■前スレ 実況パワフルプロ野球のSS Part11

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1名無しさん@ピンキー
ここはパワプロシリーズの萌えSSやエロSSを投稿するスレです
シリーズは一切問いません、SS職人さんは常時大歓迎
sage進行でお願いします(メール欄にsageと入れる)

■実況パワフルプロ野球シリーズ@2chエロパロ板まとめwiki
ttp://www11.atwiki.jp/pawaparo573/

■2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/

■前スレ 実況パワフルプロ野球のSS Part10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1195389653/
2名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 10:49:28 ID:vNMXasvU
3名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 10:50:02 ID:vNMXasvU
■読み手へ…

・ キボンキボン騒がない。
・ 作品の批判は基本的に避ける。気に入らないならスルーしとこう、な!。
・ 他者の意見に不必要に食って掛からない。荒れる元です。
・ 「GJ!」とかだけじゃなく、具体的な感想があった方が書き手は喜びます。

■書き手へ…

・ リアルタイム投下は避ける(ローカルでまとめて一気に投稿すること)
・ 感想が無いからと言って文句言わない。
・ 書く前にあれこれ聞くより、まず投下しる!

■基本注意点
・基本的に、評価の対象になるのは著者ではなく作品。これ重要。

・「自分下手だけど書いたら叩かれないかな?」
 「こんなSS書こうと思うんだが需要あります?」
 といったの誘い受けレスはただウザいだけでなく流れも切るのでムード×。
 特に(´・ω・`)などの顔文字を使うと余計に構ってちゃん度が上がって評価マイナス。

・過疎ってる時ならともかく、SSの投下直後に雑談をするとチームプレイ×。
 上の誘い受けと重なると相乗効果で評価マイナス。
 ここはあくまでSSスレなのでTPOはわきまえましょう。

・どんなに面白いと思っても、レスをしないと気持ちは作者に伝わらない。
 ちゃんと読んでくれる人がいるとわかるのが作者にとって最高の報償。
 GJレスにちょっとでもいいから感想をつけるとセンス○、いいやつ。

・もし気に入らない作品であっても、ただ叩くだけのレスはしない。
 このスレを見ているということは、貴方にとっても
 作者さんにとって投稿しやすい雰囲気のスレになることが望ましいはず。
 書き込む前に、そのレスが本当に書き込むべきものなのかどうか、
 30…いや50秒考えましょう。

と言う訳で>>970あたりスレ立て頼む
4名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 12:04:04 ID:PLrRSWpz
前スレ(笑)
5名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 12:50:10 ID:a1R1E8v8
聖マリアンヌの新庄たんのSSキボンヌ
6名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 15:28:28 ID:FTkIlofg
聖マリアンヌのSHINJO?
7名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 16:09:15 ID:WLdEwUhZ
金髪巻き毛がかわいい清楚な男の娘
8名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 17:21:29 ID:RqpkhvnP
ごめん、一回あげさせて
9名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 17:49:24 ID:0kaz5bwZ
前スレって・・・・
10名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:32:10 ID:AjP48nkv
>>1乙!
けど前スレ…
11名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 13:16:39 ID:Ao9xNWp2
ふぅ、意外とはやく埋まったな
12名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 15:15:19 ID:q7GlO6NW
SS投下マダー?
13名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 08:36:20 ID:sq0aKAQI
マダー?
14名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 00:54:05 ID:aYa4tfiv
予想してはいたがやはり釣りだったか
15名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 05:15:28 ID:jeYdpahf
1話だけ作って投下とかハイクオリティな釣りだな
16名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 06:41:20 ID:5CaEfAja
>14-15
待て待て。早とちりかもしれん。
そうしたら彼に失礼だ
17名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 07:21:49 ID:jeYdpahf
それだけwktkしてるのだよ
18名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 07:33:02 ID:upyN7an8
期待あげ
19名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 17:13:08 ID:zuHNK5V7
wktk損の埋め立て儲け
20名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 17:54:16 ID:KD3rgjJ/
てすと
21名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 17:56:40 ID:KD3rgjJ/
ようやく規制が解除されたんだぜ・・・
みんな待たせて申し訳ない。
釣りじゃないんだ、今から前スレの15聖ものをちゃんと投下させてもらうよ。
22名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 17:57:49 ID:KD3rgjJ/
私が神楽坂野球部に入部して1年と少しが経過した。
1月初頭の今は野球部も休みで実家(といってもさほど遠くないが)に戻り父と一緒に新年を祝った。
一年前、プロの世界へ旅立った彼は一年目にして開幕1軍、新人賞受賞という輝かしい成績を残した。
私と一緒に研究した彼だけのスライダーで彼が三振をとるたびに私もうれしくなる。
一方私はというと野球部のほうにも慣れ、だいぶ勘を取り戻した。
数年間やってなかったにしては極めて順調だ、あの腰巾着からレギュラーを奪い取れる日もそう遠くはないはずだ。


そんな私、六道聖には今悩みが2つほどあった。
片方はなんてことのない私の理不尽な我が侭だ。結論から言えば物足りないのだ、神楽坂野球部の投手の球では。
あのCEOの息子ならまだリードのやりがいがあるだろうが彼もまたプロの世界へ行ってしまった。
球を受けるたびにどんどん良くなっていく彼の球を受けてたせいか今の投手陣では少し物足りないのだ。

そしてもうひとつの悩み、これは極めて深刻な問題であり、刻一刻と深刻さを増している。
そう、私は彼のことが好きなのだ。
野球はとても楽しい。だけど彼との特訓の日々は私の中では形容しがたい楽しさに満ち溢れていた。
1年前、彼とプロ野球界での再会を約束したものの、彼がほかの誰かと付き合わない保障はない。
今までは野球を取り戻すのに夢中だったがいざこうして落ち着いてみると彼がいないのはさびしく感じてしまう。
幸い彼の色恋沙汰のニュースは耳にしていない。この前のインタビューでもそういう相手はいないと言っていた。
たとえ彼に拒まれても手遅れになる前に伝えたい。
だけどどうやって? 電話してみるのが一番手っ取り早いのだろうが何せ1年ぶりの会話だ、どう言葉を紡げばいいのか分からない。
久しぶりだな。はまぁいいとしてその先が思いつかない、いきなり会って話がしたいというのもあれだ。
メールでもいいのだがいかんせん私はあれが好きになれない。彼もあまり好きではないようだ。
下手に出て彼に嫌われたくはない。それだけは避けたい。
いっそ彼からかかってこないものだろうか? そんなわけないか・・・
「う〜〜〜・・・」
我ながら奇妙なうなり声を出してコタツの中でみかんを口にする。甘い、美味しい。
その刹那。
prrrrrr! prrrrrr!
「!?」
普段ほとんど着信のない携帯がなる。
「誰だ・・・・!?」
画面に表示された名前は彼その人だった。

「なんでこんなタイミングに・・・」
私はどきどきしながら電話に出た。

23名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 17:59:12 ID:KD3rgjJ/
「もしもし?」
『あ、聖ちゃん? 久しぶりだねぇ、元気にしてた?』
電話越しに聞こえるにはまぎれもなく彼の声。
「あ、あぁ私は元気にしている。お前はどうなんだ水無瀬。」
『あれー? 聖ちゃんナイター中継みてない?』
「ふ、聞くまでもなかったな。それで突然どうしたんだ?」
恋愛というものは相手との距離が近いほうが緊張するものらしいが私の場合は逆だ。
彼と話しているととても落ち着いた気分になる。というか安らぐのだ。

『えーと聖ちゃん今家にいる?』
「え? あぁいるけど・・・」
『じゃあ窓からでもなんでもいいから玄関の外を見てみよう。』
「・・・? 分かった。」
私は彼に言われるままに自室の窓から玄関のほうを見た。
誰かいるな・・・・っ!?
『あ! 聖ちゃん発見!』
電話から彼の笑い声が聞こえ、玄関前の人物が窓の向こう側の私に笑顔を向けてきた。
「な!? ど、どういうことだ水無瀬!」
『聖ちゃんがプロに来るまで会わないつもりだったけどどうしても話したいことがあったので来ちゃいました。』
「なにも約束なしに来なくても・・! 私がいなかったらどうするつもりだったんだ?」
『そしたら懐かしい神楽坂グループ本社周辺をランニングでもするつもりだったよ。約束なしだったのは聖ちゃん驚くかなって思ってさ。』
「・・・全く。まぁいい鍵は開いているから入れ。」

まさか向こうから来てくれるとは・・・嬉しい。
だが私がまずいだろうと思ってたいきなり会いに来るという選択肢をした彼を見て少し悔しい気持ちにもなった。
私は今とても嬉しい。もし私が今とは逆にいきなり彼に会いに行ったら嬉しいと思ってくれただろうか?
分からない。そうであってくれれば、嬉しい。

大晦日にお父さんと家の大掃除をしたから人を招きいれても問題ないな。よし。
あれ?そういえばなぜ彼は私の実家の場所を知っているんだ?
・・・そういえば昔実家が寺であることを話したな。まさか覚えているとは。

「やー突然ごめんよ。」
居間に案内するや否やそばにあったみかんを一つ手に取り、皮をむきはじめる彼。
「別に気にしなくていい。それで話したいこととはなんだ?」
「あーでもいきなり押しかけて僕だけ話すのもやっぱりあれだし久しぶりにキャッチボールでもやりながら話さない?」
みかんをひとつ口に美味しそうに放り込み笑う彼。
「・・・約束なしで来て人の家のみかんを無許可で食べてるのに何をいまさら遠慮しているのだ。」
私が少し意地悪くそっぽを向くとあわてて彼がみかんから手を離す。・・・もう遅いぞ。
「うぁ、ごめんつい美味しそうで・・・」
「ふ、まぁいい。あの公園でいいか?」
「もちろん。」

あの公園。かつて私と彼がキャッチボールをし、大会での勝利を約束したあの公園。
彼の話も気にはなったが久々に彼の球を受けられることで私の中は喜びでいっぱいだ。
テレビ越しに彼の活躍は欠かさずチェックしていたし、
時々は球場に足を運んだがやはり直接球を受けないと分からないものもある。
さぁ見せてくれ、あれからプロで1年間さらに鍛えたお前のきらめく才能を。
24名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:01:05 ID:KD3rgjJ/
さすがにこの時期公園に人はまったくといっていいほどいない。好都合だ。
私たちはキャッチボールをしつつお互いの一年間の出来事などを話した。
私は神楽坂野球部での出来事や最近の調子について、
彼はプロの世界の厳しさや再会した友人などの話を主にした。
「よし、肩は温まったか?」

「うん、オッケーだよ。」
「うむ。じゃあ投げてみろ。」
「あ、やっぱりそう来るか。・・・うん今回はユニフォームだし平気でしょ。」
さすがに私服の着物で野球するわけにはいかなかったのでユニフォームに着替えた私を見ながら彼が何かをつぶやく。
「? 何か言ったか?」
「いえいえ何でもございませんとも。じゃ、行くよ。」

彼が振りかぶり、思いっきり腕を振り下ろす。美しく安定したしなやかなフォームだ。
そしてそこから繰り出される強力なストレートを私が捕球する。
やはり・・・違う。彼の球は球威、球速、制球力なにもかもが別格だ。
1年前よりさらに球威は増し、ミットひとつ分も動かない抜群の制球力は相変わらずだ。
「じゃ、次・・・あの球行くよ。」

そういって繰り出されたのは彼のウイニングショットのスライダー
「!!」
以前より遥かに変化量が増している。あやうく後逸するところだった。
というか中継で見たときよりも変化している気がする。
「ははっやっぱり聖ちゃんはすごいなぁ。初見で取れちゃうなんて。」
「・・・水無瀬。」
「なに?」
「中継で見たときよりキレも変化量も上だな。これがこの球の完成型なのか?」
私は受けた球とともに彼に質問も投げかける。
一年前私と一緒に開発したスライダーは彼がプロに行ってからも通用しているようだがそれをさらに発展させるというのか。
さすが私の見込んだやつだ。
「いや、まだまだ改良の余地はあると思ってる。改良途中のものを試合で投げたくなかったからね、今まで試合じゃ投げなかった。」
「そうか。極力肘への負担は避けているだろうな?」
「もちろん。友沢と違って僕は野手能力はあんまりないし。もっぱら脳内とノートにイメージを思い描いて何球か実践って感じで。」
そう。高校時代に高校こそ違えど同じ世代の注目株として友沢(正確には先輩だが)のことは知っていた。
途中で肘を痛め、野手に転向したエピソードは友沢を語るには欠かせない。
「それで僕が今日聖ちゃんに会いに来た理由につながるんだ。」
「そういえばそうだったな。忘れていた。」
なんだろう。私が願ってることだったらいいのにな。
25名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:03:40 ID:KD3rgjJ/
「あれから一年僕なりに改良を重ねてきたけどあと少しでもう一歩進化させられそうなんだ。
だからこの変化球の生みの親である聖ちゃんにまた協力してもらいたくてさ。」
「・・・そうか・・・」

そういうことか・・・
私は彼の言葉に身勝手な憤りを感じていた。
馬鹿みたいだ、勝手に彼の話に期待して、私は一体何を考えていた!?
自分自身の思考回路に嫌気がさす。自分自身に腹が立つ。
一年ぶりに再会しての話だったからなんだと言うんだ!?
彼は何も悪くない。なのになんだこの気持ちは・・・失望? がっかり? 分からない。
分かるのは負の感情であるということだけ。

「でもまぁこのお願いはおまけみたいなもんでさ、これだけなら電話でも問題ないじゃん?
もう一つ大事な話があってさ、それを言いたくて聖ちゃんに今日会いに来たんだ。」
彼がやわらかい微笑をこちらに向ける。
「え?」
我ながら間の抜けた声とともに私の中で渦巻いていた負の感情は一瞬で消え去ってしまった。
なんだろう、すごく心臓がどきどきする。やめろ、期待するな、今それで嫌な思いをしただろう。
だが彼も私のことは嫌いではないはず、いやでもだからといって都合のいい考えは捨てろ。
自分自身に言い聞かせても鼓動はますます速くなり、彼から視線をそらすことが出来ない。
彼が近づいてくる、こころなしか緊張した面持ちで。彼が緊張? らしくないな。
だから尚更期待してしまう。だからよせ、聖。後悔するのは自分だぞ。

「あのね、聖ちゃん。僕と付き合ってくれませんか?」

彼が私の耳元でささやき、私の横を通り過ぎる。後ろで私のほうに振り返った気配がした。
「って、一年もしていきなりごめんね。でもこれが僕の正直な気持ちなんだ。
1年プロで過ごして分かったんだ。僕にとってどれだけ聖ちゃんの存在が大きいのかが。」
私は何も言わずに彼に抱きついてしまった。理性が否定し続けて本心が期待し続けた願いが私の耳に届いたから。
「ひ、聖ちゃん?」
「み、水無瀬くん。本当に私でいいのか?」
それでも私は未だに彼の言葉が夢みたいで、すがるように彼を見上げる。
「いいもなにも聖ちゃんじゃなきゃ嫌だよ。」
「水無瀬くん・・・!」
私は一年前のあの雨の日のようにまた彼の胸で泣いてしまった。
「えっ?! わわっ! 聖ちゃん?」
「嬉しいんだ・・! 水無瀬くん! 水無瀬くん・・・!!」
彼は私が泣き止むまでずっと私を抱きしめてくれていた。
公園に人がいなくて本当によかった。
26名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:05:41 ID:KD3rgjJ/
「水無瀬くん。私の家に戻ろう、もうすぐお昼になる。何か食べたいだろう?」
私はようやく落ち着いてなにげなく彼にこう言った。
「うん賛成! ・・・食べたいものリクエストしていい?」
子供のような笑顔で私に笑いかける彼。思わずこちらも笑みがこぼれる。
「家にあるものならな。帰ってから要望を聞こう。」
そういって私たちは私の家へと戻った。

「そういえば聖ちゃんのお父さんは今日どうしたの?」
家に着くなり彼が質問してくる。
「今日は古い友人と新年の挨拶がてら久々に遊んでくるといっていた。それがどうかしたのか?」
「ううんなんでもないよ。」
彼が意味深に笑う。
「・・・ふむ、冷蔵庫にはそこそこ食材はあるな。何がいい?」
そういって彼のほうを向くと彼が私のことをじっと見つめている。
ど、どうしたんだ? 水無瀬くん。
「・・・僕は聖ちゃんが食べたいんだけど。って表現が少し古いかな?」
「は?」
彼の言葉を理解するのには若干の時間を必要とし、ようやく理解した私は
「なーーーー!?」
思わず叫んでいた。多分顔は真っ赤だろう。
「ダメ、かな?」
「あ、いやその・・・なんというか・・・・・・っ!?」
私はどうしたらいいのか分からず固まっていると・・・
気づけば視界いっぱいに彼の顔。彼の舌が私の口へ入ってくる。舌を絡ませてくる。
頭がぼーっとしてくる。力が入らなくなる。あまりに唐突な出来事に私の中で
戸惑い、驚愕、喜び、快感などのさまざまな要素が混ざり、私から思考と体の自由を奪う。

「ふあっ・・・はぁ・・・あぁ・・・」
全身から力が抜け、キスを終えるころには私は彼に支えてもらわなければ立てないほどにフラフラになっていた。
結局私は彼にいわゆるお姫様だっこをされて彼の言いなりに私の部屋へと連れて行かれた。
大晦日に部屋の掃除はきちんとしたから多分大丈夫だろう。

「・・・聖ちゃん、いい?」
私の部屋、ベッドに私を寝かせ、彼が聞いてくる。
何をいまさら・・・と内心呆れつつも私はそれ以上の喜びを持って彼に言った。
「まさか一年ぶりに会ってたったこれだけの時間でこんな関係にまでなるとは思わなかったぞ、でも嬉しい、すごく嬉しいぞ水無瀬くん!」
思いのままに私は言う。あの雨の日、私を受け入れ必要としてくれた彼になら私の全てを見せても構わない。
「僕もだよ聖ちゃん。・・・じゃあ服脱がせるよ?」
先ほどの子供の笑顔とは違う落ち着いた微笑が私に向けられる。
「ん・・・いい、ぞ。」
27名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:07:25 ID:KD3rgjJ/
思い切って会いに行って本当によかった。
聖ちゃんがプロに来るまでは会わないつもりだったのに、
やっぱり”好き”って感情は抑えが効かないものなんだね。


「きれいだよ、聖ちゃん。」
彼女の体を見て思った素の感想、野球をやっているのに透き通るような白い肌。
スレンダーで線の細い体。恥ずかしげに僕を見上げる真紅の瞳。さらさらの紫色の髪。
「あまり・・・見ないでくれ・・・恥ずかしい・・ぞ。」
顔を紅潮させ、若干の不安と羞恥が入り混じった表情で僕をみつめる聖ちゃん。
普段がとてもクールなだけに今の姿はとてもいとおしくて、どこか儚げで、
全力で守りたくなるような”女の子の六道聖”がいる。今彼女に野球選手の影はない。
僕はその透き通るような肌に指をなぞらせる。
「ん・・・ふぁ・・・くすぐったい・・・ぞ。」
指の動きにあわせて聖ちゃんの体が時々びくびくする。
その反応が可愛らしくていつまでもやっていたい衝動にかられたがぐっと堪え、彼女の弱点を探す。
しばらくして僕は聖ちゃんが特に反応を見せるポイントを発見した。
本人は悟られまいとしているのか声を押し殺しているけど残念なことにバレバレです。

・・・ふーん聖ちゃんおへそ弱いんだ。かわいいなぁ。

こんなことを思いつつ緩みそうになるほほの筋肉を引き締め、僕は指でなぞるのをやめ、おへそのあたりを舌で舐めてみる。
「うひゃあっ!?」
びっくりしたのかかわいらしい嬌声があがる。
それに気を良くした僕はさらにそこを責め立て、さらに上の二つの突起も指でちょっかいを出してみる。
「うぁっ・・・やっ・・・み、なせっくぅん・・!」
美しい白の肌は鮮やかに紅潮し、口からは艶やかな吐息の音が耳に届く。


28名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:09:22 ID:KD3rgjJ/
「ここ弱いんだ、聖ちゃん。体がびくびくしてるよ?」
おへその周りを指でなぞり、少し意地悪く言ってみる。
「い、言うなぁっ・・! んぅっ・・・!」
「ここも勃ってきてる。」
続けておへその上のほうにあるふたつの突起を指でくりくりとつまみながら言う。
「んぁっ! だ、だから言うなと・・んっ!!」
言いかけたところを本日二度目のディープキスで遮る。
さっきの不意打ちと違って聖ちゃんも積極的に舌を絡ませてくる。
熱くて、柔らかくて、そして甘い。
キスを堪能しつつ、僕は聖ちゃんの秘所へと手を伸ばす。
「んふぅっ!? ふぅう・・・ふあっ!!」
先ほどまでトロンとしていた真紅の瞳が見開かれる。
びくつく体を抑えようとしてか、僕にしがみついてくる。
聖ちゃんの口を伝って僕の口腔にも嬌声が響き渡る。

聖ちゃんのそこはもうすでに濡れていて卑猥な音を立てている。
さらに指を動かし、そこの真珠に愛液を塗りつけるように指で優しくこする。
「うふぅっ!? んぅーーーーーーーっ!!」
刹那、聖ちゃんの体が今まで以上に波打ち、僕にしがみつく力が強くなる。
・・・イっちゃったんだね聖ちゃん。

「はぁ・・・はぁ・・・バカ・・・すごく、恥ずかしかったんだからな・・・ふぅ・・・あんなことはもう言わないで・・・くれ。」
絶頂から下り、少しだけ落ち着いた様子で聖ちゃんが僕に抗議する。
体は完全に脱力し、産まれたままの姿でベッドに横たわっている。
「小さな子供が特定の子にちょっかいを出すのはその子が好きだからなんだって。」
「・・・は? それがどうか、したのか?」
まじまじとこちらをみつめる聖ちゃん。まだ言葉が少し途切れ途切れだ。
「だから僕も聖ちゃんのこといじめたくなっちゃうんですよ。」
そういいつつ僕は聖ちゃんのおへその周りを優しくかつゆっくりとなぞる。
「んぁっ! や、やめ・・っ今はっ・・・ダメ・・・だっ・・! おまっえはこどもじゃっ・・ひゃっ・・!」
面白いくらいに反応してくれる聖ちゃん。だめだ可愛すぎる・・・
指先の動きひとつで聖ちゃんを悶えさせられるなんともいえない優越感がたまらない。
聖ちゃんが(おそらく)かなり敏感なのもあって、今の聖ちゃんならおへそをしばらくいじめてればまたイってしまいそうだったが
さすがにこれ以上いじめるのも少しかわいそうな気がしたので(正直に言えば自分がそろそろ限界なので)
僕はズボンとパンツをおろし、聖ちゃんを見た。
29名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:11:11 ID:KD3rgjJ/
「聖ちゃん、いいかな?」
と訊いてみたものの正直もう我慢できそうにない。
「・・・ん、いいぞ来てくれ。」
自分の分身を聖ちゃんのそこにあてがう。
「ん、ふぅっ・・・みな・・せくん・・!」
僕は聖ちゃんに微笑みかけ、髪をなでながら一気に挿入した。
「ふあっ!! みなせ、くぅんっ!」
聖ちゃんが何度も僕の名前を呼ぶ。 悶えてはいるが間違いなく喜びの情が含まれる笑顔が垣間見える。
普段絶対に聞けない声のトーンもあいまって僕は我慢の限界を超えた。
聖ちゃんの中に自分のそれが完全に入りきったのを確認すると一気に動かし始める。
「きゃっ!? み、なせくん! そん、ないきなりはっ!」
「ごめん聖ちゃん。聖ちゃんがあまりに可愛いからもう我慢できないや。」
「あぁっ! んあっ! んうっ!」
上下の動きにあわせて発せられる嬌声にいやおうなしに興奮する。
行き場を探していた聖ちゃんの両手が僕の腰に回され、しがみついてくる。
「聖ちゃん! すごい、きれいだ!」
「あぁっ! みなせくんっ!」

聖ちゃんが僕にしがみついたことで自然と二人の顔の距離は非常に近くなり、自然と唇と唇は重なっていた。
舌をからませるたびに膣がきゅうきゅうと締め付けられる。思わずイってしまいそうになるがそれをぐっと堪える。
唇をしばらくして離すと聖ちゃんが僕にとって少々意外な言葉を口にしてきた。

「みな、せくんっ、無理しなくてもいい・・・ぞ? 私は今日、大丈夫だからっ! んっ!」
大丈夫だからの意味を一瞬遅れて理解した僕は強烈な射精感に襲われた、さすがにそろそろ限界が近い。
が、このままただイってしまうのは男として情けない。
そう思って僕は聖ちゃんの弱点であるふたつのポイントを手持ち沙汰だった両手で責める。
左手でおへそをくすぐり、右手で彼女の愛液できらめく真珠をいじる。
「んあぁっ?! い、今そこをいじったらあぁんっ!!」
膣の締め付けが急激に強くなる。
「うあっ! ひ、聖ちゃんっもうやばい・・・!!」
「わ、私もだっ! あっ! んああぁーーーーっ!!」

結局二人はほとんど同時に果てたのだった。

30名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:12:59 ID:KD3rgjJ/
「ん・・・あれ?」
気がつくと布団の上、じゃあ今までの幸せな出来事は夢だったのか? なんてことだ・・・
いやまてまて、まだ分からない、この天井に見覚えはない。

「やっと起きたか?」

不意に聞こえた声のほうへ僕はすごい勢いで振り向く。
そこにはまさに大和撫子と呼ぶにふさわしい着物を着た女性が一人。
「・・・聖ちゃん。ってことは夢じゃない?」
「まだ寝ぼけているのか? 大好きだぞ、水無瀬くん。」
少し顔を赤らめ、聖ちゃんが微笑んで言った。
「ん! 僕も聖ちゃんが大好きだよ。」
今までの記憶に確信を持って僕は聖ちゃんに笑顔を返す。
「さ、なんだかんだでもう日も暮れてしまった。夕飯を作ったから食べていくといい。」
落ち着いた口調ながらも心底うれしそうな様子で聖ちゃんが僕を居間へ行くよう催促する。
「え!? もうそんな時間なの?」
「どっかの誰かが惰眠をむさぼっている間に一日の4分の1は終わってしまったわけだ。」
「う・・・」
やれやれといわんばかりの聖ちゃんに僕は何も言えなくなってしまう。

「ふ、まぁいい。さぁ食べよう。前にお前が好物だと言ってたものを作ったからな。」
「ほんと!? うれしいなぁ、また聖ちゃんの手料理が食べれるなんて!」
そう言って僕は聖ちゃんの手を取り、居間へ向かった。


聖ちゃん、僕はまだまだ走り続ける。聖ちゃんと同じ球団になるか、いや聖ちゃんがプロになれるかすらまだ分からないけど、
なんだか予感があるんだ。きっと聖ちゃんはプロ入りして僕とバッテリーを組むってさ!
だから待ってるよ! そしてあのスライダーを完成させよう。
結婚はいつがいいかなぁ? 早くもっと活躍して安定した生活が送れるようにしなきゃね。


水無瀬くん、私は走り続ける。まだ神楽坂野球部でレギュラーもとれていない状況だけどきっと、いや必ずプロになってみせる!
出来ればお前と同じ球団でな。そしてお前とバッテリーを組むにふさわしい捕手になれるよう頑張らなきゃな。
だから待っていてくれ、必ず、必ず会いにいく。
結婚の話はしないぞ、お前がわざとその話題を切り出さないと分かっているからな。でも、いつか・・・・ね。


この数年後、プロ野球界に3組目となるプロ野球選手の夫婦が誕生することになるがそれはまた別の話。


おしまい
31名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 18:20:59 ID:KD3rgjJ/
さて、これで終わりです。
わざわざ埋めていただいたにも関わらず投下が遅れてしまい、誠に申し訳ない。
エロは初めてだったので少し展開が急だったかもしれないです。
13の聖もいいけど15聖萌え。
ちなみに3組目というのは俺の頭の中では15の世界では
あおい×9主、みずき×13主、そして聖×15主って感じです。
13の世界で話書いたら13主はひじりんのものだがな。

気づいた人がもしかしたらいたかもしれないですが
まとめの方に間違ってうpしてしまったこのSSのテキストファイルがあるけど
出来れば誰か消しておいて欲しいです。
規制にかかったときに使い方も分からないくせにうpしちゃったものなので消し方が分からんのです。

ではご迷惑をおかけしました。
32名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 19:19:16 ID:KD3rgjJ/
ありゃ? 容量全然平気だ・・・
テキストの重さは70kbくらいあったんだが。
33名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 20:44:36 ID:6n4ArW4P
>>32
ありがとう、ありがとう
34名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 22:52:13 ID:iEMfIcAy
>>32
まさかワードで保存してたんじゃないよな
35名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 00:19:22 ID:qe5wg7Bq
うっひょおおおおGJ
36名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 07:57:47 ID:/eTFg3uw
こういうタイミングでくるとは…油断していた。スーパー乙。
ボリュームがあって読みごたえがあったよ。
あくまでクン付けを貫く聖タン萌えw
次は是非みずき×13主で書いて下さい!!
37名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 21:25:51 ID:Fc2GiTvV
GJ!!!
手が早いのはパワプロ君仕様です
ポケでもプロでも驚くべきスピードで親密になるもんなあ
38名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 09:39:25 ID:w8t08Hwq
GJです!
やはりひじりんは良い・・・
39名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 11:31:06 ID:XZ8LDaEh
一人称僕に微妙に違和感が
昔は麻呂とか変な一人称とか選べたが最近は選べずに俺で固定だからなぁ
40名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 11:52:31 ID:I9FR8g3k
>>39
麿あったなwwwwナツカシス
41名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 12:20:28 ID:W4CuLE20
おいどん
42名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 02:55:26 ID:02pb5x67
おいどんはザコプロが言うよな。

自分を名前で呼ぶのもあってキモかった。
43名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 15:29:48 ID:+VvBSRy5
一人称で思い出したけどどれかのシリーズで趣味選択できたよな。
主人公がテニスの大会で優勝して吹いた記憶が
44名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 21:53:41 ID:VFB467oI
>>22の作者だが>>39を見てふと思いついたネタを投下します。
>>22の一応続きです。短編エロなしですが。
45名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 21:55:08 ID:VFB467oI
テレビで中継されている今年のドラフト会議を食い入るように見つめる男がいた。
手に汗にぎり、瞬きもせずに画面を凝視するさまは正直怖いがこう見えてもこの男、いまや球界でも指折りの若手エースなのだ。
数年前、社会人野球の名門、神楽坂グループにてメキメキと頭角を現し、
ドラフト1位で入団。今に至るまでさまざまなタイトルを獲得している。
プロ野球選手にしてはやや小柄で細身ではあるが、整った顔立ちから女性ファンも多い。
・・・逆に華奢だ、とか頼りなさそうとかいうファンも少なくないが。

『そのままの君で』


『――1位 六道聖 捕手 神楽坂グループ』
「!!」
その選手の名が呼ばれた瞬間、男は目を見開き一人歓喜した。
それから数秒して同期にして同じ野球部出身の親友、矢部が喜びの表情で部屋にノックもせず入ってくる
「水無瀬くん! ドラフトを見てたでやんすか!?」
同じ寮に住む親友とはいえ、無許可で人の部屋にあがりこむ所業は正直どうかとも思うが今の彼にはそんなこと気にならない。
「もちろんだよ矢部君!!」
実はこの二人、もう寮を出て家を購入できるくらいには活躍しているのだが特に必要がないということでここに留まっている。
といっても水無瀬のほうはこの寮を出るのも時間の問題か。

「すごいなぁ、本当にたった数年でプロに来ちゃうなんて。」
「全くでやんす!おいらたちなんてずっと野球してたのに結局プロ入りしたのは社会人時代でやんすからねぇ。」

が、彼、水無瀬にとってなによりも嬉しかったことは彼女が本当に同じ球団でプロ入りを果たしたことであった。


46名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 21:56:48 ID:VFB467oI
興奮冷めやらぬ様子の矢部を電話をするからと追い返し、携帯電話を手に取る。
相手はもちろん・・・
『もしもし?』
今頃神楽坂野球部のメンバーに囲まれてお祝いをしているかとも思ったが案外にすぐ彼女は電話に出て水無瀬は少し拍子抜けした。
そのことをたずねてみるとどうやらお祝い会はやめてもらったそうだ。彼女らしいと水無瀬は思った。
「ドラフト1位、本当におめでとう聖ちゃん。しかも僕と同じ球団だなんてさ・・・」
感動のあまりそこで言葉に詰まる水無瀬。
『あぁ、これであの時の約束は果たされたな。』
「聖ちゃん、今から会えるかな?」
『ん・・・私もそのつもりだった、ぞ?』
彼女のそのセリフに彼はふっと微笑み、こう返した。
「じゃあ待ち合わせはあの公園で。」
『了解だ、水無瀬くん。』
そこで電話での会話は途切れた。

プロ一年目のオフシーズン、1月初頭に彼女の実家での情事以来二人は電話したり、たまには直接会ったりしていたものの、
互いの都合や周囲の目にも気を使わねばならず、直接会える機会はなかなかに巡ってこなかった。
水無瀬は私服に着替え、身だしなみを整えると寮を出た。
途中のコンビニでいつも買っている野球情報誌を購入し、例の公園へと向かった。

47名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 21:58:14 ID:VFB467oI
公園には誰もいなかった。
彼女は彼女の意思に関係なく野球部の仲間やらCEOやらに捕まっているのではないかと水無瀬は思った。
仕方ないので公園にあった自販で飲み物を購入し、買った情報誌を読むことにする。
別に意識したわけではない、いつもの習慣として純粋に購入したものだったが
今回の号は水無瀬をはじめとする最近活躍が目覚しい選手の特集が組まれた号だった。
知り合いがこの現場を見たら引かれそうだなと一人苦笑しつつ、ページをめくり始めた。
そのとき、ポケットに入れていた携帯がなる。着信ではない、メールだ。
そこには『すまない、野球部の連中に捕まった、適当に時間をつぶしておいてくれ。』という文面が画面に表示されていた。
メールを好まない彼女がこれを使うというのことは隙をみてとっさに送信したのだろう。
「案の定・・・か。」
彼は再び視線を情報誌に落とした。

彼がその本を読み終わるころ、正確にはあるページで彼が読むのを中断したとき彼女は来た。
急いできたのか、らしくなく肩で息をしている。
「す、すまない水無瀬くん。あれから野球部のやつらに捕まってしまってな。」
「気にしなくていいよ、当然のことじゃないか。神楽坂野球部初の女性部員がドラフト1位でプロ入り、お祭り騒ぎにならないほうがおかしいさ。」
水無瀬があははと笑う。むしろよくこんなに早く抜けてこれたなと感心するほどだ。
「これから正式な入団まではかなり慌しくなると思う。でもその前にどうしても一度会いたかったんだ。」
電話をかけたのはこっちなのに・・・という彼に対し、あと数秒かけるのが遅かったら私がかけていたと彼女が微笑んで返す。
「プロ入り、本当におめでとう聖ちゃん。」
「ありがとうだ、水無瀬くん。」

48名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 21:59:43 ID:VFB467oI
互いに微笑みあったあと、ふと彼の座っていたベンチに置いてある飲み物と読みかけの野球情報誌に目がいく。
途中のページで広げたまま伏せてあるその本がなんとなく気になった私はその本を手に取り、開いていたページを見る。
「あっ!? 聖ちゃん、それはっ!」
彼が慌てて私が読むのを阻止しようとするが遅い。そのページを見る。
そのページには私の目の前にいる男・水無瀬選手の特集が組まれていた。
思わず彼を見てしまう。彼はそんな私の視線に宿る思考を読み取ったのか、あせった様子で私に弁解してくる。
「違うんだ聖ちゃんっ! 別に自惚れてたとかそういうわけじゃなくてっ! その・・・なんていうか・・・」
セリフの後半に全く勢いをなくした彼の声を聞いて私は疑問符が頭に浮かぶ。
「その・・・むしろ逆なんだ・・・」
何が逆だと言うのだ、私は軽くため息をつき、記事に目を通す。
彼の持ち味や決め球のスライダーについて、それに対するコメントなどがメインであったが、ページの左隅に
『ファンに聞く! 水無瀬投手!!』という記事を発見し、私はそれを読んだ。
そこには彼に対するイメージなどがいろいろと書かれていた、もちろん賛否両論に。

「そこに、僕が華奢で頼りなさそうとか書いてあるでしょ?」
不意の彼の言葉に私はいったん本から目を離し、彼のほうを見る。
「ああ、それがどうかしたのか?」
「昔から言われてたことだし、今までかけらも気にしてなかったんだけど、
いよいよ聖ちゃんがプロ入りして、僕の目の前に現れて、なんか急に不安になっちゃってさ。」
「・・・だからといって今すぐその見た目がどうにかできるわけがないだろう。」
「まぁ・・・そうなんだけど・・・」
49名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 22:01:12 ID:VFB467oI
煮え切らない様子で私に背を向け、うーんとうなり声を上げる彼。
私はその華奢だといわれている彼の背中にそっと抱きついた。
確かに彼は男にしてはかなり細身だがなぜだろう。私にとっては誰よりも頼もしい背中だと思う。
「聖ちゃん?」
「そんなこと気にしなくていい。そのままの君でいい、私は水無瀬くんという人間が好きだから・・・ね。」
「・・・ありがとう。」
そう言って彼は微笑んだ、気がした。
「でも、ひとつだけ変えて欲しい部分はあるな。」
そう、初めて彼と出会ったときから気になっていたこと。いや不快というわけではないが・・・
彼が驚いた様子で振り返ったのを見て私は続ける。
「私の呼び方だ。もうちゃんづけはいいだろう? 呼び捨てでいい。私の名前を呼んでくれ。」
彼は一瞬驚き、言った。
「その言葉、そのまま返すよ。」
彼が笑う。


その後、わたしたちは互いの名前を呼び合い、口付けを交わした。
その様子を彼を尾行して目撃していた矢部にそのことを冷やかされ、
二人で顔を真っ赤にして成敗するのはそう遠くない未来のことだ。

おしまい
50名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 22:03:40 ID:VFB467oI
とまぁ一人称については何にも関係のない話でしたが、
つまりなんだ、後半のセリフを聖に言わせたかっただけなんだ。
本当に勢いで書いたから変なところもあるかもしれないが見逃してほしい。

では失礼しました。
51名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 23:23:02 ID:pJ4/FiFj
GJGJGJ!

この二人の将来がもっと見たくなってきたんだぜ
52名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 10:01:41 ID:+ScQpb8M
ぐっじょぶ
53名無しさん@ピンキー:2008/10/02(木) 04:21:25 ID:jeh8fQxL
いいな。
素晴らしいな。

また読みたいな…君の
54名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 02:22:46 ID:YE53UEft
やっぱ、ひじりんはいいな。
とか言いつつ、そろそろみずきのSSも読みたいんだぜ。
55名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 10:09:16 ID:MRLzzP3P
>>54
10でいい?
56名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 21:05:42 ID:6bPS1eC/
>>54

>53がダメといっても俺が許す。
57名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 21:07:18 ID:6bPS1eC/
間違えた。スマソ
58名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 10:00:54 ID:HVWbXsJO
>>57
どじっこ萌え
59名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 07:18:00 ID:SWdQ3ENz
捕手
60名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 20:43:47 ID:gSafx7K/
保守、てか誰もいないのか?
61名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 22:06:26 ID:DMJlCeSD
いるお
62名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:31:55 ID:+TqqMnYy
>>55に期待している俺ガイル
63名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 21:44:59 ID:hT8FArS/
じゃあ俺はザンギェフ
64名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 03:09:17 ID:vcH0EX+6
そろそろssがこないと殺意の波動に目覚めそうだ
65名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:10:37 ID:UfU6QbxS
どうも、このスレの聖ものの作者ですよ。
あんまり自分ばかり投下するのも悪いと思ったので
>>55に結構真面目に期待してたんだが投下されないようだし
>>64に覚醒されても困るので一個投下します。
例によって聖ものの続きです。エロなしでスマソ。

みずきものも書いてるから。
66名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:11:36 ID:UfU6QbxS
「でね、そっちもいいけど聖だからこそこっちがいいと思うんだ。」
目の前で私、六道聖の最愛の人である彼が言う。といってもこの”六道”という名字とももうすぐお別れなのだが。
「そうか? 寺に生まれた私には無縁のものだと思っていたが。」
テーブルの向かいの席でカタログを眺める彼を見て微笑む。
「聖の着物姿はそれはもう暴力的なほど似合ってるけどさ、生涯に一度のことだしさ思い切ってこっちがいいんじゃないかな?」
ここまで来れば察しのいい人は私と彼が何について話しているのか分かっただろう。
そう、私と彼は今年のオフシーズンに結婚するのだ。
私が球団に入団して3年、彼はチームを引っ張るエースとなり、私も正捕手として彼の球を受けている。
「確かに、憧れはあるぞ。・・・その”うぇでぃんぐどれす”というやつにはな。」
「でしょ?! うん、決まり! 式は派手なものより親族と仲のいい友人、それから恩人だけでやりたいんだけど。」
彼がカタログの1ページを指差し、私を見ながらたずねてくる。
「あぁ、私もそれがいい。何より私たちらしいだろう?」


『誓い』


「じゃあ誰を呼ぼうか? とりあえず僕たちの共通の知り合いのチームメイトや神楽坂グループの人たちだよね。」
「うむ。男前田監督やCEOには世話になったからな。」
「僕はあとは社会人野球時代の友人くらいかな。聖は他に呼びたい人いる?」
「あぁ、みずきと白川先輩だな。」
そこで彼が驚いた様子で私を見る。

「あのみずき選手と白川選手?」
「そうだ、私の高校時代のチームメイトだ。」
私の高校時代、聖タチバナ学園野球部に所属していたころのチームメイトの中でこの二人は私の中で特別な存在だった。
「へぇ〜あの二人とチームメイトだったんだ・・・すごいねぇ。」
彼が素直に感心している。確かに無理も無い話だ。
みずきは初の女性プロ野球選手である早川あおい選手に負けない結果を残し、女性選手の可能性をつないだ。
そして白川先輩はかつての野球への純粋な情熱を失わずチームを引っ張り続ける球界屈指の名捕手であり、
私の尊敬に値する数少ない人物の一人でもある。ちなみにみずきの旦那である。
私とみずきや先輩との年齢は1歳しか変わらないが
この二人は高校卒業と同時にプロの世界に入った。いわば経験値が私や彼よりはるかに上だ。
「う〜ん、意外とゲストが豪華だぞ・・・」
彼が苦笑する。まだ全員が来てくれると決まったわけではないが確かにそうだ。
カタログに書いてある式場やドレスの値段とにらめっこをしている。
「さて、私はそろそろ買い物に行ってくるぞ。」
私が財布を手に取り、席を外そうとする。
「あ、僕も行くよ。」
といって彼もついてくることになった。
67名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:13:01 ID:UfU6QbxS
ふと思い返す、彼と出会ってからのこと。そして今年のシーズンの開幕前の彼のプロポーズのこと。
以前矢部が彼に、
「水無瀬くんと六道さんは誰にもつけ入る隙のない絆で結ばれているでやんす。」だとか言っていた。
発言者が矢部だというのが少し気に入らないが私はこの”絆”という言葉の響きがとても気に入っている。
今では正真正銘の恋人同士である私たちだが彼がまだ神楽坂にいたころはまさにこの言葉が一番ふさわしかっただろうと思う。
友情とはまた違う純粋な信頼関係だ。
今まで人知れず交際を続けてきた私たちだが、いよいよ運命の瞬間とも言うべき時が来た。

昨年のオフシーズンのことだ、ある日彼が真剣は面立ちで私にたずねてきた。
「ねぇ聖、大事な話があるんだ。」
「・・・なんだ?」

俗に言うデートの最中だった私たち、彼がこの話を振ったのは奇しくもあの公園だった。
私たちにとってあの公園はいつの間にか特別な意味を持つようになっていた。
それが意識的なものかそれとも無意識的なものなのかは分からない。
でも大切な言葉や約束を交わすのは決まってこの公園だったのだ。

「僕と、一緒に暮らして欲しい。」

断る理由などどこにも存在しなかった。私は満面の笑みを浮かべてこれを快諾したと思う。
式を次のオフシーズンに約束し、いつの日かのように口付けを交わす。
このときは尾行に気を使った。大丈夫、目撃者は0だ。

「聖、僕は・・・いや、なんでもない。」
なんとも嫌な話の切り方だ、場の空気がなおさらもどかしさに拍車をかける。
「そう言われて気にならない人はいないぞ。」
「いや、いいんだ忘れてくれ。それよりもこれから改めてよろしく。」
といった具合に上手くはぐらかされてしまった。

68名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:14:18 ID:UfU6QbxS
それから彼との同棲生活が始まった。同棲すると相手の本性が垣間見えるというが彼は変わらず優しかった。
他愛のない話もしたし、例のスライダーの話もしたし、彼が登板した日はデータをよく一緒に研究したものだ。
疲れていても彼のためにスタミナのつく料理をたくさん作った。
そしてそんな日常の出来事があるたびに私は感じる。やはり私は今幸せだ、彼以外は考えられないと。
一回冗談でこんなことを言ったことがある。確かプロポーズされてまだ日が浅かった頃だ。
アルコールに勢いをまかせたからか、後半の記憶が非常にあいまいだが。
飲酒は普段しないが彼と一緒にチームメイトの結婚式に呼ばれた際、つい飲んでしまったのだ。
そして家についたときのことだ。

「浮気なんてしたら、承知しない・・・ぞ?」
ふふ、と少し意地悪く言ってみる。彼だから言える軽い冗談のつもりだった。
・・・いやもちろん浮気は許さないし第一彼がそんなことするはずないと信じているが。
彼はこの言葉に目をパチクリさせ、何故か顔を紅潮させて
「まさか、そんなことするくらいなら僕は野球を辞める! ・・・はは、でも参ったな。」
絶対の決意の宿った強いまなざしに急に戸惑いの色が見える。頭をぽりぽりとかいている。
私が不思議そうに首を傾げる。
「お酒飲んだからかもしれないけど、今の聖すごい色っぽかった。」
「え? あ、あぁう、うん・・・?」
完全に予想外の言葉に、言葉にならない声を発することしか出来なくなってしまう。
「あーっ! もうっ!!」
急に大きな声を出され、思わずびくっと身を引いてしまう。
しかし私は次に何かアクションを起こす前に身動きが取れなくなった。
・・・彼に、抱きしめられたから。
「ど、どうしたんだ?」
「もう聖と付き合って随分経つのにいちいち可愛いから自制するのが大変なんだよ! っていうか今回は無理。」
そう言われ、彼と深い口付けをして・・・そこからは覚えていない、ということにしておいてくれ、頼む。

69名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:15:20 ID:UfU6QbxS
そして、式当日。招待状を送ったほとんどの人が式に来てくれた。
CEOは流石に多忙だったためにこれなかったが代わりに秘書の日和さんが来た。
彼女にも私は色々と世話になった、あとで挨拶に行くとしよう。

「やっほー聖! 久しぶり! 元気にしてた・・ってねぇダーリンはやく! こっち!」
ドレスに身をつつんだ私のもとに来たのは今も昔も元気なみずき。ころころと表情が変わる様は相変わらずだ。
というか本気で先輩のことをダーリンと呼んでいるのか・・・少ししてスーツを着た男性が入ってくる。
「久しぶりだね。」
「お久しぶり、だぞ白川先輩。」
「私たち3人が揃うのは高校以来よね、懐かしいわね。」
「そうだな。」

「それにしても聖といえば着物だったけど、すっごいきれいよ聖。」
まぶしいほどの笑顔でみずきが言う。そういってくれると嬉しい。
「うん似合ってるよ。全然関係ないけど誕生日会のこと思い出しちゃったよ。」
先輩もみずきにつられてか、笑顔になる。・・・懐かしいな。

「さて、じゃあそろそろ行くわ、旦那さんを待たせちゃってるみたいだし、またあとでね聖!」
「式場で会おう。」
二人がその場を去り、入れ替わりで彼が入ってくる。
いつも柔らかい落ち着いた空気をまとう彼だが流石に今日ばかりは少し緊張しているようだ。
白のタキシードをまとった彼はいつもとは違う雰囲気をかもし出していた。
「すまない、気を使わせてしまったな。」
「・・・・・・・・・」
私をみつめたまま黙ったままの彼、一体どうしたというのだ。
「あっ! いや、ごめんみとれてた・・・」
顔を赤くして彼が言う。私まで顔が赤くなってきたのが分かった。
「色々言いたいことはあるが、それは式のときにな。」
「うん。行こう聖。」
70名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:16:56 ID:UfU6QbxS
「ねぇ、あそこの教会見て。結婚式やってるみたいだよ。」
教会の外、一人の女性がそばにいる男性に言う。
「あぁ、そうみたいだな。おっ新郎新婦が出てきたな、ちょっと見てみるか?」
「うん。」


誓いの儀式が終わり、教会の扉が開かれ、彼とともにゆっくりと歩いていく。
この結婚式にかけつけてくれた人たちが惜しみない拍手で私たちを祝福してくれている。
「聖。」
彼に耳元で囁かれ、彼のほうを見る。
「あのとき、公園で僕が言うのをやめた言葉。ここで言うべきだと思ったから。」
私は何もいわずに彼の言葉を待った。
「聖、僕は――――――――。」
彼が微笑む。視界がぼやけて見えなくなる。ああ私は泣いているのか。嬉し涙はこれで何回目かな。
そのほとんどが彼のおかげで流されたものだ。
ちなみに彼が私になんて囁いたかは教えるつもりはない。ヒントをあえて与えるなら彼は私に誓いを立てた。
といってもこれは皆さんのご想像にお任せするとしよう。
「ありがとう。」
私はこれだけ言って彼の手をとりなおし、ゆっくりと進んでいく。


「ふふ、幸せそうだね。」
女性が微笑む。
「あぁ、彼らは大丈夫だろうな、生涯を通して良きパートナーとしてやっていけるだろう。」
「お、キミが断定するなんてね。どうしてそう思うの?」
「俺の勘だ。」
すっぱりと言い切る男に女性は軽くためいきをつき
「だからどっからその根拠がくるかなぁ・・・キミの勘は恐ろしいほど的中するからさ。」
女性がくすくすと笑う。
「さぁな。お、ブーケトスが始まるみたいだぞ?」
71名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:18:36 ID:UfU6QbxS
ブーケトス、新婦が投げたブーケを手にした人は幸せになれるそうだ。
「いっそランナーを刺すみたいに思いっきり投げたら?」
そばの彼がからから笑う。
「馬鹿を言うな。」
私は微笑み、目を閉じてブーケを一応言っておくがちゃんと下手投げで投げた。
目をあけると我先にとブーケを狙う人たち、・・・みずき、お前はもう結婚しているだろう?
そばの彼と目の前の光景に微笑みあう。ああこういうささいな瞬間がたまらなく幸せなんだ。


「あらら・・・。」
男が笑っている。
「・・・ボクもう結婚してるんだけどなぁ。」
困ったような照れくさいような表情で男に笑いかける女性。
流麗な緑髪が風でたなびく。その手には新婦が投げたブーケが。
「あーーーーーーっ!! あおい先輩!!!」
半径数百メートルに響き渡るくらいのみずきの声が響く。となりの白川が耳を抑えて卒倒しそうになっている。
「もう引退したのに・・・みずき、久しぶりだね。」
女性ことあおいがみずきに笑いかける。
「どうしてここに?」
みずきの問いに答えたのはあおいではなく、となりの男だった。
「単なる偶然だ。だが思ったより知ってる顔が多いみたいだな。」
「え? あ!! 小波選手!?」
みずきがまた大声で言う。


「ゲストが豪華だとは思ってたけど、思わぬスペシャルゲストが来たみたいだね。偶然とはいえさ。」
彼が驚いた様子で言う。野球界だけに限定して言えば違いないと思う。
あおい選手、もはや説明不要の女性プロ野球選手第1号だ。全ての女性選手の尊敬の対象といえるだろう。
もう引退をして結構な年数が経つが未だに彼女に憧れプロを目指す選手がいるくらいだ。
彼女が野球界に与えた影響はすさまじいものがあるだろう。
そして小波選手、歴代のOBが残した数々の記録を塗り替えた球界一といっても過言ではない大打者。
高校時代の恋々高校奇跡の春夏連覇もそうだがあおい選手がプロの世界に名を残せているのは
彼とそのチームメイトたちの必死の署名活動の賜物だろう。
この二人も私が尊敬する人物たちだ。
かつての日本シリーズでの猪狩守選手と小波選手の戦いはそれはそれはすさまじい白熱ぶりだった。
私も感動のような、驚嘆のような思いで二人を見る。
あの小波選手も署名活動のために走り回ったときがあったんだな。
そばの彼と小波選手を見て私はとても温かい気持ちになった。

「挨拶しに行こうよ、偶然とはいえ折角来てもらったんだし。」
「あぁ。」
72名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:19:59 ID:UfU6QbxS
「こんにちはそしておめでとう、直接お話しするのは初めてね? 活躍はいつもテレビで見てるよ。水無瀬くん、六道さん。」
「ありがとうございます。偶然とはいえ、お会いできて光栄です。」
彼があおいさんと挨拶を交わす、私もそれに返答しつつ私はそばにいた小波選手に挨拶をする。
小波選手とはオールスターのときに会ったきりだ、私のささやき戦術をものともせず、彼のスライダーを打ち砕いた選手。
初見で打たれたのは小波選手が今のところ最初で最後だ。
「おめでとう。これからも選手としても一人の人間としても仲良くな。」
普通の、決まり文句のような挨拶だったのに私は頭を下げて礼をせずにはいられなかった。
私たちの未来さえも見据えてる気がしてしまう強い眼差しを見て私は小波選手の人としての器の大きさを感じた。
「はい。・・・ありがとうございます。」

ふと彼のほうをみる。私と同様に頭を下げてあおいさんに礼を述べているようだった。
彼も私が小波選手から感じたものに近いものを感じたに違いない。そう思えた。
挨拶もそこそこに私たちは二人に別れを告げ、みんなが待つほうへ向かった。

ここから先、何があるかは分からないけど大丈夫。
私には彼がいる。彼には私がいるから。
私はそばを歩く彼をいったん呼びとめ、軽く口付けをした。

死ぬまであなたを愛すことを誓うから・・・ね。

おしまい
73名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:23:59 ID:UfU6QbxS
これで終わりです。
15主(水無瀬)×聖はこれでひと段落ついたかな。
結局エロは一回きりで申し訳ない。
エロよりほのぼのとか甘々の方が好きなのです。

結婚式についてはかなり適当。
なんとなくの知識と記憶を頼りに書いてるので。

また読みたいと言ってくれた人ありがとう。本当にやる気をいただきました。
次はみずきものをそのうち投下する予定です。
74名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:26:55 ID:X6j2QAUX
>>73
あなたが神ですね、わかります。
75名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 00:05:56 ID:Iv1CLcpA
神だな、間違いなく。
みずきの方にも期待してる。
76名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 17:12:05 ID:4tkcuRIe
やばい・・・凄すぎる。恋恋高校篇から漫画にして連載してもいいぐらい
77名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 18:55:59 ID:+65umTnQ
とりあえずあおいを出したあなたはコナミのスタッフより俺達ユーザーの気持ちをわかってる

だからこそわざわざこんな重箱の隅を突く様なチャチャは入れたくないんだが
会話の「」の一番最後に「〜。」のマルはいらないよ。
78名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 20:11:50 ID:zohlLVe8
一般的ではないが間違っちゃいないんだぜ
79名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 21:22:35 ID:MYRx5E+T
純文学小説でもたまに見られるしな。
まあ、確かにパソコンとか携帯とかの小説ならこだわるところではあるが……そこまで気にしなくてもいいかと

ああ、それと……
GJ!
80名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 21:36:03 ID:e4y9g/Hl
やっぱそれぞれの相手は9,13,15主人公だよなぁ
81名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 23:05:45 ID:SJskC4Z7
>>73
乙でした。
9しかプレイしてないから恋愛中心のものはあまり読む気はなかったんだけど、
読み始めたら一気に読んでしまった。
未プレイかどうかってのは関係ないらしい。
ほのぼのした恋愛っていいですね。
胸がキュンキュンするね。
氏の聖ちゃん愛がビシビシ伝わってきました。
自分のモチベーションも上がりました。
ありがとう。
82名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 04:10:27 ID:lAnrFFNZ
まさか三世代の主人公達が勢揃いとは…たまげたなぁ…。
オールスターにもほどがあるw
乙です!!
83名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 07:32:07 ID:Q7nvIBly
>>73
GJ!!!

この三人揃うのって珍しいよなwwwなんか凄い豪華CASTな気がするぜw
84名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 07:45:16 ID:zFWOt8z5
>>83

乙です!
そしてGJ!!!
85名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 07:51:05 ID:Q7nvIBly
>>84
ちょwww安価ww
86名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:49:56 ID:tMRGu/ec
さて、約束のみずきものを投下させていただく。
聖の結婚式の直後という時間設定です。
エロは一応ありだけどあまり期待しないでください。
87名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:50:30 ID:tMRGu/ec
聖の結婚式、オフシーズンに詰まったスケジュールをかなり強引に動かして来た甲斐があったわ。
今二人はあおい先輩と小波選手に別れを告げてこちらへと歩いてくる。
本当に、本当におめでとう聖っ!

「・・・みずき、泣いてるの?」
私のそばで私の顔を覗き込む彼。・・・私の愛しのダーリン。
別に何かが悲しくて泣いているわけじゃない。むしろ逆ね。
高校を卒業してからずっと一人で戦ったきた聖が野球を取り戻し、
生涯の伴侶と出会えたことがたまらなく嬉しいの。

普段は結構無愛想なところがあるから、あの結婚式での幸せそうな笑顔は忘れられないと思う。
「聖、本当によかったなぁって思って」
私が涙をぬぐいながら言うと彼がハンカチを差し出してくれた。
「うん・・・本当にそう思うよ」
感慨深げに水無瀬夫婦をみつめ、目を細める彼。
私も、彼も聖には特別な想いがあったからこの式は私たちにとっても決して忘れられないものとなると思う。

『月光』



88名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:51:28 ID:tMRGu/ec
そのあと食事会やらなんやらとあり、彼と家に帰るころにはすっかり日も沈み、
ぼんやりとした月からの光が世界を照らしている。
「はぁ〜なんか私今すっごい幸せよ」
「同じく。強引にスケジュール空けた価値があったね」
「うん、ほんとに」
私たちの共通の後輩である聖。あの子は高校卒業からずっと一人で戦ってきた。

今でも鮮明に覚えている。あのドラフトの日、指名された私や彼と別れるときのあの子の表情を。
私と彼のプロでの1年目、8月の甲子園で聖タチバナの名前を目にすることはなかった。
そして聖も指名されることなく大学へと進学した。
聖が大学野球をやめたという話を耳にしたときは心底ショックを受けた。
それは試合にも現れ、荒れに荒れた私の球を彼がしっかり捕球して
私を落ち着かせてくれなければ私は二軍落ちしていたかもしれなかった。

だけど私は聖に何もしてあげることは出来なかった。プロに進んだ私が何を言っても説得力は微塵もなかったから。
聖とは彼女が野球を辞めたときに連絡したきりだったがある日思いもよらない電話があった。

『みずき、私はもう一度野球をやろうと思う。私を・・・必要としてくれる人がいたから・・・
何より私は野球が大好きだから・・・』

その時の聖の明るい声のトーンも未だに鮮明に覚えている。
そしてあの子は今結婚し、幸せに過ごしている。水無瀬くんには私からもお礼をしたいわ。


89名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:52:35 ID:tMRGu/ec
「ねぇ?」
私が呼びかけると彼がなに?といいたげな視線を送ってくる。
「人生っていうのは良いことも悪いことも合わせたら結局プラマイ0くらいなんだって」
「あーなんかどっかの番組でやってたね。それがどうかしたのか?」
彼が不思議そうに私を見る。
「聖は大学、それから社会人時代に色々辛い思いをしてきたじゃん?
だから逆に今はすごく幸せなのかなぁって思って」
「そうかもね・・・彼女は小さいころから寂しい思いをしてただろうし、野球に関してもたくさん悩みがあっただろうし」

「だからさ、私ちょっと怖いんだよね」
またも彼が視線を送ってくる、いろんな意味で強い視線だ。
「私、高校時代からずっと幸せだよ? だからこれからすごいマイナスが来るんじゃないかって」
この言葉に彼は少し考える様子を見せたあと言った。
「みずきに何があっても俺はそばにいるよ。不幸も、幸福も、一緒に」
「ん・・・ありがとう大好き」
そういって私は愛しい彼にキスをした。

「ねぇダーリン?」
キスをしたあとの私のこの内容のない問いは一種のサイン。
「そんなことだろうと思った」
「だってあんな幸せそうに旦那さんと微笑む聖を見たのよ? なんか自分の結婚式思い出しちゃって」
「うん。俺も、久々に・・・したい」
90名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:54:01 ID:tMRGu/ec
「なんか変な気持ち、何度もしたのに今日はすごくどきどきするの」
彼に服を脱がされ、ベッドに私は横たわる。今私が身につけているのは三日月のペンダントだけ。
窓から差し込む月光に照らされて青白くぼんやりと輝いている。
「そうだね・・・初めてのときみたいだ」
彼も不思議とどきどきしてるみたい。
「まぁ、今も昔もみずきへの気持ちは変わらないよ」
彼が微笑むと私の秘所に手を伸ばしてくる
「あっ! んぅっ!」
体が勝手に跳ねてしまう。どうしよう、いつも以上に敏感になってる気がする・・・
「今日は一段と敏感だね、もうすごい濡れてるし」
彼の冷静な解説に耳まで赤くなるのが分かった。
「い、言わないっ・・! でっ! ひゃっ!」
彼が指を挿入してくる。思わず足を閉じてしまうが彼は気にせずにいれる指を徐々に増やしていく。
そして私の膣内を優しく激しくかき回す。
「あぁっ! んあっ! あっ! だ、ダメっ!」
快感が電流のように全身をめぐり、脳へと到達する。
どうしよう・・・もう軽くイっちゃった・・・

91名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:55:27 ID:tMRGu/ec
「本当に今日はすごいね。結婚式見て昔思い出した?」
彼が私に覆いかぶさるように私の顔の両サイドに手をつく。
部屋は明かりひとつないけど窓からの月光が彼をぼんやりと照らす。
もう数え切れないほど見てる顔なのにそれはすごく新鮮でどきどきする。
結婚してもうずいぶん経つのに未だにときめきをくれるなんてなんて素敵な彼だろうと思う。
まぁ思ってるのは私だけかもね。というより私だけでいいわ。

「うん・・・聖見てたら高校時代から今までのこと、走馬灯みたいに思い出しちゃって」
照れくさくて、つい彼から顔をそらす。・・・本当にはじめての時みたい・・・
「でもこりゃあ初めてのときより濡れてるよ? みずきさん?」
恥ずかしすぎて悶え死にそう。そういいつつも彼は私のそこを指で再びいじってくる
「ふあっ! い、いじわるしないでっ!」
「人はギャップに魅力を感じるなんて誰が言ったんだろうね? かわいいよみずき」
今日の彼はいつも以上に饒舌でいじわるだ、私は若干の非難を彼に浴びせようとしたが失敗に終わった。
文字通り口を封じられたのだ。・・・彼の口で。
闇に溶けるような青白い世界に響くのは互いの舌を絡め、唾液をむさぼる音だけ。

やがてどちらからとも知れずに口を離す。口と口にかかる銀糸が月光できらめく。
「いくよ、みずき」
「ん、いいよ・・・きて」
彼は自分のものを私の秘所にあてがうとそれを一気に挿入してきた。
一瞬呼吸が止まる。そのあと刹那ほど遅れて全身を血のようにめぐるすさまじい快感。
「・・・っ!!? そ、そんっな急にっ・・!!」
私は息も絶え絶えに彼のほうを見る。
「正直に言うと俺もなんだ。俺も結婚式のとき高校時代のこと思い出してた。」
彼は私の抗議など気にもとめずに言う。そして続けた。
「だから今日は、あのころみたいに・・・激しく行くよ」

私は耳元で囁かれたその言葉のまま受け入れることしか出来なくなっていた。
そして黙って頷いた。・・・闇にまぎれて満面の笑みで。
92名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:57:22 ID:tMRGu/ec
結局その後私は彼に一晩中愛され続け、いつの間にか眠りについた。
目が覚める。今はオフシーズン、朝は冷え込む。
私は温かいのにどこか肌寒い奇妙な感覚に襲われた。
目を開く。世界はまだ薄暗いけど世界を照らす役の担い手は月光から陽光へと変化しつつある。

私には毛布とその上に羽毛布団がかぶせられていた。彼がかけてくれたのだろう。
思わず笑みがこぼれる。でもじゃあこの奇妙な肌寒さは何?
コンマ数秒遅れて気づく。私が何一つ衣服を着てないことを。あるのは三日月のペンダントだけ。
もう! 服くらい着せてくれてもよかったのに!

