☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第95話☆

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魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をした方が無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」……「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶ事が出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけて下さい。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントする事が多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>2
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第94話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232860613/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/date_SSX.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/   (wiki)

3名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 12:38:15 ID:fTFDGVY/
そして前スレ、タピオカ氏。
GJでした。
最高にほのぼのした良い話でした。
セッテ可愛いよ、セッテ……お嫁さんにしたい。
4名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 12:58:17 ID:Au4K1jcR
>>1
乙です。
姐さん、やり過ぎっス。
でも揺れは見せて、リピートで。
5名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 13:12:34 ID:QBhIvMS7
感想以外のことは書きたくないんだが・・・
前スレの◆Po/NFU1fxk氏の尊ぶべき愚者が終わった後のあの流れは
何なんだ?つまらなくてもひどいSSでもスレ内の礼儀は守って欲しいもんだ。

感想を書かずに雑談するのもいいよ。時間をおかなかったり、感想を待たずして
どんどん投下するのも職人の自由だ。

でもアンチのあげく感想を書かせないでスレ埋めするのはひどすぎると思った。
6名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 13:23:23 ID:Y1f+xvpO
>>尊ぶべき愚者氏

ティアナの過去が書かれていたり原作ではあまりいい役目もらえなかったレジアスがかっこよかった
ただこのスレはエロオンリーだから今度から普通のSSスレに投下したほうがいいとおもうよ

前スレ>>508
極端な話原作者のうんだキャラだって「ぼくの考えたry」なんだからあまり大差ない
7名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 13:29:34 ID:w8zcybor
>>ただこのスレはエロオンリーだから

いきなり>>1のローカルルールと矛盾したことか書かれても困る。
8名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 13:34:16 ID:44afTEXn
暫く見ない間に射づらいスレになったな。
なんか空気がトゲトゲしてるし…
これからはまじで非エロは排除の流れか?
9名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 13:36:38 ID:VgVMaiqV
入試終わって暇な厨房が居座ってるだけ
しばらくすりゃ元に戻るさね
105:2009/02/07(土) 13:42:37 ID:QBhIvMS7
sage忘れた。すまない。
11名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 13:50:28 ID:k1XscwAz
>>5
構うなって・・・そうやって書くから、喜んで居付くんだよ。
12名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:09:27 ID:CnxRmdGZ
読みたくなきゃ読まなきゃいいのに
わざわざ荒らすバカは日常生活に不満でもあるのか
13名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:10:32 ID:bwEPmT/N
相手をするバカも同じなんだろうな
14名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:14:00 ID:Au4K1jcR
それじゃ、エロい話でもしながら次の投下を待とうか。
前から気になってたんだけど、何故にレティさんは攻めのイメージが強いんだろうか?
やっぱり、知的で眼鏡のせい?
15名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:18:20 ID:44afTEXn
>>14
あと年上ってのと目が割りと釣り目がちなのが大きいと思う。

同じ年上キャラのリンディさんは目が丸っこくて優しい感じが出てる。
実際に受けのが多いし。
16名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:20:30 ID:bwEPmT/N
釣り目が影響しているのではないかと
17名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:29:51 ID:Mk5viZlL
同じく釣り目効果だと思う
それと髪が紫色な所為で蠱惑的なイメージがつきやすいからじゃないかな
知的で眼鏡だからってだけじゃ同じく知的で眼鏡キャラのユーノが全面受けの説明が出来ないし
18名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:30:37 ID:Au4K1jcR
そうか、釣り目かぁ。
でも、縄化粧が凄く似合いそうな気がするんだ。
19名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:47:00 ID:KTnUgS1x
亀ですが前スレのタピオカ氏へ…

GJでした!!このほのぼのさはフロシャイムに通じるものを感じますwwww
20名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:56:15 ID:k+T5DgHz
レティさんとグリフィス君は見た目が好みだ
管理局に入ったばかりのヴォルケンズを性的な意味で教育するレティさんの話とか読みたい
21名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:56:51 ID:44afTEXn
>>18
普段攻めばっかで免疫のない人を攻めたら新鮮だと思うんだ。
22名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 15:33:33 ID:KmsvOBWh
>>5 >>7-8
あんなただの荒らしになにいってんのさ
スルーが一番
今回もいつもの奴がID代えたりして荒らしてるだけだろ
非エロがどうとかいってんのも本気で言ってる訳じゃなく単にスレ荒らしが第一の目的だろうさ
いい加減手口で分かるだろうに
23名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 15:42:08 ID:IZWDuY25
まあ、社会不適合者は放置しとこうぜ。
24名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 15:51:21 ID:ie0LU5M3
オーリスとかプレシアが吊られるエロはないかなぁ。
もちろん、浣腸をしてトイレに行かせてくれと懇願させるSプレイで。
25名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 16:41:53 ID:gjGgkmBa
非エロはともかくオリキャラ祭りの作者オナニーは流石に辟易する。
それリリカルなのはのSSじゃなくてもいいやん。
いわゆるU−1系のSSと同じにおいがするんだよね。
26名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 16:46:45 ID:Au4K1jcR
>>24
浣腸させたままスピーチの場に立たせるプレシア旦那。
離婚の原因は旦那もプレシアもSだったためw
アリシアがフェイトと同じMだったら、凄く仲の良い家族になれたろうに。
27名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 16:46:55 ID:gjGgkmBa
まあ、スレを跨いでまで感想レスつけるやつがいない時点で
みんな内心じゃウザがってんだろうなあということは見て取れるけど。
28名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:04:52 ID:87FyDx4S
嫌ならスルーって常識も守れずにわざわざ文句つけちゃうお前の低脳っぷりに泣いた
人間の器が小さすぎるw
29名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:12:35 ID:k1XscwAz
リンディさんを調教して、露出羞恥プレイをやらせたい。
30名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:13:57 ID:r2VEH/pl
感想や乙、GJが全くないSS=みんなスルーしてる=ウザがられてる職人

そういうことなんだろうな。
31名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:14:50 ID:gjGgkmBa
>>28
んなレスぐらいスルーすりゃいいのに一々相手にしちゃう君の人間の小ささも相当なものだけどね
32名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:16:01 ID:gjGgkmBa
>>30
実際そうじゃん。お情けレスさえつかないのは駄作の証明。
33名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:17:54 ID:87FyDx4S
なんだいつもの荒らしかよ
以下こいつスルーで
34名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:18:29 ID:CzV9iYJK
だが断る。いやいつもの人なんて知らんけど。
497 名前: 尊ぶべき愚者 二十三話  ◆Po/NFU1fxk [sage] 投稿日: 2009/02/07(土) 10:31:03 ID:0B+OvyiM
「執務官と交戦していた部隊との通信が途絶!」
「廃棄都市内に高エネルギー反応!」
「この反応は、一ヶ月前のものと酷似しています!」

 地上本部の指揮管制室は一ヶ月前と同種の喧騒に包まれていた。
 怒号にも似た報告が飛び交い、人が激しく行き交う。

「中将、第23管理外世界の代表者と連絡が取れました!」

 室内のざわめきが一瞬停止し、全員の視線がレジアスへと向かう。
 レジアスはそれらの視線を感じながら一回深呼吸して精神を落ち着かせる。

「正面モニターに表示しろ」
「了解」

 モニターに映し出されたのは幾多の皺を顔に刻んだ老女。
 足腰が弱いのか、杖を突きながら椅子に座っている。

「私は地上本部の防衛長官レジアス・ゲイズだ。本部長が不在のため代理を務めさせてもらう」
「23管理外世界の代表を務めさせてもらっている者です。このたびは申し訳ありません」

 老女は深々と頭を下げる。

「あなたは執務官が行動に及んだ理由を把握しているか?」

 老女は思案するように沈黙するが、視線だけはレジアスから外さない。

36やっぱ止めためんどくせえ:2009/02/07(土) 17:21:26 ID:CzV9iYJK
517 名前: 名無しさん@ピンキー [age] 投稿日: 2009/02/07(土) 11:16:44 ID:8cqG81qI
      r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/      >::::::::::ヽ
.      〃  ヽル1'´        ∠:::::::::::::::::i
       i′  ___, - ,. = -一   ̄l:::::::::::::::l ◆Po/NFU1fxk
.      ! , -==、´r'          l::::::/,ニ.ヽ
      l        _,, -‐''二ゝ  l::::l f゙ヽ |、 ここはお前の日記帳じゃねえんだ
        レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_   !:::l ) } ト
       ヾ¨'7"ry、`   ー゙='ニ,,,`    }::ヽ(ノ  チラシの裏にでも書いてろ
:ーゝヽ、     !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、       ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{   __)`ニゝ、  ,,iリ::::::::ミ
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ ,  な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /
37名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:27:56 ID:n6qW/Myy
つまんねーこと書くな
38名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:35:18 ID:I1ogo03E
初めてこのスレ見たんだけど、前スレまだ使えるのに巨大AAで埋め立てるとかなんなの?
ふざけてるの?このスレも落とすの?死ぬの?
39名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:51:20 ID:Au4K1jcR
>>29
一緒にエイミィとリエラも調教して、親娘孫丼にしようか?
40名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:55:37 ID:bJS4gN1y
南無阿弥陀仏の人が恋しい
41名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:59:59 ID:py1EHBGE
破壊的なエロはOKですか?
今、考えてるのは、感情に乏しいセッテをT-2000タイプのオリ戦闘機人で陵辱して
最後に硫酸スペルマで膣内洗浄するというものですが、こういうのも需要はある?
42名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:02:55 ID:g2Vyeh8C
>>41
投下自体は注意書きをしっかりしてればおkかと
需要はどうかしらん、でもハードなの好きな人もいるんであると思う
43名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:14:32 ID:amRjGfLB
究極の恋愛は塀の外と中にある

スカ×なのはマダー??
44名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:23:31 ID:w8zcybor
>>43
なのはさんが軌道拘置所に突撃するんですね。わかります
45名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:27:09 ID:Imsyh6v6
なのはさんの愛の告白=リミット解除状態で全力全壊の突撃敢行というハタ迷惑なおまけがw
46名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:27:47 ID:Au4K1jcR
>>41
注意書きさえしてくれればおk
読んでみたいと思っているのがここに1人いる。
47名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:45:47 ID:1oSzlnY9
別の所で書いたのをエロ強化して書き直してみたので、自重せず投下。

15歳時ユノフェで、二人はお付き合いを始めたばかりです。
48大人の階段を一緒に上った日:2009/02/07(土) 18:46:29 ID:1oSzlnY9
その日のユーノは、どこか変だった。
なんとなく、上の空というか。会話がどことなくぎこちなくて。
そして、その…時折私の胸の辺りに視線を感じるのだ。それもかなり強く。

***

もっと時間があればいいのに、もう家に帰る時間になってしまった。
お別れにキス。キスしてしまうともっと離れたくなくなるのに、それでも欲しい。

…どうしよう。
おなかの辺りに、その、不自然に固い感触があるんだ。
所謂男性の生理現象だと思う。

やっぱり、ユーノも男の人なんだ。
当たり前のことを実感して、それだけで、胸の中で何かが熱くなる。
もっと、もっと近く触れ合いたいっていう感情が湧き上がってきて。

キスしながら私は念話を飛ばしていた。

"ユーノ、今日はずっとエッチな気分だったの?"

ユーノの顔が驚愕する。唇が離れ、顔を真っ赤にしたユーノが顔を伏せる。

「ごめん」
「ごめんじゃ、わかんない」
そっと抱き寄せて。

「ユーノがどんな気持ちだったか、教えて欲しいんだ。
それに応えられないかもしれないけど、知りたい」
49名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:46:54 ID:1oSzlnY9
***

唇を割って、ユーノの舌が入ってくる。
舌と舌が触れ、その感触に全身が総毛立つ。
ざらざらとした感触。ユーノの味がする。
大人のキスがこんなにぞくぞくするものだって、知らなかった。

キスしたまま、ソファーにゆっくりと押し倒された。
怖くて目を開ける。ユーノと目が合った。
いつもの優しい眼差しとは違う、私の知らないユーノの瞳。
やっぱりちょっと怖くて、目を瞑ってぎゅっと抱き寄せる。

「フェイト、震えてる」

そう言うと、ユーノは頭を、頬を撫でてくれた。
ゆっくりと、何度も。
手が温かい。私を慈しんでくれてる。…嬉しい。
撫でられるうち、震えが治まっていくのが自分でもわかった。

と。ユーノの手が、私の胸に伸びてきた。
恥ずかしい。今日ずっとユーノの視線を浴びていて、敏感になってるみたいだ。
ゆっくりと揉まれる。乳房から足の先に電気が走る。

舌の触れ合った時以上に、体が跳ねてしまった。
ふぁ、って変な声が出てしまう。やだ、こんな声。
なのに、ユーノは。
「もっと、声、聞かせて」
両手で、私の胸を揉みしだいてくるのだ。
はやてのセクハラとは全然違う感触。
揉まれるたびに、乳首がズキン、ズキンって熱を発してしまう。
手のひらが、指先が、乳首を掠めるたびに息が苦しくなる。

ユーノの下腹の熱が、太股に触れている。服越しなのに、すっごく熱いんだ。
そっと、右手を伸ばしてみる。体がビクン、とはねる。
声にならない吐息が漏れた。
「フェイト、その、」
「一緒に、触りっこ、しよ?」
50大人の階段を一緒に上った日:2009/02/07(土) 18:47:43 ID:1oSzlnY9
***

お互い下着姿で、お互いの熱を持つ所を手で触れ合う。
ユーノのおちんちん、かたいんだ。
心臓みたいに脈うってる。
直に触れてみたくて、好奇心のままに、下着の中に手を差し入れた。
…先の方が、濡れてる。

ユーノの息が荒くなってきて、指が私の下腹に伸びてくる。
おへその辺りを伝って、ショーツの中へ。
くちゅ、と音がした。
はしたない大きな声が出てしまった。
…私のそこも、濡れていたんだ。

私の大切な箇所を指でさすられて、どんどん頭の中にもやがかかっていく。
全身がふわと浮いてしまうみたい。声が抑えられない。
体がとけてしまいそう。
なのに。
触れられていないのに熱をもってズキン、ズキンと響く乳首。
何度も撫でられておかしくなる下腹。
私の右手に感じる、ユーノのあついおちんちん。
そこだけは、不自然なくらいに大きな感触になってる。
もぅ、限界だ。頭が真っ白になって、快楽に、侵食され尽くされてしまう。

「フェイトッッ!」

ユーノが大きな声を出して、おちんちんがぶわっておおきくなって、
私の手のひらに熱い何かが当たる。何度も。
あぁ、そうか。ユーノ、気持ちよくなって出ちゃったんだ。
私が、ユーノを気持ちよくできたんだ。
…心の底から、嬉しいって、思えて。私は限界だった意識を手放した。

***

目が覚めると夜だった。しかも、結構遅い時間。
母さんからの着信が何件も入ってる。
これは、帰ったらお説教だ。言い訳のしようもない。

だけど。未だ夢の中の恋人のぬくもりは耐え難い引力で。
もう少しだけ、寝顔を見つめていたかった。
51名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 18:48:31 ID:1oSzlnY9
短いけど、投下終了。
SEXよりもペッティングの方がエロいと思うんだ。
それだけ。
52名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 21:17:02 ID:ffA/ha8O
内容はともかく、別の所で書いたのを、とか>>1に反してないのか?

>>他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。

って書いてあんだけど。
53名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 21:24:48 ID:kp0t6iJb
「書き直した」ってのがどの程度なんだろな。
原型留めないくらいの改変なら自分は一向に構わない。
もっとも、それだったら「書き直した」って言う必要もないかも知れないけど
54名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 21:38:53 ID:KmsvOBWh
>>1
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
これは他所で話題になってるssとかについて会話とかすんなってことじゃないの?
第一書いた本人ならここに投下しても何の問題もないかと

>>51
GJ!
いいね、こういうの好きだぜ
55名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 22:00:44 ID:87FyDx4S
>>52
曲解してる
>>1の他所での、ってのは確か16スレとかの辺りでりりろだの話をスレでする人がいたからその牽制だったと思う
別の所で書いたのは駄目とかって事じゃないよ
56名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 22:31:33 ID:VgVMaiqV
元の文章知ってるけど、だいぶ直されてるぞ
まぁ向こうじゃ直接的なシーンはご法度だから致し方ないがw
>>51GJ
57名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 23:19:33 ID:hrDK6EjG
>>前スレタピオカ氏
GJ!ちょ、キャロ、お前は何て良い子なんだ。
朱に交わり過ぎて赤くなったけれど、それはそれで大OK!

>何とも言えずトロッとしたもの

どこにでも有るんですかぃ?そのトロみを帯びた液体は・・・?


>>前スレ◆Po/NFU1fxk氏
GJ!ティアナの覚悟が良い感じでした。是非とも彼女の意地を見せていただきたい。
ちょっとイビツなフォーマンセルでの戦闘がどのように描かれるのかも楽しみにしています。


58554:2009/02/08(日) 00:47:07 ID:Hg2Ekuij
流行は3Pですか!

というわけでクロノ×リンディ×エイミィなどという需要があるのかよく分からないブツを書いてきましたので1:00くらいから投下します。
何か不都合などあれば、その間にどうぞ。
59554:2009/02/08(日) 01:00:56 ID:Hg2Ekuij
しかし筆の進むこと進むこと。 実質3時間ほどで書き上げました。
やっぱし、好きみたいですねー。乱交とか、私。

そ、それじゃ注意書きいきまーす。

・もちろんエロ。
・交わるのはクロノ×リンディ×エイミィです。
・縛りとかSMとか、そういうワードに嫌悪感を抱く方はご遠慮下さい。
・どっかの金髪執務官とかどっかの金髪聖王教会騎士なんかは出てきません。たぶん。

それではタイトル&あぼんワードは「嫁姑の良い関係の一例(前編)」でお願いします。
ではスレ最初の3P投下いきまーす。
60嫁姑の良い関係の一例(前編):2009/02/08(日) 01:02:53 ID:Hg2Ekuij
「誘ってきたのは母さんなんですからね。これくらいは覚悟してもらわないと」
「っぅぅぁあぁん!! ら、らめぇえええこれいじょうはぁああッッ!!」

 カーテンの向こうから太陽の明るい光が海鳴にあるハラオウン家のリビングを明るく照らす。
 そこで現在行われている情事は本来ならば皆が寝静まった深夜でやるべきのこと。それが高く陽が昇った今でも行われているというのは正気の沙汰ではない。
 しかし、彼らもそれはわきまえていた。この行為は人知れず静かにやるものだと分かっていた。それなのにこの時間でもやっていると言うことは、すなわち。

「まったく、何回目ですか?」
「わ、わかんにゃぁい……」
「せっかくの非番なのに。徹夜でこんなことさせるんですからこっちにもそれ相応の楽しみをくれないと割に合わないですからねー。ほら、もう一回行きますよー」
「ちょ、ちょっと休ませっっぁあぁあんっっ!!」

 ハラオウン家のリビングにはテレビ、観葉植物、テーブルと家具が整然と並べられ、そのマンションは表の表札以外はどこにでもある日本の一般家庭そのものだ。
 しかしその中のソファだけは異様というか、もはやそこだけが異空間に存在していると行っても言い過ぎではなかった。
 そのソファからは平坦な機械音と、それに伴って上下する甲高い喘ぎ声と、びちゃびちゃという絶え間ない水音と。そして―――

「ぉぎぃぃぃぁぁッッ!! イきながらイくぅぅぅッッ!!」
「堪え性がないなあ。ほら」
「し、じぬぅぅ!! イぎすぎてじぬぅぅあぁあぁああッッッ!!」

 時空管理局提督。それでいていつも笑顔を絶やさず、部下にも信頼の厚い優しい女性。
 誰からも尊敬される役職と人柄を持ったそんな彼女が、手首と足首を繋がれ更には膝の裏に棒を通されて足を閉じるどころか身動き一つ出来ない状態のままソファに座らされていることに。
 そして、その彼女の秘部からは止めどない愛液と共に拳ほどは有ろうかという巨大なバイブレーターが差し込まれていることを、誰が想像できようか。
61嫁姑の良い関係の一例(前編):2009/02/08(日) 01:03:34 ID:Hg2Ekuij
 この状況を引き起こした張本人でもあり彼女の息子であるはずのクロノ・ハラオウンは、興奮で真っ赤に上気した顔と衝撃で裏返った瞳と快感で締まりの無くなった顔とでぴくぴくと痙攣するリンディ・ハラオウンの尻を小気味の良い音でパシン、と叩いた。

「やっと終わった……。付き合わされるこっちの身にもなって欲しいよまったく」

 アヘ顔を晒したままだらしなく涎を垂らす彼女を見やったクロノは大きく溜息のような深呼吸をした。
 待機任務が終わって家に帰ると、ただでさえ美人な母親が妖艶な笑顔を浮かべながら耳元で「これから、だいじょぶ?」と囁いてくるのだ。いくら母親と言えどそこまでされてどうにかならない方がおかしい。
 しかし、クロノは最後の一線までは越えなかった。果てることの無かった自身の熱く滾る欲望は未だにズボンの中でざわめいており、それの処理がこれから待っている。
 途中物欲しそうな声で「ちょうだぁぁぁいぃぃ!!」とか言われたが、クロノは最期の理性でそれを押しとどめたのだ。これだけでも褒めて欲しいくらいだ。
 ジー、というチャックを下げる音と共にクロノの男根が顕わになる。もう何度になるだろうか。白目になって気を失っているアヘ顔の母親をオカズに自分を慰めるのは。
 これ以上虚しい気分になる行為をクロノは知らなかった。いや、これからも知らないだろう。何せ母親だぞ、母親。
 もう一度クロノは溜息を吐いた。今度は明らかに疲れの入った溜息だ。こんな疲れることはさっさと済ませてしまおう。そう思っていきり立つ愚息に手を掛けた―――

「ねえ、クロノくん」

 その手が誰かの手によって止められた。手の先を辿っていくと、見慣れた栗色の髪に無邪気そうな大きい瞳。買い物帰りの愛妻、エイミィ・ハラオウンが左手でクロノの手を掴み、右手がだらしなく天を指す自身の愚息に絡みついていた。

「それ、私なら出来るよね?」

 強い意志を持った瞳で覗きこんでくる彼女のその言葉にクロノは反論する術を持たなかった。
 買い物袋はキッチンに投げ出され、クロノが呆然としている内に自身と彼女の服はどんどんとひん剥かれていく。
 真っ昼間から展開されるクロノ・ハラオウンの夜はまだ、終わらない。
62嫁姑の良い関係の一例(前編):2009/02/08(日) 01:04:21 ID:Hg2Ekuij


 言っておくが中には挿れてないからな、というよく分からないむすっとした声でそれは始まった。

「いつから知ってたんだ?」
「知ったのは昨日が最初。カレルとリエラを寝かしつけて自分もうとうとしちゃって、ふと目が覚めたら義母さんの部屋から喘ぎ声が滅茶苦茶聞こえるしさ。いやー、焦った焦った」
「最初は母さんの部屋でやってたからな。それが、君が行った途端にリビングに移動しようだのとよく分からないことを言うと思ったら、こういうことか」

 衣擦れの小さな音が彼らの声以外の唯一の音で、それが大音量であるかのように錯覚される。

「こういうことって?」
「見られるのが好きなんだよ、母さんは。エイミィが見てるの知ってたから、帰ってきて驚かせてやろうとでも思ったんじゃないか?」

 あはは、と苦笑しながら頭を掻くエイミィは裸になってリンディの隣に腰掛ける。
 「義母さんがそんな趣味とはねー。うーん……」と唸りながら目がいくのはやはり、その豊満な胸。数秒ほど見つめた後、明らかにエイミィの表情が曇った。
 クロノはその表情にニヤリと黒い笑みを浮かべ、エイミィに覆い被さる。

「なんだい? 嫉妬かい?」
「……旦那さん盗られちゃったら、そりゃあ誰だって妬くさ」

 至近距離でクロノに見つめられ、思わず顔をそらすエイミィ。
 羞恥のせいか顔を赤く染めながら拗ねた顔をする愛妻にクロノは意地の悪い笑顔を浮かべた。
63嫁姑の良い関係の一例(前編):2009/02/08(日) 01:05:01 ID:Hg2Ekuij
「君のそういうところはこういう関係にならなければ見られなかっただろうな」
「本当に、こんな顔を見せるのは本当に好きになった人にだけって決めてたんだけどなぁ」
「その本当に好きな人が僕だったんだろう?」
「うっ……」

 真っ赤な顔でうー、と唸りながら上に乗るクロノを睨み付ける。
 しかし、客観的に見てそれは威嚇などではなく、むしろ普段はひょうひょうとした性格の彼女の他人には見せられない一面を映し出すだけのものだ。
 すなわち、上に乗っているクロノからすれば。

「君のそういうところが好きになったって言ってるんだよ」
「ちょ、ちょっと何言って、んぐっ……!」

 エイミィの言葉がクロノの唇によって遮られる。
 じゅばじゅばと音を立てて淫らな口づけは数十秒に渡って繰り広げられる。その間にもエイミィの顔はただでさえ赤い顔が更に赤く染まっていき、最後にはリンゴのように真っ赤になってしまった。
 やがて二人の唇は二つに離れ、その間には涎によって造られた橋が現れ、そして下にあるエイミィの口の中へと落ちていった。

「――ぁ、はぁ……。や、やっぱり慣れないや、こういうの。クロノくんだし」
「失敬だな。『私と付き合う男の人はロマンチックでないと』とか熱弁を振るっていたのはどこの誰だ?」
「それでクロノくん私と付き合うために勉強したんだもんねー。えらいえらい」

 絶句するクロノにエイミィが柔らかい笑顔でははは、と笑う。それにつられてクロノも薄くだが微笑みを浮かべる。
64嫁姑の良い関係の一例(前編):2009/02/08(日) 01:05:40 ID:Hg2Ekuij
「今日は激しくするぞ。いつまでもやられっぱなしじゃ気が済まないからな」
「それに、義母さんとのこともあったし?」
「何を言ってる。君が可愛すぎるからに決まってるからだろ」
「……そんなこと言うクロノくんなんかこうだっ!」

 エイミィが更に赤くなった顔を更に更に真っ赤にしながら、体を器用に動かしてクロノの股間に入り込み、そしてクロノのモノを口に含もうとしたその瞬間だ。

「いいなあ……いいなあ……」

 そんな呻き声ともとれる声が隣から聞こえてきたのでは、行為を中断せざるを得ない。
 エイミィに体重を預けていたクロノがすっくと立ち上がり、リンディの縄を解きに掛かる。
 V字開脚のまま羨望の瞳を向けるその光景は、エイミィにはものすごくシュールなものに思えた。



「クロノ、最近ますますクライドさんに似てきてるんですもの。なんか羨ましくなっちゃって。あー若いっていいわねぇ。あ、続けて良いわよー」

 拘束が解かれた彼女はもう一つあるソファに寝ころび、頬杖をついて子供が生まれて間もない年若い夫婦を見つめる。
 その顔は意地の悪いものではなくむしろ微笑ましく見つめるような、そんな優しい顔ではあったが、まだまだ新婚と呼べる夫婦に誰かに見られながら行為を行うほどの度胸はまだ無い。
 気まずそうに顔を見合わせる二人に業を煮やしたのか、つまらなそうな顔をしてリンディが言う。
65嫁姑の良い関係の一例(前編):2009/02/08(日) 01:06:11 ID:Hg2Ekuij
「やらないんだったら私が盗っちゃうわよ? それでもいいの?」
「ダメですっ!!」
「じゃあ早く続けなさいよ」
「わ、分かりましたよっ!」

 布石を打っておいたのが正解だったか。表情はそのままでもリンディは内心でほくそ笑んだ。
 投げやりに叫んだエイミィは「お、おいエイミィ」という旦那の言葉を無視して彼の一物に優しく口づけをする。そしてそのまま興奮するような場面からはだいぶ遠ざかっているはずのいきり立った彼のモノを一気に奥まで銜え込む。

「んちゅっ……ずちゅっ……」
「っぁあっ……!」

 規則正しいリズムで上下され、口の中では舌でこねくり回すエイミィの口淫にクロノは為す術無く声を漏らす。
 そんな彼らに感化されたのか、嬉しそうな表情を浮かべながら彼らに近づいていく女性が一人。リンディ・ハラオウンがエイミィの背中に豊満な胸を押しつけながら、耳元で艶のある声を囁く。

「エイミィ」
「な、なんでふかぁ、かあさん」
「あなた、昨晩の私とクロノを見てたのよね?」
「ふ、ふいません……」
「え、エイミィっ! 喋ると……!」

 銜えながらのためうまく喋ることが出来ないエイミィだが、かえってそれがクロノに振動という名の刺激を与えていく。
 クロノの顔が苦悶に歪む中でもエイミィの口淫は続けられる。しかし、今この状況で攻められているのはクロノだけではなく、エイミィもだった。
 それが言葉となって表面に現れるのはリンディが放った衝撃の一言だ。
66嫁姑の良い関係の一例(前編):2009/02/08(日) 01:06:52 ID:Hg2Ekuij
「見ながら、シてたんでしょう?」
「っ!!」
「くっ……!」

 その一言で、ただ上下運動を繰り返すだけだったエイミィの喉がゴクリと鳴る。
 それによってクロノの一物は飲み込まれるかというほどの圧迫感を受け、ほどほどに限界だった射精感が更に高まっていく。

「だってぇ、この濡れ具合。今だけでこんなになるわけないでしょう。もう、エッチなんだからぁ♪」
「あ、え、う……」

 喜々とした表情はエイミィからは伺えないが、 その弾んだ声からは楽しそうなその表情が十二分に伺える。
 たぶん楽しいのだろう。自分たちをネタにして楽しんでるんだろう。エイミィは口にモノを銜えたまま引きつった表情を浮かべた。

「でも」

 そんな声がエイミィの下から聞こえてきた。膝立ちした状態で、両足の間に強引に潜り込んでくるようなその感覚。自分のクロノは快感を押さえ込むのに必死でそれに気づいていない。
 やばい。エイミィの直感がそう告げていた。

「クロノのを挿れるにはちょっと足りないわねー。んちゅっ……」
「ひぁあああっっっ!!」
67嫁姑の良い関係の一例(前編):2009/02/08(日) 01:07:40 ID:Hg2Ekuij
 エイミィの悪い予感はやはり当たったようで、ざらついた感触がエイミィの秘部を一撫でした。
 豊富な経験と鍛えられたそのカンはエイミィの弱点を的確に突き上げ、絶頂への一歩手前まで体を作り上げていく。
 そんな息子の愛妻に機嫌を良くしたのか、より深く顔を潜り込ませ、そして首を持ち上げて女の感じる部分を指で探り当て、最後にはそれを銜えた。ちょうど今、彼女がクロノにしているように。

「そ、そこはぁああぁっっ!!」
「ここがいいのね。もうっ、可愛い声あげちゃってっ♪ ん、ずちゅちゅ……」
「ちょ、ちょっと母さ、っあぁっ!」
「ぅぁあっ!! エイミィっ、出るぞッ!」

 エイミィの絶頂と共にクロノの肉棒が大きく震え、彼女の口内を白濁とした液体で汚していく。
 昨日から母親の痴態を見せつけられたままで一度も放出していないのだ。当然、それの量はもの凄いことになる。
 熱く滾る液体がエイミィの口内で暴れ、その一部は彼女の喉奥へと注がれていく。しかし、それでも口に入りきらない液体は彼女の口から溢れだし、顎から滴り落ちてそのままリンディの顔へと落ちていった。
 それをリンディは妖艶な笑みでゆっくりと舐めとり「おいし」と呟いた。

「さぁ、これからが本番よ。クロノ、エイミィ」

 真っ昼間から展開されているクロノ・ハラオウンとエイミィ・ハラオウンが巻き込まれたその夜はまだ、終わらない。



68554:2009/02/08(日) 01:10:54 ID:Hg2Ekuij
というわけで投下終了です。
3Pとか初めて書いたんですが、筆の進むこと進むこと。本能的な部分で好きなんでしょうね、きっと。
さて、このお話は前編というタイトルの通り、まだ続きます。
次が中編なのか後編なのかは分かりませんが、もうしばらくお付き合い頂きたいです。


それと言っておくけどね!
べ、別にあんた達が『エロが足りない』とか『3P』とか言ってたから書いたんじゃないからねっ!
勘違いしないでよ!

いや、これはお約束かな、と。 ごめんなさいシガー氏orz
69名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 02:52:42 ID:ugbP0G7X
>>68
GJ
エイミィが除けられずにきちんとイチャってる!イイハナシダー(;∀;)
そして、いいリンディだぜ。どのくらいいいリンディかって言うと3回繰り返して読んだぐらいいいリンディだ。


ただ問題は、僕がドラゴンクエストXが好きという事なんだ。
いろんな思い出がドラゴンクエストXに詰まってる。
いろんなシーンを、今でも思い出す事ができるよ。
パパス「ぬわーーーー!」
リンディ「し、じぬぅぅ!! イぎすぎてじぬぅぅあぁあぁああッッッ!!」
70名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 04:10:30 ID:RkFP3dn3
>>68
GJです!
エイミィのエロは久々ですねw

>>69
パパスがパパリンに、リンディがウェンディに見えて
あんたの相手は部隊長だろ!と思ってしまった。
71名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 06:39:28 ID:NtKBvPpn
なのは×ユーノ読みたくなってきた
72名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 09:52:09 ID:ZaaXoz6d
んじゃ俺はクロノ×なのは
73名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 10:00:13 ID:sNPWGfRT
レジアス×なのはマダー?
74名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 10:11:45 ID:knj9gnEP
クロノ×なのはなんてこのスレ的には書いてる人なんか皆無だろ
75名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 10:16:30 ID:e/WVGdUF
今来たが前スレ酷いな
あからさまな悪意があるし…
本当に21歳以上か?
76名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 10:27:54 ID:f7Wb8frw
>>74
昔はいくつか投下されてたような。
最近は見ないが。
77名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 11:05:24 ID:XfzJzo58
554氏>
なんて淫らな母親だ……
信じられるか? この人これでおばあちゃんなんだぜ?

GJでした、久しぶりにリンディさんのやらしいところが見れて嬉しいです。
78名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 11:09:09 ID:JBoeBnTm
>>75
今は18禁だよ。もう二年以上前に変ったレギュレーションなんだがな。
未だに21禁とかほざくやつ見るとアホかと思う。
専ブラがどうとかという言い訳は聞かんぞ。昨日今日のことじゃないんだからな。
79名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 11:16:21 ID:bfTOdQUT
>>68
GJ、エイミィ可愛いよエイミィ
非凡(外見&性的な意味で)なキャラが多い中で珍しく普通っぽいせいか癒されるw
もっとエイミィのエロも増えるといいのに
普通のクロ×エイも読みたいんだぜ
80名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 11:17:53 ID:JBoeBnTm
いつからカリムってクロノの不倫相手で定着したんだろう。
81名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 11:41:08 ID:0hsCsXRB
>>75
何年も引きこもってる糞ニートなら精神年齢中学生以下だろ
こういうのってIP通報してアクセス拒否できないのかな
82名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 11:51:27 ID:XfzJzo58
>>カリムの不倫キャラ

そりゃ、ねえ? 某サイヒ氏がジャンジャン不倫SSを量産している為だろう。
ってか、たった一人の職人の影響がこうまで大きく響くとはwww
83名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 11:51:42 ID:f7Wb8frw
>>80
本編でクロノとカリムに面識があることが判明した頃から、かな。
カリムの場合、他の男っ気が公式にはロッサしかいないから。
そのロッサも、直接カリムと絡んでない上にはやてと仲良くしてるみたいだから。
そうなると残る男はクロノだけ。しかもクロノは結婚済だから不倫以外の選択肢が――みたいな感じか。
84名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 11:58:56 ID:JBoeBnTm
そして泣きを見るのがエイミィと……
案外ニコニコ顔で不倫とか許しちゃいそうな気もするけどな。
その分の代償をあとでたっぷりと請求してきそうだけど。
85名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:02:58 ID:ynMl8Id2
>>84
にっこり笑顔で目だけは笑ってない
クロノの前から後ろから弱点責め立てて、浮気してごめんなさいと気が済むまで言わせるエイミィさん

ちょっと見てみたいかも
86名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:05:57 ID:oMs/I99x
エイミィがフェイト殺しちゃうヤツが好きだったな
87名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:09:10 ID:4USUkRzj
確かにフェイトやカリム相手だと、クロノがガンガンの攻めなイメージだが。
エイミィさん相手だと、それが逆転してそうな感じはするな。

ただ年上ってだけじゃ姐さん女房とは言えないのか……学校の頃からの付き合いの長さからくる互いの理解度もカギか。
88名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:31:02 ID:FYJ8jt77
エイミィも不倫すればいいんじゃね
黒ヴェロッサが親友を裏切ってエイミィ寝とりゲームを始めるとか
最初はガード固かったのが徐々に攻略されていって揺れ動くエイミィとか
89名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:33:03 ID:oMs/I99x
ただ、エイミィ地球にいるからなぁ。近所の八百屋とかの方がまだ。
90名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:33:32 ID:JBoeBnTm
実はクロノの種ではなかった双子。
91名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:35:25 ID:cY78YQyR
つまり恭也が忍と二股がけを……
92名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:36:25 ID:JBoeBnTm
意表をついて士郎パパ。
93名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:45:51 ID:KhWGDEWE
義妹との禁断関係希望
94名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:49:04 ID:xP4oOpuV
間を取ってグレアム提督というのは?
95名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:54:01 ID:oMs/I99x
面識自体はありそうか。グレアム提督とエイミィ。
96名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 12:57:33 ID:JBoeBnTm
ガチレズのお馬鹿フェイトさんが最近無性に恋しい。
97名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 13:20:35 ID:37iUCbJt
>>93
そこはむしろ義母だろう、旦那と離れて疼いた体を互いに慰めあう昼下がり・・・
98名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 14:19:48 ID:pACAkUan
OKOK

つまり
エイミィ×リンディ×フェイト×カリム×忍×桃子さんの
6Pレズレズ大乱交大会を開催すればイイんだよ!
99名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 14:43:51 ID:57rb7Sf7
>>98
スワッピングじゃダメか?
100名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 14:55:27 ID:9MctNaZO
B・A氏の爛れシリーズみたいになりそうだw
という事で(どういう事だ)前スレ>>464B・A氏に遅ればせながらGJを

同じく前スレ>>478
GJ……だがしかし、肛門漢は吹かざるを得ませんでしたw
余計なお世話ですが誤字病に罹患した場合は書き上げてから
一晩寝かせてみてはどうですかしらん?
自分はいつもそうやってチェックしてます。

同じく前スレ>>489
そうか、みんな馬鹿になればいいんだ。
そういえばフリードはどっちについたんだろうとふと気になったり。

同じく前スレ>>515
いよいよ決戦ですね
この先がどういう展開になろうとも最後まで見届ける心積もりの人間が
ここに一人いますんで、続き、待ってます。


……遅レスってなんか気恥ずかしいのう。みんな冷めてるところで一人だけ
盛り上がってるみたいで。自分だけかしらん
101名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 15:12:51 ID:ZaaXoz6d
>>76
つか最近も月単位で散発的に来てるから、それ待ち
102名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 18:25:02 ID:02HrKlBc
>>78
何でお前さんはそんな刺々しいんだ。
103名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 19:41:05 ID:9wIKNYGy
きっと嫌なことがあったんだよ。生温かい目で見守ってやろうぜ。
104名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 20:26:27 ID:0hsCsXRB
前スレの荒らしと似た手口のヤツを知っているけどな
自分の書いたものが批判されると、名無しを装って他のスレを汚し回ってるんだろうな
あの糞ニートは

105名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 20:36:58 ID:AzLBeOIE
>>101
よぅ、俺
まだ同士がいるとは思わなかったぜ



・・・扱いは絶滅危惧種だろうけどな・・・
106 ◆Po/NFU1fxk :2009/02/08(日) 21:27:00 ID:7jeMlzjr
突然の事になりますが、スレからの撤退を決意しました。
誠に自分勝手な申し出だという事は理解していますが、司書の方には保管庫の作品の削除をお願いします。
このスレで書き始めた以上はこのスレで完結させたかったのですが、投下のたびに荒らされて住人の皆さまに不愉快な思いをさせるのは忍びなく、また私自身も書く気力がなくなるという事もあり、今回の決断に至りました。
短編、及び未完の作品に関しては加筆修正の上で別の場所に投下し直そうと思います。
今まで応援してくださった方々、本当にありがとうございます。
107名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 21:46:10 ID:VUrjU+7P
>>106
乙。
まあ、なんだ。また気が向いたらトリ変えて投下するといいよ。
108名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 21:58:25 ID:KhWGDEWE
この人の鳥って解析されてなかった?
解析された人が何人かいたと思うけど。どうだったっけ?
109名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:06:27 ID:/U4Zn/mC
前のトリップは解析されてたけど、今のに変えてからはどうだったか・・・
マジなんだとすれば、正直悔しい。悲しいよりも悔しいぜ兄弟
騙りなんだとすれば、つまんねー真似してねーでとっととカエレ
110名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:07:04 ID:ZaaXoz6d
少し前に解析貼られた鳥リストの中には入ってなかったよ

>>105
読み手はシーラカンスみたいにわらわら潜んでるんだろうけどねえ
書き手はマジで絶滅危惧種…
111名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:11:51 ID:8Nz/fw5s
>>106
本人かどうか判断出来ないけど、本人だとしたら今まで乙でした
めげずにがんばってください

司書さん、言うまでもないんでしょうが本人かどうか分からないのでしばらくは削除は待つべきかと
112名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:21:37 ID:yEcoZIwL
>>109
同感。やり口がとことん卑劣で下劣なだけに。
AAだって皆で楽しむために作った人がいるわけで、あんな風に使っていいものではないはず。
このスレの冒頭で「転載してやる→やっぱやめた」の流れを見たときは本当に腹が立った。
人の書いたものをあんな風に使うなんて、創作系の活動をしている人全てを愚弄しているとしか思えない。
結局特定の書き手に粘着しているのは目的ではなく、スレを荒らすための手段なんでしょうよ。
通り魔と同じ、世間を騒がせることが出来れば誰でも良かった的な。
113名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:25:39 ID:AYipagdY
>>27
>>32
が図星すぎてトドメになったようだな。俺だが。
114名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:28:06 ID:TmhDuJ78
オレはAA貼り付けたヤツとは別人なんだけどね。
ただ単に尻馬に乗っただけ。
115名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:34:35 ID:+yHfiit9
書き手にとっても、ある意味自由になれる時間が増えてよかったじゃないか
116名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:37:05 ID:FddMXOBa
>>113-114
ID変えながらなにいってんだろこのキチガイ
ここまで説得力皆無な発言を見たのは久しぶり
以下スルーで
117名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:38:06 ID:ebgRJ13M
荒らされたことよりも住人が無反応なのがこたえたんだろうねえ。
> ◆Po/NFU1fxk
社交辞令レスでもつけてやればよかったのに。
118名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:40:30 ID:1Rktc6J1
まあオナニーは自分の家でこっそりするものさ。
自宅でシコシコおなってくださいね。作者さん。
119名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:42:56 ID:MtF2G29K
>>117
それはそれで堪えると思うがな〉社交辞令

というか、>>106が本人だと証明するにはどうしたらいいんだろ
実際に別の場所に投下し直してもらうのを待つか?
120名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:43:15 ID:M3/m3Ic5
結局、究極の自衛は逃げるしかないわな。
2chなんて一皮向けばピラニアの巣なんだし。
目をつけられたらほとぼり冷めるまで消えるしかないわ。
121名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:47:09 ID:rtWL1zHU
>>117
つけてやれば、って……そういうからには君はつけたんだろうな?
というより。社交辞令って……ここでそんな義理感想落としてる人っていたの?

でも、確かに義理感想は痛い。
ここの話じゃないが、無理して書いてるんだなーって丸分かりの人もいるしな。
感想と言いながら、話の中の事実を挙げて次はどうなる? みたいなことしか書いてないようなやつ。
122名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:47:29 ID:8Nz/fw5s
多分だけど>>113-114 >>117 >>118は全部いつもの荒らしじゃないのかな
書き込むたびにポンポンID変えてんでね
毎回ID変えてる様を想像してみると涙が出てくるけど
123名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:48:29 ID:VjUBfwqh
IDかえるなんて楽勝よ。
三十秒もかからん。
124名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:50:10 ID:zJdVejaD
>>122
こういう相手にしちゃう子がいるからやりたくなるのよ。
あといつもの人はオレじゃないよ。尻馬に乗っただけだから。
つうか普段あまりこのスレ見ないし。なんか荒れてるッぽいからびんじょうしただけよ。
125名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:50:26 ID:KhWGDEWE
そして>>122を否定するために頑張って小理屈をひねり出すか、
揚げ足とってうやむやにしようと企んでいますが、無害ですw
126名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:51:40 ID:zJdVejaD
いやなにも理屈なんてこねてねえですけど。
ただいいたいこといってるだけ。
127名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:52:25 ID:X4mkpQ8j
荒れテルっぽいスレにこうして野次馬よろしく上がりこむのはなんだかんだいって楽しいです。
128名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:53:46 ID:K0jhcqRu
>>122>>125
だから構うなって。それよかなにか別の話でもしようぜ。
129名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:54:54 ID:Hg2Ekuij
また3Pの話しようぜ!
130名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:55:56 ID:yhdIJ75V
>>129
君は早く続きを書け。
131名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:58:02 ID:FZHB8ANa
つか、応援してた奴いたのw
元々非エロに寛容だったからのぼせちゃったんだろう
でも1スレ消化してエロが一つもないなんて、エロパロスレとして異常だよ

火傷する前に理想郷でやればよかったのにね
132名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:59:55 ID:QFcL7NE8
>>131
彼がいつもの人です。オレとは別人です。以下よろしく。
133名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:00:13 ID:paxm9toF
15分ほどしたら3PのSSを投下しようと思うのですが、よろしいでしょうか
134名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:01:00 ID:KhWGDEWE
ありがとうございます。
135名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:01:50 ID:vwnYhJTM
>>133
今すぐ投下しちゃえよ。空気変えろ。
136名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:05:43 ID:QGvbqrrQ
仮に偽物でも、この流れだと本物も出づらいな
137Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2009/02/08(日) 23:14:12 ID:paxm9toF
俺が流れを変えてやるっ(`・ω・´)
……とか大層なものでもないですが、3Pの流れに便乗してみようと思います。

・フェイト&エイミィ×クロノ
・ガチエロ
・闇の書事件直後くらい
・ユーなの短編集や、前回のフェイクロとは関係なし

始まります。
138ふたりではんぶんこ(前編) 1/4:2009/02/08(日) 23:14:48 ID:paxm9toF
クロノ・ハラオウンは夢を見ていた。
凶暴な肉食獣が二匹、襲い掛かってくる。
逃げようとしたが、足がもつれて動かない。
獣はついぞ、クロノの背中へと肉迫した。
それが大口を開けた、まさにその瞬間、

「はっ……」
目が覚めた。
心臓は早鐘のようにバクバクいっている。
天井が見慣れたものであると気付き、ようやく人心地つく。
夢だったのかと実感し、思考が現実に追いついてきた頃、下半身に妙な気配を感じた。
寒い、そう寒いのだ。尿意のようなものも感じる。
布団でも蹴飛ばしたのだろうか?
無理もない、たった今まで悪夢を見ていたのだ。
深呼吸をすると、少しずつ心音は静かになっていった。
クロノはそのまま天井を見続ける。当たり前だが代わり映えしないその風景に、今一度安堵を覚えた。
と、ふと気付けば妙な音がした。水音というべきか、何かを啜る音。
音源は下半身から聞こえてくる。
それに何か、妙に気持ちいい。マッサージをされているような気分。
寒さからか気持ちよさからか、クロノの体はぶるりと震えた。
これも悪夢の続きなのかと身体を起こそうとしたが、動かなかった。
ガッチリとではないが、何者かに押さえつけられている。
これが噂に聞く金縛りという奴なのかと、顔だけを起こし、目線を足の方へと向けると──

「んちゅ……ちゅぱ……」
「はむ……んく……んふっ……」
姉ともパートナーとも言える、エイミィ。
それから、義妹のフェイト。
二人が、どうした訳かクロノの下半身に群がっていた。
「ん……お兄ちゃん、起きたみたいだね。気持ち良い?」
「ちゅぴ……ちゅぷ……ねぇ、あたしの方が気持ち良いでしょ、クロノ君?」
クロノは自分がまだ夢の中にいるか、いつの間にか引き込まれていると確信した。
頬を抓る。一度のみならず、二度、三度と力強く。
だが、結果は変わらず、クロノは自身が現実の中にいるということを意識せざるを得なかった。
「僕は……? それに、君たちは一体……?」
「あぁ、あたしたちね、『クロノ君を独り占めにしない』っていう紳士……
いや淑女同盟を結んでね。で、今日はその最初の夜って訳」
「お兄ちゃん、いっぱい気持ちよくなってね」
話が見えない。
その戸惑いを溶かすかのように、エイミィがクロノの肉茎を舐め上げた。
「んあっ!」
「あはっ、クロノ君可愛い」
139ふたりではんぶんこ(前編) 2/4:2009/02/08(日) 23:15:51 ID:paxm9toF
カリ首の裏から、一本の筋が走っている場所。
そこがクロノの弱点だった。
「やめっ、エイミィ……やめて、くれっ」
「どうして? 気持ちいいでしょ?」
手も使って、肉竿をこしゅこしゅと擦り上げてくる。
既に唇によって愛撫されていたから、怒張ははち切れんばかりに勃起していた。
びくびくと脈打って、今にも白いマグマが堰を切って溢れ出しそうだ。
弾ける前兆か、鈴口からは透明な粘液がトロリと湧き出ている。
「ぺろ……んはっ、にがあい」
恍惚の表情でクロノの一物を舐め続けるエイミィ。
その横で、フェイトが頬を膨らませていた。
「私も、お兄ちゃんのおちんちん、いっぱい舐めたい」
「あぁ、ごめんごめん。それじゃ、はい、どうぞ」
肉棒がフェイトに受け渡される。
僕は道具じゃない、と言う前に、フェイトの小さな口へとクロノのペニスが挿入されていった。
快感と背徳感に挟まれて、クロノは嬌声とも呻き声ともつかぬ声を絞り出す。
「ほお? ひもひいい、おにいひゃん?」
「しゃっ、喋るな……響く、響くぅっ……」
ようやく覚醒したクロノは理解した。
今、自分はフェイトとエイミィに襲われているのだ。
だが、不思議と嫌な感じはしない。相手がエイミィとフェイトだからか。
いやいや、フェイトは義理とはいえ妹であり、決してそんな真似は……と思っていたところで。

フェイト本人が、愛おしくも過激にクロノの陰茎をストロークし始めた。
「うああっ!」
じゅっ、じゅっ、と口の中で抽送される。
肉棒全体がフェイトの唇に蹂躙され、今の一撃で腰が砕けてしまった。
「やめろっ、もう出るっ……口を、口を離せっ」
「ううん、いいよ、お兄ちゃん。沢山出して。お兄ちゃんの精液、私が全部飲んであげる」
脳天が痺れていて正常な判断ができない。
しかし、何となく、今ここで射精することは危険なことのように思われた。
グッ……と堪えて力を込めた。
その刹那、エイミィが耳元で囁いた。
「ねぇ、クロノ君」
「なん、だっ……」
「クロノ君とフェイトちゃん、キスしたことある?」
「何を突然……ないに決まってる、だろ」
「それじゃあ……」
クロノの耳たぶを優しく甘噛みして、蕩けるような甘い声で問いかけた。
「それじゃ、フェイトちゃんはキスするより先にフェラチオを覚えちゃった、淫乱な女の子ってことだね♪」
「……っ!!」
爆ぜた。
脳内に火花が散って、上も下も分からない。
ただ、ペニスから放出された白い欲望が、フェイトの口中を汚していく。
征服感と達成感、それから小さな満足感がクロノの身体を満たしていった。
140ふたりではんぶんこ(前編) 3/4:2009/02/08(日) 23:17:17 ID:paxm9toF
「はぁっ……はぁっ……はぁ」
ふつ、ふつと沸いてきたのは罪悪の念。それは少しずつ大きくなって、クロノを苛む。
しかし、それがクロノを責める前に、理性を熔かす獣の本能が歩み寄ってくる。
その真下では、フェイトがクロノの白濁を一滴残らず飲み干していた。
「ん、くっ……すっごく、濃くて、えっちな味……ごちそうさま、お兄ちゃん」
子供ながらに、妖艶な笑みを浮かべるフェイト。
クロノの中で、理性と本能とが混ざり合い、境界線を失くしていく。
「フェイトちゃん、やたらとフェラ上手いと思わない?」
「なっ、なっ」
エイミィの言葉にぱくぱくと口を開けることしかできない。
「フェイトちゃんね、随分練習してたみたいよぉ。アイスとか、バナナとか。幸せ者だねえ、『おにいちゃん』?」
「そ、そうなのか……んくっ」
びくりと、また震える。
フェイトが、怒張の中に残った精液を吸いだしてきたのだ。
ちゅうちゅうと、まるでストローでジュースを飲むように、いかにも美味しそうに飲み下していくフェイト。
「エイミィ姉さん……ごめんね、先に全部飲んじゃって」
「ううん、気にしないで。あたしはもうクロノ君の、何度も飲んでるからね。
さあて、クロノ君? 二発目、いってみようか」

腰が崩れて身動きの取れないクロノに、エイミィが迫る。
フェイトはその肉棒を義姉に譲り、クロノの眼前で膝立ちになる。
ちょうど、両膝の間にクロノの頭を挟みこむ形になった。
何をする気なんだと聞く暇もなく、一度精を放ち縮こまったペニスへと、エイミィは喰らいついた。
「んはぁっ!」
「はは、クロノ君女の子みたい。ま、こっちは物凄く男の子だけどさ」
むにむにと頬の内側で亀頭を擦りつけ、裏筋を強めに扱き立てる。
あっという間にクロノの肉茎は硬さを取り戻し、エイミィの口中で屹立する。
「クロノ君の弱いところは全部知ってるよ」
ちゅっ、ちゅっ、と強弱をつけて、鈴口に舌を挿れられ、竿は窄まった唇によって締め付けられる。
射精したばかりのペニスはまだまだ二発目を出す気配はない……と思っていたクロノだったが。
鼻へと間近に迫る淫香のお陰で、一瞬にして性感が取り戻された。
「あふっ……ふぁっ……おにいちゃ、お兄ちゃん……」
エイミィにばかり気を取られていたが、フェイトもまたクロノを想っていた。
何度も義兄の名を呟きながら、秘唇をなぞり、その先端にある淫核を摘む。
汗とも愛液ともつかぬねっとりした液体が、クロノの唇に垂れる。
無意識のうちに舐め取ると、鼻腔全体にフェイトの匂いが満ちた。
エイミィの口唇にも増して、フェイトの淫液がクロノを熔かしきった。
もう、歯止めが利かない。
「フェ、フェイト」
「どうしたの、おにい……ひゃあっ!」
141ふたりではんぶんこ(前編) 4/4:2009/02/08(日) 23:17:53 ID:paxm9toF
クロノは上半身を起こして、フェイトの淫裂へと舌を伸ばした。
貪るように蜜壷に舌をねじ込んで、鼻頭を秘芯に擦りつける。
「お兄ちゃん……そこっ、ダメだよぉ、汚いからぁっ……」
「僕の愛しい妹に、汚い場所なんてあるはずがないだろう」
少し頭を動かし、ついさっきフェイトがしてくれたように、その秘豆へ吸い付く。
「んきゃあっ!」
乳首を吸って乳を飲むがごとく、何かが出るのを期待するかのように敏感な突起を舐めるクロノ。
「お兄ちゃん……クリ、お豆舐めたらダメだってばぁ……」
クロノは無言になり、ただひたすらフェイトの淫核を吸い続ける。
先ほどのお返しと言わんばかりに、包皮を剥き上げて根元から先端までを丁寧に舐め上げる。
顎の辺りから淫液が伝って首筋へ落ちていったが、もう気にならなかった。
淫らな空気に当てられて完全に欲情した狼は、フェイトを求めて秘芯を甘噛みした。
タイミングを合わせるように、エイミィもクロノの怒張を飲み込み、じゅるじゅると吸う。
「んあっ、ひぅっ……あああああああああああっ!!」
フェイトの蜜壷から、ぷしゃぁっ、と愛液が迸ったまさにその瞬間、クロノも二度目の射精を迎えた。
どくっ、どぴゅっ、とエイミィに白い欲望を放出する。
フェイト以上に強く残り香をも逃すまいと陰茎全体を嘗め尽くし、最後にコクリと飲んだ。
「んー、やっぱりクロノ君の精液っておいしいね。他の人のは知らないけどさ」
激しい絶頂の果てにくたりと力が抜けたフェイトを抱きかかえて、エイミィはクロノの耳元へと口を寄せた。
「本番は、まだまだこれからだからね」
142Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2009/02/08(日) 23:19:50 ID:paxm9toF
4レス使ってずっとフェラかよとか思った皆さんごめんなさい。
後編が完成する前に3Pの流れが終りそうだったから勢いで投下しました。
反省してます。

まぁなんだ、抜けたらよし、ダメなら精進。
ユーなの短編はもうちょっと後回し。

ではまた。
143名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:36:18 ID:XfzJzo58
前スレからクロノが3Pで活躍しまくってるwww

GJでした!
144名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:48:45 ID:VDmjvupk
◆Po/NFU1fxk氏 過疎スレですが、創作発表版で一話から上げ直されては如何でしょうか?
あそこはエロなしでも、問題ないので、大丈夫だと思います。
145名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 00:05:28 ID:8Nz/fw5s
>>144
別にエロ無しが問題とかじゃないだろ
粘着荒らしが一人か二人いるってだけ
移ったらむしろそいつもついてく可能性もなくはないが
146名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 00:19:45 ID:UvS4NF7j
問題だったのはオリキャラ祭りの作者オナニーだったからな。
147名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 00:23:26 ID:0aZMOM0L
非エロの長編も大歓迎だけどな。
どちらかと言えばエロ短編飛ばすほうだしw

後でまとめて読み返すと長編は楽しいよ。

とにかく長編は必ず完結させて欲しいな。
評価はその後でも出来るんだし。
148名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 00:42:14 ID:BoDa0o19
待て待て、無限ループになる前に空気変えよう。

>>142
3PGJ。
クロノ、嫁と義妹に迫られるなんて、羨ましい奴め。
後編が今から待ち遠しいです。
149名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 01:33:03 ID:A14PuVCf
くそぅ!クロノの位置は美味し過ぎるぜ。
奴の面の皮が欲しくてしょうがない、カリムのケツをスパンキングしたいんです。
あぁ、提督駄目ですとか言われたい。
150名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 07:26:02 ID:8U/qt0e2
>>142
いや、十分抜ける。言葉で煽るエイミィさんがエロくて素敵だ

…だが。クロノ、お前羨ましすぎるwww
151名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 07:32:08 ID:IIkfaDPA
>>142
年上お姉さんの言葉攻めとか素敵すぎる。
エイミィの身体を撫で回したら「クロノ君はそこが好きなんだ?」とか
からかわれるんだろうな…

クロノ羨ましすぎるぜ
152名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 07:53:10 ID:iTcQlgx2
大人になった鬼畜ロノが猫姉妹に復讐(無論性的な意味で)する話マダー
153名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 08:07:34 ID:8U/qt0e2
>>152
散々責め立てて疲弊したクロノに『まさかもぅ終わりじゃないよね?』と反撃され搾り尽くされる方がいいなぁ
154名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 10:58:20 ID:DGR7H5QC
クロノの場合、序盤押されるっていう展開が想像しづらいな。
155名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 11:52:39 ID:lEP/PwTM
ショタクロノが逆レイプされる話はまだですか
156名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 11:53:31 ID:RfnJL0ug
クロノの場合序盤押されるのが普通な気がするが
157名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 12:42:24 ID:EJjek/yL
はやてかなのはが、ミッドの彼氏に制服プレイ(中学生服・体操服)を教えるとか
ミッドは制服はともかく体操服とかなさそうだし。

フェイト?彼女には相手がいn(ry
158名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 12:56:20 ID:ibeA46Rc
>>157
義兄がいるじゃないか


スカ博士がなのはにプロポーズする電波が降りてきたんだが
スカって戸籍あるの?
159名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 13:00:21 ID:EJjek/yL
秘密裏に造られたらしいし、ないんでない?

