女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その2

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1名無しさん@ピンキー
胸の小さな女の子が胸の大きな女の子と体が入れ替わって胸の大きさを堪能したり
年老いた女が若い女と入れ替わって若い体を堪(ry
淫乱な女の幽霊がいろんな女の体に表意して堪(ry
魂の交換だけでなくて単純にスタイルがよく身長の高い女の子と幼児体系の小さな女の子がいて
ある日身長やスタイルが入れ替わったり
ムチムチの女悪魔が女の子に憑依するとその女の子がムチムチに変身する様な話も可

とまあそんな感じの話題やSSを扱うスレ


前スレ:女同士の肉体の入れ替わり・憑依
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221151798/
2名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 22:12:44 ID:DpDok2TQ
まだ何もできてないけど、取り合えずまとめwiki作りました。

http://www40.atwiki.jp/odchange/
3名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 22:37:45 ID:ghmks+Vp
>>2
乙です。このスレは作家さんも読者のほうも
良い人が多くて良い感じですな。
4名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:53:31 ID:EQ30yHld
>>2
乙!
あらためて作品こんなにあったのかと驚いた。
そりゃ1000行く前にスレ寿命なわけだ。
5名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 21:12:02 ID:0j/YpsbU
まとめWIKIを見てると

1スレ目>>47

姉と妹の入れ替わり

ツヅキマダー?

と言わねばならんのを思い出した。

6名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:04:22 ID:0g9RsC5q
某サイトでみつけたやつなんだけどこれもスレ趣旨に合うよね?

短編【日々の積み重ねは絶望との隣り合わせ】



私の名前は如月 彩 (きさらぎ あや)
私は人の目にどう映るのだろうか?
容姿端麗、成績優秀、品位方正、スポーツ万能
まさに非の打ち所が無いとはこのことよね。
主席で高校に入学してテストでは常にトップ5番以内
生徒会に勤めながらもバレー部の部長までこなしている。
身長は174pの長身にしながら3サイズは上から92・59・88のモデル並み。
さらにそのことを鼻にかけることもなく、常に優しく、上品に、美しく立ち振る舞う。

・・・しかし本当の私は
誰より人に尊敬されたり、憧れられたり、特別扱いやちやほやされたり、一番をとるのが好きなだけの
見栄っ張りなだけ!!
テストでトップになるためなら徹夜で猛勉強するし、体育でヒーローになるためなら陰で猛特訓する。
スタイルを維持するために並々ならぬ努力をしているし、胸や身長を発育させるためにこれまでいろんな方法を試してきたわ。
まぁ絶対に人には見せないけどね。
そんなことは知らない人たちから私は尊敬と憧れの対象となっていること間違いなしよね。
7名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:04:46 ID:0g9RsC5q
そんな私のとある今日。
学校が終わり部活も無い日だけど、もうすぐ3年生最後の大会があるので私は体育館で一人バレーの練習に励んでいた。
そして練習しだして10分ぐらいたった時だった。
「あ、部長!来てたんですか!」
いきなり呼ばれたので驚いて振り向くと、そこには後輩の井上貴子さんが立っていた。
一人で練習してるところを見られるなんてちょっと迂闊だったわ。
「あら、どうしたの?今日は部活休みの日でしょ?」
私は心の中を少しも見せる事無く上品に微笑みながら尋ねる。
「あ、ちょっと忘れ物しちゃって・・・大会の資料をもう一度確認したくて」
彼女はバレー部のマネージャーで、運動神経は然程悪くないのだが身長が140センチと少ししかない彼女はレギュラーメンバーに入れるわけもなかった。
しかし頭が切れて成績もよく、細かいところまで気が配れる彼女にはマネージャーをしてもらっている。
だけど私が言うのもなんだけどちょっと地味なのよね、この子。背が低いうえに胸も無いし、・・・なんていうか幼児体型?
いくら賢くてもちょっとねぇ・・・ま、世の中そっちの方が好きな男の子もいるみたいだし、せいぜい小学生と間違えられないように祈ってるわ。
「それにしても、一人で練習なんてさすが部長ですね」
「3年生は最後の大会だからね、嫌でも気が立っちゃうのよ」
私は井上さんと一緒に部室までついていくことにした。ここで良い先輩であることをアピールしなくちゃね。
「でも先輩達がいなくなると寂しいですよ・・・特に部長は私の憧れだから悲しくなります・・・」
あら、嬉しいこと言ってくれるわね。
「そんなこと言わないで、それに次はあなた達がバレー部を引っ張っていくんだから頑張って頂戴ね」
「私も部長みたいに格好よかったらよかったのになぁ」
「ふふふ、私は格好よくなんかないわよ」
思ってはいるけどね。
「そんなことないですよぉ、背も高いし胸も大きいじゃないですか。私はこんなだから羨ましいですよぉ」
「そんな、背が高いと目立っちゃうし胸も大きいから動きづらいし結構邪魔なのよ?
 過ぎたるはなお及ばざるが如しって言うけど・・・大きすぎる部分とかはあなたにあげたいぐらいよ」
そんな訳無いけど。
「本当ですかぁ?じゃぁくれるならその体型、私にくださいね!」
彼女が笑いながら言う。
「えぇいいわよ、でも自分で努力もしなくちゃ駄目よ」
「わかってますって!約束ですよぉ」
「はいはい、約束します」
いつもはおとなしいのに今日はやけにテンションが高いわね。私と喋るのが嬉しいのかしら?
8名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:05:29 ID:0g9RsC5q
部室までついて大会の資料を探して渡してあげると彼女は受け取ると同時に部室のドアを閉めた。
「あら、どうしたの?」
私が訪ねると彼女はうふふと微笑みながらこっちを見た。気味悪いわね。もしかして同性愛者だったりとか?
「ほら、体育館に戻るんだからドアを開けて頂戴」
「いやぁ先輩があんなことを言ってくれるなんて驚きましたよぉ、でも嬉しかったなぁ」
「え、何のこと?」
やっぱり同性愛者なのかしら?
「やっぱり貰えるものは貰っといた方がいいですよねぇ」
「何を言ってるの?大丈夫?」
すると彼女は微笑みながらいきなり上着を脱ぎだし始めた。
私はいよいよ身の危険を感じて身を構えながら逃げる用意をする。
服を脱いだ彼女はブラのホックまで外し、小さな彼女の胸が顕になる。
「じゃぁまずは胸からいただいきますねぇ」
胸?胸から襲い掛かる気?だけど彼女の体格なら襲われても逃げ切れられるわ。
私に手でも出したらその時点であなたを学校にいられなくしてあげるわよ。
「残念だけど私にはそういう趣味は無いの、ごめんなさい」
私は胸を押さえながら逃げようと身構えた
そのときだった。
「・・・・え?」
押さえてた胸がグググッと動き出したのだ。
いや動くというより・・・・
「縮んでる!?」
そう、私の自慢のGカップがまるで圧縮でもされてるかのように小さくなっていくではないか。
「そんな!!嘘!!」
溢れそうなほどブラに収まっていた私の巨乳は垂れていた形からだんだん小さな山のような形になっていくと、ついにはペタンとした胸板に乳首があるだけになってしまった。
「嫌!!何で!!どうしてぇ!?」
私は必死に胸を揉むがそこにあるのはスカスカになったブラと硬い胸板の感触だけだった。
「へぇ、部長って貧乳だったんですねぇ」
急に口調が変わった井上さんを私は睨みつけた。
「・・・あなたがやったの!?」
「ほら、私って胸が大きいから困ってるんですよぉ」
「ふん、あなただってそんなに大き・・く・・・?」
私が彼女の胸を指摘しようとしたら今度は彼女の小ぶりな胸がどんどん大きくなっていく。
まるで空気でも入ったかのように膨らんでいき、彼女の幼児体型と似つかわしくないほどの爆乳になっていくではないか。
「うわぁとても重いですよ、肩が凝りそうですよ。部長にはこんな悩みなんかわからないと思いますけどねぇ」
井上さんは大きくなった胸の感触をタプタプと楽しんでいる。私は彼女の悠々とした態度に苛立ってきた。
「私の胸を奪ったのね!?返しなさいよ!!怒るわよ!!」
「大きな声出さないでくださいよぉ、あ、じゃぁ次は身長をもらいますねぇ
 この低身長での巨乳もマニアックでいいんですけど、何か似合わないですからねぇ」
「何言ってるのよ!早くもどしな・・・・キャァッ!」
私が彼女に迫ろうとした瞬間、今度は急にエレベーターに乗ったような不思議な感覚になってバランスを崩しその場に倒れこんだ。
私は急いで立ち上がるが・・・・何か変な違和感がある。
「何これ・・・服が大きくなってるの?」
さっきまでサイズがピッタリだった体操着がまるで大きなプルオーバーになったみたいにダブダブになっているではないか。
上着を確かめていると今度は下着がズルズルと落ちだし私は慌てて引っ張り上げた。
「あははは、部長って背ぇ低いですよねぇ、それでバレー部の部長なんだから笑っちゃいますよぉ」
「キャァーッ!!」
私は思わず悲鳴を上げた。
9名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:06:00 ID:0g9RsC5q
さっきまで見下ろせるぐらい小さかった井上さんが自分の倍近く高くなり、私のはるか頭上から見下ろしていたからだ。
そして私はだんだんと自体を把握しだした。
これは・・・服が大きくなっていたのではない・・・私が小さくなっている・・・・。辺りを見回すとロッカーからドアまでがとてつもない大きさに見える。
「あぁやっぱり背が高いのはいいですよねぇ、見渡しがいいですもん。じゃぁ次はどこをもらいましょうかねぇ腰つきとか部長は素敵ですからねぇ」
怖い。恐ろしく怖い。私はかつて無いほどの恐怖を肌で感じていた。
逃げなくては駄目だ!!しかし、足が震えて動かない・・・骨がきしみだして私の体が変わっていこうとしている。
「うぅぅぅっ・・・・」
お腹が痛い・・・それにお尻も・・・・。あまりの苦痛に私はその場にうずくまってしまった。
そして私は変化していく感触を徐々に味わっていった。
背が低くなったとはいえ括れのあったウエストは少しづつ肉がついていき、砂時計のような形から洋ナシの様なずん胴になっていく。
お腹はポッコリと膨れ、すっきりとにへこんでいたおへその周りがグググッと前に出てプニプニと柔らかくなる。
次に丸みを帯びていたセクシーなヒップラインはだんだんと小さくなり肉付きのよい形から小ぶりの小さなお尻になった。
「やっぱり括れがあるのはいいですよねぇ・・・お尻もいい感じだしぃ」
痛さが引いてきて井上さんを見上げると、彼女は見事なウエストとヒップラインになり、腰つきを手でなぞりながら部室の鏡で見とれていた。
「ほら、部長がくれた体どうですかぁ?とても綺麗ですよぉ?まるでスーパーモデルになったみたいですよぉ」
見上げると、もはや数十分前の彼女の姿はそこにはなかった。
いや面影は少し残ってるけど、背の高く巨乳の・・・まるで人気グラビアアイドルを彷彿とさせるような美女になった彼女がそこにいた。
上半身は裸で大きな胸がブルンブルンと揺れている。制服のスカートは超ミニサイズになりピチピチの下着が見え隠れしているが彼女は気に留める様子も無い。
「ほら、部長もせっかく邪魔って言ってたもの無くしてあげたんだから新しくなった自分の体見てくださいよぉ」
すると彼女は凄い力で私の腕を引っ張り上げた。その時に来ていた服も下着も全部脱げてしまったけど、鏡の前に立たされた私はその事すら気にならないほどショックを受けた。
「そ・・・そんな・・・・これが・・・・私・・・?」
鏡に震える手を当てながら自分の体を確かめていく。
もはや両手で押さえきれなかった巨乳はそこに無くペタンと平らたくなってしまった胸。
美しいシルエットだったウエストは影も形もなくなりぽっちゃりとしたお腹。
熟した桃のように丸みを帯びていたヒップラインは小さくなり、しゃがむと尖ってしまいそうなほど小ぶりになっていた。
3サイズはもう全部同じ数字だろう、顔も端麗な細長い輪郭から顎の丸い童顔になっている。
もはや自信のある大人の女であった部分は無くなり、小さな子どもの、それこそ性器以外では男女の見分けがつかないほど幼い体つきになってしまっていた。
高校3年生とは思えないほど美しいスタイルだった私の体はそこにはなく、高校生どころか小学生と見間違うような体になった私が鏡の向こうに涙目で立っていた。
10名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:06:20 ID:0g9RsC5q
「お願い・・・!!元に戻して!!」
私は見間違えるほど成長した井上さんに掴みかかって涙ながらにお願いした。
「やだなぁ部長・・・約束は守らないと駄目ですよぉ、それに邪魔っていってたから私がもらったんだし感謝してほしいぐらいですよぉ」
「じゃあ何よ!?私はこんな子供みたいな体を、また頑張って成長させないといけないわけ!?どれだけ苦労したと思っているのよ!?」
「・・・・・部長ぉ、もぅ頑張らなくてもいいんですよ?だって部長はもう18歳じゃないですか、とっくに成長期すぎてますよ?
 だからそれ以上背が伸びることもないし、胸や骨格だって育つことはないと思いますよぉ?」
「そ・・・そんなぁ・・・・」
私は目の前が真っ暗になった気がした。
「じゃぁ私はそろそろ行きますねぇ、服が小さくて大変なんですよぉ
 ま、部長もせいぜい小学生と間違えられないように祈ってますねぇ」
井上さんはドアを開けて外に出ようとする。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
「あ、それから先輩の体は余分にもらっておいたので私が蓄えておきますねぇ
 高く売れるんですよ、身長とかバストとか」
「何よそれ!!お願い待って!!元には戻れないの!?」
さっさと部室を出て行こうとする彼女を追いかけようとしたが、こんな体でしかも全裸の私は呆然とその場にたたずんでしまった。



次の日から井上さんは学校を自主退学して消息不明になった。
私は家に帰って親を説得して何とか納得してもらったのだけど、以前みたいな期待はされずに逆にこれからは好きなことをやっていいと半ば放ってかれた。
井上さんにほとんど持っていかれた体は予想以上に幼くなっており、首から下の毛は全て抜け落ちてそのうちに恋愛感情を抱くことも自慰をすることもなくなった。
体だけで知能は奪われなかったので数年後、私は国立大学に合格して成績も優秀で通っているが、未だに小学生、酷いと幼稚園児にまで間違われ
それまで尊敬の眼差しでみていた高校のクラスメイトには病気だと説明したが、私がこんな体になったとたんにからかいだし、それは大学に入っても続いた。
今や成績が優秀だというのが私のギリギリのプライドで、牛乳をいくら飲んでも胸を揉んでも運動をしても彼女が言ったとおり成長期を過ぎた私が発育するわけも無く
私をこんな幼く屈辱的な体にした井上貴子という人物を探そうともしたが、おかしな事に戸籍も過去の住所も調べたのだかそんな人物はおらず
すっかりこの体に慣れて、アニメのキャラクターが入っている下着や可愛らしい動物の刺繍された子供服を着るのにも慣れてしまい
今思うとあの美しい理想的な体だった私は、実は自分の妄想だったのじゃないかと思うときもある。
そして大学から卒業後、インターネットをしていると妙に気になる広告を目の当たりにした。

『低身長・貧乳・童顔・体の発育に悩んでいる方はいませんか?
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 ただいまモデルも募集中!自分の体に自身のある方もご連絡をお待ちしております!』
11名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:37:11 ID:xKWzZDmP
>>6
該当だし紹介するところまでは良いと思うけど
ここに許可なく貼り付けるのはまずくないか?
12名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:39:38 ID:2EKwB3MO
>>6
いくら2chでも無断転載は良くないだろ
13名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 22:44:07 ID:0g9RsC5q
スミマセン・・
14前スレ104:2009/02/26(木) 22:57:04 ID:kdPYAW5N
前スレ104改め14です。こんばんは。
とりあえず>>1乙を連打しつつ
新スレへのSS投下といきたいと思います。

でも、今回は…その、あの…。
うひゃあ、です。
1514:2009/02/26(木) 22:58:30 ID:kdPYAW5N
抜けるような青空。
教室の外は陽炎がゆらめき、
灼熱の太陽がグラウンドを容赦なく照らしていた。
「――だから、時間と速さとは反比例するんだ。
 スピードが二倍になれば、かかる時間は半分になる」
青島先生が黒板にチョークを走らせる。
教育熱心な先生なのだが多分におっちょこちょいで、
以前トラブルに巻き込まれてしまい、自分たちが助けた事もある。
七月の学校は、いつにも増して弛緩した空気が流れていた。
暑い中、もうすぐ夏休みだというのに勉強にいそしむ
熱心な生徒など、この学校にはほとんどいない。

「ぐで〜〜〜……」
こずえもまた、机に突っ伏して息も絶え絶えの有様だ。
「ク、クーラーが欲しいよお……」
肩のところで切り揃えられたショートヘアの黒髪も
今は汗に湿り、ノートに細い筋を作っていた。
こずえ同様、クラスの半分は死人も同然の状態だったが、
教師はあえてそれを認識の外に追いやってしまっている。
1614:2009/02/26(木) 22:58:53 ID:kdPYAW5N
そんな彼女の隣には、明るい日の色をした髪を持つ、
日本人離れした雰囲気の少女が座っていた。
見事な黄金色の髪であるが、別に染めた訳ではなく
彼女が両親から受け継いだ遺伝子の成せる業だ。
瞳も美しいエメラルドの緑色をしており、
にこにこ笑うその姿は天使のように清らかで愛らしい。

「カレンちゃ〜〜〜ん……」
「大丈夫ですか? こずえちゃん」
金髪の少女の口から、流暢で丁寧な日本語が流れ出す。
「なんでカレンちゃんは汗一つかいてないのおぉぉ……」
「暑いと思わなければいいんです。
 そうしたら、こずえちゃんもきっと暑くなくなりますよ」
「そんな訳ないじゃなぁぁぁい……」
この熱気にも関わらず、なぜこの子は涼しい顔ができるのか。
世の中の不条理にうめき声をあげるこずえ。

カレンは優等生だった。
可愛くて頭が良くて背が高くてスタイルが良くてスポーツ万能で、
おまけに両親が英国の貴族とくれば怖い物など何もない。
だが彼女はそれを鼻にかけるでもなく、
こずえを大事な友達として扱ってくれる。
こずえもまた、カレンを大切な友達として、
またかけがえのない仲間として、これまで一緒に頑張ってきたのだった。
1714:2009/02/26(木) 22:59:32 ID:kdPYAW5N
うだる熱気の中、青島先生の授業は続く。
いい加減聞くのが嫌になってきた頃だった。
(――――っ !?)
こずえは突然立ち上がり、手を上げて大声を出した。
「先生 !! あたし、トイレ行ってきます!」
「おう!」
隣では、カレンも同様に手を上げている。
「先生、申し訳ありません。私もお手洗いに……」
「おう! 連れションか、行ってこい!」
いつもなら笑い声の一つや二つは起きるのだが、
今日は皆がへばっていたため、二人は静かに抜け出す事ができた。

廊下に出て、こずえはカレンと顔を見合わせた。
「カレンちゃん! これって……」
「ええ、感じます。強い魔力を」
先生に怒られないよう廊下を走り、女子トイレに入る。
授業中で誰もいないのを確認すると、二人は個室に入り
ポケットから携帯電話のような機械を取り出した。
1814:2009/02/26(木) 22:59:57 ID:kdPYAW5N
「バルビエル・エンジェルチェェェェンジッ !!」
言葉と共にこずえがそれをかざすと、辺りがまばゆい光に包まれる。
こずえが着ていたグレーのワンピースは、
フリルがついた桃色のショートドレスに。
履いていた上履きは、いくつもリボンがついた真っ赤なサンダルに。
黒い短髪は長く伸びてポニーテールとなり、
そして手の機械も形を変え、真紅の宝石がついたステッキになった。
まるでお姫様になったような様変わり。
今の彼女は平凡な小学生、佐藤こずえではなく、
天使の力を借りて悪と戦う少女、サインエンジェルなのだ。

「カレンちゃん、行くよ!」
「ええ、行きましょう!」
既にカレンも同様の変身を遂げていた。
その姿はこずえとよく似ていたが、こちらは金色をベースにしており
少女の髪と同様に、荘厳な輝きで周囲を照らしている。
「――――」
二人は何やら言葉をつむぐと、トイレの窓から飛び出した。
ここは三階、子供には無謀な高さだったが、今の二人には何でもなかった。
宙を舞う自分たちの姿も魔法で隠しているため、
変身の瞬間さえ気をつければ誰に見つかる事もない。
翼のない二人の天使は空を翔け、一直線に飛んでいった。
1914:2009/02/26(木) 23:00:16 ID:kdPYAW5N
こずえとカレンは広々とした公園にやってくると
地面に舞い降り、辺りをキョロキョロと見回した。
「この辺、のはずだけど……」
「気をつけて下さい、こずえさん。感じます」
サインエンジェルとなった二人には、それぞれ名乗るべき名が
与えられているのだが、「呼びにくい」という事で
こずえもカレンもお互いを本名で呼び合っていた。
こずえがバルビエルという名を使うのは、変身の時だけである。
なので万一会話をクラスメートにでも聞かれてはまずいのだが、
幸いにも今までバレた事はなかった。

ステッキを構え油断なく辺りをさぐるこずえの目に、
公園の真ん中にたたずむ一人の少年が映った。
高校生くらいの、自分たちよりは年上の少年だ。
穏やかで優しそうな、ニコニコした顔をしている。
それに、こずえがビックリするほどの美形だった。
だが、普通の少年なら平日の昼間、しかもこの灼熱の暑さの中
こんな所をウロついているはずがない。
2014:2009/02/26(木) 23:00:45 ID:kdPYAW5N
「……あの人だね」
「そのようです。悪魔かしら、強い魔力を感じますわ」
少年は無造作にこちらに歩いてくる。
やがて二人の目の前で止まると、手をあげて挨拶してきた。
「やあ。こんにちは、お嬢さんたち」
その、何の変哲もない笑顔の奥底に何かを感じ取ったのか、
カレンがステッキを向け低い声で言った。

「あなた、悪魔ですね」
「へえ、そう思う?」
「……そんな魔力、人間ではありえませんもの」
「君たちはどうなんだい? 人間にしては結構な力だけど」
「私たちは天使の加護を受けています。
 そして日々邪悪な存在から人々を守ってるんです」
「天使か。なるほどなるほど」
何に感心したのか、一人でうなずく少年。
2114:2009/02/26(木) 23:01:20 ID:kdPYAW5N
「でも、僕だって天使だったんだよ。大昔は。
 ちょっと失敗して地獄に落とされちゃったけど」
「やっぱり悪魔じゃありませんか!
 なら、あなたを許す訳にはいきません!」
「そうだ! 大人しくやられちゃいなさい!」
「やれやれ、この僕はただの欠片なのになあ……。
 まあいいや。退屈だし遊んであげるよ」

少年が跳んだ。
こちらに向かってくる彼を捕らえようと、カレンが魔法を放つ。
「――たああっ!」
空間に拡散した光の糸が少年に絡み、体を包みこむ。
続いて、こずえも敵に向けてステッキをかざした。
「えーい、ファイアー!」
炎の渦が舞い上がり、螺旋を描いて少年を襲う。
だが激しい炎に包まれているにも関わらず、
相手はさしたるダメージも見せず、こちらを向いて笑っていた。
服にも髪にも、焦げ一つできていない。
「まだまだ行くよ、カレンちゃん!」
「ええ! ――たあ! はっ! そりゃあっ!」
「えーい! とー! どっせーい!」
ありったけの魔力を込めた強力な魔法がいくつも炸裂し、
人のいない公園は炎と光に包まれた。
2214:2009/02/26(木) 23:01:47 ID:kdPYAW5N
「――はあ、はあ……」
「ぜえ、ぜえ……」
魔力を使い果たしたカレンが地面に膝をつく。
横を見るとこずえも似たような状況で、もう限界のようだった。
「なんで……効いてないの?」
「さあ? 何でだろうね」
あれだけの魔法を連発したのに、全く効果がない。
こずえもカレンも未熟とはいえ、今まで数々の悪魔や魔物を相手にし
かなりの実力と自負を身に着けていた。
だがこの少年はそんなものとはレベルが――いや、次元が違う。

「う、ううう……」
まざまざと見せつけられる力の差。
こずえは半ば絶望に満ちた表情で、ガクガクと恐怖に震えていた。
カレンももはや交戦を諦め、相手とにらみ合いながら
何とか逃げるチャンスをうかがっている。
2314:2009/02/26(木) 23:02:19 ID:kdPYAW5N
「うん、君たちは悪くない。なかなかいい線いってるよ」
笑顔で二人を褒め称える少年。
それはとても爽やかで優美で、恐ろしい表情だった。
「でも、僕に会っちゃったのは不運だったね。
 可哀想だけど、君たちには僕のオモチャになってもらおうかな」

――やばい。
言葉では表現できない、本能的な危機を感じて
こずえとカレンは逃げようと跳んだ。
……が、それも無駄だった。
「あいたっ !?」
何もないはずの空にしたたかに頭をぶつけ、こずえの目に星が散った。
気絶した少女の体がまっ逆さまに地面に墜ちる。
「残念だったね、もう逃げられないよ」
一方、カレンも同じ不可視の壁に閉じ込められていた。
「こずえちゃん! こずえちゃん !?」
――ドンドン、ドンドン!
必死に壁を叩くがどうにもならない。
もはや二人は檻の中に生け捕られた哀れな獣でしかない。
意識を失ったこずえの耳に、
ゆっくりと歩いてくる少年の足音が聞こえた……。
2414:2009/02/26(木) 23:02:48 ID:kdPYAW5N
暗くて何も見えない。
一体、何がどうしたんだろう。

――ズチュッ、ズチュッ……。

闇の中、あたしの心はぼーっと揺れていて、
はっきりした形にならなかった。
(――ああ、あたし寝てるのね……)
これは夢だ。自分でそう思うのもおかしな話だけど、
寝てるもんは寝てるんだからしょーがない。
(あたし、何て名前だっけ……?)
思い出せない。これもやっぱり夢だからだ。
昔話で、蝶になった夢を見たって人の話を聞いた事がある。
蝶になったのが夢なのか、起きて人に戻ったのが実は夢だったのか、
たしかそんな話だった気がする。
難しくてあたしにはよくわからなかったけど。

――ずぶっ、ぬちゃっ……。

何だろう、温かい感じがする。
まるでお風呂に入ってるような――いや、違う。
赤ちゃんが、ママにだっこされてるみたいな安らぎ。
温かくて、柔らかくて、気持ちよくて……。
…………。
2514:2009/02/26(木) 23:03:09 ID:kdPYAW5N
そして、あたしは目が覚めた。
「――ふぁあぁっ !?」
まず感じたのは、あたしの下半身に抜き差しされる
太くて熱い、熱すぎる硬いモノの感触。
一瞬、おしっこするところかと思っちゃったけど、違うみたい。
そう、そこはもっと女の子には大事なところで――。

「やあ、起きたみたいだね」
次に聞こえたのは、すぐ後ろから囁かれる男の人の声。
穏やかで爽やかで、だけどなぜか
ゾクゾクしてしまうような声だった。
「な、な、何、コレぇぇっ !?」
股の間に焼けた棒を突っ込まれてるような熱さに、
あたしはうまくしゃべる事もできない。
ロープか何かだろう、後ろで縛られた両手の痛み。
顔は這いつくばる感じで畳に押し付けられ。
そして同じく、体に押しつぶされている大きなおっぱい。
……大きな、おっぱい?
「ほら、前を見てごらんよ」
「…………?」
息も絶え絶えだったけど、あたしは声の言う通り顔を上げた。
2614:2009/02/26(木) 23:03:35 ID:kdPYAW5N
そこには一人の女の人がいた。
それも、あたしがよく知っている――。
「ママ !?」
畳の上、すぐ近くに這いつくばって、こちらを見ているのは
間違いなくあたしのママだった。
ママは服も着ずに、裸で汗まみれになっていた。
その後ろには見覚えのある男の人が、ニコニコ笑いながら
裸のママに「何か」をしている。
両手でお尻を掴んで、その……前後に動いて、
えっと、ママの中に……何かを入れて、動いて……。
その行為が何なのか、ちょっとだけだけどあたしは知っていた。
だからあたしは、動けない体でママを助けようと叫んだ。
「ママぁっ !! ママぁっ !!」
ママの方も、あたしに向かって同じように叫んでいた。
だけどママの声は目の前からでなく、なぜかあたしの口から聞こえた。

そこで気づく。
(なんだ、これ鏡じゃない……)

鏡に映るママの姿、それが今のあたしだったんだ。
体を貫かれる熱い感覚を我慢しながら、じっと前を見る。
大きなおっぱいがうつ伏せの体に押しつぶされて。
だらしなく開いた口からはよだれを垂らし。
顔を真っ赤にして、気持ちよさそうに目をうるませ。
あの人が中で動くたびに甘い声が漏れ、鳴いてしまう。
そこにはいつものママじゃない、いやらしい女の人がいた。
これが、今のあたし――。
2714:2009/02/26(木) 23:04:02 ID:kdPYAW5N
あたしの中で暴れながら、あの人が耳元でそっとささやいた。
「どうだい、気持ちいいだろう?」
「い……や、こんな……のぉっ……」
本当は、とても気持ちいい。
おちんちんがあたしの中をかき回し、
熱い蜜がジュルジュルとろけるのがたまらなく気持ちがいい。
だけど、それを認めるのは怖かった。
だって、今のあたしはあたしじゃないんだもの。
そんなあたしの心を見透かしたように、彼の動きが激しくなってくる。

「ふあぁあっ !?」
見えないけど、あたしのアソコはもうグチョグチョになってるだろう。
中で動かれるたびに、ブチュル、ブジュッ、って音がする。
(あたし……も……もう、だめ……)
もう頭の中が蕩けてしまって、難しい事は考えられなかった。
こんなに気持ちいいのに、どうして嫌がるのか。
受け入れてしまえばいい。腰を振って、声をあげて、汁を垂らして。
「素敵な表情をしているね。とってもエッチだ」
「――ふぁい……そうですぅ……」
涙を流しながらコクコクとうなずくあたし。
一度認めてしまうと、あとは楽だった。
「いいぃ――ひいぃ、いいっ……これぇっ! いいれすぅっ !!」
普段あたしが聞いてる優しいママの声が、
エッチなセリフになってあたしの口から出てくる。
2814:2009/02/26(木) 23:04:37 ID:kdPYAW5N
「いいね、とっても綺麗だよ」
「ふぁい……いひぃっ !?」
奥まで突きこまれ、思わず呼吸が止まる。
「喜んでもらえて僕も嬉しいな」
「いひっ……ふああっ! ああんっ!」
「――ほら、気持ちいいところをあの子にもたっぷり見てもらおうね」
「あへ……?」
彼の言葉に、もう一度ちらりと鏡を見る。
そこには、今まで気づかなかった影が映っていた。

(あ――)
それはあたしだった。
手足を縛られ、口にはガムテープを張られ、ムームーうなっている、
いつものあたしの姿がそこにあった。
その「あたし」はこちらを向いて、ぼろぼろと涙をこぼしている。
――誰、なんだろう……。
熱すぎて何も考えられないけど、なんとなくあたしはわかってしまった。
あたしはママになっている。
という事は、代わりにママがあたしになってるんだ。
でもママ、なんで泣いてるんだろう……。
2914:2009/02/26(木) 23:05:01 ID:kdPYAW5N
その間にも、彼の突き込みはどんどん激しくなってくる。
――ズチュッ、ズブッ、ヌチャア……!
あたしの、ママのアソコがいやらしい音をたてて喜んでいる。
「あんっ……ああっ! はんっ !!」
あまりの激しさに、あたしの頭も爆発寸前だ。
もう、自分が何を言っているかもわからない。

「もう、そろそろみたいだね」
「はい――ふぁい! はあんっ !!」
彼の声は相変わらず穏やかで優しくて、心地よい。
その彼がふふふと笑いながら、あたしに教えてくれる。
「こういう時は『イクゥゥゥッ』って白目剥いて言いながら
 失神するのがマナーらしいよ?」
あ、そうなのか。
疑う理性もなくなってしまい、あたしは彼の言葉を受け入れた。
押し寄せる気持ち良さの波に乗り――。
「……あんっ、イク! イクゥゥゥゥッ !!」
お芝居のように。演劇のように。
あたしは教えられた通りにし、そして意識を失った。
3014:2009/02/26(木) 23:05:30 ID:kdPYAW5N
「……じゃあこずえ、行ってくるわね」
「はーい、いってらっしゃい」
あたしはそう言い、手を振りながら登校するママを見送った。
ランドセルを背負って元気に歩いていくあたしの姿はとても可愛い。
――そっか、ママ、今までこんな風にあたしを見てたんだ。
親心がほんのちょっぴり理解できた気になって、
あたしはエプロンをつけたまま上機嫌で部屋に戻った。

――プルルルル……。

掃除がちょうど終わった頃、家の電話が鳴る。
「もしもし、こずえちゃん?」
カレンちゃんだ。お茶しにこないかってお誘いだ。
あたしは二つ返事でうなずくと、ママの自転車にまたがって
カレンちゃんの家に向かった。

「うわあああ……」
やっぱりカレンちゃんのお家は大きい。
あたしが到着すると、いつもの執事さんが出迎えてくれた。
そのまま、カレンちゃんの待つ大部屋に通される。
3114:2009/02/26(木) 23:05:56 ID:kdPYAW5N
「こんにちは、こずえちゃん」
「やっ、カレンちゃん!」
元気に手を上げたあたしを見てカレンちゃんが笑う。
きっと鏡があったらあたしも笑ってたに違いない。
ママはまだまだ若いけど、やっぱり大人の体だから
中身のあたしがとってもアンバランスなんだ。
でも、それはあたしだけじゃない。
「はい、どうぞ」
「ありがとー」
お茶を入れてもらい、カレンちゃんにお礼を言う。
カレンちゃんもショートの金髪の頭を振り、
にこやかにあたしに笑ってみせた。
綺麗で優しくて、いかにも良家の奥様って感じ。

「カレンちゃんのママも、今学校だよね?」
「ええ。お母さんは日本語が苦手だから、ちょっと心配です」

そうかあ。うちのママもちゃんと小学生できてるのかな。
何だかあたしも心配になってきた。
3214:2009/02/26(木) 23:06:41 ID:kdPYAW5N
そのときだ。
(――――っ !?)
あたしもカレンちゃんも顔を上げ、お互い見合わせた。
「カレンちゃん、まただよ!」
「はい、こずえちゃん!」
町のどこかで魔力を感じる。あたしたちの出動だ。
二人でいつものアレを取り出し、いつものセリフを口にする。
「バルビエル・エンジェルチェェェェンジッ !!」
「ハマリエル・エンジェルチェンジッ !!」
何度も繰り返してきた、おなじみのシーンだ。
光に包まれた変身が終わると、部屋の中にはサインエンジェルの
小さな衣装を無理やり身に着けた、二人のママの姿があった。

「…………」
「…………」

黙ったまま、しばらく見つめあう。
カレンちゃんはいつもの黄色のトップスじゃ小さすぎて、
あたし以上の巨大なおっぱいも、細いおへそも丸見えになっていた。
お尻も大きすぎて、派手なパンティーがスカートで隠せていない。
袖口から見える腕も、はちきれそうなサンダルも、
全部が全部、ひどい有りさまだった。
そしてあたしも似たような感じで、
小さすぎる衣装のあちこちから肌や下着が見えていた。

「……プッ! あはははは……!」
「クスッ、うふふふふ……!」
二人同時に笑い出す。
だって、やっぱり面白いんだもの。
たっぷり5分くらい笑い続け、やっとの事であたしたちは
町に向かって飛んでいった。
3314:2009/02/26(木) 23:07:40 ID:kdPYAW5N
結局、あの男の人には勝てなかった。
訳がわからず負けちゃって、しかもあたしはあたしのママに、
カレンちゃんも自分のママにされちゃって、
たっぷり彼に……その、やられてしまった。
元に戻る方法もわからなくて、仕方なく今は
小学生になったママ達にあたしたちの代わりをしてもらっている。
今のあたしたちはママとして、
家事をしながら町の平和を守っているってわけ。
魔法の力もそのままだから大丈夫なんだけど、
衣装が小さくて入らないのが一番の悩み。
でも、こうやって悪魔や魔物と戦い続ければ
いつかまた、あの人と会えるはずだ。
今度こそ勝って、元の体に戻してもらう。
あたしもカレンちゃんも、それを目指して頑張っているのだ。

「――そこまでよっ! 今日も世のため人のため
 平和を守るサインエンジェル、参上!」
「邪悪な魔物め、覚悟しなさいっ!」
ぴちぴちの衣装を着て、半裸でこんなセリフを言うおばさんが二人。
ちょっぴり恥ずかしいけど……仕方ないよね?
3414:2009/02/26(木) 23:10:25 ID:kdPYAW5N
以上となります。
なんていうか…普段書き慣れないものを書いたので…うーん。
魔法少女ものは難しいですねえ。まさに奥様は魔女。
工夫すればもっと色々できそうな気もするんですが。

ではこれで失礼致します。
よければ またおあい しましょう。
35名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 23:27:39 ID:w3d8SSrG
これはワロタ
魔女っ娘乙であります!

でもカレンはもっと出番増やしてもいいと思う
36名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 23:48:12 ID:0j/YpsbU
乙です!

奥様ってことは旦那様はどうなってるんだろ?
続きあるといいですね。
37名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 00:31:01 ID:PZlvtPvf
この娘達が入れ替わるのか…と思った俺はまだまだ修行が足らなかった
乙!
38砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:29:19 ID:TYEDsV+R
すいません。
こちらでここまで進んでいるのに気づかず、前スレを埋めてしまいました…
あらためてこちらに書きます。
39砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:29:55 ID:TYEDsV+R
<23>
もうあの日から何日たっただろうか。
季節が一つ過ぎ去ったというのに、骨董品店は相変わらず閉まったまま。
元に戻るため努力もしてみたかったのだが、
お互い何をしたらいいものか、見当もつかなかった。
仕事をこなす日常に流されてしまい、
いつの間にか過ぎた3ヶ月という月日。
さやかも瑠美も入れ替わった体にすっかり馴染んでしまっていた。
看護婦として、受付嬢としての仕事にも。
元の体に戻るという執着も薄くなってしまっていた。

春休みに入り、病院は見舞い客、
特に子供が多くなった。
さやかのよく受け持つ患者の1人に
いつも付き添う女の子がいた。
「休みだから付き添いしてるの?えらいね。」
受け持ちの部屋を見回り、一区切りついたさやか。
廊下に出ていた女の子に、声を掛けた。
「うん、おばあちゃん大好きだし、あと…」
「あとなぁに?」
「看護婦さんになりたいんだ、私。」
「そうなの、でも…」
「でも?」
「大変よ。」
「やっぱそうなんだぁ…」
そのうちに、部屋に行くたびにさやかはその子と話をするようになった。
彼女の名前は西山真由。今は小学5年生で4月から6年生だという。
(大人っぽいから中学2年生くらいだと思ってたけど)

40砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:30:21 ID:TYEDsV+R
<24>
春休みも半ばを過ぎたある日。
いつものように真由は祖母に付き添い、さやかは病室に顔を出す。
目をキラキラさせて話をする真由。
そんな真由の話をやさしく聞いているさやか。
さやかの身長は同じ頃、すでに160cm以上あり、
わずかに大人の匂いが混じり始めた、この年代特有のかわいらしさというよりは、
むしろ、かなり大人びた感じの女の子だった。
真由はといえば、
カップ付きのブラジャーを着けている同級生もいる中で、
なかなか胸が膨らまないことに、苛立ちを覚えていた。

(かわいいなぁ、私もこんな小学生だったらなぁ)
(瑠美さんって胸大きいよね。いいなぁ。)

「じゃぁ、また来るね。」
返事が返ってくるはずのところで、
さやかは「うっ」といううなり声を聞いた。
「真由ちゃん、どうしたの?」
「なんか、変な感じがする。」
「具合悪いの?トイレ行こうか。」
さやかはトイレに真由を連れて行く。

さやかの判断は正解だった。
トイレに入ると、真由は身をよじるように苦しみ始めた。
どこかで見たことがあるこの光景。
(まさか…でもなんで?)
その頃、あのオブジェがあの時と同じ鈍い緑色の光を放っていることなど、
さやかには知る由もなかった。
41砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:31:16 ID:TYEDsV+R
<25>
悪い予感は、目の前で現実のものになろうとしていた。
ピンクと赤のボーダーが入ったニーソックスに覆われた
マッチ棒のような細く直線的な脚。
そのラインが、丸みを帯びたものに変わっていく。
とっさにさやかは二人で個室の中へ入る。
「瑠美さん、私…」
そういうと真由はまた、声にならない声で悶え始める。
ベージュのキュロットスカートから覗く脚は、
すでに太股が裾に密着するほど、むっちりと肉感的なものになる。
紺のプリントが入ったピンクのパーカー、その胸元がゆっくりと持ち上がる。
はっきりと形がわかるようになっても、大きくなるのは止まらない。
この年頃の女の子ではあり得ない大きさになり、隆起を描くバスト。
それに持ち上げられて、徐々に臍があらわになる。
ツインテールの髪がブラウンに変わり、毛先にパーマが掛かる。
悶える声が少し低くなる。

まぶしい光に眩んだ目が明るさを取り戻すと、
目の前にはさっきまで真由が着ていた服を着た瑠美の姿。
ローティーンの服にツインテール。
いくら童顔で幼く見える瑠美でも、ロリっぽいでは無理のある格好。
ボーダーのニーソックスに覆われたふくらはぎと、
キュロットから覗く太股は、明らかに成人女性のもの。
そして、パーカーのプリントがひしゃげるほどのバスト。
僅かに見える、ウエスト周りの肌。
「瑠美さん、私どうなっちゃったの?」
「真由ちゃん、今真由ちゃんは私になってる。」
「ええっ!?」
42砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:31:59 ID:TYEDsV+R
<26>
驚いている真由をなだめようとさやかが言葉を発しようとした瞬間、
さやかの身にも変化が訪れる。
ぎゅっと身を絞られるような感覚が全身を走る。
思わず身をよじるさやか。
(私、真由ちゃんに…)
真由は言葉も出せず、心配そうに見つめる。
ピンクの生地を持ち上げていた大きなバストが沈んでいく。
ストッキングに包まれた肉感的なふくらはぎは、
マッチ棒のように細くなる。
むっちりとした二の腕も、
思春期前のほっそりとしたものになっていく。
まぶしい光が真由に注ぐ。
目を開けるとそこには、
まるで職場体験のようにナース服を着た真由の姿があった。

「私がいる…」
「そう、真由ちゃんが私に、私が真由ちゃんに。」
11歳とは思えない、落ち着いた口調でさやかが言う。
「こんなこと…なんで?」
「実はね真由ちゃん、私、瑠美じゃないの。」
さやかは今までの経緯を話し始めた。
オブジェを買ったら入れ替わってしまったこと。
その前は、橋本さやかという長身の胸の小さな女性だったということ。
だからその時、自分は瑠美みたいになりたいと思っていたこと。
(んんっ?)
「そうだ、私瑠美みたいになりたいって思ってた!」
思わず大きな声を上げたさやか。
「急にどうしたんですか?」
「今まで気がつかなかったんだ、どうして瑠美になっちゃったか。
ひょっとして、今、私に、っていうか瑠美になりたいなって思った?」
「はい…私、胸全然大きくならなくて。みんなブラ付け始めてるのに…
瑠美さん胸大きいし。いいなぁって。」
「私もね、真由ちゃんかわいいな、私もうこの頃身長伸びてたし、
こんなかわいかったらよかったのになって…」
「じゃあ、また元に戻りたいって思えば戻れるんじゃ?」
43砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:32:23 ID:TYEDsV+R
<27>
しかし、どんなに念じても元には戻らなかった。
さやかの胸ポケットのPHSがブルブルと震え始める。
「患者さん見に行かなきゃ。」
「でもどうしたら…」
「真由ちゃんが瑠美なんだから。真由ちゃんが行かなきゃ。」
「えぇ!?」
慌てふためく24歳とそれをなだめる11歳。
奇妙な光景だ。
「あのね、不思議なんだけど私も入れ替わった初日からなんとか仕事できたの。
だから真由ちゃんもできるかも。とにかく、形だけでも戻らないと」
「…わかりました。」
そう言ってトイレから出ようとする真由のパーカーの袖を
さやかはグッと引っ張った。
「真由ちゃん、さすがにその服だと…」
「そっかぁ…」

互いの服を交換する。
真由がパーカーを脱ぐとピンクの花がちりばめられたタンクトップ。
大きくなったバストが密着して、丸みのあるラインが浮き出ている。
さやかがそうだったように、真由も下を向いてまず目に入るのは存在を主張する大きなバスト。
ウエストは全く見えない。
(何これ…)
今まで見たこともない目の前の光景に
真由は恐怖さえ感じていた。

さやかもファスナーを下ろし、ナース服を脱いでいく。
入れ替わって2ヶ月。
元に戻りたいと思わないこともなかったが、
瑠美の持ち物であった大きなバストもすっかり自分のものになったような感覚を覚えていた。
自分の体に戻るならまだしも、まさか、こんな形で瑠美の体から離れることになるとは。
久々に外からの目線で見た瑠美は、童顔で、胸の大きなかわいらしい女性だった。
脱ぐとピンクで花の刺繍が入ったFカップのブラジャー。
生地はわずかな膨らみの上にぽっかりと覆いかぶさっている。
華奢な肩と腕のライン、わずかに膨らみだした胸。小さな乳首。
同じ色のショーツが包んでいる秘部からのぞく、まだ薄い陰毛。
(子供になっちゃったんだ…)
44砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:32:53 ID:TYEDsV+R
<28>
「交換しよっか。」
「私、ブラジャー着けたことなんてないです。」
「こうやってね…」

さやかが始めてブラジャーを着けたのは
中学2年生になってからだ。
それも周りがみんな着け始めた、
ということで着け始めたもの。
初めてつけたAAカップのブラジャーは
カップ自体が制服のブラウスにわずかな起伏を作り出していた。
「これで完成。」
「なんかすごく締め付けられてる感じ。」
「しょうがないのよ、瑠美は特別大きいし。」
徐々に大きくなったのであればまだしも、
ブラジャーも着けたことが無いのに、突然Fカップになってしまったのだ。
戸惑うなという方が無理だろう。

真由に瑠美の下着を着せてから
腕にかけておいた真由の下着を着る。
真ん中に小さなリボンがついた白のキャミソール、
レースの入った真っ白なショーツ。
24歳ではとても着られないデザインだ。
わずかに残る真由のぬくもり。
下着姿の真由になったさやか。
改めて自分が子供の体になったことを実感する。
花柄のタンクトップを着て、ベージュのキュロットスカートをはく。
ピンクのパーカーをかぶると、
それはいつも病室で見ていた真由そのものだった。
真由もナース服を着る。
「ここをこうやってね。」
24歳にナース服を着せていく11歳。
「胸が苦しいんですけど。」
「これでも特注よ。」
45砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:33:21 ID:TYEDsV+R
<29>
いつもの互いの姿。
だが、2度目の他人の体。
さやかはある点に気がついた。
「真由ちゃん、靴。靴下も。」
「あ。」
ナース服にピンクと赤のボーダーニーソックス、えんじのスニーカー。
キュロットスカートからのぞく、幼く細い足に密着したベージュのストッキング、
足元にはナースサンダル。
まずさやかのナースサンダルと
真由のえんじのスニーカーを交換する。ストッキングとソックスも取り替える。
一旦キュロットスカートを脱ぎ直し、さやかはストッキングを脱いでいく。
真由が脱いだニーソックスが、今度はさやかの脚をひざまで包む。
真由もさやかの脱いだストッキングをはいていく。
初めて感じるストッキングの密着感。
(タイツとは違うんだ…)
完全に互いの姿になった二人。
「じゃあ、頑張って。何かあったら、病室に来てね。」
「はい。」
真由は瑠美として病棟へ戻っていった。

トイレに残った真由の姿のさやか。
鏡には11歳の少女。
手を頬に持っていく。
鏡の中の少女も同じ動きをする。
改めて、自分が真由になってしまったことを実感する。
自分にも瑠美にもなかった肌の張り。
ぷっくりとした頬。みずみずしい唇。
細い腕、そして指。
「やっぱ若いって違うんだ…」
足元には中性的な、マッチ棒のような脚。
自分も細身ではあったが、
その脚線には当然、女性特有の丸みがあった。
「…」
子供になったことを目の当たりにして
さやかは思わず言葉を失った。
「部屋に戻らなきゃ。」
発せられた声の甲高さに思わず口に手を運ぼうとしたが、
さやかはその手でトイレのドアを開けた。
46砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:33:45 ID:TYEDsV+R
<30>
真由もすぐに、瑠美の身体を実感する。
胸を締め付けるブラジャー。
その中で歩くたびに小刻みに揺れる大きな胸。
(ゆさゆさいってる…沙緒ちゃんのよりも全然おっきい)
クラスで一番大きい子でも、せいぜいBカップ。
すっかり成長し切ったFカップに敵うはずもない。
胸の違和感に戸惑いながら、真由は呼ばれた病室へ向かった。

「真由、そろそろ帰らないと。お母さんが心配するよ。」
さやかは病床の老婆から声を掛けられた。
老婆から見れば孫の帰りを心配しただけなのだが。
「どうしましたか、西山さん。」
つい、瑠美の頃のように、声を掛けそうになる。
真由の身体になった頃、傾きかけていた春の陽は、
すでに夕焼けへと変わっていた。
「う、うん。帰ろっかな。」
だが、帰っては困るのだ。
瑠美なら10年来の友人。
ある程度のことは知っている。
真由はそういうわけにはいかない。
両親の顔など見たこともない。家族構成も知らない。
そもそも帰るとしても、どこへ帰ればいいのか。
そう思った途端、さやかの脳裏にぼんやりと風景が浮かぶ。
(真由ちゃんの家?こんな感じで身体の記憶がわかるの?)
47砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:34:08 ID:TYEDsV+R
<31>
瑠美の家は何度も行った事がある。病院の場所もよく知っている。
そのために瑠美の身体になった時は気づかなかったのだろう。
瑠美になったときに、どうしてあんなに仕事ができたのかが分かった。
(身体の記憶がそのまま引き出せるって感じ?
へぇ、お母さんってこんな顔なんだ。でも、真由ちゃんは大丈夫かなぁ。)
病室の見回りに真由がやってきた。日中の勤務の見回りは、これが最後だ。
さやかの仕事の様子を見ていたせいか、同室の患者への応対も堂に入ったものだ。
さやかは廊下へ出て真由と話をした。
「うまくやってるね。」
「瑠美さん、じゃないや、さやかさん見てたから。」
「私、帰るよ。」
「家分かりますか?」
「大丈夫。真由ちゃんも少し目をつむれば、
瑠美の家が浮かんでくるから。」
(ほんとだ。マンションかな?)
真由の脳裏に瑠美の自宅が浮かぶ。
「それより、離れてるときの連絡って?」
公衆電話で掛けるにしても、小学生が夜一人で外出などできるはずもない。
祖母の傍らで今後のことを考えていたときに、
一番困るのが、瑠美になった真由と連絡手段を絶たれることだと気づいた。
「私、携帯あります。かばんの中に。」
(最近の子は、小5で携帯持ってるんだ…)
「メールと電話しかできないけど。」
「なら大丈夫ね。瑠美の番号とアドレスは…覚えてないや。」
「私、自分のわかるんで、送っておきます。」
敬語を使う24歳とタメ口の11歳。
廊下を通った患者の一人が不思議そうに脇を通り過ぎた。
「ここではあんまり話せないから。仕事に戻って。
 詳しくは後で。」
「わかりました。」
48砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:34:52 ID:TYEDsV+R
<32>
病院から出て、駅へ向かうさやか。
瑠美も小さいとはいえ、150cmちょっと。
さらに小さく140cm弱になってしまい、
今までよりもさらに見上げるような感覚に陥る。
券売機の前では、自然と240円の画面に手が伸びた。
(240円ってことは…ああ。私や瑠美とは逆なんだ。)
見覚えの無い車窓、見覚えの無い駅前。
しかし、足は自然と、北口から延びる大通りへ向き、
1つ目の信号を右に折れた。
左右にマンションが並ぶ。
「これかぁ。」
エントランスに入ると、オートロックのテンキーが目に入った。
「うわぁ…番号わかるかな。あ、鍵があるか。」
そのときだった。
「いま帰り?」
背中を叩かれ、さやかはビクッとした。

そこには、16,7歳くらいの少女。
左胸に校章の入った半袖のセーラー服。
胸元には濃緑のスカーフ。
膝上丈のスカートからは、小麦色に焼けた、細く、
しかし、真由にはない滑らかな曲線を描く脚。
肩からはパンパンに膨らんだ学校指定のカバンと、
ラケットケースが下がっている。
「なーにそんなびっくりしてんの?」
数秒後にはああ、姉なのかと認識したが、
その数秒も、姉には違和感があったようだ。
「うん。」
「今日は遅かったのね。」
「ちょっとね。電車一本遅くなったから。」
「ふーん。あーあ、おなかすいた。」
姉はさやかよりも先に鍵を取り出し、扉を開けエレベーターに向かう。
(可愛い子…っといけない。あの子になっちゃったら大変って、
 あの子が真由ちゃんになりたいなんて思わないか…
 美優ちゃん、最近の高校生って感じね。)
姉の名前が浮かんださやかは、11歳には似つかわしくない、
物憂げな表情でエレベーターに乗り込んだ。
49砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:35:18 ID:TYEDsV+R
<33>
さやかは美優についていくように、8階で降り、
真由の自宅へ向かう。
「おかえり。あら、一緒だったの?」
「うぅん、家の前で一緒になっただけ。」
台所では先ほど浮かんだ顔と同じ顔をした母が、
夕飯の支度をしながら二人を出迎える。
年の頃は40代を過ぎようか、というところのはずだが、
贅肉がたるんだ様子も見せず、若々しい。
(これで、43歳かぁ。二人も子供いて、若いなぁ。
 潤子さんっていうんだ…)
およそ、実の子供が思いつかないようなことを、
さやかは考えていた。
(あ、今日は仕事休みなんだ…って、
 え!? 離婚してるんだ…結構若いうちに。
 理由はっと、あ、真由ちゃんも聞いてないんだ…)
「なにボーっとしてるの?」
「真由、ちょっと今日おかしいんだよね。
 具合悪いの?」
手探りで反応が遅れるさやかの様子は、
母と姉から見れば、いつもよりぼんやりしている、
様子のおかしい妹に見えるのだろう。
「うぅん、なんでもない。着替えてくるね。」

真由の部屋の前にきてから、さやかは気づいた。
(なんで真由ちゃんの部屋がわかったんだろ。初めての家なのに。
 真由ちゃんは、帰るとすぐジャージに着替えるんだね。
 それもやっぱり、身体が自然に?)
そう思いながらも、さやかの身体はすでに真由の部屋に入っていた。
ピンクのプリントTシャツと白いラインの入った水色のジャージ。
24歳にもなるとパステルカラーを着るには抵抗があるはずだが、
さやかは自然に着替えてしまう。
全身が映る鏡をみると、部屋着姿の真由。
つぶらな瞳。まっすぐな眉。サラサラの前髪。
Tシャツから伸びる細い腕。
ぷっくりとした頬に、平らな胸元に細く小さな指を滑らせる。
昨日とは違う、未熟な身体。
「ほんとに、真由ちゃんになっちゃったんだ…」
50砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:35:39 ID:TYEDsV+R
<34>
真由も仕事を終え、更衣室へ戻ってくる。
ロッカーを開けると、
胸元にレースのついた白のプルオーバーと
白の小さな水玉がちりばめられた黒のスカート。
ナース服を脱ぐと、ピンクのブラジャーに包まれた豊満な胸。
周りで着替えている、どんな他の女性の胸より大きい。
(すっごいなぁ。何カップなんだろう。)
同じピンクのショーツからは肉感的な太腿が伸びている。
プルオーバーとスカートをはき、
ピンクのスニーカーをはく。
ルースなプルオーバーだが、
胸元にはしっかりと、バストのラインが描かれる。
ロッカーの鏡に映るのは、
童顔だが、24歳の大人の女性。
(ほんとに瑠美さんになっちゃったんだ…)
真由はロッカーを閉め、瑠美の家へと向かった。
51砂漠のきつね:2009/02/27(金) 01:38:50 ID:TYEDsV+R
ちょっと書きすぎましたね…
これが第二部という感じなのでまとめて書かせて頂きました。
この第二部は、自分の趣味が出てしまっています。
むっちりでバストもおっきい女の子と子供の入れ替わりっていうのは、
自分の中でもかなり好きなシチュエーションなので、つい長々と…

長文失礼しました。ご容赦ください。
52名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 02:00:13 ID:6awhwUN6
つか、ここの人って1レスが短すぎる気が
この板2500バイトくらいまで一気に書き込めるはずなんだけど知らんの?
5314:2009/02/27(金) 02:01:34 ID:boR5XUFc
とてもGJでした。
真由ちゃん萌え萌えですね。
読んでいて、こうじわじわと盛り上がってきます。
続きを楽しみにしています。
54名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 11:06:16 ID:6awhwUN6
投下以外で名前欄いれる必要ないよw
自己顕示欲が強い奴と思われるだけ
最近、正論通じない書き手多いけどね
55名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 12:38:38 ID:2FsZS9mV
>>52
1レスの最大文字数は全角2048字、60行まで
でも前スレだって500代で容量オーバーしたし、
投下時に連投規制さえかからなきゃそんなに気にしなくてもいい

あと相手に言いたい事があるなら煽り口調をやめるべき
56名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 16:29:01 ID:CxU56b/v
>>54
俺もよくやっちゃうけど、専ブラだと名前欄がそのまま保持されたりするからね
消すのを忘れるのよ。
57名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 17:31:15 ID:5WL0vg1H
新スレ早々痛いのがいるな
58砂漠のきつね:2009/02/27(金) 17:47:16 ID:lcmvRKZo
いろいろすいません…
長さは長めに入れることにします。
↑名前は消した方がいいってことでしょうか…流儀がわからず申し訳ないです
しばらく自粛で。

あと、前スレ104さん改め14さんへの感想を忘れてました。
母子の入れ替わりは定番とはいえ、魔法少女仕立ては初めてみました。
ピチピチのプリキュア的な衣装を着た20〜30代の大人の女性。
いいですねぇ。
59名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 19:34:37 ID:NLRdrchS
荒らしの挑発に乗らず、
いままで通りでお願いします。
60名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 22:25:52 ID:d7BZfL57
>>56
わかるわ
だからつい投下の最後、後書きで一回名無しにして書き込んでしまう
61名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 23:36:49 ID:ObX3StUP
>>54
そういうルールが当てはまるのは
質問スレで自治したがる人や
特定の個人を応援するスレで仕切りたがって
半ば荒らしに近い状況の場合。

今回のように、コテの作家さんが好意的に受け止められてて
読者も作家にも悪い影響を及ぼしていない状況において
そんなルールを押し付けることに何の意味があるのかと。

ルールというのは皆が快適に過ごすためのものでしょ?

ageとかsageレベルの注意ならまだしも
今回言ってるルール自体があまりポピュラーなルールではないし
ルールの押し付けてる必要もないのでは?

>>58
個人的には、これまでの書き込みは
それほど短すぎるとも思わないし
別に長めに無理して長めに入れる必要も
名前を消す必要もないと感じました。

以上長文、チラ裏でした。

とりあえずマターリとスレを盛り上げていければ
それでいいと思うよ。
62名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 01:02:44 ID:2SB6FxQv
>>58
単発IDの言うことなんか気にしないほうがいいですよ。
どうせ同じ奴の自作自演だろうし。
63名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 11:39:26 ID:vhTnkdlU

妹を子ども扱いしていじめる姉と
いつも姉に悔しい思いをさせられてる妹の
姉妹入れ替わりものを、こっそりリクしてみる。
64名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 16:19:35 ID:H30UrrC7
それではオイラは
冒険者に恋した吸血鬼と
冒険家のパートナーの少女の
入れ替わりをリクしますです。
65名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 13:52:42 ID:xDwUI6Iy
少年マダー
66名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 12:23:14 ID:rBktogo2
魔術師マダー?
67名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 10:28:57 ID:+9QNVP7f
アクセス規制に巻き込まれてるんじゃね?
とアクセス規制に巻き込まれた俺が携帯から書いてみる。
68名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 14:43:31 ID:ltBPXF3u
今までの速度が異常だったくらいだよ
大人しく待とう
69名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 16:59:48 ID:FHYHrd5D
そのとおり。あまり急かすのも申し訳ない。
以前の作品を読み返して、楽しんでおくことにしよう。
70名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 01:25:57 ID:y9k24m9N
とらンスDLはじまたね
71名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 08:25:47 ID:lbwETrG9
集団入れ替わりとか読んでみたい
72名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 12:35:00 ID:FbkAtKxX
そして集団で何度も入れ替わってるうちに自分の身体がどれかわからなくなる。
73名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 13:22:57 ID:L5NbB+by
そして肉体は集団の共有財産となり
自分の肉体の所有権はなくなったのだった
74名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 23:27:17 ID:UUW72qsw
肉体転移は良かったな
75名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 01:11:10 ID:6mE3WlRL
よく少女マンガとかである人面瘡ネタみたいなあ
宿主の体を日に日に奪い取るって設定がたまらん


近い話(グロ注意)
ttp://www2u.biglobe.ne.jp/~bell-m/bunko/21_freak/f-007.htm
76名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 14:58:55 ID:s1hBYjef
>>75
それはシメが俺もおしいと思った作品だな。
77名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 17:27:55 ID:WshTS3Dy
>>76
たしかそれ当時の掲示板で体の上下逆転がみたいとか案出した人がいたんだけど
可逆変化が好きだとか何とか言うかぎやっこって奴が茶々入れてきて
結局元に戻る話しに変えさせた経緯があったはず
78名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 18:16:33 ID:pyDUi5XB
なるほど。
つーか、あそこのSSって
後でよく内容変えるよね…
79名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 19:44:43 ID:tL50J0Ya
内容変えるにしたってマルチエンドでいいと思うんだけどな
せっかく書くんだから作者は自分のプロットをもっと大切にすべきだろう
80名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 02:05:00 ID:InmPhQHv
ごぶさたしております。砂漠のきつねです。ここに名前書き込めばウザくならずに済みますか?
直すとこあったら教えてください。
さやかと瑠美(仮称)の話も終わらないのに、新しいのを書いてしまいました。
というか、上レスにある「集団入れ替わり」を見て、行き詰まってたこともあり、気分転換に書いてみたんですが、
要求されているのとなんだか違う感じになってしまいました。いきなりですが、すいません。
前作が締め方に困っているだけに、この作品は短編で結末まで書くぞ!書き始めました。
で、一応終わってますが、ぼかした形にしてしまいました。登場人物が多い分、あとで派生する話とか書けそうだったので。
駄文、ご容赦頂き、最後までお読み頂ければ幸いです。
81名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 02:21:44 ID:InmPhQHv
「パパ、見て見て。」
娘の真優香が僕の元へ走ってくる。
「ほら、上手に畳めたよ。」
しゃべり方は5歳の女の子だが、艶のある成人女性の声。あぐらをかいている僕の膝元に飛び込む。
膝で感じるヒップの重量感。ビリッという鈍い音がした。
「重いよ、真優香。」
「えぇ、いいでしょ。」
振り返ると、ぱっちりとした二重まぶたとすっと通った鼻筋。ぽってりとした厚い唇が至近距離に迫る。
視線の下には、水色のパーカーを持ち上げる2つの隆起。そして丸見えの臍。
「やめなさい、真優香。今は大人なんだから。」
思春期前の透き通った声が響く。妻の由起子が真優香をたしなめる。
モスグリーンのニットに黒と白のチェックのロングスカート。
落ち着いた色調の服装とあどけない顔立ちのギャップに違和感がある。
「ほら、真優香立って。また破いちゃったでしょ。」
ゆっくり立つ真優香。ベージュのキュロットスカートから、ピンクと白のボーダーのタイツが見えてしまっている。
「ほら、いい加減お母さんの服着なさい。」
「やだ、おうちは真優香の服着たい。」
それも仕方ない、僕は思っていた。外に出るときは強制的に由起子の服を着せられるのだから。
それにしても、いつになったら元に戻れるのだろう。僕は、言い争いをする2人をぼんやりとながめていた。
 
「お呼びですか、ベイグ様。」
低い声が洞窟に反響する。
「おお、お前に仕事を与えようぞ。」
張りのある、ハスキーな女の声が響いた。
「オクポス、お前の物質転換能力を使うときが来た。」
「ははぁ。」
「我々は、これまで多くの怪人を送り込み、敗れてきた。
口惜しいがまともに戦っては、奴らには敵わぬ。」
「ベイグ様、なんと弱気なことを。」
「最後まで聞け。奴らは5人いなければ戦えぬ。5人のうち、1人でも戦う能力を失わせたらどうなる?」
「なるほど、そこでこいつの能力を使うんですね。」
隣にいた召使いガーニャが口を挟んだ。
「で、どいつどいつを入れ替えるんで?」
「だから、最後まで聞け。ガーニャも口を挟むな。」「申し訳ありません。」
「我々の目的は世界征服じゃ。奴らを倒すだけではない。」「ごもっともで。」
「人間が増えなければ自然と世界は我々のもの。子供ができなければ人間は増えぬ。」
「で、あっしは何をすれば。」
「子供を作る方法を知っている女と知らない女を入れ替えるのだ。」
「年増の女と幼女を入れ替えればようござんすね。」
オクポスがしたり顔でうなずく。
「年増とはなんだ。私が年増だと?」「いいや、そういう意味じゃ…」
「分かったらとっとと行け。」「ははぁ〜」
オクポスは逃げ出すように洞窟を出て行った。

「あ〜ぁ、最近ひまだなぁ。」晃がいすに座ってあくびをした。
「不謹慎ね、私たちがひまなのは平和な証拠。」由香がコーヒーカップをテーブルに置いた。
「そうそう、おかげで買い物に行く時間もできたし。」美緒が自分のカップを持っていすから立った。
「これから行くの?」「うん。」
「私も行こ。肌のお手入れに行かなきゃ。」
「二人とものんきだな。」「晃に言われたくないよ。行こ。」
美緒が由香の手を引いてガレージへ向かった。
82名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 02:22:36 ID:InmPhQHv
街へ出た2人。
「じゃあ終わったら連絡して。」「は〜い。」
美緒は手を振って由香と分かれようとしたその時だった。通りの向こうで悲鳴がした。
「何?」
由香が表情を変えた。美緒が声のする方へ向かう。由香も付いていく。
「好き放題させてもらいますよ〜」
そこではオクポスが長い触手を伸ばして人々を襲っていた。
「何、あいつ?」
「オクポスよ。お荷物の怪人だって聞いてたんだけど。」「行きましょ。」
その目の前で、親子連れが触手に絡み取られた。泣き叫ぶ女の子。
「お前ら同士じゃ面白くないなぁ。親子はよくある話だからな。」
オクポスがさらに女性を絡め取る。
年は20代前半くらい、ブラウンのロングヘアの女性と、ブレザーを着た中学生。
「こりゃ面白い。」
オクポスの身体から青い光が放たれる。まぶしい光に美緒も由香も手をかざす。
振り落とされる4人。
しかし、明らかに姿が変わっていた。
スレンダーな美女は中学生のブレザーに身を包み、膝上からモデルのような脚が見えている。
さっきまで女の子が着ていた黄緑のトレーナーに水色のスカート。そこからは、まっすぐ伸びる中学生の脚。
だぶだぶの白のブラウスと黒のジーンズに埋もれるように立つ女の子。
ロングブーツにベージュのコート、黒のミニスカート。若作りをしているように見える母親。
「え、なんなのこれ?」最初に声を上げたのは女の子。しかし、明らかに子供の話し方ではない。
「なんで真優香の服着てるの?」中学生が胸元を見ながら立ち上がる。
「私どうなっちゃったの?」若作りの母親がおびえた声で立ち上がった。その中で起き上がれない女性。
「ママ〜」見た目に似合わず泣きわめくスレンダーな美女。中学生が寄っていく。
「まさか、真優香なの?」「お姉ちゃんだれ?」艶のある声で中学生にお姉ちゃんという女性。
「ちょっと、どうなってるのよ。」生意気な口調で言い寄ろうとした女の子は、ジーンズにつまずき転んでしまった。若作りの母親は、ぼうぜんと立ち尽くしている。

「何が起きてるの?」由香がつぶやいた。
「入れ替わってる…」美緒が続けた。
「こりゃ面白い。子供を産んだ母親が中学生に、小さな子供が大人の女に。中学生はおばさんに、おばさんは中学生にか。ついでに服も全部めちゃくちゃにしてやったわ。」
そういうと、オクポスは高笑いをした。
「晃たちを呼ばないと。」美緒が由香に話したその瞬間、オクポスと目があった。
「お前らか。ちょうどいい。お前らの身体も子供と入れ替えてやるわ。」
「まずい、みんなが来るまでは逃げないと。」
反対方向に走り出したが、オクポスの触手は素早く伸びていく。美緒も由香もあっという間に触手に巻き取られた。
「やめろ、離せ。」美緒が抵抗するが、もちろん離すわけもない。
余った触手で周りにいる女の子達を捕まえていく。さっきよりも人数が多い。同じ青い閃光に包まれる。
83名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 02:23:23 ID:InmPhQHv
ようやく回りが見えるようになり、美緒が咳払いをした。あまりにも甲高いその声。
「にゃんにゃの?」口を押さえようとした手は、小さく紅葉のよう。由香の着ていた白と水色のボーダーが身体全体を覆っている。ぽっこりと出たお腹、短い脚。
「ましゃか、あたち…」
目の前には紺のブレザーを着た、40代くらいの女性。肉感的な脚とグレーのチェックのミニスカートがミスマッチだ。
「私、高校生に?」中年女性らしいとも言える、少し低いこもった声。美緒はその話し方に聞き覚えがあった。
「ゆか、ゆか。」「まさか、美緒?」
「あたち、どうなってる?」「3,4歳くらいかな。」
「しゃんよんしゃい?」「あたしは?」
「おばしゃんににゃってる。」「おばさん?」
服からは若い高校生の匂い。しかし、少し動くと、香水と化粧の混じった匂いが鼻につく。
「これでお前達も戦えなくなったな。かわいいよ、美緒ちゃん。おや〜由香ちゃんはずいぶんおばさんになっちゃって。もっともっと入れ替えてやるわ。」
追いかけなければならないが、二人ともそんな状況ではなかった。
二人の隣にはグレーのニットに黒のロングスカートを履いた女子高生。
地味な生地に似合わない張りのある乳房がニットの上からはっきりわかる。
「ちょっと、あたしの身体返してよ。」そこにやってきた10代前半の女の子。
美緒の着ていた、フリルの付いたピンクのアンサンブルに白のレースのスカートを履いている。中身は女子高生らしい。
「ママ〜。」女子高生が泣き出す。中身は美緒が入れ替わった女の子のようだ。
「私たちの身体は?」「あぁ、あんにゃとょこに。しかもはだか。」
へたりこんでいる美緒の身体。ほとんど全裸で座っている。
周りに散らばるオレンジのパーカー生地と白黒ボーダーのタイツ。
ひもごと切れている小さいスニーカー。
「あのぉ、あたし…」「あなた、いくつ。」
「11です。」豊かな乳房が丸見えだが、放心状態の少女は気づく由もない。
「美緒になっちゃったのね。あたしの身体は…」
由香が周りを見渡す。
「うわ〜ん。」
別の方向から大きな泣き声がした。
ロングヘアで細身の美女が黄色のプリントTシャツを着たまま泣いている。
美緒の身体に入った小学生の服だろうか。由香の身体にはまた別の小さな女の子が入っているようだ。
「あ、あたしがいる!」
また別の方からはかわいい声質に似合わない口ぶりで、由香の身体の持ち主が小さな身体でこちらに寄ってきた…