「あ、起きた?」
彼が寝室の扉を開けて入ってくる。両手には温かな湯気を放つマグカップが。
「ホットミルク。飲む?」
彼がマグカップを差し出す。私はそれを手に取り、布団にくるまったまま飲み始める。
「みずき、品がないぞ」
彼が笑う。
「だって私今何も着てないのよ? 布団から出たくないのよ、寒いし」
「あっしまった。布団かける以前の問題があったね」
本当に今気づいたの? 肝心なところを見落とすのは変わらないね。
私がかすかに笑い声をもらしたのを彼は聞き取り、不思議そうに私を見てくる。
「ううん。なんでもないのよダーリンっ!」
93名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:59:01 ID:tMRGu/ec
「といってもさすがにこのままじゃあれだし、とりあえず昨日脱いだ服着てあとで着替えようっと」
私はなるべく布団から出ないように床に散らばった自分の衣服をかき集めていく。
「おっと」
彼が私の下着を拾い上げる。ど、どうしたの?
ある意味裸を見られるより恥ずかしい。
「これはさすがにもう変えなきゃ駄目だな」
「ど、どうして?」
彼は私のそばにくると囁いた。
「だって濡れ濡れだよ。・・・エロみずき」
微妙に冷えた私の体のどこにあったんだと言うくらいの熱が顔に集中する。
「ばかっ!」
それを言うのが精一杯で枕に顔をうずめてしまう。
そんな私の頭を彼が優しく撫でてくる。
夜の営みとは違う種の心地よさ、安心感、それにともなうまどろみが私の脳を満たしていく。
このまま二度目の眠りに落ちそうになるが私はなんとか意識をつなぎとめ、
頭をおこすと彼の顔を引き寄せ、口付けをした。

「さぁ! 今日も一日元気にいくよ!!」
「ふふ・・・・うん」

空から月はほとんど見えなくなり、陽光が部屋中に差し込み始めた。

94名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 19:00:04 ID:tMRGu/ec
みずき選手と聞いてイメージするものはなんですか?
この問いにファンの答えは様々だが一番多いのが「太陽のようだ」という答え。
だけど彼女をよく知る人物は口をそろえてこう答える。
「月のようだ」と
普段は底抜けの明るさを振りまく彼女だが実は結構甘えたがりで寂しがりなのだと思う。
まぁそのギャップが俺がみずきに惚れた理由なのかもしれない。
太陽のような明るさを振りまく彼女がふと見せる月のようにぼんやりとして儚い雰囲気。
それは夢幻のようで愛しくて、俺の心をとらえて放さなかった。
彼女の決め球の名やいつも身につけているアクセサリに彼女の本性が垣間見えると思う。

「よし。みずき今日の予定は?」
「まずおじいちゃんに会いに行ってそれから・・・」

陽光と月光。俺は、この二つの光をこれからもずっと守っていく。

おしまい。
95名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 19:04:44 ID:tMRGu/ec
以上です。
なんか微妙な出来かもしれないです、申し訳ない。

これから2週間程度pc出来ないから投下したが・・・
この世界観であおいの高校時代ものでも書くかな。
96名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 19:08:36 ID:tMRGu/ec
つーかそろそろ誰かネタでもいいから投下頼む。
自分ばっか投下も気がひける・・・
97名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 21:57:17 ID:gdntLD2k
>>96
いいじゃないか、独壇場でも。おれも一応頭を捻ってはいるがさっぱりだし、
いまはそういう時なのさ、きっと
98名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:07:39 ID:IEbqzdGG
そうそう、文句言う奴は自分でかいてからいえっていってやればいい
99名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:38:40 ID:ZoFeYG8q
じゃぁ俺は1年半くらい温めてたネタをもう1年温めてから2,3年くらい掛けて書くよ。
100名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 00:44:52 ID:WkmjpiRx
>>96
気にせずやり続けてくださいまし。
刺激うけて書く人が出てくるかも
>>99
俺は…待ち続けるぜ?
101名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 09:34:57 ID:j5sMPCO4
>>95
おー乙です。みずきのデレっていいよね♪
>>99
3,4年後の超大作に期待
102名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 12:16:45 ID:58IfW6cV
初めて来たが、とてもよかった
103名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 12:41:44 ID:+UQvuk2S
>>99
全裸で待っとくからな
104名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 12:54:03 ID:58IfW6cV
近いうちに9主人公で投稿してもいいっすかね?
105名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 12:56:24 ID:58IfW6cV
一応主人公のデータ

9主人公

神谷 龍 投・捕

投手能力
球速 MAX158km/h 平均 150km/h前後
コントロール D
スタミナ A

変化球
スライダー 4
Hシュート 3
スローカーブ 1

特殊能力
重い球
威圧感
打球反応○

野手能力
弾道3
パワー C
ミート C
走力 C
肩力 A
守力 B
エラー率 C

特殊能力
キャッチャー○
ブロック
体当たり
アベレージヒッター
流し打ち
送球4


性格
結構俺様、だけど信頼は厚い
女好きの遊び人……の様に見えて実は一途


設定
恋恋高校主将
元々投手だったところを部員不足のため捕手に
三年になって投手に復帰した
コントロールに難はあるが、超高校級の速球と決め球スライダーで三振の山を作り出す
打者としてはパッとしないが、確実にヒットを狙って打つ

外見特徴
肩まである男性にしては長い黒髪
試合や練習の時は後ろで束ねている
目は蜂蜜色
美形でかなりモテる

106名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 13:15:47 ID:CgmJ2cDV
はっきり言って細かい設定はいらん
>>105の設定の中では平均150kmの速球とコントロールがイマイチってとこだけで良いわ
107名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 14:32:02 ID:58IfW6cV
〉〉106
以後気を付けます
108名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 16:08:26 ID:gYKtQ2ic
>>107
最低限sageとアンカーを覚えるまでROMってろ
109名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 16:49:16 ID:58IfW6cV
とりあえず9主で書き込みます
※非エロ


高校三年、最後の夏
夢の甲子園まであと一歩の地区大会決勝
相手は名門あかつき高校だ

「ごめん…ごめんねみんな……」

謝りながら泣いているのはチームメイトの早川あおい
泣いている理由は先程の回で失点してしまったからだ

――先程の回7回表、あかつきの4番に先制ソロホームランを打たれた
0対0の均衡から一変して0対1
最終回まであと三回しかない攻撃チャンスで、あかつきのエース猪狩 守から2点を奪わなければならない

「泣くなよ早川」

「そうでやんす!まだ試合は終わってないでやんす!」

泣いている早川に声をかけるが、涙は止まらない
スリーアウト、チェンジ!
と主審が告げ、試合は8回表へ
戦意喪失した早川の代わりに俺はマウンドに向かった

「先輩」

今年入った一年の捕手
こいつが入ったおかげで俺は投手に復帰できた

「僕、絶対捕るんで。思いっきり投げて下さい!」

いつも俺が本気で投げると捕れなかったこいつ
でも何故か今なら捕ってくれる気がした

「分かった。頼むぜ?」

「はい!」

公式戦で投げるのはいついらいだろうな…
そんなことを考えながら足場をつくる
一人目は?
110名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 16:52:15 ID:58IfW6cV
一人目は相手の6番打者
振りかぶって一球目、内角高めのストレート
ストライク!
主審の声が響く
相手は目が追いつかないみたいだ
それもそのはず、今の俺の球は150km/h
早川のストレートが最速130km/hとしたら約20km/hも差がある
その後もストレートで押し、最後は決め球スライダーで空振りにとった

「ふう…」

久しぶりにしては上々の立ち上がりだ
息をついてグローブをつけていない方の手――左手でボールを握る
「(さあ、次も決めるぜ)」

8回は三者連続三振で切って抑えた



8回裏、恋恋高校の攻撃
先頭打者は7番
ここいらで点を取りたい

「早川、まだ泣いてんのか?」

三塁側ベンチの奥で、早川はうずくまっている

「気にすんなよ。お前のせいじゃないからさ」

「っでも…ボクが、打たれて……!」

泣いている早川の頭を軽く叩く
アウト!
主審の声がした

「なぁ早川」

できるだけ優しく名前を呼ぶ

「な…に?」

「前に…言ったよな?『俺が甲子園連れていく』って」

コクリ、
早川は小さく頷いた
ツーアウト!
グランドから声が聴こえた

「今から俺が甲子園への切符、取ってきてやる。俺は…約束を守る男だからな!」

スリーアウトチェンジ!
俺は再びマウンドへ向かった

111名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 16:54:36 ID:58IfW6cV
『9番ピッチャー猪狩くん』

来たな…
心の中で、そう呟いた
猪狩 守
俺と同じく超高校級と言われる投手だ
打者としても侮れない相手
一球目、外角低めのストレート
猪狩はぴくりとも動かない
判定はボール
二球目、同じコースから内に入る高速シュート
これは見逃しでストライク
カウント1−1
三球目、肩口から折り曲がるスライダー
これに当てるがファール

「(当てたか……)」

俺のスライダーを初見で当てたのは猪狩が初めて
捕手のサインに首を振り、次の球のストレート

――ギィィィン――

鋭い金属音、打球はレフトへ飛び、そのまま左へ切れた
特大のファール

「危なかった…」

新しい球を受け取り、セットポジションにつく

「(やるか…あの球)」

右手のグローブの中で今までとはまったく違う握りをする
捕手にサインを出し、五球目を投げた
ストライーク!バッターアウト!
空振り、三振
猪狩は悔しそうにベンチへ戻って行った
俺が投げたのはスローカーブ
速さは約90km/h
ストレートとの差は60km/h
当然目が追いつくはずがない
その後の二人の打者を抑え、9回表を終えた
112名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 16:55:17 ID:58IfW6cV
9回裏、恋恋高校最後の攻撃
一番打者である矢部に声をかける

「矢部!絶対出ろ、返してやる!」

「がってんでやんす!」

矢部は大きく頷いてベンチを飛び出して行った

「早川、ちょっと失礼」

「ちょっ…わっ!?」

うずくまっていた早川を抱き抱え、一番前のベンチに座らせる

「泣いてないでここでしっかり見とけ」

「でも…」

「でもも何もねぇよ!いいから黙って見とけ」

――キィン――

グランドを見ればぼてぼての内野ゴロで矢部が出塁
さすがはうちの特攻隊長、俊足は伊達じゃないってか

「円谷ぁ!でかいのはいらねー。きっちり送れ」

「はい!」

俺の指示通り送りバントを決めた円谷
そしてコール

『3番、ピッチャー神谷くん』

チームメイトからの声援をうけ、グランドへ進む

113名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 16:59:09 ID:58IfW6cV
「神谷くん!頼んだでやんすよ!」

「おう!」

左のバッターボックスに入り、猪狩を睨む
はっきり言って、ここで俺が点を取らないと勝ち目はない
後に控えている4番はもう疲れていて打てそうにない

「(いっちょ狙うか、サヨナラホームラン)」

猪狩の一球目、かなりノビのあるストレート
空振り
二球目、俺の決め球と同じスライダー

――キィン――

ファール

「(やべーな…もう後がない)」

一旦バッターボックスから出て息を整える
正面の三塁側ベンチに、真っ赤な目でこっちを見る早川の姿があった

「(約束、守らないとな)」

バッターボックスに入り、バットをライトスタンドへ向ける
俗に言う、ホームラン予告

「(こいつは賭けだ…!)」

挑発すれば猪狩はきっと決め球を投げてくる
そう…あのストレートを

「(絶対打つ!!)」

予想通りのかなりノビのあるストレートが、俺の胸元に飛び込んできた

――ギィィィン!!!――

快音、と一時の静寂
打球は弧を描き、ライトスタンドへ
恋恋高校側の応援席がいっそう盛り上がった
114名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 17:00:21 ID:58IfW6cV
それからのことはよく覚えてない
ホームで待っていたチームメイトたちに手荒い歓迎をうけ、あかつき高校と礼をした後だ
確か矢部が祝勝会をすると言って、みんな着替えに行って……
俺はまだグランドに立っていて………

「あの…神谷くん?」

「いっ!?あれ、早川?何でここに」

「何でって…キミが連れて来たんじゃないか」

どうやら俺は無意識のうちに早川の手を握っていたらしい

「っと悪い!もしかしてずっと握ってた?」

早川は声に出す代わりに頷いた
何故か急に恥ずかしくなってきた

「ありがとう…」

「へ?」

早川の小さな呟きにクエスチョンマークを浮かべる

「ボクの失点を取り返してくれて、甲子園に行く、約束も守ってくれて……。ボクはみんなの、あしでまといだったのに………」

辛そうな顔でうつ向く早川
そんな彼女が愛しくて、俺は彼女を抱きしめた

「か、神谷くんっ!?」

早川は俺の手から逃れようともがくが、俺はもっと力をこめて強く抱きしめる

「礼を言うのは俺の方だ」

「え?」

少しだけ力を弱め、早川と目を合わせる

「あの時、早川の泣き顔見て、勝ちたいって思った。勝って…いつもみたいに笑って欲しかった」
115名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 17:01:48 ID:58IfW6cV
早川の目に、新しい涙が浮かんだ

「ありがとう、神谷くん」

「泣くなよ早川…俺が泣かせたみたいじゃん」

「だって…神谷くんが」

なかなか止まらない涙を見て、俺は小さなイタズラを思いついた
もう一度早川を抱き寄せて、その瞳に軽く唇を落とした

「なっ…ななな…何を……!?」

「早川顔真っ赤ー」

「誰のせいだと思って…」

クスクスと声を殺して笑う
早川は拗ねた様に顔を背けるとそのまま言った

「だいたい、こうゆうのは好きなコにしかやっちゃいけないでしょ!勘違いする人だっている訳だし…」

「ふーん、で早川は勘違いしてくれた訳?」

「なっ……」

さっきよりも真っ赤になる早川
俺は意地の悪い顔で笑いかける

「だ、誰が神谷くんなんかに…。この女ったらし!」

「女ったらして……俺実は一途なんだけどな」

「信じられないよ!」

やれやれ、と肩をすくめる俺
早川は着替えのためにロッカールームに向かおうとするが、その肩をつかんで止めた

「何?」

軽く怒気を含む声で俺を睨みつけて来る早川
116名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 17:02:46 ID:58IfW6cV
いつものへらへらした顔じゃなく、試合の時の真剣そのものの顔で早川の目を覗き込む
軽く息をついて、言葉を放つ

「好きだ、早川」

「え…?ええぇぇえぇ!?」

…かなり驚かれた

「そんなに驚かれるとへこむんだけど…」

「だって神谷くんが…!うそ…」

「うそじゃねーよ。一年のころからずっと早川が好きだった」

照れ隠しに頭を掻く

「で、返事は?できれば今すぐ聞きたいんだけど」

「え、と……ボクも神谷くんが好き、だよ…」

顔を赤らめて微笑んだ早川
そっと抱きしめて、唇が重なりそうになったその時

――おい、押すなよ!
だって見えないから…
あ、危ない!
倒れるでやんす〜!?――

――ガッシャーン!!――

「よう、お前ら。俺の150km/hの餌食になる覚悟は出来てるんだろーなぁ…?」

「か、神谷くん…」

「キャプテン…これは、眼鏡にそそのかされて」

「あっ!ずるいでやんす!!」

「問答無用!!!」

その日、地方球場に3つの断末魔が木霊した…



END
117名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 17:04:26 ID:58IfW6cV
これで終わりです
118名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 17:07:45 ID:58IfW6cV
>>108
すみません、sageってメール欄に書くんですね
忘れてました
忠告ありがとうございました
119名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 17:35:25 ID:CgmJ2cDV
悪くは無かったけどやっぱ単発物で>>105みたいな細かな設定はいらないね
設定があっても使われないから存在する意味のない設定になっちゃう

後個人的に猪狩との対決で狙ったコースに投げてるように見えて
どの辺がコントロールに難ありなのか分からなかった
120名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 17:57:57 ID:8vHlXtE2
最近はなんかあおい、みずき、聖以外は外道的な流れになってる気がするが
普通の彼女候補で普通に小説書いたらもうダメなのか?
121名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 18:38:31 ID:RwE0coaU
>>105
設定厨と呼ばれたくなかったらそんなデータ書くのやめとき。
キャラクターがどれほどの能力を持っているかは、SS内で具体的な行動やエピソードで表現するもんだ。

>>120
ヒロイン3人娘、パワポケの彼女どもと比べ、キャラもイベントも薄すぎる(特に12以降の彼女)ので、
よほどの筆力とネタがない限り、よくあるラブラブ話となってしまい、
別にパワプロキャラでなくてオリジナルでもいいんじゃないのって評されるのがオチ。
パワプロらしさを出すのが困難なのだよ・・・・・・。
122名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 18:45:52 ID:8vHlXtE2
世知辛くなったもんだな
色々書きたい娘はいるのに、3人娘のネタがないから書けやしない
そんなにあの3人じゃなきゃダメか?
123名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 19:33:50 ID:nEOV5jk3
別にパワプロらしさ、つーか作品らしさてのを気にする必要は無いんじゃね?
キャラの性格、特徴さえおさえてりゃさ。
所詮2次創作なんて好き勝手にやってなんぼだから、キャラさえ壊さなきゃ
あまあまでも大人の恋愛でも何やってもいいと思うわ。
問題は本編での描写が薄いからそのキャラらしさをつかみづらい、て事なんだけどなー。
124名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 19:56:30 ID:se2zygJE
だから本編で描写が多い三人娘ばかりになる傾向になるんだなー。勿論、三人娘以外のSSも見たいわけだが。

ここで三人娘以外のSSを多く書いてる人ってRIK氏とジャーマン氏ぐらいだからなぁ…。
125名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 20:37:04 ID:8vHlXtE2
前スレははるかちゃんとか澄香ちゃんとか木乃葉さんとか三人娘以外の作品も結構あったけど
新スレになってからは三人娘一色だったからとうとう需要がなくなったのかと思った
今でもネタさえちゃんとしてれば別に三人娘以外でも書いていいんだよな?
126名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 20:48:07 ID:ikcu61X+
もちろん。
色々言っても書いてくれる人はみんな神。
127名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 21:08:43 ID:se2zygJE
まだまだ書かれてない彼女キャラ多いし、キャラが重複してても投下があれば嬉しいし。
>>1にも書いてあるように、SS職人は常時歓迎するよ。
128名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 13:22:39 ID:QtlK69O3
「矢部君おはよう!」
「・・・・」
「矢部君?」
「小波君、オイラは見たでやんす。あおいちゃんと夜遅くまでこっそり自主練なんてずるいでやんす。」
「ゲッ!」
「ゲッ!じゃないでやんす!二人がそんな関係だったなんて昨日忘れ物を取りに部室に戻るまで知る由も無かったでやんす!」
「そ、そんな関係・・・?」
「もしかして、あんなことやこんなこともしてたんじゃないでやんすか?」
「いや、あおいちゃんに練習に付き合ってくれと言われたからなんだけど・・・」
「さしずめ『夜の友情タッグ』でやんすね。あおいちゃんっていろいろと積極的な子でやん・・・へぶし!!」
その瞬間、お下げの子はメガネ男にアッパーを繰り出していた。
しかし、まんざらでもなかったり・・・。

疲れがたまった
ポーカーフェイスになった
129名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 16:20:29 ID:zdLPEL1r
GJ!短いのもいいなw

130名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 13:08:35 ID:V3qPWen3
三人娘以外もウェルカム!
131名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 21:05:28 ID:GfRi8aMJ
春奈のSSがひとつもないどころか、スレの中で「春奈」と一回も書かれてないだと・・・

なら俺が貰っていく
132名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 22:46:14 ID:7zoQd0Im
春菜…



…春菜?
133名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 23:20:30 ID:NjcWTXoQ
もう、猪狩くんったら。
134名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 01:24:31 ID:ju2myfB/
>>131
悪い、全く覚えがないんだがその人いつの彼女候補?
135名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 02:18:50 ID:rTVYKzrt
>>134
マイライフじゃね?
136名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 03:53:12 ID:t+nqBWtP
投稿少なくても気長に待つでやんす
137名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 16:08:59 ID:RmC8TXqU
>>135
攻略本見直してみたら確かにポタ3のマイライフにいたな
早矢目的で買ったもんだから全く印象になかったが…
138133:2008/10/18(土) 21:38:43 ID:+db4/5+k
俺はパワプロ6の南春奈ちゃんだとずっと思ってたんだが。
違うのか?
139名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 10:23:11 ID:K+xkWzpW
>>138
おお、なつい
6の彼女は恩恵が薄い上に
京子さんと徳子の印象が強すぎるから他の子の印象が薄れるぜ
140名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 00:23:06 ID:GK6wjxy0
6の京子さんと、紫の髪の子は結局付き合えず終いだったなー。

5に至っては、白いブラウスが似合いそうな自分の居場所を知らない女の子と、「バカばっか」しか覚えてない
141名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 00:33:16 ID:UvdqqltF
>>140
なんと、5にはルリルリがいたのか?
142名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 02:13:44 ID:GK6wjxy0
>>141
すげえ、「バカばっか」だけでわかるのかw
緑のツインテールの女の子だよ。

・「バカばっか」とは言わない
・彼女に対して無類の強さを誇っていた公園デートが通用しない強者
・何処に連れていっても「つまらない」と言われ、付き合い始めて一ヶ月後には留守電にメッセージが入っていた

と5の攻略本に書いてあった
143名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 03:00:26 ID:aMhOEvXv
>>142
甲子園行くとつきあえるんだよな。
名前なんだっけ。緑川…ひかる?
144名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 15:48:06 ID:s9paEcX1
>>140
「白いブラウスが似合いそうな自分の居場所を知らない女の子」
↑誰の事?。白いブラウスのくだりがぜんぜん分からない
145名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 16:13:57 ID:ZhXH+Zaq
>>143
グリーンライトリバー!!
146名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 19:50:41 ID:GK6wjxy0
>>143
確か緑川あけみちゃん

>>144
失礼しました。青木ゆりちゃんです
147名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 22:10:02 ID:s9paEcX1
>>146
白いブラウスと自分の居場所を知らないの意味は分からんがとりあえず誰かは把握した
勉強してるときに3連続とかで出てくると殺意が沸いたもんさ…

思えば5は彼女候補のバリエーションが豊富だった
他にもマネージャー、真面目な委員長、眼鏡を取ると美少女とかがいたな
え、一人足りないって?気にするな。
148名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 23:05:08 ID:sE68XuAN
5とか古すぎて知らぬ
149名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 00:41:58 ID:fHV2H5C2
ところで澄香ちゃんは眼鏡を取ると美少女になると思うかね?
150名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:12:06 ID:ul2Tu/xy
馬鹿野郎、澄香ちゃんは眼鏡してる段階で既に美少女だろうが
151名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:21:49 ID:fHV2H5C2
チッ、ばれたか
152名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 12:21:07 ID:xP2SWOC7
>>147
重ね重ね失礼しました。
青木ゆりちゃんがエヴァの綾波さんに似てた(つーかモデル?)んで。当時はまだ流行ってた気がするし。
そのブラウスのくだりは、とあるバンドの綾波さんをモデルにした歌の一節です。アルエって歌

そーいや6のあかつき大の監督は、綾波レイの親父にそっくりだったなー
153名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 15:51:07 ID:oDNoeLP4
>>152
バンプ乙
154名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 02:30:18 ID:5R8Sfx3I
早くだれかうpして神になろうぜ?
155名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 16:42:09 ID:4A3OdSUf
「早川、今日は休みか?」
「はい、少し体調が悪くて…」
「お前先月も休んでたな。生理か?」
「……!? ち、違います!」
「じゃあ練習に出ろ。みんな体調悪くても我慢してるんだ(にやにや)」
「……わかりました」

こういう下衆なの希望
156名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 20:17:23 ID:qeZAEJv5
妄想できるんだったら自分でかけばいいじゃない。
結局自分の需要を完全に満たすことができるのは自分だよ。
157名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 03:37:27 ID:MB/5z7f2
今日の練習試合、相手の女の子投手に打球をもろにぶつけてしまった。
涙目になりながらうずくまっている小柄な彼女を一塁から見た時俺は何かに目覚め、試合中は下半身が大変だった。
キャッチャーも女の子で、クロスプレーで吹っ飛ばした後も快感を覚えていた。
158名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 17:49:38 ID:n5tHYgPD
「早川、今のままでは一軍は無理だな」
「……わかってます」
「お前は女だ。男には敵わない」
「そ、そんな……」
「だが女だからこそ出来ることもある」
「え?」
「今夜俺の部屋に来い」
「なっ!?」
「来なければ二軍だ。よく考えておけ」
「……」

こういう下衆なのも希望
159名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 10:35:47 ID:5vxK+MgV
>>158
書きなさい
160名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 10:42:22 ID:SVpBY8g6
よし、俺が書こう。
ただし5年待て
161名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 16:07:38 ID:up53DVXx
「今日は全裸でランニングを行う」
「全裸!?」
「そうだ。甲子園常連校もやっている精神鍛練だ」
「で、でもボクは……」
「女だからって特別扱いはしない。そういう約束だったよな、早川?」
「う……」
「嫌なら退部してもらう」
「……わかりました」

こういうふうに下衆なのも可
162名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 17:38:42 ID:4WCXzDot
そんなに妄想できるなら自分で書いたほうが早いんちゃうかと小一時間(ry
163名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 23:17:25 ID:cq1Y77Ch
恋々の監督っておばs…美人養護教諭じゃなかったっけ?
164名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:14:11 ID:xKVi625Z
だんだん横柄になってきたなw
165名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:24:00 ID:78uxOy19
まぁこのスレには甘いのしかssは投下されてないしな
166名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:58:49 ID:7U+4435q
「どうしたの? こんなところに呼び出して」
「……」
「はるか?」
「……ごめんね、あおい」
「え、何が?」
「私ずっとあおいのことが好きだったの。もう我慢出来ない……」
「そ、そんなこといきなり言われても……ん――!?」

こういう甘いのも希望
167名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 03:57:33 ID:4DVkoXB+
 梅雨も明ければ快晴が続く。八月に入った今も呆れるほど太陽が燦々と照りつける。
 むしむしと暑い。しかし空を見上げればブルーの空。その下で恋々高校の今日の練習が始まる。
「暑い、暑すぎるぞ矢部くん」
「同感でやんす、脳みそが溶けてしまいそうでやんす……」
「むしろ君は一度溶けてしまえばいいと思うよ」
「酷いでやんす!今日の波湖君はなんか毒舌でやんす」
「きっと暑さのせいだよ」
「把握したでやんす」
 こんな風な会話を見せる恋々高校主将の波湖と矢部。その後ろから部員達がついて来る。全体ランニングである。
 その中におさげ髪の少女が男子部員と混ざってランニングをしている。
「………」
 真剣な表情で部員達の先頭を走る彼女の姿は、一見すると他の男子部員と見間違えるかもしれない。
 波湖は少しペースを落とすと、すぐに彼女が追いついた。
「あおいちゃんは暑いの辛くないの?」
「そりゃ辛いと言えば辛いけど、この程度で弱音なんて吐いてられないよっ」
「さすがあおいちゃん、今日も頑張ろうね」
 頷くのは早川あおい。今日も普段どおりの練習が始まる、はずだった。
168名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 03:58:56 ID:4DVkoXB+

 加藤理香監督、もとい加藤理香先生が「集合」と部員達に言う。
 すると波湖主将を筆頭にそんなに多くない恋々高校部員が加藤先生の下に集まる。
「みんな集まったわね。今日から特別に臨時コーチをお呼びしたわ」
 部員達がざわめくのを一度静止し、加藤先生は「どうぞ」と一言。
 現れたのは帽子に「GP」、赤をベースにしたユニフォームを着用。無精ひげを生やしたいかにも厳つい顔をした男。
 その姿を見るといなや「オオッ」と呻く部員もいれば、誰だろうと首を捻る輩もいる。
 まさに知っている人は知っている人。頑張パワフルズのバント職人、小波選手である。
 加藤先生によると、現在二軍で怪我のリハビリをしている所を呼び出し、球団の了承を経てこの恋々高校に来たようだ。
 その説明が一通り終えると、加藤先生はその場から一歩下がる。
「小波選手、どうぞ」
 ギラリとした目を輝かせた小波が、加藤先生より一歩前に出てきた。
「えー、今日からみんなを指導させて頂く小波だ、宜しく」
「よ、宜しくお願いしまーす!」
「加藤先生と縁があってこの学校に来た。これからお前らを鍛え上げてやるから覚悟しておけ」
 小波は一つ咳き込む。無精ひげを触りながら選手達を眺めていく。
 波湖、矢部、その他部員と順々に眺めていき、あおいをみると「ほう」と声を漏らし誰にも分からぬ程度に小さく笑う。

「まずはじめに、高校球児のお前らにとって大切なものはなんだ?……そこのお前!」
 指されたのは波湖だ。
「ハイ、高校野球に必要なのは努力です!努力があってこそ実力がつくと僕は考えています!」
「オオーッ」と部員達が歓声を上げるのを見て、小波は「いい答えだ」と呟き、言葉を続ける。
「ならばツーアウト満塁等……ここ一番に強くなるためにはどうすればいい?……そこの眼鏡!」
 次に指されたのは、もちろん矢部の事である。
「精神鍛錬でやんすか?」
「今、眼鏡は簡単に言ったが並大抵の事ではつかんぞ」
「ですから、日々ある事に精神の鍛錬が必要でやんす」
「そうだ。今日俺が教えるのは他でもない、精神鍛錬だ」
169名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 03:59:39 ID:4DVkoXB+

 小波の得意分野はバントだ。いとも簡単に決める事ができる職人芸。往年の某バント職人と同じように、大事な場面で代打で出てはキッチリと決める。
 もちろん技術もいるが、並大抵な精神力も必要。その精神力の高さは一軍在籍時の代打得点圏打率で証明されている。
 ファンからはバント職人と言われていると同時に、代打の神様とも呼ばれているよう。
「ここぞと言う時にバントを決める、チャンスの時に緊張せずリラックスしてバッティングを行う。……後は分かるな」
「………」
 思わず押し黙る部員達を見て、小波はニヤニヤと笑う。主に視線はあおい。
「そして今日行う練習は全裸でランニングだ」
 今の部員達を簡単に表現するとするならば、ざわ・・・ざわ・・・。
 そんなざわめきを意図も簡単に一喝、ものすごい気迫だ。
「もちろんグラウンドでやるとまずいことになる。他の部に無理を言って体育館を借りた。思う存分練習できるな」
「こ、こんな練習で本当に精神鍛錬になるでやんすか!?」
 喰らい付くのは矢部、だが小波はあっけらかんと答える。
「何言っているんだ、甲子園常連校もやっている精神を鍛える練習法だ。知らないほうがおかしいぞ」
「そ、そうなんでやんすか?!」
「ああ。もちろん俺の高校時代もやっていたぞ。さあ着替えて体育館に集合だ!」

 わらわらと更衣室に消えてく部員。しかし一人だけ残っている部員がいた。
「………」
「どうした早川、早く着替えに行かないのか?」
「ど、どうしてボクの名前を……」
「いや、事前に加藤先生から女子部員がいると聞いていてな……」
 ニヤニヤ笑う小波をあおいは軽蔑した眼差しを彼に送る。だが彼は気にしない。
「で、でもボクは……」
「女だから、って言いたいのか?それはいけないな、早川」
「………」
「聞いた話だといつも他の男子部員に言っているみたいじゃないか。女だからって特別扱いするなって」
「ッ!」
「まぁするしないはお前の勝手だが、間違いなくお前の評価は落ちるだろうよ、嘘吐き女ってな」
「う……」
 俯く早川を勝ち誇ったようににやける小波。相変わらずニヤニヤした笑みは変わらない。
「これはお前や他の部員達の為でもある。俺はお前らに太い肝っ魂をつけてもらいたいんだ」
 今までとは打って変わって優しい口調で囁く小波。
「………」
「お前だって勝ちたいだろう?マウンドに登ってここぞの場面で相手を抑えたいんだろう?」
「……はい」
「分かったな。じゃあ早く更衣室に行け」
「……分かりました」


 あおいの後姿へ視線を集める小波はニヤニヤ笑いながら呟く。
「これから楽しくなりそうだな……!」

170RIK ◆nYAlkBQCIc :2008/10/26(日) 04:03:50 ID:4DVkoXB+
>>161こうですか、分かりません

お久しぶりです。
何にも書けず早三ヶ月、短いですがまず>>161を書いてみたりしました。
もしかすると続くかもしれませんし続かないかもしれません。
ではまた次の投下で。
171名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 07:05:48 ID:9yP2C08v
途中から展開が>>161なのに気づいてワロタ
小波さん鬼畜ww
172名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 14:36:24 ID:fZZFuFTE
鬼畜展開ktkr
173名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 18:37:29 ID:7U+4435q
妄想を書き殴った甲斐があったぜ
174名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 08:10:41 ID:VrV7R2xS
警察沙汰で引退ですね、わかります
175名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 10:13:20 ID:1J8UYkUB
>>170
Gj!
小波鬼畜www






あと質問だけど今マイライフものの構想練ってるんだ。で、主人公の名前はやはり「小波」がいいんだろうか。
一応オリジナル名を考えてはいるけど…。


参考までに答えてくれると嬉しい
176名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 13:14:22 ID:Ijci5pT0
>>175
小波が無難な気はするなー。
別にオリジナルの名前でも俺は嫌じゃないけど。
まぁ、公式で決まってない設定だから好きにしたらいいんじゃね?
177名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 14:58:11 ID:oWac7TKx
俺は実際につくった選手の名前つけてる。
178名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 15:09:47 ID:3x1SoPa9
最終的には作者が決めれば良いと思う
名前変えたくらいで中身が崩れるわけでもないしね

まぁあくまで俺個人の意見としては感情移入しづらいからオリジナルはいらない
小波かパワプロが無難
179名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 16:57:22 ID:HOf+DXKD
小波が一番印象良いかな
佐藤だの、小林だの、井上だのでも嫌な感じはしない
逆に普段見ない苗字とか使われるとなんかなぁとは思う
180名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 17:47:04 ID:PNi8Bt1T
なんというデジャヴ会話
名前なんて投稿神が決めればいいだけのこと
みんな楽しめればおk
181名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 17:55:52 ID:g7W9j1tV
もういっそ矢部が主人公でいいよ
182名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 18:43:06 ID:gbgjXgnK
>>175
SS屋なら誰でも通る道だ
思うぞんぶん悩もうぜ!





ところで、俺は作者様なのだから改行厨であっても許されるとか思ってないよな?
183名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:21:56 ID:cY02n5Cv
>>170
GJ! 俺は鬼畜ものは書けないから本当にありがたいんだぜ。

どうも>>96です。
あおいものを書いていたら思うように進まず、聖ものを書いたら一日で出来た馬鹿者です。
最初13で書こうと思ったけど設定を立てるのが面倒だったので強引に15から持ってきました。
スポーツ医学の権威様が頑張ってます。
細かい突っ込みは無しでお願いします。

スレの流れには反するのかも知れないが甘々です。

184名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:23:02 ID:cY02n5Cv

私は今彼と幸せに暮らしている。
同棲を始めたのは1年ほど前だが最近大きな変化があった。
おっと紹介が遅れたな、すまない。私の名は六道・・・もとい水無瀬 聖だ。
とまぁそういうことだ、今私の指には彼から贈られた指輪が光っている。
普段の日常生活では肌身離さず身につけているが野球をしているときはさすがに仕方ないので
ネックレスにして首から下げている。みずきにとっての三日月のペンダントくらい私には大切なものだ。
さて、今回は一風変わったエピソードをお届けすることになる。

『ある日の思い出』

さて、”たいむ・とらべる”という言葉は耳にしたことがあるだろうか?
そう、今自分のいる時代を越え、過去や未来に移動するという現実的にはありえない話。
なんと私は、私たちはそれを体験することとなる。
いや、正確には実際に時代を越えたわけではないのだが・・・

185名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:24:03 ID:cY02n5Cv
ある晴れた日の午前のこと。私は彼と散歩に出ていた。
予想がついていたかもしれない。あの公園でである。
私と彼は公園のベンチに腰を下ろし、会話を楽しんでいた。
「せっかくいただいたんだから行こうよ」
彼が私の目の前に二枚の紙切れをちらつかせ言う。
「もうそんなところへ行く歳でもないだろう?」
子供がいるわけでもないし、というのは心の中の言葉だ。私はまだ彼の球を受けていたい。
・・・まぁ子供が欲しくないと言えば嘘になるがな。
その紙切れを彼から取ると私はぼんやりとそれを眺めた。
みずきが結婚祝いにとくれた新しくオープンしたばかりの遊園地の一日フリーパス。
「そうかなぁ? 僕結構そういうの好きなんだけど」
彼が言う。言動は控えめだが私には分かる。こういうときは彼がなかなか退かないことを。
彼と一緒なら私はどこでもいいといいたいところだったが遊園地はな・・・いや、深い事情が人にはあるものだ。
私が悩んでいるときだった。

「へーーイ! ソコノオ2人サーーン。ソウイウコトナラ私ニ任セテクダサーーーイ!」

不意に不思議なイントネーションの男の声が公園に響き渡った。
「うわぁっ! びっくりしたぁ!!」
彼が驚きのあまりベンチから飛び上がる。私も声こそ発しなかったが彼とほぼ同じ行動をとった。
私たちが座っていたベンチの真後ろにいかにも胡散臭い白衣をまとった中年の男が立っていたのだ。
「アナタガタハーツマリ若クナリタイトイウコトデスネ!?」


186名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:25:02 ID:cY02n5Cv
不意に現れて見知らぬ夫婦に大声で話しかけるなど通報されてもおかしくない。
だがこのときは彼も私もその男の凄み(?)に負けて身動きひとつとれなかった。
しかも私たちの会話を盗聴していたらしいその男は的を得ているようで微妙にずれた発言をしている。
いや、若くなりたいとかそういう問題じゃなくてだな。
確かに野球やるなら体は若い方がいいが・・・

私は彼に意見を求めようとして彼のほうを見た・・・が彼はその場に倒れ、寝息を立てていた。
え?! ど、どうしたんだ!
う、うわ! 来るなっ!!
・・・・・・・・そこで私の意識はいったん途切れた。


「――り!! ―じり!! 起きて!」
徐々に意識が覚醒していく。私を呼び起こす声はもはや聞き飽きるほど聞いた声だが違和感を感じる。
若干・・・声のトーンが・・・高い?
ふとあたりを見回す。先ほどまでと変わらず場所は公園。ではなぜ私はこんなところで彼に起こされている?
「色々混乱しているかもしれないけど、僕の顔と自分の顔をよく見てくれる? はい鏡」
私はわけも分からず鏡を手に取り、自分を見た。
「―――――っ!!?」
そこに映っているのは私であって私ではなかった。

187名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:26:02 ID:cY02n5Cv
「なんかよくわかんないけど僕たち体が高校生くらいのときに戻っちゃったみたいなんだ」
彼が困ってるけどどうしようもないといった表情で私に言う。そんな彼の顔は初めて会ったときより幼かった。
目の前の彼と鏡に映った私の姿。思わず自分の頬をつねる。・・・痛い・・・現実か。
しかし体が若返るなんてそんなばかな。どこぞの名探偵のように元に戻れないのだけは困るぞ。
「なんか一日経てば戻るってそこに書置きがあったよ」
一安心。思ったより冷静に今の現実を受け止められている自分に驚きつつも彼を見る。
彼もそんなに危機感を覚えてはいないようだ。幸い記憶はそのまま継続しているようだし。今日は特に大事な用もない。
一日くらいなら特に問題なく過ごせるだろう。
私が思慮にふけっていると不意に彼が立ち上がり、私に手を差し伸べると言った。
「じゃ、行こうか」
「は? どこにだ?」
思わず間抜けな返事をしてしまう私。
「どこって、遊園地。聖の言ってた問題も解決したわけだし」
しまった―と口にする前に私は手を引かれ、彼に連れられて歩き出した。
遊園地デートを断る唯一の口実だった年齢的問題が解決されてしまったのだ。
そして私はここで第2の異変に気づく。
「!? なんだその格好は!?」
「分かんない。目が覚めたらこうだったんだ。ついでにその言葉、そっくり返すよ?」
「え?・・・・・っ!?」
今日の私は驚いてばかりだと思う。でも無理もないだろう? いきなり体が若返ったかと思ったら・・・
・・・いつの間にか高校時代の制服を着ていただなんて。
そう彼も私も制服姿だったのだ。どうして彼はこんなに冷静でいられるんだろう?

188名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:27:08 ID:cY02n5Cv
「うんまぁ色々と突っ込みたいところはあるだろうけど仕方ないから楽しもう?」
「そうする。これ以上考えても頭が痛くなるだけな気がしてきたからな」
遊園地の入り口にて、はたから見れば高校生のデートにしか見えないだろう。
彼がじっと私の顔をみつめている。ど、どうしたんだ? 顔に何かついているか?
「うん、高校時代からやっぱ可愛かったんだって」
「なー! も、もういいから行くぞっ!」

「よしっ! 行こう聖ちゃん」
さらに驚愕。い、今なんて言った・・・?
「いやぁせっかく体が高校生になったわけだしなんとなくだよ」
屈託のない笑顔を見せる彼。その表情は私が知ってるものより幼くて思わずドキッとする。
って何を考えているんだ私! よもや心まで高校生になったわけではないだろう?
そう言い聞かせても鼓動はますます速くなる。
・・・もういい、このわけの分からないどきどきも含めて楽しんでやることにする。
「分かった。行こう水無瀬くん」
この私の返答に彼は一瞬呆けた後に
「な〜んだ案外ノリノリじゃん」
と笑顔で私の手を取ってきた。もうこの行為にはとうの昔に慣れた。
そのはずなのに私の心臓が落ち着きを取り戻すことはなかった。



189名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:27:28 ID:1J8UYkUB
意見ありがとうございます。参考にさせてもらいます
190名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:28:01 ID:cY02n5Cv
さて、話したところで誰にも信じてもらえそうにないどっかの名探偵よろしくな事態に僕たちは陥ってしまった。
まぁ小学生くらいまで戻らなかっただけよかったのかな。
どうしようもなさそうなので素直に遊園地デートを楽しませてもらうことにしよう。
今回僕が遊園地をやたら推したのはひとつ、確かめたいことがあったのだ。
何を? と聞かれて偉そうに答えをのたまうことなど出来そうにない些細な疑問だ。
”聖ちゃん(!)はホラーが案外苦手なんじゃないか?”という疑問。
昔何度か映画に誘ったことがあったが何度も誘ったにも関わらず一度も誘いに乗らなかったのはホラーもののみ。
これだけで確信づけるのはどうかと思うけど気になりだしたら止まらないのですよ。
そういう魂胆で今回のみずき選手のプレゼントに便乗したんだけど・・・

「分かった。行こう水無瀬くん」

この一言にはなんかクラッと来た。
おかしい・・・昔は当たり前のように呼ばれてたのに・・・心まで高校生じゃあるまいし。何を考えてるんだ僕は!
そしていざ入場しようと彼女の手を取ったとき、自分の心拍数が異常に上昇しているのが分かった。
記憶はそのままなのに心は高校生とでも言うのか? なんとも滑稽だな。
じゃあそろそろ行くとしますか。

遊園地デートに来たならジェットコースター、お化け屋敷、観覧車あたりはもはやお約束だろう。
しかし、今回の目的はお化け屋敷なのでこれは最後のほうにとっておく。
せっかくなので観覧車も後ろのほうに回しておこう。



191名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:29:02 ID:cY02n5Cv
野球選手はオフシーズンとはいえ、平日の遊園地はそこまで人はいない。
どのアトラクションも大した待ち時間を要さずに楽しむことが出来た。
そしてやってきた本日のお楽しみ、お化け屋敷。

「次はあそこ行こうよ」

僕がそう言った瞬間彼女の表情が一瞬引きつったのを見逃さなかった。
これは僕の予想通りでいいってことですかね? 聖ちゃん。
「わ、分かった」
微妙に震えている声に萌えてしまったのは秘密だ。

お化け屋敷に入ってみると僕の疑問は確信に変わった。
道中でお化けや仕掛けに出くわすたびに握った彼女の手に力が入るのがとても可愛らしい。
手はほんのりと汗ばんでいる。ちなみに僕はこういうのは結構大丈夫なタイプだ。
お化けやギミックを軽くスルーし、目の前の女の子の観察に徹している。
自分はSではないと思っているけどこういう状況のときに少し意地悪をしたくなるのは誰にだってありえるんじゃないかな。
ここで僕が驚かせる役に回りたいけど手を握ってるうえにいつもよりくっついてくる彼女がいるのでなかなかに難しい。
単に大声を上げるのも芸がないというものだ。何かいい案はないかな。
そんなことをのんびりと考えていたら目の前の井戸らしきものから女の幽霊らしきものが飛び出してきた
「ひっ・・・!?」
必死に声を抑える彼女。同時に握る手の力が増す。って、そんなにくっつかれると動けないのですが?
「し、仕方ないだろうっ・・・!」
ギャップっていうのは怖いね、クラクラする。
ここで僕はちょっとした悪戯を思いついた。いきなり背後から大声を出すくらいありがちな方法。

192名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:30:12 ID:cY02n5Cv
「ほら、怖いなら早く行かなきゃ終わらないよ?」
「ち、ちがうっ、私は断じて怖がってなどいないっ!」
この期に及んでまだ意地を張りますか。まぁ体は素直に歩を進めることを再開したようだけど。
・・・さて、どのタイミングがいいかな。

そんなこんなでお化け屋敷に入って結構な時間が経過し、そろそろ出口じゃないかというところまで来た。
いよいよ最後といえそうなちょっと大掛かりなセットを通過し、出口らしきものが見えてきた。
彼女が小さくふぅと息をついたのを聞き逃さない。それでも握る手の力が緩まないあたりが可愛いが。
そんな完全に油断しきった彼女の耳のあたりにこっそりと顔を近づけ・・・息を吹きかけた。
「ひゃわぁっ!?」
普段は全く想像できない高い奇妙な声をあげる彼女。
全身が一瞬ピンと張り詰めたあと、一気に脱力して僕の体にもたれてくる。
「なるほどね〜ホラーものが聖ちゃんの弱点か〜」
わざとらしく少し大きめの声で僕は彼女に言う。
「う、うるさいっ!」
「あっはっは、可愛いよ聖ちゃん」
そういうと彼女は悔しそうにう〜と言いながら僕の胸に顔をうずめてきた。
暗くてよく見えないけど顔は多分真っ赤だろう。

大の大人がちゃんづけ、くんづけで一体なんのプレイだと思うかもしれないが、
不思議なことに今はこの状態に違和感は感じなかった。
193名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:31:11 ID:cY02n5Cv
最後に私と彼は観覧車に乗って今日一日について振り返っていた。
黄昏の光が世界を茜色に染め上げる。きれいだ。
・・・まだ手が少し震えている。だから嫌だったのに・・・
でも悪くはなかったなと思えている自分がいる。
「なんか今すごく不思議な気持ちなんだ。何度もしてきたはずのデートなのに今日初めてした気がして」
彼もやはりそう感じてしたのか・・・うん。私もそう思うぞ。
「久々のちゃんづけも案外すぐに僕の中で落ち着いちゃってさ、嫌だったかな?」
「そんなことはないぞ。・・・水無瀬くん」
水無瀬くん・・・か。ひどく懐かしい響きなのになぜか一種の初々しさを感じずにはいられない。
彼はこの私の返事に少しくすぐったそうに笑った。
「あ、もうすぐてっぺんだね。・・・ちょっとありがちな話をしていいかな?」
「・・・? なんだ?」
「・・・・・・・・・」
私が許可したにもかかわらず、彼は話をしようとしない。外の観覧車が動くさまを眺めているばかりである。
そして私たちを乗せた観覧車が頂上へ達した瞬間だった。
「――――――っ」
唇に熱い感触。やっぱり不思議。これがファーストキスな気さえしてきた。
体が火照る、今日中激しく動いていた心臓はますます活発に動く。
「ぷはっ、てっぺんでキスしたカップルは幸せになれるんだってさ。ね? ありがちでしょ?」
顔を赤く染めた彼が私に笑いかける。
「・・・これ以上幸せになってどうするんだ」
大好きな野球が出来て、最高のパートナーがいる。これ以上の幸せは私にはない。
私が笑い返す。私も顔は真っ赤だと思う。
そして再び私たちは唇を重ねた―――
194名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:32:04 ID:cY02n5Cv
「いよいよ暗くなってきたし、帰ろうか。もしこの体が突発的に元に戻ったら大騒ぎだよ」
「そうだな」
私たちは観覧車を降りた後、再び手を取り合い、入り口へと歩き出した。
「はーい! そこのお二人さん! 今日の記念に一枚どう?」
もうすぐ出口というところでスタッフらしきカメラを抱えた男に私たちは呼び止められた。
「これはありがたく写らせてもらうしかないでしょ」
彼が言う。そうだな、私も同感だ。

こうして私たちは私たちが出会う以前の状態(外見的には)の写真を手に入れた。
奇妙だけど、決して悪い気はしないな。私も彼も笑顔でなかなかいい写真だと思う。
こうして高校生の私たちの一日限りのデートは幕を閉じた。

帰り道の記憶はなぜかひどく曖昧だった。もと来た道をたどり、あの公園まで来たことは覚えているのだが・・・
気がつけば私と彼は家で眠っていたのだった。外の明るさを見るともう朝のようだ。
「あれ? ・・・夢、だったのか?」
『今日ハ楽シカッタデスカ〜?』
何だ今のは幻聴か?
目が覚め、鏡を見る。映っているのは紛れもなく”今”の私。服もいつの間にか戻っている。
夢だったのだろうか・・・彼はすぐそばにいるというのにひどい喪失感に襲われた私はそばにあったバッグをあさる。
そしてすぐに安心する。私は一人で微笑み、まだ眠っている彼を起こさぬように寝室を出た。

ベッドに置かれた一枚の紙には幸せそうな笑顔を浮かべた高校生カップルが写っていた。

おしまい
195名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 20:38:45 ID:cY02n5Cv
以上です。
衝動と妄想で突発的に書いたものです。
この15の世界観を作るうえで
どの世代の主人公を小波という名前にするか結構悩んだんだけど
やっぱりここは9主にその名前をつけることにしたのです。

鬼畜は俺には書けないので他の職人様に任せます。
もう一度>>170
GJ!

ではまた機会があれば。
196名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 21:22:17 ID:ZVuPhgxj
>>195
GJGJ!
もう二人で幸せになっちゃいなよ!
そしてもうお前もコテ付けちゃいなよ!
197名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 01:36:26 ID:Pq1hQE+C
>>195
GJ。甘いのは和むねぇ
DJ博士を出すとやや非現実的な物も書けていいよなぁ。
俺も頑張って今書いてる鬼畜モノっぽい処女作仕上げるよ。
後ちょっと書いて精査したらとりあえず投稿してみる。
198名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 01:41:22 ID:Pifh5089
聖ちゃんかわいい。制服で遊園地デートなんて、オイラもう辛抱たまらんでやんす
あとダイジョーブ博士が意外といい人で安心したw
199名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 18:15:01 ID:bXWo3GX3
9や13で他校の生徒同士の恋愛ってあり?
A校の主人公がB校の女子マネージャーと付き合ってるみたいな
200OTK:2008/10/28(火) 20:42:12 ID:I7wgyflM
泣けました…みなさん本当に素人ですか?
小説家になれますよ…(TT)
201197:2008/10/28(火) 22:06:50 ID:Pq1hQE+C
・諸注意
これから投下するのは非純愛モノになります。
ハードなプレイ(スカトロとか?)はありませんが、閲覧には十分ご注意ください
分量が多くなってしまってるので、2日に分けて投稿します。
今日は非エロ部分の9レスです
202六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:08:24 ID:Pq1hQE+C
新入生を歓迎するかのように咲いていた桜は散り、葉桜になってしまった。
そんな5月の最初に用意されているのが、ゴールデンウィークである。
学生にとって貴重なこの連休の過ごし方は様々である。
が、部活動に参加している生徒の過ごし方は大差ない。
大抵の場合、授業時間が部活の時間に回されるだけである。

今回の話の舞台となる聖タチバナ学園野球部においても、それは同じである。

日も沈んだグラウンドの隅で、ユニフォームを着た男子生徒達が気だるそうに輪を作っている。
その輪の中央にいるのは、紫がかった髪を後ろで結んだ女子生徒である。
和人形のような整った顔立ちは、美少女と呼ぶに相応しい。
彼女の名前は六道 聖(ろくどう ひじり)。
この野球部のキャプテンであり、部内一の捕手である。
彼女が中央に立っているのは、ミーティングを仕切っているからである。

「えー、5月にある連休の練習予定だが……」
「キャプテーン。ちょっといいですかぁー?」

だらけた態勢で立っている男子生徒が、茶化すような口調で話の流れを断ち切る。
体格や身長からして、恐らく3年の生徒だろう。
六道が、その生徒の方へと視線を動かす。
その目には、態度を戒めるような強い意思が宿っている。

「……何だ」
「俺たちなりに話し合ってみたんスけどぉー、ゴールデンウィークには合宿したらどうかと思うんスよ。」
「ほう?お前にしてはまともな意見だな」
「やだなぁー、俺達だってたまにゃ真面目になりますよぉ〜」

皮肉を込めた六道の物言いを全く意に介さず、男子生徒は相変わらずだらだらとした態度をとる。

「その上ぇー、その合宿の場所とかも既に決めてあるんですよぉー」
「やる事が早いな。当日には霰でも観測されそうなくらいだ」
「ってわけで、5月はそういうことでいいっスかねぇ〜?」
「……」

先程から、場には微妙な険悪さが漂っている。
六道はしばらく考える様な間を置いて、一言。

「……いいだろう、合宿については任せよう。」
「へ〜い、任されましたぁ〜」
「それでは、次に今日の反省点だが……」
203六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:09:52 ID:Pq1hQE+C
ミーティングが終わったのか、歪な形の輪が崩れ部員達が散っていく。
輪の中央にいた六道も、疲れたように溜息をついてゆっくりと更衣室へ向かう。
「六道キャプテン」
六道が後ろを振り向くと、2年生のレギュラーであるが小枝が立っていた。

「どうした?」
「いや、先輩達の事なんですがね……どうも最近動きが怪しいんですよ」
「……というと?」
「最近、こそこそと何か話し合ってるんですよ。六道がどうこうとか合宿が楽しみだとか……」
「あいつらが怪しい事をしてるのはいつもの事だろう」
「そうなんですけど……何か、いつもと雰囲気が違うんです」
「…………」

気をつけて下さいね、と言い残して小枝は部室棟の方へと歩いて行った。
六道はしばらく小枝の背中を眺めていたが、やがて女子用の更衣室へと踵を返した。
204六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:10:47 ID:Pq1hQE+C
すっかり太陽の姿は見えなくなり、帰り道を照らすのは街灯と月の光のみである。
人通りは少なく、時たま車が脇を通り過ぎるだけである。
そんな帰り道で、六道は物思いに耽っていた。
1年前、聖タチバナは甲子園大会で見事優勝した。
それも六道・橘という女性二人がバッテリーを組んでいての結果である。
当然、これは大きな話題となり記録に残る偉業である。
かつて、甲子園で早川という女子の投手が活躍したことがあった。
それでもやはり男子と女子の差は大きく、第二の早川が現れる事はないだろうというのが大筋の意見であった。
そんな世論を笑いものにするかのように、聖タチバナは優勝した。
そして、甲子園を大きく揺るがした橘達3年生は去年引退した。
橘を始めとしてプロに指名された選手もいたが、最終的に全員大学進学の道を選んだ。
その後のキャプテンに選ばれたのが、六道であった。
選手としての実力もさることながら、チームメイトをまとめる統率力も後押ししての結果である。

……が、それだけが理由でもない。
確かに六道は一流の選手であるが、やはり女性である。
女性の野球選手も以前に比べて増えてはいるが、その事をよく思わない者も多い。
まして、キャプテンともなると部員に指示することも多くなる。
女性に上の立場に立たれ、指示される……。
それだけで不快感を覚えるような輩も少なからずいる。
出来る事なら、女性のキャプテンは避けるべきなのである。
だが、そうせざるを得なかった。
キャプテンに必要な素質をもった部員が、当時の2年生にいなかったのである。
素行があまりよろしくない部員もいた。
練習に真面目に取り組んでいても、リーダーシップを取れるほど積極性を持たない部員もいた。
多少の違いはあれど、人の上に立てるような2年生はいなかった。
205六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:11:51 ID:Pq1hQE+C
そんな理由で、六道はキャプテンになった。
実際、六道のキャプテンとしての働きぶりは目を見張るものがあった。
前キャプテンの英断は概ね適切だったと言えるだろう。
だがしかし、それは部員に対して厳しく規律を守らせていたということでもあった。
当然、それに応じて反発する者もいた。
練習を不満げに行う者、不平を口にする者……。
六道も最初はそれを咎めていたが、次第にそれが無駄だとも感じてきていた。
誰しもが正論をぶつければ反省し改善しようとする。そう思っていた。
だが、現実はそう上手くいかない。
皆が皆、自分の意見を曲げて正論を受け入れるわけではないのだ。
自分が正しいと信じている者。正論と分かっていてもそれに反発する者。

ただ注意するだけでは、無理なのだ。
自分を認めさせて、自分も相手を認める。
その上で、徐々に相互理解を進めていく……。
手間と時間がかかり、精神的に強く優しくなくてはいけない。
人の心を動かすというのは、大変なことだ。
それが、自分に出来るのだろうか?
六道は、不安だった。
自分の手で、かつての野球部のような環境を作れるのだろうか。
……だが、信じていた。
あの部員たちとも、理解しあえる。理解してくれる。
歪みを知らない彼女は、相手が歪んでいると信じられずにいた。
ゆえに、誰もが本当は自分と同じように理解しあう事を望んでいる。そう思っていた

彼女は、知らない。
本当に歪んでいて、手遅れになってしまっている者達の事を。
知らなければ、知る事は無い。
そしてそれを知った時には、もう遅い。
一度過ちを犯さねば、人は学べないものなのだ。
その一度の過ちが、決定的な過ちにならないかが重要なのだ。
……彼女の過ちは、どうなるのであろうか。

もう既に遅い。
何もかもが遅い。
遅い……遅い……遅い・・・・・・・・・・・・
そして……
206六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:13:16 ID:Pq1hQE+C
「……」
結局、もやもやとした気持ちを残したまま合宿前日になった。
部員の不自然さは、果たして何かの予兆なのだろうか。
確かに、普段の素行からは想像できない行動である。
……合宿に、行きたかったのか?
それとも、合宿の行き先という大義名分にして行きたい場所が……?
それか、本当にやる気を出してくれたのか。
色々と考えだすと、収拾が付かなくなってしまう。
そんな時、バッグに入れていた携帯が振動していることに気づいた。
特に焦るでもなく、ゆっくりと携帯を取り出す六道。
が、画面を見た途端六道の表情に変化が起きた。
六道は画面に出た名前に驚いた後、少しだけ頬を緩ませて微笑んだ。
ちなみに、画面に映っていたのは野球部の前キャプテンの名前である。
六道は、先程よりは急いでボタンを押す。
「……もしもし?」
「あ、聖ちゃん?」
携帯電話だというのに、本人かどうか確認してくる。
恐らく習慣なのだろうが、そんな一言一言に六道は安らぎを覚えていた。
「携帯なのだから、私が出るのは当たり前だろう?」
今度は、見て明らかに分かるくらいに微笑む。
……先程から、六道はいささか以上に反応を見せている。
普通に見れば、これまでの反応もそれ程大した反応ではない。
が、六道は普段の感情表現がやや乏しい。
本来相手の行動に逐一の反応を見せたりはしないのである。
その六道がこのような反応を見せているのは……。
……各自の想像にお任せする。

「あはは、そう言われればそうだね」
「全く……変わらないな、先輩は……」

最後に聞いた時と同じように、軽い口調で話しかけてくる。
口調に軽さがあるという点では、先輩と呼ばれている男とあの男子生徒達に共通している。
が、同じ軽さでも六道に言わせれば「人を小馬鹿にしている子供」と「無邪気にはしゃぐ子供」ぐらいの違いがあるらしい。
「でも、一体どうしたんだ?いつもはメールなのに」
「……別に?ただ聖ちゃんの声が聞きたくなっただけー」
裏表のない、素直な言葉。
考え込んでいて少し疲れていた六道にはただそれが微笑ましく、時に愛おしくさえも思える。

「大学の方はどうだ?あまり噂を聞かないが……」
「んー、まぁ1年から使ってもらえるようなレベルの大学じゃないからね」
「そうか、大変そうだな」
「大変って言うなら、みずきちゃんの方が大変だよ。この前だって……」


「へぇー、あいつらが合宿の計画を……変われば変わるものだね」
「まぁ、唯の気まぐれなのかもしれないがな。」
「そうで無いといいんだけどね」

お互いに近況を報告する。
前キャプテンも順調なわけではないが、それなりに充実した生活を送っているらしい。
「……っと。もうこんな時間か。もう切るね」
「そうか。それじゃあ、また……」
「うん、またね」
楽しい時間はすぐ過ぎるものである。
気付いてみれば、日付が変わろうとしている。
明日が合宿当日だというのに、万が一にもキャプテンが遅れてはいけない。
そう思い、六道は早々に寝床に入った。
207六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:14:26 ID:Pq1hQE+C
合宿の日を迎えた。
前日に3年生たちが立てた計画を見たが、キチンとしたものだった、
宿泊場所、練習スケジュール、持ち物、注意事項……
まるで遠足のしおりである。
そのきちんとした装丁は、六道が安心するのに十分な材料だったようである。

気をつけて下さいね

小枝の発言が六道の頭の中で反芻される。
だが、思考の隅にある一筋の闇。その程度の不安であった
理解しあえる。その前向きな思考が、不安を軽視する思考に拍車をかけていた。
六道らしからぬ思考であるが、当然理由がある。
自分の本来の思考による行動が、彼らの反発を買ってしまった。
よって、六道は本来の思考を後手に回して「彼女なりに考えたこの場で必要な思考」を優先させたのである。
六道の控えめな性格がもたらした、ごく当然の結論である。
……そんな考え故に、六道はいくつか重要な事柄を見逃していた。
一部の部員達の下卑た笑いと、何かを待ち遠しく思っているような表情。

それに気付いていれば、あるいは……
208六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:15:19 ID:Pq1hQE+C
そして、野球部員たちを乗せたバスが出発した。
高速道路に乗り、都会を離れて緑の多い地域へ向かっていく。
だが、バスの中もどこか雰囲気が違っていた。
普段ならふざけた笑い声が響いているであろう。
しかし、今の車内は……。
ひそひそと何かを囁き合う部員達。
それを訝しげに思う六道と小枝。そんな図式である。
監督は出発してすぐに寝てしまっているので、顔色はうかがえない。
六道と小枝はその様子を疑問に思うが、バスはそんな思いをよそに速度を保って旅路を行く。

高速道路を下りると、周りは緑に囲まれ、車も人通りも少ない場所に出た。。
「随分と、田舎だな」
六道が思わず、感想を漏らす。
住んでいる場所が都会なわけではない。
が、都会と田舎の中間にあたるような場所と比べても、今見えている景色は田舎と言える。
「人が少ない方が、練習に集中できますからねぇ〜」
練習、とやたら強調して相変わらずふざけた口調で男子生徒が答える。
その言い方に違和感を覚えるも、特に気にするでもなく六道は視線を車外に戻す。
その後も、バスは休むことなく山道を進んでいく。
山奥で野球の合宿が出来るのだろうか、と再び疑惑の念が湧いてくる。
こんな山奥に、グラウンドがあって宿がある……のだろうか。
自分で計画していないために、詳しい情報が不足している。
必要な情報かと言われれば疑問符が付くが、知らないと不安になる情報ではある。
「……こんな所でまともな合宿が出来るのか?」
「はいぃ、もちろぉ〜ん♪きっちりたっぷりじっくりと特訓できますよ〜!」
やたら上機嫌な口調に、六道はやはり不自然さを感じる。
言葉の端々を強調する言い方は、やや鼻につく。
209六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:16:21 ID:Pq1hQE+C
その内に、宿泊場所へ着いたらしくバスが止まる。
部員達が荷物を持って、バスから降りる。
周りの景色を眺めてみるが、やはり山奥の田舎である。
とりあえず降りてからの予定はどうだったか、と六道はバッグの中から予定表を取り出す。
まずは各自の部屋に荷物を置いて、ユニフォームに着替えてグラウンドに向かうという手筈になっているらしい。
ならば、と視線を上げてとりあえず宿を見上げてみる六道。
山奥というから、木造建築のアパートのようなイメージがあったが、都会にありそうなホテルを小さくしたような作りである。
「じゃぁ、とりあえず各自の部屋に向かってフロント集合でー」
今回の計画の中心となっている3年生が、部員たちに呼びかける。
ごく一般的に見えるフロントで鍵を受け取り、階段で部屋へと向かう。
そして渡された鍵と部屋番号を見比べて、宿となる部屋の鍵を開ける。
中にはベッドが二つと、テレビやスタンド……。
ごく普通であり常識的な作りである。
ベッドが二つと言っても、女子部員がほかにいないためこの部屋は六道専用である。
かつて、甲子園優勝につられて女子部員が何人か入ってきた頃もあった。
だが、練習の辛さにみな早々に挫けたらしく、今では一人も残っていない。
流行に乗って流れてくる連中は、総じて意志も弱いものである。

とりあえず、荷物をベッドに置き必要な練習器具を取り出す。
後は着替えてフロントに向かうだけ……と、六道は服に手をかける。
その時。コンコン、とドアをたたく音がした。
着替えを中断して覗き穴から見てみると、見なれた顔がニヤけてこちらを覗いている。
ガチャリ、と音を立ててドアを開く。
「……どうした?」
よく見れば、ほとんどの男子部員が私服姿で集まっている。
ちなみに「ほとんど」の中に小枝は含まれていない。
「いやぁ、ちょっと練習についての話が……入っていいっスかね?」
ユニフォームに着替えていないのもそうだが、部員のほぼ全員で部屋に来る意味が分からない。
それに、何故かほぼ全員が笑いをこらえきれないという顔をしている。
だが、別に断る理由もないのでとりあえず部屋へ招き入れる。
「……で、何だ?」
「まぁまぁ、とりあえずこれでもどうぞ」
そう言うと、スポーツドリンクの入ったペットボトルを差し出してくる。
まったく脈絡のない行動に、少々戸惑いを見せる六道。
が、それだけ話が長くなるという事なのか、と自分なりに納得する。
とりあえず、蓋を開けて少し口に含む。
「……それで?」
「えーっとですね……」
210六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/28(火) 22:17:10 ID:Pq1hQE+C
そして、しばらく会話が続いた。
六道がベッドに座り、部員が周りを囲むといった状態である。
一部の者が顔を見合せて笑ったり、話の内容が抽象的で要領を得なかったり……。
色々と不自然さを感じつつも、とりあえず六道は会話を続ける。
……が、話してる内に六道は視界に違和感が生じてくるのを感じた。
色が水彩画のようにぼやけ、会話も頭に入らず上の空になっていく。
「んん?キャプテン、どうかしましたかぁ〜?」
相変わらずの茶化すような口調で話しかけてくる。
が、この時すでに六道は何を言ってるか認識できていなかった。
次第に六道の全身から力が抜けていき、手をついていないと体制を保つことすらできなくなる。
それを見た部員達がざわめいている。
「おぉ……」
「うは、もうたまんねぇぇ……」
「やっべ、緊張してきた」
自分を心配しているわけではないようだが、それも六道は認識できない。
段々と意識が薄れていく六道の脳内には、短い文章が浮かんでいた。

何、かが、おか し  い―――――

眠るように、六道の意識は途切れた。
室内には、妖しい笑みを浮かべる男子たちだけが立っていた。

……遅すぎた。
彼女が彼らを知るには、余りに遅すぎた。
ドブが汚いと知らない子供は、平気でドブに入り遊ぶ。
穢れを知らぬ者は穢れに気付く事は無いのである。
211197:2008/10/28(火) 22:20:44 ID:Pq1hQE+C
ってわけで、本日分終了です。
エロはおろかSSすら書いたことないんで色々と不安。
長いのはこのスレ的にどうなんですかね。
まぁ、長いのは語りが多すぎるせいなんですが
改行もよく分からんですし・・・

次回は明日投稿予定です。それでは
212名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 22:22:32 ID:q9X6+Zcx
支援!みんなやっぱひじりんすきなんだなw
213名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 22:31:13 ID:q9X6+Zcx
>>211
つうか初ssでこのレベルなのかよw
かなり文才に自信があると見た
あえていえばちょっと表現がクドいかもだけどな

鬼畜は正直苦手ジャンルだがこれはマジに期待
214名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 00:24:39 ID:IorOFZye
あの、誰か>>199の質問に答えてくれんか
それともスルーするのはおkと考えていいのか?
215名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 00:49:26 ID:GZaWHeFS
>>211
初投稿でこれか!すげえ!あなたのひじり以外の作も是非見たいんだぜ!GJ!

