【あかほん・濱中】氏家ト全 27時間目【妹・生徒会】

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1名無しさん@ピンキー
新スレ立てました。
2名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 21:46:22 ID:LYLVgqOX
前スレ
【あかほん・濱中】氏家ト全 26時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220494538/
過去スレ
【あかほん・濱中】氏家ト全 25時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210176219/
【あかほん・濱中】氏家ト全 24時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1196308247/
【あかほん・濱中】氏家ト全 23時間目【妹・生徒会】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179570516/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 22時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167016800/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 21時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1158053539/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 20時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153304002/
【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 19時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1150028186/
【濱中アイ】氏家ト全総合 18時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145727127/
【濱中アイ】氏家ト全総合 17時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142255932/
【濱中アイ】氏家ト全総合 16時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1139468699/
【濱中アイ】氏家ト全総合 15時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137258988/
【濱中アイ】氏家ト全総合 14時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1135925974/
【濱中アイ】氏家ト全総合 13時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1134125251/
【濱中アイ】氏家ト全総合 12時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1132404885/

3名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 21:47:18 ID:LYLVgqOX
過去スレ続き
【濱中アイ】氏家ト全総合 11時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1129514442/
【濱中アイ】氏家ト全総合 10時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1127110404/
【濱中アイ】氏家ト全総合 9時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1125079101/
【妹】氏家ト全総合 8時間目【濱中アイ】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1122381257/
【濱中アイ】氏家ト全総合 7時間目【妹は思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1120910446/
【濱中アイ】氏家ト全総合 6時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118937114/
【女子大生】氏家ト全総合 5時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1117279379/
【家庭教師】氏家ト全総合 4時間目【思春期】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114597887/
【カテキョ】氏家ト全総合 3時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1109699736/
【濱中】氏家ト全総合 2時間目【妹】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1106563195/
家 庭 教 師 濱 中 ア イ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1095652398/
4名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 21:47:59 ID:LYLVgqOX
古田氏作のSS保管庫(旧保管庫、更新停止)
ttp://yellow.ribbon.to/~hamanaka
SS保管庫wiki (新保管庫)
ttp://wiki.livedoor.jp/uziietozen/d/FrontPage
5名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 21:48:58 ID:LYLVgqOX
【お願い】
作品の投下は以下のようにしてくれると助かります。
(1).投下します宣言
(2).本編投下
(3).ここまでです宣言

また、作品のタイトルは上記の(1)、(3)のどちらでも良いのですが、
1行独占で書いてくれると助かります。本文に紛れると見落としてしまうことがあるので。
↓こんな感じ
タイトル:「?????」
名前欄はこれまで通り作家さんのコテでよいです。
6名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 21:50:32 ID:LYLVgqOX
【氏家ト全作品】
・女子大生家庭教師濱中アイ(週刊少年マガジン連載、完結。単行本全6巻)
・妹は思春期(週刊ヤングマガジン連載、完結。単行本全10巻)
・アイドルのあかほん(週刊少年マガジン連載、完結。単行本全1巻)
・妹はひまわり組(別冊ヤングマガジン連載、完結。妹は思春期の二巻から収録)

・生徒会役員共(週刊少年マガジン連載中、単行本は現在第1巻まで)
・ハナとプチ(シリウス読み切り)
7名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 00:43:56 ID:b8CcarP3
>>1
8名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 01:07:23 ID:PtWwHPvS
>>1
乙!
9郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:24:22 ID:/MliT6M9
はい、どうも郭です。
では埋め用SSを投下したところでこちらにも。

生徒会SS、カップリングは「タカトシ×ムツミ(+コトミ?)」
NGワードは「若干逆レイプ、但し非シリアス」「ムツミとコトミのキャラが変」「微3P?」ですかね。
では、投下。
10郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:25:03 ID:/MliT6M9
目が覚めたら、両手両足の自由がきかなかった。

「へ?………??これって?」
「起きた?タカ兄?」
「?コトミ?それに三葉?」
「…………」
そして俺の目の前には、妹のコトミと―――なぜか無表情で俺を見つめる同じクラスの、三葉ムツミがいた。
“ぎ、ギシッ”
「?お、おい、コトミ?これってどういう?」
「あ〜〜、ゴメンね、タカ兄。結構キツめに縛っておいたから、ほどけないと思うよ。もしかして、痛い?」
「いや、その、痛くはない………けど」
「……………」
俺たち兄妹が会話している間にも、三葉はずっと無言のままだ。ぶっちゃけ、なんかちょっと怖い。
(ええと…………これって、どういうこと?)
必死で頭の中を整理しようとする俺。
(今日は確か、日曜日だよな?)
そうだ、昨日は確か桜才の学園祭があって、生徒会の仕事やらでとにかく忙しかった俺は、
家に帰ってメシを食べたらすぐにベッドに入って爆睡状態で。
(で、目が覚めたら縛られてた……??なんで?)
「な、なあ?コトミ?それはともかくなんで俺、縛られてるの?」
「ふふふ〜〜〜♪では、ここでクイズです♪なんでタカ兄は縛られてるのでしょうか?
第一ヒントは、ここにいるムツミさんです!」
「?え〜〜と、身に覚えが無いけど俺はコトミに恨まれていて、いつかタコ殴りにしようと思っていたお前が、
三葉に協力を要請して俺を縛った?んで、これからお前に殴られるの?」
「ぶっぶ〜〜」
「?じゃあ、これも理由は分らないけど俺は三葉に恨まれていて、いつかボコろうと思っていた三葉が、
お前に協力を要請して俺を縛った?んで、これから俺、三葉にボコられる?」
「う〜〜〜ん、惜しいような近いような。ね、ムツミさん?」
「………………」
コトミの言葉に―――こくん、と三葉が無言のまま頷いた。
て言うかですね、三葉さん?俺がさっきボコられるとか言った瞬間、
ものすげえ怒ったような表情になったのは、間違いっすよね?間違いって言って下さい。
「じゃあ、その両方?俺はコトミと三葉の両方に恨まれていて、両方から」
「ぶぶ〜〜〜っ。もう、タカ兄ったら、普段からニブいけど、ここまでとはな〜〜。
じゃ、正解をお願いしま〜〜す♪ムツミさん!」
「……………タカトシ君?」
「は、はいいいい!!!」
ようやく三葉が口を開いた。のは、良いんだけど。あのですね、あなたの声、
今まで聞いたことがないくらい凄〜〜〜く怖い声なんですけど。
「昨日、なにがあったか………覚えてる?」
「き、昨日ですか?桜才祭が」
「あったわよね?それで?」
「ええっと、俺は生徒会の仕事が結構ありまして」
「…………それで?」
「それで、なんだかんだで疲れてベンチで居眠りしちゃって。あんまり催し物とか、見てないんだけど」
「…………その、なんだかんだの中に、入っちゃったんだ」
「は、はひ?なんのことでしょう?」
三葉の顔が、思いっきり怒りで歪んだ。やべえ、マジでおしっこ漏しそうなくらい怖い。
「ウチの部の、異種格闘技戦。英稜高校との」
「??あ!!!!」
思い出した。確か途中で三葉に会って、そこで試合を見に来てくれとかなんとか、言われたような。
「…………やっと思い出したみたいね」
「わ、悪かったよ、三葉。でも、それは」
「私が怒ってるのは、それだけじゃないの」
「ほえ??」
11郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:26:26 ID:/MliT6M9
「後夜祭の、フォークダンス」
「?………あ、アレのこと?」
そうだ、昨日は確か居眠りして………そんで目が覚めたら何故か隣に会長がいて。
ギャルゲーかなんかの影響なのか、「私で良ければ相手をしてやろう」とか言って、
後夜祭のフォークダンスを一緒に踊ったんだった。
「………随分、嬉しそうだったわね、シノ会長と」
「アレはさっきも言ったけど、寝過ごして模擬店とか見れなかった俺を可哀想に思った会長が」
「ふ〜〜〜ん、でもタカ兄だけじゃなくて会長さんもすごく嬉しそうだったんでしょ?」
(コトミ!余計なことを言うな!!)
そう妹に目線を送る俺だが、奴はあっさり兄である俺を無視して三葉の方を向いた。
「そうだったのよ。す・ご・く・嬉しそうだったのよ、シノ会長も」
「あ、あのですね、確かに試合を見る約束をすっぽかしたうえ三葉に謝りもせず、
のんびりフォークダンスを踊った俺は悪かったです。それは謝ります。ごめんなさい、三葉さん!
で、でもさ、なんで縛られなきゃいけないの?三葉がチョクに言ってくれれば俺だって」
「…………まだ、分ってないようね」
「分ってないねえ、タカ兄は」
「!!!!」
今日見た中で、一番怖い顔になる三葉。そして、言葉を失う俺。
「ムツミさんが怒ってるのはね、試合を見てくれなかったことだけじゃないんだよ?
ムツミさん、決めてたんだから。試合を見てもらった後、タカ兄をフォークダンスに誘うのを」
「へ?」
「タカトシ君と、踊りたかったの。フォークダンスを。だって、中学生の頃は」
「………中学生の、頃?」
俺と三葉は中学も一緒だったから、そりゃフォークダンスくらい……?あれ?
「無かったでしょ?踊ったこと」
「て言うか、俺らの中学の文化祭ってフォークダンス自体無かったよな?」
こくん、とまた三葉が無言で頷いて。でもその表情は、さっきまでの超怖い顔じゃなくて、なんだか寂しげで。
いや、寂しげなだけじゃない。三葉の目許には、光るものが。
「…………踊りたかったの。タカトシ君と」
「あの、三葉?その、泣くことも……ないんじゃ」
「あのさあ、タカ兄?ほんっとうに、気付いてないの?」
「な、なにが?」
「中学生の頃からずっとね、ムツミさんはタカ兄のこと好きだったんだよ?」
「へ?」
「私は前からムツミさんの気持ちに気付いてたから、応援するから告白しよう、って何度も言ってたけど、
ムツミさん、なかなか勇気が出なかったみたいで。でも、昨日は頑張ってタカ兄を試合に誘って、
そこで勝てたらタカ兄をフォークダンスに誘って告白する、って決めてたのに」
「…………ごめん………ごめんね、コトミちゃん」
「ムツミさんが謝ることなんか、ないんだから!ウチの馬鹿タカ兄が全部悪いの!」
「あのなあ、コトミ、そんなこと言われても」
なんとか弁解しようとしたけど、今度はコトミに思いっきり睨まれてそれ以上なにも言えなくなってしまう俺。
そういやコトミと三葉って昔から仲が良かったし、時々一緒に遊んでたみたいだったけど………
だからってふたりでそんな話をしてたなんて、マジで全然、思ってもみなかったし。
「本当に悪かったよ、三葉。で、縛ったのは………やっぱり、その復讐でボコるために」
「あ、それは」
「違うの」
泣いていた三葉と、それを慰めていたコトミのふたりは、息もピッタリに俺の問いを否定した。
「?じゃ、なんで?」
「私がね、タカ兄のニブチンぶりはもう病気だから」
「それで、もうこうなったら強硬手段しかないってコトミちゃんが言うから」
「そそ。それで、こうなったわけ」
「??強硬手段って」
「ま、だからそんな訳で。ハイ、どうぞッ♪ムツミさん♪」
「う、ウン。じゃあ………」
「へ?わ!わわわ、ちょ、ちょっと三葉?」
12郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:27:52 ID:/MliT6M9
いきなり、さすさす、と三葉が俺の股間に触れてきて。
「えっと、こ、こんな感じで良いんだよね?コトミちゃん」
「う〜〜ん、もうちょっとエッチな感じで触ってあげた方が良くない?ムツミさん」
「おおお、おい、コトミ!こりゃ、どういう」
「それにタカ兄ってちょっとM入ってるから、もっと強くぎゅっと握ってあげた方が」
「!d@&ままま、待てぇぇぇえ!!!」
絶叫しても、ふたりはそんな俺に構っちゃいなくて。
「じゃ、じゃあ、こう?かな?」
“ぎゅ”
「あ………」
「うん♪良い感じじゃない?タカ兄も気持ち良さそうだし」
「!い、いや、そんなことは」
「あとはメリハリをつけて、強く握ったり優しく触ったりして」
「う、うん」
“ぎゅ……きゅッ、しゅっ”
(あ………三葉の手、やらけえ………じゃ、なくて!!)
一瞬我を忘れそうになった俺だが、すぐに正気に戻った。そうだ、いくらなんでも。
「待て、三葉。お前の気持ちに気付かなかったのは確かに悪かったが、いきなりこんなのは」
「え〜〜と、まだちょっと反応が鈍いみたいだから、もう脱がしちゃおっか?ムツミさん」
「う……う、うん」
「だだだだ、だからぁ!!!わわ、わぁ!止めろぉぉ!!」
必死で両脚をバタつかせたりしたけど、そんな抵抗も虚しくあっさり俺はパジャマを脱がされ、
すぐにトランクスまで剥ぎ取られた。
「わ〜〜〜♪」
「え………すごい」
そして、三葉とコトミのふたりの視線に晒される俺のムスコ。
それはそれは情けない気持ちの………はずなんだけど。なぜか、ちょっとだけ、その。
「ね、ねえ、コトミちゃん?さっきよりタカトシ君の、おっきくなってない?」
「だから言ったでしょ?タカ兄はMだって。うふ♪見られておっきくなっちゃったんだよね、タカ兄♪」
「…………」
おっかなびっくりの表情の三葉はまあ女の子なら当然だと思うが、
兄としてはなぜか喜々とした表情の我が妹の存在が非常に気になる訳で。
「あ、あのなあ!この際三葉に色々やられるのは仕方が無いというか、それも本当は仕方が無くないんだが、
コトミ!!!なんでお前まで一緒に俺のをしげしげ見てるんだよ!!」
「ん?興味本位」
「興味本位で実の妹にチンポを見つめられている兄の気持ちを考えてはくれないかな、コトミさん?」
「だって私も一応処女だし、興味はあるし、それに来るべき破瓜の瞬間のために色々学んでおかないと」
「お前が処女なのも興味があるのも破瓜の瞬間も全部俺とは関係無いだろうがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
「ひ、ヒドイよ、タカ兄!妹の純潔に関係無いって、うわ〜〜〜ん!」
………てな感じでコトミとひとくさりボケツッコミをかましてる間にも、
三葉は穴が空くくらい熱心に俺のを見ていて。それだけじゃなく、触ったり指先で弾いたりして、
とても興味深そうでして。て言うか、ぶっちゃけすごく恥ずかしいんだけど?
「ね、ねえコトミちゃん?なかなかタカトシ君の固くならないんだけど?」
「う〜〜〜ん、さっきよりはおっきくなったから大丈夫だとは思うけど………そうだ!ちょっと私に見せて」
三葉をおしのけて、ずい、とコトミが俺の股間に顔を近づけてきて。
「だ、だからコトミ!お前、あんま見るなって………はははは、はいいいいい???」
“ちゅッ。ぺろ………”
コトミがいきなりチンポの先っちょにキスをすると、小さな舌を出して、ちろり、と舐めてきて!!!
「わ………すごい、コトミちゃん」
「ん〜〜、ちょっと固くなってきたかな?タカ兄の」
「ま、待った!コトミ、止めろ!兄妹でそれは」
「あ、大丈夫。私はエッチまでする気ないから。フェラチオくらいならキスみたいなもんだし」
「いや、それは絶対違うぞ」
「まま、良いから。それじゃムツミさんも、どうぞ」
「え?わ、私も………するの?」
13郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:28:25 ID:/MliT6M9
「もろちん!じゃなくてもちろん!」
「余計なボケはいいから………じゃなくて、あ、や、止めろって、三、お、おう※?!?」
“ちゅうッ”
「こ、コトミちゃん、こんな感じかな?」
止めるのも聞かず、三葉が俺のにキスをしてきた。コトミよりちょっとぎこちないけど、
恥ずかしながらそれはとても気持ち良くて、思いっきりのけぞりそうになった。
「うん、そうそう♪上手じゃない、ムツミさん♪」
「こ………う?どうかな?」
“ちゅろ〜〜〜ッ、ぺろッ”
「あ………やめ、ろ、み、三葉……あ」
一応抵抗はするが、完全に俺の意志を無視して三葉はそのままサオに舌を這わせるようにして舐めていく。
“ちゅ〜〜〜ッ、くに、くに”
しかもコトミの奴まで三葉と一緒になって俺のチンポを舐め続けていて、おまけに玉袋まで弄り始めて。
「えへへ、ほら♪気持ち良さそうだよ、ムツミさん」
「ん……気持ち……良いの?タカトシ君」
「ちょ、マジで、お前ら、お、おい!」
気持ち良くないかどうかって言われれば、そりゃぶっちゃけムチャクチャ気持ちイイに決まってる。
普段は全然色気とかを感じさせない三葉がこんなエロいことしてて、
おまけに実の妹であるコトミにまで舐められている背徳感というか罪悪感がまた刺激に………
!!!い、いや、ちょっと待て、俺!
「な、なあ、悪かったって、マジで。でも三葉もせめて普通に告白とかしてくれれば」
「ダ〜〜〜〜メ♪これはニブチンのクセにモテまくってるタカ兄への罰なんだから」
「モテまくってなんて、いな」
「………そういうところ」
舐めるのを止めると、三葉が顔をあげて俺を見つめてきた。
その表情は、やっぱり怒ってるみたいなんだけど。ちょっとだけ、悲しそうな。
「タカトシ君のそういう優しいところが、私は好きなんだけど……でもね、今はすごくムカツク」
「タカ兄さあ、いい加減にしないとダメだよ?中学生の頃も本当はモテてたの、気付いてなかったでしょ?」
「?そう言われても俺、告白されたことなんて」
「タカトシ君に近づいてくる子には、コトミちゃんが片っ端から言ってくれてたのよ」
「タカ兄とムツミさんは両想いだから、手を出すなって」
「………そういうことですか」
「いつかは、気付いてくれると思ってた。それなのに………」
「の、のわあ!!み、三葉!握るな、痛い!」
「!あ、ゴメン、タカトシ君」
「ま、それはともかく、そういう訳で。続けるよ〜〜〜ん♪」
“ぺる〜〜〜ッ”
そう言って、コトミがまた俺のを舐めてきた。さらに、三葉は怒った顔のまんま、
“つ……ちゅうううッ”
なんだかムキになった感じで、思いっきりカリやらサオやら裏スジやらに吸いつくようなキスをして。
(そんなこと言われても………俺だって)
ふたりがかりで攻められ、押し寄せる快感に耐えながら、俺は思っていた。
中学時代から三葉のことを全く意識していなかったかと言われれば、嘘になる。
普段はそんな感じじゃなかったけど、時折見せる三葉の女の子らしい表情にドキッとしたことだって、
一度や二度じゃない。だけどいつも気軽に話せる、本当に仲の良い女友達だと思ってたから、俺は―――
「ん、んッ。ねえ、ムツミさん?そろそろお口の中に含んでみる?」
「う、うん………くんッ」
“かぷッ”
「ど、どわあ!!」
そんな俺の思考など構っちゃいないコトミの指示通り、三葉が俺のを口に含んできた。
三葉の口の中のあったかさと、ぬるっとした得も言われぬ感触に、思わず叫んでしまう俺。
「ふふふ〜〜〜♪それでね、お口の中で舌を使ってくすぐってあげたり〜〜、ちゅうって吸ってあげたり〜〜」
「こ、コトミぃぃぃ!!お前、どこでそういう的確な………じゃなくて、エロいことを覚えた!」
「レディコミとかエロ本とか。ムツミさんとも一緒に見てたもんね?」
「…………」
14郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:29:30 ID:/MliT6M9
俺のチンポをくわえたまんま、三葉がこくこく、と頷いて。それがまた気持ち良くて……じゃ、なくてぇぇぇぇ!
「な、まずいって!コトミ、三葉、お、俺、もう!」
「ん〜〜??あ、出そうなんだ、タカ兄?」
俺のフクロあたりにちゅるちゅると舌を這わせながら、面白そうにコトミが聞いてくる。
悲しいが、コトミの言うとおりだった。と言うか、妹ながらコトミだって十分可愛い女の子だ。
三葉とコトミというふたりの美少女にこんなにされちゃったら、童貞の俺がこれ以上耐えられる訳がない。
「そ、そのとおりだから、な?もういいだろ?」
「それじゃ、ラストフィニッシュ〜〜〜♪ムツミさん、飲めるよね?」
「…………」
またこくこく、と三葉が頷くと―――
“ちゅ……ぢゅうッ”
目を閉じて、思いっきり強く俺のを吸ってきた。強烈な快感に、もう我慢の限界に達して。
「わ!ぁぁぁ、や。め。ろって、み、三葉………あ!」
“どぴゅっ!!びゅ、びゅるぅぅぅ!!!”
「!………!?………ッ!!!んく、ごくッ」
「あ、やっぱりマズイんだ、それ?」
(マズイの分ってるなら、飲ませることねーだろーが、妹よ………)
耐えきれず三葉の口の中で射精してしまい脱力状態の俺だが、心の中ではそうコトミにツッコんでいた。
「でも全部飲んだらタカ兄歓ぶから、頑張って!ムツミさん!」
「別に喜びゃしねええええ!!」
「………ん、きゅ、ごく………」
俺たち兄妹のそんな掛合漫才も耳に入らない様子の三葉は、必死に俺の精液を飲みほそうとしていた。
コトミの言うとおりよほどマズイのか目尻に涙を溜めて、ちょっと震えていたけれど―――
そんな彼女の健気な姿を不覚にも可愛いと思ってしまう俺もいたりして。って、アレ?
「ごく、ん、ん………くん。あ、の、飲めたよ……コトミちゃん」
「わ〜〜、エライ!ムツミさん、頑張ったね!」
「……でも思ったよりマズくなかったよ?確かに美味しくもなかったけど」
「へ〜〜え。じゃ、私もちょっと良いかな?」
「あ、どうぞ」
「ど、どうぞじゃねえだろう!三葉!!」
しかしそんな俺の抗議が通るわけもなく、なぜか満足そうな顔の三葉はコトミに場所を譲ってしまった。
そしてコトミは俺のを両手で包むように触ってきて。
“ぺちゅッ……ちゅッ、ちゅ”
先っぽから透明に近い色の精液が、まだちょっとだけ漏れている俺のチンポに舌先をつけた。
それから俺のを口に含むと、残った精液まで吸い出すように、じゅるっ、と音を立てて強くフェラをしてきた。
「ん……こんな味なんだ?確かにマズくはないね。でも少し苦くて、生臭いかな?ムツミさん」
「これってやっぱり童貞だと味が違ったりするのかな?」
「う〜〜〜ん、朝一だと味が変わるとか友達が言ってたけど?」
「…………ああ…………あ」
射精し終わった後のチンポの前で、同級生と妹のふたりが精液談話に花を咲かせているってのは、
そりゃあ情けないもので。もはや抗議する気も失せた俺は、ただ溜息をついた。
「でも気持ち良かったでしょ?タカ兄?」
ぷにぷに、と人差し指で俺のを楽しそうにつつくコトミ。
「こここ、ここでんなこと言えるかぁぁぁ!!」
「言えないってことは気持ち良かったってことだよね〜〜♪ムツミさん、ほら、タカ兄気持ち良かったって〜〜♪」
「………本当?タカトシ君………」
ちょっと荒く息を吐いて、頬を赤くして、三葉が聞いてきた。やべえ、完全に三葉、イッた顔だ。
結構長い付き合いだけど、そんな彼女のエロくて色っぽい顔ってのは初めて見る表情で。
「う………いや、その、気持ち悪くはないっていうか、そりゃ、気持ち良いことは気持ち良かったんだけど」
「!嬉しい。タカトシ君、私の口で気持ち良くなってくれたんだよね?」
熱っぽい目で、俺を見つめる三葉。だからそんな目で見られると、俺も………
「それじゃネクスト・ステップ〜〜〜♪はい、タカ兄!」
「え?わ、わぁぁ!!」
「きゃ!や、やぁん、コトミちゃん!」
と、今度はコトミがいきなりムツミの白いワンピースを捲って!!!
15郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:31:18 ID:/MliT6M9
「ほ〜〜〜らムツミさん?タカ兄がかぶりつきで見てるよ〜〜〜♪」
「や………恥ずかしいよ、私、ちっちゃいし」
「え〜〜〜、これでちっちゃいなんて、贅沢だよ〜〜〜。ね、タカ兄?ムツミさんって十分おっきいよね?」
「………あ、あの………ちょ、ちょっと」
目を閉じることもできず、俺は三葉の下着姿を見ていた。
なにせコトミの言うとおり、ピンクのブラに包まれている三葉の胸って、その。
「ダメ、見ないで……タカトシ君」
「おほほ〜〜ん♪ホラ、ムツミさん?タカ兄の、もう回復してきた!」
「え?………わぁ………」
情けないことに、コトミの指摘通りだった。三葉の下着姿を目の当たりにして、
早くも俺の馬鹿ムスコはむっくりと勃ち上がり始めていた。
「ね?じゃ、もうちょっと刺激してあげましょ〜〜か♪ほ〜〜らほら、タカ兄、ムツミさんのおっぱいだぞ〜〜♪」
“パチン”
「!!!お、おい、コトミ!」
「あ、ん……ダメ、コトミちゃん」
慣れた手つきでコトミはあっさり三葉のブラを外してしまうが、なぜか。
「で・も。全部はまだお預け〜〜♪ほ〜〜ら、これだとオヤジ系週刊誌のヌード写真みたいでしょ〜〜♪」
「あ、あのなあ!」
両方の人差し指と中指で摘むようにして、三葉の乳首だけを隠すコトミ。それは確かにまあ、
新聞広告なんかに載る週プレのエロい写真みたいで。て言うかコイツ、なんでそんなことまで知ってるんだ?
そ、それはともかく。下着をとった三葉の胸も、なかなかの大きさだった。
そりゃ七条先輩みたいな爆弾ボディの巨乳じゃないけど、きちんとお椀型のおっぱいで………
「あれ?ムツミさん、ちょっと乳首固くなってきてるよ?もしかしてタカ兄に見られて感じてる?」
「!………やぁ、言わないで、コトミちゃん」
力無くそう言って首を振る三葉だったけど、そうしてしまうとおっぱいも一緒に左右にぷるぷる震える訳で。
(あ……やべ)
三葉のそんな姿を見るうち、俺のはもう、完全に。
「へへ〜〜もうガン見じゃん、タカ兄。それじゃ、大公開〜〜♪ほ〜〜ら、ムツミさんの生おっぱいだよ〜〜ん♪」
「!!!!わ!」
乳首のあたりに被せていた指先を離すと、三葉のおっぱいの下から手を寄せて胸をせり出させるコトミ。
真っ白なおっぱいが、コトミの手の中で柔らかく潰れて、俺の目の前に晒されていた。
体育会系の三葉のことだから、ぜい肉とかはなくて筋肉質なんだろうな、とは思ってたけど、
正直それは、予想外のボリューム感というか。ぶっちゃけ、彼女がそんなにスタイルが良いなんて思ってなかったから。
「や、ン………ダメ、恥ずかしいよ、コトミちゃん、やめてぇ」
「どうして〜〜?わぁ、でもムツミさんのおっぱい、ホント柔らかくてキレ〜〜〜♪ふっかふかだし♪
ねえね、タカ兄も触ってみたいでしょ?」
「あ、あのなあ、いい加減にしろ、コトミ!三葉だって嫌がって」
「ん?本当に嫌?ムツミさん?」
「え…………」
「だってムツミさんの力なら、私なんてすぐに倒せちゃうはずじゃん。
でも全然力がこもってないってことはさ〜〜、ムツミさんもタカ兄に見てもらいたいとか思ってるんでしょ?」
「………私。私は………」
「ムツミさん、ホラ。タカ兄がムツミさんのおっぱい見て、あんなにおちんちん元気にしちゃってるよ?
それに、ムツミさんもこんなに乳首固くしちゃってるってことは、見られて感じてるんでしょ?ね?ホ・ラ!」
くりくり、と三葉の乳首を弄りながら、コトミは三葉の耳元で悪戯っぽく囁いていた。
妹と同級生のそんな淫靡なやりとりは、もう正直、すげえエロ過ぎて。
「あ………や………コトミちゃ、ん、そんなにしないで………」
「ね?エッチになっちゃおうよ〜〜、ムツミさ〜〜ん。私も協力するから。タカ兄もすっかりその気だし〜〜」
“かぷッ”
悪魔な勧誘を囁き続けながら、コトミは三葉の耳朶を噛んで。そして、彼女のスカートの中に、指を。
「きゃぁッ!!そこは、ダメぇ、コトミちゃん!」
「あ、すごいよ〜〜!ムツミさん、もうショーツの上から分るくらい濡れてる〜〜。
タカ兄のおちんちん舐めたり、おっぱい見られたり、私に触られたりして、感じちゃったんだ?」
「や、いやぁぁあん!」
“ごくッ”
16郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:32:28 ID:/MliT6M9
(ぬ、濡れてるの?)
暴走しまくる妹を止めることも忘れて、俺は生唾を呑み込んだ。
三葉のそんなに弱々しい姿ってのも初めて見るし、それはマジですげえ可愛い表情だったから。
「あ………ダメ、コトミちゃん、指、入れないで……お願い」
「ムツミさん、痛い?」
「痛くないけど………私、恥ずかしい」
「ヌルヌルだよ〜〜、ムツミさん。気持ち良いんでしょ〜〜?ホラ、ね?」
「きゃ、や、ァん………あ………コトミちゃん、ダメ………ふ、うン」
俺は、言葉を失って―――ただ、目の前で繰り広げられるコトミと三葉のレズっぽい絡み合いを凝視していた。
そんな俺の様子を横目でちらりと見ると、コトミがまた小悪魔っぽい微笑みを浮かべて。
「ほ〜〜らほら、タカ兄、こんなに濡れちゃったんだよ〜〜、ムツミさんたら♪」
そう言って俺の鼻先に指を突き出すコトミ。それは、確かに湯気をたてそうなくらい温かく濡れていて。
そして、なにかの果物が軽く饐えたような匂いがして。
「ダメぇぇぇ!!やめて、見ないで、タカトシ君!」
「ねえねえ、タカ兄?舐めたい?ムツミさんの」
「……………え?」
「舐めたいなら、良いよね?ムツミさん」
「だ、だって、そんなの………汚いよ」
「さっきムツミさん、タカ兄のせーえき飲んでたじゃん。おあいこってことで。ねえ、舐めたい?タカ兄?」
「それは………」
言葉を継げず、ふと三葉の方を見ると……彼女は、すごく不安げな表情だった。
ここで俺が舐めるのを拒否したら、三葉はもしかして傷ついちゃうんだろうか?
そう思うと、俺には拒絶の言葉を言えるはずもなくて―――いや、それ以上に。
俺の中にも、三葉の愛液を舐めたい、っていう気持ちが止められなくなって―――
「………舐め、たい。もし、三葉が………良いって、言ってくれるなら」
「わ〜〜い!ねえねえ、舐めたいって、タカ兄が!良いよね?ムツミさん」
「………汚くない?タカトシ君………」
「三葉のなら………汚くなんか、ないから。俺………舐めたい」
「じゃ、決まりね♪はい、タカ兄」
にゅっ、と俺の口元にコトミが指を差し出してきた。俺は、迷うことなく、妹の指を。
“ちゅぷッ”
口に、含んだ。酸っぱいような、しょっぱいような…………生まれて初めて味わうその味は、不思議な味だった。
“ちゅッ、くちゅッ”
そして俺は、汗の味にも少し似た三葉の愛液にまみれた妹の指先を、しゃぶり続ける。
「うふふ〜〜〜、ホラ、タカ兄ったらがっつきで舐めてるよ?ムツミさんの、あいえき」
「タカトシ君………私、嬉しい」
ほわ〜〜〜っと潤んだ目で、三葉が嬉しそうに俺を見つめてくる。
まだちょっと涙の跡が残っているけど、その笑顔は、やっぱりすごく可愛い笑顔だった。
“ちゅ、ちゅうッ”
コトミの指先を、俺はただ舐めて、しゃぶる。三葉の愛液の味を、口の中で転がして、それが消えてしまうまで。
「んふ〜〜♪じゃ、タカ兄もかなりその気になってきたところで♪ほら………」
「!あ………や……ン、コトミちゃん………だめ………」
俺に指先をしゃぶらせながら、コトミが三葉のスカートの中に左手をいれて、動かす。
コトミがなにをしているのかは、三葉の反応を見れば嫌でも分った。
「うわ〜〜、さっきよりヌルヌルだ〜〜、ムツミさんの中!」
「や、あっ………」
「これだけ濡れてれば、もう大丈夫なんじゃない?ね?」
「大丈夫って………?お、おい、まさか!」
「それじゃ、いこっか?ムツミさん」
さっきまで恥ずかしそうな声をあげていた三葉だったけど、コトミの言葉にこくん、と頷いた。
そして腰のあたりに手を回して下着の紐をほどくと、
両手を俺の肩の上に置いて俺のチンポの上に跨ろうとしてきた!!!
「ま、待て!三葉、いくらなんでも、それは、ま、マズすぎるだろ、おい!!」
「…………タカトシ君は」
「え?」
17郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:33:56 ID:/MliT6M9
「私のこと、嫌い?」
「き、嫌いとか好きとか、今こんな状況で言えることじゃ」
「さっきコトミちゃんが言ってたとおりなの。私は中学の頃からずっと、タカトシ君が好きだった。………それなのに」
三葉の顔が、悲しみで歪む。その表情を見ていると、本当に―――申し訳ない気持ちになって。
「三葉、その、ホラ、俺らって付き合いが長かったし、そういう感じじゃなかっただろ?
俺はお前のことを、なんでも話せる友達だと思って」
「私、頑張ったの。タカトシ君が桜才志望だって聞いたから、勉強して、一緒の高校に行けるように。
………本当に、頑張ったの」
「!そうだったのか?」
無言で、涙目の三葉が頷いた。知らなかった。
家から近いってだけで適当に桜才を選んだ俺のために、彼女がそんな努力をしてたなんて。
確かに中学の頃の三葉の成績はそんなに良くなかったから、桜才は危なかったはずだ。
「私たち………長い付き合いだけど、全然そんな感じになれなくて。でも私はやっぱりタカトシ君が好きだから。
同じ高校に行けたら、もしかしたら私たちの関係も変わるかもしれないって思って。
それ以上に、タカトシ君と離れるのが嫌だったから。頑張って、勉強したの」
「三葉………」
三葉は、泣いていた。ただ、泣いていた。明るくて、話しやすくて、いつも元気な女の子だとばっかり思っていた。
だから、俺は―――言えなかったんだ。本当は、俺だって。
「ゴメン、三葉………俺も、同じだったんだ」
「………同じ?」
「俺も、本当は………何度か、三葉に………好きだって、言いかけたことが、あった」
「!!う、嘘!!」
「嘘じゃない。だけど………三葉の笑顔を見てたら、怖くなって、言えなかった。
告白して、それでもしダメで壊れてしまうくらいなら、ずっと良い友達のままで………え?」
“ちゅッ”
俺が全部を言い終わらないうちに、三葉がキスをしてきた。まだ泣いていたけど、優しそうに、微笑んで。
「良かった。私たち、ふたりともタイミングを見つけられなかっただけなんだよね?」
「………うん。俺、臆病だったから。三葉の笑顔を、失くしたくなくて」
「私も………そう思ってた。本当は卒業式のときに、タカトシ君に好きって言おうと思ったけど、
でもやっぱりできなかった。もし断られて、私たちの関係が変わっちゃうのが、怖くて。……私も、臆病だから」
「……三葉………」
「タカトシ君………」
俺たちはしばらく見つめ合っていた、んだけれど。そこに、なぜか。
「はいは〜〜い、盛り上がってきたところで♪じゃ、告白も済ませたし、良いよね、タカ兄?ムツミさん?」
「お、お前なあ、コトミ。せっかく良い雰囲気に」
「良い雰囲気になったところで、ね?ムツミさん」
「うん。ねえ?タカトシ君、もらって、くれる?私の……初めて」
「お、おい、だから、そういうのは、ゆっくり、その、関係を深めていってから」
「もう、十分じゃない?」
「え?」
「そういうの……だって、私たち、ずっと」
「………そりゃ、そうだけど」
三葉の熱っぽい視線に見つめられて否定することも出来ず、俺は困り果ててしまった。
そりゃ確かに三葉のことは好きだし、ありがたいことに彼女も俺のことを好きだって言うわけだし、
それで全てはオッケーのはずなんだが。だからといって、それは。
「タカ兄!男でしょ!ムツミさんがここまで言ってくれたんだから、恥をかかせちゃ絶対ダメ!」
「いや、それ以前にだな、そもそもこういうプライベートで微妙な空間にお前がいること自体、俺は疑問なんだが」
「私が、お願いしたの」
「は?三葉が?」
「私は、さっきも言ったけど臆病だから。私だけだと………もしかしたら、諦めちゃうかもしれないから。
でも、もうタカトシ君から逃げたくなかったから。だから、コトミちゃんに」
「応援をお願いされたわけ。ね?タカ兄、分った?」
「こういうのを応援っていうのか?」
「あ〜〜〜、めんどくさい!ムツミさん?このままだとタカ兄、
10年経ってもムツミさんに手を出さないから、やっぱり計画通り、ヤっちゃうよ?」
18郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:35:23 ID:/MliT6M9
「う、うん、コトミちゃん」
「え?お、おい!!」
“する、ぐ………”
コトミが俺のを握り、先っぽを三葉のそこにあてがって!!!
「う〜〜ん、こんだけ濡れてれば大丈夫だと思うけど」
「ちょっと怖いけど、私、頑張るから」
「ま、待て!三葉、それはお前、明らかに頑張り方を間違えて」
必死で三葉を止めようとしたが、彼女はもう、はっきりと決断した顔だった。
後ろ手でぐい、と俺のを握ると、それを、自分の中に―――!
“ぐ……く、くくちッ……”
「う!……あ。あ!い、痛い………」
(あ………はい、っちゃった……三葉のに……)
少しだけ、三葉の中に入った。先っぽから感じるあったかさに言葉を失う俺だけど、
それよりも俺に必死でつかまって、苦悶の表情でいる彼女が痛々しくて。
「うん、先っちょは入ったみたいだよ、タカ兄の。やっぱり痛い?ムツミさん」
「ちょっと痛い………けど。大丈夫だよ、コトミちゃん」
「そう?なら、そのままもう少し腰を落していけそうかな?」
「う、うん」
「コトミ!!お前、余計なこと言うな!!な、なあ?止めようよ、三葉。痛いんだろ?無理して、こんなこと」
「や、だ………なるんだもん、私」
「は、い?なにに?」
「私は、タカトシ君のおヨメさんになるんだもん。だから、私の初めてはタカトシ君にあげるって、決めてたんだもん」
「三葉………あの、それは」
なにせ三葉って昔からピュアすぎるくらいの女の子で、
将来の夢を聞かれても、“おヨメさん”と迷いもなく言い切れるような子だから。
「タカトシ君………お願い、もらって。私の、初めて。だって、結婚する人はみんな、こうするんでしょう?」
(それはそうとも限らないっていうか、どこでお前はそういう間違った情報を)
と思っていた俺の視線の先に、悪戯っぽい笑顔で、ぺろり、と舌を出した妹の姿が。
(お前か………)
あっさり三葉の情報源を見つけて脱力する俺だが、事態はそれどころじゃない状態に突入している訳で。
「う………う、う〜〜〜ッ」
涙を流して苦悶の呻き声を上げながらも、三葉はコトミの言うとおり必死になって腰を落そうとしてきて。
“く〜〜〜〜ぐ、ず、ぶ………”
痛みに耐えながらの緩慢な動きだったが、俺のチンポはゆっくり、ゆっくりと三葉の奥深くへと包まれていった。
「ちょ、ちょっと、三葉!おい!あ……だめ、だって」
「う。う〜〜〜ッ、う〜〜〜」
“ぐ、くち〜〜〜ッ”
「わ〜〜〜、ムツミさん、すごい!もうタカ兄の、完全に入っちゃったよ!」
「も、もう全部………入った?コトミちゃん」
俺の制止も聞かず、三葉は腰を動かし続けた。そして妙にはしゃいだ声で、コトミが三葉を励まして(?)いた。
「うん、もうずっぽりだよ♪さっきよりタカ兄のおちんちんもかたくなってるし〜〜♪どう?ムツミさん?動ける?」
「ん……う………あ………が、頑張る……けど」
「あ〜〜〜、ムツミさんはちょっと限界かな?なら、はい!タカ兄」
突然コトミが俺の方を向くと、するすると縛られていた手をほどいた。
「逃げちゃダメだよ?タカ兄。ムツミさんは、真剣にタカ兄のこと好きなんだから。
きちんとその想いを受け止めなきゃ、ダメだからね?」
(はいそうですか、とは言い難い状況なんだが………)
呆気にとられる俺だが、泣き顔のまま動けないでいる三葉もコトミの言葉にこくこく、と頷いている。
「でも三葉さ、本当にこんなので良いのか?初めてのときってのはそれなりに思い出に残るような」
「私、もう忘れないから。タカトシ君と、こうなったのを。だから………」
それ以上言えなくなったみたいで、三葉がぎゅっと俺に抱きついてきた。
まだ迷っていたけど、俺は―――もう三葉の悲しい顔を、見たくなくて。
“ちゅッ”
初めて、俺の方からキスをした。三葉は、ちょっとびっくりした顔をしていた。
「なんだか順序が逆のような気もするけど。三葉?俺、やっぱりお前が好きだから」
19郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:36:33 ID:/MliT6M9
「!私も………好き、タカトシ君」
「ありがとう。だから、えっと………こんな俺で本当に良いんなら、してもいいのかな?」
「うん………」
“ちゅ”
もう一回キスをしてから、俺は三葉の腰に自由になった両手を回す。
(わ、三葉のおしり、柔らかい……)
ちょっと感動しながら三葉のおしりを握りしめ、自分から腰を動かす。
“ずり………ぐ、ぶじゅぅぅ………”
「!きゃッ!!た、タカトシ……くぅん」
「あ、ゴメン、痛かったか?三葉」
「う、ううん………大丈夫だよ」
そんなに力は入れてなかったつもりだったが、それでもやっぱり三葉には辛いみたいだ。
どうして良いかちょっと戸惑う俺を見て、三葉は俺の迷いを断ち切るように。
“ず……ずちゅぅ”
自分から、ぎこちなく腰を動かしてきた。また、彼女の目から涙の粒がこぼれ落ちる。
「三葉?そんなに、無理しなくても」
「本当に大丈夫だから。お願い、タカトシ君……」
すがるような目で俺を見てくる三葉。
(三葉………可愛い)
単純に、そう思った。やっぱり俺は三葉のことが好きなんだって、そう思ったから。
“ぐッ……ず、ン、ずるッ”
「あ!タカトシ……くん」
できるだけ優しく、三葉の奥を突いていく。ゆるゆると、俺ので彼女の狭い中を、確かめるように。
“ずぅ……じゅく、ずず………”
「ン…は、ん………あ………」
そうやって三葉のからだの奥に馴染ませるように突き上げていくうち、
彼女の声が少しずつだけど柔らかいものに変わっていくのが分った。
俺の動きに合わせるように腰をくねらせて、そのたびに黒髪をまとめたポニーテールがふわふわと揺れていた。
頬に赤みがさしていき、漏す吐息も、心なしか熱っぽい感じになっていった。
「三葉……俺、三葉のおっぱい見たいんだけど」
「え?う、ウン」
突くのを少し休んで、三葉の白いワンピースを脱がす。コトミが先にブラを取っておいてくれたおかげで、
すぐに三葉のおっぱいが目の前に現れた。白くて、形が良くて、すごくきれいなおっぱいだった。
「おっぱいに、キスして良い?」
「!う、うん………」
“ちゅ”
「ん……あッ………」
ぷっくりと勃った大粒の乳首にキスをすると、三葉は悩ましげな声を出した。
普段の彼女からは想像できないくらいエロい表情にドキドキしながら俺は、そのまま軽く乳首を吸った。
“ちゅうッ”
「ふ、ぁあ……」
乳首を吸いながら、おっぱいに顔をつける。三葉のは、すごく、良い匂いがした。
「三葉………また、動くよ?」
「う………うん」
“ず、ずじゅ〜〜〜ッ、ぬちゅッ、ぱしゅん!”
三葉のおっぱいを舌先で味わいながら、またゆっくりと彼女の中に俺のを埋め込んでいく。
そこはあったかくて、狭くて、気持ち良くて。
「あ    ん…………は―――ッ」
「三葉?まだ、痛い……よね?」
「う、ううん。最初は本当に痛かったけど………でも今は、そんなに痛くないよ。
それに私、タカトシ君に慣れてきた感じで……気持ち、良くなってきたかもしれない………」
「そ、そう?」
「おお〜〜〜♪初めてでいきなり感じてきちゃったの?ムツミさん?」
「う、ウン、コトミちゃん。なか……の、奥に、当たる感じで………気持ち、イイよ」
「良かったぁ♪ねね、タカ兄!ムツミさん感じちゃってるって〜〜〜♪」
20郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:37:31 ID:/MliT6M9
(ていうかだな、お前ぶっちゃけ邪魔なんだが……)
そう思うのだが、もうここまできたら俺にもコトミにツッコむ余裕なんて無くて。はしゃぐ妹を無視して、
“ぬちゅッ………ずるッ……ずぷッ!!”
本能のまま、三葉の中を往復していく。奥の、あったかいところを。中の、ぬめぬめした襞を。
「きゃ………ン、た、タカトシくん!あッ!!」
ぎこちなかった三葉の腰の動きも少しずつ滑らかになっていって、声も甲高いものに変わっていく。
「三葉……俺、気持いいよ、三葉と………一緒になってるのが」
「タカトシ、く、うん。私……も、タカトシ君のおちんちんが、私の中にあたると、気持ち、イイよ」
切なげに、喘ぎ喘ぎ三葉が俺に答える。そんな彼女が愛おしかったけど、ちょっと気になることがあった。
「三葉、向き、変えるよ?コトミ、足もほどいて」
「う、うん、タカトシ君」
「おっけ〜〜♪タカ兄」
実はずっと騎乗位のままだったんで、三葉が少し心配になっていた(なにせ初心者同士だし)。
コトミに足を自由にしてもらうと、なるべく優しく彼女をベッドの上に寝かせ、スカートを脱がせた。
(………やべえ、ムチャクチャ可愛い………)
「や、ん。そんなに見ないで、タカトシくん」
思わずガン見になってしまった俺に気付くと、三葉は恥ずかしそうにからだを丸めて両手でそこを隠した。
真っ白な三葉の裸に紺色のソックスが映えていて―――いや、それ以上に。
しなやかで健康的ですらある三葉の裸に靴下だけってのは、正直すっげえエロくて。
「へへへ〜〜〜♪マニアだねえ、タカ兄は」
「な、なにがだよ」
「ムツミさんの裸紺ハイに興奮しちゃったんでしょ?」
「ぐ………」
図星だっただけになにも言い返せない俺。しかしなんだか今日はずっとコイツの意のままのような気がするんだが。
「?タカトシくん?」
きょとん、とした表情の三葉。自分の姿がそんなに扇情的だなんて気付いてないみたいなのが、
三葉らしくて少し可笑しかった。安心させるように、俺から彼女を抱きしめて、囁く。
「三葉、痛いのは本当にもう大丈夫?」
「だ、大丈夫………それよりタカトシくん?もしかして私、重かった?」
「?別にそんなことなかったけど?」
「そう?良かった。本当は、気になってたんだ」
ちょっと照れたみたいに、三葉が微笑む。
(?あ、そうか。俺が体位を変えた理由をそんな風に思ってたのか)
今更のように自分の体重を気にする三葉ってやっぱり女の子なんだな、ってなんだか可笑しくなって。
でも、そんな彼女が可愛く思えて、俺もちょっと微笑んだ。
「ね〜〜ね、タカ兄?ところでさ〜〜、はい!」
「なんだ、コトミ?って、ええ??」
つんつん、と俺を突いたコトミが手渡してきたのは―――例の生徒会の海水浴のとき、
コイツが勝手に俺の荷物の中に入れてくれたおかげで要らぬ誤解を生んだ、例の。
「こういうのはキチンとしなきゃダメだよ、タカ兄?Safe Sex With Condomだからね?」
「分るけど、なんでそこだけ英語なんだよ!」
「良いから、はい!私から、タカ兄と私のお姉さんになる予定の大事なムツミさんへのプレゼントなんだから!」
「………そりゃ、どうも」
「ありがとう、コトミちゃん。私、絶対コトミちゃんの良いお姉さんになるから!」
反論する気も失せて投げやりに答えた俺だが、三葉はすっかりその気みたいだ。
しかしコトミの奴が他にも三葉に妙なことを吹き込んでいるような気がしてならんのだが―――それは、ともかく。
焦りながら(悪いが俺だって初心者マークだ)コンドームを装着し終えて、三葉を再び抱き寄せる。
「三葉、手、動かすよ?」
「うん………」
股間を隠していた三葉の手をよけて、そこに俺のをあてがおうとしたけど………
(!)
気付いた。三葉のふっくらとしたあそこからは、うっすら血が滲んでいた。
(…………これが)
初体験のときに処女の子が出血するっていうのも、そりゃ知識としては知っていた。
だけど現実として見るそれは、痛々しい感じはもちろんするけど、むしろ―――神秘的ですらある、光景だった。
21郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:39:17 ID:/MliT6M9
「………?どうしたの?」
なにもできないでいる俺を不思議に思ったのだろう、三葉が声をかけてくる。迷ったけど、俺は正直に答えた。
「三葉、血、でちゃってる」
「え?………あ!」
「大丈夫?」
「あ………う、うん。ね、ねえ、タカトシ君?初体験って………本当に、血が出るんだね」
少しの間茫然と自分のそこを見ていた三葉が、ようやく気付いたように言った。
「そうだね、俺も初めて見た」
「じゃ、じゃあ、改めて……私の初めてを、もらって下さい。よろしくお願いします!」
「あ………はい、その………こちらこそ、よろしく」
「………ふふ」
「はは………」
さすがに三葉もショックだったのかな、って心配になった俺だけど、
妙にかしこまって彼女が挨拶するものだから、こっちもなんだか変な感じで答えてしまっていた。
でもそれは、お互い良い感じで通じあってるみたいで。ふたりで同時に、苦笑いをしたりして。
「いくよ?三葉」
「う、うん、タカトシくん………きて」
そして俺は―――思いを伝えるように、三葉を、ぎゅっ、と強く抱きしめた。
普段トレーニングに励んでいるだけあって引き締まった感じはするけど、
三葉のからだは、やっぱり女の子らしく柔らかくて、気持ち良かった。
“ぬず………く、ち………”
「あ、ぁ………ぅん」
また、彼女とつながっていく。俺の先から、三葉の体温が、伝わってくる。
コンドームをつけているはずなのに、さっきよりずっと、熱いような気がした。
“ず〜〜〜、ずるッ…………ず〜〜〜〜ぅッ”
「ん   は…………はッ」
俺の方から、ゆっくり動いていく。三葉は目を閉じて―――同じようにゆっくり、俺の動きに合わせて息を吐く。
三葉が上になっているときより動きやすかったし、この方がつながっている、って感じがした。
「三葉、この体勢だと痛い?」
「う、ううん………この方が痛くないし、タカトシ君のが深く入ってくる感じで………気持ち、イイかも」
「そう?じゃ、もう少し早く動いても大丈夫?」
「!あ、うん。でも、あの……やさしく、お願いします」
「う、うん。頑張る」
“ぐちっ!……ちゅぷッ、ちゅぶッ……”
「ん………い………は、ぁ。んふッ!」
明らかに三葉は、さっきよりも感じていた。耐えるような表情は一緒だったけど―――
俺のが出入りするたびにからだを震わせ、そして深い吐息を漏すようになっていた。
「あ……三葉……あ」
そして、俺も。三葉の中に自分のを埋め込んで、引き抜くのを繰り返すたびに。
オナニーと似ているようで全然違う、未知の快楽に襲われていた。
「タカトシ……く、ん………は、あ………ん」
俺たちは、その淫靡で甘美な反復作業をひたすら繰り返す。
“ぐちゅッ!くっちゅ!くちゅ!”
夢中になってその動きを続けていくと、俺のと三葉のが擦れて当たる音は大きくなって、部屋の中に響いていく。
(ん?そういや、コトミは?)
ふと気付いて、視線を三葉の顔から外して横を見ると―――
コトミは、顔を真っ赤にして興味津々といった感じで俺たちのセックスを見ていた。
(しかし、なんだかなあ………)
我が妹ながら呆れかえる俺だが、そう思いながらも俺の動きの方は全然止まらないわけで。
“つぷぅッ!!ずるッ!!ちゅぶぅ!!!”
「あ!っぁ、あ、ん!ふぁ………んぅ!!た、タカトシく……ん、わたし………へ、ン……あそこが」
呟くように三葉がそう言うと、ぐいっ、て強く抱きついてきて、脚を俺に絡めてきた。
「三葉、もしかしてイキそうなの?」
「ふぁッ!!わ、わかんない……わかんないけど………」
上の空みたいな感じで、三葉が言う。そういう俺だって、もう限界が近くて。
22郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:40:22 ID:/MliT6M9
「俺も、もう少しだから。三葉、いくよ?」
「う、ウン。タカトシ、くん……だから、早く……は、やくしないと、私……おかしく」
とろん、とした目で三葉が訴えてくる。ゾクゾクするくらい色っぽいその表情に俺も頷いて、腰の動きを強くする。
“ぐ!くちッ!!くちゅうう!!!ずるっ!”
「んッ………ん、ん………み、三葉!」
「は、ん!は、ァ、だめ………ダメぇ。タカトシ、くん!わ、たし……わたし、あ!!」
そして、突然。びくッ、びくッ、っと三葉のからだが痙攣すると、ぎゅうっ、とあそこが締まってきた。
(う、うわ!!もしかして、三葉?)
凄まじい圧力で、挟まれた。彼女の目は、焦点を結んでなくて―――
そして、一瞬からだが強張った後、ぐったりと脱力してしまった。
「三葉……ゴメン、俺、もう少しだから」
「………ん……え?あ、や。や、ぁ………タカトシくん……わたし、もう」
“ぐ、ぐちゅッ!!ずるッ!!ずるッ!”
なにせ今日二度目だったからか、まだ俺はイケていなかった。
本当なら三葉のからだを気遣ってやりたいところだけど、我慢できる訳もなく、
達した後になおも強く締めてくる三葉の中に、俺はもう一度深くチンポを埋め込んでいった。
「あ!ダメ……だめだよォ……もう、あ……あ。あああああ!!!」
「あ………三葉。ごめ、ん………んッ!」
そしてようやく―――ごつん、と脊髄の方から響く、快楽の震えがくるのを感じて。
“びゅッ!!ぴゅううッ!!!”
不安と欲望に混ざり合いながら俺は、コンドームの中に精を吐き出した。
「ん……は、ぁ………はぁ―――ッ!!!」
射精しながら膣の中で微動する俺のチンポの感触に、三葉はひときわ鋭い声を放つ。
そして今度こそ同時に俺たちは脱力して、その場で抱き合った―――

「ごくろうさま〜〜♪どうだった?童貞喪失は」
終わった後にそのまま寝入ってしまった三葉の顔を見つめていた俺の耳元にくると、コトミが小声で囁いてきた。
「………お前なあ、いくら三葉がウブで純粋だからって、こういうのは」
「だってさ〜〜ムツミさん、可哀想だったんだもん。ムツミさんの気持ちに気付かないタカ兄も悪かったんだよ?」
「それは………そうだけどさ」
まあこんな風にされて戸惑うことの方が多かったけど、
コトミのおかげでようやく三葉の気持ちを確かめることが出来たのも事実だった。
「ふふ、でも可愛いよね〜〜〜、ムツミさんって」
「うん………」
三葉の寝顔を見つめる。本当に可愛い寝顔だった。こんな可愛い子と俺は初体験をしたんだ………
そう思って、しみじみ感慨にふけっていたら。ん?んん??んんん???
「って、おい!お前、なにしてんだ!」
油断した隙にコトミが俺のチンポをくにくに、といじってきてコンドームを外すと、口にくわえて!!
「おっきな声出すと、ムツミさん起きちゃうよ?タカ兄」
「あ、そっか……いや、それよりお前!」
「へへ、きれいにしてあげるから。いいでしょ?タカ兄」
「あ、あのなあ……う」
強引にコトミをどかそうとすれば、どうしたって三葉を起こしてしまいそうで。結局抵抗できず、諦める俺。
「あと、それとね?」
しばらくして舐め終わると、にやり、と例の小悪魔な笑顔を浮かべたコトミがまた、俺の耳元にきて囁いた。
「タカ兄、初めてにしては上手だったみたいだし、ムツミさんも感じてたし。
やっぱり私の初めても貰ってもらおうかな〜〜♪なんて」
「は?は?はぃぃぃ???お前、そりゃダメだって。それに、さっきお前」
「うふふ〜〜♪そんな訳でよろしくね?タカ兄」
不吉すぎる言葉を残して俺から離れると、コトミは部屋を出て行った。幸い、三葉は起きなかったみたいだけど。
(そういや、コトミの奴って……昔っから人の食ってるもんとか、やたら羨ましがって欲しがるクセが……)
特大級の嫌な予感に襲われていた。今日だってそうだったけど、
アイツがその気になれば、いつでも俺の寝込みを襲うことくらいは可能なわけで。
(はぁぁぁ………七条先輩に男用の貞操帯が無いか、今度聞いてこようかな……)
そんなことを考えて、俺は深い溜息をつくのだった。

End
23郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:41:39 ID:/MliT6M9
今回は以上。タイトルは「居眠りの代償」でお願いします>>Wiki管理人様
本スレで桜才祭の異種格闘技戦を居眠りして見なかったタカトシは後でムツミにしばかれたんじゃ?
とかいう話から膨らましたSSです。初めはムツミによるタカトシの完全逆レイプだったのですが、
なかなか話が上手く転がってくれなかったところ、コトミを絡めたら作者も予想外の展開で完成しちゃいました。
とは言え本編ではムツミとコトミの絡みは全くありませんので、このふたりの関係は完全に俺様設定ですね。
それ以外にもタカトシとムツミが同じ中学出身という設定もありませんし、、、ちょっと走りすぎかなあ?
今回はコトミに大活躍してもらいましたが、いくらなんでも暴走させすぎ?って思いもあります。
コトミファンにちょっと申し訳ないのと、ムツミのピュアさ加減もあんまり出てないかもですね。
実は生徒会でエロ有りはこれが初SSだったりするんですが(苦笑)。

それでは続いて嫁のSSでございます。ぬる〜〜〜く見守ってやってください。
24伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:43:09 ID:/MliT6M9
どうも、嫁です(一回書いてみたかったのです)。

子育てに追われる毎日ですが久しぶりにソロでのSSができましたので投下します。

タイトルは、「あなたは私を騙せない」、
前作「ホストシャッフル」からの続編です。
NGワードは「濱中未来」「マサヒコ君がプチ鬼畜」「エロ成分控えめ」
投下。
25伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:45:41 ID:/MliT6M9
「ただいま〜〜〜、若田部」
「遅かったのね、今日も」
本当は。
違うことを言いたかったのに。今日も、私は不機嫌そうな声でそう答えた。
「今日リョーコさんが店に来てさ。あの人ザルだろ?オマケに部屋にまで付き合わされてさ、参った参った」
「・・・・・酒臭い」
「わりいな、ずっとリョーコさんと飲んでたからさ」
「ちょっと待ってて」
「うん」
私の言うとおり素直に小久保君はソファの上に座った。確かに、酒臭かった。
それより怖いのは、彼のその酒臭い息すら懐かしく感じてしまう自分だ。
「はい、水」
「わりいな、若田部・・・・あ〜〜、うま」
こくッ、こくッ
真っ白な、小久保君の喉仏が水を飲みこんで一定のリズムで動く。
官能的ですらあるその動きを無意識のうちに凝視している自分に気付いて、慌てて目を伏せる。
「なにか、食べてきた?」
心の動きを悟られないように、問いかける。
でも全てを彼に見抜かれているような不安が、ずっと消えない。
「店で少し。あとリョーコさんとこで蜜柑をふたつもらったくらいかな」
「お味噌汁なら少し、残ってる」
「やった!食べて良い?」
「すぐに温め直すわ」
「うん」
そそくさと席を立ち、キッチンで電磁調理器のスイッチをひねる。
お鍋を温め、中を軽くかきまぜながら、思う。
嘘だ。
小久保君が来る日だから、お味噌汁を作っておいたんだ。
昆布と煮干しでキチンと出汁をとって、お味噌も白味噌と八丁味噌を合わせた、特別のお味噌汁。
具材だって、一週間前から散々悩んでシンプルに若布と大根と豆腐にしたんだ。
それも、無農薬野菜で国産の一番良い材料を。さっきの水だって、私が選んで選び抜いた銘水だ。
そんなことで彼の気持ちを引止めようとする自分の心の浅ましさを見抜かれそうで、
私は彼の顔を見ていられなくなったんだ。
(ほんとうは・・・・・久しぶりだから、ずっと顔を見ていたいのに)
私の心の声が、自分自身を責める。たった一週間だ。それなのに、久しぶりだなんて思っている自分が。
「良い匂いだね、若田部」
「!や、やだ、突然後ろに立たないでよ!」
驚いた私は、そう言って彼の足を蹴ろうとしたけど、ひらり、と小久保君はそれをかわした。
「だって俺、何度も声をかけたのにお前無反応だったから」
「夜も遅いし、ボーーーーっとしてたのかもね」
嘘だ。
ずっと、考え事をしていたからだ。それも、小久保君のことを。
咄嗟に誤魔化すためについた嘘だけど、彼は平気な顔をしていた。ああ、こんな顔ですら。
「ホラ、味噌汁焦げちゃうから」
「あ」
耳元で小久保君に囁くように言われて、全身から力が抜けていくのが分った。
彼はおたまを握っていた私の右手を握ると、そのまま一緒にお鍋の中のお味噌汁を掻き混ぜはじめた。
「やめ、て・・・・・・小久保君、これくらい、わたし、だけで」
「良いから。一緒につくろ?若田部」
彼は私の性感帯が耳の裏だということを知っている。
だからそれ以上、完全に力が抜けるまで強く息を吹きかけたりはしない。
私のからだに小さな欲望の火を灯けて、むしろ不満が残るくらいに・・・・
絶妙のタイミングで息を吐いたり、指先に触れたり、そしてからだをくっつけてきたりする。
一緒にお味噌汁の中身を掻き混ぜるうち、もう、彼の酒臭さは気にならなくなっていた。
とく・・・・・
Φ
26伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:46:36 ID:/MliT6M9
(!)
はっきり、分った。私のそこから、淫らな液が漏れ出てきたのを。
「もう良い感じじゃね?若田部」
「!そ、そうね、小久保君」
「じゃ、向こうに」
「え、ええ」
下半身に残る奇妙な期待感と気怠い快楽の重みを引きずったまま、
私はお鍋をテーブルに置いてお椀にお味噌汁を盛りつけた。
「いつも旨そうだよな〜〜、若田部の料理は」
「お世辞要らない。それに料理なんて大げさなものじゃ」
「あ、そうだよな。旨そうじゃなくて旨いんだもんな。じゃ、いただきます!」
私の憎まれ口を軽くいなすと、小久保君は美味しそうにお味噌汁を食べ始めた。
男の子らしくがっついているように見えるけど、彼の食べ方や飲み方は決して下品にならない。
箸使いも綺麗だし、音もほとんどたてない。ずっと見ていても、全然不快にならないくらいだ。
でもそれは多分、彼のことを良く観察しないと気付かないことだろう。
「どったの、若田部?」
「・・・・別に」
「ふ〜〜ん。しかし旨いな、若田部の味噌汁は」
本当は。
ホストなんていうバイトだとお酒をたくさん飲むだろうから。
小久保君のからだのことを考えて、お酒の酔い覚ましにはお味噌汁が良いって本で読んだから。
彼のことばかりを一週間考えていて・・・・違う。一週間だけじゃない。
私は、ずっと、四六時中、寝ても覚めても。彼のことばかり考えていたから。
お金くらい、私がなんとかするから、ホストなんてバイトはやめて欲しくて。
それと天野さんや濱中先生や的山さんとも切れて欲しくて。
でもそんな言葉を口に出してしまうのは、私のプライドが。
「ごちそうさま〜〜若田部」
「!あ、お、お粗末様でした」
「美味しかったよ!若田部。マジ染みるわ〜〜〜」
笑顔で、小久保君が私を見る。
美味しいと言われて、だらしなく顔が崩れそうになる自分を慌てて抑え込む。
ああ、でもこの顔・・・・・この顔が見たくて。そうじゃない。この顔だけじゃない。
私は小久保君の表情、全部が欲しくて・・・・・
「食器くらい俺が洗うから、待っててね?若田部」
「!い、いいのよ、それくらい、私が」
「いいっていいって。じゃ」
お鍋とお椀を持つと、小久保君がキッチンに消えていった。茫然と、背中を見送る。
(べ、べつに、いいわよね?それくらいしてもらっても)
無理矢理自分に言い聞かせようとするけど、
水の流れる音と食器を洗う音を聞くうちにどんどん不安になってくる。
今日は、どんな女の子と会ってきたの?
お姉様のところで、なにをしてきたの?
今日は、お味噌汁を食べただけで帰るつもりなの?
もう私に、興味がないの?
頭の中が、小久保君への質問でいっぱいになる。
言いたいことは山ほどあるはずなのに、どれも聞けない。聞けるはずがない。
シンクの音が止んで、静かになる。その束の間の静寂が、私をまた不安にする。
もしかしたら。
小久保君は、もうあそこにいないのかも。私の態度がウザくて、なにも言わずに帰ったのかも。
不安は恐怖へと代り、それは私の心を埋め尽くす。
いてもたってもいられなくなった私は、キッチンに向かっていた。
「?若田部」
小久保君は・・・・・タオルで、丁寧に食器を拭いていた。それだけだった。
へなへなと、からだ中から力が抜けそうになった自分をなんとか支えて、言った。
「あ、あのね。ちょっと遅いな、って思ったんで手伝おうかなって」
Φ
27伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:49:20 ID:/MliT6M9
「そんな遅かった?ゴメンな」
にっこりと小久保君が微笑む。壁にかかっている時計を見た。5分も経っていなかった。
全然遅くなんかない。私が、勝手にひとりで、不安に駆られただけだ。
多分それが分っていても、彼はなにも言わずにこうして微笑むのだろう。
「もう・・・・終わったみたいね」
「うん」
動揺している自分を隠すために、見たままのことを言う。きっとその動揺もとっくに彼にバレているのだろう。
私だって、それくらいもう分っている。それでも変わらず、小久保君は微笑んでいる。
「ねえ?若田部?」
「な、なに?」
「今日は俺、帰ろうか?お前、疲れてるみたいだし、俺も酒臭いし」
「!!!ち、違うの、全然、疲れてなんてないから!」
見栄も外聞もなく、私は叫ぶように言った。さっきまでプライドだの言っていた自分はどこへ行ったのだろう。
「ふ〜〜ん、じゃ、いいの?」
「う、うん。あの・・・・・・・定期的にあれをすると、お肌の張りも良くなるし、
それに体調も良くなるって、アメリカの研究で」
「マジで?ははは、しかしアメリカ人ってのは変なことを研究するもんだよな」
嘘だ。
強引に、そんな嘘をついた。確かにどこかでそんな論文を読んだような気がするけど、
多分三流のゴシップ記事まがいの研究だったはずだ。
そんな嘘をついてまで小久保君を引止めようとする自分に嫌悪感を抱くけど、
それ以上に、私には彼が必要だった。
「じゃ、行こうか?若田部?」
「・・・・うん」
それが当たり前のように小久保君が私の腰に手を回してきて、からだを密着させてきた。
耳の後ろの匂いを嗅がれると同時に彼のなま温かい息が私の耳朶を犯してきて、
さっき濡れた私のそこが、また疼くのを感じた。
「良い匂いだね、若田部。こんな夜遅くでも」
「意地悪」
感情を隠せなくなった私は、拗ねたように言う。
もしかしたら、私は彼にそうからかわれるのを期待していたのかも知れない。
いくら薄くても、こんな夜遅くにメイクを落とさず、薫りを身に纏う理由なんてひとつしかない。
「冗談だよ」
「待ってた」
「うん」
「キスして」
「うん」
ちゅ
そのキスは、やっぱりお酒の匂いがした。でもその匂いは、私を淫らな気分に誘う。
ちゅ
「ん!ん・・・・・」
そのまま、小久保君が私の耳元に舌先を這わせてきた。一気に全身から力が抜けていくのを感じた。
「だっこ」
耐えきれなくなった私は、小久保君にからだを任せてそうねだる。
いつものように彼は私を軽々と持ち上げてベッドに連れていくと、投げ落した。
ちゅ ちゅ ちゅ
すぐに衣服をぬがされて下着姿にされると、執拗なくらい、からだ中にキスをされる。
容赦なく責めてくる小久保君の唇と舌先で、全身が犯されている気分になる。
でも、私は知っている。強く吸っているようだけど、彼のキスは決して次の日まで残らない。
きっと小久保君は、それを知りながらキスをしている。
本当は。
他の人に、見られても良いから。彼のキスの跡を、からだにつけて欲しいくらいなのに。
小久保君の痕跡を、残して欲しいのに。でも、まだそれを彼にお願いしたことはない。
「若田部ってさ」
「な、なによ」
Φ
28伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:50:40 ID:/MliT6M9
突然キスを止めると、小久保君が私をじっと見つめてきた。
なにを言われるのか、期待と不安でいっぱいになりながら次の言葉を待つ。
「我慢してるよね」
「・・・・・別に、我慢なんて」
「俺といるときくらい、我慢しないで欲しいな」
嘘だ。
我慢している。それは全てあなたのせいだ。
あなたが私だけのものになれば、我慢なんてする必要はない。
そう思いながらも、やはりそれを口に出すことはできない。
その代り、また来週も、来月も。私は小久保君を待ち、卑しいくらいに彼を求めるのだろう。
ちゅ ちゅ
「ふ・・・う゛ん・・・・・・」
ブラを脱がすと、また小久保君がキスをしてきた。
薄くて少しだけ渇いた唇が、乳房に吸いついてくる。恥ずかしいくらい、大きくなった私の胸に。
小学生の頃から、それは私にとってコンプレックスだった。
それなのに私は、小久保君に口でそこを吸われて気持ち良くなってしまっている。
ぷちゅ
「う、んッう・・・・・」
乳首を吸われて、からだに電流が走ったみたいになる。
もっと、触って欲しい。もっと、吸って欲しい。もっと、舐めて欲しい。
頭の中が、淫らな欲望でいっぱいになっていく。小久保君に、して欲しいことでいっぱいになっていく。
「こくぼ・・・・くうん」
無意識のうちに小久保君の名前を呼ぶけど、彼はなにも答えない。
無言で。ただ無言で、私の胸やお腹や腋を舐め続ける。
ふと、小久保君のことが憎くてしかたがなくなった。間違いなく、私は彼を愛しているのに。
突然の野性に突き動かされ、発情した雌猫みたいな気分になった私は、彼の首筋に噛みつく。
がり
「若田部。ちょっとだけ、痛い」
「マーキングよ。どうせまた、どこかで他の女の子と会うんでしょうけど」
ああ、どうして。こんなに可愛くないことばかり言ってしまうんだろう。
「マーキングかぁ。ねえ、若田部?でもマーキングするってことは、
若田部は俺を自分のものだと思ってるってことなのかな?」
「・・・・・・知らない」
そうか、そういう解釈もできるのか。小久保君は時々鋭いことを言うから気が抜けない。
確かに一部の動物はテリトリーを主張する以外にも、自分の持ち物にマーキングするという話だから。
かり
「!き、きゃあ!なにするのよ!」
「おかえし」
肩を囓られた。鈍い痛みが走るけど、それとともに喜びの感情がわいてくる自分に戸惑う。
「もう!ノースリーブの服が着れなくなっちゃうじゃない」
その気持ちを隠すために、わざと大げさに抗議する。
「首に噛まれると、どんな服着てもモロバレなんだけど?」
「スカーフかバンダナでも巻けば?あとマフラーとか」
「西部劇か石田純一かって感じだな」
「石田純一ってそんなだった?中尾彬の間違いじゃない?」
他愛もない会話を続けていくうち、どちらともなくふたりしてくすくすと笑い合う。
ちゅ
微笑みながら、小久保君がキスを再開してきた。
さっきまでの性急なキスじゃない、唇と唇をゆっくり味わうような、大人のキス。
初めて彼と唇を重ねたときは、怖かった。長い、大人のキスをしたときも、怖かった。
彼にどうやって応えたらいいのか分るようになってきた頃も、やっぱり怖かった。
それだけで感じてしまっている自分が、とても淫らな女のように思えたから。
ちゅ
鎖骨に濡れた舌が這ってくる。私の、もうひとつの性感帯。
そしていつの頃からか私は、キスが怖くなくなっていた。
29伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:51:42 ID:/MliT6M9
小久保君に、自分が十分すぎるくらい淫らな女であることを知らされたから。
「ん・・・・ふ」
舌先で、そこをつくようなキスをされる。ほっそりとした指先で乳首をきゅ、と摘まれる。
「あ!ん・・・」
大きな声を出しそうになるのを、寸前で堪える。確かに、私は我慢している。
「こ、く、ぼ、く・・・・・ん」
舐められ続け、責められ続けて、私の心が決壊しそうになる。
に、と小久保君が笑うと服を脱いで、私の太腿を押し開くとショーツの中に指先をあてがってきた。
「う、ん・・・・・ん」
繊細で欲深い私のそこはすぐに彼の鋭敏な愛撫に反応して、とろりと溶け出す。
そっと、彼のしやすいように腰を動かした。そこの毛が、指先に絡んで擦れるのが分った。
脚をひらいて両膝を軽く起こし、彼の指先をさらに深く迎える。
ぅ、くぷ・・・・
そこはもう完全に濡れきって、小久保君に蹂躙されるがままになっていた。
彼が与える刺激は、むしろ控えめなものだというのも私は知っている。
私が、ただ貪欲に彼を欲している。私が、彼を浅ましいほどに求めている。
つまりは、そういうことだ。
夢中になって彼の愛撫を受けながら、私は裸の小久保君を見つめる。
筋肉を誇示してはいないけど、きちんと鍛え上げられたのが分る腹筋。
無駄と緩みの無い滑らかな肌。見ているだけで淫らな気持ちに誘われる小さな乳首と胸板。
彼の肉体を見ながら愛撫をされていると、飢えた肉食動物に食べられているような気持ちになった。
快楽に身を委ねて高ぶる私の気持ちを見透かしたように、
小久保君がコンドームの包みを破ってそれをつける。
「若田部?」
「う、ん・・・・」
ぐ っぐ
「う・・・あ、はぁ、ああ」
小久保君が入ってくる。それを待ち焦がれたように、私は息を吐いた。
彼以外の人に抱かれたことなんてないから比べることなんてできないけど、すごく、大きく感じる。
彼に、からだをふたつに割られるような感覚。私自身が、分断されるような錯覚。
犯されている。
彼が入ってくるときのその感覚を、私は快楽とともに幾分滑稽な気持ちで受け入れていた。
恥ずかしい体勢で小久保君に犯されたり、色んな敏感なところを彼に開発されたりするうち、
そう感じることは、秘かな私の愉しみにもなっていった。
にちゃ ず  るぐ
彼のが、私の中を行き来する。私の中が、彼に巻きつく。
私の愛液が彼のにまみれて、いやらしい音が鳴る。小久保君が、奥深くまで浸入する。
「あ・・・・う、うぅ・・・・・」
無意識のうちに私は、悦びと恥じらいが入り混じった声で泣き始めていた。
「・・・・ん、あや、な・・・」
小久保君が、慎ましやかな歓喜の声をあげる。
「ん・・・は、ぁ。ま、さ、ひこ・・・・」
私も、彼を名前で呼んだ。別にふたりで決めたことでもないけれど、
いつからともなく私たちは交わりが最高潮に近くなるときだけ、名前を呼び合うようになっていた。
言葉にして確認したことはないけれど、それは多分、ふたりだけの秘密だった。
ぐ ずぶ ぬぶっ ずる
優しく、残酷に。小久保君が私の中を抉っていく。
私のからだは小久保君に犯されながら、漂い、溶けて、波に呑み込まれる。
「ん、あ、ああ。ん・・・・ま、まさひ、こぉ・・・あぁ!」
やがて私には臨界点が来て、全てが解き放たれた。白い閃光が、目の前で迸った。
からだ中に凍らされたタオルを押しつけられたように、冷えた電撃が走って、からだが震えた。
「アヤナ・・・・・あ!あ」
ぐい、と一回大きく突かれて、小久保君の動きが止まった。
ぐ、ぐ、と彼のが私の中であの小さな動きをすることで、彼も達して精を放っていることが分った。
疼いていた欲望が、私のからだのなかに閉じこめられるのを感じる。
Φ
30伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:53:31 ID:/MliT6M9
「は・・・・ぁ。マサヒコ・・・・」
力が抜ける。とびきりぬるくて心地よい温泉に入っているような、緩やかな快感が私を包む。
終わった後の多幸感に浸かって私は、微睡みの中に落ちていった。

気がつくと、夜は明けていた。小鳥の囀りに朝の訪れを聞いて、私は目を覚ました。
「・・・・・小久保君?」
既に彼は、私の横にいなかった。時計を見る。午前9時。
(もうちょっと・・・・ゆっくりしていったって)
彼の不在に寂しさを感じるよりも先に、からだと心が疼くのを感じる。
そして情欲だけで彼を求めているかのような気持ちになった自分にまた、嫌悪感を抱いてしまう。
それは、いつものことなのに。私は、心に苦みを感じて。自分が、ただの肉欲の塊になったような気がして。
え?
自己嫌悪に囚われそうになっていた私は、鮮烈な匂いに襲われてようやく気づいた。
ベッドの周りは、百合の花で埋め尽くされていた。強い薫りに、呆然とする。
「・・・・・・?」
枕元にカードがあるのを見つけた。大きくて太い、彼らしい文字で書かれていた。

「Happy Birthday,Ayana あの頃から変わらずに。緑化委員マサヒコから委員長へ」

(憶えていてくれたんだ・・・・・・・)
私は―――喜びで、心がいっぱいになった。誕生日のことだけじゃない。
百合の花のことを彼が忘れていないということに、涙が出そうになっていた。
あれは、私たちが出会った頃。
殺風景だった教室に飾る花を欲しがった私のために、
彼が先生からもらってきてくれたのが、百合の花だった。
私が百合の花を好きだということをずっと、小久保君は憶えていてくれたんだ。
あのときのことを、忘れずにいてくれたんだ。
「ふ、ふふ、ふ・・・・やるじゃない。さすがは女誑しのマサヒコね」
心の底から、嬉しかった。それなのに。彼は、いないのに。私は、笑いながら憎まれ口を叩いていた。
全て、彼の計算の内だったのかもしれない。それでも私は、心に決めていた。
こんな歪んだ五角形の関係がいつまで続くのかなんて分らないけど、行けるところまで、行ってみよう。
彼の手のひらの上で、ピエロのようにくるくると踊ってみせよう。だって、私は小久保君が好きなのだから。
分っていた。
寂しがり屋で甘ったれのクセに頑固でプライドが闇雲に高い私は、実際のところものすごく面倒くさい女だ。
そういう自分を変えようともしたけど、全然変わらなかった。それは、中学生の頃からずっと。
そんな私の前に突然現れた小久保君は、私を嫌がりもせず、ウザがりもせず、全部受け入れてくれた。
あの頃から、私は彼に全て依存してしまっていたのだ。
もし私の横にいるのなら、小久保君がいい。手をつなぐのなら、小久保君がいい。
キスをするのも、セックスをするのも、やっぱり小久保君以外の人は考えられなかった。
小久保君が、私を変えてくれたから。人と一緒にいるってことは、居心地の良いことだって教えてくれたから。
(でも小久保君は・・・・・百合の花言葉を、知っているのかな?)
そんなことを思いながら私は、百合の薫りに包まれていた。

End
31伊東 ◆5pkah5lHr6 :2008/12/28(日) 10:57:19 ID:/MliT6M9
以上です。

今回も亭主の力を借りながらですがなんとかできました〜〜(特にHなシーン)。
ところで亭主が最近やけに生徒会にハマり中なのは良いのですが、私はやはり濱中好きなのです。
ミサキちゃんSSの続きとかアイ先生の中学生パラレルSSとか書いて欲しいのですが、最近全然なのです。
濱中の四コマ1本のためにマガジンスペシャルを私がわざわざ買ってきてもちょっと読んで終わりなのです。

寂しくてピンキリ様のSSに癒されている伊東でした。

それでは皆様、良いお年を!(郭+伊東)
32名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 12:49:54 ID:ufaxY9dK
郭夫妻乙!

