実況パワフルプロ野球のSS Part12

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1名無しさん@ピンキー
ここはパワプロシリーズの萌えSSやエロSSを投稿するスレです
シリーズは一切問いません、SS職人さんは常時大歓迎
sage進行でお願いします(メール欄にsageと入れる)

■実況パワフルプロ野球シリーズ@2chエロパロ板まとめwiki
ttp://www11.atwiki.jp/pawaparo573/

■2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/

■前スレ 実況パワフルプロ野球のSS Part11
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221961737/
2名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 22:33:35 ID:FGR5Dc8t
3名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 22:34:39 ID:FGR5Dc8t
■読み手へ…

・ キボンキボン騒がない。
・ 作品の批判は基本的に避ける。気に入らないならスルーしとこう、な!。
・ 他者の意見に不必要に食って掛からない。荒れる元です。
・ 「GJ!」とかだけじゃなく、具体的な感想があった方が書き手は喜びます。

■書き手へ…

・ リアルタイム投下は避ける(ローカルでまとめて一気に投稿すること)
・ 感想が無いからと言って文句言わない。
・ 書く前にあれこれ聞くより、まず投下しる!

■基本注意点
・基本的に、評価の対象になるのは著者ではなく作品。これ重要。

・「自分下手だけど書いたら叩かれないかな?」
 「こんなSS書こうと思うんだが需要あります?」
 といったの誘い受けレスはただウザいだけでなく流れも切るのでムード×。
 特に(´・ω・`)などの顔文字を使うと余計に構ってちゃん度が上がって評価マイナス。

・過疎ってる時ならともかく、SSの投下直後に雑談をするとチームプレイ×。
 上の誘い受けと重なると相乗効果で評価マイナス。
 ここはあくまでSSスレなのでTPOはわきまえましょう。

・どんなに面白いと思っても、レスをしないと気持ちは作者に伝わらない。
 ちゃんと読んでくれる人がいるとわかるのが作者にとって最高の報償。
 GJレスにちょっとでもいいから感想をつけるとセンス○、いいやつ。

・もし気に入らない作品であっても、ただ叩くだけのレスはしない。
 このスレを見ているということは、貴方にとっても
 作者さんにとって投稿しやすい雰囲気のスレになることが望ましいはず。
 書き込む前に、そのレスが本当に書き込むべきものなのかどうか、
 30…いや50秒考えましょう。
4名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:55:16 ID:bc10Kv3e
あげtoku
5名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 22:53:43 ID:tQIjGRDh
6名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 10:28:25 ID:nXnanTrT
保守

聖かわいいよ聖
7名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 16:52:19 ID:3ATBgsLy
もうPart11放っておいてここ使ったほうがいいかもねw
8名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 22:13:19 ID:Yx77s8xS
落ちたみたいだね、前スレ
9名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 10:02:52 ID:9Lo7rXbA
職人さんカモーン
10名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 18:43:36 ID:otIuQ/Hi
君がッ!投下するまでッ!
保守するのをやめないッ!
11名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 15:01:23 ID:cXyz3QuK
ネタ集め中。しばしお待ちを


木乃葉さんに騎乗位で犯されたい
12名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 20:03:00 ID:rOrFsgi/
ネタ?
俺のノートん中で寝てるよ。
13名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 20:03:25 ID:8NID8BVx
絵久ちゃんとクリスマスの夜ににゃんにゃんしたい
14名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 22:03:45 ID:LU8MpREI
今更ながら9の女の子は可愛過ぎるだろ
15名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 02:32:16 ID:v4/DKbiS
澄香も可愛いんだよなぁ…
16名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 17:13:01 ID:gSKsGgJl
9と13の彼女の可愛さは異常。だからSSスレにも角煮にも人気がある
17名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 20:00:21 ID:RZkUgt1x
>>15
呼び捨てにするな!
18名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 02:45:27 ID:iTcyPz13
>>17
兄乙
19名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 04:40:07 ID:M8Gj80Fw
>>17
兄さん乙
20名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 10:06:26 ID:UZY3r+Nr
お兄さん、澄香さんを僕にください!
21名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 22:09:16 ID:M8Gj80Fw
そしてRIK氏のSSに繋がるんですね、分かります
22名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 09:06:23 ID:+9YJYUlq
今まで眼鏡娘ってどんくらいいたっけ?
13のマネと12の瞳ちゃんしか記憶に無い
後者は俺の嫁
23名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 10:24:31 ID:YciTstEY
上で騒いでいる澄香ちゃんが眼鏡じゃないか!
あとはショップのおねーさん


あと「10の女の子も可愛い」っと。













カレン・・・
24名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 11:38:45 ID:sTxjmwl1
パワプロ5とかにもいた気がする。

てか懐かしいな、5。
ロクヨンが動けばまたやりたいぜ
25名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 19:12:24 ID:87iDNNXt
>>24
さえない眼鏡っ娘だけど眼鏡取ると美少女なんだよな。
猪狩に寝取られることもあるけど。
26名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 19:24:59 ID:eFROU/2M
昨今のツンデレぶりを見ると穴兄弟になろうとしてるように思えてしまう
27名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 20:04:23 ID:+9YJYUlq
>>23-24
いたいたwその娘らすっかり忘れてたわ
5で最初の変化球練習で爆弾付いて、眼鏡のかおりちゃん(?)に4月2〜3週目で一目惚れイベント起きて、4週目に爆弾爆発したこともあったなぁw
確かアスカみてーな子と綾波みたいな子もいた。懐かしい
28名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 20:23:02 ID:e42p0SL+
どすこい限定の彼女の痩せた姿が見たいんだが何度やっても出来ね
誰か画像plz
29名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 01:41:37 ID:muwSA+KW
玉緒だっけ?確かフグリみたいな名前だよな。
30名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 02:35:22 ID:1aBIYAje
どすこい酒造ってナンバリングから外れてるパワプロのサクセスに出て来るやつか。
31名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 14:46:56 ID:EdX9lokk
どすこいの彼女はあのサヨナラ男手に入る彼女候補?みたいな奴とあの紫色の生徒会長みたいな奴の次に難しいと思う
32名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 18:02:32 ID:rZR49Baf
>>31
6の横森くるみと雨宮冬実だっけか。
だいたい矢部姉か白川さんで落ち着くよな。
2000は1回しかやったことないから難易度がよくわからん。
33名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 13:52:02 ID:qAT8ukj2
NEXT買ったけど、彼女候補薄すぎる。
巫女さんで書くしかないなこれは……
34名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 15:55:29 ID:Tpc01luM
>>33
大吉あてて、ムフフな展開ですね
35名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 17:34:27 ID:4jJor5Nl
最近パワポタ3買ったんだが、なんか面白いイベントってあるか?
36名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 22:35:10 ID:R6VQ67Eg
西満涙寺のキャッチャーミットを持った赤い目の座敷童子の女の子のイベントとか、スポーツショップで武田がセリフだけ登場したときはなんかグッときた
でも一番は幼女みずき関連のイベントだな
37名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 14:09:44 ID:2IOOyhYC
ネタでも良いから投下カモーンщ(゚Д゚щ)
38名無しさん@ピンキー:2009/03/26(木) 12:09:48 ID:5KuBRozp
>>35
あおいちゃんのむちむち下半身を視姦するイベント
39名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 22:44:24 ID:Bv5Oh/dG
泣きたくなるくらいの過疎だな

ふえぇぇ
40名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 13:15:19 ID:1VSSoQot
パワプロSSはまだかあああああああああああああ
41名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 01:08:04 ID:Zi19T+qq
新スレ移行がスムーズに行かなかったしな。
あえてageとこう。
42名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 08:26:29 ID:0xx/DA5w
パワプロアニメ化しないかなぁ・・・


ひじりんの脳内再生がクギミーな俺。
43名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 15:29:37 ID:bCkpJN3Z
木乃葉さんはもれなく九段下舞佳さんと同じ声で幻聴がします
44名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 17:29:14 ID:lJ1uqbAZ
聖が釘は無いわ…
45名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 23:57:15 ID:Yjtj3KxY
ひじりんの同人誌がないことは遺憾だな
46名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 05:03:33 ID:lZzrca9V
RIK氏、HMA-15氏カモーンщ(゚Д゚щ)
早く新作が見たいぜ
47名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 04:26:47 ID:1GYO4+6e
いつになったらサクセスモードに高校野球→プロ野球を連続でできるようになるんだ。
13でみずきと偽りの関係が終わって両方ともキャットハンズに行く
             ↓
でもチームメイトとしてプレイしている内にみずきを意識し始める。
             ↓
いつしか偽りの関係だった2人は本当の恋人になっていた。

ちなみにひじりんルートや友沢との友情ルートとかも……
サクセスだけでディスク二枚使うぐらいのつもりで。


と言う夢を見た保守。

絵久ちゃーーーーーーーーーん!!!!
48名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:14:33 ID:jcGcyGs0
ひじりんの大学編で一個考えてるのがあるんだが規制で落せん
規制っていつ解けるの?
49HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/04/05(日) 23:18:08 ID:gVSeC7+a
お久しぶりです。
しかしひどい過疎だな・・・1ヶ月以上あったし他の職人様が投下なさってるかと思ったが・・・

このスレも俺が初投下になってしまいますね。
相変わらずのひじりんネタですが、
今回のssは公式設定を逸脱しています。ひじりん幼少期、一人じゃないです。
捏造もいいところですがそれでもよければどうぞ。
50名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:19:36 ID:gVSeC7+a
私の名は六道聖。
聖タチバナ学園在籍の高校二年生、野球部所属でポジションは捕手だ。
今年の夏に17回目の誕生日を迎える。

そんな私には一人幼馴染がいる。
名前は小波優、性別は男で18歳、今は野球部の先輩でもあり、ポジションは投手だ。
私の父親と彼の父親は旧知の仲で私と彼は物心つく前からの顔馴染みだ。
もう見飽きるほど顔を見ている彼だが別に付き合っているとか、そういうわけじゃない。
誰だったか、人の言葉を借りるなら「友達以上恋人未満」といったところだ。
・・・まぁこの言葉さえ微妙にずれている気がするが。
もはや家族に等しい存在で私が気の置けない数少ない人物である。
剣道六段で道場を営む父と某大手洋菓子メーカー女社長である母の息子という変わった遺伝子を持っている。
そのせいかかなり多芸な男で勉学、運動はもとより料理、剣道、書道、音楽など基本的になんでもそつなくこなす。
才を妬む見苦しい輩も一時はいたがもともと人当たりのよい性格なので次第にそれの数も減っていった。
野球に関してはプロのスカウトもチェックするくらいの実力。私も彼の能力を引き出せるよう努力してきた。
そんな彼だが今、現在進行形で複雑な立場に置かれている。
わたしの親友でもある橘みずきの学園長に対する苦肉の策で彼はみずきの婚約者を演じなければならないのだ。
それは別に偽りの関係であって思うところがないわけではないがとりわけ問題の無いものだと思っていた・・・

『曖昧家族』




51名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:20:38 ID:gVSeC7+a
「で、そのときの矢部くんったらもう本当面白かったんだ」
「ぷ、くくっ・・・! 優くんその話、最高」
「それしか頭にないのかあのメガネは」
日はほとんど沈みきり、世界の光の担い手は陽光から月光へと移り変わっていく。
いつもの通学路で私はみずきと優といつも通り下校していた。
といってもこのいつも通りが出来上がったのは割りと最近のことである。
顔を合わせてかれこれ17年程度の付き合いとなる彼と一緒に登下校をするのに気恥ずかしさなど覚えたりはしないが
彼がこのような立場に置かれている現在では二人きりの登下校はまずいとのことでみずきもいる。

「お、いつのまにか聖の家まで着いてたね」
彼が私の家である寺を指差す。やや罰当たりな気もするが今更突っ込む気にもならない。
「じゃあ俺はみずきちゃんを途中まで送ってくるよ、そのあとまた聖の家行くよ」
みずき本人は自転車だから平気と言い張っているが彼はそういう面では非常に心配性なので
途中まで、というかほぼ家の周辺あたりまで送っている。
「ごめんね二人とも、迷惑かけて。悪いけどくれぐれも見つからないようにね」
みずきの謝罪と彼の言葉に頷いて答える。
「もちろんだ、みずきも気をつけて」
「ん! じゃまた明日ね!」

二人と別れ、自宅の戸を開く。
ここ最近の父は非常に忙しく、帰ってこなかったり帰ってきても深夜だったりとなかなか話をする時間もない。
昔から家でひとりになりがちだった私になにかと世話を焼いてくるのが彼であり、父も彼に全幅の信頼をよせているために
特にそれをとがめられることもなく、今に至っている。
といっても彼の家も両親が多忙で家を空けていることが多く、お互い様な面もあるのだが。
今日なんかクラスメートに彼との関係を聞かれ、幼馴染で夕飯を一緒に食べたりもする、と答えてとても驚かれた。
もう長い付き合いだし家族みたいなものだからこれが普通だと思っていたがそうではないらしい。
なんというか、私と彼の関係は恋仲だとか、そういうのを超越している気がしていたのだ。

台所を軽く片付け、夕飯の用意をする。
彼が振舞う料理はかなり美味しい。長年の付き合いからか私の好みぴったりに味付けしてくれるからだ。
とはいってもさすがに毎回世話になるわけにもいかず、3回に2回は私が作る。
彼は毎日でもいいと言ってくれているがそれは私の心が許せない。
彼の分だけ我が家の食費がかさむという突込みがきそうだが父がうれしそうな顔で私に二人分の食費を
渡してくるもんだからこれでいいのかなと思っている今日この頃だ。
彼の為に断っておくが彼の両親ももちろん最初は彼の分の食費を彼に持たせていたがある日、
確かお父さんと彼の父が久しぶりに一緒に遊びに行った日以降それはなくなった。いったいどうしたのだろう?
まぁいいのだろう。大体の予想はつく。
和食派の父と洋菓子会社社長の母の子である彼の好みは私とおそろしいほど一致しており、
私か彼が何を作ろうともそれが苦手で食べられないという事態はない。

52名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:21:21 ID:gVSeC7+a
不意に玄関の戸が開く音がした。彼である。もはやチャイムすら鳴らさないが気にすることでもない。
「む、私だってもう17になるんだ。一人でも大丈夫だぞ?」
台所からちらりと後ろを確認して私は言った。
「だからだよ。最近は物騒だからね、聖は妹みたいなもんだし心配なんだよ。
・・・まぁ聖がいやって言うなら帰るけどさ」
元気がなくなった言葉の終わりを聞いて私は苦笑しつつ答えた。
「嫌というわけではないぞ? というか嫌ならとうの昔に追い出してるしな。でもなんだか申し訳なくてだな・・・」
「今更な話だね。俺ら何年互いの顔を見てきたと思ってんのさ。遠慮はいらんよ」
彼が椅子に腰をおろし、けらけらと笑う。
「・・・そうだな」
私は頷いた。とはいえ完全に納得したわけではない。
多芸で性格のいい彼は異性にも好かれる。私にかまけている暇などあったら他の女の子と遊ぶことも出来るはずだ。
まぁ今は事情が事情だけに彼に近づく女子もなかなかいないが・・・
では私のことを好いているのか?
ふ、馬鹿な。愚考とはこういうことのことを言うのか。好きといってもベクトルが違うだろうに。
以前本人に問うたら忙しすぎて恋愛どころじゃないという回答が得られたではないか。
「昔みたいに”優お兄ちゃん”って呼んでくれても俺はかまわないけど?」
そばでのんきにおどけて笑う彼の言葉を私は
「馬鹿をいえ」
一蹴した。

会話はここでいったん途切れ、私たちは夕食の席についた。
「焼き魚、野菜炒め、味噌汁か、日本人女性の鑑だね聖は・・・いただきます」
手を合わせ、彼は箸と茶碗を手にとって夕食を食べ始める。
「それは・・・ほめているのか? いただきます」
「もちろんさ。お、味噌汁美味いなぁ聖また上達したんじゃない?」
男の彼から料理の腕前を上から褒められるのは一応女としては少し複雑な気持ちではある。
しかし彼の料理はやっぱり美味いのだから仕方がない。
「そ、そうか? 良かったぞ」
ということで私は素直に言葉を受け取っておく。・・・別に照れてるわけじゃないぞ。
そうしていつもと変わらない他愛の無い会話をしていたときだった。
突如戸が開く音がする、そして直後に聞きなれた声。

「ただいま聖、今帰ったよ。優君もいらっしゃい」
父の帰宅。今日は遅くなると聞いていたがどうやら予定が変わったようだな。

53名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:22:05 ID:gVSeC7+a
「どうもお邪魔しています」
席を立ち父に頭を下げる彼。
「そんなにかしこまるなといつも言っているのに・・・もう15年以上の付き合いじゃないか」
父が笑いながら彼の肩をぽんと叩く。
「いえ、親しく信頼出来る人間には敬意を払えと父に教わってますので」
「ふふ、やつも変わらんな。元気にしているかね? 最近はなかなか忙しくて会えていないからね」
「はい。週末は弟子を竹刀でしごいてますよ」
苦笑しながら彼も言う。彼も弟子の一人だから練習のことでも思い出しているのだろうか。
「ははは。おぉそうだ今日はお土産を買ってきたんだ。
君のお母さんの会社が最近和菓子のほうにも進出したようだからね、
和菓子詰め合わせを買ってきてみたよ。あとで二人で食べるといい」
「ありがとう、お父さん」
「ありがとうございます」

普段なら夕食を食べたあとに帰宅する彼だが今日はお父さんが買ってきた和菓子の関係で
私と一緒に居間で雑談しつつ和菓子をいただいている。
「おーさすがに和菓子にうるさい聖をモニターにしただけあって美味しいなぁ」
彼が感心した様子できんつばを口に運ぶ。
「うむ、パワ堂のものにもひけをとらないな」
先述の彼の言葉どおり私基準で味が作られている為に私からしたら相当に美味しい。
彼の母親の会社の洋菓子はそれはそれは非常に美味しいのだがやはり私には和菓子が一番のようだ。
「なぁ前に聞かれたから聞いてみたいだけどさ」
残り少ない和菓子をめぐって私と彼の手は表情だけでは読み取れないすさまじい争いをしている。
「なんだ?」
なんとか最後の饅頭を確保し、私は相槌を打つ。
「聖こそ、好きな人とかいないのか?
もし彼氏とかが出来れば俺もこの立場を卒業だから・・・ちょっと寂しい気もするけどね」
饅頭を持った手が停止する。ふむ・・・
「仲間だと思ってるやつは部活にはいるが友達、まして恋慕の情をもってる男はいない・・・と思う。
優は特別だから少し違うけど。家族みたいなものだと思っている」
「そっか・・・」
彼は意味深に頷くと残り一口となったきんつばを口に放り込んだ。

「私からすれば優君と聖が一緒になってくれれば万々歳なんだがね」
緑茶入りの湯飲みを持って現れた父が朗らかに笑って言う。
「それ、聞き飽きましたよ。それに今はそう簡単な事態じゃないですし」
彼が小さく礼をして湯飲みを受け取りながら答える。
父は昔から私と彼が一緒になるのを願っている。一緒というのは恋人的な意味でだ。
お父さんの立場からすればその気持ちは当然なのかもしれない。
私だってここまで深い関係の異性は彼くらいのものだしこうして15年以上やってこれてきているのだから
見知らぬ男と一緒になるよりは遥かに良い。だが彼はどうなんだろう?
今みたいに彼は今までずっと父の言葉をそことなく流している。
だから彼は私に対してそう言った情は持ってはいないのだろう。

考察を終了し、彼を玄関で見送る。といっても彼の家は目と鼻の先なのだが。

このとき私はまだ気づいていなかったんだ。”当たり前”の消失がどれほど大きな影響を与えるのかを。


54名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:23:06 ID:gVSeC7+a
時は少し進み、所謂春休み。事態は急変する。
次大会こそは甲子園を、と意気込む私たち聖タチバナ野球部は春休みも毎日練習だ。
だがチームの柱となるみずきと、彼の姿がない。

「む? みずきと優はどうしたんだ?」
仕方ないので彼の友人であるメガネに聞いてみる。
「全くいい気なもんでやんす! どっちがいいだしたか知らないでやんすが二人で小旅行だそうでやんすよ!」
憤慨した様子で目の前の男はぶつぶつ言いながら外野へと駆けていった。
そういえばみずきがそんなことを言っていたような気がしなくもない。
おそらくは学園長対策なのだろうがあまり度が過ぎると最後が怖いと思う。
とまぁ練習前の気楽な私の考えも練習が始まると一変する。

二人は投手だ。しかもチームを支えるエースと抑え、その二人が同時に不在なのだ。
つまり捕手である私はとてつもなく暇なのである。他にももちろん投手はいるのだが二人に比べたら
実力は大きく劣る。個人的なわがままなのだが正直退屈なのである。
仕方がないので投手の相手はほどほどに、打撃や走塁の練習に専念する。
しかし私の中では物足りなさが練習後もくすぶっていた。
みずきのしなやかな変化球と彼の強力なストレート、野球をしているのに私の左手にこの感触が
伝わってこないことに強烈な違和感を覚えざるを得ない。すっきりしない。
結局、釈然としない気持ちのまま帰宅した。

帰宅後、郵便受けを確認する。新聞と妙に達筆な字で「聖へ」と書かれた封筒。
いわずもがな彼からのものである。直接連絡する暇すらなかったのか?
この年にもなって携帯を持たない私も私かもしれないが・・・
居間にとりあえず荷物をおくと中身を確認する。


聖へ

みずきちゃんが学園長対策だとか言って旅行に出かけなければいけなくなった。
つってもみずきちゃんのボディーガードがたくさんついてくるけどな。
なにしろ唐突な話だからいつ戻れるかは分からないけどそんなにはかからないと思う。
俺とみずきちゃんがいなくて練習は暇かもしれないけどこれを機に鈍足の改善に努力してくれ(笑)

それから前から言ってるけど最近は物騒だから戸締りだけはしっかりしとくように。

優より


「ふっ、お前は私の保護者か」
思わず笑ってしまう。だが今日の練習で私が感じたことも見抜かれている。
鈍足・・・か、文字に書かれるとなかなかショックだな・・・努力しよう。
「さて、夕飯を作るか」
今日の弁当の残りの玉子焼きと煮物かなにかでいいだろう。
久しぶりにヒジキ煮でも作ろうか。
冷蔵庫から材料を手際よく取り出していく。そして全てを出し終えてあることに気づく。
「む、そういえば今日から優がいないんじゃないか」
手元の三人分の材料を見て小さくため息をつく。
父はここ最近さらに多忙を極め、彼が来る頻度もほとんど毎日となっていた。
(さすがに7日目くらいからは彼が食材を持ち込んだりもしたが)
故にほぼ反射的に二人分の食材を準備してしまったのだ。今日も父の帰りは遅い。

なんだか、少し空虚な気持ち。
「家族・・・か」

久しぶりに一人で夕飯を済ませ、入浴して彼の言うとおり戸締りをきちんと確認して就寝した。

55名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:24:08 ID:gVSeC7+a
彼とみずきが旅行へ行って2日目。
いつもどおり起床。お父さんと挨拶をし、一緒に朝食を食べる。
「昨日は優君はこなかったのかい? 珍しいね」
昨日の残りのヒジキ煮を食べながらお父さんが言う。
「優はとある事情で旅行に行っているんだ」
「そうか・・・寂しくはないかい? 最近は父さんも仕事が忙しくてな」
「私は大丈夫だ、だからお父さんは気にせずに仕事に行って欲しい」
「そうか・・・今日も遅くなるよ」
「・・・分かった」
心なしか沈んだ表情の父が気にはなったが食器を片付け、部活の準備を始める。

「よし、行こう」
荷物を持って玄関から外へ、そのまま高校へと向かう。


駄目だ。
鈍足の改善のためには素直に走りこみを重ねるしか道はない。
だが最高速を上げるには全力で走らなければならない。しかし過度の練習は足に爆弾を抱える結果になりかねない。
ゆえに一日の練習を全て走塁に費やすのは無謀だ。かといって守備や打撃をしていても・・・
「? どうしたんだ六道、今日は調子悪いのか?」
監督にご指摘いただいたとおり調子が出ない。ある意味中毒だ・・・
みずきの、彼の球を受けたい。早く帰ってこないかな。

帰宅。昨日同様に夕飯の準備を始める。
・・・また三人分出してしまった。もう彼の存在が私のなかに染み付いている。
ため息をついて食材の半分ちかくを冷蔵庫に戻す。今日はこれで何を作ろうかな。
煮魚あたりがいいかな?

なんだか、空虚な気持ち。
一人で食べるという行為はこうも寂しいものだったか。
・・・何を考えているんだ。留守番など誰しも経験があるもの、いちいちそんなこと言ってられるものか。
なんだかんだで彼がいる毎日が私のなかで当たり前になっていたようだ。
日常の喪失はこんなにも物足りない気分になるのか。
いけない、この状態にも慣れておかないと・・・彼に迷惑をかけてしまう。

やっぱり釈然としない気持ちのまま、就寝。・・・戸締りはしたぞ。



56名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:24:58 ID:gVSeC7+a
3日目。部活の話は割愛させてもらう。
特筆すべき点はない、強いて言うならば監督に私が怒られたくらいだ。
だめだ、調子が出ない。彼の球を受けたい・・・

帰宅。いい加減帰ってきて欲しい、私の身にもなってくれ。
・・・落ち着こう。あまりに身勝手な発言だ。
なんだか晩御飯を食べるどころか作る気もせず、私は家に帰ってすぐに部屋のベッドに倒れこんだ。
「ふぅ・・・」
ここ最近調子が出ない理由はもちろんみずきや彼の球を受けていないというのもあるが、
なによりも彼が不在の間、私の日常のあらゆるところに彼の影がちらつくからだ。
何度も何度も彼を呼ぼうとしては旅行に行っていることを思い出しハッとする。最近はこれの繰り返しだ。
家族みたいな存在だからだろう。存在が無いことに強烈な違和感を感じる。
だがあいつは家族同然の存在だが血がつながっているわけではない。家族みたいなって一体なんだ?
家族というのは人間が健やかに成長するうえで欠かせない存在だ。
家族みたいな・・・か、家族であって家族でない彼。なんだろうこのすっきりしない気持ちは。

―昔みたいに”優お兄ちゃん”って呼んでくれても俺はかまわないけど?―

「優・・・お兄ちゃん・・・・・・・・っ!?」
自分が半ば無意識につぶやいた言葉に驚愕し、目を見開く。
な、な、な、何を言っているんだ私は! 子供じゃあるまいし!
自分自身をなだめようとしても顔面に熱が集まるばかりである。
いったいどうしたんだ、自分で自分が分からない。体が熱い。
・・・彼がいないと私はまともな生活すら送れないのか?

「ん・・・・・・」
顔面だけじゃない、体中が火照って暑い。下半身に妙な違和感を覚える。
別に尿意を催したわけではない。
おそるおそる自分のスカート―そういえば着替えることすら忘れていたが今はそんな気にはなれない―
をめくり、違和感の原因に指先が触れる。
「あっ・・・!?」
そこに触れた瞬間、私はふたつの驚きをもってその感覚を実感した。
濡れている・・・しかもなにか粘着性のある、ぬるぬるしたもので。
話を聞いたことはあった。クラスの女子がこういう話を内輪でしているのを聞いてひどく不快に感じたことがあった。
それを今自分が体験している、なんともいい気分とはいえない。しかしそれ以上の二つ目の驚きがそれを塗りつぶす。
そこに触れた瞬間に体の芯が痺れるようなぞくぞくした感覚が全身をほとばしったのである。
保健の教科書を読んでいればこの手の知識は多少触れられている。だが実際はこうも強烈とは思わなかった。

もう一度、確認するかのように私は再びそこに触れる。
「・・・はぁ・・・っ」
先ほどよりも強い痺れが走る。思わず息が漏れてしまう。
「んっ・・・ふぅっ・・・はっ・・・」
こんな汚れたこと、やめなきゃいけないのに・・・どうしよう、手が・・・もう・・・

57名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:26:23 ID:gVSeC7+a
体の内側から何か波のようなものがせまってくるのが分かる。目の前が真っ白になりかけたその瞬間だった。

「聖ーーーーっ!!?」

「!!?」
突如家に響き渡った私の名前に私は文字通り飛び上がった。
「聖ーっ!? 鍵開いてたけど大丈夫かーっ!?」
私が3日間ずっと聞きたかった声が足音とともに近づいてくる。
ずっと会いたかったけどこの・・・このタイミングは・・・まずい。
何がって・・・その、だな。すんでのところでの抑止は、難しいものだろう?
やがて足音は私の部屋の前で止まり、扉を叩く音が響く。
「聖ーいるか?」
「あ、あぁ優か。か、帰ってきたんだな」
必死で平静さを取り繕い、扉越しの彼の声に対応する。ここでようやく入ってきたのが彼でよかったと安堵する。
「? 体調でも悪いのか? 入るぞ?」
私が返事を返す前に彼は私の部屋へと入ってきた。私は光のごとき反応速度と速さで布団に入り込んだ。
「っはぁ〜外はまだまだ寒いからな、顔真っ赤だぞ・・・こりゃ風邪かな」
「・・・かもしれん」
あんな行為をしていたなど死んでも言えるはずがなく、私は簡潔な返事とともにうなづくことしか出来ない。
うぅ、体中が疼いて辛い。両足をもじもじとこすりあわせることしかできず、もどかしいような恥ずかしいような
気持ちの私だったが彼が私の元へ近づいてきて硬直する。

「顔真っ赤だし、熱すごいかもな・・・でも戸締りくらいはしっかりしろよ?」
そういいつつぴとっと彼の冷たい手が私の額に触れた。
「ひゃあっ?!」
ぞくりと強いしびれが全身を走った。今の私に彼の冷たい手は強烈過ぎる。
しかし彼は幸か不幸か全く私の状態に気づくそぶりも見せずにしれっととんでもない行動に出る。
「あ、悪い。そうか俺の手今冷たいから熱あるのか分からないな・・・それじゃあ・・・」

冷たいと自分で認識していたはずの手を首の裏へと回し、自分の額を私の額へくっつけた。
「あっ・・・っ!! んっ!! ふぅあっ・・・・っふ!!」
かつてない痺れが私を襲い、私は一気に脱力して彼の冷たい手へ体を預けた。
な、なんだ今の感覚は・・・
「お、おい聖? 大丈夫か!?」


58名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 23:27:16 ID:gVSeC7+a
「・・・聖?」

結局私は自分のはっきりしないところと向き合わないまま逃げてただけだったんだ。
今の関係が崩れてしまうのを恐れていただけだったんだ。でもそれでは・・・だめだ。
「・・・全然大丈夫ではないな、全部お前のせいだ優」
「は?」
ようやく落ち着きを取り戻した私(それでも少し意識が朦朧とするが)
の言葉に彼はぽかんとして間抜けな返事をよこすばかりである。
「ここ最近私はずっと調子が悪かった。それは、いつもいるはずのお前がいなかったからだ」
私の言葉に彼はまだピンと来ない様子で首を傾げるばかりだ。

「優は家族みたいな存在だとずっと思っていたけど私たちは血がつながっているわけじゃない。
戸籍上一緒に暮らしているわけでもない。でも優、私はお前にずっとそばにいてほしい。
・・・無理にとは言わない。お父さんの言葉をいつも流していたし、断ってくれたって構わないんだ」
思いのままに言葉を告げおえたとき私は急に妙な気持ちになって彼から視線を逸らしてしまった。
目の上、額のあたりがぼーっとして熱い。

彼はしばらく驚いたり考え込んだり色々な表情を見せていたがやがて口を開いた。
「俺は、逃げていたんだ。本当は聖のことが気になって気になってしょうがないのに、
俺たちの関係は近すぎるだとか、聖に他の男友達がまだ出来ないからだとか、言い訳ばかり自分でして逃げてたんだ。
聖、俺も今までみたいにこれからもずっと一緒にいたい」

彼の意思が聞けた今私たちの間に言葉はいらなかった。
どちらからとも言わず、元から近い場所にあった私と彼の顔・・・唇は更に距離を縮めて・・・

「ただいまー」

わずか1センチの距離で私と彼の動きが完全に止まった。お父さんが帰ってきたようだ。
しかしさっきの彼といいつまらんドラマのようなタイミングだ。

「聖ー? 夕飯も作らずにどうしたんだい? 優君も来ているようだが」
お父さんがこちらへ近づいてくる。私と彼はすかさず顔を離し、私は再び布団に完全にもぐりこんだ。

「あぁすいません。俺もついさっき帰ってきたばかりだったんですがどうも聖が体調を崩したみたいで、
今からちょうど飲み物とかを買出しに行くつもりだったんですよ」
お父さんが私の部屋に来たときの彼の言い訳はこれだ。無難な線だろう。

「優君」
「は、はい?」
「私は確かに娘のそばにいてやれた時間は普通の親に比べて多くはない。
でもねそれでも自分の娘と、息子同然の君のことはしっかりと見てきたつもりだ。
私も間が悪かったかもしれないね。でもひとつだけ聞いていいかい?」

・・・こうも簡単に看破されるとは思わなかった。
彼も降参と言わんばかりの表情でお父さんの言葉を待った。

「娘を・・・聖を、これからも守ってくれるかい?」
「・・・はい!」
私は二人に気づかれないように微笑んだ。

おしまい
59HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/04/05(日) 23:32:32 ID:gVSeC7+a
今回はこれで以上です。
時間の合間を縫ってちまちまと書いていたのでおかしな点もあるかもしれません。

コテの割りに書いているのは最近13の聖ばっかりという。
RIK氏には是非前スレ15ひじりんの続きをお願いしたいところです。

今までそこそこの数のssを書いてきたが『誓い』や『めぐりあう二人』といった
比較的時間をかけて書いた作品に多くのレスがついてうれしい限りです。

ではまた。
60名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 02:47:45 ID:WnKmlf85
GJ!
過疎っててもいいんです、一週間に一度でも職人さんが来てくれれば、それで。
聖はやっぱり僕らの星ですね。なんだかキュっときました。

13しかやっていないのに偉大なる先人様方の小説を読んで9と13の小説を書くのはやはり無理か……
否。
61名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 12:43:22 ID:JNuk9ZD6
ひじりんかわいいすぎだろ・・・GJ!

>>60
作品期待してるぞ
62名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:34:13 ID:zWDxkiEc
>>60
9は書く書かない関係無しにやってみた方がいいぜ
63名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:48:17 ID:wnk9qi3F
恋恋は人生
64名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 00:15:57 ID:+swm7ivw
>>62
よし、今度機会あったら買って来る。
65名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 00:28:31 ID:1cwT+ifW
>>59

やっぱひじりんは良い。
66名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 19:36:58 ID:RuU03o7y
あおいちゃんとはるかちゃんは俺の青春
67名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 01:15:22 ID:TwRUluOn
優と聞くと、東さんか小手崎しか連想できない。
68名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 15:22:02 ID:CQUVfl5z
>>66
あおいはどうでもいいがはるかちゃんは死んでも渡さん
このスレで生まれた黒化もしくはレズ化したはるかちゃんなら別にかまわんが
69名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:01:06 ID:3zchxczL
>>68
ま た お 前 か
70名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 20:46:02 ID:2QWfZoAc
黒はるかちゃん×あおいちゃんが大好物なのでおk
71名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 01:16:33 ID:tq+CCYlC
逆にはるか×黒あおいはダメかね?
72名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 01:29:36 ID:78RcKncn
>>71
その発想はなかったわ
73名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 03:23:08 ID:WQMsHz2g
>>71
黒化してもあおいちゃんは受けなのかw
確かに相手問わずにあおいちゃんが攻めってあまり想像できないな
74名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 21:00:43 ID:Im+VuI7u
あへってるあおいちゃんは好きかい?
75名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 21:51:24 ID:E0V2aD4+
>>74
あおいだけじゃないぜ!
76名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 23:33:27 ID:GjLlO+rC
目をぎゅっと瞑って、顔を真っ赤にして俯きながらピクピク感じちゃってるひじりんも大好物なんだぜ!
77名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 15:57:42 ID:fhrLy+3h
>>76
お れ も だ !

ぐはぁ!!(萌え過ぎて吐血
78HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/04/14(火) 22:58:00 ID:S4OdtEkc
>>76 >>77
よしわかった書いてくるわ。
79名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 21:33:20 ID:+0fS/hyc
な…なんという仕事人…!

Big リスペクト!
80名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 01:47:07 ID:Zqqk2X1V
いつも書いてもらってばかりなので、自分でも何か考えてみるか・・・
81名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 02:33:17 ID:wlqzo2ZC
俺もあおいと主人公の純情モノ書いてみたけど、途中でポシャったw

書くのなかなか難しいよね。
82名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 16:40:36 ID:T5/2wKBb
場面場面は浮かぶんだけどその繋ぎがな。
それができるようになればまだマシになるんだが。
83名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 21:49:47 ID:/WhEY6cV
>>76
それは聖に限らず誰でも可愛いと思う。(舞、澄香、はるか、みずき、あおい、空、海、エミーetc...)涙目で上目遣いだともっと死ねる。
84名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 22:50:38 ID:yPxfG1mm
>>81-82
あからさまに酷い文章じゃなければここの住民は叩かないよ

さあ、早く執筆作業に戻るんだ!
85名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 23:57:43 ID:Y6MzOWXB
>>83
なぜそんなに9と10に偏るのか
86名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 01:14:33 ID:nGOer6bo
てか10以降の彼女キャラのエロさは異常
87名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 01:21:16 ID:RrFKYdol
9のはるかちゃんも糞エロいわけだが
8883:2009/04/17(金) 11:54:44 ID:Jp914WWg
>>85

ならば他の女の子を挙げようじゃないか。

絵久、瀬久椎、摩夕、エリリン・・・

すまん。他が思い浮かばない。
9と10はがっつりやったのだが11からは『彼女はイラネー理論』でしか作ってないもので。
89名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 12:38:01 ID:xalWMbS4
>>87
そこまでだったか?それだったら澄香ちゃんだってそれなりにエロいと思うんだが
このスレで改悪されてるだけな気がしてならない
90名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 18:39:13 ID:eQVuFIpE
おいィ?
俺の嫁のまりんや千尋が入って無いんだがどういう事だ?
91名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 21:21:32 ID:xalWMbS4
多分マイライフをやってないんだろ
せっかくだから早矢と愛も入れようぜ
92名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 21:28:16 ID:RrFKYdol
>>89
悪意がないならお前は少し黙っとけ
好きなものは好きと言えばいいが、嫌いなものをアピールされて喜ぶ奴はいない
93名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 23:12:51 ID:xalWMbS4
>>92
スマン、これからは気をつける
94名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 23:50:21 ID:mGQQ4xAP
>>92
おいおい、ありすも忘れないでくれよ。
9594:2009/04/18(土) 20:49:35 ID:8sKtQXQn
すまん>>92じゃなくて>>91だった。
96名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 00:33:37 ID:kyLd2iQI
木乃葉さんを忘れないでください……
97名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 00:36:49 ID:EorOomNh
14はサクセスは今一つだけど泉美ちゃん可愛いよ泉美ちゃん
98名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 12:23:52 ID:YQIacgfW
12マイライフの嫁候補は全員入れてもいいと思うんだ
思えば12マイライフは彼女候補たちの表情が豊かだった
99名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 14:58:35 ID:1uHnTJuz
>>98
愛に恵に瞳ちゃんみんな好きだわ
100名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 01:13:23 ID:dgWsa3Wk
過疎ってるんだか過疎ってないんだか・・・・・・

まぁ盛ってはいるな。

保守
101名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 03:37:38 ID:J7ClWjHH
投下…。
102名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 04:15:28 ID:LbpYZQ8V
そろそろカモーンщ(゚Д゚щ)
103名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 00:35:33 ID:BvwC4C5q
とうか、まとうか。
104名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 03:15:30 ID:9t/ao93W
久しぶりに13決をやったらなつきちゃんに惚れた
「もぅ、本当に世話が焼けるんだからぁ…」とか
「あなたの人生の専属トレーナーにしてね…」とかマジで可愛すぎ
絵久ちゃんや木乃葉さんもいいけど、たまには彼女の事も見てやってください
いつかなつきちゃんでSS書いてみようかな
105名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 03:53:18 ID:kOCoCBO/
元ネタとは真逆な女の子らしい女の子だったな
106名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 09:32:34 ID:STY9TTNm
元ネタって何?
107名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 16:20:05 ID:z5GNZsd4
なつきって中身がほとんどあおいちゃんだったような記憶が
108名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 16:29:12 ID:04XDqM+c
なつきちゃんは巨乳
揺れてたのはスイカだとの噂もあったが、あれはおっぱいだと信じたい
109名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 16:54:00 ID:vfhIe+oN
>>107
どこら辺があおいちゃんなのか全く分からん

>>108
イベントは見たことないけど攻略本に載ってたな、確率で弾道が上がるらしいからボインで間違いないかと
比喩表現がスイカってどんだけ爆乳なんだよ
メロンならまだ聞いたことがあるが
110名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 18:39:55 ID:87DrHb4J
一般サイズのメロンでもそれを乳の大きさと考えると十分規格外だと思うけどな…
普通サイズを物で例えるなら丼とか?
111名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 20:29:55 ID:04XDqM+c
>>109
あー別におっぱいをスイカに例えたわけじゃないんだw
俺も記憶が曖昧でさ、確かなつきちゃんがスイカだかメロンだか抱えて走ってくるイベントで、「揺れてたのはスイカだったっけなあ」って思ってさw
ぽよんぽよんって擬音付きだからおっぱいだろうけど
112名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 20:35:24 ID:04XDqM+c
>>109
あっゴメン文を読み違えてたかも…
攻略本だとスイカをおっぱいに例えてんのかな?買ってないからわからないや
113名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 21:36:32 ID:vfhIe+oN
>>112
攻略本にはこう書いてあるんだ
「走ってくるなつきの揺れるものに主人公と矢部は興奮。小枝に聞かれて、ふたりはなつきのスイカが待ちきれないと答える。」
もちろん本物のスイカを持っていることは分かるけど、こういう演出はやっぱりなつきちゃんがスイカを連想するほどの巨乳であるということへの暗示だと思うんだ
弾道も上がるわけだし
114名無しさん@ピンキー:2009/04/23(木) 22:34:10 ID:61TaTZZi
なんか一気になつきの評価が上がったねw
誰かなつきのSS書いてカモーンщ(゚Д゚щ)
115名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 08:08:20 ID:lOO6ASmt
>>106
舞HiME
全体的に13はオタク臭かったな
最近のは制作陣の趣味なのか色々アレだけど特に13は酷かった
116名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 13:18:07 ID:3XGid6jM
>>115
なつきちゃんにモデルいたんだw
5のレイとバカばっか、14マイライフの大崎ナナくらいしか思い付かないな
ウチの弟が、木乃葉さんが格闘ゲームのキャラに似てると言ってるけど
117名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 15:17:11 ID:Ey7uF1oA
>>115
でもネタの宝庫だったじゃないか、13
118名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 18:46:13 ID:oNsdkDuZ
>>115
舞HiMEは見たことないから知らんかった。サンクス

まぁ言いたい事はわかるけど、個人的にはオタク臭いパロディーをやることよりもくだらない駄洒落で彼女候補の名前をつけることの方がまずいと思う
小田谷加奈は普通に居そうだし別に良い、我間摩夕は既に相当無理があるけどまだ許せる
けど流石に瀬久椎佳織はどう考えてもありえんだろう
そう考えれば13は彼女候補の設定に関してはまだ良かったと思う(彼女システム自体にはかなり問題があったが)
119名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 19:25:31 ID:Ey7uF1oA
言いたいことは分かったからここでつまらん議論すんな
120名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 22:56:27 ID:X/cQy0pJ
>>118
13のマイライフの彼女が全員名前がパワポケからというのもひどいと思う
121名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 02:19:59 ID:2+qq0BPn
投下カモーンщ(゚Д゚щ)
122名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 09:13:22 ID:aeEUGDFp
【パワプロ】矢部明雄【おっぱい】
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/gamechara/1239886292/
123名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 10:27:58 ID:BfOYiWvE
↑なにがやりたいwwww
124名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 13:26:37 ID:K0CN2fud
>>115
趣味って言うか最近のは女性選手出してりゃ売れるみたいないい加減な気持ちで作ってるから作品が雑になるんだろう。新しい女性選手出して、あとはオタクネタで嵩増ししとけば良いや的な感じで
だからパワプロがここまで衰退したんだけどな…
125名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 16:16:16 ID:2+qq0BPn
なんとまあ釣り針の大きいこと
126名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 18:47:55 ID:D0jA37E2
で、>>124みたいなヤツがこの板を衰退させるんですね、わかります。
127名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 19:39:01 ID:BfOYiWvE
>>124
栄枯必衰。てかそういう時代なんだよ。
あとあれを雑と呼んだら世の中のクソゲーに失礼だぞ。
128名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 19:52:55 ID:aAKsbarr

129名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 20:15:08 ID:vRZpdDKZ
とりあえず盛者必衰なのか栄枯盛衰なのかはっきりさせようぜ
130名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 22:45:21 ID:nx9kIQ9C
HMA-15さんがまだなら、俺投下していいかしら
131名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 23:00:12 ID:2+qq0BPn
>>130
カモーンщ(゚Д゚щ)
132名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 00:39:00 ID:gUh2SD/2
じゃあ投下。ネタ満載なあおいちゃん話です
133甘きあおいちゃんよ、来たれ:2009/04/26(日) 00:42:13 ID:gUh2SD/2
「まず街までいくよ!まずは買い物!」
「はい!」
俺はあおいちゃんの手をとって街に向かって歩き出した。彼女は最初戸惑った様子だったが、遠慮しがちに俺の手を握り返してくれた。
「何か欲しいものある?あおいちゃん」
「んーん、ボクは別にないかな。小南くんは?」
「実は俺もない。…だから二人でぶらぶら歩こっか?」
「うん!いいよ!」

…あれ、なんだコレ?何か違和感を感じた俺は、トイレと偽りその場を離れ、パワプロ7の攻略本を見た。…くそ、このイベント載ってねえぞ!

「どうしたの?」
「え?あ、あぁ、なんでもないよ!」
「ふーん。…あ、ボクあのお店行ってみたいなあ」
「いいよ。じゃあ行こっか」
俺が快諾すると、あおいちゃんが俺の腕に自らのそれをスルッと絡ませてきた。そう、まるで…巷に犇めくカップルのように。

…違う。俺が知ってるあのイベントとは何かが決定的に違う…と思う。突っ込まれると「ココが違う」とははっきり言えないが、明らかに…
「最近の服とかの流行りは、ボクさっぱりわからないんだよなぁ…。…ん?ボクの顔に何かついてる?」
「あ、いや…別に。服をじーって見てるあおいちゃんかわいいなって思っただけ」
「そう?…えへへ、ありがと」

…うん。かわいいから何の問題もないぜ!

−−−

「あおいちゃんお腹空かない?」
何を買うでもなく二人でぶらぶらするうちに、時刻は正午を回っていた。笑ったり照れたりと、普段は希薄なあおいの一面にハァハァしていた小南は、13時を過ぎた辺りでやっとそれに気付いた。
「うーん、少し…空いた、かな」
もじもじと、やや言いづらそうに言葉を紡ぐあおいちゃん。…やべぇかわいいぞっ!また弾道が上がりそうだ。
「じゃあ、食事行こっか!」
「はい!」
相変わらずあおいちゃんの返事は元気だった。快晴に浮かぶ太陽のような満面の笑顔も相俟って、やっぱり彼女は可愛かった。

−−−

「ほら、口周りにソースついてるよ?」
「え?どこ?」
「こ〜こ!男はみんなだらし無いんだから!」
俺は動きを制され、あおいちゃんにナプキンで口を拭われた。恥ずかしいやら嬉しいやら。
134名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 00:43:54 ID:gUh2SD/2

「…あ…」
軽く食事を済まし、再びショッピングモールをあおいちゃんと回っていると、シルバーのアクセサリに彼女は視線を留めた。控えめなプラチナのペンダントだった。
「…ボクも、あんなアクセサリ着けたら、少しは女の子っぽく見えるのかな…」
「ためしに着けてみたら?」
俺がそう薦めると、あおいちゃんはしきりに遠慮した。俺は半ば強引に、彼女にそれを着けさせた。
「どう…かな」
…うん、可愛い。控えめなデザインゆえにあおいちゃんの可愛さとの相乗効果がどーだこーだと長々と講釈垂れたい程可愛い。つーか恥ずかしそうにしてるあおいちゃんがヤバイ。弾道上がった。
「…似合うね。すっごく可愛い」
「…ホント?」
「ホント。…だから今日はそれ着けててよ。あおいちゃんが嫌じゃなければ」
「えっ…」
購入及びプレゼントは即座に決定された。マリーンズ1軍正捕手であるこの俺の給料を彼女のために浪費する事に些かの躊躇いすら持たぬ!
「…ありがと。…すっごく、ホントにすごく嬉しい…。ボクなんかにこんな…」
「あおいちゃんだからプレゼントしたの」

−−−

 店舗から出ると辺りは暗くなりかけていた。日中とは取って代わってなぜか俯き寡言になってしまったあおいちゃんを連れて、俺は人気の薄らいだ公園にやってきた。
「少し二人で話しない?」
「…はい」
外灯の元に置かれたベンチに並んで座り、たわいのない世間話をしたり野球の理念について語り合う。真剣な瞳でリードや配球について語るあおいちゃんを見た俺は、野球を語り野球に携わる様の彼女がやはり一番彼女らしいな、と改めて思った。


ご存知の方も多々いるだろうが、このイベントは特訓と銘打たれた事実上のデートにあおいを誘い出すというもの。
そして、イベント最大の分岐点は今この瞬間っ…!あおいがこのまま帰ってくれれば小南の勝利が確定…!
だが、「って言うわけないでしょ!」というテロップが出た瞬間、小南の死が確定する憂き目っ…!やっらしーんだから!もうサイッテーと痛罵の嵐…非難轟々っ…!