>>214
13はゲームの中で他校の子と付き合う事もあるじゃないか。チンピラに絡まれた絵久ちゃん助けた時とか。9は覚えてない
そして、もしシステム上付き合えなかったとしても、書くか否かはあなた次第。他校生との恋愛なんて全然おかしい事じゃない
と、俺は思うんだ
216名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 00:59:06 ID:zx613raZ
>>214
面白ければいいんじゃない。
奇天烈な発想ってわけでもないし。
っていうかどうしてナシだと思うわけ。
217名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 01:02:59 ID:BDU2G5F5
>>211
続きがめっちゃ気になるw
部活の人間関係って実際いやなもんだよね〜。こういうドロドロした展開も好きだわ
>>214
自由に書こうや
218名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 03:14:47 ID:AXeKc3g0
>>211
鬼才発見!
がんがれ、超がんがれ。
219名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 09:35:55 ID:a+P8cSNo
>>215>>216>>217
返信サンクス。気の向くままに書くわ
9やポタ3だとヒロインはみんな主人公と同じ学校になるし
13は他校の子と付き合えるって言っても着てる制服は主人公の学校のものだし
やっぱシステム的にまずいのかな、と
220Armstrong:2008/10/29(水) 19:53:43 ID:vemMOneO
そういえば、聖の結婚のときに、みずきの話はあったんですが、
何であおいのがないんですか?ぼくとしては、結婚までの段取りなど
をよみたいのですが。m(‐‐)mオネガイシマス
221197:2008/10/29(水) 21:24:34 ID:KMmwuK+6
たくさんのお言葉ありがとうございます。
文才がどうのというより、知ってる単語と妄想をただひたすらに書き綴って繋げているだけです。
鬼才と称されるのは嬉しいですが、何てことのないパワプロ好きの絵描き崩れ文書き崩れです。
絵も文も中途半端以下で泣きたくなりますほんと
地の文がバカ長いのは、試作品が漫画の如くセリフだらけになったトラウマの影響です。

今回は、エロ部分の12レスです。
例によって非純愛ですので、注意してご覧ください。
222197:2008/10/29(水) 21:26:01 ID:KMmwuK+6
ぼんやりと、意識が巡る。
今まで、何をしていたのだろう……
誰かが……何か言ってる……

「―ぁ、もう―――して――――」
……?なに、何を言って……?
「――――ゃ、もうち―――待――よ―」
何かを、待ってるの……か?
「そ―――起き――から―――いいんだろ――」
起き……?え、何が、誰が……。いい……?
「だよな――抵抗―てんのが――燃え――」
抵抗……?さっきから、何を……
よく、分からないな……
とりあえず、体を起こさなきゃ……

意識も定まらぬ中で、六道はありったけの力を全身に込める。
が……
ギシッ、と乾いた音がわずかに鳴るのみである。

あれ……?
体が、動かせない……?
「お!よう―くお目覚めみた――ぜ!」
「え、マ―かよ!」
「最初は俺だぜ!」
徐々に六道の意識がはっきりとしてくる。
しかし、今がどういう状況で彼らが何を言ってるかまでは把握できないようだ。
ぼんやりと口をあけたまま、ゆっくりと顔を上げる。
「……?」
そこには、六道が理解に苦しむ光景があった。
自分の周りを部員が囲んでいる。
最後の記憶と同じ光景であり、それ自体には何の違和も無い。
だが、部員の装いが違っていた。
皆が一様に下半身を露出しているのだ。
六道は、男性経験はおろか同年代の男子の下半身を見たことも無い。
が、この光景はそれ以前の問題であり、異様である。
少し後に気付いたが、カメラを持っている者が数名いる。
やや大きい、本格的な映像を撮るビデオカメラも見える……。
何のために使うのだろうか。六道にはまだ分からなかった。

私達は何のためにここに来たんだ?
それは野球部の合宿のためです。
その通り、御名答。
では、そんな状況でこのような光景が繰り広げられることはあり得るのか?
常識的に考えてあり得ません。
左様、結構。
努めて(本人なりには)冷静に自問自答を繰り広げる。
こんな状態でも六道の思考回路は概ね正常に機能している。
だが、未だ状況の理解には至らない。
常識的観念から見れば当然だと言えるだろう。
本来、ここには野球部の合宿に来ているのである。
そんな状況下でこのような光景を目の当たりにしても、即座に理解を示せるはずもない。

が、一つ六道は理解した。
自分は腕を縛られている。
それが出来るのは、必然的に目の前にいる彼ら男子部員であると思われる。
つまり……
自分が、彼らに拘束されているのだ。ということに
223六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:27:03 ID:KMmwuK+6
そこまで理解した六道は、改めて自分の状況を整理する。
腕は、頭の上で何かに縛られている。
……縄ではない。布か?
足は、特になにもされていないようだ。
服装も、特に問題ない。着てきた私服のままである。
と、そこまで考えた所で六道は状況整理を放棄した。
分析を進めている場合じゃないとの判断である。

何なんだ?この状況は?
奴らが下半身を露出している?何故?
私は拘束されている?何故?
ニュースで聞いたことしかないが、これはもしや集団強姦事件というやつなのか?
だとすれば、今の状況をどうやって打破すれば……

六道が思考回路をフル回転させて活路を見出そうとしている時。
視覚と触覚で、六道は何か重いものが体の上に圧し掛かっている事に六道は気づいた。
計画を立てた3年生の男が、六道の上に馬乗りのようにして跨っている。
六道は、下腹部に布と相手の四肢や胴などどれとも違う感触も感じていた。。
が、その感覚の正体が何なのかまでは、理解できていなかった。
六道にはその正体を突き止める余裕も無いし、心当たりもないのである。
「ふふふふぅ……」
目の前の妖しい笑顔を見ると、そんな事を考える気にならないのである。
この状況は、危険。六道はそれを考えるので精いっぱいだった。
「お、お前たち……?一体、何を……」
「見てわかんないっスか?練習ですよぉ」
「れ、れんしゅ……う?」
六道には、意味が分からなかった。
レンシュウ?練習と言ったのか?
「これが……何の練習だと、いうんだ?」
「保健体育の練習ですよぉ♪」
「……何、だと?」
「成績表に同列で記されているように、保健と体育は非常に関係の深いものなんですよ」
「なので今回の合宿には、保健実習という特別な練習を取り入れてですねぇ……」
何を言ってる?保健?体育?
「なーのーでー、今日はキャプテン自ら実習の教材となっていただきます♪」
「…………」

六道は、未だ状況の理解には至っていなかった。
一体、自分はこれから何をされるのだろう。
そんな不安だけが、六道の脳内を満たしていた。
224六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:28:04 ID:KMmwuK+6
六道は、呆然としていた。
冷静に考えれば、実に馬鹿げた台詞である。
恐らく、話している本人すらも筋が通った台詞とは思っていないのだろうが。
もし六道が普段通りの調子だったら、矛盾点を片端から指摘していたことだろう。
が、今は尋常ならざる状況である。
冷静な判断など望めるはずもない。
「そんじゃ、とりあえずこれを飲んでいただきましょうか〜」
そう言って、六道に跨っている男は周りを囲んでいる男子から小さい瓶を受け取る。
先程のペットボトルとは違い、黒い蓋と瓶にオレンジのラベルが貼られている。
ラベルには、どこの国の言語とも分からないがアルファベットが羅列されている。
これが何なのか六道には分からなかったが、見るからに「薬品」と想像できる外見に恐怖を覚える。
「よい……せっ、と」
別途用意した容器に液体を注ぎ、男はそれを六道の口にあてがう。
だが、しかし。
不意に液体を口内に注がれたことにより、六道の気管が拒否反応を起こし……
「……っ、ぅがっ!」
六道は咽せて、何とも知れぬ液体を吐き出してしまった。
咳きこんで吐き出した液体は、跨っている男に向かって飛び散った。
「げほっ、げほ……かはっ」
「…………」

完全な優位に立ち、気分を良くしていたところへの思わぬ反撃。
跨っている男にとっては、非常に気分が害されるものであった。
彼の顔に先程までの含み笑いは消え、苛立ちを見せている。
「こんの……女ッ!!」
逆上した彼の頭から「適量」や「丁寧さ」という言葉は消え、手に持った瓶を丸ごと六道の口にねじ込む。
「ッッ!〜〜っ!!」
どくどくと液体は瓶から流れ出し、六道の口内へ容赦なく注がれる。
周りを囲んでいる男子が止めようとするが、跨っている男はそれに構おうとしない。
当然六道は抵抗するが、腕力に男女の差がある上に態勢が悪い。
状況を打破するには至らず、液体は注がれ続ける。
六道はまた咽かえりそうになったが、強引に抑え込まれる。
そして、全部流れ込んだ頃合を見て、吐き出さないように男子が手で口を抑える。
「っぅ〜〜……」
口の中が得体の知れない液体で満たされている。
そんな状況で、おいそれと六道がそれを飲み干すはずもない。
その様子に業を煮やしてか、男は六道の鼻をつまんで呼吸法を完全に奪う。
「……!!」
「息したけりゃ、口の中のモン全部飲み干すんだな」
225六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:29:44 ID:KMmwuK+6
しばらくの間、六道は何の反応もしなかった。
が、やがて息が苦しくなったのか観念したのか、ごくごくと口に含んだ液体を飲み込み始める。
しばらくすると、飲み終えた事をアピールしているのか六道が何かを伝えようと唸っている。
もっとも、口と鼻をふさがれているため空気が出入りする術は無い。
そのために、アピールといっても口の中でもごもごと音が出る程度である。
が、一応相手には伝わったらしく、空気の通り道が解放される。
「っはぁ!はーっ、はーっ……」
不足していた酸素を補おうと、六道は大きく息を吸って大きく吐く。
抵抗する力が入らないのか、全身はだらしなく投げ出されている。

「さて、と……」
跨っている男がぺろりと唇を舐める。
唇が渇いていたのか、気分的な問題なのかは定かでない。
が、呼吸が落ち着いてきた六道を脅かすには十分だったようである。
「お前、達……」
「お遊びはこの辺にして、本番、行きましょうかねぇ……♪」
再び上機嫌そうな顔で跨っている男が六道に語りかける。
一しきり怒りを爆発させ、落ち着きを取り戻したようだ。
「……こんな事をして、後で何も起こらないと思っているのか?」
精一杯の迫力を込めて脅し文句を放つ六道。
今の状態で彼女が出来る抵抗など、その程度のものだろう。
だが、まるでそんな文句は予想していたとばかりに跨っている男子は無反応である。
それどころか、縛られた状態で脅してくる彼女の姿を滑稽だとばかりに鼻で笑っている。
何か対策を講じているのか、それとも後のことなど考えていないのか……。
どちらにせよ、予想している事態を避けられない事は明らかである。
「まぁ、とりあえず貴方の処遇が俺たちに委ねられてるってことをお忘れずに……」
そう言うと、跨っている男は六道のブラウスを捲りあげる。
飾り気のない白いスポーツブラが晒されるが、六道は無反応を装う。
周りがざわざわとどよめく。
胸がどうのとかスタイルがどうのとか色々と言われているが、とにかく無視する。
避けられないと分かれば、災難に耐えるのみ。六道はそう思っていた。
羞恥で顔をわずかに歪ませ、恐怖に脅える六道の様は周囲の興奮を増長させる。
表に出さないよう装っても、その動揺は激しく隠しきれるものではなかった。
「……」

跨がっている男は、再び唇を舐める。
喜んでいるのか失望しているのかがよく分からない、微妙な顔をしている。
周りの興奮ぶりとはうって変わって落ち着いている。
そして、特にコメントを用意するわけでもなくスポーツブラを外しにかかる。
もぞもぞと体を触られる感覚に、六道はぶるりと震える。
「ご開帳〜♪」
特に手間取ることもなく、あっさりとブラは剥ぎ取られた。
六道以外の人間が目にする事などありえなかった部位が、周囲に惜し気もなく晒しものにされていた。
「おぉ〜……」
周囲の人間は、興奮よりも感動の念を覚えていた。
穢れを知らない白くきめ細やかな肌。
形の整った綺麗な乳房に、彩りのアクセントとして桃色の乳首が添えられている。
芸術になど何の関心も無い連中であったが、彼らはこれを芸術的な美しさと以外評することができなかった。
その美しさの魅力を余すことなく表すほどの語彙など持ち合わせていないが故の、素直で簡潔な表現である。
226六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:30:55 ID:KMmwuK+6
が、感動を受けた方はよくても感動されている六道は気が気でない。
己の裸体を強引に晒されるなどというのは、六道にとって究極的な屈辱であり恥辱である。
寺の娘という古風な環境で育てられたため、貞操を守るという観念が人より強いことも余計にその屈辱を際立たせていた。
しかし、六道に抵抗する術は無かった。
腕を縛られている上、体の上に圧し掛かっているのは男子である。
脅しを入れても、全く動じない。
叫んだり助けを求めたりしても無駄なのは、早々に理解している。
ここは山奥にある建物である。
従業員はいたと思うが、ほぼ間違いなく手回しをしているであろう上に、そもそも声が届かないだろう。
いい所、目前の犯罪者たちの気を悪くさせるのが精一杯だろう。
……むしろ、ヒートアップするかもしれない。

なので、目を瞑って何も考えずただひたすらに耐える。
それが諦めの末に六道に浮かんだ一つの結論だった。
自分の痴態がカメラやビデオに収められる様子など、知りたくもないし見たくもなかった。
「ふふ……綺麗ですねぇ、キャプテンのおっぱい」
六道が嫌うような言い回しをして、跨っている男は六道の小さな膨らみを撫でまわす。
他人の肌の感触を知らない場所を触られて、六道はぴくぴくと小さく震える。
それが性的な快感による反応でない事は言うまでもない。
が、その様子を見て再び周囲がざわめく。
「気持ちいいですか……?」
跨っている男の質問に、六道は答えない。
何を言っても無駄だと思っているからである。
「……まぁ、その内よくなってきますよ……」
語りかけるというより、つぶやくような音量で男が心の内を洩らす。
227六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:32:02 ID:KMmwuK+6
そして、再び跨っている男は六道の体を撫でまわす。
欲望を満たすというより、感触を楽しんでいるようである。
一方六道は、ほんの少しだけ安堵していた。
無論、現実を受け入れ楽しんでいるからではない。
最初に思い描いていた、死んだ方が楽と思えるような屈辱、痛みを伴う責苦。
そんなものからはほど遠い、この体を撫でまわされる感覚。
ごく簡単に耐えられるわけではないが、かつての想像からするとそれは生易しくも思えた。
そんな六道の思考を、再び跨っている男の発言が遮る。
「……噛んだら、後で痛い目見ますよ」
言葉の意味が分からず、自ら視覚を封じた六道はほんのわずか首をかしげる。
その、次の瞬間。六道は奇妙な感覚を感じた。
何かが、口の中に入ってきた。それだけは瞬時に判断することができた。
だが、何が入ってきたのかが分からない。
目を開ければ分かったかもしれないが、突然の事に驚いていた六道にその発想は無かった。
熱を持っていて、濡れてるというよりぬめりを伴っていて……
……口の中で、恐らく意思を持ってそれは動いていた。
ぴちゃ、ぴちゃ、と普段あまり耳にしないような音が口内から漏れる。
どうやら、自分は口の中を舐めまわされているらしい。
奇妙な感覚に体を震わせながら、六道は理解した。
そうなると、口の中を動き回るこの物体は相手の舌だろう。
ファーストキスを奪われたことよりも、六道は口の中を舐めまわされる不快感を強く感じていた。
正しく言うと、六道は口の中を舐めまわすこの行為をキスだと認識できていなかった。

だが、不快感と同時に六道は奇妙な感覚も感じていた。
体の内から生まれる奇妙な気持ちの高ぶり。
思考をぼかすような熱っぽさと、体がうずうずしてくる感覚。
いずれも今までの人生で体験したことのない感覚である。
やがて、満足したように舌が抜かれる。
舐めまわされていた間の息苦しさも相成って、六道の顔はほんのり赤く息も荒くなっている。
「ふふ、キャプテンか〜わいぃ♪」
膨らみを弄びながら、からかうように跨っている男は笑っている。
子供のような笑顔だが、子供は子供でも前キャプテンのような素直さを含んでいるわけではない。
蟻を見つけると容赦なく踏みつけるような残酷さを含んでいる笑顔である。

「ひっ、ぅ……」
潰すようにぐにぐにと力を込めて白い乳房を揉む。
不思議な感覚の方が勝っているようで、六道は戸惑っているような声を出す。

「つぅっ!ぅぅ……」
穢れを知らない桃色の乳首をつまむ。
くにりくにりと捏ねまわすたびに、六道はわずかに嬌声を上げる。
声を抑えているようだが、恥じらいがあって結構なことだ。とむしろ男は喜んでいた。
228六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:33:41 ID:KMmwuK+6
自分の体が、明らかに先程とは違う反応を見せている。
それが何故なのか、六道には分からなかった。
先程までは、ただ単に触られたことを驚く様な反応だった。
だが、今の反応は違っていた。
触られるたびに体中が奇妙な感覚になる。
それが何なのかと説明しろと言われても、わからない。
が、原因はほぼ間違いないだろう。
先程全部を飲み込まされた、あの薬品である。
恐らくは、あの中に入っていた薬品の作用なのであろう。
と、六道はそんな事を考えていた。
何も考えていないと、余計な事を考えてしまいそうだからである。

優しく撫で回す。
強く揉みしだく。
乳首をつまむ。引っ張る。捏ね回す。
その3パターンを、男は気の向くまま無作為に六道に繰り返す。
そんな時間が、数分続いた。
六道にとっては、気が遠くなるほどに長く感じられる時間であった。

周りでは、ビデオでの撮影を担当しているらしい男子が2名態勢で
目の前の様子をSDに刻々と記録している。
片方が弄られている部位を写せば、もう片方は六道の反応を写す。
行為が始まってから六道はずっと目を瞑っているので、それを知らない。
もっとも、知らない方がいいであろう事項だが。
役割上の問題で手の空いているものは何をしているのかというと。
彼らは、彼らなりに重要な他の処理すべき事で手を使っていたりしていた……。

ふと、六道の乳房から手が離れる。
常に刺激を与えられていたため、六道は少しの喪失感と開放感を覚える。
が、その喪失感と解放感はすぐに新たな刺激で上塗りされた。
先程口内で感じた感覚が、今度は乳房に生じる。
それの正体が何なのか、何をしているのかは先程の思考の結論から引用する。
今、自分の上に跨っている男が、舐めているのだ。
まるで自分の肌をアイスクリームのように舐め回されて、
六道の中には嫌悪感以上に理解できないという気持ちが大きい。
再び襲う未知の感覚に、再び六道は震える。
今度は、乳首を吸われている。
これも六道には到底理解できない行動である。
今自分がされている行動は、乳飲み子が母親に対してする行動である。
だが、自分は目の前にいるこの男の母親でもなければ、母乳が出るわけでもないのだ。
六道は、混乱していた。
どうすればいいのか、もう見当もつかない。
未知の刺激と未知の行動を繰り返され、大分投げやりにもなってきていた。

……どうせ、何も出来ないのだから。
229六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:35:34 ID:KMmwuK+6
「ふふ……その内このかわいいおっぱいから、母乳が出るようになったりするんでしょうかね……」
肌を舐めまわしながら、跨っている男がつぶやく。
何を意図しているのかは、その表情からは読めない。
次に男は、六道の乳首に噛みついた。
段々と刺激を強くしていっているが、六道はその刺激を受け入れていた。
六道の意思が、という意味ではなく六道の体が規定量以上の薬物によって、
本来徐々に受け入れていく性的快楽を既に享受し始めている、という意味である。
「ひ、ぁぅ……」
耐え忍ぼうとする理性から漏れ出ている、といった風の声が六道から出る。
徐々に耐えれる限界を快楽が越えようとしているのか、限界が逆に消耗していってるのか。
定かではないが、六道の様子が変わってきているのは事実である。
固く閉じられていた目も、今では力が入らずぼんやりとどこを眺めることも無い虚ろな開き方をしていた。

「そろそろこっちも、いいかな……」
跨っている男が、六道の体のあちこちを撫でまわしていた手を離した。
すると、跨っている男は六道のズボンのボタンに手を伸ばし、それを外した。
チャックも降ろし、するすると六道の足から引き抜いていく。
先程のブラと同様に、白く飾り気のない下着が露わになる。
そして、男は今度は下着を中心に撫で回す。
男の手には、舌とはまた違ったぬめりが感じられた。
「……ふふ、やっぱり気持ち良くなってきてるんですね。」
「だ、れ……がっ」
「まぁ、認めなくてもいいですけど……ねっ」
そう言うと、下着の上からでも感触が感じられる突起物をなぞる。
六道は再び過敏な反応を見せ、体を震わせる。
次は突起物のやや下に、指を沈める。
そして、ゆっくりと指を上下させる。
「くぁ……っう……」
指を動かすたびに甘い声を出す六道。
その反応を楽しそうに眺めながら、男は楽しそうに指を動かす。
持て余したもう片方の手では、気の向くままに六道の肌の感触を楽しむ。
「中はど〜なってるのかな〜?」
そう言って、男は六道の下着の中へ手を滑り込ませる。
子宮への入り口を、指をこすりつけるようにして刺激する。
「やぁ、め……ぇっ……ろぉ……」
弱弱しく、か細く……
そして、可愛らしい声を出す。

「ひぅっ!」
ぬぷり、と指を腔内に入れる。
「ふぁ、ぁうぅ……ぁっ」
くにくにと指を動かせば、それに応じて六道が喘ぐ。

「可愛いですよ……キャプテン」
男が耳元でささやく。
だが、六道の耳には入らない。
未知の刺激に支配され、六道は自分を保とうとするので精一杯だったのである。
230六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:36:37 ID:KMmwuK+6
「……これだけ濡れてりゃ、使う必要ねぇ気がするが、な……」
腔内をこすりながら、男は左手に持った液体が入った容器をしげしげと眺める。
中の液体は粘性を持っているようで、容器を傾けてもゆっくりとしか動かない。
眠らせるのに使用した液体、六道の反応を過敏にさせた液体のどちらとも違うようである。
「ま、一応やっとくか……おい、カメラ。もっと寄れ」
腔内を弄るのを中断して、男は指示を出す。
そう言うと、弄られてる箇所をやや遠目に撮影していたカメラが近くによる。
カメラの液晶には、六道の下着が全画面に映し出している。
そして、次に六道の腕を拘束していた布を解く。
六道が何をするのかという顔で、自分に跨っていた男を見つめる。
すると、男は笑って語りかけてきた。
「それじゃ、服を脱ぎ脱ぎしましょうね〜♪はい、ばんざいして〜」
そう言って、男は六道の手を上げさせる。
既に六道に抵抗する力はなく、促されるがままにされてしまう。
そして、上下全ての服を脱がされ六道は一糸纏わぬ裸体となる。
ほどよく発達している乳房や、毛も生えていない無垢なる秘所は惜し気もなく男達の目前に晒される。

「うぉ……スジマン……」
「すげぇ……いかにも未使用未発達って感じだ……」
「フヒ、もう笑いとまんねぇ……クフッ」

それぞれが思い思いに感嘆の句を述べる。
彼らの興奮の針は既にメーターを振り切って10週目に到達しそうなほどの勢いである。
「そんでは……行ってみましょうかっ」
六道に跨っていた男はそう言うと、粘性の液体が入った容器のキャップを外す。
そして、六道の秘所を人差し指と中指で見せつけるように広げる。
ビデオカメラの画面一面に、六道の秘所が映し出されている。
穢れを知らないその中身を見て、再び観衆の男子達は感動に打ち震える。

「マ、マンコまでピンクじゃねーか……」
「うっほ……」

男達にそんなあられもない姿を見られ、当然六道は羞恥し嫌悪していた。
が、抵抗するだけ奴らを刺激するだけ。そんな風に思い、抵抗を半ば放棄していた。
体にも力が入らず、全力を出しても男達に痛みを感じさせることすらできない状態である。
跨っていた男は、しばらく六道の様子を周りの様子を眺めていた。
が、やがて次の行動を実行に移す。
親指と中指を使って、先ほどより大きく開くように秘所を広げる。
そして、その上で容器を傾ける。
とろーり、と一筋の液体が徐々に六道の腔内に流れ込む。
ひんやりとした冷たさに、六道は少し震えた。
231六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:38:04 ID:KMmwuK+6
そして、頃合いを見て男が中指と人差し指を腔内に差し込む。
先程の液体と六道から分泌された液体が潤滑材の役割を果たし、あっさりと指は沈みこむ。
ぴくり、と六道がわずかに仰け反る。
そして、男は差し込んだ二本の指を右へ左へと回転させる。
くちゅ、くちゅ、と粘りのある音がわずかに響く。
しばらく、腔内で液体をかき混ぜる。
「あ、ぁうっ、や……ぁっ!」
六道の反応は激しく、液体をかき混ぜるためというよりも男は楽しむために指を動かしているようだ。
そして1分ほど経った頃、六道は下半身が熱くなってくるのを感じていた。
正確に言えば、あの液体を塗りたくられた場所が熱くなっていた。
「これはですねぇ、ローションと媚薬を兼ねた便利なお薬なんですよぉ〜♪」
先程の液体の正体を六道が考えていると、男が聞きもしないのに解説を入れてきた。
ローションというと、潤滑剤……だったか。六道はそんな事を思った。
「さて、では……では……」
男が立ち上がり、六道に覆いかぶさるような体制になる。

「本当の本番、行きましょうか……」
そう言うと、男は下半身のものを六道の秘所にあてがう。
ついに一線を超える行為が行われようとしているが、六道の反応は薄い。
そんな六道を一瞥して、男は挿入するために力を込める。
ずにゅ、と先端部分が少し入る。
それだけでも、六道はびくびくと体を震わせる。
「んじゃ、キャプテンの処女、頂いちゃいますかねっ!」
一気に力を込め、六道の秘所を貫く。
薬品を大量に投与されているとはいえ、その衝撃は緩和しきれるものではない。

「っつあああああああああああ!!!!!!」

六道は、叫んだ。
その声量は、周りにいた者全員が耳をふさぐほどである。
今までの甘い刺激とは段違いの、強烈な衝撃が六道に走ったのである。
こんな強烈な刺激があるとは予想だにしていたかったため、ショックはより一層大きかった。
が、その衝撃が落ち着く前にまた新たな衝撃を加えられる。
「さすがに、締まる……なっ……」
力任せに、六道の秘所に出し入れを行う。
引き抜いては力一杯押しこみ、引き抜いては押し込み……
六道に、常に強い刺激を送り続ける。
「やぁ、あ、あぅう、あぁっ!」
「いい感じですね、キャプテンっ……」
六道が、悦んでいるのか痛がっているのかは分からない。
が、男にとってそんな事は最初から関係ない。
自分の欲求が満たされれば、彼はそれでいいのである。
六道の初めてならではの締め付けを楽しみながら、前後運動を繰り返す。
手を持て余している男は、秘所の上の突起物をつまんでみた。

「っ、ひぁああああっ!!!」
六道は今まで以上に激しい反応を見せ、まるで海老のように仰け反った。
そして、力尽きたように脱力して倒れ込んだ。
だが、男は前後運動のペースを緩めることなく、六道を突き続ける。
「イッちゃって……かわいいですね、ほんとっ……」
反応が頂点に達した後も、六道には休むことなく刺激が送り続けられる。
六道は既に何も考えられず、ただ体を震わせ嬌声を発するばかりである。
232六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:39:02 ID:KMmwuK+6
六道と男の行為がしばらくの間続いた。
六道は幾度も快楽の頂点に達し、もはや抵抗などという言葉も忘れかけていた。
そんな六道に対して終始余裕を見せていた男にも、そろそろ限界が近付いていた。
「ん、そろそろっ中にっ出し……ますよっ……!」
喋る事より前後運動に集中しているのか、男の口調にも余裕は消えていた。
一方六道は、男の言った言葉の意味が理解できていなかった。
「なかって、ひぁ、一体なん、のっ!!」
「ふふ、赤ちゃんが、出来るかも、しれませんねっ!」
「あ、あか……ちゃ、んっ!?」
「そうですよ、精液を中に出して、赤ちゃんを作るんですよっ!!」

よくは分からないが……
要するに、このままだと……
……赤ちゃんが、出来る?
六道は、限界に近い思考でそこまでを理解した。

……
それは、ダメなんじゃ……ない、か?
お互いに高校生だし、いや そもそも養うつもりで言っているのではない気がするが……。
そもそもこんな奴と子供を育てるなんてまっぴらごめんである。
いや、一人であろうと無理であるし無茶であるし父さんに何といえば
もし出来てしまったらどうするんだ?
一度赤ちゃんが出来たら、何か産まない方法はあるのか?
いや、そういえば確か妊娠しても早い内ならばどうにかなると聞いたことが……
いや、リスクはゼロでは無かったはずだ。何かしらの悪影響が出るはずだ
それに、そもそも行為の後私は家に帰れるのか?

危機感により、機能停止しかけていた六道の思考回路は擦り切れんばかりの回転を見せる。
が、そんな事は知らぬとばかりに男は行為のフィニッシュへとペースを速める。
「うっ、もう……限界……っ!」
「や、やめ、赤ちゃんは……ダメだ……っっ!!」
「っ、あぁ……っ!!」
そう言った瞬間、六道は自分の内に感じていた物がびくびくと脈打つのを感じ……
そして、六道の中にありったけの白濁液が注がれた。
233六道キャプテンと行く、ヒミツの勉強合宿:2008/10/29(水) 21:40:41 ID:KMmwuK+6
「ふ……ぅうっ」
しばらくの間、男の射精は続いた。
どくっどくっ、と自分の中に暖かいものが流れ込んでくる。
その不思議な感覚を、六道は絶望感とともに味わっていた。
そして、やる事を終えて男が六道から離れる。
六道の秘所から白濁液が漏れ出る様子を、カメラがズームアップで撮り続けている。
「全く……遅いっすよ先輩〜」
「あっはっは、悪ぃ悪ぃ」
「でも、こんな夢のようなこと出来るのも全部先輩のおかげなんだぜ?」
「……まぁ、そうだけどさ。俺ら童貞にゃ辛すぎる辛抱だぜ……」
「まぁ、次はお前たちの番だ。思う存分ヤッちまえ」
「オイーッス!」

中に、出されてしまった……
私は、どうなるんだ?
赤ちゃんが……出来てしまうのか?
六道は、呆然としていた。
だが、考える時間はあまり長く与えてもらなかった。
「じゃ、次は俺ですよキャプテン……」
余り見覚えのない小太りの少年が立っていた。
確か……練習をさぼり気味だった、幽霊部員だったろうか。
野球部には似つかわしくない、全身白っぽい肌をしている。
六道も体は白いが、顔や手などは立派に部活焼けしている。
それに対して、彼は全身が白いのである。
体形から見ても、運動を習慣にしてるわけではなさそうだ。
「キャ、キャプテンで童貞卒業できるなんて夢のようっスよ……」
あまり笑う事に慣れていないような笑顔である。
美形とは言えない顔も作用して、あまり直視したくない。
そして、先程の男と同じように彼も六道の秘所にパンパンに張った一物を挿入する。
「う、ぉぉおっ!締まって……」

と、その途端。
刺激に慣れていなかったのであろうか、彼の一物は挿入だけで絶頂に達した。
びゅびゅっ、と再び六道の腔内に白濁液が放たれる。
「え、あ、お前……やっ……!?」
「お前早ぇよ〜!」
「さすが童貞だな〜」
「早く代われ!代われ!」
六道の叫びは、周りの喧騒にまぎれた。
自分の番を目前にして男達のテンションは鰻昇りに上がっていた。
「…………」
そんな光景を見て、六道は考える事を放棄した。


……宴が、ようやく始まった。
終わりではない。始まりである

日程に余裕は存分にある。
1週間足らずで、どんな成果が上がるのであろうか……?
短期集中、徹底指導。
それが合宿の醍醐味である……
234197:2008/10/29(水) 21:42:00 ID:KMmwuK+6
というわけで、私の初書きはこれにて終了です。
最近精神的に滅入っていて、暴力的な思いを炸裂させたくなったのでこんなものを書いた次第です。
一部伏線の回収案もあるのですが(その後・小枝・先輩etc)……まぁ、書ける目処が立ってないので一区切りということに。
物語的にはここからが本番な気もしますけどね。
まだ聖が壊れはじめてもいないですし、決着もついてないですし。

ちなみに10/19に書き始めて、29日に完成したこの作品でメモ帳40KBほどになります。
まぁ、書きかけの第3部も含めてるので多少分量に違いはありますが。
完結させるとなると、もう60KBは書かなきゃですかね。

次があるかは分かりません。
いつもSSに時間をかけられるわけでもないのでw
それでは、また機会があれば
235名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 21:44:02 ID:a+P8cSNo
>>220
知るか
んなこと言う前にまずはsageろ
そしててめぇは誰だ
236名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:01:35 ID:BDU2G5F5
>>234
野球部廃部確定ww
聖ちゃんみたいな子がグチャグチャに犯されるのはたまらんな
237名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:44:43 ID:/s5Fos7E
>>234
GJ
このまま野球部の肉便器に堕ちていく過程も期待してるZE
238 ◆4CUBsMmouU :2008/10/30(木) 19:19:13 ID:oAvLYMRq
>>234
GJ!
初めて書くとは思えないレベルに嫉妬。
続きもぜひがんばってください。俺は我が道を進ませてもらう。

そろそろ作品も増えてきたのでトリップをつけることにしました。
HMA−15と名乗らせていただきます。以後何とぞよろしく。
さて、今回書いたのは聖ちゃんと水無瀬くんの馴れ初めとこの世界観での9主×あおいもの。
二本立てでどうぞ。
聖ものは大まかな流れは15と同様ですがところどころで俺の想像による補完が入ってます。
239名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:20:39 ID:oAvLYMRq
空虚な世界。
私という人間からたった一つの要素が欠けただけで私にとって世界はこんなにも空虚だ。
でももういいんだ。私は必要とされなかった。
だからもういいんだ・・・


神楽坂グループ。
合格率は1%程度というエリートの集まる会社。
もともと勉学は得意だった私は一発でここの経理部に採用された。
ここで私は精一杯働いて、今まで男手ひとつで私を育ててくれた父親に恩返しをするのだと、そう決めた。
そう決めたのに、私の中には野球への未練がくすぶっていた。

「・・・うるさい」

ある日、うちの野球部の男二人がかつての大学野球について話していた。
いや、正確にはかつて大学野球界にいたある捕手について。
それが私、六道聖のことを言っているのだということは瞬間的に理解できた。
彼らには悪いことをしてしまったと思う。

『一条の光』


240名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:21:27 ID:oAvLYMRq
「今日はみんなでCEOと一緒に野球観戦よ」

経理部の先輩が言う。
ここのCEOは実力主義者で極度の親バカであり、息子が加わった野球を観戦するのが最近の楽しみらしい。
―といってもその息子は上々の成績を残しているのでとやかく陰口を叩くものはいないが―
が、そんな中でも社員の観察はしているらしく、試合で活躍したものにはちゃんとボーナスを用意しているようだ。
・・・その逆もまた然り。
そのため経理部の社員も何人か同行させられることがしばしばあった。
関係がないはずの女性社員もたくさんいたが・・・
私は全く気が進まなかったが仕方なく野球部の試合を観戦することになった。

野球というスポーツを盛大に勘違いしているCEOや同僚を尻目に私は神楽坂のベンチに目をやる。
一人の男に目がとまる。・・・なんだあいつは、ドライアイか?
まぁどうでもいいか。
私は始まったシートノックを見る。

確かに、レベルは高い。だけどどこか甘い、腑抜けた雰囲気が感じられるチーム。
それが私が受けた神楽坂野球部全体の印象。
けれどもマウンドに立つ”彼”だけは違った。
実力的にいえばまだまだだ、だけどチームの中で誰よりも輝いていた。
球速、変化球ともに人並み。
球威の無さは見れたものではなかったがすごい制球力だ。
私は直感した。ピッチングの才能があると。
そしてそれを開花させられる一生懸命さがあると。

「・・・・・・あいつ、上手くなる」
そうポツリとつぶやき、私はCEOに言われるまま試合でなかなかの活躍をした彼にボーナスを渡しに行った。
これが彼、水無瀬くんとの出会い。


241名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:22:43 ID:oAvLYMRq
彼は不思議な人だった。女である私のアドバイスを何も疑問に思わず、素直に聞き入れてくれた。
どこまでもまっすぐに私を見据え、少年のような眩しい笑顔、それに宿る夢を追い続ける心。
あまりにまっすぐで、あまりに眩しくて。
私はそれに大いなる安らぎと、果てしない不安という相反する感情を抱いていた。
私に足りなかったもの、私が失ってしまったもの全てを持った彼。
特訓を重ねるうちに目覚しい進歩をとげる彼。
彼の成長を見守るうちに私は封印したはずの思いを呼び起こしてしまった。

―――また、野球をしたい。辞めたくない。

叶うはずがない願いに一人で苦しみ、特訓の合格を告げられた彼がまた少年のような笑顔を見せたとき、
・・・私は逃げ出した。

「聖ちゃん!?」

242名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:23:43 ID:oAvLYMRq
「水無瀬くん・・・!! 水無瀬くんっ!!」
気づけば溢れている涙を抑えることは出来なかった。
あまりに足りないものが多い私に彼は手を差し伸べてくれた、必要だといってくれた。
私の果てしない不安を取り除いてくれた彼の胸で私は泣きじゃくった。
この日は冷たい雨がずっと降っていたけど、彼はとても暖かかった。

私の暗闇に差した一条の光。決して闇に呑まれることなく輝き続ける光。
いつの間にか彼に対する思いが変わってきてしまった。
私は、彼が好き。
私をまっすぐ見てくれる眼差し、色褪せることない純粋な野球への想い、
徐々に花開きつつある才能、少年のような眩しい笑顔。
決意を新たにした私にとって全てが魅力的で、一緒にいてとても安らぐ。
想いを伝えたかったけど、彼の邪魔をするわけにはいかなかったから、
今は全力で彼のサポートをしよう。そう決めた。

「僕の好物? そうだなぁ、僕って結構味覚が子供っぽいから、からあげとかハンバーグとかカレーとかそういうのが好きかな。」

彼が好物だといった食べ物を差し入れたり、アドバイスしたり、時間が許す限り彼のサポートに徹した。
そして私もなまった体を鍛えなおすべく、トレーニングを少しずつ行うようにした。
もう一度、野球をやろう。そう思うことが出来た・・・全て彼のおかげ。
243名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:24:57 ID:oAvLYMRq
ひとつの決意が固まった私はその日の夜、ある人物へと電話をかけた。
かつての高校時代一番の親友、あおい選手の意志を継ぐサイドスローの投手。
私が大学野球を諦めたとき、私は彼女をも傷つけてしまった。
私は彼女に謝り、新たな想いを伝えなければならない。

『はいもしもし白川です』

聞き覚えのある男性の声、白川先輩だ。
先輩とみずきは高校卒業をしてすぐに正式に結婚した、偽りが真実となったのだ。
「白川先輩か? 私だ六道だ、みずきに代わってもらえるか?」
『聖ちゃん?! 久しぶりだねぇ、よし待ってろ』
受話器が置かれる音のあと、どたどたという足音とともにみずきを呼ぶ声がはっきり聞こえる。
私は電話を拒否されるんじゃないかと不安だったが案外に彼女はすぐに電話に出てくれた。

『もしもし?』
「みずき、久しぶりだな。今日は言いたいことがあって電話させてもらった」
私はゆっくりと言葉を自分で確認するかのように言った。
『どうしたの?』


244名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:26:01 ID:oAvLYMRq
「まずは私が大学野球をやめたとき、私はみずきのことを傷つけてしまった、本当にごめんなさい!」
しばしの静寂、私はいたたまれない気持ちになったが私がここで電話を切ることは許されない。
やがてみずきの息を吸う音が聞こえたかと思うと彼女は話し出した。
『そうね、聖が野球を辞めると言ったとき、私はとてもショックだったけど
でも聖が野球を辞めること自体にショックを受けたわけじゃないのよ』
「え?」
みずきの答えの意味が理解できず私は間の抜けた声を出す。
『私が本当にショックだったのは聖が野球を辞めた理由よ、
「私には足りないものが多すぎる」だなんて聖からそんな言葉聞きたくなかった』
気づけばみずきの声はいつの間にか泣いているときのそれと変化していた。
「あぁ、私が愚かだったんだ・・・でもみずき、私はもう一度野球をやろうと思う。
私を・・・必要としてくれる人がいたから・・・何より私は野球が大好きだから・・・」

この言葉のあとまたしばらく沈黙、電話越しで相手の表情は見えないがみずきが笑ったような気がした。
『ようやく取り戻したのね、良かったよ・・・良かったよぅ・・・ぐすっ・・・』
私は彼女に深い感謝と謝罪、そして決意を伝え、電話を切った。

そしてその翌日―彼が入社して3年目となるある日―私は衝撃的な話を耳にすることとなる。

245名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:26:56 ID:oAvLYMRq
「ねぇ知ってる!? 今うちの野球部がピンチなんですって!」
おしゃべり好きの同僚が同じくおしゃべり好きの仲間と噂話。
普段の私なら無視して仕事に取り掛かっているところだが今回の話題は野球部。しかもあまりいい話ではなさそうだ。
私は書類の上を走らせていたペンを止め、会話に耳を澄ました。
「いったい何がどうピンチなの〜?」
「なんでも去年の野球部の成績があまりにひどかったからCEOが激怒しちゃって、今年の大会で結果を残せなかったら廃部なんですって!」
「えぇっ!? じゃあ―――「その話は本当なのか?!」

もう一人の同僚が相槌を打つ暇もなく私は二人の会話に割り込んだ。
「ひ、聖ちゃん? どうしたのよ急に、珍しいわね」
「そんなことより今の話は本当なのか!?」
「えぇ、本当みたい。確かな筋から仕入れた情報だし」
「そ、そうか・・・すまない、急に大声出したりして」

私は集中できない頭で仕事をしていたがいよいよ仕事が終わると一目散に野球部へと向かった。
246名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:28:00 ID:oAvLYMRq
時間は一気に進み、野球部練習終了後、私は彼を誘い、公園でキャッチボールをしている。
「それで水無瀬、野球部が今存続の危機だというのは本当なのか?」
「うん・・・本当さ。前の都市対抗ではなんとか因縁の相手に勝てたけど、
今回勝てるかはまだ分からない。あの時は完全に5分5分だったから」
「そうか・・・私も試合は見ていた。昔漂っていた腑抜けた空気が払拭されていたな、正直驚いた」
「うん、僕が駆けずり回ってみんなの目を覚ましたからね」
また彼が笑う。私の心拍数が上がる。つい彼が投げたボールを取り損ねてしまう。
「聖ちゃんがエラーなんて珍しいものが見れたな」
誰のせいだと思っているんだ、なんて言えるはずがない。
代わりに口から紡がれる言葉は今日知って湧き上がった思い。
「・・・なんで黙っていた」
「え?」
「廃部の危機なんて私は知らなかった、今日同僚から初めて聞いたんだ」
「・・・聖ちゃんに、余計な心配をかけたくなかったんだ」
彼がうつむく。
「余計ではない! 私はお前のプロ入りを心から願っている! なのに野球部自体が無くなろうとしているのだぞ?!」
「聖ちゃん・・・」


247名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:28:59 ID:oAvLYMRq
「お前のおかげで私は野球への想いを取り戻した!
なのにお前のプロ入りの夢が断たれることになったら・・・私は、耐えられない」
涙が溢れそうになる。拾ったボールを握り締め、私はうつむいてしまう。
「大丈夫さ神楽坂野球部はなくならない。僕がそんなことさせないよ。
でももし野球部が廃部になったり、ドラフト指名されなくても僕はきっとどこかで野球をし続けているんだろうね。
僕は、野球が大好きだから。・・・なんて言ったら僕に特訓してくれた聖ちゃんに対して失礼かもしれないけど」
いつの間にか私のそばに来た彼が優しい穏やかな声で言う。
そう、だな。彼には愚問だったようだ。私と同じ想いを持っているんだからな。
「そんなことはない、お前ならきっと大丈夫だ」
「聖ちゃんの折り紙つきだからね、精一杯がんばるつもりだよ」

一瞬の沈黙が公園を支配する。

「・・・水無瀬、お前にお願いがある」
顔を上げ、目の前の彼を見据える。
「なに? 聖ちゃん」
「もし、お前がプロ入りできた時には話したいことがあるんだ。だから・・・」
「うん」
「できるだけ、いやできれば、いや必ずだ。頑張ってそして・・・勝って・・・ね」
「ありがとう聖ちゃん。聖ちゃんのためにも頑張るよ!」


248名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:29:56 ID:oAvLYMRq
大会の結果は見事優勝、CEOの息子との継投術で見事に敵の打線を封殺したのだった。
「水無瀬、優勝おめでとうだ」
「ありがとう、聖ちゃん」
大会終了後、場所は再び夜の公園にて私と彼はまたキャッチボールをしている。
彼の成績は素晴らしいの一言に尽きた。予選から全国決勝まで失点はわずか2点
私とともに改良したスライダーと抜群の制球力で凡打と三振の山を築いた。
スカウトの影山氏が彼を見て満足げに頷いていたのを見て私もつい嬉しくなってしまった。
「ふ・・・大したやつだなお前は」
「みんな聖ちゃんのおかげさ、聖ちゃんのおかげで僕はここまでこれた」
「私はきっかけをつくっただけだ、みんなお前の努力の賜物だ」
「きっかけがあるから結果とそこに至る過程があるんだ、聖ちゃんがいなかったら僕はここまでこれなかった。ありがとう」
「・・・どういたしまして、だ」
このままだと話がループしそうだったので素直に礼を受け取っておくことにする。

「あ、そうだ聖ちゃん」
ん、どうしたんだ?
「ふと思ったんだけど最近メガネかけてないね、どうしたの?」
「・・・もともとあのメガネは度がきついように見えるがほとんど伊達も同然なんだ」
一瞬答えをためらうが相手は彼なので素直に答える。
「そっか」
てっきり彼がどうして私が伊達メガネをかけていたのか聞いてくると思ったので素直の反応にちょっと驚く。
「聞かないのか?」
「伊達と分かれば聖ちゃんがメガネかけてた理由もなんとなく察しがつくから」
そう・・・あのメガネは私の逃避を具現化したようなものだったからな。
「あと出来ればこれからもずっと僕以外の人の前ではメガネでいて欲しいね」
「え? それはどういう・・・」
「なんでもないよ! そろそろ帰ろうか。これ以上遅くなったらあれだし、送ってくよ」


249名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:30:58 ID:oAvLYMRq
結局あの時公園で彼が言った言葉の真意は上手くはぐらかされてしまった。
そして迎えたドラフト会議当日。
私はラジオに耳を澄まし、彼の名が呼ばれるのを待った。
そして―――
「!!」
彼の名が呼ばれた、ドラフト1位、本当にすごいやつだ。
さて、これから彼に祝いの言葉と好物を持っていってやろうか。
そんなことを考えていた矢先。
向こうから来てくれた、相当急いできたのか肩で息をしているが疲れた様子は微塵も見せず―
「聖ちゃん! 僕プロ入りできたよ! ありがとう!!」
「あぁ、ラジオで聞いていた、おめでとう」
「本当に何もかも聖ちゃんのおかげさ! 特訓はもちろん、差し入れくれたり、はげましてくれたり、お礼してもしきれないよ」
あふれんばかりの笑顔、思わず私も顔がほころぶ。
「それはこっちのセリフだぞ、水無瀬くん。私の人生を良い意味で変えてくれたんだからな」
「そうだ、聖ちゃんはこれからどうするの?」
プロ入りを果たしたというのに彼は私のことを聞いてきた。まぁお前らしいな。
「水無瀬、私はここで野球を本格的にやり直すことに決めたぞ」
彼の表情がさらに明るくなり、大きくうなづく。
「入部以前の問題が山積みで時間がかかるかもしれないがお前が育ったこの野球部で野球がしたいからな」
「・・・そっか」
彼が微笑む。
「ここの監督やCEOにかけあって、そして私は無謀かもしれないがもう一度プロを目指す!」
まだ問題がたくさんあるのにこの言葉を彼に向けて言ったとき、私の心はとても晴れ晴れとした気持ちになった。


250名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:32:02 ID:oAvLYMRq
「・・・だそうです、男前田監督、みんな」
彼が微笑みながらそう言うと後ろを振り向いた。彼は何を言っているんだ?
しかしさらに私を混乱に陥れる事態が直後、急速に展開する。
「うむ! 話は水無瀬から聞いている。六道聖くん、君の神楽坂野球部入部を許可する!」
男前田監督の堂々とした声がオフィスに響く。
「!!!??? え? 一体どういうことだ?」
彼がプロ入りの決定を報告したときよりも明るい笑顔で私を見て言った。
「つまり聖ちゃんはもうすぐにでもここで野球を始められるってことさ」
嘘だ、そんな馬鹿な。名門である神楽坂グループがそんなに間単に・・・
「もちろんここまで来るのは並大抵のことではなかったでやんす、
でも水無瀬くんが社内中いや社外でも必死に署名活動を行った結果認められたんでやんすよ」
メガネをかけた男はそういうとかなり厚みのある紙の束を私に渡してきた。

「うむ。流石にそれだけの情熱を持ってぶつかってこられたらワシも折れるしかなかったのだ」
CEOが言う。隣の日和さんが意味深な視線を送ってくる。
これが全部署名だと言うのか・・・
私は目を見開き、彼のほうをすごい勢いで見た。
彼はあの少年のような笑顔でニッと笑い、Vサインを私に見せ付けてくる。
「馬鹿だ・・・お前は本当に馬鹿だ・・・どうしてそんな馬鹿みたいに・・・優しいんだ・・・」
彼のその馬鹿みたいな優しさが嬉しくてたまらないのに涙は止まるどころかさらに勢いを増していく。
251名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:32:56 ID:oAvLYMRq
「僕と同じ想いを持っていてしかもそれで苦しんでいる人を僕は放っておくことが出来ない、
しかもそれが僕をここまで導いてくれた聖ちゃんなら尚更だよ、
といってもこれくらいで恩を返せたとは思わないけど」

何を言ってるんだ水無瀬くん、お礼してもしきれないのは私のほうだ・・・
私は一度、野球を諦めてしまった。でも私に手を差し伸べてくれる人がいた。
私の闇に差した一条の光、私はもう絶対に光から逃げたりはしない!

「うむ。それだけの強い意志があるならやっていけるだろう」
男前田監督が私のほうを見て頷く
「はい! ご指導よろしくお願いします!!」
私は監督に、署名してくれたみんなに、そして彼に感謝の意味も込めて深々と礼をした。


そして彼はプロの世界へと旅立って行った。
結局、私の想いを伝えることは出来なかった、でも今はそれで良かったのだと思う。
練習を重ねて、彼の球を正捕手として受けるに相応しい実力をつけて、プロの世界の彼に会いに行こう。
私は彼からもらった少しサイズの大きい彼の予備のユニフォームをバッグに入れて、
明日から始まる練習のため、眠りについた。

おしまい。

252HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/10/30(木) 19:34:30 ID:oAvLYMRq
さっきのトリップはミスです。スマソ。

実はこのssは初めて投下した1年後のssよりも前から書いていたssなのです。
書いたはいいけどただ15の内容を聖視点で追っているだけな気がしたので途中で止まっていました。
それを今までのssの内容と組み合わせて完成させたものです。
では引き続き、あおいものどうぞー
253名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:36:12 ID:oAvLYMRq
「・・・ごめんっ・・! ボク先に帰るねっ・・!!」
俺や矢部くんが呼び止める声も聞かず、早川は出て行ってしまった。
そして俺ははっきり見た、彼女の頬を伝う一筋の線が・・・

「こんなっ! こんな馬鹿なことがあってたまるか!!」
俺が叫ぶ、辛苦をともにしてきた仲間たちはみんな辛そうな表情で俺を見ている。

俺たち恋々高校野球部は創部間もない部活だがなんとか部員をかき集め、2年目には晴れて大会に出れるようになった。
しかし、その矢先に大会出場停止だ。理由は女性選手の出場だと・・・馬鹿げてる!
「何でだ!? 女の子が野球やって何が悪い! ・・・みんな話がある。聞いて欲しい」

『飛翔』

恋々高校野球部は俺が創部した部活。そりゃあ設備も、実力のレベルも並み居る強豪にはかなわないだろう。
だけど俺たちはチームワークとそれぞれの長所を伸ばすことを重視し、弱い部分は互いにカバーしあう野球に徹してきた。
といっても守備力だけは徹底して鍛えてきたが。

「俺たちは、あかつきみたいに全てがハイレベルな野球は出来ないかもしれない。
だけど、みんな何か一つでいい。自分の得意なところを伸ばしていこう!」

これが新入部員加入時の俺のあいさつだ。
紹介が遅れた。俺の名は小波。恋々高校野球部のキャプテンを務めさせてもらっている。
そんな俺の得意分野は打撃だ。家がバッティングセンターを経営しているため、小さなころから遊んでいた。
ちょっと自慢になってしまうかもしれないが打撃だけならプロ級だと褒められたこともある。
もちろん球界関係者にだ。
254名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:37:06 ID:oAvLYMRq
「俺は、この処分に微塵も納得していない。
このままこの処分がまかり通るなら男女平等なんざどの口がほざいてるんだという話だ」
俺は真剣なまなざしでチームメイトをみる。顧問の加藤先生もマネージャーの七瀬さんもいる。
「全くもって同感でやんす!」
怒りをあらわにした表情で矢部が声を上げる。
「だけどいくらこのまま俺たちが抗議したところで高野連という巨大な組織を動かすことは不可能だろう」
「じゃ、じゃあどうするんスか先輩!」
円谷が俺に聞く。
「何かを動かすには力が必要だ。ここは人様の力を借りるしかない。署名活動だ!!」
「おおっ!!!」

幸いこの出場停止のニュースはそこそこ有名な話だったらしく、署名活動にはたくさんの人が署名してくれた。
その中で一つ、俺が語っておきたいエピソードがある。

「やあ、なんだかやかましい連中がいると思ったら君たちだったのか」
この文章だけ見たら非常に嫌味に見える言葉を口にした男。そう猪狩守だ。
「・・・猪狩か」
猪狩はふっとキザに笑うとペンを取り、自分の名前を書き込んだ。
「おっと、勘違いしないでくれよ。別に女性選手のことは関係ない。
プロ級と噂される君の打撃を楽しみにしていたのに不戦勝なんて僕は認めない」
そういって猪狩はその場を去っていった。根はいいやつなのだ。

俺も猪狩との対決を楽しみにしていただけにこの署名は相当に心強かった。


255名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:38:23 ID:oAvLYMRq
そしてかなりの数の署名を携えて恋々高校野球部は高野連に頭を下げ、
そしてついに女性選手の出場を認めさせることに成功したのである。

「ボク、今でも信じられないよ、みんな本当にありがとう」
この知らせが届いた日のミーティング、早川が涙ぐんで言う。
「・・・俺が言いたいのはこれだけだ。
これは”当然”なんだってな。これで役者はそろった、絶対に甲子園にいくぞ!!」
「おおーーーーっ!!!」
俺の言葉で部室の活気は今まで最高潮に達した。
そして部活のあと、俺は早川に呼び出され、部室にて早川を待っていた。
すっかり外が暗くなってきたころ、早川が部室に入ってきた。

「ごめんねボクが呼び出したのに」
「気にすんな、それで話ってなんだ?」
「まずもう一度言わせて、本当にありがとう。
みんなが署名活動してくれなかったらボクはもう野球が出来なかった」
普段は勝気な早川が深々と頭を下げる、よせよらしくない。
お前は元気にボール投げてるほうが似合ってるよ。
「そうかもしれない。でも今日はね」
早川がふっと微笑む、初めて見る表情に少し、驚き。
うん、そんな表情も悪くないと思うぞ。

256名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:39:23 ID:oAvLYMRq
「小波くんってさ、結構くさいセリフを言うのに何故か知らないけど不快な感じがしないよね」
「思ったことを正直に口にしてるだけだ」
この言葉にまた早川は微笑んで、続ける。
「それでいて態度はぶっきらぼうなのに実は誰よりも優しくて、頼もしくて仲間思い」
目を閉じ、言葉の一つ一つを噛み締めるようにゆっくりと語る早川。
「そりゃ買いかぶりすぎだ、俺はみんなと野球がしたいからここにいる。それだけだ」
「ほら、やっぱり」
いつもと明らかに様子の違う早川に俺は混乱していたがそろそろ時間も時間だ。
「それで、話の本題は?」
この若干急かすような問いに早川は一瞬たじろいだがなぜか大きく深呼吸をするとまたゆっくりと話し始めた。
「うん・・・小波くん、キミと出会ってもう1年と半年くらいだけど気づいたことがあるんだ」
俺はあえて口を閉じ、黙ったまま頷いた。
ここでまた早川が大きく深呼吸、心なしか顔を紅潮させている。
それでもなかなか言葉を発しようとはしなかったがやがて決心したように頷いた。

「ボクはキミのことが好き、どこまでも純粋でまっすぐなキミが好き」

いつからだろう、自分がこの気持ちを抱き始めたのは・・・
いや案外今この瞬間から湧いた想いなのかもしれない。
言の葉を紡ぎ終え、儚げな視線でこちらを見つめる彼女を見て俺はいつの間にか彼女を抱きしめていた。

「ありがとう、早川。・・・俺もお前が好きだ、でも待っていてくれ、今の俺には甲子園への道しか見えない」
早川は少しだけ哀しげな表情したがすぐにまたあの微笑へと変化する。
「うん、そんなキミがボクは好きだから」
そして早川の表情はいつものエネルギッシュな笑顔に戻った。
257名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:40:12 ID:oAvLYMRq
時は進み、俺たち恋々高校野球部はいよいよ地区大会決勝
あかつき大付属高校との決戦をこのあとすぐに控えていた。
「私が言えるのはこれだけよ、みんな仲間を、自分を信じて。決して諦めないで」
顧問の加藤先生が言う。これに俺たちは大きな頷きと返事をかえした。
「じゃあ小波くん、今度は試合は止まらない。みんなに勇気をくれるコメントをひとつ頼むわ」
予想外の先生の言葉に一瞬呆然とする。
柄じゃないんだけどなと思いつつも今日この瞬間はみんなに伝えたい言葉が、
まるで用意されていたみたいに次々と浮かび上がってきた。

「正直創部まもない俺たちが甲子園に行こうだなんて夢物語かもしれない、
雲をつかむような話だ、でも俺たちはここにいる、甲子園の目の前まで来ている、雲を掴み取ってやろう!
駆け足で過ぎてく季節と風の中で俺たち恋々高校野球部は甲子園への地図をみつけたんだ。
死ぬほど努力はしてきた、気持ちがひとつになればきっとたどり着けるはずだ。
諦めないで踏み出そう、夢を掴み取ろう! 俺たちの夢がどんなに遠くに見えても、
ありったけの力であかつきを越えていこう! 行くぜみんな!!!」

「うおおおーーーーーっ!!!」
「やってやるでやんすーーー!!!」
「もはや恐れるものは何一つないぜーーー!!!」

258名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:41:17 ID:oAvLYMRq
運命のあかつき戦は奇跡的に恋々高校の勝利となる。
恋々の主砲小波があかつきのエース猪狩から文句なしのサヨナラホームランをもぎ取った。
そのあとの夏の甲子園予選でも猪狩は小波に敗れることとなるがこれが起因して
のちの日本シリーズにて歴史に残る大勝負をこの二人が繰り広げることになるがそれはまた別の話。
そして場面は試合終了後の恋々高校野球部部室・・・

「ボクまだ信じられないよ」
早川がまぶしいくらいの笑顔を見せる。
「みんなの努力が実ったんだ、今日ほど恋々に来て良かったと思えた日は無い」
「うん本当に・・・みんないつも以上の実力が出せてた感じだったし、小波キャプテンの言葉のおかげかな?」
早川がおどけて笑う。
「どうだろうな、まさに無我夢中って言葉が相応しいとは思ったが」
「本当にありがとう小波くん、ボクはキミに出会えて本当に良かった」
早川が俺の手を取って言う。
「早川、人間ってのは欲深い生き物だな、
甲子園出場が決まっただけでもすごいのに優勝したいと思ってる自分がいるんだ」
「でも、今ならどこまでも進める気がするよ、みんなと、キミと一緒に」
「そうだな・・・一緒に行こう早川」

そして俺たちは唇を重ねあった・・・

やがて春の甲子園にて、
あかつきを破り登場した恋々の主砲とエースは世間を大いに沸かすことになる。

おしまい。

259HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/10/30(木) 19:42:30 ID:oAvLYMRq
9主×あおいもの、どうだったでしょうか?
今までの聖やみずきの甘々とは少し趣を変えて高校生らしい、
熱さや青臭さが表現出来てればいいなと思います。
気づいた方もおられるかもしれないですが途中の小波のコメントは、
9のオープニングの歌詞から文を組み立ててます。
色々と挑戦したので出来具合は不安ですがひとまずこれにて。

俺のssは15の世界観で統一していますが矢部の存在の矛盾などは見逃してください。
彼がいると会話を組み立てやすいんですよね。

これからもこの世界観で色々書くつもりですが俺なんかの三人娘の甘々でよければ妄想を書き殴ってみてください。
100%とは言えませんが気に入ったネタがあれば文章に起こすかもしれません。
もちろん俺以外の職人様にとってもいい刺激になるかもしれませんし。
露骨に〜を書いてくれってのは困りますがね。
260名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 22:25:08 ID:hpozeuae
>>259
GJ!二本立てお疲れ様です
熱い……若いなぁ
こういう気持ち、持っていたかった。
鬱な事ばっかり浮かぶ今の自分が悲しくなってくる。
マイナスな感情でしか動けなくなっちまって……
261名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 23:20:37 ID:wugbFhIp
OPの歌詞の最初って雲だったのか
ずっと後半の歌詞と同じ夢だと思ってたわ
なんつーかクサイというか恥ずかしい台詞禁止と言いたくなるというか
そんな感じの台詞だったなw
262名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 23:38:37 ID:ibTHIjTa
>>259
青春モノいいね・・・サクセスは高校野球編が一番好きなんでドンピシャでした
やっぱ猪狩はサヨナラを打たれる役だよなw
263名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 02:14:24 ID:VbkwJUnN
ところで彼女キャラって誕生日設定されてるのかな。
264名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 15:11:39 ID:30xjsRfY
>>263
マイライフの嫁御にはあるらしいが、サクセスの彼女候補はどうだろ?
無いなら適当に決めてもいいんでね?それか日付をうやむやにするとか
265名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 22:23:39 ID:woJ25vJl
携帯からですが…


十月も終わりにさしかかる頃、それはプロ野球選手を目指すものにとって人生をかけた大切な時期となる。

そして、ここに夢を叶えた一人の少年がいた。

少年の名前は小波将(こなみしょう)という。
この年、彼が住む都市には三人の逸材がいると言われていた。
全球団の一位候補と言われたあかつき大学付属高校のエース猪狩守。
女子生徒の公式戦出場を認めさせ、野球の歴史を変えた早川あおい。
そしてその二人に打ち勝ち、低迷が続いていた古豪パワフル高校を甲子園優勝に導いた小波将。
266名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 22:33:30 ID:woJ25vJl
しかし、その彼の野球人生は決して平坦ではなかった。
彼の家は決して裕福ではなく、野球は高校生までと決められていた、つまり今年がプロになる最初で最後のチャンスであった。
また彼が通ったパワフル高校もかつては強豪だったものの、新興のあかつき大学付属高校に押され、近年は二回戦が精一杯、彼が一年のときには初戦敗退の憂き目を見るほどに弱体化しており、さらに彼自身期待された選手ではなく、その他大勢の部員の一人でしかなかったのだ。
そんな彼が何故主将としてチームを引っ張り、甲子園優勝、さらにはプロになることができたのか。
267名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:03:47 ID:woJ25vJl
『よき先輩、そして仲間に恵まれました。』
ドラフト後の取材で彼はそう応えた。
彼の通っていたパワフル高校はかつては甲子園にも出場したことのある強豪だったが、ここ数年は弱体化し、地区予選も二回戦が精一杯、彼が一年のときには初戦敗退の憂き目を見るほどに低迷していた。
またそんな高校ですら一年の時には周囲に埋もれたその他大勢の選手でしかなかった。
そんな彼の野球への情熱、才能を見いだし、自らの技術を教え込み、鍛えたのが一学年上の主将、尾崎であった。
268名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:11:35 ID:woJ25vJl
尾崎との特訓で頭角をあらわした彼は、翌年、尾崎にとっての最後の夏には息のあった二遊間として地方紙に小さくながら取り上げられるほどになっていた。
しかし、久しぶりに地区大会決勝まで進出したものの、二年生エース猪狩、この年のドラフト一位の二宮など、強豪あかつきの中でも有数の黄金世代だったチームには勝つことができなかった。
尾崎の跡を受け継ぎ、主将となり遊撃手へと移った彼は親友の矢部、一年後輩の円谷とセンターラインを組み、お調子者の後輩エース手塚をノセることでチームの核を作った。
269名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:19:56 ID:woJ25vJl
そんな仲間たちと切磋琢磨して腕を磨いた彼だが、陰に日向に誰よりも支え、力になったのが、野球部のマネージャーだった栗原舞だった。
小学生まで一緒だった幼なじみの二人だが、舞は親の仕事の都合でこの街を離れ、中学の三年間一度も会うこともなく、彼は舞に高校生になって初めて会ったとき、すぐには気づくことができなかった。
しかしかつて住んでいた家に戻った舞と帰り道をともにする毎日は離れた三年間を埋めるには充分すぎるものだった。
270名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:28:20 ID:woJ25vJl
そして、練習の前に一生懸命球を磨く舞を手伝いながら交わした会話、近くの神社で人知れずしていた練習に気づき、差し入れを持ってきた舞に誓った甲子園に連れて行くという約束。
いつしか二人は幼なじみを越えお互いに惹かれあうようになっていた。
そして一年のバレンタインデー、舞は『マネージャーなのに部員のみんなにはもあげないのはまずいかな…』とは思いつつ、彼の為だけにチョコを作り、そして告白をした。
271名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:37:09 ID:woJ25vJl
幼なじみ、部員とマネージャーという関係を超えた二人はその後も部活にいっそう励みながら、わずかな休みにはデートを繰り返し、より強い絆で結ばれるようになった。
クリスマスには手編みのユニフォームをプレゼントし、二人はその夜初めて結ばれる…はずだった、しかし、どこもクリスマスを祝う恋人達で溢れ、何事もなく夜は過ぎてしまった。
その後もデートを重ね、部員から嫉妬されることもあったが、結ばれる機会は訪れなかった。
272名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:48:02 ID:woJ25vJl
そして迎えた最後の夏、大会前に彼は舞にこう言った。
『最後の夏、俺は約束通り君を必ず甲子園に連れて行く、それが今まで支えてくれた君にできる最高の愛の証だから。』
舞はその言葉を信じベンチで祈り続けた。
順調に勝ち進んだパワフル高校は、準決勝、早川あおい率いる恋々高校を矢部、円谷の足と小波の勝負強い打撃で下し、いよいよ決勝のライバル猪狩率いるあかつき戦を迎えた。
超高校級と言われた猪狩にはここまで奮闘していた矢部、円谷も手も足も出ない。
273名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 23:55:43 ID:woJ25vJl
しかしパワフル高校もエース手塚の力投を全員で盛り上げ、猪狩の弟の好打者、進の当たりをセンター矢部がダイビングキャッチをするなど普段の力以上のものが出ていた。
両軍ゼロ更新で迎えた九回裏、二死ランナーなしで迎えるバッターはパワフル高校をここまで引っ張った四番小波。
この回が始まるとき舞は彼にそっと伝えた『力が入りすぎてるよ、いつもの小波君なら絶対に大丈夫、信じてるから…』
274名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 00:03:55 ID:k8byeqEm
愛する人のそんな言葉、時にはよけいに力が入ることもあるが、ネクストで構えながら彼はベンチを見た、矢部、円谷、手塚、みな勝利を信じた目をしている。
三番を打つ一年猿山が三振に倒れた、すれ違うときに猿山は『先輩、僕、尊敬する先輩ともっと一緒に野球やりたいです』そうつぶやいた。
『生意気な一年坊主だが、実力は確かな猿山は監督を本気にさせたな』彼はふと思い出した、そしてバッターボックスに入る前に改めてベンチを見渡し、一瞬笑顔を見せ、打席に入った。
275名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 00:11:00 ID:k8byeqEm
『プライドの高い猪狩のことだ直球勝負を仕掛けてくるはず。』
試合前に考えていた通りここまで彼の打席だけは常に直球勝負を仕掛けてきたが、意識しすぎたのかここまで抑えられていた、しかし、この打席、彼は無心になっていた。
『来た球を打つ、それが俺たちの野球だ。』
そして猪狩が投じた初球、インコースへのクロスファイアー、彼は無心で振った、打球は糸を引くようなライナーで飛んでいった…
276名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 00:19:44 ID:k8byeqEm
甲子園出場が決まった夜、皆が帰った部室で小波と舞は二人で居た。
試合の興奮も冷めやらぬまま夢中で話をし、彼は舞にたくさんの感謝の言葉を伝えた。
『お礼を言うのは私の方だよ、約束を守ってくれてありがとう。』
見慣れてるはずの舞の笑顔が今日はいつもよりさらに可愛く思え、じっと見つめているうちにどちらともなく口づけを交わした、そう、初めての口づけを。
幾度も熱く口づけを交わし続け、舞はこのまま結ばれることを望んだ。
277名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 00:27:17 ID:k8byeqEm
しかし彼は言う。
『俺も君と結ばれたい、だけどここまで我慢してきて甲子園に出ることができた、勝手なのはわかってる、でも甲子園優勝とプロ入りの夢を叶えるためにもう少しだけ我慢をさせてくれないか。』
舞は彼らしいと思い、少しだけ笑った、不満もあったが、そんな彼の純粋さがたまらなく好きだった。


そして迎えた十月。

二つの夢を叶えた彼は今、校門の前で舞を待っていた。

278名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 00:34:06 ID:k8byeqEm
すいません、初めて書いたのですが、下げてなかったり重複があったりと読みにくいところがたくさんあると思います。

ただ感想などいただけたら幸いです、9のオープニングを基にして作りました。
279名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 02:07:52 ID:Py6vjAwn
内容以前に投下の作法がなってない。
とりあえず、1レスあたりの行数が少なすぎ。改行しなさすぎ。
ageて投稿すんな。メール欄に「sage」って入れろ。
半年ROMってろ。

って言われるぞ。俺は読んだけど。
乙でした。
280名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 10:58:43 ID:05dG/cJA
正統派な話でパワ高っぽさが出てるw
281名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 14:53:11 ID:mwkQCp3K
まず第一に文章の区切り方がなってないと思う。
読点の所を一部句点に変えてくれ。
一文が長すぎて正直読み辛い。改行しろ。
横に伸びすぎてて、読む気が起きなくなる。
いくら文章が良くったって、読みやすくなければ意味無いんだぜ?

