卓上ゲームエロパロ総合スレ25

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1名無しさん@ピンキー
前スレ
卓上ゲームエロパロ総合スレ24
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卓上ゲーム板
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卓上ゲーム板作品スレ その2
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/cgame/1204870381/
2名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 11:34:39 ID:TpzGbhvj
1乙。
地鎮祭に期待だ。
3名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 13:13:16 ID:/icXeAIG
1乙ー。
地下的にはエグゾダスに期待かのう
4名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 13:23:00 ID:248e/1w8
1乙
5名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 14:47:25 ID:Du4I079r
あ、1乙。

んでうっかり前スレに書き込んじまったんで改めて…

>前スレ439
俺の脳裏には
セクハラに耐えかねて逃げ出す→連日かくまってくれるシャルに、気づいたらラヴ→へっぽこ指揮官頭脳を駆使して落としにかかるもへっぽこゆえに逆に落とされる
 →以蔵&勇、それを覗いてシコシコ(オチ)
の方が浮かんだが文章にはならなかった。


>前スレ457
ぐっじょぶー!!
次はレンちゃん、レンちゃん!!
……ああ、でも世界の壁を越えたWヒロイン合流も捨てがたいw
6マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 17:39:56 ID:wJw6fvJR
いきなりですが、六時半前頃から魔王少女の爆撃舞踏曲のエピローグを投下してもよろしいでしょうか?
7名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 17:46:35 ID:/icXeAIG
>>6
駄目という奴の気が知れない。
8名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 17:53:00 ID:kHKZpaEi
>>7
ですよねー。というわけでどうぞどうぞ。
9名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 17:59:16 ID:2w/+TrCO
>>6
もっと早くても…いいんだぜ?(親指を立てる)
10名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:16:07 ID:HcAs8xi/
投下前に1乙と言っておこう!
このスレでもみんなよろしく!
11名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:19:34 ID:248e/1w8
待ちな>>6、お前の投下より俺がGJ!する方が確実に速いぜ?
12魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:27:59 ID:wJw6fvJR
そろそろ投下開始します。
注意事項。
■■ゼロットさんのカリスマ度が高いです。
柊はどこまでも柊。
魔王様たちはこれからも出番あります。

そして、次回ヒロインはレン決定。

投下開始です!
13魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:28:40 ID:wJw6fvJR


 祝福せよ。
 祝いたまえ。
 ダンスを踊ろう。
 歌を紡ぎ上げよう。
 音楽を奏でよう。

 今日は良き日なのだから。




 消える世界。
 撃ち放たれた制限解除の虚無の世界は数百メートルの巨獣すらも喰らい尽くす巨大な顎となり、呑み込んだ。
 消えよ、汚らわしい。
 果てよ、世界の終わりまで。
 詠唱に編みこんだ抹消の意思、術式に組み込んだ崩壊の理。
 それは巨大なる冥魔だけには留まらず、加速度的に月匣の全てに侵食した。
 消えよ、果てよ、滅せよ。
 世界が罅割れる。
 蜘蛛の巣のような亀裂が月匣中に走り、紅い夜空が砕け散る、大地が崩壊し、大気が粉砕されていく。
 まるでガラス細工のようだった。
 魔王の一振り、叩き込まれた鉄槌に呆気なく砕け散る玩具のように。

 この日、一つの世界が終わりを告げた。
14魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:29:39 ID:wJw6fvJR
 
 いつの間にか空を見上げていた。
 空に浮かぶのは蒼い透き通るような蒼穹の空。
 雲は白く、太陽は輝き、淡い日光が差し込む青天だった。

「……終わったのか?」

 崩壊した世界から降り立った柊がそう呟いていた。

「そのようだな」

 その横に立つ同じく月匣から解放された勇士郎が周囲を見渡して、告げた。
 異空間特有の違和感は無い。
 感覚を研ぎ澄ませても襲い掛かってくるような気配もない。
 一安心といったところだろうか。

「柊。その子は?」

 勇士郎の言葉に、柊は抱きとめていた少女のことを思い出した。

「コイツも無事みてえだ」

 その手には救い出した少女の感触。
 温かい肉の触感があり、魔王であるが体温を感じられるので生きているのだろう。
 よかったと思う。
 いずれ討たねばならぬ敵の一人だとしても、苦しみ、助けを求めている誰かを見過ごすなんてのは後味が悪すぎるのだから……

「そういえば、ベルの奴は……」

 姿の見えない少女を探して、柊が周囲を見渡そうとした瞬間だった。
 ゲシリ。
 上を向いた柊の顔面に小さな靴底がめり込んだ。

「てぇー!?」

「ここよ」

 片手で顔を押さえつつ、呻く柊。
 それをふわりと体重を感じさせない着地で降り立った魔王――ベルが冷ややかな目線と言葉で侮蔑した。

「貴方如きが私の心配するなんて100億年早いんじゃなくて?」

「いてて。一々蹴る必要はねえだろうが」

 靴底の残った顔を摩りながら、柊がぼやく。
 それに嗜虐の喜びを湛えた瞳を浮かべて、ベルが唇のみで笑う。

「あら、ごめんなさい。偶々降り立った先に貴方の顔があったのよ。不可抗力だわ」

「ぜってえ嘘だ……ていうか、お前空飛べるだろ」

 そんな会話をこなす柊とベル。
 本来ならばそんな会話をこなすどころか殺し合う宿命にあるだろうウィザードと大魔王のどこかくすぐったい会話を、他人事のように勇士郎は聞きながら、肩を竦めた。

「それでどうするんだ?」

 放っておけばいつまでも口喧嘩を続けそうな二人に、勇士郎は静かに呟いた。
15魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:30:53 ID:wJw6fvJR
 
「あ? どうするって……」

「そうね。冥魔は斃したし、貴方達との休戦を続ける必要もないわね」

 勇士郎の言葉に、ベルはぞくりと背筋が凍りつくような笑みを浮かべた。
 魔王としての殺意。
 月匣は既に解除され、本体からの力の供給も可能。
 消耗した柊と勇士郎の二人ならば、今からでも十二分に潰すことは可能だろう。
 侵魔たちを散々苦しめた怨敵の二人。
 それを討ち取ればどれほどベール・ゼファーの名誉が、裏界における発言力が増すか計り知れない。
 絶好のターゲットとも言えた。
 そんなベルの意思を感じ取ったのだろう、勇士郎が即座にエクスカリバーを構える。
 そして、柊は――魔剣を構えることすらしなかった。

「ちょっとまて」

「なに? 今更命乞いかしら?」

「ちげーよ」

 柊はスタスタと無造作にベルに歩み寄ると、抱き抱えていた魔王を彼女に手渡した。

「え?」

「折角助けたんだ。こいつを裏界に送り返してやれ」

 自然に、そう告げる柊。

「そうしたら後は幾らでも付き合ってやるよ」

 魔王の必殺の間合いに居ながら、柊は怯えもしない。
 自分が殺されないと自惚れている? 否、それほど彼は強くない。
 ただ己が信じるままに行動し、その後の責任と結果を覚悟しながらも動いている――愚か者。

「しょうがないわね……」

 そんな柊の態度にどこか毒抜けたかのようにベルは呟くと、魔力を集めて、抱えた魔王に魔力で編み上げた服を着せた。
 いつまでも裸身だと哀れだと思ったのか、それとも誰かにその裸を見せ付けて居たくなかったのか。
 それは分からない。
 ただベルから発せられていた殺気が霧散化していた。

「一つ貸しでいいかしら?」

 魔王を助けることか。
 それともこの場で戦わぬことを指してか。
 どちらにしてもベルは不敵な笑みを浮かべて、楽しげな表情を取り繕う。

「それでいいぜ」

 別にどうでもいい、そう告げるかのように柊は肩を竦めると、勇士郎に目を向けた。

「ああ」

 彼もまた頷く。
 やっかいそうなことになる予感がしたが、しょうがないと諦めた。
16魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:32:03 ID:wJw6fvJR
 
「ふふふ。それじゃあしっかりと憶えておきなさいよ」

 ベルは不敵に微笑むと、抱えていた魔王の少女を掴む手とは違う手を唇に当て、チュッと湿った音を立てて投げキスをした。
 それに嫌そうな顔を浮かべる勇士郎、からかってるのか? と首を傾げる柊。

「それじゃあまた逢いましょう、愛しく憎いウィザードたち」

 蠱惑的な声。
 蕩けるような美貌。
 あまなく全てが平伏すかのような麗しき蝿の女王の祝福。


「私に殺されるまで死ぬことは許さないんだから」


 そうして魔王ベール・ゼファーは掻き消えた。

 あっさりと。

 未練すらも残さずに、消え去った。

 そして、一時間後、柊たちからの連絡で駆けつけたロンギヌスたちが訪れるまで、街を静寂が満たし続けた。

 例え元凶が消え去ったとしても失った者は帰ってこない。

 喰われた住人達は戻ってこないのだから……







 息を飲むほどの美しさ。
 透けて通るかのような白磁の肌、白銀を紡ぎ上げたかのような銀髪の少女。
 守護者、アンゼロット。
 彼女は優雅に紅茶を啜りながら、事態の経過を終えた。

「そうですか……ベール・ゼファー。彼女が関わっていたとは正直予想外でしたが、上手く行ったようですね」

 数週間前のことである。
 ある冥魔に絡んだ事件においてアンゼロットはまんまとベール・ゼファーを釣り上げたのだが、またしても絡んでくるとは嬉しい誤算だった。
 これで確定された。

 ――裏界の住人もまた冥魔を敵として見なしていると。

「三つ巴の戦いになりそうですね」

 はぁとため息を吐く。
 彼女の気苦労は終わりそうにない。
 これでは前のようにネットゲームに勤しめる日々になるのはいつになることやら。

「中々楽にはなれそうにありません」

 そう彼女がぼやいた時だった。
 コツリと音を立てて、一人の仮面を付けた青年――ロンギヌス・コイズミが現れた。
17名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 18:36:37 ID:iMXTWoPo
ここって連投規制あるの?
18魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:38:13 ID:wJw6fvJR
 
「アンゼロット様。客人です」

 そう告げるコイズミの声はどことなく緊張を孕んでいた。
 かつてないほどの緊張を帯びている。
 蒼き惑星の守護者に仕え続ける彼がこれほどまでに緊張することがらとは何か。

 それは彼の背後からゆっくりと現れた褐色の肌の麗しき少女の存在に他ならない。

「ようこそ、我がアンゼロット宮殿へ」

 アンゼロットが立ち上がる。
 優雅な一礼を持って、彼女は自らのテーブルに座る席を勧めた。


「我が招待を請けてくださって感謝しますわ、“輝ける黄金”」

 それはまるで太陽のような少女だった。
 燃え盛る陽光の煌めきに輝く黄金のような髪、その身に内包した力の灼熱を彩るかのような褐色の肌、見つめたものに活気を、欲情すらも通り越した感情を湧き上がらせるほどの美貌。
 蒼く煌めく真夏の空の下を歩くかのような美しい純白のワンピースで精密なる人形の如き調えられた造形の肢体を包んだ美少女。
 輝ける黄金。
 それが少女の称号であり、呼び名であり、その存在の証明。