>義兄がいるじゃないか
個人的には公式(エイミィ)を裏切るのは…もちろん、二次創作だし、特には気にして無いけど。
160名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 13:25:38 ID:qhTq4fZK
そこで3Pですよ


職人方の続きが早く読みてぇ
161名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 13:39:27 ID:/SV8O4HN
>>158
高町ジェイルですね、わかります

息子が増えて士郎さん大張り切り
鉄拳教育で更正するんですね
162名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 13:56:18 ID:BY8JrG6k
>>157
ウザイキモイ死ね
163B・A:2009/02/09(月) 14:19:45 ID:BoDa0o19
3Pの流れが続くなぁ。
でも今回は非エロです。
投下いきます。



注意事項
・非エロでバトルです
・時間軸はJS事件から3年後
・JS事件でもしもスカ側が勝利していたら
・捏造満載
・一部のキャラクターは死亡しています
・一部のキャラクターはスカ側に寝返っています(その逆も然り)
・色んなキャラが悲惨な目にあっています、鬱要素あり
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・ある意味3P(あるいは4P)、どの辺が3Pかわかるかな?
・主人公その1:エリオ(悲惨な道をまっしぐら)
     その2:スバル(過酷な道を一直線)
・SSXネタも含まれます
・タイトルは「UNDERDOGS」  訳:負け犬
164UNDERDOGS 第十七話@:2009/02/09(月) 14:20:43 ID:BoDa0o19
自分でも馬鹿なことをしているなと、ノーヴェは思っていた。
宿敵の命を助け、聖王に敵意を向けることは、造物主に弓を引く行為だ。
戦闘機人ならば、絶対にやってはいけない愚かしいことなのだ。だが、ノーヴェはそれを承知でここに立っていた。
スバルを見捨ててはいけないと、心の中の誰かが言ったのだ。それが、チンクの言っていた自分の人生を
生きるということなのだと、ノーヴェは信じていた。

「痛…………はっ、ママ!?」

衝撃から立ち直ったヴィヴィオは、自分を守るためになのはがクッションとなっていたことに気づいて
慌てて彼女の顔を覗き込む。そして、最愛の母が無傷であることに安堵すると、彼女を蹴り飛ばした
相手に向かって燃えるような憎悪の念を叩きつけた。

「あんた、ナンバーズでしょう? 自分のしたことの意味、わかっているの!?」

「知ったことか、あたしはあたしだ。自分の気持ちに従っただけだ」

チンクの死後、ゆりかごを降りたノーヴェは、生まれて初めて自分を取り巻く世界というものに向き合った。
果てしなく広がる空、青い海、緑の大地、灰色の街。そこに広がっていたのは見たことのない美しい景色と、人々の営みであった。
そこには無邪気に笑う子どもがいた。世の不条理を嘆く大人がいた。我が子を愛しむ母が、家族を守ろうとする父が、
静かに生を全うしようとする老人が、高らかに生を謳う赤子が、数え切れぬ命が存在していた。
そして、自分が今まで、彼らのささやかだがかけがえのない幸福を搾取する側にいたことを知った。
ノーヴェの思考は単純だった。難しいことを考えるのは性に合わず、悩んだり迷ったりするのは弱さだと思っていた。
だから、世界の行く末だとか質量兵器がどうこうといった難しいことよりも、チンクのように小さな幸せを
奪われる人々がいることに純粋な怒りを覚えた。彼女の苛烈だが無垢な心が、生みの親を直感的に悪だと断じたのである。

「そうさ、こいつは手助けじゃねぇっ! こいつは……………」

ヴィヴィオが立ち上がるよりも早く、ノーヴェは右腕のガンナックルから直射弾を連射する。
怒涛の如く降り注ぐガンシューターの雨に周囲のコンクリートが削れ、砂埃が2人の姿を包み隠した。

「こいつは、あたしの拘りだ!」

「じゃあっ、お前もいなくなれ!」

砂埃を振り払い、ヴィヴィオが加速魔法を発動してノーヴェへと飛びかかる。
神速の踏み込みと共に繰り出されたのは、やはりシューティングアーツだ。
左腕の肘鉄を囮にし、本命は遠心力を加えて威力を高めた右腕のアッパーカット。
スバルの目から見ても、その動きには無駄というものが一切感じられず、完璧な型であった。

「ノーヴェ、左ッ!」

「命令すんな、わかっている!」

まるでそれを予測していたかのように、ノーヴェは肘鉄を捌くと同時に半歩体をズラシテ右のアッパーを回避、
がら空きになった胴体に緩慢な動作で膝蹴りを叩き込んで間合いを開くと、すかさずガンナックルを向けて
ガンシューターを余さず撃ち込んでいく。だが、衝撃でもんどりを打ちながらも、ヴィヴィオはすぐに地面を踏み締めて体を起こし、
至近距離で魔力を爆発させて離脱を図る。黒煙から飛び出たヴィヴィオの体は、ガンシューターの直撃を受けたにも関わらず無傷であり、
淡い虹色の光を纏っていた。

「それが聖王の鎧ってやつか」

「聖王の鎧?」

「そう、この光がある限り、私を傷つけられる者は誰もいない。お前も、スバルさんも………なのはママも!」

振り上げるように一閃されたヴィヴィオの腕から、魔力の波が迸る。
攻性を帯びたその波は道路を抉りながらノーヴェの脇を掠め、背後の街灯をスポンジか何かのように両断、
そのまま重力に引かれ、ノーヴェの頭上へと倒れていく。
165UNDERDOGS 第十七話A:2009/02/09(月) 14:22:00 ID:BoDa0o19
「チィッ!!」

「ルーテシア、エリオを連れて下がって!」

「わ、わかった」

弾かれるように散開したノーヴェとスバルは、左右から同時にヴィヴィオへと迫る。
しかし、岩をも砕く2人の蹴りと拳は、ヴィヴィオが纏う虹色の光に阻まれて一撃も彼女の体に触れることはなかった。

「攻撃が、通らない!?」

「言ったでしょう、利かないって!」

スバルの拳を受け止め、首を捻ってノーヴェの蹴りを避けながら、ヴィヴィオは術式を展開、
7つの光球を生みだして2人の背後から襲いかからせる。

「アクセルシューター!?」

「学習能力だ。あいつは、一度でも見た魔法や技は全部覚えちまう!」

「なら、シューティングアーツも!?」

「ああ………伏せろ!」

ノーヴェが叫んだ直後、飛来した砲撃がスバルの髪の毛を焼く。
なのはが目を覚ましたのだ。もしもノーヴェが知らせなければ、スバルはそのまま頭を吹き飛ばされていただろう。

「敵は手強いな」

置き上がりながら、ノーヴェは呟いた。
今のノーヴェは、勢いに任せて突っ込むだけだった昔の彼女とは違う。
無敵の聖王の鎧に高速学習能力という反則級の能力を持つヴィヴィオを相手に、単身で挑めば勝ち目はないことを
十分に理解していた。そして、それはスバルもまた同じであった。
このような開けた空間で、なのはの誘導操作弾と長距離砲撃がどれほどの脅威となるか、
彼女は3年前に嫌というほど味わわされている。それを知っているからこそ、
スバルも静かに頷いて隣に立つノーヴェに言った。

「で、どうする?」

「不本意だが、やるしかねぇ」

「決まり、だね」

ノーヴェは酷く不本意そうに顔を歪めながら、スバルは頼もしい味方を得たと笑みを浮かべながら、
向かってくるヴィヴィオのシューターを拳と蹴りでかき消して背中合わせに立つ。
そして、ノーヴェはヴィヴィオに向けてガンナックルを構え、スバルはリボルバーナックルの弾倉を
交換しながらなのはと対峙した。
166UNDERDOGS 第十七話B:2009/02/09(月) 14:22:59 ID:BoDa0o19
「「仕方ないから、共同戦線だ」」

強敵を前にしながらも、2人の声に恐れの色はなかった。
不思議と、負ける気がしなかった。何度も拳を交え、言葉をぶつけ合った好敵手が背中を守っている。
その頼もしさと暖かさに、自然と笑みまで零れていた。
余裕ぶったその態度に、ヴィヴィオが癇癪を起こしたかのように顔を歪めて魔力を昂ぶらせるが、
それすらも今の2人を脅かすことはできなかった。





後方へと飛んだルーテシアは、フリードに周囲の警戒を任せてエリオの治療へと専念した。
エリオは酷く傷ついていた。あんな怪物みたいな魔導師2人に追いかけ回され、彼女達の襲撃に備えてこの2日間、
彼は一時も休息を取らずに気を張り詰めていた。その無理が、ここにきて一気に現われたのだ。
これ以上、エリオは戦うことができない。しかし、肉体の損傷は致命的なレベルにまでは至っていなかった。
過剰な魔力行使によってリンカーコアが衰弱していたが、命に別条はない。
それよりも、彼の心が軋みを上げて壊れ始めていた。
エリオがルーテシアを守ろうとすると、必ず誰かが死んでいった。
ルーテシアを守るために母のように慕っていた女性のクローンをその手にかけ、尊敬する騎士とその融合騎を見捨て、
戦いに巻き込まれた無関係な人達を死なせてしまった。それがエリオの純粋な心を締め付け、苦しめているのだ。

「私の、せいで……………」

エリオを追い詰めているのは自分だ。
自分さえいなければ、エリオはこんな風に苦しむことはなかった。
キャロ・ル・ルシエとの約束、自分に課した誓い。ルーテシア・アルピーノという少女を救い、
その罪を償わせるという思いを持ってしまったが故に、エリオはそれ以外のものを切り捨てるという
絶望を見せつけられているのだ。

「うぅ…………うううぅ……………」

「エリオ!?」

苦しげに呻きながら、エリオはヒーリングを施すルーテシアの手首を掴んで涙を流した。
嗚咽を漏らすエリオの握力は強く、握り締められた手首が軋みを上げる。
この弱った体のどこにそんな力が残っていたのかとルーテシアは驚愕したが、
すぐに元の無表情に戻って治療に専念する。こんなことで彼の苦しみは取り除けないが、
せめて体の苦痛だけは取り除いてあげたい。手首の痛みは、彼を傷つけてしまった自分への罰だ。
167名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 14:23:06 ID:EulhrzO/
StSをつまみ食い程度にしか見てなかった俺が投下。

・エリオ×フェイト
・二人の心情を重視した恋愛
・ややレディコミ展開?(読んだこと無いからわからんが、間違いなく男向けエロではない)
・つまみ食い程度のため、口調やらなんやらがかなり怪しいかも

それでも良ければドゾー。タイトルはcross emotion(交差する想い)で。
168名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 14:24:23 ID:EulhrzO/
あ、割り込んじゃった・・・ orz
投下完了まで待ちます。B・Aさん、マジすまん。
なのは教官に頭冷やしてもらいに逝ってくる λ...
169UNDERDOGS 第十七話C:2009/02/09(月) 14:24:30 ID:BoDa0o19
「僕は…………僕は無力だ…………」

「エリオ、喋らないで」

「何で…………どうして、何も………守れないんだ…………どうして、僕の隣にいるのが…………き………」

呟きはそこで途切れ、エリオの意識は深い闇に堕ちていく。
せめて、その眠りの間だけは過酷な運命から逃れられることを祈り、
ルーテシアは残る魔力をエリオの体へと注いでいった。





高い集中を要するアクセルシューターでは、地上での高速戦闘を得意とする2人を相手にできないと思ったのか、
ヴィヴィオはなのはを援護役に徹させて攻撃の手段を再び格闘に切り替えてきた。
対するノーヴェもガンシューターを連射して牽制を狙うも、ヴィヴィオの纏う虹色の光が悉く直射弾を弾いてしまうため、
怯ませる程度の効果しかなかった。
元々、“聖王の鎧”とはヴィヴィオのオリジナルである聖王の血族に発現する先天性の能力であり、
自身の肉体を傷つけようとする攻撃を無効化する究極の防御スキルである。
その凄まじいまでの防御出力は、無意識下の発動であってもSランクの砲撃に耐えられるほどであり、
ヴィヴィオ自身が持つ高速データ収集能力も相まって、ノーヴェの攻撃はその悉くが虹の光に阻まれ、
かすり傷1つ負わせることもできない。

「そんなちゃちな攻撃ッ……」

「っ………このおぉっ!!」

ジェットエッジの噴射機構を作動させ、遠心力を利かせた回し蹴りを放つ。
しかし、ノーヴェの蹴りはヴィヴィオの横っ面に触れることはなく、左足に走った鈍い痛みにノーヴェは思わず顔を顰めた。

(くぅ………鉄板でも蹴っているみたいだ)

「ノーヴェ、下がって! リボルバァァァァァッ…………」

「………!?」

「シュゥゥゥゥゥットッ!!!」

ノーヴェは置き土産とばかりにヴィヴィオの胸部を殴りつけ、エアライナーを展開してその場を離脱。
直後、疾風を纏った魔力の弾丸がヴィヴィオを後方へと吹っ飛ばした。だが、後退させただけでダメージは通っていない。
なおもヴィヴィオは魔力を滾らせ、がむしゃらに殴りかかってくる。

「ママ、大きいの撃って!」

「まずい! ノーヴェ、あたしの後ろに!」

「仕方ねぇ、防御任せた!」

こちらの動きを止めようと突撃してきたヴィヴィオをノーヴェが迎え討ち、
その隙にスバルがカートリッジをロードして2人の前に躍り出る。
一拍遅れて、夜の闇を切り裂いたディバインバスターはスバルが展開したプロテクションに命中し、
激しい火花がネオンに彩られた街に舞う。
170UNDERDOGS 第十七話D:2009/02/09(月) 14:25:51 ID:BoDa0o19
「ううううぅぅぁぁぁぁっ、耐えて、マッハキャリバー!」

《All right》

バリアそのものを抉るようなその一撃は、スバルの魔力を大幅に削っていく。
気を抜けば、一瞬で処理限界を迎えてバリアを貫かれてしまいそうだ。
スバルは背後にいるヴィヴィオの脅威を敢えて忘れ、両足を踏ん張って恩師の砲撃に耐える。

「無理よ、スバルさん程度じゃ、ママの砲撃には耐えられない」

「てめぇっ、こいつを侮辱すんじゃねぇっ!!」

「あんたもしつこい! ママ、早く終わらせて!」

執拗に食い下がるノーヴェに業を煮やしたヴィヴィオが、なのはに更なるカートリッジのロードを命じる。
瞬間、レイジングハートから爆発音にも似た轟音が響き、立て続けに空薬莢が排出されていく。
すると、バリアを抉る砲撃のうねりがいっそう激しいものへと変わり、受け止めきれなかった余波が
周囲に飛び散って大気を焼きながら霧散していった。

「ナカジマッ!?」

「よそ見している暇なんてない!」

「こ、このぉぉっ、邪魔すんなぁっ!!」

ジェットエッジを限界まで噴かせて蹴りを放つが、やはり聖王の鎧を抜くことはできなかった。
寧ろ、反動で自らの足が軋みを上げたほどだ。既に何十と蹴りを放っているが、全て己の体を痛めつけるだけに終わっている。
ただの打撃では、この憎たらしい王を傷つけることはできない。圧倒的な力で鎧ごと蹂躙しなければ、
何れはこちらが押し負けてしまう。だが、ノーヴェの奥の手であるディバインバスターは
魔法ランクに置きかえれば精々がAランクないしAAランクが良いところだ。
万全の状態で放てたとしても、聖王の鎧を突破できるとは思えない。

(あたしにできないってことは、スバルにもできないってことか。どうすりゃ良い? 
どうしたらこいつを倒せるんだ、チンク姉…………)

ノーヴェの中で焦りが増していく。
しかし、背後から聞こえた雄叫びが、陰り始めたノーヴェの闘志を再び熱く燃え上がらせた。

「うううおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」

ジリジリと後退させられながらも、スバルは渾身の力を込めて砲撃を受け止めていた。
鬩ぎ合いは既に20秒近くも続けられている。普通ならば、とっくに力尽きて倒れていてもおかしくはない。
だが、スバルは歯を食いしばってリンカーコアの負荷に耐え、鋼の相棒たるマッハキャリバーもまた、
彼女の思いに答えようと必死で術式のサポートを行っていた。

「こんなもんじゃない……………なのはさんの砲撃は、もっと熱くて、もっと重かった。
8年前、あたしはなのはさんの砲撃をこの目に焼き付けたんだ。体を焦がす炎が熱くて、
一人ぼっちが寂しくて、辛くて…………けど、なのはさんがあたしに光をくれた。
あなたが撃ち抜いた空が、あたしにはとても眩しかった。あなたに憧れてた! 
だから………………」

《Gear Second》

「これ以上、あなたの誇りを汚させない!」

掲げた腕の人工皮膚が千切れ飛び、無機質なフレームが露になる。
同時に、大地を踏み締めたマッハキャリバーのマフラーから排気熱が吹き出し、
目に見えるほどにまで膨れ上がった魔力がなのはの砲撃を押し返していく。
171UNDERDOGS 第十七話E:2009/02/09(月) 14:26:53 ID:BoDa0o19
「そんな、また……………ママっ!!」

「………へっ、そうだな」

自嘲気味に笑い、ノーヴェは勢いの衰え始めた体内の回路を再び活性化させる。
独り立ちしたつもりだったが、心のどこかでまだチンクへの甘えがあったようだ。
だが、それももう終わりだ。彼女に甘えたままでは、自分はいつまで経っても成長できない。
今にも壊れそうになりながらも自分の背中を守り続けている姉、彼女にだけは負けられない。

「あたしらの戦いは…………」

「命を奪うためのものじゃない!」

「誇りとッ………」

「命を…………」

「「守るための戦いだっ!!」」

限界を迎え、風船が萎むように桃色の砲撃が消えていく。
母の一撃に耐え抜いたスバルを見て、ヴィヴィオが驚愕の表情を浮かべる。
その間抜けな顔目がけて、ノーヴェは渾身の蹴りを放った。
オーバーヒート寸前にまで加熱した体から繰り出された一撃は、今までのどの蹴りよりも鋭くて重い。
しかし、既にノーヴェの動きを学習して自身にフィードバックしているヴィヴィオからすれば、
それすらも凡庸な一撃であることに変わりはなかった。

「馬鹿の一つ覚えみたいに!」

「ならその馬鹿に蹴られてろ、馬鹿!」

バックステップを踏んで回避しようとしたヴィヴィオの鼻先を、ジェットエッジが掠めていく。
それは紙一重で攻撃を避け、カウンターで仕留めようという意図を持って行われた行動であった。
しかし、計算し尽くされたその動きは、ヴィヴィオ自身が持つ聖王の鎧によって阻まれてしまう。
普通の人間ならば鼻先を掠めるだけだったその一撃は、ヴィヴィオの纏う虹色の光を捉えていたのだ。
僅か数センチ。ほんのちょっぴりだけではあるが、爪先が聖王の鎧に触れたことで、
ヴィヴィオの着地のバランスが崩れて大きな隙が生まれる。
すかさず、ノーヴェはガンシューターを乱射しながら突撃し、有らん限りの力を振り絞って
自身のブレイクライナーをお見舞いする。

「こんなの、何度やったって…………」

「いいや、やっとわかってきた。お前はあたしより弱い」

「私が………弱い!? 人形の癖にぃっ!!」

怒りの形相でヴィヴィオは反撃するが、繰り出された拳をノーヴェは紙一重で避け、
逆に曲芸のようなトリッキーな動きで翻弄して死角から打撃を打ち込んでくる。
無論、その全ては聖王の鎧に阻まれてヴィヴィオにダメージを与えることはできなかったが、
ヴィヴィオを苛立たせる意味では十分に効果を発揮していた。
172UNDERDOGS 第十七話F:2009/02/09(月) 14:27:31 ID:BoDa0o19
「何で………どうして当たらない!? ちゃんと覚えたのに………型も、魔法も……お前の動きだって………」

「そうだな、お前は確かに完璧だ。ブレイクライナー………いや、シューティングアーツか。
技の完成度だけならあたしやあいつ以上だよ。けどな、お前のそれは完璧過ぎて見え見えなんだ。
最初にお前の攻撃を受け流した時もそうだった。あたしやあいつには、お前が次にどう動くのか、
何となくだが予測できたんだ」

「何となく? それだけで…………そんな、不確かなもので…………」

「あたしのブレイクライナーも、基はあたしのオリジナル………あいつの母親が使っていたシューティングアーツだ。
同じ流派、同じ技だからこそ、何を狙って繰り出されたのかがわかる。どんなに強力な一撃も、
来るとわかっていれば対処のしようはいくらだってあるってことだ」

「ふざけるな! 同じ技なら、力とスピードで勝る私の方が…………」

「なら試すか? 何度だって打ってこいよ。多分、利かないだろうけどな」

「…………馬鹿にするなぁっ!!」

激昂したヴィヴィオが、拳に魔力を集束させてナックルダスターを放つ。
しかし、ノーヴェは慌てることなく呼吸を整え、流れるような動きで懐に飛び込んで肘鉄と裏拳のコンビネーションを食らわせる。

「わかったか? お前は、決定的に経験不足だ。だから、動きは読みやすいし攻撃のバリエーションも少ない。
自分の能力に振り回されているだけの餓鬼だ。教科書を読んだだけじゃ、実戦は生き残れないぜ」

「けど、お前じゃあたしの防御は抜けない。何度やったって、傷一つ付けられない!」

「だからお子様なんだよ。脳みそ、ないんじゃないのか!」

むきになって殴りかかってくるヴィヴィオをあしらい、弾かれた腕を掴んで大柄な彼女の体を背負うように踵を返す。
聖王の鎧が防げるのは、あくまで肉体にダメージを与える攻撃のみである。意識的に発動させれた場合は難しいが、
不意を突けばこのように触れることは可能だ。例えダメージを与えることはできずとも、工夫次第で対処のしようは
いくらでもあるのである。

「スバル、投げんぞぉっ!!」

「応ッ!」

ノーヴェの意図を察したスバルが、力強く返事を返す。
なのはの攻撃を受け続けて体はボロボロだが、その闘志は微塵も衰えていない。
寧ろ、身に纏う魔力は更に苛烈さを増していき、周辺の大気すらも侵食していっている。
魔導師ではないノーヴェは、その枯れることのない気迫に当てられて酔いにも似た眩暈を覚えた。

(こいつとなら、やれる)

根拠のない確信を胸に、ノーヴェは有りっ丈の力を込めてヴィヴィオを投げ飛ばした。
ヴィヴィオは飛行魔法でブレーキをかけようとするが、ほんの少しだけ距離が足らず、
スバルを攻撃していたなのはを巻き込んで地面へと叩きつけられる。
その隙にスバルは離脱して態勢を立て直し、ノーヴェは2人の動きを抑えるために弾幕を張って牽制する。

「コンビネーションだ!」

「タイミング、ミスるんじゃねぇぞ!」

ウィングロードとエアライナーが複雑に交差し、即席の足場を形成する。
そして、2人は互いが造り出した足場から足場へと跳躍しながら直射弾を連射し、
円を描くように包囲網を狭めていく。
173UNDERDOGS 第十七話G:2009/02/09(月) 14:28:14 ID:BoDa0o19
「痛……ママ…………よくもママをっ!!」

「させるかぁっ! スバル、いけ!」

「リボルバァァァッキャノンッ!!」

懐に飛び込んだスバルが、強烈なアッパーカットで体を浮かせてヴィヴィオの攻撃を封じる。
更に背後に回り込んだノーヴェが無防備な背中に回し蹴りを叩き込んでヴィヴィオの巨体を
エアライナーの足場にぶつけ、スバルと共に疾走しながらガンシューターを撃ち込んでいく。

「エネルギー残量、残り025!」

「一撃で決める!」

並び立った2人の拳が鳩尾を捉え、強制的に発動した聖王の鎧がヴィヴィオから魔力を奪っていく。
すると、製造過程において彼女に植え付けられた闘争本能が不足した魔力をリンカーコアと融合しているレリックから吸い上げ始め、
魔力を伝達する神経が許容量を超えた出力に悲鳴を上げた。

「かはぁっ!?」

自分ではどうしようもない内側からの痛みに、ヴィヴィオは悶えながら自由落下を開始する。
レリックの膨大な魔力で強化しているとはいえ、基になった肉体は第二次成長期に差しかかったばかりの子どもである。
肉体的な強度、特に脳からの電気信号を各部へと伝える神経は未発達であり、戦闘時の膨大な情報量の処理が追いつかないのだ。
何とか立て直そうとするが、激痛で脳が焼かれて思うように体が動いてくれない。
そして、赤と青の魔拳士はこの最大のチャンスを逃さなかった。

「スバル、引っ付けよ!」

「射程はギリギリ、2人の呼吸を合わせるんだ」

重なり合った2つの影に、二色の光が集っていく。魔法陣とテンプレート、全く異なる力が互いに共鳴しあい、
1つの巨大なうねりへと昇華された蒼と金の輝きは、さながら鎖を解き放たれた野獣のように大気を震撼させる。
遮るものは何もない。
狩人が狙うはただ1点、痛みに悶える哀れな王の断罪のみ。

「即席必殺ッ!」

「双撃必倒ォッ!」

「「デュアル・ディバインバスタァァァぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」」

眼下のヴィヴィオに狙いを定め、スバルの拳とノーヴェの蹴りが極大にまで膨れ上がったスフィアを叩く。
暴発寸前まで高められた2つの力は螺旋を描くように絡まり合い、夜の闇すら引き裂きながら空間を駆ける。
迸るハイブリットエネルギーの渦はなのはの砲撃すら圧倒する勢いでヴィヴィオへと迫り、光の奔流が彼女を飲み込んでいった。





迫りくる圧倒的な力を前にし、ヴィヴィオは己の死を自覚して恐怖した。
あの一撃は耐えられない。
ゆりかごからのバックアップが受けられない今の状態では、聖王の鎧を最大出力で展開したとしても5秒と保たないはずだ。
だが、回避を試みようにも地面に叩きつけられたショックで術式がうまく紡げず、体も言うことを聞いてくれない。
立ち上がることすらできない状態だった。
174UNDERDOGS 第十七話H:2009/02/09(月) 14:28:58 ID:BoDa0o19
(……………ママ、助けて)

恐怖の余り瞼を閉じ、迫りくる現実から目を逸らす。
直後、太陽にも似た熱さが体を包み込み、聖王の鎧が自動的に展開して熱を遮断する。
そこで初めて、ヴィヴィオはあるべきはずの衝撃が襲ってこないことに気づいた。

(えっ……………どうして……)

恐る恐る、瞼を開く。すると、眩い光と轟音にその身を苛まれながらも、
自分を守るためにバリアを展開している母の姿が目に映った。

「ママっ!?」

「………………………」

なのはは答えない。ただ、無言でカートリッジをロードし続けて足りない魔力を補い、
解れていくバリアを維持し続けている。ヴィヴィオは一言も守れなどとは命じていない。
自我を失いながらも僅かばかりに残っていた母としての本能が、無意識的に彼女を動かしたのである。

「だめ、そんなことしちゃママが………ママの体が………」

ヴィヴィオの悲痛な叫びは、砲撃の奔流にかき消されてなのはに届かなかった。
やがて、限界を迎えたバリアがガラスのように砕け散り、全てを焼き尽くす光が2人を包み込んでいく。
すると、あろうことかなのははヴィヴィオを守るために両腕を広げ、仁王立ちの状態で砲撃の盾となった。
聖王の鎧すら突破する破滅の光を前に、たかがバリアジャケット程度の防御力など意味をなさない。
一瞬の内に外装が消し飛び、なのははインナーのみの状態になってしまう。
だが、それでもなのははリンカーコアから魔力を絞り出し、我が身を焼き焦がしながら愛娘を
砲撃の余波から守ろうとする。その意地が天に通じたのか、光の勢いは失われ、急速に萎んでいく。

「ママっ!!」

力を使い果たしてバランスを崩したなのはの体を、後ろから駆け寄って抱き締める。
白い肌は焼け爛れ、バリアジャケットは崩れてインナーもボロボロだ。美しい亜麻色の髪を結っていたリボンも、
いつの間にか解れてなくなっていた。そんな危うい状態ではあったが、母はまだ微かに呼吸を繰り返していた。

「まさか、アレを耐え抜くなんて……………」

「くっ………ブレイクギアがイカレちまった。二発目撃てないぜ」

地面に着地したスバルとノーヴェが、油断なく拳を構える。
全力を出し切ったのは向こうも同じ。既に余力は残っておらず、乱れる呼吸を整えるだけでも苦痛なはずだ。
ここに来て、体がやっと本来の調子を取り戻し始めたヴィヴィオは、氷のように冷たい目で母を傷つけた2人を睨みつけた。

「よくも…………よくもママを!」

「よくも? よくも何だって? なのはさんを侮辱しているのは、お前じゃないか」

「スバル!?」

疲労を隠せぬノーヴェが、傍らに立つ魔導師の変化に驚愕する。
スバルは厄介ななのはの砲撃を封じるために、敢えて自らを盾にしてノーヴェを守っていたのだ。
その消耗度合いは、ヴィヴィオと戦っていたノーヴェよりも遙かに激しいはずだ。
だが、スバルは疲労など感じさせない足取りで一歩踏み出すと、リボルバーナックルの弾倉を交換しながら蒼い光を迸らせる。
彼女の足下に展開したのは、三角形の近代ベルカ式魔法陣ではなく、歪に波打つテンプレートであった。
体内の回路の動力を、魔力から機人エネルギーに切り替えたのだ。
175UNDERDOGS 第十七話I:2009/02/09(月) 14:29:40 ID:BoDa0o19
「君は、命を弄んだ。その覚悟はできているね…………頭を冷やされるだけじゃ済まない」

「………何を、するつもり?」

「……………君は無関係な人の命を奪った。そして、自分の欲のためになのはさんの魂を侮辱した。
3年前、君の事を命がけで助け出そうとした人を、お前はただの人形にしてしまったんだ。
死んだ命は、もう二度と戻らない。土に還さなきゃいけないんだ!」

「………止めろっ!!」

「どけえっ!!」

母を守ろうと立ち塞がるが、ヴィヴィオが殴りかかるよりも早く、スバルは左腕を一閃させた。
強烈な裏拳を顔面に受け、ヴィヴィオは呆気なく吹っ飛ばされて誰とも知れない家の壁に激突する。
聖王の鎧のおかげでダメージはなかったが、勢いまでは殺し切れなかったのだ。

「マ、ママ…………逃げ……………」

「…バル………ス……バ…………ル…………」

スバルから発せられる静かな怒りに反応したなのはが、震える手でレイジングハートを掴み直す。
同時に、ブローバック機構が作動して空薬莢が排出され、砕け散ったバリアジャケットが再構成される。
新たに生みだされたバリアジャケットは、先程までのものと微妙に意匠が変わっていた。
タイトなミニスカートがゆったりとしたロングスカートに変化し、胸のリボンがなくなって襟や靴の形も変わっている。
それは、なのはの空戦魔導師としての資質を最大に活かすために生みだされた戦衣装。
戦い抜くことではなく、敵を倒すための戦闘用バリアジャケット“エクシードモード”だった。
そして、その姿に変化することは、同時にレイジングハートに秘められたもう1つの機構を作動させることを意味していた。

「ダメ…………ママ…………それを使っちゃ…………ダ………」

ヴィヴィオの言葉は、もうなのはには届いていない。
虚ろな瞳が捉えているのは、眼前に立つ愛娘への脅威だけだ。
心を失い、生きた人形となってもまだ戦い続ける痛ましい姿に、スバルは慟哭を禁じ得なかった。

「なのはさん……………」

「……スバル………スバ、ル…………て……き………たお………を………ら……なきゃ…………」

「もういいんです…………もう、眠って下さい。あなたのいるべき空へ……………」

「だめぇぇぇぇぇっ!!」

リボルバーナックルが不吉な唸りを上げ、迎え撃つなのはもまた禁断の言霊を紡ごうとする。
スバルのタダならぬ気迫にノーヴェは何もすることができず、ヴィヴィオは子どものように泣き叫ぶことしかできない。
その時、肌を焦がすような高エネルギー反応が真横から発せられ、マッハキャリバーがスバルに制止を呼びかける。

《そこまでです、相棒》

「……………みたいだね」

反応のあった方に目を向けると、巨大な大砲を担いだ栗色の髪の少女が道路に膝を着いていた。
エネルギー反応はその大砲から発せられており、砲口はピッタリとスバルに向けられている。

「ディエチ………………」

「知り合い?」

「………妹だ」

バツが悪そうな表情を浮かべながら、ノーヴェはディエチへと向き直る。
176UNDERDOGS 第十七話J:2009/02/09(月) 14:30:17 ID:BoDa0o19
「久し振り……だな」

「うん………それ以上、近づかない方が良い。砲撃に巻き込まれる」

「…………あたしを始末しに来たって訳じゃ、なさそうだな」

「あたしの陛下を迎えに来ただけだよ。そっちが大人しく退いてくれるなら、こちらからは何もしない」

「君が撃つよりも、あたしのISの方が早いよ。あたしは触れただけでこの人を殺せる」

「スバル!?」

不穏な言葉にノーヴェは動転するが、ディエチは涼しい顔を崩さずに担いでいる大砲“イノーメスカノン”の引き金に指を添える。

「例えその人を殺せても、あたしの砲撃を止めることはできない。死に急ぐことはない、
この場で退いても、決着の機会はそう遠くない内に訪れる」

「試してみる? もしも一撃で仕留められなかったら、お前に次はない。君の戦いはここで終わる」

2人の視線が火花を散らし、冷たい夜の風が頬を切り裂く。
不意に、遠くの方からサイレンの音が聞こえてきた。
騒ぎを聞きつけた陸士隊が出動したのだろう。一度でも動き出せば、彼らの動きは迅速だ。
程なくライディングボード部隊がここにやってきて、他の部隊も包囲網を作るはずだ。
面倒事になる前に撤退しなければならない。

「長居は無用みたいだ」

「そうみたいだね。陛下、母君を連れてこちらに」

「わ、わかった。ママ、こっちに来て」

ヴィヴィオの言葉になのははレイジングハートを下げ、ディエチのもとへと下がる。
すると、彼女達の足下に巨大な魔法陣が展開した。ゆりかごからの長距離転送魔法だ。

「ディエチ」

「ノーヴェ、課せられた役割を逸した駒は、消されるだけだ」

「ドクターの人形でいろって言うのかよ」

「駒は駒だからこそ、駒でいられるんだ。無理に筋書きを変えようとしても、あたし達は脚本家にはなれない。
あたしは君ほど聡くもないし、ウェンディほど呑気でもないんだ。だから、あたしはあたしに課せられた役目を果たす」

「なら、力づくでも止めてやるよ」

「そうなってくれることを祈るよ。それじゃ、精々ドクターのために足掻いてくれ。
ゼロセカンド、ノーヴェ……いや、裏切り者のbX……………最も、君達があたしと当たることはないと思うけど」

その言葉を最後に、ディエチ達の視界から夜の街並みが消え、幾何学模様の彫られた壁で四方を囲まれた
不可思議な空間へと変化する。ゆりかごへの転送が完了したのだ。
同時に、なのはが無表情のままその場にしゃがみ込み、激しく嘔吐する。
床の上にぶちまけられたのは、吐瀉物ではなく赤い血であった。
177UNDERDOGS 第十七話K:2009/02/09(月) 14:31:02 ID:BoDa0o19
「ママっ!?」

「いけない、すぐにドクターのもとへ……………」

ディエチが駆け寄ってなのはを担ごうとしたが、指先が触れる寸前でヴィヴィオの鉄拳がディエチを殴り飛ばした。

「ママに触るな、私が連れて行く!」

「…………わかりました、ドクターにはあたしから知らせておきます」

助けに来てくれた礼すら述べず、ヴィヴィオはなのはを背負ってスカリエッティのもとへと向かう。
今のヴィヴィオの心の中には、母である高町なのはしか存在していない。
他の者は彼女にとって虫けら以下の価値しかなく、声を聞くだけでもカンに障るのであろう。
本当なら、母の体をスカリエッティに触れさせることも是と思っていないはずだ。
延命処置を施せるのが彼でなければ、とっくの昔にゆりかごを乗っ取って親子2人だけの世界を築いていただろう。

「陛下………………」

去っていく主の背中を見送りながら、ディエチは寂しげに呟く。
自分の思いが報われることはないのかもしれな。例え、どれほどの忠誠を捧げたとしても。





ディエチ達が去っていった途端、ノーヴェはその場に尻餅をついてため息を吐いた。
スバルに合わせるために無茶な機動をしたせいで、あちこちが悲鳴を上げている。
一旦、どこかでオーバーホールした方が良いかもしれない。

「とりあえず、命は拾ったな」

「うん。けど、また戦うんじゃないかな…………何となく、そんな気がする」

「止してくれ。他はともかく、あんな化け物と戦うのはコリゴリだ」

今回だって、偶然が重なったお陰で助かったようなものなのだ。
ヴィヴィオにもっと戦闘経験があったら、スバルがなのはの砲撃に耐えられなかったら、
自分達のコンビネーションが失敗していたら、ディエチが本気で攻撃してきていたら、
きっと勝ち目はなかっただろう。

「まあ、とりあえずは助かったよ。ありがとう、ノーヴェ」

さっきとは打って変わって朗らかな笑みを浮かべるスバルに、ノーヴェは再びため息を吐く。
そして、差し出された手に軽く叩いて自分の力で立ち上がった。
178UNDERDOGS 第十七話L:2009/02/09(月) 14:31:36 ID:BoDa0o19
「………別に、スバルを助けに来たわけじゃねぇ」

「うん?」

「何だ?」

「今、スバルって…………」

「言ってねぇ!」

「ううん、言った」

「言ってねぇ!」

「言った!」

しつこく食い下がるスバルに、ノーヴェは頭痛のようなものを覚えた。
何と言うか、苦手なタイプだ。こんな能天気な奴だなんて思ってもみなかった。

「まったく、調子狂うぜ。こんな奴が姉さんだなんて………………」

「何か言った?」

「言ってねぇ! それより逃げるぞ、陸士隊がそこまで来ているんだろう!」

『そうだね、急がないと捕まってしまう』

不意に虚空から染み出すように、半透明な緑色の犬が足下から現れた。
怪しげな存在にノーヴェは身構えるが、スバルは安堵の笑みを浮かべて犬の前にしゃがみ込んでいる。
どうやら、知り合い(?)のようだ。

「アコース査察官」

『無事で何よりだ。さあ、今からならまだ包囲網を抜けられる。付いてきてくれ』

「わかりました。行こう、ノーヴェ」

「信用できんのか?」

「仲間だよ。ルーテシア、エリオを!」

「う、うん」

スバルがルーテシアから気絶しているエリオを預かり、背中に担いだのを見て、
ノーヴェも一言断ってからルーテシアの矮躯を抱きかかえる。
事態は1分1秒を争う。多少、動きにくいかもしれないが、こうした方が自分達の速度を活かせるはずだ。

『こっちだ。郊外で、セインと待機している』

犬の先導で、2人は暗闇の路地を駆けていく。
すると、目の前に1人の男が立ち塞がった。
ボサボサの髪にヨレヨレのコート。顔にはいくつもの傷があり、淀んだ目つきは狼よりも鋭い。
男からは殺気にも似た気配が発せられていた。
179UNDERDOGS 第十七話M:2009/02/09(月) 14:32:09 ID:BoDa0o19
「…………」

「心配ない、このまま行くよ」

「スバル?」

「行くよ」

男がコートの中に右手を伸ばす。だが、ノーヴェ達がすれ違っても、彼は何もしようとしなかった。
こちらに振り向くこともなく、走り去っていくノーヴェ達に沈黙の背中を向けたままだ。

「知り合いか?」

「昔のね」

サイレンの音を背に浴びながら、ノーヴェ達は入り組んだ路地を走り抜けていく。
今度も無事に生き残ることができた。だが、安堵の念は訪れない。
ノーヴェもスバルも、これが終わりではないことを本能的に理解していた。
そう、自分達とスカリエッティの戦いは、ここに来て漸く、本格的な始まりを見せたのだ。





懐の拳銃に手を伸ばしながらも、ヴォルツはそれを抜くことを躊躇った。
常識的に考えれば、ここで彼女達を逮捕しなければまたどこかで不条理に涙を流す者が現れるかもしれない。
これ以上の悲劇を止めるためにも、あの凶悪極まりないテロリストは一刻も早く逮捕しなければならないのだ。
だが、別れの際に交わした約束が、ヴォルツの決意を鈍らせてしまった。
そして、気がつけば彼女達は自分の脇を駆け抜け、遙か遠くへと走り去っている。

「よろしいのですか?」

偶然にもそれを目撃していた部下が、ヴォルツに訪ねてくる。
テロリストを見逃してしまって、良いのかと。
ヴォルツはしばし逡巡すると、まるで最初から用意していた言葉を持ち出すように部下に問いかけた。
180UNDERDOGS 第十七話N:2009/02/09(月) 14:32:53 ID:BoDa0o19
「おい、俺達の所属は?」

「はっ、港湾警備隊防災課・特別救助隊であります!」

「なら、持ち場に戻れ。俺達の仕事は犯罪者の逮捕ではなく被災者を救うことだ。
それに、曲がりなりにもあいつらは街の連中を守ってくれたからな」

「はっ、被害の規模は甚大ですが、死傷者はごく僅かです。報告によれば、
あの青い髪の魔導師が自らを盾にして市民を守ったそうです」

「こいつで貸し借りなしだ。お前もとっとと作業に戻れ」

「了解。引き続き、消化と救助活動を続行します」

堅苦しい敬礼を済まし、部下は立ち去っていく。
スバル達が走り去った方角に目を向けると、既に彼女達の姿はそこにはなかった。
今頃は、陸士隊の検問を抜けた頃だろうか。

「不本意だが、義理は果たしたぜ。約束、忘れるな」

虚しさを紛らわそうと、懐の煙草に手を伸ばす。
だが、握り潰された箱の中に、吸い慣れた紙タバコは1本も入っていなかった。






                                                         to be continued
181B・A:2009/02/09(月) 14:34:24 ID:BoDa0o19
以上です。
次回で合流、そして1話挟んで決戦に持ち込むと思います。
ちなみに、ディエチの「あたしの陛下を〜」は誤植ではありません。
よくある、土壇場で素が出てくるやつです。


>>167氏。
投下はこれで終了です。
教官に頭冷やされ終わったらいつでもどうぞ。
182cross emotion01:2009/02/09(月) 14:53:56 ID:EulhrzO/
良くない。これは絶対に良くない。良いわけが無い。
フェイト・T・ハラオウンは一人頭を抱えて悩んでいた。

「まぁ、私も女だから、そういう気分になるコトもあるわよ…でもよりにもよって相手が…ハァ〜〜〜。」

周りから奇怪の眼差しで見られているのにも気付かない程に、フェイトは考え込んでいた。
はやてに相談すれば、間違いなくある事無い事騒ぎ立てられ、こっちの立場が悪くなるだろう。
いや、はやてだけじゃない。管理局の誰に相談したとしても、自分の立場が怪しくなるだけだ。

「とは言え、いつまでも悩んでいたら、あの子達に示しがつかないし…」

無限ループの思考を断ったのは、親友であった。

「大丈夫?フェイト隊長。」
「…」

苦虫を噛み潰したような表情(かお)でフェイトはなのはに顔を向けた。
…そう、彼女だ。彼女だけには絶対に知られたくない。否、知られてはならない。
万が一、彼女に知られようものなら、自分が築いてきた全てを崩壊させられかねない。
だが、藁にも縋りたい気分だったフェイトは、意を決した。

「なのは、この後少し時間を貰えない?ちょっと話をしたい事があって…」
183cross emotion02 :2009/02/09(月) 15:50:27 ID:EulhrzO/


「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」
「二人。禁煙席でお願いね。」
「かしこまりました。ではご案内したします。」

業務終了後、フェイトはなのはを連れ、管理局近くにあるカフェへと向かった。

「へぇ、結構良い感じのお店だね。こんなのあったんだ。」
「ちょっとオフの日に散歩してたらたまたま、ね。管理局内でもあんまり知られてないみたいだから、一人で良く来るのよ。」

二人で他愛も無い話をしながら食事をし、デザートが運ばれてきたあたりでフェイトはふと表情に陰を落とした。

「でね、なのは。その…話の事なんだけど…」
「うん。フェイトちゃんの悩みだったら何でもきくよ。一人で悩むより、皆で考えるほうが良いもんね。」

なのははフェイトに、慈愛に満ちた眼差しを送った。その視線がより、フェイトを苦しませるとは思わずに。

「あ〜…いや、その、別に皆で考えなきゃならないような悩みじゃない…というか、一人で解決しなきゃならない事というか…」

気まずい。物凄く気まずい。なのはが真摯に向き合ってくるものだから、良心の呵責に押しつぶされそうになる。
だからと言って、ここで適当にお茶を濁して、なのはの親切をふいにするのも、正直なところ耐えられない。

「それでも、フェイトちゃんが一人で塞ぎ込んでいるところは見たくないな。キャロとエリオが見たら悲しむよ?」
「!」

なのはとしては何気ない発言のつもりだったのだろう。だが、フェイトとしては心中穏やかになれなかった。
何しろ、その悩みの原因となる人物の名前があったからだ。

「?…ひょっとして、キャロかエリオの事なの?二人は頑張ってるじゃない。あの二人、同い年だし仲も良いみたいだから、良いコンビになれると思うよ。」
「…よ」
「へ?」
「エリオの事なのよ。」
「エリオが…どうかしたの?」
「別にエリオが何かしたとか、そういう事じゃないのよ。」
「じゃぁ…どういう事…?」

さぁ、本題だ。覚悟を決めろ、フェイト・T・ハラオウン。もう逃げ道は無い。自分で臨んだ道だ。
そう何回も自分に言い聞かせる。だが、口の中が異常に渇く。タンブラーの中の水を飲む。それでも口の中が渇く。
今、自分が発する一言はパンドラの箱を開けてしまうかもしれない。管理局、いや、世間からの風当たりが強くなるだろう。
だが、自分の気持ちにウソをつけるのか?否、つけられない。つけたくない。

「エリオの事が…好きなのよ。」
「へ?」

さぁ、言った。とうとう言ってやった。どうだ、軽蔑したいか。
軽蔑したいならしてくれ。自分でも普通じゃないと思っているくらいだ。
半ば自暴自棄でフェイトは心の中でなのはに蔑みの言葉を求めた。
だが…
184cross emotion03:2009/02/09(月) 16:01:12 ID:EulhrzO/
「うん、わたしも好きだよ、エリオの事。」

ガタンっ!!

一瞬、フェイトは盛大に姿勢を崩した。今、彼女は何と言ったか。
エリオの事が好きだと言ってなかったか。冗談じゃない。彼女にはユーノが居たはずじゃないか。
それなのにも関わらず、エリオが好きだと?それとも二人は別れたのか?いや、それはありえない。あの二人の絆を例えるなら、「断金の交」。
鋼すら断ち切れそうなほど、なのはとユーノは強い絆で結ばれている。ならば何故?
まさか…

そんなドス黒い感情がフェイトの中で渦巻いているのに気付いてないのか、なのははまだ笑顔を浮かべている。
怒りやら嫉妬が入り混じった感情が爆発しかけた、その時…

「エリオってホントに頑張り屋さんだよね。自分もがんばらなきゃ、って思えるもの。ティアとスバルもあの純粋な直向さを見習って欲しいんだよね。」

ガタタンっ!

完全に出鼻を挫かれた。まぁ、ある程度予想はしていた発言だが、いざ実際に言われると脱力してしまう。

「ま…まぁ確かに、エリオの直向さには色々と刺激を受ける所はあるわ。でも、上司として部下じゃないのよ。」

少し気の抜けた、でもどこか思い悩んでいるフェイトの声。
さすがのなのはも、ここで答えに気付いた。だが、あえてその答えを口にせず、違う答えを望んでいた。

「じゃ、家族…として?」

フェイト、首を微かに横に振る。
部下としてじゃない、かと言って家族でもない。となると、やはり…

「一人の…男の子…として?」
「その言い方に語弊があるから、ちょっと訂正するけど、一人の男としてエリオの事を見てるの。」

伏せられたなのはの表情は見ることができない。だが、その体はわずかに震えている。
動揺するのも無理は無いだろう。相手は10歳になったばかりの少年なのだから。
どんな言葉を投げかけられるのだろうか。フェイトはなのはの言葉を待った。
185AILD:2009/02/09(月) 16:03:51 ID:EulhrzO/
時間がなくなってきたので、今回はココまで。
とりあえず、映像資料を購入して、もうちょっと勉強してから続きに挑みます。

しっかし、こういう恋愛モノを書く際にBGMを何故HR/HMにしなきゃ書けないかね、俺。
作者名は、現在聞いているグループの名を拝借してAILDとでも名乗っておきます。
186名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 16:09:30 ID:eqySon6T
>>185
気になるとこで切んなwww生殺しじゃねえか
次回は投下前のリロードとフェイトそんの口調の改善を
187名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 16:10:46 ID:YzL8uKA+
…また、凄いのが湧いてきたな…
188名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 16:22:15 ID:hFKAvH/1
>>185
GJ。続き待ってるぜ
つかよく考えりゃこの作品、普通の女の子口調のキャラいねーな…
189名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 16:24:25 ID:4xfLg2dl
つ アリサ
190名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 16:38:06 ID:iTcQlgx2
>>182
・他のSS投下直後に投下をするのは基本的にNG
・キャラの口調が別人
・中途半端すぎる
191名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 17:06:45 ID:BOFqJDa5
投下時間に関しては
>いつでも〜
って言われてるからいいとして、投下開始ってことを改めて一言挟んでも罰は当たらないなの
その方が見易いし
192名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 18:24:42 ID:qhTq4fZK
1と2が1時間くらい空いてたが、何かあったん?
規制の類なら仕方ないが、投下はなるべく速やかにだぜ兄弟


しかしなんと生殺しな…続き待ってる
193名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 19:02:29 ID:g+ICcd1v
>>192
2と3も大分空いてるし、こいつまさか書きながら投稿してるんじゃ…
194名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 19:46:19 ID:X96grCxs
>>181
GJ!
ディエチ〜〜
最近いろんなところでディエチ大活躍で嬉しい。
195名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 19:50:37 ID:XbmHuRyT
>>185色々と書き手における暗黙のルールを理解してから来てくれるとありがたい
196名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 19:53:47 ID:c5iY5DUF
暗黙のルールって何のことを言ってんの?
197名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 20:44:35 ID:2EUXftqG
直後投下でレスがつかなくなるのは駄作の証明。
198名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 21:05:11 ID:JSkTKRJm
>>181
GJ!!
タッグバトルもの凄く熱かったです
それにしてもなのははあそこまで必死に母親としての責務を果たそうとしているのに娘と来たら…
まあその優しさ故に娘も強く母親を求めてしまうんだろうな
でも今自分のやっている行為が自傷行為に等しい事を行っている事にいつか気づいた時には…

エリルーは見ていて悲しかったです
エリオが本当に守りたかったのはやはりキャロだったんでしょうか
それでもエリオもいつかは本当に心からルーの事を見て守ってあげる日が来る事を…
199名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 21:46:46 ID:aKO6TwV9
>>181
乙です。
熱い展開ですが、最早それすら死亡フラグにしか見えないという……
救いを求めたいけど、安易に救われる展開になるのも嫌だという我侭なジレンマを抱えています。
200名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 22:31:58 ID:eU8OtmKG
>>181
GJ!
ヴィヴィオはいつまでなのはを苦しめるんだ…おそらく次は本気でスバル達を殺しに来るのはほぼ間違いない
もうスバルが本気で彼女を殺すつもりで止めない限り悲劇は止まらないのか。
エリオの心も危なくなってるし、状況はますます悪化するばかりだ。

>>185
GJ!
なのはに恋の相談とは…すごくかわいい。
でも行く手には家族の関係という茨の道が、でも頑張れ!
201名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 22:33:16 ID:cpCywLk4
>>181
GJです!

前から拾い読みしていましたが、バトルの描写が真に迫っていますね。
長編でもこういう飽きさせない展開はいいですね。
続き楽しみにしてます
202名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:19:00 ID:eUPPbfza
>>181
GJ ヴィヴィオがいろいろ精神的にヤバイな、ノーヴェがいいキャラしてるけどどうなるか?

>>185
やっぱ口調が気になるかな、
後は続きはもっと余裕あるときにまとめてあげた方がいいのでは?


ところで前スレではお世話になりました
流れ切る様で悪いけどなのは×ヴァイスで短編と言うか話のさわりみたいなのがとりあえず書けたけど
投下してもいいだろうか?
203名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:23:28 ID:hFKAvH/1
別のところに投下したのじゃなくて新作?ならばGO
204名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:34:02 ID://KRAQ3Y
投下お願いします
205天使と狙撃手EX:2009/02/09(月) 23:39:36 ID:eUPPbfza
それではお言葉に甘えて



#1

某日、ミッドチルダ・クラナガン
高町家宅

―――なんで俺にサイズの合う寝巻きがこの家にあるのかね?

シンプルなパジャマに袖を通した格好で廊下を歩きながら、
ごく当然の疑問としてヴァイス・グランセニックは思った

彼がこの家に客―――それも泊まり客で来たのは今日が始めてである
その泊まりにしてもなし崩し的に決まったものだ
これでまともな着替えがあるというのはどうかしている
そもそも、この家の住人は全員―――

「あ、ヴァイス君お風呂あがった?」

覗き込んだリビングのソファーに座る家主が振り返り、自分に笑顔を向ける
はいはいいいお湯でしたよと投げやりに返事して

彼は彼女の向かいのソファーに座る女性の格好に絶句した

「どうしたの、ヴァイス?」

「…………フェイトさん、一つ聞いていいっすか?」

え、何を?と、不思議そうに小首を傾げるフェイト
なのはの方もどうかしたのかと首をかしげる

「ひょっとして、六課の頃もその格好で寝てました?」

「このパジャマのこと?
―――そうだけど、これがどうかしたの?」

知らぬが仏とはよく言ったものである、ヴァイスは彼女の返答に頭を抱えた
206天使と狙撃手EX:2009/02/09(月) 23:40:19 ID:eUPPbfza

駄目だ―――これは真似しちゃいけない、
少なくてもあの子にはそう言い聞かせておかないと
―――多分に手遅れな気がするが

扇情的な黒のネグリジェ
こんな格好で子供と一緒に寝ていたと思うと情操教育上、その子の将来が心配である

「結構前からのお気に入りだよねそれ」

「うん、ちょっと大胆かなって思ったんだけど、
着てみると案外よくって」

「よくねー!!
エリオが将来女性不信になったらフェイトさんのせいだってくらい良くねぇ」

前からとなれば元六課のあの少年もこの寝巻きの存在をよく知っていると言うことになる
よくもまぁあんないい子に育ったものだと思っていたが、
ひょっとして、既にいろいろ精神的にへし折られた後だったのだろうか?

「え、そ、そうか……な?」

不思議そうに首を傾げる、
顎に人差し指の先を当てるそのしぐさのだけならむしろかわいいくらいであるが
左手で右肘を支えるその姿勢は胸元を寄せあげる格好となるわけで、
そのプロポーションからすればそれだけで大いに目の毒であった

―――これだから女所帯は……

同姓ばかりが集まるとどうしてもその辺りの緊張感が下がると言うのは偏見だろうが、
やはり、きつく言っておかないと駄目な気がする

「そもそもクロノ提督は何もいわなかったんすか、それ?」

「前見せたときは目を白黒させてたけど、
そんなの何時もの事だし、あんまり気にしてなかったかな?」

207天使と狙撃手EX:2009/02/09(月) 23:40:51 ID:eUPPbfza

年頃の美人が行き成りこんな格好をすれば言葉に詰まるのは当然なのだが、
この女性はどうしてこう言う時だけ常識が足りないのか?

「クロノ君、フェイトちゃんに『お兄ちゃん』って呼ばれるだけで、
いまだに照れてるもんね」

そういう意味でのブレーキ役として
彼女の義兄がまったく役に立たないことを認識させられる
まったく―――それでいいのか二児の父?!

「でもその辺が気になるって事は、
―――ふ〜ん」

ニヤリと子悪魔的な笑みを浮かべる女二人、
清純派などと呼ばれるアイドルに限って裏にどんな素顔を持ってるか分からない
これはこれで彼女らに弱みを握られてしまったのではなかろうか?

「参考までにどのくらいの格好なら許されるのか、
その辺りの意見を詳しく聞かせてもらおうかなぁ」

大振りのシャツ一枚にしか見えない格好で、
なのはがわざとらしく足を組み替えながら詰め寄る
裾が腿の中ほどで終わっているせいで、
それだけでもなんとなく艶かしい仕草になる

「……し、質問があります上官殿」

「黙秘権? 無いよそんなの」

間髪いれずに天使の様な笑顔で切り返された
この後、彼が某提督及び某史書長を内心呪ったのは言うまでもないが、
会話の内容はともかく管理局でも名高い美女二人に迫られたと言う状況なので、
同情してくれる者は、恐らくその二人ぐらいしかいなかった
208天使と狙撃手EX:2009/02/09(月) 23:41:28 ID:eUPPbfza

#2

ポスッという音と乗せられた重みにヴァイスは眼を覚ました
時間は深夜、明日は非番ではあるが何分飛込みが多い職場である
一時間にわたって弄り回された精神的疲労はしっかりと回復させておきたい
そういう意味でも眠っていたかった彼であったが、
乗せられた物の重さ以上に柔らかさがそれを許さなかった

「―――っ」

上げそうになった声を必死にこらえる
目を開けた先、それこそ鼻先が触れ合うほどの近くにこの家の主、
高町なのはの顔があったからである
すぅすぅと寝息を立てているのはどうにも演技ではなさそうだが、
それ故に、その無防備さはあまりにも凶悪である

無意識のうちにすっと伸ばされた手がヴァイスの襟元を掴み、それを頼りに寝返りを討つ、
柔らかな肢体に圧し掛かられて彼はその感触を楽しむ余裕も無く、内心で悲鳴を上げた

はっきりいって彼にとって、
高町なのはというのはあまりにも持て余す存在だった

時空管理局本局が誇る才色兼備の航空戦技教導官一等空尉であり、
ヴァイスより五歳は年下の上官であり、若干9歳で管理局入りしたオーバーS魔導師
11歳の時に致命的な怪我を負いながらも奇跡の復活を遂げた
不屈のエース・オブ・エース

これだけの肩書きをもつ相手を前に臆するなと言うほうが無茶な話である、
彼は地上部隊の武装隊の端っこで狙撃銃を構えながらヘリを操る
しがないB+ランクの陸戦魔導師に過ぎないのだから

だが、それでも彼女はたった二十歳そこそこの女性に過ぎないことを彼は知っている
にこやかな天使の様な微笑の影で、どれだけの苦痛にのた打ち回っているかを知っている
決して丈夫ではない体と、決して優れているとは言えない運動神経でもがき、
足掻いてきたことを知っている
209天使と狙撃手EX:2009/02/09(月) 23:41:58 ID:eUPPbfza

柄でもなく、器でもない身の上で『護りたい』と、
せめてその心だけは支えたいと思ってしまった

なにより、―――その唇の柔らかさを知ってしまった

自分を撃ち落してみせろと言われてしまった

なら、男として後には退けない
退けないが―――

だからと言って、これをどうしろと言うのだ?

今現在、この艶かしくも無防備な姿をさらす彼女こそ、
彼にとっては最も持て余す存在であった


210天使と狙撃手EX:2009/02/09(月) 23:42:24 ID:eUPPbfza

#3

「おはよう、よく―――は寝れてないみたいだね」

「これでよく寝れた様に見えるならアンタの目はおかしい」

明くる朝、客間にひょっこり顔を出したフェイトに、
疲れきった声で彼はそう返した

お互い、今だ眠っているなのはに配慮した静かな声である

「しっかしこんな時間か……」

時計を見ると平時の起床時刻を完全に過ぎていた
ほとんどまともに寝ていなかったが

「起こした方がいいっすかね?」

「いいよ、今日はなのはもお休みだし、
ヴィヴィオの相手は起きてからゆっくりしてくれればいいし」

もともとなのははあんまり朝には強くないのだとフェイトは言う、
ここにも一つ新たな事実に驚かされる

211天使と狙撃手EX:2009/02/09(月) 23:47:50 ID:eUPPbfza

「それにね、なのはって結構お兄ちゃんっ子の甘えん坊なんだよ?」

「あ〜……そう言えば末っ子なんでしたね」

ひょいとその顔を覗き込む、
あどけない表情で眠っていて、それだけで起こすのが勿体無い気にさせてくれる

「こんなに安心して眠ってるなのはを観るのは久しぶりかな、
いつもは眠ってもどこか張り詰めてて―――時々、見てるこっちが辛くなるんだ」

「それはそれで、フェイトさんにしか見せない顔じゃないんすか?」

「違うよ、私が勝手に見てるだけ、
なのははそう言うの周りにみせたがらないから」

苦笑まじりに答える、
はみ出した苦しみの断片を、恐らくは一番知っているが故の静かな本音であった

「それじゃ、私は朝ごはんの支度してくるから、
―――ごゆっくり」

「ごゆ……って、ちょっ」

なんだか最後に爆弾を投下しつつヒラヒラと手を振って部屋を出て行くフェイト
もっとも、いつの間にやら妙な具合になのはにからみつかれていたため、
先ず彼女が起きない限りどうしようもなかったのも事実だったが




今回は以上です
タイトルどうりこれ自体は外伝になります
なのはカゲ薄くね?とか、フェイトさん無駄に目立ってね?とか、
ヴァイスの根性無しめ!とかは自覚あるんでおおめに見てやってください
212名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:58:50 ID:BTeFDi0h
投下乙、投下乙なんですが……

投下前に内容に対する注意書きを入れてくだされ、カプとかキャラとかエロの有無とか。
>>1にメッチャ書いてありますです。
次回投下の際は是非お願いします。
213名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 00:01:38 ID:eUPPbfza
毎度すいません、以後気をつけます
214名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 00:02:36 ID:kGy5kzsY
第7章です。
注意事項
・今回はハードです。
・微エロ?でバトルと言うより虐殺です。
・前作:「再び鎖を手に」の続編です。
・時間軸はJS事件から1年後
・ユーノ×なのはです。
・捏造満載
・キャロ・エリオ・ルーテシアは出ません。(3人のファンの方、すみません)
・前作からのオリキャラ出ています。
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・主人公 ユーノ
・タイトルは 翼を折る日 
2157の1:2009/02/10(火) 00:04:51 ID:OMHIZjzY
第7章 
7-1 
 ぐちゅぐちゅとなのはの唇をねぶる音が、56階のフロアの闇の中で響き続ける。

「コノツメタサガイイノダ。ヤハリ、ビショウジョハ、ナマクビニカギル」
 ねぶり尽くしたなのはの首を、再び眺めようと目の前にかざしたゲーベルは、呆気にとられた。

「笑いすぎだね。少し、あ・た・ま冷やそうかぁぁぁ!」

 血の気を失ったなのはの首が、笑い顔で自分を見据えながら冷たい声を放った瞬間、ゲーベル
の身体に緑色のストラグルバインドが巻き付き、動きを封じた。  

「ク、クソッ、ハナセ、ハナセェェェェ」

「放さないもん。絶対、放さないもん。悪魔の住処の地獄まで連れてくもん」

 目の前に浮かぶ、なのはの首が笑いながら宣告した瞬間、閃光がストラグルバインドで簀巻きに
されたゲーベルを56階のフロアから、空に叩き出した。

 いきなり青い空に放り出されたゲーベルの身体が重力の法則に従って地上に向かって落ち始める。

「おっと危ない・・・」

 窓をぶち破って飛び出してきた黒い影を避けたマテウスは、地上56階からの自由落下の恐怖に負けた
ゲーベルが、屍体愛玩者らしからぬ情けない声を上げながら墜ちていくのをニヤニヤ笑いながら見送った。

「タスケテクレーーー」

 屍体愛玩趣味の時空犯罪者があげる悲鳴ほど、情けなくも笑いを誘うものがこの世にあるだろうか?
 笑いを堪えきれなくなったマテウスが、哄笑しようとした瞬間

「どいてぇぇぇーーー!」
 すさまじい怒声と共に破壊された窓から飛び出してきたなのはがマテウスを冷たい目で一瞥すると落下してい
くゲーベルを追って急降下していった。

「ユーノ博士でも抑えきれないか・・・」
 ゲーベルを追って飛び出してきたなのはの背中に寄り添って飛ぶユーノが必死の形相でなのはを止めようと
しているのを見たマテウスは、ため息をつく。

「こりゃ真剣にやらないとヴィヴィオ様の逆鱗に触れるな」
 コートのポケットから葉巻を取り出して火を付けたマテウスは一瞬で、墜ちてくるゲーベルを見上げる位置で
滞空したなのはの後ろに付くとユーノに気軽に声をかけた。

「お手伝いしましょうか?」
「「いりません」「手出し無用なの!」」 

 きれいにユニゾンした声がマテウスの手助けをあっさりと拒否すると、地獄の開幕を告げる砲撃が始まった。

「ディバインバスター ファランクス ファイアーーー!」

 なのはの冷たい声に応じて、すさまじい速射で撃ち出された数十発のディバインバスターが墜ちてくるゲーベルを
撃ち抜きながら、上へ上へと玉突きの要領で上空に打ち上げていく。

「ギャァァァァーーー!」
2167の1:2009/02/10(火) 00:06:46 ID:OMHIZjzY
7-2
 
桃色の魔弾に撃ち抜かれる痛みに耐えきれず絶叫するゲーベルの姿が、小さくなっていくのを
見据えるなのはの目が、ぎらりと光った。

「アクセルクラスター フルバーーースト!」

 次の瞬間、舞い踊りながら上方で待機していた桃色の光弾がゲーベルを撃ち抜く。

 骨の折れる嫌な音こそ聞こえなかったが、あり得ない角度にひん曲がった手足を見れば、クラスターが
ゲーベルの四肢を打ち砕いたのは明確だった。

 クラスターに撃ち抜かれたゲーベルの身体は、再び地面に向かって堕ちはじめる。

「まだ、終わらないの!今のはティアナの分だよ」
 ぺろりと唇をなめたなのはは、ゲーベルを見据えると再びディバインバスター ファランクスを撃った。
「これは、フェイトちゃんの分!」
 最初に撃ち出した数を遙かに上回る光弾が、再びゲーベルを空へ打ち上げる。

「なのは、やめるんだ。いくらリンカーコアバーストした犯罪者でも」
「ユーノくん、止めないでよ。す・こ・し頭を冷やしてやるだけだから! フルバァァァストーー!」

 二度目のアクセルクラスターは、手足ではなくゲーベルの下半身を撃ち抜いた。

「ひひゃいぃぃ ひひゃいぃぃ ひひゃいぃぃよぉぉぉ!」

 腰椎が折れたのか下半身が上半身と反対の方向にねじ曲がったゲーベルが悲鳴を上げてなのはたちの
眼前を墜ちていくのをマテウスは、冷たい目で見送った。

(なぶり殺しか。まあ、それにふさわしいだけの罪は犯しているが・・・ なまじリンカーコアバーストを発症して
いるだけに、なかなか死ねないのが哀れだな)

「アクセルクラスター フルバーーースト!」

 地面まで数十メートルの地点で待ち受けていたアクセルクラスターに撃ち抜かれたゲーベルは、内蔵が破裂し
体中の骨が骨折していたが、リンカーコアバーストのせいでかろうじて命だけは、取り留めていた。

「ヒュヒャイィィヨォォォ ヒュヒャイィィヨォォォ ヒュヒャイィィヨォォォ・・・」

 悲鳴を上げながら、上空に打ち上げられていくゲーベルを冷然と見送ったなのはは、急上昇してゲーベルを足下に
見下ろす位置で滞空すると再び、砲撃を行った。

「ディバインバスター ファランクス クインティットシフト ファイアーーー!」

 なのはを中心に展開された5個の魔法陣から、すさまじい数の光弾がゲーベルに撃ち込まれる。

「これはユーノくんとわたしの分なの!」

「ヒャイィィィ・・・」
 全身から血の雨を噴き出しながら、か細い悲鳴をあげるゲーベルが墜ち行く先に、桃色の魔弾が、牙を剥いて踊り狂っていた。

「フルバ・・・」
「なのは、やめろ、やめるんだ!」

「放してよユーノくん、放して、放せぇぇぇぇ」
2177の1:2009/02/10(火) 00:08:52 ID:OMHIZjzY
7-3

 普段のなのはからは想像もつかない、残虐な振る舞いに堪りかねたユーノが、なのはを後方から
抱きすくめるとレイジングハートに声をかけた。

「レイジングハート 砲撃を止めろ、止めるんだ!」
「Yes Master Yuuno!」
 なのはの振る舞いに異常を感じていたのか、レイジングハートは、あっさりとユーノの命令に従い待機状態の
赤い宝玉に戻るとユーノの手に収まった。

「ユゥゥゥゥノォォォォォ・・・」

 いともあっさりとレイジングハートが、自分の命令を無視したことに怒り狂ったなのはは、底響きする声を発し、
ユーノを睨みつけた。

「返してよ。レイジングハートを返してよ。返せ、返せぇぇぇぇ」
 手をかぎ爪状に曲げてユーノを睨みつけるなのはの眼は、獲物を横取りされた飢えた獣を思わせるものだった。

「少し、頭冷やそ・・・んむぅぅぅんんん・・・」

 いきなりユーノに唇を塞がれたなのはは、口内に侵入してくるユーノの舌をかみ切ろうと顎に力を込めるが、
頬にかかるユーノの手が、なのはの抵抗を阻止する。

 やがてユーノの舌の動きになのはの舌が合わせ始めると共に、ぎらぎらと輝いていたなのはの眼が潤みはじめ
息づかいが荒くなってきた。

「ユーノくん、わたし・・・」
「な、なのは」

 潤みきった眼で自分を見つめるなのはの媚態に理性を失いかけたユーノを押しとどめたのは、眼下のクラナガン301
から轟く爆発音だった。

 56階の窓から黒煙と炎が、上の階をなめ尽くさんばかりの勢いで噴き出すのを見たユーノは、静かに言った。

「なのは、今は、火事を消すのが先決だ。このままじゃクラナガン301が崩れる。行くよ!」
「でもゲーベルは?」

(私がやりましょう。お二人は、火事をお願いします。消防隊が来るまで、あと十数分は掛かります)

 墜ちていくゲーベルの身体を空中で押し止めたマテウスが片手を上げて合図しているのを確認したなのはは、
ユーノを振り向くと力強く頷いた。

「うん、行くよ。ユーノくん、その前に・・・」

「レイジングハートは返すよ。さっきはごめん。なのは」

 額にキスをしたユーノを見たなのはは、クラナガン301に恨めしげな視線を向けるとつぶやいた。

「全力全開で、吹っ飛ばしてあげるの!」
2187の1:2009/02/10(火) 00:10:28 ID:OMHIZjzY
7-4

 四肢の骨が完全に砕け散り、目玉と耳を潰され、脳と心臓を除く内臓器官が完全に破壊され機能不全に陥ったゲーベルを静かに地面に降ろしたマテウスは、ライフゲージプロテクションでゲーベルの残骸を覆うと念話を始めた。

(聞こえるはずだな。ゲーベル・レイン君、返事をしたまえ)

(・・・オ・・・マエ・・・ハ・・・ダレ・・・ダ・・・!)

