途中
少年と自慰
聖剣伝説 Queen of MANA
3 :
代理投下:2008/11/03(月) 15:54:48 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 1-1
「プリムう! んうっ!」
どくう!ランディの張り詰めたしたペニスから、精液がほとばしった。
びゅくびゅくと脈打つそれは亀頭を握りしめたランディの拳の隙間から、
ベッドのシーツへ垂れ落ちてゆく。
ランディは握りしめた拳に向かい、ペニスを突き立てるように腰を蠢かしていた。
射精の快楽の余韻に浸るように少しづつ小刻みにしてゆく。
「はあはあ・・・新記録だよプリム、10分も我慢したよ・・・」
宿屋の薄暗い部屋の中、ベッドの上で、ランディは自慰を終えたところだった。
離れたベッドでは髪をといた、下着姿のプリムが眠りについている。
4 :
代理投下:2008/11/03(月) 15:55:27 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 1-2
16歳の少年にとって、自慰は食事のように欠かすことのできない
毎日の習慣だった。
射精の快感を覚えてから数年は立っているが、一日たりとも自慰を欠かしたことはない。
友人たちに常に苛められ、馬鹿にされていたランディにとって、
自慰は我を忘れてのめり込める、最高の悦びであり、逃避の方法であった。
教師や長老が語って聞かせる伝説や競技などの遊びよりも、
ずっとずっと夢中になれる。
いつも情熱の対象は性的に成熟し始めた、年の近い少女達だ。
しかしボブやネス達、ランディの悪友が素行の悪い一部の少女達と
ふざけつつも淫行に耽るようになると、村の大人や真面目で善良な子供たちも
ランディを白い目で見るようになる。
村外れの森で乱交するボブ達に、見張り役として連れ出されることもたびたびあった。
しかしいじけた性格のランディに少女の膣を楽しむチャンスがやってくることはなかった。
悪友や少女達はランディに見せつけるようにして乱交を楽しみ、
真っ赤になって耐えるランディを嘲笑っていたのである。
5 :
代理投下:2008/11/03(月) 15:57:09 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 1-3
そんなランディに機会が訪れた。不幸をしょい込んで追い出された彼は
偶然年の近い少女プリムに出会い、彼女に懇願される形で旅をともにすることになる。
金持ち貴族の娘というこの少女に、ランディはすぐに魅かれた。
美貌と、血色も肉付きも良い体にまず魅かれたのはそんな年頃だから仕方ないとしても、
何より気が強くランディにきつくあたりつつも、自分の男性としての力を頼りにし
協力しようと歩み寄ってくるプリムを、ランディは少し嬉しく感じていたのである。
そんなふうに自分を扱ってくれたのは、育ての親や、その幼い孫娘だけだったろうか。
喧嘩を繰り返し彼女の強情さにうんざりすることもあったが、
ランディは自然にプリムに欲情し、彼女と交わることを夢見るように
なっていった。
赤く怒張したペニスに、粘っこい精液を擦りつける無意味なことを
繰り返すうちに、ランディは不安になる。
今の聞こえてないよね・・なんでいつもこんなことしちゃうんだろ・・・
いくらシーツで隠しつつ、息を潜めつつとはいえ、こんなに近い距離にいる相手を
思って自慰をするなんて。
ランディは恥ずかしくなる。
脱ぎ捨てた下着を取ると、それでペニスやシーツに付いた精液をふき取る。
生身の女性という現実の目標が目の前にあると、自然とランディも
射精を我慢し、快楽の時間をより延ばせるよう努力するようになる。
なぜだかそうするとプリムも悦ぶ、などと勝手に妄想していた。
しかしいつも我に帰ってみると、ランディは情けなくて仕方なかった。
昼間は彼女に押されっぱなしだし、彼女には恋人がいるのだ。
僕何てこんなことだけしてればいいんだ…
劣等感を強めるランディであった。
寝る前に下着を洗おうと半裸のまま立ち上がろうとしたとき、
突然部屋がノックされもう一人の仲間の声が聞こえた。
「あんちゃーーん・・・」
6 :
代理投下:2008/11/03(月) 16:07:12 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 2-1
ドンドンと、扉が強くノックされる。
「あんちゃーん・・入るよ」
別室で寝ていたポポイの声だ。
こんな夜中に何なんだ、プリムが起きるだろ・・とランディは焦る。
下半身と精液のこびり付いた下着をシーツで覆い隠すと、
部屋へ寝巻き姿のポポイが滑り込んできた。
「なんだよ、こんな夜中に・・」不快感を露わにした言い方をするが
ランディの顔は真っ赤だ。シーツの下には勃起したままのペニスがあり、
辺りには精液の匂いが漂っているからである。
「おいら、さみしいんだ」
虚ろな目のポポイはふらふらとランディに近づくと彼のベッドの上へ倒れ込んできた。
「わっ・・何だよっお前・・!」ポポイはランディのシーツに顔を埋める。
「お前、今日は一人で寝るって言ってたろ!?」
昼間にポポイはプリムと大喧嘩をしたので、一日中すねていたのだ。
いつもなら仲間3人で川の字になり寝るところだが、今夜は独りで寝たいと
ポポイが言い出したのだ。
これを機会とばかりにあんなに激しく自慰に熱中できてたのに・・・
心の中にある、プリムの膣を何度犯しただろうか・・
股間の淫欲がまだ収まっていないのを感じると邪魔者ポポイへの怒りが湧いてくる。
「あんちゃん、おいら悪くないよね」
「なんだよ」
「昼間のこと。ネエちゃんはジョークがわかんないんだ」
ランディは呆れた。
昼間ポポイはプリムの臀部を撫でまわし股間に顔を埋めるという暴挙に出たのである。
可愛い悪戯なら許すことはできた。しかし、ポポイの好奇心はランディやプリムの
男性・女性としての性的な肉体や、二人の関係にも向けられたのである。
何故かポポイは生き物の性的な特徴にひどく関心を持ち、所構わず二人に質問するのだ。
交尾する雄雌のカブト虫を捕まえてきて、ランディとプリムに見せつけたり、
無理に引き離そうとしたり、逆に無理にくっ付き合わそうとしたりする。
その挙句が、プリムへの破廉恥行為だ。
注意することは注意しなきゃ、この先やってけない…
ランディはどう言ってやるべきか戸惑う。
7 :
代理投下:2008/11/03(月) 16:08:24 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 2-2
「だいたいネエちゃんは生意気なんだ。あんちゃんの言うことをもっと聞くべきなんだ」
ポポイはランディの、逞しく鍛えられた上腕に抱きついてきた。
「メスは強いオスに従うべきなんだ、そうだよね」
ポポイの体温を急に感じて、ランディはどぎまぎする。
柔らかい肉が、人肌の温かさが、股間の疼きを助長するのだ。
ポポイは少ししゃくりながら話しているようだった。
いくら生意気な口をきいても、独りで寝るのには耐えられなかったのだろうか。
ランディはポポイを疎ましくも愛しく思っていた。
馬鹿にされることもあるけど、やはり頼られるのは悪い気はしない。
叱らなければならないこともあるが、何故だか慰めてもやりたいのだ。
「プリムは女の子なんだ。女の子はあんなことをしたら嫌がるから、しちゃだめなんだからな」
「・・・・・」
ポポイはぶすっとしている。鼻をひくひくさせて、また抱きついてきた。
「あれ・・・あんちゃん、くさいよ」
「へ?」
ポポイの怪訝そうな顔でランディは我に返った。ポポイの包まるシーツの下は
精液まみれのままなのだ。
「あんちゃん、これなに?」
ポポイの差し出した手の平には、ねっとりした白濁がこびり付いていた!
まじまじと眺めた後、舌で舐めてみようとする。
「うわっばっばかっ〜!」
ランディは突然シーツごとポポイを包み、跳ね起きた。
そのまま部屋を出て、ポポイの寝ていた別室へ逃げるように入り込む。
そしてポポイをベッドへ乱暴にほうり落とした。
8 :
代理投下:2008/11/03(月) 16:09:46 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 2-3
「ぎゃう!いてーな!なにすんだよあんちゃん!」
「プリムが起きるだろ!?」
怒鳴ってはっと気がつく。ポポイはランディの下半身を凝視していた。
半裸の股間には、180度近くエレクトしたペニスがそびえていたのだ。
ポポイの呆然とした表情が、驚愕へと変わった。
「すっげーーあんちゃんのちんこ!かっこいいいいいい!!」
ポポイは身を乗り出しランディのペニスへ大接近する。
「すっげーすっげーすっげーーー!!」
ランディはもともと体格が大きいこともあり、大きめのペニスをしていた。
そのせいでいじめっ子達にからかわれていたが、
少年達がペニスの真の役割に目覚める頃には微妙な称賛と嫉妬の視線を受けることもあった。
それは冒険の旅に出、聖剣を手にして戦い始めてから、全身が鍛えられると共に
急激に成長していったのだ。
そのペニスは女性に手慣れた成人男性のそれをも上回るもので、
大きく張り出した亀頭と、太い血管が張り巡らされ、その根元は黒い茂みに覆われていた。
ランディは突然、深いところから沸き立つ自尊心と肉欲に揺さぶられた。
隠そうともせず、ポポイの前に仁王立ちしたまま固まってしまったのだ。
「さすがあんちゃんだね!オイラのよりずっと凄いや!」
こんなことを褒められたのは初めてだ。おもちゃに見入るような純粋な目で
見られたら、もう羞恥心もどこかにいってしまった。
「ま、まあな!」
少し腰を突き出してみせる。
「触ってもいいー?」
「え」
突然ペニスに人肌を感じた。ポポイが面白そうに撫でまわしはじめる。
びく!さらに強い力が働いて、亀頭が臍の上に張り付いた。
なんて気持ちいいんだろうか。
「びくびく脈打ってるね。でも本当だったんだ」
「・・・な、何が?」
「カブト虫と同じだね。あんちゃんはオトコなんだな〜」
はっとした。ポポイが、雄のカブト虫が雌に重なって性器をその尻に突き刺すところを
よく観察していたのを思い出したのだ。
「あんちゃん、こいつをさあ・・・」
触感を確かめるようにペニスを握ったり撫でたりしながらポポイが言う。
「プリムネエちゃんのおしりに入れたりしたの?」
9 :
代理投下:2008/11/03(月) 16:11:51 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 3-1
「プリムネエちゃんのおしりに入れたりしたの?」
「えっ・・!? あうっ!」
プリムのおしりに入れた、そう聞いた瞬間ランディの脳裏に浮かんだものが、
プリムのピンクの肉壁が、可愛らしく喘ぐ声が、
彼のペニスから大量の白濁を吐き出させた。
「わわあ!」
びゅうびゅうう!精液がポポイの小さな拳をすり抜けて飛び散り、
ポポイの顔面を白濁まみれにした。
咄嗟に目をつぶり顔を押えるポポイへ追い打ちの精液が飛び、
ピンクの髪の毛に降りかかる。
ランディは呼吸を荒げた。ひた隠しにしてきた欲望を初めて他人に指摘されたことが、
言葉として簡単に表現されてしまったことが、
異常な興奮を呼んだのだ。
「なにすんだよ〜あんちゃんはああ!!」
ポポイは全身にこびり付いたそれを確認すると、
怒った顔でランディを怒鳴りつけた。
「何だよこれっ臭いよあんちゃん・・・・」
手の平の精液をくんくんと嗅いでいる。
「ごっ・・ごめん、ごめんなポポイ・・」
ランディは慌てて、シーツでポポイの顔や手を拭こうとした。
しかしそれは数十分前の射精でどろどろに汚したシーツだ。
返ってポポイの顔を白濁まみれにしてしまった。
「わっ・・!もういよあんちゃんはああ!」
ランディの手を払うとポポイは洗面所へ走ってゆく。
ランディは自分のペニスにふと目をやる。
あの勢いは何だったのか。萎れて、皮がちょっとたゆんでいる。
この先、ポポイは自分を変態扱いするだろう。情けなくて仕方なかった。
罪悪感と自己嫌悪に沈んでいると、寝巻きを脱いでパンツだけのポポイが
傍に寄ってきた。ランディの顔を暫く睨んだかと思うと、
すぐ隣に寄り添ってきた。
10 :
代理投下:2008/11/03(月) 16:13:11 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 3-2
「やっぱ、あんちゃんは凄いな。 オイラ、また頭が良くなったよ」
ポポイは目を輝かせてランディを見詰めた。尊敬の、眼差しだ。
「オスはメスのおしりに、このべとべとを出すんだ。
オスとメスはみんなこういうことするんだ。そうだろ?あんちゃん!」
突然問い質されてランディはたじろいだ。誤魔化しようがなかった。
村の長老に言われたことが思い出された【子供に嘘を教えちゃいかん】。
常識に沿えばそれも物事による、のだが、
少年の余裕のない生真面目さが教科書通りの答えを喋らせた。
「う、うん」
「・・そうなんだ。・・みんなこういうことしてるんだな。
・・凄いな、あんなに沢山べとべとを出すんだ」
ランディの萎れたものをまじまじ観察するポポイ。
「あんちゃんは、ねえちゃんと何度もしてるの?ねえちゃんの中に
べとべとを沢山出してるの?」
むくむく!ポポイの問い掛けにペニスがエレクトし始める。
ランディの顔が真っ赤になり始めた。それは想像するだけでたまらないことだ。
「そ、そんなこと・・・僕はッ・・」
「あんちゃんは本当は強いんだ。いっつもねえちゃんに苛められてるけど、
おいらの知らないところで、ねえちゃんを押さえつけてああいうことしてるんだよね」
ランディのペニスの根元がぎゅっと、小さい手で握られる。
「あんちゃんの筋肉もりもりの体が、ねえちゃんの柔らかい体に負けるはずないんだ。
こいつでねえちゃんを黙らせてるんだ、そうなんだよね!」
もうだめだ。ランディの中で何かのタガが外れた。
嘘を教えちゃいけないけど、嘘って何だ。ポポイが言い当てたものは、
ぜんぶ、僕が、望んでいることじゃないか。
そうだ。僕は、毎晩想像してるように・・・
本当は、プリムを、何度も、なんども、おかしてるんだ・・・
「あ、ああ、そうだよ!」
ポポイは溜息をついた。そしてまた尊敬の眼差しをランディに向ける。
「凄いや・・こいつでねえちゃんを・・」
胸の高まりがランディを苦しめた。
「おしえてよ、なんで、そんなことするの?このべとべとは、何なの?」
同年代の子供ともこんな卑猥な会話を交わしたことはない。いつも悪友達が
少女達と交わりながら話していたようなこと・・密かに憧れている行為・・
興奮が、抑えられない・・
「そ、それは、気持ちいいし・・その・・」
「きもちいいの!?」
ポポイの手がペニスを撫でまわす。なんて柔らかい手なんだろうか。
「女の子も、きもちいい・・みたい・・あと、そのべとべとは
その、女の子は、嫌がるから・・・どっちかというと・・」
びくんびくん、もう張り裂けそうだ。
「と、とにかく、気持ちいいからするんだ」
「ねえちゃんも、気持ちいいの?」
そうだ、プリムも気持ちいいんだ・・・ランディの理性が又吹っ飛ぶ。
「あ、ああ!プリムも、凄く喜ぶんだ!
僕はもう、なんかいも・・プリムは、僕にして欲しくてたまらないっていうか・・」
「そっか!そーいうことなんだ!」
突然はしゃぎ出すポポイ。
「あんなに喧嘩してるのに、いっつも仲直りしてるのはねえちゃんに
してあげてるからなんだね! あんちゃんすげー!
だからねえちゃんは、あんちゃんの言うこと聞いちゃうんだ!」
「・・・う、うん!プリムは、僕のいいなりなんだ!
僕はこれでプリムに言うことを聞かせてるんだ!」
またまた腰を突き出すと、ポポイに肉根を見せびらかすのであった。
11 :
代理投下:2008/11/03(月) 16:14:33 ID:+Y8zmbF2
少年と自慰 3-3
ごくっ・・・、息をのむポポイ。
何か様子が変だ。なんとなく瞳を潤ませている。
「・・あんちゃん、おいらのこれも、そんなふうになるのかな」
突然言うと、パンツをずりおろし始めた。
「えっ・・・」
ポポイの下半身に、小さなペニスと、睾丸が、ちょこっと現れた。
皮の被っているそれはピンク色で、可愛いながらも、天を指し勃起している。
ランディの半分もない大きさだろうか。
その先っちょは、部屋の灯りを反射して、ぬらぬらと輝いている。
「オイラのもカッコ良くなる?ねえちゃん達を、気持ち良くできるのかな」
ランディはポポイの裸身に魅入った。男の子のはずのポポイの身体・・
胸のあたり、おしりのあたりに、妙な丸みを帯びていて、柔らかそうなピンクの肌だ。
骨格もなにかへんだ。妖精だから・・?確かに頭でっかちではあるけど・・
妙に、可愛い。いや、エッチっぽいのだ。
「おいら解ったよ。ちんこが時々、こんな風になっちゃうんだ。
それで、その、・・ちょっと、触ると気持ちいいんだ」
自分のペニスを撫でるポポイ。
「ねえちゃんのおっぱいとか見たり、おしりに触れると固くなっちゃうんだ。
でも、そのね、あんちゃんだから言うけどさ・・」
ランディのペニスが、ビクッと、また張り詰める。自分の体が、反応してる・・?
「あんちゃんの・・その、裸みたりしても、固くなるんだ・・。
その、凄いちんこずっと見てたら・・すごく立っちゃって・・
先っぽが、ぬるぬるするんだ」
12 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 00:01:29 ID:nQsxXnA4
落ちたと思ったらまた立ってたのか
乙です!
乙です
>>1 そろそろ書きたいなと思ってたとこです
乙です!
プリムたんのセレブなヴァギナに生そーにゅー
>15
書き手の控室見ただろお前
>>16 意味がわかりません!
そのスレッドの存在に初めて気がつきました
お、復活してるー!
19 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 14:28:14 ID:c0NES6EX
ホークリが来るまで保守上げっ
20 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 01:56:41 ID:6fm2Y2iS
マナの要塞。ここで一人の少年に死神が取り付いた。
残った2人が魔法でダークリッチを倒した後、少年を生き返らせた。
すると少年は夢のなかで、ディラックが現れ、命を託されたと発言した。
その話を聞いたプリムは泣き崩れた。
「ディラックーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
そして、外へ出て、神獣を倒したのである。
神獣の爆発から目を覚ましたランディとプリムに目にポポイの姿がなかった・・・・。
「ポポイ、お前のことは、一生忘れないよ・・・。」
ランディは後ろを振り向くと、うつむいているプリムの姿を見つめる。
「もう、過去を悔いる生き方はやめるよ・・・。人生は失うばかりじゃない・・。生き抜こう、ランディ。ディラックとチビちゃんの分も・・・。」
すると、プリムはランディに近づき、彼の胸に耳を当てた。
「ディラックは・・、ここにいるわ・・。あなたの、鼓動の中で・・、生きつづけてる・・・。」
「うん・・・。ディラックさんから命を授けてくれたんだ。僕も、ディラックさんのような男になるよ。そして、超えてみせる。絶対に。」
そして2人は、世界中を凱旋し回った・・・。
水の神殿、ルサ・ルカに旅の報告をした後、2人は入り口付近で足が止まった。
「ねえ、ランディ。」
「ん?」
「してもいい?」
「何を・・・、!!」
2人の唇が重ね合った・・・。
田舎育ちのいじめられっこだった聖剣の勇者が始めて体感したファーストキス・・・。
「もう・・、我慢できない・・・!!」
プリムがランディを押し倒した。ばちゃっとランディの背中が半分水に浸かってしまった。そして、2人の体が重ね合う。
「愛してるよ、ディラック!」
プリムはランディに激しくキスをする。そして彼を求めていることを示すように、腰を大きく動かす。
ランディの背中には水の神殿にある洞窟から流れ出た水でぬれていたのだった。ランディもプリムを求めていた気持ちが抑えきれずに、腰を大きく動かしはじめたのだった。
それから、ランディが上になってはと、ごろごろと転がりながらもキスを繰り返す。そして、お互いの舌が絡みあう・・。
21 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 02:01:38 ID:6fm2Y2iS
その日の夜の宿屋。
ランディは、上着を乾かしているため、上半身裸になっていた。逆立っていた髪も、ぬれたせいで前に倒れかかっていた。
「ランディ、こっちきて。」
プリムの声がした方向を向くと、一枚のバスタオルで体を巻いたプリムがベッドに横たわっていたのだ。
ちょっと、おそるおそるプリムに近づくランディ。
「はずしていいよ・・・。」
「え、うん・・・。」
ランディはプリムの体に巻いたバスタオルをはずす。
するとランディの視線には、彼女の美しい体が目に止まった。
「この綺麗な体は、あなたのためのものよ。」
「えっ? 僕のために・・?」
「そうよ。さあ、私を抱いて。」
22 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 02:02:19 ID:6fm2Y2iS
ランディはごくりと喉を鳴らした後、プリムの体と重ね合わせた。お互いの体が絡み、汗まみれにすべり合う。はあはあと呼吸も荒くなる。
「もっと・・、もっと・・、抱いて・・・」
ランディはさらにきつく抱きしめると、腰を激しく動かした。それにあわせるようにプリムも激しく動かす。
「もっと抱いて・・・、そして、私の胸に甘えて・・・!!」
ランディの顔がプリムの胸元にまでくだり、彼女の乳首を甘くかんだり、吸い付く。そして舌を這わせながら、泉へと向かう。
彼女の下に彼の行為が感じられた。
「今度は・・、私の番だよ・・・。」
23 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 02:02:55 ID:6fm2Y2iS
すると今度はプリムとランディが逆転した。
彼の下半身にプリムのブロンドの髪がかぶさる。直立したランディの突起物に、プリムの唇と舌が這う。そして彼女は吸い付き始めた。
「ああっ!!」と彼は唸り声を上げる。
「ううっああ・・、ダメだよ・・プリム・・、いっちゃうよ・・・!!」
彼女は更に激しく彼のものを這いずる。
「う・・・あ・・・!」
びゅくびゅくびゅくっ、どくどくどくっっ
快楽に耐え切れずに発射された白い液体は、とろんとした目つきのプリムの顔に吐き出した。プリムの額と美しいまぶた、唇に白い液体がこびりつく。
ランディはあわてて彼女の顔を拭いてあげた。
「・・・ごめん、プリム。」
すると、プリムは彼の突起物を掴んだ。
「固いよ。まだしてほしいんだ。」
「・・・・・・・。」
「ホント、やらしいんだから・・。」
するとプリムが再び仰向けになった。
「いいよ、入れて。」
24 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 02:03:45 ID:6fm2Y2iS
ランディとプリムが再び重ね合わせると。彼の突起物が彼女の奥へと、深く突き刺した。
「んんっ!!」と今度はプリムの唸り声が上がる。
「痛い?」
「ううん。平気よ・・。早く・・、して・・。」
ランディは激しく腰を動かし、プリムの中を感じ取る。
「ああっ、あああああっっ、ああああああああ・・・!! プリ・・ム・・!! イクッ、イクッ!!」
「わたしもっ、あああああああああああああああああああああああああ!!!!! ランディっ!! 愛してるよっ!! イって!! イって!! あああああ!!」
「ああっ、ああ!! ああ!! うあああああああああああああああああああああーーーーーーー!!」
ランディの腰が、プリムを更に押し出す。
「ああ!! ああ・・・、プリ・・ム!!!!」
プリムの中からランディの突起物が離れた途端、白い液体が飛び散る。
大量の液体は、プリムの胸についてしまった。
「ああ・・、と、とまらないよ・・・!!」
ようやく白い液体が止まると、液体まみれのプリムの胸に顔をうずくませ、息を切らす。
いききったプリムが夢の中からさめると、ランディの胸をそっとなでまわした後、突起物を掴みもみはじめた。。
「まだ固いよ・・。さては中に入れたかったのね。」
「・・・・・。」
「しょうがないなあ。ランディの心行くまで、付き合ってあげるよ。」
そして今度はランディの白い液体が、プリムの中に挿入されたのであった。
(完)
LOMのエスカデ×女主人公希望
ランディの身体にしびれが走った。
自分の身体を、性器を見て、欲情する・・・
目の前の男の子の発言に、肉欲と自尊心を奮い立たされたのだ。
自分に欲情してくれるものがいるなんて。
ポポイの上気した身体に自然に手が伸びた。柔らかく、粗さを感じさせない熱い肌だ。
腕から肩、背中から腰へ、肌触りを確かめるように、手の平で撫で回す。
少しばかりの筋肉と柔らかい弾力、薄皮一枚に感じられる高揚した鼓動。
ポポイははじめ恥ずかしそうに身を捩じらせていたが、
息を荒くし始め、ランディの全身をまじまじと見つめはじめる。
「あんちゃん・・・くすぐったいよう」
いじらしい、可愛い声だ。普段生意気な癖に、本当は僕に頼りたいのだ。
ランディの魂の奥底に沈んだ、加虐欲が呼びさまされる。
・・・こいつも、僕のこれが欲しくて仕方がないんだな・・・
他人を攻撃したい。自分と他人を分かつ境界を、犯してしまいたい。
僕のこれには、それをする力がある・・・
異常な興奮がランディを包む。そう、あの時、錆びついた剣を手にした時のような。
28 :
少年と自慰:2008/11/16(日) 01:54:18 ID:fOyjcs91
「わかった。教えてやるよポポイ」
ぐいっと、ランディは強引にポポイを引き寄せた、そして自身のペニスに手をかけると
どろどろの精液をすくい集め、ポポイの直立したペニスへ塗りたくったのである。
「あっ・・あうう」真っ赤になりたじろぐポポイ。
ランディはポポイのペニスを、激しく嬲り始めた。
その芯の固さを確かめるように、先端から可愛らしい睾丸まで、ぬるぬると精液を
塗りつけてゆく。遂には股間の奥、ぷるりとしたお尻の割れ目までもが
ランディの精液で満たされた。
「気持ちいいか?お前も男なんだからな」
いつもと違う、凄みを感じさせるランディの声に、ポポイは堪らない熱さを感じる。
自分でも何故か判らない。日増しに逞しくなってゆくランディに憧れてはいた。
でもそれが、時々感じていた股間の快感と、こうも結びついていたなんて。
ランディの大きな掌が与えてくれる快感にポポイは浸りきっていった。
ペニスが自分でも信じられないくらい固く、熱くなってゆく。
「僕のを見ろよ。お前のでプリムを気持ちよくできるわけないだろ?
いいから、お前のことは、僕が気持ち良くしてやるよ」
自分でも信じられない言葉だ。ランディは自身のペニスをポポイのペニスに
擦り付けた。自然に、腰が蠢く。「はうっ」ポポイが呻く
セックスをするときも、こんな感じに動けばいいんだろうな・・
ポポイのペニスを虐めるように、押しつけるようにピストンする。
「あんちゃんの・・凄いでかい・・熱いよう・・・」
「お前も、こんなに大きくして」
亀頭のかさを引っ掛けるように擦りつけて、ポポイの肉棒を感じてみる。
ペニスで他人の肉を感じるのは、初めてだ。堪らない満足を感じる。
29 :
少年と自慰:2008/11/16(日) 01:54:57 ID:fOyjcs91
ランディはベッドを下りて直立したまま、ポポイの頭を掴み自身の股間へと引き寄せた。
そしてポポイの口へペニスを突きつけた。
「食べるときみたいに頬張って見せろよ。ぜんぶ舐めとったら、
もっといいこと教えてやるよ」
ポポイは、困惑した表情でランディを見つける。なんだか冷ややかだ。
「あんちゃん。いくらなんでもできないよー」
ランディはむっとした。こいつ、兄と慕う勇者さまに逆らうのか。
ポポイの可愛い唇に無理やり亀頭を擦りつける。
「いいから咥えろよ。そうしないと、プリムみたいにお尻の穴に入れちゃうからな!」
「おしり?えーやだやだ。もう、わかったよ・・・おいら男だもん」
ポポイは観念したのか、ランディのペニスをぱくり、と咥えた。
そして唇を亀頭に這わせ、精液をこし取り始めた。
苦味に苦しむ表情。小さい口はランディのものを全て包み込むのは無理のようだ。
「良く舐めろよ。絶対に噛むなよ。噛んだら、お尻だからな」
ぬちゅ、ぬちゅ・・・ちょっと涙目になりながらも、ポポイは懸命にランディのそれを頬張る。
可愛らしい唇と舌の蠢き、絡みつく唾液と粘膜。堪らない。これがフェラチオなんだ。
ボブやネスはこんないい思いしてたんだ・・気持いながらも少し悔しい。
「ううっ!」
びゅくびゅくっ、突然、押し寄せてきた快感の極限を、少年は抑えられなかった。
大量の射精だ。ポポイの口へ流し込まれる。
「うぶっ、げほっ!」
ポポイが口を離すと、肉棒の先端から白濁がどびゅどびゅと飛び散る。
ポポイの顔面だけでなく、全身に精液が吹きかけられた。
「ああッ、あっううう」
射精は繰り返し、3、4回も波は納まらなかった。
もう、全てを出し尽くしてしまったような・・・。
放心状態のままポポイを見ると、咳込みながら精液を吐き出している。
・・やってしまった。こんな、可愛い奴に、
ぼくは、調子に乗って、酷いことを・・
罪悪感が押し寄せる。
30 :
27:2008/11/16(日) 01:58:40 ID:fOyjcs91
一度、休憩ですー
31 :
27:2008/11/16(日) 02:09:12 ID:fOyjcs91
プリムたんの出番が無い話になってしまいました・・
GJGJ
BLいいよ
33 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 01:25:46 ID:86Fk9Q5Z
なんかランディXプリムって、DQのアルマリに近いよね・・・。
( ゚∀゚)o彡゚ショタ!ショタ!
今日もちびっ子保守
保守ついでに
聖剣伝説 Queen of MANA 序章-1
いつもの様に肌が凍て付き、白銀の白一色に覆われた場所
そこにひとつの王国が建っていた。
魔法王国アルテナ
大陸にその名を知らぬ者はないといえる魔道大国で、代々女王が納める王国である。
そしてアルテナは女王の魔力により一面の銀世界でありながら
民は不自由なく暮らせる…筈だったのだが…。
一年前アルテナ女王である理の女王がマナ枯渇の危険性がある為
隣国の王国フォルセナに攻め入った。
だが実はアルテナによるフォルセナ侵攻は、邪悪なる竜‘竜帝'とその眷属が仕掛けた罠であった。
真の黒幕 竜の帝王こそ。黄金の騎士の血を受け継ぐものと理の女王の血を分けたもの そして協力者と力を合わせ打倒したが。
元々マナが枯渇していた上にアルテナもフォルセナも無意味な抗争と竜帝を倒す為疲弊してしまったのである。
そして…竜帝の他にも魔を統べる闇黒の王・死を司る哀れな救世主が現れ
アルテナ・フォルセナだけでなく、他の国々も大打撃を受けたが
それでも辛うじて民衆の守り神である、マナの大樹だけは何とか残っていた。
そして大本はどうにかなったが、それでも傷の治りが思わしくない世界
それでも懸命にみなで解決しようと
獣人王国ビーストキングダム・ 風の王国ローラント
聖なる光の都ウェンデル・砂塵の義賊集団ナバール
とフォルセナ・アルテナを合わせた六大国が集まり、皆でマナの枯渇や世界情勢、そして今後を少しでも良くしようと 会議を開くのだった。
聖剣伝説 Queen of MANA 序章-2
そしてその前日の話
アルテナ王宮 女王の部屋
女王の部屋前で女…いや成熟したラインと露出の激しい服はおいておき
まだまだ若い娘の様な姿をした娘がノックをし、ドア越しに声をかける。
「お母様…入ります」
彼女の名はアンジェラ。理の女王(ことわりのじょうおう)の一人娘で竜帝を打倒した英雄の一人である。
そしてアンジェラは理の女王の部屋に入り、ドレスをまとった女に声をかける。
「アンジェラ…この服似合うかしら?」
女は子供染みた声でアンジェラにお気に入りのドレスを纏った自分の姿を見せる。
均整の取れたスタイルで歳相応の落ち着きを示すも少し子供っぽい姿も見せる。
彼女こそアルテナを統べる理の女王そして女王の真名はヴァルダという。
「ええ似合います…って違います!」
すかさず突っ込みを入れるアンジェラ、彼女はヴァルダから直接言いたい事があるからと呼び出されてきたのだ。
「あはは……ごめんごめん。」
ヴァルダは笑いながらむくれたアンジェラをなだめすかす。
当たり前な親娘の会話…一年前もしかしたら失ってしまっていたかもしれない親娘との交流
ヴァルダはその意味を内心かみ締めていた…自身も竜帝の部下‘紅蓮の魔導師’に操られ危うく愛娘を生贄にしてしまう所だったし
自分も竜帝の生贄にされる所だったのだった。
だけど今はマナの力が無くなりつつあるとはいえ、アンジェラがここにいる。
それだけでヴァルダは嬉しかった。昔自分が味わった悲しみをアンジェラに与える事は当面無いと思えるからだ。
気を取り直しヴァルダは用件を伝えようと前置きを切り出す。
「アンジェラ。明日からウェンデルでリチャー…じゃないじゃない!
英雄王や各国の王と話し合う会議だけど…いい頃合だから話そうって思ってた事があったの」
アンジェラもヴァルダの様子が子供染みた雰囲気から長の雰囲気に戻ってきた為
自分も真顔になり、ヴァルダの次の言を待つ。
「今日は私のお母様の命日なの…20年前のね。
だからアンジェラには伝えとこうと思ってね…過去のペダン軍との戦いを…。
それは……。」
それは禁忌。古の大乱。そして殆どの人々が忘れた苦い痛み。
ヴァルダは遠くを見つめるように…空を見上げながら思い出す。
20年前の戦いを…そして大切なものを思い出すように…。 続く
さらに保守 聖剣伝説 Queen of MANAの人こないかな?
聖剣伝説 Queen of MANA 1-1
古の王国ペダン
小国ではあるが、古来より多の諸国も知らない呪術や魔術が伝わる事で知られている国である。
全てはここから始まる。
アルテナ王宮 女王の部屋
女王の部屋前で女いやドレスを纏い、どことなく高貴な雰囲気を漂わせているが
…まだ年は若い。
その娘は部屋をノックしドアごしに声をかける。
「お母様…ヴァルダです。」
女…いやヴァルダはアルテナ女王、つまり母に呼び出されて部屋を尋ねた。
その部屋にヴァルダを老けさせたような高貴な雰囲気を纏った女がそこにいた。
ヴァルダは女に向かい口を開く、顔を曇らせ困った顔をしながら…。
「お母様。フォルセナがペダン軍とナバール軍に襲撃されていると聞きますがアルテナは…。」
ヴァルダは今すぐフォルセナに…自分が恋焦がれる人物を助ける為
急いで行きたかったのだが、ヴァルダはもう子供ではなく…フォルセナがペダン等から侵略を受けているとはいえ
感情だけで助けに行く事は出来ない事は判っていた、だがどうしても心は揺れる。
いくら自国もフォルセナも強国とはいえ、
ペダン軍も最近砂の要塞都市ナバールと手を組み状況は悪くなっていく。
だからこそヴァルダは表情を曇らせ…困り顔でいたのだ。
それを見通してか女王が口を開く。
「ヴァルダ…お前も知っての通りフォルセナはペダン・ナバール同盟軍の猛攻を受けてます
この状況は対岸の火事で済ませるにはあまりにも危険です…
だからこそヴァルダ…お前に女王として命令を下します。」
ヴァルダは母を…そしてアルテナの長として真剣に顔を向ける。
そして女王は告げる。
「ヴァルダ。お前はこれから使者としてフォルセナに行き同盟を結びなさい。
そして侵略者を追い払いなさい!クォン大陸の竜帝が動く前に!!」
女王の許可が出た…だがヴァルダの表情は強張る。
確かにフォルセナに救援に行き、リチャード達を助けにいけるのは嬉しい。
だが母が言う様にペダン・ナバール連合軍だけでなく、邪悪なる大竜・竜帝も自国を狙っている。
打開できるのか…ヴァルダは深刻な面持ちをしていると、今度はアルテナ女王は女王としてではなく
母親として優しく娘として声をかける。
「ヴァルダ…心配はいりません。マナの女神は正しき者の味方…
そしてお前は我がアルテナの血を色濃く受け継いだ王女なのですよ。
さあ行きなさいヴァルダ。フォルセナを守るために。」
そうヴァルダの後ろを力強く押してくれるのだった。
聖剣伝説 Queen of MANA 1-2
ヴァルダは母の親書を受け取り、大急ぎで草原の王国フォルセナに向かう。
草原の王国フォルセナ
フォルセナは勇猛果敢で知られる白銀の騎士団を抱えている強国であり。
特に騎士団団長ロキ、そしてフォルセナ王子リチャードの勇名はアルテナでも知らぬ者がいないほどである。
白一色の激しく寒い道をヴァルダは飛空挺で移動しながら、徐々にだが緑一色の土地が見え、季候も徐々に暖かくなってくる。
そんな中で雪のような美貌を纏ったヴァルダは、反対に燃える様に激しい心を押さえ込みながらフォルセナへ急ぐ。
「リチャード…待っててね。今すぐ貴方と貴方の愛する国を守りに行くから…」
リチャードはフォルセナ第一王子で勇猛で知略も備えた有能な将でもあり、敬意を表し英雄と呼ぶ者も多い。
そしてヴァルダとリチャードはお互い惹かれるものを感じて恋に落ち、お互い家臣がいないときなどに逢引をし。
終にヴァルダ自身リチャードに純潔を捧げ、その後も度々肌の温もりを交わしあった相手でもある。
だがヴァルダもリチャードもそれを周囲に公言する事は無かった。
自国の事を考えればニ大強国がより強固に結ばれるのは得ではある。
だが周辺諸国を無駄に刺激する事も危険というのは分かっていたからだ。
そんな事情で口に出来ないが、それでもヴァルダは大事な…掛け替えの無いものだ。
それを壊されるのは国の事情云々いうより自分が耐えられるものではなかった。
その熱情とともにヴァルダはフォルセナへ行く。
聖剣伝説 Queen of MANA 1-3
フォルセナ王宮 客室
そしてヴァルダはフォルセナ王に親書を手渡し、平穏無事にフォルセナとアルテナはペダン・ナバール連合軍に対抗する為
同盟を締結する。
そしてフォルセナ王のはからいでヴァルダは休みを取らせてもらうこととなり、一人部屋で休んでいた。
「お母様。使者としての役目は果たしました…次は私がアルテナ代表として戦います。」
ヴァルダは誰に聞かれるともなく、一人で呟く。
戦況を聞く限りペダンの猛攻は激しく…アルテナで聞いていた以上に不利な態勢だった。
そしてリチャードも聞いた話では入れ違いにモールベアの高原でペダン軍を迎え撃っている。
その事もありアルテナの魔術兵半数に高原に行ってもらい、残りはフォルセナ城防衛に付けた。
(リチャード…)
今度はアルテナの姫としてではなくただの女として、リチャードの心配をするのだった。
(?)
そんな事を考えながら、ドア越しにノックが聞こえてくる…。
誰かしら?そんな事を考えながら客分としてドアを開ける。
そこにいたのは…金色の鎧を纏った男。そう…彼こそはロキ。騎士団団長で黄金の騎士と異名を取る男だ。
ロキはヴァルダの部屋に入り、ソファーに腰をかけながら話始める。
「使者の役目を終えた後と夜分にすまぬなヴァルダ姫。リチャードには姫が来た事は伝令で伝えといたよ…。」
ロキはヴァルダとリチャードの関係は知らないがお互い親しい事は雰囲気でわかりヴァルダの気を使う
またロキはリチャードと身分を越えた戦友であり、ヴァルダもその事はよく知っていた。
「いえ…こちらこそわざわざすいません。そのような気遣いをして下さるとは…
王子は本当に良き友をもったと思いますわ。大変感謝しますロキさん。」
そんな心使いを嬉しく思いながら礼はするが、本当の想いだけはロキに悟られない様にするヴァルダだった。
ロキはヴァルダの本当には気がつかず、苦笑しながらヴァルダに返す。
「良き友って言うのは照れるな…俺からしたらリチャードは血気盛んで困るよ。
士気が高まるのはいいが俺は結構はらはらしてるよ…あいつを抑えられる嫁さんがいればなぁ〜」
ロキの何気ない言葉に内心ドキッとするヴァルダだったが、ロキはかまわず話しを続け…。
「まあやつらを撃退してからだな。ただでさえ竜帝を討伐したいところなのだが
これじゃあリチャードの嫁さん探しなんて余裕ないしな…。」
とロキはさっと話をまとめる。
「そ…そうですねロキさん。ではもう夜も更けましたし…明日から私も…」
ヴァルダはロキに自分も直接戦線に参加しようと言い出すが、ロキがさえぎり…。
「いやヴァルダ姫はしばらくフォルセナの防衛を頼む。リチャードじゃああるまいし
直接王族を危険に晒させる訳にもいかぬ、それに…拠点防衛も重要な戦いだからな…リチャードが帰るまでは俺が姫を守るよ。
リチャードやアルテナの民のためにもな…それでは俺は仕事が残ってるから失礼させて頂くよ。」
と後方支援をヴァルダに頼みながら部屋を後にする。
ヴァルダはそんな気高い男を見送りながら、自分もベッドの中で束の間の眠りに入るのだった。 続く
聖剣伝説 Queen of MANA 2-1
フォルセナ城 客室 朝
ヴァルダは日の光で目を覚ます。
最も母国のアルテナの鋭く尖ったような明るさと違い
フォルセナの光は暖かく心地いい物であった。
そんな事を考えながらヴァルダは着替えを済ませ、
自分の正装であるドレスに着替える。
最もドレスといっても、アルテナ秘伝の魔力が練りこまれた生地で
並みの鎧以上の強度があるのだ。
そしてヴァルダは作戦会議の為騎士団の宿舎に向かう。
そして入り口にはロキが待っており、ヴァルダと顔を合わせて剛毅に声をかける。
「おはようヴァルダ姫。ゆっくり眠れたか?今日から慌しくなるがよろしく頼むよ。」
ロキはヴァルダに励ましと少しばかりの檄をいれヴァルダの横につく。
万一暗殺者がフォルセナに忍び込んでいた事を考えたロキの気配りである。
ヴァルダもロキ程の強者が自分の側にいるというだけで心強い物を感じるのだった。
そして二人でフォルセナ白銀の騎士団宿舎大部屋に向かう。
大部屋にはフォルセナ騎士団とアルテナ魔道兵が集い、現場監督としてのロキとヴァルダを待っているのだ。
聖剣伝説 Queen of MANA 2-2
フォルセナ騎士団宿舎 大部屋
ロキとヴァルダそして騎士団と魔道兵が控える部屋で
朝一番に舞い戻った伝令から戦況の報告を受ける。
伝令からの報告によるとペダン・ナバール同盟軍は現在二手に分かれ
一方はフォルセナ玄関口に当たる黄金街道の封鎖
もう一方は直接モールベア高原からフォルセナ城陥落を目指す
入り口を塞いで逃げられ無いようにし、もう一方でフォルセナ陥落…
或いはフォルセナを足止めし後続部隊で一気に踏み潰す戦略も考えられるのだ。
「この戦況では此方からペダン本隊にしかけるのは危険ですね…。」
とヴァルダは呟く、相手の出方は分からないが少なくともペダン軍の高い統率力に加えて
元々盗賊団から成り立った国ナバールの神出鬼没な闘い方はヴァルダのみならず、ロキや他の兵士にとっても脅威だからだ。
ヴァルダの意見にロキも歯がゆいと思いながら皆に告げる。
「取りあえず篭城戦になるのは確実だな…どちらも厄介だ。」
場の空気が沈む…じりじりつかず離れずを遣られるのが篭城戦で一番困る事だからだ。
空気が重くなる中ロキが口を開く、皆を鼓舞するかの様に。
「だが……俺達にはリチャードがいる。
リチャードがモールベア高原の敵を抑えてくれれば
我らから奴等に反転攻勢をかける事も出来る!」
更にロキは剣を高々掲げて自分自身に、フォルセナとアルテナに
そしてマナの女神に誓うかの様に宣言する。
「皆の者!俺は…俺達は誓う!
我らフォルセナ白銀の騎士団とアルテナ軍は共に侵略者のペダン連合軍を討つと!」
猛々しくも誇り高い騎士の滾り。
それを聞きながら騎士団の面々はロキに合わせて剣を高々掲げる。
ヴァルダもそんなロキに対し、改めて滾る物を感じてヴァルダもロキの様に高々と宣言する。
「私も…いえ私達アルテナも誓います。この地より来る侵略者を打倒し
マナの女神に勝利を捧げる事を約束します。アルテナの魔女の名に賭けて!!」
ヴァルダの誓いを聞き魔道兵からも喚声が上がる。
士気は二人のカリスマの誓いによりうなぎ登りに上昇していくのだった。
そんな最高潮に高まった所で今後の作戦を立て
そのままモールベア高原に向かう者以外はフォルセナ城で敵の出方を待つ。
聖剣伝説 Queen of MANA 2-3
フォルセナ城 昼
大方の配備を終え、ヴァルダもロキも万全の態勢で警護に当たる。
今頃モールベア高原ではペダン・ナバール連合と戦を始めている頃だ。
そしてリチャードは最前線で戦っている。
王族が前線に立つというのは諸刃の剣だ。
ましてリチャードほど優秀な男ならフォルセナ軍の指揮は大幅に上がる。
だがもしも討ち死にすれば、それ以上に士気が大幅に下がる…。
取りあえず個人的な感情は差し置いてヴァルダはロキに尋ねる。
「…ロキさん。リチャード王子は勝ちますよね?」
ヴァルダの問いに対してロキはにべも無く答える。
「ヴァルダ姫…リチャードなら大丈夫だと思うが…
とにかく現状ではマナの女神に安否を祈るしかないな。」
そう言ったそっけないロキの答えでも、心からリチャードの心配をしている事を
ヴァルダは感じ取り嬉しくなった。
が……その感慨を吹き飛ばすが如く偵察兵の悲鳴に近い声が聞こえてくる……。
その声を聞いたロキとヴァルダは偵察兵に駆け足で向かう。
「何事だ!!」
ロキは兵士に檄を送る様に声をかけ、ヴァルダは偵察兵を落ち着ける為
「どうなさったのですか?」と優しく声をかける。
兵士は少し落ちつきつつも、顔面を蒼白にし二人に告げる。
「竜です!…竜帝の眷属の…竜が接近してます!!」
「なんだと!竜帝の一族まで現れたのか!!」
ロキは顔色を変え激しい怒りを見せる、元々フォルセナもアルテナ同様竜帝から
侵略対象になっており。彼等竜の眷属に殺された騎士団員やフォルセナの民は数知れず、
ロキにとって竜帝一族は激しい憎悪の対象になっているのだ。
ヴァルダも内心一番恐れていた状況が早く訪れて内心不安だったのだが
ここは迅速にと考えヴァルダは口を開く。
「とにかく竜帝の眷属が現れたのでしたら早急に撃退致しましょう!
ペダンやナバールだけでなく奴等まで城にこられたらフォルセナでも持ちません!!
貴方は周囲の方に連絡を…竜は私とロキさんで撃退します。」
と手短に兵士に告げ、その兵士は騎士団宿舎へ急ぎ。
ヴァルダとロキは竜を迎撃する為フォルセナ城入り口に急ぐ。
聖剣伝説 Queen of MANA 2-4
急ぎながらロキは誰に言うともしれず
「くそっ!こんな時に竜どもまで来るとは!」
と吐き捨てる様に呟く。
そんなロキを見ながらヴァルダは返答する。
「とにかく今は竜を追い払うのが先決です!このままでは
フォルセナ王家の方々を守りきれなくなります!」
そして返答しながらヴァルダは考えていた。
(タイミングがよすぎる…。)
そう。ただでさえペダン・ナバール連合軍は充分にフォルセナには脅威の上
更に指し示したような竜帝一族の登場。偶々にしては符号が合いすぎる。
ヴァルダはこの闘いが極めて長期的な物になると確信をしつつあった。
そう考えながらヴァルダ達が向かう堅牢なフォルセナ城門も
竜の鍵爪やブレスで半壊状態になり、フォルセナ騎士団が眼前に現れる恐怖を堪えるかの様に
必死の形相で竜との闘いに臨もうとしていた。
そんな騎士団の様子を見兼ねたのか…ロキが叫ぶ。
「皆の者ぉ!彼奴竜族など恐れる事は無い!俺が前に行くから皆は援護をっ!
奴等がこの争いに乗じてフォルセナを攻めた事。必ず後悔させてやるぞ!!」
そして叫びつつ城門を破壊した竜に向かい、猛然と斬りかかる。
ロキは竜の攻撃を避けながら、竜の腹部を斬り裂いて贓物を掴みながら頭部目指しかけ上がり
そのまま竜の頭部を一刀両断にし、脳髄を周囲にぶちまける。
邪竜の返り血を浴び、まるで紅黒の鎧を纏った…例えるなら阿修羅としか言いようの無いロキの闘い振りに
ヴァルダもそんなロキの様子に危ういものを感じ、残りの竜に対して魔法で攻撃をしながら、ロキに対してヴァルダは叫ぶ。
「ロキさん落ちついて下さい!貴方が死んでしまってはリチャード王子も悲しみます! 冷静に闘って下さい!!」
そんな中竜が目敏い援護を続けるヴァルダを狙うため高高度から突撃を敢行してくる。
(避け切れない!)
ヴァルダは突然の奇襲に魔法で応戦しながらも、竜の勢いは止まらずヴァルダめがけて突撃する。
が…やはりそのピンチを救ったのはロキであった。
ロキはヴァルダに襲いかかった竜の首目掛けて自分の剣を投げて竜を怯ませた。
勿論自分が丸腰になる危険性は承知の上の行動だ。
そして怯んだ竜目掛けてヴァルダは強力な魔法を撃ち、竜を粉々に吹き飛ばす。
ロキはは猛然とヴァルダにかけより、剣を回収し残りの竜を睨みつけながら
ヴァルダに対しただ一言だけ告げた「済まぬ」と…。
自分のスタンドプレイをヴァルダに詫びるのだった。
ヴァルダは彼の謝意を受け止めながら、自分を守ってくれたのだからとロキに対して改めて感謝の意を示す為
「私との約束守ってくださって嬉しいですわロキさん。」
と昨日の盟約を思い出してロキに声をかける。
そして騎士団と魔道兵の援護を受けながら
ロキが前面で戦い、ヴァルダは後方から魔法の波状攻撃と
息の合った攻撃を繰り出し竜を撃退するのだった。
聖剣伝説 Queen of MANA 2-5
フォルセナ城 城門
何とか竜を撃退した物の…突然に現れた竜族の猛攻でペダン軍等が来る前に
手痛い被害を被る事になってしまった。
そしてモールベア高原の方でも同じ頃に竜族が現れて、ペダンに協力したと報告を受けた。
「どうやら竜帝はペダン等と密約でも交わしたみたいですね。」
ヴァルダはやはり竜帝とペダンが手を組んだと確信する。
そして人間だけでは無くこれからは竜族とも闘わねばならぬと改めて覚悟を決めた。
ロキの方もヴァルダの様子を見ながら…ヴァルダに合わせて語る。
「取りあえず戦線はリチャードを持ってしても破られてしまったが、
リチャード達にさし当たって大きな被害は出なかったのが幸いという所だな。
もうじきリチャードたちも戻ってくるが…また大きな闘いになるな。」
取りあえず竜族まで現れたのにもかかわらず、対した被害が出なかった事に
ヴァルダは胸をなでおろした。
そしてほっとした時に伝令が現れリチャードとペダンから離反した兵が
此方に来ると聞きヴァルダはこんな時と思いながらも胸をときめかせる。
そしてリチャードは「済まない」と詫びながら戦線を突破された事を
ロキに詫びながらヴァルダにアイ・コンタクトを送り無事を伝える。
そんなリチャードにヴァルダもアイ・コンタクトを返すが
リチャードを助けた という一団に興味が沸きヴァルダは視線を彼等に向ける。
ペダン風の服装をした男女と子供
ビーストキングダムの獣人・ローランドのアマゾネス
聖都ウェンデルの司祭・ナバールの女戦士
ヴァルダにとってはまったく面識の無い九人。
これからヴァルダが命を掛ける闘いに連れ添う仲間との始めての対面であった。 続く
世界有数の富豪の独り娘であるプリム嬢は、その美貌と高い名声とは裏腹に
王国一の放蕩娘として知られていた。
毎日のように高級商店街へ繰り出しては散財し、
若い独身貴族達の夜の社交場へ挑発的な装いで現れ、不道徳な快楽に耽る。
若干17歳ながらその尽きないゴシップは、人々の関心と羨望を集める反面、
眉を潜めるものも多かった。
そんな彼女は一人の若い騎士と出会う。
騎士の名はディラック。
初めて真の情熱を知った瞬間であった。
そして彼女は心と肉体の伴う真のセックスに目覚めてゆく。
超セレブであるプリムたんが奔放な恋を楽しむ短編「プリム嬢17歳 若い性の冒険」は
今冬公開予定。刮目して待て。
(嘘です)
ポポイたん保守
なぜLOMが評価されないのか俺には理解できない
書いてみたまえ
50 :
@:2008/12/07(日) 10:42:59 ID:OHmbwX/Z
あ〜聖剣4面白かった
バドたんとコロナたんと草人たんはガチ。
52 :
代理投下:2008/12/12(金) 16:16:38 ID:R7kxRhAq
少年と自慰の結末待ってます
アルテナ女王の間 現代 インターミッション
「お母様…デュランのお父さんや英雄王さまと一緒に戦ってたんですね。」
アンジェラはヴァルダの初めて語る話に聞きほれ、しきりに感心する。
ヴァルダのほうもアンジェラが思いのほか食い付き嬉しく思いながらも
ふと気になったのでアンジェラに対して。
「そういえばロキさんの事はデュラン君や貴方から聞いているけど…
あの人を止めてくれたのはアンジェラなの?それとも彼なの?」
と聞いてみる。
アンジェラはヴァルダの突然の質問に何の事かわからなかったが…自分達が見たペダンの事を思い出し
ヴァルダが聞きたい答えを悟りアンジェラは答える。
「仮面の道士…のことですね。あの人もお母様と共に戦ったのですか?
私達が黒の貴公子を倒した後。デュラン達から、彼の過去は聞きましたが…」
アンジェラは口を濁らす…自分達にとって仮面の道士は
自分を疎外した世界の復讐と自分勝手な理想の為
全ての生命をアンデットにしようと企てた狂人でしかなかった…。
だが元々仮面の道士が狂気に走ったのは、人を助けるため禁術を使用した事だと
デュラン達は話してくれたが、そのデュラン達や生き残った仮面の道士の息子ヒースからも
辛そうに言われてある程度アンジェラもやるせなさは感じたのだ。
「そう…デュラン君はお父様だけでなく…あの人を救ってくれたのね…」
ヴァルダは少し悲しげに、アンジェラに返しつつ…席を立って。
「アンジェラ…お母さん温かい飲み物…そうね台所にぱっくんチョコがあったから
チョコレートドリンク作ってくるから待ってて」
とヴァルダはアンジェラを残し、台所に向かう。
台所で手早くチョコを魔法で溶かし、程よくミルクで薄めて温かいチョコドリンクを作るが
それが冷めるのを待ちながら、一人椅子に座って思う。
あの後ロキは竜帝と刺し違える形で命を落とすが、蘇った竜帝に操られ
黒耀の騎士としてデュラン等と戦い、そしてロキの魂をデュランが救ったとアンジェラは教えてくれた。
「ロキさん…ベルガーさん…。せめて安らかに眠って下さい
世界は私たちみんなで少しでも良くしていきます…。」
とヴァルダは一人、事情は違えど世界の敵になってしまった二人に対し哀悼の念を捧げる。
一歩間違えば自分も誰かに討たれていたと思いながら。
そう思いながら二人分のチョコドリンクをヴァルダは部屋に運ぶのだった。
【久々に見たらいろいろ投下してくれた人がいたのでお礼を言わせてもらいます】
【では新作投下】
ナイトソウルズ内
「…なるほどそれで皆さまは……」
フォルセナの騎士たちのおかげでかろうじてフォルセナから脱出する事ができた
ヴァルダ達は改めてロジェ達から事情を聴いていた。
そんな中暗い面持ちのベルガーが口を開く。
「また守れなかったか…今度もエジーナの鏡を置かれてしまうとは!」
ヴァルダもウェンデル程ではないが、そういった怪しげなアイテムに対してそれなりには
知っていた。
「私も聞いたことがあります…巨大な力を持った呪われた鏡。
なんでそのような恐ろしいものをペダンが…」
改めてベルガーに合わせヴァルダも呟く、自分も伝承で聞いた程度で実在するとは…
ましてやロジェたちの話を聞く限り、ビーストキングダムやローランドにも置かれている
というとんでもない話だが、実際ガウザーやアルマら征服された国の人間の話を聞く限り
まず間違えなく複数あるということは確かだった、現にたった今フォルセナにも
エジーナの鏡が置かれてしまったのだ。
だがそれ以前にフォルセナはペダンに制圧されてしまったのだ。
ペダンの猛攻を見る限りまず間違えなくフォルセナ王族は全員殺されているだろう…。
ヴァルダは横目でロキとリチャードを見るが、二人ともさすがに落ち込んでいるよう
だった。
そんな二人を見てられずヴァルダは少しでも励まそうと口を開く。
「とりあえず我がアルテナに行けばペダンに対抗できると思います。
さすがにナバール兵は寒冷戦には慣れてないでしょうし
彼らと竜族だけだったら何とか…」
だがそんな必死なヴァルダの口をジェレミアが遮る。
「それで籠城でもするのか?フォルセナを制圧し勢いに乗っているペダンだぞ?
第一アルテナ兵士たちも手痛い被害のはずだ。もう少し考えて喋れ。」
と場慣れした戦士なら当然の疑問を投げかけてくる。
だがヴァルダはついカッと来てしまう、この人は場の空気が読めないのか?
お母様だってまだ健在なのにアルテナがたやすくペダンに蹂躪されると…?