んで、↓守ってるか?守ってないだろう
・ リアルタイム投下は避ける(ローカルでまとめて一気に投稿すること)
そして無駄にageるな。
投稿してもらってアレだが、最低限守るべき作法というものがあるんだ。

次回があるんだとしたら、その辺りを気を付けて書いてくれ。
282名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 05:39:11 ID:H9ZPcSb1
保管庫久々にジャーマン氏のが更新されてたぜ。
ちひろさんのSSが読みたくなって行ったらいいタイミング。
しかしジャーマン氏はエロス、ギャグ、ストーリーと高レベルで安定してていいな。
元ネタわからなくても読めるっていうのが一番の強みかな。
まさにジャーマン氏はパワプロエロパロの三冠王だぜ。
283名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 01:59:26 ID:ljVjl7k7
あおい可愛い
284名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 02:56:08 ID:kydL/q5M
>>283
IDが細いな
285名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 16:48:22 ID:t366cWG5
>>263
俺は(まだ一部だけど)勝手に決めてる
こういうのは自由だよ。自分のイメージで決めれば良い
286名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:35:58 ID:YQqug/7u
懲りずにまた主人公×あおい投下します

主人公の名前 神谷 龍一応前作の続き
知らなくても読めます
287名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:37:02 ID:YQqug/7u
『第一位 ロッテ 捕手 神谷 恋恋高校』

「よ、呼ばれた!?」

「神谷くんすごいでやんす!」

夏の甲子園で初出場初優勝の快挙を遂げた恋恋高校
その主将。俺、神谷龍は今、ドラフトでロッテに指名された
しかも一位で

『……読売 外野手 矢部 恋恋高校』

「おい今矢部も呼ばれたぞ!」

「か、感激でやんす!オイラもプロになれるでやんすか!?」

恋恋に入学して、一番最初に友達になった矢部
その矢部もドラフトで指名された

「読売か…違う球団だなぁ」

「そうでやんすね…」

三年間ずっと一緒にプレイしてきた友人と離れるのは少し寂しい
でも…会えない訳じゃない

「矢部。球団が違っても、俺らはチームメイトだ。お互い頑張ろうぜ」

「もちろんでやんす!」

俺たちはしっかりと手を握りあった
これからも良き友でいられるように…

「よっしゃ!今日はみんなでパーッと行こうぜ!!」


その後、俺たち恋恋高校の野球部メンバーは全員で打ち上げ会をやった
プロになれることに喜びを感じながらも、チームのみんなと別れることに幾分か寂しさを覚えた
288名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:37:53 ID:YQqug/7u
「じゃあなー。気を付けて帰れよー」

「「「さよならー」」」

打ち上げ会も終わり、各自家路につくことになった

「あおい、送るよ」

「え?いいよ、悪いし…」

「バカ、女の子の一人歩きは危ないってーの!」

俺が声を掛けたのは早川あおい
恋恋のエースで……俺の彼女でもある

「そういえばまだ言ってなかったね。ドラフト指名おめでとう」

「おう」

あおいに言われると、なんだか照れくさい

「あと、これからもよろしくね」

「へ?」

言っている意味が分からなくて、俺は間抜けな声を出した
あおいは少しムッとして言う

「もうっ、ドラフトちゃんと聞いてなかったでしょ。ボクもロッテに指名されたんだよ!」

「え、マジ!?」

知らなかった
と口に出せばあおいに呆れられた

「しょうがないだろ?指名されて浮かれてたんだよ」

「だからって彼女のこと聞き逃すかなぁ?」

「う……ゴメン」

「…もういいよ。そんなキミをボクは好きになったんだし」

そう言ってあおいは照れたように笑った
…やべぇ、今キュンとした

「龍くん?どうかしたの」

「い、いや!なんでもねぇよ!」

「ふーん…」

289名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:40:06 ID:YQqug/7u
ったく、これだから無自覚は…可愛いっつの!

「龍くんさ」

「はいぃ!?」

ちょっ、変な声出た
あ、笑うなよあおい

「で何?」

「いや…ドラフト、捕手、だったよね?…いいの?」

「いいも何も、そうだったんだからしょうがないだろ。そりゃ俺はホントは投手だし、ちょっと残念だけどさ」

三年の途中までは部員の都合で捕手やってたからな
向こうも捕手でとるだろ

「でもまあまたお前とバッテリー組めるし、捕手もいいかもな」

右手であおいの頭をぽんぽんと叩く
同じ球団だし、可能性はあるはずだ

「そっか…」

「なんだよ沈んだ顔して。あおいは俺とバッテリー組めるの楽しみじゃないのか?」

「そんなことないよ!!」

ちょっと悲しそうに言えば慌てて否定するあおい
ホント可愛いやつ

「ボクも、また龍くんと一緒のチームで野球できるの…すごく嬉しい」

あおいの手が俺の手に重なる
ドクン
心臓が大きく跳ねた

「あー…あのさ、あおい」

「何?」

上目使いに俺を見る彼女
やばい、もう我慢の限界だ
俺は彼女を引き寄せてその唇にキスをする
当然彼女は真っ赤になって…

「な!?い、いきなり何を…」

「悪いけど…も、我慢出来ねぇんだ。いいだろ?」

耳元で囁くと、彼?
290名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:41:48 ID:YQqug/7u
「あ、もしもし翔?俺だよ、龍だ。うん、サンキュ。でさ、今日打ち上げで遅くなったから友達に泊めてもらうことになった。…うん、分かってる。母さんによろしく、じゃ」

家に電話を入れて準備完了
あ、ちなみに翔ってのは俺の弟ね

「龍くん、電話終わった?」

「ん、ああ。そっちは?」

「終わったよ。はるかの家に泊まってることになった」

「そか」

俺らが今いるのは、いわゆる……その、ラブホと呼ばれるところで…
何をするかはうん、まぁ想像通り

「あおい」

「何龍く…んぅっ!?」

俺の方を向いたあおいにキスをする
初めは触れるだけだったそれは、次第に深くなっていく

「ふ…ぅ…んむ……」

舌を使い、あおいの口内を堪能する
どのくらいそうしていただろうか、俺はゆっくりと口を離す
銀の糸が俺とあおいの間に引いた

「もうっ、いきなりっ、なんだから…」

「いったろ、我慢できねぇって」

「言ったけど…だからって……ひぁっ!」

「へぇ…ここ弱いんだ?」

耳に息を吹きかければ身体を跳ねさせる
試しに口に含めば甘い声を出す
やべぇな…超可愛い

「ちょっ、りゅ…くん…。ひあぁっ!?」

「あれ?もしかして腰抜けた?」

「…うるさい。誰のせいだと思って…」

291名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:44:31 ID:YQqug/7u
ベッドにあおいを寝かせ、その上に覆い被さる
服に手をかけるが、あおいに止められる

「どうした?」

「や…あの。ボク、初めてだから…」

恥ずかしそうに顔を背けるあおい
そんな彼女に微笑みかけて

「大丈夫。優しくするから…な?」

「うん…」

実を言うと、俺も初めてなんだけど…
手際良く服を脱がせ、下着だけにする
シンプルなデザインのそれは、俺の欲を余計引き出した

「あんまり見ないでよ」

「何で?」

「だってボク…ちっちゃい、し……」

「んなことねぇよ。可愛いぜ?あおい」

スル…
下着に手を入れ、あおいの小さな胸に触れる
ついでに反対の手でスポーツブラを外す
現れた二つの山に手を乗せ、強弱をつけて揉みしだく

「ふぁ…や…あっ」

ぷくっ、と膨らんできた突起に舌を這わせ、左右で違った動きを見せる

「な…んかボク…。おかしくなり、そ…」

「なっちゃえよ」

片方の突起を指で挟み、もう片方を口に含む
両方に同じタイミングで刺激を与えれば、あおいは身体を大きく跳ねさせた
292名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:45:46 ID:YQqug/7u
「あおい…可愛い」

あおいの額にキスを落とし、左手を秘所へ伸ばす
さすがにあおいも抵抗を見せた

「あっ、ダメ…!」

「ダメじゃないだろ?こんなに濡れてんのに」

下着の上からでも濡れてるのが良く分かる
ピチャ…
辺りに水音が響いた

「そんなこと言うなぁ…」

「だってホントだろ?ほら」

クチュクチュ…
わざと音の立つように指を動かす
羞恥心からかあおいの顔は真っ赤だ
もっといじめたくなって、今度は秘所を舌で舐める

「やあっ!?ダ…メ汚……ひぅっ!」

ピチャ…チュ……ジュルル

「汚くねぇって…あおいのだしな」

左手の指を一本ずつ秘所に入れていく
三本の指が入り、それぞれをバラバラに動かす

「っ…そろそろいいか」

ズボンの前を開け、固くなった自身を取り出す

「あおい、いいか?…入れるぞ」

「う、ん…」

自身をあおいの秘所にあてがい、ゆっくり中へ入れていく

「痛っ…!?」

「大丈夫か?」

いかにも苦しそうなあおい
止めるか?という俺の言葉に首を振った

「大丈夫…だから。ね?龍くんにも、気持ちよくなって欲しい…」

「あおい…」

293名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:46:34 ID:YQqug/7u
「全部、入ったぞ」

「うん…」

「動くからな。痛かったらすぐ言え」

「分かった」

あおいが頷くのを見て動き始める
最初はあおいに負担をかけないようにゆっくりと
それからだんだんと速くしていく

「あっ!?」

「ん?…ここがいいのか?」

あおいの感じやすいところを見つけ、そこを執拗に攻める

「ひゃあ!ん…ぁ……ボク、も…ダメ。イきそぉ……んぅっ」

「俺も…。あおい、一緒、にっ」

「んあぁぁああぁあっ!!!」

「ぐっ!!」

あおいの膣内が引き締まり、締め付けられる
ギリギリのところで自身を引き抜き、白濁を外にぶちまけた



情事後、俺は眠ってしまったあおいの髪を鋤くように撫で、今までのことを思い出していた
出会ってからはや三年
まさかこんなふうに隣に寝る関係になるとは…

「…これからも、よろしくな」

そう言ってあおいの額にキスを落とし、俺も眠りについた





END
294名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 01:48:32 ID:YQqug/7u
以上です
お粗末様でした
295名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 09:51:25 ID:lwineJOs
乙!!!!!!!!!
296名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 09:54:59 ID:9wkRMaUN
矢部は巨人じゃなくて日本ハムじゃないの?
297名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 17:48:13 ID:YQqug/7u
すんませんミスしました
巨人は猪狩でしたね
298前スレ538:2008/11/06(木) 09:02:05 ID:7X3QiXhy
まとめwikiの編集をしても良いでしょうか?
自分が投下したSSの手直しをしたいのですが…
299名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 09:32:45 ID:4t+fckR0
>>298
wikiってのはそういうもんでしょ
300名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 10:02:24 ID:UAsdyIDa
つまりおk
301前スレ538:2008/11/09(日) 21:01:08 ID:QeQYzVOZ
>>299
>>300
返信ありがとうございます
一部台詞や表現の変更と追加を行いました
新作ができたらまた投下します
302橘みずきの約束:2008/11/11(火) 00:01:19 ID:vPdSrqZQ
プロローグですが書き込ませていただきます


事の発端は橘みずきの一言だった
「一球勝負で私からホームランを打ったら何でもいう事を聞いてあげる!」
聖タチバナ学園のグラウンドにて橘みずきがこういった
「ほ、本当でやんすか!?」
矢部がみずきに興奮しながら聞く
「うん、本当よ」
みずきは笑顔で答える
「パワ堂のきんつば一年分っていうのはありなのか?みずき」
「あり」
「パンツ見せてくれっていうのは?」
「あり」
「じゃ、じゃあ橘財閥の財力で1/1ガンダーロボを作ってくれっていうのも…」
「あり、卒業目前記念で何でも言うこと聞いてあげる!」
みずきは再び笑顔で答えた
「わぁぁぁ!!」
部員達はいっせいに沸いた
そして…

「はい、空振り」
最後の一人である矢部のバットも空を切ることとなった
「みずき、いつの間にこんな駆け引きを憶えたんだ?」
聖はみずきに聞く
「そりゃあ、もちろん甲子園の最中によ!憧れのあおい先輩に無様な真似見せられないわ!」
みずきは力説する
そんなみずきを眺めつつ辺りを見回すと…
「あっ、先輩」
先輩であり主将の小波がグラウンドへやってきた
「あれ?皆、一体どうしたんだ?」
小波は矢部たちを見て不思議に思った
「ふっふーん、それはね…」
みずきは一球勝負の事を教えた
「どう?小波君もやる?」
みずきはニヤけながら小波に聞いた
しかし、小波は
「遠慮しておく」
と否定の言葉を述べた
「えー!どうして?」
みずきが不満の声を出しながら小波に質問した
「だって、みずきちゃんだもん」
小波は疑いの目でみずきを見ながら言った
無理もないだろう、この中で一番みずきに振り回されたのは他ならぬ小波なのだから
「今度は本当!嘘偽りなど一切ありませーん!」
みずきは胸を張った言った
「小波君!挑戦を受けるでやんす!このままじゃ小波君はみずきちゃんの奴隷のままでやんす!」
矢部は小波に向かって叫んだ
「先輩、これからはプロの世界でみずきと戦うんだ、受けておいてそんは無いと思うぞ」
聖もみずきに挑戦することを勧めた
「…分かった、みずきちゃん、いいね?」
「OK!」
小波とみずきの勝負が始まった
そして…
303名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 00:02:04 ID:vPdSrqZQ
「うっそぉぉ!?」
見事小波はホームランを打った
「凄いでやんす!信じてたでやんす!」
「見事だ、先輩」
矢部と聖が小波を褒めちぎる
「……みずきちゃん」
小波はみずきに近付く
「うう…」
みずきは肩を落としてうなだれた
「みずき、勝負は先輩の勝ちだ」
聖はみずきを立たせる
「分かったわよ、で、小波君の要望は?」
みずきはぶっきらぼうに聞いた
「要望?うーん…」
小波は少し考えた後みずきの耳元で何かを囁いた
「!?そ、それは無し!」
みずきは顔を赤くして拒否の態度を示した
「な!何をいうでやんすか!みずきちゃん!勝ったらなんでもいう事を聞くという話しでやんす!」
「約束は守るべきだと思うぞ、みずき」
矢部と聖はみずきの態度を身と怒りを顕にした
「ううーでも…」
みずきはそれでもやりたくないらしい
「いいよ、矢部君。無理って言ってるんだから仕方ないよ」
小波は助け舟を出した
「しかし、先輩…」
聖は納得がいかないそうだ
「仕方ないよ、みずきちゃんが約束を守ったことなんてないもん」
小波のこの一言はみずきは怒りに火をつけた
「何ですって!誰が約束を守ったことがないですって!」
みずきの顔は烈火のごとく怒った顔になった
「いいじゃない!約束、守ってあげるわよ!明日からでいいわね!」
「は、はい!」
小波は思わず後退った
こうして、みずきは小波の要望を叶えることとなった
え?小波の要望?それは…
「卒業するまでみずきちゃんは俺のラブ奴隷になる」
ということらしいです
304名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 08:27:51 ID:tUM5MsPV
期待age
主人公×みずきは大好物です
305名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 00:52:04 ID:Q7iwPB/u
つづきマダー?
306名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 23:25:14 ID:W1Ov84JI
続きwktk

はたしてこの過疎の流れに
一石を投じることができるのか
307名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 11:40:20 ID:7CYq6L8N
真顔でラブ奴隷てかいっちゃう小波に憧れルゥッッッ
308名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 12:51:08 ID:eOFON/Gd
メイショウサムソンの三冠なるか?第67回菊花賞(GI)芝3000m今スタートしました!
ちょっとパッシングマークがタイミングが合いませんでした、メイショウサムソン好スタート!内からアドマイヤメイン、武豊手綱を2回3回としごいて先行策を取ります!
これを追ってマンノレーシング、2番手、トーホウアラン、これをかわしてトーセンシャナオー3番手、緑の帽子もう一頭メイショウサムソン5番手、その内へフサイチジャンク、
それからアペリティフ、トウショウシロッコ、それから追い込みのドリームパスポートと横山典弘、内へシルククルセイダー、マルカシェンクがいてその後ろアクシオン、
そしてミストラルクルーズ、タガノマーシャルがいてその後ろにネヴァブション、ソングオブウインド、パッシングマークがいてしんがりにインテレット、
こういう展開で1周目のホームスタンド前にやって参ります!さあ完全にアドマイヤメインと武豊、武豊が先行策を取りまして大逃げを打つような恰好になりました!
まもなくスタートして1000メートルの赤いポールを今通過!59秒を切っている!58秒7で通過しています!
武豊、かなり速いペースに持ち込んでいます!石橋守は4、5番手の外、じっくりと馬をなだめています!石橋守とメイショウサムソンは4番手の外であります!
そのすぐ後ろに1馬身差、ドリームパスポートと横山典弘がぴったりマークしています!さあ1コーナーから2コーナー!また場内がドーッときています!
アドマイヤメイン大逃げを打ってさあ向こう流しに入ります!このあたりからペースを落としたい所武豊!10馬身から12馬身のリードで向こう流しに入りました!
さあメイショウサムソンはこの位置です!北海道日高の夢とプライドを背負ってメイショウサムソンは現在4番手!
白い秋の風がその鬣を揺らしています!石橋守とメイショウサムソンです!その内にトーホウアランが続いている、
追い込みのドリームパスポートはその後ろ、あとはフサイチジャンク、シルククルセイダー、マルカシェンク、アペリティフが続いている、
さあ第3コーナーの勝負所、アドマイヤメインのリードが無くなった!5馬身になった!しかし逃げているのは武豊!坂の頂上から半マイル、また突き放すのか?
2番手はマンノレーシング、僅かに動いたトーセンシャナオーとメイショウサムソン4番手!メイショウサムソン4番手!
石橋の夢を乗せてメイショウサムソン4番手!その外にアペリティフ、内にトーホウアラン!さあ第4コーナーを回る!
後方からはソングオブウインド!ソングオブウインドが差を詰めて来た!直線コースを向いた!
まだ逃げる逃げるアドマイヤメイン!武豊の左ムチが飛んでいる!メイショウサムソン石橋が猛追!石橋が追いかける!石橋が追いかける!
一番外からソングオブウインド!そしてドリームパスポート横山典弘!ドリームパスポート先頭に変わる!ドリームパスポート!
一番外からソングオブウインド!内でアドマイヤメインも食い下がる!メイショウサムソンは4番手!三冠なりません!
ソングオブウインド!!武幸四郎だ!!ゴールイン!!武幸四郎です!トライアル3着だったソングオブウインド!大外から差し切りました!
メイショウサムソンは4着!2着ドリームパスポート!3着にアドマイヤメインです!
ソングオブウインドが菊の大輪を咲かせました!亡き父エルコンドルパサーに捧げる風の歌が淀のターフに響き渡りました!!


309名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 12:52:18 ID:eOFON/Gd
東京11レースは第138回天皇賞・秋(GI)芝2000m、この秋は豪華メンバーが揃いました17頭です!
東京競馬場は11万5000人を超えるファンを集めています!芝コースは良、全馬ゲートに収まりました!
スタートしました!ほぼ揃いました!好スタートダイワスカーレット!ダイワスカーレット行きますがキングストレイル並んで行きました前2頭
しかし抜かせませんダイワスカーレット先頭です、2コーナーをカーブして行きます。リードを2馬身、3馬身、キングストレイル2番手で向こう正面へアサクサキングス3番手、
あとはアドマイヤフジ、外にはトーセンキャプテンです、あとは6番手にディープスカイが追走、その外にウオッカがつけました!中団の前です
あとはエアシェイディ、タスカータソルテ、ハイアーゲーム、サクラメガワンダーがいて内を突いてアドマイヤモナーク、外にポップロック、1400を通過して
オースミグラスワン、内はエリモハリアーです。後方から2番手にはカンパニー、最後方ドリームジャーニーでさあ各馬これから3コーナーへ向かいます!
前は1200を通過して先頭はダイワスカーレット、リードが1馬身です。2番手にトーセンキャプテンとなりました、あとは3馬身差、キングストレイル、アドマイヤフジ、今3コーナーをカーブ
1000メートルを通過しました!58秒7です!平均よりやや速いペースでしょうか、その後方はアサクサキングス、ディープスカイが追走、3、4コーナー中間へ、
その外にウオッカです!あとエアシェイディ、サクラメガワンダー、800mを通過。3、4コーナー中間から4コーナーへ、あとタスカータソルテ、ハイアーゲーム
各馬第4コーナーへ向かいます!ダイワスカーレット先頭です!リード半馬身600m通過、堂々と直線コースへ入って行きます!トーセンキャプテン2番手、キングストレイル、アドマイヤフジも来ている!
あとは横に広がってディープスカイ追い込んでくる!ディープスカイ楽な手応え!400mを通過した!あとはウオッカ!ウオッカ並んできた!
さあ先頭はダイワスカーレット!ダイワスカーレット!そしてディープスカイとウオッカ!外からダービー馬2頭が襲い掛かる!
あとはエアシェイディ、サクラメガワンダーも伸びてきているが、ウオッカ!ウオッカ先頭か?ウオッカ!食い下がるディープスカイ!
200は通過した!ウオッカ!ウオッカ!ディープスカイ!内はダイワスカーレット!追い込んで来たエアシェイディ!
ウオッカ!ウオッカ!間から懸命にカンパニー突っ込んできた!
ウオッカか!?ウオッカか!?ダイワスカーレット並んだゴールイン!!並んで入りましたが、さあ手を挙げるのはどっちか?
武豊か?安藤勝己か?勝ちタイムは1分57秒2のレコード!!素晴らしい時計です!素晴らしいレースでした!
さあどうでしょうか?逃げたダイワスカーレット!そしてウオッカ!ややディープスカイは遅れたか・・・
ダイワスカーレットか?ウオッカか?この宿命のライバル2頭の争いのようです!並んでいます!
内ダイワスカーレット!外ウオッカ!さあ皆さんはどちらだと思いますか!?どうぞ写真判定の発表をお待ち下さい!

そして13分にも及ぶ長い長い写真判定の末、勝ったのはウオッカ!その差なんと2センチ!まさに歴史に残る名勝負だった。
310名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 12:53:34 ID:eOFON/Gd
ゴメン誤爆
311名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 15:40:46 ID:Vd8RuLBO
         .|::::::/ ::////⌒⌒ i.:::::ノ
        .|:::::/         |::::|
         |::/.  .ヘ    ヘ.  |::|   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         .⊥|.-(=・).-.(・=)-.|⊥   .| 仮に誤爆したとしててなにが問題なんでしょうね?
        l .!:;  ⌒´.し.`⌒  ;:|. l   | ローカルルールの問題ですか?
         ゝ.ヘ         /ィ  _ノ
       __,. -‐ヘ  <ニ二ニ>  /─- __ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  _ -‐ ''"   / !\  ̄ /!\     ゙̄ー- 、
 ハ       /   |ヽ ̄ ̄//  ヽ        ハ
312名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 17:09:53 ID:gQGdgxss
競馬ネタを絡ませても面白いかもな
俺競馬好きだし
313名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 20:16:29 ID:e3wzqskB
デートでなんとなーく競馬場に来たパワプロくんとなつき
だが余りの人だかりの為券売所から先にいけない
歩けない程の密閉空間…それみよがしになつきにイタズラするパワプロくん
他の人はウマパワー状態で誰も気付かない
嫌がっていたなつきも陰湿、かつ徐々に激しくなる愛撫に少しずつ理性を失い…

てとこまで妄想して別に競馬場である必要が無い事に気がついた
314名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 20:52:00 ID:kVEPllXF
>>313
ワロタwww
競馬場じゃなくてもいいから是非とも文章でなつきにイタズラしてくれw
315名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 00:23:31 ID:v1vgdNyH
つまらんAA貼るな
パワプロなのに競馬ネタはおかしいだろ。「俺競馬好きだし」って知るかそんなもん
だいたい何が誤爆だよ。わざとでウケ狙いなのが見え見え
316名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 02:35:27 ID:cwm9+w2k
>>315
何か嫌なことがあったのかどうかは知らんが落ち着け。
枯れ木も山のにぎわいというだろう。
317名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 03:10:59 ID:iTHl/KJx
そもそもなぜこんなに過疎ったんだ?
みんな嫌な事でもあったのか?
318名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 03:20:21 ID:zkFafo1j
このスレは一時期に投下が集中してそのあとは過疎になるの繰り返しじゃない?また投下時期がくるよ。
でも盛り上がってる方だよ。今年中に前スレ埋まらないと思ってたもんw
319名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 05:44:50 ID:E7NWGBjd
どうどう堂を思い出した。
320名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 11:06:08 ID:8VbKSBsQ
モーレツカンパニーも思い出した。
321名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 12:52:58 ID:snsabkwT
「凄い混んでるね、電車一本逃がすとこだった」
「お祭りのメインイベントが終わったから皆帰るんだよ。家までちょっとあるけど我慢してよ」
俺の名は小波。パワフル高校の2年生でエース…予定。入部してから
ミーティングばかりしてるけど本当に大丈夫なのか?いや、まあそれはいいとして…
今日は彼女と一緒にちょっと遠くの夏祭りに行ってきて、今帰りの電車の中だ。
そして目の前にいるのが俺の彼女の藤乃なつき。パワ高のマネージャーでもある。
綺麗で、可愛いくて、優しくて…俺には勿体無いくらい素晴らしい女の子だ。
特に今日は浴衣を着ているため、なおの事可愛くみえる。
本当に…
「なつきちゃん」
「何?小波く…」
言葉を遮り、そっと彼女の唇を奪う。
「…もう、電車の中なのに……」
唇を離すとなつきが少しだけ頬を染め、微笑みながら俺を見上げてきた。
(か、可愛い…!)
衝動的になつきを抱きしめると色々いいながらも抱きしめ返してくれた。
浴衣越しになつきの脚や胸が押し付けられ、先ほどとは異なった感情が湧き上がってくる。
(アレ?感触がいつもと違うような…)
思い切って聞いてみる事にした。
(なつきちゃん、何か…その…浴衣の中って…)
(バ…バカ…!浴衣なんだから、だから…わ、わかるでしょ!)
…つけてない…だと…?つまりこの感触は…
心の中で静かに燃えているだけだった淫欲の火が激しく燃え上がった。
322名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 12:54:36 ID:snsabkwT
「なつきちゃん…」
そっとなつきの尻に手を回し、そのままゆっくりと撫で回す。
「!?小、小波くん…?」
彼女の体が一瞬震え、少し大きな声が上がった。
(なつきちゃん、静かに…バレちゃうよ)
(バレちゃうって…ここ電車の中だよ!?やめ…)
抗議の声をあげる唇をふさぎ今度はゆっくりと揉みしだきながら浴衣の上から豊満な乳房を撫で回す。
愛撫が強くなる毎に少しずつ声のトーンが上がり、息が荒くなっていく。
そのまま2分程続け、解放した頃には既に抵抗は無くなっていた。
唾液で塗れた唇からはひっそりと吐息が漏れ、情欲に染まった瞳がこちらを見据えていた。
(どうしたの?)
何も言わずになつきはきつく抱きついてきた。
(なつきちゃん?)
(したいならしたいって…ちゃんと前もって言ってよね…)
息を切らしながら、耳元で囁いてくる。
(う、うん)
(それで…どうする?)
(どうする?って…うっ)
(このまま帰って、明日まで我慢出来る?)
意地悪な笑みを浮かべながら俺の股間を撫で回していた。
完璧にスイッチが入ったらしい。
(な、なつきちゃん…)
(どうなの?出来るの?出来ないの?)
だんだん手の動きが早くなっていき、同時に耳に艶かしい吐息が吹きかけられる。
(む、無理だと思う…)
(素直でよろしい!明日は学校も練習も無いから…ね?)
そんな訳で途中下車、然るべき場所へ行くことになった。


イタ…ズラ…?
323名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 18:34:38 ID:75nbwvZt
なんという痴漢者トーマス
324橘みずきの約束 その1:2008/11/14(金) 21:01:16 ID:LPrf1HtC
うん、ごめんね。棒を入れるのはまだなんだ
次回からもっとエロくなるよ

「おはようございます、みずきさん」
「おはようございます、橘先輩」
野球部や後輩達がみずきに朝の挨拶をする
「うん、おはよう」
みずきも普通に挨拶を返す
「あっ、おはよう、みずきちゃん!」
小波も声をかける
「おはよう、小波君」
みずきは嫌そうな顔を浮かべて挨拶を返した
「……みずきちゃん、嫌そうな顔しないでよ」
「それは”命令”なの?」
小波の不服そうな声に対してこれが"命令"である事を確認するみずき
「いや、そうじゃないよ」
「ならいいでしょ?」
みずきはツンとしたまま校舎の中に入って行った

「はぁ…」
みずきは大きなため息をついた
先日に小波とみずきが交わした約束、それは…
「卒業するまでみずきちゃんは俺のラブ奴隷」
これがみずきの頭の中をグルグルと回っていた
(ラブ奴隷って何よ!奴隷ってことは何でも命令に従うってことでしょ?でもラブって…)
そんな事を考えていた時、丁度
「では橘さん、この問題を解いてください」
「へ?あっ、はい!」
先生から指名されてしまった

そしてお昼休み
みずきは小波の教室へやってきた
「小波君いるー?」
みずきは教室内を見渡した
「小波君なら屋上へ行ったでやんす」
同じクラスである矢部はそう答えた
「うん、分かった」
みずきは教室を後にして屋上へ向かった
屋上に着くとそこには小波が購買部で買ったパンを食べていた
「あっ、小波君」
「あれ、みずきちゃん、どうしてここに?」
小波はみずきに声をかけた
「一応、約束の確認しにきただけよ」
「そうなの?」
「そうよ」
みずきはグラウンドの方を見る
「まあ、ここには誰もいないからいいか」
小波はパンを食べ終えるとみずきの隣に立った
325橘みずきの約束 その1:2008/11/14(金) 21:01:51 ID:LPrf1HtC
「ええっと、確か私をラブ奴隷にするって言ったわね」
「ああ、卒業するまでね」
小波は屋上のフェンスに寄りかかる
「ラブ奴隷って何?」
みずきは小波のほうを見る
「そのままの意味だよ」
「そのままってどういうことよ!」
みずきは怒った口調で小波に聞く
「みずきちゃんは俺の命令を絶対に守らなきゃいけない、でもただ守るだけじゃ駄目」
「守るだけじゃ駄目ってどういうことよ?」
みずきは首をかしげる
「喜んで俺の命令に従うこと」
「はぁ?」
みずきは呆れた声を出した
「例えば…」
小波が突然みずきに抱きついた
「キャァ!」
みずきは思わず小波を突き飛ばした
「もし、これが命令として行使されたらみずきちゃんは守ったことにならないってこと」
「そうなの?」
「そうなの」
驚いてばかりいるみずきに対して小波のほうはニヤニヤと笑みを浮かべていた
「拒否するってことは出来ないの?」
「出来ません、だってみずきちゃんは奴隷だから」
「……」
言い返そうにも命令の一言で片付けられてしまいそうだ
そして小波は水木のほうを向いて言った
「さて、早速最初の命令を言わせて貰おうか」
「な、何でも言いなさいよ」
みずきはそっぽを向いてぶっきらぼうに言った
「…みずきちゃん、約束を守れてないよ」
小波は怒る様子もなく静かに言った
「へ?」
「ラブ奴隷はご主人様の命令を喜んで聞くって言ったよね?」
「うっ…ご命令を、ご主人様」
みずきは硬い笑顔で答えた
「…まぁ、いいか。じゃあ放課後、付き合ってくれないか」
「え?はい、分かりました、ご主人様」
みずきがその言葉を口にすると同時に予鈴がなった
「そろそろ教室に戻らないといけないな」
「そうね」
「じゃあ俺は行くよ」
小波は屋上から出ようとする
「うん、じゃあ放課後ね」
みずきはやる気無く手を振った
「あっ、一つ言い忘れてたけど…俺は矢部君よりマニアックな部分があるから…」
「えっ?」
小波の一言にみずきはあっけに取られる
「そこのところ、よろしく頼むね」
そう言って小波は屋上から去っていた
「…」
みずきは扉を見ながら固まっていた
326橘みずきの約束 その1:2008/11/14(金) 21:03:32 ID:LPrf1HtC
放課後、みずきは小波を待っていた
「ふう、遅いわね…」
みずきは携帯電話の時計を見る
授業が終わって早5分が経とうとしていた
待つのが苦手なみずきには5分という時間は十分長いものだった
「あっ、みずきちゃん!」
小波がやってきた
「おそーい!いつまで待ったと思ってんの!」
「まだ五分しか経ってないじゃん…」
小波は呆れながら答える
「それでも十分待ったの!」
みずきは拗ねた口調で文句を言った
「ハイハイ…」
小波はみずきの頭をポンポンとたたきながらなだめた
「で、どこへ行くの?」
みずきはやる気なさそうにに聞いた
「デパートの下着売り場だよ」
小波はそう言い放った

二人はデパートの下着売り場へやってきた
「…それでここで何をしようっていうのよ」
みずきはあいかわらずやる気がなさそうだ
小波は色々な女性下着を見ながら何かを考えているようだ
男性が女性の下着を見る
一人で同じ事をすれば変態だろうが今はみずきと一緒だ
周りからはせいぜいマセた高校生のカップルにしか見えなかった
そのうちみずきも色々と下着を眺め始めた
「あっ、これ可愛い!」
みずきはフリルが付いたピンクの下着を手に取る
それに小波が気づいたようでみずきの近くにやってきた
「欲しい?」
「え?うーん…」
突然の質問にみずきは困ってしまった
欲しいかと聞かれればそんなにでもなく買わなくてもいいといえば後で後悔しそうであった
「別のにするわ」
みずきはそう答えると小波はまた別の下着を見始めた
(一体何を考えてるんだろ?)
みずきはふと疑問に感じた
小波が色々見ていると何かを見つけたようだ
みずきはそれに気が付くと小波の近くにやってきた
「何かいいものあったの?」
みずきは小波に聞く
「ああ、あったよ」
327橘みずきの約束 その1:2008/11/14(金) 21:04:08 ID:LPrf1HtC
「どれどれ?」
小波が見つけたもの、それは…
「そ、それって…」
「そう、エロ下着」
小波が手に取った下着はかなり薄手でTバック気味の赤い下着であった
ブラジャーもブラジャーできちんとブラジャーの機能を果たしているのかどうか分からないものだった
「ま、まさか…これを着て来いって言うんじゃ…」
「そう、そのまさかだ」
小波はニヤニヤしながらみずきに言う
「こ、こんなの着て学校へ行ったら恥ずかしくて死にそうだわ!」
みずきは顔を真っ赤にして小波に言う
しかし、小波は涼しい顔をして言い放った
「みずきちゃん、これは命令だよ」
「うっ!」
この一言を言うとみずきは固まってしまった
「別に俺は良いんだよ、みずきちゃんは約束を守らなかったって言うだけだから」
「うう〜小波君の鬼畜ぅ!」
みずきは小波の襟首をつかみ思いっきり振った
「それにお金は俺が出すからいいでしょ?別にみずきちゃんが損をするわけじゃないんだから」
小波は甘い言葉を囁くようにみずきの耳元で言った
「う、うん…」
みずきは思わず頷いてしまった
「よし、決まりだ」
こうしてみずきは小波が買った下着をつけて登校する命令を受けた
328橘みずきの約束 その1:2008/11/14(金) 21:05:09 ID:LPrf1HtC
その日の夜
「………」
みずきの目の前には小波が贈った赤いエロ下着がある
(着けるってやっぱり心の準備が…)
胸の鼓動が高鳴る
(無心よ!何も考えず単なる下着としてつけるのよ、みずき!)
まだ鼓動は止まらない、いや、むしろ早くなっている
パンティーを手に取る
(ええい!ピッチャーは度胸!)
みずきはパンティーを穿いた!
下着がみずきの下腹部を締め付ける
(次はブラ!)
カップもあっているようでぴったりと合った
「はぁ…はぁ…」
みずきは肩で息をしていた
(し、下着を着けるだけでこんなに疲れるとは思わなかったわ…)
みずきは興奮しながら辺りを見回すと鏡に目が行った
鏡の自分を見る、そこにはいつもの自分ではなく明らかに男を誘惑する女がそこにいた
その姿を見てさらにみずきは興奮してきた
(も、もし、この姿がお姉ちゃんや聖に見られたら…)
ごくりと唾を飲み込む
想像するだけで体が熱くなってきた
「そ、そろそろ寝ちゃおうっと!明日も早いし!」
恥ずかしさを隠すかのようにパジャマを着て布団の中に入る
「……寝れないわね…」
興奮が収まらず、むしろどんどん高ぶっていくようだ
胸に手を当てる
「!?」
いつもより気持ちがいい
(しちゃおうかな?)
またに手を伸ばそうとした時、なぜか小波の顔を思い出した
「!?やっぱやめ!」
みずきはそういって目をつぶりそのまま寝てしまった
つづく
329名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 22:36:16 ID:t8aXkn+x
みずきカワユスwww
乙!
330名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 14:18:15 ID:OervZUBI
これは期待
331名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 07:57:08 ID:yJGLQ5fM
「プロ野球:ドラフトで女子高生指名 関西独立リーグ」
ttp://mainichi.jp/enta/sports/news/20081116k0000e050021000c.html

( ゚д゚ )
332名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 08:27:02 ID:uRNSgVpy
>>331
今更かよw
もう結構前から有名な話だぜ
333名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 19:44:47 ID:0X9LF+Of
たしかアンダーでナックル使いの人だよな
1ヶ月くらい前にニュースで出てたぜ?
お前の情報遅すぎね?
334名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 22:18:24 ID:JrzdtBwt
サイドでナックルで155cm50kgですお
顔はまあまあレベルですお
335名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 23:28:58 ID:rq1II0wX
>>334
まあまあでもメディアが取り上げれば可愛くなるという罠
336331:2008/11/18(火) 01:35:04 ID:nT8yhbl2
>>332-333
お前らひどいな。
知ってたんなら教えろよ!

ヽ(`Д´)ノ
337名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 08:06:51 ID:Mp9PyQrz
かわいさ関係なくめでたい話だな
338Armstrong:2008/11/18(火) 21:09:22 ID:2p6PRYTw
しかも、あおいと同じアンダースローというところがうれしいですよね。
昔、少年野球にいたエースの女の先輩を思い出します。
よかったなぁ全国の野球少女(涙)
339Armstrong:2008/11/18(火) 21:14:23 ID:2p6PRYTw
名無しさん@ピンキーさんがかいた、水瀬と六道のはなしのみずき版を書いてみます。
はじめてなので、下手でも勘弁してください。
340名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 21:19:39 ID:u1H6zIHY
ちょい待て
・女子プロはアンダーじゃなくてサイド
・無意味にageるな
・本人の了承得ずにパクり?
341結ばれた日。:2008/11/18(火) 21:27:00 ID:2p6PRYTw
「いや! 放して!』悲鳴をあげて連れ去られている女性がいた。
彼女の名前は橘みずき。 聖タチバナのピッチャーで、理事長の娘だ。
もっとも、そのために、さらわれてしまったのであるが・・・
PrPrPr!
「はい、白川です。」「し・・白川くん助けて!私、誘拐されてるのよ!』
「…はあ?もう少しましな冗…」「嘘じゃないのよ!2丁目の廃ビルに監禁されてるの!」
「…たく、もうき…」「こいつ、助けを求めてたぞ!」「おいっきさま!まさか、警察に…」
「ち・・ちがうわよ!」「じゃあ、おれがでてやるよ。もしもし、
このことを警察に言うんじゃねえぞ。もし言ったら…」
342名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 21:33:29 ID:mzSJHG+x
おい待てよ
>>340の言うとおり作者さんに一言もらってからにしろよ
343HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/11/18(火) 22:44:21 ID:l3qXVrVB
どうも、ご無沙汰してます。
現在は時間の合間を縫って13の聖ものを書いてますが投下はまだ先になりそうです。
その代わりそこそこのボリュームはあるのでゆるりとお待ちくださいませ。

>>341
わざわざ俺ごときのパクり(というかは微妙だが)をするくらいなら
0から自分で書きたいものを書くべきかと。
俺はいつも妄想と衝動を原動力にキーボード叩いてますし。
344名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 23:59:23 ID:w6k323Pu
>>343
お久しぶりです。ひじりん物は楽しみです


俺もとある作品の続きがやっとこさ纏まったんだぜ。
>>328さんねみずき話が完結し、HMA-15さんのひじりん話を読んだら投稿しまつ。
なんの続きかはヒミツ。
345名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 03:09:39 ID:wNsGRhFV
>>339
ここは18禁板のはずだけど。
肉体的だけじゃなくて、精神的な意味でも。
お引取り願おうか。
346名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 13:15:37 ID:PT/INJnf
>>339
名無しさん@ピンキーさんとか言ってる時点で厨房臭いぞ
クソコテと呼ばれる前にコテ外して半年ROMって勉強してろ
347Armstrong:2008/11/19(水) 18:45:15 ID:3wveaXH2
すいません・・・ぼくは、パワプロは好きだし、
この板も長いこと見ていますが、
小説の書き込みなどがはじめてなので、細かいルールが分からなかったんです。
すいません。
348Armstrong:2008/11/19(水) 18:49:27 ID:3wveaXH2
・・・?コテってなんですか?
なんか、初心者用の用語専門サイトあったら、教えてください。
それと、>>340さんのスレは、PCの調子が悪く、みれなかったんです。
349Armstrong:2008/11/19(水) 18:50:44 ID:3wveaXH2
これからは、読むほう専門に回ります・・・
350名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 18:51:44 ID:DUOk5gCN
まずはメール欄にsageって書くことだな、うん
351名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 18:54:11 ID:eaEXdnmW
ここまでくると釣り師に見えてしまうのは俺が人間不信だからか
352Armstrong:2008/11/19(水) 18:58:15 ID:3wveaXH2
くどいけど、サイドがアンダーに似ているので、ニュース見たときに間違えてしまったんです。
    m(TT)m
353名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 21:32:42 ID:KvX9izB6
い・い・加・減・に・し・や・が・れ!!
何、釣り? 荒らし? 未成年?
どうでもいいからさ、消えてくれよ。頼むから。
354名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 21:53:11 ID:Ren9ne7d
>>352
100年ROMってろ
355名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 23:07:47 ID:C+UeWptR
未成年どころか、小学生だろ。
356名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 00:57:12 ID:e/o3CxkF
二度と書き込むな
357名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 01:18:56 ID:MKpztYXT
みんなSSに飢えてるんだなwww
そろそろ流れてほしいぜ、職人様ー
358名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 02:40:23 ID:MKpztYXT
すまん
流れてほしい→流れ変えてほしい、だwww
359PSYCHEDELICO:2008/11/20(木) 07:16:52 ID:rL/9xzp3
小学生がarmstrongわかるたぁ大したもんだw
ならメール欄にsageと書こうかww
360名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 07:43:16 ID:i1AaguuQ
あーむすとろがのふよりクドイの方が
361名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 11:24:48 ID:SQxw5gBg
社会の厳しさを垣間見た
362名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 13:06:43 ID:r55/zc8u
ちなみに>>359は一体何したいんだ?
363名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:15:31 ID:qgZ4XILM
なんか、このスレに来てみたが、すごいことになっていますね。
364名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:17:08 ID:r55/zc8u
>>363
ワザとやってんのかお前は
365名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:19:42 ID:qgZ4XILM
>>349がこのスレの癌細胞か?
ならば、でてけ。
366名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:24:20 ID:qgZ4XILM
ここは、パワプロ好きの大人が来るところだ。
Armstrongなんてふざけた名前しやがって
367名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:35:20 ID:fmQFSqC3
さてロリみずきの件についてだが
368名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:46:39 ID:qgZ4XILM
え?なになに?新作の小説?
369HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/11/20(木) 19:48:52 ID:VmLmwU0s
前半部分(エロ無し)だけですが
13聖もの投下させていただきます。
これから3週間ほどpcが使えないので後編は待たせてしまいますが
ご了承ください。

370名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:50:02 ID:VmLmwU0s
野球を始めたのは何歳からだったかなんて正直覚えていない。
でも始めたきっかけは今でも鮮明に覚えてる。
・・・後悔しているのはただひとつ。

――なぜ野球を教えてくれた彼の名を聞かなかったのだろう。
――そしてどうして私は名乗らなかったのだろう。

それから私は野球を続け、アイツのことが好きになり、そして中学を卒業した。
アイツは好きだけど、彼のことを忘れることは出来なくて。
あれから全く逢わなくなってしまったけれど、彼は今どうしているのだろう。


『めぐりあう二人・前編』



聖タチバナ学園野球部、ここは全国的にもかなり珍しい女性選手が二人も在籍する野球部である。
数年前までは無名中の無名だったがここ何年かで頭角を現し、甲子園出場も果たした。
その立役者となったのが橘みずき、六道聖の女性バッテリーとキャプテンの白瀬優である。
371名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:51:01 ID:VmLmwU0s
「ねぇところでさ、優くんも聖もなんで野球を始めたの?」
部活終了後、俺は我が野球部の誇る女性選手二人にパワ堂の甘味巡りにつき合わされていた。
その帰り道のことである。みずきちゃんがふとこんなことを言い出したのだ。
「俺は家族が野球好きだからもう物心ついたころには野球が日常に当たり前に組み込まれてたよ」
ありのままの事実を述べる。特に父親とはいまだに試合観戦に行くほどだ。
みずきちゃんはへぇーとやや大げさなリアクションをとると次は君と言わんばかりに聖ちゃんの方を見た。
俺も女性選手でしかも捕手である聖ちゃんの野球を始めたきっかけは気にはなったが・・・
残念、ここで分かれ道だ。女の子二人に夜道で立ち話させるわけにはいかないので
明るいうちにここはさっさと帰ることにしよう。

「あっと・・・俺はこっちだ。じゃあな二人とも、また明日」
「うんバイバイ!」
「先輩、さようならだ」
みずきちゃんは大きく、聖ちゃんは少し控えめに手を振ってくれた。

372名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:51:27 ID:qgZ4XILM
それでもいい!毎回>>369の小説は店に出せるほど面白いです!!
373名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:52:01 ID:VmLmwU0s
「で、聖が野球を始めたきっかけは?」
みずきが私のほうへと向き直り、改めて問いかける。
「そうだな、いくつのときだったかはもう覚えていないんだが・・・」
私がここで言いよどむがみずきは構わずそれで? と促してくる。

「私がまだ小さかったころにな、家の庭に野球のボールが転がってきたんだ。私はそれを手にとって、
周囲を見渡した。するとやや遠くから男の子が駆けてきたんだ」
いつになくみずきは私の話を真剣に聞いているようだった。
「そのときその男の子は私からボールを受け取るとお礼を言って去っていった。
けどその次の日またその子が来たんだ。私は一人だったから、気を利かせてくれたんだと思う。
それで、その子にキャッチボールしようと言われてキャッチャーミットを渡されたんだ。その子は投手だったみたいだから」
そこまで話すとみずきは驚いたように口を開いた。
「えっ!? じゃあ聖がキャッチャーなのって・・・」
「あぁ、このときもらったミットの影響だろうな。間違いなく」
そう私が答えるとさっき先輩が質問に答えたときよりも大きく息を吐き出して感嘆しているようだった。

そこまで話して私はみずきと分かれ、家である寺に帰宅した。

374名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:53:22 ID:VmLmwU0s
『お手玉は一人でしか出来ないけどさ! これなら二人で出来て楽しいだろ?』
『・・・これは、どうやって使うの?』
『あぁ、それはここから手を入れてはめるんだよ』
『なんかくさい・・・これ』
『しょうがないでしょ!』
『でも、このにおいキライじゃない・・・かな』
『じゃやろう! おれがボールを投げるから、それを使ってキャッチすればいいんだ!』
『わかった』
『さいしょはやさしく投げるよ! そりゃっ』
『わわっ! っとと!』
『お! ナイスキャッチだね〜』

会話は10年程度の歳月が流れた今でも鮮明に思い出せるのに・・・彼の面影が思い出せない。
しかし私にとって不可解なのはなぜ今になってこうもあの子のことを思い出しているのか・・・
高校に入学して野球部に入ったのを境にあの日々のことばかり思い出してる。
私が野球とめぐりあうきっかけをくれたあの子、
今になって気にかかるというのには何か意味があるのだろうか。

結局この日、あの子との日々がぐるぐると頭の中をめぐってなかなか寝付けなかった。

『今日でおわかれなんだ、おれはひっこししなきゃいけないんだ』
『え!? ま、また! またあえるよね!』
『きっと! 野球をつづけてればきっと――』


急激に意識が覚醒する、時計を見る。始業時刻の15分前・・・
「しまった・・・!!」
私は怒涛の勢いで支度を済ませると家を出た。
くっ・・・どうして私は鈍足に生まれてきたのだろう・・・

375名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:54:14 ID:VmLmwU0s
「あははっ! ずいぶんと懐かしいねぇ」
みずきちゃんと聖ちゃんと帰った次の日の昼休み。俺は友人と他愛もない話で談笑していた。
話題は俺たちが小学生くらいのころに流行ったもの。
俺は小さなころに一回この地域から離れており、高校入学と同時に戻ってきた。
「そういえばさ、寺の座敷わらしが噂になったよな〜」
友人の一人が新たな話題を提供する。他の友人もいたね〜などと言って同意している。
違う地域にいた俺はなにげなく聞いてみた。
「いったいどんなのさ? 都市伝説みたいな?」
「いや、実際にはそうじゃないんだけどね近くの寺に座敷わらしみたいな女の子がいたんだよ」
おおげさな身振り手振りでのたまう友人にそれで? と促す。
「縁側でいつも正座してて着物を着ててお手玉で遊んでるんだけどひとつ変なところがあったんだ」
「へぇ・・・んでその変なところって?」
「何故か彼女の正座している座布団の横には古びた野球のミットが置いてあったんだ」
この友人の言葉に俺は一瞬言葉を失った。頭を何かで殴られたかのような衝撃が走る。
「お、おいどうした?」
「その寺の名前はなんだ!?」
思わず大声になってしまったことに気づき、友人に謝る。そして聞きなおした。
「あ〜・・・なんだっけ? さ、さ・・・西・・・だめだ思い出せん。悪いな」
「そっか、ありがとう。いきなり大声出してごめんな」
友人の言いかけた言葉だけでどこの寺を言っているのかは一発で理解できた。
だって・・・今年の8月のある日に行ったばかりだから。


376名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:54:26 ID:qgZ4XILM
…あ。時間がずれてしまったすいません。
377名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:55:03 ID:VmLmwU0s
『なぁ、どうしてひとりなんだ? おかあさんは?』
『おかあさんは・・・いないの』
『!! ご、ごめん!』
『ううん平気、いまはひとりじゃないから』
『そ、そうだよ野球をやればともだちもたくさんできるよ!』
『でも、わたしは女の子だから・・・チームに入れてもらえないよ』
『そんなことない! 野球がすきならだいじょうぶ!』
『野球が・・・すきなら?』
『うん!!』


確かに、今日の昼休み友人から聞いた話が本当だとすれば”あの子”の正体は・・・
「優く〜ん!」
思考が中断させられる。今日のみずきちゃんの機嫌は上々らしい。
「どうしたのみずきちゃん?」
この学園内でのみずきちゃんとの関係が偽りであることを知っているのはほとんどいない。
「最近人の昔話聞くのにはまっててさぁ、これがなかなか面白いのよね」
そういえば昨日も俺や聖ちゃんの野球のきっかけを聞いていたな。
「本日はどのようなご用件で?」
少しキザに白々しく笑ってみる。
「今日はじゃあ優くんの初恋の話について聞かせて」
初恋・・・か。
「初恋とか恋愛とかとは違うかもしれないけど、
昔不思議な出会いがあって今でもその人のこと、ちょっと気がかり」


378名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:55:59 ID:VmLmwU0s
「何それ面白そう! 聞かせて!」
私は彼の切り出した話に速攻で食いついた。
「俺が小さかったころにな、偶然出会った女の子の話なんだけど・・・いいのかなこんな話で?」
彼が言う。私はいいからいいからと彼を促した。
「俺は小さなころから野球してたんだけどキャッチボールをしてた相手が暴投しちゃってさ、
ボールを取りにいったんだ、そしたらボールが迷い込んだ家の縁側に女の子がいたんだ。
それでその子がボールを拾ってくれて、俺はその日お礼だけ言って戻ったんだけど、
なんとなく気になって次の日も行ってみたんだ。そしたらその日も一人でお手玉をしてて、
キャッチボールに誘ったんだ」
・・・? あれ? この話なんか最近聞いた覚えがあるわね。
「ねぇもしかしてその子とキャッチボールするときにキャッチャーミットを渡さなかった?」
「へ? なんで分かったの? ・・・ってみずきちゃん!?」
私は彼の肯定だけ聞くと一目散に走り出した。

10年来の再会! これが聖と優くんのことならすごい素敵なエピソードじゃない!
聖からもっと詳しく話を聞かなくちゃ!

このとき私の胸がチクリと少し痛んだ・・・なぜ?



379名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:57:01 ID:VmLmwU0s
『きっと! 野球をつづけていればきっと――』
『ま、まって! これあげる!』
『ありがとう、じゃあおれもそのミットあげるから、だいじにしてくれよな』
『うん! かならず! またね――』

今日はみずきにあの日々のことを色々と詳しく話した。
なんで私の過去をこうも知りたいのかは理解できないが・・・

『明日放課後! 誰もいなくなったころを見計らって優くんの教室に行って!』

いったいどういうことなんだろう?



『優くん! 明日その渡されたものを持って放課後教室で待機! いいわね!?』
まさか本当にあの子の正体は聖ちゃんだったなんてな。
しかも彼女はまだ俺がそうだってことを知らないらしい。
正直気づけなかった自分の馬鹿さ具合に腹が立つが仕方がない、
しかも会話ばかり覚えていて場所とかを全く覚えていなかったのだ、これはひどい。
でもそうか・・・野球を、しかも捕手で、続けていてくれたんだね・・・


380名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:58:02 ID:VmLmwU0s
次の日、放課後
といっても時間はそれなりに経過し、黄昏の光が教室に差し込んでいる。
「いい!? 聖以外は何があっても教室にいれちゃ駄目よ!?」

元生徒会ズッコケ三人組に激を飛ばすみずきの声が階段まで聞こえてきた。
いったいなんだというのだ。しかもなんで先輩の教室なんだ?
まぁいい、全ては行けば分かることだ。
「あ! 来たわね聖、さ中に入って」
「わ、分かった」
なんとなく少し緊張してしまう。
私は扉の取っ手に手をかけた――


「そろそろ・・・かな」
あの日、あの子からもらったもの。一つだけのお手玉を手の上でぽんぽんと遊んでみる。
うあ、どうしよう緊張してきた。ってどうして?
この事実を知る前から聖ちゃんとはそれなりに仲良く付き合ってきたつもりだ。
ではなぜ?
そうこう思考をめぐらせているうちに教室の扉が開く音がした。


381名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:59:00 ID:VmLmwU0s
「せ、先輩・・・それは・・・」
私の視線が釘付けになる。だって先輩が持っていたそれは・・・
「今まで、気づけなくて本当にごめん! でも言わせて欲しい・・・久しぶり」
先輩が微笑む。私はかばんを放り出し、先輩のもとへと駆け寄った。
「そうか、先輩・・・だったんだな」
「本当に、野球を続けていてくれたんだな。ありがとう、うれしいよ」
先輩がお手玉を持った手で私の手を取ってきた。そして理解する。

そうか・・・先輩がアイツに似ていたんじゃない。
アイツが先輩に似ていたんだ・・・

そして先輩を目の前にして浮かんできたこの気持ちは・・・

「先輩。私は先輩のことが好きだ、今なら分かる。10年、ずっと想い続けていたんだ」

告白というのは緊張するものなのだろうけど、すごく自然に言えたと思う。

「ありがとう。 こんな俺でよければ喜んで」

382名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 19:59:59 ID:VmLmwU0s
やった! うまくいったわ、聖も優くんもお互いのことを気にはなるけど前に進めないって感じだったから。
特に優くんには迷惑かけてるし、これくらいはね。でもなんでだろう、すごくうれしいはずなのに・・・
はしゃぐ気持ちにはなれない・・・いったいどうして?

「!? みずきさん? どうしたんですか!?」

「・・・え?」

「なんで泣いているんですか?」

え・・・? 泣いてる・・・? 私が? どうして・・・?
あ・・・そっか、そうだったんだ・・・

「あっ! みずきさん!?」


今まで気づかなかっただけで私は・・・本当に優くんのことが好きになってたんだ。
でもいいの。どの道あの二人の絆に私が入る隙は微塵もないもの。
でも・・・でも今日だけは・・・

その日私はそのまま家に帰り、一人部屋で泣き明かした・・・


383名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:01:03 ID:VmLmwU0s
「なぁ先輩? 先輩はみずきとの関係があるから迂闊な行動は出来ない。でもお願いがあるんだ」
私が先輩の手を強く握り返す。
「今日だけでいい、わ、私と二人で帰らないか?」
告白の言葉はすっと言えたのにこの提案をするのは恐ろしく緊張した。
「もちろん。あ、でもちょっと帰りに寄りたい場所があるんだけどいい?」
先輩が柔らかい笑顔を向けて返事をする。
私は速攻で先輩の問いに首肯した。

「・・・今から部活行っても着替えて準備運動したら終わっちゃうね、今日はもう帰ろうか」
先輩が自分の荷物をかつぐと教室の扉の取っ手に手をかけた。
外にいたはずのみずきたちはいつの間にかいなくなっていた。
「了解だ。・・・優先輩」
先輩の名前を呼ぶのは初めてで声が小さくなってしまったのが自覚できた。
顔を赤くしつつ、放り出したかばんを回収して先輩のもとに向かう。
先輩はまた優しく微笑むと私の頭を撫でてくれた。
少しくすぐったいけどそれはとても心地のよい安らぐものだった。



384HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/11/20(木) 20:05:01 ID:VmLmwU0s
ひとまずこれで終わりです。
結構長いssとなったのでこれで一区切り。
後編は前述したとおりまだ未完成なのでしばらくお待ちを。
>>328がみずき分を補充してくれたのでこころおきなく書けました。

>>376
このスレはsage進行。コメントはうれしいがルールは守るべきだ。
まずはメール欄にsageと入れてくれ、話はそれからだ。
385名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:07:25 ID:qgZ4XILM
すいません。>>384
こういう時間差って防げます?
386名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:21:21 ID:r55/zc8u
相変わらず良いお仕事をしてますなぁ。
みずきもひじりんも大歓迎だぜGJ!


ただ……IDがqgZ4XILMの>>363>>365>>366>>368>>372>>376
明らかにアームストロングと同一人物だろ
違ってたら違ってたでこの短期間に(精神年齢含め)18歳以上のこの板に小学生が二匹もはびこってることになるのかよ……
素晴らしい作品で流れが変わったと思ったのに同時進行でこの悪夢、どう対処したらいいんだ?
387名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:36:25 ID:L7rXF/Ei
>>384
続きも期待だぜGJ!