(監察官マテウス・バウアーだ。選択肢は二つしか与えられん。どちらかを選びたまえ)

(オ・・・レハ、モウ・・・ダ・・・メダ。ドウ・・・トデモス・・・ルガ グギャァァァ・・・)

 美味そうに葉巻を吹かすバウアーが、脳内に送り込んでくるイメージの忌まわしさに、リンカーコアバーストによる
パワーアップの代償として得た、死体愛玩という変態趣味を満足させるために誘拐や殺人を繰り返してきたゲーベル
が、この世の者とも思えない悲鳴を上げる。

(コ・・・ンナコ・・・トガ・・・)

 生きたまま解体され、クローン培養される手や足から再生され、その身体にリンカーコアがあるかないか調査される
幼児が、自分自身だと気がついたゲーベルは悲鳴を上げるが、声帯を破壊されているため、ゴボッゴボッという音しか出ない。

(おいおい、まだ始まったばかりだぞ。喜ぶのは早いよゲーベルくん)

 皮肉な口調でゲーベルをからかうマテウスは、つまらん手間を掛けさせる奴だと吐き捨てるとイメージを再び送り始めた。

 リンカーコアのない幼児は、戦闘機人の実験体として様々な試作ISを埋め込まれ実験に供される。

 ここまでで死ねる幼児は、大変な幸運だと言うことをゲーベルは、次の瞬間、信じがたい苦痛と共に、改めて実感させられる。

 ぼろぼろになりながらも生き残った幼児は、能力こそAAクラスだが、幼児嗜虐趣味等の異常性癖の為、第41管理世界統合軍
で汚れ仕事を専門に引き受けさせらている通称”屍食鬼(グール)部隊”の猛者たちに尻を掘られ、鉛筆くらいの細さしかない性器
をショタ好きの女性隊員に、容赦なくしごかれる。

凄まじい性的虐待を受け続ける幼児の悲鳴と苦痛が、ゲーベルの脳に容赦なく叩き込まれていく・・・
 
いよいよ使い物にならないと判断された幼児のゲーベルたちが、次々とサンドバッグ用の袋に詰め込まれ、猟犬部隊のボクシング
の訓練用サンドバックにリサイクルされていく・・・

(ヤメテク・・・レ・・・ モウ・・・カ・・・ン・・・ベンシ・・・、ソチ・・・ラノイウ・・・トオ・・・リ)

「ふむ、ようやくわかってくれたようだね。ゲーベル君、それでは尋問を始めようか」

 テロリスト組織の情報提供と引き替えにリンカーコアバーストの除去手術に同意したゲーベルの残骸を一瞥したマテウスは、吹き出る
煙と炎を制圧した桃色の魔力光と緑色の魔力光が満ちあふれている56階の窓を見上げると二本目の葉巻に火を付けた。

「鎮火したようだな。ふん、今更、来たのか、相変わらず地上本部は鈍いものだ」

 56階の火災が、ユーノとなのはの活躍により、ほぼ鎮火した段階で、ようやく到着した航空消防魔道隊の遅さを皮肉ったマテウスは、
ユーノに念話を行った。
2197の1:2009/02/10(火) 00:13:19 ID:OMHIZjzY
7-5
(ユーノ博士、かねてお約束のオペをお見せします。準備してください)

「「アクセル シュゥゥゥーート!」「ディバインバスター ファランクス ファイアー!」」

 崩れ落ちた天井から垂れ下がる電線や構造材が、なのはの撃ち出すアクセルシュートで切り落とされ、室内で
燃えている可燃物と共にディバインバスターファランクスで窓外に掃き出されるや、ユーノの緑の結界に包まれ、
下の広場に移されていく。

 ゲーベルという邪魔者がいない56階の消火作業は、なのはとユーノという初代コンビの絶妙な連携で、迅速に進み
、窓外に航空消防魔道隊の小さい姿が見え始めた頃には、室内の火災はすっかり収まっていた。

「あらかた済んだみたいだね。ユーノくん」

(オペにゲーベルが同意しましたよ。ユーノ博士)

「う・・・そうだね」

 窓の外から吹き込む強風で翻るバリアジャケットの裾を押さえたなのはは、一瞬、言葉に詰まったユーノを怪訝そうに見やった。

「いや、誰かが状況を説明しないといけないと思ってね。ご苦労様です、みなさん」

 窓から入ってきた消防魔道師に挨拶したユーノに、隊長の制服を着た銀のヘルメット姿の男が敬礼した。

「航空消防隊のシュレジンガー一尉です。スクライア館長、高町一尉、消火作業へのご尽力感謝いたします。他の階に類焼等が
起きていないか、これより確認に掛かります。つきましては事件の発生経緯を知りたいのですが・・・」

「そ、それは・・・」
「僕が話そう。なのはは、スバルの所に行ってくれ。ヴィヴィオが疲れ切って眠ってる。僕たちを助けようとして無理をしすぎたって話だ。
なのは、先に行ってヴィヴィオを安心させてくれないかな?」

「うん、わかった。後でユーノくんも来てね」
「もちろんだよ。夕食は、翠雲堂で一緒に食べよう」

 さわやかな笑顔で夕食を取る約束をしたユーノを見つめたなのは、こくりとうなずいた。
 なのはの姿が、スバルたちがいるビルの屋上に降り立ったのを確認したユーノは、話を始めましょうとシュレンジンガーに言った。

「お話は、わかりました。事件の当事者の一人ティアナ・ランスター執務官補佐は、コンラッド曹長に照会したところ、クラナガン大学 病院
に入院中。時空犯罪者のゲイル・レインは、バウアー監察官の報告によると死亡したとのことです。詳細な事情は、ティアナ・ランスターが
回復した後、聞き取ることにします。スクライア 館長、ご苦労様でした」

「いやぁ、こちらこそ、何かありましたら無限書庫に連絡してください」  
 
古代ブンドゥ文明展の残骸の中に残された”王の玉座”と呼ばれる大理石の椅子に腰掛けたユーノは、”宰相の座”と呼ばれる大理石の
椅子に座っているシュレジンジャーに一通りの事情を説明すると立ち上がった。

(済んだようですな。こちらにおいでいただけますかな。いや、結界を張っておりますので高町一尉たちからは見えませんので、ご安心を)
 
苦笑したユーノは、さりげなく55階のフロアにかかる階段を下りると転送魔法を発動した。
2207の1:2009/02/10(火) 00:13:56 ID:OMHIZjzY
以上、第7章終了です。
221名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 00:56:11 ID:05ldCy4j
>>181
GJ!
今のスバルが強いのも迷いを振り切ったからだと思える
その上でのノーヴェとのコンビネーション戦
氏の戦闘シーンは本当に燃えさせてくれます

>>185
GJ!
下手をすれば犯罪
でも思いは本物。
どうなのはが返答するか楽しみです。うん、頭冷やry)だけはないと信じたい

>>213
GJ!
ヴァイスの根性なしめとはこっそり思ってしまった
ふつーなのはさんなんていう天使のような女性がいればがばっといってしまうだろう
222タピオカ:2009/02/10(火) 02:38:32 ID:OigZiRz2
刻の大地ってマンガがあるんですよ…
その中にね、出てくるんですよ…
悪い事したつもりが、結果的にみんなに感謝される娘が……
それを見ててなんとなく書いたものですので、「え、何これ?」と思われざるを得ないほどペラッペラな話です
おやつ感覚でどうぞ

注意書き
・注意書きが必要ないぐらい短い話なので別に注意が必要でもなんでもない事を注意してください
・山なし、落ちなし、意味なし、エロいはずもなし
・スカリエッティが行っ戦慄すべき悪行のほんの一握りを記した黙示録
223ターンJターン:2009/02/10(火) 02:39:52 ID:OigZiRz2
悪の狂科学者ジェイル・スカリエッティ。
生命と機械、ふたつを極めた至高の頭脳の持ち主である。
森羅万象の理を掌握するが如きその眼力と手腕は、すでに人を超越した者のそれである。
死を約束された者さえ黄泉返らせ、生に祝福された者を冥府に送る彼は果たして神か悪魔か…

〜結構昔〜

「ヒマ」
「なら働いてくださいな」

キャスターの上に正座し、背もたれに手をかけてクルクルまわる天才科学者は己のラボで決起の刻をただ待っていた。
その沈着さは天や地を思わせ、偉大ささえ漂う。まさに伏龍。まだ見えぬ未来まで、自分はただ待つのみなのだ。

「働きたくはない。しかしこうして無意味な時間を過ごすのは味気ない。難しいね、人生」
「それよりも資金面で難しいんです、ドクター。そろそろ何かしら金銭の工面を考慮しなければ」

ウーノの言葉にキャスターの上でクルクルしてたスカリエッティが止まる。
次いで、ガッコンガッコン前後に揺れればその黄金の双眸は氷の刃じみて鋭さを帯びる。

「脳みそに資金援助の要請は?」
「先週問い合わせました。返答は自分で稼げ、だそうです」
「あぁ…あちらさんも聖王のゆりかご発掘、修復に大枚はたいてるようだしねぇ。世知辛い事だ」
「ですので、働いてください」
「断る」
「管理外世界からなのですが、一件仕事の依頼があります」

淡々と手元の資料をホログラムとして開示する秘書に、スカリエッティはしかし乗り気ではない。
ちなみにスカリエッティさん、多種多様な次元世界でいろんな偽名を使って医者として、工学研究者として活躍している。
故に、管理外世界では純粋に医師としてその天才を振舞っているのだ。
その手術はまさに奇跡。あらゆる医学の権威が匙を投げた病魔を、鼻ほじりながら退ける超人だ。

「だから嫌だと言っているじゃないか」
「依頼は第97管理外世界の日本という国で…海鳴市」
「まったく、私は梃子でもここから動かないよ?」
「優秀な要人のボディガードなのですが、随分な重症で動くに動けない状態です。その能力を買っているVIPはこのまま再起不能にするのは惜しいと思っている様子」
「無駄なのが分からないかね、君は。私の意思の強さは並ではないよ? だらける事にかけては他の追随を許さないさ」
「支払いがドルという通貨ですね。宝石類にしてもらいましょうか?」
「してもらうもなにも、私は行かないよ。ふふん、これはもはや決定だ。覆す事は出来やしないよ」
「ちなみにその海鳴市ですが、郊外に温泉があります」

そっと、ウーノが頬に手を当て物憂げな吐息。

「温泉行きたいなぁ…」
「なにをぐずぐずしている! 準備はすべて整っているんだ、早く行くぞウーノ!」
224ターンJターン:2009/02/10(火) 02:40:44 ID:OigZiRz2
二泊三日、スカリエッティとウーノのぶらり湯けむりふたり旅が決定した瞬間である。
温泉マップ片手に診察され、携帯電話で宿の予約を取りながらの手術を経てボディガードの重症患者は見事に回復する事になる。

「終わった終わった」
「お疲れ様です、ドクター」
「疲れてはないがね。いや、しかし管理外世界には珍しく発達した文明だ。驚いたよ」

第97管理外世界まで足を運び、適当に仕事を済ませたマッドサイエンティストはボディガードを手術した病院をぶらぶらしていた。
郊外の温泉まで、タクシーを呼んだわけだがその待ち時間である。
スカリエッティら管理局の秩序を認識した世界に生きる者にとって、まだいくらか第97管理外世界は幼い。
しかし、幼いながらも魔法という技術なしでこれだけの成長をする惑星は稀だろう。
この病院ひとつとっても、未熟な魔法技術で治療を行う管理世界よりも十分高水準な医療を施しているのが分かる。

ほら、あそこで眠る幼い子供たちなんかもこれから健康そのもので育っていく事が目に見え―――

「おや」

ふと、スカリエッティが足を止める。

「なにかありましたか?」
「ほら、あれ」
「……女の子ですね」
「分からないかい?」
「リンカーコアが侵食されています。将来、死に至るでしょう」
「はて…別世界から紛れた魔法の産物にでも呪われたかな?」
「有り得ますね」
「持ってどのくらいだと思う?」
「5歳ほどでしょうか?」
「うん、正確な診断だ」

おもむろに、眠る幼い少女をそっと抱きあげた。
その顔は邪悪。欲望と野望さえ満ちればいいと思っているスカリエッティは、そこだけを見ればある意味では純粋だ。
しかし、歪みはある。他者が痛む姿を、見下す事に愉悦があるのだ。
そしてその性質はこれから未来に、クアットロに特に受け継がれる事になる。

「どうするおつもりです?」
「より長く、この子が苦しむようにするさ。ふふ、さっきのボディガードを手術したのも、それが目的みたいなものさ」
「?」
「ただ、任務を冷徹にこなす鉄壁のボディガード。治癒が完了すれば、彼はまたあれほどの怪我をするだけの危地に踏み込まなければならないだろう……」
「仕事ですからね」
「治ったのに、また壊れる……それを考えれば、愉快な気持ちにならないかい?」
「私は、ドクターを補佐するだけです」
「頼りにしているよ、ウーノ。さて、さしあたりこの子は、そうだな10歳ぐらいまでしか生きられない程度に頑丈にしてやろうじゃないか。ふふふ、未来が輝いて見える時期だよ、これは。そんな年で、蝕まれて死ぬ。どんな思いをするだろうね、この子は」

昏くて低い笑い声。
タクシーが来るまでに、スカリエッティに抱えられた娘は恐るべき苦しみを長く享受せざるを得ない肉体になっていたと言う……!!
225ターンJターン:2009/02/10(火) 02:45:45 ID:OigZiRz2
〜数年後〜

「うーん、むにゃむにゃ……もう食べられないよ……」

あまりに暇すぎてミッドチルダで闇医者をやっていたスカリエッティは、この日、9/10眠りながら手術を完了させた。
しかし、本来手術すべき人物が、実はひとつ下の階の手術室に横たわっていたのを知るのは後日となる。
鼻ちょうちんふくらませながら間違って手術を施してしまった少女は、今では体に穴開けられたのも信じられないぐらい元気に空を飛んでいるという。

〜さらに数年後〜

「チンク、今度はビームが出せる義眼造ったけどこれならどうだい?」
「いえ、ドクター……義眼の性能という問題ではないのです」
「まったく、じゃあ、いったい何が問題だって言うんだね! もういい、そこまで言うならもう知らないよ! 眼を直して欲しいって言ってももう遅いからね! ふん!」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……(チラ)」
「いえ、要りませんから」
「もう知らない! しかしながら保管する場所もないから仕方なくここに義眼を置いておくけどもう本当に知らないよ!」

ぷりぷり怒りながらスカリエッティはラボを出ていく。こんなに親が心配してるのになんて娘だ!
気分転換に街に繰り出すと眼帯したイカス女の子が男の後ろを追いかけてるではないか。

「待ってよお兄ちゃん」
「す、すまねぇ…今は急ぎでな、また…な」

逃げるように早足に去っていく男の背中を、女の子は泣きだしていしまいそうな隻眼で眺めるだけ。

「へい彼女、義眼とかどう?」

結局その娘は視力弱ってるだけみたいだから周りの傷だけ治すにとどめました。
見ず知らずのマッドサイエンティストに顔の治癒をOKする少女はなかなか肝が据わってると思う。

こんなジェイルだけど今日も元気です。



おしまい
226名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 09:54:25 ID:upu6xo1E
>>225
GJ!!刻の大地、懐かしいですね!!スカ良い奴だよスカ
227名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 10:12:22 ID:Nd08KVkI
>>225
GJ!!
なのは父、はやて、なのは、ラグナ、かな?
228名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 12:46:05 ID:e0HrJDHa
なんという高スペックの無駄遣い。
天才なのにアホの子とか、スカさんが美味しいキャラ過ぎるw
229名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 13:34:32 ID:rJTjMfbJ
GJ!!です。
お父さんを治療してくれた人の容姿や性格、行動を聞いて、
思い浮かぶのがスカ博士だったら、なのは驚きそうだw
あと、自分を手術した人もwww
230名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 14:12:53 ID:wV1ETvkj
飛べる人は、皆A以上なの?
231名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 15:57:53 ID:YFbqxDYW
Asまでの武装隊の人が隊長A隊員Bらしいから違うと思う(DVDの解説だかに書いてある)
232名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 17:37:35 ID:rJTjMfbJ
空を飛び戦闘できるかどうかは魔力とかじゃない別の資質の問題じゃなかったっけ?
233名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 18:24:53 ID:sPEyRuzv
資質による。
Cランクでも飛べる人がいるし、Sランクでも飛べない人がいるんじゃないかな。
どんな資質なのかは知らないが、浮遊魔法があるところを見ると飛びながら戦闘する資質なんじゃないかと。
234名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 19:18:18 ID:g5n4u0Qu
空を飛べること自体は簡単だが、戦闘できるぐらいに自由自在かつ高速でとなると
資質がもの言うんじゃないかとどっかで考察されてたような。

ま、エロパロでする話題じゃないな。というわけで話題転換。
ナンバーズ(何番でもいい)の旦那さんが似合いそうな男キャラって誰になるんかね。
235名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 19:24:58 ID:sPEyRuzv
とりあえず、ウーノにはスカかな。
後はノーヴェがゲンヤでディードはオットー(まて
236230:2009/02/10(火) 19:31:10 ID:wV1ETvkj
>>231-234
なるへそ、参考になった。ありがとう
237名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 19:34:17 ID:e7+MGD7u
>>225
なんという数奇な運命!
刻の大地よりもJOJOの歴史の流れのように感じた。

真相を知ったなのはたちは微妙気持ちになるだろうなw
238名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 19:41:35 ID:KDg5bPWt
>>181
GJ。
エリオは心を壊してもルーテシアを守って欲しいし、ヴィヴィオは心が完全におかしくなる前に正気になって欲しい
二人とも現実を見つめて、今大切に思っている人の事を本当の意味で守るんだ

>>185
GJ。
久しぶりのフェイエリにwktkしてます
239名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 20:31:47 ID:OvKN99OG
>>181
GJ!
ディエチが裏切らなかったのはなんか意外な感じ。
ただ、今のなのはを見たらフェイトやユーノはなんて思うのだろう。
240名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 20:54:36 ID:N5FWO+EW
>>181
デュアル・ディバインバスターだと……畜生映像で見たいじゃないか
しかし回が進むごとにちょっとずつ以前の姿を取り戻しつつある気がする
スバルに対してエリオ組には最悪の結末しか見えません……続きを楽しみにしてます

>>234
ロッサとセインの相性は良さそう、と個人的に思っている
ウーノがいなかったらスカとドゥーエも似合いそうだが
241名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 23:59:10 ID:V7HhMdmO
>>225
これはいいドクター。
242名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:19:51 ID:URhEgPbh
>>234
個人的にだが
ウーノはやっぱりスカリエッティって先入観があるな
ドゥーエはユーノみたいな優しい系と一緒になるといい気がする
トーレは同系統のザフィーラか、逆に優しい系のユーノとか
クアットロは鮫島
チンクは、これも先入観でゼスト、それか俺
セインは鮫島
セッテも鮫島
オットーは逆に鮫島だな
ノーヴェはやっぱり劇中の描写や遺伝子的にゲンヤさんと見せかけて鮫島
ディエチはちょっぴり暗めだから少し明るくて派手さがあるヴァイスに引っ張ってもらえばいいと思うけど鮫島
ウェンディは俺
ディードみたいなのがレジアスと一緒に歩いてるのを想像すると妄想が膨らむが鮫島
243名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:22:06 ID:5keslchy
鮫島さん生きてるのか?
244名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:22:38 ID:XbjWdVMH
鮫島フィーバー来る!
だがナンバーズの前にお嬢様に性教育(実践)をしろ、執事。
245名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:23:12 ID:TUnq3RCt
>>242
どうして鮫島なのさーっ!?
246名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:25:48 ID:NEosX4AZ
>>242
どさくさ紛れにウェンディ盗ってんじゃねえ!!

ディエチは俺。
247名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:40:53 ID:K9QI/geY
そうだ、セッテは俺の嫁だ!

と言いたいことはとりあえず言っておいて、
>>244のレスを見て鮫島に浣腸されたアリサが紙おむつに脱糞というとんでも電波が…………。
248名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 01:47:07 ID:g8sgP+Ys
つか、鮫島って誰だ?と本気で思った。
そうか、執事だったか、そういえばいたなぁ
249名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 02:18:25 ID:qIkkjrPZ
>>248
長く2chに住んでいると鮫島=例の悲しい事件になるからなあ。
250名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 02:47:41 ID:0nISpCSM
あぁ、長くいる人間からすると鮫島=話すのも憚られる事件だよな
というかそっちしか浮かばなかったw
251名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 08:53:34 ID:t+zW5p/u
パワプロの先輩が真っ先に浮かんだのは俺だけか
2527の1:2009/02/11(水) 13:50:35 ID:OW2R/HyR

翼を折る日 第8章です。
全体の1/3がこの章で終わります。

注意事項
・今回は微ハードです。
・前作:「再び鎖を手に」の続編です。
・時間軸はJS事件から1年後
・ユーノ×なのはです。
・捏造満載
・キャロ・エリオ・ルーテシアは出ません。(3人のファンの方、すみません)
・前作からのオリキャラ出ています。
・主人公 ユーノ
・タイトルは 翼を折る日 
2537の1:2009/02/11(水) 13:51:33 ID:OW2R/HyR
第8章  
8-1  

「やっと同意してくれましてね。永遠に続く地獄の苦しみより、一瞬の激痛の方が良いそうです」
「・・・まあ、そうでしょうね(これは・・・酷い。酷すぎるよ。なのは)」

 四肢を失い、心臓を除く内臓と脳以外の感覚器官である眼や耳を失った肉体は、いかなる治癒魔法を
以てしても回復を望めないことが明白であった。

「まだ、死ねないんですよ。リンカーコアバーストのせいでね」

 もはや人間とはいえない惨状を呈しているゲーベルが生きているのは、かろうじて活動しているバース
トとしたリンカーコアの作用によるものだと説明したマテウスは、ちびた葉巻を次元の狭間に投げ捨てる
と、レインコートのポケットから、新しい葉巻を取り出し火をつけた。

「リンカーコアバーストの処置は、7段階に分かれています。ゲーベル君のことを思えば、最初の4段階
で済ませる予定ですが・・・ご要望があれば、今から再交渉して残りの3段階も行うことができますよ」

「・・・結構です。ゲーベルの望むとおりにしてあげてください」

 残り3段階が、生命維持に関することを意味しているのを理解したユーノは、一瞬、やってくださいと
言いかけた自分を恥じた。

 なのはのためなら悪魔にでも魂を売るという覚悟を固めたとはいえ、目の前のゲーベルが、肉塊のまま、
残りの生涯を生き続けることに平然と耐えられる自信はない。

 今回のオペを見ることでなのはを救えるヒントを得たとしても、救われたなのはの向こうにゲーベルの
肉塊が蠢き続ける姿を意識しながら、なのはやヴィヴィオと幸せな生活が送れるはずがない。

「ユーノ博士らしい優しさ・・・いや、人としての優しさですな」
 マテウスは、満足げにうなずくと良かったなゲーベル君と声を掛けた。

(ユ・・・ノ・・・カセ、アリ・・・ガ・・・ト・・・)

 絶え間なく襲う苦痛のため、思考も途絶えがちなゲーベルが感謝の言葉を述べるのを聞いたユーノは、
ゲーベルを肉塊に変えてしまったなのはの行為を止められなかった自分を悔いた。

「ゲーベル君、これよりオペを開始する。安らかに逝きたまえ」
(アア・・・カ・・・シャ・・・シ・・・)

 ゲーベルの感謝の念話を気にする風もなくマテウスは、リンカーコアバーストのオペを開始した。

 無造作に肉塊の胸に手をかざしたマテウスの周囲に不可視の魔力が展開されるのをユーノは認識した。

 その気配は、デバイスなしに魔法を精密制御できるユーノですら、微かにしか感知し得ないほどのもの
であり、なのはやフェイト、はやてが、眼前で行われるマテウスの振る舞いを見れば、さえない中年男が、
呆けた顔で震える肉塊に手をかざしているとしか見えないだろう。

「Capture」

 その声に応じてゲーベルの肉体の震えが止まった瞬間、間髪を入れずにマテウスが続ける。

「Freigestellt」

 その声に応じるかのようにゲーベルの胸からバーストしたリンカーコアが取り出された。
2547の1:2009/02/11(水) 13:52:10 ID:OW2R/HyR
8-2

(なんてひどい色だ。魔力光がまったく見えないなんて・・・)

 黒灰色の殻のような物に覆われたリンカーコアからは、本来の魔力光がまったく見えないのに驚いた
ユーノにマテウスの非情な声が追い打ちを掛ける。

「ゲーベル君を安らかに逝かせる為には、一挙に破壊するのが一番ですが、それでは参考になりません。
治療の第一歩は、病変部の切除です。これが完全ならば、オペは99.99%成功します。それでは続け
ますかな」

 取り出したリンカーコアを目の前に浮かべたマテウスは、右手の人差し指と中指を立てて剣指を作ると
リンカーコアの表面に複雑な線を描き始めた。

「ここからが肝心なところでしてね。よく見ておいてください」

 軽口を叩くマテウスの額にうっすらと滲む汗を見たユーノは、遺跡発掘の際に見せる鋭い視線で、剣指
の動きを必死に追い続ける。

「Exzision!」

 裂帛の気合いをこめて両手の剣指が振り下ろされると同時に、黒灰色の殻が裂け、親指の先ほどの大き
さしかないリンカーコアが姿を現した。

「さて・・・ゲーベル君を楽にしてあげましょうか」

 肩で息をつきながら軽口を叩くマテウスだが、その蒼白な顔を見れば患部の切除が、如何に困難な作業
だったのかはユーノの眼にも一目瞭然だった。

 マテウスは息を整えるとリンカーコアをゲーベルの胸の上に乗せ、しばし瞑目した。

「静謐にして清浄なる闇に汝を返さん」

 その声と同時に目をかっと開いたマテウスが、ゲーベルのリンカーコアを睨みつけ、叫んだ。

「Zerstorung!」

 次の瞬間、リンカーコアが空気に融けるように消滅し始める。

(ギャァァァァーー!!)

 ゲーベルの断末魔の悲鳴は、ユーノの脳内をひとしきりかき回した後、あっけなく消えた。

「これで終わりです。ユーノ博士大丈夫ですか?」

「少しめまいがしただけですよ」

 こめかみを右手で押さえながら答えたユーノは、ゲーベルの残骸から生命が、永久に去ったことを実感
した。

「私が遺体を武装隊に引き渡しますので、ユーノ博士は、高町一尉に合流してください。ヴィヴィオ様も
あなたを待っていますよ」

 そう言い残してゲーベルの残骸と共に転移したマテウスを見送ったユーノは、足下に魔法陣を展開した。
2557の1:2009/02/11(水) 13:53:31 ID:OW2R/HyR
8-3

「なのはさーん、やりましたね。ティアナも喜びますよ」

 クラナガン301から、隣のビルの屋上に降り立ったなのはを迎えたスバルは、ティアナの仇を討って
くれたなのはに抱きつき、主人にじゃれつく子犬のようにはしゃいだが、なのはの顔に笑顔はなかった。

「スバル、ティアナの具合はどうなの?」

 自分の放ったアクセルクラスターで傷ついたティアナの状態を気にするなのはの真意を誤解したスバル
は、感動のあまり眼を潤ませてなのはを見つめた。

「ティアは、かなり傷ついていますが、命は無事です」

「それは、、良かったわ。今は、病院かな?」

「まだ、搬送用のへりが来ないので、救命ポッドで生命維持を行っています」
 救命ポッドに案内しますと言って先に歩き出したスバルの後をついていくなのはの足取りは重かった。

(非殺傷設定でも、あれだけのクラスターを食らったら、骨折だけじゃなく内臓も破裂してるはず、執務
官として再起できるかどうか・・・)

「クラウスさん、ティアの状態は安定してますよね?」

「ああ、問題ない。血圧、心拍数とも正常だ。初めまして高町一尉、監察官のクラウス・ハーヴェイです」

 白い背広の上下に白いYシャツ、白ネクタイに白の革靴という全身白尽くめのクラウスが指しだした手
を無視し、冷たい声でクラウスを詰問した。

「クラウスさん、あのバインドはなに?ティアナは重傷で意識不明だよね。救命ポッドをバインドで縛り
付ける意味ないと思うんだけど、どうかな?」

「ああ、あれですか。ティアナ・ランスター執務官補は、時空管理局法違反容疑者ですから、いかなる状
況であってもバインドによる拘束を行わねばなりません。それに、あのバインドは、救命ポッドの保護
の役割も果たしています」

「保護ですって!どう見ても捕縛じゃない」
 
怒るなのはに気圧されたのかクラウスは、一瞬口ごもったが、すぐに言い返した。

「通常の容疑者なら高町一尉のおっしゃるとおりですが、ティアナ・ランスターには、フェイト・T・
ハラオウン執務官殺害未遂、執務官補佐任務放棄、帰還命令無視、敵前逃亡罪などの容疑が掛かってい
ます。それにクロスミラージュの記録から高町一尉に対する攻撃が確認されていますから、高町一尉に
対する傷害未遂または殺人未遂の容疑もありますので、本来ならバインドによる拘束でも足りないくら
いです」

「ティアがフェイトさんを・・・ なのはさんを撃ったって嘘でしょ、嘘ですよね、なのはさん・・・」
 
スバルに問いつめられたなのはは、小さな声で答えた。

「ティアナの攻撃は誤射だよ・・・」

「誤射って、じゃティアがなのはさんを撃ったてのは事実・・・」

 バインドで拘束された救命ポッドを振り返ったスバルは、クラウスの次の言葉で凍り付いた。
2567の1:2009/02/11(水) 13:54:19 ID:OW2R/HyR
8-4

「そうでしょうか? それにしては、アクセルクラスターで反撃されておりますが」
「そ、それは・・・」

 クロスミラージュの記録に残ってましたよと念を押したクラウスは、あの状況での使用は、何ら問題は
ないですがねと続けた。

「なにしろ、ティアナ・ランスターは、殺傷設定で最大出力のシュートバレットを発砲しています。殺す
 気満々なのは明白です。あなたがアクセルクラスターを使用されても、なんら問題ない状況です」

「誤射って言ってるでしょ。ティアナのシュートバレットは誤射だよ」

「ヘリが来ましたね。詳しいお話は、査問委員会でお伺いしましょう」

 言いつのるなのはを無視したクラウスは、近づいてくるヘリに手を挙げて合図を送った。

「なのはさん、クラスターを撃ったんですか?」

「ゲーベルのマインドイリュージョンに、私も惑わされたのは確かだよ。ティアナと同じようにね」

 それだけ言うとなのはは、降下してくるヘリを待つスバルにに背を向け、ヴィヴィオの寝かされている場所を探した。

「あそこね・・・ユーノくん!」

「遅くなってごめん。大変だったね」

 屋上の高架水槽の影に敷かれたエアマットの上に、灰色の毛布でくるまれて寝ているヴィヴィオにユーノが、治癒魔法
を施しているのに気づいたなのはの顔が曇った。 

「ユーノくん、ヴィヴィオは大丈夫なの?」

「僕たちを救うために聖王の姿になったそうだ。その上外部からエネルギー供給がない状態で、イベント

広場から、ここまで転送魔法で転移したんだ。5歳の子供の身体が耐えられる限界を超えてる。治癒魔
法で回復させないと」

「させないと、どうなるの?まさか、私みたいに身体壊すとか、ユーノくん!?」
 咳き込むなのはにユーノは、ごめんと謝った。

「ちょっと落ち着いてよ。なのは」
「このうえもなく落ち着いてるよ。ユーノくん」

 首から掛けているレイジングハートを指でいじりながら、いらいらした声で声で答えるなのはが落ち着
いているとは、とうてい思えない。ユーノは、慎重に言葉を選ぶべきか迷ったが考え直した。

「疲労が回復しないと、三人で食事できないよ。翠雲堂で食べようってヴィヴィオと約束したからね」

 ニコニコしながら答えるユーノを見て、振り上げた拳を降ろし損ねた気分になったなのはは、すぐに機
嫌を直した。ヴィヴィオと三人で食事しようと努力するユーノを怒るのは大人げなさすぎる。

「そうだね。私も手伝っていいよね」

「大歓迎だよ。なのは、ちょっと代わってくれる」
2577の1:2009/02/11(水) 13:54:50 ID:OW2R/HyR
8-5

「うん、いいよ。ヴィヴィオ、心配かけてごめんね。今度は、心配掛けないよ」

 ヴィヴィオを受け取ったなのはは、一つ深呼吸すると桃色の魔力光を掌から発して治癒を始めた。

 ティアナの入った救命ポッドを収容して飛び立つヘリを見送るスバルの傍に、唐突に出現したマテウス
に目をやったユーノは、なのはが治癒を始めるのを確認すると立ち上がった。

「スバル、心配するな。ランスター・・・ティアナは回復する。救命ポッドの数値は正常だったんだろ」

「でも、でも・・・なのはさんのアクセルクラスターを食らったんですよ。肋骨は折れてるし、内臓も破裂し
てる。執務官として再起できるんですか?」

ティアナの惨状を目の当たりにしているスバルの声は不安に震えていた。

もし怪我から回復できなければティアナの夢が潰えてしまう。それも師であるなのはの手によって夢が
絶たれるという最悪の展開で・・・

「入院先をクラナガン大学病院にしたのを何故許したと思う?本来なら有無を言わせず地上本部病院行き
だぞ。スバル、大学病院に、うちのかみさんが来てるんだよ。実習講義用の手術を指導するためにな」

「オリガおばさんが来てるんですか! それならティアも助かるかも」
 
管理世界最高の技術レベルを有する外科医であるオリガ・バウアーことオリガおばさんの顔を思い浮か
べたスバルの顔に安堵の色が広がった。

 それをを聞きとがめたバウアーの顔が微かに歪む。

「助かるかもじゃない。無理矢理、助け出されるんだ。かみさんがあの手の症例を放っておくはずがない。
今頃は、ヘリの到着を手ぐすね引いて待ち受けてるはずだ。やあ、ユーノ博士、あそこから戻られたん
ですか?」

「ええ、消防隊の隊長に事情を根掘り葉掘り聞かれましたがね」

 白々しくクラナガン301を指さすマテウスに調子を合わせたユーノは苦笑すると念話を送った。

(ゲーベルはどうなりました?)

(武装隊に引き渡しました。あそこまで毀損してちゃ廃棄処分しか余地はないんですがね。それにしても、
近頃の武装隊は、ずいぶんぬるくなったもんですな)

 武装隊員の怯えた顔を思い出したのか、マテウスの口調には皮肉の色が濃かった。

(非殺傷設定が基本ですからね。死体を見る機会があっても、あそこまで酷いものは滅多にないでしょう)

「ユーノ先生?」

 不意に声を掛けられたユーノは、念話を中断してスバルを見た。

「ん、スバルくん、どうしたんだい?」
「なのはさんが・・・呼んでます」

 ヴィヴィオを抱きかかえているなのはは、ユーノを見るとヴィヴィオの意識が戻らないのと震える声で
で告げた。
2587の1:2009/02/11(水) 13:55:20 ID:OW2R/HyR
8-6

「僕が代わろう。なのは」

 ヴィヴィオを受け取ったユーノは、小声でスクライア族の童謡を歌い始めた。その様子を呆気にとられ
て見ていたなのはは、ヴィヴィオが寝息を立て始めたのに気づくと涙ぐみながら脱力した。

「な、なんだ寝てるんじゃない。安心したよぉー」 

「疲れて寝てるだけだよ。相変わらずあわてんぼうだね。なのはは」

「だって私が抱いてても、寝息も立てないんだよ。不安にもなるよ」

 安心したのか、ふくれっ面で言い返すなのはは、ユーノの一言で固まった。

「なのは、治癒魔法を掛けてる間、ヴィヴィオに話しかけた?」
「えぇっと・・・話しかけなかったかも」

「それじゃ駄目でしょ。子供は親の声を聞くと安心するんだよ」 

「ふぇぇぇご、ごめんなさい」

 手を合わせて小声で謝るなのはからは、ゲーベルをなぶり殺しにした狂気はみじんも感じられなかった。




以上、第8章終了です。
259名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 14:41:05 ID:gn7t4/rE
>>258
何か応援レスをしたいと思うものの、あいかわらずコメントに困る内容だぜ
とりあえず乙カレー

>>234
クアットロとユーノが合うような気がするのはオレだけなのだろうか?
「牛乳こぼれちゃいましたわ(わざと」
「ダメだよ、きをつけなきゃ」
ふきふき
「…欲求不満ですわー」
「ええ!?しかたないなー」
TEL
『はい、こちら無限書庫』
「スイマセン、急用が出来ました休みにしてください」
『いつものですか』
「はい」
『無事を祈る』
「はい」

こんな感じのエロきぼんぬ
2607の1:2009/02/11(水) 15:10:30 ID:OW2R/HyR
>>259
 レスありがとうございます。
 こんな内容ですが、この先、微エロ?展開もあります。
 それと、この話の終盤で出てくるオリ脇のエピソードを現在、執筆中です。
 エロパロ版らしく、陵辱、ハード、陵殺路線で行きます。
261 ◆Po/NFU1fxk :2009/02/11(水) 18:05:48 ID:M/xP0SWh
このたびブログで「尊ぶべき愚者」の続きを書く事にしたのでその事を報告します。
ttp://v9yni6.blog81.fc2.com/
2627の1:2009/02/11(水) 18:11:57 ID:OW2R/HyR
>>261
 寄らせていただきます。ご苦労様でした。
263サイヒ:2009/02/11(水) 18:40:35 ID:mHVPdNQC
ブロンド3P二回目いきます。

以下注意書き。

・全三回。もうずっとエロ。
・ミッドチルダは重婚OKという捏造設定。
・クロノがエイミィ、フェイト、カリムと結婚。
・クロノ、フェイト、カリムでエロ。
・当たり前だけど乱交。
・カリムがド淫乱だったりフェイトがプチ鬼畜だったりしますが仕様です。
・ちょっとだけ尻あるよ。
264豪華金爛:2009/02/11(水) 18:41:49 ID:mHVPdNQC
 余さず飲み終えた後も口に残るのは、えぐさを伴った精液の苦味。
 舌に乗った感触も妙な弾力を伴ったもので、単純に味覚だけならどう間違っても美味と言えるわけがな
い。
 それでもカリムは舌の上に留めてじっくりと惜しみながら味わった。クロノの精液は美味くはないが、
カリムにとっては好ましい味である。
 フェイトもうっとりと目尻を下げながらゆっくり飲み下している。
 しかしどれだけ長く味わおうと、量は一口分もない。それも二人で分け合っているので、すぐに全部食
道へと消えてしまう。
 ほう、と二人は同時に大きく息を吐いた。そのタイミングで、見計らったようにクロノが口を開いた。

「これで満足しただろう。だから早くバインドを……」
「まさか」

 カリムは意地悪く唇で弧を描きながら一蹴する。

「言ったでしょう。泣いて謝るまでしてあげます、と」
「それにクロノも、一回ぐらいじゃ全然足りないよね。いつもはお腹いっぱいになるぐらい出してるんだ
から」

 いたずらっぽく言いながら屈みこんだフェイトが、クロノの肉棒に指を絡める。
 二人の唾液と自分の先走りによって、てらてらと濡れきった肉棒は、それだけでびくりと大きく跳ねた。
縮こまる気配は全く無い。

「次は、私からさせてもらっていいですか」

 指先で粘液に糸を引かせながら、フェイトがカリムに顔を向けてくる。
 頷きするりと服を脱いだフェイトは、クロノの上着も脱がせてしまい両者共に全裸となる。
 そのままクロノの上に跨ったフェイトは、ほとんどノータイムで腰を落として繋がった。

「ぐっ!……フェイト、そんないきなり……準備が出来て、ないだろ……」
「ちょっと痛いけど、この方がクロノの大きさとか、硬さとかよく分かるから……私は、好きだよ」

 眉間のあたりを少し歪ませながらも、フェイトは夫と繋がったことによる陶酔を身体全体に漂わせてい
た。
 潤みがやってくるのを待っているのか、腰を上下ではなく左右にうねらせるフェイト。尻肉が誘うよう
に揺れ、カリムと同じ色の髪が乱れた。
 何度も腰と腰を擦り合わせ、時には胎内にある性器の存在を味わうように眼を閉じて動きを止めていた
フェイトだったが、ついに本格的な騎乗位へと移る。
 腰と腰が打ちつけあう音が激しく鳴った。
265豪華金爛:2009/02/11(水) 18:42:35 ID:mHVPdNQC
「はぁっ、ああぁぁんっ! クロノ、気持ちいいよ!」
「もうちょっと……ゆっくりしてくれ。きつすぎる……!」
「クロノも、もっと気持ちよくなりたいよね……。ほら、腰を動かして……!」
「……こうなると、本当に僕の言うこと聞かないな君は」

 まだ酒精の残り香を漂わせている頬をいっそう紅に染め、汗の玉を浮かばせながら、唇の端から白い歯
が見えるか見えないかの笑みを浮かべている。眼はとろりと濡れて、赤い瞳を鈍く輝かせていた。
 女であるカリムですらぞくりと心が揺れるぐらいに、淫らな表情だった。
 言葉遣いも、カリムに対するものとは大きく異なる。大人しくその手のことは全く知らないように思え
る見かけからは想像もつかない、淫蕩な姿。これが、クロノに対してだけ見せるフェイトの本質の一つな
のだろう。
 その姿を黙って見つめているだけで、カリムの心と身体の奥からじわりと染み出てくるものがあった。
軽く眉がひそまり、両の腿が自然と内側に寄っていく。気がつけばカリムの手は、胸元と腰の辺りに置か
れていた。

(……そんな、いくらなんもはしたないことを)

 服の下で疼いている部分を直に触りたがっている指を必死に抑制する。
 カリムの葛藤をよそに、寝台の上の二人の情交はいっそう激しさを増していた。いつの間にかクロノも
完全に受身ではなく、わずかではあるが腰を突き上げフェイトに快楽を与える側に回っていた。
 しかしやはり騎乗位の主導権は女性にある。だんだんとクロノの動きが鈍り、表情は胸と唇で攻め立て
られていた時よりもなお苦しそうになっている。
 もうあと一分も保たないだろうと思われた時、フェイトがいきなり腰を止めてしまった。

「駄目だよ。わたしはまだまだなんだからぁ」

 息を弾ませながら、フェイトは汗の垂れてきた唇をぺろりと舐めた。

「私もイクまで、出しちゃ駄目」
「そんなこと言われても、もう限界なんだ……」
「だったらちょっと休憩」

 フェイトがクロノの上に完全に寝そべる。
 たわわな胸をクロノの胸板の上に押し潰し乳首同士を擦り合わせたり、首筋にキスマークを並べて愉し
むフェイト。
 微妙に生殺し状態にされているクロノは腰をなんとか動かそうとしているが、肉づきのいいフェイトの
腰に阻まれて思うに任せないらしい。
 クロノの無駄な努力をくすりと笑いつつ、フェイトは耳朶を甘噛みしながら何か囁いている。恥ずかし
いことなのか、クロノの顔の赤みが増していた。
 今度は逆にクロノが囁き、フェイトが恥ずかしそうな顔をする。どちらもカリムには聞こえない。
 もう完全に、愛し合う夫婦が睦言を交わしている状況だった。カリムのことなど、フェイトは完全に忘
れてしまっているのだろう。おそらくはクロノも。
266豪華金爛:2009/02/11(水) 18:43:22 ID:mHVPdNQC
(…………ずるい)

 カリムとフェイトの間ではあらかじめ、一度射精したら交代と決めてある。しかしこの取り決めは、裏
を返せば今のフェイトのように射精さえさせなければ、一時間だろうが二時間だろうが交代しなくていい
ということになる。
 そしてフェイトはいつまで経っても再開させる気配はなく、クロノと長閑にただ繋がっているだけ。
 しかし、夫の肉棒に貫かれているというのはそれだけで一定の快楽があり、なによりも心が安らぐこと
であるのをカリムは知っている。
 羨望が凄まじい速度で高まり、なんとか踏み止まっていた両手を動かした。
 乳房の頂点と秘裂、二箇所を法衣の上からぐっと指が押す。ただそれだけの行動が、しこりきった二つ
の突起には鮮烈な刺激となって反映された。

「あふぅっ……!」

 上げかけた悲鳴を、食いしばった歯でなんとか止めた。
 だが、止まらないのは両手。内から湧き上がる衝動に後押しされて、一線を越えた動きはどんどん激し
くなる。
 左手は親指と人差し指が乳首を繊細に転がし、残りの三指と手のひらを器用に使ってふくらみ全体を揉
みしだいていく。
 下の指は丁寧さではなく、ただ強く深く法衣ごと秘裂の奥へと指を突っ込んでいた。あっという間に着
衣と同じカラーの下着どころか、法衣にまで淫水が染み込んで黒色を深い色合いへと変えていく。

(クロノも、フェイトさんもいるのに……んんっ……こんなことを……)

 身体の燃え上がる勢いは加速度を増していく。ますます指の動きは大胆になり、ついに激しくなりすぎ
た指先が狂って、淫核を強く引っかいてしまった。

「ああぁぁん!!」

 鼻がかった嬌声のあまりの大きさにカリムはようやく我に返る。
 顔を上げれば、突き刺さってくる視線が二対。クロノとフェイトが呆然とカリムの自慰を見ているのだっ
た。

「あっ……」

 しかし見られたことに気づいた瞬間、カリムの身体を駆け巡ったのは羞恥ではなく、血が沸騰するよう
な感情の昂りだった。
 高揚はそのままアルコールの勢いを借りて、最後の理性の堤防を跡形もなく消し飛ばした。
267豪華金爛:2009/02/11(水) 18:44:13 ID:mHVPdNQC
「…………見たいんですか、クロノ」

 フェイトにも負けない艶笑を浮かべつつ、カリムは椅子から立ち上がった。水気を吸ってじっとりと重
くなったショーツを、床に脱ぎ落とす。

「ええ、いいですよ。私も……クロノに見せたいですから」

 都合のいいことに、フェイトはクロノの上から身を起こしていた。
 膝立ち状態でベッドに上がったカリムは、法衣の裾を捲り上げて口に咥えた。股間どころか膝付近まで
濡れていた足が外気にさらされ冷たい。だが身体の火照りは収まるどころか、クロノの視線を受けて汗ば
むぐらいに熱くなる。
 そのままクロノの頭部をカリムは跨いだ。
 絶え間なく溢れている蜜が一滴、二滴とクロノの頬に零れ落ちるのを眼にしながら、口の塞がったカリ
ムは念話を繋ぐ。

『じゃあ、よく見ておいてください』

 金色の茂みの奥に、再度カリムは指を潜らせる。
 途端に痺れが背筋を駆け抜ける。その衝撃は、独りでの指遊びとは比較に鳴らないぐらい強く、甘かっ
た。

『うあぁん……! クロノが忙しかったり……エイミィさんやフェイトさんの家に泊まっている時は、こ
うやって……慰めているんです』

 ぐずぐずに溶けた頭が、背後で何かが動いている気配を捉えた。フェイトが騎乗位を再開したのかもし
れない。
 だがもう気にもならない。クロノの心は、目の前で行われている教会騎士のはしたない舞台へと完全に
奪われているのだから。
 まるでクロノをフェイトから奪いが自分だけのものにしたようで、カリムの心は卑しい悦びの色に染まっ
た。

「…………カリム……君はいつも……こんなふうに」
『はい、クロノがいつも愛してくれる時のように……こうやって、一番奥まで入れて……こっちも摘んで、
してるんです……よ』

 秘芯も弄くっているが、カリムの指のほとんどは秘肉の谷間を綻ばせていた。
 肉棒の代わりとなる視線がそれこそ子宮にまで刺さるように、カリムは秘裂を限界まで広げ、ますます
強く激しく秘裂の奥を捏ねくり回す。
 ねとついた音が耳と身体の奥の両方から聞こえてくる。周りの音は何もかも消えて、それだけが頭の中
で幾重にも反響する。
 絶頂が、限りなくすぐ近くにまで来ている。
268豪華金爛:2009/02/11(水) 18:45:24 ID:mHVPdNQC
『ふぁぅ……ひぃあぁぁ……。もうイキます。だからっ……クロノも一緒に……!』
「あ、ああ……」

 ずっとカリムに気を飲まれていたクロノが、承諾とも吐息ともつかない言葉を発する。
 それだけで、カリムが果てるには充分だった。

「あああああっ!」

 口が開いて、法衣がばさりと舞い落ちクロノの顔を隠してしまう。
 全身を絶頂の余韻に震わせながらも、カリムはおぼつかない手で裾を少し持ち上げた。
 法衣の下から出てきたクロノの顔は、雨にでも降られたかのように濡れそぼっていた。表情にあったの
は、快楽の波が過ぎ去った後の虚脱。
 間違いなくクロノは達した。それもフェイトと繋がっていたからではなく、カリムの自慰を見て。その
ことに深い満足を覚えながら、カリムはクロノの頬を手でそっと挟んだ。

「ごめんなさい、顔を汚してしまいましたね」

 舌を伸ばして、クロノの顔に飛んだ愛液を丹念にカリムは舐め清めた。




          ※




 フェイトは強く、はっきりと痕が残るぐらいに唇を噛んだ。
 目の前にあるのは、クロノの顔を嬉しそうに舐めているカリム。クロノはクロノで、嫌がりもせず顔の
上を舌が動き回るのを甘んじて受けている。むしろ心地よさそうですらあった。
 フェイトのことなど、完全に忘れ去られていた。
 膣の中には硬いままのクロノの肉棒と、出されたばかりの精液が満ちている。両方ともひどく熱い。な
のに、フェイトの身体は急速に冷えつつあった。
 繋がっていたのはフェイトなのに、クロノの意識が向いていたのは完全にカリムだけ。女性としては最
大級の屈辱だった。模擬戦で何も出来ずに完敗したとしても、ここまで悔しい思いはしないだろう。
 クロノの顔が淫水ではなく唾液で濡れきってから、ようやくカリムは顔を上げてフェイトの股をちらり
と見やる。
269豪華金爛:2009/02/11(水) 18:46:27 ID:mHVPdNQC
「クロノが出したから交代ですねフェイトさん」

 大量の精液は肉棒で蓋がされているにもかかわらず、結合部の隙間から零れ出していた。
 そういう取り決めだから仕方がないが、フェイトは大いに不服だった。もっとも、何が不服なのか自分
でもうまく説明できそうになかったが。
 無言のままに、フェイトは腰を上げてクロノの上からどく。
 入れ替わって上に乗ったカリムだが、すぐに繋がろうとはしなかった。数回舐めるような口づけを交わ
してから、性器よりちょっとだけ上に腰を据えた。前かがみになったことで、クロノの眼前で大きな乳房
がたゆんと揺れる。

「されてばかりというのも退屈でしょう。ちょっとぐらいなら、クロノにもさせてあげます」

 カリムは乳房をクロノの口元へと徐々に近づけていく。すぐに着地したが、クロノの顔面を完全に覆う
ことはせず、軽く手で支えてちょうど乳輪までが口へと含まれるようにしていた。
 クロノもすぐに音を立ててしゃぶり出す。

「あはっぁ……クロノ、上手ですよ。……でも、もっと強く…………ひゃん!」

 ただ吸っているだけでなく舌や歯を使って技巧を凝らしているのが、カリムの表情と声の強弱から伝わっ
てくる。
 それだけではなく、愛液が湧き出し続けている下半身もそそり立ったクロノの肉棒に擦りつけていた。
しかしその動きはゆっくりとしたもので、怒張を保ちこそすれ弾ける気配は無い。

(…………ずるい)

 あんなことでは一時間かけてもクロノは射精しないだろう。その間ずっと、カリムはクロノを独占して
しまう。
 夫と自分以外の女性の痴情を眼にしているうち、フェイトの心に自身でもはっきりとした嫉妬が芽生え
てくるのを感じた。
 自分でも寡欲だと思っているフェイトだが、最愛のクロノに関してだけは例外だった。
 時々フェイトは考える。クロノと最初に恋人関係となったのはエイミィでその次がフェイトだったが、
もしも順番が逆だったら自分はエイミィを受け入れられただろうか、と。何度も思い浮かぶ疑問に、まだ
答えは出ていない。
 フェイトの他にもクロノが愛する女性がいる現状に、ほんのわずかではあるがしこりを感じていただけ
に、目の前でまざまざと見せつけられると胸の奥に隠していた感情が顔を覗かせる。
 フェイトの想いになど気づくはずもないカリムは、ようやく本番へ移ろうとしていた。
 腰が浮いて、指よりはるかに太い陰茎をぐちゅりと飲み込んでいく。
270名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 18:46:57 ID:7Txk/EuS
>>260
第8章終了か
続きが気になる
271豪華金爛:2009/02/11(水) 18:47:18 ID:mHVPdNQC
「二回も出したのに、こんなに立派なまま。……気持ちいい」
「……君に抱かれていたらこうなるに決まっているさ」
「ふふふ、嬉しい言葉ですね」

 クロノの言うことまでもが、フェイトの心を刺激してくる。
 そして次のカリムの言葉で、フェイトの嫉妬は限界点に達した。

「クロノ愛してますよ。ええ、この世の誰よりも強く」
「…………」

 無言でベッドの上に乗ったフェイトは、カリムの後ろに回り込む。全く気づいておらず上体を起こして
まさに性交を始めようとしているカリムの胸を、フェイトは強く掴んだ。

「ひゃんっ!?」

 途端に、普段のカリムからは想像もつかない可愛らしい悲鳴が上がった。

「フェイトさん、い、いったい何を……?」
「こうやってあちこち弄られながら抱かれるのが、騎士カリムは好きなんですよね」
「ど、どうして知ってるんですか!?」
「クロノが教えてくれたんです」

 一言でいっそう狼狽するカリムに、フェイトはひっそりと笑いかける。
 二人っきりで同衾している時の他愛ない話題。他の妻がどんな抱かれ方をしているのかフェイトは訊ね
たことがあった。多少渋りはしたものの、クロノは言ったのだ。カリムは胸とかを触られながらするのが
好きだ、と。もっともその後、その抱き方でフェイトが散々いじめられるはめになったが。

「騎士カリムも気持ちいい方がいいんじゃないですか」
「と、とにかく駄目です! 今は私の番なのですから!」
「……私がしていた時にずるいことされたんですから、お返しです」

 最後の言葉はカリムにだけ聞こえるように囁いて、フェイトは構わず指を乳肉に埋め込んだ。
 汗をかきにくい体質なのか肌は湿り気を帯びておらずすべすべしており、弾力よりも柔らかさが勝って
いる。指に力を込めればそれだけで崩れてしまいそうだったがもちろんそんなことはなく、しっかりとし
た張りが指を押し返してきた。
 やはり微妙に自分の胸とは触り心地が違い、好奇心からあれこれやってみたくなる。やたらと他人の胸
を揉みたがる友人の気持ちが、ちょっとだけ分かった。
 服を着た外見からは分からなかったがカリムの胸は相当に大きく、五本の指を駆使すればどんな弄り方
でもできそうだった。とりあえず初手は、フェイトが自慰をする時のように下乳を中心に強く胸を揉む。
 頂につんと勃った桃色の乳首も指で強めに摘み上げつつ、そのまた先端を爪で軽く引っかいた。
 一番フェイトが感じるやり方なのだが、カリムは上半身をよじって抵抗を止めない。
272豪華金爛:2009/02/11(水) 18:48:11 ID:mHVPdNQC
「だめっ……! やめてくださいフェイトさん!」

 感じるどころか嫌がりしか見せないカリムに手こずるフェイト。
 クロノの肉棒でではなくフェイトの手によって達せさせようという意趣返しのつもりだったのだが、こ
の様子ではとても目的を達せそうにない。
 視界の隅にあるクロノの顔も、フェイトの思惑が分かっているのかずいぶんと呆れていた。今は無言で
静観しているが、カリムの抵抗が続くようだと止めるように言うだろう。
 どうしようかと思案するフェイトの頭に、ふと閃くものがあった。
 胸に比べれば若干小ぶりだが、整った形をしているカリムのお尻。二つの丘の間で隠れている小さな穴
にフェイトは指を這わせた。

「ああっ!? そ、そんなところ……!?」

 びくりと震えて、カリムの動きが止まる。その隙にフェイトは一気に第一関節まで押し込んだ。
 尻穴は指を拒み、異物を排除しようときつく指を噛んできた。
 だが指で菊座を捏ねるようにしていると、存外容易く指は入っていく。
 想像通りのことに、フェイトはくすっと笑った。

「やっぱりクロノ、こっちも使ってたんですね」

 セックスに本来使う場所ではない後ろの穴。そこでの交わりがクロノは好きだった。カリムやエイミィ
相手でもそういうアブノーマルなことをやっているのか常々気になっていはいたのだが、案の定だった。
 ちょっとずつではあるがフェイトの指はカリムの直腸内へと入っていき、ついに根元までの侵入に成功
する。

「はぁ…………。ふぁぁ……」

 その頃にはカリムの身体は完全に静止し、か細い息を吐いているだけとなっていた。
 そのまま尻を攻め続けることはせず、フェイトは胸に回していた手を下へと滑らせていく。
 たどり着くのは、クロノの性器が深々と埋まった場所のやや上。女性である以上絶対的な弱点となる、
ほんの小さな充血した突起。
 フェイトはそこに攻撃の焦点を絞り込んだ。
 指の腹で捻り、押し潰し、間を置いてから軽く弾くと、溜め込まれた潮がどっと吹き出た。
273豪華金爛:2009/02/11(水) 18:49:05 ID:mHVPdNQC
「っあぁぁあ………!! んはっ!!」

 もう言葉にならない快感の喘ぎだけを漏らすばかりのカリム。頬だけでなく身体全体の肌がうっすらと
朱色に変わっていき、女の匂いが立ち込めた。
 あまりの色気に、同じ女性の痴態であるにもかかわらず思わず唾を飲み込みつつ、フェイトは尻穴の指
も大きく動かす。限界まで指を奥へ入れると、こつりと当たるものがあった。
 手で何度もしごき、蜜壷で受け入れることで形を覚えてこんでいるクロノの亀頭。肉の壁一枚通しても、
はっきりとその形が分かった。
 カリムの腸壁ではなく、クロノの先端を刺激するようにフェイトは指を動かす。
 それでもカリムには立派な刺激になっており、呆気ないぐらい容易く果てに至った。

「は、ああああぁぁぅぅっっ!!」

 歓喜の声と同時に尻穴がちぎれるぐらいに指を締めつけ、絶頂を迎えたことを伝える。くたりと脱力し
たカリムはそのままフェイトにもたれかかってきた。
 カリムは表情全体が弛緩し、だらしなく開かれた唇からは一筋銀色の液体が流れ落ちている。それでも
どこか満ち足りた顔。頬がほんのり赤く染まっているのも、艶っぽさを演出していた。

(私もイク時、こんな顔してるんだ……)

 同性の絶頂顔にフェイトが思わず見惚れて、完全に気を抜いていた時だった。
 ずっと動きを見せなかったクロノの身体が跳ね上がり、カリム諸共フェイトは一気に押し倒された。

「えっ?」
「ええっ!?」

 折り重なったままシーツの上に押さえつけられる二人。
 バインドで厳重に縛られていたはずのクロノの腕は、完全に自由となっていた。

「どうして!? まだ自然解除されるような時間じゃないのに……」
「これだけ時間があれば、バインドの解析ぐらい何十回でも出来るさ。本当に動きを止めたいんだったら、
紐ででも縛るべきだったな。…………さて」

 唇を一度軽く舐め、酷薄にも見える笑みをクロノは口元に浮かばせた。

「こっちも思い切り仕返しさせてもらおうか」




          続く
274サイヒ:2009/02/11(水) 18:50:50 ID:mHVPdNQC
以上です。
プチ腹黒というか少々屈折した性格になるうちのカリムさん。
不倫時空だろうがハーレム時空だろうが、他のクロノの嫁相手に微妙な感情持ってるキャラにしか書けやしない。
執務官?俺の書くフェイトは前からエロで微妙に嫉妬深いキャラですから。


次回、提督のエロにつきもののアレとかサンドイッチとかで締め。
でも時期的にバレンタインネタが先になるでしょう。十四日に間に合えば。


>◆Po/NFU1fxk氏
お疲れ様でした。これからも頑張ってください。
275名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 19:33:24 ID:lZj8Kqm1
>>274
GJ!
ああ、なんでカリムもフェイトもこんなにエロ可愛いんだ。
クロノが本当にうらやましいです。

というより、何気に仲間割れな気配がちらほらとしてるのに吹きました。
本当にどっちもクロノに対して、独占欲強いなあw

>>270
sageような。あと、書き込む前に一度リロードしな。

>◆Po/NFU1fxk氏
お疲れ様でした。完結までがんばってください。応援してます。
276名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 19:35:43 ID:0nISpCSM
>>274
GJ!

>>261
今まで乙でした
ふぁいと
277名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 20:11:17 ID:yZFqEVY/
>274
何というエロス……俺もこれくらいエロが書けたらいいのに。
GJでした!
278名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 21:11:37 ID:2jWR2rLs
【表現規制】表現の自由は誰のモノ【113】
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/news2/1233924695/
279名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 23:10:25 ID:4zcB5PlT
>7の1さん
あんたの筆力で凌辱なんて書かれたら十日は勃ちっぱなしだぜ!期待大だ
280名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 23:46:52 ID:URhEgPbh
スカリエッティスカリエッティさん「作って遊ぼう〜子供〜」
チンクロリ「なにこれ?ゴミ?」
281246:2009/02/12(木) 02:21:20 ID:+t+LSMBS
ごぶさたしておりました。246です。年内には復活しようと思っていたのですが、久しぶりすぎて一行書くの
にも苦戦する始末でした。
もう申し訳ないほど久しぶりなため、長編を投下する勇気が起きなかったのでリハビリ代わりに短編エロ投下さ
せてください。
以下ご注意を。
・フェイトさん&クラナガンの一般市民達による、なのはさんお漏らし浣腸露出プレイです。
・尿も味わいますがお尻も味わいます。その手のものに耐性の無い方はお早めにお逃げください。
・クラナガン一般市民たちは見ているだけです。
ではでは。
282エムの楽園[→side:N→]:2009/02/12(木) 02:22:19 ID:+t+LSMBS
 クラナガン――数多の次元世界を管理する時空管理局に、最も影響のあるとされている世界であるミッドチル
ダの首都の名前である。
 魔法文化が発達したこの世界における中心として機能するこの都市は、どの世界の都市でも大差が無いように
高層ビル群が立ち並び、整備された道路には自動車が列をなす。歩道を行き交う者達は、様々な年齢、種族で構
成され、それぞれが皆、足早に目的地へと向かっていく。
 特に代わり映えのない光景だ。
 多種多様な人々がいる。その中には、もしかしたら特別とされる日を過ごしている者もいるかもしれない。だ
が、クラナガンという大きな枠組みで考えれば、平凡で退屈さえ感じてしまう一日でしかない。ここにいる者達
の生活と、どこかで起きたどこにでもありそうな事件と、その他全てをひっくるめてクラナガンは今日も日常を
保っていた。
 だが、

「――おいおい、あれ……すごいな……」
「う、わぁ……凄いって言うか……やばくない……?」

 今、ここクラナガンの一角で起きている喧騒は、果たして日常と呼ぶにふさわしいものなのだろうか――。
 皆が皆、困惑の表情を浮かべていた。立ち止まり、騒ぎの元を見つけ、そしてその場から動けなくなったかの
ように凍りつく。
 理由は至極簡単。
 彼らの視線が集う先、そこで二人の女性が舌を絡めあっていたからだ。
 一人は手に鎖を絡ませ、覆いかぶさるようにしてもう一人の唇に自身の唇を重ねている。
 覆いかぶさられているもう一方は、頬を高揚させ、口端から唾液を垂らしながらも熱い口付けに夢中になって
いるようだ。丁度巻きついた首輪の下あたりにある喉が、送られているのであろう唾液を飲み込む度、艶かしく
動いていた。

「はぁ……っ、美味しい。もっと欲しいよね?」

 鎖を持つ女性の瞳は、攻撃的な色を全く隠していない。反対にそれを見上げる首輪の女性は、しきりに辺りを
気にする素振りを見せながら、だが逆らえないと言った様子。
 言うまでもなく、二人の立場の差は明確だった。虐げるものと虐げられるもの。主人と家畜。飼い主とペット。
正確に何が該当するのかは分からないが、とにかく主人は、笑みと共にペットの口内を蹂躙し、ペットは身体を
桃色に燃やしながら、従順に主人の舌に応え、湿った吐息を洩らして目を瞑る。
 その様子を、観衆達は傍観し続ける。友人達と囁き会う若者。露骨に軽蔑を浮かべ立ち去る者。好奇心と羞恥
を併せながら、食い入る様に見つめる子供。欲望を露にしながら見物している浮浪者達。カメラを取り出し始め
た者達。
 行っている行動は違えど、疑問だけは拭えない。突然現れた日常とは思えないその光景はそれ程までに衝撃的
なものなのだ。名も知らぬ他人なのではなく、良く目にする者達だったからなのだろう。
 一方は服を身につけ、もう一方を生まれたままの姿で。
 一方は妖しげな笑みを浮かべ、もう一方は妖しい笑みに魅入っている。
 一方は興奮に息を荒くし、もう一方は身を貫くバイブレータに、嬌声と懇願を荒い吐息に混じらせる。
 誰かが呟いた彼女達の立場は、時空管理局のエリートである執務官と教導官。
 誰かが呟いた彼女達の名は、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと高町なのは。
 誰もが視線を逸らせないでいる彼女達が、クラナガンに異常を運んできた原因だった。


魔法少女リリカルなのはStrikerS
―エムの楽園[→side:N→]―

283エムの楽園[→side:N→]:2009/02/12(木) 02:23:13 ID:+t+LSMBS
「ほら、みんななのはの事知ってるみたいだ。凄い顔でなのはの事見てる」

 耳元で囁かれた声に、反応なんて出来なかった。
 首筋に湿ったフェイトの舌の感触がするが、歓喜も興奮もない。フェイトの舌が汗を舐めとっているのだと気
づいたが、その程度の羞恥を感じている余裕はなかった。
 ただただ、身体が熱くなっていく。
 周りを取り囲む視線の群れが、裸のままの自分を蹂躙しているのに気づいてしまう。羞恥に身体が硬くなるが、
それ以上に、露にされているそこから蜜が溢れ止まってくれない。

「もうグショグショだね。さすが、なのはは変態だね」
「い、いやっ、はぁっ……いわないで、よぉ……っ……!」

 指摘され、すがる様に抱きしめているフェイトが笑う。
 普段は見せてくれない、こういう時にだけ見せてくる笑みだ。全然好きなんかじゃないのに、何故かその表情
を見ているだけで、何も言えなくなる。身体が無条件に熱くなってしまう。
 なのはが身体を硬くしている間にも、首筋を舐めていたフェイトの舌は目的地も無くなのはの身体を這い回っ
た。鎖骨を舐め、汗の浮く乳房を舐め、その頂、今までにない位に勃起している乳首に歯が立てられる。
 そこには、フェイトがプレゼントしてくれたニップルピアスがあった。それをフェイトの舌が舐め、歯が挟み
引っ張って、瞬間襲い掛かる刺激に漏れるのは、苦悶の声などではなく快楽に震えている、甘い声。

「気持ち良い? なのは痛いの好きだもんね」

 からかうようして、フェイトが乳首に刺激を与えてくる。途端嬌声を上げて背を仰け反り、なのはは抵抗出来
ずにその痛みを気持ちが良いものとして受け入れる。
 溢れている蜜を掬うフェイトの指は、なのはが下の口で咥えているバイブレータを前後させていた。腰砕けに
なりながら尻餅をつかぬ様にフェイトにしがみつくが、腰はなのはの意思に反して前後に揺れてもっともっとと
誘っていた。この通常とは相容れぬ状況に、身体は正直に反応し始めていたのだ。
 勿論、そんな姿すらも筒抜けだ。それだけではなく、濡れてドロドロに溶けた秘所も、バイブレータの振動に
腰を震わせている姿も、だらしなく涎を垂らしながら舌を突き出し欲情に塗れている表情も、フェイトが広げた
尻肉の間、こっちも触ってと言うようにひくついている肛門も、全て。
 一つずつ見られているであろう場所を確認しながら、視界に入る者達がどこを見ているのかを想像した。想像
して、興奮は際限なく高まってしまう。

「んんっ、んぁぅ……みんな、見てる……! ひぁっ……見られて、イっちゃいそう……!」
「いいよ、イって。みんなに見せてあげて」

 何人かがズボンを下ろして、赤黒くグロテクスな肉棒を上下にしごきはじめていた。
 それに合わせるように、なのはも限界が近くなっていく。フェイトも乱れるなのはの様子を観察しながら乳首
に歯を立て、バイブレータを前後させ、なのはが達するのを手伝った。

「はぁっ――あぁっ! み、見られてイっちゃう! 知らない人達に……恥ずかしいのに! やぁっ、ん、んん
ん、あぁぁぁぁぁっ――!!!」

 最初の絶頂。
 フェイトを支えにしている事ができなくて、そのまま地面に尻をつけた。脚を大きく広げた格好で、ひくつい
ている秘所を見物人達に晒しながら、何も出来ずに絶頂の余韻に浸る。

「んんっ……!」
284エムの楽園[→side:N→]:2009/02/12(木) 02:24:17 ID:+t+LSMBS
 ぶるるっ、と小さく震えてなのはが弱弱しく呻いた。同時、弧を描いて黄金色の液体が放たれる。
 野太い歓喜と驚愕と、軽蔑に満ちた声に包まれながら、なのはは己の尿が地面に砕け太ももの裏側を汚すのに
身を任す。
 溜まっていたのか尿の勢いはそれなりで、たちまちなのはの前方は湯気を立てる水溜りへと変わっていった。
地面の傾斜に従い、白い泡を浮かせながら流れていく自身の尿。風に浚われていたアンモニア臭も、ややあって
からはなのはの鼻腔に届くようになり、惚けた動くことを忘れた思考を、更に使い物にならぬものへと変えてい
た。
 そんな尿も徐々に勢いを衰えさせていく。若干離れた位置に描かれていた尿の波紋が近づいていき、反射的に
尿道に力を込めた。ん、と誰にも聞こえぬ吐息を一つして、再び力を尿の噴出が力を取り戻したのは、数秒のこ
と。
 残っていた残尿までもを排出し、視線を己が作り出した水溜りに固定させたまま息を吐く。酷い姿だと、どこ
か冷静な部分が今の自分を評価していた。
 太ももを黄金色の飛沫と愛液で汚し、濡れた痴毛を左右に分けて張り付かせ、口端からは涎が一筋流れていた。
尿の溜まる地面に両手を付け、大きく股を広げたまま膣口と尿道口をひくつかせ、その痴態に何を感じていたの
か両の頬に涙を跡を残しながら、虚ろな視線を巡らせる。
 と、

「こんないっぱいいる前でおしっこして……気持ちよかった?」
「んぐっ!? ふぇ、フェイトちゃん……!」

 突然首輪の鎖を後ろから引っ張られた。耳に届いた声は、ほんの少しだけ常にはない暗さを孕んだ上ずった声
だ。
 見上げる先のフェイトは、瞬きせずになのはを見下ろしている。その瞳の奥は、火傷しそうな程に熱いのに、
何故か寒気に震えが止まらない。

