気づけよ、俺。
「そうなんだが、何故かそのつもりで誘うと、君が特殊な欲求をぶつけてきて、
足とかへそとかメガネとか、そんなのでグダグダに……」
「うわ、すんません……遊ばれてると思ってたもんで」
「それは私の落ち度だな……確かに最初は遊び半分だったし、本気になり始めてからも
駆け引きのつもりで今日まで想いを口に出さなかった……好きだぞ、ごめん」
ちゅ。
行為と謝罪を一度にだしたその唇が、口づけを求めてきたのでそのまま応じる。
「コレで晴れて両思い……っつーことでいいんスかね?」
「……だな。最初に君に興味をいだいたのは、ただの劣情と好奇心だった。
馬鹿で、助兵衛で、変態で、外見と一部の身体的特徴を除けば良い所なしの男だと思ってた」
「……ヒデェ言われようっすね」
まあ事実なんだが。あと一部の身体的特徴って言うな。
「だけど、私もやっぱり助兵衛な女で。でもそれを君ほど外にさらけ出す事ができなくて、
いつの間にか憧れの目で君を見るようになっていたよ、あんなふうに正直に生きられたら、とね。
その素直さには嫉妬に近い感情すらおぼえたよ。それでいつの間にか、君のことを目で追うようになって、
君のことばかり考えるようになって、君に惹かれつつある事を自覚した。それでおもった。
この子だったら、こんなにもいやらしい女である自分を受け入れてくれるんじゃないかって。
だけど……そこで他の男みたいに引かれたらどうしよう、嫌われたらどうしよう、と思ったら、
自分から一線を超えるような決定的なアプローチはできなくって……」
「ま、臆病だったのはお互い様っすよ……」
今にして思うと無理にでも押し倒すべきだったのかもしれん。
「だから昨晩、抱いてくれて本当に嬉しかったんだ。ありがとう」
そこでいとおしさが限界に達して、無理矢理に唇を奪った。
「俺も。先輩がヤらしてくれて、スゲェ嬉しかったです」
「……ぁ、こら、ばか……」
たしなめられて気づく。
劣情に支配された手が勝手に服のスリットに侵入して、むっちりふとももを撫で回していた。
だが強い抵抗はこない。これはオッケーと言うことで構わないんですよね?
「先輩」
「んっ……あぁ、だめ……ばか、ばか……」
言葉とは裏腹に先輩はこっちに身体を預け始め、調子にのった俺の手が更に内側に潜り込もうとして――
「そ・こ・ま・で! ヒトの目の前でいきなりサカり出さないでくれるっ?!」
わすれてた。そういや居たよね、俺ら以外に。
気づけばガンナちゃんは、いつの間にやら席を動いて、ちゃっかりパラ君の隣に腰掛けていた。
そのパラ君はといえば、ただただ苦笑していらっしゃる。
「ガッ、ガンナ、いやこれはそのっ!」
引きつる先輩。どうやらこっちも他人の存在をすっかり失念していたご様子である。
「これは? その? あのままほっといたら、ぜったい私たちの目の前でえっちはじめてたよね?
黙ってみてたら、さっきから二人の世界でイチャイチャイチャイチャ……
こっちまで、ヘンな気分になってきちゃったじゃないっ!」
「つーか、ガンナちゃん。くちびる濡れてるっすよ」
「え、嘘っ?!」
そのままゴシゴシ口元をぬぐったのを見計らってから、
「うん、ウソ」
「……あ! ダマされたっ! 兄ちゃんのいじわるっ!!」
うむ、カマをかけた甲斐があった。やはりアテられてキスぐらいはしてたらしい。
「まあ、その……話し合いと言う空気じゃなくなっちゃいましたね」
パラ君がとりなすように口を挟みながら、むくれたガンナちゃんをあやす。手馴れてんなぁ。
「そだね。もうむりやり引き剥がしたってくっつくわよ。このドスケベカップルは」
「誰がドスケベカップルだ!」
「先輩。俺らです俺ら。そこはいい加減自覚を持ちましょう」
「うるさいっ!!」
まぁまぁ、とガヤつく周囲を諌めながらパラ君が場を鎮めて行く。コレもなれた雰囲気だ。苦労してんなぁ。
「まだ要の部分が終わってませんけど、それでも大体の所は話し終わりましたし、
各人の心の整理がついた頃に、また後日ということで……いや、いっそ、
この分ならもうお話しなくても良いかもしれませんね」
「パラ君のヘタれ……うん、でも、もうそれでもいいかも。後は時間だけがおくすりだよね。」
「二人とも、気を使わせてすまないな……」
話と言うのが何か知らんが、確かにそのへんが今日の落しどころだろう。
しかしなんだかしんみりしちまった。明るい気分でお開きにしたいし、ちょっとギャグっとくか。
とびっきりに下品なのを一発かまして、先輩にぶん殴られて、皆でゲラゲラ笑ってそれでおしまい。
そういうのを一発カマしておこう。
「そうだ。時間薬に頼らなくても、みんな今すぐ仲直り出来るナイスなアイデアを思いついたんスけど」
「……聞こうか」「……ふぅん?」「どんなのです?」
3人ともが喰いついた。ツカミは上々。反応を見ながら少し溜めて、一気に解放する。
「みんなで4Pすりゃぁ良いんスよ!」
しん、と静まり返る。
――スベった!! やっべぇ!!