>>385
とりあえず書き込まなければいいと思うよ
388名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:45:26 ID:xb3QRjcn
>>385
何もいわずにパソコンを叩き壊して二度と2chに……いや、ネットに触れなければいいと思うよ
389名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:52:06 ID:qgZ4XILM
アドバイスありがとうございます。
390名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:54:49 ID:qgZ4XILM
>>388 >>387
落ち着いてきたら書けということですね。
391名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:55:32 ID:fmQFSqC3
厨なんてシカトしときゃいいんです
わざわざつつき回してる奴も同レベルだと自覚してください
392名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 20:58:44 ID:qgZ4XILM
そういえば、このスレは普通の彼女候補の
出番がすくないですね。
393名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 21:22:14 ID:rL/9xzp3
俺はパワ13とか好きだな
394名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 21:34:34 ID:qgZ4XILM
彼女ではなかったけど、パワ8の巫女さんが、なんか純愛的で好き
395名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 21:47:15 ID:rL/9xzp3
あの巫女イベントのあとセントラルタワーで負けた時はせつなかった(泣)
396名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 22:11:53 ID:+APix+zO
>>384イイ!「アイツ」が鈴本なんじゃないかとヒヤヒヤしたw
三角関係になったこの後の展開が楽しみです
聖ちゃんがキャッチャー始めた理由考えるの結構悩んだんじゃない?wゲーム内でも触れられてないもんねぇ
397名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 22:47:25 ID:8e70TKeu
>>384
GJ!超GJ!
いいわぁ何かいいわぁ
398名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 18:02:12 ID:5tB9dDJa
>>384 GJ! やっぱり、聖モノは最高!
ところで、皆さんは、14以降のグラフィックと、
13以前のグラフィックどっちが好きですか?
399名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 18:05:44 ID:5tB9dDJa
>>359なんて読むんですか?
400名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 20:52:40 ID:ctuZbLmm
>>399
蒸し返すな。それにそんくらい中1でも読めるはずだろ
何度も言うがここは18歳以上専用だからお子様は帰れ
401名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 21:08:40 ID:5tB9dDJa
ところで、10にでてきた藍沢姉妹、空と生みどちらが好きです?
402名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 21:15:02 ID:5tB9dDJa
>>401変換ミス
〇 空と海
× 空と生み
403橘みずきの約束 その2:2008/11/23(日) 23:07:04 ID:prrDlrwT
うん、御免よ。棒を入れるのは次回なんだ
おまけにエロ度がダウしてるからアロマセラピーでも使っておくよ

「おはようございます、みずきさん」
「おはようございます、橘先輩」
野球部員や後輩達がみずきに朝の挨拶をする
「うん、おはよう」
みずきも普通に挨拶を返す
「おはよう、みずき」
聖が声をかける
「おはよう、聖」
みずきも普通に声をかける
しかし、聖はみずきがいつもと違うことに気がついた
「うん?みずき、顔が赤いぞ」
「え、そうかな?」
みずきは頬に手を当てる
みずきの顔は少しだけ赤くなっていた
「風邪でもひいたか?」
「そ、そんなことないわよ」
みずきは笑顔で答えると聖は自分の額とみずきの額に手を当てた
「……熱はないな」
「当たり前じゃない」
みずきはにこやかに答えた
「そうか、だが無茶はしないほうがいいぞ」
「うん、分かってる」
そう言ってみずきたちは校舎の中に入った
404橘みずきの約束 その2:2008/11/23(日) 23:08:06 ID:prrDlrwT
(!?)
授業中視線を感じるみずき
ふと辺りを見回すが誰もみずきのほうを見ていない
みずきは再び前を向く
(……やっぱり見てる…)

みずきは再び視線を感じた
その視線はみずきを舐めるように見ている
そして視線はみずきの中まで見るようになってくる
自分の下着を、自分の全てを見ているように…
(き、気のせいよ…)
頭から追い出そうにも無意識に目で辺りを見回してしまう
(一体、誰なのよ)
みずきの気持ちに焦りが出てくる
そしてチャイムが鳴った
みずきは席から立つと廊下に出た
階段のあたりに来ると原、宇津、大京の3人に出会った
「あっ、みずきさん」
原が声をかける
「何?」
「生徒会の引継ぎの件なんですが…」
宇津が何かを手渡す
「何これ?」
「今度の会長選の立候補者の名簿です」
「ふーん…いまいちパッとしない奴ばかりね」
みずきは名簿を見ながら言った
「で、これをどうしろと?」
「ポスターや演説の準備をして欲しいんですわ」
「会長の引き際ですから」
三人がそういうとみずきはため息をつきながらその場を立ち去ろうとする
「了解、じゃあやっておくか…きゃぁ!」
みずきは階段から落ちそうになった
その時足を大きく広げ正面から見れば下着が確実に見られる格好だった
「イタタタ…」
「「「大丈夫ですか!」」」
三人はみずきに声をかける
「うん、大丈夫…あっ!」
みずきは自分の格好に気がつき、スカートを手早く直した
「みた!!?」
周りの生徒に聞く
「いえ、見てません!」
3人は大きく首を振る
「……まあいいわ」
みずきはそういうとその場から去った
405橘みずきの約束 その2:2008/11/23(日) 23:09:04 ID:prrDlrwT
(見られた!絶対に見られた!!)
みずきは顔を赤面させながらトイレの個室に駆け込んだ
「はぁ…はぁ…」
みずきは呼吸を整える
そして、もう一度今の自分の姿を想像してみた
制服に触れると裸でないことに安心するみずき
しかし、その下には自分が一度も履いたことが無い、いやらしい下着
(みんなが見てる…)
そう思うと体が熱くなってきた
思わず下着に触れる
鼓動が早くなっている
(と、とにかく今日までの我慢よ!みずき!)
みずきは個室から出た

そして、放課後
小波はみずきを呼び出した
「……何?」
みずきはぶっきらぼうに聞いた
小波はにこやかに言った
「みずきちゃん、下着見せて」
「それは命令なの?」
みずきは強い口調で言った
「ああ、そうだけど?」
小波の顔は変わらない
「……分かったわよ、はい!」
みずきはスカートをめくった
スカートの中にはあの赤い下着があった
「……もういい?」
みずきはそっぽを向いて聞いた
恥ずかしいのか顔は若干赤くなっている
無理もないだろう、本当に下着を見せたのは小波ただ一人なのだから
406橘みずきの約束 その2:2008/11/23(日) 23:09:58 ID:prrDlrwT
「いいよ、今度はブラ」
小波の顔はさらに下卑た笑みになった
「…まったく、本当にスケベなんだから」
みずきは愚痴を言いながらワイシャツのボタンを外す
「はい、これでいい?」
みずきは小波の方を向く
「…うん、良い」
小波は舐めるようにみずきの胸を見た
みずきの胸は結構大きく形も良かった
見えそうで見えない乳首もまた小波の興奮を煽った
「はい、もうお終い!」
しばらく経ってみずきは手で胸を隠してしまった
「いやぁ…ええもん見せてもらいました!」
小波はだらしない顔をしている
「全くもう…」
みずきは呆れている
「じゃあ、次の命令ね」
小波は休む間もなく言った
「ええ!まだやるの!?」
みずきは思わず声を出した
「うん、まだやるよ」
407橘みずきの約束 その2:2008/11/23(日) 23:12:53 ID:prrDlrwT
「こ、今度は何よ」
(絶対本番ね…)
みずきがそう思い自分の腕をつかんだ
「みずきちゃんの口を舌でレイプする」
しかし小波が出したのはそうではなかった
「はぁ?」
みずきが気の抜けた声を出す
「つまり、こういうこと!」
小波はそういうとみずきに無理矢理キスをした
「!?」
そしてそのまま唇を舐める
「ん!?」
みずきは突然の事で頭が混乱している
(キスされたの?私)
そんなみずきに気にせず小波は続ける
小波は唾液でベタベタにするとみずきの唇を吸った
ジュルジュルと音が立つ
そしてついにみずきの口が開かれる
「んんんん!」
みずきの口の中に小波の舌が入った
(小波君の舌が…)
小波の舌を追い出そうとするがそれを逆手に取られ口の中を弄られる
そして今度はみずきの舌が小波の口の中に入る
「んむもむむぅふむんん!」
お互いの舌が口の中で行ったり来たりしている
小波はみずきの唾液をごくんと飲んだ
そして小波はみずきの唇から口を離した
口と口の間に糸が引いていた
「はぁはぁ…」
みずきは口を拭いながら大きく息をした
一方の小波は唇を舐めながらニヤけた目でみずきを見る
「どうだった?」
小波がみずきに質問する
「…べ、別にどうもなかったわよ」
みずきは興味が無いように言った
「そうか…」
丁度チャイムが鳴る、一般生徒は下校の時間だ
「そろそろ帰ろうか」
「…そうね」
二人は屋上を出た
それと同時に一人の人物が現れた
聖である
「先輩、なぜだ…」
つづく
408名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 00:06:29 ID:vIDEWoof
みずきちゃんの胸は結構大きいのか。ずっと貧乳だと思ってたぞw
409名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:04:44 ID:x2JKlXKD
11の全日本編でそんな感じだったような気がする
410名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 01:13:09 ID:L2K6ZDQZ
色んなものが揺れてるな、ちょんまげとか
411名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 12:55:52 ID:hEduvKwi
みんなが一番好きな女性選手は、だれですか?
俺は、やっぱりあおいです。
パワ12のエンディングで神童と結婚すると勘違いしてヒヤヒヤした。
412名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 14:36:17 ID:I5Dz+1rn
>>411
18歳未満の方はお帰りください
413名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 16:52:37 ID:Xiwy3iuk
21歳未満じゃなかったっけか
414名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 17:10:53 ID:nGd7cqhR
どっちにしろ制限年齢以外のお子様だろ
二度と書き込むなって警告したのにな
415名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 21:10:31 ID:hEduvKwi
....俺、ことしで三十路なんだが。
416名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 21:30:02 ID:hEduvKwi
このスレはみんな鈴本が嫌いらしいな
417名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 21:42:37 ID:BXqJ5DQr
>>415
精神年齢も含めた話をしてるからな。
418名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 23:28:43 ID:nGd7cqhR
自分の年齢書いてるだけでイタい上に怪しいが、その年齢が万が一本当だとしてこの言動ならなおさらイタい……
しかも三点リーダーの用法も分からんか
もう手遅れだな
もう一度だけ警告するが、二度と書き込むな
419名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 00:17:45 ID:9KsryTgF
〜放課後の図書室にて
「どうしたんだみずき、こんな所に呼び出して。もう練習が始まるぞ」
「聖、あなたに話したい事があるの」
みずきは聖の体を壁に押しつけ、おもむろにキスをした
「!!!」
目を大きく開け驚く聖
「あたしが聖タチバナにあなたを呼んだのは野球の為だけじゃないの」
そう言いながら聖のスカートのなかに手を入れる
「あっ!やっ・・・」
「今日の図書館はあたしの貸し切りよ。明日の朝までずっと二人っきり。一緒に楽しみましょ♪ずーっと・・・」


その様子を窓からのぞき見ていた生徒がいた
「辛抱たまらんでやんす」
420名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 01:29:20 ID:GC19LVqD
いろんな意味でたまらんでやんす
421名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 21:23:56 ID:RJjUafso
>>369続きマダー?
422名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 22:59:39 ID:/OssB0Iz
>>416
他のスレでもよく聞くけど、そんなに鈴本って腹の立つ男なのか?
俺は14以降未プレイだから知らない
15で黒歴史になってるってことは余程不人気だったんだろうけど…
423名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 23:58:52 ID:8nHGQwuH
一人二役はやめましょう
424名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 00:04:21 ID:nnEfSEYZ
何の話だよ…いや、マジで
425名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 19:39:30 ID:5b/rex0+
ようするに小学生は帰れってことだな。
しかし、たった1人の未成年にここまで荒らされるとは……
426名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 19:57:55 ID:iO+bU6S+
ていうか、髪型も、顔も、名前もありきたりなやつだよな。
最後は六道泣かせるし、怒ってWiiコントローラー投げたわ。
427名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 20:03:31 ID:iO+bU6S+
>>422
パワ14はクソゲーという言葉すら生ぬるいぜ
428名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 19:22:11 ID:D/Jm0l5k
明るい話題にしよーぜ
429名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 14:49:05 ID:+MjmjtxW
つーか、もう普通にイベントであおいやみずきが旧主人公と結婚しても
いい頃だよな? あと、16か17で第四世代に突入しそうだ。
430名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 14:55:32 ID:+MjmjtxW
>>429
すいません。sageがageになってた
431名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 14:57:49 ID:+MjmjtxW
俺は第一世代がすきだったけど。
432名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 20:22:43 ID:+MjmjtxW
しかしなんでこのスレこんなにageとかsageとかうるさくなったんだろ?
前スレはそんなにうるさくなかったよな?
433名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 20:26:56 ID:lLzcC/kl
>>432
前はわざわざ言わなくたってみんなsageてたからじゃね?
434名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 20:52:54 ID:+MjmjtxW
>>433
いや、むしろ逆だ。10はそうだったが、9以前はみんなsageてなかったぞ。
http://unkar.jp/read/sakura03.bbspink.com/eroparo/1173191471
435名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 20:53:51 ID:+MjmjtxW
それにしても、よく荒らしに>>2とられなかったな。すごいぞ、これは。
436名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 20:59:03 ID:+MjmjtxW
ところで、エロパロ専用のサクセスの年表を作りたいのだが、いいだろうか?
437名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 23:23:45 ID:jGbg4nND
>>436
例えばどんな感じ?
438197:2008/11/30(日) 09:56:35 ID:LVCy8LbF
てすと
439197:2008/11/30(日) 09:58:30 ID:LVCy8LbF
ようやく規制解除された・・・
昨日投稿するつもりだった短編投下します

「……それに、小波君からは何より勇気を教えてもらったもん……」
そう言って、自分の心をもう一度確かめるように彼女は目を瞑る。
そして数秒後、目を開けた彼女は意を決した表情で小波を見つめる
「だから私、勇気を出す……小波君、好き。世界で一番誰よりも、大好き。」

「いやいやそんな絵久ちゃん、そんな事言われたって
 俺にもいろいろと準備する事があってさ、いや絵久ちゃん今すぐ好きって言う証拠を見せてってそんな」
「うるっせぇー!でやんすー!!」
ごすっ、と鈍い音が響いて小波は我に返る。
「休み時間の度にノロケを聞かせると思えば、
 寝てる時にまでノロケの実況中継たぁいい度胸してるでやんすねぇ……!」
数日前の一大イベントの回想から、小波はようやく現実に舞い戻った。
が、そんな小波に待っていたのは、彼女いない歴=年齢の親友、矢部明雄の妬みともいえる怒りであった。
「自慢風の自慢をしてる暇があったら、さっさと絵久ちゃんを家に連れ込んで
 裸エプロンプレイでも新婚さんごっこでもしてろでやんすー!!」
そう言って、捨て台詞と涙を残して矢部は走り去って行った。
小波の計画としては、五時限目のみを睡眠学習で済ませる予定だった。
が、小波が寝言を垂れ流して思い出を彷徨っている内に時刻は放課後になっていた。
そして、辛抱たまらなくなった親友に叩き起こされ、今に至るのである。
「……」
そこまでを理解して、まだなお覚醒しない意識で小波は一言呟いた。
「裸エプロンかぁ……それも、いいな……」
440197:2008/11/30(日) 09:59:49 ID:LVCy8LbF
一方、小波には完全に無視された捨て台詞を吐いた矢部はというと。
「ひぐっ、小波君なんて……えっぐ、痴漢冤罪にでもあって一生を棒に振れば……いぐっ……」
妙に現実的で生々しい呪文を唱えながら、街中にプラモと言う名のロマンを集めにやってきていた。
鼻をすすり呪文を唱えながらも、手帳に新商品の入荷情報を書き込む作業は無意識下に行っていた。
従業員も来店者も、その光景を目の当たりにするとただただ距離を置くばかりである。

ロマンを両手に抱えて店を後にした矢部は、一刻も早い就寝を求めて自宅へと歩を進めていた。
自宅への距離があと半分だという目印になる、大きな自然公園を通り抜ける。
その途中で、矢部は思いがけないものを発見した。
「…………」
言葉を失い、ぽかんと口を開ける矢部。
それほどに目の前の光景は衝撃的であった。

立ち入り禁止となっている芝生に、妙な服装をした美女が倒れているのである。
青がかった長い黒髪は、後ろで結んでポニーテールのようにされている。
着ているものは赤い口当てに、赤と紫で彩られた上衣、袴。
帯には十字型の手裏剣の形をした飾りが付いている。
おおよそ非日常的な服装だが、彼の特殊な素養が一つの結論を導き出す。
「忍者コス……だと……!?」
思わず、彼は崇拝する作品の登場人物の口調で呟く。

その時、彼の心に痛烈な痛みが走る。
「ぐぅっ!」
思わず、心臓の辺りを押さえてうずくまる矢部。
「(なんだ、この胸の痛みは?心臓の辺りをエグるような……
 しかし懐かしくも心地よいこの感覚……)」
矢部は、ゆっくりと立ち上がる。
「忘れていたよ、この痛み……」
一つ一つの言葉を、反芻しながら口に出す。
「これは……これが……」

「『愛』……か!!」
※いいえ、ただの劣情です

その後、彼ら彼女らがどうなったのかは定かでない。


・・とりあえず自分にギャグの才能が無いのはわかった。
441名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 10:52:24 ID:GLwpiKHm
昔、戸井とかいうのが居たような記憶が…
442名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 20:33:44 ID:yStWEGNz
例えば、パラレルワールド(6や12、11)などは「パ」と表記して、
世代ごとに分けるよーな…そんな感じ。(説明下手でスマソ)
443名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 07:47:47 ID:53N+LJO6
俺は5、6、7大卒を第一世代
9、7高卒、10(猪狩やあおい)を第二世代
13(友沢やみずき)を第三世代
14〜を第四世代とカウントしてる
6以前を黒歴史にしないために俺なりに考えてみた
これだと5や6には猪狩が存在しないことになるがあの頃の猪狩だったら別にいなくても話は成り立つかな、と
…ダメだろうか
444名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 12:38:33 ID:tcubwB+T
俺は単純に猪狩やあおいと同期が第一世代
友沢、みずきが第二世代
東條、聖が第三世代

なんか東條ってライバルキャラとしては影薄い気がしないでもないがな
ライバルとしては猪狩の存在が大きすぎたのか
445名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 19:06:43 ID:ORGutFG9
>>441>>442>>443>>444
アドバイスありがとう。
とりあえずその辺をまとめて作ってみる。
初めてだから少しわかりづらいかも
446名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 19:59:10 ID:ZCUl9bvL
自演www
447名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 20:28:32 ID:ORGutFG9
パラレルは別に表記。タイトルがナンバーののみ記載。
第一世代(猪狩兄弟、あおい、阿畑)
5・9−7−10−13−14  11以降は先輩
         
第二世代(みずき、友沢)
13−10(後輩として登場)−14(先輩) 
第3世代(六道、東條、猛田)
13(後輩として登場)−15?−14

パラレル第一世代
大学編(パワ6)ドラフ島編(パワ8)

パラレル第二世代
大学編(パワ11)野球アカデミー編(パワ12)

パラレル第三世代
データなし
なお、パワ5は9と同じ時代。また、4,3の戸井は5の主人公らしい。

分かりづらくてサーセン
448名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 21:13:40 ID:pCQmWJxF
わざわざエロパロ板でやってくれるぐらいだから
どんな大がかりな作品を持ってきてくれるのかと思えば…
449名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 21:17:33 ID:ORGutFG9
すいません。
今度は頑張って彼女はやみ表でも作るよ。
450名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 00:33:06 ID:oXQu2O5Y
彼女は病み表だって?
実に興味深い。
451名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 11:54:31 ID:ovrM8vAw
これはヤンデレはるかちゃんの布石か
452名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 22:35:07 ID:Z56bZaGb
なぜこのスレの住人はそこまでしてはるかを黒かヤンデレかレズにしたがるのか…
それじゃあ白はるかは俺の嫁ってことで文句はないな?
453名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 23:22:56 ID:vyAuZ/nt
ないでーす
454名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 23:59:19 ID:Z56bZaGb
おk。それじゃあ俺ははるかと添い遂げてくる
455名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 00:10:04 ID:7i+hUzQz
どうぞー
456名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 10:40:04 ID:xyMoVIhz
>はるかちゃんはレズ
あおいちゃんに家宝の剣を差し出して、ノビ○キレ○がつくわけですね。
457名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 15:26:00 ID:P69FWkJj
>>456
やめれ。なぜそこまではるか=レズに拘るんだ?
お前らは大人しく三人娘にハァハァしてればいいだろう
458名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 16:14:17 ID:b/81m8U8
荒れるから落ち着け
459名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 18:19:11 ID:wo98aBfA
盛り上がってるとこすまんが、はるかはお嬢様ジャンルに入れてみた。
460名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 18:27:50 ID:lIMAIX14
ガキは帰れ
461名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 20:54:19 ID:19GT3o4E
百合&腹黒でないはるかちゃんに何の魅力があると言うのか
単なる病弱お嬢様で終わらないからあおいちゃんの嫁なのだ
462名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 22:16:47 ID:P69FWkJj
つまり主人公×白はるかなんてものには何一つ魅力がないと?
463名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 22:18:13 ID:b/81m8U8
もう一回言うわ
お前ら荒れるから落ち着け
464名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 00:52:07 ID:Rc+ckHrj
単なる病弱?大胆で行動的でしたたかじゃないか
465名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 01:26:53 ID:0tczXi5P
>>464
だがそれがいい
466名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 02:18:19 ID:1+UPS8R2
三人娘以外の話題でここまで盛り上がったのはかなり久しぶりな気がするな
まぁ良い盛り上がりではないけど…
白はるかちゃんが好きな人はもうそれでいいじゃないか。わざわざ人の好みを否定することもあるまいに
467名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 06:38:24 ID:s+NRCp5M
ここは住人が多いのか自演ばかりなのかわからんな
多くても三人しか感想書かないし
468名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 18:51:52 ID:XYB7nHME
>>462
別に主人公×はるかちゃんが悪いなんてことはないけどな
そのカップルでSS書いた人もいるし
469名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 19:31:03 ID:0tczXi5P
はるかちゃん×あおいちゃんが旨すぎるだけでね
470名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 19:56:20 ID:bLGmO35t
はるかは歴代彼女のトップ3に入るな
471名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:07:58 ID:pxQmp1W4
俺の中ではパワ9だけでも舞と澄香に負けてるわけだが
他シリーズも含めると結構下がるな
472名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:11:03 ID:XYB7nHME
その彼女効果の高さとあおいちゃんの親友という設定が彼女がいじられる要因なんだろうな
このスレでは黒・レズはるかちゃん×あおいちゃんの人気が圧倒的に高いのは事実だけど
主人公×白はるかちゃんが好きな人がいても俺は良いと思う
別に叩かれる理由にはならんだろ
473名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:37:43 ID:0tczXi5P
あおいちゃんに対するはるかちゃんは、なぎさに対するほのかさんに似ている
ほのかさんもすっかり黒百合属性w
474名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:40:50 ID:xqv5lCfQ
>>472
いいと思うって言うか本来は後者が普通なんだろうがなw
恐らくPart1の最初のSSの影響が大きいと思うんだ、黒はるかちゃんに関しては
まぁ両方好きって人の方が圧倒的に多いだろうけどね

さて、そろそろこの話はこれくらいにしておいて職人様が次のSS投下するのを待とうぜ
475名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:50:40 ID:bLGmO35t
最近少ないあおいモノでも来ればいいなー
476名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 20:52:22 ID:s+NRCp5M
なんだこの盛り上がりは
お前らどこから湧いて出てきたw
477名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 21:08:28 ID:zN0PSWMD
ここは流れに乗って白はるかちゃんモノを
478名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 21:18:48 ID:0tczXi5P
ふたなりあおいちゃんをイジめ倒す黒はるかちゃんものカモン
479名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 21:41:16 ID:8ofp383z
聖はみずきのプティスール
480名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 22:35:34 ID:XYB7nHME
>>479
プティスールって何語だ?
英語ではないよな
481名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 03:16:50 ID:PjLpP9L1
ググってみた
妹って意味のフランス語だそうだ
482名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 09:22:00 ID:TvwstPAR
>>481
なるほど、サンクス…で、なんで聖がみずきの妹なんだ?
483名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 10:25:23 ID:b4pUS6sF
>>482
人類みな兄弟ですから
484名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 11:14:48 ID:TvwstPAR
急にそんな深い話をされても…
485名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 19:12:33 ID:6vs6b3o4
>>369
は、あと一週間ほどで上がりそうだな…日付からして。
486名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 10:32:26 ID:DEry+SrP
ところでまとめwikiはもう更新されないのか?

あと歴代主人公ってその後やっぱりスター選手として大活躍してるっていう設定になってるのかな?
第一世代主人公の場合だと

リトル(パワプロチャンプ)

パワフル高校(9)

パワフルズorカイザースor猫手orやんきーず(10)

っていう流れで最終的に「ミスター○○」エンドで第一主人公の物語は終わりってことでいいのかな?
なんか全日本編にそれらしき人物が日本代表に召集されてたっていう噂もあるけど…
487初万:2008/12/06(土) 10:34:14 ID:XCdissy3
初めて書きました。
舞台はパワプロ9です
初めてなので間違っているところが多々あるかと思いますが暖かいご支援ご指摘よろしくお願いします
ちなみに固定選手以外はすべて架空の名前の選手ですのでよろしくお願いします
488初万:2008/12/06(土) 10:38:07 ID:XCdissy3
第一章「始まりは・・・」春の桜が満開から少し散ってしまった時、ここ恋恋高校のグランドには野球部の甲高い声が飛び交う。
そしてその中心にあるマウンドには女の子―――早川あおいがいた。
去年までは女性は公式試合に出れなかった。
それでもあおいは夏の予選に出た。
その結果―――高野連は恋恋高校の出場停止処分を受けた―――甲子園まであと一つという所で―――
もちろんあおいはショックを受けた。しかしみんなが励ましてくれ、ついには高野連が女性選手の出場を認めてくれたのだ。
そのことにあおいは感謝していた―――励ましてくれたみんな、加藤先生、はるか、メガネ・・・もとい矢部くん、そして―――
「タイム!」
一際大きい声がキャッチャーから出た。そしてキャッチャーは私のいるマウンドに小走りで走り、私に、
「どうしたのあおいちゃん、僕のサイン無視して」
と声をかけてくれた。
「あはは、今までのことを思い出していてね。ごめんね大西君」
大西君―――この恋恋高校野球部のキャプテン。そして僕のことを一番に心配してくれた人。
「大西君やみんなのおかげでこのマウンドにまた立てれただけで本当に嬉しかった―――ありがとう」
「いやそれはあおいちゃんの努力があってこそだよ。僕達はその手伝いをしただけだよ」
「お二人さーん、お熱いのは結構でやんすが、待っているおいら達の身にもなってほしいでやんす」
「誰がお熱いねん!誰が」センターからの野次(?)に即答で口を揃えた二人。即座に笑うみんな。
このやりとりはもうすっかり恋恋高校野球部の定番になっている。
「ま、とりあえずこの回もしっかり抑えておこうぜ」「うん!」
「もーやっと終わりでやんすか二人のお熱い時間は。・・・あれ無視でやんすか」
それもそのはず二人は真剣な表情に戻っていた。
489初万:2008/12/06(土) 10:44:04 ID:XCdissy3
あおいちゃんの出場が認められたのは12月、高野連は12月から来年3月まで練習試合を禁止している。
その為明日の練習試合こそがあおいちゃんの“復活”登板なのだ
相手はバス停前高校。
去年夏と秋の予選では見事に勝利した相手なのだがあおいちゃんに実戦感覚を取り戻すのには格好の相手だ。
しかもあおいちゃんはこの冬の間スタミナ強化をテーマに上げ、みごと先発完投を狙えるぐらいに成長した。
だからこの今日の練習の総仕上げである紅(レギュラー組)白(補欠組)戦の紅組の先発を任されてここまで無失点に抑えた。
現在八回の裏、白組の攻撃、4―0、2アウト二塁。
一回に大西がランニングホームランを放ち2点を先制八回にも期待の一年生猿山と大西の連続ランニングホームランが飛び出し、だめ押しとなるであろう2点が入った。
あとはあおいちゃんが抑えれば勝利―――しかし大西はあることが気になった
それはあおいちゃんの短気である。
490初万:2008/12/06(土) 10:46:17 ID:XCdissy3
あおいちゃんは連打を浴びると怒りだし、コントロールが悪くなる。
そうなればあおいちゃんの投げる球が甘い球以外なら大抵ボール、甘い球なら間違いなく痛打を浴びる。という悪循環に陥る。
あおいちゃんも素直にその欠点を認め、メンタル面のさらなる強化にも取り組んだが実戦は今日が初めてだった。
「この回をしっかり抑えたらOKだな」
そう思った大西はサインを出す。
あおいも頷く。
一球目、外角低めのストレート、見送りストライク
二球目、今度は内角低めのストレート、空振りストライク
カウント2―0
三球目、大西のサインは二球目と同じコースにあおいちゃんの決め球シンカーを要求した
ストライクからボールになる球
あおいちゃんも頷き、アンダースローから渾身の一球を放った。
しかし
「!」
「!」
力が入りすぎたのだろう、球はど真ん中に一直線
カキ―――ン
打たれた打球は、右中間を破るヒット
矢部が追いつき、内野に返した時にはすでに二塁ランナーがホームインし、打ったバッターは二塁へ、
4―1
大西はふとあおいちゃんを見た。
マウンドには力強くマウンドをならすあおいちゃんがいた。
とても怒っていないとは思えない。
とっさに大西はあおいちゃんに
「まだ三点リードしてるから落ち着いて!あおいちゃん」
と声をかけた、
それを聞いたあおいちゃんは冷静さを取り戻し、マウンド上で深く深呼吸し、
「また大西君に助けられたな・・・」と思った。
それを見た大西は、
「よかった・・・落ち着きを取り戻したみたい」
とほっとした。
次のバッターは二年生投手手塚。
この打席は絶対に打つという気合いが入っていた。
しかし大西は気付いていた手塚の気合いが入りすぎていることを。
(こーゆー打者は高めの釣り球を投げれば振ってくれる!)
そう読んだ大西は高めの釣り球を要求した。
あおいちゃんも頷く。
第一球。
カキーン
予想通り高めのボール球に手を出し、打球はセンターへ力のないフライ。
(よし・・・)
二人はホッとした。
しかし、
打球はセカンド円谷とセンター矢部の間に
ポトン
と落ちた
すぐに矢部がキャッチしてバックホームしたが、クロスプレーにならずに
「セーフ!」
主審の声。
その時あおいちゃんの何かが切れた。
一度は切れそうになった何かが切れた。
そう「短気」が発動してしまったのである。
こうなればどうしようもない。
大西の言葉も全く耳に貸さない。
そこからはあまりよく覚えていない。
あおいちゃんが気付いたとき―――矢部がダイビングキャッチをしてやっとチェンジになった時、5点を取られていた。
4―5
そして―――
「ゲームセット!」
主審が宣言した。
491初万:2008/12/06(土) 10:49:10 ID:XCdissy3
とりあえずここまで
続きは今早急に書いていますのでしばらくお待ちください。
492名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 19:42:00 ID:6uYPAVkF
9帝実の左のエース、名前何つったっけ?
493初万:2008/12/06(土) 19:49:50 ID:XCdissy3
>>492
山口です。
後先ほどの小説のタイトルは「甲子園への小さな一歩」です。
ご感想よろしくお願いします。
494名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 19:53:04 ID:M4JCEe78
9帝実のエースは山口だけど、あの時は右だろ?
左になったのは12でじゃ無かったっけ?
495初万:2008/12/06(土) 21:05:09 ID:XCdissy3
ちょつと覚えていないですね。
すいません・・・
496名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 21:43:04 ID:6uYPAVkF
Oh、帝実じゃなくて9アンドロメダの左エースね、失敬。確か大西とかいう150q/h投手がいたような気がするんだが……気のせいか?
ああ、遅れながらGJ!
続きに期待
497名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 00:02:41 ID:VJyDj3Kn
男ならいっぺんに投下せんかい
498初万:2008/12/07(日) 06:44:23 ID:sYWSMqWi
>>496
ありがとうございます。
たしかにアンドロメダ高校には大西という投手がいましたね
でも僕の小説とは関係がございませんのでご了承を。>>497
そうですね。
最初はこれくらいでいいかなぁと思っていました。
すいません・・・
次はもう少し長く書きますすいませんでした。
499名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 22:49:31 ID:4hVFcv7O
パワポタやってて気づいたが、同じ「鈴」でも
鈴姫はあんなに可愛くて性格も良いし様々なイベントで特殊能力くれるのに
鈴本ときたら・・・
あと命たんとひじりんが被る

>>498
gj
そういやあおいちゃん昔は短気で150kmくらい出たよな
アンダーなのに
500名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 00:16:42 ID:38VCj+38
>>499
このスレの大部分を占めるであろう聖たんハァハァの住人全てを敵に回す覚悟で言わせて貰う
御影さんの方がずっと可愛い!!

そういや昔の短気は球速上昇という恩恵もあって、ある意味プラマイ混合能力だったな
最近はコントロールが下がるだけの完全なるマイナス能力に成り下がったけど…
501名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 00:31:20 ID:bmFybcGE
帰れ自演野郎
502名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 00:35:10 ID:6ggQQHta
>>499,500
俺はなんとなく雰囲気やらが木乃葉さんと被ったせいで(え?ポニテだけ?)
忍者キターってなってしまったな
503名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 01:05:45 ID:Og1vUjfM
>>501
黙れ聖厨
504名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 01:52:44 ID:ESgevVXy
正直マイライフ派の俺にはどうでもいい
505名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 15:27:43 ID:KJpv5vTO
俺が一番言いたかった鈴姫の件を見事にスルーして命たんの話題を主にするお前等はさすが
いや全くダメでも不満でもないけど
506名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 22:12:43 ID:2icLbCU4
漢は黙ってあおいちゃん
507名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 02:20:25 ID:xNrPm7SU
俺は黙ってはるか
508名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 04:43:22 ID:E+ucJ0rF
俺は黙ってたまるか
509名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 13:44:25 ID:GNSsMKBF
俺は最近たまってる
510HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/12/10(水) 21:15:04 ID:iw3STF7b
ふぅ、ようやく前回投下分の続きが完成したんだぜ。
お待たせして申し訳ない。

今回の後半部分は俺が今まで書いてきたssの中でも特に甘ったるい内容となっています。
全ひじりんスキーにささげます。あと結構長め、俺のssではめずらしいエロありです。
511HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/12/10(水) 21:16:03 ID:iw3STF7b
この前と違い、先輩と二人きりでの下校。
手をつなぐという行為に憧れはあったが先輩の立場上それは叶わない。
でもいい、今はこれでも私は十分満たされている。
誰かに目撃される可能性もあるが私と先輩は同じ野球部、いくらでも言い訳は可能だ。
「ついたついた、すぐ終わるから適当に中見ててくれる?」
今私たちの目の前にあるのは野球道具を専門的に扱うスポーツショップ。
かなりの品揃えを誇り、私も野球を始めたころから世話になっている店だ。
都合がいい、これなら誰かに目撃されたときの口実になる。
先輩は予約していたものを取りに来ていたらしく、引換券を財布から取り出すと店の中へと消えた。
私もそれのあとを追うように店の中へ入った。


『めぐりあう二人・後編』


適当に見ててくれとは言っても今の私の財布の中身はお世辞にも温かいとは言い難い。
この前の甘味めぐりで結構浪費してしまったからな・・・
まぁバットはまだまだ使えるしスパイクは比較的最近新調したばかりだ、手入れ用の道具も間に合っている。
しいて言うならミットが古くなってきたか、だが贅沢は言えない。
あまりお父さんに迷惑をかけるわけにはいかない。
「っと、ごめんね。終わったよ、まだ何か見たいのある?」
店の袋をひっさげて先輩が奥のレジのほうから戻ってきた。
「いや、特にはないぞ」
と私は返した。するとなぜか先輩はここで
「そう? 聖ちゃんのミット、結構もう古くなってきてたよね?」
と言ってきた。まぁ確かにそうなんだがまだ使えるし、経済的にもあまり余裕がないからな。
「そっか、じゃあ行こうか」
先輩はなぜかどこか満足げに頷くと私を外に出るよう促した。
そしてその足で私の家まで送ってくれることになった。
512名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:17:13 ID:iw3STF7b
真実を知った今、先輩と来る自分の家はなかなかに感慨深いものがある。
「先輩、今日はありが「聖ちゃん!」
私のわがままを聞いてくれた先輩に礼を述べようとしたのにそれを遮られた。
「どうしたんだ先輩?」
私はすこしだけむっとして先輩のほうを見る。
「ちょっとさ、聖ちゃんの家の庭でキャッチボールしない?」
この問いに私は一瞬固まるも迷うことなく首を縦に振った。
「じゃあ聖ちゃんに、少し遅れたけど誕生日プレゼント!」
そう言って先輩は先ほどスポーツショップで購入したものが入った袋を差し出してきた。
私は袋を受け取り、中の箱を取り出して中身を見た。
「・・・これは・・・ミット?」
「そう、あの日俺があげたミットを改良したモデルだよ」
ふふんと得意げに笑う先輩。
「ありがとう先輩、大事に使わせてもらう」
「ん」
私が礼を言うと少しくすぐったそうに先輩は笑った。

場所は変わって私の家の庭、あの日の光景がまた繰り返されようとしている。
「新品のミットは硬いから最初は優しく投げるよ、そりゃっ!」
なんとなく聞き覚えのある台詞、確かに硬いけどしっくりくるいいミットだ、
私は先輩が投げた球を危なげなく捕球する。
・・・ここは昔とは違うな。自然と顔に笑みが浮かぶ。
「どうしたの? 一人で笑って」
「昔を思い出してた、先輩の言葉があの時と少し似てたからな」
「そっか」
私たちは会話をしながらしばらくキャッチボールを続けた。

513名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:18:10 ID:iw3STF7b
時間も遅くなってきた、明日は日曜日で部活も休みとはいえ、これ以上は先輩にも迷惑だろう。
今日はお父さんが帰ってこないから私はゆっくりと一人で家事をこなせばいいが・・・
そう、一人で・・・・・・違う! 私はもう一人じゃない、明日の昼にはお父さんも帰ってくる。
月曜には先輩やみんなに会える。だから私は一人じゃなくて―――
「お、時間も時間だね、そろそろ帰るとするかな・・・聖ちゃん?」
気づけば心配そうに私の顔を覗き込む先輩の顔が目の前に。
「わわっ! な、なんでもないっ!」
「そう? じゃあ俺は帰るね」
先輩はかばんをかつぐと外へと歩き出した。
その瞬間私の脳裏にあの時の先輩との別れの瞬間が浮かんだ。
違う、あの時と違ってまた先輩とはすぐに再会できる、なのに・・・
先輩が帰ったら家で一人だ、慣れた。もう慣れたはずなのに今はそれがたまらなく怖い。
待って、先輩・・・! 行かないでくれ―――

私が自分の意識を自覚したとき、私は先輩の手をつかんで引き止めていた。
先輩が不思議そうな表情をしてこちらを見ている。自分の手が震えているのが分かる。
「せ、先輩・・・その・・・」
言いよどんでしまう。うまく声が出ない。でもこのまま先輩が行ってしまうのはどうしようもなく怖くて。
「あー・・・じゃあお茶いただけるかな? なんだかのど渇いちゃったよ」
先輩が私の手を取り、微笑む。それだけで強い安心感が私を満たした。
「わ、分かった。居間で待っててくれ! すぐに持ってくる」

514名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:19:04 ID:iw3STF7b
「すまない、先輩・・・」
開口一番、お茶を俺に差し出した聖ちゃんは謝ってきた。
「どうして、謝るの?」
「帰ろうとしてたのに、無理矢理呼び止めてしまったから・・・」
あぁ、そんなこと気にすんなよ。誰だって急に寂しい気持ちになることはあるよ。
「ありがとう先輩。そうだ、よかったら夕飯を食べていかないか?・・・いや食べてってほしいんだ」
大丈夫だよ聖ちゃん、そんな不安げな顔の女の子をスルー出来るほど薄情な男じゃない。
ありがたくいただきます。
「ん・・・じゃあちょっと待ってて欲しい。すぐに準備するから」
普段あまり笑わない聖ちゃんの貴重な笑顔。少し赤くなった顔が可愛らしい。

だけど俺だって男だ、あんまり遅くなると理性が吹っ飛ぶ可能性も否定できない。
俺を信頼してくれている聖ちゃんを裏切るような真似は絶対に自重しなければならない。
やはり夕飯をいただいたら帰宅するのが無難かな。

少しして台所からトントンとリズミカルな音が聞こえてくる。
なんとなく、様子を見に行ってみた。そこには制服のうえにエプロンを羽織った聖ちゃんが。
・・・正直に言おう。萌えた。
「あ、先輩は嫌いな野菜とかあるか?」
「特にはないよ、っていうか聖ちゃんが作るものならなんでもよろこんでいただきます」
「そ、そうか」
包丁のリズムが乱れる、怪我はしないでな。
515名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:20:18 ID:iw3STF7b
メニューはどうやら野菜炒めと焼き魚らしい。
黙々と料理をつくるエプロン姿の聖ちゃんとテーブルで料理の完成を待つブレザーを着た俺。
料理に集中している聖ちゃんはまるで新婚の若妻のようだと思う俺の妄想力はおかしいだろうか。
「なんか夫婦みたいだね」
冗談で、何気なく言ったこの一言に聖ちゃんはとんでもない言葉を返してきた。
「私はもう結婚出来る年齢だけど先輩がまだダメだからな。残念だ」
開いた口がふさがらない、とはよく言ったものだ。俺は呆けることしか出来なかった。
「ふふ、冗談だ。・・・まだ、な」
意味深な台詞を言う聖ちゃんの表情を見てめまいを覚えつつ、俺は聖ちゃんの手料理にありついた。

「「いただきます」」
二人で手を合わせ、料理を食べ始める。
男には好きな女の子の手料理ならどんなものでも美味しくいただける素敵な機能が搭載されているが
これはお世辞抜きに美味い。魚の焼き加減も絶妙だ。
というかこれを不味いなどとほざく野郎がいたら俺はそいつらを片っ端から殴り倒してやる。
「うん、美味い」
白くきらめく白米を魚と一緒に口に運ぶ。うん、いい米使ってますな。
「そ、そうか。よかったぞ」
向かいの席には嬉しそうに微笑む聖ちゃん。

もう少しで食べ終わるといった頃に聖ちゃんが不意に口を開いた。
「先輩、私の今日最後のわがままを聞いてくれないか?」
ええ喜んで聞きますとも。こんな美味しい夕飯まで振舞ってもらっちゃったわけだし。
「き、今日は、その・・・えと・・・」
顔を真っ赤にしてそこで俯く聖ちゃん。
ここで勘のいいみずきちゃんあたりは彼女の考えを言い当てるんだろうけど、
残念ながら俺に乙女心が読めるような素敵なスキルは無い。
彼女が自分の口からその”わがまま”を言うまで俺は何も出来ない。

516名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:21:07 ID:iw3STF7b
私の今日最後のわがまま、告げるのには勇気がいるけれど、でも・・・私は・・・
先輩は複雑な立場に置かれている人だ。今日みたいなチャンスは先輩の卒業までないかもしれない。
いや先輩がプロ入りしたらますますこんな機会はないかもしれない。
これが最後のチャンスなんだ。言うしかない・・!

「今日は・・・わ、私の家に泊まっていってくれないか?」

私はもう一度顔を上げて先輩のほうを見た。
が、
先輩が目を見開いて私を見た瞬間に私はどうしようもなく反射的に顔をうつむかせてしまった。
耳の辺りがぼーっとして熱い。
「そ、それはどういう・・・」
しどろもどろな口調で先輩が言う。明らかに動揺している。
「一人でいることは慣れている。でも一人が好きだというわけではない。
来週になればまた先輩やみんなに会える。それは分かってるけど、怖いんだ・・・一人は」
子供っぽいと笑うだろうか、先輩の答えを聞くのも怖いけど、孤独の闇は果てしなく私を包んで離さない。
「聖ちゃん・・・」
「だから、今日だけでいいんだ先輩。ずっと・・・私のそばにいてくれ」

少し間が空き、先輩が席を立つ音がした。その直後頭に優しい感触。
「確かに俺はこういう色恋沙汰を自重しなきゃいけない立場だけど、それでも俺は聖ちゃんと
付き合うって決めたんだ。聖ちゃんが望めば全力を持ってそれを叶えるために努力するよ。
まぁみずきちゃんが野球できなくなるのは絶対に駄目だからあまり無茶は出来ないけどさ」
先輩の手の位置が私の頭から肩へと移る。
517名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:22:04 ID:iw3STF7b
「顔上げて、聖ちゃん」
正直、顔は上げたくなかった。顔は真っ赤だろうし、先輩の優しさに泣きそうだった。
でも今先輩の言うことに逆らう気はちっともおきなくて、半ば無意識に私は顔を上げていた。

「んっ!?」
刹那、視界いっぱいに先輩の顔が。
そして唇から伝わる熱い感触。何も考えられなくなる。
少ししてその感触が無くなる。強い喪失感が私に押し寄せる。
「大丈夫、今度は急にいなくなったりしない。誓うよ、だから聖ちゃん。大丈夫、君は一人じゃない
それにこんなに待たせちゃったんだ、もっと甘えてくれて構わないんだけどな」
目の前で先輩が微笑む。
「あま・・・える・・・?」
私には無縁の言葉だと思っていた。
あまりわがままを言ってはお父さんに迷惑をかけるし、女だからという甘えは野球を始めたときに捨てた。
私にそれは許されないものだと思っていた。

「甘えられる場所があるってのは安らげる場所があるってことだと思うんだ、
人のぬくもりってやつかな。俺でよければいくらでも甘えていい、もう一度言うけど
聖ちゃん、君は一人じゃない、大丈夫」
先輩は私よりも私のことを理解しているのかもしれない。
「・・・うぁ・・・うぅっ・・・うああぁあぁぁぁっ」
私は泣いた、それこそ赤ん坊のように先輩の胸に顔をうずめて泣いた。
全身に伝わる先輩の体温―――ぬくもりは永久にこのままでいたいほどに心地よかった。
ありがとう先輩。私は――幸せだ。

518名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:23:20 ID:iw3STF7b
「・・・落ち着いた?」
「ありがとう先輩、みっともないところを見せてしまったな」
いざ落ち着いてみるとやっぱり少し恥ずかしいようで聖ちゃんは少し顔を赤くしている。
「いいじゃん、みっともなくても。やっぱり人間そういうとこもなきゃ疲れちゃうよ」
これを聞いて聖ちゃんの表情が緩む。
「っと、親に泊まることを連絡しなきゃ、ちょっと失礼するよ」
そういって俺はいったん聖ちゃんを離し、ポケットから携帯を取り出して居間を出た。
体を離したときに聖ちゃんが少し残念そうな表情をしたのを見てもう一度抱きしめそうだった。
危ない危ない・・・

「あっもしもし母さん? 今日は友達の家に泊まってくね」
半分嘘で半分本当の言葉を携帯越しの母に述べる。
『・・・分かったわ。あまりご迷惑にならないようにね』
「うん。ありがと、じゃあ何かあったら連絡するから」
母が深く追求してこなかったために誤魔化しは成功したようにみえた、がしかし・・・
『あ、それと・・・避けるものはちゃんと避けなさいよ。あんた無事に高校卒業したいでしょ?』
「いっ!? それは一体どういう―――っはぁ〜もう切れてるし」
やはり母には一生敵いそうにないと痛感させられた瞬間だった。
しっかし避けるってお母様。いくらなんでも踏み込みすぎじゃあ・・・

「何が踏み込みすぎなんだ?」
「のわぁっ!? ひ、聖ちゃんか・・・なんでもない」
不意の声に間抜けな声が出てしまった。
「まぁいい、お風呂を沸かすから少し待っていてくれ」
聖ちゃんは俺を見て少し複雑な表情を見せたがすぐに風呂場のほうへとむかったようだ。

519名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:24:13 ID:iw3STF7b
「ふはぁ〜っ 疲れが癒されるわぁ〜」
間抜けなうえにえらくじじくさい俺の声が浴室に響き渡る。
『先輩、湯加減はどうだ?』
浴室の扉の向こうから聖ちゃんの声が若干くぐもって聞こえる。
「ちょうどいいよ〜」
『そうか、タオルと着替えを置いとくからな』
「了解〜ありがとう」

泊まることになるとは思わなかったので着替えの類は練習後のための下着しか持っていなかった俺だが
聖ちゃんのお父さんの服を貸してくれるという。やっぱり浴衣か何かですかね。
それにしても・・・改めて見るとやっぱり聖ちゃんは可愛い。
俺にしか見せてくれない素の表情、素の感情、その全てがいとおしい。
俺も男だし年頃の男女が一つ屋根の下でするあれに対して興味はある。
というか状況によっては理性崩壊の恐れもある。
だけど・・・聖ちゃんはどう思っているのだろうか、もしかしたらこういう方面には疎いかもしれない。

「うっ・・・」
考え事をしていたらのぼせてきたようだ。体もあったまったしそろそろ出るとしよう。



「ふぅ・・・」
お風呂というものを生み出した人を心の底から尊敬する。
一日の疲れが溶けるような感覚はいつ味わってもいいものだ。
それにしても・・・今日は先輩の残り湯か・・・・・・さっきまで先輩がここに・・・
って何を考えているんだ私!

先輩は私に甘えてもいいと言ってくれた。先ほど先輩に抱きしめられていたときも、
永久にこの状態が続けばいいのにと思うくらいだったが現実、時の流れは無情だ。
ならこの限られた時間の間目一杯先輩の存在を感じていたい。・・・甘えたい。
10年来の縁で再会したからといって付き合いだして初日に家に招待、あげくの果てには宿泊など
一般的にはおかしいと思われるかもしれない。でもそんなことはどうでもいいことだ。
事実を知る前から先輩の人格は信頼できるものだと思っていたしな。
そして私にうずまく孤独の闇を温かい光で照らしてくれたのだ。
先輩のぬくもりを感じていられるなら他のことなんて今はどうでもいい。
先輩、先輩、優・・・先輩。

「っ・・・」
風呂場で先輩のことを考えるのはやめよう。あやうく意識が飛ぶところだった。

520名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:25:07 ID:iw3STF7b
俺も聖ちゃんも風呂からあがり、場所は聖ちゃんの自室。
女の子らしい部屋とはいいがたい片付いたシンプルな部屋だがそこが聖ちゃんらしい。
家に来たときから気になっていたけど家に漂う線香(かな?)のにおいが、
リラックスするような、逆に気が引き締まるような奇妙な気持ちにさせる。
「なぁ先輩?」
俺の隣にぴったりくっついた聖ちゃんが口を開く。
彼女はさっきのが最後のわがままだと言っていたけどこの際今日はなんでもどんとこいって感じだ。
「なに?」
そういってなにげなく聖ちゃんのほうを向いたその瞬間。

柔らかいものが俺の唇に触れた。不意のことで反応が遅れたがすぐに理解する。
聖ちゃんの、唇・・・さっきはほとんど反射的というか無意識的にしたのでよくわからなかったが、
ただ唇と唇を合わせているだけなのに体の芯が熱くなってくる。
結構長い間そのままで時間が経過し、
それでも物足りないようで聖ちゃんは名残惜しそうに俺の唇から自分の唇を離した。

「さっき、先輩がしてくれたけど急だったからよく分からなかったんだ、
だからもう一度してみたかったんだ・・・だめだったか?」
当然身長や座高は俺のほうが聖ちゃんよりも高い、
故に聖ちゃんは俺のほうを見て話す際に自然と上を向くことになるのだ。
何が言いたいかってつまりそれで生じる反則的に可愛い上目遣いを0距離で浴びせられるわけで。
射殺されちゃいそうなくらいだ。不安そうに俺を見る聖ちゃんに対して
俺は全力で首を横に振るかわりに聖ちゃんの唇にもう一度口付けした。

そして唇を離したときに聖ちゃんが見せた微笑みは一生忘れられないだろうと思う。

そんな感じで俺と聖ちゃんは二人きりでずっと肩を寄り添って談笑していたわけだけど・・・
大分夜も更けてきた。いくら明日が休みだといっても健康によくない生活はスポーツマンとしてよろしくない。
そんなときである。
「先輩、前言を撤回する真似はしたくないんだが本当にこれで最後だ、私のわがままを聞いてくれ」
よっしゃどんとこい。
ここで聖ちゃん、大きく深呼吸。
「私と、一緒に・・・・・・・・・寝て、くれ」
俺が漫画のキャラみたいにぶっ! と噴出してしまったのも仕方がないことだと思う。
「そ、それ意味が分かってて言ってる?」
思わずこんな言葉を口にしてしまう。
「分かってる。わ、私だってそれくらいは知っている! でも・・・」
顔を真っ赤にして聖ちゃんはここで一回言葉を切った。
「今日みたいな日はもう先輩の卒業までこないかもしれない・・・
だから、今日。わ、私のはじめてをもらってほしい」

ここまで言わせてやらなかったら男じゃない。でも最後に一度だけ聞く。
「本当に、俺が最初でいいの?」
「馬鹿を言うな、先輩じゃなければ・・・誰だと言うのだ」

俺はその瞬間聖ちゃんの唇を再び奪った。
521名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:26:09 ID:iw3STF7b
「んっ! ふむぅっ・・・!」
正真正銘最後のわがままは私にとってとても告げるのが恥ずかしいものだったけれど、
そんなものなど吹き飛んでしまうほどの幸福感が私という人間を満たしていく。
やがて先輩の舌が私の口の中へと入ってくる。
聞いたことはあったけど実際にやられるともう何をしていいのか分からない。
頭がぼーっとして全身が溶けてしまいそうなくらい甘美な感覚。
先輩の舌が私の口腔を蹂躙していく。とにかく私も必死で先輩の舌を舌で捕らえ、絡める。
甘い・・・でもきんつばなどとはベクトルの違う甘さだ。幸せ、幸せ。

空いていた両の手で先輩を強く抱きしめる。
先輩は、私のものだ。誰であろうと渡さない。絶対にだ。
呼吸のために一度唇を離し、舌を先輩が抜く。私はそのときほとんど無意識的に、つぶやいた。
「先輩・・・私の、優先輩」
先輩は一瞬驚いたような表情になり、直後少し顔を赤くして微笑みもう一度私の口腔へと舌を侵入させてきた。
私の五感が、全神経が先輩の存在を感じることにのみ向けられ、研ぎ澄まされる。

―先輩の顔
―先輩の息遣い
―先輩のにおい
―先輩の唾液の甘さ
―先輩の・・・ぬくもり

その全てが、私を甘美な幸福と快楽の海へといざなう。
私の理性を狂わせていく。
全身の力が抜け切っているのが自覚できた。
視界もぼんやりしてるけど目の前の先輩の姿だけは鮮明に映し出されている。
そのまま先輩にそばの布団へと押し倒される。
「じゃあ・・・服、脱がすよ?」
先輩の言葉に黙って首肯する。
羞恥心が欠片も残っていないわけではないけど、やっぱり先輩の言うことに抵抗する気にはなれなくて。
服を脱がされ、私は生まれたときと同じ姿になった。だけど私はひとつ気がかりなことがあった。
私と同じことを懸念する女性は世に少なからずいると信じたいところだ。
522名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:27:11 ID:iw3STF7b
「すまない・・・先輩」
私が謝ると先輩は呆けた表情でこちらを見つめてきた。何も言葉は発してはいないけど、
目で何が? と言っているのが分かる。
「その・・・私、胸とか大きくないから・・・」
これを聞いて先輩はぷっと噴出して笑い出した。何が可笑しいんだ、結構気にしてるのに・・・
私の非難の視線を察してか先輩はごめんごめんと謝りつつ言葉を紡いだ。
「かわいいなぁ聖ちゃんは。そんなのどうでもいいだよ
って言ったら失礼かもしれないけど、聖ちゃんだから俺はいいんだ」
先輩が私の頭を撫でる。これもまた私に先ほどの接吻とは違った幸福感、安心感をもたらす。

「ふあっ!?」
突然電流が走ったような痺れが全身にめぐる。先輩が私の首筋に舌を這わせている。
くすぐったいだけじゃない、内側から何かが湧き上がってくるような不思議な感覚に私は体を震わせる。
「ふっ・・! んぅっ!」
意識とは無関係に反射的に声が出そうになる。それを手で必死に抑える。
やがて舌の位置が舌へと移動していき、私の悩みである胸の付近にまでやってきた。
「!!!」
先ほどよりも強い痺れが走る。先輩が・・・私の胸を・・・舐めて・・・
それを考えただけでどうしようもない気恥ずかしさとなんともいえない喜びがこみ上げてくる。
胸の先がじんじんして奇妙な感覚だが決して不快ではない。

「少し舐めただけなのにこんなになってる。聖ちゃんえっちだなぁ」
「うあぁっ!!?」
不意に胸の先を指でつままれる。先輩の言葉とその刺激で頭が痺れる。
体が熱い・・・全て溶けてしまいそうなくらい。
それでも私は必死に先輩に言葉を返す。
「っ! ちがっ・・・先輩だかっら・・・〜〜〜っ!!」
途切れ途切れになってしまったがいいたいことは伝わったと思う。
そう・・・先輩だから、私は・・・

523名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:28:07 ID:iw3STF7b
「ふぅ・・・はぁ・・・ぁ・・・」
胸への刺激が途絶え、なんとか私は息を整えようとする。
「キスと首と胸だけでもうすごいことになってるね・・・まだまだこれからだよ?」
先輩がそういいつつ私のおなかのあたりをゆるゆると撫でる。
「やっ! そ、そこはっ・・だめだ・・・っ!」
優しい刺激が逆に今の私には強烈だ。体をびくびくさせて少しのけぞってしまう。
おなかの周辺が私の弱点だ、前にみずきに冗談でくすぐられたときにばれてしまった。
それ以降隙あらば狙ってくるみずきを何度もかわしてきた私だが今回はかわしようがない。
「へぇ、このへん弱いんだ〜かわいいなぁ」

「・・・っ!! ふぅっ! ひゃっ・・・!」
くすぐりよりもむず痒くてそれでいて甘美な感覚に私はもだえることしか出来ない。
しかも先輩はここを弱点だと知ってなおゆるやかに撫でてくる。
ただでさえ神経が過敏になっている今の状況ではとても耐え切れそうにない。
しかも先輩はいたずらを思いついた幼い子供のような笑顔で私のおなかの周辺を撫で回してくる。
当分止めてくれそうな気配は感じられない。

「じゃあこんなのはどう?」
先輩はそう言うと再び私の胸に手を寄せ、私のおなかに顔を近づけて・・・
「!! んんぅっ!!」
先輩が私の胸とおなかを同時に攻めてきた。
今まで一番強烈な痺れが全身をほとばしった。体がやや大きく波打ち、一気に脱力する。
一瞬、頭が真っ白になった。なんだこの感覚は・・・
「っ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

524名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:29:23 ID:iw3STF7b
初めて味わう感覚に私は戸惑いを隠せないでいたがここであることを思い出す。
―こういった互いに同意の上での男女の交わりは一方だけが満たされてはならない―
当然といえば当然だ、やりかたも知らないわけじゃない。
私はいまだに上手く力の入らない体を無理やり起こすと先輩のズボンに手をかけた。
「ななっ!? ひ、聖ちゃん?」
先輩が驚愕の表情でこちらを見る。
「先輩ばかりずるいぞ、私にもやらせろ」
ぽかんとしている先輩をみて内心ほくそえみながら私はズボンを降ろした。

先輩のそれは大きく天へとそそり立っていた、はじめてまともに直視するそれに私は戸惑ったが
なんとなく、どうすればいいのか分かった。恐る恐るそれに舌を這わせる。
「うっ!」
先輩の体が震える。私も先輩のものの臭いで頭がクラクラ(決して悪い意味ではない)していた。
先ほどまであれほど大きく、頼もしく見えた先輩が情けなく見えてかわいいと思う。

しばらく続けていると先輩の息遣いが少しずつ荒くなってくる。
「ひ、聖ちゃん・・・手を使って、しごいて」
先輩に言われるまま手をそっと添え、ゆっくりとしごく。
先輩のものの先から何かぬるぬるしたものが出ているが別に不快ではない。
念のために断っておくが先輩のだからだぞ?
徐々にしごくスピードを上げていく。手を伝わって先輩の脈動が感じ取れる。
「くっ! 出るよっ!!・・・・・っ!!」
「!!?」

先輩の男の部分から白濁の液体が放たれ、私の顔や体にかかる。
これが・・・その、せ、精子というやつなんだな・・・
「すごい・・・におい、だな」
「ご、ごめっ! 大丈夫?!」
先輩がおろおろした様子で私を見てくる。・・・かわいいな。
「平気だ、先輩のだから・・・な」
私は顔にかかったそれを掬い取って舐めてみた。う・・・予想はしてたが美味しくはないな。
「・・・変な味だ」
「そりゃ・・・甘くてもそれはそれでいやな気がするけどな」
私の声にこもった感情を理解したのか先輩は苦笑を浮かべて言う。
先輩はやっぱり申し訳なさそうにティッシュを取り出すと私に差し出してくる。
「先輩が拭いてくれ、出したものは自分で処理すべきだぞ」
「う・・・了解です」

先輩がせっせと私の体を拭いていく。おおむね拭き終わり、先輩がティッシュを丸めてゴミ箱へ捨てた。
そして先輩がこちらに再び向き直った瞬間に私は先輩の首に手を回し、深い接吻をした。
今日がはじめてのことだが回数を重ねれば手馴れてくるものだ。だいぶぎこちなさは消えていた。
・・・先輩。まだ足りないのか? そこが元気になってるぞ。

「だって聖ちゃんがエロすぎて可愛すぎるんだから仕方が無い」
もはや開き直ったような笑顔で先輩は言う。
「・・・えっち」
525名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:30:21 ID:iw3STF7b
「もう限界だ、聖ちゃん・・・いれるよ?」
私の肩をつかみ、先輩が言う。優しさと、猛々しさを秘めたような声質で。
「いいぞ・・・優先輩」
いつの間にか濡れていた私の秘所に先輩のそれがあてがわれる。
「んっ・・・ぐぅっ・・・!」
先輩が一気に私を貫く。痛みはあるが許容範囲内だ。
私の処女膜は野球をしてる最中に破れてしまったからそこまで強い痛みはない。
「・・・っはぁ・・・聖ちゃん、大丈夫?」
先輩が大きく息をつくと私に問う。
「野球をしてるときにはじめての証は破れてしまったんだけどな、まぎれもなく私の最初の相手は先輩だ」
「・・・」
先輩は黙って私の言葉に耳を傾けている。
「うれしい、私は幸せだ、だから先輩・・・もう動いて大丈夫だぞ」
そっと先輩の体に手を回し、目を閉じる。先輩が私を抱く強さを強めたのが感じられた。
「いくよ」
それだけ言って先輩が動き始める。
「んっ! あっ!」
痛みはだんだんと減衰していき、代わりに押し寄せる快楽。
変わらずに私を満たすのは人生一番の幸福感、そしてぬくもり。
再び目を開く。そして反射的に目の前の先輩と接吻をする。

「好きだ、大好きだ! 優先輩っ!」
息も絶え絶えに私は叫ぶ。少々声が大きかった気もしなくもないが今はそんな無粋な思考は捨てることにする。
「俺も大好きだ・・・聖っ」
「!」
初めて先輩に呼び捨てにされた。よく分からない甘い痺れが私を貫く。
「もう、一回・・・!」
「え?」
「もう一回、私の、名前を、呼び捨てで・・・んぅっ!」
先輩に突かれながらなので途切れ途切れだが私は言った。
「聖、愛してるよ聖」
「!!」

視界が真っ白になり、頭の中がスパークしたかのように機能が停止する。
それが今日二度目の絶頂だと知ったのは次の日だった。
526名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 21:31:23 ID:iw3STF7b
「ん・・・」
目が覚める。いつもどおり私の部屋の天井を一番に視認する。
ふと起き上がり、周りを見る。私の部屋だ、布団はきれいに整えられ、私は衣服をちゃんとまとっていた。
急に不安になる。あの幸せな一夜は夢だったのだろうか?
だめだ、涙が出そうだ・・・
そんな想いを先輩は打ち砕いてくれた。湯飲みをふたつ持った先輩が私の部屋へと入ってきた。
「あ、おはよう聖ちゃん。勝手に台所借りちゃってごめんね」
優しい笑顔で先輩が湯飲みを私に差し出してくる。
私はそれを手に取り、先輩を隣に座るように促した。
「いや、気にしないでいい。ありがとう先輩」
二人で熱い緑茶を口にする。ほとんど同時にほっと息をつく。その様に先輩がふっと笑う。
「あ、そうだ。昨日あのあと聖ちゃんすぐ寝ちゃったから言わなきゃいけないことがあるんだけど・・・」
「? なんだ?」
「えと、その・・・あれだ」
いつも言いたいことははっきり言う先輩にしては珍しい歯切れの悪い口調だ。
「最後、ちゃんと・・・外に出したからっ・・・安心して」

数秒の間が空く、私はその言葉の意味を理解すると同時に顔が火を噴いたかのように赤くなっていくのが分かった。
先輩も顔が真っ赤だ。やっぱり情事から明けると気恥ずかしいものがある。
直後、唇に温かい感触がする。互いに照れを隠すように、唇を重ねるだけの接吻。

「さてと、これからはこんな機会、ほとんどない・・・というか自重しないと本当にまずいしな。
だけど、俺が好きなのは聖だけだから」
先輩が言う。
「私もだ」
簡潔な返事だけれど、想いの強さは負けない。

「あ、よければ朝ごはんは俺が作るよ、昨日のお礼ってことで・・・だめかな?」
お礼をし足りないのはこちらだというのに本当に優しい人だ。名前負けしない私のただ一人の人。
「じゃあ・・・お言葉に甘えることにする」
私の返事を聞くと先輩はまた笑顔を見せ、私の部屋から出て行った。

私に野球を教えてくれた彼と10年以上のときを経て再会し、私の光となってくれた。
もう大丈夫だ、私は幸せ。ありがとう。


おしまい
527HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/12/10(水) 21:34:23 ID:iw3STF7b
以上です。
結局13でも書いてしまった・・・
まぁ俺はひじりんが好きだから書く。それだけのことです。
年明けまでにもうひとつくらい書ければいいな。

では今回はこれにて。
528名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 22:06:12 ID:KEVn7w6w
ぬああああGJ!
社会人編とはパラレルってことかな
529名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 22:13:06 ID:pKYL2yfE
GJ!
聖可愛いよ聖!
530名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 00:02:09 ID:gY8sxHgm
HMA-15はんのひじりんへの愛……確かに伝わったで!
531名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 17:19:32 ID:ZDgmBxfK
なんとなく気になってパッと開いてみたら、そこには神がいました
532名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 18:33:20 ID:zuSmCCYB
※外出しは避妊にはなりません
533HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/12/11(木) 19:16:51 ID:eqA7TBVW
>>532
まぁ言うとおりなんだがいきなりゴムとかあっても変かなと。
申し訳ない。
534名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 19:21:17 ID:9F9lrW/9
ssなのにゴム付けてたら萎えるから全然おk
535名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 20:43:37 ID:zv/dKTGC
5の華織と7の美幸って色々似てるけど(眼鏡っ娘、髪色が紫、最高プレゼントがケガしにくい)
これって意識的にやってんのかな?
まぁ眼鏡を取ると美少女と眼鏡付きで美少女はまるで違うかも知れんが…
536532:2008/12/11(木) 21:02:03 ID:zuSmCCYB
ごめん、そういうつもりで言ったんじゃないんだ
まずこれを言うべきだったな、乙!萌えた!
537名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 21:10:01 ID:tPgZM6NF
遅れたけどGJ!
HMA-15最高!
ところで、>>389の「行きたいところ」の行き先をホテルだとおもったのは、
俺だけじゃないよな?
538名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 20:59:17 ID:VFTON2Bk
久しぶりです。俺、中一なのですが小学生と言われたので、
腹が立ったので荒らします!
539Armstrong:2008/12/13(土) 21:00:52 ID:VFTON2Bk
<<538
名前忘れたので言う。
540Armstrong:2008/12/13(土) 21:02:03 ID:VFTON2Bk
埋め。
541名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 23:39:35 ID:KqDxfaqM
パッと出てサッと去ったな
まさにあらし
542名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 06:45:28 ID:6eWapGFy
小学生だろうが厨学生だろうが18歳未満は違反なわけで、警察は匿名掲示板からでも個人特定できるんだぜ。学校で習わなかったかい?
まあ、もうしばらくしたら家庭裁判所に行く羽目になるから。
おめでとう。
543名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 10:47:32 ID:1ihUTT8z
何故急にage進行?
544名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 10:50:39 ID:1ihUTT8z
!?
な、なんで全部ageになってんだ?
まさかあのクソロングの仕業!?
545名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 20:15:45 ID:lfOi4XH2
>>544
お前は何を言ってるんだ
546名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 08:32:42 ID:46bUAW3w
言ってることは分からんが、自演ってことは分かるな
547名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 20:26:29 ID:9Nvz1sgS
いや、久々にこのスレに来てみたらsageだった字が全部ageになってた。
548名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 22:03:55 ID:fjD4IIHP
眼科行け
いややっぱり精神科行け
549名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 22:33:05 ID:f2g4Q6Qz
>>547
いいところを紹介するよ。
この前虫歯を治してもらったんだが、無料で歯の矯正までしてくれた所だ。
きっと眼科もあるだろう。かわいい看護師さんが目印だ。

さて、眠気覚ましに近所の公園までふらふら道路を歩きながら散歩しよう。
パワリン片手に。
550名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 07:00:11 ID:mk90jy9H
荒れてるな
551名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 10:38:33 ID:5MbCCc8Q
あげ
552名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 22:50:33 ID:Fwf3HpWG
スレタイの意味がわからない
何故に前スレ?
553名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 08:14:09 ID:iCUTBQXp
>>552
前スレで次のスレでSSを投下するって人がいて急いで埋めたんだ、それになにか関係あるんだと思うが真実は>>1にしかわからん
554名無しさん@ピンキー:2008/12/17(水) 18:51:09 ID:0xDm6OpS
>>552
テンプレの「■前スレ 実況〜」ってのをコピペして数字だけか変えて「■前スレ」を消し忘れたと見た
555名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 02:37:28 ID:huzzLy2c
過疎ってるな・・・
556名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 09:34:39 ID:/mUL5mot
いつものこと
557ぼくのはつたいけん:2008/12/18(木) 21:09:41 ID:F2PVg2O6
何か前スレにあったんでコピペした
僕、高橋は打率0.0829で防御率は9.12だ。皆からは「厨房」と呼ばれ、毎日
2ちゃんねるでMyノヴェルを書いている。だがそこでも
「通報しますた」とか「リア厨」とかいわれてる。
でもきょうはボクチンの大好きな舞ちゃんが来るからいいんだーー

あんなことしてハァハァとか考えてるうちに舞タンがきた。
「へぇーいい部屋ねー」「うん、さいきんアロマテラピーにこってるんだよっベイベー!」
と一発言っとけばもう大丈夫。よゆうさっ!
「高橋君こっちこっちー」「えっ。そこはべっど。。マサカハァハァ」
そしていきなり抱きついてきた。「高橋君いれていいよ!」
おれは「エッ、いいのかいハニー」とじらす作戦まで用いて着々と準備
をすすめていった。そしてぼくはベッドに入り舞ちゃんにフェラやクンニなどもさせてもらい、いよいよ
挿入することになった。そしていれてみると、舞ちゃんはいきなり感じ出して
痛いとか言わなかったし、血も出なかった。ぼくは絶望したが、一応いってから
にしようとおもい、腰を振った。「あああんああん」「イイヨッ」
などとやっていて、僕のほうがさきに果ててしまった。舞ちゃんは慣れた
手つきで、モノを抜いて、服に着替えた。
「高橋君、おこづかいちょうだい」「な、なに言ってんだよハニー。」
「なにいっとんじゃヴォケー、とっとと金払えいっとるやろ!」
すると、玄関から185cmともあろう大男がやってきて、胸倉をつかんで
「ほれ通帳出せや通帳」もちろん僕は18歳のヒッキーで親がいないので
ママンとパパンにも相談できず、いまでは路上の野草などを食べて生活している。
パパンから受け取った財産2000万も取られて、インターネットを生きがいとして
今日もナイスノヴェルを書いている。   
                   糸冬

558名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 22:23:27 ID:R8fsrlp5
いやー、昨日のセカンドはやられました。はめられました。
第一ロッター・・・・・小カタメ少なめ 第二ロッター・・・・・小カタメ
第三ロッター・・・・・小カタメ麺半分 第四ロッター(俺)・・・大

見事デスロットです。今思うと前の三人、確信犯だったと思う。
知り合い同士みたいだったし(てかよく見る奴らw)、第三ロッターのメガネが俺の食券見た後、前二人とひそひそ喋ってた。
『あいつ、ロット乱しにして恥かかしてやらない?w』こんな会話してたんだろうな・・・
いつも大を相手にしてる俺に嫉妬してんだろうな。。陰険なやり方だよ。正々堂々と二郎で勝負しろよ。

正直ロットタイムは心臓バクバクだった。でも俺は覚悟決めた。この卑劣なやつらに勝負挑んだよ。
ロット乱して店主に恥かかせるわけにはいかないし、一応ここの常連の看板背負ってるしね。
焼け石に水かも知れないけど、一応ヤサイは少な目コール。
三人もさすがよく来てるだけって(あえて常連とは呼ばない)素早いフットワークだった。
やきもきしながら俺も遅れて戦闘開始。タイムラグは二分近くはあったと思う。
今俺がすべきことは二郎を味わうことや、ロットリズムを楽しむことではない。
『いかに早くこのブツを胃袋にぶち込むか』
これだけを考えた。
結果ですが、なんとか三位に入ることができました。。あいつらの唖然とした表情は俺の最高のデザートだった。
平常心を装ってさりげなくいつも通りの『ごちそうさま』と店主に軽く会釈
その時、店主と目があった。店主の目は少し笑っているようにも見えた。俺もついに店主に認められたかなw

三馬鹿トリオがその後どうなったのは知りません。しかし一言だけ言わせてもらう。
『勝負する時は相手を選べ』
以上レポっす。チラシの裏すんません。
559名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 14:16:28 ID:NmQaRICp
過疎ってるな
560名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 16:02:14 ID:nh5ZLrDB
やっぱ小学生のせいか
ルールとマナーは守らないと

あーあ、オープニングが京アニにならねーかなぁ……
561名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 00:46:08 ID:iJoJr2Iv
目うるうるしすぎだろw
562名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 11:23:16 ID:53gz2CCy
9をピークに年々作画クオリティが下がっていったよな
9の躍動感は尊敬に値する
563名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 13:38:00 ID:o8DDLglx
>>562
15の悪口はそこまでだ
564名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 16:22:56 ID:g5yCo52I
でも、15の神楽坂の秘書であるミヨさんのエロさは異常だと思うんだ
565HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/12/24(水) 12:09:32 ID:qDo30U6H
思い浮かんだネタは別に他の娘でも書けないことはないのに、
それでも聖で書いてしまう俺は重症だね。

短編ssクリスマスネタ投下します。
『めぐりあう二人』の続編です。
566名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 12:10:37 ID:qDo30U6H
さて、今日は世間一般で”くりすます”と呼ばれている日に該当する。
私、六道聖は寺育ちの人間のため、せいぜい小学校のころの行事くらいしかこの日を特別視したことはなかった。
しかし今年はみずきが唐突にパーティーをやるとのたまい、反対するかと思っていた
野球馬鹿の先輩が思いのほかあっさりとそれを承諾したことから聖タチバナ学園野球部は
みずきのおじいちゃんが所有している別荘のひとつを借りてパーティーすることになったのだ。

はっきりいって飲み食い以外に何をするかなんて全然知らないしこういう場では私が苦手とする肉類の料理が
出るのは確実だ。一般的には好きな高校生のほうが多いはずだしな。
なので私の狙いは最初からケーキをはじめとする甘味と、そして・・・


『聖夜に・・・』


さて、前述の通り野球部の仲間で私たちはパーティーをしていた。
プレゼント交換とかいうよく分からないこと(某メガネ先輩の持ち込んだ品を手にしたみずきがそれを
その場で処分してメガネの逆鱗に触れたのだがズッコケ三人組+先輩に阻まれて鎮圧された。
ちなみに私はお気に入りの香りの線香を贈ったのだがこういった騒ぎのせいで誰の手に渡ったかは分からずじまいだ)
や今年一年を振りかえる忘年会的なノリの一幕もあった。

が、これはいったいどういうことなんだ・・・
567名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 12:11:34 ID:qDo30U6H
私はじゃんけんに負け、やや距離のあるコンビニでおかしなどを補充して帰ってきたところだ。
もう外は暗いので大京先輩がみずきの命令でついてきた。
・・・どうせなら先輩が・・・いやなんでもないんだ。妄言だから忘れて欲しい。

「ガンダーロボ発進でやんす! そこの可愛い女の子を助けるでやんすよ!」
・・・台詞だけ聞けばいつもの眼鏡と大して変わらないかと思う。では彼の状態をもう少し具体的に語ろう。
度のキツイ眼鏡をかけた顔は真っ赤に染まり、奇妙なポーズを決めながら私のほうへ突撃してくる。
しかも声が大きい割りに足元がふらついておぼつかない。
「・・・少し寝てろ」
突撃をかわし、メガネ男の腹に一撃。人類かどうかを疑うほどの奇妙な声をあげて動かなくなった。
・・・まぁ大丈夫だろう。・・・多分。

え? 結局何が言いたいか分からない? そうか、すまない。
つまりだ、どう考えても今のメガネを含め野球部の仲間たちが未成年は口にしてはいけない飲み物を
摂取することによって生じる状態になっている、つまり酔っているのだ。
っといってもやかましいほどのいびきを立てて眠っているのが大半だが。
眠っていては酔っているかどうか分からないが部屋中に充満するこの独特の臭いは酒のそれだ。

「とうっ!」
「うわっ!?」

突然顔を真っ赤にしたみずきが大京先輩に体当たりする。彼のがたいを考えればみずきが力負けするのは当然だが
今回は完全な不意打ちで見事に大京先輩が倒されてしまった。みずきも酔っているようだな・・・
倒れた勢いでスカートが・・・みずき、しましまだぞ。大京先輩の角度からは見えないのが不幸中の幸いか。
「ど、どうしたんですかみずきさんっ!」
「んふふ〜あんたも飲みらさい!」
「もがっ!」
みずきは手にしていたビンを大京先輩の口に入れ、中の液体を流し込む。
・・・あれはラベルを見る限り間違いなく酒だな・・・どうしてそんなものがあるんだ・・・

568名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 12:12:49 ID:qDo30U6H
「このぉ・・・みるきちゃんにかかればぁ楽勝なんだがらぁ」
酔う前に気絶した大京先輩の上からよろよろと体を立てながらみずきが言う。
ろれつがまわっていない上に言葉がところどころにごってる・・・相当出来上がってしまっている。
私はため息をわざとらしくひとつついてみずきの肩を担ぐ、そしてソファに寝かしつける。
「ふみゅ・・・ひじりぃ・・・あんらも飲みらさいよぉ・・・・・・・・・」
「全く・・・」
寝かしつけてすぐに気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。それと同時に私は部屋を見渡した。
そこらじゅうに酒瓶と気絶者及び爆睡中の野球部員が散乱している。さしずめみずきがもちこんだのを
飲ませ、拒否した人は先ほどの大京先輩のようになると、そういうことらしい。
おそらくみんな不慣れな酒を摂取してすぐに酔いつぶれてしまったのだろう。
いくらみずきでもそんなにきつい酒を持ってくるとは考えにくい。
せいぜい明日多少の頭痛に見舞われる程度だろう。
私はどうやら助かったようだ・・・わずか30分程度の時間に起きた惨劇を想像するだけで背筋が冷たくなる。
そんなことを考えていた私の視界のすみに先輩の姿が映った。
いつもよりも目がうつろだ、だが意識はあるようで今もグラスに酒を注いで・・・って
「何してるんだ先輩っ!」

「ん〜? あぁ聖ちゃんおかえり〜」
やや赤みを帯びた笑顔を先輩は私に向ける。いつもと違う雰囲気に思わず私はどきっとし・・・あぁーーっ!!
何を考えているんだ私!
「せ、先輩っ! 私たちはまだ未成年なんだぞ!? 酒なんてダメだ!」
「いいじゃないか今日くらい、無礼講ってやつさ」
けらけら笑いつつ、グラスに注ぎ終わった酒瓶をそばのテーブルに戻す。
「先輩はプロ入りを期待されている人材なんだぞ!? 体を壊したらどうするんだ!」
私はかなり真面目に先輩に説教しているのだが先輩は9割以上を聞き流してるようで
「あのねぇ、多少のお酒でスポーツ出来なくなったなんて普通ないでしょ?」
いや、そういう問題じゃなくてだな、法律的な問題とかだな。それに私たちはまだ成長期であって・・・!