「ありがとうございますわ、“真昼の月“」

 ハープを奏でるかのような透き通った声。
 その声にアンゼロットの周囲で待機するロンギヌスたちの数名が一瞬心蕩かされたかのように膝を崩し、慌てて周囲にいる同僚に支えられた。

「あら?」

 その醜態に真昼の月と呼ばれたアンゼロットが少しだけ眉を歪めて、告げる。

「困りますわね、輝ける黄金。私のロンギヌスたちには少し刺激が強すぎるようで」

「そのようですわね。失礼しましたわ」

 にっこりと笑みを浮かべる少女。
 太陽の如き優しさと慈悲を讃えた笑み。
 それを見て揺さぶられぬものなどいるまい。
19魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:38:55 ID:wJw6fvJR

「まったくしっかりなさい」

 ふぅっとため息を吐き出すアンゼロット。
 その悩ましい顔つきすらも麗しく、十六夜の夜に朧に輝く月光のような儚さを持ち合わせた芸術品と呼ぶべき表情。
 幸福なる仕打ち。
 待機するロンギヌスたちは密かにプラーナを解放し、仮面の奥で魅了されかねない二人の少女の顔から目線を逸らすことでしか耐えうる手段はなかった。

「コイズミ、OO。紅茶の手配を。それと最上級の茶菓子を持ってきなさい」

 ベルを鳴らすと、唯一正気を保ち続ける二人の仮面の男がアンゼロットの指示に従い、立ち去った。
 そして、輝ける黄金と言われた少女はどこまでも優雅に椅子に腰掛ける。

「それでは始めましょうか」

「ええ」

 二人の少女の笑み。
 誰が知ろうか。
 その二人が同一なる存在だということを。

「ファー・ジ・アース」

「ガイア」


『私たちの世界を語り合いましょう』


 真昼の月――アンゼロット。
 輝ける黄金――アンゼロット。
 二人の守護者の会談。

 それの意味するものとは何か。

 それはまだ誰も知らない。

20魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:40:07 ID:wJw6fvJR
 
 それは永遠に続く月夜。
 紅い月の世界。
 永久なる孤独を約束された時の牢獄。
 裏界/ファーサイド。
 その一つ、巨大なる古城の中に舞い戻る影があった。

「リオン――戻ったわよ」

 一人の少女を抱えた蝿の女王。
 それに答えるのは一人の黒髪を足まで伸ばした少女――秘密侯爵リオン・グンタ。
 高位の爵位持ちである魔王の一人。

「お帰りなさい、ベル」

 死蝋めいた病的なまでの白い肌。
 その中で確かな親しみを感じられる笑みを浮かべて、リオンは微笑んだ。

「そちらは?」

「マヌケな馬鹿よ。まったく手間をかけさせて」

 そう告げると、ベルはまるでゴミでも扱うように投げ捨てて――その床に開いた魔法陣から少女の姿が消失する。
 転移魔法。
 ベルに付き従う――あるいはその強大なる力に怯えて崇拝するものは多い。
 それらの元に送り、伝言のように思念メールで治療を命じた。
 適当に時間を掛ければいずれ復活するだろう。
 侵魔から昇格した魔王とはいえ、地獄たる裏界から這い上がったもの。
 この程度で心折れるようでは使い物にならない。

「リオン。貴方が言っていた楽しいことってあの二人のことかしら?」

 あの町に降り立つまえ、リオンが警告したのだ。


「ベル。貴方にとって楽しい出来事になるでしょう」 と。


「嘘吐きね。私は楽しくなんかなかったわ」

「あら? そうなのですか」

 意外そうな口調に対して、リオンの表情は楽しげだ。
 ぶぅーと子供のように頬を膨らませたベルの態度が可愛らしくてたまらなかった。

「ただ面倒だっただけよ。またあの男に邪魔されて……」

 あの男。
 ――柊 蓮司。
 有史上もっとも強大なる魔王たちを屠り続ける男。
 本人に自覚はなし、されど裏界の侵魔たちが注目する神殺し。
 黄金の魔王ルーサイファーをも退け、皇帝シャイマールの復活を食い止めた戦士。
 魔剣以外にはなんら特別な素養も経歴も持たないというのに、救い続けるイレギュラー。
 リオンは知っている。
 ベール・ゼファーがそんな彼を気に入っていると。
 こっそりとベットの下に隠している柊 蓮司人形の存在まで秘密侯爵は知っていたが、あえて言わない。
 だって聞かれないから。
 ついでに面白いから。
21魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:41:44 ID:wJw6fvJR

「まあいいわ。貸しを作ってやったから、あとはどれだけ高く払わせようかしら」

 どこか楽しげな表情――本人に自覚はないだろう。

「楽しみにしてますよ、ベル」

 リオンは微笑む。
 その笑顔の下に全てを隠して。


「さあ次のゲームを考えましょう」


 今日も魔王たちは悪巧みをする。

 美しい蒼の惑星を手に入れるためのゲームを考える。





魔王少女の爆撃舞踏曲 END

22マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/13(月) 18:51:46 ID:wJw6fvJR
投下終了です。
長々と続いた魔王少女の爆撃舞踏曲もこれにて終了。
次回は(あるとしたらだよ!) 勇者少女の連携狂騒曲(仮)などになる予定です。
ベルらしさや、勇士郎らしさが出てればよかったのですが、まだまだ未熟さたっぷりな内容でした。
読んでくださった方、感想をくれた方、支援してくださった方、全てに感謝です。
出来ればもっとエロなどをいれたかったのですが、どう頭を捻ってもベル様エロスが思いつかない俺の馬鹿。
ごめんよ、名無しの魔王少女ちゃん。
前回よりもエロパロらしくなったかな? と個人的には満足しています。
次回は本格的なエロスを!(そういって何回失敗したんだ)


それと次回作ですが、圧倒的なまでにレン希望が多かったのでレンで行きます。
個人的にはブルースフィアで宮沢パパの圧倒的な剣戟バトルなどを書きたかったのですが(ヒロイン? あんな錆びたシャードもちなんて(トール=神ダメージ))
それにしてもレン大人気ですね
さすが巨乳、さすがマイヒロイン(レンスキー)、だからあえて言おう脱がすと!
次回作ではレンのエロスを入れる予定です。
それとさりげなく希望があったノーチェなども一応出演予定です。
色々とありがとうございました。

他にも希望があったら、感想にちょこっと付け加えてくださると出来るだけ頑張りますのでお願いします。
それでは!
23名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 19:24:47 ID:h3hHYGda
レン期待!
待ってる!
24名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 21:12:20 ID:tJLrFgoK
>マッドマンさま。
完結ご苦労様です ! なんか、ベル様よりもアンゼのほうが企んでそうでステキなんですが(笑)。
でもでも、魔王らしい魔王のベル様カッコいいんですけどー !?
ゲーム大好き残虐っ娘って感じで、なんというかもう大好物です !!
次回も、期待させてください。ってゆーか、私的には錆びシャード娘さん希望なんですがー !?
だけどレンのSSも読みたいんですが、いったいどうすればいいんでしょうか(笑)。
とにもかくにもお疲れ様でした !
で。
直後に唐突なんですが、ようやく「エリ夢」最終回お届けできます。
長い物語の、結構ながい最終回です。
連投規制が入りそうなんで、途中時間空けて投下したいんですけど、差し支えなければ十時ごろ
から投下したいなー、と。
どうでしょう ?
25名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 21:21:22 ID:wJw6fvJR
全力でOK!
ちなみにここだと連投規制はないからいつでも平気のはずですよ?
26名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 21:51:22 ID:PC0dSb1o
>マッドマンさま
完結おめでとうございます。戦闘描写といいかっこよくて最高でした。
しかしベル様、柊人形なんていつ作ったんですか?
それともアレですか、秋葉原かアンゼロット城あたりで下がる男人形として
売られていたりするんですか?部下魔王(仮)の詳細なプロフィールもちょっと
気になりますね。ていうか柊、またフラグ(しかも魔王)立ててるんじゃねぇ
つーの(もてない男のひがみ)。まぁ、柊だからまだ許せるけど(どっちだよ)。
次はレンちゃんっすか。マッドマンさんは題名もかっこいいので期待してます。
あとノーチェ。クロススレで一気に好きになりましたので楽しみにしています。
27名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:00:55 ID:v6l52Sj7
>柊人形
ファンブックの2巻にそういう絵がある。
ちなみにベルが遊び相手として柊を気に入ってるということもわかる。
28名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:24:23 ID:3Z75+5yK
>25さま
 あ、連投規制ありませんか ? では、こころおきなく(笑)。
 以下、投下でございます。
29エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:27:26 ID:3Z75+5yK
 眩暈がする。
 眼前の信じ難い光景に、まるで悪酔いしたように頭痛と吐き気が同時に襲い掛かってくる。
 夢。
 これは悪い夢ではないだろうか。
 柊先輩がお腹から血をたくさん流して、なんとか自分の足でようやく立っている。
 血の気を失った顔は青色を通り越して紙のように白く。流れ落ちる血の赤だけが、ひどく目に鮮やかで。
 不思議と、それ以外の背景がどんな色彩に彩られていたのか ――― 後に思い出してみようと頑張ってみたの
だが、そのときのエリスは淡い色彩のモノクロームで塗りつぶされた光景しか憶えていなかった。
 漂い始めた血の臭いが次第に強くなる。ますます吐き気が強くなる。
 かたかたと硬い音がするのは、噛みあわなくなったエリスの上下の歯がお互いに軋り合って立てる音だ。
 傷ついて、不規則に乱れた呼吸を懸命に整えようとする柊。
 彼の名を呼びつつ、駆け寄って肩を貸す。エリスは、そこまでのことをようやくし終えただけなのに、それからどう
したらいいのか、なにを言ったらいいのか、まるっきりわからなくなってしまった。
 風雨にさらされて頼りなくわななく木の葉のように。なにもできずに、ただ小刻みに身体を震わせるだけ。
 エリスは、ただ呆けたように柊の顔を見つめるだけしかできないでいた。
 凍ったような冷たい汗が、たらたらと柊の額から滴っている。ふいごのように熱く吐き出される呼吸が、ひどく苦し
げであった。次第に失われていく血色の悪さが、まるで人が存命するための温かみからかけ離れていくようで。
 そんな中 ―――
 決して希望の輝きを失わない双眸だけが、ひどく綺麗に見えた ―――

