1 :
名無しさん@ピンキー:
2 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 23:14:10 ID:q/U72BIO
☆☆☆狩野すみれ兄貴の質問コーナー☆☆☆
Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A「基本的にはそうだな。無論、自己申告があれば転載はしない手筈になってるな」
Q次スレのタイミングは?
A「470KBを越えたあたりで一度聞け。投下中なら切りのいいところまでとりあえず投下して、続きは次スレだ」
Q新刊ネタはいつから書いていい?
A「最低でも公式発売日の24時まで待て。私はネタばれが蛇とタマのちいせぇ男の次に嫌いなんだ」
Q1レスあたりに投稿できる容量の最大と目安は?
A「容量は4096Bytes、一行字数は全角で最大120字くらい、最大60行だそうだ。心して書き込みやがれ」
Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A「あぁん? てめぇは自分から書くって事は考えねぇのか?」
QこのQ&A普通すぎません?
A「うるせぇ! だいたい北村、テメェ人にこんな役押し付けといて、その言い草は何だ?」
Qいやぁ、こんな役会長にしか任せられません
A「オチもねぇじゃねぇか、てめぇ後で覚えてやがれ・・・」
一乙
いち乙
乙!おらゴクウ!
一乙!
>>1乙!
アニメ視聴、原作未読の人は注意してね!!
壱乙
なんか人少ないみたいだな
>>1乙
竜児のカレーを食う権利をやろう( ゚∀゚)
一さん乙です。
>>1乙
これは
>>1乙じゃなくて高須棒を無造作に置いただけなんだからね
俺の名はペイジ!
プラント!
ジョーンズ!
ボーンナム!
「「「「1乙!!!」」」」
>>1乙
とりあえず景気づけに竜虎をひとつ、
>>1に捧げるぜ
『チャーハン』
「おい大河ー、晩飯何か食いたいのあるか?」
こいつは高須竜児、私の使えない駄犬。
「今頃聞いてどうするのよ、アンタさっき買い物済ませたじゃない」
これだから駄犬は。さっき自分で買い物しといていまさら聞いても遅いじゃない。
それよりもさっき買ったものからすると今夜はマーボー豆腐あたりかな?
ま、少しは肉が入ってるから今日は文句を言わないでやろう。
この駄犬は栄養バランスだかなんだか知らないけどそんなの気にしてばっかり。もっと肉を食べたいのに。
まったく変なとこにばっかり気が利くんだから。
「あー、その…なんだ、今日はお前の誕生日なんだろ?
材料は買ってあるから好きなの作ってやるよ」
「…はぁ?」
…まったく、ホントに変なとこにばっかり、気が利くんだから。
「…なんで、私の誕生日、知ってるのよ」
「お前が前に1回だけ、言ってたのを思い出してな。
…実は昨日思い出したんで、プレゼントは用意出来なかったんだが。
かわりと言っちゃないんだが今日は腕によりをかけてやるよ」
やばい。すごく嬉しい。誕生日を祝ってもらうのなんて何年ぶりだろう。
記憶に残ってる限りじゃ小学生の頃が最後だった気がする。
そもそも自分ですら忘れてた誕生日を、このアホ犬が覚えていることが驚きだったけど。
…そんな優しいアンタだから、みのりんとうまくいってほしいと思うよ。
そんなことを考えた瞬間、急にモヤモヤしたものに襲われる。
気づいてはいけないこのモヤモヤの正体。大河は、認めたくないが、この感情がなんなのか薄々気づいている。
言ってしまいたい。でも言ったらダメ。みのりんと竜児はお似合いなんだから。
でもちょっとだけなら…。
「じゃあ…竜児に任せる。」
竜児が、私のことを分かってくれてるか確かめるだけなら。
「なんでもいいのか?好きなものなんでも作ってやるっていってんのに…」
「うっさいわね、アンタに任すって言ってんのよ。いいからさっさと作って。お腹空いた」
「分かった分かった」
苦笑いで台所に向かう竜児。
これはそう、ちょっとした神経衰弱のようなものよ。私が心の中で勝手に決めたのが出るかだけ。
別に当たってもなんでもない。当たるわけない。これは私の気持ちとは関係ないことなんだから。
そうね…チャーハン。竜児が最初に作ってくれた料理だし。あれが食べたい。
他のでもいいけどね、まぁ久しぶりにあの味を思い出したいっていうのかな、そんなもの。
きっと外れる。うん、私の気持ちなんか分からないはずよ、なんたって駄犬なんだから。
分かってなくてもいいんだけどね。
…竜児、アンタは私のこと、分かってくれてるのかな?
***
材料は昨日のうちに大方買っておいていた。
今日追加で買ったのは、学校の帰り道に大河がすごくお腹が空いてそうだったからだ。
それじゃ用意した分じゃ足りなくなる可能性がものすごくあった。
平常時だって朝からご飯を三膳食べちゃうような奴なんだ、あの逢坂大河は。
なんだってアイツはあんなちっちゃい体であんなに食えるんだか。
だから、本当にたくさん作ってやった。
「どうだ、すごいだろう」
机に並びきらないんじゃないかというくらいの料理の数々。
約束どおり腕によりをかけて作った。それはもうギャル○根も喜ぶくらいの量と味のはずだ。
「…さすが駄犬、量の加減を知らないわ」
呆れたような顔をする大河。……手乗りタイガーにいっぱい食わせてやったぜ。
あ、いっぱいって満腹って意味じゃなくて驚かせたって意味でな。
そんな誰に対する言い訳かわからないものを心のなかで呟いてほくそ笑む。
笑うとシンナーを吸ったI can flyなお兄さんですら裸足で逃げ出すような顔になるが、これは生まれつきなのだ。
そんなことを考えている間に、大河は「いただきます」と一言、勢いよく食べ始める。
がつがつがつがつがつがつがつがつ!
…?
なにか違う。いつもの大河ではない気がする。
食う勢いもいつも通り。こぼし具合も散らかし具合もいつも通り。でも、何か違う。
雰囲気が違うというか。一緒にいるときごくたまに感じるような雰囲気。
こういうときはそう、大河は大抵不機嫌になっていたりするんだ。
「なぁ大河…なんかお前変じゃないか?」
がつがつがつがつと勢いよく進んでいた手がピタッと止まる。
体勢ははそのまま、大きめの皿をかきこむように持っているせいで顔は隠れてしまっているが、
声は不機嫌そのものの塊のような声だった。
「…もういらない」
「な…」
ぽいっとスプーンと皿を投げ出し、背を向けてしまう。
でもその背中からはなんというか、いつものようにゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…というような怒りではなく
悲しさというか、諦めのようなものが漂っている。
…この手乗りサイズの虎は、またなにか一人で悩んでいるに違いなかった。
「…はぁ。急になんなんだ。せっかく作ったんだから残さず食べてくれよ」
「いらないって言ってんの!…もうお腹空いてない」
「おい…っ、たく…」
**
そう、竜児は別に悪くない。
あれだけ豪華なものを作ってくれたのだ、感謝すべきだろうとは思う。
久しぶりの誕生日を祝ってくれたことも感謝すべきだろう。本当にすごく嬉しかったのだし。
ただ、竜児は分かってくれていなかった。私の気持ちを。
勝手に期待して、勝手に失望して、これはワガママだってことは分かっている。分かってはいる。
でも、竜児ならこんなワガママでも叶えてくれる気がしたんだ。
いつだって竜児は私がそばに居てほしいときに居てくれた。励ましてくれた。
だから期待してしまっただけだ、失望するのは分かっていたのに。
竜児の心の中はみのりんで一杯。そんなこと、分かっていたはずなのに。
後ろでは竜児が無言でカチャカチャとお皿を動かし、机と台所とを行き来している。
きっと料理を下げているんだろう。
すごく申し訳なくて、すごく切なくて。
どうして分かってくれないの!と怒りがこみ上げてくる。
こんなことはあってはならないんだ。私は、どうせ誰にも理解されないんだ。
それを竜児には諦めじゃなくて怒りが沸いてくる。好きだから。好きだから分かってほしかった。
でも、竜児は分かってくれない。
うん、いいんだ。そう、私は誰にも理解されない。うん、誰もわかってくれなくていい。
私は一人なんだから。竜児には、みのりんがいるんだから。
「…お前なぁ、何があったのか知らないがいくらなんだって食べな過ぎだぞ。
これなら食えるだろ、とりあえず腹の中に詰めとけ」
いつの間にか竜児が隣にいた。片付け終わるにはちょっと早いと思ったが、とりあえず料理を下げただけなのだろう。
竜児は手に持ったそれをスプーンで掬い、横から大河の口にそれをつっこんできた。懐かしい味のそれを。
「フガッ!…んぐんぐ…ん、んぐ。なにすんじゃー!」
ポロッ
……あ、あれ…
「お、おい、急に泣くなよ!」
違うの竜児。おかしいの。泣いてる訳じゃなくって勝手に涙が出てくるの。
「おっかしいな…おまえチャーハン好きだったよな」
好き。竜児が作ったチャーハンは。
「それ…なんで…さっきは無かった」
「お前のことだから作った料理全部食べちまうだろうと思って。
その後まだ腹減ってたらと思って作っといたんだけど…」
「…よこせ。お腹空いた」
竜児からチャーハンとスプーンをひったくって口の中にかきこむ。
卵とご飯がちゃんと絡んでて、具もしっかり火が通ってて、なにより今まで一番優しい味がする。
前食べたのってこんなにおいしかったっけ。
あ、そういえば私の気持ち当てられちゃったなあ、どうしよう。
でもこのバカ犬はチャーハン最初から出してたわけじゃないし。でもちゃんと作ってくれてたしなあ。
まあこんなのが当たったところでどうせこいつは私のことなんか分かってはいないんだろうけど。
ま、いっか。今はチャーハンを味わおっと。
「りゅうじ!おかわり!」
end
乙
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∨///////////////|: : {: : : | 込::少 V:/|: : ∠二 Y: : : : : : | おかわり!
∨'//////////////l: : ヽ: : !  ̄` j/ィ'弌ミ、/!/: : : :l: |
∨//////////////l\ハ: ゝ//// 、込少ノ,':/: : : : :|: |
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|: : : : : :.:i: : : : : : : : : : :/: :|//////////,|:{: : : : :∨|O|八|⌒∨: : : :丶: : : \: : ): : : :\
祭りを終わらせるわけにはいかないぜ!ってことで書いた
駄文だけど後悔はしていない
23 :
sage:2008/11/26(水) 01:03:45 ID:NZ+ggLiq
ホイホイチャーハン?
あんかけチャーハン?
乙です
GJ最高です。職人乙。
メシ食ったばかりなのによだれが・・・・ジュルリ
GJすぎるぜ!
>>1 新スレ乙です
やっちゃんSSの続きを投下
自分的には微エロだと思うんだけど自信が・・・
「やすドラ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q 朝っぱらから母親と入浴する男子高校生を客観的にどう思う?
= 真性の変態だな。見損なったぞ、高須。お前はそんな奴だったのか?
その歪んだ性癖を矯正するために高須には裸でソフトボール VS 男子ソフト部オールスターズに挑戦してもらう。
この試練を乗り越えられればきっとお前は・・・だから早くこっちへ来るn
「っくちゅん・・・・・・竜ちゃん、早く入ろうよ〜。冷えてきちゃった」
・・・っは!?俺は今何を・・・・・・なんで壁が目の前にあるんだ? ぶつかっちまうとこだった。
いや、そんな事はどうでもいい。
「・・・だから、一人で入ってろよ。そのまんまじゃ風邪ひくぞ」
「竜ちゃんも昨日お風呂入ってないんでしょ? いっしょに入ろうよ〜。気持ちいいよ?」
「何がだ。それに入るにしても俺は一人で入るって。子供じゃないんだし」
「・・・・・・竜ちゃんと入る・・・竜ちゃんが入んないならやっちゃんも入んない・・・」
子供かよ・・・そもそも誰が風呂に入りたいって言ったと思ってやがんだ・・・
このままじゃ埒が明かない。多少強引にでもお湯の中に入れちまってこの場から離れよう。
真っ裸で風呂場に突っ立ってる泰子の方は見ずに、なるべく穏やかな口調で話しかける。
「バカ言ってないで・・・1人だと入り難いんなら支えててやるから。な? だから後ろ向いて・・・」
「・・・・・・・・・ぐすん・・・」
ちょ・・・・・・
「や、泰子? どっか痛いのか? なんで泣いてんだ?」
話の流れから明らかにそうじゃないのは分かってる。
ただ、ひょっとしたら、もしかしたらって・・・・・・
だって高校生の息子に「お母さんとはお風呂に入んない」って言われて、泣かないだろ? 普通・・・
「ぐす・・・うぅん、大丈夫・・・・・・っくちゅん・・・竜ちゃん・・・」
「・・・・・・・・・」
どうすればいい・・・
うちの風呂は広くない。ハッキリ言ってしまうとむしろ狭い。
大河ですら、普通に1人で入っても膝を抱える必要がある。
要は大人が2人いっぺんには入れない。それでも一緒にお湯に浸かるには密着する必要がある。
そんな事、泰子だって考えなくても分かるだろう・・・・・・分かってて言ってるよな・・・
なにか・・・なにかないか・・・・・・
この場を乗り切れそうなものを探して、誤って視線を泰子の方に向けてしまった。
視界に飛び込んできた泰子は、顔を真っ赤にして震えながら
「・・・・・・・・・」
じっと、俺を見つめていた。
「・・・・・・・・・はぁ・・・」
再度泰子に背を向けて、ため息を1つ吐いて自分の服を脱ぎ始める。
泰子の息を飲む声が耳に届いたけど、構わずに着ていた服を脱ぎ終える。
泰子は今、手をケガしてんだから仕方ないだろ?
どうせ今上も下もモロで見ちまったんだし。それに子供の頃はいつも一緒に風呂に入ってたんだから。
自分の裸を見られるという部分は頭から追い出し、誰に向けて言ってるのか分からない言い訳を頭の中で繰り返して
「・・・・・・あんまりこっち見んなよ」
「うん。竜ちゃんも大きくなったんだねぇ・・・」
大事な所を手で隠しながら風呂場に入る俺。
うんとか言いながらこっちをガン見してニヤニヤしてる泰子。
これなんて罰ゲーム・・・いや、よそう・・・あと40年もすればなんとも思わないで同じ事やってるって。その予行演習だって思えよ、俺。
必死で羞恥心を誤魔化そうとしてる俺に対し、泰子はセクハラ発言までかましてる。
さっきの恥ずかしげな感じで震えていた泰子は何だったんだ・・・・・・
恥ずかしさとやるせなさを無理やり押し込んで桶をお湯に突っ込む。
「ほら、お湯掛けるからじっとしてろ」
「ん〜」
桶のお湯で軽く泰子と自分の体を流して、下の方が確実に負担がかかるだろうから先に浴槽に浸かる。
体をできるだけ小さくして隙間を作ってやり、多分このくらいで大丈夫だろうと思ったので泰子に声をかける。
「泰子、こんなもんで足突っ込めるか?」
「うん。あ、腰押さえててもらってもいい? 竜ちゃん」
「あ、あぁ。ゆっくり入ってこいよ? ・・・・・・ぶふぉお!・・・」
腰を浮かせて泰子の腰に手を回し、つい下の方に向いてしまった目を慌てて閉じる。
アップはさすがにアレだろ・・・俺、初めて見たのが母親のかぁ・・・
大人の階段があるのなら、おそらく今俺は確実に1段上った。他人と同じ階段かは別にして。
・・・・・・・・・いや、というか
「や、泰子!? なんでこっち向きながら入ってきてんだよ!?」
「え? なんでって・・・なにがぁ?」
「だ、だから! 普通こんな狭い風呂に2人して入るんなら、上に乗っかる奴は下の奴に背中を預けるんじゃ・・・」
「そうなの?」
言ってて自信が無くなる。普通もなにも俺には1人以上で風呂に入るなんて銭湯や修学旅行以外だと、
泰子と入浴した経験しか無いし・・・それだって子供の頃の話で・・・ましてや女の子となんて・・・
そもそも俺が言ってたような入り方だって漠然としたイメージみたいなもんだし。
けど、このまま泰子と向き合ったままだと風呂に入ってられないから
「ほら、映画やドラマなんかだと恋人同士や夫婦がさぁ・・・こう、上に乗ってる女を男が背中から抱きしめるみたい・・・に・・・」
そう言ってみたんだが・・・
あれ?・・・これじゃあ、俺がそうやって入りたいみたいに聞こえてこないか?
いやいや、俺は泰子と一緒に風呂に入りたい訳じゃなくて、俺が一緒じゃないと泰子が入んないから仕方なくこうしてる訳で。
そうだ、泰子。泰子はどうしてる?
泰子の反応が気になって、
今まで曲がるだけ曲げてそっぽを向いていた首をちょっと戻して様子を窺ってみると、未だ俺の前で突っ立ったままの泰子が
「こ、恋人みたいにぃ・・・・・・夫婦みたいにぃ・・・・・・竜ちゃんが?」
ヤバイ。マジでヤバイ。マジヤバ。
何故かそんなフレーズが頭に浮かんだ。
だって、目の前で軽く足を広げてる泰子がどこを見てんだか分からない目でブツブツと何事か呟いて、その内容が今ので・・・・・・
「・・・泰子・・・?」
内心引きっぱなしだけど、いい加減堪らなくなって声をかける。
「なぁにぃ? あ、体の向きだっけぇ? ちょっと待ってて♪」
「そ、そうなんだけどちょっと待ってくぶふぉあ!」
パッと一息で返事を返す泰子に一瞬付いていけず
ルンルンって感じで俺に背中を向ける瞬間に、泰子の・・・その、前と尻を交互に見てしまって吹き出す俺。
「よいしょ・・・竜ちゃん、座っていい?」
「あ、あぁ」
すぐさま体勢を入れ替えた泰子が訊いてくる。
半ば呆然としていて生返事をしたが、ふと気がついた。
(ん? 泰子は俺に背中を向けながら座ってくるんだから・・・)
考えてる間にも、でっかい桃が俺の目の前を通り過ぎていった・・・・・・・・・
「はぁ・・・いぃ気持ち・・・・・・ね? 竜ちゃん♪」
「・・・・・・・・・・・・」
お湯に浸かって、すっかりリラックスしてる泰子。それはいい。
捻挫してる手首はお腹の上で重ねているから痛まないだろう。それもいい。ただ
「泰子」
「うん? なに?」
「べつに入り方に文句をつける訳じゃないんだ。ただ、その体勢だと辛くないか? 首とか足とか。
だから普通に座る感じでいいんじゃないか? その方が俺も多少は落ち着くんだが」
「だってぇ、こっちの方が恋人みたいでなんだか嬉しくってぇ♪」
世迷言は無視しろ、俺。
「けど、それじゃあたまにお腹とか浮いてきて、えぇと・・・
とにかく目のやり場にも困るし、ちょっと上半身を上げてもらいたいんだけど」
「ちょ、ちょっと竜ちゃん・・・急にそんな・・・恥ずかしいよ・・・・・・あ、でもね?
昨日も言ったけどねぇ、竜ちゃんにだったらやっちゃん見られても〜・・・」
話噛み合ってねぇよ・・・・・・
泰子は俺に背中を預けてる状態なのに、俺から見て左下から俺の顔を見て話している。
片足を浴槽の外に出して、もう片方の足を浴槽に入れて突っ張らせて、
髪が濡れるのもかまわずに俺の肩に頭を乗せている形で、ずっと俺を見ている。
俺の方はと言えば、プカプカ浮いてる2つのボールやらその下の・・・やら、お湯から出ている足とか・・・
とにかく、ゆっくり風呂に入ってられないような状態を強いられている。正直言って出たい。早く風呂から上がりたい。
なんの冗談で午前中からこんなこと・・・・・・泰子! の、伸びをするな! 浮いてるのが揺れてる揺れてる!
しばらく2人してお湯に浸かっていたら、泰子が目を閉じて
「竜ちゃん・・・・・・」
言いながら、俺の鎖骨辺りにピッタリと顔を寄せて静かになる。
「どうしたんだ泰子。のぼせたのか?」
「違うの・・・」
「じゃあ何かあったのか・・・?」
「・・・・・・・・・」
尋ねてみるが違うらしい。急にどうしたんだ?
しばらく待ってみるが続きを言わない泰子に、再度尋ねてみる。
「泰子?」
「うん・・・あのね・・・」
そう言って、寄せていた顔を少し上げて耳元で
「・・・・・・・・・お尻にあたってるの・・・・・・あれが・・・・・・」
囁かれて背筋に冷たいものが走る。
ドッと汗が噴き出た。長湯のせいとかそんな汗じゃなくて、例えるなら好きな子の目の前で自家発電のネタをばらされた時みたいな。
ゆっくりと下を見ると、恥ずかしいのか伏目がちになった泰子が見えた。
顔を赤くすんなよ! 太ももを擦りあわせてモジモジしないでくれって! それなんか色々マズイんだよ!
「・・・あ、また大きく」
口に出すなよ!
「泰子! これには訳が・・・そう、せいりげんしょう、生理現象なんだって!」
「それは分かるよ〜? やっちゃんだって子供じゃないんだからぁ」
嘘だろ? 口を吐く寸前で飲み込んで別の言い訳を探す。
「だ、だからこれはその・・・」
だけど上手い言い訳が出てこない。昨日もそうだったし、俺にはペテンだの2股だのは無理だろう。確信できる。
泰子はまた俺の肩に頭を預けて
「竜ちゃんだって男の子だもん。このくらい普通だよ? だからぁ気にしないでいいよ」
「や、泰子?」
えらくまともな上に理解ある母親みたいな事を言っている目の前の女性は本当に泰子か?
いや別人だったらそれはそれで大問題だけど。
ちょっとだけ泰子を見直して、けどそもそもこんな事態に俺を陥れたのは泰子自身だとか考えていたら
「それに竜ちゃんのがあたってると、なんだかやっちゃんも」
おもいっきり頭をお湯の中に沈める。絶対にこの先は聞いちゃいけない。
水を口移しで飲ますとか下を拭いてやるとか、それとは絶対に同じ次元の話じゃない。
遠くで
「ぁ・・・竜ちゃんそんな急に・・・・・・優しくして・・・」
なんて妄言が聞こえた気もするけど気のせいだ。気のせいじゃなきゃやだ・・・
・・・・・・そうだ、いいぞ。そのままこっちに来るんだ、高須。もう少しで裸でソフトボールだぞ。やっぱりお前は俺の元に来るt
お前は俺をどこへ連れてくつもりなんだよ。そんでどんだけ裸でソフトボールに執着してんだ。
お湯の中で咽てしまい、慌てて顔を上げる。何か嫌な物を見た気がしないでもないけど、忘れろ、俺。
「あん・・・・・・竜ちゃん、どうしたの?・・・」
泰子も変な声出してんじゃねぇよ。ハァハァすんな。
もう泰子の言葉は無視しろ俺。いつまで経っても風呂から上がれん。
「・・・・・・もう十分温まったろう? いい加減体流すぞ」
返事は聞かないで泰子の脇に手を差し込んで、沈まないようにしたら立ち上がる。
俺という椅子が消えて支えが無くなり、ズルズルとお湯に引き込まれて座った格好になった泰子が俺を見上げる。
そのとき俺はのぼせていたんだ。そこそこ長湯して、子供みたいにお湯の中で息を止めたりしてたから。
「ひど〜い・・・竜ちゃん急に、ぁ・・・・・・・・・・・・・・・」
だから
「なんだよ・・・早く立って・・・・・・・・・」
泰子の目線の高さでブルンブルン揺れている自前の高須棒のことをすっかり失念していた。
「「・・・・・・・・・・・・」」
無言の俺と泰子。沈黙が痛い・・・・・・
空気を読んだのか、それとも読めなかったのか無駄に元気だった高須棒が首を下ろしていく。
食い入るように見つめている泰子の顔もつられて下がるっておい!
「うおぉお!? ち、違うんだ泰子!これは!」
「ち、違うの竜ちゃん! やっちゃんはべつにぃ・・・」
2人いっぺんに口を開いて意味不明なことを喋っている。
きっと近所の人は朝っぱらから風呂場で騒いでるうちのことを、これからは生温かい目と見えない壁越しに接してくるんだろう・・・
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
今俺は泰子の髪を洗っている。
あの後、変なことを言いまくってお互い気まずくなってしまい、とりあえず泰子の体を洗う方向でさっきの『事故』は流された。
あれから俺はずっと顔を赤くしているし、泰子もなんだかモジモジして落ち着きがない。
「・・・・・・泰子、頭流すぞ」
「うん・・・」
こんな感じで必要最低限の言葉以外、なんだか話しかけ辛い。
風呂用の椅子の上で小さくなってる泰子の頭にシャワーをかけて泡を流し、次にヘアコンディショナーを軽く馴染ませてからまた流す。
今度は石鹸を手に取って泡立てて
「顔、洗うからな。目ぇ開けるなよ」
「ん・・・・・・」
力は入れないで撫でるみたいに洗ってやる。柔らかい・・・って何考えてんだ俺は・・・
これを流すと今度は・・・
「泰子? 首から下はどうする? べつに今日は背中とかだけでも」
「うぅん。気持ち悪いから背中だけじゃなくってぇ、他も洗ってほしいんだけど・・・」
「・・・・・・分かった」
昨日からの経験で、こうなったらもう泰子は絶対に考えを変えないって知ってる。
無駄にあーだこーだ言ってる時間の方が勿体無いから、割と素直に引き受ける。
俺は石鹸を含ませて泡立てたスポンジを、まずは1番洗いやすそうな背中に持っていくと
「じゃ、洗うな」
少しだけ強めに擦ってやる。背中だしこのくらいなら平気だろう。
昨日抱き上げた感触の通り、あまり無駄な肉は付いてないけどスベスベする。
背中をまんべんなく洗ってやると、不意に泰子が話しかけてきた。
「竜ちゃん、力強くなったね〜・・・子供の頃は力一杯やっちゃんの背中流してくれてたけど、
やっぱりちいちゃかった頃とは全然違うね」
「当たり前だろ? 俺だってもう高2だぞ」
チラッと「高2のくせに母親と一緒に風呂入ってる俺って・・・」とか考えたがすぐに頭を切り替える。いい加減慣れろよ・・・
「うん。だからねぇ、やっちゃんも竜ちゃんとお風呂入るのって、ホントはすっごく恥ずかしいの」
・・・・・・・・・はぁ?
「・・・だったら」
「けど、竜ちゃんといっしょにお風呂に入りたかったの。
いつもお店の服着てるの見られてるし、あんまり変わんないと思ったんだけどぉ・・・やっぱり恥ずかしいね」
そう言ってハニカむ泰子の顔は、気がつかなかったけど俺と同じくらい真っ赤で・・・
俺は反対の腕を取ってスポンジを滑らせながら
「俺はもっと恥ずかしいんだぞ。母親とは言えこの多感で繊細な時期に女と入浴して、
お婿に行けなくなったらどうしてくれるんだ?」
恥ずかしい上に寒い冗談を言ってみる。泰子も最初ポカーンとしてたけど
「・・・ふふ、そうなったら竜ちゃんとずーっといっしょに居られるね。
あ、なんだかいいなぁそれ・・・やっちゃんが働きに出てぇ、竜ちゃんがお家のことしてくれてぇ・・・」
反応すんのはそっちの方かよ。
まぁいい、乗ってやれ。
「それって今と全っ然変わってねぇじゃねぇか! 俺はそこまで甲斐性無しか!?」
今度は泰子の前に回って、目を合わせて喋る。
手は泰子の足を洗うために動かしているけど、今は不思議と恥ずかしくない。
泰子は俺のツッコミに笑いながら
「だって〜、なんだかその方がしっくりくるしぃ・・・
だったらやっちゃんがちゃんと奥さんやるからぁ、竜ちゃんがお仕事に出る?」
そう言って、ズイっと顔を寄せてくる。近いっての。
内心の緊張を顔には出さないようにしながら泰子に返す。
「泰子が『ちゃんと』炊事、洗濯、掃除ができるんならな」
「それってぇ、やっちゃんが『ちゃんと』お家のことできないみたいに聞こえるんだけど・・・」
「そう言ったけど? それとも俺よりこなせるのか? 家事」
泰子がまたほっぺた膨らませてるけど、自分でも俺より家事をこなせる自身が無いのか「ぶ〜」とか呻いてる。
きっと手が使えたならペチペチ叩いてきただろう。裸だと何気に痛そうな気がする。
さっきみたいな気まずい空気が消えたのを肌で感じて、泰子にこう切り出す。
「・・・じゃ、前・・・洗うぞ? いい加減温まってたのが冷めちまうし・・・」
それ以上言わなくても分かったんだろう。泰子も
「・・・・・・うん。お願い、竜ちゃん・・・」
言い終える前に目を瞑る。俺も泰子もまた顔が真っ赤だけど、いやな感じはしない。
ゆっくりとスポンジを首筋にもっていって撫でてやる。
「・・・・・・ん・・・くすぐったいよ」
「我慢しろ。すぐ済むから」
身じろぎする泰子に空いている方の手を回して動かないようにする。
スポンジを今度は胸元に滑らせて
「ぁ・・・・・・んん・・・はぁ・・・・・・あ、ん・・・・・・・・・」
泰子が出す声を必死に意識しないようにしながら、胸を丁寧にさすってやる。
硬い突起がスポンジ越しに伝わってくるが、俺だってあんなに間近で見られたんだ。おあいこだって。
「・・・くふ・・・ふふふ、りゅ、竜ちゃん」
「すぐだってば」
わき腹を通って・・・
「あ、そこ・・・・・・だめ・・・んぅ・・・・・・あっ・・・」
最後に下を洗って、ようやく終了した。
「終わったぞ。泡、流すな」
「・・・・・・・・・・・・うん」
泰子の顔は見ない。見なくても真っ赤だって分かるし、俺の顔が赤いのも見てほしくないから。
体中の泡を流してやってると、モザイクが取れてくみたいでなんだかエr・・・いかん、しっかりしろ俺。
泡を流し終わった泰子をお湯に入れてやる。
「じゃあ俺、先に上がって着替えて用意してるから。温まったら呼んでくれよ」
そう言って風呂場を後にする俺に、
「うん。ありがとう、竜ちゃん」
笑顔で返事を返す泰子が・・・まぁ、可愛くって・・・恥ずかしくって変なにやけ面で応えてしまった。他人が見たら通報するだろう。
浴室と脱衣所を仕切るドアを閉めて体を拭いていると
「・・・お湯・・・汚しちゃったかなぁ・・・」
よく聞こえなかったけど、そんな声が聞こえた気がした。
微エロを目指した結果がこれっていう・・・サーセン
ホントはもっと先まで話を進めたかったけど長くなっちゃったんで投下
次は遅くとも今週中には投下予定
乙
GJ
もうなんて素晴らしい投下祭りの連続。
もう感涙ですね(´;ω;`)ブワッ
さて、俺も投下逝くぜ( ゚∀゚)
大河が怖いです。ヤンデレです。
「写真と狂気」
きっかけは一枚の写真だった。
竜児がそれを締まりのない顔で眺めているのを見つけた時、あたしは我を忘れてしまった。
思えばこれが罠だったんだ…
「竜児、なに、この写真は? アンタ、いつみのりんを隠し撮りしたんだっ!」
隠し撮りなんかしてねえよ、普通に櫛枝に貰ったんだ、慌てた表情でそう言い訳する竜児を見た時、
あたしの中で、何かが、切れた。
「なんであたしがいるのに、みのりんの写真なんかでするのよっ!」
「バカ野郎っ! おまえの見てる前でそんなことするわけねぇだろうが」
そんな意味で言ったんじゃない…という言葉が出かけて、あたしは慌てて口をつぐんだ。
竜児が意味を取り違えてくれて助かった。
気持ちを落ち着けるべく、1つ深呼吸すると、あたしは竜児に向かってこう言ってやった。
「みのりんの写真をおかずにするな! このエロ犬!
男なら正々堂々と告白して、みのりんを彼女にしてみせろっ!
そしたら好きなだけ、見せたり触らせてもらえばいいでしょ!」
この言葉が、あたしと竜児の運命を変えてしまった。
この日を境に竜児は、少しずつ、そして着実に自分を変えていった。
これまでは、みのりんに話しかけられただけでテンパったり、話しかけられずに物欲しそうにみのりんを
見ていることが多かったけど、積極的に自分から話し掛け、みのりんとコミュニケーションを取っていた。
竜児は自分が、人から好意を持たれるような人間だと思っていない。
そう思わざるを得ないことが、これまで何度もあったのだろうし、それが竜児を奥手にしていた原因でもある。
ロクに中身を知ろうとしないバカどもから、勝手に怖いヤツ、とっつきにくいヤツだって敬遠されてきた。
あたしは竜児のいいところを、ちゃんと知っている。それは多分、みのりんも同じだったはず。
そんな竜児の努力が効を奏したのか、2人の関係は急速に進展していった。
本来喜ぶべきことなのに、あたしは2人が仲良くなっていくのを、素直に喜ぶことが出来なかった。
そんな私の気も知らず、竜児は散々、みのりんとののろけ話を聞かせてくれるようになった。
本心を悟られないよう努力しながら、適当に相手していたけど、正直あたしの心はもう限界に来ていた。
そしてついに、その日は来てしまった。
竜児が告白し、みのりんが告白を受け入れて、晴れて2人は恋人同士になった。
「…思えばあの時の大河の言葉で、俺、頑張らなきゃなって踏ん切りつけられたんだよな。
ありがとう大河。櫛枝に告白できたのはお前のおかげだよ。お前も北村とうまくいくといいな」
真剣な目をしてこう言う竜児の顔を、あたしはきちんと見ることが出来なかった。
この時のあたし、どんな顔してたんだろ。
気力を振り絞って、竜児にこう言ってやったことは覚えている。
「当然よ、あたしに感謝しなさいこのバカ犬!
ただ感謝するだけじゃダメよ。ホントに恩を感じているなら、これまで以上にご主人様のあたしに尽くしなさい!」
あと、ばかちーにハァハァして、みのりんを泣かせるようなことしたらぶっ殺すからね。肝に銘じておきなさい!
…相変わらずキツイなお前、そう言って苦笑いする竜児に、あたしは言葉を続けた。
「でも、あんたにしちゃ、よくやったじゃない。正攻法でみのりんを彼女にした、その根性と努力は認めてあげるわ」
その日、竜児の家で食べた夕食は、美味しいはずなのに全然味が分からなかった。
家に帰った私を襲ったのは、強烈な後悔の念だった。
自分のあの日の発言が、まさかこんな結果につながるとは思っても見なかった。
正直私は、竜児とみのりんが、恋人になれるとは思っていなかった。いや、言葉を偽るのはいけない。
2人には…恋人になって欲しくなかった。
あたしがどんな形であれ竜児の隣に居続ければ、いつか竜児は振り向いてくれると信じていた。
あたしが竜児のことを好きなのを、みのりんが悟ってくれれば、竜児のことを諦めてくれると思っていた。
我ながら嫌な女だ。竜児に好かれる努力を何もしなかったくせに、みのりんを選んだ竜児を許せない。
何でこんなことになっちゃったんだろう。
どうも、何かがおかしい。
今までの竜児との関係を考えれば考えるほど、こんな結末はおかしいとしか思えない。
こんな結末があっていいわけがない。
あたしは知らないうちに、誰かに嵌められたんじゃないだろうか。
よく考えるんだ。裏で糸を引いている誰かの存在を。
堂々巡りして、悩んで悩んで考えた末に、ようやくあたしは気づいた。気づいてしまった。
灯台下暗しとは、まさにこんな状況を言うのだろう。
この時のあたしはどんな顔をしていたのだろう。
あたしは今まで、みのりんのことを無二の親友だと信じていた。
こんな性格のおかげで、あたしには心を許せる親友というのが、今までほとんどいなかった。
だからあたしを色眼鏡で見ず、天真爛漫に接してくれるみのりんのことが大好きだった。
思えばこの出会い自体が罠だったんだ。
そもそもみのりんはこれまで、あたしに何をしたのだろう。
父親との仲を取り持つふりをして、結果、見事にそれを断ち切ってくれた。
思えばあの異常なハイテンションと天然ぶりも、本性を隠すため、周到な計算の下でのカモフラージュだろう。
そしてこの女は、あたしの大事な、大好きな竜児までも、あたしの手から奪っていった。
あの写真…そう、あの写真だ。
おそらくみのりんは、いずれあたしがあの写真を見つけることも、竜児になんて言葉をかけるのかも
すべて計算していたに違いない。
あたし自身の手で、2人の中を後押しする結果を導き出させれば、文句も言えないし、嵌められたことすら気づかない。
なかなかやるじゃない、みのりん。アンタ…ばかちーなんて足元にも及ばない策士だよ。
アンタのことを大親友だと思っていたあたしがバカだった。あはは、あはははは…
…この代償は高くつくよ、みのりん。
アンタ1人だけ幸せになるなんて絶対許さない。
こんな女を彼女に選んだ竜児も許さない。
ポロポロと涙を流しながら哄笑する少女は、すでに正気を失っていた。
異常です、もとい、以上です。
個人的には甘〜い話が好きなのですが、たまにはこんなのもいいかなと。
うーむ。後日談が恐ろしいことになるだろうが、それは想像に留めておこう。GJ
そして俺は何回GJを言えば良いんだw 最高だぜフゥハハハーハァ
44 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 02:06:02 ID:4iOEYc0I
GJが追いつかないんだが…
投下がマッハだな。いいぞ、もっとやれ
タイガーデイズの再来かと思ったぜ!GJGJGJ!!!
>>15 地の部分の大河の描写が素敵でした
>>27 背徳感がたまりません、竜児はどこまでいくのだろうかw
>>39 言葉にしにくいですが……すれ違い、食い違い、それとも思い込み?
歯車が色々と狂った結果がこれだよ!ってことですかね
新スレ祝砲三発乙です
それぞれ色の違う作品で感涙
>>39乙。原作は未読と見た
あたし ってなんかスイーツみたいね
原作を読んでいたとしても、妄想してかまわないと思うのだが?
例えば、高校を卒業した後とかなら、状況は変わるし、心も変わると思う。
>>27 泰子の顔の前に高須棒がきた時点で、ガチエロパロを期待したぜ
そっちにいかなかった素晴らしさを褒めるとともに
今まで抑えてた分ガチにいってもエロとしては傑作だったのにとだけ伝えとくぜ
みんなGJ
大河は「あたし」ではなく「私」だよ。
気にする人は気にするし、もともとはライトノベルのエロパロだったから違和感あるのかも。
参考までに
大河→私
竜児→俺
みのり→私
亜美→あたしor亜美ちゃん
裸賊→俺
奈々子→あたし
麻耶→あたし
兄貴→私
独神→先生
泰子→やっちゃん
竜児が耳にする、一人称はこんな感じ。
ついでなんでに田村くんも
田村→俺
まっちゃん→私
相馬→あたし
高浦→俺
伊欧→私
あえて外すのもアリだとは思うけど、一応基本はこんな感じ。
>>52 俺は基本的に全キャラ『私』で統一してるな。
単に『あたし』って呼び方が気に入らないだけだけれど。
>>53 まぁ、あくまで参考なので。
僕は原作の一人称どおりにしすぎてミスったなって後悔してるので…。
IDがSEX!
>>1乙
…おかしいな。つい最近書いた気がするんだが。
ここゆゆぽのスレだっけ?
56は>>1乙ってつい最近書いた→スレの流れが速いってことを言いたかったんじゃね?
最近は投下ラッシュが凄かったからな
>>1000行かずなんて、投下多くて雑談少なかったってことか
みんなすげえな
>>59 それだと56の「ここゆゆぽのスレだっけ?」発言の謎が解けない
最近の投下ラッシュについて全職人GJ!!!
だが、SSに死○なんて単語が入ってると即効であぼ〜んされるから困るwwww
○ねって単語嫌いでNGに設定してる自分のせいなんだがwwww
>>62 1レスだけとんでるならそこを想像で補えばいいと思います
それが終わったらあぼーんを解除してまた最初から読めば2度楽しめると思います
>>63 まぁ、引用付きでレスする機能を利用して読むんだが・・・
>>61 ゆゆぽスレ→本来速くない
だからここはゆゆぽスレだっけ?って疑問に思ってるんだろ
>>59 ここゆゆぽのスレだっけ?→ゆゆぽのスレにしては流れ速くね?ってことだと俺は思った
>>16 乙 和んだというかほのぼのしたというかうまく言えないがGJ!
66 :
前スレ863:2008/11/26(水) 19:54:46 ID:19QuWvfm
前スレで、亜美×竜児もの、26フレームを投下している途中に、
容量オーバーのエラーが出たので、こちらに残り20フレームを投下しますが、
宜しいでしょうか?
それとも、しきり直しで、最初から全部投下した方がいいでしょうか?
>>66 お手数掛けてすまないが、
はじめから投下してもらえるとありがたい
68 :
前スレ863:2008/11/26(水) 20:05:15 ID:19QuWvfm
個人的にやっちゃんネタは鼻血出そうになる。
容量限界寸前の前スレで無謀にも26に分けて投稿しようとしてた人に泣いた
ところで、国木田って誰だ?
『竜児のお弁当』
竜司は最近体調が悪い。それが理由かは知らないが、
竜司の作る弁当は味もイマイチで質素で見映えの悪い物ばかりになっていた。
北村くんに見られるのが恥ずかしくて、毎日食堂へ行き、お弁当はゴミ箱へ捨てていた。
ある朝竜児が嬉しそうに「今日は大河の大好きな卵焼きを入れといたぞ」と私に言ってきた。
私は生返事でそのまま学校へ行き、こっそり中身を確認した。
すると確かに卵焼きが入っていたが焼き方もめちゃくちゃだし、彩りも悪いし、
とても食べられなかった。
家に帰ると竜児は私に「大河、今日の弁当美味しかったか?」としつこく尋ねてきた。
私はその時イライラしていたし、いつもの竜児の弁当に対する鬱憤も溜っていたので
「うるさいな!あんな汚い弁当捨てたわよ!もう作らなくていいから」とついきつく言ってしまった。
竜児は悲しそうに「気付かなくてごめんな…」と言い、それから弁当を作らなくなった。
それから半年後、竜児は死んだ。私の知らない病気だった。
竜児の遺品を整理していたら、日記が出てきた。
中を見ると弁当のことばかり書いていた。
「手の震えが止まらず上手く卵が焼けない」 日記はあの日で終わっていた。
後悔で涙がこぼれた。
>>74 こんなようなの見たことあるwwwww
本来泣けるはずが笑えたww
私の母は昔から体が弱くて、それが理由かは知らないが、
母の作る弁当はお世辞にも華やかとは言えないほど質素で見映えの悪い物ばかりだった。
ではじまるコピペ改ざんじゃねぇかwwwwwww
しかも海老じゃなくて卵焼きになっとwwwww
前スレの埋めネタ用に書いていたSSを投下
やっちゃんSSの大河視点での一幕のつもり
「やすドラ? 外伝〜その時虎は〜」
最近私は寝たふりをしながら、竜児が起こしに来てくれるのを待ってる。
前は気にもしなかったけど、寝起きのだらしない格好を見られてたんだって考えたら急に恥ずかしくなっちゃって・・・・・・
それからはどんなに眠くっても竜児が来てくれる時間の少し前には目を覚まして、
鏡の前で軽く髪を梳かしたり、変なところが無いかチェックしてからまたベッドに寝そべって竜児を待つことに決めたの。
玄関が開く音がするとドキドキしながら目を瞑って、にやけちゃいそうになるほっぺに力を入れて寝顔を作って・・・
部屋に入ってきた竜児が声をかけてもすぐには起きないで、肩を優しく揺すってもらってから
起き出すのがお気に入りだったんだけど・・・・・・
今日に限って、いつもの時間に竜児が起こしに来てくれなかった。
「なんで今日はちゃんと起こしてくれないの?」
登校時間をとっくに過ぎてから大声を出して私の部屋に飛び込んできた竜児に、今目を覚ました風を装って目を擦りながら訊いてみた。
・・・ホントは、竜児が起こしに来てくれないのは『・・・まさか先に学校に行っちゃったのかしら?』とか、
『ひょっとして、もう私を起こしに行くのが面倒になったのかな・・・』なんて思うと怖くって・・・
でも、今更1人で起き出すきっかけも見当たらなくて・・・
(こんな事なら今日くらい寝てるふりなんかしないで、私の方から竜児の家に行けば良かった・・・)
そんなことをベッドの上で丸くなりながら考えていると、「大河ぁぁぁあ! 遅刻だ、起きろ!」って言いながら竜児が駆け込んできた。
(竜児、ちゃんと来てくれたんだ・・・・・・)
いつもより遅くなっても、自分も遅刻してても、私を起こしに来てくれた竜児が嬉しくって涙がこぼれた。
だから、目を擦ってたのはちょっとだけ流れちゃった涙を拭いていたから。
竜児に訊いた事も、責めてるんじゃなくて泣いてるのを気付かれたくなかったから。
その後竜児が簡単に事情を説明してくれた。
来るのが遅くなった理由も、やっちゃんがケガしたんじゃ仕方ないわね・・・
嫌われたとかっていう理由じゃなくてホッとしたら、少しだけ意地悪したくなって、
わざと不機嫌な顔をして竜児を困らせてやった。
(やっちゃんがケガしちゃったのは可哀想だし、それで起こしに来たのが遅れたのも仕方ないけど・・・私だって不安だったんだからね)
その内竜児が見た目だけなら凄く不機嫌そうな、でも本当は困った顔して「何でも言うこと聞くから」って言ってきた。
そんな事言わせるつもり無かったけど、私を不安にさせた罰よ。そう思うことにしたわ。
だって、竜児が来るのを待ち焦がれて不安になってたなんて・・・
うん、これは絶対竜児のせい。そうそう。だから何でもお願い聞いてもらうのは当然なのよ!
思いがけず良い事もあったし、そろそろいいかしら?
いつまでも困らせてるのも可哀想だから、私は演技でしてた不機嫌さを引っ込めて、心の底から出てくる笑顔で竜児に話しかける。
竜児は最初何を命令されるかビクビクしてたみたいだけど、考えとくから今度にするわって言うとあからさまに安心してた。
一体どんな無理難題を言われると予想してたのかしら? 私がするお願いはそんなに恐いの? 駄犬?
まぁいいわ。その・・・ちゃんと来てくれたんだもん。ホントはそれだけで十分だから、大目に見てあげる。特別よ?
しばらくして竜児がやっちゃんのところへ戻っていった。これから一緒に病院へ行くみたい。
時間もけっこう経っちゃったし竜児も休むようだからサボっちゃおうかなー・・・
そんな考えを見透かされたのか、部屋を出る寸前のところでちゃんと学校へ行くように釘を刺して、竜児は帰っちゃった。
ホントはあんまり乗り気じゃないけど、風邪でもないのに休むのも気がひけるし、授業を受けに行こうかしら。
(べ、べつに竜児の言いなりになるわけじゃないんだから・・・学校にはみのりんだって居るんだし)
誰に言ってんだか分からない言い訳をしながら、ふと思いついた。
明日は竜児が起こしに来てくれる前に身支度とかを全部済ませとこうかな? もしかしたら誉めてくれるかもしれないし。
うん、いいかもそれ。それにやっちゃん手をケガしたみたいだから、今日帰っていろいろお手伝いすればもっと誉めてくれるかな?
ひょっとしたら「ありがとうな、大河」って言って、ぎゅってしてくれるかも・・・・・・
「・・・・・・えへへ・・・」
明日は絶対早起きしよう。それに聞いてもらうお願いも考えとかなきゃ。
ご主人様にこんなに思われて、駄犬はなんて幸せなのかしら。
照れ隠しにそう呟いて、私は久しぶりに1人でみのりんとの待ち合わせ場所まで歩いていった。
じゃ、やっちゃんSSの続き書いてきます
>>74 これ見て鬱だ死のう病になった私は素人ってことかw
乙、あみドラはまだですか?
>>83 もっと鬱になるコピペはいっぱいあるゾw
母ちゃん氏ぬ系はやばい
カーチャンネタはやめてくれw
>>79 GJでした
>>83 もっと鬱になるコピペはいっぱいあるゾw
特に母ちゃん氏ぬ系はやばいな
重複して書き込んじまった・・
すまん
>>82 氏の書くやっちゃんと大河とホモ裸族は大好きだ
俺もコピペネタやってみた
大河に「牛タンってウマイよな」って言ったら、
「うん、人間の舌も牛タンだったらいいのにね」って言われた。
「そしたら何も食べてなくても、常に牛タンの味がしておいしいのに」だって。
たしかに、人間の舌っていつも口の中にあるのに味がしないなー。
大河と話し合った結果、それはもしかすると
ずっと同じ味の舌が口の中に入ってるから味覚が麻痺してるんじゃないか?
ということになって、お互いの舌を舐め合って確かめてみることにした。
そしたらすごい!大河の舌おいしい!!まろやか!
お互いに相手の舌を舐めながら「おいしいよー」「おいしいねー」
「デリシャスだよー」「デリシャスだねー」ってやってたら、
だんだん
(省略されました 続きを読むにはデリシャスデリシャスと書き込んでください)
デリシャスデリシャス
デリシャスデリシャス
デリシャスデリシャス
デリシャスデリシャス
98 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 22:52:10 ID:5ebPgROg
デリシャスデリシャス
やっちゃんSS、作品としては素晴らしいと思うんだがどうにも受けつけない自分がいる
理由はわかってる。俺の母親の名前もやっちゃんと同じ名前だからどうしても複雑な気持ちに…
画像はどう考えても板違い
よそでやってくれ
>>99 それこないだも言ってなかった?
>>82 GJ
そうして帰ってきた大河が見るのが
やっちゃんと一緒に寝てる竜児なんですね、わかります
ヒロインが自分と同じ名前だったときもあれだぜ…
氏ね氏ね言われる名前よりマシだろ
105 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 23:05:43 ID:S78JEpsH
26レス(亜美竜)の投下がこっちにも来てないのか……
もしや容量オーバーに気づいていないんだろうか。
oh,流れが速すぎて飛ばしてた。
なんか最近すげえなあ。
俺もコピペ便乗してみた。
亜美と竜児が結婚してる設定で、しかもかなりキャラ崩壊してるから見たくない人は見ないで
***
亜美は,今日も仕事で疲れきって,遅くなって家に帰ってきた。すると,彼の夫、竜児がドアのところで待っていたのである。彼女は驚いて言った。
「まだ起きていたの。もう遅いから早く寝よ」
「亜美。寝る前に聞きたいことがあるんだけど」
「なに?」
「亜美は,1時間にいくらお金をかせぐの?」
「竜児には関係ないことでしょ」亜美はイライラして言った。
「なんだって,そんなこと聞くの?」
「どうしても知りたいだけなんだ。1時間にいくらなの?」竜児は嘆願した。
「あまり給料は良くないよ・・・20ドルくらいかな」
「わあ」竜児は言った。「ねえ。亜美。ボクに10ドル貸してくれない?」
「なんだって!」疲れていた亜美は激昂した。「竜児が何不自由なく暮らせるためにあたしは働いているんだよ。それが金が欲しいだなんて。だめよ!早く部屋に行って寝なさい!」
竜児は,黙って自分の部屋に行った。
しばらくして,亜美は後悔し始めた。少し厳しく叱りすぎたかもしれない...。たぶん,竜児はどうしても買わなくちゃならないものがあったのだろう。それに,今まで竜児はそんなに何かをねだるってことはしない方だった・・・
亜美は,竜児の部屋に行くと,そっとドアを開けた。
「もう,寝ちゃった?」亜美は小さな声で言った。
「ううん。亜美」竜児の声がした。少し泣いているようだ。
「今日は長いこと働いていたし,ちょっとイライラしてたの・・・ほら。竜児の10ドルだよ」
竜児は,ベットから起きあがって,顔を輝かせた。「ありがとう。亜美!」
そして,竜児は大きな手を枕の下に入れると,数枚の硬貨を取り出した。
亜美はちょっとびっくりして言った。「ちょっとぉ。もういくらか持ってるじゃない」
「だって足りなかったんだもん。でももう足りたよ」竜児は答えた。そして,10ドル札と硬貨を亜美に差しのべて...
「亜美。俺,20ドル持ってるの。これで亜美の1時間を買えるよね?」
>>108 おいおいw 亜美が竜児の母親じゃないかwww
疲労困憊の竜児が大河につい怒鳴って的な流れでセリフもらしく変えたならそれなりに自然になると思うんだ。
>>108 ちょっと別人すぎて竜児や亜美っぽくないな
確かにwwww
サーセンwwwwwww
竜児とやっちゃんでやったらまんまだけど無茶苦茶ハマりそうだな
>>108 せめて口調とかお金の単位を変えようぜwwww
そんな事より北村よ、ちょいと聞いてくれよ。流れとあんま関係ないけどさ。
このあいだ、学校で三人娘と屋上で飯食ったんです。三人娘。
そしたらなんか囲まれてめちゃくちゃでカオスなんだよ。
で、よく見たらなんか扉の鍵とか閉められてるし、逃がしてあげないから、とか大河が言うんですよ。
もうね、怖いと。来なきゃ良かったと。
お前らな、三人で一人の男囲って襲おうとするなよ、マジで助けて。
三人だよ、三人。
なんか乱交とか言ってるし。女三人で男一人か。体もたねーよ。
よーしみのりん竜児の童貞奪っちゃうぞー、とか言ってるの。もう本当に逃げたい。
お前らな、ご飯やるから逃がしてくれと。
昼食時ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
一人で飯食ってる独身と向かい側の既婚者の愛妻弁当でいつ喧嘩が始まってもおかしくない、
狩るか狩られるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。三人娘は、面談室へ行ってください。
で、事が終わってやっと解放されるかと思ったら、川嶋が、まだ足りない、とか言ってるんです。
そこでまた絶望ですよ。
あのな、そんな何回もでねーんだよ。マジで。
物欲しそうな顔して何が、まだ足りない、だ。
お前らはいつ俺を解放する気になるのかと。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前ら、午後の授業サボる気なんじゃないんかと。
昼飯通の俺から言わせてもらえば今、昼休みの醍醐味と言えばやっぱり、
お茶、これだね。
お昼の後の一服。これがお昼の醍醐味。
お茶はお昼の区切りの至高の一服。そん代わり次からまた授業と言う絶望感に襲われる。これ。
で、それに予鈴のチャイム。これ最強。
しかしこれをやるとだんだんと昼休みが嫌いになってくる、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあ親友のお前、北村は、早く俺をかくまってくださいってこったうわなにする大河に櫛枝と川嶋やめr。
>>113 やっちゃんが子供役ですね。分かります。
>>114 口調とかキャラとか変えなかったのはあえてでウケ狙いだったんだけど、失敗してあーなった。でも後悔はしてない。
前スレの「川嶋亜美の暴発」の続きまだー?
6/26で上限に達してて生殺し状態なんだが・・・
勢いに任せて、人生初のssを書いてしまったんだが
投下してもよいものか。
カップリングはなしなんだぜ。
>>119 今投下せずにいつ投下するんだい?
GO!GO!
なら、投下するぜ。
文が下手なのは勘弁してくれな。
『本性バレ』
「なぁ、高須。昼の放送にでてみないか?」
そう出し抜けに北村から言われて、竜児は驚いた。
なぜ、北村が急にそんなことを言い出したのかがわからなかったのだ。
「お、俺が?昼の放送に?…なんでまたそんなことを」
「いや、みんなが高須に持っているイメージをどうにか払拭したくてだな。みんな変なイメージを高須に抱きすぎだと思うんだ」
…まぁ、それは、確かに。何も苛ついてなどいないのに、目を向けた人から怯えられるというのは日常茶飯事だ。
それは、ただ単に自分の目つきがどうしようもなく悪い故の出来事であって。たとえ自分が殴り合いのケンカなど一度もしたことがなくとも
この目は、見る人に常勝無敗(路地裏のケンカ的な意味で)なすさまじい恐怖を与えるのだ。
「だけど、今更じゃないか?今、俺に対するみんなのイメージが変わっても…」
そう弱気になる竜児に、北村は言う。
「今だからこそだ。本当は、ずっと前から高須の名誉挽回策は考えていたんだが…。いかんせんタイミングがなくてな。決行に至らなかった」
「いや、名誉挽回策って…」
「そこで、俺が生徒会長になった今、昼の放送を通して高須の本当の姿をみんなに知ってもらおうというわけだ!」
自信ありげに言う北村。
「…何でそんなに俺の事を気にかけるんだ?俺のイメージが変わったってお前は何も得しな「それは違うぞ、高須」
竜児は北村の真面目な表情に言葉をなくす。
「俺はもっとみんなにお前がいい奴だと知ってもらいたい。俺の友人はこんなにもできた奴なんだと自慢したいんだ」
その言葉に不覚にも竜児は感動してしまって。俺はそんなほめられる奴じゃ…とは思いつつも
「お、おう」
と、了承の返事をしてしまったのだった。
『あなたの恋の応援団!』
『こんにちは、今日も始まりましたみなさんの恋を応援するお昼のひと時。
メインパーソナリティーの生徒会長、失恋大明神こと北村祐作です。
今日は、特別ゲストとして僕の友人に来てもらいました』
『…二年C組の高須竜児です。よろしくお願いします』
『はい、それでは今日の一つめのお便りです。
ラジオネーム、K・Yさん。
『僕には今気になる人がいるのですが、その人に自分が近づいていいものかわかりません。
その人を僕が傷つけてしまうのではないかと、不安で動けなくなるのです。
どうすればいいのかわかりません。どうか僕を導いてください。』
なるほど、これは難しいですね。好きだからこそ、自分が傷つけてしまうのでは…と不安になる。
高須君はどうしたらいいと思いますか?』
『いきなり俺に聞くのかよ!?ちょ、ちょっと待ってくれ。すぐに考える。
…あくまでも、俺の考えだが。距離が遠すぎるから、傷つけるんじゃないかと不安になるんだと思う。
例えば、パンチとかは相手と距離があるから威力が増して痛いんだ。逆に、相手と距離が近いと腕が伸びきらずに、当たっても全然痛くない。
だから、傷つけたくないと思うんなら思い切って距離を詰めてみたらいいんじゃないかと思う。
それなら、痛い思いをさせないし、何より相手の声も聞こえるから』
『なるほど。思い切って近づいてみる、と。うじうじするよりはそれがいいのかもしれませんね。
それでは次のお便『お前の意見はなしかっ!?』りです。
ラジオネーム、教えて大明神さん。
『今、自分には彼氏がいるのですが聞いてください。この前
「例えば、湖の真ん中に二人乗りのボートがあって、それにあなたが乗っていて、目の前で私とあなたのお母さんが溺れていたらどっちを助ける?」
と聞いたら、曖昧に答えを濁されて結局答えてもらっていません。やはり男の人はみんなマザコンなんでしょうか?
それと、大明神だったらどう答えますか?』
これもまた難しい質問ですね。高須君はどうですか?』
『いや、お前名指しされてるだろ!?何でそれを差し置いて俺なんだよ!?』
『ゲストですから』
『お、お前なぁ…!!』
『で、どうなんですか?教えて大明神さんからのお便りへの返事は?』
『…まぁ、答えるけどよ。というかそもそも、教えて大明神さんの彼氏が何で答えられなかったかがわからないんだが』
『ほう。高須君はすでに答えを持っていると言うことですか?それは興味がありますね。
いったい彼女か母親のどちらを…』
『俺がボートから降りて、二人を乗せる。それでボートを岸まで押す』
『…は?』
『まぁ、泳ぎには多少の自信はあるし、湖だから波もないし大丈夫だろう。できればボートにタオルとかがあればいいんだが。
濡れたままだと体に悪いしな。…あ、俺が降りる前に服を脱いで、それを使わせればいいのか』
『高須…』
『後は、温かい飲み物とか用意して…ん?なんだよ、北村。というか口調が戻ってるぞ』
『俺は、なぜ、お前に、今、恋人がいないのか、不思議でしょうがない』
『…何を言ってるんだ?お前』
『お前みたいな超優良物件は他にない!断言してもいい!!何でフリーなんだ!!』
『いや、それは俺の外見がヤンキーというか何というかだな』
『そんな些細なことはどうでもいいだろう!!!なぜ誰もお前の内面を見ようとしないんだ!?』
『それを、俺に言われても…。というか、おい、北村?』
『ありえないありえないありえない俺が女だったら絶対付き合うぞ?優良すぎるだろ?というか男から見ても格好いいぞ?そもそも…』
『…失恋大明神がぶつぶつ言い続けてるので、今日の放送はこれでおしまいです。
以上、『あなたの恋の応援団』でした。…これ俺がまとめてよかったのか?』
この後が大変だった。放送が終わって教室に戻ると、誰も俺と目を合わせようとしないのだ。
大河に「俺、何かしたか?」と問いかけても「ううううっさい、駄犬!!話しかけるな!!」と拒絶され
川島には「もうちょっと場所考えて本性だせよ、あーもうっ!!」と罵られ
実乃梨には「何て言うか、隠してた宝物の場所を暴露された気分だぜ…」と嘆かれた。
やっぱり俺のイメージは昼の放送ぐらいでは変わらなかった。
むしろ酷くなってないか、これ?北村の心遣いには感謝するが、以前より悪化してしまったようだ。
それにしても。
何で、みんな顔赤かったんだろうな?
