キモ姉&キモウト小説を書こう!Part18

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1名無しさん@ピンキー
ここは、キモ姉&キモウトの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○キモ姉&キモウトの小説やネタやプロットは大歓迎です。
愛しいお兄ちゃん又は弟くんに欲情してしまったキモ姉又はキモウトによる
尋常ではない独占欲から・・ライバルの泥棒猫を抹殺するまでの

お兄ちゃん、どいてそいつ殺せない!! とハードなネタまで・・。

主にキモ姉&キモウトの常識外の行動を扱うSSスレです。

■関連サイト

キモ姉&キモウトの小説を書こう第二保管庫@ ウィキ
http://www7.atwiki.jp/kimo-sisters/pages/1.html

キモ姉&キモウト小説まとめサイト
http://matomeya.web.fc2.com/
2名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 04:18:14 ID:kASdZscH
■17スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1231856153/
■16スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1228375917/
■15スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225361041/
■14スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1219681216/
■13スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1214584636/
■12スレ目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211102097/
■11スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208334060/
■10スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204530288/
■9スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part9
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1202484150/
■8スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part8
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200062906/
■7スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part7
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196281702/
■6スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193888223/
■5スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190487974/
■4スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187005483/
■3スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1181762579/
■2スレ目
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179863962/
■初代
キモ姉&キモウト小説を書こう!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176013240/
3名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 04:19:11 ID:kASdZscH
■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー!荒らしに構う人も荒らしです!!
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・スレは作品を評価する場ではありません
4名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 04:19:33 ID:kASdZscH
■誘導用スレ

嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 第54章
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1233068387/
ヤンデレの小説を書こう!Part22
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1233930672/
お姉さん大好き PART6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1216187910/
いもうと大好きスレッド! Part5
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1230646963/
5名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 06:13:45 ID:V1l2x7V8
>>1乙!!!
お姉ちゃん1年分プレゼント
6名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 11:09:28 ID:vFO7Z+59
>>1
キモウトからやっと逃げられるぜ
7名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 11:48:31 ID:KGErx6In
>>1
8名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 13:48:25 ID:0hT1V6Kn
>>1乙です
9名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 14:47:10 ID:8Ap6xiOL
>>1
前スレもそろそろ俺離れさせてやらないとなぁ…
10名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 14:53:01 ID:C1Nuvpaj
>>1

はぁ…やっと前スレから解放か
今日から新しいスレで平和な一人暮らしが送れるぞ
11 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/02/17(火) 16:43:26 ID:9Qk8EAuq
>>1
即死回避も兼ねて短編投下。
多少グロっぽいんで、苦手な方は酉かタイトル『ヘビお姉ちゃんX』でNGお姉ちゃんします。
12『ヘビお姉ちゃんX』 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/02/17(火) 16:44:56 ID:9Qk8EAuq
1
 気温は落ち込みを知らず、いつまでもテンションを引きずる熱帯夜。
 少年が脱衣所で服を脱ぎ、戸を開け、広いバスルームを視界に入れると、一匹の蛇が居いました。
 浴槽の縁に両手を付いて腰掛け、柔らかく肉付く長い尾で、タイルが不可視になる程に埋め尽くして……

 ナーガ、ラミア、シーサーペント。

 怯えて立ちすくむ、身長が130センチにも満たず、年齢は二桁に満たない子供。
 顔だけを見れば少女にも映る中性的な少年。そんな少年の前で微笑むのは、ナーガ、ラミア、シーサーペント……どれとでも言い表せる生物でした。
 淡いブルーに艶めく長髪と、天然ルビーも道を譲る切れ長のレッドアイズ。見るもの全てに女を意識付ける抜群のプロポーション。
 腰から上だけなら、一糸纏わぬその姿は間違いなく至極。この世の誰よりも美しい。
 しかしそこから下。足の付け根、剥き出しの女性器から下は、全く真逆のグロテスク。
 表面から淫液を滲ませてヌルヌルに濡れ、青黒い全長は十メートルを楽に超える。
 半分は人並み外れた美貌で、半分は人並み外れた醜悪。半人半蛇の蛇神は、細長い舌を胸元まで垂らして少年に微笑みます。
 少年の足は恐怖で動けず、
 少年の瞳は可憐な顔から離せず、
 少年のペニスは太く大きく反り返り、パンパンに膨らんで勝手に射精する準備を整えてしまいます。
 鼓動は荒く、呼吸は熱く。例え人間の規格を逸脱していても、蛇は人間の女など比較にならないまでにオスの部分を刺激するのです。

 蛇は自らに見取れてる少年に気付き、一層に口元を吊り上げると、人差し指を折り曲げて挑発し手招きしました。
 肉欲的にひしめき合い、妖しくうねり渦を巻く、蛇尾の海に優しくいざないます。
 少年は慌てて逃げようとしますが、蛇の先細りになってる尾先は、既に足首へと巻き付いて捕らえていました。
 そして少年が助けを求める為、悲鳴を上げる為に息を吸い込む僅かな間。
 その僅かな間に尾は身体中を這い登り、柔らかくヌメる蛇肉で一瞬にして捕獲を終えました。
 左足を、右足を、左腕を、右腕を、胸部を、腹部を。きゅきゅぅっと気持ち良く締め付けて、もう逃げられないと少年を諭します。

13『ヘビお姉ちゃんX』 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/02/17(火) 16:46:38 ID:9Qk8EAuq
2
 手付かずのペニスから次々とカウパーを誘い出し、心底から甘く痺れさせるメスの蛇香。それが充満して思考能力さえ衰えさせるバスルーム。
 少年は首を左右に振りながらも、肌を紅潮させ、瞳を潤ませ、口横から涎を垂らして、痛々しいくらいに血管を浮かばせてペニスを勃起させていました。
 言葉では幾ら助けを求めていても、身体は、ペニスは、すっかり蛇から与えられる快楽に屈伏しきっていたからです。
 長く肉厚な舌が脈動する咥内。
 触れなくともプルプルと揺れて弾む豊満な乳房。
 どちらから受ける刺激でも、少年は気絶するまで射精し続けるのでしょう。
 しかし、それ以上に視線をガンジガラメで捕獲するのは、人と蛇の境界線。ピンク色でペニスを誘惑する、人外の卑猥過ぎる女性器。
 まるで薔薇の様に何重にもラヴィアが重なり合い、それぞれが異なる動きで擦れ合っています。
 トロットロに糸を引く蜜を絡み付かせ、少年のペニスを迎え入れる為に肉ビラを開花させていました。
 中心の秘孔からは、もわあぁっと熱く蕩ける原液蜜の湯気が立ち、無数に存在する細長くミミズに似た触ヒダを、膣外まで露出してゴチソウを待ち侘びています。

 少年の身体は尻尾を巻き付かれて空に浮いたまま、一瞬で蛇の目前まで引き寄せられてしまいました。
 足は蛇の腰を跨ぐように開かせられ、尻は両手で抱え持たれ、腕は後ろで尾先に縛られ、もはやペニスを薔薇膣に挿入するしか道はありません。

 世界中で最も淫らな晩餐。年齢一桁の、小学生男子児童の、精通して間もない子供への、ペニス輪姦が始まるのです。


 少年が怪物を見て恐怖し、悲鳴を試みたのが一分前。それが今や、すっかり出来上がって恍惚の喘ぎ声に変わっていました。
 長い尻尾でムチムチと優しく締め付けられ、媚薬効果の淫液を塗りたくられ、全身を真っ赤に火照らせています。
 膨張したペニスからは、まるで射精しているかのように凄まじい量のカウパーが尻を伝って零れ落ち、それでも足りないとパンパンに腫れて硬度を増していました。

 そんな様を、蛇は目を三日月の形にしてニヤリと笑っています。
 射精に至れないギリギリの刺激を与え続け、快楽の虜にして優越感に浸り……その後で熟し切った肉の棒を、ゆっくりと、ネットリと、睾丸が空っぽになるまで、花唇の中でしゃぶり尽くすのです。

 そしてついに。
 蛇は少年の腰を引き寄せ、自らのヴァギナにペニス押し当てると、ズブズブ音を響かせて一息に呑み込んでしまいました。
 根元まで包まれた途端、開花していた幾重ものラヴィアは同時にすぼまり、蕾(つぼみ)の様に縮まって、ペニスを逃がすまいと柔肉の花びらを蠢かせます。
 少年は、あ、あっ、と、途切れ途切れな声とも言えない声を吐き、とんでもない絶頂の波に犯されるしかありません。
 膣壁に生える、細かい凹凸で覆われた触ヒダ達が、我先にと陰茎へ絡み付き、カリ首や裏スジ、鈴口までも、ぐにゅぐにゅとイヤラシク擦り上げて、ペニスを放してくれないからです。
 少年は小刻みに痙攣して気をやると、グルンと白目を向き、舌をだらしなく垂らして、
 拡張された尿道から、一発で着床させる勢いの膨大な精液を、とめどなくビュクビュクと子宮に叩き付けます。
 少年は、射精したまま気絶してしまうのでした。

14『ヘビお姉ちゃんX』 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/02/17(火) 16:50:59 ID:9Qk8EAuq
3
 しかし、蛇はこんなものでは許しません。注ぎ込まれる精液で、卵巣が溺れるまでは満足しないのです。
 少年の尻肉をガッチリと掴み左右に掻き分けると、淫液と快楽とで完全に弛筋した肛門括約筋は、何の抵抗も無く小さな口を拡げました。

 すると蛇は巻き付けていた尻尾を腕から離し、少年のペニス程に太い尾先を、事も有ろうに引き伸ばされたシワの中心に押し当てるのです。
 蛇の表情から余裕は消え、頬は恥じらう少女のように赤く染まり、これから自身へ迫るだろう快楽に躯を震わせます。
 尾先は性感帯の密集したクリトリスやペニスと同じで、挿入時に物凄い快楽が自らに返って来るからです。
 蛇は興奮気味に荒く肩で呼吸すると、柔軟されてほぐれたオスアナルに、淫液でヌメる尾先を奥深くまで挿れてしまいました。
 ズボズボと遠慮無くハメ倒し、唇に似たコリコリの結腸を執拗に小突きます。
 少年は即座に覚醒し、体内を出入りする初めての異物感に苦しみますが、それを遥かに凌駕する快楽に身を悶えさせてしまいました。
 人外のヴァギナで絶え間無くペニスを咀嚼されて、射精は透明な色になっても一向に止まりません。
 少年のアナルも、蛇が暴れ回り、のたうち回り、前立腺をえぐり上げ、腸壁の中は尻尾を扱くオナホールにされてしまいました。
 前も後もこんな刺激を受けては、射精を防ぐ事など不可能。
 子供だとか、年齢が一桁だとか、精通したばかりだとか、そんなヘリクツは通用しません。
 まるで生命まで吐き出すかのように、淫らな蜜壷へ白濁を注ぎ続けるのです。
 背中を反らせ、足の指までピンと伸ばし、小刻みに身体を震わせてイキ狂うのでした。
 蛇は快楽に歪む少年の顔を抱き寄せ、胸の谷間へ挟み込んで微笑むと、少年が動けないのを良い事に、激しく腰を振り立てます。
 甘い雌の匂いが充満するバスルームに卑猥な水音が響き渡り、断末魔のような少年の叫び声と共に、ペニスは尿道を拡げてビュルビュルと体液を噴き出しました。
 蛇も急速に圧迫する腸内と、子宮を精液で満杯にされた着床アクメで絶頂を迎えます。
 堪らずに結腸をこじ開けて尾先を大腸まで突き刺し、ヴァギナで締め付けてペニスを徹底的にレイプしてしまいました。
 残り汁も吸い上げて犯し尽くし、大量の腸液が尾を滴り落ちています。

とてつもなく長い射精を終え、ダラリと蛇にしな垂れ掛かる少年。
 蛇はその衰弱した身体を抱き上げると、余韻に浸る間も無く、二回目の性交をする為に部屋へと連れて行くのでした。




 ――――――。


「すらすらすらっ……と。こんなもんかな?」
 地香は『オトウトノート』に、今日行う調教行為の流れを書き込むと、
「ふー、とーっ!! 第三形態みせたげるから、一緒にお風呂入るわよー!!」
 ニッコリと笑いながら、リビングでくつろぐ弟の名前を呼ぶのでした。
15名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 16:53:04 ID:9Qk8EAuq
以上です。
16名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 17:44:24 ID:ogPxZtJo
>>15
お久しぶり&GJ!
そして地香お姉ちゃん第三形態って……
もはや蛇神なんかじゃない、魔王だっ!
17名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 20:12:22 ID:gBTtk264
>>15
GJ!ヘビおねえちゃんキタコレ!
第三形態・・・バイオハザード2のラスボスですねわかります
18名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 21:16:06 ID:WR72Xydd
GJ

いっつも思うんだが、避難所もテンプレに入れようぜ。
http://www2.atchs.jp/kimosisters/
19名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 22:05:58 ID:unM48x79
>>448
妹と楽しく遊べてよかったなw

北海道でも降ってないとこは降ってないんだがな
こっちは自転車乗れるぐらい乾いてたわー
20名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 22:07:15 ID:unM48x79
スマンwww
誤爆したwwww
21名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 22:25:14 ID:ClxooTkR
ヘビお姉ちゃんにはほんとお世話になってる
22名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 23:40:33 ID:8pDXM5jU
>>15
勃起した。
23名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 01:50:27 ID:A+y//CQz
平日なのに保管庫は頻繁にカウンターが2000を回ってるな…キモ姉妹はそこまで人気があるのか
24名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 08:03:35 ID:HRdHkC2M
そのうち1000は参考にしようとしている妹
25名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 08:53:01 ID:NxENUK9c
姉は?
26名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 09:08:04 ID:HRdHkC2M
もう1000
27名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 09:28:50 ID:NxENUK9c
つまり保管庫を見てるのはキモ姉妹だらけって訳か
28名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 14:12:22 ID:7GThYpaT
日本全国のお兄ちゃん弟くんにげt
29名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 14:26:37 ID:IJOxOSXx
保管庫がアクセスがこの調子なら
男でスレに書き込んでいるのは少数で
妄想レスの数々は、男が書き込んだものに見せかけた・・・
30名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 16:41:29 ID:CNJEt2TT
いや、こうは考えられないだろうか?

やっぱり書き込んでいるのは男なんだけど、それはキモ姉妹がいるお兄ちゃんや弟くんで。
キモ姉やキモウトの命令とか懇願とかで無理やりに、顔を赤らめながら投稿しているとか。
その投稿内容は、自分たちが体験した愛の軌跡で、それを自慢するのがキモ姉妹の狙いだったり。

そしてあわよくば、スレを見ているかもしれない、兄弟に淡い気持ちを抱くいたいけな女の子に干渉し、
キモ姉妹へと導いて同志を増やすと同時に、少しでも自分たちに近づいてくる泥棒猫や駄犬を減らす、
彼女らなりの、長期的な一石二鳥の作戦なのかもしれない。

要するに、すべてはキモ姉妹による、策略だったんだ!

だから、姉妹もちのお兄ちゃんや弟くんがいるなら、気をつけたほうがいい。
もしも姉妹が、時々パソコン画面を眺めて、ニヤニヤしていたとしたら、それは……
31名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 17:25:54 ID:a1mjvw5x
(^^;
32名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 18:01:54 ID:s73l/qup
前スレ埋めネタwwww
33名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 18:27:28 ID:MyK9WvHv
押し当てて何なんだよ!?何なんだよぉぉぉぉぉぉっ!!!
34名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 18:29:27 ID:BuxEazSn
なんという寸止め…
35名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 18:36:35 ID:KP8XXW4b
これも500kbの性か…
36名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 18:54:44 ID:/dohHvKM
さらばpart17のキモ姉妹よ…
37名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 19:12:45 ID:I66sv0+H
キモウトよさらば…
38名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 19:14:51 ID:MdBYPqX+
>>32
読んできた。
許せねえ、続きを! 続きをプリーズ! 早く!
39名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 19:19:28 ID:jKHR5znB
寸止めだとぅ!?
40名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 19:21:01 ID:KdH7ExCr
この早さなら言える。制服が毛羽立って大変なことになっただろう、と。
41名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 19:22:42 ID:9QOdz+7I
これほどまでに500k制限を憎んだことはあったろうか
42名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 19:41:29 ID:jHmtutjo
前スレ>>845がNETを愛してるということはわかった

で、もちろん続きはこっちに投下するんだろ?ハリーハリーハリー!!
43名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 20:55:47 ID:LNgo+iSL
お兄ちゃん…今日ツインエンジェル2打ってたでしょ…

ドラキュラを打ちなさいよ!!
44名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 22:58:39 ID:o5PfESnP
前スレ埋めネタが気になって眠れない
45名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:36:06 ID:0B6o8+C7
そろそろ「永遠のしろ」が投下される頃合いではないかな? 3ヶ月前から全裸で待ってるのだが風邪を引きそうだ…
46名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:50:21 ID:wKMk4yIC
しらねーよ
風邪引いて死ね
47名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 00:04:42 ID:MYvlrirJ
この3ヶ月はほトトギすの方を書くのに費やしたからもう3ヶ月お預け♪
48名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 00:05:25 ID:gROXtMJa
>>45
やっと見つけた、おとうとくん。今度は3ヶ月もかかっちゃった。
あらあら、また全裸になって震えてたのね? 風邪ひいちゃうよ?
え、待ってる? 何を? さくひん? ウソ、おねえちゃんを待ってたよね?
服を着たくないのなら、おねえちゃんが、肉布団になってあげようか?
ほら、パソコンの前から離れて、わたしとあいしあいしましょう?
ほら、はやく。はやくはやくはやくはやくあいしあいしあいしあi……

前スレ>>845
埋めネタなのはわかってます。スレが埋まったのもわかってます。
それでもぼくらは、続きが見たいのです……
49名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 01:39:33 ID:STPg08rZ
前スレの埋めネタ、うまい具合にチンポが女性器に埋まるところで埋まってますな。
50名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 04:17:07 ID:NhsNo5Ee
3ヶ月とか…内容考えても三日、書くぐらいなら一日で終わるはず。
本人も飽きてるよ
51名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 05:10:52 ID:wphGtEdw
↑あんた、小説書いたことないだろ。
一日で書けるやつなんか、めったにいない。しかも、趣味的なレベルなのに三ヶ月ぐらいかかって当たり前。
荒らしたいだけなら嫉妬スレに帰りな。
52名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 06:19:31 ID:TN0GNwdQ
キモ姉妹は、義理という言葉に憧れを抱いているはずだ
義理のキモ姉妹だと何でもできるからだ
53名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 06:49:55 ID:gROXtMJa
>>52
確かに。 最悪でも戸籍を変えれば、法的に結婚も可能なのは魅力的だ。

でも、義理ではない、真の血縁もなんとなく捨てがたい。
2人の間に、血縁のつながりと愛のつながり、二重の絆を主張できるから。
「私たちは、誰よりも深くて濃い絆で、つながっているんだよ」なんて。
54名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 07:10:52 ID:d37YHwGn
兄「義理でも血の繋がりがあるにしろ姉妹と結婚はねーよ」
弟「全くだ」
55名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 07:56:29 ID:3231F+vx
うほっ
56名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 08:05:33 ID:gROXtMJa
>>54
姉妹「えへへ」ゴソゴソ

一週間後…
兄「そんな風に考えていた時期が俺にもありました」
弟「今では彼女は、私にとって特別な存在です」
(義)妹「大好きだよ、愛してるよ、お義兄ちゃん」
(実)姉「大切にしてね、私の愛しい弟くん」
57名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 11:34:41 ID:YgFQMLp4
あー! ブラコンでショタコンのキモ姉が、

ショタオト「お姉ちゃん、おちんちんが腫れちゃったよー。いたいよぉっ、どうすれば良いのお姉ちゃん?」

と、始めてのおっきに戸惑った弟に、泣きながら問われた時の反応を誰か!!
58名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 12:06:15 ID:TN0GNwdQ
いつまでも甘えてんじゃねーぞ?おう?弟よ
あんまりなめてると肉親と言えど容赦しねえぞ?ん?
59名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 15:20:46 ID:ACn8lZ6o
前スレの埋めネタの続きは次スレが立ったら投下されるんですよね
次スレが楽しみです
60名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 15:59:26 ID:STPg08rZ
>>59
お前も亀頭みたいに埋められてぇみたいだな、あぁ?
61名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 16:09:51 ID:tdRKoqrs
キモ兄&キモオト小説スレってある?

あってもガチでキモそうだが。
62名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 17:08:02 ID:YgFQMLp4
 ヤンキーキモ姉も良いな。弟に変な女が寄り付かない様、威嚇の為に時代錯誤なロングスカートを穿いて、髪も真っ赤に染めてる。
ヤン姉「関東鬼浜爆走紅蓮隊三代目総長、瀬戸山サキ!! 夜露死苦ぅっ!!!」
 だけど弟萌えで、二人切りになると甘えまくり。
ヤン姉「ねぇっ、いいでしょ? お姉ちゃんに弟君のねばねばミルク飲ませてよぉっ♪♪」
 つまりヤンデレだな。
63名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 17:36:11 ID:CV3myhyz
「弟にブッこまれてくるんでヨロシク!」
『ヨロシク!!!』
64名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 17:37:16 ID:MvdAJHBB
>>62
弟「誰にでも股開いてんだろ?この糞ビッチが」
とかなんとか言われて病んでいく展開なら認める
65名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 18:11:20 ID:d37YHwGn
>>64
弟「だが断る!」
66名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 18:15:12 ID:TOVhAwCT
鬼浜+番長ですね分かります。…なんで昨日からスロネタばっかなんだろう……

弟と賭け麻雀でイカサマしまくって勝ちまくり、負債の代わりにとんでもない要求をするキモ姉
TVゲームは裏技で、トランプはイカサマで兄に勝ちまくり、賭けの代償にとんでもない要求をするキモウト
キモ姉・キモウト同様に賭けの代償にとんでもない要求をする従姉妹(純粋に賭け事に強い)
負けず嫌いな弟。イカサマに気付いていない。時々勝てるのは姉妹の罠。カイジ、アカギ、哲也が愛読書

ってな設定が思い浮かんだ

そんな三人と脱衣麻雀をする弟。最初は勝ちまくり三人を脱がせまくって下着姿まで追い詰める
しかしそこから怒涛の巻き返しで素っ裸にされてしまう
脱ぐものがなくなり、それでも負けず嫌いな弟は続行する
脱ぐものがなくなり、それじゃあ負けたら脱ぐ代わりに罰ゲームと提案するキモ姉
最初は肩もみ程度の軽い要求だったので応じていたが、次第に要求はエスカレートしていく…

やっぱりキモ姉、キモウトは弟(兄)を逃げられない状況に追い詰めるのが上手いと思うんですよ
67名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:51:04 ID:3uTOW3bB
>>57
自分のペニスが立つのを初めて意識するのは3〜4歳ぐらいだろうから、
キモ姉としては、クンニさせるぐらいしか選択肢はないと思われ設定に無理がある。
せめて10〜14歳の際に、本性を隠してきたキモ姉に
精通を知らせてしまった設定のほうが夢がひろがりんぐ。

と、いう夢のない陳腐なマジレス。
68名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 22:32:08 ID:IMIkm7v/
兄「ある意味キモ姉妹は万能だよな」
弟「性処理、経済力、暗殺を兼ね備える守護神ですからね〜」
兄「逆レイプ除けばある意味神だな」
弟「あれ?兄さんはまだ処女なん(ry」
兄「ん?」
弟「い、いえ、何でもありません」
兄「ただよ…俺友達が極端に減ったんだよな。特に女友達がよ〜何故だぜ?」
弟「そう言えば、僕小学生以来母さんを見たことありません」
兄「あっ!だから今少子化なのか!?」
弟「女性が減ってしまったんですね?わかります」
69名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:19:16 ID:vPYXnYwb
>>68から変な匂いが…
70名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:23:29 ID:gROXtMJa
>>68
二行目の弟のセリフ「暗殺」の部分を、なぜか一瞬スルーしてしまい、
読み返してようやく気づいた自分は、キモ姉妹に何を望んでいるのだろう…

それより、キモ姉妹的には「暗殺」ではなく、「駆除」のほうがあってそう。
・兄弟に言い寄る女ども → 雌豚・泥棒猫
・自分に言い寄る男ども → 駄犬
・自分たちを引裂く連中 → お邪魔虫
といった感じで。
71名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:50:13 ID:+xBBpBNz
お掃除的感覚で始末するんですねわかります。すっごく
72名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:57:41 ID:gROXtMJa
>>57 >>58
忘れてたけど、なんかとんでもない繋ぎだったので、適当にやってみた。

オラオラ、キツイだろ? 苦しいだろ!? 締め付けてちっさくしてやろうってんだよ?
痛い? 知らねえよ! 容赦しねえっつっただろうが、あん?
こっちだって痛えんだよ。 ちったぁ気づけよ、お・と・う・と・ちゃん?
そんな泣き顔みせんじゃねェ! ますますイジメたくなるだろうがァ!?

……はっ、ははっ、決めた。テメェのおちんちん、腫れが引いても離さねェ。
そんなだらしねぇ顔してる間は、アタシがテメェのおちんちんを喰い続けてやんよォ。
ぎゅんぎゅん中身を絞りとって、最後に喰いちぎってやるゥ!

……はん、またベソかきやがったな? はい!また離してやんねェ!
怖いか? 男の子のクセに情けねぇ顔だなァ… よく聞けよこの泣き虫!
テメェも、テメェのおちんちんも、全部アタシのもんなんだよォ!
おちんちんが腫れただぁ? アタシ以外に腫らしてんじゃねぇよこのバカ!

あはは、ハァ、ははははッ! ほらほら、またなんか中に漏らしやがった!
なのに腫れが引くどころか、ますます膨らんでやがる。このド変態ッ!?
あはははっ、はあぁぁっ、はははははははっ!

――乱暴な言葉で恫喝しながら、やっぱりショタオトのおちんちんを咥えこんで、
  終始よがりながら腰を振り続けるキモ姉なのでした♪(某ナレーション風)


二度とヤンキー口調でなんて書きません。なにげに初濡れ場(?)書いた。
だれか、この乱暴なヤンキモ姉ちゃんを、可憐なキモ姉ちゃんに戻してあげてください。

P.S. ヤンキー系なのに処女のお姉ちゃんって、萌えるのだろうか?
73名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 00:04:35 ID:+xBBpBNz
>>72
萌えに関してはわからないが
わたしのイチモツが激しく興奮した事は紛れもない事実だ
74名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 01:38:49 ID:DX+Gy7dH
投下します。
MC描写、寝取りが苦手な人は回避推奨
あんまりキモくないのが苦手な人も回避したほうがいいかも
題名「家族愛」 40k
75家族愛 1:2009/02/20(金) 01:39:22 ID:DX+Gy7dH

 本日、弟に彼女ができた。
 高等部としての生活が始まってまだ一ヶ月ばかりだというのに、どういった経緯でか姉たる私よりも年上の女を連れてきて、白い頬を乙女のように染めながら、見たことも無い可憐な笑顔で彼女ができましたと報告されてしまった。
 そう、と冷静を装って返事をしつつ、弟と手を繋いで我が家の玄関を潜った女性に目をやる。
 にこりと如才なく笑い、しかしその頬は弟と同じように朱色が宿っている。
 学園で見る冷徹を思わせる顔とのギャップに私までクラッときてしまいそうな微笑だった。

 美少女、あるいは美女と表現するに相応しい肉感的で発育の良いボディに、筆で引いたように少し太めの眉が印象的な意志の強そうな顔立ち。
 事あるごとに生徒たちの前で会報を読み上げ、壇上で表彰を受け、最近では地元のテレビ局まで注目しつつあるという才女の見慣れない姿だった。
 ……以前から弟が、彼女に憧れにも似た恋をしていたのは知っていたが、まさかその想いが叶うとは。

「さ、上がってください先輩」
「ええ。お姉さん、お邪魔します」
「……はい、どうぞごゆっくり」

 胸中の驚き覚めやらぬまま、弟に促がされた女性が靴を脱いで私の前で丁寧に会釈して通り過ぎていくのを眺める。
 とつとつと階段を上る二人に、なんとも形容し難い思いが沸き起こった。
 高等部にも上がった事だし、もうすぐ弟にもお付き合いする女性というのが出来るのではないかと思ってはいたのだが、本当に出来るとは思わなかった。

 弟が男女の機微に疎いというのもあるが、なにより弟が恋していたのは我が学園が誇る高等部生徒会代表であったからだ。
 何度かその無謀を嗜め、ほかの手軽そうな女生徒を進めた事もあるのだが、入学式の後に行われた新入生歓迎会で、すでに内外の者から高い評価を得ていた当時の中等部生徒会代表に一目惚れして以来、その恋熱は冷めることを忘れてしまったように弟を包んでいたという。
 入学式からの帰り道、早々にその思いを打ち明けられた当時中等部二年の私は、精神的にまいっていたのだが、弟の恋を打ち明けられて以降、一念発起して何度も相談に乗ってやったものだ。

 弟も弟なりに努力し、生徒会に入るなど彼女と接点を持とうとしていたようだが、話を聞く限りでは進展などなく、朝の挨
拶を交わした、あの人がこんなことをしていた、こんな言葉を掛けられたという実に微笑ましい報告しか聞いたことが無い。
 そのまま何の進展も見られず想い人の生徒会長は中等部を卒業。優秀さに磨きをつつ高等部でも生徒会長に就任してさらなる衆目と賛美の的になっていく。
 弟とは多くは無い接点がさらに少なくなり、どうしたらいいかと毎日の様に相談されるようになっていたが、まさか彼氏彼女の関係になっていたとは。
 昨日の夜もいつもと同じ相談をされたばかりだったのだけど。
76家族愛 2:2009/02/20(金) 01:40:38 ID:DX+Gy7dH

「……どうやって誑しこんだのかしらね」

 たしかに私の弟は素晴らしい。
 しかし世間一般的に見ればもっと素晴らしい男子は私達の学園にも存在する。
 そんな男子達はあれこれと手を尽くして彼女の気を引こうとしているし、接触の機会も弟より遥かに多いはずだ。
 学園で見かける彼女の周囲にはなにかと人が集まっており、内気な弟を見かけることはなくとも好意を向けていると一目でわかるような男子女子は沢山いるのだ。
 私は彼女と親しくないし、生徒会に所属もしていない一般生徒なので詳しくは知らないが、何度も告白を受けたことがあるのは容易に想像できる。

 弟から告白したのかと思ったが、昨夜の弟はいつもと同じ様子だったし、告白する決心を固めたなら私に相談ぐらいあるはずだ。
 彼女が中等部を卒業した際には落ち込んだ弟を一晩中勇気付けたり、どんな告白の台詞が一番効果があるのか話し合ったことさえあるのだ。
 他にもいろんな相談にのったし、一大決心をしたのなら私に知らせないほうがおかしい。

「弟の、告白ねぇ」

 ぶるりと震える体を抱きしめる。やはり彼女のほうから告白したと考えたほうが自然か。
 弟は小柄で線の細い顔立ちのため、服装さえ整えてやれば発育の悪い少女といっても通用する容姿をしている。
 学園では年下好き、面食いにその名を轟かせ、実は私も何度か、弟を私にくださいと間接的、直接的に言われたことがある。
 そんな噂は聞かないが、実は彼女はすごい年下趣味で中等部のころから弟に並々ならぬ恋心を抱いていて、高等部でも生徒会に入会した弟に、ついに自分の思いを告げてしまった、とか?

 しかし、彼女目当てで生徒会に入る人間は多い。エスカレーター式であることもあいまってか、中等部で生徒会を勤めた人間のほとんどは高等部でも生徒会に入るくらいだ。
 さらに代表の美しさに引かれた人間はファンクラブに入会するかのごとく生徒会に入ることを決めるため、うちの生徒会は十名ほどの役員以下、ボランティアとして結構な人数を傘下に抱える巨大なようで小さいような組織になっている。

 ちなみに弟は二人いる書記の片割れとして中等部をすごし、高等部でも書記として過ごすことになりそうだと前に言っていた。学園男子が泣いて羨む生徒会役員の一人、というわけだ。
 高等部に上がったばかりなのに役員になるとは流石わが弟と思っていたが、もしや彼女が弟をそばで愛でる為に役職を与えたのだろうか。
 弟にとっては始めての高等部生徒会だが、会長にとってはすでに三年目。恋する少年がまたしても自分の下で働くことになれば、勢いで告白するというのもありえなくはない、か。

「これは確認しなきゃね。シャワー浴びて準備しなきゃ」

 どちらにせよ、弟の願いが叶ったのは喜ばしいことだ。
 周囲からはブラコンと呼ばれ、一時期は本気で弟を、一人の男として愛しているのではないかと悩んだ時期もあるのだが、
自分が弟に抱いているのは何の変哲もない家族愛だ。
 たしかに少し他の姉弟より仲がよく、実は弟が連れてきた彼女のことを思うと嫉妬心が疼くのを感じるのだが、私は弟を家族として愛している。
 それだけだ。
77家族愛 3:2009/02/20(金) 01:41:34 ID:DX+Gy7dH

 脱衣所で制服を脱ぎ去り、シャワーの温度を確かめて温めのお湯を頭から浴びた。水気を含んで艶めく髪にトリートメントを丁寧に馴染ませていく。
 弟が憧れた生徒会長を真似て伸ばした黒髪は、今では私の密かな自慢だ。
 女子としては高い身長と細めの体つきは自分でもちょっと自惚れていいのではないかと思うものだったが、弟が会長に一目惚れして以来、あんまりにも黒くて長い髪を褒めるので、私も感化されて伸ばしてみたのだ。
 手入れは面倒だが、弟も気に入ってくれたし。私自身、気に入っている。
 会長の相談をしてきた弟をからかいながらどうかと尋ねたら、綺麗だよと頬を染めながら言われたからでは、決して無い。

 ……嘘だ。八割ぐらいはそれが今でも髪を伸ばしたままでいる理由だ。
 うちの弟はちょっと可愛すぎる。昔の私が懸想したと勘違いするのも無理はない。

 一通り髪の手入れをした後、体も軽く洗って浴室から出る。
 肌を拭ってから着替えが無いことに気づいて、弟の恋の成就にまだ少し動揺しているのだろうかと苦笑してしまった。
 お客様がいるので気分は乗らないが、まさか弟を大声で呼ぶわけにも行かず、タオルを体に巻いて早足に部屋に向かう。
 弟の部屋の扉が閉まっていることを確認してから自分の部屋に入った。真新しい下着を身に着け、部屋着に着替える。
 髪を乾かしてブラシをあて、よしと立ち上がって弟の部屋に向かった。
 コンコンとノックして、返事を待って扉を開ける。
 もしかしてと思わないでもないが、まだそこまで気にするほどの関係ではないだろう。

「ちょっと失礼。会長、今日は……」
「あ、わ、おっ……姉さん、ちょっと待って、待ってください」
「……ええ、悪かったわね。会長も、いい雰囲気のところを邪魔してごめんなさい」
「いえ、お気になさらず」

 顔を真っ赤に染めた弟と、冷静な顔をしつつもやはり頬を染める会長が微笑ましく、口元に手を当ててしまう。
 二人はなぜか手を握り合っていたのだ。だが見詰め合うどころか両方そっぽを向いて、そのくせ私がノックして部屋に入ったのに、手を繋いだままでいることに一瞬気づかないほど二人の世界に入り込んでいたらしい。
 弟がそうであることを良く知っているが会長も意外と純情な性格なのだろうか。

「そ、それで姉さん、どうしたの?」
「会長さえよろしければ、一緒に夕食でもどうかと思って」
「それは、でもいいんですか?」
「ええ、家には父も母もいませんので気兼ねなく。とはいっても私が作る料理ですから、あまり期待されても困りますけど」
「そんなことないよ。姉さんの料理はとってもおいしいよ。先輩、ぜひ食べていってください」
 
 いい弟だ。あとで撫でてあげよう。
 私の提案に乗り気の弟に説得されて、もっとも嫌ではないのだろう会長も、ではお世話になりますと頷いてくれた。
 今日の夕食は二人と私のためにも気合を入れて用意しなければならないだろう。実は先日買い込みすぎた食材を消費するという目的もあるし。
 料理の腕も、最初は弟に食べさせたくて始めたが今では趣味になっているため、日々研磨と努力を重ねた自負と自信がある。

「ではそういうことで。私は早速準備にかかりますので、それまで弟とくつろいでいてください」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきますね」
「ありがとう、姉さん」

 見た目に美しくお似合いの男女に、やはり少々の嫉妬を掻き立てられつつ、平静に笑いかけて部屋の扉を閉める。
 さて、可愛がっていた弟に恋人ができたのは寂しいが、ここは一つ気持ちを入れ替えて美味しい料理作りに専念するとしよう。
78家族愛 4:2009/02/20(金) 01:42:16 ID:DX+Gy7dH

「よっと、最後にぱらぱらっと。会長のにはさらさらっと」

 アクセントになるスパイスを振りかけて、本日の夕食完成である。
 時計を見ると、ちょっと夕食時には早いぐらいの時間だ。
 学園からまっすぐ帰ってきて、シャワーを浴びてすぐに料理を始めたから、それでも結構な手間隙を掛けて完成させたことになる。
 もちろん費やした時間に相応しく、台所は食欲をそそるいい香りが満ちている。ずっとここにいた私でさえそう感じるのだから、二階にいる二人は食欲を十分以上に刺激されているのではないだろうか。
 エプロンを外して手を洗い、私の席、向かい合う弟の席、その隣に用意した会長の席に最後の料理皿を運ぶ。

 本日の夕食は、和風ドリアを中心に、肉味噌ソースで戴く豆腐ステーキ、ほうれん草とモヤシの御浸し、鯖の塩焼き、蒸し鶏の特性酢醤油和えである。
 あと大量に買ってしまった里芋の煮っ転がし、同じく大量に買っていたレタスとトマトと玉葱に、蛸の足をスライスして酢と混ぜ合わせたサラダを大皿に盛ってテーブルの中心に。他にもお手製の漬物を数点。
 我ながら気合の入りすぎた食卓の完成だ。

 ……こんなに食べられるだろうか。
 心配になりながらも階段をとつとつと上がって弟の部屋の扉をノックする。すぐに返事があるが……少し待ってあげよう。
 しかし扉を開けると、早々に腰をあげていた弟と会長の姿が。その顔には待ちかねたと書かれているかのようで、どうやら私の料理をそれなりに期待してくれていたようだ。

「ご飯できたわ。会長もどうぞ一階に」
「料理が得意らしいですね。すごくいい匂いがしてました」
「あ、弟から聞きました?」
「はい。あんまりにも美味しそうな匂いで、もういつお腹がなるか緊張していました」

 やはり会長は私が想像していた人物像と一致しないようだ。
 意外なほど気さくで、それでいて馴れ馴れしくない上品さも備えた声色に唸りつつ、弟と促がして一階に降りる。

「これは、姉さん、すごい豪華だね」
「材料が余ってたからね。今日は記念日だし」

 二人して肩の触れ合う距離で食卓を眺める弟と会長を目を細めて眺めながら言う。
 ぽっと頬を染めて一歩距離をとる初々しい二人の様子に忍び笑いがこぼれてしまった。
 可愛い二人だ。

「もう、姉さん」
「はいはい、いいから座りなさい。会長の席はそちらです」
「ありがとう。本当に美味しそうな料理ね」
「恐れ入ります。でも、感想は食べてから聞かせてください」

 いただきます、と三人声を揃えて箸を手に取る。会長はまず芋の煮っ転がしに手を伸ばした。
 小さな口をあけて一口、二口で薄い琥珀色にコーティングされた芋を口の中に収める。
 食べているのは何の変哲も無い料理なのだが、箸の運びの一つをとっても上品で気品があるのはなぜだろう。
79家族愛 5:2009/02/20(金) 01:42:55 ID:DX+Gy7dH

「柔らかい。それに味が中心まで染みていてとっても美味しいです」
「ありがとうございます。会長にそう言われると私も鼻が高いです」
「いつも美味しいけど、今日は特別おいしいよ」

 ……この弟は会長の前で私を口説こうとしているのだろうか。
 しかし思えば、弟のこの笑顔が見たくて料理を始めたのだ。
 以前は早起きして朝食と弟と私のお弁当を用意するぐらいだったが、弟が学園に入学することが決まった直後に両親は仕事で海外に渡ったため、今では家族の食事はほとんど私が作るようになった。
 私としては苦に思うどころか実に楽しく料理できるからまったく問題なく、美味しい美味しいと食べてくれる弟の笑顔が可愛くて食事時が毎日の楽しみになっている。

「ちょっと張り切りすぎてしまったんで、遠慮せずにどんどん食べてください」
「こんな美味しい料理ならいくらでも食べれるわ。わたし、前から弟さんの食べてるお弁当美味しそうだなって思っていたんです」
「そ、そうだったんですか? 言っていただければもっと早く……」

 はやく付き合えていたのに、とぼそぼそ呟く弟に釣られて会長も赤くなる。ああ、暑い暑い。
 その後は言葉少なに、料理の感想を聞きながら和やかに食事を勧めていく。
 量を心配していたものの、ほとんど私たちのお腹に消えた。会長は健啖でもあらせられるようだ。
 わずかに残ってしまった芋の煮付けは明日のお弁当にでもするとしよう。

 三人満足の息をついて本日の夕食は終了。カタカタと食器を重ねて流しに運び、魚の骨を三角コーナーに、さっと水で流して食器洗い機に並べる。
 ふと食卓を見ると、弟はいつもどおり、会長も弟と同じように虚空を見つめてぼうとしている。
 好評のうちに空になったサラダの大皿を下げて、変わりにいつものアロマキャンドルをテーブルにおいて火をともした。
 食後にもしつこくない爽やかな香りが部屋に広がっていく。実は手作りのキャンドルで、これも趣味の一つと言っていいだろう。

「……あら、これは?」
「食後はお茶でも飲みながら話をするのが家の慣習でして。食器は私が片付けますのくつろいでいてください。あなたもね」
「……うん。……ありがとう、ねえさん」

 弟と会長の食器も同様に重ねて運び、軽く洗って食器洗い機へ。
 秘かに注目していたのだが、会長の魚は見事なまでに骨しか残っていない。小骨まできちんとまとめてあるのは、さすがというほか無い。
 食器洗い機のスイッチを入れて振り返ってみると、弟と会長はお互いを見詰め合って微笑みあっていた。
 その笑顔はどこか空ろで、先ほどまでの隠し切れない小さな緊張は消え去り、肩の力も抜けきっている。
 放っておくと椅子から落ちてしいそうな様子だ。

 そのこと、取り分け会長の様子に満足した私は、流し台の横に音の大きなメトロノームを設置する。
 いきなりの等間隔の音に二人がふと目を向けるが、私が気にしないでと手を振るとすぐに興味を失って互いを見詰める。
 会長は意思の感じられない空ろな瞳で。そして弟は熱に浮かされたような瞳で、ちらちらと会長の体に視線を飛ばす。
 さて、今日もお楽しみの時間の始まりだ。

80家族愛 6:2009/02/20(金) 01:43:50 ID:DX+Gy7dH



「会長、私の声が聞こえますか?」
「……はい」
「では、この指先を見てください」
「……姉さん?」
「あなたも目を瞑って、ほら、いつもどおりにね」
「……でも」
「いいから。はい、目をつむって」

 今日に限ってなぜか渋る弟は置いといて、会長の意識を深いところに落としていく。
 会長の料理にたっぷりと含ませ、今もアロマキャンドルから揮発している催眠導入剤は、無味無臭だが大量に摂取させる必要があり、効力も長くはない。
 毎日嗅ぎなれ、この時間は催眠状態に落ちることが日課となっている弟は目を瞑るとすぐに頭を不安定に揺らし始めたが、会長はしっかりと手順を踏んで、精神の防壁を取り除いていかなければならないのだ。
 なるべく多くの事を刷り込んでおきたいので、いまは弟にもちょっとかまってあげられない。

「あなたは今、どこにいますか?」
「とても……深いところ……まっくらで、なにもない」
「そこは貴方の心の中です」
「心、の……なか?」
「そうです。私の声ははっきり聞こえますね?」
「はい」
「それは、私の声があなたの心の声だからです」

 静かに体を揺らしてやりながら、耳元で囁きかける。他の女ならともかく、会長の声真似には結構自身があった。
 細やかな目元を手で隠す。薬と暗示で無防備になりつつある美貌の才女を横目に、愛する弟を眺める。
 私は弟に恋をしているわけではないが、家族としては愛してる。こんな可愛い弟に世の女が恋をするのはしかたないとしても、それで私と弟がすごす時間が少なくなるのはとても容認できない。
 それは弟が相手の女を受け入れたとしても変わるわけではない。私はこう見えても独占欲が強いのだ。 

「わたしの声……」
「心の声です。あなたが心から信じている、あなたのことは何でも知っている、あなたの声です」
「………なんで、声が」
「あなたの大好きな人と、もっと仲良くなるために、協力してあげるためです。このままでは、あなたは以前のように、彼を眺めているだけの関係に戻ってしまいます」
「そんな……」
「嫌でしょう? わたしは嫌なんです。そうですね?」
「いや。それは、いや」

 会長の様子から、以前から弟に恋をしていたのは伺えた。推測どおり、彼女から告白したのだろう。
 ここ最近弟が気になり始めたのなら少しは弟が気づいて相談してくるはずだし、お互いに遠くから見ているだけの恋だったのは間違いない。
 できれば色々と告白の状況を聞いてから催眠を施したかったが、なんせ昨日の今日でもう彼氏彼女だ。
 余り急にことを運ぶとトラブルが発生するものだが、やむをえないだろう。
 不幸中の幸いとして、恋愛に臆病な性格というのは暗示で組し易いところがある。
 他の優秀な部分しか知らなかった私はとりあえず大量の薬で会長を陥れたが、これならアロマキャンドルを嗅がせて適当に恋愛相談など受けるだけで刷り込みを行うことも可能だったかもしれない。
81家族愛 7:2009/02/20(金) 01:44:31 ID:DX+Gy7dH

「大丈夫、大丈夫ですよ。わたしはあなたの事をあなたよりよく知っている、あなたの心なのです」
「わたしの心……」
「そうです。あなたはたくさん努力して自分を磨いてきました。わたしはそんなあなたを、あなたよりよく知っています」
「…………」
「わたしの声は、あなたを幸せにするための、他ならぬあなた自身の声なのです。わかりますね?」
「はい」
「では、これからあなたが、大好きな彼とずっと一緒にいられる方法を、教えてあげます」
「お願いします」

 お願いしますときたか。
 思わずこぼれそうになる笑い声を何とかこらえる。

「それは、大好きな彼がもっとも愛する家族の言うことを守ることです」
「……あいする、家族」
「そうです。彼は立派な人間です。家族のことを愛し、とても大事にしています」
「……はい」
「彼の愛する家族とは、誰ですか?」
「……彼のお姉さん」

 実は弟は、数少ない会長との会話チャンスで私のことをよく話しているのだ。
 あまり自分に自信を持てないために、自分のことよりも他の人のことを話してしまうらしく、かといって男友達のことを話すほど弟は友人に恵まれていない。むしろ女性に好かれる困った性格をしている。
 随分前だが、もしも女子のことを話して、僕がその人のことが好きだって会長に思われたらどうしよう、と相談されたこともある。
 その時には私のことを話せばいいじゃないかと答えたが、それは今でも続いているらしい。
 姉として嬉しいことだ。おかげですんなりと弟の彼女に付け入る事ができる。

「そうです。なら、あとはわかりますね?」
「彼の、お姉さんと、仲良くする……」
「仲良くして、お姉さんの言葉をよく守るんです」
「言葉を守る……」
「お姉さんもきっと彼との仲を応援してくれるはずです。彼女の言うことを守っていれば、大好きなあの人はますあすあなたのことを好きになってくれるでしょう」
「…………」
「さあ、目を開けなさい。あなたの目の前には、彼の世界で一番愛する家族が立っています」
「はい」
「その人の言うことを守り、約束を守れば、あなたにはきっと幸せな未来が訪れるに違いありません」
「はい」
「ほら、ゆっくりと周りが明るくなってきますよ。時計の音がだんだん聞こえてきます。隣には大好きな彼もいるようですね」
「はい」
「がんばってください。わたしは、あなたを誰よりも応援しているあなたの心は、あなたがお姉さんの言葉をよく聴き、大好きな人と一緒にすごしていくのを見守っていますよ」
「はいっ」

 成功だ。途中からアロマキャンドルの火が消えていたのだが、催眠が解けることもなかった。
 あとは、弟が愛してやまないこの姉が、彼女と弟の中を取り持つように助言をしてやれば、晴れて私も二人の仲を応援することができるようになる、ということだ。
82家族愛 8:2009/02/20(金) 01:45:05 ID:DX+Gy7dH
 会長に、弟と付き合う上でのルールを念入りに話し聞かせた後、こちらはいつもの催眠術に落としていた弟を起こす。
 会長は弟が目を閉じてゆらゆらしていることに疑問を持っていたようだが、夕食のあとはだいたいこんな感じ、と説明するとあっさり納得してくれた。

「ん、あ……姉さん?」
「ええ、姉さんよ。せっかく彼女ができたってのに、寝ていてはダメじゃない」
「え、うわっ、ごめんなさい先輩」
「ふふ、いいのよ。わたしも、ちょっと寝ちゃってたみたいだし」

 催眠中の記憶は鮮明に残しつつ、時間の統合性を取らせるには寝ていたことにするのが一番だ。弟はともかく会長は持ち前の優秀さでなにかに気づくかもと思ったが、杞憂だったらしい。
 これも、恋は人を狂わせると言っていいのだろうか。
 三人でテレビの前のソファに移動して腰を下ろす。私は会長の隣に座り、ガラステーブルを挟んだ正面に弟を座らせる。
 さっそく今日の日課と会長の催眠術のかかり具合を確認してみよう。

「それよりあんた、勃起してるわよ」
「えっ、うわぁ!」

 いつもならおずおずとズボンを脱いで恥かしがるところだが、さすがに会長の前ではそういうわけには行かないらしい。
 羞恥に耳まで真っ赤になる弟を可愛らしく思いながら、会長を見やる。
 会長も、私の言葉に釣られて弟の股間を反射的に見てしまったのだろう、弟と同様に見る間に赤くなっていく。

「い、いきなりなにを言うんだよ姉さん!」
「そんなことじゃ今日にも会長を襲いかねないわね」
「そんなことしないよ!」

 まあ、我が家から強姦魔を出すことなど私がさせないが。
 大きな声を上げた弟は、勃起が布地をこすり上げたのか、女の子のような呻き声をもらして浮かしかけた腰をソファに沈めた。

「別にそこまで恥ずかしがることじゃないでしょ。当たり前のことなんだから」
「で、でも……」
「勃起したらお姉ちゃんで性欲処理するのはいつものことじゃない。せっかく会長も見てるんだから、男らしくなさい」

 私の言葉にもあたふたと取り乱しながらも、耐え難い性衝動に苛まれているのだろう。
 私の足、会長の胸、頬を染める会長、私の黒い髪と忙しく視線を巡らせながら、それでも弟は股間を押さえて顔を俯ける。
 今日は張り切っていたので、弟の料理にはいつもより多めに媚薬を含ませたのだが、憧れの会長が目の前にいるとあっては素直にオナニーさせてくださいとも言えないらしい。
83家族愛 9:2009/02/20(金) 01:45:55 ID:DX+Gy7dH

「まったく、会長からも言ってあげてくれません?」
「そそ、そうですね。ええ。仲のいい姉妹は、互いで性欲をなんとかするのは、その、当然のことらしいですから」
「せ、先輩!」
「いえ、わたしは、まだ家族じゃありませんし、その、早くそうなれればいいなとは思いますけど……」
「はいはい、ノロケは二人の時にしてくださいな。まったく、今は私でオナニーするのが大事でしょ。はやくズボン脱いで」
「先輩の前でお、オナニーとか言わないでよ姉さん……」

 口ではそういいつつも、弟さらに顔に血を上らせて、ついにベルトをはずしてズボンを滑り落とした。
 弟には私を家族として愛してもらいたいので様々な暗示を施しているのだが、彼氏彼女の関係ならオナニーぐらい見せ合うのは普通のこと、というのは以前そういうプレイをするために刷り込んだはずだ。
 なので、私の体を使ってオナニーするのが恥ずかしいのではなく、彼女になったばかりの会長にそういう姿を見せることに戸惑っているのだろう。
 勃起したらお姉ちゃんを性欲の捌け口にするように、と何度も何度も刷り込んでいるので学校や登校中、私が寝ている早朝などにも私の体を求めてくる弟だが、勃起するのは恥ずかしいこと、あまり他人に見せるものではないという常識的な部分はそのままにしてある。
 この恥ずかしがる顔というのが、何度見ても私の興奮を高めやまないのだ。

「いいからいいから。今日は口でしたい、それともこっち?」

 スカートを持ち上げ、片足を大きく上げて本日下ろしたての下着を弟に見せ付ける。
 自分の料理には薬の類をまったく入れていないのだが、私は弟が手料理を美味しそうに食べていると、ついついその後の展開というやつを想像して濡らしてしまう。
 下着の中心部、足の付け根が熱を持ち、その奥が疼くのを私自身感じていた。

 何度も弟のオナニーを手伝う名目で犯されているうちに、私の体は心とは関係なく弟に欲情するようになってしまい、いまでは弟に恋をしていると勘違いしていた中等部のころより弟に性的興奮を催すようになってしまった。
 無論、弟を家族としては何よりも大切に思っているので、弟に異常な現状を認識させないまま今の関係を続けることにまったく不満は無いのだけど……弟を銜え込もうとあからさまに涎を垂らす自分の女を見せるのは、さすがに恥ずかしい。
84家族愛 10:2009/02/20(金) 01:46:40 ID:DX+Gy7dH
 私の姿に後押しされて、下着を下ろす踏ん切りがつかない弟もついに観念したのか、その怒張をさらす。
 下着を脱いだことで開放された弟の怒張に、会長が息を呑むのが分かった。
 それはどうにも、潔癖な嫌悪を滲ませたもののようだが……無理も無い。
 なにしろ弟は精通を私の口の中で迎えて以来、童貞と処女を交換し、一度も自分の手で扱くことなくいままで過ごしてきたのだ。
 弟が思春期に溜め込み、これから先も沸き続けるだろう膨大な劣情を私が一身に受け止め、時には煽ったりもしながら性交にふけってきた。
 つまり弟は本来なら自分の手で処理するはずの膨大な性欲を余さず私の体…口、膣、菊門、足の裏、ひざ裏、脇、髪を使って処理することで、無意識にその肉棒を鍛え上げていたということだ。

 同年代の少女よりも細いのではないかという太股に、丸みを帯びた膝関節、毛根の兆しさえ見当たらない真っ白な脛、童女のように小さな足先。
 そして臍よりも高い位置にまで反り返った、長く太く逞しい男根。
 私の体で練磨され、心優しい弟が姉たる私を極上の快楽に導くためだけに発達させた巨大な剛直。
 何度も私を狂わせ、きっと生涯私を、私の肉体を虜にする男の証にごくりと口の中に溜まった唾を飲み込んでしまう。

「す、す…す、すごい、です……ね」
「こんなに可愛いのにここだけは凶悪なのよね。私は弟が小さいときからオナニーさせてあげてたから大丈夫ですけど、他の娘だと裂けちゃうかもしれませんね」
「姉さん、もう、そういうことを言わないでください」

 天を突く怒張とは裏腹に、可愛らしい顔を先ほどから真っ赤に染めたままの弟がガラステーブルを回り込んで私の正面に立つ。
 多く投与した薬と会長の視線にいつもより興奮しているのか、すでに亀頭は筋となって流れ落ちた先走りでヌルつき、茹で上がったように真っ赤に充血してヒクついている。
 そのとてつもなく厭らしい姿に知らず腰が浮き、弟を最愛の牡と認識してやまない子宮がどくりと蜜を零す。
 私は弟を男として愛しているわけではない。ないが、どうしたところで私は女で弟は男だ。体が求めるのも当然のことといえよう。

85家族愛 11:2009/02/20(金) 01:47:21 ID:DX+Gy7dH
 私は弟に恋心を抱いているわけではない。
 私は弟を性欲の対象として見ているのだ。
 ……そんなことを学園に入学した頃の私に聞かせたらあらゆる語彙を駆使して罵倒されるだろうが、我が学園が誇る生徒会長に弟が恋をしたと知らされた時、私は自分の弟への恋慕はまったく的外れなものだったと気づかされたのだ。

 私と弟は、血の繋がった家族である以上、恋人や夫婦にはなれない。
 だが将来を誓い合った恋人や、まして妻などという、いくらでも代用のきく薄汚い関係などでは決して無いのだ。
 生まれたときから一生を添い遂げることを定められ、家族としてなによりも強い絆で結ばれた世界でたった二人の姉弟。
 湧き上がる性欲を恋と勘違いした以前の私は、弟を生涯の伴侶にするために様々な手段を講じたものだが、そんな事をする必要は初めからなかったのだ。
 すでに弟は私のもので、私は弟のものだったのだから。

 しかしそれに気づくのが遅すぎた。弟には私自ら強靭な貞操観念を植え付けていたからだ。
 当時の弟は、今もだが非常に可愛くも弱々しく、強姦を初めとする性犯罪や、早すぎる発情期を迎えた弟のクラスメイト、年下を汚らしい目付きで見る上級生から守ってやらなければならなかった。
 耳年増だった幼い私が、女性とこういうことをしてはいけません、どんな女性でも着いていってはいけません、世の女は汚いのですよと丁寧に語り、そのころ覚えたての催眠暗示も使って弟を守っていたのだ。

 だが私にも穢れた性欲の芽生えがやってくる。
 弟を抱きしめたり、一緒にお風呂に入ったり、あるいは手を繋ぐだけで身を焦がさんばかりに燃え上がる性の衝動に、私は異常者で、愛する弟をもいつか穢してしまうのではないかと恐れていた。
 私も周囲の汚らしい女共と同じで、弟を己の性欲を満たす道具にしたいだけなのではないか、と。
 今思えば随分と潔癖なことだが、当時は性欲は汚くてよろしくないものと信じていたのだ。
 だが、愛する弟は私のそんな思いなんてまったく知らずに、地元でも有名な大学付属中高一貫制の学園に入学するなり恋をしてしまった。
 私の恋は、破れたのだ。

 いや、そうではない。なぜなら私は弟を愛していたし、弟は私を愛していたからだ。
 恋をした弟に、想いを抑えきれなくなった私はついに自分の思いを打ち明けた。
 入学式の帰り道、雲ひとつ無い青空の下で、貴方のことが好きです、と。

 そして弟はこう答えたのだ。ごめんなさい、と。
 僕は、お姉ちゃんのこと、好きだよ。でも、家族として、世界で一番お姉ちゃんのこと、愛してるから、恋人にはなれない、と。
 その瞬簡にそれまでの私は死に、新しい私が生まれたのだ。
 私の恋は、恋ではなかった。
 弟に欲情するという当たり前の感情に、悩んでいただけだったのだ。

86家族愛 12:2009/02/20(金) 01:48:03 ID:DX+Gy7dH


「いくよ、姉さん」
「うん、ぐっ、ふぅん、んあぁぁあっ!」

 弟の剛直が膣の入り口に宛がわれた。
 下着の股間部分をずらし、針で突けば破裂しそうなほど熱く膨れ上がった亀頭を膣口に押し当て、私が返事を言い切る前に一息に腰を突き上げる。
 目の前の光景が真っ白になり、足は反射的に弟の腰に絡みつき、内側から爆ぜてしまいそうな激しい快楽が私の全身を支配した。

 成長期を弟とのセックス三昧で過ごした私の体は、世界中の誰よりも弟に犯されることを悦ぶ体になっている。
 膣の深さは弟のそれより僅かに短く、強烈に弟を締め付ける入り口は私が思う限界より僅かに広く、陰核が恥骨の間で激しく擦り上げられ、弟の
頭を抱きしめると胸の谷間で女の柔らかさを堪能させてやることができる。
 最初の一突きで強烈に子宮口を突き上げて膣道を弟好みの深さに拡張され、返す刀で引きずり出した膣ひだをカリ首が掻き毟る。

「あう、ぐっ、姉さん、姉さんっ」
「はひっ、はっ、うぁっ、あい、ぎっ、ぁっ、うぁあ!」

 あまりの快楽に口からは涎が飛び散るのを押さえきれず、胸に抱いた愛しい弟の感触を頼りになんとか主導権をとろうと試みる。
 しかしここ最近はそうであるように、弟の肉体に完全に屈服した私の体は私の手綱をはなれて弟の肉棒を貪り、腰を振り乱して快楽を余すことなく享受することに没頭してしまう。
 弟の好きにされてしまう快楽と被虐的な悦楽が背筋を強張らせ、私は自分でもなんと言っているのか分からない呻き声を上げて弟にしがみ付いた。

「は、ん、姉さん、ねえ、さん、も、はぁ、で、そう……!」
「いひぅ、だひて、お姉ちゃんに、たっぷり、種、付け、なさぁい!」
「えっ、そ、こ、子供ができちゃうのは、まずいんじゃないですか?」

 激しい粘液音しか聞こえなくなった私の耳に、弟の喘ぎ声交じりの愛らしい言葉が飛び込んできた。
 弟の腰に絡めた足を思い切り引き寄せて、弟の子種汁をもらすまいと膣道をきつく絞り上げる。
 狭くなった膣道の中を二度、三度と強引にこすり上げた弟の巨大な逸物が、不意にぶわりと膨らんで私を絶頂に導いた。
 もう何百回と繰り返した行為。弟のひときわ強烈な突きこみが絶頂に戦慄く私の粘膜の中を押し進み、子宮口頸部を壊れそうな勢いで突き上げ、男として、最愛の家族としてそうせずにはいられないのだろう、熱い先走りを零す鈴口をぴったりと子宮口に密着させる。

「あ、で、でるっ、でるよ、姉さん!」

 ぶしゅ、と膣の最奥、子宮の内部に大量の精液がなだれ込むのを感じた瞬間、絶頂の最中を漂っていた私の意識はさらなる快楽の渦に飲み込まれた。
 ぎゅうと全身で抱きしめられる姉としての悦び、膣で最愛の男を射精に導く女の悦び、子宮に愛する牡の子種汁を注ぎ込まれる牝の悦び。
 弟が恋をした日。生徒会長に恋をした弟のオナニーを手伝い、童貞を捧げさせ、初めて体の中に弟を流し込まれて以来、衰えるどころかいつも新たな性の頂へ私を押し上げる膣内射精の感触。

「あ、ひぇ、かっ、あ、ま、まだ、でてるぅ」
「姉さん、…んぅっ、はぁ、はぁ、姉さん……」

 時間にして僅か数十分の私たちの性交。弟の性欲処理。
 その僅かな時間の中には愛撫も愛を囁く言葉もない。弟が私にペニスを挿入して、愛しい家族の名前を呼びながら私の膣を使ってオナニーをして、愛する姉の子袋に精液を注ぎ込んだだけ。
 それでも弟も私も激しく息を荒げ、汗みずくになってお互いに力なく抱きしめあう。きっと世間一般から見れてもおかしな性行為だが、これでいいのだ。
 弟は愛しい姉の体でオナニーする。私は愛しい弟の性欲を処理をする。結果として子供ができればこれほど幸せなことはない。
 あえて重箱の隅を突くならば、弟がこの行為をオナニーだと認識している点だろうか。
87家族愛 13:2009/02/20(金) 01:48:38 ID:DX+Gy7dH

「ふぅ、はぁ、あんっ、も…もう、まだ、治まらない、の?」
「ご、ごめん姉さん、その、今日は、なんだか、いつもよりスゴくて」

 弟は私以外の人間に性的な接触を許していない。それは昔の私が弟に刷り込んだ強固な貞操観念があるからだ。
 少しずつ、姉とはセックスしても大丈夫、という方向に修正して入るのだが、なにしろ過去の私が他人との性的接触を病的なまでに嫌っていたこともあって、また未熟な催眠暗示でひたすら深い部分に何度も何度も暗示をほどこしていたため修正が難しいのだ。
 弟がそのまま成長し、すでに弟の人格形成にまで影響を及ぼしている部分もあるほどで、私が妊娠するのが先か、弟が姉とセックスして孕ませたい、と思うようになるのが先か、といったところだ。
 子供のためにも、できれば後者が望ましいのは言うまでもない。

「あ、ちょっ、きゃっ!」
「あぅ、姉さん、今日は、ほんとに、いつもよりっ」

 私の膣に萎えない男根を埋め込んだまま二度目の射精に向けて腰を動かし始める弟に愛しさが湧き上がり、頭の中がトロけていく。
 だが、その幸せな世界に旅立とうとする私を、本日弟の恋人役に納まった幸せ者の声が引きとめた。

「あの、いいんですか、血が繋がってらっしゃるのに、ええと、中で、その……」
「あん、あっ、はぁっ、なかっ、膣出しっのっ、こと、ですか?」
「は、はい。子供は、まずいのでは?」

 会長は、目の前で繰り広げられた性行為にあっけに取られてしまったのだろう、弟のペニスを見たときには首から耳の先まで染めていた朱色は、普段どおりの白い面に戻っていた。
 いや、まだすこし頬が赤いか。恋する男の逸物が激しく女を責める様子を見ているのだから当然だろう。
 いきなりとはいえ姉弟の愛する姿を見せられて嫌悪を抱くようなら、今まで弟を私から取り上げようとした女と同じ末路を歩んでもらうつもり
だったのだが。

「だいっ、大丈夫、ですっ、私、とぉっ、弟は、愛し合って、いる、家族、ですから…っ…ね?」

 夢中になって腰を叩きつけてくる弟に意識の大半を持っていかれつつ、なんとか会長に答えてみせる。
 胸に顔を埋めた弟が頷く感触に、胸を幸福感が満たし、緩やかな上昇線を描いていた絶頂への快楽指数が急激に跳ね上がった。
 舌をかまないよう、奥歯を食いしばって全身の震えを押さえ込む。しかし、その瞬間に子宮に溢れ返った新たな精液の感触に、私はあっさりと意識を手放してしまった……。

88家族愛 14:2009/02/20(金) 01:50:34 ID:DX+Gy7dH


「……あぅ」

 目を開けると、まだ高ぶりきった下半身を露出させた弟と、それをちらちらと横目に見る会長が私を覗き込んでいた。

「姉さん、大丈夫……?」
「……ええ。ちょっと、気持ちよすぎただけ」

 時計を見ると、思ったほど時間は進んでいないが、そろそろ会長は帰らなければならないだろう。
 せっかく弟が勇気を出して家に誘ってくれただろうにあまりお話できなかったのは残念だが、これから何度も合うことになるだろうし、今日はこれで満足しておこう。
 会長は弟の恋人としては十分に立派な人だ。これでしばらくは、弟に近づくこうとする輩もいなくなることだろう。
 弟の強い貞操観念と私の監視を逃れられる牝がいるとは思わないが、イレギュラーは思いもよらぬところに潜んでいるものだ。

 たとえば、弟が恋をしていた彼女が優秀さの裏に潜めた牝の本性を今日にも露にしていたら……。
 私が生涯をかけて受け止めるべき弟の性の迸りが彼女に注ぎ込まれるばかりか、神聖な弟の血が、家族でもなんでもない女と混ざり合って救われない子供が生まれてしまうところだったのだ。
 この教訓を生かすべく、彼女には弟の貞操を守るための恋人役として勤勉な生活を送ってもらうことにしてもらう。

「会長、私が言ったこと、覚えてますか?」
「え、ええと、それは、弟さんとお付き合いする上でのルールのことですか?」
「そうです。ちょっと復唱してみてください」
「いいですよ」