 そのことだけは、エリスはよく憶えていたのだった。



「おい、くれは………ちょっと離れてろ。いや………ちょっとじゃねえな………エリス連れて、向こうのほうまで離
れてろ」
 意外とはっきりとした口調の柊の声が、耳に痛いほど良く届いた。
 それがあまりに普段と変わらぬ物言いであったのも、エリスに現状を夢だと錯覚させた原因であったかもしれな
い。その声からワンテンポ遅れて柊の顔を見上げたエリスの動きは、壊れた操り人形のように、どこかぎくしゃくと
していた。
 いま、柊先輩はなんて言ったの、と。柊先輩がなにかおかしなことを言っている、と。
 極度の混乱と緊張に見舞われたせいであろう。いま、この場における現実感を喪失しているのはエリスだけで
はなく、向かい側で柊に肩を貸すくれはすら、石化したように固まっていた。
 とはいえ、それはわずか数瞬のことで。彼女が混乱から回復したのが、意外と早かったのは流石といえば流石
であった。
「………な、なに言ってんの、ひーらぎ………わ、私だって戦うよ………」
 くれはの声に、いつものような闊達さがない。唇が震え、たったそれだけのことを搾り出すように言い終えた彼女
が、なんだか迷子になって路地裏で泣いている小さな女の子のように見える ――― エリスは、こんなときだとい
うのに、そんなことをぼんやりと考えていた。
 たぶん ―――
 くれはとエリスが考えていることは同じである。
 柊が、自分たちを置いてどこかへ行ってしまう。遠くへと行ってしまう。自分たちの助けも届かない、声すらも通じ
ない、どこかひどく遠い場所へ行ってしまう。残されたものたちのことなどお構いなし。任務だなんだといって、ふら
り、と居なくなるいつものあのやり方で、柊はきっとどこか遠い場所へ自分たちを残して行ってしまう。
 だから、くれはの顔は泣いている迷子のようなのだ。大切な人とはぐれて、淋しい路地裏で泣いている子供のよ
うに見えたのだ。たぶん ――― きっとエリスも同じ顔をしていたに違いなかった。
 遠い、別離の予感。
 それは異様に現実感のある、悪い予感だ。
 だけど、柊は言う。あの、無条件に人を安心させる明るい口調で言ってのける。
「おう………はなっから俺はそのつもりだぜ………この際、助っ人の選り好みはしねえ」
 こんな風に、いつもの、幼馴染み同士のやり取りを平然として見せるのだ。
30エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:28:08 ID:3Z75+5yK
 ぐすっ、と鼻を鳴らしながら、
「ば、ばか。そんなこと言うと助けてやんないからね、ひーらぎ」
 くれはが泣き笑いの表情をして言う。二人のやり取りを見ながら、エリスは思う。
 柊先輩がこんなだから、私は『先輩なら大丈夫』って安心しちゃう。柊先輩に騙されちゃう。
 本当は大丈夫だったことなんて、きっと一度たりともあったことはなかったはずなんだ。
 いつだって、先輩の戦いは世界を救う戦いだった。そんな戦いに赴くことが、大丈夫なんて笑って言える戦いで
あるわけがないんだ。こうやって、いつも先輩はくれはさんを安心させてきたんだな、と。そうしておいて、いつも無
茶なことばかりやってきたんだな、と。彼が負傷した現実を目の当たりにして、エリスはいま初めてそのことに気が
ついた。
 でも、きっとくれはさんは気がついている ――― エリスはそうも思う。
 柊先輩の言葉を無条件に妄信などしていない。大丈夫だ、という先輩の言葉の裏にあるものを、本当は気がつ
いていながら知らないふりをしている。知らないふりをすることができる。あの涙声がその証拠じゃないか、とそう
思うのだ。
 すごく危険で、命の保障もできないような戦場へ柊先輩を送り出していくとき。
 はわわ、と笑っている顔の裏に、いつもどんな想いを隠しているのか。それを、今日このとき、エリスは気づかさ
れたといっていい。
 限りなく優しい嘘をつく柊先輩。その嘘に騙されてあげるくれはさん。それでいて二人とも、そのことを本当は知っ
ているのだ。自分がついた嘘に、本当はくれはさんが気づいていることを、柊先輩は知っていて。くれはさんは、自
分がその嘘に乗ってあげていることに柊先輩も気づいていることを、知っている。
 改めて、そんなことを思い知らされて ――― 二人の絆の強さを理解する。
 こういうとき、くれはさんがとても羨ましい。そして、柊先輩がちょっとだけ憎らしい。
 そしてそれ以上に、こんなにも強い絆で結ばれた二人という存在がいることに、嬉しさと誇らしさを感じる。

 そう思ったとき、エリスの身体から震えが消えた。

 こんな素敵な二人がいるこの星を、やっぱり私は大好きで。二人が護ろうとしているものがとてもかけがえのな
いものなのだということを再認識する。だから、この世界を危機に陥れようとするものがいることを、この世界に滅
びをもたらそうとするものがいることを、エリスはやはり容認することはできない ――― そう思った。

「エリスちゃん !?」
「エ………エリス !? ま、てよ、なにを………」
 くれはの叫ぶ声。苦しい吐息の下から自分を呼び止める柊先輩の声。それをやけに遠くに聞いたような、そんな
気がする。顔を上げ、百もの黒い刃を振りかざす禍々しい姿をした自分自身と同じ顔の少女へと、しっかりと視線を
向けながら。エリスの身体が、ふっ、と柊から離れる。
「……… ? なによ……… ?」
 影エリスがいぶかしげに眉根を寄せて自分を見る。それもそのはずだ。取るに足らない、なんの力も持たない、
護られるだけの存在。志宝エリスというただの少女が、こともあろうに自分に向かってその頼りない一歩を踏み出
してきたのだから。
「………せません」
 エリスの囁くような声。青い前髪で顔の上面が隠れてしまうほどにうつむきながらも、確かにエリスはなにかを呟
いている。額から黒い煙を噴き上げたまま、影エリスが唇を歪めた。なにをでしゃばるのか、塵芥の分際で。そうと
でも言いたげな憎々しげな表情だった。
「………なんですって ? はっきり言いなさいよ」
 顎をしゃくりあげ、見下すように。百の刃が隣り合う同胞と重なり合い、威嚇の音を立てる。
 じゃりん。じゃりん。じゃりん、と。
 くれはが、喉の奥から短い悲鳴を漏らした。
 それは、エリスの身に降りかかるであろう災厄を予期した恐怖と絶望のためであった。
 並の人間なら、ただならぬ迫力と狂気に満ちた影エリスの威容に触れただけで命を落としかねない。致死量の
恐怖とプレッシャーを放つ妄執の怪物と化した影エリスには、ウィザードですらも退けるほどの圧迫感がある。
 睨むだけで。声をかけるだけで。殺してやろうかと念じるだけで。
 いまの影エリスは、ただの脆弱なイノセントの少女など殺すことができるだろう。
31エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:29:04 ID:3Z75+5yK
 恐怖で死ねる生き物 ――― それが人間だ。
 それなのにエリスは退かない。怯えも躊躇も微塵もない。じゃり、と一歩。とてもとても小さな一歩ではあったが、
しかし確かな一歩を踏み出した。
 ざわり。
 影エリスの首筋に、嫌な感覚が甦る。
 捕食結界内での二人きりの暗闘のとき。わずかの間とはいえ、ただの小娘に過ぎないエリスが、 “完全なる無
限循環者” たる自分に恐怖を与えたときにも感じた、あの嫌な感覚。自分の器から力を奪い去ったときと同じ、い
や、それ以上の迫力をいまのエリスが静かに湛えているのは、どういうことなのか。
 掛け値なし。本当に。これ以上なく。完全に。
 志宝エリスはただの少女である。
 自分を脅かす力は欠片も持たない、人間の ――― イノセントの ――― 小娘。
 なのに、なぜ。

「………せません………………っ、柊先輩には指一本触れさせません !!」

 エリスが堂々と顔を上げ、その瞳を見開いた。
 両手を水平に拡げ、その小さな掌は開かれて。大地をしっかり踏みしめるために、肩幅よりもわずかに開かれた
両脚が、境内の土を削り取るほどの力で華奢なエリスの身体をしっかりと支えている。
 迫り来る影と闇の象徴を真っ向から見据える、瞳の色は冴え冴えと澄み渡る湖面の青。
 震えることなく。わずかに、わななくこともなく。
 魔剣使いたる柊が、その立ち姿に一瞬放心するほどの乱れない不動の姿勢である。
 武術の心得などあろうはずもない。体捌きも、身体の真っ芯を通る正中線の使い方もしらない。
 そんなエリスが ――― 揺ぎ無い心に裏付けられたとき。
 真に護るべきもののために立ち上がるとき。
 人とは、ここまで美しく立つことができるのか、と。
 ここまで “真っ直ぐに” 立つことができるものなのか、と。
 おそらく、この場にいる誰もが驚愕したに違いないのだ。
「………な、にを………馬鹿な………」
 エリスの行為は愚かなものである。勇気ではなく、蛮勇。いや、無謀といっていい愚行であろう。
 しかし、それを嘲ろうとして ――― その言葉がついに影エリスの口からは出てこなかった。
 それほどまでに、志宝エリスは揺るがない。
 くれはの肩を借りて立つ柊蓮司と、百振りの黒刃をもって迫る影エリスのちょうど中間地点まで、エリスはやって
くる。危うく後退しそうになって、影エリスはようやくその半歩を踏み止まった。
 ぎり。
 影エリスの歯軋りが空気を震わせる。
 後退ですって !? この私がどうしてこんな無力な小娘に !?
 信じ難い屈辱が起爆剤となって、影エリスの瞳に暗い炎を灯らせた。殺す。殺してやる。ただの人間のくせにな
んて生意気な。私は完全なる者。 “おじさま” の意志を継ぐもの。柊蓮司すら恐れない。大魔王ベール=ゼファー
ですら私の力の前には膝を折った。いずれ世界を喰らいつくしてやる存在なのだ。

 影エリスは夢を見る。

 いまや放出されていく力の噴出を止める術はなく、自分が刻一刻と衰退へとの道を辿っているというのに、そん
な『現実』を忘れ去っている。いまの彼女が見ているものはただの夢。だけど、それに彼女が気づくことはなく、そ
の現実に気づかせてやれるものも、もはやどこにも存在しないのだ。
 だからこそ。
 彼女は、無意味で滑稽な殺意に身を震わせた。
 左手をかざす。黒い剣の一本、百振りの刃すべて柊蓮司に向けられていた中のただ一振りが、強大な憤怒を撒
き散らしてエリスの胸元へ狙いを定めた。
 その瞬間 ―――
32エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:29:41 ID:3Z75+5yK
「ひーらぎ、ごめんっ !!」
 柊に貸していたくれはの肩が突然振り払われた。後方に突き出すようにして柊の身体を押しのけ、くれはが全速
力で走り出す。よろめき、倒れそうになる身体をなんとか魔剣の杖で支えた柊の目に、くれはの巫女服の背中が
見えた。走る。走っていく。影エリスと対峙し、黒の刃の生贄となろうとしているエリス目指して、くれはが走る。
「くれはっ !! バカヤロウっ、戻れーーーっ !!」
 柊の声が怒号となって響き渡る。
 それから続く眼前の光景を、柊はまるで映画のフィルムのコマ送りのように見た。
 現実感のないスローモーション・ムービー。色彩を失った悪夢のような光景。

 整然と、自分の心臓を目掛けて並べられ百本の剣。
 そのうちの一本が、隊列を乱すように切っ先をわずかにずらす。
 その先端が指し示すのは、か弱く、小さな命の在り処。
 志宝エリス。 
 大切な仲間。自分を慕ってくれる可愛い後輩。かけがえのない、友人。
 その小さな、しかし眩く輝く生命の灯火へ向けて、ただ奪うだけの、ただ殺すだけのモノが差し向けられた。
 両手を大きく拡げ、戦う術も持たないのに。不覚にも傷を負い、情けない姿をさらしている自分をかばって強大な
敵の前に立ちはだかろうとする、健気な、そして勇敢な少女。
 ダメだ。手を出すな。お前の敵はここだ。
 そう叫ぼうとしたそのとき ―――
 不意にこの身体を突き飛ばしたのは他の誰でもない、赤羽くれは。
 バカヤロウ。こっちは怪我して思うように動けないってのに。エリスを護らなきゃいけないのは俺なのに。
 なんだってお前が駆けていくんだ。なんだって俺より先にお前が死地へ飛び込もうとするんだ。
 『ごめん』だって !? 誰が許してやるもんか。勝手なこと、しやがって。

