有閑倶楽部でエロパロ・第2話

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1名無しさん@ピンキー
ここはりぼん、コーラス不定期連載中の『有閑倶楽部』エロパロスレッドです。

・基本sage(mail欄に半角でsage)進行。
・荒らし、煽り、カップリング批判は徹底スルー。
・801は801板へ。
・職人さんはカップリングを最初に表記したほうが、読み手さんには丁寧です。
・職人さんが投下しづらい空気や書き込みはやめましょう。
・作品への感想は職人さんの糧であり、活力になります。
・レス番>>980か480KBか近づいたら次スレの準備をお願いします。

前スレ
有閑倶楽部でエロパロ(初代)
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1192545749
2名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 20:04:26 ID:g+OLZ7ks
年末年始で落ちてしまったようなので立て直しました。
実質3話ですが、レス数も少なく作品投下も無かったので、
仕切り直しということで。
3名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 20:48:41 ID:eHq+GXp8
乙です。
まったりと続けられたらいいね。
清野の続きが読めますように。
4名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 20:27:30 ID:HBYDvEd9
ほす
5名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 18:11:35 ID:R187PUxb
ほす
6名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 22:16:08 ID:ljNuSSmk
7 ◆zlm37W6YYI :2009/01/11(日) 23:48:38 ID:9s6kQij7
ほす代わりに投下。美童×悠理のムツゴロウさん奮戦記。
エロ極薄。エロを求める方はトリップをNGでヨロ。
連投に引っ掛かれば、後日、分割して落とします。
-*-*-*-*-*-*-*-*

世はなべて春休み。
なんと僕は悠理と悠理のママとでスウェーデン旅行中。
どうしてこうなったかというと、悠理がおばさん(悠理ママ)の大事
な人形を先日壊してしまい、怒りの大魔神と化したおばさんのご
機嫌取りも兼ねて、僕に仲介を求め泣きついてきたからだ。
いくら怒ってるおばさんは怖いとは言え、惚れた相手に頼られた
ら、もちろん見捨ててはおけない。
で、結局、おばさんと話をして宥めるうちに、機嫌がよくなってきた
彼女が行きたいと言い出したスウェーデン旅行に、僕も悠理と共
にお供することになったのだ。
本来なら清四郎たちとサイパン旅行で南国気分満喫のはずが、
急遽まだ初春の北欧に。

つまり、こういうことから、図らずも僕は悠理と二人きりになるチャ
ンスを得たのだ。

僕のお祖母さまの城へ滞在して3日目。
前の晩、僕は彼女をヘリスキーへと誘っていた。
「コース外なんだけど、山頂から半分降りたところにね、絶景のポ
イントがあるんだ。そこを悠理に見せたくて。本当は、魅録や清四
郎たちにも見せたかったんだけどね。奴らはいま南の島だし、また
今度ってことで。
それでね、そこで熱々のホットチョコで休憩なんてどうだい?」
途端に悠理の瞳の色が変わる。キラキラした笑顔が僕には眩しす
ぎる。
「行く行くいく行く行く行く早く行こうすぐ行こうさぁ行くぞ美童!」
ホントに君は何て素敵な女の子なんだろう…。

で、その日。
おばさんとお祖母さまは連れ立って、朝からオステルスンドへ。泊
りがけで帰るのは明後日の昼。
お祖母さまが少しは二人で遊んでおいでと気を遣ってくれたのだ。
ただ、春スキーへ行くと僕から聞いたときには、そろそろシーズン
も終わりかけでコンディションがよくないことからいい顔をしなかっ
たが。
それはともかく、今日からの三日、僕は悠理を独占することができ
るので、朝からご機嫌だった。
8 ◆zlm37W6YYI :2009/01/11(日) 23:52:04 ID:9s6kQij7
ウエアに着替えた悠理が部屋に入ってきた時、僕は荷物を確認し
ながら詰めていた。
「結構、いろいろ持って行くんだね」
「荷物になっちゃうけど、これはこれでお楽しみのためだし、天候が
悪くなった時のための準備だからね」
「あたいも半分持つよ?」
ギッシリ詰まったザックを見た悠理が、すぐに申し出る。

「じゃぁ、座る時のシートと防寒対策用の毛布や保温シートを背負
ってもらっていいかい? 重くは無いんだけど、嵩張るんだよね」
「了解!」
悠理は自分のザックを持ってきて、毛布やシートを詰め直して背負
った。
「僕は燃料やバーナー、鍋と食料を持って行くから」
「美童の方がすごく重いんじゃ…。あたい、もっと持てるけど?」
「大丈夫だよ。こういう食料抱えて山スキーには慣れてるからね」
「このコースっていやに広いね。それに本格的…」
コース図を見ながら悠理が尋ねてきた。
「うん。フネスダルスフィエーレンはクロスカントリーやバイアスロン
の国際大会が毎年のように開かれてるし、ナショナルチームの練
習拠点でもあるから、起伏に富んでて、飽きないコースばかりだ
よ。僕らはここの一番長いクロスカントリーの林間コースに途中か
ら合流する予定」
「すごいね」
「あまりにも距離があるから、風が強いときなどの退避小屋(キャビ
ン)が点々と設置してあるんだ」
「へー」
「滑ってる途中で吹雪になっても困るでしょ? これ以上進めないく
らい吹雪いているのに、麓に戻るのにはまだかかるって時には、こ
ういう点在しているキャビンで止むのを待つんだ」
「こういうのは日本だとあまりないね」
「まぁコースの距離が長くないとこういう必要性は本来ないからね。
キャビンは最低限の暖房と定期的に置かれる非常食だったり、救
急箱くらいしかないから、用意はすべてこっち持ちが基本。普通滞
在する場所じゃないからね」
「うん」
「で、水は雪を融かせばいいから要らないけど、食料は山に入っち
ゃえば調達しようが無いからね。多めに持っていっても、荷物にな
れば非常食としてキャビンに残して寄付してもいいから、余分に持
っていっても、困らないものだよ」
「本格的にやるとなるとやっぱりすごいね」
「今回は途中でお茶したり、ってのがあるから、重装備なんだけど
ね。もっと普通にゲレンデスキーなら、こんな登山仕様のフル装備
は要らないけど、僕ら行く所は、コース外で整備されてない林を抜
ける山スキーだし、走破するには時間がかかるからね。天候が崩
れた時のための用心は必要なんだ」
「了解」
「まぁ、ヘリで最初に三山ほど離れたところからスタートだし、麓ま
で戻ってくるにも最速で3時間以上かかる。だから、途中で優雅に
お茶休憩っていうのもいいんじゃない?」
「うん! 楽しみ!」
悠理の満面の笑みにつられて僕も笑顔になった。

   *   *   *
9 ◆zlm37W6YYI :2009/01/11(日) 23:54:11 ID:9s6kQij7
で。
休憩までは快調だった。天気も薄日が差していたし、気温も思った
ほど下がっていなかったから、シートは使わずにスキー板を斜めに
雪に挿して腰を掛け、ホットチョコと軽いサンドイッチを食べ、たわい
もない話をし、眼下に広がる景色をひたすら見つめていた。

そこは僕が一番お気に入りの場所。
山々の合間から世界に誇る広大なスキーリゾートが一望できる場
所だった。
起伏に富んだ急斜面、緩やかな林を行く林間コース、広々としたゲ
レンデ。
眼下に広がるこのコースを、いよいよこれから滑るのかという高揚
感。
山を、自然を征服してやるという気持ちが高まり、何より滑り終えた
時に、この景色を思い返し、より達成感を得ることは、何物にも代え
難いスウェーデンの冬の醍醐味だった。

「すごい……本当にすごいよ美童! 日本じゃ北海道でも無理だ
し、アルプスのヘリスキーでもこんな景色見たこと無いよ!」
「だろ? 一度みんなに見せたかったんだよね。この場所は僕の
一番のお気に入りの場所でね、それなりにスキーができないと、こ
こまで来れない場所なんだ。だから、野梨子や可憐は残念ながら
連れて来ることができない……」
「斜度のキツイところが多いからね」
「そう。一度見せてあげたいんだけどね……」
「んー、野梨子は清四郎に、可憐は魅録にスノーモービルで連れ
て来てもらえばできないかな?」
「それならモービルを2台は積める、大型のヘリをチャーターしない
と」
僕は苦笑い。悠理はドンを胸を叩いた。
「いいよ。あたいが出す。絶対みんなで一度来よう!」
「うん。そうだね」
悠理は優しい。やっぱり素敵だ。

天候に異変を感じたのは休憩を終えて30分ほど滑り降りた頃。
風が強くなったなと思い、僕は空を見上げ嫌な色をした雲がいつの
間にか広がっていたことに気がついた。
そしてクロスカントリーの林間コースの途中に合流して、そこから広
いゲレンデと交差する手前まで来た時、僕はスピードを緩め、後ろ
からついて滑る悠理に声を掛けようとした。

そして、それに気がついた。



「美童っ! 雪崩っ!」
僕とほぼ同時にそれに気がついた悠理の声は悲鳴に近かった。
僕は悠理に今来た林間コース側へ退避するよう身振りで指示し、
彼女を先に滑らせ懸命に逃れようとした。

しかし、完全に避けることはできず、僕らは白の世界へ飲まれてい
った……。

10 ◆zlm37W6YYI :2009/01/11(日) 23:56:45 ID:9s6kQij7
「……あ…」
僕は目を開けたとき、自分がどこにいるのか、しばらくわからなかった。
あたりは薄ぼんやりとした灰白色の世界で、息が少し苦しく感じた。

アレ……僕は……そう、雪崩にあったんだ! 悠理は!?

僕は身体を動かそうとしたが、右腕は胴の下、左腕は頭を守るように
伸びていて、動かそうとしてもあまり自由が利かない。

落ち着け。息ができるってことは、そんなに埋もれてるわけじゃない。

僕は雪とともに育ってきた分、雪崩やホワイトアウトの対処の仕方を
子どもの頃から学校で習う機会がたびたびあった。

大丈夫。僕は生きてる。大丈夫。とにかく雪の下から這い出そう…。

僕は足を動かしてみた。幸い痛みもなく、両足をゴゾゴソ動かすうち
に、ふいに足の感覚が軽くなったのがわかった。雪から出たのだ。

よし、足の方へ這って行けば出れる。
僕は身体をくねらせ、雪の中から脱出した。
深く埋まらなくてよかった。僕はホッとして息をついた。
軽く足踏みをしてみたが、幸い痛みもなく、足には問題は無い。これ
なら滑れると思いきや、板が片方無い。

悠理は?

僕はキョロキョロ辺りを見回した。
雪崩の雪煙が起こり、よく見えない。

悠理!
ヤバイ。どこだ?
「悠理っ! どこだー?」

雪崩の本体は広いゲレンデのど真ん中を滑り落ちて行っていた。も
う少し早いタイミングで林間コースからこのゲレンデに合流していた
ら、僕らは助からなかっただろう。林間コースよりにいた分、雪崩の
端に巻き込まれただけで済んだのだ。

しかし、悠理は見つからない。

あの時、僕の前を滑らせたから、雪崩の本体には巻き込まれて無い
はず。きっとこの近くに埋もれているに違いない。

僕は目を凝らして、荒れたゲレンデを観察した。
彼女の名を叫び続けながら。
11 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:00:07 ID:9s6kQij7
雪が積もったところを、残った板を使って慎重かつ素早く掻き分けて
いく。微かに感じた左肩の痛み。でも、いまはそれを気にしてる場合
じゃない。

ここにはいない。
あそこにもいない。

悠理!


後悔の念がよぎる。
こんなことなら、誘うんじゃなかった!

『もう春スキーも終わりだよ。気温が高いと雪崩も起きるし、とにかく
気をつけていくんだよ』
祖母の言葉が頭の中に蘇る。

悠理!
君はどこに?

僕が探し始めてどれくらい経った頃だろう?
きっとそんなに長い時間ではなくても、僕には永遠に感じる拷問。

悠理、君にもしものことがあったら、僕は生きていられない!
重い雲に覆われた空から、雪が舞い落ち始めた。
顔に冷たい気配を感じ、僕は絶叫した。
「悠ー理ーっ!」

ゲレンデを8メートルほど下ったところで、雪に埋もれた彼女の赤のリ
ュックサックを見つけた。
もしやと思い、慌てて駆け寄る。リュックサックの下には雪に埋もれ
た悠理が。
「悠理! 悠理!」
神様!

彼女はリュックを背負ったまま完全に気を失っている。揺さぶってみ
ても、目を覚まさない。だが、彼女の温もりは感じる。

生きてる!

慌ててつつも彼女を傷付けないように慎重に雪を掻き分け、彼女を
抱き上げた。
周囲を見回すと僕の板と、彼女の板が近くの林の木に引っかかって
流れ止まっていた。

大丈夫。僕らは運がいい。
腕にはぐったりと目を閉じたままの悠理。その身体の重さが、今は
嬉しい。
「悠理。目を覚まして。悠理」

祈りを込めて、目を閉じたままの悠理の唇にキスをした。冷たい唇に
自分の熱を伝えるように……。
そして彼女を見つめていると、その瞼が微かに動いた。

「……う……ん?」
「悠理……。気がついてよかった……」
12 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:03:12 ID:MOF/owZ6
僕は包み込むような笑顔で彼女を見つめた。
彼女の瞳にぼんやりと、しかし急速に光が戻る。彼女は意識を取り
戻した。
「……美童……美童? あれ? よかった、あたいたち生きてる!」
「うん!」
悠理が僕にしっかり抱きついてきた。お互いの無事を喜び、僕らは
相手の体温を確認するかのようにしっかりと抱き合った。

と、ふいに悠理が抱き上げられたままということに気がついた。
「美童降ろして。もう大丈夫だよ」
「どこか痛みは? スキー板は向こうの木に引っかかってる」
「うん……あ、痛っ。ヤバい、右足……捻挫かな。でも、痛いけど、滑
れない程じゃない……あとは大丈夫。問題ないみたい」
「滑れそうなら、骨折じゃないようだね。とにかくよかった。ゆっくり下
山すればいいよ。大丈夫」
「ゴメン。迷惑かけるね」
彼女の表情は冴えない。
「大丈夫。お互い無事なんだし、装備も流されなかったし、いざとなっ
たら今夜ビバークして凌ぐくらいなら余裕だよ。僕と夜を共にするの
が嫌なら別だけど?」とおどけてウインク。
悠理はふふっと微笑い、ウインクを返してきた。
「いいよ。美童となら」

イイヨ ビドウトナラ……。

瞬間。
ああ、いま世界が止まればいいのに――。

悠理には恋愛の駆け引きとか、ドロドロした裏の意味とか、そういう
のは一切なく、純粋に、ただおどけて発した言葉なんだと思うけど、
僕は今の悠理のウインクを忘れない。
生涯、忘れるもんかっ!

「っと、美童?」
固まった僕の顔を悠理が心配そうに覗き込んでる。
イカン。今はひたってる場合じゃない。急がないと。
チラチラ降り出した雪が少しずつ激しさを増す。
まだ視界を奪われるほどじゃなくても、下山までこのいまの視界のま
まで保つかどうか……。

「とにかく、降りていけるところまで下山しよう。僕の後に付いて来れ
る?」
「大丈夫。OK! 行こう!」
13 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:08:26 ID:MOF/owZ6
僕は悠理とゆっくりと山を下り始めた。
悠理の足を考えると傾斜のきついムチャな最短のコースは取れな
い。
多少は遠回りでも、ここは勝手知ったる僕の庭(山)。どのコースを行
けばどこへ通じるかはよく知ってる。
なるべく足への負担がかからないように、斜度のきつくないコースを
選び着実に山を下っていった。

再び下山を始めて30分程。
既に視界はほとんど無いに等しい状況になりつつあった。
もう、これ以上は無理だ。今夜はビバークしたほうがいい。風が強く
なってきているから、間もなく完全にホワイトアウトの状況になるだろ
う。今なら、風雪を凌ぐための避難用のキャビン(小屋)が近い。
僕は決断を下した。

僕はすぐ後ろを滑る悠理に合図を送った。
「どうしたの?」
お互い顔を近づけて大声で話す。風の音は益々強くなっている。
「風が強い。これ以上進むのも危ないから、今夜はビバークしよう。こ
の様子だとそのうちホワイトアウトしそうだ」
「……了解!」
「もうちょっとのところに避難用のキャビンがあるから、そこまで行け
るかい?」
「うん。大丈夫。急ごう」

こうして、僕らはキャビンへと向かった。

   *   *   *

キャビンは最近除雪されたのか、ドアが雪に塞がれるといった埋もれ
た状態でもなく、多少の雪の塊をどかせばすぐに中へ入ることができ
た。
この時点で、ほぼ、ホワイトアウト状態。僕は自分の決断に間違いが
なかったことにホッとしつつ、悠理を先に中へ。
14 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:10:50 ID:MOF/owZ6

風を避ける為にやや林の中にある退避キャビンは小さいが頑丈なロ
ッジだった。室内は、中央に薪ストーブが備え付けられ、横には、や
や低めの大きな机にろうそくのランプ、救急箱、丸椅子が4つ。あと
は入口の傍に積み上げられた薪。申し訳程度の小さな窓が1つある
が、雪除けの板が打ちつけられ、その隙間からしか外が見えない。
隙間から覗く外はすでに闇と白の世界だった。

薪ストーブをつけて、少し温まったところで、僕らはスキーウエアを脱
ぎ、部屋の中に張り巡らされた洗濯ロープに掛ける。
雪崩と、汗のために完全に外側も内側も濡れきったウエアを乾燥さ
せなくては。
互いにアンダーウエアだけとなり、持って来ていた毛布と、断熱シー
トにくるまる。
最初に悠理の足の具合を診てまず雪で冷やし始めた後で、簡単に
食事を取る。
鍋で雪を融かし沸騰させてキャビンに置いてあった缶詰を温め、持参
していたカップメンにお湯を注ぐ。

持ってきておいて良かった…。
荷物になるからどうしようかと迷っていた食料がこうして役に立ち、
温かいものが食べられるのが本当にありがたかった。
食事を終えると、部屋のろうそくを消し、机を少しストーブの傍に寄せ
てから、その上に横になる。床に寝転がるよりも、より暖かいからだ。
明日のために、体力を少しでも回復しなければ。
僕の痛めた肩はここにきて少し疼くような痛みが出ていた。
救急箱の中には幸い湿布があったので、まず悠理の足に貼り、その
後で僕の痛み出した肩にも貼る。彼女に気づかれないように。

ホッと、その冷たさに息をついた時、反対側を向き横になって瞳を閉
じていた悠理が小さなクシャミをした。
「寒い?」
僕が顔を覗き込むと悠理が薄く眼を開く。
「……少し」
「捻挫のせいか、少し熱が出てるかな? 悠理、僕の傍へ」
「ゴメン……」
「気にしない。この時期に連れて来た僕の方が悪かったんだ。」
「違うよ美童。このスキーにはあたいも来れて良かったんだ。母ちゃ
んとの買い物にも飽きてたし。連れ出してくれて嬉しかった。だから
この件では謝らないで。で、今の『ゴメン』は毛布独占しちゃって悪い
なーと思ってさ」
「ふふ。了解。いいよ。独占しちゃって。寒くなったら悠理に抱きつか
せてもらうから」
「えー。ああ、でも、そうか! その方が暖かいじゃん。じゃ、美童一
緒に毛布に包まっていいよ」
「本当に?」
「うん。その方がいい」
「じゃ、遠慮なく」

うん。遠慮したら、この先いつ悠理にくっつけるかわからない。
悠理は元気そうに振舞ってるけど、すこし気だるげな感じだ。彼女の
おでこに手を当てると、少し熱い。僕はタオルに外の雪を包み、彼女
のおでこに載せた。寒く無いように新しい薪をくべ、火勢は強く。
15 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 00:12:45 ID:l5Q6a95h
真夜中。
ウトウトしていると、微かに悠理の身動きで僕は目を覚ました。
薪をくべ再び火を強くする。
悠理の様子を見ると縮こまって震えている。
僕は声をそっとかけた。

「……悠理。大丈夫? まだ寒い?」
「……うん……何だかちょっと寒気が止まらなくて……」
悠理のおでこに手をやるとさっきよりも熱がある。
「ちょっと待ってて」
僕は小屋の外から雪を再び運び、タオルに包み悠理のおでこに乗せ
る。外は春の吹雪と闇の世界。林を抜けていく風が轟音と共に吹き
すさび、魔物のような咆哮を上げている。
「部屋の温度上げるから、少しの間我慢できるかい?」
「でも、薪がなくなっちゃうと大変じゃない? あたいは大丈夫だよ。眠
っちゃえばいい……」
確かに、薪の無駄遣いはできない。明日の天気の保障がないから
だ。でも、僕の悠理は今も震えている。僕は悠理に告げた。
「僕が暖房代わりに抱きついてもいい? 人の体温は一番温かいし。
もちろん、悠理がイヤなら辞めるけど」
「……ん……イヤじゃない。美童……あたい寒い……んだ」
「わかった」

僕は上着を脱ぎ、上半身裸になって、上着は悠理の肩のほうへ掛け
た。
悠理の上着を脱がし彼女は下着姿で心もとなげに震えていた。
「こっちへ」

彼女の肌は粟立っていた。その震えを止めたくて、僕は背後から彼女
をぎゅっと包み込むように抱きしめた。

悠理の鼓動が聴こえる。

僕の鼓動は聴こえているのだろうか?
僕らは静かに抱き合っていた。
互いのぬくもりを感じるために。
16名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 11:28:53 ID:A4IThDu3
>ムツゴロウさん奮戦記
楽しみにしてましたー!
続きが読めるなんて嬉しいです。
悠理はもちろんかわいいけど、美童がすごくかっこいい!
続き待ってます。
17名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 17:10:39 ID:M3SAaWWi
いい所で続きに…!
描写が細かくて、美童のマメさがよーく伝わりました。
作者様いろいろ博識ですね。
続き楽しみです。
18 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:38:38 ID:I3T/DpK6

「大丈夫。明日には風も止むだろうから、ゆっくり下山しよう…」
「…うん……」

それから、どれくらい時間が経ったんだろう?
微かな身動きを感じて瞳を開けると、悠理が僕を見つめていた。
薪ストーブの扉の窓から見える炎が、闇に沈む部屋を揺らめかせ、ぼ
んやりとした不可思議な空間に変える。

熱のせいか、彼女の瞳が潤んでいる。


森を駆け抜ける吹雪く風の音はいつの間にか静まりつつあった。
そのせいか、時折、窓を揺らし、サラリと雪が舞い落ちる音が聞こえ始
める。

部屋はとても静かだった。
僕は囁く。
風に舞い滑り落ちる雪の音を邪魔しないくらい、微かに――。

「眠れない?」

僕の胸の中で、彼女は真っ直ぐに僕を見つめている。
「うん…あのね、あたい美童と一緒でよかったなって…下手したら助か
らなかったし…美童のお陰で助かったって…本当にありがと…」
「僕が誘わなければ、雪崩にも遭わずに済んでいたし、僕は申し訳なさ
でいっぱいだよ…」
苦い想い。
彼女を危険に巻き込んだことを、僕は悔いていた。

「でもね、ここに到着するまで、美童が気遣いながら連れて来てくれて、
その背中見てずっと滑ってて、何て頼りになるんだろうって…。
ねぇ美童…。
美童は…あたいのこと好き?」
「もちろん、好きだよ…?」
19 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:43:03 ID:I3T/DpK6

僕の鼓動が早くなる。
「違う。何言っているんだろ…あたい…でも、美童のこと、今までも好き
だったけど、そういうんじゃなくって…なんか…よく…わからない…」

熱のせいか、悠理は混乱している。
僕もその混乱が伝染ったようだ…。

炎はちらちら揺らめき、部屋を薄闇に変えている。
薄闇を見透かしても、何かが見えそうで、見えた気になるけど、実は何
も見えてない。

それは人の心を探ることにも似て…。
ただ、もどかしいだけの、闇の牢獄。


「美童…」
「……」
「…キスして…」

闇に響く彼女の声。
熱のせいか、彼女の頬は薄紅色に染まっている。
ストーブの中で、燃え盛る炎で薪がはぜた。
一瞬、炎が強くなり、その勢いに押されるように、僕は彼女にキスをす
る。

そう、きっと混乱しているのだ。
悠理からキスを求めるなんて、あり得ない…。

もしかしたら、本当の僕はまだ雪に埋まっているのかもしれない。
そして、これは息絶える寸前の夢――。


軽いキス。
世界と遮断され、雪と闇に閉じ込められ、ここには僕と君。
やがて、互いの存在を確認するように、唇を求めあう。

今夜 君は 僕のもの
それでいい。

世界よ いま 終われ――。
20 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:46:43 ID:I3T/DpK6

薪がはぜ、炎がきらめく。
ストーブの暖かさではなく、お互いの身体の内から熱が起りだす。
彼女の身体にキスの雨を降らしながらも、それでも僕は躊躇した。

微かに眉根を寄せて、切なげに悠理が僕を見る。
僕は彼女の下着を脱がし、くびれた腰のラインを撫でる。

小さく、吐息を吐きだす彼女は、今まで誰にも見せたことのない秘密
の表情を僕だけにさらけ出す。

僕だけに。

捻挫している足に負担がかからないように気遣いながら、脚をやや開
かせ、僕は彼女の花弁へ指を這わせた。
その形を覚えるように、指でなぞりあげる。

「……ん…」
蜜がとろりとまとわり、指の動きを一層滑らかにする。
彼女の体温が一層上がる。

僕は彼女の唇をむさぼり、舌と舌を絡め合う。互いの身体が粟立ち、
微かな刺激が何倍もの快感となって襲ってくる。

彼女の息が弾み、小さく喘ぐ。
彼女自身へ指を挿れ、中を掻き混ぜる。指の動きに合わせるかのよう
に、自然に彼女の腰がくねる。蜜は誘うようにとろりと流れ続ける。

僕から与えられる快感によって、どんどん彼女は追い詰められ、喘ぎ
声とともに、意識を手放した。

だけど――。
僕は彼女をちゃんと抱かなかった。
どんなに自身の身体の熱が高まろうと、気持で抑え込んだ。

彼女を危険に晒したのは僕だ。
キスだけでも、僕はもう充分に報われている。

悠理が穏やかな寝息を立てるのを見て、僕は自身の熱を冷ますため、
そっと静かに外へ出た。
雪が止み、雲の切れ間から凍えた星々が覗いている。

苦い、幸せな夜が過ぎようとしていた。


   *   *   *
21 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:49:04 ID:I3T/DpK6
「美童…」
「……ん?」

悠理の声で目が覚める。
雪除けの板の間から、柔らな春の日差しが部屋を染める。
窓には融けた雪の名残りがキラキラ輝いている。
僕は毛布から起き出すと、軽く伸びをした。
悠理はすでにアンダーウエアに着替えており、昨夜干していたスキー
ウエアの乾き具合を確認している。
「美童、おはよう」
「おはよう。熱はどう?」
「下がったみたい。足はまだ痛むけど、昨夜より、だいぶ楽かも」
「そう良かった。天気もよさそうだし、軽く食事を取ったら出発しよう」

僕らは素早く着替え、持参のビスケットにホットチョコで簡単な食事を済
ませる。


ドアを開け、空模様を確認。
これなら余裕で行けるな。

僕は残った食料をいくつかキャビンに残し寄付をした。
「こうしてまた誰かの役に立つんだね…」
悠理はニコニコしながら見つめている。
「僕らも助けられたし、ほんの気持ちだけどね。じゃぁ、行こうか」
「うん!」

キャビンの火の元をもう一度確認して、外へ。
眩しいくらいの雪原を、僕らはゆるゆると下って行った。
懐かしい喧噪の世界へ戻るため――。


翌日。
オステルスンドから戻ったお祖母様から僕は遭難に関して小言を受け、
おばさんからは感謝の言葉を受けた。
幸い、悠理の捻挫も、僕の打撲も大したことなく、残りの滞在期間中は
おばさんやお祖母様と一緒にいろいろ回って過ごした。

悠理は普段と変わらず、ご機嫌なおばさんと一緒に買い物三昧だった
し、僕もその笑顔を見れて幸せだった。
22 ◆zlm37W6YYI :2009/01/12(月) 22:50:40 ID:I3T/DpK6
ただ、あの夜のことは、僕も彼女も触れなかった。
冬の雪山で遭難して、命の危機感から恋を錯覚するというのはよくあ
ること。

僕はそんな「恋」を知っている。

あの夜は、僕らも混乱していたし、特別に想うことじゃない。
そう、ただ寒かっただけだ。

僕はいつもと変わらない悠理に、少しの落胆と、でもどこかでホッとし
ていた。
帰りの飛行機で耳打ちされるまでは。


帰りの飛行機。
機内食が終わり、おばさんが化粧室へ立ったとき、悠理が僕の耳元に
顔を近づけてきた。
「ねぇ、美童」
「何?」
「また、連れて来てくれる? あの山スキー」
「もちろん。みんなで、もっといい季節に来よう」
「みんなでもそうだけど、あたいは美童と二人で行きたいな…」
僕が聞き違いかと思って彼女の方をまじまじと見ると、彼女はふいと
横を向き、僕の瞳を避けながらも確かに呟いた。
「二人でも行こうね」
その耳は真っ赤に染まっていた。

季節は春。
何かが、始まる――。



「幸せな結末」  ―Fin―
-*-*-*-*-*-*-*-*-
以上です。保守保守してやった。反省はしていない。
あとは職人さんにお任せってことで、ROMに戻ります。
>>16,17
感想ありがとうございました。励みにします(`・ω・´)シャキーン
では、長々と失礼しました!
23名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 12:10:29 ID:aKWi5NRC
GJです!
エロエロもいいけど、このくらい薄味だと原作の延長感覚で読めるのがイイ。
何か美悠に開眼しそう…
ROMなどと言わず、また是非書いてください。待ってます。
24名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 21:13:25 ID:HqEEcIp5
>幸せな結末
GJでした!
自分も微エロ好きなんで楽しかったです。
もちろんエロエロも好きですがw
自分、全カプ好きですが、ムツゴロウ美童と悠理、すごく好きです。
またなにか思いついたら読ませてください。
25名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 22:30:59 ID:jsrWQcZD
>幸せな結末

いや〜!
エロエロじゃなく、こういうのもすごくいい。
また思いついたら書いてくださいね。
いいもん読ませてもらった。
26名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 18:40:11 ID:QFimBWZS
ほす
27名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 07:36:11 ID:yyhJnEkz
28名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 00:02:53 ID:9Wy30vYT
清→野で 清四郎が野梨子に無理矢理…てのが読みたい
29名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 07:38:49 ID:jIK8qZsC
30名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 22:35:49 ID:mmwKQFiA
しゅ
31名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:05:39 ID:h2tYvarj
清四郎と悠理の結婚ネタに萌えまくる
妄想は偉大だ
32名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 14:50:43 ID:7Owf/eNU
悠理と清四郎の結婚話はたしかにいい
33☆☆野×悠で45題☆☆:2009/02/02(月) 15:29:00 ID:7Owf/eNU
ほす代わりに投下します。野梨子×悠理でエロなんだかなんだか分からない。原作お題ミニSSです。まぁ、微エロで所により清×悠よりな表現があり、ちょい偽物っぽいです。
苦手なかたスルーよろ

★★★★野×悠で45題★★★★
PART1 紋白蝶

「野梨子、何編んでいるの」
「マフラーですわ」
 少女の膝の上に伸びて行く真っ白いそれは、どう見てもマフラーだ。
 そんなことは悠理にだって分かっている。
 きっと清四郎に編んでいるのだ。
 あの、ムッツリスケベがいかにもしそうな、地味な色だもの。
 いや、どっちかってーと美童かなぁ。
 でも、野梨子が美童にマフラーなんか編むかぁ?
「どうしましたの? 悠理、面白い顔なさって」
「なんでも、ないやい」
 あたしは白いマフラーから目を反らした。
「悠理」
 ふわりと毛糸が巻かれ、あたしは驚いて野梨子を見た。
「やっぱり悠理には私より長くしませんといけませんわね」
 そう言って野梨子は悪戯っぽく笑った。


PART2 むしのしらせ

 やな予感がしたんだ。
 野梨子が美童に鞄を渡すのを見たとき。
 一ノ倉さんと出掛けて行く、後ろ姿を見たとき。
 なのに、あたしは声が掛けれず、見送った。
 どうして声が掛けられなかったんだろう?
 なぁ、清四郎、分かるか?
 そう聞くと、清四郎は眉を少し寄せて、さあねと言った。
 たまには自分で考えなさい。
 ふん、相変わらず冷たいやつ。
 美人で淑やかで頭がよくて、性格がよいと評判だった一ノ倉さん。
 美人で淑やかで頭がよくて、良い性格してる野梨子。
 並んで歩いている二人を見てやな気分になったのかと勘違いした。
 だって、二人はお似合いだったから。
 そこまで考えてあたしは、馬鹿馬鹿しくてやめた。
 くだらないと呟くと、清四郎はその通りですよと呟いた。
 似合いませんよ悠理、そう言って少し笑った清四郎。
 やっぱ、あんたやな奴だな。
34☆☆野×悠で45題 2☆☆:2009/02/02(月) 15:34:31 ID:7Owf/eNU
PART3 秋の香り