 すう、と恋人とその姉との性臭がたちこめる空気を吸い込んで、まるでいつも壇上でそうしているかのような凛とした顔つきで、われらが生徒会長は私との約束事を詠い上げ始めた。


「一つ、弟さんの性欲を処理するのは、最愛の家族たるお姉さんの役目であること。
 一つ、弟の性欲はどんなときでもお姉さんに処理してもらうこと、例外は認められないこと。
 一つ、弟さんが勃起、ないし性欲を感じていた場合、速やかにお姉さんに連絡すること。
 一つ、弟さんの最愛の家族であるお姉さんは、弟さんのせっ、精液をどのように扱おうとも自由であること。
 一つ、私が性的に……高ぶった際は、弟さんにオナニーを……見てもらうこと。
 一つ、そ、それにより弟さんが勃起した場合、その勃起はお姉さんに沈めてもらうことっ。
 一つ、世界で二人きりの家族なのだから、弟さんはわたしよりもお姉さんと仲が良い方が自然であること。
 一つ、弟さんをいやらしい目で見ていたり危害を加えようとする女は逐一お姉さんに報告し、これを全力で処分すること。
 一つ、優しい旦那様と二人の子供がいる幸せな家庭を実現するため、お姉さんと弟さんの子作りを最大限手伝ってあげること。
 以上九ヶ条です」
89家族愛 15:2009/02/20(金) 01:51:11 ID:DX+Gy7dH

 ふむ、我ながら完璧すぎる弟との交際ルールだ。会長も、一度聞いただけで暗記してしまうとはさすが。
 これだけ性欲やら弟の愛する家族やらと重複させておけば、きっと大丈夫。一応、他にも細々とした条件や約束事、状況に応じて私の指示を仰ぐことをルールには盛り込んであるから、抜かりはないだろう。
 ルールを謳い上げる会長の凛々しさに勃起の角度を鋭くした弟の逸物を口に含み、食道まで使う長いストロークで弟の勃起を味わう。

「そういえば……以前から何度か、いきなり生徒会室を出て行くことがありましたね?」
「うっ、はぁ、んぁっ、はい、じ、実は、会長とっ、話してると、起って、き、てぇ」
「んぢゅっ、ちゅ、あら、もしかして私が毎晩会長の変わりに犯されてあげてるから、つい本物の会長も犯したくなっちゃったの?」
「ち、違うよ! いや、あんまり違わないけど、その、綺麗だなって思ったりすると………」
「ま、まあ……」
「いつも姉ちゃんの口とか髪に射精してるのを思い出して、勃起して私のところに来ていたのね」
「……うん」
「会長を見てお姉ちゃんとのオナニーを思い出すなんていけない弟ね」
「でも、羨ましいわ。わたしは一人っ子ですから、実は妹とか弟とかに憧れているんですよね」

 ちなみに、会長が読み上げた交際ルールの最後の一つは、催眠で植えつけたとかではなく本当に将来の夢として幸せな家庭を望んでいるらしい。
 学園で辣腕を振るい、討論会では理路整然と、冷気さえ感じる口調でばしばしと相手をやりこめる会長らしからぬ可愛い夢だ。

 弟の恋人役として、ひいては私と弟の輝ける未来を少しだけサポートさせてあげるのだからなにかご褒美を上げようと思ったのだが、なにしろ相手は才女として名高い生徒会長、欲しい物が弟以外にあるのだろうかと聞いてみれば、案の定特にないとのこと。
 しかし、曲がりなりにも弟の恋人として過ごす彼女に私もできる限りよくしてあげたい。そこで手早く催眠状態に導いて聞き出すと、心が求めるもっとも欲しいものが幸せな家庭だった、というわけだ。

 別に今の家庭に問題があるから憧れているというわけではなく、純粋に両親を尊敬し、仲の良い夫婦であることを悦び、自分に愛情をもって接してくれることに感謝しているから、自分もそんな家庭を築きたいと強く思うようになったとか。
 彼女の両親が聞いたら感動して涙すること間違いなしの良い話だ。
 私も、家族を大切にするその心に感銘を受けてしまった。彼女はきっと、弟の恋人として私を幸せにする役目を果たしてくれるに違いない。

 さし当たって、弟の恋人役を妻役にグレードアップするまで勤めていただければ、彼女は生涯弟の虫除けとして役に立つだろうし、子供だって二人といわず、私が何人でも生んであげられる。
 優しい夫を演じることになる弟には……きっと嫉妬してしまうだろうが、なに、私は世界でただ一人、彼のお姉ちゃんだ。それだけで十分すぎる。
 醜い独占欲は、弟に毎晩精液を注いでもらえば、きっと耐えられるだろう。
90家族愛 16:2009/02/20(金) 01:52:25 ID:DX+Gy7dH

「ん、ちゅっちゅっ、いけませんよ、私の弟は私だけのものです」
「んぁ、ふあ、姉さん、ねえ、さん、また、で…る」
「ええ、わかっていますわ。わたしが……その、家族になっても、お姉さんはお姉さんですから」
「んぐっ…いいわ、飲んで、あげる…ごぐっ、くっ、ちゅるっ、んぐっ…んはっ、会長は、物分りの言い方ですね、けほっ」
「いえ、そんなことありませんよ」

 謙遜する会長を好ましく思いながら、私の唾液に塗れた肉柱に頬ずりをする。
 会長も初めは弟のペニスに、僅かとはいえ嫌悪の目を向けていたようだが、自分に向けられることがないと安心したたためか、私が美味しそう
に銜え込むためか、少し恥ずかしげに視線を逸らすだけで、弟のものへの脅威というのは薄れたようだ。
 本来なら見せるのも勿体無いのだが……会長は弟の恋人。まあ、私が立ち会っているなら、我慢するとしよう。私が弟と家族の交わりをしている時以外にないよう指示もしてあるし。

「はあ、姉さん、その、今度は」
「次は私が上になりたいわ。いい?」
「う、うん」

 いまだに姉を求めて股間を膨らませる愛しい弟の服を手ずから脱がしてやり、促してカーペットに仰向けにさせる。
 白いカーペットに寝そべる弟は傍目にも小さく華奢で、美しい。
 股間に聳え立つ巨頭を隠せば、発育の芳しくない少女と誰もが疑わないような、人間の劣情と嗜虐の心を刺激してやまない可愛らしい肢体が蛍光灯の無機質な灯りに晒される。
 私はその体をまたぎ、この後に及んで恥かしがって身じろぎする弟を見下ろしながらスカートを持ち上げて、ずれたままの下着の奥、弟に何度も蹂躙され、つい先ほども濃厚な白濁液を注がれた秘肉を左右に割り広げて見せつけた。

 私が一枚も服を脱いでいないのは弟の好みによるもので、なんでも日常的な姿の姉をオナニーに使うことに激しく興奮するらしい。
 私も、たとえば弟が後ろからいきなり抱きついてきて、耳元で切なげにオナニーさせてぇ、と囁かれて絶頂に至り、制服だろうが普段着だろうがスカートの中に手を潜り込ませてクロッチ部を僅かに横にずらしただけで挿入される、というシチュエーションが嫌いではない。
 抱きつかれてほんの数十秒で弟の剛直で突き上げられるというのは、なんだか自分が弟専用の性具になったようで、実に興奮するのだ。

 以前は学校に制服の代えを用意することで弟の精を心置きなく受け止めていたのだが、最近は外ではそのようにして性欲を処理してあげているため、私は常に弟の精液を腹の中に溜め込んだまま、零さないよう下半身に力を込めていなければならなくなった。
 着崩れもなく弟と交わることができるのはとても便利だが、胎の中で弟の子種汁が跳ねるたびにイッてしまいそうになるため、愛液を吸い取らせる生理用品を大量に消費してしまうのが難点か。日に何度も弟に求められ、下着が伸びて使い物にならなくなる事も。

「ところで会長、まだ聞いてなかったんですが、どんな告白したんですか?」

 膣奥に収まりきらなかった大量の精液を、弟の竿に垂らしながら会長に聞く。
 十中八九会長が告白したのだろうが、できれば告白の台詞と、それに弟がどんな言葉で答えたのかを聞いておきたい。

「えっと、告白は、わたしがしました」
「やっぱり。あなた、どんな告白するか私と散々練習したじゃない」
「だ、だって、うっ、いきなりで、驚いてて……」
「弟さん、気の毒なくらい真っ赤になってましたよ」
「そ、それは先輩だって、そうだったじゃないですか……」
91家族愛 17:2009/02/20(金) 01:53:13 ID:DX+Gy7dH

 さすがに、相手の方から告白されては練習の成果も生かせなかったようだ。
 どんな台詞で会長に告白するのがいいか。姉たる私を練習台として様々な言葉での告白を何度もシミュレートしたというのに。
 あなたのことを愛しています、大好きです、などのシンプルなものが中心だったが、私が考案した、僕の子供を生んでください、なんて最高の台詞だと思う。
 弟には刺激的な台詞だったのか、性欲を燃え上がらせた弟のオナニーに体を差し出すと、子宮をこね繰りまわされながら延々と大好きですだの愛してるだのと耳元で囁かれて、言葉でのイキ癖を植え付けられてしまったのはいい思い出だ。
 あるいは他の女に聞かせるには勿体無い台詞だったかも知れないが、これからは練習ではなく、姉を気持ちよくさせる言葉として毎日言ってもらうことにしよう。

「で、告白の様子はどんなだったんですか。会長はなんていったの?」
「今度の学年交流会のプリントができていなくて、それで、初めは生徒会役員のみんなで作業していたのですけど……」
「僕だけ仕事が遅くて、で、みんなは用事があるって帰っちゃったんだけど、先輩が手伝ってくれて」

 腰を振って弟の巨大な亀頭を膣口で弄びながら、細い腰を太ももで挟み込んで固定する。
 仰向けになった弟を膝立ちで見下ろすと、巨大な陰茎はちょうど私の膣口とキスができるぐらいの長さになる。姉弟の体は。何をするにも相性抜群なのだ。
 そのまま手で陰茎の根元からこすりあげてやると、大きくエラをはったカリ首が指先に引っかった。
 依然読んだ本に、カリ首は他の牡の精液を牝の膣からかき出し自分の子を孕ませやすくする役割を担っていると書かれていたが、弟のこれは純粋に私を鳴かせる為に発達したのだろう。

「それで、先輩が……」
「わたしが、好きな人はいるの、と聞いたんです」
「それは、結構いきなりですね」
「ええ、自分でも驚いてしまいました。弟さんも、驚いて固まってましたね」
「そう、でしょうね。……それで?」

 ぐりぐりと陰核に亀頭多し当てた後、再び膣口に押し付けて勢いよく腰を下ろす。だが挿入はしない。
 最も太いカリ首が膣口をぱつぱつに押し広げる感触に陶然となりながら、なんとか会長を促す。
 ……この人が頬を染める様なんて、学園男子の誰一人として見たことが無いであろう。可憐というにふさわしく、そのまま氷付けにして保存してしまいたくなるほど美しい笑みを浮かべる。

「わたしはあなたのことが好きです、もしよろしければ付き合ってください、と」
「うっ、あっ、そ、それで、僕も、…僕の方こそ、お願いしますって」
「それで、仕事を片付けたあと、とりあえずお姉さんに報告しないと、と思って。彼にお願いしてつれて来てもらったんです」
「わ、私に?」
「ええ。お姉さん、弟さんの母親代わりとしてずっとがんばっていらして、以前からお会いしてみたいと思っていましたし」
「はう、あ、ぅ、姉さん、もう……」

 そうなると、彼女にとっては交際を始めたその日に両親に挨拶に来たようなものか。
 なんとも豪気だが、おかげで色々と楽なことにはなったし、よしとしよう。
 もはや言葉もなく、私の腰を非力な腕で引き降ろそうとする弟の喘ぎ顔を覗き込む。
 羞恥ではなく我慢で朱色になった顔と、姉を犯したい欲求に瞳を潤ませた愛くるしい顔を掴んで、額をあわせる。

「こんな感じ、ね!」
「うぁあ!」
92家族愛 18:2009/02/20(金) 01:53:57 ID:DX+Gy7dH

 我慢していた衝動を開放し、弟の勃起を根元まで一気に飲み込んだ。
 快楽に持っていられなくなったスカートが私と弟の結合部を覆い隠し、粘液に塗れた腰と腰とが密着するくぐもった音を僅かに遮った。
 弟の精液に発情して下がっていた子宮を剛直が強かに打ち上げると同時に、弟が限界まで焦らされた射精欲求を解き放って私を追い詰める
 胎を内側から押し広げる陰茎部と、押し上げた子宮口を溶かそうとする亀頭、そして子宮に断続的に注ぎ込まれる熱い精液。
 熱い迸りにまたしても飛びそうになる意識を何とか繋ぎ止める。
 弟の胸板をさすりながら、ゆっくりとつぶやいた。

「ひぎっ、わたっ、私はぁ、あなたのっ、あなたの事がしゅっ、すき、ですぅ」
「うぁっ、姉さん、ねえさん!」
「もひっ、よろしければぁ、私、と、付き合って、くだ、さぁぁあい!」

 絶頂が治まりかけ、弟の腰を締め付けていた太ももに力が入らなくなったのを弟は察知したのだろう。
 告白の台詞の途中に下から突き上げられて、私はあっさりと性の絶頂に飲み込まれる。

「も、もう、お姉さんったら、あまりからかわないで下さい」
「はひっ、あ、これ、しゅごい、告白、もっと、してほしい、お姉ちゃんに、告白、されたいの?」
「ふふっ、本当に姉弟仲がよくて、羨ましい限りですわ」
「ち、違う、よっ、ただ、会長の、そんっ、そんな台詞、こんな時に、いわれたら!」

 もちろんそれを狙っているのだが。
 初めから私のものだというのに、優秀で知られた会長を出し抜いて弟を寝取っているような感覚に優越感が刺激され、自分からも腰を押し付けて弟を迎え入れる。

「かいっ、かいちょ、そろそろ、お帰りになった方が、いいのではっ、ないですかっ?」
「え、あ、本当だわ。もうこんな時間だったの。そろそろ御暇させていただかなきゃ」

 言葉を聴くに、まだここにいたそうではあるが、いくらなんでも付き合い始めたその日にお泊り、というわけにはいかないようだ。
 会長の言葉に一瞬、弟の動きが止まったが、私が身を屈めて唇を押し当ててやると、夢中になって舌を入れてきた。
 可愛いやつめ。

「もう、ちゅっ、ぢゅるっ、申し訳ありません、弟の性欲がまだ納まらないようなので、お見送りはしてあげられませんが……」
「ええ、心得ていますわ。……いつもこんな様子なんですか?」
「おっ、ふぁっ、い、いえ、いつもならそろそろ治まって、あとは一緒にお風呂と、ベットの中でヌイてあげる、ぐらいなんですけど」
「そうなんですか」
「今日は、今日は会長がいるから、いつもより、治まりが悪いのかも、しれません」
「あ、そ、そうかしら。そうだと、嬉しいわね」

 まあ、彼女がいくら弟を煽っても、弟の精は私のものだが。
 この様子では、彼女が弟にオナニーを見せて性欲を煽るようになるのも、遠くないのかもしれない。
 弟とたくさん子作りするための提案だったのだが、彼女が気に入ってくれれば幸いだ。
 はじめは色々と戸惑い、嫉妬したものだが……
 今では、弟が恋をしたのが彼女でよかったと、そう思う。
93家族愛 19:2009/02/20(金) 01:54:45 ID:DX+Gy7dH

「ご、ごめんない、ね、さんまり、お構いして、あげられ、なくてっ」
「美味しい夕食をご馳走してくださっただけで十分ですわ。私と弟さんのことを伝えるためにお邪魔させていただいたのですし」
「いっ、ひぃっ、会長、おと、弟のこと、よろし、よろひく、お願い、します、ね!」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。それではまた明日、学園でお会いしましょう」
「えっ、ええ、さよぅ、さよう、なら、……おっ、あわ!」

 不意に弟が強引に体位を入れ変えて私を組み敷いた。
 その目は欲望にぎらつき、唇の端からは涎が滴っている。私が会長と話していて、こちらに集中していなかったことに我慢できなくなったのだろう。
 こんな状態まで弟が興奮するのは、いつも会長との相談に乗ってあげた後やベットの上なのだが。やはり今日はいつもと一味違うらしい。薬が多いというだけなら、もっと早くこの状態になっているだろうし。
 もはや会長の言葉に返事もせずに求めてくるとは、よほど姉の体を使うオナニーが気持ちいいらしい。当然か。

「あらあら、本当に仲のよろしいこと」
「いっはっあっあっ、あっ、もっ、また、イクっ、いくぅ!」
「姉さん、姉さん、ねえさん、でるよ、ぼくも、また、でるっ、おねえちゃん、の膣内に、で、るっ!」

 これは、今日はこのまま離してもらえないかもしれない。
 弟には会長に欲情しないよう、毎日精液タンクが空になるまで私に注ぎ込むよう言いつけてある。
 だが、弟は前の日にどんなに私の体を使わせても、寝て起きればすぐに私を求めてくる旺盛な性欲の持ち主だ。
 想像で会長の裸を想像しただけで二度は私に精液を吐き出させる弟のことだ。会長と恋人になれたことで、色々なタガが外れたのかもしれない。
 これからの生活が実に楽しみだ。

 激しくぶれる視界の端に部屋を出て行く会長の背中が写る。
 今日という日は彼女にとって、もっとも幸せな日になったことだろう。
 我が自慢の弟の恋人として振舞うことを許されたのだから。
94家族愛 20:2009/02/20(金) 01:55:22 ID:DX+Gy7dH

 折角恋人同士になったのだから、弟にも、私の許可を得ずとも会長の裸を想像することぐらいは許してあげようと思う。
 そうすれば弟が学校で勃起する回数は増えるだろうし、妊娠の確率もぐんとあがるだろう。
 しかし勃起の処理は毎回私に報告させて人目につかないように行っているが、 学園の有名人である生徒会長と付き合うことになった以上、人目を避けるのは難しくなるかもしれない。
 この辺りは会長の優秀さに期待して、部屋でも用意してもらうとしよう。
 そうすれば今まで以上に弟と愛し合うことができるだろう。

 ちなみに学校にいる間の弟は軽い催眠状態に近く、私達の愛の営みを他人に話す場合、世間一般的なものに摩り替わるようにしている。
 オナニーは一人でするもので、姉の体を使うのではなく姉の裸や体の感触を思い出してするもの、という具合に。
 弟はともかく、周囲の理解を得にくいのが近頃の家族愛というものだ。
 あと、幼少期からがちがちに固められた弟の貞操観念が邪魔をして、現状は姉でオナニーするのが普通、と思い込ませるのが限界なためでもある。
 膣出しも、実は弟が疑問に思わなくなるまで結構時間がかかったのだ。
 いずれは姉とセックスするのは普通と思い直させ、薬や暗示など使わなくても、私とは深く愛しあう家族であると恥ずかしがらずに言える立派な弟になってほしいものだ。

 なに、時間はたっぷりある。
 私と、弟と、それをサポートする学園の才女。
 私たち家族の未来は、きっと輝かしものに違いない。
 
95名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 01:58:09 ID:DX+Gy7dH
以上。
キモくなくてもいいよね。
泥棒猫が幸せになる話しがあっても、いいと思うんだ。

さんまりってなんだよしねよ
96名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:18:36 ID:0oTW1ifo
GJ!!
とてもキモ姉が素敵な方向に深化していますね
97名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:25:22 ID:YtryJAZ0
長かった… だが、ちゃんと全部読みきった…! GJっす!
弟を応援しつつ、ちゃっかり独占欲をだしてた姉さん、充分キモいぜGJ!

みんな幸せでいい、というのには激しく同意します。
98名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:45:33 ID:Nxrdb20i
GJ!!!
キャラ設定がイイ!
そして弟の性欲処理といいつつ弟にまで催眠術をかけて自分の性欲処理に使ってるキモ姉が恐ろしい…ガクガク
99名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 02:50:23 ID:7WSIbdKH
弟と泥棒猫の「幸せ」を完全にコントロールし
自身さえも、これは恋愛ではないのだと騙し続ける姉
みごとなキモっぷりであります
GJ!
100名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 03:12:55 ID:X/vUR+CK
GJ!
自覚ゼロなところが尚更キモい
101名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 03:19:37 ID:lAams+Ts
>>95
GJ。イイハナシダナー

あと自虐的すぎワラタ
102名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 03:20:25 ID:fDx+cwJZ
GJ!!!

みんな幸せでいいよ
そして充分キモいし
103名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 03:39:39 ID:JTfxWIJh
キモすぎるううううううううう!!!
104名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 07:58:25 ID:r3VX83hB
これぐらいの長さが丁度いいな。もっと長くてもいいぐらい…ゆとりにはつらいかもしれんが

ともかくGJ!!
105名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 08:40:40 ID:0sOHSagB
>>104
何故わざわざ波風が立つような余計な一言を入れるのか……
そういうことを平気で口にできるやつがいるから荒れるんだろう

作者氏
新鮮な展開で大変面白かったです
是非また書いて欲しい、GJ!
106名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 09:29:58 ID:71C2B4gw
The temptaion by my eery sister書いた人かな?

とにかくエロくて良かった。
ぐっじょ!
107名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:35:25 ID:DX+Gy7dH
ここに投下するのははじめてなんだ
>>106の人ではないです。

実はこの形式で投下したの初めてで、レイアウトに気を使うつもりで書いて使わずに投下したんだ
下手に改行で文字数をそろえると、環境によっては変な位置で改行されて読みにくくなる人もいるかもしれない
接続詞使いまくりで長い行を書くのは自重したいが、改行して折り返せば読みやすくもなる気がしないでもない

適当な文字数で改行してある長いSS
とくにレイアウトに手は加えない長いSS

どっちが読みやすい?
小ネタとかならあんまり気にしなくていいんだけどな
108名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:14:41 ID:v8gNAtyO
GJ!
色々と新鮮なキモ姉でした!
109名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 14:07:13 ID:4xEH9t2k
>>107
> 適当な文字数で改行してある長いSS
> とくにレイアウトに手は加えない長いSS

PCと携帯の違いとか、携帯でも普通のwebブラウザ使ってる人と専ブラ使ってる人の違いもある
さらに言えばモニターの表示幅その他の環境によっても、何文字くらいで改行されてるのが読みやすいかはかわってくる

なので、自分の使ってる環境で読みやすいと思うように書いとけばいいんじゃないかね?
110名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 14:25:17 ID:r3VX83hB
>>107
余計なお世話だと思うが言わせてくれ。あんたはいい職人のようだから

職人はいちいち住人に語りかけるな、住人にレスをするな
111名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 15:05:05 ID:R9/W5mam
NTRは大が付くほど嫌いだが、こういう近親愛独占型は大好物だ
112名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 15:09:16 ID:nU4qDa5Y
>>95
交際を認めても弟を譲る気配が微塵もない姉さんに萌えたぜ。GJッ!
113名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 16:37:02 ID:glfRH/g+
時々忘れそうになるが
そういえばキモイ姉妹であることが主眼であって
修羅場る必要はないんだな
これはいいものだ
114名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 17:11:17 ID:aIJQsUMT
きめえぇっ!吐き気をもよおすほどの邪悪なキモ姉じゃねーか!!ぐっじょぶ!
115名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:32:30 ID:qbbuao42
>>95
泥棒猫さんに、北斗有情拳みたいな仕打ちを行うキモ姉にGJ三連呼。
116名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 19:00:59 ID:IdXUrX7S
このスレにいると女性キャラは(泥棒猫にしろ姉妹にしろ)性格悪いのが普通みたいなのがあるからなあ……

こういう、さわやかなカンジのはすごくいいね。GJ!!


近親のどこがさわやかだって?
ちがうよ近親じゃないよ。仮に近親だとしても近親という名の家族愛だよ。
117名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 19:20:10 ID:9U0Lb3fV
よく、先生のことを「お母さん」とか呼んじゃう奴はまだ分かる

でも、いくら年が若いからって「お姉ちゃん」と呼んじまった俺って奴はorz
118名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 19:33:24 ID:YtryJAZ0
>>117
「お姉ちゃん」と呼ばれた先生がハートを打ち抜かれた勢いのままに、
その日のうちにあなたの両親に、ありとあらゆる手段で取り入って、
次の日から「義理のお姉ちゃん」として、あなたにハァハァするルート。

あなたの本当のお姉ちゃんがその話をどこかから聞きつけて来て、
「あなたのお姉ちゃんは私だけ。あなたは私だけの弟」と、
虚ろな瞳で延々と語りかけながら、あなたの服を脱がしていくルート。

あなたはどちらがお好みでしょうか?
119名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 20:00:44 ID:Nxrdb20i
>>118
海外に逃亡して、1人幸せに暮らす弟的にハッピーエンドなルートはある?
120同日中に投稿しすぎな気がしてきた:2009/02/20(金) 20:27:23 ID:YtryJAZ0
>>119
ありません。あるとしたら、

キモ姉のオーラに怯えて黙って海外に逃げたあなたが、
うっかり自分の年齢の半分くらいの少女を暴漢から助けてしまったために、
「オニイチャン、ダイスキ」(頑張って覚えた日本語)と、延々囁かれた挙句、
大富豪である少女の両親の権力で、あなたが養子にされ、義妹ができるルート。

あ、現世を儚んで自ら命を絶つような、最低な道を選択したなら実のキモ姉が、
分岐ルートの場合はそのルートの義理姉妹が、「後追い」して憑いてきます。
弟君(ルートによってはお兄ちゃん)は、キモ姉妹から逃れることは、できないのです。

----TRUE END----
121忘れてたので追加:2009/02/20(金) 20:52:29 ID:YtryJAZ0
>>120の最後から続き

----TRUE END----

----GAME OVER----

セーブしますか?
------------------
ニアはい  Yes.
------------------
122名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 00:51:34 ID:4bjy/o8Z
無限ループって怖くね?
123名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:07:35 ID:Ytuc6bne
いや、来世などないのだ

だからこそ!現世で永遠となるのだ!
124名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:29:32 ID:FkjLD7YF
単発ですが、投下します。
125名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:29:50 ID:FkjLD7YF

 問題児。

 隣で今のところしおらしく座っている妹は、ここではそういうことになっている。
「ここで貴方とお会いするのも何度目になりますかね?」
「数えていませんけど、そろそろ片手じゃ足りなくなるんじゃないですかね」
 目の前のシスターは溜め息を一つ。
 年相応の皺が刻まれた双眸を窓の外へと移した。
 柔らかな光が差し込む大きな窓。
 広い中庭からは十代特有の浮ついた雰囲気は感じられない。
 静謐で、穏やかな時間が流れてゆくだけ。
 お嬢様学校。
 こういう雰囲気にも慣れつつある自分がいる。
 裏を返せば、それだけここに足を運んでいるという事でもある。
「つかぬ事をお聞きしますが、御実家ではどのような指導をなされてきたのですか?」
 これも、もう耳にタコができるほどぶつけられた疑問。
 もっとも、隣で欠伸を噛み殺している妹の耳はタコが重なってイボになってしまっているかもしれない。
「一応、普通に育ててきたつもりですけど……」
「それが甘やかしているというのです!」
 一も二もない。
 有無も言わせずにぴしゃりと言い放つと、シスターが椅子に座り直し姿勢を正す。
 今までの経験上、これは今にも説教の始まりそうな体勢。
「それで、今回は何をしたんですか?」
 巻き添えを食らう前に横槍を入れ、話題を逸らす。
 隣で黙りこくっている妹からは『よくやった』というアイコンタクト。
 いったい誰のせいでこうなっているのかわかっているのだろうか。
「無断外出、門限破り及び無断外泊です」

 そういえば……

 先週の土日に妹がウチに遊びに来ていたような気がする。
 バレンタインの日に連絡も無くいきなり押しかけてきて、
 外では財布代わりに兄を連れまわし、
 部屋では雑誌や漫画の類を散々読み漁った挙句、いくつかをお持ち帰りしていた。
 寮の方には了解を取っているという話だったはずだが……。
 恐る恐る隣の様子を窺うと、妹は涼しい顔をしていた。
 しかし、机の下でシスターには見えないように右手の親指を立てている。
 これは『任せておけ』の合図。
 意味がわかりません。
126名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:30:34 ID:FkjLD7YF
「先週の土曜日と日曜日に、彼女が何処に行っていたか御存知ですか?」
「いえ、なにぶん初めて聞いたもので……」
 いつの間にかの共犯者。
 いっしょに居ましたとは口が裂けてもいえない。
「実家の方へ帰っていたと本人は話していますが……お兄様がそれをご存じ無いのは妙ですね」
「いえ、僕の方は来年から大学生なんで早めに一人暮らしを始めたばかりなんですよ。
 ですから実家の方がどうなっているかはさっぱりで……」
「そうですか」
 まだ疑ってますよ。
 目の前の顔にはそう書いてある。
「本当に御迷惑をおかけしました」
「すみませんでした」
 兄妹揃って頭を下げる。
 これも、もう何度目だろう。
 随分安売りするようになった。
「形だけの謝罪に意味はありません」
 不快感を隠しもせずに苦言を吐き出す。
 このシスター、相当腹に据えかねているらしい。
「ご両親がお忙しいのは存じていますが、一度学園にお越し頂かなければなりませんね」
 親を盾にされても困る。
 二人がここに来られないから、俺がここにいるわけで……。
「僕の方からも厳しく言って聞かせますので……」
 隣では申し合わせたかのように妹が不安そうに肩を震わせ俯いている。
 シスターは見定めるような視線でこちらを一瞥すると、溜め息を漏らす。
 職業柄、悔いている者を許さないわけにはいかないのだろう。
 立場上厳しく接しているのかもしれないが本質は良い人なのかもしれない。
「今日のところはこのくらいでいいでしょう。少しは反省しているようですし」
 でも、あんたの目は節穴だ。
 今にも飛び出しそうな一言を噛み殺す。
 折角の慈悲、貰えるものは貰っておくに越したことはない。

「「ありがとうございます」」

 もう一度、兄妹揃って頭を下げる。
 それでもシスターは固い表情を崩さない。
「とはいえ、反省文は書いてもらいます。明日の放課後までには提出する事。いいですね?」
「わかりました」
 妹の返事を聞くとシスターは席を立つ。
127名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:31:15 ID:FkjLD7YF
「それでは、私はお先に失礼します。
 それと……この学園は男子禁制ですので、くれぐれも長居する事のないように」
 だったら、始めから呼ぶな。
 舌先の発射台にまで乗った言葉を飲み込み、苦々しい笑顔を作る。
 シスターは薄っぺらな顔面には見向きもせず、
 凛とした立ち振る舞いで軽く会釈をすると俺達を残したまま反省室を後にした。



 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 私立聖○○女学院。
 いかにもな看板を掲げるこの学校は、その名に恥じぬお嬢様学校。
 徹底的に品質管理されたお嬢様たちを温室栽培する完全密閉型施設。
 朝は礼拝堂でのお祈りに始まり、挨拶は昼夜を問わず『ごきげんよう』
 昼は公立では真似できないハイレベルな授業とランチを嗜み、
 夜の9時には消灯という現代社会とは別次元とさえ言える環境。
 そんな一般庶民には荷が重過ぎる環境に我が妹は特待生として入学した。
 まぁ、要するに庶民にしては成績がよろしかったので、特別に入学が許可されたというわけで……

 そんな庶民が学園創立以来の秀才でトラブルメーカーなもんだから、学園側も手を焼いているのだろう。



「はい、お疲れ様」
 二人揃って校舎の外に出ると妹が笑顔で労う。
 身内の贔屓目もあるが、中身は別として器量の良さはそこらのお嬢様に引けは取らない。
128名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:31:52 ID:FkjLD7YF
「あのな、推薦で受かったからって決して暇じゃないんだぞ」
「ゴメンゴメン、ほんとに感謝してるって!」
 顔の前で両手を合わせてウインクを一つ。
 その割にはあまり申し訳なさそうな表情はしていない。 
「高校生のうちに、また呼び出されるなんて思ってなかった」
「どうせ知り合いのほとんどが受験中で遊んでくれる人なんていないでしょ。
 土日のバレンタインだって手応え無かったみたいだし」
 妹の発言は事実。
 高校生最後のバレンタイン。
 遊びに来たのが校則違反して飛び出してきた妹だけというのがなんともなさけない。
 その挙句の果てに、わざわざ謝りに出向する羽目ともなれば多少は不機嫌にもなる。
「そもそも、どうして何度も校則違反をするわけ?」
 この学校が規則に厳しいのは知っている。
 ずっと普通の家庭で育ってきた妹には不慣れな環境だというのもわからなくはない。
 だから今までは、できるだけ何も言わずに妹の味方でいたつもりだ。
 けれど、今日は腹の虫が収まらない。
 言わせてもらえば、あえてそういう環境を選んだのも妹自身なのだ。
「そりゃ―――人にやっちゃダメって言われるとやりたくならない?」
 普通に考えれば安易な誤魔化しだろう。
 しかし我が妹の場合、本気の可能性もある。
「……殴られたいの?」
「ゴメンなさい」
 こちらの不機嫌が伝わったのか、少しは反省の色を見せる。
 俺は親じゃないから、もうこれ以上叱る必要は無い。
 でも、いい機会なので今回はもう少し踏み込んでみようと思う。
「なぁ、ずっと疑問だったんだが……どうしてこの学園に入ったんだ?」
 これは前々回あたりから抱えていた疑問。
 ご近所でも『ちょっと変わった娘さん』で通っている妹はこれでなかなか頭が良い。
 こうやって冗談交じりの会話しているぶんには歳相応の十代に見えるが、
 その気になればもっと自由で環境の良い、
 自分に見合った学校を選ぶ事だって難しくは無いほどの優秀な頭脳の持ち主。
 より多くの素晴らしい選択肢を蹴ってまで、わざわざこの学園を選んだ理由が俺には見えない。
「それは……その……」
 歯切れの悪い言葉を残し、お茶を濁す。
 そのまま微動だにしないまま、表情だけがゆっくりと変わってゆく。

 ―――しばらくして、

「……自分が他人と違う事が怖いと思ったこと、ある?」

 そう、ポツリと問いかける。
 普段は見せない、どこか含みのある表情。
 あまり茶化せるような質問でもないし、少しは真面目に考えてみる。
「わからん。あるような気もするけど、それほど怖いと思ったことは無い」
 返事を聞くと妹は力なく笑う。
129名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:32:47 ID:FkjLD7YF
「私はあるの。あれは……いつの頃だったかな?
 とにかく、今よりずっと昔に自分が変だってことに気が付いたの。
 自分の根底にあるナニカが、みんなとは少し違うって。
 それでも、その頃はそれでもいいと思っていた。むしろそれは、とても素敵な事だとさえ思ってた。
 ところがある日、私は気付くの。
 それはこの社会では異常な事なんだって。本当は誰にも知られてはいけない事なんだって。
 ルールから外れた者を社会は許さない。
 世界は無慈悲で理に従わない者に容赦しない。
 だから―――私は自分の異常を治そうとした。
 こういう規律の厳しい環境に身を置いて、神の教えってやつを学べば治るかもしれない。
 懺悔でもして悔い改めれば、マシにもなるかもしれない。
 こうやって、少し距離を置けば……慣れてしまうようになるだろうって。
 この学校に入ったのはね、私にとっては挑戦だったの。新しい何かで隙間を埋めるための挑戦」

 話を区切って、妹は一度こちらを伺う。
 その顔は幾分柔らかくなってはいたが、何処か諦めに似た表情にも見える。

「―――でもね、探し物は見つからなかった。
 ここにあるのは偉いと言われてる誰かが作った枠組みだけ。
 倫理や道徳という名の狭くて窮屈な閉じた輪の内側。
 それが摂理で、真実であっても私の肌には合わなかった。私を納得させるだけの本当がここにはなかった。
 ……どうも私は本質的にはみ出し者みたい。
 実は―――さっきは冗談だって言ったけど、
 人にやっちゃダメだって言われるとやりたくなるって話、アレも本当だったりするんだ。
 本当にやりたい事は、一番やっちゃダメだから……ガス抜きの代償行為みたいなもの」

 妹が随分久しぶりに明かした胸の内。

 意図的に核心をぼかして話をしているのはわかる。
 おそらく俺には知られたくない悩み。
 それは俺が身内だからかもしれないし、俺が男だからかもしれない。
 だけど、損得を考えずに本当の悩みを打ち明けられるのはやっぱり身内。
 理解してやれないのは、ひどく情けなく思う。
「……あの、何か言ってよ」
 しばらく黙っていると、どこか恥ずかしそうに妹が口を出す。
「いや、話について整理中でな。
 こういうのって、どう答えればいいか難しい」
 少なくとも、まだ同じ高校生の俺はそんなことを気にした事が無い。
 過ぎ行く毎日のなかで、いちいち自身の在り方を考えたりするほど大人じゃなかった。
「うん。そりゃそうだ!! あはは、ちょっと神経質になりすぎだよね!! なにキモイ事言ってるんだろ!!」
 そう笑いながらも、笑顔が曇っている。
 それは身内でなければわからない程度。
130名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:33:50 ID:FkjLD7YF

「ば〜か」

 軽く小突いてやると妹は目を丸くする。

「受け入れられないなら、無理に受け入れようとしなくてもいいんだよ。
 頭良いくせに、変な所で要領悪いな。
 ルールも教義も所詮人間が作ったもんなんだから、穴だらけなのは当然なんだよ。
 だから、自分がそれに当てはまらないからって無理をする必要は無い。
 そもそも、いちいち他人に惑わされるなんて『らしく』ないだろ」

 これが兄としての役割。

 妹は生まれつき普通とは違った感性を持ち合わせている。
 それはこの先を生きてゆくには少々重荷になるだろう。
 違うことを人は恐れる。
 理解できない発想や価値観は責められる格好の餌になる。
 事実、妹は幼い頃に苛められていた事もある。
 これから傷付けられることも少なくないかもしれない。
 だからこそ、理解はできなくとも支えてやる。
 それができるのは家族だけだから。

「迷惑……かけるかもしれないよ」

 どうしてここでそういう発言が出てくるのか凡人の俺には理解できない。
「何? そんなに俺が憎いわけ?」
「え〜と、ある意味憎いかも……」
 小悪魔みたいな笑顔を片手で上品に隠すと、
「ところでさ、今日は商店街のお店でカップル割引してるところがあるの」
 そう言いながら強引に腕を組んでくる。
「あのな、今の台詞ツッコミどころ満載だぞ」
「例えば?」
「なんで兄妹二人でカップル割引になるのか? どうして今日が割引だって事を知ってるのか?
 また俺に奢らせるつもりなのか? 大体、なんで説教喰らったのかわかってるのか?」
「も〜いいじゃん!! どうせ暇してるんでしょ?
 反省文なんて甘いもん食わなきゃ、やってらんないって!!」
 勢いに押され、ズルズルと引きずられてしまう。
「妹に付き合ってもらってのカップル割りなんて……なさけなさすぎるんだが……」
「気にしない気にしない。学校が違うんだから共通の知り合いに会わない限りわかんないよ。
 それにこの制服を着た女の子と並んでお茶できる男なんて滅多にいないんだから。ちょっとした役得かもよ?」
 あ〜だ、こ〜だ言いつつも引っ張る力は緩めない。
 どうあっても行くつもりなのだろう。

「うふふ……今日は覚悟してもらいますわよ、お兄様」

 茶化しているのか、満面の笑顔でのお嬢様言葉。
 どうやら……今回も奢らされることになりそうだ。
131名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:34:25 ID:FkjLD7YF
ここまでです。

即興だったので設定の曖昧さは御容赦を。

少し風味を変えて、キモウトの素質を持った妹を書いてみたつもりですが……。
微妙なモノになってしまったような。
132名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:50:07 ID:9f5+r8Rs
>>131
あらあらうふふ、これはまたご機嫌麗しくGJですこと
翌日に懺悔室で己の過ちを告白するキモウトが目に浮かびますわ
133名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:51:08 ID:j77Jmu6n
GJです。

キモウトがその想いを「ふつうに」悩む作品は実は少ないから、貴重な常識分を補給させてもらいました。
134名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 02:11:23 ID:ZGCdnVRW
>>131
GJです。
この妹が女学院から卒業してきた時が、とても楽しみですね。
「兄よ、私の愚かなあやまちをお許しください。主はどうでもいい」的な。
135名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 10:14:35 ID:1eds9Gs0
信仰に進化するわけか
136名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 11:02:02 ID:QpDHc6D+
>>135
ざんねん、いもうとのじょうしきはきえてしまった!
137名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 12:42:14 ID:juuqeIuv
兄ちゃんに「彼女ができました」報告されて
やっぱり自分の選択は間違ってたと悔い改める未来まで幻視した
GJ
138名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 16:27:44 ID:IrldWo3b
>>131は単発だとはっきり書いてるから仕方ないけど
>>95に続きはあるの?
出来れば両方とも続きが見たい。
139名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 17:10:11 ID:l/P62NQF
「なんだよ、言いたい事があるならはっきり言え」
 僕はそう言って急かした。けれど妹は、下を向いて体を震わせているばかりでいつまでも返事をしようとしない。
「……」
 僕はいい加減に焦れてきてしまって、おい、と言いながら下から顔を覗き込んだ。
すると、そうされることを嫌ったのか、妹は僕に背中を向けて数歩距離をあける。
 どうしたのか。その後振り返った妹の顔は朱色に染まって、両手の人差し指をもじもじさせ、やたらと可愛く見えて仕方なかった。
「ど、どうしたんだ」
 僕は何だか気恥しくなって、声が上ずってしまった。
>>95>>131
 しかし、そのことには気づいていないのか、妹は言いながらさらに顔を赤くさせる。
 その愛しい姿を見ていると、また一言、大きな声をだした。
「じ、GJ!」
 そうして妹は、>>95>>131に盛大なGJを送って、走り去って行った。
140名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 17:40:55 ID:Dk/aKAUm
>>139

GJを『ぐっじょぶ』ではなく『じーじぇー』と読む妹に萌えた
141名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 17:50:25 ID:E0GqmvxS
きっと「ギリアム・イェーガー」なんだよ
142名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 18:12:31 ID:NmYm92Oj
そろそろ傷来ないかな((o(^-^)o))
143名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 18:21:59 ID:1sineR4k
>>138
>>95は単発もの
連載させても終わらせる力が無い
144名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 02:02:47 ID:5YJl7vIr
最近、やたらネガティブなことを言う輩がいるじゃん?

アレって実はさ……おっと誰か来たようだ
145名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 02:36:15 ID:WtJTY7S8
>>145
この凍える夜にこんばんわ。
なにやら、貴方の痛ましい妄言が耳に入りましたので、忌々しいながら、
愛しい人との蜜月の時間を放棄して、こちらに参上した次第です。

あら、妄言を否定なさるのですか? そうですか、残念です。
これ以上の偽証の姿勢は、己が身を滅ぼすだけだと、気づかれるべきです。
(ガチャガチャ、ガション、ジャキッ)
いえいえ、おびえなくても結構ですよ。今宵は純粋に警告だけですから。

けれど、今後わたしたちの不利益になるような風評を流布しようものなら…
残りの部分もすべて滅ぼして差し上げます。ええ、完膚なきまでに。
安心してくださいな。救急車を手配する程度の慈悲は持ち合わせておりますので。

……それでは、御機嫌よう。

―――ああ、彼女はいったい何者だったのだろうか。
   激痛に揺られ嬲られながら、彼の者は意識を失った。


ネタがなくてやった。反省も後悔も必要だと感じた。ごめんなさいごめ(ry
ネガティブなんてよくないよね? やっぱりキモ姉妹はポジティブでいてほしいよね。
146145:2009/02/22(日) 02:39:14 ID:WtJTY7S8
間違えた。自分にレスしてる……

一行目
>>145 → >>144

次からは間違えないからごめんなさいゆるしておねえちゃ(ry
147名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 02:39:37 ID:B3Bd4/F0
>>144
たぶん、それ僕。
すまん。夜中のピンポンダッシュは質の悪いいたずらだよね。
けど、酔ってて気分が悪くて、ふらついて、
手をついたところがインターホンだったんだ。ゆるして
148145:2009/02/22(日) 02:55:13 ID:WtJTY7S8
>>147
そしてなんというネタかぶり……
こういうとき、とても気恥ずかしい……

ま、待てっ! 悪いのは俺だから相手を脅しにいくなっいもう(ry


あと言い忘れてたんだけど、わざわざGJを言いにきてた
>>139の妹がとてもかわいか(...キモ姉妹に拉致され通信不能)
149名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 03:11:16 ID:qCu4eCMv
>>145
こんばん「わ」 じゃない こんばんは だ
150名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 04:19:06 ID:EdYkNp+2
投下します
2度目の投下なので過度な期待はしないでくださいませ
151名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 04:27:03 ID:mKS8ztqt
3メートル後ろから支援だ
152五月雨:2009/02/22(日) 04:29:20 ID:EdYkNp+2
「馬鹿。ほんっとに馬鹿。」

ベッドに座りながら彼女のさつきが言った。
前髪を綺麗に切り揃えショートカットの黒髪が指を指しながら非難の目を浴びせる。

「何度もうるさいな。わかってるよ。馬鹿な事したってさ。」

壁は一面真っ白。横の棚には少し色褪せた2色のガーベラが花瓶に添えられている。
ベッドの柵には自分の名前【鳴海祐一さん】とタグがつけられていた。

両足首骨折。
前日は雨が降り事故当日も小雨という日に朝の通学時間帯に遅刻しそうになり原付バイクで飛ばした結果である。
裏道を飛ばしている最中に猫が飛び出してきて避けようとしたがスリップしたまま投げ出され歩道の柵にぶつかった。
身体は全身打撲ですんだが転がったバイクがそのまま足に激突。
悶絶するような痛みに耐えてポケットから携帯を取り出し救急車を呼んだ。
通学に使ってはいけない原付バイクを使用したのと事故を起こしたため2週間停学。
スピード違反で2点減点。手術後入院2週間、全治2ヶ月となった。

手術後3日はカテーテルの痛みに苦しみ1週間は看護婦さんに無理を言って尿瓶で済ませていた。
なんとかその後は車椅子での移動を許してもらい障害者用のトイレでいたすことになった。
退院後もリハビリ、抗生剤等の処方箋の支給もあるので完治するまでは入院していた方がいいのだが何せやる事もないのでとても暇なのである。
部屋は大部屋であり携帯電話も使えないしやる事といったら毎日テレビを見るだけ。
なんとか主治医に「全然痛くありません」と嘘をついて仮退院の話に持っていき1週間ほど仮退院となった。
ちなみに今日がその仮退院の日である。

両親は週に1度しか来てくれないし何せ再婚して2年目なので、
父親は事故を起こした馬鹿な息子より義母との時間の方を優先しお見舞いに来てくれた時などは義母にかまいっきりでまるでデートのようだった。
妹の香奈は流石に学校の方が忙しいのだろう。
入院後は初日の一度きりでそれ以降来てくれなかった。
来てくれるのは同級生の彼女のさつきだけだった。
もちろんさつきも高校生なので授業が終わった後に所属クラブの水泳部を無理言って休み、お見舞いに来てくれるのだ。

「はい、3日分の授業範囲。写すだけじゃ勉強にならないよ。」
コピーされた紙の束を渡される。
授業内容は全てさつきに任せているためノートは彼女が写した物だ。
153五月雨:2009/02/22(日) 04:32:23 ID:EdYkNp+2
「ありがとう。でもコピーしたのはサツキじゃないな、また友達にノート借りただろ?」

彼女は一瞬ギョッとした表情になり、次にどうしてわかったという表情になる。

「まずサツキはノートに絵を描かない」
コピーされたノートを見ると所々【ポイント】と書かれてその隣にかわいらしい猫のマークが描かれていた。
もし彼女が描くとしたらかわいい猫に矢が刺さっている絵を描くだろう。
手を口元に当てしまったという表情になり真っ赤になりながらプリントを取り上げ見直す。
彼女自体ズボラな性格なのでコピーされたプリントを確認しないままカバンに詰め込んだのだろう。
多分彼女のカバンにも同じ内容のコピーされた用紙が1組入ってるはずだ。

「写すだけじゃ勉強にならないよ」

努めてにこやかに言うとパンチが飛んできたので慌ててよける。

「危ないだろっ!こっちは怪我人だぞ!」
「う、うるさいっ!文句言うならあげないぞ!」

「わかったよ。とりあえずコピー元の友達にもありがとうって伝えといてくれ。」

「う、善処する」
真っ赤になりながらも拳を引いてくれた。許してくれたか。
「あと帰ったらキチンとこれをノートに写すこと。」
「それは保証はできません」

彼女の勉強嫌いにも困ったものだ。


ほんとにお見舞い行かなくてもいいの?なんでもするよ?」

「ああ大丈夫だよ。それにいくら冬っていっても室内トレーニングはするだろ?
ここ最近休んでるんだし部活だって忙しいだろ。次期キャプテン候補にこれ以上迷惑はかけられません」

彼女は1年生ながらも去年の夏の大会でいい成績を残し一躍水泳部のホープとして扱われている。
そんな彼女が2週間もの間、男が理由で部活を休むなんてできるわけがなくコーチの評価を下げてまでお見舞いに来てくれるのは嬉しかったが、
こっちとしてはこれ以上彼女に迷惑をかけたくなかったので退院後のお見舞いは断っていた。

「部活終わったら祐一の家にお見舞いに行くよ。今度はキチンとした花もって行くからさ」

今花瓶にあるガーベラは義母が持ってきた物であり彼女が持ってきた菊の花は即座に自分が投げ捨てた。
彼女はプリプリ怒っていたが理由を説明するとゲンナリして帰っていったが。
そういう勘違いで古風なセンスもさつきの魅力的だが。

「来るとしても1週間に1度でいいよ。ここ3日間はずっと通い詰めただろ?部活で絞られるぞ」

「アタシは平気だよ。祐一に会えない方が嫌だよ」

頬を染めながら言う。
その一言にまたドキッとする。
154五月雨:2009/02/22(日) 04:34:24 ID:EdYkNp+2
大部屋は患者が3人おり今は全員外出しているようだった。つまり、

「今二人だね。」

手と手が重なる。
彼女の手からに直に温度が伝わる。とても温かい。
心臓の鼓動が伝わり手が汗ばむ。


「…キス…していい?」

彼女が目を瞑りすぅっと顔を寄せてくる。
俺もゆっくりと顔を近づけキスしようとする。



コンコン。ガラッ

「鳴海さーん。鳴海祐一さーん。お電話ですよー。あら鳴海さんの彼女ですか?」


二人とも即座に身体を引き離し真っ赤な顔で俯いてしまった。
そのまま看護婦さんが車椅子を持って入ってくる。

「どうしました?顔真っ赤ですよ!?熱があるんですかっ!?」

看護婦さんがさつきの額に手を当てようとした。

「そっそれじゃっアタシ部活に行ってくるっ!」

顔を真っ赤にして立ち上がり急ぎ足で部屋を出て行った。

「あらっ!?ちょっと貴女!?鳴海さん彼女は大丈夫なんですかっ?」

慌てた顔で問う看護婦さんを尻目に俺は背中を向けてクックックッと笑っていた。

これなら3日ほど顔を合わせられないだろう。
155五月雨:2009/02/22(日) 04:36:16 ID:EdYkNp+2
そのまま車椅子でナースステーション近くのレクリエーションルームまで運ばれる。
そこの公衆電話から自宅に折り返し電話をかけた。

「はい。鳴海ですが。」

凛とした鈴のような声が聞こえる。

「もしもし。俺」
「お兄ちゃん?」

いつも聞いてる義妹の香奈の声だ。

「ん、久しぶり。」
「今日退院するんだよね?」
「そうそう。もう荷物はまとめてるから今すぐにでも出れるよ」
「そう。それじゃあ今すぐタクシーを呼ぶね」

「タクシー?あれ、父さんが車で来るんじゃないのか?」
「義父さんと母さんは今日から旅行に行った。3泊4日の温泉旅行。」

確か見舞いに来た時に父が旅行のパンフレットを一生懸命見ていた気がする。
わざわざ息子の退院日に合わせて旅行に行くか糞親父め。

「それじゃあ直ぐに呼んでくれ。暇すぎて死にそうなんだよ」


「わかった。準備は出来てるからすぐに行くね。15分ほど待ってて。」

「ありがとうな。それじゃ切るよ」
受話器を置いて車椅子を動かし部屋で待つ事にした。
156名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 04:37:52 ID:EdYkNp+2
投下終わりです。明日か明後日にまた投下するかもです。
まだキモ姉妹は出てきません(・ω・)
157名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 05:02:12 ID:C9ZNlbbD
妹とふたりっきりか…キモウトフラグビンビンだな
GJです
158名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 07:45:23 ID:efQkfW/n
姉妹ってことはこれから姉も出てくるんだな
文章うまいし会話に雰囲気あって期待が盛り上がるぜ
159名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 09:18:21 ID:XuZpa5cY
朝目覚めたら一人っ子の俺にもキモ姉がいて……
なんて妄想を毎晩してんのに今朝もダメだった。
神は無慈悲だ。
160名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 09:55:47 ID:1S5Tu0Zx
>>159
おいおい、妹さんが鬼の形相で睨んでいr(アーーー
161名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 09:59:10 ID:FfiRKtah
今、明晰夢でキモ姉出そうと頑張ってる
現実は変えられんのだから、こちらから積極的アプローチを行うべきだろう
162名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 10:00:40 ID:vzR6OgHl
明晰夢と聞くと猿夢を思いだす
163名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 10:46:30 ID:WtJTY7S8
>>159
なんと、気づかれていないのですか?
今あなたの背後に、あなたが1歳の頃に亡くなったと思われる幼い少女が、
「おとうと、わたしのかわいいおとうと、だいすきだよ」と囁きながら、
あなたの守護霊となって、とり憑いているというのに。

あ、こっちみた。まず……くるし………が……ま…………
164名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 12:46:27 ID:uZV5yWM0
近くに銭湯ができた。金はバイトとかで稼いでるから問題なし!これでキモ姉妹と一緒に風呂に入らずに済むwよね?
165名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 13:00:53 ID:qCu4eCMv
>>163
死ね
166名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 16:12:37 ID:DNkETblz
>>163
でもその後、妹のディープな人工呼吸でむりやり蘇生させられるんだよね
167名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 16:32:40 ID:3YQNnEhk
>>156
遅まきながらGJ!
これからのキモウト展開に期待
168名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 19:55:06 ID:VKTn4b00
キモ姉妹達は兄や弟達の子供を孕んでどうするつもりなんだ・・・?
逃げられたりしたらおしまいなのに・・・・
169名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 20:34:16 ID:fsQnqHPa
逃げられると思っていたのか
170名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 20:38:14 ID:dm6yvGVn
>>168
キモ姉妹ほどの女が惚れた男だぞ
自分が孕ませた相手を捨てて逃げるわけがない
171名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 20:49:17 ID:DNkETblz
血を分けた自分の姉妹と通じ、孕ませたという事実を以って兄を脅迫する。
大抵の兄弟ならば、罪悪感と責任感から姉妹を捨てて逃げたりはできない。
というより、逃げるような男なら、そもそもキモ姉妹が惚れたりはしない。
172名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:04:13 ID:qjTFBzvc
既成事実ができちゃう以前は逃げる(ことを試みる)かもしれないが
できちゃった後は責任を持って添い遂げるのが漢
173名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:15:44 ID:VuCIMMXy
逃げ切れない。キモ姉妹は徹底している。現実は非情である。
174名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:19:58 ID:WtJTY7S8
>>164
その近所の銭湯で久々にくつろげる風呂を楽しみ、さて帰ろうかと外に出たところで、
なぜか石鹸と赤手拭を持って、湯上り状態で待つキモ姉妹(少し湯冷めぎみ)に遭遇し、
「遅いわよ」と言われ、『家路』コースのデートを強制されました。恥ずかしかったです。

「♪〜昔も今も、何も怖くない。でも貴方の優しさが、盛った雌猫どもを誘いそうで怖いの」


>>168
子供ができてから、時折幸せと期待と不安の入り混じった表情をみせるキモ姉妹。
仮にも自分の半身、そして自身がこれまで大切に接してきた姉妹の半身である子供。
それらを見捨てて逃げるような男に惚れるほど、キモ姉妹は甘くはないだろうさ。
175名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:52:06 ID:Oj00U9qM
投下します
キモ成分低め、エロくないので苦手な人とエロい人は目を閉じましょう

「家族へと至る道」   35kb

16レス消費予定
176名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:52:38 ID:Oj00U9qM

 ヘッドフォンから僅かにノイズが聞こえた。
 珍しい、と思った次の瞬間、リアルタイムで送られてくる弟の映像にいくつもの線が走る。
 画面いっぱいに表示していた弟の部屋の映像が何度か揺れた、驚いている間に灰色の砂嵐に飲み込まれた。

「あれ、なにこれ、ちょっと……」

 全画面表示を解除して砂嵐だけを映すウィンドウを端に追いやり、なにも聞こえなくなったヘッドホンを外す。
 いくつかの設定を確認し、周波数を確認してみる。
 しかしウィンドウを埋めた灰色が消える様子はなく、ヘッドフォンからは小さなノイズしか返ってこない。
 高品質と耐久性を両立させた、それなりに高価なカメラを設置したのだが、使用わずか半年でもう壊れてしまったのだろうか。

「もしかして使いすぎなのかしら」

 ほぼ24時間稼動させているし、私が弟に抱く膨大な愛情を間接的とはいえ受け続けているわけだし。
 いやでも、この類のカメラは常に稼動していることに価値があるのではないだろうか。
 もしや電子機械を過労死させたとか。私の弟好きもついに極まったのかも知れない。

「よしよし、今度予備のカメラを設置してこなきゃ」

177名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:53:11 ID:Oj00U9qM

 隠しカメラを設置して以来、私の弟に対する愛情は鰻上りだ。
 本来なら隠すべき弟のあらゆるシーン……着替えや寝姿はもちろん、自慰の姿まで覗き見ることができるのだ。
 恥ずかしがりな弟のこと、私と恋仲になってもそういう無防備な姿は見られないだろうと思えばこそ、この卑しい盗撮行為をやめられない姉を許し

てほしい。

 それまで覗き見ていた映像、最後に砂嵐が入ってしまったのは残念だが、ひとまず弟の凛々しい勉強姿を収めたファイルを保存する。
 日付、撮影日時を打ち込み、弟専用HDDにもバックアップとして保存し、PCの電源を落とした。

「これ使うのひさしぶりだなぁ」

 ビデオカメラを設置して以来、引退していた盗聴器のチューナーを机の下から取り出す。
 カメラと付属していたマイクがなかなか高性能で、それより前に設置したこの盗聴器はあまり使わなくなったのだ。 
 しかし設置してある数が多いため、音声の拾い具合だけなら勝るとも劣らない。
 まだ盗撮に至る前の私は、弟のノイズ交じりの寝息を拾うヘッドホンを装着して眠るのが日課で、はしたない夢を見てはお漏らしした様にベットを

濡らしたものだ。

「机、机、机の周波数はー……こうだったかな」

 こちこちとダイヤルを捻って弟の勉強机の裏に仕込んだ盗聴器に周波数を合わせる。
 この機械、見た目こそアナログだが、なかなか味があってお気に入りだ。
 他人に見られてもラジオだといえば簡単に誤魔化せるのも高ポイント。

 PCからヘッドフォンのジャックを引き抜いて、チューナーに差し込む。
 前はイヤホンを使用していたが、最近購入したこのヘッドフォンを使えば、あるいは常に弟に耳元で囁かれているような感覚を楽しめるかもしれな

い。
 高い買い物だったが、弟が自慰をする際のあえぎ声を拾った時点で、弟篭絡七つ道具にランクインさせた。

「あれ、おかしいな……あ、こっちか。よし、おとう…と…の……」

178名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:53:50 ID:Oj00U9qM


『なあ、なんなんだ、それ』
『兄さんへの贈り物ですよ。よく似ていると思いませんか?』
『ああ、さすが手芸部。でもどうしていきなり。というかそんなとこ置くな』
『あ、いけません。動かさないでください。そこはこう……風水的に悪い位置ですから』
『尚更そんなところに置くなよ』
『私の人形が、悪いものから兄さんを守るんですよ。天井のタペストリーも剥がしてはいけませんからね』
『風水とか信じてたのか?』
『直感と経験論で導く風水ですけどね』
『それは風水と言わないんじゃないか』

 これは、この声が、なぜ弟の部屋から聞こえるんだ。
 ヘッドフォンから聞こえる忌々しい声に、私は思わず立ち上がっていた。

『いいんです。妹が兄に送ったものを無下になさるおつもり?』
『いやまあ……いいけどさ。それより、どうしたんだ?』

 忘れるはずも無い一月前、父が念願の再婚を果たした相手の、連れ子。
 卑しくも私と同じ……弟と同じ苗字を冠し、だが一滴の血の繋がりさえないのに弟を兄と呼ぶ忌まわしい女。
 私と弟の間に入らないのなら捨て置くことも可能だったろうが、この売女、あろうことか弟に懸想しているというではないか。
 以前からなにかと弟の前に現れては妄言を繰り返していたが、ついに弟の部屋に押しかけるまでになったのか!

『ちょっと街まで食事に行こうかと思いまして。兄さんは勉強中みたいだけど……』
『ああ、そろそろ中間考査の準備しようかと思ってさ』
『さすが私のお兄様。私の目に狂いは無いわね』
『……さすがに、まだ根をつめて勉強するほどじゃないからな、ご一緒させてもらうよ』
『ふふっ、ありがとうございます』
『外出許可は取ってあるのか?』
『いえ、事務の方に申請書を用意していただくようお願いしただけです』
『そっか。じゃあとりあえず名前書くだけでいいのか』

 あの女、弟の優しさに漬け込んで……!
 机に拳を叩きつける。いまから弟の部屋に向かって間に合うだろうか。
 いや、おそらくあの女のことだ、すでに外出理由って考えてあるだろうし、間に合っても簡単についていく事はできない。
 どうする、どうしたらいい。

『じゃ、私は先に玄関で待っていますから』
『ん、すぐ用意できるから一緒に行こう』
『あら、私の兄様はおやさしいこと』
『からかうなよ……』

 くすくすと耳障りな笑い声に頭の中が沸騰しそうになる。
 ヘッドフォンを毟り取ってベッドに力任せに叩きつけた。

「どうしよう、どうしよう!」

179名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:54:21 ID:Oj00U9qM

 何もできない。私には何もできない。
 だいたいあの女は卑怯なのだ。
 以前から弟と知り合いだったかなんだか知らないが、父の再婚相手との会食で会ったとたんに運命だのなんだの……。
 お前なんて、弟と同じ部活だったってだけじゃないか。
 こっちは弟が生まれたときから一緒にいるんだぞ。運命なら私と弟が添い遂げる以外に考えられないだろうが!

 もういい、とにかく弟の部屋に向かおう。
 妹になったから、義理とはいえ家族だからとあの女に優しくする弟の意思は尊重してやりたいが、あの女だけは許容できない。
 窓を開けて縄梯子を投げ下ろし、落ちるように滑り降りる。手に焼けるような痛みが走ったが、そんな些事を気にしている暇は無い。
 寮長として褒められる行為でもないが、そんな些事にかまっている時でもない。
 あの女がどうやって弟の部屋までいったか知らないが、私とて寮長、男子寮に入るくらい、もはや朝飯前だ。

 茂みの中に飛び込んで突き進み、女子寮、男子寮の囲いをよじ登って越える。
 弟の部屋を訪問するのに何度も通った道だ、目を瞑っていてもたどり着ける自信がある。

 私と弟が在籍するのは全寮制の山深い場所に位置する学校で、男女の交際硬く禁じている。
 こんな山奥に全寮制の学校を建てる以上、風紀に厳しくなるのは仕方ないことだ。
 もとより私はそれを見込んでこの学校に入学したのだし、弟にも強く勧めて同じ学校を受験させた。

 進学校として高い実績と、敬い敬われる人間を育てることを謳い文句に掲げるこの学校への入学は、父親も賛成してくれた。
 時同じくして素敵な女性と知り合ったらしい父親を浅はかにも応援しつつ、私と弟はまず厳格で知られた父の目の届かぬところへ旅立つ。
 そして、高校を卒業する頃には姉の真の魅力に心奪われた弟に求婚され、卒業と同時に結婚。
 若々しく女を求めてくる弟に組み敷かれて何度も愛を注ぎ込まれ、二人の家庭はやがて幸せな子供たちの笑い声でいっぱいになる。

 ……という完璧な計画は、男女の交際どころか姉弟の仲まで引き裂こうという学園の凄まじき妨害のせいで遅々として進まない。
 思い募らせて弟に会いに行こうとすれば寮監督と風紀委員が阻み、弟との外出許可を申請すれば一人で行けと跳ね返される。
 そのくせ、肝心の校則は賢しい女が弟に接近することを許してしまっている。

 弟との幸せ家族計画を推し進めるために吟味を重ね、血の滲む様な努力をしてこの学校に入ったというのに……。
 変わったことと言えば忌わしい泥棒猫が弟と私の間に入り込もうとするようになっただけだった。
 弟の衣類は手に入らず、料理に体液も混入してあげられない。
 夜中に寝顔を眺めたり朝勃ちを視姦してあげることもできない。
 これではここに入学した意味がまったく無い。
 この学校は私と弟を遠ざけようとする悪魔の城だ。

 だが私だって指を加えて見ていただけではない。
 誰もやりたがらない寮長に立候補して各所の鍵を預かったり、男子寮の鍵をこっそり持ち出して合鍵を作ってみたりと涙ぐましい努力をしている。
 寮監督と教師の見回りのローテーションを調べて、時には身をもって危険を確認し、弟の部屋への道を確保する。
 少ない資金をやりくりして盗聴、盗撮機材を買い、徹夜で検討を重ねた場所に設置して、ついでに弟の寝顔をオカズにする等など。
 弟を愛する姉は、どんなことにも屈しないのだ。

180名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:54:58 ID:Oj00U9qM

 寮棟はいくつかに分けられているが、私の部屋がある寮と弟の部屋がある寮はちょうど玄関口を向かい合わせる形で建てられている。
 だが正直に表玄関から入ろうとすると反省文を何十枚も書くことを強要されるため、ぐるりと回って裏手から進入しなければならない。
 もちろんその程度で進入を許すわけも無く、各寮の一階はすべて物置や寮監督、職員の部屋になっている。裏口も常に施錠され、開くのは年に一度

あるかないかという徹底振りだ。

 素早く左右を確認して、その裏口に飛びつく。そして、いつもの鍵を差し込んだ。
 ただの鍵ではない。これこそは私に希望を与えてくれる男子寮マスターキー。数ヶ月をかけて完成させた弟を篭絡する七つ道具の一つ。
 慣れないヤスリで指の関節を擦り、アカギレに絶え、弟のそばにもっといたい一心で作り上げた渾身の一品だ。

「とりゃ!」

 いつも湧き上がってしまう達成感もほどほどに、扉の奥を確かめる。
 誰もいない。この棟には教職員の部屋が無いため他の棟より見回りが多いのだが、今回は機会に恵まれたらしい。
 施錠し直した扉を背後に廊下を走り抜け、階段を一段飛ばしで駆け上がる。
 二階、すらりと並んだ扉の前を姿勢を低くして一つ二つ、ついに弟の部屋に立ち……!