それから、竜児が『天然タラシ』として名をはせたり、相談役として北村の地位を危うくしたりするのはまた別の話。
以上!!
書いてて思ったが、考えてることを文章に起こすのは難しい…。
やっぱssは壁が高いな
何というイケメンGJ
GJ!
これは全学年の女子がキュンときたに違いないw
初めてとは思えないくらいよかったぞGJGJ!!
ハーレムエンドですね
GJ!
これはよいものだ。
自分たちだけの宝物の価値をみんなに知られちゃったのは残念だよなw
ほのぼの…とは違うけど、良いわ〜
>>126-
>>130 GJと言ってもらえてうれしいwww
褒められると、次への意欲がわいてくるなww
個人的に竜児はものすごいイケメンだと思うんだ。漫画とか特に
ハーレムなのは自分の趣味…w
これはいいところに目を付けたSSだな(・∀・)イイ
この放送できっと、腐系の女子が喜(ry
性格というか性質というか、そういう部分をうまく表現できていると思う。
いいですね。新鮮。
今までに無い話を読めた。
こういう話は好きなほうだ。
GJ!だが裸族がもう少しホモっぽい方が好みd
さて、それじゃ俺も一発イキますか。
ジャンルは…調教もの?
犬の躾
「いい竜児? パンツなんてモノは、それで何を妄想しようとしょせんはただの布っ切れなの!
そんなものに一々心乱されたり、見えた見えないで動揺するなんて、まさに愚の骨頂よ!
アンタがそんなんだから、バカチワワに毎回毎回からかわれるの!」
…どうやら大河は、俺が川嶋のパンツを見たことを根に持っていらっしゃるようだ。
しかし何とも身も蓋もない意見だ。こいつは男の性情ってヤツに思いを致すほどの想像力がないらしい。
とはいえ、一々反論するとまたうるさいことになるので、とりあえず聞いているフリは…
「だ・か・ら、このご主人様自ら、アンタを躾けて少しはマシな飼い犬にしてあげるわ」
大河はそう言うと、俺の正面に陣取り、ペタンと体育座り…あ、白…っておいこら、見えてる見えてる。お前何を…
「いちいち喚くなっ! わざわざ見せてやってるんだから、目ん玉広げてよく見てなさい!」
「まったく…小学生や中学生じゃあるまいし、この程度で喚いたりハァハァするんじゃないの!
アンタ本当に、女に対する耐性無さ過ぎよ。みのりんの前じゃすぐにテンパるし、ばかちーには翻弄されるし…」
流石にそうはっきり言われると、俺の男のプライドが少々傷つく。良かろう、そんじゃ見てやろうじゃねぇか。
「これから2人の時は、恥ずかしいけど極力下着の見えるもの履いて、アンタの正面に座ってやるから。
少しは自制することを覚えなさい。あ…もし発情して私に襲い掛かったりしたら、容赦なく殺すからそのつもりで」
手乗りタイガーが可愛すぎる件について
まったくこいつは、口じゃ恥ずかしいだの何だの言いながら、羞恥心なんぞ欠片もないのかい。
興奮するどころか、半ば冷めてあきれ果てた俺の様子に気づいたのか、大河は俺を鋭い視線で一瞥すると、なぜかニヤリと笑みを浮かべ、
「…竜児、あんたそこに仰向けに寝なさい」
と言い放ちやがった。何をする気だ…と首をかしげると、すぐに自分の命令に従わなかったことに業をにやしたのか、
「さっさと仰向けに寝ろっ、このアホ犬!」
と怒鳴りやがった。お前声デカいって、犬だのなんだのと呼ばれる俺の身にもなってくれ、隣近所への世間体も…
心の中でぼやきながら仰向けになると、大河は俺の顔を跨いで立ちやがった。おいこら、なんてことを…と言うまでもなく、
「視覚訓練だけじゃダメね。触覚と嗅覚も訓練しなきゃ」
俺の視界は真っ暗になり、なにやらすべすべした感触と、ほのかな体温と、そしてなにやら…
「おいこら何をしやがる!」
そう言ったつもりだが、モゴモゴフガフガとしか聞こえなかっただろう。
「このアホ犬! ああ…有難く思いなさい。わざわざここに来る前にシャワーを浴びて…」
そこから先は声にならなかった。
「ねぇ竜児、面白かった? 興奮した? このシチュエーション」
なあ大河…川嶋のパンツを見たことは、もう何度も謝っただろ。だから…たまには普通にやらないか。
「ダ〜メ! 私以外の女のパンツ見て、鼻の下伸ばした罰だから」
俺はいつまで責められるのだろうか。やれやれ。
どうやら大河さんのヤキモチのようです( ゚∀゚)
ということで、ここまで。
やきもちタイガーも可愛すぎる件について
>>119 GJ
クラスメイトに若干モテる竜児、それにリアクションする三人という続きも頼む
なんかハーレムもの読ませてもらったら
あのクリスマスイブ、竜児が熱で倒れたのがもっと前で
大河が自分の気持ちに別の形で気付く
修学旅行もヒロイン三人ともなんだかんだ進展してして
そして、どんなバレンタインの一日になるかというIF話を書きたくなるな
>>119 ベリーGJ!
今までにない切り口で、マジでオモローだったw
別口で思いついたら、また頼む
もはよう
お前らはえーよ
GJ
>>139 いっつもなりきりシチュでしてるのかw
評価したい。大河はgj
>>119 シチュは全然違いますが、内容がちょっと似ているのを考えてました。
しかし、竜児が格好良すぎる…。GJです!
土曜には何か投下できるように頑張ろう…
>>119乙
これは一気に恋のライバルが増えたなw
149 :
66:2008/11/27(木) 17:54:46 ID:DDawPt6N
ちょっと、テスト。
150 :
66:2008/11/27(木) 17:56:35 ID:DDawPt6N
テスト結果、良好なので、
旧スレで、容量不足で、頓挫した、「川島亜美の暴発」を、
最初から投下します。全22レスの予定です。
「あ〜、もう、フラ語って、本当にうざい」
「そう言うなって、国木田のフランス語は、お前の法学部でも、俺が居る理学部でも落とせない科目
なんだからさぁ。手抜きはできねぇ」
大橋駅の駅ビルの一角にあるハンバーガーショップの窓際の一角に、大学生と思しき男女が並んで座り、
フランス語の辞書を広げて呻吟している。
目つきの鋭い男は、
「第二外国語は、ヤバいよ。D(不可)がついたら、それまで。1年留年決定だからな」
と、諭すように言う。
「うん、わかってる。あいつは、国木田は、階段教室の学生を順繰りに指名して、朗読させて、
訳までさせる。答えられなければ、それまで。本当に嫌な奴だよね」
「だな…」
川嶋亜美は、この春、高須竜児、北村祐作と一緒に、国立大学に進学した。
川嶋亜美にとって、大橋高校からの知り合いは竜児と北村祐作の2人のみ。
幸いなことに、櫛枝美乃梨も、逢坂大河も、いない。
邪魔者のいない楽園。もう、自分を異分子と自嘲する必要もない。
あとは、竜児と学園生活を満喫できるはず、だった…。
しかし、実際は、講義の進度の速さは気違いじみていて、高校とは桁違い。
成績不良者は、容赦なく留年。
高須竜児との接点も、共通する科目の予習と、行き帰りの電車の中での会話程度。
これじゃぁ、何のために同じ大学に進学したのか分からなくなってくる。
不意に、赤ん坊の泣き声が聞こえる。視線を右に移せば、大橋高校の制服を着た男女が
抱き合っている。目障りな連中だ、とばかりに亜美は眉をひそめる。
何よりも、高須竜児は、この喧騒が気にならないのだろうか?
本当にもう、鈍感なんだから、いろんな意味で…。
「ねぇ、高須くん、ここじゃうるさくって、勉強するのは無理なんじゃない? あたし、できたら、
高須くんの家か、あたしの家でやりたいんだけど、場所、変えれば、いくらあたしでも、うん、
あたしだって…なんとかなるかも」
また、その話か、川嶋、と竜児は思う。
「いや、自宅とかだと、緊張感が足りないだろ、俺なんか、ついついテレビやインターネット
見ちまうし、それに…」
「それに…?」
「いや、何でもない」
また、俺を、からかうつもりなんだろう? という一言は飲み込んでおく。時と場合によるが、沈黙は金だ。
「高須くん…、なんかつまんない」
「そりゃ、勉強だからな、もともとがそんなに面白いもんじゃないだろ」
「だから、そうじゃなくて…」
「そうじゃなくて?」
「もう、いいよ…」
そんな亜美に、高須竜児は、またか、程度の一瞥をくれると、フランス語のテキストに視線を戻した。
亜美はイライラする、相変わらず鈍い男だ、そのくせ何でも無難にこなす。
悔しいけど、亜美にとって高須竜児はスーパーマンだ。
「ここをこう訳して、ほらできた。川嶋、ちょっと、読んでみておかしなところがないか確認してくれ」
「う、うん…」
二人の共同での予習と言っても、それは名ばかり。フランス語の翻訳は完全に竜児の独壇場。
高須竜児が差し出したノートには、細かい文字で、邦訳がびっしりと書かれていた。
係り結びも、文脈にもおかしなところがない。完璧だ。
「帰りに、コンビニで、こいつのコピーとれば、OKだな」
一仕事を終えた満足感が、高須竜児の表情には現れていた。
高校時代は、
『あたしは、川嶋亜美は、高須くんと同じ地平の、同じ道の上の、少し先を歩いて行くよ』
とか、はったりをかましたけれど、高須竜児には到底かなわない。
ルックスだけが取り柄の亜美ちゃんは、高須くんの心を引き止めておくことができるんだろうか。
今、この場に、櫛枝美乃梨が現れたら、あたしは、彼女に対抗できるのだろうか?
「ねぇ、高須くん…」
苛立ちは天使のような仮面に潜ませて、すぅーと、亜美は、右隣の竜児に寄り添った。
竜児は、左半身に亜美の体温を感じ、「またかよ」と、一瞬だが顔をしかめる。
高校時代から、こいつは、隙あらばこうだ。この大胆さには、今だに辟易させられる。
これがなければ、竜児の基準から見ても、亜美は、かなりまともな奴なのだが…。
なにより、腹黒さの毒が、以前に比べれば、だいぶ薄まってきたように思えるし。
「川嶋、人目があるぞ、ほどほどにしてくれよ」
悪ふざけも大概にして欲しい、とばかりに、竜児は、亜美をたしなめる。
「ほどほど?」
天使のような仮面の下で、苛立ちが膨らむ。
「お前には節操というものがねぇのか? お前だって、大学の受験勉強するまではモデルでちっとは
知られた存在だったろうが。無名の一般人じゃねぇんだぞ」
「モデルなんて、もうやめちゃったし。あたしなんか、もう、どこにでもいるタダの女子大生だよ」
さらりと、髪をかき上げ、
「それに、亜美ちゃんはつまんない子、腹黒で、嫉妬深くて、歪んじゃってる子。でも…」
「でも…?」
亜美は、竜児の背中越しに右手を伸ばし、竜児の体を抱きとめた。
亜美のバストが、竜児の左脇腹に押し付けられ、その胸元からは、甘い匂いが微かに香る。
「か、川嶋、密着しすぎだって。離れろ! そういう節操のないことは止めろと、あれほど…」
「高須くん、亜美ちゃんは、無節操な女じゃないよ。見てくれだけじゃなくて、あたしの真っ黒な
ところ、歪んじゃってるところとか、全部知ってて、それでもあたしを避けずに一緒にいてくれる。
高校時代の友達は、みんな亜美ちゃんからいなくなっちゃった。今では、高須くんと祐作を除けば、
麻耶と奈々子くらい。だから…」
さらに、ぎゅっと、竜児の脇腹にバストを押し付けて…、
「こんなことをしてあげるのは高須くんだけ、だから…、だから、あたしを大事にして」
やわらかな感触と、ほのかな香りに理性が吹っ飛びそうになる。
今日は、いつになく挑発的。
竜児は、そこをこらえて、擦り寄る亜美の上体を引き剥がす。
「た、高須くん」
「まぁ、まぁ、落ち着け、川嶋。俺達ゃ、大学に合格したばかりで、右も左も分かっちゃいない。
まぁ、俺も、正直、川嶋とこうして一緒に居られるのはうれしいさ。だがな、当面の敵、赤点で、
即留年決定の必修科目を何とかしなけりゃならん。お遊びは、こいつが何とかなる目処がついてから
でもいいんじゃねぇか?」
さらに、
「俺の場合は、奨学金がかかっているから、よけいに深刻なんだ、でも、多少は障害があった方が、
やりがいがあるぜ」
と、言って、「にやり」とする。
こうしているときの竜児の顔に、亜美は見覚えがあった。学校や別荘で、念入りに掃除をしていた
ときの顔と同じだ。
解決が困難な課題に集中しているときこそが、高須竜児にとっての生き甲斐なのだろう。
凡人には理解しがたいところであるが…。
「高須くん、亜美ちゃん、もう疲れちゃった」
高須くんは、相手の気持ちを考えずに、自分一人で頑張りすぎ。
もう一度、亜美は、竜児に抱きついて、
「高須くんは、冷たいよ」
うつむいて、鼻をすする。やべ、まじで涙が出てきちゃった…。
「はぁ…」
竜児は、軽く嘆息する。
「なぁ、川嶋…」と、前置きして、再び、亜美を引き剥がし、
「ガキみたいなこと言うなよ。お互い大学生にもなって、こんな露骨な……、過剰な、ダイレクトな
表現だけでしかコミュニケーションがとれないってのは、悲しくないか?
川嶋がそんな大胆なことをしなくたって、気持ちは伝わるさ」
「言葉で伝わらないことがあるから、ダイレクトな表現があるんじゃないの?」
「い〜や、川嶋、お前は、根本的に間違っている。過剰なものは有害無益なんだよ。
過ぎたるは及ばざるが如し、っていうじゃないか」
「でも、でも、みんながみんな、言葉だけで真意が伝わるなら、もめごとなんて起きないよ。
言葉には嘘があるから、本当の気持ちの表現が大切なんじゃないの?」
「嘘だったら、体を張った表現にだってあるだろうさ」
「どういうことよ?」
「例えば、ものすごい美人からだな、『好きです』とか言われて、いきなり抱きつかれても、
容姿が並以下の男だったら、それを素直に信じないと思うんだ。信じるに足る根拠がない。
もっと言うと、その美人にとって、不細工な男と付き合うメリットが客観的には見出せないからな」
「それはあくまでも客観でしょ、その美人とかの主観はどうなの? それが一番大事なんじゃない?」
あたし達のことを喩えているとしたら、悪趣味もいいところ。
あたしが、この亜美ちゃんが、あんたを偽っていると言いたいのか、と亜美は訝る。
「主観までは分からないな。でも、大方は、客観的な評価と大きくは違わないだろ?
その美人だって、本当は、イケメンの野郎と付き合いたいに決まっているさ。
資産があれば更に言うことなし。これが、客観的な認識じゃないか?」
あんた、間違ってるよ、と心の中で亜美は毒づく。
あんたの言う客観は、ただの皮相だろ? 人の本音なんて、そう簡単に分かるものか。
亜美は、思いっきり嫌みな口調で皮肉を言った。
「すっごぉ〜い、高須くん。そっか、客観的な評価から、そこまで何もかも分かっちゃうんだ。
じゃぁ、今、あたしが何を考えているかも、見当がつくよね?」
その言葉に、竜児は、
「おう! 取り敢えず、明日の分の予習が終わって、ほっとしているとか、
そんなところじゃないのか?」
胸を反らして、得意気に、言い放つ。
「それだけ?」
「おう! それだけ」
「じゃ、あたしが高須くんに抱きついたことは、どう説明がつくの?」
「そりゃ、いつものお前の悪ふざけ。そんだけだろ?」
亜美の表情が、一瞬、険しくなる。何だと? コラ!
辛うじて、平静を装って、最後通牒のつもりで、竜児に畳み掛ける。
「念のため訊くけど、本当にそんだけ?」
「おう! 本当にそんだけだろ?」
「はぁ〜?」
亜美は絶句する。本気で言ってるのか? しかも、自信満々に。
この根拠のない自信は、どっから湧いて出ているんだろう。
竜児はさらに、ダメ押しの一言。
「どうだ、図星だろう。何せ、俺は、『気遣いの高須』と呼ばれているくらいだからな」
だめだ、こりゃ、話通じねぇ…。
『気遣いの高須』だぁ? あんたが、本当にそうなら、亜美ちゃんこんなに苦労しねぇよ。
こいつはだめだ、救いようがないバカだ。むかついた、あたしゃ本気でむかついた!
表情を怒りで引き締め、スツールから立ち上がる。
「お、おい、川嶋…」
当惑する竜児に、キッ、とばかりに向き合い、
「あんたは、何にもわかっちゃいない! ああ、もういいわ。あんたには何言っても無駄。
あんたは本当にどうしようもないバカ。あたしの言うことなんか、聞いちゃいないんだ。
もう、いい!!」
亜美の手が、もがくように竜児の胸を強く突いた。その勢いに、竜児はスツールから転げそうになる。
亜美は自分のカバンをひっつかみ、
「あたしはもう疲れたから帰る。どいてよ、道開けて! やだ、もう混んでて…うざい」
そのまま、顔をおさえながら逃げるように走り出す。もう、いやだ、勉強も、高須竜児も、何もかも。
「川嶋…」
取り残された竜児には、周囲からの冷たい視線。
さらには、「極悪なツラした奴が、あんなかわいらしい娘を怒らせるなんて」「サイテー」
「女の敵よね」「ヤクザが堅気の女の子に手を出していたのかしら」「いやねぇ」、
無遠慮なヒソヒソ話が追い討ちをかける。
竜児は、それらを無視して辞書や教材を片付ける。
確かなことは、もう、ここでは勉強できないこと、それと川嶋はえらく怒っていたこと、
それと、ここは大橋高校の関係者がよく来る場所でもあった。噂に尾ひれが付いて、
広まっていくのは確実だろうということだ。
***
「あ〜、ちくしょう、むかつく。あの鈍感バカ、死ね、死んじまえ!!」
物騒なことをぶつぶつ言いながら、川嶋亜美は商店街を大股で闊歩する。本当に腹が立って仕方が
なかった。高須竜児が鈍感なのは出会った直後から分かってはいたことだったが、これほど重症だと
は思いも寄らなかった。
「腹立つから、もう、亜美ちゃん酒のんじゃう。お酒は好きじゃないけど、なんか飲まないとやって
られない感じぃ!」
どこかの居酒屋にでも入ろうかと思ったが、最近は未成年者への飲酒にうるさいから、酒を買って、
自宅でやけ酒あおることにした。買うなら一升瓶の日本酒。やけ酒の定番だ。
亜美は、酒屋はどこだよ、ばかりに商店街に連なる看板に視線を泳がす。目に入ったのは「稲毛酒店」
の看板。店頭では、前掛けをした小太りの中年男がビールケースを運んでいた。
しかし、このおっさん、どっかで見たことがあるような…。
「らっしゃい。お、あんた、たしか魅羅乃ちゃんの息子さんの彼女だったっけ? 久しぶりだねぇ」
しまった、このおっさんが店主だったか。亜美は、唇を歪めて、舌打ちする。
前に、高須竜児と一緒のときにスドバで会ったことがあったっけ、なんつ〜、間の悪さ。
「今日は、魅羅乃ちゃんの息子さんは一緒じゃないのかい?」
やなこと訊くなよ、おっさん、空気読めよ。この無遠慮なダボハゼがぁ、とばかりに、
亜美の表情が険しくなる。
「ねぇ、ねぇ、どうしたんだい?」
「も、もう、彼女じゃないかもしれませんから…」
眉間に深いシワをピクピクさせて、怒りをこらえる亜美の表情にさすがに気づいたのか、
稲毛酒店の店主は、「あう…」と嗚咽のような声を発して押し黙った。
「そんなことはどうでもいいんですけど、お酒ください、一升瓶で、あまり甘くないやつ」
やけ酒をあおろうというのに、できるだけ糖質が少ない酒を買おうとするのも、元モデルの性か。
「え、あんたが飲むの? でも、たしかあんたは竜児くんと同い年で未成年じゃなかったっけ?」
むかっ! うっるせーな、関係ねーだろとばかりに、亜美の表情がさらに険しくなる。
「おお、わかったわかった」
店主は、「剣呑剣呑」と唱えながら、
「これなんかどうだろう? 辛口で、すっきりしている。おすすめだよ」
と、半紙で包まれた一升瓶を持ち出してきた。亜美にはその意味がさっぱり分からないが、
『純米 山廃仕込み』という文字が、半紙の包越しに確認できた。
「じゃ、これでいいです…」
5千円札を店主に手渡し、釣りと包装された一升瓶を受け取る。酒がなみなみと満たされた一升瓶は、
ずっしりと重い。
それを肩に担いで、亜美は、ぶすっとした表情で、店主を睨みつけるように、一瞥する。
元々が整っている顔立ちだけに、不機嫌な時は、まるで般若だ。
しかし、一瞬、
「ありがとございます。これ、いただいて帰りますわ」
瓶を両手に持ち替えて、物腰もやわらかに、鬼女の面から、天使の面に早変わり。
ほ〜ら、亜美ちゃん、本当はこ〜んなに、かわいいのぉ〜、心して拝めよ、この愚民〜とばかりに。
その豹変ぶりに、店主は、「おお〜っ」と、呆けかけたが、それも束の間、
次の瞬間、元の般若顔へ戻った亜美に、腰を抜かさんばかりに仰天し、
「わは!」と、小さな悲鳴とともに、商品棚に背中をぶつけるまでのけぞった。
そんな店主の無様な姿へ、「ふん…」とばかりに、亜美は、侮蔑を込めた冷笑を浴びせて、立ち去る。
「何なんだありゃ…」
女はこわい、俺も離婚して正解だったかな、それにしても竜児くんは、あんなのを彼女にしていたのか、
う〜、ぶるぶる。稲毛酒店の店主は、悪寒を感じて、首をすくめた。
***
自室にこもった亜美は、買ってきた日本酒を白いマグカップになみなみと注いだ。
うす黄色い液体からは、アルコールの刺激的な匂いのほかに、エステルのような華やかな香りが
漂っている。
日本酒は、というよりもお酒はあんまり飲んだことないけれど、第一印象は悪くない。
そのまま、ちょっとひと口。アルコールのピリッとする刺激と、華やかな香り、それと米に由来する
旨味なんだろうか、甘い、辛いといった単純な言葉では表現できない美味さを感じた。
「悪くないじゃない、これなら、ちょっといけるかも」
そのまま、一気にあおり、マグカップを空にする。
「ぷっはぁ〜」
一杯目で、早くも酔いが回ってきた。でも、もう一杯。一升瓶からドクドクと注ぎ込む。
それを、さらに、ぐっと一気にあおる。
それにしても、ちくしょう、高須のバカ野郎、死ね、死んじまえ、鈍感、グズ、根性なし、と、
ぶつぶつ毒づきながら。
「あは、なんか余計に腹立ってきちゃったぁ」
アルコールは怒りを増幅させる。飲めば飲むほど、怒りが収まらなくなるのが普通だが、
亜美の場合は、どうやらその傾向が特に強いらしい。
さらに、もう一杯。血中アルコール濃度に比例して、高須竜児へのどす黒い怒りがふつふつと
たぎってくる。
「誰かに、愚痴でも垂れるか…」
亜美は、おもむろに携帯を取り出して、
「もしもし、麻耶ぁ〜、ひっさしぶり、ほらあたし、亜美ちゃん、元気してたぁ〜?」
怪しい呂律で、高校時代の友人である木原麻耶に電話をかける。
電話からは、「うっわ〜、ほんと久しぶり、元気してた?」という、麻耶の声が聞こえる。
「う〜ん、亜美ちゃん、あんまし元気じゃないけど、なんとか生きてるよぉ〜」
えらく酔ってるな、と、麻耶は思う。酔っぱらいの戯言ほど迷惑なものはない。
大体において、話題も、ロクなもんじゃないからだ。
麻耶は、適当に亜美をヨイショして話を終わらせることにした。
「でもさ、亜美はすごいよ、高校3年のクラス分けの時、私ら、私大文系だったじゃん。
それを北村くんと同じ国立に行っちゃうんだから、やっぱ並の人じゃなかったね」
「そんなことないよ、試験は水物だぁしぃ〜、まぐれだよぉ〜、まぐれ…」
「あたしなんか、私立の女子大じゃん。つまんね〜って、毎日が。秋の学祭には、男どもがわんさか
来るんだろうけど、どうせ発情したヲタばっかだっていうし、ちょー最悪」
なにせ、北村祐作もいないし、本当につまんないんだよね、と、麻耶は本音を心の中で反芻する。
「それで、さぁ、まるお、つか、北村くんは元気?」
「祐作ぅう〜、あんだか相変わらずだよう、優等生ヅラしてぇ〜、相変わらずボケたことばっか。
正直うっぜぇ〜」
「そこが北村くんの、いいところなんじゃん。
ま、亜美には、高須くんがいるから、そんなのどうでもいいんだろうけどさ」
『高須くん』の一言に、亜美は「うっ」と言葉をつまらせた。
「高須くんは、何だかんだっても勉強できるし、家事も何でもやっちゃうし、本当にすごいよね。
なんか理想のお嫁さんて感じ? あ、違った、お婿さんか、あはは」
「そ、そお?」
「そうだよ、顔はアレだけど、脚は長いし、結構いいじゃん」
「そうかぁ?」
「他人に対する思いやりもあるし」
「そんなことないって…」
「それに、気遣いの高須だし、洞察力があるっていうか、やっぱすごいよね」
「違うよ…」
「どうして? まぁ、高校の男子が、能登や春田みたいなバカばっかだったせいもあるけど、
高須くんとかは、今にして思えば特別な存在っていうか、ああいう男はなかなかいないねぇ」
「麻耶、あんたねぇ…」
「もしもし、どうしたの、ねぇ亜美」
「た、高須、高須って、うるさいよ、あ、あいつのせいで、どんだけあたしが苦労しているか、
ちくしょう、高須、高須のバカは…」
うわ、地雷踏んじまったか、やっべ、と麻耶は思った。
「ごっめ〜ん、亜美、空気読めなくて。そ、そだね、高須くんだって、完璧じゃないから。
彼女でもない私がアレコレ言うのは失礼だったよね、ほんと、ごめん」
「い、いいんだよ、あいつの悪口なら何だって許す。あ、あたしも、あいつがあんなにバ、バカだっ
たとは思わなかった、ち、ちくしょう、死ね、高須竜児」
ひゃー、修羅場? 勘弁してよ、あんたらの痴話喧嘩に、私を巻き込むな、と麻耶は困惑する。
とにかく、ここは酔っ払いの機嫌を適当にうかがっておくしかない。
いきなり電話切ったら、後々までしこりが残りそうだし…。
それにしても、高須竜児と一体何があったのか?
「そうだね、高須くんは、粗暴そうな印象があるからね。何ていうか、いきなり女の子を襲いそうな、
ちょっとヤバそうなところがあるから。存在自体が危険物っていうかぁ〜」
「お、襲ってくるような根性がありゃ、苦労しねぇ……」
「え、亜美なんか言った? ま、いっか、高須くんはやっぱり怖い人だよね、亜美も高須くんの
そんなところが嫌いになったんじゃないの?」
「そ、そういうとこが嫌いなんじゃねぇんだけど……」
「あ、そ、そうなんだ、そうだねぇ、高須くんみたいなワイルドな感じもいいよね。ちょっと、強引
なところとかあって、でも、そこが魅力みたいな…」
「ま、麻耶ぁ、あいつに強引なところなんてねぇ。ゆ、優柔不断な根性なしだぁ〜」
「え?」
「ちくしょう、あの優柔不断な、鈍感野郎!」
「ど、どうしたの、亜美、落ち着いて」
「ま、麻耶ぁ、あいつは、あいつは、あいつはぁ〜」
電話口では、亜美がわんわん泣いているようだ。
「あいつは、あいつは、この亜美ちゃんさまが、体を寄せても、む、胸を押し付けても、な、何にも
しない。エッチどころか、キスすらさせない、手だって、自分からは握ろうとしない。バカだよ、
本当にしょうもないバカ、バカ、バカ、バカぁ〜、鈍感、グズ、甲斐性なし!!」
あっら〜、亜美ちゃん、欲求不満みたい。んで、精神崩壊、まっしぐら?
こいつはヤバくね?
「そ、そうだね、高須くんってさぁ、結構、冷たいところがあるじゃない。ほ、ほら、高2の時、
高須くんに、私と北村くんとの仲を取り持ってくれって、お願いしたのに、結局、役立たず。
ほんと、グズで、無責任な奴だよね」
「うん、あいつは冷たい。嫌な野郎だぁ〜」
「乙女心を踏みにじったのだよ、高須竜児は。女の敵だね。本当に」
「そ、そうだぁ、女の敵だぁ〜」
「なんつ〜かさ、紳士ぶっているところがキモいよね。品行方正らしいけど、わりとつまんね〜奴っ
ていうか、ヤンキー顔にあわね〜だろ、品行方正は、とか?」
電話口の酔っ払いは、泣き止んだようだ。
「そうだぁ〜、もっと言ってやれぇ〜、うふ、うへへへへ…」
それどころか、今度は笑い上戸になったらしい。このまま機嫌がなおってくれればそれでいいのだが。
しかし、喜怒哀楽が激しい。これも、腹黒さを隠し、
笑顔の仮面で他人を欺いてきたことの反作用かな? と麻耶は思う。
「いずれ、痛い目に遭うと思うよ、今のままだと。無自覚に、女の子を傷つけているもん。
そのうち、バチが当たるんじゃないかな」
「うんうん…」
「なんつーかさ、高須くんには、天罰というか、天誅っていうか…」
「あ、天誅、それ最高ぉ〜」
「もう、誰かに成敗された方がいいかもね。思いっきり痛い目に遭えば、目が覚めるかもしれないし」
「……」
「あれ、亜美、もしもし、もしもし…」
「麻耶ぁ〜、いいこと言うなぁ、やっぱ持つべきは同性の友達だね。うん、そっか、天誅、成敗か、
いいねぇ〜。お〜し、決まったぁ〜。これから、女の敵、高須竜児を、成敗しに行こう!!」
「え!?」
地雷爆発。それも核地雷だったりして。
「麻耶、あんたも、憎っくき高須を成敗すんだぁ〜。あたしゃ、これから高須の家に殴りこむぅ〜。あんたも、なんか武器持って、高須の家に集合だぁ〜、武器はバットなんかいいんじゃないかなぁ〜、
それも金属バットなら最高かもぉ〜、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ」
「ちょっと、ちょっと、亜美、大丈夫? 正気に戻ってよ!」
「亜美ちゃんは、いつだって正気だよぉ〜。正気じゃないのは、あいつ、女の敵、高須竜児だぁ!!」
電話は切れた。
「どうしよう…」
時刻は、午前0時過ぎ。110番通報をすべきかどうか、麻耶はしばらく迷った。
安易に警察沙汰にはしたくなかったからだ。亜美のためにも、竜児のためにも。
電話口での亜美の様子だと、そうは暴れ回ることは出来ない感じだったが…、
「もしも」の場合も否定はできない。
「高須くん、もしもの時は、亜美を何とかしてやって」
もしものときは、高須竜児が適切なフォローをしてくれるか否かがカギだろう。
だが、竜児なら、いけるかもしれない。
***
一升瓶を握り締めたまま、亜美は、高須竜児の家を目指す。
酔いが回って、千鳥足だが、一歩、また一歩と、確実に竜児の家までの距離を詰めていく。
警官に出くわさなかったのは幸運だった。
もし、出くわしていたら、その警官は、亜美が振り下ろす一升瓶の餌食になっていたかも
しれないのだから。
「みぃつけたぁ〜」
既に何度か訪れたことがある、見慣れた木造家屋。その2階に高須竜児は居る。
竜児の部屋には未だ明かりが灯っていた。
たしか、明日のフラ語の予習は済んでいるはず。こんな夜更けまで、一体、何をやっているんだろう。
まぁ、いいか、奴が何をしていようが関係ない。あの鈍感野郎の脳天に、こいつを一発お見舞いする
だけだ。起きているのなら、起こす手間が省けるというもんじゃないか。
よろめきながら階段を登り、呼び鈴を押す。1回、2回、3回…。
「は〜い、どちらさんですかぁ?」
つい数時間前に聞いた声が、ドア越しに聞こえてくる。奴は、居る。
亜美は、半分ほど酒が残っている一升瓶を逆手に持ち替え、背後に隠した。
こいつを一発かませば…。
ガチャ、ドアが、ドアチェーンの長さ分だけ開いた。
「か、川嶋、こんな時間にどうしたんだ?」
うわ、と竜児はドン引きする。顔見知りとはいえ、真夜中の訪問者。血走った酔眼。
一目で尋常でないことは誰の目にも明らかだ。
「……」
亜美は、無言で血走った酔眼を竜児に向けてくる。ヤバイ、限りなくヤバイ雰囲気だ。
しかし、相手は婦女子、こんな夜中にむげに追い返すわけにもいくまい。ヤンキー顔でも
高須竜児は紳士なのだ。
「ま、何だ、そんなところに突っ立っていてもしょうがないだろう。ひ、ひとまず、中に入るか?
何せ、こんな夜更けだしな」
亜美は、それには応えず、ずい、とばかりに高須家の玄関に踏み込み、
「でぇーい!」
と、気合一発、背後に隠し持っていた一升瓶で左右をなぎ払った。
「うわぁ! か、川嶋、なにすんだ!!」
空振り。高須竜児は、尻餅をついて、難を逃れていた。
「逃げんじゃねぇ! 高須竜児、この女の敵!!」
今度は、一升瓶を右から左にフルスイング。
「わああ!」
竜児は、首をすくめて、それを避ける。
「か、川嶋、何で、何でこんなことをする。女の敵って何だ? おれが一体何をした! 教えてくれ」
「うるさい、この根性なし!」
亜美は、一升瓶を構え直して、左から右になぎ払う。
「うわあ、わけが分からねぇ。川嶋ぁ! お前は俺を殺す気か」
「殺す? 亜美ちゃん、そんなことするわけないじゃない。高須くんてバカ?
亜美ちゃん、高須くんが正気じゃないから、これで頭を叩いて正気にしてやろうとしてるだけだよぅ、
うふ、うふふふふ…」
ほとんど泥酔状態の亜美は、団扇のように自分の体がふらついている。
「正気じゃないのはお前だろ、酔っ払いやがって」
「あ〜ら、亜美ちゃんは正気だよぅ。いっつもね。ただ、惚れてる男がなぁ〜んにもしてくれない
から、亜美ちゃん、ちょっと心配なだけ。もしかしたら、脳の悪い病気かな? なんてね。
だから、亜美ちゃん、これでその人の頭をぶっ叩いて、正気に戻してあげようとしてるだけなんだよぉ〜」
「お前のその考えが、そもそも正気じゃねぇよ」
「高須くんが、今のあたしを正気じゃないとか何とか、そんなのどうでもいいの。高須くんは、
個々の主観は不明だから、考慮しないんでしょ? だったら、高須くんが今のあたしを正気じゃない
と思っていても、そんなの、あたしには関係ないじゃない。それに…」
腰が抜けて座り込んでいる高須竜児に、亜美はさらに半歩詰め寄る。
「これから高須くんは、リセットされるの。
あたしのこと、この亜美ちゃんのことを、ちゃ〜んとしてくれるようにね」
さらに半歩。
「だから、おとなしく、これで、ね…」
亜美は、一升瓶を大上段に振りかざす。これをへたり込んでいる竜児の脳天に見舞うつもりだ。
まともに食らえば、即死か? はたまた、脳挫傷で、一生廃人かもしれない。
「ま、待て、川嶋、落ち着け。は、話せば分かる」
「話せば分かるぅ〜? 亜美ちゃん、嘘を含んだ言葉なんて信じられなぁ〜い。だから亜美ちゃんは、
直截な行動に出るの。特に、言葉でいくら言っても分かってくれない高須くんにはねぇ〜」
亜美は、一升瓶を上段に構えたまま、じりじりと竜児に迫る。一方の竜児は、へたり込んだまま、
ずるずると後退するものの、ついに背中が壁に当たって行き止まり。
万事休すだ。
だが、
「うっ」
酷薄な笑みを浮かべていた亜美が、突然、口元を押さえて、その場にしゃがみ込む。
さらには、
「う、ううう、うぇえええええーっ!」
と、ものすごい勢いで嘔吐した。
「川嶋!」
黄色い吐瀉物が、高須家の玄関の板の間に広がっていく。
亜美は、うずくまって、一升瓶にすがるようにして上体を保持し、吐瀉物まみれの口から、荒い呼吸
を繰り返す。過度の飲酒、その状態での運動。その結果の悪酔いだった。
「川嶋ぁ!」
竜児は、亜美の体を抱きとめ、その手から凶器の一升瓶を取り上げる。
こんなので、ドタマをかち割られたらたまったもんではない。
次いで、古新聞紙を、亜美が吐瀉した内容物の上に広げ、吐瀉物を吸着させる。1時間もすれば、
大方水分が吸着されるから、あとは、残りを雑巾で拭き取ればいいだろう。
それと洗面器。
「川嶋、大丈夫か?」
激しい嘔吐でテンションがぷっつり切れたのか、亜美はぐったりとしていて動けない。
竜児は、亜美を部屋に連れていく。そして、座布団を何枚も敷いた上に亜美の胸部を載せ、亜美を
うつぶせに寝かせる。亜美の頭部は別に積み重ねられた座布団で保持。さらには、亜美の顔の下には吐瀉物を受ける洗面器。
急性アルコール中毒では、吐瀉物が気道に詰まることがあり、これが命取りとなりかねない。
うつ伏せに寝かせて、吐瀉物を回収できるようにすれば、気道に吐瀉物が詰まる危険性はかなり低く
なる。
「高須くん…」
「川嶋、喋るんじゃない、お前は、飲みすぎて急性アルコール中毒になっていたんだよ」
亜美は、「あは…」と、笑いとも、嘆息ともつかない声をぽつりと漏らす。
「失敗しちゃった。高須くんを懲らしめようと思ったのに、亜美ちゃんは、本当にダメな子。
どうしようもなく嫉妬深くて、歪んじゃってる子。
これじゃぁ、高須くんに嫌われてもしようがないね、ほんと、ほんとにダメだ、あたし」
もはや、動く気力もないらしい。
「川嶋、もういい喋るな。それと、気持ちが悪くなったら、遠慮なく戻していいぞ。
そのままの体勢で、吐いても大丈夫なように、お前の顔の下には、洗面器が置いてある」
「う…ん、ありがとう高須くん」
そう言うと、嗚咽とともに亜美は肩を震わせた。
電話が鳴った、時刻は午前1時30分。こんな時間に誰だろうと、不審に思いながら竜児は受話器を
持ち上げた。
「もしもし、夜分にすいません。私、高須くんの高校時代のクラスメートで木原といいます。
高須くんですか?」
「おう、木原か、お前が電話とは珍しいな」
「高須くん、高須くんなのね? よかった、無事だったみたい」
電話での麻耶の声には、明らかな安堵の色があった。
「俺が無事だったとかなんとか、そりゃどういう意味だ?」
「う〜ん、ちょと説明する前に、今、高須くんの家に、亜美が来ていない?」
「ああ、来ている。だが、ひどい泥酔状態だ。日本酒を5合も飲んだようだ。
これじゃ、悪酔いしても仕方がない。
しかし、わけがわからん。川嶋の奴、女の敵とか喚いて、一升瓶振り回して。何なんだろうね」
やっぱり実力行使にでたか、と、麻耶は思った。それにしても、
「怪我は? 高須くんも、亜美も大丈夫?」
「ああ、俺はどこも何ともない。川嶋もひどく酔って、嘔吐したが、怪我はない」
「よかったぁ、亜美の携帯に電話してもつながらないし、どうなっちゃたかと思っていたんだ」
おいおい、木原、お前は、どこまで知っているんだ、と、竜児は麻耶に不信の念を抱く。
「なぁ、木原、お前なら知っていそうなんで尋ねるが、いったい川嶋に何が起こったんだ?
いきなり一升瓶を振り回して襲いかかって来たんだぞ。わけがわからねーよ」
電話口の麻耶は、「う〜ん…」と呟くように言った。
「お前は何かを知っているんだろ? 今回の川嶋の襲撃。これは、いったい何が原因だ?」
「高須くんは、思い当たる節がないの?」
「あれば、こんなこと、お前に訊かねぇ。本当に、俺にはさっぱりわかんねぇ」
麻耶は、ふぅ〜、と軽く嘆息をつく。こりゃ、亜美が言う以上に、鈍感な野郎だわ…。
「あのねぇ、高須くん。今回の亜美の件だけど、その原因は、やっぱ高須くんにあると思うんだよな」
「なんで、俺が原因なんだ? わけがわからね〜な」
「そう言うと思った。ちょっと長くなるけど、順を追って説明するね」
木原麻耶は、酔った川嶋亜美が電話を掛けてきて、高須竜児が、ぜんぜん自分を女として見てくれ
ないことに苛立ち、激昂したことをかいつまんで説明した。
「と、いうわけなのよ。亜美は、不安なんだと思う。どうやったら、高須くんの心を自分につなぎ止
めておくことができるのかが、わからずに、もがいているのかもしれない」
そうなのか? あいつの両親は芸能人で資産家で、あいつ自身もモデルをやっていたことがあって、
母子家庭の貧乏息子の俺なんかとは住む世界が違う奴なんだ、何をバカな、と、竜児は思う。
「木原、夜中にそんな冗談はウケないぜ。俺なんか、あいつにふさわしい奴なんかじゃない。
あいつには、もっと似合いの奴がいるはずだ」
高須くん、君は乙女心ってもんが、まるで分かってないねぇ、と、麻耶は舌打ちする。
「ねぇ、高須くん、亜美は高2の成績で、私大文系に振り分けられたのは知ってるよね?」
「ああ…」
「でも、実際は、頑張って、高須くんと同じ国立大学に合格した。これが何を意味するか分かる?」
正解が出てこないことを確信しつつ、麻耶は竜児に問いかける。
「そんなものは、単純に、より偏差値の高い大学に行きたいという、受験生の本能ともいうべきもんじゃないのか?
ほら、うちの大学からは、局アナとかも出ているし、川嶋は、そっち方面狙いかと思っている」
「いや、そうじゃなくて…」
察しの悪さに麻耶も苛立ちを隠せない。
「そうじゃない?」
「受験勉強を始めたとき、亜美はモデルをすっぱりやめているんだよね。私は、この業界のことを、
よくは知らないけれど。おそらく、1年以上も休業していたら、ほとんど廃業するに等しいと思うの」
「ああ、川嶋も、そんようなことを言ってたな」
そこまで聞かされていながら、なぜ分からない? 麻耶は、亜美に同情する。
こいつの察しの悪さは天然記念物並だ。『気遣いの高須』は、完全に看板倒れじゃないか。
「そこまでの犠牲を払ってまで、どうして亜美は国立大学にこだわったんだと思う? 亜美みたいな
資産家の娘だったら、無理に受験勉強をしなくても、そこそこの私立に行けたかもしれないのに」
「し、知らねぇよ」
「じゃあ、誰のために亜美は国立を目指したんだと思う?」
「わからねぇよ」
麻耶は、「そう…」と、一瞬の間を置いて、
「高須くんのためなんだよ。高須くんと一緒に勉強したいから、亜美は本当に無理して受験勉強を
やって、高須くんと同じ大学に行ったんだよ。人気モデルの地位も何もかもを捨てて」
「信じられねぇ」
「これは、本当の話。高校時代、私と奈々子にだけ亜美が漏らした本音だよ。
『あたしは高須くんについていく。あたしは高須くんと同じ地平を歩いていくんだ。今は、高須くん
が、ずっと先の方を歩いているけど、いつかきっと追いついて、その時は、一緒に歩いていくんだ』
ってね」
竜児は、「そうなのか?」と、消え入るような呟きを漏らしただけ。続く言葉が浮かばない。
「そうだよ、亜美は本気。高須くんのことしか眼中にない。高須くんは、そんな亜美の気持ちに
気づかず、亜美の気持ちを踏みにじった。こりゃ、亜美でなくたって怒るよ」
竜児が、「そんなはずがない」と、抗弁したが、麻耶は無視して、さらに続ける。
「ここからは、私の推測なんだけど…、高須くんに亜美がベタベタしてくるのは、彼女の焦りみたい
なもののせいなんだろうね。
勉強でも、家事でも何でもできちゃう高須くんに、亜美は全然かなわないわけさ。このままだと、
自分は高須くんから疎外されちゃうって思っている。
だから、手段を問わず、高須くんを自分につなぎ止めておきたんいだよ」
竜児が、「いや、あいつは色気過剰だし、ルックスもすごくいい、だから、俺みたいな奴をからかっているとしか思えねぇんだが…」と、漏らすと、麻耶は、きつい口調で、高須竜児に説教した。
「高須くん! 高須くんは、亜美って子を全然分かってない。色気過剰とかっていうけど、その色気
を高須くん以外に振りまいているのを見たことがあるの? 彼女は、高須くんのことしか眼中にない
んだよ。それに、亜美は、自分の見てくれがいつまでも保てるとは思っちゃいない。知性に裏打ちさ
れた、っていうのかな? 内面の美しさこそ重要だと気がついているよ。高須くんのポテンシャルに
釣り合った、高須くんと対等の存在に、亜美はなりたいんだよ」
「……」
「あとは、高須くんの気持ちだね。まさかと思うけど、今でも櫛枝とか、手乗りタイガーに未練が
あるの?」
竜児にとってのつらい過去。
正直、なんで、木原なんかに、という気持ちがあったが、電話での麻耶の口調は厳しく、竜児に逃げ
る隙を与えてはくれない。観念して、竜児は、ぼそりと、言う。
「櫛枝とは完全に終わった、今は、未練は全くない。大河とは、最初から恋愛感情はなかったん
だろう、親子の関係みたいなものだったんだろうな。今にして思えば…」
麻耶の追求は、さらに容赦がない。
「なら、亜美のことは、どうなの? 彼女に対して、恋愛感情は、全くないの?」
認めたい自分と、それを認めたくない自分とが、せめぎ合っているような気が竜児はした。
「どうなの! 高須くんの本心を聞かせてよ」
消去法で選択したようで、それを認めたくなかったのかもしれない。だが、本心は本心だ。
「川嶋のことなら、憎からず思っている。今、言えるのはこれだけだ」
受話器からは、「そう…」という、ちょっと失望したような声が流れてきた。
「高須くん、亜美が元気になったら、亜美が望むとおりのことをしてあげて。もし、何もして
あげなかったら、私、高須くんのことを心底軽蔑するからね」
その言葉を最後に、麻耶からの電話は切れた。
竜児は、数秒間、手元にある受話器を眺めた後、受話器を置いた。
『ありがとうよ木原、俺も、自分の本心を明確に意識できたぜ。だが、俺にも意地はある。
俺の本心を、真っ先に伝えてやるべき相手は、あいつだ…。悪いが、お前じゃない』
部屋に戻ると、川嶋亜美が、洗面器に突っ伏すようにうつ伏せになっており、その洗面器には、
うす黄色い新たな吐瀉物が溜まっていた。
「ごめん、気持ち悪くなって、また吐いちゃった…」
その洗面器の取り上げ、
「いいんだよ、気にするな。ちょっと後始末だけしてくる」
中身を流すべく、トイレに向かった。その竜児の背中に向かって、亜美は、
「電話があったみたいだけれど、誰からだったの? なんだか、あたしの名前も出ていたから気になって…」
「木原からだった…」
竜児は、洗面器を洗いながら答える。
「そう…」
「木原に説教されたよ。お前が怒るのは無理もない。確かに俺はお前のことを何一つ理解
していなかったんだ。恥ずかしい話さ」
固く絞った濡れタオルを手に、竜児は部屋に戻り、
「気分はどうだ? これで口のまわりとか、拭くといい」
と、言って、その濡れタオルを、座布団の上に膝を抱えてうずくまっていた亜美に手渡す。
亜美は、「ありがとう」と言って、顔や、手をそのタオルで拭った。
「寝てなくて大丈夫か? もう、吐くような感じはしないか?」
「うん、多分大丈夫。もう、胃の中はからっぽみたい」
竜児は、ふぅ〜、と嘆息をつく。
「吐瀉物を見たけど、固形物なんか、まるでなかった。お前、何も食べずに日本酒を飲んでたんだな。
無茶しやがって」
亜美は、自分の膝に顔を埋めたまま、
「だって、やけ酒でしょ。健康を気遣って飲むやけ酒なんて、この世にあるわけないじゃない」
と、鼻をすすりながら言った。
そうだな、とだけ、竜児は応じた。川嶋にはケアが必要なんだ、と思う。
そして、竜児にできる川嶋のケアといえば…。
「それよりも、川嶋、よかったら何か飲むか? ハチミツ入りのホットミルクなら
今すぐできるんだが」
その問いに、亜美は大きな瞳を眇めて、遠慮がちに応えた。
「う、うん…、飲む、そのホットミルク、あたしがここに初めて来たときに、高須くんが
ご馳走してくれたやつだよね」
「ああ…、よく覚えていてくれたな」
電子レンジで2分加熱、ハチミツを加えてかき混ぜ、亜美に差し出す。
「川嶋、甘さはどうだ? 足りなければハチミツを追加するぞ」
亜美は、首を左右に降って、
「ううん、ちょうどいい感じ。これでいい…」
そのまま舐めるようにミルクを飲みつづけ、空になったカップを卓袱台に置いた。
飲み終わって、ふぅ〜っと一息。亜美は、また、膝を抱えて暗い表情になる。
「今日は、高須くんに亜美ちゃんの汚いところ、醜いところを、いっぱい、いっぱい見せちゃった…。
本当なら、こんな変な女、警察に突き出されて当然だよね。酔っていたとはいっても、高須くんに
危害を加えるために凶器を振り回したんだもの、立派な犯罪だよ」
そういって、きゅっと唇を引き締める。酔いが覚めれば、しでかしたことを冷静に振り返ることが
できるようになる。それは、恥ずかしくて、恐ろしくて、嫌なこと、思い出したくもない痛いこと。
「かわいさ余って、憎さ百倍、っていうか、そんな自己弁護はしたくないんだけれど、高須くんの
ことが、亜美ちゃんは好きで、好きで、大好きで、でも、高須くんは、亜美ちゃんに対しては、一見、
冷たくて、だから、亜美ちゃんは不安になって、高須くんを独占したくなって…」
最後の方は、亜美の嗚咽に混じって聞き取れない。
「ごめんなさい、本当にごめんなさい…」
女が泣く姿というものを見て、何の感慨も抱かないという奴は、少なくとも男じゃない。
その点において、高須竜児も例外ではなかった。
「川嶋…、それはもう気にするな。さっき木原に説教されたように、俺が悪いのさ。お前の気持ちに、
ちゃんと応えてやれなかった、俺のいい加減なところが、ここまで、お前を追い詰めた
。責められるべきは、俺の方だ」
竜児の話を、亜美は鼻をぐずぐずいわせながら聞いている。竜児は、亜美にティッシュボックスを
差し出す。
「でもね、高須くん、バカで鈍感だったのは、あたしの方。
高須くんは、高須くんを傷つけようとした、こんなあたしにも、ホットミルクを差し出して、慰めて
くれる。こんなこと、高須くんは、誰にでもしてあげるわけがない。
今までだって、高須くんの、こうしたやさしさ、ってものを気づかなかった。あたしも本当にバカで、
傲慢だった、責められるべきは、あたしだよ…」
「川嶋、そんなに自分を責めるな」
だが、亜美は首を振り、
「あたしって、本当に、バカだった。高須くんに、お弁当作ってもらったり、一緒にフラ語の勉強し
たりとかで、高須くんを独占していたのに、こんなこと、高須くんは誰にでもやってあげている、
とか、思っちゃったんだよね。ごめん、『こんなこと』なんて表現する事自体が、あたしって、
どうしようもなく傲慢で鈍感だよね。だから、そうした、高須くんの気持ちに気づかなかった、
本当にバカだ、あたしって…」
痛々しい、というよりも自虐的。
「川嶋、もう、言うな」
竜児は、亜美の背後から、亜美のか細い体を抱き寄せる。
「もう言うな、もう…、自分を貶めるようなことは言うんじゃない。そのかわり…」
「そのかわり?」
背中に竜児の体温を感じる。
「俺は、本当は、お前が好きだ。不器用な俺は、これしか言えねぇ」
「それで十分だよ…」
亜美は顔を上げ、竜児の顔と向き合っう。その距離、5cm。亜美は竜児の顎を掴み、
竜児の唇を引き寄せる。
竜児も、亜美の唇に自分の唇を重ねた。
ほのかに香るホットミルク。初めてのキスは、ミルクとハチミツの味がした。
そのまま、時が止まったかのような、静寂。
***
「あれれ、竜ちゃ〜ん」
素っ頓狂な、泰子の声で、静寂は破られた。
「竜ちゃ〜ん、玄関にぃ、なんかびしょびしょの新聞紙が敷いてあるけどぉ〜、どうしたのぉ〜?
なんか、匂いからすると、お酒、飲みすぎて、吐いちゃったみたいだけれど、竜ちゃ〜ん、大丈夫?」
そのまま、ずかずかと、部屋に入り、抱き合っている竜児と亜美を、目撃する。
「やば…」
これから、いいところだったのに。
「あ〜、亜美ちゃんだぁ、そっかぁ、竜ちゃんと、いつのまにか、そんなことになっていたんだねぇ。
うん、うん。やっちゃんは、このまま寝ちゃうから、後は、お二人さんで仲よく、頑張って、うふ、
うふふ」
そのまま、部屋で眠りこけそうになる泰子を、慌てて、寝室に連れていく。
「たぁく、メイクも落とさねぇで…」
そして、亜美に向き直り、
「すまねぇ、雰囲気が台無しになっちまった…」
と、頭を掻く。
亜美は、
「いいんだよ、あたしは満足。高須くんの本心と、やさしさが分かったんだから」
そして、「あ〜、頭痛い…」と言いながら、ふらつきながらも立ち上がり、
「今日のところは、帰るね。それにしても、すっげー、いろんなことがあった日、あたし、この日を、
一生忘れない」
それは、竜児も同じだった。
「あたしにとって、ファーストキスだったし…」
え? とばかりに竜児は、狼狽する。
「うふふ、信じた? 高須くんには、そう信じてもらいたいな。信じる者は救われるから…」
嘘か誠かを探らせない、謎めいた微笑を亜美は竜児に向ける。
「もうこれで、あたしは、川嶋亜美は、高須くんのもの。少なくとも、あたしは、そう思っている」
亜美は、右手の人差し指を、竜児の心臓辺りに突きつけ、
「そして…」
ばーん、と、拳銃を撃ったようなジェスチャー。
「か、川嶋…」
「これで、高須くんも、あたしのもの」
天使のようでありながら、悪意のエッセンスが効いた、笑みを覗かせる。
まいったな、こいつは、俺の負けかもしれねぇ、と竜児は思う。
「俺も、川嶋の本心が、少しは理解できたから、おあいこだよ」
亜美は、大きな瞳を、ほんのちょっと眇めて、笑う。
「ありがとう、本当に、今日のことは忘れない」
それから、思い出したように、
「いけない、あたしが吐いたゲロ、掃除しなくちゃ」
そんな亜美の肩を右手で押さえながら、竜児は言う。
「川嶋、いくらお前でも、俺の楽しみを奪うんじゃねぇ。掃除は俺の生きがいだ」
亜美は、ぷっ、と吹き出す。
「そうだったねぇ、スーパーマン高須竜児の必殺技は、お掃除だったっけ?」
「おう! たとえ、世間が許しても、お天道様と、この高須竜児は許さねぇ」
あはは、と、亜美は笑う。
「高須くんは、今日の講義、特に、午後の国木田のフラ語はどうするの?」
「俺は出席するつもりだ。そうだ、昨日のドサクサで、こいつを渡すのを忘れていた」
差し出されたのは、竜児のフランス語のノートのコピー。
大橋駅駅ビルのバーガーショップで、竜児が翻訳していたやつだ。
「あ、ありがとう。これもらっちゃったら、あたしも出席しなくちゃ」
「おう! 頑張ろうぜ、川嶋」
「うん…」
竜児と一緒に、亜美は外に出た。
5月とはいえ、早朝は冷気が肌にしみる。東の空は、茜色に染まってきた。
間もなく日の出なのだろう。
「タクシーがつかまるとこまで、一緒に行こうか」
という竜児の提案に、亜美は、わざと迷惑そうなそぶりで、応じた。
「え〜っ、逆効果じゃないの? この時間帯に、高須くんみたいな面相の人がタクシー
呼び止めようとしたって、タクシー強盗と間違われるのがオチじゃん。だから、
亜美ちゃんは、ここまででいいよ」
「強い子だな、川嶋は」
「あはは、何度も言わせないでよ。亜美ちゃんは真っ黒で、歪んじゃった子。
でも、その全てを受け止めてくれそうな人がいるから、あたしは強くなれるんだ」
そう…、と亜美は前置きして、
「高須くん、あんたがいるから、あたしは強くなれるんだよ」
「そいつは光栄だな」
「それと…」
亜美は、小首を傾げて、
「あたしがいるからこそ高須くんが強くなれるように、あたしも頑張るから」
大きな瞳を、見開いたまま、口元を、ほんのちょっと左右に広げて、微笑むのだった。
173 :
SL66:2008/11/27(木) 18:25:15 ID:DDawPt6N
以上です。
好評であれば、続編を製作します。
GJ!GJ!GJ!
亜美可愛いよ亜美。
続編見てみたい
超(・∀・)イイ
亜美かわいいよ亜美(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ
177 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 18:44:16 ID:H0mjWpF8
超GJ!! 続編をおおいに期待
178 :
SL66:2008/11/27(木) 19:12:14 ID:DDawPt6N
>>174-177 ありがとうございます。
自宅の環境が、アクセス制限を食らっているので、職場から、
捨て身の特攻ならぬ、捨て身の投稿でした。
次回作は、「横浜紀行」(仮称)です。
中華鍋を買いたい竜児に、亜美が中華街への買い物とデートを提案、
実際に行ってみると…、という筋書きを予定しています。
>>173 MOTTO MOTTO!
亜美のもがきあがき、掴めどもすり抜けて、っていう感触が直接伝わってくるようだった。
感情移入しちゃってこっちまで亜美のモノローグで熱くなっちまった。
180 :
SL66:2008/11/27(木) 19:19:51 ID:DDawPt6N
>>179 ありがとうございます。
心理描写に拙いところがありますが、萌と、笑いと、哀愁と、アクションを
コンセプトに、次回作も頑張りますので、ご期待下さい。
>>180 GJなんだけどカキコミに一々返レスすんなよ
前スレでもあったけど馴れ合いがどーのこーのって話になるし、言っちゃうとなんだけど正直ウザイよ
感動大作マジ乙。
あーみんの可愛さはマジで異常。
ふ、GJだ。
激しくGJだよ!
184 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 20:37:06 ID:yTuNvAHt
あみドラGJ
続編?そりゃ裸で待つぜ
GJGJGJ
あーみん可愛すぐるw
187 :
119:2008/11/27(木) 20:47:22 ID:jRic7mgt
ども、
>>119です。
またもや、ノリと勢いにより、後日談を書いてみた。
思ったより長くなってしまったので、一つずつ投下。
基本的に大河・亜美・実乃梨との絡みが多いw
今回は大河のターン?
よくわからないものになってしまった・・・orz
188 :
119:2008/11/27(木) 20:48:29 ID:jRic7mgt
投下開始
『本性バレafter』
あれから。つまり北村に上手いこと言われて昼の放送にゲストとして出演してから、一週間がたった。
放送が終わった直後は、クラスメートぐらいしか反応を確かめられるやつがいなくて、
俺のイメージは変わらないままか・・・と思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
らしい、というのはこの俺、高須竜児にそこまでの劇的な変化は感じられないからだ。
しかしまぁ、能登も春田も北村も声をそろえて
「「「絶対、イメージ変わってる!!!」」」
と言うのだから、俺のイメージは変わっているのだろう。上昇か下降かは知らないが。
確かに俺の身の回りは微妙に変化したがそこまで言うほどのものなんだろうか。
放送の直後、大河にも川嶋にも実乃梨にもがっかりというか何というか、な反応をされた自分が懐疑的になるのも仕方がないと思う。
それに、北村たちは友達だから俺を傷つけないようにそういってくれたのかもしれないし・・・。
だって、自分はあの放送で何もしていないのだ。普通に質問に答えただけ。それだけで今までのイメージが変わるなんてあるのだろうか。
だいたい・・・
などなど、強面の高校二年生男子が弱気に考えているときにも、種は色々な場所で育っていたのだった。
あの昼の放送でばらまかれた、『高須竜児』という名の種は一週間という時間をかけて実に色々な花を咲かせてみせた。
189 :
119:2008/11/27(木) 20:49:15 ID:jRic7mgt
<花一本目>
お昼休み。いつものようにみんなと机を合わせて、弁当をあける。
北村が「また、おいしそうな弁当だな」なんて嬉しいことを言ってくれたので、素早く里芋の煮物ときんぴらをチェンジ。
この高須竜児の目には、冷凍食品などお見通しなのだ。たとえ、どれだけ恐ろしい目つきだろうと、主夫の目なのである。
「すまないな。交換してもらって」
「おう、気にするな」
なんて会話を交わしながら、昼食を開始する。六つの机を合わせた大きなテーブルに、男と女で分かれて座っている。
最近は、川嶋グループ(川嶋・木原・香椎)も一緒に食べるようになっていて、結構な大所帯だ。
男側は竜児・北村・春田・能登の四人。女側は大河・実乃梨・川嶋グループの五人。
計九人の大派閥である。まぁ、竜児としては別段何も問題などないし、楽しく食事がとれるなら大歓迎だ。
ただ、どこへ視線を向けても目をそらされるが。・・・やっぱりイメージ変わってないんじゃないのか?