 何故そこへ行ってしまったんでしょう。
 摩利絵さんの隣りに座った悠理を見たとき、私は昔の事を思い出していた。
 悠理の隣りで摩利絵さんは泣いていた。
 悠理は慰めるように、彼女の肩を抱き寄せ何かを囁いている。
 きっと、慰めているんですわ。
 そんなこと分かっていますのに、どうして嫌な気分になるのかしら。
 悠理は私に意地悪だった。
 出会った時からずっと。
 嫌な娘と思ったけど、他の女子には優しいと気づいた時、私は今までと違う胸の痛みを感じていた。
 あれはいったいなんだったのか?
 今はいつでも助けてくれる。
 摩利絵さんと私が危ない目に合ったら、私を優先させてくれる。
 そうに決まってますわ。
 だけど、悠理にあんなふうに抱き締められたことも、庇われたことも一度もないと思った時、私は走り出していた。
「ねえ、悠理、私と可憐が敵に捕まっていたら、どちらを先に助けますの? 」
 木陰の下で、そう聞くと、悠理は驚いた顔をした。
「それって、魅録や清四郎は側にいないの? 」
「もちろんですわ」
「それって、状況として」
 まだ、続けようとする悠理を私は遮った。
「同じくらい危なくて、悠理との距離も一緒ですの」
「安心しろよ、どっちも助けるから」
 私は内心傷付いて、本を読む振りをした。
「馬鹿だな。野梨子は、そんな弱い女じゃねえだろ? 」
 冗談めかした言葉で言われても嬉しくなんてありませんわ。
「野梨子を先に助けるよって言って欲しいのかよ」
 そう、私はそう言って欲しかった。
 馬鹿げたことを聞いているのは百も承知でしたのよ。
 それでも、嘘でもいいから、野梨子だよと言って欲しかったんですの。 
 じわりと滲んだ涙が悔しくて、立ち上がった。
「悠理なんか嫌いですわ」
「あたしは野梨子が好きだよ」
 背中から聞こえて来た声は思ったよりずっと、小さくて弱々しいものだった。
 私は勇気を出して振り向きたかった。
 ですのに、昼休みの終わりを告げるのをチャイムが鳴るまで、身じろぎもせずに立ち尽くしていた。
 チャイムの音に悠理がため息を吐くと、戻ろうと小さな声で言った。
 私は悠理の顔も見られなくて、俯いたまま振り返ると、悠理が手をそっと握った。
 私は小さく握り返して、無言のまま校舎に向かった。
35☆☆野×悠で45題 3☆☆:2009/02/02(月) 15:39:16 ID:7Owf/eNU
PART3 秋の香り

 何故そこへ行ってしまったんでしょう。
 摩利絵さんの隣りに座った悠理を見たとき、私は昔の事を思い出していた。
 悠理の隣りで摩利絵さんは泣いていた。
 悠理は慰めるように、彼女の肩を抱き寄せ何かを囁いている。
 きっと、慰めているんですわ。
 そんなこと分かっていますのに、どうして嫌な気分になるのかしら。
 悠理は私に意地悪だった。
 出会った時からずっと。
 嫌な娘と思ったけど、他の女子には優しいと気づいた時、私は今までと違う胸の痛みを感じていた。
 あれはいったいなんだったのか?
 今はいつでも助けてくれる。
 摩利絵さんと私が危ない目に合ったら、私を優先させてくれる。
 そうに決まってますわ。
 だけど、悠理にあんなふうに抱き締められたことも、庇われたことも一度もないと思った時、私は走り出していた。
「ねえ、悠理、私と可憐が敵に捕まっていたら、どちらを先に助けますの? 」
 木陰の下で、そう聞くと、悠理は驚いた顔をした。
「それって、魅録や清四郎は側にいないの? 」
「もちろんですわ」
「それって、状況として」
 まだ、続けようとする悠理を私は遮った。
「同じくらい危なくて、悠理との距離も一緒ですの」
「安心しろよ、どっちも助けるから」
 私は内心傷付いて、本を読む振りをした。
「馬鹿だな。野梨子は、そんな弱い女じゃねえだろ? 」
 冗談めかした言葉で言われても嬉しくなんてありませんわ。
「野梨子を先に助けるよって言って欲しいのかよ」
 そう、私はそう言って欲しかった。
 馬鹿げたことを聞いているのは百も承知でしたのよ。
 それでも、嘘でもいいから、野梨子だよと言って欲しかったんですの。 
 じわりと滲んだ涙が悔しくて、立ち上がった。
「悠理なんか嫌いですわ」
「あたしは野梨子が好きだよ」
 背中から聞こえて来た声は思ったよりずっと、小さくて弱々しいものだった。
 私は勇気を出して振り向きたかった。
 ですのに、昼休みの終わりを告げるのをチャイムが鳴るまで、身じろぎもせずに立ち尽くしていた。
 チャイムの音に悠理がため息を吐くと、戻ろうと小さな声で言った。
 私は悠理の顔も見られなくて、俯いたまま振り返ると、悠理が手をそっと握った。
 私は小さく握り返して、無言のまま校舎に向かった。
36☆☆野×悠で45題 4☆☆:2009/02/02(月) 15:42:18 ID:7Owf/eNU
PART5 椿の花が落ちぬよう

 豪華客船はなかなかスリリングだった。
 野梨子のスイッチはいつ入るか分からないから。

 その夜も掌の感触に目が覚めた。
 いつの間にかパジャマのズボンに手が入っている。
 ううん、ズボンだけじゃない。
 パンツの中に入っている掌のうち、ニ本も指が入っている。
「野梨子・・」
「声を立てては駄目ですわ」
 野梨子の言葉に、隣りに可憐が寝てることを思い出した。
 酷いよ野梨子。
 どのくらいされてたか分からないけど、パンツの中はぬるぬるだ。
 入れたり出したりしている指が、時折ぐいっと深く抉る。
 ツキンとした痛みに、恥ずかしさと気持ち良さに泣きたくなる。
 布団を噛んで耐えるけど、酷いよ、野梨子。
 クスっと笑う声が漏れる。
 ああ、なんかおかしくなりそう。
 漏れそうになる声に、あたしはシーツを握り締めた。
 こんなに深く入れられたのは初めてだ。
 もしかして、今日、処女喪失かも・・・
 そんなことを考えながら、あたしは野梨子が触り易いように足を開いた。


PART6 入道雲

 もう、悠理ったら本当に馬鹿なんだから。
 野梨子がブチキレそうだわよ。
 魅録と二人で抜け出すなんて。
 ただでさえ、清四郎に教えられているあんたを見る目が剣呑だったのにね。
 むっつりとした野梨子を見ながら私は思った。

 このはた迷惑レズカップルに気付いたのは、旅行の時だった。
 だって、私がいるのに始めるんだもの。
 学園の王子様がお姫様の下であへあへ言ってるんですもの。
 まぁ、いいわよ。
 恋愛は自由ですもの。
 皆には黙っていて上げるわ。
 ラスベガス旅行が学校にバレて、必死で勉強してるときもイチャクラしてた。
 孫悟空の輪をつけられた悠理を見る、野梨子の目は危なかったのよね。
 ああ、この二人のアレってなんかSMチックなのよね。
 野梨子がSなのは分かるけど、悠理がMってのは驚きだわよ。
 でも、まぁ素直なとこもあるし、いや、でもベッドの中の素直さは並じゃないわよね。
 泣きそうな声、出しちゃってさ。
 やめてなんて言いながら、言うこと聞いちゃうんだから。
「聞いてますか、可憐」
「え、何、清四郎」
 思わず聞き返すと、清四郎は眉間を押さえた。
「まったく、そんな嬉しそうな顔して、どうせ男のことでも考えてたんでしょう」
 え? 私、嬉しそうな顔してた。
 思わず落ち込む私に、清四郎は方程式を繰り返した。
37☆☆野×悠で45題 5☆☆:2009/02/02(月) 15:47:48 ID:7Owf/eNU
PART7 真夏の夜に扉は開く

 剣菱悠理について、私が知っていること。
 いじわるで乱暴者。
 言葉が汚くて、下品な人。
 喧嘩ばかりしているヤバン人。
 私のことを目の敵にする。
 どうしてあんな人が人気あるのか不思議ですわ。
 人気があるといっても、キャーキャーいうのは女ばかりですけど。
 そりゃ、背は高い方で、美人かもしれませんけど、あの立ち振る舞いに、話し方ではいくら奇麗でも興醒めですわ。
 知性というものを感じさせませんもの。
 今日も彼女の周りには女生徒を侍らせて、まるでハーレムですわ。
「悠理様。困っていますの。南中の方にしつこく交際を迫られてますの」
「任せておけよ。二度と近づけさせねえから」
 キャーっと黄色い歓声が上がるのに、私はうんざりとした。
 女同士で何をキャーキャー言っているのかしら。本当に馬鹿みたいですわ。
 それにあの喋り方どうにかならないのかしら。

 あの女、また見てやがる
 あたしが一体何したっていうんだ。
 ガキの時のことをいつまでも根に持ちやがって。
 あんな女がどうしてモテるのか不思議だよ。
 いくら奇麗でも、あんな厭味な根性悪あたしならごめんだ。
「まぁ、悠理さまったら白鹿様を見つめて、ああいう方がよろしいの? 」
 あたしの周りに群がってる女の一人が、いきなりそう言った。
 その途端、白鹿の顔が屈辱とでもいうように、真っ赤に染まった。
「まさか、あんなのごめんだね」
 そう言うと、白鹿のことを口にした女は頬を染めた。
 気色悪いな。そう思ったのは事実だけど、この状況は嫌いじゃない。
 ちやほやされるのは大好きだ。
 ふと白鹿を見ると、怒りで青ざめていた。
「もっとも、顔だけはまぁまぁだから、性格さえよけりゃ隣に座らせてやってもいいけどな」
 わざと聞こえるように言うと、ガタンと席を立った。
 背けた耳は赤く染まり、あたしは嫌な気分になる。
 白鹿といるといつもそうだ。
「最低ですわ」
 小さく声が聞こえ、あたしは、知ってるよと心の中で呟いた。
「言いたいことがあんなら、聞こえるように言ったらどうだよ」
 白鹿の背中に怒鳴ると、くるりと振り向いた。
「あなたのような方と話すことなんてありませんわ」
 隣りではいつも一緒の菊政宗が、やれやれというように肩を竦めた。
 どうしてだか分からないけど、酷く泣きたくなって、あたしは堪えた。
 あの女の前で泣くのは嫌だ。
 菊政宗の前で泣くのは嫌だ。

 私は滲みそうになる涙を必死に堪えてた。
 今、彼女たちは私を見ている。
 見当違いの嫉妬。
 剣菱さんの取り巻きで、私より奇麗な人はいないから。
 剣菱さんが私を気にしているから
 そんな理由で彼女たちは気に入らないのだ。
「妬いてるのですわ」
 小さく呟いて私は逃げ出した。
 嫌いですわ。
 あんな方。
 いじわるで野蛮で
 大嫌いですわ
 天国の門はまだ開かない
38☆☆野×悠で45題 6☆☆:2009/02/02(月) 15:52:08 ID:7Owf/eNU
PART8 蝉時雨

 野梨子は意地悪だ。
 知ってたけど。
 ベッドに三人で寝ると。
 思い出したかのように、気紛れにあたしに触れる。
 掌とか、肩に・・・
 野梨子の触れたところが熱い。

 だけど、あの暑かった冬の日のように
 激しく求めることはない。
 旅行にきて、一度もキスをしてない。
 そりゃ、皆がいるところでするのは嫌だって言ったのはあたしだけど
 いきなりこれは寂しすぎる。

 もちろん、へんな事して欲しいわけじゃない
 だけど、そんな風にされると
 構ってくれないと淋しいよ。
 野梨子

 悠理ったらまた魅録とあんなにくっついて。
 いですわ、そっちがそのつもりなら
 ご褒美はあげませんわ。
 悠理からおねだりするまで
 指一本、触れるもんですか。
 そんな物欲しげな顔したって駄目ですわ。

 だけど先に私がまいりそう。
 我慢できずに触れた指先が痺れた。


PART9 クリスマスの魔法

 どういうつもりか分からないけど
 スウェーデンの白い魔法のせいですの?
 悠理がとても優しいんですの。
 私をずっとエスコートしてくださる。
 くすぐったいけれど嬉しいですわ。
 なんだか少年のようなスタイルだし
 もしかして、私達似合いのカップルとでも思われてるのかしら。

 外国にくると野梨子の小ささがいやに目につく。
 日本人形みたいに可愛くて
 小さい野梨子。
 そばに居たいのは
 守ってやりたくなるからなのか
 独占したいからなのか。
 旅の空のしたで、
 あたしはちょっとだけ素直になった。

 周りの視線が厳しいのは
 美少女を二人も連れているせいでしょう。
 まったく人の気も知らないで
 いい気なもんですな。
 前でいちゃつく二人の指が絡むのが見えて、
 何故か微笑みが漏れた。
39☆☆野×悠で45題 7☆☆:2009/02/02(月) 15:55:11 ID:7Owf/eNU
PART11 夜鳴鳥

 あたしは食い気しかない不良娘で通ってる。まぁ、そのとおりだけどさ
 夜遊びと喧嘩とロックが大好きで
 夜の街に出掛けずにはいられない。
 いつも退屈してて、面白いことがあれば、なんでも首を突っ込む
 だけど野梨子、夜明けが近づいて
 空が白くなってくると
 あたし淋しくなるんだ。
 どんなに楽しく騒いでも
 野梨子が恋しくなるんだ。
 夜明けの寝室に忍んで行くと
 野梨子はいつも嫌な顔をする。
 くるのなら、もっと早く来てくださいな
 そう言って手を払われる。
 香水の匂いがしますわ
 誰かの残り香を野梨子は酷く嫌う。
 ねえ、野梨子、あたし淋しいんだ。

 夜が黒く染まってくると訳もなく泣きたくなる。
 淋しくなってたまらない時があるんですの。
 夜は毎晩来ますのに
 母の手伝いでNYにいる間、
 摩天楼は明るくて私はなんだか淋しかった。
 どうしてこんなに明るいのに
 淋しいのでしょう
 くたくたに疲れて日本に帰った晩
 夢現つで悠理を見た。
 目を開けると白んだ障子の前にボーイのような格好の少女がいた。
「野梨子」
 甘えるように名前を呼ばれ、布団に手を掛けられる。
 嬉しかったのに、恋しかったのに
 私はその手を払いのけた。
 見知らぬ香水のせいではないの
 気紛れなあなたがにくらしかっただけ。


PART12 いらかの反乱

 そんな気分になれないよ。
 こんな匂いじゃ

 バスローブに手を差し込むと悠理は言った。

 酷いですわ。
 悠理の為に泊まり込んで、一緒に観音探しをしたのに。
 ご褒美が欲しいですわ。

 じゃあ、美童や魅録や清四郎や野梨子や男山にも
 ご褒美あげなきゃいけないね

 意地悪な言葉に私は頷いた。

 もうご褒美なんか要りませんわ。
 ほっとした悠理に私は笑う。

 お仕置きしてあげますわ。
40☆☆野×悠で45題 9☆☆:2009/02/02(月) 16:00:24 ID:7Owf/eNU
PART13 アイスクリームと秋の空

 可憐は一人なら我慢できるけど四人なら我慢できないらしい。
 そーいうの、あたしは分かんない。
 あたしが我が儘だからかもしれないけど
 野梨子はあたしだけだけど
 本当言うと全然足りない。
 だからといって具体的に何がっていうとちっとも分かんない。
 野梨子は奇麗だ。
 野梨子は頭が良い。
 野梨子はか弱い。
 野梨子を守るのは大抵清四郎かあたし。たまに魅録。
 もしくは側にいた人。
「野梨子が馬鹿でブスで運動神経抜群で強かったらよかったのに」
 溶けかけのアイスクリームを舐めながらそう言うと、清四郎は溜め息吐いた。
「悠理は本当に馬鹿ですな」
 そんなこと知ってるわい。
「どうせ清四郎には分かんないよ」
 そう言うと、一匙アイスクリームを取られた。

 清四郎に返せと悠理が怒鳴ると
 あっさりとアイスクリームを口元に運ばれた。
 本当にあの二人って仲がいいよね。
 ペットと主人って感じだけど 
 素直に舐る悠理は子犬みたいに可愛い。
 微笑ましい気分で見ていた僕は気づいてしまった。
 何故か魅録が悠理を睨んでいることを。
 ニヤニヤとした清四郎に気づいてしまった。
 ああ、魅録と清四郎ってそうなんだ。
 悠理って当て馬?
 顔が赤くなる前に野梨子が向こうから飛んで来て悠理を連れて行った。
 ああ、もしかして、僕って微妙?
 旅行の時の部屋割りで一緒になりたくないよお。
 カップル部屋は嫌だよお。
「ねぇ、悠理、旅行の時は同じ部屋にしようよ」
「いいよ」
 思わず出た言葉に悠理は笑ってくれたのに、何故か悪寒が走った。


PART14 桜散るなか梅が咲く

 最近、なんだか落ち着きませんわ。
 清四郎とは昔から好みが似ていたせいかしら。
 こんなところで好みがあうなんて最悪ですわ。
 しかも清四郎のほうが、悠理を理解してるようなんですもの。嫌になってしまいますわ。

 幽霊が嫌いな筈なのに、今回は妙に乗り気な悠理。
 賭博が好きだから?
 いいえ、その前から急に元気になりましたわ。
 今も悠理は絶好調ですわ。
 まぁ、そんな悠理も可愛らしいですけど。
 悠理を見て、清四郎はどうして顔を赤くしているのかしら。
 なんだか嫌な気分ですわ。

 しかもこうして見ると凛々しいんですわよね。
 確かにキャーキャー言われるの分かりますわ。
 だけど、二人きりのあの時の愛らしさにはかないませんわ。
 あのお嬢さん方にも一度見せてさしあげたいですわ。

 いいえ、やっぱりもったいなくて見せられませんわね。
41☆☆野×悠で45題 10☆☆:2009/02/02(月) 16:05:49 ID:7Owf/eNU
PART13 アイスクリームと秋の空

 可憐は一人なら我慢できるけど四人なら我慢できないらしい。
 そーいうの、あたしは分かんない。
 あたしが我が儘だからかもしれないけど
 野梨子はあたしだけだけど
 本当言うと全然足りない。
 だからといって具体的に何がっていうとちっとも分かんない。
 野梨子は奇麗だ。
 野梨子は頭が良い。
 野梨子はか弱い。
 野梨子を守るのは大抵清四郎かあたし。たまに魅録。
 もしくは側にいた人。
「野梨子が馬鹿でブスで運動神経抜群で強かったらよかったのに」
 溶けかけのアイスクリームを舐めながらそう言うと、清四郎は溜め息吐いた。
「悠理は本当に馬鹿ですな」
 そんなこと知ってるわい。
「どうせ清四郎には分かんないよ」
 そう言うと、一匙アイスクリームを取られた。

 清四郎に返せと悠理が怒鳴ると
 あっさりとアイスクリームを口元に運ばれた。
 本当にあの二人って仲がいいよね。
 ペットと主人って感じだけど 
 素直に舐る悠理は子犬みたいに可愛い。
 微笑ましい気分で見ていた僕は気づいてしまった。
 何故か魅録が悠理を睨んでいることを。
 ニヤニヤとした清四郎に気づいてしまった。
 ああ、魅録と清四郎ってそうなんだ。
 悠理って当て馬?
 顔が赤くなる前に野梨子が向こうから飛んで来て悠理を連れて行った。
 ああ、もしかして、僕って微妙?
 旅行の時の部屋割りで一緒になりたくないよお。
 カップル部屋は嫌だよお。
「ねぇ、悠理、旅行の時は同じ部屋にしようよ」
「いいよ」
 思わず出た言葉に悠理は笑ってくれたのに、何故か悪寒が走った。


PART14 桜散るなか梅が咲く

 最近、なんだか落ち着きませんわ。
 清四郎とは昔から好みが似ていたせいかしら。
 こんなところで好みがあうなんて最悪ですわ。
 しかも清四郎のほうが、悠理を理解してるようなんですもの。嫌になってしまいますわ。

 幽霊が嫌いな筈なのに、今回は妙に乗り気な悠理。
 賭博が好きだから?
 いいえ、その前から急に元気になりましたわ。
 今も悠理は絶好調ですわ。
 まぁ、そんな悠理も可愛らしいですけど。
 悠理を見て、清四郎はどうして顔を赤くしているのかしら。
 なんだか嫌な気分ですわ。

 しかもこうして見ると凛々しいんですわよね。
 確かにキャーキャー言われるの分かりますわ。
 だけど、二人きりのあの時の愛らしさにはかないませんわ。
 あのお嬢さん方にも一度見せてさしあげたいですわ。

 いいえ、やっぱりもったいなくて見せられませんわね。
42☆☆野×悠で45題 10☆☆:2009/02/02(月) 16:11:49 ID:7Owf/eNU
すまん。同じのあげちゃった。正しい10でぷ。

PART15『犬猫まるごとHOWマッチの巻』水道管の人魚姫

 あたなはまるでマーメドのように泳ぐ。

「正直私、魅録とあなたを見ていますと少しだけ嫉妬してしまいますの」
 野梨子はそんな風に言う。
 ウソばっか。
 少しじゃないじゃないか。
 散々野梨子に苛められたばかりなのに
 淋しげな声を出されるとあたしの負け
 汗ばんだ肌をシーツに押し付けながら野梨子の背中を見つめた。
 日に焼けない背はまるで人魚姫
 好きだよって勇気を出して言ったのに
 野梨子は笑う。
 知ってますわって。
 ずるいよ、野梨子。


PART16『欧羅巴トラブル・ツアーの巻』向日葵の残香

「悠理といると、本当に退屈しませんわ」
 それが厭味なことぐらい、馬鹿なあたしにも分かる。
 なぁ、野梨子何を怒ってんだよ。
 あたし馬鹿なんだ。
 はっきり言ってくれなくっちゃ分からない。

 悠理は無鉄砲。
 馬鹿で大食らいでそのうえ手癖まで悪い。
 こんなにいつも一緒にいて、いつも心配していますのに
 あなたと冒険するのは、魅録と清四郎
 そんなのずるいですわ
 足手まといにしかならないって分かっていても
 私は淋しいですの。

 野梨子は気紛れだ。
 残酷にあたしを振り回すんだ。
 意味もなく怒ったり、急に優しくしてくれたり
 誰かに甘えたくなって、魅録の背中に擦り寄ると
 清四郎の腕が引き戻した。
 文句を言おうと思ったけど、
 ぽんぽんと撫でられると言葉が出なくなる。
 この手が好き。
 皆大好き。
 なのにどうして野梨子じゃなきゃ駄目なのか。

 僕は見てしまった、悠理が魅録になつくと
 清四郎が邪魔をしているところを
 悠理って誰にでも懐くもんな。
 きっと二人の関係に気づいてないんだ。
 魅録が清四郎を見てるのに気づきどうしようかと思ってると
 野梨子が悠理を連れて行った。
 よかった。
 そう思った背中で可憐が呟くのが聞こえた。
「複雑な上に乱れてるわ」
 ああ、同士がここにいた。
43☆☆野×悠で45題 11☆☆:2009/02/02(月) 16:13:48 ID:7Owf/eNU
PART17『香港より愛を込めての巻 前編』福寿草の涙

 悠理と私の趣味が会わないなんてこと、今に始まったわけじゃない。
 もちろん私は楽しいですわ。
 悠理と離れていたって。
 買い物は大好きですもの。
 それに夜には会えますもの。
 ベタベタした付き合いなんかしてませんもの。

 やっぱ、魅録と一緒にいるのが一番だ
 そんなことを言って悠理は腕を組んでくる。
 あるんだかわからないような膨らみが肘にあたり、俺は内心焦った。
 悠理は女の自覚が足りない。
 しかも、よく見るとけっこう可愛いんだ。
 一緒にいて楽しいし、気が合うこいつはダチだ。
 だから、今、悠理が誰かを思い出しているとしても関係ねえよ
 突然空を見上げた悠理から、俺は顔を反らした。


PART18『香港より愛を込めての巻 後編』福寿草の花びら

 前々から疑問だったことが一つだけあります。
 何故ぼくには嫉妬するくせに
 可憐や美童にはしないのか。
 これが不思議でしょうがないですな。

 悠理の隣りで涙ぐむ中国娘に対し
 ほんの一瞬、野梨子の視線に剣が含むのを見てそう思った。
 かと思うと、悠理はぼくを冷たい目で見つめた。
 もちろん、一瞬に過ぎない。
 野梨子の隣りに立っているというだけで。


PART19『幽霊なんかこわくないの巻』蛇苺

 旅行に行って少し困るのは部屋割り。
 悠理と野梨子は落ち着いたけど、
 カップル部屋っていい気はしない。
 けっこうトラウマになってるのよ。
 だから野梨子が別の部屋なのはちょっと安心。

 しかし、悠理って分からない子よね。
 野梨子と付き合ってるくせに、今泉くんと婚約なんて
 たとえ嘘でも嫌じゃないのかしら
 今も目の前ではしゃいでる悠理に私は首を傾げた。

 野梨子はお嫁に行く
 いつか、あたしを置いてお嫁に行く
 そんなこと分かってる。
 だから、野梨子の気まぐれな唇を
 意地悪な指をあたしは拒まない
 いつかお嫁に行く野梨子の気紛れを
 忘れたくないから
44☆☆野×悠で45題 12☆☆:2009/02/02(月) 16:16:56 ID:7Owf/eNU
PART20『成金爆発娘の巻』クリスマスローズが咲く前に

 あたいは不良、野梨子は優等生
 あたいは頭が悪い、野梨子はお利口さん
 あたいは女じゃない、野梨子はお淑やか
 あたいは成金、野梨子は深層令嬢
 あたいは喧嘩が強い、野梨子は腕力がない
 あたいはきれいじゃない、野梨子は美人
 趣味だって全然会わない
 なのに野梨子不足であたいは死にそうになった。
 どこから声に出てたんだろう
「悠理だって美人ですよ」
 清四郎がそう言って頭を撫でた。


PART21『南海の秘宝の巻』ハイビスカスの冬

 あたいはロマンの感じ方が人と違うらしい。
 実際、水晶の谷よりも、お菓子の山やケーキの谷はロマンチックだと思う。
 魅録は恋をした。
 あたしは恋がどんなものか知らない。
 男にも恋愛にも興味がない。野梨子もそう
 だから、きっとあたいには必要じゃないんだね。
「そうかも知れませんね」
 清四郎は変な顔して笑った。


PART22『スポーツマンで行こうの巻』日だまりの紫陽花

 テニスは結構好き、でもマジでやんのはシンドイ。
 あたいはいつもいい加減で、スポイルされた不良娘。
 なのに、美童と熱血すんのは連中と馬鹿やんのが楽しいから。
 メンどいこともシンドイことも嫌いだけど、退屈が一番嫌い。
 だから、これも今回限りのお遊びならやる。

 悠理は気付いていませんのね。
 コートでどんなに目立っているか。
 テニスが美人が多いといったってたかが知れてますもの。
 だからこの一回でやめてくださってよかったですわ。
 これ以上ライバルが増えるのは嫌ですもの。 


PART23『池のコイ誘拐事件の巻』鯉幟

 ネオンの中の悠理が私は好きじゃない。
 そうですね、妬いているのかもしれないですわ。
 私の知らない友人と平気で抱き合ったり
 イキイキと泳ぐあなたを
 妬いてるのかもしれませんわ。

 魅録と一緒の悠理が嫌なのも
 言われてる気がしますの
 住む世界が違うのだと

 だけどカウンター越しに絡ませた指を解かなかったから
 あなたが一瞬不安げな顔をしたから
 私は大丈夫。
 大丈夫ですわ。
45☆☆野×悠で45題 13☆☆:2009/02/02(月) 16:27:24 ID:7Owf/eNU
PART24『愛すればこその巻』狂い咲きの秋桜

 無邪気な悠理、可愛い悠理。
 あなたは頓着しませんのね
 殿方のベッドに寝っ転がるなんてどういう方ですの?
 そんなこと今更ですわね。

 ねえ野梨子、人の命ってあっけないね
 淋しいね。
 あたいなんだか淋しいよ。

 子供みたいに泣き出した悠理。
 きっといつか、遠い何時かあなたとはぐれても
 待っていると指を絡めると
 カートゥーンみたいに、目の回りを青くしたあなたは
 雨上がりの笑顔を見せた。


PART25『世界一周アドベンチャークイズの巻』桜舞い散るわたしのこころ

 野梨子は可愛い
 小さくて良い匂いがして、柔らかい
 あたいが守ってあげなくちゃ

 だけど野梨子を守りたいのは、あたいだけじゃない。
 魅録が怒ったのは野梨子が馬鹿にされたからだ。
 だってあたいはいつだって馬鹿にされてるもん。
 頭がよくて、世間知らずで、気ばっかり強くて、可愛い野梨子。
 あたいが守ってあげるからね


PART26『剣菱家の事情の巻』花盗人

 許しませんわ、絶対許しませんわ
 愛してもいないくせに、悠理と結婚だなんて、婚約だなんて
 絶対絶対許しませんわ。

 いつか悠理はお嫁にいくかもしれないけれど
 他の誰に許しても、清四郎だけは許しませんわ。
 絶対絶対、許しませんわ

 どうか誰も私から悠理を盗らないでと、冬の空に願った。


PART27『白鹿野梨子に捧げる愛』春宵人

 野梨子が男を好きなった
 よかったね。
 男嫌い卒業かぁ。
 祐也はいいやつだし
 あたいもウレシイ。
 話してくれなかったのは水臭いけど
 許してやるよ。
 だって本当にうれしいから
 清四郎の腕があたしの目許を覆ったから、
 毛糸がちくちくして涙が出た。

 がんばれよ。
 冷やかす彼女の捧げる愛が眩しくて、僕は思わず腕を延ばした。
46☆☆野×悠で45題 14☆☆:2009/02/02(月) 16:38:27 ID:7Owf/eNU
PART28『愛してごめんなさいの巻』 五月雨の空るころ
 
 悠理は妬かない。私を責めない。
 車の中で指を絡ませると、ほんのりと頬を染める。
 そのくせ、すぐに外して、イカクンばかり食べていますのね。
 遊園地へ行っても乗りたい乗り物はいつも別々。淋しくないんですの。
 悠理がいなくても、気心知れた仲間が一緒だもの、私は楽しいですわ。 
 でも心のどこかが、いつも淋しいんですの。
 だからあなたも淋しいと思って欲しいんですの。


PART29『丑三つ時の女の巻』雪菊鬼唄

 あたいは幽霊が嫌い。蛇も嫌い。鬼はもっと嫌い。
 倶楽部に入って嫌いなもんがどんどん増えるよ。
 でもあたいも少しは変わったかな。
 澄ましてたアンタが鬼退治で大怪我すんだもんな。人間って分かんないね。
 小さな緑子ちゃんが誰かに似てて、あたいは昔のこと思い出した。
 あの日、野梨子に初めて会った日、友達になってって頼んでいたら、
 遊ばないかって誘ったら違う未来はあったかな。
「そんなの困りますわ」
 野梨子はそう言って唇を塞いだ。


PART30『芽台、復習の巻』梅華

 何度目かの誘拐劇、数えるのもやめちまった。
「悠理と一緒だと命がいくつあっても足りませんわ」
「野梨子は一体何回心配させれば気が済むんだ」
 軽い口喧嘩した振りして抜け出した部室。
 手を繋いだまま踊り場の陰で、あたいたちはキスをした。


PART31『狙われた学園−男ともだち・女ともだち−の巻』 雪月花

 悠理が誘惑なんて無理があると思いますわ。だって、ほら、色気がありませんもの
 それに馬鹿だからばれてしまうかもしれませんわ。

 ああ、野梨子だだ漏れですよ。そんなに悠理が心配ですか?
 まぁ、分からないでもないですがね。だって野梨子は知っているんですよね。
 悠理がどんな声を出すか。どんな顔をするか。
 色気とは無縁の少女の顔を見て、僕は目眩を感じた。
47☆☆野×悠で45題 15☆☆:2009/02/02(月) 16:54:33 ID:7Owf/eNU
PART32『男子禁制殺人事件の巻』 エーデルワイス

 不思議だったことがあります。どうして可憐や美童に嫉妬しないんでしょう。

 不安じゃないんですかと、清四郎が突然言った。本気で分からなくて聞き返すと、何故か口籠もった。
「スパに行けば良かったのにと思っただけです」
「嫌だよ、あたい興味ないもん」
 そう言うと余裕ですねと清四郎は笑った。
「可憐は怖くないですか?」
 清四郎はそういうけど、全然分かってない。あたしが何を恐れてるか。
「清四郎こそ、スパに行けばよかたじゃないか」
 男子禁制ですよ清四郎はそう言うけど、そんなこと知ってるもん。
「余裕だって言ったのは悠理にたいしてじゃないですよ」
 耳元に囁かれると、魅録に腕を引かれた。
「何やってんだよ。競争だぞ」
 だからあたいは、まっさきに走りだした。負けるのは大嫌い。喧嘩も何もかも勝ち方なんか気にしない。
 だから清四郎、怖くなんかない。だってあたいはズルをして野梨子を手に入れたもの。このぐらい離れてたって揺らぐもんか。


PART33『夢で逢いましょうの巻』チューリップの花で眠る姫

 眠ったままの悠理は、とてもきれいで不安になった。
 神に愛され過ぎた子供は早世だという。月の女神に愛されたものは何年も目覚めないと聞いたことがある。
 だれもいない病室で私はそっと口付けた。
 あなたが起きないことに、馬鹿みたいに傷付いて、涙を一粒落とした。


PART34『初春大騒動絵巻の巻』 紅梅

 あなたの首に咲いた赤華
「野梨子はいったい何回人質になりゃ、気がすむんだよ」
「まぁ悠理には言われたくありませんわ」
 言い合いは相変わらずけたたましいのに、甘えるように擦り寄ってくるなんて、本当に狡い子。
「野梨子連れてトイレ入るから、変なことされたんじゃないかと思った」
 泣きそうな顔でそんなことをいいますのね。
「調べて見れば宜しいですわ」
 そう言って私は帯を解いた。
「こんなとこにキスマークがあるよ」
 詰るような言葉に笑みが漏れる。
「野梨子にこんなことする奴許せないな」
 自分で付けたその花びらに、そんな事を言う可愛い唇を私は塞いだ。


PART35『温泉へ行こうの巻』 水芭蕉

「せっかく悠理と温泉に来たのに」
 野梨子はそう言っていたけれど、悠理の首筋に赤い痣に気付いてしまった。
 見えるか見えないかギリギリのライン。やることやってるんじゃないですか。
 まったく、こういった挑発がよけいに男心を擽るってこと、分かってないんですかね。
48☆☆野×悠で45題 16☆☆:2009/02/02(月) 17:05:26 ID:7Owf/eNU
PART35『温泉へ行こうの巻』 水芭蕉

「せっかく悠理と温泉に来たのに」
 野梨子はそう言っていたけれど、悠理の首筋に赤い痣に気付いてしまった。
 見えるか見えないかギリギリのライン。やることやってるんじゃないですか。
 まったく、こういった挑発がよけいに男心を擽るってこと、分かってないんですかね。


PART36『モルダビア怒りの鉄拳の巻』 

 なんとなく気に入りませんわね。モルダビアが見る悠理への視線、まさか狙っているんじゃありませんこと

 野梨子の奴、なんか目が妖しいよな。まさかスイッチ入っちゃったんじゃないだろうな。

 なんか悠理って今日、ちょっと色っぽくない?僕の気のせいかな?