569名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 12:13:36 ID:qDo30U6H
「あはは、さすが聖ちゃんは真面目だねぇ」
挙句こんなことを言って笑い出してしまった。
「でもねぇ・・・・・・俺たちもうとっくに大人の階段上っちゃってるんだろ?」
耳元で囁かれる先輩の爆弾発言に私は周囲を確認する前に顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
「お酒飲んでないのに顔真っ赤だよ聖ちゃん」
んふふ〜と意地悪く笑う先輩。
「せ、せ、先輩っ! 誰かが聞いていたらどうするんだっ!!」
視線を合わすこともできずに苦し紛れに怒鳴る。
「あははは〜〜」
陽気に笑う先輩。今は何を言っても無駄な気がするがそれでも放ってはおけない。
アルコールの急な摂取によるショックで死に至る事例だって聞いたことがある。
と、かなり真剣に最悪の場合を想定した脳内議論を行っていた私だが・・・
「よっ・・・と」
先輩はグラスの中の液体を口の中に流し込む。
・・・!! 言ったそばから!
「私の言ったことを聞いてなかったのか?!」
先輩が一瞬硬直。こちらに意味深な視線を向けて残りを一気に口の中へ。

「!! せ、せんぱ―んむぅっ!?」
突然口をふさがれる――先輩の唇で。
妙な味の液体が私の中へと流れ込む。こ、れは・・・く、口移しというやつか?
分かりきっているはずの液体の正体の分析よりもこんなことを考えてしまう私は重症かもしれない。
まずい・・・気持ちよくて頭がぼーっとしてきた・・・ぞ・・・

570名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 12:14:29 ID:qDo30U6H
うふふ〜予想以上だわ!
心の中で思わずこんなことを叫ぶ。
普段男女の交際に相応しい態度を取れない二人の貴重な絡みが見てみたくて
酒に偽装して睡眠薬入り水まで用意した甲斐があったわ。
メガネは二人のうちどっちかがなんとかすると思ってたら予想通りだし。
さっき聖が顔を真っ赤にした優くんの囁きが気になるけど・・・
それにしても寝たふりしてこっそり見てる私に気づかないなんてね。まぁ優くんには本物のお酒渡したし。
にしても聖ったら、普段は漫才見てても表情に大して変化が見られないのに・・・
こうしてみると聖もやっぱり女の子なのね、気持ちよさそうだったり苦しそうだったりで大変そう。

「ふぁっ・・・せ、先輩・・・」
顔を赤らめて目を細めた聖が優くんを上目遣いで見る。
女の私から見ても可愛いと思うその姿は普通の男なら瞬殺でしょうね。
「これで聖ちゃんも同罪だねぇ」
「そ、それは先輩がっ・・・あぅ・・・」
聖が優くんに頭を撫でられている。あれいいわね・・・今度やってもらおうかしら。

少しして聖の目がまどろんでくる。もしかして一口くらいのお酒で眠くなっちゃったの?!
まぁ聖らしいって言ったらそうね。・・・半分以上は優くんに撫でられてるのもあるだろうけど。

にしても珍しいものがたくさん見れたわ、ビデオカメラが欲しかったくらい。
・・・ん、なんだか私も眠くなってきちゃった。野郎たちが目覚める可能性はほぼ0だし私も寝よう。

571名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 12:15:58 ID:qDo30U6H
不覚だ・・・
というのもあのあと私は先輩に寄り添う形で眠ってしまい、しかも気を利かせてくれた先輩の上着がかかっていた。
そんな状況で他の野球部員たちが先に目覚めればどういうことになるかたいていの人は理解できると思う。
「どういうことか説明するでやんすー!!」
とわめくのは昨日謎の暴走を見せたメガネだ、うん。生きてるな、問題ない。
それは置いておいてこのメガネをはじめとした多くの部員が私たちの状態の真相の説明を私たち
(主に先輩に)要求している。そしてなぜかにやにや笑っているみずき。なんだその妙な笑顔は。
私はどうしたらいいか分からず、何も言えないでいたが不意に先輩が口を開いた。

「みんなあのときみずきちゃんが持ってきたお酒を飲むか飲まされるかして眠っちゃっただろ?
俺は案外お酒大丈夫な性質みたいでなんとなくのんびり暴走気味の矢部くんやみずきちゃんを眺めてたんだけど、
そこに大京と聖ちゃんがお菓子を持って帰ってきたんだ」
ここでみんなは大京先輩を見て確認を取る。確信を持った表情で大京先輩は頷いた。
そして先輩は続ける。
「何を血迷ったのか矢部くんが妙な声をあげて聖ちゃんに突撃していったんだ、やばいと思ったら
聖ちゃん、一撃で黙らせちゃって面白かったなぁ」
ここで先輩やメガネ以外の部員は爆笑する。
「せ、先輩! そんなこと言わなくていい!」
「だってきっちり全部説明しないと、ここまでは大京も見てたわけだし」
「まぁ・・・そうだが・・・」
「ま・・・全く記憶にないでやんす・・・もしかして今日やたらお腹が痛いのは・・・」
もう一発食らうか? と視線でメガネに言う。
「な、なんでもないでやんす」
弱弱しい声でメガネがつぶやく。

「で、そのあと今度はみずきちゃんが大京に突撃したんだ、
純粋なパワーなら100%大京の勝ちだけど完全な不意打ちで倒されちゃってお酒を強引に飲まされたと」
あのとき目がうつろだったわりにはちゃんと一部始終を目撃して記憶している先輩に正直驚いた。

572名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 12:17:03 ID:qDo30U6H

「で、いよいよみんなが気になるそのあとだな」
先輩は普段黙って先輩の話に耳を傾けている。
「まず聖ちゃんは完全に出来上そこまで饒舌な人間ではないがいざ語りだすと自然と人を惹きつける話上手な人だ。
まわりのみんなはすっかりがってたみずきちゃんを回収してソファに寝かしつけ、そのあと周囲を見渡して
俺を発見したわけだ」
さて、肝心なのはここからだ。みずきとの偽りの交際も本物のように振舞えるポーカーフェイスの持ち主だから
嘘が見破られる可能性は私が話すよりは断然低い。
「聖ちゃんは真面目だからはじめは俺が飲むのを阻止しようとしてたんだけどやっぱり多少の興味はあったみたいで
俺がしつこくすすめたら一口だけ飲んだんだよ。そしたらお酒はだめだったみたいですぐに寝ちゃってね。
動けなくなっちゃったから上着だけかけて俺も寝たわけだ。おかげで腰のあたりが痛いけどな」
「う・・・すまない先輩」
私は先輩に謝罪をいれつつ先輩の嘘のいいわけを考察する。
・・・嘘だ。というのも後半の先輩の説明は嘘なわけだが別に私をどかすことは可能だったはずだ。
これは・・・先輩が動きたくなかったと判断していいのだろうか。
「本当にそれだけでやんすか?!」
メガネがしつこく食い下げる。
「あのねぇ矢部くん。眠ってるかわいい後輩兼俺とみずきちゃんの相棒を襲うような畜生ではないと自負してるんだけど。
まぁお酒に強い性質でよかったなと思うけどね」

結局先輩はあとは舌先三寸あることないこと言ってみんなを言いくるめてしまった。


「あ、聖! ちょっといい?」
ほとんどの部員が家路へとついたとき、みずきが不意に私を呼んだ。
「なんだ?」
みずきは私のそばへとより、とんでもないことを囁いてきたのだ。
「昨日の聖、可愛かったわよぉやっぱり聖も女の子なのね」
「な、な、な・・・!!」
まともな言葉も発することができずに私は絶句する。み、見られていた・・・
もはや不覚どころじゃない。穴があったら入りたい? それで済むようなレベルではない。
「安心して、私以外は絶対に見てないはずだから。じゃ、ばいばい聖!」
「ま、待て! みずきっ!」



―――あらら・・・みずきちゃんには見られてたのか・・・
―――え、何がでやんすか?
―――なんでもない。
―――気になるでやんす! 教えるでやんすよ!
―――やだよ。じゃあね矢部くん。
―――あ! 待つでやんすよ白瀬くん!


おしまい。
573HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/12/24(水) 12:21:21 ID:qDo30U6H
以上です。
うん・・・勢いで書いたから突っ込みどころが色々あるかもしれん。
まぁ軽くスルーでお願いします。
>>528
そういうことです。主人公の名前も水無瀬+白川で白瀬です。
>>553
あの時はご迷惑をおかけしました。

では皆さん良いお年をお迎えください。
574HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2008/12/24(水) 18:20:39 ID:qDo30U6H
訂正があります。
>>572の前半の文がおかしくなってます。申し訳ない。
最近マウスの調子が悪くてうまく操作できない時があるもので。


「で、いよいよみんなが気になるそのあとだな」
先輩は普段そこまで饒舌な人間ではないがいざ語りだすと自然と人を惹きつける話上手な人だ。
まわりのみんなはすっかり黙って先輩の話に耳を傾けている。
「まず聖ちゃんは完全に出来上がってたみずきちゃんを回収してソファに寝かしつけ、そのあと周囲を見渡して
俺を発見したわけだ」
さて、肝心なのはここからだ。みずきとの偽りの交際も本物のように振舞えるポーカーフェイスの持ち主だから
嘘が見破られる可能性は私が話すよりは断然低い。


これが正しい文です。失礼しました。
575名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 00:36:04 ID:RGUZNhIQ
>>422
ホタテと野菜のカレービジソワーズ
576名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 09:49:39 ID:XLB+pmaA
白瀬か...
577名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 21:23:21 ID:Jg5VRB2W
あおいちゃんはいつまで処女なんだろう
578名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 16:58:22 ID:Dd2FjSiO
そんなんAllday Everydayだろ
579名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 20:18:16 ID:q0TR+uYc
>>577
俺たちがDTである限りかな…
580名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 22:28:35 ID:06IckQ8g
>>577

9の主人公に奪われたんだよ
581名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 23:43:40 ID:6km9UH9f
大晦日保守
582初万:2009/01/01(木) 00:44:32 ID:GsfJc9L2
お久しぶりです>>498です。
まずは明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
続きをただいま書いています。
乞うご期待?

583名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 16:11:27 ID:/kVd/Wq9
>>582
とりあえず数作書くまではコテは外すべき
作品に関してはwktkしている
584名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 22:10:25 ID:8MoX4pZe
作品投下します

皆さんはサクセスをやっていてカレンに苦しめられた経験は何度もありますよね?
これはそんな邪悪なカレンに天誅を下す男達の物語です
(舞台はパワプロ9のあかつきです)

※エロは一切ありませんが何卒ご了承下さい
585名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 22:38:44 ID:8MoX4pZe
橋本(主人公、以下橋):ふーやっと練習が終わったな。
手塚(以下手):先輩、帰りにアイスでも食べて帰りましょうよ。
円谷:(以下円)行きましょうよ先輩。
橋:あ、でももうすぐジュースが・・・(ビゴーン)あ、この音は!
手:どうしたんですか、先輩。先に行きますよ。(ダダダ、)
橋:走り回るなよ、手塚。(ボヨーン!)
手:なんだこいつ!気をつけろ!
橋:だから言ったのに・・・
カレン(以下カ):橋本様、この子達が今年の1年生の子ですわね。
橋:・・・・・だったらどうなんだ?
カ:じーーーーー邪魔しましたわね。カレンはこれで失礼しますわ。
猪狩進(以下進):橋本先輩、みんなの飲み物を買ってきましたよ。
カ:!?
橋:ありがとう、進くん。
進:あれ?このお姉さんは?
橋:こんなデブで不細工な奴、知らないよ。
カ:何言ってるんですの!
橋:とっとと出て行け!関係者以外は立入禁止だ。帰れ!失せろ!(バタン)
進:誰だったんですか?あの人。
橋:さあ?でも進くん、今後あいつを見かけたら、ブタだーっ!と言って逃げるんだよ。
進:ちょっと、それは・・・
橋:あ、そうだ!みんな集まって!(そして翌日から・・・)
猪狩守(以下猪):ん、何だこれは「カレン警報器?」
橋:ああ、それは昨日、みんなで作ったやつだよ。これはカレンが部室に来ると、警報器が鳴る仕組みなんだよ。
  おっ・・・来たな早速・・・ネズミが。
(ウーウーウーウーウーウーウー)
(サイレンが響き渡る)
カ:何ですの?これは?
部員:カレンを取り押さえろ!(ドドド!!!)
カ:いたたたた・・・どうしてカレンが入っちゃいけないんですの?
橋:お前が来るとな、みんな安心して練習出来ないんだよ!お前はあかつきの面汚しだ!もう2度と俺達の前に現れるな!
カ:・・・分かりましたわ、失礼致しますわ。(ズシンズシン・・・)
586名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 23:05:13 ID:8MoX4pZe
猪:ふう・・・何とかこれで進も一安心だな。
進:はい。危ないですよ、あの人は・・・
矢部:(以下矢)でもこのままだと絶対仕返しに来るでやんすよ。
橋:うむ・・・次の対策を考える必要があるな。あっ!そういえば!!
矢:何かいい方法が見つかったでやんすか?
橋:矢部くん、あいつは今まで何回謹慎処分になってるんだっけ?
矢:それがどうかしたでやんすか?
橋:その事なんだけど、ウチの学校じゃ5回謹慎処分になったら強制退学だったよね?
矢:そうでやんす。
橋:そこなんだよ!だから矢部くん、調べてくれないかな?今まであいつが何回謹慎処分になったかを。
矢:なるほど!そういう事だったでやんすか!つまり、カレンの謹慎回数が今日のやつで4回目だったら
  次に仕返しに来た時に退学処分になるって事でやんすね?
橋:うん、さすが矢部くん、理解が素早いね。
猪:なるほどな・・・これは僕も気付かなかったな。
矢:そういう事なら早速調べてくるでやんす!・・・でもどこへ行けばいいでやんすか?
橋:ああ、それは職員室の隣にある資料室に行ってみるといいよ。
  過去何年分かの記録が残っているかもしれないから。
矢:わかったでやんす。
橋:一応、先生の許可は取っておいた方がいいよ。ちゃんと事情を詳しく説明するんだよ。
矢:バッチリでやんす!では、行ってくるでやんす。(タッタッタッ・・・)
猪:これなら大丈夫だな。しかし君も頭いいね。
橋:そうか?俺はただ、みんなが安心して練習に打ち込める環境を作りたかった。ただそれだけだよ。
  一応この事は監督にも言っておこう。
587名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 23:07:28 ID:8MoX4pZe
続きは不定期になると思いますのでよろしくお願いいたします。
それでは。
588名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 00:24:32 ID:OoZqdLBX
とりあえずあぼーんした
589名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 01:08:57 ID:bSDlXJUI
どんな作品であれ書いてくれる方に感謝の気持ちを忘れてはいけない
590名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 02:21:33 ID:ulXUud7D
あれ、>>584さん不定期で来る感じ?
じゃあちょっと投下待とうかなぁ
591名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 08:04:23 ID:kSiqmZra
>>584
どんな駄作でも、ある程度書き溜めてから投下する。
これはエロパロのマナーだろ。
592名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 16:31:10 ID:1eGzMxKM
あおいちゃんってメジャーのリトル編に出てきた涼子ちゃんに似てる
アニメ版の再放送見てて思った
593名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 17:46:45 ID:ulXUud7D
 翌日の土曜の正午。小南は部室裏で不満げに煙草を吸っていた。
今日は夕方まで練習で、これから投手組の投げ込みに付き合う手筈なのだが、部室で主将とみずきが「どちらが公式戦で背番号の1を背負うか」で揉めていて、一向に決着が付かない。
他の者は大京のノックを受けているのだが、小南は30分近く待機中だった。
「…いつまでやってんだ」
小南が3本目の『The Boss』に火を着けたところで、部室裏に原 啓太がやってきた。
「…うっわ、ヤニ臭っ!」
「…よぉ。あいつらまだやってんの?」
「みずきさん頑固で我が儘なトコあるからなー…。今日あんま機嫌良くなかったし。
まだ長引きそうやで」
「…アホかあいつら!別にどっちでもいいっつの!」
煙を吸い込み、吐き出す小南。原が鼻をつまんだ。
「…ホントそうなんやけどな。でも本来は間違いなくキャプテンやと思うしなー…」


 約20分後、部室のドアが開いた。
「ごめーん小南君お待たせ!今から私のエース足る所以のピッチングを見せるからブルペンに…
あ、あれ!?」
主将とみずきの結論は「第三者に判断させよう」となった。
その栄光ある第三者に選任されたのが、聖タチバナ学園野球部正捕手小南であったのだが…
彼はもうここにいなかった。

「原…、まさか小南くん…」
ベンチに腰掛けていた原に、みずきが聞いた。
「「頭痛いから帰る」そうや。…あと「夫婦喧嘩は他所でやれ」って言っとったわ」
「夫婦って何よ!」
「…みずき、もうやめね?」
「イ ヤ!」


しかし…みずきが背番号「1」を背負う事は無かった。
「じゃあ持久力で勝負よ!」と言い出したみずきは、長距離走での勝負で、ウソのようにボロ負けした...

−−−

『♪I'm calling your name,many times〜!You are my blieving star!
君の名前を呼ぶよー♪』
「♪呼ぶよ〜!」
 1時間後。部活を抜けた小南は既に『アウターヘヴン』でボーナスを引いていた。昨日と変わらず野球着のまま『パワプロクン711』を打っている彼だが、今日は出だし好調のようだ。
この機種は、7を揃えて『めぐBig』を選ぶと歌手不詳のオリジナルソングが流れる。その曲が好評なのも相俟ってか、小南以外にもこの機種のファンは多かった。
尤もすみおは「他よりメダルが沢山出るから」との理由からだったが。
「おっ!今日は出てるな」
突然の背後からの声に、小南の打つ手がピタリと止まる。
『まさかバレたのか…!?早過ぎるッ!』
だが彼が振り向いた先にいたのは、野球部員ではなくすみおだった。
「よぉ」
「…びっくりさせないでよぉすみおさん!みずきかと思ったじゃん!」
「悪い悪い。しかしまたサボって来たのか?懲りない奴だ」
「…今日は午前中で終わったんですよ」
小南は振り向き、再びボーナスを消化し始める。彼の横の椅子にすみおは腰を下ろした。
594名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 17:47:58 ID:ulXUud7D
「ところで小南。この後ヒマか?」
「え?…別に予定は無いけど…」
「そいつぁ良かった。じゃあ一つ頼まれてくれ」
どうやらすみおは、小南に用事があってこの店に来たようだった。まるで小南がここに居る事が判っていたかのように。手を動かしながら、小南は会話を続ける。
「いいですよ。この台ももう出なそうだし、このボーナス終わったら帰ろうかなって思ってたから」
ボーナスの消化を終え、小南がメダルを箱に詰める。
「そうか、悪いな。…ホレ。バイト代先払いだ」
すみおが財布から壱萬円札を取り出し、小南に渡した。
「…話聞く前から受け取るのは怖いんですけど」
「ん?気にするな。どうせ泡銭だ」

−−−

 店から出た二人は、カイザース寮に向かい歩き出した。今日の小南の収益は、すみおのバイト代を入れて+37000円。1時間ちょいにしては中々だ。
「で?俺は何をすればいいの?」
「ああ…今日、寮にワシの姪っ子が遊びに来てるんだが、この後ちょいと用事があってな?
ワシは構ってやれないから、その子と遊んでやって欲しいんだ」
子守の類だと思った小南は、すぐさま快諾する。
「分かった。任せて下さいな。すみおさんの用事って何?」
「麻雀だ。古い友人とな」
「…ダメ人間」
「お前が言うな。では頼んだぞ!お前の事はもう伝えてある。鍵は空いてるから、勝手に入ってくれ」
それだけ言うと、小南が止める間もなくすみおは行ってしまった。
「…不用心な」
寮はもう目の前だった。小南は、すみおにその子についてもう少し聞いておきたかったのだが、取り敢えず会ってみる事にした。

寮の裏口の扉を開け、小南が管理人室へと入ると、すぐにストーブの熱気が漂ってくる。暖かいを通り越して暑い程だ。
「…暑い」
小南はとりあえずストーブを消す。そして、勝手が分かっている管理人室の奥へと進み、すみおの姪っ子を捜した。

「・・・」
その子は寝室にいた。設定温度を上げすぎたストーブのせいか、うっすらと汗をかいて上下の下着だけで寝苦しそうに眠っていた。
小南はその子の前で固まる。幼い子だとばかり思っていた彼だったが、目の前で眠る女は間違いなく「幼く」はない。自分と同じ位の年子だ。
さらに、小南はその娘に見覚えがあった。それもつい昨日だ。
部活を見ていた黒髪の綺麗な女の子。その子が今、極めて無防備な格好で彼の前にいた。
「…ん…」
彼女が声を出す。中々に挑発的な声だ。小南に気付いたのだろうか?ただそこに立ち尽くしていた彼だが、段々と理性が擦り減っていくのを自覚し、取り敢えず部屋を出る事にした。
595名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 17:49:08 ID:ulXUud7D
「…おじさん…、あついよ…」
部屋を出かけた小南の足が止まる。彼女の言う「暑い」はおそらく「ストーブを消してくれ」との意味合いも持っているのだろう。だが、やはり言い方が色っぽい。
「…ストーブ消したよ。暑かったから。…その格好風邪ひくよ?」
「…だいじょうぶだよ。おじさん…」

数秒後、彼女はガバッと起き上がり、小南を見た。
「…だれ」
「えーと俺は…、たぶん君のおじさんだと思う人に用事を頼まれたんだけど、今ここに君しかいないの?」
「…すみおおじさんの…ともだち?」
「うん」
「・・・」
彼女の口調が冷淡な事もあってか、小南は焦らず質問に応じる事ができた。彼女はまだ半ば起き切れていないようで、顔と目が寝ぼけていた。小南には、その表情がとても可愛く見えた。
「…あ、あのさ」
「…はい」
「その…すみおさんに、たぶん君の事頼まれたんだけどさ…、
もう少し寝てる?それなら俺はあっちで暫く待ってるけど…」
遂に彼女の瞳がはっきりと開き、昨日と同じ顔になった。
「着替えます…」
「そっか。じゃあ俺あっちにいるから、なんかあったら言ってね」
彼女はこくりと頷いた。小南はそれを確認し、部屋を出て戸を閉めた。

−−−

 「勘弁してよ…。もっと子供だと思ってたのに、俺と同い年位の女の子じゃねぇかよ…。っつーか昨日会ったし。俺にどうしろと?
…まぁ結構可愛いけどさ」
彼女の着替えを待つ小南は、居間で独り愚痴りながら煙草を吹かし、ソファに腰掛けていた。すみおに一言抗議したいが、すみおの携帯の番号は知らないし、何処にいるかも分からない。そもそもすみおは携帯を持ってるのだろうか?
よって彼は、今は考えない事にした。
数分後、彼女が着替えを終え出て来る。小南はそれに合わせて煙草を消した。先日嫌がられた事からの配慮だ。彼女は、白のハイネックセーターとデニムのパンツを身につけていた。胸がそこそこ大きいようだ。
「あ、終わったの?」
彼女は無言で小南の横に腰掛け、こくりと頷いた。
「…えーっと、君は」
「…今野です。今野早矢」
「えー…、早矢ちゃん?あの…」
「はい」
「…近いんだけど」
「・・・」
完全に小南に体を預けていた早矢は、少し体をずらして小南との間に距離を置いた。
「…さむい」
が、一言そう漏らし、すぐにまた小南に寄り添った。先ほどストーブを消火したばかりだが、本来だいぶ気温が低いせいか、部屋の暖気は瞬く間に無くなってゆくばかり。寝起きとあらば尚更かも知れない。
小南の嗅覚を、何時ぞやと同じ早矢の匂いが擽る。淡く甘い香りだ。ちょっと視界を下げれば見える早矢の黒髪も、やはり変わらず美しかった。
596名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 17:50:29 ID:ulXUud7D
「きのう、私と会いませんでした?」
早矢が突然聞いてきた。
「…うん。早矢ちゃん昨日、ウチの部活見に来てたでしょ。すみおさんに連れて来られたの?」
「ううん」
早矢は小さく首を横に振った。

「野球を、見てみたくなったから…」
「へぇ。…で、見た感想は?」
「…たばこ吸ってる不良さんにからまれたから、よくわかりませんでした」
その言葉が、小南の心にグサリと突き刺さる。外ならぬ彼自身の事だ。
「・・・」
「たばこの吸いすぎは、体にわるいですよ」
「…はい。…ごめんなさい」
小南が謝ると、早矢が彼の方に振り向いた。

「…また、見にいってもいいですか?」
「ん?いいよ。またおいで」
「…はい」
小南が了承すると、早矢はうっすらと微笑んだ。その、彼女が初めて見せてくれた笑顔は、彼の恋心を強く擽った。
(やっべ、この子可愛い…)

「あ。それと…」
真顔に戻った早矢がそう呟く。
「ん?何?」
「あなたは…」
「うん」


「…あなたは…、なんてゆう名前なの?」

−−−

 「矢部く〜ん!あたしの球受けてよぉ(はぁと)」
「嫌でやんす!みずきちゃんのシンカーなんてオイラ捕れないでやんす!」
一方で、タチバナ学園野球部では、みずきが矢部をかどわかし、(半ば強制的に)ブルペン捕手をさせようとしていた。
時刻は夕方5時30分。そろそろ西日も沈み切る頃だ。
「矢部とか俺じゃ無理。痛いのもうヤダ。小南引っ張ってきなよ。たぶんあいつアウターヘヴンにいるよ?」
「イ ヤ!もう暗くなっちゃうじゃん!
あたし今日一球も投げ込んでないのよ?あんたばっかりズルイ!いいから受けなさいよ矢部!」
「だから嫌でやんす!」
 みずき必殺のシンキングボールは、体から遠い位置で下からリリースするフォームも相俟り、(特に)初見の右打者に「消えた!?」と思わせる程に沈み、空振らせる事が狙える。
だが同時に、捕手の手前でショートバウンドする際に無作為にイレギュラーする性質があった。
勿論捕れない事は無くはない。だが、矢部はこれで一度眼鏡を割り、主将は2〜3度股間に痛恨の一撃を喰らっている。みずきの捕手を経験した他の部員も、同程度の被害を被っている者が大多数だった。
ただ一人、小南を除いて。

−−−

 「…早矢ちゃん、どういう人が好き?」
「プロ野球選手」
「…ええ!?」
「…と結婚しろ。…ってすみおおじさんが言ってます」
グラウンドでの部員の嘆きなどいざ知らず。小南は早矢とずっと話していた。ストーブの暖など疾うに消え去り、部屋はもう冷え切ってしまったが、何故か再び火を燈そうとはしなかった。
少なくとも、このまま早矢と寄り添っていたかった小南は燈さなかった。結果、二人はずっと寄り添っていた。
「…すみおさんなら…、そう言うだろうな」
小南は少し落胆する。ウチの主将ならプロの世界へ行けるかもしれない。だが自分は行ける筈も無い。そもそも余り興味が無かった。
そう。今の今までは。
597名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 17:51:58 ID:ulXUud7D
「…そっか。そうだよな」
明らかに落胆を含んだ声で小南がそう漏らす。無論、早矢は彼の心境の変化なぞ知る由もない。
「…早矢ちゃんは…早矢ちゃん自身はどんな人が好きなの?」

「…よく…わかりません」
「…「分からない」?」
「…男の人と、遊んだこととかないから」
「…そう…、か。」


それ以上、深く聞くまいと思った小南は別の話題を思索したが、適当な話題が思い付かなかった。結果、場を沈黙が支配する。
数十秒後にそれを破ったのは早矢だった。
「…でも」
「ん?」

「…小南さんみたいな人は…きらいじゃない、と思います」
「…うぇ!?…俺みたいな!?」
「…やさしそうだし、あったかいから。」
唐突な早矢のカミングアウトに小南は驚く。嫌われる事こそあれど、好かれる事なぞありえないと思っていたからだ。
早矢の言葉は、幼子のそれと似ていた。恋愛はもとより、人付き合いすらも極めて希薄であろうこの子の言葉は、他の誰より本心を語っている気がした。
「たばこは嫌いですけど」
「・・・」
小南はしばらく固まり、切り返しに手間取った。そのうち言われるだろうと思ってはいたが、面と向かって言われてみると些かショックだ。一方の早矢には、もちろん悪びれた様子などはない。

「小南…さん」
「なに?」
沈黙を破ったのは早矢。さしたる会話が思い付かなかった小南は、内心安堵した。
「おなかがすきました」
「…そう?じゃあなんか食べにいこっか?」
「…人込みは嫌いです」
「…じゃあ、何か買って来るよ。早矢ちゃんはここで待っててな」
早矢の答えは半ば予想できたものだったので、小南は単身でコンビニに行こうと立ち上がる。
「あ…」
「ん?」
吃る早矢。何か買ってきて欲しい物のリクエストでもあるのだろうか?

「…わ、わたしも、いっしょに行っていいですか」
これは予想外だった。小南は少し驚いたが、早矢の気持ちが変わってしまう前に連れていく事にした。

−−−

「何がいい?早矢ちゃん」
「あ…あの…、わたしはその…なんでも…」
聖タチバナの近くのコンビニで、二人は品定めをする。早矢はまるで初めて来る場所でもあるかのように、終始落ち着かない様子だった。
早矢に歩を合わせ、彼女の嗜好を聞いたりしながら、暖房の効いた店内を回る。商品を選び終える頃には、なんと入店から1時間近くが経過していた。
「い、いいんですか?わたしもいくつか買ったのに…」
「あ、大丈夫だよ?すみおさんにお金貰ってるから」
「…はぁ」
遠慮する早矢を制し、会計を済ませて二人は店を出る。先程より北風が強くなっていた。
「…さむい…ですね」
「…早いとこ帰ろっか」
早矢がマフラーを巻き直し、二人がさしたる明かりもない街路を歩き出したその時。

「寒い寒い〜!う〜凍死しちゃう〜!」
その大袈裟な声に二人が振り向くと、聖タチバナ学園の制服に身を包んだ女生徒が、数人の連れと店に入ってゆくのが見えた。

先頭を切って入店したのは、紛れも無く橘みずきだった。
598名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 17:53:04 ID:ulXUud7D
「やばいッ!みずきだッッ!!」
学校の最寄りである事、そして時間を掛け過ぎた事が災いした。
小南はそれらを一瞬後悔したが、幸運にも暗がりにいた彼等に誰も気付く事なく、全員が店内に消えていった。
「小南のヤツは結局戻って来ないしさ!次会ったら天に還してやる!」
店内から、暖気に安堵する声と共にこう聞こえた気がした。是が非でも空耳であってほしいものだ。

「…あー怖かった」
「ど、どうしたんですか」
何が起こったのか分からない、という顔をした早矢が、小南に尋ねる。
「…あ?ああ、あれうちの部の奴ら。見つかったら私刑にされる」
「…しけい?」
「具体的に言うと、ゴムの拷問器具で殴打される」
小南は間違った事 は 言っていないが、この説明に大半の人間は、事実よりもはるかに恐ろしい事を想像するだろう。もっとも、早矢は頭に?マークを浮かべていたが。
「…あんまり想像しなくていいよ。世の中には知らなければ良かった事の方が多いから」
「はぁ…。…あの」
「ん?」

何か言いかける早矢。そこで小南は気が付いた。さっき走って逃げようとした際に、早矢の手を握り込んでいた事に。

「…」
「…ゴメン」
直ぐさま手を離す小南。咄嗟の行為に過ぎなかったが、早矢にそれを意見された事に、彼は些かショックを受けた。

「…帰ろっか」
「…はい」
表情を変えない早矢。行いを後悔してしまい、俯く小南。よって彼は、今自分の手の甲を包み込んだ冷たい柔肌。それが早矢のものである事に気付くのにやや時間を要した。

「…あれ」
「…手、つないでてくれないんですか?」


「…繋いでていい?」
「放したら、さむいじゃないですか」

「…うん」

自分の手より遥かに小さい早矢のそれは、とても冷たかった。

そして早矢は笑った。マフラーの合間から覗ける早矢の顔は、確かに笑っていた。

小南は幸せだった。早矢はどうなのだろうか?自分と同じ感情が彼女にも芽生えてくれているのだろうか?
だが、今はそう信じた。

そして、凍てつく空にそう願った。
599名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 17:59:35 ID:ulXUud7D
待つ事を諦め投下。いまさらなんですが、まとめwikiの「FAKE STAR」ことマイライフの早矢ちゃん物の続きです。
ちょっと続きの投下が遅れるので(数時間ほど)、もし読んでくれる人がいればwikiを見直してくれると幸いです。
知らない方と興味無い方はすみません。

…え?早矢って誰?萌えない?俺は大好きですすいません。

ではまた。
600名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 20:52:52 ID:1eGzMxKM
13マイライフにおける俺の不動の嫁がついに
601つづき。:2009/01/02(金) 23:58:02 ID:ulXUud7D
 …化手術、薬物投与がそれぞれ過去一回ずつ。結果はどちらも成功しています」

(…あれ、誰だっけ?この看護婦さん。チチでけぇ)

「Oh!パイオニア!彼ナラ今回ノ手術ニモ必ズ応エテクレルデショウ!成功ヲ以テ!」

(っせぇハゲだな。…あぁ。またあの夢か)

「はい博士。成功率は30%程となります」
「ワカリマシタ。デハ開始シマス」

(…あれ、なんか体痛くね?あっ、痛い痛い夢なのに痛い!)





「…脳波に異常。代謝機能及び身体値低下。どうやら失敗ですね」
「…科学ノ発展ニ犠牲ハ付キモノデス」
「ええ。道理です博士。
…では、このサンプルは記憶を消去し廃棄処分。以後の被験者リストから除外します。お疲れ様でした」
「後ノ処理ハ任セマース!ゲドー君」

−−−

 「という夢を見たんだ」
「…こわ!人体実験やないか!」

半年ほど時は過ぎた。小南はタチバナ学園の二年生となり、入学式その他を終えて部室へ向かう。
共に歩む原啓太が、小南が語る生々しい昨夜の悪夢に身震いした。
「前にもおんなじような夢みたんだけど、そん時は「oh!great!」とかぬかしてたから成功だったっぽいんだよ。痛くなかったし」
「…小南もうやめてーや!聞いてるだけで痛いわぁ。
…ちょっとトイレ行ってくる」
原は怖い話に弱かった。小南はネタがあるとまずは彼と矢部に話す。原のマジな反応は見ていて飽きなかった。
「先行ってるよー」

−−−

部室に着いてドアに手をかけると、鍵は掛かっていなかった。
「…あれ、誰か来てる」
そのままドアを開けると、見知らぬ女の子が椅子に座っていた。
「…誰あんた?」
小南の声に、群青色の髪を裏で結わえたその子が赤い瞳を彼へ向けた。
「人に名を尋ねる際は、まず自分の名を告げるのが礼儀だろう?」
「おっと失礼嬢ちゃん。俺は小南っていいます」
「誰が嬢ちゃんだ。
私は六道聖。ここの野球部に入ることになった。…どうかよろしく」
彼女はぺこりと頭を下げ、小南も「はいよろしく」とそれに応じた。そして顔を上げ、小南に部室の鍵を渡す。
「みずきからの預かり物だ。「ごっめ〜ん!今日遅れる!」だそうだ」
「ああそう?わかった」
そのまま、聖はすたすたと部室を後にした。見たことの無い顔なので、おそらくは新入生だろう。
「…入部するって…、マネージャーかな」

小南は少し考えたが、すぐに彼女を忘れる。みずきと知り合いのようだったので、後で聞けばいい。と、そう考えた。

小南は、この短い部室までの距離を、バッグを持って歩いてきただけで息切れしていた自分に気付かなかった。
気付いたとしても、「やめて半年経ってもタバコの毒は抜けないもんだな」とでも彼は思った事だろう。

そうではなかったのに。
602名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:00:12 ID:ulXUud7D
 練習の開始から一時間半程が経過した頃、遅れると言っていたみずきがようやく参じる。
彼女の横には、どこかの中学のユニフォームに身を包んだ女の子がいた。紛れも無く、先程部室にいた子だった。
「おせーよみずき。何サボってんの」
「サボりじゃないわよ!てゆーかアンタにだけは言われたくないんだけど!」
「…あー、それもそーだな。
…ところでその子は何者なのさ?確か…、六道輪廻ちゃん?」
自嘲気味に笑んだ小南は、先程みずきに聞こうとしていた事を思い出す。
「六道 聖 だ。失礼な男め」
彼は人の名前を覚えるのが苦手であった。
「…それは御尤で」
「この子新しく入部するのよ。ちょっと早いけど、練習参加させてもいいでしょ?」
みずきが主将に判断を仰ぐ。彼がすぐ快諾すると、みずきと六道は更衣室へと入っていった。

「…あ。キャプテン、みずきらが来たし休憩入れない?」
何かに気付いたそう小南が提案する。区切りが良かった事もあってか、主将はそれに従い各々に休憩を促した。

プロテクタ等とミットを外した小南が、グラウンドの端の方へと歩いてゆく。
向かう先には、今野早矢がいた。いつしかと同じ道を通り、彼女は小南達の練習を見に来たのだった。
「迷わなかった?早矢ちゃん」
「…はい。途中まで、おじさんといっしょでしたから。…はじめてじゃないですし」
「そうか。…で、その手に持ってるのは何?」
早矢は、竹片か藁のような物で織られた大きめの篭を持っていた。
「あ、あの…、みんなで…食べてくれますか」
それには、彼女が作った部員への差し入れ…、和洋様々な菓子が入っていた。
「…すげ、早矢ちゃん作ったの?」
早矢が遠慮がちに頷く。小南はそれを受け取り、部員を呼んだ。飢えた彼等はすぐ集まった。

「俺の友達からの差し入れ。食べていーよ」
そう促すが、部員はそれにすぐ手を付けようとはせず、小南に問いだ。
「…誰や小南?あの子は?友達?ウソ付くなや」
「誰でやんすか!髪サラサラでやんす!可愛いでやんす!人形みたいでやんす!」
原と矢部同時に小南へ詰め寄る。小南は焦り、部員達の視線が一斉に向けられた早矢もたじろいだ。
「う゛…、パチンコ屋で知り合ったおっさんの姪っ子だよ。俺とは別に何にもないから!
…今のところは」
そんな風に小南は必死に弁明するが、部員達の追及はなかなか落ち着かない。
そして部室のドアが開き、着替えを終えたみずきと六道が出て来た。
六道はなんとキャッチャーミットを持っている。
603名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:01:50 ID:P2QKJmBE
「…む。この匂いは!」
聖が小南に近づき、篭の中身を見る。
「おい、これはどうした」
聖の視線は、その中のおはぎに向けられているようだ。
「あー、俺の知り合いの子が作ってくれた差し入れ。ほれ、あの子」
小南が示した先にいる早矢に聖は視線を向け、彼女の元へ歩み寄った。
「…い、戴いていいか」
一瞬驚いた早矢だったが、目を輝かせる六道に対しそれをすぐ快諾する。
「は、はい。…どうぞ。み、みなさんも、どうぞ」

小南への質問攻めはとりあえず落ち着き、皆が差し入れをつまみ始める。
その隙を突き、小南は部室裏へとそそくさと逃げていった。

−−−

「…おはぎなのにこし餡!?つぶ餡はダメか?…しかしこれも悪くないな。どこのを使ってるんだ?まさか餡も自家製か?」
「い、いえ…、パワ堂さんであんこは買いました。あそこのがいちばんおいしいと…思って」
「む…、私も同意だ。なかなか話が合うな。
…だが、もう少し甘い方が私は〜」

部員達が差し入れを食べ、聖と早矢がおはぎ談議を繰り広げる中、そこを抜け出す事に成功した小南は、いつものように煙草を吸い始めようとしていた。
だが、とっくの昔に禁煙を誓い、それを遵守し続けている事をすぐに思い出す。
面倒事や都合が悪くなったらここに逃げ込む癖。喫煙はしないまでも、長く続いた習慣は中々変わらないものだ。

「…あーあ。クセが抜けねぇな。そのうち吸っちゃうかも…」

「…小南さん」
「はっ、はい!」
いきなりの後ろからの声に小南は焦ったが、振り向いた先にいた早矢を見て、彼は大きく溜息をついた。
「…早矢ちゃんか。どうかした?六道と話は終わったの?」
「…はい。えっと、小南さんは…食べてくれました?」
早矢は小南の横に腰を下ろし、そう聞いた。
「あぁ…、まだ食べてない。…なんか朝から体調悪くてさ」

そう言った小南は、前言を心の中で撤回する。少なくとも早矢の前では決して吸うまい。彼は改めてそう誓った。
「…そう、ですか」
普段あまり表情を変える事のない早矢だが、小南の答えを聞いた彼女のそれには、明らかに落胆の意が混じっていた。
「…あぁっ、まだあんまり動いてないからだよ!ほら!あ、甘い物だしさ?もう少し動けば食べたくなるよ!」
小南は焦った。
「・・・」
「…ごめん。」
彼は普段、あまり人を気遣わない。ゆえに、しきりに早矢を気にする小南のこの様子は、彼女が小南にとってどれだけ特別かという事を示していた。

「…小南さんに、…つくってきたんですよ…?」

一方の早矢も、普段は他人の為に食べ物を拵る事など殆ど無いし、感想を求めたりなどはしない。

小南に食べてもらっていない事実を悲しがる彼女の様も、小南が早矢にとって他人とは一線を画している事の顕れだった。

「…わかってる」
横にいる早矢の肩に手を回し、小南は彼女を寄せる。
604名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:02:35 ID:P2QKJmBE
人に触れられるのは決して好きではなかった。今も昔も、そして…これからも。
だが、唯一進んで触れてくる存在となった小南。早矢は、彼に触れられるのが心地良かった。そしてそれがとても嬉しかった。かつては彼から漂ったタバコの残り香すらも愛おしく感じた。

この半年程の月日は、二人の距離をそれだけ縮めていた。

「…泣いてる?早矢ちゃん」
「…泣いてません」
泣いてこそいないが、ほんの少しの強がり。彼女がちょっと拗ねてみせたり、頬を膨れさせたりする唯一無二の相手は彼。
「…もう練習戻るけど、何か一個取っておいてくれたら…嬉しいかな」

「…はい」
顔を上げた早矢はいつもの表情に戻っていた。やや紅潮しているようにも見えるが。
小南はそれに安心し、早矢の頭を撫でる。目を閉じてそれを受け入れる彼女に小南は笑いかけた。

そして彼は練習に戻っていった。
グラウンドの風が、少し強くなっていた。
605名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:04:23 ID:P2QKJmBE
 「シンカーいっくよ!聖!」
「わかった。来い」
「…おっ?」
グラウンドに小南が戻ると、みずきが聖相手に投げ込みをしていた。握りで球種を示し、投げ、聖が余す事なくそれらを補球する。
時たま酷くイレギュラーするも、聖は決して零さなかった。
その度に部員達から感嘆の声が上がった。
「…おぉーすげえ。やるねぇ」
「あんな完璧に捕れんの他に小南位じゃね?」
「いやいや、可愛いぶんこっちが上でやんす」
「あーそれ間違いないわ」

「…たいしたもんだな」
小南も思わず感心する。聖は少なくとも捕球に関しては本当に上手かった。
後に貧打弱肩鈍足である事も明らかとなったが、それでも十分お釣りが来る程だ。
むしろそれがまたカワイイんじゃないか!との意見の方が多いかもしれない。
少なくとも、入部した時の自分よりゃ幾分まともだろう。彼はそう思った。

聖に群れる人の輪を避け、小南は再びブルペンに戻って主将の球を受け始める。ミットに収まった球を主将に投げ返す度に、小南の額からは嫌な汗が滲み出た。
早矢は、一つだけ残したおはぎを大事そうに抱え、ブルペンの横でその様子をただ見守った。

「…ぐっ」
小南が52球目を主将に返した時、同時に苦痛を訴えるかのような声を上げた。それを聞き取った主将が怪訝そうな顔をする。
「…どーかした?小南」
「ん、…なんでもない」
「…?そうか」
小南の否定を受け、その場は何事も無く流され投げ込みは続いた。


それは、さらに20球の後だった。
「…っぐぅっ!!」
同じく球を投げ返そうとした小南は、奇声とも取れる声を発すると共にそれを断念する。
球は地面に零れ落ち、主将がすぐさま小南に駆け寄り、早矢は思わず立ち上がった。
「…おい!?どーした?」

「…肩が…、肩が痛いよ…!」
ミットで右肩を押さえ込む小南。顔は苦痛に歪み、尋常ではない汗を滲ませていた。

「…みずき!加藤先生呼べ!早く!!矢部君!大京!手ぇ貸してくれ!!」
フリー打撃の守備に付いていた二人が、異常に気付いて駆け寄ってくる。その投手を務めていたみずきは校舎へと急いだ。

「…小南さん…?」
早矢はただそこに立ち尽くした。担架で医務室へと運ばれてゆく小南をただ見送る事しか出来なかった。


春風が、地に散った桜の花びらを再び舞い上げる。早矢の髪と共に。

力無く膝を崩した彼女は、春が少しだけ嫌いになった。
606名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:07:10 ID:P2QKJmBE

−−−

 「酷いわね…」
聖タチバナの保健医、加藤 理香は、小南の肩を見て溜息と共に率直な意見を漏らした。

小南の右肩は、赤黒く内出血を起こし、左と比較し大きく腫れ上がっていた。
同時に、裂傷にも似た傷が数箇所あり、今にも血が滲んできそうだ。
「(…この傷痕は…、間違い無く博士のメスの痕。この子は被験者…、いえ、被害者だわ)」

「…生?…先生!」
橘みずきの声に、加藤はハッと我に還る。
「はい!…え、ええ。何かしら?みずきさん」
「小南くんの肩は…、小南くんは大丈夫なんですか!?」
然るべき…且つ核心を突くその問いに、加藤は首を縦にも横にも振れなかった。
「…まだ何とも言えないわ。ごめんなさい。色々検査してみないと」
「・・・」
半ば予想された答えに、みずきは俯いた。今にも泣きそうな顔をして。
「…とにかく。彼の事は私達に任せて、あなたは練習にお戻りなさい。…他の部員の子達にも、そう伝えてなだめてあげて。…ね?」
「…はい」
みずきは力無くうなだれたまま、医務室からグラウンドへと戻っていった。
それを見届けて、加藤は再び大きく溜息をつく。そして、鎮痛剤により眠りにつく小南の肩に手を置き、独り呟いた。
「…こんな事…、いつまで続けるのかしらね。あの人達は」

−−−

 目を醒ました小南は病院にいた。右肩には幾重にも包帯が巻かれており、その上からギブスで固められていた。
「・・・」
包帯の下には、確かな肩の感覚があった。やや熱を帯びている気がするが、不思議と痛みはなかった。麻酔を打たれただけかもしれないが。

「おはよう。小南くん」
いつの間にか、もしくは最初から病室にいた加藤理香が小南に声をかけた。小南は気配を感じなかったが、驚きもしなかった。
「…先生。…どうも」
ぺこりと首だけを動かして挨拶をする。
「具合はどう?痛くはないかしら」
「はぁ…、おかげさまで」
加藤は何やらカルテのような物をテーブルに置き、ベッドの傍の椅子に腰掛ける。
そして長い沈黙が作られ、彼女が重く口を開いた。

「…私の話…、聞くのは怖い?」
小南は外を見ていた。夕日が沈みきる寸前の空は、あまりに綺麗な群青色をしていた。
「いいえ。…つーよりむしろその前置きが怖いすけど」
「…そうね」
互いの返事は短く、間を置かずに加藤は述べ始める。
607名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:07:41 ID:P2QKJmBE
まず、小南の肩はもう治らないであろうという事。肘と下半身にも同様の危険がある事。
よって野球を続けるのは不可能である事。
小南は返事も相槌もうたず、ただ外を見ながらそれを聞いていた。結論を聞き終わる頃、ちょうど夕日は水平線の向こうに消えた。 
「…あなたの全身は今、切れ込みの入ったゴムのように危険なの。強い負荷がかかれば、いつでも弾け飛ぶ恐れがある」

今まで博士の手術の犠牲となってきた数多の野球少年達が、例外無くそうだったように。

「…だから、野球はもう…」
「言う事はっきり言いますよね。先生って」
小南が加藤の言葉を遮った。
「…あ…」
加藤が、やや申し訳なさそうな顔をする。

「そーいうトコ、嫌いじゃないすよ」
そう言って振り向いた小南は、いつもと変わらない顔をしていた。
「…残念だわ。本当に」

壁掛け時計の秒針だけが、二人きりの部屋に響いた。

「先生」
「…なにかしら」
再び光の消えた外を見ていた小南が加藤を呼ぶ。彼女がすぐにそれに応じた。

「少し、外してもらっていいすかね」
「…ええ」
その短い返事と共に、加藤は部屋を後にする。ドアが静かに閉まった後、小南は天を仰いだ。
608名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:08:35 ID:P2QKJmBE

−−−

 「電灯もつけてないのか?」
暗がりで突然響く声。そしてほぼ同時に部屋に明かりが燈った。六道聖がドアの前に立っていた。制服に着替え、手に何か持っている。
「あー…、嬢ちゃんは確か…」
「…六道聖だ。いい加減覚えろ、失礼な奴め」
小南が「ああ」と頷く。
「そうそう六道さん。どうした?練習終わったの?」
聖が表情を変えずに小南に近づき、持っていた物をテーブルに置いた。お中元にでもありそうな、各種パワリンの詰め合わせだった。
「…どしたのコレ」
「みんなで買ったお見舞いだ。入院するかなぞ知らないが、まぁ飲んでくれ」
「…ありがと。キャプテンとかみずきは?」
聖が椅子に腰掛ける。頭の後ろで結ばれた髪の毛の先端がふわふわ揺れた。
「みずきは先輩がやたら心配らしく、ぎゃあぎゃあ騒いでたのでキャプテンが連れ帰った。そしてそれを渡してくれと頼まれた」
安易に想像出来る状況に、思わず小南は苦笑した。
「…じゃあ「あんま心配すんな」っつっといてくれや」
「承る。…では私は帰るぞ」
そう言って聖は立ち上がり、さらに言葉を連ねた。
「治った後は今以上に身体を労り、決して無理はしない事だな。先輩」
そして、ぺこりと頭を垂れ踵を返す。

「六道」
ドアノブに手をかけた所で、小南が聖を呼び止めた。
「なんだ」
聖が振り向く。あまり感情の伺えない赤い瞳が、再び小南に向けられた。

「…おまえ、みずきの球しっかり捕れるか?」
聖の瞳が一瞬大きくなった。
「…?ああ。ほとんど零さないで捕れる…と思うが」
「うちの主将の球は?受けられそう?バカみたく速いけど」
小南がそう続け、聖がやや考えてから答える。
「…おそらくは。今日見た感じでは…だけど」
「ならいいや。…それだけだ。引き止めて悪かったな」
やや不自然な話の終え方が聖は気になったが、深い詮索はせんとした。聞ける程に親しい間柄ではない。
「…昨日今日入部したばかりの私は、多々なるご迷惑をかける事と思う。しかしながら、誠心誠意頑張っていくつもりだ。
同じ捕手の先輩として、指導の御鞭撻の程を…」
「あー。勿論だ」
聖は再び頭を垂れ、部屋を出て行かんとドアノブに手をかける。小南は既に聖を見てはいなかった。

「お…来たな。後は任せるぞ」

よって、聖と入れ代わりで入室してきた者に気付くのが遅れる。元々希薄な彼女の気配も、それに拍車をかけた。
609名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:10:39 ID:P2QKJmBE
「小南さん…」
彼女は小南の名を呼んだ。虚に窓を見つめる小南は、すぐさまそれに気付く。

今、一番会いたい人の声だった。今の自分を一番知られたくない人だった。先の加藤保健医からの通達。それを知られるのは怖かった。
「…早矢ちゃんか」
取り繕う言葉を思索しつつ、ゆっくりと振り向く。ドアの前に立っているは、他の誰でもない今野早矢。

「…みんなと…一緒に来
小南が紡がんとした言葉は、早矢に抱き着かれた事により途切れた。彼女の髪と匂いがふわりと舞い、小南の視界は遮られる。

「…しんぱい…しんぱいしたんですよ…?小南さん、死んじゃうかもって、わたし…!」

初めて見る、早矢の泣き顔。紫紺の瞳から溢るる涙。嘘偽るための苟且の言葉などは、瞬く間にかき消された。

「…心配かけたかな。うん…、俺は大丈夫。大丈夫だから…」
自分の胸に収まる早矢の頭を撫でると、彼女が顔を上げた。

「…ほんとに?」
「うん。ほんとに」

小南が早矢と知り合って約半年。小南が何かに誘えば彼女は必ず来てくれたし、いつも楽しく笑ってくれた。小南はそれが嬉しかった。
『知り合いの姪と遊ぶ』に過ぎなかった二人の間柄は、ここで明確な終わりを告げる。

唇を重ねてみても、早矢はさほど驚かなかった。ちょっと目をぱちくりさせたが、それだけだった。
「んっ、…ん…ぅ」

物心付くか付かない頃に、母親がしてくれた気がした。極めて親しい間柄の者同士が行う愛情表現。
…もう、これからの私には永劫縁のないもの。半年前まではずっとそう思ってた。この人と知り合うまでは。

唇を離す二人。すると早矢がみるみる顔を赤くし、小南から目を逸らした。
「…ごめんなさい。あの…、なんか恥ずかし…くて」
「…ごめん」
小南が自らのキスを咎めているのかと考えた早矢は、首を横に振り否定した。
そして、俯きかけた小南に向かい今度は早矢からキスを贈った。
「…これで、おあいこ。」

二人の距離が、また縮まった。


(…幸せ者だな。先輩は)
ドアを隔てた向こうにいた聖が、一人ぼそりと呟いた。あわよくば小南の怪我の具合でも聞けるかと思い、こっそりと残っていたのだが、すぐに考えを改めた。
「…あまりに不躾だな。帰るか」
実は、早矢をここまで連れて来たのは聖だったりする。なんだかんだで面倒見のいい彼女の性分を知るのは、野球部ではまだみずき一人だけだっだ。
(…またお菓子作ってきてくれないかな…)
早矢が作った和菓子の味が、廊下を歩く聖の脳裏をよぎる。涎を垂らすかと思ったところで、彼女ははっと我に還った。
「…何を考えているんだ、私は」

−−−

 コンコン。とのノックの音に続いて、がちゃりとドアが開く。視界はゼロと言える小南の病室に加藤理香が再び入ってきた。
「起きてるかしら?」
電灯が点いて部屋が照らされ、誰もいない室内が露になる。
「…帰っちゃったか。」
小南の今夜の入院の旨を伝えに来た彼女だったが、半ば予測していたようで、さほど驚きはしなかった。

「…若いっていいわね」
610名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:11:47 ID:ulXUud7D

 キスはもう初めてじゃない。といってもその初めてはついさっきだけど。
二人きりはとても落ち着く。彼のにおいがいっぱいする。小南さんのにおい。
二人で並んでベッドに座り、私の髪に触ってくれる。小南さんの掌が、髪から首へ。背中からわたしの胸へと回される。
人になんか絶対に触られたくないところ。人込みで触れ合うだけでも嫌。だからわたしは人込みは嫌い。

だけど、私に触れるために伸ばされるこの人の手を、わたしは拒まない。唯一無二の例外。

わたしの小南さん。

…体がむずむずする。息が荒くなる。くすぐったくてすごく恥ずかしい気がする。いや…ではない気もする。

「…万歳して」
「…?こう…ですか」

言われるままに両手をあげたら上着をまとめて脱がされた。上は下着だけ。さすがに恥ずかしい。

わたしの胸はおおきい部類に入るみたい。両の掌であらためて触られて揉まれる。むにゅむにゅと玩ばれる。
「…はッ、あぁ…、んぅ…」
くすぐったいが強くなったみたいな感覚に襲われる。どんどん強くなる。
ベッドに倒されて、腰からお腹にくちづけされた。ちゅっちゅっとエッチな音がたつ。おへそを舌でちろちろとくすぐられる。すごく恥ずかしい。

「…くすぐったい、ですよぅ…。はぁ」
声に出てしまった。けど小南さんの動きは止まらない。
「…早矢ちゃん、すげぇかわいい。色っぽい」
…むしろ、わたしが喋ると小南さんが元気になってく気がする。気のせいかな…
「…肌真っ白だね。雪みたい」
…小南さんは、もっと焼けた肌のほうが好きなのかな…。そう考えたらちょっと悲しくなった。
今日見に行った小南さんの部活に、綺麗な女の人が二人いた。私のお菓子を褒めてくれた人と、私と正反対な…太陽みたいな活発な人。
もっと自分を前に出せたら。と私はずっと願ってきた。こんな私が大嫌いだった。

でも…今はもういいんです。こんな私でも好きになってくれる人はいたから。


「…あ。」
色んな事を考えていたら、いつの間にか上の下着が無くなっていた。わたしの胸が露わになって、小南さんにじっと見られてる。ものすごく恥ずかしい。
「…あ、あの!…あんまり見られるとわたし…
恥ずかしくて死んじゃいます…」
そうお願いして、わたしは顔を覆って視界を絶った。顔から火が出るって思った。
「…あっ!」
胸の先端に、濡れた人の体温を感じた。舐められて、吸われてる。もう片方は指でくりくりされてるみたい。
むず痒くて、くすぐったい。…でもちょっと気持ちいい。恥ずかしすぎて恥ずかしくなくなった。

「…早矢ちゃんのおっぱい」
片方の胸の先からちゅぱちゅぱ音がして、もう片方はまんべんなく揉まれてる。頭がふわふわしてどこかに飛んで行っちゃいそうです…
611名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:12:58 ID:P2QKJmBE
「…はぁっ、あっん!だめですよぅ…、吸わないでぇ」
小南さんがわたしにくれる感覚は、恥ずかしいけど嫌じゃない。
でもこのままだと、もっと恥ずかしい私の様を見られちゃう気がする。それは少し怖い。
「…はぁ、はぁ…、…ふぇ?」
胸から彼の体温が離れた。恐る恐る目隠しをとってみると、わたしのズボンが脱がされようとしていた。
ベルトが外されて、ボタンも外れて、ファスナーがジーって下ろされる。
「腰浮かせられる?」
「は…い」
結局言われるがままのわたし。おっぱいを隠しながら腰をあげる。
するするとズボンは脱がされて、パンツと靴下だけにされた。我ながらなんて格好だろう。考えるだけでくらくらする。
そして小南さんも服を脱ぐ。上下の上着が無くなると、固く巻かれた右肩の包帯が目についた。どうしたんだろう?
「…肩、だいじょうぶ…ですか」
「…ちょっと、包帯がキツイかな」
彼がははっと笑い、包帯をしゅるしゅると解いてゆく。私は言葉を失った。
そこは、内出血の集まりのように、赤黒く腫れていた。今にも血が滲んできそうだった。

「いたく、ないんですか…?」

「…麻酔されてるみたいでさ。痛くはないよ。少し熱持ってる気がするけど。
でも、手先まで感覚があるから不思議だよね」
そう言って小南さんは指先を開閉してみせる。わたしから見ても、明らかに軽くはない怪我なのに。
…わたしに見られて、痛くないように振る舞ってるとしか思えない。
でもわたしは深くは聞けなかった。
小南さんが、私を起こして抱き寄せる。おっぱいが彼の胸でふにゅっとつぶれた。
「…ふぁ」
おっぱいの先っぽと、キスされる首すじがくすぐったい。小南さんの吐息がすごく近い。
そして、いつの間にか目の前にある彼の右肩。とても痛々しい色。
小南さんの攻めが緩まったので、わたしは彼の肩に舌を這わせてみる。…ちょっと仕返し。
「…うぁっ」
…彼の肩はやっぱり熱かった。他のどの所よりも。くちびるも軽くくっつけて、少しだけ吸ってみた。
「あっ…、…早矢、ちゃん…」
舌でぺろぺろしていると、彼の体にざわざわと鳥肌がたってゆく。同時に、私のお腹の下…小南さんの股間から圧力を感じてくる。何かが盛り上がってくる。
「…ふぁ?」
気になったので口を離して見てみると、彼の下着がテントを張っていた。そしてびくびくとわずかに動いていた。…すごくエッチな気がする。
小南さんが器用に下着を脱ぐ。彼のそれは、反動をつけて反り返った。
612名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:13:56 ID:P2QKJmBE
すっごくいやらしい形のそれは、小刻みに頭を上下させていた。剥けかけたような皮の先が、何かの汁で塗れていた。
「…わぁ」
後に、これがわたしのあそこに入ってくる…。想像もつかないけど。保健体育で習っただけの知識。なんて役にたたないんだろう。
「…早矢ちゃん…」
小南さんを見上げると、彼もわたしを見ていた。彼の目が「触ってほしい」と言ってる。そんな気がした。