 ――― わずかなその瞬間に、様々な思いが柊の胸中を飛来する。

 そして、その光景が、現実のものとなった。

 不動の姿勢で眼前の敵を見据えるエリスの元へと。
 くれはが全速力で駆けていく。
 手を伸ばし、誰よりもなによりも早くその少女を救うために。
 影エリスが左手を。掲げていた左手を垂直に振り下ろす。
 黒い剣で創られた隊列の一角が、突如として喪失した。
 闇の緞帳の一部に欠けた、寒々しい空白。
 それは、剣の一振りが射出された証拠であった。
 大気を切り裂き、剣が飛来する。くれはの、伸ばした手が奇跡的にエリスの肩に触れた。かばう。かばおうとして
エリスの身体を抱きこもうとする。しかし。剣の切っ先はくれはの右肩を。右肩の肉と、おそらくは骨までも。
 固いものが、より固いものに削られる音。それは、きっと肉を破り、骨をこそぎ落とし、それでもなお止まらぬ勢い
で。幼馴染みの肉体の一部が、黒の刃に傷つけられた音、だった。血が。血の赤が。やけに鮮やかで。

 柊の、この世でもっとも聞きたくない音がした。
 それは、くれはの苦痛の悲鳴だった。
 あんなに血が出てる。肉を割き、破り、骨まで削れて。痛くないはずがない。叫ばないはずがない。
 くれはの痛みを、柊はほとんど自分の痛みとして認識することができた。
 そして。
 悪夢はそれに止まらなかった。
 身を挺してエリスを護ろうとした、くれはの肉体という盾を傷つけてすり抜けた剣の切っ先は。
 止まらなかった。まだ、その勢いを完全に失うことなく目指す標的へと前進を続けた。
33エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:30:23 ID:3Z75+5yK
「エ ―――――― 」

 後方に、やけに綺麗な血の赤を撒き散らしながら。
 生命を屠る目的で鋭さを獲得した存在が、それの生み出された本来の目的を遂行するためだけに前進する。

「リ ―――――― 」

 触れた。エリスに “死をもたらすもの” が触れた。
 薄っぺらな制服の生地などものの役にも立たない。黒い刃が、エリスの身体に埋没する。

「ス ―――――― 」

 たっぷりと十数センチ。鳩尾の下辺り。貫通こそしなかった。だが、それがなんだというのだ。ただの少女の命を
奪うには十分すぎるほどの深手。十分以上の傷ではないか。
 剣が ――― もう自分の目的は達したといわんばかりに ――― 雲散霧消した。
 うめきを漏らし、エリスを抱きしめるくれは。
 くれはに抱かれたまま、それでも眼前の敵を注視するエリスの青い瞳が。
 ふっ、と。力を失った。
「エリス ―――――― !!」
 柊の口から漏れたのは、悔恨の叫び。
 護るべきものを護り切れなかった悔恨の叫びである。
 地面に突き立てた支えの魔剣を引き抜き、かばいあうような姿の二人の少女の元へと駆け寄る。
 腹部の傷の痛みなどもうどうでもよかった。出血の激しさなど、いつしか忘れていた。
「ご、め………ひ………らぎ………まもり、きれな、か………たよ………」
 傷の痛みに顔をしかめながら、くれはが謝る。柊と同じ悔恨の情をくれはも抱いていた。眉根を寄せ、涙を瞳に
浮かべているのは、自分の肩に受けた傷の痛みのせいなどなどでは決してなかった。
「バカヤロウ………お前こそ喋んなよ………傷に障るじゃねーか………」
 柊の口をついて出た言葉には、不思議とただ優しさと労わりだけが溢れていた。
 悔しさも、後悔も、悲しみも、激痛も、憤りも、二人の少女を見る柊の目には、これっぽっちも顕れていはいない。
 そのことが、なぜかくれはには悲しかった。柊の強さが ――― 悲しかった。
「それより、エリスは………」
 くれはの腕の中のエリスの顔を、二人揃って覗き込む。うっすらと開いた瞳が、苦しげに柊を見上げた。
「ひ………らぎ………せ………ぱい………すいませ、ん………先輩の………助けに………なれ、ば………いい
な、って………わた、し………」
「ば、ばか。エリス、喋るなって。もう、もういいから、さ」
 柊の瞳がエリスの瞳と絡み合う。そのとき、エリスは自身の傷の痛みをまるでなかったもののように、柔らかく笑
顔を浮かべてみせた。
「えへ………半分は無理でも………十っ………ううん………五本ぐらいまで………頑張ろうって………思ったの
になあ………」 
 それが ――― エリスが柊の身代わりになって引き受けようとした黒の剣の数だと知って。
「エリスちゃん………」
「エリス………………」
 二人の胸がつまった。五本どころか一本だって、まともに受けきれるようなものじゃない。それはウィザードの自
分ですら深手を負うほどの殺傷力を持つ刃なのだ。くれはの肩をクッションに、本来の勢いは殺されていたかもし
れないが、イノセントの少女が受け止めるにはあまりにも重荷。
 それでも、エリスはこの刃に立ち向かった。戦おうとした。柊を、護ろうとしたのである。
「くれは………エリスのこと………任せるぜ」
 視線を二人からすうっ、と外し。影エリスという強敵へと目をやりながら柊が言う。
 ああ。なんて温かい声だろう。くれはもエリスも、傷の痛みの中で不思議とそんなことを思った。
 くれはの胸の中から、エリスが心配そうに柊を見上げる。エリスを抱きしめながら、くれはも柊の顔を見た。
34エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:31:38 ID:3Z75+5yK
「ひーらぎ………ひーらぎの………傷は………」
 喉に詰まった声を押し出すように、ようやくそれだけをくれはが言った。傷の深さ、出血の量だけをいうならば、柊
のそれはエリスとくれはの二人分以上なのである。
「俺は………まあ、平気だ」
 平気なわけないじゃん。
 平気なわけないじゃないですか。
 ――― なんてな。
 ――― こんなときでもなかったら、くれはとエリスの両方から突っ込まれるだろうな、と。
 柊は笑みをかすかに唇の端に浮かべる。まだ何かを言いかけようとするくれはを手で制しておいて、
「それより、俺なんかよりエリスとお前だ。治癒、急いでくれよ。特にエリスは ――― 」

 ウィザードじゃない、普通の女の子なんだから、な。

「………うん。わかってる………私はまあ、かすり傷だから、舐めとけば治る………っつ、ててててっ………」
「馬鹿。治るわけあるか。自分の傷も、ちゃんと治しとけよ、くれは」
 ほろ苦く笑いながら軽口を叩く。なんだ、いつもの柊じゃない、とくれはが錯覚してしまうくらいの普通の声音で。
 本当に。本当に怖いくらい ――― いつもの柊蓮司なのである。
「柊先輩………」
 なんだかそれが、また別の悪い予感のような気がして。エリスが柊に呼びかける。
 それに振り返ると柊は ―――
「エリス。それに、くれは。お前らのおかげだぜ」
「え」
「はわ」
 柊が笑った。にかっ、と笑った。明るい、力強い、柊蓮司のあの笑顔。
 ああ、そういえばいまは夏だったっけ ――― その笑顔を見て、なぜだか二人はそんなことを思い出した。
「お前らのおかげで勝てる。それがわかったっつーか………確信した。言っとくけど強がりとかなんかじゃねーぞ。
ホントに、勝機ってやつが見えたんだ。お前らの、おかげだ」
「わ、たしたち………」「そんな………なにも………」
 言いかける二人に首を振り。
「いいから、治療治療。そっちに専念してくれよ。んじゃ、ま。いってくるわ」
 かがめていた腰を伸ばし。腹部の傷など始めからもうなかったかのように。柊が立つ。立って、歩き出す。
 その視線の先には ――― 闇色の刃たちを従えた、影エリス !
 腕組みをして、下からねめつけるような暗い視線を送り続けていた影エリスは、くれはとエリスを後にして近づい
てくる柊を、嘲るような瞳の色で見た。
「勝機、ってなに ? その二人がなにをしてくれったっていうの ? ただ私の剣に傷つけられて、なにもできずに
無様な姿をさらしただけじゃない」
 じゃり。柊の足が止まる。
 ついっ、と魔剣が持ち上げられ、彼の身体の中心線と刀身が重なった。正眼。揺ぎ無い正眼の構えである。
「………気づかねえんだろうな。自分がしでかした、この局面で一番のミスってやつに」
「なにっ !?」
「余計なことしなけりゃ、たぶんお前の勝ちだった。さっきも言ったけど、強がりなんかじゃねーし、ましてハッタリな
んかでもねえ。二人が、俺にこの戦いは俺の勝利で終わるって教えてくれたんだ」

 沈黙。そして、硬直。嫌な感じだ。あの、嫌な感じだ。ざわざわと背筋を怖気が這い登り、首筋をチリチリと熱いも
のが灼き焦がす。影エリスは知っている。柊蓮司という男が、この状況でつまらない駆け引きで嘘をついたりはし
ないはずだ、ということを。同時に、直感する。
 柊蓮司は、本当にこの戦いに勝機を見出したのだ、と。
 私はどんなミスを犯した ? 一連の行動の中にどんな間違いがあったのだ ?
 赤羽くれはと志宝エリスを傷つけたこと ? それで、柊蓮司の怒りに火をつけたっていうことなの ?
 いや、違う。そんな陳腐な理由じゃない。「怒りが俺に力を与えた」とか、そんなくだらない三文芝居じみた理由
で、柊蓮司は自分が勝利するなんて宣言をしたわけじゃ、決してない。
 第一、柊蓮司のあの顔。あれは怒りに我を忘れている顔じゃない。
 むしろ、逆。この上なく冷静でそれ以上に普通。正気もいいところである。
35エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:32:26 ID:3Z75+5yK
「そう………それなら、やってみればいい。私の刃たちを受け切れるのか、やってみるといいわ !!」
 影エリスが両手を振り上げる。
 柊蓮司が正気すぎて、それがむしろ薄気味悪い。そして、そのことが再び彼女の狂気に火を点けた。
 なけなしの力すべてを振り絞って造り上げた刃たち。それらが一斉に影エリスの背後で、じゃりん、じゃりんと音
を立てる。彼女を中心として放射状に拡がったそれらは、まるで真っ黒な孔雀の羽のよう。すべての力を集めて、
たった一人の魔剣使いを葬り去るために、剣たちが闇を深めていく。
 黒よりも黒い黒。影よりも深い影。闇以上の闇たちが刀身の形となって瘴気を放つ。
 いままで影エリスが造り上げてきた闇の中でも最上級の闇たち。
 もし、夜が人の心に恐怖を植えつける存在なのだとしたら。その色だけで人心を狂わせるほどの黒を湛えて、剣
たちは解放の瞬間を待ち構えていた。唇を歪め、仇敵である魔剣使いを、射殺すほどの視線で睨みつけながら、
影エリスは叫ぶ。

「最後よ、柊蓮司っ !! 滅び去ってしまえええエーーーーッ !!」

 轟、と風が鳴る。周囲に浮かぶ剣、また剣。それらは影エリスの号令を受けて、彼女の全身全霊、全生命全存
在を凝り固めた刃の雨となって柊目掛けて降り注いだ。逃れえぬ。避けきれぬ。あんな深手を負った身体で防ぎ
きれる攻撃などではない。なにが勝機か。なにが最強の魔剣使いか。なにがウィザード、なにが人間、なにが柊
蓮司か ――― !