「あ、あのですね、恋人同士がケンカしたときは、エッチして仲直りすりゃいいって言うじゃないスか!
だからみんなで裸の付き合いをすればですね、そのぉ……」
慌ててフォローを入れるが、こーゆーときはフォローするほどにドツボにはまっていくと言うのがお約束。
みるみるうちに場の空気は冷え込んでいった。ああ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……。
「座れ」
先輩の声が固い。ヤバイ、マジ説教だコレ。
このままだと二時間はこってり絞られること確定なので、先輩の身体を撫で回してた手を
そーっと外して離脱のタイミングを計ろうとすると――
「ガンナ、いつもみたいにメディ君に抱きつけ――ただし、彼が逃げないように思いっきりなっ!」
「えと……うんっ!」
機先を制した先輩の指示に、ガンナちゃんが弾丸のように飛び出して、俺はソファへと押し込められた。
「あだだだだっ!! 優しくっ!! ガンナちゃんもっと優しくっ!!」
そして万力のような力でギリギリと全身を締め付けられる。
そういやこの子、華奢な外見に似合わずウチで2番目に腕相撲が強かったんだったっ!
「逃がさないぞ、メディ君」
先輩も俺の隣に腰掛けて、そのままぎゅうと抱きついてきた。何この微妙に嬉しくない両手に花はっ?!
「あ、あのっ! すんませんっ! 今のギャグそんな怒られるとは思わなくって!」
「怒ってはいない……いや、逃げようとしたから怒ってるが、問題はそこじゃない」
「参りましたね……」
「うん、ホント、どうしよう……」
「偶然とはいえこの話が出てしまった以上、最後まで説明するしかない気もしますけど……」
「話す以上は決めなければならない。多少強引にでも押しこむぞ、いいな、ふたりとも?」
「ううん、アルケミ。やっぱりアレは無しでもいいよ……だって、独占してたいでしょう?」
「土壇場でそういう遠慮をしかねないからガンナを今日は連れてきたくなかったんだがな……。
だけど、身を持ち崩しかけてた私を助けてくれたのは、間違いなく君だ。
だからあの時の約束を違えるような不義理はしたくない」
三者三様に頭を悩ませている――なんなの? 俺ってば今度は何をやらかしたのっ?!
「……あの、話が見えないんスけど」
「話だったら今からしてやるさ。メディ君、今のは冗談のつもりでいったんだろうがな、
我々としては冗談で済ますわけには行かないんだ。失言の報いとおもって聞くだけは聞いてもらうぞ」
「冗談じゃ済まないって……4Pが?」
「君の選択次第ではそういうこともありうる」
「はぁっ?! どういうっ?!」
「さっき私が言いかけた話の続きさ。早い話が最初の『話し合い』時の顛末だ。
その時ガンナが君とほとんど同じことを言ったんだ。話して構わないな、ガンナ?」
「自分で言うよ……『三人でずっと一緒に仲良くしたい。それならわたしとアルケミ、二人ともが
パラ君のモノになっちゃえばいい。だから、みんなで一緒にえっちしよう』ってね。
……バカでしょ。笑ってくれていいよ」
「ちょ…ま……3Pっスか?」
笑えるわけがない。こっちは半ば以上冗談で言ったとはいえ、思考の経路は非常に近い。
気分的には受け入れがたいがガンナちゃんもやはり爺ちゃんの娘だ。いいそうなセリフではある。
「細かい経緯は省きますけど、数日後にアルケミさんがその提案を受け入れて、
僕も思いつめていたんで一度はうんと言いました。だけど、実際に3人まとめて一緒に
夜を過ごす段になると、土壇場でおじけづいてしまって……」
「そのころになると私も頭が冷えてきてた事もあって、身を引く覚悟を決めかけていたんだ。
何せどう考えても悪いのは私だ……ところがガンナはそれじゃ気がすまないと言い出した」
「わたし、アルケミの一番大事な人を盗っちゃったから……代わりに、
わたしも……アルケミには私の一番大事な人をあげようとおもって……」
繋がった。つまり。ようするに。そういうことだったのか。
「それで、俺、かぁ……」
「そこで終わればそれなりに美談だったんだがね。残念ながらそうじゃない」
「マジすか……」
勘弁してくれと言いたい気持ちもあったが、逃げたら逃げたで絶対後悔するだろう。ココまで来たら毒皿だ。
「最初は憐れみをかけらてたと思って断ろうとした。男だったら適当に漁るから、譲ってもらうまでも無いと。
そう言ったらすごい剣幕で怒られたよ。アンタ組織のリーダーなんだからフラフラするのはもう止めて
一人の男に心を固めなさいよ、とね。このままじゃ、固まりかけた皆がまたバラバラになっちゃう、
そんな事になるぐらいだったら、やっぱりパラ君あげるからくっついちゃいなさいよ、とまで言われたよ。
ガンナには感謝してる……実際、あの状況が長く続いたら人間関係のもつれでギルドは
空中分解してただろうな」
なるほど。そんときゃそれで落とし前をつけたわけか。