そのため怒りにまかせてジェレミアは意図してなかったが、
ヴァルダの方が売り言葉に乗ってしまい言い返してしまう。
「貴女…どちらの味方なんですか。ペダンにそこまで猛攻撃できる余力が
まだあるというのですか…フォルセナにあれだけの攻撃をしたすぐ後ですよ!」
そんなナーバスになっているヴァルダを抑えようとロキとリチャードが
駆け寄ろうとするが、今度はジェレミアの方がカッときたのかヴァルダに言い返してくる。
「お前こそペダンを甘く見るな。ビーストキングダムとローランドを迅速にナバールと
同盟を結びながら制圧し、たった今フォルセナを落とすほどの相手だ。
そして将軍バジリオスが陣頭に出て指揮をしている…あいつを倒さない限り
ペダンの侵略はまず止められないだろうな。」
言い合いとなったヴァルダとジェレミアの間に緊迫した空気が走る。
そんな中見かねたのかロジェが仲裁に入る
「二人ともやめろ。ジェレミア…ヴァルダ王女。いま俺達が言い合っても始まらない
まずは体勢を立て直してからだ。」
流石に周囲もピリピリしており、これ以上騒ぐのはお互いまずいと判断した
ヴァルダとジェレミアはお互いそっぽを向き、その場はおさまった。
ナイトソウルズ個室
そのころ毒で横になっていたアルマもようやく回復し、近くにいたキュカとファルコン
から事情を聴く。
「アルテナか…まさかここまで大ごとになるなんてね……。」
ただ自嘲するようにアルマはつぶやく、まだ自分の実力では仇敵を倒すどころか
危うく自らの命を落とすところだった。
そんな自分の命を救ってくれたファルコンに対してアルマは向いて
「ありがとうファルコン…私を助けてくれて…。」
とお礼を言うもファルコンの方はつらい面持ちをしている、ローランドを壊滅させたのは
道を違えたとはいえ母国ナバールなのだ……そしてアルマを殺そうとしたのは一時首領と
崇めたオウルビークスその人だった…そんな事を思うとファルコンは堪らなくなり
アルマに対して頭を下げてしまう…自己満足だとわかっていてもそうでもしないと
ファルコンは耐えられなかった。
「アルマ……私は貴女にお礼を言われる資格なんて……無い
我がナバールがローランドのガルラ殿を殺し…
あまつさえガルラ殿のご子息ミネルバ殿を人質に取るとはっ……」
口調にも表情にもファルコンの無念と悲しみが伝わってくる。
そんなファルコンを見かね、アルマが口を開こうとするが、その前にキュカが話し始める。
「いや…オウルビークスをあそこまで追い詰めたのは俺かも知れねぇ…
奴の弟を殺したのは俺だからな…だがな……俺は…俺たちは過去に振り返って悲しむ余裕
はないんだ。死んだガルラ様やローランド全員を逃がすために人質になったミネルバ
そしてローランドで一番のダチ…ジョスターのためにも俺たちは戦い続けないといけない
んだ…」
普段はムードメーカーであるキュカが真面目に話している
そんな様子をアルマもファルコンも見ながらキュカは話をつづける。
「確かに俺達が入ったところでアルテナはもたねぇかも知れねぇ…
だがな、今さら俺は…いや俺達は手をひけねぇんだ…奴らと最後まで決着を付けるまでな」
と自分の心境を話す、確かにここまで来たら祖国がどうしたこうしたとか言っている
余裕はない…それを嫌というほど知っている三人はそれ以上誰も話すことはなかった。
そしてそんな皆の気持ちを乗せて極寒の地アルテナに向かう。
アルテナ城
早速ヴァルダ一同はアルテナ女王に一連の状況を述べる。
またアルテナ女王の話を聞く限り、ペダン軍の侵攻は速く
今すぐ戦になりそうな状況だった。そしてジェレミアの指摘したとおり
アルテナ兵の疲弊が激しく、中にはペダンに下るものが出てしまうほどであった。
「ペダンはナバール・竜族と組みビーストキングダム・ローランド・フォルセナを侵略…
ペダンと闘えそうな国はこことウェンデルだけだろう…だが…。」
ロジェもアルテナは流石にこれ以上ペダンと交戦するのは無理だろうと思っていた。
それにリチャードも「いくらなんでもアルテナがこれ以上戦うのは無理だろう」と
正直な意見としてロジェに同調する。
まだ先ほどのやり取りで怒りが収まってないヴァルダは頼りにしている恋人の弱気な発言にイラッと来てついけんか腰になってしまい。
「じゃあどうするのですか?いまさらペダンに全面降伏でもしようというのですか?」
と無茶な事を言ってしまうも、今度はすぐ脇にいたロキがカッカ来てしまい。
「いまさら全面降伏なぞ出来るか!俺は最後まで戦うぞ!!」
と今度はロキが怒りだしてしまう。
そんな荒れた状況の中でいい加減辟易していたキュカが「じゃあどうやってペダンを
迎え撃つ?籠城戦しようって言っても疲弊したアルテナじゃあたかが知れているぞ?」
と発言する。
…こう着した話し合いにとうとうアルテナ女王が発言する。
「皆様…ヴァルダ…忘れてもらっては困りますよ。
地の利は我々にございます…それはこういうことです!」
とアルテナ女王は術文詠唱を開始し、その術法の牙をペダン隊に向ける。
そして次の瞬間にはペダンの大部隊が……。
「雪だるま…あれだけの大部隊が雪だるまに…。」
ヴァルダはただ呟くしかできなかった…母の魔術は凄い事はわかっていたが
あれだけの大部隊が猛吹雪の術で全部雪だるまになっていたからだ。
まだ術法をコントロールしきれない自分にはとてもできそうにない戦法だった。
そんなすさまじい魔術にみな感服しながらもユリエルから話し出す。
「なるほど…ここは本来極寒の地ですが。女王…貴女の魔力で民は特に寒冷の厳しさから
守られています…ですが逆もまた然りということですね。」
続いて興奮したリチャード・ロキも話に入って。
「よし!アルテナ女王…貴女が背後から援護してくれれば何とか我々も戦えそうだ!」
「やるぞリチャード!今度こそ奴らに借りを返す!」
全員の戦意が上がっていく。
アルテナ女王の援護があればペダンの主力部隊が出ても戦える…
彼らの戦力を削って形勢を立て直せば…。
そんな思いがヴァルダのみならずロジェ達や遠巻きで見ていたアルテナ兵に伝わっていくのだった。
戦場
ロジェ達はペダン本隊が来るまで二手に分かれる。
ヴァルダ・リチャード・ユリエル・ジェレミア・テケリ・ベルガーの6名は奇襲に備えてのアルテナ城防衛。
残りのメンバーは雪だるまの破壊に向かう。
アルテナ城門
防衛といっても見通しがよく奇襲部隊などが突然現れる事はまずあり得なく、
実際は収穫MOBの整理など基本としてバックアップとして行動する。
実はリチャードはロキと一緒に戦いたがったのだが、ヴァルダがまだちょっと
オカンムリなので一緒に付いている。
テケリとベルガーはナイトソウルズ近くで動き、ユリエルとジェレミアは深刻な表情で
あたりをうかがっていた。
そんな中ロキ達が雪だるまを破壊し、周囲もみんな忙しそうだと見たヴァルダは
少しおろおろしているリチャードに話しかける。
「だから言ったではありませんか。幾ら何でもナバールを欠いたペダン軍に…ましては
アルテナにはお母さまがいる限り、そうたやすくアルテナは落ちません!」
ヴァルダは得意げに自分の母の凄さを誇りながら、たじたじなリチャードに対して
胸を張りながら得意げに話し続ける…ヴァルダは母の魔術を見て少し興奮気味だ。
そんな様子で押されているリチャードはただ苦笑いとともに
「ははっ凄いな…ヴァルダの母親って……」というしかなかった。
そんなリチャードをヴァルダはもっと困らせてやろうと思ってご無体な事を言い出す
「……リチャード。この戦が終わって貴方のご家族を弔らわれてから
私と旅行にいきませんか?最後の…。
貴方はこの戦が終わったら直にフォルセナの王にならねばなりません。
だからその前に私と二人だけで旅行に行きたいのです…いいですよねリチャード!」
ヴァルダはすっかり緊張感が薄れたように矢継ぎ早で二人だけで
旅行に行きたいと言い出す。
それはフォルセナ陥落時に気落ちしたリチャードを自分なりに励ますためであり
ヴァルダにとっても二人っきりでいられる最後のチャンスだった。
少し強引だが国との関係を離れてただの男と女の関係になれる時間をヴァルダは
誰よりも望んでいた。
リチャードもヴァルダが自分に気を使っているだけでは無く、同じように果てるまで
ヴァルダを抱きしめたいとも思い口をあける。
「ありがとうヴァルダ…じゃあ全ての戦が終わって埋葬がすんだら…お前の望み通り
二人で旅行にいこう。そのためにも…死なないでくれよ…ヴァルダ。」
リチャードもなかなか乗り気だったのでヴァルダも喜んでリチャードに抱きかかりながら
「ありがとうリチャード!ではどこに…」
とのんきにも場所とかを決めちゃおうとするが…大声で誰かが叫ぶ声がし…
また別の方からペダン本隊と思われる大部隊が出現する。
「流石に凄い陣容ですね…ですがお母さまの魔力だったら……この手勢でもなんとか…」
ヴァルダは流石に緊張するも、母の力がある限りまた返り討ちだろうとどこか心の中で高をくくっていた…が
その思いは儚く砕かれることとなる。
仮面の将軍セシリア・バジリオスが鏡…そう…あのエジーナの鏡をどこからともなく
出現させ、雪だるまとなって半壊状態になっていた先遣隊にかざすと
あっという間に兵士や敵MOBが元通りの姿に戻っていくのだった。
アルテナ城 天守閣
「そんな…あれがエジーナの鏡……私の…マナの女神さまの力をしのぐというのか…」
あまりにすさまじい魔力にアルテナ女王も驚きを隠せなかった。
アルテナ城 城門
その成り行きにヴァルダも心の底から震えた…勿論寒さではなく改めて
エジーナの鏡の魔力に対し、心底体の芯が凍るかと思うほどの恐怖を感じたからだ。
「そんなバカな…お母様の術がここまで容易く破られるなんて……。」
だが…バジリオス等主力部隊にくわえ、雪だるま状態から復帰したペダン兵たちが一斉に
城門めがけて押し寄せてくる。
そんなあまりの出来事に対応できなかったヴァルダであったが、近くにいたリチャードが
声をかけ気を震わせる。
「ヴァルダ!しっかりしろっ!
とにかく…こうなった以上は守るぞ!アルテナ全てとお前の母君を…
お前に俺達と同じ悲しみを与えるものかよ…」
とにかくリチャードはヴァルダに激を飛ばす、ヴァルダもなんとか気を取り直し
ペダン兵を迎撃するも、ロジェ達本隊はまだ戻れそうにない…これから必死に
アルテナ城を守らないと全てが終わってしまう…そうヴァルダは思いながら
迎撃に入るのだった。
攻防戦
「くぅっ…きついです…ですが!」
怒涛のように押し寄せるペダン軍。ヴァルダは必死に魔法で迎撃するもまだ敵は大勢いる。
リチャードやジェレミア達も懸命に敵を減らしていくも、流石に将軍バジリオスの的確な
指示が響き、押されていく。
「うきょきょ〜ロジェ達はもう少し時間がかかりますし、神殿もまだ時間がかかりそう
です〜」
テケリは明らかにこちらが押されていると述べながらラッパを鳴らしMOBに大急ぎで
指示を出す。
周囲のメンバーも疲弊していく最中…勝負どころとみたバジリオスが直属師団に自ら命令
を出し一気に城門めがけて突撃を敢行する。
「馬鹿な…奴ら命が惜しくないのか?」
一見無茶ともいえるバジリオスの突撃だが、防衛戦で直接剣士と戦闘できるメンバーは
限られ且つ…。
ユリエルは複雑な面持ちでバジリオスを見ながら告げる。
「皆様…残念な知らせがあります。バジリオスはこの間戦ったセレスタンより…強い!」
と実際彼女がペダン一の強者だと自他共に認められる腕前を備えているのだ。
流石に全員動揺が隠せないが、一人だけ瞳をらんらんと輝かせる人物がいた…
ジェレミアだ。彼女は迫りくるバジリオスを見ながらいってのける。
「ふん…逆にいえばあの女さえ倒せれば私たちに勝機が生まれるという話じゃないか…
後続もロジェ達が数を減らしているしな…」
と冷静にバジリオスを倒せば戦闘が収まると予測するも、次の瞬間には。
「それにそのようなセオリーなど私には無意味だ…叔父上の敵…この手で必ず取る!」
猛禽の瞳を浮かべジェレミアの方からバジリオス隊の側面めがけ突撃をかける。
「馬鹿っ早まるな!」
リチャードはまるで突風のように走るジェレミアの背に向け叫ぶも全く効く耳持たずに
ジェレミアは華麗な剣舞でバジリオス周辺にいる敵を切り倒しながら猛追し吠える。
「こういった乱戦では私一人の方が小回りが利く…さあその首…亡き我が叔父上に
捧げてもらうぞ…バジリオス!」
鼻先をいきなり叩かれ狼狽するペダン兵だったが、それを見かねたのかバジリオスが
前に出てジェレミアを迎え撃ちながら話を始める。
「ふん…この間言ったばかりだがな…私は大臣殿に手をかけていないと
まあいい小娘…貴様の方こそ亡き大臣殿のところへ逝くが良い。」
激しい斬り合いを始めるも流石に多勢に無勢。しかも明らかにバジリオスの技量が
ジェレミアに勝っておりなんとかジェレミアが切り合いを続けていられるのが
不思議なほどだ。
なんとか門周辺の敵を片付けたヴァルダ達だったが、下手に助けに入ればタコ殴り
あるいはバジリオスと直接切り合いとなる厳しい戦いとなる。
どう援護に入るか悩むヴァルダ達であったが、テケリから
「隊長〜神殿設置が終わったであります〜ジェレミアさんを呼び戻してください〜」
と今だったら神獣の力を借りられるようだ。だがバジリオス本隊に神獣が攻撃すれば
切り合っているジェレミアまで巻き込んでしまう。
「ちぃ!仕方ない…俺があの女を助ける!みんなは援護を…」
とリチャードが突撃しようとするが、もうすでにユリエルがジェレミアの方へと
駆け寄っていた。
「下がりなさいジェレミア…バジリオス。」
ユリエルは詠唱を唱え魔法を発動させる…地の精霊ノームの力をかりた
高レベルの術法アースクエイクだ!
ジェレミアもバジリオスもたまらず大地震の中切り合いを止め震源地から一刻も早く離れる。
「無茶をする…この笑い鮫め…」
ジェレミアはユリエルに悪態をつきながら、しかたなく地震と落石降り注ぐ戦場から離脱し合流する。
「ユリエルめ…何を」
バジリオスの方もジェレミアから離れ、大地震に巻き込まれた味方に指示を飛ばすので
精いっぱいだ…その反応の遅れが地獄を招くことになる。
早速戻ったユリエルは即座に神獣ザン・ビエの力を借りるようテケリに指示を出し
発動させる。
「さあザン・ビエ!出番ですよ〜」
あいも変わらずテケリは軽くふるまうがそうでもしないと内心怖くて仕方がなかった。
ふふふ…マナの女神ですら忌まわしき鏡には勝てぬか…
ならば我が獄炎で彼奴らを火達磨にしてやろうぞ…。
おぞましい声が神殿に響き渡る。
神獣
かれら八体の魔物はマナストーンに封印され、もしも彼らがマナストーンから解放され、
自由に動けるようになれば世界は瞬く間に地獄になるとの伝承がある。
またナイトソウルズで聞く限りでは、ロジェだけマナストーンから神獣の声が聞こえた
という話だがなぜか彼らはこちらに協力する意思を示している様だ。
だが彼らが世界を守るとはどう考えても思えず、むしろ邪魔者を消すために協力しているといった感じであった。
だが…太古の時代までに伝わるほどの恐怖ですら、使わなければいけなかったのである。
そしてザン・ビエの咆哮とともに凶悪なまでの炎がバジリオス隊へと襲いかかる。
「くっ!なんだこの力!!」
流石にセレスタンから報告自体は聞いていたが、ここまでのものとはバジリオスも知らなかった。
周囲の兵士が煉獄の炎に焼かれ悶え苦しみながらバタバタと倒れていき
背後からロジェ達が一気に押し寄せてくる。
「くそっ!仕方がない…本隊は撤退する!だがっアルテナ城だけは落とせ!!」
形勢不利とみたバジリオスは撤退しながらも、まだ控えていた後続部隊にアルテナ攻撃の命を飛ばして本陣へと戻る。
アルテナ城内
なんとかバジリオスを撤退させたもののまだまだ続くペダンの大攻勢
いったんアルテナ城に戻るももはや落城寸前であった。
「ここまで…ですね」
アルテナ女王はかすれた声で喋る。もはや彼女も立て続けの大術法で疲弊していた。
今までヴァルダはここまで母が弱気になることなんて一度も見た事がなかった。
「お母様…なにを」
必死で気を繕おうと頑張るヴァルダだったが、女王はヴァルダ達を見ながら話を続ける。
「ヴァルダ…皆様…ここは私が命を変えても守ります。
だから皆様は一刻も早くウェンデルへ向かってください」
もはや死を覚悟した面持ちで女王はウェンデルへ脱出しろという。
そんな覚悟を悟ったのか…ヴァルダは悲痛混じりに反論いや娘として感情的になりながら
「そんな…嫌ですお母様!お母様一人置いて逃げろだなんて!!
せめてアルテナのため。最後まで私にも闘わせてください!お母様ぁ!」
女王はヴァルダの叫びに顔を伏せながら聞くも
次の瞬間アルテナ女王としての顔へ戻りはっきり言う。
「駄目ですヴァルダ。ここでお前まで死ねばアルテナは終わってしまう。
だからお前にアルテナ女王として最後の命令を与えます。
ここでお前は死んではなりません。アルテナの未来を創る者として生き延びなさい。」
「……」
女王の覚悟にヴァルダはこれ以上口をはさむことができなかった。
「…さあお行きなさい!ヴァルダ!
そして皆様!この場は私の命と引き換えとしてでも押さえます!
皆様はウェンデルへ向かってください!!」
その言葉を聞き全員ナイトソウルズへ向かい急いで脱出の準備に取り掛かる。
ヴァルダは心配でたまらず何度も振り返ってしまったが、それでもリチャードに
しっかりとくっつきながらあとにするのだった。
ナイトソウルズ内
全員乗り込み急いで零下の雪原を抜け聖なる都ウェンデルへと向かう
ウェンデルは永世中立国だが…ここまで来てはもうペダンの魔手が掛かっていない
唯一ペダンと戦える可能性がある大国だった。
そんな中ヴァルダは顔を雪よりも白くし、全身を使って女王の魔力を探るが…
「あぁぁ…駄目です…お母様の魔力と…命がどんどん小さく…」
絶望に打ち震えながら母が今命を捨ててペダン軍を抑えているのが感覚として感じられ
嗚咽が交じってくる。
先ほどとは逆にリチャードとロキはあまりに狼狽し悲しみに沈むヴァルダを見てられず
近くにいるが声すら掛けられない。
そんな中で…ふとロキが窓を見てみると…あり得ないものがいるのを確認した。
「馬鹿な……」
ロキの声も驚愕に包まれていく、他のメンバーも急いで状況を確認するが…
そこにいたのは竜族の大群と…ペダン軍戦艦。もちろん陣頭で指揮を執るのは…。
「これでチェックメイトだぜ!ユリエル!」
あのセレスタンだった。
「二段仕込というわけですか…セシリア……。」
流石に先ほどの戦闘で全員疲弊している上にセレスタン隊と竜の大部隊…
どう考えても勝ち目がなかった。
だが…そんな絶望的な状況でもロジェは言う
「いこうみんな…戦うんだおれたちの命が尽きるまで……」
折れそうな心を懸命につなぎ止めてでもみんなに戦闘を促すのだった
ロジェに続いてみな懸命に戦意を振り絞り、セレスタン隊に戦いを挑もうと立ち上がる
が…ヴァルダだけは視線が泳ぎ…座り込んだままだ。
「あ……もう…」
(だめ…お母様の命が…マナの女神さまに召されて…しまう。
お母様が命を捨ててまで私たちを逃がそうとしたのに…ここで終るの?)
ほとんど抜け殻のような命の輝きを感じながら心の底まで暗黒に染まりきり…立ち向かえない。
そんなヴァルダに腹を立てたのか…ジェレミアが思いっきりヴァルダの頬をひっぱ叩く
響くのは弾けるような音だった。
「さっさと立て貴様!ここでへばって戦いを放棄するのならば
貴様の母は無駄死だぞ!少しでも戦える力が残っているのなら立て!
先ほど私に向けた戦意は見せかけなのか?」
とさらに胸ぐらをつかんで強引にヴァルダを立たせる
リチャードはあわててジェレミアを止めようとするが、ロキが首を振りながら
リチャードを制止させる。
「ロキ…お前……」
リチャードは呆けてしまうがロキはリチャードの肩を掴んで話し出す。
「今は彼女に任せよう…もしそれでも駄目だったら…お前が守れ」
しばらくジェレミアはヴァルダに話しかけるも、ヴァルダの方は立った事は立ったのだが
悲しみに沈み、とても戦えないコンディションなのはだれがどう見ても間違えなかった。
ジェレミアも困った顔になるが、今度こそリチャードが「俺に任せてほしい」と頼み
率先してヴァルダのガードにつく。
そしてセレスタン隊と戦闘に入るのだった。
戦場
「とにかくトレントの実は奴らにくれてやってもいい!だがガイアの石は気をつけろ!
‘神獣’とかいう変なの呼び出されたら面倒だ!」
セレスタンはとにかく何度か‘神獣’の威力を知っているためか、ペダン兵に警告し
重点的にガイアの石を守護させ、竜族と自分がナイトソウルズ攻略に打って出る。
「くそっ!体が重いか…」
ロキは…いや皆先程のバジリオス戦で体に対して悲鳴を感じていた。
それに比べて端から待ち伏せとして配置していたセレスタン隊と竜の群れは全くの無傷
最初から絶望的な戦いであった。
だが竜族相手に決してロキは弱音を吐くわけにはいかず懸命に竜を斬りながら叫ぶ。
「聞こえるか邪竜!ペダンの外道ども!貴様らがどういう密約を結んだか知らぬが…
俺が…俺達が生きている限り貴様らの思いどうりに事が運ぶと思うなよ!」と
必死の形相でにらみつける。
ヴァルダめがけて襲いかかる竜に対してはリチャードが懸命に切り捨てる…が。
ヴァルダの方は…「お母様…もうあなたは…」
といまだ立ち直れず、援護をする力すら失せてしまってる。
「くそっ…ヴァルダ…立てるのなら今は戦ってくれ…このままではみんな…」
そんな様子でつい弱気にリチャードもなってしまう。
そんな絶望の檻に囚われたヴァルダをセレスタンは好機または見かねたのか
一気に近寄りヴァルダを御首級の一人として討とうと襲ってくる。
「人間諦めた奴から死んでいくもんさ…
お姫さま…終わりを受け入れな…女を苦します趣味なんてねーんだ俺にはな」
ヴァルダの目の前に輝く剣を見せながら、セレスタンは斬りかかってくるも
リチャードが間に入り、セレスタンと交戦に入る。
「まだだ!俺達だけじゃもう駄目かもしれない…だがなぁ!」
リチャードの意志がこもった剣がセレスタンを押し返しながら続けて。
「まだ…ヴァルダがいる!他力本願でも神頼みでもない!
ヴァルダの力…アルテナの力はこんなもんじゃないんだ…ヴァルダ!聞こえてるなら!
…立っていられるのならお願いだ…お前の魔法でみんなを助けるんだ!」
と懸命に説得をする
「……」
ヴァルダは黙ったままだが、身に何か燃えるような種火を感じ始める。
だがそんな中でも流石にセレスタンも押し返してきて
「無茶言うなって王子様。もし俺を倒せたところでペダンや彼女はまだ健在だぜ?
どの道もう終わりさ…お前たちも…そしてこの状況じゃあいくらお前でも
どうにもできねぇよなユリエル!!」
と気迫のこもったセレスタンの剣がリチャードの剣を砕き、一気に苦境に立たされ
「くそっ!剣が…連戦続きだったからか!!」
苦虫をつぶしたような表情を浮かべるが、すかさずユリエルから援護の弓が飛び
すかさずリチャードからセレスタンを遠ざける。
「ひゅ〜流石だねユリエル。だが…もう終わりさ!」
と不敵に笑いながらセレスタンが合図をするとさらに竜族の増援が表れだす。
流石にもうロジェたち全員戦う余力は残っておらず…ユリエルすら…。
「もうここまで…ですか。セレスタン…せめて彼女を…」
と遺言のようなセレスタンへと言葉をかける。
そんな中でヴァルダは……。
ヴァルダ 心象風景
そんな絶対的な破滅が近付いている最中
ヴァルダは今いるわけのない母の幻影を見ていた。
幻影といっても温かみのある姿と声がヴァルダに響く。
「ヴァルダ…お前はもうわかっているはずです。
この窮地をどうにかできるのは自分だけだと…」
女王としてではなくあくまで母親としての声だった…。
「ですが…お母様でも敗れた相手に…私の力で…何とかできるのですか…」
ヴァルダは弱気にだが正直に自分の力が通じるのかそんな恐怖を告げる。
そんなヴァルダにアルテナ女王は…
「自信を持ちなさいヴァルダ…お前はアルテナ王家の血を引くもの…そしてお前は
一人ではありません。大事な仲間が…愛する者がそばにいるではないですか…」
と優しい声をかける。
ヴァルダもこの状況下でここまで落ち着いてられるのか不思議に思うも。
「わかりましたお母様。私の力どこまで通用するか正直わかりません。
ですけどもう迷いません…私はアルテナの血を継ぐものとして最後まで…戦います!」
と幻影に向かってはっきりとヴァルダは誓うのだった。
幻影は優しく微笑みながら徐々に薄れ…
「では頼みましたよヴァルダ…私はマナの御許に旅立ちます。
それとおまえの娘を見れないのは祖母として残念ですが…体には気をつけて。
さようなら我が娘よ…」
幻影はとうとう消えていく…このときヴァルダは完全に母が
この世界の住人でなくなったことを悟った。そして自分に命が宿っていることも…
そして誰ともいえずヴァルダは呟く。
「私の力…それは……」
そしてヴァルダがはっきりと戦う意思を示した瞬間世界は変わる。
戦場
ペダン軍の強敵セレスタンにペダンと竜族の大攻勢の前にもう全員これまでかと
覚悟したのだが、そんな中でセレスタンをヴァルダははっきりと見つめ叫ぶ!
「ちから!私の力は魔術!アルテナよりずっと受け継いだ魔道の力!!
そしてそれこそ私の…生きているあかし!」
明らかに雰囲気の違うヴァルダに対してセレスタンは「何だ?」と首をかしげ
ロジェたち全員ヴァルダを見つめる。
「ペダン!竜帝のしもべども!貴様らすべて!アルテナを襲った事…たくさんの
悲劇を招いた事を後悔しろ!これが…アルテナの魔女の名を継いだ…わたしの力だぁ!!」
今までの怒りを込めたヴァルダの炎術が発動し…襲いかかろうとした竜族全てが…
断末魔の叫びすら上げられるまま燃えカスすら残らぬほど焼き尽くされた。
ヴァルダが怒りにまかせて唱えた術法は…『ギガバーン』
本来よほど魔術に熟達した人間でなければ使用できないほどの超高位炎術だった。
大雪降る零下の雪原もあまりの超高熱で雪が全部溶け、地面も焼けただれる
もちろん竜族どころかペダン兵たちもごみくずのように焼却され…
セレスタンは急いで残存兵を率い脱出を図る。
「急いで逃げるぞ!このままいたら俺たち全員死んじまう!」
(何なんだよあのお姫さま。いやちげぇな…あれはアルテナの…魔女だ…)
あまりにすさまじいヴァルダの術の前にセレスタンすら畏怖を感じずにはいられなかった。
そんな敵が皆脱兎の如く逃げていくがヴァルダはまだ残りの兵を焼こうと魔法を
かけ続けるもここまで来てはただの虐殺にしかならず。
リチャードはヴァルダを制止させようと後ろから抱きしめながら
「もう終わった…もういいんだよ…ヴァルダ」と戦いが終わったことを告げるのだった。
そしてヴァルダも全魔力を解放した反動で雪原に倒れこむ
「…ダ…かり……」遠くに誰かの声が聞こえるとヴァルダは感じながら意識が薄れ気を失う。
そんなあまりの破壊の惨状とかけ離れたヴァルダの顔を見ながら
全員ヴァルダのおかげで窮地を脱したと皆おもうのだが、気絶したヴァルダを
急いでナイトソウルズに運び、零下の雪原を抜ける。
ナイトソウルズにて
「んん…ここは……私たち助かったのですか?」
目を覚ましたヴァルダは生きて皆がナイトソウルズに登場していることを確認してみる。
全員疲労困憊だが大怪我している者はいなかったのである。
そしてずっと眠っていたヴァルダを心配してたリチャードはあらかた説明をした後
「お前のおかげでみんな助かった…辛い時だが本当にありがとう」
と労ってくれるのだった。
ヴァルダはふと窓からアルテナの方を見てみるともう完全に落城し
エジーナの鏡がらんらんと輝いていたのだった。
「お母様…ゆっくり眠ってください……」
確信として母が死んだことを認め、黙祷をささげる。
そんな中キュカは今後の事を切り出す
「こんなときで悪いが…これでもうペダンと戦えそうな国は
ウェンデルだけになっちまったな。」と
だがあえてヴァルダは
「いえ違います…キュカさん。国はペダンに征服されたとしても…私を含めて
国の心は滅んでません。私が母上から引き継いだもの…それを背負って私は戦います
それと……」
みなヴァルダを見ながら彼女の言葉を待ち
「今日をもって私は王女ではなくただのヴァルダです。
この戦いが終わってアルテナを立て直すまでは皆様の仲間としてこれからも
戦わせてください!」と言い切る。
そんななか温かく迎え手を差し伸べたのは
「ありがとう……これからペダンとの闘いは続くがこれからも俺達に貸してくれヴァルダ」
とロジェがヴァルダに固く握手をする。
「ロジェさん…あっ皆さん……。」
続いてユリエル・ジェレミア・キュカ・テケリなど皆が次々と円陣を組みヴァルダを仲間
として迎えるのだった。
戦いはまだ続き極めて厳しいものとなると感じながらヴァルダは大事な母と祖国を失った
だが信頼できる仲間とともにこれから戦って行こうと心に誓い。
そして自分では自覚できてなかったが、母から自分の中に自分とリチャードの結晶が
存在する事を教えられ、何が何でも生き延びることも誓うのだった。 続く
【投下終了です。スランプになり書き上げるのが遅くなりました】
ランディ君16歳には悩みがありました。
それは男根がムケちんになったばかりで、とても敏感。
生膣に入れると、すぐにイってしまうことです。
パートナーのプリム嬢17歳も、これにはおかんむり。
「根性ないんだ。止めてって言ってるのに中に出しちゃうし、
下手だし、つまんないの」
「ご・・ごめん。」
「そうだ、精霊の力を使っちゃえ!」
ひらめいたプリム嬢は、ランディ君の男根に次々に魔法をかけます。
「プロテクトでちょっとやそっとじゃイかないように、ふふ、かたいんだ。
ラッシュでもっとびんびんにしてあげる。クイックでピストンスピードUPかな。
エナジーボールで何度でもいけるようにしちゃうから。」
ランディのものはギンギンです。「きゃっ!」プリムの両脚を強引に広げ、ベッドに押し倒すと
怒張したものをぬちゅぬちゅの膣口に押し当てます。
「も、もういくからね!」
「ちょっとまってね。最後に、あたしの大切な所に、ティンクルバリア、っと・・」
プリムは子宮の入り口にバリアを張ったのでした。ウィスプも顔を真っ赤にしています。
「とろとろだよ。もう好きなだけ突きまくってね」
「うおお!いくよ。おかあさーん」
「・・・・」
6時間経過しました。もう日が昇り始めてるのに
ランディ君は肉膣擦りをやめません。
「気持いー。女の子がこんなに凄いなんて・・・」
「もう、疲れたよ。いつになったら止めるの?」
「やだよ」
「いいかげんにしてよ。こうしてやるから」
プリムはおもむろに、ちびっこハンマーでランディを殴ったのです。
わわ・・ランディは手のひらサイズまで縮んでしまいました。
「わー何するのプリム、あっ・・」
なんと、プリムは小さなランディを、自分の膣に押し込んだのです。
「わにゅううう・・すご・・・ぐちょぐちょ・・きもちいいいい・・・いき・・いき・・」
「気持いいでしょ。おかあさんに会えて良かったね」
ぶーぶー、声にならない声が聞こえます。
プリムはランディを出したり入れたりして遊びます。
悪戯心に持ち歩いているバイブで遊ぶ感覚です。
「んっ・・んんっ・・ランディの髪の毛、くすぐったい・・」
ランディはピンクの肉壁に全身を擦りつけ、憧れの場所を全身で体験し、幸せでした。
でも膣液と自分の精液が混ざったドロドロの中で、意識が遠のき始めたのでした。
完
69 :
68:2008/12/15(月) 00:52:49 ID:HV3znvo8
いじょう
「少年と自慰」完結編は、もうちょっとおまちください
ぷりぷり
保守です
「少年と自慰」と「聖剣伝説 Queen of MANA 」超GJです。
それと少年と自慰の完結編期待とえろえろ聖剣2もGJですよ
72 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 20:04:15 ID:fwtRpsZc
年末に差し当たって、書き溜めた物を放出。
ホークアイ×リース
Sphere
内容は筆者の趣味です。不悪。
73 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:05:38 ID:fwtRpsZc
――何時の間にか、大きな渦に飲まれていた
……そんな気は確かにしていた。親友の仇を討つ為に、死の呪いが掛かった妹分を救う為に故郷を飛び出し、裏切り者の汚名を背負った。
だが、気付いてみれば世界を救う真似事をしている自分が居た。馬鹿らしいとは思いつつも、突き進むしかなかった己の前に道なぞは常に無かったと苦笑してみる。
辛い事も悲しい事も多々あったが、それももう直ぐ終わりを告げるのだろう。
……何故だろうか? その時の様子を想像すると、無性に悲しくなった。
――風の王国ローラント 漁港パロ
空中城塞の玄関口であるこの町に逗留を始めて、もう数日にもなる。この場所が故郷であるナバールに占領され、苦渋を舐めていた事は記憶に新しい。
ナバール忍軍を率いていた美獣が撤退を宣言し、アマゾネス達が王城を取り戻して以来、復興が盛んになってきたのか、パロは活気に満ちている。
そんな中、ホークアイは狭い路地の中にある酒場で独り酒を嗜んでいた。
「・・・」
思い返せば、ローラント奪還戦の時に多くの仲間を斬り捨てた事は、後に彼が進む道を決定させる大きな要素であったのは間違いないだろう。
闇色の外套をはためかせ、戦場を影の如く走る彼には常に死が付き纏う。
「……ふう」
カウンターの端で壁と同化しながら、濃い目の褐色の液体を舐める様に啜っていく。そこそこに上等な酒……しかし、今のホークアイにはその酒が酷く味気ないモノに感じられた。
酔う為に酒を飲んでいる。だが、どれだけ酒を呷ろうとも、彼が望む酩酊感は得られなかった。
酒場には彼のほかに客は無く、カウンターの奥でウェイトレスがゴソゴソと何かをしている音だけが聞こえてきていた。
……こうやってホークアイが独り酒をするのは此処最近の日課だ。
以前は彼と、その仲間と共に面白可笑しく談笑しながら酒を酌み交わす事が普通だったのだが、二度目のクラスチェンジをしてからは、独りで飲む回数は顕著になった。
まるで、独りになる事を求めている様にだ。
「糞……」
酒に酔えない自分に苛立ちを募らせたホークアイは懐から煙草を取り出して、口に咥えた。そうして、マッチを擦ると、一面に燐の香りが立ち込めた。
元々ホークアイは喫煙者ではないが、火炎の谷の入り口でビルとベンを斬ってからと言うもの、煙草は彼には手放せない物になってしまっていた。
「……ハア」
肺一杯に煙を吸い込んで、酒臭さの混じった煙草の煙を吐く。……まるで溜息を吐いている様だと、ホークアイは笑いたくなった。
「イーグル……ビル、ベン……皆、死んじまったなあ」
美獣が殺した親友の顔、そして、自分が止めを刺した仲間の顔が浮かんでは消えていく。そうするしかなかったとは言え、運命と割り切るには余りにも残酷な仕打ちだ。
それを背負わされたホークアイの心はもうとっくに擦り切れていた。
――復讐するは我にあり
その心のまま走り続けてきたホークアイは、殺すべき敵の姿を既に捉えている。
闇の城の主である黒の貴公子、そしてその子飼いである美獣。
内に募る怒りのままに、研ぎ澄ませた死の牙をその首筋に突き立てる時はもう間も無くなのだ。
「終わっちまうか。もう少しで」
それを成せば、復讐に彩られた旅路は終わる。だが、そう考えると……ホークアイは自分の空虚さが直視出来なくなってしまった。
復讐を拠り所とし、闇に落ちてまで手にしたこの力も、仇の首級をあげてしまえば無用の長物と化す。そして、それ以上に終わった後の事を考えれば、自分には復讐以外には何も無い事に厭でも気付かされる。
こうやって……世界を飛び回り、のらりくらり出来るのも残り僅かとなっていた。
「……どうかしてるな」
頭を振って、脳味噌に涌いた戸惑いを強制的に追い出した。それは、今考える冪事では無いと。
……結局、その後数時間にわたって酒を飲み続けたホークアイだったが、酔う事は諦め、支払いを済ますと、気配を悟らせない足取りで酒場を後にした。
74 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:06:24 ID:fwtRpsZc
外に出るととっぷりと日が暮れていた。夕刻に酒場に入り、出てきたのはシェイドの刻のど真ん中。正確には判らないが、かなりの時間を粘っていた事は間違いない。
「……のんびりし過ぎたか」
ポツリと零してみるも、それに答える輩は誰も居ない。時間が時間なので、周りには人の気配が一切無かった。
「駄目だねえ。考え込むと直ぐに時間が過ぎちまう」
ホークアイが持つ悪い癖だ。一人で背負い込み過ぎ、深く考え過ぎて答えに迷う。ホークアイはその自分の欠点をしっかり認識していた。
だが、それを直そうとは思っていない様だった。
『そうだよ。深刻に考え過ぎると禿げちゃうよ?』
「あ?」
突然、頭の中に第三者の声が響いてきた。良く知ったその声の主が誰であるか、ホークアイは熟知している。
「……フェアリーか」
そう言うと、ホークアイの頭上で光が舞った。暗黒が支配する夜の町に仄かな光が出現した。
……フェアリー。ホークアイを聖剣の勇者として選定した大本であり、神獣復活の原因となった諸悪の権化。そして、ホークアイに世界を救う運命を強制させた呪いのアイテムだ。
「や。相変わらずしょっぱい顔ね」
嘲る様な陽気な口調と共に、羽虫が微笑みをホークアイに向けた。
「生まれついて、こう言う顔なんでな」
その言葉を軽口で返したホークアイの顔には何の感情も浮かんでいなかった。
「そうでもないでしょ? ナイトブレードになってから、ホークって笑ってないよね。私は貴方の笑顔、結構好きだったんだけど」
「・・・」
「まあ、今みたいに眉間にしわ寄せてムッツリしてるホークアイも格好良いけどさ」
勝手に出てきて捲くし立てる羽虫にホークアイは少しだけ不機嫌になった。態々そんな事を言う為に自分の内部から出てきたとでも言うのか。
……だとしたら、それを聞く義理はホークアイには無い。
「言いたい事は、それだけか?」
「え?」
「じゃあさっさと消えてくれ。今は仲良く談笑って気分じゃない」
「や、やだなあ。そんな睨まないでよ。ただの茶目っ気でしょう?」
これ以上口を開けば殺す……そんな声が今のホークアイの視線には付随している様な気がしたフェアリーは冷や汗を垂らしつつ、ホークアイを宥める事にした。
こんな事で斬られては堪らないのでフェアリーは割りと必死だった。
75 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:07:24 ID:fwtRpsZc
「ふん……それで、お前は何を言いたいんだ?」
少しは落ち着いたホークアイはフェアリーに何の為に出てきたのかを問い質す。フェアリーは咳払いしつつやっと本題を切り出した。
「っ、ゴホン! ……私が言いたいのは、一人で頭をグルグルさせても仕方が無いって言いたいのよ」
「何?」
唐突に真面目な言葉を掛けられて、ホークアイは思わず聞き返してしまった。
「貴方にだって思う処はあるだろうし、背負ってる物があるのは判ってる。復讐の為になら尚更だし、それについて私は何も言えないわ」
「そう……だろうな」
……随分と良く知っていらっしゃる。ホークアイがそう思うのも当然だった。この羽虫が頭の中に居る限り、隠し事等は出来ないのだから本人にとっては堪ったモノではない。
「でも、気負い過ぎるのは良くないよ」
「むっ」
ホークアイが目を細める。何故だか、フェアリーは自分を惑わせようとしているかの様に映ってしまった。
「ホークは一人で戦ってる訳じゃないでしょう? 他の二人だって、貴方が辛い立場に居る事は判っているんだから」
「フェアリー……お前は」
が、それは直ぐに下衆な勘繰りだと気が付いた。フェアリーは唯、純粋に己の事を心配している。彼女の真剣な眼差しと声色がそれを物語っていた、
「昔の様に、周りに目を開いて。そうするだけで、軽くなれると私は思うわ」
「む……う」
フェアリーの言う事は正しい。そうする事が利口なのだろう。だが、実際はそう単純な事では無い。うだつが上がらなかったあの頃とは何もかもが違うのだ。
人間性や甘さを捨て去ったからこその今の自分だ。今更、その頃の様に振舞う事は出来ないとホークアイは思った。
「信頼はしてるんでしょう? リースやアンジェラの事」
「ああ、そう……だな」
そうでなくては一年近くも危険な冒険を続ける事などは不可能だろう。フェアリーはそれを知っていた。誰よりもパーティーを近くで見て来たのだから。
「私は今からでもそうして欲しいと思う。今の貴方は……とても危うく見える」
「・・・」
その言葉は少しだけホークアイには重かった。何も言えずに居るホークアイに憂いの視線を向け、フェアリーはホークアイの内部に再び入っていった。
「そんな事……」
フェアリーが消え、再び一人に戻ったホークアイは天を仰いだ。どんよりとした雲は全天を覆い、星明りは覗かない。時折、上弦の月の光が雲間から差すだけだった。
「そんな事は判ってるさ。だけど……」
ホークアイはその二人の従者に頼る事はしたくは無かった。戦闘に於いてはそうも言っては居られないが、この問題は自分の内面に関わる事だ。
そう言った弱さをホークアイは仲間に見せたくないし、それ以前に自分の荷物は自分で負うしかない事を判っている。そうして、そんな安いプライドに裏打ちされた考えは内部に巣食う羽虫には筒抜けだった。
……元々繊細な部分がある彼にとってそれは或る意味仕方の無い事なのかもしれないが、その彼の不器用さは確実に自分の首を絞めている。倒すべき敵の姿を明確に認め、それが焦燥と言う形で現れてしまっていた。
フェアリーはそんな宿主が憐れに思って出て来たのかもしれない。
「お前に心配される程……か。洒落にならなそうだな」
『そうよ。私には解るもの』
「……有り難い事だな。心配させて済まんね」
『どう致しまして。珍しく素直ね』
脳内に駆け巡るフェアリーの声に少しだけ、頬を緩ませたホークアイは素直に礼を述べていた。
ホークアイは冷酷には成れても、非情には徹しきれない。今ある苦境に飲まれそうになっている自分を何だかんだで心配してくれるフェアリーにそう言いたかったのだ。
「……帰るか」
『ええ。もう日付が変わっちゃうわよ』
……だが、端から見ればそれは青年がブツブツ独り言を漏らしている様にしか見えないのが難点だった。
宿の敷居を跨ぐと、モティさんが踊っている姿を見てホークアイはホッとした。昼夜を問わずに踊り続けるこの人は体を壊さないのだろうかと心配にもなってくるが、それは聞いてはいけない事に違いない。
「モティさん達って、一体何時休んでるんだろうな……?」
ボソッ、と周囲に聞こえない様に言葉を漏らしたホークアイだったが、それに相槌を打ってくれる人物は居なかった。フェアリーの声すら聞こえて来ない。
一瞬、何かを期待した自分が馬鹿らしくなったホークアイはガーブを靡かせてさっさと自室へと引き上げた。
76 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:09:02 ID:fwtRpsZc
「む……」
そうして自室のドアの取っ手に手を掛ける寸前、ホークアイは動きを止めた。内部から人の気配がしていた。
「・・・」
深夜の来客は歓迎出来ない。しかも、自分の留守中に勝手に部屋に上がり込む輩などは不審人物以外に考えられない。
「やれやれ……またか」
が、ホークアイは自室に居る人物が誰なのかが直ぐに判った。面倒臭そうな顔をしながら、ホークアイは扉を開け放った。
――ガチャ
部屋に足を踏み入れると、中は真っ暗だった。だが、その暗闇の中にあって自分を射抜く視線が存在する事にホークアイは入って直ぐに気付いた。
その視線の主の方向に目をやる。ホークアイの夜目に映るその人物は、脚を組んでベッド脇に腰掛けていた。
「お帰りなさい。遅かったのね」
やや低めの透き通った女の声が耳を通過する。……聞き慣れた声。何故だかそれは、夫の帰りを待っていた妻宜しく情感たっぷりだった。
――バタン
後ろで扉が閉まる。部屋の中には死の臭いと血の臭いが充満していた。
「また、お酒ですか?」
暗闇に爛と輝く瞳は蒼く不気味だった。獲物を狙う獣を連想させる。
「最近多いですよ? もう少し、自愛した方が宜しいと思いますが」
「お前さんには関係の無い事だ」
そしてそれに間違いは無い。一瞬だけ差した月光に照らされるその女は狼を纏っていた。瑞々しい太腿、血の通った健康そうな肌には無数の傷が刻まれ、それでも尚美しさを失わずにいるのは奇跡としか言い様が無い。
あどけなさを残す少女の顔……だが、その体は成熟した女のモノだ。それを惜しげもなく晒すその女の装いは局部を隠す粗雑な赤い布切れだけ。そんな返り血を彷彿させる赤い格好に若草色のリボンだけが浮いて見えた。
一年近くも前に出会い、共通の仇を追うべく衝突を繰り返しながらも、最終的には修羅の道に身を落とした女。
今や狂戦士と化した風の王国の王女が暗殺者を待っていた。
「まあ、そんな事は良い。……勝手に部屋には入るなと以前言った筈だがな」
「さあ? 私は覚えていません」
若干、咎める様にホークアイは言うが、リースはそんな事に興味など無い様に振舞った。
……こうやってリースがホークアイの部屋を訪れるのは此処数ヶ月、頻繁にある事だった。最初はホークアイも必死になって彼女を追い返そうとしたものだが、今ではもうそれすら諦めた。何を言っても無駄だと心で悟ったからだ。
「お前さんに学習能力を期待するだけ無駄だったか」
「失礼な人ですね。でも……本当は嬉しいんじゃあないですか?」
「自惚れるな。小娘」
「ええ。自惚れますよ。全力で、ね」
腹立たしげに目を細めるホークアイと対照的に、リースは口元を歪めてくすくすと笑いを零す。二人にとってこの程度の軽口の応酬は挨拶の様なモノだった。
77 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:10:51 ID:fwtRpsZc
「……また、なのか?」
「聞くだけ……野暮だと思いますけど?」
ホークアイは聞く必要の無い事を敢えてリースに聞いた。何故、自分の部屋に居るのかと言う事だ。だが、その答えは既にホークアイの中にあるとリースは笑うだけだった。
「随分と唐突だな。……いや、お前さんがこっちの都合を考えた事なんか無かったか」
「あら。これでも貴方の事を考えて自制しているんですよ?」
何故か自信たっぷりに言うリースの言葉はホークアイにとっては眉唾だ。とても信じられる言葉ではなかった。
「嘘を吐くなよ。どの辺りが自制してるのか怪しいもんだ」
「ちゃんと日にちは空けているでしょう。私は毎日でも貴方に抱かれたいのに」
「・・・」
呆然と立ち尽くす事数秒後、成る程……とホークアイは顔を引き攣らせた。それはつまり涸れさせない様にする為にチャージの時間を与えてくれていると言う事だ。
……リースの有り難い配慮に思わずスパナを投げつけたくなったホークアイだった。
「気分じゃない。……って言っても聞いては貰えんのだろうな」
「前は随分とその言葉で拒絶されましたけど、今の貴方に拒否権はありません」
向こうにその気があるのは明らかだった。だが、ホークアイとて気が乗らない時はあるので、その時は拒否権を発動させて逃げていたが、今回に限りそれの行使は出来ないらしい。
「一応、理由は聞いておこうか」
「決まっています。ローラントを離れれば、私はただの女です。しかし、ローラントに居る限り、私は王女です。多少の我侭は通るんですよ」
「……ケッ」
その言葉を聴いてホークアイは気分が悪くなった。自分が嫌う王族の典型が目の前に存在している。我欲を満たす為に権威を振り翳し、平気で他人を踏み躙る……そんな輩が、だ。吐き気すら誘ってくる。
「正直、俺はお前さんを抱きたくないんだがね」
「何と言われようと構いません。……と、言うかこれ位しなければ、貴方は私を見てはくれないでしょう?」
何かに引っ張られている様にホークアイを求めるリースの姿には若干の狂気すら見て取れる程だった。依存と言い換えても良い程に。
だが、ホークアイはそんなリースにはうんざりだった。
「そう言う事を言いたいんじゃない」
「じゃあ……何なんですか」
「判らないか? 今のお前には魅力を感じないよ」
心の内にある思いそのままに言葉を紡いだホークアイ。リースにとっては聞きたくない類の言葉であるのは間違い無い。
「!」
案の定、リースの目が見開かれた。明確な拒絶の台詞がそれ以外の反応を忘れさせる。
「前のお前は凛々しくって、何だかギラギラしてた。格好良くて、綺麗で……俺の目にも眩しく映った。だけど……今のお前にはそれがない。媚びる女は俺は好かないよ」
昔を思い返す訳ではないが、ホークアイにしてみれば、昔のリースの方が好みだったと言いたいらしい。その言葉に間違いは無く、以前の彼女は触れれば切れるナイフの様に冷徹で、また男前だったのだ。
しかし、フェンリルナイトになってから、彼女は自分を隠す必要がなくなったのだろう。戦闘中に見せる苛烈さはそのままに、私生活ではホークアイに媚びる様になった彼女。ホークアイにはそれがどうしても許容出来なかった。
「そんなの……今更、言われても」
「ああ、そうだな。今になって戻れる訳は無いさ。別に俺の女の趣味が変わったって訳じゃない。お前さんが変わったんだよ」
「・・・」
ホークアイの言葉が容赦無くリースの臓物を抉った。その痛みに耐えられなかったリースは俯いてしまった。
「ま、俺が言いたいのはそう言う事だ」
これ以上は議論の余地が無い。ホークアイはツカツカと部屋を横断し、自分の寝台に座るリースの横に腰を落とす。そして、こう言った。
「王女だか何だか知らんが、そんな輩の我侭に付き合う程俺も義理堅く無い。……お帰り願おうか」
78 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:11:37 ID:fwtRpsZc
止めを刺すべく放たれたホークアイの言葉は鋭利な刃物と変わらない。さっさと部屋を出ていって欲しい事は明白だ。今のリースはホークアイを繋ぎ止める女足り得ない事の証明だった。
……しかし
――チュク
「むっ!?」
不意に唇に柔らかい感触が襲ってきた。それと同時に押し倒される体。
「っ!」
背中から自分の寝台に着地し、リースは覆い被さる形でホークアイの唇を犯し続ける。無理矢理に舌を捻じ込んで、唾液を吸い取りながら歯の裏を舐め上げる。
そうして今度は自分の唾液をホークアイの口腔に送り込み、その味を刻む様にクチャクチャとかき混ぜ、強制的に嚥下させた。
――ゴクン
酒と煙草の味が混じった、ほろ苦い甘さを持つ媚薬。そんな自分とリースの唾液のカクテルを飲まされた瞬間、ホークアイの体から力が抜けた。
「ん……ぷはっ! ……はあ。少し……傷付いちゃいました」
「……お前」
見上げると、そこには盛りの付いた一匹の雌が圧し掛かっていた。良く見ると、こめかみ当たりに青筋が浮かんでいるのは気のせいではないだろう。
リースは口から伝う唾液の橋をそのままにし、自分の背中に手を回して乳房を隠す血の色をしたビキニトップを取り去る。
剥き出しになった王女様の乳房がホークアイを睨んでいた。
「私が此処までしているのに……貴方の眼中に私が無いなんて、赦せません」
「最早、形振り構わなくなったか」
別に今回に限った話ではない。回数を重ねる毎に、そのやり方が容赦無く、またストレートになってきている事にホークアイは気付いていた。それでも、今の様に極端なやり方は初めてではあったのだが。
「最初に言いましたよ? 何と言われようと構わないって」
「……参った。素直に降参しておくよ」
更に、ホークアイは最初からこうなる事も予想していた。暴言を吐いたのもリースの内面を煽る為であったし、それでリースが引き下がっても構わないとも本気で思っていた。その結果がこれだ。
「愛して、下さいますか?」
退路は既に無く、友軍の支援も期待できない。完全に孤立している。
「こうなったら逃げ場なんて無い。お前さんの望む様にするしかないんだろう?」
「あんっ」
おもむろにリースの尻肉を掴み上げて捏ねると、その風体からは想像出来ない様な可愛い声をリースは漏らす。それが少しだけ面白かったので、ホークアイは更に指を食い込ませる。
「ま……もう少しムードって奴を大切にして欲しいんだがな。俺としては」
「くすくす……貴方ってそう言う所を気にするんですよね。でも……現実にはこんなモノですよ」
ホークアイは情緒や情感やらを大切にしたい傾向を持ち合わせる。元来、ロマンチストとしての気質を持ち合わせる彼にとって、この様にただ抱き合う事は物足りなく感じるのだ。
暗殺者として振舞う限り、リアリストにならざるを得なかった彼に対し、リースは生まれついての徹底したリアリストである。馬が合わないのも当然だった。
79 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:12:08 ID:fwtRpsZc
「随分と……久し振りな気がします。最後にしたのは、何時でしたっけ」
自分の乳房をホークアイの胸板に重ね合わせると、布越しにリースはホークアイの鼓動を感じる。それが堪らないリースはもっと大胆にホークアイに絡み付いた。
……今直ぐに欲しい。そんな心の声が聞こえてきそうだった。
「三日前」
「え?」
「だから三日前だ。覚えてないのか?」
「えーと……そうでしたか?」
ホークアイの記憶は正確だ。その時も前後不覚になるまで抱き合った。リースにとっては随分昔の記憶になってしまっているらしかった。
「間違いない。……たったそれだけで堪えが利かなくなるのか? 今は良いけど、旅が終わったらどうなっちまうんだ? お兄さんはそこが心配だ」
「きゃう!」
キュッ、と搾る様にたわわなお乳に指を添えるとリースはピクッ、と体を揺らす。その感触が気持ち良いリースは吐息を荒くする。
「あ、貴方が……私をっ、と、虜にしたんじゃないですか……」
「俺の所為だと? 冗談言うな。俺はお前さんの要請に応えて、俺の仕事をしただけだぜ?」
手甲越しの節くれ立った指が食い込む度、リースは身を捩る。その言葉はホークアイを責めている様だったが、ホークアイは首を横に振る。
「そもそも、その気があるならもっと気合を入れてやってる。リースがそうなったのは、単にお前さんがそう言う気質を持ってたってだけだ」
「ち、違いますっ!わ、私はそんな……女じゃ……っふあ!」
「いーや。お前はそう言う女だ。……今のお前は特にだ」
ギュウ!普通の女ならば痛みを訴えるほど握り締めても、リースは悲鳴を上げる所か、それが心地良いと言った感じに切ない声を上げた。
「あっ……! ふあああああ……」
「だらしない女だな。こうやって夜な夜な男の下を訪れて、腰を振るとは、王女としての品格を疑うよ」
「や、止めて……! 仰らないでぇ……」
冒険を始めた頃と比べて確実に豊かになってきたリースの乳房を揉みしだきながら、耳元で冷たい言葉を吐くホークアイは事務仕事を片付ける様に淡々とした表情をしていた。
「今更、取り繕ったって遅い。俺はローラントにとっては敵の筈だ。その俺にこうして嬲られるお前は何なんだよ? あ?」
「んいいィィ!! さ、先っぽ弄らないでぇ!!」
食い込ませた指を器用に操って、硬さを持った乳首を握り潰してやるとリースは甲高い声を撒き散らしてイヤイヤと首を振る。
「駄目? ……もっとの間違いだろう」
「は、はい!そうです! おっぱい気持ち良いです……っ!」
乳の輪郭をなぞり、カチカチに勃起した乳首を引っ張りながら乳肉を揉んでやると、リースは正直に心の内を曝け出す。手荒く乳を嬲られるのが気持ち良いと。そう叫んだ。
「そうなのか?」
「は、はい……」
「・・・」
その言葉を聞き届けると同時に、ホークアイは両手をパッとリースの乳房から離した。
「……え?」
気持ち良かった愛撫が突然中断してしまい、リースは何事かと目をぱちくりさせる。だが、ホークアイとて考えてリースを弄っている。胸ばかりに感けているのも飽きるので、ホークアイは片手をリースの股座に差し込んだ。
――チュグ
「はあああんん……っ!」
「……ふん」
湿った音と感触が布を越えて伝わってきた。暖かく柔らかいリースの蜜壷はもう完全に出来上がっている事をホークアイに伝えてきた。
「い、いきなりソコなんですかぁ……?」
「そりゃこっちの台詞だ。未だ胸しか揉んでないのに、この有様をどう言う事だ? これ以上弄る必要性を感じないんだが」
「ふあ……ぁ」
縦筋に沿ってゆっくりと人差し指を上下してやると、リースはギュッと目を閉じてホークアイの肩に縋り付いた。気のせいか、プルプルと体を震わせている。
「半分、病気なんじゃないのか? 自然の状態でここまでなる何ざ、有り得ない。相当、深刻の様な気がするぞ」
「貴方っ、が! その病気に……ひんっ! したぁ!!」
「……また俺の所為かよ」
貴方が抱いたから、私はこんなに淫乱になってしまった。
……そんな心の声が聞こえてきそうだったが、ホークアイは動じない。寧ろ冷静に、布地の上に浮いた突起を摘み上げた。
「んっ! きゃううううぅぅ!!!」
一瞬だが、リースの腰が浮いた。そして、次の瞬間には全身をピン、と張り詰めさせた。
「そのきっかけは全部お前さんだろう。俺は一度も自分からリースを抱いた事は無いんだぜ?」
「っ! っはあ! ぁ……ぁ、ああ……!」
……どうやら、聞こえていないらしい。まあ、そんな事は今この場で言う事ではないのでホークアイはリースが落ち着くのを待った。
80 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:12:46 ID:fwtRpsZc
「取り合えず、脱がしちまうぞ?」
「んっ……はい」
思った以上に抵抗は無かった。股の間に両手を差し込んで、大きく脚を広げさせた。その状態のまま、リースを隠す最後の布切れが取り払われる。王女様のもっとも恥ずかしい部分が御開帳になる。
――ニチャ
愛液が糸を引き、ぐっしょりと濡れたその布は水分を含み、有り得ない程の重さになっていた。そのずっしり重たいローライズのビキニを床に投げ捨て、視線を其処に移す。
……もう何度もその場所を拝んでいたホークアイでさえ、その惨状には顔を引き攣らせた。
「予想の斜め上と言うか……汚れる前にと思ったが、もう手遅れだった様だな」
「あうぅ//////」
女の香りと獣臭さが同居した、リースの匂いが意図せずとも鼻腔を突き、視界に霞を掛けた。尻肉は元より、太腿まで濡らす愛液は粘付いて濁っている。
まじまじとその様子を観察されたリースは顔を背け、耳まで真っ赤になっていた。
「これは間違い無く染みになる……って言っても今更か?」
「や、やぁ……」
だらしなく開いた花弁は蜜を吐き出し、その奥に覗く粘膜はパクパクと酸素を求める様に開閉を繰り返していた。思わず齧り付きたくなる女の肉がホークアイの前に晒されている。だが、そんな状況にあって尚、ホークアイは冷静さを失わない。
「お前……恥ずかしい奴だなあ」
「っ! ……ホークのえっち//////」
リースの耳元に息を吹きかけながら、ホークアイは手甲をグローブと一緒に脱ぎ捨てた。蜜で汚れた場所を弄るのだから、それも当然だろう。
「はっ。どの口がそれを言う? ……此処、か?」
「ひァ!!?」
まさかそんな台詞が飛び出すとは思わなかったホークアイは目を細め、物欲しそうにしている下の口……その入り口を撫でる。肩口に痛みが走った。リースの爪がガーブ越しに食い込んできたのだ。
「ぐっ……リ、リース、ちょっと痛い。俺より力が上なんだから注意してくれ」
「あっ……御免なさい」
ナイトブレード……18、フェンリルナイト……19
ステータス上で明らかにホークアイはリースに劣っているので、組み敷かれたら逃げられない事は間違いない。地味だがかなり洒落にならない現実だ。実際、このお陰でホークアイの体にはリースが付けた生傷が絶えなかったりする。
これ以上、余計なダメージを食らいたくないホークアイは後ろから抱きかかえる形でリースを包み込む。
「これで良し、っと」
「ああ……ホーク……」
背中越しに募る慕情がリースを更に煽情的にさせた。自分を包み込む真っ黒なマントが自分を漆黒に染めていく様だった。その黒い布に染み込んだ死の匂いが頭をクラクラさせる。
81 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:13:37 ID:fwtRpsZc
「っ! うあ……ァ! あ、あふっ!」
花園の入り口を這うホークアイの細い指の動きが心地良かった。口を閉じても漏れて来る艶っぽい声に自分自身が狼狽しつつも、ホークアイの愛撫にリースは逆らえなかった。
――チュクッ、チュッ……
粘ついた水音が室内に響いて、リースの羞恥心を掻き立てる。こんな淫らな音を立てる自分の女とそれを撫で擦るホークアイ。そう考えるだけで、奥底からドロリとした愛液の塊が零れ落ちてきそうだった。
「ァ! あん! ホ、ホークの指ぃ……っ、優しいです……!」
「そう言う風に加減してる。もっと手荒くも出来るが……?」
「い、いやあ……苛めちゃ厭ですぅ……!」
「へえ? 俺にはそうとは思えんが」
『手荒く』と言う言葉が吐かれた直ぐ後に、リースは自分から腰を振り始めた。撫で上げるホークアイの指をより多くの面積で感じようとしているかの様にだ。今の刺激では物足りないと言いたげな反応だった。
当然、リースがそんな反応を見せる事をホークアイは知っていた。自分から強請る様にする為にホークアイは指の動きを抑えていたのだ。そして、それが成った事を確信したホークアイは愛撫の位階を一段階上げる。
「あんまり焦らすのも可哀想だな。……啼いてみちゃどうだい?」
――つぷっ
「ひっ」
一切の事前通達無く、人差し指から薬指までの三本の指がリースの半開きの口に差し入れられた。ほんの少しの抵抗を超えると、リースのそこはホークアイの指を軽々と飲み込んだ。
「さ、密を吐き出しな」
――ぐりっ!