とにかく、あの日以来、街は大変なことになってしまった。
タコみたいな怪人は、エネルギーを使いすぎたとかで、
ボンテージを着た女の人がUFOみたいなのに乗って引き取っていったらしい。
そいつらを倒す戦隊ヒーローみたいな人がホントにいるらしいんだけど、そこの女の人たちも入れ替えられちゃった。
だから、入れ替わった5歳と11歳の女の子が特訓を受けて、そいつらを倒しに行くんだって。

真優香の行く幼稚園でも大人になっちゃった子が結構いるらしい。
そういえば、さっき回覧板持ってきた人、どっかで見たことある人だと思ったら、グラビアアイドルの星川さゆりだった。でも中身は真優香と同い年で隣の家の絵鈴ちゃん。
街に買い物に来てた星川さゆりと入れ替えられちゃったんだって。
逆に先生も子供にされた人がいるみたいで、真優香のいるもも組の担任の川上先生は、10歳の女の子になってるらしい。

ここだけの話、僕はこのままでもいいんだけどね。
少し年下のスタイルのいい美女が「パパ〜」ってなついてくるなんていいじゃないですか。
ずっと若返った由起子も、感じすぎて短いけど行為はできるし。
おっと、真優香が着替えて戻ってきた。
グレーの伸びるズボン履いてるけど、なんだか競輪選手のスパッツみたいになってるよ。

続きはまたどこかで。
84名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 02:32:17 ID:InmPhQHv
お読み頂きありがとうございました。
肉体転移、秀逸ですよね。私ももってますが、そのような形を期待されていらっしゃったのであれば申し訳ないなぁと。

最初に書いたように、名前が出てなかったり、詳しい描写のない人物が結構いますので、ちゃんと終わってないのですが、
それは後々続編が書ければいいかなと。
あと、ゴレンジャー的なグループの名前がなかったり、他の2人がいなかったりと、そのあたりはご勘弁ください。

ここでの「僕」は、世にも〜のタモさん的な立ち位置をイメージして書きました。続編も、この家族の日常に絡んで、ということになるかと思います。
とりあえず「星川さゆり」についてが最初ですかね…

さやかと瑠美(仮)もあとでちょっとずつ載せます。
長文失礼しました。
85名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 23:25:18 ID:FTuxEQ2l
乙!
86名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 05:24:41 ID:TqDYmtQc
GJ! カオスww
87名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 02:31:10 ID:S+1AtkU8
な・・何故だ作品投下されたのにこの静けさは
88名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 11:43:25 ID:T6KYn6kd
最近過疎ってたから仕方がない
色んな話題でスレ盛り上げていこうぜ

いつもの職人さんは長期規制に巻き込まれたらしい
携帯からその他スレにSS投稿してたぞ
89名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 16:03:20 ID:pPvdKqNu
その他?
90名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 20:03:59 ID:T6KYn6kd
>>89
「専用スレのないSS」スレに少年シリーズ投下してた
ODものじゃないけど面白かったよ
向こうの住人に「奇妙で面白い」とか言われててワロタw

という訳で早く帰ってきてほしいです
91名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 22:04:20 ID:Chtv5MiK
どうも。砂漠のきつねです。連休で遠出をしておりまして、久々に見ました。
感想を下さった方ありがとうございます。

みなさんの求められてるものとズレてるんですかね…
もうちょっと頂けてるかと思ったんですが、イチローじゃないですがちょっと心が折れそう…
文才のなさが出てしまい、自分に残念な感じです。精進します。
92名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 23:16:49 ID:sf2g5jU8
>>91
そんなことはありません。とっても楽しく読ませていただきました。
ただ集団入れ替わりは描写がどうしても少なく、
各キャラの入れ替わりがわかりにくくなるのが難しいところです。
私も好きなジャンルなのでよろしければまたお書き下さい。
楽しみにしています。

あとこの板では「読み手の求める物」と「書き手の書きたい物」が合わないことなんて
しょっちゅうですので、反応が薄くても気になさらないで下さい。
もともと過疎スレですし、作者さんの書きたいようにやっていいと思います。
応援してますので頑張って下さいね。
93名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 03:48:05 ID:K5aQGME1
>>91
92さんも言ってますが、気にしなくて問題ないとおもいますよ。
それに自分もそうだったけど、つい先日までアクセス規制に
巻き込まれてコメントが全く出来ない状態だったので
似たような人が結構いると思います。

それに自分からすれば、そこまで反応薄でもないので
ちょいと贅沢な意見ですなw

次も楽しみにしてますんで、めげずに頑張ってくださいな。
94名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 09:07:32 ID:/T5YAbTr
エピローグ部分にいきなり飛んでますんで
そこに至るまでのストーリー補完に期待しております。
95名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 19:37:39 ID:iMPAQlB5
過疎スレだから反応薄いのは仕方ないけど、
だからこそたまのSSには全力でGJ入れるんじゃないか

という訳で砂漠のきつねさんマジGJ
次回作にも期待してます

ア・バオア・クーよりGJをこめて
96名無しさん@ピンキー:2009/03/24(火) 01:20:42 ID:HMr2BlqJ
砂漠のきつねです。なんだかみなさんすいません。
上げてから改めてみると、自分的にう〜んという感じで、もっと上手に書きたいなぁ、という自省も含めて書いてしまったのですが…

励ましを頂きありがとうございます。
こんな無駄レスよりは、作品を上げた方がまだいいですよね。尽力いたします。
97名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 02:48:40 ID:335hHqqy
これの詳細知っている人いますか?
ttp://moe2.homelinux.net/src/200903/20090318945226.jpg
98名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 01:45:07 ID:NRyhI5JQ
砂漠のきつねです。さやかと瑠美の話の続き投下しておきます。
引っ張りすぎてるので、なんとか早めに書き上げようと思います…

<35>
「とにかく、お互いになりたい…って思ったからこうなったのよ。」
携帯から自分の声が聞こえてくるのに戸惑いながら、真由はさやかの話を聞いていた。
声が小さいのは、外の美優や潤子に聞こえないように話しているからだろう。
瑠美の部屋を確認する間もなく、さやかから電話が掛かってきた。
「そう、あそこでは元に戻れなかった。だから、何だかわからないけど、もっと条件があるってこと。」
「私、じゃなかった、真由ちゃんが次に休みになるのはあさってだから、瑠美と会おうよ。」
「えっ?」
この身体の持ち主に会う。身震いしたいような感覚が走る。
「瑠美に伝えないと。戻り方のヒントが分かったんだし。」
「そうですね。」
「大丈夫。私も一緒に行くから。瑠美には私から言っておくし…」 
 あさってに3人が顔を合わせることにして、電話は終わった。
「瑠美さんって、どんな人なんだろう…ひょっとしたら、あさって元に戻っちゃうかも…」
 はっとする真由。
部屋のソファーから鏡の前へ向かう。少しびっくりしたような顔が鏡に映る。
 意識しなくても目に入る大きな膨らみ。バストを両手で下から支える。
 両手に重量感が伝わると同時に、肩にのしかかる重みがやわらぐ。
「おっきいなぁ…大人になっちゃったんだ…」
99名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 01:46:17 ID:NRyhI5JQ
<36>
 真由がベッドに目線を向けると、ピンクのスカートと白いブラウス。さやかが昨日着たメイド服だ。
「何これ?」
 真由が生地を広げてみると、フリルがたっぷりついたスカート。エプロンが床に落ちた。
「何だろ?」
 ベッドの上に置いてみる。
「瑠美さんってこんな趣味なの?萌え〜って感じ?ご主人様!とか?えぇっ〜?」
 少し奥手な小学生の知識ではこんなものだろう。実際には真由の街にもメイド喫茶くらいはあるのだが。
「でも、せっかくだし…」
 驚きは数秒後、興味に変わっていた。プルオーバーを脱ぎ、ジーンズを脱ぐ。ブラジャーとショーツだけの姿になった真由。形作られた谷間に、豊満なバスト。
「すごいなぁ、巨乳だ。」
 ベッドの上のブラウスを着る。スカートを穿き、エプロンをつけると、メイド姿の瑠美。
「かわいい!でも、ちょっと苦しいな…」
 さやかと同じように胸の圧迫感を感じる。
「他にはないのかな…」
 クローゼットを開けると、高校時代の制服に実習服。
「うわぁ。」
 身体は勤務後で疲れているはずだが、精神は11歳の女の子。大人の身体を手に入れた高揚感で、早く休めと言うのが無理だろう。
「これ、見たことある。かわいいよね。」
 高校の制服姿になった真由。チェック柄のスカートの裾を持ってひらひらとさせている。
「こっちも着てみよ。」
 さやかも着ていなかった水色の実習服を着る。 
「水色かわいいな。名前入ってるんだ。他にないかな…」
 名前の部分の生地はバストで持ち上げられ、ぴんと張っている。その姿のまま、クローゼットを探す。中に吊るされたリクルートスーツ。
「あ、これ教育実習の先生が着てたやつだ。」
 白いブラウスにグレーのタイトスカートとジャケット。ブラウスを着ると、生地がバストに引っ張られ、起伏を作り出す。
 新しく買うのが面倒で、少しきつめでも我慢して着ていた瑠美。そんなことを知らず、胸元を見る真由。
「お姉ちゃんが着てたのと違うんだ…」
 美優の中学校の制服は、ブラウスに吊りスカート、胸元には赤いリボン。中学生の丸襟のブラウスとの違いは、真由にも分かった。
鏡を見ながらポーズを変えたその一瞬に、胸元に張力が掛かった。ブチッという鈍い音と同時に、キンという高い音が響く。ブラウスのボタンが弾け飛び、鏡にぶつかり床に落ちたのだ。
「?」
 一瞬、何が起きたかわからない真由。鏡を見ると、胸元のボタンの部分が開いている。するりと入る指先、そこに触れるブラジャーのレース生地、やわらかな乳房。
「なくなってる。どこいったんだろ。これかぁ。」
 床のボタンを拾う真由。なくなった部分から胸の谷間とブラジャーが覗くが、部屋の中には誰もいない。
 スカートを穿き、ジャケットを着る。ストッキングがないものの、リクルートスーツ姿の瑠美そのものだ。
 そのとき、瑠美の携帯が鳴った。
100名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 01:49:13 ID:NRyhI5JQ
<37>
「あ、私の携帯」
自分から掛かってくる電話に出る、不思議な気持ちは電話に出た途端に吹き飛ぶことになる。
「もしもし」「真由ちゃん、大変。」
「何がですか?」「戻り方、分かった!」
「え、そうなんですか?」「でも、あさっての話はちょっとキャンセル。」
「なんでですか?」「瑠美ね、今私じゃないの。」
「どういうことですか?」

 真由に電話をする数分前。さやかは瑠美に電話をしていた。
 とりあえずは瑠美に連絡をしないと、ということで、瑠美の番号だけ真由の携帯に移したのだった。
「瑠美、びっくりするだろうな。私が小学生になっちゃってて。」
 さやかはいたずらをするような気持ちで、瑠美に電話を掛けた。鏡に映るのは、はしゃいでいる小学生の女の子の姿。中身は24歳の女性なのだが…
 自分のそんな姿に気づかず、さやかは電話に出るのを待つ。
(夜勤かなぁ?)
ずいぶんしてから、ようやくコールが止まった。
「もしもし」心なしか、瑠美の声がおどおどしているようだ。
「私、さやか。」「え?」
「私、小学生になっちゃった。」「そ、そうなんですかぁ。」
「それでね、分かったの。あの像のせいだと思うんだけど、私たち、こんな風になりたい!ってお互いが願うと、姿が入れ替わっちゃうみたいなの。すぐには戻れないみたいなんだけど。」
「本当にさやかさん、なんですか?」
 どうも様子がおかしい。さっきから感じていた違和感。タメ口でないし、瑠美よりものんびりしたしゃべり方。この呼び方をするのは…
「ひょっとしたら、その言い方って、彩子ちゃん?」
「はい。私、さやかさんになっちゃいました。さやかさん、やっぱり綺麗ですね。さやかさんは小学生になっちゃったんですか?」
「なんで入れ替わってんの?」「さやかさん、知らなかったんですか?」
「何を?」「私たち、結構入れ替わってますよ。瑠美さんから聞いてないんですか?」
「はぁ?」
「せっかく瑠美さんの身体見てみたかったのに。もとの身体の話聞いて、私も瑠美さんの身体みたいな巨乳になりたいって思ってたのになぁ。」
さやかの驚きをよそに、彩子はあっさりと話を続けていく。
「結構って、どういうこと?」
「一度入れ替わるとすぐ戻れますけど、最初に戻るのは時間掛かったな。2週間くらいです。私もすぐに元に戻ろうとしたらダメでした。けど、なんとなくお互いの身体に慣れてきた頃にふっと元に戻ったんです。」
「それよ、それ。」「え?」
「お互いがお互いの身体に慣れると元に戻れる…」「知らなかったんですか?」
「知ってたの?」「はい。」
「瑠美も?」「はい。」
「なんで教えてくれなかったのよ、そんな大事なこと。っていうか、わかったのになんで元に戻ろうとしなかったわけ!?」
「瑠美さん、看護婦大変だから、まだしばらくOLやってたいって言ってました。戻り方がわかったから、そのうち戻れるだろうって。」
 看護師の大変さを昨日まで感じていたさやかとしては、反論しようのない言葉だった。
「確かに大変、看護婦って。夜勤とかで生活リズムはおかしくなるし。
 まぁ、そのおかしいのが普通なんだけど。」
「やっぱり、瑠美さんになるのやめようかな。」
「そういう問題じゃないでしょ。瑠美は彩子ちゃんになってるの?」「それが…」
「それがって…」
101名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 01:51:35 ID:NRyhI5JQ
<38>
話は2ヶ月ほど前にさかのぼる。
「しばらくお待ちください。」
瑠美の受付の仕事も板についてきた。
「あいにく課長は外出中ですが、もうすぐ戻るとのことですので、応接室にご案内いたします。」
ハイヒールを鳴らして、瑠美が客人を案内する。黒のヒールから伸びるしなやかな長い脚。
淡いグレーのブラウスに濃紺のタイトスカートと同色のベスト。首元には大き目のピンクのリボン。
よく手入れされた栗色の髪は、水色のボールの付いたゴムで一本に結わかれている。
20代前半のさやかの身体だが、正装でのたたずまいはもう少し年上に感じられるものだった。
「こちらでお待ちください。」会釈をして受付に戻っていく。
「あの人、結構イケメンでしたね。」となりの女性が声を掛ける。
小さな顔にぱっちりとした二重の目。褐色の肌。それよりも明るいブラウンの髪。
胸元の社員証に「伊藤彩子」と書かれている。
年齢はさやかの1つ下だが、小さな背丈と華奢な体格のためか、比べるとずっと幼く見える。
(かわいいなぁ、女の子!って感じだし)
瑠美も同じような身長だが、むっちりとしていて彩子とはタイプが違う。
大人っぽいさやかに憧れてこの身体になったのだが、身体が入れ替わって1ヶ月が過ぎ、少し飽きも来ていた。
仕事を終えて、更衣室に入る。どの会社もそうだが、不景気で定時に帰れる社員はごくわずか。
さやかの会社も例外でなく、定時に更衣室にいるのは受付嬢くらいだ。
この日も、いつものように2人きりで着替えをしていた。
瑠美がブラウスを脱ぐ。キャミソールの下には濃緑色のブラジャー。細い首筋、しなやかに伸びる腕、指。
(さやかさん、綺麗だな)
瑠美を見上げながら、彩子も着替えていく。キャミソールの下に水色のブラジャー。瑠美は視線の先に意外なものを見つけた。
(谷間だ…)
元の自分の身体にもあった。でも、ブラジャーの機能が上がっているとはいえ、こんな華奢な身体で。
(実はスタイルいいのね、彩子ちゃん)
「ふあぁ」
瑠美の視線を遮るように、彩子はため息を声に出しながら、ロイヤルブルーのプルオーバーを被った。
わずかに、しかし形よく持ち上がる胸元。
「どうかしましたか?」「うぅん。」
彩子の前には、下着姿のさやか。
「さやかさん、きれいですよねぇ。スタイル超いいし。さやかさんみたいな身体になったら、どんな風な感じなんだろうなぁ。」
「そんな、大したことないよ。」
(大したことないとか言っちゃった…私もさやかになりたくてこうなったのに)
102名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 02:06:59 ID:NRyhI5JQ
<39>
瑠美がロングニットのカーディガンを着ようとしたとき、彩子が胸元を押さえ始めた。
「彩子ちゃん?」「さやかさん、なんだか…ぅっ」
「彩子ちゃん!!」
見覚えのあるこの光景。小さな背中が徐々に大きくなっていく。
華奢な肩はそのままに、伸びていく腕。ショーツから伸びる脚がどんどん長くなっていく。
明るいブラウンの髪は、ショートからセミロング、そしてストレートのロングヘアに。
少し寂しくなった胸元。
「はぁっ!」
押さえていた胸元を解き放す。息を切らしているさやか。それを唖然として見ているさやか。
「さやかさん、私…」彩子はすぐに口元を押さえる。
「なに?声が…」
(彩子ちゃん、さやかに…)
今度は、瑠美にあのときの感覚が蘇る。
(私が彩子ちゃんに!?)
手元のニットが床に投げ出された。徐々に縮んでいく身体。少しだけふっくらとするふくらはぎ。
褐色に色づきながら短くなる手足。ストレートパーマのかかった長い髪はいつの間にか肩に届かない程度のショートヘアに。
屈んでいたさやかが顔を上げると、そこには彩子の姿。
「へっ?私がいる?」かわいい喋り方だが、声は艶のあるさやかの声。
「彩子ちゃん、彩子ちゃんに見える?」「さやかさん、私、です。」
「そういうことだったんだ…」「へ?」
「とりあえず、服着よ。」「はい。」
さやかのニットを被る瑠美。しかし、指が袖から出ない。まるで、姉の服を借りた妹のようになっている。
「服、替えなきゃね。」「え?」
「だって…」瑠美は、袖をブラブラと振ってみた。彩子は自分の手元に目線を戻す。5分丈になってしまったプルオーバー。
「あぁ、そうですよね。」
プルオーバーを脱ぎ、ニットをあずかる。すぐに着ようとする彩子。
「あのさ…」「なんですか?」
「下着も…」「えぇっ?」
「だって、きついでしょ?」
彩子は言われて初めて、肩紐が食い込むのを感じた。
「そんなことないですよ。」「でも、カップが…」
トップはさやかの方が大きいくらいかもしれない。しかし、瑠美はさっきとは違う胸元への重力を感じていた。
「彩子ちゃん、さやかになって小さくなってるから。」「そうですかぁ…」
彩子は、ブラジャーを外す。
「下も?」「一応…」
生まれたままの姿になった二人。ぬくもりのある深緑のショーツを穿く彩子。
(なんだかホントにさやかさんになっちゃうみたい)
そのままブラジャーを着ける。ロッカーの鏡は小さく全身は見えないが、胸元までは、はっきりと見える。
むしろ、今までは顔しか映らなかった鏡の位置に、今は胸元がある。谷間の無くなった胸。
(確かにちっちゃいかも…)
彩子のブラジャーを着ける瑠美。水色のレースがあしらわれている。
自分も同じようなものを持っていた気がするが、最近はえんじや紺、濃緑など、さやかの趣味でシックな色の下着が多かった。
「早く着ないと。」「あっ、すいません。」
「うぅん、独り言。」
周りにはまだ人はいない。バッグだけは自分のものを持って、二人は更衣室を出た。
103名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 02:07:52 ID:NRyhI5JQ
<40>
「なんですかそれ?そんなことあるんですか?」「そう、今とおんなじ様なこと。」
瑠美は、自分とさやかに起きた事を話した。
「そんなにおっきかったんですか、さや…じゃないや、瑠美さんは。」「ぅぅん、人並みよりはね〜」
「Fって、全然人並み以上ですよ。」「まぁね。さやかって、昔からそんな感じだったんだよ。スタイルいいし。」
しなやかに伸びる白い指先、椅子を回転させてスカートから伸びる脚を見る。笑みを浮かべる彩子。
「ふふぅん、確かに。」「今まで気づかなかったんだぁ。そんな単純なことが理由だなんて。」
「お互いになりたいって願ったら、その身体になっちゃうと。」「そう。」
「しかも、記憶まで自分のものになっちゃうと。」
「そう。さやかのことは、知ってることも結構あったけど、彩子ちゃんのことなんて、知らないはずでしょ?」
「でも、今はわかっちゃってる。」
「お父さんの名前は泰司、お母さんの名前は紀美子。」「正解!いとこは?」
「え?えー…二人、三人いるんだね、景子さんと幸弘君と華依ちゃん。」「正解!」
「こういうことなんだね。」「へー、面白ーい」
また、にんまりと笑う彩子。
「なんだか、久しぶりにその身体外から見るからかもしれないけど、全然違う人見てるみたい。」
「どういうことですかぁ」
口を尖らせ上目遣いをする彩子。スレンダーな長身の美女の仕草としては似合わない子供っぽさ。
「だから、そんな仕草、さやかはしないから。もっと落ちついてて。でも、可愛い。」「へへぇ。」
照れたように彩子は笑った。
「戻ってみよっか。」「えー。せっかくだから、もうちょっとこの身体がいいな。」
「そんなこと言わないで。」「瑠美さんずるいですよぉ。自分だってずっとさやかさんの身体になってたくせに。」
「まぁそうだけど。」「原因が分かったんですから、戻れますよ。瑠美さんだってそのつもりだったんでしょ。」
「私は、原因わからなかったから、仕方なく。」
「言い訳はなしです。お願いですよぉ、もうちょっといいでしょ、この身体。」
両手で肩を抱きながら、彩子はさやかが見せそうもない、いたずらっぽい笑顔で言った。
「その代わり、この身体も私の自由だよ。」
「それはそうです。でも、変な男にひっかかったりしないでくださいね。あ、彼氏はいないです。」
「知ってる。」「そっかぁ、いとこなんかよりも、先に確認しますよね…」
二人は笑いながら、カフェラテとコーヒーに口をつけた。
104名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 02:09:12 ID:NRyhI5JQ
<41>
彩子は瑠美から聞いたさやかの家へ向かった。
(聞かなくてもわかっちゃうんだろうけどね)
いつもと違う視線と歩幅。指先や腕をきょろきょろと見回す。
(さやかさんの身体だぁ)
歩道の溝にヒールが挟まる。思わずバランスを崩す彩子。
(びっくりしたぁ。背が大きいと転びやすいのかな…)
電車に乗り、マンションへ。
「ここがさやかさんの家かぁ。」
瑠美と交換したバッグから鍵を取り出し、部屋へ入る。電気をつけると、洗面所へ向かった。
鏡に映るのは、いつも隣で見ていたさやか。
(さやかさんだぁ、きれいだな…)
ベージュのトレンチコートを脱ぐと、ボーダー柄のロングニットのカーディガン、
その下には白のブラウス。そして、黒のスキニーパンツ。
リビングの姿見の前に立つ。腰元に手を当てる。
(脚長っ!ここが腰?ホント、スタイルいいよねぇ)
そのとき、おなかが鳴った。
「誰の身体でもおなかは空くんだね。せっかくだから、外に出ちゃお。」
彩子は再びトレンチコートに身を包んだ。

(手とか私よりちっちゃいじゃん。かわいいなぁ。)
瑠美は彩子の家へ向かっていた。
グレーのハーフコートの下は、ロイヤルブルーのチュニックにカーキ色のショートパンツ。
そしてパープルのカラータイツにキャメル色のブーツ。10代でも通用しそうな格好だ。
「若いよねって、1つしか違わないけど。」
2度目の他人の身体、慣れた様子で部屋の電気を点ける。
コートを脱いで、部屋着を探す。枕元に脱ぎ散らかしてあるグレーのスウェット。
「まぁ、他人が来るなんて思ってもないもんね。」
チュニックを脱ぎ、ショートパンツとカラータイツも脱ぐ。水色の下着姿になった瑠美。
「やっぱ、谷間あるよね。」
華奢な身体で服の上からは全く目立たないが、バストのボリュームは十分にある。
「CとかDくらいじゃない?」
クローゼットから別のブラジャーを取り出し、裏を見る。
「やっぱり。っていうか、アンダーが70ってどういうこと?すんごい細いじゃん。」
細身ではあるが、太腿やふくらはぎには十分に女性的な肉感が感じられる。
「もちょっと、色白だったら完璧だよね。」
スウェットを着ると、瑠美はまた独り言を言った。
105名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 02:10:51 ID:NRyhI5JQ
<42>
「おはよーございまーす」
「おはようございます。っていうか、なんでそんなテンション高いんですか、瑠美さん。」
「何言ってるの、いつも彩子ちゃんこんな感じだよ。」「そんなんじゃないですよ。」
「私のイメージからはこんな感じなんだけど。」「そうですかぁ。」
よく聞けば少しおかしな会話だが、エントランスは始業前に急ぎ足で通り過ぎる人ばかりで、二人に気を留めるような人はいない。
互いの身体になって15時間。二人は再び更衣室に入る。
「そろそろ戻った方がいいんじゃない。」「えーっ、まだいやですぅ。」
「その甘ったるいの、さやか絶対言わないよ。」「えーっ、そんなこと言われてもぉ。」
「さやかが戻ってきて、困るようじゃダメでしょ。」「そりゃ、そうだけど…」
「じゃぁ、気をつけないと。少なくとも職場では。」「それなら、瑠美さんもちゃんと私っぽくしてください。」
「わかりましたぁ。」「そうね、そんな感じで。」
「上手じゃない…ですかぁ。」
二人はお互いの制服に着替える。瑠美が受付の仕事に戸惑ったのとは違って、今回はほとんど同じ仕事。
さやかの方が上のために、任せられる仕事は多少違ったが、彩子もさやかの仕事を見ていたおかげで、滞りなく1日が過ぎていった。

午後6時。
二人は会社の近くのイタリアンレストランにいた。
「昨日のご飯はどうしたの?」「外に食べに出ちゃいました。」
「家に作り置きがあったのに。」
「だって、この身体、よく見られるじゃないですか。すれ違う人がチラ見とか2度見とかするんですよぉ。私そんなことなかったし、なんだか嬉しくって。」
街中の雑踏でさえ目を引く長身と脚の長さ。瑠美もさやかの身体の頃に同じような経験をした。
「ナンパに引っかかったりとか、まずいことにならないようにしないとね。」「そうですね。」
店員がパスタとリゾットを持ってくる。
「ここのリゾット、私好きだったのにな…」「え?」
「味落ちたのかな…」「さやかはチーズあんまり好きじゃなかったから、そのせいかも。」
瑠美も今まで口につけるだけだったコーヒーを、カップ一杯飲みきった時に驚いたことがあった。
「味とかの感覚は、もとの身体で感じるからね。」「さやかさんって何が好きなんですか?」
「あんまり覚えてないけど、女の子にしてはスイーツが大好きって感じじゃなかった。
だからそのスタイルなのかもしれないけど。」
「えーっ!私大好きなのに…今日もパンナコッタ食べて帰ろうと思ったのに〜」
「地が出てる…」「あ…でも〜」
「別に嫌いじゃなかったよ。だけど、彩子ちゃんみたいに大好きじゃなかっただけ。」「じゃあ食べてもいいですね。」
彩子は満面の笑みを浮かべながらリゾットを口に運んだ。
106名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 02:12:32 ID:NRyhI5JQ
<43>
それから3日後の金曜日。更衣室の2人。
「もう飽きちゃったでしょ?」「そんなことないですよぉ。」
長身の美女が甘々な話し方をしているのは、やはり違和感がある。
「明日、さやかと会う約束してるのよ。」「えぇ? 私が会うのも困るけど。でも、戻れるのかも分かりませんよ。」
「だから試すんじゃない。ほら、目つぶって。」「なんで、目つぶるんですか?」
「いや、なんとなく…」
(さやかの身体に…)(私の体に…)
二人を3日前と同じ感覚が襲う。体の芯から何かが外へ出て行くような感覚。
思わず口が開く。膝ではなく太腿に触れるスカートの裾。肘の下にあるブラウスの袖口。
「さやかに戻った。」「私も…」
目の前にはぶかぶかのブラウスに身を包んだ彩子。スカートはずり落ちて、ストッキングに包まれた下半身とショーツが丸見えになっている。
「戻れるんだ。よかった。」「これなら、瑠美さんの元の体にも。」
「そうだね。でも、まだいいや。」「あーん、戻っちゃうとまたその身体になりたくなってきた。」
「また気が向いたらね。」「ずるいな、瑠美さん。瑠美さんこそ飽きちゃったんでしょ、私の身体。」
「そんなことないよ、彩子ちゃん可愛いし。」「じゃあ、またお願いします。」
「それより、早く着替えないと。」「あ…」
ショーツ丸出しの彩子は、少し顔を赤らめながらストッキングを脱いでいく。
濃紺のショーツを脱ぎ、ピンクでフリルの付いたショーツを穿く。彩子の穿いていたショーツを穿く瑠美。温もりが股間に伝わる。
(なんか変な感じ…こればっかりは慣れないよね)
お互いの私服に着替える。
「はぁ、久しぶり。」「私も、このワンピース久しぶり。」
黒のレースがあしらわれた深緑のワンピースを着て、瑠美は懐かしい気分になった。
(自分の持ち物じゃないのにな…)
しばらくすると、二人はまた身体を取り替えるようになった…


今回はこの辺で。
SSを楽しみにしてる方には、細部の描写が多すぎてお気に召さないかもしれませんが、
おつきあい頂ければ幸いです。早めに完結できるようにします…
107名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 20:41:49 ID:c718u4G/
テラ乙
長編は希少だから楽しみにしてます
108名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 21:38:20 ID:14+t8vqV
細部の描写が多すぎてむしろ歓迎なくらいですよ。
こういう描写の表現力がきつねさんの魅力だと思ってますよ。

彩子という新キャラを巻き込んでの入れ替わりが
とても良い感じです。

次も楽しみにしてます
109名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 22:34:09 ID:fh4tJAYR
新スレになってからの投稿を保管庫に反映させました。
砂漠のきつねさんの「瑠美とさやか 18〜22」が前スレ落ちで
反映できませんでしたので、可能な方はお願いします。
110名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 02:50:26 ID:rJZ7nQVY
きつねさんの連載どこかで読めないものかと思っていて、やっと見つけました。
けっこう進展していますね。あなたの細部描写はいつまででも読んでいたいぐらいですよ。
むしろそうしてほしい願望も込みでw気長に楽しみにしています。
111名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 14:25:39 ID:+Ofsx3Ab
GJ
このスレは職人さん少なすぎるからじっくり書いて下さい
投下は実質ひとり二人で回してるから心配になる
112名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 14:38:38 ID:jSn3wvGy
>>109
確認してみたが、番号が17から23に飛んでる
11314 ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:40:39 ID:934vnV2B
こんばんは、前スレ104改め今スレ14です。
一月近く規制くらったり電子の狭間をさまよってたりで
さっぱり作品書いてませんでした。
前スレのペースとはいきませんがまたぼちぼち投下したいと思っています。

という訳でSSを投下。妹ものですが基本はいつも通りの展開です。
114娘と継母(1/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:43:22 ID:934vnV2B
今日は少しばかり曇っていた。
部活をしてない俺は、学校が終わると真っ直ぐ家に帰る。
「ただいまー」
「おかえりなさい、健人さん」
リビングの方から明るい声がした。
栗色の髪を後ろで編んだ、綺麗な大人の人だった。
包み込むような笑顔でこちらを見つめている。

「ただいま、楓さん」
俺はエプロン姿の楓さんに頭を下げた。
楓さんが親父と再婚してからもう三ヶ月になるが、
何度見てもなぜ親父なんかと結婚したのかわからなくなるほどの美人だ。
家族として毎日一緒に過ごしているはずなのに、
まだ俺はこの人が義母だと実感できなかった。

「由香は部屋ですか?」
「ええ、健人さんが帰ってくるの待ってたんですよ」
「俺を?」
そのときパタパタと漫画のような足音と共に、
スカートをはいた三つ編みの女の子が二階から下りてきた。
ランドセルが似合うような可愛らしい年頃の少女。
最近ちょっと生意気になってきた、俺の妹の由香だ。

「由香、ただいま」
「あ、お兄ちゃんおかえり! 早く着替えてきてよ。
 楓さんがケーキ買ってきてくれたんだから!」
なるほど、そういうことか。由香は甘いものに弱いからな。
母さんが死んだときは見てられないほど泣きわめいた由香だったが、
今は楓さんにすっかり懐いており、実に仲が良い。
俺はそんな妹の様子を目にするたび、ほっと安心させられるのだった。

俺が着替えてリビングに戻ってくると、
テーブルにはシンプルなイチゴショートが三つ並べられていた。
楓さんがいれてくれた紅茶の香りが心地よい。
「えへっ、いただきま〜す!」
由香はフォークでケーキを三分の一ほど切ると、
クリームとスポンジの塊を小さな口に放り込んだ。
「こら、ベタベタじゃないか。行儀悪い」
俺はティッシュをとり、由香の唇の周りについた
生クリームをぬぐってやった。まったくこいつは。

「えへへ〜」
恥ずかしげもなく由香が笑う。
普通、この歳だと兄貴を嫌がるもんじゃないかと思うのだが
由香は生意気になった今でも平然と俺に甘えてくる。
ひょっとして愛情が足りないのかもしれない。
「良かったわね、由香ちゃん」
楓さんもそんな俺たちを微笑ましげに眺めていた。
血の繋がりはなくても、本当の家族のような時間が流れている。
このとき確かに、俺は幸せだった。
115娘と継母(2/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:44:34 ID:934vnV2B
親父は出張で週末まで帰ってこない。
その間、俺が楓さんとと妹を守らないと。
そんなことを考えつつ、俺は居間で楓さんとテレビを見ていた。
美香は風呂に入っている。
「ああ、また京一郎さんが転勤になりましたね。今度は宮崎ですか」
「単身赴任とか考えないのかしら…この夫婦」
継母と座卓で向かい合いながら、楽しい談笑の時を過ごす。

ふとテレビからそらした俺の目に、楓さんの笑顔が映った。
まだ三十路前の肌は白く、義母を実年齢よりさらに若く見せていた。
セーターの胸元は大きな肉の塊に押し上げられ、
妖艶な赤い唇が斜めに柔らかく吊り上げられている。
学校の女子などとは比べ物にならない楓さんの魅力に、
俺は思わずゴクリとつばを飲んだ。

いかん、相手は義理とはいえ母親だぞ。
ああでも美人だなぁ。親父めコンチクショー。
どこから借金のカタに連れてきたんだろう。もしくは誘拐か脅迫か。
そう考えていると、突然横から声をかけられた。
「お兄ちゃんお風呂!」
「ん――あ、ああ……」
風呂あがりの妹が、下着とタオルだけの半裸の姿で立っていた。

「こら由香、そんな格好でうろつくな。
 ちゃんと足を拭け。畳が濡れるだろうが」
「も〜、別にいいじゃない!」
「お前も少しは恥じらいというものをだな……」
「え〜、ひょっとしてお兄ちゃん、
 あたしのハダカ見てコーフンしてるの?」
「んなわけあるか、この馬鹿」
断言しよう。俺にロリの趣味はない。しかも妹だし。
「十年早いわこの幼女め。早くパジャマ着て来い、風邪ひくぞ」
俺は由香の頭を叩き、その場から排除したのだった。

「うふふ……」
「どうしました、楓さん?」
笑顔で肩を震わせる義母に俺は尋ねた。
「いや、本当に由香ちゃんは健人さんのことが好きだなあって」
楓さんは俺を羨ましそうに見て、そう言ったのだった。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
116娘と継母(3/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:45:26 ID:934vnV2B
夜も更け、そろそろ子供は寝る時間になった。
俺はまだ自分の部屋で漫画を読んでいた由香を捕まえて、
「もう遅いぞ、早く寝ろ!」
と妹を叱りつけた。
由香は不満そうな顔をしていたが、時間が時間だったので
大人しく漫画を片付けてベッドに飛び乗った。
よし、俺ももうすぐ寝るか。

そうして妹の部屋を出ようとすると、由香が俺の背中に声をかけた。
「お兄ちゃん!」
「なんだ」
「……眠れないの、今日は一緒に寝て」
「おいおい、そんな歳でもないだろ……」
こいつはホントに甘えん坊だなぁ。
俺は呆れて言ったが、妹は上目遣いで俺に頼み込んでくる。

「お願い、ぎゅ〜っとして。ぎゅ〜っと」
「はいはい……」
なんだかんだで俺も由香には甘い。
妹の狭いベッドに二人で潜り込み、注文通りに
後ろから由香の体を抱きかかえてやった。
「えへへ〜。お兄ちゃん大好き!」
あーそうですか。でも俺にロリの気は(ry
ついでに言うと妹属性もない。こいつチビだしな。
俺の好みはもっと大人の女性で、例えば楓さんのような……
おっと、俺は何を言っているんだ。

まあ数分も添い寝してやれば満足するだろう。
俺は小学生の妹と密着してベッドに転がっていた。
「お兄ちゃん……」
甘えるような声を由香があげる。
やっぱり甘えたい年頃なのだろうか。
親父は仕事でよく家を空けるし、母さんはもういない。
楓さんは一生懸命お母さんをしてくれてるけれど、
やっぱりまだ俺にするみたいに由香が甘えることはあまりなかった。
117娘と継母(4/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:46:31 ID:934vnV2B
「お兄ちゃん……好き……」
「はいはい、嬉しいよ」
「好きだから……抱いて」
顔を赤らめる由香に、俺は白けた声で返事をした。
「抱いてるじゃん。ほら」
「違うの〜! もっとしてほしいの〜!」
と言っても、これ以上どうしろと言うのですか、由香さん。

妹の我がままに辟易する俺に、由香が小さくつぶやいた。
「あのね、お兄ちゃん……あたし、この前見ちゃったの」
「見たって、何をだ」
「夜中にお父さんと楓さんが……その、ベッドで……」
――あの親父。
楓さんに手を出すだけでも極刑に値するというのに、
あまつさえそれを娘にバッチリ目撃されてやがったか。

俺は内心の動揺をよそに、由香に語りかけた。
「由香、お前にはまだ早い。もっと大きくなって好きな人ができたら
 お前もそのときはベッドでいっぱい抱きしめてやるといいぞ」
「あたし、お兄ちゃんが好きなの!
 だからあたしもあんな風にしてほしいな……って……」
ソレナンテ=エ=ロゲ(1599〜1669)。
おかしいな、育て方を間違えたか。

由香は赤い顔をさらに赤らめ、息を荒くしている。
「だから、お兄ちゃん……あ、あたし……う……!」
お、赤い顔がだんだん青くなってきている。泡を吹き始めたら止めるか。
そんな兄の配慮を無視し、由香は俺の胸に肘鉄を食らわせた。
「ご、ごほっ…… !! な、何するのよ、お兄ちゃん!」
「何って、いけない妹の首を締め上げただけだが。お仕置き嫌いだっけ?」
「違うの〜! こんなお仕置きはいらないの〜!」
二人は狭いベッドの中、俺の腕に巻かれたままで由香が暴れる。

「まあ、なんだ」
俺はさわさわと由香の頭を撫でた。一分もそうしてると落ち着いたのか、
俺の腕の中でじっとして静かになる。
「由香は可愛いよ。あと十年もすればとっても綺麗になる。
 でも俺はお前のお兄ちゃんだから、
 こうやって甘えさせてやることしかできないんだ。
 母さんからも頼まれたからな、お前のこと……」
「お兄ちゃん……」

やがて妹は眠くなってきたようで、俺はそっとベッドから離れた。
しかし親父と楓さんは何とかしないとな。教育に悪い。てか羨ましい。
俺が部屋を出ようとすると、その背中にまたしても声がかかった。
「お兄ちゃん……あたしが大人になったら、いいのね……?」
やれやれ。俺は微笑み、由香に言ってやった。
「ああ、楽しみにしてるから早く大きくなれよ。おやすみ」
パタン、とドアが閉められた。
118娘と継母(5/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:47:49 ID:934vnV2B

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

「――それで君の願い事は何かな?」
「あのね、あたし大人になりたい。
 楓さんみたいな綺麗な女の人になりたいの!」
「どうしてだい?」
「お兄ちゃんが、あたしはまだダメって言うの。
 お兄ちゃん、いつも楓さんのことばっかり見てる。
 だからあたし、楓さんみたいになりたいの」
「わかったよ。君のお願い、叶えてあげよう。
 だから楓さんのところに案内してくれるかい?」
「うん、いいよ!」

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

今日は冬にしては暖かい。
俺はいつものように学校を終えると寄り道もせず家に帰った。
母さんが死んだのは葬式とかで学校の連中にも知られてるから、
無理に俺を引き止めるやつはいなかった。

いつものようにカギを回しドアを開く。
「ただいまー」
「おっかえりー!」
ドタドタといつもより大きな音を立てて由香が走ってきた。
まったくこいつは、いい加減落ち着……け……。
目の前に立つ由香の姿に、俺の時が止まってしまった。

いつも通りの三つ編みが左右についた、小ぢんまりしたあどけない顔。
タートルネックのダークブラウンのセーターは走ってきた勢いで、
ぶるんぶるんと胸元で大きな二つのボールを弾ませている。
真っ白で清潔なスカートの裾から見えるのは、細くしなやかな脚。
「ゆ、由香……?」
俺の身長とほぼ変わらない由香が、そこに立っていた。

「お兄ちゃあんっ !!」
相変わらずの落ち着きのなさで、由香が俺に飛びかかってくる。
普段なら苦もないはずが、今日は危うく倒れそうになった。
「お、お前……どうしたんだ?」
今の由香は明らかに大人の体になっていた。
どう考えても一日でこんなに成長するはずがない。顔はそのままだし。

いつも見下ろしていた由香のロリ顔が、俺の真正面にあった。
豊満な胸を思いっきり俺に押しつけてきて、実に気持ちがいい。
いかんいかん、相手は妹だぞ。
首を振る俺に、由香は満面の笑みで言った。
「あのね、これ楓さんの体なんだよ!
 お兄ちゃん、楓さんのこと大好きだから嬉しいでしょ?」

――とっさに俺は妹の言葉が理解できなかった。

どうなってるんだ。
追いすがってくる由香を振り切って、俺はリビングに向かった。
そこにはいつも通りの楓さんがいて、
にっこり笑って俺を迎えてくれるはずだった。
「…………!」
俺の目に映ったのは、ソファに寝転んだ赤いワンピースの少女。
気を失っているその綺麗な顔は、俺の継母のものだった。
119娘と継母(6/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:50:26 ID:934vnV2B
「――しかし、やっぱり信じられんな……」
だが由香と楓さんの首が入れ替わっているのは事実だ。
あれから目を覚まして取り乱した楓さんを必死でなだめ、
俺たち三人はソファに並んで座っていた。

何でも、由香が言うには、学校の帰りに知り合った
変なにーちゃんに頼んで楓さんと入れ替えてもらったらしい。
どこの超能力者か知らないが、迷惑なことをしてくれたものだ。
早くそいつを見つめて二人を元に戻さなくては。

「とにかく由香。楓さんに謝れよ。ごめんなさいって」
「ごめんなさい……楓さんがあたしになるって思わなかったの」
素直に由香が頭を下げる。
楓さんはあれからずっと黙ったまま、由香の格好でうつむいていた。
白いシャツの上に着た可愛らしい真っ赤なワンピースが、
楓さんの大人の顔とものすごい違和感をかもし出している。

気まずい沈黙の後、楓さんが顔を上げて笑顔を作った。
「う、ううん、別にいいのよ」
見ただけで無理をしているとわかる辛い表情。
当然だろう。こんな非現実的な事件に巻き込まれたのだから。
「この手も、この足も、由香ちゃんのなのね。……可愛いわ」
自分の手足を見つめ、楓さんが口にした。

「……そう !?」
由香が身を乗り出すと、その弾みで弾力のある胸がまた揺れた。
いつも思うが、肩こらないんだろうか。
「ええ。とにかくまだお父さんは帰ってこないし、
 その間にきっと元に戻れるわ」
「うん!」

「それじゃあ、お買い物行ってきますね」
由香の体で立ち上がり、バッグを手にした楓さん。
俺と由香より頭二つ分ほど背が低いが仕方がない。
しかしその格好ではご近所に何と言われるだろうか。
俺は心配になり、楓さんに言った。
「髪、おろしたらどうですか?」
「え? そ、そうですね」
編んだ髪をストレートに流し、顔と体の違和感を小さくする。
由香みたいに三つ編みにしてもいいかもしれない。
「楓さん、可愛い!」
由香がそう言ったが、誉め言葉になってないぞ、多分。
120娘と継母(7/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:51:31 ID:934vnV2B
楓さんが出かけた後、俺は座ったままの由香にたずねた。
「それで、どうしてこんなことしたんだ」
「ごめんなさい……」
「いや、理由を聞いてるんだ」
俺の口調は厳しい。当たり前だ、こいつのせいで
訳のわからない事態になって、楓さんに迷惑がかかってるんだからな。

由香は三つ編みの頭をうつむかせた。
「あたし……早く大人になりたかったの……」
「――なんでだ」
「楓さんみたいな大人になったら、その……お兄ちゃんが、
 あたしを好きになってくれるって……」
……こいつは馬鹿か。やはり教育を間違えたらしい。

俺は静かな怒りを胸に、由香に言ってやった。
「いいか由香。お前は俺の妹だ。
 十年経っても百年経っても、俺たちは兄妹なんだ。
 だからお前が期待してるような関係にはなれない」
一字一句、はっきりと告げる。

「でも、今のあたしの体、楓さんのなんだよ!
 ほらあたしのおっぱい見てよ! 脚も見てよ!」
「やめろ! 楓さんの体なんだぞ!」
セーターやスカートを脱ぎだした妹を、俺は必死で押さえつけた。
くそ、やっぱり力が強くなってる。
俺が由香の両手に気を取られたときだった。

――ちゅっ……。

由香の唇が俺のそれに押しつけられ、粘膜同士が接触した。
「えへへー。キスしちゃった」
こいつ……兄をナメやがって!
楓さんの体であることも忘れ、俺はソファの由香を上から押さえ込んだ。
「あ……お兄ちゃん……!」
たわわに実った双丘を両手で揉みしだく。
もう妹でも継母でもどうでもよかった。
ただ、この女を懲らしめてやりたい。泣かせてやりたい。
その思いに俺の頭は支配されていた。
121娘と継母(8/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:52:20 ID:934vnV2B
「あ、やあ……あん……」
由香の顔が赤く染まっていた。
分厚いセーターの上からなのでよくわからないが、
揉んでいるうちに胸の先端が硬くなってきたような気がする。
俺は抵抗もしない由香のセーターとシャツを脱がせブラを剥ぎ取り、
上半身を素裸にひん剥いてしまった。

ぶるんとこぼれる巨乳が俺に勃起した乳首を晒している。
この誘惑に逆らえる男はそうはいないだろう。
俺は由香の上にのしかかると、硬い乳首を口に含んだ。
「は……やあ――おっぱい……」
上気した顔で由香が喘ぐ。
普段ランドセルを背負う少女にこの刺激はきつすぎるかもしれない。
だが俺にやめる気は皆無だった。

ペロ――ペロ……。
舌を這わせ、乳首から黒々とした乳輪、谷間の奥まで
べったりと俺の唾液を塗りつけた。
きっと冷たくて気持ち悪いだろう。だが知ったことか。
「あぁ……あっ……ああっ……」
由香はずっと俺に舐められて声を上げ続けている。

――うるさいな。
かん高い声をあげる妹に、俺は少し不愉快になった。
「はあ……ん……んんっ !?」
突然唇を奪われ、由香の目が驚きに見開かれた。
「ん……んむ、んん〜っ!」
舌を入れられるのは初めてのはず。俺は舌で由香の歯をこすり、
今夜歯磨きしなくてもいいよう丹念に掃除してやった。
なぜか唾がたまってしまったので由香に送り込んで飲ませてやる。
こくん、と小さな喉が動くのが見えた。

もはや由香の目はトロンとしていて、正気が感じられなかった。
ただ俺にされるがまま、胸と口とを犯され続けた。
――そろそろいくか。
俺は由香の真っ白なロングスカート、楓さんのお気に入りのそれを
まくりあげ、紫のショーツを少しずつずり下げていった。

黒々とした毛が俺の目に飛び込んでくる。
「うわぁ……すっごい……」
まだつるつるの体だった由香にはかなりショックなのだろう。
よだれを口の端から垂らしながら、由香は熱っぽい視線で
今や自分のものになった継母の陰部を見つめていた。

――さわっ。
「ぅあ……!」
軽く撫でてやると、もうそこはグショグショだった。
可愛らしいグロテスクな口が汁まみれで俺のモノを待っている。
熱く火照った由香の体をソファに横たえ、
俺はズボンから猛りきった自分のアレを取り出した。
122娘と継母(9/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:53:24 ID:934vnV2B
息も絶え絶えの妹が俺のモノを見上げてくる。
「お、お兄ちゃ……すごぉい……」
「大丈夫さ。お前のココなら楽に入るから」
俺は自分のチンポに右手を添わせると
由香のアソコに狙いを定め、一気に奥まで突き入れた。

「あぁああっ !!」
既に洪水だった膣は難なく俺のを受け入れた。
汁まみれなのでスムーズに入ったが、締め付けはすごい。
親父にガバガバにされているのかと思ったが、決してそんなことはなかった。
ねっとりと絡みつくと同時に、処女のように俺をきつく締め上げてくる。
まあ、由香にとってはこれが初めてなんだが。

由香は未知の快感に目を細め嬌声をあげていたが、
入れた俺も余裕はなく、気を抜けば持っていかれそうだった。
(やべえ、気持ち良すぎる……)
改めて親父への怒りがふつふつとこみ上げてくる。
しかし今は俺がこのマンコをかき回してるんだ。
父性の超克、うむ実に素晴らしい。
俺は妹の中で動きながら、ひとり哲学に思いをはせていた。

俺の手が由香の腰を持ち上げ、前後に激しく往復させる。
「お、にいちゃ……あっ !! あぅんっ !!」
「由香、気持ちいいか? おマンコ気持ちいいのか?」
妹をいじめようと、わざと下品な言葉で責める。
だが由香はもう俺に逆らうこともできず、首を振るだけだった。
「あひぃ !! いい! おマンコいい! いいのぉっ !!」
細めた目から雫がこぼれ、ソファに染みを作る。

――パンっ、パン !! パン !!
突きこむと、由香の一番奥に届く感触がする。
形がぴったりなのか、膣の深いところが俺を包み込んできて、
ぱっくりと口を開いた子宮が俺の先っぽに当たっているような気がした。
ここに俺のを注ぎこめば、俺と由香の子供ができるかもしれない。
それは今の俺にとって、とても魅力的な誘惑に思えた。
123娘と継母(10/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:54:47 ID:934vnV2B
膣の中は由香の愛液にあふれ、ヌチャヌチャと激しい音をたてている。
「おにぃちゃん! らめっ! あたしらめぇ !!」
由香はもう2、3回イッている気がしたが、俺の方も限界が近づいていた。
この中に俺の子種をブチまけたい。
俺と由香が力を合わせ、楓さんの体で赤ちゃんを作るんだ。
そうすれば、今よりもっと幸せになれる。

「はぁあ、おにひっ…… !! ちゅあん !!」
由香は楓さんの両手で自分の小さな口を押さえていた。
三つ編み頭の小学生の由香の顔が俺のチンポに喘いでいる姿は
とても背徳的で、それがまた俺の興奮を高めた。

俺は、舌を出して喘ぐ由香の顔を見下ろした。
「由香……! 出すっ! 出してやるぞ !!」
「だ、出すっ !? いいっ !! いひぃよぉっ !!」
生理もまだの由香に、俺の言葉の意味がわかったわけはない。
だが嬉しそうによだれを垂らす妹に、俺は兄としての愛しさを感じた。

――グッ !!!
爪が食い込むほど腰の肉をつかんで、チンポを奥底に突き入れた。
――ドクッ !! ビュルビュルビュルゥゥゥッ !!
「あ゙ぁあ゙あぁああ゙ぁあ゙っ !!!」
俺の人生で一番の量が由香の子宮に注がれてゆく。
実に数秒間。俺は壊れた蛇口のように、妹の中に子種を送りこんだ。
もし危険日だったら確実に孕んでしまうだろう。

「あ……あぁ、あへあへ……」
由香は絶頂を迎え、虚ろな目でこちらを見上げていた。
口から漏れるのは熱い吐息とうわ言。
痙攣する由香の汗ばんだ体を見つめながら、
俺は妹への愛情が膨らんでいくのを感じていた。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
124娘と継母(11/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:56:24 ID:934vnV2B
玄関のドアが開く音がした。
重そうな買い物袋を両手に抱え、子供のような楓さんが帰ってきた。
そしてリビングに入り悲鳴をあげる。
「――キャアアアアアッ !?」
「お、お兄ぃ! はぁんっ !! いいっ !!」
「由香、最高だぞ由香ぁっ !!」
既に俺たちは第三ラウンドに突入していた。
床に四つんばいになった妹に馬乗りになって、
俺はバックからグチョグチョのマンコをかき回した。

ソファと言わず床と言わず、あたりは俺たちの体液で汚れまくっている。
しかし一番汚いのは由香の性器だろう。
幾度となく俺の汁を受け止めて、由香のと混じった粘液が
突きこむたびに周りに飛び散り、結合部からもトロッと垂れる。
ボーボーの陰毛と合わさって、実に見事な陰部だった。
つい携帯のデータフォルダに収めてしまったほどだ。

「あ、あなたたちっ !! やめなさい !! やめてぇぇえっ !!」
買い物袋を乱暴に床に落とし、楓さんは叫んでいた。
こちらにまとわりついて俺と由香とを引き離そうとするが、
子供の力で大人二人をどうにかできるはずがない。

だが俺は由香からズブリとチンポを引き抜き、楓さんに笑いかけた。
「おかえりなさい、楓さん」
「な、何をしているのっ !? 由香ちゃんはまだ子供なのよっ !!」
「でも、体は楓さんのですよ。ほら、こうやって俺の精液を
 タップリブチ込まれても、喜んで腰を振ってるんですから」
「な、何てことするの……!」

絶望したかのように、ひざまずき顔を覆う楓さん。
だが俺も由香もこのまま終わる気は毛頭なかった。
「楓さん、そう言うんでしたら、
 代わりにそっちの体を使わせてもらっても構いませんよね?」
背後から俺に両手をつかまれ、楓さんがハッとする。
「な……何するの !?」
「おーい由香ぁ。お前の体ヤっちゃってもいいよなぁ?」
「うんいいよぉ。さっきのあたしみたいにズボズボやっちゃってぇ♪」
「や、やめなさい!」
由香も加勢して、二人で赤いワンピースの少女を押さえつけた。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
125娘と継母(12/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:58:41 ID:934vnV2B
――ぽたり。
ソファに赤い雫がしたたり落ちた。
ヤバ、これは後で染みになるな。
そんなことを考えながら、俺は楓さんの上から幼い体を貫いていた。
「――あ、ぐぅ……!」
あまりの苦痛に必死に歯を食いしばって泣いている。
人生で二回もロストバージンする女性ってすごいよな?
普段見られない義母の泣き顔に、俺は嗜虐心をそそられた。

楓さんの中はきついなんてもんじゃなかった。
まだ生理もきてない由香の膣では俺のを全部くわえ込めるはずもなく、
半分ほど入ったところで俺は止まってしまっていた。
「い、痛いぃ……!」
「あれ、おかしいですね。いつもはあんなに親父のをねじ込まれてる
 はずなんですが、僕のが無理とは変ですねえ」
「お、願い……抜いてぇ……!」
大粒の涙が宝石のようにぽたりと落ちた。

「入れるか抜くか、それを決めるのは楓さんじゃありませんよ」
楓さんにのしかかりながら、俺は妹を呼んだ。
「由香。楓さんが抜いていいかって聞いてるぞ?」
「いいわけないじゃな〜い。ちゃんと全部入れてあげてよ」
楓さんの顔が恐怖に歪む。
先ほどセックスを邪魔されたからか、由香は非常に不機嫌だった。
「でもこれ以上入れたら壊れちゃいそうでなぁ……」
「い〜よい〜よ。思いっきりヤっちゃって」

「……だそうです」
「イヤァッ、やめてぇっ !! た、助けてぇっ !!」
俺は楓さんに中途半端に入れたまま、怯える彼女を見下ろしていた。
「じゃあ楓さん、抜いてもいいですが条件があります」
条件。楓さんは震えながらも俺の話に耳を傾けた。
「今後、俺と由香のセックスを邪魔しないこと。
 それが守れるなら、楓さんは俺の妹として大事に扱います」

このまま元に戻らず、立場も入れ替わったままでいろ。
俺が言ってるのはそういうことだった。
由香もこの体が気に入ったようだし、俺もこっちの方が
好きなだけ熟れた体を味わえるからありがたかった。
「い……いや……」
楓さんが泣きながら首を振る。当然だ。

だが俺は楓さんをいたぶるように腰をほんの少しだけ突き上げると、
「じゃあ、やっぱりこっちのロリマンコを俺専用にしますね」
「痛いィィィッ !! ……わかったぁ! わかりましたぁっ !!」
その誓いを聞いた俺は、血のしたたる楓さんの陰部からチンポを引き抜き、
火照った体を持て余していた由香にそれを見せつけた。
「やった〜! 楓さんありがと〜っ !!」
嬉しそうに笑い、由香はソファの上で獣がする服従のポーズ、
腹を見せて仰向けに転がる姿勢をとって見せた。
膣口がヒクヒクと蠢き、汁をボタボタ垂らしていた。

「良かったな、由香」
「うん! またいっぱいヤろうね、お兄ちゃん!」
笑みを浮かべた俺がその上にのしかかり、改めて膣に挿入する。
部屋の隅でしゃくり上げる楓さんを横目に、
俺たちはそれから欲望のままに何度も何度も交わったのだった。
若いっていいなぁ。

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 
126娘と継母(13/13) ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 20:59:50 ID:934vnV2B
今夜は少し冷える。
だが、うちの寝床は気温など無関係に熱い。
俺はイヤホンを耳に当て、家族の笑い声を楽しんでいた。
『――由香っ !! いいぞ、由香っ !!』
『あぁ、お父さんっ !! そこっ ! いいのォッ !!』
盗聴器から聞こえる父娘の嬌声に笑みを浮かべる。

久々に家に帰ってきたから、今日はかなり激しいな。
俺の穴も残しといてほしいものだ。ただでさえ最近は
由香の腹がポッテリと目立つようになって、遠慮してるというのに。
生まれたら由香にとっては弟か妹か、それとも自分の子供になるのか。
いや、甥か姪という線もあるな。
いずれにせよ、俺たち家族の絆が深まることは間違いない。

仕方ない。こっちで我慢するか。
俺はイヤホンを外し、さっきから一生懸命俺のチンポを舐めている
楓さんの頭を撫でてやった。
「あの……健人、さん……?」
「良かったですよ、楓さん。今日は入れてあげましょうか?」
その言葉に楓さんの頬がゆるむ。

最近は三つ編みにしているが、今は夜中なので
楓さんは長い栗色の髪をストレートに垂らしていた。
学校は意外に楽しいらしく、友達も何人かできたらしい。
対して由香は頭が小学生のまま、毎日NEET状態なので将来が不安だ。
主婦なら主婦なりに、家事を覚えさせなくては。
楓さんもあいつを甘やかしてちゃダメですよ。

可愛らしい熊さん模様のパジャマを脱がせ、水玉パンツもむしり取る。
露になった幼い割れ目に顔を押しつけ、舌で優しく愛撫した。
じらすように舌を這わせ、何とか愛液を分泌させる。
何度か突っ込んではいるものの、依然として楓さんの膣は
俺のモノを全部くわえ込める大きさではなかった。
元々が由香のつるつるマンコだから仕方ないけどな。

「ひゃうんっ !?」
指を一本入れ、ぐりぐりと動かした。
前よりこなれている気もするが、気のせいかもしれない。
小さいながらも俺の指を必死でぎゅうぎゅう締め上げてくる膣に
生命の神秘を感じ、俺は可愛い楓さんの成長に涙した。

「じゃ、入れます……痛かったらすぐ言って下さい」
こくこくと楓さんはうなずき、俺のを迎え入れた。
「ぅ、あんっ……!」
生理もきていない未熟な性器で感じているのか。
俺は楓さんの幼い体を抱きかかえてゆっくりと侵入していく。

「あ、ちょっと、待……!」
「はいはい」
俺は動きを止めた。無理強いはしない。
何たって楓さんは俺の大事な妹なんだからな。
「健人さん……」
俺の首に細い腕を回して、楓さんは俺の唇に吸いついてきた。

「ん……んむっ……ん……」
たっぷり三十秒は舌を絡め合い、楓さんは赤い顔で俺を見つめた。
そのピンクの唇が蠢き、短い言葉を紡ぐ。
「……お、兄ちゃん……きて……」
俺は喜びに顔を歪め、楓さんにそっとチンポを突きこんでやった。
12714 ◆cW8I9jdrzY :2009/03/31(火) 21:06:19 ID:934vnV2B
以上となります。

妹ものとか言いつつ、こんな妹はメルヘンかファンタジーにしかいません。
あと見やすいかも?ということで ◆ ◆ を入れてみましたが、
何だか逆に見にくくなった気もします。その辺いかがでしょうか。
規制が切れたので、またそのうち投下できたらいいなと思ってます。

ではこの辺で失礼致します。
砂漠のきつねさんの長編、楽しみにしています。ではでは。
128名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 22:40:00 ID:RFmhxK4G
なんという逆転オチ!