そんな微妙に傷ついた竜児が、いつものことか・・・と勘違い甚だしい思いを抱きながらいざ、弁当を食べようとすると
「高須先輩はいらっしゃいますか」
空気が凍った。いや、別に呼ばれたことに問題がある訳じゃなく、むしろ言った人物が問題なのであって・・・。
女の子だった。それも「先輩」と呼んでいることからわかるように一年生の。
何が起こってる!?と竜児は思いつつも呼ばれた以上、答えないわけにもいかず
「・・・お、おう」
と、立ち上がる。その瞬間、目の前で殺気がふくれあがった。
ーー俺が何をしたというんだ、大河!!
背中からの威圧にビビリながら廊下にいる一年生に近づくと、何とその女の子は竜児の耳に口を寄せて
・・・!!まてまてまてまて!何でそんな今までで一番の殺気が教室から放たれ「一週間前、助言をいただいたK・Yです」
・・・。
190 :
119:2008/11/27(木) 20:49:51 ID:jRic7mgt
「・・・は?」
「ですから、一週間前、助言をいただいたK・Yです」
そう言って、耳から口をはなす。
「先日は、ありがとうございました。先輩のおかげで決心することができました」きれいな姿勢でペコリ。
「・・・ええっ!?や、あれってその傷つけるかどうか不安って・・・。お、女の子!?」
「はい。私は家が道場をやってまして。自分で言うのも何ですが、強いんです」
そうなのか。このどうみても綺麗としか表現できない後輩の女の子は強いのか。・・・まぁ、大河の例もあるしなぁ。
「それで、あの放送で勇気をもらったので、今日お礼を言いにきました」
「いや、それはまぁ、わかった。でも、何で一週間たった今?」
当然の疑問として竜児がそう聞くと、その子はいい笑顔で
「一週間かけて、思い切り距離を詰めてました」
「・・・そうか」 ごめん、見知らぬ男の子。我知らず、大陸間弾道ミサイルのスイッチを押してたみたいだ。
「ですから、お礼が今日になりました。すみません」頭をペコリ。
「それは、全然かまわないんだが・・・。・・・一つ聞いていいか?」
「はい、何でしょう?」
「なんで、一人称を『僕』で投稿したんだ?」
そう。竜児はそこが気になって仕方なかったのだ。わざわざ『僕』なんて一人称を使っているから、男だと自分は勘違いした。
もし、腕っ節の強い自分のことを卑下してのことならそれは違う、強いというのも含めてその人の魅力なんだと、言ってやり
「だって、自分だとバレたら恥ずかしいじゃないですか」
「ここにきて普通の答えだと!?畜生、俺の気持ちを返せ!」
やるせねー。超やるせねー。
「まぁ、色々とありがとうございました、ということで」もう頭も下げてないし。
「ああ、どういたしまして・・・」
顔が下に向く。つい、ため息が漏れてしまう。まったく、怒濤の展開だった。息つく暇もない。しかし、これだけは言っておきたい。
竜児は顔を上げる。ラジオネーム、K・Yはいつの間にか自分の教室に戻ろうとしていたみたいで、少し自分と距離があった。
「そこの後輩!!」
声を上げた竜児に、少し驚いた様子で立ち止まりこちらを振り向く。その表情で、なんですか?と思っていることがわかる。
竜児には言いたいことがあった。昼休みにわざわざ二年の教室まできて、竜児の名を呼び、竜児にこれまで感じたことのないほどの殺気を集めさせた存在に言いたいことがあったのだ。
そして、今、その言葉を放つ。
「ーーおめでとう。」
後輩は、ひどくびっくりした顔をしていて。してやった、と思う。
もう、これ以上言うことはない。固まったままの後輩をほっといて、教室に戻る。
気分よく教室に戻った竜児が、自分の弁当のところまで行き、席について、前に目をやると。
ーー手乗りタイガー(普段より殺気5割り増し)がいらっしゃった。しかも、他の女の子たちも冷ややかな目を向けてくるし。
「ねぇ、竜児・・・?きちんと、最初から、最後まで、説明してくれるわよね?」
やはり、恨み言の一つ二つはあの後輩に言っておくべきだったか。
191 :
119:2008/11/27(木) 20:50:39 ID:jRic7mgt
「・・・だから、あの後輩が、『ラジオネーム K・Y』だったんだよ・・・」
「るっさいのよ、あんた!!ちょっとだけ、ほ〜んのちょっとだけ目を廊下に向けたら、耳に口寄せられちゃって!!
あんなんでデレデレデレデレしてんじゃないわよ!!まったく!!飼い主として恥ずかしいわ!!」
「知らなかったな〜、高須君って年下趣味なんだ〜。亜美ちゃんロリコン変態のそばにいたんだね〜。
きゃー、こわーい!!・・・ちっ、腹立つなぁほんと」
「高須君!!年下好きなら、大河で手をうてばいいんじゃないかな!!同い年だけど、こんなにちんまくてかわいいぜ?
やー、大河がいいと思うよ、私は!!・・・・・・でなきゃ、私が『決めた』意味が・・・」
「だから、話を聞けって・・・!!あいつには、すでに恋人的存在が・・・」
「「「あいつだってー(ヒソヒソ」」」
「・・・!!おまえら俺のこと絶対嫌いだろう・・・!?」
「で、高須。どんな人物だったんだ?あの女の子」
「うん?えーと・・・大河みたいなやつだった」
「私みたいなやつ?」
「ああ」
「逢坂みたいな女の子か。具体的にどこが似てたんだ?」
「綺麗で、強いとこ」
りゅうじはたいがをたおした!
たいがフラグをげっとした!
<花二本目に続く>
192 :
119:2008/11/27(木) 20:52:14 ID:jRic7mgt
以上!!
あまりに処女作が好評すぎて、逆にプレッシャーなんだぜorz
ほめられると意欲がわくとか、言うんじゃなかったwww
>>192 イメージ。
_、_
(メ ,_ノ` )y━・~~~<おめでとう by竜児
( ´∀`)σ)~Д~)←大河
まったく格好いいことしてくれる奴だw
GJ!
><花二本目に続く>
正に+(0゚・∀・) + ワクテカ +
GJ!
速く続きが読みたいぜ
しかし竜児はなんというハーレム。けしからんもっとやれ
>>187 みのりんの台詞にぼっkした
続きまってます
>ID:mJuYpTs4
>>178 あみドラGJだ!
いいねいいね続きにも期待しちまうぜ
>>181 うるちゃいだまれ(可愛く言ってみました)
>>192 続くのかッ!
嬉しい
もっと書いて
スレ建てから24時間経たずに200とは・・・さすがゆゆぽスレだズズー
>>192 引き続き面白かったw
シチュエーションがすげー上手いと思う、頑張ってくれw
202 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 23:38:13 ID:yTuNvAHt
GJ!
ななドラ続きこないかなぁ
>>192 GJ
後日談あればいいなとは思ったが、こんなに早く読めるとは思わんかったよ
一本目が竜児モテる、ヤキモチという図式でないのは
良い意味で今後のそういうベタな展開への期待が高まって良かったっす
続編気長に待っとります
>>178 あみドラGJGJ!全俺が泣いた
感動の超大作だな、映画化決定!!亜美可愛いいなー畜生ー
続編期待
>>192 GJGJ!こんなにも早く続編がみれるとはな
大河プラグゲットw
まさか女だったとは…
こちらも続編期待
>>181 正論だけどそんな正直言ったらやる気そがれるだろ
とりあえず一作品書いてあげてみろ
GJと言われる嬉しさが分かるから
>>192 GJ!
ニヤニヤしながら読ませてもらいました
>>178 あんなに察しの悪い竜児はマジで一回殴られるべきw
ばかちーかわいいよばかちー
>>192 淑女御三方、一歳年下に手を出したらもうロリコンですか?そうなんですか?
てか、みのりん未練タラタラじゃねぇかwww
おかげで今日も頑張ろうと思えました。GJ!!!
>>178 前半の竜児はマジぶん殴りたくなったけど
素直になった亜美ちゃんのかわいさが異常で涙が出てきた
木原のアシストもよかったです。
>>192 今度は二人目の相談者なのか?小出しにするとは意地が悪いなw
大所帯のお弁当うらやましす
投下祭絶賛継続中だなw
>>192 GJ!!!
ニヤニヤしすぎて引きつった顔が戻らねえwww
っていうかこれで初SSって‥‥自分は‥‥まぁいいや、また暇出来たら書いてみよう
(’・ω・`)やぁ。ようこそゆゆぽスレへ。
この水道水は相模ダムのサービスだから、まずは落ち着いて呑んで欲しい。
うん、また「大河SS」なんだ、すまない。
亜美ちゃん★の顔も三度って言うしね、謝るから許してくださいお願いします。
注意みたいなもの。
・内容の薄さの割りにネタバレが多いので、原作を読んでいない人で続きが楽しみな人は回避行動をとって下さい。
・本当にネタバレの嵐です。
・大人になった二人の話。
・作者はツンデレ大河の人。
・やっぱり嫌いな人は退避を勧めます。
・裸の人ごめんなさいエロ無しです。
「結婚しよう」
男は、横の座席に座って映画を見ている女に言った。
丁度スクリーンには苦難を超えて結ばれたカップルの顔が互いに引き寄せられているところがアップで写されていて、
男は狙い済ましたような――――実際に狙っていた――――タイミングで隣の女に声をかけた。
「結婚しよう」
男が言った。そして、二人がスクリーンの中の光景と同じようになろうと――――――
「センス悪っ」
なろうとするところで、二組のカップルを写していたテレビの電源が消された。
ある晴れた日曜日だった。土曜日の仕事の帰りに、同居人である(世間様は同棲と呼ぶ)高須竜児が、
「たまには映画でも見よう」
なんて言って、その顔に恐ろしいほどに似合わない、話題のラブロマンスもののDVDを買って来たのだ。
予定もなくて、一緒に布団から抜け出すとすぐに竜児は朝食を作り、そして私はテレビとDVDの準備(電源をつけるだけ)をしたのだ。
絵に描いたように、幸せな、週末と言えた。
だが、そのラブロマンスのなんと似合わないことか。
簡単に言えば、何処にでもいる(パッケージにはそう書いてあった。きっとイギリスにはハリウッド・スターのような美形のサラリーマンがあふれているのだ)
会社員が意中のあの子を射止める話だったのだが、本当に、なんと私達に似合わないことか!
運命だ何だのと銘打っているが、こんなちっぽけなことが運命なら私と竜児は何だったのだ。
紆余曲折のさらに紆余曲折、おまけに一回点半ひねりみたいな結ばれ方をした私達が、いまさらあんなものを見てなんになるって言うのだ。
長い、道だったと思う。
ラブレターの誤爆から始まって、竜児の記憶を消そうとしたこともあったし、
川嶋亜美(いまやドラマに映画にの大人気である)の別荘にも行ったし、学園祭でプロレスもどきもやった。
クリスマスにサンタと踊ってみたりもしたし、遭難してみたりもしたし、逃避行だってした。
北村くんが好きだといってみたりもしたし、みのりんと色々揉めてみたりもした。
かたや、この会社員もどきはどうだ。
ちょっと金持ちのライバルが現れてみたくらいじゃないか。
こんなのよりよっぽど現実の方が運命的なのだ、私達にとっては。
それに、あのベタベタな行動はなんだ。
もうちょっと粋な幕引きもあるんじゃないのか。
流石に、あれを粋というのは少しセンスが前時代的すぎる。
(―――と思う。他人とかけ離れていることが売りの私が言っても説得力はないかもしれないが)
「ねえ、竜児?」
「何だ」
「これ、見てると苛々するんだけど」
「...そうか?何か変なとこあったか?」
竜児が、困惑した顔になる。
仕方ない。説明してやろう。
「だって、」
隣に座っている竜児に体重を預ける。
寝間着に上着を羽織っただけの竜児の肩に、頭を任せた。
「だって、あんなのより私達の方が大変だったよ。あれくらいで運命がどうのって言われたら、なんかムカつく」
竜児の顔が歪んだ。これは照れている顔だ。
いつまでたっても初心なところは変わらない。
「...そうか。そうだったな。俺達も色々あったんだ。お前が鞄を間違えたことから始まって、」
「私が竜児の家に押し入って、」
「お前が家に来るようになって。だんだんお前がいつも横に居るようになって」
「私はいつも竜児の傍に居て。竜児が居ないと何も出来なかった」
「俺も、大河に後押しされて色々出来た」
「私が北村くんを好きって言い張ってた頃もあったし、竜児はみのりんが好きだった」
「そうだ。川嶋の別荘で色々やったりもした。今になって思うと、あの作戦とかも本当バカだったよな」
「私が三年のクラスに殴りこんだこともあった。結局竜児が来てくれるんだよね」
「俺がインフルエンザで寝込んだりな。クマとスーツ交換してもらったりもした」
「私は遭難したしね。ここでもやっぱり竜児が助けてくれた」
「そして極めつけは」
「「二人で逃避行」」
声が重なった。
「一緒なら、幸せだと思ったんだろうな。無意識に。高校生の分際だって言うのに」
「いいんじゃない?今だって幸せだから一緒に居るわけでしょ?」
「ああ」
「ほらね。私達の方が絶対運命的だったでしょ?」
「ああ。そうだな。その通りだ。」
口を開こうとした瞬間に、竜児が咳払いをした。
リビングの主役が竜児一人へと切り替わる。
「大河」
「これを受け取ってくれないか」
竜児が、上着のポケットから化粧箱を取り出した。
何だろう。心臓が暴れ始めた。これはやっぱりそういうことなのだろうか。
「指輪...」
「そうだ。本当はさっきのシーンに合わせようと思ってたんだけどな」
センス悪いって言われちまったしな、と続ける。
「それに、お前に言われて気づいた。そうだな、俺達には似合わなかった。俺達はいつもどおり、変に気取らないでただ一緒に居るのが一番幸せなんだ」
緊張しているのだろう。竜児は、私の鼓動に負けないぐらいものすごい早口だった。
それでもなぜか、その言葉を私が聞き逃すことはなくて、一字一句間違えずに聞き取れていたのだ。
「だからさ、大河」
「生憎、俺は顔も性格も良くないし、収入も多くはないけど、裕福とは言えないかも知れないけど」
「結婚してくれ」
...ああ、本当に長かった。高校時代に始まって、今まで続いた関係が、やっと昇華されようとしているのだ。
大学に行ったって私達はずっと一緒だった。社会人になってからは一緒に住み始めた。
ケンカだってしたし、一方的に距離を置いた事だってあったけど、それでもそれだけ続いてきた。
その間、私なんかは今か今かと待ち続けてきたというのに。やっと今。
本当に、このバカは、どれだけ人を待たせていたと思っているのだろうか。
一丁前に緊張なんかしちゃって、私の答えなんてわかっていそうなものなのに。
だから、人を待たせた罰に、満面の笑みと共にこう言ってやるのだ。
「土下座しなさい。そうすれば、」
そうすれば、アンタのためにブチのだって白いのだって茶色いのだって産んであげる。
終わりなんだぜ。
今回は隆二さんは居ないと思うが、居たら本当にすまん。
お目汚し失礼しましたー。
GJGJGJ
GJ!そして4巻につながり無限ループですね
え?違うんですか?
139です。竜児と大河、第2戦目です。
駄犬の逆襲
竜児とて男である。
凶悪な目つきに似合わず、温厚で面倒見の良い彼にも、プライドはあるし、我慢の出来かねることだってある。
今までこういう事態にならなかったのは、ひとえに彼が逢坂大河に何を言われようとも、受け流していたからに過ぎない。
日々積み重ねられた暴言に対する、凄惨極まりない復讐は、ある日突然やってきた。
「てめぇ! 口さえ開けば駄犬だバカ犬だ、人を何だと思っていやがる!」
また例のごとく、罵倒する必要もない場面で竜児を駄犬、アホ犬呼ばわりしていた大河は、聞いたこともない竜児の怒声に
目を見開いて身体を硬直させたが、5秒と経たずに緊張を解くと、いかにも心外だといわんばかりに、
「アンタ、誰に口聞いてるの! ご主人様に口答えするなんて、いつの間にそんなに偉くなったの?」
とやり返した。
その瞬間、大河の右頬がバチンとなり、大河は畳の上に横倒しにされてしまった。
「ちょ…なにすんのよ竜児。こんなことしてタダで済むと…」
「うるせぇ。口を開けばこの俺を犬呼ばわり。大河、お前こそ何様のつもりだゴルァ!
だいたいどこの世界に、犬に飯を作らせて食わせてもらっているご主人様がいるんだ? あぁ?」
鬼気迫る顔で、上から押さえつけてくる竜児を押しのけようと、大河はもがき、身をよじろうとしたが、身体はまったく動かない。
こいつ…こんなに力強かったんだ。
あまりの衝撃と恐怖で声を出すことも出来ず、大河は自分が思わぬ人間の手で、窮地に陥ったことを悟った。
「今日は誰が真のご主人様なのか、大河、お前の身体にたっぷり教えてやる」
ビリビリとシャツが破られる音に我に返り、思わず叫び声を上げようとした大河の口を、竜児の大きな手が力いっぱい塞ぐ。
「ん〜っ! …んんん」
いつの間に手元に用意したのやら、大河を押さえつけたまま口にタオルを噛ませて頭の後ろで固く結びつけると、竜児はボロ切れと
化したシャツを投げ捨て、スカートの中に手を入れると、必死で足をバタバタさせたり、よじったりする大河の両足から、力づくで
パンツも抜きとってしまった。
「竜児…お願い、ごめんなさい…もう許して、無理矢理なんてヤダ…ヤダよ…」
大河のこんな声も言葉にならず、ただ必死に何かを訴える形相だけが空しく映る。
そんな様子に微塵も注意を払うこともなく竜児は、口と下でむき出しの大河の上半身を蹂躙しながら、もう一方の手の指を大河の膣内に差し入れた。
「何を必死に嫌がってるフリなんざしてるんだ。大河、お前、こんな濡らしやがって…気持ちいいのかよ」
抵抗する気力も体力も萎えていくのが分かる。なんで…なんではじめてなのに、こんなことになっちゃったんだろう。
「さて…お前を愉しませるのはここまでにしようか、大河」
散々もがいた挙句、ついに抵抗する気力を失ったのを見計らい、竜児は口のいましめを解いてやった。
荒い息をつき、涙と涎でぐちゃぐちゃになった顔で、大河は竜児に懇願する。
「竜児お願い…ちゃんとつけて…中に出さないで…」
「は? こんな時にゴムつけたり、外出しなんかするわけねぇだろが。たっぷり中に出してやる」
「いや〜! いや〜! うえええん…」
泣き出した大河にニヤリと笑いかけると、竜児は青筋を立てて赤黒く怒張したモノを、大河に押し当てると一気に奥まで押し込んだ。
「…ふう…」
胸と割れ目を指で愛撫しながら、恍惚の時間をさまよっていた大河は、はげしく弓なりになって2、3度ビクビクと痙攣すると、
ベッドに仰向けに身を横たえた。スプリングがギシリと音を立て、ベッドに広げられたバスタオルの上には、大小の染みが広がっている。
大河は忘我状態でハァハァ息を整えながら、なんとなく心地よいけだるさに浸っていた。
「竜児とする時って…いつも…」
なんとなく寄り添って、いちゃいちゃしている流れの中で突入するか、或いは大河が竜児を責めるシチュエーションでやるかのどちらかだ。
この間は、川嶋亜美のパンツをアホ面さげて見ていたことをネタに、竜児を散々苛めてやった。それはそれで楽しかった。
「お前、人の顔使って1人だけでイクんじゃねぇよ。俺まだイッてねぇぞ」と不平満々の竜児のために、手と口で奉仕することになったけど。
でも、それだけじゃ大河は物足りないのだ。たまには竜児から強引に迫ってきて欲しい。
「ね、竜児。伸びたり擦り切れて捨てようと思ってるシャツとかパンツが溜まってるんだけど、レイププレイに使わない?
男の子ってそういう願望あるんでしょ」
ところが意に反し、これを聞いた竜児は喜ぶどころか、大河を目の前に正座させると、ただでさえ怖い顔をさらに怖くして、
「大河。男ってのをみんな、そういう願望がある獣だなんて考えるんじゃねぇ。少なくとも俺は違う!
俺はたとえお遊びプレイでも、嫌がる女を力づくで犯すなんて死んでも嫌だ。
大抵のプレイには付き合ってやるが、そのテのヤツだけは勘弁してくれ」
凶悪顔のフェミニストは、大河を前に毅然と言い放った。そして続けて、
「あ…MOTTAINAIから、古くなったシャツや下着は捨てんじゃねえぞ。いくらだって転用の方法はあるんだ」
と、なんともまあ、顔に似合わないが彼らしい生活感溢れる一言を付け加え、大河をずっこけさせたのだった。
「酷いでしょみのりん。竜児ったら、私の気も知らないで」
「そんな話を平然と、独り身のあっしの前でするおめぇさんの方がひでぇと思いやすぜ。私にどう反応しろと?」
竜児と付き合うようになって、すっかり変わってしまった親友を前に、櫛枝実乃梨は大きな溜息をつくのであった。
竜児くんはやっぱり真面目なようです(`・c・´)
そして大河さんは、ちょっと欲求不満のようです( ゚∀゚)
ということで、ここまで。
まぁ、なんと過激なズリネタwww
まさか大河でくるとは思ってなかったけどピッタリです。GJ!
久々に来たらスレが凄く進んでる
皆さんGJです
>>192 はああああんみんなかわゆすなあ
続きも楽しみにしてます
>>210 こっちも幸せになるわあGJ
225 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 15:15:46 ID:x2C/qtDY
なんか久しぶりにエロが投下された気がするなw
GJ!
展開早ぇ。たった1日見れなくてもうこんなに伸びてんのかよ(
>>119 GJすぎるぜ。
そこで初ラブレターを貰ってうろたえる高須とか3人娘を見てみたいと思ったオレがいる
投稿ラッシュね
玉石混淆【エロスレ的には】ですが、作者一人一人の発想が個性的で面白いわ。
さて
受け止めは人それぞれですが、大宮駅発伊豆急下田駅行き湘南新宿ライナー、スーパービュー踊り子とは思わなかったわ。
新宿8時30分の
小説は三人席向かい合わせなので新幹線を使っているのに。
それと、大河が天井裏を探検しないのが残念。
「降りて来い」「パンチラ狙いかエロ犬」が無かったな。
全身ホコリまみれで、くしゃみの連発も無かったし。『花のように舞うホコリ』期待してたのだけと。
しかし、この状況だと、エロなしで投下しても大丈夫みたいですから、後で一石投げ込みます。
作品、GJ評価以外で長文投下すんな
容量あんだぞ
>>227 エロパロスレ的にする話題じゃないな
それに玉石混淆なんて言葉、投稿してくれてる人達にあんまりじゃないの?
今のスレの流れだと必ずエロを入れる必要もないんだから
てか原作の雰囲気がエロに持ってき辛いよな
俺はエロ無しでニヤニヤできるほうが好きだ
>>230 いやいや、どちらもよいぜ。
ラブければさらにいい。
ラブエロならいけるんじゃないか?
神諸氏は臆せずGOの方向で。
とZENRAでSEIZAな俺がいる。
>>211 遅レスかもしれんがGJ!
色々振り返ってるのが楽しかった
確かにドラマチックどころか波乱万丈、七転八倒だよなw
エロが少ないくらいエロパロ板ではよくあることだ
すげぇぜ、今やここはエロパロ板で最も勢いのあるスレとなった!
アニメ化ってやっぱ偉大だね。
心配してた作画も気にならないし、内容も結構良い。
>>234 竜児や大河たち、登場人物そのものがエロス的存在だから問題なし( ゚∀゚)
角煮でやれ氏ねカス
竜虎出た嬉しさでストックをあげようと思う。
かなりオリジナル要素強いから嫌な人いたらゴメン。
『ある日の巡り会い』
高校二年生になり、心機一転。新しいクラスになり数日が経った頃。 …私には、最近気に食わない奴がいた。
私と親友が話していると、チラチラとこちらをみてくる男子。私より前に席にいるんだから見てるのバレバレだってのに。
とりあえずじっと睨んでおく。大抵の奴ならこれで目を合わせようとしなくなるんだ。
そして案の定、そいつも慌てて目を背けている。ふんっ、バッカじゃないの。
そんなに私の親友がみたいなら勇気でもだして話しかければいいじゃないの。まったく。男は全員死ねばいいのに。
「でさ〜! ……ん?どったの??」
「ううんなんでもない。それよりなんの話だっけ」
えー聞いてなかったのかよーちゃんと聞いてろよー!と猛抗議の親友。
やばい、バカ男子を睨みすぎて親友の話なんかまったく聞いていなかった。
そしてまたこれだ…親友と話し出すとチラチラこっちを見てくる。
ああまったく意気地がないったらありゃあしない…こんな蛆虫みたいな奴が同じ空間にいるだけでさぶいぼが…。
***
それは下駄箱に入っていた。
授業も終わり、下校時刻。親友はソフトボール部で部長を務めているので一人での帰宅だった。
そうして帰宅しようとして下駄箱を開けるとそこには一通の封筒が。
『屋上で待ってます』
…はぁ、またこれか。
その少女は、本人は自覚はないが容姿端麗、お人形さんのような子だった。
入学当初はその外見に惹かれ告白してくるものが後をたたず、全部切り捨ててはきたけれど未だにたまにこんなことがあるのだ。
それにしても。
「…てかアンタ誰なのよ。名前くらい書きなさいよ、どれだけドジなのよ…。」
とりあえず、こんなバカはさっさと切り捨てて帰ろう。ああ男ってホントにうざい。
そう思いながら気だるげに屋上に向かうのだった。
***
「げっ…なんでアンタこんなとこにいるのよ」
少女の目の前には、最近クラスでチラチラ見てくる気に食わない男子が。
こいつ、私の親友を見てたんじゃなかったのか。
少年は、顔を真っ赤にして俯いている。
「…で、なんなのよ」
ある程度内容の検討がついているのだが、わざと知らないふりをして急かす。
それにしてもじれったい奴だ。さっさと言ってしまえば楽なものを。
「……あ、う。」
「聞いてあげるから、早くしてよね」
「あ、あのさ俺…」
「うんうん」
「俺、お前のことが好きなんだ!」
「ごめん無理。はい却下」
「ちょ!少しは悩むとかもなしかよ!そんなとこも好きだけどさ!」
「はいはい…それじゃあね、私早く帰りたいから」
呆然と立ちすくむ少年を尻目に、少女は屋上から去っていく。
はぁ、早く帰ってママのご飯作らなきゃ…。今日はパパも久しぶりに休みだし、久々に料理教えてもらおうっと。
そんなことを考えながら階段を降りていた。
後ろからはさっきの少年がなにか叫びながら追いかけてきているような気がするが無視無視…。
と。
「うわぁ!」
という声。
それとともに少女の横をすさまじいスピードで何かが転がり落ちていく。
目の前の壁にぶつかって止まったのは、さっきの少年。
…しかもちょっと泣きそうな顔。男のくせにこいつはまったく…。
「はあ…。なにしてんのよ、ほら、起きなさい」
とりあえず手を差し伸べて立たせる。少年は傷だらけだった。
…どうやったら、転がり落ちただけでそんな怪我をするのよ…。
でも当の少年は平気そうな顔。けっこう丈夫なのかもしれない。
「あ、ありがと…」
「…別に。それよりアンタ、制服ほつれてる」
「うあ…ま、まぁいいんだ、こんなのいつものことだし」
…どこかしら、母親に似ている気がする。ドジなところとか。すごくドジなところとか。かなりドジなところとか。
それにしてもほつれた制服が気になるなあ。自分は父親に似て案外潔癖症なのかもしれない。
「…うーん。いま裁縫道具持ってないわ」
「い、いいよそんなの!」
「なーんかアンタほっとけないのよね…とりあえずウチに来て。ほつれだけでも直したげるから」
「…!ありがとう!やっぱお前すごいいい奴だなぁ!」
「そんなんじゃないっての。さっさと行くわよ」
「うん! …あのさ、友達からじゃ、ダメかな…?」
「…」
「俺、もっと高須のこと知りたいんだ!」
「…」
「…高須?」
「…いいわ。アンタといると、なんか気が楽だし」
はしゃぐ少年。それを置いてズンズン歩く、ちょっと目つきの鋭い可愛い少女。
両親は、娘が始めて連れてきた男友達に驚いた。
――――そして、少年が櫛枝と名乗って、何故かさらに驚いていた。
end
以上です。
短いし駄文で失礼しました。
祭りはまだまだ終わらないぜ!
性転換…だと?
じゃあ、竜児は俺の嫁になれるってこと?何て素晴らしいんだ!
246 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 22:46:00 ID:574aSUep
247 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/28(金) 22:48:08 ID:sduyKlX7
>>229 もっと丸くなりましょう。争いの種は些細なところから生まれますよ。
GJGJ
竜児と大河の娘か
大河の容姿で家事万能とかやべえ
>>244 GJ!
みのりんの息子が大河竜児の娘に惚れちゃったということかな?
続きが気になるぜ
>>244 GJ!
この発想はなかった!
才能ってやつか!
>>244 GJ!
何故か親友の名字が気になった
川嶋か狩野か春田か…
>>244 これまた意外な視点からの快作( ゚∀゚)
しかしなんとハイスペックな娘だ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ
この話がリリアに見えてくる
GJ
シングルマザーみのりんに泣いた
逆じゃなくてよかったなw
竜児の容姿に大河の性格…
>>256 それは怖すぎるだろうw
弟あたりがそうなってたりして。
いくら凶悪でも姉には絶対顔が上がらないんだな
それより亜美ちゃんの性格で顔が竜児のry
>>241 あまり多くない良作だ
次回作にも期待大
大河と竜児の娘カワユス
GJ!
竜虎行きます
ちょっとアレですがごめんなさい
タイトルは『おはようのXXXX』
「えー、ですのでここは………。」
午後の古典の授業。
抑揚もなく一定のテンポで淡々と授業を進める教師の声だけが響く中、
眠気を誘う相乗効果がクラスを襲い、
その魔の手に囚われた生徒達はウトウトと船を漕いでいる。
「えー、つまり、これが………。」
ギラリと三白眼を細め、竜児はノートを見ていた頭を持ち上げた。
ブルブルと頭を振る。呪いを撒き散らそうというのではない、眠気を振り払おうとしているのだ。
午前中に体育の授業でしっかりと体を動かし、そして昼食をたっぷり食べた。
眠くなるのは自然の摂理というものだ。
見た目とは正反対に、授業態度は極めて真面目な竜児だが、
大半の生徒同様、夢の世界の甘美な誘いに耐えるのは大変なのである。
「よっ…と。」
目立たないように体を伸ばしながら、目だけを動かし、竜児はざっとクラスを見渡した。
古典の教師は課題と試験さえちゃんとやれば基本的に文句を言わないタイプなので、
真面目に授業を聞いている者はむしろ少数で、
内職している生徒と寝ている生徒ばかりに見える。
北村はちゃんと聞いている、さすがは生徒会長。
実乃梨は一見ちゃんと聞いているように見えるが、
あの真剣な眼差しはどうやらマジックでまぶたに書かれたもののようだ。
亜美はつまらなそうに端の席でなにやら爪を磨いていた。
>>257 しかし、姉には逆らえない感じだよな。姉に限らず家族は皆。
>>244 続きが楽しみなんだが、これを読んでて
息子の性格から竜児がみのりんと一夜過ごしたんだと訳分からん設定が頭に浮かんだ
もはや教師の言葉は耳から耳へ抜けていく。
「ふわぁ。」
押し殺せず、あくびが出た。
最終防衛ラインは陥落寸前のようだ。
竜児は目をこすりながら、先日の席替えで斜め後方の窓側の席になった大河のほうに顔を向ける。
「うわぁ…。」
思わず声が漏れてしまった。
大河も御多分に洩れず、すやすやと眠っていた。
細い両手を枕にして長い髪を垂らし、
居眠りというには大胆すぎる熟睡ぶりだ。
小さな背中を丸めるようにして気持ちよさそうに寝ている。
「スゥ……スゥ……」
小さな寝息をたてて熟睡する姿、
そのかわいらしいまぶたも、長く美しいまつげも、ピンク色の唇も、
さながら気まぐれに地上で休息する天使そのもののような愛らしさだった。
今日の弁当は大河のリクエストに答え、奮発してトンカツにした。
竜児の分まで奪い取り、心行くまで肉を堪能した大河は、
サバンナの虎が存分に餌を貪った後そうするように、
緩みきった顔で幸せそうに夢の中で午後のひと時を過ごしていた。
「スゥ……スゥ……」
学校ではまずお目にかかれないその愛らしい姿を見ていると、
竜児はつまらない授業を真面目に聞く気にもなれず、
眠りかけの頭でぼーっと大河の無防備な寝顔を眺めていた。
教師の声と大河の寝息だけが教室に響き、
まどろみの中、時間が過ぎていった。
キーンコーンカーンコーン
授業終了の鐘と同時に、古典教師はスパッと話を切り上げた。
すでに指示した課題をやっておくように最後に付け加え、これにて授業は終わり。
「起立!礼!」
北村の号令で、竜児は立ち上がり頭を下げる。
力なく立ち上がりダラダラと礼をする生徒たちの中、大河は熟睡したまま立ち上がらない。
周りの生徒たちはどうするか困っているようだった。
起こしてやるべきなのだが…、竜児は迷った。
だが、竜児がどうこうするより前に、
教師は気にすることなくサッサと教室を出て行ってしまった。
「スゥ……スゥ……」
授業後の喧騒もどこ吹く風、大河は一定のテンポで小さな寝息をたてて、眠り続ける。
竜児は座りなおし、睡魔に誘われつつも、大河を再度眺めた。
今日の授業はこれで終わりだ。
HRが始まる前に大河を起こして帰る準備をさせるべきなのはわかっていたが、
竜児は机に立て肘をついたまま、眺め続けた。
このひと時を、素直に楽しみたいと思ったのだ。
「スゥ……スゥ……」
しかしそんな竜児の平穏は、無粋な第三者に破られる。
「相変わらず逢坂の寝顔は可愛いな。」
一頻り眺めていた竜児に、北村が声をかけたのだ。
「はぁ?」
その声に振り返り、間抜けな声を上げる。
そして竜児は大河を眺めているのが自分だけではないことに気づいた。
男子生徒たちの視線が、チラチラと自分と同じように大河に向けられていた。
眠りかけていた脳が一瞬で覚醒した。
平穏な世界は二人だけのものではないのだ。
眠り姫そのものの今の大河は、普段の口の悪さや横暴さは皆無で、
その彫刻のような美しさを惜しむことなく見せ付けている。
クラスの男子たちが無防備すぎる大河の寝顔を盗み見たくなるのは当然なのかもしれないが。
……くそ、なんだこの不快感は。
竜児は独りごちる。
そんな竜児に、いつの間にか側にいた亜美が、にやりと笑みを浮かべて言った。
「あれ〜、高須くんってば、タイガーの寝顔を独り占めしてるつもりだった?」
「な、川嶋!俺は別に、そんな……、」
「あはっ、残念、男子たちみんな堪能してるみたいだよ。
早く起こしてあげたほうがいいんじゃないの〜?」
「……うるせえ。」
竜児はニヤニヤとムカつく笑顔を向けてくる亜美を無視し、
顔を引き締めて立ち上がり、一度ゆっくりとクラスを見回した。
一応、慌てて顔をそらしたヤツのことは憶えておこう、能登のやつめ。
「スゥ……スゥ……」
帰り支度をしようとするクラスメイトをかきわけるようにして、竜児は大河の元へ。
側に立ち、一度息をついた後、声をかけ肩をゆすった。
「おい、大河!起きろ!もう授業終わったぞ!」
「………ふにゃ。」
竜児の声に反応する大河。
普段のようなドスを効かせた低い声ではなく、緩みきった甘い声。
寝起きが悪い大河は、いつも覚醒するまでに時間がかかる。
竜児は大河が再び寝てしまわないよう続ける。
クラスの皆の注目が集まっていることは分かっていたが、
なぜか見せ付けるように大袈裟に声を張り上げてしまっていたことに、竜児は気づかなかった。
「いつまで寝てる気だよ!起きろ大河!」
「……うん。」
「起きろ!寝るな大河!」
「……はぁ、……りゅうじ……おはよ。」
大河は生まれたばかりの子猫のように、小さく体を動かし、起き上がった。
うーん、と声を漏らし、その折れてしまいそうな体を伸ばし、
眠たそうにわずかに開いた瞳が竜児の姿を捉えると、
せっかく開けた目を再び閉じ、大河はその小さなアゴを少し持ち上げた。
ん、と小さな声が漏れる。
その可愛らしい仕草に竜児は見覚えがある。
毎朝見ているその仕草。
あのバレンタインの騒動以来日課となっているその仕草の求めるもの。
一瞬の後、竜児はその仕草の意味に気づく。
あれ?これって……、
まさか、おい、ちょっと待……、
竜児が焦り、口を開く直前、
「………おはようのキスは?」
寝ぼけた大河が催促するように小さく呟いた。
瞬間、あれほど騒がしかった教室が嘘のように静かになった。
竜児は硬直した。
頭が真っ白になる。
ガチガチの体に鞭打ち、振り返る。
じー、教室中の視線が突き刺さった。
北村も実乃梨も亜美も、無言のまま苦笑い。
「あ、あのな……、これは……、違うんだ。」
固まった喉を無理矢理動かし、竜児はそれだけ言った。
噴き出した汗が頬を伝う。
手が震える。
竜児は耐え切れず視線を戻した。
いつまで待っても唇に竜児を感じられないことに不満そうに眉を動かし、
大河は閉じられていたまぶたをゆっくりと開いた。
いまだ夢の世界から抜け出せられずといった愛らしい瞳が左右に揺れ、
そしてその双眸が滝のように汗をかく竜児を見つけると、
大河は天使のように無邪気で可愛らしい笑顔を向けた。
そして大河は、脳がゆっくりと覚醒していくにつれ、
硬直する周りの視線に気づき、
己が今どこにいるかに気づき、
己が今口走った一言の意味に気づき、
竜児の目を再び見つめ、硬直した。
沈黙が支配する永遠のように長い数秒の後、
大河の象牙のような白い顔が、トマトのように真っ赤に一瞬で変化した。
「な、ななな、な………、」
羞恥でガタガタと震えだす。
握り締められた机が軋む。
「お、落ち着け大河。……落ち着いて、な、ほら。」
妙に冷静になった竜児の声。
しかし大河の動揺は収まらず、そして、
「いやあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「うおっ!待っ……。」
机も椅子もなぎ倒し、弾丸のように一直線に扉へ猛ダッシュ。
竜児の制止を振り切り、大河は開け放たれていた扉から勢いよく飛び出していった。
大河が去って数秒後、魔法が解けたように竜児の硬直も解ける。
「悪い!」
今だ向けられるクラスメイトの視線を無視し、
竜児は素早く大河が倒した机と椅子を元に戻し、席の主に簡単に詫びた。
「ほら、高須。」
その声に振り返る。
北村と実乃梨が二人分の荷物を竜児に差し出していた。
「さっさと追いかけてやりなさいよ。」
めんどくさそうな亜美の言葉にうなずき、
竜児は荷物を両手で掴み、廊下へ飛び出した。
「大河ーっ!待てー!」
そして、大河と同じく猛ダッシュ、全速力で大河を追いかけた。
あの日と同じ、逃げる大河を追いかける自分の姿に、竜児は走りながら思わず頬が緩んでしまった。
まったく、あいつは、いつもドジやって勝手に逃げ出して、
だけど……、だけど俺は……、結局……
「ちゃんと捕まえてやるぞ、大河。」
大河の側を、離れられないんだよな。
「高須、逢坂。都合により早退っと……。」
北村の呟きを合図に、クラスに喧騒が戻った。
「ケッ!やってらんねーよバカップルが!」
「ハハハ……。」
吐き捨てる亜美に、実乃梨は苦笑いで答えた。
クラスのみんなも付き合ってられんといった様子で、
二人のことは忘れてお喋りに興じている。
まもなく独身がやってくるだろう。
高校二年の生活も残りわずか。
今日も概ね、平穏な一日だった。
End
>>261 GJGJGJGJ!
2828が止まらないぜw
大河が可愛すぎるw
(28∀28)
261さんGJです!!
>>261 乙乙
やっぱり竜虎はええのう
寝ぼけ大河可愛いです
GJ
竜虎最高だよ、この大河の可愛さは異常
これはいいニヤニヤ
>>261 まったく顔がにやけるGJ
大河がかわええのう。
やっちゃんSSの続きを投下
少しだけどあーみんやみのりんも出るよ
「やすドラ?」
ざっと体を拭いて服を着る。ホントは体なんかも洗いたかったけどこの際しょうがない。
あのまま、また泰子と一緒に風呂に入ってたら色々と耐えられない。変な意味じゃなくって精神的に耐えられない。
ただでさえ俺の、あ〜・・・元気な高須棒まで見られたんだ・・・その上、泰子の体まで洗って・・・・・・柔らかかったな・・・・・・はっ!?
つい泰子の体の触り心地を思い出してしまい、脱衣所の壁に寄りかかって悶々としていた俺を
「竜ちゃ〜ん」
「・・・どうした? 泰子」
「上がりたいの〜」
泰子がドア越しに呼んできた。もう上がるのか。
・・・1度深呼吸して意識を切り替える。
泰子の裸なんてさっき存分に拝んだろ。今更恥ずかしがってどうする。
そんな事を気にしてる時点で自分が恥ずかしがってるのを自覚しつつ
「竜ちゃん、まだぁ?」
って俺を待っている泰子を風呂から出すために浴室のドアを開ける。
充満していた湯気が晴れると、浴槽に浸かっている泰子が声をかけてきた。
「やぁん、竜ちゃん・・・あんまり見ないで? 恥ずかしいよ・・・」
「はぁ? 急になに言ってんだよ。さっきまで一緒に風呂入ってたろ」
「だってぇ、やっちゃんだけ裸なんだもん・・・急に竜ちゃんの視線が気になっちゃって」
本気でなに言ってやがんだ? それに俺が泰子の裸を凝視してるみたいに言うなよ。
「あ、そのね? ・・・見られるのは恥ずかしいけどぉ、竜ちゃんに見られていやなんじゃないよ?」
しかもどこを訂正してんだ。意味分かんねぇって。
そう言いながら俺を見つめてくる泰子に向かって、いい加減話を進めようと話しかける。
考えればもう大分長湯になったし、疲れさせちまうだろうからとっとと出よう。
「分かった分かった。そんなことどうでもいいから早く上がろうぜ。もう十分温まったんだろ?」
「・・・・・・・・・」
「・・・どうかしたか?」
「・・・・・・・・・べつに」
途端に不機嫌になった泰子。俺、なんかマズイこと言ったのか?
さっきまで上げかけていた上半身をお湯に沈めて、口元まで来たお湯をブクブクさせながらたまにこっちを睨んでる。
あまり広くない上にお湯だって沢山張ってるわけじゃないうちの浴槽だと、半分仰向けになる形になってしまうから
ぶっちゃけ胸だのお腹だの・・・あれだのが丸見えになる格好になって、慌てて後ろを向いて泰子に問いかける。
「泰子? 俺、何か気に障ることでも言ったか・・・?」
「・・・・・・どうでもいいんでしょ・・・」
ポツリと泰子が呟くが、何を言いたいのかよく分からない。
「な、何がだ?」
「・・・だからぁ、竜ちゃんはやっちゃんの事なんてどうでもいいんでしょ、って言ったの」
「・・・はぁ? 何でだよ? 俺そんな事言ったか?」
「言ったもん・・・やっちゃんがぁ『竜ちゃんに見られてもいやじゃないよ?』って言ったら、竜ちゃん『どうでもいいから』って・・・
やっちゃん、竜ちゃんに誤解されるのヤだったから言ったのに『そんなこと』って・・・
やっちゃんの事どうでもいいってぇ・・・ぐしゅ・・・うぅ・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
ちょっと強引じゃないか? 話飛び過ぎじゃねぇかそれ?
どこをどう繋げたらそこに辿り着くか分からないで一瞬呆然としてしまったが、最後の方に涙声が混じっていたのに気付いて我に帰った。
再度振り返り、泰子の目を見て口を開く。
「な、なんで泣いてんだよ!? 泣くところなんて無かっただろう? それに、俺はそんなつもりで言ったんじゃねぇよ!」
「ふぇ・・・? ほんとに?」
「そうだって。俺はべつに泰子の事がどうでもいい訳じゃなくて、いつまでも風呂に浸かってるとのぼせるし体にも良くないし・・・
それにもう風呂から上がるって言ってたから、長話してても可哀想だと思ってだな・・・」
「・・・・・・・・・」
「『そんなことどうでもいいから』ってのも、単に言葉の綾と言うか、口から出ただけで深く考えてた訳じゃ・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・だから、その・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・言葉が悪かった・・・・・・ごめんな、泰子」
意外にもこっちの話を聞いてくれていた泰子に、チャンスだと思って畳みかける。
だけど、じっと俺の方を見て黙って聞いている泰子に、だんだん自分が言ってるのが言い訳みたいに聞こえてきて・・・
実際に泰子は俺の何の気なしに放った一言で泣いていたじゃないか。そう思ったら、俺はもう何も考えないで謝っていた。
「「・・・・・・・・・」」
無言の泰子と、その泰子の反応を待つ俺。
時間にすると1分も経ってなかっただろうけど、見つめ合ってる時間が異様に長く感じた。
そろそろ何か声をかけるべきか?
そう思っていたら、ずっと黙っていた泰子がようやく口を開いた。
「・・・なんで・・・」
「・・・ん?」
「なんで竜ちゃんが謝ってるの・・・? やっちゃんが勘違いしただけなのに・・・」
「・・・勘違いさせるようなこと、言っちまっただろ? 俺が」
「・・・・・・でも・・・」
「勘違いさせて、泣かせたから。だから、悪いのは俺の方だ。・・・ごめん、泰子」
「・・・・・・・・・」
また押し黙ってしまう泰子。けど、今度はすぐに口を開いて
「・・・竜ちゃん、立たせて」
「あ? あぁ・・・泰子?」
「おねがい」
「・・・おぅ・・・・・・」
急に立たせてほしいと言ってきた。
あまりにも突然話を変えてきたから思わず聞き返してしまったが、泰子は有無を言わせぬって感じで見上げてくる。
考えは読めなかったけど、真剣な眼差しで見つめてくるのでそれ以上言わずに腕を伸ばす。
こっちを向いてる泰子の脇に腕を差して持ち上げてやれば、お湯の中だし膝も曲げていたからすんなりと立った。
・・・立ち上がった泰子から昇る湯気がなんだか色っぽく見えて、気恥ずかしくてつい目を逸らすと
「竜ちゃん・・・・・・」
泰子が俺にもたれかかってくる。
「・・・っと・・・・・・どうした? のぼせたのか?」
「・・・ごめんなさい」
もたれかかってきた泰子を受け止めてやると、俺の胸に顔を埋めて謝りだしてきた。
「・・・服のことか? 濡れただけだし、こんなの着替えりゃ」
「うぅん・・・違うの・・・」
おどけて言ってみるが遮られた。べつに本気で服のことだって思ってた訳じゃないけど、ちょっと驚く。
「・・・ごめんね? 変なこと言ったりして・・・」
「だから、それは俺の言い回し方が」
「竜ちゃんは悪くないよ・・・だって、やっちゃんのこと心配してくれて、それで言ってくれたんでしょ?
それなのにやっちゃん、1人で勝手に怒ったりして・・・子供みたいにふてくされて・・・竜ちゃんはぜんぜん悪くないのに」
また遮られた。しかし・・・今度はまた随分とへこんでるな・・・・・・
まぁ、思いつめてる内容が内容なんでちょっと人には知られたくないけど。
・・・・・・どうすっかなぁ・・・ただ口で言っても今は聞いてくれそうにないし・・・けどこのままにしておけないし。
・・・どうせ口移しだのあ〜んだの、昨日から散々恥ずかしいことをやってきたじゃないか。
後先考えてないで、今は泰子をどうにかすることだけ考えろ、俺。
具体的に何をするかを決めて、俺は未だ自分の胸に顔を埋めている泰子に向かって声をかけた。
>>261 GJ!
ちゃんと原作っぽさが備わっていて、
なおかつ2828させてくれる。
「・・・なぁ泰子、ちょっとだけ顔を上げてくれないか?」
「・・・・・・・・・」
黙って離れる泰子は、それでも顔を上げずにこっちを見ないようにしてる。
まぁいい。俺は少しだけ膝を屈めて高さを調節して
「ぁっ・・・・・・・・・」
泰子をしっかりと抱きしめた。
くっ付けた頬から熱が伝わってくる。密着してる胸から泰子の心臓の音が聞こえる気がする。いや、俺のかもしれないな。
抱きしめたまま、耳元でそっと囁く。
「俺は泰子の事をどうでもいいだなんて思ったことは絶対に無いぞ。
・・・大切だって、思ってる。できればずっと一緒に居てやりたいって思ってるくらいだ」
「・・・っ」
たった2人の家族だからな。俺が家を出たりして、泰子を1人にさせたくない。
一拍置いて
「あと、泰子が泣いてたのはやっぱり俺のせいだろ。泰子が謝ることなんて無いって」
言い終えて、今度は顔を泰子の目の前に持ってくる。ちらっと泰子の目に映った自分を見たら、茹蛸みたいだった。
「・・・だから、もういい加減風呂から上がらないか? こんなこと言い合っててもしょうがないし、俺まで冷えてきちまうよ」
「・・・・・・・・・」
そう言って抱きしめていた腕を解く。正直羞恥心が限界に達していて頭を何かに打ち付けたい衝動が半端じゃないけど、じっと耐える。
視線だけは泰子から外さないで待っていたら、弾かれたように泰子が動き出した。
「・・・・・・っ竜ちゃあん! ・・・んちゅ、ふむぅ・・・んうぅ・・・」
顔がぶつかるんじゃないかって思った瞬間にはもう泰子の舌が俺の口を割って入ってきていた。
って
「!? っぶは、いきなり何すんだ!? っていうかいきなり何すんだ!」
いかん、相当テンパってる。同じこと訊いてどうすんだよ。
そりゃ勢いつけて母親がくちびる押し付けてきたらテンパるだろ? つか何でキスなんかしてくんだよ。
しかも今舌だったよな!? 舌突っ込んできたのか!?
至近距離なのに、ほとんど俺を押し倒さんばかりの勢いで飛びついてきた泰子。
足が浴槽に入りっぱなしだから転倒しないようにまた抱きしめたら、あろうことか舌まで入れてくるような深いキスをお見舞いしてくれた。
口の中に自分以外の舌の感触を感じ取った瞬間、泰子が倒れないよう腰に回していた手を肩に置いて引き剥がし、顔を遠ざける。
訳が分からず、問いただそうとするが間抜けにも程があるような状態の俺。
2回も続けて同じ事を言っている俺に、泰子が鼻をスンスン鳴らしながら話しかけてくる。
「ぁ、ご、ごめんなさい・・・けど、やっちゃん嬉しくってぇ・・・ぐす・・・
竜ちゃんが抱きしめてくれたのも、言ってくれたことも、とってもとっても嬉しくってぇ・・・
そうしたら、なんだか竜ちゃんにチュウしたくなって・・・我慢できなかったのぉ・・・」
「泰子・・・・・・」
チュウなんて可愛いもんじゃなかったぞ、今の。それに舌入れてくるのをチュウで片付けんなよ・・・
心の中でそっとツッコミつつ、泰子の話しの続きを聞く。
「ぐし・・・・・・ねぇ竜ちゃん。竜ちゃんはああ言ってくれたけど・・・やっぱり、ごめんなさい
おかしな事言って、竜ちゃんの洋服濡らしちゃって、いきなりチュウして・・・困らせちゃってごめんなさい・・・」
「・・・・・・・・・おぅ、もういいって。だからもうこの話は終わりにしないか? いつまで経っても風呂から出れねぇよ」
「うん。・・・竜ちゃん・・・ありがと」
「だからもういいって。それより早いとこ体拭くぞ? 俺だって服ずぶ濡れになってんだし・・・」
これ以上は泰子も引かないだろうと思って俺の方から折れる。
なんだか風呂から出すだけで物凄く骨が折れた気がする。今度から『どうでもいい』は使わないようにしよう。
泰子の何に引っかかるか分からない。
やっと機嫌を直してくれた泰子の頭をバスタオルで荒く拭いてターバンみたいに巻いてやり、別のタオルで体の水気を拭き取る。
体を拭くのが1番厄介だろうと思っていたけど、あんな空気の後だからか、それとも無理やりくちびるを奪われた事を引きずってるのか
思っていたよりは泰子の体を拭いていても緊張しなかった。
一旦頭のタオルを取って代えのシャツと下着、短パンなんかを着せ終えて泰子を居間にやり、俺も自分の分の着替えを取りに自室へ行く。
自室で着替えて、脱衣所のカゴに濡れた服を放り込むついでにドライヤーを持って居間に入った。
「泰子、髪の毛乾かすからじっとしてろよ」
「あ、竜ちゃん。お願いしていい?」
「タオルじゃあ乾ききらないだろ。濡れたまんまだと風邪ひくし、このくらいはな。少しの間動くなよ?」
「はぁい♪」
「・・・・・・」
「♪〜」
コンセントにコードを挿し込んでスイッチを入れ、温風を満遍なく行き渡らせるように動かしながら、たまに髪を手で梳いてやる。
大河とはまた違った感じの柔らかさだ。
さっきまでのへこみっぷりが嘘みたいに、
なにが楽しいのか鼻歌交じりでドライヤーをかけられている泰子と、黙って髪を乾かすのに集中してる俺。
たまに「竜ちゃん、大切だってぇ・・・」とか「ずっと一緒・・・それってぇ・・・」とか聞こえた気がするけど。
あらかた乾かし終えたら、ドライヤーを片付けて今度は手に湿布を貼って、添え木を包帯で固定してやる。
包帯も巻き終わって、俺はようやく人心地ついた。
「ほら、もういいぞ。またお茶でも淹れてくるからちょっと待ってろ」
立ち上がって台所に入り、冷めてしまった急須の中身を流しに捨てて、熱いお湯を注ぐ。湯飲みはさっき使ってたのでいいだろう。
居間に戻って座り、お茶を注いでいると泰子が擦り寄ってきて、余っている方の俺の腕に自分の腕を絡ませてる。
「ん? なんだよ」
「うぅん〜、なんでもなぁい♪」
「? まぁいいけど。お茶飲むか?」
「うん、ちょうだい」
泰子が左腕に抱きついてる状態で口移しでお茶を飲ませる。大分慣れてきた感もあるが、まだ恥ずかしい・・・
ただ、てっきり気紛れにくっ付いてきたと思ったら、その後もずっと泰子は俺にくっ付いてきた。
くっ付いてって言うよりも何て言うか・・・・・・ベタベタ? みたいな。
とにかく離れるのはトイレぐらいなもので、昼飯を作ってる時も立ったまま隣で見ていたし、
食ってる時も昨日や今朝以上にピッタリ寄り添って、おかずを食べさせる度に一々『おいしい!』だの大げさに言ってくる。
さっきの風呂から上がる時とはえらい違いだ。ころころ態度が変わるな。
さすがに不思議に思って、昼飯を食い終わった後に「良い事でもあったのか?」って訊いてみたら
「うぅん・・・ただねぇ? やっちゃん、もう竜ちゃんから離れなぁい♪」
とか言ってはぐらかされた。どうでもいいが無駄に機嫌が良い。あ、『どうでもいい』って使っちまったよ。
正直動きづらいし腕が胸に挟まれ・・・いや、動きづらいだけだ。
午後になると腕だけじゃなくて背中に抱きつかれたり胡坐をかいてる俺の膝に頭を乗っけてきたり・・・
止める理由も無いんでさせたいようにさせていたら、どんどんエスカレートしていく泰子。
手首だけは注意してるみたいだから問題無いだろうけど・・・
今では大河がやっていたように俺の膝の間に座っている。
大河よりは重いし、前が見えなくなるのでさすがに止めてほしいと言ったら
「・・・大河ちゃんはよくてやっちゃんはダメなんだぁ・・・」
・・・この一言でもう何も言えなくなった。
けど、ここで多少泰子の機嫌を損ねても、この時ばかりは自分の意見を押し通しておけばよかったんだ・・・
その後もしばらく俺の膝に乗っかってると、不意にこっちに顔を向ける泰子。
「んふふ〜♪竜ちゃん〜♪」
・・・頭で俺の胸をぐりぐりしてくるだけかよ。甘えっ子か・・・
子供にしてやるみたいにポンポン頭を叩いてやるとさらに体を寄せてくる。
そろそろくすぐったくなってきたので止めさせようと口を開こうとしたら、玄関の開く音が聞こえた。
驚いて玄関を見ると
「竜児ー? 居るわよねー?」
・・・・・・大河が、帰ってきやがった・・・・・・
「「おじゃましまーす」」
え? 櫛枝? それに川嶋の声!? 何故!?
い、いや、今はそんなことより
「泰子、どいてk」
「あんた・・・やっちゃんと何してんの?」
「た、高須くん・・・?」
「・・・・・・・・・」
余裕で間に合わなかった・・・そりゃ玄関から居間まですぐだもんな・・・
どける事ができずに泰子を膝に乗っけたまま俺は・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Q 事情を知ってるはずの大河が指をバキボキ鳴らしながら近づいてきて、
櫛枝がなんの冗談も言わないまま固まっていて、
川嶋が周りの目も気にしないで素で俺を睨んでくるんですけど、どうすれば生き永らえる事ができると思う?
= 駄犬、まず土下座して私に許しを請え。その後泣きながら「俺には大河しかいないんだ」って言ってぎゅってしろ。
= た、高須くん? 私にゃちょ〜っと状況が掴めないんだけど・・・とりあえず今度お店に来たら盛っておくぜ、『いろいろ』。
= 手乗りも天然もどうでもいい。亜美ちゃんを蔑ろにはしないよね? ね? 高須くん? ・・・したらどうなるか分かってんだろうな、おい?