ニア今日…泊まっていかない?
 じゃあ、今日の特訓はこれまで!

…なんだこの選択肢?
別タイプのイベント…!これは7で存在したあのイベントとは…まったく別タイプ…!

だが小南は迷わなかった。もちろん迷わなかった。迷えば死ぬ…!そして、あの選択以外に俺に生きる道は無しっ…!


「あの…あおいちゃん」
「…ん?なぁに?小南くん」

「今日…俺ん家に泊まっていかない?」
小南は選択した。生か破滅か修羅の道を。仮に通らなかった場合の死はすでに覚悟の上…!


「…それも、特訓?」
「うん、特訓」


「…はい。」
あ、通った。
135名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 00:45:51 ID:gUh2SD/2
マンションの自室にあおいを招き入れる小南。あおいはもう口数がだいぶ少なくなっていて、自身に対して小南が何を望んでいるのかを理解し、それを容認しているかのようだった。
そして扉を施錠した瞬間。小南はあおいの肩を掴み正面に据える。彼女の体はとても華奢で、抱きしめたら壊れそうだった。
羞恥と心配と混乱、小南への想い、そして否定できない僅かな後悔。それらが入り交じり、あおいは息を少し上げながら真っ赤に紅潮していた。
「あ、あのっ!あのボクっ…」
「…やっぱり嫌?」
あおいはふるふると首を振る。
「…その…、あんまり…経験がないから…、小南くんに迷惑かけちゃいそうで…」
「した事はある?」
あおいはさらに赤くなり、狼狽し迷った揚げ句に小さく頷く。普段強気で男勝りなあおいと今の彼女のギャップは小南の加虐心と性的興奮を強く駆り立てたが、それ以上に「健気な彼女を傷付けたくない」という意思により、小南はなんとかそれらを胸の内に押し込む事ができた。
そして彼女を寄せて抱きしめる。不安を拭ってあげるかのように髪の毛を撫でながら。
「心配ないよ。迷惑なもんかよ」
「…小南くん…きゃ!」
直後にあおいの体のバランスが崩れ、彼女は一瞬自身が転んだのかと錯覚した。
そうではなく、背中と太股の裏に腕を廻され、小南に抱き抱えられたのだ。
「…バカっ!びっくりするでしょ!」
だが、あおいの文句は黙殺され、彼女を抱いたまま小南は奥へと無言で進む。呈した苦言とは裏腹に、小南に全てを任せる胆を決めていたあおいは、ただ薄暗い中彼の顔をじーっと見つめていた。
そしてベッドに降ろされ、小南と目があった瞬間に、さらにもう一度決意を固めた。
そして、座らせたあおいのユニフォームのボタンを小南は一つずつ外してゆく。
「わっ…」
いきなりの行為に彼女は小さく驚嘆の声をあげた。
間を置かずベルトを外してズボンを脱がし、靴下も奪い取る。あおいはアンダーシャツと上下の下着だけの姿にされ、肉付きがいい太ももと、それでいてするりと伸びやかな脚部が露わにされる。
「あ、あのボク…お風呂に入ってから…」
「だーめ」
「そんなあ…きゃっ」
入浴の許可は与えない。少なくともやり終えるまでに、少々の汗くささも含んだあおい自身の香りを消させる訳にはいかない。
136名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 00:47:09 ID:gUh2SD/2
背からベッドに倒し込むと、彼女の顔は一段と赤らみ脚をもじもじさせる。普段は絶対に見れないあおいの表情に、小南はいよいよ止まらない。
あおいに覆いかぶさる小南の股間にはすでにテントが張られ、ズボン越しにもびくびくと動きがわかる。
「あ、あおいちゃん…!」
やや強引にアンダーシャツを脱がし、下着を剥ぎ取る。同時に自身もトランクス一枚にまで服を脱いだ。張り詰めたテントの尖端は、興奮の余りに先走った汁ですでに濡れている。
「や…ぁ…!」
両脚と両腕で必死に乳首と股間をあおいは隠すが、ヘソの側から両脚の付け根、恥部を隠す陰毛をなぞると彼女の体がぴくりと反応し、脚から力が抜けていく。
「あ、…んぁ」
色情に濡れる声。未だかつて聞いた事のないあおいの未知なる声。陰毛に隠れた割れ目を中指で擦り続けると、それは段々大きく強くなっていった。
「あっ…あ、あぐ…ぅ」
目を閉じ、半開きの口から唾液を垂らすあおい。いつの間にか胸を隠すのすら忘れ、両手はシーツをぎゅっと握りしめている。両脚もすでにだらしなく開かれている。
そしてあおいが体をよじらせる度に、彼女の控えめな乳房がぷるぷると微かに揺れた。
「ほら、くちゅくちゅって聞こえるでしょ?あおいちゃんのエッチな音」
「ふ…あ、くぅ…、そ…そんなの知らないよ…聞こえないもん」
小南は指を一度離し、あおいの眼下で粘着質の愛液を弄び、彼女の頬にそれをなすりつける。
「ほら。あおいちゃんのエッチな汁だよ。いっぱい出てくる」
「や…、やだ…ぁ…!」
「ここから出てくるんだよ」
小南は狙いを定め、膣に指を深々と突き刺す。奥と膣壁をぐりぐりと掻き回しながら、引き抜いてまた差し込む。
「ふぁっ!あっ、んぅ!あ!」
そのまま体をよせて、汗ばんだあおいの首筋の匂いを嗅き、舌を這わせる。
「…あおいちゃん…いい匂い」
舌は体のラインを沿って乳首に着き、ちろちろとそれを弾く。今初めてまじまじと見つめるあおいの乳首。小さく綺麗で可愛かった。

「んあ!」
指を一気に引き抜き、トランクスを脱ぎ捨てる。あおいの恥態を目の当たりにした結果、股間のそれは体中から血を集め、かつて無い程痛々しく勃起していた。
「はぁ…、はっ、はぁ、小南くん…」
それにあおいの愛液を塗し、亀頭を宛てがい彼女の両掌を握る。
「力抜いてね。あおいちゃん」
あおいの返事は待たずに、彼女の狭い膣の壁を押しのけながら挿入は開始される。
「ふっ…う!ん!」
さらにも増して淫らに乱れるあおい。やはり初めてではないようで、痛さも無いようだった。
「あっ、あおいちゃんっ…!」
「あっ…あ…、入っちゃった…」
互いとも数年ぶりの性交渉。すぐに射精を意識した小南は、あおいに陰茎を突き刺したまま、自らの高ぶりを少し落ち着ける。
「は…、むぅ…ん」
やがて、あおいと舌を絡ませつつ腰を前後させる。小南がキスを求めると、彼女は不慣れながらに応じてくれた。
「小南くん…!もっと!もっとぉ…!」
あおいが小南の背に腕を回し、抱き寄せる。胸板でむにゅっと乳房がつぶれて乳首が擦れる。小南にはたまらなく気持ちいい。
正常位での抜き挿し、乱れるあおいをしばし楽しんだ小南は、彼女の小さな体を抱え、対面座位から騎乗位へと体位を変える。そして小南は動きを止めた。
「は…ぁ…、…え?」
すでに高ぶるだけ高ぶったあおいは、ただ陰茎が己に突き刺さったままではとてもいられない。本能が促すままに、彼女自ら腰を上下に振り出した。
「…ずるい…よ」
小南はあおいのよがりを邪魔するかのように、不定期に腰を突き上げた。その度に彼女の太ももとお尻が波打ち、小南の股間周辺にむっちりとした重みが加わる。そして尻の肉を両手で鷲掴みにすれば、むにゅむにゅと掌に吸い付くかのように形貌を変える。
137名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 00:48:16 ID:gUh2SD/2
小南は忙しい。目の前で上下に躍るあおいの肢体は、いじくる場所に尽きないからだ。
腰下とは対照的に細くくびれたウエスト、その中心に位置する縦に細いおへそ、やはり波打つ控えめな乳房に乳首。
そしてあおいを自らに倒し込み、お尻の谷間に隠れる皺の寄った尻穴を探り当てる。
「…ふぁ!ふぇ…む」
羞恥を煽りながらも、キスで口を塞いで意見は許さない。もっとも、小南の体で陰核が擦れ、あおいはそれどころではないが。

いよいよ小南も限界だった。射精への突き上げを開始する前に、彼はあおいの髪留めを奪った。
三編みお下げはたやすく解け、クセがなく美しいあおいの髪が、微かな芳香と共に広がった。
「あおいちゃんの…綺麗な髪の毛…。ずっと「いつか解いて触りたい」って思ってた…」
頭を撫でつつ指で髪を梳かす。
「…キミだけ。ボクが髪を触らせるのは、…これからもずっとキミだけ。」
そう言って二人は笑いあい、再びキスをした。なんの偽りもない心よりの言葉だった。


「あおいちゃん!…あおいちゃんっ!」
「いいよっ…!小南…くん!もっと!もっとぉっ!」
あおいの汗が小南の体に滴り、彼女の髪が乱舞する。小南は無我夢中で突き上げ続ける。
「いく…!出すからね!」
「…くぅ…!あっ、んんぅ!」
あおいはもう自身では動けなかった。下からの突き上げに快楽を貪り、陰核をこすりつけ、小南をただ抱きしめるだけしか出来ない。
「…うっ!!」
「あ…ぐ!」
熱く怒張した陰茎が、あおいの膣奥に小南の精液を注ぎ込む。彼女の愛液と混じりながら膣を充たし、やがて陰唇からとろりと姿を現した。
あおいをずらして陰唇をヌルリと引き抜く。早くも縮もうとするそれは、色々な液でテカテカと黒光りしていた。


「…赤ちゃんできたら引退だな…ボク」
「え!…じゃあ女の子がいいなぁ…。あおいちゃんみたく可愛い子」
「…ダメだよまだ!ボク投手タイトル一個も獲ってもないのに!ボクは将来の沢村賞投手だよ!?」
「…「まだ」?できちゃったら俺に永久就職してくれるの?」
「う…うるさいな!揚げ足をとるなっ!」

「(…まぁ、キミとなら…、考えなくはないけどさ…)」

そのあとすぐ、小南の腕の中であおいは眠りについた。
実はさっきの小南の話を嬉しく思った事は、自分の心の中にしまっておくことにした。



 この時からそう遠くないある日、小南はあおいがまったりキャットハンズへトレードされる事を知った。
(今思えば、あの日…あおいちゃんが俺に甘えてくれたのは、今日のこの日がくるからこそだったのかもしれないな…)
小南はふと、そう思った。

疲れがたまった。(ブブー
やる気がなくなった。(ブブー
138名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 00:49:22 ID:gUh2SD/2

−−−

 「あ!あおいセンパイの旦那さんですよね!?えーと、小南さん!」
一塁側のベンチ。水色の髪をした女の子が小南に声をかけた。
「ん?あーそうだよ。えー君が確か…、女の子で二人目のプロの…、達川みつきちゃんだっけ」
「「橘みずき」です!あおいセンパイ子供生まれたんだって聞きましたよー?可愛いでしょ?」
「そーなんだよー!目元とかあおいちゃんそっくりで可愛いのなんのって…
…あ、やめとこ」
「えー!聞かせてくださいよぉ!あと惚気話とかも聞きたいのにー!」
頬を膨らませ不満を露わにするみずきに対し、小南は近くの客席を指し示した。
その先には、じーっと冷ややかな瞳でこちらを見据えるあおいがいた。
「あ!あおいセンパイ来てたんだ!」
みずきに小南が小さく耳打ちする。
「(あんまり他の女の子と仲良くすると、後であおいちゃんに殴られる)」
「あーなるほど!お熱いですねえ?」
みずきは妖しい笑みを浮かべる。マジに後であおいちゃんにフォローがいるかもな、と小南は考えた。

キャットハンズへトレードされて数年後、あおいは引退し小南と結婚。後に子供も授かった。
小南は変わらずマリーンズの正捕手の座を守り、今日のオールスターにも選出された。まずは、パリーグ先発部門で得票数1位だった橘みずきをリードする事になる。
『やんきーすから選出された“パの兄貴”こと番堂長児、空振り三振!猪狩守、この回のオールパシフィックを三者三振に仕留めました!』
「…よし交代だ!橘行くぞ!」
「はい!」
「あおいちゃんと仲いいんだろ?今度あおいちゃんも交えて話聞かせてあげるよ」
「はーい!期待してまーす!」
小南とみずきはグラウンドへ駆けてゆく。他の観客に混ざりながら、あおいは小南に声援を送った。

「小南くん、がんばって!みずきもしっかり抑えなさいよ!」

一線を退いた今でも、あおいはあの頃と何も変わらなかった。そしてそれは、これからも不変なのかもしれない。

やる気が出た。
あおいちゃんの評価が上がった。
139名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 01:08:02 ID:gUh2SD/2
7の隠しイベント。条件:あおいの評価+255で毎週1/1000000の確率で発生。


以上です。そして嘘です絶対発生しませんすみません。
前もって書いた通り色んなネタ満載ですんで、苦手な人はスルーしちゃってください。
7と10のクロスオーバーな背景にしてみたけど、俺は7あおいちゃんが好きなんでそっちを主観にしたつもり。
ベースにしたのは7であおいちゃんと遊んだ時たまーに発生するイベントなんだけど見たことある人いるかな?

木乃葉さん、早矢ちゃんに次いで3作目になりますが、メインの3人娘で書くのは初めてなんで至らぬ所はご愛嬌と見逃してくれると嬉しいす。
HMA-15さん、聖ちゃん物wktkしてます。ではまた。
140名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 15:05:34 ID:S8Rvnbmw
積極的なあおいちゃんですな
141名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 22:21:30 ID:/2Iz56dY
萌えて、悶えた。
乙すぎる。面白いっす
142名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 00:51:41 ID:tABLLj2o
さて、隠しイベント発生させるために頑張るか・・・・
143名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 01:12:14 ID:9otj2M/4
ほ。
あおいちゃんは俺の嫁
144名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 19:44:48 ID:ngibme/O
10を久しぶりにやったら双子姉妹丼が・・・
145名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 11:09:21 ID:jkEX+ic6
せっかくのGWだ
NEXTで一つやるとして、幼馴染(メガネ)で書くか巫女さんで書くか……さて……

と悩んでるうちに終わるんだろうな
146名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 21:48:35 ID:zkOtep9B
案の定、GW投下がなかったわけだが
まあゆっくり保守しながら待とうか
147名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 08:21:55 ID:oVMVLABh
15の聖ルートに萌えた。エロ無しでもいいから誰か書いてくれ……書いてください。
148名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 10:26:58 ID:DsoHOXmK
聖SSはいくらでもあるんだからもういいじゃないか
それより誰かポタ3の御影さんで書いて下さい
149名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 01:28:45 ID:DC0l2eSJ
ほむらを…
150名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 14:30:16 ID:BTXOZf43
お姉を…
151名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 14:40:28 ID:njvUkUgl
みずき×友沢を…
152名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 16:31:50 ID:G+StJLyc
何でもいいから投下カモーンщ(゚Д゚щ)
153名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 23:08:28 ID:+59/YHha
自分もほむらが欲しいッス
154名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 15:33:49 ID:ul9gsMkE
ほむらと言えば、ポタ3が発売した頃らきすたのこなたに似てるってどこかで騒がれてたけど
どうしても似てると思えないのは俺だけだろうか。
確かに小柄で半目でオタクではあるけども…
まぁ俺はこなたは好きじゃないから似てなくても全然かまわんのだが…
そんなわけで京子さんものキボン
155名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 17:37:12 ID:6En3ZLAw
ここは人妻の幸子さんで
NTRとか最高に燃える
156名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 21:17:37 ID:7iHPaWKG
>>154
あんたのせいで、こなたに見えて来てしまった。
157名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 23:16:40 ID:zTSYhOqo
>>155
幸子×聖也



せめてパワプロでは女とさせてやれ。
158名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 18:44:46 ID:GvIq8rQ0
聖也は801板で掘られてる方が似合うだろ
159HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/05/15(金) 23:48:22 ID:fzxP1V/E
ようやく出来た。
1ヶ月か・・・毎度筆が遅くて大変申し訳ない。
正直リクエストに答えられてるか微妙。
砂吐きそうなくらい甘い『曖昧家族』の続きです。

エロあり。結構量あります。
160名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:49:16 ID:fzxP1V/E
―あいつ・・・一人で大丈夫かな
―みずきちゃん、この小旅行、何日間の予定なの?
―で、そのとき聖がさぁ
―心配なんだ、普段はしっかりしているのに妙なところが抜けてるから
―俺とあいつは似たもの同士だからな

「あ〜あ、やっぱりかなわないなぁ・・・15年以上にわたる絆の深さはつけ入る隙なし・・・か」

のどかな春の昼下がり、グラウンドに立つ一人の少女がつぶやいた。
結わえられた髪が春風でゆれる。

「滑稽な話だよね、偽りの気持ちがいつの間にか真実とすりかわっていたなんて」

少女は笑う。諦めたような、自嘲するかのような笑顔で。
その様子を見たもう一人の少女がホームからかけてくる。

「どうしたんだみずき? 体調でも悪いのか?」
キャッチャーマスクを外すと、流麗な髪がこぼれ同じく春風にゆれる。
マウンドの少女を気遣って首をかしげるとさらさらと、きらめく。
「ううんちょっと疲れただけ。ちょっと休憩するわ」
「そうか、分かった、でもあまり無理はするなよ?」
「もちろん、大丈夫よ」

このやりとりを最後にマウンド上の少女は木陰へとゆっくり歩いていき、
もう一人の少女はグラウンドの隅で黙々と一人でボールの握りとフォームをチェックしている男のもとへと歩いていった。

「優! そろそろ投げないか? 球を受けるぞ?」
「お、ナイスタイミング。よしやろうか」

少しして聖タチバナのグラウンドに拳銃を撃ったような捕球音が響き渡った。

『絆永久に』



161名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:50:05 ID:fzxP1V/E
「よし、今日はここまでにしようか」
今日は実際にマウンドに立ってスタミナと集中力の強化に励んだ。
投げた球数が110球を越えたあたりで俺の相棒から終了の知らせが届いた。
「っはぁ〜やれやれ、疲れたよ」
「何言ってるんだ。疲れなければトレーニングとは言わないぞ」
そういいつつも俺にスポーツドリンクを差し出してくれるあたりはさすが。
「ふぅ〜っ! やっぱ水分は大事だな、ほら聖も飲めよ」
まだ半分くらい中身の入ったペットボトルを聖に渡す。
「え? あ、あぁ・・・・・・」
だが聖は手にペットボトルを持ったままペットボトルと俺の顔を交互に見るばかりだ。
「? どうした?」
「い、いやなんでもない! じゃあ飲むぞ?」
「おう、飲めよ」
そういうとようやくこくこくと飲み始める。全くどうしたんだ。

最近聖の様子が変だ。いつからかというと俺がみずきちゃんとの小旅行から帰ってきた日。
俺と聖がみんなには内緒の恋人同士になった日。知っているのは聖のお父さんとみずきちゃんだけ。
まぁ恋人といっても今までその辺の恋人以上の時間をともに過ごしてきたわけだから
何か大きな変化があるわけではないと思っていたのだが・・・

今までは当たり前にしてきた行為(先ほどの回し飲みなど)にいちいち許可を求めてきたり、
何かを言い出そうとして結局言うのをやめたり。しかもいくら追求しても話そうとしないのでお手上げである。
俺個人の意見は今まで変わらず毎日を過ごせればそれでいいと思っていたが聖は何か思うところがあるらしい。
が、例えば恋人らしく映画に行きたいだの遊園地に行きたいだのと聖が考えているのだったら
俺は15年以上かけて培った六道聖の情報を0から再構築しなければならないだろう。
自分で言うのも恥ずかしい話だが普段の行動や言動を見ていれば聖の俺への好意は間違いない。
分からない・・・一体なんだと言うんだ?
仕方ない、今日部活が終わったらまた聞いてみるか。

「・・・・・・・・・」
・・・今度はペットボトルをジッと見つめたまま固まっている。
「どうした? 中にゴミでもあったのか?」
「え? あっ! いやなんでもないんだっ」
なんでもあるだろ。



162名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:51:12 ID:fzxP1V/E
「ってわけでさぁ、なんか最近聖の様子が変なんだよね。これは俺からすれば由々しき事態だよ」
部活帰り、某喫茶店で俺はみずきちゃんに最近の聖のことをひとまず相談することにした。
「え〜? 優君に聖のことで相談されてもなぁ」
まぁ確かにそうなんだが・・・頼むよ。

内容が内容だけに周囲に聞こえない程度の声量を保ちつつ俺は話した。
客の中には聖タチバナの生徒も混ざっている。俺とみずきちゃんのセット自体はなんの問題もないが
この会話の中身は他人に聞かれたらかなりやばいだろう。
「実はねぇついさっき聖からその件について相談は受けたわ、でもね」
ここでみずきちゃんは言葉を区切り、一回俺を見つめ、続けた。
「聖の相談には乗ったけど、この件については私から優君に話すことは何もないわ。
これ、優君が自分だけでやるべきことだから、言えるのはそれくらいかな」
そう言ってみずきちゃんは手元のドリンク(もちろん俺のおごりになるだろう)を一気にのどへ流し込んだ。

「なんだよそれ、分かんないから相談してんのに」
この言葉にため息と返事をみずきちゃんがよこす。
「まぁいずれ分かることだけど、優君は重度の鈍感だから優君から気づくことは無いかもね〜」
指先で俺の額を軽く小突くと今度は同時に注文したデザートに手をつけはじめた。
「鈍感とは随分だね」

「鈍感だよ。いくらおじいちゃんのことがあるからって好きでもない男のことを小旅行に誘うとでも思うの?!」
みずきちゃんの声量が上がる。俺は彼女に注意しなければならなかったのにそれどころではなかった。
「っ!! でもこれは本当の関係ではないと言ったのはみずきちゃんだろ?」
なるべく、冷静に、声を落として俺は声を発する。
俺の様子を見て気がついたのかはっとした様子でみずきちゃんは目を見開き、声量を下げて言った。
「でも、しょうがないじゃんっ本当に優君のこと好きになっちゃったんだからっ・・・!」
この言葉のあと、彼女はしまったと言わんばかりの表情を見せ、恐る恐る俺を見て続けた。
「ごめん。本当は言うつもりなんてなかったのよ。私のことは気にしないで、優君は可能な限り聖といてあげて。
あの子には君が必要だからね」
両手でそっと俺の手を握り、懇願するかのようにみずきちゃんは言った。

「ありがとう、みずきちゃん。俺、行くよ」
「ん。ここはあんたのおごりで許してあげる」
ニッとまぶしい笑顔を見せた彼女に「最初からそのつもりだったくせに」と悪態をつきつつも俺は聖の家へと向かった。

163名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:52:39 ID:fzxP1V/E
いつもどおり、自宅から1分弱の場所に位置する六道家に足を運ぶ。
なんだかんだで時計は午後7時を回っていた。
「む、優か。遅かったな?」
制服にエプロンという姿で聖が迎えてくれた。
「ちょっとみずきちゃんに喫茶店で勉強教わってた」
小さな嘘。聖のことを相談してましたなんて言えるはずがない。
「そうか。晩御飯が出来ているぞ」
顔に微笑をたたえて聖が言う。
「おぉ、なんかすごいいい匂いする〜早速食べようか?」
「うむ」
短い返事を残して聖は居間へ消えた。


「・・・なんか今日はいいことでもあったの?」

いつもよりボリュームが当社比30%アップ!といった感じの豪華な夕食がテーブルに並べられていた。
普段も十分すぎるくらい栄養価、味ともに非の打ち所がないのだが今日はよりいっそうすごい。
俺の好物(といっても聖のレパートリーの9割以上はそうだが)はもちろん。
主にスタミナがつきそうな料理が中心だった。それでも肉が少なめなのが聖らしい。

「いや、そういうわけじゃないが。・・・ある決心をしたからな、その記念みたいなものだ」
言葉の中ごろから声がやや小さくなって聞き取りにくかったがまぁいいだろう。お腹もすいたしな。
「そっか。じゃあいただこうか。こんだけ気合入ってるんだから冷めないうちに食べよう」
俺の提案に聖は素直に頷き、食卓についた。はしをあわせ、いただきますを宣言する。
「いただきます」
「いただきます」
この時は純粋に料理を楽しんでいた俺だったがしばらく後にこの料理の意味を知ることになる。


「おぉ、最近さらに美味くなったよなぁ・・・こりゃあ越えられたかも」
この反応に聖は満足した様子で少し得意げに笑った。
「いつまでも遅れをとってはいられないからな、それと優?」
聖がはしの動きを止め、真摯に俺を見る。
「その、だな。もしよければなんだが・・・」
珍しくいいよどむ聖。
「なんだよ聖、俺とお前の仲なんだからはっきり言えよ」
「う、うむ。実はな最近こういう料理もそうなんだがお弁当のおかずを研究しててだな、ほらお弁当はこういう
晩御飯とかと違って冷めてしまうものだろう? だから味付けとかを変えなきゃいけないわけだ」
ほほう、なんとなく展開が見えてきたが頬が緩みそうになるのを抑えつつ、俺は話の続きを促した。
「で、私ひとりの独りよがりな感想だけでは嫌だから、その・・・優にも食べてもらいたい」

頬を赤く染め、うつむく俺の相棒。いかんかわいい。
自分の弁当なら独りよがりで問題ないだろうに。思わずにやけてしまいそうになる。
今まであまりにナチュラルに過ごしてきたので聖のこういう表情をまじまじと見るのは案外初めてかもしれない。
というかあまり今まで”異性”であることをさほど意識していなかったのだが最近はそれが変化してきているかもしれないな。


164名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:53:15 ID:fzxP1V/E
「つまり、俺に手作り弁当を作ってくれるってことでいいのか?」
「あ、あぁ」

料理はどちらかといえば得意な俺だが朝は単に面倒という理由で昼食はもっぱら学食や購買で済ませていた。
そういう意味でもありがたい申し出だったがこのことを話すに至るまで聖の動作にちょっと萌えてしまったというのも
否定はできないのである。

「ありがたいね、楽しみにしてる」
「う、うむ。一生懸命作るからな」

それだけ言うと聖は小さく息をつき、ちまちまとおかずを再びつつきはじめた。
だが俺は聖の顔に微笑が浮かんでいるのを見逃さなかった。
「ふふ・・・」
この笑いは俺のものだ。
「? どうしたんだ一人でにやけて?」

「ん、なんていうかさ。今まで俺らそれこそ家族同然に性別とかあんま意識しないで過ごしてきたじゃん?
だからこういう一般的には当たり前の異性との付き合いも悪くないなって。
だからってよそよそしくなるのだけはごめんだけどな。まぁ改めてよろしくな」
ぽんと聖の頭に手を置く。特に意味はない、なんとなくだ。
「・・・うん」
普段の聖とは少し違う返事にまたも俺は動悸をはやくしてしまったのである。

まぁこんなやり取りをはさみつつも二人だけの食卓は終始和やかな空気で進んだ。
「ごちそうさまでした。美味しかった」
「お粗末様だ。優に言われると自信が持てるな」
そういって聖は食器を手際よく片付けていく。が、今日は皿の数も多いので手伝うことにする。
「・・・・・・・・・」
そんな俺をじっと見つめる視線。
「いや、なんだ・・・いつもより多いからな、大変かなと思っただけだから」
「そ、そうか。ありがとう」
聖はうれしそうに微笑んだ。


165名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:54:02 ID:fzxP1V/E
みずきちゃんの言っていたことが気にはなっていたが時間も時間。そろそろ家に戻ろうかと思っていたときだった。
「優、ちょっといいか?」
「どした?」
席を立とうとした俺を聖が呼び止めた。
「明日は部活が休みだったな」
「そうだね、それがどうかした?」
この問いに聖は言うべきか言うまいか悩んでいる様子を見せたがしばらくして口を開いた。
「じ、実はちょっと勉強を教えて欲しいんだ、英語と現代文でどうしても難しい部分があってな」
「別にいいけど一回家に帰るな。風呂入ったらすぐにまた来るから」
「ん・・・分かった」
少し照れたような、恥ずかしそうな表情で聖は返事をよこした。
このときの俺は聖が照れたような表情をしていたわけを勘違いしていたんだ。


「ふぅ・・・」
自宅の風呂にて、のぼせない程度に今までのことやこれからのことを考える。
俺と聖は色々と状況は違えど親が基本的に家にいないことが多いという点では同じと言える。
だから俺も聖も、もし互いに出会えていなかったら寂しい思いをすることになったのではないのだろうか。
聖とこういう関係になる前はいろんな建前を駆使して自分から逃げていたわけだがこうして冷静に考えてみると、
なるほどもはや俺と聖は切っても切れないところにまで来てしまっているわけだ。

恋仲らしいかどうかは別として下手な恋人たちよりもよほど長くて濃い時間をすごしてきたわけだから、
改めて恋仲となるなら何か線を引かなければならないと、とは思う。
が、恋愛経験に乏しい俺から優良な答えがはじきだせるわけもなく、結局風呂場で一人悶々とするだけである。

しょうがないので思考の視点を切り替える。
今日の件、聖は学力的には成績優良者の類に入っているはずなのだが意外だな。
まぁ英語は母親に叩き込まれたし現代文は父親に色々と文学を教えられたから得意ではあるのだが。
そういえば晩御飯を食べたあとに聖の家に行くのはかなり久しぶりかもしれない。
中学生になったあたりからそことなく遠慮するようになったんだったな。

まぁ理由はと聞かれたら正直困るのだが夜遅くに若い男女が二人きりでは間違いがあっては困るし
それにそういうことはそういう関係の人がすることであって・・・!?
そこまで考えが至ってはっとする。
俺と、聖の、今の関係はなんだ?

「・・・くっ・・・!」

結局のぼせそうな頭を抑えながら俺は風呂を出て、教材を持って六道家へ再び向かうのだった。


166名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:55:20 ID:fzxP1V/E
「・・・そうだね、でここは最上級が使われてるけど訳はそうじゃないんだ」
「なるほど」
英語を教えている俺だったが心中はちっとも穏やかではなかった。
怪我に気づく前と気づいたあとでは感じる痛みの強さが違うように一度”異性”を強く意識してしまうと
なかなかそれを払うのは難しいのである。
野球人らしいすらっとしたスレンダーな体型だが女性特有のやわらかい線も失われてはおらず、
今更ながら整った端正な顔立ちに見とれてしまうのだった。
・・・これじゃあただの変態だ。とにかく今は聖に勉強を教えないと、で家に帰って落ち着こう。
・・・どうやって落ち着くかなんて野暮なことは聞かないでくれ、俺も男だ。
「そうか、うむ。これで大体分かったぞ。ありがとう優」
勉強机の椅子に座っていた聖が顔だけこちらを向き、微笑む。
「あ、あぁ。他には何か分からないところはある?」
う、顔が熱っぽいのが自覚できる。やばいな・・・
「そうだな他はだな・・・その、えーと・・・・・・優? なんか顔が赤いけど大丈夫か?」
言いよどむ聖だったが俺の異常に気づいてごまかすように俺に問いかける。

「え? あ、あぁ・・・大丈夫だと、思う」
しどろもどろな曖昧な返事を返すことしか出来ない俺、やばい冗談抜きに一回この場を離れなきゃ・・・
「本当か? 熱はないだろうな?」
聖は席を立ち、俺の額にほどよい体温の手が触れられる。
そして心配そうに俺を見上げる彼女の表情を見た次の瞬間である。

「あっ・・・・・・んっ!」
俺はほとんど無意識的に彼女の唇を奪ってしまった。
どれくらい時間が経ったか分からないが息苦しくなってきたあたりで唇を離し、その瞬間はっとする。

血の気が引いていくのが分かる。俺は、何をしたんだ・・・衝動に任せて聖の唇を奪って、
それで我にかえったからよかったものの、もしこのまま衝動にかられるままに進んでいたら?
恐ろしい・・・さっきまであんなに熱かったはずなのに寒気さえしてくる。

「す、すまん・・・! 俺、とんでもないことをお前に・・・」
つぶやくような言葉に聖はすばやく反応をよこした。
「なんでとんでもないんだ?」
聖の言動に驚きながらも返事を返す。
「なんでって、あんな突然、あんなこと、して・・・」

「そうだな、びっくりしたぞ」
俺はうつむいているから彼女の表情はうかがい知れない。
「・・・じゃあ責任をとってもらうぞ」
最高裁判所で検察側に完膚なきまでに叩きのめされて死刑宣告をされた被告人のような気持ちで
俺は聖の言葉を待った。大袈裟かもしれないが本当に自分自身に失望したのだ。

聖の手が顎に添えられ、そっと前を向かされる。
直後、唇に柔らかい感触、目の前には聖の顔。
「なっ?!」

数秒の後に口は開放され、反射的に酸素を取り込む。
「・・・私たちは、仮にも恋仲なんだぞ? 相手にその・・・せ、接吻されてうれしくないわけないだろうっ」
聖は顔をうつむかせ、ぎゅっと俺の手を握る。そして続ける。
「きっと私たちは近すぎたんだ、だからなんというか・・・こういうことを切り出すのが逆に気恥ずかしいというか・・・な。
だから、さっき優に・・・されたとき、嬉しかったんだ。私を、女として見てくれてるんだとな」
手を握り締める強さが強くなる。
「・・・今なら言える、私は優が大好きだぞ、優のためになることならなんでもするし優になら何をされてもいい」
俺の手を握りしめていた手は俺の背中へまわり、俺にぎゅっと抱きつく形になる。
俺はなんて愚かだったのだろう。省みなければならない部分は山ほどだがとりあえず今はおいておく。
今は目の前の人がただただ愛しい。
167名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:56:07 ID:fzxP1V/E
「俺も大好きだ聖、こんな馬鹿野郎でよければこれからもずっと一緒にいてくれ」
一緒にいたいという言葉は以前にも彼から聞くことが出来た、だがこの大好きという言葉に含まれる響きの
心地よさには到底およばない。なんだろう、胸のあたりがきゅーっとなる。
でも全然苦しくなくて、むしろ心地よくて、永遠にこうであってもいいくらい甘い感覚。

今まで、多くの時間を一緒に過ごし、一緒に笑い、一緒に泣き、一緒に生きてきた私たち。
だからこそ改めてこういう関係を結ぼうとしたとき、今までのことがかえって壁となってしまったのかもしれない。
家族という名の幼馴染なのか、それとも恋人なのか、
曖昧なままだった彼、結局動けなかった私。二人は臆病だったんだ。

みずきに助言をもらっていよいよ今夜と意気込んでいたのだが正直もういい。
勢いや衝動にかられたからとはいえ、彼から行動をおこしてくれたのだ、もはや何も言うことはない。
幼馴染だろうが家族だろうが恋仲だろうが私たちの絆は揺るがない。
明日は休み、普段はみずきに彼を貸さなきゃいけないからな。だから・・・
「今夜は、離さないから・・・ね」
そう言って再び彼の唇に自分の唇を重ねた。
それだけでも幸せだったが事態は私をさらなる甘美な渦へといざなっていく。

「ふっ?!」
突然唇に熱いぬめぬめしたものが触れた。
驚いて口を開いたのとそれが彼の舌だと気づいたのはほぼ同時だった。

168名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:57:01 ID:fzxP1V/E
彼の舌が私の舌をとらえ、からめてくる。背筋にぞくりと形容しがたい甘い痺れが走る。
未知の感覚、息苦しいはずなのに心地よく、全身の力が抜けていく。
思考力が圧倒的な幸福感と快感で奪われていく。
互いが再び酸素を求めて唇を離した時、私はもはや支えなしでは立てない状態になっていた。

「ははっ、聖ふらふらだな」
やや意地の悪い表情で彼が笑う。もちろんその笑みに悪意はないのだが。
「し、しょうがないだろうっ、せ・・・接吻がこんな・・・こんなに・・・」
頭が回らない、言葉が上手くつむぎだせず、結局うつむくばかりである。
「大丈夫だ、俺も離すつもりはないからな。・・・かわいいぞ聖」
私をつつむ力が少し強くなり、目の前の彼はニッと笑った。
「!!」
またも胸のあたりがきゅーっとなる。前のよりも強い。
なんだろう、この表現のしようがない湧き上がるうれしさは。
そういえば彼に可愛いなどと言われるのは生まれて初めてかもしれない。
今までかわいいなどという表現を私に対して用いた人間は性別を問わず何人かいた。

だがそれらのいずれもおそらくは私の容姿のことを指すものだったと思う。
実際大して仲の良い人間はその中にはいなかった。例外をあげるならばみずきくらいのものだ。
ほとんどが上っ面だけの、私の中身を見ていないと分かる言葉でうんざりしていた。
私という人間の中身を知っている彼の言葉とは重みが、いや次元が違う。
・・・私も女ということだな。好意を寄せている親しい人間に可愛いと言われてうれしくないわけがない。
ちょっと・・・いやかなり恥ずかしくもあるけどな。

169名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:58:01 ID:fzxP1V/E
私はこんなに彼のことが好きだったのか・・・
彼とみずきが小旅行に行った際に私の彼への依存っぷりがわかったわけだが自分でも正直驚いた。
「あっ」
突如、体が宙に浮く感覚。彼が私を持ち上げたのだった。俗に言うお姫様抱っこというやつで。
「な、なーっ?! 何をするんだっ恥ずかしいからおろせっ!」
じたばたもがいてみるがろくに力も入らず、無駄な抵抗に終わる。
「誰も見てないからいいじゃん〜でもまぁいいか、よっと」
おどけた笑顔を見えた後、私をゆっくりベッドにおろした。
「・・・いくら私がふらふらとはいえ椅子からベッドまで2メートルもないんだが」
不満げな私の視線をさらりとかわし、彼は言葉を返す。
「いやー・・・一度やりたかったんだよね、聖すっごい軽かったから全然辛くなかったし」
「・・・ばか」
しれっと言う彼に私はこう返すことしかできなかった。


いよいよ時が来たんだな・・・う、この期に及んで緊張してきた。
「じゃあ聖、その・・・始める・・・よ?」
私の手を握り、彼が真剣なまなざしで言った。彼からも強い緊張が伝わってくる。
「うん・・・でもその前に・・・」
本格的に行為を始める前に私は彼にしてほしいことがあった。
「どした?」
「その・・・もう一回、せ・・・してくれないか?」
肝心の部分はほとんど発音出来ていない。でも彼なら察してくれると信じてる。・・・鈍感だがな。

言葉の代わりに唇への熱い感覚と全身を走る甘い痺れ。ほぼ0距離の彼の微笑。
二度目の今度は私も積極的に彼の舌を絡め、唾液を貪る。
「くせに・・・なってしまいそうだ」
思わずつぶやいてしまった言葉。私はこのいわゆる大人のきすというものを気に入ってしまったらしい。
「そんなに良かった?」
「・・・・・・・・・ん」
素直に答えを言えず、曖昧な応答をする私。
「こういう場面での曖昧な応答は肯定って判断しちゃうけど?」
「・・・好きにしろ」
ぷいとそっぽを向くことが最後の抵抗でもあった。このときの私は確かに羞恥心を帯びていたのである。

「んじゃもう一回だな。俺も気に入っちゃったしこれ」
彼はそう言って私のいる布団へと入り込んできた、2人ではいささか狭いのだが
今の私にそんなこと気にする余裕があるわけもなく、たくましい彼の体を全身で感じながら接吻をするのだった。
互いの首に腕を回し、ひたすら貪りあう。彼が入浴を済ませた後というのもあるだろうが(もちろん私も入浴は済ませた)
心地よい香りが私の嗅覚を刺激する、さらになんと表現すべきか彼のぬくもりと言えばいいのだろうか、
それもとても心地よく、このまま眠ってしまえば私はいつもよりも安らかで深い眠りにつける気さえする。
だが眠りにはつかない、つけない。ここで中途半端に終わらすことだけは避けたいのだ。
私の心はもう決まっている、私の心も体も君に捧げよう。

――大好きだぞ、優。

170名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 23:59:00 ID:fzxP1V/E
随分と長いキスを終え、俺と聖はいったん口を離す。それと同時に聖は言った。
「人の肌というのは暖かいな」
かみ締めるように、目を閉じゆっくりと聖は話す。俺はそれを黙って聞いていた。
「私は人付き合いとか最近の流行とかそういうのに疎いからな、
お母さんがいないこの境遇を嘆くわけではない、毎日頑張って働いてくれているお父さんには本当に感謝している。
だけどもしも優がいてくれなかったらきっと、私の日常は寂しいものだったに違いない。
・・・だからな、私は優に心から感謝するぞ。・・・普段はこんなこと言えないからな、もう二度と言わんぞ?」
そういって彼女は確かな笑顔を見せたのだった。

「!・・・・・・・・」
「・・・? どうしたんだそんなに意外だったのか?」
頬を赤く染め、少しむっとした表情に変化する。
言葉は出なかった。なんてきれいな笑顔だろうと、素直に思えてしまった。
「いや・・・すまん、見とれてた」
「は?」
今度はぽかんとした様子でこちらを見つめる。
「ん、なんでもない」
あぁもうダメだこいつこんなに可愛かったっけ? そんなことを思いつつもう一度だけ軽くキスをするのだった。

「じゃあ・・・服脱がすよ?」
この問いかけに困ったような表情を見せる聖。
「あ・・・でも・・・その、なんだ」
おい、今更引き返せんぞ。
「どしたの?」
「や、やっぱり・・・えと、む・・・胸とかも見たりする・・・のか?」
ぼそぼそと話す聖の言葉を俺は確かに聞いた。
やばい、ニヤニヤが止まらないぞ。なんとなく聖の言いたいことは察しがついたが少し意地悪をしてみる。
「まぁそういうことを今からするわけだしな。・・・なんでそんなこと聞いたの?」
この問いにカァーッと音が聞こえそうなくらいに顔を紅潮させてさらに小さな声で聖は続ける。

「だ、だからだな・・・その・・・私は・・・み、みずきみたいにす、すたいるも良くないし・・・」
自分の胸の大きさを気にするクールなスポーツ少女、可愛いじゃないか。
ものすごく彼女をぎゅーっとしたい衝動に駆られたが今度は打ち勝って、ある時聞いた恐ろしいネタを聖に話すことにした。
「あぁ実はね・・・みずきちゃん胸大きいように見えるけど実はパットで水増ししてるらしいよ・・・」
俺が握ってるみずきちゃんの唯一の弱みなはずなのだが・・・
これを本人に話した日には聖のお父さんの仕事が増えかねない。
「なっ?!」
心底驚いた様子を見せる聖。そんなに衝撃的だったのか。
「結構確かな筋の情報なんだけどばれたら間違いなく例の注入棒で半殺しだから内緒な」
若干震えてる俺の体を察してくれたのか聖は黙ってこくりと頷いた。

171名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 00:00:01 ID:HcrAHQUn
「ま、とにかく俺は小さくても気になんかしないさ、俺は聖だからいいんだ」
むしろ聖くらいが俺の好みだったりするのだがこれは公言を控えることにする。
とにかくそういって聖の頭をなでる。
「そ、そうか。・・・ぁ」
そしたら彼女は目を細めて心地よさ気にされるがままだったのでつい気をよくして
しばらくそれを続けていた。そしてすっと不意をつくように彼女の衣服をめくった。
「あっ!? ま、待て! まだ心の準備というものが――」
「待てませーん」
いわゆるスポーツブラというやつだろうか。―多分お風呂上りという理由もあるだろうが―
それを外したまではよかったのだが、ここで再び俺硬直。・・・我ながら情けない。

「う・・・わ、私の体はどこか変なところでもあるのか?」
不安げな表情で聞く聖を見て俺ははっとしたように硬直を解いた。
「んなことないよ、ただ・・・きれいだなって思ってさ」
聖の顔が瞬く間に紅潮していく。
さっきの笑顔もそうだがまさか幼馴染相手に面と向かってきれいだなんていう日が来るとは夢にも思わなかった。
人間テンション次第じゃ何をしでかすかわかったものではないが・・・
とにかくこんなことをしれっと言えるこのときの俺は確かに昂っていたんだ。
「あ、あまり見ないでくれ・・・一応、私も女なんだ」
顔をそらしてすっとつつましながらも形の整った胸を両腕でおおう彼女の動作は・・・とりあえずやばいね。
なんというか、10年以上の付き合いなのに今日だけで彼女の見たことのない表情をいくつも見た気がする。
「その・・・さわってもいい、ぞ? 小さいから・・・面白くないかもしれないが・・・」
いつもの自信に溢れた表情とは程遠い自信なさ気な表情はなんとも庇護欲が湧いてくる。
守ってあげずにはいられない、か弱い儚げな雰囲気を今の聖は持っていた。
「そんなわけないだろ?」
流麗な聖の髪を優しく梳かしながら言う。
そしてそのまま聖の両腕をどかし、双丘の中心に指先が触れる。
「んっ」
聖がぴくりと体を震わせる。
「だ、大丈夫か?」
俺は声が震えている。初めてとはいえ情けない限りだ・・・俺がしっかりしなければ。
「ん、大丈夫だ、続けて・・・くれ」

俺は女ではないから実際のところは分からないが女性の胸というのは強く揉まれたりすると痛みを伴うという。
優しく、決して乱雑にならぬよう俺は指先の動きを再開した。
中心の周りをゆっくりなぞってみたり頂点を指で軽くこねまわしたりひっかいてみたりする。
「っ! ふっ・・・んんぅ・・・はぁ・・・」
その都度聖は吐息をもらした。肌も全体的に紅潮してきている。
のだが彼女は声をあげようとせず必死に声を殺すのだった。
「? 声出してもいいんだぞ?」
という俺の問いに対し
「で、でも恥ずかしいから・・・」
と聖。
確かにクールな聖の嬌声などあまりイメージが出来ない。
うーむちょっと聞いてみたいかもしれない。
俺の中に先ほどとは真逆の気持ちが芽生え始めた。

声をあげさせるためには驚かせるか彼女の限界を超えればいいわけだがしばらくは前者のほうが難易度は低そうだ。
ためしに彼女の乳首を両方同時にきゅっと摘んでみる。
「ふぁっ!?」
勝利。
172名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 00:01:01 ID:HcrAHQUn
「声出てるよ? いつもじゃありえない声だな」
と意地悪く言ってみる。もちろんわざとだ、彼女がどれだけ負けず嫌いかなんて説明するまでもない。
顔を真っ赤にしてくやしそうな表情を見せたあと、目を閉じ両の手はぎゅっと布団をつかんだ。
よし、受けてたとう。

ゆっくりと寝間着の下の部分を脱がす。一瞬体がびくりと震えるがふたたびぎゅっと布団をつかんだ。
ごくりと自分が唾を飲む音が自覚できた。口には出さないがらしいといえばらしい白の簡素な下着。
それにうっすらと透明の染みが出来ている。女体の神秘に感動しつつもゆっくりとそこに触れる。
「ふぅっ・・・!」
ぶるっと聖の体が震える。
薄い布越しに縦のラインを指で何度も往復する。
「んっ・・・んくっ・・・ふぅっ・・・はぁ・・・」
目をぎゅっと瞑り、声を押し殺してはいるのだがそこをなぞるたびに聖の体がぴくぴく反応する。
その反応がかわいくて何度も何度も往復する。
「っ!! ・・・ふっ! ・・・んぅっ・・!!」
少しずつ反応が大きくなってくる。時々優しくひっかいてみたり変化球を交える。
「ひゃっ・・・っぁ! んっ・・・!」
だめだ本当にかわいい。我慢しているのに体は正直なところとか、正直たまんないね。
そして聖がわずかながら嬌声を抑えられなくなってきたころ、彼女の下着は下着として機能しなくなっていた。
もう水をかけたみたいにぐしょぐしょな状態なのである。

「脱がすよ」
一言だけ断りを入れて彼女の秘所を守る薄い布をするりと下ろした。
「!! 〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
布団を強く握り締めていた両手は聖の顔へと移動し、彼女は顔を覆いながら悶えている。
その動作も非常に愛らしいものではあったのが経験の無い俺はどうしても視線が下の部分に集中してしまうのだった。
なんというか・・・語彙力には多少の自信を持っていたはずの俺だったがこれを表現する術が見当たらない。

とにかく、優しく丁寧に扱わなければ。それだけを頭に叩き込んで俺は動作を再開した。
「はぁ・・・はっ・・・はぁっ・・・」
すでに聖の体はかなり絶頂に近いところにまで来ているのだろう。こちらが触れていなくても時々体がびくついている。
まず目に付いたのは女性器の中でもひときわ敏感だといわれている部分である。
悪いが口で言う気にはなれないので具体的な名称は察して欲しい。

聖の膣から流れるぬるぬるの液体を指につけ、その指先でその部分を優しくさすってみる。
「っぁ!! んぐぅっ!!!」
今まで一番強い反応を見せた聖。たまらず両手で口を抑えた。
「口塞ぐのは反則だろ」
聖の両手首の部分をつかみ、聖をばんざいさせるような体勢にし、体重がかからないように片手で抑えた。
先ほどはかなり優しく触れたつもりだったがあれだけの反応、とにかく力加減に気を使い、続ける。

173名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 00:02:00 ID:fzxP1V/E
「っ!!! 〜〜〜っ!! んくっ!!」
妙なところで強情な奴だ。歯を食いしばり、必死に耐えている。
呼吸はすでに相当に荒く、全身は赤を帯びている。全身はがくがくと震え、
先ほどまでわずかながら抵抗のあった両手ももはやほとんど力を感じない。
いい加減に絶頂を迎えてもおかしくないくらいにはなっているはずなんだが・・・
「おい、無理しなくてもいいんだぞ?」
ついこちらが心配になってこんなことを聞いてしまったほどである。
「べ、つにっ・・・無理を、している・・・・っ! わけで、は・・・・っなっ・・・ひゃっ!」
あぁもうなんだこいつ、こんなに可愛いなんてお兄ちゃん知らなかったぞ。
そんな涙目で言われても説得力の欠片もございません。

「・・・・・・・・・!」
再びキスをしかける。いや・・・あまりにかわいくてつい。
「!!!」
聖が目を見開く。突然で驚いたのだろうか。あまった左手でまたもそこをさすってやる。
「んふっ?! うっ・・んく・・! んぅーーーーーーっ!!!」
突如聖の体がはげしく痙攣した。キスの際に開放した両手は俺の腰に回され、かなり強い力で抱きしめられる。
これは・・・聖は達してしまったらしい。それにしてもキスを加えるだけでこうもあっさりとは・・・
よほど気に入ってしまったようだ。

「はぁ・・・はぁ・・・こ・・・れ、頭が・・・痺れる・・・っ」
ようやく体のびくつきがおさまってきたようで一気に脱力してくてりと布団に転がった。
「あんなに頑なに我慢してたのに、そんなにキスが気に入ったの?」
聖の頭を撫でながら俺は言った。俺のぎこちないキスで気をやるくらいなのだからキスそのものが気に入ったのだろう。
「は、反則だ。背中と頭が痺れて何も・・・考えられなくなるんだ」
頭を撫でている俺の手にそっと触れながら聖は言った。
「んじゃあもうしないほうがいい?」

「・・・しても、いい」
一瞬の間の後に彼女はこう答えた。でも俺はこの答えに満足しない。
「どっちでもいいの?」
「・・・・・・・・・してほしい」
さっきよりも長い間をおいて彼女は小さくつぶやくように、だが確かに答えた。

再び俺たちは唇を重ね、舌を絡める。そして空いている手は今度は聖の中へと進入していく。
入るかどうか不安だったが潤ったそこに指は思いのほかすんなり入っていった。
「んっ・・・っ・・・ふぁ・・・・」
聖はぶるりと体を震わせ、また俺の背中へ手を回してくる。
すんなり入ったといってもそれは指一本の話で二本以上だと話は別。はっきり言って聖の中は相当きつい。
ゆっくりと二本目の侵入を試みる。
「〜〜〜っ!! っあ!」
ここで唇を離し、互いに酸素を取り込む。
なんとか2本同時に入った。そのままゆっくりと2本指で出し入れを繰り返す。
が、これだけせまいとただの出し入れでも相当すごいことになったいるはず。
「・・・っ!!! はぁ・・・! うぁっ!」
中の上側をこすってみる。
「あっ?! そ、それだめ・・・っんあぁっ!!」
また気をやってしまったようだ、女性は一度達すると連続でイッてしまうなんてこともあるらしいから、
聖もおそらくはそれなんだろう。

今度の聖は俺から手を離さず、俺に抱きついたままだった。

174名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 00:03:05 ID:HcrAHQUn
「・・・じゃあ、その・・・いれるよ?」
大きく深呼吸をし、俺は聖に告げた。
「はぁ・・・はっ・・・うん・・・でも――して」
呼吸を乱しながらも聖は小さく、それでも確かに頷き、俺の耳元で言葉を囁いた。

「くっ・・・これは・・・」
予想はしていたがこれはかなりきつい。だが聖はもっと苦しいはず、キスをして少しでも気を紛らわせる。
そして中途半端なまねをすれば結局聖が苦しむことになる。
「いくよ・・・!」
意を決し、一気に貫く。途中何かを突き破る感覚。もう一度聖の唇に自分の唇を重ねる。
「っ!!! んぐうっ!!」
背中に爪が立てられるがそんなことは二の次だ。ぎゅっと目をつぶり、俺にしがみついている聖を強く抱きしめ返す。
どれほど時間が経ったかは分からないがしばらくして聖の俺にしがみつく力が徐々に減衰していくのが分かった。

「ん・・・すまない、もう大丈夫だと思う」
「じゃあ、ゆっくり動くよ」
こうは言ったものの何度も言っているが俺も初めて、ゆっくりやらないとこちらが参ってしまいそう、
というのが本音である。本当情けないが。

「んくっ・・・はぁっ・・・」
声にはまだ苦痛の色が混ざっている、がだんだんと痛みは引いてきているようだ。
「大丈夫・・・なわけないか、無理はするなよ・・・辛かったらすぐに―――」
言葉の続きは聖に指を唇に当てられて制止させられた。
「確かに、痛かったけど・・・んっ辛くなど、ない・・・ぞ?
だって、この痛みは、優と一緒に・・・っくぅなれたあ、証だから・・・辛いはずが、ないだろう?」
そう言って聖はにこりと微笑んだ。少し苦しそうだが確かに微笑んだのだ。

「ありがとう、俺を好きでいてくれて。これからもずっと一緒だ」
「うん・・・うん・・・!」
再び聖を抱きしめて今日何回したか分からないキスをしながら俺は動くのを再開した。

「ふぅっ! あぁっ! んっ・・・!」
もうほとんど痛みはないようだ。少しずつスピードを上げていく。
さすがにもう俺も限界に近い。気を抜いたら・・・もうやばい。
指でしたときは確か上の部分をこすったら反応が大きかったな。
そんなことを思い出して自分のそれでそこをこするようにして出し入れを繰り返す。
「んっく・・・・っ!! もう、だめだっ・・・!」
急激に聖の膣が締まりだす。こ、これはもう俺も限界だ。
「俺も、もうっ・・・・・くっ!!」
「うあぁっ! あぁーーーーーーーーーっ!!」

175名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 00:04:00 ID:HcrAHQUn
―――――――

―――――

―――



「はは、家族のあとに恋人かぁ・・・なんか変な感じだな」
情事の後始末をした後、同じ布団の中で俺と聖はのんびりと会話をしていた。
時計はすでに健全な青少年は眠るべき時間を指していたが今日くらいは勘弁して欲しいところだ。
「そうだな、でも」
でもと言って仰向けに寝ていた聖が横の俺の方を向いた。ふわりといい匂いが漂う。
「でも?」
俺が先を問うとそのままくるりと身を翻して聖が後頭部を俺の胸に預けてきた。
「あと数年もすれば正真正銘の家族になれるぞ?」

一瞬意味が理解できず硬直、そして一瞬後に理解。
はは、ときどきとんでもないことをさらりと言うなぁこいつは。
「ふふ、みずき以外の女の子と仲良くしてたら晩御飯はないぞ」
「あはは、その点は心配いらないよ。そのみずきちゃんのおかげで学校で言い寄ってくる女子はいないし」
「そうか、そうだな」
そう言いつつ聖は手探りで俺の手を探し当てるとそれをぎゅっと握った。

これを最後にしばらく無言の状態が続き、いよいよ我慢していた睡魔が猛威を振るい始めたころだ。
「そうだ、大事なことを言うのを忘れていたぞ」
聖がはっとした様子で器用にもその場からほとんど位置をずらさずに俺のほうへくるりと向いた。
「ん〜? どした〜」

「ふつつかものだがよろしくお願いするぞ」

俺の睡魔は一瞬にして撃墜された。

おしまい。
176HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/05/16(土) 00:09:32 ID:HcrAHQUn
これでおしまい。
やっぱりエロは苦手です。
もっと濃密に書いてみたいものです。
甘い、くさいセリフはいくらでも吐かせられるんだが・・・
さっきも書いたけどリクエストにお答えできた気がしない・・・
期待していた方、本当に申し訳ない。

次の投下は当分先になるだろうけどのんびり甘いの書いて、
のんびり投下させてもらいます。

では。
177名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 06:35:56 ID:UmqPrzo3
ーーーーーー!!!〜〜〜〜〜〜!!―――――――!!(聖の可愛さに悶えている

甘い、とにかく甘い!しつこく無くすっきりとしていてさらりと溶ける和三盆ぐらい甘い!
そして聖可愛いよ聖!寝起きの眠気なんて吹っ飛んだよ!