「ああ、もう!」

 やっぱり間に合わなかった!
 鍵がかかっている。ということは、もう弟は部屋にいない。
 街に食事に行くと言っていたから、バス停に向かっているに違いない。
 いまから追いかけて間に合うだろうか。

 時計を見る。正午を過ぎて半刻。
 ……たしか、街と学校を行き来する数少ないバスの時刻が、もうあと数秒で……いや、たった今、発進した。

「ぁ、ぁああっ、もう、もう、なんでよ!」

 あの女のことだ、バスに遅れるような行動を取るとは思えない。
 きっと弟をせっつかして外出届にサインさせ、腕を引いてバスに乗り込んだに違いない。
 私は。わたしは弟のいない部屋の前で拳を握り締めることしかできないというのに、卑しくも妹を名乗るあの女は私の愛する弟と食事に出かけるこ

とにまんまと成功したのだ!

181名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:55:52 ID:Oj00U9qM

「ぐ、くぅぅ、あんの、泥棒猫めぇえ……っ」

 体内を内側から弾き飛ばさんとする怒気を思い切り吐き出そうとした私の耳に、わずかに足音が届いた。
 まずい、誰か来る。おそらく食堂で食事をしていた男子生徒が帰ってきたのだろう。
 ここはひとまず落ち着いて、努力の鍵で弟の部屋を開場して飛び込む。
 音を建てないよう、できるだけ素早く扉を閉めて、耳をすます。

「…………ふぅ」

 足音が扉の向こうを通り過ぎ、いくつか隣の部屋でばたんと音がするのを確認して、私は知らず止めていた息を大きく吐いた。
 まったく、お前が弟を食事にでも誘っていればあの女にかどわかされることもなかっただろうに。
 昼食前の弟鑑賞タイムも、あの女に中断されたとあっては台無しではないか。

 まあ、いい。
 こうして昼間から弟の部屋に忍び込むことができる機会もあまりないし、ここは一つ気持ちを入れ替えて下着でも物色するとしよう。
 いや、それよりカメラを回収するべきだろうか。こんなことになるのなら、予備のカメラを持ってきておけばよかった。

 弟が先ほどまで座っていた椅子に座り、丁寧にそろえて置かれたノートに頬ずりする。
 バスの時間食事の時間を鑑みるに、弟は最低あと二時間は帰ってこないだろう。
 弟の部屋にいるというのに、終わったことにいつまでも泣き言を零していては姉が廃る。この時間を有意義に使わなければ。
 とりあえずベットに潜り込んで三回ぐらいオナニーしよう。寝ないように気をつけなくちゃ。

「よし、今日は匂いを全身に刻み付けて………なに、あれ」

 下着を膝まで下ろして顔を上げた私の視界に、ありえないものが飛び込んできた。
 私がいままで出会ってきた中でもっとも消し去りたい女。弟にすりより、話しかけ、ついには妹となって私達の仲を侵食する、あの女を模った人形


 サラン樹脂で丁寧に再現された長い黒髪に、つり上がった大きな瞳、人間をそのまま小さくした様な四等身に再現性の高い小さな制服を身に着けた

、あの忌々しい女のぬいぐるみ。

「な、なによこれ」

 こんなもの、前に弟の部屋に来たときは無かった。
 弟が手芸部とはいえ、よりによってあんな女に似たぬいぐるみを作るなんて信じられない。
 いやまさか、あの女が自ら作って弟に押し付けたのか。

 そうだ、そういえば先ほど盗聴器でそんな会話を拾った覚えがある。
 あいつめ、なにが悪いものから人形が守ってくれるだ。
 真っ先にお前がいなくなってくれれば弟はすぐにでも幸せになれるはずなのに。

182名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:57:17 ID:Oj00U9qM

 ……それにしてもよく似ている。特徴を掴んでいると言うべきか。
 弟を誘惑する許しがたい体つきや、常に人を見下ような鋭い目つきなどそっくりではないか。
 私は下げた下着を持ち上げて…ちょっと濡れていて気持ち悪い…その人形の前に立つ。
 近くで見ると、ますます憎らしい。

「よしっ」

 拳を握り締めて、思い切り振りかぶった。
 遠慮なんてしない。むしろ全力を尽くす。

「でぇいっぎぃやぁああ!」

 人形のどてっぱらにフルスイングの拳を叩き付けた瞬間、私はあまりの痛みに我を忘れて飛び上がった。
 感覚が消えた拳を抱えてうずくまり、腕全体から体までも蝕む激痛に奥歯をかみ締める。目に涙が浮かび、たちまち頬を流れ落ちる。
 このぬいぐるみ、硬い。
 いや、なにか硬いものが入っている。

「な、なんなのよ、もぅ」

 皮が敗れて血が滲み出した拳骨に、ゴミ箱の中からかぐわしい匂いのティッシュを探して押し当てる。
 めちゃくちゃ染みて本格的に泣きたくなってきた。
 まだレベルが足りなかったようだ。

 素直に血を舐めとりながら、ぬいぐるみを床にはたき落とす。
 つま先で裏返して制服を押し上げ、綿をつめるためのジッパーを露出させた。
 生意気にも腰が括れたぬいぐるみのジッパーゆっくりと下ろし、左腕を突っ込んでまさぐる。
 指先に触れた硬質の何かに、慎重に指を這わせて掴み、腹いせに勢いよく抉り出した。

「ん、なにこれ?」

 ぬいぐるみの中から取り出したのは、黒い金属製の箱だった。
 見た目より重く、塗装された表面には傷ひとつ無い。
 インテリアにしては無骨な気もするし、ぬいぐるみの中に入れてあった理由がわからない。
 裏返し、振ってみる。これは、しかしなぜか見たことがある気もする。

「んー、……んー」

 そうだ。あれは確か、盗撮機材の資料を集めようとインターネットを駆使していたときではなかったか。
 見知らぬ第三者の盗聴被害に怯える女性もこれで安心、とかいう記事を見て、知らないうちに盗聴盗撮されるのはつらいだろうなと同情した覚えがある。
 たしか多くの盗聴器で使われる周波数と同調し、周囲数メートルに存在する盗聴器の電波を妨害するジャミング装置だったはずだ。
 テレビの防犯対策特集で紹介されたのを見たこともある。

183名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:58:09 ID:Oj00U9qM

「こ、これがここにあるということは……」

 あの女、まさか私が弟の部屋にカメラを仕掛けたことに気付いたのだろうか。
 盗撮とは名ばかりの弟を愛でる私の楽しみを奪うために、わざわざこんなものを買って、ぬいぐるみで隠して弟に送りつけたのか。

「ぐ、く、くぅぅぅううう!」

 なんたる侮辱だ。あの女、弟になんと言っていた?
 悪いものから兄さんを守るだと。
 まさか、この私を悪いものだと指していたのだろうか。
 弟が生まれる前から恋をして、今も弟への思慕に身を焦がし続けるこの姉を。

 綿を飛び散らせたぬいぐるみを踏みつけ、蹴り上げる。
 弟のベットに落ちかけたところを引っ掴み、首をねじ切るつもりで締め上げながら床に押し付けた。
 まったくの平静で睨み返してくるぬいぐるみの瞳が憎たらしい。
 あの女、本物のあの女も、同じようにしなければこの気持ちは治まらない。

「うっ、ぐぅ、く、そぅ!」

 だが、あいつは今学校の中にいない。
 私の弟と食事に出かけている。

「うぐっ、ひっ、ぅ、ひぐっ、うぁ、ぁ」

 なんで、どうして。
 わたしが何をしたんだ。
 こんなに努力して、がんばっているのに。
 なんで私の邪魔をするんだ。
 こんなに弟が好きなのに。
 弟と幸せになりたいだけなのに。

184名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:59:19 ID:Oj00U9qM

「うぇ、ひんっ、うぇ、ぐすっ」

 いけない。泣いてない。
 泣いてはいけない。私はお姉ちゃんだ。弟を愛するために、こんなところで泣いている場合ではないのだ。
 手が痛むし、感情は吐き出さずに溜め込んでおかなければならないけど、この悔しい気持ちを糧に日々をまい進するのだ。
 あんな女ごときに弟を奪われては私の人生に価値はない。私が認める私だけが、弟と添い遂げることを許されているのだから。
 
 体の震えが消え、体内を反響するような腕の痛みもだいぶ和らいできた。
 拳骨に滲む血をなめ取る。見たところ傷は浅いようだが、骨に影響はあるだろうか。
 恐る恐る指先を動かす。感覚も戻ってきているが、やはり動きは鈍く震えるのを抑えることができない。
 明日になっても痛みが引かないようであれば病院に行かなくては。
 返す返すも忌々しい。

 とりあえず、この装置だ。
 たしか盗聴器の妨害を主としたもので、盗撮に使われるカメラなどには影響を及ぼすことができない安物だったはず。
 とはいっても学生が手を出すにはそれなりにきつい値段でもある。
 この盗聴妨害装置は売却処分するとして、盗撮を妨害する装置が別にあるはずだ。
 そういえば、弟との会話でタペストリーがどうとか聞こえたが……。

「あれかな」

 部屋の端、ベッドの上に貼り付けられた布製のタペストリー。
 おのれ、あんなところに貼り付けるとは、弟の夢の中にまで汚染を拡大させるつもりか。
 弟は夢の中で私と愛し合うのに忙しいのだからお前の出る幕など1secもありはしないのに。
 おそらく裏に装置を仕込んであるのだろう。垂れかけるのではなく貼り付けてあるのが何よりの証拠だ。
 弟が寝たときに常に見えるように配置しつつ、その裏には弟の幸せを引き裂く装置を仕込むとは恐ろしい女だ。

「ふん、剥ぎ取ってやるわ」

 人形ともども焼却処分だ。弟は怪しむかもしれないが、私を疑うことはないだろうし、遠慮なんてするものか。
 ふん、と弟の愛が詰まったティッシュで鼻をかむ。芳しい匂いに全身に力が漲った。
 新しいものを採取して今日は弟の精液の匂いに包まれて寝るとしよう。寝れるだろうか。

 俄然やる気が沸いてきた。そうと決まればさっさとタペストリーを取っ払ってしまおう。
 カメラが復活すれば弟とのシンクロオナニーも精液の香りつきで楽しむことができる!

「よっ、はっ……」

 別途に上ってタペストリーに手を伸ばす。
 まったく、普通に垂らしておけば引きちぎってやったものを。
 ベッドの上で立ち上がり、バランスを取りながら腕を伸ばす。

185名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:00:25 ID:Oj00U9qM

「…………と、届かない!」

 くそ、今ほど我が身の短躯を恨んだことは無い。
 腕を伸ばしても、あと40センチほどが異様に遠い。
 この学校は設計段階から私を邪魔をするようにできていたのか。

「くっ、くそっ、このっ」

 ベットの上では飛び跳ねるにも限界がある。
 指先が引っかかってくれれば一気に引き剥がしてやれるのに、もう少し、どうしても届かない。
 ギシッギシとベットが軋む。台になりそうで、ベットの上にも置ける物なんてない。
 申し訳なく思いながら、枕を踏みつけて跳躍する。だが、振り回した指先は空を掻くばかりだった。

「ええい、明日から牛乳も残しません! だから、届け!」
「それは良いことを聞かせてもらったわ」

 不意に聞こえた声にびっくりして振り返る。
 義理の妹、私から弟を奪い去ろうとする悪の化身が、いつのまにか部屋にいた。

「なっ、うひゃ!」
「あ、危ない!」

 あまりに唐突なそいつの登場に、着地を忘れてベッドに倒れこむ。
 ぎっ、と一際鋭い音を立てて軋んだベッドに体を跳ね返され、空中に投げ出された。
 何で私がこんな目に、私の邪魔をするだけでは飽き足らず、ついに陰湿な攻撃をしてくるまでになったか。
 迫る床に思わず硬く目を閉じ、体を強張らせる。

 しかし予想した衝撃が走ったと思った瞬間、私の体は勢いよくと回転して何か柔らかいものに受け止められていた。
 恐る恐る目を開ける。

「まったく、世話がやけますね。もう少し回りを見るようにしてください」

 視界いっぱいに、こちらを覗き込む不埒者の顔が移った。
 膝と肩を抱き上げられている。まさかこれはお姫様だっこか。

「は、離して! はなせっ!」

 膝を伸ばし、顔に手を伸ばす。私を助けて借りでも作った気になっているのか。
 お前が来なければ転ばなかったし、助けられるぐらいなら転んだほうがましだ。
 暴れる私を、それでも憎らしいほど平静な瞳で見つめてくる。

「その前に言うことがあるでしょ、姉さん」
「あ、あんたが私を姉と呼ぶな!」
「135センチメートル」
「身長でよぶなぁ!」

 指先をそろえて顔につき込む。
 その小さな鼻の穴を一つに繋げてやろう。
 だが、肩口に鋭い痛みが走って、思わず腕を引っ込めてしまった。
 失念していたが、こちらの腕は怪我していたのだった。

186名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:01:02 ID:Oj00U9qM

「うぃ、う、っ、くう」
「あら、怪我してるの?」
「う、うるさい、さっさと離せ」
「仕方ない子ね……」

 まるっきりの子ども扱いに腹が立つ。膝で顎を狙うが、すでにその顔は遠く、私は床の上に立たされていた。
 この女、小賢しいことに合気道の有段者なのだ。祖父が運営する道場に幼いころから足繁く通い、その実力は全国で通用する腕前だとか。
 学校では手芸部員として弟を誑かす一方で、弟を仕留める牙を着々と研ぎ澄ませる泥棒猫。それがこの女だ。
 腕を押さえて睨み付ける。この女は、いつもそうであるように涼やかな目で見つめてくるだけだった。

「見せてください」
「うるさい、なんであんたがここにいるのよ」
「あなたこそ。いいから見せなさい」

 ふん、と背中を向けて拒絶の意思を表明する。
 どうせ傷口をえぐったり塩をすりこんだりするに違いない。
 血は止まってるようだが、傷口の周りには固まりかけた血が付着し、なんとも痛々しい。
 骨が心配だが、悪くともヒビが入った程度だろう。これを利用して弟にあーんとやってもらうのも悪くないかもしれない。

「血が出ているじゃないですか」
「あ、ちょっと、こら!」

 肩越しに伸ばされた腕が私の肩をつかんだ。
 慌てて払いのけようとする腕が逆から伸びて来た腕に捕まれる。
 ならば顎を脳天で打ち抜いてくれる、と膝に力を入れると、肩を肘で押さえられた。

「こ、このう!」
「……結構深いけど、大丈夫そうね。これ、痛いですか?」
「いっ、何すんの! あと頭が暑苦しいから離れてよ!」

 この野郎、悪意で膨らんだ脂肪の塊を私の頭に載せていやがる。
 少し早く成長期が来ただけのくせに、何だというのだ。私の胸は弟にもんでもらえば無限に大きくなるんだぞ。
 結婚するころにはこんなもの鼻で笑ってやるくらい大きくなるはずだ。

「どうせ私の人形を叩いたんでしょう。結構苦労して作ったのに……まあ破れたりはしてないみたいですけど」
「あんなもの弟には必要ないの! 自分の部屋にでも飾ってなさい!」
「どんなナルシストですかそれは。ちゅっ」
「ぬぉあああ!」

 こ、この女、あろうことか私の手を舐めた!
 血を吸って悪魔にでも捧げる気だ!

187名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:01:42 ID:Oj00U9qM

「化膿しないようにです」

 しかも、間接キスじゃないか!
 弟に捧げるはずの私の体液が、こんな女に奪われてしまった。

「はな、離しないさい、この変態!」
「へ、変態って……」
「変態変態! いいから離せ!」

 暴れようとして、しかし妙な感じで力がかかっているため、足を上げることさえできなかった。
 足が床にくっついてしまったような、足にだけ重力がかかっているような感触に抗えず、指先から耐え難い感触が再び広がってくる。

「ちゅっ……。ん、なにこれ。擦過傷?」

 肘が肩から離れ、腕からも力が抜かれた瞬間、私は弟のベットに飛び込む。
 弟の匂いで少しでもこのおぞましさを軽減しなければと思ったのもつかの間、肩をつかんで振り返らせた。
 まっすぐ進んだように滑らかに体を反転され、一瞬混乱してしまう。

「ぁ、こ、このぉ!」

 カッとなって突き出した腕に何かが巻きつく。

「もう少し考えて行動してください。痛い思いをするのは貴女なんですよ」
「な、なにが……なによ、これ」

 白い布……ハンカチが私の手に巻かれていた。
 繊細な刺繍が施され、素人目にも上等な布であることがわかる。
 本来なら血を吸わせることに躊躇さえしてしまいそうだが、寧ろこの女のものだと身に触れるのさえ汚らわしい。

「こ、こんなもの……」
「それは兄さんが作ったものです」

 な、なんだとう!
 弟め、こうなることを見越してこの女にハンカチを預けたな。
 恥ずかしがり屋な可愛いやつめ。

「それで、姉さん」
「あんたの姉じゃない」
「姉さん、どうしてここにいるのですか」
「お、弟の部屋に姉がいてなにが悪いって言うの」
「弟の部屋を盗撮する姉でなければ、悪くはないのですけどね」

188名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:02:14 ID:Oj00U9qM

 やはり気づいていたか。
 ハンカチに血を染み込ませるか、綺麗なままで保存するか悩む。 
 いやしかし、手にこの女の唾液がついたままというのは耐え難い。しかし弟のハンカチに付着させるなんて……。

「……それ、本当は私が作った物ですよ」
「こんのあまあぁああああ!」
「お、大きな声出しすぎです。隣には人がいるんですよ」

 この優等生を反省室送りにするのは悪くないが、私も先週、次に捕まったら親を呼び出すと脅されたばかりだ。
 この学校は私に厳しすぎる。

「……どうせ私が兄さんと食事に行くって聞いて、居ても立ってもいられなくて来たんでしょう」
「な、なんで知ってるの」
「飽きれた。本当に聞いていたのね」

 ふう、と肩を竦める長身は、この女でなければ実に絵になる光景だ。
 私が弟の部屋に設置した装置も見破っていたようだし、ここをなんとか切り抜けなければ、この女に大きな弱みを握られてしまう。
 いや、もう手遅れか。私が考えを巡らせる間にも机の下を覗き込んだ泥棒猫が、盗聴器の一つをとりだす。
 眉間の間にシワをよせ、腰に手を当てて私を見下ろす。

「いいですか姉さん。家族といえど個人のプライバシーは尊重しなければなりません。こんな犯罪じみた行為はやめなさいとあれほど言ったではないですか」
「うるさいうるさい! 私と弟の間に入ろうとするあんたが悪いんでしょ!」
「私と兄さんが知り合う前にも部屋に忍び込んだりしていたじゃありませんか」
「それは、だから弟と一緒にいるためで!」
「一緒に居たいのならまともな理由で呼び出せばいいのです。そばに居ないと呼吸ができないとか、トイレについて来てほしいとか。そんな理由では許可が降りるわけ無いでしょう」
「なななななんであんたが知ってるのよ」

 まさかこの女、職員までたらしこんで私を妨害しようと言うのか。

「風紀委員の友人に聞きました。毎日どんな理由で書類を提出してくるのか楽しみなんですって」
「それこそプライバシーの侵害じゃないのよ!」
「声を抑えて。というか、私もそれが姉さんだって知ったのは最近なんです。ダメな外出許可の申請理由として説明を受けたときはジョークとしか思えなかったんですが」
「だって、だってだって!」
「な、泣かないでください」

 私が弟を食事に誘おうとすると、もう頭に血が上って素直な気持ちがこぼれてしまうのだ。
 悔しさと歯がゆさに滲んだ涙を袖口でぬぐう。
 
「泣いてない!」
「涙の後って目立つんですよ。ほら、拭いて上げますから」
「触るなー!」
「まったくもー……いいですから、とりあえず顔を洗って着替えてきてください。大好きな弟さんが呼んでますよ」
「え、なんで?」

 そもそも、この女はどうしてここに居るのだ。
 弟を食事に誘ったのはこの女だし、ここに居るのはおかしい。

「姉さん、携帯持ってないでしょう。繋がらなかったから私が探しにきたんです」
「私の携帯に繋がらないと、なんでこの部屋に来るわけ?」
「あなたが来るのはここぐらいかなと思いまして。私も忘れ物がありましたし」

189名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:02:45 ID:Oj00U9qM

 そういいながら、扉のすぐそばに置かれていた黒いバックを取り上げる。
 そして、その中から取り出したのは例のジャミング装置に似た黒い機械。

「そのタペストリーは本当に風水で調べた位置に飾っただけです。姉さんが探していたのはこれでしょう」

 にこりと如才なく笑う様がまったく腹立たしい。
 ここにそれを忘れていたということは、その後の私の行動を全部予想していたってことじゃないか。
 それを白々しくも忘れていただなんて、もし私が来ていなかったら、それを理由に食事から帰ってきた後も弟の部屋に来るつもりだったに違いない。

 悔しさに痛みも忘れて拳を握り締めた。
 口惜しいが、この女のほうが、今の私より一枚も二枚も上手だ。

「ふ、ふん、それで弟は、わわわ私に、なんて?」
「一緒に食事に行きたいんですって。おかげでバスに乗り遅れてしまったわ」

 ふわりと髪を優雅に翻す女。
 クセ一つ無い髪は一本一本が恐ろしく細くしなやかで、毎日の手入れを怠っていないのが一目でわかる。
 私なんてどんなに髪を磨いてもクセ毛のせいで手でサラサラとかできないのに。
 弟の前で振り返って美しい円形を描く綺麗な髪を見せてあげたいのに。

「ふん、私と弟ちゃんは一心同体なんだから、そうなるのも当然ね」
「そうね。ここは私が片付けておきますから、着替えてきてください。なんでまだ制服なんですか」

 もちろん、着替えるのも忘れて弟の着替えを見ていたからだ。
 しかしその言葉には答えず、さっさと扉に向かう。
 と見せかけて黒い装置に手を伸ばすが、すいっと持ち上げられただけで私には遥かに遠い場所に行ってしまた。

「う〜!」
「盗聴器と盗撮カメラも外しておきますからね」
「ぬうううううう!」

 腸が煮えくり返る思いだが、ここはぐっと我慢のとき。
 素直に諦めて扉を開け、進入したルートを逆に辿って部屋に戻る。
 縄梯子を回収し、むん、と気合を入れた。

 最近は寮長として雑務を押し付けられたりして、弟と一緒に出かけることが以前にもまして少なくなった。
 ここは一つ気合を入れて、あの女の目の前で弟をメロメロにしてやる。

190名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:03:41 ID:Oj00U9qM


 洗面所で顔を荒い、乱れた髪に櫛を当ててピンで整える。
 お気に入りのシャツワンピースにストールを重ね、匂いの薄い香水を、軽く振りかけた。
 弟はあまり香水の類を好まないが、これはその弟も気に入ってくれたものだ。
 前の誕生日に送られたもので、弟と外出するときは必ず付けることにしてる。
 さらに前の誕生日にもらったシルバーのネックレスを胸元にアクセントとして落とす。
 ちょっと寒いが、まあいい。弟とのおでかけバッグを引っつかんで玄関に走り出した。
 腕の痛みも引いたし、どうやら骨にも異常はなかったようだ。
 胸が躍るとはこういう気持ちなのだろう。

 私服で通ることはあまり無いのだが、今日は大手を振って出歩ける。
 なにしろ弟が誘ってくれたのだ。文句を言われるような外出理由を言うはずが無いし。
 ……そういえば弟はどこにいるのだろう。

「あれ、小姉さん、一人?」
「ぃひぃ!」

 いきなり背後から聞こえた弟の声に私は文字通り飛び上がった。
 まだ心の準備ができていない。私に会えて嬉しいのはわかるが、ちょっと準備させてくれ弟よ。
 肩、弟が手を置いた肩が融解してしまいそうです!

「あひっ、ひひとっ、ひ、とり、よ」
「おかしいな……って、来た来た」
「ごめんなさい、お待たせして」

 向かい合う男子寮の入り口から、認めたくはない義理の妹が姿を現す。

「忘れ物、あったか?」
「ええ。……姉さん、どうしたの」
「なな、なんでも、なななない、わよ」

 ダメだ。いま、顔が真っ赤になってる。
 モニター越しだと平気になったのに、実際に会うとなんでこんなに緊張するんだろう。
 家族なのに。生まれてからずっと傍に居たのに。私はお姉ちゃんなのに。

「小姉さん、大丈夫。 もしかして具合悪い?」
「ダヒッ(裏声)、大丈夫よ! ちょっと鼻血が出るかもしれないってだけ!」
「どんなちょっとよ……」

 泥棒猫が私の肩を抱き寄せ、あ、と声を上げる暇も無く、弟との間に体を滑り込ませる。
 急速に頭が冷やされた。

「あれ、小姉さん怪我してるの?」

 が、愛する弟に腕を取られ、顔が火を噴くのではないかというほど熱くなった。
 拳に巻かれた不恰好なハンカチを優しく撫で、心配げな目つきで顔を覗き込んでくる。
 腕から走った痛みとは別種の何かに背筋が伸びた。

「あうあ、ちょ、け、怪我って、いうか、うわ、あ、ち、近い!」
「ん?」
「顔が近いんですよ。転んだときに手をついて擦りむいたんですよね」
「う、うん、そう! 転んで殴り飛ばしたら鉄だったの!」
「……姉さん、落ち着いてください」


 
191名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:04:18 ID:Oj00U9qM

 またしても泥棒猫が割り込んでくる。
 だが、今回ばかりは許してやる。ちょっと脳みそが沸騰してまともな思考ができない。
 この忌々しい顔を見てクールダウンしなければ。

「なにか食べた後は街を歩き回ろうかって思ってるんだけど……本当に大丈夫?」
「だ、大丈夫大丈夫。うん、門限まで、遊びましょうね」

 視界の端に馬鹿女の顔を捉えつつ、弟の神々しさに目を細めて返事を返す。
 私が弟の前で冷静で居られなくなったのは、ちょうどこの学校に入学したころだった。
 親元を離れ、そして弟と離れ離れになって数ヶ月。
 慣れない寮での生活に苦労し、学校の授業にもついていけるよう必死にがんばっていた私がようやく息抜きをする余裕が出てきたころ、連休を利用した始めての帰省でそれは起こった。

 弟ってこんなにかっこよかったっけ。

 成長期真っ只中だった弟は、その姿を精悍に逞しく成長させ、以前より素晴らしかった内外の輝きをさらに磨いて私を震え上がらせた。
 弟とああしようこうしようと胸に溜め込んでいた考えは全て溶け去って、まるで初恋を自覚した少女のように頭の中が幸せな熱で埋め尽くされていた。
 玄関で私を満面の笑みで出迎えてくれた弟に抱きついて腰を抜かし、帰省一日目は終わる。

 二日目。おきたら弟が覗き込んでいて、次の瞬間に半日経過。ようやく目覚めたときには深夜で、荒い息を上げながら弟の寝顔を覗き込んで、ようやくまともに話せるぐらいの耐性を身につけることができたのだ。

 そして、買い物に付き合ってもらい、学校の素晴らしさを語って聞かせ、鼻血を出し、膝枕で介抱されて、数日後にはふらふらになりながらもなんとか学校の寮に帰りついた。

 たしかに、私は恥ずかしがり屋だ。しかし赤面症というほどではないし、家族にも恥ずかしがるほどではない。
 母が没して以来、家事を一手に引き受け、いつも小さな手を引いてやって育ててきた愛する弟なのだ。
 いくらなんでも、喋れなくなるほど頭に血を上らせることがあるか、と。
 しかし私は甘かった。

 次の帰省で、弟に会うなり私は幸せのあまり意識を失った。
 そう、幸せすぎて意識を保てないのだ。
 間を空けるたびに弟は魅力を増し、私の弟への思慕は膨れ上がる。
 悪とは言い切れない悪循環に私は歯噛みした。

 このままでは弟とまともに話すことさえできない。
 しかし、明確な対策も打つことができない。弟への熱情は抑えることなどできないからだ。

 そうこうしている間に弟は私と同じ学校に入学。
 距離は格段に縮まったが、弟の前に平静を保ったままで立つことは今もできないでいる。
 最善策と思われた盗聴盗撮による馴らし計画も、ついさきほど頓挫してしまったし……。

「小姉さん?」
「ほ、ほんとに、大丈夫です! ほんとに、ほんとに!」

 弟、弟が私の魅力に引き寄せられていることを喜ぶ暇もあればこそ、だっと校門に向かって走り出す。
 事務所で書類の手続きをしなければならない私は、弟よりちょっと先行するぐらいがちょうどいいのだ!


192名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:04:48 ID:Oj00U9qM



「くっくっ……」
「な、なんだ、どうした」

 顔を真っ赤にして走り出した姉の姿に、堪えきれなくなった笑いがもれた。

「いえ、いえいえ、いつもながら、とても可愛い姉さんですね」
「あ、ああ、まあな」

 父から受け継いだのだろう凛々しさと精悍さを併せ持った義理の兄は、家族を褒められることを純粋に喜ぶことができる人だった。
 以前より手芸部員として親しく付き合い、外見の男らしさに似合わない繊細な作品に引かれたのがきっかけだったか。
 互いに片親ということも、あるいは私と兄が親しくなれた理由だったのかもしれない。
 私の好きな人。
 姉の様子に目を細めて首を傾げるところなど愛嬌があり、私にとってはその鈍感な部分が少しだけ助かってもいる。

「小姉さん、ホントに大丈夫かな?」
「ええ、一人で部屋にいるよりはいいでしょう」
「……なんであんなに緊張されるのかな」
「家族にも明かせないことというのは、あるものですからね」

 あの人を誘うのは、私なりの配慮というものだ。
 実の弟に並々ならぬ感情を抱く姉。
 兄……当時は先輩と読んでいた人と知り合い、その朴訥とした人柄に引き寄せられたころから周囲に姿を現すようになった小さな影の正体。
 何をするでもなく、しかし熱心に、あるいは泣きそうな目でこちらを見る幼い影に、まさか座敷童子かと思ったのもいい思い出だ。

 先輩の話すところによると、それは自分を心配してくれる姉だというではないか。
 物心ついた頃に亡くなった母に代わり、自分を一生懸命に育ててくれた自慢の姉。
 料理をすれば指を切り、自分を守って顔面から転び、徹夜でこなした勉強を教えてくれた。
 あの小さな姉がいなければ、今の自分は無い、と語る兄に嫉妬したのも、まあ、いい思い出と言えなくも無い。

「それよりほら、いきますよ」
「うわっ、こらっ」
「妹と腕を組むのはお嫌ですか?」
「いや、そうじゃなくて……」

 当ててるんですよ、先輩。
 顔を赤らめる表情に好感触を抱き、顔が綻んでしまう。
 あの姉の……性癖ともいうべき部分を見過ごすことはできないが、こんな弟なら恋をするのもわからなくも無い。
 だがそれは私とて同じこと。あの人は私が弟を奪おうとしているとして隠さず敵意をぶつけてくるが、私としては家族として仲良くしたいのだ。
 弟のためと自分を犠牲にし、そのことを疑問にさえ思わず献身を捧げる少女。
 いつも弟のために走り回り、その幸せを一心に願うことができる少女に、私は恋敵とはいえ尊敬の念を抱く事を禁じえないのだから。

 私は父が没した後ものうのうと母の庇護に縋って生きていた。
 幸いなことに親族の暖かな協力を得ることができたし、様々な才能を見出されては周囲に褒められ、認められてきた。
 体は日々大人らしく、自覚できる程度には美しく成長し、くだらないと思いつつ異性同姓の視線に密かな優越感を覚えたりもした。
 母には言葉ばかりの、心のこもらない礼を尽くして矮小な自尊心を満たしたりしたこともある。
 父はいないが、私は幸せになれる。
 それを当然だと思っていた時期が、私にはあった。

 だがそれは大きな間違いだった。
 あまりにも恥ずかしい過去なので鮮明に思い出すことさえしたくないが、先輩……兄に説教されて身にしみた。
 私は漫然と過ぎていく日々に胡坐をかいていたに過ぎない。

 毎日を一生懸命に生きる彼女の、それを敬う弟のなんと輝かしいことか。
 私は、幸福にもその美しい姿を知るばかりか、輪に入る機会をも与えられた。
 今は兄と呼ぶこの人と、今は嫌われてしまっている姉とに家族として迎え入れられれば、日々は更なる彩に包まれるに違いない。
193名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:05:19 ID:Oj00U9qM


「先輩、知ってますか?」
「な、なにがだ?」
「血の繋がっていない妹とは、結婚できるんですよ」
「げほっ、な、なにを言って」
「何を言っているのよこのギモウトォォオォォ!」

 兄に寄りかかった瞬間、ちょうど事務所から顔を覗かせた姉さんが小さな腕を振り上げて走ってくる。
 以前の私ならなんとも思わないことだったが、この姉弟に強い興味を持ってからは、妙にかわいらしく見えて困ってしまう。
 ちなみに、友人の言うところによると彼女を可愛いと思っていないのは私ぐらいだったらしい。
 三年のちいねえさん、といえばなかなか有名なのだとか。

「そんなに暴れるとまた転びますよ」
「いいから離れなさい!」

 ぐいぐいと逆の腕を引いて弟から泥棒猫……遺憾ながら私のことらしい……を引き剥がそうとする姉さん。
 困ったことに、この姉は弟に本気なのだ。
 同じ男に惚れいている以上そのことにとやかく言うつもりは無いが、やはり盗聴やら何やらをはじめとする性癖だけは何とかしていただきたい。
 兄の部屋に設置されていたものはすべて回収しておいたが、その、あれをあれしたティッシュなど、どうするつもりだったのか。
 そりゃあ、私とて年頃の女、恋する乙女として気にならないわけではないが、姉さんのそれは突き抜けすぎだ。

「小姉さん、書類かけた?」
「がっ、書けてないわッ、だだだだだから迎えに来たのよ弟様!」

 顔を真っ赤すると、目の焦点をあらぬ方向に結びながら弟の手を取る。
 異常な恥ずかしがりようだが、その気持ちも理解できるつもりだ。
 恋する乙女は無敵だが、この少女には少々刺激が強いのだろう。視線が変な方向を向いているのも、意図してのものではあるまい。
 その恥じらいはまったく可愛らしいが、弟の見ていないところでも少しは恥らってほしい。

194名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:06:13 ID:Oj00U9qM


 首筋まで赤く染まった姉の肩を少し押す。
 兄さんと姉さんの手を掴み、兄の膝裏に小さくつま先を当てて衝撃を走らせた。

 姉さんとは仲良くしたい。できれば頭を撫でたり一緒に料理をしてみたい。
 兄さんには私の思慕を受け取ってほしい。女として愛し、女として幸せにしてほしい。
 なので、姉さんには悪いが、先輩のことに関して譲るつもりは無い。
 私の恋は、姉に妨害されて諦めるほど安くはないのだから。姉を不幸にするつもりも毛頭ないのだから。

 再び兄の腕に縋りつき、はしたないと思いつつも胸を強く押し付ける。
 逆の腕で姉の、私のハンカチが巻かれた腕の、壊れてしまいそうな細い手首を取った。

「妹を蔑ろにしてはいけませんよ。私はお二人を幸せにする重要な役割を持っているのですから」

 当面の問題は、握ったはずの弟の手が私の手に摩り替わっていることに気づかない姉の恋を、いったいどうやって諦めさせればよいのか。
 しかし、姉さんを弟慣れさせて、兄が語る以前のような関係に戻すことができれば、事はきっとうまく運ぶに違いない。
 根拠は無いが、そうすればこの姉弟はもっと幸せになる。私も、その幸せの中にいられる。

 もしもそんな思いが早計で浅はかなものだったとしたら。
 だとしても、私は最大限の努力で必ずや私達の幸せを築いてみせよう。


 ようやく騒ぎ出した可愛らしい姉と。
 空を見上げて頬を赤らめる染める愛しい兄の手を引く。

 胸中に湧き上がる心地よい使命感に、若い人生の充足を感じた。
 ひとまず今日は、仲良く外出して親睦を深めるとしよう。
 全ては私たちが幸せになるために。
195名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:15:16 ID:Oj00U9qM
以上。短編です
レス消費しすぎてごめん

アホの子なキモ姉と完璧超人な妹の話
キモ姉妹は得体の知れないスキルを使うが、キモ姉を弄ぶぐらい余裕がある泥棒猫もいるはず
いわゆる主人公補正全開で、キモ姉を更正させてしまいそうな勢いさえ見せる、このスレの天敵みたいな人
でも、きっと、みんな幸せになるんだぜ、これ……
196名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:24:02 ID:zLNHgdSF
GJ!!
197名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:25:55 ID:hHWS+2L/
深いな…
198名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:28:45 ID:xJY/HqlN
GJっす。レス消費はかまわないさー。
キモウトと見せかけて、常識的な範囲で兄好きな義妹ってのもいいね。
数ヵ月後、結局仲良く2人で弟(義兄)を篭絡しにかかってたら笑えるけど。

というか小姉さん、「ギモウト」って貴方が言うのかww
199名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:56:05 ID:eyZn0u88
>>195
GJ!!

キモ成分低めって言ってたのに
1レス目でキモすぎw(ほめ言葉)

だがそこがいい
200名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 02:28:09 ID:7kyZXrRm
行動力あるくせに肝心な所が上がり症の姉モエスwwwwwwwww
201名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 02:30:55 ID:PKOSJkDt
微笑ましすぎる・・・
三人仲良く暮らしていってほしい
202名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 03:09:07 ID:ru8EOYeP
いやはやキモ成分充分ですよ。GJ!
203名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 04:13:08 ID:DOmbYofx
>>195
でもこれって、いずれは姉妹どちらかが血を見ることになるんだろうなと思うと少し切なくなるね。
204名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 05:19:32 ID:PKOSJkDt
>>203
ここは修羅場スレじゃないんだから
最終的に家族三人でイチャこいても問題ないんだぜ?
205名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 06:27:47 ID:lwy9wwvH
>>120
亀レスだが片言のキモウトもいいな
206名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 09:00:20 ID:PKOSJkDt
まだ三週しかやってなくね?www
207名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 09:00:53 ID:PKOSJkDt
すまん誤爆したほんとすまん
208名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 12:16:04 ID:Oj00U9qM
ギモウト

義理の妹の略ととるかキモい妹の誤字だと思うかで
スレ住民としての汚染度がわかる優れた呼び名

両方の意味で捉えるのが常識的な反応
209名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 13:02:14 ID:/F12UD1E
流れぶったぎって悪いんが、「次スレ」ってなんて読むんだ?

つぎすれ?
じすれ?
210名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 13:05:25 ID:zCfP/YpK
>>209

俺は「じすれ」だ
211名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 13:06:52 ID:xJY/HqlN
個人的には「じすれ」って読んでる。
212名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 13:37:57 ID:NI7XpfxE
なぁ、ちょっと聞きたいんだがキモ姉妹に挟まれた男の話はよく聞くけど、逆に兄弟に挟まれたキモ女の話ってこのスレ的にはどうなんだろう?
213名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 13:55:02 ID:OFuRRTF4
>>212
なんかアンタのレス、以前どこかでヤンデレヒロインにも本命以外の男友達をって言ってたやつと同じ臭いがする
214名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 14:18:12 ID:UHhQ4DYc
荒れそうな話題は総じてスルー
215名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 14:34:20 ID:j9tQLJv2
要は>>212はスレチって事か

それとオタクなキモウトってどんな奴なんだろ。
216名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 14:38:12 ID:NI7XpfxE
>>213,214
別にそういうつもりはなかったんだが、ただ元々お兄ちゃん大好きっ子だった妹に弟が出来て無意識のうちに弟に兄を重ね合わせるキモ姉っていう話を思いついたんで聞いてみた。
正直すまなかった。
217名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 15:08:38 ID:xJY/HqlN
>>216
スレチとかどうかはともかく、「弟に兄を重ね合わせる」という表現だと、
なんか兄が死んだか結婚して出て行ったかして、もういないという印象が。
……双子の男の子を同時に好きになる、キモ姉かキモウトなら…ないか。

>>215
一般的オタク趣味と見せかけて、兄妹系の近親相姦モノのDVDや漫画に小説、
その他諸々を隠し持ち、一般人だった兄にそれとなく見せ聞かせしながら、
徐々に兄妹愛→兄妹恋愛→近親相姦と、兄の無意識をずらすキモウトとか。
もちろん、コレクションの再奥には、自分と兄の近親相姦モノ自作同人誌が。
218名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 15:21:14 ID:wvO4tr/L
なんかキモ姉妹、ヤンデレ、嫉妬娘このジャンル好きは独占厨ってイメージがある
盲目的に主人公一人が愛されるのが良い訳で
チラ裏
219名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 15:34:16 ID:0mqpsPMg
独占厨ってわけでもねえなあ。
泥棒猫が誰と結ばれようが全く気にならないし。
220217:2009/02/23(月) 16:18:13 ID:xJY/HqlN
うわぁ……一番最後の行でミスった。
 10行目 再奥 → 最奥
反省代わりに、自分で言ったことを、なんとなく書いてみる。
タイトルは適当に、「オタクの妹さん」。1レス程度の遊び話。
書いてみて、以前の作品とかぶったとしか思えなかった。反省してくる。

----------------------------------------------------------------------

「なんだ、コレは……」
 妹の机の上に置かれていた、やや薄めの冊子を開いて、俺は絶句した。
 俺の妹は世間一般的にオタクといわれる趣味の持ち主で、それ相応の収集品が部屋一面に並んでいる。
 また、自分で小説や漫画を作って、イベントに売りに行くこともあった。何度か俺も付き合わされた。
 兄妹仲は悪くないと思っていた。時折収集品の一部を俺と一緒に観ようって誘ってくれていたからだ。
 だが、この冊子――挿絵付きの自作小説を読んでしまうと、「兄妹仲」の意味は大きく変容してしまう。
「これ……俺と、妹のことなのか……?」
 冊子の中身は、仲の良い兄と妹が、あるキッカケで一線を越えて、SEXをするという内容。
 問題は、その登場人物である、兄と妹の特徴が、どうしても俺と妹にしか見えないのだ。
「冗談じゃ……ないぞ……」
 しかし、今思い返せば、妹と一緒に観た映画や漫画には、兄妹間の恋愛劇を描いたものが多かった。
 なんだったか……最初に一緒に見たのが「3月の○イ○ン」とか「涙○う○う」とかいう映画だった。
 自分と妹との関係を思いながら、最後は妹と2人で涙を流しながら見ていた記憶が、いやに懐かしい。
「一刻も早く、この空間から、逃れないと」
 独り言を声に出すほど、怯えていた。
――だから、その接近に気づけなかった。

「お兄ちゃん」
 背後から突然抱きしめられる。 ――嗅ぎ慣れた女の子の香り。
 身体が震える。息ができない。 ――おれの、いもうと。
「お兄ちゃん。やっとその本を見てくれたね。その本は私の自作。私の願望。私の夢。解ってくれた?」
 解らない。解りたくもない。冗談じゃ、ないぞ!?
「冗談だなんて、ひどいなぁ。その文体とその挿絵のタッチ、私が前に見せてあげたじゃない?」
 声に出していない心の中が、妹に完全に見透かされている。
 それに、確かにコレは妹の文章と絵だ。前に見せてもらったものと似ている。
「私はこの思いをずっと抑えてきた。その本を作って、他の本を読んで、自分で自分を納得させてきた。
 でもね、無理なの。一つ物語を知るたび、一つ物語を作るたび、次が、次が欲しくなる。
 そして、最後に本物が欲しくなる。私は、ずっとこの日が来るのを待っていたの」
 妹はそこで区切り、一度黙った。身体を通して、深い呼吸が聞こえた。
「私は、一人の女の子として、あなたを愛しています。お兄ちゃん。」
 その言葉と同時に、抱きしめる力が強くなる。同時に、俺の身体がどこか熱くなるのを感じた。
「充分に待った。お兄ちゃんの心の中に、兄妹恋愛の意識も、たっぷり植え付けた。期は熟した。
 さあ、お兄ちゃん。虚構の世界を、物語を、現実のものにしましょう」
 
 声も出せない。振り向くことも、振り払うこともできない。何もできない。
 妹による完璧な意識洗脳は、俺の一切の抵抗力を奪い去り――

 ――その日俺は、俺と妹は、社会的な常識から逸脱した。
 
221名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 16:32:33 ID:j9tQLJv2
>>220
GJ!
オタキモウトは予想以上に恐ろしい…
222名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 18:02:00 ID:JtckGHBO
GJ
223名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 19:11:21 ID:zCfP/YpK
GJ。

涙そーそーってそんな話なのか?
224名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 19:57:18 ID:7kyZXrRm
「にーにー!」って大声で叫んでるシーンしか知らん
あと非血縁とか
225名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 20:17:30 ID:hKyc9RHn
なん…だと…
226名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 20:43:56 ID:LqrzRpHa
にーにーが台風ごときであっさり死んでしまうので俺的には糞作品。
227名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 20:58:23 ID:Oj00U9qM
百合はこのスレ的にありなの?
キモ姉に愛される妹とかキモウトに言い寄られる姉とか
228名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:05:11 ID:gNw2Q5HH
どっちかにポコチン生やしてくれれば
229名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:08:04 ID:g4+evXKS
>>227
この質問よく来るNE!基本的にノーで
230名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:18:20 ID:j9tQLJv2
>>1を見てれば分かると思うけど基本も何も同性愛はこのスレじゃ駄目だろ。
荒れる要因になるだろうし。
そう言う話題を出したいならここじゃなくて百合スレに逝くべし。
231名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:19:03 ID:ru8EOYeP
>>227
このスレでは原則的に男女の組み合わせでお願いしています。
232名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 21:49:04 ID:U3meDfXk
>>227
レズビアンはヤンデレも純愛も姉妹愛も全部百合スレ逝きです。
233名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 22:05:53 ID:vOi1MkBh
つまりフタナリにということかな
234名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 22:57:33 ID:ru8EOYeP
>>233
ふたなりスレでお願いします。
235名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 00:42:48 ID:hNPRvaot
>>227
書いてくれるなら百合スレのほうでwktkして待ってるよ
こちらでは迷惑になるからな
236名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 00:55:39 ID:vopoaQ3x
1人の男に対してキモ姉とキモウトがいると
姉妹で敵対関係だったり協力していても打算的だったりするけど
弟君/お兄ちゃんを挟んで3Pを楽しむ仲良しキモ姉妹がいてもいいと思った
もちろん外敵=泥棒猫は容赦なく地獄へ叩き落とすのだが(そうじゃなきゃキモくないからね)
237名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:03:44 ID:H3inG2ES
相手がキモ姉妹であるからには弟/兄は当然嫌がってるんだろうが、
そうなると姉妹間のほうが仲良く見えるから正直微妙。
238名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:09:42 ID:ovNFBLpT
キモ姉妹だと、対立しつつも
「家族で喧嘩はやめて」というターゲットからの貴いお言葉で仲良くなったりするなw
239名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:11:01 ID:3xaHPrlO
表面上仲良く見せてるだけで水面下では・・・
240名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:20:11 ID:WSthq0kz
コメディ調の作品なら3Pハーレムも全然アリだな
シリアスものならやっぱりやりあって欲しいところだが
241名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:20:16 ID:os74/887
好きになった男が兄とか弟だったってだけで別に二人を愛する必要はないよな
キモさの受け取り方は自由にしても、血縁者が好きってだけだと父とか親戚とかも好きなひとになるし
キモ姉妹は恋する乙女で、ちょっと行動を公にできないだけの素敵な女性たちなんだよ
独占欲まるだしのキモ姉妹に拘束されたい年頃の俺としては、そう思うのが一番気持ちい。

ああでも、スレ的には血縁者ってだけで好きになるのが普通なのか?
242名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:32:03 ID:v8U2se3x
コタツの中で弟/兄と足を絡めようとしたら、姉妹間で絡んじゃって、2人で足ゲンカしてたら、
「狭いなら自分が出るよ」とか言って、弟/兄がどっか行っちゃってショボ〜ンとか。

姉妹で2人対戦のゲームで、弟/兄と休日にどちらが2人で遊びに行くかを賭けて勝負してたら、
「邪魔しちゃ悪いかな」とか言い出す弟/兄を引き止め、3人で一緒にゲームで遊ぶことになり、
結局休日にどちらが遊びに誘うかを決め損ねて、無理やり3人デート(姉妹脳内)になるとか。

そんな姉妹でも、泥棒猫(弟/兄の女友達)なんかが来たら、姉妹2人が常に絶妙なタイミングで、
入れ替わり部屋に入ってきて(お茶とか宿題見てとか)、弟/兄を見張り続けるよう連携しあう。

そんなほのぼのストーリー展開が頭に浮かんだ。
殺伐もいいけど、やっぱり兄弟姉妹は仲良しでいて欲しいという、願望。
243名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:37:49 ID:ovNFBLpT
さて、彼女はなにをしたのでしょうか
ttp://jikkyouse.dip.jp/s/imouto.jpg
244名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:59:59 ID:v8U2se3x
>>241
いやいや、さすがに血縁のみで好きになることはないと思う。
それじゃあ、男所帯に生まれたキモ姉妹は大変なことになるし。

やっぱり、愛する対象になる弟/兄に、なんらかのキッカケで惚れるのが自然だろうし、
惚れる理由は、久々の再開だの、優しく見守ったりくれたりだのの、普通のキッカケだと思う。
乱暴にいえば幼馴染との恋愛に似ていて、でも血縁や家族縁という、他にない強力な絆が強みで、
同時に血縁や家族縁のせいで、一般社会に認められず多少苦悩するのが、キモ姉妹の特徴だと思う。
だから、常識フィルター、他に隠匿する、過剰な行動などのせいで、キモく見えるだけの、普通の乙女。
それがキモ姉妹と呼ばれる少女達の、本質だよね。

長々しゃべってわけわからんなったけど、別にキモ姉妹の許容範囲で、2:1でも1:1でも自由だと思う。
あ〜、弟/兄に選択権があるかどうかは、知らんがな(´・ω・`)


>>243
おま……これさっき放送してたアレじゃないか。
正答するとなんも面白くないので、他の人に任せるしかないか。
245名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 02:12:46 ID:yD/Ua9BY
>>243
こんな絵だけ見せられても正直さっぱり分からない
具体的なヒントを何かくれ
246名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 02:31:18 ID:v8U2se3x
>>245
僭越ながら、>>243でない自分がヒントを出そうかと……
(正解ネタと間違えてたら、恥ずいけどね)

彼女が抱えているのは、「何か」の内臓。
彼女を染めているのは、「何か」の体液。

これ以上言うと、ヒントにならないし、消され(ry
247名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 07:57:24 ID:eFDBgf2Z
>>243
蟲師か
妹でも姉でもなんでもないしスレチでわ
248名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 12:52:55 ID:AEeYm8Yh
投下します
249名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 14:34:22 ID:wmEsEC2O
規制かな?とりあえず支援
250名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 14:47:56 ID:EqgW+N/m
誤爆じゃね?
251名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 15:01:41 ID:yXB0n0lQ
>>243
彼女?男と思ったよ
252名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 15:13:37 ID:EqgW+N/m
姉に思いをブチ撒け、殴られる弟。
弟「うわーん! お姉ちゃんゆるしてぇっ!!」
姉「なぁにが、お姉ちゃんを孕ませたくない……よっ!? そんなワガママがっ、ええっ!! 許されると思ってんの!?」
弟「ゴメンナサイ!! ごめんなさいぃっ!!!」
姉「オナホに中出しできて、お姉ちゃんに中出しできないなんてヘリクツ……通らないのよっ!!!」
253名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 17:26:13 ID:J29MF3x5
>>252
道具に精液を奪われ続けてきた姉の怒りたるや・・・
254名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 17:43:40 ID:IPmvr1OA
>>252
明らかに姉ちゃんの言ってるほうが屁理屈だろうよw
なあ姉さん。
255名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 18:47:13 ID:kpsp3uLg
>>254 後ろ!後ろ!
256名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 19:02:53 ID:v8U2se3x
>>252
理不尽すぎるよ、お姉ちゃん!
そして、何ブチ撒けてるんだ、弟くん?
257名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 19:06:59 ID:ib00GZ5G
俺の性処理?テメーが自分の性処理したいだけだろヴォケ!この変態姉妹!
って言ってみてー
258名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 19:16:56 ID:EqgW+N/m
ってのが、>>257の一ヶ月前。
そして今……
姉「あぁ〜ん♪ オチンチンおっきくしながら、ださせて! ださせて! って喘いじゃってぇ。その泣き顔カワイすぎるわ♪♪」
 >>257の威勢は見る影も無くなっていた。
259名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 19:19:24 ID:v8U2se3x
>>257
そうよ、私はあんたのいうとおりの変態ね。
弟のちんぽで性的に満足しようとする、最低の姉が私なの。
でも、でもね?
あんただって今日からは、姉の身体で性処理したくなる、変態になるのよ?
噂によると、一度でも兄弟姉妹で近親相姦した人は、他で満足できないらしいわ。
つ・ま・り。私にこれからレイプされるあんたは、私以外で満足できなくなるの。
……何謝ってんの? もう許さないわよ? ……ばぁかおとぉと〜

さあ、変態な弟の誕生まで、あと3、2、1……

こんな展開が頭に浮かんだ。
260名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 19:38:01 ID:3IuyZiX6
>>257
姉「えっく、ごめ、ごめんなさい。ひっく、こんな変態が、お姉ちゃんでごめんなさい。っく」
って泣きながら弟にすがりつく姉
コトが終わったあともうずくまってずっと泣きやまないの。逆レイプなのに。
261名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 19:39:44 ID:m1Y3kXN5
キモ姉妹に弱みを握られて、性奴隷にされたい
262名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 19:57:17 ID:v8U2se3x
>>261
デジカメ8台、ビデオカメラ2台、ボイスレコーダー18台、その他諸々。
全部に無線有線使って、本体からパソコン3台に接続。メール配信待機状態。
そして私のさじ加減ひとつで、いつでも配信可能になっているの。
つまり、わたしがお兄ちゃんを縛って逆レイプしていた映像も、
途中からお兄ちゃんがわたしをレイプし返したのも全部、ぜぇ〜んぶ、証拠が残ったの。
……今日から、お兄ちゃんは一生わたしの性奴隷ってことなのよ。
わたし以外のオンナとエッチすることは許さないし、わたしの言うことには絶対服従よ。

――理解した? できたなら、腰が抜けたわたしを、お風呂まで運びなさい……
263名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 19:59:25 ID:yD/Ua9BY
ごめんね……>>257
お姉ちゃん、アンタをここまで壊しちゃうつもりはなかったんだよ?
ホントはアンタが好きで好きでたまらないんだよ?
だから……昔みたいに笑ってよ……誰もいない空を見上げて、暗い目でブツブツ言うのやめようよ……。
お願いだからっ帰ってきてよッッ!! もうこれ以上何もしないから……いじめないからぁッッ!!

てな感じで反省する姉が浮かんだ。
264名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 21:37:52 ID:xIqRO3uP
>>257の人気に嫉妬した
ウチの姉貴も学校じゃ結構人気だが
>>257には敵わないなwww
HAHAHAHAHAHAHAHA......
265名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 22:14:49 ID:v8U2se3x
>>264の姉貴さんを勝手に改変(改悪?)してみた。

へえ、>>257が人気だって? どんなヤツ……ってオイ、コイツ男じゃないか。
なあ、>>264には、アタシがいるじゃないか。ちゃんとアタシだけ見てろよ〜!

キモ姉として人気、ではないのはわかってて書いた。ゴメンとは言わない。
266名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 22:33:06 ID:hhA5ykQ+
そういえばバレンタインに姉貴からもらった明治の板チョコまだ食ってないな。

食ってなくても怒らんということはうちの姉はキモ姉とはほど遠いということか。
267名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 22:35:09 ID:WlBiZEvj
食べるとエロイことになる薬でも入っていて今か今かと待っているかもよ
268名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:34:27 ID:mjn+zgKC
くそォ!どいつもこいつもイチャイチャしやがって…
どうせ俺は一人ですよorz
269名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:46:03 ID:/htuZap1
なあ、離れて暮らしている姉(俺一人暮らし中)がアパートにやって来て
「遅くなっちゃったけど」って今更チョコをくれたんだけど(冗談抜きの実話)
これは、このスレ的にはどう解釈するべきだと思う?
270名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:49:51 ID:WlBiZEvj
>269
弟が姉を押し倒す度胸があるか試してる
271名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:50:32 ID:ngoCnTyi
>>269
You must die!
272名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:54:25 ID:zUJfdMRL
お礼にデートにでも誘って恋愛相談なんぞをしてみては
273名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 23:58:46 ID:/htuZap1
生きてるよ! 取り敢えず常温保存じゃないとダメって言ってたし早めに食べないととは思っている
274名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:03:57 ID:/htuZap1
>>272
姉弟でデートっていうのも何かな
275名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:05:57 ID:+PlL7Fgu
普通にめしに誘う、でいいな
276名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:10:37 ID:Hbu4d5aN
ANE NOTE
名前を書かかれた人間は書いた人間の実の姉になる
また30秒以内にに姉の容姿、体型、性格、年齢、キモさ等を書くとその通りになる
30秒を過ぎると無条件で姉は「泥棒猫」になってしまう
277名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:17:00 ID:Ai6hSrHS
>>275
誘ってみる。でもOKするかな? あまり外食したがらない人だし
両親が留守の時とか外食を提案しても却下されて自分で作ってたし
その時のやり取りは「何か食べたい物ある?」「姉さんが食べたい物でいいよ」
といった感じのがお決まりパターンだった。やべえ、このスレのSSに出てきそうなやり取りだ
278名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:43:26 ID:Y9g6L/Cn
>>277
なぜそこで。
「食べたいものある?」と聞かれた時に。


「姉さんが食べたい!!」と答えないんだ…
姉さんもちょっと期待していたかもしれないのに…



まあスレ的な反応としての話だけどさ。
279名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:53:36 ID:Ai6hSrHS
>>278
流石に現実で実の姉にそんな事は言えない
言っても姉の性格なら笑って済ませてくれると思うけど
280名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:57:02 ID:6vmqDm6y
お風呂で考えた小ネタ

キモ姉の朝は早い。

今日も弟くんを起こす1時間前に起床、
身支度をしてから弟くんの部屋に行く。

まずは、弟くんの制服とカバンにつけている盗聴器の点検。
これは絶対に欠かせない。

次に、弟くんのベッドに潜り込み寝顔をじっくり観賞。
思わず唇にディープなキスをしたくなるが、ほっぺやおでこで我慢。

そして、朝勃ちしている弟くんのおチンチンを扱きながらオナニー。
だけど、射精はさせない。
281名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:57:50 ID:6vmqDm6y
最後に、弟くんを抱きしめながら起こす。
「起きて、弟くん。朝だよ。」
「ん、おはよう。ってお姉ちゃんまた僕のベッドに入って来て……あっ!」
「ふふっ、弟くんのは今日も元気いっぱいだね。
お姉ちゃんに欲情しちゃった?」
「そんなこと……」
「でも、すごく苦しそう。
弟くんさえ良ければ、お姉ちゃんが楽にしてあげるよ?」
「………」
「ほら、遠慮しなくていいんだよ?」
「……ダメだよ」
「そう、じゃあ先にリビングで待ってるね」
「うん……」
名残惜しそうな表情で私を見つめる弟くん。
残念ながら今日も失敗してしまった。
でも、弟くんもだいぶ揺らいでいるみたい。
嗚呼、ようやく最後の一線を超えられそうだ。
頬が緩むのを抑えられない。
そして、キモ姉の一日は始まる―――
282名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 01:03:46 ID:+PlL7Fgu
いまさらだが281の様なお姉ちゃんをキモ姉と呼ぶのはなんかなぁ
もうちょっとマシな名称ないの?
283名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 01:08:40 ID:3gYZHLh1
・きしょ姉
・オナホ姉
・職人姉
・ロックブーケ
この中から選ぶと良いよ
284名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 01:09:24 ID:0Z2lx7sJ
【イケメンによる喪男の扱いマニュアル 】
1.喪男には強気で押せ。抵抗する場合は大声で命令しろ。     
2.命令を聞かない場合は身体で解らせろ。
3.同じことをくり返す場合、犬のように何回でも同じ様に叱れ。こちらが上と言うことを身体で解らせろ。
4.理由は聞くな。どうせ大したことは言っていない。
5.身体で解らせた場合、根に持つ場合があるので、後で身辺には気をつけて行動しろ。
  但し、徹底的に解らせる迄、手を抜いてはいけない。
6.相手を3才児と思い、信用したり頼りにはするな。重要な仕事は任せるな。
7.喪男が陰口で文句や悪態をついても気にするな。喪男も自分の言葉を理解していない。
285名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 01:38:36 ID:+PlL7Fgu
>283
どれもイマイチ…。
淫乱ストーカー姉とか。狭い範囲にしか使えないけど。
286名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 01:41:14 ID:voTtpu+W
キモ姉→淫乱ストーカー姉ってイメージ向上してんのか?
むしろ悪化してるような…
287名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 05:29:01 ID:nn44B/Rs
>>282 キモちのいい姉……  いや、なんでもない。

>>284 誤爆か? ちょうどいい。少し借りていくぞ。
【キモ姉妹による弟/兄の扱いマニュアル 】
1.弟/兄には強気で押せ。抵抗する場合は大声で懇願しろ。     
2.懇願を聞かない場合は身体で解らせろ(性的な意味で)。
3.拒絶をくり返す場合、犬のように何回でも同じ様に犯せ。こちらが(体位的に)上と言うことを身体で解らせろ。
4.こちらの愛を拒絶する理由は聞くな。どうせ大したことは言っていない。
5.身体で解らせた場合、自分から逃亡する場合があるので、後で弟/兄の身辺には気をつけて行動しろ。
  但し、徹底的に自分の愛を解らせる迄、手を抜いてはいけない。
6.相手をツンデレだと思い、上辺の言葉を簡単に信じたりするな。重要な愛の営みの用意は任せるな。
7.弟/兄が裏で誰かに相談していても気にするな。相談相手も弟/兄も自分の愛の深さを理解していない。

まだまだ改変の余地あり、かな。誰かお願いします。
次回作「泥棒猫の扱い編」とか「親族達の扱い編」とかを期待してみる。
288名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 08:20:30 ID:2J5Ux/sc
>>283
ロックブーケは妹だw
289名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 12:24:04 ID:nn44B/Rs
>>279
普通にいいお姉ちゃんじゃないか……妬ましいわ。
まあ、それとなく頬にキスとかして、反応を確かめた後、
「嬉しくてつい…ゴメンね。お返しに、姉さんのお願いを一つだけ聞くよ」
くらいのやりとりを期待してみる。期待してみるだけだからね?