= た、高須・・・逃げぐおおおお!? ・・・お前と、裸でソフトボールがしたかぎゃあぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・
「うぉおう!? 一体何があった!?」
「きゃん!? ・・・・・・竜ちゃん、いたい・・・」
い、いつもの感じじゃなかった・・・何か恐怖の塊みたいなのに押し潰されてたような・・・それも3つくらい・・・
思わず大声を出して泰子を払いのけた俺に、大河達が訝しげな視線を送ってきながらも、急に訪ねてきた訳を語ってきた。
「ちょ、ちょっと竜児、なに言ってんの? 私はべつに帰ってき・・・やっちゃんのお見舞いに来ただけよ」
「私は高須くんが2日も学校に来ないから、てっきり悪の組織と死闘を繰り広げて重症を負って動けないと・・・」
「・・・櫛枝さんの冗談は置いといて・・・高須くん、お母さんがケガしたんでしょ? 亜美ちゃんに何かできることって、あるかな?」
矢継ぎ早に話しかけてくる大河達。どうやら俺を心配して家まで来てくれたようだ。
「そ、そうなのか? ・・・櫛枝も川嶋も、わざわざすまないな」
「・・・え? りゅ、竜児? 私も・・・」
「いいってことよ高須くん。私と君の仲じゃあないか!」
「そうだよ高須くん? 『すまない』なんてあたし達の間でそんな、水臭いじゃない」
「・・・・・・ありがとな、2人とも。お世辞でも嬉しいよ」
「・・・・・・・・・」
今までの人生で、風邪をひこうがケガをしようが、学校を休んだ俺を心配して家まで様子を見に来てもらった事なんて無かった。
生まれついての目つきのおかげで。だから、お世辞でも2人が言ってくれたことは素直に嬉しかった。
親指を立ててニッコリ笑ってる櫛枝と、いつもみたいに外面を作ってからかってくる川嶋。その横で・・・
「・・・・・・・・・」
大河がスカートを握り締めて俯いていた。
「・・・大河?」
そう言えば2人の相手ばっかりしていて、大河の話を聞いていなかった気がする。
大河は元々成り行きを知ってるし、櫛枝と川嶋に話を合わせてると思ったから後回しにしてしまったんだが・・・
悪いことしたなぁ・・・除け者にされたと思っているんだろう。
「大河も、ありがとうな」
「・・・べつに・・・私はやっちゃんのお見舞いに来ただけよ。駄犬のことなんて・・・」
「分かってるよ」
「ん・・・・・・」
言いながら頭を撫でてやる。口調はキツイけどさっきみたいな泣きそうな顔が引っ込んだから大丈夫だろう。
櫛枝と川嶋が黙って撫でられてる大河を信じられないって感じで凝視しているけど、ここで大河のフォローを怠ると後が恐い。
微妙な空気の中、俺が休んでる間に学校であった事を3人に聞こうとして・・・できなかった・・・
「ねぇ竜ちゃん? おともだち?」
・・・・・・・・・泰子が俺の肩にしな垂れかかりながら訊いてきたから。
なんで今そんなことを・・・一瞬で微妙だった空気が凍てついた。皆動きが止まったじゃないか。
いや、大河だけは撫でるのを止めた途端に俺を睨んでるけど・・・
「・・・・・・ク、クラスメートの櫛枝と川嶋だよ。大河と一緒によく話に出てくるだろ?」
「あぁ〜、大河ちゃんのおともだちのぉ。竜ちゃんのママの泰子で〜す。やっちゃんって呼んでね?」
泰子。自己紹介で俺と腕を組む必要なんて無いだろ? 無いよな? だから腕を解いてくれよ。
捻挫している手首はぶつけないようにしながら、両腕を器用に俺の腕に絡める泰子。
仕事柄慣れきってるんだろう。俺が気付いたときには完全に組まれていた。
「や、泰子? ちょっと腕を・・・」
「え〜? なぁに? 竜ちゃん」
さらにぎゅうっと俺の腕を締め付けてくる泰子。挟まってる! 挟まってるって!
「だ、だから、腕を放してほしいんだけど・・・」
「やだ」
やだって・・・・・・
大河は未だに俺を睨んでるけど、櫛枝と川嶋は困惑しきった感じで顔を見合わせている。
「・・・・・・友達が来てるんだ。俺だってもう2日も学校行ってないんだし、気になることだってあるんだよ。
それにわざわざ来てもらっておいて、お茶も出さずに放っておけないだろ。だから放してくれよ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・泰子・・・」
「・・・・・・・・・」
それでも腕を放さない泰子に、いい加減焦れた俺は大河達の方に顔を向ける。
「・・・・・・悪い、3人とも。来てもらったのに変なところ見せちまって」
「へ? あ、あの・・・高須くん? 私達べつに・・・」
「うん・・・亜美ちゃん達、気にしてないよ。だから高須くん? ちゃんと埋め合わせはしてくれるんでしょ?」
「・・・あぁ・・・本当に悪い。来てくれてマジで嬉しかった・・・このお詫びは絶対にするから・・・なんか、考えといてくれ」
こんなところはやっぱり察しがいいな、川嶋のやつ。
心苦しいけど、泰子が抱きついてる格好で櫛枝達と楽しく過ごせる訳が無いし、泰子が腕を放す気配が全然無い。
だから・・・メチャクチャ失礼だと自分で思うけど、皆には帰ってもらうことにした。
「・・・・・・竜児」
「・・・大河も、済まないな・・・来てくれてありがとな? ・・・(飯、できたら呼ぶなり届けるなりするから、悪いんだが・・・)」
「・・・・・・分かったわよ。・・・みのりん、スドバ行かない? ばかちーも来たけりゃ来れば」
「逢坂さん? 亜美ちゃんをハブにするなんていい度胸してんじゃねぇか? チビタイガーのくせに」
「うっさいわね・・・あんたは来なくてもいいのよ、プチメタボチワワ。行こ、みのりん」
「おっしゃあ! 今日はスドバのデザート制覇するぜぃ、大河! 行こう! ダイエット戦士の休日じゃあ!」
「テメェ手乗りタイガー! 誰がプチメタボだコラァ! あたしは食べても太らない体質だって言ってんだろ!?」
「じゃあ、行ってくるね、竜児・・・やっちゃんも、またね」
「高須くん、学校でねー」
「シカトすんな! ・・・あ、じゃあね? 高須くん、お母様」
「お、おぅ。またな」
何と言うかまぁ・・・女三人寄れば姦しいって言うけど、騒ぎながらうちを出て行く大河達を見て本当にそう思う。
川嶋なんて完全に地が出てたし。しかも最後お母様って・・・
それよりも・・・・・・
「・・・・・・泰子。なんでこんな事したか、ちゃんと説明してくれんだよな」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
俺はこっちを見ないままでいる泰子に、自分でも珍しいと思うくらい不機嫌さをあらわにした語調で話しかけた。
本当はもっと3人娘を暴れさせたかったけど別の機会に
次は多分佳境。水曜までには上げる予定です
何という修羅場
しかしやっちゃんなら結構ありえそう
これ竜児どうなるんだ(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
修・羅・場!修・羅・場!
GJッス!!
やっぱり可愛い息子が、他の女のモノになるのが嫌なのかな?
でもやっちゃんは若くて美人だから、まともに張り合ったら洒落にならん( ゚∀゚)
>>241-244 櫛枝君って
野球な弟の子か?
それとも、婿養子なの?
>>261-262 264-270
4月に春田君や木原さんたちに、同棲疑惑かけられてるし。
修学旅行のあと、学校で竜児が寝ぼけて『大河』と叫んだし。
すいません、初めて書いてみたのですが
無駄に長くなってしまったので、途中ですが投下してみます。
「ほら、男ならもうとっとと脱ぎなさいよ」
逢坂大河はベッドの端にちょこんと座って、気だるそうに俺へ催促をする。いや、命令をする。
「ちょ、ちょっと待てよ、大河…これって何かがおかしくないか?」
俺は、ある意味夢のような展開に戸惑いを隠せない。
だいたいこんなに事がうまく運んだことなんて俺の人生にはない。今回だって、きっと何か罠があるに違いない。
大河の事だ。全裸の写真を学校にばら撒くとか、
脱いだ瞬間に警察が突撃してくるとか、
終わった後に100億円請求されるとか、とにかく何かがあるに違いない。それに……
「た〜〜かすく〜ん、恐がることなんて何もないんだぜ〜」
櫛枝実乃梨はオーバーに手を広げながら、「冗談を言う時の顔」で俺に声を掛ける。
何で櫛枝までここにいるんだ。そして、何でこんなにかわいいんだ。
この無駄に強靭な理性と弱きさえなければ、今すぐ抱きついて色んなことをしているのに、ちくしょう。
「あぁ、わかった。あんた、自分のあそこに自信がないんでしょ」大河はそう言って、軽く嘲笑をしながら俺を見る。
「そ、そんな事ねえよ。別に自信があるわけじゃないけど…ないわけでもない」
「だったらもう早く脱ぎなさいよ。ってか女に何度もこんな事言わせんじゃないわよ、バカ」
「そうだよ高須く〜ん、これは千載一遇…いや、一万載一遇のチャンスなんだよ〜」
櫛枝は大河のイライラを打ち消すかのように、満面の笑みで俺のほうへ少しだけスリスリと寄ってくる。
こうやって櫛枝も大河派になった時は、大抵言われた通りにしてしまう。
櫛枝はいつも適当なことを言っているように見えるが、実はちゃんと考えていたりもする。
それを分かっているから、俺は「櫛枝が言うのなら」とズルズルと言われた通りにしてしまったりする。
もちろん、櫛枝は本当に冗談だけで言ってる時も、実は何も考えていなかったりする時もあって、俺は場合によっては後悔する時もあるのだが。
今回は一体、何を思って言っているのか正直検討もつかない。
「じゃあもういいわよ、駄犬が」大河がわざとらしくあくびをしてこっちを見る。
「もうこんな気二度と起こさないんだから。後から泣いて土下座してきても無駄だから」
「誰が土下座なんてするかよ」俺は意地になって言い返す。
「行こう、みのりん」大河は優しい声で櫛枝に声を掛ける。俺と櫛枝とで声を使い分けてやがる。
「う、うん」櫛枝は少しばつの悪い顔で返事をする。大河の機嫌の悪さを察してのことだろう。
それから少しの沈黙が続いた後、大河は荒々しく立ち上がり、ベッドに蹴りを入れる。
ベッドの中央でまだ体育座りをしていた櫛枝は、その揺れでゴロンと横に倒れる。
制服のミニスカートがチラッとめくれて、真っ白な無地のパンツが見える。
「うわ〜〜大河何すんだべさ〜」櫛枝はめくれたスカートを戻しながら言う。
「あ、ごめんみのりん…みのりんに蹴ったんじゃなくてね、このダメ犬に蹴ったんだけど」
「あぁそっか…ならば許〜す!」
「へへへ、ありがとみのりん」
二人のそんな会話も、耳で止まって脳にまで入ってこない。俺の頭は、櫛枝のスカートがめくれた時間で止まっている。
漫画なら間違いなく、俺は今鼻血を出しているであろう。俺は赤面しながら、無意識に櫛枝のスカートを凝視し続ける。
「このエロ犬が」そこで大河がさっきよりも強くベッドを蹴り上げる。震度6並の揺れがベッドの上で起きる。
「あ〜れ〜」櫛枝がゴロンゴロンとこっちへ転がってきて、肘を付いて横になっている俺の胸元に頭をぶつける。
「いてててて」櫛枝がおでこの辺りを擦りながら言う。俺のほうをゆっくり見上げて「ち近っっ」と驚く。女の子特有のシャンプーのいい香りが漂ってくる。
こんなに間近で櫛枝のことを見たのは初めてだ。部活で汗をかくからか、化粧はほとんどしていないように見える。
化粧もしないでこんなにかわいいなんて、奇跡、いや女神としか言いようがない。
俺はとっさに櫛枝の肩に手を回す。
「あへっ?」櫛枝が拍子抜けした声をあげる。
そのまま櫛枝の身体を自分のほうへ寄せる。もうどうにでもなれ。
ドカン、と大きい音がした。恐らく、この音は自分の身体のどこからか出たものに違いない。案の定、背中から激痛が走る。
「あんた、何してくれちゃってんのよ」大河が鬼のように睨みながら言う。「しかもあんた、今私の存在忘れかけてたでしょ」
「いやあ、それは…」返す言葉が浮かばない。
「その手、離しなさいよ」櫛枝の肩に掛かっている俺の腕を指差す。
「スースースースー」櫛枝はアニメでしか見たことのないような寝息で寝たふりを演じだした。逆に目立っている。
櫛枝の身体に触れて、俺の中で何かのスイッチが入っていた。
「関係ないだろ」思ったよりも強い口調になってしまった。「櫛枝ももう寝ちゃってるんだし」慌てて訳の分からない言葉を付け足してしまった。
櫛枝の身体がちょっとビクンとする。恐らく、冗談でやっていた寝たフリを引っ込みづらくしたに違いない。
「スヤスヤ、スヤスヤ」というパターンの寝息に変えた。熟睡を表現しているのか。何にしても余計にわざとらしいぞ、櫛枝。
「竜児がみのりんの身体に触るなんて、100年早いのよ」相変わらずきつい目で大河が言う。
「そうだぜ〜、続きは100年後にやろ〜ぜ〜」目を閉じたまま櫛枝は言う。恐らく今は何も考えていない櫛枝だ。
「俺が何やろうと勝手だろ」俺はもう今更引き返せない。「だいたい、さっきまで乗り気だったのはお前らだろ」
「そ、それはそうだけど…」大河が少し怯む。
「俺はこの一万載一遇のチャンスを掴むことにしたんだよ」
「あっそう…じゃあもう勝手にすればいいじゃん」大河が少し涙目になる。
それをごまかすように髪をバサバサと掻いてうつむく。「バカ犬…」
床に落ちているバッグを持って、そのまま急いで部屋から出て行く。
バタンとドアの閉まる音が部屋中に響き渡る。しばらくしてバキッという音がする。恐らく向こう側からドアを蹴ったに違いない。
「…ゲーム、オーバーですな」櫛枝がシリアスな表情を作って言う。
俺は相変わらず櫛枝の肩に手を乗せている。
近過ぎて、心臓のバクバクいってる音が聞こえているのではないかと一瞬不安になる。「放っとけばいいんだよ、あんなやつ」
「いいのかなあホントにそれで」真剣な表情でこっちを見ている。これは本音を言ってる時の顔だ。
「大河、高須くん誘ってる時、生まれたての小鹿みたいに手がプルプル震えてたんだぜ〜」
気付かなかった。いや、俺は大河の気持ちなんて考えようともしていなかった。
何か罠があるに違いないなどと疑っていた自分が少し情けなく思えてきた。
俺は大きくため息を付き、伸ばしていた足をくの字に曲げる。「大河、怒ってるよなあ」
くの字に曲げた膝が何か柔らかいものに挟まれた。何だろうと下に目をやる。
あぁ、櫛枝の内ももに挟まれてる。内もも!?
足をくの字にした時に櫛枝のスカートの中に膝が入ってしまったのである。
膝小僧の辺りには布のような、恐らく櫛枝のパンツであろう感触が伝わってくる。
「いきなり下を責めるなんて、お主、いい度胸をしておるな〜」
冗談めいた声を出しているが顔は少し赤くなっている。無理もないだろう。櫛枝だってこういう経験は初めてなんだから。
俺は「ごめん」と言いながらも足を戻そうとしない。
言うまでもなく、下半身はもうガチガチに硬くなってる。この機会を逃したら、俺は多分一生童貞だ。
膝をさらに櫛枝の股間に食い込ませて、少し上下に動かしてみる。
「ちょっと…」櫛枝が少し眉をひそめる。
「あんさん、膝で擦るなんて、聞いたことありまへんで」もっともな事を言われた。
俺はもう決心をした。今から櫛枝と、ヤル。
肩に乗せていた手を離し、櫛枝のあごに持っていく。
そのまま親指に力を入れて少し上を向かせる。
セックスの前にはまずキスをするという常識を俺はいつの間にかどこかで得ていたらしい。
ゆっくりと櫛枝の唇に近づける。櫛枝は何も言わず目を閉じている。
その時、ガタンという音とともにドアが開いた。
「駄犬がやっぱり発情してるわ…気持ちわる」大河が戻ってきた。
「何だよお前、帰ったんじゃないのかよ」
「忘れ物」
「あぁそう」
「どうぞお構いなく」そういうと大河は雑にバッグを床に置いて、ベッドに乗ってきた。「狭いからもっとあっち行きなさいよ」
「何だよお前、忘れ物じゃないのかよ」
「一々うるさいわね。寝るの忘れたのよ」
「何だよそれ」
「まあまあお二人さん。仲良く川の字で寝るのもオツなもんだぜ〜」櫛枝がまた絶妙なタイミングで声を掛ける。
「まあ、川の字なら大河が真ん中じゃないといけませんな」
「どういう意味よみのりん」大河は本当に意味を聞いた。
少しの沈黙ができた後、大河が口を開く。「で、気にせず続きやればいいじゃない」
櫛枝が俺の顔を見る。「え〜と、高須くんが私の股間にゴシゴシと膝を押し付けてきたところからですな」
バチンと大河に頭を叩かれる。「あんた、何してんのよ」
俺はひとしきり言い訳をした後、これからどうするべきかしばし考えた。
正面には横になった櫛枝が、背後には同じく横になった大河がいる。しかもベッドの上。
もう恥じらいなんて要らない。俺は心の中で「よし」と気合を入れた。
櫛枝の胸に右手をそっと当てる。
「うわああっ」不意打ちを食らって櫛枝はびっくりする。
「て、敵が…し、使途がAT、ATフィールド突破してきました碇司令〜」
いつもの冗談にも歯切れがない。確実に動揺している。
俺はそのまま右手に力を入れて、ギュッと胸をわし掴みする。
制服の上からでも柔らかい感触がちゃんと伝わってくる。
「お、お主…」少し間が空いて口を開く。
「ちょっと、高須くん本気?」素のトーンで聞いてきた。
今はふざけている余裕がないのかもしれない。
「冗談でこんな事するわけないだろ」
俺は左手も櫛枝の胸に持っていき、そのまま両手でゆっくり回すように揉んでいく。
櫛枝も観念したのか、目を閉じて、静かに行為を受け止めている。
押してみたり、下から持ち上げてみたり、強く揉んでみたり、とにかく櫛枝の胸の感触を味わった。
乳首の辺りを人差し指でカサカサと擦ってみると、櫛枝は顔を歪めて身体をビクンとさせた。ここが気持ちいいのか。
俺はここで2つの目標を立てる。
1つは櫛枝の乳首を立たせること。
もう1つは櫛枝にあえぎ声を出させること。
俺はひたすら乳首を集中攻撃することにした。
ずっと触っているお陰か、制服の上からでも乳首の場所はほぼ正確に分かってきた。
初めは人差し指で周辺をゆっくりなぞるように触っていく。
そして少しずつなぞる円を小さくしていき、最後は乳首に到着。名づけて焦らし攻撃。まずはこれを繰り返す。
櫛枝が息を押し殺して、ゆっくり鼻で呼吸をする。手ごたえありだ。
次は爪を立てて人差し指と中指でカリカリと乳首を擦る。
これには櫛枝も応えたのか、すぐに身体をビクンと動かす。調子に乗って、少し強めに動かす。
もう一押しで、櫛枝のあえぎ声が聞けるはずだ。カサカサと制服を擦る音がいやらしく響く。
時々身体をクネクネと動かすものの、なかなかあえぎ声を出さない。
仕方ないから、一度リセットという意味で胸全体を揉み直す。
やっぱり何度触っても最高の感触だ。しばらく弾力のある感触を楽しみながら、次にどうするべきか考える。
もう服を脱がすか?いや、制服の上からであえぎ声を出させることに意味があるんだ。
果たしてそこに本当に意味があるのかは不明だが、まだ服を脱がしてはいけない気がする。しかし一体どうすれば……そうだ。
俺は胸をゆっくり触りながら、ブラジャーのカップ部分の上に手を置く。
櫛枝は何?という訝しげな顔で少しだけこちらを見るが、また目を閉じる。
俺は制服越しにグイグイとカップの中に手を入れようとする。しかし乳首までは届かない。仕方がないので、下に強引に引っ張ってカップを下にずらす。
見事に成功。制服越しではあるが、何とか乳首をガードしているものを取っ払った。
うっすらと制服から乳首の出っ張りが分かる。ここだな。
俺はまずは周りからジワジワと触っていき、十分に布一枚越しの胸の感触を堪能した後、親指と人差し指で出っ張りをキュッと摘む。
「んぁっ」櫛枝が小さくあえいだ。俺の指にカチカチになった乳首の感触が伝わる。勝った。
「か、完敗だぜ」そう言って櫛枝はわざとらしく大きく肩を落とす。どうやら櫛枝も何かと勝負していたようだ。
俺はにっこりと笑い、次の段階へと進むべく、櫛枝のブラウスのボタンに手を伸ばした。
「あーあー暇なんだけど」後ろから大河の声がする。
あまりに夢中過ぎて、大河がいるのをすっかり忘れていた。
俺はどういう顔して大河を見ていいのか分からないので、背を向けたまましばらく硬直した。
ダルそうに大河のほうに振り返る。「お前、寝てなかったのかよ」
「エロ犬の鼻息がうるさくて眠れないわ」
「う、うるせえよ」
「だいたいねえあんた、それ以上胸ばっか触ってると、みのりんのおっぱいから母乳出るわよ」
「げっマジかよ」
「ふっ…嘘に決まってるじゃない。あんたそんな知識のままよくもまあガツガツとやれたわね」
「い、いいだろ別に」
「そもそも普通こういうもんはキスから始めるもんでしょ?それをまあバカみたいにハァハァしながらおっぱいばっか触って」
「お前、そんなに見てたのかよ」
「こんなに近くにいたらそりゃ目に入るわよ、ったくこれだから童貞犬が」
「うっせーよ。お前だって処女だろ」
俺の腹筋に小さな拳がめり込む。
櫛枝が俺の身体にちょこんと腕を乗せてこちらを覗き込む。
「おっとお二人さん、激しい前儀ですなあ」うしししっと本当に楽しそうに笑う。
「ではでは、私の役目はこれにて終了ですな」そう言ってズラされたブラジャーを元の位置に戻そうとする。
「あ、ちょっと待って」俺は反射的にそれを止める。
大河が軽蔑のまなざしをこちらに向ける。
「あんた、まだ揉み足りないの?」
俺は少し赤面する。「べ、別にそういう訳じゃねえよ」
「何顔赤くしちゃってんのよ。バッカじゃないの。あんたみたいのは一生スポンジでも握ってればいいのよ」
「何だよそれ」
「あ〜スポンジが汚れるわ。せいぜい丸めた雑巾ね」
「ちっ何なんだよ。お前さっきから突っかかってきてばっかだぞ」
「うるさい」
「とう!」櫛枝が突然立ち上がる。
「それでは、後は若い二人に任せて、お母様は帰るとしますかね。フォッフォッフォッ」
そう言って掛け布団を俺と大河にガバッと覆い被せてくる
視界が一気に真っ暗になる。俺はすぐにそれをどけようと身体を起こそうとする。
その時、手をギュッと強く掴まれる。
「痛って」強過ぎる握力に思わず声が出る。
「ちょっと、まだ行かないでよ」大河が少し怒ったような口調で言う。
「何でだよ」
「べ、別に理由なんてないけど」
俺はその時、大河の手が小刻みに震えていることに気が付いた。こいつ、もしかして…
俺はここでどうするべきか考える。ベッドの上で布団に包まって二人きり。これは俗に言う大チャンスというやつかもしれない。
しかし相手は大河…もちろん何もやりたくない訳ではない。俺も男だ。したいに決まっている。
何より、毎日一緒にいて、そういう対象として見ていなくても、大河のかわいさには十分気付いている。
ある意味、憧れのような気持ちもどこかにあったのかもしれない…
しかしそれを認めたくはないし、そんな事口が裂けても言えない。
だったら……俺は大きな賭けに出ることにした。
俺はゆっくり深呼吸をして、大河の顔があるであろう暗闇を一直線に見る。
「大河、お前俺とHしたいか?」剛速球ドストレートな球を投げる。
「…へっ?」当然面食らっている。
「だから、大河は俺とHしたいか?」
「はぁ?バカじゃないの?駄犬が何言っちゃってんのよ」
「だって、お前さっきだって乗り気だったじゃねえかよ」
「あ、あれはみの、みのりんと一緒に冗談言ってただけじゃない。真に受けないでよ」
「そうか。じゃあ俺は櫛枝のとこにもう行くぞ」俺は身を起こそうとする。
「ちょ、ちょっと待って」大河がそれを止める。
沈黙が続いた後、大河がボソボソと何か言う。
「何だよ」俺は聞き返す。するとまたボソボソと何か言う。
「何だよ?言いたいことあるならはっきり言えよ」
「…だから、竜児が私とHしたいんなら別にしてやってもいいわよ」
もしかして、とは思っていたが、実際にこんな答えが返ってくると、やっぱり焦る反面嬉しさも込み上げてくる。
しかしだからと言って、手放しで喜ぶわけにもいかない。それに相変わらずの上から目線もどうも納得いかない。
「俺は、別にどっちでもいいけど」
「わ、私だって、別にどっちでもいいわよ」
再び沈黙が続く。恐らく、どっちも向こうの口から言わせようとしているに違いない。
こういう駆け引きの時はいつも俺のほうが折れる。しかし、今日こそは…
ここはもう何としても大河の口からハッキリと「俺とHがしたい」と言わせたい。
そうすれば、この先どれだけコキ使われようと密かに優越感に浸れる気がする。
「んで、どうすんだよ?」俺は気がなさそうに聞く。
「だから、私はどっちでもいいってさっきから言ってるでしょバカ犬」
「俺もどっちでもいいんだって」
「だったら男のあんたが決めなさいよ」
「こういう事こそ、女性の意思を尊重すべきだろ」
「ちっ」と大河が舌打ちを打つ。
一呼吸置いて大河が口を開く。「竜児と…Hがしたい」
よっしゃ。俺はそれを聞いた瞬間、思わず笑みがこぼれる。
「…なんて言うわけねえだろおおおおおおおおおおお」至近距離で大河のばかでかい声が響く。
「だいたいさっきから…あんたの股間から硬いもんが当たってんのよ。私の太ももに」
俺は何も言えない。
「そんなもん押し付けといて、何が俺はどっちでもいいのよ。笑わせんじゃないわよ、この発情犬が」
俺は何も言えない。
「んで、あんたは私とHしたいの?したくないの?どっちなのよ」
「したいです」
「何?聞こえない」
「大河さんとHがしたいです」
「よろしい。初めからそう言いなさいよ全く」
「じゃあ私はここで寝てるから、全部自分でやりなさいよ」大河がいつもの口調で言う。
「全部自分って…」俺もいつもの口調で返す。
「いいわね?」
「わ、わかったよ」
こんな会話前にもしたな、とふと思う。あぁそうだ、こないだの大掃除の時だ。あの時も結局…
フワーと大河が大きなあくびをする。「早くしないと、私眠っちゃうから」
俺はごくりと唾を飲む。「じゃあ、行くぞ」
しかし真っ暗で何も見えないため、どうすればいいか分からない。
まず、最初はキスだよな…俺はとりあえず手探りで口を見つけることにした。
握っていた手を離し、身体をポンポンと叩いて確認しながら、顔のほうへゆっくり手を持っていく。
しかし、いまいちどこに手を当てているのか分からない。
「わりい暗くて全然わかんねえ。今肩の辺りだよな?」
「胸だバカ」大河の舌打ちが聞こえる。
「ごめんごめん、なんか平べっ…」暗闇の中、大河の拳が僕のあごを確実に捉える。
「それ以上言ったら、殺す」
俺は何とか手探りの状態で顔まで到達する。
えーと、口はここらだよな。ペタペタと顔を触る。
人差し指がプスッと何かに入る。
「痛ったあ、そこ鼻の穴だドアホオオ」
「はぁぁ…」大河が深い深いため息をする。
「ったく、口はここよ、ここ」ガシッと顎を掴まれて顔を上に引っ張られる。
「私にやらせんじゃないわよ」大河の息が俺の口に掛かる。
大河の口が俺の口の目の前にある。その距離、多分3センチくらい。
俺はまた生唾を飲む。と同時に、大河のほうからもごくんと唾を飲む音が聞こえてくる。そしてそれをごまかすかのように、わざとらしく咳き込んでいる。
「じゃあ、するぞ」
「うん…」
俺はゆっくりと顔を前に近づける。
「ま、待って…」大河が止める。
「なんだよ」
「さっき…」
「さっきが何だよ」
「さっき…みのりんとキスしたの?」
「はぁ?してねえよ」
「あっそ…じゃ、じゃあ竜児は今まで誰かとキスしたことあるわけ?」
「ねえよ」
「ふ〜ん。私も、私もね、ないから」
「そっか」
俺は唇をそっと近づける。唇と唇が触れ合う。大河の唇の柔らかさが伝わってくる。
キスって、こんなに気持ちいいもんなんだ。
俺はそのまましばらく静止する。
そして恐る恐る舌を唇の中に入れようとする。大河がそれを受け入れる。
俺の唾液と大河の唾液が絡み合う。ネチョネチョという音が、布団の中に響く。
息が苦しくなってきたところで口を離す。
二人ともプハーーとすぐに息をする。
何となく恥ずかしいような気まずいような沈黙が続く。
「うえっあんた今日野菜炒め食べたでしょ」
「食ったけど…お前もだろ、同じ弁当食ってんだから」
「わ、私はご飯の後歯磨いたもん!」
これ以上言うとまた殴られそうな気がしたので何も言わない。
それにしても、口を離してもまだ何故か息苦しい。そうか、布団の中の酸素が無くなってきてるんだな。
「大河、ここもう息苦しくねえか?」
「うん、たしかに」
俺たちは布団をバサッと投げて外に出ることにした。
《《 続く 》》
今回は以上です。
長々と失礼しました。
>>261,296
あんたら・・・最高だよ・・・・・
早く続きを投下してくれないと風邪ひいちまう
結局、竜児が折れるような展開は飽きたな。
たまには強気で行って欲しい。夢オチや凌辱の類でなく。
>>311 そうなるとハーレムになるからな
いや、ハーレムは好きだけど
>>308 なに!?そこで切るとは、なんという生殺し
ともかくGJ!
>>312 竜児のハーレムって…
「お前らの身の回りの清掃は俺が全てしてやる!」
こんな感じにしか考えられない
アパートの管理人さんな竜児か…
似合うな、天職といってもいい
竜児が管理人で店子がヒロイン+やっちゃんとか
アパートと言うより下宿みたいな雰囲気だな
こんにちは、お久しぶりです。
SSの保管についてのご相談なのですが、以前多数投下されたコピペ改変SSは保管した方がよろしいでしょうか?
コピペの改変という事で苦手意識、または嫌悪感などがある方もいらっしゃると思います
皆さんの意見を聞かせてください。
いらん
いつも乙です
コピペまで保管しだしたらキリがないかと
いらね
保管庫に入れた方がいいと思う
コピペだから知らなかった人が同じネタを投下しないとも限らないし
小ネタまたはコピペと注意書きすればいいんだし
個人的には、改変コピペまで保管する必要はないかと思います
小ネタなんかはともかく、コピペはさすがにいらないんじゃないかと
賛成多数で可決されました
325 :
119:2008/11/29(土) 19:57:23 ID:W3ysix88
どもども、
>>119です。
<花二本目>が完成したのですが・・・すげぇ長くなってしまったorz
グダグダに思えるかもしれないのですが、どうか見てやってください。
全8スレの予定。
326 :
119:2008/11/29(土) 19:58:30 ID:W3ysix88
<花二本目>
「あ、お早うございます」
「お、おう」
「はよーざいあーす」
「…おう」
後輩襲撃事件から二日。何というか、高須竜児は困っていた。
今朝、いつも通り大河を起こしに行って高須家で一緒に朝食をとる。その時に大河から
「今日は、別々に登校ね。わかった?竜児」 と言われた。
別に一緒に登校できないからといって、何も騒ぐことはないが、少し気になったので竜児は疑問を口に出した。
「いきなりどうしたんだ?俺、何か気に障ることしたか?」
…原因がすぐ自分にあると考えるあたり、この男の性格がしれる。この過小評価な性格のせいで周り(特に女の子)は多大なる被害を被っているのだ。
「別に。ただみのりんがちょっと話したいことがあるからって」
そう大河に言われてしまうと竜児はそれ以上、質問を重ねるわけにもいかず。
「おう、わかった」
と、了承の返事をした。何か大河が、ぶつぶつ言っていたが声が小さくて聞き取れなかった。
「…あ、そうだ。大河」
「だいたい何で放送なんかでちゃうのよあの放送がなかったら今だって安心して…何?竜児」
「お前、最近いつも顔赤いけど、どうしたんだ?風邪か?しかも、起こしに行ってもすでに起きてて、準備万端だし」
「…!う、うるっさい!この駄犬!!わ、私がどうしようと私の勝手でしょうが!!」
「いや、風邪ひかれたら困るだろうが。お前のことが心配なんだよ」
「…!!!」 大河がフリーズする。
「お、おい、大河?大丈夫か?学校いけるか?やっぱ大事をとって今日は休んだほうが…」
「うるさーーーーい!!!早く学校行きなさいよ、ばか竜児!!」
そう追い出されるように家を出たのだ。ちなみに、大河が実乃梨と話があると言っていたから、いつもの登校ルートも変えている。
ふっ、さすが俺、『気遣いの高須』。そう竜児が一人悦に浸っていると
「おはようございまーす」
声をかけられた。
今、誰に挨拶したんだ?いや、でも周りに人はいないし。もしかしなくても、俺か?何で見知らぬ男子(おそらく一年生)に俺が朝の挨拶をされるんだ?
テンパリながらも、「…お、おう」と、返す。
その男子は何事もなかったかのように、自分を追い越していった。
いや、やはり俺の勘違いだったのだろうか…?でも、本当に自分の周りには人がいないのだ。だからあの挨拶は確実に自分に向けられたものであって…
ステータス・状態異常『混乱』で竜児が出した結論は。
『あの一年生(おそらく)がとても気のいい奴だったんだろうな』だった。
そう一応の答えを出しておいて、また竜児は歩き始める。こんなヤンキーみたいな俺にも挨拶をしてくれるいい奴はいるのだ。そんな奴に朝から会えた俺は、今日ついてるんじゃないか…
と、つらつら考えながら歩く竜児は、まったくもって甘かった。そりゃもう甘かった。
学校に近づくにつれ、自分に向けられる挨拶は増え、そこで冒頭につながるわけである。
327 :
119:2008/11/29(土) 19:59:01 ID:W3ysix88
何がどうなってるんだ?
混乱と戸惑いの極みの竜児の頭の中は、この一言が占めていた。
この俺が。生まれつきの目つきの悪さで、恐れられるのが常なこの俺が。もしかして、『下級生から慕われている』?
いやいや、ないない、それはないから。冷静に判断を下す自分がいる。
この、血もしたたたるような、とか射殺すような、と言った言葉がピッタリの面の野郎がどうしたら人に慕われるというのだ。
でも、それ以外どうすればこの状況に説明がつく?この奇妙奇天烈摩訶不思議な状況に一体どういう説明が…
「お早うございます、先輩」 まただ。
「…おう、おは!?お前か!!」
「朝も早いうちから、失礼ですね先輩。私でも傷つきますよ」
「あ、それは悪い…」
ラジオネーム K・Yだった。というか、今更だが名前を知らない。ゆえに、目の前の人物をK・Yと呼ぶしかない。
だが、今の竜児には後輩の名前などどうでもよいのだ。飛んで火に入る夏の虫。今は冬だが。目の前の『貴重な情報源』からいくつかこの事態に説明のつく事柄を…!
「なぜか、今日は異常に下級生から挨拶をされるんだが、お前何か知らないか?」
言って、自分で馬鹿なことを言っている、と感じた。大体、下級生全体の思惑などその中の一人でしかない彼女が知るはずも
「あ、それはですね。先輩のイメージが今うなぎ登りだからです」
……。
「は?」
「?そんなに不思議なことですかね?そもそもあの昼の放送で先輩の印象はガラッと変わりましたし。私の友達にも『今、胸がキュンってした…』って言ってる子がいましたし」
「いや、ええ?キュン…?」
「はい。それで一年生全体がそんな状態の時に、私が一昨日のことを語ったものだからもうすごくて」
「…語った?一昨日?」
「はい。本当にすごかったですよ。友達にしか話さなかったのに、次の日には一年生ほとんどが知ってましたから」
すげぇな、女子。口の軽さ的な意味で。
「それでもう、先輩の株がすごい上がってしまって。なので、今日はそんなに挨拶されるんだと思います。ようは、みんな先輩のことを慕ってるんですよ」
そういって、K・Yは颯爽と校舎に入っていってしまう。残された竜児は放心状態で
「ありえねえ…」 と呟いた。
328 :
119:2008/11/29(土) 19:59:32 ID:W3ysix88
それから、校舎に入ってクラスまで行く途中に、いろいろな人から「おはよう」を貰った。
先輩だったり、同輩だったり、後輩だったり…要するに全員である。
竜児が誰かとすれ違うたびに、すれ違った人は「あ、おはよー」なんて声をかけてくるのだ。
…正直うれしい。やっと、本当にやっと、自分がヤンキーではないとわかってもらえたのだ…!!と微妙にずれた喜び方だったが。
竜児はご機嫌だった。―教室に入るまでは。
「鼻の下を伸ばしてお喜びのようねぇ、だ・け・ん…?」
うわーい。手乗りタイガーがご立腹でいらっしゃる…。
大河の後ろからゴゴゴゴゴゴゴ!!と黒い何かが吹き出ている。…なぜこんなにこいつは怒っているのだ?
「…いいじゃねぇか、別に!!やっと、本当にやっとだぞ!?ようやくみんなに俺がヤンキーなんてもんじゃないとわかってもらえたというのに、それのどこが不服なんだ!!」
「別にあんたのイメージなんてどーでもいいのよ、私は。私が言いたいのはね、ちょっと下級生に言い寄られたからって、あんなだらしのない顔を見せないでちょうだいって事」
「俺が、いつ鼻の下を伸ばしてたっていうんだよ!!」
「この教室から、あんたと一昨日の女が話してたのが見えたのよ。ね、みのりん?」
その言葉に、思考が止まる。
「いやー、高須君。こういっちゃあなんだけど…デレってたね!」
そう、竜児の肩をぽんと叩きながら実乃梨が後ろから出てくる。
みのりのこうげき!
つうこんのいちげき!
りゅうじはしんでしまった!
おお、りゅうじよ。しんでしまうとはなさけない。
…はっ!あまりのショックに意識が飛んでしまっていた。
どうやら大河と実乃梨は竜児の意識が飛んでいた間も、目の前で竜児について語っていたようだ。
二人でやいのやいの言い合っている。お前らなぁ…と思っていると、
ふと、違和感を感じた。いつもならここに川嶋もいるはずなのだ。それが今日は姿が見えない。あいつ、どこいった?と周りを探すと、一人ぽつんと席に座っていた。
余計に違和感を拭えずに、川嶋に声をかけようとすると。
――妙に真剣な瞳と目があった。そして川嶋は何も言わず、竜児から目をそらし教室から出て行く。
その姿が妙に寂しくて、竜児は言いようのない胸騒ぎを覚える。急き立てられて追いかけようとすると
「ちょっと、竜児!!聞いてるの!?」 大河に引きとめられてしまう。
胸の中にすっきりしない思いを抱えながらも、「いや、悪い。聞いてなかった。すまん」と答えておく。
大河もその竜児の様子に何かを感じたのか「竜児?どうかしたの?」と尋ねてくる。
いつのまにか実乃梨も竜児を真剣な様子で見つめている。
「いや、少し気にかかることがあっただけだ。別に大丈夫だから」
そう。今日の朝はいつもの日常と違っていたのだ。
――川嶋亜美が絡んでこない、という点で。
329 :
119:2008/11/29(土) 20:00:48 ID:W3ysix88
昼休み。考えがあって、休み時間のたびに弁当を少しずつ食べていた竜児はみんなより一足先に食べ終わる。
「飲み物買ってくる」
と、みんなに言って教室を出る。どうしても、一人だけで行きたかったのだ。それは、朝の違和感の正体を確かめたかったからに他ならない。
そして竜児が目的地――自動販売機――に到着すると、やはり目当ての人物もそこだった。
昼休みのチャイムが鳴った瞬間に教室を一人で出て行った、川嶋亜美が自販機と自販機の間にしゃがみ込んでいた。
「おう、早いな、お前。ちゃんと飯食ったのか?」
竜児がそう尋ねると、亜美はうっとおしそうに答える。
「別に、関係ないじゃん。高須君には。…ていうか、そっちこそ何でこんなに早いの?もしかしてストーカー?」
「ストーカーじゃねぇよ。ただ、何て言うか、朝のお前の様子が気にかかってだな…」
そういうと、ますます亜美の機嫌が悪くなる。
「は?何で高須君にあたしが心配されなきゃいけないの?まじでキモイんだけど」
「な…おま、キモイとか言うなよ!!俺だって傷つくんだぞ!?」
わざわざ早弁までしてこの場所に来た自分に、この仕打ち。ジーザス、神は死んだのか。
「お前が意味深な行動をとるから、気にかかって来たんだろうが!」
「別に、亜美ちゃんそんなこと頼んでないし。ていうか、それ高須君の勘違いだから。わかったらさっさとどっか行ってよ」
うおおおお…!!と怒りにもだえる竜児に、容赦なく亜美は言葉の矢を放つ。
この野郎、人の優しい気持ちを…と、竜児が言葉を続けようとその凶眼で目の前の人物を見据えると
妙にその存在が小さく見えた。しゃがんでいるからかもしれないが、確かにそう感じた。その印象がいつもの『川嶋亜美』とはかけ離れていて。
それこそ――儚げ、といったような、そんな風に見えてしまったのだ。
「…何、急に人のことじーっと見て。さっさとどこか行ってって言うのが聞こえなかったの?」
「川嶋」
竜児が突然名前を呼んだことで、亜美が訝しむ。その顔で、何なのこいつ?、と思っていることが丸わかりだ。
けれど、竜児はなぜか亜美がそのまま消えてしまいそうな気がして。その不安をぬぐうためか、口から言葉が飛び出してくる。
「―――お前、ここからいなくならないよな?」
「どこにも行くな。いや、行かないでくれ。これからの学校生活にお前がいないなんて、そんなの、俺は嫌なんだ」
330 :
119:2008/11/29(土) 20:01:32 ID:W3ysix88
…沈黙。言い終わった途端、竜児に恥ずかしさがこみ上げてくる。顔が上げられない。勢いに任せてつい出てしまった言葉だが、もしかすると今俺はものすごく痛い奴なのでは…!!
川嶋もうつむいたまま顔を上げないし、やばいこれは取り返しのつかないミスを
「…何で、そーゆうとこは鋭いかなぁ?」
その言葉に竜児は驚き、恥ずかしさも忘れてガバッと顔を上げる。目の前の女の子は、あーあ、といった感じで苦笑していた。
「本当、高須君って気づいてほしいことは気づかないのに、気づいてほしくないとこには気づくよね」
「…どういう、意味だ?それは、お前がどっかに行くっていうのを認めたのか?」
「まぁ、ね」
そう、何でもないことの様に亜美は言う。急な告白についていけていない竜児に言葉を重ねる。
「元から、一学期が終わったときに、学校やめるつもりだったの。ストーカー騒ぎのほとぼりが冷めたら前の学校に戻るか、通信教育か、って」
だから別に特別な事情で、とかじゃないよ――と言う。しかし、それならなぜ冬になってもまだ亜美がこの学校に通っているか、竜児にはわからない。
もちろん、竜児は亜美がさっさと転校すればよかったのに、何て思っていない。それでも疑惑の意志が表情に出ていたのか、亜美は続ける。
「一学期が終わったときは、もうちょっとここでやってみようって思ったの。ここでみんなと一緒に過ごしたら、あたしも何か変わるかもって」
「…何で、今はそう思えないんだよ。俺は、ちゃんと変わってると思うぞ」
そうだ。亜美は以前と比べてずっと変わった。少しずつだけど素を出せているし、木原や香椎は当然、それに大河や実乃梨とだって随分仲良くなっていたように思う。
それは、転校してきたばかりの頃の亜美からは想像できないほどに。それなのに、なぜ『転校しよう』などと思うのだ。
「――変わっちゃったから、だよ。高須君」
「はぁ?何でそうなるんだよ?お前、変わりたいから残ったんじゃないのか」
意味がわからない。すると、亜美は独り言のような口調で話し始める。
「転校してきたばっかりの時は、自分がこんな風になっちゃうなんてわからなかった。二人で欲しがってるようなものを自分も欲しいと思うようになるなんて。
でも、それでも欲しいと思ったのよ。――だけど、最近になって気づいちゃった」
あたしって、すごい邪魔な存在だって。
「あたしが、無理に入ろうとするから余計にこんがらがっていって。途中から出てきたやつが、何で場を乱してるの?って自分で冷静に思っちゃった」
だから―と締めくくる。
「高須君は、あたしの事を気にしなくてもいいよ。全部あたしが招いた当然の結果だもん」
そう言って、ごめんね?なんて似合わないことを言う。だけど、その顔はとてもつらそうで――。
331 :
119:2008/11/29(土) 20:02:05 ID:W3ysix88
「川嶋」
「何?もう本当に話す事は何も…」
「くらえ」
そういって、竜児は渾身の力で亜美にデコピンを決行した。
「〜〜〜〜!?いっったぁぁぁ!!何なの急に!?ていうか、モデルの顔に何してんの!?意味わかんないんだけど!!」
相当痛かったのか、立ち上がり自販機の間から出てきて竜児に詰め寄ってくる。
「るっせぇ、この野郎」
竜児の突然の行動(デコピン・会心の一撃)に当然のこととして亜美は抗議の声を上げるが、竜児のただならぬ様子に困惑する。
「馬鹿か、お前。いやそういや、ばかちーだったな」
「…!!な、何でそんな急にキレてるのよ!!ていうか、馬鹿とか高須君にだけは言われたくないんだけど!?」
「いいや、お前は馬鹿だ。大馬鹿だ。何て言うか、すごくいたたまれないレベルで」
「何でそんなこと言うの!?私だって色々悩んで、本当に悩んで、それなのに――」
「自分は邪魔者だ、とか、勝手に決めつけてんじゃねぇよ!!」
竜児はそこに怒っていた。いや、激怒していた、と言ってもいいかもしれない。目の前の少女は、勝手に自分で気まずくなって、最悪な形で自己完結した。
そこがどうしても竜児には許せなかった。川嶋が、亜美が、誰かにとって邪魔でしかない、などという妄言が。
「お前が邪魔者だ、なんて誰も思ってねぇに決まってんだろ!?木原や香椎とか、めちゃくちゃ仲いいじゃねぇか!!」
「別にあの二人は今回の事とは何も関係ないし!!何でそんな」
「大河や櫛枝とだって、仲良くしてただろ!!」
「――!!今このタイミングでそれを言う!?信じられない!!あんたなんか…!!」
一際大きくなった亜美の声に、竜児は、川嶋が悩んでいる原因はそこか、と当たりをつける。
「何で、そこを拒絶するんだよ。誰がどう見ても、お前ら仲良かっただろ」
「〜〜何でそんな事平気でいえるの!?こうなったのも、あんたが原因の一端じゃん!!あんたが自分の気持ちをはっきりさせないから…!!」
「俺は、櫛枝実乃梨に、好意を持ってる」
言った瞬間、亜美が固まる。泣き出しそうな顔で、気づきたくない事に気づいてしまったというような顔で。
だけど、まだ続ける言葉が、竜児にはあるのだ。
「そして、逢坂大河を守ってやりたい、とも思っている。あいつは、びっくりするぐらいのドジだし、『一人でできる!!』なんて言いながら傷だらけになるやつだから」
「…はぁ!?何それ、高須君ちょっとおかしいんじゃ」
「それに!!」
――川嶋亜美という女の子を大切にしたい、とも思っている。
332 :
119:2008/11/29(土) 20:03:06 ID:W3ysix88
「…何、それ」
呆然と、亜美が呟く。
竜児は当たり前の事のように言う。
「確かに、おかしいのかもしれない。だけど、これが俺の今の気持ちなんだ。櫛枝のことは好きだ。それこそ一年近く想ってきたしな。
…だけど、それと同じくらい大河を守りたい、とも、お前を大切にしたいとも思ってる」
ようするに、ベクトルだ。それぞれの矢印は見当違いの方向に飛んでるのかもしれないが――大きさはどれも負けず劣らずで。
「俺はこの気持ちは、偽りじゃない、と言える。櫛枝のことを好きで、大河を守りたくて」
そして亜美を大切にしたい、というこの気持ちは。
「お前、完全に素を出せるのなんて、男じゃ、北村か俺ぐらいだろ。女同士でも猫かぶらなきゃいけないときはあるだろうし、そういう時に、愚痴でも聞いて楽にしてやりたいって思うんだ」
川嶋亜美という少女は、大人のような目線を持ってるけど――だけどやっぱり自分と同じ高校生なのだ。
「場がこんがらがったなら、俺がほどく。こうみえても、手先は器用だからな。頑張ってみる」
そうやって語りかける竜児に、亜美は呆けた顔で、「…どうしてそこまでしてくれるの?」とこぼす。
それを聞いて竜児は苦笑しながら言う。
「だから言ったろ、川嶋。
――俺はお前を大切にしたいんだ」
そう言うと、亜美は顔を真っ赤に染めてみせた。
333 :
119:2008/11/29(土) 20:03:42 ID:W3ysix88
「お前、もう『転校する』なんて言うなよ」
「わかったって、しつこいなぁ。高須君それ何回言ったと思ってるの?」
「三回しか言ってねぇよ」
「…うわぁ、自分の発言数えてるし。高須君、そういうの引くからやめた方がいいよ?」
「お前は調子が戻ったら、すぐ俺を傷つけるよな!!」
「え〜?そんなことないけどぉ?」
そう言い合いながら、自分たちの教室に戻っていく影二つ。その姿は、双方に気安さがあって、楽しそうだった。
「あ、そうだ。高須君」
「何だよ」
「教室に戻ったら、高須君の口から『川嶋も本格的に参戦するから』って、タイガーと実乃梨ちゃんに言っといて」
「…また、よくわからん指令を」
そして、休み時間ぎりぎりで帰ってきた二人に大河と実乃梨が詰め寄り、竜児の口から出た言葉に障気をまき散らすのは、別のお話。
<花三本目に続く>
334 :
119:2008/11/29(土) 20:04:56 ID:W3ysix88
以上!!
今回は亜美のターン。
もうわかったかもしれないけどラストはみのりんwww
ご希望の竜児初ラブレターとかお便り二人目とかは次に入れるつもり
335 :
119:2008/11/29(土) 20:10:48 ID:W3ysix88
>>325 スレって何だ俺・・・
どんだけ長編だよ。うわー、すげぇ死にてぇorz
天然ジゴロw
>>325 GJだ
だが亜美とのカラミはやっぱりオリジナルが欲しかった気もするぜ
しかしサブでも大河は可愛いな
これは刺されるぞw
この全自動口説きマシーンが!
GJ!!
ちょw竜wおまww
なんだ亜美か
>>325 なんというハーレムGJ!
もちろん、全8スレの超大作期待してます
…残り7スレと992レス
なんか竜児×亜美って同じような展開ばっかだな
GJ!!!
さぁ早く三本目を書く作業に戻るんだ
>>325 おちゅ!
竜児が人気になって嬉しいし、原作に沿ってるのも良いし
何よりも竜児のキャラがあんまし崩壊してないのが良い!
>>343 お前の言う同じ展開じゃない展開ってどんな感じなんだ?
>>345 ただ亜美を批判したいだけなんだから構うなよ
俺亜美のは読んでないから知らんけど
俺は亜美ちゃん好きだよ、だからこそそう思った
やっぱ竜児は原作の展開からして亜美ちゃんと絡ませづらいんだよなぁ…
雪貞の方が書いてて動かしやすいし、いっそのこと雪貞がとらドラメンバーの学校に入学してて
同じ学年だったらのifで雪貞×亜美とか書いてみようかな…どう思う?
>>348 いいんじゃね、俺は読みたい
ただ、一応寝取られになっちゃうだろうから、投下前に一言書いておいてくれるとありがたい
>>347 こんにちは、麻生太郎です アンチだからね
雪貞って誰?
田村くんの方が好きな俺を怒らせたな
絶対に許さない、顔も見たくない
>>348 個人的には正直いらねw、、もちろんお前さんが書きたいなら書くべきだと思うが
相変わらずの投下ラッシュだな
職人GJ
>>353 「顔は見れないだろうw」と突っ込めばいいのか?
まあ確かに田村なら目の前で困ってる姿を見せさえすれば
突っ走らずにはいられない奴だから話は作りやすいんだろうが
結局最終的には第二の相馬を作り出すだけの結果に終わるんじゃないかって気もするんだよなあw
雪貞と亜美の方が絡ませ辛そうだと思うのは俺だけだろうか
どうせifにするなら亜美提案の関係リセットした設定とかで書いても良いと思うけど
もしくは亜美と大河の立場が入れ替わったようなifとか
無理にクロスさせるよりもやりようがありそうな気がするけどな
俺は書けないけど
>>348 いらねぇ
見たくねぇから投下するんだったら前置きだけはちゃんとしといてね
>>353 金村乙
クロスは個人的に要らないかな。オリジナル要素が強いSSは痛すぎる。
>>348 雪貞が童貞に見えたw
>俺は亜美ちゃん好きだよ、だからこそそう思った
>やっぱ竜児は原作の展開からして亜美ちゃんと絡ませづらいんだよなぁ…
>童貞の方が書いてて動かしやすいし、いっそのこと童貞がとらドラメンバーの学校に入学してて
>同じ学年だったらのifで童貞×亜美とか書いてみようかな…どう思う?
要るとか要らないとか言い始めたら、せっかくの投下祭り終わってしまうがな・・・
苦手ならだまってスルーじゃダメなんかい君ら
いや、どう思うって聞かれてるのにスルーじゃ駄目だろ
亜美は竜児以外の男とくっつくの嫌なの俺だけ?
もうSS職人の勝手にしろよ!!どんなSSでも受け止めてやるよ!
そろそろ相馬×田村を…
ワシもどんなSSでもいいぞ
キャラ崩壊しても、思いっきりif、リセットでも
面白ければよい、許す だが
保管庫管理人さんからの質問も忘れるな
>>317 俺もいらんかなーとは思う
竜児×伊欧はギリギリクロスじゃないよね
370 :
297:2008/11/30(日) 01:16:06 ID:09uFOWRh
「17分51秒。なかなかいいタイムですな」櫛枝がニコニコしながら腕時計を見るフリをして言う。
「さぁ、次は世界新を狙ってくるのだ〜」シャキーンと人差し指を俺たちに向けてくる。
俺と大河は目を合わせる。二人とも恥ずかしくなって、目を逸らす。
俺はこの後、どうするべきか考える。
というか、今日はどうするべきかばかり考えている気がする。
この状況じゃ無理ないか。
とりあえず、いや、とりあえずという言い方は失礼だな。
ここまでやったのなら大河と続きをやるべきだろうなやっぱり。櫛枝もああ言ってるし。
俺は横に座っている大河を寝かす。
「うわわわわあああ。布団は?布団の中は?布団の中じゃないのか〜〜い」櫛枝が慌てる。
櫛枝は手で目を覆いながら「もういいかい、ま〜だだよ」と小さい声で繰り返し言う。
大河は仰向けになってキョトンとしている。
俺はゆっくり大河の胸に手を伸ばす。
手をパチンと弾かれる。
「胸は触んじゃないわよ」大河がこっちに鋭い視線を向ける。
そうか、こいつ胸に相当コンプレックスあるんだよな。
しかもさっき余計なこと言っちゃったし…これはどうすればいいのか。
「そんな事言ったって、胸触れなきゃ、先に進めないだろ」俺はなだめるように言う。
「そうだけど…それでも嫌なの」大河は歯がゆそうに言う。
「別に笑ったりしないからさ」俺はもう1度大河の胸に手を伸ばす
「だから胸は嫌って言ってんでしょぉ」さっきよりも強く手を弾かれる。
「あぁそうかよ。じゃあもういいよ」
俺は大河の態度にかなりイラッとくる。
なんだよ、人がせっかく恥を捨ててまでやってるのに…
俺はまたこの後どうするべきか考えなくてはいけない羽目になった。
「もういいかい、ま〜だだよ」を繰り返してる櫛枝が目に映る。
えっと、さすがにこの後すぐに櫛枝に行くのって、人としてダメだよな…
でも待てよ。もう3人でこんな事してる時点で今更何しても同じじゃないか?
むしろさっきの途中でやめたまま終わったら、櫛枝に失礼じゃないか?
うん、失礼だ、多分。いや絶対……これが男の悲しい性か。
俺は自分で自分の正当化の希薄さに苦笑いしつつも、櫛枝のほうへ近づく。
この際、後ろの大河のほうから漂ってくる殺気は感じないことにする。
>>317 いらないと思います
あと、いつも保管ありがとうございます&ご苦労様です
さて竜虎あげます
書きたてピチピチの新鮮ものです
短いですがご容赦を。
372 :
297:2008/11/30(日) 01:16:53 ID:09uFOWRh
櫛枝の肩をトントンと叩く。
目を覆っていた手を下に置く。
「何の用だい、坊や」櫛枝が渋い声を作って言う。
「いや、大河が嫌だとか言うからさ」俺は少し口を尖らせて言う。
「お〜そうかいそうかい」櫛枝は俺の頭をいいこいいこする。「で?」という?マークが目には映っている。
「で、だからこっちに来た」
「お〜そうかいそうかい」相変わらずいいこいいこを続ける。
櫛枝はいいこいいこをしていた手を止めて、少し考える。
「という事は…」少し間が空く。
「大河がダメだったから仕方なしに私の身体で妥協するって魂胆なのね。そういう魂胆なのね〜〜〜」
俺は思わず笑ってしまう。
「やっぱり櫛枝ってかわいいな」
無意識に本音を言ってしまう。俺の顔が見る見る赤くなる。
「お、欧米か〜〜!」頭をこつんと突っ込まれる。櫛枝も同じく赤面している。
「なんで欧米なんだよ」俺は笑いながら言う。
やっぱり俺は櫛枝が好きだ。櫛枝の全てを知りたい…
俺はこの時再度決心をした。櫛枝と、ヤル。
俺は櫛枝をゆっくり押し倒す。
櫛枝はされるがままに、仰向けになる。
そして櫛枝の唇に唇を重ねる。
さっきと同じように、いや、経験を生かしてむしろさっきより手際よく舌を口の中に突っ込む。
櫛枝の舌をベロベロと舐めまわす。
しばらくして、キスを一回やめて、櫛枝の顔を見てみる。
櫛枝は目を逸らして、悲しそうな表情を冗談めいて作る。「大河の、味がするわ…」
「ぎくっ」
俺は漫画のような声を出してしまう。やはり後ろめたさが相当あるからだろう。
しかし今更躊躇なんてしてられない。
俺は櫛枝の胸に手を伸ばそうとする。
ん、待てよ?手を止める。
櫛枝の胸はさっき散々触ったな。それよりも…
俺は櫛枝の下半身を触りたいという欲求に駆られる。
手を上半身から下半身へとスルスル移動させる。
「ぬわっ」櫛枝がびっくりする。「あ、兄貴、行き先間違えてますぜい」
373 :
297:2008/11/30(日) 01:17:36 ID:09uFOWRh
俺の指が櫛枝のパンツに触れる。
櫛枝は本当に恥ずかしそうな顔をする。
この櫛枝の「素」の感じに戻ってしまう瞬間が好きだったりする。
櫛枝の足を大きく広げさせる。
真っ白なパンツが丸見えになる。こういう格好、エロ本でよく見るな、と思う。
俺はこのショットをしっかりと見たいと思って、少し下がって見てみる。
しっかりと目に焼き付ける。しかしそれだけではまだ物足りない。
俺は制服のポケットから携帯電話を取り出し、写メで撮ろうとする。
「それだけはご堪忍を〜」
櫛枝が土下座をしてベッドに頭をグリグリ押し付けてる。
「あー悪い、撮らないよ」
そりゃそうだよな、と思う。
「じゃあ撮らないから、またさっきのポーズしてくれよ」今度は自分で足を広げさせる。
まずは内ももをゆっくり擦る。
そしてひとしきり焦らしてから、そっと陰部のほうへ指を向かわせる。
櫛枝はギュッと強く目を閉じる。
指が陰部の辺りに届くと、ビクッと身体を震わせる。
そのままスジに沿って、指を縦に動かす。
「ぁっ」櫛枝が声を漏らす。
乳首の時はあえぎ声出させるのに散々苦労したのに…
「櫛枝って、もしかして下のほうが敏感か?」
「ふっ…」意味深な笑いをして、またすぐに目を閉じる。
俺はさらに上下に指を動かし続けた後、少し上ら辺のクリトリスがあるであろう場所を集中的に擦る。
「あぁっあっぁっ」櫛枝のあえぎ声が大きくなる。
白いパンティにうっすらとシミのようなものができる。
俺は嬉しくなって、爪を立ててさらに激しく擦る。
俺はシミをもっと付けたいという欲望に駆られ、右手でクリトリスの辺りを擦り続けたまま、
左手で、パンティ越しに穴のなかに中指を突っ込んでグリグリと動かした。
案の定、どんどんシミが付いてくる。
俺の左手にも濡れた感触が伝わってくる。
しばらく続けていると、櫛枝がパッと俺の腕を掴んだ。
「これ以上やると、パンツを家の洗濯カゴに入れれなくなりますぜ…隊長」
「たしかにそうだな…」俺は納得した。
さて、いよいよ櫛枝のあそこを拝める時がきたか…
いや、待てよ。何かを忘れてる。
そうだ、俺はまだ櫛枝の生乳を見ていない。
374 :
297:2008/11/30(日) 01:18:10 ID:09uFOWRh
「櫛枝、バンザイして」
「ん?あらよ〜っと」言われた通りバンザイをする。
俺は櫛枝の制服を上にスルリと引っ張って脱がす。
上はブラジャーだけの状態になる。
「う〜〜さびいい」櫛枝は身体をガタガタと震わせてみせる。
次にブラジャーを取ろうと、ホックに手を掛ける。
しかしなかなか取れない。
そもそもどういう原理でくっ付いてるのかもイマイチ飲み込めない。
がむしゃらに外そうと、しばらくホックと悪戦苦闘する。
「ではでは、ヒントを与えてしんぜよう〜」人差し指を立てて、ニコニコしながら俺のほうに振り向く。
「いいよ、自分でやるから」もたついてる自分が恥ずかしくて、断る。
3分後、何とかブラジャーを外すことができた。
「おー」櫛枝はパチパチと拍手をする。
そういえば櫛枝、今はそんなに恥ずかしそうじゃないな。
そりゃそうか。下やってから上いってるんだもんな…
自分の不甲斐なさに苦笑する。
「櫛枝、じゃあ次は…」
って座ってたはずの櫛枝がいない。
どこだ?