はぁーはぁー、HMA−15氏、新作乙&GJです!
甘さが程よくていいです。氏のひじりんが可愛い過ぎる。
のんびりでもいいです。次の投下、楽しみにして待ってます。
178名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 06:37:57 ID:8GUw18q5
もうGJとしか
179名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 08:20:52 ID:QI/CPyfS
「ふつつかものだがよろしくお願いするぞ」


ここで撃沈した。
G・J
180名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 12:16:23 ID:oxaEPH1F
読んでる間ニヤニヤしっぱなしだった
これ書いてる今もニヤニヤが止まんねえ
181名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 01:16:32 ID:HdfkZLx5
最近、
(パワプロはこれ以上オリジナル女性選手を増やさず主人公を男女選択性にすりゃいいんじゃないか?)
と考えたんだが、どう思う?

信濃グランセローズが出てる作品教えてくれ。地元orx
182名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 01:20:56 ID:9OKp+z5A
やばい、なんかやばい。
何がやばいって読んだあとの俺の顔がやばい。
GJの嵐を送らせてもらおう。
183名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 00:40:01 ID:ZRHWGbGD
15で今日神楽坂やったら聖ちゃんより日和ミヨさんのが可愛かった俺が通りまふぅ…よ
184名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 13:08:27 ID:EsaMgbYo
15と言えばパワメジャ2009のサクセスにチラッと(株)パワフル出てたなー
桃子ちゃん可愛いよ桃子ちゃん
185名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 17:26:27 ID:rTeWOz5F
>>184
桃子ちゃんの、目がアーチの形になる屈託のない笑顔が大好き
あの娘でも創作しようと考えたけど、キャラ掴む前に15は売っちまったなー
186名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 17:51:45 ID:EsaMgbYo
>>185
なん……だと……?
今すぐに15を買い直すか2009を買うんだ!
187名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 18:34:42 ID:hROh0Vwq
今週のファミ通にパワポタ4の情報ktkr
188名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 19:15:18 ID:W563Z1xw
99の凛ちゃんとか7の美幸ちゃんとか、プレゼントに「初めて」をくれる娘の話を書いてみたいな
1年そこそこの短い命だったけど、あおいが出るまでは凛ちゃんがパワプロ界のアイドルだったんだぜ…

>>181
発想は悪くないと思うけど、女主人公でやるときは彼氏を作るのか?
女の子向けの恋愛ADVみたいだな
189名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 19:37:38 ID:uP6R2jAU
オッサンの俺としてはサクセスを全世代にしてみたらいいと思うんだ。
あおいと同期シナリオ→みずきと同期シナリオ→聖と同期シナリオ みたいなな。

更にみずきと同期シナリオであおいが後輩とかで出てきたらもう脳汁全開。
まぁ、そうなったら完全にパラレルワールドになっちゃうけどな……。
190名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 22:23:53 ID:rnjTsKV0
>>188
女主人公でも彼女つくるんだよ!
191名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 22:26:42 ID:EsaMgbYo
>>190
百合は大好物です
192名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 22:47:28 ID:fGH829/2
女子チームでやったら良いと思う。男ばかりの世界に女が入ったらすごく迷惑をかけるってあおいかアンヌが言ってた。
193名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 23:29:43 ID:sZsmjkeK
>>188
まぁ、そう言われるのは覚悟してたけどね。
あと女主人公の場合どうやって弾道上げるんだろ。

>>190
その考えは無かったGJ!
194名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 23:46:33 ID:i90rty8L
女の子だって男みたいにクリが勃起するんだぜ?
さらに、男以上に乳首も立つしね
195名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 01:04:00 ID:gxRz1frc
>>188
凛ちゃんは可愛かったよな
俺の中では今でも一番の彼女だ
196名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 01:08:47 ID:eJL6gFZX
>>194
どんなイベントだよww

>>192
う〜ん、パワプロの世界だと既にみずきやあおいみたいに第一線で活躍している選手も多いし、
みずき世代ぐらいなら女子プロ野球選手を目指す子も増え始めてる時期だし、
女子が野球部に入ってもおかしくないと思うんだが。
197名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 02:18:53 ID:rFxZ6t4B
潮吹けば吹くほど上がるんじゃね。<弾道
198名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 21:29:40 ID:eJL6gFZX
>>197
だからどんなイベントだよww
どうゆう状況下で潮を吹くんだww
199名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 23:23:16 ID:oq8/6vPk
>>196
プロには多くいないだろ。瀬令舞町野球倶楽部やキャットガールズはアマだから通用したんじゃないかな?
200名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 10:57:07 ID:C4tnpIUp
>>199
特にプロとは書いていないが…いや、第一線と言ったらそこか。
確かにプロにはあまりいなかったわ。すまん。
俺が言いたかったのはプロ・アマ関係なく活躍している女子選手がいるから
女子が野球部入ってもおかしくないんじゃないかって事なんだ。
201名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 15:08:05 ID:78cUrym3
まぁ、どっかの高校で女子野球部が出来たってニュースもあるんだし
学生野球編だったら増えててもおかしくないかもね

一応、地方リーグ編とか考えたけどどうなんだろうね
202名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 03:58:12 ID:d4/TjSKB
まずは主人公女の子選択可能とかから始めようぜ

彼氏とかは作りたくはないけどwww
203名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 11:37:27 ID:qKgR8sRz
実況パワフルプロ野球 〜Girl's Side〜
204名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 12:18:14 ID:d39mF+WS
ときめきメモリアル 〜Girl's Side〜

パワプロのサクセスってときメモを意識して作られたんだよな。
今度はついにガールズサイドかww
面白そうじゃないかww
205名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 12:31:56 ID:4kAu5XXz
盛り上がってるところで悪いが、そろそろスレチなんだぜ
206名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:18:14 ID:HiV4qY1g
すまん、雑談のつもりだったんだがやりすぎた。

207名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 14:38:42 ID:XEV4k9wF
208名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 11:31:49 ID:iZxEkiK2
−−恋恋高校
昼休みの終わる5分前。早川は隣のクラスから小波のいるクラスへとやってきた。
早川が小波のクラスへ来る事自体は珍しくはない。
ただ、今日の早川は少し様子が違うようだ。
「小波くん……あの、良かったら…今日ミゾットショップへ一緒に行けないかな?」
いつもの明快さはそこにはなく、どこかモジモジしている。
「うん。俺は構わないよ。予定まないし、ちょうど買いたい物もあるし」
「ホントに? じゃあ放課後校門の前で待ち合わせだよ!」
「あの、あおいちゃん。矢部君も誘…」
「だ、だめ! ボク、小波君と二人で行きたい…(ドキドキ)」
「そっかー。確かに矢部君がいるとマニアショップに付き合わされそうだしねぇ」
「そそそうそう! 矢部君がいたら落ち着いて買い物できないし!」
「はるかちゃんはいいの?」
「は、はるかは…えぇと、あの、用事があるらしくて……」

キーンコーンカーンコーン

「あ、チャイムなっちゃったね…。じゃあボクは教室に戻るよ。小波君、待ち合わせに遅れないでね?」
「大丈夫だよ。じゃあ後でね」


209名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 12:35:59 ID:DsradF+3
あおいちゃんが主人公を逆レイプですねわかります
210名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 18:18:22 ID:AGTRMjiK
hosi
211名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 21:18:14 ID:J2GcYWjo
女主人公…
ということはこういうことがありえるわけだな?

「どう?小波?気持ち良い?」
私の胸をあおいちゃんが優しく揉む
「う、うん・・・」
「可愛い…もっと良くしてあげるね」
あおいちゃんはそういって私の割れ目にそっと手を――

何故みずきじゃないんだろう
みずきだったらもっとガンガン攻められるのに…
212名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 22:00:21 ID:oMFdiYvj
想像してちんこ萎えたわ
213名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 16:42:41 ID:Zdi3S+cn
保守
214名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 00:02:45 ID:ogo8sW0D
継承作るときどうすんだよw
パワー250とか
215名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 00:59:03 ID:YLLTPr2O
技術でカバーしてることにするんだ!
216名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 00:09:47 ID:WcwDS+UN
「子波ちゃんってあんまり筋肉無いのによく飛ばすよね」
「ん?ほら、腕触ってみて」
「あれ?なんか私より柔らかくない?」
「意思一つでこうにもなるよ」
「わ、鋼鉄みたいに硬くなった!?」
「子供の頃の鍛え方が違うからね」

こんな感じか?
217名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 11:39:40 ID:5ihquxsv
鍛え方云々じゃなくて最早形質変化の域な気がする
218名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 17:19:17 ID:+I63YiQe
保守あげ
219名無しさん@ピンキー:2009/06/29(月) 18:49:34 ID:uwduzNCn
まあ、世界の王曰わく「力じゃなくてウェートシフト」だそうだし、パワーが筋力量の事を指しているとは限らないね
220名無しさん@ピンキー:2009/07/05(日) 00:43:54 ID:tEwZTvun
保守
221名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 18:06:56 ID:xn9VIo1O
ひじりん・・・
222名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 17:38:29 ID:w2QsvZjN
>>208  マニアショップで撃沈した(笑の結界が)
223名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 06:49:25 ID:sAoAIFKY
捕手

パワプロ16の情報マダー?
224名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 23:00:57 ID:fWgoBhDm
9を基にした数年後の話ですが需要はいかがでしょう?

とりあえずさわりだけ…



【あの夏の少年】


『ただいま』
返事の返るはずのない言葉をいつものように呟く。
なにも変わらないありふれた日常だ。
『んっ?』
珍しい…留守番電話が入ってるみたいだ。
このご時世、携帯で事足りるのに誰だろう?
ピーッ!
『おう!おまえか、たまにはうちに連絡くらいしろってんだ』
…親父か
そういえば携帯にも何度か着信あったっけ。
『おふくろもおまえの声聞きたがってるぞ』
確かにずいぶん永いこと実家に帰ってないけどなんでまた突然?
『それとなあ、お前の幼なじみの栗原舞ちゃんが結婚するらしいぞ』
!!…
『仲良かったし、高校の野球部のマネージャーだったろ、お祝いくらいしてやれよ』

『お前も忙しいだろうがたまには帰ってこいよな』
ツーツー
…今日ほど留守電というものをありがたいと思ったことはなかった。
普通に電話をしていて平常心で居られただろうか。


…舞…
結婚…か…


俺の名は小浪勝(こなみまさる)26歳の普通のサラリーマンだ。
大学に入学するときに地元を離れ、そのまま就職をし平凡な生活を送っている。
ただ少し人と違うのは高校球児だったことだけ。


幼い頃から野球を続けてきた俺はずっとプロになりたいと思い続けてきた。
そして甲子園出場を目指し高校に入学をした。
俺が入ったパワフル高校はかつては甲子園に何度も出場した強豪だったが、
俺が入学した頃は地区予選も満足に勝てない低迷期だった。
それが一個上の尾崎先輩や同級生の矢部君達と練習を続け、
甲子園に手が届くところまで来ていた。
あと一歩のところまで、そう、あと一歩のところまで…


栗原舞…彼女は小学校まで同級生であり、子供の頃よく遊んだ幼なじみだった。
中学は違ったものの高校でまた一緒になり、
野球部のマネージャーをしていた。
もともと仲がよかったこともあったが、思春期を迎えていた俺達はやがて恋におちた。
もっとも甲子園出場、そしてプロ入りを目指している俺だから
それほど彼女とデートができたわけではなかった。
ただそれはわかってくれていたし、応援もしてくれていた。
いつからか俺は甲子園に出場し、プロ入り。
そして恋人の舞と結婚という未来を描くようになっていた。
225名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 04:18:46 ID:RrCeygA1
構わん、続けるんだ
226あの夏の少年:2009/07/18(土) 07:37:00 ID:Zc8FoW9v
ありがとうございます。
では続きを…


『一点だ!たった一点差だ!絶対に取り返すぞ!』
『オイラ絶対に塁に出るでやんす!』
『オレも塁に出て走りまくるッス!』
『先輩すいません、おれっちが打たれて』
『手塚、お前はよく投げたよ、あかつきを一点に抑えてくれたんだ。』
『小浪君の言うとおりでヤンス、手塚の好投を見殺しにしたら男がすたるでヤンス』
『いいか、みんな!泣いても笑っても最後の攻撃だ!』
『まだ先輩達を引退なんかさせないッス!』
『おれっちももっと先輩達と野球やりたいです』
『甲子園に行くのは俺達だ!!』
『行くぞー!』
『パワフルー!!』
『オーッ!!』
主将として臨んだ最後の夏、順当に勝ち進んで迎えた決勝戦。
対するは強豪あかつき大学付属高校。
エースの猪狩とは一年の頃にたまたま知り合って以来、
幾度となく勝負をしてきたライバルだった。
大会の直前に交通事故に遭った弟の進君のためにといつも以上の気迫で投げる猪狩、
その気迫に俺たちは押されてばかりだった。
事実八回までに出たランナーは四球を選んだ矢部君と、エラーで出た円谷、
そして唯一のヒットを放った俺の三人だけ。
そんな苦しい展開の中で懸命に投げてきた手塚は、
七回に猪狩にホームランを打たれたもののその一点で踏ん張ってくれていた。
そして迎えた九回裏、打順は運良く一番の矢部君から。
珍しく粘ったものの十一球目で三振。
しかし、二番円谷が意表をつくセーフティバントで出塁。
三番猿山が二死になってもと送りバントを決めてくれて、四番の俺が打席に入った。
そのときのことは今でも覚えている。
緊張のあまりに地面の感覚さえ感じられず、体中が震えていた。
初球ストレート、大きく空振りをした、タイミングも全く合っていない。
ただそれで少しだけ気がほぐれ、二球目のインハイのストレートをカット。
よし、タイミングは合っている。
三球目は低めに外れるフォーク、球も見れてきている。
そして三球ファールが続き、七球目、インハイにクロスファイア。
手が出なかった…気の緩みがあったわけでも、外すと思ったわけでもない。
ただ猪狩の気迫に最後は飲み込まれてしまった。
言葉が出なかった、涙さえ出すのを忘れていた。
いい勝負だったとは思う、しかし負けたという現実を受け入れることがすぐにはできなかった。

何も言葉が出なかった帰りの電車の中、みんな俺を励ましてくれていた。
だが、その言葉さえ俺の耳には届かなかった。
学校帰り、家までの道、舞と二人歩きながら沈黙が続いていた。
227あの夏の少年:2009/07/18(土) 07:40:38 ID:Zc8FoW9v
『ねえ、まさくん、ちょっと公園に行こっ』
沈黙を破るべく舞は俺に話しかけ、半ば強引に公園に連れて行った。
『舞、ごめん、甲子園に連れてけ…』
俺の言葉を遮るように舞はキスをしてきた。
『いいの、まさくんが頑張ってたこと誰より知ってるから』
『でも…』
『負けちゃったのはしょうがないでしょ?紙一重の試合だったよ!』
『…』
『それにまさくん凄くかっこよかった、私、まさくんと付き合えて幸せだよ!』
『舞…』
『だから、さっきのキスは私からのご褒美』
『ありがとう』
俺は舞を強く抱きしめていた。
『甲子園に出られなくてもプロには指名されるかもしれないでしょ?まさくんなら大丈夫だよ』
『うん!スカウトの人が見てくれてることを信じてみるよ!』
『それでこそまさくんだよ、よかった、いつものまさくんに戻って』
『舞のおかげだよ、いつも支えてくれてありがとう!』
『ううん、まさくんのことが好きだから』
二度目のキスをした、今度はさっきのように一瞬ではなく、永いキスを。
『まさくん、私の家に行こ、今日は誰もいないの』
唇が離れたとき舞はそう言った。


『ここが私の部屋、今お茶持ってくるから待っててね』
付き合って一年半、部屋はもちろん家の中に入るのさえ初めてだった。
とはいえ小学生の頃に遊びに来たことはあったから…それでも十年ぶりくらいか…
僅かに記憶に残っていた部屋と目の前に見える部屋は全く違っていた。
女の子の部屋らしく可愛らしいぬいぐるみやピンク色のカーテン、
そんな部屋には場違いに見える泥だらけの野球部員達の写真。
新チームを結成したばかりの去年の秋季大会の決勝のあとの集合写真だ。
チームのみんなに冷やかされて俺達二人が一番前に並ばされ真っ赤な顔で写ってる。
みんな笑顔で冷やかしながら一人だけ嫉妬の目をむき出しにしている矢部君が妙に笑えるが。
俺は仲間にも恋人にも恵まれているな…
『お待たせ。』
『あ、ありがと。』
『その写真、去年のだね。みんなに冷やかされて恥ずかしかったけど嬉しかったな。』
『そうだね、みんないい奴だよな。』
『うん。』
『みんなのためにも…』
『ううん、まさくん、プロになるのは自分のためでいいんだよ。それでみんな喜ぶんだから。』
『舞も?』
『もちろんだよ!』
『ありがとう』
俺は舞を強く抱きしめた。
『でも俺は舞のためにプロに入りたい、いつからか俺はそう思うようになってたんだ。』
228あの夏の少年:2009/07/18(土) 07:43:43 ID:Zc8FoW9v
もう言葉はいらない。
抱き合い、唇を重ねながら舞の制服を脱がし、いつの間にか舞は下着だけになっていた。
『恥ずかしいな…私着痩せするから、太ってて幻滅しない?』
『そんなことないよ、舞はとても綺麗だよ。』
初めて女の子の霰もない姿を見て俺の胸は張り裂けそうなほどに高鳴っていた。
もっとも下着姿にするまでは勢いで夢中で脱がしていたから今更の感情ではあるが。
『ブラ、外すよ』
舞の返事を待たずに俺は背中に手を回した。




何年ぶりだろうかあの頃のことを夢に見るなんて。
八年前のあの日、俺は初めて舞を抱いた。
そしてそれが最初で最後になるとは十八歳の俺は思ってもいなかった。

舞に励まされ、俺はプロ入りに一縷の希望を託し引退後も練習は欠かさなかった。
しかし、運命のドラフトの日、俺の名前が呼ばれることはなかった。
野球部のみんなはもちろん舞も俺を気遣い励ましてくれた、だがそのときの俺にはその優しさが重荷だった。
優しさは時に残酷なほどに人を傷つける。
励ましの一言一言さえ素直に受け止められず、いつの間にか俺は仲間さえ遠ざけ、心を閉ざすようになっていた。
進学を決めた時も一番の条件は地元から離れることだった。
誰も知らないところで野球とは関わらない暮らしをしたかった。
誰とも連絡は取らず自然とあの頃の仲間は離れていった。
舞とも同じように自然消滅する道を選んだ、真っ直ぐに向き合うのが怖くなっていたのだ。
大学に入ってしばらくも俺は抜け殻のような暮らしをしていた、夢中になれるものもなく、ただ毎日を過ごすだけの日々。
考えてみれば捨て去ったはずのあの日から俺は一歩も前に進んでいないのかもしれない。



『お疲れさまです、小浪です。たんぽぽ製作所との商談が今終わりました、社に戻って報告します。』
今朝はあんな夢を見て早く起きてしまい少し寝不足だ、直帰ならありがたかったがそうもいえない。
それでもいつもと変わらず日常を過ごしている、きっと多くの人もそうだろう、それが大人になるということなのだろうか。
都心から少し離れたところにある取引先、近くの駅までの道を歩くとき少しだけ心が落ち着く。
故郷の景色に似ているからだろうか、部員みんなで走った堤防、舞と一緒に帰った畦道…
一年生もそろそろ学校に慣れて夏服もちらほら見え始めた五月の終わり、駅のホームにも多くの高校生がいる。
229あの夏の少年:2009/07/18(土) 07:45:25 ID:Zc8FoW9v
昨日の今日だからか少し感傷的になる俺がいた、
そしてそんな感情がまだ自分の中にあることにわずかに苦笑いをしていた。
電車の中も高校生ばかりだ、部活のこと恋愛のこと、他愛のない話ばかりだ、
この一瞬一瞬が大切でかけがえのないものだということをみんな知ってはいないだろう。
尤も気付く必要もないのかもしれない、それが若さなのだから。
『やっぱりガンダーは最高でやんす!このデザイン、まさに芸術品でやんす!』
はぁ、空気の読めない奴だ、公共の場所なんだから大声をださないマナーくらい守れよ、どんな奴だ?
!?矢・部・君?
一瞬呆然としたがすぐに目をそらす、なぜこんなところにいるんだ?
『小浪君!?小浪君でやんすか?』
だから大声を出すな、しかも人の名前を呼ぶな、てゆうか気付くな、俺とおまえは見知らぬ同士、同類と見られたら迷惑だ。
そんなことを考えながら無視をしていたが、彼の空気の読めなさは変わらないみたいだ。
『どうしたでやんすか?小浪君、無視しないでほしいでやんす、おいらでやんすよ?矢部でやんす。』
それでも無視をすれば関わってほしくないんだと悟るのが普通だが、電車の中で大声を出すだけあるというか全く声はやまない。
『人違いではないでやんす、絶対に小浪君でやんす!』
何故他人のおまえが断言できる。
『いい加減にしてほしいでやんす!親友のおいらを無視するでやんすか!?
わかったでやんす、おいらにも考えがあるでやんす!』
ここで折れる俺もどうかと思うが周囲の視線には耐えきれず、俺は矢部君のそばに行った。
『矢部君、少し静かにしてくれ、ここは公共の場だよ。』
『無視する小浪君が悪いでやんす!』
『それは申し訳ないと思ってるよ、仕事で疲れていたんだ。』
『まあいいでやんす、で、なにしてるでやんすか?久しぶりの再会、感動の場面でやんすよ?』
『でも相手が矢部君だし、別に感動なんて…』
『つべこべ言わずここに座るでやんす!』
『う、うん。』
『今は何の仕事をしてるでやんすか?』
『え?営業を。
矢部君は?』
『おいらは自宅警備をしながらカリスマブロガーをしてるでやんす!』
『ああ、ようするにニート…』
『違うでやんす!自宅警備兼…』
『わかった、ごめんね、カリスマブロガーなんだね?』
『わかればいいでやんす。』
かっこつけても世間にはよくは見てもらえていないだろう、苦労はあるのだろうか?
230あの夏の少年:2009/07/18(土) 07:47:22 ID:Zc8FoW9v
『それにしてもショックでやんす。』
『なにが?』
『小浪君がどこにでもいる、しがないサラリーマンになってることがでやんす。』
『君にそんなこと言われたく…』
『高校時代の小浪君はもっと輝いていたでやんす。』
『…』
『おいらはあの頃思っていたでやんす、あの年の地区予選で猪狩君は確かに別格だったでやんす、
でも早川さんや継沼が指名されて小浪君が指名されなかったのはおかしいでやんすと。』

軽く説明をしておこう。
猪狩守は決勝で戦ったあかつき大学付属高校のエースで、その年の甲子園優勝投手。
史上初の全球団指名でジャイアンツ入り、その後カイザースに移籍し球界のエースとして活躍。
八年目の今季で既に勝ち星は150に迫っている。

早川あおいは史上初の女性プロ野球選手で、高校野球に女子選手が出場できるようになったきっかけの投手。
彼女の恋々高校は地区予選準決勝であかつきに1ー0で破れたが、それまでは全試合完封と話題性だけでなく実力もあることは充分に証明していた。
事実、マリーンズに指名され、その後キャットハンズに移籍。
昨年は最優秀中継ぎを獲得するなどセットアッパーとして活躍している。

そして継沼剛(つぎぬまつよし)はその恋々高校野球部の設立者で初代キャプテン。
早川あおいを絶妙なリードでサポートするなど、共学三年目の無名校を一躍注目の的にした立役者だ。
ちなみに矢部君とは中学の同級生らしく、二年の時に早川さんが登板したことで出場停止になったのち、
女子選手出場要望の署名を集めていたときには俺たちパワフル高校野球部にも矢部君経由で協力の依頼がきたため、部員みんなでできる限りの協力をした。
最後の夏決勝で戦えたらという話が叶わなかったことは残念だった。
大学進学後自由枠でキャットハンズに入団。
打撃は二割七分、ホームラン十本程度だが、巧みなリードで早川あおいを始め技巧派揃いのキャットハンズ投手陣を支えている。
猪狩は球界でもトップクラスの選手で別格だが、
早川さん、継沼君も一線で活躍している。そんな彼らと比べるなんて矢部君は残酷だ。
『早川さんも継沼君もプロに入れて当然の選手だよ。
俺とは違う。』
『そんことないでやんす!小浪君はそんな性格だからプロになれなかったでやんす!』
『どうゆうこと?それ、いくら友達だとしても言っていいことと悪いことはあるんじゃない?』
231あの夏の少年:2009/07/18(土) 07:49:03 ID:Zc8FoW9v
『影山さんって覚えてるでやんすか?』
『スカウトの人でしょ?忘れる訳ないよ。』
『影山さんはドラフトの二週間くらいあとに学校にきたでやんす。小浪君のこと気にかけていたんでやんすよ。』

『下手な冗談はやめてくれ、指名しなかった選手を気にかけるなんてありえないだろ?』
『影山さんは言っていたでやんす。
小浪君はメンタルが弱すぎる、些細なことを気にしそれがモチベーションの低下だけでなく、プレーの質にも影響しすぎている。
そう言っていたでやんす。』
確かに俺はすぐ弱気になったりやる気が上がらず練習や試合にも身が入らないことはあった。
『素材型の選手ならそれでもと穫る球団はあっても、小浪君のような才能より技術の選手にはそれは弱点でやんす。』
俺は長打力があるわけでもないし、肩も足も平均より少しましな程度だ、才能で追いつけない部分を努力でカバーしてきた。
だからこそプロ向きだと自分では思っていた。
『そしてそんな自分の長所短所がわかっていない』
『やめてくれ!もういい、聞きたくないよ。
惨めになるだけだ。』
『聞くでやんす!そうやって事実を受け止めようとしないから何も変わらないんでやんすよ!
影山さんの言葉に今はおいらも同意でやんす、小浪君は自分の弱さを受け入れていないでやんす、逃げているだけでやんす
そんなんじゃプロに入ってたとしても通用せずにすぐにクビだったでやんす。』
『…』
『自分だけじゃないでやんす、少しでも困難にぶつかったとき困難と向き合ったでやんすか?
おいら達仲間とも、舞ちゃんともしっかり向き合ったでやんすか?』
『それは…』
『それが小浪君と継沼の違いでやんす。
はっきり言って高校時代の二人の実力なんてそんなに違わなかったでやんす。
でも継沼はくじけなかったでやんす、あきらめなかったでやんす、自分ができる最善を尽くしていたでやんす。
そして何より自分に起きた困難から逃げずに受け入れ、向き合っていたでやんす。だからプロでも結果を出しているでやんす。』
まさか矢部君にこんな事を言われるなんて思ってもいなかった。
悔しいが彼の言っていることは間違いではない。
『小浪君、人生に満足しているでやんすか?』
『えっ…それは』
『してなんかいないでやんす、くすぶってるでやんす。』
232あの夏の少年:2009/07/18(土) 07:50:48 ID:Zc8FoW9v
『…そうかもしれない。
確かに俺はあの日から真剣になることがなかった。
打ち込んでダメだったとき、それに耐えることの辛さをもう味わいたくないって知らず知らずに逃げていたんだと思う。』
『そんな人生でいいでやんすか?
今ならまだやり直せるでやんす。』
『無理だよ。
第一何をすればいいって言うんだい?』
『舞ちゃんともう一度向き合ってやり直すでやんす。』
『ずいぶん突飛な事を言うね、でもそれはできないよ。
舞は結婚するって聞いたし…』
『?それはないでやんすよ。
一昨日尾崎先輩の結婚式で舞ちゃんにも会ったでやんすが、一言もそんなこと言ってなかったでやんす。
むしろ前の日にお見合いをしたけどうんざりみたいなことを言ってたでやんす。』
『でも親父から昨日連絡があって…』
『お見合いをしたと聞いて結婚するって早とちりしたんではないでやんすか?』
『なんだよそれ…』
『ショックだったでやんすね?
そしてほっとしたでやんすね?』
『まさか』
『今小浪君はほっとした顔をしていたでやんす。今も舞ちゃんのこと想っているでやんすね。
だからほっとしたでやんす。』
『そんな…』
そんなことはないと言うつもりだったが何故か言いよどんでしまった。
昨夜舞の結婚と言うことを聞きあんな夢を見たことも、感傷的になったことも舞のことを引きずっていたから。
認めたくなくても心は正直ということだろうか。
『舞ちゃんのこと今も想ってるでやんすね、なら話は早いでやんす。
これ、舞ちゃんの電話番号でやんす、今夜電話するでやんす。』
『えっ?』
『おいらもう降りるでやんす。
約束でやんすよ、今夜絶対にかけるでやんす!』
『ちょっと、矢部君!』
『絶対に電話するでやんすよ!舞ちゃんは待ってるでやんす。』
なんだったんだろう…久しぶりに会って突然色々なことを言われて。
舞に電話…
矢部君は軽く言ったけれど、正直怖い。八年の月日は永すぎる、何を話せと言うのだろう。
向き合うため?
向き合うってどういうことだろう、俺にできるのだろうか?
233あの夏の少年:2009/07/18(土) 07:54:27 ID:Zc8FoW9v
とりあえずここまで。

すいません、仕事があるので続きは数日後になります。

エロのシーンがなくて申し訳ない。
今後も…無いんです…
234名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 10:34:10 ID:0Ns2GrQy
GJ!!すげーよかったです。
エロ無しもokだから気にすることないよ!

てか猪狩8年目で150勝て…w
235名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 00:04:42 ID:039c8zPv
GJ!!
保守のつもりで来たら久しぶりに作品が投下されていた!
そしてそれがかなり良作だ!!これほど嬉しいことは無い!
エロなしでもOK!続き、楽しみにしてます!!

むしろ矢部君が現実と向き合えと。

236名無しさん@ピンキー:2009/07/20(月) 08:18:51 ID:HDrR/v9d
d(`・ω・´)bグッジョブ!


てか、ニートなのに矢部くん良いこと言い過ぎww
237あの夏の少年:2009/07/23(木) 09:26:51 ID:VNa0vGeD
連勤が終わりました。
楽しみにしてくれるかたがいるようで、嬉しいことです。
続きがご期待に添えるかはわかりませんが…



21時か…
矢部君と電車で会ったあと、会社に戻り報告をして家に帰ったのが19時半だから、
一時間半も電話とにらめっこをしていたってことか、
煮え切らない自分自身が疎ましくもありおかしくもある。
何を話せばいいのか気の利いた言葉一つ浮かばない。
正直このまま電話なんてしないほうがいいとさえ思うが、帰り際の矢部君の目はかなり本気だった。
不本意ながら約束をしてしまった以上電話するしかない、覚悟を決めよう。

…電話をかけてから相手が取るまでのわずかな期間、時にそれが長く感じたり短く感じたりする。
正直このままつながらない方がいいとさえ思う気持ちは…叶わなかったようだ

『もしもし…』
舞…
何か、しゃべらなくちゃ…
『あ、あの…

すいません!間違いみたいです…
失礼しま…』
『まさくん、切らないで!』
『ま、舞?なんで?』
『まさくんの声、忘れてたりしないよ。
それにね、さっき矢部君から連絡があったの、まさくんに電車で会って電話するように言ったって。
笑われるかもしれないけど期待していたの、まさくんから電話くること…』
『えっと、
あのさ…
親父から結婚するって聞いたんだけど…』
『お見合いの帰りにまさくんのお父さんに会ったの、それでお見合いの話をしたから勘違いしたんじゃないかな。』
『そっか…』
『…ショック、だった?』
『えっ?
…うん、
そうだと思う。
だから昨夜は寝れなくて、やっと寝れたと思ったら高校の頃の夢を見て、
今日は今日で矢部君に会ったとはいえこうやって電話してるわけだし…』
『嬉しいな、電話くれて。
もうまさくんの声、一生聞けないと思ってた。
忘れられなくて、思い出にしようと何度も思って。
だけどずっとあなたのこと想ってた。
忘れられないでいたの。』
『舞…』
『それとね、後悔してることがあったの、あのドラフトの日からずっと…』
過去と現在に向き合うためには触れなければならないことだとは思うが、
ドラフトのことは思い出すのが正直辛い。
『あかつきに負けた時みたいに励ませばまさくんは元気を出してくれると思ってた。
でもまさくんにとってプロになれなかったことは
甲子園に行けなかったこととは比べものにならないくらいに大きなことだったんだよね、
私があなたの気持ちをもう少しだけわかってたら…
思い出す度何度も後悔してたの。』
『そんなことないよ舞。
舞は悪くない、あの頃の俺が弱くてその弱さを受け入れないくらいに幼かっただけだ。』
238あの夏の少年:2009/07/23(木) 09:29:09 ID:VNa0vGeD
あの頃だって舞の優しさを感じていた。
優しいからこそどう接したらいいかを見つけられなかったのだと思う。
そして俺はその気持ちをわかっていながら目を背けていた。
いや、わかっていたからこそ受け入れられなかった。
わずかに持っていたプライドも夢も何もかも崩れると思ったから。
ちっぽけな自分を守るため大事なものを傷つけた、謝るべきは俺の方だ。
『舞、ほんとごめん。
俺がもう少し大人だったら、もう少し強かったら…』
『まさくん、もう一度やり直そう?
私、あなたを今度こそ支えるから…』






『スポーツニュースです。
昨日カイザースの猪狩守投手が通算300勝を達成しました。
猪狩投手は二十一年前に甲子園で優勝、史上唯一の全球団から指名を受け、
ジャイアンツに入団、エースとして活躍した後にカイザースに移籍。
その後も球界を代表するエースとして活躍し、史上最長となる入団以来二十年連続二桁勝利を今なお継続しています。』
猪狩はやっぱりすごいな、たとえ高校時代とはいえこれほどの投手からヒットを打てたことは俺の誇りだ。
『…続いてパ・リーグです。
早川あおい代理監督が就任してから六連勝と好調のキャットハンズはやんきーずと対戦。
先発の橘はストレートの走りはよくなかったものの、
持ち前の制球力で粘り強いピッチングをし
八回まで一失点と踏ん張る。
橘の力投に応えるべく九回の表にチームリーダーの継沼が決勝打を放ち七連勝。
早川監督代行が就任以来負けがありません。』
あの夏から二十一年の月日が経った。
猪狩は殿堂入り間違いなし、球史に名を残す大投手として記録を残している。
継沼君はミスターキャットハンズ、チームリーダーとして活躍。
早川さんはタイトルを取った二年後、絶頂期に引退し野球アカデミーで指導者に転身。
二年前に古巣キャットハンズに投手コーチとして就任。
そして成績低迷で監督が辞任したキャットハンズで先週より監督代行に就任。
もちろん選手、コーチ、監督(代行だが)とも女性としての先駆者だ。

彼らと同じ年に甲子園を目指し、戦ったあの夏は俺にとっての誇りだ。
四十歳を手前にして改めてそう感じる。
239あの夏の少年:2009/07/23(木) 09:44:17 ID:VNa0vGeD
『パパー!早くー!』
『ごめんごめん!律人、今行くよ!』
律人(りつと)は俺の息子、小学五年生で少年野球のチームに入っている。
今日は近くの球場で草野球の試合があり、律人は見に行くのを楽しみにしている。
『パパ、ホームラン打ってね!』
『はは、まあがんばるよ。』
『あなた、りっくん、いってらっしゃい。
後で私も応援に行くから。』
俺は草野球だが再び野球をしている。

舞と共に生きていくと決めた俺は地元に戻ることを決め、転職をした。
転職先は野球用品の一流メーカー、ミゾットスポーツ。
俺が配属した支店はその二年前に倒産寸前の危機を当時野球部員だった、
現パワフルズのクローザー、二代主(にしろつかさ)選手が今ではこの地域で伝説となっている奮闘で盛り返したという。
そしてその二代選手に影響を受け、一度離れた野球に再び戻った二人の選手、
多賀望部長と山口賢、その二人が俺に野球をもう一度する勇気とチャンスをくれた。
多賀部長も高校時代には名の通った選手だったようだが、
同学年の山口は世代間でも別格、猪狩クラスの甲子園のスターだった。
一年、二年と強豪帝王実業のエースとして甲子園連覇、
往年の大投手を映したような豪快なマサカリ投法からの速球とフォークボールは高校レベルではほとんど打たれたところを見なかった。
もちろんプロからも引く手あまただったが、早くから大学進学を表明しプロ入りはしなかった。
しかし、進学した大学で登板過多により投手生命を絶つ怪我をしてしまい、
野球から離れた生活をしていた。
実績も野球を離れた理由も三者三様ではあるが、
野球を離れた者同士わかりあえる部分、野球を大事にしたいという共通の思いがあった。
そんな環境だから試合に勝ち都市対抗などに出場すること以上に楽しむことを第一にしており、
俺は野球が楽しいものだと改めて知ることができた。

そして息子の律人が小学生になった年の都市対抗で選手生活にピリオドをうち、
ミゾットスポーツとFC契約を結びスポーツ用品店のオーナーとして独立。
今はスポーツ用品店を経営しながら少年野球のコーチをしている。

野球は素晴らしいスポーツだ。
ただ体を鍛えるだけではない、精神も鍛えられ、仲間と協力し助け合うこと、協調性も身に付く。
大人に近づくにつれ忘れてしまう楽しさ、尊さを俺は子供たちに伝えていきたい。
プレイヤーとしての人生より終わってからの人生の方が遙かに長い、
その長い人生に少しでもよい影響を与えること、それが子供を教える大人の役目だ。
240あの夏の少年:2009/07/23(木) 09:46:41 ID:VNa0vGeD
今日の試合は同じように現役から退き少年野球の指導者をしている山口と野球の楽しさを子供に伝え、
そして自分たちも楽しむために始めたパワフル高校OB対帝王実業OBの試合だ。
特に全国に名を轟かす強豪だった帝王実業は野球の楽しさなど当時は全くなかったという。
それが中年になり、子供の前で少年のように野球を楽しむ。
子供たちも父親の普段見られない一面を見て楽しみ、親子の絆が深まると好評のようだ。
かく言う我が家も律人は野球が好きで、少年野球では俺と同じくショートを守っている。
果たせなかった夢を託したいという思いはもちろんある、しかしそれよりも野球をずっと好きでいてほしい。



『みんな、一点差だ、俺たちは逆転できる!最後まで諦めずに戦おう!』
『…』
『どうした?矢部君?』
『あのときとよく似ているでやんす』
『ん?ああ、あかつきとの決勝戦か。
そういえばちょうど打順も一緒だね。』
『おいら塁に出るでやんす、小浪君、勝負を決めるでやんすよ。
舞ちゃんと律人君の前でかっこいいとこ見せるでやんす。』
『矢部先輩、ずいぶん気が利くようになったッスネ。』
『円谷うるさいでやんす!
おいらは昔から気配りの男でやんす。』
『どうかな、電車の中で大声出すのにね。』
『それは言わない約束でやんす。
おいらのおかげで今の小浪君があるでやんすよ。』
『そうだね、感謝しているよ。矢部君。
ほら、塁に出てきてくれ。』
『ガッテンでやんす!』

珍しい、あんな啖呵をきったときにはまず間違いなく三振する矢部君が出塁だ。
円谷が送ったものの、猿山が三振。
二死二塁か、見事に似たような場面が巡るものだ。
マウンド上の山口は高校時代ブラウン管の向こう側で見ていた相手だ。
かつての豪腕右腕はサウスポーとして復活し、今俺と対峙している。
神様も粋なことをすると妙に感心してしまう。
いい投手ほどプライドが高い、相手の四番との対決はまず間違いなく決め球で勝負するはず。
あの頃の猪狩はそれがストレート。
そして山口のそれは鋭いフォークだ。
ツーストライク、スリーボール。
マウンドの山口と目が合った。お互い考えていることは同じようだ。
最後の一球、決め球でしとめようとするのがエースならそれを打とうとするのが四番打者だ。
241あの夏の少年:2009/07/23(木) 09:49:50 ID:VNa0vGeD
…高校時代にもミゾット時代にもないような手応え。打った瞬間にそれとわかる当たり。
マウンドの山口にふと目をやると打球の行方を見ながら、すっと力が抜けたように見えた。
『野球ってやっぱり楽しいな。』
『ああ。』
言葉には出さないが俺たちはそう会話をしていた。

『パパー、やったー!
すごいホームランだね!』
律人がそばまで走り寄ってきた。
山口が帽子を下げて笑顔を向けている、
ん?何を指さしているんだ?
その先に視線を向けると舞の笑顔が見えた。
舞の方を向き、ここまで来るようにジェスチャーをした。
一緒にダイヤモンドを回ろう。
舞と律人と三人で一緒に…

『舞、ありがとう。』
『えっ?』
『もう一度野球と向き合えたのも、今がこうあるのも舞のおかげだよ。
勇気付けてくれてありがとう。
支えてくれてありがとう。』
『私はあなたの輝いてる姿を見るのが好きなの。
私こそ立ち直ってくれたあなたに感謝しているわ。』
『これからも舞と律人をずっと幸せにしていくから。』
『うん、ありがとう』

大事なものを一度俺は失った。
だが失ったからこそ、そのかけがえのなさを知ることができた。
これから先も困難はあるだろう、でももうくじけはしない、諦めはしない。
守るものがあるから、幸せにしたい人がいるから。
これから先の人生も、このダイヤモンドのように一緒に歩いてゆく。
愛する人と共に。



242あの夏の少年:2009/07/23(木) 09:51:32 ID:VNa0vGeD
以上です。
レスをくれたかたありがとうございました。

ご期待に添えたかはわかりませんが、読んでいただけたら幸いです。
243名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 10:51:08 ID:byuRReBE
乙華麗!
今までにあまりない感じでヨカッタよ。
次のSSにも期待!
244名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 12:00:32 ID:af4QXjy2
乙!
パワプロではゲームオーバー時に「野球人生の終わり」って出るけど、こんな可能性もあるのな。
245あの夏の少年 作者です:2009/07/23(木) 16:58:12 ID:VNa0vGeD
改めてレス読ませていただきました。

ありがとうございます。

>>234
自分はパワプロ固定キャラでは猪狩が一番の投手だと思ってて、なんとか300勝させたかったので無理させました。
ただ、あくまでも『迫ってる』ですので実際は140勝前後ということで…(それでも相当なハイペースですが…)
最初にGJ頂けて嬉しかったです。

>>235、236
矢部君へのつっこみはある意味期待していました。
矢部君=そういうキャライメージなので。
書いた側の意図を汲み取っていただきありがとうございます。
>>243
実際のサクセスの時代より自由に作れると思ってましたが、どうしても設定に矛盾が出ますね。
ただ書いていて楽しかったです。
好意的にとって下さりありがとうございます。
>>244
ゲームオーバーで野球人生の終わりで、9で言えば澄香、カレン以外はみんな別れてしまうのが悲しかったので、
こういった形でもという願望がありました。