「気持ちよかった?」

 もう一度、フェイトが問う。答えを求めているのだろう。逆らうことも、拒絶することも許さない圧迫感に息
が詰まった。
 思わず条件反射で頷いて、それで満足したのかフェイトがなのはを後ろから抱きしめる。水溜りに膝をつき、
耳を甘噛みしつつ、やわやわと乳房を揉みしだき始めていた。

「んぁ……もっと、先のところもして、欲しい……」

 思わず、そう呟いてしまう。フェイトから応える声は無い。だがフェイトの指先はニップルピアスに引っかか
り、千切れる程に痛みを与えてくれていた。
 先ほどよりも大きい周囲のざわめきが、だが自らの乱れた声に聞こえなくなっていた。
 フェイトの伸びた爪に赤い線を残しながら肌を削られ、ニップルピアスをひねりを加えながら引っ張られる。
その度フェイトの腕の中で身をよじり、病的に増す身体の熱にうなされて、助けを求めるようにフェイトの声を
呼んでいた。
 だが――、

「もっと見たいなぁ……なのはが、いっぱいエッチになるところ。私だけが、させられるんだから……」

 今度の声は呼びかけに応えるものでも、同意を求める声ではなかった。ただどこか惚けたような、確かな意思
の無いフェイトの呟き。
 それで気づく。フェイトも見られる側ではなく、自分を見ている側なのだ。

「ねぇねぇなのは……今度はここがいいかなぁ……」

 最早どこも見ていなさそうな声と共に、硬い地面に押し倒された。尻を高く上げ、尿の溜まる地面に頬と乳房
を押し付けられる。不快感は無い。あったのは単純な驚きと、次に何をされるか分からないという不安と期待。
 体液に濡れ、まだ些かも乾く事ない痴毛がフェイトの荒い息に揺れた。期待に応えてくれる訳ではなく、純粋
に不純な感情に任せた様に荒々しく唇を押し付けられ、舌で掻き分けられ、下品な音を聞かされながら、フェイ
トの喉が動く。
285エムの楽園[→side:N→]:2009/02/12(木) 02:25:11 ID:+t+LSMBS
「なのはのおしっこの味がするね。それとこっちも……興奮しちゃう」
「やあぁっ! フェイトちゃん、そんなとこ……!」

 舌が陰唇を開き、膣口と尿道口を執拗に舐める間、フェイトの鼻先は周囲と色と変えている肛門に突き刺さっ
ていた。
 フェイトの鼻息が肛門を撫でる度、閉まっていたなのはのそこが開閉する。鼻先を触れさせ、肺を一杯にそこ
の匂いで満たし、フェイトが恍惚となった表情で唾を飲んだ。

「ちゃんと洗わなかったのかな? それとも期待してた?」
「はぁっ……はぁっ! んっ――」

 もちろん、フェイトは言葉でいたぶる事も忘れていない。膣奥まで指を突っ込まれ、乳首を捻られる様な圧倒
的な刺激はないものの、最も汚い部分に鼻を埋められている事に、頭の中は達したとき以上に白く染まっていく。
 味はどうだろう、とそんな呟きを聞いた気がした。なのはには応える事も抵抗する余裕もない。だが余裕は無
いながらも、目をきつく瞑り唇をかみ締め、フェイトが次にするであろう行為を待つ事だけはした。
 ややあってからぎゅうと肛門が閉まった事で、フェイトの舌先が触れてきた事に気づく。まずは孔の周りを舌
で擽られ、次は窄められた唇で汚れた肛門を思い切り吸引された。
 自身の肛門を吸うフェイトの唇から、時折空気の漏れる音した。確りと押し付けられていない、と訴えるよう
に腰が無意識にもフェイトの顔に押し付けようと動いてしまい、気づいたフェイトが一笑と共に、ようやく舌を
侵入させた。
 侵入した舌は、そこにあるものをかき出す様に腸壁を擽っていた。思わぬ舌からの攻撃に、全力で瞑っていた
目が開かれる。目を開いた先には、エリオと同じくらいの男の子。
 真っ赤な顔をした男の子と見つめあいながら、フェイトに肛門の全てをしゃぶられる。嬌声を上げ、唾液を撒
き散らし、腰をフェイトにへと押し付けて、爪が食い込むほどに拳を握ってただ耐える。
 これはいつ終わるのだろうか。それともずっと終わらないのか。早く終わって欲しいと感じるまともな部分と、
ずっと終わって欲しくないと感じる壊れた部分――。

「くぅっ……すごっ、お尻凄いのぉっ! もっと! もっとして欲しい……してええぇっ! もっとお尻舐めて
欲しいのぉぉぉぉ――!!!」

 けれども、今は壊れた部分の方がやや強い。
 まともな感情が音を立てて壊れるたび、背が仰け反る程の興奮に脳が焼けた。腰をよじり、指を突っ込み爪で
かき出し始めたフェイトを喜ばすために肛門に力を込める。

「なのはの味と匂いでいっぱいだ……くらくらしてきた……」
「やぁっ、止めないで! 止めちゃやだ! もっと一杯してくれなきゃやだ……!!!」

 舌でかき出され、味を堪能された。
 爪で引っかかれ、絶頂する程の痛みが身体を駆け巡った。
 フェイトの笑みと、乱れる自分を責める声。そして煩い心臓の音と嬌声だけがクラナガンの町を包んでいた。
その中で固唾を呑んで自分を見つめている他人達は、それぞれ自慰をしたり、口々に何かを囁きあったり、逃げ
たり、遅れて見物に加わったりと様々だ。そんなその他大勢に見せ付けるように、再びフェイトが尻肉を左右に
割った。

「はぁ……美味しかった……大分ほぐれて来たしそろそろ。さて、本日のメインイベント」

 言って、フェイトがそれを取り出した。まずは一つ。有無を言わせぬ間に、暖かくも冷たくも無い液体が肛門
の中に流れていく。

「いくつ入るか我慢してみようか。できるよね?」
「うん……我慢する……んんっ……!」
286エムの楽園[→side:N→]:2009/02/12(木) 02:26:09 ID:+t+LSMBS
 更にもう一つ。フェイトは少しの手加減もしてくれない。イチジク浣腸を差込まれその中の液体で腹を満たし
ながら、なのははフェイトに差し出された汚れた指に舌を這わせた。
 指の根元から爪の隙間に溜まったものまで全て。自分自身の味に咽ながら、フェイトの指が唾液の味に変わ
るまで綺麗にした。
 その間もフェイトの作業は続く。
 一つ一つゆっくりと。少しずつ入ってくる液体に徐々に腹は痛みを伴い始めてくる。呻きながら痛みを堪え、
太ももを汚す愛液と肛門から漏れ出した腸液に、苦痛と情欲は増していく。
 ようやく終わりと宣言されたころには、周りはイチジク浣腸だらけになっていた。震えた声と共にフェイトが
肛門に口をつけ、それで終わり。後はどれだけ我慢できるのか見物という所なのだろう。
 だが、なのはにしてみれば物足りない。フェイトに肛門をしゃぶられて、それでもまだ一度しか達していない
のだ。
 だから堪えきれず指を動かし、フェイトや皆が見ている前で自慰をする。

「んっ、んっ……気持ちよくて……出ちゃいそう……」

 陰核に爪を立て、フェイトが見ている眼前で陰唇を割り開く。だらしなく涎を溢れさせている膣口に指を突っ
込み、一層の視線を感じながらも愛液の飛沫を撒き散らせながらかき混ぜた。
 だが尻を高く突き上げたままの格好では、腕の動きに無理がある。体制を変えて背中を地面に預け、観察して
いたフェイトと視線を絡ませる。
 ついでに舌も絡めた。涎と愛液と腸液に塗れているフェイトの唇に舌を這わせ、空いているもう片方の指を躊
躇わずに肛門に突っ込み、出し入れする。途端、猛烈に中身をぶち撒けたい衝動に駆られながらも、この耐えて
いる間が愛しくて我慢してしまう。だが、やはり少しだけ漏れたよう。生暖かい液体に指を汚しながら、耳を空
気の漏れる音が打った。

「ほら、もっと我慢しないと。それとも、みんなの前で早く出したいのかな」
「そ、そんなのっ――」
「違うの? みんなの前でお漏らしして感じちゃうんだもん、なのはは。それに今だって早く出しちゃいたそう
だ」

 反射的に否定しようとするが、最早自分でも何も分からない。皆の見ている前で出したいのか、それとももっ
と我慢したいのか。唯一言えるとするならば、もっと気持ちよくなりたいと言ったところだろう。
 故に上下の孔を掻き混ぜている指を、疲れも忘れて前後させた。涎を垂らしている一番上の口は、今はフェイ
トが独占中だ。最初にされたように口の中を舌が動き回り、舌を吸われ、溜まった唾を送られる。
 その唾の味と酔ってしまいそうな程のフェイトの強い匂いに、フェイトがしてくれたように今度は自分もフェ
イトの味を堪能したいと新たな欲求を生みながら、異臭を漂わせ始めた己の肛門に根元まで指を突っ込み、指で
腸壁を引っかくように折り曲げた。
 瞬間、今まで以上の大きさで空気の漏れる音が辺りを埋める。音は止まってくれない。どれだけ肛門に力を込
めようとも、一度始まった崩壊が決して収まらないように緊張を解いてしまった肛門は大きな穴を開けたまま。

「で、出ちゃう! 出ちゃうよフェイトちゃん! んあっ……全部、でちゃ――」
「全部出していいよ! ちゃんと見ててあげるからっ! ほらっ、出して!」

 パチンとフェイトの手の平が太ももの辺りを打つ。その衝撃に、一瞬にして何もかもが真っ白になった。
 フェイトは間近で見たいと言う様になのはの脚を間に顔を固定させ、辺りを囲んでいた見物人はそれぞれカメ
ラや携帯電話を取り出し、エースオブエースの痴態の全てを残そうとしていた。
 そういえば、と限界の寸前ようやく思った。明日からどうやって外を歩けばいいのだろう――。

 豚のような絶叫と、
 きっとしばらくは消えてくれない異臭と、
 フェイトの絶頂してしまうような笑い声と、
 濁流のように内から噴出した茶色い液体と、
 シャッターの音がクラナガンを包んだ。

「――なのはママ、大丈夫?」

 意識が深く深く沈んでいく。
 そして、本来あるべきところへと浮上した。

287エムの楽園[→side:N→]:2009/02/12(木) 02:26:58 ID:+t+LSMBS
* * *


「お顔赤いよ? それに、ずっとぼうっとして――」
「だ、大丈夫っ! 心配してくれてありがとう」

 目の前に、愛娘の心配しているのであろう顔があった。反射的に大丈夫と口にして、時計を見れば午後六時半。
それで、アイナが休みである事もあり久しぶりに夕食を作ろうとしていたことを思い出す。
 キッチンを見れば、火がついているガス台に野菜達が踊っていた。まな板には、未だ赤い牛肉がパックに包ま
れたまま残っており、その隣には勢いに任せて買ってしまったスパイスの山。どうやら今夜は、カレーを作ろう
としていたらしい。

「……ぅ、あ……」

 カレーとはもちろん、スパイスの食欲を駆り立てる香りと味、ドロドロとした茶色い液体がお馴染みの、殆ど
の子供が大好きな料理だ。事実ヴィヴィオも、母を心配しながらも早く早くと夕食が出来るのを待ちわびていた。
 だが、である。

「ちょっと……やばいかなぁ……食べれないかも……」

 フェイトが長期任務で姿を消して早三ヶ月。溜まるものは溜まってしまうし、ヴィヴィオやアイナがいる為、
一人ですることすら難しい。
 勿論、なのはとて嫌いな訳ではない。さすがにフェイト以外の前でした事など一度も無いが、フェイトの前で
なら、口ではいえない事も何度かした事もあった。
 だが、である。
 さすがに夕食前の、しかもカレーが食卓に並ぶその直前にするような類の妄想では決してないだろう。
 そんななのはの勝手に抱えている想いとは裏腹に、ヴィヴィオはカレーを待っている。テレビを見つつ、宿題
に精を出しながら、恐らく内心では今か今かと腹を空かせている事だろう。
 冷蔵庫の中には、思ったとおり他の材料などありはしない。アイナが食材を残す様な真似を許すわけもなく、
この時間スーパーに買出しに出かけるのはヴィヴィオを待たせてしまうし、不自然すぎた。
 これがニンジンの嫌いなキャロであったのなら、恐らく嫌とは言わないだろうし、聞き分けの良いエリオも苦
言を洩らさぬだろうが、ヴィヴィオはカレーが大好きなごくごく普通の、普通よりも恐らくかなり可愛いであろ
う少女だ。決して良い顔をしないだろう。
 仕方なく、何もかもを諦めてなのはが夕食の準備を再開した。ご飯が長けるまで後数十分。その間に肉を刻み、
残っていた野菜を煮立った湯の中に放り込み、頃合を見て肉を投下する。
 ここまでは問題ない。次が問題だ。

「お味噌入れて、豚汁……違う、牛汁とかじゃヴィヴィオも怒るよね……」

 躊躇いつつも、スパイスを適当に放り込みカレーにした。予想通りの茶色い仕上がりに、思わずなのはは呻い
てしまう。
 だが無慈悲にもヴィヴィオは匂いに気づき走りより、いつの間にか驚くほどの手際の良さで皿をカレーの盛り
付けやすい位置へと置いていた。

「アイナさんがねっ、なのはママのお手伝いもちゃんとしようねって。昨日言ってたの」
「そ、そっか……うん、偉い偉い……」

 そしてピー、と後方からは電子音。米が炊けたのだ。炊き立てのご飯を蒸らし、ヴィヴィオの用意した皿に盛
り付け、そしてその上に茶色いカレーがかけられる。
 確りと二人分だ。後でヴィヴィオにだけ食べさせればと思ったが、そうもいかない。やはり一人で食べるより
も、二人で食べる方が美味しいはずで、娘にいらぬ気遣いをさせる事も出来なかった。

「いただきます!」
「……いただきます」

 諦めに似た境地で、カレーを口の中に運んでいく。途端フラッシュバックするのは、妄想の中のフェイトと自
分。おかげで、カレーの味も中々口にしたくない味に似ているようで、知らず食事のペースも落ちていた。
 娘はそんな訳も分からず一人苦痛に耐えている母を見て、純粋に心配し続けていた。
288246:2009/02/12(木) 02:28:36 ID:+t+LSMBS
以上です。ありがとうございました。
うん……やっぱりリハビリ中だから緊張する……orz
バレンタインという事もあり、現実のなのはさんにチョコレートでも掻き混ぜてもらおうか考えていましたが、
なんか取ってつけたようで止めました。変わりにカレーにしてみました。
もう忘れ去られている長編は、今しばらくお待ちください。やっと納得できるエンディングが浮かんだのでプロット
修正中です。
では、スレ汚し失礼いたしました。
289名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 05:33:31 ID:HJ5WWCa4
GJ!
短編なのにどこまで突き進んでいくのかと思えば……ww

それにしても、とりあえずタイトルだけ見てどんなシリアスかと思いましたがいい意味で期待を裏切られましたww
結構いらっしゃるもんですね。某楽団を聞いてる人って。
290名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 10:08:35 ID:bE320Dit
>>288
なのはさん受けなのは珍しい、もっと書いてくれGJ!
291名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 10:18:30 ID:g5J/lzjr
>>288
GJ!すばらしい
戻ってきてくれるのをずっと待ってました・・・!
それもお漏らし浣腸露出プレイとは最高すぐるw
ドSフェイトそんとドMなのはさんはやはり素晴らしい
オチも予想外でしたが楽しめましたw
相変わらず246氏の作品は俺のツボど真ん中ですぜ!
次の投下もとても楽しみにしてます。乙でした!
292名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 11:38:38 ID:v+RW840T
>>288
GJ!帰りを待ってたぜ246氏
しかし氏の文章は、常に誰かが病んでいるのがデフォなんですねw
293ザ・シガー:2009/02/12(木) 23:39:37 ID:NMoWS3Ea
>>サイヒ氏
いやはやなんとも、相も変わらず氏のSSにおけるブロンド淫靡率は破滅的なまでの数値をたたき出すのですね。
読んでて脳内が桃色に蕩けるかと思うほどエロス破天荒でございました。
なんつうかもう、マジで尊敬します師父様。
GJです。

しかし金髪=エロス、という公式が存在するならば……ヴィヴィオやシャマルさんまでも!?


>> 246氏
あっばばばば! 待ってましたよ! ええ待ってましたとも!!
狂的なのフェイイズベリー変態。 超ステッキーですね。
連載作も待っちょりますー。



そして早速俺も投下ー。
オリ主爺が大活躍する『鉄拳の老拳士』行きますー。
無論非エロで。
294鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/12(木) 23:43:02 ID:NMoWS3Ea
鉄拳の老拳士 拳の系譜2


 機動六課の訓練場にその男はいた。
 自身の孫娘を含めた若きストライカー達に見守られ、鋼の拳足と黒いコートを翻しながら悠々と肩を回して軽く身体を解す。
 顔には少しの緊張も伺えぬ、されど獰猛さを隠し切れぬ微笑を宿して。
 それはとても、これから歴戦のベルカ騎士と一戦交える者が抱くとは思えぬものだった。
 ましてや男は相手の力を知らぬ訳ではない、実を言えば数十年前に今とは違う主に従う烈火の将と戦った事もある。
 だがそれでも、男の口元には鋭い犬歯が笑みと共に白く覗いていた。


「さて、準備は良いか? 兄弟」


 兄弟と呼ばれた血肉なき鉄の拳足は脚部にあるコアをチカチカと点滅させて応答。
 言葉にせずともそれが激しき闘争を了承するものだと、半世紀以上と共に生きてきた老兵には分かる。
 男は口を笑みに歪めると、己が鉄拳を合わせて金属同士の奏でる甲高い音色を響かせた。


「良いみてえだな。それじゃあ美女と楽しいデートと行くかい」


 そして、あらゆる敵を砕く鋼を拳、それを纏った手で伸ばした白いヒゲを一撫ですると男は、歴戦の戦士アルベルト・ゴードンは自身に決闘を挑んだ騎士に視線を向ける。
 美しい女だった。
 そうとしか表現できぬほどに美しい女だった。
 燃えるように鮮やかな艶を持つ緋色の髪はポニーテールに結われ、数多の男を魅了するであろう起伏に富んだ肢体を強固な騎士甲冑に包み、こちらの視線に鋭く気高い眼光で応えている。
 生粋のベルカ騎士、夜天の守護騎士ヴォルケンリッターが将シグナム。
 シグナムはゴードンの獰猛な笑みに鋭い眼差しと共に一礼する。


「無理な頼みを聞いて頂き感謝します」

「いやいや、気にしなさんな。むしろ良い女からのお誘いなら願ったりだ」


 ゴードンはそう言いながら、嬉しそうに凶暴な獣染みた笑みを深めた。
 それは不思議な笑み、危険な猛獣の香りがするのにどこか人懐っこさが溶けている。
 獅子ならばこう笑うのか、ふとシグナムの脳裏にそんな他愛無い思慮が巡った。
 だがそれも一瞬、次なる刹那には将の心身は研ぎ澄まされた闘争のものへと移ろう。


「では、始めますか」

「いつでもどうぞ」


 戦いのゴングにしては短く小さすぎる言葉の応酬の後、拳と剣は空中で火花と共に交わった。





 戦いのルールは至極単純だった。
 時間制限30分、相手が完全にダウンするか負けを認めるまで。
 無論殺さぬように注意するのは前提であるが、それ以外には何の縛りもない、ほとんど決闘の模擬戦である。
 最初これを聞いた周囲の人間は一様に驚き、止めようとした。
 だが“美女からのデートは断らない”満面の笑顔でそう言い放つ老兵の言葉に、戦いの準備は瞬く間に完了する。
 鉄の拳と剣を構えた二人の戦士、闘争に餓えた獣の如く爛々と瞳を輝かせる彼らを止める術などなく、止められる者もいない。
295鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/12(木) 23:44:03 ID:NMoWS3Ea
 そうして今に至る。


「はああぁッッ!!」


 裂帛の気合を込めた声、普段は澄んだされど今は鋭く響くそれが空気を震わせると同時に炎の魔剣が煌めく。
 空気どころか空間すら両断するような刃、横真一文字に超高速でレヴァンティンの一閃が振るわれる。
 刀身に練りこまれた魔力、斬撃の速度、間合いの調整、全てにおいて申し分のない最高・至高の一撃。
 だが相対した老兵はそれを軽々と、予知能力でもあるかの如く予備動作の段階で一瞬速く後退して回避。
 紙一重、斬撃は豊かに蓄えられたヒゲの一本をかすめる程度に止まり空振りに終わる。
 渾身の一撃を難なく避けられ、美しい騎士は心中で一度舌打ち。
 だがこの一手が全てではない。
 艶やかな長い髪、ポニーテールに結われたそれが宙で綺麗な円を描く。
 瑞々しくメリハリに満ちた肢体を回転させ、飛行魔法による前進と踏み込みとを行い遠心力を乗せた二撃目の一閃が放たれる。
 今度こそ回避は不可能であろう横薙ぎの刃、喰らえば防御障壁だろうとバリアジャケットだろうと切り裂く魔剣の刃。
 それが今、老いたる拳士を襲う。
 だが宙で散ったのは切り裂かれた障壁でも防護服でもなく鮮やかな火花、そして強固な金属同士が軋み合う絶叫。
 必倒必至の魔剣の刃を鉄の拳が払い挙げた。


「くっ!」


 絶対の自信を持った刃をいなされ、美女の口元に苦いものが浮かぶ。
 シグナムが二撃目を振るう刹那、ゴードンとてただ後退していた訳ではない。
 彼女がその一撃目を振るった勢いを利用してコンビネーションに繋げるのは読めていた。
 ならばそこに付け入らぬ道理はない。
 正確に自身の首元を薙ごうと迫る刃の軌跡に自慢の鉄拳を合わせて斜め上に振るった。
 魔剣に劣らぬ硬度を有する鋼の拳は、見事に迫り来る一閃をいなす事に成功。
 体勢を崩されたシグナムに隙が生じ、ここに攻守の逆転は成る。
 蒼穹の空より深き青で構成された空駆ける魔力の道、ウイングロードの上で鋼鉄の靴の車輪が回る。
 凄絶と形容して余りある加速、100キロを超えるゴードンの巨躯が風の如く駆けた。
 ベルカ式独特の三角形をした防御障壁が美女の五体を守るのと、鉄拳が大気を裂いて進行するのはまったくの同時。
 そして魔力の壁を強大極まる拳が殴りつける。
 空間が歪むと錯覚するほどの衝撃。
 浸透する力の陵辱に、内臓が押しつぶされるような苦痛がシグナムの神経を駆け巡った。
 そして、展開した障壁もろ共彼女の瑞々しい肉体は後方へと吹き飛ばされる。
 螺旋の軌跡を描きながら錐揉みし、騎士の身体が訓練場に構成されたビルに衝突。
 魔力で物理形成されたビルの破片が砕け散り、音を立てて眼下に降り注ぐ。
 常人ならば死するに十二分過ぎるだろう破壊の賛歌。
 しかし百戦錬磨のベルカ騎士にとっては足止めに過ぎない。
 立ち上る煙の中からシグナムはビルにめり込んだ身体を起こして立ち上がる。
 そして剣を構えて眼前の拳士へと鋭く研ぎ澄まされた視線を矢の如く投げかけた。


(障壁越しですらこの威力……凄まじいという言葉でも足りないな)


 ゴードンの凄絶な打撃に、シグナムは胸中で感嘆の言葉を想う。
 戦いが始まって既に二十分近くが経過し、制限時間の三分の二を経ていたが、両者は未だにクリーンヒットなし。
 二人は濃密な闘争の時をひたすらに、絶妙な距離で回避し、強固な障壁で防御し、拳と剣を幾度も交えていた。
 J・S事件を経てリミッターの解除されたシグナムをして拮抗する実力、ゴードンのその力は優にSランクの域へと達しているだろう。
 強敵と呼ぶに相応しい相手、そして魂の震えるような激闘。
296鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/12(木) 23:45:07 ID:NMoWS3Ea
 烈火の将の口元に喜悦の笑みが浮かぶのは自然の成り行きと言えた。


「ふふっ……」


 口元を吊り上げながら息を漏らす。
 熟練の娼婦とて男を誘う時はもっと品のある顔をするだろう、そう思えるくらい今のシグナムの顔は蕩けていた。
 数多の男を魅了するほど美しく、徳高き賢人の心を惑わすほどに妖しく、そして極限まで研ぎ澄まされた切っ先の如く鋭く。
 将の笑みはその場にいた全ての胸中に畏怖とも魅惑ともつかぬものをもたらした。
 相対した鉄拳の老拳士ただ一人を除いて。


「ハハ、なんともまぁ、おっかねえ顔で笑うんだな。あんたはもう少し優しく笑った方がきっと似合うぜ?」


 不敵にそしてどこか挑発するように、なにより嬉しそうに楽しそうにゴードンは笑った。
 それはまるで人懐こい犬のようでもありながら、磐石たる頂に座する獅子の王のようでもある。
 殺気と気迫を内包した将の凄絶な微笑に笑い返す様は正に豪放磊落。
 見ていて清々しいくらいの豪快な笑顔だった。
 これに幾らか毒気を抜かれたのか、剣を構えたシグナムの表情に少しだけ柔らかいものが宿る。


「それは失敬。しかし、立ち合いの場でそのように笑うのはいささか骨が折れます」

「いやいや、気にしなさんな。まあそういう顔もグッと来るのは確かだ。できればベッドの上で、って条件付だがな」


 やや下品な表現を交えた言葉に、シグナムの頬が戦闘の興奮ではなく羞恥で朱色に染まる。
 この烈火の将は刃を交えた激戦ならば百戦錬磨も良いところだが、男女間での色事・睦事にはあまり明るくないらしい。
 そんな彼女の様子を微笑ましく思いながらも、ゴードンは指をクイクイと曲げて“掛かって来い”と促す。
 まだ残り時間は十分近くある。
 闘争の愉悦に燃える戦鬼二匹、一分・一秒すらも惜しいだろう。
 シグナムはこれが返答だとばかりに、次の瞬間には炸裂音を咆哮の如く絶叫させて魔剣にカートリッジの魔力を喰らわせた。
 金色の薬莢が弧を描いて宙を飛び、地に落ちる間にそれは完了する。
 カートリッジロードによる魔力補充によってデバイス形態を変形、さながら龍を思わせるような長大な刃の鞭がその異様を露にした。
 シュランゲフォルム、シグナム自身の機動性を殺すがそれと引き換えに有り余る射程と威力を有する連結した刃の嵐を成す魔剣の第二形態。
 それが今その姿を晒し、眼前の老兵を落さんと超高速にして不規則な軌跡を描く。
 前後左右、様々な方向・角度から踊る連結した刃の侵攻。
 迫る刃の嵐に、ゴードンは足元に展開したウイングロードを一気に加速。
 その身を疾風迅雷とばかりに黒い防護服をはためかせ、老兵は魔剣の渦を掻い潜る。
 首を薙ごうと横に一閃する刃を障壁で弾き、後方から背を切り払おうと迫る刃を高速で回避、足元を掬おうとした刃を軽く跳躍して事なきを得る。
 瞬き一つの隙が手痛い敗北を呼ぶ、間断なき魔剣乱舞。
 だが老いたる男はどこか楽しげに見えるほど、軽やかに鮮やかにその只中を一陣の旋風と化して疾駆。
 絶大なる破壊力と射程を得る代わりに機動力を失った使い手に、鉄拳を唸らせたゴードンが反撃を見舞おうと迫る。


(まさかシュランゲの刃を掻い潜って来るとは……ならば……)


 迫り来る老拳士の威圧に畏怖と感嘆とそれらを遥かに超えた悦びを感じながら、シグナムは握り締めた愛剣の軌道を繰る。
 超高速で走り抜ける風を捉えるは至難、だがあの疾風が空を駆けるには条件が必要だ。
 ならば自分はそこを突き崩すのみ。


「足元を崩させてもらうッッ!!!」


 裂帛の、大気を裂くような叫びと共に将の振るう刃の鞭が青き道を狙う。
297鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/12(木) 23:46:08 ID:NMoWS3Ea
 ゴードンの進路、その先十数メートルまで展開されていたウイングロードをレヴァンティンの鋭い刀身が斬り刻んだ。
 魔力で構成された空駆ける翼の道は堅牢堅固、生半な衝撃ではビクともしない。
 だがしかし、魔剣の刃はそれを遥かに凌駕する。
 硬く、一瞬は耐えようと軋んだウイングロードの道筋を鞭状連結刃の蹂躙が容易く破壊。
 自然と、足場を破壊された老いたる戦士は疾走の惰性のままに宙へと放り出される。


「やれやれ、えげつねえマネしてくれるぜ」


 空中に投げ出されたゴードンは自身の窮地に少しの緊張感もない、ある種どこか間の抜けたような声を漏らす。
 だが眼前の剣鬼はそんな事などお構い無しに更なる刃の乱舞を見舞った。
 前後左右、様々な方向から三次元的な連結刃の容赦なき侵攻。
 瞬きする間にゴードンの五体へと刃が吸い込まれるように振るわれ、次なる刹那には凄まじい衝撃と音そして爆炎を喝采とあげた。
 勝った、シグナムの胸中に自然と自身の勝利を確信する思考が過ぎる。
 無論油断など欠片も見せぬが、それでも自分のあの猛攻が易々と切り抜けられるとは思えない。
 冷静な騎士の思考はそう判断した。
 だがそれは間違いだった。


「ん?」


 身体に生じた違和感に、シグナムがふとそんな声を疑問符と共に漏らす。
 広範囲に展開したシュランゲフォルムのレヴァンティンの刃に微かな振動を感じたのだ。
 振動は、最初は僅かにだが直ぐにビリビリという激しいものに転じる。
 謎の答えは即座に現れた。
 炎と煙の中から、黒いコートを翻した老兵と共に。


「何ッ!?」


 シグナムは思わず声を荒げて叫んだ。
 勝利を確信するほどの自身の攻撃が防がれた事もある、だがそれよりも彼女を驚愕させたのは老兵の疾駆する足元。
 遠き間合いにいる相手を刻む為の鞭状連結刃、その上を老兵が駆けていた。
 まるでレヴァンティンの刃がウイングロードの代わりとでも言わんばかりに、脚部に装着したローラーブーツを唸らせてゴードンは疾走する。
 両足に展開された小さな魔法陣、ベクトル操作のそれを発動している為にどんな軌道で駆けても落ちる事はない。
 刃に刻まれぬように常に腹部分の上を走り、ゴードンは使い手の手元目指して風の如くに加速する。
 既に間合いは中距離から近距離へと移行、あと一息で将の肉体に鋼の拳足が叩き込まれる領域だった。
 背筋に冷たい汗を感じながらも、シグナムは高速化した思考で行動を予測。
 レヴァンティンの形態を最高速で元の剣に戻したとして、彼の反撃を受けるは必定。
 ならばどうする? 攻めるか? 守るか?
 答えは瞬きするより速く出た。
 自分は烈火の将、剣の騎士シグナム。守るより防ぐより避けるより、打って出て刃を交える事こそ我が誉れ。
 次なる刹那、シグナムの思考に従って魔剣は形状を変形し元の剣に戻る。
 ゴードンは走る足場を失ったがそれは大した問題ではない。
 彼はシグナムの次の動作を見切っていたかのように跳躍し、既に空中で旋回しつつ回し蹴りの軌道へと移っていた。
 魔力を、バリア破壊の術式を高速展開した蹴り。
 喰らえば確実に落ちる絶技。
 半世紀以上の時をかけて練りに練られた老兵の足技。
 でもそんな事は百も承知だ。
 用はそれよりも早くこちらの一撃が相手を落せば良いだけの話、そう騎士は考える。
 展開したレヴァンティンの刃を手元に戻すその勢いを利用してシグナムはクルリと回転。
 軽やかにステップを踏むように舞うように、刃を横薙ぎの斬撃と振るうのだ。
 それもその閃きは一筋ではない。
298鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/12(木) 23:47:05 ID:NMoWS3Ea
 いつの間にか、本当にそう形容するしかないほどの間に彼女の左手には鞘が顕現していた。
 その両方に炎熱変換で猛き炎を纏った剣と鞘の二段構えの攻撃。
 狙うは彼の右方向から首と脇の二箇所。
 数百年の永き時を戦場に駆けた生の中、誰一人として初見で見抜き防げた者などいない至高の斬撃である。
 もし仮に二つの剣閃に気付いたとして、これを防御し得る性能の防御障壁を展開する暇などない筈だ。
 今度こそ相手を倒す、その自負を以って将は空を舞う。
 緋色の髪を揺らした美しき騎士と屈強極まる五体を躍らせた老戦士、二つの影が交錯する。


「はああぁぁッッ!!!」

「オオオォォッッ!!」


 裂帛の気合を込めた叫びと共に、再び二人の戦士が中空で交わる。
 最初に生まれたのは眩い閃光と凄まじい炎の散華、そして甲高い金属同士のぶつかるような耳障りな音。
 刃の生んだ絶叫が木霊し、鼓膜を歪に震わせる。
 余韻が過ぎ去り炎が晴れた時、そこには闘争を愛する二匹の獣が刃と鉄拳とで契っていた。
 自身の右方向から襲い来る二つの脅威を、ゴードンは右肘と左拳で受け止めていた。
 その先端にあるのは多重展開された超硬質の防御障壁、ベルカ式独特の三角形の陣形。
 絶対の自信を以って放った刃を防がれ、シグナムの顔に苦々しいものが浮かぶ。


「まさか……これを防がれるとは思いませんでした……蹴りはフェイクですか」

「まあな。男は皆嘘つきなのさ」


 意地の悪そうな笑みを、獰猛な獣染みたそれを浮かべてゴードンは答えた。
 渾身の回し蹴りに展開したバリア破壊の術式は本物だった、だがしかし彼が構築したのはそれだけではない。
 同時に両腕に最高硬度の障壁を多重展開する術式を、最終発動キーを残して平衡構築し隠していたのだ。
 術式を発動寸前の段階まで構築し温存するのは魔道師ならばそれほど難しくない行為ではある、だが問題はその発動タイミング。
 ゴードンのそれは、一歩間違えれば防ぎ損ねて斬り落されていた可能性を大いに孕んでいた。
 それを成功へと導いたのは歴戦の戦士としての経験と勘、なによりかつての将との交戦経験が大きいだろう。
 老兵が両腕に纏った鋼の拳と魔剣の刃と鞘が鮮やかな火花を散らして軋み合う。
 飛行魔法の行使で押し返そうとするシグナムだが、足元に展開したウイングロードで踏ん張り全体重と魔力強化した筋力で返答するゴードンの圧力は筆舌に尽くし難い。
 つう、と、美女の頬を汗が流れる。
 シグナムはこれから演じる反撃の手管をマルチタスク化した思考で計算し、手にした魔剣を強く握り締めた。
 そんな時だった。ふと老兵の口元、ヒゲに覆われたそれが動き言葉を紡ぐ。


「ところで嬢ちゃん」

「なんですか?」


 手にした刃に込める力を少しの弱める事無く、そして表情も変える事無くシグナムは尋ね返した。
 単なる無駄口か、それとも会話に織り交ぜた権謀術数にて勝機を伺っているのか。
 この老練なる戦士ならば後者の可能性が高い、油断は禁物。
 しかし騎士の礼節として、無言で返す訳にもいかない。
 故にできる限り冷たく返すのだ。
299鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/12(木) 23:47:54 ID:NMoWS3Ea
 しかし老兵はそんな彼女の返事に気にする様子もなく、いやむしろ嬉しそうに語りかけた。


「あんたからの申し入れを聞いて勝負を引き受けたんだ。なら俺が勝った時はなにか“ご褒美”があっても良いんじゃないかい?」

「褒美? 私から出せるものは高が知れていますよ?」

「いやなに、大した事じゃねえさ。ちょっと俺にサービスしてもらうだけで良い」

「サービス?」

「ああ……」


 すぅ、と、ともすれば顎先に蓄えられたヒゲが頬に触れるのではないかと思えるほどにゴードンがシグナムに顔を寄せる。
 無論、剣と拳とのせめぎ合いからは双方微塵も力を抜かず、油断も見せない。
 言葉だけのささやかな応酬だ。
 だがそれこそは将の覇気を抜く為の言の葉だった。
 耳元を嬲るように、渋く低いある種の色気を伴った老兵の言葉がゆっくりと紡がれる。


「俺が勝ったら、あんたを一晩好きにさせてもらうぜ。出来ればベッドの上まで、な」


 言語的意味を有する空気の振動が烈火の将の鼓膜を振るわせた。
 神経を介して脳に伝達し、怜悧な思慮は即座にその内容を理解する。
 そしてあろう事か、彼女は想像してしまった。
 ベッドの上で男に好きなようにされる事、つまり要するに少しばかりいやらしい内容。
 途端に美女の頬が戦闘への興奮でなく、羞恥心のそれで赤く染まる。
 同時に手元から力が一瞬、ほんの一刹那だけ抜けてしまった。
 それは数十年の人生を濃密な闘争に浸してきた男が反撃に打って出るのは十分すぎるほどの大きな隙。
 将が気付いた時には全てが遅すぎた。
 レヴァンティンの刀身と鞘が弾かれ、極近距離からゴードンが彼女目掛けて加速する。
 一拍の遅れを取り戻そうとシグナムは反射的に障壁を展開し後退。
 だがしかし、それを許さず渾身の貫き手。バリア破壊と物理保護を施され絶大な筋力と練磨され尽くされた動作で繰り出されるそれが容易く防御と回避運動を侵略する。
 鋼鉄のデバイスに覆われた手によって三角形の魔法陣は儚いほどに砕かれ、彼の指の先が熟れきった女の身体へと伸びた。
 鋼と柔肌、完全に相反する感触同士が触れ合うのと戦闘時間が終わりを告げるブザーが鳴るのはまったくの同時。
 ブザーの電子音が鼓膜へと響き、シグナムの白くほっそりとした首筋に冷たい金属が触れる。
 模擬戦として有効打とは認められないものではあるが、少なくともまともなクリーンヒットのなかった両者の戦いの幕引きには相応しいものだった。
 ヒゲに覆われた口元をニンマリと、まるで悪戯が成功した子供のように無邪気でそれでいて獣染みた獰猛さを秘めた笑顔をゴードンは浮かべる。


「さあて、それじゃあ今夜はたっぷりと楽しませてもらおうか?」


 勝利の褒賞、目の前の美女に老兵の鋭い瞳がギラリと輝く。
 烈火の将は、息のかかるほど近くで浴びせられた彼の眼差しに背筋を駆け上る怖気を感じた。


続く。
300ザ・シガー:2009/02/12(木) 23:52:17 ID:NMoWS3Ea
投下終了。
いやはや、やっぱバトルとか難しいですな、とっても苦手じゃわい。
姐さんを単なる咬ませにさせず、かつ爺を強く見せるという難題、クリアできたか心配です。
そして爺ちゃん、バトルの最中でもナンパします。
もう生涯現役、無論性的に。

次回は爺が美人とデートしたりキャッキャウフフ。
レジィと違ってこっちは遊び人だぜ!


しかしスバルの爺ちゃんの話なのにスバルもギンガも全然登場してねえwww
次回以降は出番を増やしたい所存。
301名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 01:14:45 ID:xmd3v1vD
>>300
まさか口説き文句が最終奥義とは!
今回も渋さ全開のゴードン翁を楽しませて頂きました。
長文でありながら興奮の冷める暇を与えない戦闘描写には感服するばかりです! 
GJ!
302名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 01:39:08 ID:xirpyZWX
>>300
乙〜
俺のゴードンのイメージは何故かスト4の剛拳、もしくは歳食ったケン
303名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 09:24:24 ID:++nfqNCc
>>288
GJ
スレ違いだが、タイトルでこんなの思い出した

//:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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       V',:.: /:.:.:.|:.:.l:.:.:.|<圷示 ∨|ー-|:./」_:|:.:.|:.:./:.:.:/  :|   | |:.:.:.:.:.:.:', 朝夜収録時だけロマン探す振りで、家でサボるなら
       !:∨:.:.:.:.:|:.:.|、.:|l ゞ='   ヘ| 'イ圷示/|: /:/'^レ   ∨  |:.:.:.:.:.:.:.:',   
        |:.:.:.:.:.:.:. |ヽ| ヽ|    ,    ゞ=' ′|/:/|r;/      \. |:.:.:.:.:.:.:.:.:',  生まれて来る意味、ないじゃない
        |:.:.: / ̄ ̄\ヘ.    ′       /イ:.:.|/、   ___ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',  
        |:/      /|:.:\  ` `     / |:.:/  「|Y´     \:.:.:.:.:.:.:.:.:.', ちゃんとさ、自分も働こうよ
      /       //|:.:.| \__ .. イ |,|/  l|:| |      ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:',
     ./       /〈. Vリ   | \_>'′  l      |:| |         ∧:.:.:.:.:.:.:.:.', ねぇ 私の言ってること
   ./       / \\  l| !ニニ}   /    ,./ |           \:.:.:.:.:.:.:',
  /.        ;' //  | |::|    /'     \ |           \:.:.:.:.| 私の探してきたロマン そんなに間違ってる?
 「 \         /  \\   .|/⌒ニニニ/      〉〉 |        /  〉:.:.:|
  \ \   _|    \\ .|    /     //  |        /    /:.:.:.:.|
   \  ̄    |     \\V   /  _ <イ    |     _,/    ∧:.:.:.:.|
.      \   _ハ     __\ ∨ /r<<___    ハ´ ̄、       / |:.:.:.:.|
      ノ  / ハ   |:::::::::::::`T::T::´ ̄::::::::::::::/-.、  / ゞ   ー  イ  ',:.:.:.:| 少し、頭冷やそうか…
     〈       ト、 ハ:::::::::::::::L::i::::::::::::::::::::::/::::: || ∧  ∨      `ヘ   ',:.:.:|
304名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 13:46:44 ID:F9as4Emi
>>303
ガ板住人乙

>>300
次回のキャッキャウフフwktk
305野狗:2009/02/13(金) 21:14:37 ID:sX2dDDeh
 突然ですが、投下します。

タイトル「キャロはルーちゃんと仲良くしたいと思いました」

 一応
 なのフェイ
 スバティア
 ゲンはや
 シグシャマ

 なんか、六課が色々とダメです。

 あぼんはコテで。
306野狗:2009/02/13(金) 21:15:32 ID:sX2dDDeh
    1/6


 私、ルーちゃんと仲良くしようと思うんだ。

 キャロはフリードに相談しました。とは言っても、フリードは返事をしません。キュクルと鳴いて、首を傾げるだけです。

 どうすれば仲良くなれるのかな。

 困ったことに、キャロには同じ年頃のお友達はいません。村を追われてから、お友達だっていなかったのです。
 ハァハァキャロちゃんって言うの? ハァハァ可愛いねハァハァお友達になろうハァハァと言ってくる大きなお兄さんやおじさんは放浪時にもいたけれど、
何故かフリードが囓ってしまって、みんな逃げてしまいました。
 だから、キャロにはお友達の作り方がわかりません。
 ティアナさんやスバルさんはいい人だけど、お友達というには年が違いすぎます。
 エリオくん。エリオくんは男の子です。ルーちゃんとは違うのです。 
 ヴィヴィオも、同じ年とは違います。キャロのほうが少しだけ大人です。そのうえ、向こうは聖王でこっちは平民です。
やんごとない御方とは違うのです、不敬なのです。

 そうだ。
 キャロはいいことを思いつきました。
 自分と同じくらいの年の女の子はいないけれど、同じくらいの年同士でお友達になっている人が六課にはいます。
 その人たちのアドバイスをもらえばいいんだ。
 とってもいい考えです。
 キャロはいいことを思いついたので、今夜はもう寝ることにしました。実行は明日です。


 健やかな目覚めでした。
 早速、昨夜思いついた計画通り、ティアさんとスバルさんの所へ向かいます。
 そうです、あの二人はパートナーとしても友達としても最高にコンビです。きっと、仲良くなる方法を知っているに違いありません。

「おはようございます、スバルさん」
「あ、おはよー、キャロ」

 食堂で、スバルさんはいつものように大盛りサラダを片づけています。大盛りというより特盛り、ギガ盛り、ペタ盛りです。
 さすが、食堂主任に「無限胃袋女」と渾名を付けられただけはあります。

 おや? よく見ると、ティアさんがいません。珍しく、スバルさんだけでごはんを食べているようです。

「あの、ティアさんは?」
「ティア? ティアはまだ寝てるよ。今日は午前中訓練ないし、ゆっくり寝かせてあげようと思って」

 スバルさんもゆっくり寝ようと思ったけれど、お腹が空いたから食堂にごはんを食べに来たそうです。
307野狗:2009/02/13(金) 21:16:14 ID:sX2dDDeh
      2/6

 知りませんでした、お休みの日のティアさんは、ねぼすけさんのようです。

「あー。それがね、昨日の夜……。今日の午前訓練なしだってわかってたから、ちょっと無理し過ぎちゃって……」

 無理ってなんでしょう?

「やっぱり、IS振動破砕の力でバイブレーターはまずかったかなぁ……」

 IS、ということは、何か極秘の訓練でもやっていたのでしょうか。さすがはスバルさんとティアさんです。スターズのフォワードです。
 
「バイブレーターって何ですか?」
「ん? ああ、え、あ。御免。つい口走った。忘れて、キャロ」
「じゃあ、後でフェイトさんに聞いてみます」
「駄目ぇ!!!! めちゃくちゃ怒られる! まだ死にたくないよ!!!! ザンバーで三枚におろされるのは嫌ぁ!!!」
「じゃ、じゃあ、なのはさんに」
「SLBも嫌ぁ!!!」
「えっと、じゃあ、部隊長?」
「父さんとギン姉、チンクにまで怒られる……。お願いキャロ、今のは忘れて、お願い」

 スバルさんがこんなに一生懸命に頼んでくるなんて…………はっ、もしかすると戦闘機人の秘密だったりするんでしょうか。
 だったら、とっても大切な秘密です。誰にも言えません。
 わかりました、スバルさん。これは二人の秘密ですね。

「ありがとう、キャロ」
「いいんです。ティアさんとスバルさんの秘密ですね」
「そう、『夜の振動破砕』はあたしとティアだけの秘密だから」

 あ。誰か走ってきました。

「こぉの、馬鹿スバルぅうううううぅっ!!!!!」

 凄いです。ティアさんのパンチでスバルさんが吹き飛ばされてしまいました。
 食堂の皆さんも呆気にとられています。

「キャロ!」
「はいっ?」
「あんたもっ! 今ここで聞いたことは全部忘れなさい! いいわねっ!?」
「は、はい」



 でも。
 やっぱり。
 気になります。
 だから、夜中に密かに覗くことにしました。
308野狗:2009/02/13(金) 21:16:54 ID:sX2dDDeh
      3/6

 フリード、静かにね?

 キュ?

 そうだよ。静かにするんだよ?
 いい子だね、フリード。

 キャロは、夜中にこっそり部屋を抜け出します。フェイトさんに見つかると、きっと怒られてしまいます。
 だけど、ルーちゃんと仲良くなるためなのです。友情なのです。
 キャロは、頑張ることにしました。

 だけどどうしてだか、キャロはスバルさんたちの部屋にはまっすぐ向かいません。遠回りをして、リネン室に向かいます。
 そっと中に入ると、そこにはふかふかのシーツが綺麗に折りたたまれておいてあります。
 キャロは辺りを見回すと、通風口を発見しました。
 これです。この通風口を探していたのです。

 そのとき、誰かがリネン室に入ってくる気配がしました。
 キャロは慌てて洗濯物入れの中、シーツの間に潜り込んで隠れます。ちょっと臭いですけれど、我慢です。

「ふむ、新しいシーツはこっちだったな」
「そう、そっちね。多めに持っていったほうがいいかしら?」

 この声は……なんと、シャマル先生とシグナム副隊長ではありませんか。

「その…………それほど、シーツが必要なのか? ……あの……ああ……ごほん、主はやてには」
「必要だから取りに来てるのよ?」
「そ、それはわかっている。しかし、いささか量が多すぎるような……」
「そうね。多いかも知れないわね」
「ど、どうなんだ。あまり多いと、その……業務に差し支えるとか、そういう心配は」
「相手はナカジマ三佐だから、その辺りはわきまえていると思うけれど」
「そ、そうか、それなら、いいんだ」
「シグナム?」
「なんだ?」
「自分がご無沙汰だからって、主の性生活を詮索するのは感心しないわね」
「ち、違う。私はただ、純粋に疲労の面から心配してるのであって、シーツの交換がこれほど頻繁なほどの行為は、
その……身体に……よろしくないのでは……と……」
「ふーん。そんなに溜まっているのなら、ザフィーラに言えばいいのに」
「シャマル、お前なぁ」
「それとも、趣旨替え? フェイトちゃんのほうが良かった?」
「そうやって言葉で人を弄ぶのはお前の悪い癖だぞ!」
「ふふっ。ちょっと嫉妬が混ざってるんだけど?」
「……シャマル……?」
「シーツ、私たちの分もいるかしら?」
「ああ………多めにな」
「……馬鹿」
309野狗:2009/02/13(金) 21:17:28 ID:sX2dDDeh
      4/6

 二人が仲良く出て行ったのを見計らって、キャロは洗濯物入れから這い出てきました。
 なんだかよくわかりませんけれど、シャマル先生とシグナム副隊長が仲良しなのはいいことです。
 そして、部隊長もナカジマ三佐と仲良しのようです。きっと、夜更かししてお菓子を食べたりお話ししたりしているのだろう、とキャロは思いました。
 堂々と夜更かししていいなんて、やっぱり大人はいいなぁ、早く大人になりたいなぁ。
 おっと、大切なことを忘れないようにしなくては。
 仲良くなると、シーツがたくさんいるようなのです。お洗濯がたいへんです。
 ルーちゃんと仲良くなると、キャロもシーツがたくさんいるようになるのでしょうか?

 キャロはもう一度通風口を確認しました。この通風口はそれぞれの部屋に通じていると、前にリイン曹長から聞いたことがあります。
そして、キャロくらいの大きさなら何とか入り込むことができるはずなのです。
 つまり、ここから入り込めば各部屋を安全に覗くことができるのです。

 よし、と心の準備をしようとして、再びキャロは洗濯物入れに飛び込みました。また、誰かが来ています。

「フェイトちゃん、お腹の中は空っぽにしとかないと」
「ごめん、なのは。もう少し我慢できると思ったんだけど。本当に御免ね」
「ううん、私もちょっと調子に乗りすぎたかも。だけど、フェイトちゃんがあんな可愛い顔するからいけないんだよ?」
「だって、なのはが上手だから。つい、あんな顔になっちゃうんだ」
「そう? えへへ、実は、頑張ってみたの」
「そうなんだ」
「いつもいつも、フェイトちゃんのほうが上手なんだもの」
「それは仕方ないよ。私は、クロノとエイミィのをずっと覗いていたもの。ある意味、クロノ直伝だよ」
「うーん。お兄ちゃんは忍さんと家ではキスくらいしかしなかったし、お姉ちゃんは彼氏いないし」
「お父さんたちは?」
「うちのお父さん、私が覗くと気配で気付くから怖いの」
「サーチャーを使ってみたら?」
「それがうちのお父さん、サーチャーの気配にも気付くの」
「……それ、ナンバーズより凄いんじゃないかな?」
「うん。クアットロは気付いてなかったものね……」
「あ、シーツ、これくらいでいいかな?」
「………」
「なのは?」
「私はいいけれど……フェイトちゃんはいいの?」
「え?」
「フェイトちゃん、ヴィヴィオが来てから凄いことになってるって気付いている?」
「そ、それは……」
「あ、気付いているんだ」
「だって、ヴィヴィオに聞かれちゃダメだって思うと、なんだか、凄く興奮して……」
「結界張ってるんだから、叫んでも大丈夫なのに」
「気分の問題だよ、これは」
「やっぱり、フェイトちゃんはMだ」
「いいよ、なのはがSなんだから、私はMで」
「にゃははは」

 二人の声が遠ざかるのを待って、キャロは洗濯物入れから出………てきません。
310野狗:2009/02/13(金) 21:18:07 ID:sX2dDDeh
        5/6

 翌朝、キャロを起こしに行ったエリオはびっくりしました。
 キャロがいません。
 部屋にも、食堂にも。

 少しして、何故かリネン室の洗濯物入れの中で眠っているキャロが発見されました。
 隠れているうちに眠ってしまったようです。

「で、なんでそんなところに?」

 部隊長が尋ねるけれど、まさか覗きをしようとしていたとは言えません。

「……キャロ、念のため聞きたいのだが、リネン室にはいつ頃からいたのだ?」

 シグナム副隊長の声が微かに震えているような気がします。
 キャロはよく考えました。
 いつ頃と言われても、時計は確認していません。部屋を出た時間はわかっても、リネン室で眠ったしまった時間はわからないのです。

「あの……なのはさんとフェイトさんが来たことまでは覚えてます」

 けくっ、となのはさんの喉から妙な音。何故かフェイトさんも青ざめています。
 何故だろう、と首を傾げながら、キャロは言葉を続けます。

「あ、それから、シグナム副隊長とシャマル先生よりは先に来てました」

 げふっ、とシャマル先生が吐血しました。シグナム副隊長は俯いて震えています。

「なのはとフェイトはまだしも、シグナムとシャマルは珍しい取り合わせだな」

 ヴィータ副隊長も首を傾げています。

「いったい、どういうことなん?」

 部隊長がおかしな様子の容認に首を傾げています。

「キャロ、こっちおいで。詳しく話聞かせてな」
「はやてちゃん! 親友の間でもプライバシーは必要だと思うの!」
「はやて、キャロは私の監督下だから、私がお話を聞くよ!」
「主はやて、誤解なきよう!」
「はやてちゃん、違うのよ!」
「なのはちゃん、フェイトちゃん、シグナム、シャマル。四人ともそこにおり。ヴィータ、ザフィーラ、ちゃんと見張っといてや」
「おう」
「御意」
311野狗:2009/02/13(金) 21:18:41 ID:sX2dDDeh
       6/6

 美味しいお菓子をたくさん食べながら、キャロは夜に聞いたことを全部お話しました。
 部隊長はニコニコとその話を聞いて、お友達と仲良くなる秘訣を教えてくれました。
  

 隊長室からキャロが出ると、入れ替わるようにして四人が呼ばれていきました。

 その後どうなったかは、キャロは知りません。
312野狗:2009/02/13(金) 21:19:21 ID:sX2dDDeh
 以上、お粗末様でした。
313名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 21:27:24 ID:dJV0SEjy
>>野狗氏

GJ!
ちょ、色々駄目すぎるw詳細を!是非とも詳細を!!特に「夜の振動破砕」の!
314名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 22:11:45 ID:sReNXf4r
>>野狗様 GJ

これじゃ私の奴は、雰囲気壊すだけになりそうです。
315名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 22:34:00 ID:kBBy1jAP
>>312
GJ
友達の作り方か。しかし参考にしようとした例がことごとく…w
316名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 22:40:24 ID:xmd3v1vD
他に投下される方がいなければ、23時頃からいかせてもらってもいいでしょうか?
317名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 22:44:26 ID:wLx8VRkm
どうぞ!!
318名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 22:45:03 ID:sReNXf4r
>>316
 お待ちしております。
319名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 22:58:46 ID:DxiIRJa2
>>316
ウェルカム

ヴィヴィオって反抗期になったら「ママなんて死んじゃえー」とか言っちゃうのかな?
そうしたらなのははどんな反応をするのかな?
320名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:03:29 ID:xmd3v1vD
 最近はエロ要るよ! という流れのようなので、軽いエロSSを。
 1・2期なのはとフェイトの、美由希とエイミィによる弄られ百合の連作です。
 ライトなエロの練習作です。卑語とか淫猥な擬音とかを余り使わずに仕上げてみました。
321いけない遊びをしませんか? 1:2009/02/13(金) 23:05:52 ID:xmd3v1vD
 闇の書事件も無事終結して数ヶ月。なのは達が4年生に進級してしばらくしたある日のことだった。

『は〜る〜か〜空響いてる〜♪ いの〜りは〜き〜せ〜き〜に〜♪』

 珍しく人気の少ない高町家のリビングでは、見るものの居ないテレビが虚しく流行の曲を垂れ流している。
 ソファに深く体を預け、食後の満腹感を楽しんでいる美由希は、リビングから聞こえる食器の音に耳を傾けていた。
 士郎と桃子は商店街の福引で手にした熱海行きの切符で夫婦水入らず、恭也は彼女とどこぞへお泊りだ。
 現在高町家にはなのはと美由希の二人だけ。なのはは洗い物の当番で普段より少ない二人分の食器を磨いている。
 
「〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪」

 美由希は、テレビから流れる流行歌に合わせて鼻歌を歌いながら楽しげに食器を洗うなのはの姿を、後ろからじっと見つめる。
 小さなエプロンを掛け、やや高い高町家のシンクに合わせて、愛用の踏み台を使って洗い物をする幼いなのはの姿は、姉の美由希から見ても可愛らしい。
 だが驚くなかれ、この少女は恐るべき力を秘めた魔法少女である―――らしい。
 数ヶ月前にその事実を告げられた美由希だったが、この小さななのはが、そんな大それた存在だとはどうしても思えないのだ。
 美由希は、なのはの後姿をじっと見つめる。……でも、確かにここ数ヶ月でなのはは随分と大人びた気がする。特に、腰の辺りが。

「ねー、なのは、最近見かけないけど、ユーノは元気?」
「うん、ユーノくん君は元気だよ。
 最近向こうのお仕事が忙しいらしいんだけど、時間が空いたときにはいつも魔法の先生をしてくれるの」
「へぇ〜っ。私もユーノに会いたいなー。特にあのモフモフな時のユーノに!
 なのはとユーノは二人で遊んだりはしないの」
「あ、最近は一緒にお散歩したり、トランプしたりもするよ。
 大抵は、フェイトちゃんやアリサちゃん達と一緒にみんなで遊ぶんだけどね」

 少女らしい健全な答え。年相応の無邪気な笑顔。
 だが、美由希はそこに、小さな違和感を覚えてなのはに尋ねた。

「……ねえ、なのは、ユーノと二人でいけない遊びをしたりはしてないよね?」
「―――っ!?」
 ほんの一瞬の動揺。美由希はその一瞬を見逃さなかった。BINGOだ。

「ええっと、お姉ちゃん何言ってるのかな? いけない遊びって、どんな遊びのこと……?」

 微かに頬を紅潮させ、もじもじと足を擦りあわせながら、しどろもどろに答えるなのはの姿に、美由希は口許を綻ばせる。
 ―――ちょっと、面白いかも。
 別段、美由希はなのはの交際を咎める気は更々無い。だが、普段は聞き分けの良い妹の珍しい隠し事に、思わず悪戯心をくすぐられてしまった。
 彼女はきっ、っと鋭い目付きでなのはを正面から見つめる。
 いつも柔和な美由希だが、彼女の御神流の剣士。眼鏡の下の眼光は鋭利な刃物のようになのはの心を突き刺した。
 びくり、となのはが背筋を強張らせる。

「なのは、正直に答えて。なのははずっと良い子だったし、私もなのはの事を信じてる。
 まさか、なのはが男の子といけない遊びをするような悪い子だとは思わないけど。―――確認として、聞いておきたいの」

 かつて見たことも無いような、本気の口調の美由希の言葉になのはの顔は青ざめた。
 ……きっと、深く考えることもなく、幼い衝動に身を任せた戯れだったのだろう。
 それが、こんな風に姉に詰問される程の罪深い事だとは考えてもみなかったのだろう。
 さあ、どう答える? 美由希はわくわくしながらなのはの返答を待った。
 なのはは、俯き気味で思案していたが、決然と顔を上げて迷いない口調で告げた。

「してないよ。お姉ちゃんの言ういけない遊びがどんな遊びなのかは解らないけど―――。
 わたしとユーノ君は、何も悪いことなんてしてないよ! ユーノ君は大事な友達だもん! 悪いことなんて、するはず無いよ」

 仮借、真実を告げたなら―――糾弾されるのは、きっとユーノの方だという事を、なのはは直感的に気付いていた。
 なのはは、姉に初めての嘘をついてまで、友人……恋人であるユーノを守ることを選らんだのだ。
 美由希はユーノに若干の嫉妬を覚えながらも、妹の成長を喜ばしく思った。
 
「……じゃあ、本当にいけない遊びをしてないか、チェックしても大丈夫だよね?」

 ―――さて、悪戯の続きだ。内心の笑みを押し殺し、美由希は真剣な目つきでなのはにそう問うた。
322いけない遊びをしませんか? 2:2009/02/13(金) 23:07:05 ID:xmd3v1vD
 闇の書事件も無事終結して数ヶ月。フェイトが海鳴に馴染みながらも定期的にアースラに赴いていた頃、とある日の話である。

『真〜っ直ぐに〜受け〜止める〜♪ 君はっ光の〜せ〜んし〜♪』

 珍しく人気の少ないアースラの脱衣場では、スピーカーが館内放送でリンディ選曲の聞きなれない歌謡曲を流していた。
 冷たいシャワーで心身をリフレッシュさせたエイミィは、水気の残る髪をかき上げてシャワールームの水音に耳を傾ける。
 今日もクロノとの戦技指導を終えて汗と打撲痕に塗れたフェイトが、静かにシャワーを浴びていた。
 水音が止まる。いつものツインテールを解いた美しい金の長髪から水を滴らせながら、フェイトが脱衣場に姿を見せる。

『〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪』

 エイミィは、気持ち良さそうにスピーカーの奏でる音楽に耳を傾けるフェイトの姿を、後ろからじっと見つめる。
 透けるような白い肌と、金糸のような髪を、緩慢に水滴が流れ落ちていく。幾度見てもフェイトは宗教画の天使のような美しい少女だ。
 だが驚くなかれ、この少女は恐るべき魔力を持った魔導師なのだ。
 一年ほど前にオペレーターのして彼女の力を目にして以来、幾度も彼女の活躍を見てきたが、未だに普段の姿とのギャップに驚かされる。
 エイミィは、フェイトの後ろ姿をじっと見つめる。あの悲しい出会いから、フェイトは随分変わった気がする。特に、腰の辺りが。
 
「ねー、フェイトちゃん、今日のクロノくんは元気だった?」
「はい、クロノく……お兄ちゃんは、今日もとっても元気でしたよ。
 今日の模擬戦でも、一本も取れずに負けちゃいました」
「もぅ……クロノくんは、女の肌にこんなに痣なんて作っちゃって。
 フェイトちゃんは、クロノくんと訓練以外で遊んだりしてる? ちゃんと兄妹で絆を深めてる〜?」
「はい! お兄ちゃんは訓練の時は厳しいけど、普段はとっても優しくて、最近はミッドの買い物にも付き合ってくれるんです。
 リンディ母さんと三人で、お料理とかもしたんですよ!」

 新しい家族と心通わせつつある少女の、初々しい答え。微笑ましいほど無垢な笑顔。
 だが、エイミィはそこに、小さな違和感を覚えてフェイトに尋ねた。

「……ねえ、フェイトちゃん、クロノくんと二人でいけない遊びをしたりはしてないよね?」
「〜〜〜っ!?」 
 身を竦ませ顔色を失くす顕著な反応。エイミィは吹き出しそうになった。BINGOだ。

「エエエエイミィさん、何の事でしょうか? いけない遊びって、……その、どんな遊びでしょうか……」

 フェイトの声は尻すぼみに小さくなっていく。居心地悪げに視線を漂わせるフェイトの姿に、エイミィは口許を綻ばせる。
 ―――これ、かなり面白いかも。
 最近余り構ってくれなくなったクロノの事を思う。軽い嫉妬も交えて、エイミィは小さな悪戯を思い立った。
 彼女はむむぅ、と怒ったような目付きでフェイトを正面から見つめる。
 いつも優しいエイミィの初めて見る強張った表情から、フェイトは視線を離せずにいた。
 きゅっ、とフェイトが肩を竦める。

「フェイトちゃん、正直に答えてね。フェイトちゃんが良い子なのは私も良く知ってるし、私もフェイトちゃんを信じてる。
 私は、フェイトちゃんがお兄さんといけない遊びをするような悪い子だとは思わないから、確認として、聞いておきたいの」

 詰問するような口調のエイミィの言葉に、フェイトは震え上がった。
 いけない事だというのは、薄々気がついていたのだ。兄妹でこんな遊びをするという背徳感があった。
 それに、普段クロノと親しげにしているエイミィに対する罪悪感も感じていたのだ。
 さあ、何と答える? エイミィは胸を高鳴らせてフェイトの答えを待つ。
 フェイトは唇を噛んで俯いていたが、蚊の鳴くような声で答えた。

「……していません。エイミィさんの言うようないけない遊びは、私とお兄ちゃんはやってません。
 本当です、本当に、私とお兄ちゃんはやっていませんから―――」

 フェイトは、明らかに怯えきっていた。真実が明るみになればどんな非難を受けるか―――。
 想像するのも恐ろしく、ただやっていませんとばかり繰り返す。
 エイミィは可哀想になって、『冗談だよ〜』と言いたくなったが、ぐっと堪えて厳しい顔を崩さない。

「……なら、本当にいけない遊びをしていないか確かめてみようかな?」

 ―――さあ、悪戯の続きだ。期待に胸を高鳴らせ、エイミィは無情の宣告を下した。
323いけない遊びをしませんか? 3:2009/02/13(金) 23:08:00 ID:xmd3v1vD
 ニンジンに、ナスにキュウリにキャベツにプチトマト。
 これからサラダでも作ろうとでも言うかのように、色とりどりの野菜がリビングのテーブルに並んでいる。
 
「ね、ねぇ、お姉ちゃん、これで本当に、……その、いけない遊びをしていないかチェックをするの?」

 不安げな瞳で尋ねるなのはは、スカートとパンツを脱がされてソファに横たわっている。
 エプロンで辛うじて秘所は隠しているものの、その姿は文字通り俎上の鯉だ。
 美由希は、なのはの不安を吹き飛ばさんとするような、輝くような笑顔で答える。

「うん。いけない遊びをしてる女の子のお股にはね、細長い野菜が入っちゃうんだって!
 ふふふ、さあ、なのはの可愛いつるつるお股には、どんなお野菜が丁度いいかな〜〜♪」
 
 喜々として野菜を吟味する美由希の姿は、改造手術を目前にしたマッドサイエンティストといったところか。
 大根からパセリまで、明らかに不要と思われる野菜まで幅広く取り揃えているのは、美由希の個人的な趣向である。
 なのはは大量の野菜の山を見て、一体どれが自分の中に挿入されるのか恐々としている。

「よ〜し、キュウリさん、君に決めたっ☆」

 美由希が高らかに掲げたのは一本の細いキュウリ。確かに丁度いいサイズだろう。
 ―――何しろ、『太さはユーノ君のと同じくらいかな?』となのはが内心ドキリとした程だ。
 
「さあ、なのは、チェックを始めるよ〜〜」

 眼鏡をキラリと輝かせ、右手でキュウリを玩びながら美由希はなのはに覆い被さった。 
 エプロンを捲り上げると、なのはのつるりとした幼い秘所が顔を出す。
 美由希は鼠径部を掴んで優しく腿を開き、なのはの中心を観察するかのようにしげしげと眺めた。

「ぁぅ……その、恥ずかしいよ、お姉ちゃん……」
「うわぁ、か〜わいい♪ 形もいいし凄くきれい! お姉ちゃん100点満点上げちゃうよ!」

 なのは頬を紅潮させて気まずげに横を向いたが、美由希はそれに構わずテンションを加速させていく。
 もう待てないとばかりに、キュウリをなのはのそこに押し当て、消しゴムのようにごしごしと擦りつけた。
 なのはは動かない。羞恥に顔を染めながらも、毅然として己の潔白を証明しようとしている。