恐る恐る指を伸ばして触れてみると、それはびくんと大きく動いた。…痛かったのかな。
「痛く…ないですか?」
ゆっくりと上手にこすりながらそう聞いてみる。どうやら、気持ちいいらしい。
「…うっ、く…、あ、は…早矢ちゃん、…握ってみて。…っく」
「…は、はい」
小指から順にかけてゆく。握りしめると、それの脈動が掌を通じて生々しく伝わってきた。
「…そのままっ…!…上下に擦って…みて」
言われるままにしゅっしゅとこすってみる。段々と、わたしの体を触られるのより恥ずかしい気がしてきた。
「き、きもち…いいんですか」
彼は答えず、首をわずかに縦に振る。小さく洩れる彼の喘ぎに、わたしは少し嬉しくなった。
「…うっ、あっ、あぁっ、早矢ちゃん…!」
わたしの手の中で、更に固くおっきくなってゆく。先っぽからの液体が、わたしの手に塗れてちゅっちゅっと音を立てた。

「…く、…早矢ちゃん、もう…いいよ」
「わ、わかりました…」
しばらく続けていたら、小南さんから止められた。掌を広げると、粘液がぬちゃっと音を立てた。

「…ひゃっ」
そしてわたしは再びベッドに押し倒される。同時に、わたしの最後の下着がするするとおろされる。
「そ、そこはっ…」
もじもじしてみたけど、たいした抵抗にはならなかった。
恥ずかしい毛を小南さんに見られてしまったと思えば、間を置かずに股を開かれて、もっと恥ずかしい所があらわにされた。
「…イヤっ。…イヤぁっ」
羞恥の余りに涙が出た。このまま見られ続けたらわたしは死ぬだろう。そう思った。
「…あっ!」
毛と入口が何かに撫でられる。体がびくんと震えた。
わたしの股の真上にある小南さんの顔。舌で舐められている。恥ずかしすぎる。
「…ふぁ、あっ、き、きたな…です…っよ、んぅ!はぁ…あっう」
小南さんの舌の動きははっきりと分かった。上下に撫でられ、入口を拡張され、中に押し込まれ、おしりの穴にも触れられる。
「はッ、あ!…っんぁっ!んぅ!ダメぇっ…!」
認めたくない感覚。初めて味わう口での愛撫。例え様のない快感。エッチな声が口から洩れる。
613名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:14:51 ID:P2QKJmBE
程なくして舌が離れると、恥ずかしさの緩和と淋しさが同時に訪れた。
「はぁ、…はぁっ、ふ…ぁ」
さっきわたしが擦ってた小南さんのあれが、ぐちょぐちょになってしまったあそこに向けられる。
そして、ねばねばとした粘液を纏い、股間同士が触れ合った。

「…入れていい?最初痛いかも」

なんにも考えられなくなったわたしは、頭をただ縦に振った。口から垂れるよだれすらも、気にかけてはいられない。

「んっ…」
体外からの別の体温の進入。熱をもった小南さんの固いものがわたしの中にめり込んでくる。

「…くっ!」
「…んぁ!」

ずぶり、と一気に突き刺された。痛い、痛くて熱い。小南さんのあれの形がはっきりとわかる。小南さんの鼓動が伝わる。
「あ…ぁ…!いっ…痛いよぉ…」
たまらず声に出た。すると小南さんは手を握ってくれて、キスをしてくれた。少しだけ痛みが引いていく気がした。
「ん…む…ぅ」
わたしからも舌を絡めてみる。濃厚でエッチなキスと共に、小南さんが腰を揺すりだす。
「んあっ…、あっ…、あっ!」
出たり入ったりを繰り返され、わたしは恥ずかしい声を漏らす。
「くぅ…、早矢ちゃん…」
小南さんは…気持ちよくなってくれてるみたい。彼の弛緩した顔を見ると、それだけで嬉しくなった。
淡々と繰り返される出し入れの所々で、小南さんはわたしの苦痛を和らげようと色々してくれた。
気持ちいいところを触ってくれたり、髪を撫でてくれたり。
痛みが消えたわけではないけど、それ以外の感覚も生まれた。依存性のある、甘美な感覚。
「早矢ちゃん…、早矢ちゃん!」

そしていつしか、小南さんは出し入れの速度を上げる。小南さんの汗がたくさんわたしに降りかかり、すごく切羽詰まった顔をしていた。
「小…南、さぁん…!」
わたしを呼ぶ声に、声を絞り出して応える。熱い、体が熱い。
終わりが近い事を悟ったわたしは、両手を広げて小南さんに抱擁をねだった。
彼がわたしの頭と背に手を回し、わたしを強く抱きしめてくれた。
もう何も怖くなかった。

「…ああっ…く!」
「ふぁっ…あ…あぁ!?」
わたしの1番深いところで、小南さんの動きは止まる。
逆に、わたしに突き刺さった小南さんのあれはびくびくと動き、わたしの中に何かをたくさん出していた。とても熱い…何か。
麻薬か或いは麻酔か。わたしの傷口を充たしてゆくそれに、わたしは次第に睡んでいった…。
614名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:15:56 ID:P2QKJmBE

 しばらくして目覚めたわたしは、口で綺麗にしてっ」と言う小南さんのお願いを聞く事になった。
ついさっきまでわたしに刺さっていた小南さんのあれを、頬張るように舐めている。歯が当たると痛いらしい。
舌と唇、唾液を使って、細かいところまで浄める。最初、力無く縮んでたこれも、わたしの口の中でいつの間にか再び硬く大きくなっていた。
「はむ…、ん…ぶ、…ん」
「早矢ちゃん…うく…、そのままで…いいから、はぁっ…、聞いてくれる?」
「…ふぇ?」
見上げるわたしに小南さんは笑顔を向けてくれて、撫でてくれる。髪を擽る指はやっぱり気持ちいい。

「あ…、早矢ちゃんゴメン!…くっ!」
「…ん!…んんぅ!」

…苦い。苦くてねばねばしたものがいっぱい口の中に飛び出してきた。わたしは思わず顔をしかめる。
小南さんは、白濁のとろりとしたそれを全て出し切り、わたしの口を拭ってくれる。

「…ゴメンね」
「にがい…ですよぅ。
…きもちよかったですか?」
「…うん。すっごく」
「…えへへ」

でも、ちょっと嬉しかった。

−−−

 小南がその後早矢に話した事は、嘘偽りの無い自分の現状。野球との決別。

話を聞き終えた早矢は、俯く小南に向けて変わらない笑顔を見せてくれた。

そして「これから、ずっと一緒に」との言葉をくれた。

天を仰いだ小南は、今一度早矢を抱きしめた。
そして、今自分の傍にいてくれる子が早矢であること。それを何かに感謝した。
615Purpurrot Pupillen Madel:2009/01/03(土) 00:18:48 ID:P2QKJmBE
 「おう、橘みずきだな。猫手の選手寮へようこそ。荷物もあることだし、早速部屋に案内しよう」
「は、はい。よろしくお願いしますっ」


 今日、私橘みずきはミゾットキャットハンズ(以下猫手)へ入団する。先の甲子園大会及び予選の活躍のお陰か、高校生ドラフトで三位に引っかかる事ができた。
猫手には、女性プロ野球選手の先駆者となった早川あおい選手がいる。彼女に対しては、憧憬心とちょっとした家庭の諸事情で複雑な思いがある。
だけど私にそんな事は関係ない。同じ学校から猪狩カイザースに一位で入団した男と「シリーズで会う」と約束した。
この世界ではい上がってやると誓ったのだから。


 「…ここが、今日からあんたが暮らす部屋だ。一年目は引越しはできないからな。
…知ってると思うけど、ウチには今女のプロ野球選手が既にいる。まあ、もうこの寮にはいないけど。
他んとこよりは女の子でも生活しやすくなってるよ」
「…お気遣いありがとうございます。でも私は別に平気ですんで」
「そう?まぁみずきなら平気そーだな。
…あーそうそう。俺がここの寮長だ。よろしくな。何かあったら聞いてくれ」

部屋に案内され、私は多めの荷物を下ろす。さっそく私はそこのアホ男に一つ質問する事にした。
「寮長さん。じゃあ一つ聞いていいですか?」
「おー何だ?」


「…なんであんたがここにいんのよ小南くん!!」
寮長を名乗る小南 要を精神注入棒でみずきはどついた。ベチン!とゴム特有の高い音が響く。
「痛!…何しやがる!寮長に向かって!パワリン三つやんねーぞ!」
「いらないわよ!」

「だーから俺が寮長だからだよ!ここの管理人がいないからって、おめーも知ってるカイザースの寮長に紹介されたの!」
それだけ聞いて、みずきはゴム製凶器を引っ込めた。

「…卒業した後、連絡取れなくなって…、みんな心配してたんだよ?」
「…ああ、悪かったよ」
頭を掻きながら小南は詫びた。

「後でゆっくり聞いてやるから。ほれ、練習でも行ってこいよ。元キャプテンに追い付くんだろ?カイザースの」
「…うん」
小南がパワリンを手渡すと、みずきは荷物からグラブとスパイクを引っ張り出した。
「…ってなんでその事知ってんの!?」
「この前キャプテンとは話したからな」
「私にも言いなさいってぇの!バカ!後でまた来るからね!プリンおごらせてやる!」
みずきは走って室外へと出ていく。練習に向かう彼女の瞳には力強さが宿り、小南は少し安心した。

「…どうかしました?お客さん?」
部屋の奥から、長い髪を後ろで結わえた早矢が出てくる。彼女は今日のみずきの入寮に備え、部屋の掃除と準備をしていた。
「新人だよ。知り合いの。早矢ちゃんもたぶん知ってる奴」
「そう…ですか。…あの、お部屋の準備が終わりました」
「ふぅ」と早矢が袖で汗を拭う。汗をかいた今の彼女は、普段見えないうなじが覗ける髪型のせいもあってかとても新鮮だった。

「…あ、あんまり見ないでください。」
「…可愛いなぁその髪型も」



 あの時くれた言葉の通り、小南要の第二の野球人生の傍らにも、ずっと今野早矢はいた。
やっぱりちょっと内気で言葉数の少ない彼女だが、昔よりも良く笑ってくれるようになった。

この若輩者の選手寮長が、早矢の頭を撫でる。その時彼女がくれる笑顔はいつも変わらなかった。

「お疲れ様。早矢ちゃん」
616名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 00:22:55 ID:P2QKJmBE
以上です。
早矢ちゃんは、八重花桜梨さん+敬語−漢字のイメージで補完しました(誰も知らねーかも)。

長ったらしくガキな文ですみません。
では、また機会があれば。
617名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 20:39:36 ID:+8zbidfJ
早矢に一目おっきしたのはいい思い出
618名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 10:22:40 ID:QiW79nMJ
マイライフ分も着々と勢力を伸ばしてきたか
そろそろ主人公×おく…ゲフンゲフン

>>616乙!
619名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 00:48:39 ID:fdSoBk1j
遅ればせながら>>616

マイライフであまりに年上だと選ぶのに躊躇していまう俺
620名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 14:10:07 ID:5YW17zsE
初めての早矢を貫くパワプロ君を想像してどれだけ抜いた事か
621名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 17:49:36 ID:QICBsrOW
ポタ3での早矢は妊娠が早いことで有名
誰の子だ
622名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 15:14:27 ID:RXRKFMSg
結婚前から主人公が種づけしてたとは考えられんのか
623名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 23:14:36 ID:nI3E7yKa
そういえば奥居の妹も彼女候補だったな
名前は忘れた
624名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 01:53:26 ID:5sFCZdE1
>>623

まりんだよ。

625名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 03:22:09 ID:oZhcowv8
奥居は俺の義兄
626名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 20:01:20 ID:W+VnCmQw
そういやSSって旧作のやつでもいいの?
俺11のマイライフで書きたいんだよ。頼子さんとか
627名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 22:15:51 ID:LisKqg/Q
ダメとか言う奴は俺が殴るが
628名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:33:25 ID:km/WEiF8
そいや茜×主人公物がないな。
書いてみて良い?
629名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 03:11:47 ID:7god+ClC
あばた嫁は子供2人いるからな。難しい。
630名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 16:18:34 ID:OEXY+wXe
むぅ…確かに歴史を悪い方向に書き直すみたいな罪悪感は感じる。
だけど9でお気に入りのキャラだったから思い入れ強いんだよなぁ。
俺みたいにあばたと茜の結婚にショックを受けたファンは少数なんだろうか?
もちろんあばたと結婚した茜も嫌いじゃないけど…
631名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 18:18:02 ID:7god+ClC
あばたの嫁は旧姓も名前もパワポケの人気キャラと被るから忘れられてると思われ。
632名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 15:58:23 ID:JHU7t3E7
だが書かずにそのままが一番やだな
とにかく書いて投下しろ
俺が言えるのはこれだけだ
633名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 01:26:50 ID:2dF66Co3
決意を決めて茜×9主人公物を書き始めたけど有名野球漫画キャラの名前だけを出すって
このスレ的におk?
それとも止めたほう良い?
634 ◆yHhcvqAd4. :2009/01/18(日) 01:50:24 ID:67+6gZDB
こんばんは。パワプロ6の矢部姉でSS書いたんで投下させてもらいます。
ゲーム中で参考にできることが少なすぎたんでアレだけどまぁそこは妄想で。
635友達のお姉さん 1/9:2009/01/18(日) 01:51:02 ID:67+6gZDB

 夕暮れ時のグラウンドに活気のいい掛け声が天まで届けとばかりに響き渡り、今日も一日の部活動が終わり
を告げた。あちこちの部からメンバーを引っこ抜き、頭数が揃ってようやく結成されたばかりの熱血大学野球
部でピッチャーを務める俺──佐久瀬純彦──も、キャッチャーと二人でやっていた投球練習を終え、グラウ
ンドに一礼して更衣室へと足を向ける。俺の歩みは自然と加速し、小走りになる。
 練習を終えて当然体は疲れている。六大学対抗リーグで勝利を掴み取るために、野球は未経験という者も多
い部員達は一日一日の練習で全力を出しているのだから、毎日ヘトヘトだ。それでも俺が急ぐのには理由がある。
 「…………」
 更衣室の中で着替える他の部員に悟られないように、スケジュール帳を開く。表紙をめくった裏に挟んであ
るのは、大学に通うようになってから初めてできた恋人の写真。それをチラリと見てから、俺はすぐに手帳を
閉じた。
 俺の恋人、保険会社で働いている徳子さんは、二十歳の俺より三年ほど年上の人で、知り合ったきっかけは
キャンパス内で声をかけられて保険への加入を勧められたことだった。手の届きそうな距離に来るとふわっと
漂う女性独特の柔らかい香りや、営業のテクニックなのかもしれないが聞いていると心の落ち着くような声色
や、嫌なことなんて吹き飛んでしまいそうな愛らしい笑顔に俺がノックアウトされるのに時間はかからなかっ
た。売店の前で学生に声をかける徳子さんにマメに話しかける所から始まり、徐々に長話もするようになった
頃に、なけなしの勇気を振り絞って、俺はダメ元で彼女をデートに誘った。OKを貰えたのは予想以上に嬉しか
ったし、デートの当日に勢いでした告白を受け入れてもらえた時は、夢なんじゃないかと何度も何度も自分の
頬をつねって笑われたっけ。
 「あ、もうこんな時間だ。急がなきゃ」
 汗と土埃にまみれた体をシャワーで洗い流す気持ちよさについボンヤリしてしまい、シャワールームから出
てきた所で時計を見ると、自分の中で予定していた時刻を十分近く過ぎてしまっていた。今日は練習が終わっ
たら徳子さんと夕飯を食べに行く約束なのだ。


 待ち合わせ場所になっている大学の正門へ向かって歩いていると、遠目にグレーのスーツを着た徳子さんの
後ろ姿が見えた。が、声をかけて手を振ろうかと俺が思った瞬間、その隣に同じぐらいの背格好の男が立ち止
まって話しかけるのが目に入った。
 「誰だろう、あれ?」
 目を凝らしてよく遠くの様子を窺うと、背を向けていた男が半身になった。そこに立っていたのは、グラウ
ンドで見慣れた背格好に大きな眼鏡……大学に来て最初に俺が友達になった矢部君だった。
 矢部君と徳子さんって、面識があったんだ。まず始めに頭に浮かんだのはそんなことだった。そりゃあ、同
じ大学に通っているんだから、売店の前で保険の営業をしている徳子さんの顔ぐらいは知ってたって不思議じ
ゃあないし、話だってしたこともあるだろう。
 「けど……なんで、あんなに親しそうなんだ……」
 生まれつき視力のいい俺には、徳子さんの笑顔がはっきりと見える。彼女は頻繁に笑顔を見せる人だけど、
キャンパスの大学生に声をかける時の、俗に言う営業スマイルでは無く、俺と二人でいるプライベートの時に
見られるようなリラックスした表情をしている。二人は楽しそうに会話している。その間に漂う空気が、単な
る顔見知り以上のもののように思えるのは、俺の気のせいなんだろうか。なんだかあの距離感は、俺と徳子さ
んのそれよりも近いように見えてしまう。
 ペコリと頭を下げる矢部君の肩に徳子さんの手がスッと伸びて二、三度ポンポンそこを叩くのを見た瞬間、
風邪を引いて喉を痛めた時のような、ヒリヒリと焼けるような痛みが胸の底を走った。俺がしたみたいに矢部
君が徳子さんをデートにでも誘っているように見えて、足先がソワソワしてきた。
 ──徳子さん、どうしてそんなに……
 俺が大股で一歩を踏み出して走り出そうとした時、矢部君は徳子さんに手を振りながら門から離れて行った。
 徳子さんも矢部君に手を振っていたが、すぐに俺の方を振り向いて、セミロングの髪をなびかせながら早足
でこちらに近付いてきた。
636友達のお姉さん 2/9:2009/01/18(日) 01:51:54 ID:67+6gZDB


 「練習、お疲れ様」
 「あ、うん、ごめん。待たせちゃったみたいで」
 「ううん、待ってないわよ。私もさっき来たばっかりだもの」
 どう表情を作ればいいのか分からないまま平べったい言葉を返す俺とは対照的に、徳子さんの声は明るい。
 その笑顔が矢部君に見せていたのと同じ表情に思えて、掌がうっすらと汗ばんできたような気がした。
 「あの、徳子さん」
 もしかしたら、尋ねない方がいい質問なのかもしれない。それでも、どちらかといえば訊きたいと思った。
 「なあに?」
 「矢部君と、知り合いなの?」
 どう言えばいいのかと考えていた切り出しの言葉は、思いの外すんなりと出てきた。さあどうだろう、と表
情を窺ってみると、徳子さんは何に動揺するでも無くキョトンとしていた。
 「知り合いも何も、明雄は……」
 下の名前で呼び捨て。知り合いも何も、もしかして、そんな仲? 背筋に悪寒が走った。
 「明雄は私の弟よ」
 「ええっ!?」
 まるで朝の挨拶でもするかのようにそう話す徳子さんに俺は驚きを隠せず、一回り大きな声をあげてしまっ
た。しかし、俺の質問が素っ頓狂なものにでも思えたのか、徳子さんは桃色の唇の両端をきゅっと吊り上げて
噴出しそうになるのを堪えているようだった。
 「や、矢部君が徳子さんの弟?」
 「そうよ。だって名字も一緒だし。気付かなかった?」
 「いや、確かに名字は二人とも『矢部』だけど、なんていうか……」
 「似てないって思った?」
 迷わずに、俺は頷いた。


 立ち話もなんだからと駅前のファミレスに入り、腹ペコだった俺は出てきた料理を夢中で平らげてしまった
後、徳子さんが矢部君の話をするのに相槌を打っていた。
 不安と驚きの次は、矢部君と徳子さんの親しい空気が家族の持つものであったことに対する安堵。ハイペー
スで減っていく烏龍茶に、俺は喉がカラカラになっていたことをその時初めて自覚した。
 「どう? 明雄はちゃんとやってる?」
 「うん。最初に部の頭数を揃えようと思った頃から一緒だけど、お互いいい刺激になってると思うよ」
 「女の子の話とかされるでしょ」
 「……してるね。同じ授業の時とかは、よく」
 「大学に入ったら楽にモテるって思ってたみたいなのよね、あの子」
 「そういえば、俺が野球部に入ろうって誘った時も、そんなことを……」
 「やっぱり? 運動部に入るって言うから何かと思えば、女の子にモテたいからだったのね……」
 溜め息と共に、徳子さんが肩をガックリと落とした。
 「でも、部活はサボらないし真面目に頑張ってるよ」
 「まぁ、結果オーライね。動機は不純だけど、趣味一本にのめりこまないだけまだ健全でいいわ」
 「趣味?」
 「オタクって分類に入るのかしら。部屋の中とか結構凄いのよ、アニメのグッズとかで」
 「そういえば、アキバの電気街に買い物に行った時は、なんていうか、ついていけなかったな……」
 「んー……そういう所は大目に見てあげてね。悪い子じゃないから、明雄は。時々現実逃避しちゃうのが難
だけど……」
 現実逃避と言われれば、以前矢部くんに話しかけても応答が無かったことがあったなぁ。別世界に旅立っち
ゃってたっていうか。あの時の矢部君はいったいどんなことを考えていたんだろう。
 「徳子さんは、矢部君に彼女ってできそうだと思う?」
 「うーん……厳しいかもね。眼鏡をもうちょっとオシャレなのに変えるだけでも違うと思うんだけど……自
分の話ばっかしちゃう所が大きなマイナス点、かな。あと、あの『やんす』も……」
 苦笑いを浮かべながら、徳子さんはヒラヒラと掌を振った。俺の烏龍茶のグラスはもう空っぽで、ストロー
を吸ってみてもズズッとかすれた音と共に氷が震えるだけだった。
637名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 01:52:18 ID:ghnmdgUW
>>633
まったく関係ない漫画の登場人物なら個人的にはナシかな。
638友達のお姉さん 3/9:2009/01/18(日) 01:52:38 ID:67+6gZDB
 「そういえば、俺と徳子さんのことって、矢部君は知ってるの?」
 「ううん、明雄には内緒にしてるわよ。あれこれ詮索もしてこないし」
 「そっか」
 胸を撫で下ろす。徳子さんと矢部君が姉弟だと知ったのは今日が初めてだったけど、もしかして矢部君は俺
と徳子さんの関係を知っていながら敢えて沈黙を貫いていたのかもしれない、なんてことが頭をよぎったし、
変に気を遣ってそうされているとしたらなんだか後ろめたいと思ったからだ。
 姉と付き合っているのが仲良くしている親友だと改めて知った時に矢部君がどんな気持ちになるか、一人っ
子の俺には想像できなかった。悪く思われなければいいんだけど。

 「そろそろ出ない?」
 腕時計に視線を落としてから、徳子さんが言った。壁時計を見ると、時刻は午後八時。思ったよりも長居し
ていたみたいだ。伝票に手を伸ばして値段を確認しようとすると、徳子さんが自分の財布を取り出した。
 「あ、いいよ。俺が出すから」
 「自分の食事分ぐらいは自分で出すわよ。私だって社会人なんだし」
 はて、以前買い物に行った時にネックレスを買って欲しそうにしてたのは誰だったっけ、と言いたい気持ち
を喉の奥に押し込む。彼氏としては徳子さんの分も出してあげたい所だけど、生憎今月は中々に財布事情も厳
しいので、ありがたいと言わざるを得ない。


 店を出た所で、人の喧騒を背景に、俺はあることを言うべきか言わざるべきか、迷っていた。付き合い始め
てしばらく経ち、女性経験がロクに無いなりにあれこれ考えてデートにも行った。そろそろ、丁度いい時期な
のかもしれない。
 「徳子さん」
 もう少し待った方がいいと思う気持ちもあったのだが、先程大学の門の前で矢部君と徳子さんが楽しそうに
話していたあの光景を目の当たりにしてからずっと、自分の中の何かが俺を急かしていた。危機感、と表現す
るのがいいのかもしれない。よくよく考えればただの姉弟間の会話だったんだからあの雰囲気もごく自然なこ
となんだけど、あの時胸の内に湧き起こってきたなんともスッキリしない感情は未だ治まってくれなかった。
 よし、言おう。口の中に溜まった唾を飲み込んだ。
 「今から、俺の部屋に来ない?」
 文字で並べてみたら、きっと単純な短い言葉なのだろう。しかし、それを口にした瞬間俺は全身がカッと熱
くなり、緊張が爪先から脳天まで一気にビシッと張り詰めるのを感じた。握り締めた拳に力が入る。
 「…………」
 「だ……ダメかな?」
 「……いいよ、行こっか」
 徳子さんは、数秒の沈黙の後に頷いてくれた。その頬は、うっすらと赤く染まっていた。

 駅からそう遠くない俺のアパート、その四階へ向かうエレベーターに、俺と徳子さんは互いの手を握ったま
ま何も言わずに乗り込んだ。何のアナウンスも無く自動ドアがのろのろと閉まる。細くしなやかな手が俺の手
をギュッと握り返してきた。いつも一人で乗る四角い空間に愛する徳子さんが一緒にいることが嬉しくて、誰
もいないのをいいことに細いラインの体を抱き締め、香水とシャンプーの入り混じった徳子さんの香りを胸い
っぱいに吸い込むと、腕の中で戸惑いを瞳に漂わせながらも徳子さんは俺に体重を預けてきてくれた。

 「お邪魔します」
 女の人を部屋に招くのは初めての俺は、悪い印象を持たれやしないかとそれこそ胃が締め付けられる思いな
のだが、当の徳子さんはあまり緊張していないようだ。
 「へぇ、佐久瀬くんってこういう部屋に住んでるんだ……」
 ワンルームの部屋は、あまり多くの物を持ち込んでいないせいもあってそれほど散らかってはいないはずだ。
徳子さんを俺の部屋に誘うのは今日の時点で本来予定していなかったので少々ヒヤリとしたものの、見られて
は不味い書籍類──つまりはエロ本──などはしっかりと見えない位置に隠蔽してある。狭い部屋とはいえ、
そう簡単には見つからないだろう。
639友達のお姉さん 4/9:2009/01/18(日) 01:53:21 ID:67+6gZDB
 スーツの後ろ姿にうっすらと浮かび上がるお尻のライン、首元をなだらかに走る鎖骨、屈むとその胸元に見
える谷間、細くしなやかな脚。徳子さんのカラダが気にならない日は無かった。今のこの瞬間も俺の頭はその
ことでいっぱいになってしまい、逸る欲望がズボンの中を狭くし始めていた。
 「あ、野球のボールが置いてある」
 ムズ痒いような気持ちを俺が堪えていると、変化球のイメージトレーニング用に使っている硬球をテーブル
からひょいと掴みあげ、徳子さんはしげしげとそれを眺めだした。
 「ねぇねぇ、変化球投げる時ってボールの握り方が違うんでしょ?」
 「うん、そうだけど」
 「どうやって握るの?」
 好奇心に満ちた瞳が俺をじっと見つめる。
 「えっと、例えば……」
 と言いながら、俺は手っ取り早く頭に浮かんだフォークボールの握りを手で作った。フォークボールは、現
在俺が最も力を入れて練習している変化球なのだ。
 「人差し指と中指をグッと広げて、親指はボールの下に……」
 硬球を握ったままの徳子さんの手に自分の手を被せるようにしてぐいぐい指の股を広げさせ、小さな手をフ
ォークボールの握りにさせると、たちまち徳子さんが顔を引き攣らせた。
 「い、いたた……指が裂けちゃうわよ、こんなの」
 「あはは、フォークは手が大きくないとできないから……」
 「もう、分かっててさせたでしょ」
 ささやかな抗議の声を聞きながら徳子さんの手から硬球を受け取り、いつもやっているようにフォークボー
ルの形にそれを握った。やはり、手に馴染む。
 「佐久瀬くんの手って、ゴツゴツしてるよね」
 「そうかな?」
 「うん……男の手って感じがして、素敵だな」
 声のトーンを少し落としながら徳子さんが俺の手を持ち上げ、その甲に頬擦りしてきた。ぷにぷにして滑ら
かな女性の肌の感触に、緊張していた鼓動が一段と高鳴る。
 「徳子さん……」
 左手で肩を抱く。そのまま顎へ手を滑らせていくと、俺のサインを読み取った徳子さんが目を閉じた。
 「…………」
 しっとりと濡れた唇の感触と人の温もりが、首を伝って全身へ広がっていく。キスは、今までに何度かした。
でも、今から、俺はこの先へ足を踏み入れるんだ。
 「ん……っ」
 合わせたままの唇の奥へ舌を割り込ませると、徳子さんはすんなりと受け入れてくれた。抵抗されるんじゃ
ないかと思っていただけに、少し意外だった。
 「あ、っあ……ん、むっ……!」
 たっぷり唾液を含んだ舌同士がぬるぬると絡まって、唇の隙間から水音が漏れる。首から上が、ぼんやりす
るような心地良さに包まれていくのを感じる。
 息苦しさを感じ始めた所で顔を離すと、頬を上気させた徳子さんの下唇が、どちらのともつかない唾液でて
らてらと妖しく光っているのが目に入った。
 テーブルの隣に座っていた徳子さんをベッドへ運ぶべく、細身の体を抱え上げた。「女の人って軽いんだね」
と俺が言うと、「佐久瀬くんが力持ちなだけよ」と徳子さんは照れ臭そうにはにかんだ。

 
 ベッドに横たわる徳子さんの上にまたがる形で膝を付き、早速俺はブラウスまで脱がしにかかる……が、指
先が言うことを聞いてくれなくてもつれてしまう。こんな簡単なことに手間取っていては先に進めないだろう
と焦りがますます募る。
 「慌てたら余計につっかえちゃうわよ」
 気持ちを落ち着かせようとかぶりを振ると、徳子さんに苦笑いを浮かべられてしまった。頬が熱くなる。
 「ご、ごめん」
640友達のお姉さん 5/9:2009/01/18(日) 01:53:55 ID:67+6gZDB
 「……ねぇ、佐久瀬くん。女の子とこういうことするの、初めて?」
 「っ……」
 痛い質問だった。
 「……やっぱり、分かっちゃった?」
 「まぁ、ね。付き合い始めてからの反応が凄く初々しかったし、今もかなりソワソワしてたから」
 「……う」
 口元を緩めて笑う徳子さんの明るい口調に、俺は顔から火の出る思いだった。
 「そんなに緊張しなくっても大丈夫だから。気楽に行きましょ」
 下から手が伸びてきて、俺の頭を撫でた。部屋の空気がすっと軽くなったような気がした。張り詰めていた
感情が薄まっていき、次第に体からも余計な力が抜けて楽になってきた。
 「続けてもいい?」
 ここまでさせてくれる時点でNOの返事なんて来るわけが無いだろうと思いつつ尋ねると、思ったとおり徳子
さんは首を縦に振ってくれた。
 「乱暴にしないでね」
 「そんなこと、するわけ……」
 無いだろ、と言いかけたが、それは確かに気をつけなければならないと思った。「そうだね」と返しながら
ブラウスのボタンに再び手をかける。やはりさっきは緊張でガチガチになっていたのだ。どうしてこんなこと
に苦労していたんだろうと思うぐらいにボタンはあっさりと外れていき、そのままタイトスカートのホックを
外して脚から抜き去って、全身を包んでいた衣服は下着のみとなった。
 邪魔にならない所に脱がせた服を置き、剥き出しになった体のラインに視線を落とすと、徳子さんの目が所
在無さげに宙を泳ぎ、その身は折り畳まれるように縮こまっていた。
 「そんなにじっくり見ちゃイヤ……」
 「でも」
 「あっ……」
 胸元を覆い隠す腕を軽く掴んだが、抵抗する力は感じられず、あっさりとロックが外れた。
 「結構大きいんだな」と正直に感想を漏らしながら、レースをあしらった白いブラの背に手を潜り込ませる。
 ズボンの中は張り詰めたままで、何もしていないのにジンジンと下半身全体が熱く疼くようだった。
 「えっと、これ……あれ?」
 未知の衣服。ホックで繋がっていることまでは理解しているが、どう外せばいいんだろうと指先が迷ってい
ると、ちょっと待ってと一声かけて、徳子さんが自ら両手を背中にやってパチンとそれを外してくれた。
 「……はい、いいよ」
 お膳立てしてもらった所で、ブラをゆっくりと外す。男には無い膨らみの全てが露になると、徳子さんは既
に赤くなっていた頬を一層と色濃く染めていった。
 「なんか、綺麗……だな。凄く」
 女の人の裸そのもの自体はエロ本やらエロ動画やらで目にしてきたけれど、こうして自分の目の前にそれが
あるのは初めてだ。曲線的な体つきが、なんだか神秘的にすら思える。
 実際に手を伸ばして触れてみると、先程手の甲に触れていた滑らかな肌の感触が掌全体に伝わってくる。円
い肩、細い二の腕、俺と比べると遥かに華奢な胴、くびれた腰と不規則に撫で回して行く。
 「ん……っ、ぁ……」
 溜め息のような呼吸に混ざった甘い声を聞いていると、何かが俺の中で段々と膨れ上がってきた。重力に逆
らって上を向いている乳房へと手を伸ばす。
 「わ、なんだ、これ」
 今までに掌が感じてきた何物とも違う、不可思議な柔らかさ。どこまでも指が沈んでいくが、少し力を抜け
ば弾力が奥から押し返してくる。指を沈め、掌で圧迫しを夢中になってう何度か繰り返す内、乱暴にしないよ
う言われたことを思い出し、慌てて手から力を抜いた。
 「い、痛かった?」
 よく見ると、染みの無い真っ白な肌に、自分の指の後が赤く紋になって残ってしまっていた。罪悪感が込み
上げる。
641友達のお姉さん 6/9:2009/01/18(日) 01:54:43 ID:67+6gZDB
 「ちょっとだけ。でも、途中から手つきが優しくなったよね」
 ありがとう、と言いながら、徳子さんが俺の肘の辺りを掴んだ。筋肉の流れを確かめるように指先が前腕を
なぞってきて、ちょっとくすぐったい。
 「ね、続けて」
 「うん」
 また少し気が楽になった所で、乳房を掴んだ掌をぐにぐにと蠢かせ始める。底無しの柔らかさの中心部分で
段々と硬くなってくるものがあり、すかさずそこへも指を伸ばす。
 「あ、ん……ふっ、あ……あ……!」
 手で触れているだけじゃ、なんだか物足りない。そう感じて、片側の乳房にむしゃぶりついて、薄いピンク
色の乳首を口に含んで舌で転がすと、ぴくりぴくりと徳子さんが体を震わせ始めた。恋焦がれる徳子さんのこ
んな乱れた姿を見られることに、胸の内が満足感で満たされる。しかしその一方で、もっと深くという探究心
が俺の体を突き動かしていた。
 「ふあぁっ! や、だめ、吸っちゃ、あぁっ……!」
 ダメと言われれば余計にしたくなってしまうじゃないかと心の中で突っ込みを入れる。何も味なんてしない
けれど、微かに甘みに似たものを口の中に感じるような気がした。刺激を与えて硬くなった乳首を舌先で転が
して苛め続けると、もっとそうして欲しいと言わんばかりにますますそこは硬さを増してきた。
 「あ、ん……」
 唇を離して徳子さんの表情を見てみると、目尻に涙が溜まっているのが目に留まった。胸元は大きな呼吸の
度に上下していて、鎖骨の辺りまでがうっすらと桃色に染まって熱を持っているように見えた。半開きの唇が
ひどく扇情的で、吸い込まれるようにそこへ口付けした。
 「ふ、ん、んっ……ぁ」
 俺が舌を入れようとする前に、今度は向こう側からぬめった物が割り込んできた。そのまま、何に命じられ
るでもなく互いの舌を蹂躙しあう。俺の手は、キスをしながら自然に胸から平坦なお腹へと下っていった。
 「ね、佐久瀬くんも……」
 ショーツに指がかかった所で突然徳子さんにそう言われた。何のことやらと俺が頭に疑問符を浮かべている
と、着ているシャツの裾が引っ張られる感触があった。
 「あ、そうか」
 残す所はショーツ一枚という所まで脱いだ徳子さんだが、俺はと言えばまだ上着しか脱いでいない。
 徳子さんを脱がせておいてなんだが、なんだかとても恥ずかしい気持ちになりながら、シャツを脱いでぽい
と無造作に放り投げると、俺の顔を見ていた視線が僅かに下がった。
 「……男の裸って、むさくるしいだけじゃない?」
 ベルトを腰から抜きながら尋ねてみると、
 「んー、そんなこと無いわよ。引き締まった筋肉とか、角ばったシルエットとか、私は興味津々よ、男の子
のハダカって……うふふ」
 と返ってきた。
 「そんなもんかなぁ……まぁ、そんなもんか、異性だし」
 一人で納得しながらズボンを腰から下ろそうとしたが、硬くなった性器が引っかかって邪魔をして、中々ス
ムーズにいかなかった。ちらりと見てみると、徳子さんの視線はそこ一点に集中していた。見られているとい
う気恥ずかしさが身の内で膨らむ。
 「……元気ね、凄く」
 流石に凝視するのは気が引けたのか、そこから目を逸らしてから徳子さんが言った。
 「しょうがないじゃないか。徳子さんのそんな姿見たら、我慢なんてできるわけ……」
 我ながら子供っぽい口答えだと思いながら、俺も下着一枚になって再び徳子さんに向き合った。今度こそと
気を取り直して、お臍の辺りを擦りながらショーツの中へ手を滑り込ませる。
 「あっ……」
 柔らかい毛の感触の後に、程なくして潤いを指先に感じた。
 「濡れてる……」
 「だ、だって……あ、や、そこ……っ!」
 溝の感触、そこがじっとりと濡れていることを確かめながら指を躍らせていると、いきなり徳子さんの腰が
跳ね、声のトーンが上がった。
 「やっ、ダメ、ダメだってば……! そこ、そんなに……!」
 指先から伝わってくる情報に意識を集中させてみる。何やら周りの皮膚とは感触の違う突起があるのに気が
付いた。クリトリス、だろうか。どうやらここを触っているのが原因らしい。
 多分、軽く触った方がいいのだろうと思って、乳首に似た大きさのそこをくりくりと指先でソフトに捏ねる。
642友達のお姉さん 7/9:2009/01/18(日) 01:56:06 ID:67+6gZDB
 「んうぅ……ん、あぁん……」
 官能的な声がベッドの上で響く。もっと聞きたい。
 「徳子さん、どう?」
 「ど、どう、って……」
 痛くないかどうか気になって感想を求めてみたのだが、徳子さんはぴたりと口をつぐんでしまった。何か悪
いことを訊いてしまったんじゃないか、とヒヤリとしていると、
 「そ、そこ……気持ちいいから、もっと……して……」
 消え入りそうなほど小さい声で徳子さんがそう言って、潤んだ瞳を明後日の方向へ向けた。
 ──ひょっとして、恥ずかしいことを言わせちゃったのかな
 少しだけ申し訳ない気持ちになりながらも、徳子さんの言う通りにそこへの刺激を続ける。なるべく優しく
しようと意識していると、微かに向こう側から腰を押し付けられたような気がした。
 「い、いいよ、もう少し強く……」
 「うん……」
 激しくしたら痛いんじゃないかと漠然と思いながらも、触れるだけに留めていた指先を押し込むような動き
に変えていく。徳子さんの反応の変化も顕著で、トーンばかりか声のボリュームも上がった。両脚に挟まれた
俺の手を更に抑えるかのように、ショーツに潜り込ませた腕に手が添えられる。
 「ん、くぅ……あ、は……い、イキそ……」
 「イキそう?」
 「う、ん……そ、あっ……イク、いっ……あぁっ……!」
 徳子さんがきつく目を閉じて、俺が刺激していたクリトリスがびくびくと震え、がくり、と腰が揺れる。背
筋を緊張させたと思いきや、数秒してその体はくたっと弛緩してベッドに沈んだ。
 女の人を絶頂に辿り着かせてあげられたんだ。そう自覚すると、安心感というか自信のようなものが溢れて
くるのを感じた。
 「徳子さん」
 「はぁ、はぁ……なぁに?」
 「大丈夫?」
 やたらと息が荒かったので、気になった。
 「うん……上手だね、佐久瀬くん……」
 初めての男の子にいかされちゃった、と、独り言のように徳子さんは付け足した。
 俺よりも余裕のある態度や口ぶりから何となく想像はついていたけれど、徳子さんはこういうこと、初めて
じゃないんだ。元カレの話なんてされたこと無かったけど、過去にそういうことをする相手がいたということ。
 徳子さんの笑顔だけじゃなく、服の下に隠れる色っぽいハダカや、エッチな表情や、乱れた喘ぎ声……そう
いうものを独り占めしていた奴がいたと分かると、顔も名前も知らないのに急にそいつのことが腹立たしくな
ってきた。
 「……くそっ」
 「どうしたの?」
 「えっと、その、俺は初めてだけど、徳子さんは……その」
 「……うん、大学生の頃に、ね。丁度、あなたと同じぐらいの歳だったわ」
 俺の言葉の意図を汲み取った徳子さんが、小さな声で言った。
 「そっか」
 「言わない方がいいと思って黙ってたんだけど……ごめんね」
 「え、なんで謝るのさ」
 「私が初めてじゃないのが気に障ったのかな、って思って」
 そんなわけ無いだろうと、俺は勢い良く首を横に振った。
 「気に障るなんて、そんなわけないだろ。ただ、なんていうのかな……嫉妬、しちゃって」
 「嫉妬?」
 「じ、自分でも情けないとは思うんだけど、初めての徳子さんをリードしたのはどんな人なんだろうって思
ったら急にムカついてきちゃって……それだけじゃないんだ。さっき徳子さんが矢部君と話してるのを見て、
家族なんだから当たり前なんだけど、楽しそうに話してるのを見たら、こう……」
643友達のお姉さん 8/9:2009/01/18(日) 01:56:37 ID:67+6gZDB
 ムードが盛り下がるのを自覚しながらも、口から矢継ぎ早に言葉が出てきて止まらなかった。
 「男の嫉妬なんて、情けないよな。ごめん、変なこと言って」
 頭を下げる。
 「……そっか、妬いちゃってたんだ」
 「うん」
 「普通なら言わないのに、佐久瀬くんって全部打ち明けちゃうのね。そういう正直者な所、好きよ」
 徳子さんが優しい口調でそう言い、表情を崩して微笑んだ。
 「佐久瀬くん、私のこと好き?」
 「勿論、好きだよ」
 「うん……私も好き。今は、佐久瀬くんが一番よ」
 自然と、唇が重なる。大切なのは過去じゃなくて、今なんだ。嫉妬の黒い炎は消え去っていき、鳴りを潜め
ていた徳子さんへの愛しさが代わりに胸の内を満たしていく。
 「ね、しよ……」
 視線で促され、ショーツをするりと太腿から抜く。クリトリスへの愛撫で濡れていたそことショーツの布地
が名残惜しそうに糸を引いているのがはっきりと見て取れた。
 何一つ纏わない姿になった徳子さんの、まだ見ていなかった秘所へ視線を向ける。薄めに整えられた茂みの
下にさっきまで触っていたクリトリスが帽子を被っていて、充血してサーモンピンクになった粘膜の谷が広が
っていた。裂け目の底に、奥へと繋がっていそうな洞穴がある。
 頭がクラクラするような眺めに、ごくりと音を立てて唾を飲み込むのを抑えられなかった。自分の下着を脱
ぎ去り、張り詰めて涎をだらだら垂らした性器を中から取り出す。徳子さんの腰を掴んで、いざ、という所で
俺は重大なことを思い出した。
 「あ、やば……!」
 部屋の気温が氷点下まで急に下がったかのような心地だった。予定していなかったせいもあって、男のエチ
ケットを用意していなかったのだ。
 「の、のの、徳子さん、そのっ、俺、あれをっ」
 慌てる俺の鼻先に人差し指がちょんと添えられた。
 「まぁまぁ、落ち着いて。ところで、今日は何日だったっけ?」
 「えっと、今日は……」
 カレンダーを見て、今日の日付を伝えると、徳子さんは何秒か考え込んでから、指で○を作った。
 「大丈夫よ、そのまま来ちゃってちょうだい」
 「え、いいの?」
 「そ、今日は平気だから」
 「じゃ、じゃあ……」
 「うん。入る所間違えないでね」
 くすりと笑いながら、徳子さんが俺の照準を合わせてくれた。
 「大丈夫だって……それぐらい」
 そのまま腰を進めればいいと分かり、真っ直ぐに下半身を前へ押し込む。
 「ん、あ……あ……」
 先端に感じていた温かい熱が、どんどん腰の根元へ近づいてくる。滑りの良い感触のおかげでスムーズに進
んでいけるが、押し通ったと思ったら、異物を排除しようとでもしているのかぎゅうぎゅう締め付けてくる。
 下半身全てが痺れるような強い刺激に、奥へ進めず立ち止まってしまいそうだ。
 まだ入り込める、と思いながら根元まですっぽり埋まったかという所で、先端が行き止まりにコツンと当た
った。どうやら一番奥まで入ってくれたらしい。
 「ん……全部、入ったね……」
 覆い被さるような体勢でいた俺の首に、徳子さんの手が絡みついてきた。
 「動いても、いい?」
 「うん、いいよ」
 気軽に頷いてくれたのを見て、最奥まで押し込んだ腰を引き抜く。
 「っ……く……!」
 亀頭のくびれた部分に膣内の起伏ががつがつと引っかかり、たまらない快楽が全身を勢い良く駆け抜ける。
 先程から勃起したまま何の刺激も与えずに先走りを垂れ流しにしていたせいもあったのだろう、瞬く間に込
み上げてくる射精感を堪えながら、再び奥へ押し込む。
644友達のお姉さん 9/9:2009/01/18(日) 01:57:14 ID:67+6gZDB
 「あっ……あ、ん……お、大き……い」
 「そ、そうかい?」
 眉間に皺を寄せた徳子さんは、苦しいのかもしれない。ゆっくり動かないと自分が絶頂を迎えてしまいそう
だからなのだが、自分の中で徳子さんをいたわるという理由付けをして腰を揺する速度を落とし、伝わってく
る強烈過ぎる刺激から必死に意識を逸らそうと試みた。しかし……
 「あ、はっ……! んぁ、は……激しい、よぉっ……!」
 「ご、ごめん、でも、止まらない……」
 「やっ、あ、あぁっ、あ……!」
 ゆっくり動かないと、と頭で念じるのとは裏腹に、体の半分が別の生物に支配されてしまったかのように、
ピストンの速度は落ちるどころかますます速くなってしまう。当然のことながら、我慢しようとしていた射精
の欲求も、後戻りできない所まで大きく大きく膨らんできた。
 「ん……んぅ、あ、っくぅぅ……」
 一往復する度に、粘ついた音が響く。濡れた粘膜を俺の性器が擦りたてる音だ。その音が、俺の頭から冷静
さを削ぎ落としていく。睾丸に溜め込まれた精液がもうペニスの半分ぐらいまで上ってきているように感じる。
 「のっ、徳子さん……ごめん、俺、もう……我慢が……」
 腰から下の感覚が希薄になっていき、快感の塊となった肉棒に知覚が一挙に集まっていく。
 「い……いいよっ、ガマンなんて、しないで……! はっ、はぁっ……!」
 我慢しないで、という言葉が決定的な引き金になった。
 「く……出る……っ」
 性器が爆ぜた……そう感じた。神経が焼けるほどの快楽がぞわぞわと全身に広がっていき、今まで自慰で得
ていたのはなんだったのかと思うほどの満足感や解放感が、尿道から精液の放たれる度に脳天を貫いた。
 「あ、で……出てる、中に……」
 意図しているのかいないのか、狭かった徳子さんの膣内が一際きつくなって、更なる射精を促すように壁が
まとわりついてきた。
 一度の射精だったが、白濁の塊が何回外へ放たれたか分からなかった。性器の震えがようやく収まる頃にな
って、真っ白に塗りつぶされていた視界に色が戻り始めてきた。
 「佐久瀬くん」
 「な、何?」
 「気持ちよかった?」
 「えっと……き、気持ちよかった。凄く……」
 まだボンヤリする頭でそう答えた。
 「……まだ、したい?」
 「うん、正直に言うと、もう一回ぐらい……」
 「そうよね、まだこんなに硬いもんね」
 ペニスを包む通路がキュッと狭くなった。一度の射精では全く満足しなかったようで、俺の男性機能はまだ
徳子さんの体を味わいたいと舌なめずりしていた。
 「いい?」
 俺が尋ねると、徳子さんの両脚が俺の腰に巻きついてきた。それがイエスの合図だと思って、俺は中断して
いたピストン運動を再開させた。
 「はぁぁっ……あぁん……!」
 艶やかな声が徳子さんの唇から紡ぎだされる。
 「徳子さん、なんか……声大きいよ?」
 「い……いい所で、止められちゃったから……さっき」
 「ご、ごめん……俺、だけ……」
 「いいのよ、そんな……気に、しないのっ……」
 俺も徳子さんも、途切れ途切れにしか言葉が出てこない。荒い呼吸も整わないままに、俺は蜜と精液の混合
物でぐちゃぐちゃになった膣内を掻き回し、徳子さんは襞の連なりをきつく締め付けて俺を容赦なく責め立てる。
 特に敏感な裏筋やカリのくびれが、腰を押し込む度にぬるぬるした起伏に舐め取られ、幹と亀頭の全体があ
らゆる方向から扱かれる。経験の無かった俺には──いや、経験豊富だったとしても──ひとたまりも無く、
先程あれだけ出したばかりだというのにもう射精感を意識し始めていた。
 「徳子さん、徳子さんっ……!」
 愛しい人の名前を呼ぶ。
 「純彦くん……」
 愛しい人も、瞳を潤ませながら俺の名前を呼んでくれた。こんなに近くにいて、お互い体の一部同士で繋が
っているというのに、目の前にいる人ともっと近付きたくてたまらない。どうしてなんだろう。考えても分か
らない。考えるのも億劫なぐらい、性器の繋がりから生み出される快感が意識を満たし始めていた。
645友達のお姉さん 10/9:2009/01/18(日) 01:58:54 ID:67+6gZDB
 「徳子さん、お、俺、また……」
 「うん……私も、そろそろだから……」
 ぶるぶると腰が震える。徳子さんの胎内も呼吸するように収縮し始めていて、腰に巻きついた脚が一層強く
俺の腰を徳子さんのそこへ押し付けさせた。
 「あ、はっ……い、っ……あ、わた、しっ……!」
 「い、イキそう……?」
 「うんっ……も、もう、だめぇ……イ、イッちゃ……」
 徳子さんはその先を言わなかった。いや、俺が唇を塞いでしまったから言えなかったと言った方が正しい。
 「んんんっ! んん……んふうぅぅっっっ!!」
 鼻から高い声が漏れてきたのと、射精感が弾けて俺が達したのは、恐らくほぼ同時だったと思う。息苦しく
て頭がぼんやりとする中で、更なる射精を促すかのように締め上げてくる肉が生み出す電撃のような快感が脳
を何度も叩く。全身がショートしてしまったかのようで、ぴくりとも腰を動かすことができないほどだった。
 

 「ふぅ……」
 腰を引いて、結合していた性器を外し、仰向けになっている徳子さんの隣に寝転がった。
 お互いの体は、まだ少し汗ばんでいた。
 「疲れちゃった?」
 「なんか、腰がだるいっていうか」
 慣れない動きをしたせいだろうか、呼吸と昂ぶった気持ちとが落ち着いた所でどっと体が重たくなった。繋
がり合った後の余韻を楽しみたい所だが、いかんせん気だるさが抜けてくれない。
 「私も、ちょっと疲れちゃった」
 「徳子さんも?」
 「うん、だって、激しかったんだもん……」
 うつらうつらと、徳子さんの頭が揺れる。
 「眠くなってきちゃった。今日、泊まっていくね」
 「え、俺はいいけど、明日、仕事は……ああ、そうか」
 今日は金曜日だったか。起こそうとして肩に添えた手を離す。
 「ん、そういうこと。あ、ねぇ」
 「何?」
 「野球の試合、見に行ってもいい?」
 「試合って……」
 「プロ野球じゃなくて、純彦くんたちの大学の試合ね。ピッチャーなんでしょ?」
 「そうだけど……勝てるか分からないよ? 俺たち、寄せ集めのチームだからさ」
 「勝てるかどうかじゃなくて、純粋に見たいの、純彦くんが野球してる所」
 俺の胸板に徳子さんのおでこが触れた。
 「分かった。日にちが分かったら、教えるよ」
 「うん。お願いね」
 「徳子さんが試合見にきてるって分かったら、矢部君がビックリするだろうね」
 「そうでしょうね。その時あの子も気がつくかな。ううん、そろそろ話しておいた方がいいのかも」
 「俺たちのこと?」
 俺がそう尋ねると、徳子さんはこくりと頷いた。俺も、それには賛成だ。ここまでする関係になったという
ことは伏せておくとしても、弟である矢部君に黙って徳子さんと交際を続けていくのも、なんだか気が引ける。
 「そうだね。終わったら、三人でメシでも食べに行こうか」
 「う、ん。そうしよ……」
 虚ろな声と共に、上目遣いで俺を見つめていた目蓋がそっと閉じられていく。丁度よく胸元にあったおでこ
に、少し身を屈めてつるんとしたおでこに唇を落として、「おやすみ」と囁く声をかけてみると、微かに徳子
さんから応答があった。
 そのまましばらく待っていると、程なくして規則的な寝息が聞こえてきた。
 年上のお姉さん、という印象を徳子さんへ常に持っていたが、寝顔は幼さすら感じさせるほどにあどけなか
った。今まで見られなかった姿にときめきを覚える。二人分の体温がこもった毛布の中も、暖かい。
 ──まさかと思うけど、夢じゃないよな。俺は、おそるおそる頬をつねってみた。
 右の頬には、ヒリつくような痛みが走った。

 終わり
646 ◆yHhcvqAd4. :2009/01/18(日) 02:02:39 ID:67+6gZDB
カウントミスってて申し訳無かったですが以上になります。
9辺りで何か浮かべばまた書きたいっす。
感想、批評等頂ければ幸いです。

647637:2009/01/18(日) 02:07:03 ID:ghnmdgUW
>>646
GJ!
6のサクセスで彼女が徳子さんばっかだった俺にはエロスも濃くていい作品でした。

っていうか投下の最中に割り込んですまんかった。
648名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 14:09:57 ID:yRVSiM2H
>>646
GJ!
徳子さん懐かしいなw
一度読んでみたかったんだぜ
649名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 05:23:20 ID:tGAKZl0N
Wiki更新しておいたぜ

ふと思ったけどこのWikiのSS集を漫画化してくれたら面白い……いやいや、嬉しいんだがな
昔Part1にそういう流れになってたみたいだけどあれってどうなったの?
650名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:55:24 ID:O6rhyWhg
ほしゅ
651名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 22:39:20 ID:bFTnhqWz
     _、_
   ( ,_ノ` )
 (⌒`::::   ⌒ヽ
  ヽ:::: ~~⌒γ⌒)  
   ヽー―'^ー-'   
    〉 捕手 │
652名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 22:25:23 ID:OUYmHhyR
そういや今年は16じゃなくて2009なんだっけ?
それでサクセスが無くて小学生を主人公にしたヒーローが出るんだよね?
あおいちゃんがコーチしてくれないかな
653名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 22:35:33 ID:OiAPemk8
>>652
でも16に期待しているのは俺だけじゃないはず。第三世代の大学編見たいよー。
ちなみにヒーローはNEXTね。勿論期待しているが、2009は今の所シラネ
654名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 08:57:54 ID:OkNDwws8
スレ的にはかなり問題発言かも知れんが
もう今のサクセスなんてどうでもいいからマイライフ彼女の情報キボン
655名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:25:21 ID:iMMOn/rL
2009は今んとこドリームJapan編と栄冠ナインだけっぽいな。
大学サクセス入れてくれないかなぁ・・・
656名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:05:02 ID:JFlHt66h
そろそろ誰でもいいから投下カモーンщ(゚Д゚щ)
最近投下がないのは寂しいぞ!
657名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 00:01:06 ID:zvJmq+Ea
みんな妄想はあるんだろうな。
けどいかんせんSS化させる能力がないという。
658名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 00:14:19 ID:Z5P9GgPz
書いた後で気づいたんだけど、
ここに投下するSSはエロがなくてもOK?
659名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 01:23:37 ID:ZDJ6A0tf
無しでも有りでも投下は何時でも歓迎なんだぜ。
6601/2:2009/02/10(火) 01:35:19 ID:Z5P9GgPz
ありがと。流石にスレ違いかなーと思ったもので。
まぁとにかく投下します。今更ながらパワプロ7で季節物。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 幼いころから自分には野球しかなかった。
 年頃の女らしさなんて放棄したはずだった。
 人並みの青春なんて捨てたはずだった。
 なのに。
 何故自分はこんなことをしているのだろう。

 あおいは目の前に置かれたボウルの中身をかき混ぜながら、ため息をつく。
 二月十四日、聖・バレンタインデーが近い。
 それと同時に、その時期は春季キャンプの真っ只中である。
 いつもの自分ならばそんなもの、所詮くだらない行事と一笑に付したはずなのに。
 去年入団した小波という男。
 自分の所属する球団『千葉ロッテマリーンズ』にて正捕手を務めている彼。
 あの男と出会ってから、自分の心が揺れ動いている。


「――あおいちゃん」

 復讐のために全てを捨てたと思ったのに。

「――君は、客寄せパンダになるためにプロになったのかい?」

 女の部分なんて捨て去ったはずなのに。

「――うん。いい球だよ。切れが良くて、よく変化する」

 野球だけと信じていたのに。

「――だけど、軽いね」

 そのはずなのに・・・。

「――球が、じゃないよ。君の、想いがさ」


 小波の放った言葉がぐるぐると自分の頭を駆け巡る。
 確かに彼と出会って自分は変わってしまった。
 得意球としていたシンカーも、今では見る影もない。
 小波に心を奪われて以来、あおいは空っぽだった。
 消えていく。
 自分の中で硬く決めていたものが、とても大切にしていたものがすべて。
 ふわりふわりとゆっくり抜けていく感覚が、自分でもわかった。
 恋にうつつを抜かしているひまなど、自分にはない。
 そんなことわかっている。
 わかっているはずなのに……。
 あおいは再び目の前に置かれたボウルに目を落とした。
 隣には生クリームが無造作に置かれている。
 その生クリームの入れ物を右手で掴むと、あおいは――。
6611/2:2009/02/10(火) 01:35:39 ID:Z5P9GgPz
「小波君! 今日はバレンタインデーでやんす!」
「そ、そうだった!!」
 小波と矢部明雄のそんな会話が耳に入ってきた。
 もしかして、と思ったその直後、案の定小波は自分の方へと凄まじい速度で走り寄ってきた。
「あおいちゃん!」
「なに?」
 動揺する心をなんとか抑えながら、あおいが言った。
「今日はバレンタインデーだよ。僕にチョコレートをくれないかなあ?」
 あおいがす、と目線を自分のバッグに落とした、そのとき。





「軽いね」





「球が、じゃない。君の、想いがさ」







「ゴメンね」
 えっ? という表情で見返す小波を、あおいは精一杯の笑顔で迎えた。
「ボク、そういうの作らないんだ」


 それだけ言うとあおいは振り返り、ブルペンへと戻っていった。
 呆然とする小波を振り返ることもなく、清々しいほど凛とした姿勢で。

 昨夜に味見をしたチョコレートが苦かったのは、砂糖が足りなかっただけだった。
662658=660-661:2009/02/10(火) 01:37:49 ID:Z5P9GgPz
んげ。名前を間違えてしまった。
とりあえずこれで終了です。
少し短めですけれども、楽しんでいただければなあと。


で、やっぱりあおいちゃんは7が至高だと思うんです。
663名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 00:36:18 ID:5m2FX/5i
GJ!!