また書きましたら投下しますのでよろしくお願いします。
構想としては今回のスピンオフで、継沼君とあおいちゃん(もしくははるかちゃん)の恋々高校編がありますが、いつになるかは…
246名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 16:58:39 ID:FdthjKK2
マイライフ目当てで買った12決のサクセスを最近初めてプレイしたんだが、千夏ちゃん可愛いな
いつか千夏ちゃんでもSS書いてみたい
247名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 23:11:09 ID:oqGrwEW7
やっぱ読み応えのある力作はいいね!
248名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 21:34:41 ID:3RBIX9Zd
>>224
GJ!
9好きな自分にはものすごくツボでした
あおいちゃんや他の彼女候補のSSにも期待
249名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 12:31:20 ID:V/7e0Eh3
あおいちゃんの桃尻が凌辱されるお話はまだかね?
250名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 17:53:30 ID:fRCvjVbL
プリプリ
251名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 20:33:28 ID:nJc5VsZc
聖ちゃんすごい!
主人公の165キロの球をよくキャッチできるもんだ!
おまけに帝王実業からホームランを打った!
素敵だ…
252名無しさん@ピンキー:2009/08/08(土) 06:31:22 ID:DKzkO6Ha
後は足が速ければ……
253名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 00:32:39 ID:VFfGHWrq
逆に考えるんだ!
足を速くさせる特訓と言って夜の特訓をゲフンゲフン
254名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 12:22:20 ID:GqEcu0GC
スタッフはなんで聖を捕手にしたんだろうか
華奢で弱肩で社交性なしじゃまるで捕手に向いてない
その苦悩をネタにするならわかるけど、実際好いた惚れたに悩む始末
大人しくセカンドにでもしとけばよかったのに
255名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 08:11:11 ID:abvzl4Zi
>>224作者です。

前回書いた設定の恋々高校編サイドストーリーを書きました。



『君がいたから』

11月、街は少しずつ冬支度を始め、
暑い夏を過ごした球児たちも体力作りをメインとした練習をしている頃。
だが、俺達にはそれよりも大事なことがあった。

俺は継沼剛(つぎぬまつよし)、恋々高校二年、野球部のキャプテン。
恋々高校は昨年共学になったばかり、つまり、俺達の代が第一期男子生徒の元女子校で、
昨年俺を中心に三人で野球愛好会を設立。
同学年の男子生徒がわずかに七人ということで、昨年は試合すら出来ず、ひたすら基礎練習に明け暮れた。
それが功をそうしたのか、部員が集まった今年の夏の大会はベストエイトまで進出。
順調なはずだったが、理不尽ともいえるルールのせいで俺達は突如戦う権利を奪われた。
それはエースであり、野球愛好会を一緒に立ち上げた選手が『女』だったから、
たったそれだけのことで俺達は夢を途中であきらめることになった。
その理由となった『彼女』早川あおいは夏の終わりにマネージャーになることを決意し、
俺達を試合に出すという選択をした。
女子野球選手として甲子園、そしてプロ入りという夢を犠牲にして。

しかし俺は知っていた。早川あおいがマネージャーになり、ボールを握る機会もなく、
ピッチング練習をしなくなってからも走り込みを続けていることを。
それも俺達の練習が終わり、暗くなってから誰にも見つからないように。
恋々高校の野球部でそれに気付いたのは俺と、もう一人のマネージャーで早川あおいの親友、七瀬はるかさんだけ。
ある日練習を眺めている俺に七瀬さんは声をかけた。
それは早川あおいがもう一度野球をできるようにするために何ができるかということだった。
次の日、早川あおいに用事を頼み、彼女がいない間に部員全員に説明し、話し合った。
俺たちが出した答えは世論に訴えることだ。
俺たちがいくら声を張り上げてもそうは届かない、しかし、多くの声を集めれば届くはず。
そう信じ、早速行動を始めた。



『お願いしま〜す!』
『女子選手にも甲子園出場のチャンスを!』
『署名おねがいしますでやんす。』
七瀬さんを入れても14人の恋々高校野球部員では人手も足りず、
俺達は学園内の女子生徒、他校に行った中学の同級生にも片っ端から協力を頼んだ。
その中で快く引き受けてくれたのが、中学の同級生、矢部明雄がいるパワフル高校の野球部のメンバーだった。
256『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:12:16 ID:abvzl4Zi
『矢部、小浪君。
お疲れ、ほんとうに協力ありがとう。』
『あ、あの、これ…
差し入れです、飲んで下さい。』
『ありがとうございます。
ねえ、まさくん、みんなも呼んでこないといけないね。』
『そうだな、舞。
継沼君、少し休憩させてもいいかな?』
『うん、かまわないよ。
そのための差し入れなんだから。』
『ありがたいでやんす、もうのどもカラカラだったでやんす。
でもこんなに大量の飲み物買うような部費があるなんていいでやんすね、
さすが元お嬢様校の私立でやんす。』
『まさか、いくら何でもそんなに部費はないよ。
七瀬さんが出してくれたんだ。』
『私にできることはこれくらいですから、あおいのためならこれくらい惜しくもありません。』
『なんていいマネージャーさんでやんすか!
しかも可愛くて!うらやましいでやんす。』
『パワフル高校だってマネージャーの栗原さん、美人じゃないか。』
『ああ、でも舞ちゃんは小浪君の彼女で小浪君にベッタリでやんす。
小浪君の専用マネージャーか!って突っ込みたくなるくらいでやんす。
きっと二人で部室でもあんなことやこんなこ…』
バキッ!ベキッ!
矢部の両頬にパンチが突き刺さり、見るも無残な表情になった。
付き合っている二人は息も合うのだなと妙に感心してしまう。
『矢部君?
誰がまさくん専用マネージャーなの?
私のことそんな風に見てたんだ。』
『そ、それは言葉のあやというか何というか…でやんす。』
『矢部君、俺達は野球部のみんなに悪い影響を与えないよう気を配ってきたつもりだよ、
いつ二人で部室に二人で居た?練習中にいつ舞を独占した?
舞の練習レポートを一回でも読んだ?』
『そんなのがあったでやんすか?知らなかったでやんす。』
『矢部君…
俺がキャプテンになってから、みんなの悪い癖なんかを練習を見ながら舞にデータを残してもらってるんだよ、
毎日見るように言ったよね?』
『あぅ、え、えっとでやんす…』
『矢部、おまえの負けみたいだね、二人を見ても公私混同するようには見えないよ。』

『うるさいでやんす、継沼。』
『矢部君、みんなを呼んできてくれ、休憩しよう。』
『わかったでやんす、おいら行ってくるでやんす。』
『変わらないな、中学の頃から。』
『じゃあ継沼君も大変だったんだ。』
俺は思わず頷き、小浪君と二人顔を合わせて苦笑いをしていた。
257『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:13:24 ID:abvzl4Zi
『それにしても。』
『ん?』
『俺とも早川とも面識がなかったのに何で小浪君は野球部のみんなに声をかけてまで協力してくれたの?』
正直矢部にお願いしたとき、矢部一人、よくて二、三人の仲間を連れてきてもらえれば儲けものというくらいの気持ちでいた。
だから矢部からの返事でキャプテンの小浪君がみんなを説得し、協力をしてくれると聞いたときには
嬉しさよりも驚きの気持ちの方がはるかに強かった。
俺自身面識はなかったし、それとなく早川に聞いても面識はない。
それなのに何故?
『ん〜っ、
何でって聞かれると困るんだけど、簡単にいうならもったいないって思ったからかな。』
『もったいない?』
『夏の大会まで正直名前も知らなくて、悪いけどあかつき以外は意識もしていなかったんだ。』
それはそうだと思う。
共学になって二年。
野球部として活動を始めて四カ月も経たないうちに大会に出たわけで、
他校から見れば聞いたこともない相手だ。
もっともその相手が持つ先入観をうまく利用させてもらったのも事実なのだが。
『で、三回戦のそよ風高校との試合を見たんだ、スタンドで。』
『確かパワフル高校は俺達の前の試合だった。』
『そう、組み合わせを考えれば二戦後の準決勝で戦うことになるかもしれない相手を見ようっていうよくある話。』
『そよ風高校を見るつもりだった?』
『うん、先代のキャプテンの尾崎さんがそよ風の阿畑投手の変化球を警戒してたみたいで。』
『確かに、ナックル系の変化球で苦労したよ。
打ったのもたまたま甘く入ったシュートだったからで、ナックルにはまともに当たらなかった。』
『うん、でもああ翻弄をされると意地でも打とうって俺だと思っちゃう。
それなのに勝負のために割り切れた継沼君は大人だよ。』
確かに打者の意地として決め球を打とうという気持ちはある。
しかしトーナメントな以上は勝つためには打ちやすい球を見極めることも重要だ。
『そしてもう一つ驚いたのが背も低くて華奢なサブマリン投手。
球速はなかったけど、低めに球を集めて、シンカーのキレもなかなかのもの。
こんないい投手がなんで無名だったんだって思ったよ。
また捕手がいいリードをしていたんだ。
シンカーを意識づけながらほとんど使わずにストレート中心で、そよ風の連中はまともにスイングできてなかったもんね。』
258『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:14:24 ID:abvzl4Zi
やはりあれくらいの意図は二、三回戦までしか通用しないな。
もっとも決勝で通じるとは毛頭思ってはいなかったが。

そよ風高校に勝った次の日、俺達は運命の日を迎えた。
高野連から送られてきた一通の封書に書かれていた女子選手を出場させたことによる、出場停止の通告。

『だからそんないい投手、戦ってみたい相手が本人達ではどうしようもない理由で出られないのは
もったいないし、納得いかなかった。
だから矢部君が頼まれたって聞いて正直嬉しかったんだ、
早川さんも継沼君もあきらめてないってことが。』
『そう言ってくれたら嬉しいよ。
世間には女のくせに野球なんてっていう人の方が多いのは事実だ。
でも、俺達は早川が誰よりも頑張ってる姿を見てきた、だからなんとしても来年は引け目なく出してやりたい。』
『そうだね、絶対に早川さんの出場を認めさせよう。
そして来年の夏、対戦しよう。
地区予選の決勝、勝った方が甲子園。
俺が早川さんのシンカーをホームランにして甲子園出場を決める。』
『小浪君には打たせないよ。
いや、早川のシンカーは誰にも打たせない。
来年の甲子園に出るのは俺達だ。』
『お互いにベストを尽くせるよう今を大事にしよう。
まずは早川さんを試合に出せるように。』

『みんな連れてきたでやんす。さあ休憩でやんすよ!!
継沼、ジュースをこっちにもらうでやんす!』
俺達はまた顔を見合わせて苦笑いをしていた。



夕方前まで署名運動をして現地で解散。
俺は一人で学校に戻って整理をするつもりだったが、七瀬さんも手伝ってくれるということで、二人で電車に揺られている。
『本当に手伝ってくれて大丈夫?遅くなるし、親御さんも心配してるんじゃない?』
『私もマネージャーですから、手伝わせて下さい。
それと、父に電話をいたしました。
学校に迎えにきていただくことになっているので…』
『そう、なら安心かな。
なるべく早く終わらせるね。』
『あの…継沼さん。
もしよければ父が一緒に車に乗っていかないかと言っていたのですが、いかがでしょうか?』
『えっ?そんなの悪いよ。
俺なんて気にしないでいいから。
ただ、お父さんには挨拶させてね。』
『継沼さん、それって?つまり…』
『部活とはいえ、こんな時間まで七瀬さんに手伝ってもらうんだったらお礼くらい言わないとね。
今日の差し入れのこともあるし。』
259『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:15:43 ID:abvzl4Zi
『そ、そうですか…
でも申し訳ないのですが、迎えに参るのは父ではなく運転手ですので。』
『そっか、それなら仕方ないか。』

『あ、あの!継沼さん。』
『ん?』
『パワフル高校の皆さん、いい方ですね。』
『そうだね。
矢部にお願いをしたら、小浪君がみんなに声をかけてくれて。』
『小浪さんと栗原さん、仲良さそうでお似合いの二人でしたね。
あの、
キャプテンとマネージャーってそういう関係になりやすいのでしょうか?』
『それはあるかもね、一番近い女の子で理解もしてもらえるだろうし。』
『そうですよね、私も…』
『でもうちには早川もいるか、
近いといえばあれほど近い子はいないもんね。
まあうちの野球部には縁のないことだよ。
今の状況考えたらそんな余裕ないし。』
『…』
『それに早川が誰かと付き合うなんて想像できないしね。
もっとも俺もそういうことには疎いし、興味もないから人のこと言えないけど。』
『そうですか…』
『七瀬さんだとやっぱり婚約者がいたりするの?
親御さんも相手を厳しく選びそうだよね。』
『え、ええ…』
『とりあえず今日の署名はまとめておこうか、今日は署名を保管するだけでいいから。』



最後の夏。
俺たちの頑張り、パワフル高校のみんなの協力のおかげで早川は今マウンドに立っている。
準決勝のあかつき大学付属高校戦の前まで、三試合連続で完封。
投球できない間の走り込みが早川のスタミナ、コントロール、球のキレ全てに好影響を与えているのがわかる。
今日の名門のあかつきとの試合では初回にエースで四番の猪狩守にツーランを浴びて今大会初失点を喫したものの、
その後は粘り強く投げている。
あの期間に早川は技術だけでなく、精神的にも成長したんだなとそんなことを球を受けながら考えていた。
去年の早川は打たれたらすぐに態度に出て、イライラを隠さなかったのに、今はそんな仕草は見えない。
早川の成長は今までに一緒にやってきた仲間の誰よりも嬉しい、心からそう思う。
『いい球きてるぞ、早川。
あと二イニングだ。
絶対に抑えような、俺が点を取り返すから。』
『継沼クン、頼んだよ。
ボクももう絶対に一点もやらないから。』
『ああ、俺はもっとおまえと野球がやりたい。
ちゃんと野球ができる最初で最後の夏だ、長い夏にしような。』
七回の裏、先頭打者は四番の俺。
260『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:18:29 ID:abvzl4Zi
野球部創設三年だが、幸運なことに経験者が数人いた。
一番セカンド。俊足の西村。
二番センター。巧守で小技のうまい二年生の平井。
三番ショート。バットコントロールのうまい高沢。
そして四番キャッチャーの俺とエースの早川。
うまい具合にセンターラインに人が集まり守備の骨格はあるが、
打線は一番から四番までと高校から野球を始めた五番以降で差があるのは事実だ。

早川には強気を見せたが、最後の打席になるかも知れないという思いはあった。
しかし不思議と気持ちは穏やかだった。
今までついていけなかった猪狩投手の速球にバットは自然に動いた。
打球は?
高く舞い上がった打球はレフトスタンドの最前列に入った、まさかのホームランで一点差。
打たれた猪狩投手やあかつきの野手だけでなく、味方のみんな、打った本人まで驚いていた。

しかし反撃もその一点のみ。
投げては完投、打っては決勝打という猪狩投手はやはり役者が違うということを実感させられた。



『みんな、共学になって三年。
二回目の夏の大会でここまでこれたのはみんなの頑張りのおかげだ。
俺を信じてついてきてくれてありがとう。
みんなと過ごした三年間を誇りに思うよ。』
試合後の挨拶が終わり、みんなが涙を流すベンチで俺はチームメイトに声をかけた。
負けたことは悔しい、でも順調とは言えない高校生活でここまでやれた満足感はあった。

『継沼君!』
『小浪君、ごめん。
負けちゃった。
約束守れなかったよ。』
『いい試合だった。
明日絶対に俺たちが勝って敵を討つよ。』
試合を見に来た小浪君がスタンドから声をかけてきた。
去年の約束は果たせなかったが、明日の決勝に俺たちの思いを託して応援をしようと思う。
彼等もまた俺達の仲間だから。



試合が終わった夜の七時半、俺と七瀬さんは二人で部室の整理をしていた。
俺達はこれで野球部を引退することになるわけで、主将として後輩達へ引き継ぎをしようと学校へ戻った。
しばらく片付けをしていたら物音がし、振り向いたら七瀬さんが入口に立っていた。
彼女もマネージャーとして同じことを考えていたらしい。
『継沼さん。
今までありがとうございました。』
『え?』
『あおいは本当は高校で野球をする気はなかったんです。』
『うそ…』
『あおいが入りたいと思っていた高校は
あおいを、いえ女子選手を認めなかったのです。』
『…』
261『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:19:39 ID:abvzl4Zi
『私は小さい頃から体が弱く、男の子と一緒に野球をしていたあおいに憧れていました。
中学に入ってもエースとして投げていたあおいを応援していて、高校は離れてしまってもずっと応援するつもりでいたのです。』
『でも早川を選手として受け入れる高校はなかった。』
『はい、
そのショックであおいは野球への情熱をなくし、
普通の高校生活を送ると私と一緒に恋々高校に行くことになって。』
『そっか、
じゃあ初めて会ったときのあの表情は思い過ごしじゃなかったんだ。』
『気付いていたのですか?』
『いや、何か変だって思うくらいで、
てゆうか高校でも野球をやろうなんて思う女の子がいるなんて思わなかったから、
むしろ普通な反応だと思ってたくらいだったんだけどね。』
『そうですか。
でも、それであおいがもう一度野球を始めると聞き、私は嬉しかったんです。
それでマネージャーとしてあおいを支えようと思って。』
『俺達こそ七瀬さんには感謝しているよ。
体が弱いのに頑張ってくれて、優しくて、いつもみんなを気遣ってくれて。
早川もいい友達に恵まれたんだね。』
『そう言っていただけると嬉しいです。
実は最初はルールもよく知らずにあおいだけを見ていました。
でも継沼さんが皆さんを引っ張り野球に打ち込む姿を見て、私も野球が好きになり、あおいだけでなく、
皆さんを支える本当のマネージャーにならなければと思うようになりました。
継沼さんと出会えたから私もあおいも充実した高校生活を送ることが出来たんです。』
『俺はただ自分が野球をやりたかっただけだよ。
俺は昔から判官贔屓なところがあってね、弱者が強者を倒すことがなにより好きなんだ。
一から野球部を作って三年で甲子園なんてかっこいいでしょ?
それに協力してくれたのが、早川だった。
男だろうが女だろうが野球が好きで一緒にやれるならそれでいいと思うんだ。
情熱さえあるならね。』
『そういう分け隔てなく、情熱を持った継沼さんだからみんなついてきたのだと思います。
私もあおいもあなたのそんな魅力を感じてましたから。』
『ありがとう。
こんな青臭さを女の子、ましてや七瀬さんみたいなお嬢様にわかってもらえるなんて思わなかったよ。
実はさ、最初は七瀬さんみたいなお嬢様は住む世界も考え方も違うし、理解しきれずに続かないと思ってたんだ。
変な偏見持っててごめんね。』
262『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:20:41 ID:abvzl4Zi
『きっと昔の私ならそうだったと思います。
でも継沼さんと一緒に過ごして、あなたのことを知れば知るほどあなたに惹かれていって、
私の価値観が変わっていったんです。』
『七瀬さん?』
『私、あなたのことが好きです。
あなたは私が初めて好きになった男性です。』
『でも七瀬さんには婚約者がいるんじゃ?』
『あのときは継沼さんの言葉にショックを受けて何も言えなかっただけです。
父は私が選んだ男性なら認めて下さいます。
それにあおいの署名を集めたとき、父に挨拶をして下さった継沼さんのことを父は素晴らしい青年だと誉めていました。』
『七瀬さん…

本当に俺なんかでいいの?
俺は家だってよくないし、野球バカで…
七瀬さんに釣り合わないよ。』
『そういう少し鈍感だけど、まっすぐで純粋なあなただから私は好きになったんです。
継沼さんは誰よりも素晴らしい方です。
私をあなたと一緒にこれからの人生を歩ませてください。』
『ありがとう…

こんな俺でよければ…
これからよろしくね。』
『はい、ずっとついていきます。』
『七瀬さん…
いや、はるかちゃん。
頑張って君を幸せにしていきます。』
俺は彼女をそっと抱きしめた。

『…
はるか、ズルいよ…
ボクだって継沼クンのことずっと好きだったのに…
でも継沼クンにははるかみたいなコのほうがいいよね…

ボクの想いはボクしか知らない。
だから封印して二人を祝福するから…』

少し遠ざかる足音が聞こえた気もしたが、俺達は強く抱き合っていた。
互いにもう離れないというように。



順風満帆とはいかない三年間だった。
挫折もあり、遠回りもあり、夢も叶えきれなかった。
しかし俺の人生できっと最高の三年間だと思う。
これほどに成長する期間はきっとないはず。
三年前、桜が咲く中で俺達を迎えてくれた校舎が今日は俺達を送り出してくれる。
『継沼クン。
ついに卒業だね。
一緒に野球をやれてよかった。
継沼クンの分までボク頑張るからね。』
『まるで俺がもう野球をやらないみたいな言い方だな。
大学で実績を残して早川の居るマリーンズに自由枠で入団するから、
それまでに一軍に上がっとけよ。』
『まるでボクがプロでは通じないみたいな言い方だね。
はるか、しっかり教育しといてよ。』
『剛さんの言う通りよ。
プロでやるにはもっと走り込みをしなければダメだわ。』
263『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:25:58 ID:abvzl4Zi
『う…
まさか、はるかにそんなこと言われるなんて。』
『でも早川、マネージャー時代に走り込んだことで、スタミナもコントロールも球威も上がった実感はあるだろ?』
『うん、そうだけど…
ってなんで知ってるの?』
『私も剛さんもあおいが走ってる姿を何度も見かけたの。
それがあったから私達はあおいのための署名集めもしたのよ。』
『そっか、それをきっかけに二人はこそこそ付き合い始めたと。』
『違うよ。
付き合い始めたのはもっと後。俺がはるかちゃんの想いに気付かなかったから。』

今日で俺達は別々の道へ進む。早川はマリーンズから指名を受け、プロ入り。
今日は卒業式に出席するためキャンプ地から戻ってきた。
明日からはまたキャンプに合流するらしい。
西村はたんぽぽ製作所で社会人野球をするそうだ。
高沢は首都体育大学に進学し、将来は恋々高校に指導者として戻ってくると言っていた。
二代目キャプテン平井はチーム作りに邁進し、秋の大会ベスト4。
選抜出場はならなかったが、夏には期待できそうだ。
はるかちゃんは女子大に進学。花嫁修行をすると張り切っている。
そして俺は大学野球の新鋭、栄光学院大学から特待生の誘いを受け、大学で野球をする。

『ほんと二人仲いいよね。
いつの間にって感じだよ。
継沼クン、はるかを泣かせたら承知しないからね。』
『それは絶対にしないよ。
はるかちゃんは世界で一番大事な人だから。』
『ふーん。
はるか、継沼クンの第二ボタンもらうんでしょ?
ボク第一ボタンをもらうね?
いい魔除けになりそうじゃない?』
『早川、ずいぶんな言い草だな。』
『ほら、つべこべ言わない!』
『せめて魔除けじゃなく御守りくらいなことは言えよな。
ほら、プロでも頑張れよ。』
『ありがと。
じゃあボクはもう用意があるから。
あとはお好きなようにね、
お二人さん。』
『剛さん、あおい絶対に淋しいのだと思うわ。
昔から素直じゃないから。
プロに入ったらあおいをもう一度支えてあげてね。』
『うん。
はるかちゃん、プロでやってける自信がついたら君に改めてプロポーズするから。
まだ時間はかかるけど待っててね。』
そう言って俺ははるかちゃんの手を握った。
『はい。
それまでに花嫁修業しっかりとしておきますね。』
はるかちゃんも俺の手をしっかりと握り返した。

これから先もこんな風に共に歩いていく。
つないだ手を離さないように。


264『君がいたから』:2009/08/13(木) 08:28:48 ID:abvzl4Zi
というわけで今回は短いですが、お盆期間の皆さんの一服にでもなればと思います。

最初はあおいちゃんとくっつけるつもりが気付いたらはるかちゃんとになってしまいました。
265名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 10:29:18 ID:rdrEJ84r
GJ!

なんとキレのあるカーブwww
あおいちゃんだと思って読んでたら驚いた。
266名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 19:06:46 ID:8zQZ1fcp
超GJですっ!!
まさか主人公×はるかSSを書いていただけるとは
やっぱりはるかちゃんいいなぁ
267名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 19:47:22 ID:RJ9kJ4HH
さらに変化球ではるかちゃん×あおいちゃんを
268名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 20:20:00 ID:2J12HdqT
>>267
やめんかボケ
269名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 22:28:24 ID:/5MgUCzT
>>255
GJ
ぜひその後も書いていただきたい
270名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 00:30:17 ID:mjzcDgYq
>>254
その辺は、ゲームだからと割り切るしか…


大体、セカンドでも中々いないぜ?

少年野球でもライトかファーストがほとんどやん?
271名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 11:10:07 ID:kabe4TfV
セカンドを舐めんな、と言いたいところだがそれ以前にパワプロとかパワポケとかにリアルの論理を持ち出すのは愚考以外の何物でもないと思う
272名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 11:57:22 ID:ljNrPUhs
欽ちゃん球団の片岡あゆみはセカンドだったな
ゴールデンゴールズの面々も12で出てるから一応パワプロキャラだw
273名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 14:26:58 ID:Kkz8pp8d
セカンドとショートは大変だよなー
野手の中では唯一スタミナに来るポジション
女の子はリトルだと体でかいから案外pも多い
274名無しさん@ピンキー:2009/08/17(月) 20:55:30 ID:m2DK9QgP
そういやみずきって体でかいんだっけ?
12までしかやってないんだけど、どっかでそんなこと目にした覚えがある
あっても160くらいかと思ってたのに
275名無しさん@ピンキー:2009/08/18(火) 02:03:38 ID:OOxOIG4C
みずきじゃなくてひじりんのほうじゃなかったっけ?
276名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 01:43:29 ID:wJRj94Jm
体重とお尻はあおい>みずき>聖として、身長はどうなのか
277名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 02:25:37 ID:67Six7ti
11〜13のナイスお助けシステムでぱっと見の身長ならわかる
278名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 10:00:37 ID:phJ+COfF
人間体型に換算すると身長とスリーサイズってどんな感じなんだろうか?
279名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 00:57:29 ID:Maj2zwUu
なあ、14の雨宮のSSって需要ある?
あるなら書こうと思うんだが。
280名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 12:13:54 ID:URMBcrp+
そもそも雨宮が誰だか思い出せない
281名無しさん@ピンキー:2009/08/20(木) 20:34:33 ID:jPvovlBk
雨宮は6の冬美さんしか知りません
282名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 00:04:03 ID:a5VuYmFh
雨宮って誰だったっけ?

身長はみずき>聖>あおいだった気がする。160、155、150程度で。
どっかのサイトで見た。本当かはわからないけど。
283名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 13:19:02 ID:eWRf6LDj
俺は聖>あおい>みずきで、聖170前後のみずき165前後くらいだと思ってた。
プロ野球選手なんだし、背は結構高めだと予想してる。
仮にもプロに通用してる選手なんだから女性アスリートとしては結構良い体格してるんではないかと。
284名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 18:00:50 ID:QGonHd7p
聖は細身らしいけど、身長とか言及されてたっけ?
285名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 13:12:53 ID:BC6z4r+e
まぁ結局は個人の勝手なイメージだから
286名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 19:34:16 ID:37Rc4KY1
これくらいが理想かしらん

あおい
158cm52kg 78/58/93
みずき
161cm49kg 86/57/85

163cm47kg 74/55/79
287名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 21:37:47 ID:GaaYJ+bB
>>286
みずきとひじり細すぎないか?
160以上なら50はほしい
288名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 21:47:41 ID:HB6EgMMy
俺がバッターだったらおっぱいに視線が行くな>みずき
289名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 22:28:26 ID:BC6z4r+e
>>286
あおいとみずきの胸がでか過ぎ
みずきは86もあったらさすがに投球の邪魔だろう(しかもサイドスローだし)
あおいも身長158で78もあるんだったら全然貧乳じゃねえじゃねえか
その身長に合わせるならせいぜいみずき80前後のあおい70前半程度だろう
290名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 23:01:15 ID:2uhb7E16
>>289
78のBカップとかなんじゃね?
291名無しさん@ピンキー:2009/08/22(土) 23:40:17 ID:f8e8syNV
>>289
普通の人に比べれば筋肉も付いていると思うし
多少サイズの上では大きくてもなんら不思議ではないと思うぞ

まぁ、全体的に細すぎだと思うけど、胸と腰が
292名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 00:58:08 ID:xFQtaB2s
あおいちゃんのでか尻は異論なしかw
293名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 01:50:54 ID:dcmBOY3n
>>286
ひじりんが真っ平で泣いた
294名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 02:33:35 ID:yMcx/CF7
ひじりんは着痩せするタイプだろjk
あの白い肌がたまらん
295名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 13:48:45 ID:yH3ixuRm
野球選手という大前提を無視したら>>286でおk
もし加味するなら三人とも170p超の60Kg以上になってしまうw
296名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 01:04:53 ID:2euFyuBH
野球選手っていうのは無視しちゃいけないだろ


160前後の身長でプロの一線で活躍してたら萎えるわ。さすがに
297名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 01:09:22 ID:TbakoAoG
>>296
俺は萌えるけど
298名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 01:38:15 ID:PKu12lK7
男でも170じゃ小柄と言われる
男女の体力差を考えれば180以上ないと…
299名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 01:46:16 ID:2euFyuBH
>>297
草野球とかなら余裕で萌えるんだけどなぁ。

うちのチームにもこんな子が来ないかなぁ、って妄想したりして


ただ、プロの選手という設定である以上、非現実的な身長にしてまで萌えるのはちょっとなぁ。



細けぇことは気にすんな、って言われたらそうなんだけど
300名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 02:02:15 ID:2euFyuBH
下げ忘れちゃった。


すいません
301279:2009/08/24(月) 03:20:46 ID:QgdjyONG
流れをぶった切ってすまない。反省はしている。
以前言っていたSSが仕上がったので投下する。
エロは無し。期待していたら申し訳ない。
初作品なのでgdgdだと思うが生暖かい目で見守ってくれ。
302279:2009/08/24(月) 03:22:35 ID:QgdjyONG
そう、彼女と出会ったのは5年目のオフ。
横浜で6年ぶりのAクラス入り、最優秀防御率、最多奪三振の2冠に輝くなど
一躍名をはぜた俺にテレビ出演の話が降りてきた。
スポンサーのテレビ会社だから断るに断れない。

プロデューサーに待機を指示され俺は控室にいた。
すると一人の20代らしき白髪の若い女性が入ってきた。

「ねえ、あんたってもしかして小波?」

初対面でいきなり呼び捨てとはごあいさつなもんだと思いながら会釈を交わした。

「へえ、体おっきーい。あ、そうだ。あたし雨宮ジュリ。歌手として活躍中♪
えっと、出身どこ? ・・・あ、神奈川なんだ。あたしと一緒だ!
あと誕生日いつ? あ、私より年下〜?へえー、意外。
あたし?24だよ。あなたより2つ年上〜。」

話しやすい人だ。そう思っていたらプロデューサーがやってきた。

「はい、小波選手、ジュリちゃん。本番リハーサル行きます!」
「よし小波、さてテレビ出演だよ!」
そう言われ俺は部屋を後にした。

収録は和やかに行われた。
終わった後ジュリに声をかけられた。

「ねえ、アドレス交換しない?」
特に問題はないと思いアドレスを互いに交換した。
「あ、たまにはご飯とかに誘ってね♪横浜にいるから。あ、もちろん奢りで。」
やれやれ、ずうずうしい人だ。
303279:2009/08/24(月) 03:23:24 ID:QgdjyONG
そう思いながら6年目のシーズンは始まった。
開幕戦バースデー完投勝利という華々しいスタートで飾る幸先がよかった。
オフの日に2週間に一度のペースでデートに誘った。
先輩方に教えてもらったデートスポットなどを駆使してデートを楽しんだ。

そしてある日、ジュリがこんなことを口にした。
「ねえ、次の登板日見に行くよ。」
観覧試合ってレベルじゃねえな、これ。
4日後にあると言って前日にチケットを渡した。
そして試合当日。
バックネット裏のチケットのためジュリの声が聞こえる。

試合は両者譲らず7回まで無失点。
8回に味方がようやく先制してくれるが、安打とフォアボールで
無死1,2塁のピンチを招く。
バッターは左の3番。
ここは外角のシュートで詰まらせ3塁フォースアウトでアウトカウントを一個増やすが、
ホームランダービーぶっちぎりの1位の4番と当たる。
ここまでの球数は110球。
内野全員と投手コーチがマウンドに集まる。
交代が妥当かもしれないが、このイニングを投げ切るということにした。
初球外角へ逃げるスライダー。ボール
2球目内角低めへ146kmストレート、ストライク
3球目外角低めへ142kmのボール。それを一塁線に流した。
しかし1塁真正面。ゲッツーで締める。
直球に軌道が似たツーシームである。
小波はグラブをポンと叩き、ベンチへ去った。
その後更に得点が重なったが8回までで降板だったので
最後のピッチャーにセーブがついた。

試合後、ジュリに話しかけると笑顔でこう言ってきた。

「小波すごい!あんなピンチ切り抜けちゃうもん。」
「あざっす。俺もあのときは一点は仕方ないって思いました。」
「へへへ。」
そんな感じでジュリはご満悦だった。

そのあともデートを重ね、とうとう告白した。
しかし、帰ってきた言葉が意外なものだった。

「あれ、あたし達って付き合っていなかったっけ?」
人の人生初の告白までも受け流すとはなんてやつだ。
まあそんな感じで俺とジュリは付き合うことになった。
304279:2009/08/24(月) 03:24:05 ID:QgdjyONG

それからも順調に交際を続けるとある日突然ジュリがこう言った。
「ちょっと相談に乗ってほしいの。」
普段比較的明るいジュリが相談とは何事かと思った。

ジュリは悩んでいた。
どんどん成長していく小波に対し、着うたランクもCDの売り上げも
どんどん下がっていく自分がだめに思えてきた。
ここ数日、実はあまり眠れていない。
小波が自分をどう思っているのか知りたい。

待ち合わせ場所は海のすぐそばだった。
待ち合わせの時間は6:30分
しかしジュリは1時間前に既にそこにいた。
もうどうしてもそのことが知りたくて。
しかし、空はいつ雨が降ってもおかしくないくらい曇っていた。
(・・・これ、あたしの心の中を映しているのかな。)
305279:2009/08/24(月) 03:24:37 ID:QgdjyONG
そんな風に思っていたら、雨が降ってきた。

(え、どうしよう。周りに建物なんてろくにないし、折りたたみ傘
持ってきてないし・・・)
ジュリはあわてて自ら羽織っていたふくを頭にかぶせていた。
ただいま5:40分
約束の時間まで50分。

(まだかな・・・)
しかし小波は来ない。
ただいま5:55分
約束の時間まで35分

(うう、寒くて凍えそうだよ小波・・・)
そう思ったが小波は来ない。
(早く来なきゃよかったなあ。)
だが思いも空しく灰色の空に消えていった。
ただいま6:05分
約束の時間まで25分

それから10分後、小波はやってきた。
するとそこには凍えているジュリの姿があった。
「しっかりしてください、ジュリさん!」
小波が叫ぶ。
「へへ・・早く来すぎちゃったな・・」
ジュリが今にも潰えそうな声で言う。
「とにかく早く車の中に入って!」
車の後部座席にジュリを寝かせるとありったけのタオルを使いジュリを暖めた。
306279:2009/08/24(月) 03:25:17 ID:QgdjyONG
10分後、小波のマンションに着いた。
ジュリを自分の部屋まで運ぶとソファに寝かせ、毛布をかけた。
「あの雨の中ずっと傘もささずに待っていたんですか?」
「……うん。」
「風邪ひいたらどうするんですか!俺だけじゃなくファンも悲しみますよ。」
「そっか…ごめんね。」
ジュリにいつもの元気がなかった。

沸騰の合図を知らせる音が鳴ったのでヤカンの火を消し
ティーポットの中に注いだ。
紅茶ができるまで時間がかかるのでその間にありあわせのもので
料理を作った。

ソファに目をやるとジュリはすやすやと寝息を立てていた。
しかし、次第に顔が徐々に歪んでいった。
俺はあわててソファに近づくとジュリは何か呟いていた。
しかし、あまりにも小さかったので聞き取れなかった。

「ジュリさん!だいじょうぶですか!?」
「・・・ん・・うーん・・・あ・こなみ・・・」
「よかった。目が覚めたみたい。紅茶淹れたんで飲みます?」
「うん、いただきます。」
紅茶をティーカップに注ぐとジュリに渡した。
「・・・おいしい」
「よかったです。あ、これ作ったんですけどよかったらどうぞ。」
そう言ってソファのそばのテーブルに皿と箸を置いた。
「わざわざ作ってくれたんだ。ありがとう」
そう言って皿を手に取りおいしそうに食べ始めた。
307279:2009/08/24(月) 03:25:55 ID:QgdjyONG
ジュリが小波の料理を食べ終わったので小波はジュリが何を相談しに来たのか尋ねてみた。
「・・・ねえ、ジュリさん。」
「ん、どうしたの?」
「相談ってなんですか?」
「ああ・・・あれね。聞きたい?」
「そりゃ彼氏なんですから。聞きたいに決まっているじゃないですか。」
「そっか・・・」
テーブルに箸と皿を置くとどこか悲しそうな表情で話し始めた。
「あたしね、最近スランプなんだ。
あんまり着うたもCDも売れないの。
でも、小波君はいくら調子が悪くても先発で大崩れなんかしない。
悪くても自分の力を100%発揮してる。
だから小波君とあたしを比べると何だかあたしが
小波君の彼女として釣り合っていないのかなって思っちゃって。」

「そんなことはないですよジュリさん。」
小波は即答した。
「確かに一昨年から俺は大崩れとかはしていないけれど
2年目のスランプにはまりました。
それに比べてジュリさんはデビューから
ずっとトップアーティストとして頑張っているじゃないですか。
だから、少し立ち止まって休むのも大切だと思うんです。
少し休んでもバチは当たりませんよ。」
ジュリは感激した。小波がまさかここまで自分のことを
見ていてくれただなんて思っていなかったからだ。
そして安心したのか糸が切れたように小波のほうへ倒れてきた。
「わわ、どうしたんですかジュリさん!?何か俺悪いことしましたか?」
「ううん、小波がすごくあたしのことを見ていてくれるとわかって
つい甘えたくなっちゃった。」
「そ、そうですか。とりあえずお皿下げてきますね。」
そう言って小波がキッチンに向かおうとしたらジュリに服の裾を掴まれた。
「いっちゃやだ。」
「え?」
小波は何が何だかわからなかった。
「一人になるとそのまま小波がどっか言っちゃいそうでやだ。
だから一人にしないで。」
308279:2009/08/24(月) 03:26:27 ID:QgdjyONG
「大丈夫ですよジュリさん。僕はいつでもそばにいます。」
「・・・ほんと?」
「ええ。」
「じゃ一緒に寝て」
「・・・え?」
「いつでもそばにいるんでしょ?ならそばで一緒に寝てよ。」
小悪魔みたいな笑みを浮かべながらジュリはそう言った。
小波は困惑したがすべてを悟った。
ずっとトップを走り続けて来たジュリは甘えるおろか
誰かに頼ることができなかった。
だけど小波という甘えられる対象ができた。
ならジュリが思う存分甘えさせてやりたい。そう思った。
「・・・わかりました。」
小波は少しはにかんだ表情をすると
ジュリはヒマワリのような笑顔を浮かべた。

「じゃあだっこしてベッドまで運んでほしいな。」
またジュリは小悪魔のような笑みを浮かべていった。
「えっと・・その・・いわゆるお嬢様だっこですか?」
「うん、やってよ。」
「甘えん坊なんですね、ジュリさん。」
「うん。だから、お嬢様だっこして。」
小波は少し苦笑を浮かべながらジュリを抱きかかえた。
その体があまりにも軽かったことにびっくりした。
「ジュリさん、軽いですね。」
「あら、重いと思っていたの小波君?ショックかな。」
「そんなことあるわけないじゃないですかジュリさん!」
ジュリはまた小悪魔のような笑みを浮かべて、
小波は真っ赤な顔をしていった。
309279:2009/08/24(月) 03:27:03 ID:QgdjyONG
小波の寝室に着くとジュリをベッドに寝かせた。
そして小波も隣に寝た。
しかし、眠れるわけがない。
(やばい、ジュリさんが隣に寝ていると思うとドキドキして寝れない)
小波の心拍数がどんどん上がっていくことはもはや必然的だった。
すると、ジュリがこっちを向いて言ってきた。
「ねえ、ぎゅって抱きしめて頭なでてよ。」
なんなんだこの人は。俺の理性を壊すことを楽しんでいるのか?
当然小波は困惑した。
「そ、それはさすがに・・・」
「ふうん、小波そんなこと言っていいんだ。
ぎゅって抱きしめて頭なでてくれないと私を泣かせたって
テレビで言っちゃうよ。」
小波の顔から血の気が引いて行った。
まずい。ただでさえデートを目撃されているのに
そんなことを言われると球団が自分を雇ってくれるか危うくなる。
「わ、わかりました。ぎゅって抱きしめて頭撫でればいいんですよね!?」
「うん。ぎゅってしてなでなでしてくれればいいの♪」
もうどうにでもなれ。そう思いながら小波はジュリを抱き寄せ頭をなでた。
「えへへ、小波にぎゅってしてなでなでしてもらえてあたし幸せだな♪」
「そ、それはよかったです。」
やばい。かなり心臓がバクバクしている。
「あ、そうだ。」
「ま、まだあるんですか?」
「このまま一晩一緒に寝てもらおうかな。」
「それはさすがに・・・」
「おねがい・・・」
潤んだ瞳で小波を見上げてきた。
おい、なんだこれ。核兵器より威力があるじゃないか。
「甘えん坊ってレベルじゃないですね、ジュリさん。」
「えへへ、でもこれって小波だけなんだよ。」
KO。小波ノックアウト。
「全く、ずっと僕が甘えさせなきゃならないじゃないですか。」
「・・・嫌なの?」
「僕に一生を任せてくれなきゃ嫌です。」
その時、小波はやってしまったと思った。
もうおしまいだ。
「・・・あたしでいいの?」
Thank you god.
「ジュリさん以外にだれが務まるんですか。」
「こんな不束者のあたしでよかったら喜んでお嫁さんになるよ。」
「うん。よろしくね、ジュリさん。」
「うん!」
二人の甘い時間はまだまだ続きそうだ。
310279:2009/08/24(月) 03:32:05 ID:QgdjyONG
以上。

レスを8つも使ってしまい申し訳ない。
311名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 06:29:27 ID:OF/td6lU
GJ!こういう甘甘なノリのSSは大好きです
前に14の雨宮ときいて全くピンとこなかったけど、そういえばジュリさんは雨宮だったな
マイライフの彼女候補の苗字ってあまり出てこないから時々忘れるんだよな
312名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 18:49:05 ID:RVnbHgH3
GJ!
甘甘いいなぁ。辛いよりは断然いい。
313名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 00:36:01 ID:78OL6dCD
上げ保守
314名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 23:06:05 ID:wbmxYa0Z
保守ネタ

パワフル高校からプロ入りした小波は高校から付き合っていた四条澄香と
同棲生活を送っていた。
そしてとある晩。夕食を終え、晩酌を2人でしている時のこと。
「ねえ、澄香ちゃん。」
「・・・何」
「明らかに飲み過ぎだと思うんですけど。もう缶ビール4本目だよ?」
「いいじゃない。別に」
いつもは缶ビール1本も飲まないのに3本も空になった。
「何かあったの?」
心配そうに小波が尋ねる。
「・・・」
酔っている所為か顔が赤い。
「・・・おーい、澄香ちゃん?」
小波が呼びかける。
「・・・くー」
「!?」
なんだ。寝ていたのか。
仕方なく澄香を抱きかかえベッドまで運ぶ小波。

ベッドに運ぶと澄香をベッドに寝かせると
小波の腕が思いっきり引っ張られた。
「え・ちょ、澄香ちゃん!?」
「ふふふ、主導権はもらったわ。」
小波の上に馬乗りになると澄香は不気味にほほ笑んだ。
「あ、あの。俺澄香ちゃんに何か悪いことしたかな?」
「うん。」
「ごごごごめんなさい。」
「いいの。今からあたしの欲望をかなえるから。」
「な、な何をするつもり!?」
「それはね・・・」
澄香がまた不気味にほほ笑む。

「あなたと保守がしたいの。」
315名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:29:00 ID:QASE6ehq
続きを!
続きを書くんだ!!
316名無しさん@ピンキー:2009/08/30(日) 00:38:32 ID:ZR4bDtpP
>>315
頑張ってみるよ。
あと、感想ありがとう。
こういうレスが書き手のエネルギーになるんだぜ。
317名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 19:43:42 ID:h0uCH+sS
>>314
澄香ちゃんスキーの俺としては興味深いな。
主に澄香ちゃんが馬乗りになるあたりと、あかつき高じゃなくてパワフル高のあたりが。

俺もがんばるか。
318名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 20:49:22 ID:DOzWjWor
保守がてら数分で書き上げた物を投下する。



「大変でやんす」
「なにがさ」
 パ・リーグのお荷物ことミゾットキャットハンズ。
 その本拠地に備えられている更衣室で絶賛着替え中であった小波は、色々と見せつけたまま喚き散らす入団当時からの相棒、矢部昭雄を半眼で見やった。
 ぶらんぶらんと揺れているのが気になって仕方ない。色からして未使用感が漂っている。
「……まずはしまうべきだよ、それ」
「はうっ! 小波君はエッチでやんす〜」
 一瞬バットで思い切り殴りたいと思ったのはいけないことなのだろうか。
 いや、入団した時から苦楽を共にしてきた相棒だぞ。ダメだダメだ。
「えっと、で? 何が大変なの」
「ミゾットがウチから手を引くでやんす〜!」
「なんだ、それならいつものこと…………って……、なに?」
「ミゾットも今色々不況の煽りを受けていて……、球団経営は難しいそうなんでやんす」
 なるほど、矢部の言っていることは一理あった。
 ここ数年の世界諸国の経済情勢は、ウォール街の悪夢とも言われた千九百年代初頭の世界恐慌よろしく、かなり寒いことになっているのだ。
 ミゾットが莫大な経費のかかるであろう球団経営から手を引くのも無理はない。
「しかし、ミゾットが……か……」
「ミゾットならそんなことにはならないと思っていたでやんすがね……」
 小波は頭を抱えた。
 ミゾットの前にも、キャットハンズは親会社の倒産や球界からの撤退を何度か経験している。
 その度に親会社となってくれる可能性の高い企業に直訴しに向かっていたのは、他ならぬ小波その人なのだ。
 ミゾットが球団経営に興味を示していると知った時は、これでこの球団も安泰だと思った物だが……。
「人生はままならないとはよく言ったもんだ……。ままならなすぎるよ」
「やんす」
「……どこか、親会社になってくれそうなところはあるのかな」
「オイラの調べによると、一つだけあるでやんす」
「一つ……。参ったね」
 常にいくつかの選択肢、要は保険が手元にないとこう言うことはやりにくいことこの上ない。
 一つだけしか選択肢がないというのは、失敗=死というとんでもなくシビアな現実を突きつけてくるのだ。
「だが、まあ……。やるしかないか」
「例によって直訴でやんすか?」
「うん。もう慣れたし……、やっぱり選手が直々に行った方が信頼性はあるんじゃないかな」
「そうでやんすね……」
「で、その企業ってのはどこだい?」
「加藤製薬でやんす」
 加藤、ね。
 小波は心の中で呟いた。……ん? 加藤?
319名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 20:49:51 ID:DOzWjWor


「まさかあなたがここに来るなんて思いもしなかったわ」
「それは俺もですよ」
 随分と立派な社長室に通された小波は、これまた立派そうな机の前に置かれた高級ソファに腰を下ろしていた。目の前で足を組みこちらを見やるは色気ムンムンなかなりの美人。一見秘書に見えるが、紛れもなく社長であった。
 名は加藤理香。小波の母校である恋恋高校の監督を務めていた教師だ。
「……なんで監督が社長を?」
「伝えてなかったものね。あなたたちが卒業した後、学校やめて、会社を立ち上げたのよ」
「はぁ……。行動力は相変わらず凄いですね」
「あなたにもその台詞は返すわよ」
 そいつはどうも。小波は笑顔で返し、机の上に出されたお茶を啜った。
 こんな風に理香と会話するのも懐かしい。高校時代も、彼女がいる保健室でよく駄弁っていたものだ。
「それで、ここに来た理由は……って、聞かなくても良いわよね」
「ええ、その方が楽で助かります」
「結論から言えば、私はキャットハンズを買いたいと考えているわ」
「ほんとですか!」
 理香の言葉に、小波は飛び上がる。
「そりゃあ、可愛い教え子達がプレーしてる球団だもの。無くすのは忍びないわよ」
「監督……」
 可愛い教え子達。それは小波だけでなく、彼と同じ高校出身かつ、キャットハンズの顔でもある早川あおいを指している。
「でもね、一つだけ条件があるの」
「は?」
「今ウチは新しい薬を開発したのよ。でも、それを市販するのには十年からそれ以上かかって面倒なことこの上ないの。人に投与するのにも五年ほどの歳月を要するわ。だから、親会社になる代わりに……、健康な人体を提供して欲しいのよ」
「な――」
 それって犯罪じゃないですか。という小波の言葉は、喉から出てくることはなかった。視線を合わせた理香、その瞳は如実に物語っている。
 断ればキャットハンズは終わりよ、と。
 小波に残された選択肢は一つ。……頷くことだけ。
「わかり、ました……」
「じゃあ早速あなたで実験ね!」
「って、えええっ!?」
 逃げる間もなく、黒尽くめの男達が小波の両手両足を確保した。逃げようともがくも、まったくと言って良いほど効果がない。
 ああ、ここで俺は終わりですか? さようなら父さん母さん、キャットハンズのみんな、特に矢部君そしてあおいちゃん――。
320名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 20:50:26 ID:DOzWjWor


 目が覚めたら男子更衣室の中だった。
 壁に貼ってあるのは矢部が今シーズン開始直後に「優勝祈願でやんす」と言って笑顔で持ってきたガンダーロボのポスターなので、間違いはない。
「いてててて……、頭が痛い」
 頭を振って状況確認。たしか高校時代の監督――加藤理香――に出会い、一言二言会話して、どこかに連れて行かれ……。
「……記憶がないぞ」
 新薬投与、だとか、健康な人体、だとか不穏当な言葉だけは頭に残っているためいらない不安をかき立てられてしまう。
 ……ドーピング検査とかで引っかかりやしないよなぁ……。少しブルーになったところで、小波は動きを止めた。
 どこか引っかかる。何かがおかしい。何が?
「何がおかし……ん?」
 声だ、声がおかしい。いつも聞き慣れた自分の声よりも、数倍高い声。親友のあおいよりも、さらに高い……。
 後、体もなんだかおかしい。必要以上に重いというか何というか。今まで持っていた筋肉が全て脂肪に変わった様な……。
「……ん? これは……なに?」
 むにゅり、と。手が何かに触れた。それはちょうど体の中心を対照に二つある柔らかな物で、明らかに小波には本来ついていない物だ。まあつまり胸なのだが。
「……って胸ぇぇえええええええええええ!? おっぱいおっぱい! 違う! なんだこれ!」
 何が起こっているのか、小波の頭では理解できない。真面目に。
 とりあえず彼は、目の前のおっぱいを揉むことにした。むにゅむにゅで柔らかい。
「……んっ……、大分……落ち着いてきたかな……?」
 落ち着いたと言えば落ち着いたが、胸を弄くっていたからか妙に体が疼く。恐る恐る下の方へ手を伸ばすと、ついていなければならない物がなかった。
「……監督の新薬のせいか……ん、ぁんっ……」
 間違いない、監督の新薬のせいだ。変な薬のせいで、小波は女になってしまったのだ。
「……参った……、ってレベルの話じゃないですよこれは」
 小波は頭を抱えた。これはキャットハンズ消滅並みにまずい問題だ。
 誰かに――とりわけマスコミにバレると非常に面倒なことこの上ない。
 とりあえずはここから出るべきか――。そう、決めたのだが。
「小波君、いるの?」
 無情にも返事を待つことなく開く更衣室のドア。顔を見せるは親友、早川あおい。
 対峙する小波とあおい。だが、小波は真っ裸のままである! どうする小波、どうするあおい!
321名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 21:38:02 ID:zmage1eR
>>318-320
冒頭の矢部に吹いたw
兎に角期待して待ってる!ワッフルo(^-^)oo(^▽^)oワッフル
322名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 23:51:28 ID:jFuggHmz
妄想垂れ流しの展開すぎて鼻汁でるかと思ったぜ。
いいぞもっとやれ。
323名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 00:25:29 ID:aZPesJPi
あおいちゃんやみずきちゃんがツンデレな話はよくあるが、
たまには小波をツンデレ化してみないか?