 まったくこんな所で、ケダモノでこまったもんですね。

 カーテンコールの中、妙な気配を感じて振り向いた私は、楽しい気分も吹き飛んで帰りたくなった


PART38『君に愛の花束を』

 ねえ、怒んなよ。野梨子を忘れてた訳じゃないんだ。
 ただ、すごく疲れてて、寝ちゃっただけなんだ。
 ケーキも花束でも機嫌を直してくんないなんて、ねえ野梨子大好きだよ。
 キスしようとしたら引っぱたかれた。酷いよ野梨子。

 泣きだした悠理の声を聞き付けて、魅録と清四郎がやって来た。
 泣きたいのはこっちですわ。
 許す気になれないのは山々ですのに、仕方がないから許す振りをしましたの。
 だって背に腹は変えられませんもの


PART39『時をかける恋の巻』

 いつか悠理も恋をしますの?私以外の誰かに?
 悠理は何故私にすべてを許してくださるの?
 時々不安になりますわ。
 初めてその肌に触れた時から、一度も拒みませんもの
 大好きだよ。愛してる。そんな言葉も、あなたの温もりも遠く感じる時がありますの

 野梨子はお嫁にいく。いつか、今じゃないけど、いつかきっとお嫁にいく。
 そのときあたいはきっと泣く。でも平気だよね、だってあたい泣き虫だもん。
 だからそれまで、離さないで。ねえ、野梨子。


PART40『雛人形は眠れない』

 もう幽霊は嫌なのに、どんだけ怖い目にあわなきゃいけないんだよぉ

 悠理のトラブル体質に慣れてる私でも、やっぱりいつも驚かされますわ。
 少しは安心させてくださいな。しがみついたまま眠った幼子のような悠理。淫らな声を上げていたなんて信じられない寝顔。
 ねえ、安心させてくださいな。私は眠る貴女の吐息を奪う。
49☆☆野×悠で45題 17☆☆:2009/02/02(月) 17:11:33 ID:7Owf/eNU
PART41『玉の輿料理対決』

 あたいは馬鹿だ。下品だし。女らしさのかけらもない。
 恋なんかしたことない。したいとも思わない。
 だから浮気男の気持ちなんか分かんない。浮気される女の気持ちなんか分かんない。
 かぁちゃんがあんなに怖いのも、ああ、分かんないことだらけだ。
 清四郎が作ってくれた地図をチェックしながら、あたいはお礼と一緒に願い事をした。
 どうか、あしたは野梨子と会えますように。


PART42『初恋の鎮魂歌の巻』

 私は妬いたりしませんわ。だって知っていますもの。
 あれが悠理じゃないってことを。
 だって知っていますもの。恋をした悠理の姿を。
 震える足で歩く姿を、指先が触れただけで、泣きそうな顔を、
 唇が触れただけで、溶ける吐息を、甘い蜜の味も、絡む指先も
 だから妬いたりしませんわ。

PART43『ウェディング・エクスプレスの巻』五月恋歌

『結婚についてのアンケート』
松竹梅魅録 どっちでもいい
菊政宗清四郎 その内します
美童グランマニエ もっとうんと遊んでから うんと年下の かわいい娘と
黄桜可憐 できるだけ早くよね
白鹿野梨子 わからない
剣菱悠理 絶対ヤダ

 あたいは絶対結婚なんかしない、恋だってしない、男なんて興味ないし。

 はいはい分かってますよ。しなければいいでしょう。

 野梨子はいつかお嫁にいく、そんなこと分かってるんだ。
 きっと、顔が良くて背が高くて金持ちで、でも成り金じゃなくて、品があって、優しくて、そんでもって頭がよくて厭味じゃなくて
 清四郎みたいに情緒障害でもない、絶対浮気しない、控えめでおとなしい男と幸せになるんだ。

 そんな男いませんよ。

 いるもん。そんなのがいつか現れて野梨子はお嫁にいく。

 野梨子はお嫁にいく、まったく耳にタコですな。

 野梨子はいつかお嫁にいく、そう言って笑う、泣き虫な幼なじみをそっと抱き締めた。
50☆☆野×悠で45題 18☆☆:2009/02/02(月) 17:16:29 ID:7Owf/eNU
PART44『人生いつでも勝負の巻』

 悠理はおじさまに似ているのかもしれない、そう思ったのはゴムボートでの急流下り。
 悠理はここ一番で決して迷わない。そしてたいてい成功する。
 好きなものは好き。怖いものは怖い。嬉しいときに笑い、悲しい時に泣く。
 だけど私がそっと手を握った時、あなたが震えたこと、瞳が揺れたこと、
 戸惑ったような不安な顔が、私を勇気づけますの。
 今朝別れた時、笑顔で後でと笑ったあなた。
 そのとき不意に見せた切なさが、私を勇気づける。

 一緒にいれば大丈夫ですわ と。
 将来のことをいったのに、悠理は野梨子のスケベと呟いた。


PART45『菊政宗清四郎 一生の不覚の巻』

 私もすっかり皆さんに染まってしまって、恐ろしいですわね。

 何言ってやがる、野梨子が怖いのは昔からじゃないか

 まぁ、まだ生意気な口が聞けますのね。私の手を噛んだでしょう。

 ピシャリ
 尻をまた叩かれてあたいは泣いた。

 まあ、こんなに濡らして、いけない子。

 野梨子の意地悪。野梨子なんか大嫌いだ。縄を解けよお。

 まぁ、これは帯ですのよ。絹だから痛くないでしょ。

 楽しそうに野梨子は笑う。

 痛い 痛い 痛いよぉ
 縛られたまま転がされ、あたいはずっと泣いてる。

 今日の野梨子は意地悪だ、悲しくなって声を上げて泣くと、キスで口を塞がれる。
「母屋に聞こえますわ」
 意地悪な野梨子。なんで言うことを聞いちゃうんだろう。
 口枷を嵌められ、叩かれる。100回を数えるころには、いつも許してくださいと懇願しちまう。
 あそこが熱くてどうにかなりそう

 ねえ、野梨子、助けてよ。

おわりです。
思った以上にスレ使ってしまい反省してます。こんなの書いてしまいましたが、美悠と清悠が好きです。誰か清悠書いて下さると嬉しいっす。
51☆☆野×悠で45題 18☆☆:2009/02/02(月) 17:17:06 ID:7Owf/eNU
PART44『人生いつでも勝負の巻』

 悠理はおじさまに似ているのかもしれない、そう思ったのはゴムボートでの急流下り。
 悠理はここ一番で決して迷わない。そしてたいてい成功する。
 好きなものは好き。怖いものは怖い。嬉しいときに笑い、悲しい時に泣く。
 だけど私がそっと手を握った時、あなたが震えたこと、瞳が揺れたこと、
 戸惑ったような不安な顔が、私を勇気づけますの。
 今朝別れた時、笑顔で後でと笑ったあなた。
 そのとき不意に見せた切なさが、私を勇気づける。

 一緒にいれば大丈夫ですわ と。
 将来のことをいったのに、悠理は野梨子のスケベと呟いた。


PART45『菊政宗清四郎 一生の不覚の巻』

 私もすっかり皆さんに染まってしまって、恐ろしいですわね。

 何言ってやがる、野梨子が怖いのは昔からじゃないか

 まぁ、まだ生意気な口が聞けますのね。私の手を噛んだでしょう。

 ピシャリ
 尻をまた叩かれてあたいは泣いた。

 まあ、こんなに濡らして、いけない子。

 野梨子の意地悪。野梨子なんか大嫌いだ。縄を解けよお。

 まぁ、これは帯ですのよ。絹だから痛くないでしょ。

 楽しそうに野梨子は笑う。

 痛い 痛い 痛いよぉ
 縛られたまま転がされ、あたいはずっと泣いてる。

 今日の野梨子は意地悪だ、悲しくなって声を上げて泣くと、キスで口を塞がれる。
「母屋に聞こえますわ」
 意地悪な野梨子。なんで言うことを聞いちゃうんだろう。
 口枷を嵌められ、叩かれる。100回を数えるころには、いつも許してくださいと懇願しちまう。
 あそこが熱くてどうにかなりそう

 ねえ、野梨子、助けてよ。

おわりです。
思った以上にスレ使ってしまい反省してます。こんなの書いてしまいましたが、美悠と清悠が好きです。誰か清悠書いて下さると嬉しいっす。
52名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 17:20:34 ID:7Owf/eNU
すいません。うp上手くいかなくて、二重にうpしてしましました。これからは大人しくロムります。
53名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 01:02:17 ID:ZGrcvgHx
45題…なんと大量な!一気読みしました。GJです!
PART7のお題の不器用な二人にキュンとしました。
野梨子と悠理、可愛くて切なくていいですね。
54名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 01:48:40 ID:HA4/Wn8d
美悠も書いてください。
55名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:09:32 ID:Fw+zI+UN
>45題
一生懸命原作を順に思い出しながら読みました。
自分もPART7が好き。あとスウェーデン話は、以前から妙に
悠理と野梨子が仲良さげなコマが気になっていたので
ニヤニヤしてしまった…
PART4の誘拐と、紳士は美少年がお好きの話が抜けてるのは
うpミスかな?補完宜しくです。
56名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 22:20:52 ID:YJpB0k71
レズがいいならホモもおk?
57☆☆野×悠で45題☆☆:2009/02/03(火) 23:12:21 ID:RxusYPBe
45題書いたもんです。すみません。うpミスです。根っからのロムラーなのにカキコして上手くうpできなくて迷惑かけます。
補完ぶんでふ。しかし、皆さん優しい感想ありがとうTT。
45題は野×悠の個人的萌ポイントで書いたので、絶対ソコじゃねえだろってトコにポイント置いてる話が多いっす。
実を言うとPART4で、エロ路線に行ってしまったんです(ToT)/~~~

PART4 初紅

 少女の中にはたまに少年が潜んでいると、私は知っている。
 私の側にも一人いるから。
 女の子を守ったり、黄色い声援を受けたり、エスコートをしたりするために。
 悠理は男よりも多く、ラブレターを貰う。
 すべて女の子から。
 少なくとも、そういう振りはしている。
 男から貰っても気づかれないように、宛て名を隠し処分する。
 子供のころからそうだった。
 そして少年の顔で、笑っている。

 振り袖を着た悠理は奇麗だった。
 だけどまだ、少年の振りをしている。
 派手な友禅に赤い帯を締めた、奇麗な悠理。
 どんなに少年の振りをしたって、だめですわ。
 今日ばかりは、魅録よりも私のほうがお似合いですわ。
 機嫌のよい私の顔に、悠理は身の代金略奪成功のせいだと思っているようですけれど違いますのよ。
「悠理は化粧しませんのね」
 化粧室で隣りになった悠理にそう言うと、悠理は首を振った。
「顔に塗るの気持ち悪いもん」
「お正月ですし、紅だけならいいんじゃありませんこと? 」
 下から覗き込むようにして聞くと、紅を履いたように頬が染まった。
 にぶい悠理には意味が分からないと思っていたというのに、随分察しが宜しいこと。  
 黙ってしまった悠理の唇に私は唇を重ねた。
「・・ん」
 薄く開いた唇を割っても悠理は嫌がらなくて、赤い舌はザラザラとして苺そっくりの味がした。
 唇を離すと、悠理には薄く私の紅が移っていた。
「見て、悠理、可愛らしいこと」
 鏡を見せると、悠理は野梨子のスケベと呟いた。
 懐紙で紅を拭ってさし上げると、不思議そうな顔をしてこちらを見上げた。
「どうして? 」
「人に見せるのは勿体ないですわ」
 不満げな悠理に私は付け加えた。
「気に入ったのなら、今晩、またしてあげますわよ」
 悠理は真っ赤になって、野梨子のスケベと呟いた。


PART37『紳士は美少年がお好き』 造花の牡丹

 悠理のそっくりさんのヌードを見た時
 正直気分は最悪でしたわ。
 これを見て、悠理ファン倶楽部のみなさんは想像するんですわ。
 私の悠理を。
 悠理が性的な対象として話されるのは我慢がなりませんの。
 色気がなくてよかったですわ。
 少なくとも普段は。

 華開く姿は誰にも見せたくありませんわ。

補完以上です。
58名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:43:16 ID:HJflU1p0
うわ、レズ・・
59名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 17:42:05 ID:EW8GZeuT
野悠乙。gjですた。
乱交倶楽部2ってまだ残ってる?
60名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 19:08:21 ID:0v5URd6F
じつはオイラも乱交倶楽部目当てで通ってる。
61名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:55:24 ID:niGVWtyP
乱交倶楽部懐かしいね。
自分はトリップ清×野の続きをずっと待っているw
62名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 17:54:11 ID:2BHOacYa
自分も待ってる。
63名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 00:20:50 ID:ppv/5S97
ほす
64美×悠:2009/02/19(木) 05:26:22 ID:+4GWUBq9
初めてですが投下してみますm(_ _)m

美×悠





それはある日のことだったーーー。


いつもの様に6人が談笑していた。
可憐はファッション雑誌を広げ、このドレス素敵だわ〜等とチェックをいれている。
其処にはセクシーなモデルが、胸元を大胆にも露出して、スパンコールで彩られた艶やかなドレスを身に纏って映っていた。
「可憐ったら、そんなに露出すると下品に見えますわよ」
可憐は乃梨子の意見に対し
「あら?ストールと合わせれば、そんな下品にならないわよ。最も乃梨子が着たらずり落ちちゃうと思うけど」
「んまっ!!?失礼ですわね!!!」
乃梨子がほんの少し頬を染め、負けじと言い返す。
清四郎と魅録がまあまあ…と乃梨子を宥めようとしている中、美童が一言。
「そうそう。別に気にする程じゃないよ。そこでお菓子ぼりぼり食べてる奴に比べたら、乃梨子のがまだあるって」
皆がどっと笑うのに対し、お菓子を食べていた主は、手をピタリと止め、席を立ち上がり怒鳴りつけた。
「あ、あたいと乃梨子にどんな差があんだよ?!!たいして変わんないじゃないかっ!!!」
顔を真っ赤にして怒る悠理と、ポカーンとする乃梨子と、たしかにないな…と同意する三人。
「え〜、だってホントのこと言っただけじゃないかぁ…」
「うるさぁぁぁあいっ!!!!テメー見たこともないくせに勝手なこと言うなぁ!!!!」
殴られる…とばかりに美童は肩を竦めぎゅっと両目を瞑るが、いつまでたっても殴って来ないので、恐る恐る目を開けてみる。
あれ?
ガランッと扉の音がすると同時に出て行ってしまった。
一瞬、沈黙が流れるものの、それを突き破ったのは可憐だった。
「馬鹿ねぇ、あのコあれでも実は結構気にしてんのよ」
「そ…そうですわよ。女性にそんなこと言うなんて最低ですわ!」
「お前、機嫌とって来いよ〜」
「世界の恋人がかたなしですな」
(な、なんで僕が悪者扱いなんだよ!
みんな面白がってるだけじゃないか。
だいたい悠理なんて食べ物の一つでも与えりゃ、すぐ機嫌治るだろうに…)
そんな美童の考えを他所に、皆は好き勝手言う。





その頃、剣菱邸では―――。


「かあちゃん、なんであたいのこと、もっとボインボインに産んでくれなかったんだよぉ〜っ」
65美×悠:2009/02/19(木) 05:27:48 ID:+4GWUBq9
「あ、貴方〜、悠理が変だわ!!」
「い…一体どうしたんだがや?悠理〜」
「みんながあたいのこと貧乳だって馬鹿にすんだよぉ〜」





「…ったく…なんで僕がこんな目に…。今から彼女とデートの約束だってのに…」
ブツブツ言いながら、美味しいと評判の店のケーキを買って悠理の家に向かう。
門の前に辿り着くと、入れ違いに猛ダッシュで悠理が出てきた。
「あ、悠理、丁度よかっ…」
声を掛けようとするが、何やら大急ぎで走って行ってしまい、気付いていないようだ。
仕方がないので、後を追うが、あまりの早さに追い付けない。
息を切らしながら、もう諦めて引き返そうとすると、悠理がランジェリーショップに入って行くのが見えた。
中から店員と悠理の声が聞こえて来る。
「いらっしゃいませ、剣菱様。いつもの猫ちゃん柄のをお仕立てすれば宜しいですか?」
「あ、じゃあ宜しく…じゃない!こう胸がバーンってなるヤツ…」
「かしこまりました。此方の商品でしたら…」
なんだ!?
あいつ本当に気にしてたのか?
いや、あいつも一応女だしな…
一部始終、会話のやり取りを聞き終え自問自答していると、買い物を終えた悠理が出てきた。
「あれ?美童こんな所で何やってんの?」
「…えっ?いや、悠理にお土産持ってってくれって…みんなが…」
若干ふて腐れてるようにも見えるが、到っていつも通りの悠理。
やっぱり皆が言う程でもないじゃないか。
溜め息混じりにケーキの箱を渡そうとすると
「わっ!!!ここのケーキ絶品なんだよねぇ〜」
と、目を輝かせ飛び付いてきた。
その拍子にバランスを崩し、美童の上に悠理が倒れ込む形となった。
「いててて…」
下敷きになった美童の顔の上には、先程悠理が大量に買い込んでいた下着が山積みに散らばった。
「あ、悪い!」
悠理は身体を退かし片付けようと紙袋に詰め込んでいった。
ったく…こんな色気のないデザインの着けてる時点で、そんな悩みとは無縁だろうが。
片付けるのを手伝おうと、そのうちの一着を手にすると、有り得ない分厚さのパッドが内蔵されていた。
「見てんじゃねー!!!」
思い切り奪い取ると、悠理はササッと全てを片した。
「な、なんだよ?オマエまたあたいのこと馬鹿にして…」
66美×悠:2009/02/19(木) 05:28:45 ID:+4GWUBq9
唖然とする美童に悠理は言葉を投げ掛ける。
「いや、その…まさかそんな気にすると思ってなかったから…ゴメン」
ケーキを差し出しながら謝るとゴクリと唾を呑む音が聞こえた。
「し…しゃーねーなぁ。許してやらぁ」
食べ物の誘惑にはあらがえない。
やっぱりいつもの悠理だ。
が、こうして見ると長い睫毛や通った鼻筋、決め細かな肌と華奢な身体にスラリと延びた四肢は着飾って化粧の一つでもすれば案外いい線いくのかも知れない。
女に見えたことは一度もないが、美人には間違いないし。
中身は別として。
そんなことを考えていると
「美童は食わないのか?あたい全部貰っちゃうぞ」
と、道端にも関わらず既にケーキをパクついていた。
行儀悪いなぁ。
「ん?僕はいいよ。それより悠理、そんなに胸が欲しいなら、僕が大きくする方法教えてあげよっか?」
なんて自分で言っておきながら、その直後にはなんで悠理にこんなこと言ってしまったんだと激しく後悔する。
「な、何言ってんだよ!!オマエのことだから、どーせ男にもんでもらえばでかくなるとか言い出すんだろっ!!!?」
案の定、顔を真っ赤にしてつっかかって来たが、思った程怒ってなかったので美童はホッと胸を撫で下ろす。
「そんなこと言わないよぉ」
どう考えても悠理にそんな相手が居ないことは分かる。
「悠理、胸の発育には女性ホルモンが必要なんだ。だからそれに似た働きをする食べ物や…、他にも女性らしい服装をしたり、見られてるって感覚が女性ホルモンを活発にしたり…」
まあ、言っても無駄だろうなと思いつつ、簡単に説明するが
「ホントか?!!!じゃあ、どーやったらいいか教えてくれっ!!!!」
キラキラと仔犬の様に目を輝かせる悠理の意外な反応に、ほんのちょっと可愛いと思ってしまう自分が居た。
もし、万が一、悠理を自分好みーーーと迄はいかなくても、それなりに色気付かせる所までいけば、光源氏みたいな気分が味わえるんじゃないだろうか。
悠理が一度も女に見えたことがないのは、逆にいえば見ようとしなかった―――大切な友人故に気付こうとしなかったのか―――?
でも、やっぱり悠理だしな…無理があるか?


―――色々と思い耽ってしまった。


「なぁ、どうすればいいんだよ!?」
67美×悠:2009/02/19(木) 05:29:41 ID:+4GWUBq9
すっかりケーキを平らげた悠理が、ぐいぐいと美童の腕を掴んで引っ張る。
軽く十人前はあったぞ…なんていう突っ込みは今更しないが、思い描く美女とは程遠い現実に一瞬でも血迷った自分が恥ずかしくなった。
それでもなんとかしろとせがむ悠理に、仕方なく協力することになり、二人は美童の家に向かった。





「なんで、こんな格好しなきゃならないんだよっ!!」
美童が悠理に選んだのは、あま色の髪が映える、パールホワイトのキャミワンピだった。
柔らかいシルク生地でヒラヒラしたミニ丈のスカートは、派手好きだがアクティブで活発な悠理には着慣れないものだった。
どうやら、美童が昔の彼女に渡し損ねたまま、クローゼットに眠っていたものらしい。
美童はメイクも得意である。
普段の健康的な悠理の素顔を活かして、ほんのりメイクを施した。
馬子にも衣装…といわんばかりに黙って大人しくさえしていれば、道行く男が振り返る程の出来だった。
僕って天才だな…と美童は満足気に浸った。
「じゃ、行こうか」
いつの間にか美童も私服に着替えて、悠理を連れ出そうとする。
「何処行くんだ?」
「デートだよ」
「はっ?」
摩訶不思議な表情を浮かべる悠理に美童が言う。
「別にデートったって二人で遊ぶだけだよ。お茶したりさ…」
「そ、そんなんでホントに胸がでかくなんのか?」
「急には無理だよ。悠理の場合、まずは自分で女性だって意識することから始めなきゃね。今日一日、僕と悠理は恋人同士の設定で」
何だかよく理解できないが、言われるままに、悠理はしぶしぶ立ち上がった。





「なぁ…、変じゃないか?あたいこんなの似合わな…」
落ち着かない上にヒールが慣れないせいか、変な歩き方になる。
そんな悠理を見て美童はクスッと笑い
「可愛いよ。あいつらが見たら悠理の変身振りにきっとびっくりするよ」
そう言って、慣れた手付きで腰に手を回す。
一瞬、悠理の身体が緊張感で跳ねた。
普段は抱き付いたりしても何ともないのにな…。
「あ…でも…、なんかこの服スースーして…」
「大丈夫だよ。凄く似合ってる」
耳元で囁くのでビクリとしてしまった。
こいつはいつもこんな風に女口説いてんのか?!!!
恥ずかしくて思わず赤面する悠理。







68美×悠:2009/02/19(木) 05:30:47 ID:+4GWUBq9
しかも、周りから視線を感じる。
「なんか…じろじろ見られてる様な気すんだけど…」
「あぁ、それは悠理が可愛いからだよ。僕たちが幸せそうなカップルに見えてるんだ」
あたいと美童がカップルに…。
普段なら、二人で並んで歩いてても絶対そうは見えないだろう。
調子狂うな〜等と考えるものの、美童は常にレディーファースト精神を忘れず悠理をエスコートする。
そうはいっても相手が相手なだけに、アクション映画や、食べ放題と悠理が好みそうなものばかりで、普段の美童のデートコースでは有り得ない内容なのだが。





「デートしてたら胸が育つのか?」
「そうだね。可能性はあるかもね」
「可能性って…オマエあたいのこと騙したのかよぉ?!!」
「騙してなんかないよ。こうやって男に特別扱いされることで自然とフェロモンが滲み出て来るもんなんだし」
あくまで優しく微笑みながら語る美童に、う〜んと唸りながらも、無理矢理納得してみる。
美童としては、最初は仕方なしだったが、いつの間にか自分自身がこの状況を楽しんでいたことに気付いていた。
「明日もデートしよっか?」
「えっ!!?あ…うん、いいけど…やっぱこーゆー格好慣れなくてさ…動き辛いし」
ほんのり頬を染め、しどろもどろに答える悠理に胸がキュンとなるのを感じ
「いいよ。悠理の好きな服装で―――」


―――無意識に唇を重ねていた。
やがて少しの距離が出来ると、悠理は声を漏らした。
「なっ―――?!!!」
其処で美童が我に返った。
ぼ、僕は悠理相手に一体何をしようと…!!?
っていうか、もうしちゃったけど、どうしよう!!!?
絶対ぶっ飛ばされる…
「おい…」
「わぁ〜っ!!!!ごめんなさいっ!!!!」
グッと歯を食いし張る。
「これもデートなんだよな…?」
「へっ?」
そ〜っと悠理の顔色を伺うと、耳迄真っ赤になった悠理がうつむいていた。
あれ?
怒ってない!?
「あ…うん。びっくりさせてごめんね」
ホッとして気を取り直し、柔らかい髪を撫でる。


と、その時美童の携帯が鳴った。
「あ、電話だ。ちょっと待ってね」
立ち尽くす悠理に背を向け電話に出る。
「もしもし―――うん…それで…そーゆーことだから…」
電話を切ると共に一息吐く。


 
69美×悠:2009/02/19(木) 05:31:20 ID:+4GWUBq9
「ん…彼女からだったけど…すっかり約束してたの忘れちゃってて」
「い…いいのかよ!?」
「うん…もういいんだ」
本当にどうでもよかった。
目の前の少女のことで頭がいっぱいだったから。





それから何度か二人で逢った。
悠理もエスコートされることに段々慣れて来たのか、いつも通り延び延び楽しんでいる。
勿論、超健全なデートであれ以来キスもしていない。
というか、その件については全く触れて来ない。
気にしてないだけなのか、無かったことにしようとしてるのか、どちらにせよ美童としては複雑な心境だった。
「美童!!!」
大声で呼ばれてハッとした。
「あ、ごめん。ちょっとボーッとしてて」
「何回も呼んでんのにさぁ〜」
美童はあたいと二人で居て楽しくないのかな?
やっぱそうだよな。
元々あたいの胸が原因でわざわざデートに付き合ってくれてるわけだし…。
「あ、あのさ、もう大丈夫だよ!!胸もほんのちょっと大きくなった気ぃするし」
実際の所、全く変わってないのだが。
笑って誤魔化そうとする悠理の胸元にチラッと視線を移す。
「…………」
「や、やだなあ…服の上からじゃ分かんないって…」
手をパタパタさせ、必死で言い訳するが
「じゃあ見せてよ」
と、無表情で返され何冗談言ってんだとばかりに笑いながらも半分引きつっている。
「別に冗談で言ってるんじゃないよ」
「び、美童…、オマエなんか今日おかしいぞ…」
「別におかしくないよ。僕は普段の僕だよ。おかしいのは悠理の方だよ。さっきまで楽しそうにしてたかと思えば、突然もういいとかわけ分かんないよっ!!!」
つい苛立ってしまったせいか、口調がきつくなってしまった。
美童にしてみれば、こんなことは初めてだった。
今まで好きになった女性の殆んどは、いとも容易く手に入れて来たし、ましてやデート中に相手の考えてることが分からなくなって苛ついたりとか、そんな余裕のない恋愛はしたことがないのだ。
「あ…あたい、美童が元気なくてつまんな…そうにしてたから、今まで…無理に付き合わせて悪かったかなって…ぐすっ…」
悠理は必死に涙を堪えながら、訴える。
「あ…、ごめん、悠理。泣かせるつもりじゃなかったんだ。ただ―――、ただ僕と二人で会うのが嫌になったのかなって…」
70美×悠:2009/02/19(木) 05:32:02 ID:+4GWUBq9
泣きじゃくる悠理をそっと抱き締め、耳元で囁いた。


「悠理、好きだよーーー」


結局、そのまま返事を待たずに美童は悠理を家まで送ることにした。
悠理はまるで信じられないかの様な表情をしていたし、焦っても仕方ないと美童は思ったから。
門の前で、また明日学校で…と手を振ろうとするが、悠理が美童の着ているシャツの裾を掴んで放そうとしない。
「どうしたの?家着いたよ」
「…………」
「どうしたのか言ってくんなきゃ分かんないよ?」
「―――んな」
「え?」
「帰んなよ…。とーちゃんとかーちゃん旅行中だし、豊作にーちゃんは仕事で忙しくて構ってくれないし…五代まで息子の体調が悪いとかで昨日から休み取って帰っちゃって…なんか部屋で一人になるの心細いんだよぉ…」
それは…嬉しい気もするが…
「だ、駄目だよ。僕の気持ち伝えたでしょ?!今、悠理と部屋で二人きりになんてなったら、僕きっと悠理のこと傷付けちゃうよ」
「来てくれなきゃ、また泣いてやるもんっ!!」
「わ、分かったよ。一緒に行くから…」
自分に気がある男を部屋に上げる意味を分かってないんだろうか―――?
それとも、僕じゃ絶対に悠理に力では敵わないことを分かってるからなのかーーー?
どちらにせよ、自分が望む答えじゃないことは目に見えてる。





「お嬢様、美童様を客室に御案内致しましょうか?」
「あ、朝まで飲み明かすんだ。だからあたいの部屋にワインと食いもん持って来て!!」
「かしこまりました」
一人のメイドが手早く準備をして、高級ワインとご馳走を運んで来た。


「そんなに飲んで…、明日も学校だよ」
「いーじゃん!寝坊したらそん時はそん時だよ」
まあ…それはそうなんだけど…。
しかし、こんな時ですら凄い食欲だなぁ。
あんなにあったのに、殆んど一人で食べちゃって…。
今の状況まるっきり分かってないな。
なんていうか…酒も強いし、先に自分の方が酔いが回って来た。
「美童、グラス留まってんだよ。早く空けろよ〜」
「飲んでるよ…って、わっ!!!抱き付くなって」
酔っぱらってるんだろうか?
顔色は全然変わってないけど。
「へへッ。なんか美童っていい匂いする。すっげ〜甘い香り…」