 勝利を確信するのは、私のほうだ。
 たとえこの身は滅びても、貴様だけはこの世界から消し去って見せる。肉片に裂き、骨を欠片へと砕き、その血
液の最後の一滴までをも啜りつくしてから、私は滅びよう。これが私の狂気の力。正気では辿りつけない領域から
繰り出される正真正銘、最後の攻撃。人の心が到達しえない場所から得た、無上の力なのだ ――― !

 笑う。嗤う。哄笑う。
 影エリスは嗤い続ける。柊蓮司の無惨に肉塊と成り果てた姿を幻視して、狂気の哄笑を爆発させた彼女が。

 次の瞬間、凍りついた。



 瞼を薄く閉じる。顎を引き、首の上に乗せた頭を水平に保つ。
 見るでもなく、見ないでもなく。全方位に視線を配れるように。
 肩の力はできるだけ抜いて。しかし両手に握った魔剣の柄は決して放さぬように。
 視覚情報だけでは捉えきれぬ剣戟の妙を知り尽くし、また勝ち続けてきたものだからこそ辿り着く境地に、柊蓮
司はその一歩を踏み出した。
 風が鳴る。殺意が唸る。肌で感じ、気配で知覚する。
 攻撃が繰り出されてから動くのではない。それでは遅い。停滞することなき絶え間ない動きの中でそれを知り、
それに対処する。ある領域に達したものたちは、すべからくこの動作の中で生きている。この動作の中で戦いを
繰り広げる。立ち止まるな。動き続けろ。先を読め。読まれるな。一歩先んじ、さらにもう半歩先んじよ。
 流れを止めたものから敗れ去る。読み違えたものから葬られる。ゆえに、剣舞の流転する最中で感覚を研ぎ澄
ませ。対手が狙った箇所を護るのではない。敵の繰り出す刃の先に、己の剣を「置け」と。

 さればこそ ―――

 影たちの女王よ、目にも見よ。
 これが魔剣使いだ。これがウィザードだ。これが人間だ。これが柊蓮司だ ――― !
36名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:36:08 ID:/icXeAIG
支援
37エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:36:51 ID:3Z75+5yK
「な、にいっ……… !?」
 それだけ叫ぶと、影エリスは絶句した。
 柊蓮司を襲う刃は八方よりの鋭い斬撃。第一陣は頭上から降り来る。
 魔剣の柄を頭上にさらし、その切っ先を地面に向け。刀身を自分の身体の側面へと密着させるような構えを取っ
た柊が、まるで踊るようなステップでわずかに半歩右へ移動する。一撃目を柄に最も近い部位で受け止めたかと
思うと、二撃目、三撃目の影が吸い込まれるように魔剣の刀身に受け止められていく。振り下ろされた刃を受け、
受け流す形で受け止める。柊の体移動に合わせて、魔剣という滑り台の上を、八本の影剣がずるり、じゃらり、と
滑り落ちていった。
 がしゃ、がしゃん、がしゃん。
 力なく地に落ちた初撃の八本が、目指す標的に触れることすらできず掻き消えた。
 剣舞は続く。
 半歩が、今度は二歩。わずかにリーチを取ったバックステップ。
 とはいえ、それはたかが二歩。たった八、九十センチにも満たない移動である。
 しかし、その二歩が。第二陣目の攻撃を柊に回避せしめる動きであった。
 頭上からの攻撃とくれば、当然予測しうる次の手は ――― 剣士同士の戦いであればさほど注意を払うことのな
い、足元を狙う斬撃である。玉砂利を削り、火花を散らし、一対の剣が左右の脚を狙って地を滑り、柊のくるぶしを
砕かんと猛追した。
 一歩、二歩。地から浮いた足が、足下の剣を難なく避けた。いや、そうではない。柊の歩みの隙間を、二本の剣
が、ただすり抜けていった ――― そうとしか見えなかった。
 これこそが一歩先を読む、これこそが半歩先を読む剣士の所作。
 攻撃を避けるのではなく。攻撃の来ない場所に身を移す。ただ、それだけの行為である。
「それなら、これは ――― どうっ !?」

 ぎゃり、ぎゃり、ぎゃり。

 耳障りな音を立て、黒い刃が水平に倒れた。柊の足元から頭上まで。彼の身長と同じ高さを等間隔に分割して、
さらに十本の剣が空中に配置される。それぞれ違う高さの空間を真横に薙ぐ刃 ――― 発想はエッグスライサー
と同じ。茹でた卵を等分割するアレだ。もっともこれは、卵ではなく人体をスライスするための物騒な “調理器具”
ではあるのだが。
「死ねぇえぇぇーーーーーーっ !!」
 まさしく、柊蓮司を料理するためのもの。それらが、ぶん、と唸りを上げて柊を襲う。
 眉間を。喉元を。胸を。腹を。脚を。膝を。それぞれがそれぞれの部位を狙い定めて振り抜かれる。
 柊は臆することなく。動じることなく。魔剣を頭上高く振りかぶった。いや、敵に先んじて、魔剣はすでに振り上げ
られていた。
「どりゃあぁーーーーーーっ !!」
 怒号。咆哮。それを、いったいなんと呼ぼう。柊の口から発せられた気合一閃、同時に斬り下げられた鋼の光が
空間そのものを両断したようだった。
 がきん、と鈍い音がして、柊の魔剣が一本目の剣を圧し折った。下降。さらに地を目指して下降する魔剣。
 続けざまに二本目が砕け散る。魔剣の描く一本の軌跡。その間合いに入ったものは、それがなんであれ破滅を
免れることは不可能だ。柊が十本の影剣の間合いに捉えられたのではない。柊の振り下ろす魔剣の軌道上に、
愚かにも飛び込んできたのが闇の刃たちだったのである。
 先ほどまでの動きを「技」と「静」に仕分けるならば、この一撃こそが柊の持ち味である「力」と「動」。
 鋼と鋼の打ち合う破砕音、砕けた黒の刃金が微粒子となり空中で燃え尽きる。
 音と火花のコンチェルト。
 三本目を破壊し、四本目を弾き飛ばし、五本目を捻じ曲げ、六本目を叩き割る。
 七本目を撃ち落し、八本目を刀身ごと削り、九本目を地に深く沈め、十本目を元の影へと押し戻す。
 それが、立った一振り。一連の一動作。
 柊が大地に魔剣を叩きつけ、その光景に影エリスが立ち尽くしたとき ――― すでに、二十本の剣が消え失せ
ていた。
38エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:37:46 ID:3Z75+5yK
 ぶしゅ、と。
 なにかが飛沫を上げる音がする。
 それが、いまの動作をし終えた柊の傷が開き、鮮血を噴き出した音だと気づき。
 くれはとエリスが顔を上げた。
 ほんのわずかの交戦の時間、くれはがエリスの胸元から腹部にかけて治癒のための呪符をあてがい、自らの
傷にも回復を施していた間。柊の振るう技のあまりの冴えに、柊の魔剣の一撃のあまりの力強さに、陶然とこの
戦いを見守っていた二人が、いまさらながらに青褪めた。
 勝つと言ったって。勝つ見込みができたと言ったって。依然として柊は負傷しているわけである。
 ハッタリじゃない、確信がある勝利だという柊を信じ続けることで、こんなに辛い光景を目の当たりにすることとな
ろうとは。だからといって、目を逸らすことなどできなかった。信じると決めた以上、この戦いを見守ることが義務で
あると、言葉には出さなくともくれはとエリスは心に誓ったことなのだ。
 案の定。
 柊は深く大きな溜息にも似た吐息を、ゆっくり、ゆっくりと吐き出した。
 魔剣を身体にあてがい、わずか数十センチの距離のステップを踏み、ただ一度それを振り下ろしただけで、呼吸
を乱す彼ではない。ならばそれは当然、影の剣による一撃を腹部に受けたその影響でしかありえない。
 傍目に見ても、優勢なのは影エリス。
 百人が百人、そう考えるであろう光景である。だけれども。

 敗北の予感にわなないていたのは柊ではなく ――― 影エリスのほうだった。

 唇が乾き、震える。
 瞳が揺れ、焦点を失いかけていた。
 確信した勝利をもぎ取ることもできず、手負いの人間風情にすべての攻撃を受け流され。一見優位に立っている
かのように見える自分が、その実追い詰められているのを、影エリスはひしひしと実感していた。
 なぜ斬れない。なぜ殺せない。
 その想念だけが頭の中で渦を巻き ――――――

「なあ、エリス」

 低く、太い声の呼びかけに、思わずエリスはハッとする。
 だけど、次いでエリスは気がついた。
 柊が呼びかけたのは自分ではないのだと。いままさに、命を賭して戦っている相手、影エリスのほうなのだ、と。
 その見つめる視線の先に、褐色の肌をしたもう一人の自分がいる。

「なあ、エリス」

 もう一度。
 しばしの沈黙と静止の後、影エリスがのろのろと顔を上げた。
 彼女も、それが自分への呼びかけだとは思ってもいなかった。だからこそ、驚きと困惑に満ちた表情を作りあげ
る。柊蓮司が、私のことをエリスと呼んだ、と。思えばこの世界に現れて、「エリス」という名前で呼ばれたのは初め
てのことではなかったろうか。そんな、益体もないことを考える。

「まだ、やるのか……… ?」

 驚くべきことを、柊蓮司は口にした。
 不覚にも呆気に取られてしまった影エリスが、すぐさまその言葉の意味することに気がついて声を張り上げる。
「情けをかけるつもり !? それとも命乞い !? どっちにしろ、私は貴方を滅ぼすわ !!」
 情けをかけるというならお門違いだ。まだ私には影の剣が残されている。戦う力が残されている。
 命乞いだというならば、本当に柊蓮司を軽蔑する。やっぱり、私に勝てるという言葉はハッタリだったということな
のだから。
39エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:38:28 ID:3Z75+5yK
「そういうことを言ってるんじゃねえっ !!」
 怒声と同時に、再び溢れ出る大量の鮮血。くれはが、エリスが短い悲鳴を上げた。
「………そういうことじゃねえんだよ………」
 なぜか柊の顔が、肉体以外の苦痛に歪んでいるように見えて、影エリスは絶句する。
「………もう、やめにしようぜ。全部、無意味だ。お前がやろうとしていたこと、すべてがな」
 柊の言葉に、その場にいる誰もが凍りついた。
 私の行為のすべてが無意味 ――― ?
 ふつふつと湧き上がる憤りを抑えることができず、影エリスが叫ぶ。
「どういう意味 !? 私は愛するおじさまのために、この世界を滅ぼすと決めたのよ !? それなのに、貴方と志宝エリ
スが余計な邪魔をして………もう、私にはおじさまの意志を継ぐ力はない !! だけど、それならばせめて、貴方だ
けでも滅ぼしてやる !! そう決めたのよ !! それを無意味だなんて ――― 」

 私の最後の存在理由まで否定しないで。

 最後の叫びを口にすることはできなかった。口にするわけにはいかなかった。
 それを言っては、あまりにも自分が惨めではないか。
 悔しさと、悲しみと、絶望と。それらすべてを払拭するために、影エリスは再び手を振りかざす。
 残る、黒き刃が柊に向けられた。

「エリス………それじゃあ、お前 ――― キリヒトの “なに” を継ぐつもりだったんだ……… ?」


 し………………ん。


「………え……… ?」
 我ながら阿呆のような声を出してしまった、と思う。
 なんだ。なにを言っている。柊蓮司はなにを言おうとしている ――― ?