「ふぅ、今日の練習も疲れたなあ。」
「おう、みずき。レモンの蜂蜜漬けでも食えや。
 ・・・勘違いするなよ?作りすぎて余ったのが勿体無いだけだ。」
「いつもいつもありがとー。んー、美味しい。」
「それ食ったらさっさとシャワーで汗流して歯磨いて寝ろ。
 歯も歪みとか案外シャレになんねーぞ。」
「はーい。あ、ついでに私のユニフォーム洗っといてくれない?」
「てめーでやれや、そんなもん。
 ・・・まあ、まとめて洗ったほうが水の消費も少なくて済むか。
 あくまで地球環境に配慮してるだけだ。勘違いするなよ?」
「だから小波君って好きだよ。」
「ばっ、お前そういったことは軽々と口に出すんじゃねえよ。」
「んー、私は本気だよ?」
「・・・まあ、俺も別にお前のことは嫌いじゃねえよ。」

やべえ、自分で書いて小波に萌えたww
324名無しさん@ピンキー:2009/09/06(日) 11:02:23 ID:p0m7WDGr
>>171
GJ
325名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 03:22:11 ID:tlrD6ruD
>>299
そこは逆転の発想かも
ひじりんは15で男女の体力差で挫折してプロ諦めかけてたじゃん
当然体格もひと際小さい
そして自分の身体にコンプ持ってる……と。

ここまで書いてなぜ俺はssを書かないんだろう?
326名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 05:39:56 ID:HN9chDWL
さぁ、チャレンジだ!
327名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 12:53:02 ID:M29Htxes
でも、一作品仕上げるってのは大変だよなぁ
俺も一・二回前スレ辺りで投稿したけど、あの時みたいな気分の盛り上がりがないと
そうそう書ける気がしない。

最近はパワプロシリーズ自体がssのネタとして機能してないし……
まぁ、野球ゲームだからその辺りを求めるのは筋違いだけどね。
328名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 21:53:10 ID:A6SrsQb8
とりあえず言えることは、573仕事しろって事だな
329名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 12:47:04 ID:8FEothMn
いつになったらみずきやひじりんを彼女にできるパワプロが出るんだろうか・・・
それとももう無理なのか?答えろ、573

ダンボール被ってまってる
330名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 16:11:40 ID:jge4yHyH
可愛いw
331名無しさん@ピンキー:2009/09/14(月) 21:41:15 ID:9cQIRBQF
>>329
スネーク乙
332名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 18:19:34 ID:jvbhMr3/
たまきか損五億のSS期待
333名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 13:52:50 ID:wPC8aFJa
みずきでネタ浮かんだんだけど肝心の文章が思いつかない。
334名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 22:39:25 ID:qxQHmiyd
のぞみ期待あげ
335名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 19:36:57 ID:zPK9JHoh
テストなどがあってなかなか書き上がらなかった。
遅くなってすまない。

>>314の続き。

「え、なんだって?」
「まあいいわ」
そういって澄香は小波の顔に近づいた。
そして小波の唇が澄香の唇と重なったと理解したのは少し遅れてからだった。
澄香の舌が小波の口の中に入ってくる。
未知の感覚に襲われた小波は全身の力が抜けていくような感じがした。
口づけの味はアルコールと麦の味がした。
「な、なにするんだよ澄香ちゃん!?」
「キス。まだあたし達ファーストキスも済ませていないでしょう?なら早く済ませようかと思って。」
「う・・・」
「でしょ」
そういって澄香は小波のTシャツにもぐりこんだ。
「え、ちょ澄香ちゃん!?」
小波は両肩を抑えられ身動きが取れない。
「あ、汗臭いからやめなよ。」
「それは高校の時から変わらない。」
おっしゃる通りです。澄香さん。
そして澄香は小波の胸部にある円形の部分をなめた。
「くあ・・や、やめて、す・澄香ちゃん・・」
「・・・この大きくなったものはどう説明するの」
「こんなことされてならない人はいないでしょ!?」
「・・・もう・・こんなになって。鎮めてあげないと。」
そういって澄香は小波の逸物を握った。
しかし小波は力が入らない。
「う・・や・やめて」
「・・・どんどん元気になっていくのは気のせいかな?」
そういって澄香は小波の物の皮をいじる。
そして小波の物の先端を澄香の口で咥え、舌を這わせる。
(やばい、かなり気持ちいい・・・)
「う・・もう・・・出る・・・」
「・・・いいよ、出しても。」
そして小波は澄香の口の中に白濁液をぶちまけた。
336名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 19:37:44 ID:zPK9JHoh
「けほっけほっ」
「す、澄香ちゃん、そんなの飲んじゃだめだ!早く吐いて!」
「・・・何とか飲みきった。」
「どうして!?」
「・・・あなたのものだから。」
「だからって!」
「・・・そろそろラスト」
そういって、澄香は自分の秘所に小波の物を迎え入れた。
奥に入っていくうちに遮るものにぶつかった。
それは澄香が純白の証拠だ。
「い、今なら引き返せるよ。」
「いい」
そしてさらに奥へ進める澄香。
何かが裂けるような感触がした。
「痛っ!」
「大丈夫!?」
「こ、小波君は心配しなくていいの」
「で、でも!」
少し取り乱したようになったが、またいつもの表情に戻った。
そして澄香は小波の上に跨り上下に動いた。
「んっ…あん! ああ! いいぃ…あああっ! いやぁ…あっ!」
「や、やばい・・・で、出る・・・」
「・・・っ・・出して・・・中にっ!」
「・・うっ・・・うあああああっ!」
そして小波は絶頂に達した。
337名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 19:39:31 ID:zPK9JHoh
二人は服装を整えベッドの上で座っていた。
しかし、空気が重くなったいた。
「「あ、あの(さ)・・・」」
二人の声が重なった。
「あ、先言っていいよ。」
「・・・いや、そっちでいいよ。」
「じゃあ・・・」
小波は一つ呼吸を置き口を開いた。
「飲み物、何か飲む?取ってくるよ。」
そういって台所に出ようとすると澄香が声を張り上げていった。
「行かないで!」
「!」
いつもなら言わないようなボリュームで言われたので体がピンとなった。
「あ・・・ごめんなさい。」
「いや、いいよ。」
「・・・怖かった。」
「え?」
「怖かった。一緒に同棲してるのに小波君一回の襲ってくれないからもう飽きられちゃったと思って捨てられるのが怖くて離れたくなくて・・・だからっ!」
「・・・ごめんね。不安にさせちゃって。」
「どうして!?なんであやまるの!?悪いのは私なのに!?」
いつものクールな表情ではなく子供みたいに泣きじゃくったような表情で話す澄香。
「不安を感じさせたっていう責任は俺にある。」
「・・・どうしてそんなことが言えるの?」
「澄香ちゃんのことも考えずに毎日特打ちに行っていたから。」
2割9分、10本、70打点、27盗塁の成績を残し新人王に輝いた小波はプロとして2年目のシーズンを迎えた小波はいわゆる2年目のジンクスにかかっていた。
だから特打ちなどに出かけて何とか去年の成績を保っていた。
「野球のことしか考えずに澄香ちゃんのことを全く考えてなかった、ごめん。」
「・・・少しは考えてほしかったな。」
「う・・・」
「だって将来あなたの嫁になる存在なんだから。」
「うん・・・って、え!?」
「結婚する気がなかったら付き合わないわよ。」
「え、でも・・・」
「・・・嫌?私と結婚するの」
「えーと、俺とじゃ釣り合わないかなと思って・・・」
「だから私が支えるんじゃない。」
責任感が強いのか自信家なのか口から出まかせなのか。最後はありえないが。
「えーと、その・・・お願いします。」
「ふつうは逆なんだけれどね。」
立場がない小波。
「・・・すいません」
「まあいっか」
さっきの表情から一転、向日葵のようににっこりした。
「あとこれからはちゃん付けやめてね。」
「え!?なんで?」
「だって夫婦じゃない。呼び捨てが普通。」
「そうだけど・・・恥ずかしいよ。」
「文句は許しません。・・・旦那さま。」
その瞬間両方の顔が真っ赤になった。
そしてシーズンオフ、二人は結ばれた。
338名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 19:39:55 ID:zPK9JHoh
〜後日談〜
「ねえ、・・・澄香」
「何?」
「告白、っていうのかな?まあいいや。あのときどうしてお酒を飲んだの?」
「・・・恥ずかしかったから。」
「なるほど・・・って、え!?」
「だって普段のわたしと差がありすぎて嫌われると思ったから・・・」
「・・・くっ、あははははは!」
「な、何よ!笑わなくてもいいじゃない!」
「くくっ、ごめんごめん。」
「失礼ね!まったく。」
「でもさ、動物の写真が好きだったり、マイナスイオンをナスイオンって言ったりしてたからたいしてギャップを感じないというかなんというか・・・」
「///いいじゃない!恥ずかしかったんだから!」
「まあ怒んないでよ。」
どうやらこれからも楽しそうだ。
339名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 22:07:36 ID:uE31X2I7
あーくそ!
澄香ちゃんはかわいいなぁ
340名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 01:03:57 ID:fKGdHmMP
つかれがたまった
ヤるきが出た
弾道があがった
「賢者タイム」が身についた

でもマイナスイオンとナスイオンと受け取ったのは主人公だぞ。
341名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 01:10:29 ID:THcfAKAE
よく読んでみたら、澄香ちゃん逆プロポーズかよ。
さすがすぎる。
342名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 23:43:54 ID:9iSIH4z+
>>339>>341 感想どうも。
まだ次の小説の内容は決めていないが、ご要望の小説の内容があればレスしてください。
343名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 12:48:06 ID:6IYmaiHO
>>286
オレはこう予想する
あおい 167cm 55kg 78 63 80
みずき 160cm 49kg 80 60 80
六道 164cm 56kg 73 65 77
てかやっぱりひじりん寸胴だってw
それにパワプロの女性選手はあまりスタイルはよくないイメージが俺的に否定できん……
344名無しさん@ピンキー:2009/09/23(水) 19:39:41 ID:cIzsn8uv
藍沢姉妹と御坂シスターズって似てね?
345名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 18:48:07 ID:0gxIsbeh
パワプロポータブルのエロパロないかなぁ・・・
346名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 19:27:35 ID:4ilmNqzF
あおい 162cm 82 64 93 
みずき 167cm  84 61 89 
六道 160cm 79 60 84

このくらいじゃないか? 
347名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 21:09:19 ID:ABYcOIay
>>346
みずきの胸をあと少し増やしてくれれば異論はない!
348名無しさん@ピンキー:2009/09/24(木) 21:35:59 ID:9trsca+7
あおい 160cm 83(C) 63 88 
みずき 166cm 89(D) 66 84
ひじり 153cm 78(B) 64 82

異端すぎるおれ。
349名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 00:35:22 ID:EQUfzPaA
T153cmは流石にねぇわw
てか聖って小柄なのか?筋肉が付きにくくて細身とは聞いた事があるが(14・15未プレイ)
350名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 00:58:23 ID:mTyyCPI2
ぶっちゃけ野球関係なく、ギャルゲみたいな体型設定なんじゃない
萌えに走りすぎてるし
351名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 01:52:16 ID:plA28PfV
あおい 168p 80 62 85
みずき 163cm 78 61 80
ひじり 172cm 77 64 79

これぐらいか?聖はみずきよりも背が高かったという記憶があるんだが。
352名無しさん@ピンキー:2009/09/25(金) 07:12:39 ID:pDOkaQSP
リアル体格を考えることで妄想を掻き立てられるならいいが、できればやめようぜ

ゲームにおいて3Dが必ずしも2Dに勝るとは限らないように、二頭身は悪く言えばごまかしだが、良く言えば融通が利き自分だけの妄想をする余地を十二分に残すことを可能にしたものじゃまいか

彼女たちの真の体型とは各々の心の中にあるんだよ
353名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 02:33:13 ID:mKeoluUH
名言が生まれた
354名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 05:58:18 ID:VjYzvWbr
↑同意
355名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 21:14:46 ID:cHpu9pKn
165p以下、B,Cカップくらいが・・・
356名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 20:27:16 ID:UsJQ7/5K
ペナントでエロパロ書く人いないかなー
357名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 10:54:15 ID:mmBW5/1W
>>338
亀だけど、GJ!!
澄香みたいな性格の娘と付き合いたいなあ
358名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 01:02:34 ID:SrfiZ0zK
ここの住人はやっぱりパワプロ小説サイトも見てるのかな?

たまに良作があってニヤニヤする
359名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 08:11:10 ID:mij/z1LW
見ません
360名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 19:37:47 ID:XU6FEe1J
あおい→貧乳巨尻
みずき→ないすばでぃ
聖→ぺったんこ

これでおk
361名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 20:17:42 ID:cx2R6qw8
>>358
自分の好きなカプ少なくていつも涙目になるから、まとめサイトか過去ログ見てる
362名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 20:56:19 ID:XU6FEe1J
みずきに弄ばれるふたなりあおいちゃんもので一つ
363名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 10:38:02 ID:F3QU49CO
あおいちゃんはヒップ90以上じゃないと認めない
364名無しさん@ピンキー:2009/10/05(月) 23:14:41 ID:Kcux0YmZ
パワプロ・レジェンズなんてものが出るらしいが
どれが収録されるんだろう?
個人的には摩夕のいる11帝王が欲しいが
365名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 02:11:00 ID:UXMi8CKB
>>363
下半身の重要なスポーツである野球をしてるからには
個人的には95は欲しいな
366矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:21:13 ID:MLdlcHU7
ドラフト会議を一般のファンも見学できるようになったらしい。
一高校生の進路を見世物にするとは何事かという声もあったようだが、ファンにとって球団の明日を担っていく人材が選出される場を生で拝見できるというのはまたとない経験となるのだろう。

◇ ◇

プロ志望届けを高野連に提出したのは橘みずきが一番最初だった事は、彼女の性格からしてそうするべくしてそうなったのだろう。
事実として複数球団が獲得に動いているという報道はされていたし、実際聖タチバナ学園に球団関係者が挨拶に来たこともある。客寄せパンダとしてではなく、実力を買われての指名になることは間違いなかった。
一方で。
締め切り直前になってまるで大学の願書を友達も出してるし自分も出しておこうという勢いでプロ志望届けを提出した者がいた、聖タチバナ学園2番手投手の小波、その人だった。
マスコミによる過剰な女性バッテリーの報道の裏に隠れがちだが、小波は地方予選、本大会と計13試合66イニングを投げ防御率1.86を記録。先発の橘の後を継ぐ中継ぎとして存在感を示した。
が、当時過剰する報道は聖タチバナ学園が一つ駒を進めるたびにこぞって橘みずきと六道聖の女性バッテリーを取り上げ、しだいにはいくつかの特集番組も組まれるようになっていった。
勝手に盛り上がってくれる分には結構な事だが、それがやがて選手のプライベートにまで及び出した。
専ら標的に挙げられたのは小波だった。

女性との分業についてどう思うか?
自分より優れている女性をどう思うか?
女性の後に投げる気持ちは?
女性にマウンドを任せて不安ではないか?

練習の合間、学校から家への帰り道、就寝前にも関わらず鳴り止まない電話、インタビューという名の尋問。
聞かれる事と言えば「橘みずき」と「六道聖」の事ばかり。
まだ自分について尋ねられるならまだしも、聞かれるのは他人の事ばかり。

──、ぶっちゃけ小波くん、どっちかと付き合ってるでしょ?

笑顔で否定。
野球とは関係ない質問にも声色一つ、顔色一つ変える事がなかったのは小波がキャプテンだったからか、はたまた二人の実力を認めていたからか、それとも……。
367矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:22:07 ID:MLdlcHU7
「ふう」
ため息を一つつくくらいは許されるだろうか? 時計の針がぴたりと重なった。ああ、明日は筋肉痛だろうな。
「それにしても、えらい注目のされ方だな」
矢部くんあたりが余計な事を喋ってなければいいけど。
悪い予感は当たるとは、誰の台詞だっただろうか?

「ねえねえ、小波くん。もうファーストキスは済ませたの?」
「どっちから告白したの? ねえねえ教えてよ」
「告白はやっぱりマウンドの上で?」
「付き合う馴れ初めを教えて欲しいなあ」
「校内では誰もが認めるカップルだそうだね! その話を聞かせてよ」

着替えを済ませてロッカーを出たらこの有様だから苦笑いさえも出なかった。
何事かと思い、矢部の方をチラリと伺うと「ビクッ」という擬音を残して去ってしまった。
わかりやすすぎるダイイングメッセージだと思う。いや、死ぬわけじゃないからこれはおかしいか。
とかくその場はマネージャーの三条院麗奈がうまく記者を追いやってくれたお陰で収まった。
だがそれも焼け石に水と言うべきか、新しい記事の種を見つけた彼らは小波から何か一言コメントをもぎ取るまでは諦めないだろう。
見上げたジャーナリズムである。
368矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:22:49 ID:MLdlcHU7
「何か聞かれたの?」
ぶずっとした表情で橘みずきが問う。
ブルペンで肩をつくりながら、
「別になんでもないよ、みずきちゃん」
ボールと一緒に笑顔を投げる。
六道聖は二人のウォームアップが完了するまでシートノックに混ざっていた。
「そう」
ならいいけど、いい加減あいつらしつこいわよね。
ボールと一緒にそっけない言葉と表情が帰ってきた。
地方大会決勝では行き詰る投手戦を勝ち抜いた、並んだゼロの数は両軍合わせて26にも及んだのは野球部の記憶に新しい。
もちろん勝ち抜いた事は聖タチバナ学園にとって自信になり、財産になったわけだが……苦しい台所事情、投手が二人しかいない現状では誰に負担がかかっているか明白だった。
だから、小波は言葉を選んだ。
何もないから、心配するな。
それ以上みずきは何も聞かなかったし、たとえ聞かれたとしても小波は何も答えなかっただろう。いまは野球にだけ集中できればそれでいい、それが二人の信頼関係だった。
369矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:23:09 ID:MLdlcHU7
こんな質問を投げかけられたこともあった。
「どちらが投手として優れていると思うか?」
不毛な問いだと小波は考える、チームが勝てばそれでいい。自分はチームの勝利に必要とされる人材ならばそれでいい。
投げる順番がどうとか、エースだの背番号がどうだのは小波にとって二の次だった。一番は大好きな野球を目一杯プレーすることにあるからだ。
一つのボールを泥まみれになるまで追いかけて、手のマメを潰してバットを振って、ユニフォームが土でボロボロになって一日の練習が終わる。
そんな日常の中に実を置くことこそが小波が望んだ環境であり、手に入れたかったものでもある。
聖タチバナを選んだ理由はまさに「それ」だった。高校を選んでいた時に目にはいったグランドで、変な頭の生徒が投球練習らしきものをしていた。
一人で。
よく見れば小奇麗にグランドは整備され、待ち人来たれとばかりに声をあげている様だった。衝撃をうけた、ここしかない、直感だった。
ここなら、生活の全てを野球に費やせる。後の事は眼中になかった。そう、実は部員が足りていない事など。

30球ばかりお互いが投げあった頃、聖が防具をつけてブルペンに走ってきた。
貴重な練習の時間を一秒でも増やそうという後輩の思いやりに小波ばかりでなくみずきも思うところがあった様子で、
「さあ! はじめるわよ! 止まってなんかいられないんだから!」
やる気まんまんといったご様子だ。
遅れて矢部も防具を付けて参上したわけだが、投球練習が終わった後にはまさに惨状という言葉がお似合いの表情をしていたのは誰も知らない事である。
370矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:24:01 ID:MLdlcHU7
◇ ◇

さてさて、そんな二人が唯一くつろげる場所と言えば、部室であった。
小波はストッキングを片方だけ脱いで、落ちていた雑誌をひょいと拾い上げる。
パラパラとめくりながらある記事が目に留まった。
「分析! 甲子園出場高校のデータ集!」
なんともありがちな記事である。
下馬評など一部の高校野球マニアくらいしか見る者はいないだろうに、この手の記事がなくならないのはその高校野球マニアの多さに起因する。
この記事によると一応、自分達の評価は最低の「Dランク」らしい。
通常AからCまでで評価されるこのランクは、前年度優勝高校であったり、春の優勝高校であったりする場合のみSランク評価が付く場合があるらしい。
だがしかし、初出場ということもあるがDランク評価はいくらなんでもひどい、出場49高校中最下位だ。ちなみにDランクをもらったのは聖タチバナだけである。
原あたりは「なんで自分らがこんな低い評価やねん!」と怒っていたが。なるほど、これは正確に分析したものだと小波はむしろ感嘆した。
と、ここでそれまで読んでいた雑誌をみずきに取り上げられる。汗ばんだアンダーシャツが妙に色っぽい、目のやり場に困る。
「なに読んでるのよ? エロい記事?」
この橘みずき様の前でそんなの読むとはいい度胸してるわね、という言葉がセットで付いてきた。
「なんでそうなるんだよ」
小波はあきれた声で返す。
「溜まってんじゃないの? ヌいてく?」
「バカいうな」
冗談と分かっていながら、コツンとみずきの頭を叩く。
いったーいと言いながら甘噛み程度の反撃をくらった小波は座っていた椅子からズルりと落ちて尻餅をついた。
あはははと部室に笑い声が響く。なんだかなあと、小波は表情をしかめた。
こんな風にコロコロとわらう女の子がマウンドの上で130キロ後半のストレートを投げたり、バッターをキリキリ舞いさせる変化球を投げるもんだから世の中本当にわからない。
野球をやってなかったらきっと芸能人か、モデルをやっていたに違いない。そうでなかったら女優か……それに順ずる何か、何にしろそれくらいの魅力がある事くらいは小波にだってわかっていた。
そんな小波を尻目にみずきは記事に目を泳がせ、
「ええっと、なになに? 初出場の聖タチバナ学園のデータを分析……? なにあんた、こんな記事よんでたの?」
と言いつつも内容が気になるようで、ふんふん言いながら読み進めるみずきであった。
371矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:24:33 ID:MLdlcHU7
いくらあの名門あかつき大付属を破ったといっても10戦すれば9回はあかつきが勝つ試合だった事は、誰よりも当の本人達が自覚していることである。
最後まで聖タチバナの前に立ちはだかった猪狩守という存在は、あまりにも大きすぎた。捕手の猪狩進さえ欠いていなければ……、という声は未だに根強い。
野球に「──たら」「──れば」はつきものなのだが……。一部の心無いファンから「聖タチバナ辞退しろ」との電話があったとかなかったとか言う話もある、これは小波以外の耳に入っていない事だが。
ともかく、投手が二枚しかない現状と。下位打線の貧弱さ、インサイドワークには一定の評価があるものの異常に低い盗塁阻止率などが指摘されてのDランク評価である。
これは正しい。
これは、正しい評価なんだ。
ひょっとしたら、この夏でもっとも正しい報道かもしれないと小波は思った。
自分達は高校生で、ちょっとテレビや新聞に載ったからといって舞いあがってばかりいたのは確かだ。
だがそれはいつも捻じ曲がっていたり、事実と違ったり誇張されたりで、どれもこれも嘘ではないが「オマケ」がたくさん付いていた、色目もあったことだろう。
テレビ局的には視聴率の為ならと「天才野球少女現る」だの「マウンドに舞い降りた天使」だのと過剰な報道を繰り返す毎日だった。
テレビに映る自分達は、自分達のようでいて、どこか違って見えた。
あれが自分なのか?
あのブラウン管にうつるちょっとはにかんだ男が自分?
はっ。
反吐が出る。
それは小波がついた初めての小さな小さな悪態だった。
372矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:25:03 ID:MLdlcHU7
「何よこの記事! ぜんっぜんわかってない! わかってない!」
音速を超えたのではないかと思う程の速度で雑誌はゴミ箱へと吸い込まれた。
その投球をすれば全国制覇も夢ではないと思いながらも小波は、
「あまり気にしないほうがいいよ」
優しくみずきを嗜めた。
「なによ! あんたは悔しくないの!?」
が、憤怒は収まる気配がない。
ああ、これは地雷を踏んだなと思った小波であった。
「たしかにD評価は厳しいと思う、でもそれが俺たちを見る目だよ」
マスコミの過剰報道では一般人の見る目にも色メガネがつけられるだろうが、実際世間の評価はこんなもんだ。
そう、こんなもんなんだ。
「あたしは、あたしは悔しいわ……!」
「だけどさ、こんなの何度でも覆してやればいいだよ。他の人の目なんか気にしなくても……」
「他人なんか知らないわ! あたしが気にしてるのよ!」
怒り方が普段と違うなと気づかなかったのは、こうやって二人きり居る本当に久しぶりだったから。
と、言えばなんだかカップルっぽいだろうか?
わなわなと震えるみずきを嗜める為に言った言葉が、それ以上の怒声になって帰ってくる。
だがその矛先は自分というよりむしろ、
「あたしが気にしてるのは、あんたの事を悪く書かれてるからよ」
この記事に向かってだった。

たしかに、Dランク評価というだけでも最低なのにさらに小波については記事で酷評されていた。
男のくせに体力のない〜、ここ一番で手元が狂う〜、エースになりきれない〜、うんぬん。
聖タチバナの一番のウイークポイントとして挙げられていたのだ。
373矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:26:49 ID:MLdlcHU7
「気にしないって、こんなの」
「何いってんのよ! だいたいあんたには悔しいって気持ちはないの!?」
「悔しいよ、でも怒ったって仕方ないだろ?」
「おじいちゃんに頼んで今すぐこの記者黙らせるから」
「ちょ、ちょっと待ってよみずきちゃん。待ってったら」

みずきが怒ったのは、小波の事を悪くいわれたから。チームの評価よりも、自分の小波の事を悪く言われたから。
そこが着火点だったのだ、火を収めるべくしてみずきを嗜める発言を繰り返した小波だったが、ただ油に火を注いだだけの格好になってしまった。
でも、同時にそれが嬉しかった。
ぜぇ、ぜぇと肩で息をするみずきに、その肩を両の手で押さえる小波。
手は背に回り、二人の距離はゼロになる。
「なによ、わかってんの? あんたはあたしのものなの」
わかってるよ、みずきちゃん。
「ご主人様が悔しがってるんだから、あんたも悔しがりなさいよね」
わかってる、わかってるよ。
374矛先 ◆3LsjyiVMzQ :2009/10/06(火) 06:33:47 ID:tOy/zpXC
「ほんとにわかってるの? ……バカ」
背中から弱弱しく力が伝わってくる。
小波の腕の中に収まるみずきは、優しくて、か弱くて。普段見せるどの表情とも違っていた。
「ありがとう」
どこからでもなく感謝の念が沸き、二人の唇が合わさり、昇華された。
二つの体温が重なり、鼓動が一つになる。
みずきは、その大きな目に涙を浮かべて──


◇ ◇


「あとの続きは、全国優勝してからよ!」

……こりゃ負けられないな、そう思う小波であった。



おしまいおしまい。

ageちゃってすまんorz
375名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 07:36:17 ID:WTlm5wNq
乙!!
やっぱり13だな
376名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 07:45:32 ID:6aag4jsu
>>366
GJ!
みずき可愛いよ・・・
続き待ってる
377名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 00:57:46 ID:kSybi+hW
>>366
GJ
頑張って優勝して続きを!!

ところでなんで13のあかつきに守と進がいるんだ?と突っ込んでおこう。
378名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 21:52:05 ID:GNCwpt3O
とりあえず、書いてみる。


はぁ、とあおいはため息をついた。
そろそろ潮時かもしれない。
18歳でプロに入って、9年の時が過ぎてしまった。
今年もキャットハンズは早々に優勝争いから落ちていた。
万年最下位。それがキャットハンズのポジションだ。
それもそうよね、とあおいは思った。
親会社がころころ変わるんじゃ思い切った補強もできない。
それでもキャットハンズが人気なのは、女性プロ野球選手のあおいとみずきがいるからだ。
右の早川、左の橘。左右の女性セットアッパー。ほぼ毎試合どちらかが登板する。そのため、それ目当てに試合終盤に足を運ぶファンもいる。

パンダはいつまでたってもパンダ……か。でもそれも今年で終わりにしよう。
シーズン終盤は毎年のように朝体が重たかった。球速も出なくなるし、コントロールも定まらなくなる。
それでも、私の活躍を楽しみにしてくれる人がいる。そう思ってあおいは九年、プロを続けてきた。
しかし、25を超えたあたりから、その体の重さは以前よりひどくなったし、投球内容も悪化した。
それでも、引退しようとは思わなかった。まだ頑張れる、そういう思いが大きかったからだ。
今年もそうだった。しかし、あおいの心は一通の手紙で折られることになる。


『私たち、結婚します!』
恋々高校の時の親友、はるかからの手紙にはそう書かれていた。
手紙には笑顔で並ぶ二人の写真が印刷されていた。
るかの横には、恋々高校の同期、今もパワフルズの三番として活躍する小波くんが立っていた。


それを見たとき、ギュッと胸をあおいは締め付けられた。
全く知らなかった。
高校を卒業してから、あおいとはるかは疎遠な関係になっていった。
というのも、あおいがプロの世界で生き残るのに必死になるあまり、はるかをあまり相手にしなかったからだ。
でも、まさかこんなことになっていたなんて……
そう言われてみれば、二人は高校時代から仲良しだったっけ……

恋をすれば新聞に変なことを書かれる。
万が一妊娠でもしたらマウンドに二度と立てなくなる。
恋愛なんて絶対しちゃいけない。
そうあおいは心に決めてプロの世界に入った。
いや、もっと以前、高校時代からそうだったかもしれない。
結婚なんて、全く考えてもいなかった。
でも、もう27なんだよね
あおいは自分の年齢に驚いた。
はるかが結婚しても不思議じゃない。

今からでも普通の女性として幸せになりたい。
あおいはそう強く感じた。
379名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 22:29:52 ID:GNCwpt3O
引退を決意してからのあおいの行動は速かった。いろんなところに連絡をして、承諾を得た。
でも、まだ公表はしてない。チームメートにも言っていない。いや、言えない……特にみずきには。一緒に頑張ってきた妹みたいなみずきには、やっぱりなかなか言いにくい。
なんとかしなきゃな。そう思うも、なかなか行動に移せないあおいだった。

暗い部屋に横になり、目を閉じる。ふと、はるかと小波くんの写真を思い出した。
二人は結婚するんだから、もうエッチとかしてるんだろうな……
あのはるかが、小波くんが……
な、何をボクは考えてるんだ!
ぶるんぶるんと頭を振ったけれど、もう手遅れだった。
じわっと体の芯が熱くなった。アソコがすごく変な感じだ。
思わずあおいはアソコを指で触れた。
「あっ」
あっ、と言ってしまった自分にあおいはまず驚いた。
そして、たったあれだけのことを考えただけで、濡れてしまっている自分にさらに驚いた。

どうしよう……
自分でなんて、もうずっとやってないよ……
高校時代に一度、あおいは自慰をしたことがある。部室で男子たちがエッチな話で盛り上がってて、恥ずかしい気持ちになった夜だ。
すごく気持ちよかったのを覚えている。でも、それ以上に後ろめたい気持ちでいっぱいになったし、何よりも寂しい気持ちに支配された。
だから、それ以来あおいはずっと自分でやることはなかった。
でも……
あおいはもう一度アソコに触れた。
「んっ」
……我慢、できないよ

「あうぅ……んっ、んっ」
くちゅ、くちゅ、といやらしい音が無音の部屋に響く。
はるかも、こうやってさわられてるのかな・・・・・・
「ひゃうっ!」
どうしよう、妄想しただけで感じちゃうよ……
思い切ってあおいは胸にも手で触れた。
「あぅっ」
あおいの乳首は完全に硬くなっていた。

「んっ、あっ……、小波くんっ」
思わずあおいは小波の名を呼んでしまった。
ダメ、小波くんははるかの……
そう思うも、あおいは小波に胸を触られ、アソコをいじられてると妄想していた。
「小波くん、もっと、もっと……激しくっ! あっ、んっ、あぅぅっ、あんっ」
あおいはわざと乱暴に手を動かした。
「あんっ、もっと、もっと……あぅっ!」
指でクリを思い切りいじる。どこに何があるかなんてあおいはよく把握していない。それでも、自分の体は自分の気持ちよくなれるところを知っていた。
「あうっ、あっ! んんっ、もっと! いれてっ、ボクの中に!」
声はどんどん大きくなっていく。小波なんていないのに、目の前には小波がいるような錯覚にあおいは陥っていた。
「んっ、あっ、ボクの……んっ、アソコにっ、いっ、いれてっ」
そう言いながら、あおいは自分の指をアソコに挿入した

「痛っ」

絶頂に上りかけた瞬間、鋭い痛みがあおいを貫いた。
あおいの指には血がついていた。
一気に萎えた
……ボクは一体何をしてるんだろう……
あおいの目からポロポロと涙がこぼれだした。
親友の夫をオカズにオナニーをしてしまった。しかも、別に大切にしていたわけではないけど、自分の処女膜を自分で破った。
……もうどうにでもなっちゃえ。

ため息をついて、あおいはシャワーを浴びに行くのだった。
380名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 23:31:42 ID:2suyvOF2

それにしても切ないな…
381名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 01:16:16 ID:hBG1ybaT
>>378-379

GJすぎる
382名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 08:51:02 ID:f7LvZm1H
頼む…あおいちゃんを幸せにしてあげてくれ…>>378

矢部でもいいから…
383378:2009/10/09(金) 09:25:43 ID:Fsnk5JZ5
熱いシャワーを浴びる。
自分で失った処女。まだ少し血が出ている。
あおいは深くため息をついた。かなり痛い。
高校時代、同級生の女の子たちが修学旅行の夜にそういう話で盛り上がっていたことがあった。
「初めてを失ったあと、翌日は痛くて歩き方も変になっちゃうのよね〜」
そのときは、そんなに痛いんだ、とただ特に意識もせずに聞いていたが、いざ自分の身におこると、痛くて痛くてたまらない。
これが愛する人との行為での痛みなら、満たされる部分もあるかもしれないけど、自分で失ったあおいは、ただただ切なく、苦しいだけだった。
しかし、その苦しみがあることを決意させた。
明日、ちゃんとみずきに引退することを話そう。もう苦しいんだから、これ以上つらくはならないよね……


インターホンを押すと、中からみずきの元気のいい声が聞こえた。
「ボクだよ」
とあおいが言うと、わ、センパイですかっ! とうれしそうな声が響き、ドアが開かれた。

「本気、なんですか……」
引退する、と言うとみずきはしょんぼりした顔で、静かに言った。
「うん、体力的にも、実力的にもしんどいし……」
「うそ! 本当のこと、ホントのことを言ってください!」
やっぱり見抜かれたか、とあおいは思った。みずきはじっとあおいの目を見つめている。
「高校時代の親友がね、結婚するんだって。もう27だもんね。それはするよね。
 ボクは今までそういうこと全く考えてこなくて……急に寂しくなっちゃって……
 野球じゃこの寂しさを埋めてはくれないの。ボクの心を満たしてはくれないの……」
うつむきながらあおいが言うと、みずきが口を開いた。
「あおいセンパイがいないと、私も寂しいじゃないですか!」
みずきの目には涙が浮かんでる。
「みずき……」
「野球がセンパイを満たせないなら、私が満たします!」
384378:2009/10/09(金) 10:13:07 ID:Fsnk5JZ5
言うが速いか、動くが速いか、みずきはあおいを押し倒した。
「ひゃっ、みずきっ、んんっ」
体を密着させると、みずきはあおいにキスをした。
(あっ、舌が入ってくる……っ)
「んっ、あっ」
みずきは巧みにあおいの口に舌をいれ、いやらしい音を立てながら舌を動かす。
あおいは体が熱くなるのを感じた。初めてのディープキス。こんなに感じるものだなんて、と思いながら、自分が満たされつつあるのを感じた。
「センパ〜イ、もう息が荒れちゃってますよ」
みずきは唇を話すと、いじわるそうに微笑みながらそう言った。
しかたないじゃない、初めてなんだから、と思いながらも、初めてと思われるのも悔しいのであおいは何も言わなかった。
それにしても、とあおいは思った。みずきはスタイルがすごくイイ。
体がぴったりとくっついてるからその胸の大きさがすごくよくわかる。
いいなぁ……ボクはおしりばっかり大きくて……うらやましいなぁ……
「ひゃっ」
みずきが声を出した。あおいは無意識のうちにみずきのTシャツのなかにするりと手を入れ、胸を触っていたのだ。
「セッ、センパイ!?」
みずきの声を聞き、あおいは我にかえった。
「部屋に一人だからって、ブラをつけないのは不用心ね」
左手だけでなく、右手もみずきの服の中にあおいは突っ込んだ。
「あっ、セッ、せんぱぁいっ、んっ」
乳首を突っついたり、つまんだり、胸をもんだりするたび、みずきは声を出す。
あおいはみずきをすわらせ、服を脱がせた。
あぁ、やっぱりすごいキレイな胸。いいなぁ……
あらわになったみずきの胸に、あおいはしゃぶりついた。
「ひゃぁっ! んっんっ、あぅぅぅ」
くちゅ、くちゅ、とさっきの仕返しのようにいやらしい音をたててあおいは舌を動かす。
こんなことするのはもちろん初めてだ。でも、案外できるものね、とあおいは驚きながらも、大きな喘ぎ声をだす後輩が愛しくてしかたがなかった。
「せんぱいっ、あんっ、せんぱぁいっ」
口と舌の動きに加えて、背中を指でいやらしくさわったり、胸をもんだりすると、みずきはさらに大きな声であえぐ。
「あぁっ、んんんっ、せんぱっ、きもち、よっ……よすぎっ、あんっ、んっ、んんっ」
小波くんも、はるかにこういう風にしてるのかな……
ふと、あおいの頭にそんなことがよぎった。
あぁ、なんでこんなときにそんなことを……
そう思ったが、すでに遅かった。あおいの動きは止まった。
385名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 10:42:41 ID:pp6xQK7m
巨乳みずき×巨尻あおいちゃんとか大好物過ぎるだろ…
386378:2009/10/09(金) 17:31:43 ID:Fsnk5JZ5
ほぼイキかけていたみずきだったが、あおいの動きが止まったのを見逃しはしなかった。
攻められれば、もちろん気持ちイイ。しかし、みずきはどちらかというといじるほうが好きだ。
いじられっぱなしでいられるはずがない。
「どうしたんですか、せ・ん・ぱ・い?」
そう言うが速いか、みずきはあおいのスカートの中に手を忍ばせた。
「ノーブラも不用心ですけど、こんなひらひらしたスカートも、危なくないですか〜?」
わざと意地悪い笑みを浮かべてみずきは言った。
あおいの顔にしまった、という色が浮かぶ。
処女を失ったためか、ズボンでは股間がいたく、あおいは普段はかないひらひらしたスカートをはいてきていた。
「んんっ」
「おしりさわっただけでこんなに感じるなんて、感度抜群ですね〜」
「ひゃっ、やっ、やめてっ、みずき……」
あおいの言葉を聞き、みずきは手の動きを止めた。
「あおいセンパイの言うことじゃ、素直に従うしかないですね」
意地悪さをさらに深めた笑みをみずきは浮かべた。
「えっ、えっ……」
もっとさわってくれるんじゃなかったの?
こんなんじゃボク、物足りないよ……
不覚にも、あおいの目にじわりと涙がたまってきた。なんでボク泣きそうなの!? と驚きながらも、体が何を求めているかは明確だった。
「あらら〜、どうしちゃったんですか、セ〜ンパイ?」
「……って」
「なんですか?」
「さわって」
「どこをですか〜?」
「う……お、おしり……」
「だけでいいんですかぁ?」
いじわるなみずきに、あおいはそれだけで感じていた。
もっといじめてほしい。もっと自分をめちゃくちゃにしてほしい。もっと、もっと……
あおいは立ち上がり、ささっと服を全部脱ぎ、下着も脱いだ。
「……みずき……もっと、もっとボクをいじめて……」
その言葉を聞いた瞬間、みずきは待ってました! とばかりに満足げに微笑み、あおいの下半身に抱きついた。
「センパイのおしりって、大きくてやわらかぁ〜い」
「はぅっ、あっ、ん」
いやらしくみずきはおしりやふとももを手でなでながら、舌も巧みに使い、あおいをせめる。
「やっ、んっ、みずきっ、ボク……たってられないよぉ……」
足をがくがくさせながらあおいは必死にみずきにうったえた。
「ひゃっ、み、みずきっ、そっ、そこは、あんんっ!」
あおいの訴えなど無視し、みずきは指をあおいのアソコに触れさせた。
(どうしよう……昨日ので余計に敏感になってるよぉ……)
「センパイってホント感度いいですね。なめちゃおっ」
「きゃっ、んっ、あぁぁぁっっ」
ぴちゃ、ぴちゃといやらしい音を立てながらみずきはあおいのアソコをなめる。
「びしょびしょじゃないですかぁ〜 センパイってエッチですね〜」
「うぅっ、みっ、みずきぃっ、きもちいいよぉ……」
「もっときもちよくさせてあげますねっ」
そういうとみずきは舌をあおいの中に入れた。
「ひゃうっ、ひゃっ、んっ、あっんっんっ、やっ、だっ、めっ、だめぇっ」
(どうしよう、体がおかしいよぉ・・・・)

くちゅくちゅと、いやらしい音がさらに大きくなる。
みずきは口だけでなく手をいやらしく動かし、おしりやももを攻める。
あおいの足はがくがくとさっきよりも大きく震え出した。
もう、あおいはイク寸前だ。

「や、み、みずきっ、ボ、ボク、も、あっ、んんっ……も、もう……だめぇっ……
 お……おか、おかしく……なっちゃ……んっあぁっ!」
大きな喘ぎ声を出すと、あおいはふらふらっと倒れそうになった。
みずきはさっと動き、あおいを支え、ゆっくり寝かせた。
「夜はまだまだこれからですよ、セ〜ンパイッ」
387名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 21:14:39 ID:vj4U8bDs
百合は良い

良いが書き溜めしてから一気に投下してほしい
まあ過疎ってるからそこまでしつこく文句は言わないけどw
388378:2009/10/09(金) 22:43:20 ID:Fsnk5JZ5
(う……ボク、どうしちゃったんだろう……
 あ、そうだ……みずきとエッチして気持ちよくて……あれ、でもまだ、気持ちイイ……)
はっとしてあおいは目を開けた。
「み、みずきっ!?」
目の前にはみずきのアソコがあった。そして、あおいは自分のアソコはむずむずするのを感じた。
ぴちゃぴちゃ、という音がする。あっ、舐められてる!
「ひゃっ、んっ」
まだ行為が続いてたことに気付き、あおいの体は一気にまたほてった。
「あ、あおいセンパイ、やっとお目覚めですか〜」
自分の下半身の方からみずきの声がした。
それだけ言うとみずきはまた舐め始める。 ぴちゃ、ぴちゃといやらしい音が響く。
完全に感度が戻ってきたあおいはそれに耐えることができなかった。
「あっ、……みずきぃ……ほんとおかしくなっちゃうよぉぅ……ひゃぅっ、あんっ……きっ、きもちいい……んっんっ……」
気持ちよさに目を細めながら前を見ると、あおいはみずきのアソコがきらきら光ってるのに気付いた。
(あ……みずきもすごい濡れてる……どうしよう……みずきのにおい、すごくいいよぉ……)
あおいは気持ちよさで反っていた体を起こし、みずきのアソコに顔を近づけた。
「きゃんっ」
あおいが舌でみずきのアソコに触れると、みずきが声を出した。
(やっぱみずきかわいい……先輩としてボクもやってもらうばかりじゃなくて、お返ししなきゃ)
ぴちゃぴちゃ、ちゅくちゅく、といやらしい音がする。みずきのアソコはかなり濡れていた。
「ひゃっ、んっ、せっ、せんぱい……っんんっ、あぁっ」
(ここに舌をいれれば……)
「ひゃぁぁぁぁあっ、んっ、あぁっ」
(すごい……みずきがすごく感じてる……)
でも、とあおいは思った。あんまり攻めるとボクが舐めてもらえない……
「み、みずきぃ……舌とまってるよぉ。ボ、ボクのお、おまんこをもっと舐めて……」
恥ずかしい気持ちもあったが、何よりもあおいは舐めてもらうことを欲していた。
「ひゃっ、んっ、せ、せんぱい、わ、わかりましたっ」
あおいの攻めに感じながらも、大好きなセンパイのお願いに必死に答えようとみずきは舌を動かす
「あんっ、いいっ、いいよぉ、みずき……ボクも・・…」
「あうっ、ひゃんっ、んっあっ」
(舌じゃ奥まで入らないよ……指を使わないと……)
そう思ったあおいは、指をみずきの中に入れた
「あぁぁぁっ、んっっ!!」
(すごい、簡単にはいったぁ…・・・もう一本入るかも……)
するり、とあおいの指はみずきの中に吸い込まれた。
「ひゃっ、ひゃっ、ふっ、んっ」
これまでにないほどの勢いでみずきは感じている。もう完全にあおいを攻めるなんてことを忘れている。
一方、あおいは一気に萎えていた。
(みずきは、やっぱり処女じゃなかった……
 指がこんなに入るものね……ボクを満たすのはみずきじゃない……)
あおいはみずきを四つん這いにさせ、みずきの下から出た。
そして、バックのポジションに入った。
「みずき……ゴメンね……やっぱり、ボク……」
そう言うと、あおいは指をみずきの中で動かしたり、ピストンさせたりし始めた
「せんぱっ? 今、なんっ? あっ、んっ、ひゃっ、だっ、だめぇ……
 そんなっ、せんぱっ、はげしっ、あんっ、んっ、あっ、んんんっ!
 あっあっあっあっあっあっあっあぁっ!!
 らめっ、せんぱっ、わたっ、し、い、いっちゃ……あうっ、んっ……
 い、いっちゃ、いっちゃうよぉぉぉ……っ! せんぱぁっっい!」
ぴしゃーっ! っとみずきのあそこから透明の液体が噴出された。

みずきはもう何もできない、とばかりにハッハッと荒く呼吸をしている。
ずいぶんと満足そうな顔をしている。
あおいはみずきの愛液でびちょびちょになった指を自分のアソコに入れてみた。
「いたっ……」
昨日よりは入りやすかったが、やはり痛い。
……ごめんね、みずき。ボク、やっぱダメだよ……
389378:2009/10/09(金) 23:04:51 ID:Fsnk5JZ5
みずきとの行為から一週間後、あおいは引退会見を行った。その前日、小波が結婚会見を行う偶然もあった。
みずきは大泣きをしてあおいにやめないで、ともう一度詰め寄ったが、あおいを止めることはできなかった。


今日でシーズンも終わり……会見とセレモニーも終わったし……もう本当に終わりね……
シャワーを浴びながらあおいは自分のプロ生活を思い出していた。
つらいこともあれば、楽しいこともあった。いや、楽しいことの方が多かったかもしれない。みずきが入ってからは毎日が楽しかった。
……でも、とあおいは思った。女としての幸せを求めてしまった自分にとって、野球選手としての人生はつらいものでしかなかった。
ピンポーン、と部屋のインターホンがなった。
わわわ、と口に出して言い、あおいは急いでシャワーのお湯をとめ、タオルで体を急いで拭き、スウェットを着た。