「だがね私も……想いを残した昔の男を親友にとられる辛さは知っていた。それが自分の望んだことでもね。
だからその提案を呑む前に、一つ条件を出したんだ。その『兄ちゃん』とやらを私に奪われるのに
耐えられなくなったら、その時はいっそのこと――互いのパートナーを共有しないか、とね」
「きょ、共有って……!」
「言葉通りの意味だが。私とガンナは、メディ君とパラ君、二人の男に同時に所有されたいんだ。
もちろん君たちが望むなら、二人ともを抱いてくれていい」
ゴーレムに殴られたってココまでのショックは受けまいよ。
「パッ、パラ君はっ?! パラ君はそんなんでいいんスかっ?!」
するとパラ君は、物憂げな表情を作って俺たちを順繰りに手差しした。
「重いでしょう、それ」
「……重い?」
「好意をもった女性二人を支えることが、です」
確かに重い。肉体的にも精神的にも。
体感してみてはじめてわかった。両手に花ってこんなにしんどいことだったのか。
爺ちゃん。やっぱアンタは超人だよ。嫁四人とか羨ましいけど真似できねーよ。
「僕も狡い男なんです。二人ともに未練があって、二人ともを幸せにしてあげたい。
だけど結局プレッシャーで潰されそうになって、二人ともを不幸にしかけてしまった。
でも男一人で女二人を支えられないなら、そこに男一人を加えてバランスを取ればいいんじゃないかって。
だから、どんな形であっても、その重みの半分をひきうけてくださるのなら
……僕はあなたに感謝したいとおもってます」
「どんな形でも半分……ってこたァ、俺が先輩とくっついて、
そっちはそっちで今まで通りやってくっつー『普通の』方法でも構わねーってことっすよね?」
「ええ、僕としてはもちろんそれでも……」
よかった、パラ君に関しては交渉の余地ありらしい。
「わたしもそれでいいんだよ? 他の女だったら嫌だけど、兄ちゃんと付き合うのが
アルケミだったらわたしは別に全然辛くなんか……」
「ばか。嘘ならもっとうまく付け……そんな事を泣きながら言う奴があるか」
ガンナちゃんの顔を見てギョッとなる。大きく開かれたブルーの瞳には涙が浮かび始めていた。
「ウソなんか……ウソなんかついてないもん……」
「ガンナ。想いを伝えるのなら、本当に最後のチャンスだぞ。今から君が何を言おうと
私はそれを許すし、パラ君やメディ君もそれを受け入れてやって欲しい」
「受け入れろって何をっ!?」
わかっていた。本当はもうわかっていた。そしてその通りのことが目の前で起きようとしていた。
「あ、あ、あ……あぁ、ヤだよ…やっぱり嫌ァっ!
兄ちゃんがアルケミだけのモノになっちゃうのなんてやだぁっ!」
ガンナちゃんが泣きながら、本音を吐き出し始めたのだ。
「だって、だって、兄ちゃんのことずっと好きだったんだよっ! 生まれた時から好きだったっ!!
好きだからキスされて嬉しかったし、身体を触られるのは恥ずかしかったけど気持ちよかった。
それに好きだから……初めてだって兄ちゃんにあげたかったっ! ぜんぶ、全部好きだったからだよっ!
それで今でも、好きなの……好きだよっ、だいすきだよぉ……」
こんなにも激しい好意をぶつけられて、そして抱きつかれて、流石に俺にも情がわく……いや、思い出す。
「ガンナちゃん、俺も……」
いやまて俺。いま何を言いかけた?
「ガンナ。後一押しだ、口づけろ」
「先輩アンタ何言って――」
懐かしい味だった。
ガンナちゃんの唇が、俺の口元を塞いでいた。
大人になりかけのその唇は、まだ乳臭く、そしてほんのりと甘く。
流石に罪悪感をこらえきれず先輩の顔を覗き込むと――軽く微笑みさえしてうなずきやがった。
怒ってくれよ。キレてくれよ。なんでいつもと反応が違うんだよ。
パラ君だってなんか言えよ。仮にも自分の恋人が他の男に媚び売ってんだぞ。悔しくねえのかよ。
ガンナちゃんもホントにわかってんのか?
俺ら血ィ繋がってんだぞ……こんなの、ここまでやっちまったら、もう戻れねぇんだぞ。
くそったれ。やっとわかった、いまさらようやく、ホントの意味で理解した。こいつら、最終的にこの形に
落としこむために、歪んだカルテットの最後の1ピースとして俺を必要としたわけか――ふざけやがって!!
「……んっ、にいちゃぁん」
だが、一心に好意を示してくる叔母っ子が、胸に渦巻く激情を怒りとは別のものへと醸成していった。
深くはない、ついばむような口づけだったが――堕ちるにはそれで十分だった。
「キスとか……三年ぶりだね」
「……ッスね」
「好きだよ。兄ちゃん」
「ああ、くそ、わかったよ、言やぁ良いんだろ……俺だって、好きだよ」
そして本日の馬鹿オブ馬鹿がこの俺だ。言ってしまった。言わされてしまった。
ほんの数分前、別の女に激しく愛を語ったのとおんなじ口で、ガンナちゃんに好きだと言っちまった。
ああ、悪かったな! こちとら女と名のつく生き物はぜんぶ大好きの節操なしだよ!