何故か床にうつ伏せになって寝ている。
「お前いつの間に…ってか、何でそんなとこにいるんだよ」
「ははは〜何となくさ〜」
「何となくするような事じゃねだろ」俺は櫛枝の顔を覗き込む。「いいからこっち来いよ」
櫛枝が真剣にこっちを見る。「じゃあさ…」
「何だよ」
「電気消そうぜ〜」
「櫛枝…お前も胸見られるの恥ずかしいのか?」
「ふんふんふん」首を激しく縦に振る。
「お前は胸を恥ずかしがる必要ねえだろ」
今度はブルブルと首を横に振る。
そっか、初めて男に見せるんだもんな。
櫛枝でもこんなに恥ずかしいってことは、普段から劣等感抱いてる大河は…
何だか胸が痛くなる。
「大丈夫だ櫛枝。こっち来いよ」櫛枝の髪を撫でる。「俺はありのままのお前を見たいんだ」
櫛枝がゆっくり起き上がってこっちに来る。
ふっくらとした胸に、ピンク色の綺麗な乳首が見える。
「綺麗だよ、櫛枝」
「あ、あ、ありがとう」目線は合わせないが、俺の正面に座ってくれる。
俺はもう1度櫛枝の髪を撫でる。
375 :
297:2008/11/30(日) 01:18:54 ID:09uFOWRh
「そうだ」俺はふとある事を思う。「俺も服脱いだほうがいいよな」
櫛枝があからさまに顔を引きつらせた後、手を挙げる。
「ん?どうした櫛枝?」
「反対に1票〜」
「何でだよ!」俺は思わずツッコミを入れる。
「高須くん、武士はむやみに刀を抜かないもんなんだぜ」櫛枝が真面目な顔をして言う。
「櫛枝、意味わかんねえよ」
「意味はいつか分かればいいさ」
「じゃあとりあえず、暑いし制服だけ脱ぐぞ」
「うわ〜ちょっとちょっと〜」
俺はベッドの上で、まずは上着を脱ぐ。
そしてズボンを脱ごうとするが、ベッドの上だとどうも不安定で脱ぎにくい。
案の定片足立ちした時、体勢を崩す。
「うわっ」俺は後ろに思い切り倒れる。
頭をガンッと硬い何かにぶつける。
「痛ってえ」俺は頭を擦りながら、ぶつけた方を向く。
そこには後頭部を擦っている大河がいた。いや、鬼がいた。
「ふふふふふふふふふ」
肩を揺らして不気味に笑っている。髪が前に垂れていて、顔が見えない。
「すまん大河、悪気はないんだ」俺は躊躇することなく土下座する。
「あんた、人の寝てるベッドで散々エロい事やり続けた上、頭突きまでお見舞いしてくれるなんて…」
大河が前髪をバサッとかき上げる。目から火が出ている。
「いい根性してるじゃねえかああああああああああああああああああああ」
土下座している背中に容赦なくキックの雨が降ってくる。
「あ〜大河おはよ〜」櫛枝が大河に手を振る
「あ、みのりんおはよ〜」笑顔で櫛枝に手を振り返す。
助かった…
「助かっただと?まだまだ楽しみはこれからだぜ、ふふふふふ」
なぜ、心の声が聞こえている…
それからどれくらいだろうか。
櫛枝が待ち切れずウトウトしてしまうくらいの時間、俺は蹴られ続けた。
死ぬかと思った。いや、途中で1回死んだ気がする。
376 :
297:2008/11/30(日) 01:20:17 ID:09uFOWRh
「みのりん、お待たせ」気が済むまで蹴り続けた後、大河が愛想よく櫛枝に声を掛ける。
「わ〜逢いたかったよ〜大河〜」櫛枝が大河に抱きつく。
それから大河を真ん中にしてベッドに座る。
変な間が空いた後、大河が口を開く。
「なんか、妙な違和感があるわね…」
そりゃそうだ。大河だけ制服姿で、俺と櫛枝は上半身裸なんだから。
「き、気のせいだよな、櫛枝…」俺は顔を引きつらせながら、櫛枝にアイコンタクトを送る。
誤魔化せる訳ないと頭で分かっていても、口が勝手に動いてしまう。
何としてもこれ以上の暴力は回避したい…
「いんや、高須くん。この中にエラーが一つだけあるぜ」ピカーンと人差し指を立てて上に挙げる。
それからメガネを上げるジェスチャーをする。「しかもIQ60の問題です」
「そ、そうかなあ…俺には何も違いが分からないけどなあ…アハハハハ」
「はい、みのりん」大河が手を挙げる。
「はい、大河さん」櫛枝が指す。
「私だけ、服を着ています」
「正解〜」パチパチパチと拍手をする。
俺もつられてとりあえず拍手しておく。
あばらにパンチが飛んでくる。
「私がいない間、ずいぶん楽しそうなことやってくれてるじゃない、このエロ犬が」
「いやあ、これは…」
「一体、何してたのかしら?」大河が白々しく聞いてくる。
「何ってそれは…」
「パンツの上から指を押し付けてきたんだよね!それから上半身を脱がせて…えっと途中で写メールも撮ろうと…」櫛枝の口をバッと手で塞ぐ。
「お前、野球のハイライトじゃないんだから、そんな明るく説明しなくていいんだよ」
大河が汚いものでも見るような目でこちらに視線を送ってくる。
「…ここら辺にゴキジェット無かったかしら?」
「一体何する気だよ!」
377 :
297:2008/11/30(日) 01:24:45 ID:09uFOWRh
以上です。
やっぱり書くのは思ってる以上に難しいですね。
気付いたらただの独りよがりなものになってて自分でも痛々しいw
しばらく修行して、投下できる域に達したらまた挑戦してみますw
GJです
3人動かすのって難しいですよねー
俺もエロ書こうとして途中で挫折してるんでその気持ち分かります
あげようとしてたのはタイミングかぶちゃったんで2時くらいにあげます
おまけにタイミングまで悪いなんて自分は一体…
ほんとすいませんでした。
竜虎いつも楽しみにしています。
未来永劫残るものでは有りませんし、娯楽なのですから、完璧を狙うのもどうかと思います。
もちろん、低水準杉というのも問題ありますが、今、このスレで求められているのは、プロの書く小説のような完成度ではなくて、本当に「楽しめればいい」のだと思います。
はぁ。しかし、そんなに落ち込む必要ないと思うのですが? ID:09uFOWRh さん。
読ませて楽しませた人が勝ちだと思います。つまり貴方が勝者です。
って、竜ちゃんや大河ちゃんに対するやっちゃんみたいに、甘やかせが過ぎるかしら。
>>377 乙なんだけど、このSSに出て来る大河がウザ過ぎる。
んじゃあげます
『夕焼けステップ』
いつもと同じ、いつもの帰り道。隣にはいつもと同じ、手乗りタイガー。
冬が近づいて来ているせいで最近はめっきり寒くなってしまった。この時期は陽は直ぐに落ちてしまうから今は夕焼け。
二人分の長く伸びた影。
片方は普通の長さ。もう片方はけっこう小さめ。
そんな影を見て、大河はポツリと呟く。
「…疑問に思ってることがあるの」
「おう、なんだ?」
「アンタは…そういえば、私が小さくても、気にしないわよね」
「…おう、何を今更」
「私の…その、胸が小さくても、気にしなかった。むしろフォローしてくれたし」
「胸の小ささなんか気にするかよ」
「どれだけ文句を言っても、ワガママを言っても、…許してくれる」
「まあ、…な」
竜児は苦笑いをする。それだけで持ち前の三白眼が怪しく光るが、そんなこと大河は気にしない。
大半の人間はこの目を見ただけで怯え、竦み、逃げ出すのだろう。
だが大河には分かる。この目は優しい目。どんなことをしても逢坂大河という人間を、偏見もなくそのまま見ていてくれる目。
だからこそ、分からない。
どうしてこの目が自分に向けられるのかが。もっとふさわしい人間は他にもたくさんいるはずだろう。
そんなことがこみ上げてきて、つい聞いてしまう。
「どうして?」
と。
それを聞いて竜児はマフラーに口を埋める。不機嫌になったのではない。ちょっと嬉しくなってしまったのだ。
「この少女は自分の考えていることと全く同じことを考えている」と、そう分かって。
だからこそ、その問いの答えは決まっていた。
「お前が、逢坂大河だからだよ」
と。
きっと、人はそんなに簡単に分かり合えない。
外見。性格。生活スタイル。宗教。人種。信念。心情。
どれもが同じ人間なんて存在しない。だからこそ、人は争う。
竜児は、その最たるものをずっと味わってきた。
外見でいくつもの誤解を受け、多くの人間が竜児という個人を知ろうともせず避けた。
あの北村だって最初は竜児を勘違いしていた。
櫛枝実乃梨だって何度か顔を合わせていたはずなのだが、話しかけてくれたのは最近だった。
要するに、いきなり仲良く、なんてことは絶対にありえなかったのだ。
それは竜児にとってもだんだんと当たり前になっていき、「慣れ」ていった。
だから逢坂大河に、惹かれた。
自分を全く怖がらない。夜襲もかけてくる。竜児の出したものを疑わず食べ、仲間だと認めてくれて、恋の相談もしてくれた。
櫛枝実乃梨が好きだと知っても、変な趣味をバラしても…高須竜児という個人を見てくれた。
竜児の、誰もが恐れるはずの目を見て、ちゃんと目を合わせて、「おかわり!」と要求してくる。
それは、「慣れ」ていたはずの、傷をごまかしていた自分の、…ずっと求めていたものだった。
「お前はこんな目を持ってる俺を、高須竜児として見てくれた。
お前はそんないい奴なんだ。背が低いとか、胸が小さいとか、ワガママとか。
それを全部ひっくるめて、お前なんだよ。
…全部ひっくるめて、一緒にいて安心するんだ」
「…っ」
大河はなにかを言おうとしてやめ、俯いてマフラーに顔を埋めてしまった。
竜児も同じ気持ちだったんだ、とひとりごちて。
きっと、人はそんなに簡単に分かり合えない。
でも、だからこそ、人は他人を求める。
すれ違い。勘違い。いくつの間違いを起こしても。
……それでも、傍に居たいと、思う人がいるから。
大河は、竜児と居たいと思うから。
手を伸ばし、竜児の指と、自分の指を絡ませる。
竜児は驚いたが…耳まで赤くして、俯いている大河が出した、素直な気持ち。
それがなんだか嬉しくって、くすぐったくって。
そっぽを向いてしまうが、手はしっかりと握り返して。
真っ赤な夕焼けの中、並んで歩いているのに、そっぽを向いている二人。
でも、たとえ違う方を向いていても。
二人の影は手の部分でしっかりと繋がっていて。
心の距離も少し近くなって。
二人の顔は、夕焼けよりも真っ赤になっていた。
end
以上です。
俺も竜児みたらびびって避けちゃうもんなあ、大河すげえ
382さんGJです。
GJです。大河と竜児がお互い大事に思ってるのが伝わってきますねー
GJ!夕飯はきっとお赤飯!うわなにをするやめr
GJGJ
こういうの大好きよ。乙
391 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 11:46:17 ID:v4erIEZX
>>317 いつもご苦労様です。
「コピペ改変」みたいに、カテゴリ作って保管したらどうでしょうか?
>>317 コピペネタやった者だけど保存しなくていいと思うよ
……実はデリシャスデリシャスの続き書こうと思って挫折しただけなのは秘密だ
コピペはどう考えてもいらんだろ。
結局元のネタの改悪なわけだし。
コピペはやめてくれよ。必要無い
可決されたじゃあないか
ま、管理人さんの好きにすればいいんじゃね。
朝から調子が悪い。
どうやら風邪気味のようだ。
竜児は体調不良の体を動かし、早足でアパートに帰ると、
いつもより少々重く感じる扉を開いた。
「ただいまー。」
「おかえり〜☆あれれ?竜ちゃんどうしたのぉ〜?今日は元気ないよお〜。」
いつものように迎えてくれる泰子も竜児の様子にすぐに気づいたらしい。
近づいて顔を覗き込んでくる。
「どうも風邪をひいたみたいだ。気だるいし喉が少し腫れてる。」
「え〜!大丈夫なのぉ〜?やっちゃん今日はお仕事お休みしよっかぁ?」
しかしそうはいかない。大黒柱の泰子に簡単に休まれたら家計が傾いてしまう。
「いや、大丈夫だから気にするな。今日は外で食事してくれるか。
俺はあんまり食欲ねえし、簡単に済ませてもう寝るから。」
心配させたくないし、万が一にも移すわけにもいかない。
今夜は泰子にはできれば早めに家を出発してもらいたかった。
「あんまりムリしちゃだめだよぉ〜。じゃあ静代ちゃん誘ってみよっと。」
早速泰子は早速ナンバー2の静代に電話する。
「あ、もしもし静代ちゃん今夜お仕事のまえヒマ〜?
うんよかったら一緒にご飯どうかな〜ってぇ。おっけ〜じゃあ……」
泰子は結局夕飯を食べてそのまま仕事に行くと出て行った。
何も食べる気がしない竜児は慌しく出発する泰子を見送り、布団の中へ。
そのまま瞳を閉じて、夢の世界へ………
「竜児!ちゃんと寝てる〜?」
「…お前の声で起きたわい。」
……行くことができず、竜児は目を開け、
扉を破壊せんとばかりの勢いで開け、無遠慮に入ってきた来訪者に顔を向ける。
時刻は六時すぎ、泰子と入れ違いにやってきた大河に竜児は意識を覚醒させられた。
「俺は今日体調が良くないから帰って寝るって言ったろ。
お前今日は夕飯は一人で済ませるって言ってたじゃねえか。」
「よかった〜、起きてた〜。喜べ、ご主人様が看病しに来てやったぞ。」
眩暈がしてくる。今こいつはなんと言った?
「ほら、この前私が風邪ひいたときに竜児がずっと看病してくれたでしょ。
私は借りは作らない女。あのときの借りは今日返してあげる。」
「……昨日お前がソースこぼして汚した服の染み抜きしてやったが、
あれはお前への貸しにはならないのか?」
しかし大河は聞いちゃいねえ。
「もう夕飯食べた?サラダ作ったげようか?それとも目玉焼きがいい?」
ギロチンがいい?それとも銃殺がいい?と聞いてくる独裁者のような大河の発言。
竜児は戦慄し答える。
「勘弁してください。」
なぜか敬語。
「お前の気持ちはありがたいけど、今日は帰ってろって。風邪がぶり返すぞ。」
先日風邪でフラフラだった大河の身を案じる竜児。
大河や泰子に移したくなかったため、一人でさっさと寝るつもりだったのだが。
「私にそんな態度でいいのかしらぁ?私が帰ったらあんた後悔するわよ。」
そんな竜児に対し薄い胸を反らし、口元をにやつかせる大河。
竜児はそんな大河の意図が読めず、問い詰めようとする。
「お前なにを……」
キーッ!ガチャン!トントントントントントントン
ピンポーン!
突然の来客。
「あ、来た来た〜。」
大河は笑顔で立ち上がり、ドアを開け、
「こんばんわ!大河、応援に来たよ!自転車借りてぶっ飛ばして参上!」
実乃梨を迎え入れた。
「みのりん待ってたよ〜」
「く、櫛枝!?」
ガシッと抱き合う二人。
なぜ?どうして?竜児は混乱する。
パクパクと、酸欠の魚のような顔をするしかできない。
「あ、高須くん!風邪で倒れたんだって?大河から聞いたよ。寝てなくて大丈夫?」
「え?あ?おう。微熱だしこれぐらい大したことねえよ。倒れたなんてそんな大袈裟なもんじゃねえし」
寝ている竜児に気づき、太陽のような笑顔を向ける実乃梨に、
竜児は高鳴る鼓動を悟られないよう答えた。
「それはよかったよかった。夕飯は食べたの?」
「いや、何も。食欲ないし」
「えー、何か食べなきゃ体力付かないし、薬も飲めないぜ。
待ってな、おかゆ作ってあげる、レトルトだけど」
「あ、う、サンキュー」
大河の申し出には恐怖した竜児だが、実乃梨の手料理となれば話は別だ。
例えレトルトでも手が加わればある意味手料理だ。
突然の展開に頭はついていけないが、なんとか冷静を装い竜児は答えた。
「ごめんね〜みのりん。私一人じゃエロ犬の看病は荷が重かったのよ」
「あはは、またそんなこと言って。じゃあ台所借りるよ〜」
してやったりといった顔の大河に実乃梨は笑顔で答え、早速準備を始めた。
「ふんふんふ〜ん♪」
準備をする実乃梨の鼻歌が聞こえる。
まさかこんな形で好きな人の料理が食べられることになるなんて、風邪万歳。
竜児は実乃梨の後姿を見ながら心の中で神に感謝した。
「…驚いた?」
大河が見下ろすようにして聞いてくる。うなずく竜児。
「お前が呼んでくれたのか?」
「そうよ、感謝しなさいよね。
今日はバイト無いって言ってたからメール送ったら、部活終わったら行くって返事来た。」
どうやら帰りに大河と別れた後、家に帰ってすぐ連絡していたらしい。
「お前そういうことは早く言えよ。なあ俺さっきキョドってなかったか?変じゃなかったか?」
ペタペタと顔を触って確認し、竜児は大河に迫る。
「ちょっと、キモイ顔近づけんな、ウザイ。」
大河は心底嫌そうな顔で距離を取り、酷い暴言。
「変ってのは、そのツラのこと?それともその寝巻きのこと?」
そして、目線を少し下げ、めんどくさそうに言った。寝巻き?
「は?え?うわあああああ」
竜児はようやく気づいた。
今日の竜児の服は巨大なハート柄だった。
最悪にセンスが悪かったのだ。
まあ変な服を今更後悔しても仕方ない。
それより竜児は降ってきた幸運を精一杯味わうことにした。
「まぁたまには風邪ひくのもいいよな〜。」
「私は何にもいいことなんてなかったわよ。」
浮かれる竜児に呆れる大河。さらに竜児は続ける。
「俺の優しさを精一杯感じられたろ。大変だったんだぞ、一晩中看病してやってたんだから。」
「はいはいありがと。ところで、そういえばあの夜なんだけど。」
「ん?どうした?」
大河は一呼吸置いて続ける。
「いや、私ね、ずっと疑問だったのよね。朝起きたら寝る前と服が変わってたのよ。」
「……っ!」
大河の言葉に竜児は心臓を鷲づかみにされたように硬直する。浮かれていた気持ちは霧散した。
「無意識のうちに着替えてたのかなぁ、ってどうしたの?」
「い、いや、なんでもないぞ。」
脳裏をよぎるあの時の大河の姿。
熱のため染まった顔、苦しそうに上下する胸、そして、竜児が着替えさせたときに見てしまった白い足。
大河はあの時のことを覚えてないらしい。
しかし竜児の動揺を野生の勘で鋭く察した大河は不信の目を向ける。
「……ちょっと、あんたまさか…」
「違う!俺は何もしてないぞ。俺が着替えを用意してやったら、
俺が部屋を出てる間にお前自分で着替えただろうが。憶えてないのか?」
やばい!竜児はとっさに本当のことを話す、半分だけだが。
「え?あ、そうなの?」
迫真の演技は大河に通じたようだ。さらに続ける。
「あの時はお前も意識あやしかったからな、でもキチンと着替えてたぞ。」
「ホントに?私の意識がないのをいいことに何かいやらしいことでもしてないでしょうね?
あんたならやりかねないわ。」
「そ、そんなことするわけないだろうが。」
竜児は内心の動揺を必死に隠すが、なお追求しようとする大河の前に落城寸前。
しかし救世主はやはりこの人だった。
「おまたせ、高須くん。おかゆできたよ〜。あれ?どうしたの二人とも?」
助かった!竜児はすっかり忘れていた想い人の助け舟に感謝する。
「お、おう櫛枝!なんでもないんだ、ありがとう。」
大河はまだ不満そうだが口を閉じる。
実乃梨はなお不思議そうな顔で二人の顔を見比べていた。
「じゃあ私はこのへんでご無礼するよ、後は若いお二人で。」
楽しい時間はすぐ過ぎてしまう。
実乃梨の作ってくれたおかゆを味わい、一応薬も飲んだ。
他愛もないお喋りも一区切り、あまり遅くなるといけない。
「大河、ちゃんと高須君の面倒みてあげるんだよ。」
立ち上がり、大河に命じる実乃梨。
「わかってるわみのりん。」
「櫛枝、今日はわざわざ来てくれてありがとうな。」
「いいってことよ。これぐらいお安い御用。」
実乃梨は竜児に向き直り笑顔で答えた。
この笑顔だけで竜児は風邪なんて吹き飛んでしまう気がした。
「もし酷くなるようだったらその座薬を大河に入れてもらいな。そいつは効くぜ〜。」
「ちょっとみのりんそれだけはやめて。」
恐ろしいものを手渡し、恐ろしいことを言う実乃梨の提案を大河は拒否。
それは遠慮したい、竜児も笑顔で答え、続ける。
「本当に送っていったりしなくて大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫。この実乃梨、家に帰るに人の手は借りぬ。じゃあね、また明日。おやすみ〜。」
笑顔で固辞し、そのままドアを開ける。
「おう、おやすみ。」
「おやすみ〜。」
そうして実乃梨は来たときのように自転車で風のように帰っていった。
「さて、私はシャワー借りるけど、覗いたりしたら殺すからね。」
実乃梨を見送り、部屋に戻ってきた大河は、とんでもないことをさらりと言った。
寝ている竜児を見下し、宣言。
「なっ、お前泊まっていくつもりか?それは不味いだろ色々と。」
驚く竜児に大河は言う。
「フン!本当は犬の看病のために小屋に泊まるみたいな真似はしたくないけど、」
振り返りながら続ける。
「みのりんからも託されてるし、まあ不本意ながら、
あんたが夜中一人で苦しんでたら可哀想だから泊まっていってあげるわ。」
変なこと考えてたら握り潰すけど、と付け加え、
大河は持ってきていたカバン片手に風呂場に行ってしまった。
一人残された竜児は、なぜか脳裏をよぎるあの夜の幻を振り払おうと布団をかぶった。
「………な、なんでこうなるんだ。」
高鳴る鼓動の音が布が擦れる音もシャワーの音もかき消してくれたのは幸いだった。
シャワーから出てきた大河は予備の布団を襖をはさんだ隣に敷いた。
長い髪を丁寧に乾かし、鼻歌混じりで、不器用な手つきで編んでいく。
「ふふふ〜ん♪」
上気する大河の肌からは甘い匂いが香る。
竜児はそんな大河を正視することができない自身に驚く。
視線を向けると、大変なことになってしまう。
そんな予感がするのだ。
「sinA=a/c、cosA=b/c……。」
実乃梨と過ごした楽しいひと時の余韻は消え去り、
竜児は大河に背を向け、数学の公式を暗唱していた。
寝る準備が済んだ大河は、布団に入り襖をしっかりと閉めた。
「もしあんたが熱で死にそうになったら、この襖を開けてもいいわ」
隣で横になっている大河の気配を感じる。
「死にそうじゃないのに開けたらどうなるんだ?」
「死にそうになるわよ。」
「………」
竜児の疑問にサラリと答える大河。電気が消される。
沈黙が部屋を支配する。
竜児はできるだけ頭をカラッポにし、硬く目を閉じた。
そうしないといつまでたっても寝られない気がした。
たった一つのイレビュラー、大河が隣に寝ているという事実が、
なぜこれほどまでに心を惑わすのか、竜児は一息つき、襖に背を向けた。
どれほどの時間が過ぎたのだろうか。
襖で仕切られたこの狭い部屋には、二人の呼吸のと心臓の音しか存在しないかのようだった。
おかしい、竜児は思った。
なんだこの空気は。俺達はこんな関係じゃないだろ。
何か言ってくれよ。
このままでは、俺は……
「……ねぇ、起きてる?」
唐突な消え入りそうな小さな大河の呟きに、
竜児は心臓が喉から飛び出しそうになる。
「…お、おう。」
動揺を必死に抑え、上擦った声で答えるのがやっとだった。
一呼吸置いて、大河は言う。
「……ごめんね。私何もできなくて。」
「なっ、どうしたんだよ。どうしたんだよ。」
まったく思いもよらなかった言葉に、
竜児は焦り、寝返りをうつが、襖の向こうの大河の姿はわからない。
「…私が風邪ひいたときは、あんた一晩中看病してくれたのに、
あんたが風邪ひいたとき、……私何もできないや。」
「大河……。」
「……みのりんが来てくれてよかった、私一人じゃ何もできないから。…ごめんね。」
「……何言ってんだよ。」
「…え?」
大河は勘違いしている。
何もできないだなんて、そんなことはない。
竜児は、率直に気持ちを伝えようと口を開く。
「何ができるとか、そんなのどうでもいいだろ。
お前はお前にできることをやろうとしてくれてるじゃないか。」
「……竜児。」
襖の向こうの大河も、寝返りをうってこちらを向いた気がした。
薄い襖越しに向かい合いながら、竜児はゆっくりと続ける。
「…俺、ホントはお前が来てくれて、嬉しかったんだぞ。
昔からいつだって、泰子が仕事に行ったら独りだった。
……風邪ひいたときも、……苦しくても、独りで寝てるだけだった。」
偽りのない、素直な気持ち。
言葉では伝えきれないだろうこの感謝の気持ちを、なんとか伝えたい。
「……だから、お前が来てくれたとき、
なんて言うかよ、
独りじゃないんだって、
お前がいてくれるんだって、
いざって時はお前に頼れるんだって、
ほっとしたんだ。
安心したんだ。
だから、だからな……、大河……、大河?」
反応がない。竜児は無言で耳を澄ます。すると…
「スゥ……スゥ……」
「寝たのかよ、ったく。」
呟いて、緊張感がなくなると、
先ほどまでの恥ずかしいセリフに頬が熱くなってきた。
「…はぁ、寝よ寝よ。」
誤魔化すように言い、一息ついて布団にもぐる。
近くても、襖で遮られた二人の距離。
――だから、竜児は気づかなかった。
月明かりが照らす中、わずかに赤面する大河に。
複雑な気持ちが胸の中を渦巻き、頬が緩むのを抑えられないといった大河に。
深夜、大河は目を覚ました。
「…………」
目をこすり、立ち上がる。
「………おしっこ…」
大河は電気も付けず、移動し、用を足した。
水を流し、ドアを閉じ部屋に戻り、そして大河は首をかしげた。
「………?」
ここはどこだろう?いつもの場所じゃない。
しかし大河はすぐに理解した。
ここは自分の"巣"だ。普段ここでは寝ていないが、ここは確かに自分の"巣"だ。
しかしすぐに新たな疑問が。
じゃあ自分はどこで寝ていたのだ?
大河はこの"巣"ではどこで寝ればいいのかわからない。
いつもはここで寝ていない。
ゆっくりと左右を見回し、しかしその疑問もすぐに解決した。
大河は気がついた、嗅ぎ慣れたその匂いに。
「…………みつけた。」
その匂いは大河を安心させる。
その匂いと共にいれば安全だと動物的本能が告げる。
大河は静かにその匂いの先に移動し、その布団に潜り込む。
その匂いの"主"に抱きつくようにして丸くなり、
そのまま深い眠りの中へ。
「……ただいま〜。あれ、あれれ。」
その日、いつものように夜明け前に酔っ払って帰ってきた泰子は、
幸せそうに竜児に抱きついて眠る大河を見て、優しく微笑んだ。
End
ってつけるの忘れた。
以上です、それではまた。
おお!俺の大好きなあの作者さんか!!!
乙です。好きです。
数学の公式で文字化けかと思ってリロードしまくった
GJGJGJ!
大河かわえええ
素晴らしい良作SS
乙〜。不覚にも北斗のセリフで吹いたw
それにしても和むSSだなwwいつの間にかニヤニヤしてたぜ
GJ
目を覚ましたときの一騒動に期待w
GJ!
こういうSSは大好きだ!
GJすぎる
最後には竜児を求めちゃう大河可愛すぎ
GJ
オチが秀逸すぎる
416 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 00:57:54 ID:T0rVPruj
ななどらの人まだかな?マイナーの方が好きだったりするもので
>>407 そこで終わるのかYO!!!
起きぬけに寝ぼけて竜児に頬ずりしちゃったり
首筋にチュウしちゃったり
それで竜児が起きて「おい、大河!お前何してんだ!」みたいな声に大河の目が覚めたり
あわてる大河が健康的な男子の朝の自然現象に触っちゃって悲鳴を上げそうになったり
大声出されちゃたまらんと竜児がつい無意識のうちにその口を塞いじゃったり
そういう続編はまだですか?
GJ!俺も頑張って書いているが挫折しそうだぜ・・
ちなみにエロって需要あるのかな・・
ここをどこだと思ってるんだ
何も気にする必要はないぜ
私は今ちょうど風邪をひいている
あさって防医の二次なのに…
こんな所見てないで養生して復習してろ
試験期間中ですが何か?
ゆとりアピールはいいですから
答案用紙の裏にでも書いてろ
どのスレか忘れたが、ロシアのエロ動画サイトの話題が出たことを思い出した
読めねえというレスに、英語表示ボタンがあると指摘するレスが続き、英語も読めねえというレスが付く
それに対してゆとり乙、英語の勉強しろレスがついたら大学生だと自称するレスがついた
そしたら、大学生で英語も読めないト致命的 それだとこの先論文とかで苦労するぞ。ってレスがついたんだよな
なんだこの流れ
Fラン大生が高校生をゆとりと呼ぶの巻
とりあえずエロい事考えようよ
それぞれ勝負下着ってどんなの用意してるだろうか?
大河→くまさんぱんつ
櫛枝→褌
川島→スッポンポン
裸族→すっぽんぽん
値段も見ずにフリフリの可愛いのを片っ端から買ってるであろう大河
スケスケの大人ぱんつなんだろうな
>>429 大河 シルクの純白紐パン
みのり 勝負下着無し
亜美 ボーン!!が解りづらい黒下着
大河が一番エロくてスケスケで高そうな勝負下着もってそう
なんとなくノリで買ってみたTバックにそわそわする3人を受信した
そろそろ水着の話に移行していく雰囲気
みのりんはレーザーレーサーかな
>>437 水着は既に原作でも描写されてるから想像しにくいな
しまぱん松澤と聞いて
そういえば麻呂作品を最近見ないなあ。
「え〜、今日みのりんって勝負パンツなの?」
大河のその一言に、竜児は口に含んだご飯を吐き出しそうになった。
昼、いつの間にか恒例になっていた5人での食事、
のはずが北村は先ほど生徒会の用事で慌てて出て行った。
竜児は北村と違って元々女子達と気楽に話をできるキャラではないため、一人残されて居心地が悪い。
意識しないようにしていたら、気づかぬうちに女性陣の話題は凄いことになっていた。
「大河ってば、声が大きいよ〜。」
「へー、実乃梨ちゃん凄いね、どんなのどんなの?」
「もー、あーみんも声大きいって、恥ずかしいじゃん。」
わいわいキャッキャ、なぜ女子は三人寄るとこんなにやかましくなるんだろうか。
竜児は下を向いて弁当をつつきながらなんとか耐える。
先ほどから背中にはクラスの男子の視線も突き刺さり、非常につらい。
完全に席を立つタイミングを逃してしまい、今はガマンするしかなかった。
「みのりんケチケチしないでどんなのか教えてよ〜。」
「もう、そんな恥ずかしがることないでしょ。」
亜美は顔を上げ、竜児の顔を見てニヤリと笑みを浮かべ、続ける。
「高須くんも知りたいよねー?」
こっちに振らないでくれ、頼むから。
竜児は突然の指名に焦る。
正直興味津々だ。が、そんなこと言えるわけがない。
「え、あの…、そんなことは……」
「うわっ、みのりんのパンツに興味津々なんだ、キモ!」
「もう、やめてってマジで。高須くんもそんな顔しないでよ〜。」
あぁ、俺のキャラが、せっかく培った俺のキャラが。
竜児は手に持った箸を落としてしまった。
女子の皆様はそんな竜児のショックは無視、話を続ける。
「まあまあ、それで、どんななのよ。」
「誰にも言わないから教えてよみのりん。」
「もう、絶対誰にも言わないでよ〜、あのね…、その……」
竜児は腰をかがめ箸を拾いながら、耳を澄ます。
そしてふと気がついた。勝負パンツの意味、それは。
勝負パンツということは、櫛枝は誰かと勝負するというのか!?
誰だ、許さん。いや、許す許さないって立場じゃないけど、だけど……
竜児の葛藤をヨソに、実乃梨は決意し、小さい声で言う。
「あのね……オレンジ色の、パンツ。今日ソフトの練習試合だから、
勝負の試合のときはいつもこれなんだ。」
竜児は再度箸を落とした。
End
『勝負パンツ ver.みのりん』30分でやっつけで書いてみた
ver.大河、ver.ばかちーも考えてんだけど投下してもいいかな?かな?
なんという速さwwGJ!
ばっちこ〜い!!!
どうぞどうぞ
じゃあ書いてくる
ショボいけど許してね
お前らも妄想はほんと創作意欲わかせるわ、すげえよお前ら
>>435 大河が予想外に際どい下着を穿いてるのを見て
ちびタイガーに負けるなんて…と若干落ち込むばかちーを夢想したw
大河は白のフリフリたまにスケスケが日常的で勝負下着は黒とか赤って思ってて
ばかちーは逆で、黒とか濃い色の下着が多くて白は勝負用で持ってそう
みのりんは計り知れないw
みのりんはトランクスが似合うな
裸族はやっぱりノーパンなんですね、わかります
>>450 はげ上がる程同意
俺がハゲちゃったらアンタのせいなんだからねッ!
みのりんは縞パン
竜児は紐パン
北村はふんどしかTバック
三十路は黒のTバックで
ななこたんはパイパンで
インコちゃんはぼっさぼさ
みのりんはうだうだ悩んだ挙句、ネタに走って後からメチャクチャ後悔してたりするといい
>>460 「高須君だけに象さんあるのは悔しいからね。見たまえこの象パンツ」
日曜日の朝、特にやることもないものの、家には仕事に疲れて寝ている泰子がいるため、
竜児はいつものように大河のマンションへやってきた。
寝ぼけた大河を着替えさせ、朝食を食べさせ、
食器を全て洗い、竜児はエプロンで手を拭きながら一息ついた。
大河はソファに寝そべり、つまらなそうにテレビを見ている。
竜児は部屋を見回し、ふいに高須レーダーの反応を感じた。
リビングの隅、カーテンで隠れた一角にロックオン。
そこには、山盛りのゴミ箱が。
竜児は三白眼を輝かせ、口元を歪める。
「あーもう、ったくまたゴミ全部混ぜて捨てやがって。
ちゃんと分別しろって言っただろうが。」
竜児は立ち上がり、そのゴミ箱を持ち上げる。
燃えるゴミも燃えないゴミもペットボトルもなにもかも、
全て一緒くたにつっこまれていた。
「おい、聞いてんのか?燃えるゴミと燃えないゴミは回収別の日なんだぞ、知ってるか?」
「あーもううるさいわね。どうせヒマなんでしょ、あんたが分別しといて。」
めんどくさそうに、顔をテレビからピクリとも動かさず、
大河はいつものように竜児に命令。
竜児もまさか大河が素直に分別するなんて万に一つもないとわかっているので、
文句を言いながらも手は止めない。
「あーもうこんなにぐちゃぐちゃにして、これなんてまだ使えるだろ。
このジュースだってちゃんと全部飲めよ。これも……なんだこれ?」
雑多のゴミの中、オレンジ色の薄い布着れが顔を出している。
光沢があるそれを掴み、破らないように丁寧に取り出し……
「ってパンツじゃねえか。お前こんな……」
「なに漁ってんだこの変態野朗っ!!!!!」
背中に強烈な蹴りを食らった。
ゴミを撒き散らし、パンツもろとも吹っ飛ぶ。
竜児は倒れるがすぐに頭を起こし、今己を蹴った悪魔のような女を見上げて抗議する。
「……っ!いてえじゃねえか!何すんだよ!」
「それはこっちのセリフよ!あんたとうとう人様の下着漁ってハァハァ言うレベルまで堕ちたわけ?」
「ふざけんなよ!お前がゴミ箱にパンツつっこんでたんだろうが!」
ゴミ箱は空中でトリプルアクセルをかまして転倒しているが、
このパンツはゴミと一緒くたになっていたのだ。
分別していただけの自分になんの非があるというのだ。
大河は舌打ちし、撒き散らされたゴミの中からその豪華なフリルのついた薄い下着を拾い上げた。
竜児はさらに抗議を続ける。
「そもそもまだ穿けるだろ。シルクのそんな高そうな下着簡単に捨てんなよもったいない。」
「うるさいわね。レースのところがほつれちゃったから仕方ないでしょ。
買って一回だけ試しに穿いたんだけど、洗濯したらこうなっちゃったのよ。」
「は?お前なぁ、こういうのは手洗いじゃないといけないんだよ。」
「知らないわよ。」
なんという女だ。竜児には信じられなかった。
こういうものは手洗いのみとタグにも書いてあるだろう。
なぜそれを守らない。なぜちょっとほつれたからといって捨てる。
竜児は大河に手を伸ばす。
「ほらちょっと貸せって。ほつれてるくらい直してやるから。」
「いいわよ、どうせもう穿かないし。」
「なんでだよ。もったいないだろうが。」
「だって…、それ……、その……」
なんだ?妙に歯切れが悪い。
竜児は首をかしげる。
「ん?なんだって?」
「あの……、それ穿くと………、その……、」
「なんだよ、穿くとどうなるんだよ。」
「いいからあんたは黙って捨てろ!」
とうとう逆ギレ。
声を張り上げる大河に、しかし竜児も折れない。
こんなもったいないこと、お天道様に申し訳がないからだ。
「だめだ!前から言いたかったが、お前は簡単に物を捨てすぎだ!
消耗品ならともかく、一回穿いてほつれたから捨てるなんて、
こんな高そうなもの捨てるなんて、絶対に許さん!」
「あああああああもううるさい!」
竜児の言葉にとうとう大河は地団太を踏み、
とうとう竜児にパンツを投げつけた。
「勝手にしろバカ!」
ドカドカと大股で寝室に入り、バタンと扉を閉める。
数秒の後、竜児は手に女性の下着を持ち、
息を荒げゴミの中に埋まっている己のヤバさにようやく気づいた。
竜児は散らばったゴミを手早く片付けると、
常備してある自分専用ソーイングセットを取り出した。
大河はフリフリの豪華な服ばかり着るくせに落ち着きがなくドジをかます。
破れたりボタンやフリルが取れたりしたら大体は竜児が補修しているのだ。
竜児は一息つき、自分に言い聞かす。
なあに、いつもやってることと変わらない。パンツだって水着と大差ないんだから。
竜児は服を仕舞ったりはするが、さすがの大河も下着は自分で管理している。
部屋の掃除でたまにクローゼットにまぎれこんでいることはあるが、
ほとんどがあっさりとした普通の下着で、こういった大人っぽい下着は竜児も初めて見た。
おかしな気分になりそうな頭を左右に振り、竜児は針と糸を取り出し手早く修復した。
「大河ー!入るぞー!」
「………。」
返事はない。竜児は肯定と受け取り、大河の寝室の扉を開く。
大河はこれまた豪華絢爛な天蓋付きのベッドの上で寝そべっていた。
竜児はこちらを見ようともしない大河の側に立ち、直してやった下着を脇に置いて、声をかける。
「ほら、ほつれてたのは直してやったぞ。大したことなかったしほとんど新品じゃねえか。」
「………フン。」
「もうほとんど元通りだから、捨てたりするなよ、もったいないし。」
「いやよ、穿かないから捨てといて。」
「はあ?なんでだよ!こんな高そうなモン、何が気に入らないんだよ!」
「うるさいわね!私だって可愛いなって思って買ったのよ。
サイズの合うブラとショーツでヒラヒラして可愛いのなんてほとんどないの。」
大河はようやく竜児のほうを向いた。
竜児が直した下着を手に取る。
「ブ…、ブラって、これセットだったのか。」
「そうよ。雑誌の通販でいいなって思って、試しに買ってみたのよ。」
「サイズが合わなかったのか?それで捨てようとしたのか?」
「……違うわ。サイズは合ってたんだけど……、その……、…の一部が……」
また歯切れが悪い。
大河は俯き、モジモジしている。
竜児は呆れるように言う。
「可愛くて買って、サイズが合ってるのに何が気に入らないんだよ。」
「あのね、その……、フリフリで可愛いんだけど……、
穿くと……、それ……、その………、透けちゃうの……。」
「は?」
竜児はまったく思いもよらない言葉に思わず間抜けな声を出してしまった。
大河は真っ赤に染まった顔を持ち上げ、ヤケクソになって叫ぶ。
「だから!いろいろ透けちゃうのよ!だからそんなの穿けるわけないでしょバカ!」
沈黙。
ぽかーんとしていた竜児も、何を想像したのか赤面し、
大河の出て行けという声に慌てて部屋を飛び出した。
上気した顔も早鐘を打つ心臓も、当分収まりそうにない。
竜児は一度深呼吸し、己のバカさ加減の反省と
今夜大河の機嫌を直してもらうための夕飯のメニューを考えることにした。
その日、大河のクローゼットの最奥に、秘密の袋が隠されることになった。
ヒラヒラのブラとショーツのセットは、いつの日か主の決戦に使われることを夢見て、
最奥に大切に、封印されている。
End
『勝負パンツ ver.大河』です
なんかいろいろ詰め込みすぎたら長くなった
こんなんでもよければ、あとver.裸族も投下したいと思ってます
GJ
ver.裸族も待っております
GJです!
竜児のパンツは泰子の仕業でバラエティに富んでそうだ
泰子も各種揃えてるんだろうなぁ
さくらちゃんやすみれ兄貴は、どうなんだろう?
家では、すみれちゃんは膝下丈スカート、さくらちゃんはミニスカートだったか?
1学期末試験追試対策勉強会の時は。
その中のパンツは、さくらちゃんの部屋に1枚と穿いてるのの紹介が有ったな。
嫌な流れになってきたな。
('A`)
あみトラはまだですか
あにドラもまだですか
477 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 16:37:09 ID:VSKmP4G9
本性バレアフターの実乃梨編が早く読みたいです。
>>477 『むりやりみのりん√』のこと?
俺もすごい待ってる
名指しでwkrkは程々にしようぜー
とらドラであったまってる雰囲気はわかるけどたまには田村君も頼む。
ずっとまってるから!!
やっちゃんSSの続きを投下
※親子の会話です
「やすドラ?」
「・・・泰子? なんであんな事したんだよ・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「櫛枝達の目の前で、腕なんか組んできて・・・いくらなんでも失礼だろ? わざわざ来てもらって・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・なんか言ってくれよ。黙ってちゃ分かんないだろ?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
大河達が家を出て行ってからしばらく経った。
その間ずっとさっきの事を尋ね続けてるけど、泰子は黙って俯いているだけで一向に話す素振りを見せない。
・・・それでも腕だけは絡めたまま。
「・・・・・・もう、手ぇ離してくれよ」
「・・・・・・・・・」
言いながら無理やり引き抜こうと動かす俺の腕を、泰子はかぶりを振って更に力を入れて抱きしめてくる。
どうにかして腕を抜こうとしていたら
「・・・いたっ・・・・・・」
「・・・・・・・・・悪い・・・」
捻挫している手首に当ててしまったのか、痛がる泰子。
一瞬腕を抱きしめてくる力が緩んだけど、泰子がすぐに力を入れなおして腕を締め付けてきたため抜くことができなかった。
「・・・なぁ、俺は泰子と話しがしたいんだよ。こんなカッコじゃなくて、ちゃんと顔を見ながら・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・泰子」
「・・・・・・・・・」
腕を抱きしめてくるだけじゃなく、泰子はだんだん体ごと押し付けてくる。
いい加減埒が明かないと思った俺は、勝手に話を進めることにした。
「・・・・・・離す気がないなら、そのまま聞いてくれ。
・・・櫛枝も川嶋も、泰子の事を心配して来てくれたんだぜ? 大河だって・・・それをあんな、追い返すみたいに」
「・・・・・・ちがうよ・・・」
寄りかかってくる泰子を無視して喋り出した俺の耳が、今までずっと黙っていた泰子が何かボソボソ呟いている声を拾った。
「・・・違うって・・・・・・櫛枝達はお見舞いに来てくれたんだぞ? なにが違うんだよ」
「・・・・・・あの・・・・・・ちゃん・・・・・・こと・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・泰子? 今なんて・・・」
続きを促して、それでも聞き取りづらい声で喋る泰子に再び問いかける俺に向かって
「・・・っだから! あの娘たちはぁ、みんな竜ちゃんの事が心配で、それでうちまで来たんじゃない!!」
「なっ!? ・・・・・・」
いきなり顔を上げて、泰子が睨みながら怒鳴ってきた。
言ってることがあまりに予想外だった事と、怒鳴る泰子なんて滅多に見たことが無かったためにすぐに言葉を返せず、
何と言うべきか固まっている俺を置いて、泰子が堰を切ったように喋り出す。
「やっちゃんはべつにお見舞いに来てほしいだなんて頼んでないのに・・・」
「泰子! お前、いくらなんでも」
「やっちゃんは! ・・・やっちゃんは、竜ちゃんとずっといっしょがいいの! 竜ちゃんがいてくれたらそれだけでよかったの・・・
けど、竜ちゃんはおともだちが来たらそっちとばっかり楽しそうにして!
・・・櫛枝さんて娘には変なところを見せないようにして、川嶋さんて娘は竜ちゃんにだけ違う顔を見せてて・・・
大河ちゃんには・・・大河ちゃんにはいつも、いっぱい! いっぱい何でもしてあげて!
毎朝起こしてあげて、いっしょに学校行って・・・朝ご飯もお弁当も、お夕飯も作ってあげて・・・」
「・・・・・・そんなこと・・・それに、大河はもう家族みたいなもんで」
「やっちゃんだって家族だもん! 大河ちゃんよりもずっと・・・竜ちゃんが生まれる前からずっと、竜ちゃんとやっちゃんは家族だもん・・・」
「・・・飯の支度だのなんだのっていうのは泰子にだってしてるだろ? ・・・家の事だって・・・
それに昨日からずっと一緒に居て、それなりに泰子の頼みだって聞いて、それでも俺が大河のことばかりかまってるって言うのかよ」
「・・・そうだね・・・竜ちゃんは優しいから、やっちゃんのお願いもみんな聞いてくれたよね・・・・・・
けどね、竜ちゃん? それって、やっちゃんがケガしてるからでしょ・・・? ケガが治ったら・・・・・・だけど、大河ちゃんは?」
「・・・ケガをしてようがしてまいが、泰子にも大河にも俺は贔屓なんて」
「竜ちゃん、ウソ言ってるよ」
「・・・・・・なんでだよ、俺がいつ嘘なんか・・・」
「じゃあ竜ちゃん、やっちゃんのケガが治っても、あ〜んってしてくれる? いっしょにお風呂に入ってくれる? 隣で寝てくれる?」
「っんな子供みたいなこと言ってんじゃねぇよ! 全部自分でできる事ばっかりじゃねぇか!」
「だったら、ケガもしてない大河ちゃんにあ〜んとか抱っことかしてあげたのはなんで?」
「・・・それは・・・・・・大河が」
「大河ちゃんがそうしてほしそうだったからでしょ・・・? ・・・ケガをしたのが大河ちゃんで、竜ちゃんがいろいろお世話してあげて・・・
それを見たやっちゃんが大河ちゃんと同じ事してってお願いしたら、竜ちゃんしてくれる?
ケガもしてない、普通にお箸とか持てるやっちゃんがあ〜んしてって言ったら、竜ちゃんしてくれるの? ・・・・・・してくれないでしょ?」
「・・・・・・・・・」
「けど、大河ちゃんにはしてあげたじゃない」
「・・・そんな事、今は関係ないだろ!? 俺はなんで櫛枝達の前で腕なんか組んできたかって訊いて・・・
それをさっきから訳分かんねぇ事言って・・・なにが言いたいんだよ・・・」
泰子が言ってる事は多分当たってる。今泰子が言ったような状況なら、きっと俺は泰子の頼みは聞かないだろう・・・
だけど、それを認めたら俺は・・・だから、苛立ちを吐き出すように、逆ギレ気味に話を逸らそうとしたが
「関係なくないよ! ・・・・・・やっちゃん、すっごく我慢してたの・・・
ケガしちゃって、とっても竜ちゃんに迷惑かけちゃって・・・そんなのヤなのに・・・
でも竜ちゃんが心配してくれたのが、優しくしてくれたのが嬉しくって・・・ほんとうに嬉しくってぇ・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「おうちのドアが開けられなくて泣いてたら、竜ちゃん飛び出してきてくれて・・・
動けないやっちゃんを優しく抱き上げてくれて・・・わがまま言ってお水だって飲ませてくれて・・・1日中いっしょにいてくれて・・・でも・・・」
「・・・・・・・・・」
「大河ちゃんが帰ってきたら、竜ちゃんは大河ちゃんの事ばっかり気にして・・・」
「だから、そんなこと」
「やっちゃんが口移しの事を大河ちゃんに言うんじゃないかって、竜ちゃんビクビクしてたでしょ? 知ってるんだから・・・
・・・あの時はまだやっちゃん我慢してたんだよ? ・・・竜ちゃんも大河ちゃんも大好きだから、またケンカにならないようにって・・・」
「おま・・・・・・」
途中から声が出なかった。気付いてたのかよ・・・・・・
言葉に詰まって固まる俺を気にせずに、泰子が続ける。
「だけどあの後、竜ちゃんは大河ちゃんのお願い聞いてあげて、抱っこも、あ〜んもしてあげて・・・
それ見たらやっちゃんなんだか・・・なんだか・・・とっても嫌な気持ちになって・・・
・・・竜ちゃんに寄りかかってたらそれもだんだん落ち着いてきてたのに・・・
大河ちゃんが『竜ちゃんのお嫁さんは私なの』って言ったらまた・・・だから、大河ちゃんの目の前でチュウしてって・・・」
「・・・・・・・・・」
「大河ちゃんの事だって大好きなのに・・・それにやっちゃんが焚きつけておいて、最後は『仲直りしたんだから』って・・・ひどいよね・・・
それだって竜ちゃんがチュウしてくれたらどうでもよくなって・・・」
「・・・・・・・・・」
あんなにくっ付いてて、そんな気配なんか微塵も感じなかった・・・・・・
「トイレに連れてってって言ったり、一緒に寝てって言ったり・・・そんなわがままも竜ちゃん、聞いてくれたよね・・・
それにおいしぃ朝ごはんも、お風呂も・・・その・・・竜ちゃんがやっちゃんの裸で元気になってくれてたのも嬉しくて・・・
・・・・・・あの時ホントはね? ・・・やっちゃんも、変な気分になっちゃった・・・」
「・・・そのことは言うなよ・・・」
「・・・『どうでもいい』って竜ちゃんが言った時は、やっちゃん・・・竜ちゃんに嫌われたって思って・・・・・・
・・・いっぱいわがまま言って、いっぱい迷惑かけちゃったから・・・もしかしたらって考えると恐かったの・・・
でも、子供みたいに拗ねて泣いてたやっちゃんに、竜ちゃんは悪くないのに謝ってくれて・・・
『大切だって』って、『ずっと一緒に』って言ってくれたのが・・・・・・また、泣いちゃうくらい嬉しかった・・・」
「・・・・・・・・・俺は・・・」
泰子の事を嫌いになるなんて絶対にない。
そう言おうとして、だけど泰子に先を越されてしまう。
「・・・・・・やっちゃんも、竜ちゃんが1番大切だよ? ずっといっしょにいたいよ? ・・・もう、竜ちゃんから離れたくないよ・・・」
「・・・泰子・・・俺は・・・」
「・・・けどね? やっちゃんは、竜ちゃんのお母さんだもん。竜ちゃんとずっといっしょにいられないのも分かってるの・・・
やっちゃんはずっと、ずぅっと竜ちゃんといっしょにいたいけど、そんなこと無理だって分かってるもん・・・」
「・・・・・・・・・」
・・・そんなことを・・・
「分かってて・・・それが、どうしても嫌なの・・・
竜ちゃんのおともだちが家に来て、みんなに心配されて、楽しそうにしてる竜ちゃんが・・・私を置いてっちゃう気がして・・・
だから『竜ちゃんは私のだから持ってかないで』って竜ちゃんの手に抱きついたの・・・
・・・手を離すのが怖かったの・・・竜ちゃんを盗られちゃうのが我慢できなかったのぉ・・・・・・」
「・・・・・・・・・泰子? ・・・もういいから・・・」
いつのまにか『やっちゃん』から『私』に変わってるのに気付いてないのか・・・
泰子は目に涙を溜めて・・・叱られるのが恐くて泣きそうになってる子供みたいな顔で、櫛枝達の前でした事の理由を口にした。
これ以上は・・・そう思って泰子を止めようとした俺を無視して、泰子は更に話し続ける。
「・・・パパだって私と竜ちゃんを置いてっちゃって・・・それでも今まで2人でずっと、ずっといっしょだったのにぃ・・・」
「・・・・・・分かったから・・・」
「それなのに竜ちゃんは、私の事なんて忘れて・・・大河ちゃんたちと楽しそうにして・・・・・・」
「泰子・・・・・・」
「・・・けど、しょうがないよね・・・?
竜ちゃんのこと考えないで・・・大河ちゃんにもおともだちにも、ひどい事して・・・こんな私、嫌いになっちゃったよね・・・?」
急に空気が変わった。そんな気がした。
泣き笑いみたいな顔してる泰子の目は、俺を見てるのに見てないような感じがして・・・
「お、おい・・・急になに言って」
「・・・竜ちゃんも・・・私のこと、パパみたいに置いてっちゃうんでしょ・・・・・・?」
「だから、なんでそんな事」
「いやぁ! 聞きたくない! 竜ちゃんの話なんてもう聞きたくないの! 私のこと置いてっちゃう竜ちゃんなんて嫌い! 大っ嫌い!
竜ちゃんを持ってっちゃう大河ちゃんも、さっきの娘たちもみんな嫌い! ・・・だいっきらい・・・・・・」
手で耳を塞げない泰子が、俺の声を遮るように大声で頭を振る。
髪が揺れて、目にいっぱい溜めていた涙が流れて・・・・・・
そんな泰子の肩に手を置いて、ピタリと動きを止めた泰子に向かって話しかける。
「・・・・・・本当に、そんな事思ってるのか・・・?」
「・・・思ってるもん・・・私は・・・竜ちゃんの事なんて・・・・・・」
「そうじゃなくて、俺が泰子を置いてどっかに行くとか・・・本気でそう思ってるのか?」
「え・・・・・・?」
「ずっと一緒に暮らしてきた泰子を置いて、俺が・・・・・・」
「竜ちゃん・・・・・・?」
「バカなこと言うなよ」
「・・・っ・・・・・・」
「・・・泰子、ちょっと」
「え、ぁ・・・・・・・・・」
・・・・・・俺の腕に抱きついた姿勢で、俺を見上げながらずっと喋っていた泰子を、今度は俺が抱き寄せて無理やり膝の上に乗せる。
俺の腕をシートベルトみたいにして肩から掛けている泰子の腰に、余った方の腕を回して更に抱きしめる。
肩に顎を乗せると、泰子がビクッて震えたのを感じた。かまわずにそのままの体勢で語りかける。
「・・・俺が泰子の事ほっとくとか、置いていっちまうとか、勝手に言うなよ。言っただろ? 『ずっと一緒にいてやりたい』って・・・・・・」
「・・・だって・・・だってぇ・・・・・・」
「わがままとか、迷惑かけたとかって・・・そんな事気にするなよ、ケガした時くらい。家族だろ?」
「・・・・・・うん・・・・・・」
回した腕がどんどん濡れる。今も涙がポタポタ落ちて、腕の上に川みたいな跡を作ってる。
「・・・俺が大河を贔屓してるって泰子が思ったんなら、すぐに言えよ。 ・・・あ〜んだって、風呂だって・・・なんだって・・・・・・」
「・・・うん・・・うん・・・」
「・・・親父はいなくなったけど、俺はいなくならないぞ? 泰子1人だけにして・・・
だから・・・・・・これからもこの家でずっと、泰子と一緒にいていいか? ・・・・・・いやだったら」
こっちを見ないで頷くだけだった泰子が振り返る。
俺も少し首をずらして、泰子と目を合わせる。
真っ赤にした目から涙を流して、鼻も垂らして・・・顔をグシャグシャにした泰子が震える口で・・・
「・・・・・・いやな訳・・・ないよぉ・・・竜ちゃんの事大っ嫌いだなんて、ホントは思ってないよぉ・・・大好きだよ・・・?
・・・やっちゃんは・・・ずっと、ずうっと、竜ちゃんにいっしょにいてほしいの・・・・・・いてくれる・・・?
わがままで、泣き虫で・・・こんなやっちゃんと、いっしょにいてくれる・・・・・・?」
「・・・・・・当たり前だろ」
「っ竜ちゃん・・・!」
その後はもう大変だった・・・・・・
ボロボロ涙をこぼして抱きついてくる泰子を宥める言葉が出てこず、居間でずっと抱き合っていた。
泰子は「ごめんなさい」って何度も言いながらわんわん泣いて・・・
俺が背中を擦ったりしてると耳元で「竜ちゃん・・・大好き・・・」って言って泣いて・・・
涙と鼻水まみれの顔を拭いてやってると「・・・恥ずかしいよぉ・・・」って呟いて何故かまた泣いて・・・
結局泰子が泣き止んだのは、辺りが暗くなってからだった。・・・今日も晩飯が遅くなるな・・・・・・
「・・・大河ちゃ〜ん・・・今日はごめんね・・・うん、うん・・・・・・おうちに来てくれたおともだちにも・・・本当にごめんなさい・・・・・・」
俺が支えてやってるケータイ越しに、泰子が大河と櫛枝、川嶋に謝っている。
嗚咽も止まり、落ち着いた泰子が大河達に謝罪したいと言ってきたから。
最初、俺の方から電話しておくと言ったら
「・・・竜ちゃんのおともだちにひどい事したのはやっちゃんだから・・・自分で謝りたいの・・・」
って頑なに譲らなかった。
そこまで言うなら・・・と、まず俺から大河に電話して事情を説明し、櫛枝達も一緒に居るのを確認して・・・
「・・・・・・うん。大河ちゃん・・・ごめんなさい・・・・・・うん、じゃあ明日ね・・・竜ちゃん、大河ちゃんが代わってって・・・」
「・・・もしもし? どうかしたか?」
電話越しに頭を下げて謝っていた泰子が、一通り話し終わったのかケータイから耳を離す。
大河が用があるらしいので通話を切らずにケータイを自分の耳に当てると
『竜児? ・・・・・・どうだったの? やっちゃん、大丈夫・・・?』
心配げな様子で大河が訊いてくる・・・本当に心配かけたからな・・・
「おぅ・・・悪かったな、いろいろ心配させて。もう大丈夫だから・・・今どこだ? 随分遅くなったし飯とか・・・」
『うん・・・今ね、みのりんのバイト先に来てて、そこでみのりんとばかちーとご飯済ませちゃうから・・・・・・今日はいいわ。
・・・あ、ひょっとしてもう作っちゃった?』
「いや、作るのもこれからだから食ってこいよ。
・・・それと、櫛枝達に代わってくれるか?」
『うん・・・みのりん、竜児がね・・・・・・』
大河が飯を食ってくるって聞いて正直助かった。
飯は作るけど今からじゃあ時間がかかるし、あんな事があって泰子も大河もまだ気まずいだろうから・・・俺も。
それと今の内に櫛枝と川嶋にも謝っておこうと思い、大河に代わってくれるよう頼む。
数瞬間が空いて、櫛枝が電話に出た。
『もしもーし!? たーかーすーくーん!?』
「おぅっ!?」
『へっへっへ〜、高須くん驚いた?』
櫛枝、声がでけぇよ。
びっくりして、思わずケータイから顔を離してしまった。耳の中がキンキンする。
ひょっとしたらまだ怒ってるのかもしれないと思いツッコミはせずに、平静を装って口を開く。
「・・・櫛枝?・・・・・・今日は本当にごめん。見舞いに来てくれたのに気分悪くさせて、追い返しちまって・・・」
『へ?? どうしちゃったの高須くん? もういいんだよ? さっきお母さんが謝ってくれたし』
不快な思いをさせたのに、いつもみたいに明るいノリで櫛枝が言ってくる。
なんだかこっちが気遣われていたみたいで、申し訳ない。
「あ、あぁ・・・でも・・・」
『いきなりお邪魔した私たちも悪かったんだから〜。ごめんね? 高須くん』
「・・・そんな事ないって、お見舞いに来てくれたんだから・・・・・・ありがとな、櫛枝。
それにちゃんとお詫びはするから・・・」
『・・・・・・あ、じゃあ今度大河だけじゃなくって、私にもお弁当作ってきてもらってもいい?