はいはーい、と言って、ドアの鍵をあけた。
不用心かもしれないけど、待たせてしまった。これ以上待たせるのも忍びないと思い、危ないかも、と感じながらもあおいはドアを開けた。
「あおいちゃん……」
「あおい……」
ドアを開けた先には、小波とはるかがいた。


「引退するって、本当なの? あおい……」
はるかがじっとあおいを見つめながらいった。あおいはコクリとうなずいた。
「どうして! まだあおいちゃんはプロでいられるよ!」
小波の言葉にあおいは横に首を振った。
「理由を教えて、あおい!」
はるかの声が大きくなった。最近は全然連絡も取っていなかった。しかし高校時代を親友としてすごした間柄だ。はるかは純粋にあおいを思って必死に尋ねた。
「……たからだよ」
「え……?」
「二人が結婚したからだよ。もうボクのことをほっといてよ!!」
あおいはそう言うと、ドアを閉めた

どうして……どうして二人で来るの……
今1番会いたくなかったのに……1番会いたくなかったのに!!
あおいはベットに倒れ込んだ。目からはポロポロと涙がこぼれる。
もっと時間がほしかった。引退して、自分も幸せを手にしたら二人をちゃんと祝福できたかもしれないのに……
二人が自分を思って来てくれたことはわかってる。でも、それ以上につらい思いがあおいの胸を締め付けた。

「あおいちゃん」
不意に声をかけられ、あおいは振り向いた。振り向いた先には小波とはるかがいた。
しまった、鍵を閉め忘れちゃった……
「あおい……どうしたら許してくれるの……?」
……許すも何も、本当は怒ってないのに……
「一緒に高校時代を過ごした仲間だし、俺たちはずっとあおいちゃんと仲良くしたいんだ」
……ボクだってそうだよ……そうだけど……
今の気持ちを、この寂しい気持ちを、どうしたらすっきりさせられるのだろう。
何もかも失ってしまえば、何もかもあきらめがつけば、もしかしたら……
「……じゃあ、二人で今ここでエッチをやってみせてよ」
390名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 23:25:34 ID:Ol1wLATS
>>378
GJ!
3Pに期待してる
391378:2009/10/09(金) 23:53:13 ID:Fsnk5JZ5
「な、あおいちゃん、何を言ってるんだ!」
小波は焦ったように声を荒げた。
「……だから、ボクは二人がやってるとこ見てみたいの」
あおいの言葉に、沈黙が流れた。しかし、沈黙はそう長く続かなかった。
はるかが床に膝をつけた。 そして、迷うことなく小波のズボンをばっとおろした
「はっ、はるか!?」
「あおいがみたいって言うんだから、やりましょう。ね?」
はるかはそう言うと同時に手で小波の息子を触り始めた。小波の息子はみるみるうちに勃起した。
はるかはあおいのほうを一度ちらりと見て、小波の息子を口に含んだ。

1番慌てたのはあおいかもしれない。 二人が怒って帰ってくれるのを実は期待したからだ。
そうすればしばらくは絶対に会わないし、気持ちの整理がついてから自分から謝りに行けると思ったからだ。
でも、違った。はるかが行為を始めた。……ど、どうしよう……あんなの見たら、ボク、我慢できないよっ

くちゅくちゅ、ちゅぱちゅぱ、とはるかがいやらしい音を立てて小波を攻める。
はるかの目はとろんとしてるし、小波もうっ、と時より声を上げている。はるかは口の動きに加えて、手の動きも加えた。
「はっ、はるか、俺、もうっ」
ビュッ! とすごい勢いで白濁液がはるかの顔にかけられた。
「もう! 早漏なんだから!  ゴメンね、あおい、ちょっと待っ……」
そこまで言って、はるかは目を丸くした。そして、微笑んだ。 あおいは我慢できずベットの上でオナニーを始めていた。

「あ〜お〜いっ」
はるかの声であおいは我に返った。
「見〜ちゃった。ほら、ナミくん(小波)も見てるよ〜」
(小波くんに!?)
はるかの言葉をきき、あおいは小波の方を急いで見た。すると、目と目があってしまった。
「そっかぁ、あおい、欲求不満だったのね。ほら、ナミくんのオチンチン、汚れちゃってるよ?」
はるかはみずきの数倍もいじわるい微笑みを浮かべ、あおいにそう言った。
(あ、あれが小波くんのおちんちん……)

あおいは小波の息子に引き寄せられるように四つん這いのまま、小波に近づいていった。
「ちょっ、あおいちゃんっ!」
慌てる小波など知りもせず、あおいは小波の息子を口に含んだ。
(ん……大きい……すごい…… あ、苦い……これが小波くんのせーし……もっとほしい……)
ぷはっ、とあおいは小波の息子から口を離した。そして、下でちろちろと玉や竿を舐め始めた。
「うっ、あおいちゃん……じょ、上手だよ……」
そう言うと、小波はあおいの髪の毛をなでた。じわりとアソコが熱くなるのをあおいは感じた。心が満たされていくのをあおいは感じていた。
ひゃうっ! っと、突然の快感にあおいは声をあげた
「あおい、気にせず続けて。わたしはあおいのを舐めたいの」
全くあおいは気付かなかった。知らず知らずのうちにはるかにスウェットを脱がされ、下半身をあらわにされていた。
小波の息子に夢中になるあまり、自分に何が起こっているか全く気付かなかったのだ。

くちゅくちゅ、と二カ所で音が響く。 あおいはどうしたら気持ちいいと思ってもらえるのかわからない。
ただ、いろいろなところをさわると気持ちイイと感じてもらえることはなんとなくつかんだ。
口で先端をしゃぶってる時は竿を手でしごいたり、玉をさわってみたり。 すると小波はびくっと震え、感じている。
あおいのほうも、かなり感じている。はるかのなめかたは、小波でなれているから、みずきよりもうまい。 あおいは自分がもう限界に近いことを感じていた。

「んっ、んんっ、ぷはっ、あうっ、んっ、あんっ……ちゅぱ、ちゅ、んっ」
「あ、あおい、ちゃ、ん……俺、もう……」
「大丈夫、ナミくん。あおいもそろそろイキそう。ね〜、あおい?」
「んっあっ……う、うん……ボ、ボク……も……う……」
あおいの言葉に反応し、はるかが舌の動きを激しくした。
「ひゃっ、はっ、はるかぁっ……らめっ、まだ、らめぇっぇぇ、こっ、小波くっ、といっ、いくのぉぉっ」
「あっ、おいちゃん、大丈夫…・・俺も、もうっ、うっ、出るっ!」
「うっ、あぁぁぁぁぁっ!」
びくんっとあおいの体が感電したかのように動いた瞬間、小波もあおいの顔めがけて白濁液を思い切りかけた。

はぁはぁ、と息絶え絶えになりながら寝転ぶあおいと小波。 ふふっ、とはるかは笑いながらその様子を見ていた。
「あおい、まだ終わりじゃないよ。ナミくんはねぇ、あおいをオカズに一日5回も抜いたことがあるんだって。 まだまだ、よ」
はるかのその言葉を聞くと、あおいはうっすらと笑みを浮かべた
392378:2009/10/09(金) 23:54:44 ID:Fsnk5JZ5
コメントありがとう。
そして、書きためしてなくて申し訳ない。
今日はここまでです。wikiのページにこれが載るように頑張って書き上げます。
393名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 00:09:43 ID:FiWkIexH
>>378
GJ!!
秀作すぎる
394名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 00:20:03 ID:/nO+MAmb
>>378
GJ!
俺もSS執筆がんばる。
なつき(13)、または千夏(12)
のSSかな?ww
395378:2009/10/11(日) 00:15:24 ID:Kce5o9Lt
「んんっ、は、はるかぁ〜」
はるかがちろちろとあおいのちくびを舐めると、あおいは甘い声を出した。
「ふふっ、あおい、かわいい」
にこりとはるかは微笑み、あおいの体を撫でる。一度イってしまったばかりだからか、あおいの体は軽く触られただけでも敏感に反応する。
「ひゃっ、あぅっ……んっ……はるかぁ……気持ちいいよお……」
はぁはぁ、と息をしながら、あおいは目を細め、うっとりとした表情をしている。
はるかはそんなあおいの姿に、自分もかなり欲求がたまってきているのに気付いていた。
着ていた服をあっという間に脱ぎ、はるかは下着姿になってあおいの前に立った。
「見て、あおい。あおいが感じてる姿見てたら、濡れちゃった」
(はるかがボクで感じてる……みたいよ、はるかのおまんこ……)
あおいはふらふらっと手をあげ、はるかの下着をつかみ、おろした。はるかも何も抵抗せずそれを受け入れる。
「はるかのおまんこ……きれい……」
「ふふっ、ありがと、あおい」
そういうとはるかはあおいの顔の近くに腰を落とした。はるかはわかっていた。何も言わなくてもこうすればあおいがはるかのアソコをなめることを。
そして、はるかの予想通り、あおいは顔をあげ、はるかのアソコを舐め始めた。
「ひゃっ、えっ、んっ、あおっ、いっ、うそっ……んっんぅ」
予想外だったのは、あおいのクンニリングスのテクニックだった。
(そんな、ナミくんより、上手……気持ちいいっ……)
あおいは何も考えずに無我夢中で舐めているだけだ。しかし、みずきとの経験が大きかった。
クリを激しく舐めたり、中に舌を入れたり、じらすようにゆっくり動かしてみたり……夢中になればなるほど、動きのバリエーションが増えていく。
「あんっ、んっんっ、あっ、にゃっ、あおいっ、きもちっ、いっい……あんっ、ふっあっっっ」

二発も最大限に放出し、果てかけた小波だったが、二人の様子を見て、みるみるうちに回復を果たしていた。
だが、二度も放出してしまったせいか、彼に冷静さが戻ってしまっていた。
(はるかの目の前であおいちゃんとやってしまっていいのか……いや、そもそもあおいちゃんは俺を受け入れてくれるのか……)
「ひゃぅっ、あんっ、あんっ、もっとっ、あおいっ、も、もっと……きゃんっ、あんっ」
自分の妻が大きな喘ぎ声をあげている。小波はそこに参加できない自分がずいぶんともどかしい気持ちになってきた。
(はるかがすごい感じてる……な、なめるくらいならいいかも……)
小波はゆっくりと無防備になっているあおいのアソコの前まで移動した。

「きゃんっ!」
小波の舌の動きに、あおいがビクンと反応した。
(小波くんがボクの、ボクのおまんこをなめてる……)
そう認識しただけで、あおいはイキそうになってしまった。だが、小波のテクニックのなさが、イク寸前であおいを止めた。
(ダメっ、小波くん……物足りないよぉ……)
物足りなさをはるかにぶつけるように、あおいは舌の動きをさらに激しくした。
「んゃっ、んっ、あんっ、あんんっ、あおっ、もっ、らめぇ……あ、おい……に、いかっされ……んっっあんっ
 らめぇぇ、あっいにっ、いかされっ、ちゃっうぅっ……あっぁぁぁぁっぁっ!!」
ビクン、と体をふるわせ、はるかは果てた。
ふらふらしながらゆっくりとあおいの上から体を動かし、あおいの横にはるかは体を横たえた。
「あ……おい……が、こん、なに……上手……なん……て……ナ……ミくん……あおいを……気持ち……良くさ…せてあげて……」
息も絶え絶えになりながらはるかはそれだけを言うと、目を閉じて眠り始めた。

396378:2009/10/11(日) 00:16:02 ID:Kce5o9Lt
「……小波くん……挿れて……」
あおいの言葉に、小波はうなずいた。もう懸念することなんてない。あおいの中に自分のカチコチになった息子を挿入すればいい。
「いくよ、あおいちゃん……」

「うっ痛っ!」
あおいの体に、かつてない痛みが貫いた。ゆっくりと血が流れる。
処女膜はそう簡単にすべて破れるものじゃない。野球をやっているとはいえ、あおいの指は女性らしい細い指だし、自分でやったときに破れたのはごく一部だった。
ひどい痛みだが、それと同時にあおいは喜びを感じていた。少し失ったとはいえ、まだ処女だったこと。
そして、好きな人――あおいははるかと小波の結婚報道を聞いてからなんとなく気付いていた。自分が小波のことを好いていることを――に処女を捧げられたこと。
「え……あおいちゃん、初めて?」
驚いたように小波はあおいに尋ねた。あおいは少し悩んだが、うん、とうなずいた。
「わかった……優しくするよ、あおいちゃん」
そういうと小波は腰を動かさないように注意しながらあおいを抱き寄せた。

「……もう動いても大丈夫そう」
オナニーをしたこともあって、痛みはまだ痛いとはいえ、少しずつ和らいでいた。何よりも今は快感がほしい。そんな思いからあおいは小波に訴えた。
だが、小波は首を横に振った。
「まだ速いよ。ゆっくりね。はるかで初めての人は経験してるから、大丈夫だよ」
その言葉を聞いて、あおいは寂しさを感じたが、その寂しさよりも小波の優しさを感じた。小波くんとなら大丈夫……

「……高校のころからずっとはるかが好きなの?」
ずっと気になっていたことを、小波とつながってる今、ついに勇気を振り絞ってあおいは尋ねた。
すると小波は恥ずかしそうに目をあおいから背けて、言った。
「高校のころは……あおいちゃんのことが好きだったよ。プロに入ってからも……
 でも……わかってくれると思うから言うけど、今ははるかが好きだよ。本気で」
あおいはじわり、と目頭が熱くなるのを感じた。泣き顔を見せまい、とぎゅっと強く小波に抱きついた。
「……それだけで十分うれしいよ。ボクも、ボクも小波くんが好きだったよ……
 小波くんなら安心して任せられる……はるかを、よろしくね」
小波はコクリとうなずいた。
それを合図に、あおいは自分から腰を動かし始めた。
「あ、あおいちゃん!?」
その行動に、小波は驚いた。が、あおいは苦しそうな顔を一切していない。
心が満たされた今、あおいは不思議と痛みを全く感じていなかった。
幸せな気持ちが痛みを打ち消し、つながっている喜びが快い感覚となって全身に響く。
「んっ、あっあっあっあっ……小波くんっ、小波くぅんっ!」
あおいの反応に、もう大丈夫だと小波も判断した。小波も腰を動かし始める。
「あおいっちゃんっ、イイよっ」
「小波くぅんっ、あんっんっ、あっふぅっ、んっんんっ、あんっ!」
抱きついたままのあおいを小波は少し離し、顔と顔を見合わせた。
「あおいちゃんのっ、かっんじてる顔っ……かわっいいよっ」
「やんっ、あんっ、みっ、みなっいでっ、んんっ!」
恥ずかしいけれど、感じてしまう。恥ずかしさがあおいの感度をさらに増させる。
「キスしてもいい?」
「んっあんっ、そっ、そういうっのはっ……あんっ、きっ、聞かないのっ」
そういいつつ、あおいは目を閉じた。小波は微笑み、唇を重ねた。
ちゅ、くちゅ、くちゅ、と舌と舌が交わる。 長い長い、深いキスを二人は続ける。高校時代の思いが、今この瞬間だけ戻ってきたように二人は舌を交えた。
余韻を残しながら、二人は唇を離した。二人が感じていることは同じだった。
「こっ、なみっ、くっ、ボ、ボクっ、もうっ……あんっ」
「あおいちゃん、俺もだよ」
「あんっあんっきゃんっ……こ、なみくん……い、っしょ……にっ、んっ、いこっ」
「う……んっ」

「で、でるっ!」
「ふわぁぁぁぁぁぁぁぁあっ」
397378:2009/10/11(日) 00:25:16 ID:Kce5o9Lt
あの夜から3ヶ月後の一月、はるかと小波は挙式をあげた。
その式では、笑顔で二人を祝福し、スピーチをするあおいの姿があった。

あの夜のあと、はるかも小波もあおいの舌技を忘れられず、たまに3人で激しい夜を過ごしているのは秘密だ。



4月から、あおいはパワフル大学に通い始めた。
母校、恋々高校の教壇に立つために、教職員免許を取るためだ。
勉強の傍ら、パワフル大学の野球部のコーチもしている。

「あおいコーチ!」
「ん、ボクに何か用事?」
「きょ、今日、映画見にいきませんか!?」
あおいはにっこりと微笑んだ。
「しょうがないなぁ。ちゃんと練習もするんだよ?」
「ハイッ!」

今、あおいは自分が求めた女の子としての幸せをつかむ道の途中にいる。
女性監督が甲子園の舞台に選手を導き、早川二世がプロのマウンドに立つ日も、いつか必ずくるはずだ――



おしまい
398378:2009/10/11(日) 00:28:53 ID:Kce5o9Lt
やっとこさ終わりました、378です。
こういう小説書くのは初めてだったので、すごく緊張しました。
みんなのGJという言葉がうれしかった! ありがとう!

次回また投稿するときは、大好きなあおいちゃんから少し名前をいただいて、
『801』で投稿するぜ!
ではではw
399名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 00:33:36 ID:wjBlLE6f
今日は終わりといいながら日付が変わったら書き込む>>378
GJです。
801はカンベン
400名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 00:42:35 ID:p5b+ss6P
>>378
とにかくGJ
面白かった!!
次回作も期待させてもらいます。
401名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 00:14:12 ID:YF70BfOD
乙!楽しめたぜい!
402名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 14:32:47 ID:gA+TUfsn
乙!
403名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 23:28:46 ID:cfoOMm//
乙でした!

そういえばここってパワメジャはあり?
パワメジャのマイライフはシンシアさんとかかわいい子いっぱいいるからさ
404名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 13:50:46 ID:K6tVDmvy
ありだろうよ
パワポケは独立してるし、残り分家を分けるのも面倒だしね
405名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 18:45:29 ID:WlCPlCR8
ありなんじゃね
需要があるか否かは知らんけど
406名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 17:40:38 ID:RtAdjnnR
2009のサクセスってどんなん?
407名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 17:49:10 ID:W7a5ZGlW
>>406
2009…白球 栄冠 ドリームJAPAN
NEXT…ヒーロー
ポタ4…大学野球編

15持ってるなら素直にポタ4買ったほうが良い
408名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 17:25:55 ID:TxVdzriH
捕手○
409名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 01:57:40 ID:s3N5x2d4
保守ネタ


球場が移転し話題となった広島。
その広島の若き先発小波は由宇で行われた秋季キャンプを終え帰路に就いた。
束の間の休息を満喫していたある日のこと。

「・・・う・・ん・・」
ぐっすり眠って寝ぼけている小波。
だが自分の視野の左下にオレンジ色の物体があるのが分かった。
徐々にはっきりしてゆく視界。なんだか見覚えのある髪型と顔だ。
「小波君の目が覚めましたー♪」
この声でここにいる自分以外の人物が誰だかがわかった。
「・・・・ゑ?」
「さて、2週間私を放置した罰として沢山甘えさせてもらいます♪」
カープアカデミー時代から付き合っている千夏ちゃんがここにいる。
異常なまでも俺に甘えてくる。今までは仮面をかぶっていたのか。
「キャンプなんだし仕方ないよ・・・それよりなんでここに?」
「以前小波君合鍵くれたじゃないですか♪」
見事に地雷を踏んだな、俺。
「キャンプ中もカギを使ってきゃっきゃうふふしていました♪」
「・・・まず不法侵入ね。それときゃっきゃうふふの詳細詳しく。」
「これは合法です。きゃっきゃうふふは大したことではありません」
あなたのことだからとてつもないことでしょうけど。
「・・・それで俺は何をすれば?」
「お買い物に付き合ってもらうのとなでなでしてもらうのとお姫様だっこしてもらうのと・・・」
「まだあるの?」
「あとはですね・・・」
そう言いかけて彼女は悪戯に笑った。
「秘密です♪」
「なら寝る。」
「あー話しますから寝ないでくださいっ!」
「わかったわかった。」
「それはですね・・・」
一呼吸おいて彼女はこう言った。


「保守ですー♪」


410名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 10:06:28 ID:kdlJVgUo
>>409
千夏書きたいってレスした人?
続きまってる
411名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 11:53:37 ID:bBcHZfEN
由宇球場最高や!ARAKAKIするだけで一塁ランナーが三塁までいけてしまうんや
412名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 01:21:57 ID:Ryu+jHeg
>>410
ご明答。続きはゆっくりまっててね!

>>411
really?
413名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 02:22:36 ID:YdYbxk7l
千夏懐かしいなぁ…
可愛かったなぁ。

続き期待しとります
414名無しさん@ピンキー:2009/11/01(日) 16:05:03 ID:VHvc0UEV
久々に13のタチバナで作成したら、何だかみずきと聖が読みたくなった。

「みずき、しましまだぞ」
415名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 22:25:32 ID:CAXqcHA+
13のみずき聖SSは俺の大好物
416名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 21:35:14 ID:DxupUInq
ほし
417名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 17:25:05 ID:mYIxHFXd
保守野監督
418名無しさん@ピンキー:2009/11/27(金) 22:15:19 ID:Bc4xaErI
今スレの
>>224
>>256のSS作者です。

またしても続編で申し訳ないですが、あおいプロ入り後のストーリーの構想を考えていたところ
>>378氏と設定(あおい引退)がかぶりそうだったため、その前段階の話から作り始めました。
長くなりそうな気がするのでさわりだけ投下します。
419『君を照らす灯りになれたら』:2009/11/27(金) 22:21:29 ID:Bc4xaErI
「マリーンズから移籍してきた早川あおいです。
あの、椎葉クンってボクと同期だったよね?
よろしくね。」
「よろしく?何をよろしくなんだ?
そうやって男に媚び売るんなら野球なんかやる必要ないだろ。」
俺は声をかけてきた早川あおいに目も向けず、投球をしながら言葉だけを返す。
「なっ…何?その言い方?
ボクが女だから?女だからって…」
「『女だからってバカにするなっ』とでも言いたいんだろ?
そんな風に言ってる時点でお前は自分が女ってことを武器や言い訳にしてるんだよ。」
「なにそれ…そんなんじゃなくて、同い年だし色々と相談できたりできるかと思っただけなのに。」
「同じ投手だったらまずはライバルだろ。
その相手にスキを見せるってことは自分の食い扶持を減らすってことだ。」
「随分とキミはドライなんだね、そんな気持ちで野球をしてて楽しいの?」
「少なくとも、
なあなあでやってきて入団以来三年間一軍登板がないよりはな。
客寄せパンダにもなりきれないんじゃあそりゃ放出もされるよな。」
パーン!
「確かにボクは入団して三年、一度も一軍で登板してない。
新人王を取って、三年連続で二桁勝利をしているキミとは雲泥の差だよ。
でもボクは客寄せパンダじゃない、絶対に通用してみせる。
高校時代の仲間のためにも、今野球をしてる女の子のためにも」
「お前、何のために野球してんの?誰かのため?
自分のために野球できない奴が誰かのためになんてできる訳ないだろ?」
「…」
「でも、そうゆうの嫌いじゃないぜ。
まさかビンタされるなんて、思ったより骨があるな。
お前は通用するだけのものはあると思う。
ただ、自分が女だっていう気持ちは捨てた方がいい、それは甘えにしかならないからな。」
「…椎葉クン?」
「キャットハンズへようこそ、早川あおい。
マリーンズよりうちは投手陣が弱い。
出番ができるかどうかはおまえ次第だ。
女だからとか、客寄せにしかならないって言う世間の奴らをあっと言わせてやろうぜ。」
「う、うん!よろしく!」

椎葉富暁(しいばとみあき)。21歳。
キャットハンズの投手。
背番号41
杜堺(もりのさかい)高校からドラフト一位指名で入団、一年目に11勝7敗で新人王。
二年目14勝、三年目13勝と入団以来三年連続で二桁勝利をあげ、チーム内では若きエースと言われている。
以上が俺の簡単なプロフィールだ。
420『君を照らす灯りになれたら』:2009/11/27(金) 22:22:26 ID:Bc4xaErI
高卒一年目からこれだけの成績を挙げられる選手は球史を見ても多くはない。
だからそれは俺の自慢であり、誇りだ。
ただ、俺が話題になることは少ない。
同い年に比べるのが残酷なほど突出した存在がいるからだ。

猪狩守。
名門あかつき大学付属高校で一年秋からエースを張り、三年夏に甲子園優勝。
全球団からドラフト一位指名をされ、ジャイアンツに入団。(つまり俺は外れ一位というわけだ)
入団一年目にいきなり18勝をあげ、新人王、最多勝、最優秀防御率などタイトルを独占。
二年目17勝、三年目には21勝をあげるなど、既に球界のエースとまで呼ばれている、まさに野球エリートという存在だ。

右投手と左投手。
パ・リーグとセ・リーグ
対照的だが、比較されたり、ライバル扱いされることはあまりない。
格が一つ違うという認識が世間にはあるようで、言葉にはされなくてもそれは俺も感じるところだ。



「はい、もしもし。」
「あ、はるか。久しぶり。」
「どうしたの?あおい?」
「元気してるかなって思って。
継沼クンも元気かな?」
「剛さんなら今隣にいるわよ。替わろうか?」
「う、うん。
お願い。」
「久しぶり。
今年は一軍に上がれそうか?
キャットハンズは投手陣も薄そうだし、チャンス活かせよ。」
「うん。」
「でも今年の移籍でよかったよ。
キャットハンズは正捕手もいないし、来年はチームメイトになれるといいな。」
「そうだね。
今年こそ一軍に出なきゃ。」
「そうだぞ、走り込みしてるか?
女だからって言い訳はプロじゃ通じないからな。
男の倍はやらなければな。」
「継沼クン。
実はね、椎葉クンにも言われたんだ、同じことを。
あれだけ高校のときに言われたことをいつの間にか忘れてたんだ。ごめんね。」
「遅くなんてないよ、気付いたらそこから始めればいいんだ。
はるかに替わろうか?
積もる話もあるだろ?」
「うん。お願い。」



俺は毎朝走るようにしている。
登板の日もオフの日も。
体を温め、適度な負荷がシーズン中にも疲労を蓄積させない秘訣だ。
そしてここ最近、どこから聞きつけたのか早川あおいが一緒に走っている。
「なあ、早川。」
「なに?椎葉クン?」
「意外とスタミナあるんだな。
毎日ついてくるとは思わなかったよ。」
「ボクね高二の夏に出場停止になってね、それから冬を越すまで走ることしかできなかったの。」
421『君を照らす灯りになれたら』:2009/11/27(金) 22:23:41 ID:Bc4xaErI
「その土台はあるってことか。」
「でもプロに入ってからすごくすり減ってた。
椎葉クンに言われた通り、女だってことを言い訳にしていたんだと思うんだ。
正直最初はキツかったよ。
でも高校時代を思い出したんだ。
野球ができないかもって不安は今はないもんね、野球ができる喜びをボクは忘れたらいけないのにね。」
「お前だけじゃないよ。
俺達だって同じさ、それを忘れてる奴は成功しない。
お前は気付けたんだ、今からスタートすればいい。」
「椎葉クン。
キミ、ボクの高校時代のキャプテンとよく似てる。
ついこの間電話で同じようなことを言われたの。」
「栄光学院大学の継沼だっけ?今年のドラフト候補だよな。」
「知ってるの?」
「面識はない。
でもいいキャッチャーがいると聞いて一回大学の試合を見に行ったんだ。
いいキャッチャーだ、あいつが入ってくれれば正捕手は10年は安泰だろうな。」
「継沼クンのこと誉めてもらうと自分のことみたいに嬉しいな。
ボクにとって大事な存在だから。」
「自慢の彼氏ってやつか。」
「ち、違うよ!
継沼クンはボクの親友のはるかの恋人なんだから!
大事なチームメイトなの!」
「そ、そうか。
でもまたチームメイトになれるといいな。」
「継沼クンは絶対に来てくれるよ。
ボクと約束したんだから。」
「継沼とバッテリーを組めるように今年中に一軍定着しなければな。」
そういって俺はスピードを上げた。



『キャットハンズ、選手交代をお知らせします。
ピッチャー椎葉に替わりまして早川、背番号01。』

「大丈夫?椎葉クン。」
「ああ、大したことはない。
悪いな、早川。急な出番になっちまって。
頼んだぞ。」
「うん。絶対に抑えるよ。」
ピッチャー返しで抜けそうな当たりに思わず右手を出してしまい、指に当ててしまった。
痛みはないが、かなり腫れてしまい交代。
自分で自分にあきれるくらいカッコ悪い。

「本当に根性があるって言うか、無謀って言うか。」
「面目ない。
異常はないですよね?先生。」
「骨に異常はないわ、明日一日は右手を使わないこと。それからまた様子を見るから。」
「わかりました。
あの、試合どうなりましたかね?」
「気になるなら戻ったら?
アイシングもしないといけないでしょ。」
「そうですね、ありがとうございます。」
ガチャッ!
「椎葉クン!大丈夫だった?」
422『君を照らす灯りになれたら』:2009/11/27(金) 22:24:46 ID:Bc4xaErI
「どうした?早川、そんな息切らして。
試合は?」
「椎葉クン…
ボク抑えたよ!プロ入り初セーブ!ありがとう!椎葉クンのおかげだよ。」
「ほんとか?やったな!おめでとう!
頑張ったな早川!」
「椎葉クンのおかげだよ。
一緒に練習させてくれたんだから。」
「いや、お前の頑張りだよ。」
俺達は手を取り合い喜んでいた。
「ゴホン!
お二人さん、仲がいいのはわかるけど、場所はわきまえなさい。」
「「す、すいません。」」
「あ、アイシングしてないよな、一緒に行くか。」
「うん、そうだね。」
「でもよかったな、自分のことみたく嬉しいよ。
これで一軍定着できるといいな。」
「そうなるように頑張るね。」

アイシングが終わりロッカーへ戻る帰り道、監督室の前を通ったら声が聞こえた。
『監督、ヒヤヒヤものでしたね。』
『まったくだ。
しかし、戦力として使えそうなのは収穫だな。』
俺達は顔を見合わせて喜んだ。今日の投球を認めてもらえたということだろう。
『嬉しい誤算ってやつですね。継沼獲得のためとしか考えていなかったのに。』

『フロントから獲得を言われたときは疑問ではなく、不満だったからな。
動員に困ってるにも関わらず、客寄せパンダの価値すらなくなった選手を穫るなんて正気かと思ったよ。
継沼を穫って来年にはクビと考えてたが、あの投球ができれば大差の試合や敗戦処理なら充分やれるだろう。』
「おい、待てよ!早川!」
何も言わずに早川あおいは走り出した。
「椎葉…
聞いてたのか…」
「監督、すいません。
たまたま通りかかって…
でも一つだけ言います、早川は勝ちパターンのセットアップができます。
早川を女性という色眼鏡で見ないでください。
彼女には投手としての才能があります、一緒に練習して直に感じました。
…それと、継沼の獲得お願いします。
失礼します。」
監督にそう告げて俺は早川を追いかけようとした。
「し、椎葉!」
「まだ何か?」
「早川のこと、頼んだぞ。」
「確かに早川のとこに行きます、元気付けもするでしょう。
でも監督のためではありません。
俺自身があいつの才能に惚れ込んでるから、同じ投手として成長したいからです。
それと、もし早川が聞いてなかったら俺、多分あなたのことを殴ってます。
もういいですか?
あいつのことが心配なので。」
「…ああ。」
早川…
お前が行くとしたら…
423『君を照らす灯りになれたら』:2009/11/27(金) 22:29:04 ID:Bc4xaErI
とりあえず以上です。
最近投下も少ないので保守を兼ねてですが、さわりだけで申し訳ない。

なるべく早く書けるようにしますが、案の定エロ描写はあってもわずかで、続編ばかりでくどいようでしたら、指摘してください。
424名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 00:43:38 ID:m1lyj5ND
エロだけがSSじゃないぜ
GJ!!
425名無しさん@ピンキー:2009/11/29(日) 10:04:13 ID:6c+Ipjw4
グッジョブ!
いいもん読んだ。
426名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 11:31:28 ID:fUDSCPKe
保守あげ
427『君を照らす灯りになれたら』:2009/12/11(金) 20:56:27 ID:LuB3KB/Z
>>419です。
続きやっと書き上がりました。
しかし、書く度に思うのですが、登場人物がどんどん勝手なことを言って、行動していきます。
話を集約させるのが今回も大変でした。
皆さんの期待に沿えればそれが一番です。
428『君を照らす灯りになれたら』:2009/12/11(金) 20:57:41 ID:LuB3KB/Z
最近は毎日一緒に練習しているから、あいつが行きそうな場所は察しがつく。
俺の足は自然に室内練習場に辿り着いた。
明かりがついていることから間違いないだろう。
うちのような弱小球団には夜遅くまで練習するような人間はほとんどいない。
投手陣では俺以外に二桁勝てる人間はいないし、ここ数年抑えも固定できていない。
クリーンナップも三番の三宅さんが三割、四番の葛城さんが25本打てば上出来。
三割も20本も期待できる選手は他にはほぼ皆無だ。

「早川。」
「何しに来たの?ボクをとめようとしてもムダだよ。」
俺の方には目も向けず、投球を続ける。
「そんな気はないよ。
オーバーワークになりそうになるまではな。」
怪我をするまでの過度な負荷は効果がない。
だから練習は効果的にしなければならない、休むのも必要ということだ。
「おまえは体も大きくないし、自分の体とうまく付き合う方法を見つけなければな。」
「…わかったようなこと言わないでよ。」
「そうだな、ごめん。
でも、一つだけ言わせてくれ。
俺はお前に永く野球を続けてほしいんだ。」
「永く…続ける?」
「ああ、だから体を壊すような無茶はやめてほしい。
自分の体を大事にしてくれ。」
「う、うん。わかった。
もう少しでやめるよ、あと少ししかボールもないし。」
「じゃあそんだけ受けるよ。
投げな。」
「でも、指は?」
「受けるのは左だし、投げずに受けるだけだから大丈夫だよ。
ネットが相手よりマシだろ。」

「椎葉クン。」
「ん?どうした?」
「いい音出してくれるね。」
「そうか?」
「うん、継沼クンがキャッチャーの上手さはピッチャーがノる音を出すことだって言ってたの。」
「なるほどな。一理あると思う。
確かに俺も中学の頃、そう考えていたしな。」
「えっ?」
「ああ、そっか、知らないよな。
中学までキャッチャーやってたんだ。」
「椎葉クンが?」
「そう。
帝王実業の山口って知ってるか?」
「ボク達と同じ年で一年からエースとして甲子園優勝した人でしょ。
別格な存在だったもん、知らないわけないよ。」
「あいつとバッテリーを組んでたんだ。中学時代に。
ピッチャーをやりたかったけど、勝てなかった。
中学の頃から威圧感っていうか雰囲気のあるやつだったからな。
実力はそんなに負けてないとは思ってたんだけど、それ以上の何かがあいつにはあったんだ。」
429『君を照らす灯りになれたら』:2009/12/11(金) 20:59:08 ID:LuB3KB/Z
「それで違う高校に行ったの?」
「ああ、バッテリーで帝王に誘われていたんだけどな。
ピッチャーをやりたい気持ちが抑えられなかったんだ。
それでも高校時代、あいつの居た帝王には一度も勝てなかった。
あいつと猪狩は別格だよ。
一つ年が違えば世代で一番にもなれた自信があるけど、あの二人の壁は大きすぎる。」
「椎葉クンもそんな弱気になることあるんだね。
自信満々のイメージしかなかったから。」
「なんでだろうな。
お前のそばに居ると素直になれるんだ。
弱さもお前になら見せられるっていうか…
これが恋ってやつなのかな…」
「えっ?」
…つい口走ってしまった。
気付けなかったけどこれが俺の気持ちなのだろう。
そうか、俺は早川のことを好きになっていたんだ。
「今、なんて言ったの?」
「な、何も言ってない。
お、お前と一緒にいると楽しいって言っただけだ。」
「ボクもだよ。
これだけ信頼できて、一緒にいて楽しいと思えるのは、高校時代の継沼クンと椎葉クンだけだよ。」
どうやら聞こえなかったようで少し安心した。
今はまだ伝えるべきときではない、彼女にとって今がプロとして生き残るために大切な時期だから。
「椎葉クン。ありがとう。」
「ん?何が?」
「あ、あの…ボール終わったよ。
練習切り上げよう?」
「ああ、そうだな。
少しは気も晴れたか?」
「うん。
例えどう思われても、ボクには椎葉クンがついてるもんね。
キミに出逢えてよかった。
ホントにこれが恋なのかもしれないね…」
彼女にしては珍しく聞き取りづらい小さな声で喋ったから、何を言ったか聞き取れなかった。
しかし、一つだけ思ったことがある。
早川あおいは俺のことを信頼してくれている。
それだけでいい。彼女のそばにいられるなら。



八月、優勝争いから既にチームは脱落し、順位もほぼ確定。
タイトル争いも俺が現在、防御率三位にはいるが、チーム全体のモチベーションは上がらない。
そして、俺自身も今はいい流れではない。

カーン!
打球が頭上を通った次の刹那、歓声が聞こえる。
振り返る気にすらなれない。
三戦連続でサヨナラ負け。
七月終わりまで12勝6敗とハーラートップに並び、自己最多の15勝、さらには最多勝まで見えていたのに、八月はこれで1勝4敗。
何よりも悲惨なのは八月の俺の防御率は1.71。
内容に結果が伴わないもどかしさは俺もチームも一緒だ。
430『君を照らす灯りになれたら』:2009/12/11(金) 21:00:05 ID:LuB3KB/Z
早川が中継ぎに定着し、リリーフの層は厚くなった。
やはり捕手が一番の弱点だ。
前回の登板ではエラーで出たランナーの盗塁を刺せないどころか、暴投で三進。更に外角に二つ外れる程度のスライダーをはじいてサヨナラ。
延長のツーアウトのランナーに走られるのは、なめられているとしか思えない。
俺はクイックも早いほうで、事実タイミング自体はアウトだと確信がある。
今メインにマスクを被っているベテランの谷本さんは元々キャッチングとリードはそれほど評価は高くなく、
それを補って余りある強肩強打が売りだったが、その持ち味も衰え、今年の阻止率はわずか.087とほぼフリーパス。
打率も二割に満たないなど、はっきり言ってスタメンをはれるレベルではない。
しかし、他の捕手も売りが無く、経験と実績だけで選んでいるようなものだ。

「椎葉クン。」
「早川…」
「どうしてこのチームはこんなに諦めが早いんだろうね?」
「負けることに慣れすぎているんだろうな。
俺も染まってきたのかな、だから勝ち切れないのかな。」
「そんなことはないよ!
椎葉クンは誰より勝ちたいという気持ちを出してる。
一人だけだもん、今日の試合で悔しがっていたの。」
「一人だけ…か、
確かに去年まではそうだったな、孤独だった。
一軍で俺が一番若くて、先輩達に不満持ってても、なかなか言えなくて。
今年も二桁勝ったらポスティングでアメリカに行こうと思ってたんだ。
このままここに居たら俺はダメになる、野球が嫌いになるって、そう考えてた。
でも…」
「でも?」
「お前が来て、一緒に練習するようになって、頑張ってる姿を見て、まだ捨てたもんじゃないって思ったんだ。
一人でも思いを持った奴が増えればきっと変わる。
今年はおまえ自身が定着することにいっぱいいっぱいだった。
でも居場所ができたんだ、来年は少しでもチームを変えられるように手を貸してくれ。」
「うん。
椎葉クン、一緒にいいチームを作ろ。
こんなにボクのことを評価して信頼してくれるのは、キミが初めてだよ。
椎葉クンと出逢わなかったら今年で諦めてたかもしれないな。
でも、そうだったら継沼クンとプロでバッテリー組む約束も守れなかったんだね。
来年は継沼クンも来るし、椎葉クンの味方になってくれるよ。
二人はそっくりだもん。野球への向き合い方が。
楽しみだな、ボクたちで黄金時代を作りたいね。」
431『君を照らす灯りになれたら』:2009/12/11(金) 21:01:03 ID:LuB3KB/Z
「お前は本当に継沼を信頼しているんだな。
お前がそれだけ言うならきっと選手としての能力だけでなくて、人間的にもいい奴なんだと思う。
一緒にやれるのが楽しみだ。」
「うん。
ボクがプロに入れたのは継沼クンのおかげなんだから。
ボクは野球を諦めそうになったときにいい出会いがあるんだ。
継沼クン、そして椎葉クン。
その二人と一緒に野球が出来るなんてボクは幸せだね。」
嬉しそうに話す早川を見て少しだけ胸が切なくなる。
確かに俺は彼女にとって特別な存在にはなっていると思う。
しかし、必ず継沼の名前もそこには出てくるわけで、その度に俺の知らない早川と継沼の時間を思い知る。
継沼には恋人が居ると聞いた。しかもその相手は早川の親友。
早川の性格からして継沼と一緒になることはないだろう。
しかし、だからこそ言えない俺が居る。心の隙間につけ込むようなまねは出来ない。
「どうしたの?椎葉クン。
ボクの顔に何かついてる?」
「えっ?
いや、何も…」
「本当?ジッと見てたから。」
お前が可愛くて魅力的だからだよ、見惚れてたんだ。
そう言えたらどれだけ楽だろう。
「大丈夫?顔赤いよ。
熱があるんじゃない?」
顔が赤いのはたぶん間違いない。でもそれは熱のせいじゃない。
早川が額を近付けてきて、思わず俺は顔を背ける。
「いや、ほんとに熱なんかないよ!
大丈夫だから!」
好きな女性にそんな近づかれたら、正気でいられるわけがない。
「ならいいけど…
ボク、何か変なことした?」
「そんなことないよ。
何もないから。」

俺は今まで誰かを好きになったことがない。
中学時代は四番を打ってたし、高校時代はエースだったから、自分で言うのはなんだが、それなりにモテた。
バレンタインには下駄箱に溢れるとまではいかないが、いくつかはチョコが入っていたし、ラブレターをもらったり、告白されたことも数度ある。
だけど誰とも付き合ったことはない。
単純に中学時代は興味がなかったし、高校時代は念願のピッチャーになれたばかりで余裕がなかった。
プロに入ってから女の子と遊んだことはあるけれど楽しいと思ったことがない。
何も目標もなく日々を無駄に過ごす人間なんて話していても面白くないし、そんな女には俺の考えはまず理解すらされなかった。
チームメイトにはストイックで、頑固すぎると言われたこともある。
432『君を照らす灯りになれたら』:2009/12/11(金) 21:02:13 ID:LuB3KB/Z
しかし、自分の仕事だ。
努力や勉強をせずに遊んでいる奴こそ俺には理解できない。
だから俺には色恋沙汰というのは無縁のものだと思っていた。
身を固めるにしても見合いなり紹介なりで、社会的な信頼や野球に専念できる環境を得るための行為であり、
世間で言われるような恋愛感情が俺にあったことに驚く。

「なあ、早川。」
「どうしたの?椎葉クン?」
「継沼はお前の友達の彼氏だって言ったよな?」
「うん、親友のはるかの彼氏だよ。」
「その、なんていうか、お前とは何もなかったのか?
いや、だってバッテリーを組んでたってことはそういうこともあるんじゃないかとか…
いや、その、つまり…」
我ながら何を聞いてるのか、何を言ってるのかわからない。
呆れるくらいに幼いことを言っている。
「ボクも好きだったよ、継沼クンのこと。」
…そうだよな。わかっていたことだ。
「でも、今はそんな気持ちは全くないよ。親友の彼氏ってだけじゃなくて。」
「え?」
「継沼クンはね、与えても求めないって言うのかな、
はるかみたいなお嬢様を守るタイプの人なの。
だからボクみたいな子と付き合ったらお互いに疲れちゃう。
ボクはお互いに言いたいこと言ってぶつかっていける人がいいな。
椎葉クンみたいに。」
「早川…
俺、勘違いするぞ。そんなこと言われたら。
その気にさせるなよ。」
早川の目がこころなしか潤んでいる。
「ばか…」
「…」
「勘違いさせるためなんかじゃないもん。
ボクなりに勇気出して言ったのに…」
「え…
それは、つまり…」
「気付いてよ、ボクは…」
「待った!
こういうことは男から言うべきことだ。
だから、俺から言わせてくれ。」
早川とまっすぐに向き合う。
「早川、俺はお前のことが好きだ。
…」
だめだ、緊張して二の句が接げない。
そんな俺を察したのか早川が笑顔を見せる。
「ボクも椎葉クンのことが好きです。」
そう言って彼女は俺の胸元に頬をつけた。
「早川、ごめんな。
こういうことには意気地のない男で。
ノーアウト満塁の場面の方がずっと楽なくらい緊張したよ。」
「椎葉クン、一つだけワガママ言っていい?」
「ああ。」
「ボクのこと、あおいって呼んでほしいの」
「わかったよ。はやか…いや、
あ、あおい。」
まるで中学生のような、とても二十歳過ぎた大人の恋とは思えないぎこちなさだが、俺たちはこうして付き合い始めた。
433『君を照らす灯りになれたら』:2009/12/11(金) 21:12:14 ID:LuB3KB/Z
以上です。

最初の構想では、これから
継沼入団(一レス)→翌年にミラクルメッツのような感じで優勝(三レス)→
シーズンオフに椎葉がアメリカへ(一レス)→二年後にあおい引退(二レス)→
十数年後あおい監督代行から正式に就任。椎葉も引退し帰国。投手コーチに就任し、正式にプロポーズ(二レス)。
という流れを考えていましたが、ここまで書くと長編になりすぎそうだったので、一度区切ります。
書けるとしても小出しになりそうなので、申し訳ないです。
保守になれば幸いです。
434名無しさん@ピンキー:2009/12/12(土) 03:09:16 ID:wn5r2gA3
GJ
エロが無いのが逆に新鮮だ。
435名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 11:23:11 ID:FyZuvtc3
ググググッジョブ!!
436名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 13:25:11 ID:qMtdUkDA
GJ
10主でしょうか?
437名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 21:35:40 ID:i/cUuLfF
ひじりんで一本ちゃっとやってみたけど、エロはやっぱ難しいわ
どーしてもリビドーのせいで勢いだけになるし、纏めんのが難しい。
ひじりんを絶頂させる事が出来たら投稿するかもしれないが、俺には難しいかもな……
438名無しさん@ピンキー:2009/12/13(日) 22:50:08 ID:bPAKJv7d
>>437
最近、ひじりん分が足りない俺を助けてくれ
439名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 00:28:49 ID:+lGbbdTd
>>438
鬼畜でいくかノーマルでいくか迷ってる……
まあ出来たら投稿するよ
440名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 00:51:00 ID:hGRCRsBu
間を取って合意の上のラブラブ鬼畜にするとかどうだろう
441名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 11:20:29 ID:D9zrV/T/
鬼畜は人選ぶからノーマルでお願いします
442HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/12/14(月) 16:43:21 ID:fOmKAzSA
え〜前回の投下からとんでもない時間が経過していますが、
お久しぶりです。時間が経とうと変わらずひじりん大好きHMA−15です。
ちまちまちまちま夏祭りネタを書いていたのに出来上がったのは真冬・・・
>>439はまだそうだから投下しますね。

エロありません。
443名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:44:24 ID:fOmKAzSA
「夏祭り行くわよ!」

太陽がこれでもかとバーゲンセールのごとく熱を絶賛放出中の夏のある日、
我が彼女(仮)が練習が終わったあとみんなの前で突如そう宣言した。
あんだけ練習した後だというのに彼女の髪はふわりと軽やかにゆれた。
ここは聖タチバナ野球部部室。
俺の「は?」という間抜けな声を残して部室が沈黙する。

「だからぁ夏祭り! 近所で今日の夕方からやるのよ、みんなで行こうよ」

なるほどそういうことか、あまりに突拍子もない話だったから少し驚いた。
それと同時に俺は通学路の電信柱に張られた地域の祭りのポスターの存在を思い出した。
さて、どうしようか。このあと特に予定もないし俺は断る理由は見当たらない。
こんなに馬鹿げた暑さの続く毎日だ、たまには息抜きしないとまいってしまいそうだしな。
しかもこの夏祭り、小学生のころから毎年行っている。なんとなく、皆勤を崩したくないという思いもある。
まぁ文句を唱えそうな奴と言えば・・・

ここで俺は隣に座っていたメガネの親友に視線を移す。

「オイラはこれから見たいアニメがあるでやんすが・・・」
予想通りだ。とたんに言いだしっぺのみずきちゃんが不機嫌そうな表情に変化するのがわかったので、

「何言ってるんだよ矢部くん。夏祭り行けば浴衣のきれいなおねーさんがたくさんいるよ?」
と普通なら100%つられない科白を言う。
がここでつられてくれるのが我が親友クオリティ。
「小波くんオイラが間違っていたでやんす! 行くでやんす!」
さすが、いろんな意味で期待を裏切らない男だよ君は。

「小波くんナイス、さすがね」
とみずきちゃんに耳打ちされたので「当然」と返した。
「聖はどうする? 夏祭り行く?」
部室の一角でミットの手入れをしながら俺たちの話を聞いていた聖ちゃんは顔を上げ、
一瞬考えてから答えた。

「みんなが、行くというなら」





『優しい時をともに』


444名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:45:19 ID:fOmKAzSA
少し遅れたが自己紹介。俺の名前は小波 海。
聖タチバナのエースナンバーとキャプテンという役職を背負って日々練習に励んでいる。
変化球やコントロールはともかく、球速とスタミナには結構自信がある。調子がいいときは150キロオーバーもある。
しかし実際に大会を振り返ってみれば省みるべき点も多く、聖ちゃんの感想も相まって十分にそれを実感できた。
ちなみに今年の夏はあと一歩のところで甲子園を逃してしまった。
だが来年こそはとチームの団結力は以前よりも増したと思う。

約束の時間の15分前、少々早かったかなと思いつつ俺は今年の夏を少し振り返っていた。
思えば色々あった、俺とみずきちゃんの相棒、聖ちゃんの誕生日を祝ったり、惜しくも甲子園直前で涙を呑んだり、
ひたすら一途に練習に明け暮れたり。
はは、こう考えると本当に野球ばっかだな俺。でも野球のおかげでこんなに良い仲間たちに出会えた。
これはとても貴重なことだ。今日は思いっきり楽しもうと思う。
自然と顔に笑みが浮かぶ。これじゃあただの怪しい人だ。自重自重っと。

「先輩? 何かいいことでもあったのか?」
自重する前に見られていた。少し恥ずかしかったが相手が聖ちゃんだったので安心する。

「いや、なんでもない。おっ聖ちゃん今日は浴衣だね、似合ってる似合ってる」
着物とはまた違った趣があり、夏を感じさせる。
水色から藍色のグラデーションが美しい。一緒にいてほっと落ち着ける、そんな印象を受けた。
それにしてもここまで和服が似合う女の子も今となっては珍しいんじゃないか?
「そ、そうかありがとうだ」
少し照れたように見えたのはまだ沈まない黄昏の光のせいだろうか。
夕日に照らされた聖ちゃんはなんとも幻想的な雰囲気で思わず魅入ってしまった。
こうやって見るととても俺の球を受けてる捕手には見えない。
445名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:46:04 ID:fOmKAzSA
「そういえば私、こういうお祭りに来るのはほとんど初めてなんだ」
聖ちゃんがそう言うのと同時に彼女の頭の髪飾りが夕日で煌めき、俺は目を細める。
「へぇ〜ちょっと意外かも、でもほとんどって?」
「昔私がとても小さかったころにお父さんが連れて行ってくれたらしいのだがよく覚えていないんだ」
本人は覚えていないとの弁だが想像してみるとなかなかにほほえましい光景ではある。
「なるほど、じゃあ今日は楽しい思い出でいっぱいにしよう、絶対忘れないくらいに」
あの誕生日会の一件で彼女の色々な面を見た。
親の代わりに、などとおこがましいことを言うつもりは毛頭ないが寂しい思いはさせないと、
みずきちゃんと密かに約束をした。

「そう、だな・・・そうしたいぞ」
目を閉じ、聖ちゃんはゆっくりとつぶやいた。

「あら、二人とも早かったわね」
ここでみずきちゃん+ズッコケ三人組が登場。
みずきちゃんも聖ちゃんと同様に浴衣を身にまとっていたが受ける印象はまるで違った。
もう一度沈みかけた夕日が顔を出しそうな・・・そんな明るい印象を受けた。
服ひとつでここまで印象が変化するとは・・・文化というのはやはり尊重すべきものらしい。
だからといって服装ひとつで態度を変えるのは失礼極まりないとは思うが。

「俺は15分前に着いちゃってさ、暇かなと思ったんだけど聖ちゃんがすぐに来たから退屈しなかったよ。
まぁ俺も聖ちゃんも家がここから近いから当然ちゃ当然なんだけど」
日はいよいよ沈み、気持ちを高揚させる祭りのリズムが響き渡り始めた。

「残りは矢部くんか。さしずめアニメの録画で遅れたでやんす〜とか言うんだろうなぁ」
「だろうな」
「そうね」
「はい」
「そうですね」
「違いないや」
俺の一言にその場のみんなが口々に賛同する。

「ごめんでやんす〜! ガンダーロボの録画予約をして遅れたでやんす〜!」

一同は爆笑した。
446名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:46:59 ID:fOmKAzSA
「さすがに結構混んでるわね、これじゃあこの人数で動くのは厄介かも」
かなりの量の人を見て軽くため息をつくみずきちゃん。
「確かにね、まぁ携帯もあるし、ばらばらでもいいんじゃない? 花火大会までに焼きそばを確保しとけば」
祭りのお約束を言うとみずきちゃんは上機嫌で返事をよこした。
携帯の電池を確認する。げっ、あと2つか・・・もつ・・・かな?
この手の機械はゲージが1つ減ると残りのゲージが無くなるのが妙にはやい。
「うんうん、さすが小波くんわかってるじゃない! そうしましょ!」
手のひらとひらをパンと合わせて笑顔を見せる。
そしたそのままみずきちゃんは一目散にカキ氷やらたこ焼きやらの食べ物の屋台のほうへ掛けていった。
それに原、大京、宇津も続く。本来ならここで俺も続くはずなのだが今日は不思議とそんな気分にはなれなかった。
はしゃぎまわるのも一興だが今日はのんびりと眺めて回りたい気分だったのだ。

「小波くん。オイラ、見てしまったんでやんすよ」
呆けたような表情で矢部くんが言う。
「ん? 何が?」
「さっき見かけたくじ引き屋の特賞、ガンダーロボの限定フィギュアだったでやんす」
そわそわと落ち着かない様子の矢部くんを見て俺は軽くため息をつく。
「分かった。それ以上は何も言わなくていいから。行っておいで矢部くん」
「合点でやんす!」
自慢の俊足もここじゃあ危ないだけだ。ほどほどにしてくれ。
そんな想いが届くはずもなく、あっという間に見えなくなった。友よ・・・浴衣のおねーさんはいいのか?