「それじゃあなのは―――チェックを始めるよ」

 美由希は横向けていたキュウリを立てて、ゆっくりとなのはに挿入しようとした。
 ―――だが、入らない。
 キュウリが折れてしまわない程度だが、それなりの力で押し込んでいるのに、入り口は固く閉ざされ異物の侵入を禁じている。
 美由希はなのはの表情を見やった。―――なのはは、奥歯を食いしばり耳まで赤く染めて震えている。
 ぎゅう、と内腿が震える程の力を括約筋に込め、なのはは耐えているのだ。
 美由希はふっ、と表情を緩めた。
 この子はいつもそうだ。普段はほんわかとしているようでも、誰かの為には力を出すことを惜しまない。
 芯が強く、優しい子なのだ。
 ―――だからと言って、悪戯の手を抜いたりはしないけど。

「あれ? なのは顔が真っ赤だよ? どうしたの風邪でもひいちゃったのかな?」

 こつり、なのはの額に己の額をあてて、美由希は首を捻る。

「う〜ん、ちょっぴりお熱があるみたいだね。
 あ、そうだなのは! 熱を下げるためにはこれがいいらしいよ!」

 美由希は滑らかな手つきで、左手でなのはの後ろの穴に長ネギの茎を差し込んだ。

「っ!!??」

 なのはが声にならない悲鳴を上げる。一瞬の気の緩み。
 その間隙を縫って美由希の右手が疾り、つぷり、となのはの秘所にキュウリが沈み込んだ。
324いけない遊びをしませんか? 4:2009/02/13(金) 23:09:09 ID:xmd3v1vD
 130を幾らか越えた目盛りの下で、美しい金髪が震えている。
 脱衣場の身長台を使い、フェイトは両手をバスタオルで柔らかく縛り上げられていた。

「あの、エイミイさん、こんな格好で本当に、その……いけない遊びをしているか調べるんですか」

 瞳を揺らしながら、おずおずとフェイトは尋ねた。
 また水気を含んだ長髪が胸や腹部に貼りつき、独特の色香を匂わせている。
 エイミィはにっこり笑って小さな器具を取り出した。どこにでもある、電動マッサージ器だ。

「そうだよ〜。ほら、腕をよく使う人は肩が凝ったり、よく屈む人は腰が凝ったりするでしょ?
 いけない遊びをする子は、お股が凝っちゃうんだって? フェイトちゃんは勿論大丈夫だよね〜?」

 エイミィのスイッチオンと共に、マッサージ器がヴヴヴヴヴと音を立てて震えた。
 またローターやバイブの存在を知らぬフェイトだったが、それが己の性感を引き出すものだと直感的に気付いた。
 フェイトは怖気に、ぶるりと腰を震わせた。

「じゃあフェイトちゃん、準備はいいかな?」
 
 エイミィの瞳を直視し、フェイトは逃げたくて堪らなくなった。
 ……それは、一人でするときに『こんなものがあればなあ』と夢想していた器具にそっくりなのだ。

「いくよ〜、スイッチ、オン!」

 掛け声と共に、マッサージ器が蠕動を開始する。エイミィはフェイトの足元に跪き、その内側を覗き込んだ。
 ぺたりとした胸と下腹部を隠すかのように、濡れた髪が淡く広がっている。
 エイミィはそれをかき分け、二本の指でそっと開く。

「あの、あの……恥ずかしいから、余り見ないで下さい……」
「あれれ、濡れてるね〜。凝りが解れたら濡れてきちゃうそうだけど、これはきっとお風呂上りだからだよね?」
 
 フェイトは青ざめた顔でこくこくと幾度も頷いた。エイミィはその怯える仕草に嗜虐心をそそられていく。
 小刻みに振動するマッサージ器を触れるか触れないかという距離で、緩慢にフェイトに秘所に擦り付ける。
 ぅぅぅ、とか細い声を上げて、フェイトがそれから逃れようと、立ったまま腰を揺らす。
 
「それではフェイトちゃん―――本格的に始めるよ」

 エイミィはマッサージ器の目盛りを「弱」から「中」へと上げる。
 ―――効果は劇的だった。
 フェイトはいやいやをするように首を振り、瞳を涙で潤ませた。んっ、んっ、と途切れがちに熱い息が唇から零れる。
 エイミィはフェイトの表情を見つめた。―――フェイトは怯えと快楽の混じった自分の感覚に戸惑っているようだった。
 爪先立ちの姿勢になって振動から逃れながらも、大きな波が押し寄せる度に体を震わせる。
 エイミイは意地悪な笑みを浮かべた。
 この子はずっとそうだ。凛としているようで、何かをを失ったり、叱られたりすることに極端に怯える。
 怖がりで、小心者の子なのだ。
 ―――だからこそ、悪戯のし甲斐があるというものだ。

「ねえフェイトちゃん、お股の凝りがほぐれたら凄く気持ちイイらしいけど、まさか気持ち良くなったりしてないよね?」

 真綿で首を絞めるように、じわじわと強くマッサージ器を押しつけていく」

「凝りがほぐれて気持ち良くなっちゃうと、お股から涎が垂れちゃうらしいけど―――。
 まさか、フェイトちゃんはそんないやらしい子じゃない筈だよね?」

 ぐり、とマッサージ器でフェイトの核を擦り上げる。

「―――ぁぁっ、んんっ……」

 果たしてフェイトの口から零れたのは、紛れもない嬌声だった。
 つぅ、と一筋、マッサージ器を水とは明らかに異なる粘液が流れ落ちた。
325いけない遊びをしませんか? 5:2009/02/13(金) 23:10:10 ID:xmd3v1vD
「あれあれ〜 キュウリが入っちゃった! おかしいなぁ、なのははいけない遊びはしてない筈なのに、どうして入っちゃったんだろうね?」

 頬に人差し指を当て、美由希はわざとらしく首を捻り、むむむ、と眉を寄せて思案して、ぽんと手を叩いた。

「きっとこれは何かの間違いだよね! ね! なのは!」
「ぅ……うん、そうだよ、きっと何かの間違いだよ……」
「それじゃあ、もう一度試してみようね! そしたらきっと間違いだったって判るよ!」

 緩やかだが力を籠めて上の内壁を擦りながらゆっくりとキュウリを引き抜き、抜ける寸前で再び素早く挿入した。

「おっかしいな〜? また入っちゃったよ? 今度こそ間違いだって判るかな〜」

 美由希は幾度も、キュウリを引き抜いて抜ける寸前に再挿入を繰り返す。
 やがてそれは速度を増し、情交のような抽送へと変化していく。
 後ろの穴に差し込んだ長ネギを、ゲームのコントローラースティックのようにぐりぐり回すと、なのはの口から押し殺した声が漏れた。

「どうしてなのかな? 試す度に入り易くなっていくよ〜? これは変だね〜」

 抜き挿しを繰り返されるうちに、キュウリにはべっとりと白濁した液体が絡みついていた。
 美由希は長ネギを弄り、キュウリで抽送を行いながら、そのキュウリごとなのはの秘所を舐め上げた。
 
「ふふっ! なのはのお豆さん可愛い〜 キュウリとおネギとお豆さんで、どんな料理が出来るのかな〜♪」

 美由希は丹念に執拗になのはを責め続け、なのはは、助けを求めるように幼い手足をばたつかせる。

「お姉ちゃん、やめっ、もうやっ、やっ、あっあっあっ―――」

 慈悲深い笑みを浮かべ、美由希はなのはの髪を撫でてもう一度尋ねた。

「なのはは本当に、いけない遊びはしてないんだよね?」
「……うん、してなっ、してないから、もうやめっ……」
「変だねぇ? じゃあ、お父さんとお母さんに相談してみようかな?
『なのははいけない遊びをしてない筈なのに、お股にキュウリが入っちゃいました』って」
「……!?」

 美由希は唇に指を当て、流し目でなのはを見つめた。
 なのはの肩から力が抜ける。顔を耳まで赤く染めたなのはは、すん、と鼻をすすって美由希に頭を下げた。

「嘘ついてごめんなさい、お姉ちゃん。お姉ちゃんの言う通り、ユーノ君といけない遊びをしてました。
 ごめんなさい、お願いだから、お父さんとお母さんには言わないで、ユーノ君を怒らないであげて!」
 
 美由希はしょんぼりと項垂れたなのはを見つめていたが、普段どおりの優しい姉としての笑みを浮かべ、頭を撫でた。

「ちゃんとごめんなさい、って謝れるなのは、やっぱりいい子だね。うん。お父さん達には内緒にしててあげる。
 でも―――嘘ついたことに対しては、ちゃんとお仕置きをしないとねっ♪」

 ちゅっ、と美由希はなのはの核に吸い付いて、キュウリと長ネギの抽送を再開した。
 
「そんな、お姉ちゃ―――」

 声を上げるなのはの口を塞ぎ、緩急織り交ぜた自由自在の動きで、なのは中を蹂躪する。
 なのはは逃れようともがくが、体格が違いすぎて美由希の拘束から逃れられない。
 美由希はなのはの口を塞いだ掌に、熱いなのはの喘ぎを感じていた。
 なのはの抵抗は次第に弱まっていき、―――大きく全身を痙攣させ、ぐったりとその全身を脱力させた。
 美由希が口を塞いだ掌を外すと、半開きになった口からつぅと涎が垂れ落ちた。
 それをハンカチで拭うと、美由希はなのはに囁いた。

「ユーノ君といけない遊びをする時は、今度からはお姉ちゃんも一緒に混ぜてね。また気持ちよくさせてあげるから。
 ―――はぁ、体動かしたからお腹空いちゃった。
 なのはもお腹空いたでしょ? 待ってて、フルーチェ作ってあげるから♪」
326いけない遊びをしませんか? 6:2009/02/13(金) 23:11:17 ID:xmd3v1vD
「おやおや〜 お股の凝りがほぐれた訳でもないのに、何だか気持ち良さそうな顔をしてるね〜 フェイトちゃん」

 エイミィはきょとんと首を傾げ、目をぎゅっと瞑って小さく震えるフェイトの顔を覗き込む。

「でも、フェイトちゃんが嘘つく訳ないよね。マッサージ器に付いたおツユも、きっとシャワーの拭きの残しだよね!」
「そ、そうです! きっとそうですよ!」
「もー、駄目だよフェイトちゃん、お風呂から出たら体はちゃんと拭かないと、風邪ひいちゃうよ!」

 垂れ落ちた粘液を潤滑油にして、ぬるぬるとマッサージ器をフェイトの秘所に滑らせる。

「でも変だね〜? フェイトちゃんのお股から、何だかいやらしいお汁がどんどん出てきて止まらないよ〜?」

 エイミィはべとべとに汚れたマッサージ器を見せ付けるように、フェイトの鼻先に突きつける。
 ひっ、と小さな悲鳴を上げてフェイトは思わず目を伏せた。
 蠕動するマッサージ器を再び秘所に当てがい、溢れた粘液を後ろに塗りこみながらエイミィは尚も問いかける。
 
「一体どうなってるのかな? お股の凝りがほぐれて気持ち良くならないと、こんなにいけないお汁は出ない筈なのにね?」

 薄紅色の突起に下を這わせながら、エイミィは上目遣いでフェイトを見つめる。
 小鳥が囀るような短い喘ぎを上げながら、フェイトはふるふると首を振った。

「こうなったらとことん調べないといけないね〜 ほら、フェイトちゃんのお股、気持ち良さそうにひくひく動いてる♪」

 二人だけの脱衣室に響くのは、低いマッサージ器の唸り声と粘り毛のある水音、そしてフェイトの吐息だけだ。

「……ぉ願いひます、エイミィさん、もう勘弁してくらさい……」

 嗜虐的な笑みを浮かべて、エイミィはフェイトの髪を手櫛で梳りながら問うた。

「フェイトちゃんは本当に、いけない遊びはしてないのかな? ん〜?」
「……それは、あの、その……」
「おっかしいなぁ? それじゃあ、リンディさんに聞いてみようか!
『フェイトちゃんはいけない遊びをしてないと言ってますが、お股はもうこんなになっちゃってます』って」
「―――あ」
 
 エイミィは瞳を輝かせてフェイトの返答を待った。
 フェイトは半泣きになり、ぺこぺこと頭を下げてエイミィに懇願した。

「ごめんなさいぃ、エイミィさん。私はHな子です。本当はクロノといけない遊びをするのが大好きでした。
 本当にごめんなさいぃ、謝ります! だからどうか、リンディ母さんには言わないで下さいぃ」

 涙を浮かべるフェイトに、ちょっぴり悪戯が過ぎたかな、とエイミィは頭を掻く。

「よしよし、大丈夫だよ、フェイトちゃん。この事はリンディさんには黙っといてあげるから。
 それはそれとして―――まだお股の凝りは、全部ほぐれてないよね?」

 エイミィは目を細めて、出力を『大』に設定したマッサージ器をフェイトの股間に押し当てた。

「〜〜〜っ!? んぁっ、駄目ですそんな―――」

 今度こそ容赦ない振動が、フェイトの中心を脳天に向かって突き上げる。
 首を振り、髪を振り乱してよがるフェイトは、はしたない声を漏らすまいと懸命に自身の髪を噛んだ。
 エイミィは慈悲なく容赦なく、バレエのように爪先立ちになって逃れようとするフェイトを追い詰める。
 抵抗も長くは続かなかった―――フェイトは震えながら背筋を大きくのけぞらせ、膝から崩れ落ちた。
 エイミィは、それを優しく抱きとめて手首の戒めを解いた。
 美しい瞳に浮かんだ涙を拭いつつ、フェイトの耳元で囁く。

「今度から、クロノ君といけない遊びをする時はあたしも一緒だよ。すっごいこと、沢山教えてあげるから。
 ―――ふぅ、随分汗かいちゃったね。フェイトちゃんのお股もびしょびしょだし。
 ねっ、二人でもう一回シャワー浴びよっか? 体流しっこしようよ♪」
327いけない遊びをしませんか? 7:2009/02/13(金) 23:12:19 ID:xmd3v1vD
 闇の書事件も無事終結して数ヶ月。クロノにもようやく暇な時間ができ始めた頃の事だ。

『まよなっかっのあ〜お〜に溶〜けて〜 流れってっくな〜み〜だ〜の粒」

 見るからに資産家の別荘といった英国風の建物、似つかわしく無い大衆歌謡が流れている。
 瀟洒なテーブルで上品にアフタヌーンティーを楽しむのは、落ち着いた初老の英国紳士だ。
 クロノは、この葉は一体幾らするのだろう、などと考えながらその相伴に預かっていた。
 前回の事件の事後報告にグレアムの元を訪れたのだが、どうにも落ち着かない。

「〜〜〜♪ 〜〜〜〜♪」

 静寂を台無しにする調子外れの鼻歌が、どこからともなく聞こえてくる。
 きっとあの双子だろう。あるときは美しい女性の姿、ある時はグレアムの膝の上でとぐろを巻く高級猫。
 だが驚くなかれ、その正体はグレアムと歴戦を共にした戦闘型の使い魔なのだ。
 幼い頃さんざんしごかれたトラウマからか、クロノは今もあの二人に苦手意識を持っている。
 グレアムはティーカップを下ろし、穏やかな口調で問うた。

「クロノ、君の妹となったフェイト君と仲はどうだね?」
「は……フェイトとの仲ですか? 良好です。
 彼女の魔導師としての訓練も、社会復帰も共に順調です」
「成る程。だが君とフェイト君はもう兄妹なのだ。仕事だけの間柄ではいかんぞ。
 きちんと、兄妹としてのコミュニケーションはとれているのかな?」
「はい、そちらも問題ありません。最近では共に余暇を過ごすこともあり―――。
 その、一般的な兄妹として仲を深めています」

 クロノらしい誠実で真面目な回答。
 だが、グレアムは長年の勘でそこに不穏なものを感じ取った。

「……なあ、クロノ。もしや、フェイト君といけない遊びをしてはおらんだろうね」
「―――んなっ!?」
 隠し事の苦手なクロノの、判り易い動揺。

「そ、その、おっしゃられる事が自分には判りかねます……いけない遊びとはどのような遊びのことでしょうか?」

 冷や汗を垂らし、どう取り繕おうか必死になっているクロノの姿に、グレアムは笑みを押し殺した。
 ―――これは、中々面白い。
 別段、彼らの兄妹関係を咎める気はないが、かつてのクライドを見ているようで悪戯心をくすぐられた。
 グレアムは、かつての歴戦をしのばせる鋭い眼光でクロノを見据えた。
 安楽椅子に腰掛け猫達の背を撫でる、今の好々爺のようなグレアムからは想像もつかない視線だ。
 額から行く筋も汗を垂らしながら、クロノが唾を飲む。

「クロノ、正直に答えてくれ。私は君を立派な男だと信用している。
 まさか、君が妹といけない遊びをするような軽薄な男だとは思いたくが―――確認として聞いておきたい」

 かつて無い窮地に、クロノの睾丸は縮み上がった。
 背徳感もあったが、青い衝動に任せて嵌り込んだ関係だった。
 それが、こんな場所で、この件について、こんなに厳しい追求を受けるとは思っていなかったのだ。
 さあ、どう答える? グレアムは長年培った顔芸でクロノを厳しく追求する。
 クロノは、冷や汗を垂らしながらゆっくりと述べた。

「していません。―――おっしゃられるような後ろめたいことは何も。
 自分と妹は、健全で適切な兄弟関係を築いています」

 何よりも、妹に手を出した鬼畜兄というレッテルが貼られる事が我慢できなかったのだ。
 クロノは、誠実第一で過ごしてきた人生で、ここに最大の嘘をついた。
 グレアムは、クロノの青いプライドに、男としての成長の兆しを感じとっていた。

「……それでは、本当にいけない遊びをしていないか、確認しても構わんのだね?」
 
 ―――では、悪戯の続きだ。グレアムは直立不動で硬直するクロノのベルトにゆっくりと手をかけた。
328名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:13:13 ID:xmd3v1vD
 以上です。
 本当はなのはパートだけの予定でしたが、改変コピペのような感じでフェイト版も書いてしまいました。
 お待たせしました、次回こそ、外道眼鏡ズの再開です。
329名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:19:47 ID:kBBy1jAP
>>328
美由紀が活き活きしててスレの初期に戻ったかのような錯覚を受けたぜ
何より、フェイトだ。ロリフェイトGJ!
330名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:53:50 ID:wLx8VRkm
GJですロリフェイト可愛いよロリフェイト

クロノとグレアムなんて新境地を体験するとは思っても見なかったぜ!!
331B・A:2009/02/14(土) 00:28:12 ID:ZJ4L3bPb
>>328
GJ、なんだかロリ分久し振り。
可愛いなぁ、ロリフェイト。



さて、またも非エロで申し訳ありませんが、バレンタイン1発目いかせてもらいたいと思います。
明日は忙しいから今のうちに。

注意事項
・非エロ
・バレンタインSS
・ユーなの、クロフェ、はやゲン、エリキャロルー、スバイクス、ヴァイティア、スカウー
・オムニバス
・時間軸はJS事件後、ラストだけJS事件前。
・何故か起きているイクス(理由? そんなものはない)
・聖王教会関係は捏造しました
・タイトル「Valentine Strikes」
332Valentine Strikes@:2009/02/14(土) 00:29:15 ID:ZJ4L3bPb
バレンタインという習慣を、皆はご存知だろうか。
ミッドチルダから遥か離れた地球で催されている行事であり、男女が意中の相手に思いを告白する記念日のことである。
元々は宗教的な祝日であったらしいが、時代とともに愛を告白するという習慣が独り歩きを始め、
いつしか恋人に贈り物を送って思いを伝える日となった。なお、女性が男性にチョコレートを贈るという習慣は日本独自のものであり、
基本的には送り手は男女に限定されておらず、贈り物もクッキーやカード、花束などバラエティに富んでいる。
無論、ミッドチルダにはバレンタインという習慣は存在しないが、地球出身者を通じてバレンタインの存在を知った一部の女性達は、
そのロマンティックな習わしに心をときめかせ、友人達に広めて回っているという。
どんな世界でも、女性にとって特別な一日というものは存在するのである。





そわそわと落ち着きのない娘に苦笑しながら、なのはは冷蔵庫から銀色のトレイを取り出した。
トレイの上に置かれているのはハートの型に流し込まれたチョコレートだ。
昨日の夜から、親娘2人でこっそりと作っていたものである。

「ねぇ、固まっている? ヴィヴィオのチョコ、ちゃんとできている?」

「うん、ちゃんと固まっているよ」

表面の確かな固さを確認し、なのはは期待に胸を踊らせているヴィヴィオに笑みを見せる。
初めてのチョコレート作りに、ヴィヴィオのテンションは昨日の夜から昇り調子だった。
興奮の余りほとんど寝ていないにも関わらず、今朝からずっとはしゃいでいるのだ。

「早く、早く飾り付けしよう」

「待って、型から抜くのが一番難しいんだから」

苦笑しながらも、なのはは慣れた手つきでチョコレートを型から取り出していく。
パティシエの母に付き合って、子どもの頃からお菓子を作っていた腕前は今でも健在だ。

「はい、それじゃあ、ヴィヴィオの好きに描いて良いよ」

デコレーション用のチョコレートソースを手渡し、型から抜いたチョコレートをヴィヴィオの前に差し出す。
さながら、キャンパスを前にした画伯といったところだろうか。

「えっと、うーんと……………『だいすきな、ゆーのパパへ』…………はい、ママ」

「ありがとう。それじゃあ、『ユーノくん、LOVE』と」

「えへへ…………」

「こら、今笑ったでしょ」

頬を膨らませながら額を小突くと、お返しだと言わんばかりにヴィヴィオもほっぺをつつくいてくる。
その後もそんな風にじゃれあいながらチョコレートを飾り付けていき、
用意しておいた箱にいれて可愛らしいリボンと包装紙でラッピングを施していった。

「よし、これで完成っと。ヴィヴィオ、パパを呼んできて」

「はーい」

元気良く返事を返し、ヴィヴィオはキッチンから飛び出した。
そして、書斎で論文の執筆に煮詰まっていたユーノを半ば無理やり引っ張ってくる。
333Valentine StrikesA:2009/02/14(土) 00:30:05 ID:ZJ4L3bPb
「パーパ、はやくぅ」

「ま、待って。腕が痛い…………」

「ママ、パパ連れて来たよぉ」

「ご苦労様、ヴィヴィオ」

駆け寄ってきたヴィヴィオの頭を撫で、ラッピングしたばかりのチョコレートを手渡す。
ヴィヴィオはそれを大事そうに両手で掴むと、未だ混乱したままのユーノに満面の笑みを添えて差し出した。

「はい、“ばてんたいんちょこ”だよ」

「ばてんたいん? ああ、バレンタインか。」

「うん、“ばてんたいん”。ヴィヴィオとママで作ったんだよ。偉い?」

「うん、偉いね。料理上手な娘を持てて、パパは鼻が高いよ」

「えっへん」

慎ましい胸を持ち上げ、ヴィヴィオは満足げに微笑む。
実際は、なのはと一緒に鍋の取っ手を掴んで型に流し込んだだけなのだが、娘の名誉のためになのははそれを黙っておくことにした。

(あんなに嬉しそうに笑っていると、ね)

一緒に作ることを提案して、本当に良かった。

「なのは、ヴィヴィオ、ありがとう」

「どういたしまして、ユーノくん」

「ママ、来年も“ばてんたいん”作ろうね」

喜色満面の娘の頭を撫でながら、なのはは頷く。来年は、もっと手間のかかるチョコレートプリンに挑戦するのも良いかもしれない。





1日の業務を終えたフェイトは、手早く帰り支度を済ませると、手鏡を取り出して身だしなみに不備などないか確認する。
化粧良し。
ヘアー良し。
制服に乱れなし。
口臭確認。
スマイル5回。

「シャーリー、後はよろしく」

上官の異様な行動に呆気に取られているシャーリーを残し、フェイトは執務室を後にする。
努めて冷静を装っているが、心臓は破裂しそうなくらい脈打っていた。
握った手にはじんわりと汗が滲みだしている。
チョコレートを渡す、ただこれだけのことでこんなにも緊張しているなんて。

(大丈夫、落ち着いて…………うん)

目指していた部屋の前で自分に言い聞かせ、インターホンへと手を伸ばす。
瞬間、前触れもなく扉が開き、部屋から出てきた黒髪の青年とぶつかってしまう。
334Valentine StrikesB:2009/02/14(土) 00:30:45 ID:ZJ4L3bPb
「きゃっ!?」

「………フェイト?」

「ク、クロノ!? ご、ごめん…………」

「いや、僕も前を見ていなかった。ところで、何か用かい?」

「その、えっと………これ!」

顔を真っ赤に染めながら、フェイトは隠し持っていたチョコレートを義兄に手渡す。
少ない空き時間をやりくりして作った手製のチョコだ。この日のために、
料理本を読み漁ったりなのはからレシピを教わったりと苦心した自信作である。

「僕に?」

「お、覚えていないと思うけど……今日は、2月14日だから………」

「ああ、バレンタインか。そういえば、エイミィが渡すものがあるから早く帰ってこいって言ってたな」

クロノが義姉の名前を口にすると、胸を締め付けられたかのような痛みを覚えた。
きっと、エイミィもチョコレートを作っているのだろう。愛する夫に渡すために。

(馬鹿みたいだ)

義姉を出し抜いたつもりでいた自分が、酷く滑稽に思えてならなかった。
こんなことをしても、クロノが自分に振り向いてくれることなどないというのに。

「フェイト、どうかした?」

「ううん、何でもない」

陰りに気づかれたくなくて、クロノから視線を逸らす。
彼の隣にいるのが、何だかとても場違いな気がしてならない。
思わず、逃げだしてしまいたい衝動に駆られてしまう。
そんな風に後ろ向きになっていたフェイトを、クロノの言葉が優しく包み込んだ。

「ありがとう」

「え?」

「チョコレート、ありがとう」

頬を赤くして恥ずかしそうに鼻の頭を掻きながら、どこか素っ気なくて無愛想だけれど、
彼なりの精一杯の感謝の気持ちが込められた言葉だった。
そのはにかむような笑顔が自分だけに向けられているのだと思うと、
陰鬱だった気持ちが少しだけ晴れたような気がした。

「どういたしまして、兄さん」

だから、今はこれだけで良い。

「それじゃ、帰ろうか」

「うん」

歩きだしたクロノの腕に、自分の腕を絡める。
まるで恋人同士のように、いつも夢に思い描いていたように、肩を寄せて体重を彼に預ける。
335Valentine StrikesC:2009/02/14(土) 00:31:17 ID:ZJ4L3bPb
「フェイト!?」

「良いでしょう、今日くらい」

「まったく、いくつになっても兄離れできないな、君は」

苦笑しながらも、クロノは腕を振り解こうとはしなかった。
とてもわかり辛い、不器用な彼の優しさに頬が緩む。
今は、これだけ良い。
この瞬間だけ、彼を独り占めにできるのなら。





その日、八神はやては飲んだくれていた。
飲めぬ酒を何杯もコップに注ぎ、茹で蛸のように顔を真っ赤にしながらテーブルの上に突っ伏して呪文のような呻きを漏らす。
その姿は、とても二十歳そこそこの娘とは思えない。

「ゲンヤさんの…………ばかぁ……………」

傍らに鎮座している箱を見つめながら、はやては呟く。
箱の中身は腕によりをかけて作ったチョコレートケーキだ。
しかし、それを受け取ってくれる人物はここにはいない。
彼女の恋人、ゲンヤ・ナカジマは急な仕事が入ったとかで、今夜のデートをキャンセルしてきたのだ。

「そりゃ、ミッドにバレンタインの習慣はないけど…………ないけど…………ううぅ………ゲンヤさぁん……………」

最早、手の施しようがないくらいはやては酔っ払っていた。
そして、こういう時に限ってヴォルケンリッターは全員が出払っており、彼女の晩酌に付き合ってくれる者はいない。
いつもはやてと一緒に行動をしているリインはお子様なのでとっくに夢の世界である。

「ううぅ………ゲンヤさん、仕事と私とどっちが大事なんですか…ぐぅ…………ううあぅ…………
やっぱ、ゲンヤさんにとって私は娘みたいなものなんやろうか…………いやぁ、それはいやぁぁぁっ!!」

コップに注ぐのがもどかしくなり、一升瓶のまま酒を仰ぐ。
喉を嚥下する焼けるような感覚が、一時だけ寂しさを紛らわせてくれた。
その時、ハンドバックの中の携帯電話が着信を告げた。

「もしもーし、やがみはやてですがぁ…………」

酔いが酷くて呂律が回らないが、はやては構わず電話に出た。そして、すぐにそれを後悔した。

『おう、俺だ』

「ゲンヤさん!?」

『今日は悪かったな。何とか時間作ったからよ、今から会えねぇか?』

「いいい今からですか?」

『ああ。デートすっぽかしたお詫びに、何か奢らせてくれや』

「すすすすぐに行きます! 待ち合わせは、いつものところで?」

『おう、後でな』

通話が切れると、はやては弾かれたように立ち上がり、ハンドバックとプレゼント用のケーキを手に取った。
足下はかなり覚束ないが、そこは気合いとゲンヤへの愛でカバーである。
酔いは途中で缶コーヒーでも買って醒ますしかない。
336Valentine StrikesD:2009/02/14(土) 00:31:52 ID:ZJ4L3bPb
「今日が終わるまで、後30分。間に合ってや」

飲んでいた一升瓶をしまうのも忘れ、家を飛び出してタクシーを拾う。
彼女がどんな夜を過ごしたのかは、当人達だけの秘密である。





久しぶりに親友であるルーテシアのもとを訪れたキャロは、
エリオへプレゼントするためのクッキーを一緒に作らないかと彼女に持ちかけた。
唐突な申し出に、ルーテシアは首を捻ったが、キャロがバレンタインという行事を
大雑把に説明すると、快く了承してくれた。
こうして、2人の初めての共同作業が開始されたのである。

「ルーちゃんは、お料理はするの?」

「うん。最近は、よく作るかな」

「わたしはあんまりしたことないんだぁ」

「大丈夫、そんなに難しくないから。わからないところは、私が教える」

「うん、お願いね。エリオくんに美味しいクッキーを食べさせてあげよう」

心強い味方を得たことに、キャロは安堵する。
その後、小麦粉を引っくり返したりオーブンの温度を間違えたりといったハプニングはあったものの、
何とかクッキーを完成させることができた2人は、キャロが持参した包みでラッピングを施していく。

「あれ、それは?」

ルーテシアがクッキーを2組に分けていることに気づいたキャロは、不思議そうに首を傾げた。
自分が知る限り、ルーテシアにエリオ以外の男の友達はいなかったはずだ。母親にだろうか。

「これは、ガリューの分」

「ガリューの?」

「いつも一緒にいてくれて、ありがとうって」

「そっか…………それじゃ」

リボンを解いて中のクッキーを半分に分け、ルーテシアと同じように別の包みで包んでいく。

「これは、フリードの分ね」

「喜ぶと思うよ、きっと」

「うん」

笑みを返し、包み終えたクッキーを掴んでリビングへと向かう。
キッチンからの締め出しを受けたエリオが、フリードやガリューと共に待っているはずだ。
337Valentine StrikesE:2009/02/14(土) 00:32:32 ID:ZJ4L3bPb
「エリオくん、お待たせ」

「待たせてごめんね、エリオ、ガリュー」

今はまだ、友達としての感謝の気持ち。
それがずっと続くのか、異性としての愛情に変わってしまうのかは、誰にもわからない。





冥王陛下が呼んでいる。
出勤早々、スバルのデスクにやって来たヴォルツは、不機嫌そうに聖王教会からの伝言を伝え、煙草のフィルターを噛み千切った。

「そういうことだから、今日は休め」

「はい?」

「上からのお達しだよ。大至急、教会に顔を見せろってな」

「けど、昨日の火災の報告書を書かないといけませんし、午後からは幼稚園で防災訓練が……………」

「なら、昼から来い。まったく、何が教会の機嫌を損ねる訳にはいかないだ。こっちの都合を無視しやがって」

「あの、司令?」

「うるせぇ、とっとと行ってこい!」

「は、はいぃ」

背中を蹴飛ばされたかのような調子でオフィスを追い出されたスバルは、何故か表で待っていた車に無理やり詰め込まれ、
ベルカ自治領にある聖王教会へと連れてこられた。気分はすっかり、売りに出された子牛である。

《歌いましょうか?》

「止めて、虚しくなる」

ちなみに、冥王と聖王の友人ということで、スバルはVIP待遇でもてなされていた。
案内された庭園は一般開放されていない特別な場所で、出されたお茶も最高級品らしい。
待っている間、お抱えの楽団による演奏は如何ですかと聞かれた時は、丁寧にお断りさせてもらった。
そうして、微妙な居心地の悪さを味わいながら待つこと40分。ようやく現れた冥王陛下は、
何故か白と紺のエプロンドレスを着用しており、顔中が粉塗れになっていた。

「スバル!」

「イクス」

振り向き様に、抱きついてきたイクスを受け止める。
普段の彼女はどちらかというと大人しい性格なのだが、今日は何だかご機嫌のようだ。
心なしか、表情もニヤケている。
338Valentine StrikesF:2009/02/14(土) 00:33:16 ID:ZJ4L3bPb
「会いたかった、スバル」

「先週、会ったばかりじゃないですか」

「今日まで会えませんでした」

「はいはい、寂しがり屋さんですね、イクスは」

「もう、子ども扱いしないでください。私の方がお姉ちゃんなんですよ」

「それは失礼しました、陛下」

「陛下は禁止です」

「はいはい」

頬を膨らまるイクスを宥めながら、スバルは居住まいを正させる。
そして、柔らかい髪の毛ん撫でながら、気になっていたことを問いただした。

「それで、どうしてエプロンドレスなんて着ているんですか?」

「お料理をしていたんです。ヴィヴィオから聞いたのですが、今日は“ばてんたいん”といって、
“チキュウ”という世界では、大好きな人にお菓子を送る日なんだそうです。
だから、スバルにホットケーキを食べてもらおうと思いまして」

(ああ、バレンタインか)

発音の間違いは、恐らく情報源がヴィヴィオだからだろう。年の割に舌っ足らずが抜けておらず、
“スパゲッティ”を“スパゲットゥ”と言い間違えてしまうこともあるらしい。

「この小間使いの衣装は、服が汚れないようにシスターが用意してくれたものなんです。似合っていますか?」

そう言って、イクスが一回転すると、長めのスカートがふわりと浮かび上がった。
言葉にすると本人は機嫌を損ねるだろうが、小さな人形のようでとても可愛らしい。

「似合ってますよ。イクスが作っているんですか?」

「はい。でも、スバルのお仕事がお休みで良かった。ひょっとしたら来てくれないかもって不安だったんです」

「はい?」

微笑を浮かべながら話すイクスの言い回しが気になり、スバルは聞き返した。
ひょっとして、イクスは教会が災害救助隊に圧力をかけてきたことを知らないのだろうか。

「昨日の夜、教皇のおじさまに相談したんです。スバルをお茶会に招待したいので、
管理局にご予定を伺ってもらえますかって。そしたら、何も気にせずご準備をしていてくださいと仰って…………」

(最高権力者を動かしたのね)

古代ベルカの一勢力とはいえ、イクスは王族である。聖王ほどではないにしろ、教皇も無視できなかったのだろう。
と言うより、これは完全に教皇が暴走した結果なのではないだろうか。多分、イクスは特に何も考えずに
自分の予定を確認して欲しいと言っただけだろうに。
これで良いのか、聖王教会。
339Valentine StrikesG:2009/02/14(土) 00:34:28 ID:ZJ4L3bPb
「スバル、どうかしました?」

「いいえ、何でもありません」

「そうですか。それじゃ、ホットケーキが焼き上がるまでお話しましょう。
スバルにお話したいこと、たくさんあるんです」

「それは構いませんが、焼いているのなら見ていなくて良いんですか?」

「料理番の人が焼いてくれていますので、後は待つだけです」

「えっと…………イクスが焼いているんじゃないの?」

「火は危ないそうなので、私は粉を混ぜただけです。知ってました? 卵の黄身って最初は丸くてプルプルしているんですよ」

「は、はぁ………………」

さすが王様。世間知らずは筋金入りである。
まさか、生卵を見たことがなかったなんて。

「ところで招待されたのはあたしだけなのかな? ヴィヴィオや他のみんなは来ていないの?」

「はい、今日は大好きな人にお菓子をあげる日ですから、スバルだけをお呼びしました。だって、スバルは私の王子様ですから」

「えーっと、イクス?」

聞き間違いだろうか。今、彼女は自分のことを『王子様』と呼んでいたような。

「あれ? でも、スバルは王族じゃありませんから、魔法使い様になるのでしょうか?
私の魔法使い様……………何だか、ロマンティックな響きがしますね」

「イクスぅ、あたし達って、女の子同士なんだよぉ。アー・ユー・マイノリティ?」

微妙に変な方向にトリップし始めた親友に呼びかけるが、イクスは恍惚とした表情を浮かべたまま、
妄想のお花畑から戻ってこようとしない。
今年のバレンタインはいったいどうなってしまうのか、今から不安でならないスバルであった。





ティアナ・ランスターには、気になっている男性がいた。
その男の名はヴァイス・グランセニック。自分と同じガンナーであり、機動六課でお世話になった先輩だ。
だが、JS事件やその後始末のゴタゴタなどがあって、六課在籍時に告白することができず、
その後もきっかけを見いだせずズルズルと先輩後輩の関係を継続していた。
贔屓目を抜きにしても、ヴァイスは女性から人気がある。このままでは誰かに奪われるのではないのかと
危機感を覚えたティアナは、一念発起して彼に告白することにした。
決戦は2月14日。第97管理外世界ではバレンタインという告白大会が開かれる日らしい。
そのルールに則って、ティアナは自分の思いを書き綴ったメッセージカードを手製のチョコレートに添えて、
ヴァイスにプレゼントすることにした。
こういうこじ付けでもしない限り、行動に移せないのが彼女の魅力でもあり、弱みでもあった。
そうして、万全の準備を整えて本番を迎えた訳だが、目の前で繰り広げられている光景に、
遠路遙々ミッドチルダまでやって来たことを早くも後悔しつつあった。
340Valentine StrikesH:2009/02/14(土) 00:35:03 ID:ZJ4L3bPb
「ヴァイス陸曹長、これ受け取ってくださーい」

「ヴァイス先輩、バレンタインのチョコです」

「ヴァイスさーん、私のチョコも受け取ってぇっ!」

バレンタインという行事を知る者は、他にもたくさんいたらしい。
しかも、彼女達がプレゼントしているのは自分が熱い思いして作った手作りチョコレートなんかよりも
遙かにカラフルで上等そうな高級ブランドのチョコレートばかりだ。山のようなチョコを抱えたヴァイスを
取り囲んでいる女の子達も、みんな着飾っていてメイクもバッチリ決まっている。化粧っ気のない自分なんて、
勝負にもならないだろう。
自分だけが世界から浮いてしまっているかのような錯覚に、ティアナはとても惨めな気持ちになった。
ヴァイスは優しい人だ。このまま笑顔で出ていって、チョコを渡しても喜んで受け取ってくれるだろう。
他の大勢の女の子達に接するのと同じように。
あんなミーハーな連中と一緒にされるのは、我慢がならなかった。
お前達は、指に熱したチョコを零したことがあるのか? うっかり鍋を焦がしてしまったことは? 
型から抜く時に力を入れ過ぎて砕いてしまったことは? ラッピングに失敗して包装紙を破いてしまったことは? 
そんな伸び切った爪でが、包丁も握ったことがないのだろう。
自分とあの娘達とでは彼への思いの込め方が違うのだ。
そんな風に考えてしまっている自分がいることに自己嫌悪していると、こちらの存在に気づいたヴァイスが笑みを浮かべながら駆け寄って来た。

「ティアナじゃないか。珍しいな、こっちに来ているなんて」

「あっ…………」

咄嗟に、チョコを背中に隠してしまう。
緊張の余り、うまく言葉が出てこない。突き刺さるような女の子達の視線がとても痛く、
まっすぐ立っていることすら難しかった。

「ああ、こいつはバレンタインとかいう行事らしくてな、今日は女が男にチョコを上げる日なんだそうだ。
まあ、割と自信はあった方なんだが、まさかこんなに貰えるなんて……………」

「馬鹿ぁっ!!」

気づけば、チョコを投げつけて走り去っていた。
自分でも馬鹿なことをしてしまったと、後悔の念が過ぎる。
だが、あのまま嬉しそうに喋り続ける彼を見たくはなかった。
大切なものを自分の手で壊してしまったと、情けなさと自己嫌悪で胸が一杯になってくる。
その時、背中から彼の声が聞こえてきた。

「ちょっと待てよ、ティアナ」

「…………」

「この、待てって!」

腕を掴まれ、そのまま壁際に追い込まれてしまう。逃れたくても、彼の腕が邪魔をしていて逃げることができない。

「何で逃げるんだよ?」

「……あたしなんて放っておいてください。他にも綺麗な娘が、たくさんいるじゃないですか」

「あいつらとは何でもねぇよ。ただの後輩だ」

「けど、あんなに嬉しそうな顔をして……………」

「馬鹿野郎、好きでもねぇ女を追いかける訳ないだろ!」

その時、ティアナを包み込む世界から音が消えた。
341Valentine StrikesI:2009/02/14(土) 00:35:41 ID:ZJ4L3bPb
「先輩………今、なんて……………」

「………………」

「あたしのこと、ですよね……………」

「こいつは、お前のだろ」

こちらの問いには答えず、ヴァイスは先ほど投げつけたチョコの包みを解いて箱を開ける。
そして、歪な形に砕けたハート形のチョコを取り出すと、無造作に口に運んで見せた。

「…………甘いな」

「チョコ、ですから」

「でも、一番食いたかった味だ」

頬を真っ赤に染めながら、ヴァイスはジッとこちらを見つめてくる。
今しかないと、頭の中で誰かが囁いた。
今なら、どんな言葉でも口にできると。

「先輩、あたし……………………」





研究室を訪れると、ドクターはいつものように図面や集計したデータを見比べながらペンを走らせていた。
何か新しい発明でも思いついたのか、真っ白な紙が瞬く間に数式や図形で埋め尽くされていく。
邪魔をしては悪いと思ったウーノは、そのまま声をかけることなく退室しようと踵を返した。

「待ちなさい、ウーノ」

こちらの存在に気づいていたのか、彼は振り向くことなく呼び止めてきた。
名を呼ばれたことで、ウーノの唇がほんの少しだけ釣り上がる。

「はい、ドクター」

「私に用があったのではないのかね?」

「いえ、お忙しいようでしたら、また後ほど…………」

「構わないよ。それで、私に何の用だい?」

作業の手を止め、こちらに向き直りながらドクターは聞いてきた。
ウーノは自分の鼓動が高鳴り始めていることに気づき、悟られてはいけないと己に言い聞かせながら、
持参した台車を引き寄せた。

「実は、チョコレートというものを作ってみたのですが……………」

「私にかい?」

「はい」

「君が、料理をね……………」

不思議そうに首を傾げながら、ドクターは荷台のトレイに鎮座しているチョコレートを見つめる。
料理本の工程を完璧にトレースして作ったものだ。少なくとも、味に自信はある。
最も、彼の口に合うかどうかはわからないが。
342Valentine StrikesJ:2009/02/14(土) 00:36:13 ID:ZJ4L3bPb
「ドクター?」

「いや、すまない。少し驚いただけだよ。ありがとう、ウーノ」

「いいえ、勿体ないお言葉です。紅茶をお淹れしますね」

カップに注がれた赤い液体が、温かな湯気を立ちこませる。
ドクターはその香りを一通り楽しむと、一口啜って喉を潤わせてからチョコを口の中に放り込んだ。

「…………………」

「お口に、合いますでしょうか?」

不安そうに尋ねると、ドクターは優しい笑みを浮かべながら答えた。

「うん、実に美味しい。パーフェクトだよ、ウーノ」

「ありがとうございます、ドクター」

ただの一言だけだが、ウーノはそれで満足だった。
ドクターが満足してくれている、これ以上の幸福は存在しない。
だが、次に彼が口にした一言は、その喜びにほんの少しだけ陰りを呼び込んだ。

「折角、君が手ずから作ってくれたんだ。私だけで食べるのはもったいないな。
ウーノ、私はもう良いから、残りはウェンディ達にあげなさい」

「えっ?」

「あの娘達も甘い物は好きだからね。独り占めする訳にはいかないよ」

「は、はい…………失礼します」

一礼し、1つしか食べてもらえなかったチョコを手に研究室を後にする。
すると、部屋の外から見守ってくれていた妹達が駆け寄って来た。

「ドクターの奴、鈍感にも程があるだろう」

「止せ、ノーヴェ。ドクターはそもそも、バレンタインというものを知らないのだ」

「ドゥーエ姉が教えてくれなきゃ、あたし達も知らなかったくらいだしね」

「面白い結果になると、思ったんですけどねぇ」

みんなが口々に騒ぐ中、ウェンディが申し訳なさそうな表情を浮かべているのが目に付いた。
バレンタインのチョコを贈ってはどうかと、自分に持ちかけてくれたのは彼女なのだ。
343Valentine StrikesK:2009/02/14(土) 00:38:14 ID:ZJ4L3bPb
「ごめんっス、ウーノ姉」

「良いの、ウェンディ。あなたが謝ることはないわ………ああいう人だから、好きになったの」

「でも…………」

ウェンディが口を開いたのを見計らい、その中にチョコを放りこむ。

「どう、ウェンディ?」

「甘いっス」

「そういうものなの。さ、みんなでお茶にしましょうか」

トーレにみんなを食堂へ連れて行くよう促し、不承不承ながらも彼女達はそれに従った。
そして、ウーノは背後の研究室への扉に目をやって、自嘲気味に唇を吊り上げる。

「恋はチョコのように甘くありませんね、ドクター………覚悟、しておいてくださいね」

少しだけ明るくなった表情で、ウーノは先を行く妹達の後を追った。
いつか、愛しい人を必ず振り向かせてみせると胸に誓って。





2月14日。
どんな世界でも、乙女に取ってその日は特別な一日なのである。




                                                          おわり
344B・A:2009/02/14(土) 00:39:31 ID:ZJ4L3bPb
以上です。
ストーリーを1本作れるほどネタを詰められなかった→オムニバスで良いじゃん、
と悪魔に囁かれてこんな形になりました。
ヴィヴィオが一番書いていて楽しかったのは、ここだけの秘密だw
345名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 00:50:08 ID:y9JYnR4y
>>344
九者九様のバンアレン帯GJ
長文乙ですた
346名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 00:56:03 ID:6wAejjgq
>>344
乙!
ウーノはやっぱり、昭和の女臭がするなw健気だw
347名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 01:10:38 ID:x/Cxxfhc
いや、GJだ、GJ。そこはいい。

問題は……ヴァイティアの話をそこで区切るなああああああああああああ!
続きが気になって眠れなくなっちゃうじゃないか!!
348名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 01:20:45 ID:wEr40KSR
>>344
GJ!
イクスのお姫様っぷりに振り回されるスバル堪能しますた
異様に不機嫌な上司の人にミサカはミサカは別カプの可能性を感じてみたり
3497の1:2009/02/14(土) 01:49:45 ID:N5yqYzAk
>>344
 バレンタインオムニバス最高!
 
350名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 08:16:36 ID:SOL5/4/c
>>312
なんかもう六課がが色々と駄目すぎるw(褒め言葉)
シグシャマは結構新鮮でした。GJ

>>328
いじらしいなのはに萌えました。これは是非とも続編に期待します。

>>344
素晴らしいバレンタイン風景でGJです。
なんかイクス×スバルに目覚めてしまいました。責任とってくださいw
351名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 11:51:10 ID:/m9ikNUe
>>348
アホ毛ちゃーん、ここは幼女の来るところではないですよ。
352名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 11:58:29 ID:uixOkUiv
>>344
GJ!
各々嬉し恥ずかしのバレンタインデーをすごしたのだろうな〜
と推測されました
353名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 15:54:37 ID:cExRuVYB
>>344
B・A氏凄ぇ。GJです!!
みんな可愛すぎる。
しかし、イクスが眠りにつかないIFもなかなか面白そうだな・・・・・
354サイヒ:2009/02/14(土) 21:32:43 ID:xGu8Py3z
バレンタインネタを投下に来ました。
本編数年後、ミッドチルダが重婚OKという設定で、各家庭のバレンタイン模様。

旦那と嫁の組み合わせは以下の通り。カッコ書き内がエロのあるキャラです。
前後編で前編はハラオウン家とスクライア家だけ。
後編でどのキャラのエロ書くかはあえて秘密。


・ハラオウン家
エイミィ、フェイト、カリム(エロ無し)

・スクライア家
なのは、アリサ、すずか(アリすず)

・ナカジマ家
はやて、ギンガ、チンク、ノーヴェ、ディエチ、ウェンディ

・モンディアル家
スバル、ティアナ、キャロ、ルーテシア
355四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:33:45 ID:xGu8Py3z
 クロノ・ハラオウンには三人の嫁がいる。
 エイミィ、フェイト、カリムという陣容で、その容姿や社会的地位が抜群であるため他人様にはたいそ
う羨ましがられている。
 それには多少のやっかみも含まれてはいるが、ミッドチルダで多重婚は立派に認知されているため白眼
視などはされていない。
 しかし当のクロノにしてみれば、嬉しいことや楽しいことは多いが、煩雑なことも同じぐらい多い。
 中でもクロノの頭を一番悩ませているのが、それぞれの妻に割く時間の割合である。
 三人ともが別々の場所に住んでおり、それぞれと過ごす日数になるべく不公平が出ないようにクロノは
出来うる限りの配慮をしていた。
 たとえば、クラウディア所属執務官であるフェイトは当然一緒にいる時間が長いため、長期航海の後に
フェイトの家に行くということはあまりやらないようにしている。
 逆に教会の重鎮であり多忙なカリムは、クロノのスケジュールが空いていてもカリムが無理ということ
があるので多少優先的に、といった具合である。
 そのようにして作った予定表はおっそろしく細かなものになっており、毎日クロノは寝る前に三十分か
けて誰のところで過ごすかの予定表を見直して遺漏や偏りが無いかをチェックするのが日課となっていた。
 そこまで努力し優秀な頭脳を駆使して練り上げたスケジュールだが、妻達の反応はあまりかんばしくな
い。

「大事な成長期なんだし、もうちょっと子供達と一緒の時間取れないかな?」

「あと二時間でまた当分はクロノとお別れなんだね……。寂しいな」

「あまりこういうことは言いたくないのですが……最近教会に来る回数が減っているような気がします」

 しばしばそういうことを言われる始末である。
 もっとも、クロノは毎日のように誰かしらと接しているが、彼女達にすればクロノが来るのは三日に一
度程度なのだから仕方がないという気もするが。
 さらに予定を組む上でクロノの頭を悩ませるものがあった。正月などの一年に一度しかない特別な日で
ある。
 妻が三人に増えて早一年。こういう日に誰とどんなふうに過ごしたかを巡って悶着が発生しなかったこ
とは、一度も無い。




          四家四様バレンタイン




 その日、本局内で泊り込んでいたクロノは、早朝から開かれた会議に出席し、数時間かけて新設部隊の
運用方法について他の提督達と論じ合った。
 会議は紛糾し延長に継ぐ延長で、ようやく終わった時には昼前になっていた。少し早いが食事にしよう
と食堂に向かったクロノだったが、廊下ですれ違う職員の何人かがクロノの顔を見ては同僚とひそひそ何
か囁いていく。時にはくすくすと笑い声が混じることもあった。
 それらに不快感より先に嫌な予感を感じるのは、きっとクロノが寝不足で体調不良だから、ではないだ
ろう。
 廊下の角を曲がったところでフェイトの補佐官のシャリオとばったりでくわしたので、つかまえてクロ
ノは原因を訊ねるとシャリオはさらりと嫌な予感の答えを教えてくれた。
356四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:34:36 ID:xGu8Py3z
「朝から騎士カリムが、クロノ提督に用があるって来てるんですよ」
「……なるほど。彼女は提督室で待ってるのか?」
「はい。…………それと」

 シャリオは好奇心が九に同情が一の眼差しを向けながら言った。

「一時間前に、フェイトさんもクロノ提督に用があると言って提督室に入っていったそうです」
「…………そうか。ありがとう」

 小さくため息をついて回れ右し、食堂から提督室へと行き先変更したクロノだったが、数歩行ったとこ
ろで振り向いて釘を刺した。

「それとシャーリー、もしも盗聴盗撮の類をやったら半年間の減給だ」
「………な、なんのことを言ってるのか分かりませんよ!?」

 あまりにもばればれなシャリオの様子から、そろそろ提督室とクラウディアブリッジの盗聴器一掃大掃
除をやらなければ、とクロノは決心する。

「まだ笑い話で済んでるうちになんとかしないとな。……グリフィスがさっさと態度を決めれば、あの悪
い癖も直るんだろうか」

 今度それとなくはっぱをかけてみようかと考えるクロノだったが、すぐに思い直す。今は他人の心配よ
りも、今そこにある自分の危機について考えるべきだった。

「……そうか、今日は二月十四日だったな」

 二週間前から分かっていたことだったが、今朝起きてからは会議のせいでど忘れしていた。
 クリスマスの時ほどひどいことにはなるまい、と希望的観測を思っているうちに提督室に到着した。ク
ロノは大きく深呼吸をしてドアを開く。

「…………」
「…………」

 沈黙が支配している提督室。
 中から流れ出てきた空気は、非常に硬かった。思わずクロノが後退りしかけたぐらいに。
 提督室の中にはシャリオの言葉どおり、フェイトとカリムがいた。
 しかしこの一時間を二人がどんな風にして過ごしていたかは、それぞれがソファーの左右の端に離れて
座っており、なおかつ微妙にそっぽ向いて視線を合わせていないことからよく分かった。あんまり分かり
たくなかったが。
 何を隠そうこの二人、かなり相性が悪い。
 普段仕事などで顔を合わせたりする時は何事もないのだが、クロノが絡んだ途端に相手に対する対抗心
を表に出してくるのだ。
 クロノが何度かもうちょっとうまくやれないのかと諭し、努力はするという返事をもらっているのだが、
態度が改まる様子は一向に見えない。
 二人の性格上、陰湿な陰口を叩いたり罵りあったりという泥沼な事態にはなっていないのが救いといえ
ば救いだが。
 どっちにしろこの二人のいる場所に足を踏み入れるということは、それだけでクロノの頭と胃が痛む行
動であった。
357四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:35:51 ID:xGu8Py3z
「あ、クロノお帰りなさい」

 先に反応したのはフェイトだった。
 机の上に置いていた包みを手に取り、足早に駆け寄ってくる。
 他方カリムは、私はそんなに焦ったりしませんと言わんばかりに悠然と立ち上がり、これまた机の上に
置いていた箱を手に近づいてきた。

「はいクロノ、バレンタインのチョコレート」
「こちらの文化ではありませんが、クロノは地球の風習に慣れているでしょうから、私もバレンタインの
チョコレートを作ってみました」
「ああ、二人ともありがとう」

 差し出されてくる包みと箱。とりあえず角が立たないよう、右手と左手で同時に受け取るクロノ。
 このまま何事もなく二人が帰ってくれたら最良だったのだが、そうは問屋が卸さなかった。
 フェイトもカリムも、じっと何かを期待する眼でクロノを見つめてくる。

「…………今すぐ僕に食べてくれと言いたいのか」
「うん、だって私これから会議に行かないといけないし、クロノはしばらく私の家には来てくれなさそう
だから、今でないと感想聞けないから」
「私も昼過ぎから第三世界の教会代表との会談がありますので。本当はクロノと一緒にお茶をしながら食
べてもらいたかったんですが、会議だったら仕方ありませんね」

 そこはかとない皮肉つきの理論武装をされては、従うより他にない。
 食べた後にも色々あるんだろうな、と諦めの境地に達しつつもリボンをほどくクロノ。まずはフェイト
の方から開けてみる。

「……ずいぶんとストレートなものだな」

 クロノが漏らした感想どおり、フェイトのチョコレートはこれ以上ないぐらいに分かりやすいものだっ
た。
 形は大きなハートマーク。ただそれだけで、上に何か文字がデコレーションされていることもない。
 えらくシンプルで、クロノへのプレゼントには大いに凝るフェイトとしては珍しい。

(任務で忙しくて時間が取れなかったのか?)

 疑問に思いつつもクロノは一欠けら割って口に運び、味わった瞬間思わず感嘆の声を漏らしてしまった。

「うわっ……」

 口に入れた瞬間、びっくりするほど芳醇な味が広がったのだ。
 リンディが飲むお茶のように、どぎつい甘味があったわけではない。むしろ砂糖は控えめで、かすかな
苦味を伴ったカカオ本来の味が舌いっぱいに溶けていく。
 クロノがこれまで口にしたチョコレートの中で、一番チョコレートの味がしているといっても過言では
ない。
358四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:37:53 ID:xGu8Py3z
「今年は素材にこだわってみたんだ。色々試してクロノが一番好きそうな味にしたんだけど……気に入っ
てくれたみたいだね」

 言葉は無くともクロノの驚き顔で出来栄えが分かったのか、フェイトが頬を綻ばせる。
 フェイトは軽く言っているが、味だけが勝負と思い切り、これだけの素材を探し出してなおかつクロノ
の舌に合うようにするには、ひどく手間と材料費がかかっているだろう。外見とは裏腹に、ひどく凝った
チョコレートだった。
 たしかにこれならあれこれ混ぜたりせずにそのまま味わうのが一番美味いだろう。
 もっとこの濃厚な味を楽しみたいという思いと、一度に食べるのはもったいないという矛盾したことを
思うほどの出来だった。

「じゃあ、次は私のを食べてみてください」

 いつのまにか白湯を用意していたカリムが手渡してくる。
 口を軽くすすいだクロノは、続いてカリムのチョコレートを開けてみた。
 出てきたのは白く丸い物体。多少歪な形をしているところからそのまま固めたのではなく、ホワイトチョ
コレートで何かを包んだのだと知れた。
 眺めていても分からないので口に入れ歯を立てて割ると、奥から甘酸っぱい味が溢れてくる。

(……オレンジかな?)

 それも歯ごたえからして、生ではなくドライフルーツにしたもの。
 やや癖は強いものの、周囲をコーティングしたホワイトチョコレートとの相性が意外と良くて舌を楽し
ませてくれる。
 フェイトのチョコレートに比べれば変化球気味だが、これも立派なチョコ菓子と言って差し支えない。

「ロッサに教えてもらって作ってみたんですが……どうでしょう?」

 クロノが無反応なことと、元々料理がそこまで得手ではないからだろう。不安げに顔色を窺ってくるカ
リムにクロノは大きく頷いてあげた。

「すごく美味しかった。味だけじゃなくて、こういうタイプの物は食べたことがなかったから珍しくて新
鮮だったよ」
「よかった……」

 安堵と喜びで、カリムの表情がぱっと明るくなる。
 このまま終わっておけば優しい妻女と果報者の夫、という美しい構図だったのだろうが、やっぱりそん
なわけにはいかなかった。
 二人はにっこりと優しい笑顔を浮かべながら、とんでもなく残酷なことを訊いてきたのだった。

「それで、どっちが美味しかった?」
「それで、どっちが美味しかったんですか?」
359四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:38:51 ID:xGu8Py3z
          ※




「……とまあ、そういうことがあったんだよ」
「それは災難だね」

 ミッドチルダの片隅にある居酒屋。九十七管理外世界の食事と酒を出す珍しい店だが、その珍しさが逆
に祟ってか、かき入れ時だというのに客は二人しかいなかった。
 その客の一人ことクロノは煮魚をつつきながら、相席のユーノにバレンタインの顛末を語っていた。
 酒の種類がやたらと多い店なのだが、クロノとユーノは普通にビールを小瓶でちびちびやっていた。

「それで君はなんて答えたんだい?」
「何も答えずにすんだ」
「どういうこと?」
「たまたまロッサが入ってきたから、どさくさ紛れに逃げた」
「…………へたれだ。へたれがここにいるよ」
「じゃあどう答えたらよかったんだ? 両方とも同じぐらい美味しかったと言えとでも?」

 やけくそ気味に言いながらクロノは軽くユーノをにらんだ。
 それが一番あの日のクロノの心情に近かったのだが、そんなことを口に出せばきっと彼女達はどちらか
一方を選んだ場合よりも不満を漏らすことにとなっただろうという想像はつく。

「次に会った時には二人ともすごく機嫌が悪くて……なだめるのが本当に大変だった」
「しかし君も災難だけど、部屋に残されたアコース査察官もひどいことになったんじゃないのか?」
「…………そういえばあれから全く顔を見ないし、メールも無いな」
「…………まさかね」
「…………まさかな」

 一瞬クロノの脳裏に、簀巻きにされたヴェロッサとその隣で人間が埋められるぐらいの穴を掘っている
フェイトとカリム、というありえない光景がよぎった。ありえないくせにやたらとリアルだったが。
 頭を振って妄想を追っ払っていると、店の入り口が開く音がした。

「あ、クロノさんにユーノさん」
「おう、久しぶりだなお前ら」

 入ってきたのはエリオとゲンヤだった。
 最近、本局内などでこの二人が一緒にいる姿をよく眼にする。
 エリオが自然保護隊から陸士隊へと転属したこともあるが、スバルを娶ることでゲンヤの娘婿になった
ため、よくゲンヤにつかまってはあれこれ様子を聞かれたり酒の味を教えられたりしていると、ティアナ
経由でクロノは聞いていた。

「しかし辛気臭い顔で飲んでるなお前ら。またどっかの次元世界で厄介な事件でも起きたか?」
「そんなのじゃありませんよ。厄介といえばひどく厄介ですけど」

 クロノはもう一回、バレンタインに起きたことを一くさり語った。
360四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:39:54 ID:xGu8Py3z
「……それは大変でしたね」

 似たような経験があるのか、エリオに同情の眼を向けられた。息子のような年齢の相手に本気で慰めら
れたクロノは逆にへこんだが。
 ちなみにこの場にいる全員、複数の女性の妻帯している。
 一方ゲンヤはあまり同情の色は見せず、軽く首をすくめて言った。

「美人で地位もある相手に惚れられた幸運があるんだから、それぐらいの不幸はあってトントンかもしれ
んがな。ほら、有名税みたいなもんだ」
「本当にもうちょっと仲良く出来ないものかな……。ユーノ、君のところはそういうことは無いのか?」
「うちは三人とも小学校時代からの親友だからね。君と同じでみんな違う家だけど、仲はうまくいってる
よ。時々なのはがちょっとしたやきもち焼くぐらいかな」

 気楽そうに言うユーノだが、クロノは知っている。ユーノ言うところの「ちょっとしたやきもち」とや
らが、並の人間なら泣きながら百回土下座しかねないぐらい恐ろしいものであることを。
 これぐらいのことは平然としていなければ、かのエースオブエースの夫は務まらない。

「でも去年のバレンタインは僕もちょっと困ったかな」

 アルコールが回り出したのか、軽く赤い顔になってきたユーノが語り始める。

「クロノのところみたいなわけじゃないんだけど…………」




          ※




「ほんっっっっとうにごめん!!」

 深夜のバニングス家。ユーノは例えではなく本当に平身低頭していた。
 目の前のベッドにはアリサ、横の椅子にはすずかが腰掛けている。
 すずかはいつもどおり柔らかに笑いながら「ユーノさんが悪いわけじゃないから」と言ってくれている
が、アリサは無言で口をへの字にひん曲げながら細眼でにらんでくる。

「ほら、アリサちゃんも機嫌直して」
「そりゃ私だってユーノのせいじゃないってぐらいは分かってるわよ。………けどねえ」

 行儀悪く組まれた足をぶらつかせながらアリサは言った。

「さすがに三回連続ともなると、ちょっとぐらい言いたいことが出てくるわけよ」
361四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:41:05 ID:xGu8Py3z
 事の顛末はこうである。
 本日は地球の暦で言うところのバレンタインデー。嫁のアリサとすずかから、気合を入れてチョコレー
トを作る予定だから可能な限り休暇を取ってもらいたい、と一ヶ月以上前からユーノは知らされていた。
 あいにく自由の利きにくい宮仕えの身が災いして休暇とまではいかなかったが、少なくとも夕食を一緒
に取れるぐらいの時間には海鳴市へ到着することはできる、はずだった。
 ところがまさにユーノが無限書庫を後にしようとした時、上の方から「ちょっと今年の予算の件で聞き
たいことがあるから来てくれ」と呼びつけられ、そのちょっとが実に四時間の長きに渡り、ユーノがテレ
ポーターをくぐったのは日本時間で日付が変わった十分後であった。
 そして待ち構えていたお冠の妻に謝っている、とそういうわけである。
 さらに言うなら、アリサの家に行くはずだった日に似たような事が三回連続で起きていた。

(……僕が逆の立場だったら、文句の一つも言うよなあ)

 悪いのは強いて言うなら自分ではなく上司だが、アリサの気持ちもよく分かるのでユーノはひたすら謝っ
ていた。
 しかしすずかのフォローがあるにもかかわらず、アリサの機嫌が直る兆候は見られない。
 そろそろ謝罪言葉のバリエーションが切れる頃になって、ようやくアリサが立ち上がった。しかしユー
ノの横を通り過ぎ、話しかけたのは内線に向けてだった。

「鮫島、言っておいたものできてるかしら。…………だったら溶かし直してすぐに持ってきて」
「……アリサちゃん、あれ本当にやるの?」
「もっちろん」

 アリサの言葉に何か思い当たることがあったのか、すずかが訊ねる。内線を切ったアリサは不機嫌顔か
ら一転し、にやりと笑った。すこぶるいい笑顔の奥にあるサドっ気にユーノの背筋は総毛立つ。
 待つほどもなく、老執事がやってきてアリサに持っていたものを渡すと一礼して去っていった。彼が持っ
てきたのは、やや大きめのボウルだった。

「中身はチョコレート?」
「正解」

 ほんのり香る甘い匂いで見当をつけたユーノに、アリサは頷く。覗き込むと、湯煎したばかりの茶色い
液体がなみなみと入っていた。

「……ひょっとして、バレンタインのチョコレートがこれだとか?」
「そっちははずれ。これを食べるのは、ユーノじゃなくて私達だから」

 これから何が起こるか分からず困惑するユーノを置き去りにして、ボウルを置いたアリサがすずかに顔
を向けた。

「用意するからその間ユーノの方をよろしく」

 頷いたすずかが立ち上がり近寄ってきたかと思うと、いきなりユーノをベッドの上に押し倒した。

「うわわっ!? い、いきなりなんで!?」
「ユーノさんが逃げるといけないから。ちょっとだけ我慢していてね」

 身体に流れる特殊な血により、すずかの身体能力はフェイトすら上回っている。男とはいえろくに鍛錬
していないユーノでは、一度押さえ込まれるとどうあがいても脱出は不可能であることをこれまでの経験
からユーノは知っている。具体的には夜中にベッドの上で。
 数秒間は動揺したもののすぐに落ち着いたユーノだったが、アリスの方に再度眼をやった途端に、また
もや平常心が吹っ飛ぶ。
 アリサは部屋着の前を開けたかと思うと、次々に服を脱ぎ出していたのだ。
362四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:42:06 ID:xGu8Py3z
「な、なんとなく押し倒された時からそんな予感がしてたけど、やっぱりそういうこと!?」
「そういうこと、よ」

 くすっと笑いながらも手を止めず、アリサは下着だけの姿となる。均整の取れた肢体に深い青色のブラ
ジャーとショーツが色気を振りまいている。アリサにズボンのチャックを開けられると、たちまちユーノ
の分身は興奮した状態で飛び出した。

「……本当に反応早いわね。すずか、もう押さえてなくていいわよ」

 すずかが上からどくが、代わりにユーノの性器がアリサの手に握られており自由は奪われたまま。もっ
とも、ユーノに抵抗する気は全く無かったが。
 しかしアリサは擦りたててくることも、口に含むこともしない。彼女が取った行動は、左手に持ったま
まだったボウルを傾けることだった。

「あつぅっ!?」

 溶かし立てのチョコレートを急所に浴びたユーノは悶絶する。半勃ち状態だった陰茎も一瞬で萎えた。

「なによ、情けない声上げて。男なんだからちょっとぐらい我慢しなさいよ」
「無理!! 男だったら誰でもこうなるから!! ていうか早く拭いて熱い熱い熱い!!」
「さすがにもうちょっと冷ましてからの方が良かったと思うわよ」
「なによすずかまで……ああもう、拭いてあげればいいんでしょ」

 しかしユーノを苦しめているチョコレートを拭ったのは、ティッシュやタオルではなかった。
 アリサの舌である。

「ふむ、ふ……んっ。ちゅぷ……」

 一気に根元まで咥え込んだアリサは、いきなり激しく舌を動かす。乱雑な動きだが浴びたチョコレート
はちゃんと取れて熱さが去っていき、代わりに舌のぬめりが肉棒を支配する。
 皮膚が痛んだユーノの肉棒にとって激しい動きはまた痛みを呼び起こすものだったが、同時に強い快楽
も覚えさせるものだった。
 あっという間に血が駆け巡った陰茎が、アリサの目測を誤らせて喉を突いた。

「けほっ…………まったく、現金なんだから。ちょっと舐めてあげただけでにまたこんなに大きくしちゃっ
て」

 咳き込んだアリサが小憎らしそうに亀頭をにらむ。しかし瞳にあるのは、憎々しさというよりも淫欲で
あった。
 また口淫を再開させたアリサが、今度は自分から積極的に喉を使ってくる。
 膣口とは違う口の行き止まりは、当然にして子宮口とは感触が違う。やや硬めでざらざらとした壁。そ
こに膣では出せない嚥下する動きが加わると、上の口も立派な名器であった。
 苦しそうな息が撫でていくのもたまらない。
363四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:43:10 ID:xGu8Py3z
「うくっ………アリサの喉、気持ちいいよ」
「ふふふ、もう限界かしら? こんなにがっちがちにしてるんだもんね」

 くちゅくちゅという猥雑な音。
 アリサの口が、快感と痛みのデュエットを奏でる。彼女の言うとおり、ユーノの精液はもうそこまで来
ていた。横ですずかが眼を逸らすことなく見つめ続けているというのも、羞恥心を刺激して射精感を高め
ていた。
 アリサもラストスパートをかけてくる。歯や頬の内側まで駆使して、舐め、しゃぶり、噛み、吸い尽く
す。
 強すぎる、一種暴力的な快楽にユーノの視界が濁り出し、下半身の我慢を捻じ切らせた。

「ぐくぅっ!!」

 歯軋り音と共に、ユーノは精を放った。
 どくどくという音が聞こえてきそうなぐらいの勢いと量を口で一滴も零さず受けきったアリサだったが、
上げた顔には不味いとはっきり書かれていた。

「…………やっぱりこれはチョコレートと混ぜる物じゃないわね」
「そんなに変な味なのアリサちゃん?」
「なんていうか…………甘苦い? ゴーヤに黒砂糖まぶした感じ」
「それはあんまり口にしたくないかな」
「ただでさえあんまりいい味じゃないもんね。飲んだ方がユーノは喜んでくれるけど」
「うん、実は私もちょっと辛いと思ってるんだよね」
「こういうのって個人差あるのかしら。フェイトとはやてなんかは美味しいって言ってたけど」
「でもなのはちゃんはユーノさんのはすごく美味しいって言ってたような」

 男にとってはけっこうひどいことを言われているような気がするが、性器の表面がまた痛み出しており、
ユーノはとても反論できる状態ではなかった。
 その痛みにようやくすずかが気づいてくれた。

「ああ大変、ちょっと腫れちゃってる」

 赤くなったユーノの肉棒に顔を寄せたすずかが、ふぅっと息を吹きかけた。熱ばかり受けていた場所へ
のいきなりの冷気に、ユーノは身体を震わせた。
364四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:44:17 ID:xGu8Py3z
「……こっちの方がいいのかな?」

 今度は、はぁっと真冬に手を温めるように湿った息が吐かれる。溶けたチョコレートや舌ほど熱くない
優しい熱に、ユーノの腰から下がまた無意識に動く。
 そのまますずかは、二種類の息を交互に吹き分けてくる。
 冷気と暖気が連続して肉棒にまとわりつき、神経にまで染み込んできて刺激しユーノの肉棒をいっそう
滾らせた。

「うん、もう大丈夫になったみたい」

 しっとりとした欲情を肢体から漂わせだしたすずかが、ついに陰茎を口に含んだ。
 アリサとは全く違う、ねっとりと優しく濡れた舌が幹に絡みつき、上下する。

「すずか、あんたもこれ使う?」

 アリサがボウルを差し出すが、すずかはユーノのものをしゃぶったまま首を振った。

「チョコレートより、アリサちゃんの唾が甘いから」
「ばっ……! 何言ってるのよ!」
「この間のユーノさんが来れなかった夜みたいなコーヒー味も美味しかったけど……」
「黙ってなさい!…………とにかく、使わないなら残り全部私がもらっちゃうから」

 アリサは遠慮なく、銀の容器からチョコレートをユーノの上に流していく。あっという間に、褐色の流
れがへそから喉元まで出来上がった。続いて、それに沿ってアリサの赤い舌が這い登ってくる。
 すずかの舌もそれに呼応するように、先端の穴を重点的に舐めしゃぶる。

「うわあぁ……そこ、弱いから……あああぁ…………」

 下半身からの刺激だけでなく脇腹などの皮膚が薄い部分を攻められて、ユーノは思わず女性のような喘
ぎを上げてしまう。
 ユーノの上に完全に跨ったアリサが、茶色く汚れた唇をぴちゃりと舐めて笑った。

「安心していいわよ。三時間かけて作ったチョコは明日ちゃんと食べさせてあげるから」

 まさに獲物を目前にした獣のような眼差しで、アリサは陶酔を隠しきれない声で囁いた。

「その代わり、今晩はチョコまみれのあんたを、私とすずかでたっぷり食べさせてもらうわ」
365四家四様バレンタイン:2009/02/14(土) 21:45:54 ID:xGu8Py3z
          ※




「…………そういうことがあって」
「どこが苦労話だ。ただの惚気じゃないか」
「いや、それがさ」

 当時を思い出したのか、ユーノが顔をしかめた。

「最中は気づかなかったんだけど、あそこが軽く火傷してたんだ……」
「…………それは大変だ」

 男ならたいへん分かりやすい苦痛に、クロノは思わず内股気味になる。
 見ればゲンヤも似たような姿勢になっていた。

「……とにかく、家があちこちにあるっていうのは大変なんだな。うちやこいつのところみたいに全員ま
とめて同居したらどうだ?」

 ゲンヤがエリオを指差しながら提案する。当のエリオは飲んでいたモスコミュールが利いてきたらしく、
ぼうっとした目つきで無反応だったが。

「それも考えたんですけど、どうしてもカリムが無理だったんですよ」
「彼女偉いさんだからね。僕の方も、アリサやすずかが大学出たらこっちに来ないかって話してるんです
けど、親御さん達が渋ってて……」
「そりゃ管理外世界で、異世界に娘をやろうって言う親の方が珍しいわな」
「なのはがこっちに住む時も、桃子さんがだいぶ反対してたなぁ」

 そもそもクロノの場合、現在の状況でフェイトとカリムが一つ屋根の下で暮らし出そうものなら、間違
いなく自分は一月経たずして胃潰瘍で入院するであろう。

「……けど、同居もいいことだけってわけじゃないんだよなあ」

 今度はじゅっ、と熱燗をすすったゲンヤが語り出す。

「俺のところも例によってバレンタインのことなんだがな……」




          続く
366サイヒ:2009/02/14(土) 21:49:09 ID:xGu8Py3z
以上です。
本来はハラオウン家だけでやる予定だったんですが、
「この機を逃せばアリサとかのエロは一生書かんわな」と思い直したら長くなったんで二分割。
そのせいでハラオウン家正妻のエロがまたまた闇に消えたり、
スクライア家の正妻と娘の出番が完全に消滅したことは僕と君だけの秘密だ。


次回はまたしても乱交。
これとブロンド3P書き終わったら一生分の乱交エネルギー使いきりそう。


>シガー氏
どっちかってえと、金髪×黒服=淫乱という俺限定公式が。
それに聖職者がエロくないなんて道理はエロパロ的に有り得ん。
367名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 21:52:40 ID:DS4S8+JS
サイヒ氏GJ!