やべぇこのスレに毒され過ぎたのか、現実の仲良い兄弟姉妹に偏見もってしまう。
キモ姉妹のことをキモいとか言えない……

>>280 >>281
そういや普通に忘れてた。小ネタGJ。
誘い受けのキモ姉ちゃんが乙女(?)で可愛いな。
290名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 13:48:50 ID:+PlL7Fgu
>286
お姉ちゃんだったら淫乱でストーカーでもいいじゃんと思った俺はもうナチュラルに病んで来てるのか…

アグレッシブエロエロお姉ちゃんと言い直そう
291名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 14:07:28 ID:PugW6S23
姉がまたストーカーを…
警察に電話しよ
292277:2009/02/25(水) 17:53:46 ID:Ai6hSrHS
姉を食事に誘ったら何とOK貰った。ホワイトデーのお返しだと解釈したらしい
普段外食しない人間ってどういう所に連れて行ったらいいだろうか?
提案者には責任取ってアドバイスして欲しいところなんだが

>>289
申し訳ないがその期待には応えられない
どういう反応されるにしても俺が気まずい
293名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 18:04:11 ID:r3PvNfV9
イタリア料理店だなw ワインで酔い潰されてしまえ!
294名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 18:11:49 ID:3gYZHLh1
さすがにうぜぇな
VIPでやれや
295名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 18:29:44 ID:Ai6hSrHS
>>293
探してみる。しかし酔うとやたら俺に絡んでくる上に
子供扱い(俺の頭を抱える様に抱き締めてきて頭撫でる等)してくるから
酔わせたりするのは無しの方向で行く。そうじゃないと疲れる

>>294
すまん、これで終わる

アドバイスありがとう
296名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 18:37:49 ID:nn44B/Rs
>>290
アグレッシブエロエロお姉ちゃん……
朝起きたとき、朝御飯のあと、昼休み、放課後の帰り道、晩御飯のあと、夜布団で寝る前etc..
日常生活の中でいちいち「おねえちゃんは、えっちな気分になりました。……しよっか?」
と弟に抱きつきながら、上目遣いでおねだりしてくる、そんなキモ姉。

>>291
姉の目を盗み、無事警察に連絡をつけた弟。しかし現れたのは婦警コスプレ(ぶかぶか)の妹。
最初から弟の使う連絡手段は姉によって操作され、逃げ場などどこにもなかったのだ。そして2:1。
あわれ弟くんは、ストーカー姉とニセ婦警妹によって、童貞も処女も奪われてしまったとさ。

>>292
ごめんなさい289の者です。調子に乗りすぎました。ごめんなさい。
提案者じゃないけど、なんでお姉さんがいつも外食を避けるかがわからないので、
騒がしいのが嫌いな人なら、個室もしくは隣の席との間に遮蔽物のある店を選ぶとか、
お金を使いたくない、または畏まった雰囲気が嫌とかなら、極端に高価な専門店は避けるなど、
お姉さんの性格を鑑みて決めるしかない、としか意見が出せないっす。参考にならなくてゴメン。
297名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 19:10:39 ID:y8wavOBO
ってか、さすがにスレチだと気付け。いい加減にしろ
298名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 19:11:30 ID:KEcrD7pN
>>296
犯された弟君が次の日から
弟「淫姉ぇ!淫姉ぇ!」って言うんですね?わかります



父母「kwsk」
299名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 19:16:20 ID:1Aer8zvz
うわー・・・あいたたた・・・
300名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:28:06 ID:ISexeO/s
>>283
挑発姉
301名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:35:19 ID:sh2lV6Fy
最近このスレくさい、みんな大人なんだから
302名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:41:46 ID:ISexeO/s
ちょっw
俺のIDwww!!
303名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:52:48 ID:hARmGd04
exe
拡張子だな
304名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 21:56:53 ID:SIVk+zdt
>>302
ご丁寧に経験回数まで・・・
305名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 22:50:11 ID:o+Khe24/
>>302
ワロタw
306名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:39:45 ID:1NgvP8p7
>>302
毎秒0回…www
義姉三人に虐げられつついつか弟が迎えにきてくれる日を思って健気に生きる実姉が欲しい
307名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 01:43:06 ID:Ra8gdKZe
投下します。
308五月雨 2話:2009/02/26(木) 01:43:49 ID:Ra8gdKZe
外は雨が降っており今日一日は降り続けそうだ。
ジャージのポケットから携帯を取り出し時刻を確認する。
時刻は10時半を表示していた。
今日は日曜日なので道路も混んでいるが、もうすぐタクシーがくるだろうと思い、先に退院手続きを済ませる事にした。

ナースコールを鳴らし看護婦さんを呼び出すと、かわいらしい看護婦さんが来た。
看護婦さんは俺の荷物が纏まっているのを見ると、
「おはようございます鳴海さん。退院手続きですか?」
と笑顔で聞かれた。

その後病院の受け付けホールまで彼女に車椅子を押してもらい退院手続きの番号札を取ってもらった。
手続き案内まで丁寧にしてくれそうだったが日曜日の午前中院内で働く人間も少なく忙しいだろうと思い丁重にお断りした。
「先生から来週にもう一度傷の具合、感染症にかかっていないか診断すると伝えられているので、必ず病院に診断に来て下さいね。
経過の具合によっては再入院の可能性があるので1週間は安静にしておいてください。
あと手続き後にあそこの院内薬局で抗生剤と痛み止めのお薬が処方されますので受け取ってくださいね。
それではお大事に」
それだけ言うと彼女は足早に病棟の方へ歩いていった。
あとは呼出番号と大きく書かれた電子表示に番号が表示されたら受け付けまで行くだけだ。



その後退院受付窓口で入院費用、支給される保険料等の相談を受けたが、
前日に既に父親が書類を提出していたみたいなので相談自体は各書類の説明聞いて自分の名前を書くだけで済み、
あとは薬の受け取りを待つだけだった。

その時右ポクットの携帯電話のバイブが鳴った。
だだっ広い市民病院の受け付けロビーでは数人が携帯電話を使用して通話していたので自分も携帯電話の電源を入れていたのだ。
番号を見ると知らない番号だったがふと思い付く事がありすぐにその電話を取った。

「もしもし」
「そちら鳴海様でしょうか?」
電話の相手は声が低い男性で丁寧に尋ねられた。
「はい。そうですが。どちら様でしょうか?」
「いつもお世話になっております。こちら大正タクシーの飯田と申します。
本日は福祉タクシーをご利用してくださりありがとうございます。お電話を頂きお迎えに来ました。」
どうやら男性はタクシーの運転手のようだ。
「ああ、どうも。あれ、もう到着してます?」
「ええ。お出迎え先は共立病院でよろしかったでしょうか?」
「その通りです。所で妹は来てないでしょうか?」
「お電話で伺ったのは病院に着いたらそちらへ連絡してくれとの事でしたので」
どうも香奈は病院には来ていないらしい。
「そ、そうですか。わかりました。あと15分ほどしたら向かいますのでそのまま入り口で待っててもらえますか」
「かしこまりました。」

その後直ぐに受付にて名前を呼ばれ薬を受け取り、病院を後にした。
退院が一人ぼっちとは何とも寂しいものだと、感慨に耽りながらロビーへ行くと初老の男性が手を振っていた。



福祉タクシーとは正直名前だけで実際はワゴン車のようなものだ。
後部座席の部分を取り除き車椅子ごと中に入れるようになっている。
運転手とは妙な距離があり話すのも億劫だったので、とりあえず彼の会話には、はいとか、うんとか適当に相槌を打つ形になっていた。
ポツポツと車内に鳴り響く雨音に耳を傾けながらを考え事をしていた。今度はどうやって彼女のさつきを困らせてやろうかとか、父は折角の旅行の初日を雨に潰されうな垂れているだろうとか。
そういえば香奈は病院に来なかった手を離せないほど忙しい用事でもあるのだろうか。
309五月雨 2話:2009/02/26(木) 01:45:14 ID:Ra8gdKZe
妹と初めて出会った事を思い出す。
2年前、義母の連れ子としてやってきた自分よりも3歳年下の娘。
義母は婚約前に顔合わせという事で娘を連れて我が家に来た。
当初自分は父の再婚相手の義母の思ったより若い容姿に圧倒されながらも、義母の影に隠れるようにしてはこちらを見ていた香奈が気になった。

第一印象は陰気な子供。

小学6年生の子供にしては前髪を野暮ったく伸ばし後髪は地面に届くほどで、前髪から覗くクリッとした瞳が義母と自分を交互に見ていた。
「父さんと、義母さんは少し外で話してくるからお前達二人でここにいなさい」
そのまま二人は家を出て行った。
おそらく子供達が二人でうまく話し合えるか試したかったのだろう。
突然の父の行動に驚きながら、香奈と向かい合う。
香奈は一言、

「彼方が祐一。わたしのお兄ちゃん。」

自分の前にポツンと立った少女を見下ろしたままでは失礼だったので、少女の視点に合わせるために中腰になる。
「そう、鳴海祐一。君の兄になるみたい。妹の名前を聞いていいかな?」

途端抱きつかれ、

「わたしの名前は香奈。香るという字に奈落の奈という漢字。覚えておいて、お兄ちゃん。」

そう耳元で囁かれる。首元に回された香奈の腕は深く、少し力を強めた気がした。


「お疲れ様です。運賃は2160円となりますが、お客様は初めてなので割引しておきますね。丁度2000円で結構で御座います。」
考え事をしている内にタクシーは家に着いた。
閑静な住宅街に隣の土地が空き地。
典型的な大きさの2階建ての家で表札には鳴海と書かれている。

「ありがとうございます。」

そう言いながら財布から千円札を2枚取り出す。
受け取った運転手は玄関先を見た時に立っている人物に気がつき、
「お荷物を運びますので少々お待ちください、丁度ご家族の方もお待ちですよ。」
と言いながら先に傘を差し、着替え等が入った旅行バッグを掲げ俺が乗っている車椅子を引き降ろした。

見えたのはいつも通りの自分の家と玄関前に佇む制服姿の香奈の姿だった。
その口元はただ一言、おかえりなさい、と呟いていた。

運転手は押していた車椅子を香奈の手前で止めると、
「これはどうも。本日は大正タクシーをご利用いただきありがとうございます。
料金の方は既にいただいておりますので、こちらの荷物はどこに置けばよろしいでしょうか?」
そう言われると香奈は黙って手を差し出し荷物を受け取った。

「それでは私はこれで失礼いたします。またご利用くださいませ」
そういいながら初老の男性はタクシーに戻っていった。
香奈はすぐに玄関を開け荷物を置き、車椅子のハンドルに手をかけた。

「おかえり。お兄ちゃん。骨折したお兄ちゃんを迎える準備はできてるよ。」
「そか、ありがとう。今日は1階で寝たらいいのか?」
「うん。お部屋の物も運んだしお父さんの書斎を使ってもらうよ。」
そう言いながら香奈は押した車椅子を玄関に入れた。


閉められた扉の向こうではバチッという衝撃音と「うぅ」という呻き声が聞こえた後静かになった。

外では雨が降り続き閃光が走った後、雷鳴が鳴り響いた。
310名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 01:46:12 ID:Ra8gdKZe
今回は以上です短くて申し訳ない。
311名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 01:51:48 ID:YipfRqEg
一番槍GJ
312名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 02:19:40 ID:R/8DMVw4
とらドラ見てたから遭遇できんかったorz

gjです。
313名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 02:41:56 ID:f0LBO00t
GJ!今後も超期待

>閉められた扉の向こうではバチッという衝撃音と「うぅ」という呻き声が聞こえた後静かになった。

何があったw
314名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 02:44:07 ID:Q08S0MJr
まさかスタンガ(ry
・・・・・・GJです
315名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 03:03:00 ID:Rd4NHmSC
gj
これは焦らしなのか…
>>314
sageを忘れずにね
316名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 03:17:16 ID:/3MKPOqt
一体誰にスタンガンを…
317名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 03:37:45 ID:Q08S0MJr
>>315
すまん
ちょっとスタンガンで脳を活性化させてくるわ
318名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 05:34:11 ID:Y8Dreb+V
奈落の奈か…GJ
319名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 09:06:18 ID:wTqMtYhe
>>310 GJ!「お兄ちゃんのお世話」に独占欲を燃やす妹……イイ!

最近、短編や掌編の小ネタ投稿が多い分、長編の投稿が少ない……大学受験の時期だから?
そんなこと考えながら、>>243の元ネタを弄って、別の話を作ってみた。ちょい昔の時代物。
タイトルは適当に「ただ、あなたとともに」。1レス程度の遊び話。
長い。長すぎて読みづらい(1行的な意味で)。前の作品より無駄が多い気がする。

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「なんで………こうなってしまったんだ………」
 僕はただ、立ち尽くすしかった。一人の美しい女の、目の前で。
「どうしたの、今宵は最高の月夜だというのに、おかしな子ね」
 目の前にいる女――僕の姉は、笑いながらそう語りかけてくる。
 その瞳には、狂気の光を宿らせて。その全身には、深紅の滴りを纏わせて。
 そしてその腕には、かつての僕の友の、生命なき首を携えて。
「いつか私がしたように、あなたは私を褒めてくれないのかしら? 私の、愛しい弟は?」

 かつて僕と友は、百に満たない人の住む村で、村長(むらおさ)の座を競い合った仲だった。
 跡継ぎのいない村長に信頼された、2人の若者。どちらも村の指導者に相応しいと称えられた。
 だが、それぞれに信奉者が集い、互いにいがみ合うようになった時、僕は村を離れる決心をした。
 村に無駄な争いを起こさないために。村の未来を友に託し、僕は山二つ向こうの国に一人旅立った。
 ただ、生まれつき村を出る体力のなかった姉の身を案じ、半年に一度は帰るようにしていた。
 村の騒動を嫌い、村から最も離れた山林の庵で暮らす姉の許での、たった2泊ほどの短い滞在。
 それでも、半年ごとにしか会えない僕の姉は、いつも笑顔で、帰ってくる僕を歓迎してくれた。

「……のに、なんで、どうしてこんな状況になっているんだ!?」
 僕はようやく叫ぶことができた。正確にはそれしかできなかった。
「どうしてって、コレが死ねば、あなたはこの村に居ることができるのでしょう?」
 そういって姉は、友の首を僕の目の前に差し出してくる。 ――ちが、したたる。
「コレがいるから、あなたは村を離れなくてはならなかった。馬鹿な村人達のせいで。
 コレがいなくなれば、あなたが村を治める理由ができる。村に居てもよくなる」
 笑顔。この状況で、幼さを残す美しい笑顔。昔から僕に何気なく向けてくれたソレで答える。
「それにコレは、偉そうに、わざわざ村から離れて暮らしている私のところへ来て、言ったの。
 “貴方を妻に迎えたい、貴方を貴方の弟の分まで、幸せにしてみせるから”ですって……
 私を幸せにするのは、私の愛する弟だけ。私を不幸にするのは、オマエでしょうがぁっ!!」
 突如豹変して、友の首を真横の柱に叩きつける姉。 ――とびちるちにく。くずれるとものくび。
「だから壊したの。忌々しい、あなたの友を。それに付き従う、馬鹿な村の有力者達も。
 ついでに、あなたを苦しめた、あなたのかつての信奉者達も、みんな壊しておいた。
 ……だから、あの時あなたをここから追い出した元凶は、もう全部、なくなったわ」
 姉を止めないと。手元にあるはずの刀を探す。僕と姉の両親の形見である刀は、どこへいった?
「……いいえ。村の残りの連中だって、いらないわ。あなたがいれば、それでいいもの」
 刀は、姉の背後の大地に突き立っていた。紅く染まる刃。 ――みなごろしの、えもの。

「間違ってる……そんな論理は……間違ってる、んだ………」
 否定の言葉。最悪の罪を犯した、最も大切な姉への、最後の抵抗。 ――おそらく、むいみ。
「いいえ、間違っていないわ。私の全ては弟だけ。村人なんて赤の他人は要らない。
 この村から出られない私は、弟と私の暮らす家だけが、私のセカイであればいい」

 いつの間にか、手にしたモノを放り捨てた姉が近づいて来て。 ――はやしのおくへ、きえるくび。
 僕の身体を、黒に近い赤濡れの身体で、強く抱き締めてくる。 ――しんだいのちのにおい。

「――おかえりなさい。共に生きましょう。……愛しているわ。私の、かわいい、最愛のおとうと」

――僕は、この美しい姉の唇を、ただ何もせずに受け入れた。
 
320名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 11:25:13 ID:v3suS8n0
GJ!!
とっても面白かった。 
321名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 12:08:56 ID:OU/yQCye
>>319
金田一耕助がでしゃばってくる事件の遠因になりそうな、
津山30人殺し的キモ姉GJ!!
322名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 13:11:18 ID:eRS4Zd78
長編で読みたいくらいGJ!!
323名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 14:34:27 ID:vHTsm3ks
GJ!

>>321
自分のやった事を悪いとすら認識していないから
アリバイだのなんだの考えるより先に金田一先生、あるいはその孫を
問答無用でぶった切ってそこらに埋めそうなんだがこのキモ姉・・・
324名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 19:51:17 ID:RnNXSLO3
>>321
そんなキモ姉の、犯罪とかねだはじめ先生への殺意を
隠すために奮闘する弟萌え。
325名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 20:16:09 ID:WGyzXiIz
金田一先生が来るより、むしろ忠実の津山30人殺しの通り、
陸軍が派遣された方が面白い。

兵士「何が始まるんです?」
上官「第二次大戦だ。」
326名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 20:47:05 ID:4KhGWq2G
>>325
コマンドーwwwwww
327名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 21:44:08 ID:OU/yQCye
>>319
日本刀一本で村人全滅とかって、北斗の拳の拳法使いか
FSSの騎士みたいな姉でもあります。
328名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 21:59:38 ID:aob4sSBS
お姉チャンバラですか
329名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 23:06:34 ID:aEFPkUMc
>>328
ちょwwww確かにwww
330名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 00:01:00 ID:1BIMGweV
>>328
可愛い弟がいないキモお姉ちゃんなんて…
確かアレ姉妹の姉だよね
331名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 01:11:41 ID:N9+hOWcd
ブレザーにポニテの妹の方が好みだったんだ…
332名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 01:36:48 ID:hQJ6OFFa
このスレ最近臭い
333名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 03:45:03 ID:XabFwrRg
八つ墓村のあれはやっぱりキモ姉なのか?
334名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 05:46:31 ID:gjMk5Ue0
>>317
妹「スタンガンを一人で使ったら、何かあったとき危ないじゃない?」
兄「あ、こら返せ」
妹「手伝ってあげる。ところで兄さん、私のこと、恋人として愛してくれる?」
兄「ハァ? 何言ってんだよ。お前はオレのいもうt」 ――スパァァァク!
 ―TAKE002―
妹「おはよう兄さん。私のこと、恋人として愛してくれる?」
兄「いや、お前はいm」 ――スパァァァク!
 ―TAKE008―
妹「おはよう兄さん。私のこと、恋人として愛してくれる?」
兄「だからオレはあn」 ――スパァァァク!
 ―TAKE032―
妹「おはよう兄さん。私のこと、恋人として愛してくれる?」
兄「愛しているが、妹としt」 ――スパァァァク!
 ―TAKE128―
妹「おはよう兄さん。私のこと、恋人として愛してくれる?」
兄「もうやめて妹、オレのライf」 ――スパァァァク!
 ―TAKE512―
妹「おはよう兄さん。私のこと、恋人として愛してくれる?」
兄「ハは、トウzeンじャ無いカ。アiシテいるヨ、イもウto」
妹「うん、私も愛してる。兄さん大好き!」 ――ポイッ

>>330
実は童顔で大人の女に可愛がられる弟が、いつか拐かされて犯されないようにと、
催眠術その他諸々を使い、女の子の格好と性格矯正を施すことで妹に見せかけ、
泥棒猫(女)が寄って来るのを避けて、反対にたかってくる駄犬(男)どもは、
女相手の時よりも容赦なく潰す。そんなキモ姉。

>>331
弟「姉さん、その格好はなんなの? 血迷ったの?」
姉「……ブレザーが好きって言ってた」(じと〜っ)
弟「あ〜あ〜あ〜」
姉「……ポニテは髪が痛いけど、弟は好きなのよね?」(じと〜っ)
弟「いや、それ言ったの僕じゃなくて>>331……」
姉「……わたしは姉だけど、今日から妹って呼んでいいよ?」(じと〜っ)
弟「くそう、恨むぞ>>331め……」
姉「ねえ、わたしを大好きって言ってくれる?お兄ちゃん?」
弟「大好きだから。でもいつもの姉さんのほうが大好きだから」(ぎゅっ)
姉「……えへへ。わかった、じゃあ戻すから着替えるの手伝って?」(ぎゅ〜〜)
弟「……ああもう、わかりましたよ、お姉さま。まずは髪を解こうか?」
姉「うん。あ、あとで髪の毛を梳いてくれる?」
弟「いいよ……って、それが目的だったな姉さん?」
姉「えへへ、ばれたか」

前に使った姉弟ネタの再利用。キモくならないキモ姉。
335名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 10:04:15 ID:f1ox1N4R
>>332
確かに
一部の人が変な方向に頑張っちゃってる気がする
馴れ合いすんなとは言わないけど
なに?ここ?なりきりスレ?って思うことが最近多々ある
336名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 10:53:38 ID:WtcQLUwH
>>335
同意。

つーかさ、圧倒的に長編の完結する確率が低い。途中で終わってるの多すぎ
まあ圧倒的っつっても姉妹スレも完結まで行くの少ないけどさ
もう何を期待して待てば良いのやら分からんよ。スレの流れもこれだしさ
337名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 11:29:25 ID:HFX6/6EU
保守
338名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 11:49:28 ID:HGegLAME
完結依然に投下されるだけいいじゃねぇか…
だいたいいいものかくと「続編!」とか言って次をせびって結局風呂敷しめきれねぇって
パターンが多いのでは?
339名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 12:14:49 ID:ShBWxv2f
>>336
もう少し言い方を何とかしないと長編書いてる人が投下しにくくなるのでは?
>>338にも書いてあるけど周りがせびって風呂敷を拡げさせてるパターンもある訳だし全面的に職人さんが悪い訳じゃないと思う
それに個人的には投下されるだけでありがたい
340名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 12:30:54 ID:HGegLAME
そうそう、こういうところは書く人と読む人の境界なんて限りなくあいまいなんだから、
自分も書いてみれば良いんだよ。
読む人は琴線に触れればGJしてやれば書く人はもっと書く気になるだろうし、
そうでなければスルーするべき。
書く人はGJしてあれば喜べばいいし、スルーされてたならあぁクオリティ足りないか、
投下場所間違えたなと思えば良い。
341名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 15:49:17 ID:Ln6XdUCl
ここの雑談がつまらんのはいつものことさ。
保守代わりとでも思っときゃいい
342名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 18:17:46 ID:if0CJqXX
どんなに遅くなっていい。投下される事、継続される事に意義があるんだ
何年何十年かかっても良いから、職人の完投を心待ちにしている人間がここにいる
ついでにいうと完結作品に別ルートが継ぎ足されるのも有であって、
_(仮)の別ルートを俺はいつまでも(ry
343名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 18:24:11 ID:LGIx19fQ
332と335に聞くがこのスレってジャンルや荒らし類い以外で何が駄目とか決まりあるの?
344名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 19:24:11 ID:40LuNhim
>>343
どっちもただ煽って雰囲気悪くしたいだけだから相手にしないほうがいい。
もしかしたら同一人物かもね。
345名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 19:49:58 ID:1UG2RpHb
その辺にしとけ
346名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 20:29:26 ID:gjMk5Ue0
決まりなんて、基本的に>>3に書いてある注意書きが全てかと。

個人的には、作品投下後にGJその他の評価レスが3〜10ほど続いて、またすぐ次の作品投下が始まるより、
作品とは別の雑談的なものがあってもいいじゃないかと。書くネタのヒントにもなるし。
そのほうが、書き手の人にばかり「スレを盛り上げる」みたいな負担がかかりにくいと思う。
ただ、最近レス系の短文小ネタばっかり投稿しすぎたことに関しては、謝罪します。

そして>>345さん。ごめんなさい。
無駄に長くなった上、荒らしにかまう形になったけど、言っておきたかっただけです。
反感の投稿をもらって空気悪くなる前に、以前書いた小ネタを投稿します。
ちょっと改変して、少しだけ長くしてみたものの、まだまだ反省点が多い。

>>285の「淫乱ストーカー姉」という名称を見て、なぜか「淫乱電波妹」という単語が浮かんだ。
そしてこの二つを並べてみたら、何か変な話が浮かんだので、無理やりひねって書いてみた。
タイトルは適当に「忍び寄る電波の恐怖」。1レス程度の遊び話。正直カツカツ。
せっかくの設定を生かしきれてない。ギリギリ1レスにまとめるのやめようかな?

次レスより、本文投稿開始。
347小ネタ「忍び寄る電波の恐怖」(1/2):2009/02/27(金) 20:37:09 ID:gjMk5Ue0
「はあ、はあ、はあ……っ、いやだ、捕まりたくない」
 足音は、ない。だが、居る。そして一度捕まれば、犯され、孕ませて、終わる。
 何故か夜の学校で、追いかけっこをしている男女。まあ、俺達のことだ。
 追われるのは俺。追うのは姉。はっきりいって、恐怖以外の何者でもない。
 俺の姉は、一言でいうならストーカー。それもとびきりタチの悪いやつだ。美人だが。
 俺の下着をかぶり、ゴミを漁り、プレゼントを渡してくる、常に背後から見つめてくる。
 そして、隙を見せたが最後、後ろから組み敷かれて弄(まさぐ)られ、果ては強姦未遂。
 何とか抜け出し、自分の通う学校に逃げ込んだが、また見つかり、追われているのが現状だ。
「ふふ、うふふふ、うふふふぁはははは……、まってよ〜おとうと〜〜」
 気持ち悪い。怖い。怖い。一息に追いつくことができるくせに、ぴったりついてくる。
 おそらく、俺が疲れ果てたところに襲い掛かり、抵抗力のない俺を犯すつもりだ。
 もうほとんどの隠れ場所が使えない。このままだとマジで捕まる……!
 そう思った時、突然横手から俺の身体を掴む手。そのまま引きずり込まれる。
「しっ、静かに。ここはあの魔女の知らぬ場所。私(わたくし)と共に黙っていれば大丈夫です」
 この声……しかし背に腹は変えられない。しばらく息を潜めるとしよう。
 
「おとうと〜どこいったの〜さみしいよ〜どこ〜?」
 恐怖の姉の声が、少しずつ遠ざかる。とりあえず安心して緊張を解こうとして、
「嗚呼お兄様、ご無事でしたね。やはり私と貴方は前世からの強い縁に護られているのです」
 再び全身に緊張を走らせることになった。忘れてどうする。こいつは、俺の妹だろうが!
「嗚呼、嗚呼我が愛しのお兄様。あの魔女に呪われて、もとい穢されておりませんか?
 貴方は前世からの私の半身。穢されたというのなら、この身をもって穢れを祓います。
 具体的には、私とまぐわうことで、穢れを2人の身に散らしてみせるのです」
 みせるのです、じゃあねえよ。このイカレ電波妹が。
 姉がストーカー娘なら、妹は電波娘。それも、姉と同じ淫乱の属性だ。姉に似て可愛いのに。
 前世の俺達は、世界を救う双子にして、新しい生命を紡ぎ出す神の御子らしい。近親相姦かよ!
 そしてそれを毎日のように語り、隙あらば現世でもその使命を果たそうとするのだ。正直怖い。
 要するに、姉とあまり変わらないのだ。むしろ正面から来る分、余計タチが悪い。
「どうしたのですか? まさかもう既にあの魔女に穢され、下僕に貶められたのですか…?
 いけません! すぐに服を脱いでください! 私が貴方の御身を清めてみせますから!?」
 かくして、夜の学校の狭い廃教室の中、もみ合う男女の図ができた。まあ、俺達のことだ。
 ああもう、嫌だっつってんだろうが! つうか叫ぶな! 腕を離せ! 姉に見つかるだろうか!
348小ネタ「忍び寄る電波の恐怖」(2/2):2009/02/27(金) 20:43:42 ID:gjMk5Ue0
  
「うふふぅふふ〜 おとうとみぃ〜つけたっ」
 固まる俺。強張る妹。やっぱり見つかってしまったじゃないか。この○○妹が。
「や、やめろよ姉(ねえ)。話し合おう。話し合えば他の道が」
「こちらに来るなっ! この穢らわしい魔女が! 立ち去れぃ!」
 ああもう、この馬鹿妹。姉を刺激するなよ。いつも勝てないクセに。死ぬ気かコイツ。
「あらら? おとうとにしがみついているのがわたしのいもうとなのね? どういうことなの?」
「私は、お兄様と同一の存在なんだ。お兄様は私のものだ。貴様になんか、渡すものか!?」
 どうでもいいが、俺を挟んでいがみ合うな。居心地悪いし、耳が痛い。
「お兄様どいて下さい! その魔女、滅することができませんから!」
「滅するとか言うなこの馬鹿。だいたいここは狭いんだ。横によけるのも難しいんだよ」
「いもうと……あなたはわたしが、おとうととエッチすると、けがれるとおもっているのね?」
「え、エッチ……!? そ、そうですっ! 私以外とのまぐわいで穢れ、私とのまぐわいで清め」
「なら、わたしとあなたが、ふたりでおとうととエッチすれば、ちゅうわできるんじゃない?」
 おお、孔明さえ思いつかないナイスアイデアってあほかああああああああっ!?
「あ、それなら大丈夫かと思われます。正直私も、早くお兄様と新しい生命を育みたいですし」
「いや、いいのかよおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
 思わずツッコミを入れてしまった。それよりも、この2人が協力して、犯しにかかってくるだと?
 この部屋は狭い。背後の入り口には姉が居る。前からは妹に両腕を掴まれている。逃げようがない。
 
「さあ、おとうと。ねんがんのエッチのときがきたねぇ。いっぱい、いっぱい、あいしてあげるよ」
「さあ、お兄様。念願のまぐわいの時が来ました。前世よりの使命を果たし、未来に繋げましょう」
 
――夜の校舎に、1人の男の悲鳴と、2人の女の嬌声が響いた。まあ、俺達のことだ……    ぐすん。
 
           ― END ―

---------------------------------------------------------------------------------------------
本文投下終了。まさかの長文エラー初体験。
1レスとかいいつつ、2レスで投稿してしまいました。
初めての2レス以上投稿がこの醜態……

長さの規約が「行数」だけじゃないことを初めて知った。
初心者丸出しだなぁ自分。ごめんなさい。
349名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 21:29:49 ID:KgOp2kUd
gj なんと羨まし・・・いややっぱ羨ましくないわw
350名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 21:43:12 ID:AiKngX8d
>>348
IDどうりにGJ

話は良いんだから投下前後にアンカーつけてレスするのは良くないっていうのはよく言われること
最近臭いの人もそういうことが言いたいんだと思う
説教垂れてごめんなさい
351名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 21:57:43 ID:ShBWxv2f
>>348
GJ! これはいいキモ姉妹
352名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 21:58:31 ID:HGegLAME
これは良いまさか俺の命名がこんな形に現象を起こすトリガーになるとは思わなかった
GJGJ
353名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 22:55:16 ID:E47nRRY0
>>348
誰にだって訪れるさ、どうしたって悪い日は…って奴か…。
354名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 01:10:17 ID:waLbQ9S5
>>326
>>329

       _,,..,,,,_ モシャ
   (( ./ ・ω・ヽ ))
   (( l    , ', ´l  モシャ
、、、、、、、`'ー---‐´wwwwwwwwwwwwww
355名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 06:11:23 ID:mHg/nW2h
>>354
キモウトより可愛いAAだNE!
356名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 10:23:36 ID:kF/TTQQB
>>355お兄ちゃんを誑かす泥棒猫の>>354め!ぶち殺してやる!
357名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 14:04:56 ID:gISpa18c
マダオ
358名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 14:39:19 ID:SEvN1Dg3
保管所にある長編で一話しかないのってもう短編扱いでいいんじゃね?
万が一、次が投下されたら長編に加えてもいいと思うけど
359名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 14:47:34 ID:qWPA/ZFi
ももたろさんマダー?
360名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 15:52:31 ID:NVgha1VY
泥棒猫に後ろの処女捧げたいな…
361名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 17:26:13 ID:CZ1coq7G
>>360
ホイホイついきちまっていいのかい?
俺はノンケだってかまわずry
362名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 18:14:59 ID:NVgha1VY
>>361
アッーw

こんな泥棒猫に会えば、キモ姉妹から逃れられそうな気がするな。
363名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 18:28:37 ID:XAtyOJ5V
そういえば戯画のパルフェに未亡人だけど処女のそれなりにキモい義姉がいてだな。
その無理矢理つけたような処女設定がなんか気分悪くて、
せめて夫が青いツナギのあの人ならNTRの心配が無いのにと思った所で気付いた。

俺は弟でも構わず(ry

アッー!
364名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 18:28:48 ID:wVzhgHoq
作者に質問したい時ってどうすればいい?
そーゆーのってタブーだったりするの?
365名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 18:43:20 ID:nJJesabp
>>364
内容にもよるけど基本駄目だと思う。
投下ペースとか続編希望とかは作者さんの都合もあるし、
誤字脱字は保管庫入れるときに指摘するだけで十分でしょ。
いずれにしても返信を期待するようなレスは極力控えたほうがいい。
366名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 18:43:28 ID:QE7rDPjj
タブーっていうか、その作者がいついるかどうか解らないのに質問は……
住人にレスする作者をあまり快く思わない人もいるし、やめといたほうがいいかと。
というか、質問ってまたなんでそんなことを?
367名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 19:11:32 ID:I7aE8y+Z
エロ小説家としてスカウトしたい!とかww
368名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 19:21:51 ID:NmOtqLRP
お前ら少しは落ち着け
369名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 19:24:01 ID:amcFWbjO
背徳感を感じさせるキモウト小説とかないのか?
370名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 20:15:47 ID:QE7rDPjj
このスレ以外では、コレだと言えるキモ姉妹の話を読んだことがないっす。
ところでこのスレって、時々「青いツナギの人」の話題が出て盛り上がるよね。

そんな関係ないことを言いつつ、小ネタを投下。
ふと口ずさんだ歌のフレーズから、変な風に発展した独白調の話。
タイトルは曲名から「幸福論」。1レス程度の遊び話。姉弟ネタ。
オリジナルなんて言える代物じゃないけど、作ってしまったので投下しときます。
そして、今夜はだれかの短編や長編が投下されることを祈っています。

次レスより投下。1レスなので投下終了宣言はありません。
371小ネタ「幸福論」:2009/02/28(土) 20:17:13 ID:QE7rDPjj
――ねえ、アナタの幸せは、なんですか?
 
昨日の夜見たテレビ番組――確かドラマだったかの最終回。
そこでよく知らない女優が、カメラ目線で訴えかけてきた言葉だったと思う。
正直なところ、幸せなんてよくわからないけれど、私にとって唯一のソレは、弟と一緒にいることだ。
弟は可愛い、というのは私が彼の姉だからの表現であって、正確には「カッコいい」だと思う。
優しくて、大切な人は必ず守ることを信条にしていて、でも打たれ弱い、そんな弟。
その全部が、私の大切な弟だ。このことを口にすると、周りの友達に変人呼ばわりされたけど。
でも別にいいや。どうでもいい「誰か」や、壮大すぎる「何か」に、望みをかけるわけではない。
弟の、泣いたり笑ったりする表情に、私の恋心が燃え上がる。ただそれだけのことなんだから。
 
 
――本当の幸せというのは、目に映らないから、傍にあっても案外気づかない。
 
いろんなところで目にするこのフレーズ、最近になって身を持って理解できた。
弟と一緒に夕飯の買い物に出かけた帰り道。時々だけど、私の楽しみにしている時間。
まだまだ3月に入る直前のこと、この町の気候はまだまだ寒い部類に入る。
弟と二つに分けた買い物袋を持つのとは反対の手――弟との間の手がだいぶ冷えてきた。
指がかじかんできたから、弟と手をつないで、暖まりたい。
そんなことを思いながら、指をポケットに入れようとしたとき、弟が手をつないでくれた。
寒そうだから、と言ってくれた弟の赤い横顔に、思わずキスをしそうになった。
 
でもその時、後ろからやかましい女が突然私達に声をかけてきた。弟の知り合いらしい。
そして「姉弟で気持ち悪い」とか好き放題言って、弟に何か言われると、どこかに行ってしまった。
悲しそうな顔をした弟に「あの女は誰?」と聞くと、どうやらクラスメートとの事。
なにやら弟に気があるらしいが、弟には正直付き合う気はないとの事。私はホッとしていた。
その後、なぜか弟は私に謝ってくれた。弟のそんな悲しそうな顔を、見たいんじゃないのに。
  
次の日の夕方、弟を侮辱し否定した、あの生意気な女を車道へと突き飛ばした。
突き飛ばされた女は、見事に走ってきたトラックに衝突され、遠くへ吹っ飛んでいった。
不思議と怖くなかった。
弟の優しさや言葉を否定するような、どうしようもない連中なんて、消えればいい。
弟を守る為なら、少しくらいの苦労なんて、私にはなんでもないんだ。
さあ帰ろう。家で待ってる弟に、あの子の大好きなおかずを作ってあげるんだ。
 
 
別に何かを望むわけじゃない。私はただ、弟の全てを愛している。私はただ、弟の全てを守ってあげる。
 
――ねぇ、おとうと。あなたがそこにいてくれるだけで、お姉ちゃんは幸福なんです。
 
372名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 21:36:22 ID:SEvN1Dg3
ちなみに何を聞きたかったんだ?
373名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 21:37:05 ID:SEvN1Dg3
あ、>>364
374名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 21:40:10 ID:quZ9Ff6Z
375名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 21:40:10 ID:p5M5IpB7
>>371
ほう!ほほう!こりゃあっさり風味の良いキモ姉ですな
上品にまとめながらコクのある、それでいて後味スッキリなのに余韻の残る良いネタだ
一レスで食材を上手く使ったネタはおじさん大好物ですよ!良い仕事だ!
376名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 21:41:54 ID:quZ9Ff6Z
>>374
途中で送信してしまったorz
GJ
377名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 22:28:30 ID:fWHFA3z5
>>371
>>375と同意見です。GJ.
378名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 23:04:26 ID:ad/ViymY
>>364
避難所ならいい気もする
379名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 23:04:58 ID:NVgha1VY
>>371
gj
>>377
sageよう
380名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 03:36:12 ID:CYLSQNGW
>>371
GJ!美味しいです
381名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 09:28:11 ID:DcGwIqjq
たまにはブラコンもいいよね!
382名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 09:34:47 ID:3wIwV9vp
常にブラコンが良いです
383名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 09:59:38 ID:s9VsVZmm
ブラコンじゃない姉妹なんていません!
384名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 10:06:23 ID:HlsV0Wdf
兄が美丈夫でちょっと狂人
妹が凄腕の暗殺者ってのもパターンだなぁ
385名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 10:56:37 ID:ldoieJJw
どこのパターンだw
このスレでさえそんな類型あんま見たことねえw
386名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 11:20:14 ID:r+fOGvxB
妹の方が泥棒猫を暗殺しまくる凄腕はともかく、兄の方は普通ってのが
圧倒的多数派じゃないかな。
387名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 12:40:08 ID:giPegWdF
兄も異常だったら普通に妹を受け入れて終わりだもんな
常識人だからこそ色々と葛藤がある
388名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 13:48:44 ID:Xcdg26Jj
何で女顔だったり一人称が「僕」の主人公が多いんだろ
嫌いなわけじゃないがたまに気になる
389名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 13:58:46 ID:r+fOGvxB
>>388
やはりそれは姉が弟にはまり込んでいくフラグなのではないか?
390名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 14:17:57 ID:B7KhCrA3
>>388
個人的には、可愛い、綺麗な女の子みたいな外見だけどあれは想像つかない程にかなり太くて巨大な化け物じみた設定は好きです…
391名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 14:45:47 ID:sG1QmJgF
それはペニスと言うにはあまりにも大きすぎた
大きくぶ厚く重くそしてカリ高すぎた
それはまさに凶器だった
392名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 14:49:51 ID:cZNbAyw9
ふと思ったけれど
最近は身長から割り出される標準体重よりも筋肉量の方が多そうな主人公って
少年誌・青年誌に出てこないよな……
393名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 15:18:50 ID:oHKQVFqK
金剛番長が何か?
394名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 16:18:01 ID:by0We0qA
キン肉マンが何か?
395名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 17:16:39 ID:BqNW/Qan
花山薫が何か?
396名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 17:44:27 ID:dy9IIjSa
>>389
女顔がフラグか……うーん、いまいちしっくりこないけど
庇護欲をそそるって意味ならそれもあるのか?
 
>>390
個人的には外見通りあれが小さくてキモ姉妹にいたぶられるのも嫌いじゃなかったりw
397名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 17:51:30 ID:MgGQTrxN
女顔はともかく、一人称「僕」に関しては、性格付け的な意味じゃないかな?
ぶっちゃけ、文章だけの表現では、性格を現すのに喋り方と一人称は重要だし。
そして巨根は……ギャップ萌え? 筋肉は知らない。

そんな夢のない発言をしつつ、小ネタ(?)でも投下。3レスなので長い。
前の小ネタの裏で書いたけど、ぶっちゃけこっちの方がスラスラ書けた。
頭痛でのたうつままに、ひたすら文字を叩き込んだ結果がコレだよ!
あ、タイトルは「dependence」。兄妹もので、自虐系妹視点なので注意。

次レスより投下。投下終了宣言あり。
398「dependence」(1/3):2009/03/01(日) 17:52:57 ID:MgGQTrxN
 
 私は今日も、兄の寝床へ赴く。
 兄に、アレを分けてもらうために。
 
「兄(にい)、おはよう。悪いんだけど……」
「おはよう。わかってるよ、ちょっと待t」
 兄には悪いけど、とても待てなかった。
 最近どうもサイクルが短くなってきていて、私の我慢がきかない。
「ん……ちゅ……むぐ…………」
 兄の唇の上から、勢いよく吸い付いて、唾液を啜りとる。
 それだけではなく、舌をかきいれて、兄の口内から唾液を奪う。
 その一連の行為を、兄は黙って受け入れてくれる。
「にゅ……ふ…………ぷはっ」
 ようやく私の「症状」が治まる。と同時に兄の唇から離れる。
 兄は――いつも通りの、不安げな表情。
「大丈夫か? まだ足りないなら、もう少し」
「大丈夫。大丈夫だから……ごめんなさい」
 また謝ってしまう。毎朝毎朝飽きもせず、謝ってしまう。
 そんな馬鹿な私に、兄は優しく励ましの言葉をくれる。
「仕方ないよ。おまえの身体は、こうしないと死んでしまうんだから」
 
 
 ――DNA dependence。
 日本では「生体組織依存症」などと呼ばれるこの病気。
 21世紀になって数年としないうちに、全世界に流行した狂気の病。
 厳密な症状や治療法は確立されていないが、有名な特徴は次の3つ。
 
 ――この病は、精神病にして、外部感染による繁殖力をもつ特殊な病気である。
 ――感染因子保有中に、誰か他人の生体組織を摂取すると、95%の確立で発症する。
 ――発症すると、最初に摂取した誰かの生体組織を定期的に摂取しないと、衰弱死する。
 
 
 1年前、私はこの恐ろしい病気を、発症してしまった。
 私がこの病に侵されてから、私は自分の進学を諦め、家に閉じこもるようになった。
 父親は10年前に他界し、母親は敏腕弁護士として遠方の地で働き、家計を支えている。
 そうして、家には私と、私の看病のために家に居てくれる兄だけが残った。
 それだけで、私は嬉しかった。兄が看病してくれるだけで、嬉しかった。
 
 なのに、私は最低の妹だ。
 そんな優しい兄に対して、とんでもない仕打ちを行っている。
 私の「依存相手」――摂取対象は、私の「実の兄」なのだ。
 
399「dependence」(2/3):2009/03/01(日) 17:53:53 ID:MgGQTrxN
 
「兄、ごめんね。ありがとう。朝御飯をつくるね」
「ああ、朝メシはまだゆっくりでいいよ。今日は遅出の日だから」
「そうなんだ……じゃあ、2人でなんか話す?」
「ゴメンな。今日は昼からの準備があるから、遊べないんだ」
 どうやら、いま遊ぼうと誘った私の顔は、とても楽しそうな表情をしていたらしい。
 だから、いま断られた私の顔は、とても残念そうな表情をしているに違いない。
「ううん、しょうがないよ。私のワガママだし」
「まあ、明後日なら仕事は休みだから、その時にでもゆっくり遊ぼうか」
「うん。楽しみにしてる。……それから、さっきはゴメン」
「……ほら、あんまり謝るな。可愛い顔が台無しだぞ」
「へへ……ありがとう、兄。じゃあ部屋に帰るね」
「ああ、仕事に出るのは12時過ぎだから、それまでに昼メシを用意してくれたらいいよ」
「わかった。じゃあご飯ができたら、また呼びに来るね」
「ああ、それじゃあ」
 
 兄とそんな雑談を交わして、部屋の外に出て……その場にうずくまる。
 正確には、必死に我慢していた身体の疼きに、足が耐え切れなくなった。
 兄からもらった唾液の量が足りなかったわけではない。
 「摂取」自体は、口内の唾液全部で充分なのだ。現時点では。
 ではなにが足りないのか。決まっている。認めたくないのに、決まっている!
 
 私の身体は、兄からの「愛撫」を求めているのだ。
 
 
 私は兄の事を、心の底から愛している。
 ブラコンというレベルではない。身体さえ求めているのだ。
 毎朝、「摂取」という名目で、一番簡単な唾液をもらうときのキスに、欲情している。
 実のところ、キスをしなくても、唾液を器に注いでもらったものを飲めば、問題はないのだ。
 実際にその方法に頼る人はいるし、現時点では医学的にも充分有効とされている。
 でも、私はその方法を否定し、わざわざ兄から口移しで唾液を分けてもらっている。
 
 第一に、器経由だと、1日3回は同じことをやらないともたなくなるから。
 どうやら「依存相手」の身体から直接もらったほうが、患者の精神が安定するらしい。
 
 そして第二の理由は、いうまでもない。
 私が、ただ私が兄とキスをしたいからだ。
 
 そもそも、私がこの病気を発症した理由からして狂っている。
 どこで感染源から、病の因子をもらったかは、覚えていない。
 ただし、発症する原因は、はっきりとわかっている。
 私が、寝ている兄の唇を、無理矢理にむさぼったからだ。
 
400「dependence」(3/3):2009/03/01(日) 17:54:47 ID:MgGQTrxN
 
 あの日、兄に恋人ができた、という話を聞いたとき、私は兄を祝ってあげた。
 兄とともに喜んで――それと同時に心の裏側で、兄の恋人を憎悪した。
 そんなごちゃごちゃした感情のままに、その日お酒を飲んで眠った兄を襲った。
 
 さすがに、兄の一物を使って処女を捨てるまでには至らなかった。
 というか、兄の唾液をある程度奪った時点で、発病して倒れてしまったのだ。
 そして次の日の朝、目が覚めてあわてて私を介抱してくれた兄に、全てを話した。
 兄を愛していること。兄の恋人を憎んでいること。病気を発症したこと。
 そしてその原因が、兄から唾液を奪うという、到底正気とは思えない行為であることも。
 
 この時私は、兄に見捨てられることを覚悟していた。
 当然だ。兄を襲って病にかかるような愚かな妹だ。近親相姦なんて、吐き気がする。
 なのに、兄はすべてを受け入れてくれた。許してくれた。
 そして、その場で自分の恋人に電話で別れを告げ、私といてくれると誓ってくれた。
 私は泣いた。泣いて、泣いて、詫びて、また泣いた。
 
 
 それ以来、兄は自身が努力して得た就職先を捨て、もっと時間に余裕のある仕事場を選んだ。
 少しでも私といて、私と向き合って、私にいつでも「摂取」させられるように。
 私は、兄の将来を全て縛りつけることで、私の手元に引き寄せることができた。
 何よりも喜んでいる自分に、最大級の嫌悪感を覚えながら、それでもまだ喜んでいる。
 
 そろそろ動けると思うから、早く部屋に帰って、自慰をしないといけない。
 私は今、自慰をすることで、なんとか今以上の「摂取」を押さえ込んでいる。
 しかし、最近どんどん身体が疼いて止まらなくなってきた。
 いつの日か、兄の唾液では飽き足らず、精液にまで手を伸ばすようになってしまうだろう。
 
 
 私は最低だ。兄を信頼しておきながら、兄の足を引っ張る、最低の妹だ。
 きっとこの先、病を理由に、兄に望みもしない近親相姦を迫る、最悪の妹だ。

――でも。それでも。願わくば、私が病で死ぬその日まで、兄の傍にいられますように。

 そう心の中で呟き、私は兄の部屋の前から、ゆっくりと離れた。
 
                                 ― END ―
401名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 17:56:00 ID:MgGQTrxN
以上、投下終了。

攻めのキモ姉妹しか書いたことないので、こういう内向型キャラは新鮮だった。

保管庫ではとりあえず1〜3レスの話を小ネタ扱いするらしいので、
これも小ネタに入るのかな、と考えているけど、どうなんだろう。

最近、トリップをつけるかどうか悩み中。つけたほうがいいのかどうか。
それと、誰か他の人、短編でも長編でもいいから、投下してください。
402名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 17:58:24 ID:qdBgziqN
携帯からGJ!!
403名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 18:07:28 ID:2ulLZGeF
>>401
GJ
短編だと思われる
あと、前後に余計なことしゃべりすぎ
404名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 18:23:57 ID:BqNW/Qan
405名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 18:24:45 ID:BqNW/Qan
>>401
GJ!
切ないなぁ…
406名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 18:28:49 ID:/425TcsC
>>401
GJ!!!
407名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 18:47:08 ID:E0iTTpQz
>>401
兄妹にコールドスリープをかけて、未来の医療に賭けさせてやりたいほどGJ
408名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 18:49:42 ID:CDihxLx4
>>401
GJ
こういう頭の中でグルグル葛藤しつつ堕ちていく話は好き
409名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 23:23:54 ID:MiQdiT54
GJ.
続けば短編ではなくなりますよ。
410名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 00:33:27 ID:CW8u0HEY
>>401
GJ、だが最後の一行が無ければ完璧だった
411名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 02:42:39 ID:BSyDd9Qo
>>401の言うことに反応してる人いるけど
ここ一週間目立った投下が一回しかなかったから
こうゆう意見が出てもしょうがないと思うよ
412名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 10:47:42 ID:VQLuOBTB
>>401
GJ
 
 
 
でも、一週間に一回って充分だと思うのは俺だけなのか?俺の常駐スレが過疎なだけなのか?
それにここ(エロパロ板)での執筆活動はあくまで趣味の範囲だから、他人に強要されるものでもないかと……
413名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 14:31:09 ID:3r6Kn7FO
GJ!!トリップはつけたほうがいいよ
414傷 (その14):2009/03/02(月) 20:52:00 ID:H5r92GCy
投下します。
415傷 (その14):2009/03/02(月) 20:53:53 ID:H5r92GCy

 柱時計の秒針の音が耳につく。
 葉月は寝返りを打った。
 もう何回目かも知れない寝返り。
 最近、葉月は不眠症気味だ。
 原因は分かっている。
 姉だ。
 弥生の事を考えると、どうしても夜明けまで眠れない。

 二週間ほど前から彼女の様子がどうもおかしくなった。
 いや、その言い方は正確ではない。
 様子が変わった、などという次元での変化ではない。
“変身”というか“変貌”というか……とにかく以前の弥生とは、まるで別人のようになってしまった。
 
 これまでも姉は冬馬に対し、文字通り「おんな」そのものの視線を向けることは多々あった。
 だが、ここ最近、それがひどく露骨になってきている。
 もはや弥生は、瞳を潤まさずに弟を見ることが不可能になっているようにさえ見えた。
 その粘液質な視線の示す意味は一目瞭然――「おんな」としての情欲だ。
 無論、その変化は視線のみに留まるものではない。
 彼女が冬馬に向ける、その言葉の口調。
 必要以上に冬馬に一時的接触を図る、その甘えた態度。
 可能な限り冬馬の世話を焼こうとする、その独占欲。
 そして、子供でも察知できるであろう、全身から冬馬に向けて発散される桜色のオーラ。
 いや、それだけではない。ここ数日の姉の変化は、そんな些細な挙動に留まらなくなってきている。彼女が弟を欲する態度は、もはや明らかに常軌を逸しつつあった。

 たとえば、冬馬の弁当を作る権利を母に主張し、彼が入浴中の浴室に背中を流すと言って侵入を図り、彼が外出しようとすれば無条件で自分も随行しようとする。
 冬馬の不在中には俄かに落ち着きを無くし、弟を求めてヒステリックな言動を見せ、また、可能な限り自室に戻らず冬馬と時間を共にするようになり、弟にも、そんな自分と共にいるように強制した。
 受験勉強も自室ではなく、なんと冬馬の部屋でするようになった。当然のように彼を傍らに侍らせて、である。

 それまで弥生は――冬馬と二人きりになった場合はともかく――周囲の目がある場合は、一応は毅然とした“姉としての態度”を貫いていた。現に両親は、かつて弥生が冬馬に向ける慕情にまったく気付いてはいなかった。
 それまで彼女が『自分に厳しく、周囲に優しく、妹に甘く、弟にだけは少しワガママ』という“よき姉”としての立ち位置を逸脱することは絶対になかったからだ。

 今もなお両親が、姉の本心に気付いているのか――気付いていないわけがあるものかと思わなくも無いが、しかし気付いていない可能性もあるにはある。
 両親が、それこそ人間離れした朴念仁であるという事ではない。
 弥生の豹変があまりにも急激すぎたために、彼女が冬馬恋しさに焦がれた余りトチ狂ったというよりは、単に“何か”が原因で弥生が壊れたという風に、傍目には見えてしまうからだ。
 父も母も、そして冬馬も、弥生のこの豹変にはおそろしく戸惑ったが、それでも彼女が受験本番を間近に控えた高校三年生だと考えれば、かろうじてだが解釈の範疇内ではある。
 受験が済み、冷静になる時間さえ持てれば、弥生の情緒不安定もやはり強制終了するはずだ。父も母もそう思っている――と言うより、そう願っているようだった。

 だが、葉月には分かる。
 もはや弥生は、以前の彼女に戻ることはない。
 なぜなら、弥生の変化はその言動や態度だけに留まるものではなかったからだ。
 弥生は変わった。
 その精神状態だけではなく、外見に至るまで。
 もともと美しかった弥生ではあるが、彼女はさらに美しくなった。
 サナギから蝶に変化するように、青く固い蕾から花が咲くように、彼女の美しさはさらに一段階上のものへと変わってしまったのだ。

 弥生としても自身の変化を自覚しているらしい。
 おかげで助かっている――そう姉は言った。これまで鬱陶しく彼女に接近する機会を狙ってやまなかった男子生徒たちが、図ったように一斉にモーションをかけてこなくなったそうだ。
(それは……そうだろう)
 その話に葉月は納得せざるを得ない。
 かつて周囲の男たちを引き寄せてやまなかった姉の“美”は、むしろ周囲の男たちに接触をためらわせるほどのものへと変わってしまったのだから。
416傷 (その14):2009/03/02(月) 20:55:34 ID:H5r92GCy

 かつて葉月は、千夏の美貌を弥生と互角だと評していた。
 だが、違う。
 いまの弥生は明らかに千夏よりも一歩上の美しさを誇っている。
 こう言っては何だが、神がかっていると言ってもいいくらいだ。
『サナギから蝶へ』と例えたが、かつての弥生でさえ世間的には充分すぎるほどに美しかった。だが、その弥生でさえ、今の弥生に比すればサナギに過ぎなかったという事実は、同じ女でありながら、葉月はもはや嫉妬や羨望さえも覚えない。
 そんな生臭い感情を覚えるには、いまの弥生は美し過ぎたのだ。

 恋は女を美しくするというが、葉月は気付いていた。
“開花”“羽化”とさえ評すべき弥生の変貌は、確実に冬馬が関わっているということを。
 だが、その変化に戸惑いつつも姉をあしらう冬馬の態度に、不自然なものは感じない。
 もちろん千夏が『天性の娼夫』と言った彼のことだ。困惑が自然に見えるように冬馬が意図して振舞っているのであれば、その破綻を見破れるとは葉月も思ってはいない。だが、それでも彼の態度は本物であるかのように葉月は思う。
 おそらく冬馬は、自分が、弥生の変貌のキッカケとなった事実に自覚を持っていない。
 ならば、何が姉を変えたのか。


 葉月はむくりと身体を起こした。
 眠れない。
 眠れぬ以上は、眠ろうとする努力に意味はない。
 時計を見ると、もう午前四時だ。
 夜明けにはまだ少しあるが、朝と呼ぶにやぶさかではない時間帯。

(起きよう)
 葉月はそう思った。
 一昨日から換算しても、おそらく5時間と眠ってはいないだろう。だが、構わない。
 眠れないものを無理して眠ることはない。
 肉体が睡眠不足に耐え切れなくなれば、いずれは睡魔がやって来てくれるだろう。
 そのときにぐっすり眠ればいい。
 葉月はパソコンの電源を入れる。
 考えねばならないことは幾らでもある。
 たとえば、次の学会に提出する論文の草案を、そろそろまとめねばならない。
 今週中には第一稿を書き出せるように、研究データを整理しておく必要がある。

(その前に……頭をキッチリ覚ましておかないと)
 ベッドから抜け出ると、途端にひんやりとした空気が彼女の意識を包む。
 だが、机に向かうならその程度の覚醒では話にならない。不完全な眠気の残滓と睡眠不足が呼ぶ気だるさをキッチリ拭い取ってしまわないと、葉月としてはデータと向かい合う気持ちにならないのだ。
 中途半端な頭でモノを考えるなど、自分の研究そのものに対する冒涜とさえ言える。
 少なくとも葉月はそう考える人間だった。
 シャワーを浴び、洗顔を済ませ、着替えを終えて、しゃきっとした自分に戻って初めてデータに向かい合う資格がある。自分のそういう潔癖さに、葉月は何の疑いも持ってはいない。
 ただ……寝不足の早朝シャワーという行為には、彼女としてもあまりいい思い出は無い。

 早朝の空気は冷たく、硬い。
 廊下に出れば、その感触はさらに歴然と葉月の肌を刺す。
(あの時も……確かこんな朝だった)
 かつて葉月は、冬馬の部屋から洩れ聞こえる彼の電話を盗み聞きしたことがある。
 冬馬が『自分が好きなのは弥生だ』と言った、あの電話。
 あの瞬間、葉月は知った。
 自分がどれほど冬馬のことを愛していたのかを。
 そして、葉月は兄を、姉を、世界の全てを憎悪し、絶望し、心を閉ざして部屋に閉じこもった……。

 今から考えればいい思い出だ――とは、とても言えない。
 弥生本人は、
「その言葉に信憑性は無い。あれ電話の向こうの女を言いくるめるための詭弁だ」
 と言い切ったが、それでも結局、冬馬の真意は棚上げにされたままだ。だからといって改めてその言葉の真実を、兄本人に問いただす度胸は葉月には無いが。
(いまさら聞いても仕方が無いし、ね……)
 ちらりと葉月は、傍らを見る。
 そこに冬馬の部屋のドアがあった。
417傷 (その14):2009/03/02(月) 20:57:06 ID:H5r92GCy

 あの時、弥生はこうも言った。
 冬馬と、自分たち姉妹が法的に冬馬と婚姻を結ぶための手を打っている。自分たちと彼との間に“血縁はない”という根拠足り得る証拠を偽造していると。
 そして、その“正妻”の座を葉月に呉れてやると。
 だから自分――弥生と組んで二人で冬馬の心を手に入れよう、と。
 だが、葉月はそこで立ち止まる。

 今の弥生は、もはや確実にあの頃の弥生ではない。
 姉の言葉をそのままに信用し続けるのは、もう危険なのかも知れない。
 そう考えて見れば、弥生には得体の知れない言動が多すぎる。
 たとえば、精神退行を起こした冬馬を、弥生が元に戻した技術だ。
 あれは催眠治療などに用いられる逆行催眠の技術ではないかと葉月は思う。思うというのは、本物の逆行催眠を確認する方法が葉月には無いからだ。どこの病院の神経科に行ったところで、治療の現場を見せてもらえるようなコネは葉月には無い。
 弥生はその技術を、本格的に学んだものではなく、かつてTVで観たことを見様見真似でやってみただけだと笑って言っていたが、葉月としては当然、その言葉を鵜呑みにしてはいない。

 まあ、それはいい。
 完璧超人と呼ばれて久しい姉ではあるが、いまさら催眠術の一つくらいこなせても不思議は無い。
 だが、弥生が秘密を持っているのは間違いない。
 家族にも、冬馬にも、そして葉月にも明かしていない秘密をだ。
 にもかかわらず、葉月が弥生に露骨な不信感を持たなかったのは、ひとえにこの姉が、溺愛と言ってもいいほどの愛情を自分に抱いてくれている事実を、誰よりも知っているからだ。
 姉は決して自分を裏切らない。
 葉月には確信がある。
 しかし、だからといって不安が消えるわけではない。
 
 兄の部屋のドアに耳を当てて見る。
 中からは何も聞こえない。まだ部屋の住人は活動していないようだ。
 当たり前か。
 まだ午前四時――早朝と呼ぶにはまだまだ早過ぎる。
 こんな時間に兄が起きているはずが無い。
 葉月は少しホッとした。
 そのまま廊下の角を曲がり、彼女の姿は階下に消えた。


[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[

「葉月ちゃんがお風呂に行ったようね」
 遠ざかる足音を確認しつつ、弥生は、それまで懸命に押し殺していた息を大きく吐いた。
「奥様……もう声を出してもいいですか?」
 同じく、じっと息を殺していた冬馬が、窺うように声を掛ける。
「うふふふ……いいわよ坊や」
 笑いを含んだ声を弥生は返した。
 自分の裸身の下で、ふたたび腰を使い始めた弟に――。


 冬馬の肉体は最高だった。
 まるで麻薬のように弥生の心と身体をがんじがらめに捕らえ、放さなかった。
 最初の一回こそ神経が引き裂かれそうな激痛に見舞われたが、それでも(処女喪失が痛いのは当然だ)とばかりに勇気を振り絞ったのは、弥生にとって人生最大のファインプレイだったと言えるだろう。
 二度目以降の接触から、弥生の女体はようやく冬馬の“男”を受け入れ始め、そして初めて弥生は知った。千夏が彼のことを“天性の娼夫”だと評した本当の意味を。

 外科手術で人為的に肥大化された、その男根。
 指の動き、舌の動き、腰の動き一つで相手の性感を限界まで引き出す、そのテクニック。
――今ではもはや、このザマだ。
 彼女は弟の肉体ナシでは、もはや一日たりとも女体の疼きを我慢できなくなっていた。
(罪な子ね。実の姉をこんなに狂わせて)
 絶え間なく流入される微電流のごとき快感を味わいながら、弥生は騎乗位の姿勢で必死になって腰を使っている冬馬の頬を、そっと撫でる。
418傷 (その14):2009/03/02(月) 20:59:09 ID:H5r92GCy

 工藤夫妻なるサディストが、これほどの傷を冬馬の肉体に刻み込みながらも、彼を決して責め殺さなかった理由が、いまの弥生には心の底から実感できる。
 彼らは冬馬に――彼の肉体の持つ、無限の性的魅力に絡め取られたのだ。
 無論、冬馬にその意図が無かったはずがない。
 彼は知っていたのだろう。自分の肉体が持つ力を。
 半狂人のような二人のサディストを相手取り、生き長らえるためには、彼らを自分の肉体の虜にさせる以外に方法は無い。殺すには余りにも惜しいと思わせる以外にすべがない。
 幸い彼は、それが出来るだけの手練手管を、その身に備えていた。
 芹沢冬馬が、ただ身体を金銭で客に貸与するだけの、どこにでもいる男娼でしかなかったならば、おそらく彼は三日も生き延びられなかったはずだ。

 そんな冬馬だが、それでも家族と寝るほど彼の倫理観は磨耗してはいない。
 にもかかわらず、彼がいま姉とベッドを共にしているのは、その正気を奪われているからだ。
 弥生がかけた後催眠暗示によって、彼は自分の肉体を凌辱する弥生を、工藤瑛子――かつて彼の全身におびただしい傷を刻み込んだ張本人――だと思い込んでいる。
 こんな行為が正しき愛の営みであるはずが無い。
 そんなことは弥生も百も承知だ。
 だが、冬馬の瞳に浮かぶ怯えた光が、弥生の嗜虐的な情欲をガソリンのように炎上させる。弥生を“奥様”と呼ぶ弱々しい声が、弥生の理性をアッサリと吹き消してしまう。

 そう、弥生が狂ったのではない。
 冬馬が狂わせたのだ。
 つまり責任は弥生には無い。
 男女の問題で責任を負うのは、日本では常に男性の側だ。
 だから彼も追求されるべきなのだ。自分を変えてしまった責任を。
「ふふふふ……その調子よ、気持ちいいわ坊や」
 妖しい輝きを眼に宿しながら、弥生はその責任の“賠償”を、冬馬から搾取し続ける。

「――おっ、おくさまっ、もうダメですっ! どうか射精のお許しをっ!!」
 冬馬の顔が苦悶に歪む。
 その表情は嘘ではない。
 無論、かつてセックスを生業としていた彼は、その気になれば早漏にも遅漏にもなれる。
 だが、連日のプレイで疲弊した冬馬の肉体は、もはや彼自身にも御することが困難なようだった。そんな弟の様子を見て、弥生の口元にふたたび亀裂のような笑みが走る。

「だめよ」

 そう言いながら弥生は、冬馬の頬を固定した両手に力を込める。
「何度も言ってあるでしょう坊や。あなたは私の許しを得ない射精を禁じられているの。勝手な真似は断じて許さないわ」
 冬馬の目が哀しげに瞬く。
 理不尽だと言わんばかりに口元をパクパクさせる。
「もし勝手な振る舞いをしたら、私はあなたにとても酷いおしおきをせざるを得ないわね。とっても痛くて、とってもつらくて、とっても恥かしいおしおきを、ね」
 その台詞に冬馬が思わず息を飲んだ。
「そうね……あなたのお尻に生きたウナギが何匹入るか実験して見ましょうか? アナルフィストだって平気で可能なあなたのお尻だもの、きっと3匹くらいは普通に入っちゃうでしょうね。……ふふふ……そのうち何匹かは抜けなくなっちゃうかも知れないけどね」
「おっ……おくさま……ッッッ」
「それともウナギ程度じゃ物足りないって言うなら、アナルに足を突っ込んであげてもいいわよ。坊やのアナルは大食いだから、きっと満足してくれるでしょうね……」
 
 自分で言いながら、その瞬間の映像が弥生の脳裡にリアルタイムで再生される。
 ほっそりとした己の足首とはいえ、その体積は手首の比ではない。
 肛門を無理やり拡張される冬馬の苦悶の表情。
 たまらず吐き出される大量の唾液。
 痙攣を繰り返す彼の背筋。
 焦点を失った瞳。
 荒い呼気。
 悲鳴。
 涙。

(いい――!)
 想像とはいえ、そんな美し過ぎる冬馬の姿に、弥生の子宮はたまらず反応してしまう。
「あああ……あああああッッッ!!!」
 もう何度目かも分からないエクスタシーが、弥生の女体を襲った。
 そして、それにともなう膣内の収縮が、彼のペニスに最後の止めを刺す。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!」
419傷 (その14):2009/03/02(月) 21:00:38 ID:H5r92GCy

 どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ!!
 数時間連続で搾取され続けた冬馬の逸物から、何の容赦もなく弥生の体内深くに打ち込まれる精液。そして弥生も、まるで躊躇する事なく弟の射精を受け入れ、己が膣内を犯されるアクメに身を震わせる。

 この二週間というもの、連日連夜繰り返された弥生とのセックスにもかかわらず、彼の射精の勢いはまるで衰えない。これまで彼女の胎内に注入された冬馬のスペルマの量が合計何グラムになるのか、それは弥生にも見当が付かなかった。
 まさに絶倫と呼ぶべき精力だ。
 確かに、普段から卓抜した運動センスと体力を誇る冬馬だが、無論それだけの話ではない。これも過去の男娼時代に、あらゆる顧客のプレイニーズに対応するために、薬物投与や食事療法によって体質改善を図られた結果なのだ。
 しかもパイプカットを施されている彼のペニスは、どれだけの量の精液を膣内に吐き出そうが、妊娠することは無い。だから弥生としては完全に後顧の憂い無く、彼の体液を子宮に受け止める悦びを存分に味わうことが出来る。

 数十秒か、あるいは数分か。いずれにしても半失神状態だった弥生が我に返るまでには、かなりの時間を必要としたようだ。
 いや、それでもまだ彼女の意識が完全回復したとは言いがたい。
 胎内深く侵入した弟の“杭”は、まだ硬度を失わず、彼女の子宮の入口をこじ開けっ放しだ。また何か……たとえばペニスの角度を少し変える程度の刺激でさえも、たやすくエクスタシーが再臨し、ふたたび彼女の神経を焼き尽くすだろう。
(まったく、たいした女殺しね……)
 一方、いまだに骨を失わないペニスに反して、その所有者は、ほとんど白目を剥く勢いで脱力と弛緩の海に身を委ねている。
 見ると、外目にも不自然なほどに左胸が脈打っているのが分かる。
 その動悸の激しさからも、冬馬の疲労はもはやピークに達したと弥生は判断した。
(どうやら、ここまでのようね)


「ぼうや……あなた勝手にイったわね……?」


 その囁きに、冬馬の表情が露骨に蒼ざめた。
「でも安心なさい、今夜はここまでよ。おしおきは次の機会に持ち越してあげる」
「……はい……ありがとうございます奥様……」
 震える声で、冬馬がいかにも無理やりな感謝の辞を述べる。
 そんな彼の一つ一つの挙動が、弥生のサディスティックな心理を疼かせずにはいられなかったが、しかし物事には限度がある。あまり調子に乗りすぎては何もかも台無しだ。
「眠りなさい。あなたはとても疲れているわ。そして目が覚めたら、あなたは16歳の――昨日までの柊木冬馬に戻っているの。そして、今宵のことなど何一つ思い出せないし、思い出そうとも考えない。いいわね?」
「は……い……」
「おやすみなさい、愛しい坊や」

 
 彼の反応は早かった。
 瞼を閉じて数秒後には、冬馬は穏やかな寝息を立て、まるで子供のように安らかな寝顔で昏睡に身を委ねていった。まるでのび太並みの寝つきの良さだ。
 暗示の効果による強制力というだけではないだろう。実際、彼の肉体は泥のような疲労に包まれていたに違いない。

 それにしても危なかった。
 さっきイった時、弥生は思わず声を抑えることを忘れ、快感の赴くままに声を上げてしまっていた。
 もしもタイミングが悪かったなら、葉月の耳に、弥生の喘ぎ声は確実に届いた事だろう。
(迂闊だった)
 弥生としても、そう思わざるを得ない。

 弥生は、力の入らない全身に鞭打つ思いで立ち上がる。
 ずぼっ、という濡れた音が部屋に響き、途端に大量の白濁液が股間から弟の胸板に滴り落ちた。
 腰に力が入らない。
 いや、腰だけではない。行為後特有の甘い痺れが、全身に残っている。
 このまま弟の胸にすがりついて眠ってしまいたい欲望を懸命にこらえ、ふらつきながらも、そのまま弥生はベッドを降りる。
 汗と体液まみれの弟の身体を丁寧にタオルで拭い、その上で布団をかけてやる。
 替えのショーツとパジャマを身に付け、携帯を自室のパソコンに接続すると家族全員の様子を確認する。両親はいまだに寝室で夢の中のようだし、葉月もシャワーを浴びている最中だ。今なら冬馬の部屋から出て行く自分の姿を目撃できる者は、この家にはいない。
 大丈夫だと判断して、そこで初めて大きく吐息をつくと、彼女はそのまま部屋の外に出た。
 冬馬を眠らせてから弥生が部屋を出るまで、およそ二分とは経っていなかった。
420傷 (その14):2009/03/02(月) 21:02:09 ID:H5r92GCy

 気だるい余韻に痺れる女体には、早朝の寒気は心地良い。
 だが、そんなどうでもいいことに感心している暇は、弥生には無い。
 可能な限り足音を殺し、それでいて猫のようにしなやかな動きで、弥生は素早く自室に滑り込む。そんな彼女に、ここ最近の色ボケた様子はカケラも見えない。
 そのままベッドの中に潜り込み、ようやく弥生は険しい目付きを解除した。
(本当はシャワーを浴びて汗を流したいところだけれど……)
 いまバスは妹が使用中だ。
 さすがに精液の臭いをぷんぷんさせながら、妹がいる浴室に闖入する気は、弥生には無い。
 どのみち疲れているのは冬馬だけではない。弥生の四肢もまた、綿のようにくたびれきっている。このあと目覚ましが鳴るまでの僅かな時間で、充分な睡眠を取らねばならない。