「・・・みんな行ってしまったな」
不意の声に内心驚くもすぐに気を取り直す。
「うん。聖ちゃんはどこか行きたいとこないの?」
「無い・・・というよりも何があるのか分からないんだ。さっきも言ったようにほとんど初めてだから」
だが視線はあちこちに移ろい、興味の対象が変わっていく。

これは・・・夏祭りに何があるか分からないと答える人がいたとは・・・
確かに聖ちゃんは少し変わった環境で暮らしてきているし、
日ごろの会話の微妙なずれなんかも考えたらおかしくはないのかもしれない。
そうそう、人間ってのは教えたがりな生き物らしい。現に今の俺にもその衝動が確かにある。
約束もあるしな。・・・おっと勘違いしないでもらおう、別に約束で縛られているわけでは断じてない。

「よし、じゃあ小学生からこの祭りの皆勤賞であるこの俺が案内してあげるよ」
これで断られたらかっこ悪いなんてもんじゃないなと、ふとそんな嫌な考えが頭をよぎったのだが・・・
「本当か?!」
予想外に素敵な表情が拝めたので数秒前の自分に感謝する。

447名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:48:01 ID:fOmKAzSA
「わっわっ! せ、先輩あれはなんだ?」
「あれはわたあめだよ」
クールなスポーツ少女がわたあめに目を輝かせるなんて・・・やばい、正直ぐっと来た。
「まるで雲のようだが・・・た、食べられるのか?」
「もちろん、しかも甘くて美味しいよ」
甘いという言葉が出た瞬間の聖ちゃんの表情は永久保存に値する。

「おっ、海じゃねぇか! 今年もきやがったな? 射的屋のオヤジにもう来んなって言われたのによ」
懐かしい声とともに初老の男の姿を認める。
「おっちゃん久しぶり! さすがに今年は自重するよ」
去年の出来事を振り返り、思わず苦笑いをする。
「先輩何をしたんだ?」
「あぁ、えっと―――」
彼女の問いに答えようとしたがわたあめ屋のおっちゃんに遮られる。
「なんでぇ海! こんなかわいらしいお嬢ちゃん連れてよ! お前もすみに置けねぇな!」
調子のいい笑い声とともにばんばんと俺の肩を叩く。
「なっ! 違うっておっちゃん、彼女は部活の後輩で・・・!」
あわてて弁明するも陽気に笑うおっちゃんには大して効果もなく、

「まぁまぁ照れなさんな、今回はサービスしとくからよ!」
と気前よく大き目のわたあめを二つ渡され、
「彼女をしっかりエスコートするんだぜ」
と背中をばんと叩かれ、見送られてしまった。
やれやれ完全に勘違いをしているな。が、まぁせっかくだからわたあめはありがたくいただいておこう。
それにしてもさっきの俺はえらく動揺していたな。全く俺も焼きが回ったか、何をそんなに動揺してるんだか。

448名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:49:05 ID:fOmKAzSA
ひとまず適当に座れるポイントを確保し、落ち着く。
「わっ、意外と口の中ですんなり溶けるのだな」
わたあめを一口口にしたときの聖ちゃんの感想はこれである。俺も小学生のころ同じ感想を持った。
「やっぱそう思うよな。俺も初めて食べたときそう思ったよ」
コクコクと頷きながらわたあめを聖ちゃんは着々と減らしていく。

「さっきはおっちゃんが妙なこと言ってて悪かった、
気分悪くしたかもしれないけど悪い人じゃないから許してあげて」
「そんなこと気にしてないさ、気前のいい素敵な人だ」
すっかり小さくなったわたあめを見つめて微笑を浮かべる聖ちゃんはなんというか、一枚の絵画のようだった。

「それにしてもわたあめを知らないのは驚いたな」

「今まで、一緒に行く相手もいなかったしな。
こんなにぎやかな行事に私みたいな学生の女がひとりでというのもなかなか滑稽なことだし」
微笑に影を落とした自分の発言の迂闊さを呪い、俺は聖ちゃんにすぐに謝った。
「いいんだ先輩、今日今現在一緒に祭りに行ける仲間がいるのだから私は幸せだ」
「そっか」
なかなか嬉しいことを言ってくれる。
「先輩こそ、私の案内ばかりでいいのか? 毎年来ているのだろう?」
「俺から案内を申し出たんだからいいに決まってるだろう。みずきちゃんのアクティブさに今はついてける気もしないし、
それに人間ってのは教えたがりだから、こういう祭りも俺は楽しいよ」
ましてやかわいい後輩のためなら喜んでだ、と思ったがさすがに口にはしない。
「そうか」
今度は聖ちゃんが先ほどの俺と似た返事をよこした。
声色は明るく、どことなく嬉しそうな響きだったのは俺の勘違いではないだろう。

449名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:50:01 ID:fOmKAzSA
ふと周囲を見渡す。

「もう一回引くでやんすよ!」

幻聴、幻覚であってくれたほうがよかったかもしれない。
目に付いたくじ引き屋の前には見覚えのあるメガネの男、後ろに不安げな表情の少年少女。
そして屋台にはおろおろした様子のおじさん。
「あの馬鹿は・・・聖ちゃん、ちょっと案内待って」
眉間に手を当ててため息をつくというありがちな動作の後に聖ちゃんの方を見る。
「あぁ、私も行く」
残った串をくずかごに放り込むと聖ちゃんは立ち上がった。

「矢部くん、気持ちは分かるけど後ろに控えてる子供たちの視線を感じないのかい?」
ぽんと親友の肩を叩いてやる。
「でも、でも次で出そうな気がするでやんすよ!」
だめだこいつ、確実にギャンブルしたら破滅するパターンの人間だ。
「はいはい、とにかく一旦後ろに回ろうな」
「あぁっ! あと一回分まだ残っているでやんす!」
あぁもう面倒くさいな。
「聖ちゃん、かわりにちょちょいと引いちゃってよ」
おじさんにすいませんと体だけで謝りつつ聖ちゃんにくじ引きを催促する。
「む? 分かった」
聖ちゃんは若干申し訳なさそうに屋台のおじさんに一礼してから箱の中をあさる。
「オイラが引きたかったでやんす・・・」
なんてつぶやきが聞こえたが面倒なのでスルーする。
「む、特賞だ」
大した感動も見せずに聖ちゃんが特賞と書かれた質素な紙をこちらに見せる。

「と、特賞〜! 特賞が出ました〜!」
ハンドベルの音ともに若干頼りないおじさんの声が響き渡る。

「さて、矢部くん。一応君のお金で引いたくじだからあれは君のものだ。聖ちゃんはいらないだろうから。
何か文句でもありますか?」
作り笑いをしながら矢部くんの肩をぽんぽんと叩く。

「いやいや、滅相もないでやんす」

450名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:51:03 ID:fOmKAzSA
「まぁこうなっちゃあ矢部くんと聖ちゃんの引きの強さに感謝かな」
結局あのあとくじ引き屋のおじさんにお礼にとこの祭りで使える食べ物の割引券や無料券をいただいた。
顔なじみというのはつくづく便利なものだ。
さらに眩しすぎる笑顔で少年少女にお礼を言われたのだ、実にいい気分だ。
「本当に適当に選んだだけだぞ?」
「だから引きが強いって話だよ」
そう言いつつおじさんがくれた券の内容を確認する。
ふむふむ、カキ氷2つにたこ焼き1つが割引、そして焼きそば1つが無料!
ずいぶんと豪華な内容だ。もともとくじ引きの景品のひとつだったようだ。

「まぁ花火大会までにはまだ時間があるし、もう少し色々見て回ろうか」
ひとまず券を財布にしまい、俺は聖ちゃんに提案する。
本当ならこの券は聖ちゃんが持つべきものだが今日は俺が案内人なので使用は俺に一任するそうだ。
「うむ。そうしたいぞ」

「じゃあカキ氷でも食べ歩きつつ屋台でゲームなんてどう?」
カキ氷とでかでかと書いてある屋台を指差し、言う。
「ふふ、小波先輩にお任せだ」
「よし! じゃあまずカキ氷買いに行こう!」


「・・・先輩、この”ぶるーはわい”という青いものはなんだ?」
場所は変わってカキ氷の屋台前、
様々なカラーのシロップの中で青色の液体に聖ちゃんは興味を示した。
「やっぱ気になる? 俺も実際になんなのかはよく分からないんだ、
でもハッキリといえるのは美味しいってことかな」
俺のこの発言に聖ちゃんはますます不思議そうにそれを見つめる。
「そうなのか? 味が皆目見当もつかないのだが」
確かにこの外見と名前じゃあ無理もない。
「まぁ確かにな、でもさっぱりとした甘さで俺は大好きだよ」

451名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:52:00 ID:fOmKAzSA
感心した様子でブルーハワイのシロップをみつめる聖ちゃん。
「まぁとりあえず食べてみなよ。ここは俺が奢るからさ」
「そんな、自分の分は自分で出す」
と言いつつ自分の財布を取り出そうとした聖ちゃんを手で制す。
「いいからいいから、聖ちゃんのおかげで手に入った割引券もあるし、
気分的には俺が奢ってもらってる気さえするから、ここは俺が払うよ」
それでも聖ちゃんは納得できない様子でなかなか取り出した財布をしまってくれない。

「あら? 海ちゃんじゃない! 今年も元気そうねぇ」
ふとこれまた久しぶりな声を聞く。
「どうも、さっきわたあめ屋のおっちゃんにも似たようなこと言われましたよ」
このおばちゃん、立ち話が大好きなので上手く切り抜けなければならないのだが今年の話題は
面倒極まりないものだった。

「うふふ、さっき話を聞いたんだけど本当みたいね! 可愛い彼女さんね?」
あのおっちゃんは・・・
立ち話なんかしてる暇があったら子供たちのためにひとつでも多くのわたあめを作って欲しいものだ。
そして勘違いがこうして広まっている。祭りの間は面倒なことになりそうだ。
「だから違いますって、おっちゃんの勘違いですよ」
それでもここで肯定してしまえばもしかすると学校でも支障をきたす可能性がある。
否定せねばなるまい。まるで俺が聖ちゃんと付き合いたくないと言ってるようであまりいい気はしないのだが。
ただし、今日の聖ちゃんがかわいい、否、今日もという点だけは全力で賛同させてもらう。

「あらそうなのぉ? でも海ちゃんがなんと言おうとカップルにしか見えないわよ?」
ぐ、確かにそれはそうだ。みずきちゃんはみずきちゃんで屋台の食べ物に夢中だ。
俺が連れて行かれなかったあたり、偽りの関係であることを痛感させられる。
というより俺はこんな場所でみずきちゃん以外の女の子と二人きりでいて大丈夫なんだろうか?
こんな心配が頭をよぎる。しかし自分が言い出したのだからそれを放棄するなどとんでもない。
俺も楽しんでいるのだから自己責任だ、まぁなんとかなるだろう。

「すまない先輩、私のせいで・・・」
聖ちゃんの言葉に首を全力で横に振る。
「何言ってんだよ、聖ちゃんは全然悪くないだろ。俺が案内するって言ったんだから気にしない!」
ポンと彼女の肩を叩く。ついでにおばちゃんにブルーハワイを2つ注文する。
はいよ! という返事のあとに巨大な氷のブロックが機械のなかで高速回転を始める。
「・・・優しいな」
「ん? なんか言った?」
聖ちゃんが何かを言ったのは分かったのだが肝心の内容が聞けず、本人に聞いても答えてはもらえなかった。
おばちゃんがほほえましげにニコニコしていたのが妙に気になった。
452名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:53:00 ID:fOmKAzSA
「はいお待ちどうさま! ちょっとサービスしといたわ〜!」
ニコニコしながらそう言ったおばちゃんにお礼をしてその場を去る。


「さて、じゃあ遊ぶ前に一口食べてみなよ」
氷の山の頂を彩る美しい青色をプラスチックのスプーンで指差し、俺は言った。
「じゃあ、先輩。いただきます」
強引に俺がおごったかき氷の山を少々控えめに削り取る。
「ん・・・おいしい」
「だろ?」
最初の一口は恐る恐るだった聖ちゃんも段々とペースが上がっていく。
どうやら気に入ってくれたようだ。だけどそのペースだともしかしたら・・・
「っ! ・・・んくぅ・・・」
不意に聖ちゃんの持つスプーンの動きが止まり、わずかにうなりだす。
少々不謹慎だがかわいいと思えた。
「あわてんなって」
「ぐ・・・おいしくてつい・・・な」
ひとまず頭の”キーン”は引いたようでペースを落として再び食べ始める。

「よし、んじゃぼちぼち遊びに行ってみる?」
カキ氷の残量が半分程度になったところで俺はこう提案した。
「ん、分かった」
こう言った際にちらりと聖ちゃんの青く染まった舌が見えた。

「あはは、聖ちゃん今舌が真っ青だったよ」
このブルーハワイを食べれば当然の結果である。
「むぅ、先輩だってそうじゃないか」
ぱっとすかさず口を覆いながらも聖ちゃんが抗議する。
その少し不服そうな表情も今の動作と上目遣いのせいでちっとも怖くない。むしろかわいい。
「まぁね、でもこれもブルーハワイの醍醐味だと思うんだよね」
わざと舌を出して強調してみる。
断っておくが努めておどけた表情で舌を見せたつもりだ。
笑顔で舌を出すなど可愛い女の子だけが許される芸当だしな。
「そういう・・・ものなのか?」
「うん、この状態になると夏だーって感じがするんだ。少なくとも俺は」
子供っぽいようなじじくさいような我ながら微妙な発言だったと思う。が聖ちゃんは
「そうか」
と微笑をたたえてこちらを見るばかりだった。
453名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:54:00 ID:fOmKAzSA
「ようし、聖ちゃん。輪投げでいっちょ勝負だ」
「望むところだ先輩」
この輪投げ、得点に応じた景品がもらえるという単純明快なシステムだ。
また、最高記録更新者には特別賞でさっきもらったみたいな割引券がもらえる。
が、今の俺たちにとって重要なのは景品ではない。

「ふ、聖ちゃん。皆勤賞の力を見せてあげるよ」
通常初体験のゲームで経験者が本気を出すのは非常識な行為だが相手は聖ちゃん。
おそらく絶妙なリングコントロールを披露してくれることだろう。相手に不足はない。
「先輩、そういう発言をして実際に勝利した人を私は見たことがないぞ」
さりげなく痛いところを突かれた気もするが気にしないでリングを手にとる。

ルールは何秒で9つのポールにリングをひっかけられるか、だ。
これとは別に制限時間内でどれだけひっかけられるかというのもあったが我々野球人としては、
こちらのほうが技術力と精神力が養えそうだしな。ちなみに2分経過で強制終了だ。
よし、行くぜ。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「・・・すごいなお嬢さん。まさかこの海に勝っちまうなんて」
このセリフは店のおじちゃんのものだ、そりゃあ近年のレコードホルダーの俺が負けたのだから無理はない。
しかし負けた・・・だと。
正直めちゃめちゃ悔しい。ここ2、3年は無敗だったのに。
超集中があったとはいえ、負けるつもりはなかったのでショックである。

「マジかよ、全力でやったんだけどな〜」
「といっても1秒しか変わらないんだ、そう大差ないさ」
と言いつつも嬉しそうな様子でカキ氷を食べる聖ちゃん。
「その1秒が大事なんだよ、ちくしょー次は負けねー」
F1などではコンマ1秒以下を争うような戦いが繰り広げられており、
それを考えたら1秒というのは大差だといえる。
こんなお祭りのゲームで何を言ってるんだといわれるかもしれないが一応エースナンバーを背負っているのだ、
後輩に負ければそれは当然くやしいだろう。
454名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:55:00 ID:fOmKAzSA
その後も聖ちゃんとともに様々なゲームで勝負したり遊んだりした。
射的屋では去年勢いあまって景品全撃墜なんてこともしてしまったので今年は自重した。
ヨーヨーすくい、金魚掬い、的当て(これは俺が勝ってリベンジに成功した。)など、
会場にあるあらかたのゲームは遊びつくした。
最初から最後まで、あとはひたすら楽しいだけだった。
俺はもちろんだが聖ちゃんもかなり楽しんでくれたようでそれが非常に嬉しかった。
他にも普段はまずお目にかかれない聖ちゃんの様々な表情も拝むことが出来た。
楽しい時というのはあっという間に過ぎるものであと15分程度で花火大会という時間にまでなっていた。

「ふ〜かなり遊んだけど時間的にはちょうどいい感じかな?」
「そうだな。ありがとう先輩、楽しかったぞ」
面と向かってお礼を言われ、微妙に怯んでしまう。情けない・・・
いや、誰だって普段なかなか表情を変えない女の子の笑顔を見たらドキッとするだろ?
「お、おう。でも真のお楽しみはこれからだよ、ちょっと焼きそばを買ってくるからここで待っててくれる?」
照れを隠すように俺が言うと聖ちゃんはこれを了承した。
「ん、分かったぞ」


一般的にこういった祭りの屋台の食べ物は値段が高めであることが多い。
しかし今回はしつこいようだが聖ちゃんのおかげで2つの焼きそばを1つ分の値段で買うことが出来た。
花火大会が近づき、多くの屋台はもう店を閉じていたのだが焼きそばは人気だった為にまだ間に合った。
焼きそば屋のじいさんからも彼女はどうした? と聞かれてしまった。
これはこの際どうでもいい、それ以上に物騒な話を俺は聞くことになった。
「・・・そうか、待たせているのか。早く戻ってやったほうがいいぞ。がらの悪い連中がうろついてるみたいだしなぁ」
手際よく焼きそばのパックを輪ゴムでとめるとこれまた手際よく袋に詰めて手渡してくれた。
「そうなんですか。ありがとうございます、じゃあすぐにでも行きます」
「そうしてやりなさい」
455名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:56:02 ID:fOmKAzSA
嫌な予感というのは総じて的中するものである。
フラグなんて言葉もあるがこれは不思議なほどに当たるものだ。
死亡フラグなんてのが有名か? 友人が戦いを目前にして戦いが終わったら〜などという・・・
いや、そんなことは今はどうでもいいな。
駆け足で戻ったのだがすでにいかにも不良といった体の男たちに聖ちゃんは囲まれていた。
人数は3人。微妙な人数である。が、少なくとも助け出さなきゃまずい。
なるべく気持ちを落ち着かせ、ゆっくりと背後から近づく。
大丈夫、これ以上に緊張する場面を俺はマウンドの上で何回も経験している。
なぁに、死にはしないだろう。
「な〜いいじゃんよ〜君みたいなカワイイ子を置いていくような男なんかほっとこうぜ」
俺を待ってるとでも聖ちゃんは答えたのだろうか。
リーダーと思われる男が聖ちゃんの腕を強引につかんだのが見えた。
「っ! 触るなっ!」
すかさずそれを聖ちゃんが払う。
「あ? 空気読めよ、犯すぞ」
「ぎゃはは、素を出すなよ、怖い怖いっ!」
聖ちゃんの体がびくっと震えたのを見た瞬間に俺はリーダー格の男に一気に近づいた。

「んだてめー・・・がぁっ!?」
相手にするのも馬鹿馬鹿しいので男の急所にてきとーな力で蹴りを入れる。
ついでに取り巻きの鳩尾あたりに裏拳を入れておく。
気持ち的には全力でやりたかったが洒落にならなそうなので手加減はする。
突然の出来事に不良どもがひるんだのですかさず聖ちゃんの手を取り、
「とりあえず逃げるよ!」
とだけ告げて走り出す。

「追えっ! ぶっ殺してやる!!」
セリフの割には情けない格好の男を内心笑いつつもスピードは徐々に加速させていく。
意外と与えたダメージは大きかったようでスタートの段階でかなりの差をつけることに成功した。
だが追ってくる取り巻きA、Bとの差は広がるどころか縮んでいく。なぜ?
俺は走力にはそれなりに自信がある。
ここで一つ、この状況においては重要なことを思い出す。
やばい、聖ちゃん足めちゃめちゃ遅いんだった。しかも浴衣ときたもんだ。
かといって無理にスピードをあげれば聖ちゃんが転んでしまうかもしれない。それはまずい。
あともう少しで花火大会の人ごみにまぎれることが出来るのだが・・・
456名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:56:59 ID:fOmKAzSA
ええいやむを得ない、あとで謝ろう。今は逃げ切ることが先決だ。
そう決心すると俺は聖ちゃんの体を持ち上げ、そのまま抱え込む。
あとから考えてみればこんときの俺の思考回路はどうかしてたとしか思えないのだが、
人間切羽詰ると何をやらかすか分からないからな。そういうことにしておいてほしい。
うおっなんて軽さだ。
「せ、先輩?!」
まぁ当然のリアクションである。
「ごめん聖ちゃん。正直こっちのほうが早く走れる、少しだから我慢して」
どんなに軽かろうが間違いなく40キロ以上の重さはあるはず。
それでもこっちのほうが楽と思えたのは日ごろの特訓の成果なのか火事場のくそ力なのか、
それは分からない。

「うぅ・・・分かった・・・でも離さないでくれよ?」
顔を真っ赤にしながらも自分の鈍足を認めた聖ちゃんは了承してくれた。
というか浴衣で走ってくれって注文のほうがむちゃくちゃだしな。
「もちろん」
それを最後に俺は一気に走り出す。

なんとか人ごみに紛れ、やり過ごすことが出来た。
周囲の人々からは奇異のまなざしで見られたがしょうがない。知り合いがいなかっただけでもよしだ。
ちなみにこれはあとから聞いた話になるがどうやらこの出来事の直後に祭りの実行委員たちがやつらを捕まえて
警察に突き出してくれたらしい。どうも悪質なナンパ以外にもいろいろとやっていたようだ。ざまぁみやがれ。

457名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:58:00 ID:fOmKAzSA
人ごみから離れたところにある川沿いの芝生にひとまず腰を下ろす。
人気が無いわけではないが花火がよく見える人気のポイントからは少しずれているため、
わざわざこちらへ来る人はいないようだ。
「ふぅ〜なんとかまいたみたいだ、大丈夫だった?」
何気なく隣の聖ちゃんを見た俺だったが彼女の体が震えているのを見て硬直した。
「私は・・・一通りの護身術は勉強していたんだ。お父さんに強く勧められてな、
でも・・・実際にああなったら体が動かなかった・・・」
体育座りでうつむいた聖ちゃんの両手がぎゅっと握られる。
「本当に悪かった、あれは完全に俺の責任だ、ごめん!」
あんな場所に女の子を一人にしておくなど・・・状況によってはかなりやばかった。
こうして聖ちゃんに謝罪できているだけ幸運だったと思わねばなるまい。

「いいんだ、先輩は悪くない。助けてくれて・・・ありがとうだ」
そう言って聖ちゃんは俺の手をぎゅっと握った。かすかにそれは震えていた。
なんともいえない罪悪感が俺を包んだ。諸悪の根源は俺の軽はずみな行動である。
しばらく微妙な空気が続いたのだが・・・

「あ、聖ちゃん! 足が!」
何気なく目をやった彼女の足元。おそらくさっきのダッシュが原因だろう。
涼しげな色のサンダルがこすれ、ところどころが赤くなっていた。
「平気だこれくらい・・・っ」
怪我は気づくと急に痛み始めるものだ。気づかせた俺が悪いのかもしれないがいつかはこうなる。
「ちょっと待ってて・・・確か俺のかばんに・・・・・・・・・あった!」
スポーツに怪我はつきもの。絆創膏くらいは常に持ち歩いているがこんなところで役に立つとは。
「これでよしと」
見栄えがいいとは思えないがそれなりに高価な絆創膏なので効果は期待できるだろう。
「何から何まですまない、先輩」
心底申し訳なさそうな表情の聖ちゃんに俺は一種の呆れに近い感情を覚えた。

「謝んないでよ、何から何までしてるのは全部俺が原因なんだからさ」

458名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 16:59:07 ID:fOmKAzSA
「先輩は優しいな、本当に驚いてしまうくらい優しい・・・だから私は・・・―――」
予想外の言葉。最後のほうは聞こえなかったが十分に驚いた。
「え? 最後のほうなんて言った―――
俺の質問は大空に打ち上げられた光の花によってかき消された。
「おおっ、たまや〜」
今、余計な話は無粋かな。
「はい、やきそば。冷めないうちに食べよう?」
「・・・うん、先輩、ひとつだけお願いしてもいいか?」
思わず軽く目を見開いた。聖ちゃんがお願いとは珍しい。
「どうしたの?」
今だったら可能なことならなんでもやってあげたい勢いだ。
「今だけでいいから、手を・・・握っていてくれないか?」
予想外のお願いに一瞬ひるむ。

「うん。分かったよ」
459名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 17:00:02 ID:fOmKAzSA
今年の花火はなんだか例年よりも気合が入ってる気がする。ただの花火以外にも
なんらかの模様が描かれたり、飛び出した複数の火花がさらに炸裂するなど、なかなかに凝っていた。
なんでだろうと思っていたが終盤に打ち上げられた”10”の数字で納得した。
そうか、今年で丁度10回目か・・・
などと少し感慨深い気持ちになっていると一際大きい花が咲き、花火大会は幕を閉じた。
俺のように毎年足を運んでいる近所の常連さんたちも今年の花火大会に満足しているようだった。
遠くのテントでスタッフたちが満足げに頷き、成功を喜び合っているのが見えた。

「先輩、私たちも戻ろうか、きっとみずきたちが待ってる」
どうやら震えは止まったようだ、一安心しながらも俺は先ほどまで完全に忘れていた聖ちゃん以外の
仲間の存在を思い出した。すかさず携帯を手に取る。・・・げっ電池切れ・・・気づかない以前の問題じゃないか。
「あちゃ〜こりゃみずきちゃんたち怒ってるかもな」
「ふふ、かもではないだろう」
ですよね〜。

「・・・先輩、ありがとう」
俺の自惚れでなければ――いや、そうだと信じたい――聖ちゃんは少し名残惜しげに俺の手を離した。
この時の聖ちゃんは、正直今日一番可愛かった。

聖ちゃんと二人、会場の入り口に足を運びながらみずきちゃんたちに言い訳を考えなきゃいけないのに、
俺の頭の中はこの後聖ちゃんにどうやって告白をしようかとばかり考えていた。

おしまい

460HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/12/14(月) 17:02:39 ID:fOmKAzSA
これで終わりです。
今回は祭りを楽しむひじりんが書きたかっただけなので告白シーンとかエロとかは
考えてはいたのですが没にしました。

自分で書いて自分で萌えてました。ではまた機会があれば。
461名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 01:57:49 ID:xR4sg6mf
GJ!

ひじりんに萌えました。いいシチュエーションです。
パワプロは12までしかやってないので、見る度に妄想してます。
462名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 13:31:36 ID:airGd4sj
おぅ、久しぶりに覗いてみたら素晴らしい作品が
ご馳走様です
463名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 18:06:52 ID:yqC9N0bM
>>460
久しぶりにひじりんで萌え尽きたよ
ありがとう!!
464名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 05:43:20 ID:8mHPy8MC
聖可愛いよ聖
465名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 05:20:55 ID:BeNyK0zl
これよりなつきSS投下します。
ちなみにエロはほとんどなしです。

466名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 05:21:28 ID:BeNyK0zl
パワフル高校野球部部室ー
汗臭い匂いとは関係がないと言われても初見でなら頷いてしまいそうな女性がそこにはいた。
そう、彼女はこの野球部のマネージャーである。
部員が部活をしている間は解れたボールの縫い目を縫ったり、ジャグの飲み物を渡したり
などの雑用や相手チームのデータをまとめたりもする。

そして彼女は残ってた仕事をやっている最中だった。
選手たちのユニホームを直している。
毎週ある夏の予選で汚れたり解れたりするユニホーム。部員の母親がやる場合もあるが、今はマネージャーがやっている。
「やっぱりボロボロになってきているな〜。ま、全力プレーの代償かな。」
苦笑いを浮かべながら自分で言ったことを自分で納得する彼女。

「またこれもひどいなー。誰のかなー?・・・あ」
そんな感じで作業を進めていたらふとある背番号のユニホームで止まった。
「これは・・・小波君のやつか」
そう、パワフル高校の3番を担う小波のものである。
彼女は背番号8のユニホームを手に取り少し見つめた後、あたかも小波であるかのようにギュッと抱きしめた。
「小波君・・・」
汗臭さと彼の匂いが入り混じった匂いや彼の温もりが彼女を包み込む。
(小波君・・・寂しいよ・・・)
抱きしめた時、切なさや彼のいない孤独感が彼女を襲った。
普段の彼女ならあまりみない寂しげな表情がそこにはあった。
467名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 05:22:19 ID:BeNyK0zl
ついつい制御が利かなくなってしまい、小波のユニホームを彼女のジャージの上から羽織った。
そしてそこに小波がいるかのように目の前の虚像を抱きしめた。
(小波君・・・)
すん、すんという鼻を啜る音が聞こえ始め、徐々に涙が落ち始めた。
「小波君、お願いだからもっと一緒にいたいよ・・・」

ちょうどその時、部室のドアが開いた。
「さーて、帰ろかえ・・・どうしたの!なつきちゃん!」
ドアを開けた男性がびっくりして声を上げる。
この声になつき自身もびっくりする。
「うわっ、小波君!あ、あの、べ、別に何ともないよ!」
「何でもなくて泣いているわけないよ!どうしたの」
「え、いや、本当に何でもないし、気にしなくて平気だよ」
(小波君、その優しさが辛いんだよ・・・)
「本当?・・・あれ、そのユニホーム誰の?」
小波はさっきの驚いた表情から一変し怪訝な表情になる。
「え、ああこれはその・・・」
唐突に言われたことに驚きを隠せないなつき。
「しかもその背番号は俺のじゃ・・・」
さらに怪訝さを増す小波に対し、動揺を隠しきれないなつき。
「あ、あはは・・・」
苦笑いを浮かべロッカーを開け、着替えようとする小波。
練習着を脱ぐとアンダーシャツだけの上半身になる。
日々の練習によって鍛えられた体を見たなつきはもう我慢が利かなくなっていた。
「小波君っ!」
そういってなつきは小波に正面から抱きついた。
468名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 05:23:18 ID:BeNyK0zl
「え、え?どどどうしたなつきちゃん!?」
いきなりの出来事に混乱する小波。
「今だけは・・・こうさせて、お願い・・・」
少々かすれた声でなつきは言った。
「あ・・・えっと・・別にいいけど・・」
顔を赤らめて言う小波。
(え?えっと・・・かなりまずくないか?)
女の子特有の香りで頭がくらっとする。

しばしの沈黙が流れた後、先に口を開いたのは小波だった。
「え、えっと・・・まずどうしたの、なつきちゃん。」
少し泣きはらしたような表情でなつきは答えた。
「えっとね、小波君がすっごく遠くにいる人に思えてね、だから私がすごくちっぽけに思えてね、それでね・・・うわっ!」
ぐらぐらで不安定な心のなつきを小波はギュッと抱きしめた。
「ご、ごめん!つい抱きしめちゃって・・・」
「・・・もっと抱きしめてよ・・・」
「え?」
「もっと、ぎゅーって」
「えっと・・・これぐらい?」
そういって、小波はなつきを抱きしめ続けた。
469名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 05:23:46 ID:BeNyK0zl
少したった後、小波は腕を解いた。
両方とも真っ赤になった顔でなつきが口を開いた。
「ごめんね、なんか突然・・・」
「え、いや。別にいいって言うかなんて言うか」
「・・・ありがとう」
「だけどどうして俺にこんなことを?」
「・・・」
二人の間に沈黙が流れた。
「えっと・・・突然?」
「・・・今も好きだから。」
「え?」
「1年生の時に告白してダメだった後も、小波君のこと大好きだから!」
部室中に響き渡るぐらいの大声でなつきは叫んだ。
「あのね、1年生の時に告白して振られちゃったけど、その後も野球部でずっと一緒にいたら
まだ小波君のこと諦められなくて、でも小波君は私のこと何とも思っていなくって、それで・・・」
もう涙があふれて言葉が話せる状態ではなかった。
「・・・ごめんね、なつきちゃん。」
「なんで謝るの!悪いのは全部私なのに・・・」
「俺も悪いよ。あの後も普通に接してくれたのはまだ俺のこと好きだったからか・・・」
「・・・でも私のことまだ何とも思っていないでしょ。」
「・・・何とも思っていないやつが抱きしめたりしないよ。」
「え?」
「あの時は野球部に入りたてで右も左もわからない状態だったから野球だけで精一杯だったし、
ましてや女の子と付き合う余裕なんてなかったんだ。だけど2年生になってある程度余裕が生まれて
それで1年の時になつきちゃんの気持ちに応えられなかったこと、今でも後悔しているんだよ。」
「・・それじゃあ・・・」
「うん、俺、なつきちゃんのこと好きだよ。」
「小波君っ・・・!」
そして二人は再び抱き合った。
470名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 05:24:08 ID:BeNyK0zl
「・・・あのさ、なつきちゃん」
「なつき」
「え?」
「これからはなつきで呼んでくれないと聞かないよ?」
「え・・・なつき」
「何?哲也」
いきなり下の名前で呼ばれたことにびっくりする小波。
「えっとさ・・・甘えたかったらさ、言ってよ。俺になら、甘えていいから。」
「・・・本当?」
「うん」
少々顔を赤らめてなつきは言った。
「・・・じゃあキスしてほしいな。」
「・・・なんですと?」
「私とキスしてほしいな。」
「まじですか・・・」
「あ〜れ〜?彼女さんのお願い聞いてくれないのかな?」
「え、いや、そうじゃないけど・・・」
さっきとは打って変わっていつもの彼女に戻った。
「じゃあしてほしいな」
そうしてなつきは軽く目を閉じ小波の方を向いた。いわゆるキスなんとかである。
(え、うわ、どうしよう・・・)
少し考えた挙句、小波はなつきの気持ちに応えた。
映画とかの大人のものではなく唇と唇が触れ合うものだったが、二人には十分刺激が強すぎららしく、とたんに顔が真っ赤になった。
「キス、しちゃったね。」となつき。
「・・・うん」
「あれ、ファーストキスなんだよ。」
「・・・嘘でしょ!?」と困惑する小波。
「嘘ついてどうするの」
「・・・良かった、お互いファーストキスで。」
「・・・え、本当!?」こちらも困惑するなつき。
「・・・これからもよろしくな。」
「・・・哲也の生涯のマネージャーなんだから。私」
そう言って二人は再びキスをした。
471名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 05:25:54 ID:BeNyK0zl
以上。
7レス無駄レスかもしれませんが、ご勘弁を。
ちなみに題名は「二度目の告白」でお願いします。

472名無しさん@ピンキー:2010/01/04(月) 21:18:40 ID:FwFUCZM8
GJ!

とりあえず新しい人が来るまで保守っとく
473名無しさん@ピンキー:2010/01/11(月) 20:39:26 ID:A8qzxCIj
472の遺志を俺は継ぐ!保守
474名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 01:01:39 ID:Lu/Dc0oa
保守!!
475名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 01:02:37 ID:Lu/Dc0oa
そして小林繁さんに黙祷
476名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 23:11:53 ID:PHWQfHHs
聖×パワ子っていうのを思いついたけど
台詞形式でしか描けないから誰か文章にしてくれ
477名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 09:25:05 ID:AoqT+ZAA
>>476
そのネタおくれ
どっかに投下してみて
478名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 22:02:18 ID:QhfxABiG
どっかってどこに…
479名無しさん@ピンキー:2010/01/26(火) 00:08:56 ID:9Va3ZvAW
>>478
ここだ!!ここがあるだろう!!
480名無しさん@ピンキー:2010/01/29(金) 21:55:37 ID:iqumEvC5
帝王野球部で友沢とエースの座を争う山口小波。
しかし2年の冬ひょんなことから友沢に実は女だとばれてしまう。
口止めをされたもののどう接したらいいかわからない友沢。
兄がいた帝王で野球をやりたくて性別を偽ってまで入学した小波
二人の微妙な雰囲気は野球部全体に影響を与えながらも、最後の甲子園に向けて前進していく。

なんてネタが浮かんだ。
481名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 07:24:27 ID:LvXjxd0K
>>480
小波が名前なのかw
気になるから読んでみたい
482名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 00:27:38 ID:XbmAixZR
あおいネタ書こうと思って9をはじめたんだが……
13から入った俺はバス停にすら勝てない。
いままでルーキーのお守りに頼ってきたせいか。
とにかく全てが違いすぎて無理そう。

13の操作で9のシナリオのパワプロ出してくれないかなコナミ。
もちろん、あおいを彼女候補に入れて。
483名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 10:58:16 ID:ySg/Pp0v
個人的には逆の方がいいねえ
というか13の方が難しいと思うんだが
484名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 11:48:09 ID:Z7Z/dkOa
12決定版の操作で…
485462:2010/02/04(木) 01:38:46 ID:4zpQU0fw
ヒットは打たせないけどヒットも打てない。
打撃が下手なんだな自分。
今のところは打撃練習を繰り返すばかり。サクセスじゃないよ、練習のほうだよ。
うーん、球が速い。
486名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 08:28:40 ID:gwL3yf4n
>>485

N64の6とかやったら発狂するぞ
487名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 18:15:00 ID:N2on6coB
64のどすこいは未だに一度もクリア出来た事がない
488485:2010/02/04(木) 18:25:08 ID:4zpQU0fw
>>486
マジでか?やりたくないな。
というか諦めた。パワフル高校からヒットが打てないだもん。アンドロメダに勝てるわけがない。
守備のないパワフル高校やそよ風高校ならまだ甲子園一回戦までいけるが、
あかつきは野手では2軍から上に行った事がない。入れ替え試験鬼畜。

13でがんばります。
489名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 14:03:51 ID:PBVIcvqB
9はそよかぜ以外は全部甲子園優勝出来たな
猪狩に慣れれば甲子園決勝辺りまでは楽勝
というかアンドロメダ・帝王除いた甲子園の連中はあかつきより弱い
どのチームもだいたい一長一短だしな
490名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 15:31:58 ID:ODbd1qys
13は13で鬼畜なとこがある
491名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 20:13:23 ID:G+FEIVgs
>>489
俺は球八で心折れたな。校歌が聞きたくて頑張ったが
アンドロメダには一度も勝てなかった。
492名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 02:04:25 ID:uD6pSP6p
玉八の校歌ってあれか

『いざとなったらタマを出せ〜♪』

だっけ?
493名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 12:35:34 ID:8EY1JeCx
テスト
494名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 12:37:38 ID:8EY1JeCx
規制解除キタワァ
久々に書こうかな

ところで、最近PSP手に入れたからパワポタ買おうと思って調べたら
だいぶ面白そうな事になってるんだな。
女主人公が出てきたり、彼女候補がよさげだったり・・・

このスレ的にもよさげなネタが転がってるんだけど、
パワポタスレって無い・・・よな?
495名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 12:40:24 ID:8EY1JeCx
それともタイトルに実況パワフルプロ野球って入ってるから、
このスレの守備範囲なのかね?連投何回もごめん
496名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 14:19:58 ID:oEeqRqkf
普通に守備範囲、というか確か前にポタ3のSSがあったはず
497名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 10:22:39 ID:ii5pJgdA
このスレを見て、プロ入り後パワ子×10主人公ってのが浮かんだが
よく考えるとただのオリキャラ同士だった
むしろ、パワ子と男主人公の性格が似てるなら
一番合うのはパワ子×守だった
498名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 10:33:55 ID:+5nFHNEP
主人公グラの二人の絡み(性的な意味で)とか考えただけで・・・うっぷ
499名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 10:42:43 ID:uUJugfGl
想像力をもっと鍛えれば何とかなる…何とかなるはずだ…
とりあえずポニテ娘を思い浮かべればなんとかなるはずだ…
500名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 10:53:38 ID:HCx1Njxt
パワ子「コラ!みずき!」
みずき「もう、いい加減にしてよ」
パワ子「絶対復讐してやるんだから!」

みずき「コラ、パワ子!そこは…」
パワ子「言ったでしょ? 復讐するって」

聖「先輩、球のキレが――」
パワ子「そう、参考になったわ、ひじりん」

聖「先輩、体の感度が――」
パワ子「うんむぅぅ・・・」

こういうのが読みたいな
501名無しさん@ピンキー:2010/02/07(日) 11:43:41 ID:ii5pJgdA
>>499
ピクシブにあったパワ子見た瞬間、俺の中で何かが弾けた

11の摩夕で1本書きたいがネタが無い
502名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 19:25:49 ID:B/c2aJF2
パワプロ97ベーシックのサクセスをやってみた
阿畑もいいが、ナルシストの先輩が面白かったぞ。
でも、彼女いないのよね、古すぎて。
9よりまだこっちのが楽かもしれない。
503名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 16:14:49 ID:HvlCQbYy
個人的には11の操作性が割りと良かった。
最強とか栄光とか相手の能力が高すぎて萎えたけどな。
9好きの俺にとっては全日本編は好きなイベント多かったな。
あかつき先輩軍団のその後とか
504初万:2010/02/14(日) 01:36:59 ID:ZdWxNmMQ
お久しぶりです。

遅くなって申し訳ございません。

「甲子園への小さな一歩」第二話「絶望の始まり」を投下します。

第一話はまとめの方にてご確認よろしくお願い致しますm(__)m
505初万:2010/02/14(日) 01:38:35 ID:ZdWxNmMQ
「お疲れ様でしたー」
「お疲れ様。」
練習が終わり、明日の練習試合の準備も終え、部員たちが次々と帰っていく。
今、部室にいるのはキャプテンである大西とあおいを残すのみであった。
野球部の暗黙のルールで練習終わりの時は、男子が着替え終わったらあおいが部室に入り、着替えをすませ、鍵をかける。
練習が始まる前のときは逆で、あおいちゃんが着替えを終えた時に男子が部室に入るという事である。
今はキャプテンの大西が明日の最終チェックを終え、帰ろうとしていた。
「じゃああおいちゃん、俺は帰るけど・・・」
「・・・」
「あまり気落ちせずに、明日頑張ればいいじゃないか。」
「・・・ありがとう」
「・・・お疲れ様。」
「・・・お疲れ様。」
バタン。

・・・

重い。

今、部室は重い雰囲気に包まれていた。

もちろん原因はあおいちゃんのひどい落ち込み様である。

この冬に欠点の短気を治そうとこれまで以上に精神練習に取り組んでいた。

それなのに―――今日の紅白戦でその欠点が露呈し―――それが原因で負けてしまった。

悔しかった。

この冬の練習は全く意味が無かったのか―――。

そう自分に自問自答する内に涙が出てきた。

コンコン。

「あおい、入っていい?」
突然の訪問に慌てて、涙を拭きながら、
「・・・どうぞ。」
といった。
僕の事をあおいと言う人はたった一人―――
506初万:2010/02/14(日) 01:42:17 ID:ZdWxNmMQ
ガチャ。
「・・・あおい。」
「・・・はるか。」
七瀬はるか―――あおいの一番の親友。
そして―――
「お邪魔するわよ、早川さん。」
「先生・・・」
加藤先生―――この恋々高校の野球部顧問。
はるかと加藤先生は近くの椅子に座り、
まず加藤先生が、
「明日の練習試合、先発は早川さんだから。」
と告げた。
「えっ・・・?」
早川は(何で・・・?)と思った。今日の紅白戦の結果からして、明日の先発は恋々高校のレギュラー打線を八回四失点でまとめた二年生手塚か、その後を受け、レギュラー打線のクリーンナップを三人パーフェクトに抑えた、期待の一年生山野がどっちかだと思っていた。
なのに、恋々高校の控え打線を自分の欠点を露呈して、結局八回五失点と明らかに精彩を欠いた僕を先発に―――?
「なぜですが?」と問い掛けようとしたあおいを制止し、加藤先生が続ける。
「私と七瀬さんが明日の先発は誰にしようかと考えていたら大西君が来てね、明日の先発は早川さんでお願いします。って。」
「え・・・?」
「今日の試合は早川さんを上手くリード出来なかった自分が悪いって・・・」
大西君が僕をかばってくれた―――?
また、大西君に助けてもらった―――?
そう思うと、また自然と涙が出てきそうになる。
が、親友と先生の手前、必死でこらえた。
「だから、早川さん、あなたに最後のチャンスをあげる―――」
「明日の試合、完投して、勝利すれば、背番号1を保障してあげる―――」
「ただし、余りにも点差が開きすぎたり、完投しても試合に負けたら、背番号1はあきらめて。また、自分からの降板申し入れは許さない―――」
それは加藤先生からの非情の通告であった。
507初万:2010/02/14(日) 01:45:16 ID:ZdWxNmMQ
この恋々高校野球部がまだ愛好会だった頃に、初期メンバーだった大西、矢部、早川はそれぞれ、自分のポジションの背番号―――大西は2、矢部は8、早川は1である。その背番号をずっと守ってきた。
早川が出場停止となった秋季大会こそ背番号1は手塚に譲ったが、早川の復帰が認められたときに、早川は手塚に背番号1を奪還すると宣言した。
それは、また三人で一緒のグラウンドで立ちたいという三人の思いが一致した瞬間であった。
現在大西はキャプテンとして、攻守の要となっていて、矢部も外野陣のリーダー的存在として確固たる地位を持っている。
問題は早川であった。
秋季大会で背番号1を着けた手塚は早川からの"宣戦布告"に動じる事無く、「じゃ、必死で守ります。」と宣言し、実際その言葉通りに練習に励んでいた。
また、今年の春から新入部員として入ってきた山野も新入部員紹介の時に「一年から背番号1を狙います。」と宣言し、実際即戦力として存分にアピールする同じく一年生の猿山と共に、日に日に評価は高まっていた。つまり、唯一早川だけが背番号1を確約出来ずにいた。
「―――分かった。明日完投して勝てばいいんでしょ?」
「そういう事。あ、あと"?%B
508初万:2010/02/14(日) 01:50:12 ID:ZdWxNmMQ
ごめんなさい途中の文が切れているのでそのちょっと前から投稿しなおします。