しかし、新スレたて→464氏埋め→郭氏埋め→郭氏本投下→夫人投下と
まるで流れるパスサッカーのごとき繋がりだ
33名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 21:32:59 ID:xHDmnxRW
郭夫妻にGJ!
ムツミとコトミでこう来たか!
会長好きの俺もハァハァできました。
五年たってもまだエース。至上にして究極の存在です。
五年目のシーズンも期待してます!
34名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 03:02:33 ID:4JN0lit2
頑張れー!
35名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 17:48:52 ID:VLltHqPi
GJ乱れ撃ち
36名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 01:27:20 ID:4CWpWBJ2
みなさん、こんばんは。職人諸氏お疲れ様です。
暇なので埋め用1レス小ネタ乱れ打ち。
37名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 01:28:31 ID:4CWpWBJ2
すみません。誤爆しました。
前スレの方で。
いや、ほんと申し訳ない。
38ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:03:51 ID:ijRIQ+QF
郭×伊東両氏にGJ!
さて、どうにか完成させたので投下します。
タイトルは「Sounds Of Unique Luv」で。
39ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:05:16 ID:ijRIQ+QF
十二月二十四日クリスマスイブ−
タカトシはシノ、アリア、スズの四人で集まって遊園地に行った。その帰りの列車内でタカトシは、
「ほら、そろそろ着くぞ」
というシノの声と共に身体を叩かれながら起こされた。
遊園地はカップルや家族連れでごった返していた上、タカトシは案の定三人に散々振り回され、
帰りの車内ではすっかり疲れ果てて座席に座ると同時に熟睡していたのである。
一行は駅を出ると、アリアは帰る方向が一緒のスズと共に迎えの車に乗っていった。
外は雪がちらほら降っている。夜おそくには雪が強くなり、積もるようだと天気予報で言っていた。タカトシは予め持ってきた傘を広げた。
「ん、今日は傘、持ってきたのか」
「ええ、今日は忘れませんでしたよ」
「そうか…」
そう言うとシノも傘を広げた。
タカトシとシノはクリスマスソングの流れる駅前の商店街を通り過ぎ、途中の交差点まで
一緒に歩いていく。
「じゃ、オレはここで」
「待て、よかったら私の家まで送ってくれないか?」
確かに辺りは既に暗い。このご時世、女性一人で歩くのはいささか危険かもしれない。
「わかりました、ではご一緒させていただきます」
「悪いな、付き合ってもらって」
タカトシはシノの自宅まで二人並んで歩く。路面が濡れてきて歩くたびに水がはねる音がする。
(そういえば会長の家に行くのは初めてだな…)
そんな事を思いながらしばらく歩くうちに家に着いた。
「ほら、ここがわたしの家だ」
シノはポケットから鍵を取り出して開けると、
「今日は疲れただろう、折角だから少し休んでいったらどうだ?私は構わないぞ」
確かに車内で寝たもののまだ身体が重い。ここはシノの好意に甘える事にした。

40ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:07:31 ID:ijRIQ+QF
シノはタカトシを自分の部屋に案内し、台所にお菓子とジュースを取りに行った。
タカトシはシノの部屋に入るなり、手足を投げ出してくつろいだ。
(ふうーっ…)
間もなくシノがお盆にお菓子とジュースを乗せて入ってきた。タカトシの姿を見るなり、
「こら、津田だらしないぞ」
「固い事言わないでくださいよ、本当に疲れたんですから」
「全く仕方の無い奴だな、ほら、これでも食べてくれ」
「あ、いただきます」
しばらくの間、二人はお菓子をつまみながら、今日の遊園地での出来事などをしゃべっていた。
その半分はタカトシの恨み節だが。
「みんなオレを小間使いか何かと勘違いしていません?」
「ははは、そう言うな。津田、何だかんだで君にはみんな感謝しているのだからな」
そんなやりとりがしばらく続いた。
すると突然シノは遊園地の話題から変えるように、
「…なあ津田、ところで私の事どう思う?」、
「ええ、頼りになる会長だと思っていますよ」
タカトシは思っているままを答えた。するとシノは真顔でタカトシを見つめ、
「そうではない、女としてどう思うのかを聞いているのだ!」
声の調子が強くなったのでタカトシは驚いた。
「ええっ、その、あの…え?」
あまりにも突然の事なので答えに窮した。当たり前である。
「でも、なんでそんな事をオレに聞くんです?」
シノは顔を赤くし目線を下に落としながら、
「…君が好きだ」
「え?」
「君が好きだからだ!」
突然のシノの告白に驚くばかりだった。今までそんな素振りは見えなかったからである。
「で、でも、こんなオレのどこが?」
「人を好きになるのに、理由など要るのか?」
シノも年頃の女の子である。生徒会で長時間一緒にいる事が多いタカトシの事を
知らないうちに男として意識するようになった、大方そんな理由であろうか。
シノは身体を震わせている。かなりの覚悟で言った事であろう。
「私の気持ちは伝えた、だから君の気持ちも聞かせてくれ。それとも、私じゃ駄目か?」
なおも真剣な眼差しでタカトシを見つめる。到底からかっているようには見えない。
「そんな、会長はオレには勿体無いです。でも、本当にオレでいいんですか?」
「ああ、もちろんだ」
こくん、とシノは頷くとタカトシの胸元に飛び込んだ。タカトシは意を決し
シノの身体を抱きしめた。
「会長、こんなオレでよければ…」
シノもタカトシの身体に手を回す。静かな部屋の中でドキドキという
お互いの心臓の音だけが耳に入ってくる。
41ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:09:39 ID:ijRIQ+QF
「タカトシ」
急に名前で呼ばれたので驚いた。
「会長ではなく、シノと呼んでくれ…」
確かに、役職名で呼んだのでは折角のムードに水を差してしまう。
「シノさん…」
タカトシも照れくさいながらもシノを名前で呼んだ。しばらくしてお互いの抱擁を解くと
シノはタカトシから一旦離れ、無言で部屋の電気を消すと再びタカトシの横に座り顔を近づける。
「あ、あの、シノさん?」
「両親なら、今日は帰ってこない。だから…今日は私と…」
真っ暗な部屋の中、シノの息遣いがタカトシの顔にかかる。タカトシもシノに顔を近づけて
唇を触れさせた。
(柔らかい…)
唇から伝わってくる感触が心地よかった。初めは軽く触れる程度だったが、段々と
唇が触れている時間が長くなる。それと共に二人のお互いを抱く腕にも力が入る。
大胆になってきた二人はベッドの上に重なり、お互いに舌を絡めながら求めあう。

ちゅっ…ちゅっ…
お互いを求めるたびに部屋に響く音は段々大きくなってくる。
キスによって気分が高揚してきたタカトシは、シノの服に手を掛けて脱がそうとする。
シノも嫌がる素振りも見せずタカトシの行為に身を委ねた。
手探りでシノの服を脱がし、パンツとブラだけの姿にする。上下とも白くまとめているのが
清楚な感じがする。そしてブラも外して乳房を露わにした。
電気の消えた暗い部屋の中、カーテンの隙間からわずかに入ってくる外の光がシノの姿を照らす。
タカトシは目を凝らしてその姿を見つめた。おもわずゴクリと生唾を飲み込む。
42ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:12:56 ID:ijRIQ+QF
「…きれいだ…」
つい本音を口に出してしまった。
「ジロジロ見ないでくれ、恥ずかしいじゃないか…」
さすがに異性に自分の裸を見られるのは恥ずかしいようだ。シノは自分の顔が赤く紅潮するのが分かった。
タカトシは自分も服を脱いでパンツ姿になると再びシノの顔に近づいてキスをする。
肌に直接感じるシノの柔らかい温もりが心地よかった。
タカトシはシノの唇をあじわいながら露わになった胸に触れた。決して大きくはないが、
手に当たる柔らかい感触をしばし楽しんだ。が、勢いあまって強く掴んでしまう。
「痛いっ、こら、もっとやさしく触ってくれ」
シノはタカトシから唇を離して抗議した。
「あ、すみません」
タカトシはつい急いでしまった事を反省しながら極力落ち着いてシノの胸を揉んだ。
「はああ…」
シノの口から甘い声が漏れた。タカトシが胸を揉むたびにシノの乳房の尖端が固くなってくる。
固くなった乳首を指で軽く刺激するとさらに甘い声を出して喘ぐ。
「あん、ふう、あああ…」
指でいじくり回すだけでは物足りなくなったタカトシは頭を乳房に移動して乳首に吸い付き、
シノの柔らかい胸を味わった。


ちゅぱ…ちゅぱ…
シノは夢中で乳房にむしゃぶりついているタカトシに、
「ふふっ、まるで赤ちゃんみたいだな」
「そんな事言わないでくださいよ」
タカトシは少しムッとなったがそれでもこの柔らかい膨らみから顔を離す気にはなれなかった。
両手で乳房を揉みしだきながら乳首を吸ったり舌先で刺激するとさらにシノは甘い声を出す。
「はぁん…」
さらにタカトシは右手を股間に伸ばしシノの大事な部分に触れる。パンツの上からでも
既に熱く湿っているのが分かった。湿った部分を指で軽くなぞる。
「あ、はあ、はああん…」
シノの声が一際高くなった。タカトシが触るたびにパンツは見る見るうちに水気を帯びていく。
じかに触れてみたくなったタカトシはパンツに手を掛ける。
「…脱がしますよ」
シノは軽く腰を浮かせてタカトシに協力した。パンツを脱ぐととうとう
生まれたままの姿になった。
タカトシは舌を乳首から、腹、臍、下腹部と這わせ、シノの一番大事な部分に顔を近づける。
これまで快感に身を委ねていたシノだったが急に我に返り、
「こらやめろ、そんな所汚い!」
「…シノさんに汚い所なんかありません!」
タカトシも負けずにはっきりと言い返した。そんなタカトシにシノは呆れ返ったように、
「わかったよ、好きにしろ…」
タカトシはシノの太腿を両手で開き、顔を近づけて熱い愛液を湧き出している
恥部に吸い付いた。
「はあ、ああん、ああっ、ああ…」
タカトシは溢れている愛液を吸った。口の中に甘美な味わいが広がった。
「…美味しい」
「はぁん、こ、こら、変な事いうなぁ…ああん!」
タカトシはなおも舌を割れ目に差し込んですくいとり、シノの愛液を心ゆくまで味わう。
その度にいやらしい水音と甘い喘ぎ声が部屋に響く。その音がさらに二人の
興奮の度合いを高めていった。そして全身を走る快感に耐え切れなくなったシノは、
「はああ…タカトシ…そろそろ、来て…」
とうとうタカトシと一つになることを自ら望んだ。

タカトシのペニスも確かに痛いぐらい硬直していた。自分もシノと一つになりたい、
そう思いながらパンツを脱いで全裸になりシノに近づいた。
43ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:15:29 ID:ijRIQ+QF
「シノさん…」
一言つぶやくとシノが覚悟を決めたように無言で頷いた。タカトシはペニスを熱く湿っている
恥部に当てがい、ゆっくりと腰を沈めた。先端に何かに当たる感触がした。
「ううっ…」
シノの苦しそうなうめき声がした。タカトシは慌ててペニスを抜こうとするが、
「いや、やめないで…そのままきてくれ、私なら大丈夫だ…」
その言葉にタカトシも意を決し、腰を一気に沈めシノの身体を貫いた。
ミシミシという感触がペニスに伝わった。生徒会の会長、副会長という関係から一線を越え、
男女の関係になった瞬間である。
「あううう!」
一際苦しそうな声を上げた。キ、キ、キ、という歯をくいしばった音がする。シノの身体に激痛が走った。
シノは身体をこわばらせながらタカトシに抱きついて破瓜の痛みに耐えている。そんなシノの痛みを
少しでも和らげてやろうとするかのようにタカトシも動きを止めてシノの身体をきつく抱きしめた。
(あ、そういえば…)
タカトシはシノの耳元を軽く刺激した。いつぞやシノが性感帯だと言っていた事を
ふと思い出したのである。
「はあ、あああ…」
少しは和らいだようだがまだまだ身体にはジンジンという鈍痛が残る。とにかくタカトシは
シノの痛みが落ち着くのを待った。



しばらくしてようやく痛みが少し落ち着いたのか、シノの身体の緊張が少しずつ解けていった。
「心配させたがそろそろ大丈夫そうだ、動いてもいいぞ…」
「…じゃ、動きますよ、でも無理しないで」
タカトシのすぐ横でシノが無言で頷いた。それを合図にゆっくりと腰を動かした。
44ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:17:10 ID:ijRIQ+QF
シノの暖かく、柔らかい締め付けがペニスを伝ってくる。
タカトシが動くたびに部屋にはベッドの軋む音、シーツの擦れる音、粘膜同士の擦れる音、
お互いの肉体がぶつかる音、そして二人の喘ぎ声と悶え声が響く。
「ふぅ、はあ、ああん、ああ…」
(うわあ、すげー気持ちいい…)
タカトシはペニスから全身を走る快感に次第に理性を失い、本能の赴くままに
ひたすら腰を前後させ快楽を貪った。最早シノを気遣う余裕は無かった。
ベッドの軋む音が段々激しくなってきた。
「ああ、こら、そんなに激しくしないでくれ…ああう!」
シノの声も耳に入らないようだ。
そのうちに、
「シノさん…オ、オレ、もう…」
シノに自らの限界が近い事を告げると、
「はぁ…いいぞ、私の中で果てても…」
その言葉を合図にラストスパートと言わんばかりに腰を動かした。そして一気に絶頂へと登りつめた。
「あ、ああ、シノ…さん…!」
それでもタカトシは最後に理性を取り戻し、間一髪早くシノの身体からペニスを抜き
尖端から熱い精液をシノの腹部に勢いよく発射した。そして全ての精を噴出させたタカトシは
崩れるようにゆっくりとシノの身体の上に倒れ掛かった。
「「はあはあ…」」
二人の荒い息遣いが部屋に響きわたった…



45ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:19:33 ID:ijRIQ+QF
「「…………」」
ようやく落ち着いた後も二人は無言のままであった。特にタカトシはシノを無視して自分だけ
快楽を貪った気まずさから掛けるべき言葉が見つからないのだ。長い静寂の時が流れた後、
先に沈黙を破ったのはシノだった。
「…気にするな、私なら大丈夫だ」
シノはそんなタカトシを気遣うかのようにタカトシの頭を自分の胸元に引き寄せて
頭を撫でてくれたのだった。
「…すみません」
タカトシは申し訳なさからその一言を発するのがやっとだった。



「…シャワー、浴びてくる…」
部屋にタカトシを一人残し、そそくさとシノは先にシャワーを浴びに行った。
タカトシはその間、先程までの激しく、熱い行為の余韻に浸っていた。
(…オレ、シノさんと、しちゃったんだな…)
一人ベッドの中で夢見心地でそんな事を思っていた。耳をそばだてると、シャワーの音が
かすかに聞こえてくる。
そしてシーツに目をやると、赤い破瓜の跡がくっきりとついていた。
(…痛かったろうに、我慢してくれたんだな)
そう思うと、未熟な自分に大切な身体を捧げてくれたシノに対してただ感謝するばかりであった。


しばらくするとシノが戻ってきたので今度はタカトシがシャワーを借りた。
シャワーから上がると、着替えのパジャマが用意されていた。父親のものであろう。
そして再びシノの部屋に行くと、ベッドはすっかり整えられていた。タカトシがシャワーを
浴びている間に全ての後片付けをしていたのだ。シノは頬を赤く染めながら、
「さ、そろそろ寝るとするか…」
部屋の電気を消し、二人はベッドに入った。



「私、全然後悔していないからな…」
「…ありがとう、シノさん」
タカトシは両手でシノの身体を抱いて感謝の念を表した。そしてシノに唇を重ねた。
「「んんっ」」
シノもタカトシに応えた。が、突然シノは唇を離し、
「あ、でも、二回目は勘弁してくれ」
「あ、す、すみません」
抱擁で密着した二人の身体の間で、タカトシの愚息が硬直していたのである。タカトシはバツが悪そうに
シノから少し身体を離した。そんなうろたえるタカトシを見てクスッと笑いながらも、
「タカトシ、君が好きだ…」
「シノさん、オレも貴方が好きです…」
そんな事をささやき合う二人だった。外ではシンシンと降り積もる雪の音だけがする。
どうやら天気予報どおり雪が積もるようだ。
そんな夜の静寂と暗闇の中でやがて二人は心地よい眠りにつくのであった…





46ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:21:36 ID:ijRIQ+QF
そして朝−
屋根から雪が落ちる音がした。どうやら雪が積もったようだ。
その音でタカトシが目を覚ますと、隣にはシノの姿は無かった。慌てて服を着替えて
シノの姿を探すと居間で朝食を並べていた。
「あ、タカトシ、おはよう。朝食を作ったから食べていけ」
テーブルに二人は向き合った。タカトシは窓から外を眺めながら、
「雪、積もりましたね」
「ああ、そうだな」
「「……」」
二人はほとんど言葉を交さず朝食をとった。まるで昨夜のうちに全ての事を
語りつくしてしまったかのようである。
タカトシは静かな朝食を食べ終わると、
「ごちそうさまでした。あの、シノさん、オレ、そろそろ失礼します」
ようやくシノの家を失礼する事にした。

その帰りの玄関先で、
「あ、タカトシ」
見送りにきていたシノがタカトシの背中越しに声を掛ける。
「外では会長と呼ぶのだぞ」
「はい、わかっています」
桜才学園の校則には校内恋愛禁止という項目がある。さすがに会長の立場にある人間が
規則を破る訳にはいかない。
「あ、シノさん」
「なんだ?」
タカトシは両手でシノの肩を引き寄せて唇を重ねた。お別れのキスという訳である。
不意をつかれたのでシノは驚いたが、目をつぶってタカトシのキスを受け入れた。
「「んんっ…」」


ようやくキスを解くとタカトシは一言、
「メリークリスマス!」
それを聞いた瞬間シノは、
「ぷっ、ははは…!」
「ええーっ、そんなに笑わなくても」
「いやすまん、あまりにも可笑しかったのでな」
シノはつい笑ってしまったがそれでも嬉しかったのだろう、顔を赤らめながら、
「気をつけて帰るのだぞ」
とびきりの笑顔でタカトシを見送った。


外は一面の銀世界である。
(さて、コトミには何て言おうかな…)
タカトシはそんなことを考えながら家路に着いた。
一歩踏み出すたびにギュッ、という音を立てる新雪が、まるで今日が
ホワイトクリスマスである事を告げているようだった。



おしまい
47ペピトーン ◆NerkxCFOyg :2008/12/31(水) 07:24:41 ID:ijRIQ+QF
以上です。
体が本調子でない上に急いで仕上げたのでいろいろ気になる点はあるでしょうが、
そこは平にご容赦願います。
私は本年最後の投下になりましたが、住人、職人、そして保管庫の管理人すべての
皆さんよいお年を!
48名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 09:24:19 ID:G5V5ZId6
464氏、埋め職人氏、郭夫妻、ペピトーン氏、楽しい祭りをありがとう!
49518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:32:05 ID:a9mTkgk+
もう年末ですか、そうですか。
今更のクリスマスネタで濱中ネタです。
50518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:33:32 ID:a9mTkgk+
修羅場。
小久保家のリビングを表すのに適した一言はそれに尽きるだろう。
「うわーん小久保君のぱかー!!」
その原因は半泣きで叫んだリンコの一言がすべてを物語っていた。

今日はクリスマスイブ。
だと言うのに小久保家は阿修羅VS帝釈天。

ああ、無情。



すこしばかり月日を遡る。
「サプライズパーティーをしよう!」
ミサキの家でのリンコのセリフがすべての発端だった。
学校こそ別々になってしまったけれど仲がいい二人はお茶の真っ最中。
「サプライズパーティー?」
意味を謀りかね、ミサキは首をかしげる。
「うん! クリスマスにやるの! それで小久保君をびっくりさせようよ!」
「マサちゃんを……」
女子高に進んだミサキはマサヒコとは当然違う学校。
さらに言えば家庭教師の授業も終わってしまったため、ミサキはほとんどマサヒコの部屋へ行くことがない。
会うのに理由なんか要らない、いつでも家に来いよ。とは単行本4巻P140でのマサヒコのくっさいセリフ。
だがそれをそのまま実行できるほどミサキは大胆ではなかった。
だから会うための理由が欲しかったし、リンコの提案は願ってもないものだった。
だから、
「うん、そうだね。やろう! サプライズパーティー!」
ミサキの同意も得られ、大喜びのリンコ。
「ほんとに!? やったー!!」
「あ、でもそれじゃあ他にも誰か誘ったほうがいいかな? パーティーなんだし多いほうが楽しいよね」
「うん。だから中村先生とアイ先生と、アヤナちゃんも帰ってくるって言ってたから誘っておいたんだ」
要するに、なつかしのメンバー久々の大集合!!と言うわけだ。
それから二人で細細した事――誰が飲み物を持ってくるとか、集合時間など――を決めた。
「こんなところかな?」
「そうね。じゃあパーティーのこと小久保君には絶対内緒だよ、リンちゃん」
「うん!」
少女たちは共通の秘密を胸に、笑いあった。



そして迎えたクリスマス当日。
ミサキ、リンコ、アイにリョーコ、そして帰ってきたアヤナ。
5人は久方ぶりの再会に感動しつつ、懐かしみつつ小久保家へ。
呼び鈴を押し、出てきたのは……
「あら、これまた懐かしい面々ねぇ。今日はまたどうしたの?」
マサヒコのマザー。
どこかへ出かけるのか、よそ行きを着て、化粧もばっちり。
美人さんだ。
「お久しぶりですお母さん。えっと、今からサプライズパーティーをしようと思ってきました。
すいません、急に押しかけてしまって」
代表してアイが答えるとマサヒコの母はあらまあといった表情をする。
51518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:34:14 ID:a9mTkgk+
「いいわよいいわよ。こんな家でよかったらパーティー会場にでもなんでもしちゃってよ。
わたしはこれから旦那とディナーだし、マサヒコはバイトでいないから好きにつかっちゃって」
「ハイ、遠慮なく……って! 「「「「ええええ!!!」」」」
絶叫。
アイ一人ではない。
リョーコを除いた全員だ。
その叫び声に、マサヒコの母は流石に驚いた様子で、
「ど、どしたのみんな?」
「マ、マサ、マサヒコ君いないんですかぁ!!」
「うん。バイト行ったわよ」
母の言葉に絶句して放心して涙ぐんで唖然とする。
そんな彼女達の様子に憐憫の眼差しを向けていたマサヒコの母だが、
「あ〜……えっと、ごめん、時間ないし後任せるわね」
「ええ。楽しんできてくださいな」
リョーコに後事を託すことにする。
「そうさせてもらうわ。あ、そうそう」
2、3歩歩きかけたところで振りかえり、
「メリークリスマス。リビングの棚にあるお酒は飲んじゃっていいからね」
リョーコにウインクを返す。
「あ……」
思わぬところからのクリスマスプレゼントに少々意表を付かれたリョーコだが、
「メリークリスマス。マサヒコに弟か妹でも作ってあげてくださいな」
いつもの自分を取り戻してシニカルな笑みを浮かべる。
「あはは、そうね。旦那次第かな、それは」
強烈な一撃をさらりと右から左へ受け流し、彼女は去っていった。
リョーコは大きくため息をつく。
「かなわないわねぇ、まったく……」
それから、唖然として動かない乙女達を見てさらにため息。
「やれやれ……ほら、あんたら。いつまでも突っ立ってないで」
「でも……でもせんぱぁい。マサヒコ君いないんですよぉ。
これじゃあ何の為にサプライズパーティーを計画したのかわかりませんよぉ」
半泣きのアイに冷たい視線を向ける。
「サプライズしすぎたのが問題なのよ。せめてお母さんには連絡を取るべきだったわね」
リョーコの言葉に乙女達さらにがっくり。
「ほら、中入るわよ」
「「「「は〜い……」」」」




と、いうようなことがあったわけでして。
その後意気消沈したまま決行されたサプライズクリスマスパーティー。
あんまりにも陰気なその雰囲気にリョーコがアルコールを各自に勧めその結果……
至る、冒頭。
「マサちゃんのばかー! おたんこなーす!」
ここは修羅場。
「せっかくあたしが逢いに帰ってきてあげたのに〜!!」
マサヒコに非は無い。
「所詮君とわたしとの関係は教師と生徒にすぎなかったんだぁ……ふぇぇぇん」
何度でも言おう。
マサヒコに非は無い。
一切合財、毛の先ほど、クオークの直径ほども無い。
52518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:35:03 ID:a9mTkgk+
「「「「小久保君(マサヒコ君 マサちゃん)のばかー!!」」」」
大合唱。
粉砕、玉砕、大喝采。
マサヒコへの非難のシュプレヒコール。
そんな状況にリョーコは、
「……飽きたわね」
四人の痴態(?)を酒の肴にするのも飽きたのだ。
人の悲しみを酒の肴にするとは。
鬼である。
悪魔である。
人の皮をかぶったリョーコである。
意味不明。
……まあとにかく。
リョーコは飽きたのだ。
マサヒコへの謂れのない罵詈雑言は飽きたのだ。
だから少々趣向、あるいは酒肴を変えることにした。
「ねえあんた達」
不思議なもので。
リョーコが声をかけると四人はマサヒコへの非難の声もぴたりと止めてリョーコを見る。
リョーコに逆らってはいけないという本能の為せる技だろうか。
天晴れ見事である。
「もしもさ、マサと二人っきりでクリスマスを過ごせるとしたらどんなのがいい?」
「マサヒコ君と?」
「ふたりっきりで?」
「クリスマスを?」
「過ごす?」
四人はそれぞれ何かを想像するように宙を見上げ。
「「「「……えへへへぇ〜……」」」」
にたぁっと笑った。
なに考えたんすかねぇ。
「ほら、アイはどんなのがいいの?」
「私は……」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「メリークリスマスですアイさん」
「メリークリスマス、マサヒコ君」
二人はカチンッと、グラスを打ち合わせる。
「って、俺のは水だからちょっとかっこつかないっすよね」
「ふふふ。未成年の飲酒は厳禁ですよー。先生そう言うの見逃しません」
ちょっとおどけていったアイの言葉にマサヒコも相好を崩す。
「まあムリに飲みたいとも思いませんけどね」
「ふ〜ん、そうなんだ」
「……でも、食前酒程度なら」
「だ〜め。そんなこと言ったらめっ!です」
「残念」
そんなやり取りをして、また二人、笑いあう。
53518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:35:57 ID:a9mTkgk+
しかし。
ふと、アイの顔色が曇る。
気配りのできるマサヒコがそれに気づかぬはずがない。
「アイさんどうかしましたか? 食事、あんまりおいしくなかったですか?
あ、それとも……せっかくのクリスマスに俺と二人ってのイヤだったですか?」
「ううん! そんなことないよ! 料理はどれもおいしいし!
マサヒコ君と二人っきりのクリスマスもすっごく楽しいよ!! ホントだよ!」
大慌てで、身振り手振りまで加えて。
自分がいかに今を楽しんでいるかを全身全霊全力全開でアピールするアイを見てマサヒコはほっと息をつく。
「じゃあどうしたんですか?」
「うん……こんなすっごいところ予約して。高かったんでしょ?」
二人がいるのは高級ホテルの展望レストラン。
当然、お値段のほうも高級になっております。
「まあそうですけど、バイトしてましたし。それに……」
「なに?」
「プライスレスですよ。アイさんと二人で、クリスマスを過ごせるってのは」
「マサヒコ君……」
ジーンときて、アイは思わずちょっと涙ぐんでしまった。
アイの琴線触れまくりなマサヒコ。
さらにとどめの一撃を加える。
「えっと……先生…じゃない! アイさん。実は……こんなものもあったりするんですけど」
緊張のせいか思わず昔の呼び名に戻りつつ、マサヒコがポケットから出したのは……出したのは。
「……」
宝石じゃなかった。
指輪を持った熊のぬいぐるみでもなかった。
そもそもクリスマスのプレゼントですらなかった。
一枚のカード。
ぶっちゃけこのホテルのカードキーだ。
「え〜っと……」
せわしなくカードキーと自分を交互に見るアイへ、マサヒコ、一言。
「今夜、どうですか?」



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「なーんて! なーんて!! きゃー♪」
(マサにそんな甲斐性あるわけないじゃないの)
心の中で思うだけにとどめるリョーコ。
代わりにアイのコップに酒を注ぐ。
「んで、リンコは? マサと二人っきりでクリスマスを過ごせるとしたらどんなのがいい?」
「えっと……」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「ふわ〜! きれいだねぇ」
「そうだなぁ」
54518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:36:30 ID:a9mTkgk+
イルミネーションを纏ったそれを二人で眺める。
マサヒコ達の住む町から少し離れた街の商業施設の名物クリスマスツリー。
過ぎるほどに煌びやかなそれは、しかし今この時にはふさわしいものだった。
「きれい〜」
呆けた様子でリンコが見つめる。
「ああ、ホントに……きれいだな」
だがしかし、マサヒコの眺めるのはクリスマスツリーではなく、隣に佇む少女。
眼をキラキラさせている、同級生。
「ねえ小久保君。すっごく綺麗だよね!」
「ああ、ホントに……な」
「あ……え、えっと……」
ここに至り、リンコもようやく気づく。
マサヒコの視線の先を。
何を綺麗と言っているかを。
「こ、小久保君……」
「っと、悪い……つい、な」
「う、うん」
要領を得ない会話も、なんだか心地いい。
なにより、リンコは嬉しかった。
いつも「かわいい」とは言ってくれるマサヒコだが、「綺麗」だと言ってくれたのは今日がはじめて。
気合をいれておめかしをしてきてよかったと思う。
「ねえ、小久保君」
「ん?」
「もういちど……言って?」
「?? 何をだ?」
「だから、その……」
顔を真っ赤にしてもじもじしだしたリンコを見て、マサヒコは少し意地悪がしたくなったようで。
「かわいいよ、的山」
「!! う〜……」
頬を膨らませてぽかぽかとマサヒコを叩くリンコ。
「ホントにかわいいな的山は」
「う〜う〜う〜!!」
「でも……今日は綺麗だな」
「ふへぇ!!!??」
不意を突かれた。
さらに追い討ちまで。
「リンコ」
「ふにぃ!!???」
的山リンコ再起不能(リタイア)



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「なーんて! なーんて!! きゃー♪」
(正直あんたに綺麗はないわ……ま、かわいいことは間違いないけどね)
心の中で思うだけにとどめるリョーコ。
代わりにリンコのコップに酒を注ぐ。←お酒は二十歳になってから
「んじゃアヤナは? マサと二人っきりでクリスマスを過ごせるとしたらどんなのがいい?」
55518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:37:21 ID:a9mTkgk+
「そんな……私は別に……」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「んっ……!」
それは深い口付け。
貪るようなと言ってもいいかもしれない。
アヤナの口内を蹂躙し、犯し尽くす。
足が震え、もう立っていられない……というところで、ようやくアヤナを解放する。
「ごめん、ちょっとやりすぎた……かな?」
「あ、あたりまえでしょ!」
「う……わ、悪い」
そう言ってしゅんとするマサヒコの姿にアヤナは笑みを禁じえなかった。
両極端と言うかなんというか。
先ほどまで自分にあれほどの狼藉を働いていた少年の姿とは思えない。
「もう……場所を考えてよね」
二人がいるのは多くの人が行き交う大通り。
そんなところでディープキスしよう物ならば白い目で見られること間違い無し。
けれど。
今日だけはそれも許されるかも知れない日だ。
「もう……もう〜」
アヤナは指でつんつんとマサヒコをつつく。
責めていると言うよりも甘えているといった風。
「悪かったって。な? ごめん」
そんなアヤナに対しても真摯に謝罪をするマサヒコ。
なんともまじめなことであり、そんなところがアヤナはたまらなく好きだった。
何事にも節度を守るマサヒコ。
そのマサヒコが人目もはばからずにキスをした。
その意味がわからないほどアヤナは鈍くないし、自惚れてもいいと自負している。
だから、聞いた。
「小久保君は……私のこと、好き?」
言葉が欲しくて。
確かな言葉が欲しくて。
「ん……いや、好きじゃない、かな」
「っ!!?」
自惚れてもいいと思っていたからこそ、マサヒコの一言は強烈なものだった。
だからこそ、その後の一言は堪えられないものだった。
「愛してるよ。アヤナのこと。世界中の誰よりも」
そう言って、マサヒコはもう一度、深く深く口付けた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「なーんて! なーんて!! きゃー♪」
(人前でキスとか。マサなら絶対やらないわね。現代っ子のわりに時々しっかりしてるからね、あの子)
心の中で思うだけにとどめるリョーコ。
代わりにアヤナのコップに酒を注ぐ。
56518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:37:56 ID:a9mTkgk+
「んで、ミサキは? マサと二人っきりでクリスマスを過ごせるとしたらどんなのがいい?」
「えっと……」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「っぃ!!」
苦悶の表情と、苦痛にあえぐ声。
その声に制されるように、マサヒコの動きが止まる。
「ミサキ……やっぱり」
「だめ! やめちゃだめぇ!」
「でもな」
「せっかく……せっかくここまでこれたんだから」
「けど……」
「ごめんね……んっ……少しだけ待ってて。すぐに……なれる、から」
「ミサキ……」
「んっ!……ちゅ……はぁ……マサちゃぁん…好き……大好きぃ……
やぁ!……首すじはぁ……やんっ!」
「ッ……そろそろ、動いても大丈夫か?」
「うん、いいよ。マサちゃんのしたいようにして」
「……わかった……」
「ぅぁぁ!! まさちゃぁん! マサちゃん好きぃ……! 大好きなのぉ!!」
「ミサキ……ミサキ!!」
「マサちゃ〜ん!!」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「なーんて! なーんて!! きゃー♪」
(いや、もーなんつーか。ツッコむ気すら失せたわよ。作者もやる気失せたみたいだし)
いってはならぬ内情を暴露しつつリョーコはやれやれ酒を注ぐ。
注ごうとした。
「あ、品切れだわ」
どれだけ飲ませたのか、一生瓶はすでに空。
変わりを取りに行こうと、リョーコはリビングを抜け、キッチンへと向かおうとした。
57518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:38:39 ID:a9mTkgk+
のだが。
玄関前を通りかかったとき、ガチャガチャと鍵穴を回す音が聞こえた。
「ふ〜……ただいま……って、中村先生、何で金属バットを上段に構えてるんですか?」
「ああ、マサだったの」
玄関を開けて入ってきたのは家主の息子、小久保マサヒコその人だった。
「あんたバイトだったんじゃなかったの?」
「ええ。ケーキ売ってました。それが全部売れたんでお役ごめんってことで帰ってきたんですけど……」
首をかしげ、不思議そうな目でマサヒコはリョーコを見る。
「何で中村先生が……っつーか、声から察するにみんながここにいるんすか?」
「まあなんていうか……クリスマスパーティーよ」
「はあ……それはまた。なんでうちで?」
「……まあそれはそれとして」
「スルーした!?」
「みんなあんたのこと待ってるわよ。疲れてるかもしれないけど早いとこ顔見せてあげなさい」
「はあ……そうですか」
戸惑った様子ながらも、リビングへと向かうマサヒコ。
その様子に、リョーコは内心合掌する。
案の定。
マサヒコがリビングに入ると、にわかに沈黙。
そしてその後、
「だー!! な、なに脱いでるんだミサキ! 落ち着け! あ、おい若田部! なんだよ、ちゅーしろってなんだよ!?
あ? ああ、うん、かわいいぞ的山――なんだ! 何が不満で泣くんだ!?
濱中先生何とか――今夜どうですかなんて言った覚えないっすよ!! うおおー!! 一体何がどうなっとんのじゃー!!」
マサヒコの怒涛のような絶叫とツッコミが聞こえてきた。
「やれやれ。メリー苦しみます、といったところかしらね。マサ」
リョーコは苦笑しながらポツリとつぶやいた。



END
58518 ◆8/MtyDeTiY :2008/12/31(水) 11:40:32 ID:a9mTkgk+
終了。
誤字脱字表現違い?なにそれおいしいの?


ミサキスキーの皆様、大変申し訳ございませぬ。

生徒会〜のほうでのネタは年内にまにあわなんだ。
そっちは可能ならば年明けに。
あるいは一年間塩漬け。
59名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 14:53:00 ID:2piHQi03
ピンキリ氏→464氏→郭夫妻→埋め職人氏→ペピトーン氏→518氏
の華麗な流れに往年の最盛期を思い起こして感涙
60464:2008/12/31(水) 16:37:43 ID:DijNlx53
乙です。
なんとなく私も続きます。
61464:2008/12/31(水) 16:39:36 ID:DijNlx53
師走。
日本の各家庭では人々が大掃除に励んでいた。
気持ちのよい新年を迎えるべく、寒風にも屈する事なく身体を動かす。
が、ふとした拍子に思い出の品などを発見してしまうともういけない。
懐かしい記憶に打ち負かされ、そこで試合終了と相成ることは必然。
そしてそれは、天野ミサキも例外ではなかった。

「うわぁ、懐かしいな…」
感慨深げにミサキは呟いた。
彼女が手に取ったのは白地の覆面。
うっすらと埃を被っているところから察するに、もう長いこと使用されていないシロモノらしい。
「思えば、このマスクとの最初の出合いからずいぶん経つのね…」
苦笑とともに、ミサキの脳裏にはマスクと共にあった日々が鮮明に蘇ってくる。

「しっとの心は乙女心! 押せば命の泉湧く!」
クリスマス・イブの夜。
色とりどりの電飾が街を照らし、良くも悪くも活気で溢れるその中に、突如として異形の一団が現われた。
「聖なる夜を取り違えて浮かれているアベックどもは断乎として粉砕する!」
一団の先頭に立つ巨躯の覆面男はそう叫ぶと、傍らに控える2人の方を顧みた。
「部隊を3つに分けて進軍する。別働隊の指揮は2号とレイディに任せるぞ」
それを受け、2号と呼ばれた痩身の覆面男が敬礼する。
「お任せ下さい。総統の期待に応えてご覧にいれます」
同様に、レイディとおぼしき小柄な覆面女性も敬礼を行った。
「健全な男女にあるまじき、卑猥な行為は絶対に阻止しましょうぞ!」
両名の覇気を感じ取った巨躯の総統は満足気に頷くと、勢いよく右腕を天へ突き上げた。
「うむ。では参るぞ。いまこそ決戦の刻!」
「おおぅ!!」
「レェェェェツ・ハルマゲドンッ!!」
一団が一斉にあげた魂の気勢は、聖夜の街を底から揺るがしたという。

「ちょ、ちょっと止めて下さい。そんなの要りませんってば!」
「そんなのとは何だ! レイディ様手作りの聖夜鍋なんだぞ! ありがたく頂戴しろ!」
街の一角は異次元空間と化していた。
往来のど真ん中に巨大な鍋が設置され、この世のものとは思えない異臭を伴った湯気を発している。
その傍らでは、エプロン姿のレイディが手にした包丁で野菜と格闘中であった。
「レイディ様…。もう少し大きめに切ったほうがよろしいかと…」
「え、そう? …こんな感じ?」
「レイディ様…。もう少し小さめに切ったほうがよろしいかと…」
「うう…。家庭科3は遠いなぁ・・・」
レイディが包丁を振るう度に、不恰好な野菜の残骸が量産されていく。
そしてそれはそのまま鍋の具材となり、道行くアベックたちへ強制的に振舞われていた。
阿鼻叫喚の地獄絵図である。
62464:2008/12/31(水) 16:42:17 ID:DijNlx53
「ふふ、今思えば、ちょっと過ぎた行動だったかもしれないわね…」
覆面に視線を落としながらミサキはころころと笑ったが、次の瞬間には表情を引き締める。
「大丈夫。もう『あちら側』には戻らない。マサちゃんは私の想いを汲んでくれる…」
自分に言い聞かせるように呟いたが、不安は拭い切れない。
団を抜ける際に総統から言われた言葉が頭の中で反響する。
「愛と憎しみは表裏一体だ。君は必ず此処へ帰ってくる。席を空けて待っているよ、レイディ…」
ミサキは悪寒を振り払うかのように立ちあがると、電話を手に取った。
「マサちゃんの声を聞こう。そうすればきっと落ち着く」
呼び出し音を耳にしながら、祈るような気持ちで相手が出るのを待つ。
やあやって、電話は繋がった。待ちきれないようにミサキは切り出す。
「あ、マサちゃん? 私。ミサキ。あのね、年末年始の予定…」
「あ〜! ミサキちゃん? 久しぶり〜! 元気だった?」
「え…」
電話から聞こえてきた声は、待ち望んでいたマサヒコのそれではなく、若い女性のものだった。
聞き覚えのあるこの声は…。
「アイ先生ですか?」
「そうだよ〜。分からなかったの? だとしたらショックだわ〜」
濱中アイ。
かつて、マサヒコの家庭教師を勤めていた女性である。
容姿端麗で快活な彼女は魅力に溢れており、マサヒコと「よい仲」になるのではないかと当時のミサキは気を揉んでいた。
「え、あれ、アイ先生がどうしてマサちゃ…マサヒコ君の電話に?」
「あ〜、うん。街で買い物してたらバッタリ会ってね〜。コレ幸いと荷物を持ってもらってたの」
「はぁ・・・」
「今は休憩中(喫茶店で)なんだけど、マサヒコ君は少し外してて。で、電話が鳴ってからつい出ちゃったってわけ。条件反射って怖いね〜」
「休憩ッ!?」
ミサキの声が裏返った。何を勘違いしたのかは想像に難くない。
その時、電話の向こう側では、コーヒーの注文を終えて戻ってきたマサヒコがアイの行為を咎めていた。
「ちょ…!? なに人の電話に勝手に出てるんですか!?」
慌ててマサヒコはテーブルへと駆け寄るが、彼は慌てすぎて床に置いた荷物の存在を失念していた。
お約束のように躓いて派手に転び、お約束のようにアイへ覆い被さる格好になる。
「きゃっ? マサヒコ君、どこ触ってるの? …欲求不満なの? 仕方ないなぁ。少しだけだよ?」
「違う! 不可抗力だ! ていうか何言ってんだアンタは!」
そこで電話は切れた。
二人がぶつかった拍子にOFFになってしまったらしい。

しばし呆然と立ち尽くしていたミサキだったが、やがて、その身からオーラのようなものが噴出してきた。
それに呼応して、握り締めた覆面も眩く輝き出す。
「うおおおおおおおおおッ! しっとパワーMAXMAMッ!!」
予言は的中し、魔神は蘇った。

63464:2008/12/31(水) 16:46:21 ID:DijNlx53
以上です。タイトルは「愛憎一体」とかで。
64名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 18:27:45 ID:23vQeZQ3
おお、紅白、格闘技をもぶっとばす豪華版!
各職人さん、乙です。
65名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 22:15:29 ID:FmIqDkRb
皆々様超GJです!

これは正月もかなり期待しても良さそうですね…
66名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 23:21:15 ID:G5V5ZId6
1ヶ月で一つスレを使い果たした過去を思い出したラッシュだ
しかしベテラン組は五年目て…どんだけ
67名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 23:33:57 ID:2piHQi03
かつてはレスより容量の方を先行消費してた時代もあったよね〜
68名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 00:02:35 ID:G5V5ZId6
あけ
おめこ
とよろ
69名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 00:50:21 ID:QwnO8VFJ
あけ
おめこ
とよろ
職人の皆様今年もよろしくお願いします(いろんな意味で)
70名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 01:09:00 ID:Qb/whO2P
登場したのは

郭氏>518氏>ペピトーン氏>ピンキリ氏

の順なんだよな?全員5年目、正に最強のベテラン四天王というべきか。
ただアカボシ氏・トマソン氏・セリカ氏・新参者氏・サブロー氏・そら氏・乖離氏
といった中堅職人がごっそり引退orセミリタイアなのが悲しい
71名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 13:46:25 ID:G7WBHPRB
濱中&思春期が連載されていた頃がピークなのは仕方が無い
現在は生徒会一本だから
72名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 15:05:18 ID:MAZjL9z0
今気付いたんだが、マガスペの一月号に濱中の4コマあったの!?
73名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 19:29:00 ID:QwnO8VFJ
あったよ、ちょっと微妙だったけど
74名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 22:28:02 ID:MAZjL9z0
どの辺り?
探したけどわからんかったorz

スクランとかと一緒のとこ?
75名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 23:26:59 ID:8lbVbKuZ
>>74
載ってたのは12月号91Pだよ。
「よんこま」というマガジン漫画家がお題の4コマ漫画書くコーナー。
76名無しのWiki職人:2009/01/03(土) 17:04:05 ID:vxeZcI7F
いまさら あけ おめこ とよろです。


お疲れ様です
保管庫更新しました。


伊東氏:
前作「ホストシャッフル」というのがどれなのか、当方ではわかりませんでした。
保管庫に入っているものであればそのどれなのか、ご教示していただければ
題名を訂正しときます。
(ついでに、続き物であれば、前編の最後に後編へのリンクを貼ることも出来ます)
77名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 02:43:51 ID:G0P/+0he
保管庫さんいつもご苦労様です
今年もよろしくお願いいたします
78名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 11:17:18 ID:voIBobGn
アリアのおっぱいうめぇ
79名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 11:29:05 ID:2lu2YGNn
次の祭りはバレンタインかな?
80伊東 ◆5pkah5lHr6 :2009/01/05(月) 21:57:47 ID:V72CcuWA
あけ
おめこ
とよろ

です。皆様。

>>名無しのWiki職人様

いつもお疲れ様です。
「ホストシャッフル」は「No Title濱中1:伊東氏」
になっているリョーコちゃんとマサヒコ君のSSです。

それと
「No Title濱中2:郭×伊東氏」、「No Title濱中3:郭×伊東氏」
はまとめて「Back In Japan」と一緒にするか前後編くらいに
してもらえるとお話がつながると思います。

それではおやすみなさいノシ
81名無しのWiki職人:2009/01/06(火) 23:25:17 ID:GWtuc1Yy
:伊東氏
ありがとうございます。

「No Title濱中1:伊東氏」 は
「ホストシャッフル:伊東氏」に改題しときました。


>「No Title濱中2:郭×伊東氏」、「No Title濱中3:郭×伊東氏」
>はまとめて「Back In Japan」と一緒にするか前後編くらいに
>してもらえるとお話がつながると思います。

こちらは一応、「Back in Japan1〜3:郭×伊東氏」にしときました。
3が共作なのか、郭氏の完投なのかわかりかねますが、
続きものなら題名も統一したいと思ったもので。
2と3のつながりがちと変な気もしますが、何かあったら
ご指摘ください。
82名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 11:23:59 ID:dCPLXzIH
両人ご苦労様です
83名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 00:32:21 ID:N40SLwmv
メディア展開ゼロの中堅漫画家で27スレ突破は快挙でないかい?
84名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 00:50:22 ID:ZFMf/CkH
メディア展開はしてないが、濱中が累計100万、妹が130万売れてる時点で凄いと思う。
85名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 14:27:52 ID:/a/8FnoR
アニメやグッズで稼げるほど看板ではないが、切って捨てるほど旨味がないわけではない
連載で使えば自爆しない限り低迷はせずそこそこの販売パワーはある、ということか
講談社的には確保しておくに足る漫画家なんだろう
86名無しさん@ピンキー:2009/01/08(木) 19:04:19 ID:CjooOBpe
和食における漬物みたいなもんか。
87名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 03:28:08 ID:43b7Om43
とりあえず『おかず』なんだな。
88名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 10:39:18 ID:3hLRAY5F
さらにその「おかず」に手を加えて二次創作料理にするこのスレ
89518 ◆8/MtyDeTiY :2009/01/09(金) 12:42:05 ID:Cj8JMB4x
生徒会役員共#22最後のやつをロマンチック(?)にしてみた。
90518 ◆8/MtyDeTiY :2009/01/09(金) 12:43:38 ID:Cj8JMB4x
「これは私個人の君へのプレゼントだ。
今年副会長としてがんばってくれたからな」
「ありがとうございます会長」
タカトシが礼を言った瞬間、ヴィイイイ、と。
箱の中から物騒な音が聞こえてきた。
先ほど出島さんからも同じ音がするものをもらったような……。
暗澹たる思いでプレゼントの箱を持っていたタカトシだが、
「え、うそ! な、なんで?」
「??」
シノの様子がおかしい。
驚きと、若干の悲しみが含まれた表情。
タカトシは包みを破り、箱の中のものを確認する。
「?? ケータイ?」
箱の中にあったのは携帯電話。
着信を知らすライトをチカチカ光らせながら振動している。
「あ、えっと……会長、これっていったい??」
プレゼントに携帯電話とはこれいかに?
そもそもタカトシはすでに携帯電話を持っている。
シノはぎゅっと唇をかんでうつむいていたが、やがて顔を上げる。
「私、だけの……」
今にも泣き出しそうな顔だった。
「私だけの、津田との、つながりがほしかったから……」
そういって顔を真っ赤にする。
「なのに」
そういって、またふにゃっと顔をゆがめ、振動を続ける携帯電話に目をやる。
「もう誰かがこの番号を知っているんだな」
「……」
タカトシはしばし絶句し、
「いやいやいや! 違うでしょ会長!!」
言うなり携帯電話を手に取り通話ボタンを押す。
「もしもし、電話番号間違えてませんか?……いえ、津田です。はい、はい……いえ、それでは」
通話を切り、シノに向き直る。
「間違い電話に決まってるじゃないですか」
「そ、そうなのか?」
「そうですよ。いつ俺がこのケータイの番号を人に教える隙がありましたか?
そもそも電話番号自体まだ知りませんし」
「む……言われてみればそうだな」
得心が言った様子で、いつものシノに戻る。
「うむ、つい取り乱してしまったようだな。すまん津田」
「それは別にいいんですけど……会長」
「ん?」
「あの、俺とのつながりがほしかったって……あれはいったいどーいう意味で?」
再びシノの顔がカーッと赤くなり、
「そーいう意味だ!」
起こったようにぷいっと顔を背けてしまった。
でも耳まで真っ赤。恥ずかしくって真っ赤。
タカトシもだいぶ照れたのだが、それでも言わなければいけないことは心得ている。
「ありがとうございます会長。大事にします……それと、番号は誰にも言いませんから」
タカトシの言葉にシノは背を向けたまま、
「当然だ」
満足そうにうなずくのだった。

END
91518 ◆8/MtyDeTiY :2009/01/09(金) 12:47:02 ID:Cj8JMB4x
構想三分、実働三十分。
速攻で書いた。

シノの携帯の入手法など色んな突っ込みはご勘弁のほどを。
92名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 14:34:11 ID:XANuzN3d
ミサキが好きだー!
93名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 16:05:11 ID:B/hMA/W4
GJ!さすがは小ネタマスター!
94名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 01:11:48 ID:fKQ/+wmD
初期から郭氏や518氏、ペピトーン氏が継続参加、黄金期を経て古参中堅が離脱するも
Y275氏たち新規の職人が次々参入、過疎化の危険は今のところなし
何より古田氏の保管庫→新保管庫ときちんと受け継がれた

本当に恵まれたスレだよ、ここは
95名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 14:31:54 ID:wnVnPzXa
静かな連休だった
96Y-275:2009/01/13(火) 23:32:30 ID:OHUFhPp6
ご無沙汰してます。
結局、年末年始は忙しくて、今日まで投下出来ませんでした。
新年一発目に小ネタと妹は思春期、シンジ×カナミのを投下します。
まずは小ネタから。初夢ネタなんですが、年明けから2週間近くたっちゃいました。申し訳ありません。
それでは、投下。
97Y-275:2009/01/13(火) 23:34:41 ID:OHUFhPp6
「おはようございます。ご主人様。」
朝、枕元から聞き慣れない響きの言葉で俺は目を醒ました。
「学園に遅刻してしまいますよ?」
目を醒まし、そちらに目を向けると、そこにいる人物はそう言って柔らかく微笑む。
前髪と後ろの髪に、それぞれ独特に跳ねたところのある黒髪。
そこにはメイド服に身を包んだ、我等が会長の姿。
ヘッドドレスなどの小物も完璧で、プロのメイドさんと見間違うたたずまいでそこに存在している。
「なに、やってるんすか?会長?」
そう問うと、会長は首をふるふると左右に振る。
「私が、メイドとしてご主人様にお仕え申し上げてる時は、シノとお呼びくださいと昨晩申し上げたはずです。」
「ええと、じゃあ、シノ…」
実際こうして呼んでみると妙に気恥ずかしくて必然的に頬が火照る。
「はい。ご主人様。」
「どうして、ここに…?」
ここは俺の部屋に間違いない。
部屋にある家具、机の上の荷物、その他何をとっても完膚なきまでに俺の部屋だ。
そんななか、唯一のおかしいものといえばメイド服に身を包んだ会長の存在。
「まだ、寝ぼけていらっしゃるのですか?お食事のご用意はもうできてますので、お先に顔を洗われてから下りていらしてください。」
そんなことを宣うと慇懃に一礼。
会長は部屋から出ていった。

………………………………

とにかく、今日はおかしな一日だった。
「な、な、な、な、なんで、なんで、なんで!?津田が会長と一緒?ねぇ、何で?」
と、小さい身体を、ともかく大きく動かし、パニクった萩村とうちの前で出会った所から始まった一日。
普段のツンツンした萩村のそんな姿はとにかく微笑ましかった。
だが、まだまだ、そんなのは可愛い方で…
「オーホッホッホッ、なんで、この階段は自由に動かないのかしら?使えないわね。」
七条先輩が縦巻きロールで現れた事には閉口モノだった。
しかも、なんか、テンプレ通りの傲慢発言。
「ねぇ、出島?私の家のお金で学校の階段をすべてエレベーターにすることは出来なくて?」
「お嬢様…それは、難しいかと思われます。あと、エスカレーターの間違いではないかと。」
何故かお付きとして付き添う出島さんは、しれっと七条先輩にツッコミをいれながら、当たり前のように横にいるし。
かと、思えば…
「……………………」
カメラを構えた畑先輩。しかし、なぜか、喋らない。
一切無口なまま、
"パシャッ"
「……………………」
写真を撮るとどこかへ行ってしまう。
他にも、
「あうっ……はきゅ〜〜」
俺と出くわすなり、急にこけて小動物ライクな呻き声をあげ、逃げ去る五十嵐先輩。
「やだなぁ、タカトシ君!!」
言葉は普段通りなんだけど…
"バシン、バシン"
豪快に笑いながら俺の背中を叩く三葉は、なんつーか、姐御肌だし、
それから、横島先生は…
ん、まぁ、普段通りだったから良いや。


「それでは、夜伽を勤めさせていただきます。」
三つ指をつく会長。
そんなこんなで学校から帰宅して今は夜。
っつーか、寝る前。
しっかりとメイド装備な会長。
っつーか、何なんだ、今日は?
本気で意味がわからん。
錯乱する頭。
98Y-275:2009/01/13(火) 23:35:39 ID:OHUFhPp6
そんな俺を余所に会長が俺のズボンに手をかける…

………………………………

「何も変わらないと思っていた日常。気づいてみればこの時から、俺達の運命は変わり始めたのかもしれない。」
目を開ける。そこには見慣れた天井。
どうやら、夢だったらしい。
ホッと胸を撫で下ろす。
今日は1月2日。
パラレルワールドに迷い込んでいなければ、これが、いわゆる初夢。
なんつー夢を見ちまったんだ。
いっそ、頭を抱え込んで布団の上で悶え回りたくなる。
だが、その前に…
「なぁ、コトミ?」
「あ、おはよう。タカ兄。」
「何してるの?」
「いや、タカ兄が悪い夢を見てるみたいだったから、良い夢になるようにギャルゲっぽいナレーションを。」
「そうか。ありがと……」
ニコニコと満足そうな顔を浮かべるコトミ。
「何て言うと思ったか!!」
そんなコトミに心の叫びもこめてツッコミを入れる。
急な大声にコトミが顔をしかめる。
「あうー。初夢が悪夢じゃ、可哀相だからって思ったのに。」
「余計なお世話だ!!」
どうやら、パラレルワールドでは無かったらしい現実に俺は安堵する。だが…
2度とこんな夢は勘弁してほしい…
俺は心の中でぼやいた。
99Y-275:2009/01/13(火) 23:40:10 ID:OHUFhPp6
以上です。タイトルは
「初夢の悪夢」
で。
一目でわかるように、思春期8巻書き下ろしの生徒会パロディーです。
続いて、シンジ×カナミのSSいきます。
スルー対象ワードは、
「微ヤン、というか割とガチ」
「でも、流血は無し」
「中だし」
ヤンデレ苦手な方は、完膚なきまでにスルーお願いします。
100Y-275:2009/01/13(火) 23:42:18 ID:OHUFhPp6
「お兄ちゃん、何時頃帰ってくる?少し遅くなりすぎじゃない?」
電話越しにカナミが告げる。
「わりい。これから帰るよ。」
今までも散々入っていた帰りを催促するメール。
予想がついていたので、敢えて見ないようにしていた受信フォルダは、案の定カナミからのメールで埋まっていた。
通話のついでに開いた、そんな受信メールボックスを閉じると、俺は足取りも重く駅前から家の方向へと足を向ける。
"帰る"と言ってしまった以上、言い訳はきかない。
あの日以来カナミはどこかがおかしい。
だから避けるように放課後から今まで(とは言っても、まだまだ辺りが暗くなり始めたばかりの四時半)、外をほっつき歩いていた俺は足を帰路へ向ける。

………………………………

「お帰りなさいませ、ご主人様。」
あの日、家に帰ると、玄関先で俺を出迎えてくれたカナミ。
服装は何故かメイド服だった。
疲れて帰った俺は、不覚にもカナミに癒されてしまった。
それが、始まりだったなんてことは、この時気付く訳も無く。
普段エロボケをかましてくるカナミに対しては、絶対にとらない態度をとってしまった。
俺はカナミの"ご奉仕"を受け入れた。
普段なら絶対受け入れないエロい誘惑を。
とは、言っても、本番まではシてない。
フェラチオしてくれたカナミの口内に思いっきり精液を吐き出すと、俺は逃げるように部屋に引きこもった。
俺の理性はなんとか首の皮一枚生き残ったのだ。
そもそも、"ご奉仕"と称してフェラしてくれたカナミを受け入れた事さえ、気の迷いだったと今では思っている。
でも…
それでも、カナミには十分だった。

………………………………

翌日の朝は普段のカナミだった。
最初に変化が現れたのは昼休み。
「お兄ちゃ〜ん、お昼一緒に食べよ。」
俺の教室までカナミはやってきた。
普段からクラスの友達と食べているカナミがやって来るなど珍しい。そう思いながらも、
「わりぃ、俺、今日、カズヤと学食行くんだ。」
「そうそう。悪いね、カナミちゃん。」
俺達のやり取りを遠巻きに眺めていたカズヤがやって来る。
「えー。学食じゃ、お金勿体ない…」
この時から、俺は内心気づいていたのかもしれない、カナミの様子がおかしいことに。
兄妹の間に挟まれたカズヤの言葉を無視したどころか、その瞳に俺しか映さない。
カナミと目を合わせた時、本当は気づいていたのかもしれない。
「じゃあ、カナミちゃん、一緒に行く?」
それでも、めげないカズヤが、カナミに声をかける。
だが、
「今日はお兄ちゃんの分もお弁当作ったんだよ?」
やはり、その存在さえ視界にいれないカナミは、完全に無視して、俺に話かけてくる。
「いや、でも、先に約束が…」
「ねぇ、良いじゃない?」
カナミはどうしても譲らなかった。
「分かったよ。でも、ちょっと、待ってくれ。カズヤに断りをいれなきゃいけないから。」
俺だってそんな駄々っ子のようになったカナミに、責任を感じないわけじゃない。
ここは俺が譲歩することにする。
「良いじゃない。そんなの?さ、行こう?」
ホントに俺の話を聞いていたのか疑わしくなるほど、鮮やかに俺の手をとるとカナミは俺を引っ張って行く。
「ちょっ!カナミ!!」
俺はカナミに手を引かれながら空いた手でカズヤに、「ごめん」のジェスチャーをいれる。
幸いにも後で、「なに、エロゲの主人公みたいな生活してんだよ!!ちくしょうめ!!」なんて事を言いながら、カズヤは許してくれたが。
あぁ、後でと言えば、そんなことを宣ったカズヤを散々ボコボコにした後の今岡から「カナミがおかしかった気がする。」と
言われた事もあった。今になれば思う。
友の忠告は聞いておくべきだった。と。
101Y-275:2009/01/13(火) 23:44:45 ID:OHUFhPp6
それからもカナミはそんな調子で、毎日弁当を持って俺の教室に押しかけてくる、風呂と寝るときは常に一緒にいたがる。
四六時中、俺の側からは離れない。
仲の良かったはずの矢野ちゃんや、マナカちゃんの登場もそれから今までの2週間はなかった。
そして、一番問題だったのは今朝だ。
「おはよう。お兄ちゃん。」
朝起きるとカナミが、全裸で俺のベッドの中にいた。
全身の血の気がひく思いをしたのを未だに覚えている。

………………………………

「ふぅ…」
どんなにもの思いに耽って現実から目を背けようと思っても、時間というものは流れる。
俺の足は、カナミの電話を切ってから向けた先である、我が家の前にしっかりと向けられている。
もうカナミから逃げることはできない。
今日こそは、カナミとちゃんと向き合わなければならない。
俺達兄妹を信頼し、家を任せてくれている両親の為にも、俺の友人、カナミの友人達の為にも。
前の、いつでもエロボケをかまし、人一倍思春期であっても、周りに対して明るさを振り撒くカナミを取り戻さなくてはならない。
「ただいま。」
一つ息をついた俺がドアを開ける。
「おかえりー、お兄ちゃん。」
直ぐさま玄関まで出てきてカナミが出迎えてくれる。
でも…
「なんで、そんなもん、着てるんだ?」
「お兄ちゃん、この格好、好きでしょ?」
服装はメイド服だった。
それに対して俺はツッコむ。
「あ、そうか。お帰りなさいませ、ご主人様。こう言わなきゃダメだったね。ゴメンゴメン。」
笑いながらカナミが言う。
「もう少しで、晩御飯出来るから、着替えたらリビング来てね。」
そう言い残し、カナミは台所へと向かう。