指の腹で恥骨の下のザラザラした箇所を擦り上げる。
「うひゃあああああああ!!!!」
ビクンッ! 腰を浮かせて、派手に嬌声を撒き散らすリース。尿道から噴出する透明な液体がホークアイの手を汚す。その放物線は床にまで達し、パシャパシャと音を立てた。
「お前さんが潮を噴くとは珍しいな。そんなに効いたのかよ?」
「ぁ、あァ……カッ、はっ……! っ、っ、っ!」
虚ろな視線を彷徨わせ、涙と涎を垂れ流すリースはアクメの衝撃に心を何処かに飛ばしていた。ホークアイの言葉は届いていない。
「おーい。もしもーし? 何とか言って欲しいんだけどーー?」
相手の頭がイカレた状態では会話すら成り立たないのは必定だ。その状況を何とかする為に、ホークアイはリースの弱点を攻撃した。
「仕方ねえな……っ、どっこい、しょっ!」
陰唇上部に鎮座するクリトリスの包皮を片手の親指だけで器用に剥いて、それを外気に晒させた。肥大化し、芯が通った大きな真珠こそが彼女の最も弱い部分だった。
「ひぐっ!!?」
――ムキッ!
効果は抜群だ。現世に戻ってきたリースは再び腰を浮かせ、可愛い声で啼いた。
「気付けには丁度良かったみたいだな。お前、好きだよな。此処」
「駄目っ! っ、らめれす!! そこ弄っちゃヤだぁ!!」
親指の腹で少し捏ねただけで、リースは理性を半分跳ばしていた。汁と大声を撒き散らし、ジタバタと暴れる王女様の姿には正気である事の証がもう全く見えない。
「駄目だって? ……俺は好き。お前の体で一番素直な場所だからな」
「許してぇ! そ、そこ本当に駄目なんですっ!」
リースはそこを守ろうと必死だ。だが、ホークアイに攻撃を中断する様な慈悲は無い。これはリースが求めた睦合いだ。最初からホークアイには聞く義理がない。
「往生際が悪いのはみっともないぞ。……って言うか、さっさと逝っちまえ」
これ以上の問答はする意味も価値も無い。この期に及んで我侭を垂れるお姫様を黙らせる為に、その脳味噌を快楽で侵食してやるホークアイ。
グッと強い力でグレフェンバーグを擦り、空いていたもう片手で彼女の小さなペニスを扱き始めた。
「っ!!!」
一瞬にしてリースは黙ってしまった。強制される二箇所からの快楽が言葉を奪い、体を芯から痺れさせた。こうも簡単に絶頂を迎えられる様になったのはホークアイの血の滲む努力の賜物だった。調教された……と言っても過言では無い。
「これで静かになった。……ま、直ぐにまた煩くなるんだろうけ、ど!」
「きゃひいィィィ!!!」
この程度で済ませてやるほどホークアイは善人ではない。全霊を賭けて、リースの思考を漂白する事を誓う。そして、リースはそれから逃げられない。
「取り合えず、声が嗄れるまで叫んでみようか」
「ぃ、いやああああああああああ!!!!」
ホークアイはゴシゴシと膣壁を擦り、愛液を塗した指でチュコチュコと女のペニスを扱く。……暫くの間、リースの劈き声は止む事が無かった。
82 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:14:23 ID:fwtRpsZc
――数十分経過
「どんな女であれ、絶頂の顔ってのは美しいって相場が決まってる」
ガーブを脱ぎ、上半身だけを肌蹴ながらホークアイは漏らした。汁塗れのベッドの上には、その汁をブチ撒けたお姫様がぐったりと横たわっていた。
「お前さんのは特にって俺は思うがね」
ふるふると小刻みに震え、未だにガチガチと歯を鳴らすリースには小さな絶頂が絶え間なく起こっているのだろう。その頬を濡した乾かない涙の痕が何ともそそる。
ホークアイはそんなリースの放つ美しさに興奮を隠せない。頭を軽く撫で、結ばれたリボンを外してやるとホークアイはそれを丁寧に畳んで、ベッド脇のサイドボードに置いた。これ以上、彼女の母親の形見を汚すのは偲ばれるからだった。
「そろそろ止めを刺させて貰うぞ」
「……?」
カチャカチャ、とベルトを外し、ファスナーを開いて自分の中で静かに燃やしていた劣情を露にする。そそり立つ黒々としたホークアイの男根からは先走りの透明な汁が少量零れ、闇の中で鈍い光を放っていた。
リースの腰を掴み、強引に尻を持ち上げる。ドロドロの蜜壷からは濃い臭気を放つ頸冠粘液が垂れ流しで、今直ぐに蓋をしなければ大変な事になりそうな様相を呈している。
「ホ、ホーク……アイ……」
「お前はコイツが欲しかった筈だ。だから、くれてやる」
花園の入り口に怒張の先端を宛がう。溢れるリースの愛液が絡みつき、ホークアイのそれを奥に誘う様に、陰唇が口付けてくる。リースが待ち望んだホークアイのそれが侵入を果たそうとしていた。
「さあ……餌の時間だ。飢えた狼の如く、喰らい付くが良い」
「は、はい!」
盛った雌を躾ける為にホークアイは腰を前後させ、膣口に亀頭の先端を嵌め込んだ。絡み付くリースの柔肉を振り解き、ホークアイは無遠慮に肉の槍を強い勢いで突き入れた。
――ズンッ!
「っ!」
「んっ! あ、ああああああ――――ッ!!!」
抵抗は殆ど無い。入り口から最奥までの串刺し刑。先端にリースの最奥が当たっているのがホークアイに伝わってくる。官能の悲鳴を上げるリースは獣の体勢で貫かれていた。
「どう、だっ?」
「は、はいぃ! 来ました! 奥までぇ! ホークの硬いの来ましたぁっ!!」
理性の欠片すら見えない淀んだ瞳のリースが不気味だった。嬌声と愛液を垂れ流す目の前の女はホークアイが知っている女とは別人に見えて仕方が無い。
「っ……雌犬が」
精一杯の皮肉と侮蔑を籠めて、ホークアイは抑揚無く言葉を漏らす。狼の発情期は年一回だ。それなのに自分の前では常時発情しているこの女は魔狼などでは断じてないとホークアイは思ったのだ。
「お、狼は……っ、ぃ、イヌ科っ、ですよぉ?」
「……そんな上等なモノですらないか。お前は」
だが、ホークアイはその考えが間違いである事に気が付いた。例え犬だとしても、もう少し慎み深い生き物の筈だ。リースはそれにすら当て嵌まらない。
「否。そう考えれば……俺も同じだな」
……自嘲気味にホークアイは口の端を釣り上がらせた。
為らば、そんな雌犬に怒張を突き立て泣かしている自分はそれ以下の畜生だとホークアイは自分で判っていた。鬼畜、外道、種馬……該当する語句は多いが、そのどれもが自分を指す言葉の様な気がして笑いたくなった。
そして、そうなったのは望んで道を踏み外した事にある。自分もリースも同じ穴の狢だった。
83 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:15:02 ID:fwtRpsZc
「っ! ……え?」
ホークアイはリースを貫いたまま、ギュッと抱き締めた。何故だか、そうしたくなった。
「あ、あの……ホーク?」
「何処で間違っちまったのかな。俺も……お前も、さ」
「・・・」
リースは抱き締めるホークアイの心が最初解らなかった。だが、寂しそうに零すホークアイの声に胸の奥がキュン、と締め付けられたリースは後ろ手にホークアイの首に手を回し、軽くキスをする。
――チュ
「う」
「そんなの……きっと、最初からです」
リースは自分が何を言っているか自分自身でも解っていない。だが、考えるより先に喉を通過したその言葉はホークアイを納得させた様だった。
「……そっか」
「ええ」
結果論かも知れないが、これもまた運命と言う奴だ。
……ホークアイはそう納得する事に決めた。少しだけ悲しいが、その境遇にあるのは自分だけではない。そう考えるだけで、確かにホークアイは心が軽くなった気がした。
「俺を篭絡する気か?」
「今更ですね。そんな言葉」
聞くまでも無い言葉だった。リースの心は判っている。それに全力で抗い続けたのはホークアイの意志だ。そして、それはこれからも変わらない。
……変えてはならない事だった。
「……動いて、構わないんだよな」
「お好きに」
熱い媚肉が全体に纏わり付いて来ていた。小刻みに震え、男を喜ばせるその蠢動にホークアイは少しだけ理性の箍を外す。
84 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:16:11 ID:fwtRpsZc
「ぅ……っ」
「はああぁぁ……ん♪」
少しだけ腰を引き、押し込んだだけで全方位から襞が献身的な奉仕を怒張に快楽を叩き込む。切なく熱い吐息を漏らしながら、リースは半開きの口から涎を垂らしていた。
「相変わらずっ、容赦が無いな。あんまり、苛めてくれるな……!」
「お、お返し、ですっ! 一杯っ! 泣かしてくれたぁ!」
何度も往復し、開拓した筈のリースの膣の動きは上限が無い様に苛烈で、また蕩ける程熱烈だった。もう、膣自体がホークアイの竿の形を覚えているのか、隙間無く締め上げ、精を強請る襞と壁のコンビネーションは容赦無くホークアイを締め上げる。
「あ、やっぱり? じゃあ、俺……ギブアップして良いかな?」
「駄目です! もっと私を愛して下さい!」
別にホークアイが手加減している訳ではない。寧ろ、最初から全力だ。だが、彼の渾身の突き上げをも飲み込むリースの膣の愛撫は男にとっては堪らないレベルに至っている。
小刻みに収縮する壁の包囲網を突破し、下向きに腰を打ち付けながらホークアイは唇を噛む。ホークアイの腰の動きにあわせ、リースもまた腰を振っていた。ジュポジュポ卑猥な音が暗い部屋に響き、結合部からは泡立つ愛液がベッドに染みを作る。
「ず、随分と激しいな今日は。普段以上に抱き締めてくるぞ、リースの膣内」
「は、はいぃ! ぁ、愛、してっ! 愛してますからぁ!!」
「っ、く! ……あーー、愛ですか?」
「そうですっ! ホークの愛を私に下さいっ!!」
ドクン、とホークアイの中で血が滾った。形振り構わず、女の武器で自分への愛を伝えてくるリースに少しだけ心が持っていかれた気分をホークアイは味わわされる。
ギュッ、と搾精するリースの蜜壷の感触がホークアイの防壁を突き崩し、込み上げる欲情は出口を求めて砲身の中で暴れ回る。
「くっ、ぐ……!? 勘弁、してくれよ……!」
防御陣地を好い様に食い荒らされたホークアイが呻く。堪えはもう限界なのに、尚も愛してくるリースの媚肉に一物は先走りと言う涙を流していた。
「ああぁ……震えてます! ホークの!」
「うわっ! ……っ、これ以上は無理だ。俺本当に諦めて良いか、リース」
死人に鞭を打つ様に溶かして来るリースの動きにホークアイは戦慄しつつ、限界を訴えた。空威張りした処で碌な目に合わないのは過去の情事の経験から明らかだ。腰の動きを早め、子宮口を小突きながら、ホークアイはリースに問う。
「来てぇ!! オマ○コにミルク! ミルク下さいぃ!!」
「……合点!」
リース本人からの恥ずかしい承認が成された。高貴な御方の子宮が、うだつの上がらなかった元盗賊の子種を求めて飢えている。ホークアイはこれも仕事だと割り切り、ストロークを強め、王女様の膣を削いでいった。
「い……逝くぞ……! 全部、胎で飲み干せ!」
「はい! はいっ!!」
腰を引っ掴んで、恥骨と腰骨をぶつける様にガンガン突き入れるホークアイにリースの体はトロトロに蕩けていた。その果てに待つ餌付けに膣と子宮を痙攣させながら、リースは限界まで自分の女を引き絞る。
「んくっ……!」
「んきゃあああああああああああ!!!!」
――ドバッ!
下半身に溜まっていた欲望の全てを密着させた子宮口から内部へと注いで往く。沸騰した精液の奔流は容易くリースの理性を洗い流し、内側からリースを焼き尽くした。
「くっ……あ、っ……っ!」
「あついぃ!!! お胎ぁ!! お胎が灼けちゃいますぅ!!!」
ぽろぽろと玉の涙を零し、女の喜びに狂うリースはとても美しかった。バチバチ目の前に白い火花が散る様を幻視しながら、ホークアイはリースの最奥に白濁した愛を彼女の望む通りに送り届けた。
「お前……やっぱ可愛いわ」
「熔けたぁ……お胎……ホークに熔かされたぁ……♪」
体はもう既に蕩け、たった今理性やら常識やら一切合財を含め、リースの心は目の前の男にメロメロにされた。
ホークアイは泣き濡れたリースと言う女の唇に自分のそれをそっと重ねた。リースは貪る様にホークアイの唇を犯すのだった。
85 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:17:08 ID:fwtRpsZc
――終わった頃には夜が白み始めていた
汁で薄汚れた寝台を片付けて、鳥の囀りを聞きながらベッドサイドに腰掛ける。死んだ様に突っ伏したリースを横目で確認し、ホークアイは煙草に火を点けた。
「お前さんとこうなるなんて……想像も出来なかった」
ツンとした鼻を突く煙草の香りが室内を満たし、紫煙は長い腕を伸ばしてホークアイを包み込む。一昔前を思い出す様に、ホークアイは目を閉じた。
「今思えば、あの頃が懐かしいよ」
目を閉じれば、その時の光景が鮮明に思い出されてくる。
自分とリースの出会いの光景が、だ。
凡そ一年前。最初の出会いはジャドの酒場。そこでは何を交わしたのか覚えては居ないが、その直ぐ後で二人は再会を果たしていた。
アストリア近郊の滝の洞窟の入り口……それが彼女との物語の始まりだった。
『ナバール……! 貴方が、父を! 祖国を……!』
お互いの素性を述べた直後、首筋を正確に狙った槍の穂先の冷たい輝きは忘れられるモノではない。彼女は同時に、それに相反する様な火傷する程の憎悪の感情をこれでもかと伝えてきた。
『……!』
気が付けば、自分もまた短剣を彼女の首筋に当てていた。
咄嗟に止めに入ってくれたフェアリーが居なければ、自分達がどうなっていたのか。その光景は余り想像したくない。
死の予感を悟った体が勝手に動いた末の出来事。これで……もう、彼女との関係は決定付けられた。その時はそんな気がしていた。
……出会いからして最悪だ。袂を別ったとは言え、自分の祖国が滅ぼしたローラントの姫君が何の因果か旅の仲間入りを果たした。
軟派者、お調子者、はぐれ雲……彼女が自分に持った第一印象。対しての彼女は、頑固者の世間知らず。加えて超が付く程の意地っ張りだった。
そんな真逆の方向性を持った人間が旅をすれば、厭でも擦れ違い、軋轢は生じてしまう。
……些細な事で何度衝突したのか、正確な回数は覚えていない。途中で数える事も放棄した。
だからこそ、そんな無駄な衝突を回避する為に、どちらからともなく距離を取り始めたのは自然の成り行きだった。フェアリーやアンジェラには相当の心労を掛けていたのは知っていたが、お互いに歩み寄ると言う選択肢は最初から封じられていたのだ。
「……ふう」
半分ほど吸った所で、ホークアイは煙草を灰皿に放り込んだ。
……そんな調子でいがみ合いながら、旅を続けていけたのは今思い返せば奇跡としか思えない。もう一度やろうとしても無理だと言う事がホークアイには判っていた。
「ずっと……そうだとばかりと思っていたのに」
自分を殺し、リースの憎悪の受け皿となりながら駆けていたあの頃はある意味悟りの境地に居たのかも知れないとホークアイは夢想した。
それが己の役目であり、ナバールがローラントにしでかした事の贖罪であると本気で信じて疑わなかった。
……否。そう思い込んでいれば楽だったのだ。
86 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:17:43 ID:fwtRpsZc
時勢が変化すれば、パーティー内の状況も変わった。ローラント奪還を終えた時、今迄憎悪と敵愾心しか無かったリースに明らかな変化があったのだ。
『貴方は……敵、ではないのですね』
そう言って彼女は初めて自分に笑顔を向けた。その瞬間は鮮明に覚えている。
……不覚にもその時、自分はその笑顔の真意に気付く事が出来なかった。信頼を勝ち得たとはどうしても思えなかったし、リースの気紛れだと勝手にそう思った。
それ以降の彼女の態度は一変し、冷たい風当たりは無くなっていった。笑い、悲しみ、偶に怒ったり、頬を染めたり……様々な顔を自分に晒す様になった。
……そんなリースの変化に抗う様に尚も距離を取り続けた自分は今考えれば臆病だったのかも知れない。その態度の意味が判らなかったし、聞く勇気すら持ち合わせなかった。
そのどうしようもない距離を埋める為に彼女は自分からその距離を詰めに来たのだ。
「そんな資格……俺には」
ホークアイは今でもそう思っている。リースが自分に向ける感情が恋慕である事は一回目のクラスチェンジ辺りで察しが付いていた。
だが、それを認めようとせず、知らぬと解らぬと逃げているのは今も昔も変わらない。今ではそれが正しい事なのかさえ判らない。
……そう考えると、随分と彼女を弄んでいる気がしてホークアイは居た堪れなくなった。
どれだけ袖に扱おうが、突き放そうが、それでも彼女がその情を手放す事は無かった。その必死さが滑稽に映った時期もあった。
そうして……今の関係に落ち着いたのが数ヶ月前。ナバールに遠征し、捕らわれのフェアリーを解放した直後だった。
『私は……貴方の事が』
呼び出された場所で彼女が口を開いた最初の一言がそれだ。だが、その言葉の続きは言わせなかった。聞きたくなかったし、聞いてはいけない気さえした。
『・・・』
何も言えなかった。言葉の全てを忘却したようにただ立ち尽くしていた。
そして、それをリースは勝手に好意的に解釈したのだろう。
気が付けば、唇を奪われていた。
今考えれば、その時の選択は間違いだったのだろう。感情でも衝動でもなく、状況に流されてしまった事は一番やってはいけない事だったのだ。
結局それは、リースの持つ情動を一段階押し上げてしまったのだから。
……そこから始まった甘美な地獄から抜け出る事は敵わなかった。
「それは、懺悔ですか?」
「!!」
耳元に掛かる吐息。それと同時に聞こえたリースの言葉にホークアイは体を浮かせた。心を跳ばしていたので、完全に周辺警戒がおざなりになってしまっていた。
「何を……言って」
「顔を見れば……何を考えているか位、私には判りますから」
心臓を手で乱暴に掴まれた気分だった。どうやら、フェアリー宜しく自分の考えはリースには筒抜けの様だ。
「っ」
女の勘と言う奴は時に恐ろしい。汗の筋が肌を伝い、真新しいベッドシーツに落ちた。
「昔を……思い出していたんでしょう?」
「……そうだ」
リースは優しく後ろから抱き締めてきた。柔らかい形の良い乳房が背中で押し潰されて形を変えているのが判った。
「そう、ですか」
「ああ」
そうやって言葉を交わしていると、不意に会話が途切れてしまった。朝の静寂が痛いほどに体に染み込んでくる。ドクドクと脈打つリースの鼓動は穏やかで、ホークアイのそれにシンクロしていた。
87 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:19:04 ID:fwtRpsZc
「あの頃は……」
「ん?」
先に口を開いたのはリースだった。呟かれるその言葉は重たく感じられた。
「あの頃の私は……自分自身でも、子供だったと思います。実際、狭量でした」
「・・・」
「随分、貴方に当り散らしもしました。でも、貴方はそれを何も言わずに、受け止めてくれましたよね」
「そうだったかな」
あの時の事はホークアイとしても忘却したい一風景だ。覚えていた処で、毒にはなっても薬にはならない一場面。だが、ホークアイはそれを忘れる事は出来ずに居た。
「本当は……気付いてた。でも、憎悪を向ける矛先が無ければ……私は立つ事すら出来なかった……!」
「リース……?」
「貴方は悪くないのに……貴方の所為じゃないのに……私は、それに甘えてしまった」
不意に語尾を荒げ、感情を表に出したリースにホークアイは警戒した。それは自分の罪を告白する咎人の如く痛恨の念が篭った言葉だった。
「それこそが俺の役目だって、俺は思ったけど?」
「違ったんですよ。本当の仇は、別に居たんだから」
それがリースの懺悔だった。ホークアイを恨んではいたが、それは明確に見える怒りの矛先を求めての行為だった。そして示された彼女にとっての真の仇が見えた時、彼女のホークアイに対する憎しみは霧散した。
「そうだな。ナバールは踊らされただけさ。でも、被害者面する事は許されんだろう。傀儡だったとしても、侵略は実際にあったんだ」
彼女にはそれを良しとした自分が許せない。だが、ホークアイは別段それを責める事はしなかった。理由は単純だ。彼女の怒りは正当化されて然る冪だとホークアイは信じて疑わないからだ。
「……加害者だよ、俺達は。お前がローラントの人間である以上、ナバールへの怨嗟はそう簡単に捨てられるモノじゃない。ただでさえ、二度目なんだから」
「ナバールは、憎いです。それでも……貴方を恨みたくない。こんな感情を……もう一度向けたくない」
「俺だけ、特別扱いか? 公平さを失っては統治者としては失格だな。何処まで行ってもナバールはローラントにとっては怨敵だ」
「そんな事……」
どうにもリースは生真面目過ぎるきらいがある。ホークアイは年上の男の持つ余裕を存分に発揮し、リースを宥める事に努めた。
否……この場合はそんな上等なモノでは無く、自分の罪を更に明確にし、自分の中にその傷跡を残そうとしているかの様な自虐に近い言葉だった。リースにはそれが聞くに堪えないホークアイの心の叫びに聞こえる。
「お前さんのお婆さんが亡くなったのも、先代首領の無茶な政策があったからだ。そして今回も、魔界の介入があった御蔭でジョスター王が亡くなった」
「止めて……ホークアイ」
19年前の自分が生まれて間も無い時の罪業を引っ張り出してまで、自分を追い込むホークアイは自分を傷付けようと躍起になっているみたいだった。
リースの祖母であるガルラの死はその時ペダンに加担したナバールとオウルビークスの責任であって、少なくとも赤子だったホークアイには何の関係も無い筈なのに。
リースはこれ以上、ホークアイの言葉は聴きたくない。余りにも憐れで、涙すら誘ってきた。
「判ってるだろう? 俺はローラントにとっちゃ、只の雑兵ですら有り得ない。寧ろ、最重要人物の一角だ」
「言わないでよ……それ以上は」
ホークアイにとっては知りたくもなかった過去の出来事。だが、冒険をしていく裡に嫌でも知らざるを得なかった自分の出自。
ホークアイの懺悔に似た自傷行為は止まる気配を見せない。もう、リースには限界だった。自分の存在すら過ちとでも言いたげなホークアイの呟きはとても正気では聞いていられない。
「今回の侵略戦争が始まったのだって魔界の介入を許した首領の間抜けの所為さ……! 俺は、そんなフレイムカーンの血を引く直系の」
「ホークアイッ!!」
「っ」
……そして気が付けば、リースは言葉の続きを掻き消す様に叫んでいた。
88 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:21:50 ID:fwtRpsZc
「貴方の所為じゃない。貴方だけが背負い込む事じゃあ、ない」
ぎゅっと、力の限りに抱き締めたホークアイと言う男の体は普段知っているホークアイの体に比べて、とても細く、また小さく感じられた。
「そこまで、自惚れてない。一人じゃ無理だってのは知ってる。だから、俺は」
身内の不始末は同じ身内が付けるのが道理だ。だが、一人で何とか出来る範疇は既に超えていた。世界規模で危機が訪れようとしているのだ。
ホークアイは既に我執は捨て去っている。仲間の力を借りてでも、それを果たそうとしていた。
「無理に自分を追い込まないで。貴方が……潰れてしまうわ」
それが責任だと。使命だと。それを成す事で世界は救われる。
自分の国が成した過ちを一身に背負い、それを贖う為に心身を磨り減らせるホークアイは自分では気が付かないほどあちこちがイカレている。
正常な人間ならば、そこまで気負う事は決して有り得ない。それをしている事こそが、その証明だ。リースはそんな不器用なホークアイに必死に呼びかけ続けた。
「っ……お前、どうして……」
だが、魔狼の騎士が垣間見せた献身的な優しさは暗殺者の心には届かない。
どうして其処迄自分の事を擁護しようとするのか? それが判らないホークアイは戸惑いながら、背後のリースに顔を向けた。
「そんなの……!」
リースは俯き、唇を噛んでわなわなと震えていた。届かない心が内部で焦燥を煽り、痛みとなって身を蝕む。閉ざされたホークアイの心に心底絶望しながら、リースは叫んだ。
「そんなの……貴方が好きだからに決まっているでしょう!」
「なっ」
耳元で喚いたリースの言葉は痛みと共に鼓膜を振るわせる。嘗て拒絶した台詞が、この様な形で突き付けられる。だが、今回はそれから逃げる事は許されない。
「私も辛かった! 好きになっちゃいけないって思っていたのに! それでも、この気持ちに嘘は吐けなかった!」
――惚れた男だから
それがリースの行動原理だった。
「・・・」
空虚な心の内を埋めていく様なリースの言葉。だが、それはホークアイにとっては重過ぎる言葉でもあった。
否、ホークアイとて本当は判っていた。だが、そんな彼女の想いを背負える程、ホークアイは強くは無いし、昔の様に器用には振舞えない。
「どうして……! どうして貴方は私を掻き乱すの……!」
「俺は……」
言う冪言葉の全てを忘却させたリースの叫びは遅すぎる告白だった。嗚咽を漏らし、泣き始めたリースに何も言えないまま、ホークアイは目を閉じる。
リースの言葉は、ホークアイには呪いの言葉にしか聞こえなかった。
「御見苦しい所を」
「いや」
リースが落ち着くまで、暫くの時間を要した。心に溜まっていたモノを解放したリースは幾分かすっきりした声色でホークアイに謝罪していた。
「これだけは、心に留めて置いて下さいね」
「うん?」
そうして、先程とは打って変わって穏やかな口調で紡がれる言葉は閉じたホークアイの心にも容易く染み込んできた。
「私の立場上、貴方に気があるという事は大声では言えません」
「ああ」
「それでも、私はホークアイを愛しています。愛してくれとは言いませんが、それだけは知っておいて下さい」
「む……」
そう言うと、リースはホークアイから離れ、背を向けて寝台に潜ってしまった。
ホークアイはその言葉を反芻し、それがどれだけ本気な言葉なのかを思い知った。
ローラントに於ける自分の立場を危うくしてまでそれに走ろうとするリースにとって、己と言う存在は最早無くてはならない程に彼女の中では大きくなっている。
そして、寵愛を求めないと言うその言葉の本質は……常に自分を見ていて欲しいと言う心の裏返しだと言う事がホークアイには解った。
89 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:23:16 ID:fwtRpsZc
「……やれやれ」
「え!? ホ、ホーク……?」
……それについてはどう反応して良いのかは知らないが、此処で自分がすべき事位は承知している。ホークアイは背を向けて体を横たえるリースを後ろからそっと抱いた。
「深く考えるな。サービスだよ」
「//////」
若干、筋肉質で骨太の王女様を安心させる様に、ホークアイは王女様の美しい金糸に手櫛を施しながら、触れ合う肌の面積を大きくした。
自分の鼓動の倍は早いリースの鼓動は、彼女がときめている事の証拠だった。
「俺も、これだけは言って置きたいが」
「……何でしょう?」
ホークアイがリースの耳元で囁く。
「リースは……男を見る目が無いんだな」
「……ふっ! ふふふふ……!」
その言葉が吐かれると、リースは堪らず噴出した。
「……いえ? 私が目を付けたんです。間違いなんて有り得ませんわ」
「そうなのか?」
リースはホークアイの軽口に全力で抗った。自分が貴方に惚れたのは間違いではないと、自信たっぷりに言い切った。
「寧ろ、逆ですね。ホークアイは……厄介な女に目を付けられたと戦慄する冪です」
「厄介、か」
その言葉の意味は半分位しかホークアイには判らなかった。
犬宜しく自分に懐いているのは知っている。同年代の女の子に比べ、頭でっかちで、これ以上無く物騒で、また大きくエッチなお姫様だ。
だが、それが自分にとって厄介かと言われると首を捻らざるを得ない。そうして、少しだけ思案すると、ホークアイはその理由が漸く判った。
「思い出した。確か、狼って……」
狼の番は一生涯を通して、変わる事無く続く。クールなイメージとは裏腹に、実はとても愛情深い生き物だ。そして、自分はそんな魔狼の雌に見初められた憐れな供物。
「成る程な」
……そう考えると笑えて来た。魔狼のお姫様が悪さをしない様に楔の役割を押し付けられた自分は確かに厄介事を背負ったのかも知れない。
そう考えると、確かに寒いモノを感じるホークアイだった。
90 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:23:46 ID:fwtRpsZc
「貴方の為なら……私は捨てられる。国も、家族も、人間としての生き方も」
「それは……」
ホークアイは戦慄する。その言葉には一切の衒いや迷いが見受けられない。
自分の大切なモノを葬り去ってさえホークアイに尽くそうとするリースはどう考えてもまともな思考をしていない様だ。
何が其処迄彼女を駆り立てるのか、ホークアイには考えても判らない事だった。
案外、恋する乙女は盲目的なのかも知れない。恋の病の所為でそんな無責任な発言をしているのならば、それが終わりを告げれば彼女は元に戻るのだろう。
だが、リースが自分の都合と意志に基づいてそれを選択し、為そうとしているのならば彼女はまともだと言う事になる。
リースは果たしてそのどちらなのか? ホークアイはその答えを知りたくない。
「ふふ。愛していますよ……ホーク」
心底嬉しそうに呟くリースは陶然とした幸せそうな笑顔を向けるだけだった。
抱き締められて眠りに付いたリースを抱きながら、ホークアイは天井を見上げた。
「愛、か」
彼女の愛の深さは良く判った。耳を打った言葉が、確かに自分の中で燻っている事に気付かされる。
だが、ホークアイはリースの想いに素直になれずに居る。愛だの恋だの、そう言った生臭い感情は彼にとっては苦手とする所だ。
それをどう処理して良いのかに迷い、持て余していた。
『もう好い加減、素直になったら?』
「うおっ」
脳内に響くフェアリーの声にホークアイは一瞬ビクッ、とした。
『貴方、私の事すっかり忘れてたでしょ』
「……済まん」
すっかり所か完全に忘却していたホークアイはフェアリーに謝った。
尤も、頭の中からリースとの目交いを覗き見ていた様な輩に謝罪する必要なぞこれっぽっちもないのだが、それをしたホークアイは人が良いらしい。
『まあ、良いわ。……精々、悔いの無い様にね。時間、殆ど無いわよ』
「ああ」
その言葉に今、自分が置かれている現状を思い出したホークアイは神妙な面持ちで頷いた。確かに時間は無い。
だが、未だ手遅れではない。色々と片付けなければならない問題は多いし、何から手を付けて良いのかも判らない。
それでも、止まる事は許されない。
「考えるか。終わった後の身の振り方を」
それきりフェアリーの声は聞こえて来なかった。態々、釘を刺していってくれたフェアリーの配慮には素直に感謝したホークアイだった。
「ホーク……好き……」
夢の中でまで自分との逢瀬を重ねているのか、リースの可愛い寝言に目を細めるホークアイ。
「鷹の番も一生続くんだよな、確か」
……だが、俺はそこまで一途になれそうにない。
一瞬、生まれたリースへの情を捻り潰し、ホークアイは目を閉じた。
この胸に魂を吹き込んだのがマナの女神と言うのなら、それは残酷だ。
闇に歪められた真実に抗い、戦い続ける事。その黒い翼を広げ、羽ばたく時、この身は死の御使いとなる。
戦い、勝利し続ける事が生きる意味だと言うなら、注がれる太陽の光は慈悲にもならないのだから……
91 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:25:58 ID:fwtRpsZc
――二日後 漁港パロ 表通り
出立準備は既に完了した。これ以上はどれだけ時間を掛けても同じだろうから、ホークアイは漸く重い腰を上げ、闇の城の攻略に乗り出す事を決断した。
作戦開始時刻は日没と同時。各々はそれぞれ最後になるであろう自由な時間を満喫していた。ホークアイとてその例に漏れない。
色々と考える事は確かに増えたが、それについての明確な解は未だに得られていない。唯一つの収穫は、リースについてのあれこれは、今直ぐに答えを出せる問題ではないと認識した事だった。
……尤も、彼を悩ませているのはリースとの一件だけではない。その事が大きくホークアイが悩ませている。
避けては通れない事象だし、これ以上放置する事も出来ない。出来るならば、このまま何事も無く過ぎ去りたいと、自分にとって都合の良い未来を夢想してみるが、現実はそこまでホークアイに優しくない。
「ホーク!」
「うん?」
それを示す様に、彼の苦悩の一つが自分から近付いて来た。
周囲の視線を釘付けにする、とんでもなく危ない格好をしたアルテナのお姫様がホークアイに後ろから声を掛ける。
「ああ、アンジェラか。……どした?」
アンジェラにはパロの住人達の痛い視線がこれでもかと突き刺さっていた。
腰の括れと下半身の色気を無駄に強調する古の祭衣の危険度は、ウールフヘジンとどっこいどっこいだ。官憲が出動してこないのは職務怠慢と言っても差支えが無い。
「いや、アンタの姿が見えたからさ」
……こんな明るい時間から、そんな危ない物を平然と着こなして町を闊歩するアンジェラのイカレ具合は常人の感性を遥かに超えている。
そして、それは此処には居ないリースにも言えた事だが、ホークアイはもうその異常さに慣れきってしまっていた。
「そうか」
どうやら、アンジェラは話があったから声を掛けた訳では無さそうだ。姿を見かけたから呼び止めた程度の事と考えても良いだろう。
寧ろ、そうでなくては困る。ホークアイはアンジェラに取るべき対応が未だ見えてはいないのだから。
92 :
Sphere:2008/12/21(日) 20:26:59 ID:fwtRpsZc
「前は、さ。もっと……アンタとも距離が近かった気がするけど、最近は……」
「ああ。自分自身で良く判ってる。だから、少し反省したよ」
視線を彷徨わせながら寂しそうに零すアンジェラ。ホークアイと距離が遠くなっていたのはリースのみでは無く、アンジェラもまた同じだった。
だが、ホークアイはその状態が続くのは良くないと言う事が思い知らされた。そして、一番それが明確に左右するのは戦闘に於いてだろう。
勝ちに行く為に、ホークアイは戸惑いながらも可能な限り仲間との心の距離を詰めたかった。
「そうなの?」
「ああ」
そんな殊勝な台詞を吐かれるとは思わなかったアンジェラが聞き返す。ホークアイの台詞は冗談やギャグの類では無いらしいが、その真意について、アンジェラは明確に見えていない。
「ふーん。……リースの機嫌が良い事と、関係あったりする?」
「えっ? それは……何だ」
少しだけ、ホークアイはドキリとした。だが、直ぐに平静を取り戻すと、真顔でその場を誤魔化した。何となく、そうしなければならない様な気がしたのだ。
「違うの? ……うーん」
アンジェラが下からホークアイの金色の瞳を覗き込んだ。何か誤魔化されている様に感じたアンジェラは瞳の輝き具合から言葉の真贋を定めようとしたが、ホークアイの瞳はどんよりと濁っていて、それを推し量る事は不可能だった。
「なら、良いや。あはは……」
「・・・」
ペロッ、と舌を出して決まりの悪そうにしながら、アンジェラは引き下がった。ホークアイは無言でそんなアンジェラを見据え、目を細める。
多分、間違いなくアンジェラは何があったのか気付いている。
「あの、さ。ホーク」
「……今度は何だ?」
その不安を体現する様にアンジェラは更に言葉を投げ掛ける。努めて冷静に振舞おうとするホークアイだったが、そんな気持ちとは裏腹に顔は歪んでしまっていた。
「っ、いいや。やっぱ、今は止めとく」
「あ?」
その顔が決め手になったのだろうか?言いたい事を無理に押さえ込んだ様にアンジェラは口を噤み、ホークアイに背を向ける。
「気にしないで。……それじゃ、後で」
「あ、ああ」
意味深な態度をホークアイの記憶に刻み、アンジェラは去っていった。
そんなアンジェラの真意について、ホークアイは何となくだが察しが付いていた。
……否。最早、是非も無い。そうでなくては逆におかしいのだ。
「お前さんとの事も、決着付けないとな」
小さくなっていくアンジェラの背中に聞こえない様に言葉をぶつけ、ホークアイはアンジェラとは逆方向に歩き出す。
……今は余計な事を考える冪ではない。そう結論を下し、頭の中にある一切合財の雑念に蓋をしたホークアイは心を空にし、これから殺さなくてはならない仇の顔を思い描くのだった。
――出撃の時間が刻々と迫って来ていた
〜続く〜
93 :
72:2008/12/21(日) 20:28:06 ID:fwtRpsZc
近い裡に投下に戻ります。今日はこの辺で。
これはGJどころの騒ぎではない。
GJ過ぎてGJってレベルじゃねーぞ!ですね、わかります
今まさに久々に聖剣3をやっていて、なおかつこれと同じパーティで
ナイトブレードとフェンリルナイトの自分にとっては奇跡みたいな
素晴らしすぎる作品です。続き楽しみにしてます!
ブラックなホーク×リースもいいもんだね〜。
連投スマソ
今保管庫見てきたんだけど、72さんはもしかして
『BGMは「shoot the works」で』の人?
ダークなホーク×リースなとことか、文章の表現が似てたもんで。
GJすぎてGJが一巡した。
なんかこう殺し愛みたいなところが大好きだ!!!
GJ!!!
なんという闇パーティー
これは期待せざるをえない
闇っていうかスレ?
100 :
72:2008/12/28(日) 00:01:20 ID:2f950fCh
コミケ前に投下。
ホークアイ×アンジェラ
Freezing atmosphere
ぐだぐだな内容です。趣味の合わない方は読むのを止める事をお勧めします。
――全ての決着を付ける
……当初はそう意気込んではいたのだが、結局それが果たされる事は無かった。寧ろ、状況は錯綜し、どんどんと悪い方向へと転がり始めていた。
ダークキャッスル。ファ・ディールに於ける幽世の住人達の居城に飛び込み、その首魁の首を挙げる。それが唯一にして絶対の作戦目的。策も計略もかなぐり捨て、勢いのままにそれを成そうとした。
頼れるのは自分達の地力のみと言う小細工無しの真っ向勝負。考え無しと馬鹿にされそうな攻め方だが、現実はそんなモノだ。都合の良い秘密兵器もチートコードだって存在しないのだから。
そうして彼等は闇の城を電撃的に急襲し、その拠点としての機能を奪い、また貴公子の懐刀である邪眼の伯爵と美獣をも打ち倒した。
美獣を打倒出来た事はホークアイやリースにとっては大きかった。間接的にも直接的にも友人達を、そして肉親の命を奪った仇敵。彼等はその本懐を遂げたのだ。
だが……全体から見ればそれは、確かに大きな勝利ではあったが、絶対的なモノではない。彼らにはその美獣以上に倒さねばならない相手が居たのだ。
そして、結果を語るならば、彼等は失敗した。
マナの剣を取り込み、神獣の最終形態の力を得た闇の城の主……否、今代の魔王の力は強大で、彼等はその命に幕を下ろす事が出来なかったのだ。未だ存命中のマナの女神を滅し、超神となる事を望んだ貴公子はホークアイ一行を捨て置き、聖域へと跳んだ。
……決戦の地はマナの聖域。彼等は其処へと至り、今度こそ全てに終止符を打たねばならない。
――魔法王国アルテナ 玉座
闇の城を陥落させ、貴公子を取り逃がしてから半日が経過していた。最早、一刻の猶予も無い予断を許さない状況に於いて、ホークアイが最後に選んだ補給地は極寒の魔法王国だった。
硬く閉じられた門が来訪者を阻む絶賛鎖国中のアルテナの門を無理矢理フラミーで乗り越えたホークアイ達は、魔女の長と会っていた。
「そうですか。マナの剣は魔王に取り込まれたのですね」
「ええ。だが、ここで竦んでは居られない。貴公子を打倒する事がフェアリーに選ばれた私の……否、今迄世界を回ってきた私達の果たす冪責務だと、そう思っています」
嘗て、竜帝の介入を許し、紅蓮の魔導師の傀儡となっていた女王はもう居ない。淡々とこれまでの経過を語るホークアイの言葉をヴァルダは噛み締める。
「出来る事ならば……我が国からも応援を回したい処ですが」
「はい。が、回して貰ったとしても、運用は不可能ですな」
「分かっています。マナの力が弱まり、聖域への門が狭まった今、あそこへと至れるのは翼あるものの父と共にある貴方達だけでしょう」
「・・・」
そのヴァルダの言葉にホークアイは渋い顔をした。絶望的な戦力差……神獣八匹分の力を得た魔王とこれからたった三人で喧嘩をやらかさなくてはならないのだ。
「本当に御免なさい。貴方達若い世代に何もかもを押し付けてしまって。……せめて、ルジオマリスやギガンテスがあれば」
ヴァルダは自分の非力さを嘆く様に頭を垂れた。
紅蓮の魔導師が持ち出した空中要塞ギガンテスは聖域で行われた三国の小競り合いの最中に失われた。
そして古代アルテナの魔導船ルジオマリス。ペダン戦役の折に、南ブッカ洋で亡霊戦艦の特攻を許して永久に失われた戦艦。
確かに、それらがここにあればまた違った展開を見込めたかも知れない。だが、それは所詮、希望的観測で現実は変わらない。
19年前、そして12年前の大戦の時でさえファ・ディールが一丸となって漸く勝利を?ぎ取れた。だが今回、ホークアイ達は何処の支援も当てに出来ない状況だった。
「無いものに強請っても仕方がありません。それに、これ位のハンデが丁度良いと私は思います。……過去にナバールが犯した罪を省みれば、これ位やらないと帳消しには」
「……ホーク!」
ホークアイの台詞にリースが過剰に反応した。余計な事を言うなと恫喝する様に睨んで来るその眼差しは少しばかり怖い。ホークアイはそれを綺麗に無視した。
「しかし、何とかなる気はしています。一人では辛い。が、私には仲間が居る。私達はそうやって今迄無理だと思う事を何度も成し遂げてきた」
ホークアイは一度だけ後ろを見て、自信たっぷりに言い放った。根拠の無い自信ではなく、絶対の自信。今迄やって来た事を今度は世界を救う為に行うだけだった。
「まあ、その無茶に今度も付き合わせる二人には済まない事と思ってはいますが」
目を閉じて搾り出す様に言うホークアイは本気だった。
何度と無く繰り返してきたが、それに文句一つ言わずに付き合ってくれる二人の従者には感謝の気持ちと謝罪の気持ちが一杯なのだ。
「そうですか」
ヴァルダはそんなホークアイの台詞に顔を綻ばせる。自分の娘とローラントの姫君を擁す嘗ての盟友の息子を見ていると、微笑ましくなってしまったのだ。
「ファルコン殿の息子……貴方がフェアリーに選定されるとは」
「!」
そうして口走ったヴァルダの言葉にホークアイは目を丸くした。
「母を……ご存知で?」
「ええ。ファルコン殿は19年前の大戦での盟友。貴方のお父上であるサンドアロー殿とも知己です」
「……そうでした。ヴァルダ様は、確かペダン戦役の折に前線で」
少し頭を回転させた処でホークアイは悟った。19年前に自分の母親であるファルコンとヴァルダは戦場を駆けていた。逆に言えば、知らない方がおかしい。
「それにしても、父の事もご存知とは」
「ええ。彼がウェンデルで療養中の時に。……覚えているかしら? 私はそこで赤子だった貴方を抱き抱えた事があるのですよ?」
「う……そ、そうだったのですか」
自分の覚えの無い所でそんな事があったとは。ホークアイは少しだけ赤面した。案外、身近な所に自分の過去を知る人間がいるのかも知れないとそんな事を思った。
「……私も、良く考えればフェアリーに選ばれた者と縁があるのかも知れません」
「ヴァルダ様?」
独白めいたその言葉はどうにも聞き逃せなかった。だから、ホークアイはその言質を得ようとヴァルダ呼び掛けた。
「12年前の竜大戦の時も私は、貴方の様に選ばれた者に会っています」
「え?」
「その時の選定者はリチャード……フォルセナの英雄王でした」
「・・・」
ヴァルダは遠い目をしていた。その理由について、ホークアイは何となくだが判ってしまった。
チラ、と後ろを振り返り、ホークアイはヴァルダの娘であるアンジェラを見た。英雄王が彼女の父親であると言う事はその筋の人間にとっては有名な話だ。
その当人は何も言わずに腕を組んで母親の話を聞いていた。
「リチャードは生還しましたが、ロキは竜帝と刺し違えて戻らず。そして、リチャードのフェアリーはその時に……」
「・・・」
その件は有名な伝説だった。フェアリーが作った隙に黄金の騎士が決死の打ち込みを敢行。フェアリーは死に、黄金の騎士も竜帝と共に奈落へと落ちた。それが竜大戦の結末だ。
……そうして、今度もまたそうならないとは限らない。
「ホークアイ殿」
「はい」
凛としたヴァルダの声に背筋を伸ばしてホークアイが答える。その威厳は流石一国の主と言った風体だ。王族嫌いのホークアイとて抗えない。
「必ず、皆で生きて戻りなさい。誰かの犠牲の上に立つ勝利など、残された者たちにとっては地獄の責め苦に過ぎないのです」
随分と重い言葉にホークアイは聞こえる。そして、それは当然だった。ヴァルダは19年前に母親を失い、ホークアイも旅立ちの前にイーグルを失っているのだ。残される者の気持ちを二人は理解していた。
「約束は……出来かねますな」
しかし、理解していたとしても、どうにもならない瞬間と言うのは存在する。だからこそ、安易に約束を取り付ける様な真似はしないホークアイはドライだった。
「ですが、最上は尽くす。それは御約束致します」
出来る事は出来る。出来ない事は出来ない。それを知っているホークアイは自分に出来る事をする事をヴァルダに誓った。今の彼にはそれしか出来ないのだから。
「宜しい。貴方にはそれだけの力がある。……私はそう信じます」
その言葉を聞けたヴァルダはニッコリと微笑んだ。
一行が去った後、ヴァルダは玉座を離れ窓辺に一人佇んでいた。
「やはり、彼はファルコン殿に似ている」
先程言葉を交わした青年を思い返し、自分の記憶を手繰り寄せて出てきた核心だ。ホークアイの容姿は父親譲りだが、その反面、内部は母親に良く似ていると言う事が良く判った。
少し話しただけだったが、纏っている空気や考え方、芯の強さに不器用さ……嘗ての自分の盟友にそっくりだった。
そんな彼だからこそ、常人以上に傷付き、苦難の道を歩いて来ただろう事がヴァルダには判ってしまった。
「ファルコン……貴女の遺し形見は立派に成長していますよ」
今は亡き盟友に報告する様にヴァルダは西日に向かい、そう零した。
「どうか娘を、御願いします」
ヴァルダは母親として、不器用な暗殺者に愛娘の命を託す旨を呟いた。ホークアイだからこそ、託せる。それに間違いは無いと、理の女王は確信していた。
「だから……導いてあげてね、ファルコン」
聞き届けられるかどうか判らない呟きは、ファルコンへと届いたのだろうか?
その結果は近い裡に出るのだろう。生か死か。最も単純な形で。
ヴァルダは陽が没するまでの間、マナの女神ではなく、亡き盟友へと祈り続けた。
――同刻 アルテナ城 中庭
会談を終え、宛がわれた自室へと戻る前に、ホークアイは城の中庭の隅に佇んでいた。マナが減少する中、常春の陽気を保つアルテナ。しかし、日没と共に凍りつく様な夜の冷気が体温を奪っていく。
ふと頭上を見上げれば、紫色の空に星々の薄明かりが混じり始めていた。
……こうやって星空を眺めるのも何度目だろうか?
ホークアイはそんな感傷を心に抱いた。
「ねえ」
「……ん?」
目の前に青白い光が現れ、漆黒の外套を仄かに染め上げる。宿主の体内から飛び出したフェアリーはホークアイに重い口調で語りだした。
「さっきさ、ヴァルダ様が言ってたよね」
「何を?」
「竜大戦の事よ。私の先任者の結末。私もさ……ひょっとしたら」
ホークアイの周りを旋回するフェアリーの光には何時もの輝きが無い。明度を失った光が路傍に残る雪やそこから芽生えた花々を照らし出す。ホークアイにはその明暗のコントラストが不気味に映った。
「何が言いたいんだ?」
「だから……ひょっとしたら、私もって事」
「む……」
どうやら、フェアリーには先程のヴァルダの話が重かった様だ。自分の先任者が報われない最期を迎えた事。それが今度は同じく自分に降りかかるのではないかと恐れていた。
「有り得ないとは、言い切れないよね」
「・・・」
「何とか、言ってよ」
己の存在に対する消滅の恐怖。これから成さねばならない分の悪い勝負を考えればそれも当然だろう。だが、ホークアイは貝の様に口を噤んだままだった。
「ああ。そうだな。そうなるかもな」
一分程黙った後にホークアイの口から出た言葉はフェアリーが望む様な優しい言葉ではなかった。フェアリーは宿主の心無い言葉に少しだけムッとした。
「っ! ……少しはフォローしてくれても良いんじゃないの?」
「ふう……して何になる? そうなるかも知れないし、ならないかも知れない。それだけだろ」
お冠のフェアリーを無視する様にホークアイは懐から取り出した煙草を咥え、火を吐けた。薄闇に浮かぶ煙草の火は蛍の様に明滅し、誘蛾の如く甘い香りを放つ。
……こんな局面に至り、半端な慰めの言葉は返って逆効果だ。だからこそ敢えて正論を言い放つホークアイは優しくは無いが努めて冷静だった。
「そうだけど、さ」
「まあ、お前が貴公子さんに対し単騎突撃を行えば、その可能性が高まる訳だが」
「そんな無茶な事しないわよ!」
「どうだかな。……でも、大人しくしている分には生存の確率は上がるだろう。俺としてはそうしてくれる方が有り難い」
「・・・」
ホークアイはフェアリーに無茶をしてくれるなと言いたかった。恐らく、次の勝負は誰かを庇ったりする余裕が無い程に熾烈なモノとなる事が判りきっている。
激情に飲まれ、向こう見ずな行動を取られればそれは個人だけでは無く全体の危機にも直結する。それを見越していたからこそ、ホークアイは冷たい言葉を吐いたのだった。
「不安になるのは判る。生きるか死ぬかの大勝負だ。でもそれは、お前だけじゃなくて俺達もまた同じさ。今、この場で考える冪事じゃない」
「そう、だね」
そう言った迷いを抱えれば、いざと言う時に動けなくなるのは必定だ。だからこそ、そんな負けを連想させる様なイメージは掃わなければならない。ホークアイはずっとそうして来たのだ。そして、フェアリーもそれは判っていた。
「……それよりも問題なのは、俺達にどれだけ時間が残ってるのかって事だ。マナの樹は未だ無事なのか?」
煙を天に吐き、ホークアイは尋ねた。そんな直接的な生き死によりも重要視すべき話題。切実な問題として、彼等には制限時間が設定されている。
マナの女神の死……それはフェアリーの死に直結し、聖域へ至る手段が無くなると言う事に他ならない。ホークアイが一番心配しているのはそれだった。
「え? う、うん。未だ私とパスは繋がってるし、切り倒されてはいないみたい」
「そう、か……むう」
咥え煙草のまま、顎を掻くホークアイ。それが何を意味しているのか、真剣に考えている様だった。
「ホークアイ?」
「いや、付け入る隙になるかと思っただけだ」
「え?」
貴公子はマナの女神を殺す為に聖域へと跳んだ。だが、彼の目的である女神の抹殺……つまりマナの樹の抹消が未だに成されていないのはどう言う事なのか?
その理由は二つ考えられる。予想外に女神の抵抗が激しく、未だに攻防の真っ最中である事。若しくはとっくに貴公子は樹の切り倒し準備に入っていて、絶好のタイミングでそれを成そうとしているかのどちらかだ。
そして、それは恐らく後者であろう。貴公子にとって女神以上に危険な相手を葬り去る為に、その相手が聖域に至るまで待っている……と考えるのが自然だ。
「だけど、今から押取り刀で駆けつけるのは危険過ぎるな」
「そうだね。準備はしっかりと、ね」
そして、若しそれが真実ならば、貴公子は取り返しの付かない間違いを犯した事になる。敵に準備する期間を与えてしまったのだ。相手を侮ったが故に、消えていった凡俗はごまんと居る。そして、今の貴公子はそれに最も近い場所に居るのだ。
「そんな必要性は感じられないが、まあ良い。今の裡に身辺整理を済ませておいた方が良さそうだな」
「万が一の時の為?」
「ああ。一応な」
与えられた時間は僅かだが、それ位の余裕がある事はホークアイにとっては僥倖だ。彼には色々と決着を付けねばならない事象が多く存在する。主に仲間達との関係の清算についてがそれだった。
……因みに、アイテム類の補充は在庫が掃いて捨てる程あるので今更のそれは不要だったりする。
「飯はどうする?」
「ん……ホークと食べる」
吸い終った煙草を携帯灰皿に押し込んで、ホークアイは夕餉を食すべく動き出す。フェアリーはそんなご主人様に付き合う事を決めた。
「判った。豪勢にいくか」
「……良いの?」
「おう。遠慮すんな」
パアっとフェアリーの顔が明るくなった。今迄何度もホークアイと食事をした事があったフェアリーだったが、此処最近のホークアイの食事は機能性重視の味気無いモノばかりだった。
だからこそ、今日の食事は期待できるとフェアリーは欠食児童の様に顔を綻ばせた。
「気前良いわね。……ひょっとして、最後の晩餐?」
「ああ。これで本当に最後になるかも知れないからな」
「え? それって……」
ホークアイの態度に引っ掛かりを感じたフェアリーは毒を含んだ言葉を吐いた。だが、ホークアイはそんな言葉が出てくる事は予め予想済みだ。それ以上に重要な事があると少しだけ寂しそうに言った。
「お前と飯を喰うのがだ」
「あ……」
「勝っても負けても、お前とはお別れしなくちゃならない。そんな予感がするんだ」
「・・・」
それが寂しそうな顔の理由だった。フェアリーは目を見開き、そして次の瞬間には泣きそうな顔をしていた。旅の終わりが近付く今、ホークアイからそんな言葉は聞きたくはなかったのだ。
……この男は何処まで知っているのだろうか?
フェアリーが次代を担うマナの樹の種子だと言う事に気付いているのだろうか……?