すばらしい作品でした!
129名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 23:08:45 ID:+Ofsx3Ab
いつもの人キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ !!!!!
相変わらずのエロいSSグッジョブ!
復活待ってました!
130名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 21:28:55 ID:H8ZYRjCo
>>14キター! GJ!
これで祖母・母・姉・妹と女家族はほぼコンプしたことになるな。
13114 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:38:28 ID:cm2SpWuz
こんにちは>>14です。

せっかくの四月馬鹿にSSが間に合わなくてショボーン。
とりあえず一品仕上げたので投下でございます。
家族へのこだわりというのは特にないんですが、今回は母親もので。
132母と幼馴染(1/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:39:46 ID:cm2SpWuz
小学校の帰り道。
「――きゃあっ !?」
ランドセルを背負ったひとみの赤いスカートが
勢い良くまくり上げられ、真っ白な下着が丸見えになった。

「へっへーん、今日も白かよぉ!」
野球帽をかぶった小柄な少年が嬉しそうにはやしたて、
たちまち女子に取り囲まれ袋叩きにされる。
「あんた、何してんのよ !!」
「ひとみちゃんに手を出すなっていつも言ってんでしょ!」
「エロ! スケベ! 変態 !!」
ぎゃああああ……という悲鳴が聞こえたが、
ひとみは恥ずかしそうにスカートを押さえ半泣きになっていた。

「……ひどいよ、ヨシヒロくん」
「ひとみ、気にしちゃダメよ!」
「そう! あの馬鹿はちゃんと成敗しといたから」
「うん……」
周りから暖かいフォローの声がかけられ、
ひとみはうつむきつつ友達と一緒に帰っていった。

ヨシヒロとは幼稚園からの付き合いだ。
家も近く、小学校でもずっと一緒のクラスで
今まで仲良くなってきたつもりだった。
気が弱く独りでは何もできないひとみは
しょっちゅうヨシヒロの後ろをついて歩いたものだ。

しかし最近、ヨシヒロが自分に意地悪をするようになった。
よく男子の悪ガキ達とつるんでいるし、言葉遣いも乱暴になって
さっきのようにひとみにイタズラをすることも多い。
年頃の男子としては決して珍しくない行動なのだが、
ひとみはスカートをまくられたり悪口を言われたりすると
反撃もできずに泣き出してしまうような臆病な性格だったため、
周りの女子が助けてやらないといけなかった。

このままじゃいけない、と思う。
もっと強くなって、何でもはっきり言えるようになりたい。
ヨシヒロと仲直りして、以前のように仲良くしたい。
ひとみはそう望んでいたが、現実は厳しかった。
133母と幼馴染(2/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:41:01 ID:cm2SpWuz
一旦ランドセルを玄関に置き、ボールを持ってまた出ていく。
夕方までサッカーで汗を流してきたヨシヒロは、
満足げな表情でようやく家に帰ってきた。
「ただいまー」
返事の代わりに飛んできたのは母親のゲンコツだった。
「痛えっ !? 何すんだよ、かーちゃん!」
「何すんだじゃないわよ。あんた、またひとみちゃんイジメたんだって?」
「いや、俺何もしてねーって!」
「嘘つかないの!」
またしても頭部をポカリとやられるヨシヒロ。

園子は怒った顔で息子をにらみつけた。
「女の子をイジメるような卑怯者にあんたを育てた覚えはないわ。
 何度も言ってるんだから、少しは反省しなさい!」
小柄なヨシヒロが園子の体格に追いつくのはまだまだ先だ。
押さえこまれてポカポカ叩かれるのは小さい頃から変わらない。
「いてっ! かーちゃんやめてっ!」
「罰として今日のおかずはニンジンとアスパラにしたから。
 今度ひとみちゃんをイジメたらこんなもんじゃ済まないわよ!」
「は……はい……」

母親は怖い。
染めた茶髪を上品なショートカットにし、化粧にもそれなりに気を遣う園子は
他所からは美人だとかスタイルがいいとかよく誉められるが、
ヨシヒロから見ればとんだ鬼婆だった。父があまり子供を叱らないため
その分園子がヨシヒロを怒鳴りつけ、必要なときは容赦なく手をあげた。
しつけの域を超えることは決してなかったが、
ヨシヒロにとって母親の園子は、狼かライオンのように恐ろしい存在だった。

野菜だらけの夕食を食わされた後、ヨシヒロは部屋でゴロゴロしていた。
サッカーは楽しかった。ひとみは今日もおどおどしていた。
母親には今日もしこたま叩かれた。
「俺、別にひとみをイジメてるつもりはないんだけどなぁ……」
ゴロンと寝返りをうつ。

ひとみとは今までずっと一緒に過ごしてきた。
嫌いなはずはないが、最近どうもひとみが気になってイタズラをしてしまう。
園子に怒られるのも当然だが、ヨシヒロにも言い分がある。
あいつがあんな弱っちい性格をしてるから悪いんだ。泣き虫め。
「くっそ。あー、まだ頭が痛えや」
ヨシヒロは本棚から漫画を取り出し、寝転んだまま読み始めた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
134母と幼馴染(3/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:41:34 ID:cm2SpWuz
ある日のこと。
今日も遊びに行こうと荷物を置きに家に帰ってきたヨシヒロだが、
ふと玄関に見慣れた女の子の靴があるのに気づいた。
「なんだ、ひとみのヤツ来てるのか」
また自分のことを母に告げ口してるのかもしれない。
今日は何もした覚えはないが、一応確認しようと家にあがった。

「かーちゃん! ひとみ来てるのかー?」
居間のふすまを開けると、そこにひとみが立っていた。
白いブラウスと緑のスカート、さらさらしたストレートの黒髪という
いつもの格好でヨシヒロを見つめている。
「やっぱり来てるじゃないか」

あいさつ代わりにスカートでもめくろうかと思ったが、
家の中でそんなことをすれば園子にどんな目にあわされるかわからない。
ヨシヒロは仕方なく無難な会話を選択した。
「ひとみ、かーちゃん見なかったか?」
少女は黙って首を横に振った。

おかしいな、出かけてるのか?
ヨシヒロは冷蔵庫から麦茶を出した。
二つのコップに茶を注ぎ、片方を一気にあおる。
「ふぅ。ひとみ、かーちゃんいないみたいだから
 俺は今からサッカーしてくるって言っといてくれ」
そう言って幼馴染に背を向けたヨシヒロ。

そのとき、園子の大声がヨシヒロの耳を震わせた。
「こら、ヨシヒロ!」
ひい――思わず引きつった悲鳴をあげ、びくりと飛び上がる。
いきなり聞こえた母親の怒鳴り声。完全に不意打ちだった。
「か、かーちゃん !?」
少年はキョロキョロと辺りを見回したが、母親の姿はどこにも見えない。

「か、かーちゃんどこだ?」
部屋の中にはひとみが黙って立っているだけ。
ひとみが喋ったのだろうか。
――いや、あれは確かに母の園子の声だった。
生まれたときからずっと聞いてきた母親の声を間違えるはずはない。
声はすれども姿は見えず、ヨシヒロは戸惑うばかりだった。
135母と幼馴染(4/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:43:37 ID:cm2SpWuz
やがて、ひとみがニッコリ笑ってヨシヒロに話しかけた。
「……うふふ、びっくりした? ヨシヒロくん」
「ひ、ひとみ、その声……?」
ヨシヒロが目を見開いた。なんとひとみの口から聞こえてきたのは
幼い少女のものではなく、ヨシヒロの母親、園子の声だったのだ。

「やっぱりおばさんの声には弱いのね。こら! なんてね♪」
「ひィッ !!」
つい両手で頭をガードしてしまう。
そんなヨシヒロの情けない様子を見て、ひとみは楽しそうに笑った。

「ど……どうしてひとみがそんな声……」
ビクビク怯えてヨシヒロが聞いた。
ひとみは穏やかな笑みを浮かべて答える。
「この声だったらヨシヒロくんにイジメられずに済むって
 おばさんに言われたの。だから喉を交換してもらっちゃった」
「え……交換…… !?」
何のことだかヨシヒロにはさっぱりだった。

ガラリとふすまが開く。
「ま、そういう訳だから。これでひとみちゃんも大丈夫でしょ」
どこから現れたのか、園子が仁王立ちで息子を見下ろしていた。
その口から漏れるのはコロコロした少女の声音。
ヨシヒロは驚きに母親を見つめながら、
ああ、ひとみって普通に喋ったらこんな感じなのか――
と、頭の片隅で感心してしまった。

「どう? ひとみちゃん。私の声、効き目バツグンでしょ?」
「はい! おばさん、ありがとう」
入れ替わった声で、違和感だらけの会話が交わされる。
「しばらくこのままでいましょうね。もしひとみちゃんが良かったら
 他の部分も交換してあげるから、いつでもおばさんに言ってちょうだい」
にこにこと笑顔でそう言う園子。
声が若返ったからなのか、どこか嬉しそうに見えた。
「わかりました。そういう訳だから、ヨシヒロわかったわね!」
「――は、はいっ!」
ひとみが園子の口調を真似してヨシヒロをいたぶる。

見慣れた少女の口から恐ろしい母親の声が出てくるという異常事態に
ヨシヒロは夢を見てるのではないかと疑ったが、やはりこれは現実だった。
「あ、今日からしばらくひとみちゃんウチに泊まるわよ。
 ひとみちゃんのお母さんにもちゃんと電話しといたから。
 この声でご家族ごまかすのも面倒だろうし」
「……あ、そーですか」
ヨシヒロはげっそりして少女の声に答えた。
136母と幼馴染(5/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:44:43 ID:cm2SpWuz
次の日、ヨシヒロはひとみと一緒に登校した。
ひとみはマスクをして皆の前ではロクに喋らなかった。
「カゼ? 大変ねー」「ひとみちゃん頑張ってね」などといった
クラスメートからの励ましの声に、ひとみは嬉しそうにうなずいていた。
ヨシヒロはといえば、ひとみの口から発せられる園子の声を
想像しただけで、とても彼女に手を出す気にはなれなかった。

「ただいまー」
「おかえり、ヨシヒロくん」
友達と遊んできて、夕方、泥だらけで帰ってきたヨシヒロだったが、
玄関で出迎えたひとみを見て、開いた口が塞がらなかった。

「お……お前……」
「どうしたの? ヨシヒロくん」
ひとみが彼の手をグッとつかむ。
痛! と悲鳴をあげたが、なかなか離してもらえなかった。
「へー。やっぱり力が違うねー」
自分の長い腕をまじまじと見つめて少女がうなずく。
その薬指には細い金色の指輪がきらきらと光っていた。
大きな胸を覆うブラジャーの紐が、薄く白いシャツから透けて見える。

今度は顔以外の上半身を全部入れ替えたそうだ。
母親のごつい上半身が、ひとみの細く華奢な足腰とくっついていて
かなり気持ちの悪い姿だった。そもそもくっつけるには
大きさが合わないんじゃ、と思ったが特に問題はないようだ。

ぼーっと少女を見ていると、ポカリと頭を叩かれた。
「いてっ! 何すんだよ!」
「何って普段の仕返し。すごく痛いでしょ?」
「痛ぇよ! やめろよ!」
「そんなこと言っちゃダメだよヨシヒロくん。もっかい叩くよ?」
ポカポカこづかれ、泣いて謝る少年だった。

「あはは。あんた、逆にイジメられてるじゃないの」
「何馬鹿にしてんだ、ひとみ!」
思わずそう言って振り向くと、そこには腰から上が不自然に小さな
園子がニヤニヤ笑ってヨシヒロを見下ろしていた。
「あっ……間違えた」
ついでに母親に蹴飛ばされ、ヨシヒロはたまらず逃げ出した。
137母と幼馴染(6/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:46:23 ID:cm2SpWuz
体が半分入れ替わっても、園子は家事を欠かさなかった。
ただ、全部が全部今まで通りという訳にはいかない。
「ヨシヒローっ !!」
「何だよ、ひと……かーちゃん。もう飯だろ?」
また間違えかける。声が入れ替わるとこんなにも違うのか、
とヨシヒロは目の前の不条理に涙した。
「あんた今からスーパー行ってきて、お米買ってきてちょうだい。
 10kgのが安いはずだから。あんたならいけるでしょ」
「え〜?」

夕飯の直前におつかいなど面倒で嫌だったのだが、断るとまた怒られる。
何とか逃げる方法はないだろうか、と畳に座ったまま
ヨシヒロが思案を巡らせていると、園子がヨシヒロの前にひざまずき
細い子供の両手を伸ばして息子の頬を撫でた。
ヨシヒロのものより小さな手のひらがほっぺたをくすぐる。

「ほら見て、ひとみちゃんの手よ。
 これじゃ母さんは重い物持てないのよ。だからお願い」
「……はいはい、わかったよ」
「ありがとう、ヨシヒロくんステキ♪」
「その声でそんなこと言うなぁっ !!」

出かけようとすると、ひとみが見送ってくれた。
「じゃあ、いってらっしゃい」
「ああ、かーちゃんに言われたからな。仕方ねー」
ひとみは上半身だけ大人になっていたので、米袋くらいは持てるはずだが
この異様な格好で出歩く訳にはいかない。
「んじゃ行ってくる」
「早くするのよヨシヒロ !!」
「だからかーちゃんの真似はやめろぉっ !!」

ヨシヒロはすっかり二人にオモチャにされつつあった。
(ひとみ、学校とかどうするんだろ……
 胸とか腕だけでかくなってるから、あれじゃ体育なんてできないよな。
 きっと、もうそろそろ元に戻るんじゃないか?)
などと、楽観的に考えてしまうヨシヒロだったが
やはり自分は甘かった、と後で思い知らされることになる。
138母と幼馴染(7/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:47:19 ID:cm2SpWuz
その翌日、ひとみは学校を休むことになった。
周囲には風邪が悪化したと思われただけだったが、
事情を全部知っているヨシヒロには気が重い話だった。
自宅に帰れば、母親が二人いるような状況なのだから。
今日はランドセルを置きに帰ることもせず、外でギリギリまで遊んで
夕食時にようやくヨシヒロは帰宅した。

「こら、遅いじゃないの!」
ビクリと震えるヨシヒロの目の前には、
怒った顔のひとみが立ったままこちらを見下ろしていた。
その脚はスラリと長く、ベージュのスカートがよく似合っている。
手を当てている腰も完全に大人の女性のそれで、
上半身と下半身のバランスが取れたスタイルをこちらに見せつけていた。

もはやひとみの体で残っている部分は頭部だけだ。
母親の身長で見下ろされ、母親の声で怒鳴られ、母親の手で叩かれる。
ヨシヒロはもはや抵抗する気にもならず、
「ごめん、ごめん」と半泣きでひとみに謝るばかりだった。

今日は父親が早く帰ってきたので、夕食は家族揃って食べた。
「母さん、小さく……いや、若くなったなぁ」
「あらいやだ。ほれ直したかしら、あなた?」
顔以外は完全に小学生になった園子が顔を赤らめて言う。
(父ちゃん……何でそんなに平然としてるんだ……)

ヨシヒロはひとみと園子に挟まれて座らされている。
何を食べているのか、おかずの味もロクにわからない。
「ごちそうさま」
と半分近くを残して席を立とうとしたが、
母親の体をした幼馴染と幼馴染の体をした母親に怒られて
残りを無理やり胃に流し込むことになってしまった。

風呂で頭に湯をかけながら、ヨシヒロはひとりうなっていた。
「もうダメだ……どうなってるんだ……」
おかしい。この世界は狂っている。
異常事態の連続にヨシヒロの頭はもうドロドロだった。
自分も狂ってしまえば苦しまなくて済むのだろうか。
そう思ったとき、背後でカチャリと風呂の戸が開く音がした。
139母と幼馴染(8/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:48:22 ID:cm2SpWuz
「ヨシヒロくん……?」
「わぁあっ! ひ、ひとみ !?」
バスタオルを体に巻いた大人の少女がそこにいた。
「な、なんで……」
「う、うん。ヨシヒロくんも反省したみたいだし、
 そろそろ仲直りして一緒にお風呂に入ろうかなって……。
 体を洗ってあげたいんだけど、いいよね?」
「あ、そーなの。でもいいよ、自分でやるから」
「ヨシヒロ! 言うとおりにしなさい!」
「は、はいぃっ !!」
「――あはは。じゃあ体洗ってあげるね」
そう言ってひとみはスポンジにボディソープをつけ、ヨシヒロの後ろに座った。

ごしごし、ごしごし。
何年か前までは、ひとみと一緒に風呂に入ったこともあった。
それがなくなったのは小4だったか小5だったか。
たしか、あの頃から妙にひとみが気になりだしたように思う。
ヨシヒロはちらりと後ろを振り返った。
「? どうかした?」
バスタオルが巻かれた母親の豊満な乳と鎖骨の上に、
首をかしげたあどけない少女の顔が見える。

「い、いや……何でもない」
「そう? じゃあ前も洗うからこっち向いて」
「前はいいって! やるから!」
「こっち向きなさい!」
渋々椅子ごとひとみの方を向く。
その股間には小ぶりながら一人前に硬くなった陰茎が
隠しようもない存在を主張していた。

「あ、ヨシヒロくんのおちんちん……おっきくなってる」
ひとみは、記憶の中の姿とは少し違った少年の肉棒に
不思議そうな視線を向けた。手を伸ばして軽く触れると
ビクンと激しい反応が返ってきて、ひとみは驚きの声をあげた。
「――や、やめてくれっ!」
「これ動くの……? も、もうちょっと触らせて」

そうしてひとみは園子の指でヨシヒロのを散々に触りまくった。
ヨシヒロも嫌がったが、母親の体と声に迫られては抵抗できるはずもない。
ひとみは自分の膝の上にヨシヒロを座らせ、興味津々といった顔で
皮をかぶった少年の幼い陰茎をいじり回した。
「ひ、ひとみ……やめ……」
「あっ !?」
いきなり先っぽからネバネバした液体が勢い良く飛び散り、ひとみは目を剥いた。
140母と幼馴染(9/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:49:09 ID:cm2SpWuz
手についた白いそれは、指を広げるとネットリとべたついて
ひとみの指と指との間に粘液の架け橋を形づくった。
「へぇ……こんなの出るんだ……」
見ると、ヨシヒロは顔を赤くして疲れきったように
ハァハァと荒い息を吐いていた。
ちょっとやりすぎたかもしれない。
ひとみはヨシヒロの体を持ち上げて百八十度回し、正面から向かい合った。

「ヨシヒロくん、ヨシヒロくん……」
「――ん、ああ……かーちゃん……?」
のぼせたようにぼーっとするヨシヒロ。
ひとみが心配そうに少年を抱きしめると、
ヨシヒロは気持ちよさそうに母の豊かな乳房に顔をうずめた。
むにゅ、と柔らかい感触が二人の頭を刺激する。

「ヨシヒロくん……おっぱい、飲みたいの?」
バスタオルをはらりと床に落としてひとみが問うと
ヨシヒロはとろんとした目でうなずき、そっと左の乳房に吸いついた。
「あっ……おっぱい、吸われてる……」
発育の良くない小学生の体とは違い、充分に熟れた人妻の体である。
その乳首をちゅぱちゅぱと好きな少年に吸われてはたまらない。

「はぁっ……ヨシヒロくん、やめて……」
いつでも止められるはずなのに、ひとみは少年を止めようとしなかった。
艶かしく腰をよじりつつ、ヨシヒロのなすがままになっている。
ぴちゃ……ちゅう、ちゅう……。
「ああ……いい、ヨシヒロくぅん……」
ひとみが切なそうに目を細めたときだった。

「――ちょっとあんたたち! いつまでお風呂入ってるの!」
「はいっ !?」
戸の向こうから自分の声が聞こえ、ひとみは飛び上がった。
「す、すいません……すぐに上がりますから……」
「仲良くお風呂もいいけど、いい加減のぼせちゃうわよ!」
外で園子が怒っている。
ひとみはさっさと自分とヨシヒロの体を流すと、
呆けた顔のヨシヒロを連れて風呂から上がった。
「ふぅ……す、すごかった……」
ひとりになり、火照った顔でひとみはつぶやいた。
141母と幼馴染(10/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:49:50 ID:cm2SpWuz
あくる日、ひとみは元気に登校した。
「あ〜あ、とうとう全部入れ替わっちまったのか……」
ため息をついたヨシヒロの首を締め、ひとみが笑う。
「どう? 可愛いお友達と一緒に登校する気分は」
「やめてくれよ……かーちゃん」
「こら、ひとみちゃんって呼べって言ってるでしょ」
頬を思いっきりつねられ、ヨシヒロは諦めた顔でうなずいた。

ひとみの変わりように、クラスの皆は唖然とするばかりだった。
「へえ、それすごいわね! どんなの? どんなの?」
「跳び箱くらいっ! 元陸上部員をなめるなっ!」
「こら、そこうるさいっ! 静かにしなさい!」
横で見ているヨシヒロが心配になるくらいひとみは目立ち、
たちまち彼女はクラスの注目度NO.1にのぼりつめたのだった。

「あぁ楽しかった! 青春が戻ってきた感じね!」
学校からの帰り道、ひとみは喜色満面で飛び跳ねていた。
「かーちゃんすごい……でも何か違う……」
ジト目でつぶやくヨシヒロに目もくれず、
通学路の分かれ道でひとみはヨシヒロに別れを告げた。

「じゃあ私、ひとみちゃんちに帰るから」
「え、かーちゃんうちに帰るんじゃないの?」
「もう結構泊まってるし、そろそろ帰らないと
 ひとみちゃんのお母さんが心配するわ。
 着替えとかはもう取りに来てもらってるから大丈夫よ」
「でも、誰が掃除や洗濯するんだよ !? 晩飯だってあるのに……」

戸惑うヨシヒロに、ひとみは笑顔を浮かべて言った。
「家事はひとみちゃんがお休みしてる間に、簡単に教えといたわ。
 さすがにご飯は作れないかもしれないから、適当に買ってきていいわよ」
「そ、そんな気楽に……」
「じゃーね、ヨシヒロくん。また明日!」
そう言ってひとみは自分の家に帰っていった。
「あ、かーちゃん……ったく、元に戻る気あるのかよ……」
学校で楽しそうにしていたひとみの姿を思い出し、
ヨシヒロは何度目かわからないため息をついた。
142母と幼馴染(11/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:50:48 ID:cm2SpWuz
不機嫌そのものといった顔でヨシヒロが帰ってきた。
「ただいまー」
「あ、ヨシヒロくんおかえりー」
なにやらいい匂いがする。
育ち盛りのヨシヒロは、手洗いうがいもそこそこに
テーブルの上で湯気を立てているものに視線を向けた。

「あ、ホットケーキ? 美味そうだなぁ」
「うん。おばさんに習ったから作ってみたの。
 良かったらヨシヒロくん食べて」
園子はエプロン姿で恥ずかしそうにもじもじと言った。
「マジ !? じゃあいただきまーす!」
乱暴にフォークを突き刺しかぶりつく。
ところどころ焦げてはいたが、バターと蜂蜜がかかった
甘くてふっくらしたホットケーキは、ヨシヒロにとって最高のご馳走だった。

「うん、美味い美味い!」
「そう? 良かった……」
嬉しそうに息子を見つめる母親。
いつもの鬼婆とは違う、優しくて穏やかな園子。
(あー、これはこれでいいかも……)
と、つい思ってしまったヨシヒロだった。

さすがに夕食は店屋物を中心に簡単な品が並んだが、
卵焼きや味噌汁に園子の努力がうかがえた。
掃除や洗濯も一生懸命にこなし、元小学生でありながら
立派に一児の母として主婦の仕事に取り組んでいた。
「うん、この卵焼きは美味い! ひとみちゃん、将来は
 いいお嫁さんになれるぞ! 今はおじさんのお嫁さんだけどな!」
「うふふ、おじさんったら」
そんな夫婦の会話を聞き流しつつヨシヒロは、
こいついつ戻るつもりなんだろう、とぼーっと考えていた。
143母と幼馴染(12/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:51:46 ID:cm2SpWuz
夜、ヨシヒロは物音で目を覚ました。
(あれ……?)
うっすら目を開けると、母親の園子が薄い紫色の寝巻き姿で
目を閉じたまま彼の上に覆いかぶさっていた。
「――ちょ、ちょっと !?」
押しのけようとするも、ヨシヒロと園子では体重が違う。
身動きできずにヨシヒロが困っていると、
やがて園子が目を開けて小さな声で言った。

「あ、ヨシヒロくん……どうしたの?」
「なんでかーちゃん、いやひとみがここで寝てるんだよ!」
「だって、おじさんイビキがうるさくて……。
 眠れないからここに避難しにきたの。一緒に寝ようよ」
「お、俺はかーちゃんと一緒に寝るトシじゃないって!」
「――母さんの言うことが聞けないの?」
「わぁいかーちゃん、一緒に寝ようぜ」

結局、布団の中で園子の抱き枕にされてしまった。
あのときと同じく、今も薄い寝巻きの上から
豊かな乳房がヨシヒロの顔を柔らかく包み込んでいる。
「ひとみ……く、苦しい……」
「ヨシヒロくん……またおっぱい欲しいの?
 けっこう甘えん坊さんなんだね……」

園子は寝巻きの前をはだけ、露になった乳首を息子の口に押し当てた。
「ん、違……!」
「いいから吸って」
要求に逆らえず、言葉通りに口と舌を動かしてしまう。
ひょっとして園子も気持ちいいんじゃないか。
女の体なんてさっぱりわからないが、ヨシヒロは何となくそう思った。

チュウ、チュウ……ちゅぱ、ペロ……。
「あっ……ヨシヒロくん……」
「気持ちいいのか? ひとみ」
「うん、気持ちいい……お願い、もっとして」
布団の中でそんな会話を交わす母子。
ヨシヒロに吸われているいちに、園子の体はだんだん熱くなってきた。
真っ白な肌が少しずつ火照って汗ばみ、息があがり始める。
144母と幼馴染(13/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:52:36 ID:cm2SpWuz
ヨシヒロの方も、言いしれない興奮に酔いしれていた。
いつもあんなに自分を叱り、恐怖の対象だった母親が
今は自分に優しく乳を吸わせて喜んでいるのだ。
中身が普段意識している幼馴染の少女ということもあって、
ヨシヒロのモノはすぐにパンパンにはちきれてしまった。

「ヨシヒロくん……おちんちん、当たってるよ」
「え? ――あ、ご、ごめん!」
「ううん、別にいいの……興奮、してるんだね」
穏やかに微笑み、園子はヨシヒロのパジャマを剥ぎ取った。
白いブリーフを脱がせると、この間も見た小ぶりな陰茎が
恥ずかしそうに母親の前に顔を見せた。

「たしか、ここニギニギすると気持ちいいんだよね……?」
「あ……ひとみっ……!」
たどたどしくも優しく愛撫される手の感触に耐え切れず、
ヨシヒロはたちまち出してしまった。
「……き、今日は早いね……」
「ごめん……よくわからないけど、なんか気持ちよくって……」
顔を赤らめて頬をかくヨシヒロ。

ところが園子はクスクス笑って息子に語りかけた。
「いいの……あたしも嬉しいよ……。
 今度は一緒に気持ちよく……なろ?」
「う、うん……」
ゆっくりと顔を近づけ、母子の唇が触れる。
軽く肉が触れただけなのに、二人は真っ赤になって互いに見つめ合った。

「キス……しちゃったね……」
「あ、ああ……」
「あたし、初めてだったの……」
「俺もだ……でも、初めてがかーちゃんか……何かフクザツ……」
「気にしないで。体はおばさんだけど、中身はあたしだもん」
145母と幼馴染(14/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:53:48 ID:cm2SpWuz
寝巻きを完全に脱ぎ捨て、黒い下着も剥ぎ取って、
園子は白い肌と溢れる肉感を存分に息子に見せつけた。
母親のはずなのに。自分はこの体に産んでもらったはずなのに。
園子を前にして、ヨシヒロの一物は痛いほどそそり立っていた。
切ない目で自分を見上げる息子を優しく見つめ、
園子はヨシヒロの右手をとって自分の股に押しつけた。

「すごい……濡れてる……」
「興奮するとこうなっちゃうの。ココ見える?」
自分の手でくぱぁと陰部を広げて見せる園子。
黒々とした陰毛と濡れそぼった肉壷がたまらなく淫靡だ。
ヨシヒロは荒く息を吐いてそう思った。
「学校で習ったんだけど、女の人のココに好きな人の
 おちんちんを入れるとニンシンしちゃうんだって……」
母の言葉にヨシヒロの喉が動き、ゴクンと唾を飲んだ。

「ねえ……ヨシヒロくん、あたしのこと好き……?」
「うん、俺……ひとみが好きだ。愛してる」
「おちんちん、あたしのココに入れたい?」
「入れたい」
「赤ちゃん作る?」
「うん、作ろう」

園子は嬉しそうに笑って、ヨシヒロの肉棒を手にとった。
ピクピクしたそれをゆっくり引き寄せ、自分の膣に押し当てる。
「いくよ……ヨシヒロくん」
我慢できなくなったのか、ヨシヒロは腰を突き出して
一気にびしょ濡れの母親の中を貫いた。
「ああっ !?」
「う、うあ――!」

何だこれ。
よくわからないクチュクチュしたものがチンチンにひっついてくる。
ヨシヒロは初めての性交にいきなり達しそうになりながらも、
何とか直前で踏みとどまった。
もっと膣内を味わいたい。
生まれたとき自分が通ってきた、肉の通路の感触を味わいたい。
その思いで少年の頭は一杯になっていた。
146母と幼馴染(15/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:54:30 ID:cm2SpWuz
「あ、入ってる……! ヨシヒロくんのおちんちんが、
 あたしの中に入ってるよ……!」
園子は興奮してそう口にした。
ムチムチの熟女の膣が小学生の小さなモノで満足するはずがなかったが、
今の園子にとって、これが初めてのセックスである。
脳内を電流が走り回るのにも似た感覚に、少女の心は必死で耐えていた。

むちゅ。ネチャ……ジュプッ !!
誰に教わったわけでもないのに、二人は自然と腰を動かしていた。
園子の膣が後から後から愛液を追加し、既に結合部は
ヨシヒロの陰茎が往復するたびにジュポジュポと音を立てていた。
「ああ、いいっ! ヨシヒロくん、いいよっ!」
「く……俺も、俺もいい! すっげー気持ちいい!」

布団の上に仰向けに寝転んだ母親の上から
幼い息子が自分の未熟な陰茎を必死に突きこんで犯している。
「いい! おちんちん、もっと動いてぇ!」
「ひとみ……かーちゃんのコレいい! マジで気持ちいい!」
誰が見ても異常な光景だったが、本人たちはただ本能のままに
好きな相手との愛を確かめているだけなのだ。

限界はすぐにやってきた。
「かーちゃん、俺……ぐぅっ!」
苦しそうに声を漏らすと、ヨシヒロの先端から熱いものが噴き出し
母親の膣の中をべとべとと汚した。
「う……」
小ぶりな肉棒を引き抜き、力なく園子の上に倒れこむヨシヒロ。

園子は拍子抜けしたような表情で息子を見つめ、
「あ、ヨシヒロくん……大丈夫?」
と聞いて、その体を抱きしめてやった。
園子はまだ達してなかったが、先にイカれては仕方がない。
火照った体を息子に抱きつくことで満足させ、嬉しそうに女は横になった。
「次はもっと気持ち良くなろうね……ヨシヒロくん」
髪を優しく撫でてやり、園子はそう言った。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
147母と幼馴染(16/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:55:25 ID:cm2SpWuz
それから三年が経ち、ヨシヒロとひとみは中学生になっていた。
ある日園子が学校から帰ったヨシヒロを出迎えると、
ひとみも一緒だったようで、二人仲良く家にあがってきた。
「あら、いらっしゃい」
「うふふ、お邪魔します。おばさん」
ひとみは笑って園子に頭を下げた。
細い体に紺のブレザー、ストレートの長い黒髪に
アクセントにつけられたピンクのリボンがとても可愛らしい。

園子は笑い返して言った。
「もう、元は自分の体だったんですから、
 おばさんなんてよして下さいよ。園子さん」
「あら、だって今は私がひとみちゃんですもの。
 おばさんって呼ばないと逆に失礼よ。ねえ?」
ひとみはそう言って、隣のヨシヒロにウインクをした。
ヨシヒロはといえば、困った顔で二人を見比べるだけ。
もうどうにでもしてくれ、と言いたそうな顔だった。

「ごめんなさい。来るとわかってたら何か用意したんですけど……」
申し訳なさそうに言う園子に、ひとみは優しく言った。
「いいえ、お構いなく。ひとみちゃんもヨシアキちゃんの世話で
 忙しいでしょ? しかも、もうすぐもう一人できるんだし」
「でも、お腹はまだそんなに大きくないんです。
 もうすぐ安定してくる時期なので、それからは結構動けると思います」

園子は聖母の笑みを浮かべ、さわさわと自分の腹部をさすった。
そこはかすかに膨らみ、丸みをおびたシルエットを形作っている。
ブレザーの少女はうんうんとうなずき、
「わかるわ。私もこの子を産んだとき、そうだったもの」
と、苦い顔をしたヨシヒロを指さした。

そのとき部屋のベビーベッドから赤ん坊の泣き声が響き渡った。
「あ、ヨシアキちゃん」
園子はベッドの赤子をそっと抱き上げ、
「よしよし、お腹空いたの? 今おっぱいあげますからねー」
と言って大きな乳房を出してくわえさせた。
幸せそうに我が子に母乳を与える園子。
その様子にひとみは目を細め、静かにその場を離れた。
148母と幼馴染(17/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:56:02 ID:cm2SpWuz
「しっかし、まあ……」
壁にもたれたヨシヒロの陰茎に舌を這わせながら、ひとみが言う。
「あんた、よくあの子を孕ませたわね。しかも二回も」
「うるさいな、できちゃったものはしょうがないだろ」
不機嫌な顔でヨシヒロが答えた。
「そうよね。体だけ大人の子供をほっといたらどうなるかって
 考えなかった私も悪いんだけどさぁ」

入れ替わってから、園子は毎晩のようにヨシヒロと交わった。
妊娠が判明したときは、さすがのひとみも激怒したものだ。
「でも、あんたがまさか母親の体を抱くなんて思わなかったもの。
 あんた、ひょっとしてマザコンだったの?」
「違えよ。あいつがあんまり欲しそうにするから……。
 あの表情でお願いされたら、絶対逆らえないって」
「おーおー。のろけちゃって」

ヨシヒロの肉棒をちゅぽちゅぽとくわえ、唇で上下にしごく。
「ん、む……お父さんは、できたってわかったときに何か言ってた?」
「別に何も。ただ黙って一言『そうか』だって」
「うーん、あの人が一番訳わかんないわよねぇ……」

今度は体勢を入れ替え、ひとみが畳の上に寝転んだ。
スカートははいたままパンティを脱がせ、ヨシヒロが陰部にかぶりつく。
――ピチャ、チュル……。
静かな部屋に、肉と汁が触れ合う音が響いた。

「……でも、赤ちゃんできちゃったからもう戻らないって、
 あの子もすごいこと言うもんねぇ……。
 私は満足したら、ちゃんとこの体返すつもりだったんだけど」
肉体の入れ替わりは相手が妊婦でも可能だが、
中にいる子供の安全は未知数だった。
そのことを告げると、園子は明るく微笑んでひとみに言ったのだった。
「それじゃあたし、これからずっとおばさんやります」

それから園子は無事ヨシアキを出産したが、
相変わらず元に戻る気はなく、まだヨシヒロの母親を続けている。
今、園子の中には二人目の、園子の体にとっては三番目の命が宿っていた。
幸せそうに過ごしている園子の顔を見るたび、
ひとみはつい体を返しそびれてしまうのだった。
149母と幼馴染(18/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:56:43 ID:cm2SpWuz
「……そろそろいいか?」
「いいわよ、ヨシヒロ」
ヨシヒロはひとみの体をひっくり返し、四つんばいにさせた。
スカートをまくると、ヒクヒクと蠢く肉壷が
ヨシヒロのモノを求めてよだれを垂らしていた。

――ズブ、ズブズブズブ……。
「ん、いいわ……いい」
ひとみは満足そうな声をあげ、後ろからの突きこみに喜んだ。
園子の熟れた性器とは違う、まだ発展途上の膣が
少年の硬くなった一物を受け入れてゆく。

「あは……あんたも大きくなったわねぇ。
 あの小さかった象さんが、こんなにガチガチになってるんだもん」
「うるさいな。親父と比べてんのか?」
「そうね……まだお父さんには勝てないけど、
 もうちょっとしたら追いつくかも……?」
「うるせーよ。くそ」

焦らすようにゆっくり挿入し、中ほどでまた引き抜く。
それを数回繰り返すと、ひとみの中から汁があふれ始めた。
「……まさか、親父にヤらせてるなんてこと、ないよな?」
少し声を尖らせてヨシヒロが言った。
「あらヨシヒロったら、妬いてるの?
 ……心配しなくても、この体で相手してるのはあんただけよ。
 お父さんのことは今でも愛してるけど、
 そんなの、ひとみちゃんに悪いじゃない」
「もうその体はお前のだろ。三年も経っちまったんだから」
「でも、中身は今でもあんたの母さんなんだからね?」
首を横に向け、ひとみが偉そうに言った。

「そんなこと言ってもさ……」
背中の上からひとみの耳に口を近づけ、ヨシヒロは囁いた。
「母親やめて息子の彼女になって、その息子にしょっちゅう
 こんな事されて喜んでるかーちゃんってどうかと思うぞ」
「あら、そうかしら……あっ♪」
奥まで突きこんでやると、コリコリという手応えがした。
その感触が嬉しいのか、ひとみが妖しげに目を細める。

学校でも明るく大人気の美少女が、熱い息を吐いて言った。
「あん――まったく、悪い子ね……。
 あの子だけじゃなくて……私も、孕ませるつもりなの?」
「まだ責任取れねーよ……」
裏を返せば、そのうち責任を取るという風にも取れる言葉を口にし、
ヨシヒロは少女の奥深くをじっくりとかき回した。
結合部からまた雫が一滴、ぽたりと落ちて畳を汚す。
150母と幼馴染(19/19) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 18:59:31 ID:cm2SpWuz
「心配――しなくても、今日は多分、大丈夫……。
 やっと……満足にセックス、で、できる体にぃ……
 なっんだもの。も……もっとぉ、楽しま……ないと」
「ああ、そうかよ」
ヨシヒロは薄笑いを浮かべ、ひとみの服の中に両手を差し入れた。
控え目に膨らんだ乳房を揉み、突起をつねると少女の反応が激しくなった。

「……こっちはまだまだだな。やっぱあっちのデカパイとは比べ物になんねー」
「あ、やだぁ……結構……気に、してるのにぃっ……!
 あと、後で……覚えて……なさいぃ……!」
「やだね。もうお前は俺のかーちゃんじゃないし」

ぐりぐりと円を描くように少女の中をこねくり回す。
「やん……そこ、いい……! いいのぉ…… !!」
「ホントにお前、俺のチンポ好きだな。俺専用の穴だからしゃーねーけど」
その動きがたまらないのか、ひとみは口を開けっぱなしにして喘いだ。
よだれがつうっと垂れ、畳に染みを作る。

ヨシヒロは少女を絶頂に追いやるため、激しく膣内を暴れまわった。
「あぁあ、いい! はぁんっ !!」
「そろそろイッちまえよ、ひとみ」
「はん、はあっ! ヨ、ヨシヒロぉっ !! いい、いいよぉっ !!」
「ああ。俺もたっぷり出してやる――そらよ」
「はふぅ! ふああぁっ !! あああぁああっ !!!」
――ブバァッ !! ドクドクドクドクゥッ !!!
何度も何度も注ぎ込まれた膣内にまた射精され、ひとみはのけぞった。

「はぁあ……あぁ……はぁぁあぁ……」
涙とよだれを盛大に畳にぶちまけ、少女はうつ伏せで倒れこんだ。
ゴポォッ。
思う存分中に注ぎ込んだヨシヒロは、陰茎をひとみから引き抜くと
大きな息を吐いて仰向けに寝転がった。

そのとき、まるで見計らっていたかのようなタイミングで
ふすまがスーっと開き、ヨシヒロの母親が顔をのぞかせた。
「ヨシヒロ……くん……」
母の物欲しげな顔を見ながらヨシヒロはふと、
そういや妊娠してから最近ご無沙汰だったな、と思い出した。
15114 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/02(木) 19:05:12 ID:cm2SpWuz
以上となります。

すげかえ物も結構書いたし、変わったネタがほしいなぁということで
今回は二人が部分交換で少しずつ入れ替わっていくことにしました。
おかげで普通より分量が多めに…。入れ替わった双方が納得してるのも珍しいかも?
SSの形式の話をすると、序破急が一番書きやすい気がします。安直で。

という訳で、今日はこれで失礼致します。
良ければまたお会いしましょう。ぐーぐー。
152名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 20:41:24 ID:LaNKONoD
GJ!

父視点だと、嫁の体と心別々に息子に寝取られた感じですな!
153名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 21:37:56 ID:dp1cehzU
GJ!
「実母とかねーわ…」と思ってたが幼馴染と入れ替えるとこれほどエロくなるとは…
今回は少年出てないけど、入れ替わりは母親の能力?
154名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 22:12:28 ID:obhWFybt
相変わらず14さんは神だな
いつも斜め上の設定なのに読んでて嫌な気分がしない
次も楽しみにしてます

でもなんでヨシヒロがカタカナ?w
155名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 08:04:51 ID:z8bEoE16
近親相姦をタブーとして
二人とも息子から離れてしまうパターンま
みたい気がしました。
156名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 13:37:54 ID:i+EE+55C
完全に入れ替わると名前表記も逆になるのが倒錯的でいいね
157名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 12:08:00 ID:blfYy+et
投稿がないと思ったら他スレに出張してた少年シリーズが更新されてた
最近は色々書いてるのね…>>14さん

このままじゃただのスレチなのでODに絡めると、女同士の人格融合ってどうなんだろう
前スレでちょっとやってたけど、憑依or入れ替わりで記憶と心が混じっちゃって
ハプニングなんて結構いいと思うんだけど、良かったら書いてくれませんか
158名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 12:15:24 ID:c4oGG0q+
>>157
誘導ヨロ
159名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 14:08:03 ID:blfYy+et
16014 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/08(水) 03:02:41 ID:2XUV2aKn
ついカッとなってやった、今は反省している
ttp://imgbbs1.artemisweb.jp/2/upupdoko/img/1239127222_010407_000001.html
161名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 07:37:57 ID:+3e1g97W
前スレ>62
続きマダァー? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
162名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 08:28:34 ID:MGuln4o2
とりあえず保存した
163名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 18:19:24 ID:pFl9fqqq
元の体バージョンも希望っす
164名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 00:10:37 ID:LGmOlYVH
うむ。大体予想通りの外見だな。
16514 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/09(木) 01:02:41 ID:GKkiYpwb
また描いてしまった…。
お絵かきスレではありませんが、SSの挿絵ということでお許し下さい。
素人絵なのでイメージが壊れたらごめんなさい。

「OLと幼稚園児」の双葉
ttp://imgbbs1.artemisweb.jp/2/upupdoko/img/l1239205963_011631_000001.html
「小学校で色々と」のみどり先生
ttp://cgi25.plala.or.jp/q9wfz3/up/img-box/img20090409005750.jpg

次の話のネタも考えなくては……ではこれにて失礼を。
166名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 12:36:25 ID:NCQqndN9
双葉(≧▽≦)イイ!
ごちになりました〜
16714 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:06:39 ID:gprjmjk5
こんにちは>>14です。
また微妙なものを書いてしまったので投下に悩んでますが、

「『投下する』そんな言葉は使う必要がねーんだ
 なぜならオレやオレたちの仲間は、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
 実際にSSを落としちまってもうすでに終わってるからだッ!
 だから使った事がねェーッ! 『投下した』なら使ってもいいッ!」

との兄貴のありがたいお言葉を頂いたので、とうりゃ。
168同級生と(1/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:07:50 ID:gprjmjk5
空が半分ほど曇っていた。
だがこの天気も晴れと呼ぶということを小学生のときに習って
不思議に思ったことを覚えている。
「ふう……」
瑞希が窓の外を見て何となくため息をつくと、
廊下からドタドタと走ってくる音が聞こえてきた。

「みっずきぃ〜!」
ちょうど昼休みになったばかりで、購買や食堂は
飢えた生徒の群れで歩けないほどなのに、
走ってきた少女は両手にパンを持って
嬉しそうに瑞希のところにやってきた。
「へっへ〜、やきそばパンとクリームパンゲット!」
テニスで鍛えた体は無駄な肉がなく引き締まっていて、
髪は茶色に染めた癖っ毛を動きやすいよう短く切り揃えていた。

瑞希はそんな真理奈を見て呆れた顔で言った。
「いつもいつも、よく欲しいのパッと買えるよね……」
あの混雑の中、よく目当ての品をひと目で把握し、
他の生徒たちを出し抜いて買ってこれるものだ。
以前瑞希も挑戦したことがあるが、あえなく敗退してしまい
今は自分で簡単な弁当を作って持ってきている。

真理奈は見せつけるように瑞希の机の上にパンを置き、
勝ち誇った表情をしてみせた。
「ふふん、これが実力ってやつよ」
「うん、そうだね」
「遠慮しないで、もっと誉め称えていいわよ?」

牛乳のパックにストローを突き刺した真理奈に、
瑞希は軽く首を振って答える。
少しつまらなそうな表情を浮かべた真理奈だったが、
ふと思い出したように瑞希に笑いかけた。
「そういえば、中川もパン買いに来てたわよ。かなり苦戦してたみたいだけど」
「佑ちゃんが?」
その言葉に瑞希が顔を上げた。
169同級生と(2/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:08:53 ID:gprjmjk5
相手の表情の変化を面白そうに眺める真理奈。
「大好きな男の子が昼食にありつけないかも、って思うと
 瑞希としても心配よねえ。どうせお弁当作るんだったら
 中川の分も作ってやったらいいのに」
「べ、別に私と佑ちゃんはそんなんじゃ……」
瑞希は頬をかすかに朱に染めた。

「はいはい。あんたはいつもそう言いますけど、
 はた目には瑞希が中川のこと好きなのはバレバレよ。
 しかも、向こうも満更でもないみたいじゃない」
「え、えーと、どうなんだろ……?」
「あーあ、なんであんた達、まだくっついてないのかしらねぇ。
 小さい頃からずっと一緒だったんでしょ?」
軽く息を吐いて言う真理奈に、瑞希は無言でうなずいた。

「あたしから見ても、瑞希はそこそこ可愛いしいい子だし、
 運動以外は何やらしても万遍なくできる優良物件なんだけどなぁ。
 正直言って、中川なんかにゃもったいないくらいよ」
瑞希は黒の長い髪をツインテールにした、内気そうな女子高生だ。
細く小柄な体格と幼さの残る顔立ちが中学生によく間違えられるのが
ささやかで微笑ましい瑞希の悩みである。

「そんなこと……ないよ」
恥ずかしそうに顔をそむける瑞希だったが、いきなり
染まった頬に真理奈の両手がかけられ、強制的に彼女の方を向かされた。
「――ま、まりなちゃん !?」
「瑞希に何が足りないって、やっぱり気合よねぇ。
 あんた達、少年漫画の奥手なカップルじゃないんだから、
 お互いにもっと積極的にならないと駄目よ?
 毎日お弁当作ってやるとか! 学校まで一緒に来て帰るとか!
 そのくらいしないと二人の仲は進展しませんってば」
「だからー! 私と佑ちゃんはそんなんじゃないのー!」
(うーん、駄目だこりゃ……)
泣きそうな顔で言ってくる少女を見て、真理奈は心底そう思った。
170同級生と(3/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:09:41 ID:gprjmjk5
放課後、真理奈は瑞希を連れて校門のそばで立っていた。
自他共に認める勝気な美少女と内気な美少女という異色の組み合わせに
二人を知らない者からは興味深げな視線がチラチラ送られたが、
そわそわと落ち着かない瑞希とは逆に真理奈は悠然とその場に仁王立ちだった。

数分ほど待った頃、真理奈が校舎の方を指差した。
「ほら、来たわよ」
「う、うん……」
「あまりにも不甲斐ないから、あたしがあんた達の仲を取り持ってあげる」
とりあえず登下校を一緒にすると真理奈に言われ、
瑞希はここで(半ば強制的に)佑介を待つことにしたのだった。

佑介は一人だった。
やや鋭い目つきを除けば、これといって特徴のない少年である。
彼は二人に気がつくと、まるで自分をにらみつけるようにしている
真理奈と瑞希に、不思議そうな顔を向けた。
「ん、二人ともどうしたんだ? こんなとこで」
「やっと来たわね中川。あんた、今日はあたし達と一緒に帰りなさい」
「……はあ?」

自信満々の真理奈に訳のわからないことを言われてしまい、佑介は困惑した。
俺、こいつに何かしたっけ。それとも何かの罠だろうか。
こいつが尻軽なのは知ってるが、俺に興味があるとはあまり思えない。
何だ。一体何なんだ。狙いはなんだ。

どう答えていいかわからず佑介がその場に立ち尽くしていると、
瑞希が顔を赤らめて小さな声で言った。
「佑ちゃん……一緒に帰ろ?」
「あ? あ、ああ……」
幼馴染の少女の言葉に、彼はついうなずいてしまった。
横で真理奈がニヤニヤ笑っているのが見えたが、それは無視する。

祐介と瑞希は家も近く、幼い頃からよく一緒にいた。
それなりの優等生だった祐介に追いつけるようにと、
中学生になったくらいから瑞希は勉強に精を出して
何とか祐介にそう劣らないほどの学力になった。
祐介と違ってスポーツはカラっきりだが、それはもう諦めている。
171同級生と(4/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:10:28 ID:gprjmjk5
真理奈にはよくからかわれているが、今でも二人は
一緒に映画に行ったり買い物に行ったりと仲が良い。
気の弱い自分を、祐介は優しく自然にリードしてくれる。
しかしそれはあくまで友人としての付き合いであり、
瑞希と祐介はまだキス一つしたことがなかった。

好きなのか、と聞かれると多分そうだと思う。
でも祐介が自分のことをどう思っているかはわからず、
瑞希はなかなかその先に踏み出せずにいた。
もし祐介が瑞希をただの友達だと思っていたら。
女ではなく女の子にしか見えないとしたら。
そう思うと、この関係が壊れてしまうのではないかと
彼女は恐怖に駆られてしまうのだった。

成長期が終わりつつあるのにいっこうに背が伸びず
胸も膨らまないのも、瑞希にとっては大きなコンプレックスだった。
対して、真理奈の体は引き締まっている癖に出るところは出ていて、
体操着に着替えると揺れる胸が実にうらやましい。
身長も祐介とそう変わらないくらいで、自分より明らかに高い。
そんな友達と毎日顔を合わせていると、つい自分の体を見下ろして
ため息の一つも出てしまうというものだ。

この前も瑞希は祐介と一緒に遊びに行き、帰りに彼を自分の部屋に招いた。
少女は自分にできる精一杯のおめかしをして
祐介の前で無防備にゴロゴロ転がっていたのだが、
彼はずっと雑誌に目を落とし、瑞希に関心を払わなかった。
あの時は祐介が帰ったあと、ひとりベッドの上でしょぼくれたものだ。

かと言って、自分からアクションを起こす勇気もない。
なかなか自分に自信が持てない瑞希は、ついつい物事を悪い方向に
考える癖があり、マイナス思考が板についていた。
変なことをして、嫌われたらどうしよう。
祐介が義理で自分に付き合ってるだけだったら。
このままじゃいけないと思いながらも、瑞希には打開策がないのが現状だ。
172同級生と(5/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:11:03 ID:gprjmjk5
帰り道、三人は話しながら歩いたが、もっぱら喋っているのは真理奈だった。
「あたしのこと裏であれこれ言ってるやつがいるみたいだけど、
 そんなの根も葉もない妬みだから誤解しないでね」
「お前この間、サッカー部のキャプテンとバスケ部員と
 ふたまたかけてたのがバレたって聞いたが……」
「違う違う。ちゃんと振ってから新しいのと付き合い出したわよ。
 これだからやっかみってのは困ったもんだわ」

「ホントかよ……?」
半目でこちらを見つめる佑介に、真理奈が笑って言った。
「でも、男あさりに積極的なのは否定しないわ。
 このあたしが男を従えずに一人でいるなんて我慢できないもの」
「…………」
さらりとすごいセリフを口にされ、佑介が絶句する。

「それにしても、あたしのやる気の十分の一でも瑞希にあればねぇ。
 素材はいいんだから頑張ったら結構モテるでしょうに、もったいない」
「え !? あ、ち、違うよ……」
瑞希は唐突に水を向けられ慌てふためいた。

「せめて、好きな相手にちゃんと告白できるようにならないと駄目よ?」
「ま、真理奈ちゃん!」
「なんだ、瑞希って好きなやついるのか?」
「え、あ、ああ、あわわわ……!」
真っ赤になってじたばた暴れる瑞希を、
佑介は顔に疑問符を浮かべて見つめるばかりだった。

瑞希と佑介は家が近いが、真理奈は少し方向が違う。
「じゃ、また明日ね」
「うん。真理奈ちゃんまたね」
「じゃあな加藤」
二人と別れ、茶髪の少女は颯爽と歩いていった。

(まあ、やっぱ今日だけじゃ進展も何もないわね……)
瑞希が大人しすぎるのも原因だが、佑介が鈍すぎるというのも問題だった。
恋は自分でつかみとるもの、と考えている真理奈にとって
横から見た二人の様子は非常に苛立たしいものに映るのだ。
何とかしてあの二人をくっつけなくては。
173同級生と(6/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:11:54 ID:gprjmjk5
真理奈のマンションの一階はコンビニになっている。
そういえば、今日はよく読む雑誌の発売日だった。
とりあえず軽く立ち読みして買うかどうかを決めようと、
彼女はいつものように店の自動ドアをくぐった。

「いらっしゃいませ」
何気なく店員の方を向いた真理奈の目が見開かれた。
高校生くらいだろうか、彼女と同じ年頃のバイトの少年がレジに立っている。
彼女が驚愕したのはその端正な顔だった。
テレビや映画の俳優が三枚目にしか思えなくなる美貌は
まるで芸術の世界からこっそり現実に紛れ込んできたかのようだ。

「お客様、どうなさいましたか?」
ハッと気がつくと、真理奈は自動ドアのそばから動けず
ずっと扉を開けたままにしていた。
「……いえ、ご、ごめんなさい」
戸惑いを隠せず、彼女は頭を下げて店内に入った。

「…………」
気を紛らわせるように雑誌を手にとってパラパラとめくったが、
さっぱり内容が頭に入ってこない。
他に客はいないようで、店には彼と彼女が二人きり。
ひょっとしてこれはチャンスかもしれない。
真理奈は読んでいた雑誌をレジに持っていった。

「あの、これ……」
「いらっしゃいませ、480円になります」
軽やかにレジを叩いて少年が言う。
細く形のいい指も、透き通るような声音も何もかもが真理奈を魅了した。
ぼうっとした顔で少年を見やる彼女に、少年が笑って言った。

「ご一緒にサプリメントはいかがですか? 当店のおすすめ商品なんですよ」
「え……?」
真理奈が熱病患者のように彼の示した方を見ると、レジの隅に
白いパッケージに入ったサプリメントが置いてあった。
よくわからないが、おすすめ商品らしい。
安かったこともあり、少年に言われるまま彼女はそれを買ってしまった。

「ありがとうございましたー」
「……あ、あとあなたをお持ち帰りで!」
「お客様、セクハラはおやめ下さいー」
一刀両断にされ、真理奈はトボトボと家に帰った。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
174同級生と(7/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:12:49 ID:gprjmjk5
翌日、瑞希が一人で登校していると、いつもの調子で真理奈が走ってきた。
「おはよー!」
「おはよう、真理奈ちゃん」
「何よ、あんた中川と一緒に来るんじゃなかったの?」
口を尖らせる彼女に、瑞希がおどおどとした様子で答える。

「だって、いつも佑ちゃん遅刻ギリギリに来るから……」
「何言ってるの。そこは朝から起こしに行ってやるのが女房ってもんでしょうが。
 言った通り、ちゃんとあいつの分のお弁当も作ってきたんでしょうね?」
「う、うん。一応……」
恥ずかしそうに頬を染め、瑞希がうなずいた。

真理奈はそんな瑞希を何か言いたげに見下ろしていたが、
「ならいいわ。じゃあ行きましょう」
とだけ言って、彼女を先導するように歩き出した。
後を追う瑞希には、真理奈の心の声は聞こえない。
(昨日のアレ……説明書読んだけど、本当かしら?
 ちょっと試してみたいけど、どうしたもんかしらね……)
198円のサプリにあんな効果があるはずがない、と思いながらも
あの少年の美しい目鼻立ちを思うとつい信じてみたくなった。

昼休み、真理奈がいつものようにパンを買って帰ってくると、
窓際では瑞希と祐介が仲良く弁当をつついていた。
(なんだ……うまくいってるじゃない)
微笑ましい光景につい彼女は笑みをこぼし、
近づかずに遠くから二人をそっと見守ることにした。

手作り弁当は祐介のお気に召したようで、
瑞希も幸せそうな顔で箸を進める幼馴染を見つめていた。
兎型に切られたリンゴまできっちり完食し、祐介は少女に笑いかけた。
「悪いな瑞希、美味かった。今度何かおごってやるよ」
「う、ううん別にいいよ……」
「遠慮すんなって。お前、桜月のパフェ好きだろ?」

ピンク色のオーラが撒き散らされ、クラスメートが顔をしかめる。
真理奈は二人を物陰から眺めながら、涙を流していた。
「み、瑞希もやればできるじゃない……! よし、この勢いのまま
 一気に押しちゃうわよ! うふふふふふふっ !!」
「……よくわからんがウゼー」
これはこれで、そばにいたクラスメートが露骨に顔をしかめたのだった。
175同級生と(8/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:13:51 ID:gprjmjk5
授業が終わり、真理奈は瑞希をトイレに連れてきた。
「見てたわよ、瑞希! よくやったわね!
 これでもうすぐあいつもあんたにゾッコンよ!」
「う、うん……」
はにかんだ瑞希の顔は桜色に染まっており、
そんな友達に言い聞かせるように真理奈はまくしたてた。

「戦いは勢いと押しが肝心よ! 高杉晋作もそう言ってるわ!
 女は一旦行動を始めたら立ち止まっちゃ駄目なの !!」
「そ……そうなの?」
「という訳で今日、あんたの家空いてる? 中川の家でもいいけど」
ハイテンションな真理奈に押されつつも、
瑞希は今日両親の帰りが遅くなることを教えてくれた。

「――何て好都合なの !? 据え膳食わぬは男女の恥!
 せっかくだから今日は中川を連れ込んで襲わせるしかないわね!」
「あ、あのー……まりなちゃん……?」
「いくら幼児体型の瑞希でも、二人きりで無防備な姿を晒せば
 あいつも手を出さないはずがないわ!
 やったねパパ! 今夜はロストバージンよ!」
「えーと、それはこの間試したけど無視されちゃって……」
「え、マジ !? ホントに駄目な子ねあんたは!」
真理奈はうずくまって泣き出した瑞希を、慰めて立たせてやった。

「となると、やっぱりこっちから押し倒すしかないか……」
「ま、真理奈ちゃん? 何考えてるの……?」
「うるさいわね!
 何とか中川をモノにする方法を考えてやってるんじゃない!
 あいつ、普段は妙に澄ましてるけど、押しには弱そうだから……」
「まりなちゃーん……」

数瞬何かを考え込んでいた真理奈だったが、突然瑞希を振り返ると、
「あーん」
「え、あーん……!? かはっ! ごほごほっ!」
つい口を開けた彼女に錠剤のようなものを飲ませてしまった。
「……な、何入れたの !? 真理奈ちゃん!」
「心配要らないわ。説明書通りならこれでうまくいくはずよ」
そう言って自分も一錠口に入れ、ゴクッと飲み込んでしまう。
「――まりな、ちゃ……?」
176同級生と(9/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:14:48 ID:gprjmjk5
次の瞬間、真理奈と瑞希の目の焦点がぼやけ、二人とも倒れそうになった。
「…………!」
だが瑞希は何とかバランスを崩す前に踏みとどまると、
トイレの床にひざまずいてぼーっとしている真理奈の頬をぺしぺし叩いた。
「瑞希、瑞希 !!」
瑞希は相手を自分の名で呼び、手を引いて立たせてやる。

「え? あ……私……」
真理奈はいつになく呆けた表情で瑞希を見下ろしていたが、
数秒もした頃、突然驚いた声をあげて自分の口を押さえた。
「――えぇっ !? わ、私が……いる?」
「どうやら成功みたいね。こんなに簡単だとは思わなかったわ」
いつもの内気な表情はどこへやら、
瑞希はニヤニヤと品のない笑みを浮かべ真理奈を見上げた。

「瑞希、今の薬であんたとあたしの体を入れ替えてやったの。
 信じらんないでしょうけど、今はあたしが森田瑞希ってわけ」
「え? な、何? どうなってるの?」
状況が理解できずにうろたえる真理奈を、瑞希は怒鳴りつけた。
「いいから、そこの鏡見てみなさい!」
「う、うん……あっ !? 真理奈ちゃん !?」
「ほら、あんたは加藤真理奈になってるでしょ !?
 これがさっきのサプリの効果よ、お互いの体を入れ替えちゃったの」

真理奈は信じられない、といった表情で鏡に見とれている。
「わ、私……真理奈ちゃんになってる……?」
普段よりも高い目線。しなやかで力強い手足。
制服の胸を押し上げる豊かな双丘。短く切られた茶髪。
全て瑞希のものではなく、親友の真理奈のパーツだった。

瑞希は腕組みをしながら、にやけ顔で真理奈を見ていた。
「どう? あたしの体になっちゃって、ステキでしょ?」
余裕のある態度で真理奈に話しかける瑞希の姿は、
いつもの彼女からは想像もできないものだった。
「ま、まりなちゃん……私、こんなの困るよ……」
うつむいておどおどと相手に答える真理奈も普段とは大違いで
気弱な様子である。これはこれで男たちが見れば欲情するかもしれないが。
177同級生と(10/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:15:25 ID:gprjmjk5
瑞希はぴんっと人差し指を立てて力説した。
「何言ってるの! せっかく交代してやったんだから、
 ちゃんと二人の仲は取り持ってあげるわ!
 タイタニックにでも乗ったつもりで――」
「そ、それ隣のクラスの佐藤君の持ちネタじゃ……」
「細かいことはいいから! 全部あたしに任せなさい!」

茶髪のショートカットの少女が怯えた様子でつぶやく。
「それに……こんな薬、どこで手に入れたの?
 副作用とか効き目の時間とか、戻り方はどうなの?」
「ああ大丈夫。ちゃんと説明書を読んだから。
 この入れ替わりは個人差があるけど一週間くらい続くみたい。
 効果が切れる時間になったら勝手に元に戻っちゃうんだって」
「い……一週間も…… !?」
真理奈の顔が恐怖に青ざめた。

「……何よ、あたしの体が気に入らないっての?
 胸もあるしスタイルもいいし、あんたの体よりよっぽどいいわよ。
 まったく、もっと喜んでよね!」
腕組みをしたまま、目を吊り上げて瑞希が言う。
「な、なんでこんなこと……」
「だから、中川との仲を取り持ってやろうって言ってるでしょ !?
 あんた達見てたらイライラしてくるから、ちゃっちゃと
 くっつけちゃおうってこと! あいつもこの姿で迫れば嫌とは言えないわよ」
自分の体を見下ろし、不満そうに鼻を鳴らす瑞希。

「そ……そんな、私の体で勝手に……。
 祐ちゃんに嫌われちゃったらどうするの…… !?」
「何言ってるの。あいつが瑞希を嫌いなわけないじゃん。
 待ってなさい、来週までには結ばれとくから。
 第一、あんたのためにやってあげてるんだから、反対はナシよ」
「うう……」
178同級生と(11/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:16:16 ID:gprjmjk5
真理奈は体を返してと懇願したが、瑞希は頑として聞き入れない。
「もし中川にバレちゃったら、この体返してあげないからね!」
「そんなあ……いやだよぅ……」
涙ぐむ真理奈に、瑞希は面白そうに笑いかけた。
「わかったらちゃんとあたしのフリしてよ!
 これから瑞希はあたしの家に帰るんだからね!」
瑞希は真理奈の手にノートの切れ端を握らせた。
それには彼女の自宅の住所と簡単な地図が描かれている。

「携帯はこのまま交換しなくていいわね。もし誰かから連絡あったら
 適当に相手しといてちょうだい。デートには行ってもいいけど
 変なことすると後がひどいから、そのつもりで」
「わ、私……デートなんて……」
「できないなら全部断っていいわよ。男たちに応える義務なんてないから」
あっさり言い放つ瑞希に、不安に覆われる真理奈。

瑞希も真理奈から最低限の情報を聞き出し、
結局二人は一週間入れ替わることになった。
「ま、何とかするわよ。安心しなさい」
耐え難い不安に苛まれつつ、真理奈は瑞希の後をついていった。

「……お、いたいた」
今日は昨日とは逆に、祐介の方が校門で二人を待っていた。
二人が校舎から出てくると、彼も待ちかねたように手を上げてくる。
「よう、今日は遅かったな」
「――うるさいわね。女の子には色々あんのよ」
瑞希の返事に祐介が目を見開いて固まった。

「……瑞希?」
「ま、まり――瑞希ちゃん!」
慌てて後ろから真理奈が肩をつかむと、
瑞希は気がついたように祐介を見上げて言った。
「な、なんてね……じゃあ帰ろうか、ゆ、祐ちゃん」
「あ、ああ……?」
なんか様子が変だな、と祐介が思うのも無理はなかった。
179同級生と(12/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:16:59 ID:gprjmjk5
帰途もやたらテンションの高い瑞希に不思議がった祐介だったが、
その都度真理奈がフォローして何とかバレずに済んだ。
やがて自宅の方向が違う真理奈が打ち合わせ通り途中で別れる。
「じゃ、じゃあ私はここで……また明日ね、二人とも……」
「ああ……じゃあな、加藤」
なぜか真理奈は泣きそうな顔で名残惜しそうにこちらを見ていた。

「……加藤のやつどうしたんだ? あいつのあんな顔、見たことないぞ」
「さあ? 生理じゃないかしらね」
「瑞希、今日はどうした……」
真理奈が去って二人きり。
ここからが瑞希の腕の見せ所である。

中川と表札に書かれた平凡な一戸建ての家の前で、祐介が手を振った。
「んじゃ、またな」
「ちょおっと待ったぁ!」
背伸びしてその肩をガシリとつかみ、瑞希が叫ぶ。
そのあまりの剣幕に、彼は身を一歩引いていた。

「今日、うち両親が遅くなるの。暇だから遊びに来ない?
 つーか来なさい。拒否権ないから。わかった?」
「あ、ああ……わかった」
勢いを別にすれば、珍しい誘いという訳でもない。
宿題をやるか、ゲームするか、ゴロゴロ雑誌でも読むか。
祐介はうなずき、着替えと荷物置きのために一旦家に戻った。

隣ではないが、森田家は祐介の家の斜向かいである。
「お邪魔しまっす」
互いの家を行き来して十年以上になるが、祐介は挨拶を欠かさない。
そういった何気ないところも好意の原因になっているのだろう、と
瑞希は体の持ち主の心中をそう推測した。
180同級生と(13/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:17:42 ID:gprjmjk5
(へえ、普通の家ね……当たり前だけど)
瑞希は声には出さずつぶやいた。
「とりあえずお茶でも入れようかしら。えーとお茶っ葉は……」
「冷蔵庫にプリンがあったから持ってきたけど、食うか?」
「お、ありがと。気が利くわね」
初めて来た家にも関わらず、瑞希は慣れた調子で紅茶を用意した。

「んっふふ、プ〜リン〜プ〜リン〜」
「……何かお前、芸風変わってないか?」
「断じて気のせい」
瑞希は満足げにプリンを食べ終わると、自室に入って
制服を脱いで適当な普段着に着替えてから、居間に戻ってきた。
既に祐介は棚からマンガを取り出して、自宅のようにくつろいでいる。

祐介の横で同じようにカーペットの上に転がりながら、
瑞希はこれからの作戦を考えていた。
(んー……聞いた通り、襲ってくる気配はないわねー。
 こんなに無防備なのに、瑞希の体じゃ魅力ないのかな?)
確かに体は発育不良の傾向が多少あるが、
瑞希の顔は友人の目から見ても可愛いはずだった。
もしかすると、祐介はこの顔を見慣れているから興奮しないのか。

(やっぱり、こっちから攻めるしかないか……)
瑞希は決心した顔で立ち上がると、壁にもたれて座り込んでいる祐介の
すぐ目の前にちょこんとひざまずいた。
「……ねえ、祐ちゃん」
「ん、何だよ? 瑞希」
わずか数十センチという近い距離で見つめ合ったが、
祐介は未だに澄ました顔で瑞希を見やるだけだった。

幼さが残る顔を朱に染め、少女は祐介に問いかけた。
「祐ちゃん……私のこと、どう思う?」
「どうって、瑞希は瑞希だろう。別人には見えないけどな」
「ギクッ !! ……ほ、ほら、好きとか大好きとかあるじゃない」
「好きか嫌いかで言えば、俺は瑞希が好きだけどな」
(――よっしゃあ !! 話が早い !!)
真剣な目でそう言ってくる祐介を見て、
瑞希は心の中でガッツポーズをとった。
181同級生と(14/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:18:19 ID:gprjmjk5
中腰になったまま、ゆっくりと顔を近づけていく。
祐介は逃げない。真っ直ぐこちらを見据えている。
そして、互いの唇が触れ合った。
――ちゅ……。
抵抗もしない祐介の頬に手をやり、瑞希は彼の唇を吸った。
二人だけの穏やかな時が流れる。

「――ふぅ……」
少し息が苦しくなった頃、瑞希は顔を離した。
顔は先ほどと比べてさらに赤く、はっきりした情愛に満ちている。
「瑞希……いいのか? 俺なんかで」
祐介は相変わらずの澄まし顔で少女に聞いた。

(へえ……こうして見ると、こいつも意外と悪くないわね)
彼女が現在、過去に付き合った男よりもいいかもしれない。
瑞希はそっと祐介に寄りかかって体を預けた。
「うん……私、祐ちゃんが好き……。
 祐ちゃんでいいんじゃなくて、祐ちゃんじゃないと嫌なの……」
(――しっかし、我ながらよく言うなぁ……)
祐介は身を起こし、小柄な少女と抱き合った。
「……そうか。実は俺もだ」

少年の肩に顎を乗せ、伝わってくる祐介の鼓動と匂いを感じ取る。
年頃の汗臭い男臭さのはずなのに、今の瑞希にはそれがとても心地よく思えた。
普段の彼女なら嫌がったかもしれないが、
やはりこの体が祐介のことを求めているのかもしれない。
「ゆ……祐ちゃん」
そっと頬にキスをすると、祐介はくすぐったそうに目を細めた。
「こら……まったく瑞希は、昔っから甘えん坊だな」
「えへへ〜」
にこにこと笑っていると、自分が本当に瑞希になった気がしてくる。

彼女は祐介から一旦身を離し、彼の下半身に覆いかぶさった。
「祐ちゃんのここ……お触りしたいの……」
「――そんなこと、どこで覚えたんだ?」
恥ずかしそうに瑞希は顔を伏せたが、
まさか普段からしょっちゅうやっていますとも言えない。
誤魔化すように少女は祐介のファスナーをいそいそと下ろし、
下着の中から少年のモノを取り出した。
182同級生と(15/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:19:25 ID:gprjmjk5
幼馴染の少女に抱きつかれ、しかも直接彼女の小さな手で触られた
祐介の陰茎は既に硬くなりつつあった。
「うわぁ……こんなになってるんだ……」
瑞希らしさを装い、わざとらしく感嘆する。
両の手で優しく竿や袋を揉みしだくと、次第に肉棒は膨れ上がり
やがて上を向いてそそりたつほどになった。

舌を出し、ぺろりと亀頭をひと舐めする。
「う……!」
気持ち良かったのか、思わず祐介の声が漏れた。
「ん……祐ちゃんのチンポ、大きい……」
「だからそんなセリフ、どこで……うぅっ!」
ソフトクリームを舐めるように少しずつ、彼のを舐め回していく。
じらすようなたどたどしい舌使いに、祐介の陰茎がビクンビクンと跳ねた。

「んじゃ……あーん……」
もはやギンギンではちきれんばかりに膨張した肉棒を、
瑞希は小さな口をめいっぱい開けてくわえこんだ。
「ん……んん……」
少女の口では先の方を少しだけ含むのが精一杯で、
なかなか舌を動かすことができない。
(ん……こんなの、いつものあたしなら簡単なのに……)
軽い悔しさを覚えながら、瑞希は懸命に口内を動かして祐介を責めたてた。

「――う、うぅっ……くっ!」
祐介は快楽と軽い困惑の真っ只中にいた。
幼い頃から一番親しかった隣人が彼のモノを一途にしゃぶっているのだ。
これで興奮しない訳が無い。
(瑞希が、あの瑞希が……俺のをくわえて……)
だが同時に、なぜ大人しい瑞希が突然こんなことを始めたのか、
という疑問も彼の頭にはあった。
思えば、帰りの瑞希はどこかおかしかった気がする。原因はなんだ。
自分の陰茎に舌を這わせる瑞希にどこか違和感を覚えつつも、
祐介はまだ正解にたどり着けないでいた。
183同級生と(16/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:20:10 ID:gprjmjk5
祐介が考える間にも、瑞希のフェラは続いていた。
「ん……じゅる、ちゅぱ……ずずーっ……」
「うあ、ぐぅっ !!」
力いっぱい先端をすすられ、とうとう祐介が限界に達した。
「瑞希……どけっ!」
(――うふふ、イッちゃうのね……?)

射精を前に少女をどかそうとした祐介だったが、
瑞希はそれに構わず少年のたくましい陰茎を口内に納めた。
――ドビュッ !! ビュルビュルビュルゥッ !!
「……んっ! ん゙ん゙んっ !!」
盛大に口の中に出されてしまったが、
「――けほっ! ふ、ふう……」
半ば咳き込みながらも何とかそれを飲み干した。
瑞希の可愛らしい唇の端から、一筋の粘液がトロリと垂れる。

祐介は上からそんな幼馴染の淫猥な様子を見下ろしていた。
「み、瑞希……すまん」
「……祐ちゃんの、すっごく濃いねぇ。たまってたの?」
「――ば、馬鹿言え」
「童貞でしょ。やっぱり普段、私でオナってるの?」
「……おい瑞希、何を言って――」

少し声が低くなった彼から離れ、瑞希は中腰のまま
可愛らしい花柄のスカートを思いっきりまくりあげた。
純白のショーツに、遠目からでもわかるほどの大きなシミができていた。
「ほら、見て……祐ちゃんのペロペロしてたら、
 私もうこんなになっちゃったの……すごいでしょ?」
「瑞希……お前……」
祐介は少女をまぶしそうに見つめている。

「もっと見て……私のココをじっくり……」
「…………」
瑞希がスカートとショーツを脱ぐと、
隠すもののない女陰が祐介の目にはっきりと映った。
毛は薄く、じっとり濡れた割れ目もまだ未成熟なのが見てとれる。
だが瑞希の陰部は、幼馴染の少年の前で確かに濡れていた。
184同級生と(17/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:20:44 ID:gprjmjk5
初めて見る瑞希の痴態に、祐介は荒い息を吐いて目を離せずにいた。
「はあ……はあ……」
幼稚園児だった頃は、一緒に風呂に入ったこともある。
小学生の頃も、ふざけて互いに裸体を見せ合ったこともあった。
そして今、祐介も瑞希も成長した性器を隠さず見せ合っている。
その事実と興奮に、彼の理性は蝕まれつつあった。

そんな祐介をさらに責めたてるように瑞希が再び口を開く。
「ほら……祐ちゃんに見られてると私、
 いやらしい汁が溢れてきちゃうの……。
 見える? ここからトローって……ほら、垂れてるでしょ?
 祐ちゃんのチンポしゃぶって、祐ちゃんにおマンコ見られて……
 私、もうこんなになっちゃったんだよ……?」

中学生にしか見えない少女の口が、祐介を刺激する言葉を紡ぐ。
「私のおマンコ、こんなにヒクヒクしちゃって……
 祐ちゃんのチンポ、欲しがってるの……。
 ぶっとい祐ちゃんのチンポ突っ込んで……かき回して欲しいの」
また一筋の女汁が床にこぼれ、カーペットに染みを作った。

「瑞希……瑞希ぃ……」
誘惑に耐えかねたのか、祐介は夢遊病のようにフラフラと起き上がり
小柄な少女の体をカーペットの上に押し倒した。
「祐ちゃん……そう、我慢しなくていいんだよ……。
 私、祐ちゃんに入れてほしいから……」
「――わかった……ありがとう」
祐介はうなずいて、いきりたった肉棒を瑞希の中に突き立てた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

その頃、真理奈はマンションの自室でじっとしていた。
親と顔を合わせるのも厄介に思えたし、それに今の自分よりも
彼女に使われている自分の体のことが心配でならなかったのだ。

「真理奈ちゃん……返信してこないなぁ……」
自分のものではない携帯をいじって、瑞希にメールを送った。
今どうしてるか知りたかっただけなのだが、返信を待っても
真理奈の携帯に送られてくるのは男友達や彼氏からのメールばかりだった。
「はぁ……私、これからどうなっちゃうんだろ……祐ちゃぁん……」
大きなため息を一つつき、真理奈は机に力なく突っ伏した。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
185同級生と(18/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:21:47 ID:gprjmjk5
――ブチィッ! ブチブチッ !! ブチュゥッ !!
「が、はぁ…… !!」
瑞希の処女が引き裂かれ、必死に抑えようとした口からうめき声があがる。
苦しげな少女の様子に祐介は動きを止めて、
「瑞希……大丈夫か……?」
と心配してくれた。

生涯で二回目となる破瓜だったが、やはり痛くて辛い。
瑞希はぽろぽろ涙をこぼしつつも強がってみせた。
「だ、大丈夫に……決まってるでしょ、祐ちゃん……」
「でも……血出てるし、泣いてるし……」
「そんなの……初めて、だから当たり前……よ……。
 いい……から、あ、あたしのぐちゅぐちゅ……おマンコ、
 祐ちゃんの……で、かき回してよ……!」

相変わらず不安そうな祐介だったが、その言葉で瑞希が精一杯
自分を受け入れてくれているという喜びを実感し、ふと顔がほころんだ。
「わかった……それじゃ、動くぞ……」
彼はそっと、優しく、じらすように腰を動かし始めた。
瑞希の中は極めて狭く、思いっきり祐介のモノを締めつけてくる。
ずっと想っていた相手と一つになっている興奮と膣の感触に、
祐介は今にも絶頂に達してしまいそうだった。
だが、苦しむ瑞希の様子を見ているとそれはためらわれてしまう。

――ズッ、ズリッ……ズズッ……。
少し進みまた戻し、それの繰り返しで膣壁を摩擦する。
初めての未熟な膣ではあったが、充分に濡れていたために
出し入れ自体は実にスムーズに行うことができた。
「ん……お?」
奥まで進み、先端に当たるコリコリした感じに祐介は目を細めた。
「はあ――祐ちゃんのが……当たって、るぅ……」
「瑞希……いい、すごくいいよ……」
186同級生と(19/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:22:48 ID:gprjmjk5
天を仰ぐように上を向いた瑞希の唇にしゃぶりついた。
歯をかき分けて舌を差し込むと、少女は意表を突かれたようだが
すぐに自分のを伸ばして口内で必死に絡まり合おうとする。
「ちゅ、ちゅぱっ……じゅる、じゅるるっ……!」
お互いの唾液腺から唾が止まらず、
合わさった隙間からだらしなく垂れて二人の胸や腹を汚した。

――ヌチャ、ヌチッ……ブチュブチュ……!
祐介の硬くなった肉棒が、瑞希の子宮の入り口を叩いていた。
根元まで突き込んではいないが、やはり少女の小さな膣では
この辺りが限界といったところだろう。
焦る必要はない。もう自分と瑞希は結ばれたのだから。
祐介は子宮のところで止まったまま、安らぎを感じていた。

「……祐、ちゃん……?」
またも自分を気遣って止めてくれたのだろうか。
瑞希は怪訝な顔で祐介を見上げたが、彼の穏やかな顔が
そうではないことを如実に物語っていた。
「――瑞希……ありがとな……」
――ズプッ……。
「あぁあんっ…… !?」
奥から一気に肉棒を引き抜かれ、瑞希は耐え切れずに声をあげた。

自分を見上げてくる瑞希を優しく見つめ、祐介が言う。
「瑞希、初めてで痛いだろうから、また今度……続きしよう」
「え……そ、そんなぁ……」
明らかに失望の色を顔に浮かべる瑞希。
「代わりに、いっぱいかけてやるから……な?」

もう陰茎は痛いほど張っていて、今にも出してしまいそうだった。
しかしさすがに中で出す訳にもいかず、祐介は仰向けになった瑞希に
狙いを定め、幼馴染の少女の白い肌めがけて自分の欲望を解き放った。
――ビュルッ !! ドプドプドプドプゥッ !!
白い奔流が、瑞希の顔にも服にも、汁を垂らす股にもぶち撒けられた。
「――ゆ、祐ちゃん……あ、熱い、よぉ……!」
泣きそうな顔で悲鳴をあげる瑞希。
「――ごめんな。ありがとう」
祐介はそんな瑞希の泣き顔を見て、つい笑みを浮かべてしまった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
187同級生と(20/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:23:39 ID:gprjmjk5
あれから一週間がたった。
その間、真理奈はヒヤヒヤもので瑞希と祐介を見守っていたのだが
彼女の不安を打ち消すように、二人は急速に愛し合うようになった。
最近は登下校も三人一緒だが、自分が邪魔者ではないかとさえ
思えてくるぐらい、瑞希と祐介は親密な仲になっていた。

「……加藤にも言っておくけど、実は俺と瑞希、付き合ってるんだ」
そう言われたときは、思わず泣いてしまいそうになったものである。
(祐ちゃん……私を好きになってくれたんだ……)
そう思うと、つい隠れて涙をこぼしてしまう真理奈だった。

そろそろ元の体に戻る時期だった。
昼休み、三人で昼食をとっていると前触れもなく突然真理奈の視界がぼやけ、
戻ったときには今までと位置関係が変わっていることを自覚した。
「も、戻ってる……私の体……!」
「あーあ、戻っちゃったか。ちょっと残念……」
再び変わった二人の様子に祐介は驚いたが、何とか誤魔化すことに成功した。

「……本当にありがとね、真理奈ちゃん」
二人だけになって礼を述べる瑞希に、真理奈は笑いかけた。
「いいって事よ! あんたの体が無事にあいつと結ばれて、
 あたしも嬉しくなっちゃったからねぇ……うーんしみじみ」
こうして、瑞希は祐介とそれまでの友達という関係から
もっと深い方向に一歩も二歩も踏み出したのであった。

帰宅途中、真理奈と別れた瑞希に祐介が言った。
「今日はうちの親いないんだ。来いよ瑞希」
「え……? う、うん……いいよ」
もう結ばれてしまったのだから、何を遠慮することもない。
初めての体験はできなかったが、祐介にあげたのなら本望だ。
瑞希は頬をほんのり染め、少年にうなずき返した。
188同級生と(21/21) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:24:29 ID:gprjmjk5
――パァンッ !!
「あひィッ !?」
静かな部屋に、激しく肉を打つ音と悲鳴が響いた。
パンッ !! パンッ! パァンッ !!
「い、痛いィッ !? 祐ちゃん――やめてェッ !!」
裸に剥かれた上、腰をがっちりと後ろから押さえられているために
瑞希は逃げることもできず、肉の薄い尻を思いっきり叩かれていた。

馬乗りになった祐介がそっと彼女の耳元で囁く。
「……瑞希ぃ、祐ちゃんじゃなくてご主人様だろ? オイ」
――パァァンッ !!
「ひィィィッ !!」
ひときわ高い音がして、赤く腫れた臀部が悲鳴をあげた。
涙を流し歯を食いしばり、瑞希は痛みに耐えていた。

「ったく、あれだけしつけてやったのに……もう忘れちまったのか?」
いつも優しい祐介の声は低く、彼女に言いしれない恐怖を感じさせた。
(な、何――なんなの !? 私、何されてるの…… !?)
恐怖と困惑が入り混じった面持ちで瑞希は泣いていた。

愛しげに少女の腫れあがった尻を撫で回し、祐介が言う。
「まぁ仕方ないか……まだ仕込み始めてから一週間だもんな。
 いいさいいさ、じっくり瑞希を俺のモノにしてやるから」
「わ……私、はぁっ…… !?」
「それにお前が言い出したんだぞ、瑞希。
 『私は淫乱な雌奴隷なんです。お願いだから飼って下さい』って。
 まさかお前がそんなやつだったなんて思わなかったよ」
(……えええぇぇえっ !?)