「すきぃ……」
「ああ、俺も……俺も好きだ」
とまどう心とは裏腹に、口は勝手に動いて再び愛をささやく。
言葉を飾る必要はない。子供の頃からずっと通じ合ってきた相手なのだから。
ついには自覚する。せざるを得ない。俺だってガンナちゃんの事が好きだった。
同じ家に生まれて、育って。最初に意識しあった異性だった。
綺麗な容姿は目を惹いた。明るい性格に心をつかまれた。
そんな子が俺を無邪気に慕ってくれて嫌いになれるはずも無く……そして、
「結婚の約束……したよね?」
「あったな……そんなのも。約束したよ。結婚したかった」
ガキのままごとの延長だったが出来ると思ってた。ずっとずっと一緒に暮らせると思ってた。
だけど俺らの血縁じゃ無理だと知って、互いに一週間はヘコんだね。
「お嫁さんになれなくってもいい。だけど今日だけでいいから兄ちゃんのモノになりたい……いいでしょ?」
ここで嫌だと言ったら、泣くだろう、悲しむだろう。だけど悲しませたくない。
「ああ、いいよ」
そう考えると自然に首は縦にふられていた。
「決まりだな」
先輩の声で我に返る。
「これでめでたく私たちは四人が四人とも、今の恋人がありながら、
昔の恋人への想いが捨てきれないろくでなしだ」
今日ほどこの女を悪党だと思ったことはない。
『ヒトとしてそれはどうなの?』というラインで戸惑ってる人間の背中をあっさり押しやがった。
一言なんか言ってやろうと思ったが、困ったことにアレほど煮えくり返ってたハラワタが
ほとんど収まっちまって、うまい言葉が出てこない。
そればかりか、この変わった人間関係に組み込まれた事に、ある種の期待感さえ抱くようになっていた。
赤信号みんなでわたれば怖くない。堕ちてしまえば結局俺も『こちら側』だ。
「そしてメディ君。共犯者の世界へようこそ。この件に関してこれ以上君が誰かを責めることは許さないが
同時に誰かが君を責めることもない。そこは間違いなく保証する」
「……ったくもー、アンタって人は、ホント人の気持ちとかお構いなしっスよね!」
「急な話になってしまったことは謝るよ。だがな、本音を言えば私だってまだしばらくは
君を独り占めしてらぶらぶしていたかったんだぞ……君さえ、あんな事を口に出さなければ、な」
「ら、らぶらぶとかキャラに合わねー事言ったからって、ごまかされないんすからねッ!」
コイツをどう埋め合わせしてくれるんスかっ?!」
ちょっとグッと来てしまったのは内緒だ。
「何なら今度こそ一発ひっぱたいてみるか? いつもの意趣返しも兼ねて」
「女なぐる趣味はないんで、代わりに後で一発ヤらせてください。
瞳からハイライトが消えるまで犯しますけど」
「ゾクゾクするよ……イイ目ができるようになったじゃないか。
だがその劣情は私ではなく、まずはガンナに向けてやってくれ」
互いにハッとなって、叔母っ子と顔を見合わすと、
「ね……ホントに、する?」
悩ましげな声を作ってしなだれかかってくる。
「いや、あの、だけど、なぁ……」
ああ、ちくしょう。なんで女の子ってこんなかわいいんだよ、反則だろコレ。
「相変わらず優柔不断な……まあいい、とっとと既成事実を作ってしまうぞ。ガンナ。メディ君ひん剥け」
「今ッ?! ココでッ?!」
「今だしここでだよ。これ以上のタイミングはない。考える時間を与えるとやっぱり止めたと
なりかねないからな。もちろん本当に嫌だというなら強要はしないが、君だってグループセックスに
興味ぐらいはあるだろう? 人生における数少ないチャンスだぞ、これは」
「うぅ…ぐ……」
そりゃもう、大変に興味ありまくりですともよ。
「じゃあじゃあ。みんなでえっち、するんだよね? ホントに脱がせちゃうよ?」
「も……勝手にして」
いろいろとお手上げだ。
抵抗を諦めると娘ふたりがじゃれつくようにして俺の衣類を剥ぎ取りはじめた。
まな板の上の鯉になった気分でボンヤリしてると、不意にパラ君と目が合った。
「コレでいいわけっスか?」
「だいたい望んだ形ですね。流石に目の前で始まるとは想いませんでしたが」
「この二人って、ずっとこんな感じだったワケ?」
「コレでもずいぶんマシになったんですよ。一昔前なら術式と銃弾が飛び交ってます」
「そりゃ、苦労したんだろうなぁ……」
「しましたよ……だけど結局、どちらか一人を選べないぐらいにふたりとも魅力的で……」
「この、正直者」
「それだけが取り柄です」
互いに苦笑し合いながら、とりあえず彼とは仲良くやれそうだと確信を深めたのであった。
♂♀
↑【ここまでのあらすじ】 色々あって皆で4Pすることになった。
…と、言うところで投下終了です。また後日に。
GJGJ!!
声出してワロタwwwww
ツッコミどころが多過ぎて追い付けねぇwww
今月発売のTRPG版世界樹の迷宮、このスレ向けのネタがあれば嬉しいが、はてさて。
GJ!
途中ちょっと鬱ったが最終的には笑うしかなくなってたww
GJ、要約がまたGJすぎw
なん・・・だと。。。。
真のヒロインは、ガンナちゃんだったなんてEEEEEE\(^o^)/
畜生夜中に読むもんじゃねぇ!?
笑い堪えすぎて涙出てきたわ
4P期待して待ってます!!
GJすぎる
これは読むの面倒な人でも読まなきゃ駄目だw
要約しすぎw
乙ですGJ
何度でも言うがホントGJ過ぎるにも程が有る。
しかし改めて思うが、先輩と俺。また別の日。(9)←まだ9だったのか……(ナンバリング前に2つ?あるけど)
もう20くらい読んでる気がするぜ!それだけ濃ゆいということか。
ところで俺……このシリーズが完結したら……全部読み返した上で読書感想文書こうと思うんだ……(オイ
最初は人間関係に鬱ッたり恐ろしいと思ったけど
本当お前等とんでもないな!いいぞもっとヤれ!