とりあえず男共はみんな腎虚になればいいと思うよ。
(バレンタインなので「しっとマスク」してます)
368名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 22:00:00 ID:bR9mEXs8
>366
エロい聖職者……

               ___
             ,. '´      `丶
           / _ノ `ー  、ヽ
              /               ',
          {__==========__|
          /Jヽ三三ノ´ `ヽ三三ノト、
         {.イ;:〃〃;:     ;:〃〃;:|r}    はぁい、小暮英魔でぇす♪
           フ                「
          /::\  ,ィ マニ ァ ミ  ,八
       /::::::::::::::≧イyvyvyvyx≦:::::::::\
.      /:::::::::::::::::::::::ト、厶r‐ミ,ノ/:::::::::::::::::∧
      /::::::::::::::::::::::::::レ´  て Y::::::::::::::::::::::∧
.     /:::::::::::::::::::::::::::::|    f´ |:::::::::::::::::::::::::∧
    /::::::::::::::::::::::::::::::t`ー―'―'‐y::::::::::::::::::::: ∧
.    i::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄:::::::::::::::::::::::::::::i
   |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
    |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
369名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 22:05:05 ID:+rhI7ooP
>>366
GJ!

ただ、ふと気になったのが

× ユーノさん
○ ユーノくん

では?
370名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 22:36:10 ID:9lewl6K6
>>366
GJ!!
重婚具合が素敵すぎる。
3717の1:2009/02/14(土) 22:51:54 ID:N5yqYzAk
>>366
 すばらしいバレンタインGJ!
 ゲンヤいい加減にせんと腹上死するぞ。
372名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 22:54:19 ID:zI4mLc71
>>371
GJを送るときはコテを外すのがマナーなんだぜ。
373名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 22:58:53 ID:N5yqYzAk
>>372
 すまん。
 以後、気をつけます。
374名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:06:24 ID:3cJZHlwB
>>366
GJ!
しかしここまで読むと、エイミィさんとクロノ、そしてなのはとヴィヴィオとユーノの絡みも見たくなってくるw
ナカジマ家とモンディアル家も期待します。

しかし、はりすずかの口調やユーノの呼び方が気になりました……
375名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:15:53 ID:SOL5/4/c
今からバレンタインネタ(エロなし)で投下してよろしいでしょうか?
376名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:17:49 ID:y9JYnR4y
嘉門
37783スレ260:2009/02/14(土) 23:19:26 ID:SOL5/4/c
ヴィヴィオメインでカプはなし
かなり短いです
タイトルは「聖王陛下のバレンタイン」
いきます
37883スレ260:2009/02/14(土) 23:20:07 ID:SOL5/4/c
聖王陛下のバレンタイン

「なのはママ、私もバレンタインチョコを作ってみたい」
ヴィヴィオがそんなことを言い出したのはなのはがチョコ菓子の材料と格闘している最中だった。
「いいけど、ヴィヴィオは誰にあげるの?やっぱりユーノ君?」
なのはが目線を合わせて問いかける。
「うん!ユーノさんでしょ、エリオでしょ、それにクロノさんにグリフィスさん…」
ヴィヴィオが指折り数えながら名前を挙げていく。
それを聞いてなのはが少し引きつった顔をする。

「ヴィヴィオ、バレンタインがどういう日か知ってる?」
恐る恐る聞くなのはにヴィヴィオは首を傾げながら答える。
「お世話になった人にチョコレートをあげる日だって聞いたけど違うの?」

真っ直ぐな瞳を向けて言い切る。おそらく本当に知らないのだろう。
なのはは一瞬と惑うがそのまま優しく微笑んだ。
「じゃあなのはママと一緒に飛び切り美味しいのを作ろうか」
「うん!!」
そういってヴィヴィオは一足先にキッチンへ向かっていった。

それまで傍観していたフェイトが心配そうになのはに問いかける
「ねえ、なのは、ヴィヴィオにバレンタインの本当の意味を教えなくて良いの?」
ヴィヴィオが多少誤った知識を持っていることに不安を示すが、なのはは大丈夫と返した。
「私達が心配しなくてもヴィヴィオもそういったことは自然と学んでいくだろうし、それに今はあの子の気持ちを大事にしてあげたいんだ…」
「なのは…」
なのはの答えを聞いたフェイトはホッと胸を撫で下ろす。その横でなのははピンク色のエプロンを身につけ、ヴィヴィオの側に向かっていった。

37983スレ260:2009/02/14(土) 23:20:31 ID:SOL5/4/c
「やったー完成だー!!」
「よかったね、ヴィヴィオ」
二人の下に小分けにされたチョコレートが並べられている。後はラッピングをするだけである。
ヴィヴィオはそれを見て満足気に頷き、なのはは優しくヴィヴィオの頭を撫でていた。

「後はラッピングだけだけどヴィヴィオ一人で出来る?」
「うん、大丈夫だよなのはママ!!」
力強く頷くヴィヴィオを見てなのははキッチンを後にする。必要以上の干渉はしないのが高町流なのだ。

「よいしょっと…」
キッチンに一人になってからヴィヴィオはあらかじめ用意しておいた包装用の袋やリボンを取り出した。
赤や黄色など見ているだけで楽しそうな色や模様で如何にも子どもが好みそうなものだった。
だがその中に一つだけ、他とは異なる落ち着いた色合いの大人びた‐見方を変えればちょっと背伸びをした‐モノがあった。

ヴィヴィオはその袋を前にうんうんと首を捻る。
「やっぱりちょっとおとなしすぎるかな?でも子どもっぽく思われたくないし…」
そうやって悩むヴィヴィオの姿は完璧に本命チョコのあげかたに迷う女の子そのものだった。

「よし、決めた!!」
覚悟を決めたのかヴィヴィオは先ほどの大人びた袋にチョコレートを入れてリボンで口をした。
そして両手を握り締め自らを励ました。

「私だって女の子なんだからね、なのはママ」
そう言うとヴィヴィオは作ったチョコレートを抱えてキッチンを後にする。
本命チョコの行き先はヴィヴィオだけが知っている…
38083スレ260:2009/02/14(土) 23:20:51 ID:SOL5/4/c
あとがき
バレンタインだから何か書かなくては、と飛んできた電波を形にしたらこんなことになりました。
ヴィヴィオがちょっと腹黒い感じになってしまいましたがきっと仕様です(えっ
381名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:36:02 ID:hKIgWVzT
>>366
GJ!
でも将来的に全員同居することになって、嫁同士が仲良くなったとしても、
クロード君とフレイアさんが喧嘩してばかりになるだろうからどの道苦労は避けられませんねw
あとグリフィス頑張れ、超頑張れ。嫁をもう一人手に入れるために。
後編とブロンド3P、楽しみにしてます。

>>372
放っておけ。ただでさえ空気読めない作者なんだし。
382名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:41:08 ID:y9JYnR4y
空気読めない読者は放っといて

>>380
GJ
ヴィヴィオ乙女黒いよヴィヴィオ
383名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:53:22 ID:DS4S8+JS
ふと、重婚物を見てて思ったんだけど。
六課は男女比が凄い、とかいうじゃないか。

実は、ミッドの人口男女比が六課並みだったりして。
だから重婚当たり前。
384名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 01:26:21 ID:1j+iGUyU
サイヒ氏設定だと、ユーノの嫁は三人とも管理外世界出身か…
なんか海外の出張先で現地妻がいる、アレな人みたいだなw
385名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 01:34:40 ID:2RUNKHPt
そう考えるとクロノも一緒か。
エイミィはまだ海鳴に住んでるはずだし、カリムはミッドのベルカ自治区。フェイトは……あれ? どこか別に居を構えてるのか?
386名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 01:41:06 ID:hHW6n8Is
どうでもいいが、血さえ繋がっていなければ、
兄妹相姦も父娘相姦も平気で受け入れるようになっているこのスレは異常だ。





だが、それがいい!
387名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 01:45:56 ID:OcUeKNct
いや別に血が繋がってたところでなんの問題もないが
388名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 01:54:00 ID:rhl+u4/u
>>386
一応、存在が確認されている血の繋がった異性は
なのはと士郎または恭也、アリサとデビット、クロノとリンディ、ヴァイスとラグナ、
グリフィスとレティ、ティアナとティーダ、エリオとモンディアル夫人、エイミィとカレル
と8組もいるわけだが、クロリンとグリレティ以外はエロないな。
389名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 01:58:24 ID:aI53XA2t
ヴァイスとラグナ無かったか?
390名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:07:03 ID:hHW6n8Is
>>エリオとモンディアル夫人

これ、血繋がってる解釈でいいのかな?
391名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:13:44 ID:rhl+u4/u
>>390
オリジナルが養子でもない限り、繋がっているでしょう。
気になるのなら、本人でなくてもエリオ(真)×モンディアル夫人でも良いと思う。
392名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:44:40 ID:0+VuAitf
>>388
正確なことを言えば、なのはと恭也の血のつながりは半分だな
異母兄妹だし
393名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:55:41 ID:JK4dwkNp
それってとらハの設定じゃなかった?
アニメ本編もそっちの設定に準ずるの?
394名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:56:41 ID:Bbq2KuNU
>>393
なんとなーく都築氏が「そのあたりについてはとらはと同じ」っていう風に示唆してる
395名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 02:59:00 ID:SbBd6wbt
つか、そうしとかないと年齢設定にかなり無理が出るからなあ
396名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 03:06:06 ID:fyW7uYtz
>>393

桃子さんと恭也の年齢差を考えると、士郎の連れ子と考えた方が自然だと思います。
397名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 03:14:04 ID:yhWcau2c
つまりそれは、とらハでの年齢設定とアニメでの年齢設定がまったく同じ、ということ?
それなら、まぁ……あれだ、うん……
398名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 03:38:51 ID:0+VuAitf
>>397
恭也と忍の年齢が+1〜2歳の補正入ってる
原作だと二人とも高校3年生だし
399名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 03:56:07 ID:SbBd6wbt
いや、原作のリリカルなのはは3本編から1年経ってるからOKだよ。
ついで言うと恭也は諸事情で1年ダブってるし。

原作で裏設定だった桃子さんの年齢があれでよかったかなあってのと
死んでて年齢がよくわからん士郎、話の都合で5歳上がった
クロノ以外は原作通りでいいんでない?
400名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 09:37:10 ID:ZFi816p+
>>366
GJ!!
>どっちの方が美味しかったですか
その質問にあの状況で答えられる男はまずいないと思いますよお二人さん…

重婚家族全員で暮らしているモンディアル家とナカジマ家がどうなってるか…wktkが止まらねえ!
401ザ・シガー:2009/02/15(日) 13:39:24 ID:0/MMbWd/
さあて、ちょっと遅くなったけどバレンタインSS投下するよー。
非エロのバカギャグだけど。
402機動六課の男達 バレンタイン編:2009/02/15(日) 13:41:23 ID:0/MMbWd/
機動六課の男達 バレンタイン編


「さあて、全員揃ったな」


 機動六課隊舎屋上、その場に集った男達の一人ヴァイス・グランセニックが呟いた。
 彼の周りには他に三人の男性、エリオ・モンディアル、ザフィーラ、グリフィス・ロウランと機動六課男性陣が勢ぞろいしている。
 彼らは一様に表情に真剣極まるモノを宿し、まるで戦闘を前にした歴戦の勇士の如きオーラを纏っていた。
 エリオが額に汗を流しながらゴクリと唾を飲み込む、沈黙の中に響く音に全員の鼓動が高鳴った。
 誰が一番に切り出すか、彼らの脳髄にはその事だけが渦巻いている。
 そして、最初に口を開いたのはエリオだった。


「じゃ、じゃあまずは僕から……」

「おう、見せてみな」

「お手並み拝見といきましょうか」

「……」


 各々、言葉を返すと共にエリオに視線を送る。
 眼差しが集中するのは彼の手元、握り占めた紙袋だ。
 少年は恐る恐る、それこそ爆弾処理でもするような慎重さで紙袋の中身を取り出す。
 そして集った者達に曝け出した。


「これが僕の収穫です」


 出てきたのは三つのハート型、包装紙で包まれた色鮮やかな物体。
 甘く漂うカカオマスの香り、それは一言で説明するなればチョコであった。
 そうだ、今日は2/14、この世の乙女がチョコレートに想いを込めて叩きつける日である。


「ほう」

「ふふ、やるじゃないですか」

「……」


 値踏みするように言葉を漏らし、ギラリと目を輝かせる三人。
 エリオは額に汗を流しつつ、彼らに説明を始めた。


「一つはフェイトさん、一つはキャロ、最後の一つはルーから送られてきました」

「ふうむ……では採点するか」


 言うなり、ヴァイスはなにやら懐から取り出す。
 それは三枚のカードだった、しかも彼だけでなくグリフィスもザフィーラも同じようにカードを取り出している。
 三人は一様に思案顔を見せると、その中から一枚を選んで提示した。
403機動六課の男達 バレンタイン編:2009/02/15(日) 13:43:09 ID:0/MMbWd/
 そこに出ていたのは○・△・×の三つの絵柄だった。


「な、なんで×が!?」


 少年は狼狽した、自分の見せた布陣は決して悪くない筈なのだ。
 それなのに△はともかく×あるとは、これ如何に?
 一人×を提示していたグリフィスはクイとメガネの位置を正すと、レンズに光を反射させながら説明を始めた。


「確かに手作りが一つあるのは大きいですよ。しかし残りの二つは市販品ですね」

「確かに、言われてみればそうだな」

「……うむ」


 グリフィスの言葉に、ヴァイスとザフィーラも視線をチョコに落す。
 その二つの市販品、それはフェイトとルーテシアのものだった。
 恐らくは作る暇やスキルがなかったのだろう、キャロの作った手作りとは包装紙から伺える様相もかなり違う。
 そしてグリフィスはさらに続けた。


「そもそもフェイトさんのは親チョコですからね。これでは減点は否めません」


 エリオは愕然とした。
 親チョコ、主に母親が息子にあげる類のお菓子。確かにこれでは得点は低いだろう。
 少年は大きな敗北感と共に膝を折った。
 四人の開いたトンチキな会合、名付けて“バレンタイン披露会”の初陣エリオはあえなく醜態をさらした。
 そして次なる披露はヘリパイロット兼狙撃手の出番となる。


「さて、じゃあ俺のを見てもらおうか!」


 自信満々、とばかりにヴァイスは手にしたコンビニ袋からチョコを取り出した。
 まあ、せっかく贈られたものをコンビニ袋に入れるなと言いたいところだが、それは今は置いておこう。
 彼の取り出したチョコは計四つ、しかも全てが手製の包装である。


「ラグナ、ティアナ、アルトそしてシグナム姐さんから貰ったヤツ。全部で四つだ」


 四つとも全て実に手が込んでいる。
 妹のラグナは当たり前として、ティアナやアルトさらには料理と縁の無さそうなシグナムまでも。
 これはかなりの高得点であろう。
 自然、自身に満ち溢れた表情がヴァイスの顔に浮かぶ。
 そして掲げられた点数は以下の通り、○・○・△。


「おいコラ! グリフィスてめえなんで△入れてんだよ!」

「ふっ……確かに全て手作りとは中々やります。しかしたった四つではね」

「な、なに!?」


 グリフィスは言うや否や、自分の持ったバッグを掲げた。
404機動六課の男達 バレンタイン編:2009/02/15(日) 13:45:33 ID:0/MMbWd/
 中から現れたのは、それはもう大量のハートだった。
 それは目を疑うほど凄まじい数。
 恐らくは優に20は下るまい、それほどの数のチョコレートの小山である。


「八神部隊長、フェイトさん、なのはさん、スバルにギンガ、さらに更正施設のナンバーズ、その他諸々からもらったチョコ。無論全て手作りです」


 自信満々に、勝ち誇ったようにグリフィスは唇の端を吊り上げて笑った。
 メガネを正す手の仕草までもが、どこかムカツクくらいの余裕を孕んでいた。


「ちょ、おま……隊長達どころかスバルやギンガ……ナンバーズまでだと!?」

「フェ、フェイトさん……僕のは市販品なのに……」

「……」


 ヴァイス、エリオ、ザフィーラの三人は一様に驚愕やら悔しさを表情に浮かべた。
 この眼鏡男子、地味なイメージの癖にヤル事はヤってやがる。
 その手の早さと節操のなさ、思わず殺意が芽生えるほどだ。
 仕方なく、三人は一様に○を出す、いやむしろ出さざるをえなかった。


「まあ手付かずの野花を見るとついつい摘み取りたくなるんですよ」

「ああ、うん、グリフィス、ちょっと死んでくれ♪」

「ヴァイス陸曹、笑顔で恐い冗談言わないでください」

「冗談じゃなくマジだ」


 と、ヴァイスとグリフィスの漫才が続く中で青き狼がおもむろに手を掲げた。
 私の番だな、と呟くと共に彼は巨大な何かを取り出す。
 それはカカオマスの香りではなく、生臭い匂いを発していた。


「なんですかコレ……」

「見て分からんか、肉だ」

「あ、いや……それは分かるんっすけど……なんで生?」

「アルフが、“生肉で良いだろ”とな」

「あの、もしかして泣いてます?」

「泣いてない……これは魂の汗だ」

「いや、泣いてるでしょ!?」

「泣いてなど……いない」


 ザフィーラ超涙目だった。
 だってそうだろう、周りは美味しそうなチョコ貰ってんのに自分は生肉一つだもん。
405機動六課の男達 バレンタイン編:2009/02/15(日) 13:46:01 ID:0/MMbWd/
 狼だって泣きます、むしろ号泣しますよこりゃ。

 ちなみに、その後、四人はその場でチョコ(と生肉)を試食しました。
 チョコのないザフィーラには他の三人が少しだけ分けてくれました。
 そのチョコはちょっと涙味でした。


終幕。
406ザ・シガー:2009/02/15(日) 13:47:15 ID:0/MMbWd/
投下終了。

唐突にバカな話を書いてしまう、SS書きとはそんな生き物だ。
407名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 13:53:34 ID:hHW6n8Is
GJ!
ザフィーラ泣くな。
ていうか、お前とアルフはチョコ食べたらまずいだろw
408名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 13:55:37 ID:tkM77dxF
なぜそんな話にしたwwwww
可愛そうってレベルじゃ(ry
409名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 14:16:55 ID:8Y8C9lmA
ふふふふ わははは これは良いバレンタインですね。
ザッフィー泣くな。
アルフがチョコを勧めるときは心中するときだぞ。
410名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 14:30:45 ID:Uyfx1Hh/
犬にチョコをあげちゃダメだからだろう。がんばれザフィーw
411盾の守護獣:2009/02/15(日) 15:15:45 ID:W84SW4KZ
だから俺は使い魔じゃなくて守護獣。犬じゃなくて狼だって言ってんだろ
412名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 15:19:36 ID:A7q141BF
中将はどのようなチョコをなのはさんからいただいたのだろうか?
413名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 15:23:28 ID:hHW6n8Is
>>411
いやいや。犬科は全部あかんから。
狼も、チョコ食べたらダメやよ?
414名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 15:29:57 ID:hPOV7sXP
人間形態になってから食えばいいじゃない
415名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 15:42:05 ID:6IuIQS8X
>>366
GJ!
性器に火傷は本当にキツイ
でもエロイからok。
ナカジマ家とモンディアル家のラブラブ(ドロドロ?)具合、凄く楽しみにしております。
416名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 15:42:38 ID:SbBd6wbt
ホワイトチョコないし犬用のチョコは大丈夫らしい

>>413
イヌ科というか、玉ねぎと同じでカカオも人間とかごく少ない
動物でないと食べれないタイプの食品だったと思う。
417ておあー:2009/02/15(日) 16:11:27 ID:ajxVL5/f
うわあああ、今年のバレンタインが中止だなんて嘘ついたのは誰だよお!
おかげで何も用意してなかったじゃねえかあぁー!!
一日遅れたけど、せめて小ネタくらいは書くよ!!

・非エロ、小ネタ、バレンタインネタ
・時期は三期。バレンタインなんで自動的にJS事件後
・主にシグヴァイ、あとヴィヴィオ

あとはまあなんていうか……オチがアレなんだけど今でももう旬ていうかタイミング的に
ギリギリで直してる時間なんてとうていなさそうなんでこらえてつかあさい。
418セントレヴァンテインデー:2009/02/15(日) 16:12:50 ID:ajxVL5/f
 時に二月の半ば、ミッドチルダの一年でも最も寒さの厳しい時期の事である。

「レヴァンティンを貸してほしい?」
「お願いします」

 怪訝そうな顔で聞き返したシグナムに、高町ヴィヴィオはぺこりと頭を下げた。
 ヴィヴィオが自分に話しかけて来る事も珍しいが、その内容もまた珍妙である。

(ベルカ式の魔法に興味でも出たのか?)

 口を真一文字に結び、真剣な表情のヴィヴィオを見ながらシグナムは考える。
 "両親"がどちらもミッド式の魔導師ながら、ヴィヴィオ自身は古代ベルカに出自のルーツを持つ少女である。
 古代ベルカ式の魔法を使う自分達や、そのデバイスであるレヴァンティンに興味を持ってもおかしくはない。

「ヴィヴィオ、分かっているとは思うがこれは玩具ではない。私が局員として働く為には不可欠な武器なのだ。
 それにレヴァンティンは武人である私の魂、おいそれと人に預ける事は出来ん」

 とはいえ、『ではどうぞ』とレヴァンティンを渡す訳にはいかない。
 レヴァンティンを他人に貸すという事は、料理人が包丁を他人に貸すようなものである。
 というか純粋に子供に武器を渡すのは危ない。そんなこんなの訳なのでシグナムが断るのは当然だった。
 しかし断られたヴィヴィオはシグナムの厳しい口調に怒られたと思ったのか、目に涙を溜めて俯いてしまう。
 
「ごめんなさい……」
「う……む……いや、別に責めている訳ではないぞヴィヴィオ」

 周囲の視線が何となく自分を責めているような気がして、シグナムは慌てて弁解する。
 子供らしい子供と接するのは慣れてないのでこういう状況は苦手なのだ。泣かれたり落ち込まれたりすると、
どうすればいいのかわからなくなってしまう。
419セントレヴァンテインデー:2009/02/15(日) 16:13:51 ID:ajxVL5/f
(く、こんな時テスタロッサか誰かがいれば)
 
 だが残念な事に、今オフィスで勤務しているのは交代部隊の面々である。
 しかも指揮官のグリフィスも部屋を離れているらしく、周りにいるのは正真正銘名無しのモブ局員という状態。
 俺らさながら背景ですぜと言わんばかりに、話の輪に加わってきそうな雰囲気は微塵も感じられない。
 シグナムが困っていると、意外なところから助け船が出された。

『ヴィヴィオは、何故私を必要としているのですか?』 
「ふぇ?」
「レヴァンティン?」

 シグナムの首元で待機状態のレヴァンティンがチカチカと光る。

「ああ、そういえばまだ理由を聞いてなかったか。ヴィヴィオ、どうしてレヴァンティンを貸してほしいのか、
よければ理由を教えてくれないか?」
「えっと……」

 ヴィヴィオはしばし思案していたようだったが、やがて意を決したらしくシグナムとレヴァンティンを手招きする。

「?」

 どうやらもっとこっちに近づけという事らしい。
 シグナムが指示された通りヴィヴィオに顔を寄せると、ヴィヴィオは彼女の耳許で聞こえるか聞こえないかくらいの
小さな声で囁いた。

「あのね、レヴァンティンにお願いするの……『ザッフィーと結婚出来ますように』って」
「け、結婚!?」
「あー、副隊長言っちゃだめー!」

 驚いて思わず声を出したシグナムに、彼女の制服の裾を引っ張ってヴィヴィオが抗議する。

「あ、ああすまなかった……しかしなぜレヴァンティンなのだ?」
「スバルお姉ちゃんが言ってたの。『2月14日にレヴァンティンにお願いすると、好きな人と両想いになれる』って」
「スバルが……?」

 根拠の分からないスバルの言動について、シグナムは自分なりに推理してみる。
420セントレヴァンテインデー:2009/02/15(日) 16:15:03 ID:ajxVL5/f
 スバル、2月14日、両想い、レヴァンティン……
 レヴァンティン、レヴアンテイン、レバンテァイン、レバンタイン、バレンタイン!!

「成程」
『Explosion!』

 合点が行った。
 そういえば海鳴に居た頃は、ちょうど今の時期によく『バレンタイン』なるイベントの名前を聞いていた。
 シグナム自身には縁のないイベントだったが、確か女性が意中の相手にチョコレートを渡して想いを伝えるという
内容だった事は覚えている。
 スバルの先祖は地球出身である。
 おそらく彼女は何処かで、自分の先祖が生まれた世界には2月14日にバレンタインなるイベントがある事を
知ったのだろう。しかし情報が伝達される過程で変化してしまったのか、チョコレートの事がすっぽり抜け落ちたり
バレンタインがレヴァンティンになったりと色々誤って伝わってしまっていたという訳だ。

「そうか……しかし、ザフィーラか……」
「うん! ザッフィーはいつも遊んでくれるし、私ザッフィーの事が大好きー! 大きくなったら絶対ザッフィーの
お嫁さんになるの!!」

 シグナムには口止めしておきながら、自分から堂々と大声で宣言してしまうヴィヴィオ。
 その様子からは、子供らしい純粋な好意ながら、本気でザフィーラを好いている事がわかる。

(これは大変だな)

 シグナムは盾の守護獣にちょっぴり同情した。
 行動次第では緑色のバインドに磔にされてトリプルブレイカーである。
 もっともあの実直な男がそんな選択肢を選ぶ事は万に一つもないだろうが。

(さて――)

 それはともかく、とりあえずヴィヴィオの誤解を解いておこう。
421セントレヴァンテインデー:2009/02/15(日) 16:16:16 ID:ajxVL5/f
「ヴィヴィオ。残念だがスバルの話には誤りがある。スバルが言っているのは『レヴァンティン』ではなく
『バレンタイン』という、地球にあるイベントの事だ」
「えー、そうなのー?」
「ああ。地球では2月14日に女性が好意を抱く相手にチョコレートを渡し、その想いを伝えるという習慣が
あるのだ。それが本当の『バレンタイン』だ」
「へえー」
「だからレヴァンティンにお願いをしても……」
「副隊長! ありがとーございましたー!!」
「……」

 シグナムが全部言い終わる前に、ヴィヴィオは一礼してオフィスを走り去っていく。
 チョコ買いに行くんだろうな、と背景の誰かがポツリと言った。


「……やれやれ。何はともあれ、さっきはすまなかったなレヴァンティン」
『いえ』

 シグナムは溜息を着くと自分の椅子に腰掛ける。
 掛けながら、隔離施設にいる融合機の事に思いを馳せた。
  
(テスタロッサ辺りに一度相談してみるか) 

 そんな事を考えながら、レヴァンティンを手に取り面白そうに呟く。

「しかしお前に縁結びの力があるとはな。そんな機能があるのならば……是非一度お目にかかりたいものだ」
『……主?』
「さて、仕事に戻るとするか」

 剣をいつまで経っても慣れぬペンに持ち替え、シグナムはデスクに向かう。


 何か忘れているような気がしたが、結局それが何なのか思い出す事はなかった。


          ◆

422セントレヴァンテインデー:2009/02/15(日) 16:17:11 ID:ajxVL5/f
「それでは後はよろしくお願いします」
「了解や。シグナムもゆっくり休んでな」

 八神はやての柔らかな笑顔に見送られ、シグナムはオフィスを出た。
 このところ難しい顔をする事が多かった主も、今日の休みで随分とリフレッシュ出来たようだ。喜ばしい事である。
 
 廊下を歩きながら、これからどうするか考える。
 交代部隊は基本的に他の部隊がオフシフト中の穴を埋める存在なので、そこに属しているシグナムは他の家族とも
すれ違いになる事が多いのだ。

(今日は、家に戻っても一人か……)

 我が家といえど、一人で過ごすのは何となく寂しいものである。
 今夜はこちらに泊まり込もうかとも思ったその時――

「あーいたいた。探したっスよ姐さん」
「ヴァイス?」

 シグナムを呼び止めたのはヘリパイロット兼狙撃手のヴァイス・グランセニックだった。
 ヴァイスはシグナムの側まで駆け寄ると、何かを期待するように熱い眼差しを彼女に向ける。

「な、なんだいきなり。あまり見つめるんじゃない」

 妹を誤射してしまった過去を持つヴァイスだが、最近はその心の傷を克服し、頓に男らしさを増したように思える。
 そんなヴァイスに、シグナムは自分が惹かれつつある事を自覚し始めていた。
 今も過剰に意識してしまい、彼の目を見ている事が出来ない。

「……いや、あの、姐さん? 何か俺に用があるんじゃないんですか?」
「は?」

 ヴァイスは少し困惑した表情で自身のデバイスを取り出し操作する。

「ほら、ストームレイダーに姐さんからのメッセージが来てましたけど」
「何かの間違いじゃ……」

 ストームレイダーがヴァイスの手元の空間に小型のディスプレイを展開する。
 そこには確かにレヴァンティンからストームレイダー宛てに『渡す物があるから取りに来い』という旨の
メッセージが表示されていた。
423セントレヴァンテインデー:2009/02/15(日) 16:18:00 ID:ajxVL5/f
「……ないようだな」
「何ごちゃごちゃ言ってるんスか?」
「ああいや、何でもない! 何でもないぞ!」
「それならいいですけど……で、何くれるんですか?」
「あ、えーと、その、ちょっと待て! 耳を押さえて向こうを向いてろ!」
「はあ?」
「いいから!」

 シグナムの剣幕に押され、ヴァイスは言われるがままに耳を押さえシグナムに背を向ける。
 それを確認すると、シグナムはレヴァンティンの鎖を引き千切ると粉砕せんばかりの力で小さな剣を握り締めた。

「……何をしている」
『シ、シランデアホー……』
「誰がアホだ。もう一度問うぞ。何故あんなメッセージを送った?」
『……』
「……」

「姐さーん、まだですかー?」
「もうちょっと待っていろ!!」

 今はヴァイスを何とかする方が先決だと考え直したシグナムは詰問を諦め、制服についているポケットを片っ端から
探っていく。

(ええい、何か無いか? 何でもいい、何かアイツに渡せそうなものを……!!)

 その時シグナムの指に何かが触れた。

「よしヴァイス! 目を閉じたままゆっくりこちらを向いて口を開けろ」
「え? なんて言いました姐さん?」
「耳はもう押さえなくていい!」

「全く、何なんですか姐さ……んんっ?」

 ぶつくさ言いながら振り向いたヴァイスの口の中に、不意に甘い味が広がった。
424セントレヴァンテインデー:2009/02/15(日) 16:19:19 ID:ajxVL5/f
「もう目を開けていいぞ、ヴァイス」
「これ……チョコレートですか?」

 それは先程、オフィスを去り際はやてから渡された一口サイズのチョコレートだった。

 ――では私はそろそろ失礼します。
 ――あ、ちょい待ちシグナム。まあええからこれ持っとき。
 ――……またキャンディですか?
 ――今日は飴ちゃんとちゃうよ。バレンタインやからチョコレートや。
 ――はあ……それでは後はよろしくお願いします。


(……何でも貰っておくものだな)

「あの、姐さん?」
「ん、ああ。何だ?」
「もしかして、渡したい物ってこれだけ……じゃあないですよね……?」

 ヴァイスは困惑したような表情でシグナムを見つめている。

「そうだが?」
「え……あ、そっスか……」

 シグナムの答えに、ヴァイスは目に見えて落胆する。
 彼が何を期待していたのかまではわからないが、少なくとも小さなチョコ一個よりは豪華な物だったのだろう。
 2月14日という日に女性からチョコレートを貰う事がどういう事か、バレンタインを知らない彼は
当然解らないのだ。

「まあそう落ち込むな。それより今日はもう仕事は終わりか?」
「ええまあ、今終わったとこですけど」

「ならば――よければこれから食事でもどうだ? 私が奢るぞ」

 その後バレンタインの存在を知ったヴァイスがしばし悶々とした日々を送るのと、その更に後、一部の者達の
間で烈火の将の愛刀に縁結びの力があるという噂が囁かれるようになるのは、それぞれ別の話である。


 一方ザフィーラは食中毒で入院した。海鳴時代から数えて二度目である。
425ておあー:2009/02/15(日) 16:22:55 ID:ajxVL5/f
以上です、お付き合いくださった方、ありがとうございました。

Q:バレンタインくらいなのはさんが教えるだろ常考
A:『それだと俺の出番がなくなるだろ常考』ってレヴァンティンが言ってました。

あと余所で見かけたので。
リリカルやがみけ、間は空いてるけど一応書いてない訳じゃないんです。
なまじ時間が空くと(自分を)勢いで誤魔化せないんで納得いくところまでなかなか持っていけないのです。
現状三歩進んで四歩下がった後二歩進む状態なんで、もうちょっと待っていてくださると泣いて喜びます。
426名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 16:25:40 ID:hHW6n8Is

GJ!
それにしても……

>>海鳴時代から数えて二度目である。

はやてのことかぁーーーーーっ!!www
427名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 16:30:33 ID:Znq7SX70
>>406
ザフィーラははやてとシグナムとシャマルとヴィータとリィン、それにアギトから家族チョコもらえると思うけど
ああ、やっぱ犬だからダメなのね。
428名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 20:11:57 ID:aaR0dIVk
>>406
GJです。
グリフィスが黒い以外特に目を引かないかなーと油断してたらザフィーラのいいパンチが来ました。
「話が練られてる!」とか「キャラクターの性格をよく考えて作ってある」とかそういう面白さじゃない、シンプルな面白さを有難う。

>>425
GJです。
デバイス動かして話作りたいなーと思ってた矢先にいいレヴァ見せてもらいました。
個人的に、シグナムとヴァイスのカップルが好きなんでね、これだよなぁ、と読ませてもらいました。




しかしよぉ、御二方ぁ…今度は、ザッフィーに良い目見せてやっておくんなせぇ…
429名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 21:12:03 ID:QDnIoM+y
>>425
シランデアホーGJw
レヴァンティン良い仕事したな〜

とりあえず、ザフィーラは俺と代われ!
430野狗:2009/02/15(日) 22:17:46 ID:hHW6n8Is
一日遅れのバレンタインネタですが。
訳あってw、ほのぼの八神家で書きたくなったぜ。


A'sとStSの間の話。
タイトル「八神家のバレンタイン」
レス数4

あぼんはコテで。
431野狗:2009/02/15(日) 22:18:26 ID:hHW6n8Is
      1

「明日は、バレンタインデーや」
「バレンタイン?」

 リインは不思議そうに首を傾げている。
 生まれてからこっち、リインが経験したバレンタインが初めてというわけではない。
 ただ、リインにとってこの日は、「はやてちゃんの作った美味しいお菓子が食べられる日の一つ」に過ぎなかったわけで。
 その意味では、ヴィータも似たようなものなのだけれど。

「また、はやてちゃんの美味しいお菓子が食べられるです」
「おう。しかもチョコレートだ」
「……お前たち、まだこの日の意味を理解してなかったのか」

 二人の会話を耳に留めたシグナムが呆れたように言うと、リインがムッとした顔で聞き返す。

「何がです? シグナム」
「まったくだ。この朴念仁の将まで理解しているというのに」

 足下からの声に、今度はシグナムが仏頂面になる。

「他のことならいざ知らず、それに関してだけは貴様に言われたくないぞ、ザフィーラ」
「ふん。私は毎年アルフから受け取っているからな。お前よりはこの習慣を理解しているつもりだ。
もっとも、アルフはテスタロッサからこの習慣を学んだらしいがな。
ちなみに友チョコというものもあるらしいが、テスタロッサからはもらえないのか? シグナムよ」
「……それほど言うなら、一度その姿のままでチョコレートを食べたらどうだ?」
「殺す気か」
「その程度で死ぬか。衰えたな、盾の守護獣」
「はいはい。シグナムは殺気出さない。ザフィーラは大人げない。二人ともいい加減にしなさい」

 本気で言い合っているわけではない。と知りつつも一応シャマルが仲裁に入る。
 そして主として、はやても。

「そやで。喧嘩したら、シャマルの作ったチョコレート食べさすで?」
「どういう意味ですか、はやてちゃん」
「済まなかった、ザフィーラ」
「いや、こちらも大人げなかった。許せ、シグナム」
「どうして二人とも突然素直になるのっ!?」
432野狗:2009/02/15(日) 22:19:06 ID:hHW6n8Is
      2

 ――そのころのアルフ。

「何やってるの?」
「あ、フェイト。いいところに」

 アルフがハラオウン家の台所でなにやらやっている。リンディ、クロノ、エイミィは全員長期出張中なので別に困りはしないのだが、フェイトは眉をひそめる。
 
「なんか、変な臭い。焦げ臭いし……何やってるの?」
「チョコレートだよ。明日はバレンタインじゃないか。フェイトは準備しないのかい?」
「あ、そうか。そうだね。お兄ちゃんと、ユーノに渡さなきゃ」
「シグナムとなのはには?」
「え? バレンタインって、女の子から男の子にチョコレートをあげるんだよ? 二人に失礼だよ」
「ふふふ、フェイトは本当に疎いねぇ。最近は、友チョコって言うのもあるんだからね」
「友チョコ?」
「そう。友達に渡すためのチョコレートだよ」
「そうなんだ。そっか、それじゃあ、なのはとシグナム、エイミィにも、あ、もちろんアルフにもね」
「本当かい? うれしいよ」
「あれ? だけど、アルフ、チョコレート食べられたっけ?」
「そこなんだよ。悩みは。狼の姿で一度食べてみたいんだけどね。わざわざ人型になってもらうのも大変だし」
「そっか。ザフィーラは、普段から狼の姿だもんね」
「そうなんだよ……って、どうしてザフィーラのこと?」
 
 驚くアルフに、フェイトはクスクスと笑う。

「隠してるつもりだったの? さすがにわかるよ」
「隠し事はできないね、だけど、それじゃあ話は早いよ。狼の姿でも食べられるチョコを考えてたんだ」
「考えて、どうにかなるものなの?」
「一応試作品はできたんだよ。今から食べてみるところ」

 狼の姿になったアルフが、床に置かれたボウルに鼻面を突っ込む。

 ――数分後

 ビクンビクンと痙攣するアルフを必死で看病するフェイトの姿があった。

「あ、あ、プレシアが微笑んで手招きしてる……」
「アルフーーー! そっちに行っちゃ駄目ーーー!!!」
433野狗:2009/02/15(日) 22:19:46 ID:hHW6n8Is
       3

 ――そして八神家

「これがな。溶けやすくて固まりやすいチョコレート」
「なんか矛盾してるわね」
「だけど、加工しやすいんよ?」

 はやては溶けたチョコの入ったボウルに指を突っ込み、そっと取り出す。

「溶けたチョコもあんまし熱くないから、こうやって触れるし」

 そのまま、指を別のボウルへ。こちらには冷たい水が入れてある。

「ほら、もう固まった。指のチョココーティングや」

 すっと、ヴィータへ差し出す。

「食べるか? ヴィータ」
「はやての指? ……食べるっ!」

 パクッと食いつくヴィータ。

「くふふっ、ヴィータ、くすぐったいから、そんなに舐めたらあかんよ」
「じゃあ、お返し」

 ヴィータも同じように自分の手をチョココーティングする。

「はい。はやて」
「そんなんしたら、食べてまうで?」
「うふふ。いいよ、はやてなら」
「んー。そしたら、ぱくっ」
「ひゃんっ、はやて、くすぐったいよぉ」
「んー? チョコを食べてるだけやよ?」
「ひゃ。はやて、舐め過ぎだよぉ」
「はむはむ。ヴィータチョコは美味しいなぁ」
「だったらあたしも、もっとはやてチョコ欲しい」
「そか? そしたら、おかわりや。はい、あーん」
「はむはむ」
「くふっ、くすぐったいって、ヴィータ」
「だって、チョコ美味しいもん」 


「……さすがにな」
「ああ、あれはちょっと」
「仲良すぎよね。嫉妬しちゃうわ」

 ヴォルケン三人は、寂しく各自の部屋へ戻っていくのだった。
434野狗:2009/02/15(日) 22:20:26 ID:hHW6n8Is
       4

 ――そして数年、六課解体後。

 リインは理解したです。
 バレンタインは、お世話になった男の人にチョコレートを贈る日なのです。
 リインをたくさんお世話してくれたのは、ユーノさんなのです。
 リインも、指にチョコレートをつけてユーノさんの所に行くです。
 はやてちゃんとヴィータちゃんの恒例行事のように、指につけたチョコを舐めてもらうです!

 ……ちょっぴりです。

 少なすぎるのです。これでは一口どころか、一舐めで無くなってしまうです。
 考えるです。
 リインは賢い子です、いつもはやてちゃんやシャマルに褒めてもらってるです。考えればわかるはずです。

 閃きました!
 全身にチョコを塗るです。リインはちっちゃいけれど、全身に塗ればそこそこの量になるです!
 ユーノさんも、きっと喜ぶです。



「……シャマル。今、リインが飛んでいったような気がするんだが」
「それがどうかしたの? シグナム」
「裸でチョコまみれだったような気がするんだが」
「…………は?」
「……幻覚だろうか?」

 そこへ帰ってくるアギト。

「なあ、今バッテンチビが裸で出て行ったんだけど……」
「すぐに捕まえろ!」

 慌てて外へ飛び出した三人が見たのは、虫に追われて涙目のリインだった。

「助けてですぅ!」
「……ああ、虫って、甘い物にたかるよな」
「そうね」
「……なあ、助けないの?」
「きしゃー」
「ガリューまでたかってる!?」
 
435野狗:2009/02/15(日) 22:21:06 ID:hHW6n8Is
 以上、お粗末様でした。

 うん。チョコまみれのリインが書きたかっただけなんだ。
 そんなの飛んできたら、舐めるよね? 男として(駄目だこいつ)

 あと、最後の特別ゲストは「喜んで待ちますぜ、ておあー氏!」の意。
436名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 00:45:25 ID:wbb1VmAP
>>435
GJ。舐め合い毎年かよw
特別出演のガリューも乙

……見たかったなぁ、ユーノにあちこち舐められちゃうリイン
437名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 01:28:11 ID:gjoGC9iS
で、舐めてる最中をなぜかいろんな人に見られて大変なことが起こるわけですねわかります
438名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 02:44:41 ID:5KbDV0OD
>>435
GJ
はやてとヴィータのバカップルぶりには読んでるこっちが恥ずかしくなったw
子供の指ちゅぱって妙な背徳感とエロスを感じるなぁw
439名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 08:29:02 ID:KlVQLKvO
>>435
GJ
リインを舐めるユーノも見てみたかったけど、そんなことしたら桃色の魔力光ががが
440名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 08:50:01 ID:+5nN/AP2
見ないうちに沢山の作品が!GJGJ
乙女チックでよきかなよきかなw

はやゲンマダー
441名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 18:41:25 ID:860rSy+T
>>435
可愛らしいリィンGJw
そして、久しぶりに聞いたな。きしゃー
442名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 22:43:04 ID:s0Kd47nC
チョコまみれのリインUおいしそー
皆様のバレンタインSS、ほのぼのして良いですね。



443名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 22:52:06 ID:s5oRiN6G
>>435
ちょwwガリューwwww
お前までたかるのは、色んな意味で自重しろ
二重の意味で、捕食になっちまいそうだ…。
444タピオカ:2009/02/17(火) 01:55:50 ID:JOoAI01J
イベントものの話を書くのは苦手です
しかし読んでいて楽しそうと思うのも事実
問題はバレンタインデーまったく関係ない話になってしまうこと
一発ギャグを何度も繰り返すが如き愚行を文章にしてみましたので気を付けて!
445良い子の二月:2009/02/17(火) 01:57:41 ID:JOoAI01J
「鬼はー外!」

無邪気に、しかし力一杯ヴィヴィオが投げる豆を蒼い狼が避けるふりをする。
ふりだけだ。
そのほとんどを、逃げるふりをするザフィーラに命中する。

「福はー内!」

またヴィヴィオが楽しそうに豆を投げる。ザフィーラも逃げようと動くには動くが、結局ほとんどの豆が当たった。

「よし、ヴィヴィオ、もう悪い鬼さんは十分やっつけたよ。さ、豆を食べようか」

微笑ましい気持ちのまま、その様子を見ていたなのはが声をかける。
はーい、と元気のよい返事をひとつすると、ヴィヴィオはすぐになのはの所へ駆けていかずに、

「ごめんね、痛かった?」

とザフィーラの蒼い毛を撫でるのだ。
ヴィヴィオの優しい心を愛しく思いながらザフィーラはゆるく首を振る。そして、鼻先をなのはへ向けてヴィヴィオへ行くように示すのだ。

「有難うね、ザフィーラ」
「構わん」

ヴィヴィオと同じく、優しく毛をなぜながらフェイトが苦笑した。
無骨にザフィーラも返事をするが、彼もフェイトもなのはの膝の上で豆を口にするヴィヴィオを眺めている。

「私たちも食べよっか。えっと…ザフィーラの年の数、何百ぐらい?」
「25でいい」



「エリオ」

呼びとめられたエリオが振り返れば、そこにいたのはシグナムだった。
その手にはラッピングされた小さな包み。

「副隊長、こんにちは」
「あぁ、お前にプレゼントだ」

手渡された包みをエリオは不思議そうに上下左右から覗きこむ。
リボンを結ばれているが可愛らしいと言うよりも綺麗な装飾だ。そこは、シグナムらしい。

「なんです、これ?」
「チョコレートだ」
「お菓子のですか?」
「あぁ」
「……えっと、とりあえず、有難う御座います。でも、僕なにかプレゼントされる事しましたっけ?」
「いや、主の世界の風習でな、今日はバレンタインデーと言う日なんだ」
「バレンタインデー…?」
「端的に言えば、意中の男性に女性がチョコレートをプレゼントする日だ。それとはまた別に、身内にチョコを贈る程度の者もいるが」
446良い子の二月:2009/02/17(火) 01:58:55 ID:JOoAI01J
自分は後者だ、と言わんばかりのシグナムの態度だが実際そうなのだろう。
六課と言わず管理局の一部ではやて、フェイト、なのはが発信源となった乙女の素敵な日である。

ちなみにこのシグナムというサムライガール、贈る数よりもむしろ貰う数の方が多い。狼としか認識されてないザフィーラよりもようさん貰う。
か弱い女性局員をさりげないフォローで助けたり、冷たい外見に熱い魂を持つシグナムはハンサムすぎるのである。
今宵もまたガチレズからほんのりシグナムに憧れ抱く女性まで幅広い層からラッピングされたチョコレートが贈られる事だろう。

「わぁ、じゃあ僕もお返しにチョコレート作りますよ」
「そのお返しなんだがな、丁度一ヶ月後のホワイトデーという日にする事になっている」
「へぇ、決まってるんですか」
「そういう俗習だ。ふふ、楽しみにしてるぞ」
「はい、チョコレート、有難う御座いました」



「あれ、ルキノ、なにしてるん?」
「あ、部隊長、今日ってバレンタインデーっていう日なんですよ」
「知っとるよ。わたしたちの住んでた所のイベントやもんね。でもバレンタインデーにお内裏様とお雛様は必要なかったと思うよ」
「え? チョコレートで作った三人官女や五人囃子を 「ストップ」



「あら、アギト、なにをやってるの?」
「あ、ギンガ、今日ってバレンタインデーって日なんだ」
「知ってるわ。私たちの祖先の世界のイベントね。でもバレンタインデーに嘘は必要なかったと思うわ」
「え? チョコレートさえ渡せばどんな嘘も 「ストップ」



「あれ、シスターシャッハ、なにをしてるんです?」
「あ、ユーノ先生、今日ってバレンタインデーっていう日なんですよ」
「知ってます。以前僕が住んでいた世界のイベントですよね。でもバレンタインデーに鯉幟は必要なかったと思います」
「え? チョコレートで作った鯉幟を 「ストップ」



「あら、シャーリー、なにやってるの?」
「あ、シャマルさん、今日ってバレンタインデーっていう日なんですよ」
「知ってるわ。私たちの住んでた所のイベントですもの。でもバレンタインデーに人型のチョコレートを窓際に吊るす必要はなかったと思うわ」
「え? チョコレートで作った坊主を窓際に吊るして 「ストップ」



「あれ、キャロなにやってるですか?」
「あ、リィンさん、今日ってバレンタインデーっていう日なんですよ」
「知ってるですよ。わたしたちの住んでた所のイベントです。でも、バレンタインデーに笹は必要なかったと思うですよ」
「え? チョコレートに願い事を書いて笹の葉に 「ストップです」

447良い子の二月:2009/02/17(火) 01:59:48 ID:JOoAI01J
「あら、レティ、なにをやってるの?」
「あら、リンディ、今日ってバレンタインデーっていう日なのよ」
「知ってるわ。私たちの住んでいる所のイベントですもの。でもバレンタインデーにポツダム宣言は必要ないと思うわ」
「え? チョコレートに刻んだポツダム宣言を 「シャボンスプレー!」



「あれ、騎士カリム、何をしてるんです?」
「あら、クロノ提督、今日ってバレンタインデーという日なんですよ」
「知っています。僕たちの住んでいた所のイベントですから。でもバレンタインデーにミゼット提督は必要ないんじゃないですか?」
「え? 多年にわたり社会につくしてきた老人をチョコレートで 「ストップ」



「おや、アリシア、何してるのです?」
「あ、リィンフォース、今日はバレンタインデーという日なのよ」
「知っています。私が住んでいた所のイベントですから。しかしバレンタインデーにカボチャは必要ありません」
「え? 仮装した子供がチョコレートを 「デアボリック・エミッション!」



「おや、イクスヴェリア、何をしているんだい?」
「あ、スカリエッティ、今日はバレンタインデーという日なんです」
「知っているよ。私が以前住んでいた所のイベントだからねぇ。しかしバレンタインデーに千歳飴は必要ないんじゃないかい?」
「え? 7歳、5歳、3歳の子供の成長をチョコレートで 「あ、これ飴じゃなくてチョコかい?」



「お、アルトじゃねぇか、なにやってんだ?」
「あ、ヴィータ副隊長、今日ってバレンタインデーっていう日なんですよ」
「知ってる。あたしたちが住んでた所のイベントだ。でもバレンタインデーにくつした型のチョコレートは必要ねーぞ」
「え? チョコレートで作ったくつしたの中に夜な夜な赤い服着た 「ストップ」



「おう、ノーヴェ、なにやってんだ?」
「お、おっさん、今日ってバレンタインデーって日なんだよ」
「知ってるよ。俺たちの先祖が住んでいた所のイベントだ。しかしバレンタインデーに芹、ぺんぺん草、母子草、繁縷、小鬼田平子、蕪、大根は必要なかったと思うんだが」
「え? 芹、ぺんぺん草、母子草、繁縷、小鬼田平子、蕪、大根と米とチョコレートを 「ストップ」



「オニハソト!」

怖気が走る速度でヴァイスの頬を薄く裂いたのは板チョコである。
高速で投擲された板チョコはまるでナイフのように壁に突き刺さる。

「な、なにしやがる!?」
448良い子の二月:2009/02/17(火) 02:01:04 ID:JOoAI01J
一寸だけ自分が生を拾った事を自覚できず呆け、遅れて鳥肌を立たせながらヴァイスはスバルに怒鳴った。

「なのはさんの故郷の風習で、チョコレート配ってるんです」
「はぁ?」
「なんでもバレンタインデーと言って、好きな男の人や同僚の男の人に、女の人がチョコをプレゼントする日だそうです。
っで、プレゼントの仕方は『オニハソト フクハウチ』という呪文と共に、その男性の年齢の数だけチョコを投げつけるとか。ヴァイスさんって、24ですよね?」
「いや、ちょっと待て、あと23枚、俺は投げつけられにゃならんのか!?」
「え、嫌だなぁ、あたしだけじゃないですよ」

まるでスバルの言葉に乗って、新たな殺気が場に流れるのが分かる。
スナイパーである自分だから理解できる殺気のむけられ方だ。強い集中力で狙いを定める者だけが発する独特の殺気。
いや、違う。
これは殺気なんかじゃない!
これは……

「フクハー撃チ!」

咄嗟に身を投げたヴァイスを、カカオ色の火線がかすめた。
甲高い悲鳴が壁に突き刺さる。弾丸だ。チョコレートの。

「ティ、ティアナ!? お前もか!」

即座に狙撃ポイントを割り出したヴァイスが遠眼にクロスミラージュを構えたティアナを捉える。
実に真剣かつ熱い眼差しでヴァイスを見ていた。
しかし、ほんのりティアナの頬が染まっているのは見間違いだろうか?

そして、まるで「届けこの想い」と言わんばかりに今一度ティアナが引き金を引く。

「オニハソト!」
「うおおお!?」

降り注ぐチョコレートの弾丸からヴァイスは転がって逃げる。
その一粒一粒はティアナが一週間前から真心込めてこしらえた物だ。
口にすれば恋のような甘さを味わえるだろう。口にできれば。
さらに、スバルが投擲する板チョコが板とか言うレベルを超える斬撃を伴い飛んでくる。
ヴァイスはただ逃げた。とにかく逃げた。逃げに逃げた。

「「オニハソト!」」
「た、助けてくれぇ!!」



おしまい
449名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 02:54:11 ID:EQadYz/P
だめだ
異文化コミュニケーションすぐるwwwww

おまえらもうちょい調査してからバレンタインデーしろw
450名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 03:13:09 ID:tEMCmW+Z
>>447
ちょっと待ってリンディさんw
451名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 05:12:39 ID:7JDBWo/H
>>448
これは面白いww
GJ!
しかし、スカは日本住んでないだろwww
452名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 06:14:59 ID:+ul7MmTf
>>448
朝から声出して笑ったwww
リンディさんが30才若返っ「シャボンスプレー!