祐介が指を少女の入り口に這わせると、
そこから熱っぽい液体がトロリと一筋垂れた。
まだ調教し始めて日は浅いが、既にスパンキングで感じる程度には
瑞希の体は開発されつつあった。
(真理奈ちゃん……私の体で、何してたのぉっ !?)
心の中で必死に叫ぶが、もちろん真理奈には届かない。

「瑞希……好きだ。これからも、ずっと一緒にいような……」
「ゆ、祐ちゃん……はああぁっ !!!」
乱暴にのしかかられ、力任せに肉棒をねじ込まれる感触に、
瑞希は悲鳴とも喘ぎ声ともつかぬ叫びを発した。
18914 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/11(土) 13:32:14 ID:gprjmjk5
以上となります。
わかったよ兄貴! 『投下した』ッ!

今回はやたらテンポが速かったりキャラの性格が暴走してたり
色々ありましたが、実を言えばオチが書きたかっただけです。
イメージや情景、感情をもっと綿密に書き上げても良かったかもしれませんが、
それだと前後編に分けないといけないかなー、テンポ悪いなー、と思うと
つい話の展開を優先させてしまいました。
また書く機会があったらテンポと展開のバランスをもっと考えたいものです。

ではこれにて失礼致します。
190名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:29:05 ID:3GxcC9H6
いやいやテンポも展開も文句なしの
素晴らしい出来ですよ。

個人的にこういう気弱な女の子と
勝気な女の子の入れ替わりが好きなので
これまでの14氏の作品の中でも
かなりのお気に入りになりました。

リクエストになってしまいますが
真理奈になった瑞希が男友達に
襲われるとかそういう番外編にも
期待してます。
191名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 18:20:01 ID:oehqzJs/
GJ
>>14さんにしては珍しく王道の入れ替わりで読みやすかった
こんなコンビニ店員欲しいです
192名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 06:58:16 ID:Qg9LkZdo
少年何やってんだww
193名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 19:24:16 ID:YlTiWQWb
読んだ後に続きとか他キャラとの絡みも読みたくなるのがいいな
その癖、どれも一話完結の読み切りってのも読みやすい
今回もGJだったよ
194名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 21:58:22 ID:GYU0aejx
憑依ものもみたい
19514 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:19:47 ID:b3dbMY5c
こんにちは>>14です。

ふと入れ替わりを使った日記が書きたくなったので
前に投下した作品のおまけとして置いておきます。
でもあまりエロくないです、すみません。
題材はこちらにある、小学生の沙耶とみどり先生の入れ替わりです。
ttp://www40.atwiki.jp/odchange/pages/37.html
196沙耶の日記(1/7) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:21:14 ID:b3dbMY5c
○月×日
あたし、小島さや。
へんな人のせいで、首から下がみどり先生と入れかわっちゃったの。
あれからみどり先生に、ブラジャーとかナプキンとか
いろいろ大人のことをおしえてもらったけど、すごくめんどくさい。
おっぱいがおっきくなったのはうれしいけど、
男の子たちがエッチな目で見てくるし、ちょっとイヤ。

でもこれから、このカラダでガンバるって、先生とおやくそくしたから
いっしょうけんめいやっていこう。
ミカちゃんたちもいっしょだし、こわくないもん!
あたしもミカちゃんを見ならって、にっきをつけようっと。
今日はこれでおしまい!

○月×日
あのときから、お母さんはさちちゃんの、赤ちゃんのカラダになってる。
かおはいつものお母さんなのに、カラダは赤ちゃんだから、
ちょっと気もちわるいかも。
ちっちゃな手をふりふりするのは、とってもカワイイんだけど、
ミルク作ってとかダッコしてとか、赤ちゃんになっても口うるさい。
でも今は、あたしが大人なんだからガンバらなくちゃ。

今夜もお父さんにおちんちんを入れてもらった。
ヒロくんのとくらべて、すっごいかたくておっきくて、
あたしのおまたに入るのかなぁ、とはじめは思ってたけど、
みどり先生のカラダだから、カンタンに入っちゃう。
パンパンされて中でオシッコされるのは、きたないカンジなのに
とっても気もちよくて、あたしねちゃった。
お父さん、またしようね。

○月×日
お母さんがハイハイをするようになった。
ずっとたいくつだったみたいで、いえの中をいったりきたり。
やっぱりカワイイ。
197沙耶の日記(2/7) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:22:00 ID:b3dbMY5c
○月×日
このごろ太ったみたいで、おなかが出てきちゃった。
おかしの食べすぎかなぁ?
ダイエットしないと、みどり先生におこられちゃう。
先生はしょっちゅううちに来て、おりょうりとかおそうじを
手つだってくれるから、とっても助かる。
あたしもそのうち、ごはん作れるようになりたいな。

○月×日
みどり先生に言われて、びょういんに行った。
けんさしたら、あたしのカラダの中に赤ちゃんできてるって言われて
すごくビックリしちゃった。
赤ちゃんがお母さんのおなかの中でおっきくなるのは知ってたけど、
それじゃあたしもお母さんになっちゃうの?
お父さんはとってもよろこんでたけど、お母さんは泣いてた。
みどり先生もニコニコ笑ってたけど、こっそり泣いてたのはなんでだろう?

○月×日
なんと! はじめてお母さんがアンヨをはじめた。
あたまが大きいからふらふらしてるけど、けっこうじょうず。
「さや! 見て、見て!」ってよろこぶお母さんを見てると
あたしも幸せな気もちになってくる。
そのうちいっしょにおさんぽ、行きたいなぁ。

あたしのおなかもすっかり大きくなって、体育は見学。つまんない。
マイちゃんもこないだ赤ちゃんうんだけど、すっごいうれしそうだった。
ぷっくりふくれたおなかをなでると、あたしもなんかうれしくなるの。
ときどき赤ちゃんがうごくみたいで、それがあたしにはわかっちゃう。
名前はお父さんが考えてるけど、カワイイのがいいな。
198沙耶の日記(3/7) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:23:03 ID:b3dbMY5c
○月×日
さい近、さちちゃんはお母さんのカラダで立ったり歩いたり、
まだ赤ちゃん言葉だけどしゃべったりもする。
もうちょっとしゃべれたら、カンタンにトイレに連れていけるんだけどなぁ。
お母さんもさちちゃんも、まだまだオムツはひつようみたい。
みどり先生は、さいきんいそがしいみたいであまり来てくれないから、
あたしがガンバってお母さんとさちちゃんのお世話しないと!
この前はおばあちゃんも来てくれて、すごくうれしかった。

あたしのおなかはもうパンパンにふくれちゃって、
とってもおデブに見えちゃうから学校に行くのがはずかしい。
ミカちゃんがうらやましそうにしてたのがよかったです。
びょういんに行ったら「来月ですよ」って言われちゃって、
みどり先生にもおでんわした。
そしたら、またいろいろ手つだってくれるんだって。やった!

○月×日
赤ちゃんうむのはすーーーっごくいたくて苦しかった。
おばあちゃんがお母さんとさちちゃんを見てくれて、
あたしはびょういんで、お父さんとみどり先生にガンバれって
何ども何ども言われたけど、すごくしんどかった。
わんわん泣いちゃったし気ぜつしちゃったし、もうこんなのイヤだ!

赤ちゃん見せてもらったけどしわくちゃで気もちわるい。おさるさんみたい。
男の子で名前は「タクヤくん」だって。
お父さんはうれしそうに赤ちゃんをダッコしてたし、
みどり先生もちょっと泣いてたけど赤ちゃんをダッコしてた。
うー、家に帰りたいなぁ。

○月×日
さちちゃんがあたしのこと、ママってよんでくれた。
ホントはちがうんだけど、そう言っても聞いてくれない。
あたしとおなじ大人のカラダをしたさちちゃんに「ママ」って呼ばれて
だきつかれるのはちょっとこわい。
でもあたまをナデナデすると気もちよさそうにねむっちゃうの。
そういうところは、さちちゃんもとってもカワイイ。

タクヤくんにおっぱいをあげた。
あたしのおっぱいをくわえてチューチューするタクヤくんはカワイイけど、
チューチューしてると、さちちゃんもほしがるからこまっちゃった。
さちちゃんは大きいお姉さんなんだから、ガマンしてよ!
199沙耶の日記(4/7) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:23:41 ID:b3dbMY5c
○月×日
買い物に行ったら、お母さんが転んでドロだらけになった。
しかもいっぱい血が出てて泣いてたから、あたしもビックリしちゃった。
これからは気をつけてほしいです。

○月×日
お母さんがようち園に入ることになった。
カワイイ制服を着せてぼうしをかぶせてあげると、歯を見せてにっこり笑う。
髪は長いから、あたしと同じおさげのみつあみにした。
ようち園の先生がお母さんの顔を見ておどろいてたけど、
説明したらうんうんうなずいてくれて助かった。
友達いっぱいできるといいね、お母さん。

今日は久しぶりにお父さんとセックスをした。
おチンチンをくわえてペロペロするととってもうれしそう。
でも、顔にかけるのは汚いし臭いからやめてほしい。
「子供、もう一人作るか?」なんて言われたけど、
沙智と卓也に手がかかってるから無理だと思う。
仕方ないからゴムをつけてセックスした。
お父さんは胸をもむのが大好きで、あたしは四回イカされた。

○月×日
みどり先生の結婚式に行ってきた。
あたしの体のみどり先生は、やっぱりまだ小学生にしか見えなかったけど
相手の人はそれでもいいんだって。ロリコンって言うの?
みどり先生は白いウェディングドレスを着て、とても幸せそうだった。
入れ替わりがなかったら、結婚はもっと早かったのかな。
これからあの男の人とセックスすると思うと、ちょっとフクザツ。

○月×日
首から下がお母さんだから幼稚園や保育園に行けない沙智に、
あたしが文字や計算を教えている。
でもあたしも学校があるから結構忙しい。
卓也も幼稚園で大人しくしてるみたいだし、
お母さんもイジメとかはないみたいで安心している。
200沙耶の日記(5/7) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:24:32 ID:b3dbMY5c
○月×日
ミカがD組の御手洗君と付き合い出した。
ミカはうちの中学のアイドルだから、男子の注目の的だったけど
やっぱり男の子は女のカラダしか見ていないのだろうか。
そう思うと私も彼氏を作る気にはなれない。
子持ちだけど今でもスタイルには自信があるし、
今でも週に一度はお父さんを喜ばせている。もちろん避妊はしてるけど。

佐和子はすっかり卓也のお姉さん気取りらしい。
しょっちゅう卓也を叱りつけ泣かせている。
卓也は私の産んだ子だけど、どっちもお父さんの子供だから
首から下は異母姉弟ってことになるのかな? 何だかややこしい。
あんまり卓也をいじめるものだから、ふんづかまえて
佐和子のお尻を何度も叩いてやったら泣いて謝ってきた。
うむ、これからは気をつけるように。

○月×日
今日から私も高校生。
最近はもう周囲との体格差で困ることはなくなったけど、
このみどり先生の体も三十歳を過ぎ、体育とかは少し辛い。
クラスメートと比べて自分がおばさんってことを
思い知らされるとつい落ち込んでしまう。顔はぴちぴちなのに。

○月×日
ミカに聞いたけど、あの子、御手洗と子供作るんだって。
年齢的に仕方ないけど、思い切ったことするもんねぇ。
私はもう子持ちだから余裕あるけど、彼氏の一人くらいはやっぱり欲しい。
いい人にめぐり合えますように。

最近卓也は生意気盛りで、チョロチョロとよく動く。
佐和子がよく怒ってるけど聞かず、逆にスカートめくって反撃とか
母親としてちょっと見過ごせないこともしている。
あんなので、学校でうまくやっていけてるのかしら。
沙智には自宅学習の教材をやらせているが、なかなか賢い。
頭脳は子供、見た目は大人だから大丈夫かなと心配もしたが
佐和子とも卓也とも非常に仲が良い。安心。
201沙耶の日記(6/7) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:26:21 ID:b3dbMY5c
○月×日
センパイと付き合って二年、そろそろ結婚することにした。
まだ高校生だから普通なら早すぎるのだろうが、私は普通とは違う。
顔はうら若き乙女でも、首から下は三十代半ばのおばさんなのだ。
幸いにも、センパイにも向こうのご家族にも理解してもらって
入籍と子作りだけ先に済ませることができた。
センパイが大学を卒業したら、晴れて子供と三人で
一緒に暮らせるという、わりと壮大な計画だ。

私はセンパイ好きだし、卓也っていう息子もいるけど
やはり愛し合うからには二人の愛の結晶が欲しい。
今日は妊娠しやすい日だし、何度も何度も中に出してもらったから
きっと赤ちゃんできてると思う。センパイ愛してます。

○月×日
出産したから出席日数がやばかったけど、何とか卒業できた。
まぁ先に生んだミカが進級できたから、何とかなるって思ってはいたが。
この間ミカの子供見せてもらったけど、やっぱハーフって感じで
沙智や卓也、純也とは随分と違って見えた。
子育てと言えば、純也は次男だからか結構我がまま。
早いうちにしつけないと、こりゃ将来が大変かも。

○月×日
小学校の同窓会があり、十年ぶりに山口先生と再会した。
やはり顔は老けていたものの、首から下は若々しくいい体で
昔の先生より巨乳になっていたように見えた。
元は私の体だったので、惜しくないと言えば嘘になる。
今は三人の子持ちだそうで、写真を見せてくれた。
可愛い子供たちの写真を見て、少し泣いてしまった。
202沙耶の日記(7/7) ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:27:04 ID:b3dbMY5c
○月×日
久々に実家に寄った。
佐和子と卓也はクラブ活動を楽しんでいるようで、
二人とも夕方になっても帰ってこなかった。
すっかり手が離れたとはいえ、少し寂しい。
沙智は大検目指してひとりで勉強していた。
頭がいいから、どこかいいところに入ってほしいと思う。

夜は主人の同僚の方がいらしたので、夕食を振る舞った。
人の良さそうな方で、主人がお世話になっていますと挨拶すると
恥ずかしそうに頭を下げてくれた。
私も主人も、二人ともまだ二十代なのに
もう純也みたいな大きな子供がいたから驚いていたようだ。
そんなに不思議でもないと思うのだが。

○月×日
主人とのセックスは欠かしていないが
やはり中年の女の体では物足りないのだろうか、
どうしても少し不満そうに見えてしまう。
純也も大きくなって、最近は私の言うことを聞かない。
私学に入れようかと思っているのだが、あんな調子で
受験勉強をさせられるものだろうか。
進学塾の案内をいくつか取り寄せてみたが、どれもパッとしない。

まだ日記をつけているとミカに言ったら笑われた。
そういえば、もうつけ始めて二十年近くになるか。
我ながら、よく続いたものだと思う。
最近はブログの方に気を取られて放置することも多く、
そのうち昔の日記の内容をパソコンに入力してもいいかもしれない。
後で読み返したらきっと赤面してしまうだろう。
20314 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/14(火) 20:32:05 ID:b3dbMY5c
以上となります。
間違えてageてしまいごめんなさい。

前半部分が読みにくいのは仕様です。
あまりエロくはありませんが、いい勉強になりました。
機会があればまた他の形式にもチャレンジしたいものです。

ではこれにて失礼します。よければまたお会いしましょう。

>>194さん
憑依はちょっと苦手なのでどなたか書いて下さると助かります。
204名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 18:26:24 ID:Zo908aYw
ちょっと微妙
面白いっちゃ面白いけど
205名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 19:29:14 ID:2mmGH6fX
GJっす!

幼女な体視点の話
大人な体視点の話と
きましたので

交換女性の恋人(あるいは夫)視点、
親(あるいは子供)視点なんかもお願いします
206名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 20:55:09 ID:EhHksrli
文章がドンドン大人っぽくなるのが良いですね
アルジャーノンに花束を思い出した
男体化のほうにも出張されてたし、文章が良くていいですね
207名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 21:29:56 ID:GxIyhLR2
やっぱり長期的に見ると先生の方が得してるよなー。
208名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 19:35:56 ID:ZFUd421i
やっぱ、内臓年齢で
頭部の老化速度も変わるだろうしな。
209名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 17:56:15 ID:tChy1qhc
きつねさんマダー
210名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 12:14:12 ID:dJk2rpzG
>内臓年齢で頭部の老化速度も変わるだろうしな。
ちょと考えてみた。

まずキャパシティの問題。
人体で一番酸素を消費するのは大脳。
子供(赤ん坊)の身体に大人の頭が付くと、おそらく常時酸欠になる。
昔の与圧していない戦闘機で高々度を飛ぶ時「三割頭」なんて言ったくらいだから
思考力は激減するものと思われる。
お母さんの場合、一日中うつらうつらして、最悪脳細胞の一部が死滅する。
その結果いったん記憶・人格がリセットされて、身体の成長に伴って
人格が再形成。めでたしめでたし。
(実際には、痴呆老人みたいになるんだろうけど、その辺はファンタジーて事で)
一方先生は思考力が落ちてしまって、授業なんて無理じゃないだろうか。
でも教壇で「えーと。あれ。何だっけ?」とか言ってあげくにべそかいたりすると
可愛いからそれはそれで良し。
逆に大人の身体に子供の頭のケースでは、酸素が過剰供給されることで
知能が発達する・・・かも知れない。(あんまり面白くなさそうなのでスルー)

次に成長ホルモンの話し。
成長ホルモンは脳から分泌されるから、育ち盛りの小学生の脳からは
こいつがだばだば湧いて出ているわけだ。
んで、すくすくと育って身長2.2メートルとかなるかと思ったら
成長の終わった成人の身体で成長ホルモンが過剰になった場合
末端肥大症とかなるらしい。
反対に大人の脳からは現状維持程度にしか出ないみたいなので
ちゃんと成長できるかどうかが問題。(昔で言う小人症)
なので、いずれにせよエロはおろかギャグにもなりそうもない。

そっちは目をつぶって、第二次性徴を考えてみると
小学生の場合これから第二次性徴で性腺刺激ホルモンがどっと出るから
大人の身体がさらにバヨンバヨンのエロエロにという展開はアリだね。
でも反対に大人の脳はその時期を逃している訳だから、いつまで経ってもツルペタのままか。

とゆことで、このネタは掘り下げても(ダークになるかと思ったけど、グロになりそうで)
面白くなりそうもないのでここまで。

P.S.
>やっぱり長期的に見ると先生の方が得してるよなー。
一番トクしたのは先生の婚約者だと思う。
211名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 13:59:58 ID:sKJwWiJf
首の太さとか血液型とか拒絶反応とか、
突っ込みだしたらキリがないんだぜ
そこはファンタジーファンタジー

んなこと言ったら憑依とか霊魂とか(ry
21214 ◆cW8I9jdrzY :2009/04/25(土) 20:38:11 ID:rg4dt0z4
神話スレに少年シリーズの裏話を投下しておきました。
設定にこだわりのある方はご覧下さい。

あといつも通りOD物のリクエストを募集中です。
>>157さんと>>190さんと>>205さんの話は考えてますが
なかなか思うようにいかず、他にもございましたらお願いします。
213名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 20:47:31 ID:SR1hS0Cc
男体化スレのほかにもそんなとこにもいってらしたんですか!
んでは、ネタだしを

多重入れ替わりで7人(は大杉かも?)の女性が
何らかの理由で週替わりにところてん方式で入れ替わることになる。
ところが、ある日、そのサイクルから別人の状態で抜けてしまう仲間が現れはじめ…


214名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 22:23:13 ID:Bu/Py71e
>>212
設定はどうでもいいけど
女神様は萌えたので美味しくいただきました

俺は妹と彼女の入れ替わりを希望かなー
キモウトならなおよい
215名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 11:26:01 ID:7IUtLiyI
俺は168みたいにスタンダードな入れ替わり希望かな。
14氏は少年物とか独特の雰囲気の作品が
うまいと感心しているんだけど168からの読んで
スタンダードな入れ替わり作品もやっぱり上手いと思った。

題材は何でもいいので、214みたいに妹と彼女の入れ替わりでもいいし
190みたいな番外編でもいいかな。
216名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 20:59:39 ID:gxSeWaBx
age
217名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 20:32:04 ID:PRSdwcjx
憑依も希望
218名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 09:50:19 ID:22l6aJ3e
筋骨隆々のアマゾネスな女悪魔が深窓のお姫様の身体を
レイプしながらズブズブとお姫様の身体に入り込み乗っ取る。
助けを呼ぼうとするお姫様の口に女悪魔の口が重なる。
クチュ、クチュ、ゴキ、ゴキ、と鈍い音を立てながら
アマゾネスな体躯を華奢なお姫様の身体に収めていく女悪魔。
乗っ取りが完了し身体を確かめる女悪魔。
胸がはみ出しているのを見て苦笑いしぎゅっと押し込み元の
お姫様のサイズに合わせる。
鏡を見ると何事も無かったかのようにお姫様がたたずんでいる。
女悪魔・・いやお姫様に満面の笑みが浮かんだ・・・

219名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 20:25:42 ID:i0Y4Et31
そういやODサイト作ってた某氏は
魔女←→お姫様が好きだったな
>>218見て思い出した
220名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 00:38:23 ID:dT9DwFxW
某氏の潰したほうのサイトにあった
おばさんが若い少女の体奪って遊びまくりビッチになる話と
父親が大好きな少女が父親の巨乳の再婚相手の体奪う話が好きだった
アーカイブかなんか作ってくれないかなあ
221名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 00:43:41 ID:dT9DwFxW
>>218
貧乳サマナーがサキュバスやら巨乳女悪魔召喚して邪教の館で悪魔合体する話とか昔想像したなあ

メガテンといえばデビルサマナーソウルハッカーズのネミッサは最高だった
222名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 01:52:07 ID:c3Go9TrX
>>221
メガテン懐かしいなとか思ってスレ探したら
なぜかいつもの人のSSがあってふいた
みんな同世代かよ!
223名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 11:27:08 ID:gSu+kedS
己の身体を擦りながら確かめるお姫様の口から女悪魔の声が出る
「フン、窮屈ったらありゃしない。馴れるまで相当かかるよこりゃ。
まああたしのボディじゃどう見たってか弱い乙女には見えないからねぇ〜」
傍らの大理石の置物をそのか細い腕で軽々と持ち上げるお姫様(女悪魔)。
「良かった。あたしの力はそのまま使えるようだね・・・」
お姫様の肉体を乗っ取っても己の力はそのまま使えることに安堵した女悪魔。
気を失って倒れている小間使いを抱き起こすお姫様(女悪魔)
「しっかり・・・大丈夫?」
「う・・う・・」
お姫様の柔らかい腕に抱かれ優しい声に気がつく小間使い。
「あ、あれ?さ、さっき何か化け物が!・・・」
一瞬眉間に皺が寄るお姫様だがすぐに表情を和らげ
「・・・気の所為よ・・・きっと疲れてるんだわ・・ゆっくり休みなさい・・」
優しい言葉で小間使いを労うお姫様(女悪魔)。すごすごと退出する小間使い。
「・・・あの娘・・・見たのか・・・仲間を呼んであの娘にも憑けるか・・・」
清らかなはずのお姫様に邪悪な笑みが浮かんだ。
224名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 15:59:48 ID:GZwe1SIP
続きをプリーズ
225名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 23:28:47 ID:mgnuL+5D
結局五位か
しかし住人の活躍がなければ
セシリア女どころかリーザにも負けていただろう
みんなよく頑張った
感動した!

じゃファンディスクに盛り込まれるのを期待して待とう
226名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 23:40:34 ID:BuiN1TFO
>>225
男体化スレとお間違えではないですか
227名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 00:16:20 ID:xYGTuGIH
また今日もエロゲのCGを見て
姉ヒロインと妹ヒロインが入れ替わる妄想をする作業が始まるお
228名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 00:53:29 ID:CFRiz16G
OD画像掲示板でもあればいいのにな。w
229名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 14:16:32 ID:RmtDL1M6
ダカーポ2でか?
230227:2009/05/08(金) 22:04:58 ID:T4uy4zks
いや、今日はクロポを使った。
中の人がどっちも妹から年上キャラまで幅広くやってるから脳内再生しやすいんだw
23114 ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 14:58:15 ID:Flt0A20K
こんにちは>>14です。

なかなか悩みましたが、>>214-215さんの案で
姉妹入れ替わりを書いてみました。
ちょっと重いですが、たまにはこんな雰囲気もいいかも?
でもうんちく長いので、苦手な方はスルーして下さい。すみません。
232病気の姉と元気な妹(1/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 14:59:13 ID:Flt0A20K
穏やかだが控え目な日差しが西の空から降り注いでいた。
気温は春とそう変わらないはずなのに、何となく寂しい感じがするのは
秋の太陽に元気がなく、すぐに沈んでしまうからだろう。
病室で窓の外を見上げながら、愛理は今日何度目かのため息をついた。
長い黒髪はツヤがなく、頬はやせこけて顔色も悪い。
鏡を見て自分の境遇を哀れんでしまうのも、もうすっかり慣れてしまった。

赤い日差しの中、ドアが開いて男と少女が姿を見せた。
「や、愛理。元気してるか?」
「――大ちゃん、それに真理……一緒に来てくれたの?」
「うん、駅で一緒になっちゃって。はいこれ」
そう言って少女は雑誌の入った袋をベッドの横に置いた。
実は高校生だが、童顔と小柄な体のせいで小学生に見えなくもない。
しかし彼女は明るく優しい娘で、愛理の自慢の妹だった。
「ありがとう。こんなにしょっちゅう来てくれて……」
「何言ってんだよ。早く病気なんて治しちまえ」
強い口調で男が言った。
二十歳くらいの目つきの鋭い男で、その険しい視線で愛理を見下ろしている。

「わかってる。ちゃんと治すって約束したもんね、大ちゃん」
彼なりの励ましを受けとめて、愛理はうなずいた。
「そうだよお姉ちゃん。ちゃんと退院したら大樹さんのお嫁さんになるんでしょ?」
「えっ……? そ、そんなの昔の話よ……」
不意に聞こえた妹の言葉に、女は血の気の引いた顔をほのかに赤らめた。
「――懐かしいな、小学生のときだっけ。あの告白。
 あの頃は愛理も、今の真理ちゃんみたいに元気な暴れん坊だったな」
少し遠い目をして大樹がつぶやいた。
「大ちゃん……」
「俺はあのときのお前のセリフ、まだ忘れてないんだぜ」
「えっ?」
驚いて目を見開いた愛理に優しい視線を向け、男が言う。
「だから早く治せ。俺はいつまででも待っててやるから」
「…………」
女はうつむいて、軽く体を震わせた。
「お姉ちゃん……?」
「――ありがと……大ちゃん……」
雫がぽたりと垂れ、ベッドに丸い染みを作った。
233病気の姉と元気な妹(2/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 14:59:59 ID:Flt0A20K
見舞いを終え、大樹と真理は病院の廊下を並んで歩いていた。
病室で愛理を励ましたときとは違って彼の顔は暗く、重々しい雰囲気を漂わせていた。
「大樹さん……どうしたの?」
「いや、何でもないんだ。真理ちゃん」
首を振る男に少女は食い下がる。
「嘘、何でもないはずないよ。
 お姉ちゃんのこと、うちのお母さんから聞いたんでしょ? どうなの?」
「いや、別に……」
「お父さんもお母さんも、あたしには何も教えてくれないの。
 ただ良くなる良くなるって言うだけで……あたし、こんなのやだよ。
 お願い。あたしにお姉ちゃんの病気のこと、教えて」
「真理ちゃん……」
厳しい視線を少女に向け、大樹はつぶやいた。
「大丈夫、きっと愛理は治る。俺たちがそう信じてやらないと、
 あいつだって安心して治療に専念できないじゃないか」
「大樹さんもお父さんと同じこと言うんだね。お姉ちゃん、そんなに悪いの?」
「…………」
必死で沈黙を守り通しながら、大樹は思い知らされていた。
自分でも信じてないことを人に信じさせるのは、こんなにも難しいのかと。

単なる厚意なのか、それとも誤魔化しのつもりか、
大樹に家まで送ってもらう途中、真理は喫茶店に連れて行かれた。
明るくて可愛らしい内装が密かに評判だとかで、店内は女性客が多い。
「真理ちゃん、ケーキ食べないか? たしか甘い物好きだったろ」
「今日はいいです、好きだけど太るもん」
「大丈夫だって。真理ちゃん充分やせてるじゃないか」
「あたしはやせてるんじゃなくて、ただチビなだけですっ!」
結局ケーキは遠慮して、オレンジジュースを飲みながら真理は周囲を見回していた。
女性客の他にも、恋人同士のようなカップルがちらほらいる。
自分たちも周りからはそう見えているのだろうか。
(ううん、違うよね……あたしと大樹さんじゃ、せいぜい兄妹にしか見えないもん)
彼女は自分の幼児体型と童顔に、軽いコンプレックスを持っていた。
もう高校生でこれ以上の成長はなかなか見込めないというのに、
今でも真理は時々小学生と間違えられてしまう。
対して姉の愛理は病気になる前、背が高くスタイルも良かった覚えがある。
綺麗な服を着こなして大樹とデートに出かける姉を、
彼女は羨望の眼差しで見送っていたものだ。
美しく不健康な姉と、幼くて元気な妹。
どっちがいいんだろうか、とつい物思いにふけってしまう真理だった。
234病気の姉と元気な妹(3/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:00:32 ID:Flt0A20K
そんな恋人の妹を心配そうに眺めながら、大樹はコーヒーを口に傾けていた。
本人が嘆くように、確かに子供っぽい外見ではあるが
目や鼻、眉といった顔のパーツは姉の愛理とよく似ていて、
美人というよりは可愛い感じの魅力をかもし出していた。
(――そういや小学生くらいのときは、あいつもこんな感じだったっけ……)
大樹は、病室にいる自分と同じ歳の女との思い出を掘り起こしていた。
昔は気が強く、体育や運動会を妙に張り切っていたこと。
思春期を迎えて普通なら異性との関わりを避けるはずが、
なぜかますます大樹と一緒にいる機会が増えていったこと。
そしていつの間にか恋仲になって、本当にお互いが好きで愛し合ったこと。

(愛理……)
だがその彼女は今、不治の病で力なくベッドに横たわっている。
恋人が病魔に苦しんでいるというのに、彼は何も
力になってやることができず、無力感に苛まれた毎日を送っている。
この前、姉妹の母親に聞かされた話によると、愛理はもう長くないという。
一週間か二週間かひと月か、ひょっとしたら明日死んでしまうかもしれない。
そんな話を聞かされて、平静でいられる男はそう多くないだろう。
現に大樹も心の半ばを絶望に支配され、真理を満足に励ましてやることもできていない。
(くそ、俺は……)
どうしたらいいのか。どうすることもできないのか。
もし神仏が存在するならば、祈りたい気分だった。

相手を不安そうに見ていたのは真理の方も同じだった。
(大樹さん……)
小さい頃から背中を見ていた、憧れの男性。大切な姉の大事な恋人。
その彼が苦しそうに悲しむ姿を見るのはとても辛かった。
やがて、飲み物をすすっていた大樹がにわかに立ち上がる。
「真理ちゃん、俺ちょっとトイレ行ってくるから、
 何か欲しいのあったら適当に頼んでていいよ」
「はーい、行ってらっしゃい」
表面上は明るく言う真理。
ジュースは半分以上飲んでいたが、お代わりを頼む気にはなれなかった。
辺りを見回すと、テーブルを囲む女子高生の集団やにこにこしたカップルが
楽しそうに談笑しているのが目に入る。
その様子をうらやましそうに見つめ、真理はため息をついた。
両親や大樹の様子から、姉の病状が芳しくないのはわかっている。
だが自分だけ何も知らされないというのは、やはり悲しいことだった。
聞かされても彼女にできることは何もないが、それでも知りたい。
真理はやるせない思いを抱えて、明るい店内をぼんやり見回していた。
235病気の姉と元気な妹(4/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:01:07 ID:Flt0A20K
そのとき、少女の目が一点に固定された。
「―――― !?」
驚いた真理の視線の先から、一人の少年が近づいてきた。
年は彼女と同じくらいだろうか、制服などは着ていないが高校生のように見える。
少女が目を見張ったのは、不自然なほどに整ったその顔立ちだった。
美術館や博物館の展示品のように圧倒的な存在感をかもし出している。
しかしそれなのに周りの客は誰も少年の方を向かず、
店員でさえこの美少年に気づかない様子でその横を通り過ぎた。
(すごい……綺麗な人)
男相手にこの表現を使う機会は滅多にないが、真理は心からそう思った。

人間離れした雰囲気の少年はゆっくり彼女のところにやってきて、
見る者の背筋が震えるような笑顔で少女に話しかけた。
「こんにちは。ここいいかな?」
「あ、え、えと、その、連れが……」
なぜか自分の向かい、大樹の席に座ろうとした少年を真理は慌てて制止したが
彼は気にもせず、悠然と椅子に腰かけてしまう。
「大丈夫、すぐ帰るから少しだけだよ」
「は、はあ……」
そう言いつつ彼は店員を呼んでアイスティーを注文する。
突然現れたこの異様な雰囲気の少年に、真理は呆気に取られるばかりだった。

「――久保愛理さんの妹、真理ちゃんだね?」
「そうです……でも、なんであたしのことを……?」
少年は自分に危害を加えるような気配はないが、ただひたすらに怪しい。
気後れしながらも充分に用心して、彼女は少年を見ていた。
「なに、たまたま通りかかっただけさ。お姉さんの病気、大変みたいだね」
「そんなことまで知ってるんですか?」
「誤解してほしくないんだけど、僕は別に怪しい者じゃない」
怪しさと疑わしさの塊のような少年がそう言った。
「ただ、君に協力してあげようと思っただけさ」
「協力……?」
「お姉さんの病状、知りたいんだろ?」
「――知ってるんですか !? お姉ちゃんのこと!」
彼は害のない笑顔で少女を見つめて答えた。
「僕はこう見えても、いい友人に恵まれててね。
 その友人が言うには、君のお姉さんは八日後に息を引き取るそうだ」
236病気の姉と元気な妹(5/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:01:40 ID:Flt0A20K
「――なっ…… !?」
あまりの内容に、真理は一瞬呼吸が止まってしまった。
「そんな馬鹿なこと言わないで! 冗談でも怒るわよ !?」
「冗談じゃないさ。確かな情報だよ。
 でもまあ、いきなりこんなことを言われて、信じろって方が無理かもしれないね」
「当たり前よ!」
少年は運ばれてきたアイスティーに口をつけ、うんうんうなずいている。
「じゃあもう一つ、教えといてあげよう。
 まず今夜、君のお姉さんの容態が急変する」
「嘘よ! いい加減なこと言わないでよ! そんなの信じないから!」
「でもこれは一旦収まって、一週間近く安定するそうだ。
 そして八日後、もう一度同じことが起きて、今度は残念ながら亡くなってしまう」
「黙って! もう聞きたくない!」
真理の投げたお絞りを片手で受け止め、少年が続ける。
彼女はかなりの大声をあげていたが、周囲は誰も二人を注視していなかった。
「信じるも信じないも君の勝手だけど、もし信じるなら
 僕は君に選択肢をあげよう。お姉さんを救うための」
「いいからあっち行ってよ !! うわぁぁああんっ !!」
泣き喚く真理に楽しそうな視線を送り、やっと少年は席を立つ。
後に残されたのはしゃくりあげる少女と、空になったグラスだけだった。

大樹がトイレから戻ると、真理は座ったままじっとうつむいていた。
「――真理ちゃん……どうかしたのか?」
少女はグスグスと泣いているように見える。
彼が席を離れていたほんの少しの間に、一体何があったのだろうか。
「な、なんでも……ない……!」
「何でもない訳ないだろ。どうしたんだ?」
「なんでもありません……ほっといて下さい……うぅ……」
「…………」
彼は愛理との付き合いから、こうなった状態の少女には
下手に手を出せないことを知っていた。
ただ黙って店員を呼び、飲み物とケーキを追加で注文する。
(愛理……)
詳しいことはわからないが、泣いているのは彼女のことが原因だろう。
大樹は心の中で愛しい女に呼びかけた。
(真理ちゃんはこんなに泣いてるんだぞ。頼むから良くなってくれ……)
彼の願いも空しくその晩、愛理は容態が悪化し生死の境をさまようことになった。
237病気の姉と元気な妹(6/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:02:11 ID:Flt0A20K
「…………」
夜の病院に、年齢よりも幼く見える少女がたたずんでいる。
深夜に突然連絡があり、真理も父の車でここに連れてこられたのだった。
ようやく落ち着いたものの、一時は本当に危なかったらしい。
本来なら面会謝絶のところを家族の立ち入りを許したのは、
医師も半ば諦めているからだろうか。
暗い廊下から窓の外を見つめ、真理は呆然と立ち尽くしていた。

“まず今夜、君のお姉さんの容態が急変する。
 でもこれは一旦収まって、一週間近く安定するそうだ”
ふとあの少年の言葉を思い出し、重い息を吐く。
信じる訳ではないが、彼の言う通り姉の容態は急変し、そして持ち直した。
ということはあと一週間で、愛理の命が尽きてしまうのか。
彼女はそんなことを受け入れるわけにはいかなかった。
“信じるも信じないも君の勝手だけど、もし信じるなら
 僕は君に選択肢をあげよう。お姉さんを救うための――”
「救う……あたしが、お姉ちゃんを……?」
本当なのだろうか。
無力な子供に過ぎない自分が、病魔に苦しむ姉を救ってやれるのだろうか。
憂いを帯びた秋の風が木の葉を散らすのを、真理の視界は捉えていた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

そして一週間後、愛理は静かに息を引き取った。
ささやかな通夜と葬式が行われ、誰もが若い彼女の死に涙した。
一番泣いたのは妹の真理である。
「私……わたしぃっ…… !!」
両親も泣きながら次女の体を抱きしめたが、彼らも気づかなかった。
真理が自分のことを「私」と呼んでいたことに。
238病気の姉と元気な妹(7/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:02:58 ID:Flt0A20K
「うぅ、うぅぅぅ……うぇぇぇん……」
「なあ……真理ちゃん、もう泣くのやめようぜ……?
 ずっとそうしてるじゃないか……」
姉の遺影を前にいつまでも涙を流し続ける真理に、大樹が言った。
彼女の両親は田舎の親戚の家に行って、しばらく留守にするという。
真理も連れて行くはずだったのだが、どうしても彼女がここを離れないため
二人は大樹に娘のことを頼み、車を飛ばして行ってしまった。
彼も最愛の恋人をこんな形で失って心が空っぽになっているが、
ずっと泣いている真理を見ていると、ほんの少しだけ心が冷静になれる。
「う……うぅ、ごめん……ごめん……」
畳に涙をこぼし、彼女は涙声で姉に謝っていた。
それを見て大樹は、なぜ謝るのか訝しがった。

「真理ちゃん、君が謝る必要なんてない。真理ちゃんはあんなに
 あいつを大事にしてたじゃないか……」
少女の隣に腰を下ろし、大樹は彼女の顔を上げさせた。
丸一日泣きはらした顔はひどく汚れ、彼の心にちくりと棘をさした。
「ほら、顔ふいて……あいつが君を責めるわけないだろ?」
大樹がハンカチで顔をぬぐってやると、また真理は泣き叫んだ。
「違うのぉ……私、違うのぉぉぉ……!」
「……何が違うんだ、真理ちゃん?」
ふと様子がおかしいことに気づき、大樹がたずねる。
確かに今の状況では泣き喚くのも無理のないことだったが、
真理が泣いているのは何か違う理由があるように彼には思えたのだ。

小学生にも見える幼い高校生がしゃくりあげる。
「――大樹……私、真理じゃないの……愛理なの……。
 あの子、私の代わりに死んじゃったのぉぉぉ……! わぁぁぁん……!」
「……な、何……?」
いきなり突拍子もないことを言われ、大樹が戸惑う。
彼の動揺をよそに、真理は自分が愛理だと主張し、
幼い頃からの彼との思い出を一つ一つ語っていった。
それは確かに彼と愛理しか知らないはずの、半ば忘却に埋もれつつある記憶だった。
「――お、お前、愛理なのか……? 本当に…… !?」
「本当よ、信じてよ大樹ぃ!」
とても信じられる話ではなかったが、口調や雰囲気の端々、それに
愛理しか知りえない知識から、やはり彼女は愛理だと大樹は結論せざるを得なかった。
ということは真理になった愛理の言うとおり、代わりに真理が死んだということになる。
いくら姉を助けるためとはいえ、自分の命を投げ出した少女に、彼は深い衝撃を受けた。
「ま、真理ちゃん……なんでこんなこと…… !?」
「うぅ……真理、ごめん……本当にごめんなさい……!」
あまりの事実に大樹は呆然として、
泣きじゃくる少女の体を抱きしめてやることしかできなかった。
239病気の姉と元気な妹(8/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:08:42 ID:Flt0A20K
その少し前、暗い病室の中で二人の人物が話していた。
片方はいかにも病人といった感じの、やせ細った長髪の女。
もう一人は形容しがたい異様な雰囲気を持った、端正な顔の少年だった。
「――これで君の代わりにお姉さんは助かる。満足かい?」
女は大人に似合わぬ子供っぽい仕草でうなずいた。
「うん。だってあたしより、お姉ちゃんに生きててほしいから……」
こうしている間も病魔は女の体を蝕み、耐え難い苦痛を与えてくる。
止まない痛みと乱れる呼吸に顔をしかめながら、愛理は顔を上げた。
(痛い……お姉ちゃんの体、こんなになってたのね……)
姉は横から見守るだけの自分に、この痛みの中で笑顔を向けていてくれたのだ。
それを思えば、死への恐怖はあっても後悔はなかった。

今、真理の体は家で眠りについているはずだ。
そして目覚めて事態に気づいた頃には、自分はもうこの世にいない。
別れの手紙は書き残してきたが、ちゃんと彼女は読んでくれるだろうか。
ひょっとすると、また小さい頃のように罵られるかもしれない。
「この馬鹿! お姉ちゃんに黙って勝手なことしちゃ駄目でしょ!」
あの頃はいつもそう言われるのが日課だった。
愛理は暗い病室で笑顔を浮かべ、昔を懐かしんだ。

ベッドの隣の椅子に腰かけ、明るい声で少年が問う。
「一応聞いておくけど、本当にいいのかい?
 今ならまだ間に合う。君の歳でわざわざ死ぬこともないと思うけど」
「ううん……もう決めたの。お姉ちゃんを助けてくれてありがとう。
 お姉ちゃんと大樹さんによろしく言っといて」
「そうか。伝えておくよ」
少年は穏やかな笑みを見せた。
どこの誰かも、そもそも人間なのかもわからないが、
彼は姉を助けてくれた。それだけで彼女には充分だった。
240病気の姉と元気な妹(9/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:09:37 ID:Flt0A20K
夜空には丸々とした黄金の月が輝き、魔性の光を大地に注いでいる。
その月光を背中に浴び、少年は笑顔を浮かべていた。
その姿は神々しい天使のようにも、逆に恐ろしい悪魔のようにも見える。
「最期に話をしようか。冥土の土産と思って聞いてほしい」
「うん、いいよ」
病人はうなずいて、再び体をベッドに横たえた。
「君は自分とお姉さんの身に起こったことをどう思う? なんて表現すればいい?」
「……え?」
意外な質問に面食らい、愛理は少年を見上げた。
「うーん、そうねえ……心と体が入れ替わっちゃった?」
「あはは、両方入れ替えたら元に戻っちゃうよ。どっちかにしないと」
「じゃ、体の交換!」
少年がうなずく。
「そうだね、その表現だと人間の本質は心にあることになるね。
 今の君は『お姉さんの体を持った真理ちゃん』だから本物の真理ちゃんって訳だ」
「うん」

暗い部屋の中で、透き通った少年の声が響く。
「じゃあ仮に、僕がやったみたいに他の人に君の心を植えつけたらどうだろう?
 大樹さんや君のお父さんお母さん、みんなが君の心そっくりになったら、
 どれが本当の君だと思う?」
「え……そんなの、みんなあたしになるんじゃないの?」
「うん。そういう答えもあるね」
愛理は不思議そうに虚空に視線を送る。
その様子は物慣れない少女のような可愛らしいものだった。
「大樹さんの体を持つ君、愛理さんの体になった君、そして
 元通りの真理ちゃんの体を持った君。何人いても全部本物の君なんだね?」
「うー……そ、そう、かな……」
「想像してみてほしい。君がその中の一人になったとして、
 周りには色んな姿になった君がいて、君と同じ口調で喋るわけだ。
 君から見て、周りにいる人たちは自分かい? それとも他人かな?」
「ええ、どうなんだろ?」
少年はにっこり笑って話を続ける。
「お互いに独立した意思を持ってるなら、それはやっぱり他人だよ。
 君の心を数十人にコピーしても、みんなこう思うに違いない。
 『ああ、この人たちはコピーで、あたしが本物なんだ』って。
 さあ、本物の君はどれなんだろうか?」
241病気の姉と元気な妹(10/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:10:58 ID:Flt0A20K
「うーん……?」
困り果てた愛理に、優しい声で少年は言った。
「じゃあ、今度は逆に体をコピーすることを考えようか。
 真理ちゃん、想像して下さい。コンビニのコピー機のような機械で
 人間を分析すると、見た目も心も本物そっくりのコピー人間が出てくるとします」
「うん、考えたよ」
「そのコピーは君自身、本物の自分であると言えるかな?」
「うーん、心まで完全にコピーしてたら本物なんじゃないかな?」
深く考えず、思ったことを口にする。
その発言が少年を喜ばせているようだが、この際どうでもよかった。

「じゃあ、ここには本物の君が二人いることになるね」
「そうだね」
「なら一人じゃなくて百人コピーしたら、本物は百一人いるってことだね」
「そう……なんじゃないの?」
少年は疲れも見せず、嬉々として話を続ける。
「じゃあ、今度はコピーの元になった君から見た話を考えよう。
 百人のコピーたちは本当に君自身かい?」
「えっ? 今そうだって……」
「それは本当かな? コピー元になった君から見れば、百人の他人なんじゃないの?
 自分と同じ顔をして、自分と同じ声を出して、自分にしか見えない他人さ。
 仮に機械で本物の君自身を増やせるとしたら、後でコピー元の君を
 殺してしまっても構わないよね? 本物の君はいくらでも作れるんだから」
「え……え、え、え……あ……」
いつになく早口な少年の言葉に押され、言い返すことができない。

「ここで大事なことは『肉体は物質的な裏づけがあるけど、心にはそれがない』
 ってことだ。心はいくらでも変わりうるし、同じ心というのをいくらでも
 考えることができるけれど、体はそうじゃない」
「そうなの? 何が違うの?」
「体、つまり物体は全く同じ物が存在しない。全く同じように見える
 同じ製品のペンだって消しゴムだって、それぞれ違う物体なんだ。
 例えば、もし誰も見分けがつかないくらい精巧に
 『モナ・リザ』をコピーすれば、コピーも本物ってことになるかい?
 レオナルドが描いた絵は一枚だけだっていうのに」
「うーん……たしかに、絵に本物が増えたら困るよねえ……」
「それと同じで、どんなに同じように人間の体をコピーしても
 それはあくまでコピーであって、本物は一人だけなんだ。
 でも心はそういったものじゃなく、コピーを考えて増やすことができる。
 何しろ心には、時空的、物質的な裏づけがないんだから」
242病気の姉と元気な妹(11/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:12:43 ID:Flt0A20K
それでも愛理は食い下がった。
「じゃあ、心もずっとあたしの心だったって言えたら本物なんじゃない?
 コピーじゃなくて、小さい頃からお父さんお母さんに育てられたあたしの心なら、
 本物のあたしの心って言えるんじゃないかしら」
だが少年は笑顔をやめず言い放つ。
「なるほどなるほど。いきなりコピーで作り出された心じゃなくって、
 ちゃんと時空的に連続して存在していた心なら本物なんじゃないかって話だね。
 でもそれだと心の内容はどうでもよくって、心が入っていた入れ物、
 つまり体とか脳とかで『本物の自分の心』を決めてるってことじゃない?
 それならやっぱり本物の君の心は、体に依存することになるよね」
「う〜……」
反論を全て言い返され、愛理は口ごもった。
何となくおもちゃにされているようで、面白くない。
今生の名残がこんな会話では浮かばれそうになかった。

「だからそういった意味で君はやはり愛理さんであって真理ちゃんじゃないんだ。
 強いて言えば『自分を真理ちゃんだと思っている愛理さん』だね」
女は不満そうに頬を膨らませる。
「え〜、でもやっぱりあたしが真理だよ。中身はお姉ちゃんじゃないよ。
 あたしがお姉ちゃんで、あっちが本当のあたしだったら
 やっぱりお姉ちゃんは死んじゃうから、入れ替わった意味がないじゃない」
「その体はまぎれもなく久保愛理さんのものだよ。
 君たちは心が違うと違う人間ってつい思ってしまうけれど、
 人間の本質は心や魂ではなく、体にあるんだよね」
「じゃあ……やっぱりあたしがお姉ちゃんってこと?
 あたしは真理じゃなくて、お姉ちゃんなの?」
「さて、どうだろうね? でも君が心で本物を決めるんだったら
 それでいいと思うよ。いつか真理ちゃんそっくりの心を誰かに植えつけてあげる。
 そうしたら君の心も救われるんじゃないかな?」
「それ――」
そのとき、何か言い返そうとした愛理の顔が苦悶に歪んだ。
243病気の姉と元気な妹(12/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:13:37 ID:Flt0A20K
「う……うあ…… !?」
「残念だけどタイムリミットだ。もう君はここにはいられない」
少年は穏やかな声で、女に死の宣告を告げた。
女は苦しそうに息を漏らし、虚空に呼びかけている。
「あ、あたし……あたし、お姉ちゃ……!」
「さよならだ。今日は楽しかったよ。
 もう今の君と会うことはないだろうけど、後のことは任せてほしい」
彼は立ち上がると、軽やかな足取りで病室を出て行った。
満月は煌々と西に輝き、夜明けが近い。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

ごく普通のマンションの一室に、男と女がいた。
ベッドの中で素裸で抱き合い、愛の営みを行おうとしている。
「愛理……」
男が女の名を呼び、そっとその唇を奪った。
舌を絡め唾を混ぜあい、熱っぽい視線でお互いを見つめている。
やがて女は口を離し、愛しげに男によりかかった。
「うん……大ちゃん……」
そのとき、にわかに男が身を起こし妻にそっと囁いた。
「――ちょっと待て。外に悪い子がいるから」
「ふふふ、あの子も懲りないわね……」
男はベッドから出て、部屋の入口に向かうと勢い良くドアを開けた。
「――きゃあっ !?」
そこには二、三歳くらいの幼児がいて、バランスを崩して室内に倒れこんだ。
「……いったぁ〜い……」
「こら真理。覗いたら駄目だっていつも言ってるだろ」
「え〜、別にいいじゃない大樹さん。ねっ、お姉ちゃんからも何か言ってよ」

寝床で全裸になっていた女は、にやにや笑って娘の愛理を見つめている。
その体は二十代の子持ちの人妻だというのに背が低く胸もなく、
まるで小学生のような体型であった。
「まあいつものことだし、いいんじゃない? 大ちゃん。
 それにこの体はあんたのだしね、見るくらいはいいと思うの」
「おいおい、中身は真理でもこいつは実の娘なんだぞ? 教育上良くないだろ」
244病気の姉と元気な妹(13/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:15:19 ID:Flt0A20K
幼児は父親の足に抱きついて甘えてみせた。
「ね〜え、お願い大樹さん、ちゃんとパパって呼ぶからぁ〜。
 あたしにも二人のセックス見せてよ〜ぅ」
「……とてもおむつが似合う幼女の言葉とは思えんな」
呆れたように大樹は言うと、娘を置いてベッドに戻った。
「ふふ、なんだかんだ言ってパパは甘いんだから……」
母親は妖艶な笑みを浮かべ、火照った小柄な体を夫に見せつけた。
男は手を伸ばしてかすかな膨らみを揉みしだき、妻を喘がせる。
「あんっ……大ちゃん、いいわ……」
その様子をベッドの横から見上げ、愛理は面白そうに言った。
「お姉ちゃん、気持ちいいの?」
「うん……見れば、わかる……でしょっ……」
「へえ、小さくても感度はいいんだ。
 あたしの胸、ずっと小さかったからお姉ちゃんが羨ましかったの」
「それなら……今度は、ちゃんと、う、おっぱい……育てなさい」
目を細めて熱い息を吐いて、母は娘に言い聞かせた。

男は欲望を秘めた目で真理を見つめた。
「愛理……俺、もう……」
「我慢できないの、大ちゃん? もう、困った人ね……」
「思ったけど、大樹さんって意外と根性ないよね。
 お姉ちゃんもよく結婚したねえ……」
「うるせー馬鹿娘。黙って見てろ」
父は愛理を叱りつけ、真理の中に猛りきった肉棒を突き入れた。
――ヌプヌプヌプ……ズチュッ……。
既に程よく濡れていた膣は、あっさりと夫のものを受け入れる。
「ああ……大ちゃん、熱いぃ……!」
「くっ……こっちもきつい……すっげーよく締まってるよ……」
子持ちの真理の膣は相変わらず狭く、大樹をきつく締めつけてくる。
その様子を幼い愛理は、這い上がったベッドの上から眺めていた。
(うわ……大樹さんが、あたしの体を犯してる……)
自分が死んでから幾度も繰り返され、今の自分がそれで生まれてきたというのに
愛理は両親の交わりを新鮮に感じて興奮してしまうのだった。
245病気の姉と元気な妹(14/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:16:21 ID:Flt0A20K
大樹は軽い妻の体を押さえつけ、激しく腰を前後させた。
――ズチュッ、ズッ、ズッ……!
「んああ……大ちゃん、大ちゃあん……!」
「愛理、気持ちよさそう……すっげー可愛い顔してる……」
「やああっ……大ちゃん、そんなこと言わないでぇ……」
「大樹さん、それあたしの顔だってば〜」
横で雰囲気をぶち壊しにする娘を無視し、大樹は真理を犯し続ける。
童顔の妻は、彼の硬い陰茎に膣をえぐられ何度も喘ぎ声を漏らした。

両親に無視された形の愛理は、仕方なく黙って二人の性交を眺めている。
(うわ、激しい……でもお姉ちゃん、すっごい気持ちよさそう……)
姉の心が入った自分の体が、目の前で憧れの男性に抱かれている。
自分が望んでこうなったとはいえ、やはり羨ましく思ってしまう彼女だった。
今の自分の幼い体を見おろし、ついため息をつく。
(あたしがこんなことできるのは……まだまだ先ね。
 あと十年以上待たないと……うう、お姉ちゃんはいいなぁ……)

入れ替わった愛理が死んで十年。その間に真理と大樹は夫婦となっていた。
やがて、二人の間に一人の女の子が生まれたのだが、
その乳児は小さな手を必死で動かし、虚空に文字を書いて両親に知らせた。
「あたしは真理です」と。
大樹と真理は大喜びでこの赤子に愛理と名づけ、大事に育てている。
愛理の方も幸せそうな両親の姿に心が満たされ、娘として甘えている。
死の別れを覚悟したはずの二人とこうして再会できたのだから、
彼女の感慨もひとしおだった。

ただ、死ぬ間際に聞いた少年の言葉が、彼女の心の片隅に残っている。
“いつか真理ちゃんそっくりの心を誰かに植えつけてあげる”
それが今の自分であることは明白だった。
ではやはり今の自分は真理ではないのか。自分を真理だと思い込んでいる赤子なのか。
それとも本物の真理は、大樹の妻になった目の前にいるこの女なのか。
誰が死んで、誰が生まれ、それとも誰かが生き返ったのか。
自分で考える話としてはあまりにも複雑で、扱いかねるものだった。
(あたし……誰なんだろ……?)
その疑問を胸に抱いて、幼児は裸の両親を見つめている。
246病気の姉と元気な妹(15/15) ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:16:59 ID:Flt0A20K
大樹は妻の中をえぐり、膣を肉棒でゴリゴリ擦りあげている。
二人の体格差はかなりのものがあり、はじめのうちは自分のものを
この小さな少女が受け入れられるのかと心配したものだった。
しかし今では二人の体の相性も良くなり、無事子供も出産している。
淫らな音をたてる女性器を激しくかき回し、彼は真理を叫ばせた。
「ああ――いいっ !! いいよぉっ !!」
「俺も最高だよ、愛理……すっげーいい……!」
パンパンと腰を突き上げ、奥の奥、子宮の入口を刺激する。
真理は全身を震わせ、愛する夫との交わりに喜んでいた。
「はあぁっ……! そこ、もっとしてぇぇえっ!」
妻に乞われるまま、大樹が膣内をこねくり回す。
あまりの母の乱れように、愛理はごくりと唾を飲んでしまった。
その表情は興味半分、羨望半分といったところか。
やはりこれは教育上よろしくないな――と、大樹は意識の隅で思った。

「あんっ! あひ! あひぃぃっ !!」
よだれを垂らした真理が体を揺らして喘いでいる。
激しく動いても乳房の一つも揺れないのは大樹にとっては残念だったが、
だからといって妻の魅力が損なわれるということは決してない。
彼はいよいよ真理を絶頂に導くつもりで、思い切り陰茎を突き動かした。
「あああぁっ !? それ――だめぇぇぇっ !!」
「イッちまえよ……愛理!」
「ひゃあぁぁあぁんっ !!!」
彼女は海老のように背を反らし、白目を剥いて意識を飛ばした。
――ビュルルッ !! ドプゥッ !!
またしても子宮に熱い汁が注がれ、真理は小さな体を痙攣させた。
大樹が満足そうに息をついて、萎えた肉棒を妻から引き抜く。
その拍子に溢れた子種と汁が漏れベッドを汚した。
「ふうぅ……」
「……二人目できそう? 大樹さん」
「さあな。真理は弟と妹どっちが欲しい?」
真っ赤な顔でこちらを見やる娘に、大樹はそっと笑いかけた。
24714 ◆cW8I9jdrzY :2009/05/09(土) 15:21:43 ID:Flt0A20K
以上となります。

途中のうんちくは昔読んだ論理学の入門書の考察を基にしています。
入れ替わった二人のどっちがどっちなのか、心と体の考察部分がありますので
あまり多い量ではないですが、興味のある方はご覧下さい。
◇参考文献◇
 論理パラドクス〜論証力を磨く99問〜
 三浦俊彦、二見書房

それではこの辺で失礼致します。
248名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 18:43:31 ID:j6SbBNfU
ぜ、前半は切ない入れ替わりなのに、
後半がもう訳わかめ…頭痛くなったんだぜ
俺もやっぱ体より心が本物だって思っちまうけどなあ
難しくてよくわからん
249名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 06:10:08 ID:ipSayHNR
少年の話長いよ!
でもほのぼのした結末で良かった。GJ
250名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 22:17:03 ID:4QoE8oEP
>>248
その心が本物かどうかって話みたいだぜ?
251名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 13:30:09 ID:qB7ayDNf
心を語るには、まず心の実在を証明するところから始めねばなるまい。
だが、今現在心を証明する方法はない。人は信じることしかできない。
それを疑うことは賢い、信じるのは愚かだ。だがどちらも同じこと。
252名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 16:21:57 ID:UjaXJn2Z
スレタイも「肉体の入れ替わり」だからな
まず心とか意識という主体があって、体はただのモノってのが
一般的な考え方だと思うよ
253名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 19:40:17 ID:6qbEhxHM
「とまあそんな感じの話題やSSを扱うスレ」

「そんな感じ」だから無理に限定することはないんでない?