「さ、往こうぜ。相棒」
「……うん!」
エスコートする様にホークアイが先を歩いていく。フェアリーは頭に涌いた考えを忘れ、恐らく最後になるであろう時を力一杯楽しむ事を心に決めたのだった。
――アルテナ城 客室
「ふいいぃ……」
胃に食べ物を収めて、ホークアイは宛がわれた部屋に戻ってきていた。
既に身辺整理を終わらせ、アイテムのチェックも滞りなく終わった今、ぽっかりと空白の時間が出来てしまっていた。
豪華な調度品が並ぶだだっぴろい貴賓室の布張りソファーに腰を落とし、大きく息を吐く。
「はああぁ……」
あーだのうーだの唸ってみた処で、広い部屋にホークアイの声は木霊さず、そのまま消えていった。
未だ宵の口に当たる、寝るにはまだ早過ぎる時間帯。闇クラスになってからと言うもの、ホークアイ一行は夜間行動がその基本となっていて、ライフサイクルは完全に夜型だ。
そんな中、する事もなく独りでじっとしているのはホークアイにとっては苦痛だった。
「何か、暇になっちまったなあ」
相方の羽虫は腹が一杯になったのか、ホークアイの内部に戻り眠りこけている。そんな相手を退屈だからと言う理由で一々叩き起すのも無粋だった。
こう言う時は飲み歩いたりして時間を潰すのが此処最近のホークアイのサイクルだったが、大一番を控えている今、そんな事をするほど彼は軽率ではなかった。
加えて、不幸な事に手持ちの酒のストックも切れてしまっていた。
……本格的にする事が無かった。
「偶には何もせずにのんびりするのも良いのかもなあ」
ホークアイは暇を潰す事を諦め、ソファーに体を預けて寛ぐ事を決めた様だった。決戦前にこう言った時間を過ごせるのは或る意味幸運だと無理に納得したのだ。
何も考えず、ただのんびりと時間を過ごす。ホークアイはそうする事が今の自分には正しいと思えた。
――十分後
「……駄目だ。じっと何てしてられねえ」
ホークアイは開始僅か十分で既に根をあげていた。普段から忙しなく動き回っている事が性に合っている彼にはこう言った何もせずに過ごすと言う事には全く不慣れだった。
「ったく……我ながら落ち着きがないよなあ」
暗殺者としては決して褒められたものでは無い性分だ。だが、退屈と言う虫はホークアイにとっては達の悪い病の様なモノだ。ジワジワと心を冒し、動きたいと言う衝動を抑えられなくする。
「っ、こりゃ駄目だ。酒でも買ってくるかな」
外は寒いが、酒を買いに行くだけなら往復で半刻もかからない。そうして浴びるほど飲んで、今日はもう寝てしまおうとホークアイは決めた。
「やれやれ。さっき飯を喰った序に買ってくりゃ良かったか」
半ばフェアリーとの付き合いで夕食をしていたホークアイは、残念ながらその時にはそんな気が回らなかったのだ。ホークアイは立ち上がり、クローゼットに掛けた愛用のガーブを取ろうとした。
すると……
――トントン
「……あ?」
タイミングを計ったかの様に、自室のドアがノックされた。
「だ、誰だ?」
ホークアイは警戒を大にした。今と言うタイミング。最終決戦前夜に自分を訪ねる人間などきっと碌な思考の持ち主ではないだろう。
「……そう言えば、居たな。俺に用がありそうな奴が」
少し思考してピン、と来た。冷静に考えれば自分を訪ねそうな輩は確かに居た。
時間が無いのは自分も相手も同じ事だ。だからこそ、その相手は最後のチャンスである今と言う時間を使って何かを成そうしているのだろう。
「ま、こっちにとっちゃ好都合か」
用があるのはホークアイとて同じ。そして、その相手が自分からやって来てくれた。
ホークアイは口を歪め、哂った。このまま何事も無く一日が終わり、最終決戦の幕が上がると思っていたが、イベントは未だ用意されていたのだ。
「しかし、アイツも好きだねえ。二日前にはあれだけ……」
二日前の事を思い出し、呆れる様に零したホークアイ。だが、尋ねて来た輩を無碍に追い返す事はしない。
「へいへい」
ホークアイは部屋を横断し、扉を開けてやった。
――ガチャ
「――お?」
「あ……」
開け放った扉の先には彼の見知った人物……しかし、彼の予想とは違う人物が立っていた。
「……よう。お前さんが、とは随分珍しいな」
「まあ、ね。ひょっとして、あの娘だと思って期待した?」
「さあな。まあ、どっちでも良かったんだけどな」
「?」
来訪者であるその女を見据えながら、手をヒラヒラさせるホークアイ。その女はホークアイが言っている意味が判らずに少しだけ困惑していた。
尋ねて来た女はホークアイの予想とは違っていた。それはフェンリルナイトではなく、メイガスの方だったのだ。
氷の国の姫君。今や母親の魔力を凌駕し、禁呪をもその手にした外道魔導師たるアンジェラが相変わらず恥ずかしい格好でホークアイの部屋を訪れた。
「しかし、拙いんじゃないのか?」
「何が?」
「アルテナの姫さんが自分の城で堂々と野郎の部屋を訪ねるってのもどうかと……」
「はいはい。期待させてゴメンなさいねっと」
ホークアイと内面が似ているのか、そんな冗談をサラリと流して平然と佇むアンジェラ。この二人は昔から何故か気が合った。それも今では過去の物になってしまったが。
「んで? 用件は」
「んー、用件わね……」
アンジェラはホークアイの質問の答えを見せてやった。背中に隠したそれをホークアイの鼻先に突きつけて言う。
「一杯、引っ掛けない?」
ボトルの中で液体が揺れていた。ラベルの文字を見るとそれが上物の酒である事が知れた。
「……どう言う風の吹き回しだ?」
「別に? アンタとやりたかっただけ。前祝いって処ね」
意味ありげな微笑を張り付かせるアンジェラの顔に一瞬だけ眉を顰めたホークアイだったが、その笑顔の内側を少しだけ見る事が出来た様な気がした。
「……入ってくれ」
……これ以上は中に入ってから思案すれば良い事だ。序に時間も潰せて一石二鳥。ホークアイはそう考えて、顎でアンジェラを室内へと誘導した。
「シュタインベルガー、ね。こんな上物をどっからくすねて来たんだ?」
「城の倉庫から。こんな時じゃないと飲む機会何て無いわよ」
「……良いのか? 無断で持ってきたんだろ?」
「気にしなくて良いわ。倉庫で寝かしっ放しって言うのもお酒に対して失礼でしょ」
ガド産の二十年物のシュタインベルガーだ。市場価格は目の玉が飛び出るほど高い酒。そんな貴重な酒を態々失敬してきたアンジェラは気前が良い。
ボトルを揺らしながら、アンジェラを盗み見ると、彼女は少しだけ笑ってこう言った。
「飲まないの? そうなら持って帰るけど」
「いや……頂くけどさ」
……こんな美味そうな酒が目の前にあるのに持って帰るとは随分酷な物言いではなかろうか?
ホークアイはさっさとコルクを抜いて、中身を頂く事にした。封を開けた以上は、その酒は飲み干さなければならないからだ。
――キュポン!
コルクを抜いた瞬間、室内に甘い香りが立ち込めた。
「注いで下さるかしら、お兄さん?」
それを待っていたかの様にアンジェラがワイングラスを差し出す。
「……へいへい」
ちょっとだけ面倒臭そうにしながらも、ホークアイはアンジェラのグラスに酒を注いでやった。
「こいつは……堪らん味だな」
舌の上で酒を転がして、香りを存分に楽しみ、そうしてゆっくりと嚥下する。度数は高めだがそれでも口当たりは軽く、まるでビロードの海に揺蕩っているかの様だ。
「ん〜、美味しい! これを飲んじゃったら他の安酒なんて目じゃないわね」
その味に魅了されたアンジェラは楽しそうな声を上げ、自分のグラスに注がれた貴重な酒を飲み干していった。そんなアンジェラのペースに比べ、ホークアイのそれは格段に遅かった。
「……どうしたの? 口に合わなかった?」
「噛み締めてるのさ」
「あっそ」
良い酒だからこそホークアイは味わって飲みたかった。アンジェラの様に美味いからと言ってガブガブ飲むのはホークアイにとっては敬遠したい飲み方だった。
アンジェラはつまらなそうに酒を呷った。
談笑しながら酒を飲む事数分後。ホークアイは真面目な顔で切り出した。
「しかし……アンジェラ」
「何よ」
「こいつは、前祝いだよな?」
「そうよん?」
グラスを傾けながら気の無い返事を返すアンジェラ。ホークアイは目を細めてこう続けた。
「良いのか? 俺達二人だけで、こいつを空けちまって」
「……何が言いたいの?」
一瞬だが、確かにアンジェラの辛辣な視線が刺さった気がする。だが、ホークアイは怯まなかった。
「フェアリーは兎も角として、もう一人誘う冪奴が居る様な気がするんだが?」
「・・・」
沈黙が部屋を埋めた。この飲みが最終戦の景気付けだと言うならば、ファクターが一つ足りない。
ホークアイが言いたいのはそう言う事だ。その誘うべき人間を放置するのはどうかと思ってしまったのだ。
「……へえ」
「う」
――ニヤリ
アンジェラの顔が厭らしく歪む。その顔が危険に見えたホークアイは逃げ出したい気持ちになった。
「あらあら……ホークってば、リースが居なくて寂しいんでしょう」
ニヤニヤと含み笑いを浮かべるアンジェラは間違い無くホークアイの事をからかっていた。絶好の酒の肴を得たとでも言いたげに。
「そう言うのじゃないが……」
「じゃあ何だって言うのよ、ん〜? お姉さんに話してみ?」
早くも酒が回っているのか、アンジェラはホークアイとの距離を詰め、あろう事か密着しようとした。二の腕に胸当て越しのアンジェラの胸が当てられる。
「お、おい」
慌てて腕を引っ込めたホークアイが可笑しかったのか、アンジェラは笑い出した。
「あははは! 何焦ってんのよアンタ」
ケタケタと笑うアンジェラが少しだけホークアイには不快に映る。詰まった距離を無理矢理修正したホークアイは空になった自分のグラスに酒を注いだ。そうして新たに注いだそれを啜り、努めて冷静に振舞おうとした。
「寂しい寂しくない以前に、一人だけ仲間外れにするのもどうかと思ったんだ」
「むう……急に真面目になって、つまんない奴」
「……あ?」
――ギロリ
冷たい金色の視線が容赦無くアンジェラに襲い掛かった。
「う、嘘々。だから、睨まないでよ」
それに肝を潰したアンジェラはブンブンと手を振ってホークアイを宥める。
「リースだけど、ちゃんと誘ったわよ?」
「……それで?」
「でも、部屋から出てこなかったのよね。だから誘うのは諦めたんだけど」
「そう、か」
最初からそれを言って欲しかったホークアイは納得した。根っ子の部分で真面目なリースの事だ。明日に備えもう寝てしまっていてもおかしくは無い。
彼女は貴公子を打倒すると同時に攫われてそのままになっているエリオットをも救い出さねばならないのだから。
「まあ、どうしてもって言うなら今から呼んでくるけど」
「いや……止めておこう」
それがこの場での正しい選択肢だ。無理に飲みに誘う様な無粋は自重して然るべきだとホークアイは思った。
「でしょう? そう言う訳で、アンタには不満かも知れないけど、アタシに付き合ってよ」
「不満……ではないけどな」
「何か、嘘臭いわね」
「……本当だ」
ジト目で睨むアンジェラはどうもホークアイの言葉が信じられないらしい。何となくプリプリ怒っている様なアンジェラにそんな言葉しか吐けないホークアイは少しだけ情けなかった。
ボトルの中身が半分以上減り、宴も酣だった。アンジェラは酔いの回った体を休める様にオーク製のラウンドテーブルに突っ伏していた。
「お前さ」
「今度はなあに?」
体を深くソファーに沈め、天井を仰ぐホークアイはそんなアンジェラを見ずに声を掛けた。するとアンジェラは気だるい返事をした。
「お前は、本当は何をしに来たんだ?」
「・・・」
「酒を飲むだけじゃないだろう。もっと別の……何かをしに俺を訪ねたんじゃないのか?」
「……何言ってるの?」
「いや……俺の考え過ぎだったってんなら、謝る」
少し、自意識過剰だったのかも知れないとホークアイは思った。
自分とアンジェラのこれまでを考えるとそれもあり得たかも知れないが、彼女の中で自分とのそれが切れてしまっているのなら、この先は存在しない。
否、寧ろそうでなくては困るとホークアイ自身が望んでいるのだ。
「……心配に」
「うん?」
「心配になったから、見に来たのよ」
「はあ?」
……だが、それはホークアイにとって都合の良い妄想に過ぎなかった。
「アンタ……夕食に顔出さなかったから」
「ああ……」
うつ伏せのまま、アンジェラはギリギリで聞こえる様に呟いた。ホークアイはその件に対する釈明をしなければならない。
「フェアリーと外に出てたんだ。……そっか。城でも夕食って用意されてたのか」
「アンタ、自分が国賓だって事を忘れてんじゃないの?」
そうでなければこんな上等な部屋を宛がわれたりはしない。ホークアイの中では自分自身の評価がすっぽりと抜け落ちているらしい。そうでなくては幾らフェアリーの為と雖、態々外に出たりはしないだろう。
「む」
「あたしとリースとお母様と……いや、本当に味気無かったわ」
主役不在のままに行われた夕餉がとんでもなく重たかったとアンジェラは語りたかったらしい。気のせいか、『♯』……こんな形の何かが頭に浮いている気がする。
「あー……済まん」
「ま、良いけどね。臆病風に吹かれて逃げたんじゃなかった訳だし」
随分と酷い事を言ってくれる。ホークアイとてそんな言葉を投げられると傷付いてしまう。そんな気が無い事を示す為に強い口調で言った。
「此処迄来て責任の放棄はしねえ」
「うん。知ってるよ」
今のホークアイがそんな無責任な事をしないと言う事をアンジェラだって本当は判っていた。それなのにこうも刺々しくなるのはアンジェラと言う女の気性故だ。
……どうにも素直になりきれない。だが、それは捻くれているホークアイの根性から見れば遥かにマシだった。
「本当に……心配したんだよ?」
「悪かった。反省してる」
「ん。宜しい」
それがホークアイ自身の口から聞けて安心したのか、アンジェラは優しい口調でホークアイに返した。
相手が素直になるのならば、自分もまた素直になる。それだけはアンジェラは徹底していた。
「こうしてさ、アンタと一杯引っ掛けるのも久し振りな気がする」
「かもな」
「もうどれ位経つっけ。最後に飲んでから」
「ん〜?」
アンジェラの言葉に過去の記憶を頭から引っ張り出すホークアイ。だが、その時の記憶はとっくに忘却されていたのか、中々出ては来なかった。
「……少なくとも、一ヶ月以上前の事だった気がするな」
取りあえず、覚えていたのはそれだけだ。それ以上の詳細は思い出す事は出来なかった。
「もう、そんなになるんだ」
「逆に言えば、未だそれしか経ってないとも言えるがな」
「そうかなあ。アタシは、もっと長く感じてたんだけど」
月日が経つのは早い。過去の記憶に浸り、それを懐かしむ様に言うアンジェラは何処と無くだがホークアイには小さく映った。
普段の高慢、且つ不遜な彼女を見慣れていたホークアイにはそれがとても可笑しかった。
「何とも婆臭い台詞だな」
「……五月蝿い黙れ」
「へーい」
そうして軽口を飛ばしてみるも、アンジェラは心底うざったそうに低い声と共に唸る。これ以上余計な事を口走るのは危険と判断し、ホークアイは口を噤む。
……それがいけなかったのだろうか?アンジェラもまた同様に口を閉じ、会話の流れが不意に途切れてしまった。
「・・・」
重苦しい空気が部屋の中に充満していた。何か無理矢理にでも言葉を吐いて、この状況を打破しようとしたホークアイだったが、都合良くそんな言葉が出てくる筈も無かった。
「あー……っ」
……何だって酒の席でこんな気拙い重いをしなければならないのだろうか?
ホークアイはそんな事を思いながら、何時もの様に煙草を吸いだした。
「ふゆうぅ」
煙を天井に吐きながら、アンジェラを見ると、彼女はテーブルに突っ伏したままピクリとも動く様子を見せない。
……まさか、退屈に支配され寝てしまっているのでは?
そんな考えが頭を過ぎるが、それを確認しようとは思わないホークアイだった。
「昔は……違ったよな」
アンジェラを放置する事を決めたホークアイは愚痴にも近い言葉をポツリ、と漏らす。
……そう。昔は違った。少なくともこんな重い空気になる事は無かった筈なのに。
思い返す度にアンジェラとの過去がホークアイの脳裏に浮かんできた。
――第二の従者との出会い
それは薄暗い牢獄の中だった。第一の従者たるリースとの出会いから僅か数日足らず。滝壺に叩き落され、意識を回復した場所に彼女は居た。
ジャドの宿屋でその眠っている後姿を見た様な気がしないでもなかったが、それが取りあえず彼女との馴れ初めだ。
『ええっ!? フェアリーに選ばれたのって、アンタがそうなの!?』
『……あの〜、俺の顔に何か?』
じっと見つめてくる翠の瞳。値踏みする様なそれが嫌悪感と同時に寒気を与えてきた事は今でも覚えている。
『……うん。合格』
言われた瞬間、訳が判らなかった。
『何がですか』
『ちょっと頼り無さそうだけど、顔は悪くないし。割とアタシ好みかもね』
その後、命からがらマイアへの定期船に転がり込み、彼女の素性を知った時、何となくだがその言葉の意味が理解出来た気がした。
つまり、自分はアンジェラに何が原因かは知らないが、気に入られたと言う事だった。
――よくよく自分はロイヤルファミリーと縁がある
従者の二人がローラント、そしてアルテナの姫君だと言う事実は運命の一言では片付けられない何かがある様な気がしてならなかった。
これは王族嫌いの自分に対する苛めなのか、はたまたマナの女神が与えた試練なのか。そんな事をマイアに着くまで延々と考え続けたのは今となっては良い思い出だ。
力を得て、母親に認められる事。それこそ彼女がパーティーに参加した理由だった。
自分やリースが根底に持つ「復讐」と言う信念に対し、何とも漠然としていて掴み難い行動理念。
……果たして、それで何時終わるとも知れない旅を踏破出来るのか?
そんな似合わない心配をしてみたが、その考えは結果的に杞憂に終わってしまった。
何故なら、精霊の加護を得てからの彼女は、彼女の望む通りにメキメキと魔術師としての力を付けていったからだ。
前列には回せないが、後方支援としては一流。流石は稀代の魔女の血を引く御方だと何度もその力に救われた事もある。アンジェラは戦闘に於ける己の役割を早々に見出せた様だった。
……そうして、今のパーティーが出来上がった。あの時は、この良く判らない面子で世界を救う等夢にも思わなかったし、そもそもそんな御大層な事は無理だとも思った。
「だけど、俺達はそれをしようとしてるんだもんなあ、これが」
運命と言うのは過酷なモノだ。その一言で片付けたくは無いが、実際このヴィジュアル重視の面子で戦場を駆け抜けてきたのだ。危ない場面も何度かあったが、それでも上手くやって来れた。
「その集大成が魔王とのラストバトルってのも笑えねえ」
あはははは。ホークアイは自嘲気味に笑いを零してみるが、残念ながらそれにツッコミを入れてくれる輩は居ない。
「……?」
ただアンジェラが不振な目を向けるだけだった。
あの当時、パーティーは戦闘面以外に大きな問題を抱えていた。理由は単純な事で、己とリースの不仲。些細な事で衝突するのはしょっちゅうで、もうそれが我慢出来なくなった自分はリースだけではなく、アンジェラとも距離を取っていた。
恐らく、マイアからフォルセナに渡るまでがそのピークだったのだろう。必要以上の会話をせず、単独行動に近い事をし続ければ、誰だってそれがおかしい事と気付く。
本来ならあの時にパーティーが解散していてもおかしくは無かった。だが、実際そうはならなかった。
それは単に、アンジェラが居てくれたからだ。
『何悩んでるかは知らないけどさ、お姉さんに話してみ?』
その言葉に当時の己がどれだけ救われたのかは計り知れない。我侭で押しが強いアンジェラだが、その面倒見の良さと芯の熱さは短所を補って余りある。アンジェラと言う女の持つ魅力をその時改めて知った気がした。
……そうして気が付けば、自分はアンジェラと行動を共にする事が多くなっていた。
何か意味がある訳では無いのに、彼女の元を度々訪れていた気がする。最初、アンジェラもうざったそうに、また呆れた顔をしていたが、何度か回数を重ねる裡に彼女は諦めたのか、最終的には自分を部屋にまで上げる様になった。
今になって思えば、彼女の側は己にとって唯一安らげる場所……或いは逃げ場所だったのかも知れない。
彼女に気があったとかそう言う事ではなく、内に溜め込み過ぎた時に彼女と居れば溜め込んだ毒が薄まる様な気がその時はしていたのだ。
実際、彼女にリースに対しての愚痴を零した事等無いし、彼女がそれを聞いて来る事も無かった。
――無意識に逃げ場を求める程イカレていたか、若しくはその手前だったのか
今となっては判らないが、恐らくそれが真実に近いとホークアイは冷静に分析した。
「ふう」
もうとっくにフィルターまで吸い切った煙草を灰皿に移し、アンジェラの方を見る。
「……何?」
「別に」
何時からこちらを見ていたのだろうか。交差した視線は一瞬で、次の瞬間にはホークアイは顔を背けていた。……少しだけ、彼女の事を意識してしまったのだ。
『好い加減にしてくれないとさぁ、アタシも本気になっちゃうよ?』
一度だけ、彼女がそんな台詞を吐いた事があった。風の回廊に挑む直前……ローラント奪還戦が起ころうとしていた時だ。あの当時は頻繁に、それこそ二日と置かず彼女の下を訪れて居た。
自分の城を取り戻す事に執念を燃やしていたその時のリースは近付き難い程のオーラを纏っていた。誰の目に映ってもピリピリしている事が丸判りの状態で、当然の如く自分はリースとは距離を置いた。
触らぬ神に祟り無し。それを実行して事無きを得ようとしたのだが、それが通用する程リースは甘い相手では無かった。
目的の為に焦燥を剥き出しにして猪突猛進するその時のリースは危険人物と言っても過言では無かった。
自重と言う言葉を何処かに置き忘れたのか、無鉄砲な行動ばかり取り続けるリースのフォローには本当に手を焼いたものだ。
表面には出さなかったが心労だって胃痛を伴うほどに蓄積していた気がする。
……無論、そんな事は口が裂けても言わなかったが、アンジェラも何となくだがその時の己の状態を気遣ってはくれていた。
癒しを求めていた訳でも無ければ、憐憫を欲した訳でもない。
それでも、訪れる度に笑いかけてくれたアンジェラには素直に感謝の気持ちを抱く事が出来た。
彼女の笑顔がその時に正気を保つ一助になっていた事は疑い様の無い事実だったのだ。
だからこそ、そんな彼女の言葉の真意が自分には判らなかった。アンジェラは性別を超えた友人だと本気で思っていたし、それが変わる事は無いとも信じていた。
……しかし、それは所詮我が身にとってのそうであって欲しいと言う妄想だった。
彼女自身の気持ちの変化を省みる事は一切しなかったし、そんな必要性だって感じなかった。
その言葉がどう言う意味を持っていたのか、知ったのは後の事だったが、その時に気付けなかったのは一生の不覚と言っても良い。
そして、それを知った時には既に手遅れになっていたのだ。
「……ねえ、ちょっと」
「へ? い、痛て」
ぐいぐいと髪の毛が引っ張られる痛みと共に意識が現世に戻ってきた。気が付けばアンジェラが隣に座り、ホークアイの長いおさげを引っ張っていた。
「アンタってもう少し空気を読んでくれる奴だと思ってたのに。お姉さん、やるせないなあ」
「わ、訳判らねえよ。ってーか、引っ張るな! 抜けるだろ」
「ぶーぶー」
アンジェラは言われるがまま、渋々手を離した。
……こうなったのはアンタが悪い。
そんな顔をしながらブー垂れる彼女はすこぶる機嫌が悪い様だ。昔から機嫌が悪くなるとアンジェラはホークアイの長髪を引っ張って憂さを晴らしていたのだった。
「いきなり何だってんだ、くそ」
「空気を読まないアンタに愛を込めて」
「相変わらず訳の判らん事を……」
どうせ何時もの茶目っ気だろう。ホークアイは勝手にそう決め付けて取り合おうとはしなかった。彼女が何を求めているのか本当は知っているが、態々それに付き合う程彼は暇でも愚かでもない。
今はただ、隣に座っているアンジェラを落ち着かせたかった。
「最後にしたのって……何時だったっけ」
「……はい?」
そんな言葉が喉奥から勝手に漏れた。聞き間違いを期待したかったが、そうではない。その証拠にアンジェラは真剣な眼差しを嫌と言う程叩き付けて来ていた。
確か、リースもこうやって同じ事を聴いてきた気がする。
「あー……えっと」
何となくだが、こうなる様な気はしていたのだ。そしてその時が実際に訪れてしまっただけ。
覚悟をしていなかった訳ではないが、いざこう言う展開になるとホークアイとて戸惑いを隠せなかった。
「ねえ?」
上目遣いで覗き込むアンジェラの表情にはホークアイとてドキリ、とさせられた。
「……二ヶ月前だな。神獣退治の終盤だった気がするが」
こうなってしまえば、退路は既に無い。……そう自覚したホークアイは肝を据える事にした。
ここで毅然とした態度を取らなくてはみっともない事この上ないし、彼女とのそれを断ち切る事も上手くいかないかも知れない。
全ては主観だが、そうする事が今の自分に必要な事とホークアイは自分に言い聞かせた。
「へえ。そう言う事はマメに覚えてるのね」
「ああ。……何でだろうな?」
「知らないわよ……」
その時の事は何故か覚えていた。彼女と最後に肌を重ねたのが二ヶ月前。それからアンジェラとの交友は一切途絶えていた。尤も、それ以前から彼女との仲は疎遠になりつつあったのだが。
ローラントを奪還し、リースの自分への評価が変化した後も、自分はアンジェラとの交友を続けていた。
そもそも、そう簡単にリースの自分への憎しみが覆る事は無いと思ったし、例えそうであってもアンジェラと自分の仲が急によそよそしくなるなど有り得ない事だった。
アンジェラと自分は内面が似通っているのか、気が妙に合ったし、一緒に居て疲れない相手だと言う認識がお互いにあった。
幽霊船に乗り、ブッカを通過してフォルセナの地を再び踏んだ時……アンジェラとはすっかり仲良くなっていた。それこそ、毎日の様に酒を飲み歩く程に。
そこからアンジェラの変化に拍車が掛かったのか、プライベートの付き合いも比例する様に加速度的に増えていった。
……そうして、その時はついにやってきてしまった。
『アタシ……アンタの事、好き……かも』
アンジェラは似合わなくも顔を真っ赤にしながらそんな事を呟いた。ミントスの宿屋で酒を飲んでいた時に、話の流れを切って告白を敢行して来たアンジェラ。
その時の彼女が素面だったのか、それとも酔っていたのかは思い出せないが、きっとその言葉は本気だったに違いない。
しかし、そんな彼女の想いもその時の己の心には届かず、寧ろそれがどうにも他人事に思えて仕方が無かった。
――それも、あの時の自分の精神状態を考えれば当然だった
世界を股に掛ける精霊探しの旅。その最中に己は避け得ぬ別離と言うモノをもう一度味わった。
ミントスに至る僅か数日前だ。自分は火炎の谷の入り口で、美獣の傀儡と成り果てた嘗ての友人……否、家族とも言える存在をこの手に掛けてしまったのだ。
この世には救いも無ければ神も居ないと本気で絶望した瞬間だった。
平静を装ってはいたが、心に付いた傷は塞がらずに血を流し続けていた。
そんな事があった数日後に聞こえてきたアンジェラの言葉はただの文字の羅列で、痛んだ心を更に拉げさせるノイズだった。
アンジェラとて自分がどれだけ微妙なタイミングでそんな言葉を言ったのかは理解している筈だ。
そうでなければ、そいつは悪意を持って傷口に泥を塗る輩か、空気が読めない馬鹿かのどちらかだろう。そして、アンジェラはそんな事をする様な下衆ではない。
『ねえ……どう、かな? アタシと……』
自分を売り込もうと必死だったのだろうか?
普段の勝気な彼女とは違ういじらしい彼女の姿は何故か笑いを誘ってきた。勿論、顔に出す事はしなかったが、その時のアンジェラはそれだけ滑稽に映ったのだ。
『好きにしなよ』
そうして、自分はそんな言葉を吐いていた。目の前で何が起こっているかなどは興味の外だったし、それがどう言う結果を招くかと言う事もその時は考えても居なかった。
ただそうとだけ言えば、アンジェラは黙ってくれるのだろうと思い、その一心で言葉を吐いた。後の事などその時はどうでも良かったのだ。
『……判った。アタシの、好きにするよ』
そう言ってアンジェラは微笑みながら唇を重ねてきた。
……それが事の顛末。気が付けばアンジェラと体の関係を結んでいた。それを望んでいた訳では決して無いが、後先考えず、状況に流された結果そうなってしまった。リースの時と一緒だったのだ。
二人の友情は永遠だとそれまでは子供の様に信じて疑わなかった想いはその関係になった瞬間に打ち砕かれた。所詮、性別を超えた友情等ありはしないと言う現実が嫌でも突き付けられたのだ。
より深い関係を望んだアンジェラと現状の維持を望んだ自分とが擦れ違っていくのは約束された事だったのだろう。
自分にとって居心地の良かったアンジェラの隣の席はその時を境に永久に失われた。
「判ってると思うけどさ」
「……ああ」
俯いて小さな声で言うアンジェラ。何を言いたいのか、そして何を言いたいのかは一目瞭然だった。
「アタシ、下心全開でアンタの所に来たのよね」
「そんなこったろうと思ってはいたけどな」
そっと、アンジェラの掌が自分のそれに触れる。冷たい、血が通っていない様な冷ややかで細い手だ。だが、その中には熱い血潮が通っている事がホークアイには知れる。
彼女は本気であり、また止まらないと言う事も同時にだ。
「じゃあ、期待して良いのかな」
「期待するな……とか、最初に言ってなかったっけ?」
「……もう忘れた。それとも何? リースに操立てでもしてる?」
そんな殊勝な心掛けなど最初からホークアイには無い。あったのならば、こんな風にグダグダな関係になったりはしない。
「もう、終わったと思ってたんだがな」
「アンタはそう思ってたんだ?」
「ああ」
「っ!」
言ってはならない台詞を吐いてしまったらしい。グッと力を込めたアンジェラの爪が掌に食い込んできた。
「痛っ」
「勝手な事……言わないでよ!」
その痛みに堪らず呻くホークアイ。アンジェラは今にも泣きそうな顔でホークアイを睨んでいた。
「アンジェラ……お前」
「アタシは……アンタにさよならした覚えもされた覚えも無いんだから!」
既に過去の事だと、ホークアイはそう思っていた。……否、思いたかった。
だが、それはホークアイの中だけで通用する言葉であって、アンジェラにとっては違ったのだ。彼女の中ではホークアイとの関係は現在進行形で絶賛継続中だった。
「違ったな。終わり掛けてたんだよな」
「終わりになんて、しないわ」
それが確認できたホークアイは自分の言葉を訂正する。だが、アンジェラはその言葉を拒絶する。
「いーや。終わるんだよ」
「っ! ……どう言う意味よ」
「良く考えてみるんだな」
その答えは自分で考えろとでも言いたげにホークアイは吐き捨てる。きっと彼女もそれには気付いている筈だ。しかし、アンジェラはそれを認めたくなかった。
「判る訳、無いでしょ」
「往生際が悪い。こうなる事は判ってた筈だ。最初からな」
「……関係無い」
「否だ。旅の終わりを以って、俺達の関係は幕だ。そいつはお前さんが思ってる程軽くは無いんだぜ?」
アンジェラが聞きたくないであろう言葉が無慈悲に投げ掛けられた。それが答えであり、また通らなければならない未来だった。
貴公子を打倒すれば、全ての決着が本当に付く。冒険の旅は終了し、ホークアイ達がパーティーを組む必然性もまた無くなる、そうなってしまえば、今の様に気軽に会う事も酒を飲む事だって出来なくなるのだ。
「俺はナバールに、お前はアルテナに。リースだってローラントに帰るんだ。ごっこ遊びは終わりにしておかないとな」
所詮、自分達の関係は旅の間だけに結ばれた仮初のモノだとホークアイは断言する。
そして、それに引き摺られては碌な事にならないので、彼はそれを断ち切ろうとしていた。別離は決別と同義だとホークアイはずっと思っていたのだ。
もっと早くにそうしなければならなかったのに、ここまでズルズル来てしまったのは我が身の怠慢。だから、ホークアイは今と言うタイミングを逃す訳にはいかないのだ。
「終わっちゃうの? ……アタシと、アンタは」
自然と声が震え、終わりの言葉が体に染み込んで熱を奪っていく。
アンジェラは旅が終わった後もホークアイとの仲は今のまま続いていくモノだと思っていた様だが、彼はそれを望んでいなかった。
「お前さんとだけじゃない。リースともだ」
覚悟をしていたとは言え、この手の台詞を吐くのはやはり抵抗があった。だが、心を凍らせ、感情やその他を捨てて言葉を紡ぐホークアイからは表情が全く読み取れなかった。
痛々しい無言が部屋を包み、ホークアイには自分の心臓の音が聞こえてきた。
「……そっか」
沈黙が破られ、時が動き出す。アンジェラは若干渋い顔で呟いた。
「納得して……は貰えてないか?」
「当然」
「やっぱりな」
未だに未練タラタラなアンジェラはそう簡単にホークアイの事を忘れたり、諦めたりは出来ないのだろう。きっと、リースも同じ様な反応をするに違いない。
「だが、どれだけ思い縋った処で儘ならん事は世の中に幾らでもあるぜ。別れは実際に迫ってるんだからな」
「そうね。うん」
今は納得しなくて良い。ただ、その事実を受け入れてくれるだけでもホークアイにとっては有り難い。アンジェラはそんなホークアイの考えを何となく理解しているのか、俯いて唇を噛み締めていた。
「そろそろお開きか」
もう酒は殆ど残っていない。案の定、重たい話になってしまったが、伝えるべき言葉を伝えられた所為か、ホークアイの顔は少しだけ晴れていた。
「何、言ってるの?」
「え?」
だが、そんなホークアイとは真逆の心境に突き落とされたアンジェラは凄みを感じさせる低い声で呟いた。
「これで終わりに何て、させる訳ないでしょう?」
「な――」
そうしてアンジェラは勢い良く顔を上げて、テーブルの上のボトルを引っ掴んで、それの中身をラッパ飲みした。
その光景に面食らったホークアイは止める事も出来ずにポカンとしていた。
「むぐっ!!?」
唇に柔らかい感触を感じた瞬間、頭を腕で押さえ込まれた。
「んっ……はぅん……ちゅっ」
完全に油断していたホークアイは全く動く事が出来なかった。アンジェラが唇を重ね、舌を口腔に差し入れて来ている事を理解するまで数秒を要してしまった。
「む! ――ぐう」
しかもそれだけではない。口に含んだ唾液混じりの酒を送り込んでくる。酒の香りとアンジェラの舌の感触にのぼせそうになりながら、それを飲まされた。粘膜を蹂躙しながら舌を絡め、器用に口内を愛撫するアンジェラ。
ホークアイはそれに翻弄され続けた。
「ふぅ……んっ! んんぅ……っはあ」
「っ……げふっ」
お互いに酒の筋を口元に伝わらせながら、息を吐く。ホークアイは飲み込まされた酒の蜂蜜の様な甘さに思わず咽た。そうして涙目になりながらアンジェラを見る。
「ふ、不意打ちとは恐れ入る。何のつもりって聞くのは野暮か?」
「下心あり。アタシはそう言ったけど?」
最初からこうする事はアンジェラの中では決定事項だった。ホークアイもそれに気が付いていた。だが、虚を突かれたホークアイは対処に遅れてしまったのだ。
「随分と情熱的な事で。してやられたぜ」
「アタシの心を傷付けた仕返しって事で」
アンジェラは赤い顔で微笑み、次の瞬間には睨んできた。どうやら、怒らせてしまった様だ。だが、ホークアイはその事に謝罪はしない。
「言った処で、どうにもならん。それに、後で苦しむのはお前だぞ?」
「考えない」
「何?」
「確かに、アンタとの関係は終わり掛けてる。一緒に居られるのも後少しよ。でも……」
言わねばならなかった言葉にはホークアイの決意が乗っていた。それを吐いた事に後悔など無い。
だが、アンジェラはそれを受けて尚、ホークアイを求めていた。自分が傷付く事を厭わないかの様に。
「それでも、アンタとアタシは未だ終わってない。だから、今はアタシの好きにする」
それが今の彼女を突き動かす。制限時間は過ぎようとしているが、未だに時間内なのだ。それならば、時間が来るまでに自分が惚れた男と精一杯愛し合おうとするのがアンジェラなりの結論だった。
「……やれやれ。そう言う奴だったよな、お前さんは」
そこまで真っ直ぐに言われては敵わない。ホークアイは自分に素直になる事が出来るアンジェラに軽い羨望を覚えつつ、同時にそうなれない自分に対し嘲笑って見せた。
「しよ?」
「承知」
お姫様は熱を感じさせる視線を送って来た。それに抗う事に意味など無いので、ホークアイはアンジェラの手を取った。
相変わらず冷たい手だったが、内に秘めた熱はそれこそ今迄の旱の分だけ篭ってしまっているに違いない。
ホークアイは感情をニュートラルにしつつも、完全には冷静に成り切れなかった。何処か期待している自分が其処に居たからだ。
116 :
72:2008/12/28(日) 00:21:01 ID:tQXKq9mo
長いので一端切ります。
続きは帰ってきてからでも。
>>96 ここでの初投下がそれでした。
その後にゼファー、カルマ、ガニメデ、ミラージュと続いて今はこれです。
各所を巡ってスキルアップを果たせたので半分リベンジのつもりだったのに書いてる裡に別のものに…orz
乙です!
タイトルで涙が。。。
CS10th引っ張り出してくるか……
同じく乙! タイトルで涙が止まらない…!
自分も10thからHSまで引っ張り出して祭ってくる
昔のゲームだからか3の面子で生々しい恋愛模様ってすごく意外だったので新鮮でいいね
保管庫で前作読み直して続きを待ってる
119 :
72:2008/12/29(月) 01:36:43 ID:fl1Njdnc
爆撃再開。
一日経っちゃってたorz
寝台に座るアンジェラを見ながら、ホークアイは己の胸中に燻る何かが軽く警鐘を鳴らしている様な錯覚を覚える。思えば、少し前にリースとした時にも似た感覚はあった。
ホークアイはその正体には朧げながら気が付いている。だが、それを認めてしまえば今迄の自分が崩壊してしまう事も同時に判っている。だから、ホークアイは己の中の想いを握り潰すのだ。
「何よ。ジロジロ見てさ。アンタにとっちゃ見慣れてる格好でしょうが」
「そうだがな。でも、その格好のお前さんとするのは初めてだと思ってな」
凝視するホークアイの視線が恥ずかしいのか、アンジェラは顔を赤くして呟いた。確かにホークアイも彼女の露出狂じみた格好は見慣れているのだが、その彼女と今から致すと思えば嫌でも視線は彼女の肢体に吸い寄せられた。
本当に防具としての意味を果たしているのか怪しい古の祭衣。がっちり守られているのは胸を中心とした一部分だけで、腹や局部は裸と言っても過言ではない。
装いの切れ目から覗く、鎖骨や腰の細さはアンジェラの持つ女性としての美しさを際立て、膝上まであるロングブーツの黒はムッチリとした太腿の肉を強調していた。
更にその上の領域を守る前張りとも言えるマイクロビキニは海に行くわけでもないのに着れば、間違い無く捕まる程の恥ずかしさを誇っている。少し注意深く見れば、彼女の土手の形や尻肉の肉感が手に取る様に判る程だ。
そんな軽装が災いしてか、リース程では無いにしろ全身に生傷だって多い。が、それもホークアイにしてみればアンジェラのチャームポイントだった。
「あらぁ? ひょっとして、柄にも無く興奮しちゃってる?」
「奇特すぎる格好だって関心してんのさ」
獲物を見据えた雌豹の如き視線をアンジェラは投げてきたが、ホークアイはそれを軽くあしらった。彼の言葉は真実で、もうとっくに見慣れているホークアイはアンジェラのその格好に劣情を抱く事など有り得ない。
「そんな事言って、本当は好きなんでしょう? ん〜?」
「そりゃ一部の人間には大好物だろうさ。だけど、一緒に歩いてるとこっちが恥ずかしいんだよ。リースやフェアリーだって或る意味そうだぜ?」
もう少しで二十歳に届くアルテナの姫君にはもう少し自分の格好に配慮をして欲しいとホークアイは昔から言い続けてきたのだが、結局、ホークアイは途中で匙を投げた。アンジェラは最初から聞く気など無かったのだから。
無論、その言葉は今のリースにも言えた事だが、彼女もまた人としての羞恥心を捨て去っているのか、あのコスプレじみた格好を豪く気に入ってしまっているのだ。
そして、元から裸一貫のフェアリーは言わずもがなだ。
連れだって歩くだけで、周囲の視線をここまで釘付けにする集団はファ・ディール広しと雖、ホークアイのパーティー以外には存在しないだろう。
そんなチームリーダーは人目に晒されては商売あがったりの暗殺者なのだ。
……そんな自分にまで羞恥プレイを強要する彼女達の格好にはホークアイはもう心底うんざりしていたのだ。
「正直じゃないわねえ。アタシが今の格好する様になった時さ、アンタの視線がとっても熱かったの、アタシ覚えてるんだけどなあ」
「何を馬鹿な」
「リースもそうだって言ってたわよ?」
「げ」
最初は頑なに否定していたホークアイだが、もう一人の証言が決め手になったのか途端に顔を赤くしてしまった。アンジェラはニヤニヤしてホークアイに囁く。
「で、本当の所はどうなの?」
「…………嫌いじゃない。寧ろ、好き……だった」
「くすくす……ムッツリスケベ。……って、何故過去形?」
「いや、目の保養になるかなって思ったけど、三日で見飽きたよ。さっき言った理由とは別でな」
それがホークアイの本音だった。年若い女性があられもない格好をしているのだから、同じく若いホークアイがそれに反応するのはまあ自然な事だろう。
だが、元々同年代に比べてクール&ドライ、且つ涸れ気味のホークアイがそれに興味を無くすのはとても早かった。
それ以降の彼女達の格好は彼にとっては何の価値も無いモノに成り下がったのだった。
「そう言われるとムカつくわね。私の女が否定されたって感じで」
「否定はしてねえぜ? お前さんが生物学的に女だって事は俺が良ーく知ってる」
「あん……もう。手付きが厭らしいんだから」
「こう言うのは野郎の仕事ってね」
雑談ばかりしている訳にはいかないので、ホークアイはゆっくりとアンジェラの召し物を剥ぎ取っていく。女の服を脱がしていくのはホークアイに取っては堪らない瞬間の一つだ。そんなホークアイの内情を察知したアンジェラは大人しく裸にされていく。
マントに始まり、胸当てを先ず剥いだ。窮屈そうに其処に収まっていたアンジェラの乳房がホークアイを睨む。柔らかく、また重そうな乳肉が食欲を増進させた。
「美味そうな肉だな」
「あの娘よりは大きさに自信があるわ。アンタは知ってるわよね? 甘くて柔らかいのよ」
「刺身にでもして……いやいや、それだと乳臭そうだな」
「何考えてるのよ、馬鹿」
決してホークアイは冗談を言った訳ではない。食材の旨みは調理法によって幾らでも変わるのだ。突付けばたゆんと揺れるアンジェラのお胸は確かに柔らかそうだが、同時に乳臭そうだ。きっと生食には向かないのだろう。
そんな戯言を抜かすホークアイが危険に見えたアンジェラは咄嗟に胸を両腕で隠した。
「何を慌ててんだ?」
「アンタが馬鹿な事言うからでしょ!」
ホークアイがブーツを脱がしながらアンジェラに怪訝な視線を向けた。アンジェラは状況が判っていないホークアイに信じられないと言った顔付きで睨んだ。
「馬鹿な事? ……俺に取っちゃ、極めて重大な事なんだが」
「そりゃ、こっちに取っても同じよ! ……乱暴にされるのは良いけど、食材にされるのはちょっと、ねえ」
それを許せば、傷害事件が発生してしまう。否、下手をすれば殺人事件だろう。そこまでコアなプレイを求めないアンジェラは心の内を吐露した。そして、それを聞き逃すホークアイでは無かった。
「手荒く扱われるのが好きなのか?」
――ぷに
「きゃん」
両腕で隠して尚も零れるアンジェラの胸をホークアイが突付いた。アンジェラは甘さを含んだ声を上げ震える。
「そ、そんな事ないわよ。んっ……」
「そう言えば、アイツも手荒くされるのがお気に入りらしい。格好に騙されがちだけど、お前等揃って受けだよな」
「や、やん!」
――ぷにぷに
お乳に指を突き刺して遊ぶホークアイ。その刺激がもどかしいアンジェラは軽くだが身を捩った。これ位はまだ序の口だが、幾らでも乱暴に扱う事は出来る。そして、アンジェラやリースはこの程度では物足りないのだ。
「で、どうすんだ? その脂肪の塊、嬲ろうか?」
「ううぅ//////」
一体どうして欲しいのかはっきり聞いてくるホークアイにアンジェラは漸く両腕を下げた。肉欲には抗えないのか、その顔は羞恥と期待で朱に染まっていた。
「い、痛くしちゃやあよ? 出来るなら、その……優しく」
そうして搾り出した言葉がアンジェラの望みだった。手荒くされるのも嫌いではないが、今は優しく弄って欲しい。久し振りにする事なのでアンジェラはムードを大切にしたかった。
「委細承知」
「あうぅ!」
――ぎゅっ
ホークアイはアンジェラの後ろに回って、その大きな胸に指を食い込ませた。痛さを感じさせない様に細心の注意を払いながら、アンジェラの希望に沿う様に優しく、且つ若干だが激しく胸を揉む。
「あぅ……んっ、んん」
「取り敢えずはこんな感じか?」
「もっと……もっと強くして良いわよ?」
「中々に難しい注文だな」
ホークアイの技量ではギリギリな所だ。これ以上強くすれば痛みが勝ってしまう。だが、これではもの足りないアンジェラは更に強い愛撫をホークアイに強請っている。リクエストの消化には多大な苦労がかかる事にアンジェラは気付かない。
「じゃあ、こんな感じか?」
「んあっ! き、気持ち、良いよぅ」
「これ位の強さが標準か。……じゃあ、暫くはこれでな」
色々と注文を付ける我侭なお姫様の期待に応えられたホークアイはゆっくりとアンジェラの劣情を煽っていく。
吸い付く様なアンジェラの肌の感触と乳の肉圧を楽しみながら、拉げさせ、押し潰し、搾る様に胸を愛するホークアイの手付きは実に手馴れていた。
……そうして、五分も乳を揉んだ所でアンジェラは次なるお願いをホークアイに示した。
「お、おっぱいは良いから……別の場所を気持ち良くして?」
「もう良いのか? 俺はもう少し弄っていたいんだけど」
――ギュウ
「い、ぎっ!?」
中指から小指を激しく肉に食い込ませ、また人差し指と親指で硬くしこった乳首を握り潰すとアンジェラが小さく跳ねた。明確に苦痛を感じさせる声と、それを超える快楽が混じった悲鳴がホークアイの耳を通過した。
「い、痛い! 乳首、もっと優しく……!」
「何だよ。もっと弄って欲しいんじゃないのか」
コリコリと痛がらない程度に勃起した乳頭を刺激してやるとアンジェラは蕩けた声でホークアイに甘えだした。
「ら、らめぇ。乳首コリコリしちゃやだぁ。アタシ、切なくなっちゃうよう」
甘ったるい声でモジモジと股を摩るアンジェラはどうやら、その場所が先程から疼いて自分ではどうしようもない様だ。ホークアイは意地悪くも、それを無視して尚も勃起した乳首を愛でてやった。
「何を言いたいのか判らんね。此処だけも相当良さそうだけど」
「い、意地悪しないでよぉ。其処だけじゃ足りないのよう……!」
抓まれたアンジェラの乳首は大きく勃起し、ホークアイが指の腹で転がす度に快楽を体に叩き込んできた。だが、それは絶対的なモノではなく、もっと強い刺激を欲したアンジェラは懇願する様にホークアイに叫んだ。
「先をこんなに膨らませて。もっと刺激してやるよ」
「やだあ! アソコも弄ってえ!」
――ニヤ
ホークアイはその言葉に厭らしい笑みを浮かべ、口を歪ませる。アンジェラの言うその場所を彼女自身の口から言わせる必要性が生じたのだ。
「あそこ……とは? それだけじゃ判らんね。……耳の裏か? それとも鎖骨とか?」
「わ、判ってるんでしょう!? 焦らさないで!」
「なら、ちゃんとおねだりしてみるんだな。何処をどうやって俺に愛して欲しいんだ?」
「う、くっ……ううぅ〜〜//////」
この変態が。……そんな言葉がアンジェラの顔には張り付いていたが、主導権を握っているホークアイは知らぬ存ぜぬと激しく胸を揉みしだく。肉に掌を食い込ませ、円を書きながら激しく乳を犯してやった。
「ひゃんんんんううぅぅ!!!」
痛みと快感を訴えるアンジェラの嬌声が実に心地良い。胸だけで此処まで感じる事が出来るアンジェラの淫乱さはそれこそリースと良い勝負だ。そうして、彼女はホークアイの望む台詞を口にしなければ、何時までも胸だけを弄られ続ける事になるのだ。
「オ……ン、コ」
それを理解出来たアンジェラは全てをかなぐり捨てて、その言葉を言う。今、自分が最も愛して欲しい場所を。
「もっと大きな声で言ってくれ」
「オマ○コ! アタシのオマ○コ切ないっ! だから弄ってよぅ! 今直ぐに!!」
……その台詞が聞きたかった。ホークアイは酷薄な笑みを顔全体に引きつつ、心底呆れる様にアンジェラに吐き捨てた。
「淫売が。アルテナの王女が聞いて呆れるぜ」
「あ、アンタが悪いんでしょう!? 責任を取んなさいよぉ……!」
アンジェラは別に自分がそう呼ばれる事に抵抗は無いらしい。ただ、そうなったのはホークアイの所為だと勝手に自己完結して、その彼を使って火照った体の熱を冷まそうとしている。
実際、大したものだとホークアイは思いつつ、ローラントの雌犬にも同じ様な台詞を吐かれた事を思い出した。
「責任、ねえ。……ああ。もっと、よがらせてやるよ」
そして、次に取る冪行動も同じだと言う事がホークアイには知れている。
ただ、目の前の女が満足する様に動けば良い。感情で動くのではなく、快楽を叩き付ける事。それが今の自分に許された行動だとホークアイは自覚しているのだ。
「えーと、どれどれ……」
前に回ってアンジェラの下腹部に視線を移すホークアイ。だが、何故かアンジェラは脚をぴったりと閉じ、その部分がホークアイの目に触れる事を拒んでいる様だった。
「あのさ、弄って欲しいんなら大きく脚を開いて欲しいんだけど?」
「だ、だって」
「今更、何を恥ずかしがってんだ。恥らう程の羞恥心なんざ、お前さんにゃ有って無い様なモンだろうが」
「きゃあ!」
ホークアイは埒があかないので、彼女の膝下に手を入れて脚を無理矢理に開かせた。少しだけ脚をバタバタさせたアンジェラだったが、結局はホークアイの望む通りに股を開いた。
「……で、お前はこれが恥ずかしいって言うのか?」
「ジロジロ見ちゃやあ!」
M字開脚されたアンジェラにそこを隠せるモノは無く、前張り一枚で辛うじて守られたアンジェラの股座は案の定、蜜を吐き出し室内の光源を照り返してキラキラ光っていた。
前張りの隙間からは透明な愛液が滲み、尻の穴辺りまでをぐっしょりと濡らしている。
「普段のお前の格好を考えろよ。この程度で羞恥を覚えるって事が俺には理解出来ないんだが」
――くちゅ
「ひんんっ!」
丁度、クレバスの辺りに指を添えて、上下に軽く動かしてやるとアンジェラは可愛い声を発して仰け反った。布一枚に隔てられているとは言え、アンジェラの女は相当に濡れそぼっていた。
全身を真っ赤に染め、虚ろな視線を宙に彷徨わせるその姿にホークアイは少しだけだが劣情を煽られた。
「リースと良い勝負だな。乳をちょっと揉んだだけでこうなれるとは」
――くちゅりくちゅり
「はっ、あっ!」
ローラントの王女様もこうやって弄れば直ぐに下の口から涎を垂れ流す。敢えてリースを引き合いに出す事でアンジェラの内側に火を点けようとするホークアイはかなり性質が悪い。
アンジェラは手と足の指でベッドシーツを掴み、体を小刻みに震わせる。
「少しだけ同情しちまうよ。スケベな体を持っちまったお前さん達に、なっ!」
――クンッ
「ふきゃあああ!!」
布を力一杯上に引き上げてやると、アンジェラは悲鳴を発して仰け反った。割れ目にみっちりと食い込んだ前張りが抗う事の出来ない刺激となってアンジェラを襲う。
ホークアイは加減しながらアンジェラの割れ目を弄びつつ、その耳元で囁いた。
「今、少しだけ逝きそうにならなかったか?」
「な、何よぅ! い、逝かせるならさっさとしなさいよぉ」
涙を溜めたアンジェラが弱々しい声と共に恨みがましい視線を向けてきた。劣情が渦巻く翠色の瞳はこれ以上焦らしてくれるなと言っている様だった。
「……この期に及んで、何でそんなに強気なのかが判らんが、激しく場違いな気がするな」
艶っぽくないとは言わないが、今の自分の立場が判っているのかがどうにも怪しい。ホークアイは不覚にも少し笑ってしまった。
「早く……早くしなさい。アタシが、こんなにドスケベになったのはホークの所為なんだからね……?」
「む……!」
一瞬、ホークアイは動揺させられた。
今さっき迄目の前に居た妙に強気なアンジェラはフェイクだったのか、今のアンジェラは上目遣いでとても恥ずかしそうに視線を送ってくる。そんないじらしい彼女の仕草にドキリとさせられたのは秘密だ。
……これしきの事で揺らぐ訳にはいかないので、胸に涌いた気持ちを何時もの様に消去するホークアイは何処までも頑なだった。
「お前も俺の所為にするのか? 俺は別にお前さんがそうなる事を望んでた訳じゃないぜ?」
王女であるアンジェラやリースを冒険片手間に此処まで仕込むホークアイの手腕は或る意味神憑っている。だが、彼自身はそんな事を意図していた訳ではないし、こうなってしまったのは彼女達自身に因る所が大きいとホークアイは思っていた。
しかし、それも今となっては言い訳に過ぎない。ホークアイが彼女達を抱いていたのは事実であって、その事を問われれば言い逃れなどは出来ないのだから。
「アンタの……所為なんだから。アタシは結局こうなっちゃってる訳だし」
ゴニョゴニョと言い淀むアンジェラはやっぱりその責任をホークアイにとって欲しい様だった。赤くなって俯く彼女の姿を見ると、普段の強気な姿を見慣れているホークアイもそのギャップには流石に戸惑う。
こんな彼女の姿はこう言う時でないと、滅多に拝めない。
「……へいへい。そう言う事にしておいてやるよ」
これ以上の問答は時間の無駄と悟ったホークアイは焦らしを解除して、アンジェラに残された最後の一枚に手を掛けた。
「あ//////」
その動きに吃驚したアンジェラが体を強張らせるが、そんな事に意味などは無かった。最早、本当に隠す物が無くなったアンジェラは生まれたままの姿をホークアイの前に晒す。
「そう怯えないでくれ。仕事はきっちり果たすからさ」
「判ってる、けど」
口ではそう言っても怯えを完全には消しきれないアンジェラは体を硬くしたままだ。そんな彼女の態度に苦笑しつつ、ホークアイはアンジェラの太腿に両手を置き、剥き出しの花弁に顔を近付けた。
汗の匂いと共にアンジェラの蜜が放つ甘酸っぱい自堕落な香りが脳を貫き、ホークアイの口腔に生唾を奔らせる。
「相変わらず甘ったるい香りだな。……ま、俺に言わせりゃこれでもまだ生臭いが」
「そんな事は良いから……早く」
「がっつくなよ。これでも遠慮してるんだぜ?」
もう待ちきれないのか、アンジェラは自分から腰を突き出してホークアイに自分の女を突き付けた。若干だがトロミのある白い粘液を吐き出し始めたアンジェラのクレバスが目の前で襞をヒク付かせている。
「それじゃ、味見を……と」
――ニュグ
「んっ! ……っ、ふはああぁ……!」
下の唇に重なるホークアイの唇にアンジェラは恍惚とした表情を晒し、切ない溜息を吐いた。襞を吸い、陰唇を掻き分けて膣の中に侵入するホークアイの生暖かい舌の感触がアンジェラには心地良い。
「ふあぁ……も、もっとしてぇ」
舌を指し込むと、アンジェラの肉の壁が待っていたとばかりに舌に吸い付き、また押し潰してくる。舌先に意識を集中し、根元から刈り取られない様に細心の注意を払いながらホークアイは舌でアンジェラの膣を愛撫してやった。
滑った肉の感触はアンジェラの昂ぶりを示す様に淫靡で、また艶かしい。視覚に頼らずともホークアイにはそれが判った。
「ちゅっ……ズズ、ズ」
「っあ! アン!!」
もっと強く愛してやらねば、王女様の体の火照りは収まらないと踏んだホークアイは口の中を真空にして、溢れ出るアンジェラの蜜を啜り上げた。それが堪らないアンジェラは官能の叫びを上げ、膣内を蠢動させて奥底から更なる蜜を湧き出させる。
「っ」
汗の塩味と酸味の効いた愛液の味がホークアイの舌の上で弾け、アンジェラの味が口一杯に広がる。思わずその風味に中てられそうになったホークアイは気をしっかりと持って、その液体を胃に収めていく。
だが、どれだけ飲み干そうが、おかわりは次々と供給され続けた。
「ホーク……! それ、イイ! ……素敵ぃ!」
「……う、ぐ!」
そうして、クンニを施し続けていると、ギュッとアンジェラの手がホークアイの頭を押さえ込んだ。性器と唇が触れ合う面積を大きくしたい為にアンジェラはそれを行ったのだが、口と鼻をほぼ塞がれたホークアイは窒息ならぬ膣息の危機に陥りかけた。
「ちょ……ま゛!」
「いやぁん!! 喋っちゃらめえ!!」
「ぐ、が……!」
ちょっと待て。その手を離せ。
……そう声に出して叫んだのがいけなかったのだろう。それが気持ち良かったアンジェラは更に強い力でホークアイをホールドした。本格的に気道を塞がれて息が出来無くなったホークアイは焦りを露にした。
……最初に感じた警鐘はこう言う事への危険性を自分に伝えてもいたのだろう。だが、それを読み違えてしまった今、後悔は何の役にも立たなかった。
決戦間際に仲間に殺されるのは御免だと、アンジェラの施す戒めから逃げようと躍起になるも、万力の如く押さえ付けるアンジェラの腕からは逃げる事が出来なかった。
――このアマ、ふざけやがって
自分の快楽の追及のみに執心するアンジェラはホークアイが陥っている危機にまるで気が付いていない。それが鶏冠に来たホークアイは制限を解除して本格的にアンジェラを嬲りに掛かった。
「つああああああ!!」
舌技に定評がある訳では無いが、それを駆使しつアンジェラを攻めていく。可能な限り舌を伸ばして膣の奥を舐め、空いた両手は胸に添える。加減は考えず、搾乳する様に乳肉を握り締めて、乳首だって挟み潰す。
「あひいいぃ!! 強っ、過ぎるよぅ!!」
口元が盛大に愛液で汚れるのを覚悟で陰唇全体を口に含み、啜り上げる。何やらアンジェラが悲鳴を上げているがホークアイは気にしない。
更に、鼻の頭で包皮を被ったクリトリスを小突いてやるとアンジェラはとうとう背中からベッドに倒れ込んだ。
それを好機と見たホークアイは反撃の隙を与えずに恥骨直下のザラついた部分を執拗に舌で責め立てた。膣全体を食み、溶かす様なホークアイの口撃にアンジェラの防御線が保つ筈が無かった。
「ぃ、っ、イグうううううううううう!!!」
だらしない豚の様な悲鳴を上げアンジェラは四肢をピンと伸ばす。そうして、ビクビクと痙攣しながらベッドに沈んだ。
「あ〜〜……げほっ、げほ!」
脱力し、拘束が緩んだ戒めからやっとホークアイは解き放たれた。生きている事を噛み締める様に大きく深呼吸すると、アンジェラの香りが気道から肺までの全てに満たされ、ホークアイは堪らず咳き込んだ。
「ふああぁぁ……気持ち良かったよぉ♪」
「……黙りやがれ、売女」
殺人事件の一歩手前だったと言うのに、その事に対して一切の謝罪が無い事にホークアイは怒りを通り越してただ呆れるだけだった。
「お前……本当にどうしようもない女だな。或る一部分に於いては特に……」
「……ふえ?」
「何でも無い」
腹が癒えないホークアイはそんな言葉を零してみるも、未だに快感が覚めやらぬアンジェラには全く意味が通じなかった。
「もうそろそろ終わりにするか」
「……ん?」
汗を吸ってべたついた上着を脱ぎ、半裸になるホークアイ。そうして彼は、ズボンの奥から自分の一物を取り出した。
――ブルン!