二度目のキスをした。
触れるか触れないかの優しい口付け。

71美×悠:2009/02/19(木) 05:32:34 ID:+4GWUBq9
一旦離れては、ついばむ様に頬や瞼に何度もキスの雨を降らせる。
耳たぶを唇でなぞり、悠理の躰がビクッと反応する。
そして、もう一度今度は深く口付けた。
歯列を割って舌を絡ませると、口端から吐息が漏れるのを感じた。
「ン…、―――ふっ…」
やがて解放すると悠理の頬は蒸気して瞳は微かに潤んでいた。
優しく髪撫で、抱き締める。
「悠理ーーー、嫌なら今のうちに言ってーーー。今ならまだ…」
悠理は少し戸惑いながら
「い…やじゃな…い…けど―――」
「けど?」
「だって、美童は…」
「僕がどうしたの?」
「誰にでもこーゆーこと…あたい意外でも誰とでも…するくせに…」
「悠理が嫌なら、みんな別れるよ」
「そ、そんなの信じられ…るかっ…」
「本当だよ。もう誰とも逢わない。なんなら悠理の目の前で全員切っても構わない―――」
そう言って首筋から唇を這わせ、ベッドに倒れこんだ。
再び唇を重ね合わせながら、美童は悠理が着ているキャミソールの中に片手を忍ばせた。
ブラのホックはいつの間にか外され、唇を離した後、キャミソールと同時に脱がせた。
「は、恥ずかしいからあんまり見んなよ」
悠理は顔を真っ赤にして訴える。
本人いわくコンプレックスらしい僅かな双丘を優しく撫で上げると、ほんの少し悲鳴を漏らした。
「どうして?こんなに綺麗なのに…」
甘い声で囁いた後、桜色した突起を口に含んだ。
「ん…ッ、ーーーあッーーー」
悠理は自分の手で口を抑えながら、必死で声が漏れるのを耐えようとする。
「ねぇ…、もっと聴かせてーーー」
そう言って舌で転がしたり、優しく甘噛んだり、もう片方の膨らみは掌や指で丁寧に愛撫していく。
二つのそれがピンと上を向き固くなるのを感じる。
やがて、汗ばんだ躰をなぞるかの様に、手は下の方へと降りて行った。
ショートパンツからしなやかに延びる、スラリと細い脚の爪先から徐々に腿まで唇でなぞり、金具に手を掛けると、下着ごと下ろした。
膝を割って指先で中心をそっと撫でると、悠理の躰が大きく揺れた。
「ーーーひっ、ア…」
美童の白く長い繊細な指先にヌルリとしたものが絡み付く。
「悠理、優しくするから―――」
瞳を潤ませ、少しだけ震える悠理に優しく声を掛ける。
瞬間、指とは違う生暖かいものが、其処に触れた。
今迄とは比べ物にならない強い刺激が訪れる。
72美×悠:2009/02/19(木) 05:42:26 ID:+4GWUBq9
「あッ…ーーーっ?!!!…ハァ…、やっ…そんな…と…こ、んッ―――!!!!」
ざらついた感触がねっとりと纏わり付き、舌先を尖らせ一番敏感な場所に触れると同時に、指先が侵入して来るのを感じ到達してしまった。
全身の力が抜け束の間ぐったりするものの、浸入したままの指が躰の内部を蝕んでいく。
「ーーーっ、ふっ…う」
少し苦しいのか眉をしかめる悠理に優しく口付けながら、一本、二本と徐々に増やしていきゆっくりと掻き乱して、なるべく負担がない様に慣らしながらも、苦痛とは違う反応をする場所を探しあてていく。
「…ア…、っふ…ぁ」
その一点に触れた瞬間、悠理の口許から再び甘い吐息が漏れた。
「きつくない…?」
優しく問い掛けると、歯を喰い縛りながら頷く。
其処を撫でるように掻き回す度、悠理は歓喜の悲鳴を上げる。
ぐちゅぐちゅと音を立て、透明な密が溢れ出る。
「悠理…、そろそろ僕も限界…」
カチャカチャと金属音を立てた後、弄んでいた指を引き抜かれ、代わりに熱く猛ったものが浸入して来た。
「い―――痛っーーー!!!!」
つい先程の快感と引き換えに、初めて経験する痛みが全身を支配する。
「ゆ…うり、力抜いて…」
悠理も痛いが美童もきつい。
「ん…なこと言ったって…、どーすれば…」
苦痛に悶える悠理の耳元で何度か大丈夫だよと囁き、舌を這わせた。
「ひァっ…」
退け反った拍子に、美童は悠理の中に自分自身を全て呑み込ませた。
そして、ゆっくりと動き始める。


「悠理…好きだよーーー。愛してる―――」


幾度も繰り返しその言葉をつむぐ。
悠理はもう痛み等感じていなかった。
只、この静寂の中で、二人を繋ぐ淫猥な水音と重なりあう吐息と鼓動と、そして繰り返しつむがれる美童の言葉だけが聴こえていた。
「アっ…、っーーーんッ、ハァ…、あッーーー」
段々と加速して行くリズムに、喘ぎ声も増していく。
背中に絡ませた両腕は、絹糸の様な美童の長い金髪が絡み付く。
「悠理…もう…、イキそ…」
美童が悠理の中に欲望を吐き出すと同時に、悠理も意識を手放したーーー。





「二人揃って、仲良く風邪引いて休みだなんて珍しいわねぇ」
可憐の何気ない一言に魅録が
「美童は昨日は出掛ける用事があるって嬉しそうな顔してたから、どうせ女と遊んでるか、若しくはにでもフラレて熱出したんだろ」

73美×悠:2009/02/19(木) 05:42:56 ID:+4GWUBq9
乃梨子も思い出したかの様に
「そういえば、昨日は悠理も急いで帰ったんですのよね?それにしても悠理が風邪引くなんて珍しいですわね。健康優良児ですのに心配ですわ…」
皆の話を聞いて、クックッと笑いを堪えながら、清四郎が言った。
「だったら、今日は二人の家にお見舞いでも行きましょうかーーー」





end





オマケ


魅「なんでオマエが悠理の家に居るんだよ!?」

乃「全くですわ!朝まで酒盛りして二日酔いで休んだだなんて心配しましたのに」

清「二人とも、来週のテストはみっちり頑張って貰いますからね」

可「偶然、外でばったり会ったから、二人だけで呑んでた〜なんて絶対怪しいと思うんだけど…」


以上です。
74名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 16:51:15 ID:cwADRLhp
美悠好きなんで読めて嬉しかったです。
でも乃梨子じゃなくて野梨子だよ。
75美×悠投下したものです:2009/02/20(金) 01:26:26 ID:fX34c0T4
74さん>>

乃理子じゃなくて野理子だよ。>>

すみません(>_<)
間違ってました
76名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:48:29 ID:qm1OMMjB
自分も美×悠好きなんでうれしかった。
乃梨子は気になったけどw
77名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:31:34 ID:0x3S68PG
>>75
まだ間違ってるよ〜。野「理」子じゃなくて野「梨」子。
うっかりだとは思うけど、念のため。
78名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 14:45:34 ID:yjlTkBHP
>>77
普通に変換じゃ出づらいからね、「野梨子」
悠理も「悠里」、魅録も「弥勒」とか
清四郎、可憐くらいじゃない、楽に出てくれるの
79美×悠投下したものです:2009/02/21(土) 21:19:35 ID:NNMpLJOR
76 77 78>>
またうっかりと…
以後気を付けます
80名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 00:27:20 ID:7NfvCDLZ
>79どんまいw
面白かったです。

以前別版に落としたモノをこっちに落としてもいいかな?
なんか久しぶりにいったら、微妙な空気になっていて、
下くなりすぎたってのもあって、投下しずらいんじゃ
でもエロ無しだから、もしもこっちに投下するには、
エロ入れた方がいいかな?
81名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 09:15:37 ID:TyH5S1/q
>>80
エロなしでもOKですよー。
あったらあったで嬉しいけどw
待ってます。
82名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 10:33:30 ID:B2IRIhqp
>>80
無理に入れることはないですよ
注意書きしとけばいいんじゃないかな
そうすれば見たくない人はスルーできるし
投下お待ちしています
83エロ無しxx清×悠xx馬鹿ネタ:2009/02/22(日) 12:36:07 ID:7NfvCDLZ
>81、82あががとうTT。おいら落とすよ。

元ネタは、とよ田みのる氏のラブロマでコネタですなんですが、
自分は氏のような爽やかさんじゃないのでシモい上に変態っぽくなった。
思った事を素直に赤裸々告白したら大変なことになんだろって話っす。
スマン清四郎ってな話なんで苦手な人はスルーよろ。
84エロ無しxx清×悠でラブロマ1 告白1xx:2009/02/22(日) 12:38:39 ID:7NfvCDLZ
 それはバレンタインを控えた、とても寒い日のことでした。
 今日の清四郎がおかしいと幼なじみとして、心配しておりました。
 今朝、眉間にはくっきりとした二本の皺を寄せ、
 どろどろとした暗雲を立ち込める清四郎と、一緒に登校しましたわ。
 正直、隣を歩くのは嫌でしたが、
 清四郎がどうかしてるののは、慣れていますもの。
 もちろん、我慢しましたわ。
 あまりの迫力に、どうしましたの? 
 と声をかけることもできませんでしたの。
 クラスの皆も怖がって、誰も近付けませんでしたわ。
 HRが終わると、ノートを借りに悠理が現れましたの。
 その時、清四郎の瞳がまるで恨み事でもあるかのように、
 ギラギラと光り酷く睨みつけたのもですから、
 悠理ときたら可哀想に、何も持たずに、逃げてしまいましたわ。
 その際、んぎゃっと尾っぽを踏まれた猫のような声を上げましたわ。
 よっぽど、怖かったのでしょう。
 もしかするとこの間、清四郎の大事にしている碁石をばら蒔いてしまい、
 いくつか無くしたことが、とうとうバレテしまったのかしら。
 それとも、清四郎の部屋にあった壷を割ってしまい、
 接着剤でくっつけたのがバレタのかしら。
 もし、そうだとすると、割った悠理もですが、
 接着剤で直した魅録も無事ではすまないかもしれませんわ。
 しかし、私の心配を余所に、悠理が逃げてしまえば、
 清四郎はまた窓の外に顔を向け、そして時々思い出したように
 チラチラと私を見ているじゃありませんの。
 今も窓を睨んでいる清四郎は、はっきり言って不気味ですわ。
「野梨子」
 肩に手を置かれたのは、そっとしておきましょうと、背を向けた時でした。
「何ですの」
 振り向くと、清四郎は険しい顔のまま、フムッと溜息をつきましたわ。
 そして顔を上げると、私の目を見てこう切り出しましたの。
85エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白2xx:2009/02/22(日) 12:41:35 ID:7NfvCDLZ
「この前、野梨子が言った事なんですが、
 昨晩から突然に気になってしまい、眠れないんです」
 何のことか分からず、訊ねますと清四郎は更に眉間の皺を深くいたしました。
「野梨子が、悠理を愛しているように見えないと、言ったことなんですが」
「・・・」
 いきなり言われて何のことか分からりませんでしたわ。
 ようやく婚約騒動のことを思い出したのは、清四郎がこう続けたからですの。
「悠理はもしかして、この気持ちを理解していないのかと考えたのですが
 野梨子の考えを聞かせてもらえませんか」
 その瞬間、クラス中がわっと沸き返りました。
「嘘、菊政宗さんって、剣菱さんが好きだったんだ」
「いやですわ〜、白鹿様とお付き合いされていたんではないんですの?? 」
「ならば、何故、婚約解消なさったの? 」
 しかし蜂の巣をつついたような騒ぎには頓着せず、清四郎は更に私に問いかけましたわ。
「野梨子はこの愛が伝わっていないと、思いますか? 」
「この気持ちも、この愛も、私には何のことかさっぱり分かりませんわ」
 まったくの不幸としか言えませんが、
ここで、たちの悪い冗談だと笑い飛ばすには、私は清四郎を知り過ぎていたことでしょう。
「分からないんですか? 本当に」
 真顔でそう言った清四郎の言葉を遮るように、私は笑いましたわ。
「ほほほほほ、清四郎ったら、驚きましたわ。冗談が過ぎますわ」
「笑うとは失敬ですね。本気で聞いているんですよ」
「ほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ。
 もう、清四郎、参りましたわ。すっかり騙されましたわ」
 かなり苦しいことは分かっていましたが、
 幼なじみの微妙な恋を応援する為に、私はあえて笑いましたの。
 ここで、変な流れで悠理に伝わるのは、あまり得策だとは思えませんもの。
 もっとももう手遅れかも知れませんけれど。
 そう、思いながら、私は苦しい笑いを絞り出し、教室から連れ出そうとしましたの。
86エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白3xx:2009/02/22(日) 12:43:42 ID:7NfvCDLZ
 人が真剣な相談をしているというのに、突然野梨子は笑い出した。
 それは、幼なじみにしては珍しいことだ。
 変だと思っているうちに連れてこられた場所と言えば、いつもの部室だ。
 しかし、ドアが閉まった瞬間、
 野梨子の顔から笑みが消え、こちらに向き直る。
「清四郎、TPOって言葉を知らないんですの? 」
 ドアに背を向けたまま、そう言う野梨子はどうやら怒っているようだ。
「知っていますよ。馬鹿にしているんですか? 」
「じゃあ、どうして教室であんな話をしたんですの?
 誰かの口から悠理の耳に入ったら、どうしますの。気を悪くしますわ」
 野梨子の剣幕から考えると、どうやら失敗してしまったようだ。
 しかし、分からないのは、何を失敗したのかということだった。
「何がいけなかったんです。悠理に対する気持ちを表現することで、
 今まで野梨子が怒ったことはなんて無かったじゃないですか」
 そう言うと、野梨子は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
 ちなみに瞳は小さな○で口は◇になっていた。
「野梨子、嫁入り前の女性がそんな面白い顔をしてはいけませんよ」
「まぁ、失礼ですのね」
 野梨子は真っ赤になって怒ったが、いつもの顔に戻っていたので
 逆に感謝されてもいい筈だと僕は思った。
「しかし、野梨子、教えてください。
 いままで、事あるごとに示してきた愛情が
 もしかしたら理解されて無いのではないかと思えてきたんです」
 野梨子はドアにもたれ掛かったまま、
 勝ち気な彼女には珍しく張りの無い声をだした。
「清四郎はもしかして、悠理に恋愛感情を持って好いてますの? 」
 その口調は、まるで聞きたくない、
 もしくは聞くのが面倒だとでも言うような口調だった。
 いつになく、幼なじみの薄情な態度に、多少腹を立てながら頷いた。
「当たり前でしょう。
 悠理と初めて会った時からずっと・・・その・・なんですよ」
87エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白4xx:2009/02/22(日) 12:48:09 ID:7NfvCDLZ
 思ったことを言ったのに、どうしてこんなことを言われなくてはいけないのか。
「バカは清四郎ですわ。愛しく思う相手に言う言葉じゃありませんもの。
 それに、あんなことを言った後で、
そういうところが好きだと言っても厭味にしか聞こえませんわ」
 バカと言われてカチンときたが、もし本当にそうだとすると、
 もしかして今まで示してきた愛情表現は、すべてスルーされてしまったんだろうか?
 じゃあ、あの婚約破棄も、悠理よりも剣菱を動かすことが楽しいと誤解させた為に
 拗ねてしまっただけの痴話喧嘩ではなく、本当に嫌がっていたんだろうか?
 いや、でも悠理は一昨日、清四郎ちゃん、大好きと言ってくれた。
「そのすぐ後、魅録に愛してるって言ってましたわ」
 心を読んだかのような、野梨子の言葉に現実に引き戻された。
 確かに野梨子の言ったように、悠理の魅録に対する言葉は不安を煽るものだった。
「そもそも清四郎はちゃんと悠理を愛してますの?
 バカ犬や、異常食欲なんて言葉は好いた女性に使うものじゃありませんわ」
 分かってませんね、野梨子は。
「そういう所も・・なんですよ。その可愛いじゃありませんか」
「だいたい清四郎は悠理のどこを好きになったんですの」
「あの、騒々しいところがいいですね。あと、底無しのにバカなところも可愛いですよ。
 女とは思えないような思いきりのいい暴れっぷりや、色気皆無のとこも好きです」
 何しろ、あいつはああ見えても美人ですからね、
 変に色気なんかあったら、気が気じゃありませんよ。
 しかし、野梨子はこの回答が気に入らなかったようで、
 妙な迫力を出しながら、睨んできた。
「清四郎は失礼ですわ。
 照れもあるのかも知れませんが、恋愛では素直が一番ですのよ」
 野梨子はそう言うと、まるでなっていないと言うように首を振った。
「以前、私に友達ができない原因は
 上から見ているからと言ったのは清四郎じゃありませんか。
 恋愛も同じですわ」
「これはこれは。野梨子がそんなに恋愛に詳しいとは知りませんでしたよ」
88エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白5xx:2009/02/22(日) 12:51:43 ID:7NfvCDLZ
 野梨子の口から恋愛もなんてことを聞くとおかしくて、
 思わず笑みが漏れると、野梨子の眉間にビシッと青筋が浮かんだ。
「お言葉ですけど、清四郎の心配をしてますのよ。
 そんなことでは、そのうち鳶に油揚げで、どこかの誰かに悠理を捕られてしまいますもの。
 隠してますけど悠理、最近、殿方に人気がでてきたんですのよ」
 その言葉は、眠っていた、怒りを呼び覚ました。
「この前、悠理にラブレターを寄越した、あの身の程知らずのストーカーの事だったら安心しろ。
 二度と悠理の前に現れないと泣いて誓ったから」
 もうカタがついた筈の男を想い出し、首を振った。
 たいした覚悟も無く、よく悠理に言い寄れたもんだと呆れてしまう。
 この僕でさえ、ちゃんと口を聞いて貰えるまで、十年経ったのだから。
 しかし野梨子はますます気に入らないというように、溜息をついたので、
 なんだか不安になった。
「清四郎は悠理のどこを綺麗だと思いますの。どんな時にドキドキしますの? 」
 その質問は、たしかにこちらの平常心を奪った。
 そして再び顔が火照った。
 しかし、野梨子も今度は笑わなかった。
「どんな時って、特別な時じゃないですよ。
 ・・・大口開けて笑ってる時も、子供みたいに泣いてる時も、
 はしゃいでる時も、拗ねてる時も、全部特別なんですよ」

 悠理のことを思い出しているのでしょう。
 清四郎はとても優しい瞳で微笑んでいました。
 いままで、愛情欠損者だと信じていた清四郎の変わりように、
 私は微笑ましい気持ちで見つめましたわ。
 清四郎も人の子でしたのね。
「そうやって、悠理にも素直に言えばいいんですわ。
 変に言葉を作らずに思ったまま言えばいいんですわ」
 そう言うと、清四郎はまるで初心な少年のように頬を染め、頷きましたの。
「でも、悠理に告白する時は、ちゃんと細かく心情を言わなくてはいけませんわ。
 じゃなければきっと、分かって貰えませんもの」
89エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白6xx:2009/02/22(日) 12:53:46 ID:7NfvCDLZ
「細かくですか」
 清四郎の眉間に皺が寄り、またドロドロとした暗雲が立ち込め
 私は憂鬱になりました。本当に、大丈夫かしら。
「でも、あまりはっきり言うと、怒られそうで・・・」
「どうしてですの? 」
 首を傾げたると、女心は分かっても男心は分からないでしょうなんて言いますのね。
「悠理にはいつまでも今のまま無垢でいて欲しいとか、
 世間から守ってやりたいとか言ったら嫌がりそうじゃないですか」
「そうですわね。それは言わない方がいいかもしれませんわ」
 私は頷きましたわ。
 だって自分が言われたらやっぱりいい気持ちがしませんもの。
「それに、悠理の亜麻色の瞳に吸い込まれそうとか
 笑顔を見ると、動悸息切れがするなんて言うと気持ち悪がられませんか」
「まぁ、そこはちゃんと言わないといけませんわ。
 吉とでるか、凶とでるか分かりませんが、その時はその時ですわ」
 どっちにしても、情緒が欠落していると信じていた清四郎の告白を見届けたいですわ。
「それから、動悸息切れなんて疾患のような言い方はいけませんわ。
 ちゃんと悠理をこう思ってるから、ドキドキするって言い方をなさいませ」
「そんな事を言ったら、引っぱたかれますよ」
 首を振る清四郎に向かい、私は言い聞かせましたわ。
「確かに悠理は照れて怒るかもしれませんが、そんなことを気にしてはいけません」
 そこを省くと、きっと気づいてもらえませんわ。
「じゃあ仮に、野梨子が告白される時、
 悠理の細い肩を見ると、抱き寄せたくなるなんて言ったらどうですか」
 その言葉に吹き出すのを我慢した私は、自分を褒めてあげますわ。
 いつも澄ましているくせに、そんなことを考えてましたのね。
「好きな殿方でしたら、嬉しいですわ」
 私の返事は予想外だったのでしょう。
 清四郎は驚いた顔をして、私を見てから、真顔になって頷きましたの。
「わかりました。ありがとう、野梨子。覚悟を決めましたよ」
 ああ、決めてくださいましたのね、清四郎。
 私、清四郎の初恋の行く末を、失恋にしろ成就にしろ、しっかり見届けますわ。
 そんな風に思った私は、やっぱり清四郎を分かっていなかったんですわ。
90エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白7xx:2009/02/22(日) 12:54:57 ID:7NfvCDLZ
 清四郎が怒ってる。
 なんだか知らないけど、すっごく怒ってる。
 あたいはユウウツになって、机に顔を伏せた。
 なんかやったかなぁ。
「おい悠理、清四郎怒らせたんだってな。何やったんだよ」
 魅録の呆れたような、それでいて楽しそうな声が聞こえて顔を上げた。
 薄情者め。
「何にもやってないよ〜助けてくれよ〜」
「さっさと、謝っちゃえよ」
 あたいは本気で怖かったのに、魅録は笑った。
 本気にしてくんないのは、きっとあの、清四郎を見てないからだ。
「やだよ〜、あたい」
 そこまで言った時、教室のドアが開き、清四郎が入ってくるのが見えた。
 清四郎はもう不機嫌な顔をしていなかった。
 眉間の皺も、どろどろとしていた黒い雲も無くなっていた。
 だけど、無表情の清四郎は、さっきより、もっともっと怖かった。
「ひいっ」
 あたいが悲鳴を上げたのに、魅録は笑顔で片手を上げた。
「よぉ、清四郎」
 清四郎は笑いもしないで、どうもと言った。
 つーか、無表情だ。魅録はなんで怖くないんだ。
「悠理に話があるんですが、いいですか」
 清四郎が魅録に向かってそう言い始めたから、あたいは魅録の腕にしがみついた。
「いくない。あたいは話なんかないからな」
「お前がなくても、僕があるんだ。いいから、取り敢えず終わりまで聞け」
 さっきまで無表情だった清四郎の眉間には深い皺が出来て、眉は意地悪そうに吊り上がった。
 そして背中には、オドロオドロした黒い雲が見えた。
「ひっ」
 魅録に助けを求めても、肩を竦ませただけだった。
 薄情者〜〜
91エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白8xx:2009/02/22(日) 12:56:14 ID:7NfvCDLZ
 悠理が魅録の腕にぶら下がっているのを見て、ぼくの気分はかなり悪くなった。
 正直、最悪だ。
 それに、手が汗ばんで気持ちが悪い。
 動悸息切れも激しく、心臓が痛いし、耳鳴りもしている。
 もしかすると、僕は緊張してるのかもしれない。
 目の前の悠理は、ブルブルと震えていて、まるで母親から離された子兎のようだ。
 ああ、そうか、悠理も緊張しているのだ。
 そう思ったら、少し呼吸が楽になった。
 ああ、怖がりで淋しがりやの悠理。
 大丈夫だ。
 ちゃんと僕から言ってやるから。
 緊張で強ばった頬の筋肉を駆使して笑顔を作ると、悠理はさらに真っ青になった。
「悠理、僕はお前を愛してる。付き合おう」
 言葉はするりと滑り出ていた。
 あんなに一生懸命考えた告白の内容と違ってしまったが、これで良かったのかもしれない。
 何しろ、告白するのは僕なのだから、野梨子の言葉より僕の言葉のほうがいい。
 不思議なことに、愛情は一旦口にしてしまうと、緊張は消えていた。
 悠理はぽかんと口を開けて、僕を見上げている。
 なんだかそうしていると、可哀相な子に見えた。
 僕は悠理が愛しくなって、手を延ばして、柔らかい髪の毛をそっと撫でた。
「お前のすべてが好きなんです。僕のものになってしまいなさい」
 呆けている悠理に、もう一度僕は繰り返した。
 まだぽかんと口を開けたままだった悠理の顔が、真っ赤になった。
「な、な、な、何言ってんだよ。このヤロウ」
 今度は激しく吃りながら、悠理は唾を飛ばして怒鳴り始めた。
 照れていると思いたいが、判断はつかなかった。
 まだ悠理を腕にぶら下げている魅録を見ると、何故か固まっていた。
「あ、分かった、お前、あたいの事、からかってんだろっ」
 悠理はそう怒鳴ると、今度は急に泣きそうな顔で僕を見上げた。
 不安げな、縋るような瞳が、僕を見上げている。
92エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白9xx:2009/02/22(日) 13:01:11 ID:7NfvCDLZ
 ああ、どうしたことか、また心音がバクバクと鳴り出した。
 壊れてしまったかのように激しく脈打ち、僕はうまく呼吸が出来なくなる。
 悠理の唇が震えている。
 いけない、泣き出しそうだ。
 何か言わないと、何か、何か、何か・・・
 そうだ、野梨子も細かく心情を伝えろと言っていた。
 すべてが好きや僕のものなんて言い方では駄目だったんですね、野梨子。
 いや、野梨子先生と呼ばせて貰おう。
 それに、よく考えたら僕のものなんて言い方で、まずいのではないだろうか。
「からかってなんていませんよ。僕は、お前が好きなんです、悠理」
 そう言うと、悠理の緊張が少し解けたように思えた。
 GJ自分。
「すべてがなんて言い方では、理解力が不自由なお前には、ちょっと分かりにくかったかも知れませんね。
僕はお前の笑い顔が好きなんです。
たとえ、女とは思えないくらい大口を開けて笑っていても、不思議とドキドキするんです。
時々自分が変態じゃないだろうかと、思う時がある位です。
それから、実は泣き顔も好きです。子供みたいに泣いているのを見ると、正直興奮します」
 そこまで言うと、悠理の眉尻が吊り上がり、眉間に皺が寄っていることに気が付いた。
 まだ顔は赤かったが、むっとしたように唇を尖らせている。
 ああ、機嫌を損ねてしまったようですな。
「だからといって、泣いてほしい訳ではありませんよ。
できれば、泣かずにいて欲しいと思っているんです。
ただ、好きな女の泣き顔は男を興奮させるんですよ、悠理。
正直、泣いてる顔を見ると、挿入して、気持ちよく鳴かせてみたいと思うものです。
もっとも悠理は処女でしょうから、最初は痛くて泣いて泣いてしまうでしょうが。
だけど、怯えた顔には敵いませんね。悠理の怯えた顔を見ると、僕は背筋がゾクゾクするんです。
あの、興奮と快感は何物にも代え難い感覚ですよ。
だから、勉強会は僕にとって、悠理のフルコースみたいなもんですね。
泣いたり、怒ったり、甘えたり、笑ったり忙しいったらないですから。
それに幽霊騒動なんかで、泣きながら抱き着かれたりすると、男として辛いものがあるんですよ」
「せえしろ」
 まだ続けようとしていたのに、悠理に遮られてしまった。
 その声は若干震えていて、真っ赤だった顔は蒼醒めていた。
「それ、全部、冗談なんだろ? 」
 ここまで言ったのに悠理に信じて貰えないなんて、僕は傷付いた。
93エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白10xx:2009/02/22(日) 13:03:24 ID:7NfvCDLZ
 いや、蒼醒めた顔や緊張感は、悠理にも僕の本気が伝わっている証拠なのだ。
「いいえ、全部本気です。僕は全身全霊をかけて悠理を愛しています。
元気に暴れまわっているお前が好きなんです。
ただ、スカートで跳び蹴りするのはやめて欲しいですけどね。
僕の欲情を煽るのはまだしも、他の男にまで見えてしまいますから。
それから、ノーブラで歩くのもどうかと思います。
正直僕も、僕の部屋で二人きりの時はオイシイと思ったりもしますが、行き帰りが心配です。
悠理は、男は皆、大きい胸が好きだと思っているようですが、小さい胸のほうが好きな人間も多いんです。
その証拠に、グラビア雑誌には微乳特集はかなり多いんですよ。
もっとも僕は、小さかろうが大きかろうが、四歳の時の悠理のセミヌードの方が興奮しますけど」
 僕が黙ったのは、悠理の様子が変だったからだった。
 体はカタカタと震えているし、瞳に涙が盛り上がっていた。
 そのうえ、魅録の腕を胸にしっかりと抱え込み、唇を引き結んで僕を見ていた。
 だけど、一番気に入らなかったのは魅録の腕が、悠理の頭を抱き抱えるように、引き寄せたことだった。
「もう、いいだろ、清四郎。悠理が何したか知らねえけど、やり過ぎだ。本気で怖がってるじゃねえか」
 悠理はキツク僕を睨むと、魅録の腹に顔を埋めるように抱き着いた。
 どういうつもりですか?
 告白中に他の男に抱き着くなんて。
 しかも、魅録はポンポンと悠理の頭を撫でている。
 怖がる?
 確かに悠理は怯えているようだ。
 何故、悠理が僕を・・・
 じっと、観察していると悠理と一瞬だけ目があった。
 涙で汚れた顔を見ると、まるで僕が苛めたみたいだ。
 その瞬間、悠理は座ったまま、ビクッと軽くジャンプした。
 そして魅録の腹に、グリグリと頭を押し付けている。
 ・・・羨ましい。
「何を怖がっているんですか、悠理。怖がることなんか無いんですよ。
今までだってずっと悠理を守ってきたじゃないですか」
 努めて優しい声を出したけれど、悠理は魅録に抱き着いたまま離れない。
 小さい嗚咽と震える肩から、泣いてるのが分かる。
 魅録は悠理の肩に手を回して、責めるように、僕を見てる。
 そうですか、魅録、宣戦布告と言う訳ですね。
94エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白11xx:2009/02/22(日) 13:05:18 ID:7NfvCDLZ
 いや、蒼醒めた顔や緊張感は、悠理にも僕の本気が伝わっている証拠なのだ。
「いいえ、全部本気です。僕は全身全霊をかけて悠理を愛しています。
元気に暴れまわっているお前が好きなんです。
ただ、スカートで跳び蹴りするのはやめて欲しいですけどね。
僕の欲情を煽るのはまだしも、他の男にまで見えてしまいますから。
それから、ノーブラで歩くのもどうかと思います。
正直僕も、僕の部屋で二人きりの時はオイシイと思ったりもしますが、行き帰りが心配です。
悠理は、男は皆、大きい胸が好きだと思っているようですが、小さい胸のほうが好きな人間も多いんです。
その証拠に、グラビア雑誌には微乳特集はかなり多いんですよ。
もっとも僕は、小さかろうが大きかろうが、四歳の時の悠理のセミヌードの方が興奮しますけど」
 僕が黙ったのは、悠理の様子が変だったからだった。
 体はカタカタと震えているし、瞳に涙が盛り上がっていた。
 そのうえ、魅録の腕を胸にしっかりと抱え込み、唇を引き結んで僕を見ていた。
 だけど、一番気に入らなかったのは魅録の腕が、悠理の頭を抱き抱えるように、引き寄せたことだった。
「もう、いいだろ、清四郎。悠理が何したか知らねえけど、やり過ぎだ。本気で怖がってるじゃねえか」
 悠理はキツク僕を睨むと、魅録の腹に顔を埋めるように抱き着いた。
 どういうつもりですか?
 告白中に他の男に抱き着くなんて。
 しかも、魅録はポンポンと悠理の頭を撫でている。
 怖がる?
 確かに悠理は怯えているようだ。
 何故、悠理が僕を・・・
 じっと、観察していると悠理と一瞬だけ目があった。
 涙で汚れた顔を見ると、まるで僕が苛めたみたいだ。
 その瞬間、悠理は座ったまま、ビクッと軽くジャンプした。
 そして魅録の腹に、グリグリと頭を押し付けている。
 ・・・羨ましい。
「何を怖がっているんですか、悠理。怖がることなんか無いんですよ。
今までだってずっと悠理を守ってきたじゃないですか」
 努めて優しい声を出したけれど、悠理は魅録に抱き着いたまま離れない。
 小さい嗚咽と震える肩から、泣いてるのが分かる。
 魅録は悠理の肩に手を回して、責めるように、僕を見てる。
 そうですか、魅録、宣戦布告と言う訳ですね。
95エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白12xx:2009/02/22(日) 13:07:21 ID:7NfvCDLZ
「悠理、怖がる必要はないって言ってるでしょう。
この前、家に泊まった時も、お前がパジャマで抱き着いて来ても、人に寄りかかったまま寝てしまっても、指一本、触れなかったんですよ。
あの時はノーブラだったし、僕のパジャマだから大きくて、胸なんか丸見えだったんですよ。
悠理は無防備だから、乳首は愚か、可愛いお臍まで見えてたんですよ。
抱き着かれた時なんか、風呂上がりで、ピンクでほかほかだったのに。
なのに、なのに、なのに僕は、一晩中、家庭教師してやったんですよ。
この、鋼の理性をもう少し信用してくれてもいいでしょう」
「ぎゃ〜、変態〜」
 せっかく人が心を砕いて話しているというのに、悠理は僕の説明を聞こうともせず、更に暴れ始めた。
 告白されただけで、こんな暴れる女が他にいるだろうか?