今回のはあえて狙った作品だと思うよ。

その入れ替っているのは魂なのか記憶なのかって。
254名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 21:39:29 ID:FxFsIfLb
結局の所、心が体を定義しているのか
それとも、体が心を定義しているのか
この二つの立場のうちどちらを取るかという
哲学的というか衒学的な話になってるんだよな

体が心を定義しているんじゃないのかという命題を
心が体を定義している立場で考える終わり方な訳だ

ただ、個人的に言わせて貰うと体が心を定義しているという立場は嫌いだな
もしこれが通るなら入れ替わりとか憑依とかそれ自体が存在しなくなるんだから
255名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 23:00:42 ID:kHUDUo/5
嫌いだとか書くやつはスルーしとけよ、書き込むな。
256名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 02:57:29 ID:plL976Za
age
257名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 15:33:23 ID:hj1bV9xN
GJ!哲学的で考えさせられた
毎度毎度斜め上のSSをよく書いてくれるよ(いい意味で)
次も期待してます
258名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 04:53:12 ID:NJa5jmfw
妹が兄貴の彼女に憑依して擬似近親相姦ってのはあり?
259名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 10:49:42 ID:1TG3cWnl
>>258
GO
期待している
260名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 00:20:52 ID:dCk5ZldU
今回のSSは正直つまらなかったな
261名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 01:41:50 ID:zDd2q61f
>>258
俺も期待
262名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 19:07:24 ID:VWxfgq7/
がんばろ
263名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 20:21:56 ID:M/KdvZT3
がんばろう
264名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 16:44:03 ID:yIIXPgrV
憑依分が足りない!!
265名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 09:30:24 ID:IV7Nn3mv
きつねさんを最近見かけないのが気がかり
266名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 18:53:01 ID:Ps5soisu
>>265
砂漠のきつねです。昨日のうちに返信したかったんですが、アク禁に巻き込まれてしまいました…
会社のPCから書いてます。完成するまでに解除されるといいんだけど…

生きてますよ!すいません、ごぶさたしてしまって。
いろいろご意見もでそうですが、なんとか話がまとまって、もう少しで脱稿しそうです。
(ラストまではまとまって、あとは中身の細かいところを詰めて完成です)

月が変わって、今月中旬までには完成させたいと思います。
いい加減自分も新しい話書きたいですんで…
267名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 19:56:23 ID:wVRGqiJe
>>266
そういう事情でしたか…報告ありがとうございます。
新作も含めていつまでも楽しみにしています。
268名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 23:45:22 ID:qO6jxQM9
終わってしまうのも、寂しい気もするが
きつねさんの作品の、服とか身体描写が好きなんで
新作もどんどん読みたいですね。

全部一気にUPされなくても、少しずつUPしていく形式の方が
読者として嬉しいので、読める分だけもUP期待してます
269砂漠のきつね:2009/06/02(火) 02:46:39 ID:8SM3zO4f
とりあえずとのご意見もありましたので、載せます。規制も解除されたみたいですし。
この前は>>106までさかのぼります。ずいぶん久々になってしまいましたね。
今のところ、各自の身体は
瑠美:→さやか←→彩子、さやか:→瑠美→真由、真由:→瑠美、彩子:←→さやか
っていう状態ですね。
つづきを下に書きます。ここからだいぶ詰め込んでしまいました…
270269:2009/06/02(火) 02:47:14 ID:8SM3zO4f
<44>
「そういうことなのね。」真由になったさやかが彩子に言う。
「そうなんです。」
「で、瑠美は彩子ちゃんじゃないってどういうこと?また、他の誰かになってるってこと?
面白がってる場合じゃないじゃない。」
「さやかさん、怒ってます?」
確かにさやかは怒っていたのだが、声は濁りのない少女の声。
「驚かないで下さいね。」「こっちは小学生になっちゃったんだから、何聞いても驚かないよ。」
「瑠美さんは、さやかさんと逆です。」「え?」
「三船さんになっちゃったんです。瑠美さん。」「えーっ!?」

電話の2週間ほど前―――
「私付いていこうか?」「いいえ、逆に瑠美さんいないほうがいいです。」
「あんまり趣味と違う服買っちゃだめだよ。元に戻ったときさやかが困るから。」「大丈夫ですよ。」
彩子は自分の趣味で、さやかの身体の服を選びたいという。瑠美も同じことを思って、行動に移したこともあり、彩子がそう思うのも無理ないと思っていた。
「じゃ、おつかれさまで〜す」
さやかのしないような、無邪気なバイバイをして、彩子は更衣室を出て行った。
(大丈夫かなぁ…)
少し困ったような顔には、まだわずかにあどけなさが残る。
小さく華奢な身体、可愛らしい顔立ちで幼く見えるが、ふっくらと膨らんだ乳房に、くびれた腰、ヒップの丸み。しっかりと大人の女性としての艶も合わせ持っていた。
「さてと、私は帰ろっかな。」
制服のブラウスのボタンに手を掛けたとき、更衣室のドアが開いた。
「おつかれさまで〜す。」「あら、おつかれさま。」
入ってきたのはさやかや彩子の指導役である、三船美子。普段は人事課で仕事をし、春になれば新人の指導役をしている。
さやかになった後、瑠美も数回会ったことがある。黒のストッキングに包まれたふくらはぎは、熟れた丸い曲線を描き、白いブラウスは豊満な乳房にグッと持ち上げられている。
独身でいるのもあるのだろう、不惑を過ぎた年齢には見えない色艶を放っていた。
「今日はもう終わりなんですかぁ?」
瑠美のほうは彩子の真似は上手にできるようになっていた。
「そう。ちょっと今日は早く帰ろうかなって思って。」「へーぇ。」
「彩子ちゃん、最近メイク変えた?」「え、そんな風に見えますかぁ?」
平然と切り返したように見えたが、瑠美は動揺していた。
(こんなとこ気づくなんてさすが。びっくりした…)
「大人っぽくて、綺麗よ。」「あ、ありがとうございます。」
(彩子ちゃんと二人きりなんて運がいいわ。それにしても、ほんと可愛い…)
美子の瑠美を見る目が、さやかの身体の時とは違うことに、まだ瑠美は気づいていなかった。
271269:2009/06/02(火) 02:48:57 ID:8SM3zO4f
<45>
瑠美がブラウスを脱ぐ。それを見ている美子。
瑠美が彩子を模倣すればするほど、美子の琴線は呻るように震えるのだった。
(抱きしめたいくらいかわいい!さやかちゃんはさやかちゃんできれいで素敵だけど、
女の子らしい、ちっちゃくて可愛い彩子ちゃん。うぅん、でもここでそんなことしちゃだめ。)
慌てて結わいていた髪をほどく。一瞬して肩まで髪が降りる。
女性の年齢は髪に出るというが、まだ艶もコシもあり、40を過ぎたとはとても見えない。
スーツのジャケットを脱ぐ。成熟した女性の美しさ。
(きれいな人だなぁ)
それを眺めていた瑠美。ぼんやりとした、恍惚にも似た無防備な表情。
もちろん、意図したわけではないのだが、その表情が美子の気持ちを揺り動かした。
(なんて、可愛いの。私もこんな可愛い子だったら…)

そのとき、美子の身体を衝撃が走った。
(何?)
「どうしたんですか?」
瑠美も彩子の口調を真似ている場合ではないと、ただならぬ雰囲気を察した。
「いや、べ、べつに…」
言葉とは裏腹に両肩を押さえ始める美子。
(えぇっ? まさか…)
瑠美の脳裏に最悪の状況が浮かぶ。そして、それはその通りに進行していった。
黒いストッキングに包まれたふくらはぎは、徐々に細くなっていく。
ブラウスの下のEカップの乳房がしぼみ、その中で張りを増していく。
長いストレートの髪は、わさわさと縮み、少しクセが掛かった明るい栗色へ。
彩子の時のように、喘ぎ声はあまり出なかった。
そこには、黒のスーツ、黒のストッキング、のりの効いた白のブラウスに身を包んだ彩子。彩子が着ていると就職活動中の学生のようだ。
「なんなの?」思わず口を押さえた美子。ハスキーなアルトボイスと、甲高い彩子の声では違いが大きすぎた。
「三船さん…」彩子ちゃんに、と言うこともできず、瑠美の身体に変化が始まる。
ヒップに脚、ウエストに肉感的な厚みが加わり、ブラウスの下の乳房が成長し、張りを失っていく。
アンダーバストにも肉感が増し、ブラジャーが乳房の脇に食い込んでいく。瑠美もその痛みを感じているが、声が出せない。
大きくなり弛んだヒップが、紺の水玉の入ったショーツに食い込む。スカートに密着したヒップラインが描かれるブラウンのショートヘアは、いつの間にか長い黒髪に変わっていた。
「私がいる…」
美子は力なくつぶやいた。
272269:2009/06/02(火) 02:50:04 ID:8SM3zO4f
<47>
それから美子は瑠美の話を聞いた。
「そんなこと…でも、そうなのよね。」「はい。」
「でも、戻れるの?」「えぇ、私は彩子ちゃんとよく替わってますから。」
「そうなの?」「でも、お互いの身体に慣れるまでは戻れません。」
「じゃあ…」「そうです。数日はたぶん、このままで。」
「じゃあ、家とかも?」「そういうことになりますね。」
40代の女性の身体になったにも関わらず、3度目の出来事で瑠美は驚くほど冷静でいた。
じきに戻れると楽観していたのもあったのだろう。
「だから、服とかも取り替えないといけないんです。」「下着も?」
「ええ。私、胸限界です…」
瑠美が胸に感じていた圧迫感は、もう限界寸前だった。カップはCからEへ2つ大きくなったが、それ以上にアンダーバストが全く違っていた。
比較的細い方だった彩子のブラは「C-70」、美子のブラは「E-80」。10cmの違いはそのまま、ブラの食い込みという形で瑠美を苦しめていた。
言われたままに、美子は服を脱ぐ。
タイトスカートを脱ぐと、ストッキングの下に見えるブラウンのボティースーツ。その中には、自分よりもふた回りくらい小さい、でも張りのある乳房。
(私、彩子ちゃんに…)
その事実に卒倒しそうになりながらも、美子は服を脱ぐ。
肉感的なヒップと太腿、ボリュームのあるバストを包むのは、紺の水玉があしらわれた白いブラジャーとショーツ。ブラウンのボディースーツに包まれているのは、20代前半の張りのある乳房とヒップ。
お互いに合わない下着。全裸になった美子は、同じく全裸になった瑠美から、彩子の下着をもらう。
(彩子ちゃんの裸だ…)
白地に紺の水玉のブラジャーとショーツ。
(彩子ちゃんの下着…可愛い…)
鼓動が早くなるのを嫌が応にも感じながら、水玉のショーツを穿く。
(あったかい、これが彩子ちゃんの…)
ぴったり収まるCカップのブラジャー。鏡に映るのは下着姿の彩子。自分が手を動かすと、彩子が手を動かす。
「ほんとに、彩子ちゃんになってる…」「早くしないと、他の人が来ちゃいますよ。」
ブラジャーを外した瑠美は、圧迫感からは開放されたものの、肩にずっしりとかかる重量感を感じていた。若く見える美子だが、やはり40代の身体。ヒップやバストの弛みは隠せない。
美子から貰ったボディースーツを着る。さっきとはまた違う圧迫感。
(すんごい締め付けてる…)
黒のスーツを着ると、そこには美子の姿。
「帰るのにそれを着てもしょうがないじゃない。」
さっき真似をしていた瑠美とは違う、落ち着いた口調。美子の言うのはもっともだった。
「彩子ちゃんの服、貸して。」
本当は、美子は早く「彩子」になりたくて、仕方なかった。美子は瑠美のロッカーの中から、黒のタートルネックのニットと、グレーのジャンバースカート、そしてデニムのパンツを取り出す。
瑠美がもらったのは、スクエアネックのカーキ色のニットに、白と黒のチェックのスカート。
ニットの生地が丸みのある隆起を描く。彩子の時よりボリュームがあるが、張りはなく、20歳近く年齢が増したことを感じさせるものだった。
「三船さんになっちゃったんだ…」その頃、美子も彩子の服に着替え終わっていた。
「これでいいわね。」(かわいい服。こんなの、今の私が着てたら犯罪よね。)
「三船さん、とりあえず外でちょっと話しましょう。情報交換しないと。」「そうね。」
同意はしたものの、美子は早く家へ帰りたくて仕方なかった。
273269:2009/06/02(火) 02:51:31 ID:8SM3zO4f
<48>
こんな夢のようなことがあるのか。指導していた部下には、わけ隔てなく接してきたつもりだが、そのなかでも特に寵愛していた彩子。
今自分が、その彩子の身体になっている。早く自分だけの空間で、彩子になりきってみたかった。
(でも、一緒に帰るわけじゃないし、あとでゆっくりすればいいわよね)
瑠美はすぐに、ボディースーツの締め付けに苦しめられていた。
(こんなのよく着てるよね、三船さん。こうやって体型維持してたのね)
彩子の服とはまったく違う、地味な服。40代になったと実感する。
「じゃあ、行きましょう。」感じてしまった老いの感覚を振り切るように、瑠美は美子を連れて外へ出た。
とりあえずの情報交換をして、二人は互いの身体の家へ帰った。美子は帰りの電車の窓もずっと眺めていた。
いつもなら、そこに映るのは衰えが見え始めた顔。今日は違う。少し色黒で、にきびはあるものの、くりくりとしたつぶらな瞳。
「かわいい…」思わずつぶやいてしまい、周りを見渡した。
彩子の家に着き、玄関を開ける。
「こんな部屋なのね。」テーブルの上のアクセサリー、パステルカラーのカーテン。美子の年齢では似合わないもばかりだった。
「ちょっと、落ち着かないかな。」リビングのソファーに腰をかける。脇を見ると、全身が見られる鏡。
その前に立つ。黒の長袖Tシャツ、グレーのジャンバースカート、デニムのパンツ。
両肩を抱きしめる。「私のもの…」
鏡の中で恍惚の表情をする彩子の顔。息遣いが荒くなる。
水玉の下着姿になった美子。
「かわいい。これが、今の私…」下着も外す。全裸の彩子。
乳房に手を当てる。自分が失った張り。ブラジャーを外しても、垂れる部分は少ない。
「意外とおっきいじゃない。あぁぅ…」乳首を触れた瞬間、久々の感覚が全身を走った。
「やっぱり若いのね…お風呂入ろ。」美子はそのまま、浴室へ向かった。
瑠美は美子の家へ帰る。
濃紺のカーテンは閉まったまま。黒い革のソファー。
「へぇ。こんなお家なんだ。」
ダイニングテーブルの上にバッグを置き、電気を付ける。鏡に映る美子の姿。
スクエアネックのカーキ色のニットには、明らかに20代と違った曲線が浮き出ている。
白黒チェックのスカートからは、黒のストッキングに包まれた肉感的なふくらはぎ。
(どうしてこうなっちゃったんだろ。なりたいなんて思わなかったのに)

「なりたいなんて思わなかったのに入れ替わったっておかしくない?」
真由の声で、さやかが彩子に尋ねる。
「そうなんですよ。私たちは、そりゃ何度も入れ替わって慣れっこになってましたけど、
それでも『さやかさんの身体になりたいっ!』って思って替わってたんですよ。なのに…」
「ちょっと真由、いつまで電話してんの!携帯代お母さん払ってんだからね!」
 部屋の外で大きな声がした。
「まずい、長電話してたからお母さん怒ってる。」「さやかさん、ホントに小学生みたい。」
「しょうがないじゃない、ホントに小学生なんだから。どっちにしても瑠美と会っても元には戻れないね。また電話する。私の身体大事にしてね。」
「大丈夫ですよぉ、任せてください。」
 彩子は得意げにさやかに言ってみせた。
274269:2009/06/02(火) 02:52:40 ID:8SM3zO4f
<49>
それからまた1週間が経った。瑠美と美子がお互いの身体になって3週間が経とうとしていた。
美子は帰宅すると、すぐにクローゼットを開ける。
身体が変わってからというもの、美子は自宅で次々と彩子の服を着替えていた。
まるで着せ替え人形のように。新しい服もたくさん買った。
くるみボタンの付いたかわいいデザインの黒のプルオーバー。小さな花柄がちりばめられたふわふわのブラウス。どれも40代の自分では着られないものばかりだ。
鏡に映るのは白のニットのカーディガンに紺のボーダーのタンクトップ、水色の7分丈のパンツを履いた彩子の身体の自分。
40歳になった自分では決して出来ないスタイル。
パンツからわずかに見える華奢なふくらはぎ。
タンクトップを持ち上げる張りのある乳房。
「かわいい…」
以前から心の中を満たしていた思いが言葉になって表れた。
「ずっとこの身体でいられたら…」
着ていた服を脱ぎ、鏡を見る。ピンクの上下の下着を着た彩子の姿。
「かわいい。」華奢な肩を自分で抱きしめる。
「私は伊藤彩子。これは私の身体。」
歪んだ感情が、身体と精神のバランスを崩していた。次第に息が絶え絶えとなる。
「私は彩子。私は…」
美子は意識を失った。

瑠美は早く彩子の身体に戻りたかったが、美子に「もうちょっとだけ」と言われ、ここまで来てしまった。美子の家へ一人で帰宅する瑠美。
仕事は身体が覚えていたので難なくこなしていたが、40代の身体となったためなのか、仕事が大変なためか、瑠美はずいぶんと疲れていた。
「私ももう歳だからな…」
ふーぅとため息をついた後、瑠美ははっと息を呑んだ。
「なに今の、三船さんが言ったみたい。」
だんだんと馴染んでいく身体の感覚。鏡に映る美しい女性。ボリュームのあるバストとヒップ。ふくらはぎの肉感。どれも熟れた魅力を放つと同時に衰えが滲む。
(なんだかこの身体が自分のみたいな感覚になってる。早く戻りたい…)
しかし、思いとは裏腹に、感じていた違和感が薄れていく。
「もともと私の身体じゃない、疲れてるのかしら。」
言った瞬間、瑠美は口を塞いだ。
「何今の?私の言葉じゃない。」
次第に息が荒くなる。黒革のソファーからがばっと起き上がる瑠美。しかし、すぐによろけて目の前が真っ暗になった。
(私、どうなっちゃうの…)
275砂漠のきつね:2009/06/02(火) 02:58:42 ID:8SM3zO4f
大した伏線ではないですが、とりあえず今日はこの辺で。
ここは完全、好み入っちゃってます。
自分の職場に全然老け込んでないお姉様がいて、他に若い子でちょっと幼く見える子がいるんですけど、
声や体型がかなり正反対なんで、つい「この二人が入れ替わったら面白いのにな」と妄想してしまうんですよね。
制服のままでもいいんですが、私服がまたブラウンや紺基調なお姉様と白やピンクが好きな若い子と、全くテイストが違うんで、
私服姿で二人がいると、なおさら妄想が膨らんでしまいます。

続きも早めに上げますね。
276砂漠のきつね:2009/06/02(火) 03:07:08 ID:8SM3zO4f
すいません、<46>がないですね。保管庫作って下さった方、上げるときは調節して頂けませんか?次は<49>から書くことにします。
あと、途中の番号も飛んでしまったみたいですね。
17〜23は間違えて前スレの残りわずかな所に書き込んでしまったので、飛んでるんだと思います。
ここに上げればOKならば上げますけど、今だと混乱してしまうので、後の方がいいでしょうか?
保管庫管理の方、指示してもらえばいいようにします。
277名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 07:57:33 ID:n9iNmOGy
砂漠のきつねさんGJ!!!
278名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 14:10:50 ID:z4/8gQXE
きつねさんキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ !!!
GJでした!続き待ってます!
279名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 15:34:03 ID:R0MOO7SA
失われた部分が気になって仕方がない!
280名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 19:23:55 ID:8NuVD/Me
GJ!
281名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 20:56:06 ID:p/iPU7Ds
>>276
前スレでも飛んでますから
元からなかったのかと思ってましたが、あるんですか?
282名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 21:22:06 ID:8NuVD/Me
>>276
保管庫はWiki形式なので、誰でも作品をあげられますよ。
良かったらやってみて下さい。

とか言ってたら、早速ページ名間違えた…管理してる人ゴメンナサイorz
283砂漠のきつね:2009/06/03(水) 00:46:01 ID:qXhJiAlP
18〜22を保管庫に上げておきました。
まあ番外編みたいな感じの所なので、なくてもあらすじは通じたと思うんですが、
よかったら読んでやって下さい。
284名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 01:09:02 ID:LRS2T7ie
GJっす!
メイド服わろた
28514 ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:36:33 ID:GlNuJ9Za
こんばんは。
優等生と遊んでる子の入れ替わりを投下します。
裏設定は色々ありますが初めての人でも読めるはず、多分。
286真理奈再び(1/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:38:03 ID:GlNuJ9Za
少し肌寒い空気が道を吹き抜けている。
灰色の雲に覆われた空はお世辞にも美しいとは言えず、見る者に無言の威圧感を与えていた。
そんな空の下、彼女は凛とした表情で静かにたたずんでいる。
「――ごめんなさい」
軽く頭を下げた拍子に、つやのあるストレートの長い黒髪がふわりと揺れた。
相手の少年は厳しい、だがなぜか納得した顔でその答えを聞いていた。
「そう……ですか。すいませんでした」
小柄で童顔のその後輩はそう言い、彼女に一礼して去っていった。
真っ直ぐでひたむきな気持ちは嬉しかった。きっといい恋人に巡り合ってほしいと思う。
だがその役は自分ではない。彼女は顔をあげて少年の後姿を見つめた。
そしてあまり大きくない声でぽつりとつぶやく。
「――啓一、もういいよ」
その言葉を聞いて、すぐそばの建物の陰から一人の生徒が姿を現した。
均整のとれた体と凛々しい顔立ちを持つ少年で、優しい雰囲気が彼女と似ている。
彼は少しだけ困ったような顔で彼女に話しかけた。
「あー、お疲れ。恵」
「……やっぱり断るのは辛いね。何回やっても慣れないよ」
「それでも以前に比べたら減ったと思う。俺の方もだけど」
「だって最近はいつも一緒にいるもん、私たち」
にこりと笑って彼女が言った。
制服のセーラー服がよく似合う清楚な女子高生。それが彼女、水野恵だった。
「一緒にいるのはいいけど、変に噂になっても困るぞ」
「そう?」
「そうだって。俺たちは兄妹だからな、一応」
隣に立った少年が彼女を見下ろして言った。何となく会話を楽しんでいるような印象を受ける。
彼の名は水野啓一。恵の双子の兄で、誰よりも彼女を想う少年だ。
そして恵の方も啓一を慕い、いつも彼と共にいるのが当たり前になっている。
「じゃあ帰ろっか」
鞄を両手に下げ、恵が明るい声で言う。
「ああ、ちょっと遅くなったな」
「そうだね。でも栄太も由紀もいないから、今日は二人きりだよ?」
「へえ、それで何が言いたいんですか、恵さん?」
「別にぃ、何でもないよー? あははは……」
二人は仲良く連れ立って、校門に向かって歩いていった。

校舎の窓、三階から密かにその一部始終を見下ろしていた者がいた。
「水野、恵……」
小さな声で少女の名を呼ぶ。
「まったく、せっかく食いついてきた男をなんで振り払っちゃうのかしら?
 味見くらいしないともったいないわよ。相手の気も知らないで……」
短い茶色の癖っ毛、無駄のない引き締まった手足、そして勝気な表情。
加藤真理奈。この学年では水野恵に次ぐ人気を誇る少女だが、彼女とはまるでタイプが違う。
気に入った男はすぐに手をつけ、同時に複数の男子と付き合うのは当たり前。
何事にも積極的で、常に物事の中心に自分がいないと気が済まない。
泣かせた男は数知れず、だがそれでも絶大な人気を保っているのはある意味人徳だろう。
その彼女が何の意図があってか、上からこっそり恵の様子を盗み見ている。
「そうね、色々と気になるじゃない……面白そうだわ、うふふふ♪」
唇をにやりと吊り上げ、真理奈は我慢できずに笑い声をあげた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
287真理奈再び(2/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:38:38 ID:GlNuJ9Za
翌日の昼休み、水野恵は仲のいい友人たちと昼食をとっていた。
もちろんその中には彼女の双子の兄、啓一の姿もある。
「でさ、またこいつ升田を怒らせちゃって――」
「あははは――」
中身は手作りだろうか、可愛い水色の弁当箱を片手に彼女は微笑んでいた。
日の光のような明るく朗らかな笑みを、周りの男子が時折ちらちらと見やっている。
その様子を廊下から眺め、真理奈は軽く顔をしかめた。
(確かに顔は可愛いけど、あたしに比べたら地味でいかにも腹黒って感じじゃない。
 見た目だけ繕ってても裏で何考えてるかわかったもんじゃないわね)
対抗意識も手伝って、真理奈はいい子ぶる恵にあまり好感が持てなかった。
それに彼女が常に傍に兄の啓一を侍らせているのも真理奈は気に入らない。
兄妹共に人気の二人だが、他の男女とは決して交際をしたことはなく、
一部には兄妹で付き合っているのではないかという噂もある。
だがいくら似合いのカップルといっても、血の繋がった兄妹では恋愛にならないではないか。
まるで貴重な資源を無駄遣いしているような不快感を彼女は覚えた。
(まずは、本当にあの子が啓一君と付き合ってるのか確かめないとね……)
拳を力いっぱい握り締め、真理奈は教室に入り、恵の席に近づいていった。

「――水野さん、ちょっといい?」
「あ、加藤さん……どうしたの?」
恵と啓一と、その場にいた二、三人の友人たちが一斉に真理奈を向いた。
「水野さんに話があって。ご飯中悪いけど、すぐ済むからこっち来てもらっていい?」
「うん、いいわ」
予想通り、優しい彼女はこの誘いを断ることはしなかった。
上手くいったことに内心ほくそ笑みながら、恵を廊下に連れ出した真理奈。
そのまま廊下の突き当たり、人のいない場所に彼女を誘い込んで話しかけた。
「水野さん、こんなことあまりみんなの前では言えないけど……」
「何?」
「前歯に何かついてるわよ」
「え、ホント?」
その言葉に慌てる恵。真理奈を疑う様子はまったくない。
彼女はにやにや笑いつつ、恵と至近で向かい合った。
「ほら、ここ……ちょっと口、開けたままにしといてね」
「う、うん……」
やや恥ずかしそうにしながら、可愛らしい口を半開きにする黒髪の少女。
当然のことながら、並びのいいその歯には何もついていなかった。
真理奈はそんな恵を前に、ごそごそと自分のポケットを探ると、小さな錠剤を取り出した。
そして――。
「ぽいっ」
「―――― !?」
こちらを向いて口を開けたままの恵に、その錠剤を飲ませてしまった。
「――か、加藤さ…… !?」
「はい一丁あがりー。それじゃあたしも――」
同じ錠剤をもう一粒取り出し、真理奈もそれを飲みこんだ。
飲み込んだ薬が胃に届いたと同時、彼女の視界が不意に揺れた。
288真理奈再び(3/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:39:16 ID:GlNuJ9Za
(ああ、くる……この感覚――)
まだまだ慣れないが、決して初めての経験ではない。
ふらりと揺れる体を壁にもたれかからせ、彼女は何とか我を取り戻した。
目を開けると茶色に染めた癖のある髪の少女の姿が目に入り、成功を確信して笑みを浮かべる。
「――ふふん、うまくいったわね」
恵は彼女には似合わない勝気な表情でひとりうなずいた。
真理奈よりか細く華奢な自分の体、そのストレートの長髪を面白そうに撫で回し、満足そうに笑う。
「え、あなた――私…… !?」
目の前の真理奈は頭に手を当て、驚いた様子で恵を見つめていた。
手に触れる短い茶色の癖毛にも、引き締まったしなやかな手足にも、
それがまるで自分のものでないかのように驚いている。
「はぁい水野さん。あなたの体、ちょっと借りるわよ」
清楚な彼女に似合わないにやにや顔で恵は言った。
言われた方は、彼女の百分の一も落ち着いていない様子で慌てている。
「え……あなたが私で、あれ、ひょっとして啓一……え、違う…… !?」
「何でここにお兄さんが出てくるのよ。あたしは真理奈、加藤真理奈。
 まあ今はあんたの、この水野恵の体を借りてるけどね。
 そしてあんたが加藤真理奈になった水野恵ってわけ。どう、わかった? 優等生さん」
「私……加藤さん? あなたが……私?」
真理奈は状況をまだ飲み込めない様子で、自分と相手の姿を見比べている。
頭は良くてもこんなときは何もわからないのね、と恵は相手を嘲った。

「あたし、一回水野さんになってみたかったのよ。自分とまるっきり違うタイプでしょ?
 勉強もスポーツもできて、優しくて、しかも素敵なお兄さんがいて……。
 まさに理想の優等生、完璧超人って感じじゃない。
 でもその正体が皆のイメージとは全然違うってこと、このあたしが証明したげるわ」
「か、加藤さん……何言ってるの? こんなことやめてよ……」
戸惑う真理奈に、恵は勝ち誇って告げる。
「だーめ! もう入れ替わっちゃったんだから、しばらくこのままよ。
 元に戻せるのはあたしだけ。あたしがその気にならないと入れ替わったままね。
 まあ、しばらくはあんたがあたし、あたしがあんたを演じるしかないわ。
 情報交換しないといけないから、ほら、あんたのケータイよこしなさい」
「そ、そんな……嘘……?」
力なくうつむく茶髪の少女。普段の強気な表情はどこにもなく、落ち込んだ様子でじっとしていた。
「……うふふ、あんたと啓一君がどんな関係なのか、あたしすっごい興味があるの。
 ただの双子なのかそうじゃないのか、この体でちゃんと確かめなくちゃね」
「え……啓一を……?」
いつも一緒にいる兄の名前を出され、真理奈が顔をあげた。
「当たり前だけど、このことをお兄さんにバラしちゃ駄目よ。わかってるわね?」
「そんなのできないよ……お願い、元に戻して……加藤さん」
「しつこいわね。だーめ、駄目駄目駄目駄目! しばらく啓一君に近寄らないように!
 逆らったらこの体で何するかわかんないわよ !? それでもいいの !?」
恵は唾を飛ばして真理奈を怒鳴りつけた。
「それじゃあたし、あんたの席に戻ってお弁当の続きにするわ。
 あんたは購買のパンでもかじってなさい。机の中に入ってるから」
「か、加藤さ……」
「じゃーね、加藤さん♪ うふふっ、あたしが優等生かあ……」
恵は楽しくてたまらないという様子でスキップをしながら教室に戻っていった。
後に残されたのは、半泣きになってうつむく真理奈のみ。
彼女はあまりにショックだったのか、顔を伏せたままぶつぶつ独り言をつぶやいていた。
289真理奈再び(4/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:39:43 ID:GlNuJ9Za
「たっだいまー!」
不意に聞こえた恵の大声に、教室の皆がざわめいた。
「恵、どうしたの? なんか珍しくテンション高いけど」
「ふっふふーん、何でもないよー♪」
自分を迎える友人たちにそう答え、恵は再び席についた。
そのまま水色の弁当箱を手に持って、じろじろと中を覗き込む。
「で、加藤さんの話って何だったんだよ、恵?」
向かいに座って同じ弁当をつついていた兄、啓一が彼女に聞いた。
恵は笑って手を振って、何でもないことを強調する。
「あー、ただの勘違いだって。何でもなかったよ」
「ふーん、そうか」
啓一はいつもの穏やかな表情で、彼女の顔を見つめている。
まさか妹の中身が別人になっているなどとは思うまい。恵は内心勝ち誇っていた。
(学園七不思議の一つ、水野兄妹の秘密――後で教えてもらうわよ。啓一君……!)
「――でさ、あいつの彼氏がね……」
「へーそうなの? マジでー?」
友達の会話に適当に合わせながら、恵は自作の弁当の出来を確かめるように味わっていた。

午後の授業は数学と世界史だ。
特に何事もなく数学をやり過ごした恵だったが、不運にも世界史の授業で当てられてしまった。
眼鏡をかけた若い女教師が神経質そうな視線を彼女に向ける。
「神聖ローマ皇帝、ハインリヒ四世が教皇グレゴリウス七世に謝罪した、この事件のことを……
 はい、水野さん。何と言いますか?」
「え? えーと……」
普段の恵ならば難なく答えられた問題であろう。
だが今の彼女の中身は、世界史など大嫌いでほとんど勉強したことのない真理奈だった。
もちろんわかるはずがなく、沈黙したまま目を泳がせることしかできない。
「あら、水野さんならわかると思ったのに……変ねえ」
首をかしげる教師とクラスメートが、揃って彼女の方を見つめてくる。
できて当然。突き刺さるような皆の視線にふとそんな言葉が頭をよぎり、恵は声を失った。
とても彼女がいつもしているような、笑って誤魔化せる雰囲気ではない。
「う、ううう……わ、わかりません……」
開き直ることもできず、耳まで真っ赤になってうつむいてしまう。
「そう? じゃあ坂本さん」
別の生徒に順番が回ったことに心から安堵して息を吐く。
(まったく、優等生ってやつはこれだから困るわ……。しんどい……)
よく手入れされたストレートの黒髪をいじりながら、恵はため息をついた。
290真理奈再び(5/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:40:10 ID:GlNuJ9Za
放課後。恵は当然のように隣のクラスまで双子の兄を迎えに行った。
「啓一、今日は部活ないでしょ。一緒に帰ろ?」
「ああ、んじゃ栄太と由紀さんと、いつもの四人で……」
「――駄目っ !!」
いきなり兄を遮って、彼女は大声をあげた。
「今日は啓一は、あたしと二人で帰るの。いいわね?」
「……よくわからんが、別にいいぞ。じゃあ帰るか」
恵は満面の笑みを浮かべ、兄と手を組んで歩いていった。
いつになく親密な双子の様子に、周囲にいる生徒たちも彼らをじろじろ見ている。
「そういや小腹がすいたな。ちょっと寄り道していこうか」
啓一の提案に力いっぱいうなずいて、恵は抱きつくようにして彼についていった。
大通りから脇道に入り、人のいない細い道を二人は進んでいく。
「――ねえ啓一」
「ん、なんだ?」
「……啓一にとって、あたしは何?」
頬を朱に染めて恵が問う。啓一でなければ思わず抱きしめてしまいそうな艶っぽい表情だった。
「いきなり何だよ、そんなこと聞いて」
「だめだめ、ちゃんと答えてよ、啓一!」
少女が頬を膨らませる。その子供っぽい様子に、啓一は笑いをこらえきれなかった。
「ははは、恵は俺の大事な妹だよ」
「ほんとにそれだけ……? 女の子としては見てくれないの?」
「そうだな、恵は綺麗で可愛いからな。妹じゃなかったら、今頃お付き合いしてるかな」
「あたしは……別にそれでもいいんだよ?」
ぎゅっと彼の腕を抱きかかえて言う。いつもの恵では決して見せない、男に媚びる仕草。
しかし彼女の兄は気のない様子で生返事をするだけだった。

そのうちに、住宅地に埋もれるような隙間にあるコンビニに二人はやってきていた。
「じゃあ肉マンでも食うか」
「あ、あたしもー!」
「はいはい。じゃあお前の分も買ってきてやるから待っててくれ」
自分にかけられる兄の言葉に、いい気分ではしゃぎ回る恵。
啓一は生真面目な優等生と思って今まで気にしてなかったのだが、こうして二人でいると
優しくて自分を大事にしてくれる彼を、やはり魅力的に感じてしまう。
この入れ替わりが終わったら本気で付き合ってもいいかもしれない。
やがて店内を喜色満面でうろつく恵のところに、買い物を済ませた啓一が戻ってきた。
楽しそうに微笑みながら兄妹はコンビニを出る。
「ほら、熱いから気をつけて食えよ」
「うん、ありがと!」
恵は嬉しそうな顔で、湯気をたてる饅頭にかぶりついた。
「…………」
と、その動きが突然停止する。
一秒、二秒、三秒。時間が経過するごとに恵の顔は赤くなり、体は激しく震え始めた。
「――ひいぃぃぃぃっ !!? 辛いぃぃぃぃっ !?」
大口を開けて舌を出し、悲鳴をあげて飛び上がる長髪の優等生。
涙を流して叫ぶ妹を不思議そうに見ながら、啓一は彼女に問いかけた。
「あれ、どうした? いつもの激辛カレーマンだろ。お前それ好きじゃないか」
「あ、あたしこんなのいつも食べてんの…… !?」
「うん。ちゃんとカラシもたっぷりつけといたぞ」
「ご……ごめん。今あたしちょっとお腹いっぱいで……啓一、代わりに食べてくれない?」
ひりひり痛む口を押さえ、食べかけのカレー饅を差し出す。しかし啓一は頭をぽりぽり掻きながら、
「あれ、おかしいな。いつもこれは別腹とか言って旨そうに食ってるじゃないか。
 なんで今日に限って食えないんだ? 変だな……?」
と恵を見つめる目を細くした。
「そういえば、今日の恵は何かおかしい気が……」
急に自分を射抜くような鋭い視線を向けてきた兄に、恵は慌てふためいた。
「な、何でもないない! あたしいつも通りだから!
 ほーら、これあたしの大好物だもんね! うん、おいしいおいしい……」
必死に涙をこらえつつ、カラシでどぎつい黄色に染まった饅頭を食べる恵。
今は恵を演じて啓一を油断させないといけない。その思いで彼女は我慢し続けた。
291真理奈再び(6/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:40:51 ID:GlNuJ9Za
不審そうな目の啓一を何とか誤魔化しつつ、恵は家に帰ってきた。
「ただいまー。あれ、母さんいないのか?」
先にリビングに入った啓一は、母親が残した書置きを見つけ出していた。
「なんだ、婆ちゃん家に行ってるのか。こりゃ今日は帰ってきそうにないな。
 父さんもまた出張だし……うちの親にも困ったもんだ。まったく」
「ってことは、今日は二人だけ?」
内心の期待を抑えるように恵が言う。
「ああ。勝手に飯食って風呂入って寝とけって。金だけは置いてくれてるからいいけど、
 最近の母さん、ホント手抜きになったよなあ……。あーあ、今から買い物行かないと……」
「そう。じゃああたし、とりあえず着替えてくるね」
その場に鞄を置き、パタパタと自分の部屋に向かう恵。そんな彼女に啓一が声をかけた。
「? 何言ってるんだ? 着替えなんてここでしろよ。かかってるだろ、そこに」
「――はあ !?」
当然の顔で言ってくる啓一に、恵は目を見開き大声をあげてしまう。
啓一の指した方を見ると、フリルのついた白いブラウスとシャツ、水色のミニスカートが
ハンガーにかけられてそばの壁にかかっていた。恵の普段着に違いない。
「ん、何じろじろ見てるんだ? 早く着替えて出かけるぞ」
ためらいもなく制服の上下を脱ぎ捨て、下着姿になった啓一が急かす。
「え、えーと……あたしも、その、ここで……?」
「何当たり前のこと言ってんだ。いつものことだろ?」
男と裸になるのは慣れているが、着替えを一緒にとなると別の羞恥心がわいてくる。
恵は真っ赤な顔で首をぶんぶんと振った。
「あ、あたし……部屋で着替えてくる……」
「あれ、なんか今日の恵はおかしいな。お前、本当に恵――」
「そ、そうだね。いつも啓一と一緒に着替えてるもんね。兄妹だから何でもないよね。
 でも、できるだけこっちを見ないでくれると……う、嬉しいかな……うう……」
観念したようにセーラー服に手をかけ、恵は兄の前で涙ながらに脱ぎ始めた。

それからも恵の一日は大変だった。
「どうしてこんな切り方になるんだよ。包丁なんていつも使ってるだろ?」
「恵は味付け、いつも通り醤油とマヨネーズだよな。たっぷりかけといたぞ」
「どうした恵。早くその問題仕上げないと、宿題終わらないじゃないか」
ようやく夕食も宿題も終わり、彼女が風呂に入ったのはかなり遅い時間だった。
いつもならすぐに片付くのにと不思議がる啓一を、体調が悪いと必死に誤魔化し
ようやく恵の義務から解放された彼女は、疲れた顔で湯船につかっていた。
「――はあ……あの子って、普段どんな生活してるのよ……?」
顎まで湯につけて愚痴を漏らす。彼女の生活は想像以上に風変わりなものだった。
何をするにも双子の兄、啓一と一緒なのだ。
普通高校生にもなったら家族とはもっと距離を置くものではないのか。
そう思った恵だったが、ふと唐突にある考えに思い至った。
(なんか兄妹って言うより、何年も連れ添った夫婦みたい……)
つややかな髪を遠慮することなく湯の中に広げ、口までつかって泡を吐く。
揺れる黒髪を見ていると、自分があの優等生の体になったことを確かに実感させられる。
「……なんか期待してたのと違うな、こんなの……」
自分が望んだのは周囲の羨望の眼差しと、姫に仕える騎士のように従順な兄。
そして彼女の私生活を探り、皆に隠れて遊んでいたり他人を馬鹿にしていたり、
そんな人間味のある水野恵の姿を見つけられればいいと思っていた。
――ほら見てみなさい。優等生っていっても、あたしと変わらないじゃない。
そう思うことができれば、入れ替わった甲斐もあるというものだった。
だが今のところ、そうした目論見は全て外れ、啓一にペースを狂わされ続けている。
そもそも恵と啓一がただの双子の兄妹なのか、密かに恋人同士なのかもまだわかっていない。
「……いけないいけない。弱気になっちゃ駄目よあたし」
濡れて重くなった髪を振り、恵が下腹に力を込めた。
「まずは啓一君を油断させて、色々聞き出さないと――」
そう彼女が硬く決心したところで、にわかに声が聞こえてきた。
「恵、洗い終わったか? じゃあ俺も入るかな」
「――えぇっ !?」
風呂場のドアが開き、全裸になった双子の兄が姿を見せた。
292真理奈再び(7/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:41:20 ID:GlNuJ9Za
手に持ったタオルで体を隠そうともせず、素裸の啓一が浴室に入ってきた。
(……こ、この二人、恥じらいとかプライバシーとかないのかしら……?)
呆然とする彼女に目もくれず、啓一は椅子に座って頭を洗い始めた。
サッカー部で鍛えたしなやかな筋肉が否応もなく恵の目に飛び込んでくる。
彼女は何も言うことができず、湯船の中でじっと兄を見守っていた。
「――ふう」
泡だらけの頭に湯をかけて、犬や猫のように首を振る啓一。
そして今度はスポンジにボディソープをつけ、体を擦りだした。
「…………」
「――恵」
「な、何 !?」
突然声をかけられ、思わず身構えてしまう恵。
「悪いけど背中流してくれ」
「ああ、せ、背中ね……うん、い、いいわよ」
ザバァという音をさせて立ち上がり、彼女が啓一の後ろにやってくる。
スポンジを手に、全裸の妹が裸の兄の背中を擦っていく。
「…………」
両者共に一言も発しない浴室の中、恵は気まずい雰囲気で彼の背を眺めていた。
(うう……な、なんでこんなにドキドキするんだろ……)
双子の兄妹が互いに一糸まとわぬ姿で、ごく近い距離で座っている。
その事実に心臓の鼓動が早くなり、体が火照っていくのを恵は感じていた。
「ありがと恵、もういいよ」
「あ、そ、そう……?」
解放されたような、だが残念な感情が胸をよぎる。
高まる興奮を何とか隠そうと、彼女は自分の体に濡れたタオルを巻いた。
そんなことで大事な部分を覆い隠せるはずもないが、ついそうしてしまっていた。
やはりまた二人は黙りこくって、湯を流す音だけが数回、浴室に虚しく響く。

すっかり体を洗い流した啓一は、立ち上がると妹の手をとって笑いかけた。
「じゃ、一緒に入ろうか」
「――はい……?」
恵はぎこちない動作で湯船を振り返った。決して広いとは言えない、いやむしろ狭い湯船の中に
高校生の男女が共に浸かるのはなかなかの難題で、ぴったり密着しなくてはならないだろう。
「ほら、入った入った」
「え、あ……ちょ、ちょっと、啓一……!」
ぼうっとした少女の腕を引き、彼は狭い浴槽の中に恵を引きずり込んでしまった。
風呂の中であぐらをかいた啓一の上に座るような格好で、彼女が湯に浸かる。
二人分の体積が加わって今にも溢れそうな湯船で啓一に抱きしめられながら、
恵は居心地の悪そうな顔でじっと虚空を見上げていた。
「いつも通り百まで数えようか。ほら、いーち」
一緒に数を数えよう。そう言いたげに啓一が自分を見つめている。
(な、なんであたしがこんなこと……)
いっそ、自分は恵ではないとこの男にバラしてしまおうか。
その思いも頭をよぎったが、いざ実行するのはためらわれた。
広くもない浴槽の中で抱きかかえられた今の状況は啓一に分がありすぎる。
大事な妹の体を奪ったと聞けば、啓一が怒って彼女に暴力を振るう可能性も考えられた。
ここは何とか恵を演じて、安全かつ穏便にこの場から脱出しないといけない。
「にーい、さーん、よーん……」
(うう……なんか熱くなってきた……)
自分がだんだんのぼせていくのを感じながら、恵は大人しく啓一と共に数を数え続けた。
293真理奈再び(8/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:41:52 ID:GlNuJ9Za
やっと風呂から上がったとき、恵はすっかり血が頭に上って意識が朦朧としていた。
「うう〜……あ、あたしもう駄目……」
「なんだ、あれくらいでのぼせたのか? おかしなやつだな」
トランクスを一枚だけを身に着けた啓一が、同じく下着姿で寝転がる彼女を見下ろしている。
その毒気のない表情に恵は文句の一つも言いたかったが、今は喋るのも大きな負担だった。
「ちょっと待ってろ。冷たいもの取ってきてやるから」
「うん、お願い啓一ぃ……」
優しい言葉を残してその場を離れる啓一に、恵は死にそうな声で答えた。
自分の理解を超えたところは多いものの、兄は妹である自分に良くしてくれるし、
互いに裸でくっつき合っても決して手を出してこなかった。
やはり二人が恋人同士というのはただの無責任な噂に過ぎなかったようだ。
子供のような無邪気な振る舞いを未だに続けている、奥手な高校生の兄妹。
今日一日の生活から恵はそう結論づけ、明日から学校でどうしようかと考え始めていた。
そのため啓一が戻ってきたときも恵はすっかり油断しきっていて、
いつの間にか自分が後ろ手に縛り上げられていたことにもすぐには気づかなかった。

「――え、あれ……?」
数秒してからようやく、自分が拘束されたことを認識する。
「あたし、これ……あれ、啓一……?」
「お疲れ様、加藤さん」
ビニール紐で妹の足首も縛った啓一が、笑顔でそう口にした。
「え、何言ってるの? あたしは恵よ、啓一? 何これ……ほどいてよ」
「なかなか面白かったけど、まあこの辺にしとこうか。そっちも疲れるだろうし」
「え……な、何の話……?」
そこへ、セーラー服をまとった少女が姿を現した。
茶色い髪を短く切った癖っ毛の女子で、真剣な眼差しで恵を見据えている。
恵と入れ替わった少女、加藤真理奈だった。
「あ、あんた――バラしたのね! バラすなって言ったのに!」
怒りの表情で自分を怒鳴りつける恵に、真理奈は落ち着いた声で言った。
「残念だけどそれは無理なの、加藤さん」
「……な、何がよ」
その横から啓一が続ける。
「俺と恵は心が通じ合っている。お互いの身に何かあればすぐにわかってしまうんだ。
 こっそり入れ替わって俺を取り込もうとしても、はじめから無駄だったんだよ」
「そ、そんな……いくら双子でも、そんなことできるわけ――」
身動きの取れない恵がうめいた。憤怒と絶望に顔を歪ませ、彼女は真理奈をにらみつけていた。
「それができちゃうから困ったもんでね。俺たちは顔を合わせなくても会話ができるし、
 離れた場所にいても位置がわかる。恵の見たものは俺もわかるし、俺の聞いたことは恵にも届く。
 信じられないだろうけど、これが君の知りたがってた俺たちの秘密なんだ」
「――それじゃあ、最初からわかってたの…… !? 全部知ってたくせに、
 今日一日ずっとあたしをからかって遊んでたって訳ね……! くそ、ほどけぇっ!」
少女は足掻いたが、それしきで彼女の戒めは解けない。
「そんなこと言ったって、先にそっちが恵の体を取ったのが悪いんじゃないか。
 大人しく返してほしいところだけど、今の加藤さんの様子じゃ難しい……かな?」
その言葉にパッと表情を明るくして、黒髪の少女は顔をあげた。
「そ、そうよ――あたしの体はこの子のなんだからね! 変なことさせないわ!
 あたしが返す気にならなきゃ、あたしがずっと水野恵――ちょっと、何すんのよ !?」
叫ぶ恵を抱きかかえ、啓一は妹の顔を真理奈の方に向けた。
茶髪の少女は彼女に似つかわしくない落ち着いた表情で恵に近寄り、そっと唇を重ねた。
294真理奈再び(9/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:42:30 ID:GlNuJ9Za
まったくタイプの異なる美少女同士の口づけを、啓一は無言で見つめている。
「んっ――な、何よ !?」
顔を離され、喋れるようになった妹の乳房に彼が手を伸ばした。
巧みな手つきで柔らかな肉を揉まれ、優しく乳首をつねられて、恵は甘い声をあげた。
「あぁっ……や、やめて……!」
「俺たちのことが知りたかったんだろ? 教えてあげるよ。
 水野兄妹は二人きりになると、いつもこうして仲良くセックスしてます、ってね」
「ち、違う……あたし、こうしたかった訳じゃ……」
首を振っていやいやをしてみせるも、啓一と真理奈の愛撫は絶え間なく恵を責めたてる。
体の隅々まで知り尽くした二人のテクニックに、彼女は容赦なく喘がされた。
「あぁっ、ん……やだ、やだあ……」
「嫌がってる割に気持ちよさそうね、加藤さん?」
(いや、いやあ……あたし、こんなの……)
こんなことを望んでいた訳ではなかった。突然の入れ替わりに驚き慌てる水野兄妹を手玉にとり、
この恵の体を人質に、二人を従わせるつもりだったのだ。
ひょっとしたら啓一をものにするかもとは思っていたが、それも彼女主導の話である。
このように自由を奪われ、恥辱にまみれて二人の玩具にされたかった訳ではない。
啓一が妹のショーツをずらし、淫らな手つきで陰部に指を這わせる。
「大丈夫だよ、しっかり濡れてきてるから」
「――何が大丈夫なのよぉっ !?」
叫ぶ恵を無視して、啓一は彼女の女陰を、真理奈は胸と唇を丹念に刺激し続けた。
学年でも一、二を争う人気の男女三人の絡みは、級友なら誰もが興奮せずにはいられない光景だろう。
真理奈の舌が恵の口内を舐め回し、啓一の指が妹の膣内を前後する。
手足を縛られた彼女はそれに抵抗もできず、ただ泣きながら慈悲を乞うだけの存在だった。

「ん、はぁっ……あ、あぁぁっ……んむ、や、やめへぇっ……」
今の恵は攻めるのは得意でも、攻められるのは大の苦手だ。
生来の気の強さがそうさせたのだが、この状況ではそれが裏目に出てしまっていた。
(い、いやよ……あたしが、こんなやつらに……!)
「落ち着いて、快感に身を任せるの」
「あぁっ…… !?」
真理奈に首筋を舐められ、悶えて身をよじる恵。
下の方では啓一が性器上部の小さな突起をつまみ上げ、舌でつつき回している。
「や……やめ、そこはっ…… !! ああぁあぁっ !!!」
最も敏感な器官をざらざらした粘膜で擦られる感触に、彼女は軽く達して悲鳴をあげた。
自由にならない脚の付け根からとろりとした汁が一筋垂れ、床にこぼれた。
「気持ちいいでしょ。いつもの私より感じてるんじゃないかな?」
「いや、はぁんっ、言う……なぁっ……」
唇の端からよだれを垂らして恵が喘ぐ。彼女とて何人もの男を手玉にとった
経験豊かな女だったが、その彼女がこの二人にはまったく歯が立たなかった。
(こ、こいつら……う、上手い……)
恵と啓一がいつから性交を始めたかはわからないが、この体の感じようといい
二人の手つきや舌づかいといい、普段から当たり前に肌を重ねているようだった。
体の弱点を的確に責められ、彼女は息も絶え絶えに啓一と真理奈を見上げている。
十数年間慣れ親しんだ自分の体を前に、恵の苦悶の声が漏れた。
「あ、あたしは……あんたじゃ、ないっ……!」
「そうね。でも今のあなたは啓一の妹、お兄ちゃんのことが大好きな水野恵でしょ?
 ちゃんといつも通り愛してあげるから、ほら、私たちを受け入れて……」
「やだ、やだやだやだやだぁっっ……こんなのやだぁっ……!」
精一杯の力で暴れようとするが、それは無駄な抵抗でしかなかった。
295真理奈再び(10/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:42:57 ID:GlNuJ9Za
そこでやっと足首の紐がほどかれ、恵の下半身が自由になった――と思ったのも束の間、
真理奈が仰向けになった彼女の胴体の上に座るような形でのしかかってきて、
彼女の細い脚をつかんで無理やり大股に開かせた。
「――やだぁっ! やめなさいよぉっ !!」
その言葉とは裏腹に、二人に愛撫され尽くした恵の性器はひくひく蠢き、硬い陰核を勃起させている。
啓一は興奮しきった妹に狙いを定め、正面の低い位置からたくましい肉棒を一気に突き入れた。
「はぁんっ !?」
待ち望んだ快感に恵の膣がうねり、啓一の陰茎を包み込んだ。
そのあまりの激しさに、一瞬彼女の意識が飛んでしまったほどだ。
「や、やめて、入れちゃ……駄目ぇ……」
「どう? 加藤さん。俺と恵の体、相性いいだろ?」
「そぉっ、そんな……わけぇっ……あひぃっ !?」
返事もろくにできずに恵の体が跳ね回る。
啓一の言う通りこの体は兄との性交に歓喜し、彼女の脳を至上の快感で苛み続けていた。
まるで彼のためにあつらえたかのような肉壷がじゅるじゅると音をたてて啓一の陰茎をねぶり、
かき回される浅い性感帯に口からは情愛に満ちた嬌声があがる。
結合部からはいっそう多量の汁が湧き出し、灼熱のスープとなって隙間からこぼれていった。
「あぁっ……んぁあぁ、はひぃぃぃ……!」
「いいなぁ加藤さん……。ねえ啓一、後で私にもしてよー」
「いいけど元に戻ってからな。それまでお預けだ」
「ぶぅ……啓一のイジワルー」
「ひぃぃ……はぁぁんっ! ああぁぁあぁ…… !!」
今の恵には、二人の会話もろくに耳に入ってこない。
後ろ手に縛られ、仰向けのまま両脚を開かされる屈辱の姿勢で犯されているというのに
この体は双子の兄との交わりに激しくよがり狂い、
彼女の意思とは無関係に性器の肉が愛しい陰茎をしごきあげてしまう。
(だめぇっ……でも……いい、いいよぉ……!)
そこにいるのは真面目で清楚な優等生の水野恵ではなく、
嬉しそうに腰を振って兄との近親相姦にふける淫らな一人の少女だった。
高ぶる恵に応えるように啓一も突きこみを激しくしていき、
緩急をきわめた絶妙の動きで妹の中をこねくり回す。

あまりの快感に耐えかねて、とうとう少女は白旗を揚げた。
「い……いい、いいのぉ……も、もっとぉ……! あああぁっ…… !!」
「あらあら、本音が出ちゃったわね。ほら、素直になった方が楽でしょ?」
再び真理奈の手が恵の頬に伸ばされ、桃色の唇を音をたてて吸い上げる。
「――んんんっ !? んぐ、んむぅぅっ !!」
上を真理奈に、下を啓一に責められ、既に恵の理性は消え去ってしまっていた。
もはや自分が誰かもわからず、彼女は欲望のままに二人と交わり続けた。
焦点の合わぬ黒い瞳が虚空を見上げ、とろんとした顔から甘い声が漏れる。
だらしなく開いた口からはよだれが垂れていたが、それも真理奈に舐められ
口内に残った分も含めて彼女に吸引されてしまう。
「――ずずずず、じゅるうぅっ……」
「んんっ……んんんっ、むぅぅ…… !!」
蜜を味わう蝶のように恵の唾液を吸い取った真理奈が、淫猥な笑みを浮かべてそれを嚥下した。
人のぬくもりで程よく温まった至高の美食を最後の一滴まで堪能しようと、
茶髪の少女が自分の唇をぺろりと舐めあげる。
それは普段の真理奈よりももっと妖艶で魅惑的な表情だったが、
恵は視覚も聴覚も肉欲の海に飲み込まれており、それを認識することはできなかった。
296真理奈再び(11/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:43:50 ID:GlNuJ9Za
啓一は妹の腿をつかみ、自分の腰を彼女に何度も何度も打ちつけた。
そのたびに恵の唇からは狂おしい嬌声が、陰唇からは熱い愛液が絶え間なく漏れ続けた。
「あぁぁ……いい……な、中までぇっ……!」
劣情の虜となった少女は理性も矜持も捨てて、発情した雌犬に成り下がっている。
そんな恵の痴態を楽しそうに観察しながら、啓一と真理奈は彼女を責めたてた。
造作の異なる男女の顔が同じ微笑みを浮かべ、息の合った連携で恵を犯していく。
「はんっ……それ、も、もっと……かき混ぜ、いいぃっ……!」
「やれやれ、すっかり恵になりきっちゃって。困ったもんだよ」
「私はこんなにエッチじゃないわよ。加藤さんがやらしいのよ……」
「いやいや、いい勝負だと思うぞ。なあ加藤さん?」
軽口を叩いて啓一が腰を突き上げる。
「――あ゛あ゛ぁぁぁっ !?」
深いところまで刺し貫かれ、恵が喉の奥から悲鳴をあげた。
「んー、いい声ね。たまにはこうやって自分の声を横から聞くのも悪くないかも」
「何言ってるんだ。入れ替わったときなんて半泣きになってたくせに」
「だって仕方ないでしょ !? ホントにびっくりしたんだから……」
そんな会話を交わしつつ二人は容赦なく恵を犯し、少女の心から理性を奪っていく。
恵は沸騰した頭でまともな思考ができず、ただ本能のままに腰を振り続けた。
(き、気持ち、いい……啓一君……マジ、サイコー……!)
啓一に抱かれ性器を合わせていると、まるで本当に彼の妹になったような気がしてくる。
自分が加藤真理奈ではなく、はじめから水野恵だったという錯覚に襲われる。
ぼやけた視界に愛しい兄の輪郭を捉えたまま、恵は恥じらいの欠片もなく
荒い喘ぎと女の汁の限りを尽くして兄との禁断の交わりに狂喜した。

それから何度も絶頂にのぼりつめ、恵は見るも無残な有様になっていた。
白い裸体は汗と飛び散った体液にまみれ、汚らしい姿を晒している。
目は虚ろで何も瞳に映っておらず、顔の下半分には唾液が塗られ、てらてらと光り輝く。
両手を後ろで拘束された姿勢のため、華奢な体にしては豊かな乳房が上に突き出され
啓一と真理奈、二人の舌と唇の餌食になってほのかな紅色に染まって濡れていた。
長いストレートの黒髪は汗を吸って湿り、一部が首筋や腹にべっとり張りついている。
もし学校の級友たちが見れば昇天してしまいそうな、水野恵のあられもない痴態がそこにあった。
「はあぁ……はひ、んあぁぁ……っ」
「――ふう、さすがに俺も疲れてきたな……」
「そろそろいいんじゃない? 加藤さん、もう完全に飛んじゃってるよ」
たしかに、うめき声をあげることさえ今の恵には辛そうだった。
啓一はこれで終わりにしようと最後の突きこみをはじめ、動かない妹の中を再度往復した。
汁に溢れる膣内を上下し、最奥めがけて恵の肉壷を存分にえぐりこむ。
「あぁぁ……はあぁあぁぁ……っ」
「――くうぅぅっ !!」
奥の奥まで達したところで、ほとばしる男の欲望を解放する。
濃厚な子種を一杯に注ぎ込まれた恵の肉がうねり、子宮が喜びに収縮した。
「……はあ、はあ、もう限界だ。ちょっとヤリすぎたかも」
「うう……私、まだしてもらってないのに……啓一ひどい……」
ようやく萎えた肉棒をずぶりと引き抜き、啓一は深く息をつく。
彼の妹は白目を剥いて身を痙攣させ、ぐったりして床に横たわっていた。
「もういいだろ。薬、飲ませてやれよ」
「はいはい。あー、やっと元に戻れる……」
「しかし、こんなのどこで手に入れたんだか……?」
真理奈はセーラー服のポケットから小粒の錠剤を一つ取り出し、自分の口に含んだ。
それをゆっくり舌で転がし充分に湿らせると、倒れた恵に口移しで飲ませてやる。
柔らかな微笑みを浮かべ、茶髪の少女はもう一粒の薬を取り出して飲み込んだ。
彼女の部屋に隠されたこれを探すのは大変だったが、何とか真理奈は錠剤の瓶を見つけ出していた。
こうして、水野兄妹と真理奈の長い一日が終わる。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
297真理奈再び(12/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:44:20 ID:GlNuJ9Za
開けた窓から暖かな風が吹きつけてくる。
今日は久しぶりに太陽が明るい顔を見せ、校庭を白い光で照らしていた。
恵は箸を動かし、自作のコロッケを食べやすいよう半分に切り分けた。
パンをかじりながら楽しそうに話す友達の声が聞こえてくる。
「中川のやついつも澄ましてるけど、実はああいうのがむっつりだったりするのよねー」
「おいおい、祐介はそんなやつじゃないぞ」
「そう? 意外と瑞希にぞっこんみたいだけど」
隣の女子の発言に軽く笑い、恵が天使の微笑みを見せる。
明るくて清らかで、そして真っ直ぐな笑顔だった。
そんな彼女の姿を確認し、真理奈はまたも恵の席に近づいていった。
「水野さん、今いいかしら?」
「あ、加藤さん……何?」
恵と啓一と、その場にいた数人の生徒が一斉に真理奈を向いた。
「なんだ加藤。またお前、恵さんに用か?」
「ええそうよ。悪いけど、ちょっとこっちに来てもらっていい?」
「うん、いいよ」
彼女は弁当箱を机に置き、席を立って真理奈の後についていった。

すらりと伸びた彼女の手足はテニスで鍛えられたもので、しなやかな線を形作っている。
恵を人のいない廊下の端まで連れてきた真理奈は、彼女の方を振り返り仁王立ちで向かい合った。
「それで、あの……加藤さん、何の用?」
用心深く身構えて恵が問う。
先日の事件以来、こうやって二人が顔を合わせるのは初めてのことだった。
あれから真理奈は二、三日学校を欠席してしまい、今日の登校は数日ぶりとなる。
体調不良ということだが、精神的なショックが原因なのは啓一と恵には明白だった。
自分たちの秘密を知られたという事実と、こうして呼び出されて
また何かされるのではないかという不安が、恵の心をかき乱していた。
「恵さん……今あたしの話、啓一君にも聞こえてるのよね?」
「う、うん……」
彼女は落ち着かない様子で両手を組んだ。
一対一で向かい合う黒髪の少女に、真理奈がニヤリと笑って告げる。
「――次は負けないわよ」
「え……?」
思いもしない真理奈の言葉に、彼女は呆けた顔でつぶやいた。
「この前のは負けを認めてあげるけど、この加藤真理奈が負けたままでいいはずがないわ!
 あんた達水野兄妹に次は勝たせてもらうからね! 覚悟しなさい!」
「え、えーと……? な、何の話してるの……?」
「いい? 次の土日は空けといてよ! また勝負するんだから!」
「し、勝負って何の……?」
「そんなの、ナニに決まってるじゃない!」
腰に手を当てて勝ち誇る仕草で真理奈は言い放った。
その瞳には生き生きした光が灯り、強い自信に満ちている。
「こないだのはあんたの体だから負けちゃったのよ!
 ヤリ慣れたあたしの体なら、あんた達をいくらでもヒィヒィ言わせてやれるわ!」
「――は、はあ……」
「という訳で、また土曜か日曜に勝負よ! わかったわね !?」
「いや……そ、そういうのはちょっと困る、かな……?」
恵の頬に一筋の汗が垂れる。先ほどとは別種の困惑が彼女の顔を覆っていた。

教室の中では、啓一が友人たちと昼食を続けている。
だが彼はいきなり箸を止め、片手で頭を抑えてうつむいてしまった。
「…………」
「あれ、どうした啓一? 腹でも痛いのか?」
「いや、何でもない……」
声をかけてくる友人にそう答えて、啓一は窓の外を見上げた。恵と同じ困惑が顔に満ちている。
「それにしても恵さん帰ってこないな。加藤のヤツ何してんだか」
「ま、まあ心配することないだろ……ははは……」
冷や汗を流して弁当をつつきながら、啓一は妹の帰りを待ち続けた。
29814 ◆cW8I9jdrzY :2009/06/08(月) 02:47:14 ID:GlNuJ9Za
以上となります。
一応は保管庫に収録されている「同級生と」の続編ですが、
読んでいない方にも特に問題なく読んでいただけるのではないかと思います。
それではこれにて失礼します。
299名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 03:01:45 ID:giSh9NYj
GJ!別スレのやつの外伝?にもなってますね。このスレで読めるとは。
300名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 08:07:52 ID:e4SnX1r2
久しぶりにGJ!
相手が悪すぎたとしかいえないw
301名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 18:21:08 ID:LPc1RjLG
GJ
前スレにもあったけど、優等生と不良っぽい子の入れ替わりって
元優等生のペースで進んだ方がなんか面白い気がする
302名無しさん@ピンキー:2009/06/08(月) 23:48:07 ID:Y8F/r+f5
砂漠のきつねです。お疲れ様でした。
双子の秘密がまたすごいですね。真理奈はこれで他人の2人の身体を体験したわけですか…
他のお友達も出てくるんでしょうか。楽しみに待ってます。
自分も書き上げないと。ちょうどいい長さだったんで、新しいのはこれくらいの読み切りにしたいです。
303名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 07:46:11 ID:i1+Q8sn2
専用スレのないSSスレでしたっけ、あの双子。
まさか再登場するとは。
304砂漠のきつね:2009/06/10(水) 02:36:34 ID:DZZvia7j
続きを上げておきます。もうちょっとで終わります…

<49>
瑠美は早く彩子の身体に戻りたかったが、美子に「もうちょっとだけ」と言われ、ここまで来てしまった。美子の家へ一人で帰宅する瑠美。
仕事は身体が覚えていたので難なくこなしていたが、40代の身体となったためなのか、仕事が大変なためか、瑠美はずいぶんと疲れていた。
「私ももう歳だからな…」
ふーぅとため息をついた後、瑠美ははっと息を呑んだ。
「なに今の、三船さんが言ったみたい。」
だんだんと馴染んでいく身体の感覚。鏡に映る美しい女性。ボリュームのあるバストとヒップ。ふくらはぎの肉感。どれも熟れた魅力を放つと同時に衰えが滲む。
(なんだかこの身体が自分のみたいな感覚になってる。早く戻りたい…)
しかし、思いとは裏腹に、感じていた違和感が薄れていく。
「もともと私の身体じゃない、疲れてるのかしら。」
言った瞬間、瑠美は口を塞いだ。
「何今の?私の言葉じゃない。」
次第に息が荒くなる。黒革のソファーからがばっと起き上がる瑠美。しかし、すぐによろけて目の前が真っ暗になった。
(私、どうなっちゃうの…)

「おはようございます。さやかさん。」
翌日、彩子の身体の美子が、さやかの身体の彩子に元気に声を掛ける。
(ん?美子さん、私の名前じゃなくて、なんでさやかさんの名前呼んでるんだろ…)
彩子も美子の変化には薄々気づいていた。まるで、もう一人の自分がいるような感覚。
「美子さん、いい加減戻って下さいよ。」「何言ってるんですか、さやかさん。」
「もうふざけないでください、瑠美さん。」「瑠美さん?誰ですかそれ?」
彩子はただならぬ空気を感じ取った。おふざけにしては度が過ぎている。
「三船さん、私の身体になってるってわからなくなっちゃったんですか?」
「三船さん?やだぁ、さやかさん、何で私が三船さんなんですか?」
「わかりました、もういいです。」
「ちょっと、さやかさん!」
呼び止める自分の声を背に、彩子はさやかの長い脚を、総務課へ向かわせた。
「どうしたの、さやかちゃん?」
「私、彩子です。瑠美さん、わからなくなっちゃったんですか?」
「瑠美って誰?さやかちゃん、どうかしてるわ。」
彩子は唖然とした。

手に付かないまま1日の仕事を終えた彩子は、大至急で真由の携帯に電話をした。
「もしもし、さやかさん。大変です。」
「え?ああ、さやかさんに用事なんだ。ちょっと待って下さい。」
澄んだ少女の声に合わないタメ口のしゃべり。
「もしもし、彩子ちゃんどうかしたの?」
聞き覚えのない若い声。高校生くらいだろうか。
「さやかさん、また入れ替わったんですか?」
「そうなの…昨日なんだけど…」
朝の衝撃よりは軽いものの、彩子はめまいを覚えた。
305砂漠のきつね:2009/06/10(水) 02:37:35 ID:DZZvia7j
<50>
この電話の前日。
1週間近くが経ち、さやかも十数年ぶりに味わう小学校独特の生活サイクルに慣れ始めてきた。
塾もなく、いつもより早くさやかは真由の家に帰ってきていた。
洗濯のため、袋から体操着を取り出す。袖口に紺のふちどり、同色のブルマ。
正面には大きく「6−2西山」と名札が縫い付けられている。
数時間前にこれを来ていた自分を想像する。
(う〜ん、さすがに体操着はキツイ…)
同級生の名前もだいぶ覚えたが、これ以上混乱しないためにも、
そして何より大人の女性として、小学生の身体にいつまでも安穏としているわけにはいかなかった。
「ただいまぁ。」玄関で美優の声がした。
「あーぁ。」部屋に入るなり、美優はリビングのソファーにカバンを放り投げ、自分も脇のソファーに沈み込んだ。
「どうしたの、お姉ちゃん。」さやかの真由へのなりきり方も、もう堂に入ったものだ。
「担任からまた成績の話されちゃった。もうさぁ、わかんないもんはわかんないって。」
セーラー服に細かいプリーツの入った黒のミニスカート。紺のハイソックス。
沈み込んだ瞬間、スカートが捲りあがり、太腿が露わになった。
日焼けしているため褐色だが、その分締まって見える太腿、張りのあるふくらはぎ。
(若いっていいよねぇ。んなこと言ってられるのも今のうちなんだからさ。)
「あーぁ、真由くらいの歳の頃は、学校とか楽しかったのになぁ。」さやかは背筋に冷たいものを感じた。
(やめてよ、そんなこと言わないで)
座ったまま伸びをする美優。真由の中のさやかが畏れを感じているなんて想像だにしていない。
セーラー服とスカートの間から覗く臍、締まったウエスト。思わず生まれた羨望の思いを、さやかは無理やり封じ込めた。
(こんな時に身体が替わったら大変…)
しかし、そんなさやかの心配を現実にする一言を美優は言ったのだった。
「わたしも、小学校からやり直したいなー」
(ダメ、そんなこと言ったら!)
そう思ったときにはもう遅かった。
「なんか変な感じする…」美優がさやかを奈落の底に落とすようなつぶやきを漏らす。
(まさか美優ちゃん、真由ちゃんに…)
美優の肉付きの良い褐色のふくらはぎがだんだん細く白くなっていく。わずかに覗いていた臍が見えなくなる。
「何?なんなの?」
その声はすでに、変声期前の少女の声に変わっている。セーラー服を押し上げていた隆起が姿を消す。
そこにはソファーにもたれ、お姉ちゃんの制服を借りた真由の姿。
「何、今の?」
そう言った後、自分の声の変化に驚き、美優は手に口をやった。答える間もなく、さやかの身体に変化が始まる。
オレンジのキュロットスカートから見えるマッチ棒のような脚が、徐々に丸みを帯びていく。
Tシャツの下のわずかな隆起が、ボリュームを増していく。
「ぁん…」
敏感な乳首がTシャツと擦れ、さやかは思わず声を上げた。ピンクのパーカーもサイズが小さくなり、プリントを押し上げる乳房のラインがはっきりと描き出される。
そこには、短すぎるキュロットスカートを履き、ローティーンファッションに身を包んだ美優の姿。
「私がいる。」「ごめんなさい、美優ちゃん。」
306砂漠のきつね:2009/06/10(水) 02:40:42 ID:DZZvia7j
<51>
さやかはこれまでの経緯を話した。
「じゃあ、本当の真由は今病院にいるんですか?」
美優も今までの女性たちと同じように、自分がその立場であるがゆえに、この破天荒な事実をすぐ理解した。
「私、セクシーでした?」
思い悩むさやかの脳天を揺さぶるような楽観的な言葉が、美優から飛び出した。
「え?」「だって、なりたいと思ったんでしょ、私の身体に。」
「なりたいっていうか、腰おろした時に脚とかへそとか丸見えだったじゃない。」
「ふぅ〜ん。ま、私もなかなかイケてるってことで。だって、こうなったらまたしばらく戻れないんでしょ? じゃあ、さやかさんは高校行って、私は真由やってればいいんだよね。」
「そうだけど…」
「こんなこと、めったにっていうか、絶対なくない?んで、戻れるんでしょ?このまんま真由っていうのは勘弁だけど。」
「そうだけど…」
「じゃあ、戻れるようになるまでこのままってことで。あ、ママには言ったほうがいい?」
「これ以上おかしくなるとホント戻れなくなりそうだから、他言は無用ってことで。」
「や〜だ、私そんな言葉知らないよ。じゃ、ママには内緒ってことで。
これから、私が真由。さやかさんが私。はい、スタート。お姉ちゃん、今日早かったね?」
「ずいぶんと切り替えが早いわね…」
「だからぁ、私そんな言い方しないって。」
「うん、わかった。今日さぁ、担任に呼ばれて成績の話されちゃってさ、めんどくさくなって、帰ってきちゃった。」
「う〜ん、60点」「ちょっと許してよもぅ〜」
「今の100点。私っぽい。」
思わずさやかからも笑みがこぼれた。

その翌日にこんな深刻な空気で話を聞くなんて。
彩子の泣きそうな声で、さやかも事態の重大さを感じた。
「何それ?」
「お互い自分だって思い込んでるんです。私どうしたらいいんですか?私の身体取られちゃった。」
泣きそうだった声は、鼻をすする音が混じり、すでに彩子の瞳からは、涙が流れているだろう。
「どうしよう。元のオブジェ見ればなんかヒントがあるかも。」
「どこにあるんですか?」
「瑠美の家。だから、今は真由ちゃんの家か。」
「でも、それ見たからって戻れなかったんですよね、さやかさんと瑠美さん。」
泣いて少し落ち着いたのか、さっきよりトーンを下げて、彩子がさやかに聞く。
「だけど、それくらいしか思いつかないし…これから真由ちゃんに電話するから。」
307砂漠のきつね:2009/06/10(水) 02:41:19 ID:DZZvia7j
<52>
「今度はお姉ちゃんとさやかさんが入れ替わったんですか?それだけじゃなくて…」
看護婦の仕事を気遣って電話するつもりが、こんな報告の電話になるとは。
「真由ちゃんは大丈夫?自分が真由ちゃんって分かる?」
「分かりますよ。大丈夫です。」
電話口でガサガサと音がした。電話を替わったようだ。
「真由だよ。はじめまして、瑠美さん。」
「お姉ちゃん…私そんなになれなれしくないって。」
「どう、看護婦さんは。」
「大変ってもんじゃないって。でも、いいお仕事だと思うなぁ。」
「なんか、真由私より大人だ。」
「そりゃそうだよ、身体も大人なんだもん。あ、さやかさんに話したいことがあるんだ。お姉ちゃん、替わって。」
「さやかさん、真由が話したいことがあるって。」
美優が携帯を渡しながら言った。
「何、真由ちゃん。」
「あの、私、今日夜勤から帰るときに声掛けられたんです。おばあさんに。『あら、久しぶりね』って。
はぁ、って言ってそのまま帰って来ちゃったんですけど、さやかさん、何か知ってますか?」
「へ〜ぇ。何だろう。」
知らないな、と言おうとした瞬間、さやかの頭の中で閃光が走った。

「そ、それって、どこの話?」
「どこって、駅のアーケード抜けたところを右に入ったとこです。
あ、いつもは真っ直ぐ行くんですけど、今日はなんとなく、遠回りしてみよっかなって思って。」
間違いない。あの老婆がいつの間にか帰ってきていたのだ。
「そ、それ、そ、そこにあるオブジェ売ってた店のおばあさんよ。」
真由は玄関の靴箱の上にあるオブジェに初めて気づいた。
「これですか。」
「それが原因で私たち入れ替わったの。戻り方とかもおばあさんなら分かるかも。三船さんと瑠美のことも。明日、明日行こ。っていうか、明日絶対行こ。」
「は、はい。」
まくしたてるさやかの迫力に、真由は力なく相槌を打つしかなかった。
308名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 02:52:22 ID:DZZvia7j
きつねです。名前消し忘れて連投しちゃいました、すいません。
ちょっと終わりが見えてきたでしょうか。
309名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 12:48:27 ID:6n0CGxpR
GJ
続き楽しみにしてますのでまったりやってください
310名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 09:30:39 ID:ETqBO6Xc
久々に覗いてみたが相変わらずだな…
311名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 01:17:45 ID:UzEG54m3
いつも楽しく拝見させていただいてます。なにかオンラインゲームで女性キャラ作成して入れ替わりなどして楽しみたい方いらっしゃったらごいっしょしませんか〜
312名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 15:24:04 ID:EH/1Bl+M
母と娘が入れ替わり、娘に内緒で母が二度目の処女喪失をする話が読みたいです。
313名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 15:28:46 ID:oSn8ZoVl
まとめwikiを見れば幸せになれるよ
314名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 15:48:58 ID:lom90mb6
その話の続きか
そんな話をまた読みたいってことじゃね?