青筋を浮かべて天を向くそれはもうとっくに準備が完了している。アンジェラは期待の中に若干侘しさが混じった視線をホークアイの足の付け根に注いだ。
「アタシに、それを嵌めるの?」
「もう十分だろう。……って言うか、早々に引退したいって気が今は満々だな俺は」
やる事をやって気分良く終われるならもうそれだけで良い。そうでなくてもこれ以上グダグダやっていてはアンジェラに何をされるか判ったものではない。だから、ホークアイは黒光りする自身の剣をアンジェラに突き立てて終わりにするのだ。
「…………ま、良いか」
何かを考えていたアンジェラだったがそれは一瞬で、次にはホークアイを誘っていた。
「お姉さんが……愛してあ・げ・る♪」
「お姉さん、ねえ」
誘惑の言葉を一々真に受けるホークアイでは無いが、アンジェラのその台詞にはどうしてか反応してしまった。反発にも近い感情が沸々とホークアイの内に湧き上がる。
「……どうしたの?」
「いや」
感情が顔に出た様だ。アンジェラはそれを訝しんだ様だが、ホークアイはそれを何でもない事と一蹴した。
「? ……あ、ゴメン。そうだったわね」
だが、アンジェラは食い下がったまま退かなかった。そうして、その理由が思い至った時、彼女は謝っていた。
「何が」
「本当はさ……ホークの方がアタシよりお兄さんなのよね」
「・・・」
「すっかり忘れてて馬鹿な事言っちゃった」
それが理由だ。出自について判明したホークアイはパーティーの中では一応最年長者である。
19年前の時点で既に生れ落ちていた彼が17歳と名乗っているは色々と理由があるが、本当は年下のアンジェラに姉貴面されるのはどうにも抵抗があったのだ。
「だからゴメン。機嫌直して」
「いや、気にして無いが」
「そう? ……それじゃあ、年上らしく愛して下さるかしら? お・に・い・さん♪」
「……チッ。調子の良い奴」
態々そう言い直す辺りアンジェラは根性が悪い。溜飲が下がる所か、少しだけ嘗められた気がしたホークアイは苦い顔をしていた。
「早くぅ……そのブッといのをブチ込んでよぅ」
「媚びられると逆に萎えるんだが、まあ良いさ」
改めて、ホークアイを誘いだした彼女は自分で大きく女性器を広げて、そこに男根を誘おうとしていた。
……それにしても今のアンジェラはノリノリだ。見られては恥ずかしいと言っていたのが嘘の様な変貌振りを見せている。きっと妙なスイッチが入ってしまっているに違いない。
ピンク色の肉の壁がダラダラと涎を垂らし、ホークアイのそれを咀嚼したくてうずうずしている。女の最奥……見られて恥ずかしい奥の奥までを自分の手で押し広げてアンジェラは晒す。濁った愛液が生臭さを放ちながら、ベッドシーツに垂れ落ちた。
「そんじゃあまあ、お突き合いと洒落込みますか」
何度も見慣れている筈なのに、その場所に誘われている気がしたホークアイは自分の屹立したデスストロークを入り口に宛がった。
――ぷちゅ
「んっ」
先端の部分をクレバスの入り口付近で擦り、アンジェラの汁を塗り込む様に万遍無く竿全体に塗す。ぬるぬるの汁が一物に塗布される度、海綿体が滾った血潮を吸って硬さを際限無く増していく気がした。
「はっ……ハアァ……! もっ、我慢出来ない!」
「んあ?」
そのホークアイの動きがじれったいアンジェラはお預けは御免だと言いたげに恥らい無く叫んだ。
「早く! 早くチ○ポ頂戴! 根元までブチ込んで私のエロマ○コを可愛がってぇ!!」
――ドスン
「あひぃ」
引き攣った声にならない声がアンジェラの喉を通過した。恥ずかしいおねだりの台詞と同時に叩き込まれたホークアイの男根が文字通りアンジェラを最奥まで串刺しにしていた。
「お待ちかねのもんだぜ? 姫さん」
「あ……っ、あああ……! ぁ――」
もうこの瞬間に決着は付いていた。アンジェラの体は飲み込んだホークアイの男根に歓喜し、それを体現する様に快楽の大波を子宮を中心に伝播させた。
「ふきゃああああああああ――――っっ!!!」
容易く絶頂を迎えたアンジェラは下の口でホークアイの分身を食い締め、肉の襞と壁がそれに襲い掛かった。限界まで収縮する膣は久方振りに口にする好いた男に喜び、愛を以って搾り取ろうとする。
アンジェラが長らくこの瞬間を待ち侘びていたのは疑い様が無かった。
「意外に早いな。……早漏は嫌われるぞ?」
「っあ!! んあっ、ふああああぁ……♪」
だが、ホークアイはそんなアンジェラの愛にはびくともしていなかった。ベッドシーツを掻き毟り、絶頂と言う名の幸せの真っ只中で涙を零す彼女に冷徹な言葉を浴びせ、その光景をただじっと見ているだけだった。
「相当に溜まってたみたいだな。今の今迄、相当に辛かったんじゃないのか?」
「そりゃあ、ね。自分でしたって……全然満たされないし」
下半身で繋がった状態で二人は会話する。
ホークアイの動きが無い状態で、アンジェラの蜜壷はそれ自身が意思を持つように肉棒を丁寧にしゃぶり続ける。
そのもどかしさに一抹の快感を得ながらも、ホークアイは絶頂を迎えて大人しいアンジェラ相手に淡々としていた。
「……判んねえなあ」
「え?」
己の理解が及ばなかったのか、ホークアイ一物をアンジェラに突き立てたままそう零した。
「そんなに辛いなら、どうして男を求めない? お前さん程の上玉なら、釣れる男は多そうだが」
「ちょっと? 何……言って」
体が疼くなら、男でも何でも誘えば良い。
……ホークアイの言いたい事はこうだった。
アンジェラはその言葉を聞いた途端、全身を硬直させた。
「だから、性欲を満たしたいならそれが一番手っ取り早いって話さ。持て余して迄俺に固執するってのは、意味が殆ど無くないか?」
ホークアイはアンジェラの心を汲むような事をしない。
唯、そのアンジェラの行動が理解出来ないと、訝しげな顔をするだけだ。
「……ホーク」
そして、そんな心無いホークアイの言葉はアンジェラを傷付けた様だった。
「うん? ……っ」
「怒るよ? 本気で」
覗いた翠色の瞳には悲しみが混じる怒りが見て取れた。そして、その度合いは限り無く本気に近い。ホークアイは肝を潰しそうになる。
「アタシが誰にでも股を開く女だって言いたいのかしら? アンタは」
「今更、貞淑振る必要は無いだろ? 一途で在りたいとかそう言う段階は、アンジェラはもう過ぎてるんだからな」
だが、ホークアイは最後迄冷酷であり続けようとした。
――これだけ貪欲になってしまっているのにアンジェラは自分を抑えて何になるのだろう?
ホークアイはそう思っている。外面を取り繕おうとしていて、それなのに肉欲を抑えきれずこうしてまた自分に抱かれて鳴いているメイガスには全く似合わない台詞だ。
こんなほぼ体のみの関係で純愛を気取るアンジェラの姿に思わず笑いが込み上げる。
「知ってるわよ、そんなの。でも、アタシは……アンタだからこうしたいって。抱かれたいって」
「そうして俺の前だけで醜態を晒す、か。……まあ、俺とお前が恋仲だって言うならそれもありだが、現実は違うよな」
「・・・」
ホークアイはアンジェラと付き合っているとは思っていない。アンジェラはホークアイに気があり、それを嘗て本人の前で吐露したが、そこから先に合ったのは肉体のみの繋がりだけだった。
少なくともホークアイは完全に心を許したつもりは無いし、アンジェラはそれを否定しなかった。
「思えば……最初に、突き放すなりなんなりしておけば、此処迄拗れる事は無かった」
――好きにしろ
そう言ったのがそもそもの失敗だったとホークアイは悔いている。
状況に流されて……などと言う言葉は言い訳に過ぎない。本当は違う。
アンジェラに情が湧いてしまって完全に拒絶する事が出来なかったからこそ、その時はそう言って茶を濁した。それが何を招くかも漠然とだが、見えてもいた。
そうして、文字通り好きにさせた結果が今と言う現実だった。非情に徹し切れなくて、この関係は間違いだと思いながらもズルズルと来てしまった終着点が此処なのだ。
「後悔、してるんだ」
「ああ。もっと上手いやり方があったんじゃないかってな」
全てはホークアイ自身が撒いた種だった。
もうまともにお互いの顔が見れない状況。冷え切った心の繋がりと相反する様にホークアイとアンジェラの下半身はじっと動かない状態にあって蕩けそうだった。
「アタシの事、嫌いなの?」
「嫌ってはいないさ。だけど……仲間以上の感情は無いんだ」
こうやって隔てるものが無い状態で繋がっていても、心が近くなる事は決して無かった。アンジェラはとっくにホークアイの全てを許容出来る程の情を持っていると言うのにだ。
――ずぶっ
「んっ……!」
アンジェラは最奥を抉るホークアイの剣に身を震わせながら、彼の背中に腕を回してしがみ付く。
「そんなに、あの娘の方が良いって言うの?」
瞳に涙を溜めながら覗き込むアンジェラ。その翠の瞳に映る自分の顔が余りにも酷薄だった為にホークアイは瞳を閉じた。
「アタシの事、飽きちゃったの?」
何故だか酷く耳を打つ言葉だった。悲しみが籠められた言葉の一言一句が頭に響き、ホークアイを更に重たい気分にさせる。
「飽きる飽きない以前の問題だ。今も昔も俺がお前さんに気持ちが無かったの、知ってるだろう? 無論、リースもそうだがな」
ホークアイには恋愛感情など無かった。リースもアンジェラもその一点に気が付けなかった。それでも良いと許容した事が彼女達にとっての間違いだった。
何時かは報われる時が来る。そう信じた彼女達の願いは叶わなかったのだ。
「……知ってたわよ。アンタは、ただアタシ達に付き合ってただけだもんね」
「そう言う事だ。だから、終わりにする。俺にはお前さん達は重過ぎるんだよ」
悪びれる様子も無く、ホークアイは自分の心を語る。アンジェラの瞳に溜まる涙の粒が一粒零れた。
「随分、勝手なのね。こっちの気も知らないで」
「それはお前さん達だろう。俺を置き去りにして突っ走ってたのは何処の誰だ?」
「・・・」
煮えきらず、意味深な態度を見せつつ流されていた自分にも責任がある事はホークアイとて重々承知している。
見えない所でそれを覆そうと躍起になった事もあったがそれも全て徒労に終わった。完全な袋小路状態だった。
「俺は疲れたよ。もう、解放されたいんだ。お前等からな」
もうそれしか望めない。そんな事を本気で考えているホークアイの心は磨り減り過ぎて原型をもう留めていないのだろう。
この肉欲の地獄から解き放たれる為に。ホークアイは情を捨て去った。
「――やだ」
「……アンジェラ?」
だが、そんな足掻きすら徒労なのだとしたらそれは何なのだろうか?
アンジェラが呟いた言葉に思わずホークアイが聞き返す。その刹那……
――ぎゅう
「やだよぅっ!!」
「くおっ!?」
ホークアイに下半身が溶かされるような快感が襲う。
ずっぽり嵌った肉棒をアンジェラの媚肉がこれでもかと言うほど抱き締め、舐めしゃぶり、咀嚼する。
同時に、背中に腕を、腰に足を回されて脱出不可能な状況を作り出す。
アンジェラが激情と共に女の執念をホークアイにぶつけていた。
「厭、だよ……そんなのっ……! どうして? どうしてアタシを見てくれないのよっ!」
「う、ぐ……ぬあっ!? ちょ、アンジェ……ラ?」
泣き濡れたアンジェラの声が響き、彼女の比喩抜きで痛い程の締め付けにホークアイが喘ぎを漏らす。
膣圧に腹圧を上乗せした圧搾は並の男ならば早々に果ててしまうほどの破壊力だ。だが、そこは腐ってもホークアイ。懸命に抗う。……それも短い抵抗に過ぎないが。
「好きっ! な……のよ、ホーク……んっ! ……があ。大好きなんだからあ……!」
「・・・」
泣きながら気持ちを伝えてくるアンジェラを見ていると、罪悪感に胸を締め付けられるホークアイ。だが、仏心は出すまいと強く思う。正しい終わりを導く為にはそれでは意味が無いからだ。
「リースの事もどうだっていい! お別れなんて……言わないでぇ……!」
最早リースの事すらアンジェラは眼中にない。只管、ホークアイを繋げ止めようと必死だ。それを示す様に喘ぎ声を混じらせながら、懸命に腰を振るアンジェラの姿には執念の様な物すら見て取れた。
「……何故。どうして、アンジェラは」
頭に湧く疑問。アンジェラの背後に好きだと言う感情だけではない何かが見える。募っていく射精感を堪えながらホークアイは掠れた声で搾り出す。
「厭……お母様の二の舞いは絶対に……!」
「あ……」
それで納得がいった。
ヴァルダとリチャードの馴れ初めとその結末についてはアンジェラもこの冒険の最中に知ってしまった。
愛し合いつつも結局結ばれなかった父と母の姿に自分を重ねたくない心理が働いているのだろう。国や立場の違い、その時のヴァルダとリチャードの状況も関係無い。
アンジェラの内にある心の闇の発露。だからこそ、アンジェラは憑かれたように躍起になるのだ。
……病んでいる。ホークアイはそう思った。
「……てないで」
「ぅ……っ」
気が狂いそうな抱擁が熱烈に下半身を愛して已まない。泣きながらアンジェラはホークアイにしっかとしがみ付き、或る言葉を呟く。
「捨てないでえ……!」
それがホークアイの堪えを一瞬にして吹き飛ばした。
「っ! ……チィ!」
……お前、性質悪過ぎ。
揺らぐなと言う方が無理な注文だった。下腹部の一点に溜まる白い欲望が尿道を通り抜け、熱い奔流となってアンジェラの子宮に届く。
――どぷっ!
「きゃああああああああんんんんっ!!!!」
流れ込むホークアイの子種の熱と硬さはアンジェラが久方振りに味わうものだった。
全てを胎で飲み干すアンジェラはよほど飢えていたのだろう。浴びせかけられる生臭い欲望を内膜に沁み込ませながらアンジェラは絶頂する。
ポロポロ涙の粒をシーツに落とし、女の幸せを噛み締めるアンジェラはピンク色に染まった脳味噌の指令に赴くままホークアイの子種を搾り上げた。
「うう……っ、つう」
「来たぁっ!! ホークのミルクぅ!! オマ○コでごっくんして逝っちゃうよお!!」
別の世界を垣間見ているのか、アンジェラは打ち出される精液の塊が着弾する度に激しく痙攣し、恥ずかしい言葉を憚り無く叫ぶ。
蕩けた身体と心はトロトロのメロメロ。もうアンジェラはホークアイ抜きには生きられない存在になっているかも知れなかった。
「お前も……同種だな。リースとさ」
「チ○ポミルク飲んでぇ……オマ○コ喜んでる……美味しいって……♪」
すりすりとアンジェラが匂いをマーキングするようにホークアイに体を擦り付ける。
過程は違えど、ホークアイはアンジェラにリースと重なる部分を見つけた。
心に闇を抱えようが、結局優先されるのは肉欲の方。何処まで行っても国や立場よりも女を優先する辺り、それは闇クラスの女共通の特徴なのかも知れない。
「ホークぅ……もっと射精してえ♪」
「……射精した直後に言われても連射出来ん。と言うか、もう好い加減にしたい」
アンジェラは未だ飲み足りないと言った甘えた顔をしているが、ホークアイはそれを突っ撥ねる。捨てた筈の情が再び湧き出しそうになったからだ。
「……終わりたくない、よ」
だが、アンジェラは途端に悲しげな表情を作り、ホークアイがそれを完全に捨て去る事を阻止した。
そして、ホークアイは冷え切った脳味噌で言葉を呟く。
――俺は馬鹿なままだ
「そう、だな。付き合うぞ」
「ん♪」
――チュッ
若干の諦めを顔に張り付かせたホークアイは力無く微笑む。その唇にアンジェラは軽くキスをした。
――これで終わる筈だった。でも、終われなかった
最終戦前夜にこんな事をしている場合ではないのに。それを曲げて迄挑んだ色事の末に、こんな苦い想いをするとは。
自己嫌悪がホークアイを苛む。
「結局、俺は逃れられないんだな」
「逃がさないよ。アタシもリースも」
汁塗れの寝台に横たわるホークアイ。その横には満足するまで胎に精液を浴びたアンジェラがぴったりと寄り添っていた。
「決定的に女難だな。笑える程に」
「ふふ。お姫様二人から寵愛を受けるのよ? 光栄じゃない?」
ホークアイの胸板に指先で意味の無い図形を描くアンジェラ。
そんなアンジェラを尻目にホークアイはげんなりとした表情を晒す。彼は王族専用の性欲処理機扱いなど願い下げだったのだ。
「男娼の間違いだろう淫売」
「いいえ? 少なくとも恋人以上ね」
王族の我儘と気紛れで搾り取られるだけの憐れな種馬。ホークアイにはそんな認識しかない。だが、アンジェラは恥ずかしげもなくそう言ってのける。
それがホークアイには信じられない。まあ、それ以前に恋だの愛だのと言った言葉自体が理解出来ないのだから当然と言えば当然だが。
「本当に可能だって思ってるのかよ」
「ええ。アタシ一人じゃ無理。でもリースも居れば、貴方を縛れるわ」
それはいい。問題なのはこの身を恋人に据えたとしても、それを公的に認めさせる事は可能なのかと言う事だ。
片や王族、もう一方は砂漠の盗賊と言う卑賤の身。本人同士が納得していても周りがそれを許さないのが現実だ。
しかし、アンジェラはそんな事を全く問題にしていないようだった。現実を軽く見ているのか、それとも見えていないのかのどちらかに違いないとホークアイは一人思案した。
「縛ってどうする。俺は一人しかいない。体を半分に裂くか?」
「そうね。……それでもアタシ、ホークの傍に、居たいんだ」
愛の名の下に他人を強制的に縛る。それは最早独占欲を超えて病気の域だ。
そんな女が二人も居れば、縛られたこの身は破滅するだろう。
リースにせよアンジェラにせよ、そこに自分の正当性があると思っているのだから始末に悪い。しかも、体を裂くと言う冗談にも至極真面目に切り替えしている辺りが怖過ぎる。
自分で撒いた種なので別にそうなって死ぬ事に恐怖は無いが、それも已む無しと考えているアンジェラの思考がホークアイには恐ろしく映るのだ。
「正気か? 国はどうする」
「捨てる」
「・・・」
それについて深く考えても別の意味で背筋が寒くなるばかりなので、ホークアイは別の部分に突っ込む。
傍に居たいと言うアンジェラの意思。それの実現には、やはり困難が付き纏う。
だが、アンジェラはリース以上に迷い無くきっぱり言い切る。それにもホークアイも絶句した。
「秤に掛ければそう言う解答が出るわ。リースも一緒よ」
「王族としての責任も何もかも捨てるだと? エゴイストめ」
王族と言うものが理解出来ているのかホークアイはアンジェラの思考を疑う。
民の為に捧げられた人種。そこには一般人と同じ自由や夢、在り方を挟み込む余地など無い。国民の為に常に貧乏籤を引かされる或る意味での生贄だ。
安易に捨てられるものでは無い筈のもの。だが、彼女は己を優先すると言っている。
「これでアタシが光クラスだったら……国を選ぶでしょうね。でも、現実は違う。アタシは自分の願いを取るわ。お世辞にも政治家に向いてるとは思えないしね」
「無理だな。世間が許さんさ」
まあ、夢を見るのも良い。だが、何れ理想と現実の軋轢に気付き、アンジェラは崩壊していくのだろう。
そんなアンジェラは見たくないから、ホークアイはアンジェラを否定する。
「分からないわよ?」
「あん?」
ホークアイがそう答えるのは予想済みだったらしい。アンジェラはホークアイの顔を自分の方に向き直らせてそう言った。金色のホークアイの瞳が鈍い輝きを放つ。
「もっとお気楽に行こうよ。何とかなる。それこそ、世界を救った英雄になれば、かなりの我儘は可能よ」
「楽天主義者か? お前は」
「そこまで気取らない。エピキュリアンではあるけどね」
「ハッ……堪らんな」
アンジェラの言う事には一理ある。
そうなれば富や名声、権力は思いの儘だろう。だが、それは責任の放棄を由とする事には繋がらない。しかし、今の現実よりはマシになるだろうと言う半ば夢想に近い答えだ。
流石にアンジェラもそこまで上手く事が運ぶとは思っていないらしい。
だが、快楽主義者だと自己申告している辺り、彼女は本当にアルテナを捨てる気なのかも知れない。
そう考えると溜飲を下げざるを得ないホークアイ。王女の癖にそこまで奔放に振舞えるお前が凄いと、もういっそ開き直るしか無かった。
若しリース迄同じ考えに至っているとしたら、それはもう本気で笑うしかない状況だろうとホークアイは苦笑した。
「……それでも無理だったら、どうするんだ? 俺の心がお前さん達に向かなかったら」
「その時は……殺しちゃおっかな。リースと二人で」
ホークアイは最後に質問する。其処迄の覚悟があるのに、望むものに至らなかった場合。
ほんの数秒空白はあったが、アンジェラははっきりとそれを口にした。
「俺の魂を略奪するか」
「手に入らないならね。それっきゃないっしょ」
「そうか」
相手を殺めてその存在を自分にとっての唯一無二にする。……愛憎の縺れの果て等に良く聞く話だ。
本当なら背筋が寒くなる場面だろうが、ホークアイはそんなモノは微塵も感じない。
寧ろ、それだけ愛されている事に気付かされた気にすらなった。アンジェラ達の本当の想い、殺意と紙一重の本気の愛だと。
「……死んだ方が良いのかもな、俺は」
ホークアイは力無く笑い、窓辺に視線を移す。
月の光が凍て付いた大気を裂いて仄かに室内を照らしている。
職業柄、月の光に抱かれる事の多かったこの身だが、最近ではそれに感じ入る事なんて無かった。そして、それを見ていると、懐かしい何かが呼び覚まされる様だった。
死こそが正しい選択の気がする。それを与えてくれるのは果たして誰なのだろうか。
……否。それは誰でも良い。
そして少なくとも、アンジェラとリースがその担い手にならない事だけは見えている。
「ペシミスト、好きじゃないな」
アンニュイなのは嫌いじゃない。でも、過度に悲観的なのは苛々を他人の胸中に募らせる。
――見たいのはあなたのそんな顔じゃない
クラスを変える度にそうなっていったホークアイ。その一点だけはアンジェラがどうしても許容出来ない事の筆頭事項だった。
「性分だ。……いや、職業病かもな」
そうして、ホークアイはアンジェラに向き直り、無意識に微笑んだ。
「笑って欲しいな、今見たいに」
アンジェラがはにかみながらホークアイに絡み付く。豊満な乳房が潰れるほどに密着し、四肢をホークアイの肢体に絡ませていく。
「え」
「せめて、アタシやリースの前ではさ」
嬉しげなアンジェラの顔、そしてそれを表現する行動を目の当たりにし、ホークアイは目を少しだけ見開いた。
笑ったつもりはない。だが、顔は笑っていたらしい。含みも侮蔑も何も無く笑った事等、此処数ヶ月は全く無かったと言うのに。
「……ああ。本格的に笑い方を思い出せたらな」
微笑をそのままにホークアイは頷いた。
そして、ホークアイは睡魔の誘いを受けるべく体を休める。明日は世界と命を懸けた決戦となる。寝不足のままそれに挑むのは憚られた。アンジェラも同じだ。
だが、眠りに落ちる瞬間でさえアンジェラがホークアイを離す事は無かった。
その手を振り払えば、凍て付く雪の世界に別れを告げられる。……そう夢想していた。
逃げたかっただけなのか、それとも救いがあると本気で信じたのか。
……もうどちらでも良い。そのどちらも既に見る事は叶わない未来だからだ。
自分に課した約束を破ってしまった。あんなに固く誓った筈なのに。
もう、その手を離す事は出来ない。為らば、手を引かれて行き着く場所は出口の無いブリザードが吹き荒れる極寒の世界。
旅立ちの時が迫る。これが運命だとでも言うのか。……だとしたら、悪い冗談だ。
――置いていかないで
だが、何故だろう? そう叫ぶ彼女の身体がこんなにも温かいのは。
――翌日 アルテナ城 中庭
一夜明け目覚めた時、既にホークアイは寝台から姿を消していた。
自室に戻り、最後の身支度を整えたアンジェラは中庭に出た。
昼を過ぎ夕方に差し掛かる手前、アンジェラに声を掛ける人物が居た。
「どうでしたか、昨日は?」
リースだ。時間と共に温度が激しく低下していくアルテナに在って、アンジェラ並に露出が激しい彼女はかなり体を火照らせている様だ。
肌の張り艶も今の自分と良い勝負だ。
「何とかね。辛うじて首の皮一枚で」
事務的に相対するアンジェラはそのリースの様子に大体の事情を察した。
恐らく、昨夜の自分と同じ事をさっき迄していたのだろうと。
「……申し訳ありません。私だけではきっと無理でした」
「良いのよ。アタシ自身好きでやった事だし、良い思いも出来たもの」
ホークアイは自分達の関係を終わらせようとしていた。だが、それを防ぐ決め手となったのはアンジェラの泣き落としだった。
リースもまた同じ様にホークアイを縫い止めようとし、実際にそれを試した。
……揺らいでいたホークアイはリースとの事も終わらせられなかった。
リースの目論見が上手く行ったのはアンジェラによる初手があったからこそ。リースはその事をアンジェラに感謝していた。
だが、アンジェラはその事について別に特別に思って貰う必要は無いと、リースにそう言って頷く。
ホークアイと言う男が好きな女が二人。だが、それは恋敵と言うよりはお互いに不干渉の姿勢を貫く姉妹と言った所だろうか。
血生臭い事には発展し難く、破局と言う共通の危機には不干渉を解除して手を取り合う。
戦友であり、親友でもあり、生臭い姉妹でもある。それがリースとアンジェラだった。
「……頑なですね、ホークは」
「ホント。こんな良い女に言い寄られて何が不満なんだか」
傾き始めた太陽の方を見詰めながらリースが零す。そして、アンジェラもまた釣られる様に呟いた。
二人とって、ホークアイは紛れも無く王子様である。だが、そんな愛しの君は深い部分では頑なに心を開かない。
リースにしろアンジェラにしろ、こうまで愛しているのに振り向いてくれないホークアイの態度は不満だし、そんな自分達が馬鹿らしく思う時も当然ある。
「純粋なんですよ、彼」
「かもね。割りと潔癖なのかも。だから、今の自分が嫌い……みたいな?」
だが、それでも尚二人はホークアイを求めざるを得ない。
馬鹿だと思いつつも、報われないと言う諦めに囚われそうでも。心を落とされた彼女達はとっくにホークアイの虜だ。
だからこそ、二人はホークアイの頑なさの訳を知ろうとしているし、受け入れようともしていた。
だが、どれだけ考えてもホークアイについて判るのは或る意味純粋だと言う事だけ。男として、暗殺者として。
……それ以上は彼の頭に巣食う虫しか理解し得ないだろう。
「下らないですね。悩む価値すらありませんよ」
「ま、今のアタシ達はそうかもね」
アンジェラの言葉を一笑に伏すリースはリアリストだ。
真っ黒に汚れ落ちた自分達の姿を省みて尚、そんな事を思っているのだとしたらホークアイはロマンチストを通り越してナルシストだと頭の中で答えを弾き出す。
それについてはアンジェラも同様らしい。リースの考えに賛同する様にくすくすと含み笑いを零した。
だが……そんなホークアイでも好きで居られる二人は間違い無くそれ以上の大馬鹿だと自分達では気付いて居ないらしかった。
男を見る目が無いとホークアイは自分で言っていたが、それは殆ど正しい。しかし、精液塗れで爛れた彼女達の脳味噌ではそこまでの思考が精一杯だったのだ。
「国、立場、生まれの違い……か」
「何です?」
昨夜、睦み合いの最中にホークアイが言っていた言葉を思い出し、アンジェラが呟く。
その意味を聞こうとしてリースが首をアンジェラに向けた。
「いっそ、全部無くしてくれたらなあ。貴公子さん」
全て吹き飛ばしてくれたら、ホークアイも自分達を憚り無く見てくれるのではないか。
アンジェラも中々に恐ろしい事を考える。
「世界そのものは滅びませんよ。アニスや神獣にだって無理だったんです」
「やっぱ無理か。そうだよね」
その言葉をきっぱりとリースは否定する。基幹である世界は滅ばない。滅んだとしてもそれは人間が精一杯。
現実を良く見ているリースもやっぱり黒かった。
「でも……本当にそうなれば楽ですよね」
付け加えられた言葉には実際にそうなって欲しいと言う破滅の願いが込められているようだった。
「ええ。儘ならないなあ」
例え世界が滅んでも、沢山の屍と焼け野原の上ででも遂げたい想いがあるとフェンリルナイトとメイガスは頷き合う。
……闇クラスの女の思考は恐ろしい。
「ふふ。不謹慎ですね。世界を救おうって前に」
「ホントよ。弟君、きっと今の姉上見たら泣くわね」
決戦前に馬鹿話をする事にちょっとだけ抵抗を覚えたのだろうか、リースは軽く笑ってアンジェラにそう言った。
リースの弟であるエリオットは未だに貴公子から解放されていない。一刻を争えば、どうなるか判らないと言うのに、姉はその事を忘れ去っているようだった。
この豹変したリースを見て、弟は何を思うのだろうか?
恐らく、アンジェラの言う通りになるだろう。
「でしょうね。……ヴァルダ様は御理解があられるようで羨ましいです」
「まあね。自慢の母上よ」
そして、リースはそれを否定しなかった。
寧ろ厄介なのはお目付け役のアルマやライザの方だと暗に愚痴っている辺り、リースはフェンリルナイトである今の自分に満足しているのだろう。
アンジェラはそこはかとなく皮肉を言うと同じ様に薄く笑った。
……ホセやヴィクターはメイガスとなった自分に泣いていたが。
話が面倒なのでアンジェラはその言葉だけは飲み込んだ。
「身辺整理、終わったか?」
気配を感じさせずに二人の背後に何時の間にか居たホークアイは至極真面目な表情でリース達に問う。
……顔は真面目だが、すっかり搾り取られたホークアイは少しだけやつれている様だった。
「万全です。滞り無く」
「遺言状、ちゃんと書き残したわよ」
突如現れたパーティーリーダーに驚く事も無く、二人は簡潔に答える。
「了解だ」
それを聞き届けると、ホークアイは風の太鼓を打ち鳴らして、フラミーを召喚する。
空を割って、暴風と共に現れた翼あるものの父。
もうお前に乗るのも何度目かと思い巡らせ、ホークアイは眼前で滞空するフラミーの大きな頭を掌で軽く撫でた。
「これで最後にしたいもんだな」
フラミーは悲しそうに一声上げると、舌でホークアイの顔を一度だけ舐める。フラミーなりの応援なのだろう。ホークアイの顔は唾液でべとべとに汚れてしまったが。
「さあ、戦争しに行くぜ」
それを拭いながらホークアイは二人の従者に最後の合図を出した。
「行きましょうか」
「おっけー」
やたらと軽い返事が返ってくる。
それでこそだと思いながら、ホークアイはフラミーの背に飛び乗り、二人もそれに続いた。
――聖剣の勇者が魔王討伐に動き出す
〜続く〜
136 :
72:2008/12/29(月) 02:05:34 ID:fl1Njdnc
今回はここまで。次でラストですが年内中に何とかする予定。
…需要、あるんですかね?
>>117、118
そりゃ、分かる人には分かりますよね。
俺は音ゲーマーなので、ゼファー以降は音ゲから適当にタイトル持ってきてます。
因みにこれはロングバージョンを聞きながら書き上げました(笑)
137 :
72:2008/12/31(水) 14:58:41 ID:CYK6wUuG
今年最後の…って言うか、俺は大晦日に何やってるんだろう。
ホークアイvsリース&アンジェラ
Desert rain
厭な予感のする方はスルーorNG推奨。
――終わりついては色々と考えた事がある
果て無い旅の終わり。目的を成し遂げて、故郷に帰る。
……まあ、ありきたりなエンディング風景だとは思う。
しかしながら、旅の途中と終盤では状況が同じとは限らない。いや、絶対に同じと言う事は無いだろう。どんな場合だってそうだ。
奇しくも途中で目的を達成してしまったこの身に残されているのは、仲間の悲願の達成を手伝い、最大の怨敵を葬り去る事だけ。
今は、終わった後の事は考えられない。頭に浮かばない。
判っているのは、闇を纏った己に平穏は訪れない事。そして、別れが迫っていると言う事だけだった。
――マナの聖域 中央広場 石像前
最後のクラスチェンジをしてから大分経つ気がする。期間にして僅か数ヶ月前の事なのだろうが、こうやって再び此処にやってくる迄には色々な事があった。
ホークアイはリースとアンジェラを階段下に待たせ、マナストーン製の女神の彫像の前で物思いに耽っていた。
ファ・ディールの歴史上、五体満足此処に至った人間は果たして何人居るのか? ひょっとして歴史に名を刻んでしまったのかとそんな事を妄想すると、ホークアイは軽く笑った。
この旅本来の目的はジェシカの呪いを解く為だった。だが、火炎の谷でジェシカは開放され、後の冒険は半分おまけみたいなものだった。
ホークアイはマナの剣なんぞに興味は無かったし、世界の危機だって本当はどうでも良かった。途中でリタイヤすべきだと彼は何度も思ったが、それをしなかったのは理由がある。
別にリースの弟捜索に首を突っ込んでいたからでもなければ、アンジェラの自己顕示に付き合う為でも無い。
友の仇討ちがその理由の多くを占めるモノでもあったが、もっと別の理由もあった。
……この身に巣食う羽虫の信頼に応えてやる為。
冒険を続ける傍ら、フェアリーの存在が常にホークアイの傍にあった。
当初の聖域に至ると言う目的、その後の神獣を倒すと言うフェアリーの目的はホークアイの仇討ちに偶々だが合致していた。
利害の一致と言えば判り易いが、今のホークアイにはそんな気は無い。
仇討ちも大事だが、最早此処迄来れば一蓮托生だし、何だかんだで一心同体のフェアリーの願いを聞き届けてやりたいと言うのがホークアイの素直な気持ちだった。
「もう、限界なのか? お前は」
そう言って独白を零すと、それを聞いていた存在がホークアイの中から飛び出した。
「……ええ。やっぱり、あなたには分かっちゃったわね」
フェアリーを包む光が弱々しい。既に飛ぶ事も精一杯の様に必死に翅を動かして、宙に浮いている。
それが痛々しいホークアイはフェアリーに自分の肩に乗る様に指示を出した。
「お前の波動が急に弱くなったからな。宿主だから、厭でも分かっちまうよ」
「くやしいなあ。気付かせないように頑張ってたのに」
その異変を感じ取ったのは聖域に入った直後だった。シェイプシフターの群れとの交戦中にフェアリーの存在が一瞬感知出来なくなった。
その直後に感じられたのは今にも消えそうなフェアリーの魔力。それで何が起こったのかホークアイは判ってしまったのだ。
「もう駄目なのか? 樹は」
「うん。悔しいけど、死んじゃったよ。女神様」
それが答え。貴公子がマナの樹を切り倒したと言うこの上無い証明。
樹と共に生き、そして死ぬフェアリーはホークアイの魔力を糧に辛うじて存在しているだけだった。
「保ってどれ位だ?」
「三、四日……かな。ホークアイの魔力を貰っても、大本が死んじゃったらさ」
「・・・」
その言葉を聞いて、愕然となるホークアイ。
傍迷惑な寄生虫が死の宣告を受けている。別離の時が直ぐそこまで迫り、またそれに対して何も出来ない事に無力さを噛み締める。
……今迄ずっと一緒だった。それなのに。
「悲しまないで、ホークアイ」
「無理を、言わないでくれよ」
今にも叫び出したい気分だった。だが、それで現実は動かない。ホークアイはその衝動を堪える。
「大丈夫。私は大丈夫。死に別れる事は無いよ」
「生き残りの道、か。……ああ、そうだな」
心中穏やかでないホークアイを安心させるようにフェアリーが呟く。だが、それはホークアイの心に油を注ぐだけだった。
「だが、一緒だろう。今生の別れになるって事はな……!」
「……ホーク」
示される未来はもうそれ以外には無い。例え貴公子を討ったとしても、フェアリーの消滅は決して避けられないのだ。
それこそ、取り込まれたマナの剣を使ったとしても変えられない結末。
「言った処でどうにもならん事は知ってる。覚悟だってしてたさ。……でも、悲しいんだよ無性に! お前が消えるって、居なくなるって思うと俺……」
それを避ける術は確かに存在する。だが、それが別れを強制する手段である事は変わりなく、どれを選んでも今のフェアリーは消えてしまう。
そのどちらもホークアイにとっては見たくない未来だった。
「……不思議よね」
「はあ?」
静かに慟哭するホークアイ。絶望を纏い、痛みを吐き出す彼にフェアリーは優しく微笑みかける。その笑みがどうしてかホークアイを引き付ける。
「だって、あなた何時も私の事を邪魔だって心で思ってたでしょう? それなのに私を引き止めるって、随分と仲良くなったなって」
「俺の心を覗いて、その都度話しかけてきたのはお前だ。そりゃ、うざったかったさ。でも、お前は俺を一番理解してる筈だろう? 今だから、そう思える」
あれだけ険悪だったのに、ここまで思って貰えるとはフェアリーにだって予測し得ない現実だった。
あの時、聖剣を奪われて戦局が混乱したのも自分の失態の所為なのに、ホークアイはそれを責めなかった。
……何時から考えが変わったのかはホークアイ自身定かではない。しかし、彼もそれに戸惑いながら自身の変化を受け入れていた。
仲間で、一番の理解者で、大切な相棒。ホークアイは掛け値無しでそう思っていた。
「ふふふ。そっか」
「フェアリー?」
フェアリーに流れ込むホークアイの優しい思念の波。辛い筈なのにフェアリーはホークアイの肩から離れ、顔の真正面に滞空する。
一瞬、ホークアイはフェアリーが何をしたいのかが判らず、少しだけ困った顔をした。
「ありがとう、ホークアイ」
「なっ……」
――ちゅっ
そして、その答えは直ぐに知れる。ホークアイの気持ちが嬉しかったフェアリーはホークアイの唇にそっと口付けした。
フェアリーなりのホークアイに対する答えだった。
「私も見つけたよ。真の理解者。心を通わせた人。……好きな人をね」
「っ」
その言葉がとてつもなく重く、そして悲しくホークアイには聞える。
多くの場合、その手の台詞を吐く輩には未来があるものだ。だが、その言葉を吐いたフェアリーにはそれが無い。
覚悟の大きさ、意志の固さ。それらに裏打ちされたフェアリーの見せた最後の本心。
そして、どう状況が引っ繰り返ろうが、それが果たされる事は絶対に無い。
「だからね? 私、生まれ変われる。次に連なる事が出来るわ、きっと」
「……決心、固いんだな」
「私にも出来る事がある。……ううん? 私にしか出来ない事が。それを残したまま、消える事は出来ないから」
「そう、か」
フェアリーは既に道を選択していた。その心の強さにはほとほと頭が下がるホークアイ。
もう、何を言おうがフェアリーがその選択を放棄する事は無いと言う事が判ってしまう。
ホークアイはその覚悟が悲しい。だが、それ以上にそれを成そうとするフェアリーが輝いて見える。目を覆う程に眩しく映る。
「お願い、一つだけ聞いて貰える?」
「ああ」
恐らく、これが彼女の最後の願いになるのだろう。ホークアイはただ首を縦に振って頷く。
「その時が来ても、ホークは笑っていてね」
「……ああ」
非常に難しい注文だった、だが、それでもホークアイはそれを成すのだろう。
頭に渦巻く様々な言葉。喉を通過しそうになるそれらの全てを飲み込んでホークアイはそう答えていた。
……その後、二人に会話らしい会話は無かった。
ホークアイは待たせていた従者二人を連れて聖域の最奥へ足を踏み入れる。
無惨な光景。切り倒されたマナの樹。あれだけ言ったのに単騎突撃を行い、黒の貴公子に叩き落されるフェアリー。
斯して、黙示録の幕は開く。
表面上は圧倒的な力。微妙に納得出来ない所はあったが、それでもイベントなのだから仕方が無い。薙ぎ倒され、瀕死の状態で地面に倒れ伏すホークアイ一行。
だが、そんな彼等の窮地を救ったのは消滅寸前のフェアリーだった。
希望こそが新たなマナの聖剣だと、フェアリーは随分と曖昧な事を言ってアークデーモンと化した貴公子に啖呵を切った。
……後は簡単だった。
新たな魔王の力がどれ程のモノかは知らないが、伝え聞く滅びの母神程の力は無いと思い、復活したホークアイと従者二人は果敢にそれに立ち向かう。
第二形態に変化し、BGMが変わっても特に苦戦らしい苦戦は無く、あっさりと魔王は滅ぼされる。
貴公子にとって誤算だったのは、喧嘩を売った相手が悪かったの一点だ。レベルが60にも差し掛かれば、ブラックラビにだってそうそう負けないのだから。
……そして、黙示録の幕は閉じ、物語も終わりを迎えようとしていた。
――聖域 マナの樹の袂
「お別れね、ホークアイ」
宙に浮かぶフェアリーの姿は儚かった。存在の密度が薄い事を示す様に半透明で透き通っている。
消滅の手前。その残り少ない時間の中で彼女は何かを成そうとしている。
「ああ。行くな、とはもう言うまい。お前にはお前の使命があるんだからな」
既に腹を括っているホークアイは静かに頷く。最後の時を迎えるフェアリー。その様を目に焼き付けたい様だった。
「ありがとう。じゃあ、見ていてね。私の……」
そして、その時が終に訪れる。消滅。そして、新生の瞬間。フェアリーを中心とした一帯が眩い光に包まれた。
……其処には光を纏う新たなマナの女神が来臨していた。
「フェアリーはマナの樹の種。本当に信じ合える人、理解し合える人と出会った時、新たなマナの樹、マナの女神として生まれ変われるのです」
新たな女神は厳かに語る。ホークアイはそれを事前に知っていたのか、その言葉を黙って聞いている。対して、リースとアンジェラは目の前の現実に追い縋るだけで精一杯の様だった。
「それが、俺だったと?」
本当に心を許せる者。その言葉がどうにもこそばゆく、また信じられないホークアイは努めて優しい口調で問い掛ける。
「はい。貴方が私にとってのパートナーだった」
「そいつは光栄なこった。女神様にそう呼ばれるのも悪い気はしない」
悲しい笑みを湛える女神にホークアイも納得したのだろう。一瞬だけ自嘲気味な顔をすると視線を落とし、俯いた。
「ただ我儘を言わせて貰えばさ……」
「何ですか?」
届かない何かに語りかける様にホークアイは自身の願望の混じる言葉を吐こうとする。
女神も思わず聞き返す程に、その姿はいじらしく、そしてちっぽけだった。
「お前には……もっともっと、迷惑を掛け続けて貰いたかったって」
――もしそうだったら、どんなに幸せか
叶わない小さな願い。
この瞬間のホークアイは聖剣の勇者でも、血に塗れた暗殺者ですらない。
ただ、連れ添った大事な仲間との別れを悲しむ一人の男だった。
「……私も、そうだよ。ホークアイ。貴方と、もっと一緒に……」
そして、それは女神もまた同様だ。変わらざるを得なかった、嘗ての姿も生き方も放棄せざるを得なかったフェアリーは哀を背負っていた。
その証拠に、彼女の顔には涙の筋が伝っている。だが、その涙は時間を戻してはくれない。フェアリーは自分で決断し、それを選んだのだから。
唯、悲しさのみが募る。残酷だが、それだけの意味しかない。
「はは、何て顔してる。最後位は、笑って別れようぜ」
だが、きっとその涙には本人達以外には計り知れない価値があるのだろう。
それを拭い、笑い合う事。それがこの場に於ける最も良い終わりだとホークアイは知っている。
納得した訳じゃない。だが、それしか許されない。フェアリーは最後に笑って欲しいとホークアイに懇願したのだ。
ホークアイは約束を違えない。言われた通りに笑顔をその顔に引く。
「ぐすっ……っ」
自分の願いを実行するホークアイにフェアリーも漸く涙を払った。泣き顔の女神など、格好が付かないのだ。どんなに受け入れ難くとも、心が悲しもうとも、笑わなくてはいけなかった。
「じゃあな、フェアリー。マナの物語は俺達が語り継ぐ。安心して眠ってくれ」
「……はい! 再び、世界にマナが満ち溢れると信じて……」
そうして、相棒の笑顔を見届けたホークアイは最後の挨拶を交わし、闇色の外套を靡かせる。
今生の別れ。出会いに付き纏うのは常に別れの時だ。ホークアイとフェアリーもその例に漏れない。だが、そこにはもう悲壮さは見えなかった。
「さよならは言わない。またな、相棒」
それがホークアイの最後の言葉となった。
「ホーク……貴方にマナの加護を」
……無理を言ってくれる。だけど、きっとまた逢える。
女神となったフェアリーは大事な相方の背中に祈りを捧げ、それを静かに見送った。
「リース……アンジェラ……眠りに就く前に、これだけは……」
もう、時間は殆ど無い。今にも消えそうな体を現世に繋ぎ止め、女神は自分の最後の願いをその場に残るリースとアンジェラに託す。
「「はい」」
傅く二人。普段との態度の違いに野暮な突っ込みは入れずに、女神は言った。
「あの人を……ホークアイをお願いします」
眠りに就く自分はもう、あの人を守れない。だから、託す。
……幸せにしてあげて欲しい。
「確かに、承りました。ホークアイは私達が」
「任されたわ、新しい女神様。そう出来ないあなたに代わって」
二つ返事だった。見た目は危険だが情の深いリースとアンジェラは今更ホークアイを手放す気等更々無い。
「あなた達の心のマナの剣が、何時までも輝き続けますように……」
その言葉を聞けてか、女神の姿は消え去った。満足気なその顔は二人の脳裏に深く刻まれたのだった。
――マナの聖域 入り口
「ふう……やっと追い付きましたよ」
「アンタ、仲間を放って先に行き過ぎよ。……何? 一人で泣きたい気分だったとか?」
先行したホークアイの後を追い、漸くその姿を認めたのは、聖域の入り口だった。
彼女達なり急いで追って来たので息が少しだけ乱れている。
煙草を咥えて、紫煙を纏わせるホークアイ。その姿は何処か寂しげだった。
「そのつもりだったさ」
「「え」」
アンジェラが軽口混じりに冗談を言うが、返って来たのは抑揚を感じさせないホークアイの本気の呟きだった。
流石に二人もそれには面食らった。そこまで素直に反されるとは思って居なかったのだ。
「でも、そうならなかった。出来なかった」
感情の無い、とても世界を救った英雄には似つかわしくない表情。
煙を昇らせる煙草を指に挟んだまま、此処ではない何処か遠くを見る様にホークアイは虚空を睨んだまま、棒立ちしていた。
「辛いなあ。泣きたい時に泣けないってさ……」
「「ホーク……」」
涙は既に枯れ果てた。反応を見せない涙腺がとても恨めしい。
望んでそうなった筈なのに。それが今では悔やまれる。
天を仰ぐホークアイの心は、今確かに泣いている。リースもアンジェラもそれが痛い程分かる。
堪えていたものが、彼女達から噴出しそうになった。
「お前さん達は、遠慮せず泣いてくれ。泣けない憐れな俺に代わって」
「っ……御免なさい。やっぱり、無理っ、みたいです……っ」
「堪えられる、もんじゃないよね……っ、気兼ね、無く……そうさせて……」
そして、それはホークアイの一言で決壊する。
代わりに泣いてくれるのなら、それだけで癒された気分になる。
……そんなものは慰めにもならないと、ホークアイ自身が良く知っている。だが、それでも今は二人に泣いて欲しかった。
ホークアイの悲しみを肩代わりする様に、二人は涙を頬に伝わせる。
それは闇を纏う彼女達が未だ人間性を完全に捨て切れて居ない事の証の様に、何時までも流れ続けた。
……こうして、物語は幕は下ろす。一年近くに渡る聖剣の勇者達の物語。
だが、彼等自身の物語は未だ終わりを告げてはいない。
――魔法王国アルテナ バルコニー
極地に位置するアルテナは戦勝ムード一色だった。
凍て付く外気にも負けず、城下はお祭り騒ぎだし、その熱気は城の中にも満ちている様だった。
そんな空気からは遠ざかりたい一行は、喧騒から最も遠い場所に居た。
「あーあ……結局、アタシが魔法を使えたのって、旅の間だけだったのね。残念だなあ」
「仕方ありませんよ。マナが消え、世界中から魔法が失われたんですから」
「これからが大変そうだ。世界のパワーバランスが崩れたんだ。下手したら、また戦争が起きるかもな」
マナの樹が伐られ、世界に満ちるマナが失われ、ファ・ディールから精霊魔法は失われた。
あくまで精霊魔法に限った話なので、自分の魔力に依存する禁呪や召喚魔法だけは変わらず使えたりするのだが、それ以外は軒並み使用不能になっている。
この事態に目を付け、覇を唱えそうな国はありそうだが、自国がそれをしようともあくまで人間同士の戦いに深く関与したくないと言うのがこの場に居る人間達の総意だった。
「係わり合いになりたくなーい。アルテナは寒さ対策で手一杯だっちゅうの」
「そうですね……」
「心中、お察しするぜ」
その煽りを最も受けているのがアルテナだ。
理の女王の魔力により極北の地にありながら温暖な気候を保っていたこの城塞はこれからは常に寒気の戦いに悩まされる事が確定していた。
「でもま、そう悲観する事も無いのよね。魔法以上にもっと素敵な物、見つけちゃったからネ」
この国のお姫様はそんな故郷の一大事に何とも豪儀な台詞を垂れ流す。
それがあれば寒さなど問題にしないとでも言いたそうな彼女の顔はニヤ付いていた。
――ゾクッ
「へ、へえ。それって……いや、聞かなくても大体判るけどな」
そして、アンジェラの熱っぽい視線が向いているのはホークアイ。
嫌な汗を顔に伝わせ、背筋に寒気を感じながらも、ホークアイはその正体が判っていた。聞く必要も無かった。
「じゃあ逃げないでねホーク。貴方の瞳に、ラヴビーム☆」
貴方への熱い想いがあれば、寒さなんてへっちゃらよ。
……情熱的な事で結構だが、ホークアイにはその想いは暑苦し過ぎる。
メイガスの癖にピンクタイフーンでもやってのけそうなアンジェラは存外に面食いなのかも知れない。
「何が……ですって?」(♯)
――ぶんっ!
そんなアンジェラを見過ごせない女もこの場には居たのだ。
力の限り巨人の槍を一閃すると、アンジェラの首の薄皮が一枚だけ切り裂かれ、血の筋がつうっと首筋に伝った。
「危ないわねえ。動いてたら首がやばかったわよ?」
命の危機だったと言うのにアンジェラは微動だにせず、その顔には余裕すら張り付かせている。まるでリースを挑発している様だった。
「っ……ええ。惜しかったです」
「……アンタねえ」
それに対してリースは舌打ちを以って応えた。仕留められなかった事を本気で悔しがっている様なリースの態度には流石のアンジェラも殺気を隠そうとしなかった。
「お、お前ら? ちょっと落ち着け」
……とても不穏な空気だった。ホークアイは自分が渦中に居る事を認識し、普段のクールさが霧散する。それでも彼はリースとアンジェラを宥めようとする。
だが、火が点いた二人には無駄だった。
「今更抜け駆けはさせないです。託されたのは貴女一人ではない」
「知ってる。でもさあ、決めるのは結局ホークでしょ? なら、アタシはバンバン攻めてくわ。それとも? お嬢ちゃんには早かったかしら」
ホークアイは二人が何を言っているのか分からない。だが、同じ思いを託された者同士、通じる部分が二人にはある。
しかし、メイガスとフェンリルナイトではその実行の仕方は多分に異なるのだろう。
アンジェラは概ね正論を吐くと、リースを尚煽る言葉を吐き掛ける。
「そうですね。私は若さで勝っていますから♪ おほほほほ」
それにカチンと来たリースは在ろう事か、半ば禁句に近い言葉を臆面無く言ってのけた。
――ピキッ
瞬間、周辺の気温が比喩抜きで急激に低下した。
「……この小便臭い小娘が」
「何ですか? ケバい年増さん」
温度低下に呼応する様に急に風も出て来た。今迄微風すら無かったのにこの急激な外界の変化は勿論リースとアンジェラの怒りが成せる業だ。
二人の周辺は既に異界と化しているのだ。
「「・・・」」
――ゴゴゴゴゴ……
空は晴れているのに、このバルコニー周辺には吹雪が舞っている。強くなり過ぎた女怪同士の熾烈な(不毛な)争いは天変地異にも等しい。
睨み合いだけでこの有様。更に迷惑この上ない事に二人は後先考えずに全力でぶつかり合おうとしていた。
「ここいらで決着、付けようか」
「奇遇ですね。私もそう思ってました」
お互いに溜まっている鬱憤や不満は相当の物である事が窺い知れる。
良い機会に恵まれたと二人はそれぞれの得物を握り締めて精神を集中させる。
最終兵器である禁呪と召喚魔法を此処で放つ腹積もりらしい。
「死んでも恨まないでよっ!?」
「死ぬのは貴女の方ですっ!!」
咆哮するメイガスとフェンリルナイト。このままではアルテナ城は瓦礫と化してしまう。
そして、今まさにそれが放たれようとした瞬間……
「貴様等」
抑止力であるナイトブレードが二人に横槍を入れる。
「「へっ?」」
突然の乱入にアンジェラとリースは一斉に視線をホークアイに向ける。
その手には凡そ通常の作業には用を成さない巨大なスパナが握られていた。
「其処に直れ」
――ドカンッ!!