高須くんのお弁当って美味しそうだから、食べてみたくってさー・・・埋め合わせはそれでいいんじゃないかい? どう? 高須くん』
「そ、それだけでいいのか? 言ってくれればもっとちゃんとした物とか」
『私は高須くんの作ったお弁当がいいんだって。それにお見舞いに行ってお返ししてもらうんだから、欲張りできないよ』
「だ、だけどやっぱり」
『・・・ダメかな?』
わざわざ来てくれたのを追い返してしまいすまないと頭を下げる俺に、お詫びは弁当がいいと言ってくる櫛枝。
さすがに弁当だけでは釣り合わないと思い別の物をと尋ねてみるが、櫛枝は弁当だけで十分だと言ってくれた。
少しの間どうするか考えたが
「・・・・・・分かった。なにかリクエストがあれば言ってくれよ」
『それでこそ高須くん! そこに痺れる、憧れるぜぇ〜』
結局、櫛枝に甘えることにした。けど、ただ甘えるだけじゃだめだ、特別美味しい弁当を作ろう。櫛枝の口に入るんだから。
あれこれ献立を考えてると、向こう側から『ちょ、ちょっと櫛枝さん? そろそろ亜美ちゃんにも』とか小さく聞こえてくる。
『あ、じゃあね? 高須くんってちょ、ちょっとまだ・・・もしもし? 高須くん? あたし・・・亜美ちゃん』
慌てた感じで櫛枝が挨拶してる途中で、今度は川嶋が電話に出た。
てかケータイ奪い取ったのかよ? 後ろで櫛枝がなんか言ってるみたいだけど・・・
「お、おぅ。川嶋か? ・・・川嶋にも、迷惑かけて悪かったな・・・気ぃ悪くさせたろ?」
『スッゲームカついたっつの、あたしがお見舞いしてやったのによ・・・・・・
けどまぁ、大目に見てあげる。亜美ちゃん寛大だし〜? お母様だし〜? っていうか亜美ちゃん超優しくね?』
川嶋もいつもの調子で許してくれている。相変わらず口が悪いけど、こういう時はそんなところが逆に安心する。
「・・・・・・ありがとな、川嶋。わざわざ来てくれて」
『ちょ、ちょっと・・・なにマジになってんの? 亜美ちゃんは、ただ高須くんの家に様子見に行っただけで・・・』
「それが嬉しかったんだって」
『・・・・・・・・・はぁ〜・・・』
あの川嶋が気を遣ってくれたんだ。素直に感謝しよう。
そう思ってると川嶋が一瞬間を空けて、溜め息を吐いた後にまた喋りだす。
『・・・ちぇっ、せっかくガチでキツそうな命令してやろうと思ってたんだけどなぁ・・・
高須くん? 今度、亜美ちゃんのショッピングに付き合ってよ? むしろ付き合ってよ? 約束だよ』
ガチでキツそうな命令ってなんなんだ・・・それに何で2回言うんだ?
「あ、あぁ。荷物持ちならいくらでも引き受け・・・もしもし? 川嶋? もしもし?」
返事の途中で、急に向こう側がうるさくなってしまったので呼びかけるが・・・止めときゃよかった・・・
ケータイ越しにガチャンガチャンって音交じりに大河達の大声が聞こえる。
『痛っ! ・・・ドチビ、テメェなにいきなり
うっさい発情チワワ! なにが『付き合って』よ、あんた頭に虫でも沸いてんじゃないの!?
はっ! 発情してんのは手乗りタイガーの方じゃないの? 亜美ちゃんそんな意味で言ったんじゃないのに〜
っ! ・・・この、メタボチワワ・・・まぁ、そんなポニョポニョのお腹じゃ竜児だって絶対引くから、全然安心だけど? ねぇ、ばかちー?
高須くんは引かないわよ、逆に突っ込んでくるわよ。それにあたしは真ん丸お腹じゃねぇし! つかさっきはプチメタボだったろうが!?
ここのご飯をお腹に入れたら一緒でしょ? 余分な脂肪を付けた、モ・デ・ル・の川嶋亜美さん?
必要な部分に脂肪が全く付かない逢坂さんよりは、取り返しがつくと思うんだけど? そもそも余分な脂肪なんて亜美ちゃん無いから
・・・表に出ろ、バカチワワ・・・自慢のその2つの脂肪の塊に別れを告げなさい・・・無駄に肥えたその肉を毟り取ってやるわ・・・
いや〜ん逢坂さんこわ〜い、虎の吠え面なんて見たくないけど、亜美ちゃんの顔に傷でも付けたら吠え面で済むと思わないでね?
高須く〜ん? お弁当はー、できたら愛妻弁当と見まごうばかりにピンクの食紅で『みのりLOVE』ってお願いするぜ!
みのりん!?
櫛枝さん!?
じょ、冗談だよ・・・・・・高須くん? さっきの無しで、海苔で『愛』って文字を・・・ご、ごめんなさい・・・悪ノリしすぎました・・・』
「・・・・・・・・・」
このケータイは今地獄に通じているのかもしれない。心底そう思う。
今なお喚き散らしてる大河達の声を聞きながらふと呟いた。
「櫛枝・・・バイト、首にならないといいな・・・」
何度も電源を切ろうとしたが、断りを入れるたびに『ちょっと待ってなさい、駄犬』と脅迫してくる大河に屈して切るに切れず、
そのまま通話状態でこっちを無視して騒いでいた大河達が、お店の人に注意されてようやく静かになった。
我に返ったらしい大河達が、店を出る前に俺に挨拶していき
『・・・・・・じゃ、竜児、やっちゃん・・・また明日・・・』
「おぅ・・・大河? 気をつけて帰れよ」
『・・・・・・ばかちーが変な気起こさなければね・・・・・・じゃあね』
20分近くも経ってやっと切れた。20分・・・来月の電話代が恐いな・・・・・・
さて
「泰子、飯の支度するからどいてくれないか?」
「うん。お腹減ったねぇ」
「・・・っと。じゃあ、ちょっと待っててくれ。すぐ用意するから」
すっかり遅くなってしまった晩飯を作るために、電話してる間中俺の膝の上に座っていた泰子を床に降ろして、
俺は簡単に作れそうなものを考えながら台所へ入っていった。
長い上にセリフばっかりですみません
キャラが壊れててすみません
最後の投下はちょっと間が空くかもしれません
うおおおお…電話が、電話が良すぎるんだが
何この可愛いみのりん
>>492 イイヨイイヨ(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ
これぞとらドラワールドだな。
三人娘の姦しい電話に萌えたw
文字通り姦しいなw
こういうの大好きだぜ
保管庫更新マダー?
さすがヒロイン、なんて魔性の(男の)子!
>>492 あーみんが二回言ったとこに激しく萌えた
というか二回目の意味って、おいっ
作者には失礼だが、泰子よりあーみんが可愛かった
>>492 もうお前ら結婚しちゃえよ
おにゃの子全開で竜児を独占したがる嫉妬やっちゃんが可愛すぎてヤベエ
姦し三人娘もぶっちゃけまくりワロタwみのりんwwww
そして地味に竜児にくっついてたやっちゃんwww
やべえww全員萌えるw
もうハーレムでいいよ
てゆうかハーレムがみたいよ
田村弟が相馬さんを寝取った上に青い果実や松沢さんも狙うんですねわかります
>田村弟が相馬さんを寝取った上に
それは寝取るというのか?w
多分弟って三男の孝之の事だろ
いやそれはわかってるけどさ
一応自分のほうから振った形になる女がそれから誰とくっつこうが
それは雪貞的には寝取られじゃないんじゃないかって話w
なるほど(-.-;)
確かに
510 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 17:31:22 ID:/c3jq1pw
あの…本性バレの続きは…?
おまえらそんなに俺の名前呼ぶなよ。照れるだろ
人が増える弊害だな
職人が増えるのは嬉しいが雑談で無駄に消費は勘弁してほしい
>>514 だが、雑談によって投稿しやすくなるもでは?
純粋なネタ提案なら役立つかもだけどな
つまり、あーみんのオナニーが見たいという俺の率直な欲求もこのスレなら許されるわけか
520 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 23:11:03 ID:/c3jq1pw
竜児とのHの時も猫かぶりなあーみん。
竜児によってGスポットを責められてイキまくるあーみん。
竜児に顔を真っ赤にして「イってないから…」とのたまうあーみん。
>>514 投下ラッシュも終わったみたいだから、それも落ち着くだろ。
>>522 「そんなとこ必死に舐めちゃって、
あっ、ホ、ホントに、…あんっ、犬みたいね
マ、マジきも、…っ、きもい、わよ
もっと真面目に、…あっ、やって、…っ、くんないと
亜美ちゃん全然、気持ちよく、なっ、ないんですけどぉ
あっダメそこヤダだめええええっ!!!!!!!」
亜美厨ウザすぎ
同感
いや
亜美がウザいんだよ
亜美ちゃんの魅力がわからないなんて可哀相……同情するよ
ヒント:蓼食う虫も好きずき
俺なんてみのりん派なんだぜ?
誰かみのりん分をおおぉ!
俺は相馬派
たのむとらドラの10分の1でいいから田村くんssを…
>>524 さあその妄想をSS化する作業に戻るんだ
>>530 そのうちアニメ化するから待ってればいいじゃん
532 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 04:43:28 ID:yKIcM31C
なんで誰もssかかへんの?
池田大作?
>>533 実際書き込みが少なくなると、出てくる職人さんもいるだろね。ツンデレ型の。
「やっと俺の出番か・・・」
祭りになってると投稿しやすいんだよね、なんとなく
大作の後だとか今みたいな雰囲気だと尻込みするわ、なんとなく
同じ祭りの会場なんだから気にしないでいいんだけどな。
空気読まず投下
タイトルは『9巻56ページ4行目の続き』
タイトルそのまんまの妄想してみた
「ただいま〜。」
久々の自宅、無人のマンションに、虚しく響く己の声。
大河は肺の中の冷たい空気を全て吐き出すように大きく一息つき、まず暖房をつけた。
手荷物を全てテーブルに投げ出し、力なくコートとマフラーを脱ぎ捨てる。
そのまま制服が皺になるのも構わず、ソファに体を投げ出すように座る。
「逢えるかなって思ってたら……、ホントに逢えちゃった……。」
大河は唇をわずかに持ち上げ、かすかに笑う。
何もする気になれず、そのまま横になったまま時間が過ぎていく。
「竜児………。」
かすかに口から漏れる。
それだけで大河は、今だ凍てつく部屋の寒さも忘れられる暖かさを感じた。
そのまま先ほどまでのひと時を反芻する。
一週間ぶりの心地よい時間を、竜児との全てを反芻する。
それは決して許されないこと、やってはならないことだとわかっている。
大河の心の幻は、しかしすぐに霧散する。
温かさも心地よさも全ては幻で、大河の体は凍てつく寒さに蝕まれ続けている。
力なく体を持ち上げ、大河は夕飯の準備を始めた。
ただ、空腹を紛らわすためだけの食事だった。
買ってきたばかりの冷凍チャーハンのパッケージを乱暴に破り、皿に盛る。
電子レンジで温めている時間、数分の時間、大河はレンジの中で回るチャーハンを眺めていた。
何もしなければ、余計なことを考えてしまう。
ただ、チャーハンを見つめることで、全てを忘れてしまいたかった。
温め完了を告げる無粋な音が響くまでの間だけでも、その僅かな時間だけでも。
大河は温まったチャーハンを取り出し、ラップを外した。
上気が舞い、しかしすぐに儚く溶けて消える。
そのまま大河は無言のまま、無心のままスプーンで口に運んだ。
ゆっくりと一口食べ、二口食べ、
不意に大河は何かがチャーハンの皿にこぼれたことに気づいた。
それは己の涙だった。
「うぅ……、あぅ……」
あふれ出す涙を止めることができず、一滴、また一滴と涙がこぼれる。
震える指先がスプーンを支えきれず、小さな音を立ててテーブルに落ちた。
「美味しくない……、美味しくないよ……。」
脳裏をよぎる、竜児のチャーハンの味。
何気なく食べてきた、竜児の手料理。
何気なく過ごしてきた、竜児との時間。
もう二度と戻ってこないかけがえのないそれらの思い出が五感の全てを支配した。
「うぅ……」
大河は唇を噛む。
これは罰だ。サンタさんの罰だ。
大河は独りごちる。
いい子でいると誓ったのに、あの日、イブの夜、
最後の最後で、いい子でいられなかった私への、罰だ。
サンタさんは残酷だ。
逢いたくて、逢いたくて、でも決して側にいてはいけない人に、
一週間ぶりに帰ってきた自分にいきなり逢わせるなんて。
決して、もう側にいることはできないというのに。
歯を食いしばり、大河は顔をあげた。
自分に残された時間は残りわずかだろう。
そう遠くない未来、私はこのマンションに、街にいられなくなる。
別離の時は近いのだ。
そのときまでに、最愛の人と最愛の友に笑顔で結ばれてもらいたい。
消えてしまう自分を忘れ、笑顔で過ごせる二人になってもらいたい。
そのためにできることをやらなければいけない。
こんなことで躓いているヒマはない。
だけど………、
不味いチャーハンでも胃袋に入れてしまえば体は満たされるかもしれない。
しかし、心は、開いてしまった心の穴は、決して満たされることがなかった。
END
は?なんなの?涙が止まらないんだけど?乙
545 :
119:2008/12/04(木) 23:54:35 ID:aooFLaeM
>>540 泣いた
そしてやっと<花三本目>完成…orz
今人いないっぽいけど、希望があれば投下します。
一応8レス予定。
546 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 23:54:56 ID:0z2lx34v
…なんだこのモヤモヤした気持ちは…
…年末だからか…
>>545 関係ない 行け
ってDIO様が言ってた
548 :
119:2008/12/05(金) 00:03:26 ID:/z/jqm26
そんじゃ行くぜ!!
<花三本目>
何でこんな事に…
あの昼の放送から、二週間たった月曜日の朝。『後輩襲撃事件』や亜美の『転校する』発言を切り抜けた竜児の頭にはその言葉が渦巻いていた。
ちなみに彼の周りでは、大河、実乃梨、亜美がピリピリとした空気を放っている。
一体どうしてこんな事に――二年C組の自分の下駄箱の前で見知らぬ女子に話しかけられている高須竜児は途方に暮れた。
亜美に「あたし、転校するかも」と告げられた日、竜児は自分の偽らざる本心を語った。
実乃梨が好きで、大河を守りたくて、亜美を大切にしたい―――という想いを。
そのおかげかどうかはわからないが亜美も転校を思いとどまってくれ、竜児は安堵した。
教室に休み時間ぎりぎりで帰った後、大河と実乃梨がえらい勢いで詰め寄ってきて、
「「何してたの!?」」と、問い詰められたがかといって会話の内容をそのまま伝えられるはずもない。
亜美が不安がっていたからこそ、竜児は自分の本心を語る決心がついたのであって、同じ内容を二人には語れない。
しかも、実乃梨の前で『櫛枝が好きで〜』などと言えるわけがない。どんな変則的な告白だ。
悩みぬいた竜児から出た言葉とは、
「川嶋が、『転校する』なんて言うからその説得をしてただけだ」
という、何とも当たり障りのないものだった。しかしその答えを聞いた二人は思う事があったのか、
「こ、この駄犬!!あんたねぇ!!その手当たり次第にいく癖どうにかしなさいよ!!」
「高須く〜ん。さすがの櫛枝も、少し自重すべきだと思うぜ〜?」
…ええぇ?と竜児が、なぜいい事をしたはずなのに責められてるんだ、といった声を上げる。
俺が説得していなければ川嶋は転校していたかもしれないのに、それでよかったのかよと、竜児が反論しようとすると
今まで竜児の横で黙っていた亜美が愛らしい笑顔で、
「そうだよぉ。高須君が”気持ちのこもった”説得してくれたから、亜美ちゃん転校するのやめよって思ったの」
なんて言い出した。ああよかった、お前も大河たちをなだめてくれるのか、と竜児は思う。
「おう。もう転校するなんて言うなよ」
「それ言われるの四回目なんだけど」
「そんだけ、お前に転校して欲しくないんだと思えよ」
「…ほんと無自覚だよね、高須君」
軽く言う竜児に亜美が苦笑したように言う。変なこと言ったか?と竜児が考えようとしたところで――
549 :
119:2008/12/05(金) 00:04:19 ID:/z/jqm26
「…へぇ。ばかちーとずいぶん親しくなってるじゃない、竜児」
「へー、ほー、ふーん。あーみんとの親密度急上昇!!って感じかねぇ?」
妙に冷たい目の、大河と実乃梨がそこにいた。
なんでお前ら打って変わってローテンションなんだ!?と竜児は愕然とする。が、この男にわかるはずもない。
そして、大河たちをせせら笑うように、亜美が続ける。
「まぁ、親密になった、って点では間違ってないよ。少なくとも悩みは解消させてもらったし」
はっきり断言した亜美に、大河と実乃梨が驚いた表情になる。
今までの亜美の態度なら「んなことないっつーの、うざい」ぐらいは言いそうなものだが、亜美は「親しくなった」と認めたのだ。
その事実が、二人の背にひたひたとはい上がってくる。自覚が有るか無いかの差はあるものの、これはまずいという警告だ。
思惑は違えど、二人ともその警告に従い声を発した。
「頭大丈夫?ばかちー。あんたが今『親しくなった』って言ったのは、この駄犬よ?」
「おお!?あーみんがそんな風に言うなんて珍しいね!!」
片方は亜美の指す相手を乏し、片方は亜美自身の異常を指摘した。どうか間違いであってくれ、という淡い希望で放たれた言葉。
…が、それは空気の読めない(異常に鈍感)な男によって破壊される。
「あそうだ、大河、櫛枝」
「「何?竜児(高須君)」」
正直いま竜児にかまう暇はないがでもやっぱり無視するのは…、と思ったかどうかはさておき二人が返事を返す。
しかし、放たれたのは核爆弾級の驚きの言葉だった。
「何かは知らんが川嶋が、『あたしも本格的に参戦する』ってよ。…お前らクラス内で戦争でもしてんのか?」
後半の竜児の言葉は流して、バッと亜美の方を見る。そこには先ほどと変わらず愛らしい笑みがあった。そして
「言っとくけど、冗談じゃないから。今までは逃げてたけど、これからは違うよ」――宣戦布告。
棒立ちになる大河と実乃梨。しかし亜美はそれを意に介した様子もなく言う。
「どーぞ、いやそっちがどーぞ、ってずっと譲り合ってるつもりなら、あたしが貰っちゃうからね」
それを聞いた竜児は、
「またその話か。お前ら一体何を欲しがってるんだよ?それって、仲良く三等分、みたいな解決はできないのか?」
と若干呆れた様子。亜美は苦笑して竜児に返す。
「無理なんじゃない?あたしは、今はそれでもいいかなって思ってるけど」
その答えに、ぎょっと二人が亜美に目を向ける。亜美は別段気にした様子もなく、ふん、と鼻をならして竜児に向き合う。
「今日はありがと。高須君が来てくれてよかった」
そう不意打ちで竜児に告げる。何の心の準備もなくそれを食らった竜児は赤面して、「お、おう…」と返す。
その竜児の姿がおかしかったのか亜美がくすくす笑う。笑われた竜児は気恥ずかしさも相まってつい反抗してしまう。
「何だよ。お前が急に素直になるからだろうが」
「高須君が言ってくれたから、素直になってるんだけどなぁ?」
意地の悪そうな笑みを浮かべ、亜美がそう言う。怪訝な表情を見せる竜児に亜美は告げる。
「大切にしてくれるんでしょ」
そういった亜美に竜児はひどくビックリした。いつも冷めてたというか、距離を置いていたような亜美が自分の発言をここまで信頼してくれたなんて、と思ったからだ。
そんな風に聞かれたら竜児の心は決まっていて、
「当たり前だ」
と答えた。それを聞いた亜美はうれしそうに笑って(初めて見た)それじゃまたね、と言って木原たちのところへと、離れていった。
やっぱ腐ってもモデルだななどと、見惚れてしまった自分が悔しいのか竜児は負け惜しみをこぼす。
そうして、自分も友達のところに行こうとすると
550 :
119:2008/12/05(金) 00:04:57 ID:/z/jqm26
「どこへ行くのかしら…?竜児」
引き止められた。ていうか、ひっそり二人から離れようとしてたらバレた。
「いろいろと聞きたいことはあるけど、これだけは言っておくわ。――覚悟してなさいよ、この駄犬」
と、告げて自分の机にずかずかと向かっていく。
オーマイゴッド。マジ怒りじゃねぇか。経験から、大河が冷静に自分に宣告してくる方が被害が大きいことを竜児は知っていた。
そして、実乃梨は実乃梨で竜児に向き合い、肩をガッとつかんで、
「高須君!!何かあーみんがすっげーことになってる!何で!?何で!?」
おおう、櫛枝。頼むから飯を食ったばっかりの俺の頭をそんながっくんがっくん揺らさないでくれ。
竜児の肩を持って、激しく揺さぶる実乃梨に祈る。その祈りが通じたのか、実乃梨は揺さぶりをやめてくれた。
けれど、どこか呆然とした様子で何事かをつぶやく。
「あ、あーみんまで。これじゃ、私が『決めた』意味が…。」
その言葉の意味がわからず、竜児は頭の上に?マークを浮かべる。そして、竜児のその様子で実乃梨は今のが聞かれたとわかったのかバッと手を肩から離し、
「あ!や、違くて!これは〜その〜…。えっと、何でもないんだぜ!!」
確実に何かあるだろう反応を返してくる。しかし竜児はその『何か』がわからないのでそれ以上問いつめることもできず
「お、おう」
と無難に流すことにとどまる。実乃梨は、何で〜もない何で〜もない、と自作の何でもないソングを歌って竜児から離れていく。
何か今日いつにもまして挙動不審だな、と竜児は思った。
そしてその日は学校から帰ったら大河に盛大に罵られた。ものすごかった。具体的に言うと●●●●●…言葉にできない。
ひとしきりわめいて落ち着いた大河に、「何でもするから機嫌なおしてくれ」と言うと様子が激変して、
「じゃ、じゃあ週末の食事はあんたが全部作りなさい!!いい、三食きちっと作るのよ!?あ、あんたに持ってこさせるのはさすがに可哀想だから、私が食べに来てあげるわ!!」
と返してきた。そんなんでいいのかよ、と竜児は思うが大河がいいならそれでいいかとも思う。
二日間、ずっと自分の家で大河のために食事を作ればいいのならお安いごようだ。自分には特に予定もないし。
ただ、大河はこの週末どこにも出かける予定はないのだろうかと思ったが、目の前で楽しみでたまらないといった様子でいるのを見る限りその心配もなさそうだ。
「ね、竜児。私このまえ作ってくれたやつが食べたい。あの鳥のやつ」
「おう、任せとけ。あ、でもあれは手間がかかるから土曜の夕飯でいいか?」
「うん」
そう嬉しそうに大河が笑うなら、二日間の食事提供など軽いものだ。
そして休みも終わり、月曜日。学校に行くために、いつも通り大河を起こしに行き一緒に朝食を食べ一緒に家を出る。
登校の途中で実乃梨とも合流し、女二人は竜児などいないかのように盛り上がる。
そして校門の所でたまたま時間の重なった亜美と会い、一緒に下駄箱まで行く。
男女比に何も思わない訳でもないが、ここまではおおむねいつもの日常だった。
―――二年C組の下駄箱にたどり着いた竜児が一人の女の子に話しかけられるまでは。
551 :
119:2008/12/05(金) 00:05:35 ID:/z/jqm26
「…なんっで、そんなにピリピリしてんだよ、お前らは…」
今まで和やかだったのに、なぜ急に極寒なんだ!!と主張したいが、この空気がそれ以上言わせてくれない。
「ずええぇぇ………っっったい、あの放送のせいだわ!!」
「むっかつくなぁ、急に注目しだしちゃってさぁ。今まで見向きもしてなかったくせに」
「おおお!?高須君、それ誰、誰それ!?この櫛枝、恥ずかしながら初めて見る顔なんだけど」
三者三様の答え。共通点はみんな目が笑っていない事。…まったく笑えない。
「ねぇねぇ高須君。私の話聞いてる?」
目の前の見知らぬ女子は空気読まずに話し続けるし。頼むから読んでくれ。
「いや、その、あなたが誰だか俺は知らないんですが…」
「あ、ごめん。そうだよね。えっと、『教えて大明神』って言ったらわかる?」
その名前を聞いて竜児の記憶が呼び起こされる。北村に誘われて出た昼の放送で、二枚目のお便りを書いた人物、のはずだ。
「ああ、あの二人目の。それでいったい俺に何の用が」
「そうなの!!聞いてくれる!?もうほんと私の彼氏すごい分からず屋で困ってるの!!」
……もしかして愚痴を聞いてもらいたいだけ?
「そんでまた高須君に相談乗ってもらおうと思って。今日の放課後とか平気?」
「いや、特に用事はないけど――」
「ありがと!!じゃあ、今日の放課後にね!」
それだけ言って、風のように去っていく。残されたのは呆然とした竜児と不機嫌顔の女の子三人。
もしかして、承諾した事になってしまったのだろうか。動揺する頭にそんな言葉が浮かぶ。
「あんた何、約束してんのよ!!」と猛る大河。
「ふーん。女の子から大人気だねぇ、た・か・すく〜ん」と毒をはく亜美。
そして実乃梨は
「うううううううううう…!!」唸っていた。
その様子に竜児が「く、櫛枝?」と声をかけると、実乃梨も自分の状態に気づいたのか説明してくる。
「…おおっとぉ!!少し自分を見失っちゃってたぜ城之内くん!!ずっと君のターンだったからね!」
「いや、意味がわかんねえ」
説明で余計に訳がわからなくなった感じだ。実乃梨はまだ「もちろん効果は正位置だ!!」とか言ってるし。
三人の心中を竜児は理解しないまま妙に悪い雰囲気で、みんなで教室に向かうのだった。
そして放課後。竜児は、面倒事は早いうちに片付けるとばかりに早々と朝の約束を果たすため教室を出て、すでに相談を受けた後だった。
だが、自分の教室に戻っていく竜児の足取りは重い。なぜかというと…
「…しかし疲れた…」
そうなのだ。相談を受けるために、『教えて大明神』が所属する教室(二年A組だった)まで行ったのだが(場所の指定は昼休みに彼女の方からあった。ちなみにその時、いつも一緒にお弁当を食べるグループの三人ほどの女の子からの視線が痛かった)
竜児は思う。―――何で俺が他人の惚気を聞かなければならないんだ…!!
そう、惚気られたのだ。そりゃあもう盛大に。
彼氏の事を悪し様に言っていたのは最初の五分間だけで、後の十五分はずっと惚気だった。そして『教えて大明神』の友人らしき人物も「私も話聞いてもらっていい…?」と言い出す始末。
最終的にA組は『出張☆高須竜児の相談部屋』になっていた。
「なんっで、順番待ちが増えていくんだよ…。おかげでえらい時間くっちまったぞ」
竜児の性格上、相談を持ちかけられたら真剣に考えないわけにもいかず真面目な応答をしていたらいつのまにか列ができていたのだ。
「しかも、なぜ恋愛相談が多いんだ…。俺は年齢イコール彼女いない歴の人間なのに」
そうであっても、しっかりと相談にはのったが。そして例にもれずに優しさのあふれる回答をしているので隠れファンが増えている。が、竜児にそれを知るすべはない。
もう大河も帰っちまっただろうな、とため息をつきながらガラッと教室の扉を開けると
「おぉ〜高須君。おつかれさま〜」
――櫛枝実乃梨がそこにいた。
552 :
119:2008/12/05(金) 00:06:18 ID:/z/jqm26
「は?え、いや、何で!?」
「え〜。城之内君、さすがにそれは傷つくぜぇ?速攻魔法、バーサーカーソウル!!ってな感じで」
「いやいや、別に待っててくれたのが嬉しくないんじゃなくて、むしろ嬉しいんだがそうじゃなくて!!」
「ん〜とね。高須君が教室出た後、大河が『竜児が変なことしないか見張ってくる!!』って出て行って、あーみんは『あたしは先に帰っておこーっと』って出て行って、そんで私は大河と高須君を待ってたのだよ」
「待ってた、ってどうして。何か大河と約束してたのか?」
「今日、大河の家に泊まるんだ。平日だけどごり押ししたら両親からオッケーサインがでてさ。…家主がいないのに大河の家に行くわけにもいかないし。それで教室で待ってたんだ」
「そっか。部活とかは?いいのか?」
「土曜日練習して、日曜日試合だったから今日はオフ。バイトもないよ」
そういうことか、と竜児は納得する。しかしすぐにまた疑問がわいてくる。
「でも俺、大河に会ってないぞ?」
実乃梨の言う事が確かなら、自分は大河の姿を見かけているはずである。だが、A組からここまでの道のりで大河には会っていない。
それを実乃梨に伝えると苦笑して、
「あ〜やっぱりか。多分だけど、どこで高須君が相談受けてたか知らないんだと思う」
「…は?」
「いや〜、あの子すごい勢いで出て行ったけどすぐ立ち止まってまた走り出したからさ。きっと、『場所がわからない、ならしらみつぶしに探す!!』ってなったんだと思う」
「…大河…」
さめざめとその名前を呼ぶ。昼休みあんなに鋭い眼光をとばしてきたのに、伝えられた場所を忘れるのか。ある意味すごいぞ手乗りタイガー。
「そういうこと。だから待つしか選択肢が残ってないんだよね。…私のライフカードはどこへっ!!」
「…それは別にその選択肢一つでよくねぇか?」
そう言って笑う竜児に、実乃梨も「ん?そっか、そうだやな」と笑顔を見せる。
その笑顔はやっぱり素敵で――この人に恋をしてよかった、と思う。
そんな風にこの状況を楽しんでいた竜児に、実乃梨は次の言葉を放つ。
「ね、高須君。今もまだ幽霊は見えてる?」
それを聞いたとき、竜児の頭は一気に現実に引き戻された。しかし実乃梨は穏やかに続ける。
「ほら、夏休みにあーみんの別荘で話したじゃん。UFOとか幽霊とか」
それが何で今でてくるんだろう、そう考えていた竜児の頭を読んだのかは知らないが、さらに実乃梨は言う。
「最近、ほんといろんな事があってさ。それで価値観も変わってきてて。前は、幽霊なんて私には見えないんだろうなって思ってたんだけど…今は、見えてる、かもしれない」
「…それは…」
後の言葉が続かない。実乃梨が見えたかもしれない幽霊はいったい誰なんだろうか、もしかして……といった思いがないわけでもない。
実乃梨との雰囲気は――自惚れていいのなら――良好だったし、竜児以外の男と話しているのを見た事なんて数えるほどしかない。
「だけどね、高須君」
それでも言葉に詰まったのは、そう、実乃梨の様子があまりにも苦しげで、それはまるで懺悔のようで――
「その幽霊は私が見ちゃ駄目な人で。親友も同じ幽霊を見てて。でも、駄目って思えば思うほどはっきり見えちゃって…!!」
何で。何で実乃梨はこんなにも苦しんでる。竜児は確かに『実乃梨にも幽霊が見えたらいい』と望んだが、こんな顔を見たかった訳じゃない。
竜児は、実乃梨にも自分が持っているのと同じような想いを持って欲しかった。お腹のあたりがフワフワと暖かくなるようなそれでいて幸せなこの想いを。
「…やっぱり私はさ。幽霊、見えない方がよかったみたいだよ、高須君」
そんなことを言われてしまったら、もう終わりだ。
本当に終わりだ。だってそんなことを言われたら―――
自分の本音を暴露するしかないではないか。
553 :
119:2008/12/05(金) 00:07:47 ID:/z/jqm26
「な、何か変なこと言っちゃったぜ!!もーう、それもこれも高須君が頼られオーラをゆんゆん出してるからだよ!高須君はほんと危険なお・と・こだね!!」
「櫛枝」
「え、何だい城之内くん!もう一戦なんてのは勘弁しておくれよ!もうとっくに櫛枝のライフポイントは0だ!」
「好きだ」
隠すのは終わり。結果がどうだろうと玉砕しようが何だろうが、今言っておかないと自分はこの気持ちを実乃梨に渡す機会を永遠に失う。
それは、それだけは嫌だった。実乃梨の行動・言動で簡単に一喜一憂するこの想いを無かった事にされるのだけは。
「一年の時に、北村と話すお前を見て好きになった。何て楽しそうに笑うんだろう、ってそう思った。それからずっと好きで、今年同じクラスになれて内心すごく嬉しかった。お前は覚えてないかもしれないけど、最初に話しかけられた時すごく緊張した。
悪い、こんなヤンキーみたいなのがお前の事好きになって。でも、俺は本当にお前の事が」
「ストーーーーーップ!!」
顔を真っ赤にした実乃梨に止められる。
「た、高須君!?今さっきの私の話聞いてた?聞いてたよね!?そ、それで何で急にそんな、こ、こ、告白を」
「お前が、幽霊見えない方がよかった、なんて言うからだ」
見えない方がよかった――そう実乃梨が言うのならば、今言っておかないともう実乃梨は聞いてくれないだろう。
だから言う。
竜児だって恥ずかしいのを我慢しているのだ。噛みそうになるのを必死でこらえて、口数でカバーして。心臓は破裂しそうに、バクバクバクバク!と鳴っている。
「何回でも言うぞ、本音だからな。俺は、お前のことが、好きなんだ」
そう竜児が言い切ると、実乃梨はブチッと―――ブチ?
「〜〜〜〜!!!高須君の馬鹿!私が見えなくていいって言ってるんだから、関係ないじゃん!!」
「はあ!?か、関係なくねぇよ!好きな奴が、『恋愛とかどうでもいい』っつったら一大事だろうが!」
「でも、高須君には大河もあーみんもいるじゃん!私のことなんてほっといてくれていいんだよ!!」
「お前、それ俺、どんな鬼畜だよ!?ほっとけるわけねぇだろ!お前は俺なんかにそう思われるのが嫌かもしれないけど――」
「そう思ってたら、ここまで悩んでない!私だって、高須君のこと好きだよ!!」
竜児の口が止まる。え?今実乃梨は何て言った?聞き間違いじゃなければ確かに今自分の事を―
「好きだから、こんなに悩むんだよ!大河もあーみんも高須君のこと好きなのに、それで私一人だけ成就するなんて…!!」
ひっそりと驚愕。ええええええ!?大河と川嶋!?うっそお!?
「…大河と川嶋?…や、それはさすがにありえな」
「ありえるの!!大河もあーみんも高須君のこと好きなの!!鈍感すぎ!!」
何気に傷ついた。好きな人からこうも真っ直ぐに言われるとクるものがある。
…しかし、まあ何で実乃梨が『幽霊なんて見えない方がよかった』なんて言うのかはよくわかった。
大河と亜美の存在に悩んでいたのなら、簡単だ。亜美が悩んでいたときと同じように、実乃梨の不安を取り除けばいい。
その答えを、竜児は持っている。
「櫛枝」
「…何だよ。高須君」
「俺は、大河を守りたいとも川嶋を大切にしたいとも思っているんだが」
554 :
119:2008/12/05(金) 00:08:19 ID:/z/jqm26
「………へ?」
「大河を守りたいし、川嶋を大切にしたいって思ってる。そしてその上でお前の事が好きなんだ」
そうだ。自分の気持ちはいつもそうだった。
――あの肝心なところでばっかりドジをやらかし、それでも強がる大河を『守ってやりたい』。
――いつもいつも上から目線で人を見てて、そのくせ一人で傷ついて寂しがる亜美を『大切にしたい』。
――毎日太陽みたいに笑ってて、だけど真っ直ぐな強い芯を持っている実乃梨を『好きでいたい』。
うつむいた実乃梨の表情はわからない。もしかしたら呆れてるのかもしれない。だけどこれは実乃梨に知ってもらいたかった事なのだ。
「優柔不断って言われたら、そうとしかいえねえ。でもこの気持ちは嘘じゃ「…っ!!あははははははっ!!」
爆笑。竜児もさすがに、ええええここで…!?となる。うつむいてたのは、笑いをこらえるためか。実乃梨の顔は真っ赤だった。
「ちょ、おい、櫛枝?大丈夫か、お前!?」
「ひー、やばい、もう高須君、予想外すぎる…!!斜め上いきすぎっ!!」
何で実乃梨は爆笑しているのだろうか…?俺なんか失敗した?竜児が不安になるのも仕方ないといえる。
その間も実乃梨は「やーもうほんと予想外。すっげー、高須君すっげー…!」と笑っている。
「…何がそんなにおかしいんだよ…」
憮然と言う竜児に実乃梨は涙をぬぐい(そこまで笑ってやがった)言葉を返す。
「もー、高須君さいっこう。こんな風に悩み解決されるとは思ってもみなかったよ…!やーも、…ぐふっぐふふっ!!」
息も絶え絶えにそう言って、しかも最後は笑って言えてない。
……やっぱこいつ変。そう竜児が判断を下すのもしょうがなかった。
555 :
119:2008/12/05(金) 00:08:57 ID:/z/jqm26
実乃梨が落ち着いてから、大河を探しに行く。
こっちが探しに行った方が早い、と二人で結論を出し大河の鞄を持って教室を出る。
さてどこに行ったかと、竜児が探そうとすると
「大河、下駄箱の所にいるってさ。早くいってあげよ?」
携帯をとりだした実乃梨が竜児にそう告げる。
なら急ぐか、と並んで小走り。
「ねー高須君。私らの関係って今どんなかんじ?」
「いやどんな感じって」
「一応、告白し合って、両思いってわかったじゃん」
「ぶっ!!」
「でも、高須君は大河とあーみんもいるしさー。なんだろうねこの関係…わかった!!友達以上恋人未満だ!!」
「げほっ、げほっ!!」
好きな人からそんなこと言われて照れない男がいるだろうか。いたらそんなやつ人間じゃねぇ!!
「どしたの?高須君」
「何でもない!!」
誰かこの無自覚爆弾投下娘を止めてくれ。
下駄箱につくと大河がちょこんと座って待っていた。竜児たちが着くなり開口一番
「遅い!!」
の一喝。これでこそ大河。それでこそ手乗りタイガー。
「悪い、いろいろあって遅れた。寒かったか?」
「もー、みのりんおそーい!私すっごい寒かったよー!」
「へへへ、お嬢ちゃん。俺が暖めてやろうか…?」
ガン無視か、こら。しかも実乃梨もノってるし。…俺、本当に好かれてるんだろうか?
靴を履き替え、校舎を出る。そして校門を出ると、横で亜美が校門にもたれて立っていた。
「おっそーい。女の子をこんな寒空の中待たせとくなんて、男として失格」
「…約束はしてなかったと思「てい」
バシッと叩かれた。理不尽すぎやしないか、この状況。
「こんな美人が待ってたことに感謝したほうがいいんじゃない?高須君」
「お前が美人なのは認めるが、絶対に感謝はしない」
そして亜美も合流。女三人寄れば姦しいと言うがまさにその通り。
「えっと大河、あーみん。私は三分こに賛成です」
「三分こ?…ああ、半分この三人版。実乃梨ちゃんがそう言うって事は…」
「…また、竜児がやらかしたわけね」
「や、それは恥ずかしいから置いといて!…で?で?どうなのどうなの、三分こ」
「あたしはかまわないって前も言ったでしょ。その方が高須君も喜ぶんじゃない?」
「…みのりんがそう言うなら、私もいいよ。でも!ばかちーは近づきすぎちゃだめだから!!」
「べっつにちびタイガーに指図される覚えはないんだけどぉ?」
「何だと、このぽっちゃりチワワ!!」
「だから、太ってねぇつのミニマムタイガー!!」
俺ここにいる意味あるのかな…竜児がダークサイドに堕ちそうになっている。
この喧噪は、大河の家に泊まらない亜美が途中で分かれるまで続くのだった。
556 :
119:2008/12/05(金) 00:10:16 ID:/z/jqm26
――この世界の誰一人、見たことがないものがある。
「朝だぞー大河、櫛枝。早くしないと学校遅刻するぞ?平日に泊まるんなら次の日もしっかりしないとな」
「んー。ほらみのりん行こ?」
「へーい」
それは優しくて、とても甘い。
「「「いってきまーす」」」
多分、見ることができたなら、誰もがそれを欲しがるはずだ。
「いやー、夏の時も思ったけど高須君の料理スキルはやっばいね」
「そ、そうか?そう言ってくれると嬉しい」
「竜児はそこ以外誇るところないもんね」
「こら、大河!昨日の会議を高須君にぶっちゃけるよ?」
「それは待ってみのりん!!」
だからこそ、誰もそれを見たことがない。
「あ、あーみんだ。おーい!!おーい!!」
「げ、ばかちーだ」
「朝っぱらからてめぇはむかつくな、ちびタイガー!!」
「お前ら、もうちょっと静かに登校しろよ…」
そう簡単には手に入れられないように、世界はそれを隠したのだ。
557 :
119:2008/12/05(金) 00:10:53 ID:/z/jqm26
「高須君も幸せだねぇ?こーんなに女の子からモテモテで」
「あのな、川嶋…」
「そーよ!!あんたはもう少し自分のみに舞い降りた幸運に感謝すべきだわ!!」
「…だからな、大河」
「うーん、否定できないかなぁ」
「櫛枝っ!?」
だけどいつかは、それも見つかる。
「お前らな…前も言ったが、俺のこと嫌いだろう…?」
手に入れるべき人達が力を合わせれば、そんなのは軽いことなのだ。
「「「ううん、大好きっ!!」」」
そういうふうになっている。
「「「あ、顔真っ赤」」」
「うるせぇな!!あー、もう、お前らもさっさと履き替えて教室…に…」
「…ねえ、竜児?その手に持ってるピンクの手紙は何かしら…?」
「へー、高須君は亜美ちゃんたちじゃ満足しないって…?」
「二年A組…高須く〜ん?これって前手当たり次第に相談を受けたのが原因だと私は思うんだけどなー?」
「本当俺みたいなのがラブレター貰ってごめんなさい!!」
なっている、のか?
End
558 :
119:2008/12/05(金) 00:11:33 ID:/z/jqm26
以上!!
めちゃくちゃ難産だった…orz
ごめんねオリジナリティなくてごめんね。
一人でこんなにレス消費してごめんね。
>>558 一番槍GJ!!
いいぜぇいいぜぇ超ぐっじょーぶ!
ハーレムスレの住人としてはもっとモテてもいいくらいだぜ
兎に角楽しかったよ!
…その三本がもっと成長するところも是非見てみたいけどね
グッジョブ!
こ・・・このハーレム王め(・∀・)ニヤニヤ
オラちょっと竜児に殺意が沸いてきたぞ(`д゚メ)
そんなことないです!
しかし、これで完結ですか。
さびしいです
>>558 この鬼畜め、ハーレム好きめ
でもそんなあんたの書く話は最高だ〜
亜美のがオリジナルうんぬん言っちまったが、全体とおすと良い繋がりになってたよ
ここはいいハーレムなインターネッツですね
GJ!GJ!
4〜10本はエロエロ展開ですね。お願いします。
>>558 Good job
なんというハーレム
しかし、これが序章に過ぎないとは…
何と言うハーレム
しかもエロパロ的には序章に過ぎないとw
エロなしでハーレムを作るとは…恐ろしい子。GJ!
GJ過ぎます。みんな可愛いし、最後がまた破壊力すさまじいですねっ。
終始ニヤニヤでした。
独身を…遅筆な自分に代わって、誰か独身を…
>>558 イカン
顔の筋肉がニヤケざるをえない
ところで「三人同時に初えっち編」はまだですか?
やべぇ、超GJ!
こんなキレイなハーレムエンド知らねぇよwww
全般的にハーレムエンドは優柔不断臭がするから好きじゃないんだけど、これはイイ!
俺の中で唯一気に入てった『トラぶる花札道中記』のワカメ編を越えた
眼福眼福
俺はまだ、あの人から卒業できていないのか。
「お久しぶりです。北村先輩」
「うん?幸太、か?久しぶりだな」
仕事帰りの電車で懐かしい奴に会った。自分の一つ下の後輩で生徒会役員を勤めていた幸太だった。
「結婚式は行けなくて悪かったな、ちょっと立て込んでたんだ」
嘘だ、本当はあの人に会いたくなかっただけだ。
おそらく幸太も分かっているのだろう、顔が若干歪んでいる。
「結婚式で義姉に会いました」
幸太は窓の外を見ながら言った。
「ずっと………彼氏を作っていないようです」
『おめでとう、さくら』
『うん!ありがとうおねぇちゃん!……次は、おねぇちゃんの番だよ』
そう言ってさくらはブーケを差し出したが、すみれはそれを受け取ろうとはしなかった。
『私にそんな相手なんか居ないよ』
「義姉は誰かを待っているんですよ」
ドアが開いて人の出入りが行われる、幸太は失礼しますと言い電車を降りて行った。
「誰か、ね」
竜児は大河と結婚し、能登はなんだかんだで木原と一緒になり、春田は頭の良い彼女とうまくいってるらしい。
そして自分は彼女の一人もいない。
なんどか告白されたが、心の中であの人と比べてしまって今一歩踏み出せない。
だからと言って会長に再びアタックする気はない。
足手まといにならないと決めたその日から、彼女と顔を合わせてはいない。
「結局俺は、いまだに心が囚われているんだな」
バッグから今日の朝刊を取り出して一面を眺めた。
そこには、NASAの関係者の中で豪快に笑うすみれの姿が映っていた。
終
575 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 05:49:19 ID:bMPKOWCi
576 :
119:2008/12/05(金) 06:40:05 ID:JNS6oeKq
>>559-572 >>575 みんなにそう言ってもらえてほんと嬉しいです。
ss初心者ながらもがんばったかいがありましたwww
エロ編は…どうしようかなー、と思ってます。
一人でそこまでシリーズ化して書いていいものかとも思いますし。
遅レスだが
>>558 GJ! なんという綺麗なハーレムEND!
これは続きor後日談を期待せざるを得ないぜ!
俺はエロより
>>119氏の新作が読みたい
エロは好きなんだが、綺麗なまま終わってるならそれで……
裸族は役回り的に一番損してるよね、ばかちー共々。
そんな北村にスポットライトをあててくれた作者の深い愛を感じたぜ、GJ!
でも、救われねぇ…
>>573 アニキ北村だと!?
期待せざれるを得ないじゃないか!!
しかし、アニキ裸族はどうもってくか難しいところだね〜
>一人でそこまでシリーズ化して書いていいものかとも思いますし。
書いていい
っていうか書け
書かないとおまいは野良チワワの群れに襲われて食い殺されるであろう
583 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 10:17:48 ID:kjj/ahY5
なんと幸せな死に方
584 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 12:03:23 ID:bMPKOWCi
保管庫にある、「あおいタオル」というSS。
いーとこで終わってるから誰か続きを書いて欲しいな。
アニメではその辺のくだりはカットされてたけど。
>>540 GJ
切ないが…かなり気に入ったw
これのおかげで原作9巻のこのシーンよりちょっと後の
昼休みに竜児が自分の弁当を大河に渡す場面の大河の心裏を色々妄想してしまったw
588 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 21:15:11 ID:bMPKOWCi
松澤SSってみのりんSSより少ないのな
やっぱ書きにくいんだね
今はアニメのおかげでとらドラの流れだしな
まぁ竜虎好きな俺的にはすごくありがたいが
592 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 04:44:50 ID:NM17bj+N
良作が続いてるな
みんなGJ!!
このスレってそんなに人がいないように見えて実はかなりROMがいるんだな
保管庫のアクセス数も結構多くて驚いた
ななドラとかまた見て〜
なんだろハーレム物の時も思ったが
原作で竜児を気にしてなかった子に竜児がモテるとこをニヤニヤして〜
596 :
573:2008/12/06(土) 13:57:21 ID:9uCp/Jm2
救済への構想は練った、後は書くだけ。
待ってくれてるとうれしい。
保管庫ってもう少しどうにかならないの?
すげー読みにくいんだけど。
5,6話あたりだったと思うけどみのりんが頭上で「○」を作ろうとして
急に「×」に変えたのって、あれ何のネタだっけ?
たしかかなり昔にテレビで見た覚えがあるんだけど
○だと紙吹雪が、×だとバケツの水が落ちてくるの
どう読みにくく感じてるのか分からんが
保管庫サイトとしては親切目のまとめかただと思うけどな
601 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 15:24:24 ID:3HyLf+yk
>>598 『オレたちひょうきん族』っていうお笑い番組のなかの「ひょうきん懺悔室」ってコーナー
まとめはこれでいいと思うけど、強いて言うなら明朝体よりもゴシック体にしてほしいな
三大都市でテレビを視ていらした皆様、次週予告で、すみれの対面がさくら、奥がすみれの隣が祐作、さくらの隣りが幸多、出前の女子が書記、男子が庶務というか次期生徒会会長候補、で良いでしょうか?
さくら×こうた を書いている最中に出てきたので、驚いてます。
だって、幸福の手乗りタイガー伝説がまだなのてすから。
とらドラってここ以外だと個人のHPではあんまりSS書いてる人とかいないね
ラノベの限界か
ハルヒは今でも見掛けるほど書かれてるけどね
会社の限界か
>>609 牧場スレってなんぞと思ったがそのまんまでワロタ
GJ
>>606 探したのはいいが中々見つからないよな
一番上にHITするのはここという落ち
生意気な竜児をシめてやるッ!
狸ね入りするやっちゃんが見守る中、「晩御飯作るの遅い」件への制裁は行われた。
既に竜児の両手は後ろ手に縛られてれている。
「タイガ、コマしたれ」
インコちゃんが寝言をいうと、大河はワンピースの下からショーツを抜き出した。
ゆうに数ミリしかないだろうというささやかな陰毛の草むらに、竜児の頭はくらっと震えた。
しかし、その恐怖とは裏腹に〜いや、竜児にとってはその恐怖こそが
色欲を沸き立たせるものだったのかもしれないが〜
竜児の「ふ、ふんっ!蛇のしっぽみたいね!」(大河談)と言われるようなな小振り(大河談)な一物は痛い程にそそり立っていた。
その「蛇尾」の皮を大河が唇で「ちゅる…ん、んう、ん…ふぅん」と不器用に、苦しげに剥く。
大河の口中に竜児の雄臭が広がる。
そして、大河の花畑が竜児の竜頭をねじり飲み込んでいく・…
ご主人様によるド迫力(と思いなさい)の初体験。
まだ、幕が開いたにすぎない。
抑え切れなくなった気持ちの吐露は、ここから始まる。夜はまだ終わらない…
大河が竜児を後ろ手に縛るって、想像出来ません。
ですが、縛る事以外は有りそうですね。
で、続きは?
有るとしたら、木刀で後頭部一撃か、正面から襲いかかって、倒れた所を手足を押さえて、正面なら喉を噛む、背面なら耳か肩を噛む、
と思います。
あからさまに18歳以下な香りのするレスは控えましょう
615 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 21:05:53 ID:t3OuCb2T
>>614 うん!わかったよお兄ちゃん!と言えばいいんですね、わかります
sageるんだ
新作はまだか?
竜児と実乃梨のラブラブだぜー超ラブラブだぜーなヤツ。
618 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 22:18:35 ID:klerSZZ5
連休中に来るかなと思ったんだけどな・・・・・
だが、まだ一時間半ある!
ねこうさプリンにとらドラ!の漫画があるな。
思えば俺はあの人の影響でこれを見始めたんだなぁ…
連休って先週普通のウィークデーじゃん
俺毎日連休なんだけど
土日と休みなのは連休ですよ。
週休二日が浸透したこともあるけれど
みんながみんな週休二日ではないわけで。
>>621 その昔「毎日が日曜日」という漫画があってだな(ry
学校が土日休みなのは、ゆとり教育ってやつのせいでしょ?
毎日が日曜日ですが?
18禁とか…
そんな有名無実なことにまだこだわる奴がいるのか…
素で少し驚いた
奪い合いされる様なハーレムSSと自然に三又OKなハーレムSS、
みんなはどっちがいいかい?
俺はどちらでも構わんが
が?
630 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 02:41:29 ID:I60xnez4
>>623 労働運動の成果。週休2日制じゃなきゃ疲れがとれんw
>>627 自然だけどお互いに張り合っちゃって三人ともが濃厚サービスになっちゃってるSSがいい
竜児×ゆりの続きマダー?
>>627 ふだんまずない実乃梨対大河がチクチク口撃しあう様子
実乃梨がリードで、普段喧嘩ばかりの大河、亜美が協力して妨害とかが見たいです
稚拙ながら作ってみました。とりま前半6レス予定
「恋の魔法」
「はぁ・・」
川島亜美はため息を繰り返していた。とあるモノを見ながら・・
「はぁ・・・」 ため息したあと頭を抱えてうずくまった。
「あたし何やってんだろ・・」と吐き捨てその場を立ち上がり、あるモノを乱暴にかばんに投げ入れた。
-love magic-と可愛らしくピンクのラベルの貼ってある一見普通の飲み物。
昨日事務所に置いてあった怪しいファンからの贈り物だ。
普通なら捨てる。間違いなく捨てる。
しかしながらこの-love magic-は普通のモノではなかった。一般人では易々と手の届かない程の額、
輸入制限と入手困難で偽物を横行させている超強力な媚薬効果が売りの飲み物である。しかも大半の日本人が
つかまされる偽物ではなくて本物のロゴマークいりである。芸能界にいれば嫌でも効果は耳につく。金の亡者に、媚薬に溺れるアイドル。
気がついたとき亜美は-love magic-を手に取っていた。
媚薬効果が、見た目危険人物である鈍感な高須竜児に効くだろうかという好奇心に勝てなかったのだ。
じゃあ亜美ちゃん使っちゃう?
・・嫌。そのままのわたしを見てくれている。いくら取り繕って可愛い顔しても、高須君はわたしの本質しか見ていない。
ならそのままのわたしで勝負するべきだったと自嘲するかのようにため息をつき。鏡を見た。亜美ちゃん超可愛い〜♪
こんなモノ使わなくたって高須君は振り向いてくれるよね?ふと時計に目を向ける。
「やばっ!」時間が思ったよりも早く過ぎている。
女の子の朝は忙しく、あるモノの存在を忘れてしまうくらい余裕がないようだ。
チャイムの音が聞こえる。5分前のチャイムかな授業開始かな・・玄関に人影が見えた。普通のサイズとちっこいのと二つ人影だ。
「おーい川島〜遅刻するぞ!」どうやら前者の方のチャイムだったらしい
『駄犬!バカチー!朝から犬セットなんて最悪!』と隣で聞こえてきそうだったが。
どうやら今朝は大人しいらしい。高須君の袖をつかんで顔を赤らめていた。
見た目カップルだが内情を知っている亜美からすれば異常な朝の光景だった。
「どうしたのコレ」と大河を指でさした
「ぁあちょっとな・・・」 はぐらかされた?
誤魔化すように頬をポリポリとかいている。バレバレなんですけどー
「それより川島遅刻するぞ!」 話題変更?亜美ちゃんつまんなーい
ムスっとした態度をとっても視線はもうこっちになかった。
遅刻するのもばからしいので3人で教室に入った。
高須竜児は困惑していた。
今朝の出来事である。珍しく大河に起こされたのだった夜中の3時に。
「おまえ・・何時だと思ってるんだぁーまったく・・」すごく眠そうな声で、実際さっきまで寝ていた竜児にとって当然の抗議である。
「りゅうじ・・私ね・・私・・私・・」弱々しい大河の声で竜児の目が鋭くなった。
「どうかしたか大河!いまからそっちいくからな!」と立ち上がり寝巻きのままで飛び出していた
「ぇっ!りゅ、りゅうじだめ」と大河が言った気がした。電話の相手は玄関の外だった。
合鍵でドアを開けて竜児は大河の部屋の前まで来ていた
「大河はいるぞー」返事はなかったが竜児はドアを開けた。
竜児は目を光らせた。ベットの上に毛布の塊が一つ
「大河どうした?」塊は動かない。返事を待つようにベットに腰かける
「りゅうじ・・あのね・・恥ずかしがらずに聞いてくれる?」
「おぅ!怖い夢でも見たのか?」ビクッと塊が動いた
竜児は優しく塊を見つめた。怖い夢を見て自分を呼んでくれた。自分のすべきことは決まっていた。
「よっとっ!」竜児は塊を抱き上げ赤ん坊をあやす様に腕の中に大河を包んだ。
「なっな、な、な、ななにをするのよっ!!」と塊が抗議の声をあげた。
竜児は気にせず腕を解かなかった。
「大丈夫だよ大河」ぎゅっと大河を抱き寄せ
「俺はいなくならないから。そばにずっといるから」塊の動きが止まった。
「りゅうじ・・りゅうじ〜!!」塊から大河が飛び出してきた。
大河は竜児に抱きつくと顔を胸にうずめボソボソと何か呟いていた。
竜児は大河の頭をポンポンと優しくなでそのまま寝てしまった。
安心して寝てしまったのだ。朝起きたときそこは大河のベットだった。
何を言われるんだろうかと内心ビクビクしながら腕の中の大河に声をかけた。
「おはようー」
『何がおはようよ!調子に乗ってるんじゃない駄犬が!いい?昨日はご主人様が弱ってるところをずいぶん好き勝手言ってくれたわね!
いいわ一生私に奉仕しなさい!駄犬!』と言う罵声とみぞおちに来るだろうパンチを考えて腹に力を込めた。
「ぉ、おはよ・・竜児昨日は・・」 ビクっと竜児が動いた。
「昨日はありがとっ」 はて・・今日はやけに素直なのだ。
「えへへっ」
そして人形のように綺麗に整った顔で竜児に笑いかけてくる。
あのあと良い夢でも見たのかなと竜児は思い。
大河の頭をずっと撫でていた。遅刻しそうなくらい。
-今日は逢坂大河の機嫌がいい-
クラスの危険人物の機嫌だけでそうそう話題にあがることもないのだが大河の機嫌がいいことに越したことがないといことを
このクラスは身を持って体感している。
そして同時に「「なぜ?機嫌が良いんだ手乗りタイガーは」」という共通の疑問ができる。
好奇心は時に異常なまでの連帯感を見せるのだ。
本人に直接聞くのはNGだ。眠れる虎を起こしてしまってはクラス全員を敵に回すよりもたちが悪い。[触らぬ虎に祟りなし]である。
高須竜児はどうだ。いつも手乗りタイガーと一緒だ。見た目は危険人物だが、竜児がイイヤツということはみんな知っている。しかし、
竜児の口からその情報が得られるだろうか、鈍感であるが故に余計な一言を言ってもらっては困る。それに今日はいつもより逢坂と一緒にいる気がする。
一緒に入ってきた川島亜美はどうだろう?いや、やめとこう。喧嘩するほど仲がいいなら・・と誰もが思うくらい二人は対立している。
手乗りタイガーの機嫌が良くて一緒に入ってきた川島がムスっとしていたら・・・。
じゃあ
「「櫛枝〜」」櫛枝実乃梨。手自他共に認める乗りタイガーこと逢坂大河の大親友である。
ぞろぞろと櫛枝の席にクラスメイトが集まる。
「おやおや、お客さん順番にならんでー」勤労少女はバイト口調で言った
「あんたの親友どうしたの?」女子がズイっ距離をつめる
「手乗りタイガーどうしたの?」男子も負けじと距離をつめる
「オラ、モテモテで幸せだぁー」と独特の口調で櫛枝は答えた。
とここでチャイムが鳴った。実乃梨は誰にも気づかれないように「ふぅ」ともらした
「閉店!閉店だよー!」とバイト口調でチャイムに合わせ、それぞれの席に帰っていった。
大河が機嫌よくてうれしいけど、あーみんの機嫌が悪いとなると思い当たる節は一つ。
ふと高須竜児の席に目をやると。鋭い目をギラつかせながら大河を見ていた。
あの目は・・大河が心配で見ている目・・大河の今日の態度はきっとなんかあったと確信できる。
うれしいけど切ない。私の望んだこと。
机の下で拳を作り私と大河にガッツポーズ。今日もバイトだ。勤労勤労
で、結局何があったんだろうとクラスのみんなが思いながら授業は進んでいった。
----昼休み----
竜児に作ってもらったお弁当を持って大河は竜児の机の前に来ていた。
「おう!わりぃなすぐ支度する。」と竜児はマイ箸をとりにロッカーに向かった。
主のいなくなった椅子を眺めていた大河はおもむろにその椅子を陣取り竜児を待った。
「逢坂今日ずいぶんご機嫌だな〜」上から声が聞こえて大河は声のするほうに目を向けた。
大半のクラスメイトが疑問を抱えていたことを躊躇なしに聞くことが出来るのはクラス委員長ことまるお。北村祐作くらいである。
「き、北村君っ・・えっと・・その・・別になんでもないよ」あれ今日はいつもより普通に喋れる
「そうなのか・・俺はてっきり・・」クラス中からGJの賛辞が北村の背中に集まったが本人は知るよしもなく
「いや逢坂がなんでもないなら・・それでいい」と北村らしく流してしまった
「おう北村じゃねぇか今日は生徒会いいのか?」
竜児は声をかけると同時にチラっと大河を見つめ視線を絡めた。
席を返せと訴えているのではなく。竜児なりの気配りだとすぐに気づいたが視線を返せない。いや直視できないでいた。頬が赤くなっていく。
竜児が心配そうに覗き込もうとしている。ダメ・・恥ずかしい・・
「まあそんなわけで今日は生徒会もないし、一緒に昼飯どうかな?」救いの手は北村から始まり
「みんなでお昼なんて!あっしもいれてくれないと嫌だぜい?」軽快なみのりんはそのまま「あらよっと!」とくるくる回りながら
その手はバカチーを捕らえていた
「ちょっと・・もぅ強引なんだから・・回るなって!」とムスっとしたバカチーも加えて
気がつけばいつもの5人で席を囲っていた。
竜児がみのりんの華麗な登場にあっけに取られている間に大河は脱兎のごとくササっとバカチーのところに移動していた。
「た、たまには場所変えて食べるのもい、いいかなと思うじゃない?」同意を求めるかのように竜児に問いかけてみる
「俺の近くの方が後々楽になると思うぞ?」竜児から同意は得られなかった
周囲がビクっとざわめいた。高須が逢坂に逆らった・・いつもならここで
『私食事は楽しく食べたいの!いい?駄犬!あんたの顔を四六時中見ながらご飯食べていたらご飯がドックフードと思われるじゃない?