あとあらすじが端折りすぎワラタwww
もう450KB越えとか早すぎだろう。まだ1週間だぞ。
ここは480超えで次スレだっけ?
見間違えた。1年前じゃねえか。一生糸を買い忘れる呪いにかかればいい。
>一生糸を買い忘れる呪いにかかればいい。
その願い、聞き届けた。
あーあどうすんだもうVが出ようというのに。
糸なし制限プレイはキツいぞ・・・w
なあに返って免疫力がつく。
少し遅れたがGJ
しかしアレだな
4Pということは、先輩とパラ君のからみもあるわけで
嫉妬屋のメディ君には、ダメージがでかいんだろうなぁ
びっくりした!
メディ君とパラ君のからみもあるわけでに見えて、ものすげーびっくりしたわ!
ぐぐぐGJ!!!すごい展開になってキタよ…!
510kbが近いってことは、次スレを待った方がいいのかな?
やべ俺も
>>603とまったく同じびっくりをしたわwww
そして本当に有りそうで困る。
乱交 ダメ 絶対
先輩とガンナちゃんの絡みはないですかそうですか
3人との性的スキルレベルの差に涙目になる
メディ君が頭に浮かんでソワソワが止まりません
>>607 そういえば先輩は男も女もイケちゃう人でしたね
カオスな展開になる予感がひしひしと……!!
>>607 まあ先の内容から察するに過去に傷の舐め合いはあったんだろうなあとは思うので
脳内で補完するかそれとも描写を待つか
>>608 そこは豊富な知識でカバー!…できるといいな
まぁ、全員が満足できる形で終わればいいな〜、ということで一つ
てか、そろそろ次スレたてたほうがよくないか?
あと1つまでなら大丈夫だろう
投下したいのだけど、残りのスレ容量じゃちと足りないんだが、
次スレ立てても構わないかな?
スレチな気もするから埋めがてら吐き出し
絵板のゾディ男×赤モン子がたまらなく好きだ〜
このスレ大作ばっかりでこわい
次スレ乙です。
保守。
しかしこっちは保守しておいた方がいいのか、埋めちゃった方がいいのか
もうほったらかして落ちたら落ちたでいいものなのか。
いやまあショート埋めネタでも俺が書ければ良いんでしょうけどね……。
遠方からの電波を受けて、急ごしらえで書き上げてしまったSSを投下します。
随所に荒い部分があるかもしれませんが多目に見てやってくださいまし。
世界樹1、おっさんパラディン×いいんちょアルケのおっぱいSS。本番なし!(えー
埋めを兼ねてるため短いですが、どうぞ。
「じゃあ、改めて。リーダー、おつかれさまでした」
「うん」
グラスとグラスが小気味よい音を立て、私は隣に座る中年のパラディンに笑顔を振りまいた。
午前2時を過ぎた金鹿の酒場。もう客の姿もなく、グラスを拭いてマスターが片づけを
始めているところを、無理を言って入店させてもらった。
この時間、二人でゆっくりと飲むのに、この店はぴったりだった。
「委員長にも、世話になったな……」
「いえ、私なんか」
私がこのギルドに入ったとき、「なんだか中等学校の委員長みたいだ」と言われ、そこから
愛称としてつけられたのが「いいんちょ」というニックネーム。
なのだが、この人はその辺りのニュアンスというか機微を理解せず、言葉そのまま私のことを
「委員長」と呼ぶ。それがなんだかくすぐったかった。
でもそれも、今日でおしまい。
「本当に、実感が沸かないです。明日からギルドにも、迷宮でも、リーダーの姿が見れない
なんて」
今日は(正確には昨日だが)、私たちのギルドを引退するリーダーの送別会だった。
たくさんのメンバーに祝われながら、リーダーは自らが立ち上げたギルドを去る。
笑いが絶えず、泣く人間もいた。いいパーティだった。
そして今は、リーダーに誘われて、ギルドでの思い出などを語りつつ、こうして二人で飲んでいる。
「私の代わりに、明日からはメディックの子が入ることになっている。若いが、元気で優秀だ。
ギルドにもすぐ馴染んでくれるよ」
「それはありがたいです。うちのギルドは少々血の気が多すぎますから、サポートタイプの
メンバーが増えてくれないと。……リーダーがいなくなって、本当にどうなることやら」
大丈夫だよ、とのん気に笑いながら、リーダーは2杯目をオーダーした。
しかし、正直不安なのだ。リーダーが殿(しんがり)を務めて、何事にも動じないチームの
柱をやり遂げてくれたからこそ、私たちのギルドの栄光はあったのだ。
ネガティブなイメージをグラスの中の液体で流し込み、私も2杯目を注文した。
そこからは、1次会で話せなかった、今までのことについてリーダーと語った。
自然と、話題は私たち2人が関わった迷宮での出来事ばかりになる。
楽しかったこと、悔しかったこと、驚いたこと……、何もかもが懐かしくて、胸を打つ。
「おっと」
2杯目のグラスが、軽い氷の音を奏で、リーダーは3杯目を頼んだ。
「リーダー、早くないですか?」
「そんなことはないよ。……そうだ、僕から君に、折り入って頼みがあるんだ」