 起床できる自信がないとは言わないが、さすがに今晩――もう朝だが――はやりすぎた。
 いつもなら遅くとも午前三時過ぎには自室のベッドに戻っているはずなのだが、今日はもう五時近くになってしまっている。おおよそ一時間も眠れるなら御の字と考えなければならない。
 起きて朝イチでシャワーを浴び、冬馬の弁当を作り、彼を自らの手で優しく起こしてあげるためには、遅くとも六時には目を覚まさねばならないからだ。
(妙な属性を付けなきゃ、もう少しは眠れたというのにね……)
 だが、彼女は後悔してはいなかった。
 結論から言えば、現在、柊木家を困惑の渦中に叩き込んでいる弥生の生活態度の急変は、そのほとんどが意識的に――早い話がわざと行われたものだからだ。


 無論、彼女の行動の全てが、計画遂行上の必要に迫られた上での行動として割り切れるものではない。
 弟と肉の契りを交わして以来、弥生の中に冬馬に対する独占欲が、これまでに無いほどに頭をもたげたことも事実なのだから。
 彼の口にする物を全て自分が作りたい。
 彼と可能な限り一緒に過ごしたい。
 どんな下らない話でもいい。彼に話しかけたい。彼に言葉をかけられたい。
 視界の端でも構わない。彼に見られていたい。彼を見つめていたい。
 そういう欲求が、耐えがたいほどの衝動を伴い、弥生の心を突き動かす。
(これが……恋、なのね……)
 我ながら呆然とする思いで、鏡を見つめる。
 そこには、以前より数段美しさを増した自分がいる。

 かつてニーチェは言った。
『精神など肉体の奴隷に過ぎない』と。
 その言葉は事実であると弥生は実感できる。
 冬馬への想いなら、これまでも在った。
 だが、この肉体の変化はどうだ。精神の変化はどうだ。
 冬馬の肉体を知ったことにより、自分はより深く冬馬を求めるようになったとしか思えない。まるで、彼を求めて疼く己の女体に呼応するようではないか。
 だが、――それでもなお弥生は、自らの行動を「計画の必要上」と自らに言い聞かせる子供っぽさを持ち合わせていた。我ながら度し難い幼さだと、そんな自分に弥生は苦笑せずにはいられない。

 では「計画の必要上」とは何だと訊かれれば、それは簡単に説明することが出来る。
 弥生がすでに冬馬という存在無くしては生きていけない事実を、両親や彼本人にアピールするためだ。
 しっかり者の姉として生きてきた自分が、ここまで露骨に弟に依存する無残な姿を見せつければ、彼女が次のステージに「計画」を進めた時、冬馬や両親がどのような拒絶反応を示しても対応することが出来る。
「計画」というのは言うまでも無く、彼女が進めている冬馬との結婚――DNA鑑定書偽造による非血縁の証明、それに伴う、姉妹と冬馬との“男女交際”の許可を両親に取り付けることだ。

 実はもう、書類はすでに弥生の手元にある。
 口座振込みによる偽造屋への支払いも終了している。
 つまり、あとはもう、いつこのフェイクの鑑定書を両親に叩きつけ、弟との仲を認めさせるかという最終段階に入りつつあるのだ。
 だが、最終段階とは言っても、ここから先こそが最も「計画」の困難なポイントであることは間違いない。例えどんなタイミングであっても、両親が反発することなしに弥生が示した鑑定書や意見を耳にするはずがないのだから。
421傷 (その14):2009/03/02(月) 21:04:14 ID:H5r92GCy

 いま弥生が家族に見せつけている“奇行”は、いわばそのための布石であった。
 たとえば、冬馬と引き離されるくらいならば自殺すると主張することも、いまの弥生ならば可能だ。
 一度口に出した以上は、受諾されねば本当に手首くらいは切りかねない。そう思わせるだけのエキセントリックな雰囲気が、今の弥生にはある。――そう両親が解釈してくれたならばしめたものだ。
 自身の命という“人質”を振りかざせば、我が子の要求を一蹴できる親など存在しない。
 恋に狂った女に道理は通じない。通じない以上、結局のところ両親は折れざるを得ない。
 いや、両親だけではない。
 冬馬本人さえも、弥生が自殺をちらつかせれば、自分に従わずにはいられないはずだ。
 無論、現在の“柊木冬馬”が不能である事実を弥生は知らない事になっているので、彼としては弥生の要求にこれまで以上の拒絶を示すかも知れないが、それでも、冬馬という少年が、最終的に自分を見捨てるとは、弥生には思えなかった。
 
 だが、いくら何でも一足飛びに自分たち姉妹が、冬馬と結婚できるとは弥生も考えない。
 そこまで周囲の感情をないがしろにしては、まとまる話もまとまらないからだ。
 最初のステップとしては、あくまで健全な、当たり前の男女としての交際――そこから始めねばならない。そのためにまず、両親に自分たちの仲を認めさせ、そして二人で家を出る。
 実質的には同棲だが、一応は姉弟として暮らしてきた二人だ。世間的には“同居”で通せるだろう。そして二人がそのまま大学を卒業する頃には、葉月は充分に一人前の女性に成長しているはずだ。

 そこで冬馬に、弥生から葉月に乗り換えたという形で、妹と婚姻を結ばせればいい。
 両親は、また何かと文句をつけそうだが、そこまで時間をかければ彼らが自分たちの物理的な障害になるとは思えなかったし、いざとなれば彼らの意見など無視してもいい。
 弥生なりに両親に家族愛は感じてはいるが、それでも「計画」の邪魔になるなら話は別だ。そこまで彼らの話に付き合う義理は無い。現代日本では、親の反対を押し切って結婚するカップルなど、掃いて捨てるほどいるのだから。

(問題は……葉月ちゃんね)
 弥生としては、あくまで葉月に言った『正妻の座を譲渡する』という言葉を反故にするつもりは無い。あくまで葉月と二人で冬馬を共有するという結末こそが、弥生の最も望むハッピーエンドなのだから。
 だが、この「計画」の大筋を変更する気も、やはり弥生には無い。
 しかし、葉月はどうだろう。
(承知しないでしょうね……)
 弥生はそう思う。
 葉月が卓抜した識者である事実は認めるが、それ以前に彼女は一人の少女である。
 思春期の少女独特の潔癖さが、こんな計画を認めるはずが無い。ムチャとか無謀とか、そんな次元ではない。そもそもこれは当事者である冬馬の意思を、徹底的に黙殺せねば成立しない計画だからだ。

 だが、いまはともかく――いずれは説得できる自信はある。
 いざとなれば、葉月が成長するのを待って冬馬を抱かせてやればいい。
 あの黄金の美酒のような彼の肉体を知ってなお、妹が弥生の「計画」に反対するとは思えない。現在13歳の妹ならば、一年後二年後に“体験”させたとしても破瓜の苦痛は並々ならぬであろうが、それでも数をこなせば必ず葉月も冬馬に夢中になる。今の自分と同じ意味でだ。
――その確信が弥生にはあった。
 
 弥生は、まどろみながら、にんまりと笑った。
 彼女の脳中には、すでに葉月のことは無い。
 いや、葉月のことだけではない。
 もはや彼女の意識は、無力な赤子のように睡魔の腕に包まれ、その眠りに全身を委ねていた。


[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[

「葉月ちゃん、朝食よ」

 ノックの音と同時に、姉の声がドアの外から葉月の個室に響く。
 時計を見ると午前七時。
 どうやら時間の経過も分からなくなるほどデータ整理に夢中になっていたようだ。
 葉月はそこではじめて学者としてのモードを解除した。
「はい、――すぐ行きます」
 だが、弥生は妹の返事など待ってはいない。葉月が口を開いたと同時に、彼女の足音がドア越しに廊下に響くのが聞こえる。
 軽やかな、いかにも多幸感に満ちた足音。
 一秒でも早く、階下の冬馬の元へ戻りたいのだろう。
 葉月は髪をぽりぽりと掻いた。
422傷 (その14):2009/03/02(月) 21:06:23 ID:H5r92GCy

 姉を羨ましい――とは思わない。
 ただ、いずれは自分も姉のような状態になるのだろうか、という漠然とした疑問が頭に浮かぶ。
 恋に恋するオンナノコが、恋の魅力にどっぷりハマれば、ああも変わるだろう。
 だが、少なくとも葉月は、自分が――この柊木葉月という人間が、現在の姉のような精神状態になるとはどうしても想像できなかった。
 ああいう状態になるには、葉月は自分が理論家であり過ぎることを知っている。

 無論、弥生が理論家でないとは思わない。
 弥生は現役の女子高生でありながら、株式相場で数千万もの資産を稼ぎ出す投資家だ。彼女には彼女なりの株式理論がなければ、そこまでの成功を収められるはずが無い。
 だが、株という代物は理屈だけで読み切れるものではない、とも弥生は言っていた。
 相場というものは詰まるところギャンブルであり、博打で利益を上げるためには、ロジックのみならず、勘や閃きといった“嗅覚”を研ぎ澄ますことこそ重要だ。――姉はかつて、葉月にそう語った。
 葉月が姉を羨むポイントがあるとすれば、そこであろう。
 弥生は、机に向かえば完璧超人と称されるほどの秀才である。
 にもかかわらず、彼女は“理”というものが万能ではないことを知っている。“理”を超越したところにある何かを見ることの出来る眼を持っている。それは多分、葉月には永遠に辿り着けない境地であるようにさえ見えるのだ。
 だから葉月にとって、今まで以上に冬馬にくびったけになった弥生への羨望は無い。ただ、ああいう状態でなければ見えないものがあるとすれば、それは何だろうという好奇心のみがある。

 だが、嫉妬もないかと問われれば……それは話が別だ。
 自分にまとわり付く弥生を、冬馬は困惑し、苦笑しながらも好きにさせている。そこにあるのは、悩乱した一人の女性をあしらう大人の男の姿だ。
 そんな兄は、葉月にはとても素敵なものに見えた。
 あしらうと言えば聞こえは悪いが、要するに必要以上に迫ってくる姉を、子供のようにあやしつけ、恥をかかせないように細心の心配りを払いつつ、一人のレディとして遇するということだ。
 自分もあしらわれたい。一人前のレディとして扱われたい。
 そう思わないと言えば、さすがに嘘だ。
 弥生のように人変わりしたいとは思わないが、それでも心を弱火で煮られるような嫉妬が消えない。なにせ冬馬は、豹変した弥生をレディとして扱いながらも、葉月に対しては依然として、ただの妹としての扱いを変えようとしないのだから。

(不公平、ですよね……)
 ならばどうすればいい?
 冬馬に、妹以上の視線を自分に向けさせるためにはどうすればいい?
 姉以上の扱いを、冬馬に要求するためにはどうすればいい?
 
 葉月は学習机の引出しを開けた。
 一昨日、通信販売で購入した、とあるガラスの子瓶。

 葉月は理解している。
 自分は姉のようにはなれない。姉のように無邪気に兄にまとわりつくことはできない。
 ならばどうすればいい?
 簡単だ。自分が変われぬならば相手を変えてしまえばいい。
 現に自分は変えた事があったではないか。柊木冬馬にとって、あくまで妹でしかなかった自分を、まるで絶対服従の主として仰ぎ見る“芹沢冬馬”に変えた事が。
 そのスイッチも憶えている
 あのとき彼は、肛門を指で刺激され、齢9歳の少年奴隷に精神退行した。
 だが、退行した兄を前に、かつて葉月はなすすべを持たなかった。
 しかし、……今は違う。
 これを使えば、自分でも弥生と同じことが出来る。
 壊れた兄を、姉の手を煩わせる事無く、自分ひとりで修理することが出来る。

(でも……でも……やっぱりこれって……許されることじゃない……ッッ!!)

 葉月は震える手で、一度取り出したそれを、ふたたび学習机の奥深くにしまい込んだ。
 無論、近所の店で手に入る代物ではない。
 インターネットの、それも裏サイトと呼んでもいいようなネットショップでしか出回らない一品。
 服用した人間をトランス状態にし、素人でも催眠暗示をかけることの出来る白い錠剤。
 洗脳用マニュアル込みで七万円もする、高価な薬品。

(……でも……でも……でも……でも……ッッッ!!)

 葉月の心はいま、揺れていた。
423傷 (その14):2009/03/02(月) 21:07:04 ID:H5r92GCy
今回はここまでです。
424名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 21:17:47 ID:EpUJc3JN
この素晴らしき作品にgjを送るぜ
425名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 21:27:47 ID:9ON/iaEm
GJ
葉月の今後にドキドキです
426名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 00:04:02 ID:KXIqddsX
やっぱ気長に待つもんだな。

ふと思ったけど、キモウトに「妹より弟の方がよかったな〜」って言うとどんな反応するんだろ
427名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 00:13:29 ID:9n76C5Q/
キモオトになる
428名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 01:27:26 ID:H545KsIi
――――貴様、そんなにペニバンが好きか


実は俺も主人公が後ろからガンガン攻められてるのが好きでね……
でも尿道ビーズは超えられないんだよなぁ
429名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 01:33:40 ID:F8W0TfXo
泥棒猫が近づかぬ様に兄弟の悪評、酷評をばら撒く姉妹
むしろ兄弟とその周囲を静観、監視してアクションを起こす姉妹。
姉妹がデレすぎて兄弟の周りドン引き、一石二鳥。

お前ら的にどれが良いよ?
430名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 01:37:31 ID:XZspBDon
一番上
431名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 01:39:40 ID:FWBh1ljR
一番下+それでもなお狙ってくる泥棒猫
432名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 02:16:45 ID:WIwFMm6a
>>431
あれ、俺いつの間に書き込んだんだろう?
433名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 03:23:42 ID:gFm8rKQB
おまいらときたら、せっかく投下がされたというのに…
434名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 04:33:56 ID:YVEIfd5H
>>423
GJ
435名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 07:27:07 ID:koCoQdRz
>>423 GJ!!
毎回楽しみに待ってマス
436名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 07:27:26 ID:c6KSwgzW
合わなきゃスルーが基本とはいえ
久々なまともな投下後すぐに面白くもないテンプレ雑談とか・・・
その前からの流れを見るに
痛いのを踊らせて、まともな書き手のやる気は殺ごう
としてるのかと疑いたくなる
437名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 07:53:30 ID:gOX0J2E2
>>423 GJ
続きも期待してます
438名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 08:13:54 ID:+QOx20gX
>>423
待ってました
GJです
439名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 09:45:32 ID:+ti6Bkh0
>>436
あと三日の命のキモウトって考えたら萌えるだろ?
440五月雨 3話:2009/03/03(火) 10:07:23 ID:yUD6ownZ
>>423 GJです
傷待ってました!

PCがアクセス規制受けてるので携帯から投下いたします
441名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 10:08:53 ID:erWCJx7Q
リアルタイム支援
442五月雨 3話:2009/03/03(火) 10:09:34 ID:yUD6ownZ
「…ばんわ。時…は丁度12…時となります。…本に上陸した台風は…勢いを増して太平洋側に進んでおります。」

うっすらと聞こえる誰かの声。

「現場…原さん。中継の方を…なぎします。どうぞ」

ゆらゆらと覚醒する意識、聞こえてくる声はいつも聞く声。
テレビのニュースキャスターの声だと気づくのにさほど時間はかからなかった。
「こちら…海側、今現在若狭湾が港の…港に来ております。現場は見ての通り、波が荒れて非常に危険な状態となっております。」

目を開けると目の前に置かれたテレビからニュースが流れていた。
どうも昨日の夜から上陸した台風について放送しているようだ。
上体を起こそうとして自分が車椅子に座っていること、両腕が荷造り用の紐で車椅子の手すりに縛りつけられている事に気がついた。

「今日のお昼頃から各地に暴風・波浪警報が出されております。皆さんも外出にはお気をつけください。それでは次の…」

腕を動かそうと、もがくがどうにも力づくでは外れそうに無かった。
辺りをを見回すと背後にはベッドがあり、目の前には白い棚がある。
その棚の上に今聞こえるニュース放送が流れる中型テレビが置かれている。

部屋は茶色い絨毯が敷かれ向かいにある扉の右隅には背の高い本棚が4つ敷き詰められていて、本棚の向かいには大きな茶色い木製の机があった。
広さにして十畳程度の部屋。
今の自分の状況を上手く把握できないために、

「おーーーーい!!!誰かっ!!!」
と大声で叫んでしまった。


「香奈っ!父さんっ!義母さんっ!誰もいないのかっ!!!」


喉がカラカラになるまで必死に叫ぶ。
しかし返事はなく聞こえるのは自分の声の反響のみだった。
「誰かっ!助けてくれ!動けないんだっ!!!」
10分ぐらいは叫んだが部屋の外からは物音がしなく、放送されているテレビキャスターの声に紛れて只管孤独な声が響く。
そうしているうちに自分が今どんな状況に陥っているかを気づき考える。
両足は骨折している。
両腕は座った椅子に固定されている。
まったく身動きがとれない、つまり誰かに拉致・監禁されたのか?
でもどうして?
自分にはまるで価値もない。
身代金を掛けようにもこの家の規模からして自分はお金持ちの子供には見えない。
帰ってきた時に襲われたのなら暴漢は家の中にいたのか?
あの時の事を足りない頭で必死に考える。
運転手にお金を渡した後に香奈と一緒に家に入った。

そこから先は…突然首をブン殴られた?
首の付け根の辺りに痛みが走る。先ほどからどうもヒリヒリするのだ。
しかし治療はされているみたいで首筋にはガーゼ状の包帯が巻かれているように感じた。

つまり家に入った時には暴漢は既に入り込んでいて帰宅した瞬間に襲われた事になる。

そして気絶していたのだ。
その事に気がついて瞬時に青ざめ
「香ーーー!!!」
香奈の身の安否を確認しようと名前を大声で叫ぼうとしたが、即座に自分の愚行に気がつき思いとどまった。

443五月雨 3話:2009/03/03(火) 10:11:12 ID:yUD6ownZ

暴漢、あるいは強盗は、まだ自分が目覚めている事に気がついていないのではないかと。

先程あれだけ叫んだのだ。
暴漢が気がついているのなら既に大慌てで口を塞ぎに来るだろう。
つまりこの部屋の音は外部に漏れてはいない。おそらく部屋の壁が防音壁なのだろう。

それならば、この部屋に気絶しているかを確認をしに来た時に奇襲できないかと?
しかし手足を含め身動きが取れそうにもない。今もし、侵入者がやって来ても奇襲しようがないのだ。
出来る事と言えばせいぜい口で悪態をつくぐらい。
それでは駄目だ。
一度深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、混乱した頭を切り替える。

まずは情報を収集する事。
外部の情報は外からの物音が無いので知りようがないため、内部の情報のみで想像する。

まず監禁されている場所だが、これはまず自宅であろう。
車椅子でありかつ体重が60キロ程度の男を運ぶにはかなり労力がいる。
それにもし車椅子を降ろされ運ばれているのなら骨折している足に多少の負担はかかっているはず。
足に負荷がかかっている場合、目が覚めた時に苦痛は必ずあるはずだ。今は特に痛みは伴っていない。
どうも車椅子に乗ったまま玄関から移動させられたみたいだ。
ということはここは自宅の1階、今まであまり入ったことがない父の書斎だろう。
父は読書中に人が入ってくるのを極端に嫌うのでいつも書斎に鍵を掛けていた、そのため父の書斎がどうなっているかよく知らないのだ。

1階の部屋数は5室。玄関を通り抜けて右手に洋室があり、左手にリビングルーム、和室がある。
リビングルームからは1部屋洋室に通じる扉があり、父の書斎はリビングとは逆、リビング向かいの洋室を通り抜けて一部屋間を置いた位置にある。
もし暴漢がいるとしたらリビングルームではなくこの部屋の向こうの6畳の洋室、父の部屋にいる可能性が高い。
庭に通じる大窓があるリビングルームに潜伏する可能性は低い。

首を無理やり回し背後を確認する。
余り期待はしていなかったが…窓はないな。
部屋には小型の換気扇があり、暖房には石油ヒーターが焚かれていた。
窓が無いため窓から叫んで助けを呼ぶことはできないし、換気口から叫んでも回転している換気ファンの音に負け、外には聞こえはしないだろう。
とりあえず今すぐにでもこの位置を移動して扉越しに耳をつけたい所だが、車椅子を動かそうにも腕が動かない。
しかし縛られている荷造り用の紐はビニール製のため強引にもがけばビニールが伸びて僅かながら隙間ができそうだ。
そのためには多少腕に欝血ができそうだが仕方ない。

腕の拘束を解こうとした時、向かい合っているドアのノブが音を立てた。


444五月雨 3話:2009/03/03(火) 10:13:15 ID:yUD6ownZ

「…ええ。こちらは完璧。」
…女?誰かと話しをているのかしきりに相槌をうっている。
「まだ気絶したままだわ。そっちはどう?」
放送されていたテレビの音が消され、キビキビとした冷たい声が響く。
ドアのノブが回った瞬間に気がつき即座に背もたれに倒れ顔を上げた。
目を瞑っているので相手の声だけで判断する。
暴漢は女?
誰かに電話で連絡しているようだ。
「今は押さえつけているわ。少しうるさいから頭を痛めているの。」
やはり香奈は拘束されているのか。
相手が女ならば香奈には乱暴しないだろう、香奈の身が少しでも助かった事に内心ホッとしたが、


「あんまり口が過ぎるのなら消してもいいわよね?」


動揺した。
消す?その女は香奈を殺すとハッキリと口にした。
足音がこちらに向かってきたので慌てて気を落ち着かせる。
「ふふ、それにしてもスタンガンってすごいのね。首筋に5秒ほどあてると気絶するって聞いてたけど本当よ。麻痺させるだけでよかったのにね。」
目元を生暖かい物で遮られる。多分女の手だ。
「目を覚ましてから行動するつもりだけど、携帯電話には今のところ何も来ていないわ。今日の通話履歴は2時間前のタクシー会社のみね。頻繁に連絡を取っている奴が一人いるけどそっちは平気よ。…ええ、わかったわ。それじゃ」
そこまで言うと女は話をやめた。
目元にあった手が頬に回され、そのまま撫で上げられる。
心音が下がらない。心臓がドキドキと脈を打つ。
今自分を監禁している人物が目の前にいて、頬をなでられているのだ。
まるでナイフを首筋に突き立てられているような感覚に陥って叫び出したくなった。

「よく…眠っているわね。…ふふ、目が覚めたらたっぷりと調教してあげる。その時まで眠りなさい。お姫様のようにね。…ふふふ、あはは、アハハハハ」

そう呟きながら女は2,3度頬を撫でた後、乾いた笑いと共に手を引いた。
肌の表面に浮き出た冷や汗がいつばれるかは時間の問題だったが、女が手を引いたのでなんとか事無きを得た。
扉を開ける音がしたので薄目を開けて様子を見る。
見えたのは扉を開けて出て行く女の後姿。
黒いロングシャツの上にチューブトップのセーター、デニムジーンズ、そして長い黒髪を後ろで括りポニーテールを結んだ細身の女だった。


445五月雨 3話:2009/03/03(火) 10:14:52 ID:yUD6ownZ

「おはようさっちゃん。調子はどう?」

校内プールの脇に設置されている水泳部部室、大葉さつきはそこで室内用のトレーニングウェアに着替えていた。
背が低い短髪ショートカットの女性に話かけられる。

「おはようございます、部長。調子は…中々ですね。余り気分は良くないですけど」

「そっか。最近休みが多いけど生理中?つらいのなら保健室で寝ててもいいよ。」

部長は眉ひとつ変えず下話をする。
所属する部活が体育系ならではのコミュニケーションだ。

私は少し頬を染めながら適当に、ええそうです、と嘘をついた。
祐一からは部活の出席と評価に関して釘は刺されたが、やはり祐一の事が心配だ。
ここで恥ずかしがって違いますと答えては最近の休んだ口実が仮病だとばれてしまうし、これから数日部活を抜けるのにも言い訳を考えなきゃいけない。

「室内練習だけど活動中に倒れられても部長の立場としては困るよ。それに彼氏さんの骨折も深刻そうだしね?」
そう言うと部長は私の顔を見上げてニカッと笑った。
突然の言葉に私は冷や汗をかく。
祐一と付き合っている事は、まだ学内では誰にも教えていないのだ。
それにここ数日は嘘をついて部活を休んでいたので、理由関して言及されると私はいつも口を渋るだけだった。
この人はオチャらけていそうで、こう鋭い所がある。
部長はそういった部分で他の人とは違い人が寄り付く人間だ。

「いつから知っていたんですか?」

「2ヶ月前かな?さっちゃんが妙にしおらしくてかわいい女の子に変わった瞬間だよ。さぁ洗いざらい吐いてもらおうか?」
部長は簡単に私と祐一が付き合い始めた時期を言い当てる。

「彼氏さんが心配なのはわかるけど嘘をついて部活を休むのは関心しないなぁ。さて、嘘つきの1年生にどうやって制裁を加えましょうかなぁ。練習が終わった後に更衣室でストリップショーでも開催しましょうかぁ」

「わ、わかりました!言いますから、それは勘弁してください!」
手をワキワキ動かしながら私の胸に手を伸ばす部長から胸を隠しながら距離をとる。

「よろしい。まずは馴れ初めから肉体関係に至るまでさっちゃんの赤裸々なエマニエル性活を語ってもらおうか」

446五月雨 3話:2009/03/03(火) 10:16:42 ID:yUD6ownZ

そこから部長には私と祐一が中学からの同級生からでお互いの意見が合い付き合ったと所々省いて曖昧な説明をしておいた。
本当はもっと色々あるのだが。
断じて言い直すが私と祐一にはまだ肉体関係なんてない。
SEXどころかキスさえ昨日の未遂事件で2度目なのだ。

1度目は好きな人と口を合わせるのがとっても気持ちがよくて再度病院でキスしようと雰囲気をだしたがいきなり入ってきた看護婦に阻止されるし。
昨日の事を思い出すとまた熱が上がる。
あの後すぐに家に帰り布団に包まり一日中悶々として眠れなかったのである。

「…というわけです。」
「ふむ。消化不良の点が色々あるけどそこはさっちゃんと祐一の淫らな思い出として受け取っておくよ。」
「ち、違いますっ!私達はまだそんな事してません」

「んん?昨日練習に来なかった事といい、今日は彼氏さんのお見舞いに行かない事からキスはしたんだろうね。そうしてキスした後にこう病室でいやらしい事をしようとして止められてそこから家に帰って一人オナニーにふけって…ああさっちゃん!!!かわいいよ!」

オ…オナ…って、この人はどうしてこう下品な話になると饒舌になるのだろうか。
言いえて的を得ている部分がさらにタチが悪い。


…オナニーは確かに少しはしたけど。


部長は一人で両腕を抱きしめて悶えている。
「そっ、それじゃあ私はアップしてきますので!」

伝える事は伝えたのでそそくさと部室を出て行こうとした。

「さっちゃん。部活を休みたくなった時はいつでも私に言って。コーチには私から話をしておくよ。」

部長から出た言葉に驚き振り返ると彼女はいつも通りニカッっと八重歯を出し笑った。

「いいんですか、部長がコーチに嘘をついて?」
「部員の悩みを解決するのも部長の仕事だからね。あとはさっちゃん次第だよ。その代わり休む時には家で自主練習をすること。」

その言葉を受けて、ここ数日の疲れがフッと抜けた。
これで私が休む口実を伝える時のコーチの苦い顔を見ずに済むんだ。

「ありがとうございます。部長。あと半月ほど我慢してもらえますか?」
「うん、いい顔になったよ。ここ2週間は映画の俳優みたいな顔してたからね。女の子はスマイルスマイル。」
そう言って私の肩をポンポンと叩く。
私はただ頭を下げてもう一度お礼を言った後、部室を出て行く。
「それでは先に練習に行ってきます」

そう言った私の顔を笑顔だったのだろう。


447五月雨 3話:2009/03/03(火) 10:21:23 ID:yUD6ownZ
「ーーーーッンンン!!!」
腕に痕が残るのも構わずに紐を千切る勢いで腕を動かす。
だがいつもビニールが伸びる手前で何重にも巻かれた紐の拘束と腕の痛みに負けて力を解いてしまう。
紐を伸ばそうとすればするほどほど腕の痛みは増していくので時間と共に疲弊していくばかりである。
「…っ痛ぇ。」
もう何度も力を入れて拘束を解こうとした結果、腕は筋肉痛、額には薄っすらと汗を掻いていた。
糞ったれ、全然切れねぇよ…これ。
今ではとても荷造り用の紐が只管恨めしく思える。
どうして自分がこんなに頑張っているのに、こいつは素直に切れてくれないのか。
手は何度も圧迫されたためか少し紫色になっていた。
腕には多数のミミズ腫れのような痣が残っているだろう。
でも止める訳にはいかない。女が部屋を留守にしている今この時こそがチャンスなのだ。

それにしてもあの女は誰だろう。電話で会話していた内容からしてこの家に対しての脅迫云々ではなく自分に対して用があるみたいだった。

…ストーカー?まさか。どう考え直しても自分をそこまで昇華する事なんてできない。
意識を取り戻したら調教とか言ってたな、という事は起きた事が判ったら何かされるんだろう。
女の去り際に聞こえた笑い声に少し恐怖して、紐を伸ばす作業を続ける。
あの笑い声はなんというか、常人の笑い声ではなかった。
気が狂っている人間の声、何をされるか判ったものじゃない。
下手をすればここでこのまま殺されるのではないかと錯覚をしたほどである。
とにかくあの女に目覚めている事をバレるのは自殺行為、次に来た時も狸寝入りを決め込む事とした。
声質からして今まで会った事なんてないはずだ。あんな女、見た事もない。
香奈はまだ囚われているのだろうか。自分とは対称に自己主張をしない妹、人目から見たら無愛想な子だ。
あの女に抵抗して悪態を吐いていないだろうか、態度が気に食わないと暴行を受けていないだろうか、刃物等で脅迫されてはいないだろうか?…それとも既に。
想像される香奈の姿はどれも最悪のパターン、行き着く先は床に蹲っている香奈の姿だった。
その光景を想像する度に焦りが涌き出る。直ぐにここから抜け出さないといけない使命感のような物が生まれる。

さつきは今どうしているだろうか。いつも通りの生活をしているのだろうか。
何時間前かのやり取りがまるで蜃気楼のようだ。これほど切実に普段の生活を欲した事なんてなかった。

…さつき。助けに来てくれ。お願いだ。
天井を見上げ神に祈るようにさつきへの言葉を頭の中で繰り返す。
その時、再び扉が音を立て開いた。

448五月雨 3話:2009/03/03(火) 10:21:47 ID:yUD6ownZ

「…ッチ、まだ気絶しているか。準備は全部整ったんだけどね。本人がこの状態じゃどうしようもないか。」
舌打ちと同時に先程聞いた声が聞こえる。
再び足音が聞こえ、すぐ近くに人の息遣いを感じる。
また女がやってきた。気づかれないように息を潜めて気絶したフリを続ける。
「無理に起こしてもいいんだけどね。時間は限られてるし、出来る限り先手はとっておきたいもの、でも嫌がられるのも心外だわ。」
予想外の言葉に心臓が鳴る。近づく吐息を避ける事ができず、ただ無心を頭で唱え続ける。
女性特有の香りが眼前に広がり頬を髪の毛で撫ぜられる。

…何をするつもりだ。
頭だけでも噛み付く事ぐらいはできる。迎撃を決心した瞬間、

トゥルルルルルル。

携帯電話が鳴り、眼前に迫る気配が消えた。
「…どうしたの。あら、うまくやったのね。おめでとう。」
そのまま足音は離れていく。
危なかった。あと1秒でも遅ければ飛び出してしまう所だった。
でも女はまだ部屋に居座っているため、油断はできない。
背筋は汗まみれだが、呼吸は最小限、目を自然に閉じ、気絶を演技する。

「…ええ。…え?…ったわ。」
女は声を押さえ離れていく。扉が開けられ人の気配がなくなり、静寂が訪れた。

5分ほどたっただろうか?女がいなくなったことを確信し、
ふぅっ息を吐き一息をつく。これは精神が持ちそうにないな。


そんな事を考えた瞬間、首を何者かに思い切り捻り掴まれた。



「どういうつもりかしら?」
449名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 10:23:56 ID:yUD6ownZ
今回は以上です。
馴れない携帯からだったのでアタフタしましたが
未だに改行作業がorz
次回から少し暴力描写が出てくるかもです
450名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 11:49:52 ID:kwPeGi6I
続きを期待して待ってます!!

ぐっじょぶ!!
451名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 12:03:45 ID:WIwFMm6a
GJ!
452名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 12:49:40 ID:Yn2K6x2z
バイオレンスでサスペンスな展開に…… GJ!
次回の展開を楽しみにしてますね
453名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 12:57:30 ID:KXIqddsX
また続きが気になる終わり方だぜ…
たっぷりのキモ成分を期待しちゃうな!

>>436
余計な事だけど敢えて書き込む。人それぞれ価値観は違うんだしお互いほっとけばいいじゃん。
454名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 13:58:38 ID:gFm8rKQB
GJ


なら余計なことだけど敢えて俺も書き込んでやるよ
価値観?…辞書で意味を調べてこい。>>436の言う通りだろ、馬鹿かお前

大体、するなとは言わんが雑談してるやつらの話題なんか
もし、キモ姉妹が○○だったらどうする?とか
キモ姉妹に○○されたら、言ってみたら、とか
キモ姉妹に○○されてみたい

そんなんばっかだろうが。糞つまらん。引く。
言ってる本人たちだけが楽しいオナニーをずっと繰り返してるからこのスレはおかしい、臭いって他のやつからも言われるんだよ
しかもそれでなかなか投下がなかったらくれくれ言って、
投下されても好みじゃなかったらすぐ雑談再開ってどんだけだよ。
絶対GJしろなんて言わないがそれならスルーすればいいのに、すぐ雑談するやつなんか責められて当然だろうが

そんなにくだらない雑談がしたいならvipでスレ立てて自演しながらオナってろ
455名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 14:17:03 ID:IQyqEgjn
koreha
hidoi
turi
456名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 15:44:31 ID:rY99Tja4
いや・・・言葉は悪いが俺も>>454と同意見だけど
ぶっちゃけ雑談とかいらないし、保守でいいじゃん。まあ、するなとは言わんけど
他のやつの大半も雑談じゃなくてSSを読みに来てるんだろうから、その辺は考えた方がいいんじゃないか。

とりあえず、ワンパターンの雑談はかなり痛々しいと言っておく
457名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 16:20:16 ID:nfAbfZ0P
あほくさ
458名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 16:27:00 ID:bYIBgxqB
お前がな
459名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 17:50:30 ID:2PBvbdQJ
ここまで俺の自演

な、なあ姉さんこれで良いだろ!? だから許し…
460名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 17:59:04 ID:AL2iOMBr
雑談問題はSSスレ永久の課題
だが、そんなことよりGJ
461名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 19:53:43 ID:DRlyfA6K
GJ!

雑談は基本飛ばしてるけど、レスが増えてて
wktkして開くと雑談のみとかね…
なにがしたいかわからんw
462名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 20:59:24 ID:7pIRwkJ7
>>461
保守だよ。雑談にそれ以外の意味なんかない。
いいじゃないか。続いている限りスレ落ちないんだから。
463名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:14:23 ID:gFm8rKQB
なんか話がすり変わってるが、雑談がだめなんじゃなく
せっかく職人が投下してくれたのに
すぐ直後に雑談をするような職人のやる気をそぐようなことをするのは考えた方がいいんじゃないかと言っているわけだが
464名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:26:09 ID:+9+0oTr8
何?GJとか言われないと書けないってか?
じゃあやめればいいんじゃね
読み飛ばしてる人だっているだろうし
465名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:44:01 ID:IQyqEgjn
18禁になってから変な子増えたよね
466名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 22:26:51 ID:gFm8rKQB
>>464みたいな超理論にはどうやったら行き着くんだ?
467名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 22:29:46 ID:BBCvto8V
>>448
GJ!
468名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 22:30:15 ID:mWOeVhEP
>>449
GJです
続きが気になります
469名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 22:33:27 ID:X+XYutya
>>466
何も無い所にレスするなよ
470名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 22:46:00 ID:/Qmke084
ああ…ここも修羅場スレの二の舞に…
471名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 23:14:59 ID:HxoYetF0
 /|\
 | キ |        n/ ̄\n
 | キ |        /  (・(・|
 \|/        三    ∞ |三 さよなら キモスレ
  ||         /  / ̄ ̄)
 /──────   \ ̄ ̄)
 |           | |/| | ̄ ̄
 |_| ̄|_| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|_|  |_|
472名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 23:57:29 ID:6L2qB3A9
>>131
お願いですから>>125-130の続き書いてぇ〜
473名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:02:32 ID:H545KsIi
お前ら
変に我を張るような書き込みばかりよりも
雑談の方がマシだとは思わないか
474名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:11:17 ID:d0SGMu4C
まあ直後に雑談といってもある程度時間は経ってるんだよね
いちいち注意するより雑談スルーしてGJなり感想なりつけた方が職人としても気が楽な気もするが
475名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:37:26 ID:riJO+9MD
イチ読者として正直に言わせて貰うと「傷」は少々敷居が高い。
一度に投下される文章量も多いし、過去の設定や人物像も細かい。
だから途中から読んでもよく分からないし
かといって保管庫に戻って読み直そうと思っても、すでに投稿14回目ともなれば、
最初から読み直すのは、ちょっと足踏みしてしまう。
だから提案なんだが、次の投下の時に、これまでのストーリーや登場人物なんかを、ザッとでいいのでさらってくれないだろうか?
多分それでかなり違うと思う。
ワガママ言ってるのは分かってる。
でも、イチ読者として、そうしてくれると嬉しい。
476名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:40:10 ID:FVUqG6+t
>>475
最初からきちんと読んで
キモ姉妹への愛情を示すんだ
そしたらきっと・・・
477名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:53:37 ID:5v41GqbK
まとめサイトがあるんだから、475はちょっとわがまますぎだと思う。
478名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:55:09 ID:jj5pBOgj
傷の文章量が多い…?適量か少ないくらいだろ。これだから日頃本を読まないゆとりは…
綾とか、最近でいうならノスタルジアにフラクタル、短編なら家族〜なんてはるかに傷より多いぞ

まあ、雑談の件は投下直後に雑談するような糞が悪いわな
しばらく時間を空けて雑談するんならいいんじゃね?
479名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:56:16 ID:POM2cO8o
作者の負担が増えるからな
俺も似たような読者の一人だが
だからといってそれを求めてしまうのはいけないと思う
480名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:56:50 ID:haMkzHy3
俺、本当のこと言うと、「傷」を2回読み直してるんだ…

ごめんな、こんなキモい兄で…俺、お前のこと…

…っ!姉さん!っ…違っ!これは……
481名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 00:59:13 ID:EdVyzp+i
書きたいから書いて、でも読んでもらうんだからとテンプレとか流れにも気を使ってくれる作者もいるというのに、おまいらときたらホントに……
自分のことばっかり考えてると、投下する人間も自分のことばっかり考えるオナニー全開モノを書いちまうぜ。
コミュニケーションの基本を思い出すんだ。
各自、スルーの技術を磨くために、このレスに今後一切レスするな
482名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 04:37:21 ID:siQBQD44
嫉妬スレから移民しすぎだろここw
どこに行ってもスレ崩壊させるんだなw
483名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 05:20:04 ID:ptCRI/v0
まぁ、みんな落ち着いてまったりと作品の投下を待ちましょうや
484名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 05:51:02 ID:HpsSPzpO
そ、そ。
別に投下直後にへんなちゃちゃを入れなきゃ問題ないんだから

というわけで、キモ姉さんを監禁してみる
485名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 07:36:00 ID:fKhWR0/4
投下後は自重しよう!が、投下後じゃなきゃ好きにしていいんだ!になっててワロタ

まあ投下後の話は別として、煽りじゃなく純粋な疑問なんだけど
>>454に書かれてるようなキモ姉妹に○○したらどうなるとか、
キモ姉妹or兄弟なりきりとか、おまえのうしろにorうわなにするやめr系とか
をやっている人たちってやっぱり楽しいのかな?

雑談ってもっといろいろあると思うんだけどやっぱ確実にレスがもらえるパタンだからかな
少なくとも雑談の中身が痛いとかの意見がでるのは、
こればっかになってるから一気に不満が噴出したんじゃない?
486名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 07:54:44 ID:6XDmO668
あまり型からはみ出したネタ振りしても
雑談が長期化しちゃうからな
487名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 07:58:28 ID:jj5pBOgj
皆、避難所って知ってるかい?
488名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 07:59:51 ID:6XDmO668
知ってるけど……所詮は外部板だしな
489名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 08:07:25 ID:EmWclHbv
楽しいからやってんじゃね?そんなの聞いてどうすんの?
雑談には賛否あるだろうけど投下しづらい空気だけは勘弁
つか最近臭いと言われてたのは実姉との関係について
ダラダラ語って相談してた奴が痛いからかと思ってた
490名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 09:08:50 ID:8rCNTLzj
春だな
491名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 10:24:26 ID:RqpuXjFu
雰囲気が変わったよね、ここ。殺伐としてる。
492名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 12:23:01 ID:llrmu6pU
「481くん!八つ当たりみたいなどうにもならない怒りを性欲に変えて、
このお姉ちゃんの身体にぶつけなさい!!」
493名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 12:37:26 ID:ZjY2ePyl
普段はそっけない系のキモウトの駄々甘えがみ隊
494名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 12:49:15 ID:5v41GqbK
>492
普通逆だよお姉ちゃんww
495名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 13:45:23 ID:jj5pBOgj
つか、パターンな雑談が変な方向に進んだせいでこういう雰囲気になったんだろ
別に雑談なんかなくても投下しづらい空気っていわないしな
496名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 15:25:00 ID:mHMnOYrv
今綾シリーズ見てきたがあれ良かったね
結末まで全然分からんかったよw
497名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 15:28:27 ID:vcCi9jPS
妹I妹はいつ再開するの?
498名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 16:16:46 ID:mHMnOYrv
>>497
それも好きだ
敬語のキモウトは最高だねw
499名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 16:36:58 ID:MYbHS45L
保守
500名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 20:25:04 ID:ADzKG/4x
vipperは滅びればいいんじゃね?
501名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 20:32:15 ID:Wvib+8wK
 |
 |、∧
 |ω・) ←キモウト
 ⊂)
 | /
 |´

                 ∧,,∧
                ( ・ω・) ←兄
                 ( つ日ノ
                  u-u
502名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 22:22:15 ID:JRgLRQrs
伸びてると思ったら雑談以上に下らん議論かよ・・・
503名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 22:48:59 ID:6XDmO668
ククク
貴様らは既に我ら雑談厨の手中にある
504名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 22:56:40 ID:7DUpw7xg
修羅場スレからきますた!
505レスストッパー:2009/03/04(水) 23:25:16 ID:2vuBJL+h
レスストップ
506名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 01:00:25 ID:zsgJZR08
保守
507名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 02:42:54 ID:nvigvyn6
>>485
もしキモ姉妹に○○したら〜>ドリフ思い出した
508名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 03:56:16 ID:SpGd2qDG
作品が投下されて喜んだ翌日に、こんな悲しいことに……
まあ、以前似たような騒ぎの一端を担った自分が偉そうにいえないけど。

とりあえず、小ネタを投下しておきます。
上のレスで見た「普段そっけない妹のだだ甘え」を参考に。でも姉弟ネタ。
タイトルは「甘酒より甘く」。1レス程度の遊び話。読み難いんで注意。
眠い……これを投下したら、俺、ちゃんと布団で寝るんだ……

次レスより投下。1レスなので投下終了制限はありません。
509小ネタ「甘酒より甘く」:2009/03/05(木) 03:57:57 ID:SpGd2qDG
 俺の姉貴は、暗いわけではないのだが、あまり喋ってはくれない。
 最初は俺が嫌われているのかと思ったが、誰にでもそうらしい。
 万事に対して「へえ」とか「そう」とか「ふぅん」で返すことが多いのだ。
 それ以上に会話をつなげようとしないので、友達もあまり見たことがない。
 比較的俺のことを気にかけてくれているのか、よく俺の近くには寄って来る。
 でもやっぱり、あんまり喋ってくれないので、その真意は掴みづらい。

 そんな「素っ気無い」と誰もが評価するような、俺の姉貴が、
「おとうと〜かわいいよ〜おとうと〜だきしめさせろ〜」
 なんて言って、擦り寄ってくる光景をみたら、誰もがこう言うだろう。
「姉貴、どうした? おかしい言動して。熱でもあるのか?」

「きょうはもものせっく〜おんなのこのひ〜しろざけのむ〜
 でもね〜あまざけもらったから〜のんだんだ〜よったんだ〜」
 どうにも平仮名喋りと波形線のせいで聞き辛いが、甘酒で酔ったようだ。
 姉貴に甘酒を勧めたのは、あの友達の人だろうから、後で説教してやる。
 それより当の姉貴は――俺の身体に絡み付いて、体重を預けてくる。
 やめてよ姉貴。姉貴のナイスバディは、正直俺の好みにどストライクだ!
 ああ、俺ってば実の姉貴に性的興奮を覚える、最低の弟になりました。

「姉貴、ふざけすぎだろ。なんでこんなことするんだよ」
「なんで? しつもんだね〜いいですよ〜なんでもこたえましょ〜
 おねえちゃんは〜なんでもしっている〜さあとうがよい〜」
 む、せっかくの機会だ。普段気になる姉の考えを、いろいろ聞いてみよう。
「姉貴。姉貴はなんで、あまり周りのことに興味無さげなんだ?」
「よくぞきいてくれました〜わたしのきもちをきけ〜!」
 どこかで聞いたフレーズを叫ぶ姉貴。そのネタは年齢的に誰がわかるんだ?
「わたしはね〜おとうとにしか〜きょうみがないんですよ〜」
 なんと、俺の予想が当たっていた。この顔は別に嬉しくてニヤけ(ry
「それで周囲に素っ気無いのか? ならなんで俺にまで素っ気無いのさ?」
「だって〜おとうとにきょぜつされたら〜こわいでしょ〜が〜」
 なんと、普通の恋する乙女のような発言を、姉貴から聞こうとは。
 しかも、抱きついてきて上目遣いって、コレなんて色仕掛け?
「それにね〜ほんとうはあまえたいのよ〜わたしだって〜
 でもねでもね〜わたしたちのなかを〜おとうさんたちにうたがわれて〜
 ふたりがはなればなれにされたくないんだもの〜わかった〜?」
「姉貴はなんか、疑われるようなことを、俺としたいのか?」
「うんしたい〜というかわたしをだけ〜えっちいことするんだ〜」

 俺は紳士だ。そう俺は真摯だ。大事なことなのに2回言えませんでした。
 これは酒に酔って、勢いで言ってるだけなんだよワトソンくん。
「いっとくけど〜うそとかじゃない〜わたしはおとうとにだかれたい〜」
「嬉しいけどさ、俺達は姉弟だよ? 姉弟は結婚とk」
「けっこんはできなくても〜つきあうとか〜えっちはできるぜ〜
 というか〜おねえさんは〜もうえっちなきぶんです〜だきなさい〜」

 正直俺の股間は超絶エレクトあんど待機中。姉貴の色香に惑わされてます。
 でも、でもでも、これは近親相姦です。わるいことです。

――みなさん。みなさんならどうしますか? 誰か助けてください!

                    ― No Continue ―
510名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 04:39:52 ID:k9Wnweak
姉を振り払ってオナニーで解決。GJ
511名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 07:07:37 ID:wBQ+HXxH
年齢の心配はしなくて良い。最新作でも
「私の歌を聞けぇぇ!」とやってるから。
ともあれ結構な御手前でした。
512名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 10:17:32 ID:pna+7SyJ
酔いが覚めて赤面してるお姉ちゃんもかわいいだろうなぁ
513名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 10:59:28 ID:2StrKKkq
弟の姉弄りも見てみたいな
GJ
514名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 17:11:05 ID:y1s7BCp1
>>509
お笑いウルトラクイズの人間性クイズで、寸止め無し状況GJ!!
515名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 20:32:46 ID:zyMIvEXO
GJ
「あの友達の人」
泥棒猫フラグですね
516名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 01:28:11 ID:6wyfWwK7
悲しい口論が一度でも止まれば、それでよかった。
だから、今見たら色々こっ恥ずかしい文章を投稿したんだ……
いくら投下前に寝オチしてたからって、もう少し頑張ろうよ自分。

一人愚痴はここまでにして、またまた小ネタを投下。
今回は前の話の「Side-B」といったところ。甘酒の人のおはなし。
タイトルは適当に「甘いのは甘酒と……」。1レス程度の遊び話。
姉弟ネタの裏だから兄妹ネタです。安直だけど、それでいい。

次レスより投下。1レスなので投下終了宣言はありません。
517小ネタ「甘いのは甘酒と……」:2009/03/06(金) 01:30:09 ID:6wyfWwK7
「さて、あの娘はうまくやっているかな?」
 空っぽの甘酒の缶をくるくる回しながら、私は独り言を呟く。
 あの娘――私の数少ない友達。とても素っ気無くて、とても可愛い女の子。
「まあ、気持ちは間違いなく本物だったし、大丈夫でしょう」
 
 あの娘からあの話を聞いたときは、正直びっくりした。
 弟が好きなの、と恥ずかしそうに私に伝えてきた、あの時の表情。
 他人なんてどうでもいい、という態度からは想像できないほど可愛かった。
 あの顔を普段から弟くんに向けていたら、間違いなく弟くんは落ちていたよ。
 
 彼女が私に相談してくれたのは、彼女の気まぐれだったのかもしれない。
 でも、私のほうは、彼女に相談されたのは、偶然だったとは思わない。
 だって、彼女の悩みは、私とおんなじ悩みだったから。
 血の繋がったきょうだいに、恋心を抱いていたから。
 
 思考を止めて、隣で寝ている兄さんのほうを振り向く。
 うんうん、まだまだぐっすり眠っているね。関心関心。
 この人は、私の愛しい愛しい兄さん。
 私のことを、ずっとずっと守ってくれた、大好きな兄さん。
 
 私が泣いた時は、真っ先に慰めてくれて。
 私が怒った時は、真っ先に宥めてくれて。
 私が笑った時は、一緒に笑ってくれて。
 私が困った時は、一緒に悩んでくれた、優しくて強い人。
 
 今日は私の誕生日。そして兄さんの誕生日。歳は違うんだけどね。
 思っていた通り、兄さんは今年も甘酒をたくさん買ってきた。
 毎年誕生日には、こうやって2人揃って、家で甘酒パーティを開く。
 そして、兄さんは私よりたくさん甘酒を飲んで、酔って寝てしまった。
 
 余談になるけど、この人は昔から甘酒が大好きだった。
 そして、面白いくらい甘酒で酔っ払って、その後はぐっすり眠っていた。
 そんな人だから、昔から私が、兄さんと一緒に甘酒を飲んでいた。
 ほっとくと風邪をひくからと、私がいつも介抱してあげるために。
 
「でもね、今回はいつも通りの介抱なんて、してあげない」
 私だって覚悟を決めた。あの娘も今頃頑張っているんだから。
 もちろんこの人だって、兄妹で付き合うことは良しとしないだろう。
 だから、眠っている今のうちに、優しく優しく、犯してあげる。
 
「甘酒の色は白い色。私の大好きな白い色」
 いつも兄さんの前で言っていた言葉。兄さんの精液を想像しながらの言葉。
 今日は、甘酒より甘い兄さんの精液を、私のナカで受け止めてあげる。
 そして起きた兄さんを脅して、ううん説得して、付き合ってもらおう。
 
 さあ、兄さん。私だって、頑張る時は頑張るんだからね。
 否定なんてせずに、ちゃんと私の恋心、受け止めてちょうだいね。
 
――私は私の恋物語を、ここから次の舞台へと、進めていこう。
 
                      ― Go to NEXT STAGE!! ―
518名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 04:08:11 ID:QmkAP4qV
キモ姉の友人がキモウトって凄いな。無意識に同じ匂いを感じ取ったんだろうか。とにかくGJ!
519名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 05:16:54 ID:bYWB/dL7
友達が言うところの弟が、
主人公の「私」の弟なのかと一瞬思った。
違う、よね……?
この弟って「友人」の弟なんだよね……?
520名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 07:52:31 ID:QHS7BUeZ
なにが言いたいのか…
521名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 18:41:40 ID:tjuCMX91
腹減っ
522名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 18:53:55 ID:Moh4U4WG
兄を犯す妹っていいね!
523名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 21:25:46 ID:GtvXZ0rR
ヤンデレ好きな男がヤンデレに殺されるって言う物を書こうかと思ったけど書いてる途中に気づいた
つまらない
524名無しさん@ピンキー:2009/03/06(金) 21:27:25 ID:F//8OHPJ
そうだな
じゃあハッピーエンドに改変してくれ
525 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/06(金) 23:49:43 ID:6wyfWwK7
書こうと思ったなら、改変込みで最後まで書ききって、ぜひ投稿して欲しい――
と思ったあたりで気がついた。ここは「キモ姉&キモウト」のスレじゃないか。

なんて中途半端に重箱の隅をつつく暇があったので、小ネタを投下。
前から書いていた「甘酒」シリーズの最終ネタ。タイトルは「後味まで甘い酒宴」。
2レス程度の遊び話。姉弟の姉視点と、兄妹の兄視点の2段構成。蛇足な後日談。
相変わらず三人称とかが解り難いのは、仕様です。ウソです、ゴメンナサイ。
あと、ちょっと前倒しなんですが、タグをつけてみようと思います。

それでは次レスより投下。投下終了宣言は省略します。
526小ネタ「後味まで甘い酒宴」(1/2) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/06(金) 23:51:14 ID:6wyfWwK7
「……弟、いくらなんでも、殴りこみというのは――今時どうかと思う」
「いいから、姉貴は黙ってて。俺は単に、自分で納得がいかないだけだから」

 ある休日の昼下がりのこと、私の弟は、ものすごく怒っていた。
 どれだけ怒っていたかというと、私の友人の家に殴りこむくらいに。
「たのも〜、たのも〜! つーか出て来い先輩っ!!」
 ああもう。喧嘩腰の弟も、とってもカッコよくて、愛おしい。
 だから、私の友人より、私に怒ってくれたらいいのにな。

「はいこんにち……あらあらうふふ。君はあの娘の弟くんじゃないの?
 どうしたの? 私はなにか、あなたに悪いことしたのかな? かな?」
 ああ、いまの発言で、また弟の怒りのボルテージが上がっているみたいだ。
 だけど、どうしてあなたに手を出した私じゃなくて、その子に怒るのかなあ。
 私なら、あなたのどんな気持ちだって、この身に受け止められるというのに。
「う、うるさいうるさいっ! あんたが姉貴に甘酒なんか渡すから……!
 俺は……俺は……! ああもう許せない! 成敗するからそこに」

「ただいま……って、何ウチの前で騒いでるんだ。君達は」
 対峙する私の友人と弟を、後ろから眺めていたら、突然背後から声をかけられた。
 おやおや、確かこの人は私の友人の、お兄さんじゃなかったかな?
 友人に教えてもらっていた通り、とても妹思いの、優しい男性のようだ。
 今だって、自分の妹に敵意を向ける、私の弟のことを警戒している。
 本当に妹のことを大事にしているようで、理想の兄妹関係のようだ。
「な、なんなんだあんたは――って、あれ?」
「僕は、君が睨んでいる女の子の兄だが――って、まさか?」
 むむ、何か勝手に2人で分かり合っているらしい。なんか納得がいかない。
 弟の気持ちを心の繋がりだけで理解できるのは、姉である私だけでいいのに。
 まあよかった。とりあえず殴りあいの喧嘩にに発展する可能性はないようだ。
 いまこの場面は、私の友人のお兄さんに、感謝しておかないとな。
 
 
「あなたはここで待ってなさい。弟くんの心配はしないでいいよ。
 私の兄さんは、ちゃんと相手の意思を汲んで、話をする人だから」
 そんな感じに宥められて、私は友人の部屋で待たされている。
 あの後、なぜか友人のお兄さんが、私の弟と話をしたい、と言いだした。
 そして、私の弟もそれを承諾してしまった。
 正直なところ、さっさと帰って、弟と遊びたかったのに。
 弟にもそう訴えてみたのだが、すげなく断られてしまった。
「俺も先輩のお兄さんと、少し話したいことがあるから、帰っててもいいよ」
「……ううん。私もここで待つ。帰るときには声をかけて」
「わかったよ。すこし遅くなるだろうから、先輩と遊んで待ってて」
 そんな会話を交わして、もう1時間は経つが、私の弟はまだ帰ってこない。
 何かを確認しながら、私と話していた友人は、なぜか急に台所へ行ってしまった。
 
 あの日から、私は家にいる間じゅうずっと、弟の傍に寄り添っていた。
 それこそ、食事中でも、入浴中でも、勉強中でも、布団の中でも。
 だからこそ、私の傍に弟がいない、今の状況がとても寂しくて切ない。
 あの日、いやそのずっと前から、私は弟がいないと、不安でたまらないのに。

――ああ、私の弟。早く帰って、また遊ぼうよ。いっぱい愛してあげるから。
527小ネタ「後味まで甘い酒宴」(2/2) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/06(金) 23:51:43 ID:6wyfWwK7
「まあ、妹の注いでくれた粗茶ですが、どうぞ」
「あ、はい。ありがとうございます」
 ふむ、どうやら彼が、僕の妹の話していた、例の素っ気無い女の子の弟くんらしい。
 最初は怒鳴っていたから驚いたが、なかなか真っ直ぐな、好青年じゃないか。

「それで――先輩のお兄さん、もしかしてあなたも?」
「うん、君の予想通りだね。僕も妹にやられちゃったよ」
 どうやら彼も、実の姉にやられてしまったらしい。お互いつらい立場だね。
「やっぱりあなたも――それで、姉貴にその助言をしたらしい先輩に、
 文句の一つでも言いたくなって、今日ここに来たんですけど……」
 ああ、わかるよその気持ち。僕もあの後、妹に色々言ったんだけどね。
「あの子――いや、あの子たちは、一切悪びれてないんだろうね」
「そうなんです……俺の姉貴も『愛してるからやった』の一点張りで、
 俺は、俺はもう、どうしたらいいか、わからないんですよ」
「ふむ、状況が状況だから、悩むよねえ。だから、そんな君に助言しよう。
 『愛し合うことは自由だ。だから受け入れるのも、また人生』だよ」
 
 あ、固まった。妹が話していた通り、わかりやすくて面白い少年だ。
「そ、そんな……! それじゃあこの異常事態で、何の解決にも」
「いやいや、実を言うと僕自身、妹のことを愛してはいたんだよ。
 ちょっと色々すっ飛ばしてくれた妹のせいで、こんな感じになったけど。
 僕自身は、今の関係に何の不満もなかったりするんだよねえ」
「そ、それでも、俺は……俺は今の関係には」
「倫理的には賛同できないけれど、受け入れてはいるんだろう?
 だったら、君はちゃんと、自分のお姉さんと向かい合うべきだよ。
 そもそも君だって、元々お姉さんに対して、そういう目を向けていたんだろう?」
 酷い仕打ちを受けながら、それでも姉に怒れない。その態度からバレバレだよ。
「う、ううううう。なんか言いくるめられているような気が」
 まあそうなんだけど。でも現状はもうどうしようもないだろうに。

 そうこう話しているうちに、台所のほうから、アレの匂いが漂ってきた。
「あれ? 何ですかこの匂い――ま、まさか甘酒の匂いですか?」
「そうだね。僕はコレで酔い潰れた所を、妹にやられちゃったんだ。
 それ以来、この匂いがする時は――ああ、ちょっと眠くなってきたかな」
「え、ちょっとそれはまずいですよ! 起きてくだ」 バタンッ!
「さあ、我が親友の弟くん。私の兄さんは眠気に襲われてるんだから、帰りなさい!」
 あはは、はりきってるなあ妹ってば。今日は何回くらい相手することになるかな?
「ちょっ、そんな理不尽なことを平然と言うなよ先輩っ! 俺はまだこの人に」
「……弟、愛し合う2人の邪魔は、するだけ野暮――帰ろう?」 ギュッ
 う〜ん、妹の友達さんも、なかなかの独占欲を見せつけてくれるね。
 僕としても、妹と自分の痴態を、他人に見せる趣味はないから、そうして欲しい。

 
「あの2人は帰ったよ。さあ兄さん。いつもみたいに、あなたを介抱してあげるね」
「お願いするよ。ところで彼らは、納得して帰ってくれたのかい?」
「大丈夫だよあの2人は。なんだかんだであの姉弟、手を繋いで仲良く帰ってったし」
 そうか、ならば憂いはないな。僕は僕の愛する妹のことだけ見ていよう。
「ちゃんと私を見てね、兄さん。私は、あなたを本気で愛しているんだから」
「わかったよ。そのかわり程々にしてくれると助かるんだけどね」

――僕はもう決めたんだよ、弟くん。君もちゃんと、お姉さんを見てあげるんだよ。


                                ― Good End ―
528名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 00:51:20 ID:KhfUj2fv
>>527
GJ
529名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 00:52:08 ID:KhfUj2fv
sage忘れすみません
530名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 01:07:49 ID:FunaP2Zd
乙!!
だが一言いいかな?
視点の切り替えが唐突で分かりにくい。
誰による誰に対してのト書きなのか分からなかった瞬間が結構あった。
531名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 01:35:46 ID:r14of2bi
てst
532名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 05:32:08 ID:C3RYFR3o
ねえ、抱いてよ。お兄ちゃん。

お兄ちゃんが私にいっぱい優しくしてくれたから、私お兄ちゃんを好きになっちゃったんだよ?もうお兄ちゃん無しじゃ生きていけない体なんだよ?

ほら、おなか触ってみてよ。きゅん、きゅんってお兄ちゃんが欲しいよ、欲しいよって言ってるでしょ?

お兄ちゃんのせいなんだよ!私をこんなにしたのはお兄ちゃんなんだよ!

それなのに何で今更逃げるのよ!責任とってよ!

お兄ちゃん以外に愛してる人なんかいないしできないもん!私の体も、未来も、全部お兄ちゃんだけに捧げるもん!

ねぇ、ダッチワイフだっていいから犯してよ。満たしてよ。愛してよ。ねえ、ねえ、ねえ、ねえ………
533名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 22:51:06 ID:q5X+0qgk
兄「良いから服を着なさい、服を」
534名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 01:56:47 ID:Ugjawi6e
兄「とりあえず落ち着きなさい。そして風呂入って寝なさい」
535名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 02:06:12 ID:mEDalIAO
亀レスながら
>>527
GJ!!
お兄さんが素敵です
536名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 14:19:52 ID:Mq1Ha90b
兄「キモッ!! お前みたいな変態妹なんて誰が抱けるか。二度と俺に話しかけるな!」
537名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 20:02:02 ID:ydXa9lTA
>>536の様なことを愛しい兄さんに言われた全国のキモウトさんへ!!
本日ジャ○ネットがお勧めする商品はこちら!!

(バン)

キモラブメイカー!!


こちらのサプリメントをお兄さんの摂取食品に混ぜるとなんと。
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「ばかね〜、こんな怪しい通販商品誰が申し込むのかしら…」
「姉貴には必要ないもんな。俺たちは既に愛し合う間柄だし」
「いやん!!こんな明るいうちから…」



『ふふっ効果は実証済なのよ、(弟)ちゃん』
538名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 20:09:31 ID:6bYcTPWO
で、この弟くんはレイプ目をしているわけですね。
539名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 20:37:16 ID:8occfv50
>>537
( ゚д゚)・・・

( ゚д゚ )
540名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 21:07:45 ID:oRQ1iDcu
こっち見んな
541名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 22:03:35 ID:Bz2QPJQI
>>539
キモウト『ハァハァ!兄さんもっと私を見て!!
      兄さんに視姦されてるううううう!!!』
542名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 22:39:45 ID:jwKBhFfc
>>541
父「( ゚д゚)・・・」

母「( ゚д゚ )」
543名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 22:40:59 ID:I4Ohqbc0
こっち見んな
544名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 22:49:44 ID:91b5HZL+
なんだこの感覚は・・・

・・・デジャヴ!?
545名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 22:50:29 ID:m5ll+aMh
実際、自分達の息子・娘がそういうことになった場合
親としてはどんな気分になるんだろうな

ROOM No.1301では
父親はその場で泣いて説教→ 後に主人公を避けるようになって、たぶん死ぬまで会わないっぽい
母親は精神的に不安定に → 後に主人公の存在を記憶から消し去る
ってパターンだったけれど
546名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 00:21:01 ID:JeJkEDXX
>>545
ちゃんと続き読んだか?
547名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 01:52:25 ID:5Yb0CYhZ
>>545
ROOM No.1301というのが何かは知らないが
おれが親父なら、そんな息子はやっぱり許さないだろうな
548名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 02:08:29 ID:QtMsmH4L
弟1「えー!?弟好きー?」
弟2「弟好きが許されるのって小学生までだよねー」
弟1「姉ちゃんキモーイ」
弟1・2「キャハハハハハ」
549名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 02:37:10 ID:QGZzlGs2
姉「好きで悪い? キモくてごめんね。でも仕方ないじゃない。だって弟が可愛いんだもの。
でもキモイって言うのはさすがにお姉ちゃんちょっと怒っちゃうなー。こんな弟に育てた覚えはないんだけどなぁ…。
お姉ちゃん悲しいなーとっても傷ついたなー……傷ついた責任、とってもらうから……」ヌギヌギ
550 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/09(月) 04:33:41 ID:OpS1OC3H
上の2レスの流れに乗りたいけど、現在アンカネタ自重中なのでパス。
でも好きな流れなので、これをネタに何か小ネタを書いてみたいかな。

なんて偉そうなことをいいながら、さっき書いた小ネタを投下。
タイトルは適当に「このロリコンめ!」。1レス程度の遊び話。
そのまんま、ロリコン?な弟と、年上の姉の話。
正直オチが見え見え? ゴメンね、それでも許してね。

次レスより投下開始。1レスだけなので投下終了宣言はありません。
551小ネタ「このロリコンめ!」 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/09(月) 04:34:27 ID:OpS1OC3H
「ふへへ、かわいいな〜」
 ぼくは、前に卒園した幼稚園のアルバムを、ニヤニヤしながらながめている。
 ニヤニヤしている、というのは、ねえちゃんに言われてから気づいたんだけど。
 なぜかねえちゃんは、ぼくがこのアルバムを見るのを嫌がる。
 でもこのアルバムには、ぼくの思い出と、僕の大好きな女の子たちの写真がある。
 だから、ねえちゃんに隠れて、このアルバムを見ているんだけどね。 

 そんなことを考えていた時、ぼくが隠れていた部屋の、ふすまが開いた。
「ただいまあ、愛してるよお、私のおとう――
 ねえ、おとうと。何をしているのかな? かな?」
 甘やかすような声が一転、『ぜったいれいど』の低い声になり、部屋に響く。
 おそるおそる、ぼくはふすまのほうを振り向いた――
 そこには、ぼくのねえちゃんが、コワイ顔をして立っていた。

 今年で二十歳になるねえちゃんは、とてもカッコよくて、とても美人だ。
 学校でも、何十人という男の子に告白されているって、うわさを聞いた。
 けれど、ねえちゃんはソレを全部おことわりして、ぼくにかまってくる。
 そして、ねえちゃんはしきりに、ぼくに「私のこと、好き?」と聞いてくる。
 ぼくは、ねえちゃんも好きだけど、10才手前くらいの女の子のほうが好きなんだ。

「またアナタはそんなものを見てるのね……!
 ねえ、知ってるの? ううん、いつも言っているよねえ!
 そんなガキ共のことを好きなヤツの事を、ロリコンって言うのよ!」
 いつものねえちゃんの小言。でも今日はなぜかゆるせなくて、ぼくは口答えした。
「べ、別にぼくが幼稚園のアルバムを見たって、いいじゃないか!
 これには、ぼくのだいすきな女の子たちの写真がのっているんだ!
 それを否定するなんて……ぼくの宝物を否定するなんて……
 そんなイジワルなことばっかり言う、ねえちゃんなんて、だいっきらいだ!!」

 そしたら、ねえちゃんは急におとなしくだまりこんでしまった。
 ちょっと悪いことをしたかな、と思って、ねえちゃんのほうを振り向いた。
 ちがう、だまってなんかいない。ねえちゃんは、ぶつぶつと何かしゃべっている。
「アナタは私を見てればいいの。アナタは私が大事に育ててきたの。
 アナタは私のものなんだから。アナタは私が大人にしてあげるの。
 アナタは、私が……私の……私が……」
 その言葉が聞こえたとたん、ぼくのカラダに一気にトリハダが立った。
 まずい、このパターンになると、ねえちゃんは――

「おとうとの、ばかあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 すさまじいスピードでくりだされる、張り手。平手打ちなんてもんじゃない。
 ねえちゃんの細い手が、恐ろしいほどの重さを乗せて、ぼくに迫ってくる。
 よけられる――いや、むり――死!
――しぬまえには、『そうまとう』っていって、まわりがゆっくりみえるんだって。
 ほんの少し前に、近所の女の子に教えてもらった言葉を思い出す。

―――パアアァァァァァァァン!!
 とんでもない痛み。とんでもない音。ぼくのからだが浮き上がる。
 そしてそのまま、となりにある本棚に、いきおいよく叩きつけられた。
 そんなぼくをながめて、ほんの少しおろおろしながら、ねえちゃんは叫ぶ。
「この……この、ロリコンめっ!!」

――あのね、ねえちゃん。ぼくはまだ、7才なんだよ。
――幼稚園児くらいの女の子に、ドキドキしたっていいじゃないか。

 そう心の中でつぶやきながら、ぼくは意識を失った。

――目を覚ましたら、またハダカのねえちゃんが、ぼくを脱がせて添い寝してるのかなあ。
552名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 09:58:00 ID:iJeumIk+
弟がロリコンなんじゃなくて姉がショタコンなだけw
弟の事をロリコン云々とか非難する資格0だし
弟も姉にそんな非難をされる筋合いは全く無いw
七歳って確か小一だったよね?