「ぐがぁっ!?」「ぎゃんっ!!」
鈍器の様な物と化したスパナが容赦無く振り下ろされ、二人は激突の直前に吹っ飛んだ。
「自分が何してるか考えろや馬鹿共が! 外交問題だぞ!? アルテナとローラントで戦争おっ始める気か貴様等っ!!」
ホークアイの小言が十数分続いている。青筋を浮かべて捲くし立てるナイトブレードと言うのも珍しい光景だが、頭に大きなたんこぶを乗せて正座しているフェンリルナイトとメイガスはそれ以上にレアだった。
「いえ……しかし」
「しかしも案山子もあるか戯け! 自分の立場を良く考えろ!」
言葉は理解出来ても納得が出来ないリースはぷうっと頬を膨らませてブツブツ文句を言っているがホークアイはそんな事に耳を貸さない。
「でもさあ。アタシとしちゃあさ……」
「デモは機動隊に鎮圧されたわ! 俺達自身が争いの種になって世界を混乱させたら今迄の戦いの意味が無いだろっ!」
この手の小言に慣れっこのアンジェラはホークアイの言葉を半ば無視しながら自分の前髪を弄っている。
その態度が癇に障るホークアイは頭の血管が切れる事を恐れずに真っ赤になりながら叫んだ。
「何ですか、それ。自分が一番それに近い癖に」
「ブーブー。アンタがはっきりしないのが悪いんでしょう?」
「ぬう」
痛烈な皮肉を言われた気がするホークアイは頭が痛くなった。
「ったく、こいつ等は……」
……漸く平和が近くなったって言うのに、問題の種は身近に落ちていたらしい。
まあ、確かに二人の言う通り、この面子が勝てない相手はもうファ・ディールには存在しない。
光の司祭や理の女王ヴァルダは問題外。獣王ガウザー、英雄王リチャード、フレイムカーンですら恐らく相手にならないだろう。その気になれば世界相手に喧嘩を売る事だって可能だ。
だが、ホークアイはそんな事はしない。世界を手に入れたって己がそれを統治する器ではない以上、金を積まれたってやりたくないし、誰かに頼まれてやるのも御免だった。
「良く考えればな……」
そんな力を持ち過ぎた世界最強の三人の内二人が王族であって、国家を代表する顔である事は世界全体から見ても看過出来ない事だ。
今の様にちょっとした喧嘩で国の大半を破壊する事が可能なアンジェラとリースは世界の新たな脅威になりかねない。
その可能性は自分にもあるが、そうなる気はないホークアイはその二人を既に篭絡していて、ある程度好きに動かす事が出来る。
……この危険人物二人をどうにかするのは己の手腕に懸かる。
案外、世界滅亡を止める事が出来るのは自分を於いて他に無いのかも知れないと、妙な所でホークアイは納得した。
「……いっそ攫うか」
――ピクッ
アンジェラのエルフ耳とリースの犬耳が同時に動く。
……そうだ。いっそ二人纏めて攫って、世界から隔離、若しくは放逐すれば良い。
ペダン辺りの次元境界線はペダン戦役最終戦の折に乱れたままだ。別の世界に旅立つ事も可能だと言う。
この二人を次元の狭間に突き落とし、己が消えれば取り合えず世界は安泰だろう。
……そうだ。そうしよう。もうそれしかない。我ながら良く思いついたものだと自分を褒め称えるホークアイ。
「――え?」
ホークアイが顔を上げる。その目に飛び込んできたのは、嬉しそうな顔をしたお姫様二人だった。
「情熱的ですのね。一国の姫を盗むなんて。少し、そう言うのに憧れてましたわ」
「ふ、ふふ。そんな甲斐性がアンタにあったとはね。惚れ直しちゃうぞ?」
「えっと……な、何ですか? え?」
何故か喉を通過する敬語。ホークアイが後退するが、手摺に阻まれて数歩下がった処でそれ以上後退は出来なくなった。
前方からジリジリと迫ってくるリースとアンジェラ。頬を染めて女の顔をしながらも、瞳は贄を見定めた捕食者の様に貪欲な鈍い輝きを放っている。
……下に飛び降りれば難局を逃れられる。それしか道を見出せないホークアイは手摺から身を乗り出すが、その決断は遅かった。
「……しまった」
もう数秒早ければ逃げる事も出来ただろう。だが、ホークアイは残念な事に捕獲されてしまった。
「私は構いませんよ。寧ろ、攫って下さいまし♪」
「身を固める決心、付いたのよね? 二人纏めて面倒見て貰うんだから☆」
――これ、フラグ? エンディング確定?
両サイドから抱き付くフェンリルナイトとメイガス。胸の感触が腕に伝わってくるが、全く以って嬉しくない。
「どうすりゃ良いんだ……」
状況を覆せず、頭を抱えて狼狽するしかないナイトブレードが只管憐れだった。
エンドロールももう間近。
先日、ローラントでリースがエリオットに泣かれたり泣かれなかったりした様な何か愉快な出来事があった気もするが、ホークアイとしてはあんまり思い出したくない。
『清純だったお姉様を返せ!』
エリオット君が血涙を流しながら、罵声を浴びせてきた事は強烈な出来事だった。
思い出したくなくても思い出す。
――俺だって同じ事を考えていたさ
だが、そんなもんは所詮エリオットと自分の脳内にあった幻想に過ぎなかった。
自分の妄想を押し付け、色眼鏡で物を見れば現実は歪む。
昔は違ったのだろうが、今のリースは清純とは程遠い存在だ。
しかも、自分自身でそれを捨て去ったのだから、周りの人間が何を言っても無駄だと言う事が、未だ幼い弟君には判らなかったらしい。
ローラントを離れる時でさえも親の仇を見るようなエリオットの苛烈な視線がホークアイの脳内には焼き付いていた。
――オアシスの村 ディーン
そうして最後にやって来たのがホークアイにとっての祖国。一度は捨てざるを得なかった砂の国だ。
自分の家に帰る前にホークアイは或る人物を拾い上げる旨を二人に告げ、フラミーにディーンに向かって貰った。
……そう。ホークアイの冒険の理由。ニキータに任せっきりで寝たきりのジェシカを忘れる訳にはいかなかったのだ。
「ホークア……えっ?」
「あー、うん。ジェシカ、もう身体は平気そうだな」
道具屋の地下で療養していたジェシカはすっかり回復し、もう自力で歩けるようになるまでになっていた。
ジェシカは心のままに自分の命を救ってくれた慕っている男の下に駆け寄ろうとする。
だが、その足取りは途中で止まる。それを見てしまったからだ。
「あの……その人達、誰?」
ホークアイにぴったり影の様に寄り添う女が二人。
火炎の谷の一件でその顔を少しだけ見た気がしたジェシカだったが、そんな筈は無いと考えを否定する。あの時の女は今の様な危ない格好をしては居なかったからだ。
「……これ? これは、な」
ジェシカの言いたい事は理解出来た。ホークアイは左右を見て、感情の一切を感じさせない無機的な顔で言葉を発しようとした。
――さて、何と答える冪か
一瞬の迷いが命取りだったのか、リースとアンジェラがホークアイの代わりに返答する。
「妻です」「女房よ」
「・・・」
声は同時。しかも本人達にとって都合の良い歪められた返事だった。
ジェシカが数歩後ずさって失望したように視線を外す。それを認めたホークアイは苦い表情と共に目を閉じた。
「アニキ……」
もうね? 泣きたい気分。
自分の子分ですら憐憫の視線を送って来ている事がホークアイには知れた。
「何も言うな、ニキータ。憐れになる」
この糞熱いのに自分の胸を押し付ける様に密着する雌犬と淫売には常識を期待するだけ無駄だった。
フェアリーと別れる時ですら出なかった涙が今なら簡単に出そうな気がする。
……誰か助けて。
はらはらと流れ落ちるホークアイの涙は男泣きの印。
「ホーク? 泣いてるんですか?」
「何か知らないけど……よしよし。良い子良い子」
それが判っていない二人が頭を撫でて宥めようとしてくるが、それは余計に涙の量を増やしたのだった。
――砂の要塞ナバール 首領の間
大方の話を終え、アンジェラとリースの二人に席を外して貰ったホークアイは直属の上司に今までの仔細を報告しつつ、重要な話をしていた。
「ホークアイ。お前にもナバールの未来を背負って貰わねばな。何れは儂の……」
後釜に納まる。
フレイムカーンは自身が既に老いた事を今回の一件で痛感したらしい。世代交代の意味も含めて、今直ぐでは無いにしろ首領のポジションをホークアイに譲りたい様だった。
恐らく、未だ現役で居たいであろうフレイムカーンとしても苦汁の決断の筈だ。
だが、こうなってしまったのも全てフレイムカーンが美獣に魅入られた事に起因する。
意識を操られ、気が付いたら全てが終わっていた。残ったのは疲弊したナバールと言う組織とローラントへの賠償だった。一組織の長として、彼はその責任を取らねばならない。
本来ならば彼の後を告ぐ冪息子のイーグルは他界し、その代わりとなりそうな者達も魔界の介入によって失われている。
全て、フレイムカーンが招いてしまった事。
そして周りを見渡せば、ホークアイを超える力量の持ち主は居なかった。
……老兵の時代は終わった。新しい世代に次を託す時期が近くなった事を彼は悟っている。だからこそ、フレイムカーンはホークアイにナバールの未来を託すのだ。
「お断りします」
だが、ホークアイは首領の言葉を強い口調できっぱりと断った。
「む」
フレイムカーンもホークアイがそう言うとは思わなかったらしい。長年の経験が皺となって刻まれた老人の顔が少しだけ歪む。
「その位置に私は相応しくありません。据えるなら、どうぞジェシカを」
「理由はあるのだろうな?」
フレイムカーンの言葉にホークアイは苦笑する。
こんな大事な話を然したる理由も無く、感性の赴く侭に只『いやだ』と言える人間は世界を探しても居ないだろう。居たら居たで問題だが。
「ええ。緑化推進には賛成ですが、それ以上は私の手には負えません。私は暗殺者ではあっても、為政者ではないのです」
それが理由だ。
ホークアイは自分の能力と限界を正しく把握している。何処まで行っても戦士であり、政治には絶望的に向かない。
加えて、義賊としての誇りを捨て、暗殺者として命を盗む生き方を是とした身に義賊集団の長は相応しくないとも思っている。
その地位に相応しい人間は血縁的にはフレイムカーンの娘であるジェシカしか居ない。
だが、腐っても盗賊団の一員であるホークアイは砂漠緑化の基礎位なら手伝っても良いと考えていた。全てをフレイムカーンやジェシカの背負わせたくは無かったのだ。
「……抜ける気か、盗賊団を」
究極的な質問がフレイムカーンより齎される。
――盗賊団を抜け、世界の裏街道を流離うのか?
ホークアイはゆっくりと頷いた。
「何れは。だが、問題はありますまい? オウルビークスの頃とは掟が違う。変えたのは貴方だ」
「ああ」
盗賊団の戒律は嘗ては厳しかった。裏切り者には死を。抜ける者にも相応の対価が付いて回った。だが、フレイムカーンが首領を引き継いだ後に、その戒律は多少ではあるが緩和されていた。
故に、ホークアイが盗賊団を抜ける事に異を唱えられる者は存在しない。
ナバールの英雄たるホークアイを引き止める者は当然居るだろうが、その決意はきっとそれ以上に固い。
「今直ぐにと言う話ではありません。ですが、認めて下さいますか?」
「……それがお前の選ぶ道と言うのなら、その時は笑って送り出そう」
ホークアイに砂の海は狭すぎる。
フレイムカーンは全てを理解し、何時か来るそれを認めた。
「有難う御座います。……お爺さん」
……許された。
ホークアイは深々とお辞儀する。そうして、口走るのは肉親へと向ける言葉。
捨て子して拾われた自分。だが、本当は孫と祖父の間柄。母親が殺し合いの末に託したのだ。
それは抹消された事実で、口にする事もきっと許されない。だが、ホークアイは知ってしまった。
もう時効でも良いだろう。そうでなくても、今この瞬間だけはそれが許されると思った。
「……何だ? それは」
返って来たのは訝しげなフレイムカーンの視線と言葉だった。
「いえ。……失礼致します」
知らぬ存ぜぬで通す気なのかは知らないが、ホークアイは敢えて言及するのは止めた。
……きっと、伝わった。
そう信じるだけで良かった。
「そうか。知ったか」
去り際のホークアイの言葉にフレイムカーンは静かに漏らす。
19年前、ファルコンの申し出に捨て子として扱うと言い出したのはフレイムカーンだ。
そうでなくては既に裏切り者と認定されてしまった実娘の息子を育てる口実が得られなかったからだ。
その後、約束通りホークアイを引き取った時から彼の地獄は始まった。
ホークアイが成長するに連れ、その容姿が婿のサンドアローに、内面や技術がファルコンに似てくれば来る程フレイムカーンは真実を隠す事が辛くなっていった。
いっそ、言えば楽になれる。だが、自分で言い出し事は曲げられない。
フレイムカーンは頑固だった。
「……長かった」
そうして、フレイムカーンは今日やっとその苦しみから解き放たれた。
「しかし、儂の近しい者は、皆離れていくな。……なあ、ファルコンよ」
ホークアイとの接し方を今更変える必要もない。ホークアイもそうだろう。
ただ、ホークアイがナバールを離れる決断を何れすると言う事だけは無性に悲しい。
嘗て、自分の娘がそうした様に。
こうも悲しいのは歳の所為だろうと無理矢理納得し、フレイムカーンは何も無い天井をぼんやりと眺めていた。
――ナバール ホークアイ私室
「お疲れ様です」
「お話、何だったの?」
「・・・」
前にナバールに攻め込んだ時以来の自分の部屋。
久々にゆっくり出来ると踏んでいたのに、聞こえて来たのは聞きたくない女の声ともう見飽きた格好だった。
「いや、戦況報告って処か」
喚いた所で二人のペースに持っていかれるだけなので、ホークアイは簡潔に述べるだけに留めた。
「その割には随分かかりましたね。陽が暮れてしまいました」
「そうよお。大分待たされたんだから。退屈はしなかったけどね」
だが、こう言う時に女は目敏い。少し重たい話をしていた事に感付いたのか、妙に話を振ってくる。
だが、ホークアイは一々説明するのも面倒なので強引に話題を捻じ曲げた。
「……あのさ」
「「?」」
はい、何でしょうか? 格好の割には可愛らしく首を傾げるリースとアンジェラ。そのギャップに少し戸惑うも、ホークアイは続けた。
「君等、何で俺の部屋に居る訳さ。部屋は宛がわれてるだろ?」
そこそこの間取りを誇るホークアイの部屋。しかし、人間三人を含有すると密度が上がって息が詰まる。序に雌臭くて敵わない。
ホークアイはリースとアンジェラに立ち退いて欲しかった。
「来ちゃいけなかったですか?」
「あーあー。自分の女ほったらかして酷いんだあ」
「……疲れてんだよ。今直ぐ寝たい」
主人に構われなくて悲しそうな飼い犬みたいな顔をするリース。
対照的に、邪険に扱うホークアイを批難するみたいに口を尖らせるアンジェラ。
ホークアイは隠していた疲労を顔に滲ませると静かに呟く。
「ふうん。私達は放置ですか」
「良い度胸してるわね」
少しだけ空気が張り詰めた。
揃って同じ顔で睨み付ける二人の瞳は濁っている。蒼と翠、そして金色の視線が一瞬交差した。
「何か期待してるなら明日以降にしろ。アルテナ、ローラントって続けて祝賀会三昧で睡眠時間が足りてねえんだ俺は」
ナバールでの祝賀会は明日。それまでにしっかりと英気を養いたいホークアイは何が何でも寝る気だ。
ガーブを脱ぎながら気の入らない言葉を並べつつ、しっしと手で合図をする。
「却下です!」
だが、当然リースはそれを無視した。それと同時にホークアイの無防備な背中に抱き付いた。
「それっ!」
その隙を逃さないアンジェラもホークアイのズボンの中に手を突っ込んだ。
「だあっ!? ちょ、変な処手ぇ突っ込むなコラ! 止めろ離せ!」
強硬手段に訴えるとはやってくれる。
ホークアイは全力で拘束を解こうと身を捩るが、それは途中で止められた。
「構ってくれないと大泣きしますよ?」
「うんうん。序にエインシャントとラミアンナーガが発動するかも」
本気ではないのだろうが、一国の姫君とは思えない台詞を垂れ流す雌犬と淫売。流石のホークアイも動きを止めざるを得なかった。
「……この、外道」
ナバールを盾にしやがって。
闇クラスの女の性質の悪さを改めて認識したホークアイは歯噛みするしかない。
「私達だって我慢してたんですよ? だから色々と堪ってるんです」
「女房のガス抜きは旦那の務めよね。っつー訳で、愛して下さるかしらん?」
カマンカマン。ホークアイの寝台で脚をぱかぱか開いておいでおいでする雌が二匹。
見慣れた光景だったが、ホークアイは悪態をストレートに言ってやる。
「最早、完全にビッチの領域だなお前さん達」
「失礼な! 雌犬は私一人で十分です!」
「そう言う事言いたいんじゃないと思うんだけどな」
皮肉にすらならなかった。
アンジェラの突っ込みは的確だったが、こんな状況でギャグをやられても面白くも無いホークアイは深く溜息を吐いた。
「女を買う事はあったけど、自室に連れ込んでするのは今回が初めてだな」
「へえ、品行方正ね。もっと乱れてるかと思った」
……女の影が何処までも付き纏う。昔はそうじゃなかった筈だった。
そりゃホークアイも男なのでもてたいと言う気持ちはあったし、軟派に振舞う事で釣れる女も多少は居た。そうでない時は金で買った。
「意外に厳しいんだよ、此処の規則」
しかし、どの女も仕事柄どうしても深い付き合いは出来なかったし、砂の要塞の中まで連れ込む様な事も無かった。そうしたくとも規律が常に邪魔をした。
アンジェラが驚くのも納得だろう。冒険初期のホークアイはそれだけ軽い男だったのだ。
だが、それも戦い続ける裡に変化した。そんな暇も無かったし、クラスチェンジを境にもうホークアイは昔のようには振舞えなくなってしまったのだ。
まあ、今更ホークアイがその頃を懐かしむ事は殆ど無いだろうが。
「加えて、多対一ってのもやった事が無い。自信、ねえな」
「……そう言えばそうですね。アンジェラとブッキングした事、ありませんでした」
「あったらあったで面白かっただろうけど」
抱く目的で女を自室に招いた事は今回が始めて。……否。抱かれたい女が訪れたのが初めてと言う冪か。
しかも一人ではなく二人と言うのが始末に悪い。
リースもアンジェラも可笑しそうに笑っているが、ホークアイにとっては悪い夢だ。
「俺の負担が増えるだけだろうが……」
激戦の予感にホークアイの下半身と心は開戦前から折れそうになっていた。
「ですね。じゃあ、今の裡に慣れて置きましょう」
「は?」
「これから増えると思うよ? 多対一の状況」
厭らしい笑みを浮かべるリース。そして、どう返して良いか判断に困っているホークアイに追い討ちを掛けるアンジェラ。
二人が何だってこんなに仲が良いのか、ホークアイには理解が及ばない。
「……厭過ぎるな」
そして、仲が良い事の皺寄せは全てホークアイに回って来る。本気で逃げ出したい気分だったが、もうそれは出来ない状況だった。
「ん? 脱がんのか?」
搾られる覚悟を決めたホークアイがインナーを脱いで上半身を肌蹴た。半裸に拘るホークアイをリースもアンジェラが溜息混じりの熱っぽい視線で見詰めている。
男の肌とは到底思えない張り艶に加え、その病的な迄の線の細さはこの場に居る女二人の上を行っていた。
回避重視のトリッキーな戦い方をする為か、傷が殆ど見受けられないホークアイの身体は女の目からでも嫉妬する程の美しさを放っていた。
無駄と言うモノを一切感じさせない絞り込まれた肉体をうっすらとした伸びのある柔らかい筋肉が覆っている。
その高い身長に加え、長く美しい腰迄もある髪の毛が中性的な色気を醸し出す。
何度も見慣れ、また抱かれたホークアイの身体はそれこそ飽きと言うモノを感じさせず、リースとアンジェラの欲望を掻き立て、劣情へと昇華させるのだ。
「偶には着たまましてみません?」
「俺は上は脱ぐぞ。暑くて堪らん」
「アタシ達は涼しいから平気よん」
ぎらぎらした視線を隠そうともせず二人は欲望の解放を今か今かと待っている。
何故かリース達は着たままファックに拘っている様だ。だが、ホークアイにとってそれは地獄だった。床運動するのにあんな暑苦しい装いでは直ぐにへばってしまう。
二人とは違ってホークアイは涼しい格好ではないのだ。砂漠では暑苦しい程に。
「好きにぶっ掛けて下さって結構ですよ?」
「やだ。イカ臭いお前等は俺自身が触れたくねえ」
汗臭いのも血生臭いのホークアイは大好きだ。だが、セクシャルに生臭い女は御免蒙る。
精液塗れの脳味噌ではまともな思考は出来まいと、ホークアイはリースの申し出をきっぱり断る。
「うーん……偶には真っ白に汚されたい気分だけどなあ」
「そんなに潤沢な弾は無い。白く染まるのは胎の中だけで我慢しろ」
イカレ加減ではアンジェラも負けてはいなかった。しかし、ホークアイ一人だけの状況で二人の全身を汚すだけの精液を賄える筈も無い。
俺はスプリンクラーではないと念を押しながらホークアイは自分の寝台に上る。
「あら……またご馳走して下さるんですの? 楽しみです」
「んふふ。アンタも好きよねえ。種付け」
「まあな。生で中にしか射精さん主義なんでな」
それを否定する気はホークアイには無い。嗜好なぞ人それぞれだ。
……案外、自分と二人は良いトリオなのかも知れない。
半ば諦めた様にホークアイは心の中でそう零す。
雌犬。淫売。そう二人に悪態を吐く己は種馬と変わらない事にホークアイだって薄々気付いていたのだ。
151 :
72:2008/12/31(水) 15:29:16 ID:CYK6wUuG
一端切ります。
チェックが追い付かない。果たして年内中に間に合うのか? 微妙な所です。
神よ力を
「で、俺はどうすりゃ良いんだ?」
「さあ。どうしましょうかね」
作戦開始。ホークアイが乗り気ではない事はしょっちゅうだし、加えて今回は自分では動きたくない。指針について聞いてみるも、リースは態々聞くなと言う顔をして母親の形見のリボンを外していた。
「おい」
随分と投槍なその態度にホークアイは少し肩を落とした。
「アンタの好きにすりゃ良いでしょ? 一々聞かなくて良いわよ」
「・・・」
まあ、アンジェラの言葉は正論だった。だが、好きに抱けと言われた所でホークアイは困る。二対一の状況は初めてなのだ。
少しだけ考えると、ホークアイは行動を起す。
「では、雌犬の躾から始めるか。尻を向けろ」
「はい。どうぞ」
アンジェラには悪いが一番年下のリースから慰めてやる事にホークアイは決めた。
最早、雌犬と言われても何ら抵抗を感じないのか、リースはズイっと尻を高々と上げ、ふりふりとホークアイを誘う仕草を取る。
そんな仕草に飽きているホークアイはリースの下腹部を覆う布に手をやった。
汁を吸って既に染みになっているそれを横にずらし、少し乱暴に腰を引っ掴む。
「さあ、くれてやる」
――じゅぶっ
「ぁ……はっ、あっ! はあああああああんんんん……っ!」
何とか使用に足る硬さを持った肉棒をぐっしょり濡れたリースのクレバスへ無遠慮に突っ込んだ。
突き上げるホークアイの肉棒に歓喜の声を上げたリースはぶるぶる震えながら、涎を伝わせてうっとりとしていた。
「前戯すら不要か。変態め」
「は、はい……ずっと、欲しくて堪らなかったんですぅ……!」
何時もは入念に時間を掛けて弄り倒すのがセオリーだが、今回はそれに頼らずに開幕から本番行為だ。
ホークアイにしては邪道だが、リースにとっては寧ろ嬉しい展開だ。完全に体が開いている状態での前戯は苦しいだけだからだ。
そして、リースの欲しかったと言う言葉は嘘では無いらしい。ホークアイの肉棒はリースの滑った媚肉の普段以上に熱烈な歓迎に遭っていた。
「あーあ。いいなあ」
「ちょっと待っててくれ。直ぐに済む」
根元迄咥え込んだリースの雌穴をじっと凝視しながら、アンジェラは羨ましそうに零す。
その物欲しげな視線を向けられたホークアイは少しだけ済まなそうに言った。
「これ……これが欲しかったのおっ! ホークのオチ○ポぉ……♪」
「きっと俺以外の竿でも同じ事を言うんだろうな、お前さんは」
にちゃにちゃとした淫らな水音を響かせながら連結部から白く濁った粘液を垂れ流す。
蕩けきった表情で自らも尻を振りながら甘い声色でリースが呟く。
その声が戦意を奪い去っていく様に感じたホークアイは呆れた感じでまた呟いた。
「やあ……やあん! ホーク以外のオチ○ポなんていやあ!」
肉棒狂いの雌犬は突っ込まれる竿さえあれば、その持ち主の素性はどうでもいい。
ホークアイがリースに持っている主観だが、そこはやはりイヌ科のお姫様。
雌の狼は番の鷹に対してはとても情が深いのだ。
「どうして其処迄固執するんだか。アンジェラも同じだったよな?」
「んなの当たり前でしょうが。アタシ達は抱かれたい男にしか抱かれない。凡百の汚らわしい肉塊を突っ込まれるなんて死んでもゴメンだわ」
そして、その辺りは前に尋ねた通りアンジェラも一緒だった。ホークアイに操を捧げているのかどうかは不明だが、アンジェラが抱かれても良いと思う男はホークアイだけみたいだった。
「ああん……っ♪ もっと奥ぅ、奥をごりごりして下さぁい……!」
浅めの挿入が気に入らないリースが更に激しく腰を振る。
じゅぽじゅぽ喧しく肉棒をしゃぶる雌穴は爛れた花弁から蜜を垂らし、ベッドシーツに生臭い染みを点々と付けている。
「俺は良いのかよ」
「勿論。アンタは強い。それに、見てて濡れる位戦い方が綺麗なのよね」
「くうっ! そ、っ! ですぅ! 思わず、クラクラする程……血の匂いがしますぅ……♪」
やや機械的に腰を打ち付けるホークアイが確認する様にアンジェラに問う。
聞かれてその理由を語るアンジェラの顔は事の最中を傍観している人間には在り得ない位に爽やかで、またその理由も物騒だった。
リースも自分も同じだと喘ぎながら答える。その瞬間、彼女の蜜壷がぎゅっと締まった。
「ああ、なるほど」
……判る気がする。
二人の言葉を聞いて、何故か納得してしまった自分が居たのだ。
昔は女に欲情する事は普通にあった。だが、今の自分は血の臭いのしない女でないと逆に萎えてしまう。
それが理由だった。
「だとしたら……」
お寒い話だと自分自身の異常性を正しく把握するホークアイはちょっとだけ誇らしくなった。
彼女達もまた血の臭いに欲情するのだとしたら、それに足るだけの血を浴びた事も無駄ではなかったと思ったが故だ。
「ひきぃぃいいっんんっ!! オチ○ポっ! オチ○ポ深いのおぉっ!!」
「ハッ……はっ……ホーク……アタシ、辛い……」
ヒートアップしていく心を解放する様に深い前後運動をしてごりごり最奥を抉る。真っ赤なビキニトップからは度重なる睦み合いの果てに淫らに肥大化したリースの乳房が重そうに揺れている。
嘗てはやや慎ましげだったそれに、何時もそうする様にホークアイは指を食い込ませる。それが堪らないリースは泣き声に近い叫びを上げて肉棒に襞を絡ませる。
大きく動く二人の姿を見ながら我慢が出来なくなったアンジェラはとうとう自分を慰め始めた。股間を申し訳程度に隠す、面積の小さい布地を捲り上げ、陰核を中心に指を這わせるアンジェラ。
その物欲しそうな表情と淫靡な花弁に一瞬だが目を奪われそうになったホークアイは少しだけ目を閉じて考えた。
「方向性はアレだが、確かに良い女だよな」
闇クラスとか、危険人物とかまあ色々と付き纏う女達だが、それでもその価値が極上のモノである事はホークアイ自身も認めていた。
世界を回ったとしてもこれ程の女に匹敵する者は恐らく居ない。
「逞しいのでオマ○コもっと抉ってぇっ! ホークのオチ○ポ様で私を駄目にしてええええっ!!」
思案はあっさりと打ち切られる。餓えた野良犬の魂を全開にしたリースは泣きながら自分を堕としてくれと懇願する。その激しい動きに鎖がじゃらじゃらと金属音を立てていた。
「いや……もうお前のマ○コは駄目駄目だろ」
「駄目マ○コっ! 駄目マ○コ可愛がってぇ!! 私をご主人様だけの可愛い雌犬にして下さあいぃ……♪」
冷静にそう突っ込むホークアイは或る意味苦労人だ。もうとっくに脳味噌に精液が回っているリースはこれ以上は堕落しようがない。
更に呆れるのがリースの言葉。王女としての何やらを完全に捨て去っている姿には呆れを通り越して、皮肉の言葉を掛けてやりたくなるホークアイ。
「女を飼う趣味は……まあ、いいか。ここまで来たら」
だが、ホークアイはそれを言わなかった。今迄無視してきたが、確かにリースは可愛いと思うし、一瞬それも有りか? と、心が傾いた。
――どうせ逃れられないし
根底には半ば悟った様などうしようもない感情も渦巻いていた。
多くの場合、それに走るか否かを問われれば、常人ならば否の選択をするだろう。ホークアイも常人の範疇に縋り付きたかったからそうして来た。
だが、それはもう遅すぎる空しい言葉だ。それならば、リースを縛る鎖の端を持って飼い主を気取るのも一興かも知れなかった。
「羨ましいよお。ねえ、リースだけ特別扱い? アタシはお預けなの?」
「あと少し……っと、来た来た」
被所有者願望の持ち主が此処にも居た。しかし、今はかかずって居られる状況ではないのでホークアイはリースとの事に集中する。
すると、漸く込み上げてくる物が感じられた。
「お待ちかねの餌の時間だ。たっぷり飲んで元気な子を産んでくれ」
「はいっ! 産みます! だからホークのチ○ポミルク私のオマ○コに下さい!!」
乳を揉みくちゃにしながら乱暴に腰を動かすホークアイはただ射精を呼び込みたいだけの様だった。後が痞えているのでリースを気遣う余裕は失われていたのだ。
だが、普段に比べて粗雑なホークアイの動きすらリースにとっては快感の素になってしまう様だった。
種付けを宣言するホークアイに嬉しそうに答えるリース。妊娠する事も厭わずに胎に精液を強請る彼女は美しかった。
「うっ……全部飲み干せ!」
込み上げる物を堪えずに勢いのままホークアイは子種を打ち出した。
「ぁ、かっ……! きゃあああああああんんんんんんんっっ!!!!」
――どぷゅ!
子宮の底に勢い良く当たる子種を感じながら、リースは絶頂の叫びを上げて四肢を激しく痙攣させた。
「っ……何か、出が悪いな」
熱い柔肉に包まれて、搾られる感覚は馴染みが多い。
だが、普段よりは量が少ない事に本人自身が自覚させられる。
疲れるによる弊害が量の減少と言う形で露になっていた。
「あついぃっ! オマ○コ熱くて火傷しちゃいますぅっ!!!」
「しないしない。そんなの、お前の脳味噌が爛れてるだけだって。なあ?」
シーツを掻き毟り、涙をぽろぽろ零して激しく絶頂しているリースは胎の内側から焼き尽くす様な精液の熱さに悶絶している。
全てを注いだホークアイは人肌以上に熱い事等考えられんとリースの言葉を一蹴し、意見をアンジェラに求めた。
だが……
「――ッッ!」
ドンッ!
襲ってきた衝撃に強制的に結合を解かれるホークアイとリース。
「きゃんっ!?」「うう!?」
突き飛ばされたリースはベッドの上に転がり、絶頂の脱力感も相成ってそのまま動けない。ホークアイもまた尻餅を付き、その上に圧し掛かられる。
一体何をしやがるのか? 文句の一つも言ってやろうかとアンジェラを睨むホークアイ。
「ハア……ハア……ハア……!」
其処には凡そ正気とは思えない様な狂った瞳をしたアンジェラがいた。
「おい淫売。目の色が尋常じゃないな」
「だって……だってえ! ホークとリースがおま○こするの見てたら、もう疼いてどうしようもなくって……!」
目の色以上にアンジェラの下腹部も大変な事になっていた。
ずらされたマイクロビキニから覗く秘唇からはだらだらとシロップが涎の様に垂れ落ちる。その雨に晒されるホークアイの肉棒はリースのそれと合わせて愛液塗れだった。
「だから、落ち着けって。……無理そうだな」
「羨ましくって……んっ、切なくって……狂いそうっ! だったんだからあ……!」
説得しようと思って優しく言ってやるが、それは効果をなさない様だ。
一発抜いて賢者モードのホークアイだが、一応肉棒は天井を向いたままだ。
それを飲み込もうと腰を前後させるアンジェラだが、体がコントロール出来ないのか、滑ってしまって中々挿入出来ない。
「オーケーだ。お前さんが我慢の限界だってのは判った。だから、そのまま腰を落とせ」
「んっんうっ……ぁ、ぁ! あんんんん!!!」
普段のアンジェラの姿と今の姿を比較すれば、そのギャップに非常に戸惑う輩は多そうだが、残念ながらそれはホークアイが何度も通過した道だ。
ホークアイは片手でアンジェラの腰を支え、もう片手で自身の肉棒を固定。挿入を促す為に優しく囁いてやるとアンジェラはそれに従って腰を下ろす。
――じゅぶぶっ
今迄散々雌犬を泣かせていた暴れん棒将軍が今度は淫売に突き刺さる。
奥迄一気に貫通させられたアンジェラは軽い絶頂を迎えた。
「ハア……ふふふ。とっても良さそうですね、アンジェラ」
「い、良いにっ、決まってる、でしょう? アンタもアタシも大好きなっ! チ○ポですものぉ……♪」
パーティー一番の体力値は伊達じゃない。絶頂状態から回復したリースは若干厭らしい視線でアンジェラを煽っていた。
今迄自分を貫いていたものを盗られて悔しいのかも知れない。
それについて判っているアンジェラは別に気にする様子も無く、体をくねらせながらリースに言い、リースもまたそれに頷いた。
「俺が好き……じゃなくて、俺の竿が好きなのか……」
二人の様子にがっくり来たホークアイがぽつりと零す。
ホークアイと言う男ではなく、ホークアイの持つ肉棒こそが二人の求める物。
……半分判っていた事だったが、それを言葉に出されると無償に悲しくなってしまったのだ。
「ち、違うぅ。好きぃ……ホークが大好きぃ! だから、チ○ポ欲しいのぉ」
「そ、そうですよ。前提に貴方を愛してるって想いがあるんです! そうじゃなかったらフェチズムじゃないですか」
聞かれて拙いと思ったのかは知らないが、アンジェラは腰を上下させながら言い繕うし、リースもまた必死にフォローしようとする。
凄まじく今更感が漂う言葉にホークアイは繊細なハートを傷付けられた気分だ。
「……いや、判ってはいるがな。こうも狂われちゃ、その可能性疑っちまうぜ」
まあ、二人に悪気は無いのだろう。そして言っている事もきっと真実だ。
だが、愛情と肉欲の間にある超えられない壁の存在を確かに感じるホークアイは猜疑心を捨てきれない。
「信じてよおっ! アタシ、ホークのお嫁さんになっても良いんだからねっ!?」
「全くです。寧ろ、婿養子に迎える気、ローラントは満々ですよ」
疑り深いホークアイの心を変える為にアンジェラは何やら聞き逃せない台詞を吐き、リースもどさくさに紛れて求婚紛いの言葉を漏らす。
「……どっちも厭だな。今の俺は特定の国家に属するってさあ」
正直、悪い話ではない。
だが、この身の立場の微妙さや持っている力の大きさを考えれば、付き纏う責任も相応のモノになる。ホークアイは頷かないし、そもそも結婚する気は更々無いようだった。
――キイィ
「うん? ……う」
と、嵌めながら若干重要な話をしていると、部屋の扉の蝶番が錆付いた音を立てる。
その音と人の気配に反応したホークアイは扉に目を遣って、硬直した。
「ふえっ!?」
「……あ」
二人がホークアイに続いて視線を移す。
アンジェラは吃驚した声で目を丸くし、リースは少しだけ重苦しい呟きを漏らし、目を伏せた。
「あの……」
果たしてやってきたのはジェシカだった。彼女がホークアイを尋ねてくるとは本人を含め予測していない事であり、加えて、扉を施錠し忘れたホークアイは迂闊だった。
「えっと……げふんっ! ……何か、火急の用件か? 見ての通り、取り込み中なのだが」
だが、ホークアイは冷静だ。
変に言い訳すれば男を下げるし。同時にアンジェラ達に恥を掻かせてしまう事になる。
ホークアイは咳払いをするとジェシカに目配せして返事を待つ。
「いや、あの……もう夕食だから、呼びに来た、けど」
困惑入り混じり表情と泳ぐ視線、そして焦燥が明確に感じられる上擦ったジェシカの声。
事の最中に乱入した事をどう思っているのかは不明だが、その顔は真っ赤で恐らくまともな思考は期待出来そうも無い。
――ぎゅう
そんなジェシカに見せ付ける様にアンジェラがにょっきりとした魅力的な脚をホークアイの腰に絡ませた。
「後で運ばせる。……他は」
無いなら失せろ。
相手が誰であろうが関係無い。ホークアイの金色の瞳が冷酷な光を放った。その瞳は確かに声無き言葉を発していたのだ。
「無いわ。……ご、ごめんなさい!」
バタン!
空気を呼んだのか。それとも視線に威圧されたか、その両方か。
ジェシカは逃げるみたいに部屋を出て力一杯扉を閉めた。
「……いかん。少し萎えたな」
「ええっ!? って、仕方ない、か。……ん、それは良いけどさ」
予想外の闖入者に股間が吃驚したらしい。少しだけ柔らかくなった一物にホークアイは何らかの渇を入れたくなったが、アンジェラの柔肉に包まれている状態では難しかった。
大至急、おっ勃てろ。アンジェラは切実にそう叫びたかったが、それは流石に飲み込んだ。ホークアイの気持ちを考えれば仕方が無い事だからだ。
「あの……良かったんですか?」
「あ? いや、取り込み中なのは本当だろう。それとも中断して良かったのか?」
複雑そうな顔でリースがホークアイの顔を覗き込む。
有無を言わさず追い返す真似をしてしまった事に対して、その是非をホークアイに問いたかった。
だが、ホークアイが吐いたのは正論だった。急用じゃないのなら、裸の付き合いを優先するのが人情だとそう言いたいらしい。
「それは、駄目……ねえ」
「だろ?」
「いえ、そうでなくてですね。彼女は、貴方の、その……」
それについては竿を突っ込まれているアンジェラは概ね賛成だった。
だが、リースが言いたいのはそう言う事ではない。
あのジェシカと言う少女に対してのホークアイの態度とその心情についてだった。
「……あいつの気持ちは知ってるがな。俺にとっては家族で、親友の妹って認識だ」
ホークアイとしても余り突っ込んで欲しくない話題だった。
だが、リースの顔を見る限り逃げるのは不可能だと判断したホークアイはその重い口を割った。
「あの娘、泣きそうだったわよ? まあ、こんなの見ちゃえばそうだけど」
一瞬だったがそれを見逃さなかったアンジェラは目が良い。
確かに、扉を開けると命の恩人が他の女と繋がっている場面が展開されていれば、普通の人間ならトラウマものだ。
しかも、ジェシカは何となくホークアイに気があるらしい。それならば尚の事ショックだったろう。
「この程度のアクシデントで気持ちが離れるってんなら、その程度の想いしか無かったって事だ。仮にそうだとしたら、お前さん達の情の方がよっぽど深い」
やはり今のホークアイは良い意味でも悪い意味でも冷血漢だ。しかもこの程度のアクシデントと割り切るのは微妙に悪人っぽい。
それだけに留まらずアンジェラとリースの情をしっかり汲み取って明言する辺りは極悪人と言われても仕方の無い諸行だ。
「「//////」」
だが、二人は何だかんだで女だ。滅多にないホークアイの惚気に顔面を沸騰させた。
どうやら、気持ちでジェシカに負けている気はこれっぽっちも無いらしかった。
「まあ、それでも俺は……自分の叔母とは関係したくないな。色々とややこしいし」
「「ああ」」
そして、それが一番重要な事だった。
ジェシカとイーグルはフレイムカーンの後妻の子供だ。ホークアイの母親のファルコンとは異母兄弟の間柄になる。ジェシカ本人は知らないだろうが、それが真実。
ホークアイは近親恋愛には理解があるつもりだったが、いざ自分がそれに巻き込まれれば、拒否したいと思ってしまうのは人の性に違いないと無理矢理納得させる。
そしてそれは或る意味で正しい反応だった。
「済まないな、アンジェラ。中断したが、巻き返す」
もう話す事は無かった。半分止まっていた情事を再開する旨を告げてホークアイはアンジェラの顎に手を遣り、唇を吸う。
「あんっ……ホーク……♪」
――ちゅく
ホークアイの気遣いが感じられたアンジェラは吸い付くホークアイの唇を逆に貪る。
自然と舌を突き出して自分とホークアイのそれを絡ませて、唾液の交換を行う。
ぐちゃぐちゃ卑猥な音を立てて泡立つ涎が口から零れて顔を汚すが、そんな事はどうでも良いのか、呼吸する事をも放棄してアンジェラが腰を浮かせ、乳を揺らしながらホークアイの唇を食む。
「む……! えっちなキスですね……っう」
「アンッ……ふぅ、んっ……んっんっんっ……んふぅ……」
激しく卑猥で愛がたっぷり詰まった大人のキス。唾液塗れになりながらそれでも口を貪る事を止めないアンジェラにリースは軽い嫉妬を覚えたようだった。
……あんなに熱烈にキスしてくれた事、あんまり無いのに見せ付けて。
良い具合の嫉妬と憧憬の感情を視線に混ぜながら、リースは先程アンジェラがそうしたように自分の白く薄汚れた秘唇に指を這わす。
「うぐっ。……ちょ、アンジェ……っ、呼吸が……おいっ! 聞けって」
幾ら何でも激し過ぎるアンジェラの求愛行動にホークアイが根を上げる。アンジェラは平気かも知れないが、ホークアイは其処迄自分を出す事が出来ない。
口を犯される行為はキスと言うにはあまり淫靡で苛烈。息が苦しいホークアイが落ち着くようにアンジェラを言い包めようと躍起になるが、彼女が止まる気配は無かった。
「チ○ポ……ハメハメぇ……♪ もっとアタシのエロマ○コ苛めてよお……!」
「手酷く抱くのは趣味じゃねえ。残念ながら」
何時の間にか硬さを取り戻した一物で淫肉を擦る上げる事数分。
やっとキスを切り上げたアンジェラは恍惚とした表情で言った。
上気して朱の刺した顔、虚ろな視線を彷徨わせてがっちりホークアイの分身を咥え込んで離さない。
因みに、ホークアイとしては愛でているだけであって苛めている気は全く無いし、そうする事も御免だった。彼流の女の抱き方だ。
「ホークの馬鹿あ! もっと好きになっちゃうでしょう……?」
「なったらどうなる?」
どうもそんなホークアイにアンジェラはきゅんと来た様子だ。
ねっとり情熱的に脚と腕と蜜壷でホークアイを拘束するアンジェラは愛情表現がかなり直接的だ。
じゃれ付くアンジェラが若干暑苦しいホークアイはこれ以上信頼度が上がる事があるのかと疑問符を頭に浮かべながら半ば冗談で尋ねてみる。
好きな気持ちに限界は無いが、どう考えてもこれ以上は数字の上ではカウンターストップ。発揮される何かも無いだろうとホークアイは思っていたのだ。
それに対するアンジェラの答えは色々と終わっていた。
「チ○ポとチ○ポとチ○ポの事で頭が一杯になるう! は、早くっ、早くチ○ポ汁ぅ! チ○ポ汁ごっくんしたいよお!」
「スケベ女。……否、ニンフォマニアだな」
腰骨と恥骨をぶつけるようにガンガン腰を振って肉棒を扱くアンジェラの下の口は白く濁った高粘度の生臭い蜜が何本も糸を引き、ぐちゃぐちゃだった。
リースと同じく、アンジェラもまた完全に堕落している。
……否。落ちているのが奈落の場合、底が無いのだから何処迄も堕ちて行ってしまう。
為らば、きっと二人が落ちたのは肉欲と言う名の奈落なのだろうとホークアイは納得した。
「わ、私もまた……ミルク、飲み、たく……! ハア……っ、んんふぅ……」
「ふう……待っていろ。気の済む様にしてやる」
腹を空かせた狼女が快楽と言う名の更なる供物を欲している。
昂ぶりが再燃し、火が点きそうな程に体を苛む餓えに耐え切れないリースは自分の割れ目を弄る。
膣内射精後のクレバスを掻き分け、中に残る精液を掻き出しては指に纏わり付くそれをちゅぱちゅぱ美味しそうに舐めている。
……淫乱な女達に求められる事が斯くもヘビーだとは。
ホークアイも少しだけ己の楽観を改めると、アンジェラの媚肉を激しく犯し抜く。
「ホークっ! ホークぅ! オマ○コもっとお!! 疼く!! 疼くぅっ!!!」
「っ……も、ちょっと」
絶叫を上げながら剛直を扱くアンジェラ。彼女の肉の穴は蕩ける程柔らかく、また隙間が見受けられない程きつく狭い。
男泣かせの名器を攻略するホークアイは汗の雫を垂らしながら懸命にざんばらに腰を振った。水かさを増して来た射精感が終わりを訴え始める。
びくびく震える陰茎に絡み付く滑った襞の感触は防御力を無視して多大なダメージを与えて来た。
「此処っ! 此処よお!! お臍の裏に白いのぴゅっぴゅぅ!! ぴゅっぴゅしてえ!!!」
「うお……お、お待ちどうっ!!」
アンジェラが逝き狂う直前の混沌とした精神でぐりぐりと子宮口に亀頭を押し当ててくる。そのこりこりした感触が微妙に気持ち良いホークアイ。
だが、そう思ったのも一瞬だ。
どうせこれで終わりでは無いのだろうから、ホークアイはさっさと終わらせる為に我慢の一切をせず、アンジェラの望む通りに子種を注入してやった。
――びゅぶっ!
「あひいいいいいいいいんんんっ!!!!」
子宮の底を叩く欲望の奔流はアンジェラが飢えていた物。
その感触は慣れ親しんだもので、また容易に絶頂を誘う程子宮自体に刻まれている。
白く染まっていく胎の中と同じく視界も同様に染まっていく。
明るい闇が視界を覆い、四肢をきつくホークアイに絡ませるアンジェラはギュッと目を瞑り深い絶頂に身を晒す。大粒の涙がぽろぽろと零れ、シーツに斑の染みを付けていった。
「こ、こってりしたの来たあ……臭くて熱くて気持ち良いお薬マ○コにぶっ掛けられたあ……♪」
「う……お……ぅ、ぐ。ちょっと……拙、いな、こりゃあ」
……疲労困憊だ。胎を満たして取り合えず満足のアンジェラ。
熱を放つ膣内射精後の子宮が何とも言えないユーフォリアを導いているのか、アンジェラは自分の下腹部を優しい手付きで撫で擦っていた。
だが、そんな幸せなアンジェラとは違ってホークアイのダメージは大きい。
ぐらぐら揺れる視界と重たい脱力感にベッドに崩れ落ちそうになる。
……もう勘弁してくれ。それが今のホークアイの心境だ。
「ホークっ!」
だが、そうは問屋が卸さない。それを阻む人間は元気一杯だった。
「……え?」
もう萎え果てた精力と気力。軋む身体に鞭打ち、顔を上げた先にはとっくに復活していたもう一人が待ち構えていた。
「つ、次は……また私のオマ○コにもどぴゅどぴゅして下さい……」
先程と同じく犬の様に尻を高々と上げ、両手で尻肉を断ち割り、ホークアイの眼前で子宮の奥まで晒すリースは紛う事無く変態だった。
「――Jesus」
予想はしていた。していたけど大ピンチ。助けて神様。
……って、古い神は死んで、新しい神は眠りに就いたんだった。じゃあ、救いは差し伸べられない訳だ。
「……Crap」
……ふざけるな! 世界を救ったのに何でこんな重労働しなきゃならんのじゃ!
フェアリー……お前が居た頃は未だ俺の世界は平和の裡だったよ……。
神無き世界はホークアイには残酷だった。
「んっんん……んっちゅ……ちゅぶっ」
「じゅる……じゅぶぶ、じゅぷ……ぷじゅ」
どれだけ求められようが、萎えた一物は疲労も重なってそう簡単に復活はしない。ポトの油や蜂蜜ドリンクを使用したってそれは変わらない。
ホークアイの肉棒を未だ喰い足りないリースとアンジェラはホークアイの股間に揃って顔を寄せて、その口と舌、胸をも使って縮んだ肉棒を愛撫していた。
「あー……あんま良くないかも」
アンジェラの汁に塗れて薄汚れていた肉棒はすっかり掃除されて今は唾液塗れ。部屋の光源を受け、てら付いている。
幹を中心に時折歯を立てながら愛撫するリース。先端を中心に鈴口を吸いながら高速で舌を回転させるアンジェラ。
中々に堂に入った奉仕だが、この手のテクニックをホークアイは教えた覚えは無い。
普通の男ならこれで十分に滾るだろうが、ホークアイには効果が薄い。それを示す様に彼はふと呟いてしまった。
「んくっ……っ、お口じゃ駄目、ですか? でも……むう」
「ぅ……けふっ。贅沢なちんちんねえ。アタシ達のおしゃぶりじゃ不満ってか?」
王女様二人が此処迄してるのにそりゃないぜ。
リースもアンジェラも顔上げて頬を膨らませる。
「だから疲れてるって言っただろ。文句言われても勃たんモンは勃たんわ」
「「そんなあ!」」
……この場合、悪いのは二人であって、また二人ではない。
元々、性欲が薄い枯れ気味のホークアイだ。加えて、此処最近頻繁に二人には搾られてその精液の備蓄量も少なめだ。
どれだけ王女様が淫らに肉棒をしゃぶり、乳肉で挟み、擦り上げた所でホークアイが復活する可能性はかなり低い。
リースとアンジェラが未練たらたらの泣きそうな声を上げる。
「泣くな喚くな鬱陶しい! ……ってな訳でな? 今日はもう諦めて……」
ホークアイとしてはもう好い加減に切り上げたい。生理的に物理的に辛い状態に於いて一物を酷使する事は精神的にも苦痛だ。
一刻も早く解放される為にホークアイがお開きを宣言しようとした。
「いやあ! もっとオマ○コに愛が欲しいぃ!! オチ○ポ嵌めて幸せになりたいんですう!」
「あんなんじゃ絶対足りない! 責任持ってアタシのマ○コの為にチ○ポ汁ひり出しなさい!」
だが、リーダーの撤退命令を従者は断固拒否した。
肉棒狂いの闇女二人は相当にはっちゃけている。嵌め穴にぴったり嵌る熱い棒を求めて已まない二人は一斉にホークアイに襲い掛かる。
「うがっ……!」
「チ○ポ……ひんほぉ……ぢゅううううう」
「ぷちゅちゅっ……ちゅぼちゅぼじゅるるるるる」
竿全体が肉の塊に押し潰される。
ビキニトップからはみ出す豊満になったリースの乳。それを超えて尚大きい、胸当ての中で窮屈に収まっていたアンジェラの乳。
両方がホークアイの萎びた陰茎を挟み込み、辛うじて顔を出した亀頭を先を争うように口に含み、下品な音を立てて吸い上げる。
これだけされればホークアイだって反応する筈。……そんな事を考える雌犬と淫売。
だが、二人の考えは浅い。
「……悪くない。悪くない。だけど」
――俺、されるの大嫌いなんだよね
一番重要な事はホークアイは奉仕されるのが大嫌いだと言う事だ。
股間を包み込み啜り上げる感触を心地良いとは思うが、興奮を覚える要素は何も無い。
肉棒を離さず、諦めようとしない二人に長丁場の予感を覚えたホークアイは亡としながら天井の染みを数え始めた。
――四半刻後……
「げほっ! えほっ! ……うう、な、何とか」
「あ、がが……っっ、顎外れるかと思ったわ」
酷使した喉が悲鳴を上げ、顎の負担も相当なモノだ。
長時間に渡り竿を加えて離さなかった二人の執念はもう半分以上女の意地だった。
どうして其処迄憑かれた様に腐心出来るのか? それは本人達以外には判らない事なのだろう。
「えっと、まあ、何だ。ご苦労さん」
「「どう致しまして……」」
眠りから目覚めさせられたホークアイの股間の凶器は怒っている様に青筋をビキビキ浮かばせてそそり立っていた。
ホークアイの口走る労い……では無く、呆れ混じりの皮肉に声を重ねる二人は草臥れていた。揃ってベッドにぺたんと座り込んで喉や顎の具合を気にしている。
「で、此処迄して貰って残念なお知らせだが……残弾は多分一発」
「「!」」
長い奉仕の最中にちょっとだけ体力が回復したホークアイ。だが、体力ゲージが増えた所で当然弾倉は空のまま。補給も供給も無い。
それを告げるとリースとアンジェラがこの世の終わりが来たみたいな顔を晒してお互いに顔を見合わせる。
『遠慮して下さい』『アタシのだってば』
……そんな声をホークアイは聞いた気がした。
「はいはい。見詰め合わないでね。二人同時に行きます。それで今日は勘弁しろ」
「「同時?」」
竿の奪い合いで喧嘩されては堪らない。加えてそれを許した場合、ナバールは壊滅するだろう。
それを食い止めるのは自分の役目だと、ホークアイは半分感情を押し殺した声で面倒臭そうに言った。
何をやろうとしているのかが見えない二人が首を傾げていた。
「私が上ですか」
「アタシが下、ねえ。……リースさあ、狼の兜外さない? クレストの牙が危なくて」
「やです。今日の私は犬一直線ですから」
「気合入れる場所間違ってない? 大丈夫かなあ」
脚を開いて寝そべったアンジェラの上にリースが乗っかる形だ。
気を抜けば容赦無くリースの額の牙がアンジェラを刺す事もある。
だが、リースはアンジェラの言葉に耳を貸さない。怪我と隣り合わせの二点同時攻略。
ホークアイが見出した現状の打開策だ。
「んで俺が二つの穴を往復すると」
だらだらと濁った粘液を吐き出す雌穴が二つ。どちらの戦力も非常に強大。分の悪い賭けが好きな訳では無いが、今のホークアイに出来る最善手はこれだけだ。
「……出来るんですか?」
「俺の精液が要らんのなら直ぐにどけ。雌犬」
その意味をリースも判っているのだろう。若干の疑いの視線をホークアイに向けると、彼はばっさりと言質の刃で一刀両断した。
「くううう〜ん……」
お預けを喰らうのはリースとしてはこの場に於ける死活問題なのか、悲しげな犬っぽい鳴き声を上げる。心に訴える寂しげなわんこ的視線のおまけ付きだ。
「お姫様の穴を二つ同時犯し抜くって、アンタ、世の男に恨まれるわよ?」
「世界を救ったんだぜ? それ位でガタガタ文句は言わせんよ」
男の、また女の敵であるホークアイを大人物を見るようなうっとりした視線で見るアンジェラ。
そんなモノは知らんと我が道を往くホークアイは実際大したタマだった。
「ま、確かにアンタならその資格はあるわね。……ちゃんと膣内に射精すのよ?」
「善処する……っと」
もうそれについては多くを言わないアンジェラにとって重要なのは再び胎の底に精液を浴びる事のみだ。それに頷いたホークアイが二つの拠点の無力化に挑む。
実際、こんな経験は初めてで勝手が判らないが、ホークアイは特に悩む素振りを見せない。そんな段階に既に無いからだ。
「ぁ……ふっ、あっ!」
腹を括ってリースの肉穴から突き入れ、その次はテンポ良くアンジェラのそれに分身を埋没させる。
開かれた女の体は素直にホークアイの剛直を飲み込み穴全体でそれを迎え撃とうと蠢動を始める。
「ハア……っ、っ……っと」
趣が違う二つの穴。黙っていても浮いてくる汗を拭いながら只管穴へ攻撃を叩き込むホークアイ。
貪欲に喰らい付き、圧倒的な膣圧で暴力的に搾り取るリース。襞を絡み付かせ、逃げ場を無くして溶かそうと全方位から舐めしゃぶるアンジェラ。
早くも込み上げる何かを感じるが、感けている場合では無いので全力で無視する。
「んっ! んあ……ぁ、はあ……っ! はんんっ……!」
「あうっ……くふ……ふぅっ! アンっ!!」
蕩けた甘い声が二つ耳を犯す。オクターブの高い喘ぎ声は聞いていて実に心地良い旋律にホークアイは聞える。
「良い声。ドキドキしちまうね」
媚びたエロ台詞より、こっちの方がよっぽどマシだ。
ホークアイは二つの穴へ腰を頑張って交互に突き入れながら、強く思った。
「はっ、アンッ! アンジェラ……あむっ……んむぅ」
「ちゅ……はむ、あふっ……くんんっ! リース……っ」
ふと視線を移すと、盛った女が折り重なるように密着し、お互いの唇を貪っている。
互いの乳が形を変えてぐにぐにと変形し、一つの肉の塊を連想させる。
勃起した陰核を擦り合わせて一つしかない肉棒からの足りない快楽を補うリースとアンジェラはとても淫らで、同時に美しい。
「……仲が良い。少し妬けるな」
半分冗談。そして半分は本当の事。
勝手に盛り上がってくれるのは構わないが少しだけ蚊帳の外に居る様な感じがしたホークアイはもっと感じさせてやろうとギアをセカンドからトップに叩き込む。
「好き……好きです……ホーク……っ!」
「もっと……もっと、愛してよ! アタシも、愛してるからあ……」
唾液塗れで汚れた顔を拭わずに二人が揃って求愛の言葉を吐き掛ける。
この手の台詞は何度も聞いた。だが、全てが終わった今、それを聞かされれば心に来るものが結構ある。
二人の気持ちについては、真摯な言葉と膣の締め付けから真実だとホークアイに伝わっている。
「俺は……ぐっ」
人の心は変わるものだ。ホークアイも例外ではない。
――俺は二人を本当の部分でどう思っているのか?