私にはきつすぎて飲めない度数のウィスキーを置いて、マスターは後ろに一歩引き下がった。
「……なんでしょう?」
リーダーのその神妙な面持ちに、私はグラスを置き、椅子を回してリーダーに正対した。
一拍おいて、リーダーはゆっくりとその口を開いた。
「君のおっぱいを……、触らせてくれないか?」
「マスター」
私は静かに、女主人にお冷を頼んだ。
グラスをひっ掴み、リーダーの頭頂からゆっくりじょぼじょぼと水をぶっかけた。
「むぅ」
最近薄くなってきたと嘆く頭は水をほとんど捉えることなく、リーダーの朴念面に
いくつもの水路ができあがる。
空になったグラスをマスターに返し、一呼吸。
「……本当に、実感が沸かないです。明日からギルドにも、迷宮でも、リーダーの姿が
見れないなんて」
「……デジャ・ビュだな」
違うわ。なかったことにしてやろうちゅーとんじゃ。
「委員長、落ち着いて聞いてくれ」
「リーダーこそ鼻息荒いですよ今度は鼻から注ぎ込んだらいくばくかその脳も冷めますかね?」
なおも食い下がろうとするリーダーを無視し、私は容赦なく2杯目の水をオーダーする。
「一生のお願いとは言わない、そうだ、このギルドでの最後のお願いだ。頼む。」
「すみません、もう午前0時過ぎちゃったんで」
「……なんとこの世は手厳しい」
がくっとリーダーは首を落とす。
……リーダーの"これ"は、何も今に始まったことではない。
前から何度か、酒に酔うたびにこのように言い寄られている。そしてそのたびに断って
いるのだ。
まったく……、困ったものだ。この悪癖には。
「ていうか、人前で堂々とよくそんなことが言えますね。マスターもいるのに」
「ママさんは口が堅いからな。特にこういうプライベートなことには口を挟まず、温かい
目で見守ってくれる」
「あの視線、色んな意味でアイスピックですよ」
痛い。ああちくちく痛い。
「……ダメか?」
「嫌です」
「……しかし、こないだは」
「ぶっ!?」
そう、……あまり思い出したくはないのだが、リーダーとは一度だけ「そういう」流れに
なったことがある。そう昔のことでもない。
お互い酒に酔いつぶれ、飲み直しと称してリーダーの部屋へと雪崩れ込み、あとはその場の
空気でうにゃうにゃ、というまるで学生みたいないきさつだったが。
「あれは……痛かったな」
「うう、すみません」
いや、私もリーダーならいいかな、と思ったのだ。本当に。
でも、ベッドに入って、お互いの衣服を脱ぎ始めるとなんだか急に怖くなってきて、その、
……核熱の術式を思い切りリーダーに叩き込んでしまった。
はじけ飛ぶリーダーとリーダーの部屋のベッドと窓。あの光景は未だに忘れられない。
ちなみにここ、エトリア。……私は恐怖のあまり、超えてはいけない次元とゆーものを
超えてしまったらしい。
酒場でこんな時間に、わざわざ私がアルコールではなくグリーンティーをちびちび飲んで
いるのはそういう理由があったりする。
そんなに迫り寄るリーダーが怖かったのか、
……いや、怖かったというよりも、その。
「……なんで酒に酔わないと言えないのよ、このヘタレリーダー」
「え?」
「……なんでもないですっ!」
私はぷいっとそっぽを向いた。まったく、本当扱いに困る、この朴念仁は。
「あ、思い出した。委員長にプレゼントがあるんだ」
「……このタイミングで出します、普通?」
そういう狙いがないとしても、疑われても仕方があるまいに。
そんなことはお構いなしに、リーダーは手の平の大きさほどの小さなケースを渡す。
指輪……、ではないかさすがに。細長いし。
「! これは……」
「正直、似合うかどうかはわからんが……。赤が好きだと、言っていたから」
ケースを開けた中に入っていたのは、赤いビビッドカラーのメガネフレームだった。
ベッコウのようなうねりの入った色使いの合成樹脂のそれは、やたらとか弱く、繊細な
作りで。
「……ぷっ」
「な、何か変だったかな?」
変も何も、私がいつも買うのは強固で無骨なチタンフレームのやつだ。迷宮につけて
いくには、丈夫なものでないとすぐ壊れてしまうから。いくつも買う余裕もないし。
つまりこれは、オフで使うためのものだ。これなら誰かさんも、私がこれをつけている
ところを見る機会があるだろう。
……そういう意図とか、まったく考えてないんだろうけどさあ。
「マスター、いつものお願いします」
マスターは恭しく頷くと、ジンライムを私の前に置いた。
訝しがるリーダーの前で、私はそれをくっとあおる。
「ふぅ。……いいですよ」
「メガネのフレームが?」
「違うわ! だからその、む、胸……」
言わすな。ああもう、絶対顔赤くなってるこれ。
「さ、触らせてあげてもいいって、言ってるんです」
「……」
大雷嵐の術式でも叩き込まれたかのように目をむき出して表情を固めるリーダー。
いや……、そんなに?