まあ、俺もだが
315名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 22:22:08 ID:EGAMc5OS
憑依分が足りない!
316名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 18:17:41 ID:30hn84x1
14さんもきつねさんも憑依は書かないからなあ
そろそろ憑依モノ専門の書き手でも降臨してくれんかね
317名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 18:25:01 ID:mIRFlYUS
自分で書くという選択肢もあるんだぜ?
318名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 21:47:23 ID:UYi8bhch
娘の身体で初エッチに臨むが、あまりの痛さに余裕をなくし
年下のはずの男の子にフォローされる様子を想像してます。
319名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 06:48:55 ID:icVd3CBx
学校内で突然女生徒たちが集団で入れ替わってしまうとかゆう妄想をしてみる
320名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 10:33:33 ID:SPHjEIz9
いじめっ娘といじめられっ娘が入れ替わって
立場の逆転を楽しみが
助けてくれてた好きな男が
元いじめっ娘側についてしまって
ショックをうけるとか妄想
321名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 12:10:23 ID:flDxi4Jm
>>319
砂漠のきつねです。続き早く書けよって感じですが、あまりに「おまおれ」だったもので…

背の小さなロリっぽい子←→長身お姉様風味の子とか、
寸胴で地味でパンツしか履かない地味な子←→美脚ミニスカのお嬢系の子とか、
学生時代にはかなり妄想してました。今では職場の飲み会とかでも(笑)
ご存じのように自分は服そのままが好きなので、それで妄想してましたが、話に起こすのはなかなか大変なんですよね。
今回の作品で痛感させられました。集団だとただでさえ描写が増えるので、短くしないと。
インフルも小康状態になったんで、ウイルスネタでも大丈夫かな、なんて思ってますけど。
322名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 13:40:05 ID:+3UhmiFO
>>321
集団入れ替わりは描写が増えるのとキャラの個性を出しにくいので
非常に書きにくいと思います。どうしても長くなってしまいますし。
続き楽しみにしていますので、どうぞごゆっくり。
あと真理奈の続編はなぜかおねショタスレに飛んでいってしまいました。
323名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 22:11:18 ID:CMDVgxjI
>>321
きつねさんの妄想良いなぁ。
俺もリアルでこっそりそういうこと考えたりする。
とても人には言えないがね。

服の描写が凄く良いので
キャラが増やすのが大変なら
ギャップのある二人に絞って
いろんなパターンで書いてみるのも良いかもしれないね。
これからも期待してるんで、まったりペースで頑張ってください。
324砂漠のきつね:2009/06/22(月) 02:27:01 ID:6G0AUZp3
どうも、このところ連投のきつねです。
一応、瑠美とさやかの話、脱稿しました。オチが弱かったり、締め方がイマイチなんですが…
題名もちゃんとつければよかったんですが、仮のまま来ちゃいましたね。
気の利いた題名がつけられればよかったんですが、もし思いついたらってことで、
とりあえずこのままにしておきましょう。
325砂漠のきつね:2009/06/22(月) 02:27:41 ID:6G0AUZp3
<53>
翌日、さやかに真由、美優、そして彩子が骨董品店に向かった。
「おおぅ、久しぶりじゃのう。」
老婆は瑠美の姿の真由を見て、おもむろに声を掛けた。
「おばあさん、私はあのときの瑠美さんじゃないんです。」「はぁ〜」
「私、あのときこれ瑠美と一緒に持って帰ったんです。」
セーラー服姿の美優になったさやかが割って入る。
「はて、こんな若い子はいなかったような気がするがのう。」
「あのとき、背の高い女がいましたよね、それが私です。」
老婆の目つきが変わった。
「おう、思い出したわい。あの像はな、身代わりの神事に使われていたんじゃよ。
 山の神じゃったかの。生け贄にならんために、村の娘の姿を入れ替えて、う〜ん、
 そんなような話じゃった。本当に入れ替わったのかい?」
「ええ、入れ替わるも何も、入れ替わりすぎて今はこんな姿に。」
「こんな姿って、ちょっとやな感じじゃない?」
真由の澄んだ高い声で、美優が文句を言う。
「そういう意味じゃなくって…おばあさん。私たち、元に戻りたいんですけど。」
「互いに戻りたいと思えば、元に戻れるじゃろ。そう聞いとったぞ。」
「それしか、戻れる方法はないんですか?」
「ああ。それと、身体と魂が一体になると、元に戻れんくなるから、気をつけた方がいいぞよ。」
「え…」
「身体を入れ替えると、身体と魂は別人のものになるわけじゃ。魂が自分の身体ではないと、わかっておる。それが一つになるということは、自分が違う身体にいるというのが、わからなくなるということじゃ。おまえさんたちはわかってるようじゃから心配いらんじゃろ。」
「そうじゃない子がいるんです。」
老婆は目を丸くした。
「そりゃ大変じゃ。身体と魂が一緒になってしまうと、引き離すのは難しいぞよ。」
「元に戻れないってことですか?」
さやかが身を乗り出す。
「そりゃそうじゃ、自分が気づけなければ、戻る気持ちにもならんじゃろ。」
「それを戻す方法はないんですか?」
「さあ、それは聞いたことがないのう。」
「そんなぁ。」
326砂漠のきつね:2009/06/22(月) 02:28:16 ID:6G0AUZp3
<54>
4人は肩を落として瑠美の家に帰った。
「はぁ。どうしよう。」
オブジェをダイニングテーブルの上に置いて眺めるが、さやかにはどうしたらよいか見当もつかなかった。
初めて見る美優は、ダイニングテーブルの椅子に座り、しげしげとこれを眺めている。
「私も、この身体返さないと…」
椅子から立ちながら、真由が困惑した表情でつぶやいた。
身体を動かすたびに揺れを感じる乳房にも、すっかり慣れてしまった。
「二人に話すしかないんじゃないですか?」
彩子も腕を組んで「う〜ん」とうなった。
美優はまだオブジェを回しながらいろいろと触っている。
(ん?)
蛇や象や、いろいろな動物が彫り込まれているが、その中に、ひときわ立派に彫り込まれた龍があった。
目玉には宝石のような緑と赤の石が埋め込まれている。
(きれいな石。なんだろ。)
美優が触ると両方の石が取れてしまった。
「うわ。」
思わず声を上げた美優。周りの3人が美優に視線を注ぐ。
「どうしたの?」さやかが美優の声で美優に聞く。
(あわわ、壊したなんて言ったら大変)
「う、ううん、なんでもない。」
瞬時に答えた美優。とっさに目玉を戻す。
慌てていた美優は、左と右を間違えてはめていることに気づかなかった。
さやかに懐かしいような感覚が襲う。
「何、何なの?」
他の3人も同じだった。
「え?どうなってるの?」「何これ?」
次々に声を上げる4人。4人の身体に変化が起きる。
美優になっていたさやかの身体。
褐色の肌が徐々に白くなり、スカートが短くなっていく。
レモンイエローのブラジャーに包まれた乳房が少し小さくなる。
短い黒髪がブラウンに染まり、パーマがかかる。
3人の前にはセーラー服姿のさやか。
「さやかさん、元に…」
彩子がそういった瞬間、他の3人も身体が変化する。
敏感な乳首がこすれ、思わず声を上げる美優。
水色のパーカーに入ったプリントを大きくなった乳房が持ち上げる。
グレーのキュロットからは褐色の細い脚が伸び、ローティーンファッションに身を包んだ美優が現れる。
さやかのお気に入りだった濃緑のワンピースを着ていた彩子。
乳房が徐々に膨らみ、逆に背丈が縮んでいく。肩からはだけそうになるワンピース。
膝下に触れていたワンピースの生地の感触はすねのあたりまで下がった。
ブカブカのワンピースに包まれた彩子の身体。
4人の中で真由の変化が一番大きかった。
黄色と白のアンサンブルを持ち上げる大きな乳房が一気にしぼみ、ブラジャーとの間に大きな空間ができる。
デニムのミニスカートから覗くレギンス。むっちりとしたふくらはぎは、いつの間にかマッチ棒のような直線的を描いている。
背伸びをしてお姉さんの格好をした真由の姿。
327324:2009/06/22(月) 02:28:57 ID:6G0AUZp3
<55>
「え〜戻ってるんだけど。」
最初に声を上げたのは美優だった。
「え?」
さやかが瑠美の部屋の鏡を見る。
そこにはセーラー服姿の自分の姿。
「も、戻ってる!」
20代前半でセーラー服。人前でコスプレしている恥ずかしさは嬉しさで吹き飛んでしまっていた。
「私の身体だ。」真由も彩子も鏡で元の身体を確認する。
「なんで戻ったんだろう。」落ち着きを取り戻したさやかがつぶやいた。
「ひょっとしたらこれかも…」恐る恐る美優がオブジェの龍を指さす。
「これ、取れちゃったんです、さっき。」「えぇ!?」
「んで、戻したんです、これ。そしたらみんな戻った。」「みんな?ひょっとしたら瑠美も?」

4人が元の身体に戻ったその頃。
自宅で過ごしていた美子の身体の瑠美。
「何、なんなの?」
身体が変わることを忘れてしまった瑠美にとっては、異様な感覚が襲う。
大きさはそのままに、40代の熟れた乳房に張りが戻る。
消えていく顔の弛み。キュッと持ち上がるヒップ。
「何だったの今の?」
鏡を見る瑠美。映るのは、地味な水色のニットに黒い大きなチェックのロングスカート、中年女性の格好をした童顔の瑠美。
「あれ、私なんでこんな格好してるんだろ。ここどこ?」

彩子になっている美子は買い物に出かけたデパートで違和感を感じた。慌ててトイレに入る。
(何なの、これ?)
声を出す間もなく、身体に変化が起きる。
張りのある乳房は、徐々にその張りを失いながら大きくなっていく。水色のブラジャーにバストが否応なく食い込んでいく。
小さなヒップもどんどん容量を増し、ショートパンツの記事が張り裂けそうになる。
「何、なんなの?」
ハスキーなアルトボイス。外に出て、洗面所の鏡を見る。
白黒ボーダーの長袖Tシャツにグリーンのカーディガン。大きくなった乳房の形がくっきりと露わになっている。
デニムのショートパンツに紺のカラータイツを履いた中年女性。タイツが密着し、肉感的な脚のラインを描き出す。
「私、なんでこんな格好してるの?」
328324:2009/06/22(月) 02:29:30 ID:6G0AUZp3
<56>
徐々に瑠美は記憶を取り戻し始めていた。
「そういえば私、美子さんになってたのに…その後とりあえず外に出よ。
ん〜、でもこの服はちょっとやだな。おばさんっぽいし。」
クローゼットを探すが、服はどれも地味な色使いばかり。どうにか探し出したのは薄いピンクのシンプルなブラウスと、ウエストにゴムの入った膝丈の白いスカート。
着ているニットとスカートを脱ぐと黒のボディースーツが現れる。
「なんかキツイと思ったらこれか。」
圧迫感から解放されると、乳房の重量感が肩にずっしりとかかる。久々に感じる自分の身体。
「私、こんなに胸大きかったっけ…」
クローゼットからブラジャーを探す。黒やベージュなど地味な色ばかりだが、黒の上下を選ぶ。
「カップは私の方が大きいんだ。」
アンダーが大きいおかげで苦痛なく着ることができた。
「さやかに電話した方がいいかな。でも番号覚えてないし。彩子ちゃんの番号なら、
って今美子さんが彩子ちゃんになってるんだった。なんか、電話すると面倒なことになりそう。」
その瞬間、はっとひらめいた瑠美。
「自分の番号に掛ければいいんだ。」

「なんか電話鳴ってる。」
真由が持ってきた瑠美のカバンの中の携帯が鳴る。
「もしもし?」
自分の携帯に電話して聞こえる小学生の声。
「あのう、誰?」
「誰ですか」
「あ、林瑠美って言います。」
「瑠美さんですか?」
思わず大きな声を上げた真由。周りの3人も真由に注目する。
「あ、私、西山真由っていいます。瑠美さんになってたんです。」
「え?じゃあ、さやかは?」
「今代わりますね。」
さやかが瑠美になったままだと思っていた。結局、さやかの身体が何度も変わったために、瑠美には一度も話が通っていなかったのだ。
「もしもし、瑠美?」「さやか?」
「よかったぁ。瑠美戻ったんだね。」「さやかも戻ったんだね。」
「ホントよかった。瑠美が戻ってきてくれて。美子さんのまんまだったらどうしようかと思った。」
「美子さんのまんま?」「そうだよね、詳しい話は会ってからにしよ。」
そう言って、さやかは電話を切った。
329324:2009/06/22(月) 02:30:20 ID:6G0AUZp3
<57>
「来る前に服取り替えようか。」
事態を把握して冷静になってきたさやか。さすがにセーラー服のままいるのは恥ずかしくなってきた。
「でもせっかくだから、このままでいましょうよ。もうこんな服着ることもないんだろうし。私は真由から借りればいいけど。さやかさん、私の制服似合ってますよ。」
美優があっけらかんと言った。
「そりゃそうだけど…」
「それに、瑠美さんはきっと、そのおばさんの格好でくるんでしょ?自分だけそんな格好じゃ恥ずかしいんじゃない?だから、瑠美さん来るまで、このままにしましょうよ。」
「私、服落ちそうなんだけど…」
さやかの大きな服に包まれた彩子が悲鳴を上げた。
「でも、座ってれば大丈夫だよね。」
結局瑠美を気遣って、みんなそのままの服で待つことにした。
30分くらい経っただろうか、瑠美が久々に自分の家に帰ってきた。
「おかえり。」
「ただいま、ってさやか何その格好?コスプレ?」
「瑠美が三船さんの格好で来なきゃだから、みんな瑠美が来るまで服取り替えなかったの。」
「そうなんだ。なんかブラ合わないから早く自分のしたいんだけど。」
瑠美はいそいそと自分の部屋に入ってくると、自分の服を着た小学生を見つけた。
「真由ちゃん?」
「はい、はじめまして。」
「自分の服着てる女の子に言われるのってなんか変な感じ。」
330324:2009/06/22(月) 02:30:41 ID:6G0AUZp3
<58>
「そんなことがあったんだ。」「そうだよ、心配したんだから。」
少し涙目になりながら、さやかが話す。
「ということは、この龍の目をいじったら戻ったってこと?」
「そういうこと、美優ちゃんのおかげ。」「いや、私はたまたま…」
珍しく美優が謙遜した。
「服取り替えようか。」
美子を除いた5人が、自分の服に着替える。年齢の異なる5人の女性が一斉に着替え始め、まるで銭湯の脱衣場のような光景が広がった。
「なんか久しぶり。」
瑠美は、大きな乳房をしっかり支えるワイヤーの感覚に新鮮さを覚えた。
(やっぱ小さいな、美優ちゃんよりも小さいし)
さやかは久しぶりに感じた小ぶりな乳房の感触を、言葉には出せなかった。
「なんか、やだな。子供に戻るの。」「何言ってるの、小学生で巨乳体験したのなんて、真由だけだよ。」
真由と美優は言い争いをしながら、お互いの服を着ていく。
「美子さんの服じゃ嫌だよね…」「ん、うん、まぁ…」
彩子だけは自分の服がなくて困っていた。
「じゃあ、私の着る?」
ブラだけは合わないが、他は瑠美の服を借りることにした。
「じゃあ電話するね。」
さやかが、瑠美が持っていた彩子の携帯を借りて、美子に電話をする。美子はおとなしくこちらへ来るという。
331324:2009/06/22(月) 02:31:09 ID:6G0AUZp3
<59>
15分後。
「この格好、恥ずかしかった。」
彩子の服のまま瑠美の家まで来た美子。どう見ても度を超えた若作りをしているようにしか見えない。
「ごめんなさい、そんなことになってたなんて。彩子ちゃんがかわいくて…」
「美子さんも綺麗ですよ。あ、こんなこと言ったらまた入れ替わっちゃう。」
彩子が借りていた瑠美の服を脱ぐ。美子も彩子の服を脱いでいく。
ショートパンツはボリュームを増したヒップを納めきれず、ボタンを外したまま止まっていた。
脱ぐと熟れた乳房が、相応しくないかわいい水色のブラジャーに包まれている。
外すと、肩に懐かしい重量感がのしかかる。お互いの服を着て、数ヶ月ぶりに全員がお互いの身体に戻った。
「これ、返しに行こうか…」さやかがポツリと言った。
「いや、気持ち悪いとかじゃなくてさ、なんだか家に置いとくとまたなんかありそうだし。」
「そうだね、みんなで行こうか。」瑠美が他の4人に言う。
結局、6人で返しに行くことになった。
「また瑠美さんになりたいな。」
「それだと、私が真由ちゃんになるの?小学生か、いいかも。」
「瑠美!」「冗談よ。」
「さやかは大変だったもんね。でも、小学生もよかったんじゃない?」
走馬燈のように、ブルマ姿の自分を思い出す。
「いい、遠慮しとく。」
332324:2009/06/22(月) 02:31:31 ID:6G0AUZp3
<60>
「おや、みんなお揃いで。どうしたんだい?さっきより人が増えているようじゃが。」
いつものように腰を曲げたまま、老婆が店の奥から出てきた。
「おばあさん、これ返したいんですけど。」さやかがオブジェを差し出す。
「なんじゃ、変身に懲りたかのぅ。」「うん、もうこりごり」瑠美が困ったような顔をした。
「じゃあ、これはわしが預かるかのぅ」
代金を返してもらい、6人は店を出た。
「じゃあ、さやかちゃん、また明日ね。」
「さやかさん、ゆっくり休んで下さいね、あ、あと瑠美さん、これ洗って返しますね。」
「お姉ちゃん帰ろ。」「さやかさん、あ、瑠美さんも。アドレス教えてくださいよ〜」
美子に彩子、そして美優と真由。思い思いのことを口にしながら、家へ帰っていった。
「私も帰るね。」「うん。」
「そういえば…」
さやかが思い出したように言った。
「クローゼットの一番下の段見てみて。たぶんまだ入ってると思うけど。」
「何?見たいんだけど。」「帰ったら見て。じゃあね。」
「何だろう。」
家へ帰った瑠美。クローゼットを開ける。
「さやかったら…」
数分後。
「こんなきついのよく着てたね。バイトできるかな…」
白いフリルのブラウスを持ち上げる大きな乳房、アンダーバストに食い込み、乳房の大きさをさらに強調するピンクのエプロン。
メイド姿の瑠美が、鏡の前に立っていた。
333324:2009/06/22(月) 02:32:20 ID:6G0AUZp3
<61>
週が開け、6人はもとの自分の仕事や学校に戻った。
受付にはさやかと彩子。
「久しぶりですね、この2人で仕事するのも。」
「見た目はずっと同じだったけどね。」
瑠美は休みのため、家で過ごしていた。
「明日から勤務か…しかも夜勤もだ。大丈夫かな…」
美子に美優、真由も久々に”自分の身体で”いつもの日常を過ごしていた。
夕方の更衣室。
「なんかこのロッカーとか久しぶり…」
「そうですよね、私がそこよく使ってましたけど。」
「そっか、彩子ちゃんよく私になってたんだもんね。」
部外者が聞くと非常に怪しい会話であるが、2人きりの更衣室で、気兼ねもせずに話している。
その時だった。
「なんか変じゃない?」「この感じ…」2人で顔を見合わせる。
(うぅ…また変身しちゃうの?)
グレーのTシャツワンピースにデニム、さやかの服を着た美優と、谷間が覗く白のアンサンブル、チェックのキュロット姿の瑠美。
「なんでまた変身しちゃったの?」「どういうこと?」

同じ日の別の頃。
「ちょっとなんでおばさんになってるの?」
違和感を感じた美優は、授業を抜け出し、トイレの鏡の前に立っていた。うっすらと浮かぶ皺に、少し荒れた肌。コシの無くなった髪。娘の制服を借りている母親のようだ。
「彩子さんだ、綺麗だな…ってこんなこと言ってる場合じゃないや。」
真由も授業を抜け出し、トイレの鏡の前に立っていた。真由は体育の授業中。体操着姿の彩子。
「なんでまた変身しちゃったの?」
瑠美が部屋の鏡の前に立つ。白のアンサンブルに黒のミニスカート、瑠美の服を着たさやか。

「これって真由ちゃんだった?この声…子供になっちゃった。」
キャメルイエローと黒の幾何学模様のワンピースに身を包んだ真由。

「どうなっちゃってんのこれ。」口調まで美優を真似するように、さやかが言った。
「戻ったはずなのに…」よく見ると谷間どころか、乳房の上の方まで見える格好になってしまった瑠美の姿の彩子。
「オブジェも返したし、なんで?」
「私たち、変身できる身体になったんじゃないですか?」
「何それ?」
「お互いに念じなくても、変身できるみたいな。」
「でも突然こんな風になっちゃ困るでしょ。」
「怒んないで下さいよさやかさん。」
「だって困るもん、私は元に戻りたい。」
そういうと、さやかの身体に変化が起きた。褐色の脚が白くなり、胸が少し小さくなる。
「戻った!」「ホントだ。」

美優:「よかったぁ。こんなんじゃ帰れないよ。っていうか、こっから出られないし。」
真由:「お姉ちゃんとかも変身しちゃったのかな?」
美子:「いくらなんでも小学生が着るような服はないわ。」
瑠美:「さやかだとサイズ合わないし、外出られない所だった…」

6人は互いに連絡を取った。戻ろうと念じたら、みんな元の姿に戻った。
「私たちに能力が備わったのかな?」さやかとの電話で瑠美が言った。
「でもこんなの困るわ。仕事中に突然小学生や高校生になるなんて。」美子はもっともな意見を言っていた。
「私なんてあのおばさんになっちゃって。超困った。戻ったからよかったけど。」
美優がそう言ったそばで、なにやら物音がする。
「真由?あ、変身してる…あのおばさんになった。」
「私、今日3回目です。体育の時間に彩子さんになって、帰りにさやかさんになって、今、三船さんでしたっけ、その人になっちゃいました。」
あどけないしゃべり方で電話口から聞こえてくるハスキーなアルトボイス。
「真由ちゃん、戻れるうちに戻っておいた方がいいよ。」
「とりあえずまた、おばあさんのとこに行かないとね。」
334324:2009/06/22(月) 02:32:43 ID:6G0AUZp3
<62>
さかのぼって、同じ日の朝。
客の目に触れないところにおいてあるオブジェ。
再び仕入れのために店を空ける前に、老婆がオブジェを磨いていた。
「おや…」
老婆があることに気づく。美優がいじった龍の部分だ。
「この目玉、逆だった気がするがの。」
元に戻そうとする老婆。しかし…
「おう、そう言えば。」はっと目を見開く。
「これで元に戻ったんじゃな。入れ替わり過ぎて、もとに戻れなくなった時に、龍の目を入れ替えて、互いの姿に戻す話があったのぅ。それで戻ったんじゃな。」
しかし、次の瞬間、老婆は怪訝な顔をした。
「戻った戻ったと喜んじょっとが、位置を戻さないと、真の元の姿には戻れないはずじゃったがのう。娘さん達に…でも時間が。仕方ない、出るとするかのぅ…」

―6人の本当の姿の時に龍の目を元に戻す−
6人の入れ替わりが本当に終わるのは、老婆が仕入れから帰ってくる、さらに2ヶ月後のことだった。
335名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 02:44:01 ID:5TGMuzdV
GJ!
ちゃんと完結することも作品のステータスなのでとても良かったと思います。
長編お疲れ様でした、また妄想して意欲が湧いたらぜひ次作も読ませて下さい。
336砂漠のきつね:2009/06/22(月) 02:46:02 ID:6G0AUZp3
以上となります。ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございました。

自分は●を持ってないので過去ログが見れないのですが、確か、どなたかが去年の7月からと書いて下さっていた気がします。
1年かかってしまいましたね。長編はもうやめにします(笑)
自分はどうしても40代の熟女→10代の女子高生とか、小学生→20代の美女とか、年齢可変の要素も入れてしまうんで、
なお面倒になってしまうんですよね。

上のレスにも書きましたが、今度は同年代での入れ替わりを書ければいいなと思います。
妖精の1つや2つでも出してみましょうか(笑)
「麻美と美由紀」のエレベーターの話は一気に書き上げたんですが、
背景を共通にして、あれくらいの分量の単発をつないでいくのが理想型ですかね。
あと、憑依の話も出てましたね。私の嗜好がこんな感じなので、どうしても話が入れ替わり
(しかも服そのまんまの)になっちゃうんですよね。
でも、入り込んで自分のものにして、あこがれの身体をまさぐるシーンなんか自分でもグッときますよ。
幽体離脱とかきっかけがあるんで、憑依の方が書きやすいかもしれません。挑戦できればしてみたいです。

長文失礼しました。またよろしくお願いします。
337砂漠のきつね:2009/06/22(月) 02:52:04 ID:6G0AUZp3
即レスありがとうございます。びっくりしました。
挫折しそうな時もありましたが、さやかが永遠に小学生のままではかわいそうですしね(笑)
まぁそれこそ「麻美と美由紀」みたいに、元に戻らないブラック系もいいですけど、
この話は最終的には全員元に戻そうと思っていたので。
ただ、余計な枝葉をつけすぎて長くなってしまいました…
338名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 09:25:08 ID:snHQmb5G
GJ、お疲れさまでした!
小学生はツボだったので終わっちゃったのがちょっと悲しいw
次回作も期待してます!
339名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 13:54:45 ID:6G0AUZp3
>>338
砂漠のきつねです。昼休み中にのぞきに来ました。
小学生ですか…小学生だと←→先生か母親が普通かと思うんですが、信号待ちで20代の綺麗げな人とランドセル背負った小学生が隣同士になると、
入れ替わりを妄想してしまいますね。出勤途中のキャバ嬢と塾帰りの女の子とかも。

会社でこんなことを…仕事に戻ります…
340名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 07:01:48 ID:J4mH55uk
砂漠の狐さんお疲れ様です
次回作も楽しみにしていますね!
341sage:2009/06/24(水) 02:01:50 ID:RruhoqXK
セクシーないじめっ子といじめられっ子の入れ替わり希望します。
立場が逆転していく感じとか想像するだけで最高です。
342名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 19:34:16 ID:HdcUil8Z
誰か憑依ものを
34314 ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:12:17 ID:XI98UArs
こんばんは>>14です。
憑依モノは苦手というか書いたことがないのですが、
スレタイがスレタイですし試しに一本書いてみました。
また今回は>>312さんと>>318さんの案を混ぜております。
それでは投下。
344母→娘憑依(1/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:13:18 ID:XI98UArs
静かなリビングの中、お茶から立ち上った湯気が私とその子の視線を遮っていた。
「……それで、お父さん元気にしてる?」
私は穏やかな声でその男の子に尋ねた。問われた方も落ち着いた様子でこくりとうなずき、
爽やかな笑顔を浮かべて私に返してくる。
「はい、こないだも僕らを置いて母さんと二人で出かけてました。仲が良すぎて逆に困りますよ」
「あらあら。悪い父親ね、兄さんったら……」
少年は凛々しい表情と整った顔立ち、均整の取れた体を持った恵まれた子だった。
礼儀も正しくていかにも賢そうに見える。まさに隙のない優等生といったところだろうか。
兄さんも義姉さんもそんな感じではなかったけど、いったい誰に似たのかしら。
「恵ちゃんも元気? あの子のことだから、きっととっても綺麗になってるでしょうね」
「そうでもないですよ。それに叔母さんとは前に顔を合わせてるはずです」
「あら、女の子は少しの間で変わるものよ。毎日見てればなかなかわからないだろうけど……」
私は甥っ子に笑いかけ、紅茶のカップを口に運んだ。
水野啓一。私の兄さんの息子で高校二年生の少年だ。
この間まで小さくて可愛らしい坊やだったと思ってたのだが、もうこんなに大きくなっていたとは。
時の流れるのは早いものだと私は心の中で小さくため息をついた。
「啓一君はカッコいいから学校でもモテてるんじゃない? すぐ女の子が寄ってくるでしょう」
「いや、そんなことは……。正直言って、恵の方が人気ありますよ」
「へえそうなの。お兄ちゃんとしてはやっぱり心配?」
「まあ、そうですねえ……」

私の兄さんには子供が二人いて、片方がこの子、啓一君だ。
もう片方がその妹で恵ちゃんという。私の記憶によればかなりの別嬪さんだった。
今日啓一君はクラブの練習試合の打ち合わせにうちの近くの高校にやってきたそうで、
そのついでに親戚の私の家に寄ってくれたという訳だ。
うちの夫は単身赴任中だから、母一人子一人のこの家に来客があるのはとても嬉しい。
私は上品な笑顔を作って、晩ご飯をうちで食べていくよう甥に勧めた。
「じゃあありがたく、ご馳走になります」
そう答える姿も、いかにも真面目そうで様になっている。
とてもあの兄さんの息子とは思えないほどだ。トンビが鷹を生むというのはこのことか。
とにかく今日はうちの家族が一人増えることになる。
男の子はよく食べるから、夕飯も腕によりをかけてたっぷり作らないといけない。
私は少しいい気分になって、そろそろ買い物に出かけようと壁の時計に目をやった。

そのときドタバタと騒がしい音がして、一人の女の子が部屋に飛び込んできた。
「――啓一兄ちゃああぁん! ひっさしぶりぃぃ!」
飛びかかるように制服姿の啓一君に抱きつく。彼は目を白黒させてその娘を見つめていた。
可愛らしいデザインの白いブラウスにベージュのミニスカート。この子のお気に入りの格好だ。
客の前だったが構わずに、私は少女を怒鳴りつけた。
「希、宿題終わったの !? サボっちゃ駄目でしょ!」
「まだだけど……せっかく啓一兄ちゃんがうちに来てるんだからいいでしょ? ねえママぁ〜」
上目遣いで媚びるような視線を送ってくるのは私の一人娘で、名前は希。
今年で中学三年生になるのだが、啓一君と違って成績は非常に悪い。
元気一杯なのはいいのだけれど、このままではいい高校にいけなくなってしまう。
何とか娘の成績を伸ばそうと努力する親心も知らず、この子は今も嬉しそうに
啓一君に抱きついて、戸惑う従兄弟の体に頬擦りをしていた。
「の、のぞみちゃん……久しぶりだね。元気だった?」
「うん! あたしは絶好調っ!」
繊細な顔は恐らく私譲りだと思う。黒い髪を肩まで伸ばした希の姿は、昔の私を思い起こさせた。
小柄で発育もいまいちだけれど、瑞々しい若さと活力が全身から溢れている。
私にもこんな頃があったっけ……私はふと懐古の念にかられてしまった。
345母→娘憑依(2/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:14:11 ID:XI98UArs
だが今はこうしている場合ではない。私は娘をにらみつけ、厳しい口調で言った。
「希、啓一君が迷惑してるでしょ。ちゃんと部屋で勉強してなさい!」
「え〜、啓一兄ちゃんは嫌がってなんてないよ〜! ねえ?」
「え……あ、はは、そうかな……」
うちの娘に抱きつかれたまま苦笑する少年。まったく迷惑な話だ。
あんたと違って啓一君は何でもできる優等生なんだから、少しは見習ってほしいものだ。
今度ははっきり形に出してため息をつき、私は甥に言った。
「はあ……じゃあ啓一君、叔母さんお買い物に行ってくるから、悪いけど
 この子が遊ばないように見張っといてくれない? いつも遊んでばかりで叔母さん困ってるのよ」
「ええ、わかりました」
「ついでに勉強を見てやってくれると助かるわ。うちの子、啓一君と違って頭悪くてねえ……」
「そんなことないと思いますけど、別にいいですよ。じゃあ希ちゃん、僕と一緒に勉強しようか」
優しい声で希に話しかける啓一君。この子がうちの子だったらよかったのに。
何となく兄に負けた気がして、私はハンドバッグを手に家を出た。

近所のスーパーでは牛肉が安かった。今日は肉じゃがにでもしようか。
ビニール袋を腕に提げて買い物メモに目を落とす。
えーと、あと買う物は……ああ、ティッシュが切れそうだったか。
そんな訳で私は、ちょうど通り道にあるドラッグストアに寄ってから家に帰ることにした。
チェーン店だとかで値段はそこそこ安いが、いつも混雑している店だ。
販売促進の効果があるのかわからないが、店員の歌う陽気な音楽が辺りに鳴り響いている。
所狭しとリンスやら石鹸やらが並ぶ、人の多い店内で
安売りのティッシュといくつかの雑貨をカゴに入れ、私はいそいそとレジに向かった。
「いらっしゃいませー」
レジ係はアルバイトだろうか、とても綺麗な顔をした少年だった。
歳は啓一君とそう変わらないように見えるが、端正な顔立ちという点では彼とは比べ物にならない。
まるで美術品のように人間離れした美少年が、似合いもしないドラッグストアの制服を着て
にこにこ毒のない笑顔を浮かべてレジに立っているのだった。
「…………」
「お客様、何か?」
「――い、いえ、何でもないの」
思わずそのバイトの少年に見とれてしまった私は、恥ずかしさを首を振って誤魔化した。
店員はそんな私にふわりと笑いかけ、優美な声を口から発した。
「お疲れみたいですね。どうです? 新発売のサプリメントがあるんですけど」
そう言って小さな箱を見せつけてくる。ビタミン剤か何かだろうか。
「……べ、別に大丈夫よ。ありがとう」
頬を染めてその場を立ち去ろうとした私に、少年が言葉を続ける。
「だめですよ奥さん。人間、知らず知らずのうちに体に疲れがたまってくるんです。
 これはそんな疲労を一瞬で吹き飛ばしてくれるんですよ。それがたったの348円、どうですか?」
巧みな口調で売り込んでくる店員は逆にこの上なく怪しかったが、
まあ安いし買ってみてもいいか、と私は軽い気持ちでそのサプリを購入した。
ティッシュは軽いけれどかさ張るから、持って帰るのが大変だ。
私は心の中でぼやきつつ、二人の待つ我が家に帰ってきた。
346母→娘憑依(3/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:14:39 ID:XI98UArs
夕食はいつになく賑やかなものとなった。
テーブルに男の子が一人いるだけでこんなに家の中が明るくなるものなのか。
私は感心して、楽しそうに話す娘と甥とを眺めていた。
「それで恵ちゃんはどう? あれからもっと可愛くなった?」
「んー、可愛いかどうかはわからないけど、大きくはなったかな」
「そうなんだ。あたし恵ちゃんにも会いたいなぁ……今度連れてきてよ」
「いいよ、約束する。今度三人で一緒に遊ぼう」
「やった! さすが啓一兄ちゃん!」
そうして言葉を交わす姿は、まるで実の兄妹のようだった。
――子供、もう一人作っておいた方が良かったかしら……。
今さら考えても仕方のないことを考えてしまうのは私の悪い癖だ。
私はお茶でも入れなおそうと席を離れ、キッチンに立った。
そこでふと、フライパンの隣に置いてあった小さな箱が目に入る。
「あ……忘れてたわ……」
あの店員の話によると、疲れたときに飲むといいのだったか。
私ももう不惑。シワもできれば体が痛むときもある。
後悔をするような人生を送ってきた覚えはないが、やはり娘や甥を見ていると
ついつい若くて輝いていた昔を懐かしんでしまう。
あまり意味のない考え事をしながら箱を開け、錠剤の入った瓶を手に取った。
“浮かぶような爽快感!”“今までの自分とおさらば!”などと怪しげな文句が書かれているが
まあ変な代物ではないだろうと私は適当に判断して、白い錠剤を一粒飲み込んだ。
「――あら……?」
次の瞬間、私は猛烈な眠気に襲われた。
睡眠薬でも入っていたのだろうか。確かに寝たら疲れは取れるだろうけど……。
あまりの睡魔に私は立ってられなくなり、そばにあった椅子に腰かける。
(ああ、お茶入れないと……啓一君も、そろそろ帰らないといけないだろうし……)
どんどん鈍くなる思考。深い深い闇に自分の意識が沈んでいくのを感じながら、
そのまま私はだらしなく卓に突っ伏してしまった。

「――いけないいけない、寝てちゃ駄目だわ……」
数秒後か数分後かはわからないが、私は何とか眠気を振り払って身を起こした。
娘がやってこないところを見るとあまり経っていないようだ。
でもあの薬、何だったのかしら……。
不思議と体が軽くなった気になって、私はぼんやり壁の時計を眺めていた。
やはりあれからほとんど時間は経過しておらず、ほっと私は胸を撫で下ろす。
「あ、お茶……持って行かないと……」
力の入らない声でぽつりとつぶやき、目の前のお盆に手を伸ばした。
その上では湯気の立ち上るカップが三つ、三角形に並んで私を待っている。
しかし私の目に飛び込んできたのは信じられない光景だった。
「え?」
私の手がお盆とカップをすり抜け、何もない虚空を掴んだ。
よく見ると私の手も袖も半透明になって、後ろが透けて見える。
「……あれ……どうなってるの?」
あまりの驚きに呆然としたまま、私はカップをつかもうと躍起になって腕を振り回した。
だが何度やっても私の指は何物にも触れられず、スカスカと空気を撫でるのみ。
戦慄が背筋を這い登ってくるのがはっきりと感じられた。
347母→娘憑依(3/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:15:17 ID:XI98UArs
「え……わ、私……何よこれっ…… !?」
どんどん息が荒くなって、心臓の鼓動が速まっていく。
更年期障害にはまだ早いと思っていたが、どうやらそうでもなかったらしい。
私は恐怖と困惑に身を震わせ、落ち着きなく辺りを見回した。
「…………!」
すぐ後ろの椅子に女が座って、いや座ったまま卓に突っ伏して眠っている。
パーマのかかった白髪交じりの黒い髪、痩せぎすの体と青いエプロン。
歯をカチカチ鳴らして必死で否定しながらも、私の心ははっきりとそれを訴えていた。
「――わ、私っ…… !? なんで私が寝てるの…… !?」
そこにいる中年の女、私と瓜二つの彼女は穏やかに眠っているようだった。
理解できない現象の連続に私の理性が大きく揺さぶられる。
――何、これはどういうこと。私は私なの? これは誰? あなた助けて。
無秩序な思考の欠片は形を成さず、私の中でただ渦巻くだけ。
その中で私ができそうだったのは、とにかく自分の体を起こすことだった。
「あ、あなた――いや、私っ !! 起きて! 起きなさいっ !!」
だがやはり、私の腕は私の体をすり抜けて卓の中に沈んでしまう。
軽く悲鳴をあげて腕を引き抜き、気持ちよさそうな寝顔を見やる。
生きているのか死んでいるのか、パニックになった私にはその判断がつかなかった。

次にできたのは、大声で助けを求めること。
「の、希――大変よっ !! 大変なのっ !!」
妙にふわふわする体はなかなか思うように動いてくれなかったが、
私は何とかその場を離れ、まだ食卓で座っているはずの二人のところに向かった。
「へええ〜、やっぱすごいんだね〜。啓一兄ちゃんって」
「だからそんなことないってば。あまり変な幻想を持たないでほしいなぁ……」
娘と甥は、まだ気楽な様子で話し込んでいた。
今の私の状況とのあまりの落差に怒るのも忘れ、大声で叫ぶ。
「の、希っ !! 啓一君っ !? 二人とも話を聞いてっ !!」
しかしどちらも私の声に耳を傾けようとしないどころか、そもそもこちらを向きさえしなかった。
「――希ぃっ !! 啓一君っ !!」
私の頭に先ほどの情景がよぎる。カップをするりと通り抜ける半透明の私の手。
ひょっとしたらこの二人には私が見えておらず、声も聞こえていないのかもしれない。
ようやくその考えに思い至り、私は静かにその場に立ち尽くしていた。
「ど……どうしよう……私、どうなっちゃったの……?」
私は死んでしまったのか。魂だけの存在となってさまよっているのか。
がっくりと肩を落としてテーブルに手をつく私だったが、その手すらすり抜けてしまう。
「私、死ぬの……? この子を置いて、死んじゃうの……?」
希はまだ中三で、しかも実際の歳よりも幼く見える頼りない娘だ。
もし私がいなくなったら、この子はどうなってしまうのだろうか。
私は心配で心配で今にも泣きそうな顔になって、せめて座っている希を抱きしめてやろうとした。
もちろん私の体は希を通り抜け、何もない虚空に放り出されるはずだった。
――だが。
「え? 何で…… !?」
驚愕する光景の連続だったが、またしても私は驚かざるを得なかった。
絶望のあまり娘にすがりついた私の半透明の体が、希の中にずぶずぶとめり込んでいくのだ。
「ど、どうなってるの…… !?」
既に私の体は腕と顔以外、希の中に飲み込まれてしまっている。
その娘はといえば、急に顔をしかめて苦しそうに息を荒げていた。
「はぁ……くぅ、ううぅ……!」
「の、希ちゃん……? どうしたんだ !?」
隣では啓一君が異変を察知して希の肩を揺さぶっている。
私はといえば、自分と娘に起きた異常事態にただ取り乱すばかりで何もできずにいた。
「の、希…… !! 誰か助けてえぇっ…… !!」
そして音もなく、私の体は娘の中に完全に吸い込まれた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
348母→娘憑依(5/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:15:53 ID:XI98UArs
どのくらい経ったろうか。私は自分にかけられる声に目を覚ました。
「……ちゃんっ……大丈夫っ !?」
「――あ……」
薄目を開けると、凛々しい顔の少年が私の肩をつかんで必死に呼びかけていた。
私の兄の息子、よくできた甥っ子の啓一君だ。
「よかった……気がついたんだね」
啓一君は意識を取り戻した私を見て、ほっとしているようだった。
本当に優しくていい子だ。私はちょっとばかり嬉しくなって甥に抱かれていた。
「ごめん……私、寝ちゃってたみたいね。みっともないわ……」
わずかな距離を挟んでそう啓一君に返事をする。
冷静になって辺りを見回すと、私は椅子の背にもたれかかって眠っていたようだ。
変なことがあった気もするけど、あれはきっと夢だ。現実のことじゃない。
あのサプリ――きっと人を眠らせて体の疲労を取り除く効果でもあるのだろう。
たしかにすごい効き目だけど、飲むたびにこうして大騒ぎしていては困る。
私は年甲斐もなく、恥ずかしさに頬を染めて椅子から立ち上がった。
サプリの効き目だろうか。体がすごく軽く活力に満ち満ちている。まるで若返ったようだ。
「……ほんとに大丈夫? いきなり倒れちゃったからびっくりしたけど」
「大丈夫よ。ちょっと疲れがたまってただけ」
彼を安心させるために当たり障りのない答えを返したが、啓一君は座ったままで
そんな私をなぜか怪訝そうな顔で見上げていた。
もう大丈夫。私はやっとのことで自分を取り戻して啓一君に問いかけた。
「それで、希はどこ? あの子、啓一君と一緒にいたでしょ」
「…………?」
その質問に彼の顔がますます歪んでいく。
言葉で表現するのはちょっと難しいけど、お互いに会話がどこかすれ違っているような……
そんな違和感を胸に抱いたまま私と甥とは向かい合っていた。
部屋を見回すが娘の姿はどこにもない。どこに行ったのだろう。
そのとき私の背中に啓一君の声がかけられた。
「――希ちゃん……君、どうしたんだ?」
「え? 啓一君、何言って――」
この子はどうしてしまったのだろう。穏やかで賢い良い子だと思っていたのに、
訳のわからない冗談を言って私を困らせるなんて。
ふと視線を下げた私の目に、自分の着ている白いブラウスが飛び込んできた。
「…………?」
ところどころフリルのついた可愛らしい白い服。当たり前だが私はこんな若向けの服は着ない。
その下にあるのはベージュのミニスカートと、そこから伸びる細い両脚。
胸は小学生くらいに小さく、発育の悪さをまざまざと私に見せつけていた。
私、どうしてしまったんだろう……これじゃまるで……。
「――きゃあああぁぁっ !!?」
聞きなれた愛娘の声で、私は悲鳴をあげてその場に飛び上がった。
349母→娘憑依(6/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:17:37 ID:XI98UArs
「…………」
ぼんやりして和室の畳の上に座る私に、啓一君が声をかけた。
「……叔母さん、寝ちゃってるみたいだ。きっと疲れてたんだね」
「ああ……そう……」
ぽつりとつぶやく私。今にも泣き出してしまいそうだったが、それを何とか耐える。
信じられないことだったが今の私は希になってしまっていた。
細い手足も黒々とした髪も高く弾んだ声も私本来のものではなく、全部娘の所有物だ。
張りのある肌、ツヤのある髪、軽く動きやすい体。それらは中年の私に
思いもしない感動を与えてくれたが、決して自分から望んだ訳ではなかった。
(なんで……なんで私、希になってるの……?)
驚きと戸惑いに私は何も言うことができず、ただ座ってじっとするだけだった。
そんな私を啓一君は本物の希だと疑いもせず、色々と気を遣って話しかけてくれる。
「希ちゃん……さっきから元気ないけど、本当に大丈夫?」
「ええ、大丈夫だから……大丈夫」
ちっとも大丈夫ではなかったが、いきなりこんな話をしても信じてもらえるだろうか。
私は黙ってうつむいたまま、啓一君の励ましを右から左に聞き流していた。
そのうちに啓一君の制服のポケットが鳴り、彼が携帯電話を取り出す。
「あ……母さんからだ。もうそろそろ帰らないと……」
その言葉に私はハッと顔を上げた。
夕食も終わってしまったし、いつまでもこの子をうちに引き止めておく訳にはいかない。
だが私は耐え難い不安に襲われ、思わず啓一君の体にしがみついてしまった。

「――け、啓一君っ !!」
「の……希ちゃん…… !?」
まばたきを繰り返して至近から私を見つめる啓一君。
こうして見ると表情は引き締まって、やはり私の目には魅力的な少年に映る。
「お願い……もうちょっとだけここにいて…… !!」
「う、うん……いいよ」
私の鬼気迫る形相に、啓一君は少しだけ怯えた様子でうなずいてくれた。
甥のたくましい胸にすがりついて震える私は、本当に年端のいかぬ少女になってしまったようだった。
いい歳した中年女が、なんてみっともない姿だろう。
だが私は恐怖と困惑に啓一君から離れることができず、ぎゅっと抱きついたまま動けなかった。
「希ちゃん……」
そんな私のサラサラした髪を啓一君が撫でてくれる。
「本当にさっきからどうしたんだ? 言いたいことがあったら何でも僕に言ってよ。
 それで解決するかはわからないけど、人に言えばすっきりすることもあるんだよ?」
「啓一君……」
甥っ子の顔を見上げて胸を高鳴らせる私。
この子の言う通り、本当に私はどうしてしまったのだろう。これじゃあまるで――。
気がつけば私は首を伸ばし、音もなく啓一君と唇を重ねていた。
「…………」
「…………」
息さえ止まった沈黙が部屋に漂う。
口づけの時間は長くもあり、短かったような気もする。
とにかく何も考えられないまま、私は二十以上も年下の少年に抱きしめられていた。
「――希ちゃん……駄目だよ。僕は……」
「啓一君って、彼女いるの……?」
「う……いるというか、何と言うか……」
目を泳がせて言葉に詰まる啓一君。変な子ね、彼女の一人や二人いてもいいだろうに。
私は軽く微笑み、再び啓一君とキスを交わした。
今度は激しくこの子の口の肉を吸い、彼が驚くのも無視して舌を啓一君の中に侵入させる。
「――ん、んぷっ……!」
私は舌を蠢かして彼の歯と歯茎、舌に唾液を念入りにすり込んでいった。
夫とはもう何年もしてないけれど、こうした経験でこの子に負けるはずがない。
いつの間にか怪しい笑みを浮かべて、私は甥の口を蹂躙し尽くしていた。
350母→娘憑依(7/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:18:19 ID:XI98UArs
「ん、んむぅ……ぷはあっ……!」
潤む目で啓一君に吐息を吹きかける。
希の表情はいつもの無邪気な少女の顔ではなく、すっかり性欲に飢えた雌のものになっていた。
銀の架け橋が二人の唇を繋ぎ、私と啓一君との接触をお互いの目に淫らに見せつけている。
もしかしてこれが希のファーストキスだろうか?
私は自分の手で娘の体を大人に導いてやれることに、いつしかこの上ない喜びを覚えていた。
「啓一君。今だけ……今だけでいいから、私の男になって……」
「希ちゃん……」
私は這いつくばって啓一君の下半身に覆いかぶさり、
女の欲に顔を歪めて彼の黒いズボンに手をかけた。
「希ちゃん……駄目だ。こんなことして、叔母さんに何て言ったら……」
「大丈夫、うふふ……そんなの大丈夫よ……」
その叔母さんがいいと言っているのだ、全くもって問題ない。
腰のベルトをカチャカチャと外し、私はズボンの中、啓一君の下着に手を這わせた。
トランクスを少しだけずり下ろすと、張り出した啓一君のが露になる。
それは大きくて逞しくて、私にとっては愛しくてたまらない肉の塊だった。
「ふふふ……こんなに大きくなっちゃって。昔はあんなに小さかったのに……」
「の、希ちゃん……なんかキャラが違――うあっ !?」
有無を言わせず啓一君の陰茎にかぶりつく。
興奮のあまり少しだけ歯を立ててしまったが、啓一君は逃げもせず大人しく私に性器を貪られた。
小さな希の口で太い男根をくわえ、目一杯に頬張る。
口内で旨そうに亀頭を舌で撫でながら、私はひたすら甥に奉仕し続けた。
こんなことをするのは何年ぶりだろうか。
再び燃え上がった私の女の本能が淫らな欲望となって、幼い娘の体を突き動かしていた。

――ちゅぱ、ちゅる……じゅるじゅるっ……。
唾液の絡まる卑しい音が和室に響く。
私の熟練の技にも関わらず、啓一君は一度も射精することなく
硬く張りつめた自分の肉棒を存分に私に味わわせてくれた。
やはり普段からこんなことをしてくれる女性がいるのだろう、私はどこか納得した気持ちになって
ただただ若い雄の味を堪能し、娘の体を肉欲で火照らせていた。
「うふふふ、啓一君って我慢強いのね……叔母さんとっても嬉しいわ……」
「え、希ちゃん……? 何を言って――」
私は名残惜しくも一旦甥から体を離すと、ブラウスとスカートを脱いで
華奢な希の肢体を隠すことなく啓一君にさらけ出した。
「ほら、希の体よ……まだ幼いけどキレイでしょう……?」
「う、うん……とっても可愛いよ……」
「可愛い? そうね、やっぱりまだまだ子供だもんね……
 でもこの体でも男の人は受け入れられるし、もう赤ちゃんだって産めるのよ……」
希の手が本人の意思に関係なく動き、ブラの中に指を這わせる。
右手は小さな乳房を、左手はショーツの中の敏感な部分をいじくり回し、
私は啓一君に年下の従姉妹の自慰を見せつけてやった。
「ふふ……まだ感度は悪いけど、だんだん良くなってきたわ……」
「希ちゃん……どうしちゃったんだ……?」
啓一君は驚いた顔で私を眺めているけど、そんなことは気にしない。
控えめの胸を撫で回し、ピンク色の乳首を自分の指でつねり、丹念に娘の体を愛撫する。
もう一方の手は処女の割れ目を軽く、だが執拗にこすって少しずつ蜜を垂れ流す。
希の体は私の意識に支配され、従兄弟の前で熱烈なオナニーに没頭していた。
351母→娘憑依(8/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:18:57 ID:XI98UArs
「あぁんっ――いい……いいわ、この体……」
「やめるんだ、希ちゃん――」
とうとうこちらを押さえつけようと啓一君が動く。
だが彼もやや正常な判断を失っていたのか、勃起した股間をむき出したままだ。
そんな格好では満足に動けないだろうし、しかもそこは男の弱点。
「あら、駄目よ啓一君。邪魔しちゃ――」
私は両手で啓一君の陰部をつかみ、にやにや笑っていた。
苦しげに顔を歪めて彼がうめくのが聞こえてくる。
「や……やめろ、希ちゃん……」
「やめないわよ。これからあなたには、この子の初めての相手になってもらうんだもの。
 従兄妹合わせって知ってる? 法律上も問題ないのよ……」
「そ、そんなこと……できないよっ……!」
「それは私が決めることよ。うふふ、啓一君の、こんなに硬くなっちゃって……嬉しい」
たっぷり愛情を込めて甥の性器を撫で回し、私はショーツを脱ぎ捨てた。
希の陰唇は女の汁に溢れ、もう男を受け入れる準備ができている。
私はへたり込んだ啓一君の上に正面から腰を下ろし、陰部に彼をあてがった。

――くちゅ……。
びしょ濡れの女陰に硬くなった肉棒が触れる感覚。
久しぶりの快感に私はよだれを垂らしてへらへら笑いながら、
汁の絡む感触を楽しむように何度も何度も粘膜を亀頭にこすりつけた。
「いい――この感覚、とっても懐かしい……いいわぁっ…… !!」
唾を飛ばして笑い声をあげる。いつもの無邪気で可愛らしい希の顔はどこにもなく、
そこにはただ悦楽を求める熟れた雌の表情があるだけだった。
いよいよ結合とばかりに、私は舌なめずりをして甥の陰茎を飲み込んでいく。
――くちゅ……ぬぷっ……!
私の求めていた、懐かしい女の快楽。それはすぐそこにあった。
……だが。
「ぎいい、あぐうぅぅっ…… !!?」
娘の声で私の絶叫が空気をつんざく。
希の女が引き裂かれる激痛に身をよじって泣き叫び、私は悲鳴をあげた。
「い、痛い……痛い、痛い……!」
陰部からは一筋の血がしたたって啓一君の肌を赤く染めている。
あまりの苦痛に私は啓一君から自分を引き抜き、股間を押さえて悶えていた。
――は、初めてって……こんなに痛かったかしら…… !?
痛みは個人差があるので私と娘で違うのは当たり前だったのだが、私はそのことに思い至らず
希の処女喪失の激しすぎる痛みに畳の上でうずくまってしまった。
「い、痛い……痛いぃ…… !!」
352母→娘憑依(9/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:19:35 ID:XI98UArs
ぼろぼろ涙をこぼす私の細い肩に、優しく男の子の手が回される。
グジュグジュになった顔を上げると、柔らかな笑みを浮かべた啓一君がそこにいた。
心から私を気遣うようにそっと肩や背中を撫で、少しでも痛みを和らげようとしてくれる。
「――ほら、だからやめろって言っただろ? 希ちゃん……」
「け、啓一君……」
声を震わせる私の唇をそっと啓一君の口が塞ぐ。
慈愛と労わりに満ちた口づけに、私の心がほんの少しだけ安らいでいった。
「女の子の初めてはヤバいんだから……うちの妹もそうだったよ」
「え、恵ちゃんも……?」
なんで妹の性体験をこの子が知っているのかしら……。
私は不思議に思いながらも口と肌を甥に撫で回され、わずかずつ落ち着きを取り戻していった。
「……まだ痛むかい?」
「え、ええ……」
「人によってだいぶ違うからなぁ。数日間、痛みが残る人もいるし」
「…………」
冷静になった私は恐怖と罪悪感で、顔を真っ青にしていた。
娘の体を勝手に使って、あまつさえ大切な純潔を失ってしまったのだ。
希の意識が戻ったらあの子に何て謝ったら……今さらながら私は自分の罪に怯え震えていた。
そんな私に啓一君の優しい声がかけられる。
「――で、どうしよう……? その、続き……する?」
「……え?」
涙で濡れた顔を上げて甥に聞き返す私。
きょとんとして啓一君を見つめる私に、彼は穏やかに言葉を続けた。
「いや、女の子の初めては……その、いい体験にしたいって言うから……。
 僕でよかったら……最後までしても、いいよ……?」
「啓一、くん……」
私はへたり込んだまま、優しくはにかむ甥の顔を呆然と見やっていた。
自らの意思に反して希の腕が啓一君の背中に回され、ゆっくり抱きしめる。
「ごめんね……最後まで、希に付き合って……」
自分の口が勝手にそう言葉を紡ぐのを、私は静かな心で聞いていた。

仰向けで寝転んだ私の上に、啓一君が静かに身体を重ねてくる。
「――いい? ゆっくりいくからね……」
私は無言でうなずき、もう一度自分の中に啓一君を飲み込んでいった。
――じゅぷ……ずぶずぶ、ぬぷぅっ……。
「う、うあ……!」
「大丈夫? 止まった方がいい?」
心配した啓一君がそう聞いてくれるけど、今度は大丈夫。
私は無言で首を横に振り、彼の挿入を促した。
――メリ、メリメリ……!
「うぅ……うあぁ、ぐうぅぅ……!」
処女の痛みは絶え間なく私の心を苛んでくる。
だが私は歯を食いしばり、涙を流してこの苦痛を受け入れていた。
これは私への罰だ。だからこの痛みから最後まで逃げてはいけない。
こんなことで希への償いができるはずもなかったが、今の私には
娘の体の初体験を無事に済ませることが己の使命のように思われた。
「の、希ちゃん……」
「大丈夫、だから――入れてっ……!」
「わかった……」
私の意図をわかってくれたのか、啓一君はゆっくり、だが止めることなく
入るところまで自分の肉棒を私の中に突きこんでくれた。
この子の未熟な女性器では彼を全部受け入れることはできなかったが、
啓一君のは充分な深さまで私の中にそそり立ち、狭そうに希の奥まで突きこんできている。
「は、入ってる……啓一君のが、私の中にっ……!」
「うん……希ちゃんが僕を締めつけてきてるよ。すごくきつい」
狭い私の中は啓一君の太い陰茎に喘ぎ、肉と汁とで彼をしごきあげている。
私は何となく恥ずかしくなって、赤い顔で啓一君と目を合わせた。
にこやかに微笑む彼を見て、いい歳してときめいてしまったのは秘密だ。
353母→娘憑依(10/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:20:03 ID:XI98UArs
「啓一君……お願い、動いて……」
「え? まだ無理なんじゃ……」
私の膣はギチギチに啓一君のを締め上げている。
初物の女性器の痛みは緩慢に私の脳を切り刻んでいたが、私は彼と同じ表情で笑って
軽く希の腰を振り始めた。
「じ、じゃあ……いくよ」
「うん……きて」
少し彼が動いただけで股間が悲鳴をあげ、膣が引き裂かれそうになる。
だが私は泣きながら痛みに耐え、希の初めての性交を何とかやり遂げてやろうと必死だった。
――ズチュ……ジュポッ、ジュポッ……!
娘の膣をかき分け、甥の肉棒が前後する。
「うぅ――ううぅ……!」
私は痛みと苦しみの中にわずかな快感を見出して、それにすがりつこうと目を閉じた。
数秒が数分に、数分が数時間にも感じられる。
気がつくと私はまた唇を吸われ、甥の舌に口内を舐め回されていた。
「んむぅ……んん、あむぅっ……!」
おそらく錯覚なのだろうが、そうしていると痛みが和らいでくる気がしてくる。
上下の口を啓一君と繋げて、私は一生懸命に腰を振り続けた。
希の女陰はたくましい啓一君のものを突きこまれて息も絶え絶えの状態だったが、
それでも女の本能から結合部に淫らな汁を溢れさせていく。
「希ちゃん……中に出すよ。いい……?」
私は何も言わずにうなずき、ぎゅうぎゅう膣を締めつけて啓一君の精を待ち構えた。
「じゃ、いくからね……希ちゃん……ううっ !!」
――ドクッ、ビュルルルルゥッ……!
「はぁ……はぁあぁっ……!」
未熟な女性器が子種で満たされていく感覚に目を細め、大きく息を吐く。
そして視界がゆっくりと闇のヴェールに覆われ、私の意識は失われていった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

「…………?」
私は椅子に座ったまま顔を上げた。
きょろきょろと辺りを見回すと、うちの家の見慣れたキッチンだった。
壁の時計を見るともう結構な時間が経ってしまっている。
「――今の……は……」
立ち上がって自分の体を見下ろしたが、視界に映るのはいつもの私の姿で
先ほどまで私が操っていた愛娘の身体ではなかった。
「夢……? 私、変な夢でも見てたのかしら……」
気だるい倦怠感を我慢して隣の部屋へと歩いていく。
リビングには誰もおらず、希も啓一君の姿もなかった。
しかし和室には――。
「あっ……!」
全裸で気を失った希を抱きかかえ、啓一君が娘の髪を優しく撫でていた。
飛び散った破瓜の血と体液が畳を汚し、何とも生々しい。
こちらに気づいた啓一君の顔色は、青を通り越して真っ白になっていた。
「お……おば、叔母さ……こ、これは――ご、ごめんなさいっ…… !!」
私を向いて懸命に弁解する甥の姿に、ついつい私は吹き出してしまった。
354母→娘憑依(11/11) ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:21:02 ID:XI98UArs
わかっている限りの事情を説明すると、啓一君は多少なりとも胸を撫で下ろしたようだった。
私もまだ信じられないが、どうやら彼は私の話を信じてくれたらしい。
「じゃあ、さっきまで希ちゃんは叔母さんが乗り移ってた……ってことですか」
「多分、そういうことになるわね……信じられないけど……」
二人で慌てて希の身体を拭いてやり、畳や服などできるだけの痕跡を消したけれど
まだ畳にはうっすらと赤黒い染みが残っている。これはなかなか消えそうにないわね。
「はあ……希ちゃんには悪いことしちゃったなぁ……」
啓一君は顔を伏せて辛そうにそう漏らした。
娘の身体で性を重ねた私には、この甥の姿が以前よりももっと素敵に見えた。
「しちゃったものは仕方ないわ……私もどうかしてたもの。
 希がこのことを覚えているかわからないけれど……もし覚えてたら
 二人で謝りましょうね、啓一君」
「はい、わかりました」
「あと、ちゃんと責任とってこの子をお嫁さんにしてやってね」
「――え…… !?」
強張った声をあげて顔をこちらに向ける啓一君。そんな仕草もそこそこよかった。
「啓一君がこの子と結婚してくれたら、私にも素敵な息子ができちゃうのよねえ……。
 傷物にしちゃった訳だし、このままお持ち帰りしてみない?」
「あ……あっはっは。なかなかいいプランですけど、できれば遠慮したいかなって……。
 ほ、ほら、僕まだ高校生ですし、希ちゃん中学生だし……」
「あーあ残念。でももし赤ちゃんできてたら結婚するのよ。私もちゃんと孫の面倒は見るから」
「できてない、絶対できてない……っ !!」
必死に首を横に振って、啓一君は私の言葉を振り払った。
寝てる希は起こさないように静かに、私は啓一君を送り出す。
「それじゃ、兄さんたちと恵ちゃんによろしくね」
「ええ、また伺いますよ。お元気で」
「うふふ……啓一君の、とっても太くて良かったわよ?」
「か……からかわないで下さいっ !!」
顔を真っ赤にする甥を手を振って見送り、私は部屋に戻った。

それから数十分が経過し、ようやく娘が目を覚ます。
「う――うーん……」
「希、起きた? 体……大丈夫……?」
もしかしたらあのときの記憶が残っているかとも思ったが、
幸いにも希は自分の処女が失われた事実をまったく覚えていないようだった。
悪いけど、このことは私と啓一君だけの秘密にしておこう。
「え〜、啓一兄ちゃん帰っちゃったの !? そんなぁ〜!」
しぶしぶ風呂に入る娘を横目に、私は遅まきながら夕食の後片付けをして
今日という長い長い一日をやっと終えたのだった。
「――でも……」
錠剤の入った瓶に視線を向けた私の、誰にも聞こえないつぶやきがこぼれる。
「啓一君、もったいなかったかも……ホントに残念だわ、ふふ……」
少しばかり体が熱を帯びるのを自覚しながら、私は布団をかぶって床についた。
35514 ◆cW8I9jdrzY :2009/06/24(水) 22:25:56 ID:XI98UArs
以上となります。
不慣れなものでお見苦しい点があるかもしれませんがお許し下さい。
では、今日はこれにて失礼します。

きつねさんもお疲れ様でした。ぜひまた投下して下さい。ではでは。
356名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 22:49:52 ID:Ky7YB5B0
ありがとうございます。
これでまた仕事をがんばる気になります。
お疲れ様でした。
357名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 00:18:33 ID:pNqCjhpx
14さんおつかれさまでした。砂漠のきつねです。
母→娘、王道ですね。
自分はなかなか核心に迫った表現ができないんで、男性を登場させられないんです…
出てくれば当然、期待してしまいますもんね。
男性の登場する話も書ければと思っています。

そろそろ違うネタに着手できればと思っています。今度は長くならないようにして、書き上げてから載せたいですね。
358名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 05:37:01 ID:O880l9K/
憑依キテタ━(゚∀゚)━!!
GJです!!
359名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 17:33:50 ID:AGvoD66m
憑依かあ。

こうなるとダークな展開も欲しくなる俺贅沢者
360名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 22:44:49 ID:zIgH0jcl
入れ替わりは自分のこれまでを失い、
他人の人生を生きなければ行けなくなる。
ましてもとの身体で楽しんでるのを身近で
見なければならないなんて。
だから母娘入れ替わりでダークな方が好きです。
361名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 12:14:01 ID:gQRanJn4
義母娘なら実母娘ほどは罪悪感はないだろうけど
実母娘でやるならば
娘の体を奪いながら生き続けている魔女とかでないと
奪い系の入れ替えは難しいかもな
362名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 01:10:24 ID:KHEmtZvF
>>360>>361
砂漠のきつねです。
母娘入れ替わりでダークなやつは、しんごさんが昔書かれていたのを見てしまったので、
書くと見比べられてしまいそうで、実母娘となるとなおさら踏み出せないんですよ…
どうしてもイメージして書いてしまうのもありますし。

見たことない人の方が書きやすいかもと思ったりして。
>>360さんのレスを見て自分なりにシチュエーションは思い浮かべたんですが、
書けるかどうかはわからないっす…
363名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 15:49:09 ID:9a72tT0n
母×娘で入れ替わる含めて
年とった女が若い娘の体を奪う話は自分は好きだな
364名無しさん@ピンキー:2009/07/01(水) 12:32:42 ID:cCz6w9Yq
義理の娘に嫁の座を奪われる継母というのもいいかも
365名無しさん@ピンキー:2009/07/01(水) 23:19:20 ID:0wMR0rsb
神スレ発見したわ
とくに少年シリーズの体のパーツとっかえがツボった
俺もこの気持ちを伝えたいが文才ねーからモヤモヤするwww
366名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 00:51:22 ID:xjwajxR+
>>365
わかるわかる
アイディアだけ出してみるとかリクしてみるとか、
とにかくそのモヤモヤを形にするんだ
367名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 12:43:37 ID:twNws0NO
嫁と首がすげ替わった母親を孕ませる話は凄かったな
体はピチピチでも顔がおかんとか絶対勃たんわw
368名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 12:46:36 ID:ODb7nli8
だがそこがいい
369名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 19:11:48 ID:vvgEayzd
体に影響されて顔も若返ればあるいは?

当然、嫁のほうは老化。

だけど顔が老化しないという人も世の中にはいるからなあ、
首から下だけ普通に老化したという。
370名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 10:28:12 ID:IQ9v3DKQ
心臓に欠陥があって病弱で貧相な体の女の子が
首から下だけ健康で長身のスポーツ少女の体奪ったり
スタイル抜群で巨乳の苛められっ子が寸胴で短足のいじめっ子に
首から下の体を取られちゃって自分の体でやりまくられる話読みたいな
371名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 18:05:44 ID:KjZ83Dkc
私は美香。
両親は共働きでもっぱら私が妹の彩香の面倒を見ている。
ある日、いつものように彩香を迎えに幼稚園に迎えに行き二人で帰っているときだった。
「お姉ちゃん、今日ね。先生がねー」
妹が幼稚園の話をしてしばらくした頃、ふと人の気配が。
なんだろう・・・そう思っていたところ
「可愛い妹さんですね」
急に後ろから声をかけられた、振り返ってみるとそこには高校生くらいの少年がいた。
その顔はとても美しく、ニコニコと笑っている。
しかし、私には何か怖いようなそんな気がした。

「・・・どうも」
「いやー可愛い妹さんに綺麗なお姉さん。将来が楽しみですねー」
「えっと・・・何か用ですか」
「んー用ってほどのことじゃあないんだけどね」
逃げたい。私は一心に思った。しかし体が言うことを聞かない。
ヘビに睨まれたカエルとでもいうのだろうか。私と妹はその場から動くことができなかった。
少年は妹に近づき。
「取りあえず適当に」

スポッ

少年は妹の首を体から引き抜いた。
「え?えええ!?」
抵抗も出血もなく、レゴブロックの人形の首を抜くように妹の首がもげる。
「ええ!?何これ!?お姉ちゃん!」
妹が首だけで叫ぶ。
私はこの奇怪な光景を目にまったく動くことも叫ぶこともできなかった。
「まー定番だけどお姉さんの首も外させてもらうよー」
まるで何回もやったことがあるようなそぶりで少年が私に近づいてくる。
「いや・・・いやああああああ」

「そこまでだ」
聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ。
少年によって今にも首を外されそうな私の前に走り。
そのまま少年に体当たりを食らわせた。
そして少年から妹の首を取り戻すと
「破ぁ!!」と叫ぶ、するとTさんの手が眩く光り、そこから放たれた光が少年を包む!
そのまま包み込んだと思うと、アッと言う間に少年は姿を消した。

「あ、あれは一体」そう尋ねるとTさんはやさしく妹の首をくっつけ
「ちっ・・・また逃がしちまったか」
帰り道で聞いた話によるとあの少年は昔からTさんの一族と戦っていたらしい。
「ヒマつぶしで女の子を泣かせるなんて最低のすることだぜ」
そう言って私たちを家まで送ってくれたTさんを見て
寺生まれはスゴイ、私はいろんな意味で思った。
372名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 18:12:38 ID:jTyAgQvn
首が乗っ取るってどこのDIOだよ
373名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 20:37:11 ID:ai5FMO82
あらら、少年は今回は敗退ですか?
いや、これだけで終わるとは思えない!
374名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 21:14:06 ID:o6fx1pBK
面白いパロディだけど、
ちゃんと入れ替わりシーンまで書いてほしい
375名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 01:20:32 ID:xcxLS4Hx
賢い子がバカの子と入れ替えられたり
美人が不細工と入れ替わったりするギャップに萌える
376名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 01:32:02 ID:GS1BR3/2
>>371
誰も突っ込まないから俺が書くけど
それ某寸劇の文のパクリだろ?
いや別にジャンルも全然かぶっていないし別に俺は構わんけどね
377名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 02:30:11 ID:IM5r4vWd
パクリってかコピペじゃないかな
378名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 05:59:48 ID:dRUrHAo3
まさかこのスレでTさんを拝む事になろうとは。

妹も消えてなくて良かった。
379名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 20:57:37 ID:zC1aBFbf
中年が若者の体奪うってやっぱ
そそるものがあると思うんだ
380名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 12:37:38 ID:O2wDcXxa
文才ないけどなんか書いてみようかな
まああんま期待スンナよ
381名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 13:00:57 ID:oJuym5Hq
1レスのショートエピソードでもありがたいもんさね
382名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 01:56:33 ID:Kq2E+yQ4
それより抜けたまんまの妹の首はどうなったんだ?
383小ネタ・母娘憑依(1/1) ◆cW8I9jdrzY :2009/07/13(月) 01:39:10 ID:hMq811J7
>>381
1レスで憑依のダークっぽいものを書いてみました。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

洗い物をしていると双葉が帰ってきた。今日は彼も一緒のようだ。
「ただいま、お母さん。今日清彦とテスト勉強するから」
「こんにちはおばさん、お邪魔します」
そうか、そろそろテストの時期だったか。私にとっては非常に好都合だ。
「そう。二人とも頑張ってね」
私はそう言って二人にお茶とお菓子を出すと、いつもの錠剤を口に含んで横になった。

「――あはぁ、ん、深いぃぃ……♪」
彼の巨根が膣をえぐる快感に、私は甘い息を吐いた。
制服の上もスカートもそのままで、下着だけを脱いで犯されるというのも乙なものだ。
私は犬のように四つんばいになってアンアン声をあげながら腰を振った。
「くっ――締まる……!」
私に覆いかぶさった清彦君が、苦しそうな吐息を私の首筋に吹きかけてくる。
清彦君に娘の処女を捧げてから何度もこうして犯されているが、
双葉の膣はいつまでも初物のような締めつけを保ち、彼を喜ばせている。
やはり十年来の親友とのセックスに、双葉の体も喜んでいるのだろうか。
私はよだれが畳を濡らすのにも構わず、大きな声で彼に懇願した。
「き、清彦君――胸っ! おっぱい揉んでぇっ !!」
「り――了解っす!」
バックから私を貫く清彦君の腕が回され、双葉の乳房に這わされる。
余裕のない少年の乱暴な手つきに、私は苦笑しつつも気持ちのいい感覚に身をよじった。
「はぁ、はぁぁんっ…… !! そこいいっ !! もっと強くぅ !!」
「うあ――やべ、中がキュウって……っ!」
肩まで伸びた私の髪は汗まみれでベッタリ頬に張りついている。
普段、髪の手入れに熱心なあの子がこの有様を見れば、きっと怒るだろう。
いや――怒るだけでは済まないようなことを私はしているのだが。
私が乗り移っている間の記憶が全くないというのは、実にありがたい話だった。
そんなことを考えている間にも、私と清彦君はどんどん高ぶっていく。
「お、おばさん……俺、もう……!」
「はぁっ !! いいっ !! いい、中で出していいからっ !!」
――ドクッ、ドクドクドクドク…… !!
「あぁあああぁあぁっ……♪」
深いところまで突き刺さった肉棒が震え、子宮の奥めがけて汚れた汁を撒き散らす。
体の芯まで清彦君に染められる快感に、私は涙と鼻水まみれの顔でいつまでも震えていた。

週末のため汚れた制服は洗濯に回す。
事を済ませた私は飾り気のない私服に着替え、清彦君と甘いひとときを過ごしていた。
「今日も良かったわ。ありがとね、清彦君」
「いいえこちらこそ――こうして双葉とヤれるんだから、願ったり叶ったりですよ」
二人で顔を見合わせ、下卑た笑みを浮かべる。
若かった青春のあの頃に戻れて、若い男の子と褥を共にできる。
まさにあの薬は私にとって麻薬同然、一度使うとやめられないものになっていた。
「ふふふ……またよろしくね、清彦君」
私は娘の顔で妖艶に笑うと、娘と同じ歳の少年と軽い口づけを交わした。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 

>>344-354を少しだけ黒くしたらこんな感じでしょうか。
以上、寝る前に書いた小ネタでした。それではまた。
384名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 10:21:41 ID:ksXyUFhU
>>383
GJ!