とにかく面白かった!GJ
453名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 07:49:58 ID:umu8wXxx
>>448
文化はきちんと調べましょうw
まともなのはザッフィーとシグナムだけかw
とにかくGJ
454名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 09:03:38 ID:Orcv0VtX
>>448
GJ!
読みやすくって良かったです!
455名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 20:17:48 ID:8/bwM9HW
>>448
シャボンスプレーでそれまで我慢してたのが決壊したわw
そしてザフィーラ、良かったね扱いが良くて……w
GJっしたー!!
456名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 22:10:54 ID:JOoAI01J
ザフィーラとギンガがにゃんにゃん(わんわん)してる話あります?
457名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 16:44:14 ID:FFum5U2U
>>456
えちぃのでなくてもいいなら保管庫に一つあるよ。
458名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:04:29 ID:aSUoZ3Fk
どうも最近は難しい(?)SSばっかりで読みにくいと思うのは俺だけか?
459名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:13:11 ID:1rKxl2SI
えぇ、貴方だけです
460名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 23:30:07 ID:U7NM/dEy
>>458
ちょっと同意。
ちょっと前は格好つけて地の文に漢語を沢山つかって、硬めのSSを目指したりしたけど、
疲れたときとかに読み返すと面倒臭いんで、会話文多目で頭使わずに読めるのを目指してる。
461名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 00:42:54 ID:INAwyAN/
>>457
やっぱりあれだけですか
有難う御座いました
462名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 03:20:05 ID:n8EbiZW5
>>460
>ちょっと前は格好つけて地の文に漢語を沢山つかって、硬めのSSを目指したりしたけど、
おっと、灼眼のシャナの話はそこまでだ
463名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 04:07:47 ID:HSv9NUNg
>>462
一緒に876スレに帰ろう。な?
464名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 16:33:20 ID:SP+ANsB8
>>458
最近投下した一書き手ですが、できればそういう事は各SSへの感想レスという形で
直にかつ具体的に言ってもらえると改善しやすいとです。自分でも一応気はつけとりますが
やはり他人に指摘されないと気づけない事は多いので。
行き過ぎた批評や意見の押し付けは確かにアレですが、個人的にはふわふわのグローブで
思いっきり殴られて吹っ飛ばされる感じのキツい意見は大歓迎です。
465名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 19:36:22 ID:DV5p4Pw4
駄作しか書かないヤツに限って他人の作風にイチャモンつけるんだから
ほっといたほうがいいよ
466名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:09:34 ID:FkvExIQK
以前と比べて過疎ったな
467名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:12:15 ID:z4BPRnW5
投下自体はそう変わっては……
投下数はそれ程変わってないけど、書き手は減った、かな。
468名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:12:35 ID:oPrS0xIm
放送終わってこんだけ作品来るほうがおかしいんだって
映画が控えてるとはいえ
469名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:22:34 ID:iFBo2RA+
冷えろにせよエロにせよ、人様が目をとおすんだって事忘れてる職人は増えたな
470名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:40:17 ID:/ZSVqJGL
日本語でおk
471名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:41:42 ID:gM8ISajP

うん、そして読まさせて貰ってると言うことを
忘れてる>>469のような読み手も増えましたね
472名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 23:45:33 ID:DV5p4Pw4
投下物以外での読者と作者の態度だと思うが
前スレで荒らして、エロがない書き手を追い出したアホのせいだろ
エロがなくても受け入れられてた職人もいたのにな
473名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 00:08:04 ID:qdxUcYrA
>>469
例えばどんな方々?
一意見として知りたいな
474名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 00:08:49 ID:wHKSW8t7
ちょっと身辺慌ただしくてパソコンに向かえない。
4月からの生活がかかっているとはいえ、連載を滞らせるのは辛いなぁ。
エロだって書きたいのに。
475名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 00:21:34 ID:5x/shM7D
スレが荒れるから職人個人の噂を助長するような質問はやめてくれ
自分の反応を知りたいんだったら、個人サイトでやってくれ
476名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 01:08:11 ID:X3NzOw/C
はいはい、荒れるからこういった流れストップな
投下待とうじゃないか
477名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 05:48:15 ID:Wwn+aQqg
次スレ以降に投下したほうが良さそうな雰囲気だね。

478名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 09:32:43 ID:LX8sf/hO
モンスター読み手が増えたな
職人には敬意を持つべき
479名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 10:41:24 ID:GKJPIqsS
このスレはすでにピークを過ぎたどころか末期症状を必死に延命してるだけ
20スレくらいでもうここの価値はとっくに無くなってる
哀れだな
480名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 10:41:59 ID:p0ONfDo5
どうせこのスレの最初の方にいる単発自演君がまたきてるとかじゃないの
何言ってんだコイツって書き込みはスルーした方がいいよ

>>472
別に非エロ職人いなくなったとかなんて事はないと思うぜ
ここ数ヶ月のスレの投下頻度考えれば職人が忙しいとかで来てないだけだろ
荒らしが非エロがどうこう言ってた程度で真に受ける職人なんざいないわな
粘着されてた職人さんがブログに行ってしまったのは残念なことだけどね……
481名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 10:55:31 ID:X3NzOw/C
2月は忙しい人って多いもんなぁ
確かに荒らしが来る前と投下の頻度自体は変わってないか
それに本編終わって大分経つんだからこれくらいでも多いような気もするね

>>479
一番活気付いてたのは40スレの辺りなんだが・・・
ってスレという言葉だけ半角で打つこのキモい書き込み・・・
>>131
やっぱ非エロがどうこうってのはスレ荒らしだけが目的で適当なこと言ってるだけなんだろなこいつ
482名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:09:41 ID:SYB9hjZ/
三点リーダも正しく使えない人の書き込みも結構キモいと思うんだ
483名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:12:12 ID:o0IWJRvh
一年ほど前は3日で1スレ消費とかしてたなぁ…
484名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:13:17 ID:X3NzOw/C
>>482
通常の書き込みでなんで三点リーダにこだわらにゃならないのよ
バカかお前は
485名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:15:26 ID:SYB9hjZ/
なら半角全角にこだわる必要もなくね?
どうでもいいけど
486名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:17:34 ID:Nt4RJtMI
>>484
荒れるからストップとか言ったの自分だろ?
頭冷やしてもっかい書き込み見直せ、スレの空気悪くしてる一員だぞ今のお前は
487名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:19:14 ID:X3NzOw/C
>>486
そうさな、ごめんよ
488名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:20:11 ID:p0ONfDo5
もう荒れるから投下来るまでしばらく雑談自重しようぜ
489名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:35:46 ID:QBSvAtm7
くううん
490名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 12:43:06 ID:K28cFZa4
そういえば、2004年基準だとなのは達は来年中学の卒業式か?
491名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:05:27 ID:cYUDNdRZ
よし、引っ越し業者は八神姓をチェックだ
492名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:25:21 ID:qdxUcYrA
投下もあるし感想もあるから活気があるけど、このスレもなんだかんだで倦んでるんだな
活気があるけど倦んでるって矛盾してるが
493名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 14:51:08 ID:vcBb1Zn0
>>491
つまり配達業者がはやてちゃんを強姦するんですね
4947の1:2009/02/20(金) 16:05:38 ID:Wwn+aQqg
ところで次スレは、陵辱、陵殺ものOK?
猫姉妹で書いてるんだけど、3月3日も近いし、KYになるのはいやだな。
495名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 16:34:54 ID:f8uYxNlF
>>494
注意書きさえ徹底してればおkと思うけど
496名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 16:35:10 ID:LX8sf/hO
三月三日ってなんかあったっけ?
497名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 17:11:36 ID:/WpFatqh
>>496
耳の日、もしくは結納の日だな。
…クロノとエイミィの結婚式の日の話?
498名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 17:56:34 ID:rCH3nMjs
>>492
往時に比べて新規の職人が減ってきて古参の職人の投下が大半占めてるからじゃないかね。
職人ごとにどうしてもメインに据えるキャラや話の傾向が似てくる。

それでも完全に過疎ってるスレの百万倍マシなんだが。
二ヶ月ぶりにのぞいたスレに保守という文字しかなかったときのあの絶望感ときたら。
499名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:02:45 ID:Nt4RJtMI
スレが残ってるだけマシじゃないか……
500名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:07:03 ID:cYUDNdRZ
職人ごとのメインに据えるキャラや話の傾向

誰か暇な人、まとめてみない?w
501名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:12:11 ID:H0SJKuOw
名無し職人の存在忘れてないか?
もはや今では希少種になってしまったが
502名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:52:41 ID:GKJPIqsS
>>500
確かにそれはあるといいかもしれない、っか欲しいが・・・

職人って一口にいうけどものっすごい数になるんじゃw
503名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 19:29:37 ID:K28cFZa4
>>502
分析が目的なら、とりあえず去年からの一年分でいいんじゃね?
504名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 21:36:28 ID:qdxUcYrA
職人さん自らが「自分はこういうの好き」って言ってくださるのが一番早い事は早いな
505名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 22:48:39 ID:V5FvRZZF
>>496
ひな祭りじゃね?
506名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:26:02 ID:Wwn+aQqg
>>505 ビンゴ!
3月3日用のひな祭り用 短編SSを書く人いるんだろうな。
507名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 00:51:29 ID:u1TGBwLW
お雛様ってさ、長く飾ると行き遅れになるんだよね…
レジアス中将…
508名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:03:12 ID:5+W1XG1F
お内裏様に黒一点のザフィーラを置いて、三人官女がヴィータ、シャマル、シグナム
な八神家。

そしてお歯黒を押しつけあうシャマルとシグナム。
509名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 02:35:06 ID:TS7GfbUp
ひな祭りになるとどうしても替え歌が頭よぎるんだよな
510名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 05:24:33 ID:Z9Tyjfns
>>500
サイヒ氏・尻、クロフェ


後は任せた
511名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 05:45:56 ID:QfTB58ZZ
ブロンド3Pがブロント3Pに見えるんだが俺はどうしたらいい?
512名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 10:00:52 ID:lPZuzSLS
>>509
ふーたり並んでスガシカオー
513名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 10:17:49 ID:95Z4N1vT
>>511
9Pでいい
514名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 11:37:04 ID:3ma2xuC/
>>511
スターライトブレイカーを奢ってやろう
515名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 16:39:25 ID:YGCRNgXs
>>472
アレはエロがなかったからじゃなくオリキャラ祭りがウザかったからで
更になおかつ住人からマンセーされるほど人気がなかったというだけ。
516ザ・シガー:2009/02/21(土) 17:33:45 ID:+RqzWH5m
さあて、投下投下。爺タイムですよー。

つう訳で「鉄拳の老拳士」投下いくぜよ。
517鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:35:16 ID:+RqzWH5m
鉄拳の老拳士 拳の系譜3


 時は日も暮れた夜、機動六課隊員寮の前に車が止まる。
 濃密な緑、艶やかなモスグリーンのカラーリングを施された大きなスポーツカーだ。
 丸みを帯びた流線型のデザインは古めかしく、ところどころから年季が入った代物だと感じさせる。
 空気を震わせる重低音の排気音が、この車が今ではほとんどその姿を消した内燃機関式のものだと教えていた。
 ガソリンを燃焼させる燻った香りが僅かに大気に溶け出し、鼻腔をツンと突く。
 だがそれも停車により停止。エンジンの鼓動も芳香も消え去り、そしてドアが開いて運転していた者が姿を現した。
 禿げ上がった毛髪の消えた頭、そして頭部と対照的に豊かに毛髪を蓄えられた顎、そして顔に深く刻まれたシワが男の歩んだ年月を如実に物語っている。
 その顔から言うまでもなく男は老人。だが彼のその肉体は雄雄しさに満ちていた。
 身に纏った服を突き破りそうな筋肉の隆起に満ちた五体は背筋が驚くほど真っ直ぐに立っている。
 とても彼が70を過ぎた老人などとは思えないくらいだ。
 老人は咥えていた葉巻を最後の名残を惜しむように吹かすと、懐から出した携帯灰皿に押し付けて火を消す。
 そして羽織った上着の襟元、濃紺色の背広を正しながら寮の入り口へと足を運んだ。
 男の名はアルベルト・ゴードン、スバル、ギンガのナカジマ姉妹の祖父。
 そして今夜彼がここに来た理由は孫娘に会う為ではなく、烈火の将ことシグナムをデートに連れて行く為だった。
 待ち合わせ場所を六課の寮にしたのは、ここが双方にとって分かりやすくそして同時に手近であるからだ。
 ふと腕に付けた時計、小さくコチコチと小気味良い音を立てる年季の入ったアナログのそれで時刻を確認。
 まだ十分に時間的な余裕はある。
 いつも通りだ。
 デートの時はやはり男の方が早めに到着すべきである、古くから抱いているその理念を今日も死守できたようだ。
 寮の入り口を前に前に、ゴードンは自動ドアの硝子面で今一度自分の姿を再確認。
 深い濃紺色の背広にはシミなど一つもなく、その下に着た白のYシャツは胸元のボタンが二つ目まで外されて厚く逞しい彼の胸板をチラリとだけ晒している。
 不精者に見られないか、と一瞬だけ思案するがそれでも彼はシャツのボタンを全部かける事はしなかった。
 状況にもよるが、窮屈な格好は美人とのデートには似合わない。
 そんな事を考えていると、目の前にあった自分の姿が唐突に消えた。
 自動ドアが本来の目的に従って左右にスライド、中から一人の少女の姿が現れる。
 2メートルを超える体躯を誇るゴードンから見ても小柄と判断できる身長、青い髪は艶やかでかつての亡妻を思わせる懐かしい美、そして澄んだ瞳と整った顔立ちに至っては本当に彼女と瓜二つだった。
 ゴードンは一瞬、時の流れも今いる場所も何もかも忘れて少女に魅入られた。


「あ、お爺ちゃん」


 少女の、自身の孫娘であるスバルの声が現実世界に思考を引き戻す。
 ふと胸中で、声までそっくりだな、と思う。
 でも懐かしい、そしてもう決して戻らぬ過去を思うのはそこまでにしておく。
 それよりも今大事なのはこの小さな孫娘の事だ。


「おう、スバル。こんばんは、かな」

「うん、こんばんは……えっと、もしかしなくてもシグナム隊長待ち?」


 ゴードンの姿を上から下まで見て、昼間の服装と着替えた彼の姿を認識しスバルはそう尋ねた。
 彼がシグナムを今夜一晩“好きにする”という事はある程度六課隊員には広まった情報であるから、考えるまでもない事ではあるが。
518鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:36:52 ID:+RqzWH5m
 それでも自分の祖父が自分の所属する部隊の人間、それもとびっきりの美人とデートするというのは年頃の少女には少しばかり複雑なものがある。
 彼女の様子に、バツが悪そうに禿げ上がった頭を掻きながらゴードンは苦笑した。


「ああ、まあな。なにせ男ってのはいつまで経っても美女の誘惑には弱いんだ」

「誘惑したのはむしろお爺ちゃんでしょ?」

「さて、どうだったかな。近頃年のせいか物覚えが良くねえんだこれが」

「もう……」


 冗談交じりに相手をからかうようなゴードンの口調、スバルは祖父の返答に呆れたような顔をする。
 そして少女はモジモジと指先を合わせながら、空気の中に消えてしまいそうな小さなされど良く耳に響く声を紡いだ。


「あ、あのさ……こういうのって“うわき”じゃないの?」


 浮気、未だに男女の恋仲を知らぬ少女でも理解できる不貞。
 まあ、亡くなっているとはいえどゴードンは既婚者である、スバルの言葉ももっともな事だろう。
 しかし老人は少女の吐いた言葉に別種の驚きを得て、遠い過去を幻視した。
 亡き妻に言われたか、浮気したら許さないんだからね、という言葉。
 どこまでこの少女は彼女と被るのだろうか。
 もしもスバルの髪が長ければ、ゴードンはこの子を妻と見間違えて抱き寄せてしまうかもしれない、なんてくだらない妄想に囚われた。
 だがバカな考えだ、そんな思慮を一蹴するといつもの洒脱で冗談好きな精神を取り戻す。


「浮気? おいおい、そりゃ酷いぜスバル。俺はただ軽くデートするだけだ。こんな事は、まあ健全な男女の営みの範疇さ」

「営み、ってなんだか“ひわい”だよ」

「ほう? スバルはもう“ひわい”の意味が分かるお年頃か?」

「か、からかわないでよぉ」


 まるで子供が同級生の女の子を苛めるみたいに、ゴードンはスバルをからかう。
 頬を赤らめて恥らう少女の姿は本当に亡き妻にそっくりで、懐かしき郷愁の色合いが老いた男の胸に満ちる。
 そんな時だった、約束の刻限より随分と早くデートの相手が到着した。
 車、機動六課ヘリパイロットであるヴァイス・グランセニックの運転するそれが寮の前に停車すると、ロビーで立っていたゴードンとスバルが玄関の方へと顔を向ける。
 ドアが開けば一人の女性が下り立つ、それは完成された一個の美だった。
519名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 17:38:06 ID:+RqzWH5m
 いつもはポニーテールに結われた緋色の艶が今は解き放たれて風に舞っている、いつもは強固な騎士甲冑かパリっとした管理局制服に覆われた爛熟たる女体が今は幾万の男を魅了するだろう真っ赤な朱色のナイトドレスに包まれている。
 そして、常は化粧っ気など欠片も知らぬ麗しい美貌が今は薄く施された化粧で美しさに磨きをかけていた。
 烈火の将シグナム、烈火の二つ名を忘れてしまいそうなくらいに飾った歴戦のベルカ騎士の姿がそこにはあった。
 ゴードンは心底感嘆し、口笛と共に笑みを口元に浮かべる。


「ヒュ〜ッ♪ こいつぁ綺麗だ、思わずどこかのお姫様かと思ったぜ」

「か、からかわないでください……そもそも“なるべくオシャレしてくれ”と言ったのはあなたです……」

「いやいや、謙遜なさるなよ。おまけに運転手付きとは恐れ入るぜお姫様」


 彼の言葉に、シグナムは頬を朱色に染めて恥ずかしそうに俯く。
 年頃の少女のような初々しさを内包したその仕草は、彼女の常の怜悧な姿と相まってひどく愛らしいものだった。
 軽い冗談でも面白いくらい赤面する様子に、ゴードンはまるで良からぬ悪戯の成功した子供のように嬉しそうに笑う。
 そして唐突に彼女の手に自身のそれを重ねた。


「さて、じゃあ早速行こうか。今度はそっちの兄ちゃんじゃなくて俺の車でドライブだ」





 カラン、と、グラスに満ちる琥珀色の中に浮かんだ氷が綺麗な音色を上げた。
 だが誰もその音を聞き取った者はいない。
 それ以上の音の波が、美しく荒々しい音響が場を支配していたからだ。
 流れるはブルース。ギターとハモニカそして低く甘い声が織り成す心地良い旋律。
 紫煙と酒の匂いに溶けた音は、まるでそれが一つの魔法のように聞く者の心を捉え魅惑する。


「どうだい? 悪かないだろ?」


 男、身に纏う背広を引き裂きそうな屈強な五体をした老人、ゴードンはそう尋ねた。
 女、彼の正面に腰掛けた麗しき美女、シグナムは手にしたグラスを傾けて美酒により一度喉を潤すとゆっくりと彼の言葉に答えた。
 彼の問いは主語に欠けていたが、別にそれがなくとも理解はできたし返答の言の葉はいささかの逡巡も要さず紡ぎだせる。


「ええ、悪くない……というよりも、とても素敵な場所です」


 切れ長の目、まるで磨き抜かれた宝石の如く透き通った青い瞳でシグナムは軽く店内を見渡す。
 永い、本当に永い年月を紫煙と酒の香りを吸い続けた酒場がそこにはあった。
 バーと呼ぶには汚すぎる、だが居酒屋と呼ぶには綺麗過ぎる場所、適した呼び名はやはり酒場だろう。
 ブルースの演奏、上手い酒と料理、美女と極上のされど堅苦しくない一時を過ごせる理想郷。
 ゴードンの訪れたのはそんな店だった。
 軽い食事で小腹を満たし、流れる名も知らぬ曲に耳を傾け、そして今は美酒に酔う。
 それは異性との交際経験に乏しいシグナムから見ても“素敵”と判断して然るべきものだった。
520鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:39:29 ID:+RqzWH5m
 自然と美女の口元には淡き微笑が飾られる。
 だが、対する男は彼女の言葉にその太い眉を不満そうに歪めた。


「褒めてくれるのは店だけかい? それとも相手が俺じゃ不満だったかな」

「い、いえ! そういう訳では……」

「それとも、もっと若い男が良かったかい? ほら、なんだっけか、君を送ってくれたあのヘリパイの兄ちゃんなんて恨めしそうな目で俺を見てたしな」


 懐から取り出したシガレットケースから葉巻を一本口元へと運びつつ、ゴードンはからかうような、というよりからかう為の言葉を吐いた。
 効果は覿面。
 烈火の将の耳に低く渋い言葉の残響が響けば、彼女の顔はアルコールではなく羞恥によってもたらされた赤で朱色に染まる。


「な、なんでそこでヴァイスの名前が出るんですか」

「俺の見立てが正しけりゃ、ただの部下と上司にゃあ見えなかったぜ?」

「ただの腐れ縁です……邪推はしないでください」


 赤らめた頬を恥ずかしそうに俯ける彼女の仕草に、ゴードンは嬉しそうな笑みを帯びながら、そうかい、と小さく呟く。
 どうにもこの老いた男は女性をからかうのが好きらしい、特に相手が真面目で男っけのない美女ならなおさらだ。
 将を送迎した二枚目のヘリパイロットのネタで彼女がからかわれるのは既にこれで幾度目か。


「本当かい? いや、気になるねぇ、なにせ良い女には大抵男の影があるもんだからな」

「本当です。あいつとは古くから付き合いがあるだけですから」


 しつこいくらいに尋ねる言葉に美女はそう言い切った。
 彼は数年来の付き合いのあるだけの部下だと、ただの顔見知りだと。
 語る言葉にどこか甘さが溶けている事に気付かぬのは彼女自身だけか、だがそれを知りつつもゴードンはヒゲに覆われた口元を歪めて笑う。


「なるほど、じゃあ安心だな」

「安心?」

「君は今フリーって事にだ。俺もフリーで恋人もなにもいなけりゃ、ただの“男と女”として付き合えるだろ?」


 暗に昼間の言葉、彼女を“好きにする”という事を求めているのか。
 つまりは男女の営み、夜の契り、雄と雌の睦事である。
 またも妙な想像が脳裏を走り、さらなる羞恥がシグナムの頬を淡く桃色に染めた。


「そ、そういうのは不貞になるのではないですか? 亡くなっているとはいえ、奥様がいらしたのでしょう……」

「知ってるか? 昔のベルカにゃ、重婚の文化があったそうだ」

「……今では違法です」


 誘う言葉が本気かそれとも自分を弄るための冗談か、どちらとも取れるし否定もできそうだ。
521鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:40:34 ID:+RqzWH5m
 シグナムは自分を容易く翻弄する目の前の老いた戦士に複雑そうな視線を注ぐ。
 戦いでも言葉の語らいでも彼は楽しげにこちらを惑わすのだな、と、不思議な感慨が湧き上がった。
 同時に一つに疑問を再認識する、それは昼間の模擬戦という名の決闘での記憶だ。
 グラスの中身を空にすると、将は早速彼に問うた。


「ところで、一つよろしいですか?」

「まだホテルなら予約してないぜ」

「昼の模擬戦の事です」


 彼のバカな冗談は無視して話題を自分のそれにシフトする。
 血中に溶けたアルコールの為にいささか蕩けた美しい瞳に、鋭く凛としたものが戻った。
 ドレスに着飾った美女が一瞬にして女を捨てる、気高く凛々しい騎士へと変貌する。
 外見はそのままだが中身は今までデートを楽しんでいた者とは別人、烈火の将がそこにはいた。
 だが対する男は彼女の変化をまるで気にするでもなく、ただ静かに泰然自若とグラスを傾け紫煙を燻らせる。


「勝敗に因縁をつけるのは勘弁だぜ? まあ、確かにどっちもダメージがなかったのは事実だけどな」

「そんな事ではありません。もし実戦ならば、あそこで勝負はついていました。それよりも……」


 言葉を続けながら、シグナムはズイと身体を乗り出す。
 テーブルの上に身体を僅かに預ける事で、胸に実った豊かで柔らかな果実が強調される。
 一瞬ゴードンの目が細められてそこを注視するが、すぐさまシグナムの目線に戻された。
 中空で絡み合う視線と視線、将は彼の瞳を見据えながら静かに口を開く。


「あの時、あなたの足場を崩した時ですが、あなたはどうして切り抜けられたのですか?」


 思い出すのは先の決闘、シグナムの振るったレヴァンティンの刃、連結刃と化したそれが放たれた時の様相。
 あれは絶技、そう形容されるべき攻撃だった。
 振るえば必勝、それを約束された刃だった。
 だがしかし必勝の斬撃が彼を裂く事はなく、それどころか反撃をすら放ち烈火の将を打ち負かした。
 これは一つの謎を産み、シグナムの胸の中に小さなしこりを残す。故に彼女は今こうして目の前に相対した男に答えを求める。


「ああ、別にそう難しい事じゃないさ。ただ知ってただけだ」

「知って、いた?」

「正面三方向からの斬撃に注意を引いて、本命は後方からのブレード先端を用いた突き。注意するのは後方からの攻撃だけで良い」


 ゴードンはまるで最初からその攻撃を知っていたかのように語る。
 いや、彼は本当に知っていたのだろう。
 その言葉に込められた感慨は冗談の類とは思えないほど真に迫っていた。
 ならば答えは簡単。
 それは彼の年齢を鑑みれば自然な事で、シグナムの思考がそこに行き着くのにそう時間はかからなかった。
522鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:41:45 ID:+RqzWH5m
 将は一度身を行いて椅子に腰掛け直すと、ふう、と一息ついて囁くように口を開いた。


「そうですか……やはり、私は既にあなたと剣と拳を交えていたのですね」


 どこかで感じていた。
 ゴードンとの戦いには、何か既視感にも似た感覚で脳髄の奥底にこびり付いた思い起こせぬ記憶を疼かせるようなものがあったと。
 それが今彼の言葉で確信に変わる。
 闇の書と呼ばれた魔道書と共に激動たる闘争の時を行きぬいた年月は永く、その中で管理局員であった彼と運命が交錯してなんの不思議があろうか。
 むしろ両者が戦場で合間見えるのは自然の成り行きだったのだろう。
 ゴードンはかつての情景に想いを馳せているのか、グラスの中身をまた喉に流し込みながらふと目を細める。
 そして静かに渋い声を紡ぐ。


「まあな、今から40年は昔の話だ。あん時ぁ死ぬかと思ったぜ」

「……すいません」

「謝る事ぁねえさ。守護騎士連中にも書にも悪意はなかったのは知ってる。俺ももう気にしてねえ」

「……しかし」


 胸の内を蝕む罪悪感に美女の顔が沈痛に歪む。
 だが老いた男はそんなシグナムの鬱屈が吹き飛ぶような笑顔を見せた。
 僅かに尖り獣性を垣間見せる犬歯を見せ付けるような獰猛さを孕み、しかし同時に子供のように屈託のない笑顔。


「なら誠意を込めて俺とデートを楽しんでくれ。良い女には笑顔の方が似合うし、酒の肴には最高だ」


 言葉と共にまだ酒と氷の揺れるグラスを彼女の方に差し出す。
 氷が琥珀色の中で小気味良い音を立て、照明の光を受けて反射し美しく輝いた。
 彼のその仕草に、僅かに陰りを帯びたシグナムの表情も柔らかさを取り戻す。


「あなたがそう言ってくださるなら……そうしましょう」


 天使の、否、女神の笑顔。
 見ればどんな者でも魅了するような美しく澄んだ微笑だった。
 表情に宿るのは烈火の猛き炎ではなく、身体の芯を淡く火照らせる篝火。
 そして彼女は自身のグラスをゴードンのそれにそっと触れ合わせた。
523鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:43:12 ID:+RqzWH5m
 チン、と、硬質な硝子同士が小さく衝突して甲高い音を立てる。
 乾杯、と互いに小さく囁き挨拶をすると二人はすぐにグラスの残りを喉に流し込んだ。
 流れ続けるブルースのメロディーに、二人だけのささやかな酒宴は盛り上がっていった。





 ちょっとした秘密の暴露の後、二人はそれこそ浴びるほど酒を飲んだ。
 将の知らぬ過去の話、今の六課の話、互いの戦術や技の話、そして取り留めのない日常の話。
 様々な語らいを肴に飲む酒は実に美味いもので、普段から酒をそれほど飲まないシグナムが潰れるのは時間の問題だった。
 それ故に、今の状況もまた然り。


「さぁて、どうしたもんかねえ」


 ゴードンは支払いを済ませて店を出るなり、胸中の“荷物”を見下ろしつつ独り呟いた。
 胸に掻き抱いたそれ、甘い香りを放つ艶やかな髪を揺らしドレスを着た美しき女神が一人、静かに寝息を立てている。
 別にシグナムが極端に酒に弱いという事はない、だがゴードンと比べれば話にならなかった。
 今は完全に酔い潰れて意識を夢に溶かしている。
 女性としては少しばかり身長が高く豊満な肢体を持つ将だが、太く逞しいゴードンの腕は軽々と抱き上げていた。
 その腕の中で寝息を立てるシグナムの顔の、なんとも無防備でそしてそこはかとなく淫靡。
 老いた男の中に今なお消える事無く燻っている獣性、雌を求める本能にチロチロと種火が宿る。


「本当にどうしたもんか」


 このまま彼女を“喰って”しまうのは簡単だ。
 少し歩けば手頃なホテルが軒を連ねている。
 部屋を取り、ベッドの上に彼女を寝かせ、起きたところで酔いの回った女体を堪能。
 想像すれば実に容易いデートのフルコースだ。
 目の前に置かれた餌には何の罠もなく、見過ごすにはあまりにも芳しい香りで餓えた自分を誘っている。
 手当たり次第に女を貪る品のない獣になる気はないが、据え膳喰わぬ雄でいるのもどこか癪だ。
 男には送り狼になって良い時がある、それが老兵の持論である。
 そんな事を考えている時だった、ふと腕の中で柔らかく温かい女体が蠢いた。
 寝相、悩ましげに身をよじりくぐもった声が唇から漏れる。


「んぅぅ……ヴァイ、ス……」


 淡く朱色の艶を持つ美味しそうな唇から漏れ出たのは彼女を六課の寮まで送った青年の名前。
 その残響に込められたのは恋慕か友愛、どちらにも取れる好意が見える。
 眠る美女の唐突な寝言に、ゴードンは落胆の色を顔に滲ませた。
 こんな時に別の男の名を吐かれれば無理もない。
 ふう、と一度溜息を漏らすと、老兵は懐に入れていた待機状態のデバイスで通信を送った。





「さて、じゃあ後は頼むぜ」


 言葉と共にゴードンは眠れる美女の身体を助手席に乗せてシートベルトをかけ、音を立てて車のドアを閉める。
 声をかけた先にいるのは運転席に腰掛けた青年、行きにシグナムを送った六課のヘリパイロット、ヴァイス・グランセニック。
524鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:44:07 ID:+RqzWH5m
 ヴァイスは一瞬視線をシグナムの胸元、シートベルトでその柔らかなラインを強調された双丘に奪われつつもすぐさまゴードンへと戻して返事を返した。


「は、はい。任せといてください」


 ゴードンが六課に連絡を入れて呼んだのは彼だった。
 用件は、行きと同じくシグナムを送ってくれ、というもの。
 その報を入れるなり、ヴァイスは安全運転を守りながらも全速力で駆けつけ、今に至る。


「おう、任せたぜ」


 老兵はそう言うなり車から離れて見送ろうとする、が、そこで一度停止。
 もう一度車に寄り掛かると巨体を縮めて運転席の青年に視線を合わせる。


「ところで兄ちゃん、一つ良いかい?」

「なんすか?」

「いや、なに、ただのジジイの助言さ」


 言葉と共にゴードンの口元に笑みが浮かぶ。
 並ぶ歯列の犬歯により凶暴で獣染みた、でもどこか人懐っこい悪戯っぽい笑み。
 そんな笑顔を見せつけながら、老人は青年にだけ聞こえる程度の声量で話しかける。


「古いベルカの女はな、良いぜぇ。貞淑で慎みが深くて愛も深い、妻にも母にも最高だ」

「へ? な、なに言ってんすか突然!?」


 ゴードンの唐突な言葉にヴァイスが狼狽するが、彼は青年のそんな反応などないが如く無視。
 そして笑みを深めると共に言葉を続けた。


「何より、ベッドの上での乱れっぷりが最高だ。天国が見れるぜ?」

「な、なな、なにを!?」

「いやなに、だからよ、そこの姉ちゃんに気があるなら大事にしろっ、て話さ」

「気がある!? いや、べ、別に俺は姐さんとは……」

「ハハ! まあそういう事にしとこうか」


 豪放磊落と笑いゴードンはボンネットを一度叩くと車から離れた。
 最後に、頑張れ送り狼、とからかいを入れてヴァイスを赤面させるのも忘れない。
 青年の運転する車を見送ると老兵は、ふう、と息を吐いて懐から葉巻を取り出す。
 昔の自分なら少しだって逡巡を見せずに目の前の媚肉を貪ったとのだろうが、今では若者の恋路に譲っている。
 これが年月の積み重ねと老いなのだろうか、という感慨がふと込み上げてきた。
 口に葉巻を咥えつつ苦笑。
525鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:44:59 ID:+RqzWH5m
 よく考えれば自分はもう70を過ぎた老いぼれである、この程度の落ち着きは持って然るべきだろう。


「いつまでも若い気分じゃいられねえ、か」


 誰にでもなく、クラナガンの冷えた夜気に消えるように呟く。
 さて、これから家路に着かねばならない。
 酒の入った身体で運転はできないだろうから、徒歩での帰宅だ。
 そんな時だった、目の前、直線の道路の先約100メートルに人影が見えた。
 並んで歩く影二つ、一方はショートヘアもう一方はロングヘア。
 猫科の肉食獣の如くに夜闇でも効く男の目はそれが女性の、それも自分に近しい者達だと即座に気付いた。


「あ、おじいちゃ〜ん」


 足早に駆け寄るのは短い青髪を揺らす少女、スバル。
 そんなスバルの後から落ち着きを持って追い縋るのは姉のギンガ。
 夜のネオンの中でも一際輝くような二人の美しい少女、愛しい孫娘が男の前に現われた。
 自然と彼の口元には、先ほどの美女に見せたものとはまったく別種の笑みが宿る。


「おうおう、こんな遅くにどうした? 乙女の散歩にはちょいと時間が遅すぎるぜ」

「あ、えっとね、さっきヴァイス陸曹からお話聞いて」

「お爺ちゃん一人で帰るんなら、私たちが送ってあげよう、って」


 スバルの言葉を引き継ぐようにギンガが笑みを、柔らかで優しげな微笑を浮かべる。
 二人の表情の思わず亡き妻と娘の面影が重なり、老いた戦士の鼓動が僅かに高鳴った。
 特にスバルの微笑みは亡き妻に瓜二つで、初めて彼女とデートした時の事が脳裏を駆ける。


「ったく、ほんとそっくりだな、おめえらは……」

「ん? なにか言った?」

「いや、なんでもねえ。じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」

「うん、それじゃ一緒に行こ♪」


 スバルは元気良くそう言うと、細くしなやかな指を祖父のそれに重ねた。
 ごつごつとした男の手に少女の白魚のような指が絡まり、ギュッと僅かに力を込めて握り締める。
526鉄拳の老拳士 拳の系譜:2009/02/21(土) 17:46:27 ID:+RqzWH5m
 老兵は年甲斐もなく、どこか気恥ずかしさと喜びを感じた。


「そういえば、お爺ちゃん今クラナガンに住んでるの?」

「ああ、昔馴染みにアパートを借りてる」

「あ、それじゃあギン姉、今日はお爺ちゃんの家に泊まろうよ」

「良いわね、そうしましょうか。大丈夫? お爺ちゃん」

「ああ、構わねえよ。可愛い女の子と一緒に寝るなんて久しぶりでな、興奮しちまう」


 もう、と、呆れたような声と共に洒脱な冗談を飛ばす祖父に二人の少女は苦笑。
 柔らかな微笑と共に笑い声が零れて、夜の大気に溶け込んでいく。
 そして老兵はふと思った、あのままシグナムを欲望に身を任せて貪るのと今こうして孫娘達と時間を共にする事、果たしてどちらが良かったのだろうかと。
 僅かに美女との一時を捨ててしまった事に後悔し、そんな自分に呆れた。


「とんだ好色爺さまだな、ったく」


 自嘲的な苦笑の中で男は、二人の少女に聞こえぬ程度の声で呟いた。
 そんな彼の小さな声は、ただ少し冷たい街の大気にゆっくりと溶けていった。


続く。
527ザ・シガー:2009/02/21(土) 17:50:03 ID:+RqzWH5m
はい、投下終了。
レジなのといい、またもや爺のデートでございました。

ご馳走様するとみせかけてヴァイスに花を持たせる、それが爺的ダンディズム。
まあジイサマはこのあとギン・スバと一緒のベッドで寝る(本当に寝るだけ)のでそれで帳尻は合うさ!


まあ、とりあえず次回あたりから本筋スタートしようかと。
528名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 17:51:34 ID:IfSWYenO
GJ!
本筋に関係ないので恐縮ですが、
なんかこのスバル凄く可愛い。

そしてじいさん、かっこつけすぎだろ。もっとやれ。
529名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 18:04:51 ID:GgPmqjBx
GJ!
スバルに萌えた!

[email protected]
530名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 18:24:25 ID:xkhssdBa
>>527
レジアスはお爺ちゃんじゃないよGJ
なぜならオーリスさんは行き(ry
531名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 18:53:40 ID:18XDWCEs
スバルがかわいいww
爺ちゃんの渋さが、スバルの孫可愛さに蕩けて、素敵ミックスしてますね!
ギンガもかぅぁわいいよー!
532名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 19:26:49 ID:YNXCewZi
うわっキモ
533名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 19:55:42 ID:FItvX4f0
シガー様GJ
さすがゴードン様。
良い味出してますね。

この流れを壊したくないので、次スレで18禁猫姉妹投下します。
534名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 20:13:32 ID:IfSWYenO
>>533
言いたいことはわかるんだけど。
そう言われると、他の人も投下しづらいぞ。
535名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 20:39:36 ID:O3yHFihX
>>527
ああ、いいなぁ
じいちゃんテラカッコヨス

シビれます



>>レジなの
凄くいいところで引いてるのでwktkして続き待ってます
536名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 20:57:48 ID:+k2h1Bqf
>>533 次スレって……残り100kb近くもあるんだし、24時間後投下とかで十分だと思うが。
537名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 21:12:53 ID:FItvX4f0
>>536
Word換算で131KBのSSです。
やはり、次スレにします。
538名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 21:17:31 ID:TS7GfbUp
>>537
まさか131kB相当を一気に投下する気か?
539名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 21:27:44 ID:Dh7ZsZG3
それ嫌がらせにしかみえない。<131KB一気投下。
5407の1:2009/02/21(土) 21:40:08 ID:FItvX4f0
>>538
今、テキストエディタにコピペして容量見直したら30.6KBでした。
お騒がせして済みませんでした。
前編8レス、後編10スレで投下する予定です。

541名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 21:41:52 ID:TS7GfbUp
>>540
余裕じゃん
you、投下しちゃいなよ
542名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 21:43:21 ID:IfSWYenO
……テキストの容量じゃなくて、ワードのファイルの容量見てたのか。
543名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 21:52:11 ID:FItvX4f0
>>541
では、明日の夜にでも投下します。
 前編 リーゼアリア陵辱編
 後編 リーゼロッテ陵辱編
 で掲載します。
544名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 22:03:24 ID:IOMmaWYQ
>>543
きちんと一日寝かせて粗探しする方ですか。わかりました我慢します。
545名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 22:34:27 ID:H0KIrlwo
>>527
GJ!!
姐さんや爺さんもよかった、スバルやギンガも可愛すぎだぜ。
だが血がつながっていないのだから、その情欲を二人にぶつけたらどうか
と思った俺は相当な鬼畜だ……。

>>543
俺が望んでいた物が来たw
期待してまってます。

546名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 22:41:54 ID:0gLJXmyE
今からティッシュ用意しとくか
547名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:29:12 ID:BSy9JPUd
何故にwordだとあんなに容量食うんだろうな。
俺も昔、何度騙されたか。

>>527
GJ。
爺さん、渋すぎるよ。
惚れそうだ。


>>545
えっと…………このゴードン爺さんってクイントのお父さんじゃなかったっけ?
俺の覚え間違いだったら謝る。
548名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:31:52 ID:lPZuzSLS
クイントとスバギンは実の親子じゃねーべ
549名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:34:55 ID:BSy9JPUd
>>548
けど、スバギンはクイントのクローンで、遺伝子は同じなんだぜ。
550名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:40:27 ID:kFDRm9Jm
けど、書類上は養子
551名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:44:34 ID:BSy9JPUd
けど、同じ遺伝子だから血は………って、千日手かw
ごめん、変な揚げ足取って。
552名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 23:58:04 ID:Fk+yOqRH
>>540
後編長すぎるだろ
553554:2009/02/22(日) 00:09:00 ID:lC1YeEcE
盛り上がってるところ悪いですがお先に3P大丈夫でしょうか?
554名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:11:45 ID:XTke6DtC
投下レッツゴー♪
555554:2009/02/22(日) 00:20:25 ID:lC1YeEcE
んじゃ、さっそくいきます。

・もちろんエロ。
・交わるのはクロノ×リンディ×エイミィです。
・百合とかレズとかGLとか、そういうワードに嫌悪感を抱く方はご遠慮下さい。つまり、察してください。
・どっかの金髪執務官とかどっかの金髪聖王教会騎士なんかは出てきません。たぶん。

あぼんは「嫁姑の良い関係の一例(中編)」でおねがいします。
556嫁姑の良い関係の一例(中編):2009/02/22(日) 00:21:16 ID:lC1YeEcE
「準備できたわよー」

 夕食ができたみたいに軽く言うな。クロノはそう思ったが口に出すのはやめておいた。
 膝立ちのまま時折ぴくっ、ぴくっ、と痙攣したまま動かないエイミィ。その膝の間から顔を出してにこにこと笑うリンディが居るその光景は、もはや現在進行形で何が行われているのかよく分からない。
 そんな光景に頬を引きつらせていたクロノだったが、リンディの「固まってないでさっさとしなさいよ」という一言で我に返る。だが―――

「……ぁ、はぁ……。義母さん、上手すぎ……」
「この状況からどうしろっていうんですか……」
「せっかく母さんがお膳立てしてあげたのにその言い方はあんまりよ?」
「やりすぎです」

 エイミィの膝の間から顔を抜いて「そうかしら?」と心底不思議そうに首を捻るリンディ。クロノは知っている。この人が男だったら天下無敵の絶倫だろうということを。
 この間も友人である某腐れ縁の提督や某喫茶店の美人母とこの家で何やらやっていたのも知っている。もちろん、イケナイ方向でのお話だ。
 仕事から帰ってきて玄関のドアを開けようとしたらピンク色の声が聞こえて、そのまま近くの公園で孤独なひとときを過ごしたのはクロノにとってあまり思い出したくない過去だ。もっとも、その辺の詳細は爛れたシリーズで―――

「ほら、早く始めなさいよ!」
「――っと、何か妙な電波が……」
「もういい。ヤらないんだったら私がヤるわよ。奪われちゃっても知らないわよ?」

 そう言うなりリンディは背後からエイミィに勢いよく抱きついた。そして当然手はエイミィの胸へ。リンディほどではないにしても他人に誇れるほどの大きさを持つ彼女の胸がリンディの手によって大きく形を変える。
 手のひらで思い切り上下左右に動かしていたかと思えば、今度は彼女の乳輪の周りをくるくると人差し指でなぞり出す。最後に気持ちが高ぶって突き出した乳首の先端をぴんっ、と指で弾いたり、人差し指と中指でつまんで少しだけひっぱったり。
 最初のうちは抵抗の姿勢を見せていたエイミィだったが、そのローテーションが三分ほど続くとリンディにホールドされた状態の彼女は抵抗すら出来なくなり、今は荒く甘い息を吐く以外はリンディの為すがままだ。
557嫁姑の良い関係の一例(中編):2009/02/22(日) 00:21:49 ID:lC1YeEcE
「いいモノ持ってるじゃないのー。ほれほれ」
「っ、ぁあっ! か、義母さんに押しつけられ、ふぁっ……たら、そんな、こと……ひぁあっ」

 リンディは良い胸だと言うが、エイミィの背中に押しつけている一種の巨大兵器の存在があるためにその台詞は全く説得力がない。
 だがそんなことを考えているほどエイミィは余裕がない。胸だけを弄られ、自分の女の子の部分はきゅんきゅんと甘い疼きが止まらないのに焦らされたまま何分も刺激を甘受させられている。
 イきたい、イかせてほしい。自分の本能はそう告げているのにイくことができないもどかしさ。これで義母に頼めば達しさせてくれるのだろうが、エイミィの脳内で微かに残る羞恥心が最後の一歩を戸惑わせていた。
 そんなエイミィを見て何かが高ぶってきたのか、赤く上気した顔を彼女の耳元に寄せたリンディはそれに息を吹きかけるように甘く囁く。

「私のはただ大きいだけよ。エイミィのは可愛いじゃないの」
「っふあっ……」
「だーかーらー、卑屈になってる人には、お・し・お・き」
「ちょ、ちょっと義母さ、んむっ……」

 危機感を感じたエイミィがリンディの腕から逃れようとしたが、時既に遅し。首を強引に振り向かせられたエイミィはリンディの深い口づけを許してしまった。
 そこからはリンディの思うがままだ。程なくして固く閉ざした唇を舌で強引にこじ開け、興奮と羞恥で濡れそぼった口内を這うように蹂躙していく。頭はがっちりとホールドされ身動きも取れない。
 やがてもう無理だと悟ったのか、それとも力が抜けてしまったのか、エイミィは抵抗することを止め口内で暴れ回るリンディの舌をただ受け入れているだけになった。

「か、母さん、それ以上は……」
「――んはっ。クロノはちょっと黙ってて」
558嫁姑の良い関係の一例(中編):2009/02/22(日) 00:22:20 ID:lC1YeEcE
 リンディはがっちりと頭をホールドしていた右手の力を緩め、押しつけていた唇を勢いよく離す。一方のエイミィは完全に力が入らなくなってしまったのか、リンディの肩に顔を預けるような格好のまま目を閉じて悩ましげな表情をしている。
 そろそろエイミィも限界だ。母さんの術中に完全にはまってしまう。
 そう考えたクロノの思考を読み取ったのかリンディは数瞬の内に何事かを呟いた刹那、クロノが予想外の魔法行使に驚く暇も与えずに、リンディのものである蒼い魔力光でクロノの周囲に捕縛用の結界を発動させた。
 歴戦の魔導士であるリンディの結界は強固で、クロノがいくら解除の魔法を打ち込んでもビクともしない。苦い顔を浮かべるクロノの額に一筋の汗が光った。
 そんなクロノの表情を見て、何を思ったのかリンディは抱き合うような格好でいたエイミィを反転させて先程と同じように背中から抱きすくめるような格好に戻す。先程と一点だけ違うのは、彼女たちの視線の先に結界に閉じこめられたクロノが存在することだ。

「こ、これは……」
「これはオシオキ。こんなに可愛い奥さんに寂しい思いをさせたクロノへの、オ・シ・オ・キ」

 一字一字を区切り、最後にはハートマークでも付いているのではないかと言うほどの甘い台詞。これがなのはやフェイトならただ背伸びしているだけと感じるのだろうが、リンディには全くそれがない。
 むしろ、その実年齢を感じさせない肌と醸し出す大人の色気がマッチして、何とも言い難い妖艶な雰囲気がその言葉によって更に増長する。
 犯罪者の殺気には慣れているクロノだがあいにくその方面ではめっぽう弱い。リンディの雰囲気に圧倒され、口が上手く回らなくなる。

「な、なにを言って……」
「知らないでしょう? エイミィったら、昼間から股に手を突っ込んでオナニーしてるのよ? あなたの名前を叫びながらね」
「なっ……」
「か、義母さん……!」
559嫁姑の良い関係の一例(中編):2009/02/22(日) 00:23:00 ID:lC1YeEcE
 その一言でエイミィの顔が羞恥やら何やらで熟した苺と間違われるのではないかというほどに真っ赤になり、悩ましげな表情を浮かべたまま抱きつかれている義母を振り返って抗議の目線を送る。
 一方でそんなことは気にするそぶりも見せず、エイミィの肩に自らの顔を置くような形でクロノへとにまにまとした挑戦的な目線を送るリンディ。男と女の駆け引きに置いて、敵がリンディであるという時点で最初からクロノに勝算など有りはしないのだ。

「ああ、ウソだと思うなら証拠、有るわよ。ほら」

 更にたたみ掛けるようなリンディの攻撃。それには「んなっ……!」という情けない声をあげたクロノだけでなく、リンディに抱きすくめられたままのエイミィも「ぁ、あぅ……」と言ったきり俯いたまま反応がない。頭からは湯気が立ちこめている。
 リンディがちょうど二人の間に表示させたモニターには『……ぅあっ! く、クロノくぅん……ひ、ひぁあっっ!』。そんな悩ましく艶めいた声がハラオウン家のリビングで木霊する。
 閉じこめられているクロノの視線がモニターに釘付けになっていた。エイミィの「も、もうやめて!」という悲痛な叫びが部屋の中に響き渡るまで続いた。

「これで分かったでしょう? これに懲りたら反省なさい」
「わ、分かったから、はやく結界を……」
「まだオシオキは終わってないの」

 そう言うなりリンディはエイミィをカーペットに押し倒し軽く触れるキスを唇に落とした後、這うようにして体を百八十度回転させた。すなわち、エイミィの股間にリンディの顔が、リンディの股間にエイミィの顔がそれぞれ当てられている。
 エイミィが顔を青くした。やばい。これはやばい。義母さんのこれまでのテクニックに自分は流されっぱなしだ。そして、それ以上の刺激がこれからやってくるのだから、やばい。

「さーて、まずは太股からーっと。んちゅ……」
「ひぁあああっっ!!」

 マウントポジションのリンディがのしかかられているエイミィの太股を人撫でするだけでエイミィは快感に体を反らし、口から甘い喘ぎ声を高らかに上げる。
 これまでの行為で十二分に焦らされ続けてきた結果だろう。性感帯を少しでも触っただけでこれだけの刺激が体を突き抜けるのだ。女の子の一番の弱点を攻められたときには……!
 エイミィはこれ以上の刺激を想像したが、不思議と嫌悪感は上がってこない。むしろ、そのことを考えただけで顔は火照り、体は熱を帯びている。
 ここまでの交わりで嫌と言うほどに感化されてしまったのだろう。その事実に気づいてエイミィは更に顔を深紅に染めた。
 そんなエイミィの反対側で、リンディは愛液でびちゃびちゃに濡れきったエイミィの秘部を満足そうに眺め、未だ結界の中のクロノに笑顔で話しかける。
560名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:23:47 ID:lC1YeEcE
「じゃあもう前戯は終わったし、悪いけどいただくわね」
「そう思うなら結界を解いてくれ……!」
「ここで解いちゃったらつまんないじゃない。だから、ダメー。んむっ……」
「ひああっ」

 徹底して放置されているクロノを尻目に、リンディは躊躇することなくエイミィへの攻めを再開する。
 最初は撫でるように柔らかく舌を這わせる。ゆっくりと焦らすように秘所の周りだけを執拗に舐め続け、中の感度そのものを上げていく。エイミィの顔はそれによって面白いように歪まされ、イきそうでイかないそのもどかしさに脳はすでにオーバーヒートを起こしかけていた。
 やばい。このままでは本当にやばい。エイミィの本能がそれを告げる。このまま焦らされ続けたら間違いなく堕とされてしまうのは確実だ。
 一刻も早くこの状況から逃れなくては。そう思うのだが感化されすぎてからだ動かないのか、それとも自分の中の甘い疼きが自分の動きを阻害しているのか。どちらなのかは分からないが、少なくともこのままでは拙い。
 そうエイミィが思ったのも束の間、興奮していきり立った彼女の陰核をリンディのざらついた舌がまるでアイスクリームを舐めるように一撫でした。その瞬間、彼女の体が勢いよく跳ねた。

「ぅああっ!! ……あ?」
「これ以上はダメよ、エイミィ。あとはクロノにしてもらいなさい」

 エイミィの中で燻っていた情欲の炎がみるみるうちに消えていく。スーパーはタイムセール品が直前で無くなってしまったときの喪失感にも似た、いやそれ以上の切なさが彼女の体を冷たく包み込む。
 焦らされて焦らされて。それでも自分の躰は果てることはなく、それどころか自分でも妖艶にうねうねと蠢いていると分かる秘所の中に何者の侵入をも果たされていないままでいる。
 背中から抱きつかれたときから全てがリンディの思うがままだ。熱の籠もった体も、とめどなく溢れる愛液も、燻り続ける自分の女の子の部分も。
 そこから先はダメだ。そう自分の深層心理の中にいる理性というものが賢明にストップをかける。が、体に備わった本能にあらがうことが出来ず、更にリンディによって面白いくらいに高まった状態でお預けを食らっている。
 理性。衝動。二つの思いが交錯する。今はまだ理性の方が優勢であるが、それも時間の問題であるように思われた。しかし、決断という最後の堤防が衝動をまだ抑え込んでいる。
 まだ引き返せる。今は考えるときだ。感情に流されるのか、ストップをかけるのか。
561嫁姑の良い関係の一例(中編):2009/02/22(日) 00:24:29 ID:lC1YeEcE
「じゃあもう前戯は終わったし、悪いけどいただくわね」
「そう思うなら結界を解いてくれ……!」
「ここで解いちゃったらつまんないじゃない。だから、ダメー。んむっ……」
「ひああっ」

 徹底して放置されているクロノを尻目に、リンディは躊躇することなくエイミィへの攻めを再開する。
 最初は撫でるように柔らかく舌を這わせる。ゆっくりと焦らすように秘所の周りだけを執拗に舐め続け、中の感度そのものを上げていく。エイミィの顔はそれによって面白いように歪まされ、イきそうでイかないそのもどかしさに脳はすでにオーバーヒートを起こしかけていた。
 やばい。このままでは本当にやばい。エイミィの本能がそれを告げる。このまま焦らされ続けたら間違いなく堕とされてしまうのは確実だ。
 一刻も早くこの状況から逃れなくては。そう思うのだが感化されすぎてからだ動かないのか、それとも自分の中の甘い疼きが自分の動きを阻害しているのか。どちらなのかは分からないが、少なくともこのままでは拙い。
 そうエイミィが思ったのも束の間、興奮していきり立った彼女の陰核をリンディのざらついた舌がまるでアイスクリームを舐めるように一撫でした。その瞬間、彼女の体が勢いよく跳ねた。

「ぅああっ!! ……あ?」
「これ以上はダメよ、エイミィ。あとはクロノにしてもらいなさい」

 エイミィの中で燻っていた情欲の炎がみるみるうちに消えていく。スーパーはタイムセール品が直前で無くなってしまったときの喪失感にも似た、いやそれ以上の切なさが彼女の体を冷たく包み込む。
 焦らされて焦らされて。それでも自分の躰は果てることはなく、それどころか自分でも妖艶にうねうねと蠢いていると分かる秘所の中に何者の侵入をも果たされていないままでいる。
 背中から抱きつかれたときから全てがリンディの思うがままだ。熱の籠もった体も、とめどなく溢れる愛液も、燻り続ける自分の女の子の部分も。
 そこから先はダメだ。そう自分の深層心理の中にいる理性というものが賢明にストップをかける。が、体に備わった本能にあらがうことが出来ず、更にリンディによって面白いくらいに高まった状態でお預けを食らっている。
 理性。衝動。二つの思いが交錯する。今はまだ理性の方が優勢であるが、それも時間の問題であるように思われた。しかし、決断という最後の堤防が衝動をまだ抑え込んでいる。
 まだ引き返せる。今は考えるときだ。感情に流されるのか、ストップをかけるのか。
562嫁姑の良い関係の一例(中編):2009/02/22(日) 00:25:25 ID:lC1YeEcE
「でもぉ」
「ふえ?」

 唐突に甘い声が部屋に響く。

「おねだりしてくれたらぁ、イかせてあげてもいいかなぁ、なんてぇ?」

 やっぱりダメだった。

「お、お……」
「お?」
「お、おねがいしますぅぅ!! わたしのナカめちゃくちゃにしてくださいぃぃぃ!!」

 リンディの顔がぱっ、と明るくなった。その表情は、世の人妻好きが写真でも見れば十人中十二人は股間を滾らせるであろう強力なシロモノであった。
 しかし顔面蒼白になるクロノには、その背後に某砲撃魔導士の引き笑いが浮かんだということを事後に二人に話している。ちなみに、マウントポジションのエイミィに義妹の姿が重なったことはまだ誰にも話していない。
 閑話休題。
 エイミィの顔が羞恥で赤く染まるが、構うこともなくエイミィの膣内へと指を入れていく。無論、舌は彼女の陰核を捉えたままだ。

「ふああああっっッッ!!」
「可愛いわよ、エイミィ。ああ、自分ばっかりじゃなくて私のも舐めてちょうだい」

 既にまともな思考回路ではないエイミィは言われたままに顔をリンディのむっちりとした太股の間に顔を埋め、そのまま舌をちろちろと出してリンディの秘部をまさぐる。

「ぁああっっ!! いいわ、いいわよ、エイミィ!」
「んむぁあああ!! か、かああさぁあああ!!」
563嫁姑の良い関係の一例(中編):2009/02/22(日) 00:28:09 ID:lC1YeEcE
 桃色の悲鳴とは正にこのことだ。放置プレイを食らっているクロノはそう考えながらぼんやりとその光景を見つめる。
 リンディの凶悪的なまでに豊満な胸と、エイミィのリンディほどではないにせよ子供が生まれていやらしさの増したその両方の胸がお互いの体によって潰されて、相手の急所を探ろうと体を動かすとその振動がダイレクトに胸へと伝わっていくのだった。
 生まれたままの姿で重なり合う二人の姿は一種の芸術と呼んでも差し障りのない程であった。しかし、お互いの考えていることはより快楽を得られるには.より相手が感じるのはどこか。そんなことだけだった。

「か、かあさぁあんっ!! わ、わたしぃいい……っっッ!!」
「わ、私もよ……ぅ、ぅぁああああっっ!!」

 やがて、二人の体があからさまに痙攣しだし、甲高い絶叫からも絶頂の近いことが見て取れた。
 ドロドロに溶けてもの凄い熱量を発する二人の秘所からは強烈な雌の匂いが発せられ、お互いの鼻孔どころか結界に閉じこめられているはずのクロノの鼻にまでその香りは漂ってきた。
 どうにか早く出ないと。そうでもしないとこの暴れ馬がどうにかなってしまいそうだ。クロノの瞳には相変わらず痙攣を続ける二人の姿が映る。
 興奮は際限なく高まり、二人の顔が幸福なのか苦悶なのか、悩ましげな顔に変わるとともに、まるで電撃でも浴びせられたかのように勢いよく跳ねた

「ひぁあ!! い、イクううううっっっぁああ!!!」
「いい! いいわっッ!! い、イクうううぅぅぅぁああっっッ!!!」

 ぷしゅっ、という勢いの良い水音を響かせて、そのまま二人の体がくてっと地に落ちた。ひゅー、ひゅーという荒い呼吸の音だけが広いリビングを支配する。
 疲れたけれど、残ったのは幸福の疲労感だ。義母の愛液が顔を自分の今の笑顔を鏡で見たらものすごいエロいだろうなー、とエイミィは唐突に考えていた。
 自分の横で余韻に浸るリンディの横顔も同じように幸福に包まれているようだった。
 こんな気持ちの良い運動があるのか。ダイエットとかどうしようと考えていたところだったし、これはいいかもしれない。
 しかし、その考えはこの後軽く捻り潰されることになる。なぜなら。

「で、準備は出来たかい?」

 鬼気としたクロノらしき声が二人の耳に入った。
 二人は思わず冷や汗を流した。

 ついにクロノの逆鱗に触れてしまった二人が織りなすその夜はまだ、終わらない。



564554:2009/02/22(日) 00:29:56 ID:lC1YeEcE
sage忘れたすまん

投下終了なんですが、私は百合書きさんじゃなかったはず。 なのに、あれ?
おそらく最初に投下したのがアレだったから? うーむ。
それにしてもリンディさんは書いてて楽しいです。まだ発展途上な女の子や医者の古女房には表現できない妖艶さが有ります。

そして某web漫画の影響を存分に受けておりますorz
ストーリーは変えてありますが行為はほぼ変わっていないという事実。ツボって衝動で書いてしまったのは反省してる。でも後悔はしてない。

そしてそして、B・A氏ごめんなさいorz
565名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 09:19:24 ID:6X/SpsGE
>.>554
上手すぎです。
今夜、上げるのがが怖いです。
566名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 12:06:59 ID:5J5hEEKU
>>563
GJ!!
弄られ放題のエイミィがエロ過ぎです。
次回も期待してますね。
567名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 16:46:27 ID:rI7lOUAi
>>527
ザ・シガー氏Gj!
いつまでも色気が枯れないジジイというのは格好いいですねまったく!
>>500のようなまとめの中にザ・シガー氏の名前を刻むときは、間違いなく『漢』や『雄』が添えられるでしょう!
568名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 17:37:06 ID:6X/SpsGE
21時にリーゼアリア編、上げる予定です。
569246:2009/02/22(日) 18:20:05 ID:22+yQcZ1
>>568氏の投下を待つ間、暇つぶしに読んでやってください。
前回の投下で待ってたとか書かれて嬉しいやら申し訳ないやらですが、今回は短編投下させていただきます。
もうすぐひな祭りという事で、三人姦女とお雛様のお話です。
以下ご注意を。
・なのはさん&フェイトさん&はやて×ヴィヴィオのエロです。
・時期はSSXでヴィヴィオが登場した日の次のこと。
・ヴィヴィオは寝ているので、三人姦女がメインですがエロくはないかも。
では。
570Is some head cold water so?:2009/02/22(日) 18:21:16 ID:22+yQcZ1
 それは、もうそろそろ日付が変わってしまうであろう深夜。ミッドチルダにある、日本風の居酒屋の店内での
事だった。

「もうっ、なのは! いい加減にしなさい!」
「いーやぁっ! もっと飲むの!」
「ええやないのフェイトちゃん。なのはちゃんの好きにさせてあげたら。困るのは明日の自分や」

 きっかけは、友人であり恋人であり共に性欲と言う日常生活とは切っても切れぬものを解消し合う相手である、
高町なのはが持ちかけた相談事の為。
 普段碌に相談などせず、内心に抱えてしまうのがなのはの悪癖である。そのなのはに相談され、これは一大事
と友人である八神はやてとなのはの元に大急ぎで向かい、それから早数時間――。

「んぐっ、んぐ……んぐぅ――ぷはぁっ、すいませーん中生お代わりくださーい!」

 既になのはが胃に収めた酒の量は、フェイトが焦るほどに危険で。だがフェイトの心配を余所になのははハイ
ペースで酒を飲み続け、近年まれに見る苛立った表情でフェイトとはやてに愚痴の散弾を浴びせていた。

「ほんとさ、最近お仕事全然無くてずっとオフィス勤務だし。たまに教導のお仕事があっても、高町教導官の
カートリッジ使用削減キャンペーンとか言ってさ、全然砲撃撃てないし……こんなんじゃ胃に穴開いちゃうよ」

 最初は職場の同僚が嫌味。次はヴィータが最近口煩くて毎日疲れてしまう事。そのまた次は定期的に顔を見せ
るシャマルに事細かに生活習慣を改めるように言われる事。そのまたまた次は、アイナの料理の上手さへの嫉妬。
そして今のなのはの苛立ちは、昨今の次元世界の大不況へと向かっていた。
 そもそも管理局の運営資金――局員であるフェイト達の給料や、武装隊への物資補給、オフィスでの記憶ディ
スクに至るまでは、全て管理・登録されている各世界からの給金で成り立っている。
 だが昨今の世界的な経済危機は、今や管理局の運営資金までもを圧迫してしまう始末。それぞれの分野でトッ
プエースともなった三人は勿論それで困るほどの給料ではないが、身の回りのものは次々と切り詰められている
のが現状だ。特になのははその辺りに、多大なる苛立ちを募らせているようだった。

「まぁ、あれやな……新兵器の開発費用もまともに下りてないみたいやし、ベテラン教導官を動かすには、少し
ばかり資金がかかり過ぎるからやな」
「いいじゃない、私はなのはがオフィス勤務ずっとしてくれた方が嬉しいよ。後、砲撃はちょっと自重しよう」
「うぅ……納得いかない。すみませーん! 今度焼酎芋ロックで!」
「おっ、ええななのはちゃん。私にも同じの!」

 正直、フェイト一人ではなのはを止める事は出来そうになかった。だが、はやてはその場のノリに任せる方針
のようで、なのはの自棄酒に小言を言うのが面倒らしい。
 こうなったらと半ば意地になってなのはから酒を取り上げようとするが、返ってくるのは心臓も止まりそうな
冷たいなのはの視線。いい加減、自分一人だけ素面なのが馬鹿らしくなってくる現状だった。というか、車さえ
なければフェイトだって酒を飲みたいのが本音だ。

「ねぇ、私も飲みたいからティアナに車運んでもらおうと思ってるんだけど、今ティアナって暇だっけ?」
「元部下やろ冷たいわぁ。今ティアナはミッドで起きてる大事件の調査中や。マリアージュ事件って、聞いて
るやろ?」
「あ、そうだっけ……まいったな――」
「シグナム使ってええよ。暇そうやし」

 そうすると頷いて、フェイトが早々にメニューを開く。ついでにつまみの追加もし、乾杯と本日二度目となる
号令と共に、店内にグラスの打ち合わさる音が響いた。

「あっ、そうだ忘れてた! ねぇねぇ聞いてよ二人とも! 昨日ねヴィヴィオが――」

 ようやく本題だったらしい娘の名をなのはが口にしたのは、それから約一時間後。フェイトがすっかり出来
上がった後の話だった――。


Magical Girl Lyrical Nanoha
― Is some head cold water so? ―

571Is some head cold water so?:2009/02/22(日) 18:22:17 ID:22+yQcZ1
「んー、なのはぁ――」
「フェイトちゃーん……んっ――」

 先ほどまでいた居酒屋の目の前。公衆の面前で唇を突き合わせる酔っ払い共から視線を逸らしつつ、割と酷い
時間にたたき起こされたシグナムが、フェイトの愛車へと乗り込んだ。
 慣れた手つきでエンジンを起動させ、窓を閉めるその前にと、やはり我慢出来るわけも無い小言を言うため、
主を含む三人を睨みつけて。

「全く、いい大人が……主はやても程々にしてください」
「ええやんシグナム、たまにはぁ」
「たまにで無かったら強制的にでも自重してもらいます。テスタロッサもだ。こんな事は今回限りにさせてもら
う。後、なのはっ――!」
「ひゃ、ひゃいシグナムひゃん!」
「ひゃいじゃないだろう……お前は娘にそんな醜態を見せるつもりなのか? ヴィヴィオを見てみろ。今日は、
無限書庫でティアナの手伝いをしたと聞くぞ?」
「……私はそんな事聞いてないもん」
「何か言ったか?」
「いえっ、何も!」

 シグナムの小言は続く。時間にして、ほんの数分の事だがはやてとフェイトはうな垂れ、中心で説教を受けて
いるなのはは酔いの抜けぬまま、シグナムの文句にブツブツと反論を繰り返していた。

「とにかく、今日は早々にして帰ることだ。それと主はやて、私達は鍵をかけて寝ますので、間違っても起こさ
ないようお願いします」

 遠まわしに苛立ちを己の主にぶつけ、満足したらしいシグナムが去っていく。テールランプが見えなくなるま
でそれを見送った三人は、先ほどの反省もどこに消えたか、次の店へと彷徨い肩を貸し合いながら、どこぞの中
年親父の様に、ミッドチルダを徘徊した。
 道中、口々にシグナムへの不満をぶつけながら、時折声をかけてくる軟派な男達を睨みつけつつ、適当に見つ
けた二件目ののれんをくぐる。
 つまみと酒を半ば怒鳴りつけるように注文し、他の客に管理局の醜態を晒しながら、溜めに溜めた愚痴を肴に
思う存分飲み続けて三件目。
 途中、トイレへと駆け込みながらも続く四件目五件目とはしごと続け、気づけば空は僅かに早朝の顔を見せ始
めている事に気づいた。
 もう営業している店も殆どない。そして、フェイトは赤ら顔で帰宅するわけにも行かず、はやてはシグナムに
帰ってくるなと言及されている。
 ならばと家主であるなのはが立候補し、新たな飲みの場を見つけた三人は目指すべく高町家へと千鳥足で歩き
出す。
 既にそれぞれの限界はとっくに超えていた。最初から変わらぬペースで飲んでいたなのはとはやては勿論、遅
れを取らぬようにと一番のハイペースで飲んでいたフェイトも同様。
 最早それぞれが何をしているのかが分からない始末。はやてはなのはの胸を揉もうと背後に回り、そんなは
やてをバルディッシュで牽制しつつ、フェイトが直に胸を揉む。フェイトに乳首を抓られ、身を捩じらせながら、
なのはは誰が見ているのかも分からないミッドチルダの早朝で、甘い声をあげていた。

「――たらいまぁっ! ヴィヴィオ、なのはママ帰ってきたよお!」

 誰もが頭を抱えたくなるこの状況、酔っ払い達はヴィヴィオの熟睡しているであろう高町家に着いてもおかま
いなしだった。
 コンビニで買った缶ビールとつまみをテーブルに並べ、フェイトが他のつまみを探すため冷蔵庫を漁る。はや
てはソファに寝転がり、早朝のニュースを流し始めたテレビに何が楽しいのか大声で笑い、なのはは二人を背に
して愛娘の眠る寝室へと移動した。

「ヴィヴィオ? なのはママ帰ったよ? お帰りのチューして欲しいなぁ」
572Is some head cold water so?:2009/02/22(日) 18:23:08 ID:22+yQcZ1
 勿論深い眠りについているヴィヴィオが起きる気配はない。明日――正確には今日もヴィヴィオは学校だ。こ
んな時間に起こすわけにもいかない。だが、それを理解できるなら己も仕事があるのだと確り理解している筈で、
つまりは最早正常な思考の9割ほどはアルコールによって機能していなかった。
 起きてよぉ、と母の甘ったるい声にだが、ヴィヴィオは起きる事はない。近づく酒臭い息に眉を潜めるが、そ
れだけだ。
 僅かになのはの眉が上がる。一向にお帰りのキスをくれない娘に苛々は募る一方で、気づけば仕返し代わりか
ヴィヴィオの胸に手を乗せ、そのまま躊躇いもせずに揉み始めていた。
 とそこへ、

「なんやなんや、いないと思ったらこんなとこ――って、何やってんのなのはちゃん!?」

 運良く大事に至る前にヴィヴィオを取り上げたはやてが、割と本人にしてみれば真剣な表情でなのはを睨む。
その後ろでは、フェイトも同じようになのはに怒りをぶつけていた。

「あかん。さすがにこれはあかんよなのはちゃん」
「そうだよ……まず触るなら私の胸でしょ!」
「フェイトちゃんは黙っとき。ええかなのはちゃん。はやてちゃんは裏切られた気分で一杯や。何でこの場に私
を呼ばへんの? 幼女の胸を揉むのは私の仕事やろ?」

 ごめんなさいとシグナムに叱られたとき以上に反省を見せるなのはにはやては大仰に頷き、蠢く指が狙いを定
めているのは今も熟睡中のヴィヴィオの胸。フェイトは未だに不機嫌な様子で、なのはの胸を後ろから鷲掴みし、
弄んでいた。

「お、おぉ……これはこれは……」
「んんっ、最近ねっ……ヴィヴィオの胸、膨らんできて――ひぁん! スポーツブラくらい、そろそろぉっ、用
意したほうがいいのかなって、フェイトちゃんに……胸、気持ちいい……でもぉっ、私のヴィヴィオの揉みたい
のぉ……!」

 感激したかのようなはやてのため息が、酒となのはの喘ぎとその娘の苦しそうな寝息で溢れる寝室に、混じる
ように小さく漏れた。
 まだ小さいながらも、確りとした柔らかい感触がはやての手の平に展開されているのだ。それを見るなのはは
歯軋りをし、娘の胸が揉めないことにフェイトの腕の中で暴れながら、当初二人に相談事を持ちかけた原因であ
る娘の胸を睨みつける。