ビリリリリ

 いい加減、切なくなったころ、悠理の制服が破れた。
「ギャアアアアア」
 怪獣の断末魔のような声を上げたに後ろから抱き締めたのは、彼女の柔肌を他の人間の視線から守る為だった。
 けっして、いやらしい意味じゃ無かった。
「何をしているんですの? 清四郎」
 声の方に顔を向ければ、野梨子がドアに立っていた。
 大騒ぎする悠理の声を聞き付けたのだろう。
「野梨子〜、助けて〜、清四郎に犯される〜」
「違います、これはですね。悠理が逃げようとするから」
 悠理が誤解を招く発言をしたせいか、野梨子の表情は険しい。
 それに、いつの間にこんな人だかりが出来たのだろう。
 誰が呼んだのか、風紀顧問のオールドミスまで来ていた。
「せ、生徒会長、あなたいったい剣菱さんに何をしてるんですか」
 ワナワナと震える唇は、まさか誤解しているのだろうか?
 思わず、悠理を掴んでいた力が緩んでしまうと、するりと腕から抜け出された。
「駄目ですよ悠理」
 叫んだ時はもう遅く、悠理は逃げ出していた。
 肩から背中まで完全に破れてしまった為、右肩から背中まで、べろんと露出している。
96エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白13xx:2009/02/22(日) 13:09:13 ID:7NfvCDLZ
 薄いライムのキャミソールから覗くブラジャーは、今まで見たことのないさくらんぼ柄だった。
 悠理は、制服をはだけたまま野梨子の腕に飛び込んだ。
「わああ、野梨子〜」
 野梨子はまるで強姦魔でも見るような眼で僕を見ていた。
「待ってください。僕の話を聞いてください」
 悠理の肩に触れようとした瞬間、野梨子の張り手が飛んで来た。
 バシッ
「最低ですわ、この獣」
 
 気が付いたら、悠理は野梨子の胸で泣いていた。
「悠理っ」
 声をかけると悠理はゆっくり振り返った。
 涙で濡れた顔はぐしゃぐしゃだけど、僕には魅力的に見えた。 
 ああ、可愛い悠理。
 お前はまだ恋するのが怖いのか。
 僕は告白するのが早すぎたのだと、少しだけ後悔していた。
 悠理の瞳が更に潤み、唇が震えた。
「気持ち悪いんだよ、この変態」
 しかし、愛らしい唇から叫ばれた言葉は、僕の胸に深く刺さった。
「へ、へんたい? 」
 それは誤解だ悠理。
 僕は決して変態じゃない。
 しかし、悠理は僕がショックを受けている間に、更に追い打ちをかけた。
「清四郎なんか大っっっっっ嫌いだっっ。絶好だっっ」
 そして悠理は僕に布切れ一枚残して、野梨子と一緒に帰ってしまった。
 気が付いたら消えていたのが本当だ。
 教師や魅録が何かを言っていることが分かったが、不思議と声は聞こえなかった。
 ああ、思考がうまく纏まらない。整理しないといけないのに、どうしたことでしょう。
 力がまるで入らない。
 そう、整理しましょう。

 魅録がライバル。→ 望むところです。
 悠理が、泣いていた。→ 可愛かったです。
 野梨子が怒っていた。→ 訳が分かりませんな。
 悠理に変態と言われた。→ 言われの無い事実です。
 白地にサクランボのブラ。→ 悠理もだんだん女の子らしくなっているんですね。
97エロ無しxx清×悠でラブロマ 告白14xx:2009/02/22(日) 13:13:42 ID:7NfvCDLZ
 ぐるぐると回る中、清四郎なんか大っっっっ嫌いという悠理の言葉が何度もリフレインされている。
 きらいきらいきらいきらい
 清四郎なんか大っっっっっ嫌い大っっっっっ嫌い
 ああ、どうしたことだろう。止まらない。
 悠理と知り合って、5797日と8280秒、彼女に大嫌いと言われた数は数知れない。
 しかし、この日言われた大嫌いという言葉には、いまだかつて無い程傷けられた。
 ああ悠理、臆病なさみしがり屋な悠理。
 どうやら、僕は言葉が足りなすぎたようです。
「いや、余計なこと言い過ぎなんじゃねーか」
 どこかで魅録の声が聞こえたような気がした。

終焉 回答編へ続?

変態なのは清四郎ではなく漏れです。
だけど男子高校生が思ったことそのまま告ったら、放送禁止用語多発になっちゃうよな?
って思っちまったんだよ。ラブレスっぽくなったけど清×悠のつもりです。
98名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 17:46:57 ID:8H9VU7Dr
>ラブロマ
面白かったです!!
清四郎の告白が情緒障害者ぽくて良かったです。
続き楽しみに待っています。
99名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:53:54 ID:q5o6JkcT
>ラブロマ
これ、楽しみにしていたんです!
清四郎が面白い
野梨子がどう清四郎をわかっていなかったのかと思っていたんだけど、こうきたか!
男のただ漏れは女の子からしてみれば変態としかいいようないですよね
回答編が楽しみです
100名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 18:46:35 ID:+cE/FGSf
魅録がいるとこで、こんな告白したのか。
101名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 22:05:07 ID:2Wyastva
その前に教室だよね?
102名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 00:49:11 ID:eCNyQlZV
>ラブロマ書いてる人って午後パロやってる奴か。
自サイト帰ればいいのに。
103名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 04:09:09 ID:wt9PYrzS
さげ
104play:2009/02/26(木) 04:45:01 ID:wt9PYrzS
女の子(3人+オリキャラ)だけのオモチャ話。ありえない物有り、ありえない設定の馬鹿で下品な話。

嫌ならスルーでよろ


・・・・・play・・・・・

重低音が響く渋谷のクラブ。悠理と弥勒は学校外の仲間たちと若い時間を楽しんでいた。
大勢の男たちに囲まれている2人はとてもその場に馴染んでいる。
「てゆーかさ、最近いっつも同じ面子だよな。男ばっかでむさくるしい」
「おい!あたいがいるだろあたいが!」
「悠理が女の子?やめてくれよ冗談は(笑)」
「お前らなぁ…」

こんな冗談も日常茶飯事だ。
「悠理っ!」
そこに聞こえた若い女の声。振り向くとそこには懐かしい人物がいた。
「マリエ!」
女は去年までよく悠理たちとつるんでいた、黒髪ロングの美しい女だった。

就職先が忙しいらしく最近姿を見せなかったが、その輝くばかりの美貌は全く変わっていなかった。
「久し振り!元気だったか?」
「えぇ。……悠理、ちょっといい?」
マリエは悠理を手招きして、人気のない女子トイレ前まで連れて来た。
話があるのは明白だが少し言いにくそうにモジモジしていた。
「どうした?マリエらしくないじゃん。言いにくいこと?」
「ん…まぁ、ちょっとね」
「なんでも言えよ。あたいに出来ることなら力になるから」
その言葉に勇気が出たのか、マリエは顔を上げて、そっと悠理に耳打ちした。
「あの…悠理、オモチャって好き?」
「オモチャ?」
なんのこっちゃ、と悠理は思ったが、マリエがあまりにも真面目なので答えた。
「まぁ、昔はよく遊んでたけど」
「本当!?」
マリエは驚きと期待の入り交じった表情で悠理を見る。
「今は!?今は嫌いになっちゃった?」
「いや、嫌いってこたぁないけど…」
「本当!じゃあ、協力して!」
マリエの話では、彼女は就職先で、女の子向けのオモチャを企画したらしい。

そしてそのサンプルが出来たのだが、会議に掛ける前に自分以外の意見が欲しいのだという。
105play:2009/02/26(木) 04:47:36 ID:wt9PYrzS
「数は多いほうがいいんだけど、………あたしの友達、中々協力してくれなくて。悠理1人でも大収穫。ありがと!」
「そうなんだ。あ、そういや明日ならあたいん家で友達泊まりにくるし。その時なら3人いるよ」
「その友達2人も大丈夫?」
「オモチャで遊ぶくらい平気だろ。あたいからゆっとくよ。」
「助かる!じゃあ明日、あたしも悠理の家に行っていい?」
「うん。じゃあ待ってるから」
「ありがとう!!凄い助かるよぉ」
マリエの笑顔に、悠理まで嬉しくなった。


つづく
106名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 21:09:19 ID:kkJJlmTD
>play
乙です!
とんだ勘違いをしているらしい悠理にどんなことが待ち受けているのか
(可憐と野梨子にも…)楽しみです。
107?←悠×魅+清+美:2009/03/02(月) 11:23:17 ID:VNz6JmtS
小ネタ投下で悠理がお馬鹿w





きっかけ(悠理視点)


あたいは魅録と族仲間とツーリングを楽しんでいた。
目的地に到着すると、皆それぞれバイクを停め、他愛のない会話を交わしたり、一服したりと、久しぶりではあったが、それはいつもと変わらない光景。
只一つ違ったのは、見慣れない顔が約一名あったこと。
仲間の一人が連れてきた友人らしいが。
理由なんて無かった。
一目見た瞬間、胸が高鳴った。


こんな気持ちは初めてだ―――。


気が付けば、彼の姿を目が追っていた。
すると反対側から、別の族仲間三人が会話しているのが聞こえて来た。
「やっぱさ、経験豊富なオネェさんにリードして貰いたいよな〜」
「オマエ年上好きだよなぁ」
「ま、分かるけどな。この前まで付き合ってた彼女が見た目と反して意外と真面目でさ、処女だったんだけど最初は大変でさぁ」
「あ〜、俺は処女は勘弁!重いから」


会話の内容は、しっかりとあたいの耳に届いていた。
アイツもやっぱそうなんだろうか…?
気になる族仲間の友人をチラリと見やる。
が、流石に本人に聞くわけにもいかず、一人頭を悩ませた。
「何やってんだ?腹でも減ったのか?」
突然話掛けられギョッとしてしまった。
「い、いや、ななな何でもね〜よ。魅録ちゃん」
つい慌てて誤魔化そうとしたあたいにに魅録は首をかしげた。
「変な奴だな」





あたいは家に帰ってからもひたすら悩み続けた
これが恋ってヤツかぁ。
結果、ある計画を思い付いた。
「そ、そうだっ!!!」
108?←悠×魅+清+美:2009/03/02(月) 11:24:29 ID:VNz6JmtS
続き1(魅録視点)


「おーい、魅録〜」
学校からの帰り道、悠理が走って追っかけて来る。
「何だ?」
相変わらず騒がしい奴だな。
「せっくすしてくれ!!」
「………………へっ???今何て………」
一瞬、俺は何を言われたのか把握出来ず、目が点になってしまった。
「だから、せっくすしてくれ」
やっとのことで我に返ったが、思わず赤面してしまった。
耳まで熱くなるのが自分で分かる。
「オ、オマエそんな大声で何言い出すんだ!!!?」
通行人がじろじろと見てくる中、まさかの問題発言にびっくりした俺は暴れようとする悠理の口を手で塞ごうとする。
「もごもご…な、んだよ…いーじゃねーかっ!別に減るもんじゃなし…もごもご」
口を塞がれたまま、必死で訴えて来る。
周りの白い目に耐えきれず、俺は悠理を引き摺って家まで連れて来た。


「ったく、オマエはなんて冗談言い出すんだよっ!?」
やっと冷静さを取り戻した所で、俺は悠理に問いただした。
「あたい本気だぞ」
悠理は真剣な眼差しを向けてきた。
ドキッ…………。
心臓が高鳴った。
「あたいとじゃイヤか?」
次第に心拍数が高まるのを押さえられない。
「い…嫌ってわけじゃないが…」
ついどもってしまう俺の答えに、悠理の顔はパアーッと華やいだ。
「じゃ、決まり。魅録ちゃん愛してる〜!!」
いつの間にか制服を脱いで、いつもの様に抱き付いて来た。
「わっ、ちょっと待てっ!!!心の準備が…」
109?←悠×魅+清+美:2009/03/02(月) 11:26:01 ID:VNz6JmtS
続き1(清四郎視点)


「おーい、清四郎〜」
学校からの帰り道、野梨子が門を潜った直後、悠理が走って追っかけて来る。
「何ですか?」
相変わらず騒がしい奴ですね。
「せっくすしてくれ!!」
「………………はっ???今何と………」
一瞬、僕としたことが何を言われたのか把握出来ず、目が点になってしまった。
「だから、せっくすしてくれ」
やっとのことで我に返ったのですが、思わず固まってしまった。
自分で動揺しているのが分かる。
「ゆ、悠理そんな大声で何を言い出すんですか!!!?」
通行人がじろじろと見てくる中、まさかの問題発言に驚きを隠せないは暴れようとする悠理の口を手で塞ごうとする。
「もごもご…な、んだよ…いーじゃねーかっ!別に減るもんじゃなし…もごもご」
口を塞がれたまま、必死で訴えて来る。
周りの白い目に耐えきれず、僕は悠理を引き摺って自室へと連れて来た。


「ったく、なんてこと言い出すんですか!?」
やっと冷静さを取り戻した所で、僕は悠理に問いただした。
「あたい本気だぞ」
悠理は真剣な眼差しを向けてきた。
ドキッ…………。
物珍しい生き物への興味本意から心臓が高鳴った。
「あたいとじゃイヤか?」
次第に心拍数が高まるのを押さえられない。
「い…嫌ってことはないですが…」
ついどもってしまう僕の答えに、悠理の顔はパアーッと華やいだ。
「じゃ、決まりだ。オマエも早く脱げ」
いつの間にか自分で制服を脱いでいる姿を見て思った。
全く少しくらいは羞恥心を持って欲しいものです。
まあ悪くはないですがね。
「フム…お相手致しますか」
110?←悠×魅+清+美:2009/03/02(月) 11:26:37 ID:VNz6JmtS
続き1(美童視点)


「おーい、美童〜」
学校からの帰り道、悠理が走って追っかけて来る。
「どうしたの?」
相変わらず騒がしい奴だな。
「せっくすしてくれ!!」
「………………えっ???今何て………」
一瞬、僕は何を言われたのか把握出来ず、目が点になってしまった。
「だから、せっくすしてくれ」
やっとのことで我に返ったが、思わず青ざめてしまった。
悠理となんて冗談じゃない。
自慢じゃないが悠理が女に見えたことは一度もない。
冷や汗が流れ出るのが自分で分かる。
「ゆ、悠理…、一体何言い出すんだよ…!?」
通行人がじろじろと見てくる中、まさかの問題発言にびっくりした僕は暴れようとする悠理の口を手で塞ごうとしたが、噛み付かれてしまった。
「い、痛いじゃないかぁっ!!」
思わず噛まれた手を押さえた。
「いいから、さっさとヤらせろ〜っ!!!」
悠理は僕を押し倒して馬乗りになると、僕の制服のファスナーを一気に下ろした。
「うわあぁぁぁんっ!!犯されちゃうよぉ〜っ!!!」
周りの好機の目に耐えきれず、僕はなんとか悠理をなだめて(食べ物で釣って)家まで連れて来た。


「もう、びっくりしたよ」
やっと冷静さを取り戻した所で、僕は言った。
「あたい本気だぞ」
悠理は真剣な眼差しを向けてきた。
ドキッ…………。
恐怖で心臓が高鳴った。
「あたいとじゃイヤか?」
次第に心拍数が高まるのを押さえられない。
「い…嫌ってわけじゃないけど…」
ビクビクしてどもってしまう僕の答えに、悠理の顔はパアーッと華やいだ。
「じゃ、いーじゃん!オマエ誰とでもするんだろ?」
いつの間にか制服を脱いでいた悠理の華奢でしなやかな身体を見て、僕は気が変わった。
黙ってれば美人じゃないか。
「フフ…、腰が立たないくらい気持ち良くしてあげるよ」
111名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 23:23:58 ID:siZvujGf
>?←悠×魅+清+美 乙w
3人としちゃう悠理が可愛いですね。
誰が処女奪うのか気になってます。続きお待ちしてます。
112名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 15:00:40 ID:dmpsrnFZ
>play 乙です。
>?←悠×魅+清+美 乙です。
悠理好きだから嬉しいです。
素直クール&ボーイッシュ好きには堪らないヒロインだと思う。
それに貧乳なとこがいいと思う。
既存のヌキキャラだと、僕とか俺キャラになりがちなのに、アタイってのも新鮮で好きだ。
エロゲとかとはやっぱ一味違っていいよな。
113名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 20:06:00 ID:Sc6LFRD+
続き待ってます!
114名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 21:00:28 ID:cPzL0pbB
age
115名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 20:16:06 ID:F9IJzTNH
tudukiage
116名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 07:02:27 ID:6cWCzFd/
清野、美悠読みたいっす。
117名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 07:07:35 ID:e8O5M3oX
ほしゅ
118名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 03:17:09 ID:OSMxzJkU
保守
119妻のおつとめ:2009/04/11(土) 11:54:02 ID:T9LhwPTw

静かなので、保守をかねて、大人のおバカな小ネタを一本。
エロにはなっていないです。
カプは清×野、魅×悠、美×可で、三組とも結婚後1年目の設定。
妻たちの夫自慢で、男性は女性の会話の中にしか出てきません。
以上、嫌いな方、興味の無い方はスルーお願いします。

120妻のおつとめ(1/9):2009/04/11(土) 11:57:00 ID:T9LhwPTw

「今日は、思いっきり飲んで、楽しんで下さいね。」

ほぼ時を同じくして結婚した、松竹梅悠理と可憐・グランマニエが盛り上がっている
桜の花の宴の席に、この家の女主人である菊正宗野梨子がお銚子をもう二本持って戻って来た。
今宵は、夫たちがいずれも用で一晩家を空けている為、菊正宗邸の庭の見事な
枝垂桜を愛でつつ、結婚後初めての、女同士での楽しい一夜を過ごすという趣向だった。
普段着にしている、薄い萌黄色の小紋の袂に注意を払いながら、友人たちに冷酒を
注ぐ野梨子は、そろそろ結婚一年目になろうとしている若妻の楚々とした色気に満ちており、
華奢な手首の白さが眩しかった。24歳になった野梨子は既におかっぱ髪を卒業し、
前髪は軽くサイドに流し、後ろ髪は派手すぎない夜会巻きにしていた。

「あー、幸せ。女同士って、ホント、楽しいわぁ。結婚してから皆色々忙しくて、たまに
会うにしても、こんな風に女同士でゆっくりするってこと、なかったもんね。」
長かったウェーブのかかったロングヘアを肩のちょっと下で切りそろえ、それを無造作に
べっ甲のバレッタでまとめている可憐は、顔に垂れてくるふわふわした茶色い髪を
かき上げながら、花びらの模様を浮かした平たい土物のお猪口に赤い唇をつけた。
身体のラインを適度に強調している、明るいライラック色のスクエアカットのカットソーの
ワンピースを纏った可憐が、ほんのり紅に染まったまぶたを眠たげに上げ下げする様は
何ともなまめかしかった。

「それにしても、清四郎は幸せもんだな。いっつも、こんな上手いもん食えて。」
酒もさることながら、野梨子の心づくしの手料理に大満足の悠理は、細い身体にピッタリとした
真っ赤なTシャツにカーキ色のバギーパンツといういでたちで、一見、高校時代とほとんど
印象は変っていなかったが、それでも、大きく開いたTシャツの襟から覗いている、
首からデコルテのラインのしっとりとした艶やかさに、やはり匂うような色気が漂っていた。
アクションの大きい悠理が動く度、襟ぐりからわずかに見え隠れする、白い肌に浮き出た
薄い薔薇色の印が目に入ると、野梨子と可憐は、まるで見てはいけないものを見て
しまったかのように目を伏せるのだった。そして、自分は大丈夫かと、そっと自分の
首元に視線を下ろすのだが、人体の構造上、それは無駄な試みに終わっていた。

121妻のおつとめ(2/9):2009/04/11(土) 11:58:14 ID:T9LhwPTw

「野梨子も、もうあたしたちに気を使わなくていいから、ここに座って。
……で、何の話しだったかしら?」
可憐が野梨子のお猪口にサラリとした冷酒を注ぎながら首をかしげる。
「ほら、妻の毎日のおつとめの話だよ。」
悠理が箸を振り回しながら嫌そうな顔をして続けた。
「ほんっと、毎日、毎日、めんどくせーよなー。」

野梨子は平たいお猪口を口に当てながら、一人首を捻った。
(この極上吟醸酒は本当に美味しいですわ。今日はもう随分いただいていますから、
気をつけなければ……。ところで、妻の毎日のおつとめというと……やはり、あれの事ですかしら?)
可憐がオーバーに手を振りながら大きな声を出した。かなりいい気分になっているらしい。
「悠理のとこなんて、いいじゃない。仕事柄、魅録は家を空けることが多いんでしょ?」
「可憐とこだって、夜は遅いんだろ。待ってんの?」
「結婚当初はそうだったけど……今は、初めから分かってる時は、何もしないわ。
でも、朝は毎日だしね。」

野梨子は驚きのあまり、少し裏返った声を出した。
「まあっ。可憐のところは朝も毎日ですの?」
可憐はきょとんとした表情を見せた後、薄紅色に染まった顔をにんまりとさせた。
「普通、そうじゃないの?でも、夜より朝の方が楽だけどね。凝った事しなくていいし。」
野梨子は人差し指を唇に当てて考えた。
「……そうですわね……。」
悠理は、膝をかかえて丸くなると、大きな溜息をついた。
「あたいは、朝は苦手だよ。朝はゆっくりしたいんだ。けど、まあ、魅録がいるから、
そうも言ってらんねーけど。」
野梨子は、ますます首をかしげた。彼女には、密かな悩みと疑問があった。
(今日はいいチャンスかもしれませんわ……。)
122妻のおつとめ(3/9):2009/04/11(土) 11:59:06 ID:T9LhwPTw

野梨子は、また一口冷酒を含んで自らを元気づけると、視線を下に落としながら
おずおずと話し出した。頬の桜色が色を強める。
「あのう……前から聞いてみたいと思っていたのですけれど……。皆のところは、
週にどれ位ですの?その……夜の方ですけれど……。」
答えにくいだろうと思いきや、可憐はサラッと即答した。
「そうねえ……うちは、大体3、4回ってところかな。悠理のとこは?」
悠理もあっけらかんと答える。
「んー、時期によって波があるけど、平均すっと、週2回位?少ない方だよな。でも、
いないんだから仕方ないや。」
黙っている野梨子に、可憐が気の毒そうに言った。
「野梨子のところはどうなのよ?清四郎はまだ医学生だから、毎日規則正しく帰ってくるんでしょう?
毎日って、大変そうよねえ。レパートリーも底を尽くし、マンネリにならない?」
「ええ……。」

野梨子は桜色を通り過ぎて朱色になった頬に手を当てて悩ましげな顔をした。
「清四郎にも最初に言われましたし、それが妻としてのつとめだという事は重々承知して
いますけれど、正直、私も白鹿流の仕事で疲れている事もありますし、毎日と
いうのは疲れますわ……勿論、体調の悪い日は休ませて下さいますけれど。」
悠理は口に含んでいた冷酒を噴出した。
「ひゃー、清四郎って、そんなこと最初に言ったんだ。毎日すんのが妻のつとめだって。」
野梨子は相変わらず物憂げに視線を落としたままだった。
「皆、していることだって……言っていましたわ。自信満々で。でも、今日聞いていたら、
必ずしもそうではありませんのね。」
可憐が野梨子を慰めるように優しく言った。
「状況が家によって違うもの。清四郎も、正式にドクターになったら、仕事が忙しくて
今みたいに早く家に帰って来られなくなるわよ。それまでの辛抱ね。」

123妻のおつとめ(4/9):2009/04/11(土) 11:59:58 ID:T9LhwPTw

野梨子はようやく顔を上げた。真剣に困っている様子がありありと見て取れた。
「良い方に変ればいいのですけれど……。今は、飲み会等でどんなに遅く帰って来ても、
私を起こしますのよ。どんなにぐっすり眠っていてもですわ。この間なんて、私がどうしても
起きなかったらしくて、勝手に始めていましたのよ。何だか寒くて、圧迫感もありましたから、
途中で目が覚めて気が付いたのですけれど、本当に驚きましたわ。こんな調子で、
私、結婚してからというもの一度もゆっくりとした夜を過ごしたことがありませんの。
毎日遅く帰宅してから求められるのは、今よりもっと憂鬱ですわ。」
「……。」

可憐と悠理は顔を見合わせた。どこかおかしい。
可憐が、ひきつったような笑顔を浮かべながら、恐る恐る聞いた。
「ね、ねえ、野梨子……。念のため、確認しておきたいんだけど……あんた、今、何の話してる?」
「え?ですから……妻のおつとめの話ですわよね。」
「それはそうなんだけどさ……あたいたちは、食事作りのこと話してたんだよ。毎朝、
毎晩作るのは大変だよなって……。」
「あっ……!」
野梨子が口を押さえて、燃えるように真っ赤になったのを見て取って、可憐と悠理は全てを理解した。
「嫌ですわ!私ったら……!」
野梨子は着物の袂で顔を隠しながら、畳に倒れ込んでしまった。

その間、可憐と悠理の脳内では先の野梨子の言葉が自動再生されていた。

(毎日というのは疲れますわ……)
(どんなに遅く帰ってきても私を起こしますのよ……)
(勝手に始めていましたのよ……)
(私、結婚してからというもの一度もゆっくりとした夜を過ごしたことがありませんの……)

124妻のおつとめ(5/9):2009/04/11(土) 12:01:04 ID:T9LhwPTw

(………………………毎日なんだ………………………)

可憐と悠理は心持青ざめた顔を見合わせて頷きあった。野梨子が畳に倒れ込んだ
ままなのをいいことに、耳元でコソコソと囁き合う
(やっぱり、清四郎って、むっつりスケベだったんだな……。)
(そうそう、ああいうのがね……。全く、夜のおつとめなんて、いつの時代の話よ……。
何も知らないからって、騙されて強要されて、野梨子も可哀想に。)
野梨子が顔を赤らめたまま、ゆっくりと身を起こした。首をうなだれて襟と髪を白い指先で
そっと整える様は、着物姿ならではの色気に満ち満ちており、何故か可憐と悠理は
焦りに似たものを感じた。野梨子は未だ朱色の頬を片手で押さえながら、恥ずかしげに声を出した。
「先ほどの話は全て忘れて下さいませね。清四郎に、私が困っているなどとは決して
言わないで下さいな。大変は大変ですけれど……でも、それだけ愛されていると感じますのよ。」

(何ぃっ!?)
悠理の髪が突然ザザッと逆立ち、既に赤かった顔は炎のごとく燃え上がった。
(愛されていると感じますのよ……だってぇ?それじゃ、回数が少なかったら愛されて
ないって言うのかよっ?冗談じゃないぞっ!)
悠理は眉をつり上げ、目を爛々と光らせた。
「あっ、あたいたちだって、仲いいぞっ!ただ、魅録は仕事が忙しいから、帰って
来たきはもう、疲れてんだよっ!学生の身分の清四郎とは違うんだっ!」
「そ、そーよ。」
可憐は落ち着こうとしているのか、ほつれた髪をバレッタで留めなおすという動作と共に
説明口調で話したが、それはどこか自分に懸命に言い聞かせているようにも見えた。
「社会人になると、色々大変なのよ。あの美童だって、人間関係のストレスが多少は
あるみたいだしね。そういうのも、色々影響するもんよ。」

野梨子は態度を急変させた二人を、目を丸くして見比べていたが、やがて黒い目を
あだっぽく光らせながらクスッと笑った。赤い唇から小さな舌がチラリと覗いた気がした。
「まあ……お二人とも、そんなにムキにならなくても……。」

125妻のおつとめ(6/9):2009/04/11(土) 12:01:58 ID:T9LhwPTw

野梨子の「クスッ」は、見事に目の前の女友達の痛点をついた。それは、鷹揚に
振舞おうとしていた可憐の余裕をも一息に吹き飛ばした。
(クスッですって……?この子、笑ったわ、笑ったわ、どういう意味よっ!……一年前まで、
男のことなんて何にも知らなかったくせに……あたしに向かって笑ったわ!)

カーン……!どこかで、ゴングの鳴る音がした。
若妻三人は背筋をピンと伸ばし、臨戦態勢に入った。
自分の夫の名誉の為、彼がいかに素晴らしく、その彼にいかに自分が愛されているか
ということを、今こそはっきりと皆に知らしめなければならない。
それこそ、妻のつとめというものだ。
可憐はお猪口を口に運ぶと、キッと野梨子を睨み付けた。

「ムキになってなんかないわよっ!それに、ああいうのは、回数じゃないわ。ああ、
美童のテクニックときたら……。天国に登るようなって、この事よ。バリエーションも豊富だし、
あたし、色々な事教えてもらったわ。そうよ、これこそ女の喜びってやつだわ。」
言いながら可憐がぎゅっと自分の上半身を両手で抱きしめると、薄いカットソーに包ま
れたバストが大きく揺れて盛り上がった。悠理と野梨子は、前よりもその膨らみが
一回り大きくなっているのを、気のせいと片付けるわけにはいかなかった。

「そうだよっ、回数じゃないよっ!いやっ……テクニックでもないっ!」
可憐と野梨子の目が今度は悠理に向けられる。悠理は胡坐をかき、すわった目で
お猪口を高く片手で上げていた。
「……では、何ですの?」
野梨子のちょっぴり意地悪な声色に対し、悠理は勢いよく立ち上がって、勝ち誇ったように叫んだ。
「魅録は……魅録は、そりゃあ激しいんだ!情熱でいったら絶対あいつが一番だぞっ!
このあたいがヒィヒィ言っちまうんだからな。あんなの、毎日されてたら、こっちの身が持たないやいっ。」

126妻のおつとめ(7):2009/04/11(土) 12:06:59 ID:T9LhwPTw

立ち上がった弾みで悠理の短いTシャツが跳ね上がり、細いウエストが露わになった。
瞬間、胸元と同じ種類の愛のしるしが幾つか目に入り、可憐と野梨子は悠理の言葉が
決して嘘ではないことを信じないわけにはいかなかった。

野梨子は小さく眉を顰め、考え込んだ。
(……そうですわね。回数だけじゃありませんわよね。テクニックや情熱……。)
清四郎にそれらは見られるだろうか……?
(で、でも、悠理や可憐に負けるわけにはいきませんわ!清四郎の名誉の為にも、
ここは私が頑張らなくては!ええと……清四郎が優れているところは……。)
野梨子は、威嚇の意味を込めて、彼女としては精一杯の大きな声を出した。

「で、でも、清四郎は、とにかく丁寧ですわっ。それに……研究熱心ですし!」
しかし、反応は今一だった。悠理はあからさまに嫌な顔をした。
「げーっ、丁寧って、しつっこくて、ねちっこいってことだろ?あたいはそういうのはゴメンだね。
男は全身全霊で直球ってのが一番だ!」
可憐はふふんと鼻で笑う。
「研究熱心ってことなら……この分野に関してはさすがの清四郎も美童には勝てないと思うわよ。
世界の恋人だっただけあって、古今東西の秘儀を知り尽くしてるんだから。」
「清四郎のことだから、何か分けの分からない薬でも使うんじゃないのか?そんなもんに
頼るなんて、あれに自信がないんじゃねーの?」
カァァと野梨子の顔が熱くなった。
「そんなこと、ありませんわっ!ただ……清四郎は……より深遠なる世界を目指しているだけですわ!」
ハァ、ハァ……。肩で息をしながら、野梨子は次の考えをめぐらせていた。
(駄目でしたわ……何か、回数以外で美童と魅録に勝てるものはないですかしら……そうですわ!)
野梨子は襟を正し、コホンと一つ咳払いすると、目を細めた。

「言葉責めなら、清四郎にはかないませんわよ。」

127妻のおつとめ(8):2009/04/11(土) 12:08:43 ID:T9LhwPTw

「うっ……。」
その点に関しては、可憐と悠理は認めざるを得なかった。想像を絶する膨大な量の
言葉のストックに加え、常人離れした思考回路に、相手の弱みを一目で見破る観察眼。
清四郎があの最中に繰り出す言葉とはどんなものなのだろう……?きっと、Sが入って
いるに違いない。いや、もしかしてM?ちょっと想像しただけで、ブルっと得体の知れ
ない感覚が二人の身体を走った。
しかし、負けるわけにはいかない。可憐が口角を思いっきりきゅっと上げて微笑んだ。
「ふん。美童はね、本当に女性に奉仕するのが好きなの。自分によって相手が喜んで
いるのを見るのが一番の快感なのね。彼は、聞いているだけでとろけちゃいそうなくらい、
甘〜く褒めてくれるの。あたしの色んな部分をね。それを聞くと、あたし幸せで一杯に
なって、逆に何でも彼にしてあげたくなっちゃうわ。で、しちゃうわけ。」

「くっ……。」
悠理と野梨子は唇を噛んだ。百戦錬磨だった美童があの最中に囁く言葉とはどんな
ものなのだろう……?女は誰でも褒められるのが好きだ。特に自分では見ることの
出来ない部分や表情などを褒められるのは。ちょっと想像しただけで、ビリッと不思議
な感覚が二人の身体を走った。
しかし、負けるわけにはいかない。悠理が嘲るように手をヒラヒラさせた。
「けっ。あの最中に、だらだらと長いセリフなんか必要ないんだよっ。魅録が、苦しげな
顔で息も絶え絶えに、(ゆう……り……)って呼ぶだけで、あたいなんて、いっちまうね。」

「あっ……。」
野梨子と可憐は目を閉じた。日頃女に興味がなさそうなクールな魅録が、あの最中に
出す表情とは、あえぎ声とは、どんなものなのだろう……?きっと、男っぽい中にも
切なさと甘さが入り混じって……。ちょっと想像しただけで、ゾクッと口にはとても
出せない感覚が二人の身体を走った。

が……、負けるわけにはいかない!うちの夫が一番だ!