単発なのが惜しく感じるほど
以後の展開が気になりますね。
385名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 16:20:41 ID:ItxwC3bA
GJ!
これで長編書いてほしい
386名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 21:47:42 ID:j7CjfxCk
失礼。
387ソノ身ニ刻メ    1:2009/07/14(火) 21:49:33 ID:j7CjfxCk
江端沙耶香について、担任教師は言った。
「江端ですか? いやぁ、あれはまさしく生徒の鑑ですよ」
同級生は言った。
「頭良いしテニスも出来るし、おまけにあのルックスでしょ?ほんと完璧だよね」
そして“紀子”の母でさえこう述べた。
「この写真の子?…ああ、運動会や合唱祭なんかで活躍してた子ね。
 ハキハキしてて利口そうな子だったわ。紀子、あんたもしかしてこの子と友達なの?」

江端沙耶香は全てに於いて完璧に近かった。
成績は学年でも指折りであり、運動は何をやらせても場を圧倒する。
家はいわゆる名家で、ルックスなどは盗撮被害が学校問題に発展したほどである。
しかし……そんな沙耶香も一つだけ劣悪なものを持っている。性根だ。
彼女は“紀子”を虐げていた。
始まりは高校に入ってすぐの事、沙耶香と紀子は共にクラスの保健委員になった。
紀子の学校では委員が二人して壇上に立ち、連絡を行う事が多い。
そんな時、長身ですらりとした沙耶香と寸胴な紀子は絶好の比較対象だった。
クラスからは嘲笑が沸き起こる。
沙耶香が紀子を見下し始めたのはそれからだ。

沙耶香とその取り巻きは連日のように紀子を甚振った。
始めは胸を弄る程度だったものが玩具での処女喪失に至ったとき、ついに紀子の忍耐は限界に達した。
以来、憑かれた様に黒魔術の本を読み漁った紀子は、ある術式を発見する。
『精神転換』。
紀子は一心不乱に施術を試みた。
そんな事が実現するとは思えなかったが、不思議と出来ないとも思わなかった。
この世との離別さえ覚悟していた彼女には、どんなオカルトも現実味を帯びて思えたのだ。

そして一月が経った頃。
ふと目が醒めた紀子は、見たこともない豪勢な寝台に身を横たえていた。
身を起こして正面にあった鏡を見る。
そこにはさらさらの長髪をした端正な少女が映っていた。
明らかに自分の姿ではない。その姿はあの憎き沙耶香のものだ。
「ふ……あは、あははは!!」
麗しい顔の表情筋を引き攣らせ、『沙耶香』は笑う。
ひとしきり笑ってふと気が付けば、枕元の携帯電話が光っていた。最新の着信履歴は…『紀子』だった。
388ソノ身ニ刻メ    2:2009/07/14(火) 21:49:57 ID:j7CjfxCk

「んむ、ふううう!むううっ!!」
翌日、沙耶香の広い部屋には縄で戒められた『紀子』の姿があった。
無論、中身は沙耶香であるが。
彼女の縄の端は重い家具に結わえ付けられ、女の力では到底身動きできない状態にある。
「あなたも馬鹿よね。いくら自分の家だからって、違う人間の姿でいきなり乗り込んでくるなんて。
 まぁもっと馬鹿なのは、中身がお嬢様なのを組み伏せたあんたの使用人だけど」
『沙耶香』は椅子に腰かけてそれを見下ろす。
「ん!んううっ!!!」
「猿轡で何言ってるかサッパリ。んー、この紅茶美味しいね。いいモン飲んでるわ」
喚く『紀子』を尻目に、『沙耶香』はカップを傾けた。
素人の舌でもわかるほどにまろやかでコクのある味だ。

「さて、と」
沙耶香はカップを戻して立ち上がる。
そして縛られた『紀子』の前に立つと、制服のスカートに手をかけた。
「んん!!」
紀子が叫ぶと同時に、沙耶香の指がホックをはずし、ぱさりとスカートを脱ぎ捨てる。
紫のショーツに包まれた逆三角の腰つきと、思わず息を呑むほど白く長い太腿が露わになった。
「えっちなパンツだねぇ、沙耶香ちゃん?B組の斉藤君でも誘惑するつもりだったの?」
沙耶香は前日のままのショーツを撫でて言った。
斉藤とはバスケット部のエースであり、校内でも一・二を争う人気者だ。
その斉藤を沙耶香が狙っているという噂は割に有名だった。
「・・・・・」
紀子は黙って視線を逸らす。沙耶香はくすりと笑った。
「パンツは随分ご立派だけど、その中身はどうなのかな?」
沙耶香はわざとらしくそう呟くと、ショーツの脇に手をかけてゆっくりとずり下ろした。
紀子が急いで視線を戻すのがわかる。
389ソノ身ニ刻メ    3:2009/07/14(火) 21:50:34 ID:j7CjfxCk

「へえ、沙耶香さんって毛深いんだぁ。意外〜」
沙耶香はショーツを脚から抜き取りながらそう嘲った。
沙耶香の魅惑的な逆三角の下腹部には、手入れを行っていない茂みが広がっていた。
紀子よりずっと濃く、臍にさえ届く勢いだ。
沙耶香を内包する紀子はそれを恨めしそうに睨んでいる。
「やだ、そんなに見惚れないでよ。ほら、沙耶香さまのパンツあげるからさ」
紀子の宿った沙耶香は満面の笑みを浮かべ、床のショーツを摘み上げる。
そして『紀子』の前に立ち、なんとその頭からショーツを被せた。
「!」
紀子が目を剥く。
「いい匂いするでしょ〜。男子とか担任にまでちやほやされる沙耶香さまのだもん。
 薄汚い私の鼻で嗅いで、まっさか臭いだなんて思わないよねぇ」
沙耶香は顔を顰める紀子を面白そうに見下ろした。
たっぷりと彼女の苦渋を堪能した後、沙耶香は化粧台へ歩みを進める。
「いいなー、高い化粧品ばっかり。それに、無駄毛の処理も一応考えてるみたいね」
沙耶香は身体の持ち主が使っていた瓶をなぎ倒しながら、ある物を手にした。
毛剃り用のシェービングクリームと剃刀だ。
紀子が息を呑むのがはっきりとわかる。
「ふふふ、何するかわかった?そ、おまたをキレイにするのよ」
沙耶香は下半身を露出させたまま椅子に跨り、紀子に向けて足を開いた。
「子供みたいなパイパンにしてあげる」
「んうー!!」
紀子の抗議など気にも留めず、沙耶香はクリームを秘部に吹き付けた。
冷たさに白い腿が震える。今は自分の身体であるにも関わらず、ひどく扇情的な光景だった。
成る程こんなものがスカートからちらつけば、男どもが覗き見るわけだ。

クリームを余すところなく吹き付けた後、いよいよ沙耶香は剃刀を手にした。
自らの瞳であったものから鋭い視線を感じつつ、ゆっくりと剃りあげる。
剃刀が泡をそぎ落とすたび、新雪のような白肌が露わになった。
紀子の心はその白人じみた肌に寒気を覚えさえした。
呆れるほどに美しい。下腹の皮膚組織ひとつとっても自分とは違うことがよくわかる。
しかし…新雪が白ければ白いほど、足跡をつける楽しみがあるというものだ。
「ほら沙耶香さん、子供みたいにツルツルになったわ」
純白の身体を得た少女は、そのかつての持ち主に剃り終えた秘部を見せた。
紀子の体が奥歯を鳴らす。
そこには不自然なほど綺麗にそり込まれた赤い華が、隠し様もなく露わになっていた。
390ソノ身ニ刻メ    4:2009/07/14(火) 21:50:58 ID:j7CjfxCk

「ああ興奮したわ。本人に見られながら他人のお股を処理するなんて、もうきっと一生できない経験ね」
沙耶香はそう言って下腹部を撫で回した。絹のようにすべらかな感触が返ってくる。
紀子が黙って睨み据えていた。
沙耶香はそれを可笑しそうに見つめ返すと、ふと指の這わせる先を変えた。
「ところで、さ。“ココ”、毛の処理しただけで随分硬くなっちゃったんだけど、
 もしかして敏感なの?」
沙耶香が撫で回すのは、彼女の体で最も敏感な場所…クリトリスだ。
「ん、ん、んんー!!!!」
そこを弄った時、相手に明らかな反応があった。
縛られた紀子の身体を激しく揺らし、猿轡を噛み切らん勢いで口を蠢かす。
ショーツをなじられた時よりも、陰毛を剃られた時よりも強い反応。
なるほど、ここが弱みか。

「なんかエッチな気分になってきちゃった」
沙耶香は横目で紀子の反応を愉しみながら淫核を摘む。尻穴を貫くような快感が襲った。
「あはっ、気ん持ちいいーっ!私なんかよりずっと開発されてるんじゃない」
沙耶香はその快感に思わず舌を出しながら、さらに淫核を皮の上から撫で回した。
「うわ、すご、凄いっ!何か滅茶苦茶気持ちいいんだけど!?
 クリトリスってこんな気持ちよくなるんだねぇ、毎日弄くってるとさぁ!」
包皮越しの刺激で肉芽はたちまちしこり勃ち、包皮を捲って顔を覗かせる。
朱唇からは透明な蜜があふれ出し、それが潤滑油となってさらに自慰を加速させる。
「エッチだね、この身体エッチすぎるよ沙耶香ちゃん!」
沙耶香の身体を得た少女はその未曾有の快感に囚われ、我を忘れたように淫核を捏ね回した。
視線を落とした先では長い美脚がぶるぶると震え、それがまた性欲を煽る。
「んむううーーーー!!」
身体の持ち主が何かを叫んでいるが、それすらも抑止力にはならない。
自慰に慣れているのか、それとも元々感度が良いのか、その悦楽は今までの価値観を一変させるほどに強烈なものだった。
「いくっ、いくよ!凄い、だめ、こんなに早く…クリ逝きしちゃうっっ!!!」
細く長い指でクリトリスを弾いた瞬間、少女の頭は真っ白になった。
足の裏から膝裏へ伝播したむず痒さが臀部で跳ねた瞬間、沙耶香の秘部は潮を噴いていた。
その雫は彼女の机に飛び散り、鏡へ当たって伝い落ちる。
391ソノ身ニ刻メ    5:2009/07/14(火) 21:51:24 ID:j7CjfxCk

「へへ、いっちゃった」
汚れた鏡の中、だらしなく口を開いた沙耶香を眺めて少女は笑った。
長髪を風に遊ばせ凛としている彼女からは想像もできない姿。
いかに容姿に優れようと、この身体を使ってだらしない表情を作ればそのようになるのだ。
遠めに見る沙耶香は天上の存在であったかもしれない。しかし今は操り人形だ。
「ねえ沙耶香さん?沙耶香さんって淫乱だったんですね」
沙耶香は紀子の頭上に立ち、かつての自分の身体になおも滴る愛液を浴びせた。
紀子の姿をした高貴さが眉をひそめる。
沙耶香の皮を被った憎悪は、その逃げ惑う顔に濡れた秘部を擦りつけた。
「沙耶香さんっていつも、凄く爽やかな香水つけてるじゃない?
 皆良い香りだなって噂してるし、私もそれが沙耶香さんの香りだって思ってた。
 でも買いかぶりだったみたいね。膣内の、内臓の匂いは私とおんなじじゃない!」
愛液とともに立ち昇る女の匂いを感じながら、沙耶香となった者は高らかに笑った。
紀子の姿をした者はそれを殺さんばかりに睨みあげる。
がちん、と音がする瞬間に沙耶香は身を引いていた。
「噛まないでよ、仮にも“あなたの身体”なんだから」
沙耶香は嘲りながら自分の姿をした相手を見下ろす。

ショーツを被され、地味な顔を愛液で濡れ光らせる貧相な娘。
その精神と実に釣り合いの取れた姿ではないか。
そうだ、この娘に綺麗な身体など不似合いだ。もっと、もっと汚さなければ。

沙耶香は携帯電話を手にし、そこには登録されていないある番号を打ち込んだ。
「もしもし、白瀬?」
沙耶香の口がその名前を口にした瞬間、紀子の身が跳ね起きた。
目を限界まで見開いている。
白瀬とは沙耶香たちの同級生で、心優しい者を含めあらゆる女子から嫌悪される男子だ。
醜悪な容姿は勿論、その滲み出る変態性は尋常ではなく、実際更衣室の盗撮や階段下からの覗き見など、
非難されるべき行為を繰り返してもいる。
抜群のスタイルを持つ沙耶香などは彼の一番のターゲットだ。
前述の学校問題になった盗撮事件の首謀者も彼であり、今は長期の自宅謹慎に処されていた。
紀子はいつか利用できうると、事前に彼の電話番号を調べておいたのだった。
392ソノ身ニ刻メ    6:2009/07/14(火) 21:52:07 ID:j7CjfxCk
「なんで私が番号知ってるかって?良いじゃないそんな事。
 それよりも……白瀬ってさ、私と“やりたい”んじゃない?」
沙耶香の姿をした少女はそう切り出した。
電話口の向こうからなにやら興奮した声が響いている。
「そう、セックスよ。それも映画でやってるような綺麗なものじゃない。
 白瀬が好きそうな変態そうな…うん、お尻も使っていいわ。道具だってOK。
 …え、そんな事も…?う、うん良いわ。
 本当に良いってば。私、今すごく興奮してるの。滅茶苦茶にして欲しいぐらい。
 じゃ、待ってるからね」
電話を切り、沙耶香は携帯電話を投げ捨てる。
それを呆然と見つめ、紀子は視線を凍らせていた。

「ふふっ…。凄いことになりそうね、“沙耶香さん”?」



                    続く
393名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 23:23:47 ID:Bl3BqSyE
GJ!
実にダークでいいですねぇ。紀子になった沙耶香の心中も分かるとなおいいかも。
続き楽しみにしてます。
394名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 23:50:17 ID:BuFXBw+I
砂漠のきつねです。ごぶさたしております。執筆の方は本業の方が立て込んでおりましてもう少しお待ちを。
黒い感じのネタで書いておりますが…

まずは作者さん、ごくろうさまでした。

黒も黒、どす黒いど派手なものが投稿されておりましてびっくりしました。
自分も大昔に黒いのを書いたので、そんな感じで進むのかと思いきや、
自分の予想を大きく上回る黒さで。
最後の仕打ちなど恥辱以外の何物でもないという

これで終わりじゃないんですもんね。続きをお待ちしてます。
395名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 23:54:57 ID:5Ss+MqQq
GJですなあ
続き期待
396名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 01:10:35 ID:JRCgM9Dn
こういうのも入れ替わりなのかな?
ttp://www004.upp.so-net.ne.jp/ts-kenkyuujo/story2/niku.html
397名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 12:26:18 ID:JFnyPExS
判断保留します
398名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 16:13:41 ID:Q11h5DXp
>>392
GJすぎる
ダークだけどそれ以上にエロかった
399 ◆2nkMiLkTeA :2009/07/22(水) 22:19:33 ID:1U8HOcLg
初めて書いた上にもちろん初投稿なので色々意見言ってもらえると嬉しいです。
言い訳がましくてすいません。
400最低な女:2009/07/22(水) 22:20:08 ID:1U8HOcLg
私は叔母が嫌いだった。外見も中身も。
水商売をしている叔母は、常に派手な化粧をして素顔を隠していたが、その下にあるのが姉である母とは
比べものにならないほど平凡なものだと、幼い頃から私は気づいていた。
肉体のほうも、顔と同じように派手な衣装で着飾ってはいるが取り立てて優れているわけではない。
中身はもっと酷い。母に対するコンプレックスの塊。お金や男に目が無く、うちを訪ねてくるのは
毎回お金の工面ばかり。そのうえ父に色目を使うこともしばしば。
とにかく下品で最低な女。絶対に、私はあんな大人に――女にはならない。

◆◆◆◆

体にまとわりつくような不快な湿度と、殺人的な直射日光。どちらも耐え難いものだが、今の自分なら
耐えられる――というほど浮かれているわけではないが、心が高揚しているのは事実だ。
明日から夏休み。高校最初の夏休みだ。
去年は部活の大会やら、受験の準備やらでほとんど遊べなかったから、その分を今年取り返すつもりだ。
高校は部活に入らなかったし――少し惜しい気もしたが――、勉学のほうは今のところ問題ない。
母は高校に入ったら何か習い事をさせるつもりみたいだが、余計なお世話というものだ。
めいっぱい遊びたいし、折角高校生になったのだからアルバイトをしてみるつもりだ。
きっと楽しい夏になる。もしかしたら、恋も――
「あら、瑞希ちゃんじゃない」
表情が凍る。聞こえてきたのは間違いなくあの女の声。
無視してやろうか。今ならまだ間に合う。今なら人違いにできる。
「ねえ、瑞希ちゃんでしょ?」
突然、携帯が鳴った。慌てて携帯を鞄から取り出す。全然知らない番号だ。
「ほら、瑞希ちゃんじゃない」
401最低な女:2009/07/22(水) 22:21:25 ID:1U8HOcLg
後ろを振り向くと、携帯を見せつけるように持ったあの女がいた。
なんとか瑞希は笑顔を作り――精一杯の努力を必要とした――話しかける。
「お久しぶりです、叔母様。お元気そうでなにより」
「ええ、ほんと久しぶりね。私が遊びに行くと、瑞希ちゃんいつもいないんだもの」
親しげにこちらに近づいてくる。
(遊びに……?あんたはいつもお金を借りに来てるんでしょ)
叔母が訪ねてくる時、瑞希はできるだけ出かけるようにしていた。何の連絡もなく、いきなり叔母が
訪ねてくることも多々あったが、両親に自分はいないことにしてもらっていた。
だから当然、両親は瑞希が叔母を嫌っていることは知っている。それに両親も、実の姉である母でさえも、
口にこそ出さないが叔母を嫌っているのは間違いない。なのに――
「ところで叔母様、どうして私の番号を知っているんですか?」
決して笑顔は崩さない。
「さあ、どうしてかしらね」
叔母は目を細め、自分が優位に立っていることに満足しているのだろう、心底楽しいといった表情だ。
それを見てるだけでむかむかしてくる。疑問は残るがこれ以上追求しても、のらりくらりとかわされるだけだろう。
瑞希は話題を変えることにした。
「両親に用があるんでしたら、残念ですけど今でかけてまして」
「知ってるわ。夫婦水入らずで一週間ヨーロッパ旅行なんてうらやましいわね」
両親に聞いたのだろうか。
それにしても、この人のこの雰囲気はなんだ。いつもはもっと余裕のない人だったが。
「なら、どうしたんですか?」
「私はね、あなたに用があるのよ」
「私に?」
つい訝しげな表情をしてしまった。この人はそんなことでも喜ばせてしまうから、できるだけしたくなかったのに。
「ええ、そうよ」
「あの、悪いんですけど私にできることなんて」
402最低な女:2009/07/22(水) 22:22:34 ID:1U8HOcLg
ない――と言おうとして、言葉が出なかった。叔母が私の口を塞いだのだ――自分の唇で。
あまつさえ舌まで入れてくる。
まるで予想外の出来事に一瞬思考が停止したが、猛烈な吐き気とともに瑞希は叔母を押しのけようとした。
だができない。どういうわけか力が入らない。
それに、なにか意識が遠のくような、浮かび上がるような、吸い込まれるような感覚がする。
従ってはいけない気がした。このままだと大切なものを失ってしまう気が。
「ん、ん゛ー!」
抗議の声をあげるが、もちろんそれでなにが変わるわけでもない。
そして、言葉にできない喪失感とともに、瑞希は意識を手放した。

覚醒は一瞬だった。意識を失ってから一秒も経っていないだろう。
知らぬ間に目をつぶっていたらしい。暗闇を押しのけるように目を開くと、叔母の姿は無かった。唇にも感触はない。
少なくとも、キスできるほどすぐ近くにはいないらしい。
「セイジ!」
自分があげた声ではない。だが、自分が言ったのかと錯覚しそうになった。
そのくらい、自分の声によく似ていた。だが違和感があった。
声は前から聞こえた。顔をあげると、そこに人がいる。叔母ではない。
瑞希と同じ学校の制服。瑞希と同じ髪型。同じ――
「がッ!」
脇腹にとてつもない衝撃を受けて、瑞希はそのまま昏倒した。
403最低な女:2009/07/22(水) 22:23:19 ID:1U8HOcLg
◆◆◆◆

(同じ顔だった)
目が覚めた時に浮かんできたのは、気絶する一瞬前に考えていたことだった。
(ここはどこだろう?)
起きあがろうとしたが、手がつかえない。後ろ手に縛られているらしい。なんとか体をおこして、周りを見渡す。
通学路の道ではない。どこか部屋の中だ。
薄暗い。電気が止められているわけではないが、彼女は部屋にいる時はできるだけ灯りをつけないようにしていた。
安上がりのボロアパートの部屋が、いっそうみすぼらしく見える気がして。それに、部屋に帰るのは寝るときくらいだ。
(……なに、いまのは?)
今、自分は何を考えていた?
――突然扉をあける音がして、思考を妨げた。
「あら目が覚めたのね」
中に入ってきたのは二人の人物だった。若い男女。
男の方はチンピラだった。ぱっと見で瑞希はそう思った。男に関しては瑞希はそれ以上の感想は持たなかった。
それよりも重要なことがある。女のほうは――
「驚いて声も出ないかしら?」
自分だった。声も、服装も、髪型も、顔も。
まるっきり自分だ。
「あんた、誰よっ……」
呆然と呟いた自分の声に違和感を感じた。まるで自分の声ではないような。
目の前の“瑞希”がにやにやとこちらを見ている。はっとして瑞希は自らの体を見下ろした。
服装が違う。これは先ほどまで叔母が着ていた服だ。
さらによく見れば、自分とは体形も違う。
「鏡はあっちよ」
“瑞希”が指で示した先に振り向くと、自分が最も嫌悪する女がいた。
女にお似合いの余裕のない表情で、後ろ手に縛られ、こちらを呆然と見つめている。
その叔母に、自分が――小山瑞希が、抱くように両手を乗せる。今まで見たこともないような優越感を含んだ
いやらしい笑みを浮かべて。
おかしい。
自分はここにいる。笑みなど浮かべていない。伯母に触れるなんて死んでも嫌なのに。
なのに、目の前に。
目の前に。在るのは。鏡だ。
鏡の中の女が絶叫した。
404 ◆2nkMiLkTeA :2009/07/22(水) 22:24:49 ID:1U8HOcLg
とりあえずここまでです。
405名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 22:32:13 ID:lTH1LnGc
wktk!
406名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 22:45:20 ID:lvMX3927
>>399
GJでした。続き楽しみにしてます。
投下の際、名前欄に(1/5)とか番号振ると見やすいかも?
407名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 00:30:09 ID:cmRzjXP4
続き期待!
408名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 00:30:11 ID:YncqWah0
GJ! 自分の体を奪われて嫌いな女の体にされる話って好きだよ。
続き楽しみです。
409名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 18:52:57 ID:6haC5Ibj
GJ!
続き期待してます!
410 ◆2nkMiLkTeA :2009/07/26(日) 01:37:54 ID:w2/R/mG8
時間が少し空いてしまいすいません。エロって難しいですね……。
411最低な女 後編(1/8):2009/07/26(日) 01:40:43 ID:w2/R/mG8
◆◆◆◆

鏡を呆然と見ている、かつての自分の肩に手を置きながら、瑞希は思わず笑みが
浮かんでくるのを止められなかった。
今鏡に映っている、憎い姉によく似た、美しい少女。これが今の自分なのだ。
隣にいる、酒と煙草と不摂生な生活でくたびれた、30半ばの体とは違う。
体の奥から若さが溢れてくるのを瑞希は感じていた。
この体なら、肌を悪くするためにしているのではないかと思える厚化粧をしなくても、
どんな男も言い寄ってくるだろう。
この、汚れの無い体なら――
「いやああああああああ!」
突如、かつての自分が――この体にとっては叔母にあたる、由香の体が叫び声をあげた。
「なっ!なんなのよっ!これッ!!なんであたしがっ――」
瑞希は嘆息して彼女から気付かれないように離れた。
気分が台無しだ。
(まあ、予想通りの反応だけど。自分も同じように叫んでいたでしょうね)
自分にはヒステリーの気があった。
由香から離れた瑞希は、この部屋唯一の扉の近くで、所在なさげにこちらを見ている
若者に近づき、当然のように命令した。
「黙らせなさい」
防音などまるでされていないボロアパートだ。こんな大声で叫ばれては完全に筒抜けだろう。
人に来られては少々厄介だ。
「さっきみたいに気絶させないでよ。これから叔母様には見せるものがあるんだから」
「はあ、了解っす」
渋々、といった感じで由香に近づいていく若者。
(このバカ。ほんとグズで役立たずなんだから。そんなだからバカ女に騙されるのよ)
「早くしなさい、誠司」
「あー、はいすんません」
言われて少し早歩きになり、ようやく由香の元にたどり着いた誠司は、ため息を一つついた後、
おもむろに未だ喚いている由香の頬を殴った。
412最低な女 後編(2/8):2009/07/26(日) 01:41:25 ID:w2/R/mG8
「なッ!」
にするのよ、と言いたかったのだろうか?その疑問の答えは誠司の二発目のビンタで
わからないものとなった。
「黙ってろ、ってさ。あんたも、もう殴られたくないっしょ?」
三発目はなかった。由香は押し黙る代わりに、きっと誠司を睨みつけたあと、今度は
瑞希のほうを睨んできた。
瑞希はそれを軽く笑顔で返し、さらに手を振ってやった。ますます由香の顔が険しくなる。
(これがあたしか)
感情を隠すことや、抑えることが苦手な自分。いつもそれで失敗してきた。目の前の由香は
今までの自分そのものだ。
おそらく、今由香の頭には怒りしかないだろう。どうやって現状を打開すればいいのか、
考えてもいないはずだ。
「いい年して、そうやって喚き散らして、みっともないですよ。叔母様」
「なんなのよ……なんなのよこれはっ!説明してよ!」
「説明、ねえ。必要ないと思いますよ。自分でしたことなんですから、思い出せばいい
じゃないですか」
また、大声で反論しようとしたのだろう。大きく息を吸う由香に告げる。
「あと、大きな声を出すのはやめてもらえます?また殴られたいのならかまいませんけど」
効果はてきめんだった。よほど先ほど殴られたのが恐ろしかったのか、さっと顔を青くして
今まさに開こうとしていた口を紡ぐ。
「自分じゃ思い出せないのなら、手伝ってあげましょうか?」
瑞希は、首に下げていたネックレスを取り出し、由香に掲げて見せた。ネックレスには、
暗い部屋の中でまるでそれ自体が光を放っているかのような、赤く煌めく宝石がついていた。
413最低な女 後編(3/8):2009/07/26(日) 01:42:38 ID:w2/R/mG8
◆◆◆◆

「それは……?」
由香は、初めて見るはずのそれから、なにか怪しげな魅力を感じていた。初めて見るはずなのに、
既に見たことがあるような。目が離せない。
ついネックレスに見とれていた由香に、瑞希が質問を投げかける。
「叔母様、自分の名前はわかりますか?」
「馬鹿にしてるの……!?あたしの名前は小山瑞希よ!“あたしが”小山瑞希よ!!」
「その体で?」
うっと口をつむぐ。確かに、今の自分の体は小山瑞希のものとはかけ離れていた。
ありていにいえば、嫌っている叔母の体そのものなのだ。
そこまで考え、由香の思考はその後に続く恐ろしい結論が浮かんでくるのを止められなかった。
もっとも、実は結構前から直感的にそうではないかと思いながらも、必死に否定していたことなのだが。
「もしかして、あなた叔母様なの……?」
「いまさらですか?もうとっくに気づいてるのかと思ってましたよ」
あからさまに馬鹿にするかのような口調に、さらに大きなため息までしてみせる。
「まあ、でも。今は私が小山瑞希ですけど」
「何言ってるのよ!その体はあたしのよ!返しなさいよ!!」
「では叔母様、“あなたが本当に”小山瑞希だという具体的な証拠でもあるんですか?」
「それは――」
ない。自分が小山瑞希だという確信が由香の中にあるだけだ。
そもそも自分たちの心はどうやって入れ替わったのだ?
由香は、目の前の瑞希が素直に教えてくれるとも思えなかったが、聞いてみた。
「どうやって、私たちの心を入れ替えたんですか……?」
「それはこれから思い出させてあげますよ。でもその前に、他にも色々と思い出して
もらいたいことがあるんですけど」
414最低な女 後編(4/8):2009/07/26(日) 01:43:15 ID:w2/R/mG8
思い出す?今の状態を作り出したのはもともと由香だった目の前の瑞希だ。自分は
関係ない。心を入れ替える方法など想像もつかない。
「叔母様、あなたの両親の名前は思い出せますか?」
「……小山宏と、小山由紀よ」
瑞希の質問とともに、また赤い宝石が光りだした。その光を見ていると、何も考えられなくなる。
素直に質問に答えなければいけないような気になってしまう。
「本当に、合っていますか?顔は思い出せますか?」
両親の顔。だが浮かんできた顔は、前の質問に答えた名前の顔とは違う顔だった。
(違う、これは……お爺ちゃんとお婆ちゃんじゃない)
だが、心で否定しても、両親の顔として浮かんできた顔は消えない。
「どう……して?」
「どうしたんですか、叔母様?思い出せないんですか?両親の顔が」
「いいえ……いいえ……違う、どうして……」
言葉に出して否定しても、祖父母の顔は消えなかった。由香が戸惑っている間に、瑞希が
質問を進めてきた。
「では、叔母様。お姉さんのことは思い出せますか?あなたにはお姉さんがいますよね?」
(お姉……さん……?私に姉なんて……)
だが、姉という単語が由香に与えた影響は劇的だった。まるで、ダムが決壊するように
多くの思いが溢れてくる。
(これは、ママじゃない……。いや!なに、こんな想い……ママに)
妬み。憎しみ。どうしてあの人だけが?なんであたしは?もっとあたしを見てよ。
人の囁き声が聞こえる。姉と自分を比べて、自分を哀れんでいる。その中には、さきほど
顔が浮かんできた祖父母――いや、両親の声もあった。
(どうしてあんただけが……どうしてあたしが!)
「あの女……あんな女!あたしには関係ない!」
「なら、うちにお金を借りになんてこないでくださいよ」
「いやならそう言えばいいのよ!なのにあの女は!あたしが大切な妹ですって!?
そうやって偽善者ぶっていつも影でこそこそと――」
415最低な女 後編(5/8):2009/07/26(日) 01:44:52 ID:w2/R/mG8
浮かんでくる姉の思い出。過去から現在まで、様々な姿が浮かんでは消えていく。
そして一番最後に出てきた姉の姿。つまりは現在の姉を思い出したとき、由香は
自分の異変に気づいた。
「あたし……いま……」
笑い声が響いた。瑞希が笑っている。由香を見て、嘲っている。
「おめでと、叔母様。これで、何もかにもぜーんぶ思い出せたでしょ?」
無数の記憶が、浮かんでは消えていく。だが、一つとして瑞希の記憶はない。
「その……宝石?あたしたち、その宝石で……」
「ええ、入れ替わったのよ。もっとも、宝石の力は入れ替わることだけじゃないね」
宝石。赤い輝石。道端にいた謎の老婆。手にした瞬間に全てを理解できる。他人に乗り移る
自分――つまりは由香。人の記憶を、心を、精神を歪める力。
「それを……渡せ!」
瑞希に飛び掛ろうとして、由香は床に押さえつけられた。怒りに任せて後ろを振り向けば、
自分を誠司が押さえつけていた。自分のすぐ後ろにいた若者のことをすっかり忘れていた。
「誠司、このグズ!離しなさいよ!」
「うっわ、由香さんそっくり」
「当たり前でしょ。その子はもう、平山由香そのものだもの」
瑞希は、それまで掲げていたネックレスを再び首にかけると、高校の制服のボタンに
手をかけた。瑞希の高校の制服はブレザーだ。
「じゃ誠司、手はずどおりに」
「へーい」
制服をどんどん脱いでいく瑞希。押さえつけていた由香を起き上がらせ、座らせた誠司は、
そのまま離れることなく由香の服の下に手を入れてきた。
彼女らがなにをしようとしているのか。すぐに由香は思いついて声を荒らげた。
「や、やめなさい!あんたたち!そんなことしてなんの意味が――」
「もうこれで、あなたはこの体を見ることはできなくなるのよ“小山瑞希”ちゃん。
最後にこの体の初体験を脳裏に焼き付けていきなさい」
416最低な女 後編(6/8):2009/07/26(日) 01:45:56 ID:w2/R/mG8
抗議の声をあげている間に、誠司は由香の下着をはずし、胸をまさぐってきた。
由香にとっては既に何度も経験していることであるし、記憶もあるが、“瑞希”の意識が
由香の体を強張らせた。
瑞希のものよりも控えめな由香の胸を、誠司が優しく愛撫する。その手つきは手馴れている
ように感じた。自然と由香の記憶が蘇る。この二人は何度も行為を行ったことがあるようだ――
だが、それがいけなかった。誠司との行為の記憶は、激しい快楽の記憶でもあった。
由香の体を、その既知であり、未知でもある快楽の想像が、熱く火照らせる。
「ん、いやぁ……、こんな……こんなの……」
「しおらしい由香さんってのも、新鮮で燃えるなあ」
誠司の手つきが少し乱雑に、荒々しくなっていく。経験豊富な由香の体は、それら全てを
快楽へと変えていった。
「はぁ……はぁ……ひゃん!」
乳首をつねられても、感じるのは快楽だけ。痛いという感覚はあっても、それを快感だと
由香の体が認識する。胸だけで、“瑞希”は既に限界だった。
「ふわぁ、ひゃめ……ゃめて、おねがい……だか……ら」
だから、誠司が次にしようとしていることに由香は気づかなかった。
「ふああぁぁあ゛ぁああ゛ぁああああああっ!」
いつの間にか、下半身を裸にされ、秘所に指を挿入れられている。それだけで由香は
一度達してしまった。
崩れるようにして由香は上半身を投げ出した。言葉がでない。肩で息をする。
(なによぉ……これぇ……)
「ぁぁん、ぃい、いいよぉ――」
不意に聞こえてきた声に、由香は頭をあげた。手を縛られなかなか起き上がれない上に
視界は涙でにじんでよく見えないが、そこに瑞希がいた。全裸で。胸と秘所を自分で
弄っている。
417最低な女 後編(7/8):2009/07/26(日) 01:46:32 ID:w2/R/mG8
「あんt――うあぁああ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁん!!!!」
背後からの衝撃で、由香の抗議は喘ぎ声に成り代わった。
朦朧とする頭で、なんとか後ろを見る。と、そこには誠司が覆いかぶさるように由香の
上にのしかかっていた。同時に、陰部からの異物感を強く意識した。
初めての体験だというのに、“瑞希”は痛みを感じなかった。
(当たり前だ……。誠司とは、もう何度も……何度も……)
「ひやぁぁああん、いいっ!いいよぅ!!せいじもっと!もっと!!」
もっと強く。その望みはすぐに叶えられた。誠司は自分の望みを分かってくれる。
誰よりも。
何度、腰を打ち付けられたのだろうか。その間に由香は何度も達していたが、誠司は
まだ一度も達していなかった。だが、誠司もそろそろ限界のようだ。
「くっ!!!」
「あぁはあああぁぁあああああああああああっ!!!」
大きく一突き、深く、強く挿し込まれたかと思うと、次の瞬間、熱い、熱いものが由香の
中を満たした。同時に、由香も達していた。気絶するのではないかと思うほど強く。

「はぁ……はぁ……ふぅ……」
事後の気だるい感覚が包む。由香はもう全てがどうでもよくなっていた。
が、同じように近くで息を荒げていた誠司が突然立ち上がったのを察して、由香が顔を
あげると、そこには自分がしたことのない淫らな顔をした瑞希がいた。
その目は、誠司の体を期待するように見つめていた。
そして、近づいてきた誠司に背伸びをするように首に手を巻きつけ、キスをする。
(私のファーストキス……)
そんなことは、正直に言えば由香にはどうでも良かった。他人事のように、誠司と絡み合う
瑞希を見ながら、由香が感じていたのは、誠司と行為に及んでいる自分自身に対する嫉妬
だった。
418最低な女 後編(8/8):2009/07/26(日) 01:46:58 ID:w2/R/mG8
◆◆◆◆

身支度を整え、扉の前に移動してから、瑞希は部屋の中へと体を向けた。
「それじゃあ、叔母様。二度と会うことはないと思いますが、ごきげんよう」
返事は返ってこない。
「なんかもうどうでも良さそうですけど、一度言っておきます。元に戻ろうと私に
近づこうとしても無駄ですよ。宝石の力で、あなたは瑞希だった頃の関係者をそうだと
認識できないようにしてありますから」
「あの、由香さん……」
話しかけてきたのは、誠司だった。グズでバカで役立たず。ただのチンピラだ。
(こいつに処女あげたのは早まったかなー)
「なによ」
「えっと……お元気で」
「あんたもね。また騙されて借金なんて作んじゃないわよ」
今回渡した報酬で、誠司の借金はチャラになるはずだ。お金の出所は――まあ、宝石の
力があればいくらでもある。
「じゃあ、改めて。ごきげんよう、叔母様」
返事は返ってこない。もしかしたら、何か聞こえたかもしれないが、扉が閉まる音しか聞こえない。

体にまとわりつくような不快な湿度と、殺人的な直射日光。どちらも耐え難いものだが、今の自分なら
耐えられる。こんなに浮かれている自分は初めてだ。
明日から夏休み。二度目の、高校最初の夏休みだ。
一度目は、最低の思い出しかないから、その分をこれから取り返すつもりだ。
何をしよう。
めいっぱい遊んで、アルバイトも今の自分にはきっと楽しいだろう。それに恋。
瑞希には近所に幼馴染がいる。瑞希が、幼い頃から想っている少年が。
彼だけではない。アルバイト先で、面接のときに見かけた青年。たぶん大学生くらいだろうか。
彼はなかなかいい線をいっていた。
それに、あと少しすれば、両親が帰ってくるのだ。由香だった頃、密かに狙っていた父。
憎い姉だった母は、父を私が落としたらどんな顔をするだろうか。

きっと、楽しい夏になる。嫌な女は、もういないのだから。
419 ◆2nkMiLkTeA :2009/07/26(日) 01:49:07 ID:w2/R/mG8
以上となります。
このスレだと、あんまり見かけないんですけど、入れ替わった体からの精神汚染って
流行らないですかね。
420名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 03:05:41 ID:ev6hulDm
    ∩
    ( ⌒)     ∩_ _
   /,. ノ      i .,,E)
  ./ /"      / /"
  ./ / _、_   / ノ'
 / / ,_ノ` )/ /
(       /  good job!
 ヽ     |
  \    \
421名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 11:59:36 ID:WMqCOkzD
>>419
素晴らしいものをありがとうございました。
エロは慣れも大きいので、他スレの保管庫を参考になさってはいかがでしょう。
でも書けば書くほど難しくなる気が……。
次回作もお待ちしています。本当にGJでした。
422名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 21:20:43 ID:Vja1xnF7
良い作品でした!
精神汚染は結構好きですよ。
ODでもしんごさんの、不良の女生徒と真面目な教師が
入れ替わる作品とかでも、精神汚染ありましたね。

自分の記憶が取り出せない、嗜好が変わってしまうとかは
好きな人多いんではないでしょうか
423名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 23:21:39 ID:Hx1IoLRG
GJ!すばらしい!精神汚染はODに限らずかなり好き。
424名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 23:40:38 ID:/lOd8ri0
GJ

続きが書けなくもない
そんな終わり方だけに
色々妄想してしまうね
425名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 23:57:19 ID:bt99KX01
GJすぎる!
精神汚染は少ないけど一番好きだ!
426名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 15:20:01 ID:LvZvNf3K
スレ違いかも知れないのを承知で聞きたいけど
http://www.youtube.com/watch?v=HdqHLs3Q4NU&feature=channel_page
の作品名分かる人いませんか?
427名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 19:21:11 ID:3GQJXs24
あげ
428名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 03:01:16 ID:ZNmCZUIO
良スレですね
429名無しさん@ピンキー:2009/08/10(月) 17:41:48 ID:5PyJiLCG
健康な少女と病弱な少女の入れ替わりを妄想しながら保守
430名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 23:01:51 ID:OHj2wdW3
「母親と幼馴染」が最高です。
ある意味、父親は母親を身体も心も
息子に寝取られてしまったんですね。
園子さんは何がきっかけでヨシヒロ君と2度目の初体験
をしたのか、それを知ってしまったひとみちゃんは。
など、入れ替わってからの3年間を妄想してます。
園子さん、ひとみちゃんの中にもきっと
表面には出せない葛藤があるのでしょう。
でも、一番は父親ですかね。
431名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 19:14:33 ID:O6vk43Ig
妹や姉を恋人と入れ替えて「体は恋人同士だから」と言い聞かせてセックス
姉妹になった恋人には「お前がどんな姿でも愛してる」でセックス

てな感じでウハウハですな
432名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 01:30:33 ID:Wgu3lGhz
元姉「ハァ?あんたとヤれるわけないでしょ?そういえば○○君、年下好きだったよね……」
元恋人「近親相姦はいけたいと思うの……そういえば、これで兄様とは他人になれたんだわ……」

普通はこうなるわな。
433名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 01:31:45 ID:Wgu3lGhz
×いけたい
○いけない

スマン
434名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 15:58:35 ID:oYZwR2pl
ええぃ、盆は過ぎたぞ!
誰か、誰かおらぬか!?
435名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 12:17:16 ID:s+jg4y4w
じゃあリレー再開したまえ
436名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 12:26:07 ID:hQgkTuG0
RITES好きだったんだけど続きはあきらめたほうがいいのかな
437名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 19:50:59 ID:q+P4m90Z
〜黒魔術〜のほうも好きだったが
いまのところ、つる氏の長編は決して完結しない
438名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 23:59:28 ID:/NEK5/9V
連載物は完結させるのが一番大変ですからね。
途中までいい感じに書いていても、時間がたてば
当初のイメージから形が変わってしまって筆が進まなくなりますし、
つい他の文章に手を出してしまうとそっちに気を取られて……うひゃあ。
439名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 03:32:59 ID:/u2fA0Kq
作品も投下されないのでこれを・・・

アドレスを入力すると昔のサイトの姿がみれる不思議なサイト
ttp://www.archive.org/web/web.php

数年前とかのそのサイトの姿がみれたりするサイトなんだが
今は消されちゃってる
ttp://irekawarisyosetu.seesaa.net/
ttp://karadawokaesite.seesaa.net/
ttp://dressgazou.seesaa.net/
この辺の女同士の入れ替わりサイトの作品でも読んではいかがか?
あとこれの
「そこで夢は覚めた」って話も
ttp://web.archive.org/web/20070104061908/www.puni.jp/~nekomimi/cgi-bin/yybbs/yybbs.cgi?page=10&bl=0
440名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 01:32:17 ID:nh5+cZvR
あげ
441名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 18:51:29 ID:VpnYmu0k
最近このスレ盛り上がらないな……
442名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 20:08:35 ID:koTgTcoa
常駐職人が今いないんだからしょーがない
たまに単発の人が投下してくれてるから、SSがないわけでもないんだけどね
443名無しさん@ピンキー:2009/08/25(火) 02:11:26 ID:/dsIPAll
>>438
きつねです。ごぶさたしています。ちょっと仕事などで書けておりません。
全くその通りで、筆(キーボード)が進まなくなると、他のシチュエーションや年齢設定を想定して、
それを種として取っておこうと書き始めると、それが膨らんで、でも書ききるまではなかなか行かずという悪循環が…
瑠美とさやかの話も強引にねじ伏せたような結論にしてしまいましたし。
あらすじは思いついてても、それを文章に起こすのって難しいんですよね。
これで飯食ってる作家さんってすごいなぁと思います。
444名無しさん@ピンキー:2009/08/26(水) 15:58:24 ID:wC1PTVAx
今でも前スレ61の続きを待ってるぜ
445名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 00:19:37 ID:8L0KApz8
さわださんがまた投下してくれたら…
446名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 20:00:42 ID:cyLo+JXG
Schizo-の人か
あの人のノリのよさとエロはガチだな
447名無しさん@ピンキー:2009/08/27(木) 21:05:42 ID:ubGw+LtX
じゃあスレ違いだけど情報提供。

クッキー10月号の魂チェンジが該当。
ttp://www.s-manga.net/girls/ck.html
にいけば最初のページだけ立ち読みできる。
なんとも気になる内容だが、少女漫画だから買うにも恥ずかしい。
448名無しさん@ピンキー:2009/08/28(金) 00:19:45 ID:LC86nfPY
おお、ちょっとネカフェ行って読んでみようかな・・・
449名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 11:36:42 ID:ipjQC7lU
447の作品は読みきり?
連載ならしばらくまって単行本という手もある
450名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 17:15:27 ID:NluJzfIh
Amazonでも買えるじぇ
451名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 14:04:53 ID:JZDzVpzS
他のサイトからですが、イヌネコが映画化されているみたいです。
OD漫画の中では、身体の特徴のギャップといい、性格のギャップといい
一番の傑作だと個人的には思っています。
ただ池袋の単館上映…

なんとかDVD化されないものだろうか…
452名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 02:16:49 ID:x6pm97KB
UHHO
453名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 02:58:06 ID:avJObJlW
>451
ttp://www.inu-neko-movie.com/
これか
イヌネコ俺も好きだー
最後まで元に戻らなくて、
年上の先生の体に入ったままになってしまった子が
その後どうなるのかとか想像が膨らむのも○
映画なんとか全国展開してくれるといいねえ
454名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 13:06:29 ID:2Dh4WkVa
>>453
大阪と名古屋ではやるみたいです、
お近くの方おめでとうございます。
自分は東京に上映している頃に行くが、都合が合わず(泣)
レイトショーだけっていうのが…

ようつべで予告編が見られます。
幸はもっと胸の大きい人の方がよかった。マキノは適役かと。
455名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 13:36:35 ID:0DC6oeHs
くそ、名古屋は近いけど、恥ずかしくて見に行けねえ。
456名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 14:58:19 ID:4v79vdSc
ttp://www.youtube.com/watch?v=DV8XwGSHFys
これか。
地方民はDVD待ちだな。
457名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 15:03:24 ID:4v79vdSc
ttp://www.hmv.co.jp/product/detail/3617331
ついでにマンガのネタも投下。
45814 ◆cW8I9jdrzY :2009/09/02(水) 20:21:02 ID:dypB7+0f
こんばんは、ご無沙汰してます>>14です。
常駐はしてますが最近多忙で投下できませんでした。申し訳ありません。
何か軽いモノを書こうと思ったのですが、
予想外に長くなってしまったので前後編になります。
前半にエロはありません、ごめんなさい。
459真理奈三たび・前編(1/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/02(水) 20:21:59 ID:dypB7+0f
ここは街中、住宅街の隙間にひっそりと存在する小さなドラッグストア。
狭い店内で装飾性の欠片もないパイプ椅子に腰を下ろし、歯の根が合わぬ女が言った。
「う〜、やっぱ今日も寒いわねえ……」
そのまま長机にもたれかかり、暖房から送られてくる暖かな空気を堪能する。
今日は比較的穏やかな気候ではあったが、それでも年の瀬が近いこの季節は寒風が吹きすさび、
道行く者に分厚いコートを強制してくる。空一面を覆う灰色の雲も実にうらめしかった。
空と同じグレーのカーディガンを羽織って身を縮めるその女はまだ若く、
身にまとっている冬物の制服から察するにおそらく高校生かと思われる。
ややきつめだが美人と言っていい顔立ちと、ボブカットに近いミディアムの茶髪、
そして長身で肉づきのいい肢体と、いかにも男受けが良さそうな女だった。
その彼女の前に、湯気の立った白いコーヒーカップが音もなく差し出される。
中身はたっぷりと砂糖の入ったミルクティーで、ほのかな紅茶の香りが鼻をくすぐった。
女は礼も言わずそのカップを受け取り、口元で傾けて顔をほころばせる。
心地よい熱と砂糖の甘みが冷え切った体と心をほぐしていく。

「はあ、あったまるぅ……」
「あははは、君は寒がりだねえ」
彼女に笑いかけたのは、同じくらいの年頃の少年だった。
こちらは長袖のワイシャツに黒のスラックスと、やはり制服姿の高校生のように見える。
しかし校章など所属を示す物が何一つ見当たらず、ひょっとしたら私服なのかもしれない。
そしてその平凡な装いとは違って、彼の顔は明らかに際立っていた。
美の女神に寵愛されているかのような端正な表情が、ありふれた空間の中でひときわ異彩を放つ。
不自然なまでに整った目鼻立ちは、あたかも神話や伝説に登場する英雄が現代に蘇ったかのようだ。
そんな絶世の美少年がにこにこ微笑み、長机の向こうから女をじっと見下ろしていた。
ただ見ているだけで心を奪われてしまいそうな美貌を前に、女は頬をかすかに朱に染めながらも
いつも通りの平常心を保っていた。一旦カップを机の上に置いて少年に言い返す。
「何よ、寒いものは寒いし、暑いときは暑いって言うのが当たり前じゃない。
 あたし達はあんたと違って普通の人間なんだからね。デリケートなのよ」
「まあ、正直なのはいいことだと思うよ」
半ば八つ当たりの混じった、彼女の不機嫌な声にも彼は肩をすくめるだけ。
そんな仕草からは、どこかこの女との会話を楽しんでいるような様子が感じられた。

彼女の名前は加藤真理奈。地元の学校に通う十七歳の女子高生である。
気が強く好奇心旺盛、誰が相手でも物怖じしない性格で、交際相手を頻繁に換えているが
さばさばした明るい性格のため、不思議とあまり恨みを買うことがない。
また、最近は同居している小学生の従弟に手を出しているらしく、
以前のように浮いた話ばかり聞こえてくるということは無くなった。
そんな彼女の近頃の趣味はと言えば、放課後や休日にこのドラッグストアに入り浸り
いつも店番をしているこの少年の相手をしてやることだった。
彼の職業、その他経歴の一切、名前すら真理奈は知らない。聞いても教えてくれないのだ。
唯一わかっているのは、この端正な顔の少年が普通の人間ではないということだけである。
怪しげな薬をくれたり、常識外れの行動力で教師や通行人に痛快な悪戯を仕掛けたり。
今までの日常生活からは想像もつかない不思議な、そして刺激的な体験。
彼はそんな魅惑の世界を真理奈や友人たちにこっそりと垣間見せてくれるのだ。
その不可解な能力によって悲惨な目に遭わされたこともあるが、
それでもこうしてここに来てしまう辺り、彼女も相当な物好きと言える。
460真理奈三たび・前編(2/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/02(水) 20:22:57 ID:dypB7+0f
真理奈はもう一口紅茶をすすり、座ったまま後ろを振り返った。
そこには彼女と同じ高校の制服を着た、長い黒髪をツインテールにまとめた少女が立っていた。
「瑞希もここ座ったら? あたしだけ座るのもなんだし」
「……あ、うん」
「ほら、この子にもお茶」
「はいはい」
彼は苦笑してうなずき、真理奈の隣に座った彼女にも同じく紅茶を出してやった。
この少女は森田瑞希。真理奈の親友で、普段からよく彼女と行動を共にしている。
真理奈と違って童顔で小柄な体格だが、幼さの残る表情が彼女には無い愛らしさをかもし出していた。
着ている物は真理奈と同じ紺色のセーラー服とスカート、グレーのスクールカーディガン。
いずれも一番小さなサイズだろう。中学生どころか小学生と言っても通るかもしれない。
強気そのもので言いたいことは何でもずけずけ言う真理奈に対し、
瑞希は引っ込み思案であまりはっきり自分を主張しないところがあった。
そのためいつも真理奈が瑞希をリードする立場にあるが、真理奈は真理奈でそれを嫌がりもせず、
柔和で臆病なこの少女を妹のように可愛がっていた。

「……ありがとうございます、いただきます」
「はっはっは、礼儀正しくて可愛いね。真理奈さんとは大違いだ」
「ふん、勝手に言ってなさい」
客はおらず、狭いが清潔な店内にいるのは真理奈と少年、そして瑞希の三人のみ。
この店に客が来ているのを真理奈は見たことがない。
彼の言によると“暇になったら客が来る”らしいが、今のところ誰かがやってくる気配すらなかった。
もちろん商売として成り立っているはずはないが、特にそれで彼が困る訳でもないようだ。
何のためにここにいるのか、何がしたいのか色々と謎が多い少年であるが、考えても答えは出ない。
真理奈はガラス戸の向こうの寒々とした景色を眺めて軽くため息をつき、
他の二人を相手に世間話に興じることにした。
やはりもっぱら喋るのは真理奈で、他の二人は自然と聞き役になる。

「なーんかこう、最近つまんないのよね。うちの直人も毎日遅くまで塾に缶詰だしさぁ」
「でも受験だから仕方ないよ。それでも家じゃ一緒にいるんでしょ?」
「うーん……そうなんだけど、ちょっと無理してあたしに気を遣ってくるのがいじらしいのよね。
 まだ子供なんだから、もっと甘えてベタベタしたっていいと思うのよ」
「直人君って背伸びしたがるとこあるからね。でもそんなとこ、すごく真面目でいいんじゃないかな」
「あ、なんかその言い方ムカツク。そりゃあんたは、いつも愛しの祐ちゃんに
 可愛がってもらってるからいいだろうけどさ?」
渋面の真理奈が口にした言葉に、瑞希が耳まで赤くしてうつむいた。
真理奈も瑞希も健全な女子高生。外見や性格の違いはあれど、どちらにも親しい異性がいる。
自然と会話の内容はその交際相手との日常や不満、願望の話になっていった。
真理奈は自分を慕ってくる、幼くて可愛い従弟のことを。
瑞希は少し前から正式につき合いだした、近所に住む幼馴染の同級生のことを。
少年は時おり相槌をうちながら、にこにこした笑顔で二人の話に耳を傾けていた。

どうやら真理奈は現状があまり面白くない――というか退屈らしい――ようで、
生来の我がままな性格もあり、発言に含まれる愚痴と文句の割合が比較的高い。
「刺激、そう刺激よ。いつもとはちょっと違う、こうピリリとした何かが欲しいわね」
「ピリリって、それじゃよくわかんないよ……」
「ふむ、刺激ねえ……刺激か……」
真理奈が何気なく口にした言葉に、少年が尖ったおとがいに手を当てて考え込む。
ルネサンスの彫刻のような威容が二人の少女の瞳を貫き、数度のまばたきを強いた。
「――じゃあ、ちょっと面白いことしてみる?」
長机に手を置き、少年が二人に微笑みかける。その眼差しには子供っぽい好奇心と
わずかな悪意が混入しており、まるで悪戯を計画する悪童を思わせた。
461真理奈三たび・前編(3/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/02(水) 20:23:46 ID:dypB7+0f
思わせぶりな彼の態度に、真理奈が顔を上げて問いかける。
「え、なになに? また面白い薬でもくれるの? こないだの入れ替わるやつとか」
「薬か……そうだね、それでもいいけれど、あれもまだいろいろと試行錯誤してる最中でね。
 とりあえず今日は簡単に味わえる驚き、サプライズを君たちにプレゼントしようかな」
少年はそう言ってその場を離れ、カウンターの横を通ってその向こう、
真理奈たちが座っている場所までやってきた。
椅子に座った二人は身をよじって後ろを向いたが、彼は気にせず真理奈の真後ろに立つ。
得体の知れない相手に背後に回られる不安はないでもなかったが、彼女は特に逃げもせず
首を横に向けたまま、パイプ椅子に悠然と腰を下ろしていた。
「で、何するの?」
「ちょっとの間でいいからじっとしててね。じゃあいくよ」

真理奈の後ろに立った少年がしなやかな腕を伸ばす。細い指がうなじにかかり、
敏感な箇所に触れられた彼女は軽く身を震わせた。
彼はそのまま両手の指で少女の首を挟み、そっと持ち上げていく。
もちろんそんな動作で人間の首がどうにかなるはずがないが、
そのとき真理奈も瑞希も目を疑うことが起きた。
ビール瓶の栓を開ける、もしくはシャンパンのコルクを抜くのを連想させる心地よい音。
それが狭いドラッグストアの中に響くと同時に、真理奈の頭がその胴体から離れ、
白魚のような少年の手の中に納まってしまったのだ。
「ええ――な、何よこれっ !?」
唯一動かせる口でもって騒ぐが、それも無駄な抵抗でしかない。
宙に浮いた首、そして残された胴体からは一滴の血も流れることなく生きたままの状態を保っていた。

どんな仕組みになっているのか、首だけになった真理奈は
呼吸も発言も可能なようで、相変わらずの勢いでまくしたてる。

少年は真理奈の生首を慎重な手つきで長机の上に乗せ、胴体と向かい合わせた。
「単に外しただけさ。死にはしないから安心して。ほら、自分の体を観察してみてよ」
「観察って……ど、どーなってんの……」
なめらかな赤い切断面は気持ち悪いが、こうして自分の身体を見つめるのは不思議な気分だった。
灰色のカーディガンに包まれた冬物の制服はいかにも公立学校らしく
野暮ったいデザインだったが、椅子に座った身体の胸元で揺れる大きな肉の塊、
机の上に投げ出された手を飾る長い爪は、派手好みの彼女にふさわしい魅力を感じさせた。
いつの間にか自分の身体に見とれていたことに気づき
慌てて首を振ろうとするが、今の真理奈にはそんな自由すらない。

(あ〜、油断してたわ。こいつこんなこともできるのよね……さすが化け物)
せめて抗議の声をあげようと、彼女が眼球だけ動かして斜め横を見ると
そこには真理奈と同様、胴体から引き抜かれた瑞希の首が置かれていた。
ふたつにまとめられた黒髪がだらしなく机の上に広がって、かなり間抜けな光景だ。
「あ、瑞希あんたも……?」
「こ、これ何なの……? 私、どうなっちゃったんですか……?」
半泣き状態の親友の姿を見せられ、さすがに少しは真剣な表情になった真理奈だが、
少年はどこ吹く風といった様子で二つの生首を見下ろし、朗らかに微笑んでいた。
いつもの明るいにこにこ顔で残酷なほど無邪気な笑みを浮かべている。
長机の上で身動きがとれずに少年を見上げる二人の首は、
さながら戦で敗れて討ち取られた戦国武将のようであった。
「どうだい? 首から下の感覚が一切ないなんて、かなり新鮮な体験じゃない?」
「……いくら新鮮でも、こういうのはちょっと遠慮しとくわ。早く戻してよ」
このように異様な状況下でも、真理奈はきっぱりと言い放つ。
462真理奈三たび・前編(4/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/02(水) 20:24:29 ID:dypB7+0f
その反応が気に入ったのか、彼はうんうんうなずいて真理奈の首を手に取った。
「はいはい、わかったよ。じゃあつけ直してあげるね」
そう言って再び真理奈を持ち上げ、動かない胴体のもとにゆっくりと近づけていく。
視線を動かせない彼女からは自分の身体を確認することはできなかったが、
大まかな位置関係から、彼が素直に首だけの自分を胴体の方に運んでいることは推測できた。
(それにしても、やっぱこれ気持ち悪いわね……。そりゃ新鮮な体験かもしれないけど……)
心の中でぶつぶつ言っている間に、真理奈の首は身体にくっつけられていた。
今度は音もなく頭部と胴体が接合し、正常な手足の感覚が脳に送り込まれてくる。
そして全身の違和感がなくなったことを彼女が自覚したとき、少年の優しい声が聞こえてきた。
「はい、つけてあげたよ。気分はどう?」
「ん、えーと大丈夫……かな? あれ?」
真理奈は椅子に座ったまま、自分の身体を見下ろした。
ほっそりした手足、ブラジャーが不必要なほど平坦な胸、そして小学生と見間違うほど小さな体。
どこからどう見ても元の自分とは似つかわしくない、親友の肉体がそこにあった。
「ちょ、ちょっとこれ…… !?」
「はい瑞希さん、君も戻してあげるからね。よいしょっと」
 あくまでマイペースに話を進める少年に、真理奈が大声を投げつけた。
「違う違う、これ瑞希の身体でしょーが! あんた何やってんの !? わざと !?」
「あれ、そうだっけ? 間違えちゃったかなぁ、あははは」
「ま、真理奈ちゃん……」
「瑞希っ !? うわあぁ、すごい――ていうかひどい……」
パイプ椅子を蹴倒して立ち上がった彼女が見たものは、
すぐ隣で不安そうな顔を浮かべて椅子に座っている瑞希の姿だった。
当然のようにその首から下はスタイル抜群の真理奈の肉体になっている。
制服の上からでもわかる豊かな乳房とグラマーな体つきが瑞希の童顔に全くふさわしくなかったが、
これはこれで別の層の需要が発生しているかもしれない。

やがて少年に促され、ツインテールの少女もおずおずと立ち上がった。
真理奈と向かい合った今の瑞希は驚くほど長身で、彼女に比べて十数センチは高いだろうか。
最近はあまり運動をしていないので、以前は引き締まっていた手足にもむっちり肉がついているが、
決して見苦しい訳ではなく、より女性らしい丸みを帯びた印象を受ける。
普段は人並みに体重を気にしていた真理奈だったが、こうして自分の身体を客観的に見ると
そう心配する必要はないように思われた。
華奢な右手を伸ばし、眼前の瑞希の胸に触れてみる。
もはや自分のものではなくなった巨大な乳房は、不思議な興奮と感触とを真理奈にもたらした。
「ひゃっ…… !? ま、真理奈ちゃん、やめて……!」
「ん、ちょっと待った……もうちょい触らせて」
両手で瑞希の巨乳を揉みしだこうとした真理奈だったが、彼女が慌てて身を引いたため
大人しく引き下がらざるをえなかった。入れ替わる前は体格のいい真理奈の方が力もあり、
嫌がる瑞希を押さえつけることも容易だったが、今はそれも不可能だろう。

自分の身体を見下ろすと、冬物のセーラー服から膝にかかった濃紺のスカートまで、隠れることなく
つぶさに観察できる。胸が無いだけで視覚がこんなにも変わるのかと、彼女はしきりに驚いていた。
(でも、見れば見るほど子供っぽい体よねえ……これじゃあ自信も無くすわ……)
瑞希が気弱で大人しいのは、貧弱な体格にコンプレックスがあるからだろう。
真理奈は勝手にそう結論づけ、心の中で親友の生い立ちに同情を寄せた。
「はははは、どう? こういうのも新鮮でいいでしょう」
「お生憎様、あたしと瑞希は前にも体を交換したことがあるの。こんなの初めてじゃないわ」
横で余裕を見せて笑う少年に腕組みをして言い返す。
だがその口調とは裏腹に、真理奈の表情には先ほどは見られなかった笑みが見え隠れしていた。
自分の手足を確かめるように動かし、そして目の前にいる巨乳童顔の親友の姿をねめつける。
しかし当の瑞希には友人の意図がわからず、真理奈の体のまま困惑するばかりだった。
463真理奈三たび・前編(5/5) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/02(水) 20:25:00 ID:dypB7+0f
やがて何を思いついたのか、小柄な真理奈がはっきりした声で宣言した。
「よし、やっぱりこれでいいわ! 瑞希、今日はこのままだから」
「え? ま、真理奈ちゃん?」
「一応確認しとくけど、ちゃんと元に戻せるのよね? これ」
強気に目をつり上げて聞いてくる彼女に、美貌の少年はうなずき返した。
「うん、大丈夫さ。君たちは顔見知りだし、後できちんと戻してあげるよ。
 もちろん君たちがこのままでいいって言うんだったら、僕はそれでも構わないけどね」
「……さすがにそれは遠慮しとくわ。
 あたしは自分の体に愛着があるから、今日一日だけってことでよろしく」
「ま、真理奈ちゃん……どうするの?」
不安げに胸の前で手を合わせる瑞希。いつも誇らしげにきびきび動く真理奈の肢体だが、
今は童顔のツインテールの下で頼りなさそうになよなよしている。

自分より長身になった友達を見上げ、真理奈は不敵に笑ってみせた。
「だって、考えたらこれも面白そうじゃない。いつもの薬で上から下まで入れ替わっちゃったら
 あたしは瑞希の家で生活しないといけないでしょ? これだとそれしなくていいから楽ってもんよ」
「え !? もしかして、今日はこのままで過ごすの……?」
「さっきからそう言ってるでしょ? あたしの身体をまた貸してもらえるんだから感謝しなさいよね。
 学校一のアイドル、加藤真理奈様の体よ? 愛しの祐ちゃんもきっと喜ぶって!」
青くなった瑞希に向かって事も無げに言い放つ。
狭いドラッグストアの中、一番の親友の顔がついた自分の体を見下ろしながら、
瑞希は困惑と不安で豊満な胸を一杯にしていた。
「じゃあまた明日来るから、ちゃんと元に戻してよ。それじゃ瑞希、帰るわよ!」
「こ、こんなのやめようよ……真理奈ちゃ〜ん!」
「ありがとうございました〜、またお越し下さいませ――なんてね♪ あっはっは……」
こうして首から下の入れ替わった二人の少女は、誰も客のいないドラッグストアを後にした。
46414 ◆cW8I9jdrzY :2009/09/02(水) 20:27:15 ID:dypB7+0f
以上となります。後編はまた後日。
それではこれにて失礼します。
465名無しさん@ピンキー:2009/09/02(水) 21:05:41 ID:oKf4mJ6x
後編をwktkしながら待ってるぜGJ
466名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 03:04:32 ID:fE/utHA2
gj!まってました!
467名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 09:14:25 ID:OglYR+1q
瑞希死亡フラグw
46814 ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:24:32 ID:DLDlJq/E
という訳で後編の投下となります。
ややアンバランスな分割で、申し訳ありませんでした。
それではどうぞ。
469真理奈三たび・後編(1/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:25:44 ID:DLDlJq/E
冬の日暮れは早く、彼が窓の外に目を向けるともう暗くなっていた。
冬至までどんどん昼が短くなっていく。仕方のないことではあるが、
それでも日没と雲のせいで真っ暗な空ばかり見上げていては愉快なはずもない。
彼は平凡な一戸建ての二階にある自室でカーペットの上にあぐらをかき、
気乗りのしない様子で携帯電話を操作していた。
「やっと返信がきたか。瑞希のやつ、また加藤と一緒だったみたいだな……」
あいつと一緒にいると悪影響を受けそうなんだが、と誰にともなくつぶやいて顔を上げる。
やや鋭い目つきが特徴ではあったが、それ以外はごくごく平凡な少年だった。
短く切られた髪は黒く、体格も中肉中背。顔の作りは悪くないが、人の記憶に残るほどでもない。
中川という苗字は巷に多すぎるほど見受けられるし、名前の祐介も万単位で転がっているだろう。
そんな彼、中川祐介はトレーナーとよれよれのジーンズというやはり平凡な格好で、
殺風景な部屋の真ん中に座り込んでいた。

彼が今メールをしている相手は近所に住んでいる同級生の少女、森田瑞希だった。
幼い頃から幼稚園や小学校で共に過ごし、今では安直かつごく自然に男女の仲になっている。
今日は学校の委員会の関係で少し帰りが遅くなってしまった彼だが、とりあえず
先に家に帰っているはずの彼女に連絡し、一緒に宿題でもしようかと考えていたところだ。
瑞希は内気で大人しいから、できるだけ自分がそばにいてやらないと。
最近は友達の加藤真理奈も面倒を見てくれているようだが、やはり幼馴染として、
そして一人の男としてあの少女のことが心配である。
普段は冷静で無口な態度を装ってはいても、祐介は誰よりも瑞希のことを想っていた。
「なんだ、あいつまだ帰ってなかったのか? 加藤のやつ、またあいつに寄り道させやがって……」
ケータイの画面を見つめ、軽く頭をかいてぼやいてみせる。
瑞希からのメールによると、彼女はつい先ほど家に帰ってきたところらしい。
あの気弱な少女のこと、友人の真理奈に半ば無理やりつき合わされていたことは容易に想像できた。
瑞希に大事な友達がいるというのは彼にとっても歓迎すべきことではあるのだが、
その友人は彼女とはまるで違って明るく積極的、そして男によくもてる女だった。
破天荒な行動を好む真理奈の存在は、時として彼を不安にさせる。
純情な瑞希を彼女の近くに置くことで悪影響を受けないか、とつい心配してしまうのだった。

そのとき玄関のチャイムが鳴ったので、祐介は自室を出て下におりていった。
瑞希からのメールの末尾に彼女がすぐここに来ると書いてあったため、確認もせずドアを開ける。
果たしてそこには予想通り、制服姿の幼馴染の少女がいた。
……だが、しかし。
「ゆ、祐ちゃん……あははは……」
「瑞希っ !? お、お前――どうしたんだ !?」
彼女を出迎えた祐介は驚愕して立ち尽くした。
彼の前にいるのは、まぎれもなく森田瑞希その人である。少なくとも顔と髪型はそうだ。
だが今の瑞希は、ついさっき学校で別れたときとは随分と違った姿になっていた。
百五十あるか疑わしかった背丈は二十センチ近く伸び、彼とあまり変わらなくなっている。
小さくか細かった体や手足も見違えるほどボリュームを増し、
年頃の女性らしく全体的に丸みを帯びてバランスの良いシルエットを形作っている。
AカップだかBカップだか彼も知らない――というより聞くのをはばかられる――ささやかな胸も、
今ははちきれんばかりの巨乳となって制服の胸元で窮屈そうに弾むばかり。
腰の位置は祐介よりも高いところにありそうで、冬だというのに丈の短いスカートからは
むっちり適度に肉がついた太ももが顔をのぞかせていた。
プロポーションが完璧にとれた女の肉体。それが今ここにある。
そして、その首から上だけはいつもの瑞希の童顔と黒髪のツインテール。
アンバランス極まりない幼馴染の姿に、祐介はただ黙って硬直するしかなかった。
470真理奈三たび・後編(2/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:26:21 ID:DLDlJq/E
そうしてドアを開けたまま、玄関先でたたずむこと数十秒。
「――くしゅん!」
瑞希の大きなくしゃみにようやく我に返り、彼は少女を家の中に迎え入れた。
はっきり言って何が何だかさっぱりで、夢でも見ているのかと思ってしまったが
グラマーな瑞希は確かに現実のものとして祐介の前に存在している。
寒そうに震える瑞希にとりあえず熱い茶を飲ませ、二人で彼の部屋に向かうことにした。
幸いにも今日は両親の帰りが遅く、彼女の異様な姿を見られずに済む。
狭い部屋の中、瑞希と向かい合って腰を下ろした祐介は、
おどおどしている彼女から断片的ながらも事情を聞き出すことができた。

「……てことは加藤の友達ってヤツに、そんなカッコにされちまったのか」
「う、うん。明日には元に戻してもらえるそうなんだけど……」
「いいから今すぐ戻してもらってこい。問答無用で」
「そ、それはできないんだって……だから明日までこ、このまま……」
「うわ、マジかよ? しかし見れば見るほどすごい違和感だな、お前……」
幼児体型の幼馴染が、驚くほど肉感溢れる女体になって自分の前に座っている。
普通の男なら興奮して襲いかかっているところだが、祐介にとって今の瑞希の姿は不自然そのもの、
喜びより戸惑いの方が強く、手を出す気になどなれなかった。
いったい彼女の両親は急成長した娘を見てどんな反応を示すのだろうか。
むしろそちらの方が気になるくらいである。
(まるで加藤みたいな体になっちまって……。何がどうなってんのかわからんが、
 もう瑞希をあいつに近づけない方がいいかもしれんなあ……)
祐介がカーペットの上でぼんやり考え込んでいると、不意に瑞希が彼を見つめて声をかけてきた。
「あ、あのね祐ちゃん……」
「ん? なんだ」
正座をして彼の方に身を乗り出す瑞希。
紺色のセーラー服の胸元は気持ち良く揺れ、スカートの裾からは二本の太ももがはみ出している。
その光景に思わず唾を飲み込んでしまい、祐介は慌てて首を横に振った。
(いかんいかん、瑞希もこんな体になって困ってるじゃないか。そんなときに俺ってやつは……)