「―――分かった。明日完投して勝てばいいんでしょ?」
「そういう事。あ、あと"精神特訓"をしながらだから」
―――精神特訓?
「何ですか?その"精神特訓"って?」
「・・・まぁそれは明日のお楽しみって事で。」
早川は少し疑問に持ちつつも、
「・・・分かった。」
と返事をしてしまった。
途端、二人の表情が変わる。
「じゃあ早川さん、私たちはこれで。」
「・・・じゃああおい、いつものように校門で待っているから。」
と二人ともそそくさと出ようとする。
早川は二人の表情が変わったのを少し戸惑いつつ、二人が出ていってから着替え始めた。
この何気ない一言が、絶望の始まりだとは知らずに―――。
509初万:2010/02/14(日) 01:53:30 ID:ZdWxNmMQ
とりあえず第二話終了です。

個人的にかなり忙しい日々が続き、またこれから他の小説に少し、似ている表現を使うこともあるかも知れませんが、これからもよろしくお願いしますm(__)m
510名無しさん@ピンキー:2010/02/14(日) 06:53:08 ID:LE+O9WMK
乙!
絶望の始まりって……
あおいはどうなるんだ!
511初万:2010/02/14(日) 14:11:43 ID:ZdWxNmMQ
>>510

コメントありがとうございますm(__)m

お楽しみに(笑)
512名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 23:40:03 ID:vKFt5HAy
保管庫で時々友沢×みずきの作品を見るがあの二人ってゲームでなんか接点あるのか?
9と13しか持ってないんでそこらへんがわからん。
そもそもみずきにはひじりんがいるし友沢には久遠がうわやめろなにをs
513名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 23:45:16 ID:gygAB9Qj
>>512
12だね
12にはアカデミー編ってのがあってその二人の友情タッグイベントがあるのよ

>>511
期待しているんだぜ
514初万:2010/02/19(金) 08:55:09 ID:nrZZy8S5
>>513

ありがとうございますm(__)m

現在制作中です。

しばらくお待ちください。
515名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 18:55:03 ID:tzO++Cot
12の友沢とみずきはそれっぽい絡みがあったんだよな
あんまり覚えてないけど友沢の寮でみずき似のアイドルのDVD見つける話とかあった
516名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 02:03:12 ID:SlshtmCy
>>515
kwskw
すごい気になる
517名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 20:37:02 ID:l0swp7+7

俺の名前は高村仁。(花鳥って呼ぶなー! やら、しょうがないなあ、とは別人だから気にしないで欲しい)
恋々高校一年生で、ルイスビルス○ッガーをこよなく愛する投手だ。S○Kやハ○ゴールドなんかも使ったことがあるが、スラッガーがしっくりくる。
まず、まだるっこしいことだけど、今から書くのは純愛鬼畜耽美なんかじゃなく、ある種、「みなみけ」や「森見」を目指した、そういったものなんだ。だから単純に四股四股目的の奴は読み飛ばして欲しい。
ただ、それだけのくだらないことを前述する。



「おはよう、矢部君!」
「………………?」
せっかく挨拶したと言うのに、矢部君はどうしてかぽかん、と口を開けて硬直していた。どうしたんだろう。
今日は月曜日。入学式が明けて丁度一週間。クラブに入る奴は体験入学に行く頃だ。
「ど、どうしたでやんす高村君。こんな朝から。しかもそのユニフォーム」
「どうしたもこうしたもないよ矢部君! 野球だよ野球! BASEBOLL!!」
「高校生がそんなスペルミスするなでやんす! ……で、そんなユニフォームを着て、どうしておいらの家の前で待ち構えているんでやんすか?」
ふっふっふと笑みを浮かべる。
「知らないのかい矢部君!? 野球は――青春のスポーツなんだよ! 皆で汗を出して、結束して、熱くなれよ!」
「某テニスコーチみたいなこと言うでやんすね……。おいら元野球部だからそれは良く知ってるでやんすがそれがなんでやんす?」
「一緒に野球をやろう、矢部君! で、友達になってくれ矢部君!! 中学時代で出来なかった友達を作りたいんだ!!!」
未だに携帯の電話帳にはお母さんお父さんしか居ない。
「そういえば中学時代オンリーロンリーチェリーボーイだったでやんすね。……理由は分かったでやんすが、残念なことに恋々高校には野球部がないでやんすよ」
「ひょ?」
(スキップ)




518名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 20:38:25 ID:l0swp7+7





「野球部を作るぞ!」
「家休部にした方が良い気がするでやんすが。でも野球部に入ってくれる人なんて居るでやんすかね。元々ここは野球部が無い高校でやんすよ?」
「うーん、冷静に突っ込まれるとその通りかもしれない。どうしたら良いかな矢部くん」
「おいらはアイドル的な要素が必要だと思うでやんす! 某名探偵の空手少女、某香辛料の狼少女、某2分の1の中華料理店の娘、某ギアスの紅い人、某マクロスの銀河系アイドル、某バカとテストの男の娘」
乗ってきたのか矢部君のペースが上がる。
「某レールガンの涙目娘、某幸運星の鏡、某みなみの方の家の気持ち悪い人、某麻雀部の部長、某正義厨主人公の弓使い、某イヒ語の蛇少女、某魔方陣をぐるぐるとする」
「や、矢部くん! 割と本気で言わないでくれよ! 年齢がばれかねないよ!!」
慌てて口を押さえる。
「むっ、ぐっ、わ、分かったでやんす。自重するでやんす」
「ふう……。でもそんな人居るのかな。可愛くて、野球が大好きな女の子なんて…………」
そんな時、緑色の髪を結った女子が、ちらちらとこちらを見ているのに気づいた。
可愛い子だ。すらりと伸びた長い脚に、整った顔。やや童顔だが、時たま眼を伏せ長い睫毛が瞳を隠す度に、大人っぽさを感じさせたりもする。
「おいらに熱視線を送ってるでやんすね」
「のりかにでも送られてろよ」
おっと、つい本音が。しかもパワポケユーザーにしか分からない突っ込み。
「もしかしたらマネージャーかもしれないよ。声をかけてみよう」
「意外とアグレッシブでやんすねー」
その子に歩み寄って、声をかけてみる。
「ねえ、野球部に興味あるの? なんかこっち見てたように感じたけど」
「え、と。迷ってたところ。野球部の方に行くか、ソフトボールの方に行くか」
(高村くん、これはフラグでやんすよ! 絶対に外しちゃいけないでやんす!)
(分かってるよ矢部くん!)
この御時世に野球する、しかも可愛い女の子なんてヒンバ○の出現率より低いぞ!!
「もしよかったら一緒に野球しようよ!」
「うーん……でも、部員居ないんでしょ?」
「でも君が入ればきっと皆入る筈だよ!」
「そうかなあ……」
まずい、渋っているぞ。……ええい、こうなったら!
「一打席勝負してこっちが勝ったら入部して欲しい!」
「…………へえ」
すっと、女の子の眼が真剣な――というよりは好戦的な――眼に変わる。
「ボク、中学生の頃ピッチャーだったから、投手側で良い?」
「それでいいよ」
「じゃあ、グラウンドに行こうよ」
「着替えは?」
「下に体操服着てるから」
「じゃあ、行こう! 勝負だ!」
先を争う様にグラウンドに走っていく。
そんな光景を見て、矢部君がぽつりと呟いた。
「確か高村君は中学の時『吹奏楽部』だったでやんすけど……野球経験あるんでやんすかね」
結果、書くまでもないことはお察しして頂きたい。
敢えて書くとすれば、三球で片がつき、アップを含まず三分で勝負が終わったというくらいだ。
519名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 23:46:07 ID:mnby7cYm
>>515
詳細プリーズ
520名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 07:43:33 ID:iYOGRAKV
>>515
詳細よろ
521名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 21:40:49 ID:2S9G8VLE
>>515
詳細kwsk
522名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 07:10:30 ID:lt1zbBpV
523名無しさん@ピンキー:2010/03/18(木) 17:57:16 ID:96H0c+d7
>522
なんだよこれw
524名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 10:56:04 ID:IJV5SfDj
イレブン工科大学。文武両道がモットーの大学だ。
とはいえ、勉強優先という感じが強い。グランドも狭く、満足に練習をするためには、サッカー部とグランド使用の交渉をしなければならない。

試験で遅れてしまった、と駆け足で戸井はグランドに向かう。今日からサッカー部は合宿で、グランドを広々使えるというのに……
しかし、戸井がグランドを見渡しても、誰1人いない。おかしいな、と思いつつベンチに向かうと、女の子がふくれっ面で座っていた。
「戸井くん、遅いよ」
「ゴメン、あおいちゃん。みんなは?」
戸井が尋ねると、あおいはため息をついて、言った。
「『試験明けの金曜日、みんなで飲むでやんすっ!』って眼鏡が言ったのよ。
 そしたらみーんな言っちゃって。ボクは練習したかったから残ったけど」
おい、誘われてないぞ……。戸井は思った。チームメートの評価も気にしなければ。
「みずきちゃんは?」
「みずきはこのところ体調悪かったみたいだし、帰した。明日も練習あるわけだし……」
そっか、と戸井が相づちを打つと、あおいはよし! と言って立ち上がった。
「キャッチボール、しよ?」


日が暮れると同時に、2人は練習を終え、部室に引き上げた。
「けーっきょく誰もこないんだから! 全く……」
目をつり上げて怒るあおいに、戸井は苦笑した。自分も誘われていたらグランドに来なかったかもしれない。
「じゃ、俺は外に出てるから。あおいちゃんは着替えちゃって」
「ありがと。あ、でも、その前にあれとって」
あおいはロッカーの上にある段ボールを指さしながら言った。
「何あれ?」
「新歓セット。試験も終わったし、春休みだもんね。新入生なんてあっという間にくるよ」
なるほど、と戸井は言いながら、近くにあったいすを持ち、ロッカーの前に立った。
段ボールに手を伸ばすが、以外とロッカーが高い。
「戸井くんって案外ちっちゃいのね」
「いや、そんなことは……ほっ」
ぐっと背伸びすると、手がやっと段ボールに届いた。戸井はそのまま段ボールを持ち、下ろそうとする。
「あ、それけっこう思いから気をつけ・・・」
もう少しあおいの注意が早ければこんなことにはならなかったかもしれない。
おわっ、という声と同時に、思いの外重たかった段ボールでバランスを崩した戸井は、いすから落っこちた。
すぐ横にいるあおいの上に……
525名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 10:57:06 ID:IJV5SfDj
「いたたたた……もうっ! 鈍いんだから!」
そう言ったあおいは、すぐに異変に気付く。おかしい、声が低い。
首を振って、状況を確認する。やっぱりおかしい。自分は下敷きになったはず。
むにゅ、という感覚がして、下を見てみると、自分が倒れているではないか!
ぱっぱっ、と顔や胸を触っていく。あごはじょりっとするし、胸はない。
急いで立ち上がって自分のロッカーを開け、鏡を見る。
「え、嘘……戸井くんになってる……」
「いてて……ごめんあおいちゃん、だいじょ……えっ!?」
声がした方を振り向くと、自分が立ち上がっている。
顔を見合わせて、2人はえー!? と叫んだ。


信じられないけど、本当のことのようだ。
あおいと戸井はお互いほっぺたをつねり合ったが、痛い。夢ではないようだ。
さっきの衝撃で、あおいと戸井の体は入れ替わってしまったのだった。
「どうしよう。あおいちゃんは一人暮らしだったよね?」
うん、とあおいはうなずく。目の前で自分が話していることが不気味でしょうがない。けど、目の前にいるのは自分で、戸井なのだ。
「俺も1人暮らしだから、とりあえずなんとかなるかな……
 いったん、俺は家に帰って、着替えとか持ってあおいちゃんの家に行くよ。それからいろいろ話し合おう」
うん、ともう一度あおいはうなずく。
「元気だせ、とは言わないけど……とにかく、どうにかなるように協力し合おう。ね?」


できるだけ人に会わないように、会わないようにとあおいは自分の家に向かった。
近所の人にこの体で会ってしまったら、何かと問題だ。
幸い、誰にも会わずに部屋に戻ることができた。

……これからどうしよう。
ベットにバタリ、と倒れ込んであおいは思った。
男の子だったらなぁ、と思ったことは何度もあった。けど、こんな形でなってしまうなんて。
大きく息を吸い込んで、吐き出す。
そのとき、自分でもびっくりするくらい、ドキドキしているのに気付いた。
ベットから良い匂いがする……
普段、自分の匂いはなかなかわからない。けど、体が変わると、すごく敏感にそれを感じ取れてしまう。
(わ……どうしよう……すごくどきどきする……)
自分で呼吸が荒くなっていることにあおいは気付いた。そして、下半身が急に窮屈になってきていることにも気付いた。
……ズボンがテントを張っている。
あおいは、どうしよう、と思った。自分は、すごい変態なのかもしれない。


部屋に戻った戸井は、あおいを1人にさせまいと必死だった。とにかく急いであおいの部屋に向かわなければ。
しかし、誘惑もある。
今、自分の体はあおいだ。見放題、ということになる。
あおいには絶対に言えない話だが、あおいには何度もオカズになってもらった。
そんなあおいの体を、今となっては好き放題にいじれるわけで……
でも、さすがにまずい。そんなことしたら、これから先大変になる。
今は急ごう。戸井はそう思い、自分の部屋を出て、あおいの部屋に向かった。
526名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 10:58:49 ID:IJV5SfDj
部屋に入って、戸井は目を丸くした。
あおいのベットの上に、下半身裸で顔を押さえている自分の姿が合ったからだ。
「……あおいちゃん……これは?」
「と、戸井くぅん……自分の部屋に入ったら、なんか、どきどきしちゃって……
 ど、どうしようっ。固くなっちゃってっ……ズボンが苦しいから脱いだけど……どどど、どうしようっ」
戸井は頭を抱えてしゃがみこんだ。
「そうなったら……抜くしかないね」
「ぬ、抜くって……もしかして……」
「オナニー、するしかない」

「そそそ、そんなのできるわけないよっ! ボクは女の子なんだよっ!?」
バッとベットから体を起こし、あおいは涙ぐみながら言った。
「……俺がやる」
「え?」
「あおいちゃんの体を使って、俺がやるから、あおいちゃんはリラックスしてて」
その言葉を聞くと、あおいはぶるぶる、と顔を横に振った。
「やだやだやだっ。絶対にやだっ」
「……部屋に入っただけでこうなったんじゃ、目の前に女の子の体があったら、ずっと静まらないよ。
 それでもいいの?」
しゅんとして、あおいはそれは困る、と言った。
「だったら、素直に従って」
戸井の言葉に、あおいはしぶしぶ従った。


あおいちゃんに手コキしてもらう。
何度夢みたことか。
しかし、現実は、自分があおいちゃんになって、自分のモノをしごいている。
「あっ、うっ、おかしくなりそ……」
あおいがあえぐが、自分の低い声で、だ。
だが、それもなかなかイイ。あおいちゃんの体に入っているからか、気持ちはエスな女の子だ。
「部屋に入っただけでこんなになっちゃうなんて、あおいちゃんって変態だね」
「や、あ……い、いわないで……」
はっはっ、と息を切らしながらあおいが言う。
変態なのは自分の体なのか、あおいの感性なのか。そう思いながらも戸井は手の動きをゆるめない。
「あぅっ……とっ、いっ、くん……
 あっ、んんっ」
びゅるっ、と勢いよく白濁液が噴出し、あおいの顔(中身は戸井だが)に思い切りかかった。
527名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 11:00:13 ID:IJV5SfDj
「は、ぁ・・…す、すごく、気持ちよかった……
 お、男の子がすけべなのも、わかる……気がするよ……」
息も絶え絶えにあおいは言う。
顔についた精液を、戸井は気持ち悪いと思いながらも、あおいの体がもうどうしようもない状態になってることを感じていた。
「え、ちょっ、戸井くん!? な、何脱いでるのよっ」
「何、ってあおいちゃん……」
そう言いながら、戸井は下半身をあらわにし、あおいの目の前にしゃがみこんだ。
「今ので、あおいちゃんの体、こんなになっちゃったんだけど……」
戸井が割れ目を開くよう指で触ると、とろりと愛液がたれてきた。
「挿れてもいいよね?」

あおいは自分の感覚だけでなく、体も変態かもしれない、ということにショックを受けていたが、同時に頭も冴えていた。(いわゆる賢者タイムだ!)
自分の体は処女だ。20にもなって処女というのは、周囲から見ると遅れてる気がしていた。
そして、今、失ってしまえば、自分は痛い思いをしないで済む。
それに奪うのが自分というのも、悪くないかもしれない……どうせなら愛する人に奪って欲しいけれど。
あおいは、戸井に恋心を抱いてはいなかった。けれど、チームメートとして、戸井のことは好きだった。
なら、こういうのもいいかもしれない。
何より、戸井の体が素直だった。出したばっかりだというのに、ちんこはもうカチコチに勃起している。
さっきより気持ちイイかもしれない。そう思うと、あおいの心も、もう止められなくなってきた。

「うん」
あおいがそう言うと、戸井はパッと顔を輝かせた。その顔が自分の顔であるから、あおいはため息をついた。
「あぅっ」
急に戸井がモノを掴んだりするから、あおいは声を漏らした。ゴムを、と思ったけど、そんなものあるわけなく、買ってきてもらうのはおっくうだ。
割れ目に触れた瞬間、暖かく、ぬるっとした感覚があおいを貫いた。ゆっくりと中に入るにつれて、柔らかい感触が包む。
気持ちイイ
「いてっ」
徐々に奥に入れていくと、戸井が声をもらした。
「あおいちゃん、はじめ、うわっ」
「ご、ごめん、我慢できないよぉ……」
戸井があおいの体が初めてだと気づき、ゆっくり挿れようとした瞬間、あおいは腰を突き上げた
「いたっ、やっ、いたいっ、あおいちゃんっ、いたいよっ!」
「だ、だめぇ……っ! 優しくなんて、できないよぅっ」
あまりの気持ちよさに、あおいはもう体を止めることができなかった。逃げようとする戸井を、あおいは寝転んでいた体をおこし、抱きしめた。
「あっ、いたっ、あおいちゃん、だっ、めだっ、って……」
苦痛に歪む戸井の、自分の顔にあおいはさらに欲情を爆発させる。
血と愛液がまざりあい、すべりはどんどんよくなっていく。
「戸井くぅんっ、気持ちいい?」
「あっ、んっ、いたいっ、ケド……んっ」
戸井は痛みが徐々に麻痺し、快感が強くなっていることに気付いていた。
人間、痛みには慣れることができるようだ。
「んっ、あっ、んんっ」
中身が男だけあって、戸井はなかなかあえがない。
「もっと、きもちっ、よさそうにっっ、してよっ」
そう言うと、あおいは腰のふりをもっと激しくさせた。
「うっ、わっ、あっ、いっ、ちゃっ、だっ・・・だめっだっ、あっ」
「と、戸井くんっ、で、でる、かもっ」
「うっ、ん……わかっ・・…った、あっ、あっ、んんんっ」
「ふわっ、んんっ!」

「あー、なにやってんだろ、俺ら」
「ホントよね……」
はぁ、とため息をついて2人は顔を見合わす。そして、ぷぷっ、と吹き出した。
「でも、ボクはけっこ楽しかったな」
「俺はまだ痛くて大変だよ……女の子って大変なんだな……」
「ようやくわかった? ……体は戻りそうにないし、しばらくこのままかもね」
「そう、なりそうだね」

2人の苦難は続く。
かもしんない。
528378:2010/03/26(金) 23:15:14 ID:IJV5SfDj
というわけで、お久しぶり。378でした。
次回は801で投稿するぜ、とかいいつつ、違いましたね。
続編を考えつつ、うけが悪かったら、他を考えつつ。
529名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 13:05:25 ID:7zlrvvXv
>>528
乙、そしてGJ!
俺はこういうの好きだw
もし801も書くなら個人的に猪狩兄弟を見たいな
530名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 23:34:00 ID:JfBqLZgn
IFネタってありなのかな?
あと熱闘パワプロ甲子園ネタもありなの?

もしありなら
マネージャー×みずきっていうのを書きたい
531名無しさん@ピンキー:2010/03/31(水) 23:34:43 ID:JfBqLZgn
パワフル甲子園だった
誤字、スマン
532名無しさん@ピンキー:2010/04/02(金) 10:03:29 ID:r/wgHl9s
パワフル甲子園買ったけど真夏ちゃんが可愛いすぎて…おお…もう…
533名無しさん@ピンキー:2010/04/15(木) 07:43:14 ID:Ua3y+O+J
保守
534名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 02:58:32 ID:thNmfl3g
もう16は出なそうだな・・・・・
535名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 05:53:59 ID:iYhTF12B
このスレではあおいちゃん=巨尻みたいだけどゲームではそんな設定無いよね?

いつからあおいちゃんは巨尻って言われるようになったんだ?
536名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 18:15:38 ID:hDi44c8/
パワポタのどれかで大きいようなことを言われて無かったっけ?うろ覚えだけど
まぁ、大きそうとはずっと前から言われていたけどねw
537名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 18:35:11 ID:Pa4UqUtq
ポタ3で主人公に「パンッと張ったお尻がたまらん」みたいなこと言われてたな
538名無しさん@ピンキー:2010/04/23(金) 19:03:40 ID:2Iy0wSlR
ポタ3といえば彼女候補の神寺が巨乳設定だったな
539名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 15:30:56 ID:X3uKC8Z4
命ちゃんに高校生同士の性交のリスクの高さについて小一時間ほど説教された後で口で抜いてもらいたい
540名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 12:44:26 ID:szgAcDBv
お前ら生きてるか?
541名無しさん@ピンキー:2010/05/09(日) 14:16:45 ID:uWguO2rV
ときどきチェックはしている
542名無しさん@ピンキー:2010/05/11(火) 19:59:33 ID:VP5w5tkX
同じく。
543名無しさん@ピンキー:2010/05/11(火) 20:33:00 ID:tGQNXzqn
全裸待機中
544名無しさん@ピンキー:2010/05/12(水) 01:10:57 ID:bnD5hcXO
数年ぶりに恋パワに行ってみたら、コンテンツは残ってるみたいだが、ホームにアクセス出来なくなってた…orz
545名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 20:52:17 ID:LEwiPxll
そういや新作はPS3とPSPで出すらしいな
サクセスはプロ12球団らしいし期待したい
546名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 20:55:24 ID:yf3DGFKt
ただ、パワプロ7の焼き直し臭がするのが不安なんだよな…
547名無しさん@ピンキー:2010/05/15(土) 21:09:14 ID:LEwiPxll
>>546
サクレジェで7と冥球島のリメイクでも作るんじゃね?
つーかあおい出ないのかな…
548名無しさん@ピンキー:2010/05/17(月) 00:20:20 ID:QBN1OmnG
>>547
あおいも出るっぽい
549名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 23:59:13 ID:YdEaaCgS
ここもにぎわうと良いな
550名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 01:57:22 ID:GiMIMkH9
>>546
このスレとしては微妙な発言だろうが、バグ改善が完璧になされるだけでも充分実りあるものにはなると思う
鬼瓦イベントを筆頭にバグが多すぎる作品だったからな
決定版を出したくせにバグ改善は全くやってなかったし
551名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 01:15:43 ID:i7nStlsP
猪狩兄弟は良いキャラだと思うんだが、神童ってなんかいけすかない。
鈴本に通じる所がある
552名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 22:57:34 ID:7w4eNNqe
>>551
あおいちゃん似の彼女がいること判明したとき、俺の中で敵キャラに認定されたwww
553名無しさん@ピンキー:2010/05/23(日) 23:47:41 ID:VJ9bJBNT
アマゾンのポタの画像から12球団の主要選手が見れるけど
巨人に猪狩守、オリに進、ロッテにあおいちゃん、中日ではなく阪神に阿畑さん、西武に矢部
他は全て新キャラかな?
554名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 18:56:54 ID:qmCEf/8X
>>552
設定的には大学まで芽の出なかった苦労人で、出世した後も驕らない良い先輩のはずなんだが、なんかな
いけすかない
>>553
聖とみずきはどこだろう?
リストラもありうる?
555名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 19:46:16 ID:6B36ddfF
>>554
鈴本と一緒で癖が無さ過ぎるのが問題なんだよな
猪狩も山口さんも東条も友沢も皆一癖も二癖もあるキャラだった
結構苦労してるのも人気が出た理由だろうな

後はパワプロ君との接点も少ないから嫌われてるんだろう
敵キャラとして何度もパワプロ君に立ちはだかってきた訳でもないし
ぽっと出で聖や聖名子お姉さんに好かれてるとか死ねばいいのに

それと聖は横浜辺りが何と無く似合う気がする
といっても神楽坂の時青い帽子が似合ってたのと
自分が横浜ファンなだけなんだがね
556名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 20:07:41 ID:s63ymclc
>>553
まだ高校生で、ちょろっと出てくるんじゃないかと予想してみる
パワプロ13の時代、プロ野球はこんな感じでした。みたいな
557名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 20:10:38 ID:s63ymclc
556>>554宛てでした

伊達様は出ないのかな…
558名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 00:59:09 ID:EUHu6j36
伊達様は出てほしいが、出るんなら物凄く大事にシリアスシナリオを作って使ってほしい
559名無しさん@ピンキー:2010/05/28(金) 00:30:39 ID:9XJ79HBu
次作こそあおいを彼女にしてあんなことやこんなことを
560名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 20:14:39 ID:G4SAX3Rx
過疎ってるなw
561名無しさん@ピンキー:2010/06/02(水) 01:12:49 ID:YSffUmr1
固め打ち(性的な意味で):二発出してから本番だ
守備職人(性的な意味で):的確に避妊する
キャッチャー○(性的な意味で):巧みなリードで相手を悦ばせる
逃げ球(性的な意味で):ダメ!膣内に出しちゃだめぇ!
寸前×(性的な意味で):ホテルの前で逃げられる

暇だったから仕事中に思いついた。反省はしない。
562名無しさん@ピンキー:2010/06/02(水) 02:58:24 ID:t2cYY6eo
粘り打ち(性的な意味で):粘りのある射精と腰づk(ry
サブポジ5(性的な意味で):SでもMでもおまかせ! 様々なプレイを(ry
回復5(性的な意味で):絶倫、短い間隔で(ry
初球○(性的な意味で):最初の一回は(ry
一発病(性的な意味で):最初の一回で(ry

おまけ
代打○(性的な意味で):急遽呼び出された合コンで活躍、お持ち帰りも(ry
563名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 22:43:18 ID:hX11tu/M
代打○は寝取りっぽいな。

四球男:出すよ!子宮に出すよ!
一発病:大当たりだ!やったぜベイビー!
三振男:三回腰を振っただけでウッ…ビクンビクン
564名無しさん@ピンキー:2010/06/06(日) 11:18:14 ID:lw22P1GS
安定度4(性的な意味で):調子が悪くても関係なく腰を振れる。
対ピンチ2(性的な意味で):本番になると勃たなくなる。
流し打ち(性的な意味で):ぶっかけした際へんなところに飛ばなくなる。
広角打法(性的な意味で):激しく三方向にピストンできる。

ささやき戦術(性的な意味で):甘い言葉で相手の判断力を狂わせてベッドに(ry
565名無しさん@ピンキー:2010/06/13(日) 22:53:43 ID:x80QIryP
ほしゅ
566名無しさん@ピンキー:2010/06/14(月) 00:15:25 ID:8Y14HyFG
絵久ちゃん…
567名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 18:03:54 ID:DDcQXtHk
あおいちゃん…
568名無しさん@ピンキー:2010/06/28(月) 22:20:38 ID:uaoqXZn6
過疎・・・・・
569名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 04:35:05 ID:/EGqEnWT
パワフル甲子園ネタ無くて意外。
それはそうと2010でやっと顔がパワプロ君じゃないあおいちゃんが操作できるね
570名無しさん@ピンキー:2010/06/29(火) 14:37:10 ID:p2GrOLI0
熱闘なんて格好のネタなのに…勿体無い
571名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 19:28:03 ID:1P53Gn+1
熱闘は決勝であたるパワプロくんが異様に強いよな
結構マンガ的で確かにネタにしやすそう
572名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 12:02:19 ID:7crSmvmq
2010の発売直前。
あおいちゃんの復活記念あげ
573名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 12:13:04 ID:FpiXyqZk
2010今日発売だな。
また活気がもどりますように・・・・・・
574名無しさん@ピンキー:2010/07/16(金) 01:58:00 ID:o1hf17mW
あおいちゃんのシナリオのキーワードに「何とかなるなる」があるけど、
これって9の時点ですでに使われてた言葉なんだよな
変な言い回しだから印象に残ってる

今になってクローズアップされるとは思わなかった
ちょっと感動w
575名無しさん@ピンキー:2010/07/17(土) 13:55:57 ID:5e7yXMIG
武蔵お父様はどこへいったんでしょう
576名無しさん@ピンキー:2010/07/18(日) 04:30:33 ID:B1W0KIh8
で、姫渚ちゃんに注射する話はまだかな?
577名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 04:30:21 ID:ZEcEMFJL
パワプロ13をモチーフに書こうと思ってるんだが
設定とか変えたり、エロがなかったりしても大丈夫?
578名無しさん@ピンキー:2010/07/24(土) 22:53:29 ID:sikyPFw7
設定が崩壊したりしないんであればいいんじゃない?
579名無しさん@ピンキー:2010/07/26(月) 15:41:17 ID:BahRXUYD
過疎ってるから何でも大歓迎だよ
580名無しさん@ピンキー:2010/07/28(水) 00:44:19 ID:QD4fxr+L
あおいちゃん復活したのに過疎ってるなぁ
581名無しさん@ピンキー:2010/07/31(土) 16:02:01 ID:0Pq2+T9U
あおいちゃんとスタミナ練習してくる。
582名無しさん@ピンキー:2010/08/01(日) 21:03:06 ID:C7yNXeE3
ポタ3の御影さんってポタ4のきずなの従姉妹か何かなんかな?
海外留学してプロになりに行った人を知り合いって言ったりしてたけど名字同じだし
583名無しさん@ピンキー:2010/08/03(火) 02:02:26 ID:q1C0Pj/R
ヤンデレ気味のあおいちゃん・・・

なんか想像して骨組みができたが・・・書くのが怖い

塚、小波がかわいそうww

リハビリも兼ねて、書こうかな。
584名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 15:33:01 ID:bISt+K03
今更だけど絵久ちゃんはあはあ
585名無しさん@ピンキー:2010/08/11(水) 21:01:15 ID:z1z7Zryf
>>583
ガンバレ!

雪ちゃん可愛いなぁ
586名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 15:07:44 ID:0zbH/Nhy
2010で気になるイベント

練習場に迷い込んだはるかちゃん(高校時代からのあおいちゃんの親友)に主人公が話しかける
「誰の知り合いですか? つーか恋人っすか?」
それに対する返答が
「ええ、まあ」
その後の会話もまるっきり旦那の同僚に挨拶する嫁状態

これは妄想が膨らむだろ……!!
587名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 15:10:15 ID:GgwD33qz
はるかちゃんまで出てくんのか
そしてそのイベント・・・
胸が熱くなるな
588名無しさん@ピンキー:2010/08/12(木) 20:44:41 ID:iDfzwTGW
問題はその反応の先ががあおいちゃんなのか9主なのかだ
589名無しさん@ピンキー:2010/08/13(金) 13:35:54 ID:0ipkGdtc
顔グラが用意されてるだけでも喜ぶべきなのかもしれない
本編じゃ本当に顔見せ程度の登場
590名無しさん@ピンキー:2010/08/16(月) 02:46:53 ID:6LOFcpJQ
ちょくちょく他ナンバリングのキャラがいたような
11の軽井沢とかなぜに出てきた
591名無しさん@ピンキー:2010/08/26(木) 18:05:02 ID:SpmLSJ1X
干す
592名無しさん@ピンキー:2010/08/30(月) 08:40:27 ID:VaYOZy9Z
>>588
「あおいがいつもお世話になってます」って感じだったはず
あと、あおいちゃんに練習場を間違えたことについて呆れられるんだけど、
はるかちゃんはそこで特に悪びれるでもなく、「ふふ」と楽しそうに微笑むんだよ
14でもあおいちゃんをからかうようなセリフがあったあたり、普段から弄って遊んでるっぽい
593名無しさん@ピンキー:2010/09/26(日) 21:55:28 ID:/2VAK4jq
あぶねー
保守
594名無しさん@ピンキー:2010/10/03(日) 11:08:48 ID:DqNyQ7+d
ほむら
すてき
595名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 02:15:04 ID:7hJY+106
一番可愛い彼女候補は絵久ちゃんだろ
596名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 20:01:47 ID:Cw17at3U
>>595
お前は分かっている
597名無しさん@ピンキー:2010/10/17(日) 01:44:00 ID:bGQOFf0y
俺は花井桃子ちゃんを推したい
598名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 00:56:52 ID:86ySH5cz
エリリンが一番なんだぜ
599名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 21:30:43 ID:xcEz3ZKB
12球団だとやっぱ内容が薄いというか・・・
第一世代に戻ったのはうれしいけどもっと絡みたかったかな。
2年しかない上に、10月までは必ず2軍生活だとあれでも仕方ないけど・・・
600名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 22:56:05 ID:xcEz3ZKB
はじめは偽りの関係のはずだった。
いや、実際いまでも関係という点では、それは「偽り」であることには間違いない。
好きという感情を装っているつもりだった。
でも今は、本当に好き。
誰にもかえられないたった一人の、大事な人。
それでも、それを伝えてしまえば、この関係は終わる。
相手が同じ気持なら、この偽りの関係が崩れてしまってもかまわない。
でも、そうじゃなかったとしたら?

なにもかも壊れてしまうくらいなら、本当の気持ちなんて押し殺して、偽りを演じよう。
たとえ偽りだとしても、一時のことだとしても、好きな人と一緒にいられるのだから。

ねぇ、ダーリン。本当に、本当に大好きだよ。     −橘みずき−


マネージャーでもかまわないって思ってた。
大好きな野球に接して入れられるなら、マネージャーでもいいって。
少しだけ、少しだけ、胸が痛んだけど、本当にそう思ってたんだよ?
それで甲子園にいくのも悪くないかなって。
出場停止処分を受けた理由は、他ならないボクのせいだったから。
野球をしたいって思うのはわがままなんだって、自分にいいきかせて。

それでも、キミはボクのために動いてくれた。
署名活動してるなんて、ぜんぜん気がつかなかったよ。
キミはそんなそぶりひとつもみせないで、いっつも泥まみれになるまで練習してるんだもん。

ボクが出場を許されたあの日、聞いたよね。
どうして、こんなことをしたの?
そしたらキミは事も無げに言ったんだ。
「好きなことできない世界なんて間違ってる。男も女も関係ない。僕はあおいちゃんがどれだけ野球をすきか知っている。
だから、あおいちゃんには野球をしてほしかったんだ。それだけだよ」って。

うれしかったなぁ。
野球を続けられることはもちろん。
・・・・キミが、ボクのことをみてくれてたこと・・・
・・・本当にうれしかった・・・

ボクね、本当はわがままなんだ。
マネージャーでもいいよ、なんて強がっても野球をやりたかった。
だから。
だからね?
もうひとつ、ボクのわがまま聞いてくれるかな?

ボクはね、ずっとキミの傍にいたい。
これからも。ずっと、ずっと。

・・ボクは。
早川あおいは、あなたのことが大好きです。
キミのことが誰よりも大好きです。        −早川あおい−


ヤンス。
                −矢部明雄−

601名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:01:47 ID:xcEz3ZKB
あれ?なんでかsageれてなかった。ひとつ上の書き込みは成功してるのに。
駄文。つーかSSですらないですが、お目汚し失礼しました。

はやくあおいちゃんを彼女にできる仕様のパワプロが発売されますように。
つーか、マリンボール習得失敗してコントロールー20はやめてよKONAMIさん・・・
602名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:37:19 ID:ofHc1/a8
>>600

は、早く続きを書く作業に入るんだ!!
603名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 00:03:56 ID:LAn9tCke
実に7カ月ぶりのSSじゃないか
GJ極まりない
604名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 02:06:15 ID:NM3bwXHa
フィアンセ。そう紹介されたとき、実は結構うれしかったんだよ。
みすきちゃん、とってもかわいいし。
でもね、そのときはそれだけだった。
なんていうか、嬉しかったけど好きではなかった。
利用されてるな。っていう思いのほうが強かったから。
でも、君といっぱいお話して。君にいっぱい振り回されて。
僕はみずきちゃんが本当に好きになってた。
ダーリンって呼ばれるたびに、一人で悶えてたりね。
君は僕のことなんてなんとも思ってないのかもしれない。
でも僕は君が大好きだ。
伝えたい。でも伝えたくない。
そうしたら、きっと君は僕のことをもうダーリンって呼んでくれなくなるから。

もしも。
もしも夢がかなえられるなら
ねぇ、みずきちゃん?
いつか、本当に心から僕のことをダーリンって呼んでくれるかな?    −橘みずきへ−
605名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 02:07:42 ID:NM3bwXHa
マネージャーでもいいよ。
そういった君の瞳にはたしかに強い光が宿ってた。
でも、だから、僕は悔しかった。
だって、僕は知ってたんだよ。
あおいちゃん。君がどれほど野球を愛しているか。
どんなに光を宿しいても、本当は強がってるってこと、僕は知ってた。
ずっと。ずっと、おあいちゃん。君をみていたんだから。

君は聞いたね。
「どうしてこんなことをしたの?」って。
だから僕はこう答えたんだよね?
「好きなことできない世界なんて間違ってる。男も女も関係ない。僕はあおいちゃんがどれだけ野球をすきか知っている。
だから、あおいちゃんには野球をしてほしかったんだ。それだけだよ」

ごめんね、あおいちゃん。
この言葉、嘘じゃないけど、本当のことでもないんだ。
あおいちゃんが野球できないのは間違ってる。
だからあおいちゃんには野球をやっててほしい。
それは本当。
でも本当の本当はね。
僕が、僕があおいちゃんが野球してる姿をみたかったんだ。
誰よりも凛としていて、それでいて華がある君の姿を、グラウンドでみたかったんだ。

だからね。本当の本当は、単なる僕のわがままだったんだ。
あおいちゃんのため。もちろんそれも本当。
全身全霊で、君の力になりたかった。
でも、僕のためでもあったんだ。
グラウンドに戻ってきたあおいちゃんをみて、僕の胸は高まったんだ。
なにか、やっと探し物をみつけたみたいで。
でも、僕はね、自分で思ってる以上にわがままだったみたいだ。
あおいちゃん。君がグラウンドに戻ってきてくれただけじゃ、我慢できない。

笑ってしまえるくらい、僕はわがままなんだ。
だから。
だから、また君にひとつお願いしていいかな?

あおいちゃん。
あおいちゃんに傍にいてほしい。
これからも。ずっと。ずっと。

僕は。
あおいちゃん。君のことが大好きなんだ。
誰よりも、なによりも。
君が好きだ。                      −早川あおいへ−
606名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 02:09:46 ID:NM3bwXHa
めがね君。
チャンス2ってのはいただけなくないかな?      −矢部明雄へ−


連投申し訳ない。
改行が多すぎます。っていわれちゃいまして。
一応この心情を土台として、まともなSSを書こうかなと思っています。
時間ができ次第、投稿しますのでよろしくです。
607名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 23:16:23 ID:NM3bwXHa
2010が出たとはいえ過疎ってるな

608名無しさん@ピンキー:2010/10/28(木) 00:21:27 ID:TMWJe+sI
「ねぇ、ボクのこと好き?」
「うん」
「どれくらい?」
「甲子園と同じくらい好き」
「ふふ、なぁにそれ?よくわからないや」
「かなり好きってこと」
「へぇー、そうなんだ」
「うん」
「そっか」
「そうだよ」
・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
「ねぇ、僕のことは好き?」
「好き」
「どれくらい?」
「うぅーん、マウンドに立ってるときくらい好き」
「なんだよ、それ。よくわからないなぁ」
「えっと、かなり好きってこと」
「そうなんだ」
「うん」
「そっか」
「そうだよ」
・・・・・
・・・・・
・・・・・
「たまには練習休みにしてゆっくりするのも悪くないね」
「うん」
「特にあおいちゃんと二人でいると、すごく安らぐよ」
「・・・・うん。・・・ボクも・・・」
「ねぇ、あおいちゃん?」
「なぁーに?」
「髪の毛、触らしてくれる?」
「えっ!?・・・あっ、うん。・・・・小波くんならいいよ///」
「ありがとう。・・・すごくサラサラしてて気持ちいいいなぁ」
「もぅ。へんなこといわないでよ。・・・触っていいのはキミだけなんだからね」
「そうなんだ?」
「そうなの」
「なんか、うれしいなぁ。・・・・知ってた?あおいちゃん。相手に髪の毛を触らせても許せる関係って、性的に許しあえる関係なんだってよ」
「・・・・なっ///。馬鹿なこと言わないでよ」
「あっ、あおいちゃん、顔が赤くなってるよ?」
「もぅ。誰のせいだと思ってるの!」
「ふふ、僕のせい?」
「・・・当たり前、じゃない・・・」
「あーあ。もう、かわいいなぁ。だめだ。ねぇ、あおいちゃん?
君の事が大好きだよ」
「・・・・うん。ボクもキミが好き」

束の間の休息。穏やかな日差しのもとでの会話。
二人の邪魔をするものは何一つ、今ここには存在していない。
とても幸せな一幕。

「小波くんとなら、・・・・いいかな・・・?」
「えっ?」
「んーん、なんでもないよ」
609名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 03:45:24 ID:wMBP+hRt
>>608
GJ
素晴らしいイチャつきっぷりだ
610名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 23:27:46 ID:9+EiyOKD
金曜の夜にこれかあ
人以内いかもしれないけどてきとーになんかかこうかなあ
611名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 16:38:20 ID:owfUZjFb
   
612名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 17:49:18 ID:owfUZjFb
「小波くん、今日時間ある?」
「ない。って言ってもどうせみずきちゃんに付き合わなきゃいけないんだよね?」
「うん、まあね」
「そんな明るく言われても・・・」
「で、どうなの?時間あるの?」
「・・・残念ながら、あります」
「ム。なんでこんなかわいいこと一緒にいれるのに<残念>なのよ!」
「いや・・・、そういうところが・・・ゴニョゴニョ」
「なによ。はっきりしない男ね。そんなんじゃモテないわよ」
「いや、モテないもなにもみずきちゃんとのことで彼女と別れるはめになったんだけど」
「いいじゃない。これで野球に集中できるでしょ。
それに、小波くんには私がいるんだし彼女なんて・・・ゴニョゴニョ」
「なんだよお。みずきちゃんもはっきりしてないじゃないか」
「なツ。私はいいのよ、私は!!それより、はやくプリン食べに行くわよ」
「はいはい。おともしますよ。フィアンセだもんね、僕は」
「そ、そうよ。フィアンセなんだから一緒にいるのが当然でしょ」
「まあ、偽物なんだけど、いっか。それじゃあ、みずきちゃんいこ!」
613名無しさん@ピンキー:2010/10/30(土) 18:05:09 ID:owfUZjFb
ちなみにサゲなかったし、すまん。
しかもこれは中途半端だけどこれで終わりっていうねW
大人しく保守ってだけ書けばよかったお。
614名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 23:13:22 ID:N9x4yZ8u
「小波君、デートしよ!」
イレブン工科大学グラウンドで矢部君と軽井沢とで走り込みをしていたら、
突然私服に着替えているみずきちゃんにそう誘われた。
軽く横を見ると軽井沢が矢部君と今にも俺を呪い殺しそうな視線で睨んでいる…気持ちはわかるが。
なのでここは断っておいた方が無難だろう…と思い断ろうとしたのだが…
「さ、行きましょ!」
「ちょ、みずきちゃん!!俺まだユニフォーム!!せ、せめて着替えさせて!!」
まあこの野球部でみずきちゃんに逆らえる男などいないのだから断れる訳もないのであった。
ああ、明日矢部君と軽井沢にいろいろ奢るはめになるな…あと勉強会も…

とりあえずユニフォーム姿のまま連れ去られた俺はみずきちゃんと街中を歩く。
「で、どこに向かってるの?」
周囲の視線など開き直って無視し、行き先を尋ねる。
「んー、あそこよ」
みずきちゃんが指差した先には見慣れないビルがあった。
「あそこは…何?」
「行けばわかるって。行きましょ」
強引に俺を引っ張るみずきちゃん。ああ、俺情けねえ…

ビルに入り、みずきちゃんに引っ張られるままエレベーターに乗る。
そして着いた階には野球部として見慣れた光景が広がっていた。
「バッティングセンター…」
「ふふ、最近新しくできたって噂だったのよ。せっかくだし小波君に教えたくて」
「…矢部君達には教えないんだ?」
「だってみんなバッティングはあまり重視してないじゃない」
…雪村や仲居は…ま、いいか。あんまり疑うと…精神注入棒が恐ろしいし。
とりあえずバッティングセンターに来たからにはバッティングしようかな。
「じゃあまずはカウンターでカードを。すいませーん、1000円分の…あ」
「いらっしゃいませ。1000円分のカードで…え」
「どうしたんだ…って友沢!?何やってんだ?」
カウンターでは俺のライバルである帝王大の友沢が何故かいた。
「…見ればわかるだろ、バイトしている。ほら、1000円分のカードだ。お前は?」
「あ、じゃあ2000円で…」
「毎度あり。ほらよ」
友沢に手渡されたカードを受け取りカウンターを離れる。
「いやー、まさか友沢とこんなところで会うなんて思わなかった」
「…まったくね。さ、私と勝負しましょう」
「え、でもみずきちゃんはピッチャーだし…」
「だから小波君はあれよ」
みずきちゃんが指差した先にはストラックアウトがあった。
「私はバッティング、小波君はピッチングなら公平でしょ?」
…いや、絶対おかしいって…とは言えないのが情けない…な。
615名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 23:14:46 ID:N9x4yZ8u
「じゃあパワリン一本ね」
勝負に勝って上機嫌なみずきちゃんに敗者のお約束で飲み物を奢らされる。
渋々パワリンを買いに自販機コーナーに向かうと後ろから声をかけられた。
「力が入りすぎだ。もう少し力を抜いて投げろ」
「と、友沢…見てたのか!?」
「まあ、今日は客も少なくて暇だからな。あと橘に勝つ必勝法もあるぞ」
「え?」
そう言った友沢が俺に耳打ちをする。な、なるほど!

「はい、パワリン。悔しいからもう一回勝負しない?」
企みがばれないように平然を装いながら自然に勝負を持ち掛ける。
「いいよ、もし私に勝てたら何でもしてあげる」
絶対に負けない自信があるのか、みずきちゃんはニヤニヤしながら乗ってきた。

さて、友沢の策で先に俺からストラックアウトをすることになる。
先程は5枚しか当たらなかったが、今回は8枚までスコアを伸ばす。
「8枚だね。だからみずきちゃんは5回空振りしたら負けだね」
ルールがよくわからない?細かいことは気にするな。
みずきちゃんは勝利を確信したのか、余裕の笑みを浮かべながらケージに入る。
慣れた手つきで打席に入り、放たれた球をうまくミートする。
確かに当てるだけならみずきちゃんの負けはないだろう…この策を使わなければ。
「あ、みずきちゃんスカートだから下着丸見え」
「っ!!??」
あ、空振った。
「ちょ、ちょっと小波君!!こ、このスケベ!!」
「いやー、さっきは気がつかなかったけど気づいちゃった」
…先程は本当に気づいてない。というか友沢、お前実はむっつりスケベだな。
その一言が効いたのか、同様したみずきちゃんは何度も空振りし、勝負は俺の勝利で終わった。
うん、まあスカートを気にしながらスイングしたら当たらないよね。

「…わ、わかったわよ。何すればいいの?」
勝負の後、少々苦労したものの何とかみずきちゃんに納得させ、こう言わせた。
さて、何をさせたものか…やはりあれだな、うむ。


以下、何があったのかはあなたの想像にお任せしようと思う。
一つだけ付け加えるとすれば翌日のみずきちゃんは下腹部を痛がっていたとだけ書いておこう。

終わらせる
616名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 23:18:12 ID:N9x4yZ8u
久々にパワプロ11やってたら浮かんだネタ
本当はこのあと濡れ場行く予定が閃かずに挫折
エロ描写を書けなかった俺情けないな…orz

あとスカート姿でバッティングするとマジで見えますw
昨日行ってきたら見えて動揺しましたとも、俺が…w
617名無しさん@ピンキー:2010/11/15(月) 10:47:08 ID:9RbJd6NF
これは友沢GJwww
618名無しさん@ピンキー:2010/12/04(土) 07:54:20 ID:ZCPjjDey
ほしゅ
619名無しさん@ピンキー:2010/12/14(火) 20:57:47 ID:OAqrxiKh
MVPは友沢だなw
しかしゲームで実際にありそうなイベントだなw
620名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 01:00:53 ID:1ZHjOM4D
ほしゅ
621名無しさん@ピンキー:2011/01/09(日) 22:27:40 ID:b0/So4Rn
保守
622名無しさん@ピンキー:2011/01/26(水) 01:56:13 ID:yQZGzGkU
捕手◎
623名無しさん@ピンキー
捕手○