128妻のおつとめ(9):2009/04/11(土) 12:10:08 ID:T9LhwPTw

(ああ、全く、この件に関しては美童が一番だってこと位明らかじゃないの。早くはっきり
させなくっちゃ!)
じれったくなった可憐はついに切り札を出した。ピッと人差し指を立てて、二人の目の
前で左右に振ってみせる。
「あんたたち、美童は北欧の国の人だっていうことを忘れてもらっちゃ困るわね。
ああだこうだ言ったって、結局美童にはかなわないわ。だって……あれが違うんだから!」

「はっ……!」
夫しか知らない野梨子と悠理には、実際比較のしようもなかったのだが、種族の違いと
いうのは侮れないということだけは分かっていた。しかし、これは個人というよりは民族の
問題なのだから、負けても仕方ないといえよう。
二人は、がっくりと頭を垂れた。
「そうだな……やっぱり美童にはかなわないのかも……。」
「そうですわね……素直に現実を認めますわ……。」
しかし、酒の力とはあな恐ろしや。野梨子は再び頬を濃く染めながら、とろんとした
表情で可憐に質問した。
「……ところで、あのう……美童は……どれ位ですの?私、清四郎しか知りませんし、
もしよろしければ、参考までに……。」
「あっ、あたいも知りたいっ!あたいも、魅録しか知んないもん!」
可憐は、勝利を手にしてひどくご機嫌だった。
「ん?いいわよ。MAXでええと、これ位……かな?」
いい気分で、綺麗に手入れされた両の人差し指を、ある間隔をおいて並べてみせた。
「で、こっちがこれ位。」
次に、指で円を作ってみせる。少々の見栄を入れたのは、お約束である。

「……。」
(あら、二人とも、黙っちゃった。あんまり凄いからびっくりして声も出ないのかしら?
自分の旦那が普通だと思ってただろうから、ショックだったのね。フフッ、悪いことしちゃったかな?)
129妻のおつとめ(10):2009/04/11(土) 12:11:04 ID:T9LhwPTw

しかし、ショックを与えられたのは可憐の方だった。悠理が安心したような声を出した。
「なーんだ……白人の血ったって、大したことないんだな。」
「えっ?」
野梨子も胸に両手をあてて、笑顔を見せる。
「本当ですわ。私、ホッとしましたわ。それとも、清四郎が日本人離れしていますのかしら?」
「いや、魅録もこんなもんだから、これが普通なんじゃないの?」
「ええっ!?」
可憐の美童神話はガラガラと一瞬にして崩れ去った。慌てて指をちょっと離してみせる。
「あっ、やっぱり、これ位だったかな……?皆に合わせて、ちょっと遠慮したんだけど、
その必要……なかった……みたいね……。」
「ああ、あたいたちに気ぃ使ってくれてたんだ。それなら、分かるよ。」
「やっぱり、この分野では美童が一番ですわね。」
「……。」
可憐は凍りついた笑みを浮かべながら、必死に頭の中を整理しようとしていた。
(……美童はいつもあんなに誇らしげに自慢してるんだもの、彼のが普通ってことはないわ。
……ということは、清四郎と魅録が大和民族としては立派なものをお持ちであると……何てことなの!)

可憐の内心の動揺など知るよしもなく、悠理がニヤッと笑った。
「でも、そう凄く差があるってわけでもないし、あたいはやっぱりトータルでは魅録が一番だと思う。」
野梨子が素早く反応した。
「いいえ、総合優勝は清四郎です。絶対です!」
未だショックから立ち直れない可憐が、それでも愛する夫の為、よろよろと参戦してきた。
「だから……一番は……美童に……決まってるでしょ……。」

カーン……。第二ラウンドのゴングがどこかで鳴った。
そして、今や完全な酔っ払いとなった、夫しか知らない貞淑な三人の若妻の、
当人たちが聞いたら恐らく卒倒するであろう内容の夫自慢は、その後も夜を
通して延々と続いたのだった。

おわり

130名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 12:45:09 ID:BxnJ3Gl4
>妻のおつとめ
いやぁ、笑わせてもらいました。
特に>より深遠なる世界を〜のあたり。薬、使ってるのかい!w
GJでした!
131名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 22:00:34 ID:mKGOEBXR
圧縮来そうなので保守
132名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 22:58:21 ID:6CsY/i4m
ガツンとエロいのが読みたい
133名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 00:59:11 ID:V9FBygA2
>>129
GJ
134名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 15:43:38 ID:VzMQy3T7
>妻
気がつくの遅れたー
勘違いする野梨子にフイタw
またお願いします!
135名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 02:56:08 ID:YwixZN18
圧縮来そうで来ないな
136名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 01:49:12 ID:lkGr7ONB
とりあえず保守っとく
137名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 15:39:03 ID:qaXuo8Ri
保守
138名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 21:20:03 ID:FpjQ/fZc
>>97の人がサイト持ちなら読んでみたい
なんかヒントplz
139名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 23:08:27 ID:sfAfqzqA
保守
140名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 20:55:01 ID:5jt4oP6R
美悠読みたいので保守。
141名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 22:27:23 ID:1pRa1F/P
神光臨待ち
142sage:2009/05/13(水) 14:35:07 ID:l+//u5CG
美×悠
フローレンス・ルイ同室ネタですw





「あたい美童と同室でも全然構わないけど…なんでそこまでする必要あるんだよ!?」
隣には、すっかり寝化粧を終えた金髪の美女…ではなく、女装した美童が居た。
「自分で言うのも何だけど、僕って綺麗…」
今だ鏡に映った自分にうっとりしてるナルシストな友人に、付き合ってられないとばかりに、悠理はテレビのリモコンに手を伸ばした。



(見るんじゃなかった…)
悠理は酷く後悔していた。
番組の内容といえば、ありきたりな心霊特集。
いかにも幼稚で、子供騙しな内容だった。
「こんなの作り話だよぉ。もう寝ないと明日に響くよ」
震える悠理を余所に、美童はさっさと自分のベッドに入って行く。
「ま、待てよ!!」
悠理は慌てて美童の腕にしがみつき、自分も後に付いて入って来た。
「ちょっと、悠理のベッドはあっちだろ?」
当然のことながら、部屋はツインなので、シングルベッドが二つ用意されている。
が、悠理は離れようとしない。
「怖いんだよぉ〜。頼むから一緒に寝かせてくれよ〜」
半ば、泣きそうな表情で必死に訴えてくる悠理を、美童はやれやれと溜め息を吐きながら迎え入れた。
(こいつ自分が女だって分かってんのかな?)
そんな疑問を口にすることなく、枕元にあるライトのスイッチを落とした。



あれだけ怖がって割には、なんて寝付きがいいんだとばかりに、既に悠理は寝息をたてていた。
しかし寝相の悪さは言わんこっちゃない。
徐々に転がって寄って来るので、美童はギリギリ端っこまで追いやられていた。
「ん〜、タマ〜、フク〜、ムニャムニャ」
愛猫の夢を見ているのであろう。
悠理は美童に抱き付いた。
(ちょ、いくら悠理でもノーブラで抱き付くのはマズイって!!)
然り気無く背を向けようとするが、タマフクと間違えているのか、今度は身体を撫で回して来た。
(僕はタマでもフクでもないよぉ〜。…って、何処触ってんだよぉ!?これじゃ全然寝れないじゃないかぁ)
頭とは裏腹に、身体は正直に反応してしまうのが恨めしい。
流石にヤバイと思い、完全に爆睡している様子を確めながら、こっそりもう一つのベッドに移動することにした。
起こさないように、ゆっくり音を立てず忍び足で。

143sage:2009/05/13(水) 14:35:48 ID:l+//u5CG
が、暗がりで足元がよく見えない。
ガタン!!
(しまった!!)
振り返ると、悠理が目を擦りながらこっちを見ている。
(なんで、こんなときに限って寝起きいいんだよ…)
そんなことはつゆ知らず、悠理は寝ぼけ眼のまま言った。
「何処行くんだよ?」
言い訳等考えていなかったので、内心ドキリと鳴った。
本当の理由なんて言えるわけがない。
「えっ?あぁ、トイレ行きたいなと思って」
「ふうん」
誤魔化して入ったものの、実際は用をたすわけでもなかった。
無論、別の意味で仕様することも頭をよぎったが、悠理が起きてる以上、あまり長いこと籠っているわけにもいかず、諦めてそのまま出ることにした。



一人で待っているのが怖かったのか、部屋には灯りがともされていた。
といっても、小さなスタンドのみだったが。
それでも、部屋中が見渡せるくらいの明るさはある。
(困ったな…)
治まりのつかなくなってしまったものが、パジャマ越しでもはっきり分かってしまう状態に、内心焦りながらササッと戻ることにした。
布団を被ろうとしたところで、またしがみつかれてしまった。
「一人にすんじゃねーよ〜!!」
思わず体制を崩してしまった為、悠理が顔面をぶつけてしまった様だ。
(あぁ、最悪だ…。今までの苦労が…)
起き上がろうと、ぶつかった場所から数センチ離れた場所で、悠理は一点を見つめたまま、頬を紅潮させ固まっていた。
そして数秒後、やがて口を開いた。
「こ…の…、変態ぃぃぃぃっ!!!」
叫びながら跳びのく。
「へ、変態だなんてあんまりだよぉ〜!!こんなとこ、顔面ぶつかって来たのはそっちじゃないかあっ!?」
「そ、そりゃそうだけど…思いっきり平常時と違うじゃないかぁっ!!?」
それを言われると身も蓋もない。
が、こうなりゃヤケクソだ。
「誰のせいだと思ってんだよ?お前ときたら、風呂上がりにバスローブ一枚でうろうろするわ、パジャマにノーブラで抱き付いてくるわ、挙げ句の果てには寝惚けて僕の身体撫で回すわで、全く男心を分かってない!!おかげで眠れないじゃないか!?」
それだけ捲し立てると、悠理は苦虫を噛み潰した様子で、う〜んと首をかしげた。
そんな悠理を見て、落ち着きを取り戻した美童は続ける。
「と、とにかく、やっぱり別々に寝よう。お化けなんて出ないよ」
 

144sage:2009/05/13(水) 14:36:18 ID:l+//u5CG
『お化け』という単語を聞いて、悠理は思い出したかの様に、再び身を震わせ美童に身を寄せた。
「い、嫌だよぉ…。さっきのテレビの孤島の洋館で寝てるときに金縛りが…って話、いかにもこの建物と被っててさあ…」
美童はちょっと困った表情になる。
「なぁ、頼むよ。あたいもきょ…協力するから…」
不安気な声で語る悠理は、普段のパワフルで快活な印象とは異なり、やたら儚い少女の様に見える。
そして、何かを決心するかの様に大きく深呼吸すると、なるべく目を逸らして、其処を見ない様にしながら、パジャマの中に手を忍ばせ、美童のモノをまさぐった。
予想外の出来事に、一瞬戸惑った美童だが、そこでしてしまおうとは思わない迄も、少しくらいなら罰も当たらないだろうと、少々悪戯心に火が付いてしまった。



「―――ん、もっと優しく握って―――。…そう、大分上手くなって来たね―――」
多少は慣れて来たのか、最初は辿々しかった手の動きが、規則正しく上下する。
あんまり素直に言うこと聞くもんだから、つい調子に乗ってしまった。
「悠理…、手はもういいから次は口でして?」
優しく問い掛けると、顔を真っ赤にしてこっちを向く。
「あ…あたい、そんなの出来な…」
初々しい態度が可愛い。
(いつもは野生児にしか見えないのにね)
「大丈夫だよ。誰でもしてることなんだから」
美童は、あくまで優しく微笑みながら言う。
「誰でも…なのか?」
ちょっぴり怪訝そうにに首を傾けるが、そうだよと後押しされ、恐る恐る舌を這わせてみた。
チロチロと不慣れな舌先が、美童自身を絡め途っていく。
「そう…、その調子だよ。―――ア、歯立てないで…」
言われるままに、舐めたりくわえたりする。
上目遣いで表情を確かめながら。
端整な顔立ちが、時々快感に歪む。
しかも、今夜に限っては、寝化粧のせいか、必要以上に艶っぽい気がする。
「んっ…」
美童の口から吐息が漏れた。
見惚れるのと同時に、段々と感じてくれるのが、嬉しくなってきた悠理は、夢中になって愛撫し続ける。
「ゆ…うり、イってもいい…?」
口に含んだまま、コクコクと頷いた。
口内でドクンと脈打つのが分かる。
「………ッ―――ふ、ぅ…」
美童が微かに呻いた瞬間、ドロリとしたものが、口の中に広がった。

145名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 22:58:23 ID:5hiG4IPM
神光臨ー!!
待ってて良かった。乙です。
146名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 18:09:09 ID:bQAcDjmk
美悠だぁ!
続き待ってます!
147名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 18:47:11 ID:GZxRrMvm
保守
148名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 18:23:45 ID:u0VwYNCX
清野の続き待ち保守
149名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 00:41:31 ID:bRvpwebm
貧乳の陵辱がみたいです。
150名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 18:58:10 ID:R41zOAF9
乱交倶楽部 可憐姐さん編が読みたいです
151名無しさん@ピンキー:2009/06/12(金) 17:16:58 ID:q8Mavd7d
保守っときます
152名無しさん@ピンキー:2009/06/19(金) 11:33:32 ID:ZLgL6kJD
保守
153名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 08:33:19 ID:gX7jQAmq
hoshu
154名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 09:36:43 ID:mPfePiUT
ほしゅ
155名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 18:55:39 ID:jqiX1wlN
エロいの読みたい気分
156名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 19:09:54 ID:lNUS3nQ6
わー亀だけど美悠ありがとう!
157名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 15:19:31 ID:pBjCyR/x
保守
158名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 11:43:54 ID:lPdhb5Ik
保守
159名無しさん@ピンキー:2009/07/23(木) 16:56:03 ID:QdTyQRz/
保守
160名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 16:05:20 ID:CZQ0gS8d
清野の続ききますように。
161名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 20:07:39 ID:tu277Fm4
美悠カモン!
162名無しさん@ピンキー:2009/08/05(水) 23:24:02 ID:42U2g9J4
保守
163名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 08:45:54 ID:eRFRmEDA
ほしゅ
164名無しさん@ピンキー:2009/08/19(水) 02:52:09 ID:tO4lIJAh
165名無しさん@ピンキー:2009/08/24(月) 21:13:11 ID:ysys07eO
しゅ
166名無しさん@そうだ選挙に行こう:2009/08/30(日) 10:07:32 ID:D1+7SvcU
しま
167名無しさん@ピンキー:2009/09/03(木) 00:11:52 ID:X/xZsXHm
168名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 21:04:02 ID:17C5ty7H
可憐は身持ち固いけど、その分エッチするときは本気度高いんだと
思うと、とてもドキドキします
169名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 11:22:54 ID:mc4VHgwC
原作では多分結婚するまでエッチしないと思うけど、処女っぽくうっかり食べられちゃう可憐とかいいですね。はぁはぁ
170名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 03:20:11 ID:WYiI9iGc
美悠カモン!
171名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 22:48:10 ID:Z53SYUzp
ベビードールみたいなセクシーな下着を、どうしたら野梨子や悠理が
着てくれるかと小一時間悩んでも答が出ません先生
172名無しさん@ピンキー:2009/09/16(水) 23:46:23 ID:/vG6+aXs
罰ゲームしかないと思います
173名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 20:01:46 ID:UdjuObCZ
ベビードールネタいいですね。
罰ゲームネタにも出来るし他のアプローチも・・・。
妄想出来そうな気がしてきましたっ。
174名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 00:51:49 ID:H4OUQv1g
じゃあ可憐には、ブラウスとタイトスカートが
いいと呟いてみる
175名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 00:27:56 ID:Dpthctu8
保守
176名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 17:26:05 ID:gDx0Tm3v
保守
177名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 23:08:16 ID:HDRShHgM
可憐はボンテージだろ
178名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 07:15:49 ID:0BgmyY46
ほしゅ
179名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 18:55:05 ID:3mosXLk0
水着ぐらいなら3人とも何とか着てくれそうな気が...
悠理なんて、きわどくても何気に着こなしちゃいそう。
180名無しさん@ピンキー:2009/10/08(木) 23:32:38 ID:dZXC2Nmg
野梨子ぺたんこ萌えに一票
181名無しさん@ピンキー:2009/10/09(金) 10:29:29 ID:RLNuW/Le
剣菱の新作水着のショーモデルやっちゃうとか。
それが評判で新作ランジェリーのカタログモデルの話がくるとか。
本人は水着感覚の延長でも、さすがに試作カタログ止まりで親がストップかけるかな。
そんなのだったら着てくれそう?!
か、せっかくできた試作カタログを手に悠理は魅録に、野梨子は清四郎に見せに行くとか。
妄想できても話にまとまっていかないのが悲しい...
カタログの出来きが良すぎて、二人とも同じ格好をして見せる羽目になるとか。
文才ないなぁ...
182名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 00:48:47 ID:6sC6jHdu
>>142
あの同室は何気にクソ萌えたから
すげー続き楽しみです
183名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 15:53:14 ID:VV+ZRdyA
じゃ水着のカタログのお礼として下着が送られてくる

パートナーの前で開けてしまう→
これ、下着だよね?と凍り付く

着ちゃう?の流れですねわかります
184名無しさん@ピンキー:2009/10/10(土) 20:46:28 ID:vOeojQa1
↑それいいですね〜。
せっかく送られてきたんだし、着ちゃって欲しい♪
下着のカタログ撮影やショーモデルは、さすがにやってくれなさそうだし。
でも悠理って、なんとなくTバックとか着てそうな気もするんですよね。
シンプルなデザインだったら普通にアリかも、なんて。
野梨子や可憐は総レースあたり普通に着てそう。
185名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 02:10:05 ID:1jaJ0R/V
>妻のおつとめ さん

エロシーンがあるわけじゃないのに、とってもおもしろかったです。

夫編も読んでみたいっす。
186名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 09:59:42 ID:7YZd15FW
夫編って、凄く興味津々!
どんな会話になるんでしょう?!
187名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 18:43:26 ID:TFH4IFND
見てるこっちが恥ずかしくなるようなラブイチャな魅可が読みたい
188剣菱ウェア:2009/10/13(火) 01:26:49 ID:TUiTQ9Wb
※カップルは、清×野、魅×悠、美×可です

『剣菱ウェア 水着ファッションショー開催!』

ここ剣菱ホールでは、日本一早い新作水着のファッションショーが開催されようとしています。
5人のプロモデルの他に3人の一般モデルが40点の水着を着こなす予定。
剣菱ウェアでは、円高の影響でアジアなどの海外旅行の増加が見込まれ、水着需要も早まるとみて、例年より早く販売開始を予定しているのです。

「無理ですわっ!私が水着モデルなんて!悠理だって、私の体型をご覧になれば無理だってお分かりなりますでしょっ!」
「そんなこと言わないで頼むよ、野梨子〜!」
「プロのモデルの方がいらっしゃるんですもの、その方々が多く着れば済むことじゃございませんの?」
「だ〜か〜ら〜、ほんっとうに急な話なんだって。一般モデルの3人が渋滞にはまって到着が無理そうなんだよ。モデル毎に着る順番で水着は並んで準備万端、プロモデルの出演者ミーティングも終わっちゃってるし」
「一般モデルっていうのは大体なんなのよ?ショーだったらプロモデルだけで十分じゃない」
「プロモデルが着たらカッコイイのは当たり前だからって、公募した一般の人にも水着を着てショーに出てもらうっていう企画なんだよ」
「へぇ、なるほどね。あ、野梨子、ほら、プロのモデルさん達が通るわ、カッコイイわねー!見て御覧なさいよ」
「まぁー、背がお高いこと。それに…顔の大きさもかなり小さいみたいですわね。細さは…?!」
「な、細いだろ。それもかなり。多分この中で一番胸があるの、可憐じゃね?」
「本当だわ〜。意外よぉ。プロの前で何だか恥ずかしくなっちゃう」
「水着モデルといえば、豊かな胸の方を想像していましたが…悠理もスレンダーですけれども、みなさんと変わらないですわね?」
「で、急にあたいが頼まれちゃったんだけどさ、あと2人必要なんだよ!と・も・か・く、時間がないから姿勢とか歩き方とか何とかなりそうなのお前らしか思い当たらなくって!頼むっ!!」

一般モデル3名のウォーキング練習が始まりました。
結構難しいものですが時間がなく、とりあえずで、見せ方、立ち方、進み方の動きを覚えなければなりません。
そしてヘアメークに衣装合わせをして、あっという間に本番!
花柄やボーダー、幾何学パターンのビキニやホッとパンツとビキニトップの水着姿でさっそうと歩くプロモデル達。
会場からは黄色い歓声も飛んでいます。
舞台の袖で出番を待つ3人。
「ショーに出られるなんて興奮しちゃうわ〜!」
「可憐、ご機嫌だな。野梨子ぉ、頼むから笑ってくんない?」
「むっ、無理ですわ。転んでしまいそうなほど緊張していますもの」
3人が待つ袖にライトが向けられ、いよいよ出番。
「あっ、可憐だ!足取り軽いな〜。(ホルダーネックが胸を強調し過ぎだよ!)」
「随分ノリノリじゃねーの?(何か色気ムンムン…)」
「ショーモデルを楽しんでいるようですね。(色も紫とは何とも)」
「野梨子、ガッチガチだよ(やっぱりワンピースなんだ…)」
「歩くのがやっとって感じだな(ゴールドのラメなんて普段着ない色だな)」
「野梨子が悠理に折れるとは…(胸のカットが大胆過ぎやしませんか?!)」
「悠理、プロモデルっぽく見えない?(へぇ、三角ビキニって新鮮―)」
「スレンダーモデルが多かったしな(おいっ、布の面積少なすぎじゃね?)」
「なかなか、普段の悠理とは別人みたいですな(色も光沢のある黒なんて)」

「(で、ここでターンして。あら?3人が客席に)」
「あっ可憐、僕達がいるのに気づいたみたい。今こっち見てウィンクしたよ」
「(ステージギリギリまで進んでっと、あっ、魅録たちだ!)」
「おっ、悠理も手を振ってるぜ」
「(ここでポーズでしたわね)」
「野梨子は…それどころじゃないみたいですね」

舞台裏では戦場のように、超早着替え。
さすがに真剣なプロモデル達の手前、3人も恥ずかしいなどとは言っていられず、絶対に見せられない状態での早着替えで次の出番に備えます。
189剣菱ウェア:2009/10/13(火) 14:02:55 ID:TUiTQ9Wb
「「「お疲れさまでしたー!」」」
無事に水着ショーが終わり、演出兼舞台監督から「ピンチヒッターだったけど、3人とも舞台映えして良かったよ。またお願いしたいぐらいだな」と、お褒めの言葉をいただき3人ともホッとした様子。
「本当に今日は2人に助けられたよ。あんがとな!今日のショーで着た衣装は小物も含めて全部もらえるそうだから、ショーのカタログが出来上がったら一緒に送らせるよ」
「えぇー、小物も全部?!今日の水着って全部で5着もあったのよ。」
「5セットも新作水着をいただいてよろしいんですの?」
「コレ着るために、またどっか旅行の計画立てよう!」

「お嬢様」
「あっ、高木さん。2人に紹介するよ。剣菱ウェアの高木さん。剣菱ウェアで開発担当をしているんだ」
「「こんにちは」」
「今日は急遽出演いただきまして、本当にありがとうございました。新作水着の着心地はいかがでしたか?」
「寄せ上げ効果がバッツグン!しかもシルエットが凄くキレイなの!」
「私のようにメリハリに多少の難があっても『うまく隠してよく見せる』といいますのかしら。衣装合わせをしたときに自分の胸じゃないみたいで驚きましたのよ」
「はい。これが新技術で、剣菱ウェアで扱っているセミオーダーのブラジャーにも使われております。もしよろしかったら、今回のお礼にセミオーダーのブラジャーをお作りさせていただきたいのですが」
「あー、それ母ちゃんから聞いたことある。胸の形にフィットして、すっごいキレイに見えるって」
「はい、バストはトップとアンダーの採寸サイズが同じでも、輪郭やふくらみの形状は一人ひとり異なりますから、セミオーダーの方がよりボディーの寸法に合わせて作ることができるのです」
「「セミオーダー?!」」
「それってデザインとかも選べるんですか?」
「そろそろ新作のデザインが決定いたしますし、既存のデザインに限らずお作りできます。よろしければ採寸だけさせていただいて、こちらから皆さまのイメージで出来上がり商品を送らせていただきますが」
「興味ありますわ。私、なかなかピッタリくるものが見つからなくて困っていましたの」
「私もー。ワイヤーが当たっちゃって痛いのとかあるのよね」
「あたいも着心地は楽だけどキレイに見えるなら、そっちがいいな」
「あら、悠理も下着にこだわりが出てきたの〜?前はスポーツ系かタマフクだったじゃない」
「なっ、なに言ってるんだよ!剣菱ウェアの商品は、あたいも実際に試してみないとな!」
190剣菱ウェア:2009/10/13(火) 14:21:08 ID:TUiTQ9Wb
「では独自の測定方法がございますので、後日みなさまでショールームへお越しくださいませ」
「やったー♪」
「楽しみですわ」
「いい機会だから、色んなの見てみたいな。用意しておいて」
「かしこまりました。では、お待ちしております」

「あっ、そーだ、3人とも会場に来てたわよ。あんまり前の方の席ではなかったけど」
「え゛ぇぇっ!?何で、だっ誰が連絡なんてしましたの?!大体、急な話でしたでしょっ!」
「連絡っていうか、魅録が迎えに来た時にピンチヒッターの話があって、ここまで送ってもらったんだよ。」
「さ、早く3人のところに行きましょう!ショーの感想も聞きたいし、お腹も空いちゃったわー」
「どっ、どんな顔して…」
「別に水着姿なんて旅行でも見せてるじゃん」
191名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 18:19:48 ID:ZUW6IjbN
美悠に萌える。ほのぼのHっぽいのがイイ
192名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 18:39:36 ID:bX28ZS/e
続くとか言ってくれませんか?規制かかったのかな
193名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 00:28:43 ID:DMZSYRkC
剣菱ウェア書いてます。
スミマセン、まだ続きます。
190に「続く」入れ忘れました。
失礼しました。
194剣菱ウェア:2009/10/14(水) 15:32:49 ID:DMZSYRkC
「「「「「「お疲れさまー!」」」」」」
「悠理や可憐はともかく、野梨子までショーに出るとはね〜」
「よく出る気になったな」
「会場に出向いたということは出る気だったのですか?」
「まさか!悠理からは水着ショーを見に来ないかって、舞台裏も案内できるからっていうお誘いでしたのよ」
「まぁまぁ、野梨子は日舞をやっているから姿勢もいいし、舞台でも映えてたわよ」
「そーだよ!それに水着、気に入ってくれたんだろ?」
「えぇ、まぁそれは…」
「そういえばさ、僕達、席が前の方じゃなかったから、あんまりよく見えなかったんだけど…悠理、胸大きくなった?」
「!!!何で俺を見るんだよっ」
「だってさ〜(笑)」
「確かに。悠理が着ていたのは三角ビキニが多かったようですが、こうボリュームが…」
「お前ら、どこ見てんだよ!まったく!!」
「今は三角ビキニでも色々駆使されてるのよね〜」
「「(え?偽物?!)」」
「(偽物だろ…そりゃ)」
「そうですわ。男性陣は騙されないように気をつけないといけませんわね」
「私達、剣菱ウェアのランジェリー部門で、新技術の施されたセミオーダーブラを作ってもらえることになったの」
「へぇ〜、セミオーダーってどんなの?セクシー系?」
「そういうんじゃないんだよ!機能が凄いの!」
「キレイなシルエットになれるそうですし、今から楽しみなんですの」
「「「『機能』ねぇ」」」
「まさかサイボーグのようにガチガチになるわけですか?」
「げ、何か堅そう。ロボットかよ」
「『機能』から連想されるのは、そんなもんだよね…」
「ヒラヒラとかフワフワとかはないんですか?」
「そーだよ、なんっつーか柔らかいとか手触りがいいとかさ」
「レースとかスケスケとかは?」
「ちょっとちょっとアンタ達!」
「しらっと言うなよー!!スケベ!」
「(『機能』なんて興味あるかよ)」
「(どれだけムードが出るかが大切なんだから)」
「そういうのが…お好みですの?」
「!?ま、色々と楽しみがあるほうが、ね」
「「「(・・・・・・・・ふぅん・・・・・・・・・・)」」」
「あっ、鍋きたよ!誰が鍋奉行やる?」
195剣菱ウェア:2009/10/14(水) 15:35:24 ID:DMZSYRkC
待ちに待ったセミオーダーブラの採寸の日。
「お嬢様、可憐様に野梨子様も、お待ちしておりました」
「「「お願いします」」」
「ではフィッティングルームで採寸させていただきます」
「あたい、フィッティングルームで測ったことなんてあったかなぁ」
「私も恥ずかしくて、自分で測って買っていますわ」
「えぇ?自分じゃ正確に測れなくない?」
「フィッティングで測って、カップサイズが2つ上がる方もいらっしゃるんですよ」

「あたいカップが上がったー!」
「私もですわ。あんなに寄せるものとは驚きです…」
「二人ともサイズが正確に測れただけでも、よかったわね」
「あれ、高木さん、こっちにあるのは何?」
「こちらはランジェリーカタログに掲載する新作です。どれもレースを施してあって繊細な作りなんですよ」
「気になる物はございますか?」
「いっや〜(だってこれスケスケじゃんか)」
「素材の手触りもよろしくて素敵ですけれども(これって…いつ着るのかしら)」
「さすがゴージャス!(そして大胆、セクシー…)」
「「「(・・・『ヒラヒラとかフワフワとか』・・・)」」」
「「「(・・・『柔らかくて手触りが』・・・)」」」
「「「(・・・『レースとかスケスケ』・・・)」」」
「「「(・・・『好み』・・・)」」」

つづく
196剣菱ウェア:2009/10/14(水) 16:13:36 ID:DMZSYRkC
採寸から4週間後の生徒会室。
「野梨子、可憐、剣菱ウェアの高木さんから連絡があって、セミオーダーの出来たって」
「まぁ。待ちに待っておりましたのよ」
「ほーんと。さすがセミオーダーだけあって日数掛かったわね〜」
「うん。作るのに時間もかかるからって、色々作ってくれたみたい。みんなの家に送ってあるって」
「水着も一緒なの?」
「そうそう。だから大荷物で届いていると思うよ」
「そういえば、水着ショーの時って5着も着てたんだよなぁ?」
「そうだよ。会場で見てただろ?!」
「いえ、あの時は席が後ろだったのと、前の席の方で立ったり座ったりがあって、よく見えなかったんですよ。」
「あら、そうでしたの」
「ね、可憐、帰りに寄ってっていい?」
「構わないけど。ショーで使った小物も全部貰っちゃったのよ〜♪美堂相手に一人水着ショーができるわよ!」
「「(一人水着ショー?!)」」
「ゆっ悠理、この前のあれ、ほらっCD、今日借りに行っていいか?」
「CD?別にいいけど、どれだよ?この前って、いつの話だ?」
「野梨子、この前囲碁の対局の面白い記事があったので、後でお邪魔しても構いませんか?」
「ええ。どなたの対局でしたの?」
「は?あっ、あぁーあの、素人の対局だったんですけどね、いや記事がなかなか…」

つづく
197名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 19:07:15 ID:5JjpdT+s
清×悠キボンヌ
198名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 20:48:44 ID:zRE/Yk6F
野梨子の囲碁話希望。
野梨子が早打ちなら更に萌w
野梨子が小林泉美のファンならキュン死に。
199剣菱ウェア:2009/10/15(木) 15:07:11 ID:oLXrdPfB
可憐宅。
「ただいまーっと。さ、美堂、どうぞ入って」
「お邪魔しまーす。あ、このダンボールじゃない?さっき話してた水着」
「大荷物だって言われていたけど、本当に随分な大荷物ね〜」
「僕が持って行くよ。可憐はコーヒーでもいれてくれる?」
「OK!」
確かに、随分な大荷物が届いています。
水着5着に小物類、機能性ランジェリーにカタログ…にしても随分な荷物。
「可憐〜!開けちゃっても構わない?!」
「いいわよー。中身出してダンボール片付けてくれるー?」
ダンボールを開封すると、中は箱、箱、箱、箱、箱だらけ。
「(うわっ、凄い箱の数。多分これが水着っぽいな、水着より小物がかさばっているみたい)」
開封してみると、水着と小物がセットになって入っています。
「(おっ、チューブトップなんて着てたっけ?何着目だったんだろう。この四角くくて軽い箱がセミオーダーのブラかな。機能性重視じゃ立体的だろうし)」
「ねぇ、可憐。セミオーダーってブラだけ?何か箱が多いみたいだけど」
「あー、作るのに時間がかかるからって、色々作ってくれたみたい。多分お揃いでコーディネートとかしてくれたんじゃないかしら」
「なるほどねー、(って、この薄い箱はなんだ?一段と高級そうな箱みたいだけど)」
箱には金文字で『〜癒しをもたらすリラックスウェア〜』。
「(リラックスウェア?なんだろ。コーヒーまだみたいだから開けちゃえ)」
箱を開けると印刷された薄紙には…
『女性のプライベートにおいて癒しをもたらすリラックスウェア。カップルのひとときを演出する小道具としてもお使いいただけます』
「うわっ、これベビードールじゃんっ!」
「何、大声だしているのよ。ちょっと美堂、何を手に持ってるの?」
「入ってたんだよ、ダンボールに!可憐、これも頼んだの?!」
「何これっ!?頼んでないわよっ!頼んでないっ!(けど、あ!…あの時ショールムで見てたのだわ)」
先日ショールムへ行ったときのカタログ掲載用のランジェリー。
3人とも驚きつつも、チラチラと横目で見ていたのでした。
そう、可憐が気にしていたのは、ベビードールとはいえ少し大人な印象だったこのデザイン。
光沢感のあるワインレッドのシルクで、胸元には高級レースがふんだんにあしらわれ、ホルターネックで背中がパックリ。
セットのショーツはサイドを紐で結ぶタイプ。
基本機能より視覚的インパクトに重点がおかれているだけあって、ゴージャス&セクシー。
真っ赤になって凝視している可憐の横では。
「(一人水着ショーどころじゃないよ…これは、これは絶対に着てもらわねば!)」