にわかに首を振り出した彼氏を不思議そうな瞳で見つめ、彼女が言葉を続ける。
「あのね、今の私の体なんだけど……祐ちゃんはどう思う?」
「どう思うって、どういうことだ?」
「だからいつもの私と比べて、いいか悪いかって話……。こ、こっちの方がいいかな?」
妙に真面目な表情で問いかけてくる幼馴染を見返し、質問の意図を把握しようとする。
瑞希の顔はそこそこのレベルだが、首から下は残念ながら完璧な幼児体型と言わざるをえない。
本人も祐介も普段はそのことに一切触れないが、こうして女らしい体になった今の姿を見せられると
やはりどちらも心の隅で、いつもの彼女と比較してしまう。
――ひょっとして瑞希は自分に、今の姿の方がいいと言ってほしいのだろうか。
ふと祐介の頭の中でその疑問が持ち上がり、どう答えたらいいか判断を迷わせた。
471真理奈三たび・後編(3/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:26:55 ID:DLDlJq/E
「んー、そうだな……」
たっぷり十秒は思案に暮れてから、慎重に言葉を選び出す。
「瑞希がどんな見た目でも、俺はお前が好きだ。クサいセリフで悪いけどな」
「祐ちゃん……」
「そりゃ、お前はペチャパイでガキっぽいちんちくりんだけどさ。
 でも俺は、そんなお前とずっと一緒だったんだぞ? 今さらそんなの気にしないって」
「…………」
そこで彼女はじっとして祐介と見つめ合う。
何も言わず何もせずに時を止め、いい加減彼が不安になってきた頃、身を引き小さくつぶやいた。
「そ、そうだよね……変なこと聞いてごめん……」
どこか決まりが悪そうに、そしてほっとした表情で息を吐き、その場に再び座り込む。
理屈ではわかっていても、心の底で劣等感を抱いていた自分の体。
その全てを祐介に肯定してもらい、彼女は涙さえ浮かべてへたり込んでいた。
「おい、どうしたんだよ? ベソなんかかきやがって」
「ご、ごめんね……でも、なんか嬉しくて……グスッ……」
こんなとき、真に必要なのは言葉ではなく行動だ。
彼はやれやれといった表情で彼女の体を引き寄せ、そっと腕を回して抱きしめてやった。
互いの体で二つの巨乳を押し潰し、背中を優しくさすって慰める。
すすり泣く幼馴染を抱きながら、祐介は変わり果てた彼女の体をじっと見下ろしていた。

「瑞希……泣くな、泣くなって……」
「う……うぅ、祐――ちゃん……!」
泣きはらした目を真っ赤にし、しゃくりあげる少女。
祐介の体がほんの少しだけ離れ、今度は顔と顔とが向かい合う。
二人はそのまま目を閉ざし、軽く開いた唇を触れ合わせた。
「…………」
「ん……んむっ……」
先に舌を入れたのは瑞希の方だ。待ちかねたように旺盛な食欲を示し、
祐介の肉と唾液とを味わおうと必死で暴れまわる。
彼は口内で激しく動く瑞希の舌を黙って受け止め、そのまま自然に自分の舌を絡めた。
ぴったり塞ぎ合った唇と、その中で淫靡に蠢く一対の触手。
女が男を慕い、男が女を想う両者の接吻は息が苦しくなるまで続けられた。
やがて大きな息を吐き、わずかな距離を挟んで二人は再び顔を見合わせる。
そして瑞希はふっと微笑み、着ている服を一枚ずつ脱いでいった。
472真理奈三たび・後編(4/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:27:32 ID:DLDlJq/E
衣擦れの音が響き、レースの入った桃色のブラに包まれた乳房がぶるんと揺れる。
祐介の両手でもふんだんに余るほどの肉の塊が瑞希の胸元で弾んでいた。
後ろから手を差し入れブラの上からわしづかみにすると、少女は軽く声をあげて息を吐いた。
「あんっ――はぁっ……!」
「しかしデカいな……それとも、いつものお前の胸が小さすぎるだけか?」
「やぁ、言っちゃ駄目ぇ……!」
普段真理奈から“貧乳どころか平乳”と面白半分で揶揄される瑞希である。
その親友の豊満な乳房を我がものにして心ゆくまで重力を満喫し、
さらにそれを自分の彼氏に揉みしだかれるさまは彼女を高ぶらせずにはいられなかった。
祐介の手が背中を這い回りホックが外されると、瑞希は逆らうことなく腕を回して
そのまま彼に下着を剥ぎ取らせた。
肉を包む胸当てがなくとも瑞希の乳房は形良く張り出し、空気に触れて寒そうに肌を震わせた。
肩がこりそうなほどの脂肪の重み。綺麗な円を描く乳輪と、その先端の小さなつぼみ。
日頃から何気なく見てきた、そして密かに羨望を抱いていた親友の乳が自分の体についている。
不思議な感動を覚えた瑞希だったが、その感慨はすぐに中断させられることとなった。
「あっ !? ゆ、祐ちゃ……いきなり吸わないでよ……」
「何だよ、いつもこうしてやってるだろ? 今日は食べ応えがありすぎだけど」
「ん、んんっ……んあ、あふぅっ!」
いつの間にか正面に回りこんだ祐介が彼女の胸を持ち上げ、赤子のようにかぶりついている。
普段は味わえない感覚に少女は身をよじり、何度も何度も彼の名を口にした。
一方、祐介も瑞希の巨乳に夢中になってむしゃぶりつき、つぶらな乳首を舌先で転がした。
さっきはああ言ったものの、やはりこうして味わうなら胸は大きい方が良い。
今まで特に大きさなど気にしていなかった彼だが、このままこの肉饅に食いついていると
思わず宗旨替えをしてしまいそうな危機感を自覚させられる。
照れ隠しも手伝って、祐介は手を下に回して瑞希のスカート、そしてやはり派手なピンク色の
レースのパンツをゆっくり、そしてじっくりと脱がせていった。

もはや瑞希の身を覆っているのは黒の厚手のハイソックスのみ。
電灯の下で露になった彼女の淡い褐色の肌と色白の頭部との境界が、
首筋に一本の真っ直ぐな線を描いていた。
「どうしたの? 祐ちゃん」
「ん? いや、お前の首に線が入ってるから、何だろうと思ってな」
「あ、それは……繋げてもらったから……」
「繋げてもらった……?」
よくわからなかったが、瑞希の首から下は誰か別人の体なのかもしれない。
もしそうなら、このまま肌を重ねることに抵抗がないでもなかった。
――素直に教えてもらえないかもしれないが、一応聞くだけ聞いておこう。
祐介はそう思い、静かに彼女に問いかけた。
「なあ瑞希、このお前の体……首から下なんだが、誰か他のヤツの身体か?」
「うん……実はこれ、真理奈ちゃんの体なの……」
「加藤の…… !?」
473真理奈三たび・後編(5/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:28:14 ID:DLDlJq/E
あまり当たってほしくない予想が的中し、瑞希は先ほど言い残した説明を全て語ってくれた。
真理奈が退屈だと駄々をこねたこと。そのせいで瑞希と真理奈の首がすげ替えられたこと。
入れ替わった真理奈が事態を面白がり、瑞希の体のまま帰ってしまったこと。
途中から呆れ果ててしまったが、何とか事情を聞き終え、彼は大きなため息をついた。
「はあああ……何だよ、結局あいつのせいじゃねえか。
 あの馬鹿野郎め、瑞希の身体を持ち逃げしやがって……」
「ゆ、祐ちゃん、怒らないで……」
「……お前に怒ってもしょうがないだろ」
短く吐き捨て、もう一度瑞希の体を乱暴に引き寄せる。
小さく悲鳴を上げた少女を無視し、祐介は彼女をカーペットの上に仰向けに押し倒した。
「きゃっ――ゆ、祐ちゃん……?」
「決めた。今日はその加藤の体とヤリまくる」
「え?」
「ムカついたからあいつへの仕返しに、今日は生で犯しまくってやる。
 まったく、お前も嫌なときは嫌だってはっきり言わないといけないんだぞ?」
「ちょ、ちょっと祐ちゃ……あぁんっ !?」

祐介の左手が乳房を、右手が秘所を這い回る。
瑞希のものになった真理奈の性器は、先ほどの乳房への愛撫で感じていたのか
それとも単に情事に慣れているだけか、軽く触れただけで湿り気を帯び始めた。
何人もの男を侍らせた真理奈の秘所である。当然、男性経験は瑞希と比べ物にならないはずだが
祐介にも瑞希にも、その数の見当さえつけることができなかった。
「ふん、もう濡れてやがる……さすがあいつの股だな。エロすぎだ」
「ま、待って祐ちゃん……ちゃんとゴム、つけて……」
「別にいいさ。加藤の体なんだから、お前が心配することないって」
陰唇を開かせ、入り口を指の腹でこすり上げる。乳首をつねり上げたことも加わって
瑞希の口から悲鳴とも嬌声ともつかぬ叫び声があがった。
(まったく……加藤のやつ、瑞希の身体を勝手にもてあそびやがって……)
体を奪われた本人ではなく、なぜか自分の方に静かな怒気が湧いてくる。
考えてみれば昔からそうだった気がする。
内気で人との争いをあまり好まない瑞希は少し相手に凄まれただけで怯え、
しなくてもいい仕事を押しつけられたり、ノートや筆記具を持っていかれたりするのである。
挙句の果てに今回は、大事な身体を他人のものとそっくり交換してしまうなど――。
おそらくあの勝気な女が、瑞希の身体を無理やり奪っていったのだろう。まったく非常識極まりない。
祐介は少女の股間と乳房を撫で回しながら、ひとり真理奈への怒りをかきたてていった。
474真理奈三たび・後編(6/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:28:45 ID:DLDlJq/E
「はぁっ、ふああっ! あぁんっ !!」
蜜の漏れ出した陰部に、今度は人差し指を突き入れる。
大柄な瑞希の性器は苦もなくその指をくわえ込み、関節に雫を塗りたくった。
中で軽く曲げ伸ばしして“の”の字を描くようにこねくり回す。
喘ぐ少女を押さえつけ、次は中指も加えた二本の指で肥肉を貫く。
やはりこの膣は瑞希本来のものより広く、彼の激しい愛撫にも苦しげな様子を見せなかった。
むしろ刺激すればするほど汁を垂らして音をたて、五感を駆使して彼の理性を蝕んでくる。
熟れた肉壷をかき回し、豆の包皮をこすり立て、張った乳房にかぶりつく。
いつしか彼は真理奈への怒りを忘れ、ただ本能と欲望だけで瑞希を責めたてていた。
「ひああぁっ――はあ、あぁぁあっ !! やあぁっ!」
「もうグショグショだな……入れちまうか」
洪水になった秘所から指を引き抜くと、ジーンズの中から勃起した肉棒を取り出す。

寝転がった瑞希はあられもない痴態を晒していた。
唾でベトベトになった胸の先端では二つの乳首がぴんと立ち、
やや毛深い股間はよだれを垂らして祐介が突き入れるのを待ちわびている。
カエルのように曲げられた肉づきのいい美脚も、だらしなく伸ばされた柔らかい腕も
彼が望めばいくらでももてあそぶことができる。
そしてそんな身体の上、首の部分には馴染みの少女の頭部がくっついていた。
苦しそうな呼気と細められてうるんだ瞳が彼に向けられる。
顔立ちこそ幼いが、その首から下は目を見張るほどの肉感を誇る今の瑞希。
祐介はそんな彼女の腰を押さえ、のしかかる形で自分を突き込んでいった。
「ああ……駄目ぇ、駄目だよ……祐ちゃあん……」
「む、意外と締まるな……しかも絡みついて……やべ、気持ちいい……!」
「お願い祐ちゃん……ゴム、ゴムつけてぇ……生は駄目ぇ……」
正上位のまま激しく腰を揺さぶる祐介に、彼女の声は届かない。
これは自分のではなく、大事な親友の身体を借りているだけなのに。
ちゃんと避妊をしてくれないと、後で真理奈に申し訳が立たなくなる。
涙をぼろぼろこぼして懇願する瑞希だったが、彼は心地よさげに腰を振るばかり。
この体と祐介との相性は決して悪くなかった。それどころかいつも自分の体でする以上の快感が
彼女の理性を焼き尽くし、何も考えられなくなるほどだ。
「はあぁんっ! んっ、んぐぅっ、ああぁぁっ !!」
避妊具もつけない彼の陰茎が瑞希の中をほじくり返し、敏感な襞を摩擦する。
激しい性交の快感によがり狂う真理奈の肉体に引きずられ、彼女は次第に意思を喪失していった。
475真理奈三たび・後編(7/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:29:43 ID:DLDlJq/E
犯す側の祐介もまた、予想以上の高ぶりに自分を抑えることができないでいた。
瑞希の腰を結合部ごと持ち上げると、音が鳴るほど強く肉を叩きつける。
ねっとり絡みついてくる肉と高熱のスープ、そして自分を根元まで飲み込める奥行きの広さ。
いずれをとっても普段の瑞希とは段違いの感度を誇り、悔しいがこの体の良さを認めざるをえない。
(くっそ、たまらねえ……!)
祐介の女性経験は瑞希一人だけ。比較対象としては少なすぎたが、
それでもこの真理奈の膣が人並み以上の名器だということは確かな実感として理解できた。
これは真理奈への仕返しなのだという正当な怒りもどこかへ消えうせ、
気がつけば彼はただ快楽のためだけに腰を振り、彼女の中をかき回していた。
男を受け入れて狂喜し、襞と汁とでもって彼を責めたてる膣内。
胸元では豊かな肉の塊が前後に揺れ、あり余る弾力を見せつける。
そしてその持ち主はどう見ても中学生、下手をすれば小学生にも思える童顔の幼馴染。
自分を取り巻く奇異な状況と肉欲の高ぶりとに、彼はとうとう限界を迎えた。

「うっ……で、出る――瑞希、出すぞっ!」
「うあ、あぁぁあっ !! 駄目、駄目なのぉっ !!!」
無意識のうちに瑞希の肉に爪をたて、奥の奥まで肉棒を突き入れる。
瑞希の思いとは無関係に、蜜に満ちた真理奈の膣は思い切り収縮して彼に射精を要求した。
そして濃厚な子種が前立腺から尿道を経て、女性器へと勢い良く注ぎ込まれる。
「うぅっ! う、はあぁ……出ちまった……」
「ああぁ……駄目、駄目って言ったのにぃ……祐ちゃんのバカァ……」
祐介の精子が真理奈の卵子を目指し、一直線に彼女の中を泳いでいく。
時機であれば両者は無事受精を果たし、愛し合ってもいない二人の遺伝子が混じり合うかもしれない。
たっぷりと精を放出した彼はしばらく膝立ちの姿勢で身を震わせていたが、
やがて力なく息を吐き、抱きかかえた相手の顔を見下ろした。
気を失ってはいないようだが、瑞希は頬を濡らしてしゃくり上げていた。

「う、うぅ……グス、ひっく……」
「ほら、泣くなよ瑞希」
「だ、だって……これ真理奈ちゃんの体なのに、思い切り中に出しちゃって……ううぅ……!」
涙ながらの懇願にも関わらず避妊を無視され、たっぷりと射精された瑞希。
これが自分のならまだしも、大切な友人の体なのだから泣きじゃくるのも無理はなかった。
せめて避妊具をつけていればまだ良かったのだが、もし妊娠してしまったらどうするのか。
最悪、責任を取って祐介と真理奈が結ばれてしまう可能性すらあるのだ。
心配性の瑞希の不安はどんどん、果てしなく膨らんでいく。
「ほら瑞希、落ち着けって……」
そうして彼女がすすり泣いていると、不意に彼が腰を持ち上げ、膣の奥を軽く小突いた。
「はぁんっ…… !? や、やめて……祐ちゃん抜いてぇ……!」
「だってお前も気持ち良かっただろ? 加藤の体でするセックス」
「そ、そうだけどぉ……でも、ちゃんと避妊しないと……」
「お前、自分のことは無頓着な癖にあいつのことは気にするんだな。
 たまにはお前も他人に気を遣わないで、やりたいようにやってみろよ?」
どうせ加藤だしな、何があっても大丈夫だって。そう言って祐介が空いた手を彼女の乳房に伸ばす。
緩やかに腰を動かしつつ張りつめた胸を撫で、揉みしだく。
「やぁ、祐ちゃ、ゴム……お願いぃっ……!」
「くっ、締ま……また出るっ――くうぅっ…… !!」
なし崩しに再び交わり始めた二人の性器は、いつまでも歓喜の声をあげて繋がり続けた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
476真理奈三たび・後編(8/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:30:16 ID:DLDlJq/E
その晩、加藤直人はただひたすらに困惑していた。
「なーおとっ、ほらおいで♪」
上機嫌の彼女に呼ばれ、つい条件反射でその手をとってしまったが、
この不可解すぎる事態に、彼の頭の中では先ほどから疑問符が点滅を繰り返していた。
直人は同年代の男の子と比べても小柄で、繊細な雰囲気を持った少年だった。
整ってはいるが線の細い顔立ち、短いながらもさらさらした美しい黒髪から
小六になった今でも少女に間違えられることがあり、本人もそれを気にしている。
性格も優しく気弱で、ほんの少し前までは級友たちに毎日泣かされる始末だった。
その彼が一番好きな相手が、ここにいる従姉の真理奈である。
彼女は昔から面倒見が良く、あれこれと彼の世話を焼いてくれていた。
明るくて美人の従姉は幼い彼にとっては憧れの存在であり、初恋の相手でもあったのだ。
また真理奈の方も、小さいながらも賢くて可愛らしい直人のことを憎からず思っているようで、
いつかこの従弟が自分にふさわしい立派な男に成長する日を楽しみに待っている。
もっとも真理奈がただ待つだけの女であるはずがなく、既に直人に手を出してしまっていたが。
気に入った相手となれば、小学生にも平然と性行為を強要するのが加藤真理奈という女だ。
直人の両親が海外出張のため自分の家で預かっているのをいいことに、
小心な彼をリードして自分好みの男に育て上げるつもりらしい。

そんな訳で今夜も直人は従姉と褥を共にし、性の手ほどきを受けることになっていたのだが――。
「お……お姉ちゃん、どうしちゃったの?」
真理奈は女性にしては長身で、小学生の標準よりも背が低い彼はいつも見上げなくてはならなかった。
頭一つ分にもなる身長差。これが自分と従姉の歳の差なのだと日々思い知らされてきたのである。
ところが今はどうしたことか、真理奈の目線は自分とほとんど変わらなかった。
顔はいつも通りの真理奈でありながら、手足は華奢で背も低く、まるで小学生かと思ってしまう。
大きく魅力的だった尻も胸も真っ平ら、かなりずん胴の幼児体型だ。
普段は彼女の膝上辺りまでを覆う桃色のワンピースのナイトウェアも
今は足首にまで届きそうなほどで、まさにぶかぶかの状態だった。
いったい従姉はどうしてしまったのか。まさか幼児化したとでも言うのだろうか。
学習塾で疲労を溜めた直人はろくに頭が回らず、戸惑うことしかできなかった。
「うふふ、大丈夫よ。あんたは気にしなくていいから」
目を丸くする少年に明るく笑いかけ、真理奈がその正面に立つ。こうして向かい合うと、
自分とこの従弟が同い年になったような気がして苦笑してしまう。
大きすぎるナイトウェアを脱ぎ捨ててパンツだけの姿になった。ブラジャーは当然のごとく
手持ちのものではサイズが大きすぎたし、そもそも必要がないようにさえ思える。
自分のものになった瑞希の体を見下ろしながら、真理奈はにやにや笑っていた。
477真理奈三たび・後編(9/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:30:56 ID:DLDlJq/E
「じゃあ直人、今日もあたしとエッチしようね」
「う、うん……」
真理奈と共にベッドに上がり込み、パジャマ姿のまま抱きしめられる直人。
日頃こうしていると真理奈の豊かな胸や力強い腕がよく実感できるのだが、
今はまるで同級生の少女と抱き合っているような錯覚を覚える。
本当にこの女は憧れの真理奈なのだろうか。思わず疑ってしまう直人だったが、
すぐ目の前にある彼女の顔は、相変わらずの大人の表情で彼に微笑みかけている。
(まりなお姉ちゃん……ほ、本物だよね……?)
真理奈の小さな手が直人の寝巻きにかかり、下をゆっくり脱がせていった。
白いブリーフをずらされ、まだ小ぶりな男性器が恥ずかしげに顔を出す。
彼女はその肉棒をもてあそぶように指で挟み、軽くしごき始めた。
「う……ん、あぁ……お、姉ちゃ……!」
「ふふ、どう? いつものあたしとどっちが気持ちいい?」
「え? そ、そんなこと聞かれても……」
好奇心をむき出しにした真理奈に問われたが、答えられるはずもない。
声が漏れる口を右手で押さえ、直人は無言で首を横に振った。
「ん〜、残念……。しっかし手だけってのも面白くないわね。
 でもこの胸じゃ挟めないし、フェラじゃいつもと変わんないし、どうしよっかな〜?」
「はぁ、ああぁっ……あぁっ!」
袋と竿の根元を左手でつかみ、もう一方の手で幹と先端をしごき続ける。
手馴れた真理奈の動きに、まだ経験の浅い直人は喘がされるばかりだった。
すぐに肉棒はぴんと立って上を向き、未熟ながらも一人前に勃起してみせる。
真理奈はその様子を目を細めて眺めていたが、やがて両手の動きを止めた。
楽しそうに笑いながら直人を見つめる従姉。

「はぁ、はぁ……まりなお姉ちゃん……?」
「ふふふ……今度はあたしのを舐めてちょうだい」
唯一残されたピンクの下着も脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿になる。
蛍光灯の明かりに照らされた真理奈の肉体は、普段の官能的な肉欲ではなく
まだ幼い少女の愛らしさを直人の網膜、そして脳裏に焼きつけた。
直人は仰向けになって寝転がった真理奈の両脚に手をかけ、ゆっくりと開いていく。
「あ……」
日夜こうして性の知識を教え込まれているので、今さら女性器を見てもそううろたえはしない。
だが今の彼女のその部分は日頃と比べ物にならないほど毛が薄く、入口も随分と狭そうだった。
普段と全く異なる真理奈の割れ目の姿は、彼に新鮮な驚きを強要してやまない。
「こ、ここも小さくなってる……」
「そうよ。あんたにはこっちの方が、大きさ的にちょうどいいかもしれないわね」
直人は内心の興奮を抑えつつ、だんだん近づいていく。
そして真理奈の股間に完全に顔をうずめると、目を閉じて性器を舐め始めた。
まだ湿っていない陰唇に唾を塗りたくり、舌で慎重に撫で上げていく。
物慣れない少年の動きはたどたどしくもあったが、真理奈は半ば意識して声を漏らしていった。
――やはり感度がいまいち、見た目もそそらないだろうから雰囲気を出してやらないと。
そう思って声と息とを吐き散らし、少年の名を連呼する。
従姉の太ももを持ち上げた姿勢で、直人は犬のようにその秘所を貪り尽くした。
「あ――直人……ん、上手よ……」
「んっ、んん……」
478真理奈三たび・後編(10/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:32:07 ID:DLDlJq/E
割れ目の左右を充分に舐め上げ、そして上へゆっくり移動していく。
包皮に包まれた陰核はまだ露出していなかったが、彼は両の唇で真理奈の上半分をくわえ込むと
舌先で優しく、だが執拗にクリトリスをつつき回した。
「あぁっ、いい……はあぁっ…… !!」
普通の小学生にはとてもできない行動だが、これも彼女の教育の成果である。
直人は賢くて物覚えが良く、しかも真理奈に絶対服従。
彼女の方もこの年下の従弟をたいへんに可愛がっており、
こうして毎日のように早すぎる性教育を施しているのだった。
そろそろ男女の違いを意識し始める年頃の少年にとって、この従姉と過ごす日々は刺激が強すぎたが
どちらもやめようとする意思はなく、まさにやりたい放題といった状況だ。

「んむっ……ん、ちゅ、ぷはぁっ……」
「んっ、んああぁっ……あああぁんっ !!」
ブルブル身を震わせ、真理奈が背筋を反らして唾を吐く。
いつもの彼女と比べて絶頂に至るまでの時間がやや短かった気がしたが、
それもこの身体の異常のせいだろうか。
直人は従姉から一旦離れ、勃起した自分の陰茎を押さえて彼女を見守った。
細められた目はとろんとして焦点が合わず、熱い息の漏れる唇からは一筋の唾液が垂れ下がっている。
ベッドの上で仰向けのまま絶頂の余韻にひたる幼い少女。今の真理奈はそんな存在だった。
(それにしてもお姉ちゃん……ちっちゃくなって、なんか瑞希さんみたい……)
以前この家に遊びに来た真理奈の親友、森田瑞希の姿が頭をよぎる。
彼女も直人と同じく内気で気弱、その上小柄でかなりの幼児体型。
あまり真理奈と共通点があるようには見えなかったが、不思議と仲はいいらしい。
今の彼女を見ていると、まるで頭部以外がその瑞希のものになってしまったような錯覚に囚われる。
その考えは事実を正確に捉えていたのだが、事情を知らない彼にそれ以上の推測は不可能だった。

「はぁ、はぁ……直人……」
「まりなお姉ちゃん……?」
ようやくこちらに声をかけてきた真理奈。その表情だけは平生の加藤真理奈だ。
彼女は軽く身を起こし、両手を広げて直人を誘ってきた。
「ごめんね、あたしだけ気持ち良くなっちゃって。
 あんたもそろそろしたいでしょ? ほら、こっち来て……」
「う、うん……わかった……」
腰から下が素っ裸の少年と、一糸まとわぬ全裸の少女。
顔以外はあまり変わらない年頃に見える二人の男女が近づき、静かに身体を絡め合った。
仰向けの真理奈にのしかかり、直人がパンパンに膨張した自分のものをぐっとあてがう。
真理奈も従弟の体に腕を回し、抱き合ったままゆっくり彼を受け入れていった。
彼女の首から下、瑞希の性器が真理奈の意思で直人のものと結合して一つになる。
「う……あ、お姉ちゃ……!」
「んんっ――ふ、太いぃ……っ !!」
小学生の未成熟な肉棒でも今の真理奈の膣を満たすには充分だった。
日頃は物足りないサイズで不満の残る性交も、今は激しい快感となって彼女の脳を侵す。
直人も直人で、自分の肉棒を締めつける狭い膣の感触にこれまでにない刺激を感じ、
我を忘れて腰を動かし、結合部を力の限りかき回した。
479真理奈三たび・後編(11/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:32:29 ID:DLDlJq/E
「あぁっ……! いい、直人いいよぉっ !! あんた最高っ !!」
「うあ、あつ――こ、これなに…… !?」
普段は年頃の男のものを苦労してくわえ込んでいる肉壷だ。
小学生の大きさがちょうどいいというのは情けない話で、持ち主が聞けば怒るかもしれなかったが、
今の二人はこの性器の組み合わせに存分に喘ぎ、あられもない痴態を晒して乱れ狂った。
真理奈と祐介、瑞希と直人。たとえ愛はなくとも体の相性は極めて良好らしい。
直人が真理奈を押さえつけ、浅い部分を円運動で責めたてる。
心地よい快感に彼女が背筋を震わせていると、突然奥まで一気に突き入れられた。
「ふあっ !? ああ――あぁ……!」
「おねえちゃ、おねえ……まりなお姉ちゃあん……」

愛しげに自分の名前を呼んで腰を振り続ける従弟。
女を喜ばせるテクニックを順調に習得しているのは好ましいことではあったが、
今の真理奈にはそれを褒めてやる余裕もない。
力いっぱい彼を抱きかかえ、両脚を直人に絡めて抜けないよう身を引き絞る。
おかげで根元まで突き刺さった肉棒が、そのまま真理奈の奥の奥まで突き進んできた。
深い部分をえぐられる刺激に呼吸が止まり、代わりに苦悶のうめきが口をついて出る。
直人も半ば無意識のうちに動いているようで、真理奈の苦しげな姿を省みず、必死に腰を前後させた。
まるで小学生同士の幼い交わりにしか見えなかったが、
少なくとも女の方はもう子供とは言えない容姿の娘である。

「す、すご――これ、すごいいぃっ!」
年上の余裕をすっかり無くし、小学生の男子に喘がされる真理奈。
いつもはありえない混乱と困惑が胸中に湧き上がったが、決して不快なものではなかった。
恵まれた体格、プロポーションのとれた肉体を誇りに思ってきた彼女にとって、
こんな幼児体型の肉体でもこれほどの快感を得られるというのは、実に意外な発見だった。
ずっとこのままでもいいとさえ一瞬ながら思ってしまったほどだ。
(まあ、さすがにそれはやめとくけどね。でも気持ちいいなあ、瑞希の体も……)
瑞希の身体になった真理奈と、真理奈の身体になった瑞希。
やはり彼女は自分の体で祐介を誘惑したのだろうか。彼に抱かれて鳴き叫んだのだろうか。
従弟の少年と交わりながら、真理奈は親友の少女に思いを馳せた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 
480真理奈三たび・後編(12/12) ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:33:08 ID:DLDlJq/E
翌日。相変わらず客のいないドラッグストアの中で、真理奈と瑞希は元の姿に戻っていた。
二人とも返ってきた自分の肢体を見下ろし、本来の身体の感触を確かめる。
「よしOK。やっぱあたしの体のが動きやすいわね」
「ああ、私の体だ……おかえりなさい」
腰をひねって軽い運動を始めた真理奈と、腕を回して自分の体を抱きかかえる瑞希。
そんな二人の少女を見つめ、美貌の少年は爽やかに笑ってみせた。
「で、どうだった? 二人とも、昨日は満足したかい?」
「ええ、あたしは充分。瑞希、ありがとね」
「ま、真理奈ちゃん……ごめんね」
顔を赤らめた瑞希がうつむく。その仕草だけで彼女が昨日何をしたか容易に想像できたが、
そんなことはお互い様だ。瑞希の懸念をよそに、真理奈はどこまでも上機嫌だった。
二人の胎内にはそれぞれ恋人でもない男の精子がたっぷりと注がれ、今も卵子を求めて泳ぎ回っている。
真理奈はくるりと一回転し、カウンターの向こうに立つ少年に言った。
「いや〜、なかなか楽しかったわよ。あんたにも感謝したげるわ」
「そう? 喜んでもらえたなら何よりだよ。どういたしまして」
「それでさ、ちょっと聞きたいんだけど、
 これ他のやつが相手でも首を取ったりつけたりできるのよね?」
「もちろんさ。老若男女、誰でも構わないよ」

そこでカウンターに肘をついてもたれかかり、彼女はにやりと笑った。
外の寒さも忘れてしまったのか、媚びるように少年にすがりつこうとする。
「じゃあさ、今度中川を連れてくるから、あいつの首をあたしのと交換してよ」
「えっ、祐ちゃんと !?」
自分とつき合っている幼馴染の名前をにわかに出され、瑞希が目を剥いた。
だが彼女は親友の困惑などお構いなく、自分の願望と欲望をずらずら並べ立てる。
「あいつなら体格も悪くないし、男の感じが味わえそうじゃない?
 自分の体をあたしが襲っちゃう分には別に問題ないしさ。ねっ、お願い!」
「へぇ、それはなかなか面白そうだね。やってみようか」
「だ、駄目っ !! 駄目駄目駄目駄目、そんなの駄目ぇっ !!!
 祐ちゃんにそんなことしないでっ !!」
「え〜、別にいいじゃない。きっと面白くなるって♪
 どうしても嫌なら瑞希とあいつを入れ替えて、あたしがそこに加わってもいいわよ。
 いっそ直人も入れてシッチャカメッチャカにするのも良さそうねえ」
「よしそうだね、じゃあ早速段取りを――」
「だから、祐ちゃんを巻き込まないでってばぁっ !!」
心底楽しそうな顔で喋り続ける真理奈と、必死でそれを止めようとする瑞希。
そしてその二人のやり取りを聞いて面白がる少年。
狭い店内には冬とは思えないほどの熱と活気が満ち満ちていた。
48114 ◆cW8I9jdrzY :2009/09/03(木) 19:38:27 ID:DLDlJq/E
以上となります。

色々あって、最近なかなか投下できませんでした。
またぼちぼち書いていこうと思ってますので、どうかおつき合い下さい。
ご覧下さってどうもありがとうございました。

最後に個人保管庫を置いておきます。
このスレには立派な保管庫がありますが、こちらは私個人の倉庫なので
他スレに投げたスピンオフSSもしまいこんでいます。興味がある方はぜひどうぞ。
宣伝になってしまって、大変申し訳ありません。
ttp://www.s-ht.com/~senatika/

それではこれにて失礼します。どうもありがとうございました。
482名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 20:44:34 ID:bBKdQCdy
一番槍GJ
483名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 21:08:54 ID:OglYR+1q
これもスワッピングの一種なのか?w
久々の投下GJでした!
484名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 19:10:32 ID:waEwV6Gn
GJ!
少年のキャラが良すぎる。
友達にほしいわ。
485名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 12:57:55 ID:dLUxRK6Z
GJ!
486名無しさん@ピンキー:2009/09/10(木) 22:16:49 ID:BYbz3Pio
>>475
GJ
487ADULT BABY CHILD 1話:2009/09/13(日) 20:22:57 ID:ZVmP2PuH
私が、そのマジックショーに足を運ぶきっかけは、今考えてみれば、それ自体が不思議としかいいようのないことからでした。
土曜日の午後、休日だったその日、買い物から帰ってきた私は、テーブルの上に積まれたDMの山の中から、そのチケットを見つけだしました。

ミレニアム・イリュージョン・マジックショー

かなり、月並みなネーミングが、そのチケットには書かれていました。
問題は、そのチケットの有効日が、それを見つけた当日だったことです。
幸いにも、開場は、夜8時からでしたし、今夜は、なんの予定もありませんでしたから、、時間的には、問題はありません。
もし、つまらなければ、そこで帰ってきてもいいのです。
会社での話題くらいにはなるだろうと想い、私は、会場に脚を運ぶことにしました。
会場の正確な位置を私は知らなかったので、駅前から、タクシーを利用しました。
流石に、プロのドライバーとなれば、その辺は、任せてかまわないところです。
10分ほどで、私は、その会場へとたどり着きました。
タクシーから降りた私は、想わず息を呑みました。
いつのまにできたのでしょう。
まるで、ラスベガスのホテルを彷彿とさせる(といっても私自身、ベガスに行ったことはありません。あくまでも、テレビなどでみた映像から、そう判断しただけです。)絢爛豪華な建物がそこにありました。
この辺りには、少なからず、来たことがあるはずなのに、こんな立派な建物があったとは、気づきませんでした。
とにかく、ここが、マジックショーの会場であることは間違い在りません。
建物の豪華さに気圧されながらも、私は、会場へと足を踏みれました。
受付で、チケットを提示すると、私は、丁寧にも席へと案内されました。
私の席の番号は、783番でした。
位置的には、やや前側のほぼ中央です。
なかなかステージが見えやすい位置といえるでしょう。
私が席に座った時には、6割程度の入りだった会場が、少しすると、急に観客も増えてきました。
幕開けの時間が迫ってきたのです。
観客席は、ほぼ満員になっていました。
まもなくステージが始まることを知らせるアナウンスが流れました。
場内を照らしていたライトが、ゆっくりとその照度を落としていきます。
不意に、BGMが流れ始めました。
ステージを隠していた幕が、ゆっくりと上がっていきます。
いくつものスポットライトが、ステージの上をてらしだし、肌も露わな格好の女性を従えたタキシード姿の男性が、姿を現します。
マジックの内容は素晴らしいものでした。
イリュージョンマジックだけに、いずれもおおがかりなものばかりですが、どれも、スケールが半端ではないのです。
5人の女性が、階段でも上るかのように宙に浮いたと想えば、彼女たちは、そのまま空中でダンスを踊り始めました。
アニマルプリント柄のドレスの女性が、檻の中に入れられました。
布地が、一瞬、その檻を覆い隠し、そして外されたその後、檻に中には、女性ではなく虎の姿があります。
途中で帰るなんてとんでもない!
私は、このマジックショーにすっかり魅入られていました。
ショーが始まってもうすぐ1時間と言うところでしょうか。
エプロンドレス姿の、7,8才くらいの愛らしい女のコがステージに姿を見せました。
ステージの中央まで、小走りに駆け寄ってくると、女のコは、ぺこりとお辞儀をしました。
その愛らしさに、会場に、小さなどよめきが生まれます。
私も、想わず、口元を緩めていました。
女のコが現れた反対側のステージの裾から、今度は、黄色く塗られた箱が1つ姿を見せました。
高さは130センチほど・・・この女のコより、やや高めと言うところでしょうか。
箱の途中には、それぞれ、上下から40センチ強ほどのところで、横に線が描かれており、3つの立方体が縦に重ねられたかのようなイメージがありました。
その線に合わせるようにして、箱の3つの蓋が開きました。
アシスタントの女性が、手を取って、女のコをその箱の中に、誘います。
女のコが、箱に入ると同時に、パタンと蓋が閉じられました。
488ADULT BABY CHILD 2話:2009/09/13(日) 20:27:07 ID:ZVmP2PuH
これが、確かに箱であることを証明しようと言うように、アシスタントの女性が、ゆっくりと箱を回転させていきます。
箱が一回転し、その正面が、ステージに向いたところで、顔と足下の蓋が開けられました。
そこには、紛れもなく、女のコの顔と脚が見えます。
再度蓋が閉じられました。
マジシャンの男性が、箱の一番上・・・女のコの頭が入っているところに、両手をかけました。
いくら男性とはいえ、女のコの入ったこの箱を持ち上げられるとは想えません。
そう私が思ったとき、一番上の箱が、持ち上げられました。
そう、女のコの入った箱は、1つではなく、40センチほどの箱が3つ積み重ねられて造られていたのです。
残った2段分の箱は、もう1メートルほどの高ささえありません。
いくら小さな女のコとはいえ、こんな狭い箱の中では息苦しいのではないのでしょうか。
そう想ったとき、続いて、2つ目の箱が持ち上げられました。
残った箱は、45センチ四方ほどの小さな箱にすぎません。
いくら女のコとはいえ、この小さな箱の中に、入れるとは想えません。
分割された3つの箱が、それぞれ、テーブルの上に横に並べられました。
一体、女のコはどうなってしまったのでしょうか?
マジシャンの手が、今度は、バラバラになった箱の蓋にかけられました。
彼が手を伸ばしたのは、脚の入った箱のはずです。
なんの遠慮もなしに、マジシャンは、蓋を開きました。
もしこれがマジックでなければ、残酷な場面に他ならない光景が、そこにあるはずでした。
しかし、その想像は裏切られました。
確かに、そこには、箱と一緒に3分割された女のコの脚がありました。
スカートの裾に、フリルのついた白いソックス、光沢のある赤い靴。
しかし、箱の中は血塗れではありません。
それどころか、その小さな足がステップさえ踏んでいるではありませんか。
胴体から切り離されているにも関わらず、脚が動いているのです。
続いてマジシャンは、胴体の入った箱の蓋を開けます。
そこには、やはり分割された胴体がありました。
もちろん、白いエプロンには、赤い染み1つありません。
女のコの手が、落ち着かない素振りで、ドレスのフリルを触っています。
そして、遂に、マジシャンの手が、最後の箱の蓋にかかりました。
果たして、そこには、女のコの頭が入っているのでしょうか。
知らず知らずのうちに、私は、息を呑み、両手をぎゅっと握りしめていました。
マジシャンの手が、勿体ぶった動きで、蓋の留め金を外します。
指先がゆっくりと蓋にかかり、次の瞬間、まるで、バネが弾けるように、ぱっと蓋が開けられました。
観客席から、どよめきが起こりました。
半ば、予想し期待していたこととはいえ、それを現実に目の辺りにした時の驚きが0になるわけではありませんでした。
いや、むしろ、想像していただけに、驚きがそのまま興奮へと繋がったのでしょうか。
箱の中には、紛れもなく、女のコの首が入っていました。
無論、血など一滴も流れてはいません。
自分を照らし出すスポットライトがまぶしいとでもいうように、その目が、瞬きました。
女のコの頭は、まるで、自分がバラバラになったことを喜んでいるかのように笑顔を振りまき、両手は振られ、両脚は、楽しそうに箱の中でステップを踏んでいます。
バラバラになっているにも関わらず、この女のコは、確かに生きているのです。
いくらタネも仕掛けもある手品とはいえ、どうやったらこんなことができるのでしょう。
観客の拍手は鳴りやむことを知りません。
そして、それは私も同じことでした。
女のコの箱が、再び、縦に重ねられました。
マジシャンの手にはいつのまに(多分、これもマジックなのでしょう。)マイクが握られていました。
「ここで、ちょっと観客の皆様に、お手伝いをお願いしたいと想います。それでは・・・783番の方。」
489ADULT BABY CHILD 3話:2009/09/13(日) 20:29:34 ID:ZVmP2PuH
783・・・それは私の番号のはずです。
いつのまにか、私のすぐそばに、アシスタントの女性が2名、やってきていました。
彼女たちが、手のさしのべてきては、もはや拒絶するわけにもいきません。
それに、私自身、どのようなことになるのか、興味はありました。
ステージの上にあがることに恥ずかしさはありましたが、それ以上に、この後、何が起こるのか・・・それも自分の身に・・・そのことへの好奇心が勝りました。
私が、ステージにあがると同時に、観客席から、一斉に、拍手が起こりました。
恥ずかしさは、相変わらずあったものの、注目とスポットライトを浴びる、それもステージの上でとなれば、それは決して不快なものではありません。
もっとも、そうと分かっていれば、もっとおしゃれをしてくるんだったと想いましたが。
そんな私の想いを読みとったのでしょうか。
私の目の前で、大きな布が、波打つように振られました。
一瞬、視界が布で覆われます。
不意に、私は、感触の変化を感じました。
布が、床へと落ち、視界が元に戻った瞬間、観客席から、一斉に拍手が起こりました。
一体、何が起こったというのでしょう。
私は、不意に、肩のあたりに、風が吹き抜けるのを感じました。
そして、肘の辺りから、指先へ、何かに軽く締めつけられるような感触も。
先ほどまで、私が着ていたはずのブラウスとフレアスカートは、どこにもありません。
一瞬のうちに、私の服装は、ダークパープルのカクテルドレスと、肘までの手袋、そして、シルバーのピンヒールへと変わっていました。
衣装の早変わりは、テレビのマジックショーで、何度か見たことはあります。
しかし、アシスタントの女性が相手なら、予め重ね着するなど、仕掛けを施すこともできるでしょうが、観客席からあがってきたばかりの私が相手では、一体、いつタネと仕掛けを用意できるというのでしょう。
それとも、これこそマジックとでもいうのでしょうか。
先ほどの女のコの入った箱より、箱1個分、つまり、45センチほど高くなった箱が、ステージに姿を現しました。
私のすぐそばまでやってきたその箱の蓋が、開かれました。
マジシャンの男性が、私に、その箱に入るようにと、仕草と視線で、指示してきました。
私の身体も、あの少女のように、バラバラにされてしまうのでしょうか?
自分がバラバラにされると言うことへ、一瞬恐怖を覚えた私でしたが、やはり、どういう仕掛けなのか気になりましたし、それに、これは、あくまでも、マジックにすぎないという事実を想い出しました。
バラバラになった少女の手と足は、精巧なダミー、あるいは他の人間が、箱の裏側や下から、その部分だけを突き出しているのでしょう。
無論、いくら、目を凝らしても、そういった仕掛けは、どこにあるのか、皆目見当もつきませんでしたが、そもそも、そう簡単に分かってしまっては、マジックとはいえません。
どういう仕掛けなのかは、断言できませんが、身をもって体験すれば、それも分かるに違い在りません。
意を決して、私は、箱に中に入りました。
私が箱に入ると同時にその蓋が閉められます。
想っていたより、その箱は、密閉性が高かったようです。
蓋が閉められた途端、その中には、一筋の光も射し込まなくなり、完全に暗闇となってしまいました。
あまりに暗さに、私は、自分の身体さえ、見ることがかなわなくなってしまいます。
しかも、この箱は、大人である私には、余りにも狭すぎ、手も足も、ろくに動かすことができなくなっていました。
不意に目の前の蓋が開き、と同時に、足下からも光が射し込んできました。
どうやら、私が、確かに、この箱の中にいることを、観客に確認して貰うため、蓋を開けたようです。
しばらくして、再度蓋が閉められました。
私は、またもや暗闇の中に、閉じこめられたことになります。
不意に、頭の両脇の板から、軽い振動が伝わってきました。
何かが、箱・・・その両脇から触っているかのような感触です。
次の瞬間、私は軽い浮揚感・・・エレベーターで、上の階へと向かうときにも似た感触を覚えました。
持ち上げられている?
そう想った時、新たな異変に私は気づきました。
身体の感触は、突如消え失せていたのです。
まず、手そして指の感触がなくなっていることに気づきました。
そして、箱の底を踏みつけているはずの両足の感触も。
狭い箱の中で、ろくに動かすことができないとはいえ、身体の感触までなくなるとは、一体、どういうことなのでしょうか。
首から下の感触がなくなってしまったことに、私は、悲鳴を上げそうになりました。
後数秒時間が在れば、間違いなくそうしていたでしょう。
490ADULT BABY CHILD 4話:2009/09/13(日) 20:30:54 ID:ZVmP2PuH
混乱した私は、そこで、ことんという小さな音と振動の感触に気づきました。
いつのまにか、浮揚感が消え去り、途端に身体の感触が戻ってきました。
床を踏み立っている脚の感触、そして、間違いなく、指を閉じたり開いたりもできる手の感覚。
私が、暗闇の中で、ほっと安堵のため息をはいたその時、いきなり、箱の蓋が開けられました。
それほど長い時間ではなかったとはいえ、暗い箱の中に閉じこめられていた私には、照明の光が、突き刺すように感じられます。
観客席から、われるようなどよめきと拍手がおこりました。
一体、なにがあったというのでしょうか。
先ほどまで、暗闇の中に閉じこめられていた私には、分かるはずもありません。
アシスタントの女性の手招きに応じて、箱から、脚を踏み出した私は、そこで、違和感を覚えました。
どう言ったらよいのでしょう。
十数秒後、私は、その理由に気づきました。
目線の位置が低くなっているのです。
ステージ上のマジシャンやアシスタントの顔が、私の遙か頭上にありました。
まるで、両膝を地面についている体勢のような高さです。
無論、膝をついているはずがありません。
両足からは、確かに、その両足で立っているという感触が伝わってきます。
一体、私はどうなってしまったのでしょうか?
私は、足下に視線を向けました。
もしかして、自分が立っているその場所が、一段沈んでいるのではないか、そう想ったからです。
しかし、その考えは、呆気なく裏切られました。
私が立っていたのは、アシスタントの女性達と全く同じ高さの床の上でした。
しかし、別の事実が私を、驚愕の底へと、突き落としました。
またもや、私の服装が変わっていたのです。
箱に入る前のカクテルドレスではありません。
といっても、その前の、ブラウスにスカートという格好でもありません。
今の私の服装は、あの女のコと同じエプロンドレスになっていたのです。
無論、それだけなら、私は、それほどまでに驚きはしなかったでしょう。
私を驚愕させたのは、そのエプロンドレスに包まれた私の体型でした。
見下ろしているとはいえ、自分の体型の変化は一目瞭然でした。
そもそもこの視界の低さ自体、今の私の変化を明確に物語っています。
私の身体は小さくなっていました。
そう、先ほどの女のコのように!
私が見下ろしている私の身体は、まるで、7,8歳の少女のようになっていたのです。
私は、恐る恐る自分の手を、顔の高さまで持ち上げました。
エプロンドレスに包まれた小さな腕が、ゆっくりと持ち上がってきます。
自分でも、細くて綺麗だと自信のあったその指が、そこにはありませんでした。
以前とは、半分ほどにまで小さくなったその手・・・そしてその指は、ふっくらとした可愛い指でした。
491ADULT BABY CHILD 5話:2009/09/13(日) 20:31:44 ID:ZVmP2PuH
不意に、私のそばに、鏡が移動してきました。
大人でも、ほぼ全身が映しだせるような大きな姿見です。
反射的に、私は、鏡の方へと振り向いていました。
今の自分の姿を確かめずにはいられなかったからです。
一目見ただけで、私は、絶句せざるを得ませんでした。
まさかという想いは、鏡を見る前から、頭の中に浮かんでいました。
そこに映し出されていたのは、紛れもなく、子供の身体・・・エプロンドレス姿の・・・先ほどの女のコの身体でした。
その上に大人である私の頭が載せられた・・・
そう、私は、首から下だけ、子供になってしまったのです。
ただ、単に、箱の中の身体がバラバラになるのなら、トリックだと考えることもできます。
しかし、首と身体をすげ替えるなんて、これは本当にマジックでできることなのでしょうか?
はっと、振り向くと、そこには、黄色の2段重ねの箱の上に、赤い箱が1つ置かれていました。
その箱の蓋は開けられていました。
私は、そこから、出てきたのでしょうか?
そしてそのすぐ脇には3段重ねの赤い箱の上に、黄色い箱が1つ置かれていました。
まさか・・・
私がそう想った瞬間、箱の蓋が開きました。
私の予想は違いませんでした。
あの女のコの首がついた私の身体が、箱の中から、姿を見せたのです。
際どい位置まで伸びたスリットから、惜しげもなく、脚を晒し、その女のコは、ゆっくりと箱の中から、外へと出てきました。
観客席から、再び拍手が鳴り響きます。
これは、本当にマジックなのでしょうか。
首と首をすげ替えるなど、もはや、これは、タネや仕掛けというレベルではない本当の魔術としか想えません。
私の身体を得た女のコは、すっと私のそばに立ち並びました。
40センチ以上、背が小さくなってしまった私は、必然的にその姿を見上げることになってしまいます。
首をすげ替えられた、それとも身体を入れ換えられた。
もっとも、結果は同じことです。
私の頭は、女のコの身体に、女のコの頭は、私の大人の身体に。
観客席から、どっと割れるような拍手が鳴り響きました。
観客にしてみれば、これも全てマジックと想っているのでしょう。
しかし、当事者となってしまい、こんな不思議な姿となってしまった私には、これが、とてもマジックとは想えませんでした。
まるで、悪い夢でも見ているかのようです。
いや、夢の中でさえ、こんなことがあり得るとすら想えないほどでした。
「え〜ん、あたしの身体、かえしてえ!かえしてえ!・・・!?」
そう叫んだ私は、そこで言葉を継ぐことができなくなってしまいました。
私の発した声は、大人のそれではなく、どう聞いても、幼い女のコの声です。
いえそれどころか意識してそうしたわけでもないのに、口調や言葉遣いまで、女のコそのものになってしまっています。
まるで、いじめっ子に、オモチャをとられてしまった女のコのような声と口調です。
私は、本当に、自分が、小さな女のコになってしまったような気がして、不安に陥りました。
私は、どうなってしまうのでしょう。
不安と恐怖の余り、私は、泣きそうになっている自分に気づきました。
そう、小さな子供の様に。
私の不安に気づいたのか、女のコの首がついた私の身体が腰をかがめたと想うと、腕を伸ばし、私の頭をやさしくなで始めました。
自分の髪を梳いていく指の感触に、私は、なぜか、心が落ち着いていく自分に気づきました。
私の身体を得た女のコが、私に、もう一度、箱の中へはいるようにと誘います。
まるで、素直な子供が、母親に言われるままに、布団に入るかのように、私は、箱の中に入りました。
私が箱に入ると同時に、再び蓋が閉じられました。
先ほど同様の軽い浮遊感とと同時に、身体の感覚の消失。
私は、ようやく、元の身体に戻れると思い、安堵しました。
しかし、それが甘い考えだったと、私は、思いしることになるのです。
ややあって、ようやく、身体の感覚が戻ってきました。
ああ、やっと、元に戻れた。
無意識のうちに、私は、安堵の息を吐いていました。
しかし、その安堵も、数秒足らずのことでした。
492ADULT BABY CHILD 6話:2009/09/13(日) 20:33:54 ID:ZVmP2PuH
確かに、身体の感覚は戻ってきました。
にも関わらず、身体の違和感は消え去りません。
それはまず足下が、どうにもおぼつかないという感触で現れました。
まるで、酔いが回ったか、あるいは、不安定な足場に立っているかのような、そんな感じが全身に付きまとっています。
箱の蓋が開きました。
私は、飛び出すように、箱から外へ出ました。
なにより、自分の身体を、確かに見て触って確かめたかったからです。
にも、関わらず、私の身体は、なかなか外に出てくれません。
確かに、脚は動いているはずなのに、身体が前へと進んでくれないのです。
焦れったさを感じつつも、ようやく箱から出た私は、急いで、自分の身体を見下ろしました。
期待・・・願望ともいえるそれは見事に裏切られました。
私の目線と床までの距離は、40センチほどしかありませんでした。
今度はまるで、腰を床におろしてしまったかのような視線の低さです。
もちろん、腰をおろしているはずはありません。
かなり頼りない感じですが、今の自分が、脚で立っているという感触は伝わってきます。
最初に見えたのは、本来の私の握り拳ほどもない小さな足でした。
ピンク色の可愛らしい小さな靴下と、小さなスニーカーを履いたその足は、先ほどの少女のモノより、更に小さなモノです。
続いて、目に入ったのは、私の身体を包むオレンジ色のベビードレスでした。
慌てて、両手を目の前にかざそうとしても、その指先は、私の目の高さまで届きません。
辛うじて視界に入ったその指は、まるで、ゼリービーンズのような、短くてふっくらとした小さな指でした。
再び、姿見が、私の前にすえられました。
ここまで見たものによって、今の自分がどのような姿になっているか、ある程度想像できていたとはいえ、やはり、鏡に映った自分の姿は、衝撃的でした。
頭は、確かに私のモノでした。
しかし、そこから下は、全く違います。
ふっくらとした腕と、立っていられるのが不思議なくらい小さな足。
オレンジ色のベビードレスの裾は、服の意味がないほどに短く、そこから、紙おむつが、姿を見せていました。
私は、赤ん坊のような小さな身体に首をすげ替えられてしまったのです。
もはや、これは悪夢としか言いようがありません。
「あ、あたち、あかたんになったったの?」
想わずそう叫んだ私の声は、舌足らずな・・・そう赤ん坊そのものな口調と声に変わっていました。
元々安定性の悪い幼児の体型に、大人である私の頭が加わったためでしょうか。
立っているだけでも、少なからず精神と筋肉の緊張を必要としています。
ふと、脇を見上げれば、本来の私の身体についた少女の顔が、どこか、母性を感じさせる笑みを浮かべながら、私のことを見つめていました。
無意識のうちに、私は後ろ図去っていました。
が、これが失敗でした。
バランスの悪い私の身体は、後ろへ体重をかけた途端、辛うじて保っていたそのバランスを失ってしまったのです。
一度、均衡を失ってしまうと、もはや、それを取り戻すことは、至難の業でした。
数秒の無意味な格闘の末、私は、両足が床から離れた感触に気づきました。
ずっこーん!という、重みに欠ける騒々しい音と同時に、後頭部に、痛みが走ります。
耐えられないほどの痛みではなかったはずなのに、一度、痛みを感じると、湧き出すように涙が、溢れ出てきました。
それと同時に、声を抑えることもできなくなってしまいます。
「うえ〜ん!うわーん!ふえ〜ん!」
私は、まるで赤ん坊そのもののように泣き出していました。
痛みそのものよりも、身体をすげ替えられたという、あまりにも理不尽な自分に降りかかってきた状況への不安と恐怖と苛立ちが、一挙に溢れでたための涙だったかも知れません。
493ADULT BABY CHILD 7話:2009/09/13(日) 20:34:40 ID:ZVmP2PuH
不意に、私の両脇に、手が伸びてきました。
あっと想う間もなく、私の小さな身体は、持ち上げられていました。
持ち上げられた弾みで、危うくバランスを失い、ひっくり返りそうになった私は、慌てて、マジシャンの身体にしがみつきました。
これでは、父親に甘えている赤ん坊そのものです。
不意に、マジシャンは、私を抱きかかえていた腕をまっすぐに伸ばしました。
そう、私の身体を、観客席の方へと突き出すように。
観客席から、再びどよめきがおこります。
無理もありません。
赤ん坊の小さな身体の上についているのは、大人の女性の頭なのです。
観客席のどよめきとは裏腹に、私は、こんな不思議な身体となってしまった自分が、見せ物・・・さらしものにされているかのようで、耐え難いモノがありました。
「いやん、やだやだあ・・・」
私は、必死にあがいて、マジシャンの手から逃れようとしますが、今の私の小さな手足では、どうすることもできません。
むしろ、あがいているうちに、身体がずり下がってしまったためか、もともと、短かった裾から、紙おむつが姿を見せてしまいました。
「や、やだ・・・はじゅかちい・・・」
私は、必死に、裾を引き下ろして、紙おむつを隠そうとしましたが、小さく短な腕では、ろくに、裾をさげることすらできません。
大人の女性の顔に、おむつをした身体というアンバランスさのためでしょうか。
会場から、失笑がまきおこりました。
「あ〜ん、やめちぇやめちぇ・・・」
恥ずかしさと悔しさのあまり、私は、再び泣き出しそうになっていました。
それを察したのか、私の身体は、マジシャンから、他の手に渡されました。
私を受け取ったのは、私の身体を得たあの少女でした。
彼女は、まるで自分が、私という赤ん坊の母親であるかのように私の身体を抱きかかえました。
やはり、園からだが女性であるためでしょうか。
男性であるマジシャンの腕の中に比べ、どこか、落ち着くような感じがありました。
ちょっと落ち着きを取り戻した私の目の前に、突き出されたものがあります。
それは、プラスチックの容器に、黄色の吸い口のついた哺乳瓶でした。
もちろん、中には、白色の液体・・・ミルクが入っています。
いくらなんでも、哺乳瓶とは・・・
子供、いや赤ん坊のような扱いに、屈辱を覚えずにはいられません。
そんな想いにも関わらず、私の口は、私の意識に逆らうようにして、哺乳瓶をくわえていました。
吸い口のゴムの味が、口の中に広がり、次の瞬間、生ぬるい・・・人肌のミルクが口の中に、広がります。
美味しいというほどではありませんが、想ったよりは、まずくはありませんでした。
人肌の温度であることと、哺乳瓶のせいでしょうか。
どこか、懐かしい味がしました。
私の喉が、こくんこくんと音をたてながら、ミルクを飲み込んでいきます。
一口飲むことに、自分のお腹が満たされていくことが分かりました。
哺乳瓶の半分も飲まないうちに、私は、満腹感を覚えていました。
ベビードレスのお腹のあたりが、ぽっこりと盛り上がっていることが、自分でも分かります。
お腹だけではなく、心まで満たされてしまったのでしょうか。
いつのまにか、私は、吸い込まれるような眠気を覚えていました。
少女の頭のついた私の身体が、まるで私をあやすようにして、私の身体を、小さくゆっくりと揺らし始めました。
ゆっくりとした心地よいリズムに、私は眠気を覚えました。
もはや、睡魔に抗う気力もありません。
私の意識は、そのまま、闇の中へと落ち込んでいきました。
気がつくと、私は、自分の部屋のベッドの上にいました。
と同時に、昨夜の悪夢の様な体験が蘇ってきました。
慌てて、私は、自分の身体へと視線を向けました。
パジャマ越しに見えるその身体は、確かに大人のものと想えました。
着ていたパジャマも下着も脱ぎ捨て、私は、改めて、自分の身体を見つめ直します。
全裸となったその身体もまた、確かに、見慣れた自分の・・・大人の女性の身体でした。
あのマジックショーの痕跡は、微塵も捉えることができません。
一体、あのマジックショーは、なんだったのでしょうか。
その後、私は、あの晩の会場へと脚を運ぼうとしました。
もはや、マジックショーなどやっているはずもなかったのですが、やはり気になりました。
しかし、遂に、私の、あの会場へとたどり着くことはできませんでした。
タクシーに乗っていたとはいえ、途中の風景や道順は、それとなく覚えていたはずなのに、その会場の建物が見つかりません。
電話帳で調べても、タクシーの運転手に聞いても、あの夜の会場を見つけることはできませんでした。
あの夜の出来事は、本当に夢にすぎなかったとでも言うのでしょうか。
しかし、あの夜以来、私の心の中に、それまで存在しなかった想いが、確かに根付いていました。
なぜなのか、自分でも分かるはずもありません。
ですが、あれ以来、街の公園や、駅のホームで、赤ん坊が哺乳瓶に口を付けているところを見かける度に、その吸い口にしゃぶりつき、ミルクを飲み干したいという渇きにも似た衝動を覚えずにはいられないのです。
495名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 22:40:08 ID:SmZ0RdmR
GJ! 素晴らしい。
496名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 01:00:59 ID:WHQL298y
う〜ん、読ませるな。職人芸。
497名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 14:20:51 ID:QHfaosH+
GJ
赤ちゃんのまま犯したい。
498名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 16:01:43 ID:o0TUu+rt
エロはないけどGJ!
やっぱりすげかえはいいね

あとそろそろ次スレの季節
499名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 21:26:00 ID:JE3eGHpH
エロクは無いけど、文章に魅力があるね。
文才を感じるよ!
500名無しさん@ピンキー:2009/09/15(火) 20:19:52 ID:YoZANziF
GJ!
幼女になった時にエッチなことしてほしかったかも
501名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 01:05:29 ID:sg3uW+vs
次スレはこちら

女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その3
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253030666/
502名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 09:12:03 ID:DDObMS4m
次スレか
結構続くなこのスレ
503名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 12:43:01 ID:Dt3yKvoi
>>501
乙彼
504お留守番には何かおこりやすい その1:2009/09/16(水) 22:31:11 ID:rKRiRF2s
「それじゃ、朋美、お留守番お願いね。戸締まりと火の元だけには、注意して。」
「分かってるから、安心してよ。ママ。」
幾度、念を押されたことだろう。
少々どころか、かなりうんざりしながら、朋美は、母親に返事を返す。
「朋美ちゃん。千紗のこと、お願いね。」
「大丈夫。まかせておいて。おばさん。」
叔母に、自信満々に応える朋美。
「千紗も、ちゃんと朋美お姉ちゃんのいうこと聞くのよ。」
「うん」
朋美のそばで、10歳くらいの、髪を三つ編みにしたジャンパースカート姿の女の子が頷く。
事の起こりは、朋美の両親の曾祖母が亡くなったことから始まる。
当然、朋美の両親は、葬儀に出席することになり、一人っ子である朋美は、留守番ということになった。
ここで、1つの問題が浮上した。
朋美の自宅に近所に、朋美の両親の弟夫婦・・・つまり、叔父と叔母が住んでおり、近所と言うことで、なにかと深いつき合いになっているのだが、当然、彼らも、葬儀に出席する必要があった。
問題は、この夫妻の子供・・・今年で10歳になる千紗のことだった。
曾祖母の住居は、かなり遠方だったため、飛行機を使っても、片道だけで、ほぼ1日近くかかる。
葬儀が終わった後も、すぐに帰るわけにはいかないから、下手をすると3、4日は帰ってこれないことになる。
幸いにも、ちょうど3連休と重なったため、有給などの休みは、問題ないにしろ、高校生16歳の朋美ならいざしらず、小学生の千紗を1人にしておくわけにもいかない。
とはいえ、一緒に連れて行くにしても、問題がある。
「じゃあ、あたしが面倒見ようか。ちょうど、お休みなんだし。」
両親のつき合いが深い以上、朋美と千紗もまた、会う機会が多く、千紗の子守をしたことも一度や二度ではない。
実際、一人っ子の朋美にとって、千紗は妹同然の存在だった。
両親と叔父夫婦の相談の結果、この際、朋美に任せてみようと言うことになったのだ。
千紗にとっても、知らぬ家ではないし、ホームシックになることもないだろう。
「それじゃ、後のことお願いね。」
どこか、不安げな母親の視線を受けながら、朋美と千紗は、両親の出発を見送った。
「それじゃ、千紗ちゃん。宿題、すませちゃおうか。」
「え〜」
折角のお休み、両親の目が離れた隙に、お姉ちゃんと遊んで貰おうと想っていただけに、千紗は、落胆の混じった声をあげる。
「ぼやかないぼやかない。先に宿題すませちゃえば、残りの2日間、遊んでいられるでしょ。分からないところは教えてあげるから。」
それから、1時間ほど、朋美は、千紗の宿題につき合うことにした。
大好きなお姉ちゃんに教えて貰えるだけに、千紗は、素直に、宿題に取り組んだ。
ぼーん・・・ぼーん・・・
柱時計の音が、10時を告げる。
「あ、それじゃ、10時のおやつにしようか。ホットケーキ、焼くから。」
「わ−い!」
宿題から解放されることも手伝って、千紗は歓喜の声をあげる。
メイプルシロップとバターのたっぷりと載ったホットケーキは、千紗の大好物だ。
フライパンを、一旦、火にかけ暖めている間に、ホットケーキミックスを、ボウルに移し、かき回し始める朋美。
「お姉ちゃん、あたしも、なにかお手伝いしようか。」
「えーと、それじゃ、お皿出してくれる。」
まだ10歳の千紗にとって、お皿の入った戸棚は少々高かった。
台所の隅から、踏み台をもってくると、そこに登って、お皿を取り出そうとする。
一方、フライパンの具合を見ていた朋美は、その踏み台が、ぐらついていたことに気が付かない。
取り出したお皿を落とさないようにと、意識がそちらにいってしまっている千紗は、いつのまにか、体制が崩れていた。
「あ、あれ?」
ひっくり返りそうになっている自分の千紗が気づいたときには、もう遅かった。
「きゃあ!」
お皿を宙へと放り投げながら、踏み台から転げ落ちそうになる千紗。
その悲鳴に、朋美は、ようや異変に気づいた。
505お留守番には何かおこりやすい その2:2009/09/16(水) 22:33:51 ID:rKRiRF2s
「千紗ちゃん!」
ボウルを放り出し、千紗の身体を支え・・・それが適わぬなら、受け止めようと試みる朋美。
だが、彼女の運動神経は、決して誉められるモノではなかった。
足下が滑り、彼女は、そのまま、千紗の落下地点へとヘッドスライディングをかけることになってしまった。

ごん

固いものどうし・・・たとえば、頭と頭・・・がぶつかりあう鈍い音が台所に響く。
後頭部に、激痛を覚えながら、朋美の意識沈む様に消えていって



どれくらい気を失っていたのだろう。
朋美が、意識を取り戻したきっかけは、ずきずきと疼き響くような頭の痛みだった。
(な、なんで、頭がこんなに痛いのよ・・・)
無意識のうちに、痛む部分をさすろうと、朋美の手は、頭へと伸びていた。
その指先が、なにか編み込みのようなものに触れる。
(?)
ショートヘアの朋美の髪型では、編み込みなどできようはずもないのに。
(な、なに?)
両手で、頭をさすり直す。
左右の両手が、それぞれ、左右に1本づつ編み込まれたそれを感じ取る。
と同時に、自分の髪に、手が触れているという感触も。
(え、なな、なんで、これって、あたしの髪?!)
「う、うう・・・ううぅんんん・・・」
不意に、すぐそばで、どこかしらアンニュイな声が聞こえた。
(だ、だれ・・・そうだ!千紗ちゃん!)
ようやく、台所での一件が蘇ってくる。
踏み台から、落ちそうになった千紗を受け止めようとして・・・
声のした方へと視線を向ける朋美。
(千紗ちゃん!・・・?!)
しかし、そこには千紗の姿はなかった。
変わりにそこに横たわっていたのは、16歳くらいにみえる少女の姿だった。
しかし、それだけなら、朋美も、それほどまでには驚かなかっただろう。
朋美が、そこまで、驚いた理由。
それは、彼女の目の前に横たわっている少女・・・その姿が、朋美そのものだったからだ。
506お留守番には何かおこりやすい その3:2009/09/16(水) 23:13:22 ID:rKRiRF2s
朋美は、テレビか何かで臨死体験をした人の話を聞いたことを思い出した。
いや、もしかしたら幽体離脱だったかもしれない。
ともかく寝ている自分の姿を自分で眺めているという今のシチュエーションは、正にそれである。
「ってことは、もしかして あたし死んじゃったの!?」
これはエラいことである。何が悲しくて二十歳に満たない若さで仏様にならなければならないのだろう。ともかく早いとこ生き返らなければいけない。
朋美は横たわってる自分の頬をべちべち叩いてみた。
「ちょっと起きなさいよ!あたし!!」
自分に向かって話しかけるというのも、なんだかおかしな気分。
「・・・うぅん」
とりあえずまだ息があるようだ。しかし、それっきり意識が戻る気配はない。
「頼むから起きて!起きてよ!あたし!」
自分に頼む自分というのも、これまたおかしな気分である。
しかし自分の身体は起きる気配はなかった。
これはヤバい。
朋美は保健体育の授業をまじめに受けなかったことを思いっきり後悔しつつ、乏しい知識を総動員した。
「・・・そうだ、人工呼吸!」
息をしてる相手に人工呼吸してもムダなような気もするが、それしか思いつかなかったのである。
朋美は寝ている自分に馬乗りになって胸に手を当てた。
ややこしいが、寝ている自分の胸に手を当てたのである。

ムニュニュ

「え?」
なんだか大きいような気がする。手のひらサイズだと思っていたのに、いつのまにか成長していたようだ。今は手を大きくはみだしている。
一瞬うれしくなる朋美であったが、今はそれどころではない。その豊満な胸をせっせと押した。自分で自分の胸を押すというのもこれまたヘンな気分である。
「いいかげん起きなさいよ私っ!」
が、自分は起きなかった。となれば後はマウスツーマウスしかない。朋美は寝ている自分の鼻をつまんで唇を近づけた。
「・・・」
自分で自分にキスするのはとんでもなくヘンな気分である。なんというか、すごく照れる。
朋美は一瞬ためらったが、しかし命にはかえられない。
意を決してガバと覆いかぶさったその時
507お留守番には何かおこりやすい その4
「ほ、ほえ・・・?」
寝ていた自分が目を開けた。10センチをきる至近距離で見詰め合う自分と自分であった。
これはもう思いっきりおかしな気分だ。
うつろだった目に焦点が戻り、寝ていた自分ははっとしたように言った。
「あたし…?」
「そうよ!あたしよ!良かった気がついて…」
自分の手をとり心から喜ぶ朋美であったのだが、心の底から安堵しつつも朋美の心の中には違和感が芽生えていた。
意識が戻ったのはめでたいけれど、それを喜んでいる自分はいったい誰? というか、握っている自分の手が今の自分の手よりも大きいのは気のせいかしら…。
そのとき寝ていた朋美が叫んだ。
「なんで千紗が2人いるの!?」
そう言いながら朋美の前の朋美はガバっと起きあがった。腹の上に馬乗りになっていた朋美はそのままひっくり返って床に落ちる。
「いたた・・・あたしったらなんて乱暴なのよ もお…」
と言いかけて、寝ていた自分が言ったセリフを思い直した。彼女は自分のことを千紗と言ったような気がする。
「も、もしかしてあなた、千紗ちゃん!?」
「ほえ・・・?じゃあ、あなたは誰?」
「誰もなにも朋美に決まってるじゃない!」
「・・・え?」
二人は3秒ほど顔を見合わせてから、はっと気がつき、自分の体を見下ろした。
今の朋美が着ていたのは、ジャンパースカート・・・先ほどまで千紗が着ていたはずのものだ。
「なんで私、千紗ちゃんの格好してるのよ〜」
「きゃあ、朋美姉ちゃんの服・・・」
「・・・」
またまた二人は2秒半ほど顔を見合わせてから、同時に立ち上がって居間にダッシュした。そこには大きな鏡が置いてあるのだ。
鏡に映ったのはいつもと変らない二人の姿だった。けっこうキレイな朋美と可愛らしい千紗。
「ふぅ…」
ほっとしかけた二人だったが、次の瞬間に猛烈な違和感に襲われた。鏡に向かっている二人と鏡に映っている二人の左右が逆なのだ。
「これって…」
「もしかして…」
二人は互いにそう言いかけて、同時に口を押さえた。自分の言葉に合わせて鏡の中で口を動かしたのが相手だと気づいたからである。
「きゃああああ〜」
閑静な住宅街に、二人の女の子の声が響き渡った。