「気づいちまったんだよな、戦ってるうちに。お前、やっぱり似てるんだ。そっくりなんだよ………エリスに」
 そう言って、柊が淡い微笑をエリスのほうへ向けた。
 一瞬だけ目を見開いたエリスが、淋しく笑って柊へ向けて、こくり、と頷く。
 似ているのは姿形が、ではない。もって生まれた境遇が、である。
 キリヒト=ゲイザーの粛清の意志を遂行するために産み出され。身に余る力を持たされて。
 “おじさま” に呪縛されていた、二人の少女。
「だから、なんていうか………もしお前が滅びてしまう存在なんだとしても………こいつの力は、できれば借りたく
なくなっちまったんだよ………」
 魔剣をかざしてみせながら。柊は、そんなことを言った。
「だけどよ………やっぱりこれだけは言わなきゃな、って思う」

 ――― ナニヲイウツモリダ。
 影エリスの胸に、暗雲がわだかまる。

「キリヒトのヤツ、この世界を滅ぼすって言っていた」

 ――― ソウダ。ダカラワタシハ。

「この世界は、アイツが見守るに値しないろくでもねえ世界だ、って」

 ――― ワカッテル。ソンナコトハワカッテル。
40エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:39:10 ID:3Z75+5yK
「一度世界を滅ぼして、もう一度自分が見守る価値のある世界を ―――」

 ――― ! マテ。マッテ。ナニカイヤダ。ソノサキハイワナイデ !

「それじゃあ、お前は」

 ――― イウナ。イウナイウナイウナイウナイウナイウナイウナイウナイウナ ―――


「………この世界を滅ぼした後で、どうやって………どんな世界を造ろうとしたんだ……… ?」


  Q6>/w1\M△fさ0e■X6yo&$29EP32たfl+6 ―――――― !!

 影エリスの中で、なにか大きなものが音を立てて崩れた。
 キリヒトの望みは、世界の再生。
 薄汚れた世界を粛清し、真に護る価値のある世界を創造しようという目論見。
 だが、それならば。キリヒトの意志を真に継ぐということは、新世界の創生ではないのだろうか。
 そしてその世界を、終焉のその瞬間まで見守り続けるということではないだろうか。
 それは ――― あまりにも大きな力と、悠久の時間を必要とする事業であろう。
 だから無意味だと、柊蓮司は言ったのだ。無理だったから。始めから彼女には無理だったから。
 世界を造る神としての力もなく。その世界を見守る永遠のときを生きることもできない影エリスは ―――

 ただ、世界に破壊をもたらすだけの存在でしかない。

 影エリスは夢を見る。
 とびっきりの悪夢を夢に見る。

 この惑星を覆いつくす影。すべての生命を根こそぎ奪い去り、ただただ搾取し続けるだけの、なにも生み出さな
い存在。なにもかもが息絶え、死に絶え、暗黒で覆いつくされたこの星の只中、無明と荒廃の地平に、ただひとり
きりで立ち尽くす、褐色の肌をした一人の少女。
 ただ滅ぼしただけ。ただ世界を破滅させただけ。
 生命を失った惑星で、永遠にただひとり、虚空を見上げて孤独に震える自分の姿。


 こんなものが ――― “おじさま” の望んだ新世界であるはずがないではないか。


「だから、もうやめようぜ、エリス………せめて、このまま ―――」
 柊蓮司が言う。
 せめて、なんだというのだ。せめてこのまま安らかに、とでも言うつもりか。
 それこそ、無意味だ。それこそ、私の存在した理由を失わせるものだ。
 それになぜ、そんな悲しい目をする。なぜ、お前のほうが泣き出しそうな顔をして唇を噛んでいる。

 なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜっ ――― !!

 影エリスが魂からの絶叫を天に放つ。
 振り上げたままで硬直した両腕を、柊蓮司へ向けて振り下ろす。
 
 最後の ――― いや ――― 『最期』の刃を、影エリスが解き放った ――― 。
41エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:40:50 ID:3Z75+5yK
                                                                      


 それは、いままで誰も聞いたことのないような絶望の悲鳴だった。
 聞くだけで、他人まで悲嘆に暮れさせ、そのものの魂すら滅びに追いやるほどの叫びであった。
 自然と、涙がこぼれる。自分と同じ声で叫び、自分と同じ顔で絶望に顔を歪ませる褐色の少女。
 エリスは目を閉じ、目を背けようとして、結局それができなかった。
 なぜだか、彼女のことはしっかり目に焼き付けておかなければ、とそう思った。
 エリスは涙で曇る瞳で、彼女と彼の最後の激突をただただ見つめ続けていた。



 投射。刺突。斬撃。残る力のすべてを注いだ波状攻撃。
 滅茶苦茶に腕を振り回し、見開いた目でただ柊蓮司の姿を凝視しながら、絶叫と共に繰り出す狂気の刃。
 法則性も思慮もなく、しかし黒い切っ先は狙い過たず柊の急所目掛けてほとばしる影の剣たち。
 がきっ、じゃらっ、ざしゅ、と物凄まじい音を立て、風を薙ぎ大気を震わせ、愚直なまでの攻撃を繰り返す。
 初撃の剣二十本が失われた後は、もう攻め手が休まることはなかった。
 その刃すべてを、柊は受け止めていく。
 斬り、払い、砕き、叩き、あるいはかわし、時には防ぎ、または避け。
 目まぐるしく魔剣をひるがえし、影エリスの放つ剣を一本一本無効化していくのだ。
 柊に決して届くことのなかった刃が次々と霧と化し、風に乗って消えていく。五十本、六十本、七十本。
 出血と疲労で普段の動きがようやく鈍り始めた柊を、やっと影エリスが捉えたのは、ちょうど八十本目の影の刃
を繰り出したときだった。叩き落しきれなかった剣の一本が、受け止め損ねて軌道を変えられ、したたかに柊の腿
を切り裂く。軸足として酷使していた左足の太腿から、血飛沫が上がった。
 しかし。
 柊は怯まなかった。
 かすかに眉根を寄せただけで微塵の停滞もなく、魔剣の刀身を閃かせ続ける。
 まるで新たな傷の痛みなど感じていないかのようだった。その代わりに、影エリスの力が底をついてくるにつれ、
その表情に刻まれた懊悩はますます深くなっていく。傷ましく思っているのか。哀れんでいるのか。その胸中にあ
る想いの正体はわからなかったが、影エリスと同等かそれ以上の苦悩を、柊が抱いているであろうことは疑うべく
もなかった。
 八十五本目 ――― 最後が近づく。
 九十五本目 ――― 九十六本目 ――― もうすぐ決着が、つく。
 そして ――― すべての黒き剣が地に落ちた。

 静寂が、訪れる。
 結局、柊は二者の間合いをそれ以上詰めることは絶対しなかった。
 踏み込みひとつで、彼の魔剣の攻撃範囲に影エリスを捉えることができたにもかかわらず。
 柊蓮司は彼の言葉通り、魔剣での滅びを影エリスに与えることがついにできなかったのであった。
 影エリスの手が、柊に向けられたまま行き場をなくして宙に浮いている。
 その顔からは、いつのまにか狂気の色がすべて消え去っていた。
 ひび割れた額から立ち昇る黒の霧 ――― 搾取し、溜め込み続けた力の放出は、もはや途切れ途切れになっ
ている。影エリスもまた、その力を使い果たし、自らの存在の力すらも枯渇し始めていたのであろう。

「柊………蓮司………」
 それは、ひどく静かでどこか悲しい声だった。

「ああ………なんだ、エリス」
 応える柊の声もまた、とても静かでやはり悲しく。
42名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:42:45 ID:/icXeAIG
支援
43エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:43:35 ID:3Z75+5yK
「私はやっぱり………失敗作だったのね………おじさまの想いを継ぐこともできない役立たず………志宝エリスに
敵わず………こうして、貴方にも敵わない………ああ………せめて、壊したかった………おじさまが忌み嫌った
この世界を………せめて壊してやりたかった………そう思い続けてきたけど………それすらも無意味なことだっ
たなんて、ね………」
 影エリスが自嘲の笑みをこぼした。
 そのとき ―――

「違うっ……… !」
 胸を押さえ、まだ完治しきらない傷を抱えたまま、エリスがよろめきつつも立ち上がった。

「生まれてきたことに間違いなんかないんだよ ! 無意味なことなんてないんだよ ! 私だって同じ、同じだった
から……… ! だけどみんなに意味を貰った。生まれた意味、これから生きていく意味、全部全部、みんなに貰う
ことができた ! この世界が大好きで、この世界で生きていくことの意味を見つけることができて、だから私は生
きていくことができる ! だから……… !」

 だから、貴女にもそうであって欲しかった。
 “おじさま” のために、ではなく自分の居る意味を見つけて欲しかった。
 それはもはや手遅れなことかもしれなかったが、でもそう願わずにはいられなかった。
 言葉と一緒に涙が溢れて止まらない。本当に伝えたいこと、胸の中にある言葉、それは涙に邪魔されて結局声
に出すことはできなかった。だが、その涙こそが ――― 千の言葉、万の文字よりも雄弁に、エリスの内心を代弁
するものである。敵であるはずの自分のために、あれだけ泣きじゃくることのできるエリスを、もうひとりのエリスが
不思議そうに見つめていた。
 その瞳からは ――― すでに妄執の嵐が完全に消え去っていた。

「柊蓮司………最後にひとつだけ………教えてほしい」
「おう………」

 影エリスの姿が、陽炎のように揺らめいていた。
 淡々と言葉を交わす二人の間に流れる空気に、いまはもう張り詰めたものはない。

「これを聞かないまま、滅びるのは悔しいから………この局面で、私はどんな間違いを犯したのか………貴方が
見つけた “勝機” って、なんだったのか………それだけが………どうしてもわからない………」
 深手を負ったままの戦い。敵である自分には、いまだ数十本の影の刃。
 それなのに柊は勝機を見つけたといい、そして言葉通りにすべての攻撃をしのいで見せた。
 それがどんな手段で為しえたものなのか。自分の攻め手にどんなミスがあったのか。それとも、その攻め手を防
ぐ方策をいかにして見つけたのか。
 どうせ消えていく身だ。それを知ったからどうということはない。
 だけど、いまはそれが知りたい。切に知りたい。
 柊蓮司という男の強さの一端を垣間見たい。この好奇心は、いまさらながら『柊蓮司』という青年に、初めて影エ
リスが本当の意味での興味を持った証拠かもしれなかった。