>よけられる――いや、むり――死!

ゴレイヌ乙
553名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 10:41:27 ID:V+PU2n+w
なんという…おませさんな弟だ。
554名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 15:22:18 ID:9/DcHFFa
>>551
弟の小学校で「ねえ、ちゃんと寝てる」
、って尋ねるクラスメートをやりたいです。
555名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 17:48:48 ID:iJeumIk+
>>554
俺が通ってた小学校では「ねえ、ちゃんと風呂入ってる?」だったな
556名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 18:09:34 ID:FuVwoAlG
俺は高校まで母さんと風呂入ってたし小学時代隠しもしなかったぜ
557名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 18:18:31 ID:rHjSkbTT
母さん代わりの姉さんと風呂に入っていたと受け取ってよろしいですね
558名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 18:23:45 ID:qK7sTEEY
居間でスクワットしててもウザイとか言わなくて
風呂上りにパンツ一丁で歩いてても文句言わなくて
プロテイン飲んでるの見てもキモイとか言わない姉妹が欲しい……

朝の散歩から汗まみれで帰ってくると露骨にうわっなんて声に出して言うやつはいらないZE
559名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 18:27:20 ID:mTYy6AR4
居間でやったらそりゃ邪魔だろう姉ちゃんが正しい
俺は今でスクワットしたりしないからくれよ
560名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 18:53:24 ID:f/xjThg0
肉体派のキモ姉を受信。キモ姉なら居間でバーベル上げても、
朝の走り込みから帰って湯気出してても美しい。それを、キモイ
と言ってしまった弟をry)
561名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 19:27:44 ID:aykGYdeb
大胸筋に挟むのか。
562名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 20:16:47 ID:ZyJZtanT
ガッツに溢れている姉ですね
563名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 20:31:34 ID:QGZzlGs2
アンチェインってあだなのオリバな姉が大胸筋で弟の顔を押し潰……
「スマートな弟だぜ」
564名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 20:51:59 ID:5Yb0CYhZ
>>563
弟「姉ちゃん持ち味いかし過ぎなんだよッッ!!」
565名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 21:39:24 ID:EJnyUnAt
>>562
やめろwww
あれの新作を想像してしまったじゃないか・・・
566名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 22:38:22 ID:ZKP3fw7u
そう言われてみれば、タカさんほど『キモ姉』のふたつ名がしっくりくる姉さんも
存在しないかもな。

まさにキモ姉ofキモ姉。
King of キモ姉。

長かったな。
このスレもPart18にしてようやくラスボスの登場か。




もしかして、ここからしばらくこのスレにタカさん旋風が吹き荒れる?
567名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 22:57:24 ID:zhg8FNRy
元ネタわからん奴からすれば早よ吹き去ってほしいです
568名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 23:00:09 ID:aykGYdeb
元ネタらしき物を検索した……俺は今、>>561を書き込んだことを深く後悔している。
569名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 23:29:36 ID:mTYy6AR4
ぶっちゃけ美人であるならごつくてもいい
570名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 00:11:22 ID:bmTVnBJc
殺意の波動とかなんちゃらの血に目覚めてても
571名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 03:49:51 ID:oQU/AFqQ
姉ちゃんに瞬獄殺されたい(性的な意味で)
572 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:06:35 ID:nM3sW5GW
元ネタ解ってもいいことないし、ぶっちゃけ「姉」ですらねえorz
趣味思考は人それぞれ。強くて美しいお姉さんは、大好きです。

初めての短編投下。本当はだいぶ前に作っていたけど、推敲に次ぐ推敲の日々。
いい加減腐る前に投下するけれど、内容には一抹の不安が。詰め込みすぎ。
タイトルは「Le sort conseiller.」。異国で人外で時代モノの話。
資料なんて無いので当てずっぽう。この作品はフィクションです。実際の(ry
エロの本番シーンは書けません。直前までで止めてます。キモさは薄いです。

次レスより投下。10レス予定。投下終了宣言あり。
573Le sort conseiller. (01/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:10:27 ID:nM3sW5GW
 地中海沿岸諸国のひとつ、その領土にあたる、名も無き無人島にある森林の中。
 夜空に輝く満月の下、私は伝説と呼ばれた闇の眷属、『吸血鬼』と相対している。
 あちらの構えに一切の隙はなく、こちらも一切の隙を見せるつもりはない。
 完全なる膠着状態。どちらが動くかを、ただひたすらに窺いあう。
 そして、一刻が過ぎた頃――ようやく、私から動き出した。
 数瞬遅れて、彼の吸血鬼も動き出す――が、速い。
 人間と、吸血鬼の、圧倒的な性能差。身体能力の絶望的な違い。
 こちらが手にした霊刀を一振りするうち、あちらは手刀を二度振るう。
 私の刀を一手目で返し、二手目でこちらの身を打ち据える。その繰り返し。
 私の身体能力は、同じ人間族の中でも高いほうなのに。
 並みの人間族なら、相手の手数が3倍近くに増えるだろう。
 幸いなのは、私の霊力が高いおかげで、相手の手刀の威力が軽減されていることか。
 そうでなければ、吸血鬼特有の怪力で、一撃で豆腐のように両断されているはずだ。

――焦るな。私一人でこの吸血鬼を倒すのではなく、確実に倒すことが必要なのだ。
 じりじり、と自らの身を引かせる。相手に圧されて、引き下がるように見せかけながら。
 制限だらけのこの森林から抜け出し、開けた場所に戦場を移すために。
 木に囲まれた森林では、刀を振り回しづらい。同時に、相手は飛翔することができない。
 むしろ、相手が飛翔するようならば、私は即座に殺されてしまうだろうから構わなかった。
 しかし今回に限り、森の外でも、この吸血鬼は飛翔することが不可能だろう。
 何故なら、この森林の先には――
「さあ、どうやって、私に近づくかな?」
 わずか踝程度の深さだが、幅の広い川がある。吸血鬼の苦手な、流れ水の上だ。

「流れ水、か……」
 吸血鬼がようやく口を開く。なかなかよく通る、美しい声だ。
 見ると、月の光に晒されて、その美しい相貌も顕になっている。
「お前に恨みはないが、私も仕事でな。悪いが討たせてもらう」
「そうか。しかし、その位置から何をする気だい?」
「こちらに飛び道具がない、と? ふふ、問題ない」
 何故なら、私は1人ではないから。私は――私達は2人で1つだ。
「――っ、これは……銀の、刃?」
 私の言葉を合図に放たれた、金属製の刃が、吸血鬼の右腕に、3弾命中する。
「私の祖国では、手裏剣と呼ばれている、暗部の者が嗜む、鉛製の投擲武器だ。
 ただし、そいつはお前達闇の眷属によく効く、白銀(しろがね)の特別製だがな」
 どうやら、初撃は成功らしい。相手に発射位置も悟られていない。
 私達が3日3晩をかけて編み出した「隠身之陣」は、この吸血鬼にも有効なようだ。
「伏兵、か。なるほど、ただの猪突猛進な若者ではないらしい」
「さてどうする? 伏兵は、幾重もの隠身の符術と結界で、お前には見えなくしてある。
 お前が伏兵を見つけ出す頃には、お前の身体は銀の刃の剣山になっているだろう。
 では、降伏して首を差し出すか、見苦しく足掻くか、選ぶがいい」
 
574Le sort conseiller. (02/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:11:27 ID:nM3sW5GW
 さて、これで陥落しなければ、私か、隠れている私の弟子、どちらかが死ぬことになる。
 いくら強力な術で守られていても、ここが川の上であっても、関係なく、だ。
 さすがにこの吸血鬼とて、単なる馬鹿ではないだろう。
 水の上を渡らずに、こちらを攻撃する方法くらい、心得ているはずだ。
 術で姿を確認できないだけの人間を殺傷する技術ぐらい、心得ているはずだ。
 そのような展開だけは避けたいところなのだが、この者はどう出てくるか。
 そんなことを私が考えていると、突然吸血鬼が、口元に笑みを浮かべる。
「どうした? 諦めがついたのか? それとも、選択の極限で気が触れたか?」
 ひるまずに、さらに口撃。相手より冷静に、優位に立たなければいけない。のだが――
「いいや、どちらでもない。どうやら僕の勝ち、らしい」

 轟音。
 何事かと後ろを振り向けば、流れる川の水ごと、大地が抉れて舞い上がっていた。
 同時に、周囲に四散した大量の細かい水飛沫によって、視界が遮られる。
 あの陥没した地点は、私の弟子が身を潜めていた地点だ。どうしてわかった?
 いや、それより弟子は無事なのか? どうやってあの位置を攻撃した?
 あの吸血鬼は、私の目の前で、一切動いていなかった筈ではないのか!?
 予想外の攻撃に、私が吸血鬼そのものから注意を逸らした数瞬の間。
 吸血鬼がその身を眩ませ、同時に周囲を舞う水飛沫の濃度が、不自然に増した。
 いや、これは水飛沫ではなく、霧――吸血鬼の、得意技!
「動くな。動くと貴方の身体から、4条の血飛沫が舞うよ」
 声が響くと同時に、私の身体の4ヶ所――太い血脈の通う部分に、爪が添えられていた。
 右腕の霊刀だけでは、反撃に回れない。その前に、私の身体を鋭い爪が貫く。

「何故だ? 仮にもここは川の上だ。流れ水の上に吸血鬼は――」
「妹のおかげだね。彼女の攻撃が、君達の足元に流れる水を、飛沫に変えてくれた。
 空気中の水分は、僕の武器となる。吸血鬼の霧化能力は、有名だろう?」
 言われてみれば、足元を流れる水が、いつの間にかなくなっている。
 言葉通り、川の水は飛沫に変えられたようで、上流からの水は、土砂で塞き止められていた。
 妹――なるほど、相手も伏兵を張っていたのか。文句は言えないな。
「わかった、私――いや、私達の敗北だ。ところで、私の弟子――弟は、生きているのか?」
「弟? 君の仲間は、君の弟くんだったのかい?」
「そうだ。師匠である私が敗北した以上、彼も抵抗はしないだろう。生死を確認させてくれ」
 もし彼が死んでいたら、さすがに私も冷静ではいられなくなるだろうが。

「こいつなら、いきてるよ」
 場にそぐわない、幼い少女の声。吸血鬼の爪がさげられたのを確認して、振り向く。
 そこに居たのは、背に翼を生やし、両腕が獣の形をしている、人型の少女。
 獣の身体を持ち合わせる闇の眷属――獣人、ではなくて、人狼族のようだが。
 その片腕には、気を失った私の弟が、抱えられていた。五体とも満足のようだ。
 しかし、あれほどの衝撃でほとんど無傷とは――この娘の持つ、特殊な能力だろうか?
「よくやった。殺さずにうまく沈黙させられるようになったね。僕の自慢の妹」
「片手でコイツを気絶させ、もう片手で水を飛沫に変える……やりづらいよ」
「そう言わないでおくれ。殺さずに戦いを収めることは、全てにおいて最良の道だよ」
 どうにも情けないが、私達ではまだまだ、この兄妹に勝てないようだ。
 まあ、情けをかけられたとはいえ、私達2人が無事なのは、感謝しないといけないな。 
575Le sort conseiller. (03/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:12:52 ID:nM3sW5GW
「これでよし。僕も手刀の威力を加減していたとはいえ、人間の身には堪えたと思う。
 妹と2人で学んだだけの、独学による薬物精製だけど、多少は回復も早まるだろう」
 先ほどの戦場となった森林の更に奥深くの古屋敷、通称『森奥の屋敷』。
 その一室で、私は先程戦った吸血鬼に、治療をされていた。
 本当に、至れり尽くせりで情けない限りだが、好意には甘えておこう。
 というより、手刀そのものも手加減されていたとはな。本当に性能差があり過ぎだ。
「かたじけない。元々霊力で身体防御は固めていたのだが、それでも痛みは通るからな。
 このぶんなら、今から出ても、明日の朝には、この国から離れられるだろう。
 まあ、私の弟の体調にもよるから、すぐに立てるとは思わないが」
「ふむ。でもいいのかい? 君達は私達を倒しに、わざわざこの森に来たのではないのかい?」
「それは問題ない。お前――貴殿を狩りに来たのは、最後の試練がわりのようなものだ。
 倒せなかったというのなら、まだまだ修行不足だった、ただそれだけのことだ」
 これは事実だ。別に彼らを倒すことが、私達の最終目標ではない。
「ふむ。なにやらおもしろそうな話だね。聞かせてもらってもいいかい?
 どのみち今は夜だから、この森から出ても、どの町にも立ち寄れないからね。
 なに、この国の各街道の道中、および街道から至る国境線付近には、必ず宿屋があるからね。
 一晩ほどここに停泊して、昼からここを出ても、なんの問題もなく出国できるよ」
 何と。この吸血鬼は、自分達を襲撃してきた連中に、屋敷の一室さえ勧めてくれるのか。
「仕方がない。負けた上に招かれた以上、貴殿達に逆らう術も、その必要もないからな」

 そうした流れで、私はこの好奇心旺盛な吸血鬼に、自分達の身の上を話した。
 私の名が「咲(さく)」、弟の名が「鈴(すず)」、実家の屋号が「上巻(あげまき)」であること。
 自分達は遠く東方の国、日本の出身であり、家のしきたりで、大陸の西の果てに来ていること。
 ここでの目標は、妖魔と呼ばれる存在を滅する者として、ある程度名をあげること。
 目標を達成できないと、実家はおろか、祖国にさえ帰ることができないということ。

 そういった話をして、ふと彼を見ると、なにやら考え込んでいるようだった。
「ふむ。どうやら君達は、『魔物狩り』の中でも、なかなか稀有な存在らしいね。
 僕達の知っている魔物狩りは皆、人格も、過去の生き様も、いろいろ逸脱していたよ。
 それに比べ、君達は僕や妹のような存在にも、ちゃんと向かい合って話してくれるしね。
 しかし、そんな君達にこそ、僕は聞きたいんだ。
 何故に家訓やらしきたりやら、そのようなものを大事にしているんだい?」
 なんというか、突然の質問に面食らった。
 これまでそんなことを、祖国の家族を含め、誰かに問われたりしたことなどなかったからだ。
「それは、貴殿達が闇の眷属で、家族に対する概念が人間と違うから、疑問に思ったのか?」
「いや、そうではないよ。私自身、家族は大事だし。吸血鬼は、家族で暮らす者も多いんだよ。
 ただ、私の場合は、妹のことがあるから、他の家族から離れて生きているだけさ」
 妹……? あの少女に、何か秘密があるのだろうか?
「妹について聞きたいのかい? ならそろそろ来るはずだから、その時に説明するよ」
 ああ、どうやら顔に出ていたらしい。私の悪い癖が、いまだに直ってないらしい。
576Le sort conseiller. (04/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:13:59 ID:nM3sW5GW
「お兄様、あの少年の治療、終わりました」
 妹と呼ばれていた少女が、扉を開けて入ってきた。弟の受けた傷は、軽かったようだ。
 よかった。どこか不随になっていれば、この先の旅が本格的に辛くなっていただろう。
 まあ、私の心配どころは、それだけでは決してないのだが。
「ああ、ご苦労様。おいで、紹介するよ。この人の名前は咲さん。あの少年は」
「いえ結構ですお兄様。この方達の名前になど、興味はありませんから」
 なんというか、失礼な女子だな。私の弟までないがしろにされると、腹が立つ。
「ああ、気分を害したのなら、僕から謝罪するよ。この子はどうも、人見知りし過ぎてね」
「ちがうよおにいちゃん。わたしは、おにいちゃんいがいに、きょうみがないだけ」
 ん? 明らかに違和感がある。突然雰囲気というか、口調が変わったような。
 そういえば先程の戦闘後にも、突然声が大人びたような気がしていたのだったな。
「……咲さん、気づいたようだね。この子が今、別人に入れ替わった気配に」
 なんと、あの一瞬で、別人に替わったのか? しかし外見が変化した様子はないが。
 いや、彼女の身体をよく見ると、わずかに体型に誤差が見られるような……?
「ふふ、いつも驚く人が多いんだ。この子は一応、人狼族の生まれではあるんだけど、
 その中でもさらに稀有なところがあるから。今度は僕達の話の手番(ターン)だね」

 先程とは反対に、今度は私が、彼らの話を聞くことになった。
 彼、兄の吸血鬼の名は「アリミレ=クリムゾニア」、通り名は『運命狂わせ(ベクトルヴィルング)』。
 彼女、妹の人狼の名は「ドーラン=クリムゾニア」、通り名は『二十四瞳姫(トゥエルブアイドル)』。
 彼らは人間社会でいうところの異母兄妹らしく、父親は既に故人とのこと。人間だったそうだ。
 アリミレの方は、元人間だったのが、他の吸血鬼(故人)に咬まれて、吸血鬼となったらしい。
 逆にドーランの方は、母親が人狼だったため、ハーフとして闇の眷属の仲間入りをしたらしい。
 なんというか、偶然にして後天的に、2人は闇の眷属として、真の兄妹になったそうだ。
 そしてドーランの秘密――彼女は、人狼族のハーフにして変異種、キメラ系の存在だというのだ。
 
「キメラ系の人狼――というのもわかりにくいので、あえて人獣と呼ぶことにするけれど、
 大抵は2種類以上の動物の血を持ち合わせている。キメラとは合成獣のことだからね。
 そして、妹は――ドーランは、12種類の獣の血を、その身の内に秘めているんだ」
 そこまで教えてもらっても、先程の微細な変化の説明には、まだ結びつかなかった。
 12種類の獣の特殊能力が、他の人獣系にはない、強力な武器になることしか、わからない。
「あんた、頭わっるいわねェ! 12種類の獣が身体に居るってことはねェ、つまり……」
 また突然しゃべり方が変化した。せわしない娘だ。おや、別に変化する?
「ああそうか。12種類の獣が、別々に意思を持っている、ということか」
「ご名答。ドーラン、頭悪い呼ばわりした事、ちゃんと訂正しておきなさい」
「むうぅ……悪かったわね……とりあえず、あたしは12重人格っていうらしいのよ」

 その後の兄妹の説明によると、12人とはいっても、同時に3人の顕現が限界らしい。
 それはつまり、同時に3匹の動物の特殊能力を使用できるということか。
 そういえば、先程から3人分の別個の喋り方が、交互に入れ替わっているようだ。
「さっきの戦闘では、「鳥」の飛翼と「犬」の検知嗅覚、「龍」の密度操作を使ったのよ。
 それから今の私の中身は、平仮名喋りが鳥で、お嬢様言葉が龍、この喋り言葉が犬だから」
「ん? 鳥と犬はわかるが、龍とはなんだ? 密度操作というのも、初めて聞くぞ?」
「あたしの身体の中には、東方で有名な「十二神将」または「干支」の獣の血が流れているの。
 密度操作は、モノを粒に分解して霧状にしたり、粒を凝固させて熱を生み出す、伝説の力ね。
 その気になれば、あらゆるモノを、触れるだけで粉々にできるみたいだけど、やらない。
 さっきはそれで、川に流れていた水を分解して、霧状にしてあんたにぶつけたのよ」
 十二神将――子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の12の獣だったな。どこかで聞いたことがある。
 密度操作とやらは、水を霧粒にしたり、逆に氷塊に固めたりするものと考えればいいのか。
577Le sort conseiller. (05/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:14:50 ID:nM3sW5GW
「まあ、僕にさえ妹の全ての能力は理解できていないからね。理解半分くらいでいいよ。
 とにかく、そんな多数の獣の意思――多人数が同じ身体に存在すると考えてごらん。
 思考とか、挙動とか、常に不安定になってしまう。酷いときには、暴走もする。
 それで妹が忌避されるのが嫌で、僕は同族から離れて、妹を引き取って隠居している。
 まあ、僕自身も、仲間内から「はぐれ者」というレッテルを貼られる変人だったからね」
 そう言って微笑むアリミレ。美しい相貌のせいか、微細な表情変化がよく生えている。
 その一方で、ドーランはというと、兄に見蕩れながら、私を睨みつけてきている。
 器用だなと思う反面、私の頭の中に、少しばかりの疑念と悪戯心が浮かんできた。
 よし、ひとつ試してみるか。
「なるほど、アリミレにとって、ドーランは同族の吸血鬼よりも大切なのだな」
「まあね。吸血鬼と人獣の違いがあれど、彼女は私の妹だからね。
 妹より大事な存在なんて、いないと半ば本気で信じているから」
「ええ、私はお兄様のためなら、本気で何でもこなしてみせます」
「お、替わったようだな。ならドーラン……」
「ランってよんでもいいよー。おにいちゃんのことも、アリってよんであげてよ」
「交替が早いな……まあいいか。ランは、兄のことを、とても愛しているのだな」
「当然よっ! アリ兄を誑かす奴らは、私の牙で噛み殺してやるわ!」
 ふふふ、本当にわかりやすい。本題の騙しにも容易くかかりそうだ。

「だったら、私が今から、アリと恋仲になりたいと言ったら、どうす」
 圧倒的に速い、突撃。きばが、くびすじに――
「ドーラン、やめなさい。客人を傷つけることは、たとえお前でも、許しはしないよ」
 アリが庇ってくれなかったら、本当にあの世に旅立っていたな。
 やはり悪戯はよくないということか。身をもって思い知らされた。
「で、でも、お兄様……私は、私は……!」
「そもそも、どうして男である僕が、彼に恋をしなくてはならないんだい?」
「………………」
「………………」

 どうも、この兄はまだ気づいていないらしい。純朴というか、鈍いというか。
「お兄様、この人は――彼女は、女性ですよ!」
「へ? あれ? そ、そうだったの? 咲さん?」
「その通りだ。ラン、からかってすまない。私にはちゃんと恋する相手がいるからな。
 お前の兄は奪わない。お前とは敵対しないよ。約束する、絶対にだ」
「ほんとう……だよね?」
「本当だとも。私には、昔から人間の想い人がいるのだからな」
 よかった。ランの激情が治まってくれたようだ。私はまだ死ぬわけにはいかない。
 私の想い人は、私が女だということさえ、気づいてないのだから。
「いや〜情けないなあ。ふつうは女性なら、血の匂いで気づくのになあ。
 ずっと男性としか思わなかったんだ。ごめんなさい、咲さん」
「アリは、それだけ妹のことばかり考えている、ということだろう」
 もしくは、単に鈍すぎるか――口にはしないが。
 というか、傷薬を使ったときに、気づきそうなものだがな。
「わたしたちは、なかいいんだもん! ね〜〜!」
「ああ、僕はドーランのことを愛しているよ。身体だって重ねられるしね」

 ふむ、言質はとれたものの、見せ付けられた気分だな。
「そんな貴殿達に、少々頼みたいことがあるのだが、構わないか?」
 少しぐらい、我侭な頼みでも、聞いてもらいたいものだ。
578Le sort conseiller. (06/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:15:31 ID:nM3sW5GW
「う……ん…………」
 寝台の上で、鈴が呻き声をあげる。
 ランいわく、先程の戦闘で負った傷は、もうあらかた治癒したそうだ。
 まったく、ランの手加減具合に感謝しないといけないな。
「うあ……ししょう……ごめんなさい……」
 ししょう? ああ、師匠か……
 なんとなく、私は弟――鈴と過ごした日々を回想してみた。
 鈴が産まれると同時に母を亡くしたこと。それに合わせ、私が男装の生活を始めたこと。
 父に『武具士』兼戦士として共に鍛えられたこと。修行のため異国に放たれたこと。
 共に腕を磨きながら、悪逆非道な妖魔達を滅してきたこと。そして――

「ぅあ……し、師匠!? その……申し訳ないです」
 どうやら鈴が眼を覚ましたらしい。思っていたより早かった。
「仕方あるまい。私も敗北したのだ。お前が勝てるわけがないだろう」
 ははは。いつもながら、男役に徹しすぎているとよく思う。
 私が鈴にかけてやりたい言葉は、こんな厳しい言葉じゃない。
 私がずっと、鈴にかけてやりたかった、言葉は――!
「それより、鈴。傷を見せてみろ」
「は? しかし、もうほとんど痛みもなく、傷口も塞がって」
「かまわん。早く出しなさい。これは命令だ」
 おずおずと、一番大きな傷口を差し出そうとする鈴。可愛いな。
 確か、ランに確認したところだと、鈴の一番の傷口は――
「師匠。その……ここです。傷口は」
 そうだ、胸元の――心臓の真上あたりにあるのだった。
「ほとんど塞がり始めているようだが……ちょっとそのままにしていろ」
「へ、と……寒いので、早く服の前を塞ぎたいのですが……」
 この建物の周辺は、夜になると若干冷える気候らしいから、仕方がない。
 これからすることで、そんな寒さなど気にならなくなる。気にしなくていい。
「ぅわひゃああっ!? し、ししょお!? 何を……!?」
「何って、傷は舐めて治すものだろう?」
 そう言って、鈴の胸元をひたすら舐めてやる。長年求めていた味だ。
 唾液の音が響くように、わざと下品に舌を這わせてやる。
 そうこうしているうちに、鈴の身体に、次の準備が整ってきたようだ。
「鈴、お前……興奮したようだな」

 寝かせている間に、あらかじめ局部は露出させておいたので、丸見えだ。
 鈴が、私の舌による、胸元への愛撫で、自らがオトコであることを主張している。
 この事実だけで、私は身体の奥が、みるみる熱くなるのを感じている。
「あ、その……師匠! コレは、ちがうんです!?」
「なにが違うのか知らないが、仕置きが必要だろう?」
 そういって、私は羽織った着物を脱ぎ去り、その下に巻いてあるサラシを解く。
 男に成りすます際には邪魔でしかなかった、柔らかな女の部位が、顕になる。
 祖国においては、同年代の女性より圧倒的に大きな、乳房が2つ。
「あ、その、師匠……コレは、なんで師匠に、コレが………?」
 ああ、混乱している鈴も可愛い。ドサクサに男根を膨らませる姿も可愛い。
 鈴。鈴。可愛い可愛い、私の大切な、鈴。おとうと――愛している。
579Le sort conseiller. (07/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:16:29 ID:nM3sW5GW
「おとなしくしなさい。最初は、すぐに終わらせてあげるから」
 鈴の主張した部分を、二つの乳房で、やわらかく包み込む。
「あああ……やわ、やわらか、ややわわわ…………」
 反応が、あまりに初々しい――ああいとしい。
 当然だ。彼は修行のために、私以外の一切の女っ気から遠ざけられていたのだ。
 その私も、普段から男装して男言葉で話していた。故に女性と意識していなかった。
 異国に出て、初めて降りた国で、ようやく女性の姿かたちを正面から見たくらいだ。
 その異国の女達さえ、私が師匠という特権を全面活用して、不必要に近づけなくした。
 つまり、実質女性に触れるのは、私が初めての、純粋培養の少年――それが鈴なのだ。
「ほら、ほら、こう動かせば、気持ちいい?」
 くちゅ、くちゅ、ぐにょん、ぐにょん。
 挟み込む乳房で、柔らかくて湿った淫靡な音を立てながら、鈴の部分をこねくり回す。
 鈴はその動きに合わせて、呻くようなかわいらしい声をあげて、身体をよじらせる。
 ああ、かわいい、かわいいよ、すず。かわいい、わたしの、たいせつな、すず。

 鈴が最大限気持ちよく、しかし射精をギリギリしないであろう位置を、うまく刺激する。
 もちろん、私にも経験があるわけではない。全て手探りでの愛撫だ。
 この国に限らず、栄えた街には、酒場のように、情報の集まる箇所がいくつか存在する。
 鈴に自己鍛錬をさせておいて、そのような箇所に自ら足を運び、盗み聞きをした。
 ある時は、粗野で下卑たあらくれ男たちの聞くに堪えない猥談から。
 またある時は、可憐で純情そうな乙女らの、男関係と床遊びの自慢話から。
 あらゆる性に関する体験談を、耳に留め頭に留め、足りない経験を補っているのだ。

 自身の身体に関しても、成長・維持させる努力は一切怠ってこなかった。
 通常なら弟を欺くための長時間の変装で、崩れそうな体型を、ひたすら矯正する地獄の毎日。
 弟の目が届かない位置では、常にサラシなどを解き、締め付けから開放して成長させる。
 父親のせいで失いそうになった、女の幸せを取り戻すための、すさまじい努力と執念。
 その結晶がいま、自分に不自由を課した父親の息子、我が弟によって報われようとしている。

 ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐじゅ、ぐじゅん!
 もはや私自身にも、乳房を動かすことは止められない。
 鈴の陰茎から、止め処なく溢れ出す潤滑液。それとの摩擦で起きる、音と、熱さ。
 ここでやめる? はは、不可能だ! さあ、鈴。来なさい!
「うあ、うあ、うはぁ、はあああああああああぁぁぁぁっ」
 ドピュ、どびゅる、びゅくくん……
 精液が、鈴の体内から放たれる。初めての、他人の手による射精で、蕩ける鈴。
「あ……あはは……きもちぃ……ししょぉ」
 そういえば、まだ呼び名が師匠のままだったのか。むぅ、雰囲気が出やしない。
 射精と同時に顔面や胸に飛び掛ってきた、暖かい精液を舐め取りながら、私は唱える。
「鈴。今から私がいいというまで、私を『師匠』ではなく『お姉ちゃん』と呼びなさい」
「ひゃ、ひゃあぃ……わかりました……おねえ、ちゃん」
 焦点の合わない眼、うわずった声、体液でベタベタする身体。
 欲しい。全部欲しい。もうとまらない。やめてたまるもんか。あいしてる、すず。

「鈴、おとなしく横になりなさい。お姉ちゃんが、あなたに快楽をあげるからな」
580Le sort conseiller. (08/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:36:55 ID:nM3sW5GW
 次の日のだいたい正午過ぎ。空は快晴の旅立ち日和。
 森の木陰に隠れ、日を避けるように、森奥の屋敷から外に出る、2人の男女。
 その対面に、和装の旅道具と、霊刀などの武器を携えた、2人の男女。
「結局、出発はこんなゆっくりした時間になったようだね」
「まあ仕方あるまい。私としたことが、昨夜は張り切りすぎた。
 少々、鈴の体調が芳しくないようで、心配なのだ」
「そんなあなたに、このことば。さくやはおたのしみでしたね」
「ふふん、ありがとう。そちらこそ、昨夜は楽しんだだろう?」
「ちょ、言わないでよ恥ずかしいんだから……」

 あの時、私がこの兄妹に頼んだのは、場所の提供。
 人里離れた森で、さらに外部に声の漏れない、機密性の高い屋敷の部屋。
 そこで、長年溜まりに溜まった欲望を、鈴にぶつけさせてもらった。
 それとついでに、ランから体験談をいくつか聞いて参考にさせてもらった。
 私の予想通り、この兄妹もそういう関係だったから、とても都合がよかった。
 昨日の夜、彼らに逢うことがなかったら、今日の自分はなかっただろう。
 彼らに逢えたことは、私の人生の分岐として、生涯語り継ぐことにしよう。

「まあ、お互い大切な者は、手放すことなかれ、ということか」
「かっこつけてるけど、だいすきすぎて、はなしたくないだけだよね?」
「あはは、咲さんもランも、すっかり仲良くなったね」
 アリの言うとおりだ。人間と闇の眷属との友情。
 決してないわけではないのだろうが、こんな縁でできたことは、そうそうあるまい。

「…………あの、師しょ――お姉ちゃん。僕はもう大丈夫だよ」
 おっといけない。あまりのんびりしていると、また夜になってしまう。
 どうやら、一晩中搾り取られて倒れていた弟の体力も復活したみたいだ。
 まあ、本当にやり過ぎた。すまないな鈴、これからは少し抑えてやるから。
 ちなみに、眼が覚めた鈴と、アリとランの兄妹は、案外早く意気投合してくれた。
 鈴は真面目すぎるから、ひと悶着ありそうな気がしたが、杞憂だったらしい。

「ふむ、そろそろ出立しないといけないな、本当に世話になった」
「咲……あんたまた、この森に来てくれる?」
「当然だ。一度日本には帰るが、またお前にも、アリにも会いたいしな。
 待っていろ。何年後かはわからんが、その時は私と鈴の子供も、連れて来るからな」
「っっ! お、お姉ちゃん!? 何言ってんの!?」
「「「あっはっはっはっはっ」」」
581Le sort conseiller. (09/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:44:47 ID:nM3sW5GW
 昨夜の会話の途中でわかったこと。アリとランの、近親相姦の関係。
 最初に関係を切り出したのは、やはりというか、ランの方だったそうだ。
 人狼の一族の中で、ハーフという危うい立場の上、キメラで不安定な幼少時代。
 孤独で先の長い未来に絶望する中、迎えに来たアリに一目で恋に落ちたそうだ。
 正直羨ましい。私と違って、吸血鬼の王子様が迎えに来てくれた、というわけだ。
 その後、同族や人間からも離れて2人きりで暮らすため、この屋敷に来たそうだ。
 そこでは自給自足の生活を余儀なくされた。ランは森の動物を。アリはランの血液を。
 同じ闇の眷属同士でも、ハーフであるランの血だからこそ、大丈夫だったらしい。
 そして百年ほど経ったある満月の夜、首筋から血を吸われていたランが、欲情して――
 というような話を、ランがのろけたっぷりに語ってくれた。
 多重人格3人の視点から語られたため、多少あやふやな点もあったが、要は幸せらしい。
「12人の愛しい妹達に、一度に愛される。これ以上の幸せがあるだろうか。いや、ない!」
 そう豪語してくれたアリには、正直なところ、多少引いてしまったが。
  
「何にせよ、お互い愛する者を守り、大切に生きる、それだけのことだな」
「そうだね。僕達だって不死とはいえ、いつか死ぬ。だから今を大切にしたいよ」
 まったくだ。死が2人を分かつまで、という言葉を考えた人物に賞賛を送りたい。
「でも不思議なのよね。あたし達みたいに、兄弟姉妹で恋愛する人間が、時々ここに来るのよ」
「そうなの? 僕たちみたいな人って、他にもいるんだね、お姉ちゃん」
 『恋愛する』僕たちって言ってくれる鈴を、思わず抱きしめたくなった。我慢しないと。
 しかし意外だな。この兄妹は、私達以外にも、いろんな男女を結ばせていたらしい。
「彼ら彼女らは、生業も年齢も、人間の尺度で言えば、本当にバラバラだったけれど、
 悩んでいたのは皆一緒だったんだ。だから僕達は協力して、成就させてあげたけれどね」
「愛し合っているんだから、幸せになれない道理なんて、ない筈なのにね」
「だから幸せになるために、みんな必死でがんばっているんだよ、ランちゃん」
 はは、我が弟ながら、時にはいいことを言う。やはりこの子に惚れたのは、正解だったな。

 そんな和やかな談笑の時間を終えた後。
 弟に森から出る方角を確認させている間に、私はアリとランに胸の内を告げておいた。
 あとついでに、手持ちの荷物から、彼らに土産代わりに渡したいものがあった。
「アリ、昨日途中で中断されていた、あの質問に答えておくよ。
 私が家の決まりに従うのは、背く事で弟と離れ離れにされるのが怖かったからだ。
 私の祖国では、家族というものは絶対で、私の実家は特にそれが顕著だったからな。
 でももう迷わない。私は弟と共にあるために、強くなる。家にだって背いてやる。
 貴殿達のおかげで、ようやく決心がついたよ。心から礼を言わせてくれ。本当に有難う」
「そうかい。君の悩みが解決できたようで、本当によかったよ。
 生きることは悩みと向き合うこと、というけれど、解けない悩みなんて、悲しいからね」
 そういったアリの表情も、傍にいたランの横顔も、色々と憂いに満ちていたように見えた。
 彼ら兄妹も、今の恋のために奔走したのだなと、なんとなくしんみりしてしまった。
582Le sort conseiller. (10/10) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 05:55:03 ID:nM3sW5GW
「それでは、また合間見える機会があれば、その時は宜しく」
「そうだね。今度君達が来ることがあれば、その時は豪勢におもてなしするよ」


「……行ってしまったな。彼女達がまだ生きているうちに、再開できたらいいんだけど」
「なるようになるんだよ? いきてたらなにかあるんだって、おにいちゃんいってたよね」
「そうだな。せめて彼らに会うまで、他の魔物狩りに倒されないようにしないと」
「何を弱気な。私がいるではないですか。貴方も、私も、死にはしませんよ」
「頼もしいな、君は。愛しているよ――ドーラン」
「あたしも、愛しているわ。アリ兄――ううん、アリミレ兄さん」
「ところで、咲からもらったその東国産の紙には、なんて書かれているんだい?」
「さあ? 私の知識にもありませんから、またいつか東方の文献で調べてみましょう」

 咲が森奥の屋敷から離れる少し前、アリミレに渡した、2枚の和紙製の色紙。
 そこには達筆な筆文字で「類は友を呼ぶ」「仲良きことは美しきかな」と書かれていた。
 

 咲と鈴は、結局最後まで知ることはなかった。
 アリミレの能力が、「運命狂わせ」の二つ名通り、出会った人間の人生に転機を与えることを。
 日常では発揮されない膨大な魔力か、異質な人間達を知らず知らず引き寄せていることを。
 その全てが、彼ら兄妹と同じく、兄弟姉妹での恋愛感情に悩む者達であったことを。

 アリミレとドーランは、結局最後まで知ることはなかった。
 人間達の生きる社会では、一般的に近親相姦という関係は、タブー視されていることを。
 その事実を知らないままに、恋愛感情をもつ兄弟姉妹を結びつけるため、協力をしていたことを。
 
 
 この日より数年後、遙か東方の島国で、「総角(あげまき)」と呼ばれる武闘派の一門が誕生した。
 その始祖たる一代目は、師匠と弟子の関係から夫婦の契りを交わした、若い男女であったという。
 その一族の人間には、代々「人間を超越した2人の兄妹」の逸話が伝えられていったそうだ。
 
 さらにそれより数百年後、不死であるクリムゾニア兄妹さえ、歴史の闇からその姿を隠す時が来る。
 その時まで彼ら兄妹の許には、二千組を超える、兄弟姉妹同士の恋愛に悩む若者達が訪れた――
 そんな背徳的でロマンチックな恋に関する逸話が、欧州諸国に伝説として残されている。

                                        〜 Fin 〜
583 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/10(火) 06:01:10 ID:nM3sW5GW
以上、投下終了。

誤字・脱字の類があった場合は、ごめんなさい。以下、ネタバレ注意。
多重人格、人外、異国である必要があったかは、まあ異文化交流みたいなノリでした。
自分の望んでいた、けれど知らない世界に触れたときの感動と衝撃、そして暴走。

ネーミングや過剰な設定のひどさは、筋金入りです。おそらく不治の病です。
そして正直、小ネタ「後味まで甘い酒宴」と若干被っている感が否めません。

こんな内容でしたが、読んで頂いた方へ。ありがとうございました。


P.S. 投稿中、(08/10)のところで連投エラーが出たときは、本気で焦りました。
584名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 06:50:08 ID:YUbFx7zE
すがすがしくもキモくてGJ
585名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 07:00:21 ID:fhx4VTjc
読みにくい
586名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 07:35:14 ID:d68cKHpE
読みにくい
587名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 08:46:28 ID:tWySqBnX
ゆとり乙
588名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 09:10:07 ID:kfk8f+zZ
厨二びょ……乙!
589名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 13:40:20 ID:B/hKaA7T
>>583
GJ
このスレぐらい>>1から読んでください
前後にしゃべるのは良くないとわかるはずです
590名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 14:14:16 ID:gUIjYJzQ
自分語りかっこいいです
作品の中でするようにしましょう
591名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 16:04:29 ID:a5eh46w3
もう十分だろ、これ以上は空気が悪くなるから自粛しよう
592名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 16:46:43 ID:iVKehw1N
いやね、そもそもモノを書くってのは自分の中にあるものをさらけ出すことだからね、
惰性で書いてしまうんだよ。別のすれだけど俺もやりかけたからわかるのだ。
593名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 16:57:15 ID:MsLm8Dpf
きみあるやってたらキモ姉に目覚めてしまったw
キモウトも捨てがたいが
594名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 18:20:42 ID:p8JTnn40
泥棒猫がチート性能で、キモ姉妹がキモさ以外は普通レベル
というシチュエーションのゲームやりたいな。力の無さに涙
し、それでも立ち上がるキモ姉妹燃え。
595名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 19:49:55 ID:C2fCnguu
>>593
キモ姉よりキモウトのほうがいいよ!
596名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 21:15:51 ID:shC3MTaj
>>594
暴走巨大無人戦車『オーガ』みたいな泥棒猫?
597名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 21:52:32 ID:mH3hfTpZ
何で雑談するの?
私今日こそすごく面白いネタを貼ろうとしたんだけど……
君らみたいな雑談ばかりしてる人達にはちょっと見てほしくないかな(ノ_・。)
いい機会だから少し反省してみた方が良いんじゃない?w

あと>>1
598名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 22:42:12 ID:HRu5+nQv
20歳以上になってから出直してきて下さい
作者でもないのに何様だよと…
599名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 22:48:42 ID:LZe6wXFq
というか今更1乙とか何言ってんだ?頭大丈夫か?
600名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 22:50:22 ID:GnGy6FJM
君らみたいな雑談ばかりしてる人達にはちょっと見てほしくないかな(ノ_・。) の検索結果 約 45,200 件中 1 - 10 件目 (0.44 秒)

コピペみたいだな
601名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 22:50:26 ID:mH3hfTpZ
ごめんこれ東方本スレから持ってきたコピペ
602名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 22:57:20 ID:mH3hfTpZ
はぁ
布団干した所為で鼻水とまんねし
新スレ乱立跋扈跋扈だしつまんねる
もう寝る
603名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 23:04:21 ID:IWQ8tsHO
ID:mH3hfTpZ

きめえ
604名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 23:09:17 ID:61Qdwb/W
お外で本スレ臭出しちゃう子は偽物よ
真のゲロンの民は鮮やかにキモがられるからね妖夢タソ(´・ω・`)
605 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/11(水) 06:00:42 ID:jtHKhgx1
語り過ぎはゴメンなさい。つい無駄に書いてしまうんです。

色々酷い短編もどき投稿の口直しに。小ネタを投稿します。
タイトルは適当に「confession」。3レス程度の遊び話。
「dependence」の兄視点。蛇足ゆえ、嫌な人はスルー推奨。

次レスより投稿開始。今回から小ネタでは投下終了宣言を省略します。
606「confession」 (1/3) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/11(水) 06:08:13 ID:jtHKhgx1

「折角のお誘い悪いんだけど、妹が家で待ってるから、帰らせてもらうよ」
「妹なんてほっときなさいよぉ。気にしなきゃ、家で男咥えこんで喘いd」
「少し黙ってくれないかい? 俺には、君を殴らない自信なんてないから」
「な、何よぅ……ぅあ、ご、ごめんなさい…………」

 気分の悪い夢を見て、目が覚めた。
 夢の内容は、2ヶ月前の職場での飲み会の席の一幕だった。
 酔っ払った同僚の女性達に、しつこく絡まれて、つい怒った大人気なかった日。
 でも、妹のことを貶されたくはなかった。俺は――

「兄(にい)、おはよう。悪いんだけど……」
 部屋の扉を開け、妹が入ってきた。毎朝妹が来るため、鍵は締めていないのだ。
「おはよう。わかってるよ、ちょっと待t」
 会話の途中だったが、突然妹に唇を塞がれてしまった。
 どうも最近、妹の我慢が効かなくなってきているらしい。
「ん……ちゅ……むぐ…………」
 俺に口付けた状態で、勢いよく唾液を啜りとる妹。
 それだけではなく、舌をかきいれてきて、直接唾液を奪い尽くしていく。
 その一連の行為を、俺はただ黙って受け入れている。
「にゅ……ふ…………ぷはっ」
 ようやく妹の「衝動」が治まったようだ。同時に俺から唇を離す。
 妹は――いつも通りの、申し訳なさそうな表情。
「大丈夫か? まだ足りないなら、もう少し」
「大丈夫。大丈夫だから……ごめんなさい」
 いつものように謝ってくる妹。別に構わないといっても、やはり謝ってくる。
 そんな妹に、俺は優しく励ましてやるようにしている。
「仕方ないよ。おまえの身体は、こうしないと死んでしまうんだから」
 
 
 ――DNA dependence。
 日本では「生体組織依存症」などと呼ばれるこの病気。
 21世紀になって数年としないうちに、全世界に流行した狂気の病。
 厳密な症状や治療法は確立されていないが、有名な特徴は次の3つ。
 
 ――この病は、精神病にして、外部感染による繁殖力をもつ特殊な病気である。
 ――感染因子保有中に、誰か他人の生体組織を摂取すると、95%の確立で発症する。
 ――発症すると、最初に摂取した誰かの生体組織を定期的に摂取しないと、衰弱死する。
 
 
 1年前、妹はそんな恐ろしい病気を、発症してしまった。
 この病に侵されてからというもの、妹は自分の将来を諦めて、家に閉じこもるようになった。
 父親は10年前に他界し、母親は敏腕弁護士として遠方の地で働き、家計を支えている。
 そうして、家には妹と、妹の看病のためにという理由で自分の、あわせて2人が残った。
 かわいい妹が元気になってくれるなら、望んでいた遠方の就職先なんて、どうでもよかった。
 
 なのに、妹は自分のことを恥じて疎んで、憎んでさえいる。
 妹が自らを嫌悪の対象にしている理由、それは明白だ。
 この少女の「依存相手」――摂取対象は、俺――つまりは「実の兄」なのだ。


「――わかった。じゃあご飯ができたら、また呼びに来るね」
「ああ、それじゃあ」
 妹と他愛ない会話を交わし終えて、俺は再びベッドの上に倒れこむ。
 今日は仕事が昼から、と言った時の妹の表情を思い出す。
 とても嬉しそうだった――けど、俺は一緒にいることを断った。
 あの表情を見せた妹を見ていると、自分の方が、我慢できなくなるからだ。

 わかっているんだ。妹が俺を愛していることは。
 わかっていたんだ。俺も妹に恋していることに。
607「confession」 (2/3) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/11(水) 06:09:00 ID:jtHKhgx1
 
 でも、今すぐ妹の気持ちに応えて、そういう関係を持つことはできない。
 別に近親相姦が怖いわけではない。今の摂取――キスにも何の抵抗もない。
 それでも、俺は、妹と少しでも長く、一緒に生きて、共に暮らしていきたい。
 だから、妹と今以上に近づくことは、できないんだ。
 たとえ、いま扉の外に居るだろう妹が、俺からの「愛撫」を求めていようとも。
 
 
 「生体組織依存症」は、現状では治療法のない、不治の病と言われている。
 あくまで「摂取」のみが一時的に衰弱症状を和らげる手段で、それ以上はない。
 そして「摂取」でさえ永遠の有効策ではない、ということも、俺は知っている。

 例えば、食用調味料。例えば、薬物依存症。
 アレは、摂取を続けるうちに身体が慣れ、より多い量、そして次の段階を求める。
 「生体組織依存症」も、要するにそれとまったく変わらない。
 唾液で済む現状は、やがて血液や精液・愛液の欲求へと進行し、やがて最後に――
 
 考えたくもない悪夢。「依存対象」を殺し、時間を置いて結局「患者」も殺す。
 だからと言って、摂取量を抑制し続ければ、患者は衰弱し、発狂し、死に至る。
 こんな病気、誰かが悪意を持って生み出したとしか考えられない!

 唯一の救いにして最大の悲劇は、「患者」と「摂取対象」同士の関係性がカギであること。
 最も信頼し合い、また愛し合うもの同士のみが、この病に苦しむというのだ。

 「dependence」という単語には、「依存」の他に「信頼」という意味があるらしい。
 この病の名づけ親も、よっぽどタチの悪い性格をしていたんだろう。
 この病は、「患者」と「依存対象」との「信頼」を糧に増長する、まさに悪魔だ!

 
 いま妹を受け入れて、キス以上の関係に発展すれば、それだけ妹の病は進行する。
 そして、性的関係を結ぶうち、妹は「摂取」の欲求に耐えられなくなり、俺の肉を――
 だから、今以上に仲良くしていてはいけない。長く生きたいなら。
 本当は離れて暮らしながら、定期的に妹のところへ、血液を届ければいいはずなんだ。
 実際、病に冒された人間への対処方法は、世界基準でもそんな方法しかないのだから。

 それでも、俺は妹と共に居ることを決めた。
 それを決めた時、学校関係者や友人達、そして当時の就職先にはかなりの迷惑をかけた。
 遠方に暮らす母親には、「自分を捨てるなら、好きなようにすればいい」と言われた。
 妹には、やっぱり泣かれてしまった。一時は「摂取」を拒むほど悩んでいたくらいだ。
 それでも、やっぱり俺は、愛おしい妹と、一緒に居たかった。
 
 
「はははは……笑わせる。本当はそんな資格なんてないのにな」 
 俺は目元を両手で押さえて笑う。妹には聞こえない程度の小声で。
 本当は聞こえていて、今すぐにでも扉を開けて入ってきて欲しいくせに。
 情けないよな。妹に嫌われたくないから、本当の事を言えないなんて。
 けど、このことを話しても嫌われないという確信もあるから、嫌なんだ。

 妹が発症した原因は、妹本人から聞いている。
 妹が、寝ている俺の唇を、無理矢理にむさぼったからだ。
 けれど、どこで感染源から病の因子をもらったかは、妹は知らない。
 知っているのは俺だけだ。いや、正確には俺が悪いんだ。
 妹が病の因子に感染したのは――俺が寝ていた妹に、キスをしたからだ。
608「confession」 (3/3) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/11(水) 06:10:32 ID:jtHKhgx1
 
 それは、妹が俺に夜這いをかけた原因、恋人を作った一件まで遡る。
 あの時の俺は、明らかに、妹に対して良からぬ眼を向けていた。
 そんな最低な自分に悩みながら、妹と笑いあい、学業をこなし、就活を終えて――
 いざ卒業の日、という時に、大学の同級生だった女の子から、告白された。
 あまりそういう場面に耐性がなかった俺は、彼女にキスされて、半ば脅された。
 おそらく、あのキスの際に、俺が病の因子を、彼女から貰ってしまったのだろう。
 
 結局その日は返事をせずに家に帰り、リビングで寝ている妹に遭遇した。
 あの告白の時も、キスされた時も、妹の顔ばかりが浮かんでいた自分。
 このままでは、妹の将来にさえ、自分が多大に干渉し続けるであろう、恐怖。
 だから、吹っ切るつもりで、あの同級生からの告白を受けることにした。
 だから、決別するつもりで、眠っている妹の唇に、口付けてしまった。

 その後の顛末は、あまりに情けなさ過ぎて、いまだに思い出すのも辛い時がある。
 告白を了承して、晴れて恋人同士になったことを、妹に報告した。
 その夜、実は両思いだった妹に、俺がしたようにキスされて、妹が病に倒れた。
 それを聞いて、俺は恋人より妹を選び、その場で元恋人に別れを告げた。
 三角関係とか、泥沼とか、そんなチャチなもんじゃ決して無い、真の修羅場を味わった。
 
 
 そうして、俺は今もなお、妹の傍に居る事ができている。
 内定していた就職先を変え、自宅から近くて、さらに時間に余裕のあるものを選んだ。
 大学での学業成績や、自分の才能を捨てる行為。家族を含め、いろんな人から責められた。
 正直なところ、今でも充分に後悔している。
 けれど多分、そうしないと、もっと後悔していたのだろう。

 
 俺は、少しでも生きて、妹と共に暮らしていきたい。
 それが、結果的に妹を長く苦しませてしまう原因になろうとも。
 今、妹が必死で、自慰などに頼って「恋」や「摂取」の衝動を抑えていることも知っている。
 抑えなければ、欲望のままに俺を襲い、処女を散らせながら愛欲に溺れるであろうことも。
 一緒に居る事で妹を苦しませているが、これは俺の身勝手なワガママ。情けない俺の願い。
 最後に妹が耐え切れなくなるまで、妹には悪いが、俺は今の立ち位置を崩さない。
 
 
 俺は最低だ。近親相姦も、殺されることも怖くないくせに、妹に我慢をさせる、最低の兄だ。
 きっとこの先、妹が耐えられず襲ってくるまで、妹の愛を否定する、最低の兄だ。

――でも。それでも。願わくば、俺が妹に殺されるその日まで、妹の傍にいられますように。

 そう心の中で呟き、俺は部屋の前から離れていく妹の事を想っていた。

                                 ― END ―
609名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 06:40:40 ID:0ijJrR4S
東方厨は害悪ね
ふぅ
Unkmrss
610名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 07:24:35 ID:ulN+onNk
最近臭すぎる
611名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 09:20:34 ID:RUdioqjZ
よく書いてくれた

わざわざ嫌なやつはスルーとあるのを察しろ
612名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 09:37:44 ID:PUrbCoPJ
最近修羅場スレと同じ腐臭が漂ってる
613名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 09:51:40 ID:6OTzwA+p
>>612
修羅場スレ荒らしたアホがこっち来たんだろうな
無視しときゃいいよ

あと
>>605乙。頑張れ
614名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 13:26:06 ID:oFyQ7xQ0
自治厨が雑談を禁止したせいでこうなってしまったわけだが

以下、雑談再開
615名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 14:47:34 ID:dekNhmkT
>>605
GJ
616名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 15:11:26 ID:IRUlBbZf
切ないなぁ
617名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 18:10:30 ID:r5XLMOMq
とりあえず18未満は帰ってくれ
618名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 18:19:06 ID:80MQbRSY
とりあえず落ち着きがないのは確か
>自治厨が雑談を禁止
は最近の流れがおかしいのに気づいてない
619名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 18:34:06 ID:xuDm9VDA
今北産業
620名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 18:56:17 ID:JNwtO73D
>>619
俺達は
キモ姉妹に
愛されたい
621名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 19:03:50 ID:rfvPlKX8
キモくないなら尚よくね?
622名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 21:29:39 ID:Q/ITuJ3e
キモいぐらい愛されるのがいい
623名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 22:00:14 ID:T/PNa3vc
キモいぐらいがちょうど良いんだよ。ぬるい風呂よりちょい熱めの風呂のが良いみたいな感じでさ
624名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 22:12:55 ID:8vDVCkNY
キモウトに監禁されたい
625名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 22:18:25 ID:4rD/Fl1M
>>605
兄も病気になっちゃいそうだなぁ 共依存w
626名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 22:42:05 ID:1dszr8hm
>>605
GJ!!
627名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 23:18:10 ID:zS782QIe
キモウト?
バーローwwww
時代は幼馴染みだろうが!
第一兄妹じゃ結婚できねえだろ!
近視相姦なんて死んでも嫌だねwww

お、ちょうど妹が来たみたいだから
ちょっと説教してくるわwww
結果は明日にでも報告するわ
628名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 23:26:07 ID:XDcy5R/M
無茶しやがって…
629名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 23:29:19 ID:ggtzCSAD
馬鹿野郎が…
だが「時代は幼馴染み」ってとこは同意
630名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 23:33:17 ID:oRTQRZTV
>>629
気をつけろ。ある日突然「お前たち今日から兄妹ね」パターンが…
631名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 23:46:02 ID:rfvPlKX8
君らは知らないが、多分俺が姉とかに惹かれるのは
対人関係を構築してお互いの情報をお互いに蓄積する作業が
とんでもなく下手だから、それをリープしてくれる存在であるからだと思うんだ。
姉妹とか、幼馴染とか。

すまんこんなことかいて。
632名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 23:58:48 ID:b8egP3zG
>>605
乙!!!
しかし一言
兄が妙にキモいと妹のキモさが弱冠霞んじまうぞ
633名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 02:33:45 ID:skJxLLvF
今月3000円で過ごさなくちゃいけない俺オワタwwwww
634名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 03:30:53 ID:1p0ri0oZ
>>631
お前の事なんぞ知ったことか。人付き合いが苦手だって言えばいいのを言い訳がましく回りくどく言うなや

>>633
ガキの事情なんぞ知ったことか。そのまま飢えて死ね貧乏人。

クソみたいな雑談するくらいなら黙って待ってろ
635名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 05:01:39 ID:Th56B7Cw
知ったことか
636名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 05:41:03 ID:MnwsKcz+
姉さん、なんか泥棒猫が怒ってるみたいだよ?
637名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 12:58:46 ID:NnZMTNNt
>>635のせいで金剛番長みたいなキモ姉が思い浮かんだ
638名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 13:07:47 ID:xB+FD9bp
スジは(ry
639名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 14:18:41 ID:6ei3aQoU
秋冬to玉恵の玉恵が無駄に番長並のパワー
640名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 14:20:33 ID:CvTzLvQR
私の歴史に、また1ページ……
641名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 17:24:32 ID:1p0ri0oZ
正直書いたあとすぐに金剛番長が思い浮かんだ。だが反省も後悔もしてない。知ったことかー!!