………………………………

「なぁ、カナミ。」
「ん。どうしたの?」
晩飯を食べ終え、食器を片付けるカナミの背中に話し掛ける。
言うべき事をちゃんと言わなければいけない。
そう思う。
家の前で再度決心したことが、メイド服という不意打ちに動揺させられたが、着替え、食事のインターバルを挟んで、今はかなり落ち着いた。
話しをするなら今が好機だと思う。
「最近、変じゃないか?」
「ん〜?ちょっと、待って。今、そっち向かうね。」
俺の言った事をどうとったのだろうか。
なんら変わりのない普段の調子でカナミの返事が返ってくる。
「変って、何が?」
手を濯ぎ、エプロンで手を拭きながら、カナミがこちらに向かってくる。
「何て言うか、最近、周りを無視し過ぎじゃないか?矢野ちゃん達にしろ、俺のクラスの奴らにしろ。」
「そぉ?そんな事無いけど?」
「いや、あるだろ。カナミにその気が無くとも、周りがそうとるとは限らないんだぞ。
それに、父さん達が帰って来て、その時にカナミが俺と一緒に寝たがってたりしたらどう思う?
きっと、俺達2人だけを残して行ったことを後悔するんじゃないか?」
「…………………」
一息で言い切った俺に、返す言葉でも探しているのだろうか?
無言でカナミはこちらに歩みを進める。
「お兄ちゃんは……」
そうして、俺の前まで進んできた時に、やっと口を開く。
「お兄ちゃんは周りが気になるの?」
視線をこちらに向ける。
そして自然と交差する視線。
あぁ、あの目をしている。
102Y-275:2009/01/13(火) 23:46:59 ID:OHUFhPp6
あれ以来、何度も見るようになったカナミの目。
正面から俺を見据え、周りを視界から消して、俺だけを見つめる視線。
俺だけしか映さない瞳をしている。
「そんなの当たり前だろ。」
俺は答える。
「関係ないじゃない。周りなんて。私はお兄ちゃんが好き。お兄ちゃんだけいれば、それで良いの。」
多分、これが本音なのだろう。
ホントは薄々気付いていた。
そうであれば、あの日、俺がカナミの誘惑を受けてからのカナミの態度が、説明できる。
「でも、俺はカナミのその思いに応えることは出来ないよ…」
罪悪感。
あの日以来カナミが変わってしまった事への後ろめたさが俺の言葉を弱々しくする。
「周りが気になるから?」
カナミが身を屈め、膝に手を置き、顔を近付ける。
凄く近い距離で、カナミの目を覗き込み、俺しか映さないその瞳の純粋さに吸い込まれそうになる。
「あぁ。それに兄妹でだなんて、間違ってる。」
「大丈夫だよ。お兄ちゃん。私だけ、私だけを見てれば、そんなのなんてどうでも良くなるよ。」
そう言って、カナミは右手を膝の上から移動する。
「く!カナミ、何を……っ!」
そして、ズボン越しに撫で上げられるペニス。
不意打ちの感覚に俺は身体を震わす。
「ふふ…知ってるんだ。この格好ならお兄ちゃんは私を受け入れてくれる。2人だけでどこまでだって行けるんだって。」
チャックを下ろし、俺のペニスを取り出し、直でカナミが触れる。
上目使いでこちらに向けられる瞳の誘惑に、俺は抗えない。
「もう、病み付きになるほど、気持ち良くしてあげる。ね?お兄ちゃん。」
そう言って、カナミが俺のペニスを上下に摩りだす。
「知ってるんだ。お兄ちゃんの弱いとこ…気づいてないだろうけど、何度かお兄ちゃんがオナニーしてる最中、わざと声をかけずに覗いてたんだから。」
全身の血が沸き上がる思いがする。
見られてた?いつも、エロボケで流してたじゃないか?
そんな疑問は一々言葉としては出て行かない。
カナミの手コキの的確さに、それが嘘ではない事があっさりと証明されてしまうからだ。
「く…あっ…!」
思わず声が漏れてしまう。
「ふふ…お兄ちゃん、気持ちよさそう…」
呻き声をあげる俺を見上げるカナミの瞳は妖艶で、魅了されるように、俺の身体は動かない。
「今、くわえてあげるね…ん、ちゅぷ……」
「ん…っ!くぁ……」
カナミが俺のペニスをくわえると同時に全身を快感が駆け巡る。
ダメなのに…そう思う心とは裏腹に俺の中により多くの快感を渇望する思いが生まれる。
「わひゃしのね、口のなひゃで、お兄ちゃんのが…ビクビクって…」
「くっ…カナミ…!!」
口の中全てを纏わり付かせるように、俺のペニスをカナミがくわえ込む。
気が狂いそうなほどの快感が駆け巡る。
恐らく、それを感じさせてるのはカナミの口内だけじゃない。
俺自身の心理も大きく作用している。
抗おうともがけばもがくほど、この感覚は強くなるのだろう。
クモの巣に引っ掛かり喰われるのを待つ蝶のように。
気を抜いてしまえばすぐにでも達してしまいそうで、かといって、そうしてしまうことでのカナミの変化が怖くて、それが受け入れられる訳でも無い。
「お兄ちゃん……苦しそうだね…」
カナミに声をかけられる。
「もう少しで、楽にさせてあげるから、ちょっと待ってね。」
完全にペニスから口を離したカナミがそう告げる。
その後、カナミの左手は南進していく…
「ん、ひゃう……っ!」
スカートの中にまで至った手が、中をもぞもぞといじりだした所でカナミが一つ短い悲鳴をあげる。
「ふふ、お兄ちゃん……っ、ふ、んん、の、おちんちん……ん、くわえたから…っ、あっ、あぅ、ん!いつもより…感じてる、よ……っ!」
そう言って、カナミが左手の動きを激しくしていく。
「あっ、んん、あっ!ふあっ…あぅ!ほんとはね、ん、っ、あの日…も、こうして、オナニー…んん、ふ、ん……っ!」
言われなくてもわかる。
多分シていたんだろう。
103Y-275:2009/01/13(火) 23:49:53 ID:OHUFhPp6
今、目の前で自らの秘唇をなぶり、悶えているのと同じように。
「あぁ、あっ……っ!くあ、あ、ふぁ、あぅ……ん!」
俺のペニスを右手に持ったままで目をつむり、若干横を向きながら喘ぎ声をあげつづけるカナミ。
初めて見る妹の痴態。しかも、中途半端に昂められた矢先だ。
その表情に何も思わない訳ではない。
「ん!くあぁぁ、ん……ふぁ……」
俺の目の前で一際高い声をあげるカナミ。
そんなカナミに俺は何も言うことが出来ない。
「……ん、っ!ふふ。そんな、微妙な表情にならなくても、今、イカせてあげるね…」
余程、変な顔をしていたのだろうか?
カナミはそんなことを言い出す。
そんな中で、正直助かったと、心の中で思ってしまう自らが悲しい。
顔を上げ、自らの身体を持ち上げ、カナミが迫ってくる。
カナミが何をしようとしているのかはすぐに分かった。
でも、心のどこかで、それを制止する言葉を言うのを躊躇ってしまう。
今、正に生殺しな俺が、それを言えば、苦しくなるのが分かる。
心で思っている事は、オスとしての本能に負けてしまったのかもしれない。
「わかったの。」
カナミが言う。
「あの日、満足しちゃったから、お兄ちゃんは私を抱いてくれ無かったんだって。」
生殺しなまま、ただ、快楽を渇望する俺の身体が思考をぼかす。
「だから、今日は、同じ過ちはしない。ほら、見て?私は、もう準備OKだよ?それに、ほら、お兄ちゃんのおち○ちんも私の中に入りたがってビクビクしてる。」
スカートをめくりあげ、今まさに、挿入せんとする俺とカナミの性器を、見せ付けてくる。
そこに、あるべきもの(カナミの性器を隠すためのショーツ)はない。
ただ、そんな光景でさえ、俺の頭は違和感を感じてくれない。
「ふふ。パンツなんて必要ないよ。お兄ちゃんが望むんなら、これからも、無しで生活してあげるね?」
カナミが笑う。
今まで見たことがないほど淫らに。
同時に歓喜と悦を表す表情で。
その表情は凄く魅力的で、それに囚われてしまった俺は、
快楽に囚われてしまった俺自身は、
もうかけるべき言葉を失していた。
やがて、カナミが腰を下ろしてくる。
あぁ、きっと…
きっと、あの時、俺がカナミのメイド服姿に癒されてしまった時から、運命はこうなるように決まっていたのかもしれない…

………………………………

「カナミ、カナミ……っ!」
「ふああっっ、っ、くあっ、お兄ちゃんの、お兄ちゃんの……っ、お○んちんが、っ、あっ、私のお腹の中で…ああっ、ふ……」
リビングに響き渡る声。
カナミを、快楽を、求める自らと、俺自身を渇望し、変わってしまったカナミ。
2つの声が響く。
「もっと……っ!あっ、ふあっ、っう、もっとぉ……っ!」
もはや、人間同士と言うよりも、獣同士の声にさえ感じられる。
「……んっ、ん、あっ、んん!!もっと、私に……っ!溺れて、お兄ちゃ……ん……っ!」
何度も何度も態勢を変えながら、カナミから溢れ出す愛液に自らのペニスを溺れさせようとするがごとく、俺はカナミに挿入を繰り返す。
「すごい、すごいのぉ……あっ、ふぁっ、お兄ちゃんの大き……い、あっん、んっ、……熱い……っ!」
歓喜の響を併せ持つ声が聴覚を、
「んん、ふぁっ、っあっ、おっぱいも、んんっ、っあぅ……」
目の前で揺れる乳房が視覚を刺激する。
「あぅ、んん……ふ、あ、あっ、ん!お兄ちゃん、お兄ちゃんんんんっ!」
俺を呼ぶカナミが、俺の心を占領する。
「きもちぃ、ふあっ、あっ、っ……きもちぃの、お兄ちゃん、……もっと、もっともっとぉ……っ!ああっ、気持ち良く……ふあぅん、なろ?……っ!」
気持ち良くなりたい。純粋な欲望に飲み込まれる。
「っ、ふあぁぁ!……ん、ひゃぅ!!……キス、キスしよ……ん、ふ、ちゅっ、ちゅぷ……ふ、ん」
カナミのおねだりに応え、唇を合わせ、舌を絡める。
「んん、ちゅっ……ぷは!!アナルも、あっふぅ、……く、ん、……んふ、私の全部はお兄ちゃんの……っ、ふっ、ものだから、んん、ふぁあ、もっと、もっと、突いてえぇ……ふぁ……っ!」
己の全てを差し出すと言うカナミ。
104Y-275:2009/01/13(火) 23:51:12 ID:OHUFhPp6
「ふああっっ、だから、んん、ふぁっ、もっとぉ、ん、もっと、お兄ちゃんを頂戴……っ!」
貪欲に俺を貪るカナミ。
「んんんっ!……っ!すご、すごいのぉ、っ、くぁふ、ん、お兄ちゃんのお……っ、ふぁ、
○んち……あぅ、んに犯されてるのぉ……っ!らめぇ!」
貪欲に俺のペニスを搦め捕るカナミの膣内。
「ふああっっ、ふあっ、あっ、あっ!らめ、イク、イッちゃう……あっ、んん、ふああっっ!」
瞬間的にペニスをそのままカナミの体内に置き忘れそうな感覚に襲われる。
先に達したカナミの膣が、きつく俺のペニスを締め付ける。
「っああっっ、カナミ……っ!」
低く唸る声を搾り出す俺の喉。
同時にペニスを駆け登る射精の衝動を、欲望のまま、カナミの膣内に吐き出す。
「ああああぁぁっっ!!出てる……っ!出てるの、お兄ちゃんの……精液、あ、ふ、私の子宮を犯してるよぉ!」
犯してるなんて、不穏当な発言を口ではしながら、歓喜を含んだ声音。
爆発的な快楽の波に俺は身体を震わせる。
そして、身体の震えが収まった後で、俺は理性とモラルを放棄した。
その後、襲ってくるのはけだるさ。
けだるさの波に身を任せ、俺は意識を手放していく。
いつ人に知れ渡り、自らをおとしめかねない危うい生活が、始まりを告げたのをはっきりと自覚しながら。
105Y-275:2009/01/13(火) 23:59:43 ID:OHUFhPp6
以上です。タイトルは
「癒しの瞬間引用妹ルート」
で。
エロエロなカナミを書こうとしたらこんな展開になってしまいました。
投下したのが2本ともメイド服が絡んだ事に他意はありません。

...wasの方ですが、まだ、煮詰めたいので、申し訳ありませんがお待ちください。
次は多分ポニテ娘でいきます。

遅ればせながら、年末祭に投下した職人諸氏に乙&GJ!!申し上げます。
1本1本の感想を書きたいくらいですが、長くなるので割愛しますが、
非常に楽しませていただきました。

若輩者ですが、本年もよろしくお願いします。
駄文乱文失礼しました。それでは失礼致します。
106名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 12:19:33 ID:oPf5NsIe
乙っす
107名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 17:24:22 ID:H9mEDTCi
GJ !
なんすけど二本共メイドなのは他意あるっしょw
108名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 08:01:40 ID:qPq8Gwhh
GJ!!
109名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 01:43:20 ID:gy/0I0ua
GJ!
110名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 06:40:54 ID:HZay7KAH
新スレ移行してから雑談少ないな…
皆さん受け身なんすかねぇ…
今ならM男の下剋上もアリだ。
111名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 12:39:22 ID:zdmB6J32
読み手は常に受け身なものさ
112名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 03:57:13 ID:XLSrqZqQ
雑談したいが燃料が少ないんだよな
昔は毎週燃料補給されてたからさ・・

おっさんくさいが
昔はよかった・・なんてなw
113名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 11:59:59 ID:dWHEh1gH
昔は昔、今は今さ
過疎ってるわけじゃないんだから、まったりのんびりイこうや
114Y-275:2009/01/20(火) 23:49:36 ID:7/PeD/mb
皆さんこんばんは。
前回投下した時に言ったのとは別に、勢いで書いた小ネタ投下します。
115Y-275:2009/01/20(火) 23:55:00 ID:7/PeD/mb
「う〜寒い。」
横で良く見知った男の子が呟く。
「だから見送りなんて来なくって良いって言ったのに…」
今日は1週間も前から雪の予報だった。
そのせいで首都圏の電車のダイヤは壊滅で、わたしの待つ列車はいっこうにホームに滑り込んでくる気配は無い。
「電車来ませんねぇ…」
高校の入学祝いに私がプレゼントした腕時計を先程から何度も気にしながら、彼が呟く。
「うーん、でも、ロスタイムって考えればそうでも無いよ。」
「何のですか?」
「この街で最後に雪を見てる時間の。……かな?」
今日で別れを告げるこの街の風景を網膜に焼き付けるように目を細める。
「なごり雪……か。」
思わず口から漏れる言葉は白い靄となって空へと消える。
楽しかった。本当に楽しかった。
4年間、正確には3年強だけれど、先輩や、ミサキちゃん、アヤナちゃんにリンちゃん。
皆と過ごした時間はホントに掛け替えの無いモノだった。
それから、私はちらりと横へ視線を送る。
『お世話になりましたから。』
なんて、荷物まで持ってくれて、駅までついて来てくれた彼。
ホントに大好きだった。
掛け替えの無い時間を、掛け替えの無い存在の彼と過ごせたこと。
そのことが最大の思い出。
彼を教え子として受け持っていた頃は、弟みたいなんて思ってた。
無事中学を卒業して、幼なじみのミサキちゃんと付き合いだして。
こんなにかっこよくなるなんて思わなかった。
そんな彼は輝いていて…
教師と教え子なんて関係を越えて、ズルズルと共に過ごしてしまった。
彼の教師としての職務を全うした時点で、彼との親交を断絶してればこんな思いをせずに済んだのかな…
あの頃の私は、時が過ぎれば幼かった彼も大人になるだなんて、一切気づかなかった。
「先生、電車来ましたよ。」
「あ、ホントだ。」
その時、列車が入ってくる。
「じゃあ、これでお別れだね。」
「そうですね。なんか、名残惜しいですけど…」
「ふふ。それは仕方ないよ。」
最後の挨拶を交わすと私は電車に乗り込む。
「それじゃあね。マサヒコ君。」
「ええ。先生もお元気で。」
その言葉を合図にドアが閉じる。
まだ、彼は何か言いたそうだけれど、それ以上は何を言われても涙が零れそうで、怖くて私は下を向いてしまった。
泣かないって決めたのだから。

………………………………

「さよなら、アイ先生。」
アイ先生を見送った後、その足で、真っ直ぐ帰路に着く訳でもなく、ベンチに腰を降ろす。
「まったく、雪国かよ。」
誰に聞かせる訳でもなく呟く。
曲通りなら、積もらずに、降る雪は消えるはずなんだけどな。
忌ま忌ましいほどに降り積もる雪を睨み付ける。
「さてと。」
いつまでもこうしている訳にはいかない。
風邪をひくのもバカらしいし、あんまり遅くなるとミサキも心配するだろう。
多分、ミサキは気づいていたと思う。
それでも、良いと言ってくれたミサキを選んだのは俺。
それでも一言言っておきたくて、俺は口を開く。
「さよなら、アイ先生。大好きでした。」
胸にもやもやとしたモノが残る。
それに浸ってるのもキザったらしいななんて苦笑しながら、
俺はベンチから立ち上がると、駅の改札の方へと足を差し向けていった。
116Y-275:2009/01/20(火) 23:59:19 ID:7/PeD/mb
以上です。
TVでなごり雪がかかっていたのを聞いていて思い付きました。
タイトルは
「少年と家庭教師のなごり雪」
で。
いや、まんまです。

なんか、最近投下する予定を変えたり、時間かかったり、グダグダで、すいません。

駄文乱文失礼しました。
それでは、これで失礼致します。
117名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 00:12:03 ID:9kw3DMU6

濱中物は久し振りに見た希ガス
118名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 00:35:00 ID:uP/4+wFA
GJ!
なんか絶好調時の郭氏を思い出せる切ない系っスね。
エロ無しなのが気にならないってゆ〜か。や、誉めてますよ?
119名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 01:32:46 ID:xdfAYqbY
GJ!! 濱中久しぶりだ゚(゚´Д`゚)゜
120名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 08:49:57 ID:TWjvUCEE

まさにエースだな
121名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 13:10:41 ID:fBfmRWj8
職人まとめ人全員にGJ
122名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 04:46:05 ID:1NlPp+am
どうでも良いが聖光学園選抜漏れたらしいな。
123名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 14:53:18 ID:qeZhv11i
いまさらだが新補完庫をじっくり読んだ。
自分の中で濱中作家だと思っていた郭氏の
マナカ×シンジの「約束」が面白くて勿論エロかった。
郭氏にロリなSSをもっと書いて欲しいと思ったw
124名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 17:15:11 ID:OEeOe+Ki
郭夫妻が氏家マンガ読んで、このスレがあって、書こうと思って投下して、
氏によってスレが栄えて職人がたくさん来てそしてここまで続いて
世界は偶然に背中を押された必然によって支配されている
125名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 20:41:44 ID:yYK31RXu
郭氏ももちろんだが、518氏、ピンキリ氏、ペピトーン氏の未だ現役の職人陣、引退してしまわれたが、そら氏、トマソン氏辺りも多大な影響を与えて下さってると、思ってる。
自分が見始めたのは2年前くらいからだけど、夢中で保管庫読みあさったもんなぁ。
126名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 00:08:12 ID:qeZhv11i
俺は7時間目くらいからだから所謂最盛期に間に合った世代。
あの頃は本連載よりここ覗く方が楽しみなくらいだった。
祭りのときの怒涛のコンボはマジで凄かったぞ。
トマソン氏と郭氏の友情めいたやりとりも好きだったぜ。
127名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 00:10:35 ID:D9QQ4FD0
オレは確か2スレ目からここに居付いてるんだが、
神職人たちのクオリティの高さと、住人たちのほのぼの感が
居心地よくってついつい長居しちゃってるんだよな

いつだったかの「埋めしりとり」で名無し住人達が作り上げた
「鈴木君SS」はこのスレならではのある意味最高傑作ではないかと。

保管庫は今もたびたび読み返しては
ハアハアしたり涙したり萌えたり。
たまんねっす!!
128名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 18:18:16 ID:3EShwx9/
まあ何かとラッキーなスレであるってことさ
のんびり長く続いてゆけばいいやね
129名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 17:08:22 ID:CwTPAWWf
個人的には笑いでは「0721」、「俺がカナミで、カナミが俺で」感動ものなら
「オレンジの夕日」、「The end of ~」が神だと思ってる
特に「The end of~」見て泣いてしまった・・・
130傍観者:2009/01/27(火) 23:40:33 ID:9TDEIixQ
どうも、すごい久々の投稿です。

もう覚えている人もいないかもしれませんが、前スレのマサヒコ×リンコもの
の続きです。
131傍観者:2009/01/27(火) 23:41:57 ID:9TDEIixQ
 体の内に湧き上がった欲情を抱えたまま、二人は全身の泡を流し、浴室を出た。二人並
んで体を拭く。風呂で慣れてしまったのでお互いに裸でいることにも、裸を見られている
のにも慣れてしまった。
「じゃあ……、小久保君。始めようか?」
 体を拭き終えたリンコがマサヒコを誘う。緊張はしているが、性交を嫌がるほどの恐怖
は見られない。
(これは……、さっきの手は使えないな)
 先程は急に押し倒して恐怖を与えて思い留まらせようとしたが、奇襲は二度も通じない。
今のリンコなら、自分から横になって股を広げてくるだろう(想像すると凄い光景だが)。
作戦を変えなくてはならない。
「分かった。じゃあ、先生のベッドを使わせてもらおう」
「え?なんで?」
「さっきは急だったけど、普通セックスはベッドでやるもんだ」
「へー」
 その程度の知識も持っていなかったリンコは素直に感心する。そして二人は寝室に向か
った。
 寝室に入ると、マサヒコはリンコにベッドに横になるように指示する。リンコは指示通
りにベッドに裸身を横たえると、
「えーっと、これ感じならやりやすい?」
 案の定というかなんというか、自分から大股開きになった。それを見て、溜息をつきな
がら、マサヒコはリンコの脚の間に座る。
「じゃあ本番に入る前に、体の準備をするぞ」
「体の準備?さっき洗ったよ」
「そうじゃなくて、お前の中に俺のが入りやすくなるようにほぐすようなもんだ」
「ふーん」
 ふんふんと無邪気にうなずくリンコ。そんな無垢な彼女の表情に強い罪悪感を感じなが
らも、マサヒコはゆっくり、恐る恐る、彼女の陰唇へと右手を伸ばした。

132傍観者:2009/01/27(火) 23:43:09 ID:9TDEIixQ
 マサヒコの指が触れた瞬間、
「アッ!」
 少女の口から、抑えきれず大きな声が出る。先程の浴室での刺激と違い、受動的なだけ
に衝撃は大きい。触れさせてはならない大事な場所を触れさせてしまった、そんな禁忌か
のような思いが自然と強くこみあげてくる。
「少し湿ってるな。お前も感じてたのか」
「感じる、っ、て?」
 マサヒコの言葉を聞いて、少し怯えながら問う。
「お前にどう言ったらうまく伝わるか分からないけど……、お前の体がエッチなことをし
たがってるってことさ」
「私の体、エッチ?」
「セックスもエッチなことだけどな」
 リンコにとって「エッチ」なことというのは、女の子の裸を覗くとか、スカートをめく
ったりするとかそういったことだ。理由は分からないがそういったことは「いやらしい」
から恥ずかしいし嫌悪感もある。
 だからマサヒコの言葉を聞いて、今更ながら自分が「いやらしい」ことをしようとして
いることを知って羞恥心を抱くとともに、体が勝手に「いやらしい」状態になっていたこ
とに驚きと恐怖を抱いた。
(なんか……、そんなの……、イヤァ)
 そんな、マサヒコが今一番聞きたいようなことを思ってしまう。しかし、
(これも……、大人になるためには必要なんだよね)
 という当初からの思い込みと強い願望、そして、
(私……、これからどうなるんだろう?)
 という自分の変化、いや隠れていた本性に対する興味、怖いもの見たさの気分が重なっ
てリンコはギリギリで耐えた。
 リンコの怯えはマサヒコにも十分に伝わった。
(ここが正念場だな)
 目を強くつむって身震いして耐えるその様を見て、マサヒコは確信した。ここを凌がれ
てしまったら、もう生本番に移行するしかない。ここでリンコの意思を完全に挫かなけれ
ば。それに、
(俺も、もう……、ダメそうだ)
 今まで獣性を抑えてきたマサヒコの理性も限界に来ている。魅力的な雌が自分を交尾に
誘っていて、先ほどまで性器を玩弄され、今は自分が相手を弄んでいる。こんな状況にだ
れが耐えれるというのだ。リンコを貫き、狂ったように激しく腰を使う自分の姿が目に浮
かぶ。今まさにそれを実現しようとするかのように、肉棒が震える。そんな自分を抑える
ように、より一層丁寧に、優しくマサヒコは指を動かしリンコに攻めかかる。
 まずは、秘所の割れ目に沿って撫でる。ほんのりと湿った肌が心地良い。
「う、ふーん、ふーっ、ん、あっ」
「どうだ。気持ちいいか?」
「う……、うん、多分……」

133傍観者:2009/01/27(火) 23:43:57 ID:9TDEIixQ

 気持ちいいというより、体が勝手に反応しているのに戸惑っているといった感じだ。体
は「快」と判断しているが、その種類が分からない。故に反応に困る。拒絶したくもある
が、ここはマサヒコを信じて耐え続ける。
「やっぱりこういうのは初めてか?自分でいじったりすることもない?」
「ふ、普段はタンポンを入れたりしたくらい」
「そうか」
 雑談を交えて相手の緊張を解きながら、マサヒコの愛撫は本格的になっていく。大陰唇
を押し広げ、リンコの隠れていた部分が露わになる。そして内側にある花びらを丁寧に指
を添わせる。
「キャッ、アッ、アーッ!!」
 刺激が強まって、喘ぎが悲鳴に変わる。本来なら、マサヒコは手を止めていたわりの声
を掛けるところだが、立ち直る隙を与えないために畳み掛ける。最大の急所である陰核を
つまみ、包皮をめくり上げるようにしながらこねくり回す。
「アーッ!アーッ!アーーーーーーッ!!!!」
 叫びとともにリンコの腰が突き上げるように浮いた。
(もう……、わけわかんないよ)
 体が頭の指示に従わない。いやむしろ、今突き出している股間の方が頭部として取って
代わったと言うべきだろうか。縦に裂けた口をヒクヒクとわずかに開閉しながら、淫らに
涎を垂らそうとしているケダモノ。脳髄の代わりに外性器と子宮が感情と指令を全身に発
し、末端の器官に追いやられた本来の頭部に刺し込みえぐるような痺れ・痛みにも近い快
感を与えてくる。
 それでも、マサヒコは責めを止めない。リンコが自分の指の動きに合わせて身悶えし、
叫ぶのをできる限り冷静に観察する。そして、リンコの動きが慣れて若干単調になり、十
分に体がこなれたところで次の行動に移った。
 一瞬、ほんの一瞬だけ責めが止まり、一息入りかけたリンコ。だが、そこをさらなる衝
撃に襲われ、肺の中の空気が全て絞り出される。
「ひぃ、あ、な、な、何ぃ、うぁああああああああ!!!!」
「暴れるな。危ないぞ」
 マサヒコの右の人差し指が膣口にゆっくりと入りこもうとした。一度振り払おうとする
ように動きかけたリンコの下半身をマサヒコは左手で抑え込みつつ警告する。おびえたリ
ンコの動きがピタリと止まる。
「う、ううぅ」
「力を抜いた方がいい。そう、落ち着いて。受け入れるんだ」
「う、ふぅ、はぁ、あっ、アッアッ、アッ」
 膣内にマサヒコの指が入る。落ち着いても未だ締め付けのきつい粘膜。安全のため、深
く入れずすぐに止め、リンコの反応を待つ。
「う、うぅん」
 落ち着いてきたリンコが体を持ち上げ、自分の身に何が起きているのかを確認する。
「指……、だよね?」
「ああ」


134傍観者:2009/01/27(火) 23:45:02 ID:9TDEIixQ

 自分の中での感覚と、見た目の大きさが一致しない。自分の体の入り口がパンパンに膨
れ上がったかのような存在感。しかし、実際は直径1センチ、長さ第一関節までで約2セ
ンチほどしか入ってない。
「う……そぉ」
 そんな小さなものに感じてしまう。全身いやというほど熱くなっているのに、冷汗が出
る。呼吸や鼓動による微かな振動で陰唇が動くだけでもマサヒコの指により体が弾けんば
かりの快楽らしきものが全身に響いてくる。
 慣れたころを見計らってさらに深く指を入れるマサヒコ。それだけでなく内側からこす
るように弄ぶ。悶えるリンコの肢体を力と体重で抑えつけながら、中に入れた指の動きは
どこまでも優しく丁寧だ。
「かっ、アッ、アーッ!アーッ!アーッ!アアーッ!!」
 指一本。直径2センチに満たないそれが、鉄棒で体の中身を掻き出されるように感じら
れる。恐ろしい。なのに何という快楽。恐怖で涙がこぼれるのに、嫌だとは言えない。こ
のまま快楽に飲まれて壊れてしまいそうなのに、それを望んでいる自分がいる。
 右手でリンコの秘所を愛撫しながら、彼女の上に覆いかぶさっていくマサヒコ。半身ず
らすようにして二人は上下に重なった。
(違う、んだな……)
 風呂場のときと違い、泡に邪魔されずに実感したリンコの肌。変な言い方だが、肌の肌
触りがミサキとは違う。どちらがいいというものではなく、どちらも心地いい感触だ。ど
ちらもいい、としてもそれは両方の女を体験して初めて分かることだ。そして違いを比較
して楽しむことができる。
 肌だけではない。今、指を入れている膣だって、処女で反応がぎこちないということを
差し引いても感触や濡れ方、構造、弾力、締め付けかたなどが違っている。
 ミサキを愛しているのも、ミサキの肉体が素晴らしいのも間違いない。だが、ほかの女
というのはまた別の良さがある。それをマサヒコは知ってしまった。知らなければ女に餓
えることもなかったのに。きっと、漁色家というのは女性を粗末にするのでも、浮気症な
のでもないのだろう。ただ、まだ見ぬ新たな女の味に魅せられてしまったある意味不幸な
男だというだけで。
 リンコの体を知ってしまった以上、それを味わい尽くそうという欲望を抑えるのは難し
い。さらに新しい反応を引き出そうとマサヒコは動き出す。挿入に移るのではなく、しつ
ように前戯を続けるのは、自制心の現れか。それともより多くの快楽を得るための貪欲さ
か。
 マサヒコの舌が、リンコのごく小さな右の乳首に向かう。
 ペロッ。
 素早く、さっ、とその小突起を舐めると、これまで性器を愛撫する指先の動きに合わせ
てリズムをとっていたリンコの動きが崩れる。具体的には
「アッ?!グッ、アァン!」
 呼吸と喘ぎのタイミングが崩れ、つぶれたような苦しげな声が出る。膣の締め付けも同
様だ。キュッ、キュッ、キュッ、っとほぼ等圧で締めてきたのが、キュッ、キュッ、グィ
ッ、と強さにムラがでる。性感体でない人差し指ですら、その違いに快感がますます掻き
立てられた。

135傍観者:2009/01/27(火) 23:45:46 ID:9TDEIixQ

 それに煽られ、マサヒコの動きはさらに大胆になる。左手をリンコの右脇下から背中に
回し、首裏を抑える。体はしっかりと密着され、口はリンコの胸に赤子でもしないように
しっかりと吸いつく。
「アアアアッ!!」
 性感に溺れ、蕩けたリンコの頭でも、今自分が胸を吸われているのはしっかりと理解で
きた。母と子を連想させるその行為。そして、母性と性感とがある意味直結しているとい
うのは体と本能が一番良く知っている。単純に乳首が性感帯の一つであるというだけでな
く、そんなリンコが理解できていない事柄によっても、知らず快感は激しく増幅されてし
まった。
 激しく身悶えし、体を激しくくねらせるリンコ。マサヒコの体も密着したままその動き
に沿う。それを続けるうちに、二人の動きはまるで絡まりあった蛇のように息が合ってく
る。右の乳首を口で犯すだけに留まらず、左の乳首、首筋、いやもう胸部から首に至るあ
らゆる部位をしゃぶり、舐め回し、吸いつくマサヒコ。そして、それを拒むかのように背
を反らしながらも、決して話すまいとするかのように、両手を男の頭に回し、しっかりと
抱きしめるリンコ。激しい体に汗ばむ女体。その汗すらも男にとっては美味であって、し
っかり味わうとともに、自らに体に擦り込んでいく。
 膣に入り込む指も、いつの間にか2本になっていた。リンコの膣は愛撫されるうちに柔
軟になり、女として迎え入れるべきものを迎え入れる体勢を整えつつあった。マサヒコは
うちに入り込んだ2本を突っ込んだり、広げたり、また、肉びらをつまんだりするなどし
て、彼女の肉裂をこのあとに待ち受ける、さらに激しい動きにも耐えられるように調教し
ていく。
 動きが一体となった二人はどこまで認識しているだろうか。リンコの動きは当初より遥
かに激しくなっている。はじめは湿らす程度だった愛液も、もはや潤滑油を越えて汲めど
も尽きぬ井戸のように溢れてきた。既に快楽に占拠されていたかに思えたリンコの意識に、
これまでを超える警報が響き、はっとしてわずかに理性を取り戻す。
「あああ!なんか、なんか来る!!来ちゃう!!!!」
 恐怖に本気で怯えるリンコ。例えて言うならば、頭と子宮にある堤防が、もはや決壊寸
前になるほど撓んでいるかのようだ。これらが壊れたら、リンコの精神はどうなってしま
うのか。だが、そんなリンコにマサヒコは荒い息使いながらも、丁寧に答える。
「それは“イク”って言うんだ」
「い、イ、イク?」
「そうだ。的山。これからお前はイクんだ」
136傍観者:2009/01/27(火) 23:46:55 ID:9TDEIixQ
 マサヒコにとっては既知の反応であることに恐怖が少しは薄れた。そして、素直に学習
するリンコは、たった今教えられたことを、直ちに発揮した。
「アッ!小久保君、私、私、イクッ、イクッ、イッちゃう!!!」
「ああ、そうだ的山!イけ!イクんだ!!!」
 そして、マサヒコが膣に一層深く指を突き入れた瞬間、リンコの堤防は決壊した。
「アアッ!…………」
 大きな喘ぎのあと、ずっと続いていたその声がいったん止む。
 その瞬間、リンコの体は限界までひきつって、橋を成すかのように背と首は反り返り、
両腕は全霊を込めてマサヒコの頭を締め付けた。
 体のひきつりに合わせて、股間は一層突き上げるような形になり、膣はこれまでになく
力強く引き締められた。そして、それと同時に、女の体の奥から噴き出す快楽と液。液は
相手の指と、自分の陰部をぐっしょりと濡らし、快楽は全身を痺れさせて脳に至り、思考
を快感と幸福感、幾許かの虚しさとで塗り潰す。そして、リンコは一瞬気を失った。




 今夜は以上です。次でようやく挿入です。続きはいつになるでしょう。
137名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:48:55 ID:2lnVlK53
GJ&お久しぶり
しかしまたも寸止めマスターハァハァ…

>>129
月並みだがギャグなら518氏のアイ先生シリーズ、
感動作ならやはり郭氏の「ずっとずっと…もっともっと」だな。
幸運にもリアルタイムで読んだがエロパロで初めて感動した。
138名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 02:08:35 ID:qJ3bbFhX
傍観者氏、お久しGJ!!です。

>>137
ギャグ方面では518氏が俺もお気に入り。
139名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 02:18:06 ID:oZT1pOJ/
傍観者氏乙です

>>137
>>138
郭氏と518氏は云わば双璧だからなあ
個人的にはトマソン氏も加えたこの三人が特に好きだ
もちろん他の職人が下というわけではない、ありがたいと思っている
140名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 17:30:46 ID:9j+5UbJK
>>137
俺も保管庫で「ずっとずっと…もっともっと」を読んだ時には感動したよ
141名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 13:07:40 ID:7SpscwG4
前代の古田氏から続いて現在の人と、管理する人にも恵まれてありがたいよな
142名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 16:55:21 ID:W+VVs/IP
過度なマンセーと取られてもアレだから職人個人個人を褒める流れはこれくらいにしとかないかw
いや、投下してくれた職人全員にもろちん敬意を払ってるぜ、俺はアッー!
143名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 18:01:14 ID:IletX25X
ここまで凌辱系がまったくと言っていいほど投下されていないのが個人的に驚きだな
同人なんかでもそうだが、ものによっちゃそっち系統がメインであることが多いのに

まあ氏家キャラでやると征服欲と性的興奮とかは満たされず、後味悪いだけかもしれんが・・・
144名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 21:52:38 ID:nXm2Bmoj
良く言われる話ですな。
凌辱系は俺もあまり好きじゃない。
こないだ、過去ログ久しぶりに見たけど、やたら「痴女はイイ!!」って連呼されてた時期があって吹いた。
145名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 21:01:36 ID:Ah7PITGY
イイってなんか懐かしいな
146名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 22:58:02 ID:hiZoroZ/
思えば初代スレが立ったときはすぐに落ちるんだろうなと思ってたもんさ。
それが今じゃエロパロ板屈指の歴史を刻むスレに性長したんだから感慨深い。
147名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 10:28:41 ID:s1oTE8SV
経緯を知らん人が見たら間違いだと思うようなスレ番号だな
作者も作品も有名じゃないし(とはいえ一応天下の四大週刊少年誌の一つの連載作家ではあるが)
148名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 23:46:51 ID:rMa1c9T7
友達に氏家ト全って知ってる?
って聞いたら皆知りませんでした(´;ω;`)
149名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 09:52:11 ID:TTW5Xq5O
戦国武将だっけ?
150名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 11:46:27 ID:F/cyF35H
まあ普通はそうなるわな
トとボクの違いはあっても…
151名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 10:45:27 ID:ZjxPGagr
「違うよ〜、アレは『ぼくぜん』って読むんだよ〜w 間違える人多いよね〜w」
って友人に笑われたことならある
152名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:11:12 ID:ly7glrBO
戦国武将の方を知ってる人なんているの?
153151:2009/02/05(木) 22:26:53 ID:ZjxPGagr
オレの友人は岐阜県出身だから氏家ト全(うじいえぼくぜん)は知ってた
漫画家の方にしろ武将の方にしろ、一般認知度は低いだろうな…
154名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 02:51:23 ID:FBEkpd3b
>>153
織田の美濃三人衆では安藤守就よりはメジャーだろ
稲葉一徹にはどうあがいても確実に負けるが・・・
155名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 10:31:24 ID:P4h9mSOA
戦国時代系のゲームをやってる人間なら知ってるところだがな
しかしなんであのペンネームなんだろうな
156名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 17:25:24 ID:SFk7wesM
先祖とかだったりして?
157名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:54:17 ID:9taVsrCd
来週はバレンタインデーSS祭りが来ますか?
158名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 11:53:52 ID:gEuFCK7X
誰もいない
シノシノするならいまのうち
159伊東:2009/02/11(水) 22:28:25 ID:g9YPvOHh
test
160伊東:2009/02/11(水) 22:37:16 ID:g9YPvOHh
嫁です。
バレンタインデーに向けて亭主のお尻をペンペンしてるところです。
マサヒコ君×ミサキちゃんでエロありと妹エロ無しが間に合えば投下できると思います。
最近亭主も仕事が超忙しいらしく、私もちょっと寂しいです。

では14日にノシ
161ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/12(木) 01:10:42 ID:ML7vI+qZ
では私も14日前後に。
多分微エロ小品で。
162名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 17:23:53 ID:LSeU8A3J
郭氏wktk!
163ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:12:25 ID:T0nj2azy
御疲れ様です。
生徒会よりバレンタインデーで小ネタ、微々エロ……にもなっていないかもしれません。
スルー対象ワードは「キャラ全員」「会話中心」です。
タイトルは『生徒会バレンタイン共』でお願いします。
164ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:16:49 ID:T0nj2azy
 二月十四日、バレンタインデー。
何でもチョコレート限定なのは日本だけであり、
その流れを作ったのはソニーの創業者の一人であると言われているが、定かではない。
しかし正味の話、細かい蘊蓄は当事者たちにとってはあまり関係がないだろう。
あげた、貰った、そして結果どうなったということが大切なのだ。
 さて、ここに一人の少年がいる。
私立桜才学園に通う男子学生、津田タカトシ。
桜才学園は元来女子校であったのだが、近年の少子化の影響を受け、今年度より共学となった。
男女比率は男子1に対して女子19であり、まさにハーレムといった状態で、
さぞかし通う男子共はウハウハであろう……と思いきや、実は案外そうでなかったりする。
女子校時代の名残からか、桜才学園は校則が厳しく、男女交際は一切認められていない。
よって、堂々とプレゼントしたりされたり、というのはご法度だったりする。
 とは言え、イニシエのセイジンも言ったように、規則と膜は破られるためにあるもの。
好悪の感情に縛りは効かぬ、バレンタインデーにおいてチョコの往来を規制するなど、どうあっても無理であった。
そう、何しろ。

「まいったな、一人じゃ食べきれないぞ」

 津田タカトシの手元には、バレンタインのチョコレートがこうしてあるわけで。
それも、複数の。



【その1:天草シノの場合】

 天草シノは桜才学園の生徒会長である。
文武両道、容姿端麗、一見非の打ち所がない。
唯一欠点らしきものと言えば、下方面にかなりブレーキの壊れたダンプカーであるということだが、
会話してみないとそこまで気づかれないのが彼女にとって幸運なのか不運なのかは、
実際に言葉を交わしてみた者だけが判断出来ることであろう。
他にもパソコンが使えない、スタイルに自信があまりない等々があるが、
まあそれは欠点と言うより、個人の悩み程度の問題である。
 で、桜才学園はもともと女子校であるからして、
そんな彼女に対して尊敬、またそこから一歩踏み込んだ感情を持ってしまう同性の生徒も少なくない。
津田タカトシが一年にして副会長(無選挙)になった時、
校内の目安箱に彼を威嚇する類の文書が多数放りこまれたことからもそれはよくわかる。
 そして、そんな彼女から、タカトシはチョコレートを貰ったのだ。
「会長から貰ったんだから、ちゃんと食べないとな……」
 天草シノには色々とお世話になっている。
会長と副会長という立場を考えても、ゾンザイには扱えない、とタカトシは考えた。
「いっぺんには無理だからな、やっぱり会長のから食べていこう」
 書記の七条アリアが何気にツッコンでいた「実はシノの手作り」「貰った分の処理というのはウソ」という点には、
あまり深い意味を見出さない(見出せない)のは、彼らしいと言えば彼らしいと言えた。

 ◆ ◆ ◆
165ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:20:23 ID:T0nj2azy
 タカトシが家でシノのチョコレートをパクついている時、天草邸でもシノとアリアが同じくチョコレートを食べていた。
何のことはない、シノが作り過ぎたのだ。
普段は節制のために甘いものを摂り過ぎないようにしている二人だが、
手作りということもあり、放っておいてダメにしてももったいないということで、こうして二人で紅茶なぞ飲みつつ、
文字通り余ったチョコを『処理』しているという次第なのだった。
「おいしいね、このチョコ」
「手間をかけたからな」
 ちなみに、紅茶の葉はアリアが家から持ってきたもので、超がつくほどの高級品である。
「料理はともかく、普段あまりこういったものは作らないから、書店を回ってお菓子作りの本を探してきた」
「へえ」
「ネットとやらでコツを調べたりもした。慣れないから危うくアダルトサイトに跳びそうにもなったが」
「ふぅん」
「最初は生チョコにしようと思ったが、ナマはアブないのでやめておいた。色々と」
「……」
「他人の口に入るのだから、ちゃんとしたものでないといけないからな」
「……」
「有名店で買うことも考えたが、やはりこういうものは作ってこそ……」
「ねえシノちゃん」
「ん?」
 問いかけておいて、しばしの間。
紅茶の湯気が香りと共に、二人の間に立ち上っていく。
「良かったね、津田君に食べてもらえて」
「な!? い、いや、違うぞアリア、津田には副会長として色々と働いてもらっているから、その」
「うふふふ」
「わかっているのかアリア? あれはお礼だ、それ以外のナニモノでもない!」
「ふふふふ」
 あたふたするシノを微笑みながら見つつ、アリアはまたひとつチョコを口に運んだ。
シノが昼間、「一人じゃ食べきれないから」とさりげなくウソをついてタカトシに自分のチョコレートを渡したことを、
この場では敢えてつっこもうとはしないアリアなのだった。



【その2:七条アリアの場合】
 
 七条アリアは生徒会において書記の役目に就いている。
学業では常にシノに次いで学年二位、家柄は高くてお金持ちで、しかも美人で巨乳。
シノ以上にケチのつけどころがない彼女だが、綺麗な薔薇には棘と言うか何と言うか、
その艶やかな唇が一端開かれると、シノに勝るスーパーヘビー級の下ネタが転がり出てくる(しかもやや天然)。
「七条先輩のは……これだよな、クッキーの」
 アリアがタカトシにくれたのは、中にホワイトチョコクリームが入っているクッキー。
アリア曰く、『白濁液クッキー』である。
「……あーいうこと言われると、食べる気無くすんだが」
 嫌がらせで言っているのではないことはわかっている。
が、それでもポンとそういう下ネタ発言をされてしまうと、やっぱり食欲に影響を与えてしまう。
「うーん……でも、貰ったんだから粗末にしたらダメだよな」
 普通のチョコクッキーだったらもうちょっと嬉しかったんだが、と思いつつ、小さく溜め息をつくタカトシ。
この場にチョコを貰えなかった桜才男子学生がいたとしたら、間違いなく机のひとつやふたつはひっくり返していたであろう。
いくら桜才の男女比率が偏っているとしても、『チョコを貰える』ということがどれだけの価値を持つものか、
鈍感なタカトシは考えがそこまで回らないのだった。
166ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:23:31 ID:T0nj2azy
 ◆ ◆ ◆

「そう言えばアリア」
「なあに? シノちゃん」
 何時の間にやら、テーブルの上のチョコレートは半分くらいの量になっていた。
控えよう、と思いつつも甘いものを前にするとパクパク食べてしまうのが、女の子の悲しいサガと言える。
「アリアも津田にチョコを渡していたな」
「うん」
 アリアはシノのように小細工を使わず、真正面からタカトシにチョコを渡した。
意図がどうであれ、堂々とやってしまうところがおおらかではある。
「やっぱり同じ生徒会のメンバーだし、渡さないと失礼だと思って」
「そうか」
 つまりは義理、とシノは受け取った。
もちろん、アリアも特別な意思をタカトシへのチョコに込めたわけではない。
今の時点では。
「津田君、悦んでくれたみたいで良かった」
「喜んでくれた、な」
 が、このお嬢様は天然であるからして、色んな壁を易々と突破してしまう。
富豪の娘だけに異性に対するガードが高いかと思いきや、そうでもないのは果たして元からなのかそれとも。
「ホワイトデーには何かお返しくれるかな?」
「津田は妙に律儀な男だからな」
「ホワイトだけに白濁液……」
「成る程……いや、ないない」
「あげたクッキーみたいに、中に」
「まさか、あのクッキーにはそういう意味が」
 相手がタカトシだからなのか。
周囲には俄かには判別付き難い七条アリアである。



【その3:萩村スズの場合】


 萩村スズ。
桜才学園生徒会の会計、一年生。
IQ180、帰国子女、英語ペラペラの才女である。
が、そういったところからはまったくイメージ的には逆に、外見はまったくの子供そのもの。
高校一年にして小学校高学年程度の容姿であり、またそのことを彼女自身激しくコンプレックスにしている。
「萩村のは……これか」
 持ち前の気の強さで、決してタカトシにも甘くないスズだが、それでもチョコレートはくれた。
「えーと、一個20円?」
 スズがくれたチョコ。
それはコンビニなどで簡単に手に入る、掌に乗るサイズのチョコレート。
すなわちチ○ルチョコだった。
「まあ、義理でもここまでわかりやすいなら、いいかな」
 タカトシとしては苦笑するしかない。
いくら体が小さいからと言って、チョコまで小さいのは―――などと思ったが、
本人の前で言ったら多分上靴を顔面に叩きつけられるであろう、間違いなく。
167ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:27:22 ID:T0nj2azy
 ◆ ◆ ◆

「スズ、そう言えば」
「はぁ」
「バレンタインデー、誰かにチョコをあげた?」
「は?」
 萩村スズの母は不意打ち系である。
出現がではなく、発言が。
「……何故そんなことを」
「だって今年度から桜才は共学になったじゃない?」
 無論、萩村母には萩村母としての順序だった思考があって、それに基づいて言葉を発しているのだが、
聞かされる側からしてみれば、いきなり階段の一段目を飛ばして五段目に進まれたみたいな感じで、対応に困ってしまうこと甚だしい。
実の娘のスズですら、時としてこうして付いていけないことがままある。
「ほら、あの津田君とか」
 ここで萩村母がタカトシの名前を出したのは、単純に萩村母がタカトシ以外に桜才の男子学生を知らないというだけである。
が、もちろん聞く側にとれば、そんなに簡単な話でもなかったりするわけで。
「……なんでアイツの名前が出てくるの?」
「えー、だって一緒に生徒会でお仕事してるんでしょう?」
「そりゃそうだけど……」
「この前は妹さんを連れて勉強に来たじゃない?」
「それもそうだけど……」
 1+1は2。
まさに明解、萩村母に迷いはない。
事実を事実として言っているだけである、母の視点で。
「それに」
「……それに?」
「何だかスズと仲良さそうだし、津田君」
「良くない」
「でも、男の子をスズが連れてきたのって彼が初めてじゃない?」
「あれは生徒会の仕事。生徒会室の鍵が無かったから仕方なく」
「押し倒してたし」
「あれは事故!」
 ストレート一本槍。
まさに直球、萩村母に変化球はない。
見たままを見たままで解釈して言っているだけである、母の気持ちで。
「それに」
「まだ何か……」
「コンビニから出てくるの見ちゃったし、昨日」
「え? なんでそれを、って、あ、あれは寒いからお茶を買いに入っただけで」
「でも、コンビニのビニール袋の底にレシートがあったけど、チョコレート買ってたじゃない」
「な!?」
 スズは絶句した。
まさか母がそこまで目を届かせているとは思いもよらなかったのだ。
「だから、津田君にあげたのかなーって。スズのお友達で他に男の子、知らないし」
「なななな」
「でもスズ、あげるんならちゃんとしたチョコレートでないと。コンビニじゃなくて専門店で買うか、それとも作るか」
「ち、違うから! ただの義理だから!」
「なーんだ、やっぱりあげてたんだ、津田君に」
168ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:30:10 ID:T0nj2azy
「あ? ああああ、ああああ」
 上段から真っ向カラタケワリ。
学園でも超級の頭脳を持つスズでも、母の正面攻撃には勝てない。
もっとも、これは頭の良さと言うより、性格的なことが大きいのではあるが。



【その4:三葉ムツミの場合】

 三葉ムツミはタカトシの同じクラスで、柔道部の部長を務めている。
ポニーテールがトレードマークの、なかなかに可愛らしい女の子なのだが、
その細身に似合わず大食いで、そして性格が純真過ぎるのが大きな特徴と言えた。
 そんな彼女からも、タカトシは貰った
「……えーと、これは、どうやって食えというんだろうか」
 タカトシの手の中には、一枚の板チョコがある。
それは別段珍しいものではない、どこでも買えるようなシロモノである。
問題なのは、それと一緒にムツミがくれたものにある。
それは。
「何でおにぎりなんだ……?」
 成人男性のゲンコツ二つ分くらいの、大きなおにぎりだった。
もちろん、手作りの。
「取っておく、というわけにはいかないだろうから……今食べるしかないよな、これ」
 夕食前なのにな、と思いつつ、タカトシはおにぎりを包んでいるラップを剥がしていった。

 ◆ ◆ ◆

「タカトシ君、食べてくれているかな」
 部活も終わり、ムツミは丁度帰路についていた。
やや駆け足気味なのは、別段急いでいるからではなく、登下校の道中もトレーニングの一環と考えているからである。
この辺りはピュアさの発露と言えるだろう。
「でも、チョコとおにぎりだけじゃ足りなかったかなぁ」
 おにぎりを二つにすれば良かったかな、と歩を進めながら思うムツミ。
この辺りはピュアさではなく、大食い人間の発露。
モリモリ食べる人間は他の人間もまた同じくらいに食べると考えてしまいがちである。
カツ丼大盛りが余裕な彼女にしてみれば、板チョコ一枚とおにぎり(大きいのだが)ひとつは余裕どころか腹の足し程度にしかならないのであろう。
「でも、受け取ってくれて良かった……」
 チョコとおにぎり。
タカトシに渡したい、食べて欲しいという思いが強く、その取り合わせがどうなのかとまではあまり考えていないムツミだった。



【その5:新聞部・畑の場合】

「うーん」
 タカトシは悩んでいた。
新聞部の部長、畑から貰ったチョコをどうするか、ということで。
「貰った以上はありがたく食べるべきなんだろうけど……」
169ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:34:09 ID:T0nj2azy
 畑がくれたのは、ムツミのものと同じく、これまたどこでも買えるような大手製菓会社の板チョコ。
それについては、まったく何の問題もない。
問題があるのは、チョコをくれた時の畑の言葉である。
『これからも是非いいネタの提供をよろしく。これは賄賂代わりです』という。
「ワイロねえ……」
 賄賂と言うと、時代劇で「おお山吹色の菓子とはありがたいのう越後屋」「これからも御贔屓にお願いしますヘッヘッヘ」というアレしかタカトシは思い浮かばない。
我ながら貧困なイメージだ、と思わないでもないタカトシだが、
実際畑は本気でそういうつもりで、つまりチョコをやるから生徒会の内輪の話を流せと言っているのか、
それとも単なる冗談で言ったのか、そこがわからない。
新聞部の部長としての行動力は半端ではないので、本気であるとも取れるし、
彼女なりのぎゃグであるとも取れる。
「賄賂は受け取ったら犯罪だよなあ……でも、なあ」
 タカトシは腕組みをして、首を捻った。
畑のことだから、後日「食べてもらえましたか。食べたということはすなわち」と喰いついてくるかもしれない。
そうなったら怖い。
怖いが、貰ったものを粗末にも出来ない。
「うーん」
 タカトシは畑から貰ったそのチョコを、すすすと脇へ置いた。
また後で考えよう、と。

 ◆ ◆ ◆

「もしもし、畑ですが」
 畑は自室でノートパソコンを起動しつつ、携帯で電話をかけていた。
相手は同じ新聞部の部員である。
「次の号、生徒会の話があるかもしれないから、スペースを開けておいて下さい」
 左手で携帯を持ち、そして右手でマウスを捜査する畑。
慣れた手つきで、デジカメからノートパソコンに写真データを移していく。
野球部、サッカー部、陸上部とクラブ関係の写真が多いが、その中にポツンと『生徒会』という名前のフォルダがある。
もちろん、会長の天草シノを始めとして、生徒会のメンバーの様々なショットがそこに収められている。
「でも、ないかもしれない。それについてはまた次の編集会議で。はい、では失礼します」
 電話を切ると、畑は表情を崩さず、写真データの整理に集中した。
タカトシに渡したチョコがどういう効果を発揮するか、正味の話、彼女としてはどちらに転んでも良かった。
タカトシが生徒会の内輪ネタを教えてくれれば校内新聞により華が出るというものであり、
別に教えてくれなくてもたかが損失はチョコ一枚、痛くも痒くもない。
「生徒会に張りつけばネタはいくらでも」
 おそらく生徒会の中でもチョコのやりとりがあったはず、と彼女は踏んでいる。
「今度、突撃取材を……」
 畑はゆっくりと笑った。
口以外の表情と、声を変えずに。
170ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:38:50 ID:T0nj2azy
【その6:横島ナルコの場合】


 横島ナルコは生徒会の顧問をしている。
色々と経験豊富、さらに年下の男の子好き、下ネタを口にするのにはばかりがない、と三拍子揃っており、
これでよくも生徒会の担当顧問になれたものだ、と今更ながらにタカトシは思わざるを得ない。
「先生には悪いけど、これは食べられない。つうか食えるわけない、怪しくて」
 最近ではタカトシを見て露骨に舌舐めずりをすることはなくなったが、それでも時々目つきが怖いことがある。
貰ったチョコにもどんなアヤシゲなクスリが入っているかわかったものではない。
食べ物は粗末にしてはいけないが、さすがに横島から貰ったものは例外にしておくべきであろう。
何より、チョコをくれた状況が半ば強引に持たされたとあっては。
「すいません先生、捨てさせてもらいます」
 それでも、一応礼儀としてタカトシは謝った。
もちろん、普通のチョコであるという可能性もある。
が、そこに賭けるには、やはり横島の普段の行いがちょっとよろしくないと言えた。
気にせず笑って食べる、そこまでの度胸は、タカトシには無かった。

 ◆ ◆ ◆

「ふーい、やっぱりシャワーの後のビールは最高ね」
 自宅のマンション、缶ビール片手にグビグビとやりつつ、横島ナルコはテレビをつけた。
バスタオル一枚でお行儀悪いことこの上ないが、一人暮らしであるために誰も注意はしてくれない。
仮に誰かいても、というか男性がいたなら多分彼女はバスタオルも巻いていなかったであろう。
「おっ、今日はお笑いの特番があるじゃん」
 ナルコがタカトシにあげたチョコレート、それは媚薬も何も入っていない、ただのチョコレート。
特に企みも何もなく、普通にあげただけだった。
確実にコトが成せる状況なら媚薬の一つでも使っただろうが、その場で食べるかどうかなんてわからないチョコである。
彼女なりに、ヤる時ヤる場所ヤる状況は考えているのだ。
「あはははは、あははははははは」
 笑い声とともに、酒気を帯びた息がナルコの口から吐き出される。
彼女は知らない、タカトシがあげたチョコを捨てたことを。
その原因が、身から出た錆同然であるということを。
「あはははは」
 そしてアルコールとお笑い番組によって、この時点で忘れていた。
タカトシにチョコをあげたということを。




【その7・津田コトミの場合】


 津田コトミはタカトシの妹で中学生、今月、桜才学園の入試を受ける予定になっている。
ライン的にはギリギリで、タカトシやスズも勉強を何度か見てやったことがある。
タカトシとしてはその合否について心配しているが、むしろもっと心配なのは、
仮に受かって桜才に来た場合、コトミも下方面になかなか天然なだけにシノやアリアと絡んで倍率ドンとなってしまわないだろうか、という点。
何しろ昨年末のクリスマス会において、その片鱗が十分に過ぎる程見られたので。
171ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:42:33 ID:T0nj2azy
「タカ兄、いる?」
「コトミか、何だ、勉強のことか?」
「ううん、あのね、バレンタインチョコなんだけど」
 タカトシはちょっと驚いた。
今までに妹からバレンタインにチョコなぞ貰ったことがなかったからだ。
「あのね、受験勉強見てもらったのもあるし、お礼としてチョコあげようと思って買っておいたんだけど」
「はあ」
 タカトシはピンときた。
伊達に十数年間、兄妹を続けてきてはいない。
「あんまりおいしそうだったんで」
「自分で食べたんだな」
「あれ、凄いタカ兄、何でわかったの?」
「わかるわい、そりゃ」
 コトミらしいと思いつつ、タカトシは笑った。
この図太さがあれば、入試当日も問題ないであろう。
「ごめんね、今度また買ってくるから」
「いや、いいよ別に」
「えー、でもー」
「どうしてもって言うなら、そうだな」
 タカトシはシノたちから貰ったチョコレートを、紙袋に入れると自分の学習机の上に置いた。
「お前の合格が発表された後でいいよ」
 そして、シノのチョコとムツミのおにぎりで半分くらい満たされた腹をさすりつつ、ドアの方へと歩きだした。
階段の下から、母が夕食の準備が出来たことを告げたので。



【おまけ・出島さんの場合】


「お嬢様、お帰りなさいませ」
「ただいま、出島さん」
「ご夕食のご用意が出来ております……時に、お嬢様、バレンタインデーのチョコを購入されたということですが、もしかして渡されたのは津田さんでしょうか」
「うん、そうだけど」
「そうでしたか。でしたら私もお嬢様にお願いしておけばよかったかもしれません」
「どういうこと、出島さん?」
「いえ、クリスマス会の時に津田さんにお渡ししたプレゼントなのですが」
「ああ、あれね」
「実はこの度追加でさらに振動が強い商品が出まして、やはりセットでお渡しするべきかと思いまして」



【おまけ2・五十嵐カエデの場合】


 ※男性恐怖症のためにタカトシはおろか父親にすら渡していません。



 F  I  N
172ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/02/14(土) 01:45:02 ID:T0nj2azy
以上です。
エロがほとんど無し、キャラごとの話の長さもバラバラでまとまりが無くてすいません。