「あー………聞かなくてもいいだろ、そんなこと………大したことじゃねえし………もしかしたらガッカリするかもし
れねえから、さ………」
 途端に口ごもる柊。
 柊は ――― なんと、驚いたことに ――― 照れているようだった。
 その様子がなんとなく可笑しくて、影エリスはふふっ、と笑う。恥ずかしがっている柊蓮司をからかってやろうか、
苛めてやろうかという気持ちになった。邪気のない、子供のような可愛らしい悪意が浮かぶ。
「滅びていく私の………最後の質問でも……… ?」
 わざとらしく、同情を誘うように。柊蓮司が、戦いの中でも見せなかったような情けない顔をしてみせる。
44エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:44:18 ID:3Z75+5yK
「しょうがねえな………」
 ついに観念したのであろうか。頭をガシガシとかき回しながら、柊が躊躇いがちに口を開いた。

「お前の不意打ちで腹、ぶち抜かれた後………実は勝ち目がないかも、って思ってた」
「え………」
 意外と言えば意外な柊の告白に、影エリスだけではなく、くれはもエリスも異口同音に声を上げる。

「怪我させられた上に、黒の剣が百本。こりゃ、負けるかもなって思ってた」
 ならば、「勝機を見つけた」というのはやっぱりハッタリだったのか ?
「さすがに、百………ってのはな………なんつーか、三桁は反則だろって思った」
 生死を賭けた戦いに反則もなにもあったものではないだろうが、きっとそれが柊の率直な感想だったのだろう。
 戦いの最中ですらもそんな素振りは毛ほども見せなかったとはいえ、もしかしたら一度は死を覚悟していたのか
もしれない。
「でも、エリスとくれはのおかげで、これならいけるんじゃねえか、いや、いけるだろって思ってさ」
 話を振られた二人が、「え ?」「はわわ ?」と同時に間の抜けた声を上げる。
 一方の影エリスは、柊の口元を、どんな一言も聞き漏らすまいとするかのように見つめ続けていた。

 ああ ――― 続く言葉を受け止めた三人の少女たちが、いかに呆れたか。
 柊が再び語った言葉とは ――― 。


「そンとき俺………『ああ、一本でもあの剣が少なきゃなんとかなるかもしれねえのにな』って、そんなこと考えて
た」

 ………………………。

「なん、ですって……… ?」
 いったい、何回私を絶句させれば気が済むのだ、柊蓮司 ――― そうとでも言いたげな影エリス。

「剣百本ってのは無理かもしれねえ。だけど、九十九本ならなんとかなるかもしれねえ。つまり俺が考えてたのは
そういう………っ、いっ、いってーーーーーーっ !! ば、ばか、くれはお前なにすん………どわああああっ !?」
「ばかーーーーーーっ !! ばかひーらぎーーーーーーっ !! そ、そんなの、そんなの全然勝機でもなんでもないじゃ
ないのよーーーーーっ !?」
 ああ。さっきまでの戦いの緊張感はなんだったのだ、とでも言うしかあるまい。
 あまりといえばあんまりな、柊の言う『勝機』とやらに、ついにくれはがキレた。
 肩の怪我は治癒しきっていないのだが、そんなことはもうお構いなし。だだだっ、と駆けてきて、こともあろうに新
たに出来た傷のある左腿に、後ろからトゥーキックをかましてみせる。
「いで、いでででっ、おい、怪我、怪我してんだ………おごおおおぉぉぉっ !?」
「知るかーーーっ !? ばか、ばかひーらぎ、もう死んじゃえーーーーっ !?」
 血の赤が彩りを添える、いつも以上に過激な夫婦漫才。見れば、口をぽかんと開けたエリスが、へなへなとその
場に座り込んでいた。たぶん、腰が抜けている。
 その様を、唖然とした顔で眺めていた影エリスが ――― 笑い声を立てた。
 きっとそれは、彼女がこの世界に産み出されて、初めて発した本当の意味での『笑い』であった。

「あ、あは………あは、はははは………なに、それ。あは、くくくくくっ」

 笑いながら、涙が出た。
 赤羽くれはが怒っている。志宝エリスが脱力している。しかし、影エリスだけは ――― 柊蓮司と激闘を繰り広
げた彼女だけは、柊の言葉の中に彼の真の強さの正体を見つけていた。
45エリス〜悪夢の終わり・後編〜:2008/10/13(月) 22:45:42 ID:3Z75+5yK
 柊蓮司の言うとおりなのだ。
 『無理かもしれない』と『なんとかなるかもしれない』の二つの言葉の持つ意味。
 その二つの間の距離がどれだけかけ離れているか。
 それは、距離で言うなら何光年、時間で言うなら幾星霜。
 意志と狂気の力を支えにここまで戦ってきた彼女には、それがよくわかる。

 想いには想いの持つ力があり。
 人間には人間の強さがある。

 柊蓮司はそうやって ―――
 想いの力でただ一本の微細な針をもって山を崩し ―――
 またあるときは、二本の腕を翼代わりにはばたかせて空を舞い ―――
 そうでないときも、吐き出す息だけであまねく木々をなぎ倒してみせたのであろう。

 だからこそ、柊の言葉が影エリスの胸にはストン、と落ちた。十二分に納得できた。
 仲間が自分の負担を減らしてくれた。百本の剣の一本を引き受けてくれた。だったら、それに全力をもって応え
てやろう。きっと、彼にはその想いも強くあったのに違いない。
 柊蓮司とは、それが出来る男なのである。

 それに気づいた時、彼女は。

(ああ、この世界もこんな人間たちがいるのなら、そう捨てたものではない)

 初めてそう ――― 思うことが出来た。

 影のエリスは夢を見る。
 世界への憎しみを捨てた自分の姿を。
 そこには柊蓮司や赤羽くれはがいて。当たり前のように自分のことを『エリス』と呼んでくれて。
 そして、志宝エリスと私は双子の姉妹のように並んで歩き、この世界のどこかの街並みの、ひとつの風景として
存在している。
 そんな、夢を見た。


「まったく………この世界は………」


 それが、彼女の最愛の人が遺したものと同じ言葉であったことを、彼女は知らない。
 柊蓮司たちの立てる喧騒を遠くに聞きながら、もうひとりのエリスは ―――


 静かにこの世界から姿を消した。

(エピローグへ)
46名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:45:45 ID:/icXeAIG
支援
                                                                      


 赤羽神社境内。
 巫女服姿に身を包んだ青い髪の少女が、竹箒を忙しなく動かしているそんな光景。
 文字通り、世界中を巻き込んだ『シャドウ事件』(通例として以後、このように呼ばれるようになる)が収束を迎え
た翌日には、まるで何事も起きなかったかのように、そんないつも通りの光景を見ることができる。
 空を埋め尽くしていたあの暗雲はすでになく、夏の日差しは燦燦と降り注ぎ。
 少女 ――― 志宝エリスの日常は、ようやく取り戻されたのであった。
「ふう………」
 額にうっすらと浮かんだ汗を拭う。
 月衣を持たないエリスには、この強い夏の日差しが直接肌で感じられる。
 それは半分残念で、半分嬉しい感覚でもあった。
 ふと、青い空を見上げる。なぜか、思い出されるのは影エリスのことだった。
 最後の戦いの直後、いつの間にか、それこそ影が陽を浴びて薄れるように消えてしまっていたもうひとりの自分
のことを想い、エリスはとても ――― 考えてみれば奇妙な話なのだが ――― 寂しい想いに捉われたのである。
 敵だったのに。世界を破滅に追いやろうとした敵だったのに。
 もっとちゃんと話をしたかったな。もっといろいろな話を聞いてあげたかったな。
 そんなことを思ったのであった。
 自分と同じ境遇の少女。一歩間違えれば、 “あのとき” のエリスも彼女と同じ運命を辿っていたかもしれない。
 そう思うと、やっぱり他人のようには思えなくて。

 この一連の騒動は、まるで嵐のようにその最後を迎えた。
 影エリスの消滅と共に、全世界を覆っていた影は掻き消え、赤羽神社付近にアンゼロットが待機させていたロン
ギヌスによって、周辺住民の救助と、この戦いに参加していたウィザードへの救援が行われていた。
 負傷して戦線を離脱していた緋室灯は絶滅社の研究所へと身柄を移され、完全回復までメンテナンスを受ける
という。腕利きのヒーラー数十名が一度に押しかけてきた神社の境内では、くれはから殴る蹴るの暴行を受けて
逃げ惑っていた柊と、まだ傷の感知していないくれはの二人をなんとか取り押さえ、半ば強引な形での治療が行
われていた。
 今回の戦いでもっとも深刻なダメージを受けたはずの彼女 ――― 大魔王ベール=ゼファーが一番の気がかり
であったが、
「あん ? 殺したってなかなか死なねーぞ、アイツは。心配するだけ損だぞ」
 と、柊にあっさりと一蹴されてしまった。
 どこかでその台詞を聞いているベルさんに、手酷いしっぺ返しを喰らわないだろうか ――― エリスが逆にそっち
を心配してしまうほどの、あっけらかんとした返答である。
 そして。
 これは事件の規模から考えると、驚くべき吉報だったのだが。
 事件終結の夜、わざわざ気を使って連絡を入れてくれたロンギヌス・コイズミからの事件の顛末報告を信頼する
ならば、
『今回の事件によるシャドウ被害ですが………負傷者・衰弱者の数はそれこそ世界規模で拡がっていたのです
が、驚いたことに………死亡者はゼロ、との報告が為されている模様です』
 とのことである。
 さすがにそれはないであろう、とのアンゼロットからの横槍で、ロンギヌス一同再調査を命じられたとのことであ
るが、
(たぶん、それは本当にそうなんじゃないかな)
 エリスは、コイズミの報告が正しいのではないかと直感的に感じ取っていた。
 最期のとき。
 影エリスが、この世界から消失したとき。
 彼女は、自分が奪った存在の力や生命の力を、還すべきところに還してから、逝ったのではないだろうか。
 エリスは、そんな気がするのである。

「きっと、そうだよね………エリス」

 エリスはもう一人の自分を自分と同じ名前で呼ぶと、掃除の手を休めて再び空を見た。
 彼女には、この一件においてただひとつ、後悔していることがある。
 それを憂えて、エリスは深い溜息をついた。
 彼女に言いたかったこと。言わなければいけなかったこと。言ってあげればよかったと思うこと。
 それを、ついに言う機会を永遠に失ったまま、もう一人の自分は消えてしまったのである。

「最後は………微笑ってたよ………キリヒトくん………微笑ってたんだよ………」

 永遠に失われてしまった、かけてあげたかった言葉を呟いて、エリスは青い瞳をそっと閉じた。
 境内のどこかで蝉の鳴く声がする。
 夏の日はいまだ熱く、日が落ちるまで生命みなぎる暑さは冷めまい。
 境内に続く石段の遥か下から、にぎやかに近づいてくるざわめきは、参拝客のものであろうか。