「ほんとええ感触はやぁ……さっすが、将来が約束されているだけの事は――」
「ひぎぃぃぃぃぃぃ――!!!」

 どこか悲鳴の様にも聞こえる絶叫が、なのはの口から飛び出していた。
 目の前で露にされ、時折身じろぎをするヴィヴィオの反応を伺いながら胸に触れているはやてが、心の底から
憎らしかった。
 ゆりかごでの戦いから早数年。娘は幸福にも大した病気もせず健康に育ってくれている。いつも母の心配をし
てくれる優しい子で、そんな娘の成長に一端を赤の他人であるはやてが独占しているのだ。
 相変わらずフェイトに胸を揉まれ、乳首を転がされながら耳を甘噛みされる快感に、早くも身体は音を上げ始
め、途方も無いくらいに火照っている。けれども、耐えられたのは娘への愛情あってこそ。せめてもと、フェイ
トを振り払い、狙いを定めるは、苦悶の声を洩らしているヴィヴィオの小さな唇だ。
 前歯が勢いよくぶつかり、瞬間ヴィヴィオの身体が大きく跳ねる。だが構わなかった。
 そしてするのは、普段しているような唇を軽く触れさせるだけのキスではなく、舌を絡め唾液を混ぜ合わせる
深いキス。

「ええなぁ、なのはちゃん……私もや」

 言って、はやてがヴィヴィオの唇ではなくなのはの唇を奪う。母と娘の混ざる唾液を自身の唾液と絡め、存分
に口内で転がし味わって。
 口内の唾液もそのままに次はフェイト。なのはから逃げられ、今度はヴィヴィオに狙いを定めていたフェイト
の唇を奪い、舌を絡めた。
 合計で四人のものを混ぜ合わせた唾液で喉を潤して、酒臭さにほんのりと熱を篭らせた吐息と共にはやてが脱
力した。
573Is some head cold water so?:2009/02/22(日) 18:23:51 ID:22+yQcZ1
「ヴィヴィオの胸、やーらかいねぇ……ママが一杯もみもみして、すぐに大きくしてあげるからね?」

 その隙に、なのはははやてからヴィヴィオの胸を奪還した。手の平を押し付けるようにして胸の形を変え、若
干危険な様子で、アルコール成分過多の唾液を満遍なく娘の白い胸元に塗していく。

「んんっ……はっ……っ……」

 そして耳にするのは、幼いが故に妖しい艶を持ったヴィヴィオの嬌声。なのはを含む三人が一瞬動きを止め、
少女の喘ぎに頬を綻ばせて至福の時を共有した。

「あのね、本で読んだんだけど小学四年生くらいの女の子って、もう一人で出来るらしいんだ」
「へぇ、そうなんフェイトちゃん?」
「うん。キャロがしてるの見た事ある」

 なのはから許しを受けたフェイトが、ヴィヴィオに胸に手を収めながら視線を巡らせる。なのはの愛読書であ
るふんどし姿の少女が描かれた育児書の内容を思い出しながら、なのはがヴィヴィオの割れ目を布越しに擦って
いるのを眺めた。
 なのはが指で触れる箇所、子供らしいヴィヴィオの白い下着は、見るだけで分かるほどに湿り気を含んでいる。
 この年頃の体格の子がヴィータしかおらず、一度も触れさせてくれないと嘆くはやては食い入るようにヴィ
ヴィオの秘所を見つめ、目を輝かせていた。
 湿り気が増し、下着に重さを感じ始めた頃に、ようやくなのはがヴィヴィオの下着をずり下ろす。片足だけに
下着をぶら下げた格好のヴィヴィオは、脚を大きく広げられ、桃色のバインドで固定された。

「ちっちゃい子のは初めてや」
「でも、小さい頃のなのはと形が違うね」
「うーん、フェイトちゃんともかなぁ……小さくて、ひくひくしてて、いやらしい」

 まだ誰も、本人すら触れた事が無かった無毛の未開の門は母であるなのはに触れられ、ほんの少しだけ左右に
口を広げているようにも見えた。それを促すなのはの指先が、発達していない小陰唇ごと門を左右に開き、愛液
を滲ませている小さな膣口を外気に晒す。
 さすがの刺激に、ヴィヴィオはまるで逃亡中の犯人が如く息を切らせ、今まで以上に身をよじらせ始めている。
 ヴィヴィオ以外の三人も同様だ。酔いが体調を悪化させ、本人達も何をしているのか分からずまともな理性な
どないこの状況。寝ている少女に悪戯をすると言う興奮が、一様に彼女達の鼓動を跳ね上げさせていた。
 特になのはは最早我慢できないのか、しきりに太ももをすり合わせ落ち着く様子が無い。フェイトに愛撫され、
そして今娘にしているこの行為は言いようの無い背徳をなのはに感じさせるには十分で。
 片手だけで左右に開き除かせた膣口の周りをくすぐっているその指も、背徳感を証明するかのように震えて
確かにはなってくれない。

「はぁ……っ……ヴィヴィオの、匂いだけでイッちゃいそう……」

 全身に回るアルコールも手伝ってか、身体の穴という穴全てが開き、汗とそれ以外のものを滲ませている感覚
がした。それをそのままに、ヴィヴィオの桃色の秘所に鼻を近づけ、更に強くなる匂いで肺と欲望を満たしてい
く。
 はやても身体の熱さに耐えられなかったのか、乱れた制服を脱ぎ捨て、やや控えめの胸をヴィヴィオの枕代わ
りにしてやりながら、幼い胸に執心した。

「ヴィヴィオ、お口開けられるよね?」

 フェイトは、ベッドの下から取り出したなのは愛用のバイブレータをヴィヴィオの口に触れさせていた。
 母の愛液が染み付いたそれを、ヴィヴィオは小さく口を開き受け入れる。乳を吸う赤子の様に口をすぼめてい
るヴィヴィオは亀頭部分を咥えている。時折漏れる空気の音と、あまりに強い吸引の為か、へこんだ両頬に思わ
ず違うものを想像してしまい、更に興奮は増長していく。
 その溢れ出して止まない欲情に従い、フェイトから奪い取ったバイブレータを自らヴィヴィオの唇に触れさ
せ遊ばせ始めたなのはは、左手を下着の内側に突っ込み、溢れた愛液を掻き混ぜる。
 ヴィヴィオの喘ぎと、はやての至福の吐息。なのはが自慰をする音と、ヴィヴィオよりも淫らな嬌声。そして
それに加わったのは、フェイトが新たに取り出したロータの音。
574Is some head cold water so?:2009/02/22(日) 18:24:42 ID:22+yQcZ1
「んっ――!?」
「あかんってフェイトちゃん。そな強いの……ヴィヴィオ、ビクンビクンってなってるやないの」
「ちょっとだけだから」

 幼いヴィヴィオに秘所への刺激は強すぎる。その為か、それとも己の欲望に正直になってか、フェイトはロー
ターをヴィヴィオの肛門に触れさせ、反応を楽しんでいた。

「はぁ、はっ――んっ……ふぅ――ぅぁ……っ……!」
「ははっ、ヴィヴィオ、なのはと一緒だね。お尻好きみたいだ」

 ローターが触れた瞬間、全身の強張りと共にヴィヴィオの肛門が収縮する。慣れる前にローターを離し、緊張
を解いた瞬間を見計らって、再びフェイトがーターを近づける。
 ヴィヴィオの反応を楽しむ紅い瞳に、納まりがつかなくなりそうな嗜虐心がちらついている事にはやてが気づ
く。硬くなったヴィヴィオの乳首を転がし、フェイトが肛門へ刺激を送るたびに小さく揺れる幼い胸を好き勝手
に遊ばせながら、やや呆れ顔で苦笑した。

「フェイトちゃん好きやなぁ。なのはちゃん、羨ましがるとちゃう?」
「なのは、今ヴィヴィオに夢中だから。それにヴィヴィオがお尻で気持ちよくなったら、なのはにもさせてあげ
るんだぁ……想像するだけでゾクゾクしちゃう……」
「変態やな」
「女の子の胸なら誰でもいいはやてに言われたくないな。それになのはのご所望だから」

 フェイトとはやて。二人の視線がなのはに向かった。

「えへへ……ヴィヴィオのお口いやらしいなぁ……あそこもひくひくさせて……でも、ヴィヴィオのエッチな姿
もっと見たいなぁ……」

 なのははヴィヴィオの濃い匂いに当てられたのか、ヴィヴィオがバイブレータを咥える姿に夢中になっている。
 溢れた唾液を飲み込むなのはの喉が艶かしく動く。だが、突き出している舌を伝って垂れる唾液が、ヴィヴィ
オの真っ赤になっている頬を汚していた。

「ね? 変態ママだから……っと、そろそろいい感じかな」

 ローターの刺激で、緊張していたヴィヴィオの肛門がフェイトの指を受け入れられる程には柔らかくなって
いた。
 指を第一関節まで突っ込み、奥ではなく孔の入り口付近を擽るように動くフェイトの指に、自然とヴィヴィオ
の腰が突き出されてしまう。
 垂れた愛液を潤滑液に更に奥へと指を進ませ、同時に舌で孔の淵をなぞってやった。口内に広がるヴィヴィオ
の味をまずはゆっくりと楽しみ、

「ほらなのは。ヴィヴィオのお尻の味だよ」

 続いて物欲しそうにしていたなのはに分け与えてやる。
 口内を暴れるなのはの舌に動きを合わせながら、指をもう少しヴィヴィオの肛門奥深くまで。やはり慣れてい
ないヴィヴィオの肛門は痛いくらいに指を締め付けてくるが、それが逆に心地よい。
 フェイトの愛撫に幼い身体は、幼いながらも反応し、全身に汗をかいている。今や、いつ目覚めてもおかしく
ないこの状況で、思い思いに欲望をぶつけている少女が起きてしまった時の事を妄想しながら、三人の行為も徐
々にエスカレートしてしまう。
 ヴィヴィオの尻に顔を埋めているフェイトは、娘の脇の下に舌を這わせ始めたなのはとディルドーで繋がりな
がら、嬌声をあげて。
 はやては好奇心も相まってか、ヴィヴィオの目をリボンで覆いながら、今度は逆に自分の胸をヴィヴィオに吸
わせ始め、転がっていたバイブレータを己の子宮に咥えさせる。

「んくぅ……ふぅ……ひ、あっ……ぁ――!」
575Is some head cold water so?:2009/02/22(日) 18:27:14 ID:22+yQcZ1
 ややあって。
 三人の手によって、開発される性感帯に苦しみ、だが開けっ放しの口から嬌声と唾液を撒き散らすヴィヴィオ
は、夢の中で普段母とフェイトがしている様な事を自分にされている夢を見ながら、幼い身体を硬直させた。
 どうやら達してしまったらしい。懇々と湧いてくる愛液が、開いた割れ目を水飴のように飾っているのに魅入
られながら、三人が絶頂の声を寝室に響かせた。


* * *


 高町ヴィヴィオは自身にのしかかる重さに耐え切れず、苛立ちをふんだんに含んだ声と共に瞼を持ち上げた。

「ぅ……まだ、眠い……」

 不思議と、全く眠った気がしなかった。変な夢を見てしまったからだろう。気を抜けば下りてしまいそうな瞼
を強引にそのままにし、自分を枕代わりにしていた不届き者を睨みつける。その鋭い視線の先、あるのは枕を探
して腕を彷徨わせている金色の塊だ。
 まぁ、割りと良くあることである為かヴィヴィオは驚かない。いつもは柔らかい金の髪が乱れに乱れていても、
フェイトが裸であったとしても特に変わりがある訳ではなく、フェイトが泊まった次の日の朝のいつもの光景だ。
唯一違うとすれば、尋常ではない酒の匂い。前日の記憶を呼び起こし、母が飲みに行くと言っていた事を思い出
せば、疑問はすぐに消えてくれた。
 とりあえず、枕にされた恨みを込めてフェイトの身体を蹴飛ばしてやり、ここにはいない母を捜すため寝室を
後にする。自分が裸である事には疑問があるが、考えないでおく事にしていた。フェイトがいない夜、たまにこ
う言ったことも何度かあったか、それと同じくきっと、考えてはいけない部類の事だから。

「なのはママ? いないの……?」

 片足に引っかかっていた下着だけを身に着けて、ヴィヴィオがリビングへ。あったのは寝室のフェイト以上の
酒臭さと、大量の缶ビール。そしてそれと同じく転がっている裸のはやて。
 珍しい事もあるものだ、とヴィヴィオが目を瞬かせる。はやてに寝室から引っ張ってきた毛布を与え、なのは
を見つけたのはややあって。

「……」

 母は、便器を抱きしめながら安らかに眠っていた。勿論裸で。
 周囲には、はやてと同様大量の缶ビールと、気にしてはいけない気がする料理酒が。

「んんっ……ヴィヴィオ……」
「なのはママ、大丈夫? 気持ち悪いの?」
「……ぁ……ヴィヴィオだぁ……」
「んぐっ、げほっ! なのはママお酒臭い!」

 臭い息を吐きかけられ、思わずヴィヴィオが激しく咽た。なのはは気にしていない様子で、裸のままヴィヴィ
オにもたれかかり、頬擦りして恍惚に浸っている。
 何かが危ないと感じたが、遅かった。
 朝の十時過ぎの平日の事。街を騒がせている大事件が更なる大きな動きを見せるこの日、少女は一つ大人の階
段を昇っていく。
 無論、二日酔いの他二名がこの後で参加したのは言うまでも無い。
576246:2009/02/22(日) 18:29:10 ID:22+yQcZ1
以上です。ありがとうございました。
元々寝ているイクスに悪戯するスバルのお話だったのですが、どっかの某漫画の所為でこんな展開に。
話し方が良く分からなくてあまり書かないはやてですが、突っ込みどころあったら教えてください。
ではでは。

>>568
割り込んじゃってすみません。
予定時刻になったら心置きなく投下してください。
577名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 19:23:32 ID:86A8xMf/
246氏グッッッジョォォォォォォブ!!
変態なのはさん最高すぐるwwww
578名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 19:32:54 ID:nkHZ5lJv
>>576
GJ!
もう駄目だこのママ×2+小狸…早くなんとかしないと

つか前作といい貴方の所のフェイなのは普段どんだけ濃厚なプレイをしてるのかと小一時間(ry
579名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 20:06:26 ID:6X/SpsGE
>>576
素晴らしすぎます。
三人娘駄目すぎw ヴィヴィオ可愛すぐる。

21時の投稿、>>576氏に比べ、拙いものですが、今の全力です。
5807の1:2009/02/22(日) 20:59:31 ID:6X/SpsGE
では、始めます。
注意事項

・ 陵辱、ハードなエロです。
・ 時間軸は、六課結成2年前です。
・ 猫姉妹ファンの方は、回避推奨
・ オリキャラ出てきます。
・ タイトルは「忌み子と老人」
・ 「翼を折る日」の外伝です。
5817の1:2009/02/22(日) 21:00:05 ID:6X/SpsGE
忌み子と老人(上)
Act1
 
「やぁぁぁ・・・痛い、痛いよぉぉぉ」
「うるせぇぇ 時間がないんだよ。時間が!」
「助けてぇぇママぁぁ 嫌だよ。こんなの ひぎゃぁぁぁ」

 コンクリートむき出しの地下室を照らす裸電球の下で、スキンヘッドの頭に蛇の入れ墨を彫った屈強な男に、
背後から、抱きすくめられた10歳くらいの金髪の少女が悲鳴を上げる。

 その光景を無感動な目で見た亜麻色の髪の同じ年頃の少年は、テーブルの上に置かれた百科事典に目を戻すと、
いつものとおり読み始めた。

「ふん、相変わらず無愛想な餓鬼だぜ。おい、エド、本より実物教育の方が役に立つぜ」
「・・・・・・」
「助けてぇぇぇ お兄ちゃん、助けてよぉぉぉ」
「うるせぇな。少し、黙ってろ」 

 リノリウムの床に置かれた安物のパイプベッドの上に投げ出された少女にのしかかった男は、耳障りな悲鳴を
止めるため、少女の腹を右拳で殴りつけた。

「げぇぇぇぇ げほっ げほっ」
「ああ〜 汚ねぇな、こいつは、もう着れないな。お嬢ちゃん」

 吐き出された胃の内容物で、汚れた少女のドレスをはぎ取った男は、今度は、平手で少女の頬を何度もひっぱ
たき始めた。少女を上げる悲鳴に興奮したのか男の息づかいが荒くなってきた。

「食べ物を粗末にする餓鬼は、お仕置きが必要だな。エド、よく見ておけ。これが躾けってやつだ」

 それなりに整った顔立ちの少女が、醜く膨れあがっていくのに比例するように、股間の肉杭が、急速に膨れあ
がって来るのを感じた男は、少女の細い左手首を掴むと、無造作にひねった。

「い、痛いよぉぉ・・・・・・い、痛いよぉぉ」
 骨の砕ける音と少女の苦鳴が、部屋の中に響きわたったが、エドと呼ばれた少年は、辞典から顔を上げること
なく、ページを繰った。  

「いっ・・・くぅぅぅ ぎゃぁぁぁぁぁ・・・・・・」
「親の教育が悪いな。きちんと謝ることもできねえとはな。おれがちゃんと躾けてやるよ」

 あまりの痛みに、意識が遠のきかけた少女の耳元に口を寄せた男は、下半身のショーツを脱がせ、股を開かせ
ると、膨れあがった逸物を、まだ毛も生えていない幼裂に無造作に突っ込んだ。

「ぎゃぁぁぁぁーーー」

 痛みのせいか、耳障りな悲鳴を上げ、酸素を求める金魚のように口をパクパクさせていた少女は、ふっと目を裏返すと気絶した。
5827の1:2009/02/22(日) 21:00:42 ID:6X/SpsGE
Act2

「まだ、これからだぜ。お・嬢・ちゃん」

 小さな身体をのけぞらせ、自分を串刺しにする肉杭から逃れようとして、気を失った少女の肩を押さえ込むと
男は、陵辱を再開した。

「くっそー、小せぇな。半分しか入らねーのかよ」

 数回、腰を打ち付けただけで子宮の奥に届いた肉杭は、少女の処女の証と引き裂かれた幼裂の血が混じり合い、
血まみれになった残り半分が、不満げな姿を外気に曝している。

「なんでぇ、締め付けがきついのは最初のうちだけかよ。なんだこのゆるいのは?」
 容量以上のものを受け入れさせられたせいで無惨にも裂けたそこは、男の肉杭を締め付けることが出来なくなっていた。

「ふん、つまらねえな。これ以上入らねーのかよ」

 そう愚痴る男だが、少女の下腹部に浮き出る肉塊を見れば、これ以上、突っ込めないのは明らかだった。

「ちっ、これだから餓鬼は嫌なんだよ。まったく、楽しめやしねぇ」

 少女の細い腰におのれの身体を打ちつけながら、男は気を失っている少女の顔を睨みつけた。

 このまま、子宮を突き破りたいが、商品をこれ以上、傷つけると、後が怖い。

「くそぉぉぉ、今日は、これで勘弁してやらぁぁ」

 血まみれの肉杭が引き抜かれると、男の吐き出された欲望の半分以上が、原型を止めぬほど、押し広げられた
幼裂から吐き出されてきた。

 ブチュブチュと音を立てる自分の吐き出した精液を見ていた男は、くすくす笑いに気づき背後を振り返った。

「デニス、もうすぐ客が来るんだから、掃除は、自分でしてくださいよ」

「なっ・・・ヤトゥー、てめぇ何時から見てたんだ」
「2分ほど前からかな」

 部屋のドアにもたれかかっていたヤトゥーと呼ばれた赤毛の青年は、狼狽するスキンヘッドの男をの傍に立つと、
ベッドの上で陵辱の痛みに身体を震わせている少女の顔をのぞき込んだ。

「これは、酷い。エド、ちょっと来てくれるかな」
「・・・・・・」
 赤毛の青年に声を掛けられ、百科事典から顔を上げた少年は、無言で頷くと椅子から立ち上がった。

「いつもどおりに頼む」
「な、なんでぇ? いつも通りってのはよ・・・」

「見ればわかりますよ」

5837の1:2009/02/22(日) 21:01:18 ID:6X/SpsGE
Act3

 二人の反対側に回った少年が、ベッドの上の少女に無造作に手をかざすと、少女の傷があっけなく
消えていき穢される前の状態に戻っていくと同時にデニスが悲鳴を上げ始めた。

「やめろ、やめてくれぇぇ」

「ご冗談を、商品を傷つけた責任は取ってもらいます!」

必死にベッドから遠ざかろうとするデニスの肩を背後から押さえたヤトゥーは腕に力を込めた。

「終わったか。エド、ご苦労さん」
 安らかな寝息を立て始めた全裸の少女を抱き上げたヤトゥーは、少年の頭を撫でると部屋を出て行った。
 後には、ひからびた死体と化したデニスと再び辞典を読み始めた少年だけが残された。

「お待たせしました」
 少女を別の部屋に運んだヤトゥーは、何食わぬ顔をして、部屋に戻ると自分を待っていた女に頭を下げた。

「お約束のものは用意しましたわ」

 飲み終えた紅茶のカップをテーブルに置いた女は、札束を三つ取り出すとヤトゥーの前に置いた。

 その女が、示した金額は魅力的だったが、少年を売り払うのは惜しかった。

 誘拐してきた少年少女をチャイルドポルノの業者に売るのを生業にしているとはいえ、このごろのブローカー
の質の低さに頭を痛めていたからだ。

 どうせ、臓器故買業者か児童ポルノ業者に売り飛ばされるなら、その前に味見しても良いだろうという理屈で
商品を壊すブローカーが多すぎる。

 それでも、この仕事が今まで続けてこれたのは、エドと呼ばれた少年の不思議な力のおかげだった。
 魅力的な金額を提示されたと言え、今の時点でエドを手放すのは問題が多すぎた。

「この倍を出しても、良いんですのよ」

 紫色のロングヘアを右手で弄りながら、微笑むアリアと名乗る二十歳半ばの美女が、現金の束をさらに三つ、
ハンドバックから取り出した。

「そんなに、エドが欲しいんですか?」

「ええ、喉から手が出るくらいね。あの少年は、依頼者の相続人なんですよ」

「相続人ですか?」

「弁護士から調査を依頼されましてね。ここにたどり着くまで10日も掛かりましたわ」
5847の1:2009/02/22(日) 21:01:50 ID:6X/SpsGE
Avt4

 ちらっと自分の背後に目をやった女の唇がニヤッと歪んだの見て、思わず振り返ったヤトゥーは、いつもの通
り、無言で百科事典を読み続けるエドの姿以外、部屋になにもないのを確かめ、ホッとため息をついた。

(パイプベッドは、折りたたんでしまっておいたから問題ないな・・・)
 念を入れて、床の埃もきれいに掃除しておいたからベッドがあったことに気づいたとは思えないが、何かしら
不気味さを感じさせる美女だった。

「このままじゃ、貴方、誘拐犯扱いされますわよ? 今なら、孤児を保護していた善意の人に謝礼を払うってことで
済むんですけれど」

「脅しですか?」

「いえ、忠告というか提案ですわ」

「そうですね・・・・・・」

 職業が職業だけに、心の裡に鬼畜の牙を潜めているヤトゥーの声が低くなった。

(この女を始末して金を奪ったら、アジトを移るか・・・しかしエドがいるな)

 ほとんど喋らないエドという少年は、目の前で人を痛めつけたりする人間を絶対許さない。

 傷ついた人間を記憶も含めて完全に癒す、あの不思議な力の代償として自分の命が使われては堪らない。
 ここで女を殺すのは不味い。

 そう判断したヤトゥーは、ニコニコしながら、髪を弄る女に話しかけた。

「謝礼は、先ほどの分で結構です。その代わりに」
「代わりに?」
「貴方のような魅力的な女性を追加報酬としていただけませんかね?」

 一瞬、目をしばたたかせた女の視線が、自分の身体を舐めるように見るのを感じてヤトゥーの背筋が粟だった。

「そうね。あなた健康そうだし、構わないわよ。ここでするの?」 

 先ほどまでの冷静さが嘘のようにそわそわしだした女が潤んだ眼で、自分を見つめているのに気づいたヤトゥ
ーは、椅子から立ち上がった。

「あの子が見ています。それに床の上じゃ、犬や猫などと変わりないでしょう」
「・・・そうですわね。他に場所がありますの?」
「こちらにどうぞ」

 部屋の外に先に出たヤトゥーはポケットの中のスタンガンの出力を最大にすると女が部屋から出てくるのを待
ちかまえた。
5857の1:2009/02/22(日) 21:02:31 ID:6X/SpsGE
Act5

 部屋の隅に敷かれているすり切れた絨毯の上に寝かされている少女が、睡眠薬で完全に眠り込んでいるのを確
かめたヤトゥーは、ベッドの枠に鎖で手足を縛り付けた裸のアリアに目を向けた。

(殺してから犯すか・・・馬鹿な、何を考えてるんだ)

「あなた、こんなことしてただで済むと思ってるの?」

 意識を取り戻したアリアは気丈にも叫ぶが、語尾が震えているので迫力にいささか欠けていた。

「ただじゃありませんよ。先ほどの札束がありますからね」

「私が、時間以内に戻らないと仲間が来るわよ。それでも良いの?」

「そんなに掛かりません。さっき飲んだでしょ」

「紅茶ね。な、なにをするの!?」

「楽にしてあげますよ」

 ジャケットの内側から、刃渡り30cmほどの狩猟ナイフと紫色の小瓶を取り出したヤトゥーは、無理矢理、
開かせたアリアの股の間に屈み込むとマチェットを左脇に置くと、成熟しきった秘裂の上部にある小さな淫核をつまみ上げた。

「な、ひゃぁぁ〜 あっぁぁぁん〜♪」

 淫声を引き出す突起を指でつねり上げながら、アリアをいたぶるヤトゥーの目が怪しくぬめ光り始めた。

「い、い、いくぅぅぅぅ。ら、らめぇぇぇ」

 あっけなくよがり声をあげはじめた女の股間から流れ出る液体が小便でないのを確かめたヤトゥーはズボンを
脱ぎ捨てた。

「な、なんなの、貴方は?」

 股間にある肉棒の根本に睾丸が無いのことに愕然とする女の声を聞いたヤトゥーの目は暗かった。

「宦官ですよ。知らないんですか東洋の偉大なる伝統を」

 孤児院から前のボスに引き渡され、その夜の裡に睾丸を切り落とされて以来、女を見ても欲情できないが、女
を喜ばせて逝かせる術だけは叩き込まれていた。

「これを塗ります。そうすれば、もっと気持ちよくなりますよ」

 紫色の小瓶の中に入っていた紅いクリームを自分の肉棒に塗りつけると、アリアを一気に貫いたヤトゥーは、
腰をグラインドさせて肉棒を秘裂に抉り込ませる。

「…・・あ、あ、ぁああ!!!」
5867の1:2009/02/22(日) 21:03:26 ID:6X/SpsGE
Act6
「ちょっと、きついですか? それでは・・・」

「にゃぁぁぁぁ ら、らめぇぇぇぇーー」

 先端が子宮口に達したのを確かめ、そろそろと肉棒を引き抜くと、アリアの半開きになった口の端から、垂れ
流される涎を見てニヤリとした。

「うみゅぅぅぅ にゃぁ にゃぁぁ にゃぁぁ〜〜〜」

(薬が効いてきたな。これなら始末するのも楽だ)

「行きます!」
「はごぉお……ぉお……!!」

 再び貫通されたアリアが、顎をのけぞらせて絶叫するが、涎のせいでくぐもった声しか出せなかった。

「あごっ!!!!!!」
 肉棒に突き上げられ、ぼごん、と下腹部が盛り上がった瞬間、アリアの目が大きく見開かれた。

「大したことないですか」
またゆっくりと肉棒を引き抜くと、反応を窺い・・・・・・そして

「逝け!!!」
 ずぬりと、子宮口をブチ抜き。子宮の奥を掻き回す。。

「ひゃぁああああ……ああんあああんん!!!!」

「気持ちいいですか!たまらないですか?」

 自分が決して感じ取ることが出来ない快感にもだえ狂うアリアの痴態に、どす黒い嫉妬を覚えたヤトゥーは、
猛然と攻撃を開始した。

「きゃぁぁ!!!ひゃんっっっ!!ぐへっ!!!」

 奥に叩きつけられる度に、内臓が上へ押し出され、下腹部が盛り上がり、子宮が肉棒の槍で貫かれそうになる。

「辛いでしょ。そろそろ終わりにしましょうか?」
「……ふ、ざけ……い…で、むぶぅ!?」

 唇を貪られ、口のなかへ蛇のようにのたうつソレが潜り込み、息ができないアリアに削岩機級のストロークが
ぶちこまれる。

「ぶっっ!!ぐっっっ!!きゃっっっ!かはぁぁぁ!!」

(いい感じですね。そろそろ止めといきますか)

 一際大きく引き、腰を叩き込んだ瞬間、息を吸い込むとヤトゥーは狩猟ナイフを一閃した。
5877の1:2009/02/22(日) 21:03:58 ID:6X/SpsGE
Act7

「ぎゃぁぁぁぁぁーーー」 

 心臓に狩猟ナイフ突き立てられ悲鳴をあげたアリアの胸と口から、血の華がほとばしった。

 その血を浴びたヤトゥーは、腰を動かしながら物言わぬアリアに声を掛けた。

「2ラウンド目ですよ」
  
 血にまみれたシーツでアリアの死体と血で汚れた服をくるむと裏庭の焼却炉に放り込んだヤトゥーは、ガスバ
ーナーに火を付け焼却炉の扉を閉めた。

 高い塀に囲まれた裏庭を見下ろす建物がないからできる行為だが、裸で日光浴する習慣のある彼にとっては、
ごく自然な行為だった。

 今、不意に客が裏庭に足を踏み入れても、素っ裸の彼を見て驚く者は希だろう。この家に来る客は、ほとんど
が常連で、一緒に裸で日光浴した者もいるからだ。

 後は、シャワーを浴びて新しい服に着替えれば、アリアを殺した痕跡は完全に消える。

(5時間もすれば、骨まで灰になる。さて食事でもするか)

 シャワー終え、着古したジーンズに茶色のジャケットを羽織ったヤトゥーは、デニスが連れてきた娘が、まだ
寝ているのを確かめると、エドと一緒に食べるための缶詰を取り出そうと冷蔵庫の扉を開けると、殺したはずの
アリアの首が笑顔で出迎えた。

「ずいぶん時間がかかったみたいね」

「わっ!!!」

 冷蔵庫の扉を叩きつけて閉めた瞬間、ヤトゥーは後頭部に衝撃を受け意識を失った。

 目が覚めると人型のシミで汚れた天井が見えた。

「・・・・・・夢か?」
「現実よ。さあ第3ラウンドといきましょうか?」

 声のしたほうへ目を向けると死んだはずのアリアが自分を覗き込んでいる。
「げっ!!!」

 慌てて起きあがろうとしたヤトゥーは、手足が鎖でベッドに拘束されていることに気づいた。

「さっきは、貴方ばかりが楽しんでて、つまらなかったわ。今度は、私の番〜♪」

「お、おまえ、し、死んだはずじゃ・・・」

「死んでるかもね。あなたも死ぬから関係ないんじゃない?」

 嗤いながらアリアは、男の上にまたがると肉棒を濡れそぼった秘裂にあてがい中に導いた。
5887の1:2009/02/22(日) 21:04:31 ID:6X/SpsGE
Act8
「ひゃっ ぐわぁぁぁぁーーー」
 薬で逝かせた時とは、段違いの締め付けを肉棒に受け、悲鳴を上げ始めた男を冷然と見下す女の目は、獲物を
貪り食う肉食獣そのもだった。

「ひぃぃっひぃぃっひぃぃっ ひゃぁぁ あぁぁぁぁ」
 数回、女に腰を使われただけで、呆気なく肉棒が出せるはずもない射精感に襲われた男の悲鳴が、薄汚れた部
屋の中を駆けめぐる。

「もう、逝っちゃうんだ? 睾丸無いのに逝っちゃえるの? ふふふ・・・」

 アリアの嘲りで、正気に戻ったヤトゥーは、自分を犯す女が猫耳と尻尾を持っていることに気づき、パニック
に陥った。

「ば、化け猫野郎。放せ、放せ、放せぇぇぇぇ!!」
「失礼ね。私を殺した時、女だって確かめたでしょ。レディに向かって野郎なんて言う野蛮人さんには、お仕置きが
 必要ね」

「な、なにを?」
「硬くしてあげる〜♪」
「ひぃぃぃーーー」
 肛門から侵入した異物に直腸内を蹂躙され、堅さを増したヤトゥーの肉棒が、アリアにさらなる快楽を与える。

「あら、感じるの? 尻尾って便利なものね。段違いに硬くなってきたわよ〜♪」
「はひゃぁぁぁ ひぃぃぃぃ し、死ぬぅぅぅぅ」
「いいわ、あなた、最高よ。もっと硬くしてあげるわ」

 肛門に挿入した尻尾を巧みに動かし、前立腺を刺激し続ける女の行為が、記憶の底に封印していた男の過去の
トラウマを蘇らせる。

 がっちりした筋肉質の男に抱きすくめられ、尻を掘られ、か細い悲鳴を上げる幼い自分・・・

「やめろ、やめてくれーーー いやだぁぁぁ いやだよぉぉぉ」

「ふふふ、初めて男を知った日を思い出したみたいね。痛かったでしょ。でも、癖になって毎日のように、ボス
 に可愛がられたのよね。あ・な・た〜♪」
「いっいぃぃぃぃぃぃーーー!!」

 腹の上に跨った女の嘲りを受けながら、恍惚の表情を浮かべ、口の端から涎を流す男の目が突然裏返り、白目
を剥きだすと急に脱力した。

「心臓を止めて逃げようとしても、無駄よ、無駄!」
 そう宣言した女が、腰を激しく使い出すと息絶えたはずの男の身体が、激しくのけぞり律動を再開した。

 ぴちゃぴちゃと音を立てて、息絶えたヤトゥーの頸動脈から流れ出る血を啜っていたアリアは、ひょろ長い男
に連れられて部屋に入ってきた少年に気づくと顔を上げた。

「ようこそ、エドワード・オースティンくん」

 百科事典を読んでいたはずの少年と目を合わせたアリアは血濡れた唇をペロリと舐めるとニッコリと微笑んだ。
5897の1:2009/02/22(日) 21:06:15 ID:6X/SpsGE
以上、前編終了です。

少し席を外します。後編は、22時から再開します。
5907の1:2009/02/22(日) 22:00:43 ID:6X/SpsGE
では、後半を再開します。
注意事項

・ 陵辱、ハードなエロです。
・ 時間軸は、六課結成2年前です。
・ 猫姉妹ファンの方は、回避推奨
・ オリキャラ出てきます。
・ タイトルは「忌み子と老人」
・ 「翼を折る日」の外伝です。
5917の1:2009/02/22(日) 22:01:19 ID:6X/SpsGE
忌み子と老人(下)  

Act1

 お礼参り。今、瀟洒な英国風の別荘の一室で繰り広げられている光景は、まさにそれだった。

 15歳くらいの紫色のショートカットの少女が数人の男達によって陵辱されており、その傍では、荒縄で車いすに縛り付
けられた白髪の老人が、茶色の皮の眼帯をした男に皺だらけの首を締め上げられていた。

「苦しいかグレアムさんよぉ〜 でもな、お前さんに付けられたこの傷の痛みが、未だに消えないんだよ。あんたの痛み
なんぞ、軽いもんだぜ。そこーんとこ、よろしく。なっ!!」

 いきなり首から手を離すと、激しく咳き込むグレアムの鼻先に男は拳をぶち込んだ。

「ごっふぁ、ふゅぅぅぅ ふゅぅぅぅ・・・」

 鼻の軟骨が折れたのか、激しく噴き出した鼻血でワイシャツを真っ赤に汚し、苦しむグレアムの右頬を、さらに拳で殴
り飛ばした眼帯の男は、感極まったのか涙を流しながら嗤いだした。

「ひゃははは・・・管理局最強の元提督様も、年取っちゃ、ミッドのダウンタウンの養護院のじじい共と同じだな。こいつは
いい、うん、本当にいいな。なっ!グレアムのじいさんよぉぉ」

 がっくりとうなだれた老人の顔を持ち上げた男は、表面上の傷が治る程度の治癒魔法を施す。
 
募る恨みを張らすためにも、今、死なれては困るのだ。
 
第一、使い魔の猫姉妹の片割れしか確保していない状況で、グレアムに死なれては元も子もない。

 二匹の猫姉妹と老人を、思うさま嬲り殺してこそ、復讐が完結するのだ。

「フェルディナンド隊長!女が、女がーー!!」
「うるせー、また若返っただけだろう。いちいち騒ぐな」

 めんどうくさそうに猫姉妹の妹ロッテの方を振り返った男は、その幼い姿を見た瞬間、喉仏をごくりと鳴らした。

 陵辱を始めた半日前、20歳半ばだったロッテが、激しい陵辱にも関わらず男達を嘲笑っていたのが嘘のよう
な変わりようだったからだ。

 ロッテが、こんな無様を曝す羽目になったきっかけは単純だった。

 何時までたっても埒のあかない事に業を煮やした男が、グレアムを殴りつけるとロッテが激しく動揺したのだ。

 ふむ、これはと直感を刺激された男が、グレアムを半殺しにするとロッテの身体が若返り、彼女の抵抗力が、極端に弱
まると同時に、グレアムのダメージも回復したのだ。

 ロッテが与えられた魔力を主であるグレアムに還元して、身体を回復させたのに気がついた男達は、陵辱を楽しむため
に、機を見てグレアムを痛めつけだしたのだ。

 AMFを発生させる手錠や首輪をはめさせられたロッテは、半日の間に二十歳そこそこの美女から、十五歳のローティーン
にまで若返り、男達を狂喜乱舞させていた。
5927の1:2009/02/22(日) 22:02:01 ID:6X/SpsGE
Act2

「隊長、そろそろ如何です?」

 グレアムのダメージを回復させるため魔力を主に還元したロッテは九歳くらいの少女に変わり果てていた。

「そうだな。こいつの片割れが戻ってくると、ちと厄介だが、手早く済ませれば問題ないか。お前等、警戒だけは怠るな」」

「了解」

 その一言で、陵辱していた男達は、慌ててロッテから身体を離すと脱ぎ捨てていた服に袖を通し出した。

「さて、始めるか。ほら起きろよ子猫ちゃん」

 力尽きて床に倒れているロッテの横腹を先端に鉄板を仕込んだ安全ブーツで蹴り上げた男のつま先に、骨の折れる感触
が伝わった。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ  い、いたあぁぁ・・・」

 身体を丸めて痛みを堪えようとするロッテの髪を鷲掴みすると無理矢理立たせた男は、背後に回った。

「ざまあねえな。リーゼロッテちゃんよぉ〜♪ 俺を獣って言ってくれたよな。獣らしくバックから行こうか?それとも、

正常位がお望みかな?」

 折れた肋骨が肺にでも刺さったのか口から血泡を噴き出し、満足に返事もできないロッテに苛立ったのか、男は、尻に
巨杭をあてがうと一気に貫いた。

「あ、あがっっ・・・」

「何だよ。返事も出来ないのか?ああ〜大格闘家のロッテ師匠さん、そんなことじゃ弟子のクロノ・ハラオウン大提督様
に顔向けできないぞ。御所車を始めるぞ。根性入れんかい!」
 
そう言いはなった男が、肩を掴んでいた腕を緩めるとロッテは巨杭を支点にして前のめりに倒れ込む。

「おら、手を使えよ。御所車ができねーだろうが」

 ロッテの足を両脇に抱え込んだ男は、骨折の痛みと陵辱による疲労により、少女が手をつくことも出来ないこ
とを確かめるとニヤリと唇を歪めた。

「なら、掃除機だ。ちゃんと床の掃除をするんだぞ」

「ひぎぃぃぃ ひぎぃぃぃぃぃぃ」

 ロッテの幼い身体を床に押しつける為、腰を屈めた男は、腰をリズミカルに動かし始めた。

「ほら、しっかり掃除しろ。てめえが粗相した跡もきれいにするんだ」

 ローティーンになったせいで、浣腸プレイに呆気なく屈して粗相したものを、彼女自身に掃除させようとする男の
おぞましさにロッテの心はついに屈した。
5937の1:2009/02/22(日) 22:02:51 ID:6X/SpsGE
Act3

「いやぁぁぁ も、もうやめてよぉぉぉぉ 殺してよぉぉぉ」

「ふざけんじゃねえ!この親不孝が、親より先に逝きたいとは、どういう了見だ。おらぁ!!!」

「ひぃぃぃぃぃ」

 幼い腰に巨杭を叩き込み、ロッテを無理矢理、掃除機として動かそうとしたカルロスは、猫姉妹の片割れであ
るリーゼアリアに備えていたはずの部下が、一人残らず床に倒れているのを見て呆然とした。

「な、なんだ!?」

「はい、そこまで。お遊びは終わりだ」

 声のした方へあわてて目を向けたカルロスは、グレアムを縛り付けた車いすの傍で葉巻を吹かす、よれよれの
レインコートを羽織ったひょろ長い男に意識を刈り取られた。


 目が覚めると豪奢なシャンデリアの放つ光が目に入った。

「夢・・・か!?」

「いや悪夢の始まりだよ。カルロス君」

「馬鹿なこと言ってんじゃねー」 

 あわてて跳ね起きようとしたカルロスは、自分の手足がバインドで拘束されていること気づき、愕然とした。

「く、くそ、放せ、放しやがれ」
(この程度のバインドAAA−クラスの俺にとって雑作もないはずなのに、何故、解除できないんだ?)

 思うように魔力を発動できず、焦ってじたばたと手足をばたつかせるカルロスは、不意に顔に吹き付けられた
濃い葉巻の煙を吸い込み、むせこんだ。

「げほぉっ げほぉっ げほぉっ・・・」
「そう言えば、君はタバコの類を吸わないんだったな」

「がっ!!」
「ふむ、少しきつかったかな。これなら少しは楽になるはずだ」

 声のする方向へ強制的に顔を向けさせられ苦痛のあまり声も満足に出せなかったのが、その声に応ずるかのよ
うに顔の角度が調整され、ようやく声が出せるようになったカルロスは叫んだ。

「て、てめえは誰だ?」  

「フェルディナンド三等陸佐。監察官のマテウス・バウアー卿だ」

 芳醇な香りを漂わせるティーカップを手に悠然とソファーに腰掛けていたグレアムが、その傍らにぬーぼーと
立っている長身のさえない中年男を紹介した。
5947の1:2009/02/22(日) 22:03:44 ID:6X/SpsGE
Act4

「お初にお目に掛かる。カルロス・フェルディナンド元三等陸佐だな。監察官のバウアーだ」

 にやにや嗤いながら、軽く頭を下げたバウアーは、左掌の上で光り輝く直径10cm程の光る球体を弄んだ。

「大兄、かなり余りましたがどうします?」

「ロッテにやってくれ。あれには辛い思いをさせすぎた」

「父様、あたしはもう大丈夫だよ。バウアー叔父、それは父様にあげて、私はあいつから搾り取るから」

 いつの間にか陵辱前の二十歳そこそこの美女の姿を取り戻していたリーゼロッテが、淫欲に燃えた目でひたと
カルロスを見据えると言い放った。

「承知。では大兄、ロッテの希望通り、これをあなたに」
「すまんな。マテウス」

 次の瞬間、光球を握りしめたバウアーの左手が無造作にグレアムの胸を貫いた。

「LinkerCore Active elements Implantation」

 そのささやきが終わると同時に左手を引き抜いたバウアーの眼前で、グレアムの身体が、ぶるぶると痙攣を始
めると、曲がっていた腰がしゃんと伸び、皺と老人斑で覆われた皮膚が張りを取り戻し、まばらにしか髪の毛が
残っていなかった頭部にふさふさと毛が生え始めた。

「う、嘘だ。こ、こ、こんなことはあり得ない」

 齢八十五歳を迎え、皺だらけでよぼよぼの老人だったグレアムが、60歳いや50代半ばの初老の男の姿を取
り戻していく事実を受け入れられないカルロスはパニックに陥った。

「なに驚いてるの? 父様は第97管理外世界人だよ。ミッドやベルカ人とは違うんだよ。わかってる 君ぃ〜♪」

 腰のあたりから聞こえてきたリーゼロッテの声は、美味そうな獲物を見つけた喜びに溢れていた。   

「く、や、やめろーー、この獣野郎」

「獣で良いよ〜♪ 獣らしく楽しませてもらうから」

 管理局の白い悪魔"高町なのは"の口調をまねた使い魔は、本格的な陵辱を開始した。

「ひっ・・・いぃぃぃぃ やめ、やめろぉぉぉ」

 ちゅぽちゅぽと音を立てながら、舌を巧みに動かし、カルロスの巨杭の先端部を刺激していたロッテは、その言葉を
聞くと、口から巨杭を抜き、今度は手でしごきだした。

「お望み通り、フェラチオはやめ。その 代・わ・り 手で奉仕してあげる」

「や、やめ あぁぁぁぁ ひゃあぁぁぁ ひゃあぁぁぁ」
5957の1:2009/02/22(日) 22:04:25 ID:6X/SpsGE
Act5

 カルロス自慢の逸物を、時には強く握りしめ、また、ある時に優しく撫でるよう手でしごきながら、ロッテは嘲りの
言葉を彼に浴びせかける。

「ずいぶん硬くなったのね。美味しそう、少し味見しようかな」

「ぎゃゃぁぁーー」

「気持ちよかった? うん気持ちいいよね。だって血を流しているくせに、萎えないで硬くなるんだもの。ねぇカルロス、
私の言ってること、そんなに、間違ってるかな?」

 口の端に残る血を右手の甲で、拭き取ったロッテは、巨杭の半ばに付けられた傷から、流れ出る血をうっとり
した目つきで見つめると傷口を舌で巧みに舐め回し始めた。

「ひいぃぃぃーー!」

 唾液と流れ出る血でデコレーションされた逸物を物欲しげに見つめていたロッテが、亀頭の先端を右手の親指、
人差し指、中指の三本を使って嬲りだした。

「やめ やめろぉぉぉぉ」

 巧みな指戯によって限界を迎えたカルロスの逸物が精液を放とうとするが、亀頭の先端部を締め上げるバイン
ドがそれを許さない。

「ひぃぃっ い、痛い、痛い、た、頼む。出させてくれぇぇぇ」

 射精したくても、射精できない状況に悲鳴を上げるカルロスの苦悶する顔を、ニコニコしながら見ていたロッ
テは、巨杭をしごく手のスピードを上げ始めた。

「やめろ、やめてくれぇぇぇ!苦、苦しい、破裂する!」

「大丈夫。私を御所車しようとしたくらい硬くて強いんだよ。破裂なんかしないって。ほら、ほら、ほら、ほら」

 満面の笑顔でしごきつづけていたロッテが、不意に目を細めると亀頭のバインドを解除した。。

「はい、噴射〜♪」

「かはぁぁぁぁぁぁーーー」

「ひゃっほー 大噴水だぁぁ!!いただきまぁぁぁす」  

 人間が出せるとは思えないほどの量のスペルマを噴水のように放出し続けるカルロスの呆けた表情が、その声
を聞いた瞬間、青ざめた。

「や、やめ ひゃぁぁぁ ひゃぁぁぁーー」

 スペルマを出し切って萎えかけた逸物を、尻尾で絡め取ると巧みにしごきだしたロッテは、再び硬くなったの
を確かめると亀頭を口に含み、舌を巧みに動かしはじめた。

5967の1:2009/02/22(日) 22:05:00 ID:6X/SpsGE
Act6

「あぁぁぁぁ いやぁ やめぇぇぇーー」

 ロッテに嬲られ悶絶するカルロスを、虫けらでも見るように一瞥したグレアムは、英国伝統のミルクティーを
美味そうに飲みほしたマテウスに尋ねた。。

「ところでマテウス、アリアは彼を見つけたかね?」

「ええ、少し手間取りましたが、確保しました。今、別室で休ませています」

「やはり忌み子だったのか?」

「確かに忌み子でした。あの体質では、この97管理外世界では生きていけないでしょう。大兄のお許しがあれ
 ば、手元に引き取りたいのですが?」

「しかし、彼にはリンカーコアが無いんだろう。大丈夫なのか?」

「その点は、ご心配なく。既に処置済みです」

「ふむ、そうかね」

 目をしょぼつかせながら答えたマテウスは、ロッテの舌技に翻弄され、野獣の雄叫びをあげるカルロスを気の
毒そうに見つめた。

「彼が、部下を20人近く連れて来たので、リンカーコアを作る材料には事欠きませんでした」

 平然とした口調で語ったマテウスは、二杯目の紅茶にストロベリージャムを入れ、ロシアンティーを作った。

「さっきのリンカーコアが、その残りだね」

「ええ、大兄の回復に資することが出来たのは幸いでしたが、犠牲がいささか大きすぎました」

「彼らの犠牲をおろそかにはすまい」

 左手を胸に当て、しばらく瞑目していたグレアムは、かっと目を開くとロッテに命じた。

「やれ!」

「はい、父様!!」

 グレアムの声に応じたロッテは、カルロスの逸物を口に含むと一気に精気を呑み込み始めた。

「ふはぁぁぁぁ ふはぁぁぁぁ ふはぁぁぁぁ・・・・・・」

 精液を絞り尽くされた巨杭が内側から輝き出すとともに、エビ反りになったカルロスの身体が、小刻みに痙攣
し始める。
5977の1:2009/02/22(日) 22:05:43 ID:6X/SpsGE
Act7

「なるほど、リンカーコアを根こそぎ、吸い出すんですな」

 興味津々と言った表情でロッテの行為を見つめるマテウスと対照的にグレアムは素っ気なかった。

「快楽の果てに死ぬ。持って瞑すべしだろう」

 その声が終わらないうちに、反り返っていたカルロスの身体が、ぐにゃりと崩れた。

「終わったよ。父様〜♪」

「よくやったロッテ。疲れただろうシャワーを浴びておいで」

「は〜い♪ バウアー叔父、父様をお願い」

 リーゼロッテは、二人に手を振ると鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。


「二人だけにしてくれ」

 リーゼアリアの連れてきた少年と対面したグレアムの言葉に黙って頷いたマテウスは、アリアとロッテを促し
て部屋から出て行った。

「そこに座りたまえ」

 言われたとおりソファーに腰掛けた少年は、グレアムの視線を避けるように目を伏せた。

「君のおばあさんは、シャーロット・グレアムだね」
「・・・・・・」

「そして、お母さんの名は、アイリーンじゃないかね?」
「・・・・・・」

 母親の名を出された少年は、初めて顔を上げグレアムの顔を見た。

「これを見て欲しい。この少女の隣にいるのが私だ」

 写真スタジオの椅子に座った亜麻色の髪をした8歳くらいの少女が、傍らに立っている40歳くらいのがっし
りした男性を見つめている写真を渡された少年の目が大きく見開かれた。

「あ、あぅぅぅあぁぅぅ」
「ふむ。そうか」

(エドワード、聞こえるかね)
(は、はい。聞こえます。ギルバート伯父さん)
(正確には、大伯父だ。君の祖母シャーロットの兄だよ)
(これは・・・)

(念話というものだ。君は喋れないようだな)
5987の1:2009/02/22(日) 22:06:18 ID:6X/SpsGE
Act8

(・・・・・母さんが死んでから、喋れなくなったんです)

(エドワード、何があったか教えてくれないか?)

 その言葉を聞いたエドワードは、ぽつりぽつりと、あの夜何があったのかを話し出した。

(目覚めたら、父が床に倒れていました。そして母は・・・・・・)

 怒号と悲鳴と生まれて初めて聞く銃声の音で目を覚ましたエドワードが目にしたのは、頭から血を流して床に
仰向けに倒れている父親の死体の傍で、黒覆面の男にバックから犯され嬌声をあげている母の姿だった。

「おら、おら、おら、もっと腰使えよ。餓鬼を生んで緩いんだから、しっかり締め付けねーと外れるんだろうが
 アイリーン、気を入れろよ!」

「きゃぁぁぁーーー」

「ママを離せぇぇー」

「おっと、おめえの相手は、俺だよ」

 スタンガンを背中に押しつけら悲鳴を発する母親に駆け寄ろうとしたエドワードを、背後から、がっしりと捕
まえた男が、暴れる少年をベッドに押し倒すと、拳でエドワードを殴りつけた。

「ひゃははは、どうした、どうした、そんなことでママを救えないぞ。男だろ、しっかりしろよ。ええぇ!」

「くぇっ くぇっ くぇっ くぇっ・・・」

 パジャマ姿の少年の腹を軍靴で踏みつけた男は、胃の内容物を吐き出した少年の髪を掴んで引き起こすと、
亜麻色の髪の母親を陵辱している男に声を掛けた。

「この餓鬼に性教育をしないといけないよな」

「おおよ。さあ、アイリーン、息子のエドに女って奴を教えてやろうじゃあねえか」

「いやぁぁぁ やめてぇぇぇ 堪忍してぇぇぇぇ」

「ぎゃー ぎゃー 騒ぐんじゃねえよ。本当の女ってやつを教えてやるのがママの義務だぜ」

「母子相姦ってのは、父子相姦ってやつと並んで人としての基本だよな」

 少年の股間に手をやった男は、パンツの上から、幼い肉棒を掴むとしごきだした。

「いぃぃぃーーー」

「おっ偉いぞ男の子、ママの裸を見て勃ってきたじゃないか」

「さすが、あいつの種だけのことはあるな。実の母親の精液まみれの姿を見て発情するんだから、呆れるぜ。
 こりゃ、お仕置きが必要だな」
5997の1:2009/02/22(日) 22:06:58 ID:6X/SpsGE
Act9

 ボキンと音を立てて少年の股関節をはずした男は、少年の悲鳴を聞きながら、股間の逸物を菊座にぶち込むと
腰を使い出した。

「ぎぃぃぃ い、痛いよぉぉぉ。ママァァァーー」

「うっ すげぇー締め付けだな。おい、そこの中古より断然良いぜ!」

 尻を犯された少年の幼い肉棒の先端から、カウパー腺液がしたたるのを、にやつきながら確かめた男は、母親
の尻を犯してる仲間にウィンクした。

「やらないか〜♪」 

「感動のフィナーレってか」

「いやぁぁぁ、だ、だめぇぇぇ、エドやめてぇぇぇ!!」

「ママァァ ママァァ ママァァ・・・」

 幼い肉棒を屹立させた少年の上に、アイリーンの身体を落とした男たちは、悲鳴をあげる二人を見て、げらげらと
笑いだした。

「おい、この雌豚、とうとう逝かれやがったぜ」

 強要されたとはいえ、夫の死体の傍で息子とセックスをするという状況に耐えきれず、精神が崩壊したのか、口の端
から涎を垂れ流すアイリーンの瞳は光を失っていた。

「そろそろ仕上げといくか〜♪」

「いきますか」

 肉棒をくわえ込み、機械的に身体を揺するアイリーンの身体をエドワードから引きはがした男が、とどめを刺そうと
首に手を回した瞬間、エドワードの秘められた力が初めて発動した。

「な、ななななんだ。こ、これは・・・」

「おぉぉぉぉぉ ぐはぁぁぁぁ・・・・・・」

 悲鳴を上げ、のたうちまわる男達の身体が、干物のように干からびていくのと対照的に、陵辱されつくし、息も絶え
絶えだったアイリーンの身体が、みるみる回復していった。

「ママ、目を覚ましてよ。ママァァーー」

 翌朝、事件現場に踏み込んだ警察官は、頭を撃ち抜かれた夫の死体の脇で、幼児に退行したアイリーンに抱きついて
泣き叫ぶエドワードと、ミイラ化した二人の強盗の死体を発見した。

(その後、施設に引き取られたんだね)

(はい、ヤトゥーさんが世話をしてくれました・・・)
6007の1:2009/02/22(日) 22:09:32 ID:6X/SpsGE
Act10

 そのヤトゥーが、児童ポルノや臓器故買をしているのを少年が知らなかったことを、リーゼアリアとの念話で
確かめるグレアムの沈黙に耐えきれなくなったのか、エドワードは叫んだ。  

(僕は人間ですか? 怪物ですか?)

(無論、人間だ。しかし、この世界に君の住むところはない。君は魔法使いだ)

(魔法使い?)

(君のような魔法使いは、人の命を利用して魔法を行う為、この世界では、まともに生きられない。君のような魔法使い
は、昔は、忌み子とか取り替え子と呼ばれ、殺されたんだ)

(じゃあ、ぼくは、やっぱり怪物じゃ)

「エドワード、こちらを向きなさい」

 グレアムは、エドワードの額に手を当てると小さな魔法陣を展開した。

「ぼ、ぼくは・・・」

「喋れるようになったな。君は、今からエドワード・グレアムだ」

「グレアム?」

「そうだ。私の息子だ。私の息子が怪物のはずがない」

「で、でも僕は・・・」
 何か言おうとして口を開きかけたエドワードの肩に大きな手が置かれた。

「君はリンカーコアを持っている。すでに忌み子ではない」

 振り返ると自分の胸に光の塊を押し込んだ背の高い男と二人の美女が立っていた。
「ロッテだよ。よろしくね、エド」
 紫色のショートカットの美女が悪戯っぽく微笑む。
「エドワード、良かったね」
「アリアさん・・・」
 ヤトゥーのしていたことを告げ、自分を地獄から助け出してくれたロングヘアの美女の顔を見たエドワードの
頬が赤くなった。

「マテウス、用意が出来たな」
「明日にされた方が良いのでは?」
「いや、今すぐ行こう。アリア、ロッテ」
「はい、父様」「荷造りは終わりましたわ」

 四人のやりとりに、困惑したエドワードが声をあげた。
「何処へ行くんですか?」

「ミッドチルダ、魔法使いの生きられる世界だよ」

 そう言うとグレアムは、最後の仕事を果たすため、ソファーから立ち上がった。


                         <終>

以上です。拙い作品ですが、今の私の全力です。

601名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:23:15 ID:37/zF4ve
なんというかリリカルなのはのSSである必要性を感じないのだが。
602名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:23:28 ID:Cqk6Y427
エロい
というか、エログロい

だがそれが良い!
603名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:42:14 ID:CkfRK+FT
単純に言って抜けない
アリアもロッテも、責めるにしても中途半端

あと、sageろ>>602
604名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:47:21 ID:mt78GkTh
完全に別物という感じ・・・
605名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:50:45 ID:37/zF4ve
オリキャラやらオリ設定やらが入るのは別にいいんだが
それがメインになっちゃうってのは二次創作としては本末転倒だと思うんだ。
鬼畜陵辱スレあたりにでも投下すれば喜ばれたかもなあ。
606名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:51:45 ID:dO0fFLo2
加藤夏希など無料モロ画像・動画と無料着歌・出会いの安全なところ見つけました。
http://host.f00.jp/
607名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:23:35 ID:6X/SpsGE
>>602
 ありがとうございます。

>>603
  未熟でした。
    
>>60
  現在、連載中の作品のラスト近くに出てくるキャラのエピソードを
 作らないといけないなと思い書いたのですが、確かに本末転倒でした。
  
   
  
608名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:31:43 ID:zaJfsoYO
正直感想の全レスはウザイ
609名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 23:38:36 ID:FSWMcaem
>>608
もうちっとオブラートに包もうって気は無いのかよ
少なくとも、そんな物言いをする者に忠告する資格はないと思うが
610名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:04:08 ID:78o6lMBF
>>576
ぉを、246氏復活オメ!&GJっす。

数スレ前に、胃の痛くないフェイなのをリクした香具師ですが
前回の投下分と合わせて氏の書くフェイなのが読めてで嬉しい限り。
どちらも直球では無いあたりは流石というか。
611名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 01:32:04 ID:/NlA5upP
>>608みたいなレスにはこのスレを寂れさせてやろうというような明確な悪意を感じる
612名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 02:31:12 ID:HqG67ejj
残り12KBくらいか
この辺りって使いどころが難しいから投下が止まりやすいんだよね
613名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 04:17:52 ID:3Y6sH2BD
この容量ならもうAAか何かで埋めていいと思うぜ
614名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 06:32:41 ID:tzR/oa8V
次スレって立ってたっけ?
615名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 07:32:56 ID:ZEklewVg
>>609>>611
そっちこそそういう言い方はどうだろうか?
感想全レス返しはどこのスレでもウザがられる馴れ合い行為だよ。
これ常識。
616名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 08:20:34 ID:y8dxWLLI
>>615
いちいちそれいう言う奴も同じぐらいウザイんだがw
617名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 08:33:56 ID:mw3vh3k4
誰かが注意しなきゃまたやるよ。
KYな作家のようだし。
618名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 09:22:32 ID:IL0QtGnt
誰かが注意しなきゃまたやるよ。
KYな読者のようだし。
619名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 09:29:17 ID:4zV+an/p
大事なことなのでn(ry
620名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:25:53 ID:+RHLqCc/
>>615>>617
誰もレス返しを注意する事自体、非難してないんですが?
621名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 11:48:42 ID:ydi3y/90
   人
  (__)                                     ひぃ
  (__)火 /VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVN\         ∧_∧
 ( ・∀∩┌┴┐ ̄   ̄ ̄| |_゛____  /      \      (・∀・;)
 / ヽつ丿  / _/.__| |_       ∠―\    /       (     )
 > > > Y^VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVN/       | | |
(__) (__)                                   (___(__)


   人
  (__)                           人人人
  (__)                         ≪ ∧_∧ ≫
 ( ・∀・) ニヤニヤ                    ≪(゚∀゚ ;)≫ ビリビリ
 (     )                        ≪⊂  ⊂)≫
 | | |                         ≪ < <> >≫
 (__)_)                        ≪(_X_)≫
                                 ^Y^Y^Y^


     人                            人
    (__)                          (__)
   (__) ウンコー                      (__) ウンコー
  ∩ ・∀・)∩                      ∩(・∀・ ∩
   〉    _ノ                       ヽ    〈
  ノ ノ  ノ                            Y  人
  し´(_)                            (_」 J
622名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 11:49:25 ID:ydi3y/90
              ____
            ,. -'"´      `¨ー 、
           /   ,,.-'"      ヽ  ヽ、
        ,,.-'"_  r‐'"     ,,.-'"`     ヽ、
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      i へ___ ヽゝ=-'"/ ●   _,,>         ヽ
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     / .ヽ-‐´''"       ヽ               i
     /    i   人     ノ               l
    ,'     ' ,_,,ノ  `─-‐' ヽ               /
    i      `、  _y──‐ l                /
    ',       i_/  / _ '              /
     ヽ、       ̄ ̄               /
      ヽ、_                     /
         `¨i                     ヽ
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      ヽ、_                     /
         `¨i                     ヽ
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         /                     ヽ
623名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 11:49:48 ID:ydi3y/90
              ____
              /ヽ,,)ii(,,ノ\
            /( ゚ )))((( ゚ )\   ちんちん シュッ!!シュッ!!シュッ!!
          /:::::⌒(__人__)⌒:::::\ ちんちん シュッ!!シュッ!!シュッ!!
         |  ヽ il´|r┬-|`li r   | 
         \  .!l ヾェェイ l!  /
           /⌒ヽゝ    ノ~⌒ヽ ヘイ!ラリラリ!ラリってるー!
         l             |
         | ,Y        Y  |
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         {' `\      /  /
         ,>、   ヽ    /  /ヽ
     .   /  \ \  / /   ヽ   ))
    ((  / .   ◆◇◆◇◆   ヽ
     .  /     ◇◆◇◆◇    ヽ
      /      /◆◇◆◇      ヽ
   .  /      / ◆◇◆ \      ヽ
   .. /     /          \     ヽ
    /    /             \    ヽ
    i   /                 ヽ   .i
    |   |                 |   .|
    |   .|                 |  /
    .|  .|                 |  |
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   /   /                 ヽ   ヽ
   (__/                  \_ノ
624名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 11:50:21 ID:ydi3y/90
|┃           __
  |┃    ガラッ     イ´   `ヽ
  |┃ 三      / /  ̄ ̄ ̄ \ ハァハァ…
  |┃       /_/     ∞    \_
  |┃      [__________]
  |┃ 三     |   ///(__人__)/// |   次スレはここかなぁ〜!!??
  |┃   ハァ… \     ` ⌒´   ,/
  |┃        /ゝ     "`  ィ `ヽ.    
  |┃ 三   /              \  
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄"  y           r、  ヽ
゙⊂二、,ノ──-‐'´|  ゚       ゚   .| l"  |
  |┠ '       |              l/'⌒ヾ
  |┃三        |    (x)       |ヾ___ソ
  |┃      /  \     /   l  ニート(28才)
625名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 11:51:02 ID:ydi3y/90
             ____
              /ヽ,,)ii(,,ノ\
            /( . )))((( . )\  
          /:::::⌒(__人__)⌒:::::\ 
         |  ヽ il´|r┬-|`li r   | 
         \  .!l ヾェェイ l!  /
           /⌒ヽゝ    ノ~⌒ヽ 
         l             |                  ▂ ▪ ▂▄▅▆▇■▀▀〓◣▬ ▪ ■ … .
         | ,Y        Y  |     .▂▅■▀ ▪ ■ ▂¨ ∵▃ ▪ ・
          |  | ・     ・ |.  |     ◢▇█▀ ¨▂▄▅▆▇██■■〓◥◣▄▂
          |  l         |  |   ▂▅██▅▆▇██■〓▀▀ ◥◣ ∴ ▪ .
         | .|     l   ノ  ノ  ▅▇███████▀ ▪ ∴ ….▅ ■  ◥◣
                  ▓░█▅▆▇████████▆▃▂  ▪ ■▂▄▃▄▂                   
               ▒▓_ ■  ¨ ▀▀▀■▀▀▀ ▪ ■ ̄          
                                 
                        
626名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 11:54:56 ID:ydi3y/90
    _△_
   ,;f   ◇ ヽ   
  i:         i       
  |   I I I I I I|      
  |        |  ///;ト,
  |    ^  ^ ) ////゙l゙l;   
  (.  >ノ(、_, )ヽ、} l   .i .! |      合掌
  ,,∧ヽ !-=ニ=- | │   | .|    
/\..\\▼▼▼ !,{   .ノ.ノ
/  \ \ ̄ ̄ ̄../   / .|
627名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 11:57:12 ID:ydi3y/90
孫正義様がこのスレに興味を持たれたようです
            __,,,、,、,、_
           /´ / ノノリ `ヽ,
           / 〃 /        ヽ
        i   /         リ}
         |   〉   -‐   '''ー {!
          |   |   ‐ー  くー |    
           ヤヽリ ´゚  ..,r(、_>、 ゚'}   
         ヽ_」    :: ト‐=‐ァ'::. !   
          ゝヽ、 ::..`二´'.::ノ   
              r| ` ー--‐f´      
         _/ | \   /|\_              
       / ̄/  | /`又´\|  |  ̄\
628名無しさん@ピンキー
                   __,,,,_
                   /´      ̄`ヽ,
                   / 〃  _,ァ---‐一ヘヽ
                i  /´       リ}
                 |   〉.   -‐   '''ー {!
                 |   |   ‐ー  くー |
                  ヤヽリ ´゚  ,r "_,,>、 ゚'}  愚民どもよ!
                ヽ_」     ト‐=‐ァ' !  朕の前に平伏すがいい!
                 ゝ i、   ` `二´' 丿
          ,r‐' ,、;-‐''''""''ヾ、` '' ー--‐f´
         / ./     r''"ヽ, \,     l`ヽ、
         j l ,. /    '    l   ヽ、 ト,   ヽ
         ,.Lj∠、'´   , i,    /     `ヾ、`'ヽゝ
        l,      / 二'''"    ,;、,     `''ー゙--、
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