「………………本当なのか」
「ちょ、その溜め本気が伺えすぎて怖いです。えっと、まあ、その、やっぱり最後ですし、
どうしてもって言うんなら、一回くらいは」
ああ痛い。カウンターの向こうのアイスピック痛い。
そして、リーダーはまた溜めモードに入った。なんだかよくわからないが、思考が高速
回転していることは伝わってくる。なんかしゅんしゅんゆってるし。
「あのー……、リーダー?」
耐えかねた私のその声をスイッチに、リーダーがガタッと席を立った。
「ちょ、あの」
「行こう」
「へ?」
「さあ行こうすぐ行こうたちまち行こう」
「ちょ、待ってリーダーお代お代!」
私の腕をつかんで、リーダーは勇ましいほどの足取りで店を出ようとする。慌てて片方の
手で財布を取り出す私。
「そんなことより……、おっぱいだ」
「ちょっと待ってっばリーダー! ああ、さ、刺さる、アイスピックが刺さる!」
からがら取り出したお札を適当にカウンターに投げ出して、私たちは店を後にした。
乾いた笑みを浮かべるマスターが、はらはらと手を振っていた。
……もうこのおみせこれない。
「……さあ」
「さあ、じゃないですよ! ここ外ですよ!?」
酒場を出てすぐの路地裏。こんな時間だから人通りなど皆無だったが、常識外れにも
程がある。
「なにも、宿に戻ってからでいいじゃないですか!?」
「ここから宿までの距離は約400メートル……。今の私の昂ぶりに対して、なんと
絶望的な距離であることか……」
「どんだけ私の胸触りたいんですか!? って、わっ」
と、頭を抱えている間に、彼はその野太い手で私の肩を抱いて迫ってきた。家屋の
ざらりとした木製の壁を背にする。
彫りの深い、無骨ながらも鼻筋の通った精悍な顔立ち。厚い肩。
リーダー、なんだかんだでいい男なんだよなあ。……くそう、不覚にもキュンときて
しまった。
「本当に触っていいのか、……おっぱい」
「その単語せっかく保ってるテンション萎えるんでやめてくれません?」
そうか、とリーダーは頭をかく。ムードもなにも期待できたものではないな。
「……いいですけど、服の上からはちょっと。下着とか擦れると痛いんで」
「……なにっ、それでは」
はぁ、と溜め息をつきながら、私は心の中でえいやっと覚悟を決めた。
パチン、パチンと、上着の止め具を外していく。ゆるくなった背中に手を回し、ブラの
ホックを以下同文。
あああ、ダメだ。顔が熱い。この暗さなら、表情もあまり気取られずにすむだろうか
チクショウ。
「……どうぞ」
後はインナーをめくり上げるだけ、というところで、私はリーダーに体を委ねた。
ていうか、ナニコレ? どういう状況? だれか教えろ。
「お、おお……」
この男はこの男で、ここまでお膳立てしてるのに変な唸り声上げるばっかりだし。
「ああ、もう……、……はい」
私は結局、自分でシャツの裾を捲り上げた。
遠くに光る街灯と、月の青白い光が、ほのかに私の胸を照らす。ああもう恥ずかしい、
死んでしまいたい。
「これが、委員長の……」
「その独白こっ恥ずかしいんでやめてください」
「禁止事項が多いな……」
言いつつ、リーダーは露わになった胸を顔を近づけてガン見する。うううう。
ちなみに、自分で言うのもなんだが、私の胸は大きい。正直コンプレックスだ。重いし、
戦闘の邪魔になるし、好奇の目で見られることもしばしばだ(含む目の前の男)。
こうして触りたくなる気持ちもわからないではないが、個人的にはこんな胸など捨て去って――
「それを捨てるなんてとんでもない!」
「うわあっ、やっと『!』が入ったと思ったらそんなセリフですか!?」
しかも思考読まれてるし。
「よ、よし、では触るぞっ」
「だから、ごちゃごちゃ言わずにさっさとやってくださいってば……」
泣きそう。
「ちなみに私のフォースゲージはMAXだ……。途中で止めようとしても、核熱なんだろうが
何だろうが、今度は防ぎきってみせるからな」
「なにリーダーまで次元の壁突破しちゃってるんですか!?」
キリッて擬音が聞こえてきそうな顔で、何を自信満々に……。
情けなさに本気で涙が出そうになる私の前で、恐る恐る、リーダーは私の胸に手を伸ばした。
「あ……」
ぴと、その指が乳房に触れた瞬間、思わず体がびくっと震えた。
長年の戦いですっかり硬くなった指先が、柔らかな膨らみへと沈み込んでゆく。人差し
指から小指へと、ゆっくりと全体を包み込み、緩慢な圧縮を加える。
「んっ、んん……。どうですか……?」
「……やーらかい、な」
「そ、そうですか」
いい年こいたおっさんがやーらかいとか言ってんじゃねーよというツッコミはぐぐっと
飲み込んで、私はなおもされるがままにする。
ある日、ソド子に「これぐらいの大きさかしら」とグレープフルーツを並べられて
からかわれたこともあった(鼻で笑ってやったら泣いて部屋を出て行った)。
その胸を、リーダーはいとおしげに、何回も揉みしだく。やたら楽しそうに。嬉しいやら
何なのやら。
しかし、むにゅむにゅと形を変える双房に、なんだか私も変な気分になってくる。
「委員長……」
「ふぁ……っ、リー、ダ、ん……!」
リーダーの指が、私の胸の先端を捉える。少し硬くなったそれを、リーダーは親指で
ぴんぴんと、まるで手慰みのおもちゃのように弄ぶ。