ではまた。
173名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 02:01:52 ID:UnHucy8r
うっひょぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
174名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 17:21:40 ID:4iJBMNPl
マンガでもスズやムツミもタカトシにチョコあげてほしかったな
175名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 21:16:11 ID:+y9VRcw+
ピンキリ氏GJ!
176名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 21:33:47 ID:5bvND/k8
>>172
乙!
心が潤ったお( ^ω^)
177名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 07:47:59 ID:EKzu1Bcv
なんかイイ!
178郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:43:19 ID:Lf99IAGQ
はい、どうも郭です。ピンキリ氏にまずはGJを。
さすがに間に合わせてきましたか。私はバレンタイン投下ならず、、、、マジすいません!
一本目は前スレで投下した中村×ミサキのレズものSSの続きです。
NGワードは「エロ淡泊」「第三者視点、あるいは語りでのエロ」かな?では、投下。
179郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:43:54 ID:Lf99IAGQ
「へ〜〜え、すごいのね、Webカメラってのは」
「かなりのものでしょう?お母様」
「いや〜〜、これじゃ盗撮が怖くておちおちラブホも行けないわ」
「あらら、お盛んなんですねえ♪」
「な〜〜んてね。実際はダンナが忙しくて最近めっきりなんだけど」
ノートPCを操作する中村の背後で、ママンとアイが液晶画面を見つめていた。
そこに映っているのは中村とアイも見慣れた、マサヒコの部屋である。
「あの………そんなことより、本当に良いんですか?先輩?」
盛り上がるママンと中村だが、アイは落ち着かない様子である。
「ん?良いのよ、だってこれはミサキの方からお願いしてきたことだしねえ」
「でも、お母様は……」
「こういうものをマサの部屋に設置するってのに、許可を取らないわけにはいかないでしょ?
んで、お母様に説明したら」
「リョーコちゃんの話を聞いたらミサキちゃんが不憫でね〜〜〜。
ウチのアホ息子の不始末みたいなもんだから、親である私が一応見届けないと」
そう言いながらもママンは野次馬根性丸出しの楽しげな表情だった。
一方のアイはまだ納得できないといった感じの表情である。
「それは良いんですが、なんで私まで?」
「面白半分?」
「ぶッ!せ、先輩!」
「冗談冗談。でもマジなとこ聞くけどアイ?あんたまだ処女なんでしょ?」
「!!!いきなり!お、お母様の前でそんな!」
「え!そうなの?アイちゃん」
「う………あの、その」
「そうなんですよ、お母様。おまけに男と付き合った経験すらゼロ」
「なんで?アイちゃんって可愛いし性格もいいのに?」
「言い寄ってくる男もいないワケじゃないし、適当な男を紹介したこともあるんですけど、
でもこの子、全部断っちゃってるんです。で、その理由がなんでかっていうと……マサなんでしょ?アイ」
「!!!ち、ちが」
「わないわよね?アンタ、まだマサに未練があるんでしょ?」
「………う」
「?ってことは、まさかアイちゃん?ウチの息子のこと」
「ご明察です、お母様。前々からこの子ってショタコンのケがあったんですが、
どうにもマサが忘れられないみたいで」
「それはまあ……あんな勃ちの悪い、じゃなくて出来の悪い息子で良かったら是非ともどうぞ、
って言ってあげたいところだけど、あの子にはミサキちゃんがね〜〜〜」
「そうなんですよ。アイもそこらへんは頭では分ってるみたいなんですが」
「そうか〜〜〜、しかし気づかなかったわ。でも考えてみれば、確かにアイちゃんって
ウチの息子にすごく良くしてくれたものね〜〜。家庭教師っていう立場以上に」
「あ、あ…………あの。それは………その」
得心したという表情でうんうん、と頷くママンだが、アイは顔を真っ赤にしてしどろもどろになっていた。
「それは分ったけど、リョーコちゃん?なんでアイちゃんを出歯亀作戦に加えたわけ?」
「ショック療法ですよ。これ以上マサのことを引きずってたら、アイのためにも良くないですし。
マサとミサキがセックスしてる現場を見たら、さすがにこの子も」
「私、やっぱり帰りま」
「逃げるの?アイ」
「こんなこと、やっぱり間違ってます、先輩!いくらミサキちゃんに頼まれたからって」
「ふ〜〜ん。でもアンタが本当にマサのことを諦めているなら、別に平気なはずでしょ?」
口調こそ普段のおちゃらけた感じだったが、中村の舌鋒は鋭かった。
「………そういう問題じゃ」
「ねえ、アイ?ミサキとマサの決定的なところを見て、傷つくのが怖いの?
もしかしたらマサと付き合えるかもしれないっていう、ほとんど絶望的な希望を失うのが怖いの?
それとも、まだそんなことを考えている自分と向き合うのが怖いの?」
「そんなこと……私は……う………う、ひ、酷いです、先輩、うッ、ぐすッ」
「あ〜〜あ、泣かないの、アイちゃん。ね?」
£
180郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:44:48 ID:Lf99IAGQ
とうとう泣き出してしまったアイを、抱きしめるようにあやすママン。
中村もやりすぎたと思ったのか、ちょっと決まり悪そうな顔である。
「ま、ぶっちゃけムチャクチャおせっかいだとは思うけど、一応私はマジで言ってるのよ?
こうでもしないとアンタ、マサのことを忘れられないと思うから」
「………うッ。マサヒコ君のことは、忘れられないんです。忘れちゃ、いけないんです。
それで、私は良いと思ってます。でも、いつか私だって」
「大丈夫よ、アイちゃん。きっとアイちゃんには素敵な人が現れるから……」
アイのその答えは、中村の言葉を全て肯定したのと同じことだった。
それが分らないほど、ママンも鈍くはない。泣いているアイを、優しく慰め続けていた。
「おっ。とかなんとか言っているうちに」
「………え?」
液晶画面に映し出された部屋に、ミサキとマサヒコが入ってきた。
「ふうん♪デートのときは結構オシャレしてるのねえ、マサの奴」
ニヤニヤと笑いながら中村がカチカチ、とマウスを操作するとマサヒコの顔が拡大表示される。
「ふふ、その通りなのよ。ミサキちゃんと付き合うようになって、やっとあの子も色気づいたって感じでね。
出かける前なんて髪型を気にしてずっと鏡の前で格闘してたくらいだからね〜〜」
「…………」
ひとり無言のアイだが、画面から目を逸らそうとはしていなかった。
ミサキが友人から借りてきたというWebカメラは予想以上に鮮明な画像で、
マサヒコの微妙な表情の変化や仕草まではっきりと捉えることができた。
「ねね、リョーコちゃん?これ、音声はついてないの?」
「残念ながら音声無しなんですよ。でもこの方がなんだか盗撮っぽくて興奮しません?」
「…………先輩って、そういう趣味があったんですか?」
「ははは、そういう意味じゃなくて……お、ミサキが出て行きますね。多分メールか電話が」
"♪♪♪"
「はいはい、っと………ミサキ?うん、ばっちり見てるけど?うん、そう………分った。んじゃ」
「ミサキちゃん、なんて?」
「緊張してるけど、頑張りますって。はは、なんだか試験前みたいな雰囲気なんだから、ミサキったら。
頑張るのは確かだけど、そんなとこまで真面目に言われてもねえ」
苦笑する中村だが、アイはやはり複雑そうな面持ちである。そして画面にはミサキが再び現れた。
「………お茶を淹れてきたみたいですね、ミサキちゃん」
「しかしマサヒコはリラックスしてるわね〜〜」
画面では談笑するマサヒコと、どこか硬い表情のミサキが映し出されていた。
「どっちかといえばマサの方がリードしてる感じですかね。でも、んん?」
会話を続けるマサヒコとミサキだが、ぎくしゃくとした雰囲気なのが画面からも伝わってきた。
「なんだかちょっと変な雰囲気じゃないですか?」
「うん。ミサキの緊張がマサに伝わっちゃってるわねえ」
やがて、口をつぐんだマサヒコがじっとミサキを見つめると、彼女の横に座った。
「――――」
「なんて言っているのかしらね?………あ」
ミサキの耳元でマサヒコがなにごとかを囁くと、ミサキが激しく頭を振り―――
そして、弾かれたようにマサヒコに抱きついた。その表情は、泣き出しそうなものだった。
「マサもあれで結構空気を読むところがありますからねえ。
ミサキの様子を見て、なにか勘付いたんじゃないですか?」
「多分あの子のことだから、『今日のデート、つまんなかったか?ゴメンな』
とか、そういうしょっぱいことを言ったんじゃないの?」
さすがはママン、鋭い。画面では、謝り続けるミサキをマサヒコが慰めているところだった。
「ああ………マサヒコ君たら、泣かせちゃった………」
「でも、ああいうのも案外愛情表現だったりするからねえ」
「愛情表現、ですか?」
「ふふ、リョーコちゃんの言うとおりかもね。ギクシャクしてるときは思いっきり感情をぶつけて、
ケンカするのも手なんだけどマサヒコとミサキちゃんみたいな子達だと、そういう感じにならないでしょう?
確かにああいう風に謝りあったりするうちに気分が盛り上がったりすることもあるのよね〜〜」
「…………」
このあたり、やはり中村とママンは百戦錬磨である。アイはただ沈黙するしかなかった。
£
181郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:45:18 ID:Lf99IAGQ
画面では、マサヒコがミサキを抱きしめながら彼女の話を聞いているところだった。
しばらくしてミサキの話が終わり、そして彼女の瞳を見つめた後――ゆっくりと、マサヒコは唇を重ねた。
「!わ、マサヒコ君たら大胆!」
「いや、我が息子ながらこれはけっこう自然な流れよ?」
「うん、雰囲気としては悪くないですよねえ」
勝手に評論されていることも当然ながら知らないマサヒコは、ミサキの髪を撫でながらキスを続けている。
(………マサヒコ君)
きゅん、と胸を締めつけられるような痛みを覚えながら、アイは画面を凝視していた。
マサヒコのキスは、彼のミサキへの愛情が伝わってくる、優しげなものだった。
(もしかしたら………)
その優しさは、自分に向けられていたのかも知れない、と―――
それが今となってはどうにもならないことだと頭では理解しながら、アイは悲しい想像に囚われるのだった。
「お、いきますね、マサ」
「うん、でも良い感じじゃない?」
マサヒコがミサキの手をとると、ベッドに彼女を導いた。
「あらら、でもミサキったら私が見てるのは分ってるはずなのに」
「うん、これは完全に出来上がっちゃってるわね」
ベッドに移動したミサキは、夢中になってマサヒコとキスを続けていた。
それは、無音のはずのモニターから音が漏れてきそうなくらい、積極的で熱情的なキスだった。
「ふ………ふわあ、すごい………」
思わず生唾を呑み込んで素朴な感想を漏してしまうアイだが、
中村とママンはニヤニヤとしながらその様子を見つめている。
「お、背中に手をまわして………マサが服を脱がしにかかりましたねえ」
「着衣のままのエッチってのも趣があるけど、皺になると面倒なのよね〜〜〜。
でもリョーコちゃん?案外ウチの子もスムーズじゃない?」
「確かに。ルーキーとは思えませんねえ」
抱き合いながらキスを続けていたマサヒコが、ミサキのブラウスのボタンを外し……
そして、ゆっくりと肩先を舐め始めた。
「う、うわ………」
「おっと、なかなかねっとりとした愛撫をしますねえ、マサ」
「マサヒコも経験少ないってのにまあ………でも、う〜〜ん、血は争えないのかな?」
「お?てことはお母様、お父様も相当なテクニシャンだと?」
「ふふふ、違うのよ。ビックリしないでね?実は私とダンナって、お互い初物同士だったのよ」
「え!」
「ええ?ま、マジですか?」
「ふふ、マジなのよん♪私が中学生だったときに大学生だったあの人が家庭教師に来てね〜〜。
んで恋人になって、それでそのまま………ね♪」
「あの、ということは………まさか、中学生のお母様と、その………」
「うふふ、さすがにそれはないわよ。高校生になってからよ、付き合うようになったのは。
でもね、童貞だった割りにダンナって上手にリードしてくれて。エッチの勘が良いっていうの?
初めはやっぱり痛かったけど、すぐに私も良くなっちゃって、それで夢中になってしているうちに、ね♪」
「ああ、マサが生まれたと………」
「そういうこと♪だから私って実はダンナ以外の男を知らないんだよね♪」
「はぁ………」
あっさりと衝撃告白をするママン。アイは呆然とした表情だが、
一方の中村はどことなく面白がっている様子である。
「なるほど。てことはやはり遺伝なんですかねえ?ミサキに聞いた感じでも、今見ててもマサって」
「なかなか………上手よね」
再び画面に目を移すと、既に下着姿になったミサキのからだをマサヒコが舐め回しているところだった。
「ま、マサヒコ君………すごく、エッチな感じですね」
「うん、我が息子ながら良い感じよ。ミサキちゃんも感じちゃってるし」
「もうカメラで見られていることを完全に忘れちゃってますねえ、ミサキったら」
肩、二の腕、鎖骨と順に舐めてきたマサヒコがミサキの腋を舐めると、ミサキが口を大きく開けて叫んだ。
音は聞こえないが、画面からはっきりと彼女の興奮が伝わってくるかのようだった。
「でも、これはマサヒコが上手いだけじゃなくて」
£
182郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:45:41 ID:Lf99IAGQ
「あ、やっぱりお母様も思われます?私もミサキにそう言ったんですけど」
「………?」
ちょっと不思議そうな顔のアイを見て、中村が苦笑しつつ説明する。
「ま、そうねえ………なんていうか、ミサキがすごく感度の良い子だってことなのよ」
「!そ、そうなんですか?」
「それにね、ホラ、ミサキちゃんって普段は真面目ですごくしっかりした子でしょう?
そういう子って普段の反動でエッチのときはすごく乱れちゃうことが多いみたいだし」
「お母様の言うとおり心理的なものも勿論あるでしょうねえ………お、マサの奴」
中村の言葉にアイとママンが画面に目をやると――
マサヒコがミサキのブラをとり、ショーツの中に手をいれて触れているところだった。
「でも今のところは十分合格じゃないですか?」
「ふふ、これくらい勉強も出来が良いとよかったんだけどね〜〜〜」
のんびりと言葉を交わす猛者ふたりだが、アイは顔を真っ赤にしている。
マサヒコはミサキの裸の乳房に口をつけながら、下着の中をまさぐるように指を動かしていた。
ミサキはうっとりとした表情でマサヒコの愛撫に身を委ねている。
(………すごい)
それは中村やママンと違い経験の無いアイには刺激の強すぎる眺めで―――
アイは瞬きを忘れたように、ふたりのその姿をただ見つめるしか無かった。
「でも、やっぱり若いわね〜〜、ミサキちゃん。すごく肌もキレイ」
「そうなんですよねえ。真っ白で、ほんとツルッツルで。羨ましくなるくらいキレイなんですよ、ミサキって。
こんなキレイなからだを好き放題堪能できるんだから、果報者ですよねえ、マサの奴は」
実はつい先頃、他ならぬ自分自身もそのミサキの肉体をたっぷりと堪能したのだが、、、
さすがにそれをママンとアイに薔薇す、もといバラすことをしないのは彼女なりの良心なのだろう(多分)、
中村はすっとぼけた様子で、うんうん、とママンの言葉に頷いている。
「お?でも、初めて抵抗しましたねえ、ミサキ」
それまでは恍惚とした表情で愛撫を受けていたミサキだったが、
マサヒコが下着を脱がそうとした瞬間、突然跳ね起きて彼の手をとり、固まってしまっていた。
「ん〜〜〜、マサヒコがショーツを脱がすのを嫌がってるみたいね?でもこれは………多分」
予想外のミサキの抵抗に最初は戸惑いの表情を浮かべたマサヒコだったが、
言葉につまっている様子の彼女を見ると、安心させるように微笑んで軽く抱きしめた。
「ああ………なるほど、これは」
「あの、先輩?マサヒコ君とミサキちゃん、どうしちゃったんですか?」
「ん〜〜〜そのねえ、多分だけど」
「あはは、アイちゃんには刺激が強いかもね」
「???」
「あのね、アイ?だいたい恋人にはエッチのときのコースみたいなもんがあってねえ。
マサとしてはショーツを脱がした後、クンニする予定だったんじゃない?」
「え?」
「そうそう、私もそう思った。で、リョーコちゃんに見られてることを思い出したミサキちゃんが、
さすがにナメナメされてるのを見られるのは恥ずかしくなって抵抗した、と」
「!…………」
更に頬を染めて沈黙するアイだが、ママン達の予想は正しいようで――
ミサキは愛撫を拒絶したことを弁解しようとして、結局なにも言えなくなってしまった様子である。
しかしマサヒコは、そんな彼女を責めもせず、ただ抱きしめたままでいる。
「しかしまあ、ピュアってますよねえ、ふたりとも。お……マサ」
その体勢のまま、マサヒコがミサキの首筋をちろちろと舐める。びくんッ、と彼女の細いからだが震える。
「あら〜〜すごい反応ね、ミサキちゃんったら」
「ミサキの弱点なんですよ、首筋って」
「へえ〜〜〜、それをここでもってきたか」
丁寧に、丹念に。マサヒコはひたすらミサキの首を舐め続ける。
ミサキは顔を赤くして、彼の愛撫に身を任せる。ふたりは、そのまま単調な愛の交歓作業を続ける。
「う〜〜〜ん、これは」
「もう、ふたりの世界に入りきっちゃったみたいね」
首筋を舐め続けられているうち、ミサキの表情はさきほどよりもずっと蕩けたものへと変っていき――
マサヒコが再びショーツを下ろそうとしても、もう嫌がらなかった。
£
183郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:46:26 ID:Lf99IAGQ
モニター越しでも認識できる、少女の薄い茂み。マサヒコがそこに指を伸ばすと、またミサキが大きく震える。
「ほほぉ〜〜、再びあそこにいきましたか」
「ここで直接いくのは正解かもね。ミサキちゃんもさっきより反応が良いみたいだし」
ママンの言葉通り、もはや中村の目を意識することを忘れたようにミサキは乱れ始めていた。
「う……… ふ。あ…………」
「大丈夫?アイ」
「!あ、は、はい。でも………す、すごいです……ね」
食い入るようにモニターを見つめていたアイだが、中村に声をかけられてようやく我に返った。
「うふ♪アイちゃんったら興奮しちゃった?」
「!あ、あの………は、はい……すいません」
抵抗する気持ちも失せたのか素直にアイが謝るのを見て、ママンはちょっと苦笑する。
「まあね〜〜〜。確かに私としても感動しちゃうっていったら変だけど、
しみじみ、ふたりとも大人になったな〜〜〜っていう思いはあるわね」
「そうですよねえ、お母様はマサは勿論ですがミサキも小さい頃から知ってるわけですし」
「そうなのよね〜〜〜。なんせあのちっちゃかったマサヒコとミサキちゃんが、
もう大人のことをしてるっていう、そういう感じなのよね〜〜〜」
「あの………やっぱりミサキちゃんって、昔からマサヒコ君のことが好きだったんですか?」
「え?うふふ、確かにミサキちゃんってちっちゃい頃からウチの子にべったりだったかもね〜〜。
私も面白いから、『ウチにお嫁に来てくれる?』なんてミサキちゃんに聞いたりしてたけど、
ミサキちゃん、ニコニコしながら『はい!よろしくおねがいします!』って答えてくれたりしてね〜〜。
ふふッ、今でも可愛いけど、あの頃のミサキちゃんも可愛かったな〜〜〜」
楽しげに思い出を語るママンだが、そんなほのぼのした話とは裏腹に。
「うほ♪マサったら、なかなか」
茂みをいやらしく掻き回しながら、ミサキの乳房に舌を這わせるマサヒコ。
それは的確に性感帯を刺激しているようで、彼女の乱れようもさらに激しくなっていく。
「うん、でもイイ顔ね〜〜♪ミサキちゃん」
「………こんなこと言うのも変かもしれませんが、すごく気持ちよさそうで………それに、
えっと………可愛いですよね、今のミサキちゃんの表情」
「へっへ、羨ましくなっちゃった?アイ」
「う………それは」
「良いのよ、アイ。隠すことなんかないから。本当に好きな人とするセックスって、最高に気持いいものだし」
「そうよ、アイちゃん?アイちゃんは真面目だから変に嫌悪感とか持っちゃってるのかもしれないけど、
セックスってのは全然悪いコトじゃないんだから。好き合ったもの同士なら、自然にそうなるんんだし。
うふ、それにリョーコちゃんの言うとおり、ヤってるときは気持ち良いのよね〜〜」
(………好き合ったもの同士なら………)
そのとき、アイの脳裏に浮かんだのは―――やはり、マサヒコの姿だった。
(マサヒコ君が………私をあんな風に………そしたら………私………)
「想像した?アイ」
「!ふ、ふわあああ!なんなんですか、先輩は!人の心を読まないでください!」
「って、あたしゃまだなんも言ってないんだけど………」
「………ぐ!」
言葉につまるアイだが、そのやりとりで彼女がなにを想像していたのかは容易に想像できるわけで。
中村とママンは、顔を見合わせて苦笑するしかなかった。
(これ以上のツッコミは………)
(ま、無粋ってものよね?リョーコちゃん)
無言でアイコンタクトを交わすふたりだが、アイは―――再びモニターに釘付けになっていた。
彼女の表情には、マサヒコへの未練が隠しようもないくらい滲み出ていた。
「おほ♪とかなんとか言っているうちに」
「!………」
マサヒコがコンドームを取り出すと、それを自らの先端にあてがって装着させる。
そしてミサキに覆い被さり、ゆっくり、繋がっていく。
「仕方ないこととは言え、ミサキの表情が分らないのが惜しいですねえ」
「マサヒコの影になっちゃって、はっきりとは見えないわね………」
「……………」
マサヒコの裸の後ろ姿が、初めは緩やかに………そして、少しずつ大きく動いていく。
£
184郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:47:00 ID:Lf99IAGQ
贅肉のない少年そのものの腰をふり、マサヒコがミサキのからだを犯している―――
そのあまりに残酷で淫靡な風景に、アイは息をすることすら忘れたように固まってしまっていた。
「お、マサが体位を変えて………今見えましたね、ミサキの顔。うわ、良いカオしちゃって」
「う〜〜ん、気持ち良さそう。あ〜〜ん、羨ましいな。私もシたくなってきちゃったかも♪」
「あっら〜〜〜もしかしてお母様、本当にご無沙汰なんですか?勿体ない」
「うふふ、そうなのよ〜〜〜。でも今夜当たりマジでダンナに迫ってみようかな?」
中村&ママンの際どいトークはなおも続いていたが、
画面ではマサヒコが正常位から側位へと体位を変えたおかげで、
マサヒコのペニスがミサキの中を突いている様子がはっきりと映し出されていた。
(ごくッ………)
生まれて初めて見るセックスの様子を、アイは夢中になって見ていた。
ペニスの抜き差しを繰り返しながら、マサヒコは右手でミサキの乳首を、
左手で彼女の陰部をくりくり、と弄り回していた。そしてミサキは、どこか虚ろな、とろんとした目をして―――
マサヒコに突かれるたび、口を開けてなにごとかを叫んでいるように見えた。
(ミサキちゃん、い、色っぽい………)
泣いているようで、歓んでいるようで、快感を押し殺しているかのようなミサキの表情。
それはアイが普段妹のように接していた快活な少女の顔ではなく、
快楽の味を既に知ってしまった女の、淫らで艶やかな表情だった。
「うっわ〜〜、しかしずっぽし入っちゃってるわ。で、ああ、マサったら、もう」
「改めて見ると、ウチの子もなかなか」
と、マサヒコがミサキの右脚を持ち上げ、斜めに、更に深くペニスを埋め込んだ。
その瞬間、ミサキは両手で顔を隠し、ベッドに顔を伏せて―――挿入を、迎え入れた。
「!………きゃ、きゃあッ!!!」
「わ!いきなり叫ばないでよ、アイったら!」
「うふふ、アイちゃんびっくりしちゃった?」
その刹那、目の前の光景に思わず目を丸くして叫んでしまったアイに驚く中村だが、
さすがにママンはまだ余裕があるようで、アイを落ち着かせるように側に寄り添ってきた。
「あ、だって。わ、わ………うわ」
「あのね、アイちゃん?怖がらなくても良いから。ね?」
「ま、マサヒコ君、あんなことをして、だ、大丈夫なんですか?ミサキちゃん」
「あ〜〜、もしかして痛そうに見える?」
「だって、あんな風に強く足を開かせて………ああ」
「うふふ、アイちゃん?アレの痛みって、気持ち良さと表裏なのよ。だから、大丈夫」
「え?そ、そうなんですか?」
「さすがはお母様ですねえ。うん、確かにアレってなんていうか、痛みと一緒に来る感じですよねえ」
「………ふ、ふわあ………ホントだ……ミサキちゃん、気持ち良さそう………」
無意識なのか恥ずかしさからなのか、顔を隠してしまっていたミサキだが、
激しさを増すマサヒコのピストン運動に堪えきれなくなったかのように顔を上げた。
アイの言うとおり、それははっきりと快楽の波の中に溺れてしまっている表情だった。
「しかしまあ、当たり前ですがふたりとも若いですねえ、セックスが」
「うふふ、でもあのくらいの頃はちょっと乱暴なくらいに抱かれた方が逆に良かったりしない?」
「それは、まあ、ありますけどねえ」
「………乱暴なくらいに、ですか?」
「うん。無理矢理なセックスってのは最低だけど、男ががっついてくるのって私は嫌いじゃないな〜〜。
この人は本当に私とシたいんだ、この人は本当に私を求めてるんだ、って思わせてくれるからね」
「はぁ…………」
ママンの奥深いようなただエロいだけのような言葉に為す術もなく聞き入る中村とアイだったが、
ミサキもマサヒコもそろそろ絶頂が近づいてきたようだった。
「お、そろそろ………これは、フィニッシュきますかねえ?」
「ミサキちゃんはもう限界かもね。うん、マサヒコもそろそろかな?」
エロトークを繰り広げながら、肝心なところは見逃さない中村とママンは流石と言うべきか。
既にミサキはたっぷりと快楽を貪って限界が近いようだったが、
ピストン運動を繰り返してきたマサヒコも徐々に動きが鈍くなりつつあった。
側位から正常位へと体勢を戻してミサキと再び唇を重ねると速度を落し、
ゆっくり、ゆっくりと彼女の奥を突いていく。
£
185郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:47:29 ID:Lf99IAGQ
(!………)
「お、これは」
「イッちゃったのかな?」
眉根を寄せ、ぶるっ、と一回大きくからだを震わせたあと、初雪のように真っ白な肌がピンク色に染まる。
それは明らかに、ミサキが達した証だった。同時にマサヒコも絶頂に達したようで、
それまで力強く突いていた動きを止め―――溶け合うように、ミサキと重なり合った。
「おお………ふたりとも」
「終わったみたいね」
「で、お母様?いかがですか、愛する息子とお嫁さん候補の採点は?」
「う〜〜ん、ちょっと時間が短かったような気もするけど、十分合格点なんじゃない?
だってマサヒコとミサキちゃんって、こういう関係になってまだ半年にもならないわけでしょう?」
「私もそう思います。多分まだ20回程度だと思うんですが、お互いの息もあってますし。
なによりですね、見てくださいよ、ホラ」
「ああ………マサヒコったら」
画面では―――全てが終わった後、虚脱状態になってしまっていたミサキの頬に、
優しくマサヒコが舌を這わせているところだった。
「終わった後、掌を返したように冷めやがる男って結構いますからねえ。
今見る限りですけどマサはきちんとイッた後のミサキのケアも出来てるみたいですし」 
「前戯も大事だけど、後戯はある意味それ以上に大切だよね〜〜。
終わった後、ああいうことされちゃうと、すごくまた、シたくなっちゃったりして」
「ふふふ、しかしまあ………」
ミサキもようやく回復したらしく、それまで頬を舐めていたマサヒコと舌を絡ませるようなキスをしていた。
ゆっくり、お互いを労るように、ふたりは睦み合っていた。
「いいな〜〜〜、やっぱりシたいな〜〜〜」
「良いですよね、セックスって。あ〜〜あ、私も今日あたり犬を誘って………?
?あ、そう言えば、アイ、あんた………あ?え!おお!」
ようやく思い出した中村が振り返ると―――そこでは、真っ赤な顔をしてぶっ倒れたアイの姿があった。
「わ、わわ!大変!アイちゃん!アイちゃん!」
「あっちゃあ〜〜〜、刺激が強すぎたみたいですね!水!ほれ、アイ、水を飲め!」
慌ててアイに駆け寄る中村とママンだが、
「ふ………わ、あ………あ………」
アイは完全に意識を失ったまま、譫言のような言葉を呟くだけだった。

その後意識を取り戻して泣きじゃくるアイに中村は謝り倒し(焼き肉食べ放題で結局手を打ったらしい)、
そして後日、ミサキにも全てを報告した(勿論ママンとアイも見ていたことは伏せて)。
「な〜〜んにも問題ナシ!マサも気持ちよさそうだったし」
「で、でも………」
「あのねえ、ミサキ?アンタらの超気持ちよさそうで幸せそうなエッチを散々見せつけられて、
欲求不満になった私の性欲を、どうしてくれるわけ?あの日犬に電話しても逃げやがるし!!」
逆ギレ気味の中村の迫力に、多少不満気だったミサキも引き下がるしかなかった。
そんなこんなで、なんとか全ては丸く収まった、かのように見えたのだが―――

「あの、母さん?風呂くらい一人で入るから。だいたい俺、もう高校生で」
「な〜〜に言ってるの♪親子のスキンシップよ、スキンシップ♪」
「有難く遠慮いたしますので、とっとと出てって下さい」
「え〜〜、マサヒコのイケズぅ〜〜〜」
(どうしたんだ?母さん最近、妙にベタベタしてきて………)

「?先生、俺の顔になにかついて」
「!う、ううん、なんでもないのよ、ままままま、マサヒコ君!」
(?………なんなんだ、あの怯えてるようで飢えているかのような表情は………)
相変わらず無意識のうちに騒動を吸い寄せるトラブル体質は不変のようで、、、
いや、さらに力を増しているのか、どうにも嫌な予感がするマサヒコであった。

END

186郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:48:19 ID:Lf99IAGQ
以上。
タイトルは「ディスプレイの向こう」でお願いします>>Wiki管理人様
なんだかちょっと異色作ですが、こういう覗きっぽいSSは実は前から書いてみたかったんです。
次は妹のエロ無しショート。では、投下。
187郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:48:44 ID:Lf99IAGQ
「えへへ、バレンタインデーだね、お兄ちゃん!はい、チョコ!」
「シンジさん、私のチョコもどうぞ」
「はは、ありがとう。なんだか照れるね、こういうの」
舞台はいつもの城島家、思春期少女達の中心にいるのは、やはりシンジである。
「せせ、先輩!私を貰って下さい!」
「ありがとう、でもちょっと落ち着いてね?叶さん。『チョコ』が抜けてるから」
今日はカナミ、マナカ、アキ、ショーコ、カオルのレギュラーメンバーにプラスしてミホまで招かれているようだ。
「あはは、贅沢かも知れないけど、そろそろ義理チョコだけってのも卒業したいかな?」
「そんなこと言っちゃダメですよ、シンジさん!いくら本連載でも童貞を卒業できなかったからと言って」
「別にシンジさんはそんなこと一言も言ってないぞ、マナカ」
「…………え〜〜っと、じゃあせっかくだし、お茶でも」
「その前に、お兄ちゃん?私たちからのプレゼントを受け取って!」
「?あ、ああ、それはありがたく頂くけど、私"たち"って?」
「実は」
「私たち全員から」
「チョコ以外にもプレゼントがあるんです!」
「え?」
「へへへ〜〜、お兄ちゃんをね、癒してあげようかと思って。みんなと相談して、決めたんだ」
「???癒す?」
「最近私たちの間でホステスさんの漫画が流行ってるんだ。お兄ちゃんも私から借りて読んだでしょ?」
「ああ、ドラマ化もされた例の『嬢O』とかいう………」
「うん、でね!受験勉強で疲れてるお兄ちゃんを、みんなが交代でホステスさんになって、
おもてなしすることにしたんだ!」
「ホステスさんに、なって?」
「そうなんです。アキさんや金城さんも意外に乗り気で」
「だって、あのドラマ面白かったし」
「シンジさんにはお世話になってるしね。受験、頑張って欲しいとは思ってるから」
「私は先輩のためなら、なんでも!」
「と、言うわけで今日はクラブ思春期という設定で!もう隣の部屋にセッティングしてあるから!」
「せ、セッティングって?」
「ふふふ、シンジさん?じゃ〜〜〜〜ん」
「おお!って、君らここまで!」
アコーディオン式の仕切りを開けると―――そこには大ぶりのソファ、
少し暗めの照明、派手なテーブルクロスに彩られた丸テーブル、
そして乾きものに水割りを作るためのウィスキーとアイスペールまで用意してあった。
「どうですか?結構頑張ったつもりなんですけど」
「いや、でもお酒まではマズくないかい?」
「な〜〜に言ってるんですか!クリスマス会のときは、シャンパンを飲んでるシーンも本連載では」
「おっとマナカちゃん、それ以上は最近色々面倒だからストップだ」
「そんな訳で、今日は私たちがたっぷりおもてなししますから!ささ、どうぞ」
「ど、どうぞって………」
「ではまず最初は金城ちゃんから!」
「へ?」
「みんなでおもてなしも良いかとは思いますが、まずは一人ずつおもてなしということで。
では私たちは準備がありますので、シンジさんはしばらくお待ち下さい」
「………はぁ」
そして、部屋にはシンジだけが残された。

〜〜〜〜〜〜〜 カオルの場合 〜〜〜〜〜〜〜

「シンジさん、ど、どうぞ!」
カオルが現れるとソファに座っていたシンジの隣に腰掛け、ぎこちなく水割りを作って差し出した。
シンジもちょっと戸惑いつつ、グラスを受け取って口にする。
「悪いね、カオルちゃん。変なことに付き合わせて」
「い、いえ、良いんです、シンジさん」
§
188郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:49:14 ID:Lf99IAGQ
「それじゃ、カオルちゃんも自分のを作って、とりあえず乾杯ってことで?」
「あ、はい!」
慌ててカオルが自分の分の水割りを作り、思いっきり勢いをつけてぶつけるようにグラスを合わせてきた。
ちょっと苦笑しつつ、シンジは水割りに口をつける。
「あ、準備って、化粧してきたんだ?カオルちゃん」
「あ、はは、はい!あの………似合って、ませんか?」
不安げにシンジを見つめるカオル。"準備"というのは化粧だけではなく、
服装も含めてのことらしく――ちょっと胸元のあいたスーツに短めのスカートとなかなかセクシーなもので、
さらに近寄ると、普段のカオルからはまず感じられない、ふわり、とした香水の薫りがしていた。
「はは、そんなことないよ。ショーコちゃんやカナミなんかは薄くしてたりするけど、
カオルちゃんって普段ほとんどスッピンだから見違えちゃってさ」
「う、うちの学校って結構校則が厳しいし、それにバスケ部だと汗かいちゃうんで、
メイクってあんまりしたことなくて。あの………やっぱり、変ですよね?」
「全然変じゃないよ。むしろ可愛いって。そういうカオルちゃんも」
「!や、やだ!お世辞言わないで下さい!」
「あははは、ゴメン、カオルちゃん、でもちょっと痛い」
「ああッ!すいません!」
照れ隠しにバンバン、とシンジの肩を叩きまくっていたカオルが我に返って慌てて謝る。
シンジは苦笑しながらそんなカオルを見つめていた。
「冗談とかお世辞とかじゃなくてさ、スタイルも良いし、素材が良いんだから、カオルちゃんは。
余計なお世話かも知れないけど、もうちょっとガーリーな感じの格好をしても」
「スタイルなんて、良くないです!私なんてガリガリだし貧乳だし!」
「でもさ、モデルさん体型じゃん?スラッとしてて背も高いし。
カオルちゃんは本気出せば結構化けるんじゃないかと思うんだけどな」
「もう!誉めても、なにも出ませんよ!」
恥ずかしがって顔を赤くしてしまうカオルと、からかい気味のシンジ。なかなか良い雰囲気になっていたりして。
「あはは、ゴメンゴメン。でも、うん、悪くないね、こういうのも」
「え?なにがですか?」
「ん、いや、最初は戸惑ったけど。カオルちゃんにもさ、カナミの馬鹿なアイデアに付き合わせて悪いな、
とか思ったりしたけど。なんだかカオルちゃんと話していると癒されるっていうか、楽しいなって思ってさ。
普段こんな風にふたりだけで話したりすることってあんまり無いけど、
カオルちゃんって結構面白いコなんだね?」
「!あ………あの………シンジさん?」
「なに?カオルちゃん?」
「えっと………あの………これからも、もう少しふたりで話したりすることが、あの、
できたら私も楽しいなって思うんです。こういう場だけじゃなくて」
「?うん、そうだね。たまにはふたりで話すのもいいかもね」
「そう、なんですけど………ええ、っと、その」
「?」
「カオルさん、カオルさん、1番テーブル終了です。はい、金城ちゃん、交代だよ〜〜ん♪」
用意されていた(らしい)スピーカーからカナミの声がして、カオルが固まる。
「う………」
「あ、もう終わり?」
「そうみたいですね………それじゃ、シンジさんありがとうございました。本当に、受験頑張って下さい!」
「う、うん。俺も楽しかったよ、カオルちゃん」
残念そうな、それでいてホッとしたような表情をして、カオルが席を立つ。そして。

〜〜〜〜〜〜〜 ショーコの場合 〜〜〜〜〜〜〜

「はい、シンジさん。どうも毎日受験勉強お疲れ様です」
「ありがとう、ショーコちゃん」
「それじゃ私もちょっと頂きますね?うふ、じゃ、乾杯ということで」
「うん、じゃ、乾杯」
「かんぱい」
ちん、とグラスを合わせるふたり。グラスを持ち上げるとこくっ、こくっとショーコが水割りを喉に通す。
§
189郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:50:01 ID:Lf99IAGQ
シンジも同じく、水割りをゆっくり飲みほしていく。
「どうです?ちょっと薄目にお作りしたんですけど、もう少し濃いめの方が良いですか?」
「ん、大丈夫だよ。でもなんだかハマってるね、ショーコちゃん」
「ふふ、一度こういうのやってみたかったんですよね」
先ほどのカオルはやはり身のこなし等で少々無理があったが、
ショーコのホステス役はシンジの言葉通りハマり役と言って良く―――
グロスを薄く引いた程度のナチュラルなメイクにロングの髪を軽く後ろに纏め、
オフホワイトのワンピースの胸元には小振りのアクセサリー、そして大胆にスリットの入ったシフォンスカート
というファッションは元々大人っぽい彼女の魅力を更に引き立てていた。
「はは、コレ言ったらカレシさんに怒られるかもだけど、ショーコちゃんなら売れっ子になりそうだよね。
聞き上手だし、美人だし、なんだか男のツボを全部把握してそうだし」
「うふふ、そんな風に見えます?でもウチの彼氏も最近淡泊なんですよね………
シンジさんに質問ですけど、長年付き合うと男ってやっぱり飽きるものですか?」
「そう言われてもねえ。情けない話だけど俺、女の子と付き合ったことないし」
「うふ、童貞さんですし?」
「う………それ言われるとちょっとへコむ」
「ふふッ、すいません。でもどうしてなんですか?」
「?なにが?」
「シンジさんって結構カッコイイし、優しいし、モテそうじゃないですか?
それなのになんで女の子と付き合ったことないのかな〜〜〜って」
「慰めてくれてるなら、ありがとう。でも俺、全然モテてなんかないよ?」
「鈍いですねえ。さっきの金城もですけど、マナカもミホもアキもシンジさんに好意を持ってると思いますよ?
それに噂だと同じクラスの今岡先輩とも仲良いんでしょ?」
「う〜〜ん、カオルちゃんはウブなだけじゃない?それにマナカちゃんや叶さんは、
俺をからかってるだけのような気がするし、矢野ちゃんとは仲が良いけどなんだか友達っつ〜か。
今岡の場合は、外見はともかく、その、問題は腕力というか暴力というか………」
なぜか話している内に落ち込むシンジを少し不思議そうに見た後、
ショーコが水割りの追加を作ってスティックでグラスを掻き回しながらシンジに手渡す。
「なんだか聞いてると、ちょっと贅沢ですよ?シンジさん、そういうのって」
「贅沢………って、そうかな?」
「このコとなら良いかな、って思ったところで付き合わないと、男と女なんて永久にすれ違いですよ。
もしかしてシンジさんって恋愛に臆病なんですか?」
「ん〜〜〜?どうだろう。そうだね、今の良い関係が壊れるくらいなら、
友達のままでとか思っちゃうところはあるかもしれないけど」
「そっか〜〜〜、結構シンジさんって少女漫画キャラだったりするんですね?」
「し、少女漫画キャラって」
「でもそういう風に誰も傷つけたくないし、自分も傷つきたくないってのはちょっと狡いかな?
ねえ………どうですか?シンジさん」
「ど、どうって?」
「恋愛力をつけるために、ちょっとだけ私と火遊びしてみませんか?
最近彼氏も寝取られに興味持ってるみたいだし」
「え?わ、わわ!ちょっと、ショーコちゃん?」
突然細くしなやかなショーコの指先が膝を撫でまわしてきて、思わず声をあげてしまうシンジだが、
(しッ………)
もう一方の指先を唇の前に立てると、悪戯っぽく彼女は微笑む。
その薄紅色に濡れた唇を、ただ吸いこまれるようにシンジは見ていた。
「ショーコさん、ショーコさん、1番テーブル終了です。はい、ショーコちゃん、交代だよ〜〜ん♪」
「あ〜〜ん、もう?」
「あ、お、終わりみたいだね、どうもありがとう、ショーコちゃん。
あ、あははは、最後にサービスされちゃったから追加料金かな?」
「うふ………そうですね。追加料金は、あとでカラダで払ってもらえば良いですよ?」
「へ?」
「うふ。だからさっきのは冗談でもサービスでもないってことですよ。
それじゃ、またよろしくお願いしますね、シンジさん?」
妖艶な笑みを残し、ショーコが去っていく。癒されるよりは、どっと疲れてしまうシンジだったが。
§
190郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:50:29 ID:Lf99IAGQ
〜〜〜〜〜〜〜 マナカの場合 〜〜〜〜〜〜〜

「どうぞ、シンジさん」
「あ、ありがとう、マナカちゃん、じゃ、乾杯ってことで」
「はい、乾杯」
続いて登場してきたマナカと、本日何杯目かの水割りで乾杯をするシンジだが、
気になるのはマナカの表情が微妙に怒気をはらんでいるかのように見えるところで。
「あの………マナカちゃん、やっぱり嫌だった?こういうの?」
「別に、こういうのは嫌じゃありません」
「でも、なんかずっと怒ってるっぽくない?これって例のツンデレとかそういうの?」
「そんなのじゃありません。さっき、ショーコさんと随分楽しそうでしたよね、シンジさん」
「み、見てたの?それはさ、ショーコちゃんって聞き上手っていうか、話を引き出すのが上手いって言うか」
「やっぱり彼氏がいると、人の話を聞く余裕ができるんですかね」
「ん?まあ、そういうのはあるんじゃない?」
「シンジさんは………もっと、話したいことは、ないですか?」
「へ?」
「私にも、いっぱい話して下さい、シンジさんのこと。ショーコさんにしたみたいに、話して下さい。
私も、シンジさんのこと、知りたいんです。今より、もっと」
「あのさあ、マナカちゃん?酔ってないよね?」
少しだけ赤く頬を染め、じっと大きな瞳で見つめてくるマナカ。
その視線の強さにややたじろぎつつ、シンジはその矛先を変えようと試みるが、
「酔ってて悪いんですか?酔わせたのは、誰なんですか?」
そんな彼の言葉に反発するように、ぐび、とちょっとオッサンっぽくグラスの水割りを飲みほして、
マナカは吐き出すように言うのであった。
(うわ、タチわり〜〜〜。そういや、クリスマスのときもマナカちゃんって結構絡み酒だったし)
ますます腰の引けるシンジだが、そんな彼の心の内など頓着せず、マナカが迫る。
「本編もあっさり終了してしまったことですし、今だから言えますが、本当のところ、どうだったんですか?
連載終盤は散々私ルートでフラグが立っていたというのに!」
「え〜〜〜っと、それはまあ、おいといて。だいたいマナカちゃんはそう言うけど、
俺も結構マナカちゃんにそれっぽく言ったりしてたけど下ネタで返されて終了だったじゃん」
「花火を見ていたときですか?あ、あれはみんなのいる前でシンジさんが言ったりするから!
ふたりっきりのときに言ってくれれば、私だって!」
「ま、まあ、そのふたりっきりのときってのがそうそうないんだけどね、俺らの場合」
「………私たち」
「え?」
「私とシンジさん、いつもこんな感じですよね。距離的には近いのに、心は遠い……
でも、私は、もうこのままじゃ、嫌なんです」
「ま、マナカちゃん?」
マナカがぐっと距離をつめてきた。驚くシンジだが、酔いからなのか恥ずかしさからなのか、
赤い顔のままのマナカは、なおも強引にからだを近づけてきて。
「小さい頃からの幼馴染みで、別れて、やっと会えたのに。私たちは、ずっとこんな関係のままなんですか?
はっきりさせて下さい!」
「あの、マナカちゃん、こういうのは、俺たちらしくないっていうか、その」
「私たちらしくってなんですか?私は、シンジさんさえ良かったら、いつでも」
「ちょ、ちょっとマナカちゃん?」
抱きつくように密着すると、マナカはシンジの着ていたカーディガンの胸元に小さな光るものを滑り込ませる。
「え………マナカちゃん、コレって?」
「貞操帯の、鍵です。前に渡したときは、ボケ扱いで終わっちゃいましたけど………私、本当は」
「マナカさん、マナカさん、1番テーブル終了です。はい、マナカちゃん、交代だよ〜〜ん♪」
「あ………」
「じ、時間きちゃったね」
「う〜〜、シンジさん?この続きは、またじっくりお願いしますよ?」
「つ、続きって」
それ以上はなにも言わず、怒ったような、恥ずかしがるような顔のまま、マナカが退出する。
癒されるどころか、またもどっと疲れるシンジだったが。
§
191郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:51:23 ID:Lf99IAGQ
〜〜〜〜〜〜〜 アキの場合 〜〜〜〜〜〜〜

「はい、どうもお疲れ様です、シンジさん」
「あ、ありがとう、矢野ちゃん。あの、できたら薄目に作ってもらえると」
「あは、分ってますよ。シンジさん、なんだか悪酔いしたって感じの顔になってますよ?」
「うん………ま、それは良いんだけどね。じゃ、乾杯」
「カンパイ!」
本日四度目の乾杯でアキとグラスを合わせるシンジ。
「でも本当に大丈夫ですか?シンジさん、なんだか疲れてるみたいだし」
「ん、いや、大丈夫。そんなに疲れてるわけでも………でもさ、矢野ちゃん?
これじゃ本当にスナックとかでホステスさんに愚痴を言って癒されてるサラリーマンっぽくない?」
「あはは、そうですね。だってシンジさん、ちょっと参ってる感じだから。ね?元気出して下さいよ」
ショーコ・マナカとややヘヴィーな流れが続いたが、アキはさすがにシンジのツボを心得ているようで、
明るく励ましてきてくれた。彼女の笑顔に、つい気の緩むシンジであった。
「はは、なんか矢野ちゃんに言われるとその気になっちゃうな。
うん、そうだよね、元気出さんと。ってことで、おかわり!」
「はい、元気とおかわり一丁!」
ニコニコと笑顔のアキに乗せられるように、シンジも笑顔になってグラスを飲みほす。
このあたり、さすがにこのふたりは息が合っている。
「話は変わりますけど、シンジさんは県外の大学を受けるんですか?」
「うん、ダメモトで一応県内の国立も受けるけど、東京の私立も何校か受けるつもりだよ」
「そうか〜〜〜じゃ、4月になったらこの家にいないかもしれないんですね。
でもカナミのこと、心配なんじゃないですか?」
「いや〜〜、アイツはそれなりにしっかりしてるしね。春になったら両親も帰ってくる予定だし」
「あ、そうなんですか?確かにカナミはしっかりしてるけど……でも、絶対寂しがりますよ、あの子」
「そうかな?カナミってアッサリ割り切っちゃうところもあるから、案外平気なんじゃない?」
「ふふ、どうですかね〜〜〜。あの子、シンジさんが思う以上にブラコンなのかもしれませんよ?
泣かれちゃったりしたら、どうします?」
「そりゃ俺だって少しは辛いけど、いくら兄妹だってずっと一緒ってわけにもいかないんだしさ」
「ふぅ〜〜〜ん。新発見でした。結構冷めてるんですね、シンジさんって」
「冷めてるって……そうかな?普通だと思うけど」
「でも、シンジさんは寂しくないんですか?」
「ま、16年間一緒にいたわけだし、寂しくないって言ったら嘘だけど。でも」
「カナミのことだけじゃなくて、この町から離れることもですよ。もう、未練はないですか?」
「未練って言われると………そりゃ、生まれ育った町だからね。でも外国に行くって訳でもないんだし」
「…………私に、未練はありませんか?」
「え?」
「今、結構勇気出して言ったつもりなんですけど。私は、寂しいですよ。この町からシンジさんがいなくなると」
「は、はは、ツッコミ役がひとりになるから?」
「シンジさん?」
いきなり変わった空気を冗談めかしてやりすごそうとしたシンジだったが―――アキが、じっと見つめてきて。
「な、なに?矢野ちゃん」
「一応………私も女の子なんですけど」
「?あの、矢野ちゃん、それは」
「でも、今日はここまでにしておきます」
「???」
「受験の前にプレッシャーをかけたくありませんからね。今日は、ここまでです!
ただ、シンジさん?女の子の方にばっかり言わせるのは、ちょっと卑怯ですよ。
答えは受験が終わってからでいいですから。シンジさんの気持ちも、聞かせて下さいね?」
「えっと………ゴメン、矢野ちゃん」
「ふふ、許して、あげます。だからシンジさん?受験頑張って下さいね?」
「う、うん。なんか、すげえ励まされた。俺、頑張るよ!」
「アキさん、アキさん、1番テーブル終了です。はい、アキちゃん、交代だよ〜〜ん♪」
「ふふ、ちょうどお仕舞いみたいですね。それじゃ、シンジさん」
「う、うん。ありがとう、矢野ちゃん」
§
192郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:51:52 ID:Lf99IAGQ
〜〜〜〜〜〜〜 ミホの場合 〜〜〜〜〜〜〜

「では、か、乾杯をお願いします!」
「うん。じゃ乾杯、叶さん」
「乾杯!」
早くもテンパり始めているミホだが、シンジはのんびりと彼女の作ったちょっと濃いめの水割りを口に含む。
「あの、先輩?私、おつまみ用にチョコレートを作ってきましたので、どうぞ」
「ありがとう。そろそろちょっと甘いのが食べたくなってきてたんだ。美味しそうだね………
って、叶さん、また鼻血!」
「う゛………う、すいません、先輩」
いつも通りの流れで鼻血を流すミホに慣れた手つきでティッシュを手渡すシンジ。
「本当に大丈夫?叶さんって鼻、弱いんだね?」
「あの、弱いのは鼻じゃ、ないんですけど……とにかく、すいません」
すぐに鼻血が収まったらしいミホを苦笑しながら見た後、シンジはミホのミニチョコを指先で摘む。
「ははは、良いんだけどね。じゃ、一個頂くね。ん、美味しいよ」
「あ、ありがとうございます、先輩!」
「いや、お世辞抜きで美味しいから。お菓子とか作るの上手なんだね、叶さん」
「は、はい!でもカナミちゃんに比べたら全然ですけど」
「アイツは家庭料理なら確かに主婦並だけどね。お菓子とかはどうだろ?」
「あの………先輩、ところで。高校を卒業したら、この町を出るんですか?」
「え?ああ、矢野ちゃんに聞いたの?あはは、大学に合格すれば、っていう条件付きだけどね」
「私、先輩の合格をお祈りしてますけど………でも、本当は、嫌です」
「え?」
意を決したようにミホが自分の杯を勢いよく空けると、ぷはあ、と息を吐き出した。
そしてピンク色の頬をした彼女は、シンジに接近してきて、大きな瞳を潤ませながら、言う。
「先輩がいなくなるの、嫌です。私、ずっと先輩のこと、好きでした。だから、連れて行ってくれませんか?」
「つ、連れてくって」
「私、先輩のためなら高校もやめます。身の回りのことでもなんでもさせてほしいんです。
あの………それで、将来結婚してくれたら、嬉しいんですけど」
「それって、同棲ってこと?」
無言でミホが、こくり、と頷く。彼女の視線を見る限りそれは完全に真剣なものとしか思えず、
シンジは慌てて制止する。
「ちょ、ちょっと待ってよ。俺、今はまだそこまで考えらんないって。
それに叶さんって成績良いっていう話だし、そんな一時の思いこみで決めちゃわないで、キチンと考えて」
「考えてます。私、ずっと先輩のことを、考えていますから」
さらにずい、と近づいてくると、ミホはシンジの肩に頭を預けて。
「高校に入った頃から、ずっと見てました。いつかは………こんな風に先輩の、
隣にいられるようになれたら良いなって私、思ってました。先輩、私」
そしてミホがシンジを見上げて―――ゆっくり、目を閉じると、ぷっくりとした唇を突きだしてきて。
(え?えええ??)
いきなりストレートド直球の告白に戸惑うシンジだったが、
こうして見ればミホも十分以上に扇情的で可憐な美少女の訳で。
「良いです………私、先輩のためなら、なにもかも。だから………」
「ミホさん、ミホさん、1番テーブル終了です。はい、ミホちゃん、交代だよ〜〜ん♪」
「!終わりみたいだね、叶さん」
「く………先輩、でも私、本気ですから。あの、答えはいつでも良いです!私、待ってますから!」
「あ、う、うん」
ギリギリで時間に救われたシンジが一瞬だけ油断した、その瞬間。頬に、柔らかい感触が。
"ちゅッ"
「へ?ええ?か、叶さん?」
「おまじないです」
「おまじ、ない?」
「先輩が、合格しますように。私の恋が、上手くいきますように。それじゃ受験、頑張って下さいね、先輩!」
「う、うん……」
ふわり、とした笑顔を残してミホが部屋を去る。一人残されたシンジだったが―――
§
193郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:52:17 ID:Lf99IAGQ
〜〜〜〜〜〜〜 カナミの場合 〜〜〜〜〜〜〜

「えへへ、お兄ちゃん、はいどうぞ!」
「ありがとう、カナミ。でもな、今日は嬉しかったけど、正直癒されるというより疲れたぞ」
言葉通りちょっとぐったりとした様子で、カナミからグラスを受け取りながらシンジが愚痴をこぼす。
「え〜〜〜、あんな可愛い女の子達に囲まれて?」
「いや、だけどな。て言うか、お前ら絶対仕組んでただろ?みんな様子が変だったし、いくらなんでも話が」
「??仕組んでたって、何が?」
「まあ良いけどさ。いや、良くはないんだけど。あんまり変なことをみんなに吹き込むなよな」
「??なんかあったの?そんな大変だった?」
「?あれ?もしかして、仕込みとかドッキリとか無かったのか?今回」
「うん。みんなにお兄ちゃんを癒してあげてってお願いしただけで、打合せとかは全然してないよ?」
「てことは…………あれみんな、マジだったのか?うへ」
更に落ち込むシンジだが、カナミはまたいつもの笑顔に戻ってグラスを寄せてきた。
「それよりお兄ちゃん?まだ乾杯してないよ。はい!」
「あ、そうだな……じゃ、乾杯」
ちん、と軽くグラスを合わせ、口をつけるふたり。妙に嬉しそうにカナミがくいッ、くいッと水割りを飲んでいく。
「それでどうですか?受験勉強の方は」
「ん?ま、それなりだよ。ここまできたら、開き直るしかないし」
「やっぱり東京の神宮大学とか童夢大学とかも受けるんだよね?」
「千葉の幕張大や埼玉の所沢大も受けるけどな。ま、頑張るさ」
「それでさ〜〜〜、4月からのことなんだけど、私も連れてってくれない?」
「…………は?何言ってるんだ、お前?だって父さんと母さんも帰ってくるんだし」
「まだお兄ちゃんには言ってなかったけど、やっぱり海外赴任、延期になりそうなんだって。
こんな物騒なのに、私ひとりはやっぱり怖いじゃない?だから、ね?」
「いや、ちょっと待て!今いきなり言われてもそれ」
「それに、やっぱり一人は寂しいし。ね〜〜〜お兄ちゃん、一緒連れてってよ〜〜〜」
「あ、あのなあ。それじゃ地元の国立受かるよう、頑張るしかねーじゃんか。
センター悪くなかったから良いようなものの………はぁぁ、今さらそんなこと言われても、ウチの親は全く」
「あ、一応私のこと、心配はしてくれてるんだ?」
「心配してないなんて、一言もいってないだろ。お前を一人で残すのは、そりゃ」
「えへへ、ありがとう!大好きだよ、お兄ちゃん!」
にっこりと笑うと、いきなりカナミが抱きついてきた。驚くシンジだったが。
「お、おいカナミ!お前、なにを」
「やっぱり私、一緒にいたいもん。一緒じゃないと、ヤだ。お兄ちゃんと一緒に、いたい………」
「………カナミ?」
胸のところに、カナミの頭があった。そして、そこが温かく湿ってきていることに、気づいて―――
「………どうして兄妹なんだろうね、私たち。兄妹だと、いつかは別れなくちゃいけないっていうのに。
一番近くて、一番大切なお兄ちゃんと、別れるの、イヤだ。イヤだよ、私」
「カナミ…………」
顔を見せようとしないカナミの髪を、シンジは優しく撫でていた。
冗談を言うときの、妹の口調ではないことを察していたから。
「頑張るよ、カナミ。お前の側にいられるように。お前を、寂しくさせないように。
俺にできることは、全部するから。俺にとってもお前は大切な妹だからさ。うん、頑張るよ」
「お兄ちゃん………いなくなっちゃ、イヤだよ?」
ようやく顔を上げると―――カナミはやはり、本気で泣いていた。
それは、シンジが小さい頃からいつも慰めていた妹の泣き顔で。
「馬鹿。俺がお前を一人にするわけないだろ。だから泣くなって」
「えへへ………うん、ありがとう、お兄ちゃん」
にっこりと、カナミが微笑んで。仕方がない、という風にシンジも微笑んで。そのとき。
「カナミさん、カナミさん、1番テーブル終了です。はい、カナミちゃん、交代ですよ!!」
「えええ〜〜〜、もう?」
「ホラ、カナミ。終わりみたいだから。ま、今日は色々ありがとうな。
ちょい疲れたけど、みんなの気持ちは嬉しかったよ。マジで頑張らねーとな、って気分になったし」
「うん…………ねえ、おにいちゃん?」
§
194郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:52:42 ID:Lf99IAGQ
「ん?なんだ、カナミ」
「あのね、お兄ちゃん。私ね、私…………」
「??」
なにかを言おうとして―――なにも言えずにいるカナミだったが。
「はい、終わりですって、カナミちゃん!」
「もう、カナミ、狡いよ!時間思いっきりオーバーじゃん!!!」
「うわ〜〜ん、みんな邪魔!せっかく良いところだったのに!」
メンバーが乱入してきて、そこはいつもの思春期劇場になってしまうのであった。
(ま、これがお似合いだよな、俺らの場合。て言うか、マジでなんだかなあ………)
苦笑しながらも、ホッと安心するシンジであった――――

END
195郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/02/15(日) 12:53:32 ID:Lf99IAGQ
今回は以上。
タイトルは「思春期バレンタイン」でお願いします。
次回は………そろそろ生徒会で書きたいっすかね。特にスズで。
それでは股。
196名無しさん@ピンキー:2009/02/15(日) 16:15:18 ID:2OtjxqOR
郭氏キター
GJ!
197傍観者:2009/02/16(月) 00:31:39 ID:ZQOxBpwr
さすが郭氏は格が違った。
マサヒコとミサキでふぅ……してくる前に、少し書けた分を投下します。
>>136の続きです。
198傍観者:2009/02/16(月) 00:33:05 ID:ZQOxBpwr
 リンコの意識が覚醒を始める。リンコ自身には気を失っていたのが一瞬だったのか、そ
れとも長い時間だったのかは分からない。全身を包む、火照ったような熱と心地よい疲労
感。わずかに羞恥心を内包しつつも、リンコは『女』として扱われ、『女』としての反応が
できたことによる喜びと幸せさを、まどろみの中で感じていた。
 そんなリンコに覆い被さる影。明暗の変化と、息詰まるような荒々しさを感じ取り、リ
ンコの意識は急速にはっきりとし、その閉じた瞼を開かせる。
 目に映るのは天井でなく、切羽詰まったような苦しそうな表情をしたマサヒコ。息は荒
く、餓えた悲しげな獣を思わせた。
「的山……」
「小久保……君?」
「俺、もう駄目そうだ」
「えっ……」
 マサヒコは、限界を訴えながら泣きそうになる。両手をリンコの肩近くに置いて体を立
て、天井とリンコの間を遮る彼の体勢に、リンコは強く重苦しい圧迫感を感じた。
「もう耐えきれそうにない。もう、お前を犯してしまいそうだ」
「オ、カ、ス?」
「いや、お前とセックスしたくて止まらないんだ。少しでも気を挿れてしまうくらいに」
 “犯す”という言葉を理解できないリンコに対し、考えなおしてみると和姦(むしろ、
マサヒコが犯される側とも言える)なんだった、と表現を改めるマサヒコ。
「ああ」
 彼の恥を忍んでの告白を聞いて、リンコは意識から外れていた自分の本来の目的を思い
出す。そういえば、今までのはあくまで「セックスの前に体をほぐす」という程度のもの
だった。
「的山が……、今、はっきりと『止める』って言ってくれればまだ間に合う。だから頼む。
止めてくれ。止めさせてくれ」
 理性で体を止めながら、必死に懇願するマサヒコを見て、リンコはその方がいいのかな、
とも思った。自分は先程の前戯で女の悦びを知って、少し大人の女に近付けたと思う。体
力もかなり使ったし、これ以上無理することもないかもしれない。
 また、マサヒコは恋人以外とセックスをすることは浮気だ、と最初に言っていた。ここ
までの体験でよく分かる。たかが前戯でもあれほど、男を求めて体が、肉がうずくのだ。
心が、感情が全て引きずられ、巻き込まれ、もみくちゃにされかき消されてしまうような
快感。当然、男の側だってそうなのだろう。
 もし自分に恋人がいたら、そしてその男性が自分以外の女性と交わり、彼がそのように
相手の肉体に心と体を溺れさせてしまったら。自分はそれを許すことができるだろうか。
 ミサキの立場になって考えてみる。リンコと交わる時を今か今かと待ちわびるマサヒコ
の股間の怒張。指でリンコを弄び、しどけない悲鳴を上げさせながら、唇で乳首を、胸を、
肌を犯す様子。そんな行為に興じている恋人を許せるだろうか。許せるはずがない。
 自分の好奇心如きのために、愛し合う二人の間にそんな断絶を作るべきではない。それ
は理屈と体感でよく分かった。

199傍観者:2009/02/16(月) 00:35:14 ID:ZQOxBpwr

 しかし、と、リンコは再び自分の今の状況に戻って考えてみる。
 一度絶頂を迎えて、肉欲を発散したはずの体は、相変わらずマサヒコと交わることを求
めている。今までの興奮はある程度収まったものの、静かに熱く、マサヒコのそれをリン
コの中に収め、本当の「女」にしてほしいと熱望している。
 そして、リンコは今回のことで、心と体が深くつながっていること、つまり、体が望む
方向に感情も流されてしまうことを学んだ。マサヒコと交わりたいという願望が心の奥底
から湧き上がり、止むことはない。
 無論、心というのはそこまで単純に割り切れるものではない。もし、これが誰かに無理
矢理愛撫され感じさせられたとしたら、どんなに卓越した技術であったとしても本当に心
から望むことはない。マサヒコがこれまでリンコの我儘に付き合い、そして優しく丁寧に
感じさせてくれた、その事実があるからこそ本当に心の奥底からマサヒコと交わりたいと
思えるのだ。恋愛と信頼の別はあれ、マサヒコを慕う気持ちは純粋だ。
 心と体が本気でマサヒコを求めている。マサヒコに「女」にしてほしいと希っている。
その機会を逃したくない。別の男性に「女」にされたくない。もうここまでの流れでリン
コを「女」にしていい男はマサヒコしかいないのだ。つまるところ、とっくに引き返せる
域を越えていたのだ。
 一方のマサヒコは、リンコを体では求めているが心では求めていない。リンコにもそれ
は分かる。だが、一度絶頂を迎えたリンコに対して、マサヒコは達することができていな
い。きっと、自分がイクまでに感じたあの壊れられそうで壊れられないあの段階でずっと
留まり続けさせられているのだろうと、リンコは自分に照らし合わせて想像する。
 ならば、自分は責任を持ってマサヒコをイカせてあげなくてはならない。そうすること
でマサヒコだって、今一時は確実に幸せになれる。2人とも求めるものが手に入るのだ。
 ここまで考えて、結論が出たリンコは小さな声で呟く。
「小久保君……、ミサキちゃん……、ゴメンネ」
「え?」
 なぜ自分の恋人に謝罪するのか、マサヒコが動揺しているうちに、リンコの口から決定
的な言葉が紡がれる。

「お願い、小久保君……、私を大人の『女』にして……」

「マ、ト、ヤ、マ?」
 驚愕のあまり、いや言葉が理解できないかのように呟きながら、目を丸くし、表情がお
面のように固まってしまうマサヒコ。だがそんな間にも、彼の下半身は許可が下りたとば
かりにリンコの陰門への距離を一気に3分の1まで縮めた。
 マサヒコは重大な決断をした相手の顔を改めて見つめなおす。少女の顔は前戯で上気し
て艶っぽく、恥じらいと緊張を感じながらも強い決意を持った表情をしていた。一見とぼ
けて寝ぼけたようなうっすらと開いたその瞳に、しっかりと現れる強さと艶めかしさ。そ
の強さは、少女の顔立ちを一気に大人のものに変じさせたように思える。
 男と交わるのにふさわしい、大人の女としての存在感。それに触れただけで壊れそうな、
いや今まさに壊されようとしている少女の儚さが合わさり、的山リンコは極めて神聖な、
侵すべからずして侵すべき、供物として捧げられる巫女のように感じられた。
 それでもマサヒコは理性の最後の抵抗、リンコへの説得を試みる。
「いいのか?!セックスは初めてだと凄く痛いんだぞ!血が出るんだぞ!気持ちいいとは
限らないんだ!!」
「ん……」
 初めて聞いた情報をリンコは軽く咀嚼する。結論はすぐに出た。
「いいの……。痛いのも、気持ちいいのも、全部小久保君のおかげだから……」

200傍観者:2009/02/16(月) 00:36:42 ID:ZQOxBpwr

 「女」になるための儀式において、マサヒコから与えられる全ての感覚。その全てが愛
おしい。「痛み」とか「出血」だとかいう犠牲は相手がマサヒコだからこそ捧げられる。捧
げたい。
「だから……、シテ…………………………」
 マサヒコと見つめあったまま、リンコは両脚を開き、マサヒコを迎え入れる体勢を取っ
た。ベッドに横たわった時もした動作だが、その重みの差は桁が違うなどという言葉で表
せるものではない。
 「大人の女」になることを無邪気に願うだけの子供と、行為の重大性を理解したうえで
「大人の女」にしてほしいと心の底から思う女の違い。その違いは対面するマサヒコにも
感覚的に理解できた。
 その決意に当てられて、マサヒコの頭の中も、抵抗状態から心に重みを抱えたままでの
同意へとシフトチェンジした。
 恋人への裏切り行為だというのは百も承知。この先の人生、一生悔み続けるだろうこと
も分かっている。
 だが、今、自分はこの美しい少女と交わりたい。初めての男という栄誉を勝ち取りたい。
そして相手も強く望んでいる。
 いいじゃないか、と、自分の本能が自分にそう告げる。いや、やらなくてはならない、
とまた別の声が後押しする。やりたいんだろう?と唆す声もする。様々な声が頭のなかに
響き合う。それらはまとまった思考にならないまま、マサヒコを行動へと動かす。
「本当に、いいんだな?」
 「本当に」の部分の後に間を持たせることで、重みをつける話し方。確認を取るようで
いて、実際は意味を成さない言葉だ。相手がなんと答えるかは決まっている。言質を取る、
免罪符を得るためだけの確認だ。
「うん」
 即答。強い彼女がいまさら揺らぐはずもない。
 見つめ合う二人。リンコはマサヒコの目に変化を感じ取った。様々な感情や混乱した思
考が渦巻き合い、濁ったような物狂いのような瞳。だが、それらは総体として、一つの行
動に移ろうとしているのが分かる。リンコの胸が期待と緊張、不安で踊る。
「じゃあ」
 マサヒコは体勢を直す。一度、上体を引き、手はリンコの腰を掴む。そして自分の下半
身をリンコの下半身ににじり寄せる。
「いくぞ」
「うん……」
 まさにその時を迎えようとしている。リンコは頭を持ち上げ、自分とマサヒコの性器を
見つめる。
 硬く強く勃起し、時折力の入りすぎるあまりか震えるマサヒコのペニス。その大きさに
改めて驚く。
(だって……、指だけでああなんだもん)
 指1、2本ですらあの存在感。では、膣の径を確実に越え、肉穴を確実に押し広げてく
るだろうあの肉棒ではいったいどうなるのか、どうなってしまうのか。思わず固唾を飲む。


201傍観者:2009/02/16(月) 00:38:00 ID:ZQOxBpwr

 思考はまとまらない、理性は未だミサキへの貞節について訴えている。でも体は動き、
それがなんだかすがすがしく思えるマサヒコ。例えば、テストで最後の一問悩みに悩んで
時間切れギリギリに答えを書き込んだとする。後で何度も後悔してしまうだろうが、それ
でも終わった瞬間は難題から解放された、全て終わったという開放感に包まれるのではな
いか。それに似た、決定的な変化により悩む必要がなくなったことによる開放感だ。
 近づく性器と性器、その2つがついに触れ合った。
「ん、あっ」
 快感に声を上げるリンコ。既に十分感じさせられ、一度達し、しばらくは感覚が鈍って
いるはずの女性器。それが、待ち望んでいた真の相手と巡り合い、刺激と快感が込み上が
る。
 マサヒコはじっとりとした女の肉の門の感触を自分の最も鋭敏な先端で感じ取った。女
性の柔らかい、それでいて弾力のある肉の感触。互いの鼓動が振動になり、その刺激が獣
を昂らす快感になる。
 リンコの股がしっかりと開いていることで、マサヒコの凶器はしっかりと門の合わせ目
を捕らえることができた。ほぐれた肉の柔らかさが分かる。押せばそれだけ入り込むよう
な状態だ。
「じゃあ、入るよ」
 一声かけて、マサヒコは挿入を開始した。鮮やかなピンクの花びらが押し広げられ、亀
のごとき先端を精一杯に受け入れていく。
「あっ、あああっ!」
 広がる、裂ける、壊れる。そんな言葉がリンコの頭の中を飛び交う。両の手は下のシー
ツを力いっぱいちぎれんばかりに握りしめる。
「大丈夫、落ち着いて」
 マサヒコの優しい声。リンコはそれで我に返る。改めて見ると、リンコの下の口がマサ
ヒコの亀頭部分を包んでいる。
 押し広げられたのに反発して、縮み、異物を押し潰そうとするリンコの性器。しかし、
マサヒコの頑強な一物がそれに負けるはずもなく締め付けられると押し返してくる。リン
コの反射的な動き自体が新たな快感を呼び込んでいる。
「少し入ったけど、どうだ?」
「あ、アン、き、気持ち、いい、かな?」
「まだ、先っぽだけだからな。力を抜いて楽にした方が多分痛くない」
「先っぽ?」
 その言葉を聞いて、リンコに3年前の記憶が蘇る。自分とマサヒコとリョーコが居て、
リョーコは別の生徒と電話をしていた。
「『やっと先っぽが入ったって』、だっけ?」
「あー、うん。あれは向こうでこういう状況だったってことだ」
 あの家庭教師、どう考えても常識というものがない。思い出して再認識した。
「まあ、それはいいとして。この先に処女膜っていう膜……、正確にはひだだってどこか
で聞いたような気がするけど、とにかく、それを破って進むことになる。痛いだろうけど
我慢してくれ」
「うん」
「一気に行っていいか?」
「小久保君に任せる……」
202傍観者:2009/02/16(月) 00:39:00 ID:ZQOxBpwr

「じゃあ、いくよ」
 下手に時間をかけるより、一気に貫いてしまった方がいいと判断したマサヒコは、リン
コの腰を掴む手に力を入れ、膣道の傾きを考慮に入れて真っ直ぐに、リンコに極力負担を
掛けないようにしてペニスを突き入れた。

(んっ!!)
 リンコの内側が急激に押し広げられ、激しい熱と存在感を持つ何かに占拠されていく。

(ああっ!!)
 それは急速に侵攻し、リンコの内にある「何か」に行き当たった。

(う、あ、あああ!!)
 しかし、その「何か」は侵攻する物体の勢いに対して全くの無力であり、一瞬で痛みだ
けを残し引き裂かれる。

(あああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!)
 侵入者はリンコ自身も全く知らない、彼女の奥深くに突入し開拓していく。

(アアアン!!)
 底知れぬ深さまでそれは進んでいき、急に股間の入り口付近に発生した衝撃とともに停
止する。
「ぅ、あ、アッ……」
 内心の激動に比して、か細い喘ぎが漏れ出る。あまりの衝撃に肺と声帯はこれ以上の声
を上げる余裕がなかった。これが的山リンコが処女を失った瞬間であった。






「じゃあ、いくよ」
 声をかけた後の突貫。すでに指で十分に感じた後だけあって、膣肉はきつくはあるが、
堅くはない。潤滑油となる愛液も十分であり、力を入れればスムーズに進む。
 滑るように進む、マサヒコの肉銛。リンコの膣肉に自らが埋まっていくと同時に、埋ま
った部分が膣からの快楽を受け取る。
 途中、ほんの一瞬だけ使えるような何かがあった。処女膜だ。だが、それも圧倒的な力
と硬さの前では無力。プツン、と一瞬裂けた感触があっただけだった。
 初めてぶつかる二人の股間と股間。ついにマサヒコの「男」はすべてリンコの中に埋も
れきったのだ。先端は子宮口の柔らかさに包まれ、竿は引き締まる膣肉がしっかりと絡み
つく。
「ぅ、あ、アッ……」
 今、「少女」から「女」になったリンコが、か細い声で呻いた。
203傍観者:2009/02/16(月) 00:40:25 ID:ZQOxBpwr
今回は以上です。やっと的山もオトナの女になることができました。
まだ続きますので気長にお付き合いください。
204名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 07:29:35 ID:Ha+m/tXH
皆様にGJ!
205名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 12:22:50 ID:qdxI84uT
氏家ト全のスレがあることにびっくりしたが、スレ数見て更にびっくりした。
しかもいい職人さんもいるみたいだ………
俺が思っている以上に有名なのか?