そう考えると、未だ平気だと思っていた射精感が一気に増した。
「……やべ」
平静に保てない心をそのまま映した様に射精への欲求は高まり続ける。
ホークアイが腰の動きを加速させる。のんびりやっている場合ではなくなったのだ。
「んああああっ! は、激しっ……激しいよお……!」
「やあっ! 強過ぎるってば……んひゃううっ!」
高速で出し入れされる肉棒は速度に伴う衝撃を断続的にリースとアンジェラの最奥に与え続ける。
二人とも興奮しているのか、容易に絶頂に至れる状態にあり、内臓に響くホークアイの突き入れに悶絶する。
速度を落として欲しい訳では無いが、このままでは天辺に上ってしまう。二人としてはもっとホークアイの剛直を味わいたいのだ。
「……悪い。無理」
言いたい事は判っているが、余裕の無い状況で己の進退を懸けているホークアイは拠点攻略の手を緩める筈も無い。微妙にテンションも上がって来ている。
虎の子の発射迄に何とか敵勢力を無力化したいホークアイは烈火の如く激しく攻め立てる。
「も、もうっ……私、わらひらめえ!!」
「逝くぅ……! アタシ逝くよう!!」
「っ……俺ももう、限界……!」
脆くなった防御線が放棄される迄そんなに時間は要らない。
拠点として意味を成さない事を示す様にリースとアンジェラの穴からは泡立つ粘液が際限無く垂れ落ちてシーツを汚す。
生臭い臭いが部屋に満たされ、それが三人の情動の炎に油を注ぐ。
ガクガクと痙攣し、絶頂しそうな二人。そして、最後の一発を今にも発射しそうなホークアイ。
「っ!」
堪えると言う言葉を忘れたのか、ホークアイはそのままアンジェラの中に子種を放つと、半分注いだ所で今度はリースの中に入って残りを注入した。
「「ぃ、逝ぐううううううううううううううぅぅうぅーーーーっっッ!!!!」」
二人が待ち望んでいたモノが齎され、思考を消去して快楽の波が全身を蝕む。
失禁したように潮をぶち撒け、アンジェラとリースはお互いを掻き抱きながら絶頂した。
「も、もう……打ち、止め……っぁ」
勝った。勝つには勝ったが、空っけつに近い辛勝だ。
容易には立ち上がれない程の疲労についにホークアイが屈する。
一物をリースに納めたまま、その背中に倒れ伏した。
……意識を失うように眠ってしまったのか、気が付いたら真夜中だった。
様々な汁で汚れたベッドで寝ていた所為か、上半身が生臭く、ベタ付いて気持ち悪い。
疲労は抜け気っていないが、両隣で眠る二人を起さぬように静かに床に降り立つホークアイはガーブの内ポケットを漁り煙草を取り出す。
「チッ、空か」
煙草の箱を探り当て、中身を取り出そうとしたが、既に昼間の時点で吸い切ってしまって居た事を思い出し、空の箱をゴミ箱に捨てた。
「ハア……」
体がニコチンを欲している。喉も渇いているし、腹だって減っている。
飯も喰わずに唯リースとアンジェラを犯して……否、二人に搾られた。
最初は嫌々だったが気が付けばノリノリになっていた事は否定出来ない。
こんな展開は御免だった筈なのに、それを楽しんでしまっていた。
一体、それは何故なのか? 考えた所で解答が浮かばない。
「……まさかな」
だが、視点をずらせば別の答えが垣間見える。
リースにしろアンジェラにせよ、体のみの関係だとその一言で割り切れる段階には既に無い。そう思いたいのも山々だが、それこそが目の前の現実だった。
それに気付かない……否、直視しようとしない事こそが齟齬の元だ。
「参った。洗脳されてたのは俺の方かよ」
何度も抱いて、犯して、嬲って、開発して仕込んだリースとアンジェラの体。
しかし、それを為したホークアイも何ら変化が無かった訳では無い。
二人は仕込まれると同時に、ホークアイの心に楔を打ち込んでいたのだ。
岩のように硬いホークアイの心も無数の楔を気付かぬ裡に打ち込まれて脆くなり、それに気付いた時にはもう硬い殻は砕かれていた。
「ハッ……そりゃ、逃げれねえな」
そんな裸の心に侵入した女の影がある。目の前で眠る二人だ。
とっくに縛り上げられていたホークアイは徒労とも知らずに無様に踊っていただけだった。もう二人に囚われているのに、その追撃から逃れる事は敵わない。
「リース……アンジェラ……」
二人を好きになりかけている。否、心の裏側では好意を通り越してぞっこんのレベルだ。今ならそれが判る。
そしてそれはホークアイにとって考えてはいけない事。立場も生まれも生きる世界やらその他諸々が全く違う女達だ。
本気になったとしても叶わない。それで傷付くのは二人のみならず他ならぬ自分自身。ホークアイはそれが怖かったのだ。
だからこそ、蓋をしてきた。
……だが、一度自分の状態を認識してしまえば、それに加速が掛かるのが世の常だ。
今迄はフェアリーの手前、理性で無理矢理抑えていたが、今はもうそんな枷は存在しない。だからこそ、もう理性では抑えられない。
「なあ……」
苦い表情のホークアイが小さく呟く。
もう、二人を拒絶する事などホークアイには出来ない。傷付く事を恐れ、手に入れようとしなかったモノは直ぐ目の前にある。
ホークアイの守りたかった安い自尊心はもう価値の無いモノに成り下がっている。手放す冪はそれであったのに、最後迄それを捨てなかったのは彼の弱さだ。
「俺は……っ、好きになって良いのか? 二人を」
そして、己の弱さを受け入れたホークアイはもう躊躇う事は無い。
どれだけの距離を歩いていたって、立ちはだかる障害もその力を以ってすれば容易に乗り超えられるだろう。二人が傍に居るならば。
それが、今のホークアイの素直な気持ちだった。
……何だかんだでやっぱりホークアイはリースもアンジェラも好きだったのだ。
そうでなければ、体を差し出して男娼紛いの真似はしないだろう。
長い冒険で育まれた情はそう簡単に封殺出来る物ではない。いがみ合い、殺し合った事も何度かあったが、それを踏まえて尚ホークアイの中にある情は不器用だが確かに愛情の形をしているのだ。
――クスッ
「っ」
含み笑いがステレオで聞える。寝ていると思っていた二人だったが、狸寝入りしていたらしい。
それに慌てて口を押さえるホークアイだったがもう遅い。蒼と翠の視線が優しげにホークアイを見ていた。
「やっと……素直になってくれましたね。最後迄信じた私達の勝利です」
「デレるのが遅すぎんのよ、アンタ。ったく、こんな良い女を待たせるなんて失礼よ」
欲しかった言葉。聞きたかった言葉をやっと聞き出せたリースとアンジェラはご満悦だ。
リース一人では縛れなかった。だが、アンジェラとの事もリースの憎悪が発端にならなければ無かった事だ。
どちらかが欠けていてはホークアイが陥落する事は無かったのだ。
「お前等……」
「良いんですよ、惚れてくれて。それが望みですから」
「フェアリーにも頼まれてるからね。幸せにしてあげるわ」
何とも耳が痛い。二人は最初からこうなる事を期待していたか、予測していたのだろう。
しかも、フェアリーに迄心配されていた事を告げられて耳の裏まで真っ赤になる。
最後の最後で余計な事をしてくれたフェアリーに感謝しつつ、ホークアイは初めて自分からリースとアンジェラを欲しいと思ってしまった。
「いや、でも……二人同時って、不味いんだよ、な?」
二股やら重婚云々を言いたい訳ではない。
それも確かにあるが、二人はフェンリルナイトでメイガスであっても一国の姫君。腐っても風の国と氷の国の王族だ。
国としての体裁をとっていない砂漠の自治体のナイトブレードが好きにしていい人物ではない。それこそ、無理にどうにかしようとすれば外交問題、下手をすれば戦争になる。
一人でこれなら二人となると更に危険度は増す。
「何言ってるんです。自分でさっき言ったじゃないですか」
「うん、言った。世界を救ったんだから、ガタガタ言わせないってね」
「・・・」
しかし、リースもアンジェラもそんな事は糞喰らえだ。
アルテナで口走った様に纏めて攫ってくれればそれこそハッピーエンド。少なくとも二人にとっては望む結末が手に入る。
寧ろ、それ位の侠は見せて欲しいと本気で思っている辺り、リースとアンジェラのイカレ具合は修復不能のレベルだ。
そして、それはホークアイも同様で、本当にそうしようかと思ってしまった。
「私は、三人が良いです。一番バランスが取れてるし、楽しいから。離れたくないんです」
「ホークも好きだけどさ。リースの事も妹みたいに好いてるんだ。今更、切っても切れない仲になっちゃってるしね」
イカレている事を差し引いたとしても、その根底にあるのは仲間意識と愛情だ。
リースもアンジェラもお互いを本当の姉妹の様に思っているし、事実、ホークアイを介して二人はもう姉妹だった。
その居心地の良さは、二人が祖国と秤に掛けても尚重い物なのだ。
「なるほど」
――負けた
これ程の想いを見せられて日和るなど、もうホークアイには出来なかった。
故郷の砂漠の様に何時の間にか乾いてしまっていた心。
その心の乾きを癒す雨の様にそっと降り注いだ二人の愛情。
雨上がりの雲間から覗く太陽は乱反射する幻想を七色の光に変えた。
望まない展開もあった。自分の意志で続けようとした訳ではなかった。拒絶だってしていた。
誰かが引き合わせた標を辿って此処に至り、そして、ついには折れた。
それが示すものは何か?
……欠けていた隙間が埋まった。
それこそ、描かれた現実の姿だった。
「男としての責任、果たすか」
王族としての責任云々ほざく前に、自分自身がその責任を果たしていない事にホークアイは漸く気が付いた。
どんな過程を経ようが、何時も責任が回るのは常に男の側。それは普遍の法則だ。
……散々に否定し、傷付けて、沢山泣かせて来た。
それでも二人の思いは変わらず、頑なだった心をとうとう屈服させた。
硬いと思われていた薄っぺらい虚栄心の殻は粉砕され、残ったのは爛れた肉体と危うさが同居した恋心。
そして、それを認めてしまった今、逃れる事は不可能でその必要も無かった。
今更それを否定する気はホークアイには無いし、寧ろリースもアンジェラもまとめて受け入れる気だってある。
それにどうせ逃れられないのなら、このまま肉欲の鎖に縛れたまま、ピンク色の闇の中を彷徨うのも一興だとも開き直る。
「こんな良い女達、誰かに渡すにゃ勿体無さ過ぎる」
俺は仮にも世界を救った勇者様だ。
自覚も資格も無いし、そんな言葉を吐く権利すらない。
それでも、文句を言う奴は無理矢理黙らせるし、奪おうとする奴は生かしておかない。
――何故なら、リースとアンジェラは俺の物だから
……そんな我儘な行動理念があっても間違いじゃない。
惚れた女の為に命を懸けるのも男の甲斐性だとホークアイはそう完結した。
「――っ」
寝台で微笑むリースとアンジェラに向き直ると、二人の身体に黒い茨が巻き付いている様な錯覚を見るホークアイ。
そんな馬鹿なと自分の上半身に目をやってホークアイは息を呑む。その茨はホークアイ自身の身体から伸びていた。
「私の鎖が……貴方を縛る」
「アタシの叡智で、アンタの心を穿つわよ」
「は、はは。なら、俺はこの闇で二人を染めて……奪って逃げるとするぜ」
だが、それが如何程のモノか? 正直言ってホークアイには興味が無い。
重要なのは、二人が手に入るか否かだ。
その一助になるのなら、ホークアイはもうどんな手段を用いる事も厭わない。
例えそれが世界を滅ぼす危険のある代物であったとしても。
それこそが、ホークアイの見せるたった一つの誠意だった。
何処かに間違いがあった。何処かと言うよりあの時だ。
フェアリーに選定された瞬間に、今の未来は決まっていたのかも知れない。
だが、それはもう過ぎ去った過去の出来事だ。もう、振り返って愚痴を零す事はしない。
うだつの上がらない男だと、リースやアンジェラ、フェアリーにすら罵られていた時の事を思い出す。
過去の自分。貧弱だったあの頃の己の姿にホークアイは別れを告げる。長かったモラトリアムが終わりを迎えた瞬間だった。
そして……
ファ・ディールを救った聖剣の勇者は最終決戦の数年後、突然姿を消した。
それに呼応するように、彼の従者達もまた消息を絶つ。
正義の味方と言うにはあまりにも禍々しく、そして黒い魂を持つ者達。
後世の歴史家の間では、フェアリーは選定を誤ったと言う意見すらある三人の勇者達。
ナイトブレード、フェンリルナイト、メイガス。
心の闇と本能の赴く侭、常に血の臭いと死の臭いに塗れていた彼等。だが、それ以上にこの三人には色々と醜聞が付き纏っている。
代表的なゴシップは以下。
砂漠の王子、風の国と氷の国の姫君達。彼等三人は男女として深い関係にあり、従者二人はリーダーとの間に子供を設けていた。
消える前の彼等の周囲にはアニスの呪いを象徴する黒い茨の影があった。
……勿論、真偽の程は定かではないが。
そして、彼等のその後の足取りについては一切が不明だ。
後に闇の英雄として長く語り継がれ、神格化さえされる事になる彼等が最後どうなったのか、知る者は誰も居ない。
戦場で朽ちたのか、戦いから足を洗ったのか、それとも別の世界に旅立ったのか……
記録や文献には何も残されていない。
〜了〜
あけおめ〜
今年もセレブ嬢・プリムたんはあはあです
169 :
72:2009/01/01(木) 04:19:43 ID:quN5eG13
何とか間に合った。投下終了。
これでもう書きたい奴はあらかた書きましたので、俺は別の場所に旅立つ事にします。
機会があるならトトイムでも書きに戻って来るかもです。
それではさようなら。長駄文お疲れ様。
アンジェラ主人公でこのパーティーなら、アンジェラの矛先はホークアイに向きますよね
。リースとの修羅場が容易に想像出来たのが書こうと思った発端です
170 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 17:09:31 ID:WC+esUz4
72氏お疲れです、そして超GJでした。
3PGJ!
この文量…ほんとお疲れさまでした。
ホークアイはうだつが上がらないって言うけど、本当にそうでしょうか?
あの偉大なるファルコン様の血を引いているんだから伸びないわけが無いって思いますけど…まあ、確かに序盤はw
「もっと精神を集中して! そうしないとクラスチェンジ出来ないよ!」
フェアリーが檄を飛ばした。
デュランは心を研ぎ澄まし念じる。
俺は強くなりたい……強くならなければならないんだ!
「さあ! どちらにクラスチェンジするか決めて!」
「一度決めたら元には戻れないからね!」
デュランの心の中にクラスのイメージが浮かび上がってくる。
ナイト、グラディエイター、そしてひよこ戦士。
……ん?ひよこ戦士?
な、何を考えているんだ俺は! いかんいかん。
デュランは激しく頭を振り、再び精神を集中させる。
そして心の中にクラスのイメージが浮かび上がってきた。
ナイト、グラディエイター、そして……ひよこ戦士。
くっ、どうしてもひよこ戦士は選択肢に出るみたいだな……まあいいさ、選択を間違えなければいいだけの話だ。
俺は強くなるために旅に出た。決してひよこ戦士になるためにここまで来たんじゃあない。
……いや待てよ、もしかしてひよこ戦士が一番強いということなのか?
いやまさかそんなはずがない! ひよこ戦士が強いはずがない!
ひよこ戦士なんかどう考えても弱いだろ! 能ある鷹は爪を隠すなんていうレベルじゃねぇぞ!
そんなはずがない! 実はひよこ戦士が強いなんてはずがない! ひよこ戦士が、ひよこせんしが……
「おおおおおおおおおおおおぉぉぉぉーーーーー!!!!!!!!!!!」
まばゆい光がデュランを包みこむ。
デュランはひよこ戦士にクラスチェンジした!
173 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 00:47:34 ID:xR+RpM1P
「ふう〜・・・、疲れた〜・・・。」
「まったく、ドジねえ。」
ここは、ドワーフ村の宿屋。
僕はランディ。村はずれの川聖剣を抜いたせいで、村を追い出された。それ以前
に出会ったジェマという人の導きルカ様の指南により、聖剣を復活するための旅に出た。
途中で、パンドーラ王国でプリムって言う女の子に出会い、無理矢理恋人探しに付き添われてしまった。
でも、途中で彼女の目的地のエリニースの城が通れなくて、そこを通るには斧がないといけない。
プリムがいうには、ドワーフの村で斧が手に入ると聞いたので、僕の目的地でもあるドワーフ村にやってきた。
だけど、その途中で魔物とやらの闘いで、足をすべらせ、びしょぬれになってしまった。結局、宿屋で一晩明かそうとしたが、
プリムはご機嫌がななめだ。
「はあ・・、こんなマヌケ男で大丈夫かしら・・?」
と、えんえんと僕の前で愚痴を漏らしている。ひどいや・・・。自分勝手についてこいと
いってたくせに・・。
だけど、そのときだった。プリムはいきなり、僕の腕をつかんだのだ。
「わっ、何だよ、プリム!?」
プリムは、僕の腕をじーっと見つめていた。
「ふーん・・・、ランディって結構しっかりしてんのね。」
174 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 00:54:47 ID:xR+RpM1P
「え? そう?」
自分でも良く分からなかった。僕ってそんなに筋肉ついているには見えない
けど・・・。
すると、プリムは手を伸ばして僕の背中やら、胸やらをぺたぺたとさわりはじめた。
「ちょ、ちょっとやめてくれよ、プリム・・。くすぐったいよ。」
「ねえランディ、上脱いで見せて。」
「ええっ!? それはちょっと・・・」
「恥ずかしいの? ご心配なく。私はディラックの裸を何度かみてるから。」
「あ・・・、そう・・・。」
「じゃあ、さっそく脱いで。」
僕はしぶしぶながらも、バンダナと上着を脱いだ。
「ふーん・・。」
と、僕の胸をじーっと見ていた。だけど、その目つきは妖しかった。
「ランディ、したも脱いで。」
175 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 01:03:04 ID:xR+RpM1P
「・・い、嫌だよ。」
「いいから、脱ぎなさい!!」
プリムの一喝した大声に怯えた僕は、仕方がなく僕はズボンも脱いだ。
「その下着も、脱いで。」
「ええっ!? 嫌だよ!!」
「いいから、脱ぎなさい!!」
ずるっと、プリムは無理矢理僕の下着を脱がした。裸で感じる寒さと
差恥心で、僕は前の方を手で隠した。
「ちょっと、手をどかしないさいよ!!」
プリムは僕の手をどかした。すると、彼女は僕のペニスをまじまじと見つめていた。
「ふ〜ん男の子って、こんなふうになってたんだ。」
177 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 00:26:53 ID:MUU5RY8b
そんなに見つめられると、ペニスがどんどん大きくなる・・・。
僕のペニスは、痛くなるほど膨れ上がった。
「あ、大きくなってる。」
「うう・・、そんなに見ないでくれよ・・・。」
がしっと、プリムは僕のそれをつかんだ。
な、なんで? 女の子って、これを見るの嫌なんじゃないの??
「すごく熱い・・。」
「うう・・、やめてくれよう・・。」
すると、ペニスをつかんだプリムの手が上下に擦ったり、揉んだりしはじめた。
そのとき、僕の体はびくびくと痙攣を起こし始めた。
「ああ・・、ああ!!」
「痛いの?」
「ち、違うよ・・、そんなんじゃなくて・・、ああ・・、ああ!!」
プリムは僕の反応を楽しむように、ペニスを擦ったり、揉んだりし続けていた。
そうしていくうちに、僕は荒い息を切らす。
「はあ・・、はあ・・、やめて・・。」
「うふふ、こんなに気持ちよさそうになるなんて、ランディってかわいい♪」
「は、離してくれよ・・・。」
出会った日に襲うとは剛の者だな
wktk
179 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 12:00:53 ID:MUU5RY8b
すると、プリムは地面にひざをつけ、僕のペニスの前まで顔を近づけた。
「じっとしてて・・・。」
プリムは、僕の膝をつかみ、舌を出して自分の唇周りを濡らすと、僕のそれを加えた。
「あむっ」
ぐちゅじゅるぐちゅちゅ・・・・・
ペニスをしゃぶる音と同時に、僕の全身に甘い快感が襲い掛かった。
お、女の子の中にこんなことする子がいるのかな?? よ、よくわかんない。
プリムは僕のペニスの先端を下で舐め始めた。
「ああ・・!! ああ!!」
「うふふ、気持ちいい?」
「や、やめて・・・。」
今度はペニスを根元まで含み、れろれろと舌を動かす。そのままペニスの裏筋にすい続けた。
と、そのとき、僕の感覚に、何かがあふれ出てきそうな感覚が襲い掛かった。
な、なんだこれは・・? なんだか・・、怖くなってきた・・。
「ぷ、プリム・・、はなして・・。」
「ちょっと、待ってよ。せっかくいいところなんだからさ。うふふ、おいしい♪」
そういって、這うのをやめなかった。先端を舐めたり、甘く噛んだり、吸い付いたりして
僕に刺激を与える・・。
そして、僕は限界にきていた。
「う・・、ああ・・!! ああああああ!!」
びゅびゅびゅく、どくどくどく・・・・
うう・・、やってしまった。よりにもよって、女の子の口の中でおしっこを出しちゃうなんて・・。
そのときの僕は、頭が真っ白になって、何も分からなかった。
だけど・・、
「ごほっ、ごほっ・・、ぺっぺ・・。もう、最低! 女の子の口の中で出すなんて!!」
プリムの口から、白い液体が、だらりとこぼれ落ちた。
あれ? それ、僕が出したの? なんか違う・・。
「よくもやってくれたわね!」
そういってプリムが怒ってしまった。そりゃあないだろ・・。自分で勝手に僕のペニスを
しゃぶってたんだからさ・・・。
だけど、そのときだった。
180 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 12:18:36 ID:MUU5RY8b
プリムはいきなり、僕の前で服を全部脱いで、裸になった。視線を奪われる
ほどのきれいな体が、僕を性欲にかきたてた。っていうか、これが性欲なのかな?
と、いきなりプリムは僕に飛び掛ってきた。勢いでベッドに倒れ、シーツに沈み込むような感覚
が襲い掛かった。すると、プリムは僕を上にして、重ね合わせた。
「おかえしよ。私の下を舐めて。」
「え!? キミのものを・・・」
「早くしてよ!!」
プリムは目を潤ませながら、そう叫んだ。
僕はやけになって、彼女の下に顔を突っ込んだ。
「ん・・!!」
そして、舌を出して、それを舐める。
ぴちゃ、ぴちゃぴちゃ・・・
「んん! はああ・・、んあ、ふう・・・!!」
すると、僕の下の感覚に、何かが溢れ出てきたのが感じられた。ちょっと怖かったけど
、なりふりかわまず舐め続けた。
「いい・・。もっと・・して・・。」
僕は、何か点のようなものを舌で感じ、それを舐めてみた。
「ああ・・、あああ!!」
プリムは大きな唸り声を上げた。
「あはん、、ふうう・・ふん・・・。ランディ・・!! もっと、めちゃくちゃにしてえ!!」
彼女の言葉の通り、僕は点のものを口にくわえ、刺激を与えた。
181 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 12:25:45 ID:MUU5RY8b
「はあ・・!! ああああーー!!」
プリムはさらにうなり声を上げた。
だけど、なんだか、僕はプリムのすべてを感じたくなった。
とっさに僕は、プリムの下を離れ、ペニスをプリムの穴に押し込んだ。
ズブズブ・・・
「いっ・・、ああ・・、痛い・・!!」
「ご、ごめん。大丈夫!?」
「・・・何するのよ!? せっかくいいところなのに・・。」
「なんだか、キミのこと・・、好きになりそうなんだ・・。」
「・・・・。」
「・・・ごめん。キミはディラックさんがいたんだよね。い、今抜くよ。」
「待って。抜かないで。このまま、して。」
「え?」
「今回っきりだよ。」
「あ、ありがとう・・。」
僕は腰の力をいれ、プリムを押し出した。
182 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 13:39:19 ID:MUU5RY8b
「ああ!!」
「だ、大丈夫!?」
「・・優しくしてよ。」
「あ、うん。」
僕の先端を、プリムの淫核をこすりつける。
僕の先端を、プリムの淫核をこすりつける。
「ああ・・、気持ちよく・・なっちゃうよ・・。」
僕の先端に、あふれてきているものがまとわり付いてきた。
「もういい? いくよ。」
再び、プリムの中を深く挿入した。
「んん!!」
「はあ・・、女の子の中ってこんなに気持ちいいんだ・・。」
僕は大きく腰を動かし、挿入を繰り返した。
「ああ・・、ああっ・・・ああ!! ランディ・・・。」
思わず、僕はプリムの胸をつかみ、それをもみ始めた。
あれ? プリムの胸って意外と大きかったんだな。小さく見えてたから、
わからなかったけど・・。
「ああ・・、ランディ・・、激しく・・して・・!」
そういって、プリムは僕を抱き寄せ、中で僕のものをきつく締め上げていた。
「ああ・・、プリム・・、いいの・・?」
「いいよ・・。早く・・、して。」
そういって、プリムは腰を大きく動かし始めた。僕もそれにあわせるように腰を動かし、挿入を繰り返す。
そして、僕から射精感を感じてきた。
「ああ・・、プリム。プリム。」
「はあ・・、ランディ・・・」
183 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 13:40:00 ID:MUU5RY8b
僕はじっとしても、プリムの中の肉壁が強く締め上げ、射精感をこみ上げさせられる。
僕は目をつむって、必死にこらえる。ずっとこのままでいたい。プリムの中を感じとっていたい。
だけど、もう限界は近い。
「ランディ・・、もういいよ・・・、イって・・。こうしているだけで気持ちいいの・・。はあ・・あああ!!」
「プリム・・! 僕・・、もう・・限界だ!!」
お互い、腰を大きく動かしている・・。僕の防衛線も限界を突破した。。
僕の視界では、僕の下で快感を感じてうなり声を上げて寝そべっているプリムの姿だ。
お互いの腰を激しく動かすと、がくがくとプリムが上下に揺れる。
もう・・、出るっ!!
「ああ、あ、あ、プリム…駄目だ…プリム…あああっ!!」
「っ!!!あああっ!!ランディ!ランディ!さあ! イって!!」
最後の我慢の力を振り絞って、僕は自らのペニスをプリムの淫裂から引き抜いた。
「ああああっ!!」
どくんと、僕のペニスがが大きくしなった。その瞬間、僕は思いっきりプリムの上にそれを放出した。プリムの白い胸やお腹に、
僕の白い命のしずくが大量に降り注いだ。
どくっ、どくっ…どくっ…。
「ああ・・、あっ、あっ、プリム…。」
僕は大量の歓喜のしずくをプリムに降らせた
「はぁ、はぁ、…はぁ…。」
184 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 13:40:44 ID:MUU5RY8b
僕は大きく息を切らした。どれだけ時間がたったかなあ?
気を失ったように倒れたプリムがようやく目を覚ました。
「大丈夫!?」
「うっ・・、うん・・・。」
プリムは、視線をしたに向け、僕がかけた液体がついた体を見つめる。
白い命のしずくは、すーっと彼女の胸からへそまで流れ出ていた。
「・・男の子って、こんなことするのがすきなんだ。」
「え? はじめてなの?」
「そうよ。ランディも?」
「うん・・・。」
「そう? うまかったように感じたけど?」
「プリムだって、気持ちよさそうだったじゃないか。」
「そうだけど・・。でも、ランディに入れられたときは、なんだか別世界に入ったって感じだったわ。
2人がひとつになるってこういうことを言うのかもね。」
「そうだね・・。」
「きっと、ディラックとするときは、ランディより気持ちいいかも。」
「そ、そんなこと、本人の前でいうことじゃないと思うけど・・。」
「よーし!ますますやる気が出てきたわ。明日、魔女の城に入るための斧を探しましょうよ!」
「・・・うん。(妙に単純なんだなあ・・。)」
ランディが液体まみれのプリムの体をふき取った後、プリムはランディの顔を両手でつかみ、
妖しい目つきで、顔を近づけさせ、見つめる。
「ねえ・・、もういっかいして。」
「・・・うん。」
再び2人は、ベッドのシーツへと沈んでいった。
その光景を、ひとつの小さな影がにやにやと笑っていた。
「おお、騙し甲斐のあるやつだな。げっへっへ。あいつをターゲットにするか。」
185 :
名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 13:42:29 ID:MUU5RY8b
完
疲れた。
超GJ
プリムエロいわ
どうみても処女じゃねえww特に手際wwww
「デュランしゃんはどうしていつもそのボロっちい剣を持ち歩いてるでちか?」
「ああ、こいつか」
デュランは年季の入ったブロンズソードを丹念に磨いている。
「この剣は俺の親父が使っていたものなんだ。
ちょっと違うかも知れないけど、まあ形見みたいなもんだな」
「ふーん、そうだったでちか。デュランしゃん時々まちがえてその剣を
振り回している時があるでちが、とっても弱いのでやめてほしいでち」
「う……ゴメン…」
――翌朝
「のわーっ!!? 俺のブロンズソードがない!?」
「どうしたでちか? 朝っぱらから大きな声だちて」
「俺の…親父の剣がなくなっちまったんだ! おいお前まさか」
「シャルロットは知らないでち。あ、そういえばリースしゃんがお金が厳しく
なってきたから、いらないものを一度せいりしにいくといってまちた」
「な、なんだって!?」
そこにちょうどリースが帰ってきた。
「すみませんみなさん、お待たせしました」
「リース! どこだ、どこの武器屋で売ったんだ?」
「え……あ、行商人の方がいらしたので、その方に……」
「うへぇ! なんてこったい!」
デュランは大慌てで飛び出していく。
「おーい、待ってくれぇ!!」
「……ん? なんですかニャ?」
「はぁはぁ…さ、さっき女の子から、武器を買っただろ?」
「ああ、リースさんのことですかニャ?」
「ってお前ニキータじゃねぇか! ちょうどいい、
さっきのブロンズソードを返してくれ! 俺の親父の形見なんだ」
「ブロンズソード? この銅の塊のことですかニャ?」
「おお、これだこれ! へへへ、サンキュー!」
「ちょ、ちょ、待つですニャ! 無料で返すとは言ってないですニャ!」
「おっとすまねぇ、いくらだ? 今これだけしかないんだが足りるか?」
「あと99980ルク足りないですニャ」
「おー、あと99980ルク…って高ぇぇぇぇ!!!
お前さっき銅の塊って言ってたじゃねぇか!」
「黄金の騎士の剣とわかったからにはプレミアがつくですニャ。これでも特別大出血サービスプライスで提供していますニャ」
「な…お前それリースからいくらで買ったんだよ!?」
「これがビジネスというものですニャ」
「て、てめぇ! ふざけるな!!」 シャキーン
「にゃはっ!? ぼ、暴力は反対ですニャ! 仕方ないですニャ。
ここは物々交換といきましょうですニャ。その剣と交換でいいですニャ」
「……え? この剣と?」
――とっても弱いのでやめてほしいでち! このひよこ戦士が!――
デュランの脳裏に昨夜のシャルロットの言葉がよぎる。
「う……すまねぇ、剣は勘弁してくれ…。代わりにこの鎧で頼む」
「ハードレザーなんていらないですニャ。うーむ、困ったですニャ」
「お願いだ! 何でもするから、その剣は俺にとっては命より大事なものなんだ……!」
「……ひとつ良い案がありますニャ、リースさんのパンティーかブラを
持ってくるニャ。そうすれば1000000ルクで買取りますニャ」
「んなっ!? 1000000ルクぅぅぅぅぅぅ!!?」
「リースさんにはコアなファンがたくさんいますニャ。ハンパないですニャ」
「し、しかし、ぱ、パンティとブラを持ってくるなんて……」
「ひとつの案として言ったまでですニャ。無理ならあと99980ルクを払うニャ」
「く、くそぉう……」
デュランが宿屋に戻ると、リースが今にも泣き出しそうな顔で立っていた。
「本当にごめんなさい……そんな大事なものだったとは知らなくて……」
潤んだ瞳からついに涙が零れ落ちる。
「デュランさんの……お父上の……形見だったなんて……」
「い、いやいや! いいんだよ、リースは何も悪くない。俺が悪いんだ。
大体あんな剣、ただの邪魔な銅の塊だったしな! はは、ははは……」
「でも……でも……私……」
リースは涙を拭くと、何か決意をしたかのように前を向いた。
「私、あの剣なんとしてでも取り返してきます! たとえこの身がどうなっても!」
「ちょ、ちょっと待ったぁ!」
デュランは慌ててリースを押し留める。
「だ、大丈夫だ! 実はあの剣は返してもらうことになってるんだ、早まるな、リース」
「あ……え……本当なのですか…?」
「あ、ああそうだ! よく考えてみろ、あんな銅の塊、買い戻すなんて簡単なことだろ? だから心配するな、リース」
リースはいくらか落ち着きを取り戻したようだ。
「すみません…私、気が動転しちゃってました……あ、お金、返さなきゃですね」
「あーいやいや! お金はいいんだ。俺の責任なんだから」
「で、でも……」
「本当にお金はいいんだリース。お金は……」
「……?」
「そ、その……リース。た、頼みがあるんだが……」
「はい、何でしょう? 何でもいってください」
「あ、ああ……その、な……ぱ、ぱ…パン…ぱん……」
「パン??? 何ですか?」
《やぁーねぇ、あの男の人、まだいるわよ》
《さっきからずっとああやって恐い顔して仁王立ちしてるのよ》
《やだぁ〜、変質者かな? 通報する?》
ひそひそと店の中から話し声が聞こえる。
デュランは結局リースからパンティーとブラを貰うのは断念したのだ。
そこで代替策として、それらしいパンティーとブラを新しく買おうとやってきたのだが……
(だ、ダメだ! ここに入った瞬間俺の剣士としての人生があきらめなくても試合終了してしまう気がする……)
(しかし、親父の剣を取り返すにはあと99980ルクも必要だ……これ以外にどうすれば……)
(どっかにパンティー落ちてないかな……)
デュランが心の中の葛藤と闘い、そろそろ通報されようかというその時――
「でゅ、デュランしゃん? こんなところで何やってるでちか?」
「……ん? ああ、シャルロットか。いやまあ、ちょっとな……」
「なんかデュランしゃん、やつれてるでち。何かあったでちか?」
「……シャルロット、俺、どうしたらいいんだ……」
「むぅ…なにやら大変みたいでちね、詳しくシャルロットに話してみるでち」
デュランは一連の経緯をシャルロットに話した。
「ふうむ、なるほどでち。どうしてもリースしゃんの下着がひつようということでちか」
「まあ、さすがにそんなこと出来ねぇからな、だからここで適当なやつををこしらえようと思っていたんだが…
シャルロット、頼む! 代わりに買ってきてくれないか?」
「……デュランしゃん、てんさいぐんしシャルロットがコウメイばりのさくせんを思いついたでち」
「……え?」
(だれだコウメイって……)
――シャルロットのちょっぴりドキドキだいさくせん!!――
1.シャルロットが特製の眠り薬をリースしゃんの飲み物に忍び込ませるでち。
この眠り薬は超強力でち! 絶対に朝まで起きないでち!
2.デュランしゃんが眠っているリースしゃんの下着を剥ぎ取るでち。
3.デュランしゃんが眠っているリースしゃんに新しく買った下着を装着させるでち。
【終】
「……おい、2と3はちょっぴりドキドキとかいうレベルじゃねぇぞ……」
「大丈夫でち。デュランしゃんが犯罪を起こさないよう、シャルロットがしーっかり見張ってるでち」
「十分犯罪だと思うんだが。じゃあシャルロットがやってくれよ」
「いやでち。シャルロットはまだゼンカ持ちになりたくないでち」
「……」
「さぁさぁ、ちゅうちょしてるひまはないでち。あの銅の塊をとり返したくないのでちか?」
「シャルロット、お前……1000000ルクに釣られただろ?」
「な、なっ! なにを言うでちか! ジュンシンカレンな乙女であるシャルロットが
そんなもののためにヘンタイ人間の手伝いをするわけがないでち! シンガイでち!」
「声が裏返ってるぞ」
「つべこべウルサイでち!! おとこなら即決断、即実行でち!!」
「………」
(何か他にいくらでも良い方法がある気がするんだけどなぁ……)
「そんなにイヤならもう手伝わないでち! 銅の塊は溶かしてイヌ小屋の材料にでもなればいいでち!!」
「わ、わかったよ…今夜作戦決行する。頼んだぞシャルロット参謀長」
「あい、りょうかいでち! ふっふっふ、なにやら燃えるでちねぇ!!」
(……果てしなく不安だ)
続き!続き!
でwちw子wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
保守
――その夜
宿屋に着いた3人。
デュランとシャルロットはそそくさと各々のベッドに潜り込む。
「あら、今日はお二人とも早くに床に就かれるのですね」
「あ、ああ。最近はまあ、連戦続きだったしな。り、リースも今日は早く寝たほうがいいんじゃないか?」
「そうですね。確かに今あたりが疲労のピークかもしれないですね…」
「だ、だろ? しっかり体を休ませたほうがいい。リースは聖剣の勇者なんだし」
「ふふ、デュランさん今日はとても優しいのですね」
「しゃ、シャルロットもリースしゃんは早くねたほうがいいと思うでち!」
「…わかりました。ではお言葉に甘えて今日はゆっくり休ませていただきますね」
リースは二人にお辞儀すると、お休みなさい、と言ってベッドに潜り込む。
「…なあシャルロット、本当に眠り薬は効いているのか?」
「大丈夫でち。効き目の表れるじかんをぜつみょうに調整したでち!」
「そいつはすごいな! で、あとどれくらいの時間なんだ?」
「……あと10分か30分か1時間くらいでち」
―1時間後―
デュランはそっと上体を起こし、様子を見る。
部屋の照明は消えており、窓からの月明かりが薄暗い視界に貢献している。
「灯りはつけないほうがいいか……」
デュランは足音を立てないように、靴は履かずベッドから降り立った。
そして息を殺しながら、おっかなびっくりリースの眠るベッドに近づく。
…微かに寝息の音が聞こえる。
(ふう、これは本当に熟睡してるようだな)
「シャルロットのじしょにしっぱいの2文字はないのでち。あ、4文字でちた」
隣のベッドの盛り上がったシーツからシャルロットが顔を出した。
「さあさ、はやく100…じゃなくて下着を剥ぎ取るでち!」
「ああ、わかってるよ…あんまり声を出さないでくれ」
デュランは慎重にリースに掛かっているシーツをめくる。
「なるほど、まずはぱんてぃーからいくでちか。さすが鍛え上げられたヘンタイは
やることがダイタンでちね!」
…正直どっちが取り易いかなんてわかんねぇ。ブラのほうがいいかもしれない。
だが、こっちならシーツで隠しながら剥がせるし、要領も大体わかる。
幸いリースの寝相はすこぶる良い。これなら無理なく脱がせられそうだ。
「よ、よし…状況は良好だ。これより任務を遂行する」
「うむ、成功をいのっているでちよ…すねーく!」
「了解!」
(だれだすねーくって……)
デュランは大きく息を吐き目を瞑ると、全神経を指先に集中させた。
そして、リースの下半身におそるおそる手を差し込んていく。
「…!!」
指先に柔らかなシルクのような手触りを感じる。
「シャルロット、ぱんてぃーだ。ぱんてぃーを触覚だが確認した」
「よくやったでちすねーく! そのまま一気にずらすでち!」
「まってくれシャルロットここはひどく狭いし暗い」
「うむ、十分に気をつけるでち、すねーく!」
「了解だシャルロット、任務を続行する」
デュランはなるべく肌に触れないようぱんてぃーの生地をつかむ。
一瞬リースの体がビクッと動いたような気がした。……気のせいか。
デュランは気を取り直し、ゆっくりと、しかし着実にぱんてぃーをずり下げていく。
リースの顔は暗くてよくわからないが、まだ微かに寝息は聞こえる。
(大丈夫だ……いける!)
これほどまでにない緊張感。
デュランの顔には冷や汗が吹き出ている。
(あともうすこし…あともうすこし……)
シャルロットも固唾を飲んでその行為を見守る。
デュランはぱんてぃーを踝のあたりまでずり下げると、ベッドを押し込みリースの踵を浮かせ、
その隙間からするりとぱんてぃーを抜き取った。
デュランの右手には、純白のぱんてぃーがひらひらと、まるで天使の羽かのように光り輝いている。
「や……やったぞシャルロット! 念願のぱんてぃーを手に入れたぞ!」
「やったでち! すごいでち!! かみわざでち!!!
デュランしゃんはもうひよこ戦士なんかじゃないでち! キングオブヘンタイ戦士でち!!!」
「へへへ、まあな! 何か余計酷くなってるように思えるんだが」
「細かいことはきにしないでち! デュランしゃんにはまだやることが残っているでち!」
「おっと、そうだったな。と、とりあえずこのぱんてぃーを」
「あ、あの……」
「……ん?」
デュランはゆっくりと視線をぱんてぃーから声の聞こえた方に向ける。
そこには上体を起こして、恥ずかしそうにシーツを手で抑えているリースが
節目加減にこちらを見ていた。
「あ……や、やあリース。ま、まだゆっくり休んでいたほうが……」
「あの…それ、私の……」
「ああ、これ、これね! これはだな、なんというかその……シャルロット参謀長、頼む!」
「え、ええっ! しゃ、シャルロットでちか? え、えーとえと…そのでちね……
でゅ、デュランしゃんは夜中に突然もんもんして、鼻息をフンフンさせながら
リースしゃんのぱんてぃーを脱がせたでち。わるぎはないのでゆるしてあげてほしいでち!」
「そ、そうなんだ、リース! 悪気はな…ってそれはダメだあああああシャルロットォ!! それダメぇ!!!」
「……」
「いやいや、ち、違うんだ、リース! 俺は悶々もフンフンもくんくんも」
「…デュランさん、わかっています」
「……え?」
「男性の方は…仕方ない、ですよね……」
リースは顔を赤らめながら、シーツを持つ手をゆっくりと降ろしていく。
「あの……リースさん? な、何を…?」
「私は…聖剣の勇者です。世界を救うためには、仲間の欲求不満にも答えなくてはならないでしょう…」
続きマダー?
てか、デュランのパンツ職人ぶりがいいなw
ぶっ飛びでち子ガン待ち保守
稲中思い出したw
保守
続き待ち
ヴァルダ様は俺のもの保守
LOM女主人公はいずこ
アンジェラ×ケウ゛ィン
では美獣様は俺のご主人様保守
喉がカラカラになっているのに気づいて、俺は生唾をゴクリと飲み込んだ。
月明かりに照らされ、リースの絹のように白い股体がゆっくりと浮かび上がる。
俺は解像度を高めようと必死に目を凝らした。
「キングオブヘンタイせんしには死、あるのみでち」
「ちょまっ…! すまねぇ、わかってるよ。最近リースは無理しすぎだ。
俺もこれでも騎士道精神はわきまえているつもりだ、安心してくれ」
「ほんとうでちか〜? にわかにはしんじガタイでち」
シャルロットは訝しげな目つきで俺を見てくる。
うぐっ…ま、まずい……
「大丈夫だ! 俺を信じて、とりあえずこの大根を預かっててくれ!」
「デュランしゃん、それは大根じゃなくてふんどしでちよ!」
「いえ、あの、それは私の下着なのですが……」
「………」
俺は混乱のあまり、思わずパンティーを頭から被りそうになった。
あ、あぶねぇ…もう少しで本当にキングオブヘンタイ戦士になるところだったぜ。
い、いやいや、決してこれは俺の願望とかじゃなくて…
「デュランさん、私は無理などしていません。
むしろ無理をなさっているのはあなたの方ではないのですか?」
「な、何だって……?」
「デュランさん…あなたの装備はいまだハードレザーです。
資金的に厳しいからとはいえ、きっとあなたは私を恨んでおられることでしょう…」
「……!!」
「私に少しでも罪滅ぼしをさせてほしいのです」
リースの蒼く澄み切った瞳が、俺の心奥深くを掴み離さない。
俺はもはや自らの劣情を抑えることが出来なくなってきていた。
少しでも気を緩めれば、下半身のブツが陣中突破してその猛威を奮わんとしているのだ。
俺は歯を食い縛ってそいつらを抑えているのだが、もう限界が近い。
「デュランさん……」
リースの甘く切ない声が俺の頭の中で何度も響き、俺の理性を徐々に麻痺させていく。
くそっ…俺は……オレは……!!
「シャルロット! 俺に、ホーリーボールをかけてくれ!!」
「ええっ! い、いいんでちか!?」
「ああ…悔しいが俺は騎士としてまだまだのようだ……!
頼む! 俺の未熟な精神に喝を入れてくれ!! 早く!!!」
俺は声を振り絞ってシャルロットに懇願する。
「わ、わかったでち! ゼンタイでちか!? タンタイでちか!?」
「え…た、単体で頼む!!」
「了解でち! ふるぱわーでいくでちよ!!」
ピッ →ホーリーボール/単体
ピッ デュラン
→デュラン下半身(本体)
「いっけぇぇぇぇ!! ほぉぉりぃぃぃぼぉぉぉぉぉぉぉるぅぅ!! でち!」
「えっ!? ええっ!!? ちょ、ちょっ!! 待っ…タイム! ターーイム!!!」
輝く球体が目にも留まらぬ速さで襲い掛かってくる。…俺の下半身(本体)に。
俺は1個目の球体を飛び退いて避け、刹那に迫ってきた2個目の球体を紙一重で避けた。
何か股下がチリチリする。俺が咄嗟に下を向くと、すでにいくつもの光の玉が足元に集結していた。
「落ちつくんだ……『素数』を数えて落ちつく
あ゛あ゛あ゛あ゛ア゛ア゛ア゛あぁぁぁぁぁぁぁッッーーーーーーーーーー!!!!!………」
俺は言葉ではとても表現出来ない衝撃に断末魔の叫び声をあげる。
やがてその衝撃が和らいで、いや、感じなくなってくると、俺はその場にゆっくりと倒れこんだ。
どうやら俺の下半身(本体)は一発KOで力尽きたようだ……
「デュランさん!」
リースが慌てて俺に駆け寄ってくる。ところでリースは下着をはいていないのだ。
だが俺の下半身(本体)はもはや微塵の反応も示さないでいる。
俺の下半身(本体)はその機能を完全に停止させているのだ。
「デュランさん! デュランさん! 大丈夫ですか!? しっかりしてください!」
リースは俺の頭を抱きかかえ、懸命に呼びかけてくる。
「もうだめだ…ハナクソをほじる力ものこっちゃいねぇ……」
「そ、そんな! 私が取ってあげますね!」
「い、いや…違うんだ、リース……それより、聞いてくれ…リース……」
「デュランさん……?」
「リース、お前は責任感が強過ぎる……戦闘のときだってそうだ。
自分の危険を顧みず前へ出ようとする。危なかしくってヒヤヒヤすんだ……
だから俺はあえて弱い鎧を装備して、敵の攻撃を俺に向けさせようと思ったんだ。
まあ、こっちの方が動きやすいしな…だからリース、お前が責任を感じる必要はないんだ…」
「………」
リースはじっと俺の言葉に耳を傾けてくれている。
「リース、お前の強くなりたい気持ちはよくわかる……お前のその頑張りには敬意を表する……
だからこそ俺は、お前に自己を犠牲にはしてほしくねぇんだ…死ぬまで無理してほしくねぇんだ……
リースを見ていると、母さんを思い出しちまうぜ……」
そう言ってリースの顔を見遣ると、その白い頬には涙が伝っていた。
「…今はこんな様だが…俺は誰にも負けねぇ…世界一の剣士になるんだ……
だから…俺に気遣いは…無用なんだ……だから…死なないで……」
「…わかりました、デュラン。しかしあなたも、世界一の剣士になどならなくてもいいのですよ。
あなたはあなたという剣士でいてくれれば、無事でさえいてくれれば、それでいいのですから……」
リースは涙を流しながらも、優しく微笑み、そっと俺の頭を撫でてくれる。
「…デュランさんのお母様が生きていらっしゃれば、きっとそう仰ると思いますよ」
そう言って今度はニッコリと笑顔を綻ばせた。
ああ…ごめんよ、母さん……俺が弱かったせいで……母さん……
俺は先程から猛烈に見舞われていた睡魔と、リースの柔らかくてとても暖かい感触に身を委ね、
まるでゆりかごの中にいるような安らかな気持ちで眠りについた……
「計画通りでち!!」
「え……?」
リースは目を丸くしてシャルロットの方を見る。
「あ、いや、な、何でもないでち! いやーちょっとやりすぎたでちかねぇ」
「…シャルちゃん、何か隠していますね? おかしいと思っていたのですが、
私が今朝ニキータさんに売った物の中に、ブロンズソードはなかったはずなのです」
「え、えっーとでちねぇ……きっとこれはコウメイのわなでち!」
と、その時。眩い光と共にリースの頭上に妖精が姿を見せた。
「もーう、ダメじゃないシャルロット。某デスノートの持ち主ばりのニヤケ顔だったわよ」
「彼のきもちがイタいほどよくわかったでち、でへへ」
リースは?マークをたくさん浮かべている。
「ごめんね、リース。実は……」
俺は目を覚ました。
と同時に身体中がひっくり返るくらいの快感を感じていた。
ついでに体にまったく力が入らないことにも気づいた。
そして俺は自分の眼に映る光景に頭が真っ白になった。
「デュランさん、気が付かれたのですね。良かった……」
リースは少し頬を朱く染め、相も変わらず天使のような笑顔を俺に見せる。
だが俺は今回ばかりはそちらに見惚れるわけにはいかなかった。
「あ、ご心配なさらないでください。このようなことはしっかりアルマやライザに
教わっておりますので……痛くないでしょうか?」
俺はいわゆる、ちん○マッサージというものを受けているのだろうか……
リースの白くしなやかな手が、俺のイチモツの筋を優しく擦っては、時折先端の
テカテカと露出した部分との間にあるくぼみに絶妙な刺激を与えてくれる。
そしてもう一方の手で玉袋を包み込んで揉むか揉まないかのような指の動きをするのである。
「でも本当に良かったです。よもや機能不全になっているのではと思いましたから……
そうなっては殿方にとって一大事ですもの。今はこんなに、大きく硬くなって……」
リースは少し恍惚としたような表情を見せると、俺のイチモツに顔を近づけて、
あろうことか唾液をその桃色の唇から滴らせるのである。
「あ……く…ァぁ……」
全身を打ち震わせるような快感に、俺は情けない声を発してしまう。
そんな俺の様子を見て、リースはますます頬を朱色に染めながら、嬉しそうに、
本当に嬉しそうに微笑むのである。
「デュランさん、我慢出来なくなったら言ってくださいね…口でお受けしますから」
リースは自分の手のひらを真剣な面持ちでじっと見ていた。
彼女の口の周りには半透明の液体が幾筋も跡を残し輝いている。
「血も混じっていないですし、問題は無さそうですね。初めて見るからわからないですけど……
ちょっと、びっくりしちゃいました。すごい勢いで出るものなのですね…」
俺の脳内は爆発したままだ。
一体何がどうしてどうやってナニがあってこうなっちまったんだ……?
そうだ…これは夢に違いない……
女神様が俺に見せてくれているのだ、きっと……
女神様自ら俺の夢に出て俺のナニを……
……何を考えているんだ、俺は……
そ、そうだ…もう一度寝てみよう。
夢の中で寝る夢を見ると、妙な違和感を感じてこれは夢だ! とわかる時がある。
きっと今寝れば、そういう違和感を感じること請け合いだ。
俺は目を瞑り、眠りにつく。
先程体力を消耗したおかげで、容易に意識の底に沈むことが出来た。
……いや、待ってくれ…このまま寝れちまったら…やば……
――
俺は目を覚ました。
それは見慣れた光景であった。
つい少し前までは、毎朝見上げていた天井である。
ここは……俺の部屋…?
俺はハッと起き上がった。
なっ…バカな……
どうしてこんな場所に…?
部屋中をじっくりと見渡すが、間違いない。
ここは紛れもなく、俺が幼少の頃より住んでいたフォルセナの家である。
くそっ、なんてこった! 寝てる間に帰って来てしまったのか…?
…夢遊病なのかな、オレ……
と、階下から明るい声が聞こえると同時に、階段を上ってくる音がした。
やべぇっ! こんなところに居るのがバレたら…! しかも寝巻き姿で…!!
俺は間一髪ベッドの下に潜り込む。
程なく小さな女の子が顔を綻ばせながら部屋に入ってきた。
やはりウェンディか……しかしまあ元気そうな姿を見れて良かったな。
「ちぇっ! お兄ちゃん、やっぱりまだ帰ってないかぁ……」
……すまん、ウェンディ。ベッドの下に潜んでます。
「はあぁ〜…お兄ちゃん、早く帰ってきてよ……」
ウェンディは俺が潜むベッドに腰掛ける。
とてもいたたまれない気持ちだ……
「お兄ちゃん……」
ウェンディは何やら黙り込んでしまった。
ど、どうしよう、もしかして寝ちまったのか?
なんとかここから脱出しなくては……
…くちゅ…くちゅ…くちゅクチュ……
突然、何か卑猥な感じのする音がベッドの上から響いてきた。
「ふぅぁぁぁぁ……また……」
今まで聞いたこともないような、ウェンディの喘ぎ声……
…俺は思いっきり頭をぶつけそうになった。
へ……ウェ、ウェンディ……?
「やあぁぁん、はぁ、あん…だめぇ…指がとまらないよぉ……」
ウェンディはかすかに震えながらも、明らかに快悦に浸っている
艶やかな声を、あの小さな体からはとても想像できない声を、発しているのだ。
………
夢だ。
第一、俺が家に帰っているはずがないのだ。
それに、ウェンディはまだまだ年端もいかぬ少女なのだ。
このような破廉恥な行為をするわけがないんだ。絶対に!
しかし夢だとしても、なんつー夢だ……
ウェンディ、えっちなお兄ちゃんを許してくれ……
「はあああぁぁぁぁんっっ! ああんっ!!」
俺は思いっきりぶつけた頭をさすりながら、目を瞑る。
これは夢だ…これは夢だ……! 夢であってくれ……!
俺はそう念じながら、妹のあられもない声をバックコーラスに
眠りにつくのであった……
――
俺は目を覚ました。
…いや、厳密に言うと意識を取り戻した、と言うのか。
何せ目の前が真っ暗なのだ。
体の感覚がまったく、無い。何だ? この感じ。
『……だが、だいじょうぶ、リチャード王子と私なら、必ず勝てるよ!』
……ん? この声は……親父?
『デュラン、おまえは男の子だ…妹のウェンディと母さんをたのむぞ!』
『ん!いってらっしゃい!』
……駄目だ! 行っちゃだめだ、父さん!
行ったら死んじまう……母さんも死んじまう……!
ウェンディもあんなことに……!!
くそっ、父さん…! 大丈夫だって言ってたのに……
必ず勝てるって言ってたのに……!
どうして……どうして……!!
「父さああああ…」
「目を覚ますでち! キングオブひよこ戦士!!」
今まで感じていなかった身体に、ハリセンでしばかれたようなピシャリとした激痛が走った。
「へ……? 全部芝居だった……?」
がっくりと力が全部抜ける感じがした、というかまったく体に力がはいらねぇ……
俺はベッドに仰向けに寝かされていて、頭の上辺りをフェアリーがひらひらと飛んでやがる。
わざとしているのか…? 俺は僅かに動かせる首を必死に左右に振ったり上下に動かす。
「大丈夫よ、あと一時間もすればピンピン動けるようになるから。
あ、でも下半身(本体)の方は知らないけどね」
「ひえ〜あの眠り薬、本当にきょうりょくなんでちね! あじみしてみなくて良かったでち!」
「極秘ルートで手に入れた代物ですニャ、にひひ。あ、ニラまないで欲しいニャ……」
「……」
ベッドの周りにはあっけらかんとしているシャルロット、申し訳無さそうに苦笑しているニキータ、
そしていつになく楽しそうに笑っているリースが居る。
「ごめんね、デュラン。あなたには本来のままの気持ちでリースに想いを
ぶつけてほしかったの。もちろん、リースにもね」
「いや、それはわかるんだが、何も俺に下着を脱がさせることはないと思うんだが」
「私たちは今、世界を救えるか救えないかの瀬戸際にいるのよ。
これからは仲間との信頼関係を完璧なものにしていかないと、切り抜けられないわ。
あなたとリースはお互いに気を使ってしまって、ぎこちない感じだったからね。
特にひよこ戦士は不器用というか、何というか……」
「キングオブヘンタイせんしでち!」
「お願いデュラン! 彼女の支えになってあげて」
…こいつら、わざとだな。
「…んなこと言われなくても、元よりそのつもりだぜ」
「ありがとう、デュラン! あ、銅のかたま…じゃなくてあのブロンズソードは
この旅が終わるまでニキータさんに預かっててもらうね。とっても弱いから」
「……」
こいつら、もしかしてそれが本当の目的だったんじゃないのか…?
「ところでフェアリー、ひとつ教えて欲しいことがあるんだが、俺が飲んだ眠り薬って
夢は見たりするんだよな?」
「ええ、そうね。それがどうかしたの?」
「いや、その…途中で起きたり、はたまた体がどこか遠くにワープしたりとか、ないよな…?」
「??? 無いわよ?」
「シャルロット言ったはずでち! 朝まで絶対起きないでちよ!」
「そ、そうか、そうだよな! ははは……」
俺はそう言って笑いながら、リースの方をちらっと見る。
リースは俺の視線に気づくと、にっこりと微笑んでくれた。
……うん、やっぱりアレも夢だよな。リースがあんなことするはずがねぇ。
しかし俺ってドスケベだな……まだまだ修行が足りねぇみたいだな!
「リース、これからも宜しく頼むぜ! くれぐれも無理するなよ!」
「はい、デュラン!」
END
でwちw子wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ボールにホーリーボールすんなwwwwwwwwwwwwwwwwww
ってか全部でち子の策略だったとはwwwww
GJ
リーステラカワイス
デュランとリースもいいなあ…
222 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 19:38:58 ID:tgfWlxHG
大人ケヴィン×大人シャルロット推奨
あの二人が大人になったら体格差がかなり開きそうな予感…
獣人王の体格もすこかったし
それにシャルのあそこにケヴィンの入れたら比喩抜きで壊れそうな気が
少年と自慰いつまでも待ってます
ポポイたんのちんちん保守
ロジェ×幻夢の主教待ち干す
227 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 00:10:01 ID:3BOl0rg6
>>223 >>224 確かに、シャルとケヴィンの体格差を考えたことがなかった。
倉庫にも子供時代の絡みが多いな。
しかしシャルが大人になってからのケヴィンとの仲が気になる。
半獣人×ハーフエルフって思わず子供生まれたらどうなるんだろうとか考えてしまう。
獣人×ハーフエルフか
昼は幼女体系で夜になるとエロい大人のからだに
こうですか?わかりません><
>>227 主人公核5人とも各国のホストに着けるぐらいの立場や生い立ちがあるし
外交もすごくよくなりそうな感じがするから、なにかにつけてほかの国にいくこと多いんじゃないかな。
そういえば数年後って話でケヴィンがリースに再開するって話も保管庫になかったっけ?
230 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/13(金) 20:43:46 ID:Oda+lIcY
>>229 おお!なるほど、それならケヴィ×シャルも可能です!
子供ケヴィン×夜だけ大人シャル期待( ´∀`)
獣人×月のルナ
バドたんとコロナたん保守
ユハニとエレナの近親相姦保守
234 :
短編:2009/03/29(日) 23:45:31 ID:ZjM5LH3V
砂漠で遭難し、軍隊の船に救助されたランディ達若い三人。
しかし未熟な少年ランディを待っていたものは、つんではくずしの強制労働と
親切を装い近づいてきた海の男セルゲイによる、裏切り、
すなわちケツを掘られるという屈辱的初体験であった。
・・・・憧れていたのに、こんな優しくで逞しい男になろうと思ったのに・・・
疲労し切った肉体に容赦なく打ち込まれる、生みの男の荒々しい銛。
「もっと舌を使うんだ坊主。残さず舐めとれよ?」セルゲイの剛腕に抑えつけられ
その男根をしゃぶり続ける・・・
もうイヤだ、こんなやつ・・・
・・・こんなことしてられない・・・プリム達を助けなきゃ・・・
男のベッドから逃げ出し、プリムを探すランディ。
ついに付きとめた監禁場所、指揮官モリエールの部屋へ侵入するランディ。
しかしそこで見たものは、もはやもどってはこない甘い青春の憧れのなれの果てだった。
「あん、イイよお!ついてえ!かき回しまくって!中だししてええ!!」
モリエールの上に追いかぶさり、肉の交わりに浸り狂うプリムの姿だった。
肉と肉が擦れ合う快感を貪り食うようなプリムの姿。彼女を拉致したはずの
青年モリエールはまるで精気を吸い取られたぬけがらのようだ。
乱れたベッド、散乱する衣服と酒瓶、たちこめる精液と生臭い匂いは
この交わりが自分が捕えられてから数日間続けられてきたものだったことを
証明していた。
あの憧れの女の子が、ほのかな恋心の対象が
他の男の股の上で矯正を上げセックスに興じている。
自分の夢が、全て壊れていく。ランディの心はズタズタに引き裂かれた。
「きてたんだ。ランディ。・・・ついに見せちゃったね。」
ベッドの上から微笑みかけるプリム。その全身は汗とドロドロの精液に塗れている。
「これが本当のあたし。国中の貴族の男の子達と遊びまくって、社交から
追い出されちゃったの。パパがもみ消そうとして、お見合いなんてさせるから・・・」
立ち尽くすランディの体に纏わりつくプリム。彼にキスすると、強引に舌を絡めてくる。
「あたしの最高のディラックも取り上げちゃうんだもん。ディラックって、
すごく情熱的だったんだよ、最高の、セックスフレンドだったのにさ」
「でも、キミが代わりをしてくれるよね。知ってたんだからね。いつも、あたしの身体を
やらしい眼で見て」
ランディの股間に、プリムの指先が這う。
「ここを、こんなにしてたんだからさ」
ランディのペニスは極度にエレクトし、既に大量に射精し続けていた。
「ほら、きて・・・キミのこと男にしてあげるよ」
プリムは股間をランディの方に突き出し、自身のヴァギナに指を這わせると
それを押し広げてみせた。ピンクの空洞の奥から、大量の白濁が流れ落ちた。
はああ、プリムに襲いかかるランディ。ランディの身体を腕と足で押さえつけるプリム。
「キミの、ディラックのより大きくて固いよ。・・・すごく楽しませてね」
耳元で囁くプリム。
「プリムっ・・あううう・・・・」
少年の肉根が少女の肉壺を押し広げてゆく。
他の男との淫行の証である精液がぐじゅぐじゅと押し出される。
なんどでも、なんどでも膣だししてね・・・・
プリムは淫らに笑みを浮かべると、少年の肉根の大きさに全身を震わせ、嬌声を上げた。
完
乙!!