俺も7の超ツンツンあおいが好きだw
次はもうチョイ長いのにチャレンジしてくれ!!!
664名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 23:04:35 ID:edH6Y2vL
>>662
おっおっ、GJGJ!また7をやり直してみたりするよ
どうも野球面で慣れて無いからあんまり手をつけて無いけどこれをきっかけでつけれるかもな

ところでまとめの管理人って生きてるの?
SSはちょこちょこ更新されているみたいだけど、トップページが更新されて無いなぁ…さびしい
あとPart5以前のはそのままでおk?時間あればwikiの方に移そうと考えているんだけど
665名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 02:48:08 ID:siYeLifh
黒歴史化されていたけど俺が一番好きだった7あおいちゃんがついに!!
武蔵がまたええやつなんやー

しかしあおいちゃんとメジャーのリトル編に出てくる涼子ちゃんって似過ぎな気がするんだ……
666名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 12:31:36 ID:1lIzoe8J
>>665
メジャーってパワメジャ…じゃなくて野球漫画の方か。今度見てみよっと

7あおいちゃん好きの同志が結構いて嬉しいわ
過疎ってるし失業中だし7あお交えて2〜3作執筆してくるノシ
667HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/02/14(土) 23:40:29 ID:1u/UUBXj
どうもお久しぶりです。
ぎりぎりに完成したバレンタインネタを投下します。
俺の投下は偏りがすごいのですでに飽きている人もいるとは思いますが
みずきor聖ものとなっています。最後だけ分岐です。
668HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/02/14(土) 23:41:45 ID:1u/UUBXj
さて、この時期になれば健全な男子生徒諸君は少なからず意識してしまうものではないだろうか。
そうバレンタインデー。
たくさんの女子からもらいまくる男。
義理でも誰かからもらえるあてがある男。
もらえないと思っていても心のどこかで期待してしまう男。
最初から完全にあきらめている男。
そもそもこの日を意識していない男。

憧れの男子に想いを馳せて贈り物を作る女。
友達に多くの義理チョコを振舞う女。
恥ずかしくて上手く渡せずやきもきしている女。
そんなことに全く興味がない女
様々な男女の想いが交錯するこのシーズン、さてここ聖タチバナ学園野球部ではどういったエピソードが見られるのか。

『笑顔花開くとき』


669HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/02/14(土) 23:42:56 ID:1u/UUBXj
まずは自己紹介を、俺の名前は小波優。
聖タチバナ学園野球部主将及びエースを務めさせてもらっていた身だがすでにもう引退し、
ありがたいことにプロ入りも確定している。
が、どうしても学校は卒業したいため、無理を言って春季キャンプ合流を待っていただいている。
今はトレーニングを毎日一定量こなしつつたまには同じ3年生でプロ入りが確定した矢部くんやみずきちゃんと一緒に
聖ちゃん率いる新生聖タチバナ野球部の様子を見に行ったり、やたらといまさら勉学に励んでみたり、
と残り少ない高校生活を満喫している。
ずっと学園長をみずきちゃんと一緒に欺いていたがようやくその重圧からも開放され、ほっとしている今日この頃である。
この件に関してはみずきちゃんのお姉さんや神童元プロに感謝せねばならないだろう。

そんなこんなで何もかもが順調で幸せな道を突き進んでいた俺だがまさかプロ入りが確定したあとにこんなに悩む場面が
最後に待ち受けているなんて思わなかったんだ・・・
始まりから順を追って話していこうかと思う。


「小波くん、もうすぐバレンタインデーでやんすね」
2年前からこのシーズンに必ず聞く親友の少し憂鬱そうな言葉に俺はそうだねと適当に返す。
「小波くんは何度も本命もらった経験があるからいいでやんす! おいらなんて、おいらなんて・・・」
年を重ねるごとに彼の言葉のテンションが下がっていくのももはや予想通りである。
「何いってるんだよ矢部くん、マネージャーやみずきちゃん、聖ちゃんからももらっただろ?」
「でもあれは部員全員に配ってたものでやんす! おいらだけのがいいでやんす!」
もらえるだけ幸せだろうにと言おうと思ったが自分が言っても説得力がないので言葉を呑む。
「大体小波くん! 毎年毎年あんな可愛い女の子たちに告白されて全部蹴るとは何事でやんすか!?
怒りを通り越したあきれをさらに通り越してまた怒りへとおいらは達したでやんすよ!!」
「そんなこと言われてもなぁ、外見が可愛いから付き合うってわけじゃないし」

今のやり取りで察してもらえたとは思うが俺は自分で言うのもなんだが”もらえる側”の人間だ。
しかし大して面識の無い子から唐突に告白されたりするのは正直困る。
やはりこういうのは互いのことをよく知ってからのほうが良いと思うのが個人的な意見だ。


670名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:44:13 ID:1u/UUBXj
まぁこうしてこのシーズンになんともありがちなやり取りをしていた俺たちだが・・・
「優くーん、次の土曜日聖に聞いたら部活やるってさ、一緒に練習行かない?」
このみずきちゃんの問いに何も考えずに矢部くんとともに二つ返事で頷いてしまったのが全ての始まりだった。

そうこの土曜日こそがかの有名な司祭(だったか?)が処刑された日だったのである。
そんなことは当時地平線の彼方かどっかに忘れてきた俺だ。何も考えずに早朝ランニングを済ませ、
支度をして学校へと向かった。
「む、小波先輩。おはようございます」
新キャプテンの聖ちゃんが俺を発見すると挨拶をしてきた。丁寧に頭まで下げて。
らしくない挨拶だ、動きもなんかぎこちない。
「おう? おはよう、どうしたの今日はかしこまってさ」
「いや! 深い意味はないんだ、気分だ気分」
「なんじゃそりゃ」
すぐにもとの調子に戻った聖ちゃんを見て安心しつつも更衣室へと向かった。
「あ、そういえば聖ちゃん。みずきちゃんはまだ来てないの?」
歩みを止めて再び聖ちゃんのほうへと振り返る。
「まだ、だな」
「なんだよ〜いいだしっぺなら遅刻するなよな」
みずきちゃんと設定した時間は現役生の集合時間の30分後だ。矢部くんはすでに更衣室へ入っている。
独り言のつもりで何気なく言った言葉だったが聖ちゃんは複雑な表情を見せて
「実は今日私も遅刻したんだ。自分で時間を設定しておいて情けない限りだが」
と言ってきた。信じられないなと視線で言いつつ言葉を返す。
「聖ちゃんが? またまた珍しい。どうしたの?」
「や、そ、その・・・準備にちょっと手間取ってしまってな」
いつものキレがない声だ。何か恥ずかしい理由でもあるのだろうか。
主語のない聖ちゃんの言葉に俺はそのとき勝手に部活へ行く準備がと解釈してしまったのだが、
部活が終了した後にそれは違うということを俺は知ることになる。


「全く、いいだしっぺのみずきちゃんが遅刻なんて」
着替え終わったころにみずきちゃんが息を切らせてやってきた。自転車でとばしてきたらしい。
「ごめんね〜準備に手間取っちゃってさ」
あれ?ついさっきおんなじような理由を聞いた気がする。
まぁいいか。
・・・実は全然よくなかったのだが。


671名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:45:12 ID:1u/UUBXj
「小波くん! 今日はバッティングで勝負でやんす!」
「ほほぅ、俺がひたすら投げてるだけだったと思わないことだな」
「望むところでやんす!」
ヘルメットを装着し、二人で笑いあう。
「じゃあ私が投げるわ、プロ確定の二人相手に腕試しってところかしら」
「なら球は私が受けよう。異論はないな? 先輩方」
聖タチバナ黄金の女性バッテリーの復活に部員たちは練習の手をやめて4人に見入っている。
「あちゃ〜まずバッティングにならないかもよ矢部くん?」
「なんでおいらに振るでやんすか!」
「じゃあ一番成績が悪かった人が他のみんなにパワ堂で奢りね♪」
自信満々にウインクをするみずきちゃん。こら後輩ども。顔を赤くしてんじゃねぇ。
「よし燃えてきたー!」

結果から言わせてもらうと面白みがない結果で大変申し訳ないがほとんど引き分けの成績で幕を閉じた。
後日みんなで割り勘で行く約束をしてこの勝負は終わった。
そして部活終了のミーティングへと場面は移行する。

「では本日の練習はここまで!」
監督のいつもの言葉で締められ、部活は終了を告げる。
「はぁ〜い! みんなー! チョコもって来たよ!」
「待ってましたー!」「ありがとうございまーす!」
みずきちゃんの言葉に光のような速さで後輩たちが反応する。今の超反応を試合で見せてくれ。
「私も持ってきている。どうぞ召し上がれだ」
そういえば今日こそがそのバレンタインだったなと俺は思い出していた。
良かったね矢部くん学校の無い土曜日ならダメージを軽減できるよ。
内心そんなことを思いながら目の前の光景を観察する。
我が学園でも指折りの美少女たちからのチョコだ、たとえ義理だと分かっていても大半の野郎のテンションは
それはそれはもううなぎ上りという言葉が一番相応しいに違いない。
しかも二人ともおかしづくりの腕前は折り紙つきだ。
「さ、優くんもどうぞ!」「先輩、召し上がれだ」
断る理由など塵ほどにもない。ありがたく頂戴することにする。
「ん、ありがとう」
それぞれをまず一口ずつ順番に口の中へ入れる。
美味い・・・練習あとで糖分を脳が欲しているのもあるだろうが美味い。
「美味いよ、二人ともさすがだねぇ」
思ったままの素直な感想を述べる。
これに対して二人のリアクションはもちろん異なったが共通しているのは喜び、かな。



672名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:46:12 ID:1u/UUBXj
「さて、いい汗かいたし糖分補給もばっちりだしそろそろ帰るかな」
独り言のように言い、俺は更衣室へと向かった。そのときである、更衣室から見慣れた人影が出てきた。
「あれ? 大京じゃないか、どうしたんだ?」
「あぁ、ちょっと忘れ物をしてしまって・・・」
「なるほどね、まぁたまには部活にも顔出しなよ・・・つっても受験終わるまでは無理か」
「そうですね、はは。・・・それでは」
「おう、じゃあなー」

大京と別れ、更衣室へ入り、自分のロッカーを開ける。
入れた覚えの無い箱型の物体が二つ。丁寧にリボンがかわいらしくあしらわれている箱と、
これまた丁寧に包装されたどことなく雅な雰囲気のする箱の2つ。
自分の今いる場所やタイミング、箱の雰囲気で差出人は予想できてしまう。
しかも彼女たちは義理チョコをみんなに配っていた。つまりは・・・そういうこと・・・なのか?
ん? 手紙らしきものが・・・


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


時を少しさかのぼり、部活の昼休みのことである。

「あら、聖。どうしたの?」
いつもとは違う神妙な面持ちでみずきが聖に問う。
「いや・・・みずきこそどうしたんだ?」
これまた同じく複雑な表情を見せてみずきに返答し、質問を返す聖。
「私は・・・」
「・・・みずきは・・・小波先輩にそれをあげるのか?」
みずきが持っていた小さな箱に視線を移し、聖が言う。
「うん、そっか・・・聖も、なんだね」
同じように小さな箱を携えた聖を見てみずきはまた複雑な面持ちとなった。
ここで聖は小さく頷き、場が沈黙する。

「ひとつだけ、約束をしない?」
みずきの提案に聖は視線だけで答える。
「彼が、優くんがどっちを選ぼうとも恨みっこなし! まぁどっちも断られる可能性もあるけどね」
ぺろっと舌を出して笑うみずき。
「そうだな、恨みっこなしだ。最後に決めるのは先輩の意思だしな」
ふっと小さく聖が微笑する。

「直接渡そうかと思ってたけどそれなら話は別ね。部活が終わったら、優くんに決めてもらおう?」
再び聖は頷いた。
「みずきは・・・先輩のどこが好きなんだ?」
「私? 私は―――」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


673名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:47:17 ID:1u/UUBXj
「あっ! 二人とも! この箱は、つまり・・・そういうことだよね?」
更衣を済ませた俺は校門前の二人を発見し、問いかける。
「一緒にくっついてた手紙は読んだでしょ? そのとおりに解釈してもらってかまわないわ」
「私もだ」
「そっか・・・うん。こういうのは立ってする話じゃないね。いい喫茶店を知ってるんだ。そこで、話をしよう」
この提案に二人は異を唱えることもなく素直に応じてきてくれた。
外見は落ち着いてるフリをしていた俺だが内心は本気で悩んでいた。
第3者からみればうらやましがられるような状況かもしれないが本当にきつい・・・
「それにしても二人とも、直接渡してくれればよかったのに」
沈黙はあまりに気まずいのでひとまず話を振る。
言いたいことは遠慮しない二人らしからぬ行為について問うことにした。

「先輩が二人のどっちを選んでも、どっちも選ばなくても恨みはしない覚悟が出来た、といったとこだな」
「右に同じく〜」


喫茶店に到着。結局考えはまとまらず、適当に飲み物を注文して俺は悩んでいた。
別に二人とも嫌だけど断るに断れないわけではない。むしろ逆だ。
二人のことを好きか嫌いかで答えるとしたら間違いなくそれこそ光のような速さで好きと答えれる自信がある。
対照的な二人だけど、2人ともそれぞれの魅力を持っている。
みずきちゃんの太陽のような明るさは一緒にいて元気が出るし1日を楽しく過ごせそうな気分にしてくれる。
だけど聖ちゃんと過ごす穏やかで落ち着いた時間はそれはそれで素敵に違いないものだ。
時々見せる素の表情に何度どきっとしたか分からない。
優柔不断と言われるかもしれないが2人のことは好きだ。だからこそ腹をくくらなければならないだろう。
それが2人に対する礼儀というものだ。俺は―――

「考えがまとまった。俺が付き合うのは―――」


もちろんみずきさんですよね?というあなたはこのまま続きを
聖かわいいよ聖な方は1つ飛ばして読んでください。


674名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:48:36 ID:1u/UUBXj
「俺が付き合うのは―――」
二人が俺をみつめる。俺は目を閉じ、その名を告げた。

「みずきちゃんだ」

再び目を開くとそこには信じられないといわんばかりに目を見開いたみずきちゃんと
悟ったような表情で目を閉じ沈黙を貫く聖ちゃんの姿が映っていた。
「恨みっこなし・・・だからな。私はここで帰らせてもらう」
荷物を手に取り、聖ちゃんが立ち上がる。
「聖ちゃん・・・」
「だが、あの贈り物だけはもらってほしい。私の、好意と感謝の印に。もちろん先輩がよければだが」
「・・・ありがとう、聖ちゃん」
「っ! ・・・先輩は、優しい・・・な」
顔をそらし、聖ちゃんは走り去っていった。
今までこの日に何人も女子を振ってきたがこんなに心が痛んだことはなかった。
だがそれでも俺は目の前の彼女と付き合うと決めたんだ。前を見よう。

「ほ・・・」
ようやく言葉を発しようとするみずきちゃん。
「本当に私でいいの? あ、あんなにたくさん迷惑かけたのに?」
そんなこと考えてたのか、と内心思いつつも俺は言葉をつむいだ。
「最初はね、迷惑だなぁって思ってたけどね。でもいつのまにかその明るさに元気付けられてる自分がいたんだ、
あの偽りの関係だって本物になっても悪くないなって考えたこともあった。だからちゃんと言うよ。
・・・好きだ、みずきちゃん」
「っ!!」
声にならない声をあげてみずきちゃんが俺に抱きついてきた。
「ありがとう、優くん」
「ひとつだけ、どうして俺を好きになったのか教えて?」
「ん、正直に言うと具体的な理由は自分でもよく分かってないの。
ただいつの間にか優くんがいない日々が考えられなくなってたの、曖昧な理由でごめんね?」
不安げな表情、自然と生じる上目遣い、普段からは想像できない弱弱しい声。
いかん、くらっと来た。
「で、でも優くんのことは本当に好きでっ! その、えーっと・・・だからゆ・・・んふっ?!」
・・・反射だ。
え?なにがって反射的にみずきちゃんにキスをしてしまったのだ。互いを抱きしめる力が強くなる。
「これまでもそうだったように、これからも俺らならやっていける」
唇を離し、俺は言った。その言葉の先には・・・

「うん! んー大好きだよダーリンっ!」
笑顔が良く似合う女の子が一人いた。

みずきルートおしまい

675名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:49:36 ID:1u/UUBXj
「俺が付き合うのは―――」
二人が俺をみつめる。俺は目を閉じ、その名を告げた。

「聖ちゃんだ」

再び目を開くとそこには答えを知っていたかのような表情のみずきちゃんと
こちらを見つめたまま固まっている聖ちゃんの姿だった。
「ん、そっか。うん・・・じゃあ私は帰るね、迷惑ばっかかけてごめんね?」
荷物を手に取り、みずきちゃんが立ち上がる。
「そんなことない。こっちこそごめん、そしてありがとう」
「っ! もう! 付き合うって決めた女の子の前でそんなこと言わない!
聖まで泣かせることがあったらそれこそ泣くまで精神を注入してやるんだから!」
そう言い残し、みずきちゃんはその場を去った。テーブルに落ちた一滴の水に俺は
今までにないほど胸に痛みを覚えたがそれでも俺は目の前の彼女と付き合うと決めたんだ。前を見よう。

「で、聖ちゃん? 意識あります?」
「む、なんだか実感が湧かないんだ。いいのか先輩? 私なんかを選ぶなんて・・・
全然女らしくないし、みずきみたいに見た目も可愛くないし、一緒にいて退屈じゃないか?」
よかろう、今聖ちゃんが言った3つの要素全てを否定してやる。
「女らしくないって・・・聖ちゃんこそが大和撫子って感じだけどな、それに前も言ったでしょ、笑顔が可愛いねって。
仲が別に対して良くない奴との間に生じる沈黙は退屈で苦痛だけど聖ちゃんは違うよ。
なんか落ち着いて、穏やかでいい時間だなって思う」
順を追って3つ全てを否定する。
笑顔の件に関しては微笑み程度のものだが当時の俺はそれにかなりの衝撃を受けてこんなことを口走ったのだ。

『あっ! 今笑ったね、聖ちゃんは笑ってるほうが可愛いよ?』

今も告白に答えたテンションだからこんなことが言えるのだ。
「その先輩の言葉を聞いたあとからなんとなく、先輩のことが気になって仕方なかった。
それで先輩たちが引退して確信したんだ。私は、先輩のことが好きなんだと」
落ち着いた様子で淡々と話す聖ちゃん。
「あれは俺にとっても衝撃的な日だったからね。打ち解けていくと表情も豊かになってく気がして、
いつの間にか聖ちゃんの表情に魅入ってたときもあったくらい」
「そういわれると恥ずかしい、な」
と言った聖ちゃんの表情も正直かなり可愛かったのだがこれ以上の発言は変態扱いされかねないので自重する。
「なぁ先輩? 隣に行ってもいいか?」
テーブルの向かいの聖ちゃんが言った。黙って首肯する。これを拒否する輩がいるなら名乗れ、
俺が一人一人制裁してやる。
隣にやってきた聖ちゃんは微妙に距離を空けて座り、感慨深げにつぶやいた。
「私、先輩と付き合うんだな」
「何か問題ある?」
この問いに聖ちゃんは
「ない、そんなものはない、よ?」
そして空いていた微妙な距離を埋めるように聖ちゃんが俺のほうへ寄り、言った。

「先輩、私を選んでくれてありがとう」
満開の、笑顔がそこにあった。俺がその笑顔の虜になってしまったのも無理はないと思う。
聖ちゃん、その笑顔は反則だよ。

聖ルートおしまい
676HMA−15 ◆Q9MeSd1H.U :2009/02/14(土) 23:56:18 ID:1u/UUBXj
さて、これで終わりです。
さっきも言ったけど結局俺のSSはみずきや聖が主人公と甘々な時を過ごすもの
ばかりなんでみんないい加減飽きてきたかなと思ってたり。
でも鬱展開とか非純愛は書きたくないし・・・

>>646 >>662
遅れましたがGJ
この辺はやったことがないですが投下があるのは素直にうれしいです。
677名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:30:09 ID:LunsyKyk
>>676
乙乙!
こういう分岐SSもいいなあ
甘甘なのはこのスレの十八番だから全然おkだぜ!

てかもう二つくらい投下あったらスレ埋まるなwww
678名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 16:46:41 ID:tt3uco/z
聖ボンバイエェェェェェェェェ!
679名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 01:35:37 ID:2tQEqtRL
GJ!
680名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 23:28:52 ID:niFz/3wD
HMA−15氏、超GJ

しかし今過疎っているって言うけどこれくらいまったりしているほうがいいよな。
勿論投下はもっとほしいが

過去ログ見てたんだがPart5の最後なんて滅茶苦茶荒れてたわ
あれほど荒れるくらいならまったりしてたほうが良いね
681660:2009/02/18(水) 00:19:48 ID:MJgol5ro
HMA−15氏GJです。
私は逆に最近の方の作品を知らないのですが
素直に楽しめます。
そういえば あおい→みずき→聖はわかるのに
猪狩→友沢→? という感じです。所詮は男か。

さてさて調子に乗ってもう一作投下。相変わらず旧作の12です。
682660:2009/02/18(水) 00:20:43 ID:MJgol5ro
「わわ、スタンプが15個、MAXたまったよ!」
「なななんと! オレ頑張りすぎちゃいました! で、どんなご褒美が!?」
「実は、まさかここまで行くとは考えてなくて……何も用意してないの」
「えーっ?! マジっすかー」
「どうしよう……」
 はた、と考え込むあおいの横顔はやっぱり綺麗だ。
 小波藤次(こなみ とうじ)は如何な返答が
 待構えているのか、わくわくした気持ちで待っていた。
 綺麗なあおいの横顔。思いに耽ったその表情は、
 まだ幼さの残る顔つきと相まってひどく妖艶に見えた。
 そんなあおいを見て小波が悪い考えをよぎらせてしまったのは――仕方のないことだった。
「オレ、あおい先生に癒して欲しいです!!」



『あの頃に似た、キミに』




「い、いやすっ?!」
 素っ頓狂な声を上げたあおいが呆然と小波を見つめる。
 しかし小波の言葉の真意を掴むまで、そう時間は要さなかった。
 大きく開いた瞳は次第に閉まり、それと同時に頬が熱を帯びて赤く映えてくる。
「それって……その……」
 顔を真っ赤にしたあおいが言葉を詰まらせる。それを見た瞬間、小波は確信した。
 悪い感触じゃない。ここは押すべきところだ。
「オレ本当に頑張ったんですよ! 雨の日も風の日も照る日も降る日も
 あおい先生のためだと思って必死に練習してきたんっすよ!
 だからそれくらいしてくれればいいなあって」
「うーん……」
 あおいの表情が若干曇る。しかし、悪くない。
 本気で拒絶していれば返事すらもらえないはずだ。 小波はしばらく待った。あおいの返事を、とても。
「――わかった。いいよ」
 その返事を聞いた瞬間、小波は天にも昇る気持ちに達したという。
683660:2009/02/18(水) 00:21:11 ID:MJgol5ro
 部室に戻り、あおいがかちゃりと鍵を閉める。
 小波が振り返って見たあおいは、先ほどと比べ少しだけ落ち着いているようだった。
 流し目気味に小波を見つめ、口角を上げて笑って見せた。
「さ、はじめよっか」
「は、はいっ!」
 小波が慌ててズボンを下ろす。上はユニフォーム下は全裸だ。
「わ、すご……」
 あおいがそんな声を上げるのは無理もない。
 小波のものはもうすでにいきり立ち、反り返るほど天を仰いでいたのだ。
 あおいが小波に近づき、ひざまづく。
 そして、小波のそれをその小さな手で握って見せた。
「わ、わぁっ!」
「すごいね。もうこんなになっちゃってるよ」
「うう。思春期の期待感を甘く見ていた……」
「あはは。恥ずかしがらなくてもいいって。じゃ、いくよ」
「ちょ、ちょっと待ったー!」
「へ?」
 もうすでに咥えそうな近さまで来ていた所だったので、あおいは不審そうに小波を見上げた。
「なに?」
「あ、いや、先にシャワーでも浴びたいなって」
「大丈夫だよ。ボクは気にしないし」
「気にしないって……」
 あおい先生、慣れてるのかな?
 一瞬だけそんな考えがよぎり、小波は頭を振った。
 ――違う。
 いや、そんなことはどうでもいい。今は唯、目の前のこの人のことを思わなくては。
 小波が返事をしないのを確認してから、あおいは舌先でぺろりと小波のそれを舐めあげた。
「わわわっ」
「ふふふ。気持ちいい?」
 下を這わせながら上目遣いに自分を見つめてくるあおいを見て、小波は赤面する。
「は、はい」
「じゃ、もっと気持ちよくさせてあげるね……はむっ」
「うわっ!」
 慣れた手つきで手と口を動かすあおい。
 小波の先走り汁とあおいの唾液が混ざり合い、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部室に響いてゆく。
 時には頬の肉でこすり、時には口内に収めたま舌を這わせ、時には素早く手で擦りあげる。
「んむ……ぅ……ん……」
「おおおおおおお」
「ひほひいい? ほはひふん、ひほひいい?」
「は、はいい」
 段々あおいの動きが素早くなっていく。
 根元をしっかりと掴み、先端は口でしっかりと愛撫したまま激しく上下に動かす。
 その手の絶妙なタイミングは小波の意識を彼方へと放り出しそうなほどだった。
「はむっ……んふぅ……ぅん……」
「あ、あおい先生……オレ、もう」
「へひゃいそう?」
「は、はい」
 一瞬あおいは動きを止め、小波のそれから口を離すと、様子を窺った。
 自分のものを握りながら見上げるあおいを見て、小波は再び震えそうな感覚を覚えた。
「もういい? そろそろラストスパートかな?」
 そう言うや否や、あおいは再び小波のそれを咥えた。
「ふ、ふわあっっ!」
 それは先ほどとはまるで違う感触だった。
 自分の性器だけが四次元世界に突っ込んだみたいだ。
 一体どんな舌の動きをすればこんな感触になるんだ?
684660:2009/02/18(水) 00:21:51 ID:MJgol5ro
 ああ――
 彼女は――
 自分が憧れていた、あおいなんだ――

 そんな考えが頭に浮かんだ直後、小波は全身が緊張し、そしてなにかが走っていった――


 小波の精液を顔で受け止めた直後、あおいの脳裏に何かが横切っていった。
 狭くて汚い部室。
 その狭さに似合わない大人数の人間。
 その中で一際目立つ、細身の男。
 これは――。

「出場停止処分?」

「あおいちゃんは、何か勘違いしてるんじゃないかな」

「甲子園には行きたいけどさ、それは絶対じゃないさ」

「オレは野球が出来ればいい。出場停止処分なんてオレにとっちゃなんの苦でもないんだぜ」

「さて、そんじゃ草野球でも始めよっかなあ。ま、オッサンくさいけど仕方ないね」

「ん? どうしたんだい?」

「えっ、うわ、ちょ、えー」

「どどど、どうしようかな」

「と、とりあえず泣き止めって。なんか勘違いされちゃうだろ」

「…………え?」

「――本当にいいのかい?」


 彼だ――九条だ。もう数年も思い出さなかったこの光景を、何故今頃になって――。
 恋恋高校野球部の設立者であり、初代キャプテンである九条が事故死したのは、その一ヵ月後のことであった。
 あおいがマネージャーとして九条たちを支えると決めたのに。
 九条はどうあってもあおいに戻ってきて欲しいと思っていたから。
 街頭で一人ビラ配りなどの活動に精を出していたから。
 練習終わり、彼の体力は限界に達していたんだろう。
 すぐ近くまで来ていた乗用車に気がつかなかったのだ。

 九条が事故死したあと、恋恋高校野球部は事実上廃部となった。
 その後は大会側もルール改正を施し、女性選手も出場できるようになったが、
 もう何もかもが手遅れだった。人数が足りなかったわけではない。
 ただ、誰も動けなかっただけ。
 九条なきあと、恋恋高校野球部は見るからに衰えていった――。
685660:2009/02/18(水) 00:22:11 ID:MJgol5ro
「ふーっ、すごかったですよ。あおい先生……ってうわぁ!」
 小波のあげた大声に気がつき、あおいはふと目を上げる。なにやら小波の顔が曇って見える。
「ななななな、なんで泣いてんですか?!」
 ――泣いてる?
 ――自分が?
 つ、と指で目をなぞってみた。
 思いのほか、指が濡れた。
「ややや、やっぱりイヤだったんですか?!」
 慌てる小波をたしなめるようにあおいは小波の肩を触った。
「本当によく頑張ったね、小波君」
「へ?」
「スタンプ15個集めるなんて、びっくりしたよ」
「え、あ、あぁ、それは――」
「これからも頑張ってね」
 振り返り帰ろうとするあおいを、小波は何故だか呼び止めてしまった。
「あ、あのー」
「どうしたの?」
「あ……いや…」
「もうっ。なに?」
「その、これで終わりかなーって」
 恥ずかしそうに俯く小波を見て、あおいはなんだか笑ってしまった。
「わ、笑わないでくださいよっ!
 もう一回言いますけど、思春期の期待感はスゴイんですから!」
「わかったわかった」
 そう言って、あおいは小波に一枚の紙を手渡した。
 それは、スタンプシートだった。
「続きは、また15個集まったらね」

 ――小波のやる気があがった!

 ――か、どうかは定かではない。
 そして、今は六月の四週目なので、あと一ヶ月足らずで
 小波がスタンプを15個集められたかどうかも定かではなかった。
686660:2009/02/18(水) 00:23:41 ID:MJgol5ro
以上で終わりです。
どうでもいいんですけど12のあおいちゃんは
髪の毛がなんだかボッサボサに見えますよね。

そして相変わらずエロ表現が少ないですが、まぁご愛嬌ということで。

でわでわ。ご拝読ありがとうございました。
687名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 00:47:13 ID:vnFZ9Rw1
>>686
おー、12のSSとは珍しい。GJなんだぜ

ちなみに第三世代のライバルは東條だな
神楽坂と鈴何とかさんは、いかんせん描写不足だね。神楽坂は普通にライバルでもいいけどね
12以降を今やるなら15を勧めとくぜー
688名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 22:27:45 ID:CE2eEskZ
パワプロのライバルはセンスが高くて野球に苦労した経験がなさそうなのが嫌だ。いかり然り友沢も東條も。

ポケだと小杉とか赤坂あたりはそういうのがない分、好感が持てる。
689名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 06:07:32 ID:OtajozOw
こんな過疎スレで釣りか
690名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 12:06:30 ID:uJ8sI+Yv
猪狩→弟が死にかけたりアフロになったり
友沢→母親が死にかけたり野手になったり
691名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 12:46:25 ID:eeGS/D82
>>688
その三人が苦労したことないってのは、ちゃんとパワプロやってないだろ
いくら能力が高くても苦労してる描写などいくらでもあるだろ。東條はまだちょっと少ないけどな

そもそもSSスレで言い争う話題じゃないな
692688:2009/02/19(木) 20:56:14 ID:yqqiQjoI
「野球に関して」だからな。友沢は肘壊しても即日野手転向して、すぐに守木に起用されてる。



まあ関係ないからここまでにします。
693名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 22:27:32 ID:eeGS/D82
>>692
ぶっちゃけ言いたくなる気持ちは分かる
だけどあの文章だとパワポケを持ち上げてるだけにしか見えないなつまり俺が言いたいことは

















13の彼女キャラ可愛いよハァハァ
694名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:57:15 ID:E9QE6Uin
猪狩は金に任せて専用球場まで作らせて練習三昧だし、
友沢は友沢でバイトとトレーニングに忙しいとかいっている。
つまり二人とも練習量がハンパないから能力が高いだけ。
それでも何故苦労知らずのセンス○に見えるのか……









イケメン補正ですね、わかります。
695名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 00:36:52 ID:VgwyWoaU
>>693
13彼女のクオリティの高さは異常

その分イベントが残念だが
696名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 14:35:03 ID:Sd6W4xG/
木乃葉さんは俺の嫁
697名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 21:26:27 ID:EupAIcz8
( ゚∀゚)o彡°絵久ちゃん絵久ちゃん!
698名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:20:28 ID:qDeonazo

 神楽坂グループ。合格率一パーセントとされており、特に野球部は名門と呼ばれていた。
 しかしこの数年で力を伸ばしてきたTOJOインターナショナルに幾度と敗北。苦汁を嘗め続けてきた。
 そして遂には神楽坂CEOの雷が落ち、この一年で結果が出なければ廃部という決断を下される。
 意気消沈する中、児波という野球青年が一人、荒く息を吐いていた。

 彼はチーム全体の火付け役となり、やる気のなかった神楽坂光彦らを目覚めさせる。
 それは徐々にチーム内に広がっていき、やがて覚醒し予選を楽に突破するまでの爆発力を生んだ。
 その勢いは全国大会にも及び、ミゾットら強豪を撃破し決勝まで辿り着いた。
 決勝こそ黒獅子重工の前に敗れ去ったものの、チームが覇気を取り戻すには十分過ぎる程。
 次こそは、と練習に励む神楽坂野球部。その次の予選が近づいてきた。



「ふぅー、今日も疲れたな……っと」
 流した汗をタオルで拭いながら一息付く児波。外のグラウンドは照明が付いて辺りはもう暗い闇に包まれている。
 更衣室の中に居る者は残り少ない。児波はかなりの時間練習に励んでいたよう。
 時間が経つのが思ったより早い、と携帯電話に表示されている時間を見て児波は思う。
 シャワーを浴びて早く帰ろう、児波がバッグに携帯に入れようとしたその時。

『夢を掴み取れ僕らの目指す未来は必ずここから続いているから〜♪』

 着信が鳴り響く。音量MAX。残っていた部員の視線が児波に集中した。
 児波は皆に一言謝り携帯を開き、着信の送り主の名前を見る。
「おっ」
 思わず声を漏らす児波。すぐに返信メールを打ち送信。足早に児波はシャワールームへと消えた。

 シャワールームから出てきた児波は急いで着替え更衣室を着替えている最中、横から馴染みのある声が聞こえた。
「何をそんなに急いでいるでやんすか?」
 視線を横にやるとそこには分厚い眼鏡を掛けた友人がいた。矢部昭雄である。
「ああ、ごめん矢部くん。急用が出来たんだ」
「そんなにさっきのメールが重要だったんでやんすか」
「まあ、ね。じゃあお先に失礼!」
「っていつの間に着替えたんでやんすかー?!」
 矢部も驚く脅威のスピードで着替えた児波は、颯爽と更衣室を後にした。

「待ち合わせはこの公園だったよな……」
 携帯に送られてきたメールには、確かにここの場所で待ち合わせという文章が送られてきていた。
 まだ来ていないようなので、児波は近くのベンチに座る事にした。
 しかし、数分待ってみたが現れる気配は無い。
 手を擦り合わせる。朝見てきた天気予報によると、今日の夜はかなり冷え込む模様。
 少し寒い、とその手に息を吹き掛けると共に、視線の上のほうから缶コーヒーが差し出されていた。
 児波は顔を上げる。そこには分厚い眼鏡を掛けた野球人がいた。
 その分厚い眼鏡を外すと、彼女はふと柔らかに微笑んだ。
「遅れてすまない、少しバタバタしていたんだ」


 秘めてる想い

699名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:21:34 ID:qDeonazo

「いや、全然待ってないよ」
「その割には結構寒そうにしているように見えたぞ」
「そりゃあ今日は冷え込むって聞いたから」
「む、そうなのか。……すまない、そんな日に呼び出してしまって」
 眼鏡を掛けていた野球人――六道聖は少し落ち込んだ表情を見せると否や「大丈夫大丈夫」とにこやかに笑んでみせる児波。
 缶コーヒーを受け取り、彼女をベンチの横に座らせた。
 児波は飲料を喉に流し込みほっと一息つく。吐く息は白く冷え込む夜空に消えていった。
「それにしても聖ちゃん、随分とメール打つの上達したね」
「あんな感じでいいのか?めーるなんて全然使った事なかったからな」
「うんうん、あれ位文章打てるようになったら上出来だよ」
「そうか…」
 聖は野球に関してはの知識は素晴らしいが、日常生活にとっては超がつくほどのアナログ人間だった。
 メールはおろか、パソコンや携帯電話、更にはテレビさえ殆ど見ない、情報源は新聞などなど。
 児波が初めて聖に出会い、彼女から指導を受ける際に連絡先として電話番号を聞こうとして返ってきた答えが「ボタンが多いから持ってない」ときた時は驚きを隠せなかった。
 今時持ってないほうが少ない。児波の反応は極普通。そんなその頃の事を思い出しながら苦笑する児波。
「多分俺と聖ちゃんが会ってなかったら、きっと聖ちゃん携帯もつことなかったよね」
「うむ、お前と出会ってからまた新しく学んだ事が多い。……感謝しているぞ」
 薄っすら頬を染める聖。あまり見せることのない彼女の表情に児波は照れ隠しする。
「そ、そう言えば聖ちゃん、今日は何で俺を公園に誘ったの?」
「そうだ、お前に頼みたい事があるんだ」
 聖は児波の目を見つめあう。そして訪れる沈黙。
「………」
「………」
 突然の張り詰めた空気により児波に緊張が襲い掛かる。
 沈黙の間、二人の間に夜の冷たい風が二人の間を通り過ぎて言った。
 数十秒後。沈黙を破ったのは聖の唇が動いた瞬間。
「キャッチボール、してくれないか?」
「……キャッチボール?」


 彼女が持ってきたバッグの中にはキャッチャーミット。どうやら準備は万端だったようだ。
 聖の用意周到なのは相変わらず、一度決めた事はやり遂げる。今まで児波が彼女と接してきて分かった事だ。
 簡単に肩を温めると、児波が放るとその球は聖が構えた所へ緩やかに収まる。
 幾度と繰り返すと、聖に徐々に笑みが浮かんでくるのを見て児波は疑問に思い問いかける。
「俺の顔に何か付いてる?」
「やっぱりお前の球はいいな。……他の誰でもない、お前の球が」
「何か言ったー?」
「いや、なんでもない」

 聖は言葉を濁しながらキャッチボールを続ける。
 夜は深いが、二人の頭上で光る月と、すぐ傍にある灯りによってそれほど暗くないようだ。
 乾いたミット音が二人の間で鳴り続け、もう数球繰り返すと聖は溜め込んでいた息を吐き出した。
「もうすぐ大会だよな。……本当に大丈夫なのか?」
「何が?」
「何がって……、この大会で結果を残せなければ廃部の可能性があるんだぞ!」
700名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:22:51 ID:qDeonazo

 聖が少し口調を強める。その力強さに児波は少し立ち往生する。
 が、次には表情を改め口から出る言葉は確信を持ったように違う。それは先程との彼とは違うように。
 児波はグローブを外し傍のベンチに置いて胸をドンと叩く。
「大丈夫。俺だって負けるつもりはないよ」
「……うむ」
「それに……」
「それに?」
「聖ちゃんのお陰だよ」
「なっ……?!」

 聖が声を出した時には、児波は彼女の手を握っていた。
 児波の手は日々の練習によってぼろぼろ。しかし非常に力強かった。
「聖ちゃんがいたからこそ今の俺がいるんだと思う。……声に出すと恥ずかしいなぁ」
「そ、そうか……ありがとう」
「それはこっちの台詞だよ。聖ちゃん、ありがとう」
「ああ。……それは分かったが、一つ聞いてほしい」
「なに?」

「手を、放してくれないか?……少し痛い」

「ご、ごめん悪気はなかったんだよ」
「分かっている、……分かっている」
 児波が手を放した次には、聖は振り向いていた。
 少し気まずくなった空気だったが、「もう大丈夫だ」と聖の一言によって戻された。
 大きく息を吐いた聖は児波から少し放れミットを構える。
「さあ、肩が冷える前に軽く投げてみないか?」
「いいの?じゃあ俺は遠慮なく投げ……!」
 聖の真正面に立った児波はマッハの速度で硬直した、先程の立ち往生とは何か違う。
 それは児波の視線の先にある。スカートの間から見える下着。
 白だ、白があった。真っ白である。
「あ、あの、聖さん」
「何だ改まって。何かあったのか?」
「……その体勢だと非常に投げづらいものがあるんですが」
 何が何だか分からない聖は自分の体勢を見直してみる。
 するとようやく気づいた様子で、少し頬を赤く染めて児波に謝る。

「……す、すまん、ズボンを穿いてくればよかったな」
「いや、俺としたら良いモノを見れたからいい。……って俺は何言っているんだ!」
 一人で突っ込む児波を他所に、聖はぶつぶつとなにやら呟いていた。
701名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:24:05 ID:qDeonazo

 神楽坂グループ本社からそれほど遠くない所に聖の住んでいるアパートがある。
 その彼女の部屋は非常にシンプルなものだった。
 本棚には野球関連の本がギッシリ隙間なく並べられてあった。
 あまり使われていないテレビの上はテレビ棚の上。埃は殆ど残っていない。
 決して無機質な部屋ではないが、生活に必要最低限の者しか揃っていないようだ。

 部屋に帰ってきた聖は、すぐさま風呂に浸かった。心なしかいつも以上に体に染みるようだった。
 風呂から上がった彼女はパジャマ姿ですぐにベッドに横たわる。これも心なしかいつも以上にふかふかで気持ち良い。
「………」
 あの後。児波のボールを受けたのはキャッチボール程度。帰宅時の会話も以前より少なくなって気まずかった。
 聖自身、別に怒ってなどいなかった。いつもならあっけらかんと答えていたはずだ、彼女の性格なら。
 だが違った。いつものように答えられなかった。
(何故、あの時…急に恥ずかしくなったのだろう……)

 そして今は体が熱い。風呂上がりのこともあるが違う、純粋に体が熱いのだ。
 心が熱い、どんな表現をしていいか聖自身分からない。少なくともそれは児波に手を握られてから続いている。
(何だこの気持ちは?野球をしている時とは違う……)
 思い返してみてもこのような心が熱くなった事はない。野球で心が熱くなるとはまた違った熱さ。
 起き上がって考えてみる。が、結局その熱さによって考えは遮られてしまう。
 再びベッドに横たわりころころと転がる。すると聖の口からふと言葉が漏れた。
「児波くん…、……熱いよ」

 漏らした刹那、ボッと顔が真っ赤に染まりベッドから飛び起きた。
「なっ、なーっ!何を言っているんだ私は!!何であいつの名前を口にした!?」
 恥ずかしさのあまり悶える聖。それを抑え込むのにかなりの時間を用いた。


 落ち着きを取り戻した聖は再度ベッドに転がる。しかし結局この熱さの意味が分からないまま。
(どうしたんだろうな……私らしくない)
 そう言えば先程から股間の方にも違和感があるのだ。もぞもぞしてて落ち着かない。
 聖の右手は自然と下半身に伸びていく。その動きはスカートの中のショーツに指がかかった時止まった。
 指を動かす。いくらアナログ人間の聖だが、ショーツが濡れている事が何を示すのかは知っている。
 だが分からない。何で今こんなに濡れている事が。
702名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:25:31 ID:qDeonazo
「……まさか」
 欲情しているか、彼に、児波に。せっかく元に戻った顔がまた赤らみを増していく。
 下半身に下ろしていた右手を唇に当てる。その指はショーツの湿り気を帯びていた。
「………」

 落ち着かない。せっかく先程落ち着いたというのに。
 聖の手は再度ショーツへ伸びていき、濡れている部分をなぞり始める。
「……ッ!」
 身体が震える。だが指の動きはゆっくりと、しかし確実に彼女に官能的な刺激を与えていく。
 プチプチと左手でパジャマのボタンを外す。その隙間から小振りの胸を優しく弾ませる。
 人差し指と中指を合わせ、ショーツの上から擦り付ける。
「ぁ…、ふぁっ……!」
 次第に甘い声を漏らし始める。ショーツにはどんどんと染みが広がっていく。
 暫くその行為が続き、遂には聖の腰が動き始める。共に無意識に両手の動きが激しくなる。
 左手は胸。乳房を弾ませながら、二本の指で突起をこね回す。
 右手は下半身。幾度繰り返すごとに上下運動は強さを増していき、指はショーツの中に侵入した。

「ッ!」
 思わず右手を引き戻し、聖の視線はその右手へ。
 指を動かしてみると、彼女の蜜の粘液が伸びて次にはぷつりと切れた。
(こ、こんな……、嘘だ……)

 もう一度右手を侵入させる。そこは彼女の思っている以上に愛液で濡れていた。
 そしてもう一つ。彼女の思っていた以上に押し寄せる興奮。膨らんだ陰核を合わせた指で擦っていく。
「あっ、や、やぁっ……!」
 あまりの気持ちよさに口から涎が出る。その事に彼女は気づいていたが、そんな事を構っている余裕はないようだ。
 指の動きは愛液と絡み滑らかに、上下に擦るスピードは絶頂に近づくたびに速くなっていく。
 勿論それは意識していないのにも関わらずだ。彼女の指が自分を求めているのだ。
「っあ!…くっ……!」
 近づいてくる快楽の頂を我慢するかのように歯を食いしばるが、中から溢れてくる痺れは彼女の思考を麻痺させる。
 ずっと胸を揉み続けていた左手は、いつの間にかベッドのシーツをギュッと握り締めていた。


「や、あっ…!だ、駄目だ……ッ!これいじょう…は……っ!」
 口でそう言うものの、その声は既に荒々しく、艶めきを帯びている。
 手の動きはやむ事を知らない、彼女を頂へ上らせるまで続いていく。
「――ッ!も、もう……っ!!」
 もう声を出すのもやっとのよう。
 腰を突き上げる。今の彼女には冷静な表情を見せるいつもの姿の微塵もない。

「……こ、こなみ……くん……っ!……っああ!!」

 絶え間無い痙攣が続き、遂に彼女は絶頂を迎えた。
 彼女の中から迸る蜜は穿いている下着を汚し、シーツをも汚していく。
 持ち上がっている腰が漸く下りた頃、聖はオーガズムの余韻に浸っていた。
703名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:26:43 ID:qDeonazo

「………」
 落ち着いた後、再びシャワーを浴びに浴槽へ入る聖。髪はボサボサに乱れており、とてもいつもの彼女には見えない。
 汚したショーツを脱ぎ捨てる。「洗うものが増えた」と小さい声で呟いた。
 だが今の彼女にとってそんな事はどうでもいい。
 シャワーを浴びる聖。ボサボサだった髪は水分を含みストレートに、体中に掻いた汗が流れていく。
 そんな中、聖はモヤモヤとした気持ちに包まれていた。
「私は……どうしたんだ。……児波の事が好きだというのか?」
 思い当たる節はある。自慰行為に耽っていた時、身体が熱くなった時、そして彼の手を握った時。
 それらは全て児波が関連している。今の聖には分かる。
 恐らくキャッチボールのとき、普段どおりに返答できなかったのもそのせいだろう。
 児波に見られている羞恥心が。いつもなら見せる事が無い心が。
「………」
 聖はキュッとシャワーの蛇口を閉め、タオルを握り締め浴室から姿を消した。


 翌日。空は生憎の曇り模様、いつも頭上を照らす太陽はたまに見える程度で、大体は灰色の雲で覆われている。
 10月下旬の朝は思ったより寒い。そんな中、児波は溜め息を二度付きながら神楽坂グループに出社した。
 彼にはいつもの表情は無く、いかにも何か考えているような複雑そうな顔。理由は勿論昨日の出来事。
(聖ちゃんに会うのが非常に気まずい……)
 その入った曲がり角でばったりと目が会ったのは、紫色の髪をして分厚い眼鏡を掛けた彼女。
 なんとまあバッドタイミング。
「あ……」
「………」
 まさに今考えていた相手、六道聖が目の前に立っていた。
 児波は表情を悟られないように無理やり笑顔を作って聖に話しかける。
「…お、おはよう!聖ちゃん」
「ああ」
「き、昨日はごめん!俺……」
「平気だ。気にしていない」
「そ、そう……」
「うむ。じゃあまたな」
 聖は振り向くとツカツカと向こう側へ歩いていった。
 一人残された児波。頭を抱えながら後悔する。
(ああ……、やっぱり怒っているよー……)
 どうやったら許してくれるのか。児波の悩みは膨らむばかりだった。

 一方、聖はと言うと……。
(……眼を、合わせられなかった)
 分厚い眼鏡のお陰で児波に悟られなかったが、聖自身ここまで重症だったとは思いもせず。
 聖は後方へ振り向いてみたが彼の姿はもう見えない。
(……児波、くん)
 胸が熱い、高鳴っている。胸を優しく擦る聖。
(どう考えてもこの気持ちは……)
 今まで彼と接してきた日々を思い返す。
 彼と共にする事で野球に対する情熱を取り戻し、確かに聖は彼を野球のパートナーとして最高の人だと感じていた。
 だがこの気持ちは紛れもない恋愛感情。野球のパートナーだけじゃない。
(………)
 複雑な感情のまま、聖は自分の勤務する経理部へ戻っていった。

704名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:27:51 ID:qDeonazo

 その日以降、二人は何かしら距離をとるようになっていた。
 いや、児波が謝ろうと聖の方に向かうのだが、聖が一方的に会おうとはしないのだ。
 児波の野球の練習にはちらほらと姿を現すが、児波が声をかけようとするとすぐに踵を返して姿を消す。
 そういう日々が幾度も続き、気が付けば地方大会決勝の日になっていた。

 決勝戦当日。太陽は天に昇り空は青空を見せる。誰がどう見ても快晴の空。
 神楽坂グループの相手、それは勿論TOJOインターナショナルだ。先発はどうやら児波ではなく神楽坂光彦のよう。
 児波は憮然とした面持ちをしながらベンチで腕を組んでいた。
 試合前、ベンチに座る児波に話しかけてきた人物がいた。対戦相手の御曹司、東條小次郎だ。
 東條は鋭い眼で児波を睨みつけながら口を開く。
「夏は負けたが今回はそうはいかんぞ児波。前回の借りをしっかりと返してやる」
「…ああ」
「……腑抜けた返事だな。試合でもそんな顔を見せる気か?」
「………」
「ふん、精々足掻くんだな。そのような覇気の無い顔じゃ俺に勝てはしないだろうが」

 東條が去っていくと共に児波は深い溜め息を吐く。悩みは拭えず、決勝戦にまで持ち込んでいた。
 彼女と話せない日々が続くにつれて、児波の曇り空のようなもやもやは増えるいっぽう。
 遂には野球や日常生活にまで影響を及ぼした。神楽坂CEOに減給されたり、男前田監督に二軍落ち一歩手前宣言されたり、腰巾にパシりをやらされたり。
 光彦や矢部にまで、「児波らしくない」と言われる始末。前の彼なら見せる事なかった姿、全てあの日を境に狂い始めのだ。
 そんなボロボロな児波がよくよく考えて出した結論。
(俺には彼女が……必要だ)
 給料日に初めてあった、野球を諦めた野球人。
 自分に投手のあり方を教えてくれた捕手。
 そしてあの日まで苦楽を共にしてくれたパートナー。

(聖ちゃん……。もう一度だけ話す機会が欲しいよ……)

 試合はTOJOインターナショナルが優勢に進めていた。
 先発の神楽坂光彦の甘く入った球を東條がスタンドに放り込む。
 途端に光彦の球が荒れだし3失点。スコアは1対3、TOJOが二点リードのまま児波が登板した。
 その児波の瞳に炎は灯っていない。奮起したあの頃の彼とはまるで違う。
 バッターボックスには東條、バットを児波へ突きつけるように前に出す。

「失望したぜ。夏に対戦した時は変わったと思っていたが、やはりこの程度のようだな」
「………」
「何か悩んでいるようだが俺には関係ない。お前を打ち砕くだけだ」
 児波の力の無い球を東條は思いっきり引っ張る。それは物凄い速度でポール横のスタンドに飛び込む。
 数センチずれていれば本塁打。東條らしいパワフルな打球だった。
「覚悟しろ、次は逃さん」
 途轍もない大きな壁が児波の前に立ちふさがる。その壁に児波は絶望する。
705名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:29:11 ID:qDeonazo

(……駄目だ。聖ちゃんに言われていた事が出来ない。もう…俺は)
 その時、スタンドを見渡していた児波が一瞬映った紫色の髪の毛。
 眼を凝らして眺める。間違いない、彼女がいた。
(聖ちゃん……見ていてくれたんだね。彼女が見てくれている所で無様な姿は見せなれない……っ!)

 児波はこのイニングを何とか切り抜ける。東條には内角低めいっぱいの直球で三振を決めた。
 だがベンチ裏に消える児波の眼はまだ生き返っていない。
 足りない。これだけじゃ全然満ち足りない。
(聖ちゃん…会いたいよ、話したいよ、ボールを受けてほしいよ……)
 すると児波のバッグから携帯が振動する音。どうやらバイブを消すのを忘れていたようだ。
 おもむろに携帯を取り出し開く。どうやらメールの様子だ。
 メール先は……六道聖。内容は―――


「ふん、ようやく開き直ったようだな」
「………」
 神楽坂グループは打線が繋がり同点に追いついた。九回表、TOJOインターナショナルの攻撃。
 児波はランナーを四球で出し、走者が一塁。勝ち越しの場面の場面で次の打者は四番の登場。
「さて。見せてもらおうか、お前の本当の力を……。そして、本当に神楽坂が目覚める事が出来たのか……」
 東條がバッターボックスで構えると同時に、児波はグッと深く帽子を被りなおす。
「見せてみろ、神楽坂グループの児波……!!」
 児波はボールの縫い目に指を掛ける。それは六道聖と共に研究したあの球。
 もう東條を見て壁を感じることは無い。いつも通りに投げる。いや、聖に教わった通り投げる。それだけだ。
 長い腕を撓らせながらボールを投げる児波。その白球は東條のバットから逃げるように重力に負けた。


「お前…いや、お前らの力は本物だったようだな。……完敗だ」
 九回裏の攻撃で神楽坂グループは完全復活を遂げた。所謂サヨナラ勝ちだ。
 試合後。児波は背後に気配を感じ振り返ると、そこには東條が立っていた。
 開幕時とは違い、東條に威圧感はない。そこにあるのは試合を戦い終えた野球人の姿だった。
「すまない、最後まで力を出せずに」
「関係ないな。俺は全力で戦い、そして負けた。お前の力にな」
「東條……」
「…その……、なんだ……」
「?」
「……コジロー、頼む」
 その言葉と共に、いつもの東條の表情は消え柔和な面持ちの東條が現れた。
 児波はそいつのことを知っている。東條はどうやらもう一つの人格を持っているようだ。
 それは雰囲気で分かる。全く性格や面持ちが違うから、誰が見ても分かりやすい。
「また熱い勝負をしようって。どこへ行っても俺とお前はライバルだってさ」
 思わず噴出す児波に鋭い眼光が突き刺さる。どうやら人格が替わった模様。
「……何故笑う」
「何言ってんだよ、そんなの当たり前じゃないか!」
「……そうだな、そうだったな」
 児波はこちらの人格で笑う東條を初めて見たような気がした。

706名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:30:23 ID:qDeonazo

 そして辺りは闇に包まれる午後八時。祝賀会を早めに抜けた児波はあの公園にやってきた。
 快晴だった昼間とは違い、静けさが増して風は肌寒い。天気予報によるとどうやら夜はかなり冷えるようだ。
 傍にあるベンチに座る児波。ふぅと大量に貯めていた息を吐いた。
(何か……あの時みたいだな)
 あの時とは状況は違うけど光景は似ている。
 あの時は缶コーヒーを差し出されたんだっけ、と思い返している児波にずっと聞きなじみのあった声。
 酷く久しぶりに聞いたその声。顔を上げると、分厚い眼鏡を掛けた女の子がいる。
 眼鏡を外す彼女。一瞬だけ目を逸らしたが、再びその瞳は児波の方向へ見開いていた。
「久しぶり、……だな」
「……うん」
「隣、いいか?」
 児波は無言で頷くと、聖はスカートを掴みながらベンチに座った。
「………」
「………」
「………」
「………」
 聖が座った途端無言になる二人。非常に気まずい空気になってしまった。
 時たま身体を細かく動かす。だが視線が合うと意気消沈してしまう。
 そんな流れが数分続いたのち、聖が語り始める。
「……お前の顔が、見れなかったんだ」
「………」
「私の決意が足りなかったんだ。お前を見るとどうしても口を塞いでしまっていたんだ」
「………」
「どうして私は求めてしまうんだ……。野球に関しても……お前に関しても」
「聖ちゃん……」
 聖の眼の縁に涙がうっすらと浮かんでいる。声が涙声になりつつも、聖は言葉を続ける。
「お前は優しすぎる……、優しすぎるんだ……!」
「………」
「教えてくれ……。何故お前は私にここまで優しくするんだ……?」
 遂に聖の涙の決壊が崩壊し、大粒の雫がスカートへ染みこむ。そして児波にもたれかかる。
 児波は聖が落ち着くまで彼女の頭を優しく撫でていた。


「すまない。……ようやく落ち着いた」
「うん…」
 ようやく顔を上げた聖の眼は赤く充血している。その顔は先程の問いに答えてくれるか不安の顔。
 だが次には吹っ切れたかのような笑みがあった。
「別に今すぐ答えてくれなくても良い。今はあの時出来なかった事をやりたいからな」
 すると聖はあの時のようにバッグからキャッチャーミットを取り出した。
 そしてボールを手渡し、彼から少し離れてそこに座った。
「お前のボールを受けたい。あの球を投げてほしい、今日の最後に投げたあの球を」
「………」
707名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:31:24 ID:qDeonazo

 児波はベンチから立ち上がりゆっくりと離れていき、約18メートル離れた位置に立つ。
 だがそこからずっと投げない児波に聖は首を小さく捻る。
「どうした?私は早くお前の球を受けたいぞ」
「聖ちゃん!!」
 刹那、聖に向かい走る児波。
 そして彼女の目の前に立ちそして抱きつく。聖は驚いた面持ちを隠せないでいた。
「こ、児波…くん?」
「ありがとう。また俺の球を受けてくれるんだね……」
「……うん」
「先程の質問に答えるよ。……俺の素直な気持ちだ」
「……!」
「君が好きだからだ、聖ちゃん!」
「っ!」
「俺には君がいないと駄目なんだ。どんな時も、いかなる時も。君が好きだから……!」
 その瞬間、再び彼女の瞳に涙が湧き出てきた。児波に抱きしめられながら、涙声になりながら聖は彼を抱きしめ返す。
「…わ、私も……大好きだぞ…!児波くん……!」
「聖ちゃん……!」
 力をこめていた腕を放す。自然と二人の視線は見詰め合うように。
 夜の肌寒さなど、今の二人には感じられないほどに暖かみを感じていた。
「児波くん……」
「眼を瞑って、聖ちゃん」
 ハッと驚きの面持ちで顔を上げる聖。だが次には頬を染めながら眼を瞑る。
「う、うむ……。は、恥ずかしいから早くしてくれ……」
 鼓動が高鳴っているのが自分でも分かる。この感情はあの時以来。
 唇に感触が伝わる。細く眼を開けると彼の顔がいっぱいに広がっている。
 聖は再び眼を瞑る。感じ取っていた。今、自分は幸せだと。

 接吻が終えると児波は唐突にこのような言葉を繰り出した。
「聖ちゃん、俺の部屋来ないか?」
「……な、なーーー!?」
 流石に驚く聖。児波は後頭部を書きながら反省の言葉を含める。
「やっぱ駄目かな?今まで俺の家に入れたこと無いからなぁ」
 だが次に聖は柔らかな笑みを浮かべながら言った。
「……いや、ちょっと驚いただけだ。いいぞ、児波…くんの部屋を見てみたい」


「ちょっと待ってね、今片付けるから!」
 バタバタと先に部屋の中に入っていく児波に聖は思わず微笑んだ。
 数分後、ドアから児波の顔が現れて「どうぞ」と聖を招く。
「お邪魔します」と共に聖が彼の部屋に入る。確かに今掃除したような後が窺える。
 だが児波も自分と同じ野球人。野球の雑誌や参考書など、本棚にギッシリと並べられていた。
 嬉しくなる。また小さく微笑むと児波に首を傾げられた。

 聖は冷蔵庫に入っていた残り物で児波に料理を揮った。
 彼が祝賀会を途中で抜けてきたので小腹が空いたといっていたのだ。
 簡単に作った料理でも彼はペロリと平らげる。彼の笑顔が何を意味しているのかは言わずとも分かる。
 次に聖は浴槽を借りた。借りたといっても簡単なシャワーだけだが。
 しかし今日の掻いた汗は十分にシャワーの水滴へ流し落とした。色んな意味を含んだ汗を。
 次に児波がシャワーを浴びる。児波は聖に「くつろいでいていいよ」と一言。
 だが今の聖にくつろげといわれてもくつろげない。今聖は児波の部屋にいる、胸の鼓動がバクバク言っている。
(児波…くんの部屋)
 物珍しげにキョロキョロする聖。好きな人の部屋、興味ないはずが無い。
 児波がタオルで髪を拭きながら浴槽から上がる。するとそわそわしている聖がそこにいた。
 かなり珍しい光景をみた児波。聖は児波の視線に気づくと共にそわそわを止め頬を赤らめていた。
708名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:32:22 ID:qDeonazo

 その後、ベッドに凭れかかり寄り添う二人。すぐ横にあるのは二人の合わせられた手。
 胸の鼓動はなりっぱなし。視線と視線が合うと二人微笑み合う。
「児波くん。好きだ、大好きだ……」
 もう一度自分が彼を好んでいる事を口にして、眼を瞑る。
 児波も「うん」と頷き、本日二度目の口付けを交わす。それは公園でしたキスよりもずっと長いもの。
「んふっ……ちゅっ……」
 唇を放しては重ね、放してはまた重ね。二人は求め合うように舌を絡める。
 繰り返したキスを終えまた微笑む。聖は自らベッドの横になる。
 聖が着ているのは彼に借りたカッターシャツ一枚。それ以外の衣類は着用していない。
「聖ちゃん……いいの?」
「うむ……。本当は恥ずかしくて堪らないのだが、児波くんなら…いいぞ」
 ぶかぶかのカッターシャツを着用した聖は、顔を真っ赤に染めながら頷いた。
 もう一度唇を塞ぎ、それから児波の唇は聖の耳、首筋へ伝わっていく。
「ん…ふっ……」
「シャツ外すよ、聖ちゃん」
「…あ、ああ」
 プチプチとボタンが音を立てて、聖の肌を唯一守っていたカッターシャツが脱がされた。
 片手で胸を隠し、もう一つの片手で股間を隠す。そんな聖の顔は火を噴きそうなほど顔を真っ赤に染まり、明後日の方向へ向いていた。
「は、恥ずかしいからあまりじろじろと見るな……」
「ごめん。でも聖ちゃんが可愛くてつい」
「馬鹿……」
「手をどかして。優しくするから」

 聖が頷き、胸を隠す腕をどかすと彼女の小さな乳房が露わになる。
 児波の人差し指はゆっくりと聖の肌を伝わっていき、そして胸の膨らみを優しく撫でていく。
「柔らかい……」
「そ、そうか。そんな事思ったことなかったぞ……」
「うん。聖ちゃんの胸、凄く柔らかい」
「っ…!よかった……あ…っ!」
 次に児波はその乳房の突起を苛めていく。指で、口で、舌で。
 二本の指で捏ね繰り回したり、口で吸い舌で刺激する。
 求めるだけ求める。その行為を何度も繰り返す児波を聖は笑みながら頭を撫でる。
「児波くん…、何か赤ん坊みたいだ……」
「ん、そうかな?」
「ああ。良く分からないが、その……、可愛いぞ」
「……なーんか普通、言う立場逆じゃない?」
「ふふっ。……っつぁ!」
 一瞬笑った聖の表情はすぐに砕けた。児波がお仕置きだと言わんばかりにと、行為を激しくし始めたからだ。
 指は突起をこね回すだけではなく摘んで押しつぶしたり。
 口は卑猥な音を立てるように強く吸ったり甘く噛んだりする。
 しつこくねちっこい責めは、聖の快楽を徐々に目覚めさせていく。
 彼女の肌は紅潮し、声は甘く艶めき荒れていく。
「こ、児波…くん……っ!い、痛い…ぞ……っ!」
「ごめんごめん、優しくするからね」
「う、うむ……」
 行為が再開する。
 ねちっこい責めは変わらないが、先程とより優しく丁寧に。
 傷つけないように優しく、乳房を優しく撫で、揉み、突起をくすぐるように責める。
「ひ、ひゃぁ…く……っ!」
 聖はもう耐えられなかった。
 先程からずっと胸ばかり刺激を与えられ、下半身は切なく児波を求めている。
 くねくね動かし内股を擦り合わせて、今か今かと待ちわびている。
「も、もう胸はこれくらいにしてくれ。……もう耐えられん…ぞ」
「分かった。じゃあ次はここだね」
709名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:33:17 ID:qDeonazo

 児波は聖にもう一度キスをする。その間に彼の片手は彼女の下半身の割れ目へ伸びていく。
 くにくにと入り口を弄ると聖の身体が大きく震える。その反応が好んだのか、児波は指を上下にゆっくり擦る。
 幾度擦り続けると下半身からは彼女の蜜が溢れ、それを指に絡めながら執拗に苛める。
 これ以上我慢ならなくなった聖は、切なげな面持ちで児波に訴えかける。
「こ、これ以上、じ、焦らさないでくれ……っ!」
「聖ちゃんが気持ち良くなっていく顔が可愛かったからつい」
「な…ななな……っ!」
「でも聖ちゃんのお願いだから、もう焦らさないよ」
 すると児波の二本の指は、聖の膣中に侵入していく。それは指の第一関節に達した時止まる。
「っ!ううっ…!」
「聖ちゃんの中……、結構狭いね……」
「そ、そんな事、い、言うな……!うあ……っ!」
 ただでさえこんな状態なのに、児波の言葉で更に羞恥を煽られた聖の中は児波の指をきつく締め付ける。
 そんな中で児波の指はゆっくりと動く。
 もう片方の手は再び胸の方へ持っていき、乳房の突起をくりくりと苛める。
 その突起をまた舌で舐めたり吸ったり摘んだり。おもちゃのように弄ぶ。

「ん、んふっ……、っあ……!」
 児波は彼女の表情をじっと眺めている。
 これほどまで性感に狂う聖、今まで見た事無い女になった彼女の姿。
 表情は先程よりまして悶え紅潮し、声は艶めき嬌声を喘ぐ。
 もっと彼女を気持ちよくさせたい。そしてこの後彼女と一つになる思うと興奮し早く実行したくなる。
「こ、児波…くん……っ!やっ、は、激し……っ!」
 声が思ったように出せないほど性感を感じ喘ぐ聖。
 児波の手を掴み何とか離そうとするが、快楽によって力が全く入らない。
 結局すぐ手を離し、児波に身をゆだねる事にした。
「くっ……や、やめ……っ!」
「好きだよ、聖ちゃん」
 耳元で囁く児波の言葉。
 聖は何とか笑顔で答えようとするが、どうしても顔が崩れてしまう。
「わ、私も…好きだ……っ!ひゃあぁっ!!」
「大好きだ」
 何度も確認しながら聖の体中を苛める。
 しつこく胸と股間に刺激を与え続けられている聖はもう限界のよう。体は絶え間なく痙攣し始める。
 そんなのはお構いなしだと言わんばかりに苛め続けるのは児波。
 少しだけ入った指は彼女に快楽の頂へと上り詰めさせる。

「や、や…も、もう駄目だ……っ!」
「分かった、いっぱい気持ち良くなってよ」
「あっ…、こ、児波…くんっ!!」
 膣はぐちゅぐちゅと卑猥な音をたてながら指の動きを受け入れている。
 彼女の胸を苛めていたもう片方の手はようやく動きを止め、聖の下半身へ伸びてくる。
 そして彼女の勃起した陰核を押しつぶした。
「やっ…!あぁっ…!っあああああぁぁぁぁっ!!」
 体が仰け反る。共に大きな嬌声を上げて聖は頂点に達した。
 幾度となく震え、膣は侵入している児波の指をキュッと締め付ける。
 次には聖の体はベッドの上に崩れ落ちた。
 呼吸が乱れている。口からは涎がシーツにしみこませていた。そんな涎など気にしている余裕など今の聖には無い。
 今の聖はいつも凛としている彼女ではない。大人の女だ、恋人同士、大好きな人といる姿。
「イッちゃったんだね、聖ちゃん」
「あ…ああ……。気持ち…良かった…ぞ……」
 児波は聖の頭を優しく撫でる。その横で彼女は絶頂の余韻に浸っていた。

710名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:34:25 ID:qDeonazo

 呼吸を整えた聖はキスを求め、児波はそれに答える。
 舌を混じり合わせ唇が塞ぎあう。離しあう頃には二人の唾液の糸が繋がりあいぷつりとシーツへ消えた。
 聖は笑みを浮かべながら胸を擦る。
「すごいな……、まだ胸が鳴っているぞ」
「……俺もだよ」
「児波くん……」

 児波は聖の頭を撫でながら衣服を落としていく。
 この部屋にあるのは二人の生まれた時の姿。違うのは赤ん坊の頃と今。
 そして児波にあるのは、我慢できないほどに膨れ上がった肉棒が。
「聖ちゃん。いいかな」
「……うん」
 聖の足を擦りながらゆっくりと股を広げさせていく。
 足が広がったところで、児波は今まで自分の指が挿入されていた秘所をまじまじと見つめる。
 彼女の秘所は今にも自分を受け入れてくれそうなほど蜜で十分と濡れている。
 指で肉棒を持ち上げ入り口へぐりぐりとこすり付ける。
「…っ、あぅ……!」
 そして割れ目をこじ開けるように挿入を始める。
 だが彼女の膣中は狭い。指を挿入れていたときよりもそれ以上に狭く感じる。
 肉棒の先だけを挿入したが、児波が性感を得るには十分。
 今までずっと性感を感じ取っている彼女の魅力的な姿を見て我慢できるはずない。
 少し気を抜けば出してしまう。堪えながら児波は聖に言う。

「好きだ……、聖ちゃん好きだ!」
「うん…私も……だ……!」
 徐々に押し上げていく児波。ゆっくりだが確実に。
 度々口付けを交わす。そのつど彼女は安心させ身の力を抜いていく。
 そして遂に彼女の膣に肉棒が突き刺さる。
「っ!あっく……!!」
「………っ!」
 性感に狂う聖に言葉が出せる余裕は児波にもなかった。
 先っぽだけで出してしまうほどだったのに、彼女の膣中はギュウギュウと肉棒に絡みついてくる。
 ただでさえ堪えるのに精一杯。
「ごめ……ちょっとまずいかも……!」
「児波……くん!」
 そんな状態な児波の背中に手を回し、聖は耳元で囁く。
711名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 03:36:42 ID:qDeonazo

「う、動いていいんだぞ……」
「ひ…聖ちゃ……うっ!」
 児波が顔をゆがめると思えば、聖が腰を動かしているのだ。
 決して満面の笑みとはいえない笑顔、必死の作り笑い。
 聖はキスをして更に言葉を続ける。
「出して、いいんだぞ……。私は…お前の、大切な…パートナー、だからな……っ!」
 押し寄せる快楽の波はあっという間に飲み込んでしまう。
 その一言が引き金となり、児波は腰を動かし始める。
「ひ、聖ちゃん、聖……っ!!」
「うあっ!い、いきなり……激し、すぎだ……ぞっ!!」
 上下に動き、重なり合う。
 二人の入り口は卑猥な音を立てながら擦れ合い、性感を感じていく。
 蜜は動くたびにあふれ出し、シーツに流れ落ち汚していく。
 何度も膣内へ往復するが、もちそうもなかった。
「やば…も、もう……、出すよ…聖……っ!」
「ああ……!児波くん…、来てくれ……!」
 膣が縮小していく。まるで児波に出してくれと催促するかのように。
 児波が彼女の奥へ突き刺したその瞬間、爆発し白い白濁液を吐き出した。
 聖は仰け反り、次には児波にもたれかかった。

 ゆっくりと児波が逸物を膣から抜き出すと、そこからは大量の白濁があふれ出してきた。
「こ、児波くんのものが……!私の…中に……」
 恍愡な表情を浮かべる聖。股間に手をやって白濁液を掬うと満足そうに微笑んだ。
 二人はキスを求め合う。何度しても良い、愛し合うキス。
「……聖ちゃん」
「児波くん……」
 何度したかも忘れたほどキスを繰りかえし、二人の意識は消えた。
 ただその消え行く意識の中で二人が覚えている事、それは幸せだという事。





「う……」
 窓から入ってくる朝日に眼を眩ませながら、児波は眼を覚ました。
 二、三秒ほど寝ぼけた顔でいて、次には隣に寝ている聖に眼をやった。
(そっか……)
 昨日の出来事が瞬時に再生する。
 そしてこれから彼女とずっと一緒にいる事が出来る。それだけで眠気は吹っ飛んでいった。
「……む」
「あ、起きた?」
「ああ……おはよう。こ…児波くん」
「はは、今更恥ずかしがる事無いのに」
「す、すまん。今まで呼んだ事がなかったから急に……」
 思いっきり笑う児波に聖は頬を少し赤らめながら笑んで見せた。
「今日は休みだから、ゆっくりしていくといいよ」
「すまない、そうさせてもらうぞ。……そ、それとだな」
「?」


「ふつつかのものだが、宜しくお願いするぞ……児波くん」
 おしまい。
712RIK ◆nYAlkBQCIc :2009/02/21(土) 03:38:16 ID:qDeonazo
 お久しぶりです、RIKです。執筆スピードが遅くなって申し訳ない。
 本当はバレンタインに投下する予定だったのに、結局一週間遅くなってしまうっていう。
 今回15のひじりんを書かせてもらったのです。書いていて思ったよ、この娘は絶対一生尽くしてくれる娘だって。
 後、ひじりんの就寝着はパジャマにしてしまいましたが、ひじりん的には着物の方がよかったのかもしれませんね。
 でも一人暮らしで就寝着も着物……いや、ひじりんならありえるか。そこは補完しておいてください。

 さて、次の投下は何にしようかなと迷っている。一応候補としては
・15彼女キャラで甘くベタベタストーリー。
>>170で書いたあおい鬼畜もの続き。今後の展開はみんなの妄想から色々と。
・このSSの後日談。明るくエロ中心で。
・まさかのskinship World再開!

 まあ最後は冗談として、上三つから選んでほしい。
 ではまた次の投下で。
713名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 04:23:39 ID:Hhp4LBtt
ああっ、GJするのは次スレの立った後でしたほうがいいでやんす。
714名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 21:16:21 ID:fqbFhaT0
GJ上げ
715名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:35:04 ID:0JHV00Cx
やっぱり聖物は良いな
716名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:12:03 ID:5YYz3xaJ
新スレ…
717名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 22:09:05 ID:n7fFlvX+
>>716
立ててやろうか?
家に帰ってからだけどな
718名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 22:36:28 ID:FGR5Dc8t
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1235395864/l50
ほい。使うのはここを埋めてからお願いね
719名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:54:53 ID:bc10Kv3e
>>718
あったのか
720名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 14:07:16 ID:AIzaW5PZ
後はじっくり埋めつつ待つだけか
721名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 20:39:06 ID:Y9CeMXo2
ほしゅあげ
722名無しさん@ピンキー
ume