最近妹を中古で買って読んだが、八巻でマナカがさりげなく、
お兄さん→シンジさん
と、呼び方を変えてる所に不覚にも少し萌えた。
206名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 12:37:00 ID:7sqvTzYe
保管庫行きなはれ。

もっとビックリするから
207名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 17:03:10 ID:yqIORI+s
郭氏・傍観者氏乙!
208名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 19:27:56 ID:T8tM9OYb
皆様乙&GJ!
良い思春期分と濱中分が取れました^^
209名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 11:01:59 ID:hq7QoEBC
210名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 18:51:04 ID:TTqVLTEf
いったい郭氏の継続力はどこから生まれてくるのだろうか
211名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 16:47:11 ID:XIvB8yIb
愛だろ、愛
212名無しさん@ピンキー:2009/02/21(土) 01:41:04 ID:QAkaWY45
保管庫管理人と職人に感謝の意を
213名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 08:19:21 ID:vYPX2Zdl
保管所を見ると改めて感嘆する
214名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:31:39 ID:iQ2SQJHN
まとめwikiは重いのが難だけどね
215名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 17:23:15 ID:fBt7FKUd
しかし27スレ目って尋常じゃねー
○○○や×××(一応伏字)みたいな怪物スレはとにかくとしても、
氏家よりよっぽど世間的に有名な作品があるのにそういったスレとも伍する数とは
216名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 01:15:50 ID:9UIIRfQ0
妄想の入り込み易い作風なんじゃないか?
217名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:14:18 ID:DYjMENYn
懐かしむつもりはないが最盛期の祭投下猛ラッシュなんてのは
エロパロスレで起きた小さな奇跡だったとすら言えるかもしれない。
勿論今でもベテラン四天王ことピンキリ氏・郭氏・518氏・ペピトーン氏が健在なこと、
新世代の傍観者氏やY-275氏が登場してくれたことも小さな奇跡だけどな。
218名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 00:15:26 ID:DYjMENYn
とか書いてたのにあげちまったよゴメンorz
219名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 05:27:42 ID:UKs4E/0v
気分高揚だったんだね
220名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 11:09:10 ID:7vDlhvj/
古田氏、現Wiki氏と保管所管理人に恵まれたのも大きいな
221名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 23:25:09 ID:5sySrSte
寝る前に保管所を覗いてSSを見るのが日課です
222名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 10:08:08 ID:/HWaEkeO
覗くだけかね
同時にナニかしないか(ry
223Y-275:2009/02/28(土) 16:10:59 ID:d6kPF9GC
皆さんどうもこんにちは。大変ご無沙汰してます。
なんか仕事が忙しくなっちゃいまして、最近SSを書くのはおろか、投下する暇もありませんでした。
やっと時間が取れたので、投下します。
かなり前のマガジン掲載分のエピソードから、持ってきたムツミ×タカトシです。
スルー対象ワードは
「焼き直し感満載」
「ぐだぐだ」
「中だし」
あたりで。
それでは、投下。
224Y-275:2009/02/28(土) 16:12:10 ID:d6kPF9GC

「じゃあ、タカトシ君って呼ぶね。人の名前は下の名前を呼称にした方が呼びやすく出来てるんだから!!」
4月、同じクラスになった明るさを振り撒くポニーテールのクラスメートに言われた言葉。
初対面で馴れ馴れし過ぎじゃね?なんて思いながらも基本受け身な自分に抗う術など無かった。
なし崩し的に呼ばれるようになった愛称。それでも頑なに自分は彼女の事を苗字で呼び続けた。
照れ臭かったから、今までそんな風に女の子を下の名前で呼び捨てにした事など無かったから。
そんな事など委細構わずに彼女は自分の名前に愛称を込めて呼び続けてくれた。"タカトシ君"と。
いつからだろう。口では苗字で彼女を呼びながら、心の中で"ムツミ"と呼ぶようになったのは。

………………………………

文化祭が休日に食い込んで行われたが為の、振替休日が開けた火曜日朝一番。津田タカトシは重い足取りで廊下を歩く。
文化祭が終わり最初の登校日。それはつまり約束を果たさなかった自分自身が咎められる日。
(ムツミに悪いことしちまったな…)
そんな事を心では思う。多分彼女は仕方ないよーだなんて笑うだろう。その姿は容易に想像できる。
ニコニコと人の良さそうな笑顔と、人懐っこそうな柔和な目つき。それからポニーテールを文字通りに揺らしながら。
彼女は文化祭で約束を果たせなかった自分を許すだろうと思える。それが彼女の性格、魅力だから。
快活で無頓着。それから警戒心なんて無くて、人懐っこい。でもけして愛想を振り撒いてるわけではない自然体。
そんな彼女に惹かれている自分自身が、彼女との約束を果たせなかった事への後悔、自責。それらが自然と足取りを重くさせた。
それでも、運命の時は訪れる訳で、気付けばタカトシは自らの在籍するクラスの前までやって来ていた。
普段通りにクラスのドアを開ける。ここへ至る道程の足取りは重くとも、生活のリズムは変わらないのだ。
「おはよー。タカトシ君。」
タカトシがドアを開くとすぐにかけられる声。そこには普段通りな、タカトシが心惹かれたムツミの姿。
先程足取りを重くするほど気に病みながらも、朝一番で自分の好きな女子から声をかけられればそこはやはり嬉しいもの。
安堵と歓喜。それらを入り混ぜながらタカトシは挨拶を返す。
「よぉ、おはよう三葉。」
そう言うとタカトシは自らの席を一直線に目指す。窓際一番後方。そこがタカトシの定位置だ。
ドアからの道すがら、その後にムツミが続く。別にそこで引き止めて話などはしない。
そこでせずとも、ムツミはタカトシの一つ前の席。席に腰を落ち着けてそれから話す方がリラックスできるのだ。
「文化祭お疲れ様〜。生徒会役員大変だったでしょ?」
案の定、タカトシが席につくと、身体を90度回転させてムツミが話し掛けてくる。
話題は先週末に行われた文化祭。クラスのそこかしこで話題に上がり持ち切りである。
「あぁ。前日準備から借りだされっぱなしだったよ」
苦笑しながらタカトシが答える。
「へぇぇー。しかも当日も仕事は有りでしょ?大変だ−。」
タカトシの言葉にムツミは盛大なリアクション。ころころと変わるムツミの表情は見てて飽きない。
「あぁ。お陰で当日寝ちまった…その、すまん、行けなくて。」
話題の流れで、さりげなく、ほんとにさりげなーく、先程から自分が気にかけてたことを話題にあげるタカトシ。
「ううん。大丈夫。気にしないでよ。」
225Y-275:2009/02/28(土) 16:13:16 ID:d6kPF9GC
手を顔の前でフルフルとふりながら答えるムツミ。
「そんな事があったなんて知らなかったし、こっちこそ無理言っちゃったみたいで…」
「おいおい、三葉がそんな事言わないでくれよ。寝ちまった俺が悪いんだから。それで、どうだった?」
申し訳なさそうにしだしたムツミをタカトシが諌め、話題をふる。
話題をふられ、一瞬申し訳なさそうにしてたムツミも普段通りに戻り、身振り手ぶり話をしていく。
やれ、普段メガネをかけてる子が対戦相手だっただの、なぜか空手技より寝技の方が巧みだっただの。
そして、思い出したようにタカトシに言う。
「そうだ。今度は英陵高校の柔道部と練習試合が決まったから応援来てね。」
「いつ?」
「今週の日曜日。」
「う゛、生徒会あるかも…」
「ダメだよちゃんと見に来てくれなきゃ。こないだ来てくれなかったから、罰ゲームね。」
「罰ゲーム?」
「そ。タカトシ君には応援団やってもらうから。」
ニコニコと普段と変わらない表情のムツミ。生き生きと楽しそうにタカトシとの会話を紡いでいく。
「私設三葉ムツミ応援団ね。」
そう言ってムツミはタカトシに笑顔を向けた。

………………………………

結論から言うとタカトシが柔道部に『私設三葉ムツミ応援団』として駆け付けるのは十分に可能だった。
ただし、「ただし」の条件付きでだ。
この日は朝から生徒会役員の仕事があり登校。全てが終われば晴れて自由の身となる。
言ってしまえば、仕事が終わらなければ駆け付けることなど到底願わない。
そしてこういう状況下において、大低の人はバッドラックに見舞われる。
よりにもよって今日の仕事量は多い。考えてみればそれも当たり前の事。
なにせ、年内最後の大型活動である、2学期の総括なのだから。
その仕事の内訳は文化祭の記録整理、反省、改善点の記録、予算配分に向けた各部活動の記録など。
4人で行うには一人頭での分配量はかなりのものに及ぶ。時間制限のあるタカトシにとっては酷ではある。
それでもやるしかない。生徒会役員としてこの場にいる以上は自らの仕事に責任を持ち、やる以外に選択肢は存在しない。
あとは己の力量次第。タカトシとしてはムツミの下へ駆け付けたいのだ。
それは断れなかった義務感でもなければ、前回すっぽかした罪悪感でもない。
自らの意志で。惚れた者の弱みであるとも言えるかもしれない。好きな女の子からのお誘いを無下に等出来ない。
タカトシの思考はそれに埋め尽くされる。

『自分の為の私設応援団』よくよく考えてみれば恥ずかしいことを言ったものだ。
練習試合の会場でウォーミングアップをしながらムツミはそんな事を考えている。
勢いで、口走ってしまったとは言え、一度口をついて出た言葉は取り消せはしない。
前回文化祭の招待試合を見に来てもらう約束は果たされなかった。
結果オーライでそれはムツミにとって良かった事だった。
あの日周りからそそのかされ、タカトシの出辞を気にかけ、注意力も散漫だった自分など見せられなかった。
自分から望み決めた試合。主将の大役も果たせずに敗慘した姿なんて見られたくなかったから。
悔しさに涙を堪えながら心のどこかでタカトシが来てたらこうだったとか考えてしまった自分が情けなかった。
ムツミは自分自身タカトシの事が好きだと気付いている。
タカトシを目で追う自分の無意識下の行動。タカトシを思うと切なくなる自分自身の心。
最初出会った時、下の名前で呼ぶことを宣言した。最初は平気だったはずなのに最近"タカトシ"と声に出して呼ぶ事にかかる甘い響き。
全てが自分自身の恋心を証明していた。
226Y-275:2009/02/28(土) 16:14:16 ID:d6kPF9GC

………………………………

「大将、前へ。」
柔道とは大変スピーディーなスポーツだ。早ければ一瞬のうちに背中を畳に叩き付けられて勝敗は決してしまう。
よく陸上のアスリートなどは一瞬の勝負のために辛い練習に耐えるという。
水泳競技などの己を鍛え、自己のベストへと挑戦する競技もまたしかり。
そういう観点でいえば柔道も確実にそちら側へと分類されるであろう。
諸々の事情も加味し、試合が始まったのが3時。3時半を前にして早くも大将戦。
タカトシは未だに現れる気配は無い。
柔道の試合は5分以内。技ありや効果、指導などをポイントとして勝敗を決する近代柔道において、それ以上の遅延などほぼ確実にありえない。
また、礼に始まり、礼に終わる。と言われるほどに礼儀を重んじる競技。見え見えの時間稼ぎなどは不義に当たってしまう。
退く道はなく前に進むだけ。その道に身を投じた以上は恋する女の子の乙女心など関知する謂れは無いのだ。
そのような状況下で自然とムツミは焦れてくる。注意力も散らし、動きは緩慢。
相手側はそれが手に取るようにわかる。勿論その所以に関してまでは知らない。
しかしながら、どちらにせよ、これはチャンスなのだ。
大将を張るほどの猛者が試合に集中出来ていない。その隙を一気呵成についてくる。
手数は多く、積極的にムツミの襟を掴みにくる、足の揺さぶりも頻繁に行われる。
それに対しムツミも前に出て掴みにいくも嫌われたり、そのまま巻き込まれて投げられかけたり。
集中力を切らした状態では"一歩"が出ない。アスリートの勝敗を決める一歩が。
彼女が気にかけるタカトシが現れる気配はなくムツミ劣勢が続く。
1分、2分…人間の体感で待っている時間は長い。スピーディーな柔道というスポーツの中でムツミの意識だけが引き延ばされたような妙な感覚。
(あ、やばい…)
瞬間的に相手がムツミの足に自らの足を絡めにくるのがわかる。だが、その時にはもう遅い。ムツミの身体が宙に浮く。
「効果!!」
無情にも響く審判の声。これで正真正銘首の皮一枚。技ありは愚か、効果、指導も許されない。
(逃れなきゃ!)
しかもピンチは続く。投げ飛ばされて逃れた。それはつまり圧倒的に不利な状態で自分が寝転がっているということ。
この態勢から寝技に持ち込まれての15秒で負けは決まってしまう。
タカトシが来るまでに決着がついてしまう事だけは絶対に避けなければならない。
咄嗟に身体を丸めるムツミ。背後から差し込まれた手はムツミを返しにかかる。
それでもムツミは動かない。懸命に身体を丸め、「待て」の合図を待つ。
人を待ち、合図を待つ。二重苦の中でムツミは耐える。
"ガラガラガラ……"
「待て!!」
待ての合図がかかるのとほぼ同時。いや、こちらの方が先だろうか。ドアの開く音がする。
ドアが開いたタイミングはちょうど会場が制止したタイミング。視線はそちらへと集まる。
(……!!タカ…トシ君…)
そこに現れたのはタカトシ。三葉ムツミ私設応援団。
ムツミの目に光が灯る。
再開と共に一歩前に出て来る相手。その光景の後綺麗な弧を描いて宙に浮く相手の姿をタカトシは確かに捉えた。

………………………………

「おめでとう、三葉。」
試合が終わり英陵高校は引き上げ、ムツミを茶化しながらさっさと撤収した桜才学園の面々に残された2人の間の最初の言葉。
労い。私設応援団なんて勿体付けたような立場でありながら応援で活躍は出来なかった。
227Y-275:2009/02/28(土) 16:15:42 ID:d6kPF9GC
それが胸に引っ掛かりを残すのが嫌で真っ先にタカトシはそれを口にした。
「いやいやー、さすがタカトシ君だよー。」
タカトシが予想もしていなかった言葉をムツミは笑いながら返す。
「ヒロインはヒーローのピンチに現れる。だからそんなお約束を守った、タカトシ君はさすがってこと。」
「逆じゃねそれ?」
タカトシは苦笑しながら返す。そんなのはお構い無しにムツミが貼付けているのはいつもの笑顔。
タカトシが惹かれた、今となっては明確に恋をしている笑顔。
「ヒーローは私でしょ?だからこれで正解なの!!」
揺れるポニーテール。その様は喜びを体言しているかのように活発に揺れる。
夕方に差し掛かり、日が柔道場を赤く染めるのも気にせずに普段のようにおしゃべりをまじわす。
思ってみればこれほど長い時間互いに話をするのは初めてかも知れないと言うほど夢中に。
「ほんとはね、言って無かったことがあるんだ。」
改めて、話題を変えますよって、そんな意志を込めてムツミが言う。
「こないだの招待試合負けちゃったんだ…」
確かにムツミは招待試合について勝ったとは言っていない。
しかし、負けたとも聞いていないタカトシは驚きを隠せない。
「そうなんだ…本当にこないだは行けなくて…何て言うか申し訳ない。」
「そんな、謝らないで。タカトシ君は関係ないよ。私のせいだから。」
いつぞやのように顔の前で手を振りながら否定するムツミ。
「あの日ね、皆から唆されたの。もう告白しちゃえって。」
「!!」
ムツミの言葉にタカトシは驚愕する。これは期待しても良いのだろうかと。
「そんな事言われたら、すごくタカトシ君の事を意識しちゃって。」
馬鹿だよね−。なんて一切言葉とは結び付かないような表情でムツミは言う。
「結局、そのまま…ほんとはね、今日もハラハラしてたんだ。このまま来ないんじゃ無いかなって…」
自らの心情の吐露であるはずなのにすらすらと言葉はムツミの口をつく。
周りに囃し立てられそれを気に止め、精彩を欠いていた自分自身を嘲笑うかのように。
今なら伝えられる…ムツミにはそう思える。
「私ね…タカトシ君の事が好き。」
今の自分がどんな顔をしているかなんてムツミにはわからない。
やっと言えた一言。やっと踏み込んだ一歩。タカトシはそんな自分から目を逸らさない。
そんなタカトシにつられてムツミの視線にも真剣さが宿る。
「…どうかな?」
「ムツミ…」
タカトシが心の中でしか呼ぶことの無かったムツミの名を呼ぶ。
ムツミが一歩踏み込んだが故に引き出したタカトシの本音。
下の名前で呼ばれたことでムツミの顔には朱がかかる。
「俺もムツミの事好きだよ。」
「タカトシ君…嬉しい!」そういってムツミは笑う。先程の告白前後から真剣な表情を作ったムツミの久しぶりの笑顔。
やはり、この笑顔に自分は惚れたんだなとタカトシは思う。それほどの胸の高鳴り。
気付けばタカトシは自然とムツミを抱きしめていた。

………………………………

「ね、キスしよ…」
告白をし、受け入れて、抱き合った態勢のまましばらくの時間を過ごした2人。
先に口を開いたのはムツミの方。キスのおねだり。
「ん。」
ムツミの言葉に短く相槌を返すとタカトシはムツミの唇に自らの唇を近づけていく。
「ちゅ……あ、ふん、ちゅ……ちゅ…」
スポーツをしているとは言え女の子。身嗜みや手入れをしっかりとしている身体からは甘いニオイ。
柔道の試合で汗はかいたであろう身体はしかしながら不快な臭いは発さずに、その甘い臭いをより強くする。
228Y-275:2009/02/28(土) 16:16:58 ID:d6kPF9GC
合わせた唇はしっとりと柔らかく押し付ければその分ひき、離せば追い掛けてくる。
しかしながら弾力は失われておらず、心地よい。妙に冷静にそんな事をタカトシは思う。
"ニュルリ"
そんな事を考えていたタカトシの口内に不意にムツミの舌が侵入してくる。
「ん……ちゅぷ…ふ、は、っ……は、ん、れる…」
なすがままタカトシの舌はムツミの舌に搦め捕られなぶられていく。
興奮というよりかは息苦しさ。その言葉が的を得ている状況でムツミは顔を紅くしている。
「ふ、ぷちゅ、れる……ん、ちゅ、ぷは」
しばらく後、ムツミが顔を離す。
突然の出来事にタカトシは呆気に取られている。それでもタカトシは言う。
「あの…ムツミ、舌?」
微妙に回り切らない頭で要点のみしか言葉として出ていかないのはご愛敬だ。
「ん〜、だって恋人同士のキスは舌を絡めるものだって聞いたんだけど?」
「それ誰から聞いた?…いや、良いや。」
小首を傾げながらそんな事を言うムツミ。タカトシはツッコミをいれかけるも、聞くまでも無いことに苦笑する。
「ね?もっかい。」
「ああ。」
そう言ってムツミが顔を近づけてくる。
それをタカトシが受け止めると、今度は最初からムツミが舌を差し入れてくる。
それを受け止め、タカトシは舌で押し返す。
不意打ちだった先程と違い、今度は来ると分かっているのだから対処できる。
「ぷちゅ…ちゅ、ん……は、」
何度も何度も舌を絡める。時には口内をなめ回し、純粋に舌同士を絡め、自然と唾液は互いの口内を行き来する。
その味は不快ではなくて…むしろ興奮でタカトシの脳を溶かし、下半身に血を集める。
「は、……ぷちゅ…ムツミ…その、俺…」
「ん、どしたの?」
タカトシの事情など知るよしもなくムツミは返す。
「その、シタい…」
「シタい??シタいって何を?」
当然のムツミの問い。ピュア娘ムツミにこれだけで伝わるはずもなく。
「いや…その、セックス……」
「セッ……」
今度は顔を紅くするムツミ。行為自体は理解しているらしい。
「それは、恋人同士ですることなの?」
「うん…まぁ、普通…」
わからないからこそ口をつくムツミの問いにタカトシは簡潔に答えを返す。
「ここで?」
「うん……嫌か?」
「ううん…タカトシ君がしたいなら…ところでどうすれば良いの?」
首を横にふりながらムツミが言う。ただ、その過程がわからない。
学術的な知識としては知っていても、いざとなると全くわからないムツミだった。
「大丈夫、俺が…」
「うん、わかった。じゃあ、お任せするね。」
タカトシの言葉にムツミは頷く。

………………………………

ムツミを畳の上に横たえ、その傍らに寄り添う形でタカトシも座る。
「ちゅ、……ん、は、ぷちゅ…は、」
本日3度目のキス。先ずはキスから。別にルールではない、ルールではないがタカトシはキスから始めていく。
「んん…ちゅ、ちゅぱ…ん、ふ…」
キスをしながらタカトシが手を動かしはじめる。柔道着の襟辺りから手を入れて、ムツミの脇腹辺りを撫でるように愛撫。
229Y-275:2009/02/28(土) 16:18:11 ID:d6kPF9GC
「ちゅぷ……ふ…、ん、ぷはっ、く、くすぐったい〜、ん、ちゅっ、れるっ…」
初めての愛撫を本気でくすぐったがるムツミ。むず痒さを訴えるムツミの口をタカトシが塞ぐ。
ムツミの舌を自らの舌で搦め捕りながら執拗に愛撫を繰り返していく。
「ん、ふ…ぷちゅ……んん、あ、ふ、ん」
その愛撫に若干だが、ムツミの吐き出す吐息の色が変わりはじめる。
頃合いかなと思ったタカトシは手を北上させ、インナーのシャツ越しにムツミの乳房に触れる。
「んん、ふぁ、ん、なんか変…」
ムツミはタカトシの指の動きに感覚が変わってきた事を示唆する。
ムツミの乳房はほどほどに大きくて、柔らかい。その感触を手に馴染ませるようにタカトシは夢中でムツミの胸を揉んでいく。
「はぁっ、んん……ふ、ん、あっ……っ」
ムツミの吐息に熱が篭っていく。確実にムツミが性感を感じ始めているとタカトシは思う。
そう思うとタカトシは服越しに触れている事にもどかしさを覚える。
(直接…)
直接触れたいという欲望がタカトシの中で大きくなる。
「……っんん!……く、はぁ、ん…ふ……っ」
ムツミの艶声にタカトシの理性は限界だった。ムツミのシャツを捲りあげる。
「……………」
そして固まってしまう。その美しさに。
年頃の女性の乳房など見るのは始めてなタカトシ。
整った形で程よい大きさのムツミの乳房は重力の干渉を受けず、ツンとそのままの形のままでタカトシの眼前に現れる。
そして、同時に…
「ブラジャーは?」
あるだろうと思っていた物がそこに無かった事への驚きが口をつく。
「んん、柔道着の時は気になっちゃうからしてないよ、ちなみに下…!ううん、何でもない!」
途中まで言いかけて辞めるムツミ。なにか地雷的な言葉がこの先に含まれることがタカトシには容易に読み取れる。
しまったみたいな表情で目を泳がせるムツミ。困惑した顔もやっぱり可愛くて、タカトシに悪戯心が生まれる。
下"も"なのか?下"は"なのか?少し冷静に考えれば答えはでようもの。
後者ならば何も言葉を途中で途切れさせる等と自滅する必要は無いのだから。
つまり、ムツミは下"も"つけていないということになる。
そう考えが至るとタカトシは右手を柔道着のズボンの中に滑り込ませていく。
ムツミの困った顔がもっと見たいのも本音だし、興奮に負けたのも本音。なんて心の中で自らに言い訳をしながら。
「ちょっ、タカトシ君ん、あぅ……っ」
タカトシの指先滑り込むと直で伝わるムツミの淫毛の感触。
そこを抜けて一気にムツミの秘唇まで手を進めると伝わってくるのは、僅かばかりの湿り気。
まだ完全に秘唇は開ききってはいないが入口に愛液をたたえ始めている。
「あっ、ふぅ……ん、っあ、あぅ、んん……っ!」
その愛液を指先に塗りたくるようにタカトシが手を上下させるとムツミが声をあげる。
ムツミの秘所を右手で弄りながら、左手で乳房を揉みしだく。
「んん……あっ、ふあっ、ん、あっ、ああ、あぅ、……」
ムツミはより一層声を大きくする。同時に秘所からは更なる愛液がタカトシの指に絡み付く。
(もしかして、胸弱いのかな?)
ムツミの反応を見るにそれはまず間違いはなさそうである。
近道としてタカトシは弱いところを責めることを選択する。
しかしながら、右手はムツミの秘所、左手はムツミの乳房。空いてる場所は少ない。
(それなら…)
タカトシが開いたムツミの乳房に自らの顔を近づけていく。
「んん、あ、ふぅ……っ!タカトシ君、ん、赤ちゃんみたい……っ!」
自らの乳房に顔を近づけて行くタカトシをムツミが茶化すが、
230Y-275:2009/02/28(土) 16:20:06 ID:d6kPF9GC
「あっ、ふあっ、あ、あっ、……それダメ!!……っ、あっ!」
タカトシの舌がムツミの乳首を転がしだすと途端に余裕もなく喘ぎ声をあげる。
その反応が良好と見るとタカトシは両手、舌を用いて執拗にその責めを繰り返す。
気付けばムツミの秘唇は口を開けダラダラとタカトシの指に自らの愛液を振り撒きまくっている。
「あっ、っあ……ん、ふ、っあ!!それ以上はダメ!!んん……ふぁ、何か、来ちゃう……っ!」
ムツミが必死に何かを訴えてもタカトシは愛撫を続行。
ムツミの声はどんどんと切羽詰まっていく。
「ん、あっ、ふあっ!あっ!……っ、もうダメ!!…あっ!、んん、私、限…界……っ!!」
全身を震わせながら自らの背骨を一直線に駆け抜けた快楽に、ムツミが声をつまらせる。
ムツミの異変に気付いたタカトシが手を止めるとムツミは蕩けた目でタカトシを見つめる。
息を整える風なムツミが絶頂に達した事は直感的にわかる。先程まで直で触れていたからその濡れ具合も。
これぐらいまで行けば大丈夫なのか?
タカトシの中で疑問が広がる。だが、これ以上の状況になるかもタカトシにはわからない。
そして、先程まで散々ムツミの身体をねぶっていた自身の揚ぶりは限界近くまで来てしまっている。
蕩けきった熱っぽい瞳で見詰めてくるムツミに急かされているようで…タカトシは口にする。
「ムツミ、良い?」
息も絶え絶えにまだ時折身体を震わせながらムツミは二度三度首を縦に動かす。
頷くムツミにタカトシが柔道着のズボンを脱がす。脱がした瞬間に広がった独特の匂いにタカトシはクラクラとしてしまう。
直で見たそこは充血し、愛液を流す淫靡なもの。
一つ唾を飲み込むとタカトシは自らのペニスを露出し、ムツミの膣口にあてがうと体重をかけていく。
「……っ、はっ、んんんん、かはっ……っ!!」
一際強い抵抗を抜けてタカトシのペニスが全て埋まるとムツミが鋭く息を吐き出したのがわかる。
目元に涙を浮かべ顔を引き攣らせるムツミ。安心させる為にタカトシは唇をムツミに合わせる。
「ふあっ……っ、ちゅ、ぺちゅ、ちゅぷ……っ!!」
舌を絡ませながら、ゆっくりとタカトシはペニスを引き抜き、またその全てを埋め込む。
2回、3回、4回…馴染ませるようにタカトシはピストンを繰り返す。
「……っ、あっ…ふ、あぅん、んん、ふ、ふぁっ……っ!」
最初のうちは打ち込まれる痛みに涙を貯めていたムツミもピストンが2桁をゆうに数えるようになるうちに声色から痛みの色が抜けはじめる。
血を潤滑油として動いていたタカトシのペニスにも愛液が絡み付く。
その段階まで来るとムツミの中は温かくタカトシのペニスを包み込み何度も何度もタカトシに快楽を送り込む。
「あっ、あっ!……ん、ふぁっ、あぅ、あ!……っ!あぁっ、」
次第に膣内は蠢きだす。突く動きには巻き付き、抜く動きには、絡み付く。
「んあっ……っ、あっ、タカトシ君……っ!あっ、」
声に艶をたたえ、タカトシの名を呼ぶムツミ。名前を呼ばれる事で駆け抜けた快感にタカトシの理性は消し飛んでいく感を覚える。
「ムツミ……っ」
答えるようにタカトシは一度ムツミの名を呼ぶと、ムツミの膝を抱え目茶苦茶に腰を動かしていく。
「あっ、ああ!ん……っ、すご、んんん!……っ!」
もうほぼムツミの身体は垂直に立てられた状態。そこにタカトシが全体重をかけてムツミに突き入れる。
そうされる事で強く与えられる快楽に身を任せムツミは喘ぐ。
「ふあっ、あっ、ん、あっ!わた……っ!し」
ガクガクとムツミが身体を揺らす。初体験で迎えようという2度目の絶頂に身を委ねる。
"ギュッ"
宙を泳いでいたムツミの手がしがみつくようにタカトシの背に回される。
「ふあっ、あ、あっ!、……んん!あぅ、あっ!あああぁぁぁ!!」
その手が爪をたてた時、ムツミの膣内で痙攣がおこる。
「くぁ……っ!ムツミ!!」
巻き込まれるようにタカトシも限界を迎える。
231Y-275:2009/02/28(土) 16:20:53 ID:d6kPF9GC
駆け登ってくる射精感に慌ててペニスを抜こうとするもムツミに爪を立てられたその態勢では間に合わず。
「んんんんん!……っ、熱、い……ん、っ!ふわぁ…」
タカトシの精液はムツミの膣内を満たした。

………………………………

「それでは将来はやはり、」
新聞部の取材に柔道部部長として応じるムツミ。
ムツミの柔道に向ける真っ直ぐな姿勢に向けられた質問。
"柔道で金メダリスト"
なぜかいるタカトシも含めてその場にいる誰もが来るだろうと思っていた答え。
それほどの打ち込みっぷりを雄弁に語る柔道着に身を包みムツミが口を開く。
「おヨメさんです。」
ムツミの答えにその場にいた全員が固まってしまう。
予想の遥か斜め上を行く答えを答えたムツミは後光がさしているようにさえ見える。
「……って、もしかして、今のってプロp「やだなぁ、何言ってるのよ〜、もぉ〜!」
一番最初に我に返った柔道部員が口にした言葉を最後まで言わせずにムツミは立ち上がり締め上げる。
「プロポーズですか?それはつまり…」
そんなやり取りを目の当たりにした畑さんの視線は、その場唯一の男子タカトシに向けられる。
「どうなのですか?というか、婚約を前提に突き合っているということですか?」
矢継ぎ早な質問。
「今、さりげに発音おかしかったですよね?」
天性のツッコミの血がツッコミを入れさせる。だが…
「………………」
無言。それ以後は何を言うことも出来ない。
というか、新聞部が誇る敏腕記者の前でむざむざと墓穴を掘るわけにはいかないのだ。
「ちょっ、ムツミ、ギブ、ギブ!!」
「さぁ、どうなのですか?」
厳かに行われていたはずの取材は一転、混沌と化す。
男女恋愛禁止の桜才学園において公然にしてしまうわけにはいかない2人の仲。
2人はごまかしにかかる。
しかしながらそうすればするほど回りは騒がしくなってしまうわけで。
「だーかーらー」
それを打ち消すようにムツミの叫びが響き渡る。
(中々に前途多難だよな、ムツミ。)
苦笑しながらそんな事をタカトシが思う。
心の中での呼称に変化は無いはずなのに、付き合いだした今は全く違う響きがある。
きっとムツミの心の中でも同じなんだろうな等と思いながら、タカトシはいかに切り抜けるかを模索していくのだった。
232Y-275:2009/02/28(土) 16:27:59 ID:d6kPF9GC
以上です。タイトルは
「ムツミ」
で。というか、タイトルが思いつきません(苦笑)
まぁ、瀬尾先生もヒロインの名前をタイトルにした、漫画描いてたし良いよね。ってことで。
何気に郭氏が書いたムツミ×タカトシのSSと引用したエピソードは同じだったり。
誤字脱字、展開の強引さ、柔道シーンの描写はあえて、突っ込まずにいてあげてください。

それでは、長々と、駄文乱文失礼しました。失礼いたします。
233名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 18:47:45 ID:nMac+mcX
Y-275氏GJ!
ムツミ分が不足していたからありがたい、ムツミ分は補充させてもらったお
ちょっとエロパロ系のSSに影響されすぎてる感じがするから自分なりの書き方(心理描写の仕方)を考えてみるのも良いかもしれませんね。生意気言ってスマソ
234名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 21:04:12 ID:yZwY2LB6
GJ!最近出番の少ないムツミタンでハァハァできますた。
235名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 00:15:41 ID:OFd4pGBi


ここの職人はヌキエロの前に一つの読み物として話を書いてる気がするな
原作雰囲気から逸脱せず、レイプや凌辱がないのはそのためかと
236名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 21:35:50 ID:estuafRD
>>235
それは俺も思う。
ベテラン職人の皆さんが原作の雰囲気を大事にしてるから、
エロシーンにいくまで時間がかかるけど純粋に読み物として楽しめる。
237名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 00:06:36 ID:estuafRD
WBC台湾代表監督に郭氏の名前がw
238ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:41:48 ID:9sqgc4yc
御疲れ様です。
あかほんで、 スルー対象ワードは「本番はナシ」「凌辱系?」です。
タイトルは『暇じゃない』でお願いします。
239ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:45:26 ID:9sqgc4yc
「はー暇だ暇だ。ねーユーリ」
「シホちゃん、大きな声で言うとコトダマが働いてもっと暇になるよ」
「じゃあ、仕事仕事仕事仕事、あー仕事仕事仕事」
「虚しいだけだと思うわ」
「カルナ、冷め過ぎ」
「何だか仕事の方から逃げていきそう、呪文みたいで」
 現在日本は不況である、と言われている。
派遣切り、賃金カット、雇用主は金策に悩み、労働者は現場の人手不足か仕事不足に苦しむ。
資格を持っていても懐が満たされることもなく、あるのはサービス残業と休日出勤のみ、という職場も多い。
 そしてここに、まだ学生ながら金を稼ぐ特殊な身分の少女が三人いる。
「一週間の仕事がグラビアとインタビュー一本ずつってどういうことよ」
「今は番組改編時期で特番が多いから、なかなかテレビやラジオは声がかからないと思う。新曲を出すわけでもないし」
「……アイドルなら特番にこそ呼ばれるべきじゃないかしら」
 レイ・プリンセス芸能事務所に所属する、飯田シホ、有銘ユーリ、如月カルナ。
ユニット名はトリプルブッキング、通称TB。
一年前にひっそりとデビューした彼女達は、当初は当然ながらまったくの無名で軽い扱いだった。
マネージャーの井戸田ヒロキ、社長の柏木レイコの体を張った(文字通り)バックアップを受けつつ、
コツコツと小さな仕事をこなし、半年後に何とかかんとか初めてのCDを発売、
これが奇跡的に結構売れ、ある程度の知名度を獲得し、現在に至っている。
と言っても、「知っている人は知っている、知らない人はやっぱり知らない」といった感じではあるのだが。

 ◆ ◆ ◆

「ヒロくーん、月曜九時とか大河とか、大きい仕事を取ってきてよー」
「無茶言うな」
「じゃあそろそろ新しい曲出そうよー、有名作詞家や作曲家に頼んで」
「だから無茶言うな」
 TBのマネージャー、井戸田ヒロキはこの世界ではまだ青二才である。
大学を卒業後、何の因果か小さな芸能事務所を職場に選んでしまった彼は、
社長のレイコの鶴の一声でいきなりデビュー直後のアイドルユニットを任されることになった。
当初は一人で売り出すはずのところに手違いで三人も候補が集まってしまい、
『トリプルブッキング』と命名されて半ばヤケクソ気味にスタートをきったそのユニットは、
マネージャーの彼を含めて四人のうちズブの素人が三人、唯一の経験者がまだ小学生という構成で、
不安な船出どころか大荒れの大海へ漕ぎ出す泥船、といった感じだった。
「私の野望を成就させるためにはこんなところで足踏みはしていられにゃい」
「どんな内容の野望か知らんが、喋るとすぐに噛む奴が簡単に成し遂げられると思えないけどな」
 いきなり浸水、転覆、沈没の可能性が高かった中、幸いにしてTBは上手く波を捕まえることが出来た。
今の所は、シホが言うように仕事がなかなか増えないという点を除けば、
まだデビューして一年そこらのポッと出アイドルユニットにしては上出来な展開であると言えるだろう。
240ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:48:46 ID:9sqgc4yc
「大丈夫、あと数年もしゅれば日本はこのシホちゃんの魅力にメロロロになるから」
「また噛んでる噛んでる」
 飯田シホは中学二年になった。
確かに美少女だし、歌唱力も演技力も不足はない。
が、やたらと言葉を噛む、下ネタに遠慮がないという致命的な欠点を二つも持っている。
これらがある以上、野望達成は遥かなる道のり、雲の彼方と言わざるを得ない。
「四月から大手の事務所でデビュー攻勢があるらしいから、気をつけないと私達流されちゃうかも」
 事務用椅子に腰掛け、足をパタパタと前後に揺らしながらユーリが呟く。
今年ようやく小学六年生になった彼女だが、赤ん坊の頃からモデルとしてCMに出ており、
単純な経験年数で言えばレイ・プリンセス芸能事務所に所属するどのタレントよりも長い。
「……どこでそんな話を聞いたの、ユーリ」
「前の事務所、栄光プロの人から」
 それだけに、業界の動きについては社長のレイコに次いで鋭敏で、
芸能界の慣習がどうの、営業の仕方がどうのと、ヒロキは実際彼女に教えられることが多い。
「次の仕事はいつなんですか、井戸田さん」
 カルナが眉をしかめながらヒロキに問う。
これは怒っているのではなく、地顔がそもそもこういった表情なのである。
カメラの前では絶妙なまでに作り笑いをする辺り、家庭事情の複雑さが垣間見える。
もっとも、だからと言って性格が悪いわけでもないのがある意味彼女の魅力の一つなのかもしれない。
「えーと、14日に『週刊ヤングデラックススペシャルマガジン』のグラビア撮影、そして」
「そして?」
「21日に講談テレビのバラエティ番組の収録」
「そして?」
「……28日に王奈ホールの改装記念コンサートにゲスト参加」
「そして?」
「……」
「見事に一週間ごとですね」
「いやまあ、でも間にトレーニングがあるし、それぞれの打ち合わせや顔合わせもあるし……」
 シホもユーリもカルナも学生なので、その意味では土日に仕事が入る方がやり易いと言えばやり易い。
が、売れっ子への長い坂を上り始めた彼女らにとっては、いささかお寒いスケジュールではあった。
「それにしてもまたヤンデレスペルマのグラビア? あそこ、もうこれで三回目じゃない?」
「そう言えばそうね」
 ヤンデレスペルマとはヤングデラックススペシャルマガジンの略で、命名者はシホである。
彼女以外にこの週刊漫画誌をそう呼ぶ者はいない。
主に言葉の響き的な理由で。
「あそこの編集長、なんだか好色そうなオヤジだったよね」
「そんなことなかったと思うけど」
「ちつちつちつ、まだお子様のユーリにはわかんないのよ、あのオヤジオーラが」
「と言うか、チッチッチッくらい普通に言おうよシホちゃん」
「きっと私の魅力ね。この大人の階段を上りはじゅめた青い果実を狙ってるに違いない」
241ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:50:08 ID:9sqgc4yc
 ユーリのツッコミをシホは無視した。
意図的にスルーしたと言うより、多分耳に届いていなかったのであろう。
脳内の妄想の音の方が大きくて。


   ―――飯田シホは怯え、震えていた。
  これからどのようなおぞましいことが自身に起こるか、芸能界に身を置く者として、彼女は知っていた。
  「さあ、服を脱いでもらおうか」
   否応なしの強制力を伴う男のダミ声が、鼓膜を通過し、脳の奥底へと響く。
  「まずは、そうだな……下からだ」
   シホの手が男の命令通りに動く。
  そこには、彼女の意思はすでにない。
  逆らいたい。
  が、逆らえない。
  「……」
   パサリ、とスカートが床へと落ちる。
  同時に、シホの両の瞳から溢れた涙が頬と顎を伝って、同じく床へと落ちていく。
  「いいねえ……中学生のまだ熟れてない太股……」
   ペロリ、と男は舌で唇を舐めた。
  それは、獲物を前にした肉食獣の行為そのもの。
  「次はパンティーだ。ふふふ……上を残して下だけ裸、実にそそる……」
   ショーツや下着という表現を使わなかったのは、
  シホに与える影響を考えてのことなのだろう。
  シホの顔が羞恥で歪むのを見て、楽しもうというのだ。
  「ううっ……ひっく……」
   低い嗚咽が、シホの喉から漏れる。
  無論、それが男の情けに届くことはない。
  逆により強い獣性を呼び醒ますだけである。
  「さっさとしろ!」
  「ひいっ!」
  「俺が一声上げれば、TBは業界から干される。それでいいのか?」
   強い男の口調に、シホはショーツにかけていた手を離し、両の肩を抱き抱えてしゃがみ込む。
  そこには、普段の明るい彼女の姿は欠片もない。
  あるのは、男の醜い征服欲によって汚されようとしている、14歳のか弱い身体だけだ。
  「あまり手間をかけさせてくれるな……」
   怒りと、そして性的衝動に塗れた眼をぎょろりと光らせ、男はシホの腰を掴み、引き寄せた。
  「今度のうちの雑誌の巻頭グラビアを飾る大事な身体なんだ、傷をつけたくはない」
  「ひぎいっ!」
   抵抗する間もなく、シホの下半身からショーツが引きちぎられる。
  「もっとも、見えないところなら大丈夫かもしれんがな……」
   男の手が、シホの淡い陰毛の奥へと伸び―――

242ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:52:42 ID:9sqgc4yc
「……と、いうことになるかもしれない!」
「なるわけないだろ」
 ヒロキは手にしていたクリアファイルを丸めると、シホの後頭部をペチンと叩いた。
「いったーい」
「なんつーこと考えるんだ、あそこの編集長はそんな人じゃない」
 ヤングデラックススペシャルマガジンの編集長は、確かに歳はオヤジと言っていいが、決してそういった性癖の持ち主ではない。
面倒見が良く、編集者や漫画家から慕われている人格者であり、TBをグラビアによく使ってくれるのも、その将来性を見込んでのことである。
マネージャーである井戸田ヒロキは、そこら辺りはよく知っている。
「わかんないよ、もしかしたら私を見ているうちに新しい扉を開いたのかも」
「シホちゃんによって開かれるくらい軽い扉なら、多分他の誰かが蹴破ってるぞ、今までに間違いなく」
「なっ、酷いヒロ君! そんなアソコズッコンを堂々と!」
「悪口雑言な。シホちゃん、時々ワザとやってるだろ」
 飯田シホと井戸田ヒロキ、二人の間には十程の歳の差があるが、どうにもシホはヒロキを年上として敬う気持ちが無い。
ヒロキはヒロキでシホを子供扱い(と言うか、彼にとってTBの三人は皆子供である)するものの、
彼の根が真面目なためかそれとも大人の態度を取るにはまだまだ経験が足りていないのか、結局上手く捌ききれていなかったりする。
「それにさ、講談テレビも信用ならない」
「また何を言いだすのやら」
「バラエティって『しわ寄せの拘束』でしょ、土曜収録ってことは」
「『幸せの法則』な。それが?」
「あそこのチーフディレクター、絶対ロリコン」
「……何故わかる」
「臭いで」
「耳鼻科行ってこい、一度」
「あの縁の太い眼鏡! 薄い唇! 顎だけに伸びた無精髭! 色褪せたソフトジーンズ! ロリコンにまちゅがいない!」
「どういう方程式だ。つうか全国の同じ条件に当てはまる人に謝れ、土下座で謝れ、全力で謝れ」
 とどのつまり仲が良い、と言えたりするのかもしれない。
シホとヒロキは。


  「いひひひい、いいねえいいねえ、これだよ、まだ乳臭さが残る女の子の身体……」
  「いやああ、もうやめてええ」
  「やめないよ、やめてたまるもんか」
   有銘ユーリは床に組み敷かれていた。
  男の獰猛な手によって。
  「助けて、お兄ちゃん! 助けてシホちゃん!」
  「いひひひ、無駄だよ、呼んでも誰も来るわけない」
   歌番組の収録の後、テレビ局から一旦は出たユーリだったが、
  忘れ物をしたので再び楽屋に取りに戻った。
  その時にマネージャーの井戸田ヒロキも一緒に付いていくと言ったのだが、
  すぐに戻るからとユーリはそれを断った。
  それが、ユーリにとって悪夢の始まりだった。
243ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:54:39 ID:9sqgc4yc
  「膨らみ始めた胸……肉のついてないお尻……」
  「いやあああ」
   楽屋から出た直後のことだった。
  エレベーターに乗ろうとしたユーリの腕がもの凄い力で引っ張られたのは。
  「前から目をつけていたんだ、君には」
   人気のない小道具室に引きずり込まれ、押し倒され、そして服を剥かれ。
  「やめて、やめて下さいっ」
  「だからやめないってば。なあに、おとなしくしていればすぐ済むよ」
  「いやあっ」
   幼さの残るユーリの身体を、今まさに蹂躙せんとしているのは、
  かつて一緒に仕事をした、とある番組のディレクターだった。
  その時は至って普通の態度で、身の危険を感じるようなことは無かったのだが。
  「いいねえ、実にいい。小学五年生や六年生辺りの女の子は実に」
  「あうっ、あっ、そ、そんなとこ噛まないでっ」
  「中学生なんてもうババアだよ。いひひ、いひひ」
   まさか、目をつけられていたとは。
  「やっと君が僕のものになる。嬉しくてたまらないよ」
   すでに、ユーリの身体を覆っている布は切れっぱしの一つもない。
  脱がされ、破られして、無残に床に散らばっている。
  「さあ、君の身体に僕を刻みこんであげるよ」
  「ダメッ、イヤッ、いやああ」
   薄暗い天井に、ユーリの悲鳴が反射する。
  助けは、来ない―――


「……とかになるかもしれない!」
「ならないってば!」
 ヒロキは先程よりも強く、シホの頭を張った。
押されてシホが前に数歩、たたらを踏む。
「痛い痛い!」
「お前な、その下ネタ方面の発想を少しでも無くさないと、アイドルとしていつか致命的なダメージを負うぞ」
 『幸せの法則』は、ぶっちゃけて言えば視聴者の体験談から「良かった探し」をするトーク中心のバラエティ番組である。
出演者もメイン司会のお笑いタレントを除けば、新人や若手が多く、その人選はチーフディレクターが主に担っている。
つまりは、未来の大物を発掘するのに意欲があるということであり、シホの言うようなロリコン癖は全く無い。
「わかんないよ、普段そういう風に見えない人こそが危ないんだよ」
「危ないんなら今まで何人もそういう目にあってるだろうし、明るみにも出てるだろ」
「あ、いわゆるインモウカイカイそれでおもらし、ってやつ?」
「天網恢恢疎にして漏らさず、だ!」
 シホは夢見る乙女では決してない。
なので、妄想に身を委ねることはしないが、ポンと思いついた下方面の想像を軽く口に乗せてしまう悪癖がある。
14歳という年齢からしても、確かに性に興味があるだろうが、それにしてもシホの場合は方向がおかしいと言えた。
244ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:55:59 ID:9sqgc4yc
「王奈ホールの合同コンサートもヤバイと思うね、私は」
「もういい加減にしろよ」
「合同ってことは他にも来るんでしょ? 色々と」
「そりゃそうだが……玉金(タマカネ)プロの○○○さんとか」
「あー、あの歌手の。あの人はヤバイ」
「何が」
「あの人は多分レズ、しかも粘着系」


   如月カルナは、胸の上を這う舌の感触におぞ気を覚え、小さく震えた。
  叫びたい、逃げだしたい。
  だが、身体が動かない。
  「いいわ……カルナちゃんの肌……肌理が細かくて」
  「う……くっ……」
  「ごめんね、こんな手段使って。でも、どうしても貴女が欲しくて我慢出来なかったから」
   カルナが指先一つ動かせないのには、理由がある。
  舞台の下見の後で、彼女は紙コップのお茶を渡されて、飲んだ。
  それに入っていたのだ、薬が。
  「貴女がノーマルだっていうのは直感でわかってたけど」
  「……ううっ」
  「それでも、どうしても欲しかったの、貴女が」
   お茶を渡したのは、別の芸能プロダクションに所属する、二十代半ばの女性シンガー。
  TBなんかより遥かに名が売れ、CDを出す度にヒットチャートを賑わせる大物だ。
  「カルナちゃんは知ってたでしょ? 私がオトコに興味が無いって……」
  「……」
  「それで、オンナノコを好きだって」
   芸能界に、ホモやレズと思われている人間は多い。
  それを芸のネタに、つまりテレビに映る表だけの顔にしているタレントがほとんどだが、中には真性もいる。
  今、こうしてカルナの身体に覆いかぶさっている彼女もそうだ。
  「好きよ、カルナちゃん」
  「くう……や、め……」
  「やめてほしい?」
   その問いかけに、首の力を総動員して、頷こうとするカルナ。
  だが、僅かに顎がピクリと揺れただけで、ハッキリとした行為にはならない。
  「そう、やめてほしくないのね……。ふふふ、うふふふ」
   蛇の笑いだ、とカルナは思った。
  「心配しないで、貴女にとっても悪いことじゃないわ。だって気持ち良いことなんですから」
  「う、むっ……」
  「オトコになんか貴女を渡さない、貴女は今日から私のもの……」
   砂糖水に塗れたような、甘く陶酔した声。
  カルナは、自分の中にある芯がゆっくりと溶かされていくのを覚えた―――

245ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:57:49 ID:9sqgc4yc
「……とかになったりするかもしたりして!」
「シホちゃん、アホだろ」
 ヒロキはもうシホの頭をはたかなかった。
はたく気すら起こらなかった。
「○○○さん、結婚もして子供もいるだろうが」
 件の女性シンガーは十代半ばでデビューし、神童と騒がれた程の歌唱力の持ち主。
二十歳の時に年上の放送作家と電撃結婚し、その後子供にも恵まれて、
妻、母、歌手の三つをバランス良くこなしている業界でも名うての実力派だ。
「夫と子供はカクレミノってやつで、裏ではレズかもしれないじゃん」
「そんな話、噂でも全然聞いたことないぞ」
「それはヒロ君の後ろの穴が塞がってるからじゃないかなあ」
「耳の穴が塞がってる、な。もういいよ」
 ヒロキは溜め息をついた。
シホの過激な発言にはいい加減慣れつつあるが、それにしても今日は酷い。
勝手な想像にしても、度が過ぎる。
「それにしても何なんだよ、今日のシホちゃんは」
「お兄ちゃんお兄ちゃん」
「……何だい、ユーリちゃん」
「お兄ちゃんが来るまでシホちゃん、これをずっと読んでたから」
 ユーリが差しだしたものを、ヒロキは手に取った。
それは、一冊の雑誌だった。
「……『週刊乱々(らんらん)』?」
 それは、主に成人男子をターゲットとした週刊誌だった。
中身はもちろん、そういった人間が喜ぶような記事で満載である。
「成る程ね」
 そしてヒロキは納得した。
その表紙に、『官能小説大特集』という文字がデカデカと踊っていたからだ。
「道理で描写がやけに具体的だったわけだ」
「言っておきますけど、それを持ってきたのは私でもユーリでもありませんから」
「いや、そりゃわかってるよカルナちゃん」
 この類の雑誌を持ってくる人間は、この事務所では一人しかいない。
小田でも三瀬エリコでも小池マイでもない。
「社長か」
「おそらく」
 芸能人は常に秘密を狙われている。
TBもかつて何度か、密かに雑誌記者につけまわされたことがある。
芸能事務所の社長ともなれば、自分のとこのアイドルに関して何ぞ書かれているかどうかチェックするのも仕事の一つではある。
246ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 01:59:24 ID:9sqgc4yc
「しかし、こっちじゃなくて社長室に置いておけばいいのに」
「見事にシホが読みましたね」
「バッチリだね」
 今度は三人、同時に溜め息をついた。
シホなら読まないわけがない。
「何、読んだけど悪い? だって暇じゃない!」
「中学二年生が読むのに適した雑誌とはさすがに言えないな」
「ダメだよ決めつけは、知識は何でも吸収しなきゃ」
「吸収するだけならな。それを撒き散らされたらたまらん」
 ヒロキは週刊乱々をくるっと丸めると、手近なゴミ箱に放り込んだ。
「でもねヒロ君」
「ん?」
「暇だから悪いんだよ、暇じゃなくて仕事があれば読んでない」
「屁理屈もここに極まれり、だな」
 トン、とヒロキはシホの額を人差し指で突いた。
やや苦笑しながら。
「なら、仕事のための準備をしよう」
「え?」
「事務所の下のフロア、今日は誰も使ってないってさ。だから」
「だから?」
「振り付けの練習でもしよう。チェックくらいなら俺も出来るからさ」
「はい、お兄ちゃん」
「はい、わかりました」
 ヒロキに促され、ユーリとカルナが椅子から立ち上がる。
三人を見て、渋々ながらもシホも続く。
「はいはーい、っと」
 本番で目立つのは好きだが、練習はあまり好きではないシホである。
「さ、行こう、時間がもったいないから」
 ネクタイを少し緩めると、ヒロキは歩を進めた。
三人の姫様達のために、ドアを開けてあげるという仕事がまずは待っている。
「だって暇じゃないんだしな、やることが出来たんだから」
 
 デビューして一年、TBはまだまだ暇が多い。
だけど暇ばかりじゃあ、ない―――


  F  I  N
247ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/03/07(土) 02:02:17 ID:9sqgc4yc
ここまでです。
これが自分に書ける凌辱系の限度です。
「作中で誰かにエロを語らせる」という方法は何度も使っているので、さすがにアレかとは思い始めてます。
気分を悪くされたなら申し訳ありません。


それではまた。
248名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 12:39:12 ID:FeQCgT32
テラアホスwwwww
249名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 12:52:48 ID:IJm4BYzS
GJ!
そういやあかほん話は久しぶりじゃね?
250名無しさん@ピンキー:2009/03/08(日) 11:45:04 ID:vXnsBDze
待機中
251名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 01:26:18 ID:FeRnV7UX
ピンキリ氏GJ!
ってワロタwwやっぱりあかほんも良いですねw
252名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 10:49:17 ID:/xjqBOMz
ジョリ
253名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 16:38:37 ID:0DEpxlhh
凌辱モノは大好物だが、氏家キャラがヤラれてると思うとなんだか燃えるより萎えてくる
不思議な漫画だよ、氏家の
254郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/13(金) 23:32:58 ID:EgN4gnks
はい、どうも郭です。久方ぶりにエロ無しの中編ができたので投下します。
255郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/13(金) 23:33:58 ID:EgN4gnks
「七条先輩と会長、今頃飛行機かな?羨ましいよな〜〜〜」
「会長も七条先輩も遊びに行ってるんじゃないんだよ?全くのんきなもんだよね、津田は」
「それくらいは分ってるけどさあ………でも、良いよな〜〜〜、
俺なんて外国どころか国内でも飛行機なんて乗ったこともないのにさ」
「そう言うけどね、短期とはいえオーストラリアの姉妹校と交換留学だから、結構勉強大変そうだったよ?」
「そうかぁ………でもやっぱ羨ましいな」
見栄もてらいもなく羨ましがるタカトシを、呆れつつもどこか面白がるようにスズは見ていた。
―――それは、遡ること一ヶ月ほど前の話である。シノとアリアのふたりが、
新たに桜才と姉妹校関係を結んだオーストラリアの学校に2ヶ月の短期留学が決まり、
現在生徒会はタカトシ&スズの1年生による二人体制になってしまったのだった。
「そんなに言うなら津田も来年頑張れば良いじゃない。成績次第で留学生になれるかもしれないんだし」
「俺の成績じゃ、無理だよ〜〜〜。荻村は余裕だろうけどさ〜〜〜」
「実は一応私も狙ってるんだけどね」
「あ、やっぱり?良いな〜〜〜、俺も行きてえ〜〜〜、オーストラリア」
「本当に津田は………もういいでしょ?さ、仕事しよ?」
「うん」
苦笑しつつスズが促すと、素直にタカトシも仕事モードに切り替わって机に向かう。
このあたり、このふたりの息はあったものである。
「でも生徒会って来年はどうなるんだろうな?今の会長みたいに萩村が繰り上げになったりすんのかな?」
「そんなに簡単なものじゃないよ。会長の場合は元々人望もあって成績も抜群だったから
副会長から会長になっただけで、むしろ異例の人事だったんだし」
「そうかあ………ってアレ?俺のときは会長にいきなり指名されたような気が」
「それ、実は違うのよ」
「??違うって?」
「会長は副会長から繰り上がりで会長になるのを本音では嫌がってたみたいでね。
会長職を引き受ける交換条件として自分の後任の副会長には男子生徒をすえる、
そしてその人選は自分に任せろ、って言ったらしいのよ」
「へえ〜〜〜、それは初耳だな」
「内部生の間だと結構有名な話なんだけどね。男子生徒を生徒会に入れることについては
教職員の一部にも反対意見はあったみたいなんだけど、会長も頑固でしょう?
結局最後は周囲が折れる形で会長の言うとおりになったみたいなんだけど」
「そういや萩村も最初は反対してたもんな」
「だって初対面のアンタ、態度が悪かったし」
「あはは、ゴメンゴメン。でもあん時は入学早々変な人に捕まっちゃったなあ、って思ってたから」
「コラ、いないからって会長の悪口言わないの。でもその変な人のお眼鏡にかなっちゃったんだから、
津田も十分変な人の素質はあったんじゃない?」
「………皮肉かよ」
ボリボリ、と頭を掻くタカトシと、それをニヤニヤしながら見つめるスズ。
「でも事実だと思うよ。ああ見えて会長って意外に人見知りするし、
気難しいところもある人なんだけど、津田のことは結構気に入ってるみたいだし」
「はぁ。そんなもんかな。でも改めて思うけど、そこに俺の意志とか全然無いんだけどな」
「愚痴らないの。さ、仕事仕事!」
「へ〜〜〜い」
上級生であるシノ&アリアがいないせいか、生徒会室の空気は緩やかなものだった。
それなりに厳しい言葉をタカトシに投げかけているものの、
スズ自身も普段よりややのんびりと仕事をしていたことは否定できないところで。
「ふう、お終いっと!萩村、どう?そっち手伝おうか?」
「うん、じゃ悪いけどそこの資料を打ち出して15部作っておいてくれる?」
「ああ、分った」
「でももうこんな時間だね。これ終わったらあとは明日にしようか?」
「ん、そだな」
普段4人で処理していた仕事の量をタカトシとスズのふたりだけでこなすのはそれなりに大変で、
気づけば既に7時を過ぎていた。とりあえずふたりは仕事を終え、生徒会室を後にした。
「あ、雨降っちゃったね」
「気づかなかったな。予報は雨じゃなかったのにな」
§
256郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/13(金) 23:34:38 ID:EgN4gnks
「あ〜〜あ、どうしよ………」
「あ、ラッキー。俺、おきっぱの傘があった。萩村、じゃ送ってくよ」
「え?で、でも」
「濡れて風邪引いちゃったら大変だろ?行こうよ」
「うん………分った。ありがとう」
少しだけ照れくさそうにスズがタカトシの傘の中に入ってくる。
スズが、濡れないように。彼女に、気づかれないように。タカトシは、少しだけ屈んで傘をさして歩く。
「でも一ヶ月かあ。ふたりだけで大丈夫かな?」
「まったく津田は〜〜。もう音を上げるの?」
「だって今日だけでも正直ちょっとしんどいっつ〜〜か」
「大変なのは確かだけど、ここで私たちが頑張っておかないと会長も七条先輩も安心できないでしょ?」
「はは、なんだかんだで萩村って会長たちのこと信頼してんだな」
「!な、なに言ってるのよ!」
「それは冗談だけど、いや、冗談でもないんだけどさ。萩村?
俺、来年はやっぱお前が会長になるのが良いと思うけどな」
「………なんでそうなるのよ」
「だって萩村なら能力は文句無しだし、生徒会の仕事もずっとやってるから慣れてるし、
俺と違って責任感もあるしさ」
「自分で責任感無いとか言わないの!」
「はは、俺も無いとはいってないんだけど。でも萩村なら」
「私は………」
言葉に詰まるスズ。聡明な、彼女だから。そして、負けず嫌いな彼女だから。それ以上は、言えなかった。
(私には人望が、ないんだよ。それに、この見た目じゃナメられるから………)
「萩村?」
「ふん。案外津田みたいに無神経な人間の方が向いてるのかもね。
今の会長とは正反対の、御輿に乗って良きに計らえっていう馬鹿殿タイプになりそうだけど」
「ありゃ。でもそのときはもちろん萩村が副会長になってくれるんだよな?」
「なんでそうなる!」
「ん?いや、俺みたいなのが会長だと心配じゃないか」
「だ、だからってなんで私が副会長に」
「会長が御輿なら、やっぱそれを担ぐのはしっかりした人間じゃないとダメだろ。
俺には萩村以外考えられないんだけどな」
「私にも選択権が」
「俺には無かったんだけど?」
「それは」
「そんなにイヤか?それ、ちょっと傷つくけどな」
「………イヤだとは、言ってない」
「ははは、ま、そういう事態にゃまず120%ならないだろうけどな」
(バカ。今の、ちょっと)
"萩村以外考えられない"という言葉に少しだけ顔を赤くしてしまうスズだが、
当のタカトシはのほほんとした表情のままだった。このあたり、なかなかこの男も罪作りである。
そんなこんなでふたりは言葉を重ね、そろそろ萩村邸が近くなってきたその時に姿を現したのは。
「あら、スズちゃんお帰りなさい。うふ、津田君もご一緒?」
「あ、今晩は」
「お母さん、買い物?」
「違うのよ。私も忘れていたんだけど今日はこれから町内会の集まりがあるの。
ゴハンはもう作ってあるから、悪いけどスズちゃん先に食べててくれるかしら?」
「うん、分った」
「うふ、そ・れ・と。津田君、私の分のゴハンを食べていってくれない?」
「え?そ、そんな。悪いですよ」
「遠慮しないで。町内会の集まりだとお弁当が出るから、ゴハン残しちゃったら勿体ないし。
ね?スズちゃん、良いわよね?一人だと寂しいし、津田君がいた方が」
「勝手に決めないでよ!私は別に寂しくなんか」
「そんなわけで、よろしく頼むわね、津田君?じゃ」
「あ、お母さん!」
§
257郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/13(金) 23:36:34 ID:EgN4gnks
「ちょ、ちょっと」
戸惑う二人のことなど気にもかけず、スズママはさっさと去っていった。
呆然とそれを見送るタカトシ&スズのふたりだったが。
「え、と…………」
「………とりあえず、上がっていって」
「良いの?やっぱり俺、帰ろうか?」
「送ってくれたお礼よ。アンタに借りを作るのもイヤだし」
「じゃあ、悪いけど、お邪魔します」
微妙な空気の漂うふたりだったが、とりあえずスズママの言うとおりスズはタカトシを家へと招いた。

「はい、津田」
「さんきゅ、萩村。それじゃ、いただきます」
「いただきます」
「ん、美味しいね。萩村んちのお母さん、料理上手なんだな」
「そうかな?自分の親の料理が上手か下手かなんて分らないけど」
「贅沢だな〜〜。このロールキャベツもケチャップじゃなくてクリームがかかっててレストランみたいだし、
サラダとかも凝った感じじゃん。ウチの親の料理なんてもっと雑な感じだけどな」
「そう言われても私は生まれたときからお母さんの料理を食べてるわけだから」
「ははは、ま、そりゃそうだ」
微笑み合うタカトシとスズ。最初の頃こそちょっと固かった空気も、既に柔らかいものへと変わっていた。
「結構食べるんだね、津田」
「あ、ゴメン、マジで美味しいからつい」
「ふふ、良かったら私のロールキャベツも1コ食べる?」
「え?いいの、萩村?」
「うん、私はもうお腹いっぱいだから」
「じゃ、悪いけど遠慮無く」
(本当に美味しそうに食べるんだな、津田は………)
男の子らしくかっ込むように料理を食べるタカトシを面白そうに見つめるスズ。
「でも良いよな、萩村は。こんな料理も上手で若くてキレイなお母さんがいてさ」
「人の親だから良く見えるだけじゃない?さっきもそうだったけど結構人の話をきかないし、天然だし。
それにそんなキレイかな?」
「え〜〜〜、マジで美人じゃん。萩村もあんな風になるのかな?」
「ぶッ!そんなの、知るか!」
「だってやっぱ似てるしさ」
「お、親子なんだから当たり前だ!」
「?どったの、なんで怒ってるの?萩村」
(…………コイツは)
タカトシの発言にまたもドキッとしてしまうスズだったが、
心底不思議そうにしているタカトシの表情を見て、少し呆れてしまうのであった。
(含むところとかそういうのが無い分タチが悪いのよね………なんだかお母さんにちょっと似てるかも)
「俺、変なこと言った?だったらゴメン」
「…………ま、良いけど」
「?悪いな、萩村。じゃ、ごちそうさまでした」
「お粗末様でした。津田、食器貸して?洗うから」
「あ、じゃあ俺手伝うから一緒に洗おうよ」
「いいよ、それくらい」
「いや、手伝わせてよ。このまま帰るんじゃ申し訳ないし」
「そう?じゃ、洗い終ったお皿を拭くのをお願いして良い?」
「うん、分った」
台所に移動するとスズは食べ終わった後の食器を洗い、タカトシはそれを拭いていった。
「家の手伝いとかするの?津田」
「いや、実はそうでもない」
「ふうん。妹さんのコトミちゃんだっけ?あの子は?」
「アイツなんて俺より手伝わないよ。なんだかんだと理屈つけちゃあ逃げるし」
「あ、悪口言ってる。後で言いつけてやろ」
§
258郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/13(金) 23:37:50 ID:EgN4gnks
「!お、おい萩村、それは」
「ふふ、冗談だよ」
「お〜〜〜い。からかわないでくれよ」
話を続けつつも、息もピッタリに作業は休まないタカトシ&スズ。このあたり、ふたりはやはり合うようで。
「でも仲良さそうだよね、津田とコトミちゃん」
「ん?ま、悪くはないと思うけど、そんな良いわけでもないよ。
アイツってちょっとズレてるところがあったりするし、いきなり機嫌が悪くなったりするときもあるしさ」
「ふふふ、なんだか話聞いてると結構お兄さんしてるんだね、津田も」
「そ、そうか?」
「うん。なんだかんだ言って、コトミちゃんを可愛がってる感じがする」
"ざぁぁぁぁ………"
「でも凄い雨になってきたね。お母さん大丈夫かな?」
「ホントだな、これ片したら俺も帰るよ」
「うん。気をつけてね?」
「ああ」
"ゴロゴロ………バァァァァァン!!!!!!!!!!!!!"
「わ、雷!」
「!?※!+@きゃ、きゃあああああああ!!!!!」
そして、そのとき。突然雷鳴が鳴り響いた。
「は、萩村?」
雷の音よりもスズに抱きつかれて驚くタカトシだが、スズはまだ正気に戻ることさえできず、更に。
"ふ…………"
「あ、電気も!」
「!"$%や、やぁぁぁ!!!」
落雷は萩村邸からほど近い場所であったらしく、次の瞬間には灯りまでもが消えてしまった。
恐怖の余りパニック状態に陥ったスズに、タカトシはしばし戸惑ったまま何もできずにいたが―――
やがて、ぎこちなくではあるが少しからだを屈ませて、彼女をすっぽりと抱きしめた。
「大丈夫だ。大丈夫だから、萩村」
「や、やぁ!うわ〜〜ん!」
子供のように泣き叫ぶスズを、守るように。タカトシは、両手で彼女を包む。
時が止まったような暗闇の中でふたりは抱き合っていたが、やがて。
"ぱちッ………"
「あ、電気ついたよ、萩村」
「うッ………う、ぐすッ…………」
まだ恐慌状態から回復できずにしゃくりあげているスズを、
タカトシはようやく暗闇の中ではなく灯りのもとで見ることができた。
それは、いつものしっかり者で気丈な彼女ではなく、幼くて脆い、少女の姿だった。
「大丈夫だよ。俺がいるから。萩村、大丈夫だから」
「うッ………う、う」
スズを抱きしめながら、タカトシは不思議な安心感と愛おしさを胸に感じていた。
彼女のことを、同級生以上の存在だと思ったことは無かったはずだが―――
今胸の中で泣いているスズに、はっきりと愛情を感じている自分を発見していた。
「………!?も、もう離しなさいよッ!いつまでアンタはッ!!!」
ようやくスズが自分を取り戻すと、慌ててタカトシの腕を押しのけ、ぴょん、と後ろに下がる。
(なんだか、そういう仕草も)
小動物のようで可愛いと感じ、思わずくすり、と笑ってしまうタカトシだが、
スズは当然のように彼の微笑みを曲解してしまい。
「………今笑ったでしょ」
「え?あ、ゴメン萩村。あの、悪気があったわけじゃ」
「どうせ私のこと、怖がりで子供っぽいと思ってるんでしょ。前に怪談も怖がってたし」
「萩村………」
真っ赤な顔で頬を膨らませるスズだが、タカトシの思考はあらぬ方向にいってしまっていて。
(ありゃ、萩村のこういう顔も可愛いと思ってるよな、俺?やっぱこれって惚れた弱みって奴か?)
「…………言わないでね。他の人に」
「そんなに」
§
259郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/13(金) 23:38:30 ID:EgN4gnks
「………?」
「信用無いのか?言っておくけど怪談のことも他の奴にペラペラしゃべったりなんてしてないよ」
「そうかもしれないけど。でも」
「それに、俺は可愛いと思うけどな」
「!………どういう意味よ!」
「いつもはなんでもこなせる萩村が、怖がりなこと。人間誰だって弱点があるもんだしさ。
なんだか女の子らしくて可愛いじゃないか」
「可愛いなんて、思われたくない!他人にそんな風に、思われたくない!」
思わず大きな声で反論してしまうスズだが、タカトシは臆することなく続ける。
「可愛いって思われるのは、イヤなのか?萩村」
「私は………」
そのまま、ぐっと言葉に詰まるスズ。
(私はひとりで、生きていく。誰にもバカにされないような人生を。そう、決めたんだから)
それがコンプレックスの裏返しだということくらい、スズが一番良く分っていた。
幼稚な意地だということも、分っていた。だからこそ、他の誰でもなく。タカトシにだけは、言えなかった。
「でも、思っちゃうのは自由だろ?」
「………?どういう意味よ」
「俺が萩村のことを可愛いって思うのは自由だろ?って意味なんだけど」
「!!!な、なにを言うんだ、バカ!!!」
不意打ちに真っ赤になってしまうスズだが―――タカトシの視線は、真剣そのものだった。
「さっき萩村に触れていたとき、思ったんだよ。可愛いなって。この子を、守りたいって」
「!な、なにを言ってるんだ!からかって」
「俺は、マジだけど?」
じっとスズを見つめると―――いきなり、タカトシは。
"ぐいッ"
スズを、抱き寄せて。両腕の中に、すっぽりと彼女をおさめた。
「!…………」
抵抗されるかとも思ったが、スズは暴れることもなくタカトシの腕の中に抱かれる。
「………………」
「………………」
そして、ふたりはそのまま固まったように。動かずに、いた。
(萩原を抱いていると、なんか落ち着くって言うか……)
(津田の腕………結構、がっしりしてるんだな)
そんなことを思いながら、タカトシとスズは無言でいた。雨の音だけが、ふたりの耳に響いていた。
「…………」
ようやく――――スズが、顔を上げる。恥ずかしそうに、頬を赤らめて。少しだけ、怒ったような顔で。
「……子供扱いは、嫌いだ」
ぽつり、と呟くようにスズが言う。タカトシは彼女をじっと見つめていた。
今さらのように、彼女が整った顔立ちをしていることに気づいた。
「分ってるよ。俺は」
「でも」
「………」
「こんな風に。津田に、ぎゅっとされるのは。…………嫌いじゃない」
それだけ言うと、スズはタカトシの胸に顔を伏せる。耳まで、真っ赤にして。
「………萩村」
できるだけ優しく、スズの柔らかい後れ毛を撫でた。胸元に、彼女の息の温もりを感じていた。
「ありがとう、萩村。でも俺は、それだけじゃ足りないかな」
「?………足りない?」
「俺は、こんな風に萩村をぎゅっとするのが、好きだから。萩村とくっついてるのが、すごく好きだから。
なんでかっていうと………萩村が、好きだからなんだ」
「!!」
「だからさ。俺にぎゅっとされるのを、萩村にも好きになって欲しいな。『嫌いじゃない』じゃ、足りないよ」
「…………バカ。は、恥ずかしいこと言うなッ!!」
ぽかぽか、とスズがタカトシの胸を叩く。しかしそれは、本気で嫌がっているようなものではなくて。
どこか、甘えているような、じゃれているようなもので。そんな彼女を、苦笑混じりにタカトシは抱きしめて。
§
260郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/13(金) 23:41:13 ID:EgN4gnks
「俺、頑張るよ。さっきも言ったけど、萩村に好きになってもらえるようになりたいから。
萩村に、信用されるようになりたいから。だから、頑張る」
(………本当は、とっくに好きになってるけど)
心の中ではそう思いながら、スズはやはり、頬を膨らませて答える。
「ふん。いつになるのかしらね」
「あちゃ」
苦笑いするタカトシの表情を、スズは見つめる。
(男の人なんて、好きにならないって思ってたのに………)
傘の中に入れてくれたときに、さりげなく少し屈んでくれたこと。
暗闇で怖がっていたときに、優しく抱きしめてくれたこと。
なにより―――彼らしく、真っ直ぐな言葉で好きだと言ってくれたこと。
それを素直に嬉しいと思いながらも、つい口にしてしまうのは、いつもの憎まれ口だった。
スズはそんな自分が少しだけ、もどかしかった。
"す………"
「?津田」
タカトシが、スズの前髪を軽く梳く。そして。
"ちゅッ"
「!!!」
そのまま、スズの額にキスをした。
「っと。これくらいは良いだろ?」
「いきなり、な、なにするんだ、バカッ!!!ビックリするじゃないか!」
嬉しさ半分恥ずかしさ半分のスズが抗議するが、タカトシは苦笑混じりに言う。
「停電中にいきなり抱きつかれるのも、かな〜〜りビックリするんだけど?」
「あれは………その、事故だ、事故!」
「それも、真っ暗な中で好きな女の子に抱きつかれるってのは、マジで結構くるもんがあるんだけどな」
「!つ、津田のスケベ!!なにがくるんだ、なにが!!」
「本当にスケベなら、口でキスするだろ?一応、萩村のお許しが出るまでは我慢しようと思ってるよ」
「我慢って!津田、お前は!」
「うんうん、最初はそれくらいでちょうど良いのよね。すぐにそれだけじゃ足りなくなるから」
「?………!!!!おおおお、お母さん!!」
「え?わぁぁぁぁ!!!!!」
絶叫するスズに弾かれたようにタカトシが振り返ると―――そこには。
満面の笑みを浮かべた、スズママが立っていた。
「あ、あの。すいません、お母さん!!」
「あら〜〜〜津田君も気の早い。お義母さんだなんて」
「どっかで聞いたようなフレーズは良いから!いつから、いたのよ、お母さん!」
「え?スズちゃんと津田君が抱き合ってたところから?」
「………ってことは」
「『この子を、守りたいって』なんて久しぶりに聞いたわ〜〜〜。津田君ってロマンチストなのね?」
「う、そ、その。それは、あのですね」
「ばばば、バカッ!!!放せ、津田ッ!!!」
抱き合ったままのふたりだったが、スズが慌てて飛び跳ねるようにタカトシから離れる。
「あ〜〜〜ん、もったいない。じゃ津田君、代りに私を」
「って、なにを考えてるのよ、お母さん!!」
「あの、すすす、すいませんでした!もう、俺、お邪魔しま」
「あ、帰る前に、ちょっと津田君?」
「ははははは、はい、なんでしょうか?」
スズママが悪戯っぽく微笑むと――タカトシの耳元に口を寄せ、囁く。
「スズちゃんって、私そっくりだから」
「へ?」
「だ・か・ら。私もね、高校1年生くらいの頃はちっちゃかったのよ。
でもその後成長したのね?色んなところが。きっとスズちゃんも、もうすぐ………」
「お母さん!なにを言ってるの!」
怒鳴るスズ、そしてぺろり、と舌を出すスズママ。
(こりゃあ………結構、前途多難かな?)
萩村親子のそんな姿を見ながら、タカトシはまた苦笑しつつ独りごちるのであった。

END
261郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/13(金) 23:42:31 ID:EgN4gnks
今回は以上。タイトルは「夜の雨」でお願いします>>Wiki管理人様
ストーリー自体は結構前から温めてて、当初エロ有りも見込んでたんですが、
校正係の「これはエロ無しの方が良いと思う」という意見でこんな感じになりました。
次回エロ有りにつなげてみたいかもですが、未定です(苦笑)。
それでは股。
262名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 08:08:17 ID:6yVZvc12
読みながらニヤニヤが止まらなかったよ
GJ
263名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 08:51:51 ID:Y4qbz7+d
GJ
さすが郭氏という他ない
264名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 08:53:14 ID:WeD55uxp
(・∀・)イイ
(*´Д`)ハァハァというより(・∀・)ニヤニヤだな
265名無しさん@ピンキー:2009/03/14(土) 10:13:04 ID:fgb+C3VG
GJ!テラニヤニヤス


ふと思ったが、ひとつのタイトルで職人がリレーして一作仕上げる、というのはできないだろうか
起を518氏、承をY-275氏、転を傍観者氏、結を郭夫妻みたいな
266郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/14(土) 22:54:44 ID:ja52ivwe
どうも、郭です。
もし他の職人様の許可と都合がつけば私はOKですよ。
お題は住人の皆様に募集してとか。
267名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 00:36:39 ID:KQKNiqTA
ピンキリ氏と郭氏の屋台骨ふたりの投下で思わずほっこりしたぜ。
リクは久しぶりに思春期でアキとシンジなんてどうすか?
268名無しさん@ピンキー:2009/03/15(日) 09:20:22 ID:4w2Dp/j5
起(キャラクターがどういうふうに絡んで)
承(雰囲気が盛り上がって)
転(エロ突入)
結(エロ後、そして…)

こんな感じか、別に四つに分ける必要もないかもな
郭氏ならどこを担当しても無問題だろうが、やはり転結パートか?
いっそ夫妻でそれぞれ別個に書かれてもいいのでは
269名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 03:10:15 ID:BxwuR2Bd
個人的には久々にアヤナを
270名無しさん@ピンキー:2009/03/16(月) 19:13:10 ID:84trADes
>>269
俺も
271傍観者:2009/03/16(月) 22:39:20 ID:5kDKBOOD
>>265
残念ながら無理です。ご承知のとおり超遅筆なもので……。
そもそも、まだ作品2つ目の凡夫が職人様たちと共作するなどとはおこがましい。