世間体的にヤなの!分かった?』という毒をいとも簡単に吐き捨てるか、蹴りかパンチが飛んでくるからだ。
しかし今日の大河はおとなしかった。
『ばっかみてー』内心から言葉が滲み出てしまいそうだった。
「亜美ちゃん超お腹すいたんですケドーていうか、別にどこでもいいじゃん?高須君亜美ちゃんに嫉妬?」ププと嘲るように言ってみる
「違っ!ぁーわりぃメシ食おうぜ」と竜児は渋々席についた
どうみてもあのタイガーは恋にうろたえている可愛い少女。鈍感男から守らないと。亜美ちゃんって損な役回りばっかして・・
誰かさんに似てきたなと自嘲しながら弁当を取り出すためにかばんを開けて、亜美は硬直した。
-love magic-と書かれたその存在をすっかり忘れていたのだ。そういえば朝は遅刻ギリギリだっけ。
隣に座った大河が不思議そうに亜美のかばんの中を覗き込んでくるのも気づかずに、
「ねぇバカチーそれおいしそうよね。一口いい?」っは!と亜美が気づいたときには既に遅く
「うへっまっず。バカチー趣味悪いね」とタイガーは少し減ったモノを亜美のかばんの中に押し込めていた
しばらくタイガーを観察してみる。相変わらずおそろいのお弁当だこと・・。
あれこれって一切冷凍食品なし?ぁあホッペに米粒・・ちょっソースが制服に・・
「「あ゛っ」」ほぼ同時だった。一瞬高須君と視線が合い、互いにうなづく。竜児はティッシュを亜美に向けて放ち、
亜美は空中でティッシュのキャッチし、今まさに制服に黒いしみを作らんとするソースに向けて手を伸ばす。
「「うっし!」」また声が重なった。見事にソースを捕らえたのだった。連携プレーの勝利の瞬間である。
それにしてもあの鈍感男は・・鈍くないのか?いや、いつも見てるのかな。だから近くに置きたいのかな。
ホント気づいて欲しいものには気づいてくれないのに・・
「大河?大丈夫か?」竜児が立ち上がり大河を心配そうに見ている
「ナ、な、なんでもももな、いのっよ」いやいやタイガーそれじゃ誰も信じないよ
顔を真っ赤にして体を小刻みに震わせて潤んだ瞳で必死にあがいている。
さすが本物・・やりすぎた・・持ってくるんじゃなかったと亜美が後悔している間
「やっぱ今朝から調子悪ぃみてえだ保健室連れてく」ヒョイっと大河を抱きかかえ竜児は去っていった
「「なんだよータイガー結局病気で本調子じゃなかっただけじゃないか〜」」
「「大人しいタイガー可愛いけど、早く直って欲しいなぁ〜」」教室はざわめいていた
「くそっ!」竜児は鋭い目をさらに細め苛立ちを隠せないでいた
今はお昼休み。保健室の先生ももちろんお昼休み。
大河の呼吸がさっきから荒い。とりあえずベットに大河を寝かせることにした。
「大河大丈夫か?」優しく大河に話しかけ髪を撫でる
「りゅうじ・・からだがあついの・・」じっと潤んだ瞳で竜児に訴える
自分ひとりでは何も出来ない。不甲斐無い。俺が出来ることは・・・
「大河少し待ってろ今先生見つけてくる!」立ち上がり保健室をでようとした
「やだ・・りゅうじひとりにしないで・・」竜児の動きは止まり戻ってきた
今朝怖い夢で震えていたのは誰だ?大河だ。俺は大河に何ていった?ずっと一緒にいると言ったじゃないか。
「ごめんな大河。」竜児は大河の手をそっと握った。
――はむっ!自分の指が食べられている。突然の出来事に竜児は動けなくなっていた。
「た、大河っヤメロってどうしたんっだよっ・・うっ」 言い終わる前に大河に指を吸われていた
――ちゅうちゅうと、そこからミルクが出てくるかの様に
チロチロと小さい舌で指を舐めまわした後にツゥーと舌先で指の腹を掌までなぞる
唾液がべっとりついた竜児の指を見て大河はご満悦なようで口先を吊り上げる
「りゅうじあたしにも・・して」 ずいっと竜児に指先を突きつける
待て、冷静に考えるんだ俺。必死に思考を巡らせる。
――はむ。大河がまた指を舐めている。上目遣いで竜児に催促するかのようにジッと見つめる。
「ふぅーっ」と何かを観念したかのように大きく深呼吸をしたあとに、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「大河いくぞ」 突きつけられてた指先を竜児の唇が覆った。
舌先で大河の指を円を描くように舐めまわす。
「ひゃうっ」と驚いた大河は後ろにおののきベットに倒れこみ、指をくわえている竜児は覆いかぶさる形になった。
竜児は舐めるのを辞めなかった。
甘噛みし、固定された指を舌で蹂躙する。
「ぁ・・・うぅん・・・んあっ・・」大河の息遣いがだんだん荒くなってきた
「はぁ・・りゅうっじ・・・はぁ・・・んんんっ・・」大河に竜児の指を舐める余裕はなかった
竜児は解放された指を口から引き抜くと唾液を拭くかのように頬にこすりつけ首筋まで大河をなぞった
舌全体で大河の指を包み、力強く吸い上げる。
「んっんんん」大河は悶えてた。
「はぁ・・・はぁ・・・」大きく呼吸する大河を見下ろし竜児は指を放した。
グッタリしている大河を覗き込み、唾液をなぞるように首筋から頬まで舐め上げ、首筋を軽く吸った。
「ひぅっ」大河はビクッと体を震わせそのまま寝てしまった。
以上で前半終了です。エロはありのほうがいいのかな・・
挑戦しているけど難しいですorz
エロパロのとらドラスレ初めて来たけど
ほのぼのな良い話ばっかりでビックリした。
てか同衾だとか指チュパだとか充分エロね?
それに、保管庫とかみれば判るけどエロには(多大な)期待していないし。
GJGJ
後半も期待
GJ
御心のままにお書きください
ここまで保管しました。
コピペ改変ssについてのご意見有難うございました。
それでは失礼します。
保管庫の
@ノーマルタイガー
Aアップでポニテタイガー
Bネズミータイガー
C赤面して腕にしがみつくタイガー ←new!
D虎縞極小ビキニの虎コスタイガー ←new!
E膝の上でくつろぎタイガー ←new!
F一緒にお風呂タイガー ←new!
ってなに?
655 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 19:17:25 ID:RqQRXwc9
駄文ながら貼らせていただきます。
「竜児は私のだぁ事件〜アフター」
656 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 19:18:09 ID:RqQRXwc9
〜亜美との水泳勝負を終えた日の帰り道〜
「大河」
竜児は少し前を歩く手乗りタイガーこと逢坂大河に声をかけた。
「なによ」
あからさま不機嫌に返事をした大河は、足を止め振り返る。竜児を睨む
その両眼は、言葉には出さなくても「今私に話しかけないで!!」と
物語っていた。いつもの竜児ならこの時点で会話終了だが、今回は少し違う。
「あ、あのよ・・・なんていうか・・・」
バツが悪そうに前髪をいじりながら竜児は視線を左上に向ける。太陽が憎くて憎くて
しかたない。というわけではない。照れているのだ。
「気持ち悪いわね。用があるなら早くいいなさいよ!これだからグズ犬は」
けっ、と唾を吐くような素振りをみせ、悪態を吐く。他者の目で見れば、非常に腹の
立つ行為であろうが、竜児にとっては日常茶飯事。最早慣れっこであった。そのまま話を続ける。
「その・・・ありがとうな!俺が半分失神してプールに沈んでったとき、大河だけが
気づいてくれた。しかも泳げないのに必死に俺のこと助けてくれて。それに竜児はわ・・・おうっ!」
不意に大河の目を見た竜児は慄いた。その眼光は抜き身の真剣のような鋭さで、今にも強烈な袈裟
切りでも浴びせられそうだ。しかも口パクで「それ以上いったらコロス」と。竜児コクコクと
頷き、自らの学習能力の無さを呪った。
「竜児は私のだー事件」のあとクラスメイトの無言の圧力に耐えかねた大河は、残りの授業をすべてサボり、
竜児のいる保健室へ退避していた。ちなみに竜児はというと大河の無言の圧力に押しつぶされていた。
保健室に来てからというもの、一言も話さないのだ。ただいるだけ。話しかけても完全無視。プールの話題を出そう
ものなら・・・・・。
657 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 19:19:42 ID:RqQRXwc9
せめてお礼だけでもと思い、今に至るわけだが。
しばしの沈黙・・・この非常に冷たい空気を切り裂くように再び竜児が口を開く。
「とりあえず、本当にありがとな。それから・・・お前がもし危ない目にあったら、
必ず俺が助けてやるよ・・・・」
虎を助けることが出来るのは、竜だけだからな。と、少々恥ずかしそうに下を向いてもごもご
付け足す。
大河は一瞬だけ猫みたいに目を大きく見開き、すぐに竜児に背を向け言い放つ。
「あ、ああああああんたねえ、い、犬がご主人様を助けるなんて当たり前じゃないの!
なにを今更。それに勘違いしないようにいっておくけど、あんたのことなんてほんっ〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜と〜〜〜に、どうでもいいんだからね!!」
ふんっ、と鼻をならし、そのまま大河は歩き出す。
全く、お礼言いたかっただけなのになんなんだよ、と一人ごちり、竜児はその場に立ち尽くしたまま、
先を行く小柄すぎる少女の背を眺めていた。
『どうでもいい』不意にその一言が頭に浮かぶ。
昨日そのワードを大河に言われ、ムカつき、生まれて初めてケンカをした。
これまで人に何を言われようと、素のまま怒りの感情を表に出したことなんてなかった。
そして今、またそれを言われてしまった。
・・・・でも、なぜかわからんが、昨日みたいにイライラと湧き上がる感情がない。
それどころか、なんていうか・・・くすぐったいような・・・・。
・・・Mなのか!?俺ってもしかして。・・・否!!断じて違う・・・よな?
658 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 19:21:50 ID:RqQRXwc9
「あぁ、もうわっかんねぇ」
右手で自らの考えを掻き消すように、でたらめに髪を掻く。
・・・まぁ、いいか。
大河といるときはいつも分からないことだらけなのだから。
竜として大河の隣に居続ける。
あいつの隣にいるのは、自ら望んだこと。
今はそれだけでいいのかもしれない。
「竜児ー!何してんだー、このグズトロ駄犬が!!早くいくわよ。今日特売なんでしょ!?」
竜児がついてきてないのに気づいた大河が、足を止め、怒鳴る。
「おうっ、今行く!ってかいちいち怒鳴るな」シワが増えるぞ!とは怖くて言えない。
ったく、やっぱり早まったか?と、苦笑いを浮かべながら、再び歩き出した大河の背を追いかけた。
「・・・俺が絶対助けるだって!」
『お前のそばに居続ける』以前竜児がこの言葉を言ってくれた時の気持ちが甦る。
追いかけてくる足音を聞きながら、先を行く少女は満面の笑みを浮かべていた。
しかし、それを竜児には見られまい、必死に隠そうと、持ち前の無愛想を浮かべようとして・・・失敗。
笑顔半分、むっつり半分の阿修羅顔の出来上がり。
「はぁ、やっと追いつた。って、プッ!お前なんて器用な顔してんだよ・・・・ゴフッ・・・。」
「黙れ!ブサイク!!!」
end
SS投下
すごく短いです
竜ちゃんのバカ・・・
わたしはもっと、も〜っと竜ちゃんと一緒にいたいのに、竜ちゃんは私を置いて出かけちゃう
朝目が覚めて・・・いつの間にか来ていたちっぱいと一緒にご飯を食べたら、
竜ちゃんはちっぱいと一緒に出かけて・・・そうなったら夕方まで返ってこない
竜ちゃんのバカ・・・・・・
今日だってそう
どんなにわたしが竜ちゃんを見てても、竜ちゃんはちっぱいばっかり気にして・・・
ちっぱいが余計なおせっかいして、竜ちゃんが一生懸命作った朝ご飯をテーブルに運ぼうとして、滑っちゃって・・・
けど、転んじゃいそうなちっぱいを慌てて竜ちゃんが抱きとめてあげたり・・・
──そのまま転んじゃえばいいのに
それに竜ちゃんが振り返った瞬間に足を滑らせるなんて・・・ずいぶん都合がいいドジだね・・・
ちっぱいがアホの子みたいにバクバクご飯を食べて、ほっぺたに沢山ご飯粒付けてるのを
竜ちゃんが一粒一粒取ってあげて・・・それをそのまま食べちゃって・・・真っ赤になってるちっぱいの顔を拭いてあげたり・・・
──ちっぱいの顔なんてご飯粒付けてるのがお似合いなのに
竜ちゃんも、ちっぱいが食べてるふりしながらご飯粒を必死に顔に付けてるのになんで気付かないの?
調子に乗ったちっぱいが「りゅ、りゅうじ・・・ぁ、あ〜ん」って言って、おはしを竜ちゃんに向けて・・・
けど、竜ちゃんはちゃんと「何してんだ? 大河。ふざけてないで早く飯食えよ」って断ってたけどね
──ちっぱいザマァ
ちっぱいは他にも、竜ちゃんに気付かれないようにしながらちょっとずつ座ってる位置を直して竜ちゃんに近づいたり
自分で取れるくせに「竜児、お醤油ちょうだい」とか言って、お醤油を取ってあげた竜ちゃんの手をベッタベタ触ったり
「なんだか今日は暑いわね」なんて言いながら、その薄っぺらい胸元を強調させて・・・朝からなに発情してんの? 出かけるんじゃないの?
っていうかうっす! うっすぅい! それ胸? そんな胸で竜ちゃん誘ってるの? かわいそう・・・そんなぺらい胸で誘われてる竜ちゃんが・・・
まぁ竜ちゃんには、ちゃんとわたしがいるから? ちっぱいの薄い胸と色気なんて全然・・・え? ちょ、ちょっと・・・竜ちゃん?
なんで、ほっぺた赤くしてるの?
なんで、チラチラちっぱいのちぃっちゃ〜い胸元見てるの?
なんで、今『ゴックン』って大きく唾を飲み込んだの!?
・・・・・・竜ちゃんのバカァ!!
・・・とにかく
今日も朝からちっぱいは竜ちゃんにベタベタベタベタ・・・ご飯を食べ終わってもベタベタベタベタ・・・
ここはわたしと竜ちゃんのお家なのに・・・自分の巣へ帰れ、雌虎
そして2度とわたしと竜ちゃんのお家へ来ないで
そんな事を考えながらちっぱいを睨んでやると、わたしの睨みに怯んだのかしら
ちっぱいは立ち上がって「竜児、そろそろ行くわよ」ってカバンを手にとって・・・あぁ、いつもみたいに出かけるみたい
竜ちゃんも洗い物を終えて、ちっぱいと玄関へ・・・お外へ・・・
いやぁ! やだ! そんな奴ともうお外に出ないで! ずっとお家にいようよ、竜ちゃん!
そんな硬そうなちっぱいよりも、わたしの方がもっと柔らかいよ! 竜ちゃんたくさん触ってくれたから知ってるでしょ?
・・・っ・・・前は・・・前はあんなに可愛がってくれたでしょ?
竜ちゃん、わたしが嫌がっても・・・朝だって、夜だっておかまい無しに・・・してくれたでしょ? ね?
わたし、もう嫌がったりしないよ? 竜ちゃんがしたい事、なんだってさせてあげるよ? ホントだよ?
だから・・・ちっぱいと、これ以上仲良くならないでよぉ・・・わたしの事置いてっちゃやだぁ・・・
ちっぱいと出かけてっちゃうのに耐えられなくなって、泣いちゃったわたし
けど、そんなわたしの想いが届いたのか、竜ちゃんがこっちを向いてくれて
「じゃ、インコちゃ〜ん、俺たち学校行くから、帰るまでいい子にしててね〜」
「い、いいっい、いぐー! いぐいぐいぐ、いっぐぅぅぅう! りゅ、りゅうちゃ、りゅうちゃ、んっいぐ───!」
「・・・ねぇ竜児」
「おぅ?」
「あのブサインコ、なんだか前にも増して気に入らない視線を送ってくる気がするのよね・・・
うぅん、視線なんてもんじゃなくって、こう・・・ドロドロした・・・」
「だから、大河の気のせいじゃないか? 俺にはいつも通りのインコちゃんにしか見えなかったぞ」
「・・・それに、ブサインコの言葉使いがおかしくない? さっきのあれ、下手くそなオウム返しにしてもなんか変よ・・・」
「お前なぁ・・・気にし過ぎだって」
「なんだか気味悪い・・・・・・竜児、ちょっと手出して」
「? おぅ・・・お、おい、あんまりくっ付くなよ。それに手なんか握って・・・」
「えへへ・・・あ、か、勘違いしないでよ、駄犬。これはべつにそんな意味でしてるんじゃなくて、
ただ単にこうしてると落ち着くだけだから、それだけなんだからね? いい?」
「はぁ? ・・・わ、分かったけど、手はちょっと・・・櫛枝に見られたらどうして」
「もう遅いわよ」
イン娘ちゃん(CV サト○ユキ)再び
イン娘ちゃんが言ってるのは単なるスキンシップ・・・の、はず
一番ぺらいのはやっちゃんSSが煮詰まってこんなのに逃げてる俺
やっちゃんひでえ
と思ったら
イン娘ちゃん…だと…
>>664 竜×インコちゃんSSだと思ってたら竜×虎萌えSSでした。GJ!
初めて投下
駄文とか気にせず投下!
たかすほいくえん
「せんせいまたあしたー!」
「ん、またね。気をつけて帰るのよ」
園児が見えなくなるまで手を振り続ける彼女からは、昔とは違う感じの優しさがあふれていると思う
午後6時30分
最後に残った子を送り出した教室は、差し込む夕焼けでオレンジ色に染まっていた
「今日もお疲れさまだな。たいがせんせい?」
「誰もいないから大河でいいわよ、園長先生?」
「未だに慣れないんだよな…その呼ばれ方」
あのバレンタインの日からもう何年たったろうか
紆余曲折のすったもんだを繰り広げ、多数の人々に迷惑をかけつつ、俺たちはようやくお互いを理解した
その後の学校生活はこっ恥ずかしいやら楽しいやら
同じ机で飯を食い、同じ机で勉強をし、友人たちとくだらない話で盛り上がった
今でも鮮明に思い出せる楽しかった日々
それがあっての今があるのだろうと俺は確信している
「ちっぱい」が創作なのか、一部地域では言うのか、仲間うちの流行りなのか小一時間
−保育士を目指そうと思うの
逃避行からようやく落ち着いた頃、大河がぽつりとそんなことを言い出したのを覚えている
本当に脈絡もなく言い出したので、思わず「へ?」と返して思いっきり蹴られたのもよーく覚えている
−私ね、性格ひねてて友達も少ないでしょ?
−ちっちゃいときから本当はもっと話したい。私の考えてること伝えたいって思ってたの
(今もちいさいとか言いかけてやめた。あざが一生ものになりそうだったから)
−それをね、ちゃんと聞いてくれるきっかけは、先生とかが作ってあげればいいのかなって
独身…担任が俺たちのために尽力したのもきっかけになったのだろうか
そこからの大河には迷いは見えなかった
なら俺はどうだ?俺はどうしたい?大河と一緒に、幸せに暮らしたい
職場だって同じならいいに決まってる
なら大河のために、自分のために学校を作るのも面白いんじゃないか?
我ながら単純な脳みそだと呆れたが、俺もここからは一直線に進んできた
大河も俺も進学し、資格や経営の勉強で明け暮れた
同じちゃぶ台で飯を食い、同じちゃぶ台でノートを広げ、たまにスドバで友人たちと他愛のない会話をした
そしてようやく保育園を設立するにまでいたった
「にしても可愛そうね園長先生は。入ってすぐの子には泣かれっぱなし」
「やっぱり俺、あんまり表に出ないほうがいいのか…」
「そんなに悲しそうにしない!慣れたらちゃんと懐いてくれるでしょ?」
大きく変わったところをあげると、大河は駄犬だのエロ犬だのと暴言を吐く回数が極端に少なくなった
身長こそ出会った当時のままだが、綺麗な人形から綺麗な大人の女性になってきている
これが自分の嫁さんなんだよなーと考えると自然と顔がにやけてくる。悪いな、惚気だ
「竜ちゃぁーん。鍵閉め終わったよぉ」
「おう、お疲れ泰子」
「やすこ先生お疲れ様」
「もーやっちゃんでいいってばぁ」
この辺のいきさつをいまいち覚えていないが、気づいたら泰子も保母さんとしてうちで働いている
結局この3人で高須家が成り立っているのだ
「明日は久しぶりにみんなに会いに行くんでしょー?後のことはやっちゃんやっておくから任せてよぅ」
結婚式以来会っていない友人たちも、明日は川嶋の別荘で久々再会の予定だ
北村が有名大の研究者で、櫛枝は女子ソフトの全日本エース。川嶋は売れっ子映画女優
よくもまあこんな面子と付き合っていたものだ
「じゃあお言葉に甘えてお先な。インコちゃんもよろしく」
「ありがとうやっちゃん」
先に保育園を後にし、河原道を並んで歩く
繋いだ左手はあったかくて、ちょっとむずがゆい
夕暮れの風が大河の髪をなびかせ、かすかに甘い香りを漂わせている
「ありがとう…竜児」
俺の顔を恥ずかしそうに見つめつつ、大河が切り出す
こいつのやる事は本当に唐突だ
「ずっとそばにいてくれてありがとう。いきなりだけど、素直に思ったこと伝えたくて」
それでも、俺はそばにずっと居続けた
「これからも、ずっと一緒にいてよね。バカ竜児」
優しく人を罵倒し
「大好き、愛してる」
優しく人に口づけをするこの手乗りタイガーを
「俺もだ大河。愛してる」
絶対に守ってやろう
何度目か分からない固い決意を胸に誓い、俺たちはゆっくりと家路を行く
草木の香りと虫の鳴き声が心地よい、ある夏の日の出来事
仕事中の妄想をぶちまけてみました
細かい点は気にしない方向で一つよろしくです
終わり? 乙&GJ
この竜虎はニヤニヤせざるをえないw
おう!良いねぇ。良いねぇ。
確かに大河先生と言うか、攻撃性を抑えればネコだものね。可愛い先生かも。
意外と死角だったかも。先生っていう設定
終わりです
自分にはこれ以上無理
携帯で打ったから半端なく面倒だったw
園児たちから、「たいがせんせー♪」とか言われてペタペタくっ付かれたり、抱きつかれたりしているのか・・・
(;´Д`)ハァハァ (;´ Д`)ハァハァ (;´ Д `)ハァハァハァハァ :.` ;:.・∵ ゚ д:.`
竜児が園長だと? クレヨンしんちゃんの組長を彷彿させてくれるぜw
>>681 最初は二人の子どもも出すつもりでしたが、途中で忘れましたw
せっかくの竜虎の流れなんで投下します
ちょっと長編で、駄文ですがご容赦を
『Tiger Summer Diary』
夏休みのある日の夕方。『それ』は竜児の家に突然やってきた。
「竜ちゃ〜ん、この子ね、やっちゃんのお店のお友達から預かってきたの。
お友達が一泊二日でお泊りにいっちゃったからぁ〜、その間お願いって〜」
そう言う泰子が連れているのは、りっぱな柴犬。
しっかりと躾がしてあるのであろう、全く吠える様子も無く、すごくおとなしい。
いやしかしそういう問題ではなくて……。
「…うち、ペット禁制だろ。大家に見つかったら大変だぞ」
「だぁ〜いじょうぶ! この子たまにお店にも連れて来られるんだけどぉ〜、一回も吠えたことないの!
だから見つからないってぇ〜」
…そういう問題か?
まあ吠えないのなら問題はないだろう。一泊二日で旅行に行っているのなら一日預かればいいだけだろうからそんなに苦でもないだろうし。
何より、こんなつぶらな瞳でじっと見られていると、断るのになにか罪悪感が…。
なぜ「生きていてすみません」と言いたくなってくるんだ、汚れた大人になった気分だぜ…。
「そうだな、それなら一泊くらいなら大丈夫だろ。 それより餌とトイレはどうするんだ?」
動物を飼う上で大切なのは餌とトイレだ。
インコちゃんには専用の餌が市販であるし、トイレも小屋の中でしてくれるからいいのだが、どうにも犬のことは分からない。
玉葱とチョコレートは毒らしいから、それに気をつければいいのだろうか。
「餌はね〜、ドッグフード貰ってきたから大丈夫だよ〜。おトイレはお散歩のときにお外でしちゃうだけでいいみたい〜」
「随分楽なんだな、それだけでいいのか」
「うん〜、ヴァルヴァジアは賢いもんねぇ〜」
そう言いながら犬の頭をワシャワシャと撫でる泰子。犬もまんざらではないようで、目を細め、大人しくなすがままにされている。
……ておい。ちょっと待て。ヴァルヴァジアって犬の名前か? どう考えても犬につける名前ではないだろ。
どっかの神話に出てきたような気がするが、少なくとも犬では無かったはずだ。 …飼い主は何を考えているんだ。
それともこれが今流行の、騎士と書いてナイトと読ませちゃうようなトンデモネームの氷山の一角なのか?
「ヴァルヴァルは可愛いね〜」
「……」
ま、泰子が楽しそうだし名前なんかどうでもいいか。
マザコン? それがどうした。
「明日の夕方まで預かるんだってぇ〜、やっちゃんが出て行くとき一緒に連れて行くから、それまで一緒だよ〜」
「おう、とりあえず散歩行って来い。その間に晩飯用意しとくから」
「は〜い、いくよおヴァルヴァル〜」
そう言って泰子は散歩に出て行く。ヴァルヴァルも泰子の横にしっかりくっついて行くので、本当に躾がなっている犬なんだろう。
そういえば、犬は飼われている家族をグループとみなして順位をつける、と言うのを聞いたことがあるな。
犬が言うことを聞かないと言うのは、その人間を下にみて、王様気分でいるかららしい。
ガチャガチャ。バタンッ。
扉を思いっきり開けて。
「りゅうじ! 飯!」
…こんなことを言いながら、入ってくる奴のように。
***
「はあ? 犬ぅ〜?」
犬を預かっていると聞いて思いっきり顔をしかめているのは、逢坂大河。通称『手乗りタイガー』。
容姿はありえないほど可愛いのだが、何回見てもそのしかめっ面はどうかと思うぞ大河…。
「確かに、少し嗅ぎ慣れない匂いがするわね。ちっ…テリトリーを荒らされた動物って、こんな気分なのかしら」
そう言いながらいつものように専用の座布団を二つ折りにし、それを枕にオッサンよろしく寝そべりテレビを見始める。
どうにも可愛い外見とその行動が合ってないんだよなあ、と思い竜児も笑って。
「……お前はどんな嗅覚をしてるんだよ」
「うっさいわね、それより早くご飯作ってよ。お腹空いた」
「分かってるって。ちなみに、今日はなんとスペシャルメニューだ!」
大河の体がピクッと反応する。食に関してもものすごく獰猛な大河のことだ、その頭は間違いなく肉で一杯に違いない。
普段は栄養のこともあるからなかなか肉は出さないが、今日は本当に特別なのだ。
「…もったいぶらないで言いなさいよ、今日は何なのよ」
「今日はな…。なんと、神戸産のお牛様のステーキだ!」
「なっ!なんですって!あ、アンタの家にそんな豪華なもんを買えるだけの貯えなんてないはずっ…!?」
「…お前さりげなく失礼なこと言うな。」
「本当のことでしょーが」
…まあ、うちの金銭事情を泰子よりも知ってる大河に奴に言われては、反論のしようもないんだが。
「とにかくだな、これはヴァルヴァルを預かるということで頂いた、飼い主さんからの豪華な気遣いだ」
「……ヴァルヴァル? なにそれおいしいの?」
「なんでも食に繋げて置き換えるんじゃありません。
…さっき言った犬だよ、ヴァルヴァジアって名前らしいから、あだ名がヴァルヴァル」
「…センスの欠片も感じられない名前ね」
「……」
…それも、反論できない。
「それより、味付けはどうするべきかだな。こんないい肉焼いたことないからどうすればいいか分からないんだが」
「そういうのって塩コショウだけのほうがいいんじゃない? シンプルイズザベストって言うし」
「そんなもんなのか?」
「知らないわよ、私だってそんないい肉最後に食べたのいつだか覚えてないもん」
確かに肉自体にそんな味はつけないほうがいいかもしれない。
代わりにタレを何種類か用意して、ご飯もいつもより食べそうだから6合ほど炊いておくか。
そんなことを考えながら竜児はテキパキと用意を始めていった。
***
「おいしいねぇ〜! やっちゃんこんなおいしいお肉初めて食べたよぉ〜」
「…っ! なんだこれ、すごくうまいぞ! 口の中でとろけるってこんな感じなのか!!」
「うっふぁいふぁね、静かに食べなふぁいふぉ」
「……まずそのハムスターのような頬袋をどうにかしてから喋ってくれ」
「おいふぃー」
「……」
文句を言いながら、口を高級お肉とご飯でパンパンにしながら。大河の顔は今まで見たどの笑顔よりも、幸せそうな顔をしていた。
…なぜだろう、肉相手にとんでもなく敗北感を味わったような気がしたが、まぁ気のせいだ。
泰子とヴァルヴァルが帰ってきてから、さっそく晩飯が始まった。
肉は焼きたてが一番美味いからと思って空腹を我慢して泰子を待っていたのだが、どうやら正解だったようだ。
大河も泰子も満足そうな顔で食べている、なんと言うかまあ…平和だ。
「あ、そうだ、ヴァルヴァルにもドックフードあげないとな」
今日はヴァルヴァルもいるんだった、と思い出し餌をあげようと近づくと。
「う”−…」
「………うおうっ」
ヴァルヴァルが低く唸っていた。ジッと大河を睨みながら。
…さすがと言うか、犬にも大河が隠し持っている猛獣のようなオーラが分かるのだろうか。
やっぱり大河は、動物からしても危険物として扱われるのか、ある意味なんて不憫な奴なんだ…。
そんなことを考えていると、大河もヴァルヴァルの様子に気づいたのだろう、ヴァルヴァルをジッと見ていた。
そしてまるで勝ち誇った顔をして。
「ふんっ。犬風情が何こっち見て肉欲しがってんのよ。お前にはドックフードあんでしょ。
まーでも可哀想だわ、こんな素晴らしい食べ物も食べられないなんて。あーおいふぃい」
そう言って見せ付けるように肉を頬張る大河。
ヴァルヴァルに人間の言葉が分かるかは分からないが、大河にバカにされたのはわかったのだろう。
立ち上がり、唸りながら、ゆっくり大河に近づいていく。
「……なによ、なんか文句あんの?」
「大河止めろって。ヴァルヴァル怒ってるじゃないか」
「うっさいわね、その犬が喧嘩売ってきてんのよ。売られたら買うのが義理と人情でしょうが」
「…お前はどこの任侠者だよ。それより本当に止めろって。大家にバレたら、」
「あーもううっさい! こんなおいしい物を食べてる時くらい黙って―――」
「「!」」
まさに、一瞬だった。
ヴァルヴァルが大河に飛び掛ったと思うと、その箸の先にあった肉だけを上手く掻っ攫っていった。
そして今は、悠然と大河を見ながら戦利品を噛み締めている。
「……やってくれたわね、私の大切な肉をよくも…」
「た、大河落ち着け! 肉ならまだいくらでもあるだろ!」
「……だまれカス。その小汚い毛玉は、私の物に、手を出したのよ。犬のくせに、あろうことか神戸牛を口にしたのよ」
「う”う”う”う”う”−…」
これは本当にマズい。喧嘩になって大河が怪我をするとか、ヴァルヴァルが食われないか心配とか、そんなもんじゃない。
なんたってうちはペット禁制なのだ。大家に見つかったらヴァルヴァルが追い出されてしまう。
それなのに当のヴァルヴァルは大河に唸り続けているし、大河もユラリ、と立ち上がりゆっくりとヴァルヴァルとの距離を詰めているし。
あれだけ大人しかったヴァルヴァルが唸っているのを見て、泰子も困ったように慌てている。
「ヴァルヴァルだめぇ〜! 吠えたら見つかっちゃうよぉ〜!」
「泰子非難しとけ! こいつらが暴れたらお前が危ない!」
泰子の仕事の都合上、肌に傷を負うのはよろしくない。
今や二匹とも爪が生えた凶暴な生物なのだ、そんなので引っかかれたらバイキンが入ってしまうかもしれないし。
「う”−…う”−…」
「……食い物の恨みは深いわよ…」
ジリ…ジリ…
まさに一触即発。
獣と獣のにらみ合い。
…いざとなったら、自分がこの中に入って仲裁しなければならないのだろう。なぜこんなことに…。
「やったるわーーー!」
飛び掛る大河。
「グルゥゥゥ!!ヴァウーー!」
応戦して噛み付こうとするヴァルヴァル。
「ああもう!落ち着けお前らー!!」
本当に、なぜ…こんなことに……。
***
「本当にすみませんでした!」
「全く犬なんか連れ入れて…こんなことは金輪際無いようににしてくださいよ。
それに、最近あなたの家、すごく騒音が目立ちますし…恋人が来てて楽しいのは分かるけど、ほどほどにね」
「恋びっ…!私そんなんじゃ――…っ!んむー!」
とりあえず大河の口を手で塞いでおく。ここで大家の機嫌を損ねてどうするんだ。
「はいすいません!次からは無いようにします!」
「それじゃあね。…あと、犬は連れ出しといてくださいよ」
そう言って玄関から出て行く大家。
あんなことがあったのになんとか追い出されずに済んで本当によかった……。
……あの後大河とヴァルヴァルの間に入った竜児は、腕をヴァルヴァルに噛まれ、顔を大河にひっかかれた。
それだけで収まれば良かったのだが…どうにもヴァルヴァルの気は収まらなかったようで、大河に向かって吠え続け、
噛み付こうとしていたので、しょうがなく暴れる大河を抱きかかえ、テーブルを中心にグルグルとヴァルヴァルと追いかけっこをしたのだった。
まったく…。泰子が近くのコンビニでヴァルヴァルのオヤツを買ってきてくれなければ今頃どうなっていたか…。
「…んむー」
「お、おう。そういえば手離すの忘れてた…。悪かったな」
そう言って手を離す。が、大河は全く動かず腕を組み仁王立ちのポーズのままだった。
「大河、どうした?」
「…」
「お、おい…大丈夫か?」
まさか酸欠で頭がクラクラしてるとか? そう考えたがどうやら違うようだ。
大河の背中からは『ゴゴゴゴゴゴ…』という擬音が発せられている。 今にも、時を止めちゃうような、そんな何かが出てきそうな雰囲気。
「わ…、わ…、わ……、わわわわ…私と、アッ、アンタが、…恋人ですって……!?」
「おおうっ…って、そんなことそんなことかよ」
「そんなこと!? アンタそんなんでいいの!! 恋人ってつまり私たち付き合ってるってことに―――!」
「いいじゃねえか」
「……っな! …あ、アンタがいいなら私は別に…」
「いいじゃねえか、別に、何も知らない奴には言わせておけば。勘違いしてもしょうがねえだろ、毎日朝晩来てるんだし」
「……」
「そうだろ…っておい、どうした大河?」
顔を赤くしながらものすごいしかめっツラで睨んでくる大河。
「…別に」
「……そうか。熱でもあるかと思ったんだが。
…それにしても、お前、本当にそのしかめっツラ止めた方がいいぞ。せっかく可愛い顔してんだから」
「……っ!」
「…? おい、お前本当に熱あるんじゃないのか? 顔が真っ赤だぞ?」
「うるさいだまれ」
「そう言ったって…心配だろ」
「……っっ! 腐れ!そしてさっさとあの世に帰れ!」
「なんでそこまで言われなきゃいけないんだ!人がせっかく心配してやってんのに!」
「…帰る」
そう言って竜児の家を出て行こうとする大河。
普段は理不尽な怒りは放っておくに限るが、今日はそうはいかない。そうはいかない事情があるのだ。
「大河待てって!」
「…何よ」
「お前が暴れるのもいい。理不尽に怒るのも、まあいい。
…だが、これだけはどうにもならない。…今夜、ヴァルヴァルをお前の家においてやれ」
「なっ! 嫌よ!」
「しょうがないだろ! うちで匿えなくなったのは誰のせいだ?」
「その、バカ犬」
「責任を他人、もとい他犬に擦り付けるな」
「……」
同意も待たずに大河にヴァルヴァルの綱を握らせる。
ヴァルヴァルも自分がどうなるのか分かっているのか、こちらには寂しそうな目で、大河には唸っている。
だからそんな目で見るんじゃない、お前は売られていくパトラッシュか。今にもドナドナが聞こえてきそうだぞ。
「喧嘩をしたらオヤツをあげろ。臭いが気になるなら明日掃除してやるから」
「…ふんっ!」
バタン!
扉を勢いよく閉めて帰っていく。…ヴァルヴァル、捨てられなければいいが。
その後泰子を仕事に送り出し、散々散らかった部屋を全力で掃除し、風呂から上がったところで調度眠気に襲われた。
今日は散々だったからなあ、さっさと寝て、明日の朝は大河の飯ついでに様子を見に行ってやるか。
…さっきから向かいの家で「やんのかこらあー!」「ヴァウヴァウヴァウ!」などと聞こえるが気にしないでおく。
さすがにこれ以上は体がもたない…。
それに、大河ならヴァルヴァル相手に負けることも無いだろうし、ヴァルヴァルに重症を負わせることもしないだろう。
…たぶん。
まあ明日は、早めに様子を見に行ってやるか…と思い、7時に目覚ましをセットして眠りについた。
***
ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ…ピピ…
「…んあー」
まだ眠いが、セットした目覚ましを止めて起きる。
そうか、大河の様子を見に行くんだったな…。とりあえず顔を洗い、服を着替える。
自分の分と泰子の分と…大河の分。
すっかり慣れてしまった三人分の朝食を作りながら竜児は思う。いつの間に、こんなに慣れてしまったんだろうか。
前までは二人分だけでよかった朝食。いつの間にか加わった、放っておけないおかしな隣人。
まだ4ヶ月しか経っていないのに、それより昔からずっと一緒にいた気がする。
「メシー!」
「……そうだよな、インコちゃんもいたよな」
インコちゃんの餌を換えて新しい餌をあげる。
自分と、泰子と、大河と、インコちゃんと、ヴァルヴァル。すごく賑やかになったものだ。
……さ、そのうちの一人と一匹が隣で腹を空かせているだろう、さっさと持って行ってやらねば。
「泰子ー、朝飯は置いておくからなー。」
「んん〜、竜ちゃんどこいくのぉ〜?」
「大河んちー。昨日はきっとあまり眠れなかっただろうし、朝飯持って行ってやるからー」
「ふぁ〜い。大河ちゃんとヴァルヴァルによろしくぅ〜」
そう言ってまた眠りについてしまったのだろう、泰子の寝息が聞こえる。
また起こさないように玄関のドアをゆっくり閉めて、出て行った。
***
隣の大型分譲マンション。慣れた様に合鍵を使いオートロックを開け、エレベーターで着いた二階。
この階丸々全部が、大河の一人暮らし用に用意された家だった。
「大河ー、起きてるかー?」
大河が女の子で、さらに一人暮らしだろうと入ることに躊躇はしない。
と言うかそもそも、学校があった日は毎朝起こしに来させた奴に遠慮なんかしていられない。
まあ起きてるか、とは言ったものの実際は寝ているだろう。昨日のヴァルヴァルとの死闘で相当疲れていたはずだし。
だがしかしリビングで見たのは、
「…ハァ…ハァ…」
「う”−…」
目元にクマを作り、今にも倒れそうなほど衰弱しているのにけっしてヴァルヴァルから目をそらさない大河だった。
もはや家に入ってきた竜児に気づく様子も無く、ただひたすら睨み合っている。
喧嘩をしたらオヤツをあげろって言ったのに、人間様は犬なんかには媚を売らない、と言うことなのだろうか。
「ヴァルヴァル、ほら、オヤツだぞ」
とりあえず、まずはこの均衡状態を何とかしなければ。
「…? …りゅうじ? アンタ、なんで…ここにいんの…?」
「お前昨日からずっと睨み合ってたのかよ? もう朝だぞ」
「…なに、今何時…?」
「7時半だな。お前の分の朝飯持ってきたんだが…食えそうか?」
「……眠い」
「…だろうなあ。ほら、とりあえずこれでも飲んで落ち着け」
魔法瓶からコップに温かいお茶をそそぎ、それを大河に手渡してやる。
大河は目をショボショボさせながらもそれを両手で握り締め、ゆっくりと味わうように飲んでいた。
「…あったかい」
「おう。落ち着いただろ」
「…うん。…もうだめ、寝る」
そう呟き、まるで糸が切れたような操り人形のように倒れそうになる。
なんとか間一髪倒れる前に支えることが出来たが、コップは落ち、お茶は床に零れてしまった。
「まったく、どこまでも危なっかしい奴だな…」
まあ、今はこの寝顔に免じて許してやろう。
黙っていればすごく可愛いくせに、凶暴な性格。でも、それが手乗りタイガー。それが、逢坂大河。
こんな奴だから放っておけないんだよなあ、と竜児はひとりごちる。
そして、安心しきったように眠る大河をお姫様抱っこで寝室まで連れて行き、ベッドの中に入れてやる。
リビングに戻るとヴァルヴァルも丸まって寝ていた。
お互い眠いのに引かなかったのは野生の底力だろうか。まったく…恐れ入る。
さてと、それじゃあ一人と一匹が起きるまで散らかったこの部屋の掃除でもするか。 気合を入れ掃除を始める。
今まで使う機会は無かったが、ついに高須七つ道具の出番かもしれないな、と思いつつ。
***
「……お腹すいた。ご飯…」
夕方になって大河はやっと起きてきた。
竜児は片付けが終わった後、暇でずっとテレビを見ていた。大画面テレビの迫力、すごい。と感心しながら。
昼飯も多目に持ってきた朝食で軽く済まし、大河が起きてくるまでずっと待っていた。
「おう、ちゃんとあるぞ。今温めるからちょっと待ってろ」
ご飯を温め、インスタント味噌汁を作り、おかずはシャケと目玉焼き。
それを大河の前に出してやっていると、お腹を空かせたのかヴァルヴァルも起き出してくる。
そうしてヴァルヴァルにもドックフードを出してやる。
「ヴァルヴァルともこれが最後の飯か、なんだかんだで寂しくなるな」
「…? なんで?」
「なんでってお前、この後泰子が仕事に行くときに連れて行くのでサヨナラって最初に言っといただろ。
…ま、お前はせいせいするだろうが」
「……そうね。でもま、短い間だったけど楽しかったわ」
「おう…昨日の敵は今日の友ってか」
「そんなもんよ。 …で、いつ頃連れてくの?」
「もうすぐだな。泰子は晩飯、ヴァルヴァルの飼い主の家で食べてくるらしいから少し早めに出るんだとさ」
「…そう」
それだけ聞くとあとは食べることに集中してしまう。
……それにしても意外だったな、大河が『楽しかった』なんて言うのは。
てっきりお牛様を食われた恨みで、代わりに焼いて食ってやろうか!なんて言うほど怒っているかと思っていたが。
そうして、その後食べ終わった食器を片付け、ヴァルヴァルを連れて大河の家を出る。
マンジョンから出ると、泰子は竜児たちを待っていてくれたのか、アパートの前で手を振っていた。
「それじゃ泰子、あとは頼む」
「りょ〜かいっ。それじゃあ行って来るね〜」
そう言って歩き出した泰子だったが、何故かヴァルヴァルはついて行かなかった。
「どうしたのヴァルヴァル〜?」
「なんか、大河をジッと見ているような気がするが」
「なによ、まだやるっての」
「…止めとけよ、最後くらい」
「分かってるわよ」
紐を引かれてるのにも気にせず、ヴァルヴァルは大河に近づいていく。
そうして大河の足元まで来ると、お座りをして大河を見上げた。
「最後の、お別れだってさ」
「…うん」
大河はしゃがんでヴァルヴァルを撫でた。初めは緊張したように、次第に優しく。
ヴァルヴァルは目を細め、大人しくひとしきり撫でられたあと、大河の頬を一舐めし、泰子の元に戻っていった。
竜児と大河はじっとそちらを見ていて。
そうして、ヴァルヴァルは行ってしまった。
「行っちゃったな」
「……うん」
「少し、寂しくなるな」
「……、うん」
「最後、仲良くなれてよかったな」
「……」
「…大河?」
「りゅうじ、お腹すいた」
「お前さっき食ったばっかだろ!?」
「お腹すいた」
「……はいはい、それじゃあ家に戻って晩飯の準備するか」
そうして引き返した竜児だったが、何故か大河が気になって振り返ってしまった。――――だから、見ることができた。
…こいつは凶暴で、ワガママで、唯我独尊、天上天下な手乗りタイガー。
でも本当は泣き虫で。寂しがりで。人前ではなかなかそれを見せないから勘違いされるけれども。
竜児は知っている。
竜児だけは、知っている。
大河は袖で目元をぬぐっていて。
いつまでもいつまでもジッと夕日を見つめていた。
そんな、大河を、他の誰もは見ることができなかった。
今日はまだ、竜児以外の、この世界の誰も。
end
以上です
やはりというか、結構容量食ってしまった
申し訳ない
>>699 GJ!GJ!GJ!!!
容量?そんなもん気にしたら負け(ry
GJ!
竜虎ええのう
>>688 GJ
大河は背中から抱きすくめられた状態になったのだろうか。
口も態度も悪いがほのかな好意を竜児に見せて、犬に嫉妬したように見える大河が妙にかわいいなw
GJ以外にも内容に触れた感想も書こうぜ。
某サイトで見た「帰る家・居場所」に触発されて書きました。
原作は7巻まで読みましたが、辛いですなぁ。じわじわと大河の幸せな時間がどんど
ん無くなっている感じがして、こりゃ自己補完として大河の幸せを書かにゃと思い書い
てみました。
幸せって、きっとこう言う事なんだろうな。
隣を歩く竜児の横顔を眺めなら、唐突に大河はそう思った。
「なんだよ、ジロジロ見やがって」
眼光で相手を射殺すような、凶悪な視線を向ける竜児。でも、私は知っている。
この顔は怒った時の顔じゃ無い、恥ずかしがっている時の顔なのだと。
「なーんでもない」
そ知らぬ顔で、大河は竜児から距離を取るように歩み出る。
「なんかね、幸せだなって思ったの」
竜児に聞こえないように、こぼれる言葉。それは、深い意味も無く、考えも無く、自
然に口から突いて出た言葉。大河の心のかけらだった。
とらドラ!SS・幸せの居場所2
ほんの少し前。
私は親に捨てられた。
外出から帰ると、部屋の中の全ての荷物がダンボールに纏められ、トラックに運ばれ
ている最中だった。
何かを言う暇も与えられず。あっと言う間に全ての準備が整い、私を乗せてトラック
は見知らぬ街の、見知らぬマンションに到着した。
引越し業者の人達は、呆然とする私の目の前で、あっと言う間に荷物を運び入れ、私
に部屋の鍵を渡すとさっさと帰ってしまった。
後に残されたのは、外出した時の着の身着のままの私と、綺麗で、広くて、そして何
も無い部屋だけだった。
五人家族が一人一部屋持ってもお釣りが来るくらいの部屋数と、これまたバカみたい
に広いリビング。そのリビングには私一人分の椅子と、テーブルが置かれ、食器棚には
ご丁寧に私一人分の食器が並べられていた。
部屋を一つ一つ見て回ると、一室にこれまたバカバカしいくらい大きなベッドが置か
れていた。
私は、その夜、その大きなベッドの中で、見知らぬ天井を眺めながら、眠れない一夜
を過ごした。
あの夜は絶対に忘れないだろう、胸を塗りつぶすような真っ黒な闇と、狂い出しそう
な静寂に包まれたあの夜を。
「何か良い事でもあったか?」
不思議そうにたずねて来る竜児。その顔は本当にわからないと言う顔だ。
「あんたにはわかんないわよ」
そう、竜児にはきっとわからない。
今の私がどれだけ幸せなのか、その幸せをくれた竜児にはきっとわからない。
竜児はそう言う奴だ。そう言う奴だから、私は安心してこの身を任せられる。
「変なこと言ってないで、さっさと着替えてこい」
マンションの前で竜児と別れ、私は一人あの部屋に戻る。
鍵を差込み、扉を開く。
後ろ手に扉を閉め、履いていた靴を脱ぎ捨てる。
リビングの扉を開くと、窓からは赤い夕焼けの光が差し込んでいた。
竜児と出会うまでは、こんな時間に部屋に戻る事は無かった。
以前までの私なら、学校が終わった後は本屋やコンビニをぶらぶらと回り、ファミレ
スで時間を潰し、眠くなってから戻っていた。
食事はコンビニの弁当かファミレス。そんな生活がほぼ一年間続いた。
だから、こんな近所に住んでいるにも関わらず、竜児と出会う事が無かったのだ。
「もっと、早く会いたかったな…」
ふと、独りごちる。
もっと早く竜児に出会っていたら、今の私はどうなっていたのだろう?
最近、大河はそんな事をよく考える。
私が北村君に出会わず、竜児も実乃梨と出会わず、私達二人が出会う事が出来たな
ら、いったいどうなっていたのだろう?
そこまで考えて、大河は名残惜しそうに、弱弱しく首を横に振った。
判っている。そんな事を考えても意味は無いんだ。
私が北村君へのラブレターを竜児のカバンに入れたから、竜児が実乃梨への思いを秘
めていたから、だからこの幸せがあるんだ。
たとえ、この幸せが期間限定でも、私はかまわない。
沢山の幸せを貰ったから、私は耐えて行ける。この記憶がある限り。
大河は何かを振り切るように、足音を立てながら寝室へ向かった。
寝室は朝のままだった。
脱ぎ散らかされたパジャマに下着に枕。
今日は、と言うか今日もだが、竜児に叩き起こされ、腹いせに枕を放り投げたのだ。
枕を拾いあげベッドに乗せ、パジャマと下着をベッドの脇にある洗濯篭に放り込む。
洗濯は竜児がしてくれる。下着もだ。
下着を竜児に洗濯してもらう事には、正直言うと未だに抵抗がある。が、大河が自分
で洗濯した下着を偶然にも見た竜児が、ものすごく悲しそうな顔をして『ああ、かわい
そうに、シルクは手洗いじゃないと…』とか何とかぐちぐち言うので、腹がたったので
やらせる事にした。
まあ、竜児は私の下着なんかよりも、もっときわどいデザインのやっちゃんの下着を
洗濯しているのだから、私の下着なんか見ても何とも、思わないのだろう。
何か、考えたら負けと言う気になったので、考える事を止めて、手を動かす事にした。
スカートの留め金を外す。ストンとあっけ無いくらいにスカートが床に落ちる。それ
を足で引っ掛けるようにして持ち上げ、蹴り飛ばすようにベットの上に放り投げる。
続いて制服の上着を剥ぐように脱ぎ捨て、リボンをしゅるっと抜き取り、返す手でY
シャツのボタンを外しにかかった。
「あッ」
思わず声が出る。
Yシャツのボタンがバラバラと千切れ、放物線を描いて部屋のあちこちへ飛んで行っ
てしまったのだ。
あちゃぁ、また竜児に怒られちゃう。
トタトタと部屋中を駆け回りボタンを拾い上げる。
そこでふと思う。少し前までなら、ボタンが部屋の中に落ちたら、ゴミやらホコリの
中に埋没して、絶対に見つからなかっただろうなと。
この広い部屋を自分で掃除した記憶は大河には無い。なのにゴミどころかチリ一つ無
いのは、竜児が毎週のように掃除している結果だ。
当初は女の子の部屋だし、と戸惑っていた竜児だったが、今では大河が寝ている所に
も遠慮無く入って来る。
大河だって年頃の女の子なのだ。寝ている姿を他人に、それも男に見られたいとは思
わない、が、なぜか竜児にはいいかな?と思ってしまうのだ。
コンコン。
何かが窓を叩く音が響く。
「なぁによ?」
窓を開くと、目線の先に竜児の姿があった。その手にはモップが握られている。
「来る時に洗濯物を…だな、その、もって来いよ」
微妙にきょどった声でそれだけ言うと、竜児はそそくさと部屋の中に引っ込んで行っ
た。
はて、心なしか顔が赤かったような気が…と、そこまで考えて大河は自分がどんな姿
だったのか気が付いた。
パンティ一枚で、胸元全開でYシャツ姿。当然ながらYシャツの下にあるブラジャー
が丸見えである。
「みぎゃああああああああああああああ!!!」
見られた。見られた。見られた。何見てんのよあの駄犬!!
恥ずかしさと怒りとなんだか自分でも分からない理不尽な衝動に突き動かされ、大河
は猛スピードで着替えを完了すると、マンションを飛び出した。
が、マンションを飛び出した所で、ふと足が止まる。
「竜児。もしかして、照れてた?」
私の下着姿を見て、あの竜児が照れてた。
そして思い出す。その顔は、前に水着を見せた時に見せた顔と同じだった事を。
そうか、あの時も照れてたんだ。私の水着や下着を見て、照れていた。ちゃんと女の
子として見てくれているんだ。
妙に、心地良かった。恥ずかしいけど、嬉しい。そんな不思議な感覚。
竜児の住むアパートを見上げる。
二階建ての築数十年と言うオンボロアパートだ。歩くときしむし、どこからか風が入
って来るし、とにかく狭い。
大河の住むマンションに比べると、天と地の差だ。
だけど、暖かい場所。
階段を駆け上がり、扉の前で立ち止まる。
表札には高須の文字。泰子と竜児の二人の名前が刻まれている。
自然に心が温かくなる。すーっと息を吸い、勢い良く扉を開いた。
「ただいまー」
「おう、おかえり」
今、まさにエプロンを装着しようとしている竜児が出迎えてくれる。
「竜児ーっ!今日のおかずはなに肉っ!?」
「わー、大河ちゃんおかえりー」
やっちゃんが鳥篭を手に姿を見せる。おかえり、と言ってくれる人がいる。
今まで、どんなに望んでも、決して得る事が出来なかった暖かい居場所がここにはある。
「おう、今日は鳥肉だぞ」
「っ!!?」
エプロンを装着しながら竜児が答える。やっちゃんの手の中で、インコちゃんが微妙
に反応したようだけど、それは気にしない。
ああ、なんて幸せなんだろう。
たとえ、この幸せが期間限定で、いずれは竜児のその暖かい気持ちが、他の人に向け
られるとしても、今この幸せを得る事が出来るのは私だけなのだ。
「竜児、私の下着姿を見たんだから、お肉は奮発しなさいよね!」
ここは私の帰る家。私の幸せの居場所。
END
おおおぉぉ。
ここに来て竜虎ラッシュとは。どれもGJなんだぜ。
ヤッバイ切なくなったわ…GJ
7巻までしか読んでないなら早く8・9巻を読むことを薦める
特に8巻後半は分岐点だから
714 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 01:48:19 ID:8ED79GPD
泣いた…
言葉にできないGJ
やっぱり竜虎は良いですね、いつも楽しく読ませてもらってます
このスレの全ての職人さん達に感謝を。
717 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/09(火) 12:20:23 ID:wDGKEfVF
GJです。
昨日9巻読んだ。。
やばかったわ、、
ここまで 426KB
あみとらマダー?
俺はチワワ向上〜を全裸で待つ。
>>721 同じくななドラと花四本目を裸ネクタイで
723 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 01:51:10 ID:Hlozr24q
ななドラとゆりドラを希望する。
725 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 05:54:28 ID:WDiOfB0c
あおいタオルを誰かちゃんと完結さしてくで!
竜児は,今日も仕事で疲れきって,遅くなって家に帰ってきた。すると,彼の妻、大河がドアのところで待っていたのである。彼は驚いて言った。
「まだ起きてたのか。もう遅いから早く寝ろよ」
「竜児。寝る前に聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」
「竜児は,1時間にいくらお金をかせぐの?」
「大河には関係ないことだろ」竜児はイライラして言った。
「なんだって,そんなこと聞くんだ?」
「どうしても知りたいだけなのよ。1時間にいくらなの?」大河は嘆願した。
「あんま給料は良くねぇよ・・・2000円くらいか?」
「ふーん…」大河は言った。「ねえ。竜児。私に1000円貸してくれない?」
「なんだと!」疲れていた竜児は激昂した。「大河が何不自由なく暮らせるために俺は働いてるんだよ。それが金が欲しいだなんて。だめだ!早く部屋に行って寝ろ!」
大河は,黙って自分の部屋に行った。
しばらくして,竜児は後悔し始めた。少し厳しく叱りすぎたかもしれない...。たぶん,大河はどうしても買わなくちゃならないものがあったのだろう。
それに,今まで大河はそんなに何かをねだるってことはしない方・・・いや・・・そうでもないか・・・。でもまぁいいだろう。
竜児は,大河の部屋に行くと,そっとドアを開けた。
「もう,寝たか?」竜児は小さな声で言った。
「ううん。竜児」大河の声がした。少し泣いているようだ。
「今日は長いこと働いてたし,ちょっとイライラしてたんだ・・・ほら。お前のだよ」
大河は,ベットから起きあがって,顔を輝かせた。「ありがとう、竜児!」
そして,大河は小さな手を枕の下に入れると,数枚の硬貨を取り出した。
竜児はちょっとびっくりして言った。「おいおい、もういくらか持ってるじゃねぇか!」
「だって足りなかったんだもん、しょうがないでしょ。でももう足りたわ」大河は答えた。そして,1000円札と硬貨を竜児に差しのべて...
「竜児。私、2000円持ってるの。これで竜児の1時間を買えるよね?」
コピペ改変とか今更過ぎるし
つまんね
上の方にあったのか…気づかなかった…
やっぱり改変ネタも入れようよ
こういう事態になるし
イラネ
そりゃ面白ければいいけどさ…
つまんねーわ
彼女の身長は150センチ。
それも自称150センチ、しかしどう考えても150以下だ。
俺が思うに140を軽く切ってる様に思う。
車の免許は取るつもりがないらしい。
歩きが一番と豪語するが歩調が合わない。
自転車は二人乗りは楽でよい。
しかし自分では運転したがらない。
小さい手でしごかれるとすぐいってしまう俺は
実はロリコンなんじゃないか?と自問自答。
風呂でローションプレイしたら滑りすぎて浴槽にゴツン。
キッチンでお鍋噴いちゃうプレイをしようとしたら
結局は駅弁プレイになってしまう。
ちょい乱暴気味にプレイするとレイプ風味になってしまう。
無毛土手は犯罪の香りがする時がある。
座位で廻してたらとろける快感で果ててしまった。
中出しはエロマンガみたいにコプっとか言って溢れてくる。
改変のしようがない…
そんままだなw
悪いな
定額のほうがアク禁だから思ったように投下できない。久方にダイアルアップだけど従料金なんでもったいないし回線速度遅いし。33.8Kbpsって。ねぇ。
だから解除されたら(?)投下するよ。
って言ってもPinkだから最低1ヶ月くらいかかるけど・・・・・
ってかコピペした本人が言うのもなんだが
これってひょっとしてとらドラのために作られたコピペじゃないのか?
と思ってしまう
っていうか430KB 超えたのか。
あと70KB以下って、結構すぐ消化されちゃうじゃねぇの?