つづく
200剣菱ウェア:2009/10/15(木) 15:37:20 ID:oLXrdPfB
剣菱邸。
「ただいまー。2人分のお茶用意してくれる?」
「お嬢様、お帰りなさいませ。松竹梅様、いらっしゃいませ」
「お邪魔します」
「お嬢様宛のお荷物、お部屋にお運びしてございます」
「サンキュー。水着が届いているみたいだな」
「大荷物なんだろ、開けるの手伝ってやるよ」
「うん。魅録、何のCD借りたいんだよ?先にCD」
「いいから、先にダンボール片付けちまおうぜ」

「このチェックは3着目の水着だ」
「おまえ、水着ショーでは三角ビキニが多かったよな。4着も三角ビキニだったのか」
「うん、さすがに野梨子が三角ビキニを嫌がって、あたいが着る予定だったワンピースと取り替えたんだよ」
「へぇ、ま、野梨子がショーに出てくれただけでも恩の字だったもんな」
「魅録ちゃん、その箱はちょーだい」
「あ?あぁ、例の機能が何とかっていうセミオーダーか?」
「うん、多分」
「じゃぁ、これは何だ?箱が違うぞ」
「え?知らないよ、誰かのと間違ってるんじゃない?」
「誰かって、開けてみないと可憐か野梨子かわからないんじゃねーの?」
!!!!!
オレンジ系のプリントを施したシルクシフォン素材。
裾は二重のフリルを斜めにカットしたワイルドな感じ。
肩は紐で結ぶタイプ。
セットになっているショーツはストリングタンガ。
「「ベビードール?!」」
「こっこれ、これ誰のだよ!可憐か?野梨子か?」
「(なななななんでコレがここに入ってるんだよー!ショールームであたいが見てたのじゃん!)」
「おいっ!悠理、誰のなんだよ!?おま、え?まさか、これ、お前のなの?お前が頼んだの?」
「えっ?!いや、それは違うよ、っていうか、そうじゃなくて…あっ、魅録!なに握ってるんだよ、放せよ!こっちによこせっ!」
「(こんなスケスケ…こんなチャンス、誰が渡すか!)」

つづく
201名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 15:42:42 ID:Yx8AWbnk
×美堂
○美童
202名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 16:00:11 ID:pCGwiS4A
魅録と可憐の野球拳が見たい。もちろん可憐の方が激強
203剣菱ウェア:2009/10/15(木) 16:53:42 ID:oLXrdPfB
白鹿家

「お邪魔しますよ、野梨子」
「清四郎、ちょうど良かったですわ。これを部屋に運び込むの、手伝っていただけます?」
「例の大荷物ですか?」
「えぇ。こんなに大きなダンボールで届きましたの。開けるのが楽しみですわ」
「ところで、先ほどの囲碁の対局がどうとかっていうのは何ですの?」
「えっ?あぁ、普通に押すような手は打てないところで、どのように反発するかが焦点だったんですがね」
「勝負どころで?」
「ええ、どのような読み筋かが楽しみなところで。野梨子、先にダンボールを片付けてしまいませんか?」
「そうですわね。こんなに大荷物では、場所を取って仕方ありませんわ」

「剣菱ウェアの水着は、そんなに着心地が良かったのですか?」
「そうなんですの。試着して驚きましたのよ。柄もステキでしたし。ほら、このパレオご覧になって!」
「まぁ、野梨子はワンピースやパレオを巻いたのがほどんどでしたがね」
「それは悠理に随分替わってもらったんですの。さすがに三角ビキニは無理ですわ」
「確かに。野梨子のイメージとも違いますしね」
「清四郎、その薄い箱はカタログかしら?」
「いえ、軽いからカタログではないようですよ?おっと失礼、蓋が」
ふわっと揺れるシルエットが愛らしいベビードールにフリルがキュートなショーツのセット。
上品なフラワープリントで、バックスタイルはグッとスクエアに開いており、胸元は大胆なV字のカッティング。
肩紐はシャーリングでクシュクシュしたフリル状。
「「・・・・・・・・・・・・・」」
「野梨子…これは一体…」
「それは、それはそれは(一体どういうことですのっ?!)」
「ベビードル、のようですね。これは機能性より嗜好性が強い衣料だと思われますが。3人で何のオーダーをしに?」
「機能性のセミオーダーですわ!もちろん!えぇ、間違いなく!そ、そのような機能もなさないようなもの、採寸する必要なんてございませんでしょ!」
「機能をなさないって…ある主の機能といいますか目的は十分果たすと思いますが」

つづく
204剣菱ウェア:2009/10/15(木) 20:19:33 ID:oLXrdPfB
黄桜家

「(ここは抑えるんだ、焦るなよ〜、僕。着てもらうまでは我慢、辛抱、忍耐、紳士な僕でいなきゃ)」
「さっ、さすがだよねー、剣菱ウェア。可憐、見てごらんよ、これヨーロピアンシルクの最高級じゃない?」
「え?なっなに?」
「それにさ、このレース、すっごく繊細だよね」
「・・・そうよね、ショールームで見たときもゴージャスだって思ったのよ」
「へぇ、ショールームにはこれだけだったの?」
「ううん、違うわ。カタログ用だって、他にも色々あったのよ。野梨子や悠理は違うのを見ていたもの」
「じゃぁ、その高木さんって人が、可憐にはコレが似合うって、見立てて入れてくれたんじゃないの?」
「見立ててっていうか、これは色も大人っぽくてステキだなーって思って気になってたのよね」
「(何だ、可憐が気に入ってるんだったら、もう一押しか?!)」
「これ、最高級よね、やっぱり。見るからに高そうだものね」
「ゴージャスな可憐にピッタリだよ!!!プロが送ってくれたんだし、間違いないと思うよ〜」
「(よしっ!よし!焦るな焦るな〜)ね、ねねね!ちょっとこれ、着て」
「返さなきゃ」
「はい〜?!」
「これ、返さなきゃ駄目よ。だってショーのお礼には入っていないんだもの。うん、これ絶対高い。私なんかが着られるような代物じゃないわ、きっと」
「そっ、そんな、高木さんの気持ちを無駄にしちゃ良くないよ!大体、剣菱だよ、悠理んところなんて、これ1枚ぐらい送ったって、どうってことないに決まってるじゃん!」
「そういうわけにはいかないわよ。セミオーダーだってあんなに作ってもらったんだもの」
「(ちょっと待て。そういう展開?なんでこんな時に律儀なんだよ〜)」
「じゃっ、じゃぁ悠理に電話して聞いてみれば?入ってたんだけど貰って構わないのかどうかって」
「そうね、もしかしたら単純に入れ間違いかもしれないし」
「(あ〜も〜何なんだよ〜、実は着るのは抵抗ないわけ?)でも結構さぁ、他の2人のところにも入ってたりしてるんじゃないの?そしたら今は電話しない方がいいと思うけど?」
「それ、どーゆー意味よ」
「だって清四郎も魅録も、それぞれ野梨子と悠理の家に行くって言ってたし。あれ、絶対に下心アリアリだよ。CDとか対局がどうとかなんて嘘っぱち!」
「じゃぁ何よ、野梨子と悠理は今、こういうピラピラを着てるっていうの?想像できないわ。悠理と野梨子よ?!絶叫して固まってるわよ。」
「でもさ、あの2人だって恋する乙女なわけだから。意外と大胆だったりするんじゃないの〜(もう、やけっぱちだよ、何か痴話喧嘩に突入?!)」
「美童だって水着ショーで見たでしょ、あの2人のスレンダーっぷり!」
「だ〜か〜ら〜、こういうのを着て『カップルのひとときを演出』なんじゃないのぉ〜?」
「(・・・確かに、野梨子も悠理もチラチラ見てたのよね。他のベビードール・・・)」
「意外と翻弄されてたりしてね〜、堅物の清四郎も女に興味なさ気だった魅録も」
「(翻弄って!翻弄っていうのは私に似合う言葉であって、あの2人には使わないのよ!)」
「実は裏の顔、みたいにさ」
「ちょっと。私よりあの2人の方が女として魅力的だって言いたいの?」
「いや、可憐は十分魅力的だよ。想像だよ、想像〜」
「あの2人がベビードールを着たって、カカシが着てるようなもんに決まってるわ!」
「だから、ちょっと想像しただけだって!(げ、スイッチ入れちゃった?)」
「想像なんてしなくていいの!こういうのは私が一番似合うのよ!待ってなさい、今証明してあげるから!」
「は?!」
205剣菱ウェア:2009/10/15(木) 20:24:21 ID:oLXrdPfB
剣菱邸

「魅録、それよこせって。今、どんだけスケベな顔してるか分かってないだろ」
「そりゃ、こんなの見ちゃったらスケベな顔にもなるだろーよ」
「いいから、こっちに」
「悠理、着てくれよコレ」
「ばっ!?」
「着てくれよ、コレ」
「ばっ馬鹿たれがーーーー!!!何、顔真っ赤にしてスケベなこと言ってんだよ!ふっざけんなよ、着れるかこんなもん!」
「ふざけてねーよ!頼んでんじゃねーかよ、マジで!」
「(なななななな、みっ魅録は男だけど男だけど男だけど、こういうこと今まで言ったことないじゃんか!洋服だってアレ着ろとか押し付けないし)」
「なぁ悠理」
「こんなスケスケ着れるか!変態っ!!」
「悠理に似合うよ、コレ」
「なっ、お前、頭どうかしてんじゃないの?!大体、これ紐パンだぞ、似合うも似合わないもあるかーっ!」
「だって、お前スタイルいいじゃん」
「はぁ?」
「水着ショーのとき、三角ビキニ着てたけど、似合ってただろ」
「あっ、あれは剣菱ウェアの技術の結集だって!」
「技術の結集も何も、あんな少ない布っきれで、何をカバーするってんだよ。元がいいってことだろーが」
「(褒められてんのか?)」
「足長いしさ、腰の位置高いし、小尻っつーの?桃尻っつーの?形キレイだよな。普通じゃコレは着こなせないって」
「そっそんなこと(紐だろー、後ろー!着こなすっていう次元じゃないだろーコレは!)
「ショーのとき、何か胸とか揺れて見えたし。詰め物かと思ってたけど、実は大きくなってたりするわけ?」
「あー、確かに水着に仕掛けはあったけど、採寸したらカップが大きくなってたんだよね(って、何で分かるんだよ!)」
「俺だけだろ」
「あ?」
「こーゆーの着てる悠理見れんの、俺だけだろ?」
「!!!!!!!!!」
「水着はさー、普通にプールとか海とか行ったら、その辺に居合わせた奴も見るだろ」
「何言ってんだよ、そういうもんだろ」
「だ・か・ら。何かさー、水着ショーん時、他のヤローがガン見してて、癪だったっていうか、何ていうかさ、ショーだから見るなって言えないけど、何か俺が見てるのと、こいつら同じように見てるって思ったら何かさ」
「(これ…魅録、焼き餅?か?)」
「俺だけしか見られない格好とか…してくんない?」
「で、だからって、何でコレなんだよ…」
「俺だけの扇情的な悠理とか見てみたいじゃん」
「べっ、別にそんなもん着なくったって・・・(「俺だけ」だって)」
「せっかくコレあるんだし」
「スケベ」
「おぉ。悠理にだけな」
「(ばっ!)」

つづく
206剣菱ウェア:2009/10/15(木) 23:54:28 ID:oLXrdPfB
白鹿家

「・・・では、水着ショーの後に我々が言っていたことが、3人の頭に残っていたということですか?」
「多分、そうだと思いますわ。おそらく2人のところにも、この手の物が送られているのではないかと」
「悠理と可憐は着てみたりしているんですかねぇ」
「さぁ…送られてきたからといって『着なければならない』という物でもありませんし」
「野梨子は…どうするんですか?コレ」
「多少興味はありましたけど、自分で買おうとは思いませんもの(着て欲しいのかしら?)」
「せっかくだから着てみたらどうですか?」
「(あらストレート)そうですわね(言われたからって着ませんわよ、こんなヒラヒラ)まぁ、気が向いたら」
「じゃぁ、野梨子だけっていうのは不公平だし、僕も着るっていうのはどうですか?」
「?!何を…着るんですの?コレを?」
「まさか。幾らなんでもサイズが小さすぎます。着ようにも無理ですよ」
「(不公平って、私、着るなんて一言も言ってませんわよ!)」
「近いところで、フンドシっていうのはどうですか?」
「は?」
「僕がフンドシ姿になるので、野梨子がソレを着る」
「私、交換条件なんて出しておりませんのよ。清四郎のフンドシ姿を見たいとも思っておりませんし」
「・・・見たく、ないんですか?僕のフンドシ姿」
「えぇ。結構ですわ(フンドシってフンドシって、何を言っているのかしら)」
「野梨子は、僕に、その僕の身体に興味を持ってくれていないんですか?」
「か、から、身体って、なっ(どういう話の流れなのかしら?)」
「見たいとか」
「みっ、見るのは見ているじゃありませんの!それこそ水着姿は見慣れていますわ!」
「水着…野梨子にとっては、まだ汚らわしい域を抜けきっていないんですかね…」
「べっ、別にそんな、清四郎のことを汚らわしいとか、そういうことは全く」
「僕は、僕は野梨子に見て欲しいんですよ。野梨子は、僕に見せたいとは思ってくれないんですか?」
「(みっ見せたい?!)」
「見せたいと思ったから、ショールームでコレが気になっていたのではないですか?」
「(そっそれは…見せたいのかしら…)」
「そもそも需要があるから、こういうものが商品化されているんですよ。みんな見せたいんです」
「せっ、清四郎、そんな大きな話になりますの?」
「いえ、僕は見せたいのは普通のことだという話がしたいんです」
「それじゃぁまるで、見せたくないのは普通じゃないように聞こえますけれど?」
「そう聞こえますか?」
つづく
207剣菱ウェア:2009/10/16(金) 21:44:56 ID:kHM0eXqR
黄桜家

まったくもって冗談じゃないわ!
何が「裏の顔」よ!
そりゃー2人とも顔は美人だけど、あのカカシっぷりで、どこに女の魅力があるっていうのよー!
こういうのが似合うのは私なのっ!
まったく、もーっ!
んっ?!
んー♪やっぱりこのシルク手触り最高っ!最高級品だわ〜。
気分が上がる〜。
こういうデザインは、私みたいなメリハリボディこそが似合うのよね〜!
日々お手入れしているからこそのバックシャンだし♪

「さぁ、美童!これでもカカシの2人に想像しちゃうわけ?!」
わっ、わー…
想像通りっていうか、立体的になるとシルエットがキレイだな〜。
エロさだけじゃないところが、さすが剣菱ウェアって感じ。
「ね、可憐、一周してよ一周」
「ジャーン!ほ〜ら美童、よく御覧なさ〜い!」
おぉーバックシャン!は…普段も可憐のドレス姿で、見てるっちゃー見てるんだよな。
シルクのところは透け感ないし…ま、丈が短いから、ムッチムチの太腿にヒップに、レースで覆われている豊満な胸〜の、ちょっと良く見えないんだけど、唯一透けるところだろ、そのレース・・・
「美童!ちょっと近いわよ!そこの絨毯の端からコッチに寄らないで!」
「へっ?よく御覧なさいって言ったの、可憐じゃん。何を今さら」
「こういうのは全体のバランスなのよ!それぐらい離れてなかったら良さが分からないわ」
「ぜっ、全体のバランスって何だよ、繊細なレースとかもっと良く見たいし」
「水着ショーのとき、舞台監督さんが話してたのよ!全体が見えないと良さが分からないって!」
「・・・・・・」
「細かいところが見たいんだったら、後で好きなだけ貸してあげるわ」

つづく
208名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 23:16:17 ID:AAbtEOxK
('A`)
209名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 23:34:10 ID:0qpHXQgx
もういいよ
210剣菱ウェア:2009/10/17(土) 11:59:03 ID:qMlk3/Cd
はい。
長々スミマセンでした。
どうにも進みが悪いので、途中ですが終わりとさせていただきます。
211名無しさん@ピンキー:2009/10/18(日) 02:12:09 ID:5w846qei
乙でした
212名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 10:39:03 ID:cHhaAakC
おもしろかったけどな〜。
エロがないからここの住人には向かない内容だけど、良かったよ。
210さんがサイト持ってたら通うよ。
213名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 20:48:30 ID:Dtvz3XoV
>>210 これからがいいところなのに〜
まだエロに突入してなかったのに残念です。
気が向いたらまた落としてください。待ってます。
214名無しさん@ピンキー:2009/10/22(木) 21:50:23 ID:KrGjfX+w
会話文だけってどんだけ下手なんだ
215魅×悠 1/4:2009/10/23(金) 18:42:21 ID:jAjPdBSI
※悠理が自主的に魅録にいたします。

さっき買ってきたワインを開け、悠理がシャワーから出てくるのを待っている。
二人が付き合うようになってからは、ツーリングに出掛けると1泊するようになっていた。
今回は季節柄、山梨の方へ足をのばした。
立ち寄ったワイナリーでは、さすがに試飲はさせてもらえず色と香りと店主の勧めで選んだ赤。

先にシャワーを浴びていた魅録は、ソファーに身体を沈め考え事をしていた。
この前、悠理の部屋で雑誌を探していたときに目にしたファッション誌。
悠理にしては珍しいと思ってページをめくってみれば「エッチ特集」。
初めて身体を重ねた日から、一度だって強引なことをしたことはない。
悠理が恥ずかしがるので明かりも消して抱いていた。
奥手の悠理でも知っているであろうことしかやっていない。
そのうち慣れたら二人で色々と試していけばいいと思っていたのだが。
「物足りないってことか…?」
何か不満があってのことなのか、恥ずかしがっているとはいえ興味なのか。
雑誌には図解でアレコレと詳細が載っており、読んでいた魅録も赤くなったほど。
悠理に知識がついているのなら、色々と試してみたって驚くまい。
秘かに今夜は、アンナコトやコンナコトをしてみようと妄想していたのだった。

「おまたせー。ワイン開けたー?」
悠理がバスローブに、髪をバスタオルでゴシゴシ拭きながら出てきた。
「おぅ、飲もうぜ」
「「乾杯!」」
フルボディだと聞いていた。
「ん。俺、これ好きだな。帰りにも寄って自分用に買うかな」
「さすが重めだね。ツマミがあったほうがいいかも。何かあったかな」
ツマミを探しに行こうとする悠理を止めて魅録が切り出した。
「この前、お前の部屋で雑誌見たんだけど。エッチ特集の」
ビックリして魅録の顔を見つめるだけの悠理。
216魅×悠 2/4:2009/10/23(金) 18:42:53 ID:jAjPdBSI
「あの、ほら、色々やってないことあるだろ、俺ら。お前も物足りないんだったら」
「ちっ、違うよ!何言ってるんだよ。物足りないとか、そんなんじゃなくて、あれは、あの雑誌を買ったのは」
物足りないなんて、不満なんてない。
魅録と回数を重ねるうちに、自分だけが行為に溺れていくようで怖かった。
最初こそ激痛だったけれど、今は魅録に求められると快楽に期待をする。
でも魅録は、行為の最中も冷静で夢中になっているような感じがしなかった。
悠理は、それが不安だった。
自分の身体は薄っぺらだし、具合が良いのか悪いのかなんて、魅録が初めてなんだから自分で分かるわけがない。
自分が魅録に出来ること…夢中にさせることができないかと考えていたときの雑誌の特集。
奥手の悠理もそういう行為があることは知っていた。
雑誌によると男性は相当気持ちがいいらしい。
親切ご丁寧に図解入りで舌使いなどの説明つき。
今回のツーリングで試してみるつもりで、雑誌を熟読していたのだった。

「あたいが魅録にしたくて買ったの!」
「何を?」
んなこと、恥ずかしくて口に出せるかよっ!聞くな!
返事はせずに、悠理は魅録のバスローブの腰紐を外すと目隠し代わりにして、魅録の頭の後ろでギュッと結んだ。
「うわっ!何すんだよ、いきなり」
「黙れよ、恥ずかしいんだから!ぜぇったいに、目隠し取るなよ!目隠し取ったら殴るぞ」
こういうシチュエーションで殴るぞもないだろうと思いながらも、悠理がやろうとしているであろうことを想像して魅録は唾を飲み込んだ。

目隠しさせたって恥ずかしい。
心臓がバクバクいっている。
そもそも、魅録のなんて明るいところどころか、マジマジ見たことなんてない。
雑誌の図解で本当に松茸に似てるって思ったぐらいだった。
魅録の足の間に入り込むとバスローブの襟に手をかけ合わせ目を開いていく。
見慣れた上半身、次に下半身が露出した。
217魅×悠 3/4:2009/10/23(金) 18:43:44 ID:jAjPdBSI
・・・マジ?しばし見つめて躊躇する悠理。
バスローブを肌蹴られ、外気と悠理の視線を感じて身じろぎできない魅録。

この間は何だ…悠理、雑誌の何かと比べてるのか?
おっ俺の、そんなに貧弱だとは思わないが、おいっ、目隠しされている俺の方が恥ずかしいぞっ!

魅録が何か言おうかと思ったその時、悠理が反り返ったものを握り、それはビクッと反応した。
ビクッとするなんて書いてなかったぞ!驚かせるなよ〜。
驚きながらも魅録を見上げると、気持ち顔が赤くなっているような気がする。
全く冷静という風ではない魅録に少し安心し、覚悟を決めた悠理はそれに舌をのばした。
先っぽだけ、舌で舐めまわしてみる。

皮膚は薄くてデリケートだって書いてあったよな。
歯は立てるなって注意書きがあったっけ。
やさしく、やさしく、丸いところ、笠みたいなところ、先っぽの筋のところ、舌を沿わせていく。
ピチャピチャと舐め回しているとますます反り返り、悠理の行為に反応するのが何だか面白くなってきた。
舐めるのはそのぐらいにして、口を大きく開けて咥えてみる。
根元まで全部なんて到底無理だ、長すぎて入りきらない。
とりあえず、口にしたまま舌を這わせて頭を上下に動かしてみる。
魅録の息が不規則になっているのが分かる。
どうやら堪らなくなってきているらしい。
何だか嬉しくなって、もう一度ギリギリまで口に咥えてみる。
口の中で、舌と唾液でそれを滑るように上下させる。
「うっ、あぁ…」魅録の口から喘ぎが漏れた。
恥ずかしかったのが嘘のように、悠理は行為に没頭した。
舌はしっかりと這わせたままで、何度も何度も上下させ、時々咥える角度を変えたりする。
魅録の息遣いが荒い。
咥えているのが苦しくなると、手で握って上下させる。
魅録は両手ともソファーの肘掛を握り締め、頭を振って悶えていた。
目隠しの腰紐が鼻までずり落ち、自分を咥えている悠理が目に入った。
218魅×悠 4/4:2009/10/23(金) 18:44:36 ID:jAjPdBSI
夢中で自分を頬張ってしゃぶっている。
自分が悠理の唾液で濡れているのが分かる。
悠理の口が上下している。
目は開いているのか閉じているのか長い睫毛が影になって、よく分からない。
口がふさがっているので、鼻からくぐもった息がなまめかしい。
悠理の息も上がっているようだ。
こんな行為は初めてだというのに、悠理は懸命に舌を絡ませてくる。
魅録は背中が痺れてきた。
悠理の舌の動きが激しくなってくる。

ちょっと、悠理、ヤバ…イかも。

魅録が悠理の舌の動きに蕩けてうっとりとしたとき、我慢していたものが抑えられなくなって放ってしまった。

「うっ!?」悠理は口の中に苦味を感じた。
焦ったものの、魅録のビクビクがおさまると口から外し、慌ててテーブルのワイングラスをつかむとワインを飲み干した。
ワインをグラスに注ぎ足して、もう1杯飲もうとしている。

ヤベェ...悠理の顔見たら我慢できずにイッちまった。
まったく、やられちまったな。
魅録は息を整えながら、苦味を消すためワインを飲んでいる悠理の後姿を見つめていた。
いつも恥ずかしがっていたのに…
鼻にずりおちたバスローブの腰紐を取り去り、それで悠理の両手首を後ろに掴み結ぶ。
「なっ、何するんだよ」
驚いた悠理は後ろを振り向き魅録を見上げる。

「今度はお前が鳴く番な。もう手加減はしねぇ」
魅録はニヤリと笑うと、悠理を抱き上げベッドへと運ぶ。

<おわり>
219名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 18:46:37 ID:Py5y9WEv
これはいいエロス
220名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 20:41:28 ID:47qbFEsD
フェラーリゴチでした
221名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 20:58:15 ID:ZCqZyABz
これは続くんですよね?
ね?
222名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 23:11:30 ID:sb44JahU
いいエロス!
ゴチっす
223魅×悠 1/4:2009/10/24(土) 17:16:54 ID:Iyp6xpvu
>>218の続編

※魅録が悠理にいたします。

悠理をベッドへ横たえると、魅録はバスローブを脱いでベッドに膝をついた。
「みっ、魅録ちゃん、あっあたい、物足りないとか不満とか何にもないんだけど?!」
魅録を見上げ悠理は訴える。
「ま、遠慮なんかするなよ。お礼は弾むぜ。二倍返しなんてケチなこと言わないで三倍ぐらいドーンとするからさ」
アルコールが強い悠理とはいえ、立て続けにワインを煽って頭が朦朧としてきている。
手は後ろで縛られたままで、足は自由だが蹴り出す瞬発力が働かない。
「でっ、電気、消してくんない?あたい、いつもみたいがいいんだけど」
「じゃあさ、悠理。さっきの俺みたいに目隠しするか?いつもみたいに真っ暗になるぜ」
悠理の返事を待たず、解いた悠理のバスローブの腰紐で自分がされたように目隠しをする。
本格的に酔いが回ってきたのか、抵抗はない。

何かこれ、そそるな。

目隠しをされ、手を後ろで縛られ、乱れたバスローブからは白い肌が見えている。
ワインのせいか首や胸元は薄っすら赤味がさし、手が後ろで縛られているせいで胸を突き出したような状態だ。
こんな風に明るさの下で悠理の裸体を見た覚えがない。
「ね…ねぇ、せめて手首縛ってるの解いてよ…?ちょっと、痛いんだけど…」
手首の結び目を背中の横にずらしてはいるものの、確かに不自然な格好で窮屈そうだ。
「お前を味わったら解いてやるよ。それまで暫くの辛抱な」
「みっ!?」
「俺もお前をじっくり舐めまわしたいんだよ。お前ばっかりズルイじゃん」
そう言うと、悠理の脚を広げて両手でしっかりと腿を押さえ込んだ。
いつも口付けをしながら下に降りていくと、悠理の手でガッチリ頭を捕まれてしまうのだ。
どうにも恥ずかしいからと、口での愛撫拒否。
無理強いはしたくないので指で愛撫をするわけだか、魅録は少々不満がたまっていた。
あらゆることをして悠理を愛したかったし、どんな風に乱れていくのかも見てみたかった。


224魅×悠 2/4:2009/10/24(土) 17:17:30 ID:Iyp6xpvu
悠理から俺をしゃぶったんだ。
あんな恍惚とした顔で夢中になって。
それって同じようにして欲しいってことじゃないのか?

朦朧としつつも悠理は慌てていた。
自分の不安を解消するためにした行為が、まさか魅録に火をつけたなどとは露ほども思っていない。
腰をひねって逃れようとするが、押さえつけている魅録の力にはかなわない。
力を入れようにも力が入らない。
だが、先ほど魅録への行為に夢中になり、自分の気分が高揚しているのは感じていた。
魅録の顔が近づくのに、羞恥だけでない気持ちも沸き起こっていた。

悠理の中心が光っている。
さっき息が上がっていたようだが、悠理も昂ぶっていたのだろう。
すでに潤んでいるようだ。
魅録は迷わず中心に口づける。
悠理が息を飲み身体を強張らせた。

女の味、だな。

ぬめりを舐め取るように舌を下から上へ動かす。
割れ目をなぞるように舌を動かすたび、悠理がビクッとして身をよじらせる。
その悩ましい反応がたまらなくて、何度も何度も舐め舌ですくい、思う存分味わう。
後から後から溢れて、感じているそこは魅録を喜ばせた。

「み、ろく、イ…ヤだって」
悠理が息も絶え絶えに言うが、魅録は舌にコロコロとしたものを感じた。
イヤ、じゃねぇだろ。
そこへの舌の動きを続け、転がしては吸う。
また潤みが溢れて、舐めるたびにピチャピチャと水音がする。

素直になれよ、ここみたいにさ。
225魅×悠 3/4:2009/10/24(土) 17:18:15 ID:Iyp6xpvu
悠理の息が甘くなる。
悩ましげな声を上げる。

もっと聞きたい。
もっと乱れさせたい。

悠理は、指とは全然違う刺激に息が止まりそうだった。
ぬるりとした感触…生温かい魅録の舌。
全神経がそこに集中しているかのようで、魅録の吐息までもが感じられた。
魅録の舌の動きは執拗で、唇を噛み締めても声が漏れそうになってしまう。
聞こえてくる水音に恥ずかしさが増すのに、声が抑えきれない。
「いゃぁっ、んんっ…」
身体を仰け反らすと魅録に突き出しねだっているようだ。
熱いのはワインのせいか、魅録の行為にのぼせているのか。
身体の奥に、痺れるような疼きが涌いてくる。
無意識のうちに自分でさらに脚を広げ、快楽に夢中になっていた。

もっと...悠理がもどかしそうに腰を揺らしたとき、魅録は長い指を差し入れた。
「あっ」悠理が吐息をもらす。
差し入れた指で中を探ると、いつもより断然感じているのが分かる。
ねっとり絡みつくようで、ゆっくり擦るように前後に動かす。
感じる部分を刺激し、掻き回すとぬめりが増してくる。
「ん…あっ…」
口を僅かに開け、指の動きにうっとりしているようだ。
自分の指が出入りする様を見るのも、何ともいやらしい。

腿の付け根や、流れた跡を辿って周辺を舐める。
指を浅く入れたまま動かさずにいると、焦れたように悠理が腰を動かす。
悠理から欲する様が艶かしい。
再び淫らな抜き差しを繰り返しつつ、敏感な箇所を舌先で舐める。
欲しかった刺激とザラっとした舌を感じ、悠理は思わず長く息を吐いた。
指を2本に増やすと、悠理の声が高くなる。
226魅×悠 4/4:2009/10/24(土) 17:19:18 ID:Iyp6xpvu
魅録は出し入れする指のスピードを早めた。
奥で動かされると昂ぶりが強くなり快感に身悶える。
「あぁ...だめ、あっ!...ああぁっ!」
悠理は腰を弾ませて達し、そこはひくひくと痙攣して魅録の指を締め付けた。
呼吸は荒く胸を上下させている。

「これでオアイコな」
悠理の手首を縛っていた腰紐を解き、目隠しを取る。
ぐったりして虚ろな目で魅録を見上げる悠理が欲しがっている。
引っかかっている程度のバスローブからは、ツンとした胸が見えている。
魅録は悠理の頬に手を添えると余裕の笑みで問う。
「で、どうやって挿れて欲しいんだ?」
反り返った魅録から目が離せない。

<おわり>
227名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 20:21:30 ID:Lsi6Npso

228名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 23:29:38 ID:6tyth6mw
魅録攻め編GJです!
悠理も色っぽいけど、やっぱり攻めてる魅録、カコイイ!
楽しませて頂きました。

229名無しさん@ピンキー:2009/10/24(土) 23:43:20 ID:kd508ScA
エロい魅録いいねw
230名無しさん@ピンキー:2009/10/25(日) 19:34:54 ID:/vJdIxNg
悠理が答えられないようなので、代わりに答えましょう

駅弁で!!