今回書けた分を投下致します。>>202からの続きです。


272傍観者:2009/03/16(月) 22:40:33 ID:5kDKBOOD
 呻き声を上げた後、リンコは荒い息を吐きながら耐えるように体をこわばらせる。しか
し、耐え難い何かがあるようで時折わずかに身をよじらせ、
「んっ……、うっ……」
と小さな、それでいて艶めかしい声を洩らしたりもする。
 そんなリンコを、マサヒコは自らは一切動かないように気をつけながらしばし見つめて
いた。
 時間にして1、2分経ってからマサヒコは優しく相手に声を掛ける。
「的山、大丈夫か?」
 マサヒコの声を聞いて、リンコはわずかに涙がにじんだ瞳を彼の方に向けた。
「んっ……、小久保君?」
 言葉の前後に、ハァハァという息使いが混じる。息が荒い、というよりも欲情している
と言うべきなのだろうか。
「やっぱり……、痛い……」
 処女が張り裂けた痛み。その傷口はマサヒコによって押し広げられたままであり、ジン
ジンと弱い痛みを放ち続けている。
「ゴメン、的山」
「!、う、ううん、小久保君のせいじゃないから、私がしてほしいって言ったんだから!」
 純粋に罪悪感から謝罪したマサヒコの言葉に対し、必死に言い返すリンコ。
「そうか、すまない」
「だ、大丈夫、痛いっていってもそれほどじゃないし」
 確かに張り裂けた瞬間のような鋭い痛みはしない。そして、今リンコの体には痛み以上
に激しい感覚が湧き上がっていた。
(信じられない……)
 指と比較した時点である程度は想像していた。しかし、現実は想像を遥かに上回るもの
だった。
 大きすぎる。膣が張り裂けるとかそういう生易しいものではない。まるで体全体がみっ
ちりとマサヒコの肉棒で埋め尽くされたかのよう。内臓も、肺も、心臓も、脳髄に至るま
で押しつけられ、支配されたかのようだ。もう少しで喉を突き抜け、口から飛び出すと言
われてもおかしくは思わない。
 そして、そのペニスで全身が制圧されたような状況が、全く不快でない。不快でないど
ころか明らかに体は望んでいる、悦んでいる。そして、もっと支配してほしい、激しく内
で荒れ狂ってほしいと願っている。
(何でだろう?)
 リンコには自分がどうしてほしいのか分からない。

273傍観者:2009/03/16(月) 22:41:57 ID:5kDKBOOD
 一方のマサヒコは、リンコの体を労わりながらも素晴らしい快感に酔っていた。
 初々しい美少女の処女。しかも、避妊具なしの生だ。ミサキとの初体験の時は、もちろ
ん安全のため避妊具を付けていた。これまでミサキとは何度も体を重ねてきたが、生は2
回くらいしかない。
 リンコの「処女」を「直接」奪ったというケダモノじみた荒々しい歓喜に、リンコの初
めての反応を生身で直接感じ取れる感激、そしてこれまで体験してきたミサキとは違う膣
内の感触。全てがマサヒコの欲望を激しく掻き立てる。相手を汚してしまったという罪悪
感も、背徳的な快感をもたらす。
 できることなら、今すぐこの欲望をリンコに叩きつけたい。勢いよく引き上げて、自分
とリンコを互いに擦り上げて、すぐさま深く、子宮まで抉らんばかりに突き込みたい。
 だが、マサヒコはどこまでも善良な男だった。傷ついたリンコを労わり、挿入したまま
微動だにしないでリンコの様子を見守る。
 そんな葛藤を抱えているマサヒコにリンコが問いかける。
「小久保君は……、どう?」
「俺か、俺は……」
 どう答えていいか少し悩んだが、ストレートに返事をすることにした。
「すごく気持ちいい」
「どう気持ちがいいの?」
 さらに問うリンコ。男の体を知らないリンコには、マサヒコがこの状態でどう気持ちよ
く感じるのかよく分からない。それで素朴な疑問が湧いてくる。
 根本的な質問ほど答えにくいものはない。さらに言うと、口に出すのがはばかられるよ
うな話でもある。それでもリンコのためにできる限り誠実に答えようと試みる。
「あの、その、俺のペニス、ペニスは刺激されると気持ちいいんだよ。お前のその、ヴァ
ギナ?みたいに。それで、その、ペニスがお前の中に入ってるから、その、お前の肉がこ
う、ギュッ、ギュッって締め付けてくるし、それに、しっとりとしてて感触がよくて、ま
あ、そんな理由かな?」
 多分、顔を真っ赤にしてしどろもどろに喋っている自分の顔は滑稽に映るだろう、そう
思いながらマサヒコはなんとか自分の快感を言葉で表現しようとする。これがいわゆる羞
恥プレイというやつだろうか。
 そんなマサヒコを上気してぼうっとしたような顔で見つめていたリンコは、しばし話の
内容を咀嚼したあと、
「ずるいなぁ」
 と言って微笑みを浮かべた。
「ず、ずるいって」
「だって、私は痛かったのに小久保君は気持ちいいんだもの」
「それは……、まあ、そうか」
 わざと拗ねたような表情を浮かべるリンコと戸惑いながらも一応は納得するマサヒコ。
確かに、女性に比べて男性は性交による快感を得やすい。さらに言うと、処女で快感を得
るのは難しいことである。

274傍観者:2009/03/16(月) 22:43:00 ID:5kDKBOOD
「なんか……、その、ゴメンな」
 再び謝るマサヒコ。そんな純朴な相手を見て、リンコの笑顔が一層明るいものになる。
そして照れたように、
「でも、私も気持ちいい、のかもしれない」
 と告げた。
「へ?どういうことだ」
「その……、まだよく分からない」
 笑顔が消え、照れの中に戸惑いと恥じらいが混じる。
「けど、小久保君が私の中に入って、その、あの、すごい押し広げられて、弾力があって、
固くて、わ、私のそこが絞まるたびに、その、小久保君のが押し返してきて」
 たどたどしく言葉を紡ぎ、一度区切って唾をゴクリと飲み込む。
「そ、そんなのが、いいのかもしれないな、って感じたりもする、かな?」
 自分の中の未知の感覚をなんとか言い切った。恥ずかしくなって思わず両手で真っ赤に
なった顔を隠す。未だ痛みが残る今の状態をなんと表現していいのか本当に分からない。
気持ちいいとは言い切れない。だが、今の状況に安住しつつあるのは間違いない。
「……、嫌ではないんだな?」
 マサヒコはリンコへ真顔で問いかける。
「……、うん」
 顔を隠した手を下ろしながら、こちらも真顔で答える。それを聞いてマサヒコはほっと
したように、
「じゃあ、しばらくこのまま待っててくれないか」
 と言った。
「うーんと、しばらくってどれくらい?」
「そうだな、的山がもう少し落ち着くまでだな」
「落ち着いたらどうするの?」
「お前を、気持ち良くさせてみせるさ」
「わぁ」
 “気持ち良くさせる”という言葉を聞いて、リンコは気恥ずかしさで居たたまれなくな
った。マサヒコの言葉が赤面物だというのではない。これまで感じてきた種類の“気持ち
良さ”がどうしても恥ずかしい物に思え、それを期待してしまうことに恥じらいを感じた
のだ。しかし、恥じらいは心身双方の期待を撥ね退けるほど強いものにはなりえない。リ
ンコの唇からは思わず、
「じゃあ、小久保君。お願い」
 という、うっとりとした声が漏れた。
「ああ、頑張るよ」
 爽やかな笑顔を返すマサヒコ。その表情が少しずつ大きくなった。その変化にはっとす
るリンコ。
 マサヒコの顔がリンコの顔の方へ近づいてきている。彼は左手をリンコの脇に置いて上
体をゆっくりと倒してきたのだ。膣内のペニスの位置も微妙にずれたことも、心身を揺さ
ぶったが、この状況でマサヒコが笑顔で顔を寄せてきたことがリンコの胸中に何か大きな
期待を抱かせる。

275傍観者:2009/03/16(月) 22:44:37 ID:5kDKBOOD

 そして、二人の間隔が頭一つ分くらいになったところで、
「う、んん?」
 マサヒコが右手でリンコの頭を撫で、前髪をかきあげた。
「小久保君、何?」
 リンコは何か期待を裏切られたような気分になりながら、マサヒコの突然の行動につい
て尋ねる。
「いや、ただじっとしててもつまらないだろ。かと言って、まさかまたあちこちいじり回
すと大変そうだし」
「まあ、それはそうだけど」
 確かに、今乳首をつままれたり首筋を舐められたりしたら、股間の状態を鑑みるとあま
りにも激しい刺激になるかもしれない。しかし、
「だからって頭をナデナデなんて、私、子供じゃないよ」
 とリンコは不満げに述べる。
「嫌か?」
 マサヒコは相変わらず笑顔だ。直感的にこれが一番無難かつ効果的だと確信しているの
だろう。実際リンコは、
「い、嫌じゃないよ。その、なんか安心するっていうか、ほっとするというか」
 これも性感とは違うが優しく心地よい刺激だ。マサヒコの体温と優しさが髪がかきあげ
られるたびに伝わってきて、リンコの心を安心させ、落ち着かせる。まるで、抱き上げら
れ撫てくる父母の慈しみを感じるかのようだ。
 既に書いたように、性交には快感だけでなく相手を慕う気持ちも重要だ。激しく動けな
い状態では相手を慈しみ、信頼関係を強める。その布石が後により一層強く高度な快感を
呼び寄せるのだ。リンコも本能的に、マサヒコの行動が正しいと理解している。
 理解しているが、どうも胸のもやもやが取れない。そして、その理由が先程マサヒコの
顔が近づいた時の期待感に由来していると気付き、動揺する。
(あの時……、私、何を考えてたんだろう?)
 その内容はまだ自分でもはっきりと分からない。それでも動揺してしまうというのは、
相当のことなのだろう。
(そうだ、小久保君の顔が私の顔に近づくから、これは何かよくあるような展開だなって)
 男女の顔と顔が近づき合う。その状況は漫画やドラマ、小説などでもよくある、そして
例外なく重要な一幕だ。核心に近づくにつれて、落ち着きを取り戻しつつあったリンコの
心臓は再び激しう脈打つ。
(カップルが顔と顔を近づけて、そのまま重なって…………、!!!!)
 とうとう答えに辿り着いたリンコは表情が変わるほど激しく狼狽した。
「的山、どうした?痛いのか?大丈夫か?」
 突然の変化にマサヒコが気遣って声を掛ける。マサヒコは気遣いの人だ。相手の心配や
混乱に優しく寄り添おうとする。しかし、マンガ的な天然女たらしによくあるように、肝
心なところで抜けていたりするので、リンコが先程どんな期待をしたのかまでは分からな
いし、それが後になって今の様な動揺につながったのも当然分からない。

276傍観者:2009/03/16(月) 22:47:10 ID:5kDKBOOD
「ううううう、うううん!大丈夫!なんでもないよ!?」
「そ、そうか」
 明らかになんでもなくないようなリンコの返答。これで安心しろというのは無理な話だ
が、どうやら痛いわけでも不快な刺激があったわけでもなさそうなのでこれ以上の追及は
止めておく。
 再びマサヒコはリンコの頭を撫で始め、リンコも表向き落ち着いてきたようだ。しかし、
内心はまだ混乱していた。
(私……、小久保君とキスしたかったの?)
 マサヒコとキス。リンコがあの時期待したのはそれだったのだ。その行為が意味すると
ころは子供でも分かる。“恋人”だ。
 だからキスとは心から愛し合う者同士でのみ許される行為。未だ童心を失わないリンコ
にとっては、馴染みの薄い“セックス”という言葉より遥かに重い存在だ。それを友人、
ましてやほかに恋人のいる男性に期待してしまうとは言語道断だ。
 あくまで自分は、マサヒコとは“セックスがしたい”というだけだったはずだ。ミサキ
の恋人を奪い取ろうとかそんなつもりはない。あの愛撫を経たあとだって、交わるべき相
手はマサヒコしかいないとは思ったが、寝取ろうなどとは考えなかった。なのに、何故。
 そんなことを考えながらリンコはマサヒコの顔を見つめていた。先程の狼狽を見て以来、
マサヒコの顔からは笑みが消え、真面目に、心配するような面持ちになっている。いらぬ
心配をさせてしまったことに負い目を感じながらも、どうしても意識はマサヒコの唇の方
に行ってしまう。
 そういえばマサヒコは前戯の際、あれほど激しく口を使ってリンコを攻め立てたのに、
彼女の唇どころか頬にさえ自分の唇を触れさせなかった。マサヒコの側も逆の意味でキス
を意識していたということか。それは“恋人以外とはキスをしない”、という 意識の表れ
でもあったろうし、“リンコのファーストキスを自分が奪ってはならない”という気遣いで
もあったのだろう。どちらにしろマサヒコは、リンコを明確に恋人“でない”、と区別して
接していたことになる。
 それは事実であり当然である。そのことを理解していても、リンコは悲しく感じた。
 そして、悲しく思い悩むうちに体にも異変が生じてくる。マサヒコのことを意識するほ
どに、股間もまたマサヒコの分身の存在を意識するようになる。内心涙が滲みそうな気持
ちが下半身には歪んで伝わるのか、それとも悲しみであれなんであれ相手を意識すること
全ては性欲と直結しているのか、リンコの秘所にはじゅくじゅくと愛液が滲みだし、マサ
ヒコの肉棒をしっとりと濡らしていく。
 体はどんどんマサヒコを受け入れる態勢を整えていき、それと同時に心でもマサヒコの
分身が体内にいることを受け入れていく。悩みや悲しみが呼び水となって、心身ともに性
交に対して馴染んでいくのがよく分かった。
 そして、気持ちの変化は肉欲の変化に繋がり、肉欲の変化は気持ちの変化に繋がる、と
いうことに思い至ったとき、リンコは自分を悩まされる原因が分かった。

(“体”が好きになっちゃった人は……、“心”でも好きになっちゃうの?)
277傍観者:2009/03/16(月) 22:48:16 ID:5kDKBOOD

 “純愛”と“性愛”は古来より、それこそギリシアの神話や哲学でも2つに分けられて
きたが、ともに同じく“愛”であることには変わりはないのはまごうことなき事実である。
 また、心や感情を司る脳は結局のところ一個の内臓、つまり体の一部に過ぎない。脳、
心が体を支配しているのではなく、脳は他の体の部位と影響・干渉しあう優劣の無い存在
だ。そして、心や感情というのは、進化の過程において体全体の便利のために作られたも
のに過ぎない。
 これらのことを考え合わすと、“性愛”が“恋愛”を導いたとしても何らおかしくはない、
肉欲から始まる恋もあるというわけだ。。

 簡単に言えば、的山リンコは友人である小久保マサヒコと性交したことが原因で、彼に
対して恋愛感情を抱いてしまったのだった。

 自分の思いに気付かされたところでどうなるものではない。既に2人の関係は“友人”
に過ぎず、マサヒコとミサキは“恋人同士”と定まっているのだ。
 リンコは初恋と失恋の苦悩を同時に味わうとともに、内心の葛藤が深まれば深まるほど
マサヒコのペニスの自分に対する影響力が強まっていくのを感じていた。ただただ大きさ
に圧倒されていたのが、今では全身に根を張り、溶け込んできたように感じる。悲しくと
も嬉しくとも、より一層存在感を強めていく“それ”。
 それは快楽という水脈となり全身の神経と感覚を絡み取ろうとしている。遠からずリン
コの体はこの1本の肉棒によって支配されてしまうだろう。
 そしてリンコは、いっそ快楽で塗り潰されればこの悩みも一時は忘れられるのではない
か、と肉の悦びに対して傾倒していった。


278傍観者:2009/03/16(月) 22:49:26 ID:5kDKBOOD
 一方のマサヒコは撫で始めてからのリンコの変化に当惑していた。撫でるという行為が、
親密感を持たせることでリンコの体が自分の性器を受け入れる助けになるとともに、相手
の心を落ち着けることができると思っていた。そして、徐々にリンコも感じ出し抽挿を望
むようになるはずだった。
 しかし、実際に起きたのは意外な変化だった。まず、撫で始めのころに不満らしき色を
見せた後、受け入れて大人しくなった。それでひとまず成功かと思うと急に狼狽し出す。
その後は悲しげな表情を浮かべ、膣はじっとりと濡れ出した。表情は蠱惑的に艶めいてい
るものの、マサヒコには何故リンコが悲しいのか、そして何故悲しめば悲しむほどに体が
感じているのかが分からない。
 グロテスクな自分の性器が、リンコの可愛らしい熟した桃の実のような性器の中でじっ
とりと濡らされている。清楚ささえ思わせる外観に反して、リンコの内側はねだるように
ひきつき、食事を待ちわびて涎を垂らし、マサヒコを舐め回すかのようだ。
 肌で直に感じ取る愛液。コンドームを付けていては味わえない極上の快楽だ。ほどよく
粘つく生温いソースは、膣肉の味を引き立てる。単に押せば退き、押し返すというだけだ
った初期の弾力に依存したような反応から、今ではまだ積極的にはなりきれないものの、
男を求め、本能だけでペニスに対する拙い愛撫を始めている。
 たとえ粗末なもてなしであろうと、一度だけのものはそれだけで価値がある。リンコの
肉体のこの反応は他のどんな男も決して味わえないというのは、マサヒコにとってさえほ
かの男に対する優越を感じさせるものである。
 そして、技巧は拙くとも、素材は間違いなく極上。膣内の凹凸、肉質、使われる筋肉の
部位、それぞれがマサヒコの性器に対して効果的に設定されている。
 リンコは内に何らかの葛藤を秘めたような表情のまま、体の方では激しい交わりに対す
る準備を整え終えたように思える。
「的山、そろそろいいか?」
 リードする側でありながら、動き始めていいのか判断がつかない。マサヒコは恥ずかし
ながら、リンコの判断に任せるしかないと思った。
「どうするの?」
 リンコは潤んだ目でマサヒコを見据え問い返す。
「俺のを、動かす」
「動かす……」
 リンコがゴクリと唾を飲み込む。指でやっていた行為をペニスで行おうというのだ。今
や、肉棒はリンコの全身に根付いた状態だ。それが引き抜かれたり、差し込まれたりすれ
ばどうなるか。大木を引っこ抜けば、地面もグシャグシャに崩れるだろう。それと同じこ
とが、快楽という形で自分の体に起こるのだ。今現在の“自分”という存在が崩壊してい
まうのではないか。恐怖で身がすくむ。

279傍観者:2009/03/16(月) 22:50:11 ID:5kDKBOOD
(でも、いい)
 一旦は恐怖に潰されそうになったが、リンコはそれを受け入れることを選んだ。自分は
“子供”から“大人”になりたかったのではないか。だとしたら、これはそのために必要
な過程の一つ。決定的な変化には過去との決別も含まれる。中途半端に止めるわけにはい
けない。
 どんな破滅的であろうと、一時は幸福感を味わえる。後のことはまだ考えない、一瞬で
いい、悩みも何もない幸福で今の状態を抜け出したい。
「わかった。お願い、小久保君」
 リンコは結論をマサヒコに告げた。その回答に、リンコの中にいたマサヒコの一片がい
ち早く反応を示した。膣の中で力強く上に反り返ろうとするそれ。相手の許しが出た以上、
本体が動く前から自分だけでもリンコを犯そうと示威行動を始めている。自分の膣壁を抉
り捏ね回すそれに、リンコはマサヒコが抑えている獣性を恐ろしさを感じ取った。そして
そのケダモノに貪るように食いつかれたいと望んでいる自分自身も。
 マサヒコはリンコの答えを聞いて、早速準備を開始した。理性で抑え込んでいても待ち
望んでいた時だ。この先に待つ快感を期待して身震いが起こりそうになるのを堪えつつ、
両手でリンコの腰を抑える。
「じゃあ、始めはゆっくりと動かすぞ」
 リンコの奥深くに根付いたようなペニスが、そろそろと後退する。女の肉と男の肉の摩
擦。潤滑液で緩和されたそれは双方へ至高の快感を提供する。
「ひぃ、あっ、アアアアッ、アッ!!」
 動き始めてすぐ、リンコが悲鳴を上げる。全身の細胞がのたうち回るような感覚。現実
は想像以上だった。体はすぐにリンコの理性の支配から解き放たれ、男根の奴隷となって
快楽に酔う。ゆっくりと引き抜かれるマサヒコこそが今のリンコにとっての全てとなった。
280傍観者:2009/03/16(月) 22:52:48 ID:5kDKBOOD
今回は以上です。

なんというか、自分の好みがねっとりとしつこく描写するタイプのエロなもの
で、いざ書いてみるとそういうタイプの作品になってしまうのですが、ただた
だ無駄に冗長に引き延ばしただけの文章になってしまったような。

ところで「抽挿」って辞典に載ってないってことはエロ本業界の造語ですかね。
281名無しさん@ピンキー:2009/03/17(火) 10:23:15 ID:xNk6X1XN


遅筆に負けずぜひ合作してほしいなあ
282名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 20:44:40 ID:AMeqvZuv
乙です

誰もいないぜ!
283名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 23:49:12 ID:C6DeVthl
乙です。

ここにいるぜ!
284名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 00:28:29 ID:IDGCZuwE
GJ!
ここにもいるぜ!
285名無しさん@ピンキー:2009/03/19(木) 19:15:53 ID:ao9aRE/p
スレが進み、職人の顔ぶれも変わり、作者の画風も変わる
しかし変わらぬものもある、それはスレののほほんとした空気だ
286郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/20(金) 18:34:42 ID:Hf1n6Yn4
はい、どうも郭です。祝日本勝利、祝一位通過!ってことでお祝いのSS。
NGワードは「エロ無し」、「イントロで終わってる?」。では、投下。
287郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/20(金) 18:35:24 ID:Hf1n6Yn4
「ねえ、母さん。そろそろ俺、風呂はひとりで入りたいんだけど」
「あらら〜〜〜、タカもとうとう色気づいた?」
「そういうんじゃなくて。友達でも中学生にもなって妹と風呂に入ってる奴なんていないし」
「でもふたり一緒に入ってもらった方がお湯も一回で済むから母さん助かるんだけどな〜〜」
「………そういう問題かよ」
「いいじゃな〜〜い。エコよ、エコ。それにコトミは全然嫌がってないんでしょ?」
「コトミはそうかもしれないけど、俺は」
「兄妹の仲が良いのはいいことよ?さ、夕ご飯の準備があるからあっちいって」
(…………全然心配してないのか、この人は)

「父さん、ちょっといいかな?」
「ん?なんだ、タカトシ」
「コトミの奴がさ、俺と一緒に風呂と入りたがるんだけど、それってやっぱり変だよね?俺はもうひとりで」
「あははは、なんだ、そんなことか。いいじゃないか。兄妹仲が良くて」
「いや、仲が良いとかじゃなくて。もうふたりだと風呂も狭いし」
「…………悪いな、タカトシ。父さんの稼ぎがもう少しあれば、もっと立派な浴室を作ってやれたのに」
「い、いやそういう話でもなくて!」
「う、うう………本当は、父さんだって、毎日母さんと一緒にオフロに入りたいのに………それなのに。
残業続きで帰ると先に寝てるし、その割に給料は上がらないし。………ううう、不況のバカ――!!」
(ダメだ………別の意味で、この人はダメだ)

「お父さんとお母さん、今頃温泉かな?」
「しかし町内会の福引きで当たったからって、ふたりだけで行くかな、フツー」
「いいじゃん。平日限定コースだったんだし、私たちは学校があるし」
「お前って変なとこで聞き分けがあるよな」
「だってお母さん、最近全然旅行とか行ってないって前に愚痴ってたし。
久しぶりに夫婦水入らずってのも良いんじゃない?」
「ん………ま、そうか」
「えへへ、じゃ、私たちもオフロ入ろっか♪タカ兄」
「………コトミ、ちょっとそこに座ってくれ」
「??どうしたの」
「父さんと母さんがいないから、はっきりさせときたいんだけどな。俺はもう中学生だし、
コトミももう小六だよな?そろそろ俺ら、風呂はひとりで入った方が良いと思うんだ」
「え〜〜〜、やだ〜〜〜」
「だいたいお前の同級生の子でもいまだに兄妹と風呂に入ってる子なんていないだろ?」
「そんなことないよ?カナミちゃんは嫌がるお兄ちゃんと無理矢理一緒に入ってるって言ってたし」
「無理矢理だろうが!それにカナミちゃんって例の超ブラコンの子だろ?」
「そうだよ?えへへ、ブラコン同士気が合うんだよね」
「………!?ブラコン同士って、お前」
「良いからオフロはいろ〜〜よ、タカ兄!」
「だ、だからぁ、俺はもう!」
「…………タカ兄、私のこと、嫌いになった?」
「嫌いとか好きとかいう話じゃないだろう!だって………その、お前もう、えっと………あったんだろ?」
「うん、そうだよ」
「なら、やっぱりもう一緒に入るのは」
「分った。でも今日はまだ怖いよ。お父さんもお母さんもいないし。ひとりは寂しいし、怖いよ。
今日で最後にするから、ね?一緒に入ろ?タカ兄」
「………分ってくれれば良いんだけどさ。本当に今日で最後だぞ?」
「うん!わ〜〜い、オフロ、オフロ♪」
「はぁぁぁぁ〜〜〜、本当に分ってんだかな、コイツ?」
「生理がきたってことは………いつでもタカ兄の赤ちゃんを生めるってことなんだよ、私」
「ん?今お前なんか言ったか?」
「ううん、なんでもないから!行こうよ、タカ兄」
「分ったから、あんま手を引っ張んなよ。まったく………」
呆れたような表情のタカトシは、まだ妹の瞳の底に宿る、妖しい光に気づいていなかった。

END
288郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/20(金) 18:38:50 ID:Hf1n6Yn4
今回は以上。タイトルは「兄は思春期、妹も思春期?」でお願いします>>Wiki管理人様
あと遅ればせながら傍観者氏にGJを。共作提案は思い付きですのでお気になされずに。
私事で恐縮なんですが残業やら送別会やらが続いてまして。今日ようやく今週号を読みましたところ、、、、
すいません、今週の生徒会、神すぎませんか?コトミとスズが可愛すぎです。
そんなわけで久しぶりに勢いのみで書きました。
中学生タカトシ&小学生コトミではさすがに本番はできませんが(苦笑)、このあとの展開もありですかねえ。
では股。
289名無しさん@ピンキー:2009/03/20(金) 21:59:23 ID:pj0CgwNe
恐い妹ですな。
しかし、タカトシは原作でもて過ぎで困る。


そういえば、シンジには美形設定があったと思いますが(初期に遺伝とか書
かれてたような)、他の男性キャラはどうなんでしょうね。
290Y-275:2009/03/21(土) 16:04:37 ID:HC4+BLAL
郭氏、傍観者氏、乙です。
皆さんこんにちは。
投下します。
郭氏と同じく、今週の生徒会役員共からのSSです。
タカトシ視点、全編ほぼエロのみです。
中出し描写あり、非処女モノです。
それでは投下。
291Y-275:2009/03/21(土) 16:06:34 ID:HC4+BLAL

「さて、じゃあ、タカ兄、部屋へ戻ろうか。」
会長達を見送った矢先、玄関でコトミがそう宣う。
「なんか、シノ会長達が来てくれて、割と気が抜けてたの戻ったから…」
コトミはそう続けた。
頬を少し染め、どこか期待したような視線を向けながら。
「せっかく、制服にも着替えたし、ね?」
桜才学園の真新しい制服に身を包んだ妹は、暗に意思を伝えてくる。

………………………………

「お前、何やってんの?」
「いや、寒いから…」
時は2月の中旬。
何故かは知らないけど、この頃にはコトミが俺の部屋で勉強してるのは当たり前の状況だった。
この日もご多分に漏れず、学校から帰ってくると俺の部屋にコトミはいた。
「勉強する気無いだろ?」
しかしながら、いる場所は俺のベッドの中。
「あ、バレた?」
俺の言葉に応え、あっけらかんとした表情でコトミが告げる。
「いや〜、頑張って勉強してたんだけどね〜。布団の魔力には勝てないよ。」
堕落しきった表情で、そんな事を宣う。
「お前、受かる気あるのか?」
妹のそんな姿に、俺は悲しくなる。
ここまでずっと、コトミが頑張って来ているのは知っている。
だからこそ、萩村に家庭教師をお願いしたり、俺の部屋での勉強も許した。
今日はただ単に、ダレてしまっただけではあると思う。
それは、俺にも経験があること。
それでも、今まで頑張って来た事を不意にさせるのは惜しい。なんて、自分を棚上げして思ってしまう。
元々妹に対して、過保護な所があるのは認めざるを得ない。
「ほらほら、布団から出ろよ。」
ここは心を鬼にして、コトミに勉強に戻るように促す。
「うーん…キスしてくれたら、勉強頑張る。」
「は?何言ってんの?」
俺の言葉に返ってきたコトミの言葉は思いもよらないもの。
俺は思わず間の抜けた言葉を返してしまう。
「良いじゃん!!」
もはや、テコでも動かないと言わんばかりに、コトミが続ける。
「ほら、馬鹿なこと言ってるんじゃない。」
そんなコトミを無理矢理ベッドから引きはがそうと、俺はベッドへと近寄っていく。
「まったく。」
そんなことを呟きながら掛け布団に手をかけ、引きはがす。
「ええ〜。寒い寒い!!」
掛け布団を失い、文句をたれるコトミ。
「ほら、勉強するぞ。」
俺は声をかける。
「ん!!」
手をこちらに伸ばして、抱え上げてと言わんばかりの態度をとるコトミ。
ここまでしても、未だに頑なな抵抗を示す。
「やれやれ。」
そう呟くと、俺はそれに応え、身体を前に傾けていく。
コトミを抱き抱えるため、コトミの背中に腕を回す。
俺は基本、コトミに甘いところがある。
これは、俺は認めざるを得ない事実として受け止めてるつもりだ。
だから何も考えずに、不用意にコトミに対してしまった。
「…ん、ちゅ……」
コトミの唇が重なった時、俺は自らの無用心を後悔したが、後の祭。
不意打ちとはいえ、重ねられた唇に、俺がコトミを女として意識するには十分だった。

………………………………
292Y-275:2009/03/21(土) 16:09:00 ID:HC4+BLAL

「んん、ちゅ…ん」
部屋へ戻ると、ベッドの上でコトミと唇を重ねる。
今までも何度かキスはしたが、何度してもコトミの唇は柔らかい。
病み付きになってしまう魅力をひめている。
「ちゅぷ……ん、ふ、ちゅ、ちゅっ…」
夢中で唇を貪る。
それはコトミも同じ。
恋人同士のそれのように互いを求めていく。
「ん、ふぁ、ちゅ、んん……っ」
キスをしながら、俺はコトミの胸に手を伸ばしていく。
「ちゅっ、ん、ふぁっ…んん、あっ……っ」
まだ昨日今日高校生になったばかりにしては、大きいコトミの胸を制服越しに揉んでいく。
「んん……ふぁ、っ……胸、……気持ちいい…ん、」
直接的には言わない。
暗に「もっと」とコトミは求めてくる。
コトミの胸は感度が良い。
現に…
「あっ、んん、っ、ふ……あっ、……っ」
まだ、柔らかく愛撫している段階だというのに、口からは艶のかかった吐息を漏らし続けている。
そんなコトミの吐息を聞きながら、俺は胸を揉む手へと力をこめていく。
「あっ、ふぁっ、ん、っ、んん…」
うっとりとした表情を横に背けながら、断続的な吐息はより喘ぎ声に近いものへと変化していく。
そんなコトミの声は、俺の方にも、強い衝動をもたらす。
「あ、んん……っ、ふぁ……タカ兄のも大きく……んん!!」
性衝動に煽られ、俺のペニスにも血液が集まる。
「……っ!!コトミ。」
コトミはそれを認めると、ズボン越しに、俺のペニスへと触れてくる。
瞬間的に腰が抜けそうになる。
互いの身体に愛撫を施しあう実の兄妹。
なんておかしな風景だろう。と言い出す人間はいると思う。
現に、こうしている張本人達(少なくとも俺)は、その背徳感の前に、何倍もの快感を感じている。
背筋を抜ける快感は、ゾクゾクと何度も俺の背筋を駆け抜ける。
「ふあっ、んん、っあ、ん…タカ兄、ん……ふ、ストップ……あぅ、私、胸だけでイっちゃう……っ!!」
激しく息を乱しながら、コトミが声をあげる。
その声に応え、俺は一度手の動きを止める。
トロンとした瞳に、潤いを湛えながらコトミは言う。
「もうー。今日のタカ兄、積極的過ぎだよ。」
決して俺の事を責めているようではない視線。
「やっぱり、制服着てるからかな?」
そう言って、マジマジと自らの制服を眺める。
やがて、制服の前ボタンに手をかけると、制服をはだけさせていく。
「制服は、半脱ぎが相場だからねー。」
決して全ては脱がない。
少し前に、七条先輩に似たような事を言われた記憶があるが、うちの妹も同意見のようだ。
「ねぇ、タカ兄も脱いでよ…私だけじゃ恥ずかしいよ…」
完全にコトミに見惚れていた。
そんな俺にコトミから声がかかる。
「あぁ…」
兄として、そのことを素直に口にするわけにはいかない俺は、短く返事を返すと服を脱いでいく。
「いつ見ても、タカ兄の大きい…」
先程とは逆に、今度は俺をうっとりとコトミが眺めながら呟く。
コトミの言葉通り、俺のペニスは既に完全に勃起し、痛いくらいになっている。
「ふふ。胸でしてあげるね。」
コトミが言う。
そういって俺の元まで近寄ってくると、コトミは一思いに俺のペニスを口に含む。
唾液を塗りたくるように口内でなめ回してくる。
時折、コトミの口から姿を見せる俺のペニスはコトミの唾液でテラテラと光り、
普段自らの身体についているソレであるとは思えないほどの変貌を遂げる。
293Y-275:2009/03/21(土) 16:11:03 ID:HC4+BLAL
「ふっ……ぷちゅ、ん、ふ、これぐらいいけば良いかな?……えいっ!」
コトミも同じように俺のペニスを確認すると、今度は胸で挟み込んでくる。
温かく柔らかいコトミの乳房に包まれ、今まで受けていた口撫とはまた違った快感が駆け抜ける。
「うわ、タカ兄気持ちよさそう…」
その快感に表情を崩す俺をコトミは指摘してくる。
それから、潤滑油としてのよだれを"つー"と垂らすと、俺のペニスを2つの乳房で扱きあげていく。
「タカ兄が気持ち良くなってくれて嬉しい。あ、でも、イク時は言ってね。このままだと、制服汚れちゃうから。」
口で受け止めてあげるね。と言葉を続ける。
それからは、一心不乱にコトミは奉仕をしてくれる。
「ん……ふぁ、ん……っ!!」
最初はなんとも無かったのだろうが、ヌルヌルと自分の胸の谷間を何度も行き来するペニスに、再び熱い吐息を漏らしはじめる。
「ん、あっ、ふ、ん…っ!」
コトミの上下させる胸のリズムと吐き出す呼吸の乱れは正比例する。
激しく動かせば、動かすほど、コトミの吐息も荒々しいものになる。
そんなことを考えているうちに、俺のペニスに日頃より良く見知った感覚が訪れる。
「ふわ…っ、すごい、タカ兄の……あ、ん、亀頭が膨らんでる……ん、ちゅ、ちゅぷ。」
人一倍思春期な妹は、わざわざ状況を解説してから、宣言通り俺のペニスを口に含む。
コトミは口の中で鈴口を舐めあげ、ペニスを扱くペースを上げながら、射精を促してくる。
既に限界の近かった俺は堪えられるはずもなく、
「くっ、コトミ、イク……っ!!」
短く呟くとコトミの口の中に、自らの精を放出する。
「うっ……く、ケホケホ…」
射精した精液にコトミがむせてしまう。
「悪い。大丈夫か?」
そんなコトミに俺は言葉をかける。
苦しそうな表情のコトミは暫くそのままでいたのだが、
「うへ〜、変な味。やっぱり、何回しても慣れないね。」
暫くすると、口に残っていた精液をコクコクと飲み干し、そんな言葉を口にする。
「何やってるんだよ。いつも吐き出せって言ってるだろ。」
「ううん。大丈夫。それに飲んでくれた方が男の人は嬉しいんでしょ?」
いつも、繰り返されるやりとり。
いつも飲まなくて良いと言う俺と、平気だと繰り返す妹。
このあと俺が口にする言葉も必然的に同じものになる。
「そんなの人によるに決まってるだろ。」
「でも、タカ兄は好きな人でしょ?だって…」
そう言って、コトミが俺の下半身に視線を向ける。
そこにあるのは、完全にとはいかないまでも、既に回復しつつある俺のペニス。
実妹に自らの精液を飲ませるという背徳感。
知らず知らずに俺は興奮を覚えてしまう。
「あは。その様子だと、少し刺激すれば大丈夫そうだね。」
コトミが言う。
「…私も、その、溢れちゃって大変だから。」
一つ前の発言とは対照的に恥ずかしげな表情でコトミが続ける。
コトミはいつもこうだ。
人一倍エロボケをかます癖に、いざという時に恥じらいを見せる。
エロボケと恥じらいのコントラスト。
なんて言い方をするのは大袈裟かも知れない。
でも、その変化に確実に俺の心は捕われてしまう。
いわゆるギャップ萌えというやつだろうか?
分かっていながらドツボにはまる自分が情けない。
「ん、わかった。」
コトミに誘われるがまま、二つ返事をする。
俺の返事を聞き、コトミはベッドに寝転がる。
4月から毎日袖を通す桜才学園の制服に身を包みながら。
胸元をはだけさせ、同い年、下手したら年上よりも成熟した自らの乳房を実の兄に晒し、
期待に溢れた瞳の色と、それでも恥ずかしさに紅潮する頬を隠さないままで。
その全てが煽情的で、俺のペニスに再び血液が通っていくのがわかる。
「それじゃ、コトミ。」
「うん。来て、タカ兄。」
コトミの股間に座し、一つ間を置く。
294Y-275:2009/03/21(土) 16:13:28 ID:HC4+BLAL
それからコトミのスカートをめくり、ずらしたショーツの下に、
妹の淫毛を湿らすほどの愛液を確認すると、俺は自らのペニスを妹の膣口に宛がっていく。
まだそこは開ききってはいない。
挿入してしばし、コトミは痛みに似た違和感を感じるのだろう。
それでも興奮が渦巻いている俺は我慢できなくて、むしろまだここまで考えられる自らの思考に驚く。
「良いの、タカ兄。来て。」
妹からの再度の後押し。
「あぁ。」
曖昧に返事をすると、俺は一気にコトミの膣内へ自らのペニスを刺し貫く。
「ん、っあ、ふあああっぁぁ!!」
瞬間的に部屋に響く嬌声。
コトミは両手でシーツを掴み、背をのけ反らせる。
「ふぁっ……っ!ん、ふ、あっ!」
コトミの様子を見ながら、ゆっくりと腰を揺すっていく。
敏感に妹の膣内をペニスで感じながら。
温かく俺のペニスを包むコトミの膣内。
先程、胸でしてもらったのとは違う感触。
唾液とは明らかに違う、愛液が自らのペニスに絡み付くのを自覚する。
「あっ、ふあっ、っ、あ、くぅ、タカ兄の、大きい……っ!!」
コトミが声をあげる。
「んんっ、っ、くぁっ、あぅ……タカ兄の、っ、ふぁっ、感じてるよ、ふぁ、奥まで来てるの……っ、あ!!」
コトミが盛大に叫ぶような声で言う。
俺もコトミの奥まで届いているのを知覚しながら、何度も何度もそこを目指し、注挿を繰り返していく。
「うわっ、あっ、あっ、ふあっ、あっ、……っ、タカ兄激しいよ……んんっ!!」
俺の腰の動きに敏感に反応を示すコトミ。
声のトーンに、胸の動きも連動する。
目の前で揺れる胸はひどく印象的で、その胸に触れたいという衝動にかられる。
「んんっ、ふぁぁぁっ!!胸まで、んん、……っ、あっ!ダメ、……すごっ……っ!!」
前途のとおり、コトミの胸は敏感だ。
胸を揉んでやるだけで、膣内の具合も変わってくる。
「あっ、あっ、あっ、ん、んん、あっ、あぁっ!!」
とろけるように熱くなり、ペニスを奥まで引きずり込むかのように、絡み付いてくる。
正直、一度出していなければあっという間に達しているであろうほどの快感が、ペニスを伝い腰を抜ける。
「あっ、っあ、あ……ぅ、ん、ふあっ!ダメ、イっちゃう、んん、あっ、ふあああっぁぁ!!……っ、あ、ぅ……」
やがて、妹からあがる限界を訴える声。
揺する腰のペースは落とさずに、荒々しく胸を愛撫する。
その矢先にコトミの膣内がきつく締め付けて来て、愛液が溢れ出すのが分かる。
どうやら達したようだ。
「……っ、ふ、あぅ!ちゅっ、ちゅぷ……あ、ふぁっ……っ!!」
その直後で、放心するように脱力したコトミを見て、一度腰を止めると身体を倒し、キスを交わす。
「……っ。へへ、唇まで性感帯になっちゃったみたい……ふぁっ、ちゅっ……っ!!」
一度息継ぎの為に顔を離すと、コトミがそんなことを言ってくる。
その様子に安堵すると共に、未だ解消されない性衝動を解き放つために、腰の動きを再開していく。
「ふわっ、あっ、あっ!まだ、すごい敏感だよ……っ、あ!!」
ゆっくりと腰を揺すっていても、敏感にコトミは反応する。
先程から握りしめているシーツをより強く掴み、快感に耐えるように。
「あっ、ん、あっ、ふあっ、あ……ぅん……っ!」
そんなコトミを見ながら、俺は腰の動きを再び活発なものにしていく。
身体を前に倒し、再び強い注挿を繰り返していく。
「ふあっ、っ……あっ、く、……っ!!タカ兄、気持ちいい?……っ!!」
前傾姿勢になり、目の前になったコトミの瞳が俺を覗き込んでくる。
「ああ。気持ちいいよ、コトミ……っ!!」
そう聞いてくるコトミに一言返してやる。
「あっ、あっ、嬉しいよ、タカ……兄、ん、ふあっ!もっと、っ……気持ち良くなって……あっ、ふあっ!」
コトミの言葉に応えて俺もペースをあげていく。
腰に渦巻く射精感は、どんどんと強いものになっていく。
ジュプジュプと部屋を淫靡な音が支配する。
「あっ、っあ、あぅ!!……っ!タカ兄、私、また……っ!」
コトミが声をあげる。
「……っ、くぁ!!」
295Y-275:2009/03/21(土) 16:15:19 ID:HC4+BLAL
直後、低いうめき声をあげると、俺は妹の中に射精していく。
「ふあああっぁぁ、あっ、熱い……よ、タカ、兄!……っ!」
腰を震わせて、そのままの態勢で息が落ち着くのを待つ。
「……っ!あっ、ん…ふ…ちゅっ…」
暫く呆けるように天井を眺めていたコトミに、唇を落とす。
「ん、ふ、ありがと……タカ兄……っ!大好きだよ。」
そう言って、俺の背中にコトミが手を回してくる。
「タカ兄が桜才の制服好きなの知ってたから、私、頑張れたの。」
強く俺の頭を抱き寄せて、自らの表情を見せ無いようにしながら妹が言う。
「だから、……その、また、して、ね?タカ兄。」
恥じらいながら、コトミはそう言った。
こうして身体を重ねる兄妹と言うのは、本来であればおかしな事なのだろうと思う。
それでも、そう言ってくれたコトミの言葉は温かく、俺の心を満たしていった。

………………………………

"カキーン"
「初の決勝進出、英稜高校、これで2桁得点目!!大量10点!4番小久保君のタイムリーです。」
ぼんやりとテレビを眺める。
そんなこんなで、春休みなんてあっという間に過ぎ去ってしまって、残り数日を数えるのみになってしまった。
「ふわあ〜ぁ。」
ベッドの上からはあくびが聞こえる。
相変わらず、ぐてーと俺の部屋で過ごすコトミのものだ。
あれから、何度か俺とコトミは身体を重ねた。
「ねぇ、タカ兄…」
コトミから声をかけられる。
「ん?どうした?」
「野球つまんないよ。」
本気でつまらなさそうに、コトミが声をあげる。
「会長達からもらった問題集でもやったらどうだ?」
そんなコトミに俺は適当に返す。
「むぅー…分かってる癖に。」
「ん、なにがだ?」
本当は分かっている。
でもあえては言わない。
「あーあ、来週から学校始まるし、もう一度制服でも着てみようかな…」
コトミは自らの心情を吐露してくれたけれど、俺はまだ自分の気持ちが解らない。
「あぁ、やることないならそうしたらどうだ?」
こうやって甘えるようにしてくる妹の姿を可愛いな等と思いつつ、わざと悪態をつく。
確実にコトミに惹かれ始めている自分がいることには気づいている。
「んー。わかった。着替えてくる。戻ってきたら、絶対相手してもらうんだから!!」
そう宣って、コトミが部屋を後にする。
「やれやれ…」
口ではそんな事を言いつつも、内心は期待してしまう。
今、自分自身がこうして妹を好きになっていっていることは認めざるを得ないようだ。
TVから響いてくる金属バット特有の快音と、一方的なワンサイドゲームとなった、
今年のセンバツの決勝を見ながら、俺はコトミが着替えて戻ってくるのを待つことにした。
296Y-275:2009/03/21(土) 16:28:44 ID:HC4+BLAL
以上です。タイトルは
「#32引用コトミ×タカトシ」で。
相変わらずタイトル考えるのが苦手です。いっそのことノータイトルで統一するか、皆さんに考えてもらおうかなぁ…
郭氏がおっしゃっていた通り、自分も今週の掲載分はかなり良かったと思いました。
自分の場合、実妹×黒化が最近お気に入りなので、ヤンデレ化しないようにするのが大変でした。
勢いでガツガツ書いたので、誤字脱字、表現違いの違和感はスルーしてください。

で、リレー小説の話しですが、少し考えさせてください。
結構モチベーションのムラが激しかったり、好きなキャラ、苦手なキャラの落差が激しかったりしますし、
純粋に忙しかったりで書く余裕が無い時、ある時の差が激しいので。
かなりわがままですが申し訳ありません。

ダラダラと後書きすいません。
失礼致します。
297名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 17:30:52 ID:Vkuu1odY
御三人乙&GJ

リレーは急がなくても問題なしじゃね?
まったりと各々のペースで進めれば十分すぎるほどだよ
298名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 21:12:23 ID:ceQnVEAz
>>295
ちょ、すごい人が4番やってるんですが(笑)
299名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 20:23:27 ID:i1s7TdVD
GJ!
300名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 18:40:18 ID:wK1c6FhY
なんだかんだで投下が途切れないなあ
いい感じだぁ
301名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 08:26:42 ID:PKj9SQBc
WBC二連覇記念カキコ
前回の以前からこのスレは続いてんだよなぁ
302名無しさん@ピンキー:2009/03/25(水) 11:58:55 ID:uajqrvzf
2連覇記念でどなたか投下あるかな?
個人的には518氏とピンキリ氏に期待
303名無しさん@ピンキー:2009/03/26(木) 21:43:38 ID:sEfhYnBk
二月初めに中古屋で「妹は思春期」を見つけて、ビビっと来たから全巻新刊を買い、家庭教師濱中アイと生徒会役員共も買った。
アイドルのあかほんが見つからない。
大きな出費になってしまったけど、後悔はしていない。
マイナーかと思ってたけど、こんなスレがあってうれしい。しかも結構投下されてるみたいだしなおうれしい。

何が言いたいかって言うと、つまり氏家ト全最高
304名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 15:58:11 ID:bfLvfz7U
ミサキ分が足りない
305名無しさん@ピンキー:2009/03/27(金) 16:47:12 ID:v8rw1wJo
>>303
とりあえず保管庫で郭氏や518氏、トマソン氏などの大御所の作品をたっぷり体感してくれ
つうか暇があったら全部体感ゴーゴー
306名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 04:15:24 ID:4x4ezLFR
>>303に何かオススメ紹介しようぜ
住人の好きな作品・好みもわかるし
307郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/28(土) 10:12:11 ID:CfCG4KfB
はい、どうも郭です。
流れを仏陀ですいませんが、休日出勤の前に(苦笑)。WBC二連覇記念投下?
>>287 の続きです。では、投下。
308郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/28(土) 10:13:03 ID:CfCG4KfB
「えへへ、じゃ、服脱がせて♪」
「お前なあ、それくらい自分でやれよ。ガキじゃないんだし」
脱衣所に移動すると、コトミがじゃれるように手を伸ばしてきた。ちょっとぶっきらぼうに返すタカトシだが。
「や〜〜〜だ〜〜〜。脱がせてくれないと、おふろはいらない!」
「別にいいよ。俺ひとりで入るから」
「ぶ〜〜〜、タカ兄ノリ悪〜〜い」
「って、くっついてくるなよ、狭いんだから!」
「いいから、ほらほら♪」
「!おい、なんで俺を脱がそうとすんだよ!」
「だってオフロはいるときは服脱ぐでしょ、ふつー」
「服ぐらい自分で脱ぐから、ちょ、やめろよ!」
「じゃ、止めるかわりに私を脱がせてくれる?」
「………しょうがねえなあ。俺が先に脱ぐからちょっと待ってろ」
「うん!」
後ろを向くと、タカトシはシャツとジーンズを脱ぎ捨て、少々躊躇した後にパンツも脱いだ。
(ま、いっか………今日で最後だもんな)
「♪じゃ、お願い♪タカ兄」
「あ、ああ」
コトミがノリノリの様子なのに反し、タカトシはちょっと気まずげで。
それでもタカトシは妹の言うとおり、服を脱がせてゆく。
まずは女の子らしいポップな柄のTシャツをコトミの手から抜く。
「………ここも?」
「うん、ここも♪」
最近つけ始めたブラを脱がすと、まだ小さいがまるくふっくらとした少女の胸があらわれた。
見慣れているはずだが、やはりタカトシは少し赤くなる。
「………パンツと靴下は、自分でやれよ」
「や〜〜〜だ〜〜〜。全部、脱がせてくれなきゃ、や〜〜だ〜〜」
ダダをこねるようにコトミが腕を折り曲げてからだを左右に揺らすと、
膨らみかけの裸の胸がその度にぷるぷる、と震える。
「!!わ、わかったから」
少し反応してしまったタカトシは慌てて目を伏せ、妹の言葉に従う。
そんな兄の様子をコトミが見逃すはずもなく、小悪魔な視線をタカトシに注いでいた。
(うふふ♪照れてる、タカ兄。可愛い♪)
「え、と、じゃ、脱がすぞ?」
「うん!」
コトミの前で跪くように屈むと、ゆっくり、妹の下着を脱がす。
バックプリントはまだ子供らしいキャラクターのイラストが描かれたものだったが、
露わになった妹のそこには―――すでに、うっすらと恥毛が生え始めていた。
罪の意識を感じて耳まで赤くなるタカトシだが、コトミはその表情を見ていっそう嬉しそうに微笑む。
「一緒に靴下もね、タカ兄♪」
「………ああ」
コトミが軽く、右足の先をあげる。小さな下着をそこから抜くのと同時に、黒い靴下を脱がす。
すんなり伸びた細く白い足首を見つめながら左の靴下も脱がすと、コトミは一糸まとわぬ全裸になった。
「ねえ、タカ兄?ゴムも外して欲しいな。ってあっちのゴムじゃないよ?」
「悪いけど、あっちのゴムって言われても意味分らないんだけど」
「やっぱノリ悪い〜〜〜。ま、いいや。髪をしばってるゴムのこと。はい!」
くるり、と後ろを向くとコトミがツインテールの先をつまむ。
真っ白で染み一つ無い背中からお尻のラインに思わず魅入っていたタカトシは、照れ隠しで悪態をついた。
「なんでもかんでも、全くお前は………」
「えへへへ、いいじゃん、今日で最後なんだし」
それでもタカトシは髪に絡まってコトミが痛がらないように慎重に、ゴムを外していった。
結ばれていた髪がほどけると、白い背中に豊かな漆黒が広がる。
"ごくッ………"
その艶やかさに、思わず。タカトシは、生唾を呑み込んでしまっていた。
「ありがと、タカ兄♪じゃ、はいろっか」
§
309郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/28(土) 10:13:57 ID:CfCG4KfB
「あ、うん」
踵を返すと、笑顔のコトミがタカトシの手を握ってきた。
ちょっと呆然としていたタカトシは、慌てて一緒に風呂場に入る。
「ちょっと待ってろ。お湯の具合見るから」
「うん!」
蓋を外し、浴槽の中に手を入れて温度を計る。少し熱めだと思ったので、軽く蛇口をひねった。
その間にコトミはシャワーの温度と湯量を調節している。
「もう良い感じかな?」
「えへへ、タカ兄♪じゃ、入る前にお湯かけて♪」
両手を首の後ろに回し、長い髪をまとめるコトミ。青い果実のような胸がまた、ぷるん、と震えた。
「あ、ああ」
シャワーのヘッドを受け取り、コトミの白い裸体にお湯を浴びせてゆく。
「きゃ―――――っ☆くすぐったいよッ!!」
「あんまでけえ声出すなよ、ったく」
「えへへ、でも気持いいよ!いっぱいかけてね、タカ兄!」
(なんでそこでねっとりとした目をするんだ、コイツは………)
心の中では一応ツッコミながらも、タカトシとて冷静でいられるはずもなかった。
「わきのところ、もっと」
「ん、うん」
雪のように白い肌は、お湯を浴びると染まるように薄桃色になってゆく。
そして艶やかな黒髪は、しっとりと濡れたコトミの肉体を包むように絡んでいた。
全体にはまだ大人になりきれない、未成熟な少女のからだの、はずだった。
毎日一緒に風呂に入り、見慣れていた、はずだった。
しかし今日はなぜか―――ずっと見知っていた妹の裸体ではなく、
誰か見知らぬ女の肉体を見ているかのような錯覚をタカトシは感じて、ひどく戸惑っていた。
「タカ兄………昔みたいに、洗って欲しいな」
「え?昔、みたいって?」
「ほら、ちっちゃい頃の私って肌が弱かったから、タカ兄が手で洗ってくれたじゃん。
今日は最後だから、昔みたいに洗って?」
「?!って、お前まさか、て、手で洗えってことか?」
「うん!ね?いいでしょ?タカ兄」
「バカ、んなの恥ずかしくてできるか!!」
「やだぁ。洗ってくんなきゃ、ひとりでオフロに入らない!」
潤んだ、熱っぽい瞳のコトミが、子供のようにねだってくる。
「お前だってもう六年生なんだから、そんなのダメだってことくらい分るだろ?」
「なんで?なんでダメなの?分らないよ。なんで?」
「あ、あのな、俺たちは大人じゃないけど、もう子供じゃないんだから」
「まだ子供だもん。ねえ、なんでダメなの?タカ兄は、私のからだを触るのがイヤなの?」
「イヤじゃないよ。そういう意味じゃないんだ。頼むから分ってくれよ」
「…………」
コトミの目に涙の粒が浮かび―――そして無言で、タカトシを見つめる。
それは、怒っているようで。どこか、甘えているようで。
「コトミ、もういいだろ」
「………………やだ」
ぐ、とコトミが近づくと、いきなり抱きついてきた。妹のからだの柔らかさに、息を呑むタカトシ。
「お、おい」
「大人になんて、なりたくない。私は、タカ兄と離れたくないもん」
「でも」
「ねえ、タカ兄に彼女ができるまで………それまでで、いいの。それまでは、一緒にいてよ」
「わ、分ったよ」
「うん。約束だよ?タカ兄。じゃ、洗って!」
「あ、ああ」
泣き笑いの表情でぐい、とさらにコトミがからだを密着させてきて。
タカトシは諦めたように、ボディーソープを掌の上に零す。
「コトミ、背中から洗うから」
§
310郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/28(土) 10:14:41 ID:CfCG4KfB
「うん!」
"ぺたッ"
「………くすぐったくないか?」
「えへへ、ちょっとだけね!でも、大丈夫だよ、タカ兄!」
「じゃ、じゃあ」
コトミの背中に、泡立てて広げていった。つるり、とした肌理の細かさが掌から伝わる。
(こんな風に洗ってやるのは、どんくらいぶりだっけ?)
ふと、タカトシは思い出していた。小さい頃から甘えん坊でお兄ちゃん子だったコトミは、
髪を洗うのもずっと兄任せで―――妹の身体や髪を洗ってやるのが、タカトシの日課となっていた。
小学生の高学年になってからはタカトシが気恥ずかしくなったのもあり、自分で洗うように言ったのだが、
そのときもコトミは散々嫌がった挙げ句、渋々承諾したのだった。
「タカ兄?背中だけじゃなくて」
「………良いのか?」
「うん、お願い」
"つる……ぷるッ"
ちょっと躊躇した末、タカトシはおなかに手を伸ばして、さするように洗う。ふに、と柔らかさを感じる。
「タカ兄、私、太ったかな?」
「え?い、いや、そんなこともないと思うけど」
「だって、おなかばっかり触ってるよ?もっと他のとこも洗ってよ〜〜」
「あ、わるい」
無難なところばかり洗っていたタカトシだが、コトミにおねだりされて仕方なく他のところにも手を伸ばす。
「っきゃん!えへへ、くすぐった〜〜い♪」
腕を伸ばさせてわきのくぼみを洗ってやると、コトミはけたけたと笑い転げて、足をばたつかせて、
からだを揺らす。そのたびに、妹のやわらかなからだが、くっついてくる。
(!………やべ)
タカトシは既にかたくなりはじめていたペニスの存在をコトミに気取られないよう、なんとか避けようとするが。
(ふふふ、もう、かたくなってるよね♪タカ兄のおちんちん)
もちろんそれは、しっかりコトミにバレてしまっていた。
「ね、タカ兄?おっぱいも、触って欲しいな」
「?え………でも」
「昔は良く洗いっこしたじゃない。ね、洗って?」
「ん、うん」
"ぬ  ぬる〜〜〜つる"
後ろから、抱くようにして。少女から女へとなりかけの乳房を、なぞるように洗う。
甘い柔らかさの中に少しだけ、芯の残ったような固さがあった。
「くふッ♪もっと、いっぱい触って良いよ、タカ兄」
(やっぱりコトミ、おおきくなってるよ………な)
毎日コトミと風呂に入っているタカトシは、当たり前だが、気づいていた。
妹のからだが、最近女性そのもののからだへと成長し、変貌しようとしていることを。
そしてタカトシは、同時に―――自分が肉親としてそのことを、
眩しいような、寂しいような思いで見ていたことを、罪の意識と共に実感していた。
(コトミも……いつかは、きっと、好きな男ができて。こんなことも、忘れたふりをして、離れていくんだろうな)
「………タカ兄」
「え?」
少しの間だけ、上の空になっていたタカトシの手をぎゅっ、と握ると、コトミが胸の先端へと導く。
「こ、コトミ?」
「ココも………あらって」
「あ、う。うん」
"ぴとッ……こしゅ、くり"
わざと避けていた部位を、恐る恐る洗う。柔らかい胸の一部にもかかわらずそこは、
少しだけかたくなっていて。タカトシの指が触れると、ぷにり、と弾くように跳ねてきた。
「ん………あ、ん。タカ兄、気持ちいいよ………すごく」
そして妹は、甘く切ない息を吐いて、びくん、とからだを震わせる。
「………痛くない、か?コトミ」
「うん………タカ兄、もっと、洗って。触って………」
§
311郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/03/28(土) 10:15:29 ID:CfCG4KfB
今回はここまで。
短編で終わらそうと思ったら、書けちゃいました。しかも途中で申し訳ないのですが、
Y-275氏のSSを読んでいたらなんだか影響を受けてしまいまして(被りですいません!)。
こんな勢いだけなのも久しぶりなんですが、来週当たり続き投下できるかも。
仕事忙しい方が妄想が膨らむのはなんでなんでしょうね〜〜〜。
では股。
312名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 10:55:34 ID:3rM7pYez
乙です
本当、郭氏はベテラン陣の中でもペースが安定してますなあ…
313名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 17:19:11 ID:8K/8lsDa
GJ!

影響を受けたといわれるが、郭氏も確実に他の職員に影響を与えているとオモ
314名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 18:33:45 ID:wFS43frh
変なたとえだが手塚治虫は晩年まで新人作家の才能に本気で嫉妬していたというからな。
郭氏がここまで継続して作品を作り続けられたのも
言い換えれば他の作家から影響を受けたからと言えるのジャマイカ。

まあとにかくアレだ。
GJ!
315名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 11:15:49 ID:m3zNk/Pj
正直、氏神の作風もあるが、郭氏や518氏、サブロー氏、82氏等の初期職人のSSがスレの「エロ無し許容・レイプ系無しソフト路線」な雰囲気を形成したよな
エロスレなんだから雑食が本来基本のはずだが、それでいてその路線で黄金時代が到来し、
そして長寿スレになったんだから、やはり漫画には合ったタイプの二次エロと、職人の気風ってのがあるんだな

たかが2ちゃんのエロパロ、と言ってしまえばそれまでだが、実に幸運な話だと思う
316名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 17:02:46 ID:MWfvVcua
本番を必ず書く人、微エロが得意な人、猥談っぽい人
いろいろいるな
317名無しさん@ピンキー:2009/04/01(水) 17:24:05 ID:F4Feo83o
微エロ・小ネタ関係はやたらとピンキリ氏が書きまくっているイメージがある
318ナット:2009/04/02(木) 11:12:51 ID:QT0ZVXc6
お久しぶり、と言うかほとんどの人ははじめまして。
部屋を片付けていて思春期を久々に読みふけり、久々にこのスレを開いたナットです。

私が書いていた1〜2年前から書き続けている方もおり、驚きを隠せません。
久々に書いてみるか、と思い立ったのですがどうも思い浮かばなかったので前に書いたものの焼き直しですが。
まぁ、ドラゴンボールもエボになったりKaiになったりしているので大目に見てください。

思春期もの、金城ものです。
エロパロなのに微エロすら無しです。

タイトル「初の異性交遊Re:take〜告白〜」
319ナット:2009/04/02(木) 11:13:27 ID:QT0ZVXc6
授業が終わり、生徒それぞれが自由な時間を過す夕方。
友人と遊ぶ者、バイトに勤しむ者、そして部活動に青春を打ち込む者など。
少女もまた、部活動に打ち込む1人。

シューズのソールが突然の停止に限界を超えキュッ、と鳴き、宙に放たれたボールがリングに当たりながらもネットをくぐる。
そして10数名の女子の声の響く体育館。
試合が近いため仮のスターティングメンバーチームと補欠チームに分かれての練習試合。
そのどちらのチームにも金城の姿は無かった。

試合に出る選手の選定にかかわるこの1ヶ月。まるでスランプに陥ったみたいに何もかもうまくいかない。
相手のフェイントにあっけなくかかり、ドリブルではボールが手からこぼれ、放つシュートはリングに嫌われた。

まるで集中できていない。
今、このときもそうだった。目の前で行われている試合もどこかぼーっとテレビを見ているような感覚。
シューター手からボールが離れた直後、長身のディフェンスによってシュートが弾かれる。
弾かれたボールはコート外へ勢いよくバウンドしたが1人の選手が追いかけ、ラインぎりぎりでキャッチし、コート内の味方へパスをする。
しかし勢いの付いた体はすぐには止まらない。そのままコート外へと飛び出す。
その先には金城がいた。

「へ?」
とっさのことに体は反応しない。集中していなければなおさらだ。
その選手と金城は激突し、2人は倒れた。
選手のほうは金城がクッション代わりになったのかすぐ立ち上がり、一言「ゴメンッ!」と言い試合に戻る。そのぐらい必死なのだ。
対する金城は受身も取れず後頭部を床で打ち、一瞬意識が飛んだ。
「ぃっ、たー…」
自分の身に何が起こったかがすぐに理解できなかった。脳震盪を起こしたのか頭がクラクラする。
体育館の床が弾性に富む木製だったのが唯一の救いか。

この事態にキャプテンは試合を一時中断させる。
「カオル大丈夫!?とりあえず保健室行きなさい!」
突然のことに心配しているのか、それとも突っ立っているだけなら練習の邪魔になるからなのか。
その口調は強く、鋭かった。
「だ、大丈夫?」
同じように補欠にも入れなかったチームメイトであり、クラスメイトである友人が金城の肩を支え、立ち上がる。
「う、うん… ゴメン…」
2人でよろよろと保健室へと向かった。
320ナット:2009/04/02(木) 11:14:01 ID:QT0ZVXc6

「どうする?病院行く?」
「あ、いえ、大丈夫です。」
「そう。でも気分が悪くなったらすぐ言ってね。コブにはなってないようだけど打ってるとこが打ってるとこだし。」
保健室のベッドで横になる。付き添ってくれた友人にはもう大丈夫と練習に戻ってもらった。

「はぁ…」
練習に身が入らない。いや、学業にも集中できていない。
理由は本人も気づいている。
 あの人のことが、好き
あの人とは違う学校に通う、友人の友人、城島カナミの兄、城島シンジ。
城島家に遊びに行く度、イベントでいっしょに遊んだりし交流を重ね、異性との交流が少なかった金城は気軽に話しかけてくれるシンジに恋愛感情を強めていった。
そうなるとピュアな乙女心を持つ少女はシンジのことばかり考えていた。
デートであそこへ行きたい。こんなことしたい。
素敵なシチュエーションでこんなことを言われてみたい。
そしてそこで…
妄想が一度膨らみだすと、止まらない。
傍から見ればぼーっとしてるかにへらと笑っているか。
しかしある瞬間、妄想は妄想と気づき、自分に対してのむなしさ、思いを打ち明けられない現実の自分とのギャップにため息が漏れる。

「アキもお兄さんと仲いいしなぁ…」
アキだけではない。自分の知らない誰かと付き合っているかもしれない。
カナミたちとそういう浮ついた話は無いかと盛り上がったときにさりげなく聞き出そうとしたが、すぐ自分の分からない話(猥談)の方へと行ってしまい分からず終い。
なんとなくの感じから今のとこ居ない気はする。

告白、しようかな。
でもどうやって?会える機会はそうないし。この間読んだ漫画だと…
自分の中でいろいろシミュレートする。
あーだこーだ考えているうちにベッドの寝心地に無意識に瞼が閉じて、意識が眠りの世界へと吸い込まれていった。

321ナット:2009/04/02(木) 11:14:55 ID:QT0ZVXc6

「…ルちゃん、カオルちゃん起きて〜」
頬をむにむにとつままれ、呼ばれる声に意識が目覚める。
「う… ん… せ、先輩?なにやってます?」
「なかなか起きないからほっぺで遊んでみた。さ、早く着替えて帰ろ。」
起こしに来たのはキャプテン。
バスケットボールの事になると厳しい一面を見せ、普段はフランクでおどけた感じだがやるべきことはキチッとこなす。
そのため周りからの人気も高く、信頼も篤い人だ。

「大丈夫?動ける?」
「あ、はい、大丈夫です。」
ベッドから起き上がり、更衣室へと向かう。
ほかのチームメイトはすでに帰ってしまって残るはキャプテンと金城の2人だ。

「カオルちゃんさ〜、最近どうしたの?なんか悩みでもある?」
「え、いや、別に…」
「嘘つかない。で、なきゃあんなボーっとしないじゃん、いつもバスケの時にさ〜。」
この人には嘘はつけなかった。ちゃんと気にかけてくれている、信頼を寄せている先輩に。
こういう話は本当は恥ずかしく、他人に話したくなかったが、この人には悩みを聞いてもらい、相談に乗ってもらいたかった。

金城は胸のうちを話した。
好きな人が居るということ。告白したいと何度も思ったがどうやればいいのか。
なにより、こんなに異性を好きになったことが無く、この感覚に戸惑いがあること。

一通り話し、キャプテンの顔を見る。
その表情にはにやにやと笑いが浮かんでいた。
「カオルちゃんに好きな人ねぇ」
「やっぱり、変ですよね。こんな女らしくないのに。」
上げた顔が再びうつむく。
「ううん、全然。逆に女の子らしいじゃない。」
「え…」
322ナット:2009/04/02(木) 11:15:26 ID:QT0ZVXc6
「まぁ、私から言えるのは、とにかく告白しちゃいなさい。」
「でも、どうやって…」
「どうにだっていいじゃない。ほかのことが手に付かなくなるほどその人のこと好きなんでしょ。
 そのままじゃ何も進まないじゃない。自分は止まっても回りの時間や人、物はどんどん進んでいくんだから。」
「先輩…」
「何もしないのは断られたとき自分が傷つくのが嫌なんでしょ。
 失恋は確かにつらいよ。けど何も変わらないまま、終らないまま終ってもいいの?」
「嫌、です…」

先輩はすぐに気づいていた。告白をしない本当の理由。
全身全霊をかけたことが不発に終わり、自分が傷つく。
それが怖くていろいろ理由を見つけ自分を閉じ込めていたこと。

「嫌よね。確かに告白するのすっごい勇気いるよ。
 成功するか、失敗するか。
 けど、どっちにしてもそれは今とは違う新しい自分になる1歩なんだから。」

金城の中に1つの決意がどんどん固まっていった。
この人にこう言ってもらうと不思議と勇気がわいてくる。
「それでね」
キャプテンはかばんの中から何かを取り出し、金城に手渡す。
「これは…」
渡されたのは小さな赤いお守り。そこには「恋愛成就」と書かれていた。

「私が1年のとき、そのときのキャプテンに貰ったの。
 確率なんて成功するかしないかの50%。
 このお守りで25%補って残りは自分次第、だってさ。」
「それで、先輩は…」
キャプテンはただニコッと笑った。
「実言うとさ、私もそのときカオルちゃんとおんなじ様な状態だったんだ。
 もうそっくりって言うくらい。だからさ、カオルちゃんのほっとけなくてさ。
 あのときの先輩見たいに今度は私がしなくちゃって。」
「先輩… ありがとうございます!」
着替えを終え、金城はお守りをポケットへしまい、帰路についた。
323ナット:2009/04/02(木) 11:15:59 ID:QT0ZVXc6
「ただいまー」
自宅へ着き、まずシャワーを浴びる。
今日はそれほど汗をかいてはいないが、日課みたいなものだ。
部屋着へと着替え自室に戻り携帯電話を開く。
電話帳サ行3番目「シンジさん」を表示し、通話ボタンを押す。

プッ… プッ… プッ…
プルルルルルル、プルルルルルル…
呼び出し音が耳の中に響く。
同じように胸の中で心臓の鼓動がドクンッドクンッと脈打ってるのが分かる。
プルルルル… 
何度目の呼び出し音だろう。時間にすればまだ10秒にも満たない。
しかし実時間以上に長く感じるのは緊張のせいだろう。

プルルル…「はい、もしもし?」
「え、あ、も、もしもし?」
覚悟は決めていたが緊張のあまり声が上ずる。
「どうしたの?これカナミの携帯じゃないよ?」
「あ、いえ、お兄さんに話したいことがあって…」
「なに、カナミがなんか変なことした?」
「い、いえ、仲良くさせてもらってます。そうじゃなくてその…」
「?」
「その…」

〜お兄さんのことが好きです。〜
あんなに心に決めていたのに、この一言が出てこない。
あと少しの勇気が出てこない。

「…あのさぁ、今から外出られる?」
「はい?」
「なんとなく直接会ったほうがいいような気がして」
「え、だ、大丈夫です」
「じゃあ30分後くらいに、駅南の公園に来て。」
「は、はい。わかりました。」
通話終了ボタンを押し、携帯を閉じる。
324ナット:2009/04/02(木) 11:16:32 ID:QT0ZVXc6
部屋着のジャージから急いで着替える。
ジーンズにTシャツを着て、パーカーに袖を通す。
「ちょっと出かけくる!」
「あ、カオルー!晩御飯はー!?」
「後でー!」
普段ランニングに使用しているシューズに足を入れる。
右足の紐を結んでいるとき、ふと何かを思い出す。
足を入れたシューズを脱ぎ捨て部屋へと戻る。
制服であるブレザーの胸ポケットから赤いお守りを取り出す。
「恋愛成就」の文字を見て、ぎゅっと握り締める。
握り締めた手を顔の前に持ってきて、もう片手を添える。
「神様、お願いします。少しだけ勇気をください。」
あまりこういうことをするタイプではないが、目を閉じお祈りをする。
お守りをポケットへしまい、落ちないようチャックを閉じる。
再びシューズに足を入れ紐を解けぬようきゅっと固く結ぶ。

公園までは10分ぐらいだろうか。
いつものランニングコースに使っているとこだ。
しかし今日のペースはいつもより速い。
逸る気持ちを抑えられない。

はぁ、はぁ、はぁ…
公園と言ってもランニングコースにできるほどそれなりに広い。
とにかく周回コースを走る。
半周ほど回ったところにある休憩所にシンジはいた。

「や、こんばんわ」
「こ、こんばんわ…」
「ここまで走ってきたの?」
「急いでいたので…」

息が上がってうまく話せない。それ以上に緊張があるのか。
シンジは近くにある自販機で水を買い、金城へ手渡す。

「とりあえず落ち着こうか」
「は、はい、すみません…」

水を受け取り、ベンチに2人で腰をかける。
325ナット:2009/04/02(木) 11:17:37 ID:QT0ZVXc6
呼吸は整ってきたが胸の鼓動は収まらない。
隣にはシンジがいる。しかも二人きり。

「それでなんだっけ?」
「その、お兄さんに聞きたいことがあって」
「なに?」
「いま、彼女とかっていますか?」

単刀直入に聞く。もうここまで来たら当たって砕けるだけだ。
……できれば砕けるのは嫌だけど

「…いたらここまでカナミにネタにされてないよ。
 いや、居たら居てか…」

 昼間は子供たちが遊び、夕方はランニングをする人が居てもこの時間は静かな空間となる。
 聞こえるのは風の吹きぬける音、木の葉がこすれあう音、向こう側を走る電車の音。

「その、私が彼女とかだと迷惑ですか?」
「え…」

シンジの顔を見つめる。
ポケットの上からお守りをぎゅっとにぎり締める。
1歩を踏み出す勇気を振り絞る。

「お兄さんのことが、好きです」

シンプルに。飾り無く、金城らしく。
思いのうちすべてを乗せた一言。
心臓はこれでもかと言うぐらい強く、早く鼓動を刻む。

「えっと、… 迷惑なんかじゃ全然無いし、うれしいよ。」
「お兄さん…」
「俺なんかでよければ…」
「お、お兄さん!」

 確立は成功or失敗の50%、お守りで25%、残りは自分次第
 なにより一番大事なのは…

瞳に涙が浮かぶ。
決して悲しくない。歓喜の涙。
そして心の中に思う。
(神様、ありがとうございます!)
 