あとな、>>640よ。お前がNETと大都が好きなのは良く分かった。俺も好きだけどな
そしてリオやらサキやらサクラって名前の出るSSの作者だということも分かってる。だが自重しとけ
642名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 19:04:58 ID:THnEg/DY
キモウトって、兄がキモさに耐えられなくなって失踪しても、
再会ショー的な番組使って発見した後、全国ネットで抱き合いそう
だよな。
643名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 19:55:05 ID:cJoeNUwJ
>>634
ここの連中にはもう何言っても無駄だ
644名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 19:59:20 ID:UWx2+CYn
最近なんかVipのりななんだよな
2次はエロパロでいいが三次の事情なんてvipでスレたてろよ・・・

こういうのが増えてくるといやなほうに話が進むから困る
645名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 20:25:21 ID:TeP6YeVD
春休みなのさ
646名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 20:39:06 ID:KXxvU11l
巣に帰って欲しいもんだな
647名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 21:01:42 ID:NOIonagh
まあまあとりあえず落ち着こうぜ。それから>>605GJ!!
648名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 21:02:13 ID:e00jI3PX
>>642
フィーリングカップル5vs5の女性側に混じって兄に線を飛ばしたり、
パンチDEデートでは女側で他人のふりして、兄に質問を飛ばしてたり。
649名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 21:26:12 ID:oGxFBbwB
ほsh
650名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 00:54:54 ID:IRC/jxD+
どうでもいいが>>627は無事なのか?
651名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 01:54:58 ID:MiN2Md3B
どうでもいいなら書くなよ…
652名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 02:07:56 ID:DastzSdq
このスレはいったいどこへ向かっているのですか?
653名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 03:14:50 ID:YKmc63p4
Datの海
654名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 03:19:43 ID:2clCX92b
>>642で小ネタ投下

「もう三年か…」
妙な言い方だが、俺が失踪して早三年。
両親にも何も言わずに出て行って事には胸が痛むが、妹から逃れられる事を考えれば大した事では無い。
三年前俺と妹は肉体的な関係を持ってしまった。
無論望んでその様な関係になった訳ではない。
俺は食事に薬を盛られ、気がつくと既に妹は俺で純潔を散らしていた。
「お兄ちゃんが拒むなら、お父さん達にお兄ちゃん犯されたていうよ?」
今度はそれをネタに強請られ毎日の様に妹と身体を合わせた。
あのままでは俺は確実に狂っていだろう。
だが三年の間に心の傷も癒え。今では何とか一人でやっていけている。
「アイツの事を思い出したら気が滅入る…あ〜やめやめ!」
気分転換にコタツに入り、テレビのスイッチを入れる。
「なんか面白い番組やってないかなっと…」
リモコンでチャンネルを適当に変えていく。
「ん…?」
ガチャガチャと画面が切り替わって行くのを眺めていると、見覚えのある人物が目に入った。
655名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 03:21:01 ID:2clCX92b
『それで貴方達の息子さんは突然?』
『はい…息子は何も言わずに出て行ってしまって…』
『それから三年間も音信不通で…うぅ…』
『お母さん泣かないで下さい。実は我々○○テレビは既に息子さんの居場所を突き止めています!現場のレポーターさーん!』
『はい。こちら現場です』
そして写し出されたのは家の玄関前。サーッと血の気が引いていくのが分かる。
『現場には妹さんがいらしてます。妹さん今の心境は?』
『はい…もうすぐ兄に会えるかと思うと興ふn…いえ喜びで涙が止まりません』
『なんてお兄さん思いの妹さんなんでしょうか…お兄さん見てますか!妹さんはこんなにも貴方を思っていますよ!』
不味い不味い。このままでは不味い。外にアイツがいる。
「早く逃げないと…!」
玄関は駄目だ…!窓から逃げれば…!
「鍵は開いてるみたいですね…って妹さん!」
「お兄ちゃん!」
ドアが開かれた音に反応して振り向くと、俺は三年ぶりにに妹に抱き締められた。
妹は俺の胸に顔を埋め、両手でがっちりと俺を拘束する。
「兄妹の感動の再会ですね…良かった良かった…」
涙目になっているレポーターを尻目に、妹は俺にしか聞こえない声で言った
「 も う 逃 が さ な い 」
656名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 03:37:02 ID:6dc/obKX
眠れないんでスレ開いたら、小ネタ来てたー!
GJっす。

昔この手の番組で最低な再会をさせられた男の話があったけど、
こんな感動の再会ならアリだな。
657名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 04:22:08 ID:dR71u/Qd
小ネタGJ
658名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 07:00:30 ID:SNRddvoH
>656詳細を。
659名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 08:00:59 ID:1qxay/BH
GJっす。
660名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 10:33:17 ID:TkqQcRSj
イイネ >654
661名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 12:25:43 ID:FtoCLLBE
GJ
662名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 15:45:58 ID:KR+qBE52
>>655
GJ
663名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 19:16:56 ID:6dc/obKX
>>658
スレチにも程がある話題なのでスルーしよう――
と思ったけど、まあ一応書いておく。

男児、両親に捨てられる
  ↓
拾われた後、ある家庭の養子に
  ↓
成人後、養子先の娘さんと婚約
  ↓
そんな折、両親から「逢いたい」と連絡
  ↓
過去との決別のため、会いに行く
  ↓
両親……と某TV番組のスタッフがいた
  ↓
男性、その場で激怒し、TV放送も断固拒否

その後の描写もあったけど、覚えてない。
確か両親と決別して、養子先の家族と幸せになった、と思う。
もっとも、ソースが2ちゃんだったので、真偽は定かじゃないけど。

――うん、スレ違いにも程がありました。
軌道修正のために、上のを元ネタに、短編を用意しました。
タイトルは適当に「I do not want to let you meet」。6レス程度の短いお話。
内容は、義理の姉弟もの。義理の関係って、初めて書いた。楽しい。

以下に投下される6レスの文章は、フィクションです。上記の内容とは(ry
664I do not want to let you meet (1/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/13(金) 19:18:59 ID:6dc/obKX

「ふう、これでよし。少し休憩しときますか」
 ひととおりの作業を終えて、私は少し回想する。


 私は来週、ある男性と結婚する予定だ。
 彼は、昔から私と一緒の家で暮らしてきた、大切な家族だ。
 わかりやすく言うと、昔ウチで養子に引き取った、義理の弟なんだけど。

 彼がウチに来たのは、私が5歳の時で、彼が3歳の時。
 孤児院の院長を友達に持つパパが、ある日突然、連れて帰ってきたのだ。
 何でも、両親に捨てられたせいで、他人に懐かない子供だったらしい。
 孤児院でも、周りの人間を仲間だと認めず、ずっと孤立していたそうだ。

「そんな話を聞いてね、ウチで幸せにできないか、と思って引き取ったんだ」
 そんな両親の話を聞いて、最初私は少しバカらしくなったのを覚えている。
 どうやってそんな難しそうな子供と打ち解けるのか、と子供ながらに思った。
 まあ、今の私からしたら、そんな自分をビンタしたくなるんだけど。

 結局、引き取ってからもあの子はあまり家族に馴染んでくれなかった。
 私もそんな子供に関心を向けることができず、どちらかというと無視していた。
 パパとママは、それでも頑張って、彼と打ち解けようとしていたけど。

 そんなこんなで2年経った頃、私が小学2年生の時に、ちょっとした事件があった。
 当時の小学校では、男子が数人で女子1人を囲んで、苛める遊びが流行っていた。
 私も当然のように、その対象にされ、学校の帰り道で苛められることがあった。

 あれは確か、14回目くらいだったかな。義弟がその輪に飛び込んできたのだ。
 そして義弟は、果敢にも2歳年上の男子に挑んで、やっぱりつき飛ばされていた。
 なんとかしようと、ランドセルの縦笛を振り回して、必死に男子連中を追い払った後。
 傷だらけの義弟に「なんであんな危ないことしたの!」と叱る私に、義弟は言ってくれた。
「お、おねえちゃんが、ないてたもん。たすけなきゃって、おもったんだもん……!」
 そのとき私は、あまりの嬉しさに、力いっぱい義弟を抱きしめたことを覚えている。
 痛いくらいに抱きしめた私にビックリしながら、義弟も抱きしめ返してくれたっけ。
665I do not want to let you meet (2/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/13(金) 19:21:24 ID:6dc/obKX

「思えば私って、あの時の義弟に、すっごく惚れちゃったんだよねぇ」
 いかんいかん、多分いますっごく顔がにやけてる。でも我慢できないや。


 あの事件以来、義弟は私に懐いてくれるようになった。
 パパとママがその光景を見て、びっくりしたり悔しがったりしてたっけ。
 だから私も義弟を説得して、2人とも仲良くなれるように頑張った。
 そのおかげで、数ヶ月する頃には、家族みんなで和気藹々とできるようになった。
 義弟は、私達の家族の一員として、自然に溶け込めるようになった。

 けれど、私はそれだけじゃ止まらなかった。
 小学生の頃はまだお姉ちゃんとしていられた。義弟も私を慕ってくれていたし。
 けれど私が中学生になり、弟も小学校高学年で、若干反抗期が入りだした頃。
 一緒にお風呂に入るのを嫌がり、一緒の布団で寝るのを嫌がり出した義弟。
 「寂しいけど、義弟も男の子だもんね」なんて誤魔化して、毎晩布団で泣いていた私。

 ある日とうとう我慢できず、義弟が眠りについた頃、私は彼の寝室に忍び込んだ。
 寝ている義弟の唇。寝相が悪くてはみ出した、少し硬くなりだした義弟の腕や脚。
 無防備で、男の子をさらけ出している義弟に、衝動が抑えきれず、ついキスしてしまった。
 その瞬間、私の全身に一気に電流が駆け抜けた、ような気がした。
 私の身体が、オンナノコとして反応している。私は義弟に欲情している――!
 理解した私は、これ以上はマズイと思い、義弟の布団を掛けなおして、部屋をあとにした。
 私は、この子のお姉ちゃんなんだ。この子を男の子として好きになっちゃいけない。

 そう自分に言い聞かせておきながら、結局毎晩、同じコトを繰り返した。
 義弟へのキスは、彼が眼を覚まさない程度に、徐々に深くなるようになった。
 それだけではない。義弟が精通を迎えたのを知る前に、初めて射精させたのは私だ。
 手で優しくしごいて、最後は口で受け止めた。はっきり言って、美味しかった。
 義弟のものなら、唾液だって涙だって、血液だって髪だって、なんでも大好物だ。

 変態にもほどがある、そう思っても、この毎晩の狂宴はやめられなかった。
 表では理想のお姉ちゃん、裏では愛欲に溺れる変態義姉、それでも構わない。
 私は義弟に一生を捧げる。私は結婚しなくていい。義弟も他の女にくれてやるもんか。
666I do not want to let you meet (3/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/13(金) 19:22:12 ID:6dc/obKX

「独占欲丸出しの私……よく義弟にばれなかったよね」
 休憩を終え、作業を再会しながら、ふたたび回想に耽る。


 私はそこそこの器量だったらしく、結構いろんな男子から告白されていた。
 無論、全部断った。しつこい奴や逆上して襲ってきた奴は、男性機能に死んでもらった。
 義弟から彼の同級生を紹介されたときは、デートに呼び出し、ケチョンケチョンにした。
 「何してんだよ!」って怒鳴る義弟の顔を見るだけで、ご飯3杯は軽くいけたね。

 もちろんその逆もしかり。義弟も性格よし器量よしで、結構もてた。
 器量はともかく、性格はひとえに、私の教育の賜物ですよ〜だ。
 それで、義弟に好意を持った雌どもは、各種手段で片っ端から遠ざけさせた。
 それでも義弟に告白したバカは、不幸な事故や転校で消えてもらった。
 なんというか、私には、そういう策略や裏工作に関する才能があったらしい。
 
 とにかく、そんな犯罪まがいなことを繰り返していたある日、とうとう義弟にばれた。
 いや、裏工作ではなく、夜這いを掛けていたほうがバレたんだけど。
 私が大学生3年、義弟が大学1年の夏の日、生理も相まって、ムラムラしてた日。
 情欲の勢いに流され、義弟が目を覚ますのに気づけずにキスをしていた。
 当然義弟は驚いて、私を思いっきり突き飛ばした。そして文句を言ってきた。
「なんで……コトするんだよ! 僕らは……義理でも、姉弟じゃないか……!」

 この言葉を聞いたとき、私はもう義弟に嫌われたと思った。
 義弟に見捨てられる、義弟と一緒に暮らせなくなる、義弟と、義弟と………
 けれど、予想に反して、義弟は私を抱きしめて言ってくれた。
「僕だって、姉ちゃんが好きだ。僕だって悩んでたのに。ひどいよ。
 寝込みを襲って、こんなマネするくらいなら、一言言ってくれたらよk」
 つい嬉しくて、義弟の告白の途中で、キスしちゃった。猛省。
 むしろその勢いで、うっかり義弟とエッチしちゃった方が、よっぽど問題だけどね。
 あっはははははっ…………義弟、あの時はマジでゴメン。
667I do not want to let you meet (4/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/13(金) 19:23:13 ID:6dc/obKX

「むしろ、あれ以降義弟とイチャイチャできるようになったから、正解だったかな?」
 手に持ったロープを引っ張りながら、それを思い出す。


 義弟と愛を交し合った翌日から、私は義弟に遠慮することなくイチャついた。
 義弟も、困った顔をしながらも、体重を預けてくる私を受け止めてくれた。
 そして時々2人でこっそり外出して、デートや、エッチするようにもなった。
 お互いの同級生連中には、「姉弟でそんなに仲良かったっけ」とか言われたなぁ。
 時々いた「気持ち悪い」とかの少数意見には、従来どおり退場していただいたけど。

 まあ当然、パパとママには、そんな私達の関係はバレバレだったらしい。
 最初の日から2年後くらい経って、義弟も大学卒業と就職の目処が立ったくらいの日。
「義父さん、義母さん、自分勝手で悪いんですが、娘さんを、僕にください!」
 どうしてもと聞かずに、私のパパとママにそんな挨拶をかましてくれた義弟。
 バッチリ決めていて、カッコよかったから、また惚れ直したよ。
 そんな義弟に笑いかけ、養子間の結婚に関する準備をしてくれていたパパとママ。

「昔からあなたたちを見ていたら、こうなることくらい、わかってましたよ」
 そう言ってくれたママ。何も言わず、義弟の肩を叩くパパ。
 
「みんな、みんな、ありがとう。私、幸せになるね!」
 その日は、ちょっぴり義弟が引いちゃうくらいに、嬉しくて嬉しくて、泣き続けた。
 パパとママも、つられて一緒に泣いてくれた。
 最後には義弟も泣きながら、私を抱きしめてくれた。
 
 他人からどう見られても構わない。私は最高に幸せなんだ。
668I do not want to let you meet (5/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/13(金) 19:24:17 ID:6dc/obKX

「――と、ここでお話が終わらないのは、世の無常とでもいうのかな?」
 自分でも解るくらい低い声で呟き、私は真上にぶら下がるモノを見上げた。

 義弟が大学を卒業して就職し、ようやく仕事に慣れてきた頃のこと。
 突然、義弟宛てに電話がかかってきた。
 電話を取り次ぐ前に確認したところ、義弟の本当の両親だという。

 その場で切ることもできたが、やっぱり義弟に替わることにした。
 義弟が自分を捨てた両親をどう思っているかは知っていたが、無視はできなかった。
 結果、それがあそこまで義弟を悲しませることに気づかずに。

 受話器を置いて、義弟は電話の内容を教えてくれた。
「僕の生みの親が、僕に一目でいいから、逢いたい、んだそうだ」
 そう話す義弟の顔は、複雑な表情を浮かべていた。
「逢いたくないなら無視しようよ。逢いたいなら、私も途中までついていくよ」
 そんな私の一言で決心したのか、義弟は指定された場所に行く、と言い出した。
 私も心配だったけど、「大丈夫。決着をつけてくるから」と義弟に止められた。
 でもやっぱり心配で、義弟に黙って、こっそり跡をつけていった。


 やっぱり逢いに行かせるんじゃなかった。私はひどく後悔した。
 呼び出されていったのは、ウチの近場にある、潰れかけの喫茶店。
 義弟の実の両親はいた、けどそこには、他に複数の男女が隠れていた。
「どうもすいません。我々は『I want to meet.』という番組のものです」
 そういって、にやけ顔の壮年の男が、義弟に名刺を渡していた。

 なんでも、義弟の両親はTV番組の力を使って、息子の居場所を探したらしい。
 その結果、その全容を、TV番組で全国放送されることをわかっていながら。
 自分達の浅ましい過去、義弟の触れられたくない過去も、全国にぶちまけるのに。

「ふ……っざけんな! アンタらが俺にした仕打ち、わかってんのかよ!
 恥ずかしいと思わないのかよ! こんな真似して!」
 実の両親に怒鳴る義弟。怒りのあまり、口調がいつもと違う。
 こんな義弟、私は知らない。こんなに怒った義弟、初めて見た。
「もういい。金輪際アンタらを、両親として認識しない。二度と近づくな。
 周りのTVスタッフ、あんたらも、こんなもん放送するんじゃないぞ!!」

 そう言い捨て、義弟は店から出て行ってしまった。
 私は義弟に見つからないように隠れながら、店の様子を窺った。
 バカみたいにうなだれた義弟の実の両親、小声で文句を垂れるスタッフ。
 そして興味のなさそうな顔をする店主と、例のにやけ顔の男。

 ふざけるな。私の大事な義弟を泣かせた連中が!
 私達の幸せを、自分達の都合で潰そうとする害虫どもが――!
669I do not want to let you meet (6/6) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/13(金) 19:25:33 ID:6dc/obKX

「物語は、ハッピーエンド以外認めない。格好いいセリフだよね」
 そう言って、私は周りの痕跡を全て隠滅し、この場を立ち去ることにした。


 あの後、怒りながら泣き顔で帰ってきた義弟を慰めた。
 先回りして帰っていなければ、義弟にばれていたけど。
 あの場での顛末は知っていたけど、義弟の話を何度も聞いて。
「そんなことは忘れて、私達で幸せになりましょう? 愛しています、義弟」
 そうなだめているうちに、義弟は泣き疲れて、いつの間にか眠っていた。

 そんな様子の義弟を見たパパとママも、結局一緒に憤っていた。
 私は、この人たちが、義弟が家族で本当によかったと、心の底から思った。


「害虫には死を。憂いは一切残してはいけません。っと」
 私は、あの時あの場にいた連中を全て潰して回った。
 
 あのにやけ顔の男は、怨恨の末に、女に刺し殺されて。
 あの喫茶店は、店主ごと不審火で燃え尽きてもらい。
 あのスタッフ達は、それぞれ別々に事故死してもらって。
 そして今夜は、義弟の、実の両親を――

「息子に拒絶された末の心中。お似合いですよ、義弟を捨てた馬鹿には。
 貴方達にはほんの少し感謝しています。義弟を生んでくれたこと。
 でもね、恥知らずな真似を、これ以上されたくないんですよ。
 あなたたち、そのうち息子に、お金を融通してもらいに来るでしょう?
 そうなったら最悪です。生みの親が膿みの親になる前に、抹殺です。
 それではごきげんよう。二度と思い出すこともないでしょうね」

 天井の梁にぶら下がったまま動かない、2つの汚物に振り向くことなく。
 私はその場を離れ、義弟の待つ家に帰ることにした。

「さあ、邪魔な連中もようやく片付いたわ。
 うふふ、2人で――いいえ、家族4人で幸せになりましょう。
 だから、待っていてね、私の義弟――いいえ、私の最愛の夫」

 いい加減、家で待っている夫のもとに帰って、抱きしめてもらおう。
 私は、あの人のために、なんだってしてあげる。
 あの人が泣かないために。あの人が笑えるために。


――さあ、不幸の時間はここまで。これからは幸福の時間だよ。


         ―HAPPY END―
670 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/13(金) 19:27:39 ID:6dc/obKX
以上、投下終了。
自分の不用意な発言を、さらに助長してゴメンなさい。

短編の書き方はコレで理解できたので、次回作がんばります。

それと、再度ですが、>>654-655の書き手の人に感謝します。
671名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 19:50:58 ID:5U+eHvQG
いやいやナイスキモ姉でした!GJ
672名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 19:58:30 ID:TkqQcRSj
姉ちゃん最強だな
673名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 20:07:00 ID:PYVRrbjP
何と言うハッピーエンド…

GJ!
674名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 20:15:01 ID:MU1/jVKM
やっぱりSATSUGAIしないとらしくないねぇw
675名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 21:23:58 ID:fDJaNu53
GJ義理ってキモ姉にとって最強の武器ですね。


妹嫌い全裸待機で待ってます。嫌いなふりしてた妹さんにグッときました
676名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 23:02:36 ID:nErnm+nc
otu!!
でも、その…何もバラしちゃうことはなかったんじゃないかと…。
気に入らないなら会いに行かなきゃいいだけの話だし、この両親を殺す事が
弟の本意に叶うことだったのかなと思ってしまう。
せめて、どうせなら我が子を捨てた実の両親の無神経で無反省な一面や
興味本位のテレビ局の人のイラッとくる言動とかも挿入されてたら、もう少し
姉の犯行、というか暴走に感情移入できたような気がする。
少し勿体無いような気がします。
677名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 23:15:16 ID:MU1/jVKM
ポロっと「死んでしまえばいいのに、あいつら」
という弟の言を聞きつけた姉が仕事人化するとか?w
678名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 00:05:49 ID:hh/2kGEb
>>675
義理だと、お嫁さんニアンルというハッピーエンドが合法になってしまいますものね。
全ての泥棒猫と障害を処分してウエディングドレスに身を包む。これは血縁があっては
基本的に出来ない技…中には血縁があってもやってしまう剛の者もいるかもしれない
679名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 01:41:41 ID:1YRtfXwV
なんか、キモ姉妹の両親が健在で健全な話って少ないよな
亡くなってたり仕事の都合でいつもキモ姉妹と兄君弟君だけ家にいるイメージ
設定として楽だからかね
>>175じゃないが、寮生活するキモ姉妹は少ないな?
680名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 01:51:51 ID:RkayXjVw
>>670
愛が溢れてるね

>>678
実妹と結婚するのはキモ姉妹保管庫に、実姉と結婚しそうなのはヤンデレ保管庫にあるお
681名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 03:10:38 ID:I9Zk/8WV
最近、義理って聞くと萎えてしまう
682名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 03:29:01 ID:xIkSLJND
>>681
まあ人それぞれだがとりあえずsageような
683名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 05:17:52 ID:ZX5f0Dnr
>>681
バレンタインの後遺症か?
684名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 05:59:42 ID:0X4x+Lqn
そういえば今日はホワイトデー
キモ姉、キモウトがバレンタイン以上に発情する日だな
685名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 06:29:57 ID:RzDHdWr0
686名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 07:37:09 ID:YaQivtE+
ご、剛の…いや、豪の者だ…
687名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 08:38:05 ID:EEt23vex
ホワイトデーとかキモ姉妹は兄弟の精液で頭の中いっぱいだろjk
688名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 10:19:24 ID:R5NH0hoO
『ぶちまける白い怒り』、

という新聞の見出しのVOWネタが頭をよぎる。
689名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 16:02:48 ID:nreAvWWK
おにににににっちゃああああああん!!
ホワイトデーだよっ、白いのちょーだい♪♪
はいっ? 歯磨き粉でなくてさ……シュークリームでもないよ。いや、好きだけどもさ。
もういいっ!! 私の前に立って! はい、きょーつけー!! じっとしててよー?
ほあぁぁっ、激烈背水掌ッ!!

それじゃ、良い夢をー。ゆっくり気絶しててねっ♪♪
690 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/14(土) 17:43:18 ID:mKNg0aYp
ぐあ……PCのほうで、巻き添え規制くらった――
ダルい。携帯じゃあ長文が投降しにくい……

本日専用の小ネタを投下したら、しばらく投降控えます。
タイトルは適当に「ホワイトアウト・デイ」。1レス程度。
前にアンカ小ネタで書いたから(はずの)話の続き。妊娠ネタ注意。

次レスより投下。
691小ネタ「ホワイトアウト・デイ」 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/14(土) 17:53:01 ID:mKNg0aYp
「ただいま〜」
「おかえり、ア・ナ・タ。な〜んてねっ」
「おかえり、ア・ナ・タ。な〜んてねっ」
 家に帰宅してわずか1秒で、全身の気力を削がれた。
 我が家には安息の場などない、とわかっていても悲しい。

 その原因は、今俺の目の前にいる、俺の実の姉と妹だ。
 なんというか、この2人、本当にいろいろと最悪で。
 俺の寝込みを襲い、勝手にセックスして、子供をこさえやがった。
 そしてこの間のバレンタインに、「来月予定日だよ」とかほざくし。
 それも母乳入りチョコと、母乳直飲みのサービス付きで。
 あはは、もう逃げられないや――って、この時悟ったよ。くそう。

「まったく、ノリが悪いわね。キスくらいしてよー」
「そんなだから、あたしたち以外にモテないんだよ」
 うるさい。だいたいモテないのは、お前らのせいだろうが。
 俺に気があるっていう女の子を全員潰しただろ。証拠はあるんだ。
 おかげで俺は、お前ら以外のチョコなんて……うぅ

「まあそれはソレとして、おとーと。今日は何の日でしょう?」
「ハイねーちゃん。今日は3月14日、ホワイトデーです!」
「もう。妹ってば早いよ。でもそうね、今日はホワイトデーだよ」
「さて、にーちゃんは、あたしたちにどんなプレゼントをくれるの?」
「え……?」
 やべえ。今日がホワイトデーだと、忘れてた。
 この2人、記念日やプレゼントを大事にするから、用意してないのバレたら――

「まあどうせ、おとーとのことだから、忘れてるんでしょうねえ」
「でしょうねえ。だから、別の白いものを貰います。異論は認めませーん」
「うわぁ――なあ、白いものって、やっぱり、精えk」
「わかってるんなら話は早いわ。じゃあ、いただきま〜す!」
「代わりの栄養源に、母乳あげるから、頑張ってシャセーしてね!」

 言うと同時に、飛び掛ってくるバカ姉妹。身重のくせに速ぇ!
「ぎゃああああああああ! やっぱりそういうの目当てかよおおおおお!」
「いいじゃない。母乳と精液、この2つで永久循環できるじゃない」
「そんな効率よく、母乳を精液に変換できねえよ! 殺す気か!」
「いいじゃん。それより暴れないでよ、お腹が重くて動けないよ」
「当たり前だ! つうか、お腹の子を大事にしてやれよ頼むから!」

 ああもう! 聞いてねえよこの変態姉妹ども!
 うあ、母乳が顔に掛かる! 吸われ……胸で呼吸でkn

――この日、俺はマジで、視界が白くなるのを体感した。したくなかったよ……
                            ― A HAPPY WHITEDAY!! ―
692名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 18:15:46 ID:ADMPNWVU
693名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 18:17:54 ID:ADMPNWVU
sage忘れすみません
694名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 20:25:51 ID:KSYxMzSb
なんという幸せ者w
695名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:02:19 ID:+SXcjE9Y
俺もそんなキモウトが欲しい
696名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 22:35:21 ID:HlGNdfC3
 バレンタインデーに妹から手作りチョコをもらった。
「さんきゅ。ホワイトデーはお返しに何か考えないとな」
「そしたらお兄ちゃん、一緒にケーキを作ってくれる?」
「一緒にケーキって……そんなお返しでいいのか?」
「うん。二人で作ったら絶対楽しいよ。ね♪」
 うちの妹は気立てがよい。俺の懐具合を考えて贅沢を言わない。
 本当に可愛い妹だ。
 と、思ったのだよ、一カ月前は……
 
 
「……で、コレわいったい何の真似ですか? 何でオレ裸で縛られてるですか?」
「こらっ♪ 動いちゃダメだよ、お兄ちゃん♪ デコレーションに失敗しちゃうでしょ♪」
「どこに苺を載せてるですか? 生クリーム山盛りヤメて下さい絵ヅラとして美しくないです野郎にこんな」
「そんなことないよ♪ お兄ちゃん、とっても美味しそう♪ 残さず食べてあげる♪」
「一緒にケーキ作るってオレをケーキみたいにクリーム盛りつけるってことだったのか?」
「それはまた別♪ 生まれてくる子の名前を慶喜(ケイキ)って付けるんだよ♪」
「何で生まれるのが男って決めつけてるんだよ」
「我が家の中に女は私ひとりで充分♪ 胎児検査でメス猫とわかれば未然に始末♪」
「……妹パネぇっす……」
「さあデコレーションお兄ちゃんの完成♪ いっただっきま〜っす♪」
 
 
 ……そうしてオレは妹に上のクチと下のクチから美味しく頂かれてしまったのだった(泣)
【おしまい】
697名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 23:37:36 ID:S+Hi9M5P
パネェっすw
698名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 00:39:26 ID:oBrKIxPL
>>696

Gjっす

妹さんマジパネェっすwww
699名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 00:41:40 ID:XASet1C0
妹さんパネェっすwww
700名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 00:51:30 ID:QhgidZRO
こらに激萌え
701名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 01:29:13 ID:DzWFOydg
てっきりウエディングケーキ入刀かと
702名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 01:51:40 ID:baaWSkyc
自分の娘もけすってのはなかなかキモいな
703名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 04:38:07 ID:m7ENftDt
GJっすよ

妹さんのネーミングセンス、さりげなくパネェっす。
704名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 04:51:56 ID:GoQbF7Iq
徳川慶喜

……パネェっす
705名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 04:57:02 ID:Dhn/pWM6
「なぜ、こんな事に…」
現在、俺はベッドに四肢を拘束されていた。
もうすぐ、日付が変わりホワイトデーになろうかという時、いきなり強烈な眠気に襲われ、気がついたらこのような状態になっていた。
俺をこんな有様にした元凶は…
「えへへ〜♪ 弟君のむねきん逞しいよ〜♪」
俺に跨がりながら、スリスリと俺の胸に顔を擦り付けていた。
「一応聞いておく、何をしているんだ姉ちゃん」
「何って、弟君にホワイトデーのお返しを貰おうとしてるんだよ〜」
何故、お返しを貰うのに俺を拘束する必要があるのだろうか。
「姉ちゃん、ホワイトデーが欲しいならちゃんとあげるから。別にケチって逃げたりしないからこれ外してよ」
「駄目。弟君は絶対逃げるから。だからこうして捕まえたの」
たかがホワイトデーぐらいで何を大袈裟な。
「欲しい物があるなら言ってみなよ。明日、一緒に買いに行ってあげるからさ」
先月のバイト代から、既にバレンタインのお返しの分は確保している。多少の無理は利くつもりだ。
「それも魅力的だけど、私は別に買って欲しい物がある訳じゃないんだ」
いつもは俺に奢れ奢れとたかる癖に。
「じゃあ何が欲しいのさ?」
俺が聞くと、姉は擦り付けていた頭を上げ言い放った。
「私はね。弟君の精液が欲しいの」
706名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 04:58:19 ID:Dhn/pWM6
はあ?今、お姉様は何とおっしゃられた?
「も、もう一回言ってくれる…?」
「弟君の精えk…」
「はい、わかったもういい!」
聞き間違いと思いたがったが、そうではあってくれなかった。
姉が以前から俺の部屋のゴミ箱を執拗に漁ったりしていた事には気がついていたが、まさかこのような暴挙にでるとは思わなかった。
「それで、いったい俺をどうするつもりだ…」
「今から24時間、弟君は私にお返しするの。搾取されるの。食べ放題飲み放題なの。バイキングなの」
頭の出来が余りよろしくない姉は、次々にアホな発言を繰り出す。
「姉ちゃんあんまり馬鹿な事は…」
「一時間に10発として一日で… うはっ! 240発も絞りとれるよ!」
聞いていない。てかそんな計算に時間かけ過ぎだ。
「クソッ! そんな事されてたまるか! それに240発も出る訳が…」
「そんなに出されたら、お姉ちゃん妊娠どころか溺れちゃうよ〜♪」
相変わらず聞いていない。姉は自らの妄想に浸りながら、いやんいやんと首を振っている。
「と言う訳で、弟君。早速一発目いただくね」
現実に帰還した姉は俺のズボンのジッパーに手をかけだした。
このままでは不味い! マジで禁断の一線を踏み越えてしまう。
誰か…誰か助けてくれっ…
707名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 05:00:16 ID:Dhn/pWM6
いくら心で叫んだところで誰も助けには来ない。
だが、絶望に落ちる寸前で俺は一人の人物を思い出した。
そうだ! まだこの家には希望が残っている!
「妹ぉぉ!!助けてくれぇぇ!!」
俺が最後の願いを込め、叫ぶと…
「兄さんに何をしているんだ! この馬鹿姉が!」
ガシャーンと俺の叫びに呼応するかの様に、妹がドアを蹴破り乱入した。
さらに勢いついでに、妹は俺の上の姉を蹴り落とす。
「チッ!薬の量が少なかったか」
吹っ飛ばされたにも関わらず、姉はケロッと起き上がる。おまけに妹にも薬を盛ってやがったのか。
「兄さん大丈夫ですか!」
俺から姉を退けた妹は直ぐさま俺に駆け寄ってくる。
「あぁ、おかげでなんとかな… ありがとう、助けに来てくれて」
「いえ、私は兄さんが呼べば、例え地球の裏側に居ようと駆け付けます」
なんて良い子なんだ我が妹よ… 今のお前は正に救いの女神だ…
「それより… 姉さん!」
妹はキリッと鋭い目付きで姉を睨み付ける。
そうだ、ここはガツンと言ってやれ!
「私を差し置いて、兄さんの精液を独占しようとするとは何事ですか!」
はい? 妹よ。お前は何を言ってるんだ?
「それに、兄さんを襲う時は一緒に約束したでしょう!」
お前も同類だったのか妹よ…
708名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 05:01:07 ID:Dhn/pWM6
「うぅ…だ、だってだって! 二人で分けたら取り分減っちゃうもん! 240発が100発ぐらいになっちゃうもん!」
妹の睨みにビビったのか、姉は半泣きになりながら犯行動機を自供する。
てか二人とも俺の意思は完全に無視なのか。
「姉さん…」
妹はそんな姉に近寄り、諭す様にこう言った。
「半分に減るのが嫌なら、兄さんから絞りとる量を倍にすればいいんですよ」
は? 何言ってんのこの人?
「妹…」
流石の姉もこれには呆れて…
「アナタ天才じゃない!?」
「ありがとうございます姉さん」
ええええぇぇぇ!!!
「こんな簡単な事に気付かないで妹を裏切るなんて…ゴメンね、ゴメンね…」
「いいえ、姉さんの苦悩に気がつかなかった私の落度です」
「妹…」
「姉さん…」
ああ、美しきかな姉妹愛… って違う!!
ヤバい。このままではヤバい。なんとかしなければ…!
「弟君」
「兄さん」
ガチャガチャともがく俺に二人がのしかかる。
「「たっぷりお返しちょうだいね♪」」
「いやあぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺の悲鳴が誰かに届く事はなかった。
709名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 05:06:25 ID:Dhn/pWM6
以上
肝心のホワイトデーに乗り遅れてしまった…
710名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 05:28:25 ID:m7ENftDt
>>709
早朝からGJ
乗り遅れなんざ気にすんな。
個人的にバイキング発言に吹いたww

しかし、ホワイトデー関連ネタ、結構投下されたな〜
711名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 05:29:47 ID:1Ihzl+10
マジきめぇw
712名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 06:48:01 ID:YiwXnTFX
ホワイトデーネタ全部GJ!
>>705のネタで兄弟1人でキモ姉妹が沢山いたらとんでもない事が起きそうだから考えない方がいいな…
713名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 08:39:01 ID:0npVWg/c
そこで一番搾りを巡って最終戦争勃発ですよ
714名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 11:40:00 ID:8PEQyJzC
昨日で語呂通り妹と会うのが最後の日となりますように…
715名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:19:45 ID:MduXwcVN
投下する時ぐらいしかスレを見ず、保管庫の更新を週刊誌のノリで楽しみにしている俺がお前らに言いたいことがある
保管庫の更新をしてくれる紳士達、心の底から感謝してます
これからもお前ら紳士達を愛し続けるキモ姉妹を書き続けるぜ
716名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:21:39 ID:1e0/rtra
>>715
で?っていう。
そんな一人語りはいらねぇんだよ
717名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:22:47 ID:GhkfCLJ2
まーたそうやって無意味に殺伐とさせる…
お姉ちゃんがちんこちょんぎりにくるぞ
718名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:28:41 ID:lz8qo4xk
まーたそうやって無意味に殺伐とさせる…
キモウトが逆レイプしにくるぞ
719名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 17:41:37 ID:0DX5beWt
そんなこというとますます殺伐とそうだな
720名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 21:24:29 ID:1Fk8jlF+
男同士で結婚できる国はあるけど、姉か妹と結婚できる国はあるの?
721名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 21:34:18 ID:Fw/NxmQ/
>>720
養子ならともかく、実の姉妹となると聞いたこと無いな。
722名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 21:43:30 ID:GhkfCLJ2
昔はあったよね、姉とか妹とかとケコーンって
723名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 21:55:49 ID:EbTzSbqB
日本の場合は、最も緩い時代でも父母のどちらかが違っていなければならなかった。
両親共に同じでもOKとなると古代のエジプト、それも王族限定くらいか?
724名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 23:25:18 ID:lz8qo4xk
つまり現代キモ姉妹は古代エジプト王族の血を引いているのだよ!!

な、なんだってー(AA略)
725名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 00:45:12 ID:TuvpP6QP
というより古代エジプトからキモ姉妹が存在していたと考えた方が。


僕が即位した直後、ある重大な問題が起きた。
「弟よ。そなたの妃になるのはこの姉じゃ」
「兄王様。年若く生命力溢れる私の方が相応しいですわ…姉君などすぐに容姿が衰え、先代のミイラと似たり寄ったりの」

姉と妹、どちらを王妃にするか。僕の即位の条件は姉妹のどちらかと結婚し、共同で王国を統治するというもの。
姉はその美貌と叡知を高く周囲から評価され、妹は明るさと可憐な顔立ちから家臣に絶大な人気を持っている。
もっとも。姉と妹の真の姿を知る僕からしてみれば、騙されるなと心からナイル川に叫びたい。
夜な夜な僕の肉体を思うがまま貪るこの姉妹は、僕にとって悪鬼にも等しい存在だ。

「まあ姉君より締まった体型ですから、何時までも若々しく見られますので」
「ふん…つるぺた体型も物は言いようじゃな。豊かな胸のわらわには分からない苦労もあるな」
「姉君は確かに豊かな胸をお持ち…しかし兄王様を満足させる性戯はお持ちではないかと」
「ほう…自信があるようじゃ…見せてはくれまいか」
「ではお見せしましょうか。兄王様、失礼いたします」

そう言って妹は僕の服の裾をわり、暖かな手で僕のペニスを掴む。
「さすがにお疲れのご様子ですわね」
そりゃあんなに毎晩毎晩交互に絞り取られたら。
「わらわの胸で挟めば直ぐに堅くなろうぞ。愚妹よ、変わるとするか?」
「お待ちなさい、今すぐに兄王様を奮い立てますので」
ゆっくりと顔をペニスに近づけると、妹は舌を伸ばして。

ちゅちゅる!!

舌をペニスに這わせた感触で呻き声を漏らしそうになる僕。
「兄王様、まだまだですわよ」

妹は口を大きく開けるとまるで笛を吹くかのようにペニスを大きく吸い出す。

その快楽は今まで味わったことのない……もの…






「という訳で兄王の妃には妹が選ばれたというお話。余談だけど、これがあの『レッドスネークカモーン』の元ネタなんだって」
「………」
「いう訳でお兄ちゃん」
「………」
「大人しく妹の物になるのが古代エジプトからの兄の運命なの」
「嘘付けぇ!!!!!」
726名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 00:45:58 ID:DJAEr5mV
血縁なんて同性に生まれてしまう事に比べれば些細な事とキモ姉が申しております
727名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 01:10:59 ID:OeZ5bLrn
>>726
弟「このキモ姉から逃れるには性転換するしかない・・・!!」
728名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 02:16:40 ID:q2zlywyv
WBCで日本が優勝した暁には
姉貴に逆レイープされようと思うんだが、どう思う?
729名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 02:33:08 ID:25fo16wR
WBCネタのSSに期待します。
730名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 05:24:51 ID:WED4YJQQ
>>725
GJでした。なんという古代キモエジプト伝説。
姉→弟の場合は「パイズリ+舌で選ばれた」とか適当に話すんだろうな……
731名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 08:25:43 ID:P/UV7kcP
>725
普通に継承戦争が起きそうなヨカーン

でもよかった
732名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 10:07:19 ID:ah5oZqEa
>>723
同母は駄目だったんじゃないか?
733名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 13:36:34 ID:gEnvA8Cf
ワールド・キモ姉妹・クラシック
734名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 13:40:09 ID:qFKC52+x
キャッチャー(弟)に向かってダイブするランナー(姉)
そのままベットイン
735名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 16:57:37 ID:2HxgV4mp
若干亀だが>>725GJ

そしてレッドスネークカモンとかネタが古すぎるwww
736名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 18:05:30 ID:BFypEYO+
草生やすな
737名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 18:11:12 ID:gEnvA8Cf
つまりパイパン
738 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/17(火) 19:18:33 ID:WED4YJQQ
最近、長編が投下されない……年度末だしなぁ。
というか、まだ巻き添え規制は解けないのか……

投下を控えるつもりだったけど、『語呂合わせ』でできたから小ネタを投下。
タイトルは適当に「『さいご』のおまじない」。1レス程度の兄妹ネタ。
作中のおまじないはもちろん創作です。実際にはありませんので注意。

次レスに投下。コピペミスがありませんように。
 
「これでよし。あとは時間まで待てば、全てが終わる――」
 3月15日の午前3時5分。真夜中の暗い部屋の中。
 携帯のわずかな明かりを頼りに、僕は待ち続ける。
 
 3日前に失踪したクラスの女子から聞いた、絶対に効くおまじない。
「3月15日の午前3時15分に、作法通りに作った『願い札』を持つと、
 その札に書かれた願い事が、1つだけ、なんでも叶うらしいよ?」
 その話を聞いて、僕は彼女に頼み、詳しい内容を教えてもらった。
 そのせいで、彼女はいなくなってしまった――ごめんなさい。
 
 僕の願いは、妹と二度と逢わないこと。妹がいなくなること。
 僕は妹が怖い。僕を愛していると言う、血を分けた妹が。
 
 僕の下着や紙ゴミを漁り、精液や汗をしゃぶりとる妹。
 1日3回どこででも、口移しでしか食事を許さない妹。
 複数の薬で僕の自由を奪い、僕を何度も犯してくる妹。
 僕に接触するすべての女性を妬み、全員失踪させた妹。
 逃げ出した僕をなんなく発見し、傍らに縛り続ける妹。
 
 とにかく、もう妹には、傍にいて欲しくない。
 だから、「妹に逢うのを昨日で『さいご』にする」と願う。
 あともう少し。あと数分経てば、僕は妹と永遠に逢えない――
 
 
「こんばんは、愛するお兄ちゃん。ごきげんいかが?」
「う……うわああああぁぁぁぁぁ!?」
 妹が突然現れた。それも僕の目と鼻の先にだ。
 そしてそのまま、僕の身体に絡みついてくる。
 
「ふ、ふん。僕はお前が嫌いだ。けどもう二度と逢うことはないんだ!」
 おまじないの効力がでるまで、僕は強気で誤魔化し通す。
 しかし、そんな僕を嘲笑うように、妹は唇を近づけてくる。
「あはは。お兄ちゃんも、あのおまじないを使ったんだ?
 ――でもね、その『願い札』の折り方、間違ってるよ」
 
 は……? 何を言ってるんだ? 僕はちゃんと、情報通りに――
「本当は、3つに切って1束にして、それを5つ折りにするんだよ。
 まあ、私が嘘の情報を意図的に流したから、間違って当然だよね?」
 
 そう言いながら、妹は懐から、なにやら畳んだ紙を取り出す。
 間違いない。あれは正しい折り方の『願い札』だ!
「内容はナイショ。叶うまで、解っちゃったらつまらないでしょ?
 お兄ちゃんの願いは知らないけれど、それじゃ叶わないもの。
 だから、私がお兄ちゃんといられるよう、ちゃんと願ってあげる。
 さあ、願いが叶うまであと10秒。お兄ちゃん、ずっとずっと、愛してる」
 
 そう言いながら、片手で器用に僕の服を剥ぎ取ってくる妹。
 おそらく、本当にあと数秒で、妹の願いは成就される。
 もう、このキモチワルイ妹から、一生逃れられない――!
 
 定刻に合わせた携帯アラームの電子音。願いの叶う合図。僕への死刑宣告。
「お兄ちゃんと私の愛の絆は『さいご』まで何者にも邪魔させない――
 ねえお兄ちゃん。私のお腹の子は、男の子と女の子、どっちだと思う?」
 
――妹の最期の告白を聞きながら、僕は正気を失った。
 
 
                                      ― The last words come true ―
740名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 21:23:21 ID:hEQXDzwu
>>739
お兄ちゃんかわいそう…
741名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 23:59:09 ID:Bl3eYu2r
例えばの話だが…もし、もしもだ。自分にキモウトが実在したらどうする?
742名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 00:14:37 ID:BmBJfL1z
自ら軽犯罪を犯して刑務所にはいるかな
743名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 00:42:22 ID:chXanIKX
>>742

742「ここに入れば二、三年は大丈夫かな…」
監視員「おーい囚人No.742。今日からお前の担当者が変更になったから」
キモウト「えへへ〜お兄ちゃん私とゆっくり子z…更生していこうね♪」
742「いやあぁぁぁぁぁぁ!!!」

刑務所なんて閉鎖的な場所に入ったらキモウトの思うツボだ。
744名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 00:55:51 ID:UfNQgTkS
キモウト「742番、本日より独居房で24時間の懲罰を行なう。出ろ。
      (小声で)これで誰にも邪魔されずに子供作れるね! うふふふ…
      ほら、さっさと歩け!」
745名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 01:47:38 ID:0MU8TB67
まあ、なんだ
たぶんこのスレにいない
746名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 04:35:31 ID:lJrVew/B
姉→弟→妹→兄の一方通行なキモ兄弟なんか見てみたい
747名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 04:40:03 ID:DIgooddw
キモ兄弟はスレチな気が・・・
748名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 04:53:34 ID:lJrVew/B
>>747
そいつは残念

ところで、お前のIDグッドだね!
749名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 05:39:35 ID:xYuftOQY
>>746-747
弟/兄のキモ化が厳禁ならば――

・キモ姉→弟(キモ愛)
・弟→キモウト(普通の恋心)
・キモウト→兄(キモ愛)
・兄→キモ姉(普通の恋心)

という、清濁入り乱れた無限ループならどうだろうか。

……自分で書いといて、なんという家庭内ドロ沼。
長編にすれば面白そうなんだけどね〜
750名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 06:04:02 ID:DIgooddw
>>749
兄妹と姉弟の親同士再婚って設定なら兄弟の背徳感が少しは緩和するかも?

…こんなSSが来たらID通りかなりグッドになるな。
751名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 09:17:22 ID:EkyzRPPc
WBC

ワタシハ・ブラザー・コンプレックス
752名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 09:45:09 ID:qGjV7cT2
日本が優勝してるじゃんそれ
753名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 11:36:31 ID:bX9YJtTy
射空と断海は元気だろうか……
754名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 12:11:23 ID:jF7yrh6r
がんばれブラコン!!
755名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 12:56:18 ID:9H58dfv5
弟を強姦国に負けちゃう!!
756広小路淳 ◆3AtYOpAcmY :2009/03/18(水) 13:43:31 ID:1I2biUot
>>741
兄妹の親が有名人や地位のある人物だったりしたら、
情報をマスコミに売って関係を絶つという方法も考えられるな。

キモウト「お兄ちゃん、今日こそ私と一緒に・・・・・・」
兄「やめろ、俺たちは兄妹なんだぞ!」
 彼は妹からのアプローチを強硬に拒んだ。
 妹は決してブスではない。ウェーブのかかったセミロングの髪に、均整の取れた体つき、それでいて豊かな胸。政治家の娘でなければ、モデルになっても良かったかもしれない。
 だが、いくら美人でも、妹は妹。近親相姦などもってのほかである。
(このままでは俺は実の妹との関係を持つことになってしまう)
 そう恐れた兄は、テープレコーダーに妹とのやり取りの一部始終を録音した。

 数日後、兄はテープレコーダーを携えて都内某所の喫茶店に入った。
 血を分けた妹に対する背信行為。メディアに情報を売りつけるという行為。
 罪悪感に胸が痛まなかったわけじゃなかった。
(でも、長い目で見ればこれでいいんだ・・・・・・)
 そう自分に言い聞かせる。
「それにしても遅いなあ」
 そのとき、駐車場にホンダのシビックが停まり、まだそれほど年を取っていない男が降りてきた。
 彼が、今回ネタを買うという名前の通りの良いとある名門週刊誌の記者である。
「遅れてすみません。あなたが三宮内相の息子さんですね」
「そうです。今日はご足労いただきありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ。で、用意していた物はありますね?」
「はい。これがテープです」
「ありがとうございます。ちなみにこれが写真です」
 兄がリークして撮影させた、件の妹が兄に抱きつき、甘える写真だ。
「やっぱり写真があるのとないのとでは信憑性が違いますからね。・・・・・・っと」
「何です?」
「言ってあるかと思いますけど、情報提供者はあくまでも『兄の友人』でお願いしますよ」
「当然ですよ。なんなら、ゲラをお送りしましょうか?」
「そうですか。ご迷惑をおかけします」
「いえいえ」
 兄は一通りの話を終え、情報提供料の入った封筒を受け取って立ち去った。
(こっちが金一封よこしてもいいぐらいなんだがな・・・・・・)
 そして彼はほくほくした顔で帰った。

 数日後、バイク便で送られてきたゲラの出来に、彼は大いに満足した。
「『三宮内相』の愛娘が『実兄』に向けた『狂気の愛』」
 そう題された記事には彼が流した情報が余すことなく載っている。
 満足して、机の引き出しにしまった。
757広小路淳 ◆3AtYOpAcmY :2009/03/18(水) 13:44:03 ID:1I2biUot
 さらに数日後、期待感に満ちて、新聞を開けた兄は、絶句した。
 その週刊誌の広告には、どこにも自分と妹の記事はなかった。
 あわててコンビニに走り、週刊誌の内容を確かめる。やっぱりない。
 あまりのことに、携帯を取り出し、記者にかける。
「どういうことですか?お見せしてくれた記事、どこにもありませんでしたよ!?」
「いや、・・・・・・その、上からの・・・・・・」
「上?上からの圧力で記事が潰されたって言うんですか!」
「ええ、まあ・・・・・・」
 あまりのことに、ふらりとしてその場にへたりこんでしまった。
「大丈夫?」
「ああ、だいじょう・・・・・・ぶっ!?」
 見間違えようもない。兄を愛してやまない妹その人である。
「いきなり血相変えて出て行くんだもん。驚いちゃったよ。
 それとね・・・・・・」
 ああ。
「家族の秘密を週刊誌に売りつけるのは良くないと思うな。
 今度は水際で止めたけど、もうやっちゃだめだよ」
 全部ばれていた。
「ということで、今日は一日お仕置きだからね。覚悟してね」
 そう言うなり、妹は兄はずるずると引きずって連れ戻す。
 その日、兄妹が学校を休んだのは言うまでもない。

 しばらくして、休日に妹にデートと称して連れ出された。もちろん拒否権などない。
 歩いていると、急に走っていた一台の車が停まり、声をかけてきた。
「やあ、元気かい?」
「あっ、あんた・・・・・・」
 絶句したのは、何も思いもよらぬ再開にではない。
 彼が乗っていたのがフェラーリ・カリフォルニアだったからである。
「これ、日本じゃまだ発売さえされていない最新モデルだろ?
 いくら大手出版社に勤めているとはいっても、そんなに金があるのか?」
「いや、まあ・・・・・・。でも、仲良さそうで何より。じゃ!」
 彼はそう言うと、そのまま走り去ってしまった。
「ほんと、何よりだね」
 そう言って寄り添う妹、そして伴侶である少女の言葉に、兄はただ頷くことしか出来なかった。

 以上です。
 結局キモウトに敗戦してしまいました。
758広小路淳 ◆3AtYOpAcmY :2009/03/18(水) 15:03:49 ID:1I2biUot
(誤)絶句したのは、何も思いもよらぬ再開にではない。
(正)絶句したのは、何も件の週刊誌記者との思いもよらぬ再会にではない。

間違ってしまいました。申し訳ありません。
あと、書き忘れていましたが、タイトルは「対キモウト用メディア戦略」とします。
初めての投稿で至らぬ点が多々ありますが、どうぞよろしくお願いします。
759名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 18:11:38 ID:9H58dfv5
おもしろかったよー!
ぐっじょ!!
760名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 18:13:43 ID:cDCKIEwq
》756

GJ!!

こっそり長編化にも期待
761名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 18:48:40 ID:cFOyxTqR
>>760
半年ROMれ
762名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 18:50:06 ID:3ga6DIgA
そう言われ>>760は監禁されるのであった
763名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 20:46:40 ID:ZrFFpU42
>>760おにいちゃん>>760おにいちゃん、にげなくてもだいじょうぶだよ?
だってじゃまなどろぼうねこやくそやろうはのこらずしょりしたし
けっそうかえてけいさつよぼうとしたおとうさんやおかあさんにはそんざいごときえてもらったから。
もうわたしたちのなかをひきさこうとするおろかなごみむしはいないわ。
だから>>760おにいちゃん、まいにちわたしをだいて、わたしのしきゅうにたくさんのせいしをだしてね?
うふふふ、うふふふふふふふ





柱に縛られ目隠しをされた俺の耳にそんな妹の声が聞こえた。それは俺が知る妹のものより空虚で、とても幸福に満ちたものであった
後に知ったのだが、妹の手により街の人口は18%も減らされたそうだ
俺がこの妹から解放されるのはそれから10年後のことである
764名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 21:26:40 ID:FIGSgZ2U
>>763
そんな状態でどのようにして解放されたのか気になる…
765名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 22:15:18 ID:ANNBvCSu
エロゲ板の拾いものだけどツボに来たヮ
ttp://sukima.vip2ch.com/up/sukima004985.jpg
766名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 22:19:11 ID:1/+s3QAF
kwsk
767名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 22:33:35 ID:dm6aeviP
本当のキモウトなら奪われない
よってただのブラコン
768名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 22:40:31 ID:bnIVg46D
>>766
板違いだがクロアプのSentinel
769名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 23:09:16 ID:xYuftOQY
>>758
GJ!
権力+財力持ちのキモウトは、なすことスケールでかくていいよね。
770名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 00:29:15 ID:dutL1MuD
>756
キモウトさまとヘッドハンティングしたいのですが。
宣伝戦要員として…
771名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 00:39:38 ID:uhJFxouu
>>767
一度プレイしてみろよ、センチネル
772名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 01:49:09 ID:tV60YNia
そいつの√のプレイ動画が某動画サイトにあったが……

正直キモウトとしてはまだまだ半人前だったな
773名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 01:57:16 ID:W8nE4VCw
>>772
どっちかというと兄がいまいちだ
キモウトの振る舞いを知った上で愛を受け入れられる兄はいないのか
774名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 07:01:05 ID:eZ94BKSi
>>773
そういう妹達の愛を受け入れる兄達はむしろいもうと大好きスレの方にいるんじゃないか?
775名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 14:03:22 ID:tV60YNia
>>774を見て少し思ったんだが……

お前らってキモ姉妹のコト好きか?
キモ姉妹が好きでこのスレにいるのか?それともキモ姉妹の言動が面白いからこのスレにいるのか?

俺は、正直好きじゃない。こんなの気持ち悪いと思う。異常だと思う。

でも、ぶっちゃけこういう変態を(フィクションで)見るのは楽しいからここにいる。
776名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 14:24:04 ID:0fTtWbvc
大好きだぞ?
リアルでいたら引くけど
777名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 14:51:56 ID:SYlhkmXs
キモウトは大好きだぞ
778名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 15:19:46 ID:dutL1MuD
キモ姉は俺のもの
ちょっとブレーキがゆるいだけだから、俺が歯止めになってあげなくっちゃ
みたいな
779名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 16:12:28 ID:/cFDkfxt
現実と妄想の区別ができているからキモ姉妹とそれを異常に思う普通人の話が書ける
好きだけど、嫌いな気持ちを書かなきゃいけないときもあってしんどいよな
嫌い、異常な言動をさせなきゃ大好きスレと区別できないし

……あれ、近親相姦って異常だよね?
780名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 17:11:38 ID:dutL1MuD
>>779が腕にチクリとした痛みを感じて目を覚ますと、そこには
注射器を持った姉が居た。
「あれ…姉さん…何…ぅぁ…。」
「私がいつもあんなに愛してあげてるのに…近親相姦ってだけで異常扱いするなんて…。
姉さん悲しいわ…」
姉は悲しげにうつむいて、目を覚ましてすぐまた意識の薄れ行く>>779をじっと見つめていた。



>>779が目を覚ますと自分の手足がX字型に伸ばしてベッドの支柱に結ばれ、その上全裸にされていた。
おまけに下半身が異常なほど熱く感じられ、ペニス破裂しそうなほど勃起している。
「あら、>>779目がさめたのね。お薬も効いてるみたい…うふふ…」
「姉さん、これ、どういうことっ! ほどいてよっ!」
「姉弟が愛し合うことが異常だというなら、二人で別の世界に行きましょう? >>779は飛び切り気持ちいい方法で
私が別の世界に行かせてあげるから…。」
「姉さん落ち着いてよっ、頼むからっ!! 落ち着いて、話し合おう、ね!!」
「もうだめよ>>779、私もうあなたがくだらない倫理とか法律とかに縛られてるのを見ていられない、我慢できないの。
>>779は私を愛しているはずなのに、話し合うと結局は私を避けるほうへ話を進めちゃう…。だから送ってあげる。
苦しいことなんて無いわ。気持ちよく送ってあげる。私もすぐに追うわ、信じて…。」

そういうと姉は>>779の口をふさぐようにキスをした。そしてキスしたまま>>779に跨り、>>779のペニスを自らの秘所に導く。
姉の秘所>>779のペニスを飲み込むと、途端に>>779は射精しだした。
「あっ…あっ…姉さん!でちゃうよっ、ぬいてっ! おねがい、だからっ!」
姉はうっとりしながら弟の射精を胎内に感じていた。
「うふふ…強制的に勃起させるお薬のせいで敏感になってるのね…。もっと出して…。>>779の精を全部…。」
姉が腰を動かすと面白いように射精する>>779。薬のせいで射精するペースが明らかに異常だ。
「あがっ…ねえ、さんっ、だめっ…うっくっ…ひぐっ…」
「そう、そうよ…そのまま、私の中に…全部…」
2人ともうわごとのような言葉を繰り返しながらその行為は続いた。

1時間もする頃には、>>779の意識はなくなっており、無意識に射精を繰り返すだけの人形の上で
狂ったように腰を振る女が居るだけだった。そしてその女の手にはナイフが握られていた。

3日後、>>779とその姉は死体となって発見された。>>779は衰弱死で、姉は頚動脈を自ら斬って失血死だった。
姉の死に顔はこれ以上なく穏やかだったという。


---
思ったより長くなってしまった。
781名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 17:59:20 ID:xhhx0gea
GJ〜
(無理)心中系のキモ姉妹って、やっぱいつ見ても悲しいよね。
782名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 18:38:53 ID:CZQpFEcY
>>781
ですね。死ぬくらいなら、後ろ指差されながらでも一緒に生きた方が良いのに。
弟の幸せはどうでも良い
783名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 19:47:39 ID:j10fWIOe
>>782
キモ姉妹と一緒なら弟は幸せに決まってんだろ。
784名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 19:52:35 ID:tV60YNia
>>783お兄ちゃんにようやく私の想いが届いた……!
ありがとうお兄ちゃん、ありがとう神様、私たち幸せになろうね……!
785名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 20:18:03 ID:21r5Uqgu
キモウトさんとキモ姉さんが近親相姦とかで悩んでいたら、俺は精一杯その応援をしてあげたいな
786名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 22:33:44 ID:dutL1MuD
姉に限らず思いつめた女の人ってのは波打ち際の砂の城のような美しさがあると思う。

って書いてみたら美しいんだか美しくないんだかわかんなくなった。
787名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 22:36:09 ID:uuYOzISJ
登場する兄弟が自分のリアルの友人・知人だったらと考えると……
なかなか厳しいものがあるな
788名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 22:42:34 ID:ZU6H/Rok
生きてたら〜とか言う空気の読めないやつはどこから流れてくるんだろうな?
789名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 00:14:27 ID:g25LPGIh
>>787
いやいや、友人としてたった少し決断を促すアドバイスを送っただけで
結構な額の小切手をもらえたからこっちとしてはうれしい限りだよ。
ま、人が愛しあう分にはいいんじゃないかな、人が愛しあう分には。
じゃ、まあもらった金で彼女とイタ飯か中華でも食いに行くかな。またな。
790名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 02:19:04 ID:jidh13ll
ねぇ、>>789お兄ちゃん。その女はダレ?
791名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 02:22:41 ID:Re+/hQKL
>>789「た、ただの友達だよ…」
792 ◆6AvI.Mne7c :2009/03/20(金) 03:31:27 ID:4OXCnRfc
なんか、スレの流れがキナ臭い方向に進んでる……?
自浄作用(マジレス)が働く前に、換気ができれば――

そういったわけで、小ネタを投下。以前出た「性転換」ネタを使用。
タイトルは適当に「いらないのなら」。2レス程度の姉弟ネタ。
バイオレンス注意。書いた人は性転換について、あまり知識がないです。

次レスより投下。
793小ネタ「いらないのなら」(1/2) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/20(金) 03:35:31 ID:4OXCnRfc
 
「――金はいくらでも払う。だから、お願いします」
「……解った。○○万円の一括払いで、施術しよう」
 
 
 日本の首都のとある裏通りのさらに奥、違法な店の並ぶ暗黒街。
 その一角に聳え立つ、なんでもこなす闇医者の診療所。
 明らかに一般の人間がいることさえ許されない場所に、僕はいた。
 
「間に合った――ようやくこれで、姉さんの魔の手から逃れられる……」
 僕には姉がいる。僕のことを愛してやまない、いや「病んだ」姉が。
 姉は「愛しているから」の一言のみで、僕を陵辱し、蹂躙し尽くす。
 僕の童貞はとうに姉に奪われ、今でも毎晩犯され続けている。
 また執着心や嫉妬心が強いため、高校生活も私生活も既にボロボロだ。
 これ以上放っておくと、最後は監禁され、姉は僕の子を身篭るだろう。
 そんなこと、許してはいけない。だから――
 
「僕が男でなくなれば――性転換すれば、姉さんも僕を犯せない……」
 一大決心――苦し紛れの苦肉の策。なんとでも言え。
 これ以上姉に、僕の認識する世界を壊されたくない。
 
 さすがに、ペニスさえついていない僕とは、姉も性交できまい。
 そうして幻滅されたら、僕はどこか遠い地で、一生孤独に暮らすんだ。
 親類縁者は最初からいない。そして既に両親も殺されている。
 ここだけの話、今回の手術費用は、両親の死亡保険金なのだ。
 父さん母さんゴメン。僕はこんな方法でしか、逃げられそうにないよ。
 
 
「――では始めよう。手術用病衣を開いて、寝台に横になりなさい。
 よし。それでは、局部麻酔をするから、決して動かないように」
「わかりました。お願いします」
 注射針の刺さる痛み。麻酔薬の注入される感覚。
 医者の瞳の奥で、何かの感情が鈍く輝く、悪寒。
 そういえば、今の声色と雰囲気は、まるで姉を連想させるものだ。
 何故――あれ? どうして局部麻酔なのに、全身の感覚が薄れて――
794小ネタ「いらないのなら」(2/2) ◆6AvI.Mne7c :2009/03/20(金) 03:38:24 ID:4OXCnRfc
 
「――うふふ。1日ぶりだね、愛しの弟クン」
「うあ……あああ……ね、姉さん…………」
 最悪の展開。医者に扮していたのは、僕の姉だったのだ。
 マズイ。今は麻酔で動けない。まな板の上の鯉状態じゃないか!
 
「弟クン、これはひどいよ。いくらワタシでも、許せないよ。
 要するに、ワタシとのエッチがイヤなんだよね?
 だからおちんちんを切って、ワタシも切り捨てるんだよね?
 許せない許さない許せない許さない許せない―――そうだっ!」
 狂気と正気の間で揺れる姉が、突然何かを閃いたように、手を叩いた。
 
「それなら、弟クンの男性器を引き抜いて、ワタシの女性器を植えてあげる。
 ワタシは逆に弟クンの男性器を植えて、男の子になるの。
 そして弟クンのナカを、ワタシが孕ませて、赤ちゃんを産んでもらうの。
 えへへ、いいでしょ。いいわね――うん、そうしよう!」
 
 とんでもない妄言。知識もないのに、そんな簡単にはできないだろう!
 だというのに、姉は瞳を輝かせて、僕のペニスにメスを向けてくる。
 まるでそれが正しいことで、2人の幸福な未来のためといわんばかりに。
 嫌だ! そんな致死の未来は嫌だ! それならまだ――
 
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい姉さん! ごめんなさい!
 解ったよ! 姉さんの気持ち、解ったからやめてください!
 誓います! 僕は姉さんを、ちゃんと孕ませて差し上げます!
 だから性転換はしたくありません! だから、もうやめてぇ!」
 
 麻酔で出せなかった声を振り絞り、ひたすら懇願する。
 僕のそんな言葉に、姉はピタリとメスを止める。
 僕のむき出しのペニスまで、あと数ミリの距離。
 
「そっか〜。残念だけど、弟クンに孕まされるほうが、いいもんね。
 解ったよ。弟クン女の子ケーカクは、ここで終わらせてあげる!」
「あ、ありがとう――ごめんね、逃げ出してごめんね、姉さん」
 
 なんとか許された僕。けれど、これでもう姉からは逃げられないだろう。
「じゃあ、早くおうちに帰ろう? こんな黴臭い建物じゃ、エッチしにくいもん。
 おうちに帰ったら、さっそく弟クンのおちんちんで、孕ませてもらうんだ〜!」
 
 そう言って、麻酔で動けない僕を軽々と肩に担ぎ上げ、扉に向かう姉。
 扉を開けた先には、先ほどの闇医者らしき男性の、血まみれの死骸。
 また姉のせいで人が死んだ。また僕のせいで人が死んだ!
 いや、おそらく今日で僕も、精神(こころ)が死んでしまうだろう。
 
 
「弟クン。ワタシはアナタを愛しています。だから、おうちでずっと愛し合いましょう?
 そして、弟クンとワタシで、い〜っぱい子供を産んで、家族で暮らしましょう?」
 
――麻酔による睡魔に抗えず、僕は意識を失う。さようなら、僕の平穏な世界。
 
 
                                      ― Good-bye, My World ―
795名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 10:41:30 ID:JyK6niJh
>>792
はっきり言ってあなたが一番臭い
投下前後にしゃべるなって何回言えばわかるんですか?
796名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 10:53:44 ID:VEoAjnp3
>>795
何様?
797名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 11:14:36 ID:FYieWj6c
審判「ピーピピーッピーッ!
798名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 11:24:05 ID:56aDHLTa
>>795
ここは香ばしい香りのするインターネッツですね^^
799名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 12:24:52 ID:jidh13ll
>>792
GJ!
だけど確か性転換手術をしたところで
異性の性器は得られても生殖機能は得られなかったような……
俺も詳しくないからその辺はよく分からんけど
800名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 13:20:31 ID:zRGo5pJu
キモ姉妹「他人に食ってかかる、自治厨の>>795がマジでキモい」
801名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 13:34:47 ID:tEb/QIJX
このスレ潰すなら今だな
変な職人と単発の荒らし常駐してるし
802名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 15:21:16 ID:YDVemanG
永遠のしろはもう投下されないのか…
4ヶ月以上になるんだけどなぁ
803名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 16:36:01 ID:f99lHNCv
私待つわいつまでも待つわ
804名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 16:55:28 ID:31SAcYlO
もともと寡作気味の人だし、黙って待っているのが吉
805名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 18:53:12 ID:hXwFeQEv
先天性キモ姉妹と後天性キモ姉妹どちらがよりキモいか考えたけど
どっちもどっちだと結論に至った今日このごろ
806名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 19:19:41 ID:hKAZrLsg
キモウトが潜んでいるかもしれないスレになんていられるか!俺は他スレに帰らせてもらう!!
807名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 19:24:25 ID:eZelzDYb
後ろを見ろ
808名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 19:48:19 ID:IzTFzWDm
俺、このスレを閉じたら結婚するんだ・・・
809名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 19:51:31 ID:P1DdxHm/
義姉とですか?
義妹とですか?
810名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 20:13:31 ID:mjrrLFj3
>>808
その言葉、姉妹の前では絶対口にするんじゃないぞ
811名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 23:46:11 ID:Re+/hQKL
クソ!このままキモ姉妹の好きにさせてたまるか!
こっちから逆に襲ってやる!




あれ…?
812名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 00:07:02 ID:cMEPU4uC
こんな感じでpart18ももうすぐで終わりだな
813名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 01:29:43 ID:kf9PYmoH
>>796,798,800

18歳未満は帰れ
814名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 01:31:45 ID:tWkEHErs
投下がいつもより少ない……か?
815名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 02:36:03 ID:8eoXT+41
なんとなく買ったメガストアに俺好みのキモ姉妹が
816名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 03:16:58 ID:CKCeo7hf
どの辺にあるの?
817記憶の中の貴方へ 第3話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/21(土) 03:19:23 ID:goLVnqk2
投稿させていただきます。
818記憶の中の貴方へ 第3話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/21(土) 03:21:01 ID:goLVnqk2
正直な話、僕は真琴さんについてあまり多くを知っていない。
 趣味はスポーツ全般で嫌いなことは勉強全般。二人姉妹で妹がいること。その程度だ。
彼女が自身のことを話したがらないのではなく、単純に仲良くなってここ2週間程しか経っていないからだった。
そう、彼女はちょうど進級に合わせて、この学園に転入してきた。

「いやぁ、ホントありがとう。えへへ。いつもは茜(あかね)に頼んでいるんだけど、いつもの癖が出たらしくて。本当に感謝してる!」
桜が散り始めた今日この頃。雫姉と別れてすぐ。向かい合うように机を合わせた教室で、あくびを噛み殺しながらクラス委員の仕事をしていると、はにかみながら真琴さんがそんなことを教えてくれた。
彼女の友人の茜さんは、自称名探偵だそうで、何か事件の匂いをかぎつけたと言っては、どこかへ出かけてしまう悪癖があった。
今回も毎度のごとく、学校そっちのけで出かけたのだろう。それにしても、高校二年生で名探偵ってどうなんだろう。
それはともかく。先ほど――校門での雫姉とのやりとりから気になっていたことについて尋ねた。
「真琴さんて、うちの姉さんと知り合いだったの?」
「やっぱりー。聞いてないんだ」
「何のこと?」
人脈は、一つの力だ。単純に相手の名を知っているだけでも随分違うらしい。これはこの学園の生徒にもいえる事なのであるが、やはりそれだけの関係ではなさそうだった。
「まあ、教えるわけ無いかあ。だって……ね?」
 かわいらしい声が「そっかそっかあ」と頷き、こちらに意味深な視線が向けられる。が、残念ながら、僕には意味が分からない。
その反応に真琴さんは「へえホントなんだ」とつぶやくと机に頬杖をついて、億劫そうに続けた、
「一度だけ。ほんの少しだけだけど会ったことがあるんだよ。でも、お姫様は覚えていなかったみたいだね」
「お姫様?」
「ああ、雫さんの事だよ。雛守の姫っていえば社交界では有名なんだ」
 手をひらひらさせる。
知らなかった。雫姉はそう言った煌びやかな世界の話を聞かせてくれない。「お前にはまだ早い。」だそうな。まあ、興味がないのだから良いのだけれど。
819記憶の中の貴方へ 第3話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/21(土) 03:22:13 ID:goLVnqk2
でも、
「それだけじゃないんでしょ?」
雫姉のあの反応は明らかに普通でない。何か他の理由があるに違いなかった。
「え、……あー。」
 ニコニコしていた彼女は考えると、
「ねえ、広樹くんてさ、あたしのことどう思う?」
 いきなりの話題転換にちょっと驚く。彼女はニコニコしたまま。だけど、冗談で誤魔化さないで欲しいのだと分かった。
「真琴さんと知り合って少ししか経ってないけれど、その……明るくて素敵な女の子だと思う。優しいし……。
あと、スポーツも出来て――苦手って言うけど僕より勉強も出来るよね、何でも出来て凄いと思う。あとは、ええと――」
「ありがと、そう思ってくれて。でも違うよ。あたしはそんなんじゃない。買いかぶりすぎ」
 どうしたのだろう。口元には笑みを張り付かせたまま、真琴さんは目を伏せた。
「たとえばさ」と繋げる。
「あたしは………あたしは……広樹くんのいうようないい人じゃないかもしれないよ?広樹君の前で猫被っているだけかもしれないよ?性格も悪くて……いわゆる悪女ってやつ……かも。――それに家は穢れているし」
 いつもの真琴さんらしくない尻すぼみなセリフ。最後の部分は聞き取れなかった。
「そんなこと無い。そんなこと無いよ。僕と真琴さんは知り合って僅かだけど、それでも真琴さんがいい人だって分かるよ。
優しくてかわいい、とても素敵な女の子だ。そんなこと言っちゃダメだよ」
 雫姉だったらもっと上手にいえるんだろう。だけど、こんな伝わるかどうか分からない言い方しかできない。凄くもどかしい。
「だから、そんな悲しいこと言わないでよ。ね?
真琴さんのこと、ぼくは好きだよ?」
たとえばでもそんなこと言わないで欲しい。
「あう……好きって」
「?」
 さっきよりも顔を伏せてしまう。前髪で隠れて顔は見えない。髪の隙間からのぞく耳は赤かった。
「…………好きって言われた」
「……あ」
 実はとんでもないことを言ってしまった様な気がする。というか言った。
820記憶の中の貴方へ 第3話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/21(土) 03:22:52 ID:goLVnqk2
「いや、その友達として好きってわけで。あっ!真琴さんに魅力がないって訳じゃないんだよ、むしろ魅力的……いやいやいや、そうじゃなくて」
 ああさっきから何いってるんだろ僕。
 うろたえていると真琴さんがクスリと微笑んで、髪をかき上げた。伏せていた顔にはさっきとは違う自然な笑顔。
「ありがと。なんだろ、広樹君にそう言われると嬉しいな。……うん、すごく嬉しいや」
「え、うん。こっちも元気出してくれて良かった」
 彼女の笑みにつられて笑う。顔が熱い。たぶん今、これ以上もなく赤面してるんだろう。
「ううん。本当にありがとう」
 胸に手を当てる。かけがえのない贈りものをもらったように。
 彼女は微笑んでいる
 

 しばらく胸に手を当てていた彼女は元の話を切り出した。
「ねえ、お姫……雫さんとの関係が気になるって言ったね」
ようやく答えてくれる気になったのだろうか。訝しげに頷く僕に、
「じゃあ、その……今度の日曜にデートしない?」
 彼女はとびきりの爆弾を投げたのだった。



どうしよう、顔が熱くて仕方がない。この顔を広樹君に見られたのだと思うと、恥ずかしくてまた熱くなる。
放課後。広樹の帰った教室で真琴はとまどっていた。自分があんなに積極的だとは思わなかった。いつかは誘うつもりでいたがこんなに早くとは思ってなかった。何よりも、
放課後の今まで、朝のことを思い出しては赤面することの繰り返しだった。そんな『普通の女の子』の自分に驚きだった。
雫さんとの関係を教える代わりに、買い物の荷物持ちを手伝って欲しい。
今思うと無茶苦茶なことだったが、彼はそんなことでいいなら、と快く引き受けてくれた。
彼は妙なところで賢い。真琴と雫の確執が個人ではなく家柄を背景にした物だと言うことに気づいたのだろう。この程度のことで教えてくれるのならと思ったのかもしれない。
楠家に名を連ねる少女、真琴の冷静な部分がそう告げていた。
携帯を取り出して電話をかける。相手はすぐに出た。
「うん、あたし。………そう。誘ったらOKしてくれたよ。あんなに簡単に人を信じていいのかな……。まあこっちは好都合なんだけど…………うん……分かってる……」
広樹の前とは打って変わった思慮深い声。ここからは『楠家』真琴になる。
821記憶の中の貴方へ 第3話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/21(土) 03:23:48 ID:goLVnqk2
日曜に出かけることを伝える。むこうで安堵の空気が流れるのに気づいた。第1段階はクリアと言うことなのだろう。
「うん……頑張るよ。せいぜいあたしを気に入ってもらわないとね」
静かに、感情をのせず通話しながらも、頭に浮かぶのは赤面していた広樹の顔。関係が知りたくて引き受けとはいえ、そこは年頃の男の子。
やっぱり意識してしまうのだろう。あの顔、あれは可愛かったなあ。
出会って2週間程度だがそれでも、広樹がいい人だと言うことに真琴は気づいたし、疑いようがなかった。
常に周りを気にかけ、助けることに躊躇しない。そしてそのための自身の努力を惜しまない。それだけではない。普段からさりげない優しさが表れている。
他人に対して真っ直ぐで真摯な姿勢が好ましかった。この金持ち派閥の縮図そのものの学園で、そんなことが出来る広樹のような人は特別だった。
他人のために動いて努力できる人、少なくとも真琴はいままで出会ったことがなかった。
真琴は思う。
もっと、彼のいろんな顔が見たい。喜ぶ顔が見たい。楽しむ顔が見たい。哀しむ顔も見たいし、他のいろんな表情が見たい。それを一番近くで……広樹の隣で見ていたい。
「弱ったな」
あふれてくる感情の行き所が分からず、思わず呟く。楠の真琴では考えられないことだった。
なんだこういう事だったのかと真琴は今更ながら気づく。怪訝そうに問い返す電話に
「どうやらあたしの方が先にまいってしまったみたい」
 平坦だった口調が熱を帯びる。朝のあのセリフが決定打だった。あんなことを素でいえるなんて、反則じゃないか。
「最初はどんな男の子かと恐々としていたけど」
視線は窓の向こう、彼のいる屋敷の方向に自然と向いていた。夕日に沈む町並みに彼の姿を思い浮かべる。こんなのは、こんな普通の女の子なのは、楠家の真琴ではあり得ないことだった。
でも止められない。自分の内で燦然とわき上がる熱にとまどいながらも真琴は決してイヤじゃない。そうイヤじゃなく、むしろ嬉しい。この気持ちが誇らしい。
自然と手は胸に、真琴は静かに確信する。広樹は……そう広樹こそが
「あたしの旦那様にふさわしい」
822記憶の中の貴方へ 第3話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/21(土) 03:26:33 ID:goLVnqk2
今日はここまでで投稿終わります。お目汚し失礼しました。
823名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 03:48:54 ID:5YFYodpu
一番槍GJぇぇぇーーー!!!!!
824名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 08:08:33 ID:KfjufTKk
二番槍GJぅぅぅーーー!!!!!
825名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 12:35:39 ID:MOk6d7vi
三番槍GJぃぃぃーーー!!!!!