ちょっとそれは、まずい。
「だめ、リーダー、ごめんなさい、それは、んあ……!」
「そうか……? なら……」
リーダーは私の言うことを聞き分け、今度は私の胸を押し上げるようにして揉む。
少し重量のある乳房が少し軽くなり、乳首がこちらを向くのがわかる。
「あ、ん、あう! どう……っ、ですか……?」
「うん……うん……」
もうすっかりリーダーは、私の胸に夢中だった。うーん、こんなに安らいだ表情の
リーダーの顔は見たことないな。えらいぞ私のおっぱい。
「っ、ふああっ!?」
と、油断をしていたところに、リーダーは私の胸に吸い付いてきた。
ぬるりとした舌が、乳頭のまわりを這い回る。首筋が総毛だった。
「だ、ダメです、ルール違反です、んっ!」
「ルールは試合前に確認しないとダメだ」
「もっともぽいことを何て情けない格好で!? あうっ、だ、ダメですって、んんっ……!」
私の乳房を唇で押しつぶしながら、その余った柔肉を右手で弄ぶリーダー。ちくちくと
した髭が当たって、痛いやらかゆいやら、……気持ちいいやら。
一心不乱に私の胸をむさぼるその後頭部。私の胴を抱きすくめるその肩。
……もうあんまり、会えなくなるんだなあ。
「委員長……、むぐっ?」
いつの間にか、私はリーダーの頭をぎゅっと抱き寄せていた。
いや、なんだかもう、
「どうした、委員長……?」
「いえ、リーダーは……、ずっとリーダーでいてほしいな、って」
「……?」
「今日、引退祝いの席リーダーが言ったこと、あれびっくりしましたよ」
「ああ……」
私が明日から、このギルドのリーダー。
メンバーの誰も聞いていなかった。私本人も、今日初めてリーダーから言い渡された
ことだ。完全に寝耳に水だった。
まあ、ここらでは誰も使えない掟破りなチート術式を使えるようになったおかげで、
ギルドの中での立場も上がっていたから、自然な流れではあったのだが。
改めてリーダーにはいろいろ感謝するべき……なのかどうかはともかくとして。
「私がリーダーになるって言っても、実感無くって、それはやっぱり……」
「……むぅ」
私の言葉に毒気を抜かれてしまったのか、リーダーはその手を止め、私の胸に埋まった
まま黙ってしまった。
辺りは静かだ。人の気配も何もしない。
「……重荷か?」
「いえ、全然? 頑張りますよ、私。ただ、私の中では、リーダーだけが、リーダーだって
そう言いたかっただけです」
「そうか」
リーダーは、私の背中に回した腕にぎゅっと力を混めて、
「ありがとう」
そう言うと、安心したように彼は体重を私に預けてさらに私の胸に埋まってきた。
「ふふ、もう……」
私も、この愛しい中年パラディンの存在を胸の中に感じながら、こんな街中の路地裏で、
しばらくそのままでいた。
しばらくして、彼はゆっくりと体を離した。
あー、恥ずかしかった。いや、でもまだしかし。
「あの……、いいんですか、その、これだけで……」
もじもじしながら私は尋ねた。いや、正直辛いぞ私は。このままほっとかれると。色々。
しかし、彼は悠然と佇まいを直すと、
「いや、私はもう十分に満足した。いや、してしまった……」
「? 何を言って……、………………まさか」
リーダーはこくんと頷き、さようなら、とニヒルに笑って夜のエトリアをとぼとぼと
歩いていった。
その姿は、股間にひっかかった何かをかばいながら歩いているらしく、ひょこひょこと
実に情けなかった。
「……マジでか」
弱すぎるだろう……。あんな人に私たちは今まで守られてきたのか。
さらけ出した胸をいそいそとしまい直しながら、私はがくりと首を落とした。
……まあ、でも。
「リーダー!」
私は、リーダーのその情けなくも大きな背中に走り寄る。
「なんだいいんちょ、うっ?」
のそりと振り返る、くたびれたもみあげ顔に、私は思い切りキスしてやった。
ほっぺなんかじゃない。マウス・トゥー・マウス、べっとりと私の感触を叩きこんで
やるってな勢いで熱いベーゼをかましてやった。
年代物の乾いた唇に、再び潤いが灯るように、念入りにちゅーしてやった。
「……っ」
「さようなら、じゃないです。まだまだ、教えてくれなきゃいけないことはいっぱい
あるんですから、……たまにはギルドに足を運んでくださいね?」
息を吹きかけるように、私はリーダーにそう言うと、またね、と言って呆けたおっさんの
肩をぽんと押した。
乾いた夜風が吹くエトリアの街中を、足音を響かせながら歩く。
気持ちいい。自然と笑みがこぼれてくる。
ややあって、いぃぃぃやっほううぅぅ!! と本日2回目のイクスクラメーションマークを
ほとばしらせながら走り去るリーダーの声がした。
ほんと、おかしな人だなあと、私は時間も気にせず声に出して笑った。
「んふふっ、はーぁ……」
リーダーにもらったプレゼントの袋を頭の高さに掲げる。
袋からケースを取り出し、華麗な細工の施されたフレームをもう一度見つめる。
「レンズ、注文しないとな」
たぶん、そう遠くないうちにかける機会が来るだろう。
次の休日なんて、どうだろうか。
-END-
以上です。楽しんでいただければ幸い、前々スレが埋まって私幸い。
スレ立てから作品投下までお疲れ様でした〜!
ナイスバカップルwww
グレープフルーツと比べられるサイズとか超埋まりたいわ