 幸運の女神を感動させる、大きな勇気を持っているかどうかなのかも知れない
326ナット:2009/04/02(木) 11:18:10 ID:QT0ZVXc6
相手の体の動きにだまされること無く、ボールを奪い、流れるようなリズムでディフェンスを潜り抜ける。
まるで吸い寄せられるかのようにボールは離れることない。
3Pラインを過ぎミドルレンジよりシュート体勢に入る。
目の前に1人の壁が現れるが、手を離れたボールはその上を行き、美しい軌跡を描き、リングにあたることなくゴールをくぐる。
スコアボードに2点が追加される。
「ナイッシュー、カオル!」
仲間が肩を叩く。金城、この試合8点目のゴールだった。

ブザーが鳴り試合終了を告げる。
4点差で金城の居る補欠チームの敗北。
しかし勝ち負け以上に、バスケが楽しい。

「カオルちゃん、最近調子いいわね。」
「補欠チームに入れてもらったので頑張ってるだけですよ。私なんてまだまだです。」
「あら、私からボールとっといいてそういうこと言っちゃう?十分スタメンにしてもいいわよ。
 そうねぇ、明日はミッチーと変わってスタメンチームでやってみよっか」
「え、ありがとうございます!」
「それで彼とはうまくやってるの?」
「もう、毎日が楽しくてしょうがないですよ」
「このー、ノロケちゃって!」
金城の頬をムニムニとつまむ。
「先輩!痛い!痛いですって!」
「あぁ、やっぱりカオルちゃんのほっぺって気持ちいいわぁ」

「それじゃ、お先に失礼します!」

 足早に更衣室を出て校門へと走る。

「シンジー!」
 
 そこに待つ恋人のもとへ走る。



                   END
327ナット:2009/04/02(木) 11:21:22 ID:QT0ZVXc6
リメイク物なので前と同じ終わり方です。
またしばらく書いてみようとは思いますが、新規かリメイクかは分かりません。

…正直保管庫の見るとほとんど書き直したいです。

では、また近いうちに。
328名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 18:15:09 ID:A5olP6qN
お帰りなさい
無理せずまったりと続けてくださいな
329名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 22:30:57 ID:5BFccZVM
昔の職人さんがぶらりと帰って来てくれるのは、何とも嬉しいものだ。
330名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 13:01:38 ID:xdPzL7H7
本当に職人に恵まれたスレだな
331名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 17:28:38 ID:jzCyYMJ7
最初はヌキっつーかエロを目的にここに来ていたが、
なんか時間が経つにつれエロに限らずSSを読みたくて来るようになった、不思議な感じだ

いや、そりゃむろんエロがあってくれたほうが嬉しいけどな
332名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 20:30:11 ID:7ZkDbGHM
ナット氏、乙&おかえりなさい!氏がいた頃は最盛期でしたね。
今でも518氏もピンキリ氏も郭氏もペピトーン氏も現役ですよ。
333名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 06:45:14 ID:c+AjOhTv
「あの頃が最盛期だった」ということはもう衰退の一途で確定なんだね・・・と思ってしまう。
334名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 07:23:10 ID:w3caWa2S
一つのスレを一ヶ月で容量オーバーしてた頃はある意味異常なわけで…
あれに比べりゃどの時だって衰退に見えるわさ

一時期、投下がほぼ郭氏だけになったのを考えれば
(さすが唯一の100話越え投手)今は十分恵まれてるぜ
335名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 07:25:58 ID:wauWY+Kt
ナット氏、
今更ですが、GJ!
336名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 18:08:07 ID:30LfKg9D
ミサキチスキーとしてはそろそろ
エロがあってもなくてもいいから濃厚なラブラブものが読みたい
337名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 22:13:37 ID:xg6mWvqc
後日談とかでミサキのおっぱいが大きくなってるとマズい?
338名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 22:28:20 ID:u1GRsP4+
全然OK。むしろ求める!
339名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 04:09:32 ID:sm5iyKqn
ミサキママが貧乳じゃないこと考えると成長していてもおかしくない
340名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 06:12:57 ID:u8Gl55EG
大きくなった夢オチもいいぞ
341名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 07:48:53 ID:f/ZhD0zq
・成長期
・母が貧乳ではない
・バストアップ体操
・牛乳
・毎日マサが揉んでるはず


大丈夫、80くらいになっても多分不思議じゃない
だけど氏家マンガでバストサイズが作中で言明されたのは思春期のアキと先生ズだけか?
342郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/07(火) 07:51:54 ID:xi0Q7Nv8
今岡B83

ナカナカ美乳である。
343名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 17:11:03 ID:EDpAzitg
郭氏、雑談に参加していただきご苦労さまです。
344名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 17:44:30 ID:+7OLF6MY
あw
素で郭氏だと気づいてなかった俺
345名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 22:25:39 ID:eR1KIED/
突然降臨されたということは・・・そろそろ投下ありと期待してもイイッすかw
346名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 01:11:20 ID:1L/JnUEc
アヤナはバストウエスト足して145だったね
347名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 08:26:25 ID:XrO01QqB
加藤先生もB87のナイスバディだったよな?
348名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 10:01:02 ID:g4VwIVcW
胸腰合計値あったな、四コマのやつだったっけか、145だとすると、

B85W60
B86W59
B87W58
B88W57
B89W56
B90W55

こんなところか、さすがにW55は細すぎるとしても、あの背格好ならまさに巨乳だな>アヤナ

しかし、この金持ちツンデレ巨乳お嬢様、歳上天然処女、
眼鏡エロ美人、ロリ眼鏡っ娘に囲まれても最終話直前でやっと幼馴染みを意識したマサはまさに漢
349名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 17:35:35 ID:Np7xqrs4
初期組
 ・郭夫妻
 ・518氏
 ・ペピトーン氏
 ・ピンキリ氏

黄金世代組
 ・ナット氏(復帰)
 ・新保管庫管理人

黄金期以降組
 ・464氏
 ・Y-275氏
 ・傍観者氏


 次のWBCも狙える布陣だな
350名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 07:48:28 ID:mQvjButY
今まで一番書かれたカポーって誰と誰だろう
351名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 09:51:46 ID:5Gh7cmMT
マサアヤじゃね?
352名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 10:12:51 ID:al3dhil0
アヤナものは確かに目立つ気もするが、郭氏はまんべんなく、
518氏はアイセンセ、ピンキリ氏はミサキが結構多いような感じがある
353名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 10:19:03 ID:UaJUFdHw
こうして見ると、全作品通じても突出したカップリングってないような気がするな

そんな中で「生徒会〜」モノでのアリアの出番の無さは泣けるレベル…
354名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 16:46:36 ID:5Gh7cmMT
巨乳で美人でお嬢様で天然なのにな。
郭氏とY-275氏と傍観者くらいか?
アリア主人公のSS書いてるのは
355名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 17:13:19 ID:fiDaaHtD
アリアがシノをたらし込んでタカシと3P関係にする話が読みたいです。
356ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:42:15 ID:TBgh9D6C
 御疲れ様です。
濱中でお花見ネタです。
スルー対象ワードは「鑑賞会」「ある意味本番」「エロ少々」です。
タイトルは『桜色空間』でお願いします。
357ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:43:28 ID:TBgh9D6C
「いやあ、春と言えば花見よね」
「……」
「桜に酒よね」
「……」
 年度が変わり、四月二度目の日曜日。
小久保マサヒコ、濱中アイ、天野ミサキ、若田部アヤナ、的山リンコ、中村リョーコのいつもの面子は、花見に興じていた。
「何か盛り上がらないわねー、もっと陽気に行きなさいよ」
「無理だと思う」
 六人が集っていたのは、公園でもなければ河川敷でもない。
何処かの庭でもなければ山でもない。
「何でよ、マサ」
「だって、なあ」
 彼らが居るのは、毎度の如くと言うべきか何と言うべきか。
「部屋ん中で風情も何もないぞ」
 そう、マサヒコの部屋だった。

 ◆ ◆ ◆

 ことの次第はこうである。
花見に行くこと自体は決まっていた、何故ならここ毎年必ず催す行事になっていたからだ。
それは別にいいとして、今年はちょっと問題があった。
花粉症である。
マサヒコやアイ、ミサキは特に症状は出ていないが、アヤナが重度なのだ。
今年は特に飛散量が多く、杉はピークを過ぎたものの、
四月に入って急激に暖かくなり、ヒノキが元気いっぱいに花粉を飛ばしまくっている。
鼻の方はまだそうでもないが、アヤナはとにかく目が辛く、涙が尋常ではない。
昨年まではまだ我慢が出来たがちょっと今年はキツイ、
という訴えがアヤナからあったのは花見予定日の数日前、しかしリョーコが欠席をそう簡単に許すわけもなく、
ならばと彼女が提示したのが、『なら部屋の中でしましょ』という代替案であった。
「結局、ただ騒ぎたいだけなんじゃないのかと」
「何か言った? マサ」
「いや、別に」
 マサヒコの部屋が選ばれた(リョーコが無理矢理指定した)のは、特に深い理由はない。
単に皆が集まり易い、というだけのことである。
広さから言えばリョーコのマンションやアヤナの部屋の方が適しているのだが、
常に溜まり場になっていた、という感覚で行けば、自然とマサヒコの部屋になるわけで。
「ほら、飲んで食べて、花を見なさい」
「見ろって言っても……」
「アンタ、さっきから文句ばっかりね」
「つうか、俺以外誰も喋っていない時点で察しろ」
 当然、部屋の中であるからして、桜の木など無い。
窓から見える景色にも、桜の枝はない。
桜があるのは。
「どこで見つけて来たんだよ、こんなDVD」
 テレビの画面の中だった。
「今時、何だってあるもんよ」
「しかしなあ……」
 確かに画面には満開の桜が綺麗に咲き誇っている。
だがそもそもそんなに大きくもないマサヒコのテレビ、それに立体ではなく平面とくれば、
そりゃ皆のモチベーションも上がるわけがない。
「『全国お花見スポットBest1000』、いいでしょ?」
「いいでしょ、と言われてもなあ」
「ちなみにこれ、酔狂なことに毎年発売されてんのよね。まぁ映像そのものは一年前のになるけど」
「そんな豆知識いらんから」
 マサヒコのツッコミもいつもに比べるとその鋭さが無い。
無理からんことではあるが。
358ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:45:34 ID:TBgh9D6C
「と、とにかく食べようよ、マサちゃん」
「えへへー、私もお母さんと一緒に色々作ってきたよー」
「私も持ってきたわ」
 風情はない。
ないが、食べ物だけは豪華だった。
ミサキをはじめ、リンコ、アヤナ、アイ、リョーコのそれぞれが腕を揮って料理を用意してきたのだ。
ミサキは卵焼きとホウレン草のおひたし、茹でブロッコリー。
リンコは蒲鉾と鶏肉の唐揚げ、アスパラちくわ。
アヤナはハムチーズのキャベツ巻きと椎茸の甘煮、カボチャのマリネ。
アイは各種おむすびとエビフライ、ニンジンのたらこ炒め。
リョーコは豚肉の香味焼きと昆布巻き、大根とイカの煮物。
皆手作りで、何となくだが各人の料理技術と嗜好の差が伺い知れるのが微笑ましいと言えば微笑ましい。
内容が被らなかったという点では、ミサキにとってラッキーだったかもしれない。
なお、先程マサヒコが「俺以外喋っていない〜」とリョーコに文句を言ったが、アイだけはその黙っていた理由が違う。
ひたすら口を食べることに動かしていたので。
「ど、どうかな、マサちゃん」
「ん? ああ、美味いよ。卵焼き」
「良かった……」
 ミサキも腕を上げてきている。
少なくとも、見かけに味の差がそれほどなくなってきた。
まだまだアヤナやアイ、リョーコの料理上手三人組に比べると拙いが、
このまま努力を続けていけば、マサヒコ母が「嫁に来て不足なし」と頷くまでにはなるであろう。
料理は才能とよく言われるが、普通に家庭料理を作る分に関しては、努力でいくらでもカバー出来るのだ。
「マサヒコ君、私のも食べてみて」
「はい、アイ先生」
「小久保君、私を食べてー」
「……作った料理を、な」
「わ、私のも食べてみてもいいから」
「ありがと、若田部」
 女性と、彼女たちが作った料理に囲まれているマサヒコ。
同級生の男子がこの光景を見たら、羨ましさと妬ましさで歯軋りをすること間違いなしである。
そしてこういう場面で舞い上がったり格好つけたりしないのが、マサヒコのマサヒコたるところであろうか。
もっとも、思春期の少年ならここは心落ち着かずにそわそわしてしまう方が正しいのだが。
「んー、飲み物が足りなかったかしらねえ」
「いや、十分過ぎると思うけど」
 すでにリョーコは缶ビールが三本目に突入している。
まだ封を開けられていないものが彼女の横に何本も残っているので、
いくらリョーコが酒豪で、かつアイと二人で片付けるとしても、たっぷり過ぎる程の量だ。
「ビールじゃないわよ、お茶とかジュースとか、あんたらが飲むやつよ」
 言われてマサヒコは周囲を見回した。
成る程、烏龍茶とコーラのペットボトルがそれぞれ一本ずつあるが、
どちらも中身の残りが四分の一くらいになっている。
「うちの冷蔵庫に何かあったかな……」
「んー、なら私がお金を出すから、あんた何か買ってきなさい」
「え?」
「ついでにツマミの何かお願い。やっぱりスルメとかポテトチップスとかが無いと、お酒飲んでる気がしないのよね」
「……もしかしてジュースの方がついでなんじゃ」
「ほれほれ、行って来い、高校二年生にもなったらちゃっちゃと動く」
「それは関係ねーだろーが」
 やれやれ、と溜め息をつきつつ、マサヒコは腰を上げた。
言い出したらリョーコは滅多なことでは退かない。
癪だが素直に従った方がややこしくない。
それに飲み物が足りないのは事実ではある。
359ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:48:01 ID:TBgh9D6C
「何か希望はあるか? ミサキ」
「え、私は別に無いけど」
「じゃあ的山と若田部は?」
「あ、私オレンジジュースが欲しい」
「私も特には……でも強いて言えば、紅茶が欲しいかも」
「了解」
 リョーコから二千円札を一枚受け取ると、マサヒコは部屋から出た。
上着は必要ない、外は十分に暖かい。
「角の酒屋が確か内装工事で休みなんだよな……だとすると表通りのコンビニか」
 行って帰って三十分くらいかな、とマサヒコは思いつつ階段を下りた。
今日も両親はいない、働き者の父は出張中で、母は気を利かせたのかそれとも自分が楽しみたかったのか、
婦人会のカラオケに出かけている。
家にいるのは、マサヒコと女五人組だけである。
「ついでに遠回りして、公園の桜をちょっと見てくるか。せっかくだし」
 後に、マサヒコは後悔する。
リョーコに言われるままに買い物に出かけたことと、寄り道して桜を見に行ったことを。

 ◆ ◆ ◆

「よし……行ったようね」
 マサヒコが家から出たことを窓からこっそりと外を窺うと、リョーコはニヤリと笑った。
そしてピッ、と桜のDVDを止め(ちなみにPS3である)、
持ってきた袋―――弁当が入っていたのとは別の―――にガサゴソと手を突っ込む。
「お姉様? 何を……」
「んっふっふっふ」
 リョーコが取り出したのは。
「ここからは特別プログラムよ」
 低アルコールのフルーツ系のお酒と、そして。
「はい、オンナだけのドキドキ観賞会〜♪」
 エロDVDだった。
「ちょ、中村先生!?」
「わー、何本もあるぅ」
「先輩、何でそんなものを持ってるんですか?」
「お姉様!? あ、あの、その」
 年少共の声を無視しつつ、DVDを交換するリョーコ。
「まずは『乱れたセーラー服・平成大乱交学園INBI』から行きましょ」
「待って下さい! 中村先生!」
「待たない」
「い、いけないと思いますお姉様! 卑猥です、風紀が乱れているなんてもんじゃありません!」
「そうするのが目的なんだから、いいのいいの」
 ここで全員が気付いた。
何故マサヒコを指定して買いに行かせたのか。
そして、お酒以外の飲み物が何故少なかったのか。
ハナからリョーコはこうしたかったのだ、
オンナだけの状況にして、エロDVDを流したかったのだ、と。
マサヒコがいるとまず間違いなくツッコまれて止められるから……。
「狙ってましたね、先輩」
「別に今日でなくてもいいんだけどね」
「なら……」
「だからこうしてビール以外のアルコール度数が低い酒も密かに用意したわけよ」
 つまり、学生組に飲ませるために。
「の、飲みませんからね私は! お酒なんて!」
「法律違反ですお姉様、いけません!」
「へー、パイナップルのお酒なんてあるんだぁ」
 三人の反応に、リョーコはただニヤニヤするのみ。
強制せずとも、いざ鑑賞会が始まってしまえばいずれそれに手が伸びる。
そう確信しているのだ。
360ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:52:12 ID:TBgh9D6C
「お酒は確かに違法だから、別に各自の判断に任せるわ。でもDVDは見るわよ、これは命令です」
「見ません! 見ませんから!」
「なら音量を上げるまで」
「耳を塞ぎます!」
「好きになさい」
 ミサキとアヤナの抵抗も、リョーコは意に介さない。
すでにこの時点でペースはリョーコが握っている。
マサヒコなら「止める」が、ミサキやアヤナだと「見ない」という選択肢を選ぶのが、性格上わかっている。
最早ミサキもアヤナも、リョーコの掌の中である。
「アイとリンは観るわよね?」
「え、わ、私はその、あの、興味が無いって言うと嘘になりますけど、それでも、ええと」
「お父さんがビデオ持ってますけど、じっくり観るのは初めてかも」
「はいはい、じゃあ三人で観ましょうか。ミサキとアヤナはマサのベッドにでも潜ってれば?」
「ええっ!?」
「そこで悶々としてなさい、マサの匂いを嗅いで」
「え、えええ!?」
 かくして始まった。
リョーコ主催の、女だけのエロDVD鑑賞会が。

 ◆ ◆ ◆

「うわあ……この女の人、おっぱい大きいですねえ」
「アヤナちゃんより大きいかも」
「にゃによ、むねのおおきしゃがおんにゃのすべてじゃにゃい。ヒック」
「は、挟んで……擦って……しごいて……う、うううう」
「皆覚えときなさい、オトコの悦ばせ方ってのを」
 鑑賞会開始から三十分。
アイ、ミサキ、リンコ、アヤナはデキあがっていた。
アルコールによって。
「リンコとミサキには出来ない真似よねえ、パイズリは」
「しょんなことありゃません! わたしにらってできましゅ!」
「挟めないけど乳首でなら弄れると思いまーす」
「わ、わた、私はしたくないですそんなこと……う、うううう」
「でも正直、あれってしんどそうじゃないですか?」
 すでにDVDは五本目に入っている。
前戯やトーク部分をリョーコがカットしまくっているため、ずっと本番のオンパレードである。
しかも、フィニッシュ直前等の意図的に濃い場面ばかりの。
「この人、身体柔らかいですねぇ。私も柔らかい方だと思いますけど、あんなに大きく開脚出来ません」
「ま、ま、丸見え……入って……動いて……う、うううう」
「べつにあんにゃにひろげにゃくてもできましゅ」
「ミサキちゃん、小久保君とどんな格好でやってるの?」
「おうおう飲め飲め、観れ観れ、語れ語れ」
 もともとミサキはアルコールに強くないので、一本目でドボン。
アイも許容量以上に飲んでいるし、アヤナもとっくに限界を迎えて思考がひっからまっている。
リンコは普段と変わりないように見えるが、普段以上にエロ方面の発言が振り切れている。
密かに飲んでいたようなので、これは単に表に変化がないように見えるだけであろう。
「よし、次は『咲く花散る花・アオカン祭』よ。ちょい待ち、本番まで早送りするから」
「あっ、桜ですね」
「さ、桜の木の下で……あんなことや……こんなことを……う、うううう」
「わー、上も下も満開ですねー」
「マサちゃんはおそとでなんてしたがりゅませんよぅ、だぁ。ヒック」
 リョーコも相当にビールが進んでいる。
ツマミはDVDを食い入るように観ている四人だ。
彼女にとってこれ程の酒の肴はそうそうない。
361ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:53:27 ID:TBgh9D6C
「アオカンはやっぱり全裸じゃダメよねえ、最低でも靴下と靴が残ってないと」
「先輩は経験あるんですか」
「もちろん」
「いんわいでしゅ、ひわいでしゅ」
「中村先生ってすごいなあ」
「お、お姉様が……外で……男の人と……う、うううう」
「やー、セイジがビビリなもんでなかなか勃たなくってねー」
「そうなんですか」
「アイツ、歳をくって臆病になったわ。昔はもっとヤンチャだったのに」
 もはや料理はアイが時々口に運ぶ以外はほとんど放置状態。
部屋の中は、画面から流れる女優の喘ぎ声と、五人の会話、そしてアルコールの香りで充満しっ放し。
転がりだした石ころは全てを巻き込んで岩塊となり、リョーコが整備した坂道をひたすら勢いよく落ちていくのみである。
「ほらアヤナ、想像してごらんなさい。マサヒコがアンタの身体の上で腰を振っているところを」
「こ、小久保君が……わ、私をつら、貫いて……そ、そして……う、うううう」
「らめっ! マサひゃんはわたしのなんらからっ! わかたべさんにはあげにゃいんだからっ!」
「リンもどう? その幼い肉体をマサに提供してみない?」
「えー、でも小久保君、私のなんかじゃ満足してくれないんじゃないかなあ」
「らめらめっ! リンひゃんにもらめっ! マサひゃんはわたしでまんぞくひてるんらからっ!」
「アイ、アンタもいい加減処女を捨てる時でしょ? マサなら申し分ない相手なんじゃないかしらね」
「えっ? あっ? ういっ? で、で、でもマサヒコ君と私じゃ年齢がっ!?」
「らめらめ、らめーぇ! アイせんせもらめっ! マサひゃんとしていいのはわたしらけなのぅ!」
 たった三十分そこらでこの有り様、リョーコの計画通りと言っていい。
ナマで桜の花は見れないが、桜色に火照った皆の頬っぺたが見れたのだ、
彼女にとっては満足以外のナニモノでもない。
「う、後ろから、胸を揉みしだいて……お、音がするくらい激しく突いて……う、うううう」
「すごーい、おっぱいが揺れるのってどんな感じなんだろう」
「バックはあまりしゅきじゃないれしゅ、だってマサひゃんのかおがみれにゃい」
「ミサキちゃん……進んでるんだ……マサヒコ君との仲……」
「よし、じゃあ次は『スク水とブルマー・白濁の宴スペシャル』、行ってみよう!」
 マサヒコはまだ、帰ってこない―――

 ◆ ◆ ◆ 

「やれやれ、以外に時間かかっちゃったな」
 マサヒコは玄関の前で、首を回しながら呟いた。
両手に重たい袋を持っていたので、少々肩と腕がしんどくなっている。
「買いすぎたかな……」
 リョーコから渡された二千円をフルに使って、ビニール袋いっぱいにジュースと菓子を買った。
その上コンビニの帰りに遠回りして公園の桜を見て行ったので、ちょっと疲れてしまった。
「ただいま、っと」
 鍵はかけていない。
よく知っている仲とは言え、家の中にいるのは他人ばかりなのだから、やや無用心とも言えなくもない。
ドアを開け、靴を脱ぎ、スリッパを履いて階段を上がる。
と、ここで。
「ん……?」
 自分の部屋の前まで来て、マサヒコは立ち止まった。
後は中に入って、花見という建前の食事会を再開するだけなのだが、スムーズに身体が動かない。
ドア越しに流れてくる、異様な空気がマサヒコに待ったをかけている。
362ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:54:09 ID:TBgh9D6C
「何だ、これ」
 理由はない、言ってみればただの直感である。
女五人に囲まれて、色々と理不尽な目にあってきた果てに身に着けたこのスキルだが、正味の話、得より損をしている。
いくら落とし穴の位置がわかっていても、結局はそこに向かって歩いていかねばならないのだ。
知っているが故に覚悟は出来るが、落ちることに変わりはない。
むしろ事前にわかってしまうことで、さらに気分がげんなりしてしまう。
「……またあのメガネが何かしてるな」
 息を整えると、マサヒコは袋を床に置き、ドアノブに手をかけた。
中に入れば、確実にツッコマなければならない事態が待っているだろう。
が、だからと言って回避は出来ない。
自分の部屋なのだ、自分が逃げてどうするというのか。
「戻った、ぞ!」
 度胸一発、マサヒコはドアを開けた。
そして。
「うわあー!」
 瞬間、何かに強引にタックルされ、後ろに押し倒された。
「な、何だあ!?」
 マサヒコにタックルをかました、それは。
「ミ、ミサキ?」
 幼馴染にして彼女の天野ミサキだった。
「マサひゃあん……」
「ミサキ、お前何を……ってうわっ、何だこの匂い、さ、酒か!?」
 朱に色づいたミサキの唇から漏れる、アルコールの香りが混じった熱い息がマサヒコの鼻を打つ。
「中村先生だな、またアイツがいらんこと……むうぅ!?」
 ミサキをのけて、リョーコに文句を言おうと思ったマサヒコだが、それは果たせなかった。
ミサキが勢いよく唇に吸い付いてきたからだ。
「む……は、むぶ、ぷはっ、ちょっ、待てミサキ! 落ち着けぇ!」
「ああんマサひゃあん、もっとぉ」
「もっと、じゃねーっ! 何考えてんだあ!」
「……みせちゅけるの」
「はっ!?」
「マサひゃんがわたひのらって、みんなにみせちゅけるんだからぁ!」
「だから、何を言ってるんだー!」
 キスはとっくに経験済み。
ミサキの方から求めてきたことも、何度もある。
しかし、それは常に二人っきり(当たり前だが)の時で、人前でしたことはない。
「ねえマサひゃあん……ちょうだいよぉう」
「えーい落ち着けー! ほら、あれだ! み、皆がいるだろーっ!」
「だからぁ……みんなにみせちゅけるんだってばあ」
「出来るかー!」
 マサヒコは何とかミサキを引き剥がし、起き上がった。
否、起き上がろうとした。
が、またしても別の何かに押し倒されてしまい、それが果たせない。
「ぐはっ! い、痛い、後頭部を打った……」
「小久保くぅん……」
「痛たた……って、今度は若田部か!」
 ミサキの次にマサヒコに圧し掛かってきたのは、若田部アヤナだった。
その顔にいつものようなきりっとした表情はない。
さっきのミサキに劣らないくらいに、緩みきっている。
「小久保君……私、私ね……」
「若田部、お前までまさか酒を」
「小久保君のことが……ねえ、小久保くぅん……」
「な、なっ」
「キス……して」
 アヤナはマサヒコの頬を両手で挟むと、目を閉じてゆっくりと顔を近づけていく。
「だーっ! ストップ若田部! お、お前も落ち着けー!」
「小久保君が望むなら、水着だって体操着だって、胸でだって……」
「お前も何を言ってるんだぁ!」
363ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:55:01 ID:TBgh9D6C
 頬にかかる手をどけると、マサヒコはアヤナを引き剥がした。
ミサキの時より少し梃子摺ったのは、アヤナが少しだけだがミサキより重たかったからであろう(おっぱい的に)。
「メガネー! またお前がぶはっ」
 的山リンコ、突撃。
三度、マサヒコ押し倒される。
女体のジェットストリームアタック、一般男性にとっては嬉しい状況も、
今のマサヒコにとってはただの地獄である。
「今度は的山かー!」
「わーい、小久保くーん♪」
「お前もか、お前も飲んでるのか!」
「ねえ、小久保君」
「な、何だよ!?」
「小さいけど、私のおっぱい吸ってみる?」
「……アホかー!」
 リンコの肩を掴むと、マサヒコは横にひょいとその軽い身体を置いた。
三人ともに突き飛ばしてどかさなかった辺りは、さすがに相手が女性だったからだろうか。
この窮地において出るこういう何気ない優しさが、
ミサキをはじめ女性陣を惹きつけるのだが、無論マサヒコ本人が自覚するところではない。
「でえい!」
 三人の二次攻撃をすんでのところでかわし、マサヒコは部屋の中へと突入した。
そして、言葉を一瞬失った。
「……濱中先生、何やってるんですか!」
 目の前では、濱中アイがスカートの中に手を入れて、まさに今ショーツを下ろそうとしていた。
「マサヒコ君……」
「は、はい!?」
「マサヒコ君に、花を見せてあげたくて……ヒック」
「何処に花があるって言うんですか!」
「だから、ここに」
「わーっ! わーっ! 脱ぐなー! 脱ぐんじゃねー!」
 アイの両腕を押さえ、強引に床に座らせることで、脱衣を未然に防ぐマサヒコ。
見事な手際である。
パニック寸前に陥りながらも、瞬時にこういう行動が出来る辺りは、やはり伊達ではない。
良くも悪しくも過去の経験と両親の血であろう。
「中村先生! 中村! メガネ!」
「何よう」
「お前だろ、お前がやったんだろこの状況!」
「さーて、何のことやら」
「トボケんじゃねー! あー、口車に乗って買い物に行かなけりゃ良かった!」
「ふん、もう遅いわよ」
 ポン、とリョーコは空になったビール缶を背中の後ろに放り捨てた。
最早策は成っている、マサヒコが収集をつけるにしても、簡単な話ではない。
リョーコからすれば、後はひたすら煽るだけである。
「じゃあ皆」
「おいっ、まだ何かやるつもりか!」
「花見の本番とゆきましょ、さあ、それぞれマサに満開の花びらを見せて―――」
「何の話だー!」 
「らめっ! マサひゃんにみせていいのはっ、わたしらけなんらからっ! ウィック」
「小久保くぅん、わ、私じゃダメなの? ……ねぇ……いいのよ? ヒック」
「うふふー、色んなところが桜色だよう小久保君」
「マサヒコ君なら、マサヒコ君なら……前も後ろも見せても、いいよ……?」
「よしゆけ、骨は拾ってやるから、皆ゆけ!」
「ゆけ、じゃねーっ!」
 脱ぎ始めたミサキとアイに布団を被せ、キスしようと迫ってきたアヤナとリンコに水を飲ませてなだめすかし、
煽りまくるリョーコにツッコミを入れ、マサヒコはひたすらこのドタバタを収めるべく奮闘した。
そしてそれは、リョーコを除く四人が飲み疲れ&暴れ疲れですいよすいよと寝てしまう一時間後まで続けられたのだった。
364ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:55:51 ID:TBgh9D6C
 ◆ ◆ ◆

「……勘弁してくれ、マジで」
 年度が変わり、四月二度目の日曜日。
小久保マサヒコ、濱中アイ、天野ミサキ、若田部アヤナ、的山リンコ、中村リョーコのいつもの面子は、花見に興じていた。
六人が集っていたのは、公園でもなければ河川敷でもない。
何処かの庭でもなければ山でもない。
彼らが居るのは、毎度の如くと言うべきか何と言うべきか。
「こんなに皆から慕われて、憎いね色男は」
 そう、マサヒコの部屋だった。
「何言ってやがる! 酒を飲ませてけしかけた張本人が!」
 マサヒコはヘタりこんだ。
目の前には、ミサキら四人が蕩けたような表情で眠っている。
そして散乱する空き缶と食べ物屑。
料理が全てひっくり返らなかったのは、リョーコが早い時点で部屋の隅へと退避させたから。
「まあまあマサ、ほれ一杯飲め」
「誰が飲むかよ……」
「なら、お茶かジュースにする?」
 リョーコはパチリとウインクを一つすると、ドアの方を指差した。
廊下には、マサヒコが買ってきた飲み物がまだそこに置かれているはずである。
「くそー……このメガネめ」
「いやー、楽しい花見の時間だったわ」
「……楽しくねーよ」
「桃色空間ならぬ、桜色空間だったわね」
 テレビ画面の映像は、何時の間に入れ替えられたのやら、また『全国お花見スポットBest1000』に戻っていた―――



 
  F  I  N
365ピンキリ ◆UsBfe3iKus :2009/04/11(土) 18:56:38 ID:TBgh9D6C
 以上です。
いい加減本番シーンを書かないとダメですね、すいません。
では、また。
366名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 21:14:14 ID:44w82iri
GJ!
367名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 07:28:28 ID:xNhIh8JZ
これはこれでいいですね、GJ!
368傍観者:2009/04/12(日) 09:15:03 ID:4COlvcfZ
>>349
個人的には丁度このスレを見始めたころに活躍なさってた長時間氏も入れて
ほしいところではあります。私は戦力外なので除外。

>>354
自分は生徒会ネタはやってないです。
369名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 09:40:15 ID:DUFJNHWH
>全国お花見スポットBest1000
1000って多いなぁ…
ある意味見てみたい
370名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 00:33:26 ID:zzLGC+xV
傍観者氏ファイト!
371名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 17:48:33 ID:YWWXtlPe
下ネタ会話とドタバタ、イチャイチャがピンキリ氏の本領のように感じるので、
無理に本番エロシーンを入れなくてもいいんじゃまいかと思うんだが
役割分担や適正じゃないが、ハァハァなエロはさらに上手い職人が他にもいることだし
372名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 22:59:10 ID:3oZ5BvnJ
たまにマイナーキャラのSSを読んでみたいな
373名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 07:02:40 ID:aKkeGp9B
タマとかキンタマだかチンタマあたりか?
374名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 08:51:36 ID:psxAJjCE
またタカトシはフラグ立てるのかな
375名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 10:19:13 ID:ogzaEw2e
メカ眼鏡さんといいトッキーといい、金城フラグじゃないか…
そしてムツミは坪井フラグ…
376名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 11:10:31 ID:EeS42oGV
でも生徒会はリアルタイム進行だから来年三月あたりで円満終了ぽくないか
思春期の出番削られは連載が長期になったためもあるからなあ

しかしトッキーもタカトシにポッとかしそうだ
タカトシ、氏家マンガで過去最大のモテ男か?
377名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 17:24:37 ID:r2iyzrND
そろそろ投下がある悪寒
378名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 04:37:17 ID:swbyMJYk
さらっと爆弾発言を投下されそうな
379名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 07:08:13 ID:qW8u0v6j
ミサキ「マサちゃん…デキちやった」
アヤナ「私も来ないの…」
リンコ「小久保くん、責任取ってー」


こんな爆弾?
380名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 10:49:34 ID:v+WDHOK8
凌辱やグロもそうだが数多くのSSがあるというのに
孕ませも少ないよな?郭氏が後日談的にアイセンセとマナカで書いてるくらい?
381名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 17:51:19 ID:19kww11D
そら氏の性闘士マサヒコシリーズとかな>妊娠
ピンキリ氏もよく話の中で「〜の子供が欲しくない?」とリョーコあたりが言ってるし、
ヒロキとカルナのコスプレシリーズの最後で二人の間に愛の結晶が出来たっぽい書き方だし

でもやっぱり無理矢理孕ませ〜ってのはないんだな
どれもしあわせそうで、これが結局このスレの(と、職人の)特徴かもしれん
382名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 20:16:51 ID:H2rz2jKv
余りレイプや陵辱はないよね
383名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 01:55:04 ID:7TAu/kZx
凌辱・レイプものは最中のシーンは確かに下半身に訴えかけてくるが、終わった後の救われなさの味が悪いからな
氏家のライトな作風のパロとしては多分取り合わせが悪いし、職人もそういうのが好きじゃない面子が自然と揃ったんだろう

今の直接エロなし無問題・恋愛色高濃度な雰囲気が精製されたのはある意味当然だったかも試練
384名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 01:59:15 ID:N+O85uFN
マガスペで生徒会のシノと濱中のミサキの小学校時代の話を連載するそうで…
どうもガチで本当らしい
385名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 05:31:44 ID:rfLHCgbX
>>384
マジならkwsk
386名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 05:39:20 ID:zM8/hSR7
生徒会役員共の本スレにリンクがあるな
387名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 05:51:53 ID:rfLHCgbX
>>386
確認してきた。新スレの方だったとわ
やべぇマジでキタコレ
やっぱり氏家最高傑作は濱中みたいだな
388名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 05:54:08 ID:RO2MCOr6
このスレまだあったのか…愛されてるんだなすげー
389名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 12:09:12 ID:Guhx3VgP
初期組の職人と住人はうれしいだろうな>児童会役員共
個人的には濱中その後の公式展開が気になるが、続編嫌いらしい氏家は絶対描かないだろうな

まあ、ここで数々の職人がアフター書いてるけど
390名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 13:53:43 ID:rfLHCgbX
濱中は流れ的には
マサヒコとミサキが付き合い、アイは教師に、中村は豊田と寄り戻して、アヤナは海外から後帰国じゃないかな
391名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 16:41:19 ID:zM8/hSR7
思春期から入った俺には濱中が一番好きな人が多くで肩身がせまいお・・・
392名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 17:51:17 ID:L1qxDzyU
ミサキ再登場は嬉しい限り。
んー、そうするとシノ・ミサキ・マサヒコは同じ小中学校の可能性がある?
いや、思春期の某幼馴染みたいに途中でシノは引っ越して学区が変わったのかな?

あと、シノとミサキは同い年?まあ実際に掲載されるまでその辺は分からないか。
393名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 20:12:21 ID:rfLHCgbX
マサヒコがシノとフラグ立ててそれに嫉妬するミサキや、貧乳同盟を組むシノミサ、マサミサの中には入れないと身を引くシノが見れるわけですね、わかります
394名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 17:09:17 ID:EfcohOG3
>>391
でもベテラン職人も残ってるからまだ思春期もカバーしてくれるじゃん
395名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 02:14:48 ID:k3WhmDtY
濱中のその後って一応あかほんにチラッとあるよね
396名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 16:44:47 ID:JZVrtUf0
同一世界だからな
一応別扱いのマンガのキャラなんだが、ああいうのは氏家嫌いだと思ってたが
そうでもないのかな
397名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 20:46:00 ID:BgOdMzm2
たまにはいいかも?的発想かもね
398名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 22:09:56 ID:ns7JWGtA
うーん、マガスペ側が「少ないコストで購入者を増やす方法ってない?あ、そうか
少ないページの連載を始めればいいんだ。じゃあ氏家先生にもう一度やってもらい
ましょう。さらに濱中のキャラも絡めれば完璧じゃね?先生は思春期のときもスピ
ンオフ(保育園)やってたから楽勝でしょ」みたいな発想では。
399名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 22:53:49 ID:HaI0Jdpc
>>398
でもそんな感じの適当な連載の方が人気が出てしまいそうな気がするなw
スクランZも終盤は完全に手抜きっぽかったから、氏家センセ的にも楽にやれるんじゃね?
400名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 16:12:03 ID:DQhYVxOy
週刊と月刊でそれぞれ連載持てるんだからマンガ家としては十分成功の部類だな
知名度はないといっても
401郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/23(木) 23:44:21 ID:LNfIOmDh
はい、どうも郭です。

遅くなりましたが>>310 の続き。NGは「近親相姦」ただし「挿入無し」かな?では投下。
402郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/23(木) 23:45:47 ID:LNfIOmDh
吐息混じりにコトミが振り返る。その目は、もう既にとろん、と溶けたような眼差しで―――
視線を合わすこともできず、タカトシは俯いてコトミの胸や乳首を洗っていた。
「タカ兄………ココも、忘れちゃダメだ、よ」
「え?」
タカトシの左手をとると、コトミは自分の幼い茂みへと誘う。
「!!!!こ、コトミ、おい!」
「さわって、わたしの、ここも」
「だ、ダメだって」
「良いの。タカ兄は、さわって良いから。タカ兄に、さわって欲しいから」
「………!」
そう言って頭を預けてきたコトミの表情は、今まで見たこともないくらい妖艶な表情で―――
タカトシは知らぬうちに顔が熱くなるのを感じ、ぶるっと、一回大きく身震いした。
「ん………にゃ。タカ兄の指、気持ち良いよ………」
抵抗することすら忘れ、タカトシはムツミのそこをまさぐっていた。生えかけの恥毛はしっとりと濡れ、
そして幼い裂け目からは、明らかにお湯とは異なる熱さが溢れ始めていた。
「こ、コトミ、ゴメン、もう」
「もっと、キレイにしてよォ…………タカ兄」
正気に戻ったタカトシが手を引こうとするが、意外な力強さでコトミはぐい、と手をつかんで離さない。
「だ、ダメだって」
「じゃあ、タカ兄?」
「え?わ、わわ、こ、コトミ!」
タカトシに抱きかかえられるように現れていたコトミが、いきなりくるん、と反転して、正面から抱きついてきた。
「今度は私が、タカ兄を洗ってあげる」
「い、良いって。それくらい俺が自分で」
「ダメ。いっぱい私のこと、タカ兄が洗ってくれたから、お返しするの。ふふ………それに」
淫靡にコトミが微笑むと、細い手がタカトシのそこに伸びてきて―――しなやかに、触れる。
「※t^&!!!こ、コトミ、コラ!」
「かたくなってるよ、タカ兄のおちんちん」
「ば、バカ!放せ!」
コトミの手を押しのけようとするが、妹はしっかりとタカトシのそこに手を置いたまま離そうとせず。
そしてそのままタカトシにからだを預けてより密着してくると、耳許で熱っぽく囁いた。
「洗わせてくれたら………放してあげる」
「お前なあ、コトミ!さっきから」
「ふふッ、ダメだよ、タカ兄。こんなにおちんちんかたくしてるのに、怒っても説得力無いよ?」
「ぐ…………」
それはコトミの指摘通りだった。そこさえ大人しくしてくれていれば妹の仕掛けてくる悪戯など、
はねつけることもできたはずなのだが。なにせ正直者のタカトシのそこは既に勃起しきっており、
コトミに触れられていることでさらに硬度は増してしまって―――いかんともしがたい状態なのであった。
「ね?タカ兄。私が、キレイにしてあげる。背中洗うから、うつぶせになって?」
「………じゃ、じゃあ」
うつぶせになってしまえば、少なくとも勃起したペニスを見られることはないだろうと、甘く考えたタカトシだったが。
(ふふ、タカ兄の背中♪)
兄の背中を見つめたあと、コトミはボディソープを手にとり、自らの乳房や腹にぬりたくって泡立てて―――
"ぬるッ………ぺたッ"
そのまま、うつぶせで寝ている体勢のタカトシに覆い被さるように自分のからだをくっつけてきた。
「!$!!こ、コトミ、お前!」
「しッ。じっとしててね?タカ兄」
"ぬ……つるッ、くつッ、ぷる………"
そしてコトミは、タカトシの背の上で泳ぐようにからだを往復させてきた。
幼い胸の膨らみの柔らかさが、ふっくらとした太股のなめらかさが、まだ疎らな茂みの感触が、
背中越しにタカトシに伝わってきた。
(!!!う、わ…………やべえって、俺)
なんとかペニスを大人しくさせようとするタカトシだが、怒張しきったそれは納まる気配すら見せない。
"ちゅッ"
「ん?」
§
403郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/23(木) 23:48:14 ID:LNfIOmDh
肩のあたりになにか感触を覚えて、タカトシは思わず声をあげた。
"ちゅ………ちゅ"
「うふ。気持イイでしょ?タカ兄」
「?コトミ?」
"つッ。ちゅッ"
「タカ兄のからだに、いっぱいキスしてあげるからね」
「!お、おい、止めろって。汚いだろ!」
「汚いなら………私が、全部キレイにしてあげる」
"ちゅ、ちゅッ"
より強く、吸いつくようなキスをタカトシの背中に続けるコトミ。吸うたびに、そこは赤く跡になり。そして。
"ちゅ、ちゅる、ちろ〜〜〜〜〜ッ"
「わ!!」
小さな舌を突き出すと、くすぐるように。ちろちろと、タカトシの肩胛骨周辺のくぼみを舐める。
大きく跳ねて反応する兄の肉体を、愉しみながら。コトミは、舌先でタカトシの背中をなぞってゆく。
「うふふ、くすぐったい?タカ兄」
「だ、だから、お前なあ!」
"ちゅ…………ちぅろ、ちゅぷっ"
一応怒声を発するタカトシだが、コトミは聞く耳を持たず、キスと舌撫をひたすら繰り返す。―――そして。
"ちるッ、ちろッ"
「あ?はわわ?お、おい。そこは!」
尾てい骨周辺から、尻の谷間にまで舌先を伸ばし、舐めるコトミ。
くすぐったさと恥ずかしさから身悶えするタカトシだが、コトミは兄の反応を見て嬉しそうに舌先を這わす。
"ちゅ、ちゅる、ぷくッ"
(うふふ………タカ兄、可愛い)
「お、お前、もういい加減に!」
さすがに耐えきれなくなったタカトシは隙を見てコトミを押しのけ、身体を反転させるが―――
「きゃ♪やぁん、タカ兄♪」
「え?あ、わぁぁぁぁぁぁぁ!」
勢いに任せて行動してしまったタカトシは、忘れていた。自分のそこが、どういう状態になっていたのかを。
「うわぁ〜〜〜〜、すごいねタカ兄のおちんちん!」
「ば、バカ、見んな!」
股間を隠そうとするタカトシだが、先に気づいていたコトミの方が行動は早かった。
ふに、と柔らかな手が、ペニスを包んできて。
「こんなに、かっちかちで………なんだか痛そうなくらい。うふ、でもなんだか可愛いね♪」
"ちゅうッ"
まだ皮を被った、少年のペニスにいきなりキスをするコトミ。
「バカ、放せよ、おい!!」
「やだもん。うふふ、私がタカ兄のおちんちんを可愛がってあげるからねッ♪」
"かにッ"
「ほ、ほわぁ!!」
タカトシも慌てて逃げようとするのだが、軽く甘噛みされて思わずのけぞり返ってしまうのであった。
「えへへ♪ちょっとだけ。ちょっとだけ、我慢してね、タカ兄………」
"くりりッ……むきゅ。ちゅッ、はむ"
包皮を、慎重に剥きながら―――コトミは、ペニスにキスをして。そして、睾丸を柔らかく、揉む。
「んう゛。大丈夫?痛くなぁい?」
「いや、そんなに………って、お前、や、やめ……」
"くりッ………ぷる、むに、ちゅるぅ……"
兄の抗議をものともせず、コトミは指先と舌で包皮を徐々にずらすようにして剥いてゆく。
"くりゅ………ぬるン"
ようやく姿をあらわしたのは、まだピンク色のペニスの先端だった。
"つるッ……ちゅッ、"
その先端に、舌を這わせてから。包皮の周囲に微かに付着した恥垢を、舐め取るようなキスをするコトミ。
「ふ、ふぃぃッ、ってコトミ、おい!」
「はッ………あ、くふッ………タカ兄のおちんちん、しょっぱくて、美味しいよ……」
くすぐったさと微かな痛みから奇妙な声を上げてしまうタカトシだが、コトミはペニスをひらすら舐め続けている。
§
404郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/23(木) 23:49:42 ID:LNfIOmDh
"く………くり、くに、ちゅうううううッ"
包皮をずるずると下ろし―――コトミはペニスをさらに強く、吸い出すようなキスをした。
"く。ぬ、る………くり"
そして、遂に。包皮にはりつくようにして隠れていたタカトシの亀頭が、全て顔を出した。
「う、ふぁ。えへへ。剥いちゃった、タカ兄のおちんちん」
「う………あ」
もはや怒ることも抗議することも忘れ、タカトシは妹のなすがままとなっていた。
タカトシにとってもそれは、生まれて初めて味わう甘い苦痛であり、快楽だった。
"ちゅ、ちゅう、きゅ"
「タカ兄の……タカ兄の、おちんちん、好き」
目を閉じて頬を染め、恍惚の表情でペニスをしゃぶるコトミ。
小さな口の中いっぱいに亀頭を呑み込み、舌先でくにくに、と剥いたばかりの包皮を刺激し、
唾液で、べっとりとペニスを包む。もはやペニスはおさまるどころか猛り狂うかのように勃起していた。
「あ、お、おい………ダメ、だ、よ、コトミ…………もう」
「ん………いや。ろのまま、だしれ」
快楽の津波が襲ってきたのを感じ、なんとかペニスを妹の口から引き離そうとするタカトシだが、
コトミは口の中にそれを含んだまま放そうとしない。
「だ、だ、ダメだって………や、め……あッ!!」
"びゅッ!!びゅるぅッ!!"
我慢の限界をあえなく超えてしまったタカトシは、コトミの口内に思いっきり精を放射した。
「あ。あぁ………あ」
精通そのものは初めてでは無かったが、他人の口の中でするのはもちろん初めての体験だった。
未知の快楽に身を浸したタカトシは為す術もなく、ただ惚けたような声を出していた。
「ん………んッ、ん………たかにい、うン……」
"びゅッ!びゅぅッ、びゅ……"
少しずつ射精の勢いを減じていくタカトシのペニスだが、コトミは決して口から放そうとせず―――
目を閉じたまま、ひらすらこくッ、こくッ、とペニスから精液を絞り尽くすように吸い出していた。
"づ、ぢゅるううううぅぅぅ………ちゅるッ"
「ご、ゴメン、コトミ。俺」
「ん………タカ兄、まだ、出そう?こくッ」
「わ、分かんないけど、もう終わりだと思う。それより、お前………まさか、全部飲んじゃったのか?」
「うん!」
「ご、ゴメン。大丈夫か?」
「大丈夫だよ。粘っこくて、ちょっとだけ苦かったけど、平気。うふ、心配してくれるの?タカ兄」
「だって、これって美味いもんじゃないんだろ?」
「美味しかったよ。タカ兄のだもん!それより、ねえ、気持ち良かった?」
「……………うん」
「えへへ♪嬉しいよ、タカ兄!」
「わ!お、おい、コトミ!」
笑顔のコトミが、抱きついてきた。驚くタカトシにも構わず、
"ちゅッ、ちゅ"
タカトシの頬に、首筋に、顎先に。愛おしそうな、キスを続けるコトミ。
「えへへッ♪大好きだよ、タカ兄!」
「コトミ、ちょっとお前」
「ねえ、タカ兄………私のこと、好き?好きって言って欲しいな………」
"ちぃ、ちゅうッ"
そう問いかけながらも、コトミはキスを止めようとはせず―――
やがて、柔らかな唇がタカトシの左の乳首に吸いついてきた。
「!¶?Θ?ふ、ふわぁぁぁッ!!!!!お、おい、コトミ?」
「ふふッ。タカ兄、乳首弱いもんね?」
「あ、あひッ!………お、お前なあ!!」
「えへへ♪タカ兄、女の子みたいで可愛いッ♪」
"ちゅ、ちゅうッ、つむッ"
左の乳首から、右の乳首へ。交互に、つぷつぷと左右の乳首を転がすようにキスするコトミ。
「ひ、ひぁやぁぁっぁ!!」
§
405郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/23(木) 23:52:10 ID:LNfIOmDh
そこはコトミの言葉通りタカトシの性感帯であるらしく、
タカトシは少女のような悲鳴を上げて反応してしまっていた。
「うふふッ、でも右の乳首の方が感じるんだよね♪タカ兄って」
「や、やめ、やめ………て、くれ、頼むって」
「ちゅ。ん………ねえ?タカ兄」
楽しそうに繰り返していた乳首責めを突然止めると―――真剣な表情になって、コトミが見つめてきた。
「な、なんだよ」
「私………可愛くない?」
「へ?」
「答えて。私のこと、タカ兄はどう思うの?全然、なんとも思わない?それは、妹だから?可愛くないから?」
「…………そんなの」
今にも泣き出しそうなくらい目を潤ませて、コトミは聞いてきていた。
答えを探そうとしたが、タカトシは、ただ言葉を失って。
「ねえ、私、タカ兄の好みの女の子になるから。最近、おっぱいもおっきくなってきたし」
「そ、それは別に俺の好みじゃ」
「タカ兄、おっぱいおっきい女の人好きでしょ?前にプレステの中に入ってたもん」
「※ΨΔは、はぁぁぁぁ???あ、お前見たな!!!」
「だってタカ兄ったらプレステの中に入れっぱなしだったから」
「ぐ………あれは、その。友達から借りたやつで、別に特に俺の好みとかじゃ」
「でも、やっぱりおっぱい大きい方が好きなんでしょ?ね、ホラ………」
「わ、わ!コトミ、お前!」
ぐい、とコトミがタカトシの手を取って胸に導いてきた。さきほど洗ってやっていたときより、
そこはずっと熱く―――心臓の脈打つ音まで、聞こえてきそうだった。
「私のおっぱいなら、いつでも触らさせてあげるよ?いつでも舐めたり、エッチなこともさせてあげるから。
ね?良いんだよ、タカ兄?」
「だ、ダメだって!俺とお前は」
「それとも、タカ兄はクラスとかに今気になってる女の子いるの?」
「………いきなり、なんだよ」
「私より好きな子がいる?私より、可愛い子がいる?私より、おっぱいおっきい子がいるの?ねえ……」
「いないよ、好きな子なんて………それに、その………お前は、可愛いと思うよ。でもな」
「タカ兄に、そう言ってもらえるの、嬉しい!すごく、嬉しい!」
両の手で頬を抑え、泣き出しそうな笑顔をつくるコトミだが、タカトシは慌てて付け加える
「こ、コラ!最後まで聞け!だけどな、やっぱり俺とお前は兄妹なんだから。
その、さっきみたいのは、もうダメだぞ?絶対に、言うなよ?母さんにも、父さんにも」
「言ったらダメなの?タカ兄」
「頼むよ、マジで止めてくれ。こんなことバレたら、父さんも母さんも倒れちゃうって」
「…………じゃあ、私のお願い聞いてくれる?」
「いいけど、これからも一緒に風呂に入りたいってのは、ダメだぞ?」
「やっぱりダメ?」
「ったりまえだって。やっぱりお前」
「じゃ」
「?わ、わッ!」
コトミが突然立ち上がって浴槽の縁に座り、兄に向かって脚を広げて見せる。
幼い裂け目が目の前に広がり、タカトシは慌てて視線から外そうとするが―――
「舐めて、タカ兄」
「え?」
「さっきは私がタカ兄のことを気持ち良くしてあげたから………今度は、タカ兄に私を気持ち良くして欲しいな」
「そ、それは」
「私のお願いを聞いてくれるんでしょ?じゃないと、お母さんとお父さんに私、さっきのことしゃべっちゃうよ?」
「!!お、おい、それは」
「ね?タカ兄がさっき洗ってくれたから、キレイだよ、私のここ。ホラ………」
そう言うと、自ら両の指で薄い恥毛が生えたそこを開いてみせるコトミ。
ぴっちりと閉じていた割れ目を開くと、小さな両唇と、暗い肉奥が透けて見えた。
―――そして、そこは。間違いなく、コトミの愛液で濡れ、光沢を放っていた。
"ごくッ"
§
406郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/23(木) 23:55:07 ID:LNfIOmDh
まだ幼い妹のそこが媚汁により濡れ、光っている姿は恐ろしく淫靡で―――
タカトシは目を背けることも忘れてコトミの秘所を凝視し、思わず唾を飲み込んでいた。
「………い、いいのか?コトミ」
「うん。タカ兄に、して欲しいの」
「………分った」
コトミの言葉に誘われ、魅了されるようにタカトシはコトミの股間に顔を埋め………
"ちゅ"
妹の肉口に、口づけをした。石鹸の匂いと、コトミのそこから分泌された生々しい肉の匂いが入り混じって、
タカトシの鼻腔を刺激してきた。
「あ、ン………たかにい……」
興奮に頬を染め、コトミが上擦った声をあげる。その声に応えるように、タカトシは。
"ぴちゃ……ぷちゅ"
妹の割れ目を、ひたすら舐める。まだ開こうとしないそこを、柔らかく、ほぐすように。
「にゃ………ひゃ。ふにゃん………」
兄の舌で弄られるたび、子猫のような声を漏すコトミ。タカトシは、そして。
"くッ"
指先で、コトミのそこを軽く拡げた。鮮やかなピンクとしか表現しようのない、秘色の肉裂が目の前に広がる。
"ぷちゅ………くりゅ"
「あ、ひや、ン………タカ兄、ひもち、いい………」
舌先を丸め、肉奥に向かってぬるり、と埋め込んでいった。
石鹸の薫りは消えてゆき、逆に発酵臭にも似た肉の薫りは強くなっていった。
"ちゅッ、くちゅッ。くにゅ〜〜〜〜、ぷりゅ、くぬ〜〜〜"
戸惑いを忘れ、タカトシはひたすらコトミのそこを舌で嬲った。奥にまで突いて、引き抜いて。
周りの肉縁を、なぞるように、舐めて。ずるずる、と吸い出して。
「あ………にゃ、みゃ……」
「コトミ………気持ち、良いのか?」
「ウン。すごく………恥ずかしいけど、あそこをタカ兄にキスされるの、きもちいいよ………」
タカトシの頭に手の乗せ、だらり、と両脚を弛緩させながらコトミが答える。
快楽にとろけたような表情をした妹のそこからは、こんこんと媚汁が湧き出てきて―――
タカトシの味蕾には、酸味と塩味が合わさったような味覚が広がってきた。
「タカ兄………ここも、舐めて」
くに、と自らの指先でコトミが肉皮を剥くと、桜色の突起を兄の目の前に晒す。
「う、うん」
"ちゅッ"
妹の言葉に誘われるがまま、タカトシはコトミの肉芯にキスをする。
「ひゃ!は、にゃぁ。タカ兄、そこ、いい………」
"る、ちゅるッ……くりッ"
今までよりもさらに敏感に反応してきたコトミを感じながら、タカトシは妹の肉芽を舐める。
小さな突起はタカトシの舌に弄られて、微かに震える。
「タカ兄………もっと、して欲しいの」
「え?」
舐め続けていたタカトシが顔を上げると、コトミは淫猥に微笑んで―――
「私の中に、指も、挿れてほしいの」
「で、でも、痛いんじゃないのか?」
「優しくしてくれれば………大丈夫だよ。ね?もっと、感じさせて」
「う、うん」
淫らにおねだりしてくる妹に、タカトシは反論することも出来ず、ただ従う。
"るぶ………"
「は、ぁン。タカ兄、指で、かきまぜて………それで、クリトリスも、舐めて………」
"ちゅぷッ………くちゅ、ぐちゅッ、ぢゅぷ"
恐る恐るだが、コトミの言葉どおり人差し指で肉泉をこねまわし、舌先で肉芽を転がした。
「にゃ………はぁ。ふぐッ………たかにい………たかにい………」
すべてを忘れ、タカトシは妹のそこを舐め続け、かき混ぜ続ける。
幼いそこは指と舌で嬲られるたび、とろとろと媚汁を溢れさせて兄の口元と指先を濡らしていく。
「ん……ぅん…タカ兄。もう、わたし………あ。も、もれそう………」
§
407郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/23(木) 23:58:46 ID:LNfIOmDh
「?それって、さっきの俺みたいな感じなのか?」
「わかんない。でも、おしっこ漏れそうな感じかも」
「………いいよ、コトミ」
「?タカ兄………」
「お前が俺のを飲んでくれたから。今度は、俺が飲んでやるよ」
「!え?や、タカ兄。それは、私」
「良いから。ホラ、出して、コトミ」
"ぢゅッ。ぢゅるるッ"
コトミの中をかき混ぜていた指を引き抜くと、思いっきり妹の股間に顔を埋め、そこにむしゃぶりついた。
「あ!あぁぁぁン!た、タカ兄、そんな、だめ………」
タカトシにそこを吸い出されるように口づけされると、コトミは快楽に抵抗できず、やがて。
"ぷちゅッ………ぷしゃぁぁぁ…………"
「あ………あ〜〜〜ッ、ふあう゛ぁ〜〜〜っ」
小さく破裂するような音とともに多量の愛液を漏して、絶頂に達し、ぶるぶると震えた。
「ん………ん、こく」
肉裂から溢れてくる媚汁を愛おしそうに舐めとり、タカトシはそれを飲みほす。
「や………ごめんなさい、タカ兄」
「いいんだよ。一応これでおあいこだし」
そしてタカトシは、まだ恥ずかしそうにしているコトミを下ろして抱き寄せると、
"ちゅ"
小さなおでこに、キスをした。驚いたコトミが兄を見ると、タカトシは照れくさそうな表情で。
「タカ兄………」
「今日で一緒に入るのは本当に最後だからな?それは、約束だからな?」
「………うん」
「じゃ、風呂入るぞ」
「…………うん。ねえ、タカ兄?だっこして」
「ああ」
すっかり大人しくなったコトミを抱きかかえると、タカトシは妹のからだをお湯の中に浸す。
すぐに白い肌は、刷毛で塗ったようにピンク色に染まる。
「タカ兄………私ね、タカ兄の妹で良かった」
"ちゅッ"
コトミがタカトシにふわりと抱きついてきて、頬にキスをする。
嫌がりもせず、でもやはり少しだけ照れくさそうに、タカトシはコトミを優しく抱いた。
「それは良いけどさ。さっきも言ったけど、今日のことはナイショだぞ。それは、守れるよな?」
「うん。ね、タカ兄?お母さんとお父さんがいないときとか。ふたりっきりのときは、一緒にオフロ入ろ?」
「………あのな、一応最後って」
「ねぇ、それくらいは良いでしょ?ね、お願い!」
「…………しょうがねえな」
「わ〜〜い!ありがとう、タカ兄!」

♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀

「それじゃ、ありがとうございました!会長」
「うむ。4月を楽しみにしているぞ、コトミよ」
"バタン"
「ふぅ。タカ兄ってやっぱり高校でもモテモテなんだね」
「んなことねーよ」
「ふ〜〜ん。でも、やっぱり嫉いちゃうな。ねぇ、タカ兄………」
潤んだ視線をタカトシに送ると、コトミがゆっくりとスカートをたくし上げて―――
「…………お前、まさか今日ずっと」
「タカ兄のベッドで寝てたときから、履いてなかったんだ。いつみんなに見つかるかと思って、
ドキドキしてたらすごく………濡れちゃった」
「さすがにシャレなんねーだろ、それ!」
「えへへ………いいから、オフロ入ろ?今日は、ふたりっきりだよ?」
「………しょうがねえな」
そして、兄妹は―――手を繋いだまま、脱衣所へと消えていった。

END
408郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/24(金) 00:03:45 ID:LNfIOmDh
投下してからさっそくミスに気づきました。
>>402 14行目

×抵抗することすら忘れ、タカトシはムツミのそこをまさぐっていた。生えかけの恥毛はしっとりと濡れ、
○抵抗することすら忘れ、タカトシはコトミのそこをまさぐっていた。生えかけの恥毛はしっとりと濡れ、

本当にアホや。すいませんが保管庫収録時は修正願います>>Wiki管理人様

続いて投下。シノ×タカトシのイントロ、NGワードは「未完」「エロ無し」で、投下。
409郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/24(金) 00:04:35 ID:LNfIOmDh
「しかし今日は」
「平和ね、シノちゃん」
それは、良く晴れた初夏の放課後の話だった。
桜才学園の生徒会長・天草シノと生徒会書記・七条アリアのふたりは一日の生徒会の仕事を終え、
ふたりでゆっくりとティー・タイムを楽しんでいるところだった。
「津田と萩村のふたりがいないだけでこんなに静かだとはな」
「ふふふ、あと横島先生もね」
本日桜才学園の2年生は修学旅行で仙台に向かっており、タカトシとスズは当然それに参加、
またタ2年のクラスを受け持つ横島も引率として同行し、結果この三人は学園に不在なのだった。
「なんだかアリアとふたりだけなのも久しぶりのような気がするな」
「あ〜〜、そうね。ふふ、なんだかちょっと寂しいかな?こんなに静かだと」
タカトシ・スズ・横島等を交えると生徒会室はとたんに賑やかになるのだが。
気心の知れたシノとアリアのふたりだけでは、なんとなくのんびりとしたムードになっていた。
「ふ〜〜む、ところで………アリア?」
「?なあに?シノちゃん」
かちゃり、とシノがティー・カップを置くとそわそわと視線を泳がせはじめ、
あらぬ方向に目を向けたままアリアに語りかけてきた。
不思議そうな表情のアリアだが―――シノは逡巡した末にようやくまた、口を開く。
「その…………だな、私の友人の話なのだが」
「シノちゃんの、お友達の?」
「う、うむ。話というのは他でもないのだが………その、いわゆるコイバナというものでな。
なにせ私は経験がないものだから、アリアの意見を聞きたいというか」
いつもははっきりとした性格のシノにしては珍しく、歯切れが悪かった。
この時点で既にピンときていたアリアだが、にこにこと微笑みながら答える。
「うふふ、私も恋愛経験なんてないの、シノちゃん知ってるでしょ?」
「そ、そうか。しかしアリアの方が私よりずっと女性らしいし、男心を分っていそうだと思ってな」
「うふ、シノちゃんにそう言ってもらえるのは光栄だけど。それで、そのお友達のコイバナって?」
「その、だな………実は年下の男に恋をしているらしいのだ。
しかしその学校では校内恋愛は禁止らしくてだな。非常に、苦しんでいるらしいのだ」
(やっぱり………)
読み通りだったアリアだが、微笑みを浮かべたままシノを促す。
「ふうん、そのお友達の思い人はどれくらい年下なの?」
「いや、ひとつしか違わないぞ」
「な〜〜〜んだ、今時そんなのは恋の障害になんてならないんじゃない?」
「そうか!アリアもそう思うか!」
「それで、そのお友達と思い人は、どういうご関係なのかしら?」
「かかか、関係は、その、まだ清らかな」
「うふふ、そうじゃなくて。部活の先輩と後輩みたいな関係なのかしら?」
「!そ、そのとおりだ。とある部活の先輩と後輩でな」
「あら〜〜〜。ありがちというか、黄金パターンじゃない。
同じ時間を過ごすうちに仲良くなって、惹かれあうようになったってことでしょ?素敵な関係ね」
「そうなのだ!だが校則以外にも問題があってな。どうやら男の方が相当に鈍い奴らしく、
いくら恋心をアピールしても全く気づいてくれないのだ!」
「うふふ、アピールって具体的にどんなこと?」
「風邪を引いたときにお見舞いに行ったり、さりげなくバレンタインデーにチョコを送ったり、
クリスマスにプレゼントしてくれたネックレスを私服のときはいつも身につけたり、
とにかくその、考えつく限りのアピールはしているのだ!」
(あ〜〜〜、やっぱり最近ネックレスつけてるのって、アピールだったんだ)
「そうか〜〜。で、シノちゃん?そのお友達は、自分の恋心を直接伝えるようなことは」
「そそそ、それができないから困っているのではないか!」
(うふふ、シノちゃんって、本当に嘘がつけない人なのよね)
笑顔を崩さずに、アリアは思っていた。当たり前だが、もう、彼女は気づいていた。
シノの言う『友人の話』とは、他でもないシノ自身の話であり、思い人とは津田タカトシであることを。
(シノちゃんのことだから、私が津田君を好きかどうかを探ろうとか牽制しようとか、
そういう狙いはないのよね。本当にただ単純に困っちゃって、相談しようと思ったのね、多分)
§
410郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/24(金) 00:05:07 ID:LNfIOmDh
長年の友人だけに、シノの性格がアリアには分りすぎるほど、分っていた。
彼女は本当に真っすぐで、公平な人なのだ。
だからこそ、校内恋愛を禁止とする校則とタカトシへの恋愛感情の狭間で悩み、
またタカトシの鈍感ぶりにも悩んでいるのだろう。
(う〜〜〜ん、でも津田君の鈍さは筋金入りだしな〜〜〜)
シノがタカトシに好意を持っているというのはアリアも薄々感づいていたし、
また彼もシノを憎からず―――少なくともアリアから見て―――感じているらしいというのは、
間違いがないと思っていた。だが、問題はタカトシに好意を寄せているのはシノだけではないということで。
タカトシと同じクラスの三葉ムツミははっきりとタカトシのことを好いているように見えるし、
生徒会会計であるスズも普段はタカトシとケンカばかりしているように見えるが、
それは彼に対する好意の裏返しではないかとアリアは思っていた。
(シノちゃんのためにも、どうにかしてあげたいんだけど)
アリアなりに、真剣に考えていた。この愛すべき親友の恋を成就させるために、なにができるかを。
(!!そうだ!)
そして、思い付いてしまった。
「うふ、ねえ、シノちゃん?」
「な、なんだ?アリア」
「こういう女子トークも色々したいし、今度私の家で久しぶりにパジャマパーティーとかしない?
前みたいに夜どおし語り明かそうよ!」
「!うん、そうだな。つもる話もあることだし、私もアリアとじっくり話をしたいところではあるな」
「それでね、シノちゃん?生徒会のみんなも誘っちゃダメかしら?」
「!!!そそそ、それはその。つつ、津田も誘うということか?」
「そう♪生徒会の親睦を深めるということで。だからスズちゃんもよ?」
「ふ、ふむ、萩村も、それは、そうだな。確かに、生徒会活動のためにも意義のあることだな。
うむ。そうだな、生徒会のためだものな、そうしようか!」
「じゃ、決まりね〜〜〜♪」
ニコニコと満面の笑みのアリアだが、その笑顔の裏には、当然のように黒い………否、
桃色のたくらみが隠されているのであった。

♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀

「それでは夕餉も頂いたことだし、さっそくパジャマに着替えようか」
「あの、会長?俺も着替えるんですか?」
「当たり前だ!パジャマパーティーなのにパジャマでなくてどうする!」
「でも一般的にはこういうのって女の子同士でやるもので、そこに男の俺が加わるのは」
「なにを言っている!生徒会の親睦を深めるためにこのパジャマパーティーを企画したのだ!
わざわざ場所を提供してくれたアリアの好意をなんと心得る!」
「………じゃ、まあ、着替えてきますけど」
これもまた、このふたりのいつもの風景ではあるが。シノの迫力に押され、タカトシは部屋を後にした。
「会長はああ言ってますが、良いんですか?」
「うふふ、良いのよ。たまにはみんなリラックスした姿で本音を言い合うってのも必要だと思わない?」
「はぁ………そう言われれば、そのとおりかもしれませんが」
なんとなく納得のいかない、という表情のスズだが。
頭脳明晰な彼女といえど、さすがに今回のアリアの企みまでは気づいていなかった。
「じゃ、津田君が戻ってくる前に私たちも着替えましょうか♪」
「あ、はい」
「そうだな、折角のパジャマパーティーなのだから、今日は大いに語ろうではないか!」
疑いを持つ間もなくスズはアリアに促されて着替えを始め、
また既にテンションが上がりまくっているシノもそそくさとパジャマに着替え始めた。
「わぁ♪可愛いパジャマね〜〜、スズちゃん!」
「いえ、あの、ちょっと子供っぽいかとも思うんですけど」
淡いピンクの色地に赤い縦ストライプのシンプルなパジャマを着たスズだが、
小柄な彼女のそのパジャマ姿は、アリアの言葉通りなかなかに可愛らしいもので。
「うん、萩村に似合ってるぞ」
「そ、そうですか?そういう会長もお似合いですよ」
§
411郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/24(金) 00:05:49 ID:PCFWXuvK
「そうか?ありがとう、萩村」
一方のシノは、さらにシンプルなミントグリーン一色のパジャマである。
少し光沢のある素材でできたそれは、パジャマとしてはやや細身で―――
きりり、とした大人っぽい美少女であるシノの魅力を良くひき立てていた。
「でもちょっと遅いわね、津田君」
頬に手を当てて小首を傾げるアリアだが、その彼女が身に纏うパジャマはと言えば。
(しかし………さすがはアリア)
(………まるで叶姉妹だわ)
毛足の長いワインレッドのバスローブを身につけたアリアの姿は、
スズの心の中のツッコミ通り、いかにもセレブでゴージャスそのものと言った感じだった。
「あ、すいません、遅くなりました」
「全く、男のクセに遅いぞ!津田!」
「そうよ、男のくせにアンタはチンタラと」
「まあまあ。最近だと、『男のくせに』というのもセクハラらしいから」
「そ、そうか?」
「それにあんまり遅いって言うと津田君が遅漏みたいだし、
チンタラっていう表現も聞きようによってはなんだか卑猥な」
「遅れた俺が悪かったんで、勘弁して下さい」
相変わらずの生徒会役員共な展開が繰り広げられていたが、アリアは、既に気づいていた。
タカトシを見つめるシノの視線が、いつにも増して熱っぽいものだということを。
(ふふ、でもシノちゃんが参っちゃうのも分るかな?)
胸元の開いた薄手のパジャマ(※1巻#10参照)を着たタカトシは、
アリアから見てもなかなかに男の色気を感じさせていて、普段の彼とはまた違った魅力があった。
「それじゃ、そろそろ始めましょうか♪」
「で、なにをする気なんですか?」
「うむ。まずはこういうリラックスした姿でだな、改めて生徒会の今後について語ってみたいと思う」
「会長の口調が既にあまりリラックスしていないのですが」
「そ、そうか?すまない」
「うふふ、スズちゃんの言う通りよ。せっかくのパジャマパーティーだもの。
もっと気楽に学園生活での悩みとかを話さない?」
「学園生活の、悩み、ですか?」
「そう♪なんでも良いのよ?たとえば教室のドアを全部自動ドアにして欲しいとか、
階段は全てエスカレーターにして欲しいとか」
(そんなことを考えているのは……)
(………あなただけです、七条先輩)
スズ&タカトシは心の中でツッコむが、シノだけは妙に浮き浮きとした表情で。
「アリアの言うとおりだな。もっとプライベートなことを話した方がより親密になれるというものだな。
うむ、それではどうだ、津田?なにか最近悩みとかないか?」
「え?お、俺ですか」
「一番遅かったのだから、罰として一番最初に悩みを言うべきだろう!」
「なんなんすか、その理論は」
「うふふ、まあまあ。なんでも良いのよ?たとえば最近気になっている女の子がいるとか?」
「なんだと!そんな子がいるのか、津田!」
「!津田、そうなの?」
「いや、別にいませんが。と言うか俺はそんなことはひとことも言ってませんが」
「なんだ、そうなのか」
「全く人騒がせね、津田のくせに」
(…………強いて言えば、アンタらの存在が悩みの種なんだが)
「なにか言ったか?津田」
「いえ、別に。そうですね、悩みと言えばやっぱり妹のことですかね」
「おお、コトミのことか。しかしああ見えてあの子もなかなかしっかりしていそうだが」
「はぁ………そうは言ってもどうもアイツ、お調子者というか、ちょっと心配なところがありまして」
「うふふ、お兄さんとしては心配なの?」
「ええ。それに…………あの、会長や萩村には怒られるかもしれませんが」
「なに?ここまで言ったんだから、言いなさいよ」
§
412郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/24(金) 00:06:27 ID:PCFWXuvK
「実はアイツ、最近生徒会に興味を持っているらしくてですね。『私も入りたい!』なんて言ってるんですよ」
「なんと!それは素晴らしいことではないか!」
「生徒会としては大歓迎よね、シノちゃん?」
「私としても可愛い"後輩"が入ってくるのはやぶさかではありませんね」
喜ぶシノ、微笑むアリア、そしてなぜか『後輩』という言葉に妙に力点をおいて頷くスズだが、
三人の言葉を聞いているタカトシは複雑な表情である。
(というか一番の心配は………コトミが生徒会に入れば当然アンタらとアイツが絡むから、
俺の負担がさらに増えるということなんですが)
「ん?どうした、津田。なにか言いたそうだが」
「いえ、別に。ただ俺としてはですね、兄妹で生徒会役員というのもちょっと」
「なにを言う!生徒会役員にまず必要なのはやる気だ!」
「それにあの子、意外に使えそうな気がするんだけどね。要領が良さそうだし」
「うふふ、兄妹で生徒会役員ってのも素敵じゃない。親子丼ならぬ兄妹丼みたいで」
「すいませんが、表現を間違ってると思います」
「ふむ。しかしそうなると今後ますますコトミとも親しくしておいた方が良いな。
その…………将来のためでもあるし」
「?なにか言いましたか?会長」
「な、なんでもない!なんでもないぞ、津田!」
またもひとりでテンションが上がっているところをタカトシにツッコまれて慌てまくるシノだが、
アリアはそんなふたりの様子を微笑みながら見つめていた。
(ふぅ〜〜ん。これも、使えるかな?)
「そうね、コトミちゃんのことはまたゆっくりお話するとして。じゃあ次はスズちゃんで」
「え?わ、私ですか?」
「萩村にも心配ごとや悩みはあるだろう。なんでも良いから話してはくれないか?」
「………そうですね、強いて言いますと実は私、料理がちょっと苦手で。
将来一人暮らしをしたいんですが、それが少し心配と言いますか」
「ほう。初耳だな」
「へぇ〜〜〜、意外ね」
「そういや萩村、前に家庭科で作ったクッキーちょっとコゲてたもんな」
「うるさい!あ、あれは轟が調子に乗って焼きすぎたんだ!」
「……萩村は、津田にそのクッキーをあげたのか?」
「ええ、もらいました。味は普通に美味しかったですよ」
「ふん、フォローにもなってないわよ」
「ふ〜〜む、料理か。こう見えても私は料理はそこそこ出来る方だから、
今度萩村と一緒に練習するというのはどうだ?」
「え!良いんですか?会長」
「うふふ、シノちゃんは家事も完璧だものね」
「うむ、他ならぬ萩村のためだ。さっそく来週あたり私の家か萩村の家で練習するか」
「楽しそうね♪私も参加して良いかしら?」
「て言うか、七条先輩なら家事なんてする必要ないんじゃないですか?出島さんもいるんだし」
「え〜〜ん、ヒドイよ津田君!私だって未来の旦那様のためにお料理できるようになりたいもん!」
「津田はデリカシーが無いな。経済力とは関係なく、
女の子というものは好きな男に料理を作ってあげたいものだ。アリアの気持ちは、良く分るぞ!」
「はぁ………そんなもんすかね」
「そうよ!それに、お料理しながらの裸エプロンといったら王道中の王道の萌えシチュエーションじゃない!」
「いや、それは分りませんが」
(んも〜〜〜〜、じれったいんだから。これはやっぱり、ふたりっきりにする必要があるわね)
さきほどからシノの発言にはあからさまな好意が散りばめられているのだが、
相変わらずタカトシは全くと言って良いほど気づいていなかった。
「あの………話が盛り上がっているところ申し訳ありませんが、
私はあくまで一人暮らしをしたいだけで、そのときに料理が不安だという話なんですが」
「おお、そうだったな。しかし萩村とて好きな男の子に料理を作ってやりたい
という気持ちくらいはあるのではないか?」
「いえ、そんなに。だいたい私、結婚願望もあまりないですし」
「あら、スズちゃんはキャリア志向なのね?」
§
413郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/04/24(金) 00:07:44 ID:LNfIOmDh
今回は以上。
次回一応エロ有りで完結の予定ですが、
しばらくGWとかで嫁さんの実家に里帰りしますんで、
のんびり待ってて頂けると嬉しいです。
では股。
414名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 00:47:56 ID:dTXGSb8k
乙です
まったりで結構です、待ってますよ
415名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 17:35:13 ID:tB8oKA13
GJ
待たせてもらいます

代休貰えたので久しぶりに保管庫を読み返したが量多すぎワロタ
最多組の郭氏とピンキリ氏は追いかけるだけでも大変だったわ
でもこの両者、作風がまったく違うのがおもしろいな
416名無しさん@ピンキー:2009/04/24(金) 22:32:53 ID:CNp4Xz+D
ペースが落ちたとか最盛期は過ぎたとか言われつつ
気がつきゃ415レスで445KB。他所にくらべりゃ贅沢なくらいだろw
ふと思ったが今まで最短のスレ消費ってどれくらいだったんだろう?
祭りが二回続いて一ヶ月くらいでスレを消費した
驚愕的な時期があったように記憶してるんだが。教えてエロい人。
417名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 17:03:20 ID:lB8UsoPB
あったねそんなことも
一日ごとに複数の職人が投下して、一か月で要領を突破したことが
濱中が一番盛り上がっていた時期、まさに黄金時代だった頃の話
418名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 19:18:43 ID:0SeQKMJV
保管庫の職人の大半はその時代の人達だしな
何であんなにたくさん職人が来たんだろうか
週刊紙で連載を持ってるとはいえ、中堅に過ぎないのに
419名無しさん@ピンキー:2009/04/25(土) 20:11:36 ID:6GLkZnBU
郭氏、ピンキリ氏、518氏、トマソン氏と当時ベテラン勢が
脂が乗りきっていたうえアカボシ氏やそら氏ら中堅どころも
触発されたように書きまくってたからな。本当に小さな奇跡だったよ。
420名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 18:44:44 ID:vRqaj49p
一回こっきりの人もいたからな
なんか熱に浮かされたようなラッシュだった
421名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 22:52:53 ID:UaBCQXwQ
>>416
もう見るのも嫌なんだが昔ここを一部のファンが荒らしかけた
某サンデーの漫画のスレなんて荒れまくって悲惨な状態だからな。
500レス近くで170KBしか消費してなくてほとんど罵りあいしかない。
郭氏やピンキリ氏や518氏を初めとする強力な職人が継続して書いてくれて
このスレの空気をしっかり守ってくれたのはスゲーことなんだとマジで思うよ。
422名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 22:59:01 ID:B9auT930
他所のこと、嫌なことを振り返っても仕方ないさ
まったり、それを忘れなければいい
423名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 00:12:04 ID:gZqxnixF
Yes,we mattari
424名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 14:51:18 ID:Otf5yyZN
まったりドピュッ
425名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 00:00:38 ID:gg4YwNN8
あ、遅れましたが郭氏GJっす。
なんだか最近生徒会で良い感じに書けてますね。
でも濱中パラレルとかの続編も待ってますよう。
426名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 17:44:37 ID:gg4YwNN8
>>421
あそこなぁ………
427名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 09:34:48 ID:nzTH0sV+
>>421
当日疑問だったんだが何で荒らしに来たんだ?
428名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 12:37:17 ID:zh44CpmU
ちょっかいをかけられたみたいなもん、深い理由はなさげだった
まぁほじくり返すのはよそうぜ
429名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 16:53:19 ID:fnGFYxVI
氏家キャラで一番嫁適性があるのは誰だろう
430名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 20:52:23 ID:mpoQ+A83
子供好き
料理好き
家事万能

ついでに巨乳=母性本能強い

でアヤナじゃね?
431名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 22:11:59 ID:HcNTHLzy
カナミしかないだろ
432名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 09:55:21 ID:fGqlGFHi
加藤先生に決まってるだろ
433名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 11:11:10 ID:tlzBRUOL
マサママ一択だろjk
家事万能で若々しくてエロイ
最強じゃねーか
434名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 12:12:01 ID:4PA1lEfw
もう全員俺の嫁ってことでいいよな?
435名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 12:42:59 ID:XIkDzMKY
>>434
いえいえ、そんな事はありません
436名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 17:56:35 ID:XU0Bsa4J
じゃあ俺が全員の嫁になろう
437名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 21:20:34 ID:iyoJTNaj
>>436
リョーコ「舐めたこと言ってんじゃないわよ。あんたなんて良いとこ犬よ!!」
438名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 14:55:42 ID:KAg9quxo
リョーコは将来マサママンのようになりそうだ
家庭環境が悪かったらしいから、逆に自分が妻、母になったらエロさそのままで家庭をちゃんと保ちそう
439名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 21:07:22 ID:+/Q3omkZ
>>429
スペックは何気にミホも高いな
440Y-275:2009/05/04(月) 01:56:11 ID:N3lJPBoL
ご無沙汰しすぎて申し訳ありません。
色々放り投げっぱなしな感じですが、1レス小ネタを2本程投下します。
441Y-275:2009/05/04(月) 01:58:46 ID:N3lJPBoL

「んっ……っあっ、ふっ、イっちゃう!そんな激しくされたら、ふ、あぅ、私また……っ!」
私の中を掻き回す感触に私は堪らずに大きな声をあげる。
彼が突き上げれば突き上げるほど、じわじわとその熱が広がっていくようで…その熱に浮されていく。
その熱を失わないように私は更に彼を求める。
一晩中こうしていられるように。一晩中抱いていられるように。
だって…
明日の今頃、私は電車に揺られているのだから。

………………………………

「ミサキの事は大丈夫ですから。」
私を救う一言が、旅立つ私自身が抱いている恐怖をまるで知っているかのように拭い去る。
「明日になってから後悔しても遅いですから…」
そう言って、マサヒコ君は私に優しく手を回してくる。
その手が私の背中を撫で、髪を優しく包むと私達はキスを交わす。
「アイ先生の事、俺は大好きでした。」
その言葉だけで十分。私は自らを彼に預けた。

………………………………

「んっ……っあっ、っ、ふぅ……っ!」
あれからどれくらいの時が流れただろうか。
夢中でマサヒコ君を求めるうちにそんな事はとうにどうでも良くなってしまった。
どれだけ刻み込めば充分なのだろうか?
いつもいつの時でもマサヒコ君を忘れずにいるのには。
そんな事を思う。身を焦がすほどの熱など気にもとめずに。
それは不可能に近い、決して満たされることのない充足。
もしも許されるなら、このままマサヒコ君をポケットに詰め込んで、そのまま連れ去りたい。
そうすれば…
そこまで考えた自らの恐い思考を手放す。
今はこの場に没頭しなければならない。
だって、明日の今頃、私は電車に揺られているのだから。
442名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 01:58:47 ID:HYkGg8IN
待ってました!
443Y-275:2009/05/04(月) 02:00:04 ID:N3lJPBoL

「さよなら、頑張れよ若田部。」
彼の言葉が脳内をリフレインする。
目覚ましに起こされる日常。
目を覚ましても彼はどこにもいない。
みんなと一緒に何度もぶつかって仲良くして。
ずっと夢を見て安心してた。
あの頃はまるで、白昼夢を信じる少女のように。
それから机の上の写真に視線を移す。
そこにあるのは柔らかく微笑む皆。
そして、彼。
小久保マサヒコ。
夕方勉強のために机についても、彼はもうどこにもいない。
いや、正確には私の方からの離別なのだけれど…
それも、もう遠い思い出。
写真の中から彼は優しく微笑む。
今となれば、私は確実に彼に恋心を抱いていたと思う。
私の心を圧迫するこの感情を他に説明できない自分が情けない。
「見てなさいよ。」
そこまで考えてふと口をつく言葉。
自分のふがいなさに対する逆ギレ以外のなにものでも無いのだけれど…
そうしないと自分の心が確かに折れそうになる時がある。

………………………………

「いってきます。」
全ての準備を終えて家をでる。
いつまでも過去を引きずるようなタイプではないけれど、あの頃の、中学時代の思い出は色あせない。
未だ、私の中で輝いている。
今、思えば、あの頃はずっと夢を見て幸せだったのかもしれない。
そんな事を考えながら学校への普段の道を私は歩んでいく。
444Y-275:2009/05/04(月) 02:12:50 ID:N3lJPBoL
以上です。
なんだか衝動的に、勢いで十分な時間もとらずに書いてしまったような小ネタで申し訳ありません。

タイトルはそれぞれ順に、
「少年と家庭教師の心の旅」と
「そんな彼女のDAY DREAM BELIEVER」で。

どちらもタイトルにある曲からそのままなぞらえて、前者は以前書いた「〜のなごり雪」の前日談的なニュアンスで、後者は、最近登場しないアヤナを想像して。
あとはタイミング的なものですね。
かなり拙いものになってしまいました。本当に申し訳ありません。

相変わらず忙しく、構想ばかり膨らんでる毎日です。
それらもいずれ形に出来ればと考えてます。
また時々、何か曲になぞらえて書くかもしれませんが、お付き合い下さい。


長々としたここまでです宣言になってしまいましたが、この辺で失礼します。
駄文乱文失礼しました。失礼致します。
445名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 05:27:35 ID:9tmQhOsD
乙です。
勢いでネタを投下できるのがここのいいところですから。
446名無しさん@ピンキー:2009/05/04(月) 16:05:21 ID:Z0L13d0G

のんびりいこうぜ
447名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 21:08:12 ID:UB484eQ0
さすがに連休中は人がいないな
448名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 07:19:43 ID:0ixtUHoi
マガスペはいつ発売だっけ
449名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 11:04:14 ID:8bMNM0UU
氏家の女性キャラの誰でもいいから嫁に来てほしい
450名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 21:19:07 ID:790/lDB1
逆に地雷な女性キャラっているのか聞きたい
451名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 21:26:57 ID:yIAjlGNg
>>450
ひまわり組の佐々岡は、嫁としてはかなり嫌だ。
452傍観者:2009/05/10(日) 00:27:12 ID:mgZJ0Ydd
また間が空いてしまいましたが、少し書いたので投下します。
>>279の続きです。
453傍観者:2009/05/10(日) 00:28:53 ID:mgZJ0Ydd
「ひぃ、あっ、アアアアッ、アッ!!」
 リンコの悲鳴とともに、マサヒコへの締め付けはさらに強いものになる。強いだけでは
なく、執拗さというか、内側の襞がマサヒコのペニスの急所急所を偶然にも的確にを責め
苛むという普段のこの少女からは考えられないほどの淫らさが感じられる。いわば持って
生まれた膣内の形状と処女の天然の反応、それにマサヒコとの相性が絶妙にマッチしてい
るといえる。
(凄いな、これは)
 わずかに3センチほど引き抜いただけでのリンコのこの反応。驚きと、これ以上の過剰
反応を心配してマサヒコは一度動きを止める。
「ハアァ、アァッ、アァッ……」
 一度張り詰めた体を弛緩させたものの、早鐘を打つ心臓の鼓動に合わせて痙攣するかの
ように、弱い緊張と弛緩を繰り返すリンコ。そのたびに彼女の下の口はクチュクチュと物
欲しげに、愛おしげに、そして寂しげにマサヒコの一物を舐め回す。愛液という涎もさら
に量を増している。
「的山、どうだ?」
 体の反応は嫌というほど分かっているが、彼女の心の方はどう思っているのかは定かで
はない。マサヒコは改めて確認を取る。
「あ、ああ……、小久保君……」
 快楽で一度崩壊しかけた意識をわずかにでも再生させながら、リンコは何と答えていい
かを模索する。
 マサヒコがほんの少し、再び少しだけ動かすだけで同じことが自分の体に起きる。それ
は間違いない。体と心が気持ち良さで壊れたうえに、さらに壊されてまた壊されて、とい
うのがマサヒコが満足するまで続くのだ。全てが終わることには自分はどうなっているの
だろう。入口の入り口だけを体験したリンコは再び恐怖に駆られる。
 だが、そんな衝撃的な体験は今日だけでも何度もあったこととも言える。
 男性の前で裸を曝すこと、シャワーを浴びながら抱き合ったこと、指での執拗な愛撫と
初めての絶頂、挿入に処女喪失。みなマサヒコのおかげで一歩一歩乗り越えることができ
た。そう考えて、理性は再び行為の続行を望む。
 肉体の方は初めから続行以外のことを考慮していない。わずか3センチ分の空虚すら一
度挿入された後は耐えられないらしく、マサヒコに腰を掴まれていなければ餌を求めて水
面から飛び上がる魚の如く、体を跳ね上げ食いつかんとしている。
「も、もっと」
 結果的に、リンコの口から出たのは極めて破廉恥な言葉であった。
「もっと、もっとお願い!もっと動いて!!」
 顔から火が出るような思いだが、もう口が止まらない。恥ずかしげもなく行為の続行を
願う少女。
 羞恥に赤くなりながらも自分を求めるリンコの声はマサヒコの心も燃え上がらせる。


454傍観者:2009/05/10(日) 00:30:15 ID:mgZJ0Ydd
「分かった。また動くぞ」
 そう言うとマサヒコは再び下半身に力を込め、ゆっくりと性器を少女から引き出してい
く。
「ハァァァァァァァンッッッ!!」
 嬌声。それとともに全身の力でマサヒコを締め上げるリンコ。だが、今回のマサヒコは
止まらない。きつく締められた状態で引き抜くことで、強い刺激が肉棒に加えられ、それ
はさらに激しい悦楽へと変換される。
「ふぁ、あああっ!」
 作用反作用で、それはリンコにとっても強い快感となる。狂気に駆られたかのようにビ
クビクと体が痙攣し、そのたびにマサヒコへ食いつく股間も一度緩めては激しく食らいつ
くという動きを繰り返す。
「う、ん」
 亀頭が3分の2ほどリンコの入り口に埋まったような状態になるまで引き抜いたところ
で、マサヒコは動きを止めた。
「ハァ、ハァ、アァ」
 リンコの荒い息使いが聞こえる。少し彼女を休ませるかのように間を置くマサヒコ。し
かし、実際には休ませることが主目的ではない。
 陰門の入り口でだけマサヒコを感じている状態のリンコ。本来なら少しづつでも落ち着
いてくるはずが激しい快楽の代わりに恐るべき渇望が彼女の心と体に湧いてくる。

『挿れてほしい』

 これまで自分の体に空虚な部分があると思ったことなどなかったが、男を知って初めて
膣から子宮までががらんどうのように感じられる。弾力のある膣壁は空虚を嫌ってすぐに
それを肉で埋めているはずなのだが。
 その自覚してしまった空虚さをリンコは我慢できない。さっきまでのようにマサヒコの
男で埋めてほしい。既に男根のない状態というのが考えられないほどの渇望だ。
 かつて男神と女神は余分な部分と足りない部分とを補い合うことで国を産んだという。
また、ギリシアではもともと男女は一体であり、故に分かれた半身を求めあうとも言われ
ている。かのように、女は男に挿入されたときこそが自然で満ち足りた状態なのかもしれ
ない。
「こ、小久保君……」
 すがるように相手の名を呼ぶリンコ。だが、マサヒコは答えない。
「小久保く〜ん!」
 泣き出しそうな目をマサヒコに向け、再び相手を求めるリンコ。
 ここまで相手の乾きを呼び起こしたうえで、マサヒコは再び動き始める。力強く、抜く
ときよりも緩慢に。



455傍観者:2009/05/10(日) 00:31:28 ID:mgZJ0Ydd
「ああああっ!!!」
 待ち望んでいた再挿入。体の虚しさが解消され、歓喜が全身を包む。知らず、リンコの
顔は泣き笑いの表情を形どる。
 ゆっくり、しかし着実で止まらない。マサヒコの固い物で再び体が支配されていく。し
かし全身の細胞は新たな支配者を歓迎し、歓迎の声を上げているかのようだ。
 一方でマサヒコはゆっくりとした歩みで、リンコの体内を調べ上げていく。一度の侵略
ではリンコの中を味わいつくすことはできない。これまで丹念に調べ上げてきたミサキの
中との構造上の違いを丁寧に上げていく。
 ミサキならここの形はこう、だからこんな刺激と快感が得られると知り尽くしているの
だがリンコの中は同じ女性とはいえ、微妙に形が異なる。1ミリ1ミリが未知の快感との
遭遇と言っていい。
 そのままマサヒコはリンコの奥地に再び到達した。全体を包む肉の感触に感じ入る。
 リンコも空虚がマサヒコで満たされたことで、大きな満足を得る。しかし、体は浅まし
く、すぐにもっと奥に入れてほしい、できることなら全身を貫通してほしいとまで思うほ
ど。果てなき欲望を抱き、淫らな微笑みを浮かべながら、リンコは次の快感を待つ。
 しかし、リンコの順応は速い。つい先ほどまで処女だったのにも関わらず、すでに痛み
を感じる様子もなしにマサヒコを求めている。一度目のピストン運動でそれを理解したマ
サヒコは徐々にペースを上げていってよさそうだと判断した。

 マサヒコが動く、再び抜かれようとする肉棒。先程よりも動きは若干早い。その速さは
威力となって、お互いの性器に新たな次元の快楽を味あわせる。
 そして、再々侵入。一度締まった膣肉は再び突き崩されるのを望むかのように待ち受け
る。そしてそれが果たされたとき、リンコは声を張り上げながら随喜の涙を流す。

 抜く、挿れる、抜く、挿れる、抜く、挿れる。一回ごとにスピードを上げていくマサヒ
コ。潤滑油も十分なので若い肉体の限界まで加速していく。

 スッ、パン!スッ、パン!スッ、パン!スッ、パン!スッ、パン!スッ、パン!スッ、
パン!
「アン!アン!アン!アッ!アッ!ア!ア!!!」
 マサヒコの加速に、リンコの嬌声はついていけなくなる。悶える体はマサヒコの手では
抑えきれず、すでに二人は荒馬乗りを思わせるかのような状態だ。女として学習し続ける
リンコの体は、単によがるだけでなく、男の抽挿にタイミングを合わせることでより深く
激しくペニスを迎え入れることを学んでいる。

「ヒィ、イィ、イク!イクゥ!!」
 リンコの口から知らず、あられもない声が零れる。
456傍観者:2009/05/10(日) 00:32:41 ID:mgZJ0Ydd
「どうだ、的山!満足できそうか!」
 相手の悦びを感じ取り、誇らしげに尋ねるマサヒコ。さすがの仙人もことの最中では豪
気な征服者のようだ。
「ハァ、イイの!イイッ、イッ!!」
 マサヒコの言葉は、頭が許容量以上の快感で塗り潰されているリンコには聞こえている
のかどうか。
 今のリンコにはこれまでの人生やここまで至る経緯といった過去もなければ今後の二人
の関係についての心配などといった未来もない。ただセックスという現在があるだけであ
り、それ以外の事物が存在したことなぞ頭の片隅にもない。
 本当に幸せだ。ぼんやりとした視界には興奮したマサヒコの顔が映る。愛おしい。交わ
っているから愛おしいのか、愛おしいから交わっているのか区別がつかなくなっているの
だが、男女二人で幸せな時間を過ごせるならば幸福感は2倍である。
「ヒィィ!アッ!ア!ア!」
 リンコの声の調子と、膣の締め付けの具合。マサヒコはそろそろリンコがイクと当たり
をつける。こちらが達するタイミングもそれになるべく合わせたい。慣れたミサキならや
りやすいのだが、初めてのリンコの場合は先ほど指でイカせたときの経験と照らし合わす
よりほかない。
(ここ……、だ!!)
 マサヒコは一度本当に先端だけがリンコの入り口にあてがわれているような状態まで引
き抜いた後、全力で突き込んだ。速いだけでなく、深く強い。お互いの肉と肉とが強く擦
れ合う。もし、リンコが十分に感じていなければ、苦痛を強いるだけの強引かつ暴力的な
挿入だったろう。しかし、リンコはその怒張を快楽としてスルリと飲み込んでいく。
「はぁっ!!!」
 子宮まで貫くような一撃に、リンコは目を見開いて大きく喘ぐ。ピキピキッ、と頭の中
で何かが壊れつつあるかのような感覚。先程の前戯での絶頂と同様の感覚ではあるのだが、
本番での絶頂は快感も精神に与える衝撃も桁違いであることが容易に推測できる。
 次の一突きで全て終わる、その確信が期待と不安を掻き立てる。
 マサヒコもまた、今のリンコの反応で自分の思い通りに事が進んでいることを確信した。
これまで我慢を強いてきた自分の方もそろそろ溜めに溜めた欲望を吐き出そうとしている。
マサヒコは素早く肉槍を引き抜くと先程と同等の勢いで止めの一撃を繰り出した。
「いけっ!的山!!」
 その衝撃が子宮を経由して全身を巡り脳まで響いた時、リンコは絶頂に達した。
「ファアアアアアアアアアアッ!!!」
 苦しく搾り出すような喘ぎ声とともに、大量の愛液が溢れ出す。そして、マサヒコの肉
銛を中心にリンコの全身の肉が快楽の渦となってうねる。中心にあるマサヒコもその怒涛
の前には一たまりもなく決壊し、若い欲望とともに自らの種をリンコの中に大量に放出す
る。
 限界を超えた快感の中、リンコは自分の中にマサヒコが熱い何かを放出したのを感じ取
った。意識は朧げではあるが、とても大事なものを受け取ったということは理解できたの
で、子宮でそれを温かく受け止める。
 リンコは本当に安全日だったのでそれらの種が実を結ぶことはないのだが、行為を最後
まで成し遂げたという強い満足感は得られた。
457傍観者:2009/05/10(日) 00:33:38 ID:mgZJ0Ydd
今回は以上です。
まだなんぼか続くのでもうしばらくお付き合いください。
458名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 09:40:59 ID:v7mp7bDG
乙&GJ!!であります。
459名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 10:29:53 ID:XvNHkuEF

無理せず自分のペースでやってくれ
460名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 17:14:32 ID:v4RiwUoL
傍観者氏乙
いくらでも付き合うぜ!
461傍観者:2009/05/11(月) 21:17:32 ID:f5P3RGS4
しかし、私の書いたので抜けている人がいるのかどうか心配。

462名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 09:56:12 ID:eca6I4Gc
職人てそこまで気にするのかw
郭氏とかもそうなんかな
463名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 18:02:39 ID:6AG31lDT
文字が抜けてなきゃ大丈夫だって!誤字脱字的な意味で。
464Y-275:2009/05/12(火) 20:16:13 ID:j4AYP0rJ
自分は確かに気になりますね。
書いてる時は夢中で、書き終わって見直してる時でも自分のSSでって経験はなかったりします。
465郭泰源 ◆5pkah5lHr6 :2009/05/12(火) 21:33:17 ID:/YumWUOG
エロを期待する(エロパロなんだから当然ですが)
読者の皆様には申し訳ないですが、
抜けるかどうかはあんまり気にしてないですねえ。
ただ正直書きながらムラムラしちゃうことはあります。
しかし問題は相方でして。

「今エッチな気分になってるでしょ〜〜〜(嘲笑)」

なんて感じでツッコまれるとその、、、落ち込むわけですよ。
466名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 09:37:02 ID:K15gKdIs
伊wwww東wwww夫wwww人wwww

仲良くて羨ましいじゃねーかゴラー
467名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 17:05:10 ID:Xj27TBCd
氏家作品のようで、うらやますい夫婦ですな
468名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 17:06:01 ID:fyV//rS7
質問に答える職人控える職人様々だな
現存派は結構語る人たちだw
469名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 09:21:16 ID:F4ecDHM/
職人でリレーを、という話はちょくちょく出るが、一つのテーマを複数人でというのはどうだろう
Aという職人がまず神視点の本筋を書く
Bという職人がその本筋のXというキャラの視点から書く
Cという職人はYというキャラの、Dという職人はZというキャラの一人称で…


好き勝手な提案だから、流してくれてかまわない
470名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 18:15:28 ID:Nyk/CQSb
アヤナ分が足らん…

だ、誰か…
471名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 13:38:17 ID:rL7a1+WL
二巻発売ついでにSS投下期待
472名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 17:38:35 ID:BbjQkCeG
>>470
アヤナははたしてマサヒコに惚れてたのかね
個人的には好きになる一歩二歩手前くらいだったと考えてるが
あのお別れ会の描写はどうとでも取れる感じだったしな

しかし、マサヒコは冷めてそうに見えて動く時は動く男だから、
それこそミサキとでもアヤナとでもリンコとでもアイとでも、
誰とでもバランスのとれた「いいカップル」になりそうだ
473名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 17:50:04 ID:rr+6tYBN
ママンから容姿を、パパンから性格を受け継ぎ、
氏家漫画の男主人公では最年少で(プチ除く)背も顔もノビシロあり

マサヒコのポテンシャルは異様に高い
何もせんでも可愛い幼馴染みが惚れてくれたんだから、覚醒したら皆イチコロだ
474名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 18:05:04 ID:pEIlOyRw
最近の生徒会は明らかに掲載順が後ろになってるけど、これは大丈夫なのだろうか?
ジャンプとかだと後ろの方になったら打ち切り候補みたいに言われてるみたいだけど。

ところで、アヤナは腕組んでるだけでもうエロイと思うんだけどどうだろう。
475名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 20:31:17 ID:rL7a1+WL
>>472
何か良いなぁと思い始めた段階だったと推測
しかしマサヒコの隣にはミサキが居た、と
476名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 13:12:01 ID:SCJznMmI
覚醒マサヒコが全員を相手にするSSはまだですか
477名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 19:48:35 ID:K6gYfiAv
アイ先生可愛かったな。あれで年上お姉ちゃん属性が芽生えたかも。
478名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 21:04:40 ID:AvvA/6ae
濱中と生徒会のコラボが読みたい
479Y-275:2009/05/17(日) 00:55:08 ID:YHw47NfX
先日はお目汚し失礼致しました。
久々のマサミサモノ投下します。
推敲時間が短く、やや淡泊ですが、色々脳内補完していただけると幸いです。
スルー対象ワードは
「ほぼエロのみ」
「中出し」
最近そんなんばっかですいません。
それでは投下。
480Y-275:2009/05/17(日) 00:57:02 ID:YHw47NfX

「ん………」
後ろから回した手に柔らかくその身を預けてくる。
付き合い始めた頃は髪の毛が顎を撫でるのがこそばゆくて苦手だった。
今では嗅ぎ慣れた彼女の臭いが抜けるからこの態勢は結構好きだ。
後ろから回した手に自らの手を重ねてくる。
俺に後ろから抱きしめられて、こいつも同じように安堵を感じてくれてるのかなと思う。
「もう、久しぶりだからって…」
そんなことを口にする。別に非難めいた響きはない。
むしろ、そこには甘えてきているような節さえある。
それに…
「いや、たかだかテスト期間で一週間程度顔を合わせなかっただけだろ。」
そうなのだ、久しぶりなんて言われても、たかだか一週間。
一週間前にはこうして、俺の部屋で顔を合わせたばかりなのだから、別段なんら感慨はない。
「むぅー。少しはムード作りに協力してよね。マサちゃん。」
「いや、そう言われてもな…」
俺は苦笑をする。
後ろから抱きしめているこの態勢で、表情までは悟られていないと思う。
「もう、台なしだよ。」
こちらを向いて頬を膨らませる。
「まぁ、そう言うなよ、ミサキ。」
それだけ告げると俺はミサキと唇を重ねた。

………………………………

「マサヒコ〜」
今日は休日日曜日。
なんだかんだ無難に纏めあげた先週のテスト期間を終え、昨日は友人と遊びに行った。
テストの疲れもあったんだろうが、それ以上に昨日遊び疲れてしまった反動から遅めの起床で、定まらない頭に一階から声が投げ掛けられた。
「母さん達出掛けてくるわよ〜」
返事も待たずに続いて投げ掛けられる言葉。
その声は何となく浮かれていたような気がしたのは絶対に気のせいでは無かったはずだ。
「ん〜、分かった。」
聞こえたかどうかまでは知らないが、俺は声を張り上げて返事を返す。
折角の休日なのだから、何の気兼ねもなく出掛ければ良いのにな。
声を張り上げた後で、思わず独りごちる。
俺ももう高校生。
親の手を煩わすような事は特にはない。
…というか、中学校の頃から、良くも悪くも放任主義な親の手を煩わせた記憶なんか無いのだが。
「帰りは遅くなるわよ〜」
俺の返事が聞こえたのか、階下からは再度、母さんの声が響く。
「はいよー。」
その言葉に、俺は再度声を張り上げた。
「ミサキちゃんとごゆっくりー」
「とっとと出掛けろ。」
なおも続いた余計な一言に、俺は短く言葉を吐き出す。
「ったく、余計なお世話だっつーの。」
更に言葉を重ねた後で、それでも、期待を隠せない自らに気付く。
普段からよく顔をあわせているとは言っても、そこは彼女。
それを否定してしまえば嘘になってしまう。
「さてと…」
そんなことを呟いて、俺はまず寝癖のついた髪を整えるべく身体を始動させていった。

………………………………
481Y-275:2009/05/17(日) 01:00:01 ID:YHw47NfX


─ピンポーン
家に来客を知らせる音が鳴り響いたのはそれから暫くの事だった。
「はーい」
誰がいるのかは分かっている。
「少し早めに来ちゃった。迷惑だった?」
「いや、大丈夫だよ。」
ミサキの最初の一言に俺は大丈夫と応えた。
なぜなら、それは俺も同じだったから。
この時が楽しみじゃないと言えば嘘になる。
「おじゃましまーす。」
声をかけ、靴を脱ぐミサキ。
小さい頃から行き来していて、かつて知ったる他人の家とは言ってもそこは礼儀だろう。
うちの母さんは「いずれ、自分の家になるんだから良いのよ〜」なんて声をかけてたりしているが、それでもそこは譲る気はないらしい。
ミサキのそういったところも、俺は魅力のうちだと思っている。
それからリビングに移動して、ミサキが作って、タッパーに詰めて持ってきたご飯を一緒に食べる。
昔は料理の下手だったミサキだけれど、ここ1年くらいは、目を見張る上達を見せている。
「相変わらず、旨いな。」
素直にミサキに言葉をかける。
旨いものは旨いのだから仕方がない。
「ふふ。ありがとうマサちゃん。」
俺の言葉をうけて、飛び切りの笑顔と共にミサキが返してくる。
その表情は本当に嬉しそうで、思わず胸が高鳴ってしまう。
「頑張ったもんなぁ…」
そんな自らの心の内を悟られたらからかわれそうで、ごまかすようにそんな事を口走る。
「むぅ…褒めたと思ったらまたすぐそういうことを…どうせ、付き合いはじめた頃は酷かったですよ!!」
頬を膨らませながら、そんなことを言うミサキもやっぱり可愛くて、全面的に降参せざるを得なくなる。
昔はここまでミサキの事を意識して無かったんだけどなぁ…
なんて思いながら、いつの間にか俺の心をわしづかみにして離さない幼なじみと、談笑しながら箸を進めていく。

………………………………

「ん、ふっ、ちゅぷ……ふ…」
後ろから抱きしめた俺の方へ顔を向けたミサキと何度もキスを交わす。
初めてキスをしてからは何年くらいがたったのだろうか?
遠い昔に遊びでしたような気もするし、中学卒業間際に付き合いだして、それが初めてだったような気もする。
何にせよ、ミサキとのキスは自分の心に安堵をもたらして来る。
「ちゅっ、ちゅっ……ちゅぷ……ちゅっ、れろっ、ふ、ちゅぷ、……っ!!」
何度も何度もキスを交わすうちに、安堵は興奮へと徐々にシフトしていく。
それはミサキも同じなようで、徐々に頬を紅潮させながら舌を伸ばしてくる。
「れるっ…ちゅ、ん、ふぁ…ふ、ちゅ、れる…」
その舌を自らの舌で搦め捕って、味わう。
時に吸い、ただ絡ませて舌の味を楽しみ、自らの舌でミサキの唇や歯茎を撫でる。
「んん…ふっ、ちゅ、んん、ふっ、れる、ちゅっ……こく……っ」
態勢的に俺の顔の方が上に位置するこの態勢では、俺の唾液がミサキの口内に流れ込む。
目を閉じ、うっとりとした表情のまま、それを飲み込むミサキ。
他人の唾液なんて旨いものなのか?なんて、前に聞いた時、ミサキは美味しいなんて即答したのは印象的だ。
「ん…ちゅぷ…れるっ…マサちゃん……」
互いに欲望のまま、交わしたキス。
そうしていたキスは確実に欲望に火をつける。
純粋に相手を求める、相手と一緒になりたいという欲望に。
それはミサキも同じ事。
長いこと交わしていたキスはミサキの方から終わりを告げ、潤んだ瞳で先を促してくる。
蕩けきったようなその瞳に吸い込まれるように、俺はミサキの首筋に唇を落としていく。
「んっ、っあ、ふ…んんっ、マサちゃん……っ!」
元々ミサキにとって強い性感帯である首筋に唇を落としはじめると、すぐに敏感な反応を示す。
「ふぁっ、ん……っ、ふ、あ、」
切なそうに吐き出される吐息。
ミサキのそんな息遣いを感じながら、俺はただ抱きしめるようにしていた手に動きを加えていく。
482Y-275:2009/05/17(日) 01:02:37 ID:YHw47NfX
「んっ、っあ、ふ…んんっ、マサちゃん……っ!」
元々ミサキにとって強い性感帯である首筋に唇を落としはじめると、すぐに敏感な反応を示す。
「ふぁっ、ん……っ、ふ、あ、」
切なそうに吐き出される吐息。
ミサキのそんな息遣いを感じながら、俺はただ抱きしめるようにしていた手に動きを加えていく。
「んっ、あっ、マサちゃぁん……ふぁっ、……っ!」
ミサキの腹を撫で、太股をなで、胸を揉む。
付き合いはじめた頃、微かにしか主張をしていなかった胸は今では程よい大きさに育った。
ただただ柔らかく、手で押せば沈み込むような胸。
けして大きくはないが、確実に俺の手にその感触を刻む胸。
その心地よい感触に、俺はミサキの胸を揉む手に力をこめていく。
「あっ…ふぁっ……っ!くぅ」
俺の手の動きに合わせるように短く声をあげるミサキ。
未だに責め立てられる首筋と胸からの刺激に確実に息を荒げ、身体を小刻みに震わせるように反応を示す。
ミサキの反応に興奮を煽られながら、俺は片方の手を南下させていく。
「んんっ、ふあっ、っくぅ…あっ…っ!」
太股をなで、スカートをくぐり、ショーツ越しに秘唇を撫でる。
そこからは僅かな湿り気と、熱を感じる。
「あっ、あっ、ふっ、あっ、ん……っ、マサちゃん……っ!」
オクターブ上がった声を上げ、自らのそこを弄る俺の手を掴みながらミサキがおずおずと足を開く。
愛撫しやすくなったその態勢から、俺はミサキのショーツの中に手を入れ、直で触れていく。
「んん、あ、あぅ、んん、あっ、ふあっ……っ!」
柔らかな淫毛をなで、指先に絡み付く粘り気のある液体を指先に絡ませ、それをミサキの秘唇に塗りたくるように動かす。
「あっ、あっ、あっ、ふぁっ、っ……くぅ…マサちゃん、マサちゃぁん……っ!」
やがて指をミサキの膣に埋めていくと、ミサキが示す強い反応。
何度も指を出し入れする度に伝わる熱、絡み付く愛液。
淫靡な声を上げ、揺れる頭から漂う髪の毛の良い臭い。
俺の五感全てにミサキが訴えかけて来る。
「あっ、ふあっ……っ!あぁ、ふああぁ……っ!マサちゃん、キス、キスしよっ…あっ、ふあっ……あぁ、ちゅぷ…ちゅう……っ、ふ」
夢中でミサキを貪る俺にミサキからはキスのおねだり。
答えるように唇を落とし、その唇も貪る。
「ちゅ、ちゅぷ……んん、あっ、あっ、ふあっ……っ、くぅぅ……っ!マサちゃぁん、私、あっ、んん、んっ、そろそろ……っ!!」
ビクビクと身体を震わせながら言う。
指先に伝わる感触から、俺は十分だと判断し、身体を離す。
「やっぱり、久しぶりだから、マサちゃんはげしすぎだよぉ。」
不満を口にするミサキ。
一切不満を称えた表情ではないのはご愛敬だ。
「でも…久しぶりだからなんて思ったら、私も感じすぎちゃった…」
その前の発言からは一転、恥ずかしそうにミサキが告げる。
「ねぇ、私、もう…」
その先は口にしない。
互いが何を考えているかなんて、もう分かっているから。
「あぁ、俺もだよ。」
短く言葉を返すと、キスを交わし、服を脱ぐために立ち上がっていく。

………………………………

「今日は大丈夫だから…このまま…」
一矢纏わぬ姿で、俺のぺニスに触れながらミサキが言う。
ミサキはきちんと基礎体温をつけている。
まだ学生だし、未成年のうちは責任が取れないから。と。
コンドームはもちろん使っている。
ミサキの考えにすこぶる賛成だし、きちんとしておく事はきちんとしておくべきだからだ。
ただ、前に、安全日だからと好奇心から生でしてみたことがある。
その時の気持ち良さは半端じゃなくて、なんだかんだ生でしてしまう。
いけないな、なんて思いつつも、今日も流されてしまう。
「ん……っ、……っ!ふああぁ、マサちゃんのが、っ、ふ、はいってくるよぉ……っ!」
座した態勢の俺のペニスに照準を合わせ、座位の態勢でミサキが腰をおろしてくる。
ヌメヌメとした感触を抜け、ミサキの腰が俺の腰と密着するようになると、ゆっくりと腰を動かしていく。
「んん、ふわぁ、あっ!ふ、んん……っ!ちゅっ、ちゅぷ、ふわぁっ……っ!」
483Y-275:2009/05/17(日) 01:04:53 ID:YHw47NfX
ミサキが俺の肩に手をおいて唇を合わせてくる。
それに合わせ、キスをする。
「あっ、あっ……っ!あ、……マサちゃぁん、すご、ふわっ、んん……っ!」
唇を離すと、喘ぎながらそう呟く。
トロンとしたその表情は何とも形容しがたく俺を刺激してくる。
「あっ、ん、あぅ……ふわぁっ、ちゅ、ちゅぷ、ふ……っ!」
もう何度目かになるかわからないキス。
互いに目を閉じて深く交わしていく。
「んん、ちゅぷ、ちゅっ、れろ……っ!」
舌を絡める。
どちらのものか等、気にも止めず、唾液で口の周りを濡らしながら、一心に互いを求める。
「あっ、……っ!ちゅっ、ふわぁ、マサちゃん、私…あっ、あっ、ふぁっ、もう……っ!」
やがて肩に置いた手に力を込めながらミサキがそう告げる。
俺のペニスを舐めあげるように引き込むようにうごめくミサキの膣内。
ミサキが口にしたように、絶頂が近いようだ。
「あっ、あっ、……っ!んん……っ!ああああぁぁぁぁあっ……!!」
やがて悲鳴にも似たような声を吐き出すとミサキは身体をビクンビクンと震わせて、ぐったりとしてしまう。
「……ん、……っぁ……ふ……っ!」
虚ろな瞳で俺を見つめるミサキ。
未だにミサキの膣内に残してある俺のペニスから伝わる痙攣が弱まるのを待つようにミサキを抱きしめる。
「ん、……っ、ちゅぅ……ふぁっ……っ!」
その感触が弱まってくると、ミサキと唇を重ねる。
「ん、……ありがとう、マサちゃん。やっぱり、久しぶりだからかな…っ!感じすぎちゃう……」
紅潮した顔で、はにかむようにミサキはそう告げる。
「良いよ、動いて……っ!」
その表情のまま、俺の耳元でミサキが囁く。
さっき、ミサキが絶頂を迎えた時からお預け状態で、正直むず痒さを感じていた俺はミサキをベッドに押し倒す。
「ん……マサちゃんも気持ちいいんだね……私の中で脈打ってるの分かるよ」
その態勢でミサキが呟いた一言に頬が火照るのを自覚しながら、俺は腰を前後に揺すっていく。
「あっ、あっ、……っ!ふぁっ、あぁ、あぅ、ふ、っ、ん……!」
深く深く、ミサキの奥の奥まで、自らのペニスを送り込むように激しく挿入を繰り返す。
「あっ、ふあっ……マサちゃん、あっ、っ、ふ……激しい……っ、一回イって敏感なんだから……あっ、っ、ふわあああぁぁぁ……っ!」
そうして再び小刻みに痙攣するミサキの膣内。
その感触が気持ち良くて、腰の動きに熱がこもる。
「あっ、あっ、ふ……んん、あぅ、あっ、すご……ふっ!!」
熱に浮されたようにミサキが声をあげる。
まるで、快感に溺れ熱を込める俺の熱を共有するように。
ミサキの膣は先程から愛液を溢れさせ、時折小刻みに震えながら、俺のペニスに絡み付く。
俺は夢中で腰を動かし、その感触を刻み付けるように、敏感になったペニスでミサキの中を掻き回す。
「あっ、あっ、ふあっ……っ!んん、あっ……マサちゃぁん……っ!!」
俺を呼ぶミサキの声さえ識別出来なくなりそうな程の淫らな音が部屋を包む。
ミサキの愛液を撹拌する俺のペニスが立てる音。
本来であれば淫らなはずのそれも、夢中でミサキを求める俺自身の中では当たり前のものとなってしまう。
「マサ……ちゃぁん……っ!あぅ……あっ、ふあっ!キス…してぇ……っ!!ちゅっ、ちゅぷ、ちゅ……あふ……っ!」
ミサキに請われてキスを交わす。
合間合間に混ざる喘ぎ声と、結合する性器同士のたてる音が、耳から俺の脳内を侵食していくと、やがて腰の辺りに射精の衝動が高まっていくのが分かる。
「あっ、あっ!マサちゃんの……ふ、あふ、大きく……膨らんでるの分かるよ……っ!」
その状態は確実にミサキにも伝わっている。
「あっ、あっ、ああ、ふあっ……、マサちゃん、……っ!一緒に……イこ……っ!」
その事実を受け止め、そう口にするミサキ。
ミサキの言葉を受け止め、俺は更に強く腰を打ち付けていく。
「あっ、あっ、……っ、ちゅっ、あっ、あっ、ふあっ、っ、ふわあああぁぁぁ……!!」
強い注挿に耐えるようにベッドを掴むミサキに、唇を落とすと、俺は衝動に任せて、ミサキの中に自らの精を解き放った。
484Y-275:2009/05/17(日) 01:05:42 ID:YHw47NfX
………………………………

「わりぃ。」
事後処理を終えて、お互い裸のまま抱き合いながら俺は口を開く。
「どうしたの?」
正面で俺を見据えながらミサキが問い返してくる。
「たかが一週間だからって馬鹿にしてた。」
照れるように言葉を紡ぐ。
冒頭ミサキに対して言った一言の謝罪をいれる。
その一週間分で貯めに貯めた衝動に流されて強く強くミサキを求めたのは事実だからだ。
「ふふ、良いよ。」
気にした風でもなくミサキが告げる。
柔らかい笑顔。
その表情に俺はまた胸を打たれる。
「あんな風に、マサちゃんが私を求めてくれたのは嬉しかったし、その…、やっぱり、私も凄く気持ち良かったし……」
最後の方は顔を真っ赤にしながらミサキがそんなことを宣う。
胸の鼓動が早くなる。
ミサキの表情はどれもとても可愛くて飽きることはない。
だからこそ、こいつと一緒にいられるんだろうなぁ。
そんな風に思わずにはいられない。
「ねぇ……」
そんなことを考えていると、不意にミサキから声がかけられる。
「一週間ぶりだから、その、もう一回……シない?」
赤く染まる頬を隠そうともせず、ミサキはそう言ってくる。
なんだかんだ言って、相手も自分を求めてくれている。
そう思うと、心に温かなものが流れ込んでくるのが分かる。
今ならさっきミサキの言っていたことが分かる気がする。
「ああ。」
どちらにせよそのつもりで、端からこの態勢で抱き合っていたのだから、肯定の意志を示す。
「ふふ。ありがとう。」
そう言って柔らかく微笑むミサキ。
その表情が一番好きだなぁ。なんて事を考えながら、ミサキとキスを交わす。
明日は唇が腫れてそうだなぁなんて、そんなことを考え、いつの間にやら、俺の方がベタ惚れ状態になっている幼なじみを抱きしめながら。
485Y-275:2009/05/17(日) 01:11:40 ID:YHw47NfX
以上です。
タイトルは
「らぶイチャ〜ミサキ〜」
で。
もうただただ、ミサキのエロ萌え妄想を文章に起こしただけのようなものなので。

最近はアホみたいに忙しくて、こんな感じでほぼエロのみが続いてしまっていて申し訳ありません。
時間が取れたら、しっかりと練って、最近多用気味の事前→回想→本番以外のも投下していきたいと思います。
しばらくは続きそうですがご容赦下さい。

それでは駄文乱文失礼しました。失礼致します。
486名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 02:24:51 ID:UovvhMKc
乙!

いやいや、エロパロ板だからエロのみが本当なんだよ
ただこのスレは懐が奇妙に広いってだけでw
だからガンガン今後もエロっておくれ
487名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 06:26:29 ID:QS6DZoea
エロいなぁ。表現もいいなぁ。
なんというか、結局エロパロだから同じようなシーンで同じような文章になりがち
なのを工夫できるのがすごいなぁ。
488名無しさん@ピンキー:2009/05/17(日) 19:10:34 ID:aBD1w4RF
>>472
好きだがミサキに遠慮したんだろ、それか割って入れないと思った
>>478
アヤナの親父がアリアの財閥の役員とかか
489名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 13:45:25 ID:5szNN8Qo
Y-275氏乙&GJ!

エロパロスレだからエロがあって本当は当然なんだが、
このスレは特にこだわってないところがスゴイな
氏家みたいな作風の下ネタマンガは逆に無意識のストッパーがかかるのかもしれん
ま、ハァハァできればエロでも萌えでも燃えでも個人的にはオッケーです
490名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 17:28:36 ID:n+3uY0iI
このスレ ほんとすごいね。
何年経っても失速しないて、ほんとすごい


ところで伊東夫人に萌えた(;´д`)
仲良さそうでウラヤマシス
491名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 10:10:50 ID:yjAXDeqw
某笑笑動画に思春期と東方の合体パロがあがってたが、結構な再生数とコメ率だった
氏家って意外に(いや失礼)認知度があるんだな



四大少年誌の一つで連載確保してる点でたいしたもんではあるが…
そのなんだ、どうにも「メジャー」とは言えない雰囲気が氏家にはあるような
492名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 13:34:05 ID:K5ropud0
なんだかんだ言って480キロバイト越えたか。
そろそろ次スレの季節ですな。
493名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 16:36:28 ID:8aXHYTMR
短編がくるかもしれないし、495付近まで大丈夫じゃないか
黄金時代は400越えたらヤバかったけどなw

>>491
マガジン、ヤンマガに連載持ってたという事実は大きい
しかも一発屋じゃないからそれなりに知られているし隠れファンもいる
494名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 01:38:38 ID:zkuxHgFN
下ネタマンガなのにそこから直エロに行かず、
どの職人も各キャラクターを壊さずに物語を先に立たせ、その中にエロを配置する形なのはおもしろいな

たまたまそういうタイプの職人が集ったか、それとも氏家の作風がそうさせるのか
495名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 12:02:11 ID:olycrHcC
エロ漫画というよりはギャグ漫画だからかな?
496名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 20:41:15 ID:pQAWd5nz
児童会見たけれど、二人は結局同学年とみていいのだろうか。
あと、単発っぽいな。
497名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 20:58:09 ID:2MK6yLIz
敬語だから一つ下に100ペリカ

小山先生のSS読みたいが相手がいないという…
498名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 07:38:35 ID:5OHc4/mL
セージ、坪井先生、ヒロキ
499名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 16:58:54 ID:yXXkLxUp
年齢図を作るとどうなるんだろ、一応すべてのマンガの世界はつながってるんだよな?
500名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 18:47:49 ID:W7qF8wce
園長先生

───50、60代の壁───

レイプリンセス社長
園長奥さん

小久保パパン、ママン

───40代の壁─────

佐々岡、宮本
豊田セージ

───30代の壁─────

加藤先生
小宮山

井戸田ヒロキ
中村リョーコ(新卒)
小池マイ


───学生の壁─────
大学生
濱中アイ
シンジ、カズヤ、ナツミ、ケイ

高校生

3年
シノ、アリア、畑さん、カエデ

2年
タカトシ、スズ、ムツミ、轟さん
カナミ、マナカ、ショーコ、アキ、ミホ、カオル
マサヒコ、ミサキ、アヤナ、リン、鈴木君、柴原さん、戸川さん
カルナ

1年
コトミ、トッキー

───中学生──────

エーコ、チカ、マホ
シホ

───小学生──────
ユーリ



それぞれの連載終了時の学年足す終わってからの年月を足して、
さらに今回の児童会役員共も加味するとこんな感じか?
元々ひまわり組自体が10年前の話と考えると、佐々岡、宮本が30代、
園長は70代になるわけだが。
501名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 18:53:08 ID:W7qF8wce
間違えた、アイ先生は新卒で、セージはまだ20代だ。
児童会で、もし、ミサキが一個下じゃなく二個下でアイ先生はまだ大学生か…
502名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 19:16:23 ID:ltHDiPy5
>>497
つマサヒコ
503名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 20:48:29 ID:5OHc4/mL
レイコ社長はもっと若くないか?
504名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 21:41:58 ID:QU8hNEIL
小久保ママンは20歳前後で ♥ してマサヒコを産んだ感じだから今30代後半くらいかな?
505名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 17:29:39 ID:odg51Ryl
若きママンとパパンのエロイチャものとか読んでみたいです
マサヒコを仕込んだ時のとか
ヤングママンとヤングパパンのSSって意外にもないんだな
506名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 18:42:23 ID:5OOMghjl
つピンキリ氏のデビュー作「昔語り」
つ郭氏「思い出の日記帳」

どちらもちょっとトリッキーな作品だが。
507名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 15:55:27 ID:mYxnfCfe
新スレそろそろどうよ?俺は携帯なんで立てられん。
508名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:50:19 ID:434R8ZcD
ちょっといってくる
509名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 20:57:26 ID:434R8ZcD
はい、スレ立て完了


新スレ
【あかほん・濱中】氏家ト全 28時間目【妹・生徒会】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1243252379/l50
510名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 01:22:18 ID:GH9sQEnR
乙です
511名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 09:27:30 ID:+7OWSUhh
乙なものです
512名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 13:58:41 ID:SOERjLbJ
さて、保管庫も更新されたようだし(wiki職人様いつもいつもありがとうございます。)
そろそろ埋めしりとりですな。
ここの住人はいつぞやの名SSが生まれた時の流れをなんだかんだ忘れられないんだと思う。
513名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 07:13:49 ID:b5gK3Tte
しりとりの「り」から


凌辱されるわね


「ね」↓
514名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 23:14:47 ID:AJvOile2
ねっとりとしたフェラチオ

「オ」
515名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 23:41:19 ID:X3NZ922D
おしりでも感じるううう

「う」
516名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 21:29:36 ID:GoKp84JE
後ろの穴なんて駄目ぇ

「え」
517名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 21:44:39 ID:3xpnUURJ
「宴会SSと言えば518氏かピンキリ氏よね。と言うわけで今日も飲むわよ!」
「いい加減人の部屋で飲んだ挙句全員潰して自分だけたのしむのはやめろー!!!」

518名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 00:49:03 ID:MvOyyEGw
「露出・・・そう、宴会といえば脱ぎ芸よ! つーわけでアイ、ミサキちゃん、アヤナ、リン!
着てるものみーんな脱ぎなさい! マサ、あんたもよ!」
「アンタ何言ってんだ」
「みーんなぶっ潰すより、アンタもこっちの方が楽しいでしょ。ささ、早く脱いだ脱いだ!」

「だ」
519名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 08:49:02 ID:2j2Xv1J7
「だ、ダメだって!やめろ、若田部、おい!」
「ひっく、せっかく私がアメリカから帰ってきたんだから、
小久保君、見せなさい!なんなら、わ、私も見せるから!」
「わ〜〜〜い、小久保君の見た〜〜〜い!私も見せてあげるね!」
「せ、先生としてもマサヒコ君のを見たい!の!
それと私も見せてあげるけど、できたらふたりっきりで」
「うわぁぁぁん、だめぇぇ!!マサちゃんは私のものぉぉぉ!」

「お」
520名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 15:27:03 ID:nQIjOmm9
「女ってのは一度覚悟するとすごいわよねぇ・・・ホントに全員、上脱いでるし」
「そういうアンタもいつの間に脱いでんだ!」
「ま・・・マサちゃん、私以外の女の子の裸見ちゃらめぇ〜!」
「ままミサキちゃん、そう固いこと言わない言わない。固くなるのはマサのチンポだけで十分よ!」
「小久保君固くなるんだ、ふ〜ん」
「先輩、それは違います。興奮すれば女の子も乳首が勃って固くなります! ほら、アヤナちゃんなんてあんなに・・・」
「アヤナ・・・アンタまた胸デカくなってない。それなら十分にマサの顔やチンポ挟めるでしょ!」
「ええ、小久保君が望むならなんでも挟みます。ね、小久保君もおっきい方がいいでしょ?」
「いや・・・その・・・」
「先輩! アヤナちゃんや先輩には負けますけど、私だって寄せれば十分挟んでしごけます!」
「はは、やっぱり女は何と言ってもおっぱいよね!」
「そうですね」
「うう・・・私なんて・・・どうせ私なんて・・・」
「せんせー、ミサキちゃんからまた変なオーラが出てま〜す!」
「・・・もう勘弁してよ」

「よ」
521名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 18:31:16 ID:ZbE4zooF
「よし、こうなったら俺も男だ、全員相手をしてやる!」
と、ならないのがマサヒコクオリティである。
果たしてこれは損なのか得なのか。

「か」
522名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 19:13:20 ID:2j2Xv1J7
確実に言えるのはマサヒコのそうした優しさや誠実さが、
アヤナやミサキやアイやリンコを惹きつけているということ。

ただし一名を除いては。

「あ〜あ、つまんないの。結局いつものパターンじゃん」
「そう思うんなら金輪際止めてくれ」
そしてリョーコの言葉通りいつものごとく酔い潰れた四人に毛布をかけ、
並べて寝させるマサヒコ。もちろんリョーコは手伝わずに缶ビールをぐびぐび飲んでいる。

「る」
523名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 20:29:43 ID:+k79KkVO
「ルサンチマンこそ我が原動力! 胸に醜き脂肪をぶら下げし女どもよ・・・滅ぶが良い!」
リンコに毛布をかけてやっている後ろで、ミサキがいきなり物騒な寝言をかましたので、
マサヒコは一瞬のけぞりそうになる。そんな様子を見て、リョーコは思わず口からビールを
噴出してしまった。
「あらあらミサキちゃん、一体どんな夢をみているんだか」
「ミサキの前で胸の話はやめてくれよ。正気に戻った後、ミサキにいつも締め上げられてんだぞ、オレ」
うんざりだと言いたげに、顔を少ししかめるマサヒコだが、リョーコはそんなマサヒコの苦言などどこ吹く風だ。
「たまにはこう・・・それらしいアダルティーな展開にならんもんかね、マサ」

「さ」
524名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 22:49:57 ID:50pI1gwy

「さらっといつもそんな事を言いますけど、中村先生の望む展開になんて絶対させません。」
「あら、言うようになったわねマサ。」
「さすがにいつまでも弄ばれつづけるわけにはいきません。」
毅然とした態度で告げるマサヒコ。
「ふーん。」
そんなマサヒコを思案顔で眺めるリョーコ


「こ」↓
525名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 01:45:34 ID:rWSEbYZf
「これなら、どう?」
リョーコはマサヒコの両手首を掴み、彼の手を強引に自分の胸元へ

「へ」
526名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 14:33:51 ID:pMLB7zAS
「へ?わわわ、ちょっと待て!止めろ!」
すんでのところで身を返し、中村の胸へのタッチを避けるマサヒコ。
「ちっ。ホントにつまらない男だね、アンタは」
「つまらなくて結構だ。それより何考えてるんすか!」
「ねぇマサ?実際のところどうなのよ?」
「は?」
「半天然のドジっ子お姉さん、巨乳ツンデレお嬢様、超天然つるぺたロリメガネっ娘、
それに淫乱クール系美人に迫られまくってもなんで平気なわけ?」
「け」
527名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 15:17:56 ID:IHHYSRh4
「…喧嘩売ってるんですか?」
「喧嘩?いいえ、売ってるのはか・ら・だ♪」
「とにかく」
マサヒコはリョーコの手をそっと払った
その顔は、もう状況に流される男子のそれではない
明確な意思がそこに宿っている
「俺はミサキの彼氏なんですよ」
「わーってるわよ、んなこと。だからこうしておもしろい状況を作りだそうと」
「ミサキを裏切るような真似はしません」
「は?」
「絶対に」



528名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 21:50:54 ID:5ItyFn/w
苦々しい表情を作るリョーコ。
正直この手の青臭い発言は嫌いだ。と思う。
豊富な男性経験で得た経験則上、絶対に有り得ない世迷い言。
そう思うのに、
(なんでだろうね、こいつが言うとそうは思えないよ。)
そんな事を思ってしまう。
きっと、今までいかなる誘惑にも屈しないマサヒコを見てきたから生じる気持ちなのだろう。と思う。
まったく、してやられたよ。なんて思いながら口にする。
「はいはい。降参だよ降参。」
両手を広げておおぶりなジェスチャーで。
529名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 22:40:11 ID:8PdZgzfW
「でもさマサ、アンタ・・・」
ニヤリと笑みを浮かべるリョーコ。
「アイやアヤナの胸を見たら、少しくらいは来るものがあるでしょうが」
「いや、それはないです」
確かに年頃の男として考えれば、今のような痴態を目撃して、何も感じないということはないはずである。
だがマサヒコは、今のような状況にあまりにも慣れすぎてしまっていた。
「まあ、宴会のたび、生乳やらパンツやらしょっちゅう見てれば、朴念仁のマサにも免疫が出来るか」
「しょっちゅう見てるんじゃなくて、しょっちゅう見せられてるんですが」
自発的行動と取られる事には異議があるらしく、すかさずリョーコに突っ込むマサヒコ。
「でもさ・・・まあ、迫られても落ちないってのはともかく、異性としてすら少しも意識しないってのは良くないね」
この人、まだオレに絡む気なのか、とすこしうんざり顔のマサヒコを見やって、リョーコは言葉を続けた。
「彼女がいたって、可愛い子を見れば少し気になる、エロいことも考えたりする、そういうのが普通の男ってもんよ、マサ
あんたみたいに妙に頑なな奴はね、思いもかけないところで魔が差して・・・ってことがよくあるのよ、実際」

「い」
530名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 23:29:30 ID:pMLB7zAS
「いや、だからなんもありませんて」
「はいはい、アンタも頑固よねえ。あれ?マサ、アイが毛布蹴飛ばしたわよ?」
「マジですか?いつも先生は寝相が悪いんだから・・・もが?」
と、いきなりディープキスをかます中村。
不意打ちを避けることもできず、マサヒコの口内を中村の舌が犯しまくる。
「へへへ………ごっつぉさん」
「い、いきなりなにをするんだアンタは!」
「は」
531名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 00:41:35 ID:Ska0yUjO
「はぁ…」
マサヒコはため息をついた。
奥の手を使わざるを得ない状況になりつつあるのを、彼は自覚した。
「中村先生」
「ん?…んん!?」
マサヒコはリョーコの顔を引き寄せると、今度は彼のほうからキスをした。
まさかの展開に、リョーコの目が点になる。
「ちゅ…む…」
「ん、ん、ん」
そして、次いでトロンと蕩ける。
マサヒコの舌技があまりに巧みで凄かったからだ。
経験豊富な彼女にして、体験したことがないくらいに。
「…」
やがて、リョーコは気を飛ばされ、トサリとくずおれた。
「…この手だけは使いたくなかったけど、しょうがないよな」
母から継いだ血の力か、マサヒコのテクニックはいつのまにかリョーコすら凌ぐようになっていたのだ。
「この場は凌いだけど…次からどうしよう」
マサヒコの周りには、夢の世界に旅立った女が五人―――




「ん」!
532名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 02:32:44 ID:tUkutJmT
「んんっ・・・小久保君、ダメよ。天野さんに見つかっちゃうから・・・」
「やれやれ若田部・・・何の夢を見てるんだか」
散乱した缶を集めながら、思わずマサヒコは苦笑する。
「若田部も変わったよな。中学のときはすっごく潔癖症っぽかったのに、それが今じゃ・・・」
酔えばマサヒコに対する好意を隠さないし、時にはさっきのように、あられもない姿で迫ったりするようになった。
「朱に交わればなんとやら、だよな。ホントに中村先生は・・・」
自分という存在がアヤナを変えたのだ、と考えないのがこの男の持ち味なのか。それとも
知っていて考えないようにしているのか、傍目からはなかなか判断のしがたいところである。

酔いつぶれた女が4人、口技で夢の世界に送った女が1人、しらふの男が1人。
「よからぬことを考えてる男にとっちゃ、たしかに絶好のチャンスなんだろうな。少しくらい触ったって起きそうにないし」
リョーコに堅物ぶりを冷やかされた上、先ほどのディープキスで少し頭に血が上ったのだろうか・・・
「何を考えてるんだか、俺は・・・」
思わず自嘲の言葉を漏らしたマサヒコの耳に・・・
「小久保君。いま、お姉さまとキス・・・してたでしょ」
入ってきたのは、アヤナの声だった。

「た」
533名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 13:21:34 ID:3ifaopCW
「確かにさっきは……でもあれは中村先生に無理矢理!?
って若田部、お前起きてたのか?」
「ひっく。お姉様ばっかりずる〜い!」
「!や、やめろ若田部、せめて服を着てくれ!」
「小久保君の浮気者!小久保君なんてこうしてやるんだから!」
「!?!」
酔っ払ったアヤナが自分の胸でマサヒコの顔を挟んできた。
息ができずに意識が遠のいて行くなかでマサヒコは思う。

「メガネ、ありがとう………じゃなくてやっぱいつか殺す」

「す」
534名無しさん@ピンキー:2009/06/01(月) 16:23:49 ID:CQe+LNYd
すうっ、とマサヒコは闇に落ちていった。
彼が次に目覚めた時、どのような修羅場が待っているか。
それを知るものは神様しかいない―――




535名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 11:02:58 ID:zC9O9K0G
リレー形式もキリよく終わったみたいだし淫語しりとりに戻ろうか
「今ラジオ聞いているところ」
「イラマチオされてるって!」

「て」
536名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 20:02:57 ID:x/zJhKdH
手コキ
537名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 21:06:48 ID:eAjHS2rk
キンタマー!

「ま」
538名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 22:39:31 ID:um6s5wf6
マンタク
539名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 18:19:51 ID:BANyJaCz
クンニ

「に」
540名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 23:56:13 ID:wBudWGqT
肉球萌えのアヤナ

「な」
541名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 21:26:52 ID:1pETvfJp
何故 花びんはなくて オ○ホールはあるのか

「か」
542名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 00:56:12 ID:AFOCHFHC
カナミ…お前がアキちゃんに、俺の秘蔵アナル物を「ついうっかりと」見せて以来、
アキちゃんが俺と口を聞いてくれないんだが、どうしてくれるんだ

「だ」
543名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 00:24:55 ID:HWdt4MHX
だから挿れても大丈夫だよ

「よ」
544名無しさん@ピンキー
汚れてるの?

「の」