できればポポイも見たかったw
geki乙!
保守
>>238 まあまあ直に傭兵の中でトップになれるだろうからいいじゃないか…。
むしろ身分の差はおいしいポイントじゃね?
240 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/20(月) 21:28:16 ID:QH6TNPdD
黄金の騎士ならフォルセナ兵を連れて他国の護衛とかもして、自国に軍資金を入れてそうな気がする。
ホークアイも盗賊の一味なわけだし権力としては微妙だが
本人は気にしなさそうだしなぁ
デュランは上下関係とかを重んじるタイプだから
女性陣とお付き合いする時そこら辺気にするかも
242 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 23:50:49 ID:Oe8zugMW
一応騎士だし、リースとかアンジェラには気を使うかもね。
ホークアイの上下関係はフレイムカーン以外無いなw
ケヴィンは上下関係以前に特定の人間にしか心を開くことないかも。
あとデュランのアンジェラに対する下剋上とかあっても面白そうw
アンジェラは押せ押せで積極的に行きそうだが
リースは生真面目そうだし父の形見である国と弟の事も考えると
今一歩踏み出せない。
シャルロットは見た目的に色々ヤバイ
ホークアイは盗賊団だし身分なんてあって無い様な物。
ケヴィンは次期国王だけど元々ビーストキングダムは獣人王が獣人に気合
入れる為に作り上げただけで覇権には全く興味無いようだから特に問題も無い。
デュランは尊敬する英雄王&国は捨てられないし国付きの騎士だから
好き勝手動くのは難しい。
デュランソス(´・ω・`)
立ち位置的に動きづらいのがリース、デュラン、アンジェラ、シャルロットかな。
とくにリースとデュランは国や家族とか1番っぽいし。
アンジェラは王女だが積極的なイメージがあるからどうなんだろうな。
それでも難しいか。
ホークアイは自由だし、追っかけるタイプだと思う。
シャルロットとケヴィンは幼いから想像できないw
プリムうー んう
2が移植されてるって知って3信者の俺はびっくりしたわ。
3てもしかして不人気なの…?
何? もう少し詳しく。
wiiのバーチャルコンソールのことだと思われ
249 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 22:17:50 ID:OxS12xWJ
「はあ…。」
サウスタウンの宿屋。
ベッドに寝転がりながら、窓の外の月明かりを見つめるランディ少年。
ふと、あることを思いついていた。
「父さんと母さんって、どうやって結婚したのかな…?」
こんな普遍的なことを物思いにふけていた。
彼も年頃だ。男女関係にも興味を沸いてもおかしくない。
と、彼の向かいにあるお風呂場から声が聞こえてきた。
今プリムとポポイが入っている。
「ありがとチビちゃん。じゃあ、交代ね。」
「ほーい。」
数秒間
「あれ? チビちゃん、あそこ何か足りないんだけど…」
「ん? 何が?」
「ほら、男の人がついてる大きな袋のようなものがないんだけど…」
「ああこれ? オイラは両性だからないんだー。けけけけ。」
「そ、そうなんだ…。」
ポポイの笑い声を聞いたとたん、ランディは少し体を起こした。
(な、何がないんだ??)
「うふふ、かわいー。チビちゃんのおちんちん。」
「ぎゃはは、や、やめろよー。くすぐったいよー。」
「ちゅっちゅっしてあげるよ☆」
「ぎゃはは、お、オイラのちんちんを銜えるなー!! 体洗えー!!」
「はいはい。」
2人の会話を聞いたランディはぞくっとして生唾を飲み込んだ。
(な、な、な、何やってるんだ? 2人とも???)
それから20分後、3人は就寝につく。
今日は珍しくプリムはポポイと一緒に寝ることにした。
髪を降ろし、バスローブ姿のままで寝巻き姿のポポイの隣で彼を抱きしめて眠りにつく。
窮屈そうだが気持ちよく眠っている。
しかし、ランディだけは中々寝つけられなかった。
251 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 22:55:25 ID:OxS12xWJ
上半身を起こし、再び月を眺める。
(人と人とが結ばれるときって、どんなときを言うんだろう?)
そうやって、そのまましばらく月を眺め、視線をプリムとポポイの方に向けると・・・
「なーに難しく考えてるのよ?」
プリムがいつの間にか起きていて、ランディのそばにいた。
四つんばいになってすっ・・・と、顔をランディの顔面まで近づける。
かすかに漂う彼女のシャンプーの香りと甘い吐息、バスローブの襟から見える胸元にランディは驚き照れ始めた。
「お、起きてたの?」
「ここに来てからずっと元気がなかったのよ? 何悩んでんのよ?」
「うん…、実は…」
ランディは自分の悩みをプリムに打ち明けた。
それは、男女が結婚するまでにはどんな付き合い方をするのが普通なのか、というものだ。
プリムは呆れた顔を浮かべて、口を開いてた。
「はあ…、そういうことで悩んでるんだ? ホント、トロイ男ね。」
「と、トロイって何だよ!? 僕だって、いずれは結婚するんだぞ!!」
「ま、いいよ。教えてあげる。私そういうの大好きだから。」
「あ…、そう…。で、どうればいいの…?」
「まずはそこに立って。」
プリムはランディにベッドの隣に立つように指示した。
彼はそのとおりに立って、窓側を向かい合わせにした。
「こ、こう?」
「そうよ。じっとしてて。」
そのとき。プリムはバスローブの紐を解き、脱ぎ捨て、全裸になった。
月明かりに照らされる彼女の裸は美しかった。しかし、ランディは窓を見ていたので、
月明かりのせいで鏡のように映るプリムの姿を見ることはできない。
ゆっくりと全裸のプリムはランディに近づく。
252 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 23:23:55 ID:OxS12xWJ
彼の背中から、そっと手を伸ばし、胸に当てた。
その感触にランディはドキッと驚いた。
「プリム・・・?」
「怖いの? 心臓バクバクいってるよ?」
プリムの手がそっと動き、ランディの胸を撫で始めた。
その感触に甘い痺れが走る…。
「あ…、ああ…。」
「ふーん、感じるんだ。ランディも年頃だもんね。」
そして、裸のままのプリムは服の上からランディの背中を抱きしめ、張り付く。右手にも
ランディの胸が当り、撫で回す。
「ああ・・・!!」
上半身甘い痺れに支配されたところで、プリムの手が徐々に下へと移動する。
そして、ランディのペニスをつかみ、それを揉みしだく。
「プ、プリム・・・!? どこを…さわって…、あ、ああ…!!」
「もういいよ。ランディ、服脱いで…。」
完全にプリムの誘惑の虜になってしまったランディは、プリムがちょっと離れると猛スピードで服とズボン、下着すべてを脱いだ。
そして、そのままランディをベッドの上に倒し、彼の上に乗る。そのときようやくランディはプリムの裸姿を捉えた。
彼は驚いた表情のまま硬直していた。
「女の子の裸も見るのも初めてなんだ。でも大丈夫。もうすぐ慣れるよ。」
プリムはランディの股間の上で下半身を揺らし動かす。
妖しい目つきでランディを見つめた後、両手で彼の胸を撫で回す。
顔を胸につけ、舌を這わせる。それが徐々にしたに行き、彼のお腹や臍の周りを舐める。
そして、大きく膨れ上がったペニスに差し掛かったところで、先端をちゅっちゅと愛しげにキスをする。
「き、キミはこれを見て、嫌なんじゃないの…?」
「ディラックから教えてもらったから慣れちゃったわ。ランディにも教えてあげる。」
そういうと、プリムはランディのペニスを口に含んだ。
253 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 09:17:37 ID:RtWO3C6L
「う、ああ!!」
ランディのペニスにプリムの唇と舌が這う。
動きが止まると、口に含んだまま、先端をれろれろと舐めとる。
「熱くなってきてる…。」
「そ、そんなことないよ…」
「試してみる?」
プリムは口を先端まで銜えると、右手で裏筋を揉みはじめた。
ビクンとランディの体が反応する。
「ああっ!!」
「気持ちいいんだ。教えてあげるよ。ここが熱くなってるのはね…」
プリムの舌の動きが早くなり、先端を再びれろれろと動かす。同時に手の揉む
動きも早くなった。
「ああ、ああっ!!」
「…ランディが欲しがってるのよ。」
舌と手の動きもどんどん早くなっていく。
ランディも限界にきていた。
「すごく熱くなってる…。いいよ、我慢しないで…、来て。」
「ううっ…、あうう…!!」
そして、ついにランディの限界を突破し、尿道に精液が駆け巡った後、
プリムの口内に向けて発射された。
どくっ、どくっ、どくっ…
254 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 09:33:02 ID:RtWO3C6L
「はあ…、はあ…、はあ…」
知らぬ間に目を瞑り、息を切らすランディ。
しばらくして目を開けると、プリムがこれみよがしに彼に手をかざした。
そこには粘りつくような白い液体がたっぷりとついていた。
「ほら、ランディのだよ。あんたが欲しがってる証拠よ。」
それみたランディは思わず視線をそらす。
プリムは手についた白い液体を舌で舐めとる。
ぴち。という極めて小さい音だったが、ランディの耳に刺さるほど大きく響いた。
「ランディの…、甘い。」
残った白い液体を、プリムは自分の胸と臍の周りにつけて、それを伸ばすように塗る。
「熱い・・・・」
ふと、視線をランディの方に向くと、彼はぽろぽろと涙をながしていた。
255 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 11:24:56 ID:RtWO3C6L
「うぐ・・・、ひっく・・・」
よほど感じたのか、初めてのフェラチオと射精感に思わず泣いてしまったのだ。
気弱少年なら、なおさらのことだろう。
プリムは呆れた顔を浮かべると、ランディの固い胸に顔をつけ、頬ずりをする。
「そんなに泣かないでよ…。男の子でしょ。」
プリムはランディの顔をつかむと、熱いキスをした。
「ん、んん・・・」
ランディの唇を激しく吸い寄せると、舌を彼の口内に入れて、犯す。
「ふ、ふう…。」
飲み下せないほどの唾液がのどを伝って流れ落ちる。
だが、ランディの動きも変化が現れ、プリムの口内に舌を入れた。
思わずプリムは腰を大きく動かし、ランディの下半身をこすりつける。
「ねえ、もう入れていい? 私、ディラックが討伐に行かされてからずっと
お預けされっぱなしなのよ。」
そういってプリムは指で自らの花弁を広げた。
そしてそのままランディの大きく起ったペニスを包みこませた。
ズブズブ・・・・
ゆっくりと腰を下ろし、ペニスを膣内にむかえた。
「ううっ!!」
「んうう!!」
両者とも全身に快感の電流が走る。
そして、プリムは腰を打ちつけ、中に入っているペニスに刺激を与える。
「あう、ああ!! ああああ!!」
迫りくる快楽に耐え、思わずプリムにしがみつき、胸に顔をうずめるランディ。
そのまま寝返りをうつと、両手を伸ばしてプリムの胸を愛撫でする。
「ううん!! ああん!!」
小さくて意外と大きいプリムの胸を掬い上げるようにつかみ、揉みしだいた
後、顔をうずくませ、乳房を吸い付ける。
「ああ…、はああ…、ああ!!」
プリムの腕がランディの顔をわしずかみにし、もっとして欲しいという
ように強く胸にうずくませる。乳房を舐められるたびに、甘い痺れがプリムを支配する。
256 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 11:40:10 ID:RtWO3C6L
「イかせて・・・!!」
再び寝返ると、プリムが上になる。ペニスはまだプリムの中に入れたままだ。
中から流れる愛液が、絡み合う。
「あううう!! ああ!! 私・・・、イク・・・!! イク・・・!!」
「ああ…、あああ!!」
プリムは体をのぞけらせる。
そして、腰の動きも早くなった。
ぎゅううう、とランディの体を締め付ける。
「はあっ!! あ、あ、あ、あ!! あああああああああああ!! …あう、ああ…」
ついにプリムは絶頂を迎え、イききった。
そのまま弛緩し、ランディの体の上に倒れる。
「あああ!! プリム・・・!!」
三度寝返り、意識喪失したプリムを下にする。
そして、腰を激しく動かして、プリムの中で挿入を繰り返す。
目を閉じはぁはぁと荒い息を吐き、今にも精液を吐き出しそうな勢いだ。
「あ・・・ああ・・・、プリ・・ム・・・、僕も・・イク・・・!!」
尿道口から迫りくる快楽に耐え切れず、そのままプリムの膣内にはじけとばした。
どくっ・・どくっ・・・どくっ・・・どくっ・・・
「う・・ああ・・、プリ・・ム・・・」
そしてペニスを引き抜くとそこからは愛の証がこぼれでた…。
257 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 11:54:24 ID:RtWO3C6L
ランディはプリムの隣に倒れこみ、しばらく息をきらしていた。
視線をプリムの方に向くと、じーっと彼の方を見つめていた。
ランディは照れくさそうに背を向ける。
プリムは一瞬クスっと笑う。
「クスッ」
「な、なんで笑うんだよ・・?」
「ううん。別になんでもないんだけど・・・クスッ。」
プリムはあはははと笑った。
ランディはムスッとした表情になったが、だんだんやわらかくなっていく。
「ありがとう…。少し自信が持てた気がするよ…。」
「そう。よかった。」
「キミは、ディラックさんといつもこうしてるの?」
「うん。始めは怖かったけど、だんだんなれてきたわ。パメラからも女性らしく
なったって言ってたし。」
「そっか…。」
「なんだか、あんたも男らしくなってきたよ。ランディ。」
「そ、そう?」
「そうよ。でもこれはまだ出発段階。これをどう生かすかは、あんた次第よ。」
「うん。分かった。」
ふと、ランディの視線がポポイの方へ向く。
ここからでも、ポポイのかわいい寝顔が見れる。
「ポポイも、いずれこんなことするのかな?」
「さあ。妖精族の人たちはどうなのかは分からないけど…。でも両性のチビちゃんも
いずれすると思うよ。」
「そうだね…。」
「うん、そうね。この続きを教えたてほしかったら、ディラックを助けて頂戴。
彼なら大歓迎してくれると思うよ。」
「そ、そう? そのときになったら、お、お願いするよ。」
プリムは愛おしげな手つきでランディの頬をそっとふれた。
「頑張ってね…。」
「うん…。」
プリムは応援のキスをしてあげた・・・。
258 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 12:03:26 ID:RtWO3C6L
「起きろ!!」
ドカッ
ポポイはランディの体の上に向かって思いっきりヒップドロップした。
「ぐえ!!」
ランディは体を起こし、咳き込む。
「な、何するんだよ!?」
「いつまで寝てるんだ! もう出発するぞ!!」
「わ、分かってるよ。」
腕ぐむポポイ。
ランディは大きく背筋を伸ばして大あくび。
「あれ? ニイちゃんくさいよ。」
「え?」
「悪い夢でも見たのか? それとも女が出来た夢とか・・・」
「ば、バカなことを言うなよ!!」
「冗談だよ。それより早くいこーよ。」
「う、うん。」
いそいそと着替えをはじめ、そして完了。
「ランディ! 早く行きましょう!!」
ツンとした態度でランディをにらみつけるプリム。
ごめんごめんと平謝りをした後、共に入り口を出た。その表情はほんのり照れ笑いをしていた。
「それじゃ、行こう!!」
「うん。」
「おうっ!!」
一行はマナの聖地へと向かうべく、でんでん太鼓を鳴らした。
完
疲れた。
乙
乙!
なんだかランディがかわいかったw
やるではないか
乙
乙で保守
263 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 00:28:34 ID:BeEFkB8U
はじめて来たけど、保管庫ってずっと更新されてないんだな。
過去作品が読みたい…。
同じく。
ヒース×シャルロットは投下された事無いのかな…
なに、この素敵なスレ。
昔は聖剣3のキャラでえらく萌えたもんだ。
聖剣3は製作者の権利とかの問題で移植は難しくなってるって聞いたことあるよ。
266 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 23:58:00 ID:xB1K6hM9
過去:ヒース×シャル
現在:ケヴィ×シャルの小説ならあった。
ヒース×シャル単体は無かったな…。
>>265 やはりバーチャルコンソールが限度ですか…。
268 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 01:46:59 ID:2Rz7Bruf
保守
やっぱ聖剣はいいね
アンジェラ×ケウ゛ィン
コロナ×バド
タナトス×エリニースの魔女
祝・聖剣伝説2 モバイルに移植
少年と自慰完結させねば
>>272 それは個人的に凶報かな・・・。
携帯はっきり言ってゲームやりづらい。
携帯に移植ってことは、コンシューマででる可能性が低くなる…。
しかもリメイクじゃなくて移植・・。
悠久の時を経て永遠の17歳プリムたんが蘇る
聖剣3のリメイクとかいい加減こないかな
聖剣3のリメイクとかいい加減こないかな
大事な事だから二回いいましt
可愛い
真珠姫をくんかくんかしたい
んじゃ俺は草人たんを脱がす
プリムうー
ぬちゅ
リースぅ…保守
「ダナエたん」
「なんですか男主」
「猫って、生理が無いって本当?」
「……ありませんけど」
「へー、便利だね。人間とか犬とかは、生理があるんだよ」
「はぁ、そうですか」
「猫は発情期に、雄と交尾したら排卵が起こって、妊娠するんだってさ」
「……」
「シエラたん、生理のたびに大変なんだろうな。経血が毛に着いて固まっちゃったりして」
「……」
「ダナエたんは、発情期はどうやってやり過ごすの」
「それは…外に出ると誘惑が多いので、部屋に籠って……」
「籠って、ヌンチャクで慰めるの?」
「…………はい」
「ふーん、へぇー、ほーう」
「……今がノーフューチャーモードじゃなくて貴方がレベル99じゃなかったら絶対殺すのに」
GJ
ノーフューチャーのバドたん&コロナたんに同時に犯されるなら本望です。
ぱこぱこ
プリムに膣出し
保守
保守
プリム17歳のおまんこに執着するランディ16歳。
逆だろ?
ランディ16歳のペニスが気になって仕方がないプリム17歳。
(・・・・・すごいんだ。今日も、盛り上がってる)
天気の良い日の朝。朝食を摂るプリムの眼は、ランディの股間にくぎ付けになっていた。
「お、おはようう・・・」
シャツ一枚に半ズボンという目覚めたばかりのランディは、乱れた髪の毛に
眠そうな目つきでぼんやり突っ立ている。浅黒い上腕の筋肉や何も生えていないらしい
見えそうで見えない脇の下も興味をそそるが、何より若い少女の、奔放な性的好奇心を
刺激してしまうのは、そのズボンの上からでもわかる、
ガチガチにエレクトした少年のペニスの有様だ。
(朝立ちってやつね。すごく太くて固そう。ランディも男の子なんだね)
プリムのじっとりとした視線を気にする様子もなく、ランディは洗面台に向かう。
すると自分の股間に気が付いたようだ。見えていないつもりなのだろうが
股間のあたりを触っている。プリムにはそれが何か解った。位置を直しているのだ。
(朝からみなぎっちゃってるんだ。ホント、夜はおとなしいもんね。どこで慰めてるのかな)
年頃のプリムも男の身体が気になって仕方がない。正直、少しづつ逞しくなっていく
ランディの身体を鑑賞することは、ほんのりと女として成熟した性器を熱くしてくれるのだ。
しかし同時に満たされない渇きを刺激もする。
(こんないい女の子が傍にいるのに。少しくらい悪いことしたっていいのに、なあ)
歯を磨くランディの間の抜けた顔を見ながらプリムは溜息をつく。
純愛とかそういうものは少し置いておいて、ちょっとくらい強引な男が欲しくなってしまう。
悪さを許してあげるから、ちょっと楽しんでみたい。ドキドキするままに夢中になりたい。
しかし見るからに童貞、純朴なランディ少年には期待するだけ無駄というものだろうか。
「おはよう、ランディ。今日もびんびんだね」
ニッコリ微笑んでプリムがようやく喋りかける。
「え?びんびん・・・。ぼくが?なにが?」
「・・・・おちんちんが」
「・・・え、・・・ええ?」
「ふん。それだけだよ。」
プリムは立ち上がると、呆然とするランディの横を通ってさっさと浴場の方へ行ってしまう。
「シャワー浴びるからね。入ってきたりしちゃ、だめだよ」
悪戯っぽく言うと、扉を閉めた。
ぼんやりと扉を眺めるランディの耳に、噴き出すシャワーがプリムの裸を濡らす音が
聞こえてくる。一瞬、甘い夢が脳裏に浮かんだ。
「あ・・んう!」
瞬間、少年の性器は大量の精液を放出した。数回に及び脈打つと、
ズボンの裾からとろとろと精液が流れ落ちる。
「も、もう・・・プリム・・・がまんできないよ!」
おもむろに服を脱ぎ去ると、扉の側に仁王立ちになった。
すると少年は自身の白濁に塗れた肉根を握りしめて、
扉の向こうに思いをはせつつ、自慰を始めるのであった。
完
>>292 おおうGJ!!
シャワー室に突入するのかと思ったらオナニーかいw
さすがランディ(童貞)
294 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 22:13:51 ID:DhdM7XyR
短編 星のプリムたん1
「…んんっ」
パンドーラの夜、王国の周辺にある森の中で、2人の若いカップルが抱き合っていた。
男の名はディラック。彼は王国兵士の中で将校の位を持つ。
女の名はプリム。富豪の娘だ。
ディラックはプリムの肩をつかむと、彼女の首筋に舌を這わせる。
その這わされた感覚にプリムは身震いと同時に甘い感覚が走った。
そして、ディラックの手が次第にプリムの胸をつかみ、揉みしだいた。
「やっ…、んんっ…」
「気持ちいいね。プリムの胸…。」
彼女の胸は小さいくみえるが、触れてみると意外と大きい。
胸を揉まれるたびに甘い痺れが湧き上がってくる。
「やっ、ディラック…、そんなとこ…、んんっ!!」
ディラックはプリムに口を塞ぐかのようにキスをした。
舌を出して、彼女の口内に侵入して、舌同志からませる。
「ん…、んうん!!」
ディープキスをしながらも、ディラックの手はプリムの胸を揉み続ける。
すると、彼の手がプリムの赤いトップスの胸の部分をつかみ、それを降ろした。
「!!」
目がギンと大きく開いた。両胸のピンク色の乳首がはだけてしまった感触を察知した途端、羞恥心が
こみあがった。
「ちょ・・・、ディラック…」
「プリム、いい?」
彼の手がプリムの乳首をきゅっとつまむと、それをこねくりまわした。
すると、プリムは甘い呻き声をあげる。
「ああっ、はあん…」
乳首をこねくり回せば、またもみ始める。
この繰り返しが、プリムを快感の虜にしてしまう。
「やあ…、ディラック…、いやあ…ダメ…」
「そう? ずいぶん気持ちよさそうに見えるよ?」
そういうとディラックは露出したプリムの胸に顔をうずくませた。
「やあん!! ディラック、やめて…、ああんっ!!」
彼の舌が、プリムの胸全体を嘗め回す。その感触が、プリムを快楽の虜にしてしまう。
いやいやと叫びながらも、舐められる快感に敵わず、もっとして欲しいといわんばかりに
プリムはディラックの頭を両腕で包み込む。ぴちゃぴちゃとディラックの舌先が彼女の乳首をいじらす。
それからデイラックはプリムを押し倒す。更に力をいれ、大きく彼女の胸を揉みしだく。
その感触により、プリムの全身が熱くなり始めた。
「はあ…はあ…、ディラック…」
ディラックはプリムズボンをつかみ、それを降ろした。そこには白く美しいプリムのお腹と腿があらわになった。
「プリム行くよ…」
ディラックの顔が、プリムの股の間へと移動する。
「や…、恥かしいよ…、ディラック…」
ディラックは、プリムの足をあげ、広げさせる。
「綺麗だね。プリムのここ…」
彼女の花弁に目掛けて、顔を突っ込ませる。そして舌先で、プリムの花弁内を舐め始めた。
「ひゃ…ああ…、ああん…」
一番見られると恥かしいところに、愛しい人が舐めている…。
なんだか、うれしいような、気持ちいいような、そんな快感がプリムの性欲を
掻きたてた。
「ディラック…、もっとお…」
プリムの呼吸も乱れてきた。愛しい人は尚もプリムの花弁内を舐め続ける。
舌先が、腔内に侵入すると、リズミカルに舌を動かし、刺激を与える。
「ひゃあ、あ、あ、ふ、ああ、はああ…」
そして舌先が果実に触れればそれをれろれろとこねくりまわす。
するとプリムはびくんと痙攣を起こした。
「はあっ、あああっ!!」
その感覚は、プリムの全身を支配する。初めて体験する快感の上昇。
彼女の下の果実が激しく刺激されると、快感の波が襲い掛かる。
「ディラック…もう…あたし…、イクっ、イクっ」
ついに、プリムの体が大きく跳ね上がり、絶頂を迎えた。
プリムの花弁の中の果実から、大量の蜜があふれ出してきた。
ディラックはすかさずその蜜を飲み干す。
プリムはその場で、意識を失った。
しばらくして、プリムの意識が戻った。
目を開けると、ディラックが微笑んで仰向けに倒れた彼女を見つめていた。
「プリム、大丈夫?」
「うん…。」
プリムはこくりとうなずいた。
初めて体験した絶頂の世界。そこまで導いてくれた愛しい人の顔が目の前に
あると彼女も笑顔を浮かべて答えた。
「よかった。それじゃあ、行くよ。」
「え…何? きゃああ!!」
突然、彼女の淫裂に何かが入り込んできた。
その何かはゆっくりとプリムの中を前後に動かし、刺激を与える。
「ああ、ああ…ああ!!」
こすられる快感に振るわせるプリム。
全裸に近いプリムの体を覆いかぶさったディラックの体。ズボンが下ろされ、彼の肉棒がプリムの淫裂の中を
割って入り込んでいた。
ディラックの腰が動くと、彼の肉棒は淫裂内で前後に動き、刺激を与える。
「あ! あぅん…、ああ…あああ!!」
彼の腰が動くたびに、プリムの中は挿入の快楽に身を任せる
そしてディラックの上半身がプリムを抱きしめると、耳元でつぶやいた。
「愛してるよ、プリム…」
そのとき、彼の腰の動きがだんだん早くなり、強く強くプリムの中を打ち付ける。
「ああ!! ああ!! あ、あ、あ…あ、あああああーーーーー!!」
「ああああああ!! プリムっ!! ああああああああーーーーー!!!」
ディラックの熱い腰が強く打ち付けられた瞬間、彼の愛の印がプリムの腔内にはじけ飛ばした。
彼女の中で、ディラックの愛の証が脈打ちいっぱい広がっていった…。
そして、彼の肉棒がプリムから引き抜かれると、白い命のしずくがこぼれでた。
しばらくして2人は抱き合いながら、息を切らしていた。
先にディラックが目を開き、プリムを見つめる。
そしてその後、プリムが意識を取り戻し、目を開ける。お互い、見つめ合う…。
「愛してるよ、ディラック…」
自身の体を覆い被さる彼の顔をつかみそっと口付けをした…。
これが、少女プリムがはじめて受けた愛の告白でありましたとさ。
めでたし、めでたし。
プリムのピンクの穴
ポポイたんの下半身が気になるプリムさん
ルカ様がセルゲイにほのぼのレイプされる展開希望
短編 星のプリムたん2
「いてて…」
武器を鍛えてもらうために、ここガイアの低地へとやってきた聖剣勇者一行。
ポトス村周辺の大砲屋から飛んできたのだが、ポポイの着地どころが悪かった。
木の枝葉に向かって落下してしまったので、全身傷だらけになった。ワッツに紹介してもらった
近道を通って、ここドワーフ村の宿屋で休むことにした。
ランディは鍛えてもらう武器を持ってワッツのところへと向かった。
結局、プリムはポポイの手当てをすることにした。
「まったく、ドジなんだから…」
なんで私がこんなことしなきゃいけないのかしら…?
と、ぶつぶつ文句を言いながらも、プリムはポポイを俯かせる。
そして、ポポイの着ているものをすべて取り去った。
「な、なんで裸にさせるんだよ…?」
「服が汚れてるからよ。ばい菌さんに入ってもらいたいの? ホラ、じっとしてて。」
プリムはウンディーネを召還して、ヒールウォーターを発動した。
癒しの水滴でポポイの傷が回復した。
「はい、これでよしと。」
「サンキュー、ネエちゃん。」
ふ〜、とお風呂に入ったときのリラックスをするかのような、安堵の息をつけるポポイ。
そのとき、プリムの視線がポポイの体の方へと向けられた。
ポポイの白い肌と小さな背中とお尻…。見ているだけで微笑ましくなりそうだ可愛らしさだ。
「かわいー、チビちゃんの裸。」
いきなり、プリムはポポイの背中に軽く口付けした。
「わっ、な、何すんだよ!?」
背中に甘くくすぐったい感覚が感じたので思わず後ろを向くと、プリムのブロンドの
髪が背中にかぶさっているのが見えた。彼女はポポイの背中にキスした後、舌を出して
背中を這わせる。
「ね…ネエちゃん…?」
何度も背中をちゅっちゅとキスをされたり、這わせられる度に、甘く痺れた感覚がポポイを
支配する…。
「あ…ああ…」
プリムの顔がポポイのお尻へと向かう。そして、プリムはポポイのお尻に顔を突っ込ませた。
「!?」
「柔らかいね。チビちゃんのお尻…。」
プリムはポポイの尻頬を甘く噛んだ。そしてまた舌を這わせ、れろれろと舐める。
「や、やめろよ…ネエちゃ…、ああ…!!」
甘い快感に捕りこまれ、顔が赤くなりはじめた。次第に息も荒くなる…。
だが、ふとプリムは思った。妖精族の人たちって、あそこどうなってるのかしら?
そう思うと顔をポポイのお尻から離し、ポポイの体を仰向けにさせた。
「なっ!!」
プリムは驚きを隠せなかった。彼女の見た光景、それは睾丸袋のないポポイのおちんちんだった。
「ち、チビちゃんって男の子なの? 女の子なの?」
はあはあと息を切らしているポポイを見て訪ねた。
「はあはあ…、な、なんだってんだよ…?」
「だって、男の人持ってる袋のものがないんだけど…?」
ポポイは下半身を見られた恥かしさから羞恥心がこみあがり、顔をさらに赤くする。
「お、オイラは、両性だからな…。男でも女でもあって、そうでないんだ…」
「そうなんだ…。両性って、噂では聞いたことあるけど、見たの初めて…。」
恐る恐る、プリムの視線は再びおちんちんへと向かう。
しかし、良く見てみるとポポイのおちんちんは小さかった。大きさはそう、カメラのフィルムぐらいだろうか。
そう見ると、なんだか可愛いく見えてくる。プリムはくすくすと笑って、顔をおちんちんに近づける。
「ウフフ、でもチビちゃんのおちんちんって、可愛いわね。」
すると、ポポイのおちんちんは大きく膨れ上がっていった。
「あら、大きくなってるよ。」
ポポイは勃起したおちんちんを見られる羞恥心がおさまらず、プリムに向けた視線を逸らした。
プリムはまじまじとおちんちんを見つめる。
「ふーん、チビちゃんって男の子寄りなのね。」
そういうと、プリムのブロンドの髪がポポイの下半身に被さった。
ぐちゅじゅるちゅる…
ポポイの勃起したおちんちんにプリムの唇と舌が這う。
「うっ、ああ!!」
プリムに舐められた快感が襲い掛かる。次第にポポイのおちんちんがプリムの唾液に纏わりついていった。
「ん、んん…んー…、んん!!」
飲み下せないほどの唾液の量が、ポポイの蔭茎を伝って流れ出る。
そして、プリムの這うスピードが早くなり、大きく頭を上下に動かしておちんちんをしゃぶる。
「ね、ネエちゃん…、は、離せよ…」
口ではこういうものの、快感が力を奪っていき、それは敵わなかった。
「大丈夫よ…。じっとしてて…」
プリムは右手の指でポポイの蔭茎をつかみ、もみもみしながら、先端をれろれろと舐める。
「ああっ!!」
ポポイは大きく唸り声を上げて、痙攣を起こした。
「で、出るよ…!! 出る…、出る…!!」
「いいよ。我慢しないで…。出して…。」
そういうとプリムの這うスピードが早くなっていった。そして、右指の動きも激しいスピードで揉みはじめたのだ。
そして、ついに…
「あ…、ああ…、うわあああああああーーーーー!!」
ポポイが激しい唸り声を上げた瞬間、プリムの口内に精液が存分に放たれた。
どく…どくっ…どくっ…どくっ…
すかさずプリムはポポイの精液を飲み干す。
大きく痙攣を起こし、射精をするポポイは、そのまますぐに果ててしまった。
「はあ…はあ…はあ・・・」
プリムの口がポポイのおちんちんから離れると、すうっと糸が引かれた。
そして、タオルを取り出して精液塗れの口を拭いた後、ポポイのおちんちんもそれでふき取った。
「おいしかったわ。チビちゃんの…。」
するとポポイが口を開く。
「ね、ネエちゃん…。オイラ…、眠いよ…。」
「そう。今日はもう寝なさい。」
「うん…。」
プリムは掛け布団を引き上げて、ポポイの体にかぶせた。
「さっきのこと、ランディには内緒ね。」
「うん…」
ポポイがこくりとうなずいた途端、目つきがしだいにとろんとまぶたが垂れ下がる。
そしてすぐに就寝についたのだ。
「おやすみ…。」
プリムはポポイの口に軽くキスをした。
そして、彼女は入り口に向かい宿屋を出たのでした。
<了>
尚、この物語は前編「1」とは関係ありません。
イイ
プリムの痴女っぷりがたまりませんな
よし、次はランディとポポイでフルコンプだな
ヤっちゃったwwwww
わぁい!
ポポイーー!!!!
聖剣4とかっておkですか?
えっ? 聖剣4て出てたの?
ん、
星のプリムたん 番外編
ヴァンドール帝国の南、サウスタウンの夜。聖剣勇者たち一行は、ここの宿で泊まることにした。
しかし、富豪の娘プリムにとっては、あまり長く居たくないところだった。それは、四天王の一人タナトスに
よって操られた親友パメラが、精神的な傷を負っており、この街の病院で療養をとっているからだ。
パメラが操られたとき、「あたしの前で恋人のことばかりいうからひどいめにあわしてやった」的な言葉に逆上し
彼女をひっぱたいてしまった。その後、パメラは意識喪失してしまった。結果的にタナトスの仕業であり、パメラもその被害者
であったが、その親友を叩いたことに心のどこかで後悔してしまっていたからだ。
その日のよる、ランディが「クリスのところに行ってくる」といって出かけてしまった。
それから2時間経っても戻ってこなかった。
「もしかしたら、あの女に夜這いかけるんじゃないかしら…?」
こらしめに行かなきゃ、と思って立ち上がり、眠り始めたポポイを背に宿屋を出た。
つかつかと歩き出し、パメラのいる病院を横切ろうとした、そのときだった。
「ランディっ!?」
外から病院の窓を覗くと、ベッドの上で座り込んでいる放心状態のパメラとランディが向かい合わさっていた。
あわてて、プリムは窓に近づき、覗き込む。
「ごめん、こんな夜遅くにお邪魔しちゃって…」
「……。」
「無理しなくていいよ。落ち着いて聞いてるだけでいいんだ。」
ベッドの近くにあったイスに腰をかけるランディ。
真剣なまなざしで、パメラを見つめる。
「パメラさん、君もうらやましかったんだね。ディラックさんっていう優しい男の人が、好きだったんだね。でも、プリムの恋人だと聞いて、妬いちゃったんだね。」
「……。」
「その気持ち分かるよ。僕も、プリムのこと…」
その途端に、ランディは唇をかみ締めた。
「だから、僕もディラックさんって人がうらやましかった。だから、僕も…。でも、プリムはゴブリンたちから命を救ってくれた恩人なんだ。
そんな人に、恋人を攻めようなんて、僕には出来ない! だから、せめてもの償いとして、パメラさん、君を救いたいんだ。」
ランディの両手がパメラの肩をつかんだ。
「僕が出来るとすれば、このくらいしか出来ないけど、いい?」
ランディはパメラにキスをした。
ランディとパメラとはあたらしい
超wktk
舌をパメラの口内へと入り込ませ、舌同士を絡ませる。
すると無表情状態だったパメラはまぶたを閉じて、舌を動かした。ぴちゃぴちゃと音が鳴り響き
プリムの耳にも届いた。
そしてランディの両手がパメラの胸へと移動する。プリム同等か、彼女以上に大きいパメラの胸を
掬い上げるようになでまわす。
「ん…、んん…!!」
ランディはパメラを押し倒した。そして彼女の身体と重なりあうと、トップスの服の胸の部分をつかみ、それを降ろす。
乳房があらわになると、それを指でつまみこねくりまわした。
「ん!! んんん!!!」
といううなり声を上げつつも、胸をもみ続けながらディープキスを繰り返す。
そしてランディの顔がパメラの胸にうずくませた。その途端に、パメラに甘い息切れを吐く。
「ああん…、はあはあ…」
貪るようにパメラの胸のふくらみに口を含ませ、乳房を舐める。そうしつつも、白い胸全体を大きく激しくなでまわした。
「ああ!! あはあん!!!」
顔が赤くなりつつも、全身汗まみれになり、ランディの快感責めに身をまかせていた。
そして、ランディがパメラのズボンをつかむと一気にそれを降ろした。白く美しいお腹と腿があらわになった。
ランディがパメラの股の間に手をつっこませると、その中の芽をこねくりまわす。芽から出た愛液が指に纏わり付く。
ぐっしょりと濡れた彼女の花弁の中を濡らした後、ランディは着ている服をすべて脱ぎ捨てた。
そして、ランディの肉棒が彼女の腔内に侵入する…。
ズブズブズブ…
「うっ…、ああ…」
「くっ…ああ…!!」
ランディは腰を反り返らせ、そして曲げる動作を行いつつ、肉棒を更に奥へと押し込んだ。
押し込まれた痛さと快感に身を震わせるパメラ。
「あ! あああーーー…、ああん…」
「はあはあ…、もうすぐ…、君が求めているものをかなえてあげるよ…」
ランディはゆっくりとパメラの腔内で肉棒の挿入を繰り返した。挿入される快感がパメラを
求める世界へと導かせる。
「ああ…、ああん…、ああっ!!…くっ」
そしてその挿入スピードが徐々に早くなっていった。
「はあ…! はあ…! もうすぐ…イクっ! イクッ!」
とうとうランディにも限界が生じ、射精感が込みあがっていた。しかし、中に出すわけには行かない。
射精感を堪えつつも、腰を強く押し付けてスピードを緩ませた。
「ああっ!! ああっ!! ああっ!!」
「くっ…、もうダメだ…!! あああああーーーーー!!」
そして激しく挿入を繰り返した後、パメラの腔内から肉棒を離した。
大きく起った肉棒の先端から、白い命のしずくが吐き出された。
びゅくびゅびゅびゅっびゅ、どくどくどく…
ランディは肉棒をつかみ、ぶらぶらさせながらしずくをパメラの大きな胸と白いお腹、へその周りに降らせた。
白い命のしずくは、パメラの胸とお腹、へその周りについてしまった。
「はあ…、はあ…、はあ…」
ランディは息をきらせながら前身体屈折でパメラの身体を再び被せた。目に写ったのは
白い液体まみれのパメラが、指で唇をなぞって果てた姿だった。しばらく見つめてから2分後
パメラが瞳を開けてランディを見つめる。そしてランディに向かってゆっくりと微笑んで瞳を潤ませた。
「あ…りが…とう…」
精神障害から回復した第一号の発声が、ありがとうというお礼の言葉だった。
液体まみれのパメラは上半身身体を起こし、ランディを抱きしめた。
「ありが…とう…。ありがとう…。」
ランディの胸に顔をうずくませ、感謝の涙で彼の胸を濡らした。
ランディもパメラの精神が戻ったことにうれしく思い、感動の涙を流しながらだ微笑んだ。
「よかった…! ほんとうによかったっ!!」
ランディは裸のパメラを抱きしめた。
2人の交わりあいを最後まで見届けたプリムも感動の涙であふれていた。
「よかった…! よかったね、パメラ…!!」
涙をふき取った後、じっとランディを見つめる。
「ありがとう…、ランディ…」
窓に映っているランディは、いつもより男らしく、かっこよく見えていた。そんな姿を見たプリムはキュンと胸の高鳴りを覚えた。
そしてその瞬間、はっと硬直してしまった。
(やだ…! 私…、なに考えてるんだろ…? なんなの!? この気持ち…? まさか…)
ランディのこと、好き? と思いたかったのだが、すぐにそれを殺して駆け足で宿屋に戻った。そしてベッドに横になり、掛け布団の中に潜った…。
そして数週間後、マナの神殿の中で、プリムはパメラと再会した。
「プリム! …あたし、あなたに、ひどいことをいってしまって…ごめんなさい。」
俯くパメラに笑顔を見せる。
「ううん、いいの。心をコントロールされてたんだもの。しかたないよ。」
パメラはこくりとうなずいた。
「…あたし…ディラックとしあわせそうな、あなたがねたましかったのかもしれない…。心のどこかにスキがあったから
タナトスにつけいられたんだと思うの…あたしをゆるして!」
再び、俯き目を固く閉じた。
プリムは近づき、パメラの肩をつかむ。
「…パメラ…さあ、こっちをむいてよ。私たち、ともだちでしょ!」
「…プリム!ありがとう!」
顔を上げながら、笑顔を見せ返した。そして元気な声を出してプリムにいった。
「頑張って! ディラックをとりもどせるよう、いのってるわ!」
おしまい
GJ!
でもプリムの心情を考えるとちょっと後味悪いなw
短編 星のプリムたん3
「ディラック…」
神獣を倒して、聖剣勇者としての冒険が終わってから1年が過ぎた…。
ここは、ルサ・ルカが住む水の神殿の辺。プリムは丸くなって座り込み、星空を
眺めていた。夜空に輝く星空は綺麗だ。この星空を見ると、あの別れを思い出す。
元恋人ディラックと妖精族の子供ポポイとの別れたときだった。
タナトスに乗っ取られ、完全に支配されてしまった瞬間、命と引き換えにタナトスの正体を暴き、倒すことができたのだ。そして、神獣と戦いの後、
ポポイは姿を消した。突然の別れだった。あまりにも突然すぎたゆえに、ディラックとの別れに悲しみにくれる日々が続いていた。しかし、それは、ディラックは
世界の平和を取り戻すためにやりとげた偉業でもあった。今はほこり高き愛しき人。でも、もうそばにはいない。
その淋しさを少しでも紛らわすために、ここで星空を眺めていた。
「ディラックが生きていたら、パンドーラの時代もまた違ったものになっていたのかもしれない…」
1年前のプリムのことは、パンドーラにも話の話題にされていた。あの聖剣勇者と共に、帝国のマナ要塞による世界支配から救った英雄の一人として一躍有名人となった。
父のエルマン、親友のパメラもそのことに誇らしく思っている。しかし、本人はうれしくなかった。目的の愛しい人を救うことが出来なかった。その後悔は今も残っている。
一人淋しく、星空を眺めていた、そのとき。
「プリムー」
突然の呼び声に驚き、声がするほうへ向くと、森の中からランディが姿を現した。
「ランディ!?」
ランディは微笑んで手を振った後、プリムに駆け寄った。
1年振りの再会。ランディも随分かっこよくなっていった。体形こそあまり変わってはいないが、昔きゃしゃだった体格が今ではがっちりとしていた。
ランディの変わり姿を見たプリムはちょっとだけ顔が赤くなっていた。あいつ、あんなにかっこよかったっけ?
「久しぶりだね。」
「あ、うん…」
ランディはプリムの隣に座った。
「どうしてこんなところに?」
「ん…、星空を眺めに来ただけよ…。ここなら見通しがいいし…。っていうかランディこそどうしてここに?」
「…み、道に迷っちゃったんだ。」
あはは苦笑いしてごまかすランディを見て、プリムは半目の目つきで彼をにらみつけた。
「マヌケな性格は相変わらずねー。」
「プリムだってその口の利き方、相変わらずだね。」
「余計なお世話よ。」
そして再びプリムは星空を見上げる。次第にその表情も淋しげになっていた。
「淋しいの? ディラックさんがいなくなって…」
プリムはうつむいた。
「もう一年経ってるのにさ、いい加減に立ち直らなきゃね…。」
「でも、その気持ち、分からないわけじゃないけどね。だって、危険の身を顧みずにあの人を追いかけてたキミだもん。それに、パメラさんが妬いちゃうくらいだもんね。」
ランディもうつむき始めた。
「だから、ごめん…」
「え?」
「元々、キミが旅に出たのも、ディラックさんを助けるためだったもんね。でも結局救い出すことはできなかった。役に立てなくて、悪いと思ってるんだ…」
プリムはランディの方を向いて、首を左右にふる。
「そんなことないよ。あれはディラックが自らの意思で決めたことなんだもん。そのおかげで私たちタナトスを倒すことができたんだよ。ある意味、世界を救ったのはディラックなのよ。もちろんチビちゃんもね…」
「そうだね…。僕にとっての勇者は、ディラックさんとポポイだよ。僕は2人の分までこの世界、この時代も生きなきゃいけないんだ。」
「私もよ。私にとっての愛しき真の勇者の恋人だもんね。私も2人の分も生きなきゃ。」
すると、ランディは微笑んでプリムの方を向いた。
「でも、うれしかったんだ。」
「?」
「マナの聖地のとき、プリム言ったよね。『あなたに会えてよかった』って。うれしかったんだ、その言葉。プリムって優しい人だったんだなって。」
「ランディ…。」
「それ以前にも、ゴブリンたちの釜茹での中から救ってくれた。あのとき、キミが助けにきてくれなかったらと思うと、ぞっとするよ…。」
そして、ランディはプリムの方を向いた。
「そして、ディラックさんから『プリムのことよろしく頼んだよ』って言われてた。彼が、僕とプリムと一緒に居たのを見て確信したんだと思う。『自分がいなくても、ランディ君なら安心できる。プリムといい友達になれる』って…。」
「……。」
「きっと、キミの優しさもディラックさんの影響なんだなって思ったんだ。だから、僕は感謝してるんだ。キミとディラックさんに…」
「ランディ…。」
「改めて御礼を言わせてもらうよ。ありがとう。」
ランディはぺこりと頭を下げた…。お礼を言われたプリムはうれしかった。その瞬間、胸の高鳴りが込みあがってくる。ドキドキが止まらない…。
(や、やだ。私…、なに考えてるんだろ…? うれしいことはうれしいけど。なんか、違う…)
「そ、それはお互い様よ。ランディだって、ウェアウルフに襲われてたとき、助けてくれてうれしかったよ。あのときのあなた、ナイトって感じがしたよ。
それに今だって、かっこいいし、体付きもよくなってきたし…」
プリムは唇をかみしめた。
(わ、私、まるで、ランディを意識してるみたい…)
プリムの顔が真っ赤になった。
そしてランディは頭を下げたまま口を開いた。
「そういわれるとうれしいよ。プリムだっておとなしくなったね。すごく綺麗だし、色っぽいし…」
「そ、そんなこと言われたら、私…」
「僕、好きだよ。今のプリムが…」
「え!?」
プリムのトキメキが最高潮に達した。顔から湯気が出てきた。しかし少々困惑気味になった。
「そ、そんな、ランディ…」
「僕のこと、嫌いなの…?」
ランディは顔を上げてプリムに言う。
「ち、違うわよ! 私も今のランディのこと好きなんだよ!!」
相手の気分を損なわないように大声で言った。
(い、いっちゃった…。どうしよう???)
引きつった表情になったプリム。そしてランディも真剣な表情のまま顔が赤くなり、鼓動が止まらなくなった。
「ありがとう…、プリム!」
ランディはプリムを抱きしめた。身動きが出来ないほど強く抱きしめた。
そして彼女の耳元でつぶやく。
「プリム…、きたい…」
「え? 何?」
聞き返そうとするまもなく、ランディはプリムの身体を押し倒した。
「ちょ、ちょっと! んん…!!」
ランディはプリムに熱くキスをした。
「んん…!!んんっ!!」
プリムは抵抗することもなく、ランディの方をつかみ、目を閉じてキスの感触につかしていた。
「ん…んん…!!」
ランディの手が次第にプリムの胸に触れ、大きく撫で回した。見た目より意外と大きいプリムの
胸の膨らみをゆっくりと揉んだあと、その先端の乳頭をつまんでキュッとひねった。
「ん…、んん…」
プリムの全身に甘い痺れが走った。そしてそれは、さらにもまれることで感覚が増していく。
そしてプリムのトップスを降ろし、あらわになった乳頭を指でこねくりまわし、さらに激しく撫で回した。
「んんっ! んっ!」
大きくなる甘ったるい声。プリムの手がランディの手をつかみ、もっとしてほしいと言う様に、力を入れ、
揉み上げることに協力していた。
ようやく唇が離れると、ランディはプリムの胸に顔をうずくませた。
「や、やめて…」
ランディは一旦顔を離すと、プリムを見つめた。思わず彼女は目をそらす。
「は、恥ずかしいよ…」
再びランディはプリムの胸に顔をうずめた。胸の膨らみを大きく甘く噛み、もう片方の胸を激しく揉みしだいた。
プリムの甘い吐息が一段と大きくなっていく。そして、ランディは乳頭を口に含んだ。
「ああっ!!」
びくんとプリムの体が痙攣を起こした。同時に全身に甘い痺れが支配する。プリムはその感触を求めるように、
胸にうずくまるランディの頭を抱きしめ。力を入れた。もっとしてほしい…。
プリムの胸を貪りつつ、ランディの手はプリムのズボンをつかみ、一気にそれを降ろした。
あらわになった彼女の美しいお腹と腿の下の股の間に、彼の手が入り込んだ。
「ひゃあ…、あっ…、い…ぅ…ああ…、あああ…!!」
花弁の中の芽をこねくりまわされ、全身に快感の波が彼女の思考を奪った。
そしてランディの顔が花弁へと向かい、そこに顔をうずくませた。
「はあ…、はあ…いや…、ランディ、やめて!!」
彼は彼女の花弁の中を嘗め回した。
「いや! ああん!!」
という甘い声が響き渡った。花弁の中を舐められる快感とその中の芽を噛まれた
快感がさらにプリムを支配する。次第にプリムのこの快感に物足りなさを感じるようになり、貫くような刺激を求めるようになった。
「おね・・・がい…、してぇ…!!」
そういうと、ランディはプリムの股から顔を離し、彼女の身体を覆い被せた。
そして、自分の肉棒をプリムの腔内に潜入させた。
「くっ…、ああっ!」
腔内に異物が押し込まれた感触が激しく襲い掛かり、痛みが生じた。
「ごめん…! 大丈夫…!?」
「大丈夫…、はやく…して…!!」
ランディはゆっくりと腰を動かし、肉棒の挿入を繰り返した。挿入されるたびに、奥へと肉棒が押し込まれる。
「ああ…、あーん…、ああん…」
ゆっくりな挿入の快感が大きくなっていく。甘い声も大きくなっていく。
「ああ…、気持ちいいよ…、プリム…」
挿入を繰り返しながら、ランディはプリムにキスをした。上も下もふさがれて
ランディに身をまかせていた。彼を抱きしめ、挿入の快感を求めるように強く抱きしめる。
プリムの中に彼の無限につながっている感覚に陥っていた。さらに深いところにランディの肉棒が押し出される。
「う…ああっ!」
ランディが唇を離すと、彼女を抱きかかえたまま、反り返らせた。ランディの体が仰向けになり、プリムが上に乗る形となった。
両者両手をつないだまま。腰を上下に動かした。プリムの腔内の肉棒がさらに突き上げられ中へと侵入していく。
「いっ…あああ…」
声にならないほど突き上げられた快感が襲い掛かる。ランディがプリムの下で腰を動かされるたび、プリムが腰を動かすたびに
快感の波が全身を走らせる。両者汗まみれになり、若草のような臭気が漂った。
「あ! …あぁっ、あぅんっ あ…っ!!」
2人は腰の動きに合わせていた。両手でつながれたまま力を入れて挿入しあう。
体が熱くなり、内側から火あぶる。ふとプリムが水面を見ると、ランディに身をあずけ、快感の虜になっている自分の姿が移っていた。
心に眠ったもう一人自分が、本性をあらわにして、水面に写していたように思えた。
そして、つながったまま、プリムを押し倒した。
「あ…、あううう…ん…」
「はあ・・・、はあ…はあっ…」
力を振り絞って、ランディはプリムを突き上げた。その挿入スピードも激しく、その衝動も早くなっていった。
プリムの頭が、真っ白になっていく…。
「…っ、…くっ、くはあああー…、ああああ!! あああああーーーーーーー!!」
「…くっ、はあ…、プリ…ム…、プリム…! プリム!! ああああああーーーー!! …くっ、ああっ!!」
ついに、射精のときがきてしまった。
ランディが腰を強く押し付けると、プリムの腔内に擦られた肉棒から白い命のしずくがはじけとんだ。
どく、どく、どく…とプリムの中でランディの熱いしずくが波のように広がっていった。
「ああん…、熱い…、あ…あ…」
プリムの腔内はランディの熱いしずくに満たされていった。そして彼のものが離れていくと白い命のしずくは勢いよくプリムの腔内からこぼれ出て行く…。
wktk
ランディは顔をプリムの胸にうずくませながら息を切らしていた。そしてプリムは絶頂に達し、
意識を失った状態で倒れこんでいた。そして数分後、プリムが目を覚ました。
「大丈夫?」
「うん…。」
プリムは目を開けると、ランディの方を向いて笑顔を見せた。
「ありがとう。楽しかったわ。」
「そう。よかった。」
ランディも笑顔を浮かべて、こくりとうなずいた。
「今度、プリムの家に遊びにいくよ。そのときは、またしようね…。」
「うん、いいよ。」
そして2人は服を着た後、再び抱きしめあった。ランディを脇の下から包み込み、そしてプリムを
右手をプリムの背中に触れ、左手を彼女のお尻に触れた。
「それじゃ、またね…。」
「おやすみ…。」
2人はゆっくりと瞳を閉じ、口を近づける…。そしてゆっくりと唇同士が重なり合い、
おやすみのキスを交わした。月明かに照らされた水の神殿は、2人の少年少女の初恋芽生えで一日の
終わりを告げた…。
了
星のプリムたんシリーズ 完
乙です
GJ!
エスカデ女主を希望
こんな感じか?↓
エスカデ(じ〜)
女主「!?」
エスカデ(じぃ〜)
女主「イヤーッ、そのスパッツのモッコリがイヤーッ!!」
エスカデ「天使だ、君は!!」
(投げキス)
女主「ギャーッ!!」
(必死に回避)
女主「あ…、危ねえ…。アンタヤバイもん飛ばすんじゃないわよ!なんか死ぬ気で避けちゃったじゃないの!」
エスカデ「そ…、そこまで嫌わなくても…。」
保持
LOMはラルク×女主人公が獣姦ぽくて(・∀・)イイ
デュラン×リース希望
保守
334 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 22:24:42 ID:Fr6Vmgem
ケヴィン×シャルロット希望
アンジェラ×デュラン
アンジェラ×ケウ゛ィン
アンジェラ×ホークアイ
保守
339 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/05(土) 09:01:00 ID:z/fm1BdK
ほしゅ
340 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/09(水) 00:17:18 ID:pi36ondY
エルディ×リチア
ついでに保守あげ
プリム×ランディあげ
342 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 20:50:04 ID:wb8U6L7G
聖剣3をどうぞよろしく
砂漠のサンドシップで捕えられた時、プリムがモリエールに「肩でも揉んでもらうかな」と
連れてかれたのは、ベッドで可愛がってやるよと言う意味だと思うのです。
男の子ランディとポポイは肉体労働させるしかないですが
女の子プリムには17歳の若い生膣にたいへん価値があるわけですから。
17歳の生膣。うーんいやらしいですね。
ランディがセルゲイに掘られたのは確定として
ポポイはどこの部屋にいたんだっけ?牢屋だったかな
>>343 まープリムならあんなボンクラ全治2月ぐらいにボコすと思うが。
プリム「アンタなんか足で十分よ」
モリエール「ふああぁふあぁっ」
↓
機能不全に
モリエール「おい、肩を揉めよ!」
プリム「ぜったいヤダ!近寄んないで!」
モリエール「まてよ、こいつ」
プリム「触らないでよ!やだっ!」
モリエール「おとなしくしろよ」
プリム「や、どこ触ってるの!?」
モリエール「へんな服だな、脱がせにくいな」
プリム「ふん、どうせ女の子のこと知らないんでしょ」
モリエール「ええと、こうかな」
プリム「へたくそ!」
モリエール「ほら、どうだ」
プリム「離してよ、やだ!・・・・あん!」
モリエール「あ、へー・・お嬢様だなんて言ってたけど」
プリム「あんん・・・やだ言わないでんっうう・・」
2時間後
プリム「へー。共和国の指揮官なんだ。あたしと同じくらいなのに凄いね」
モリエール「そんなことないよ、パパが提督で七光みたいなもんさ」
プリム「すごい、立派な家なんだね。ふーんどうしよっかな」
モリエール「なんだい?」
プリム「なんでもないよ。・・・ふふ、キミ、結構遊んでるでしょ」
その頃ランディは終わりのない強制労働に倒れたため廃棄され
食糧を喰い尽したポポイはメタボになり皆に吊るしあげられていたのであった。
完
よせよう