……冗談です。ご馳走様でした
231魅×悠 1/4:2009/10/27(火) 00:32:05 ID:jtkLvoeU
続々編
※悠理が魅録にのります。

悠理の目は欲しがっているようだが身動きしない。
「ん?そら、どーした、悠理。力はいんねーのか?」
魅録は悠理の横に添い寝すると、抱き寄せてバスローブを脱がした。
まだ少しボーっとしている悠理を胸に抱き締める。
今すぐコトにいたりたいところだが、もう少しぐらいなら辛抱できる。
「今度、69とかやろうな」
「?」
「お前、雑誌でお勉強したんじゃなかったのかよ?」
お前が俺をしゃぶって、俺がお前を舐めるんだよ、俺の顔の上に跨って・・・、という説明を聞くや悠理は意識がハッキリした。
「恥ずかしいってー!もー、そーゆーこと平気で言うなよなー、魅録はー!!」
・・・・・・あれだけなことを夢中でし、されていた割には、まだ恥ずかしいなどという。
魅録の腕の中でもがいているので、常態に戻ってきた悠理の様子に、魅録は自分を握らせる。
堅く反り返ったそれに、悠理はおとなしくなった。
「どうやって挿れて欲しいんだ?悠理の好きでいいぜ?」
耳元で囁くと悠理は茹蛸のように真っ赤になり、慌てて魅録を離すと、そんなこと言えるか!と目で訴えてきた。

何だかなぁもう…せっかく悠理の好きにしてやろうと思ったのに。

さっきは目隠しをさせていたものの、口を半開きにして喘いでいた顔はいやらしく、自分から腰を揺すって欲しがったのは、たまらなく淫らだった。
あんなふうに自分からねだったことは今までない。
今度は自分で悠理を悦ばすのだから、乱れていく姿は想像するだけでも興奮する。
せっかく明るいのだから、ずっと見ていたい。
となれば。

魅録は悠理の腰を掴むと自分の上に跨がらせてみる。
「わっ、わ、何だよ、魅録?」
232魅×悠 2/4:2009/10/27(火) 00:32:52 ID:jtkLvoeU
「俺に乗って。悠理、何かエクササイズやってたよな、腰回すの。あれと一緒だよ」笑って促す。
「いっ、嫌だよ!こんな格好。魅録、おろして!おろせって!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もう喋らせねぇ。

悠理を指でなぞる。
「ん…」腰を引き僅かに声をあげる。
魅録は悠理の腰を逃がさず、指を入れて具合を確かめる。
すんなりと指は付け根まで入り、ゆっくりこね回していく。
「あっ、あっぁ...」
先ほどの魅録の激しい指の動きが思い出された。
長い節だった指が擦るように出入りして、2本に増やされてかき回されるとたまらなく気持ち良かった。
悠理の身体は快感が欲しくて疼いてくるのに、魅録は指を抜いてしまう。
濡れてぬるぬるする指で堅くなったところを滑らすように弄ると、悠理はビクンと背を反らす。

ここ、弱いよな。

魅録は焦れてきている悠理の顔を、指で撫でながら見上げる。
「うぅん….はっ、あぁ…」
喉をそらせ、甘い声が漏れ続ける。
もっと強い刺激が欲しいらしく、悠理が卑猥な腰使いをして指に押し付けてくる。
「悠理、これが欲しいんだろ?」
魅録が悠理に反り返ったものを握らせると、悠理は期待に自分から握り直した。
「ん?挿れたいか?」
悠理は蒸気した顔でうなずいた。
指よりも強い快感が、魅録が欲しくてたまらない。
「悠理が挿れて」少し甘えるような魅録に素直に従う。
悠理は少し腰を浮かせて、自分で魅録を手に取り探ってあてがう。
魅録は先端が潤みを感じ、少し繋がっているのが見えた。
悠理が少しずつ腰を落としていく。
ゆっくりと悠理を広げながら魅録は奥まで入り込む。
魅録はきつさを感じながら、自分が悠理に入っていくのをジッと見ていた。
233魅×悠 3/4:2009/10/27(火) 00:33:31 ID:jtkLvoeU
いやらしくて興奮する。
悠理の密着する締め付けがたまらず、悠理の中でグッと反り返った。

うぅ、悠理、きっつ。

「ぅん…ふっ」悠理は魅録が全部入ると背をしならせた。
目を閉じて眉根を寄せ、大きく息を吐くと指とは違う感触を味わう。
魅録の大きさに広がって、いっぱいに入っている圧迫感がたまらない。

「悠理、動いて」
魅録は悠理の腰を掴んで、回すように動かした。
快感がゾクゾクと悠理の背中を這い上がってくる。
恥ずかしいながらも、初めての動きにはまっていく。
切なそうに顔を歪め、悠理は感じるところに自分で腰を擦り付ける。
そんな風に悠理が欲しがる光景から魅録は目が離せない。
悠理は身体を揺らすように動かし、感じると背を反らし胸を突っ張る。
「こ…んなの、あぁ…魅録」
魅録は手を伸ばし、立っている胸の先端を指の間で挟んで転がし、全体を回すように愛撫する。
悠理の悩ましい表情、絶え間なく漏れてくる声、上り詰めていくのが分かる。
繋がったところは潤みが溢れ、腰を上下させると悠理にまみれた自分が見える。
悠理の表情を確かめながら、急速に高まった魅録は腰を突き上げ始めた。
「・・・あぁぁ・・・、み、ろく・・。そんな、んぁ・・」
うわずった声を上げ、悠理の身体が緊張する。
悠理が魅録を締め付けて果てそうな快感が襲い、魅録からうめくような声が漏れた。
腰の動きを激しくして刺激すると、悠理は身体をくねらせ頭を振って悶えている。
魅録の腰の動きに合わせて悠理も自分の腰を動かし、もっと激しくとせがむ。
そろそろ二人とも近い。
234魅×悠 4/4:2009/10/27(火) 00:34:23 ID:jtkLvoeU
悠理が魅録に絡みつき締め付け、魅録は抑えがきかなくなった。もう止まらない。
腰に添える手に力がこもり、魅録の息遣いも激しくなっていく。
「み、ろく、も…駄目」
魅録の動きに翻弄され、快感が寄せてきて悠理が限界を伝える。
「はっ…あ…おっ、俺も」
切羽詰った魅録の声がして、魅録が腰を回し激しく突き上げたとき、悠理がひときわ高い声上げて身体を震わせ、魅録も自分を解き放った。

「魅録...喉が渇いた」
けだるそうに横になったまま悠理が喉の渇きを訴えるので、魅録はワインを取りに行った。
「あーっ、おい!悠理!!ワイン残ってんの、これだけか?!まったく、どんだけ飲んだんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・誰のせいだと思ってんだよ」
苦味でも思い出したのか、不機嫌そうに悠理が言うのが聞こえてくる。

そうだった。
あぁ、あれはお前が加減ってものを知らないから、とか言っても分かんねーよな。

「・・・じゃぁ悠理、お詫びするぜ。次はどうしたい?」

勢いよく枕が飛んできた。

<おわり>
235名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 01:46:50 ID:afyq6NaM

。 。
/ /
( Д )

236名無しさん@ピンキー:2009/10/27(火) 07:01:00 ID:el20/wiC
ゴチ!
237名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 09:43:54 ID:RHchJSYB
魅録にもっといろいろチャレンジしてほしいですw
乙でした!
238名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 22:47:31 ID:HykglAtn
魅録すてき。ワイルドに攻められたい。でも相手替えても魅録なのかな?野梨子ならどうなる?説教されるかな?
239名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 23:20:18 ID:pnYntKP8
魅野厨うざい
240名無しさん@ピンキー:2009/10/31(土) 18:13:21 ID:MD1jme+1
あーあ。でも私も「相手変えても魅録なのかな」の意味わからんとは思ったけど

喧嘩すんな、つっかかんな
241名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 21:56:58 ID:+ANclg1o
遅レスだが、駅弁なら清野だろう。体格差あるし、清四郎なら
ひょいっと抱き上げられそう
242名無しさん@ピンキー:2009/11/02(月) 23:31:04 ID:hOgxXE9n
和姦ならアクロバティックだから悠理のが似合う気がする。
強姦だったら、野梨子かな?可憐もいいかも。
243名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 23:26:56 ID:RpqyQWtj
保守
244名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 12:40:04 ID:RTp1J/I3
保守
245名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 10:03:16 ID:z3GSjPXK
魅×悠 1/5

金曜日の土砂降りの夜。
こういう夜、魅録は趣味の機械いじりをしたり、無線をやったり、PCに向かっていたりして時間を過ごす。
完全なるアウトドア派というわけでもなく、部屋にこもって1人で過ごす時間も楽しんでいるのだ。

魅録が風呂を済ませて部屋に戻ると、悠理がベッドに転がってマンガを読んでいた。
「何だ?来てたのか?」
「うん、雨だし。こんな土砂降りじゃ、さすがに出歩こうとは思わないよ」

まったく、ここまで来るのは出歩くうちにははいらねぇのかよ。
ま、どうせ車で送らせたんだろうけど。

調子が悪いのか、無線から雑音が入ってくるのが聞こえる。
様子を見ようとそちらに行こうとしたところ、悠理が首に腕を絡めてきた。

音も立てずに猫みたいなヤツだな。
「ちょっと離して、悠理。無線の調子がおかしいみてぇだ。これ入ってんのか?馬鹿になってんのか?」
魅録に言われるが、無視して悠理は魅録に口付ける。

お前から積極的なんて、珍しいことがあるもんだな。
あのツーリングから目覚めちゃったとか?それなら嬉しいけどよ。
で・も、ちょっと待てって、無線どうなってんだか、おかしいぞ、ほんと。

悠理が絡ませてくる舌に応えたいものの、無線の調子が気になって仕方がない。
張り付いている悠理を力を入れて引き剥がすのに、また腕を伸ばして張り付いてくる。
「だーかーらー、ちょっと待ってろって!悠理、無線の調子をみたら、すぐに相手してやっから!」
「魅録…この前の『お詫び』…まだだろ」
耳に口を寄せて、魅録の耳たぶを甘噛みしてくる。

あん時は思いっきり枕を投げつけてきたくせに…なに、お詫びして欲しいの?
246名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 10:03:56 ID:z3GSjPXK
魅×悠 2/5

あれから学校とかバタバタしてて、色っぽいこと、エッチなこと〜?…なかなか時間作れなくて、できなかったか。
・・・・・・こんなキスも、久しぶりだな。

悠理の腰に手を回し魅録から唇を寄せ舌を入れると、悠理が夢中で吸って応える。
手のひらを服の下に滑り込ませていやらしく身体を撫で回すと、悠理が身をよじった。
細くて少年のように見える肢体は触ると柔らかく、肌はスベスベして気持ちがいい。
薄っぺらいと身体だと悠理は気にするが、そうは言っても小ぶりな胸はちゃんとある。
Tシャツとブラジャーを一緒に捲り上げ、出てきた先端を指先で弄り、もう片方は口に含んで吸うと、悠理は背を反らす。
何より悠理の身体は感じやすくて、その反応に夢中になってしまうのだ。
胸の先端を舐めたり吸ったりしながら、スカートの中に手を入れ下着の上のから触ってみると随分と滲みているのが分かった。
訝しげにショーツの中に指をしのばせると、表面はズルズルになっていて指は溝を滑る。

これは・・・お前

ククッとほくそ笑んで楽しそうに言う。
「悠理、濡れてんだけど?すごいビチョビチョ。今のだけで感じたんじゃないよな、これ」
言いながら指の動きを続け、割れ目に指を沿わすと溢れてくる。
ショーツがまどろっこしくて脱がした。
「な、お前、俺を待ってる間、何してたの?じゃなきゃ、こんなになってないよな」
悠理はされるがまま、でも答えない。
「どんな風にしてたんだ?ここも…お前の好きなとこ、こんな風に弄って待ってたのか?」
指の腹で尖がりを刺激する。
「ん?悠理、どうなんだ?待ちきれなくて…指も入れてた?」
「・・・んぅ、してない、自分でなんてしてないよ。   この前の…ちょっと思い出しただけだよ」
「ほんとかよ?本当に思い出しただけで、こんなになっちゃったのか?」
割れ目を押し開いて指を入れてみるが、確かに中はほぐれた感触がない。
「あ・・・」悠理からは期待を含む声。
わざと粘るような水音を立ててみる。
「魅録、立ってられない…」
247名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 10:04:45 ID:z3GSjPXK
魅×悠 3/5

魅録は中途半端に残っている悠理の服を全部脱がすと、自分も裸になり悠理を抱えてベッドに乗った。
悠理を後ろ向きに抱きかかえると脚を大きく広げさせる。
悠理の腰に魅録が当たるが、すぐには与えてくれそうにない。
魅録は悠理の太腿を撫で回しながら、後ろから首筋に吸い付き舐め始めた。
「魅録…触って」
「どこに?   どう触って欲しいか言って」意地悪く言って、胸を弄り先端をつまむ。
「魅録...焦ら、すなよ…」
悠理は胸を弄っている魅録の手を掴むと、自分にあてた。
魅録の指に自分の指を添えて、自分が気持ちいいように魅録の指を動かして自分を弄る。
魅録の顔が見えないせいか、恥ずかしさよりも行為に夢中になれるようだった。
気持ち良さそうな吐息を漏らすと、魅録の指を行ったり来たり動かし続け、自分の疼きを満たすように、ぬるぬると滑らす。
魅録の指も魅録の指を持つ悠理の指までも濡れ、悠理が自分で欲しい刺激を与え続けるので、そこは溢れて止まらない。
クチュクチュとぬめる音が絶え間なく聞こえ、魅録はニヤケてしまう。

何だか今日の悠理は、いやらしくてたまんねぇ。
こんな悠理にしちゃったのって、俺?
だよなぁ〜。
俺と悠理が、こ〜んなスケベなことしてるなんて、だぁ〜れも想像できねぇだろうけど。

「悠理、こんなにぬるぬるにしちゃって」魅録は濡れている悠理の指と自分の指を口に持っていき舐める。
「ここもきれいに舐めてやろうか?ん?」
悠理は指を舐める魅録の舌に、舐められたときの感触が思い出された。
指よりも優しいのに刺激は強烈で、頑なに拒んでいた愛撫だったのに、舐められたら余りの快感に我を忘れて悶えてしまった。
「この前、気持ちよかったろ?ここ舐められて。お前、腰振ってくるから、俺も煽られちまったよ」
魅録は舐めたくてたまらない。
腰を振って悦ぶ悠理が見たくて仕方がないのだ。
248名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 10:05:30 ID:z3GSjPXK
魅×悠 4/5

もう悠理がイヤだなどと言ったところで気に留める必要はなく、魅録は悠理の返事を待たずにうつ伏せにすると、腰を自分の顔の前に持ち上げた。
下半身を魅録に差し出すようで、全てが丸見えの体勢にカッとなったが、これから施されることに身体がゾワゾワする。
悠理が魅録を欲しがっているのは一目瞭然だが、濡れているそこを味わってから繋がりたい。
舌先でなぞり、舐めては尖がりに口付け吸う。
魅録は奥に舌を入れると、粘膜のとろりとした感触を味わう。
悠理の呼吸は乱れせわしなく、「もっと」という声がかすれて聞こえる。
指も入れて責めたいところだが、悠理を味わっている魅録の先端は光って、そろそろ我慢できそうにない。

悠理の細い腰をかかえて、一気に腰を押し付けた。
「ひっ…ん…」
指でほぐしていなかった分、めり込むような感覚がする。
悠理の腰をしっかり掴まえて奥の奥まで貫くと、ゆっくりと抜き出し、また深く挿し入れ、それを繰り返す。
「んんっ・・・魅録…あっ、ん、奥まで、奥に…」
待ち望んでいた魅録を与えられ、息も絶え絶えに悠理が甘い声を出す。
奥までぐっと魅録が入り込み、当たる場所に擦れる感じ、痺れる感じもたまらない。
悠理は感じるたびに魅録を締め付けてくる。
そんな悠理の中は柔らかく、十分過ぎるほど溢れて濡れて気持ちがいい。
快感が強まっていき、魅録は徐々に腰を打ち付けるスピードを速めていった。

腰を前後し、悠理の中心に濡れた自分が出たり入ったりするのを見る。
悠理が魅録を咥え込んで淫らに腰を動かす様子に、視覚的に興奮が高まっていく。
もう繋がったところも、お互いの腿もグチャグチャだ。

悠理の顔が見えないけれど、乱れた息使いや、自分から腰を押し付けてくる様子からも、快感が強まってきているのが分かる。
顔が見られていない分、悠理は思うままに声を上げ魅録の動きに背をしならせ悦んでいる。
「あぅ…ん。魅録…もっと」
とてつもなく甘い声をあげ、悩ましく腰を振って魅録を挑発するかのようだ。
249名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 10:06:09 ID:z3GSjPXK
魅×悠 5/5

魅録は腰を回したり動きを激しくし、ぐいぐいと奥深くまで当たっては擦る快感に悠理の喘ぎ声が大きくなる。
「魅録、み、ろく…も、もう…あぁっ、うっ!」
悠理は魅録に絡みついて痙攣し、何度もきつい伸縮をして魅録に吸い付いつき達した。
「ゆっ、うりっ。くっ・・・」
魅録からもうめくような声が漏れ、瞬間、魅録は解き放ち悠理の背中に倒れこんだ。


息も落ち着ついてきた頃、悠理がいつもの調子で話しかけてきた。
「・・・魅録って、すっげースケベなんだな。女に興味なさそうにしてたくせに」
「興味ないのは悠理以外の女だろ。ま、我慢するなよ。欲しくなったらいつでも言ってくれ」
「・・・いつでもって、人を何だと思ってんだ!あたいは発情した猫じゃないっ」

今日のお前は、まさに発情した猫だろーが、まったく。

いつでもはいつでも、だ・・・・・・学校だって俺はオッケーだぜ。
だとした場合、場所はあそこか…やるとしたら下だけ脱がして、か?

魅録のいやらしい妄想を悠理が遮った。

「ね、ところで魅録、この無線どうなってんの?」
無線の調子が悪いまま、魅録は悠理とのコトに夢中になって…そのままに。
「あ?無線?どうって、え゛?あ、忘れてた…」
・・・・・・・・・・・・・・・これ、入ってたってこと、ねぇよな…。

<終わり>

※無線のことは分かっていなくて使いました。勝手にON/OFFするのか、おかしな点はスミマセン。
250名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 16:14:04 ID:B7irNENH
!
251名無しさん@ピンキー:2009/12/03(木) 20:22:00 ID:u85dbrgt
>>249
規制のなか投下ありがとう!
焦らしプレイモエス(*´∀`)
252名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 22:58:17 ID:CIEQb9eF
魅×悠 1/4 かなり馬鹿っぽいです。
「魅録さん、風呂、お先でしたー」
「おぉっ!暗くなってきたし、俺らも入ってくるわ。行くぞ、悠理」
「やったー♪露天風呂〜!」

久々に大所帯でツーリングにやってきた。
最近はヤローだけの泊まりのツーリングに、悠理は連れて行かない。
俺が楽しそうに出かける様子に、悠理の機嫌があまりにも悪くなって、今回は渋々連れてきたのだ。

月明かりが頼りの小道を下っていくと、温泉の匂いがする。
「民宿から歩ける近くに露天風呂があるなんて最高だね~!」
「あぁ。寒いから早く入ろうぜ」
バサバサと服を脱ぐと早速露天風呂に入る。
「うぅぅー!いい湯だなぁ。こじんまりとしている露天風呂だけど最高だなー」
「魅録は最近のツーリングで露天風呂三昧だったんだろ?!」
拗ねる悠理を引き寄せ、膝の上に横抱きにする。
「仕方ないだろ、ヤローだけだったんだから。お前も一緒に雑魚寝ってわけにいかないだろーが」
「前は雑魚寝だったろ!今更気にすんなよ!」
今だから気にするんだよ、アホ。
悠理は気づいていないが、仲間の中には悠理を眩しそうに見る奴とか、熱い視線で見ている奴とか、おい!悠理のどこ見てんだっ!って奴が、実は結構いる。
剣菱のお嬢様で俺のダチ、本人の腕っ節の強さは並じゃないから、手を出そうなんて勇気はないようだが、「今」となっては俺が気になるんだ。
そんな奴らの横で雑魚寝なんてさせられるか!
「みんな、あたいのことなんか女だと思ってないんだから気にすることないじゃん」
「・・・そうでもないぞ。お前が飲んで回そうとしたペットボトル、争奪戦の様相だったろーが」
「ペットボトル…子供じゃないんだからさぁ…魅録の気にしすぎだろ」
俺の気も知らずに、湯をチャプチャプさせながら呆れたように返してくる。
「見えるところに印でもつけておきたいぜ」
「ばっ!こんなところで変なことすんなよ!」
「するかアホ。衛生上よくなさそうだし。俺だって自制心はあるぞ」
ちょっとキスマークでもつけてやろうかと思っただけだろーが。
横抱きにしている悠理の肌は、湯のせいかスルスルして気持ちいい。
・・・野外でエッチ。
253名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 22:58:56 ID:CIEQb9eF
魅×悠 2/4
悠理はどんな反応をするんだろうか。
自制心はあるが好奇心も探究心も持ち合わせているんだ。俺は。
「魅録...変なことすんなって」
「ん?」
触るぐらいいいだろ。悠理、膝の上から逃げないし。暗いから自分の手と指の感触に集中する。
よし。左手が上で右手が下で、お楽しみはこれからで…
「魅録さーんっ!悠理−!酒の準備ができましたから、そろそろ上がってくださいよー!!」
「「わっ!なっ!!」」
「ぶっ!悪いことはできないね〜、魅録ちゃーん♪キャハハハ」
「なっ、何が悪いことだよ、お前だって期待してたんじゃねーの?」
まったくさー、邪魔すんなよな~っ!!誰だ、呼びに来た奴っ!!気ぃ利かせろっ!!!
「ね、あたい達のこと、みんな知ってんの?」
「いや、はっきりとは。何となくってぐらいかな」
「でもさぁ、一緒に風呂に来てるんだし」
「暗いし、離れて入ってると思ってんじゃねーの?世には混浴風呂だってあるんだからよ」
「そっか。じゃ、飲んでるときも普通でいいな」
いや…気にしろ。俺から離れるな。とは、人間小せぇみたいで言えねぇか。

結局、酒の席では、あっちこっち動き回るご機嫌の悠理から目を放さず、眼光鋭く睨みを利かせ、飲んでいるのに全く酔わない緊張感を持ってお開きとなった。
お開きとなったところで…雑魚寝が待っている。

「コイツ寝相悪いから壁側で。転がって周り蹴飛ばさないように俺が隣で止めるからさ」
我ながら卒の無い言い様だったが、僅かに微妙な空気が流れていたのは否めない。
「あたいの寝相なんて、みんな慣れっこだよー」
なんて呑気に言う悠理の首根っこを捕まえて布団に放り込む。
既に酔いが回って寝ている奴もチラホラいるので、すぐに消灯になった。

すぐに寝るかと思った悠理が小声で話しかけてきた。
「ね、ね、魅録、あたい達が何かするとでも思ってんのかな?」
「あ?」
「だって、何だかやけに静かっていうか。聞き耳立ててるっていうか」
そう言われれば何となく。
254名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 22:59:27 ID:CIEQb9eF
魅×悠 3/4
もしかして…俺が悠理を端にしたのは、イヤラシイことでもするんじゃないかと思われちゃったりしているのか?
いやいやいやいや、俺は悠理が他のヤローの隣で寝るのを避けたかっただけで。
さすがにここでイヤラシイことは…っと、悠理が抱きついてきた。
「ほら。ゴソゴソすると、空気がさ」
確かに。これは奴ら、期待してるな。
「面白いから、ちょっと期待に応えてあげようよ」
えっ?!ゆっ悠理?お前、悪乗りするほど飲んでたか?…まっ、まぁ、悠理がそういうなら、お言葉に甘えてっていうか、ちょっとぐらいなら、奴らへのサービスってことで?!
悠理のスウェットの下に手を入れて、露天風呂で触り損ねた上のほうへ…
「ドカッ!」
「いっ!」
「本当に触るなよ!馬鹿!」
「期待に応えようって言ったの悠理だろ?!弁慶、蹴るなよ。痛ってぇ〜」
・・・お?気配をビンビンに感じる。
息も潜めてるんじゃねぇ?絶対に奴ら起きてるし、酔って寝ていると思ってた奴らも狸だったんだな。
「悠理、期待に応えるなら、感じてる甘〜い声で女だって思い知らせてやれよ」
「なっ、何わけ分かんないこと言ってんだよっ!」
「ちょっとだけだから。おとなしくしてろ。お触りだけな。残念だけど、ここでは挿れてやんないよ」
「あっ、当たり前だ!スケベ!」
こんだけ静かなんだ。暗くて見えねぇから、悠理の息を乱すだけで奴らは十分満足だろ。
悠理の腰をがっしりと捕まえ、乳房を手で覆って回すように愛撫すると、すぐに先端が堅くなってきた。
しゃぶりたい…しゃぶって咥えて…あぁ、ここじゃぁ、さすがにお触りだけだよな…止まんなくなるもんな。
指の先で強めに摘み刺激すると悠理が上半身をひねる。
奴ら、何してるんだかって想像してるだろ。
早いとこ期待に応えて…
時間をかけるのもまどろっこしいので、下着の中に手を入れる。
「みっ!そこは駄目だっ!」
さすがに…まだ濡れてないよな。
「奴ら、息を殺して様子を伺ってるぜ。なぁ指ぐらい入れてもいいだろ?」
「ばっ!」
「1本にしとくからさ」
255名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 22:59:55 ID:CIEQb9eF
魅×悠 4/4
割れ目を指でなぞり、悠理の中に少しだけ指を入れ、ほぐすようにゆるゆる動かすと潤んできたのを感じた。
あぁ、舐めたい。時間をかけて丹念にヒダを舐め回し、コリコリとする突起に吸い付いて味わいたい、柔らかい中に舌を入れたい。
溢れてくるのをすすって…畜生っ!…こんな半端じゃ我慢できなくなる。
「み、ろく」
やべぇ、妄想してたら、ついつい入れた指の動きが激しくなって、こね回しちまった。
慌てて指を抜こうとすると、悠理が腰を動かして指を根元まで入れようとする。
「悠理、駄目だって。これ以上は」なに俺の方が焦ってんだ。
すると、悠理が俺を直に握ってきやがった。
「うっ」マジかよ…ここじゃ最後までいかせられないんだって。
弄るな悠理っ!俺を引っ張り出すな!スウェット下ろすなよっ!あっ、お前、俺をどこに当てて...ぬるっと、ぬるっとしたぞ、そこ、そこは…そこかぁっ?!
ゆっ悠理、頼むからお前を俺に塗りつけるな…余裕が…ねぇぞ。
悠理でぬるぬるになった俺を悠理が手を滑らして弄る。
「魅録こそホモ疑惑を晴らしたほうがいいんじゃないの?」
「ばっ、俺、我慢できなくなるぞ」
「いいよ。そしたら中で」
普通は逆だろうが...確かにここで外にってわけにはいかないけどよ。
こいつ、焦ってる俺を絶対に面白がってる...
うっ、おっ、また悠理が俺に熱いぬるぬるをまぶす。
これも想像するといやらしいよなぁ…だって悠理が俺を割れ目に擦り付けて…欲しい欲しいって濡らしてるんだろ。
挿れてぇ…そこだろ、その、ぬかるんでるそこ。
おっと、また妄想を始めたら悠理の手の動きが早くなってきていた。
狸寝入りのギャラリー+妄想で、情けないけど俺、もうイキそう…
自分で仕掛けたのに馬鹿みてぇ、ド壷にはまってる。
そろそろか、「ゆっ、悠理」腰を掴んで目がけて挿れる。
うっ、キッツ、うっ。
1回、2回、奥に突いたところで、あっけなく俺はイッちまった。
繋がったまま、物足りないだろう悠理が唇を寄せてきた。
「魅録ちゃんの甘〜い声に、みんな撃沈じゃない?」
はぁ~もう脱力。
なんか、俺と一緒にイッタ奴がいたような気配がしたんだけど。
それは気のせいか???
<終わり>
256名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 18:49:08 ID:PHHdRcZz
乙です!
このシチュエーションにドキドキしました☆
257名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 21:00:17 ID:CGYoy3hH
可愛い!!
魅悠って想像つかなかったんですがいいですね。
エロ魅録が可愛いし、リードする悠理が新鮮でした。
258名無しさん@ピンキー:2009/12/09(水) 09:58:05 ID:LzTTgFlD
やっと書き込める。
攻めの魅録もいいけど、悠理に翻弄される魅録が可愛かったです。
でも早すぎだよ魅録ちゃんw
259名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 00:39:49 ID:KkkA/Iw3
保守。乱交倶楽部は嵐さんとこにはUPされていませんが何故ですかね?
260名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 18:34:47 ID:6FZp5ayM
エロパロスレがお嫌いなんじゃなかった?
261名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 23:24:08 ID:nICworM0
だってこのスレはドラマ発で立ったスレだから
古くからある難民の漫画発のスレとは成り立ちが違うじゃない

保管して欲しいなら作者が保管庫に依頼するとかしかないんじゃないの?
読み手はそんなに気に入った作品ならログをローカル保存すりゃいいんだし
262名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 16:27:11 ID:YuFXx/6k
乱交倶楽部懐かしいね。
和姦もいいけど酷い奴のが萌える。
ラブレスで野梨子や悠理がグチャグチャにされちゃうヤツがみたい。
書き手さんは和姦ものが好きな人が多いのかな?
263名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 18:57:42 ID:NGfRhM++
魅可のドエロが読みたい
264名無しさん@ピンキー:2009/12/23(水) 21:46:08 ID:s2pV+CDK
保守
265名無しさん@ピンキー:2009/12/30(水) 16:16:25 ID:2d4GzoeP
保守
266名無しさん@ピンキー:2010/01/07(木) 14:37:31 ID:2NJpHVw7
あけおめ保守
267名無しさん@ピンキー:2010/01/13(水) 14:08:16 ID:eOAHvJdv
保守
268名無しさん@ピンキー:2010/01/16(土) 06:05:07 ID:YVzQMDwc
意味の無い保守はやめませぬか

1.圧縮はスレ数が801になったときに起こる
逆に言えば801にならなければ圧縮は来ないし、レスがなくても圧縮による落ちはない
2.圧縮落ちのボーダーが7日程のときもあった(ラストレスからの日数)
保守してるつもりでも本当に圧縮が来たら現状では時間差で落ちる可能性大
3.保守レスは削除対象となっている

訳も分からずただ保守と書いている人がいるように見えたんで
詳しくは下記スレ参照、本気で圧縮落ちを気にするならチェックした方がいいyo
日報 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1260115014/l50
自治 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1238791725/l50
269名無しさん@ピンキー:2010/01/31(日) 07:50:06 ID:IPy4wZc2
保守
270名無しさん@ピンキー:2010/02/20(土) 00:49:55 ID:ovUFajxd
 ドラマ好きだった
271名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 12:29:24 ID:u87bjom1
ドラマはノリコがツンツンして可愛かった
272名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 17:26:33 ID:9EitQw2Z
漫画の印象強し。
273名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 01:38:22 ID:9nAhsvpb
魅可ハァハァ
274名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 02:07:02 ID:u8SM11Ss
ドラマは衣装のシルエットと色を綺麗にして欲しかった。音楽と衣装だけでも頑張ればよかったのに。
275名無しさん@ピンキー:2010/03/19(金) 10:04:22 ID:PJovpo+8
DMCで美波がライブハウスで歌ってたけど、悠理っぽかった。
ドラマでも歌うシーンがあれば良かったのに。
276名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 14:45:48 ID:yeXT8SGh
ドラマはいらなかった
277名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 20:15:45 ID:N4re6Baq
作品お待ちしてます
278名無しさん@ピンキー:2010/04/02(金) 15:02:36 ID:fPNLIW4H
保守
279名無しさん@ピンキー:2010/04/24(土) 23:42:41 ID:wiiBozOb
保守
280名無しさん@ピンキー:2010/04/27(火) 07:44:16 ID:KC4MQrn3
わざわざ保守とだけ書き込んでる人は何のため?
日本語が分からない2ch初心者?
281名無しさん@ピンキー:2010/05/08(土) 21:53:27 ID:wU/IHjvJ
夏に向けて何か...
282名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 23:06:57 ID:XsHeTNMo
ドラマ版の女性陣はかなり原作イメージに忠実だったのに男が全員微妙だったのは何故だ
283名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 19:40:01 ID:NrXYgdf8
284名無しさん@ピンキー:2010/06/30(水) 16:09:47 ID:Nmb3gTfd
保守
285名無しさん@ピンキー:2010/08/09(月) 20:26:19 ID:jR4Mzyl8
>>282
ジャニの限界
286名無しさん@ピンキー:2010/08/18(水) 16:35:41 ID:qoSu+5K/
久々に漫画を読んだら新鮮だった〜。
287名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 11:53:09 ID:/P1ErPCJ
妄想を語るスレ、落ちちゃったのかな
288名無しさん@ピンキー:2010/10/14(木) 02:16:29 ID:G12bXZwR
>>287
落ちちゃった。ログはまとめサイトにある。
新スレは立たないみたいだね。
289名無しさん@ピンキー:2010/10/16(土) 00:50:25 ID:Z9FieK61
a
290名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 14:29:53 ID:j2TsTl1Z
ごめん。スレたてられないんだけど、妄想スレ、
誰かたててくれないかな。
291名無しさん@ピンキー:2010/11/03(水) 02:59:27 ID:A0KR52vG
>>290
作品投下するの?
するなら立ててもいいよ。
292名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 23:12:46 ID:IDW3xsNK
>>290
妄想スレ、たてました。即死しなきゃ良いのだが。
293名無しさん@ピンキー:2010/11/18(木) 13:58:04 ID:IaDkZ6iV
>292
遅ればせながら乙!
294名無しさん@ピンキー:2011/01/30(日) 23:59:05 ID:zf5pdf3R
いつの間にやら年が明けたね
295名無しさん@ピンキー
てst