コピペはいらないな。
またコピペ保護厨か
>>738 なんでも、厨とつければいいってものじゃない。
非生産的な議論をやめて妄想でもして
職人の糧になっていこうや。
というわけで竜児の女体化マダー?
女体化なんぞいらんわ
女体化したら大河や川嶋や櫛枝はへこむでしょ
すこし顔つきは厳しいけど家事万能選手だよ
まあ竜児が一番萌えるから男のままでなんも問題ない
北村乙
大河が、竜児ややっちんがいる家をホームと思えるようになったSS読んでたら
大河がいつの間にか、大河って名前が昔ほど嫌いじゃなくなってた話もありかとオモタ
ぶっきらぼうだけど、なぜかあいつが言うときだけはとても暖かく聞こえるみたいな
みのりんは涙目だけどな
亜美「かわいいじゃん。やきもちタイガー・・・ハァハァ」
竜児「いいから鼻血を拭け」
あみとら!ですね、百合ですね!!
「竜児、何ばかちーなんかの顔まさぐってんのよ…」
大河、ぎゅっと竜児のシャツを掴んでむくれる
「いや、これは別にきれいなものが汚れてるのが許せないってだけでだな…」
竜児、亜美の鼻から垂れる血をふきふき
「ハァ…ハァ…やっべ、マジやっべ可愛すぎね? ほっぺたぷっくりとか反則じゃんふが…」
亜美、ハァハァしながらも大人しく竜児に止まる気配の無い鼻血を拭われるがまま
以下ループ
投下します。
時間があるうちに書き留めておこうと思ったら、全部書いちゃいました。
一気に書き上げてしまったので、誤字脱字あるかもしれませんがご容赦を。
今更ながらに、なんでこんなものを書いてしまったんだろうと思ってしまいましたが…w
---------
…どこからか、猫の鳴き声が聞こえてくる。
数時間前の秋晴れも今では夕暮れに変わり、高須竜児の手には一本の包丁が握られている。
鋭い、というたった2文字の形容詞では表現しきれないのでは、と思えるほどの目つきを携え
これから、夕暮れの空を大量のドス黒い血で染めてやる。などといった訳ではない。
ここは、築何十年もたっていると思われる2LDKのアパートの台所。
その鋭い目つきの先には「お買い得!! 鰤大根に!」というシールが張られているパックが。
シールが示す通り、鰤大根に使うための鰤がこれでもかと言わんばかりに盛られている。
外の通りは、肌寒いでは済まない寒さで覆われているため夕食は何か温かい物が良いかなと思っていた矢先の品である。
かのう屋でしつこく「肉と鍋で何か作れ」と家計的に無理難題を仰る隣の人形の様な可憐な人物、逢坂大河をなだめ戦利品として
目の前にあるブツを手に入れたのである。
半居候の身である大河から食費を頂くには頂いており、しかも向こうはお金持ちのお嬢様と来ている。
本来ならば、もっとお金を頂いて豪勢に料理を作る事が出来るのだが変なところでMOTTAINAI精神が働き、今に至っている。
「さて、いっちょ作りますか。」
主夫、というにはあまりにも手慣れすぎている手つきで目の前のブツの下ごしらえをしていく。
湯を沸かし、下ゆでし、時間が余れば食卓に華を添えるためにもう何品か…
こういった涙ぐましい努力の末に、食卓には料理が並び、それを大食らいが胃に収めていく。
もちろん、半居候の人物が手伝う事はなく寒い台所の扉一枚はさんだ向こう側のコタツに小さい体を押し込んでいる。
ちなみに、母であるやっちゃんは今アパートにはいない。ご飯に誘われたとか何とか。
MOTTAINAI精神の名の下に、当然ながら台所に暖房器具はない。あるとすれば火が付いているコンロだけだ。
まだこんな時期なのに冷えるなぁ、と季節柄の言葉をいくつか竜児の頭の中によぎっていく。
外では、石焼き芋はいかが〜と言った定番の声。隣では、ニュースの声。
そう、いたって平和である。
ふ、と竜児の意識がアパートの外へと向けられる。
犬の遠吠えのようだった猫の鳴き声が、結構近くなっていることに気づいたのだ。
「こんな寒いのに・・・御苦労さんなこった。」
寒さのせいかまるで老人のような声を出し、それに呼応するかのように猫の鳴き声は一層近くなる。
すっと、竜児の目の前のガラスに茶色い何かが通り過ぎた。ように思えた。
最も、ガラスのすぐ向こう側にいるのではなく少し輪郭がぼやけている茶色い何かがいた。
いた、というよりも現在進行形でまだそこにいる訳で、しかも鳴き声は強まっていく。
そんなところに猫…?とやや疑い気味にガラス窓を開けてみると、確かにそこには猫が一匹。
窓があいた事に気づいたのか、猫の目が竜児を捕らえた、と思った次の瞬間には床に居た。
これには、金髪のよく分からない頭の形をしている外人さんもビックリだろう。
実際には、猫特有のしなやかさで窓から窓へ飛び移ってきただけなのだが
竜児の方からは猫がこっちに突っ込んでくると錯覚してしまったがために、素っ頓狂な声をあげたことにより
「あー、うっさいわね! バカ犬。ご飯は?まだ?」
語尾にはグズだの駄犬だのと付けられながら、隣人から罵声を浴びせられるが、それに動じる事もなく
「いや、お前、いきなり猫がだな!」
「っち、猫だろうが犬だろうが豚だろうが、ご飯を早く作りなさいよ。おなかすいてんの!」
これ以外にも一言二言の会話はあったが、結局隣人の罵声が心にしみるためこれ以上の会話をするのはやめにした。
視線を足元に落とすと、見事な虎模様の小さな猫がそこにいた。
竜児に怯える事もないというより、家に飛び込んでくるあたり人間に対する恐怖はないのだろう
それを示すように首には首輪が巻かれていた。
(どっかで飼われてる猫、か…。しかし、虎模様とは…)
もともと、猫や犬といった動物が好きな方向にいる竜児なので、大して毛嫌いすることもなく
腰を落とし、頭や顎、背中と順々に触っていってやるとゴロゴロと気持ちよさそうに足元にすり寄ってくる。
抜け毛だけ、あとで掃除するか。と、潔癖症を発症させつつ、下ごしらえした残りの鰤があるのを思い出し
猫の目の前に落とすと勢いよく食べていく。
虎模様の時点で少しばかり笑みを浮かべていたが、大食らいまで似ているのかもなと笑みの明るさを上げる。
ただ、虎猫にばかり構っていると本家本元の虎に喰われかねないので、料理の仕上げに取り掛かる。
虎猫は何をするでもなく、床に丸くなって寝そべっているだけで邪魔をするわけでもない。
仕上げも手際よく、盛り付けも手際よく、あっという間に食卓が彩られていく。
大河は待ってました、もとい遅すぎんのよと視線をよこしながら
「ふぇ」
「で、じゃない食べながら喋らない。お行儀悪いぞ。」
vsやっちゃん用音声辞書がvs大河用音声辞書機能が搭載されていることに気づかないまま
ジト目で睨んでくる大河に少しばかり肝を冷やす竜児の胡坐の上には丸まった虎猫。
「んぐ。何なのよ、その猫は。」
「だから、さっき猫が来たっつったろ? 首輪が付いてるから飼い猫だとは思うんだが…」
「ふぅーん…」
なんだよ、と言いかけその言葉をごはんと一緒に飲みこんだ。
この言葉のせいで、会話が泥沼に進行する可能性は多いにあるためである。
適当に言葉を交わし、置物状態の虎猫の背中を時折なでつつ、やや空気が悪い中食事は進んでいく。
ふと、虎猫の視線が自分の箸の先っちょにいる鰤を見ている事に気づき
適度に身をほぐし、箸のまま口元へ持っていってやる。
うれしそうに食べる猫の視線とは別の視線を竜児は感じた…
その視線に耐えかね、大河に目をやろうとすると視線を逸らされた。何なんだ。
食事も終え、足元に来る虎猫に気をやりつつ食器類を片付け、猫と共にコタツへ竜児は舞い戻った。
竜児は、テレビより虎猫をイジっていたほうが面白いのでコタツで寝そべりつつ相手をしてやる。
テレビ以外の娯楽がないので、当然大河の興味も虎猫へと注がれることになり
「竜児」
「ほーれほーれ…このいやしんぼめ…どれだけ撫でてほしいんだ? 3分?3分か?」
「返事をする!この駄犬!あとキモいのよ!そのしゃべり方!」
「おう、なんだよいいところだったのに」
「何がいいところなんだか…人間に相手されなくなったからって猫の相手なんて…、まぁいいわ。ん。」
ん。と小さい体を起こし、両手を竜児の方へ向ける。その顔は「そのおもちゃを早くよこしなさい。」と言わんばかり。
渋々、虎猫との一時の別れを惜しむようにそっと抱き抱え、コタツ越しに虎猫を手渡してやる。
が、小さい手が小さい猫を抱き抱えるも物の数秒でその手から虎猫は逃げ、竜児の元へ戻ってきた。
…と、しばしの沈黙。声には出さないものの、さっきと同じ顔で両手を差し出してきたので虎猫を渡してやる。
結局、6回くらいやっても虎猫はイヤがるばかりで竜児の元へ戻ってきた。
ちょっとしたり顔で胡坐の上に寝そべる虎猫をなでる竜児には冷たい視線…
むすーっ、とした顔から発せられるそれはじっと耐えていたいものではないので場を持たせようと
「ま、まぁ、動物だから気まぐれなんだよ…、それもほら猫だしな」
「まったく、この駄犬はバカチワワとか犬にだけ尻尾を振るかと思えば猫にまで…あー、やだやだ」
「だから、それは俺のせいじゃないだろ? 大体、猫に好かれないだけでそこまで露骨な顔すんなよ…」
「フン、何よ。猫に好かれたくらいで良い顔になっちゃって。気持ち悪いったらありゃしない。」
あーだこーだ生産性のない会話が繰り広げられる。その間も虎猫は胡坐の上で気持ちよさそうに声を立てる。
その態度に、イラっとしたのか急に大河が立ち上がり胡坐の上から猫をどかす。
当然、猫は元に戻る。どかす。戻る。どかす…
そんな不毛な争いで気づいたことは、「場所がなければ戻れない」のではないか?と。
適度にムキになっているので、後先考えずに猫をフンッとどかし、猫がいた場所に陣取る。
それが意味するものは…
「な、なぁ…」
「フン、私の勝ちね。大したことないんだから。手間取らせやがって…全く…」
「なぁってば」
「何よ、うっさいわね。黙ってなさい。」
「…」
そう、大河は何も考えず、竜児の胡坐の上に座り込んだのだ。それも、肩に手を置いた状態で。
視線が猫を追っているためか、目の前にいるはずの竜児が目に入らない。
「おう…あー…その、なんだ…」
「あー!もう、なに…よ…」
その顔は喜びの顔から怒りが感じられる顔へ変わり、止まった。
最も、喜びの顔は横顔から垣間見れただけで、目の前で止まった時には怒りなのか何なのかよく分からない顔だ。
たっぷり、5秒くらいは止まったんじゃないだろうか。
大河の顔が瞬間的に沸騰したような赤みになり、超高速で後ろを向いてしまった。
「お、おう。どうした、大河。」
「………」
「ど、どうした…?」
「な、なんでも、なんでもないのよ!これは! ただその、なんていうかその、縄張り?トリテリー?争い?みたいな。」
「ひとまず落ち着け、トリテリーじゃなくてテリトリーな。」
「な、なんだっていいでしょ!」
顔をこちらに向け果敢に啖呵を切るが、自分の胡坐の上で小さくなった人物からは普段の威厳は感じ取れない。
だだだって、犬ってご主人さまの…と意味がつかみとれない言葉を発している大河の頭を
さっきまで虎猫にやってやったように、そっと撫でてやる。
ビクンッ、と一瞬だけ体を強張らせ、驚いたように目を見開いたがそれも一瞬で
顔だけ竜児に見せないように向きを元に戻してしまった。
あ…う…、と声にならない声を出しながら、なすがままにされている本家本元の手乗りタイガー。
(こうしてみると、本物の猫みたいだなー…、なんてな。)
今の竜児は、猫をあやすように大河をあやしている。
頭をなでていた手を滑らせ、ブツブツ何かを呟いている顎へと持っていってやる。
猫と人とは勝手が違うがそんなことはお構いなしにゆっくりと撫でていく。
ひと撫でするたびに、こわばっていた体から力が抜けていき、今では大河の体は完全に竜児の体に預けられている。
当然、竜児の顔の真下に大河の頭が来るわけで。髪の毛から良いにおいが漂ってくる。
(さわり心地いいよなー、なんて…なんて…なん…)
実は、大河の突然の行動に竜児も頭の回転が追いついてなかったのだ。
そのため、今更になって自分が起こしている行動が何を意味するのか、普段の反応から考えてみる。
考えてみるが、どうやっても最悪の結末しか出てこない。
あぁ、さよなら僕の人生。さよなら、インコちゃん…
「りゅーじ」
さっきとは逆だ。竜児の体が強張る。
次に襲ってくるであろう言葉の暴力、直接的な暴力、またはその両方を覚悟する。
「もっと」
ハイ?ナントオッシャイマシタ?
その言葉の意味が分からずに頭の中で何度も反芻する。
反芻するのに時間がかかりすぎたのかもう一度声がかかる。
「もっと。もっと撫でて」
猫なで声とはこういうことを言うのか!と一人納得する竜児。
大河の口から発せられたのは普段からは想像もつかない、小さくてかわいらしい声だった。
しかし、ここで機嫌を損ねては後が怖い。アフターカーニバルは避けられないだろうが、今ここでの暴発は回避したい。
言われた通りに、自分に体を預けてくる大河の頭を割れ物を扱うかのようにゆっくりと撫でてやる。
それから、どれくらいの時間が経っただろうか。
心臓は早鐘のように鳴り、コタツからの熱気が暑くて仕方がない。
手はしっとりを通り越してじっとりと汗ばんでいるが、手を止めるわけにはいかない。
しかし、このままではマズい。ここは…やるしかないか…
「た、たいがさん?」
「…………」
「あのー…、その…、どうしましょう?」
何が一体どうなのか、自分ですらわかっていないのだ。
そんな回らない頭でも次にはいったい何が来るのかだけは二つに一つ。覚悟はできた。
「……ねる」
はい?とハテナマークを浮かべたままの竜児に、遠慮することなく力をかけていく。
いくら手乗りクラスなタイガーとはいえ、人一人だ、それも力が抜けた人間とは意外に重い。
最初こそは耐えていた竜児だったが、腰の痛みが限界を迎えそのまま寝っ転がってしまった。
さすがに体の上では寝付きが悪いのか、竜児の体の上からもそもそと動き布団の上に落ちる。
竜児は一瞬だけほっとしたが、虎はより良い寝付きを得るために肉の棒を枕にした。これが俗にいう腕枕の誕生である。
すぅすぅと寝息を立てる大河を起こすのも忍びない。コタツの中で寝るのは良くないとは思いながらも
先ほどまで体にあった熱気も今ではすっかり抜けてしまい、コタツの熱が眠気を誘っていく。
耐えられなくなる前に電気だけは消し、二人はそれぞれの夢の中へ旅立っていった。
---
それから数時間後。もとから眠りが浅かった大河はゆっくりと目覚めた。
普段のベッドとは違う寝心地もそうだ、何かが違う。
半覚醒状態の寝ぼけ頭をゆっくりと上げ、自分の状況を確認しようとする。
暗闇に目が慣れ目の前に何かがあると思った時には、顔は真っ赤になっていた。
高須竜児、自分の駄犬である顔が視界一杯になったからだ。
目の前に寝ている人物を起こさないように、器用に慌てふためいている。
が、そのまま抜け出すのも何かに負けた気がするので結局元の枕に頭を戻した。
何かってなんだろう…何に負けるんだったっけ…と思いながらも、覚醒しきらない頭の中は眠気で満たされていく。
あぁ、そうだ。
取られたくないんだ。これを。
この微妙な距離感の中に、何かが入ってほしくない。
この距離は私だけのものだものね。
相手が誰でも、渡さない…
「だから、私にだけ尻尾振りなさいよ…全く…」
コイツの夢の中に響けばいいな、と思いながら、自分が安心出来る物に囲まれながらもう一度落ちていく。
---
次の日、竜児が覚悟していた事が起こったのは言うまでもない。そこまで厳しくはなかったが。
そして、虎猫はどこへ行ったのかは誰も知らない。
二人も口に出すことはない。
ただ時折、頭をなでてやろうかな。と思ってしまう竜児がいて
頭をなでてきなさいよ、と思ってしまう大河がいるだけでした。とさ。
誤字脱字・意味不明な部分は本当にごめんなさい、脳内保管でお願いしますorz
大河のあの頭を撫でてみたい人はきっといるはず、と思って書いてみました。
ものすごい久々に書いたので上手くいかない部分があるかとは思いますが大目に見てください。
お目汚し、失礼しました。
だれか俺の口から流れ出る砂糖を止めてくれ
GJ!
3分か!3分欲しいのか!?このいやしんぼめッ!!!
751さん。
GJです。ブラボウです!
いいもの読ませていただきました!!
760 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 00:31:16 ID:znRJUJ/k
GJ!
おまいら最高すぎるぜ!!
なんというニヤニヤGJ
うちもコタツなのになぜ何も起きないんだ
見ているこっちが何かむずがゆくなりますね。
アマーイ
猫に対抗して胡坐の中に納まる大河が容易に想像できて口元が不審者になるw
亜美×竜児の長編書いたけど、投下は次スレの予定
でも、需要あります?
あらゆる需要はあるから、聞かなくてもいいと思うよ
次スレで楽しみにしてるよー
次スレ投下予定の長編の予告です。
--------------
つうーっと、白く細い指を竜児の頬に伸ばし、白磁のような頬を竜児の頬にすり寄せる。
「ずいぶん、熱心なのね。日頃、亜美ちゃんには冷たいくせにぃ」
「バカ、人目がある、離れろ!」
その抗議よりも一瞬先に、滑るように竜児の側から離れ、髪をかき上げながら、意地悪い笑みを竜児に向けてくる。
「全力疾走ってのは、傍目ではかっこいいのかもしれないけど、間近で見ると、結構、痛いよね」
(中略)
痛打を受けた竜児は、白目を剥いて、昏倒した。
「やりすぎだよ、麻耶! あんたの行為は傷害罪、もし高須くんが死んじゃたら傷害致死だからね。この犯罪者!!」
「うるさーい! 法学部の1年坊主が、ちょっと法律かじっただけで偉そうに。あんたが色気でたぶらかした男が、
何だっつーの!」
「色気でたぶらかしたぁ!? ふざけんな、あんただって、髪の毛染めて男に媚び売ってるじゃないか。この売女!!」
「黙れ、淫乱!!」
「なにおぉ!」
(中略)
「よって、こうすれば解決だ」
と言うやいなや、北村は、ズボンをずり下げた。
「これで、おあいこだな、木原。こうすれば、パンツを見られた、お前の機嫌もなおるはずだ、が…あれ?」
しかし、北村がはいていたブリーフはゴムが緩かったのであろう。
「きゃーっ! まるおが、丸出しぃ!!」
「祐作、あんた、本当に最低!!」
(中略)
「ねぇ、耳掃除をしている間に、あたしの質問に答えてくれる?」
「どんな質問だ?」
「う〜んとね、高須くんは、なんでいつも無理をするのか、なんで自己犠牲をいとわないのか、これを知りたくてね」
「そんなこと…、俺は無理なんかしていないし、利己的で、自分を犠牲になんかしない。お前の質問は不適切だ」
と、言った瞬間、「いてっ!」と、竜児は顔をしかめた。
「あ〜ら、ごめんなさ〜い。ちょっと、手元が狂っちゃった。でも、今のは嘘つきさんに罰が当たったんだわ」
(以下略、乞うご期待)
ちなみに何レス予定ですか?
769 :
769:2008/12/11(木) 13:07:04 ID:0wR7ZuqK
>>768 60くらい逝ってしまうかと(汗
でも、笑いとアクションと、(疑似)高須流レシピ付きと、それなりにまとまって、面白いとは思います。
場合によっては、複数のスレに分割して掲載することも思案中です。
うはw60w
今から全裸で待ってます
771 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 13:43:26 ID:znRJUJ/k
>>770 バカ野郎!!
風邪引いたらどうする
せめて靴下とネクタイを装着するんだ
60レスwwwww
あれ?超大作の枠すらこえてね?ww
おまえ自分でハードル上げて大丈夫なのか?ww
6のまちがいとかじゃないよな?
楽しみに待ってる
@先に次スレをたてて現行スレからまたいで投下
A次スレをたて、そこに投下。現行スレは別の作品で埋める
B現行スレが埋まったら次スレで投下
他になんかある?
遅レスだが
>>600 ・文字と背景の色が読みづらい
・変に行間が開いてて読みづらい
・フォントの大きさが作品ごとにバラバラで読みづらい
・明朝体は読みづらい
こんなとこ。
Bでいいんじゃね?
お前の好みに合ってないだけじゃね?
少なくとも俺は行間詰められた方がずっと読みにくい
フォントとか字サイズとか次色は気にするほどのことでも無いし
>>779 腰にラップ巻いとくだけでも随分ましだぞ
個人的には一週間にわけて投下してほしいぜ
こういう雰囲気はやめようぜ?
>>783 ミラー見てみたら調度よかったわ
先に見ておくべきだったな、すまん
>>751 遅レスだが、ベリーGJ!!
すげー描写が丁寧で感心したw
前の犬のもそうだが、ペット絡みのSSって良いものだな
751を書いたもんです。
何やらたくさんのおほめの言葉が・・・ありがたやー。
一作だけのつもりが、ちょっとやる気が出てきました。
描写の方は、正直回りくどすぎるかなぁ?と思ってましたがあんなもんで大丈夫なんでしょうかね。
説明描写が多すぎる気がしないでもなかったんですが・・・
次回作も頑張ってみます。
>>39 > さて、俺も投下逝くぜ( ゚∀゚)
> 大河が怖いです。ヤンデレです。
>
> 「写真と狂気」
>
> きっかけは一枚の写真だった。
> 竜児がそれを締まりのない顔で眺めているのを見つけた時、あたしは我を忘れてしまった。
> 思えばこれが罠だったんだ…
> 「竜児、なに、この写真は? アンタ、いつみのりんを隠し撮りしたんだっ!」
> 隠し撮りなんかしてねえよ、普通に櫛枝に貰ったんだ、慌てた表情でそう言い訳する竜児を見た時、
> あたしの中で、何かが、切れた。
> 「なんであたしがいるのに、みのりんの写真なんかでするのよっ!」
> 「バカ野郎っ! おまえの見てる前でそんなことするわけねぇだろうが」
> そんな意味で言ったんじゃない…という言葉が出かけて、あたしは慌てて口をつぐんだ。
> 竜児が意味を取り違えてくれて助かった。
> 気持ちを落ち着けるべく、1つ深呼吸すると、あたしは竜児に向かってこう言ってやった。
>
> 「みのりんの写真をおかずにするな! このエロ犬!
> 男なら正々堂々と告白して、みのりんを彼女にしてみせろっ!
> そしたら好きなだけ、見せたり触らせてもらえばいいでしょ!」
>
> この言葉が、あたしと
ここまだ書けるの?
あと44キロバイトだからちょっとした中編くらいなら余裕
もうすぐクリスマスか
毎年、田村が松澤とギシアンしてる最中、相馬は盗聴器でそれを聞きながら独り寂しく自分を慰めているわけか
クリスマス前や冬休み、夏休み前は相馬のアピールが更に積極的になるんだろうな
795 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 21:11:39 ID:KaZOonOF
ちょっとした中篇を書いていただきたい
797 :
vene:2008/12/12(金) 22:07:49 ID:tm2lyD0U
いきなり投下!
展開読めまくりでしょうがお付合いくださいませ!
それは一週間前のことで、あまりに唐突な出来事だった。
私は虎だ 強くならなくちゃいけない 竜と対等になれるのは私だけ 竜を救えるのも私だけ
ピリリリリ ピリリリリ ピリリリリ
「竜児・・・ 携帯うるさいんだけど。早く出なさいよ!」
「すまん大河、今ちょっと手が離せないんだ。携帯持ってきてくれないか?」
「何で主人の私があんたのために動かなきゃいけないのよ。この駄犬!」
そう言いながらも、私は私のためにご飯を作ってくれてる竜児のもとへ携帯を持っていく。着信画面を見ると、登録されていない番号からの着信のようだ。
「ほら、さっさと出なさいよ。」
「おう、わりぃな」 ピッ
「はい、高須ですが・・・ ええ、高須泰子はうちのものですが・・・」
誰からだろう?竜児の料理を作る手が止まっている。心なしか竜児の表情が暗い。私にはわかる。ただ事ではないはずだ。
「ええ・・・ あ、はい 大丈夫です。○○病院ですね?わかりました。すぐ向かいます。」
「病院? 竜児、何かあったの?」
「悪い大河。俺これから○○病院にいってくるわ。メシはあとでいいか?」
「いいけど・・・、何があったの?」
「泰子が交通事故にあったみたいだ。それで今○○病院に搬送されてるからきてくださいって。」
「嘘・・・。やっちゃんさっき家を出たばっかじゃない。」
私は言葉を失った。やっちゃんとはついさっき仕事に出掛けたばかりで、すぐに話を飲み込めなかった。
竜児は素早くエプロンを脱ぐと、財布と携帯をポケットにしまい、すぐに玄関に向かう。その時の竜児の顔は今まで見たことのないぐらい引きつっていて、
私はそれが少し怖かった。
「竜児、私もついて行っていい?」
「ああ・・・。」
私達は家を出るとすぐタクシーの拾える広い通りに向かった。タクシーに乗り込むと、竜児は行き先をつげて、その後は無言だった。
竜児は電話口で何を言われたのだろう?私はそれをふと思い出し、それを確かめたい衝動に駆られたが、竜児の悲痛な顔がその衝動を抑えた。
病院に到着し、足早に院内へと向かう竜児。
普段は私に気を使って歩幅を合わせてくれる竜児が、今日は違う。スタスタと大股で救急外来に向っていく。私は置いてかれまいと小走りで後を追っていく。
そして、一人の看護士を捕まえて竜児が名乗ると、その看護士は担当した医師のところへ案内してくれる。その医師が事情を説明してくれるとのこと。
でも私はやっちゃんの家族ではなかったから、竜児と一緒に話を聞くことができなかった。
しばらくして、竜児が医者と一緒に部屋から出てきた。その表情には感情がなくなっているように見えた。
「竜児、やっちゃんどうなったの?大丈夫なんだよね?」
「・・・ これから泰子に会いに行くんだ。大河もくるか?」
「うん・・・」
不安だった。心臓が高鳴っているのがわかる。なぜ竜児は詳しく説明してくれないのだろう?
そして今どこへ向っているのだろう?病院内を医師の案内で進む。怖くなったあたしは竜児の袖をつかんでいた。
「こちらです。」
扉を開けると、人が一人ベットで横たわっている。顔には白い布がかけられており、一瞬誰だか判別つかなかったが、
あの鮮やかな髪の色の持ち主を私は一人しか知らない。そう、それはまぎれもなく高須泰子だったのだ。
頭の中で事態を把握しきれない私。なのに私の目には大粒の涙が浮かんでいた。
気が付くと、私はやっちゃんに抱きついていた。それから後はあまり覚えていない。
その時竜児がどんな顔をしていたのだろう?
あの時の私は自分の感情で精一杯だった。
続
ここで切るんかい!
人死にが出る場合は注意書きぐらい書いてくれ。
800 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 22:34:38 ID:ZXbxsP7N
(゜□゜)
ちょww
気長にまとうぜ>arl
arl……だと……?
>>802 高校生にもなってオールすら書けないとかやばくね
もしかしてollって書こうとした?
竜児か大河が過呼吸になり、手ごろに袋もないからキスで止める…という電波が来た。
>>807 さあ、早くそれを文章化する作業に戻るんだ
やっちゃん…(泣)
811 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 00:07:52 ID:0FgzIrQ/
バイオハザードか
春田め
「…ねえ竜児、寒くない?」
「あぁ、お前の体、小さいけど暖かいからな。お前は大丈夫か?」
「土管の中って案外暖かいのね。寒くはないけど……お腹すいたわ。」
「そういや何も食べてなかったもんな。なんかないかな…、ん、これ…は……」
「あ、私のあげた、チョコ……。」
「そうだった…、そういえばこれ夢中で掴んでそのままだった。」
「………。」
「腹へったなら、これ、食う?」
「いらない。あんたにあげたんだからあんたが食べなさいよね。」
「でもお前なんにも食べてないんだろ?じゃあ半分こだ。半分食え。」
「半分っていってもそんな分厚いの割ることもできないでしょ。私のことは気にしなくていいよ。」
「気にするわ。ほら、なんとか割ってさ、一緒に食おうぜ。」
「そんなこと言っても……、あ!」
「ん、どうした?」
「じゃ、じゃあさ……、その……、一緒にかじりついたら……。」
「一緒にって……ちょ!お前それって…。」
「し、仕方ないでしょ。私はこっち側食べるから、あんたはこっち側ね。ほら、………んっ。」
「じゃ、じゃあ…、あんっ」
「………。」
「………。」
「………ん。」
「……なんか言えよ、恥ずかしいじゃねえか。」
「えっと、その……あ、あんたの口ってチョコの味がするのね。」
「んなわけあるか。」
「わかってるわよ、ばか。」
終われ
814 :
vene:2008/12/13(土) 00:42:20 ID:ayzE+kbo
>>799 無知ゆえの過ちすまぬ。
797の続編投下です!今しばらくお付合いくださいませ。
「ふぅ ようやく全部終わったか。 手伝ってくれてありがとな 大河。」
「・・・うん それはいいの。私もやっちゃんと最後のお別れちゃんとしたかったから。」
「いつまでそんな顔してんだ? お前がそんな顔してると泰子も悲しむぞ。」
「うん・・・ わかってるけど、わかって る けど・・・ 」
やっちゃんとの最後のお別れは少ない参列者の中行われた。お別れといっても形式的な葬式は行わず、火葬場で竜児が参列者に
挨拶をするといった簡易的なものだった。
やっちゃんがいなくなってから、私は泣いてばかりだ。そんな私を竜児は気遣ってくれる。私はそれに甘えてしまっている。
竜児も悲しいはずなのに、私に笑顔を見せて元気付けてくれる。いつもと同じように接してくれる。
「竜児は強いね。 私は・・・ 駄目駄目だ。」
そういって、私はまた竜児に甘えるのだ。
翌日から竜児は学校に復帰した。校内で事情を知っている人間は生徒の中では私と北村君を除いて他にいない。
それは竜児が誰にも言わなかったからで、だから学校の皆は普通に竜児に話し掛ける。何で休んでたんだ?などと平然と聞いている。
私はその何も知らない奴らの言葉に苛立ちを覚えた。でも、竜児が本当のことを言わない限り私には何もできない。それが悔しかった。
なのに竜児は普通に振舞っている。普通に皆と話している。本当に竜児は強いなと心の中で思っていた。
それから数日後、やっちゃんがいなくなってからちょうど一週間が経った日の夜のこと。
私もようやく心が落ち着いて、前のように泣く事はなくなってきた。やっちゃんの事を思い出しても、笑顔を作れるように頑張れるようになってきた。
その日、私は竜児しかいなくなった家に夕飯を食べに行った。台所に立つ竜児、テレビを見る私、いつもの平穏が戻ってきたかのように思えた。
ふいに竜児の方を見る。竜児の手が止まっていた。料理を作るそぶりは見せず、ただ台所にぼうっと立っているだけのように見えた。
「竜児?」
私は声を掛けたが、返事はない。私は俯いたまま立ち尽くしている竜児の隣に立ち、顔を覗き込む。
竜児の目から涙が溢れていた。拳が固く握られ、肩も小刻みに震えている。 私はこの時、初めて竜児の涙を見た。
>>814 だったら今のも前置き位入れとけよ
あと、終わるんだか続けるんだかの後書きも
連投するんならいっぺんに投下したら?
これは個人的にはどっちでもいいけどsageなよ
誘い受けまじでうざい
817 :
vene:2008/12/13(土) 01:19:54 ID:ayzE+kbo
>>815,816
すまん!下調べが足らな過ぎたな。
いろいろタブーをやらかしてしまったみたいだ
次から気をつける
続編はまだ書いてない だけど、連投した方が見やすいし効率がいいよな
次回書くことがあったらそうしやす
ここ埋めるの今書いてるから次スレを用意しておいてくれるとありがたい
書きおわったから投下
短いから埋まらないはず!
『虎のご乱心!』
その事件はいつもと同じ変わらない日常に起きてしまった。
あのドジが、いつものようにバカをやらかしたせいで。
「龍児ぃー、喉渇いた。さっさとお茶でも入れなさいよー」
人様の家で図々しくも寝っ転がりテレビを見ているのはたまたまの隣人、逢坂大河。
勝手に自分専用にした高須家の座布団を二つ折りにし、それを枕代わりにしているのだ。
龍児は大河の向かい側に座っていて、そして二人はいつものように一緒にテレビを見ていた。
「残念ながら今茶は切らしててな。いつも買ってる店が長期の休みなんだ。
なんでも息子の受験のためにお百度参りをして体調を崩したとか」
「……なんかご利益なさそうなお百度参りね。それにしても受験か、ずいぶんと世知辛い世の中になったものだわ」
「年寄りくさいこと言うな、お前の設定年齢は幾つだよ……」
そう問いかけたが大河は答える気が無いらしく、
「あーあ暇だわ、何が悲しくて北村君にも会わずにこんなところにいるんだか…」
とか抜かしている。どう考えても失礼なことをサラリと言うあたりも、大河が『手乗りタイガー』と呼ばれる由縁なのだが。
「そんなに暇なら自分で飲み物取ってこい。確か冷蔵庫に牛乳があったはずだ」
「飲み物も持って来れないなんてまったく使えない奴ねえ…。アンタそんなんじゃきっとみのりんに振られるわよ」
そう言いながら面倒くさそうにモゾモゾとゆっくり立ち上がる大河。
「俺はむしろ、自分の飲み物すら他人に持ってこさせる奴が北村と付き合いたいと思っていることに驚きを隠せないんだが」
「そこはいいのよ。こんなこと言うの龍児だけだし」
「そんな特別はいらねえよ。それより櫛枝との仲を取り持ってくれ」
ガチャガチャと冷蔵庫の中を漁りながら、「気が向いたらねー」と一言。
まったく、俺には北村との仲を手伝いさせといてそれか、とことん唯我独尊な奴だな。と龍児はひとりごちる。
「あ、なんだブドウジュースあるじゃない。いっつも牛乳ばっかだからたまには違うの飲みたくなるのよね」
…ブドウジュース?そんなものは買った覚えは無いのだが。
いつものように泰子が仕事帰りにでも買って来て入れておいたのだろうか――そこまで考えて、龍児はとんでも無いことに気づく。
あのバカ大河はもしかして……!!まさかさすがに間違えることはないだろうと思いながらもとっさに振り返った龍児は、
「バカ!なに飲んでんだ!これ料理に使おうと思ってたワインだぞ!!」
「わひん…?ぶどう…?」
「確かにブドウはブドウだが、こんなもの一気飲みしやがって。…大河、大丈夫か?」
一応聞いてはみるが、顔からして明らかに大丈夫ではない。
顔はアルコールのせいで真っ赤、口は常に半開き。
目はいつもの半分しか開いておらず、その凶暴な、一睨み効かせるだけで周りを恐怖のどん底に突き落とす目は今は眠そうに呆けていた。
これぞまさに、アホ面。
この場に北村が居なくて本当によかった。もしこんな顔を見られていたら大河にとっては自殺ものだろう。
「なんひゃ……変な感ひよ………でもたぶんだいじょう…」
と、そこまで言って突然泣き出しそうになっていた。
これはまさか急性アルコール中毒というヤツか!救急車を呼ばなければ!―――と慌てて電話に駆け寄ろうとした竜児の服の袖を、大河は掴んでいた。
「どうした大河、気持ち悪いのか?気にせず洗面所行って吐いて来ていいぞ」
「りゅうじ……なんでりゅうじはそんなにやさしいの?」
さっきより多少ロレツも回復したのかまともに喋る大河。…喋っている内容はまともではないが。
「お、おう…なんだよ急に…。別にいつもと同じだろ」
「いつもとおなじ…?そっか、どうせだれにでもやさしいんだ…」
そう言いながら俯き、ポロポロと涙をこぼしながら、
「な、なんなんだ大河!どうしたんだ!!どっか痛いのか!?」
「いたいけどいたくないよ…。…りゅうじのとくべつはみのりん?」
などと聞いてくる。……本当に女はズルい。普段あれだけ傍若無人な奴でも、涙など見せられたら心が痛んでしまうではないか。
だから…そう、だからだ。だから別に変な意味はないぞ、と訳の分からないことを自分に言い訳をして、
「櫛枝もそうだが、…お前も、特別だぞ」
と言ってやった。それを聞いた大河は泣き止んだのか、顔を少し上げて――相変わらずの呆けたアホ面だったが、上目遣いで、
「とくべつ……?わたし、りゅうじにとってとくべつ?」
自分に投げかけられた言葉を反芻するようにボソボソと呟き、
「へへ…りゅうじ、すき!」
赤い顔を更に赤らめて、満面の、それこそ見たことも無いような笑顔で突然の告白をかましてきた。――あなおそろしや酒の力!
「りゅうじはきらい…?」
「嫌いなんかではないが…。いやその…だな、大河」
「…ならすき?」
「あのな大河、そうじゃなくてな、お前は今おかしいんだ。だから好きとか嫌いとか…」
「……やっぱりきらいなんだ…。りゅうじはみのりんがすきなんだもんね…」
また俯きかけている大河のその目には涙が溜まっていた。泣かせたくない、このバカでドジでワガママで、だけど寂しがりな大河を。
「…っ。あのな、お前のことだって、好き、だぞ」
「みのりんとおなじように……?」
「それは…」
それは、違う。大河と居るときに感じるものと、櫛枝と居るときに感じるものは、違う。
だけど、だけど…、
「……りゅうじは、なんでわたしのそばにいてくれるの…?」
だけど。
「それはだな…その、なんと言うか、初めは成り行きに任せてたところがあったんだけどな、
でもだんだんお前の傍にいるのが心地よくなってきたと言うか…、あ、別に俺がMってことじゃなくてだぞ。
お前と居ると気楽だし気兼ねしないし、いつもなんだかんだ言ってるけど楽しいし、お前はよくドジるからほっとけないしな。
お前はワガママばっかり言うし人の忠告も聞きもしない。その代わり真っ直ぐで、繊細で、すぐ傷つくしな。目が離せねえ。
――ってああもう!結局だな、俺が言いたいのは!」
恥ずかしいから、目を瞑って思いっきり叫んでやった。
「俺が、お前の傍に居たいと望むから居るんだよ!!」
そして静寂。……ずっと、静寂。―――これが放置プレイってヤツか。
目を堅く瞑ったままだった竜児だったが、さすがに何も言われないと恥ずかしさと気まずさで、息が出来なくなってきていた。
なので恐る恐る片目を開けてみると、
「スー……スー……」
だらしなく口を全開にして、寝ている大河がいた。
「おう…これは、まさか…」
これはまさか、俺、今すごく恥ずかしい奴になってないか?
……まあなんというか、平和だ。
***
そして翌日には喋った内容を全部覚えていた大河に9/10殺しにされ。
しばらくの間、思いっきり叫んだ言葉のせいで、ご近所ではおば様方に
「若いっていいわねえ」「アンタ、あんな可愛い子手放すんじゃないよ!」「私もあと40才若かったら…ポッ」
などと言われるようになってしまっていた。
end
ごめん全然大丈夫だった
正直舐めてたわ、あなおそろしや500KB!
GJ!
2番槍GJ!
寝ようと思ったのに目が覚めてしまったじゃないか
手乗りタイガーを目がうつろになるまで犯したい
ブラックタイガーで我慢しろ
ハーティアか。
中の人はマーク・ロコ(初代)
ゼロの使い魔じゃん・・・
あと大河は自分から好んで牛乳飲んでるんじゃなかったか
某スレからきたせいか
ものすごく同心誌にありそうな流れだと思った
>>831 じゃあもうお前書けよ
俺書くのやめるから
>>833 最近このスレたちの悪いのが住み着いてるみたいだが
そんなのほっとこうぜ
820、グッジョブです!
こう言う竜虎が読みたかったです。すばらしい。
変な横槍は気にせずに。
次回作期待してます。
>>833 いいよ書かなくて。
なんだその‘書いてあげてるんだぜ’的なノリ。
そもそも口出されるの嫌なら2chに投稿するなよ。
こうやって職人が減り、過疎化していくんですね分かります
>>837の‘読んであげてるんだぜ’的なノリもどうかと思うよ?
コミケじゃないけどお客様じゃないんだからさ、お互いに
俺は
>>837に賛同するよ。
横槍にむかついたのかもしれないが、だからといってあの言い方はないでしょ。
『良い評価』も『悪い評価』も合わせて一つだよ。馴れ合いじゃないんだから。
>>839 >>837は「書きたくないなら書かなくていいよ」って意味じゃないの? 知らないけど。
なにこの流れ
小学生の喧嘩かよ
GJ、だけどゼロ魔的雰囲気になっちゃってんのが少しもったいない
とか書いとかきゃいいだろ
職人により上手い作品見せてほしくて書いてんのか、文句言いたいだけなんかわからん
下手な作品にはGJしなきゃいいだけ
みなさん、不快な思いをさせて本当に申し訳なかったです、冷静になって自分の言ったことのバカさに気付いた。
作品に対してのコメントは批判も称賛も全てすごくありがたく読ませていただいている。
ただ、作品を全て批判されてカッとなってしまったんだ。
自分はとらドラのSSを書くのが好きなので、これからも作品を投下させて頂きたい。
自分が書いているのが分かっても生暖かく見守って欲しい。本当に申し訳なかった。
よし、みんなでソープに行こう
俺が金出すよ
あ、俺と高須は別行動だから。
龍児って誰だ?
もうとっとと次スレたてようぜ
容量が残り15位になった時が丁度良くないか?
そう言って急になくなったスレをいくつ見たやら
ぐだぐだになると面倒だからスレ立ててくる
ま、書くほうも、読むほうも、実質的な利害得失が無いですから、
好きに書けば良いし、読むほうも、個人個人の好き嫌いをあまり主張しなければ良いと思います。
ただし、作文として成り立たない場合には、投下を遠慮して欲しいですが。個人的には。
または、内容が原作などの設定から大幅に離れているとかは、あまり感心しないです。
次スレが、良質な作品の集まりになりますように。
争いが少ないとかも。
無理だったわ
じゃあ俺が立ててくる
埋めるぜぇ〜超埋めるぜぇ〜
>>855 乙〜
誰かTSっぽいの書かないかな〜……。
女高洲はいい嫁過ぎて逆ハーレムになりそうだな
埋めるぜぇ〜超埋めるぜぇ〜
思いつきで捏ねた、もとい小ネタ。誰かに捏ねて欲しい気も、このまま誰の目にも映らず消えて欲しい気も・・・
「悪い高須、生徒会の資料をうちに届けてくれないか?」
北村が風邪を引いた。
珍しいこともあるとは思ったがこれはいい。
ついでにいえば北村頼まれたことにも文句はない。
親友の頼みだ。問題ない。
「あんた北村君をこき使い過ぎなのよ!」
問題はついて来た大河が垨野すみれアニキこと生徒会長に喧嘩を売ったこと。
「む、それに関しては確かに思うところがない訳ではないな・・・」
でもない。
「だがそういうお前はどうだ? その男に頼りっきりだと聞いたが?」
「そそそんな訳ないわ! わたしは一人で大丈夫よ! ただこの犬が寂しがるから特別に奉仕させてあげてるのよ!」
この発言にも突っ込まない。もうなれた。
「ならお前北村にこの資料を届けろ、できるなら看病してやるがいい」
ここからが問題だ、差し出された書類は大河の手に渡った。
「そのかわりこいつは借りるぞ、北村がいない分私流にこき使わせてもらう・・・お前とは一度手合わせを願いたいと思っていたしな」
一瞬自分に向けられた言葉かと思った。が、彼女の目は相変わらず大河に向けられ睨み返す彼女との間に火花を散らしている。
「そう・・・つまりそういうことね。いいわ、あんたごときがこの馬鹿を使いこなせるものならやってみなさい」
「私が負けるようなことがあれば・・・そうだな、風邪が治った後一日北村を貸してやろう」
「じゃあもし私が負けたら竜児を好きなようにすればいいわ・・・竜児」
去り際にふと大河がこちらに目を向けた。
「審判はあくまで公正にね?」
とてつもなく邪悪な顔を。
どこで突っ込めばこの事態をさけられたのだろうか? 思い悩んでも答えは出ない。
とりあえず俺は北村看病の応援を櫛枝に頼むか川島に頼むかで悩むことにした。
寝落ちか?
865 :
863:2008/12/14(日) 03:43:32 ID:dDzJcpL7
いや、申し訳ない。これで以上書く想像力がありませんでした。
まあ細かい事だが川島ではなくて川嶋だな
川嶋に頼むのはありえないし頼んでも行かないだろ亜美ちゃん
「亜美ちゃんだっる〜い」の一言で切り捨てられること山の如し。
名前間違えて申し訳ありませんでした。
櫛枝さんは部活が忙しそうだなと思ったのです。
「ん、竜児何だろこれ?」
「どうした大河、何ってどう見ても手紙だろ。何が書いてあるんだ?」
「えっと、『いちおつの手紙 この手紙を受け取った逢坂大河と高須竜児は以下の内容を実行せよ。
さもなければ棒が訪れるであろう』だって」
「おう、いきなり名指しかよ!っていうか何だ棒って不幸の間違いじゃねぇか、字が下手だなこいつ」
「何をすればいいのかしら?『1.逢坂大河の髪型をポニーテールにする』」
「実行するのかこんな怪しい手紙……」
「だって棒が来たらいやじゃない。よいしょっと」
「不幸な。……おまえって髪型遊べていいよな」
「女の子の嗜みよ。あ、リボン持つの忘れちゃった。駄犬、リボンを持てい!」
「結んでやるよ、ほれ」
「どう竜児、似合う?」
「あ、ああ、……い、いいんじゃねぇの」
「えっと次は、『2.高須竜児は逢坂大河と向き合い』」
「おう」
「『その両肩を手で掴み』」
「お、おう」
「『「俺、実はポニーテール萌えなんだ」と言い』」
「おっおう、おうっ!?」
「人語を話せ駄犬」
「ちょっと待てなんだその台詞は、言ったら最後拳銃で頭を打ち抜きたくなるぞ!」
「いいからお言い、棒が来てもいいの!?」
「もう十分に不幸だよ。『俺、実はポニーテール萌えなんだ』」
「…………」
「何だその目は、どうせ俺は大根だよ!」
「……まあいいわ、次は『逢坂大河にキ、きっきキキ、キキキスをするぅ!?ってなんじゃこりぁあああぁぁああ!!」
「はあ、変な手紙に付き合って馬鹿を見たな。さて、お茶でも入れるか」
「え、しないの?」
「へ?」
「何だこの意味深な改行は、何もなかったぞ!?」
「黙れエロ犬、意味不明な事言ってないで次行くわよ」
「……俺の努力を……。ええと『3.逢坂大河は次の台詞を言う』」
「ここ読めばいいのね」
『勘違いしないで、これはポニーテールじゃなくて乙なんだからね!』
「あ、間違えた『これは乙じゃなくてポニーテールなんたらかんたら』」
「……間違えた方が文脈がつながってるとかもうグダグダだな」
>>1乙
やべ間違えた、死のう
クソワロタ
カワイソス(´・ω・)
だがワロタ
874 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 13:54:24 ID:s/Zon+Sx
876 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 18:48:41 ID:0lVwdLsp
なんか板の言動荒くなってきてるね…。悲しい…
このスレしか見てないから言動がわからん
まあ板そのものまで気を遣ってたら身が持たないぜ
てか板全体の言動を掴めるほどのスレを見ている
>>877が凄い
自分なんか10スレ程度だから荒くなっても局所的以上のことは言えない
板全体の1割だけを把握するのでも80スレは見ていることになるなぁ
オレなら冗談抜きで身が持たないぜ
881 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 18:38:25 ID:VA2YKBT2
このネタでてくるとは予想外デス
883 :
sage:2008/12/15(月) 20:12:03 ID:MEDLrAga
板→ここ最近のゆゆぽスレッド
って書きなさいよ!この駄犬!
この書き込みは >877 の提供で(ry
板とスレの区別もつかない池沼がいるときいて
板とスレの間違いくらいにそんな必死にならんでも……
みんな暇なんだよw もう終わったスレだしね
気軽に一発ネタ書いとく
全てはクリスマスパーティーの日に狂い始めた。
あの日の彼女の言動に俺の心は酷く動揺し、自分でも知らない内に溜まっていた想いが爆発してしまったのだ。
去り行く彼女を引き止め、抵抗する彼女の腕を抑え、人気の無い場所へ連れて行き、今までの言動の真意を問い質すという醜態を晒してしまった。
今考えれば、あの時はナニカ(北村大明神的な奴)が乗り移っていたとしか思えないほどに、俺――高須竜二らしくない行動だったと断言出来る。
俺の強引なやり方に彼女が返したのは、俺の事が好きだが大河の為に身を引く、という一方的な通告だった。
その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になり彼女をその場に押し倒してしまった。
焦って飛び退こうとするも、思い出が欲しい、と涙を流して懇願する彼女を見て、ただ頷き抱き締めていた。
初めて同士、しかも野外での行為に戸惑いはあったものの、相性は良かったのかつまずく事なく全てを終えた。
そして彼女はあれ以来、俺の隣りを誰にも譲らない。
「だって高須くんに埋められちゃったんだもん。『亜美ちゃん』の心も、体も――スレも、ね」
そんなわけで埋め。
みのりんかと思ったw
みのりんかと思ったw
みのりんかと思ったw
みもりんかと思ったw
みのりんかと思ったw
みのもんたかと思ったwww
おぉ、最後まで騙されてくれるか疑問だったから、反応があって助かった
今度は普通にSS書いてみるわ
おくちクチュクチュモンダミンかと思ったwww
竜児かと思ったw
黒マッスルかと…さすがにそりゃねーわ
新スレに独身物が投稿されて、刺激されたから俺もいっちょ書こうと思うんだけど
竜児って独身のことなんて呼んでたっけ?
原作が今手元に無くて、けどスッゲー気になるんで誰か教えてください
三人称ならたぶん独身
二人称ならたぶん先生
確証はない
三人称は独身orゆりちゃん
二人称は知らん
いっそ呼び捨てでいいんじゃね?
/⌒ヽ
/: : : : ハ
_,. '´: :―- 、: : X⌒ヽ、
, ': : : : : : :,>-: : : : : : : : : : >‐ 、
/: : : : : :./: : : : :./: : : : : : : ヽ: : ヽ
/: : : : : /: : : : : : /: : : : : : : : : : !: : : :ハ
/: : : : :./: : : : : : /: : : : : : : : : : : |: : : : :ハ
/: : /: :/: : : : : : /: : : : : : : : : : : : |: : : : : :.',
/: :./: :/: : : : : : : :/ヽ/ヽ: : : : : : :.ハ: : : : : :.',
/: :/: : :!: : : : : : :〃/ \|:.!: : :斗匕∨: : !: : |
/: :/: : : !: : : : : /才T示ト !ハ: : /rz=ぇ!!: :/: : | ̄ ̄¨ ' ‥‐- 、___
/: :/: : : :|: :|: : : i vZツ |/ vZツ |:V: : : :|  ̄ ̄¨ ,二ニつ
/: :/: : : : |: :ハ: : :.ヽ. ' |厶イ: :/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`'' ー--、 くふ
/: :/ / ̄∨|: \|\> ハ_,〃レ `ー'゛
./: : : :,' V: : : :ト、 ∠⌒) , イ/ あんたら早く埋めなさいと変なのが来ちゃうんだからね
: : : : :.| \: : :\> 、 , イ: : :リ
: : : : :.| ヽ !ヽ: :ハ \_/ 「 | |: : :∧
: : : : :.| |::::|: :.ハ彳ハ メ、|∧: :.!:∧
: : : : :.| |::::|: : : Vん|ト、_》!: :.V: : :.ハ
: : : : :.| |::::|: : : :.} |! /: : :.ヽ: : :.ハ
: : : : 弋二T ̄ ̄¨|::::|: : : :.| !! /: : : : :|: : : : !
朝の登校中。
いつも通りのやり取りをしている大河と竜児。
「グダグダ言うな、この堕犬!」
「おぅ……なんか、漢字が違わなくないか?」
「これで良いのよ。堕落した犬、略して堕犬。あぁ、可哀相な竜児。犬ランクの最下層にまで急降下。でも安心して、私は見捨てないわ。だって側で見ていると滑稽だもの……うぷぷ」
大河はうきゃきゃきゃっと悪魔のように笑って竜児を指差す。
が、その指が竜児を指す事はなく、間に入り込んだ人物の上半身を突き刺した。
「ちょっと道の真ん中は邪魔――あんっ!?」
その人物とはわざわざ竜児と大河の間を通った川嶋亜美。
彼女は甲高い声を上げ、大河に突き刺された上半身――乳房を抱き抱え、キッと大河を睨み付ける。
「何すんのよ、変態!」
「……る」
呆然と自分の指を見つめていた大河の口から何かが呟かれるも、周囲の喧騒に書き消されてしまう。
「ハァ?」
「……る」
「何だ、大河、どうした」
変わらず呟く大河の口元に竜児が耳を寄せて言葉を聞く。
「えーと――ばかちーのおっぱい、ぷるるんるん」
「何言ってんだテメェッ!」
竜児の首を絞める亜美。
「ちょっ……俺じゃ……大河が」
「うるさい!」
あぁ、意識が落ちる。
「だがスレは落ちないのだった!」
櫛枝、いつからそこに……
_______
3点 | ∧∧
〃 ̄ ∩ ゚Д゚) もっとエロく
パッ ヾ. )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
誰かみのりんでほのぼのひざだっこSSを…
SS書けないし、読んでみたいネタでも投下してみるか
不快だったらすぐやめるからスマソ
「高須くん、受けたまえ、この燃えるような恋心!! スカーレットニードル・カタケオ・アンタレス!!」
「お、おう・・・む・胸が熱いっ!」
キレた大河がゆらりと立ち上がる
どういうわけか幻のようなものが、その小さな背中の上に見える
虎? いや・・・あれは・・・
「あ・あれは卍解・・・狂乱猛虎明王!」
櫛枝の意味不明なつぶやきがもれると同時に、おれはハッキリ見たのだった
木刀を構えた巨大な虎耳大河の幻影を・・・
「私たちはこれからもずっと、ずっとずっと、頑張る姿を、想いを、お互いに伝えあうんだよ。 それはさ・・・永遠だぜ」
「おう」
「よっしゃ、宇宙仏契(ぶっちぎり)!!」
「(ガクッ)なんだよ、それ・・・」
910 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 11:39:34 ID:Tv6hJNoE
梅
うめるぜぇ〜
超うめ以下略
あとちょっと
竜虎の子供の名前でも考えるか
高須竜牙
高須志狼
高須静虎
いま494のこり6くらい
かなりのりょうを かきこめる
高須鬼龍
高須尊鷹
逢坂璃夜
婿養子ってことで
高須雷河
高須鉄牛
高須レオ
高須隼人
高須拓馬
高須邪鬼
何か変な名前もあるな。2人の漢字を取って、竜河でいいじゃないか
…安直か
「大河べたべたにして」
口の周りをチョコだらけにしてパフェを食べてる大河をティッシュで拭いていた。
「高須くんは大河にアマアマだよ」川嶋が聞こえないないつもりの小声で囀っていた。
「おいおい俺は亜美たんがべたべたでも拭くぜ、拭きまくるぜー」嫌味全開で亜美の口元を親指で拭うのだが、亜美は顔を真っ赤にして俯きやがる。なんだってんだ。
「イヤー高須君は天然だねー」
櫛枝いったい何の話だ?俺が天然ってなぜだ?そうか
「みのりんも拭かれたいのか?」みのりの口元に滴るバニラアイスを舐め取ると、みのりんは固まったまま真っ赤になってしまった。
固まった2人を不思議そうに思いながら俺は大河の口元をまた拭くのであった。
ガッシャーーン、朝の惰眠を貪っていた俺の部屋の窓が砕かれた
「何だ何だ、大河何しやがる」
砕かれた窓の外枠を開けながら外に首を出すが、大河の部屋の窓はカーテンも締め切られたままだった。
呆けた俺に上の方から苦笑が浴びせられたのを確認すると共に上を見上げると、
「あ、あっ、あっ・・・」
言葉にならない上に呆れた俺の呆けた顔に、華やかな笑顔が降り注いだ。
「竜児くーん、来ちゃった^^]
来ちゃったって、何だえ?
向かいのマンションの3階の窓から亜美が笑顔を振りまいていた。
何が何だが寝ぼけた俺の頭には理解の出来ない事柄を逃避して
「よ、おはよ、俺はまた寝るから」
寝床にまたもぐりこんだ俺は、またズキズキと頭痛がしたのであった。
外からの罵声を無視しながら眠りこみながらも、10時には目が覚めた俺は、
ベットから起き上がり居間を通り歯を磨きに行く途中に、居間の卓袱台に座
った櫛枝に気が付き「お、おはよう」と声を掛けながら、全て無かった事に
して洗面台に向かった、歯を磨き、顔を洗い何かが起きている事を気づきつ
つ呆然と事態の把握をしようと勤めながら、理解不明の混沌が我が身に襲っ
て来ているのを理解出来ていなかった。
居間に戻ると卓袱台を囲んで大河、実乃梨、亜美が座っていた。
>928
親指も舐め取るも性格的に無いな。ティッシュ、いやむしろハンカチだろう。
まぁ結果は一緒なことに違いはないだろうけど。
,' : . : .〃 ハ:. : . : . : .jl __ __
{ : . {{ / ∧:. : . : ./:| '.:´::::::::::::::::::` 丶
', : . ∨ー ":.:.. ∧:. : ./ | /::::::::::::::::::::::::::::::: . :: :: .ヽ
゙、 : . ∨:.:.:.:.:.:.:.. ヘ/ |゙. : . :.:::::/ヘ:::::、::::ヽ::::::::'; :: :`、 ハ
\、 : .X:.:.:.:.:.:.;.、‐´ |.:::::::l::::/ ヽ':ヽ::::`、:::::i:::::::::ハ ィ
`ヾ、ー-- '┴ '''''"´ : . : |ハ:::W! ` ,> ヾ::|::l:::::l:::l
\ : . : . : . : . : 「7>!、、 ヽイイび゙犲V::::::l:::| こ
ヽ . : . : . : . : ノ|ィ7てカ` ゞつン 小:!::|:::| れ
丶. : . : . : ./ ゞ゙‐'" 、 イ::l:::ト}:| ま
`、ー- --:‐'''~ ハ |:::|:::|;!:| で
/ ̄ ̄_\ ヽ,..、. リ 「7 ̄ ヽ !:::!:::l:::l ぇ
〈 .、-''" `く { [∧ { `, ,|:::l::::|:::| ぇ
} _,、-¬-、\〉 ヽ公.、 ゝ _ _ン .ィ|:|:::|::::!:::! _____
{ _、‐ 、 'く| ノ::::\> 、 _ <.:{:!:|::::!:::i:::! _/`{ _,.、- ゝ、
ヽ ゙´ ,r-、ン| /⌒ヽ::::Y'" ̄二≧z{;;;」::::{;;:1::1 〈′ :| ,.-‐'' ハ
∨ イ:.:.:. |′ `、::ヽ、 イ [l |:::::{;;::l:::l {`ー入{ ,、-‐ ハ
V 丿:.:. | `,::ヽ >ゝヘ、_|__ {:::::l;;::|:::{ ヽ .::廴{_ z‐ 1
,、‐''f´∨{'⌒\ } i ゙;::::', ', `, ';:::::ドi|:::}_ ヽ :/゙ ̄`ヽ{
/ ゙, \、:.:.:.:.ソ | : jハ::i ', '、 ';::::i, ``ヽ、 丶、ヘ. |
, ' ゙、 `"''゙リ } .:. ノ ソ ', ゙、`、::', ヘ {´`ヾ、__ __.{、
_,、イ .: 丶、:;;_/.: .: ;ハ . .: .: .: .: :. . . 、 ゙、 ゙;:ハ 、、 ヽ ,'´\ ``ー' }
, '" :/ .: . . : .: .:.丿.: / .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: : ', . .゙, j;'リ. ヾ; ,〉-、 i ヽ、 _ _,リ,
/ .:/ .: .: .: .: .: .:/,: イ.: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .}.:..:}} : :. . . . Y \. ,j;.  ̄ }
次スレ 【田村くん】竹宮ゆゆこ 6皿目【とらドラ!】
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