826名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 16:41:46 ID:vrRTf0SL
四番ファーストGJ!!!!!
827名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 16:46:02 ID:bd4n0ok4
ほっと
してたら
ゅば



思いつかね(´・ω・`)
828名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 18:03:09 ID:yfojKnst
湯葉
829名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 18:18:04 ID:nJZeKVkq
>>825
じーじぇいー
と言っとるのか。
830名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 18:43:06 ID:FTJx9MBZ
ほむ。GJ!
最近ss読むと何故か勃起する
831名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 19:57:19 ID:P5l1Ja6O
エロいのなら普通じゃないすかね
おれ最近てきすとが一番使用頻度高いんだけど
832名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 23:47:12 ID:KfjufTKk
>>831使用頻度て。

何に『使用』するんだよ……
833名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 23:59:45 ID:kf9PYmoH
834 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 13:55:13 ID:NlFiVWY8
もともと別所に序盤だけ書いてたんですが、書いてる内に内容がズレて来たんで、こっちに投下。
※厨二でポエムなんで、苦手な方は酉かタイトル『白と黒のクラウディア』でお願いします。
835『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 13:59:01 ID:NlFiVWY8
1
 掌が良い。と拳の先人達は言う。

 掌底、平拳、正拳、抜手、指拳。
 拳の握りは数有れど、掌底こそが相手を選ばず確実にダメージを与える術(すべ)だと。拳の先人達は言う。
 その気になれば、女子供でも使いこなせる拳。
 筋力では無く遠心力。強靭さでは無く柔軟さ。
 外からでは無く、内から壊す掌の拳。気を纏えば浸透勁へと変わる臨機応変な八卦掌。
 そこまでにメリットが有り、目立つデメリットは何も無い。なれば拳の先人達は言うだろう。「掌こそが最強の拳だ」と。

 しかし、はたしてそうか?

 異議を唱えるのは若き拳人。
 掌が良いのならば何故、他の拳が存在するのか?
 平手、正拳、抜手、指拳。それらが掌と同等に必要だから存在するのではないか?
 本来は使い手の修練差だけで、五拳に差は無いのではないか?
 そこで若き拳人は、「なればこそ」と思う。
 掌と対極の拳、指拳を極める事こそが、新たな拳の開拓に繋がるのではないのかと。
 母指(ぼし)、示指(しし)、中指(ちゅうし)、薬指(やくし)、小指(しょうし)。その中で使うのは一本。母指のみ。

 「だがしかし」、
 それを見た拳の先人達は嘲笑う。
 相手の身体が鋼の様に固ければどうするのか?
 鍛え上げられた肉体に指一本の指拳は有効なのか?
 そう問われ、若き拳人は嗚呼(ああ)と哭く。
 拳が衰退していった過程に心から嘆いた。
 そんな考えだから拳は衰退するのだと。
 だから頼らねばならない、氣に。
 だから武の最強の座を渡さねばならない、魔法(ペテン)に。
 だから証明せねばならない、最強の武を。
 生涯の殆どを鍛練に費し、拳人は拳神と成る。
 そして現代、その拳と意志を受け継ぐは一人。
 受け継ぐは指拳。完成された拳の集大成。
 受け継ぐは証明。引き起こす武の下克上。
「この世に仇成す邪悪を穿つは……」
 伝えられし積年の願いが、代弁者を代えてここに成就する。

「拳神四分家が一つ、祁答院家現当主」

 さぁ、現代の拳神よ……

「推して参るッ!!」

 最強を証明せよ。

836『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:00:35 ID:NlFiVWY8
2

 その早さ、天翔ける星の閃光。



 四の腕と四の脚から繰り出される無呼吸連撃。
 相手を畳み掛けるべくして放つ無制限弾膜。
 『喰らえ』『喰らえ』と、一撃毎に祈りを付加して擲(なげう)たれる会心の一撃達。
 されど見よ。
 その祈りは高望みである。
 そして知れ。
 その願いは決して叶わぬと。
「くッ、どうなってんのよ!!?」
 責め手は二人、受け手は一人の圧倒的有利な展開。
「全力で飛ばしてるのにっ、どうしてっ!!?」
 責め手は二人、受け手は一人の圧倒的有利な展開……だった筈。
 優劣は直ぐに五分と成り、
「純粋な殴り合いで、祁答院の名に勝てると夢見るなッ!!」
 責め手が一人、受け手が二人に。狩る側と狩られる側が事実シフト。
 二人が繰り出す拳と脚は、攻撃する為では無く、攻撃を防ぐ為に出されている。
「ライト、この距離で打ち合うのは!!」
 拳神が放つは命奪の拳。
 指拳を放てば肉を抉り、
 正拳を放てば骨を砕き、
 平手を放てば管を裂き、
 抜手を放てば臓器を削る。
「姉さんッ!? クソッ!! ボクが押されてる? 引くっての!?」
 どれもが必殺。
 もし拳神の猛攻を凌ぐ手立てが有るとすれば、それは純粋な身体能力。幾年の歳月を鍛練に費やして得られる身体能力だけ。
 百歳やそこらのガキではどうしようもない、まして魔法(ペテン)に頼るなど愚の骨頂。この状況では糞の役にも立たない。
 だが、意識を高め、簡単な一節魔法を使うとしての詠唱、魔法の名唱、放つ動作。この四行程を僅か0.5秒で行える者が存在する。
 一部の才有る者と人の力を超えた者。拳神と対する二人も漏れずに該当する。これが最速。最速の発動時間。

 されど悲しいかな。拳神を前にして0.5秒と言う時間は、秋日に夜を願う蛍の命よりも長い。拳神は0.01秒で相手の喉をブチ破るだろう。
 他の武では追い付けない……百分の一、千分の一の世界がここに有る。

 神殺しを最良の糧に、最強の武は解答されるだろう。

837『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:01:36 ID:NlFiVWY8
3

     『白と黒 クラウディア』
  【白色悪夢〜LightMare Syndrome〜症候群】




 12月23日。
 ひらひらと初雪が降った。
 街はゆっくりと白に染色され、唯一色のメイクアップを施して行く。

「すごいね、ボクを見つけるなんて」

 そして一人。
 降り続く雪に誘われて、白色の街に導かれて、降り続く粉雪の中、少女と出会った。
「ご褒美に、『君の願いを叶えて』あげるよ。あっ……勿論、代償は貰うけどね」
 高層ビル間の細い路地奥。数メートル前後で二人は対峙し、互いに姿を確認し合う。
「さぁ、願い事の準備は出来たかな?」
 少女の髪はシルバーアッシュ。根元まで同色の天然ショート。顔の幼さや身長から推測すれば、年齢は15程度だろう。
 服は白地の『タンクトップ』で、胸元にアルバのロゴが入り、ホワイトゴールドのスカルネックレスを首から垂らす。
 パンツとブーツも白で統一され、白の風景に現れた白の支配者。
「良い夢を……祁答院(けどういん)」
 少女は真っすぐ前に左手を翳し、『背中に生えた白い双翼』を大きく広げる。
 途端。
「永遠への手向けだ、ボクの名を刻んで落ちると良い」
 グラリと、全身の力が抜けるのを実感。
 膝から崩れ落ち、視界の中すらも白に侵される。
「ボクの名はライトメア=フィアード。白色悪夢のライトメアだ」
 耐え切れず……
 思考回路は、闇に落ちた。

838『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:04:56 ID:NlFiVWY8
4
 太陽の様に明るい笑顔を持つ貴女。その活力が僕にまで感染する。今日も頑張ろうって気にしてくれる。


 LightMareDays 1日目


 眩しい程の白。朝の陽光を浴びて、今日も俺は意識を呼び起こす。
「ふあぁ……っと。ううっ、寒い寒い」
 一声を発し、伸びをした処で身体が震える。
「まぁ、寒い筈だよなー」
 理由は即効で身に染みる。俺が寝て居たのはリビング。
椅子に腰掛け、テーブルに突っ伏しながら寝て居たのだ。
「12月24日って言ったら、すっかり冬だ」
 テレビも点いたまま。朝のニュースでクリスマスイヴ特集が組まれているのを見て、今日で有る日付を知る。
「おはようございます、お兄ちゃん」
「んっ、おはよう紫琉」
 聞き慣れた声に名を呼ばれ、腰を上げてから挨拶を返す。
 障子を開けて部屋に入って来たのは双子の妹、紫琉(しりゅう)。
 黒く長い髪に、白く柔らかな肌に、切れ長でウサギのように赤い瞳。そして女を意識付ける最高のプロポーション。
 んなだから、双子なのに俺と全く似てない。
「もうっ、またリビングで寝てっ……ふふっ、こまったお兄ちゃんですねぇ♪」
 ここは仙台の街外れ。俺ら家族が経営する温泉旅館。
 でも今日から暫くは客も取らず、紫琉と二人きりで過ごす事になっている。
「今日ぐらい、朝から外食にしよう」
 友人とも会わない。平坂とも瀬戸山とも霧……きり、キリ、きりかわ、だったっけ?
839『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:06:18 ID:NlFiVWY8
5
 違うな、きりかわじゃない……んっ!? 待て待て。何で名前を間違えるんだ? もう一度、ちゃんと、思い出せ!
 いや、『思い出せ』ってこと自体がオカシイ。オカシイ。何かが、オカシイ。
「お兄ちゃんどうしたんです? 固まってますよ?」
 紫琉の問いすら答えれない。それまでに不可解。それまでに不理解。刹那で陥った最高級品の疑心暗鬼。
「ふぅぅっ、はぁぁぁっ……」
 落ち着け、落ち着け、落ち着け。
 即座に深呼吸で気を落ち着かせ、再度その名前を羅列させる。
 落ち着けよ、ゆっくりで良いんだ。ゆっくり、ゆっくり、名称しろ。
ひらさ×、せと××、き××……あれっ? さっきと違う気がする。

 最初から、もう一度。

 な×、も××、×××、××××××××××××××××。
 数少ない友人の名が、親の名が、出て来ない。例え名すら出て来ない。
「ッ!?」
 一筋垂れて、頬に汗さえ伝う。この寒い冬に汗……どんな意味か自分でも分かっている。
 だから俺は、思い出せない不安を拭いたくて、
「紫琉、今日ってみんな何してるんだっけ?」
 その解答を紫琉に求めていた。
「えっ……と、お兄ちゃん?」
 表情で分かる。これも駄目。これもオカシイ。紫琉はオカシイ台詞を紡ごうとしている。

「『みんな』って、誰の事を言っているんですか?」

 畜生。やっぱり言った。紫琉も忘れているのか?
「ほらっ、父さんとか母さんとかさ……」
 まだ諦めれない。紫琉が別の意味で解釈した可能性も有る。
 頼む、答えてくれ紫琉。俺の不安を払拭してくれ!
「あらっ……お兄ちゃん『何を』言ってるの? 私達は、ずっと二人だけで生活して来たじゃない」
 本当に分からないと言った顔で返してくれた問いの答えは、本当に分からない問いの答え。
 ずっと、二人で?
 ずっと、二人で。
 ずっと、二人で……

「そう……だったね。ゴメン紫琉。何だか寝ぼけてたみたいだ」
 そうだ。俺と紫琉は、ずっと二人だけで暮らしていたんだった。『みんな』何て最初から居ない。
「もうっ、今日ぐらいはしっかりしてくださいね」
「ああ、わかってるよ紫琉。今日は特別な……日だから」
 一年で一度の聖夜。こんな神聖な夜になら神様も目をつむっていてくれる。
 例え兄妹でも……愛し合う二人が育む、禁忌とされる行為を。
840『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:09:05 ID:NlFiVWY8
6
 月の様に優しい微笑みを持つ貴女。その気丈な言葉は、僕の身体を落ち着かせ、暑くする。
 明日になれば、また太陽の様な笑顔を見せてくれると信じて、今日も僕は眠りに着く。

 そんな紫琉に、これ以上何を求めたら良いのだろう?




「寒くないか紫琉?」
 サラサラと冬なる冷気の風が、頬と肩を撫でて吹きすさぶ。
「私は暖かいですよ。お兄ちゃんは、寒いですか?」
 舞い落ちるパウダースノーは、それだけで冷たさを連想させて体温を低く誘導する。
 そんな街中。紫琉はジーンズにブーツ。ダウンジャケットを羽織り、俺もお揃いのダウンジャケット。
「いや、暖かいよ」
 街を歩く俺達は、きっと兄妹に見られていない。
 紫琉は俺の左腕に身を寄せて、微かな隙間も空けない様に両腕でしっかりと抱いて歩む。
 俺の鼓動は紫琉に聞こえて、紫琉の鼓動は俺に聞こえて。相乗効果で心拍数は更に上昇。顔は紅潮し、身も心も暖かく。
「これから、どうするんですか?」
 紫琉は俺の上腕に頭を預けながら、ショッピングビルの液晶モニターで『2時30分』と言う時刻を確認して、信号待ちの次行動選択を促す。
「ん……紫琉は行きたい所とか有る?」
 二人で同色の黒いダウンジャケットを羽織り、温泉旅館を二人で出て、二人一緒にファーストフードで遅めの朝食を取ったのが11時。
 そこからクリスマスイルミネーションの施されたセンター街でウインドウショッピングをして、長い信号待ちの今に至る。
「私は……お兄ちゃんと離れなくて済む所だったら、本当にどこでも良いんです」
 俺の顔を上目で見つめ、離れたくないと願う妹の顔は、焦がれる程に愛しく思えて……
「紫琉と離れるなんて、考えもしなかったよ」
 甘ったるい台詞を囁き、微笑んで紫琉の瞳を見つめ返す。
「おにい、ちゃん……」
 紫琉は潤んだ瞳を静かに閉じて背伸びをし、
「紫琉……」
 俺も僅かに顔を下げ、妹の頬に右手を添える。
「ずっと、好きだった」
 それに今まで言えなかった告白を加えて、

「「んっ……」」

 唇を重ね合った。
 温もった声さえも重なる、とても神聖で、禁忌とされる行為。
 横を通り過ぎて行く視線を気にせず、気にならず、時間さえも止めて、二人だけの世界で愛を唄う。
「んちゅっ、はぁっ……信号、また赤になりましたね」
 惜しむ様に唇の重ねを解き、俺達は揃って目立つ赤を見る。
「ああ、ゆっくり行こうよ。まだまだ今日は長いから」
 言い終わる直前に赤は消え、人波を動かす緑に移り変わった。

 そして俺は、幸せな時を進む――

 二人で恋愛映画を見た。人気が無いのか、客入りの少ない作品だったけど、俺達は充分に楽しんだ。
 愛し合う義理の兄妹が、周りの祝福を受けて一緒になる話し。
 どんなに幸せなんだろうと、画中の二人に嫉妬しながら、決定済みのハッピーエンドを見守ってた。
 兄と妹の結婚式。現実の俺達には決して許されない背徳の儀式。
 紫琉は俺の左手に自らの右手を乗せたまま、声を殺して涙を流す。
 遠い日の紫琉と交した約束。『大きくなったら結婚しよう』。そんな幼い子供の盟約すらも無に返す、くだらない法律が存在する現実。
 ああ……
 ああ……神様どうか。
 ああ、神様どうか教えてください。いったい俺達は、どこに行けば許されるのですか?
 哀れな小羊達は、どこに行けば愛し合えるのですか?
 小羊達の愛し方を、どうか教えて下さい……

841『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:09:42 ID:NlFiVWY8
7

 LightMareDays 2日目


 眩しい程の白。朝の陽光を浴びて、今日も俺は意識を呼び起こす。
「ふあぁ……っと。ううっ、寒い寒い」
 一声を発し、伸びをした処で身体が震える。
「まぁ、寒い筈だよなー」
 理由は即効で身に染みる。俺が寝て居たのはリビング。椅子に腰掛け、テーブルに突っ伏しながら寝て居たのだ。
「12月24日って言ったら、すっかり冬だ」
 テレビも点いたまま。朝のニュースでクリスマスイヴ特集が組まれているのを見て、今日で有る日付を知る。
 確か昨日は紫琉とデートしたんだ。ウインドウショッピング、映画、高級レストランで食事、その後はラブホテルで紫琉と……ん?
 何か記憶が抜けてる。紫琉と一緒に寝た筈なのに、どうして俺は自宅で目覚めているのか? そもそも昨日は何でデートしたんだ? デートするなら、『イヴで有る今日』だろうに。
「状況を、把握する必要が有るな」
 椅子を引いて起立し、パジャマから着替える為に自室へと向かう。
 オカシイ。嫌な……予感がする。
「紫琉、まずは紫琉を探さないと」
 行動を起こすなら今だ。
 思考能力が『正常』な今だ。
 動いて、考えて、結論を出せ。
 何を考え、どう動くべきなのかを……

842『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:11:31 ID:NlFiVWY8
8
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
 深い呼吸で溜め込まれた脳内酸素までが、小休止の無い運動で尽き朽ちる。
「はぁっ、はぁっ、っ……ぐはぁっ!!」
 短いインターバルも取らずに走り続ければ、言わずとも出て来る当然の結果。

 もう何分走った?
 覚えていない。

 何時から走った?
 考えたくもない。

 視線をズラし、液晶モニターで映される時刻が、11時45分。旅館を出たのが11時。
 簡単な算数。やっぱり疲れる筈だ、こんなに走ってるんだから。
 雪が降り止み、夜の冷感温度でアイスバーンに変化した歩道。
 そこを俺は、
「どこ……っはあっ、に、居るんだよ紫琉!」

 12時間45分も走り続けたのだから。

「しりゅ、うっ……」
 終に両足は動かなくなり、激痛を上げて中断を申告。
 日付の変わる空を仰ぎ、異常な呼吸を正常に整える。
 街には俺が一人だけ。他には誰も居ない。後は何処かに居る紫琉。
そう。この世界は、俺達二人で出来ている。
 後は存在しないし、『後』なんて無い。
 記憶回路で覚えてる人名は、自分の名前と妹の名前だけ。たったそれだけなのに、それだけで満足してる。
 誰にも咎められない。
 誰にも非難されない。
 この世界には二人しかいないから。
 二人しかいないからオカシイ。
 俺が立ち止まった先、横断歩道の向こう側。ソイツは佇む。
 全身を白で纏め、視界に現れて異端を晒す。
 俺と白との距離は、目測で二桁メートル弱。
 読唇術を会得してる訳じゃないし、声が聞こえて来る訳でもない。でも分かる。白は口角を一字一字はっきりと動かし、俺に意味を理解させる。
「う、た……」
 言葉は5文字。
「が」
 視力は余り良くないし、読み違えてる可能性だって有る。でも解る。
「う、な」
 意識下に直接で刷り込むかの如く、白の言葉が頭に響く。
「うた、が、うな?」
 奴の言った台詞は、
 白の放った初言は、
「疑うな!?」
 その存在以上にオカシイ内容だった。

843『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:12:09 ID:NlFiVWY8
9
「どう言う……事だよ畜生」
 分かれ、分かれ、解れ。
 この状況を、この現状を!!
「畜生、畜生……」
 分かる、分かる、解る。
 俺は何をするべきなのかを。
「俺は、俺は……」
 今はただ、この溢れる感情のままに。
「俺はぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
 仙台の闇を降り払う為の咆哮。それまでに俺の叫びは大きく、
「ダメよ、お兄ちゃん」
 俺の驚きは大きかった。
「ッッ!? しっ……りゅう?」
 背後から探し求めた声が届き、身体中に小規模な衝撃が伝達。
「この世界が全て。私とお兄ちゃんだけの叶えられた世界」
 紫琉の右手が腹部に見える。
「それを『疑う』なんて、絶対に駄目!!」

 きっと、紫琉に背中から抱き締められてる。
「し、りゅ……がはッ!!?」
 それなのに俺は、最愛の名を呼ぶ事さえも許されない。
 代わりに口から溢れるのは、ハイペースで流れ落ちる鮮かな血液。
「もう一度やり直しましょう。直ぐに『元通り』になるから」
 確かに紫琉の右手は腹部に見える。
「なに、をいって……」
 右手は腹部に見える。
 右手は腹部から『生えて』見える。
 俺の背面から貫き、『腹部に穴を空け』て血塗れの五指を見せた。
「次は私だけを考えてくださいね、オニイ、チャン♪」
 後ろを振り向く事は出来ない。
 下を向けば血溜まりが造られ、
 前を向けば、
「なっ、ん、で……」
 白と紫琉が戦っていた。
 白は双翼を広げ、紫琉は長い刀を振るう。
 白と戦うのは、『もう一人の紫琉』。
 オカシイ。そう思いながら、俺の意識は消えて行く。
 痛みなんて全く感じてないのに、死ぬんだなって理解出来た。
 ゾプリと腕が引き抜かれ、腹にでっかい風穴が空く。
「お兄ちゃん!!? 嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」
 駆け寄って来る紫琉の絶叫を聞きながら、俺は雪面の白夢に倒れた。

844『白と黒のクラウディア』その1 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 14:12:45 ID:NlFiVWY8
10

 LightMareDays 3日目



 眩しい程の白。朝の陽光を浴びて、今日も俺は意識を呼び起こす。
「ふあぁ……っと。ううっ、寒い寒い」
 一声を発し、伸びをした処で身体が震える。
「まぁ、寒い筈だよなー」
 理由は即効で身に染みる。俺が寝て居たのはリビング。椅子に腰掛け、テーブルに突っ伏しながら寝て居たのだ。
「12月24日って言ったら、すっかり冬だ」
 テレビも点いたまま。朝のニュースでクリスマスイヴ特集が組まれているのを見て、今日で有る日付を知る。

 そして視線を廊下に向ければ赤。

 リビングの入口、
 血沼に浮かんで、
 仰向けに倒れ、
 紫琉が死んでた。



 続く。
 Next LightMareDays

845名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 14:15:30 ID:NlFiVWY8
今回はここまでです。
その4。四回目の投下で完結します。
1レスの量にバラ付きがありすみません。
846名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 15:23:56 ID:QdMQ7EFQ
10レスくらい全部透明にした。反省はしてない。
847名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 16:08:40 ID:TubU6T73
うーん。何というか…
妙な例だが初見でラーゼフォンを見たときの気分かな
848名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 17:33:19 ID:2tDUYH4x
GJ!次に期待

>>846
報告する必要ないよね?その情報
849名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 17:36:42 ID:chZX3VQb
GJ以外の発言は叩かれるぞw
850名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 17:41:14 ID:VV4Ir6z4
設定がよく解らないので早く続きを読ませて下さい。気になって眠れなくなりそうです
851 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:17:26 ID:NlFiVWY8
何度もNGさせるのもひどいんで、もう一つ投下します。
NGは一緒です。酉かタイトルで。
852『白と黒のクラウディア』その2 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:18:38 ID:NlFiVWY8
11
 貴方の笑顔が見たくて、貴方の幸せを考えて、貴方を困らせたくない。
 何も変らぬ様にと、貴方が幸せに成れば良いと、震える唇で強がる。
 でも本当は、私のココロが欲しいのは、私のカラダが欲しいのは、私を求める貴方の声。


 OtherSide 3日目



 眩しい程の白。朝の陽光を浴びて、今日も『私』は意識を呼び起こす。
「うぅっ……はぁっ、全く」
 高層ビルの屋上。貯水タンクに寄り掛かかり、身体を冷え切らせて起床する。
「昨日の『二択』は失敗したわ」
 探すべきは兄。ライトメアじゃない。昨日はそこを間違えた。
 だから、また繰り返す……こんな有り得ない現状の日々を。
 この世界は偽りに満ちているって言うのに、この世界は疑う事を決して許さず、この世界の真ん中で私の兄は、この世界を繁栄させる為に哀を唱う。

「お兄ちゃん、待っててくださいね」
 そう決意を込めて呟き、フェンスの上に飛び乗って仁王立つ。
「そしてライトメア……貴方は殺すわ」
 冷風を受けて両腕を広げ、左手には『祁答院の化身』を握る。
「さぁ、It's‐a‐Showtime!!」

 私は5秒間の自由を求め、仙台の大空へと跳躍した。

853『白と黒のクラウディア』その2 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:20:50 ID:NlFiVWY8
12
「本当に変ってない。旅館が、まだ在るなんて」
 旅館の入り口に佇み、懐かしい全貌を垣間見る。今の旅館からは想像も出来ない、古風で暖かな我が家の姿。
「この頃は良かったのに」
 玄関を開け、変らぬ内装を覗き、リビングを覗く『私を見る』。
「ッ!? 昨日も見たけど、確かに……ソックリね」
 容姿だけじゃない。行動まで酷似して。
 だから解る。
 ソックリだから解る。
 私が現れた事にも気付けず、幸せそうに魅入ってる。
 リビングに見える大切な人の寝顔を、微笑みながら見詰めてる。

「ああっ」
 きっと私は嫉妬深い。

「ダメだっ」
 だってもう我慢出来ない。

「これ以上は」
 この世界に来てまで、お兄ちゃんを取られたくない。

「私の思いは……」
 眼前の偽りを斬り殺せと、獣の心身が吠え捲る。

「こちらに向き直れ、フェイクドールッ!!」
 お兄ちゃんは昼近くになるまで起きない。この世界は『そう言う風』になっているのだ。
 だから、多少の咆哮等、問う処じゃ無い。
「女の嫉妬は哀れなだけよ。負け犬の、紫琉ちゃん」
 もう一人の私が勝者の駄弁を語り、ゆっくりとこちらに向き直る。
「へぇ……この世界でしか生きられない貴女が、私の何に勝ったと言うの?」
 むかつく、ムカツク。ムカツク!!
 私を見下す余裕の表情。コイツは絶対にアレを言おうとしてる。
 真意はどう有れ、精神的優位に立とうと思えば、ハッタリの一つもカマすだろう。私の最も傷付く最悪の言葉をコイツは……

「だって私、おにいちゃんに抱かれてるし」

 笑顔で言いやがった。

854『白と黒のクラウディア』その2 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:21:27 ID:NlFiVWY8
13
「そんな嘘、私に付いてどうなるの?」
 私は至って平静……を装う。
 どうせバレてるのに。
「嘘だと思うなら、指をしゃぶって眺めてればいい。おにいちゃんは今日も私を抱いてくれるわ♪ おもいっきりナカを掻き回してぇっ、子宮がパンパンになるまで膣内射精するのっ♪♪」

「黙れ……」
 私は、こんな人外にすら負けてしまうの?
「確かに私はライトメア様に造られた存在だけど、この気持ちは嘘じゃない。おにいちゃんの事、本気で好きなの」

「黙りなさいよ……」
 私は負けたんだ。それが悔しい。どうせ無駄だと、告白すらしなかった自分に腹が立つ。
 ズルズルと後悔ばかり引きずって、兄は結婚した身だと諦めて、私は何もしなかった。
「Your Looser、さっさと『この世界』から消えて。お兄ちゃんと私の生活を邪魔しないで」
 ライトメアの人形は私を左手示指で差し、早く出て行けと罵る。
「黙れってぇ……」
 お兄ちゃんを解放する為には、私の偽者も殺さなくてはいけない。
 でもそこに感情なんか無かった。
「言ってるでしょッ!!」
 でも、でも、でも。コイツを殺したいと全身から殺意が溢れて来る今は、純粋な嫉妬で動いてる。
「だいたい、ガラクタの分際で愛を語るなんて生意気過ぎ……ふっ、くっ、ははっ、は」
 あーあ、自笑してしまう。
 結局、全然吹っ切れてないんだ。
 もう結婚しているのに。自分の姿に嫉妬する程、双子の兄をいつまでも愛しているんだ。
「この愛も本物になるわ。本物の貴女を殺し、お兄ちゃんと二人で生きて行く」
 私は誰にも……そう、婚約者にだって、おにいちゃんを渡したくなかった。
 聞き分けの良い妹だと思われたくて、お兄ちゃんの為だと思って、あの場は偽善的に「結婚オメデトウ」って言っただけ。「おにいちゃんを殺して私も死ぬ」って言えなかっただけ。

「なれば、その淡い恋心を抱いたまま……」

左手で祁答院の化身、『童子切安綱』の鞘を持ち、右手を柄に添えてガラクタを睨む。

「死に逝け」

855『白と黒のクラウディア』その2 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:22:58 ID:NlFiVWY8
14
 右半身前で脚を開き、重心と上体を極限まで低く。
「今日から私が本物になる。貴女には、消えて貰うんだからっ!!」
 ガラクタも階段に置いて在った抜き身の刀を右手で掴み取り、正眼の構えで私に対峙する。
「人に仇成す悪を滅すは……」
 私は気付けた、私の本当の思いに。だから私は、ちょっぴりだけどハイになってるらしい。
 こんな饒舌に成り、ガラクタに同情さえ覚えて。
「祁答院家が断罪剣、祁答院 紫琉ッ!!」
 さあ、さっさとガラクタを壊し、ライトメアを殺し、お兄ちゃんを救うんだ。
 振られても良い。もう一度キチンと、納得の行く様に、告白する。
「参ります!!」
 言い終わりと同時、空気は冷気に、冷気は殺気に、油断は墓標に、周りの摂理が瞬間可変。
「負け犬の貴女とは違う。私は本物になって、この愛を叶えて見せるッ!!」
 ガラクタから迸る黒い殺気は、痛い程に私の身体を射抜いている。
「私は……本物に成るんだぁぁぁぁぁぁッッ!!」
 叶わぬ恋と知りながら、造られた愛と知りながら、二人で生きると夢を見るの? それでも、と。もしかしたら、と。
「無理よ貴女には。だって……」

「五月蠅い!!」
 ガラクタは、続く台詞を遮る様に巨声で廊下を蹴り飛ばし、
「死んでよッ!!」
 次瞬にして私の寸前で刀を振り落とす。
「だって無理よ……」
 ガラクタの初動も、向かって来る剣速も、私と同等に早い。

「死ぬのは、ガラクタの貴女だし」

 でもそれだけ。確かに強いだろうが怖くは無い。何故なら、記憶からライトメアが造り出した物は全て……

「えっ?」
 無惨成る『機械』だから。

856『白と黒のクラウディア』その2 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:24:31 ID:NlFiVWY8
15
「胴体を斬り飛ばしたつもりだったけど、流石は私ね」
 勝ったのは、居合い抜刀で切り上げた私の剣。
 ガラクタの剣は私に届かない。握った右手ごと廊下に転がっている。
「どうしてよッ!? スピードもパワーも同じなら、先手を取った私の剣が勝つ筈でしょうに!?」
 血液に似せた『何か』を垂れ流し、手首の切断面を押えてガラクタが叫ぶ。
「やっぱり……ソコまではコピーされてないのね」
 所詮はライトメアの造り出した模造品。上辺だけの三流品だ。
「ふざけるなッ! 硬度や強度は私が上なんだ、人間の貴女より劣ってるモノなんてない!!」
 ふっ、硬度? 強度? とうとう化けの皮が剥れて来たわね。そんな人間離れした事を言い出すなんて。
「そうね、夢の島行きの前に教えて上げるわ」

「ちっ!」
 ガラクタはバックステップで間合いを取り直し、階段から二本目の刀を左手で掴む。
「普通は、始めに殺そうとする意志が在って、その後に剣が動く」
 右腕を肩の位置まで水平に上げ、童子切の切っ先をガラクタへ。
「でもね、祁答院の剣は違う。意志よりも先に剣が動くの」
 呼吸を整え、最上級の殺意を込めてガラクタを睨む。
「どう、言う意味?」
 兄の平穏を奪う怨敵を倒す為……
「貴女の剣は私に届かない。そう言う事」
 我が眼は険しく流移する。
「はっ、ははっ……そうか。私は上っ面だけの粗悪品なのね?」
 ガラクタは呆れた声で含み笑い、
「お兄ちゃんに愛される資格すら無いのね?」
 先の無い右肩に自らの刀を当て、
「ふふっ、はぁぁははぁぁぁぁぁッッ!!!」
 そのまま右腕を切り落とした。
「っ!? バカね。まぁ、威勢と覚悟は買って上げるけど」
 斬と音鳴り、断と音鳴って落地で離れ死ぬ。
「いたっ……ははっははははっ。どうせ、今日が終われば私にはリセットが掛かる。本物に成る為だったら、こんな重り! 喜んで捨ててやるわ!!」
 私と対する形で残った左腕を上げ、互いに同刀の剣先を向け合う。
 同じ構えを取り、同じ刀を持ち、コピーされた愛を信じ、兄が全てと思い込む。
857『白と黒のクラウディア』その2 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:28:12 ID:NlFiVWY8
16
「おにいちゃんへの愛を、その思いだけ私が連れて行く。だから……安心して壊れなさい」
 この時点で決着は付いてる。語り合う間も無く斬り伏せられた。
 ここまで長引いたのは、ガラクタに対する、私に対する、単なる『情け』が在っただけ。
楽に、楽に。
「「ふぅぅぅっ……」」
 互いに一つの深呼吸。取った行為は同じでも、その意味合いは全く違う。
 落ち着かせるだけの呼吸では、戦闘者としての低域を抜け出せてない。
「このままだと、今日の私は出血多量で死んじゃうから……先に、仕掛けるわよ?」
 目認できるガラクタの体重移動。半身で後ろの右脚に体重を乗せ、前脚の爪先を僅かに上げる。
「うだうだ言わずに、さっさと来なさい!!」
 その体勢から繰り出されるのは打突のみ。剣技中最速で有る突きの構え。

「疾ッ!!」

 人形が血溜まる廊下を跳ね飛び、二度目の攻防。二度目の後手。私の身体は木偶と成り、微動もせずに待ち受ける。
「ンッ!?」
 やはり次瞬は眼前、相当に早い。体動のスピードだけで言うなら、私を超えるか? ただ、
「お粗末ね……」
 私の剣は別だけど。
「お粗末過ぎるわガラクタァッ!!」
 迫る刀と待ち惚ける刀が交錯する瞬間、初聴する金属音が鳴り、私の静はガラクタの動を内側からのパリイで弾く。
「蹴ッ!!」
 しかしガラクタは止まらない。
 弾かれた左腕の反動を利用し、先に着地した右脚を軸とする胴回し後ろ回転蹴り、『龍迅尾』へと繋げて来る。
 狙いは左腹部でしょうが。変化に乏しい、セオリー通りね。
「フッ!」
 重心を膝位置まで下げて身を屈め、左逆手の『鞘』を振り上げて龍迅尾を迎撃。
「「ハァァッ!!」」
 内脚筋へ決まり、ビタリと完璧に左脚は止まる。一瞬で終始する静止空間。横に働く力は、上へと働く力に殺されたのだ。
「まだまだぁッ!!」
 それでもガラクタは止まらない。三撃目は必殺。頭部を狙った打ち落とし気味の右爪先蹴り、『落燕蹴』へと連絡。
 この一連の流れこそ、祁答院が得意とする連環討路の一つ。
「単純で」
 それ故に読み易い。自技の死角を最も知るのは、それを使う私自身。
 だがこれは、それ以前の問題なのだ。
「容易いわ……」
 瞬間に、
「ねッ!?」
 頭が高速シェイクされる感覚。ベストタイミングで落燕蹴を食らった。左耳前部から打ち抜かれ、頬に一筋血が垂れる。
 だけどね、
「貧弱ぅぅぅぅぅッッ!!」
 結果はそれだけ。必殺の技が見せたのは、ほんの微かな掠り傷。
「なんでッ!?」
 落燕蹴と同方向に首を逸して受け流しもせず、微塵も動かず受け切った。
「私の極技……」
 鞘を手放して『硬気功』を解き、全身の集気を左掌に集約。
 右脚で地を踏み締めて上体を上げ、ガラクタの晒す背面部に『その掌』を当てる。
「地獄の底まで持って行けッ!!」
 後は流し込むだけ。内家から派生した、祁答院式の浸透勁を!
「雷光、短勁ッ!!!」
 これがキーワード。
 これが断罪言。
 これが、ガラクタを無に返す祁答院式の純気功、雷光短勁(らいこうたんけい)。
858『白と黒のクラウディア』その2 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:30:05 ID:NlFiVWY8
17
「うがあァァァァァァァッ!!!」
 バチバチと雷気が全身を駆け抜け、ガラクタが悲鳴し、爆発音を発して階段へと吹き飛ぶ。
 何度も横回転し、腹部を柱に強打して俯せに落ちた。

 終わった、わね。例え時間で身体がリセットするとしても、今回に限って言えば終前の一撃。
 空腸を、回腸を、胃を、肝臓を、完璧の手応えで完全に壊した。残る作業は、トドメを刺して上げだけ。
「ぁぁ……うっ、ぐぅッ……」
 声に成らない声しか出せず、こちらに背を向けて上半身のみを起こすガラクタ。
「やっと、諦めたのね?」
 私はゆったりと歩き、再び左掌に気を集める。
 ガラクタは、死を認めたのだ。この世界の明日は決して来ない。今日で終わる。即ち、これがガラクタで産まれて祁答院紫琉として迎える最後の死。
「何か言い残す事は?」
 真後ろで片膝を着き、左掌をガラクタの後頭部に当てる。
「わ……しいわ」
 思えば、
「えっ、小さくて聞き取れなかったわ。もう一度お願いできる?」
 勝ちを確信したこの行為こそが、慢心から出た油断。
「私一人じゃ寂しいわ」
 だから、
「ッッ!? ぐぎっ、いい加減、おにい、ちゃんをっ……任せ、なさいよっ!!」
 僅かな可能性にも気付かなかった。
 ドスッ、と。ガラクタは刀を自らの胸に貫通させ、私の腹部に突き刺していた。
「痛ッ、たたた、っと」
 身体を後ろに引いて刃を引き抜く。
 痛みは有るが大丈夫。血は出てるが大丈夫。肉は切れてるが大丈夫。どれも外見だけだ、深くない。臓器は何一つ傷付いてない。全然と、支障ない。
「あっ、その声……生きてる、のね? ちく……しょう」
 ガラクタは断末を吐いて横に倒れ、事を切らせて息を止める。眠る様に、眠る様に。命の鼓動は永久凍結。
 私を極限までトレースした機械は、誕生して数日で呆気なく死んだ。
「お兄ちゃんとの思い出を糧にして、やすらかに逝きなさい。もう二度と会う事は無いでしょうけど、一生分の幸せ……貰ったでしょう?」
 直立して童子切を鞘に納め、右手で小さく十字を切る。
 どれ程に長く生き続けても、後悔しながら過ごす位なら、
「羨まし過ぎるわよ、貴女」
 兄に抱かれて死に逝く方が、どれ程に幸せだろうか。
「ふぅぅっ、と。お兄ちゃんもそろそろ起きるし、最後の仕上げを……しなきゃね」
 童子切を『もう一人の私』の横に放り投げ、閉目して刮目。お兄ちゃんの寝顔を一瞥し、最重要の覚悟を決める。
859『白と黒のクラウディア』その2 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:31:59 ID:NlFiVWY8
18
「お兄ちゃん……私、行って来ますね」
 消え気味に呟き、血塗れの廊下を歩いて玄関を出て、存在しない我が家に最後の別離。
「さぁ、ライトメア。クダラナイ私達の関係、そろそろ断ちましょう」
 冬の空を仰ぎ、冷感の酸素を吸い込み、
「命乞いしながら待ってろ! ライトメアッ!!」
 最大脚力で跳躍。一足で数十メートルを飛び越え、ビルの側面を駆け、仙台を走る風と成る。

 嗚呼……
 唯々。
 唯々、獣為れ。
 他に何も考えず。
 何よりも早く。
 何よりも遠く。
 何よりも高く。
 それだけを展開。
 それだけが展開。
 思考はいらない。
 唯々。
 ひたすらに。
 跳べ!!


 嗚呼……
 だから見落とした。
 一途な私は気付かない。
 私の命を狙う、鬼の爪が在った事に。

860『白と黒のクラウディア』 ◆uC4PiS7dQ6 :2009/03/22(日) 18:35:53 ID:NlFiVWY8
19
 LightMareDays 3日目



 朝 起きたら 紫琉が 死んでた。何て悪夢。
 赤くて(あかくて)、
 紅くて(あかくて)、
 朱くて(あかくて)、
 錆の香を漂わせ(とても)、
 狂気を駆り立てる(あかい)。
 俺を絶望に叩き落とし、より一層に色付く廊下に横たわる。何て残虐。
 死んでる紫琉を見下ろして、嗚呼。と哭く。
 部屋に戻り、服を着替えて、リビングに戻り、死体を再見する。
 嗚呼、嗚呼。
 これは夢だ。と目を閉じて、夢で有ります様にと目を開く。
「はっ……何だよコレ?」
 変わらない。
 何等カワラナイ。
 赤く冷たく色付いて。
 廊下の上、血沼に浮かんで、紫琉が、死んでた。
 嗚呼、嗚呼。嗚呼……
「ああぁぁああぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!! 紫琉、しりゅ、アァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!」
 なんで? なんで? なんでっ!!? どうして紫琉が死んでるんだッ!!?
 どうして? どうして!? どうしてっ!!?
「ァァァ……ぁっ、終わっ、た。なにも、かも……」
 終わった。この世界も終わりだ。俺の望んだ世界は、紫琉の死を以て幕を下ろす。
 幕を? 何でそんな事を思うんだ? まぁ、どうでも良いや。こんな世界。紫琉の居ない世界に意味なんて無いし。
 ここに在るのは、静に変わって生を失った最愛の身体だけ。
「し、りゅ……」
 ガクリと両膝を着き、両手を着き、わんわんと子供みたいに泣いた。
 紫琉の赤い血液で、俺の身体も汚れて染まる。
「しっりゅ……」
 涙を指で拭った。
 顔も滑り(ぬめり)と汚れた。
「死のう」
 決断を。
 紫琉の居ない世界で生きて行けるか?
 無理だ。
 なら、どうする?
 このまま生きていても、生きているだけ。身体が動いているだけだ。心は紫琉と共に死んだ。
 なら?
 共に墮ちるさ。二人で落ちる地獄なら、きっと恐くない。
「待っててくれよ紫琉……今度こそ守るから」
 そうと決まれば早かった。
 血乾く廊下で正座し、膝の上に紫琉の頭部を乗せる。
「膝枕、で良いだろ紫琉? 抱き合って、とかさ。ガラじゃないって言うか……悲劇の主人公っぽくてさ。だからこれで、なっ?」
 後悔無い筈は無い。どうしてこんな事になったのか、真相を確かめたい。ただ、そんな気力が無いだけ。
「みんな、本当にゴメン」
 みんな……みんな? みんなって、誰だ?
「みん、な?」
 数間で考えてみるが、そんな奴等は分からない。
「どうでも……」
 そして、死に際の俺には関係無い事だなぁと思いながら、転がる凶器の柄に右手を伸ばした。



 続く。
 Next LightMareDays
861名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 18:37:01 ID:NlFiVWY8
全部埋めちゃいそうなんでここまでです。
862名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 20:21:49 ID:FhQcdUde
おつ
863名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 23:14:07 ID:MGk7f3TH
GJ!                       
864記憶の中の貴方へ 第4話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/23(月) 00:39:00 ID:bJ8avmsq
こんばんは。投稿させていただきます。今回は番外編気味です。
865記憶の中の貴方へ 第4話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/23(月) 00:39:50 ID:bJ8avmsq
「……あの。雫姉、どうしたの?」
「なにが?」
「いや、腕が……」
 真琴さんと出かける約束をしてから数日たった。
最近の雫姉はちょっと変だ。どこがとは上手くいえないけれど、たとえばそう――
「何か近くない?」
「そうか?」
 放課後の迎えの車の中。雫姉は僕の右腕を抱きしめ、体を預けていた。隙間も出来ないほど。何度かこんなことはあったけど、ここのところ毎日だ。
なんだか、ここ数日で僕に対しての距離が近くなったような気がする。気のせいだろうと雫姉が言っているから自意識過剰なのかもしれないけれど……。
「なあ、広樹。今日は何が食べたい?」
上機嫌の雫姉が訊ねてくる。作ってくれる料理はどれもおいしいから特にこれといった希望は思い浮かばないんだけど……。
それよりも……あのデスね……胸がね。隙間無くきっちりと抱きしめているから、雫姉の胸が僕の腕にデスね。
「ほら言ってみろ。大概のものなら作ってやるぞ」 
 うっすらと微笑みを浮かべながら体を寄せる。腕が二つのふくらみの真ん中に挟まれる。グイグイ押しつけられるこの感触はまさに……。
「……マシュマロ」
「広樹……それは料理じゃない、材料だ。しかもお菓子だ」
半眼でそう告げる雫姉。
「え、あ……いや……その。」
とっさにカレーなんてどうかなと言いつくろったが、内心はそれどころではない。
それにしても、改めて変だなと思う。真琴さんと会った日はあんなに機嫌が悪かったのに……。
そして……雫姉の横顔を眺める。たぶん夕方だからだろう、ほのかに赤らんだ美しい横顔。絹のようにきめ細やかな肌。芸術家が磨き上げられたような精緻な目、鼻それぞれのパーツ。花のように整った口元。
窓の向こうの夕焼けをバックに佇む雫姉はどこかの絵画のようだった。
挟まれた僕の腕に雫姉の鼓動が伝わり、自然と僕の鼓動も高まる。
ふと締め付けられるような想いが、鼓動に合わせて血液と一緒に胸の中に流れ込んだ。流れ込んだ想いははき出され、より強い鼓動を刻んで再び胸に流れ込む。何だろうこの気持ちは。こんなに雫姉は綺麗だったのだろうか。
そんなことを思ってしまった自分に違和感を覚える。
866記憶の中の貴方へ 第4話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/23(月) 00:41:23 ID:bJ8avmsq
ちょっと変になったのは、実は僕のほうかもしれない。


「カレーか。それも良いな」
 返事をしながらも雫の意識は、抱きしめた広樹の腕に集中していた。細い腕が自身の胸――その先端――をこする。
そのたびに電流のような甘い刺激が体に走る。思わず声が漏れるそうになるのを噛み殺していた。
 広樹は気づいているだろうか。制服の下、雫が下着を――上のブラジャーはもちろん、下のショーツまで――着けていないことを。
 何故こんなことをしているのかわからない。
いや、理由は分かるのだ。クラスの友人が言っていたのだ。「朴念仁にはあからさまな色仕掛けだよ。たとえば穿いてないとか?」と。そのときは馬鹿にするなと怒鳴って終わりだったが……。
迎えの車がくる少し前に思い出して、気付いたら脱いでいたのだった。
雫は広樹のことが好きだ。言葉なんかでは語り尽くせないほど愛している。
それは広樹と会ったあの日、雫の価値観とプライドのことごとくを、彼が壊したあの日から、ずっと続いている想いだ。いちいち確かめるまでもなく、心の真ん中、その大きな場所を占めている。この想いとともに成長し、生きてきた。
そして先日の真琴――あの穢れた娘だ――との出会い以降、この気持ちが日に日に増しつつある。ほんの1週間前なら考えもしなかったであろう、こんな破廉恥な振る舞いをしている自分に驚く。焦っているのだろうか。私が?生粋の名家、雛守家当主のこの私が?
それはともかく、
最初は直接肌に触れるブラウスとスカートの感触に違和感を覚えていたが、
「……んんっ」
今度は僅かに声が漏れてしまった。
いまでは違和感が気にならなくなっている。いや気にしていられなくなっている。
燃えたぎる釜の中に放り込まれたかのように全身が熱い。特にスカートの中。そこは切ないほど熱を帯びていた。耐えきれずにとろりとした蜜が溢れ、僅かにスカートを湿らせる。
「んはあ!」
どこからか聞こえてきた艶やかな声に驚き、それが自分のものだったことに更に驚く。今更ながら後悔しはじめる。なんだこの様は、痴女ではないか。
 このことが広樹に知られたらどうなるだろう。軽蔑するだろうか、無視するのだろうか、喜ぶのだろうか。それとも……。
 犯してくれるのだろうか。
 ブルリと震えた。彼に突き放されるかもしれない恐怖と、もしかしたら犯されてしまうかもしれないことへの暗い喜び。ごちゃ混ぜの感情が熱を帯びた体を揺さぶった。
 そうなったら……と雫は考える。
 広樹はあたしが泣いても叫んでも許してくれないだろう。既に濡れている私を見て「なんなのコレ?」って嗤いながら必死に抵抗する私を犯すのだろう。
組み敷かれ、吸われ、奪われ、体の隅々を、髪の先から足の先まで徹底的に蹂躙されるんだろう。
そしてご主人様と呼ぶように強制されて、昼も夜も屋敷の中で弄ばれるのだろう。私は広樹――いや、ご主人様の匂いで染められて、ご主人様は私の匂いに染められる。それがずっと続く。
朝も、昼も、夜も明日も明後日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日も次の日もその次の日も……ずっとずっとずっとずっとずっとずっと続くのだろう。
想像しただけで体が歓喜にふるえた。ガタガタと震え出す。

でも、
 広樹がこんなことで迫ってくれることなんてはずがないのに……。頭では分かっているのに。
「……?雫姉、どうしたの」
「!!……ぁん」
 すぐそばでささやかれた広樹の声が、耳をくすぐる。ダメだ。こんなことでは気づかれてしまう。返事をしなければ、
「んんっ!!……別に……なんでもない。カレー、だったな。そう…ん…だな。んあっ、シーフードではどうだろう?」
「……? いいね、手伝うよ」
耳と胸。押し寄せる莫大な刺激の波に体が耐えきれない。また蜜がスカートを汚した。
それだけならまだしも陰核が膨れてきているのが分かる。花弁はゆっくりと確実にパクパクと開いて閉じてをを繰り返している。体の自由はきかず、広樹にほとんどしがみつくように、寄りかかったまま動けない。
足は冗談の様にがくがくと震え……このままでは、
「〜〜〜っっっ!!」
急ブレーキで車が止まった。耳障りなブレーキ音が車内に響く。信号無視で飛び出した車にのせいで急停止したのだが、そんなことは雫にとってどうでもよかった。音なんて聞こえていなかった。
それよりも、抱きしめていた広樹の腕がブレーキの勢いで大きく揺られ、指がスカート越しに雫の陰核を押しつぶし、内腿(うちもも)――これは直接――に触れたのだった。
867記憶の中の貴方へ 第4話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/23(月) 00:45:15 ID:bJ8avmsq
陰核をつぶされ、水気で湿った秘所からほんの5pほどの場所を勢いよく触られる。それだけでもどうにかなりそうだった。さらに、
広樹は広樹で、体勢が崩れると、寄りかかった雫も一緒に崩れると判断したらしい。その優しさのため、目をつぶりながらも、とっさに体勢を崩すまいと手さぐりで何かをつかもうと、力を込めて、手近な、そう『今さっき触れた雫の太もも』をきゅっとつかんでしまった……。
「〜〜〜!!!」
言葉にならず声にすらならない。波なんて穏やかな物ではない。台風クラスの暴力的な快楽に体はがくがくと揺さぶられる。翻弄される。痙攣が始まる。
これまで押しとどめられていた熱が行き場を失い、結果、言葉にも声にもならない音として、雫の口から出たのであった。そして間をおかず、視界は一瞬で白く塗りつぶされ、場違いなふわっとした浮遊感に襲われる。
そのあまりの衝撃に、雫は最初事故で車外に飛ばされたのだと思ってしまった程だった。


「雫姉。大丈夫?」
「んあ……?」
広樹に声をかけられるまで、ほんの少しだが気を失っていた。
「らいじょうぶれす、ごしゅじんさ――」
ろれつが回らない。もうすこしでトンデモナイことをいうところだったのだが。だがそこはさすがの、雛守家の姫。散り散りになった意識を必死になってつなぎ止めると、すぐさま現状を確認。
どうやら、事故でもなく車外に飛び出たわけでもないことを判断。すぐさま自分が『どう』なったかを理解した。
手をそっと座席とスカートの間に滑り込ませ、座席が濡れていないのを把握する――幸いなことに厚いスカートの生地が濡れるだけで済んだようだ。それにこの色の生地なら濡れていても目立たないだろう――。
そしてわずかにたれていた、よだれを芸術的な『さりげなさ』でふき、心配そうに見つめている広樹と中杉(運転手)に向き直った。
それら一連の行動を悟られぬよう、クールな表情のままでやってのけた――もっとも、それでも顔が僅かに赤かったのは仕方なかったのかもしれないが。
ともかく、
「大丈夫だ。心配ない。」
今度はしっかりとした声で答える。我ながら褒め称えたいほどの持ち直し具合だった。
「そうなの?それなら良いんだ。何かうつむいて黙っていたから、ブレーキの拍子にどこか打ち付けたのかなと思って」
 さっきの『アレ』はブレーキの瞬間のことだったので目をつぶっていた彼は見ていなかったのだろう。
助かった。本当に助かった。

広樹は安心したように肩の力を抜く。そしてほおを涙が伝った。
なんとそのまま泣き出した。何も言えずに、うつむき、子供みたいにぼろぼろと涙をこぼす。
「お、おい、どうした?」
 これには雫が驚いた。涼しげな表情は消え、らしくなく、おろおろし始める。
 が、理由に気がつくとすぐさま抱きしめた。
「……そうか、ご家族は交通事故で亡くされたのだったな」
 未だ記憶は戻らないまでも、交通事故というのはまだ彼の中で消化しきれない出来事なのだろう。
雫は力一杯抱きしめていた。自分はここにいるから大丈夫だと、何処にも行かないから大丈夫だと。そして、溢れてくる暖かい愛しさをこめて、力一杯抱きしめる。
伝えたかった。ひとりぼっちで取り残された少年に。絶対のものが無く、全て変化してしまう世の中でも、やっぱりそれはあるのだと。
この想い、雫が広樹を想うこの気持ちだけは確かに揺るがず、決してぶれずにいつも広樹のそばにあり続けるのだと。
 だから万感の思いを込めて抱きしめる。
「大丈夫だ」と自然に優しい声が出る。
抱きしめる。


868記憶の中の貴方へ 第4話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/23(月) 00:46:17 ID:bJ8avmsq
やがて、涙も止まり、しゃっくりが収まってしばらくすると、広樹は照れくさそうに雫を見つめた。
「ありがとう。心配するつもりが心配されちゃったね。ははは……」
「ううん、いいんだ。これは私がそうしたいからしているだけだ。だからいいんだ」
もう一度抱きしめる。髪をなでる。くすぐったそうにしていたが知るものか。
「広樹、何かつらいときがあったら横を見ろ、私は必ずそばにいる。だから大丈夫だ」
 素直な気持ちを伝える。
「うん、ありがとう。僕も雫姉に何かあったら助けになるから、きっと。ううん、絶対」
「広樹……」
一途に見つめるそのかわいさに胸が締め付けられる。思わずキスしてしまおうかと悩んでいると。
「あ、ごめん。制服が濡れちゃったね」
 ハンカチを出して、抱きしめたときに涙で濡れた肩口を拭きだした。
 イヤな予感がする。
「あれ?こんなところも?」
妙なところで目ざとい広樹はスカートが濡れていることにも気づいた。ハンカチを近づける。
「広樹、いいんだ。そこは大丈夫だ。ははは、それにしてもお前もずいぶん泣いたものだな。スカートまでぐっしょりだぞ。んなっ! おい、だから、拭かなくていいと言っている。近づけるな!!」
「え?でも」
「お前、女のスカートを弄んでナニする気だ!?」
生粋の華族、雛守家の当主がまさか穿いてないとは、口が裂けても言えない。絶対にばれるわけにはいかない。
「拭くよ」「触るな!!」。そうこうしている内に、
「お嬢様、広樹様つきましたよ」
運転手、中杉の声で自宅に着いたことが分かった。
「ほら、着いたぞ。さっさと降りろ。いいから、これくらい、平気だ」
「分かったよ降りるよ。でも洗濯ぐらいはさせてよ」
「いらん!!」
「………………」
「………………」
「ねえ、降りないの雫姉?」
「私は……」
降りないのではなく、降りられないのです。絶頂(い)ったせいで腰が抜けてまだ動けないのです。
とは口が裂けても言えない。絶対にだ。
どう答えたものか……。精一杯のしかめっ面を貼り付けながら思案する。未だ痙攣している体に鞭を打ちながら、『こんなこと』はもう止めようと固く誓ったのだった。
869記憶の中の貴方へ 第4話  ◆YVZUFUAt8U :2009/03/23(月) 00:47:03 ID:bJ8avmsq
今日はここで終わります。お目汚し失礼しました。
870名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 00:51:30 ID:/6uH0Ksj
凄く良かった
871名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 03:01:03 ID:3vDe1acj
ぱぱぱんつはいてないいいだだと!?
GJ
872名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 05:26:44 ID:cnsD5FCO
めっちゃレス増えててびっくらこいた
>>834>>851>>864
GJ

そろそろ次スレの季節でございますか
873名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 09:02:01 ID:MEishSop
GJ!これは良い!
874名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 11:45:09 ID:oMUPbjFE
あと6kbか
875名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 15:48:15 ID:ifcLpnGA
876名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 16:08:38 ID:ArYG2hkF
空白レスが多いけど後悔はない
877上原くんの一日 安全な日編:2009/03/23(月) 20:58:09 ID:OBPOaSrt
ある程度書けたんで投下します。


 「…返して、お願い!返してよ私のうさちゃん!」
小さな女の子の鳴き声が公園に響く。
その女の子を3人の男の子が囲んでいる。まぁ幼少時にはよくあることだ。
「へっ何が私のうさちゃんだ!そんなに返してほしけりゃパンツ見せろ〜」
いじめっ子のリーダーっぽい男の子が兎の人形を見せながらそんな事を言う。中々将来有望なクソガキである。
「い、いや…」
「嫌だったら…どうしようかな〜?…おい!」
「はいコレ」
リーダーの横にいたいじめっ子Bは背負っていたナップサックから鋏を取り出しリーダーに渡した。
鋏を受け取ったリーダーは悪党みたいな笑みを浮かべながら鋏と兎の人形を女の子に見せつけた。
「あと三つ数えるからそれまでにパンツ見せろ!でないとこの兎の耳をちょんぎるから」
そう言って兎の人形の耳の近くに鋏を近づけた。
「ハイ、ひと〜つ…」
リーダーがカウントダウンを始める。
うさぎの耳は切られたくないが…。
「ふた〜つ…」
こんな奴らにパンツを見せたくはない。
女の子は思わず強く目を瞑った。



……

………?


いつまでたっても三つ目のカウントダウンは行われない。
不思議に思って女の子は目を開けた。
そこには尻もちをついた男の子と、先ほどまでいなかった少女が最も見慣れ、最も信頼している男の子の姿がそこにはあった。
「人形は返して貰うぜ」
男の子は尻もちをついたリーダーの人形を持った手首を思いっきり踏みつけた。
「いたあああああああい」
喚いているのを無視して握力の弱った手から人形を奪い取る。
「ほらよ夏海」
そして、女の子に向かって人形をやさしく投げてやる。
「あ、ありがとうお兄ちゃん…」
「どういたしまして」
ニコッと笑った男の子の顔はその女の子にとって物凄く眩しく見えた。
もう他のものなんか目に入らないくらい。カッコよく、勇ましく…。
「お、オマエ!だだですむと思うなよォ!」
「強がるのはいいけど涙拭けば?かっこ悪い」
「煩い!ぎったんぎたんにしてやる!」
「行くぞ!太郎!義男!」
そういうといじめっ子は3人で襲いかかってきた。
ビックリするほどお決まりのことばかりやってくれる。
「ハッ!上等だ!やれるモンならやってみな!」
878上原くんの一日 安全な日編:2009/03/23(月) 20:58:40 ID:OBPOaSrt

「「「覚えてやがれ!」」」
お決まりのセリフを言いながらベソかいて逃げていく三人。
「明日には忘れてるよ」
それと3対1とか不利の状況だったのにも関わらず傷一つない男の子。
因みにこの男の子、通っている幼稚園では喧嘩がぶっちぎりで一番強いそうな…。
「お兄ちゃん大丈夫!?」
「うん。あいつらのパンチ全部避けたからな。」
「ありがとうお兄ちゃん!」
夏海と呼ばれた少女、男の子の妹が笑顔でお礼を言う。
「さっきもお礼言っただろ。まっさっき見たいな連中が来たらすぐにオレを呼べよな!必ず守ってやるから」
「うん!お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん…」
妹は兄の胸に顔を埋めて泣いた。先ほどの悲しみの涙ではない嬉し涙。
兄はそんな妹の頭をそっと撫でてやった。



お兄ちゃん…お兄ちゃん…お兄ちゃん…


お兄ちゃん お兄さん にいさん

「兄さん!起きてください!朝ですよ!」
そこで俺は目が覚めた。というか妹に起こされた。
「…おはよう夏海」
「おはようございます兄さん」
ニコッっと笑顔で返す俺の妹。今日も俺の一日が始まる。
879上原くんの一日 安全な日編
 欠伸をしながら妹と一緒にリビングに降りていく。
で、テーブルには美味しそうな朝飯が。ご飯と、味噌汁と卵焼き…と見せかけて出汁巻き卵。
全部妹の夏海が作ってくれたものだ。
で、ここで俺の自己紹介をしておこうか。
俺は上原 和也。17歳の高校2年生。
妹は上原 夏海。16歳の高校1年生。
俺の家には親がいない。母親は俺が小さい時に病気で亡くなり、親父は仕事が忙しく国内、海外問わず飛び回っているため家に殆どいない。…どんな仕事だ。
そんな訳で実質俺と夏海の二人暮らしって訳だ。
ちなみに料理などの家事は全部夏海任せっきりになってしまってる。
夏海が倒れたら共倒れしそうなくらい俺は生活力がない。いい加減不味い様な気がする。
っとそんなこんなで席に着いたことだし飯にしようと思う。
「いただきまーす」
手を合わしてまずみそ汁を飲む。
味噌汁の具は豆腐と油揚げとネギ。これがまた旨い。煮干しでっとった出汁もうまく効いていて見事だ…が、ひとつ難点がある。
「なんか味噌汁ぬるくね?」
「えっ!?本当ですか!?スミマセン今すぐ温めてきます」
「いや、いいよ時間ないし」
「本当にスミマセン」
「…いや、そんなに謝らなくっていいって…」
毎日ではないが一週間に2回くらいは味噌汁がぬるい日がある。
その日は大抵夏海が俺を起こしにくる時間がいつもより若干遅かったりするという共通点がある。まっなんでもいいけどあったかいみそ汁が飲みたいものだ。
さて、次にご飯。さすがの米はすぐには冷めない為、適温で食べられる。
夏海は俺の好みを知ってくれているのかどうかは知らないけど米を少し硬めに炊いてくれる。
その硬めに炊かれたご飯を味海苔で包めて食べるのが俺のジャスティス。うん、うまい!
「あっ兄さんご飯粒ついてますよ。」
そう言って俺の口元に手をのばして口の周りに付いていたらしい米粒を指で取るとそのまま自分の口の中へと運んでほほ笑んだ。
「フフフ、おいしい」
「…お前は俺の彼女か…」
「それでもいいですよ」
「……ダメだろ普通」
学校の連中が一斉に振り向きそうなくらいのかわいい笑顔でそんな事を言うがこいつは俺の妹だ。
肩くらいまで伸ばした黒髪は学校のヤローどもの目を引き、兄でもわかる整った可愛いがどことなくクールな顔にドキっとし、俺の前で見せる笑顔に心を鷲掴みされるとか何とか誰かが言ってた。
そんな訳で夏海は学校じゃ1年から3年まで総じて人気がある。…何回仲介役を頼まれたことか…なぜか全員撃沈してんだけど。
ともかく、最後の出し巻き卵。こいつは絶品だ。
めっちゃ柔らかくて箸で突いたらプルプルしている。口に入れて噛んでてもあんまり噛んだって気がしない。
いったいなんの出汁を使っているのか知らないがどうやったらこんなのが出来るんだろうか。
…この間、なんの出汁使ってるのかと聞いたら教えてくれなかったんだけど何故だぜ?
そんなこんなで飯を食い終わると俺はリビングを出て部屋に戻って学校へ行く支度を始めた。
夏海はもう準備万全である。なぜ兄妹なのにこうも違うのだろうか…。