「さよなら」


 誰に言うとでもなく呟いて、エリスは再び、自分の日常の中へと還っていくのであった―――。


(END)
49名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:48:39 ID:3Z75+5yK
支援有難うございます。
大変長い事、お付き合いを頂いた皆様すべてに深い感謝を。
思えば、書き始めた季節に合わせて舞台を夏に設定したのに、いま秋ってどういうことなのか、と。
全編を通してH成分が少なかったことに愕然としつつ、
複数スレにまたがる投下にも関わらず、ご声援・ご感想・ご意見いただいた皆様、本当に有難うございました。
また、ネタが浮かびましたら参りますので、懲りずにお付き合いくだされば、と。
ではでは。
50名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 22:49:20 ID:/icXeAIG
とりあえずあなたのやるべき事はエンターブレインに小説を持ち込む事じゃないかと思うんだ。
51名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 23:39:50 ID:iRSHRRSU
>>49
うん、凄かった。
でもいったい何KBあったんだろうこれ。
52名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 23:43:18 ID:V3OXKVZE
>>22 マッドマン氏
魔王少女の爆撃舞踏曲、完結おつかれさまです。今回はベルがあんまりポンコツじゃないですね(ぉ
前回までで熱く激しいバトルが終わり、今回は戦後処理と次回への伏線ですか。
たった三行でしたが、理不尽に失われてしまった人たちについて書かれていたのがうれしかったです。
静寂が支配する街で柊やブルー・アースはなにを思ったのでしょうか。
ほかにもいろいろと疑問が残りました。はたして二人のアンゼロットはどんな話し合いをしたのか。魔王勢は次は何を仕掛けてくるのか。
そして、何よりも今回助けた名もなき魔王にはたしてフラグは立ったのだろうかと(ォィ
…いやあり得ないってわかってるんですけどね。でも、だからこそ妄想が止まらないというかw
妙に懐かれて斬ることもできずに困る柊とか、はわはわ慌てるくれはとか、固まるエリスとか、やっぱ殺っとけばよかったと思う
ベル様とか、微笑んだまま最強クラスのウィザード軍団を招集するアンゼロットとかが一瞬で思い浮かぶあたり、おれの頭も相当に壊れてるらしいですw

次回作の「勇者少女の連携狂騒曲(仮)」も楽しみにしています。無理しない程度に頑張ってください。


>>49
>>50
エロ分落して、いくらか手直しすれば行ける気がしますね。

まあ、それは置いておいて。
完結おめでとうございます。長い間楽しんできた夢エリスも最終回。最後の最後まで目が離せない、
緊迫したバトルを存分に味あわせていただきました。
毎回毎回、自分の予想を超える面白さに続きを今か今かと待っていたのもいい思い出です。
さすがに今回の柊の「勝機」よりも凄いのはなかったですけどね。「一本でもすくなけりゃなんとかなる」とかって…
予想の斜め上にもほどがありますがなww

それと、最後のエリスのセリフとか本当にぐっとさせられました。逝ったもう一人の自分に伝えられなかった最後の心残り。
それをそっと零すエリスがなんだかものかなしい感じにさせられました。

またネタが浮かべばいらっしゃるということで、その時を楽しみに待っています。
最後に、愛した叔父様と同じ言葉を残して消えた、一人の少女の冥福を祈って。
本当にお疲れ様でした。
53マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/14(火) 00:31:46 ID:IVLvtyte
あえてコテつきでレスさせてもらいます。
いやはや凄いですね。
自分の作品も含めてですが、新スレ立てたばかりで二つも長編作品の完結話を投下。
50レス程度しかまだ入ってないのに、もう72KBww
なんというお祭り騒ぎですか(苦笑)

>エリス夢氏
超長編お疲れ様でしたー!!
なんというか最初から最後まで見続けてさせてもらいましたが、凄いとしか言いようが無いのが凄いw
エロパロの領域なのか? ええー!? と疑問が浮かび上がりますw
くれはは素敵だし、エリスも健気だし、ベルもポンコツ(最後らへんはな!)じゃないし、色んなキャラクターが総出演でしたが、見事なハッピーエンドでした。
そして、なにより柊!
かっけえ、柊かっけえよ、馬鹿だけどww
なんというか一話毎にぐぐっと数段飛ばしで進化していく戦闘描写に興奮しました。
正直最初の方と最後のほうだと、戦闘描写の練り込みの度合いが、魂が違います。
まだまだマイナーなNW小説ですが、これほど凄いのはあまりいないんじゃないかな? と思えます。
書き手が居ない分、未知な領域ですが、新たな可能性が見えました。
本当に凄いです。

そして、黒エリスに対する勝機……アホかw
でも、柊らしい凄さでした。
ああ、俺も戦わせたいなぁ。でも、それだと二番煎じ、三次創作になってしまう!(書きたいのは山々ですが、三次はどうなんだろう?)
そして、確実にエリスのハートをゲッチュどころかフラグ確定にしてしまうことが確定なので、俺には出来ない!(苦悶)

とまあ、次回の作品も楽しみにしてますよ!
54名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 07:24:00 ID:3wo8KYtW
>>49
言ったことをやれると思わせる柊蓮司とそれを魅せる文章に圧倒されました
やっぱ、柊格好いいなあ
男も女もコイツと少しでも一緒に居て惚れない奴はいない気がするw
55名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 17:14:34 ID:n/Ed4Sie
>>52
甘いな、おれは「自分が助かった経緯を映像付きで知って人間に借りを作ったままでは
 いけない(それと若干の好意)と考え借りを返すためにどこからか仕入れた間違った知識で
 スク水堕天使メイド姿で柊家訪問、柊が姉ちゃんにぼこられるなどのイベント後
 魔王の出現を感知したウィザード襲来、そこでひと悶着あり庇ってくれた柊に対して
 フラグ確定」
ってとこまで妄想したぞ!ちなみにスク水堕天使メイドとは(以下妄想過多につき省略)。
56名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 19:15:01 ID:uRPJnwND
堕天使メイドで真っ先なきくたけヒロイン一番の汚れキャラを思い浮かべた俺は異端だろうか?
57エリ夢作者:2008/10/14(火) 19:34:42 ID:zcsa1JA3
頂いた御感想にまとめてレス返しなど。
言われるかと思ってましたが、そうか、柊の「勝機」はやっぱりアホっぽかったか(笑)。
でも影エリとの決着は、「柊自身の力による柊らしい勝利を」という当初の考えを重視したのでこんな結果になりました(笑)。
皆様に過分な評価を頂いて、こそばゆい気持ちもありましたが大変嬉しくも思います(苦手な戦闘場面を褒められたのが特に!)。
心残りはHシーンの少なかったこと、他のキャラにもっと見せ場をあげたかったこと。
でも、マユリたちまでカバーしようと思ったら、あと四、五回くらい投下増えてたかも(笑)。
あと、エリスをもっとヒロインさせたかったな、と。ベルやアンゼのようなアクの強いヒロインや本妻くれはがいると大変です。
次回のディテールはまだ練ってませんが、「くれはとそういう関係になってない柊」と「宝玉戦争後、柊と結ばれたエリス」というパラレル的な二人の話もいいななんて無責任なこと言ってみたり。
予定は未定ですけど。長く書いてたせいもあるのか、私の中のエリス株急上昇(笑)。
とはいえ、執筆はいつになるやら(別板でDXも開始したんで、少なくともそれが終わるまでは無理かな、と)。
ではひとまず筆を置きます。長文失礼しました。最後にもう一度、有難うございました。
ではでは。
58名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 19:44:14 ID:FOY+T/Vf
>>57
もしかしてブーンにダブクロやらせてるのはあなたか。
59名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 20:44:32 ID:KarFxFYZ
>58
kwsk
60名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 20:51:38 ID:FOY+T/Vf
>>59
VIPでそう言うスレがあった。
プレイのPCをそのまんまAAキャラに置き換えたやつ。
61魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ ◆265XGj4R92 :2008/10/14(火) 22:47:51 ID:jorRZWAX
>>55
つまりこういうことですね? 分かります!


 本編とは関係ないよ。
 脊髄反射で書いたよ。
 エロス、エロス、メイドぉおおお!!!




 朝起きたら冥土に居た。
 いや、違うメイド(?)が居た。

「……」

 沈黙と共に起床する柊 蓮司。
 先週どこぞの都市で巨大冥魔と激闘を繰り広げたばかりであり、疲労の抜け切らない体は少しだけ鈍く、朝の覚醒としては少々遅い。
 学校を卒業し、見事な定職に付かないニート……訂正。フリーランスのウィザードとして活動している彼としては、任務以外であれば朝寝坊も許される身だ。
 それが朝起きたら、ゆさゆさと揺さぶられて起床した。
 誰だ? と寝ぼけ眼で考える。
 姉の京子? 違う、あの姉は揺さぶるなんて優しい起こし方はしない、蹴り起こし、それでも起きないならばエルボードロップの一撃を鳩尾に叩き込んで文字通り叩き起こすだろう。
 激痛を伴う覚醒ははっきりと彼の脳内を起床させ、否が応でも準備万端のスタート段階、エンジンはかかったぜ! モードにするはずだ。
 いやいやいや、まて落ち着け、素数を数えろ、まったくもって今冷静じゃない。

「落ち着け、柊 蓮司落ち着け」

「?」

 自分に呪文のように言い聞かしながら、柊 蓮司は瞼を揉み解し、さらには唾をつけてこめかみを押した。
 頭痛によく効く方法である。
 俺は冷静だ。
 朝起きたら裸の女が飛び込んできたり、或いは窓ガラスを叩き割ってキルキル部隊が襲い掛かってきたり、寝て起きたらアンゼロット宮殿で簀巻きにされているなんてよくあることじゃないか、HAHAHA――悲しくなってきた。

「さて、目は覚めた。いざっ!」

 カッと必殺技に開眼したかのように柊が目を見開く。
 その先には――メイド(?)がいました。

「夢じゃねぇえええええ!!」

 絶叫だった。
 その柊の叫び声に、亜麻色の髪をしたメイド(?)少女が「ピィッ!?」と声を上げた。
 目をパチパチと鳥のように瞬かせて、驚いた顔を浮かべる。
62魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ ◆265XGj4R92 :2008/10/14(火) 22:48:51 ID:jorRZWAX

「ピィ?」

「ピッ?」

 少女の口から洩れ出たのは鳥のような甲高い声だった。
 どうやら人語は喋れない――酷く魔王としては珍しい少女だった。
 そう、柊は目の前のメイド(?)には見覚えがあった。
 先週どこぞの冥魔に捕まっていた魔王である。
 何故ここにいるのだ? と首を捻るもそれ以上に傾げるものが合った。

「なんて……格好をしてやがんだ」

 柊は呆れた。
 少女は極めて変わった格好をしていたのだ。
 美しい亜麻色の髪を左右に垂らし、カチューシャをつけているのはいい。
 その十代半ばにも満たない顔つきには似つかわしくない膨らんだ乳房はメイド服、いや、スク水? なのだろうか、酷く淫らな格好で縛り上げ、引き締めていた。
 少女の外見年齢からすれば当たり前のようなスクール水着だが、それは発達した彼女の体つきにとっては覆い隠すには足りない、どこかボンテージにも似た下着も同然だった。
 きつく彼女の肩から伸びたゴム紐は前面から押し出した乳山による押し上げで細い紐のようになっているし、首前まで覆うはずの水着前面はその小ささ故に大きく膨らんだ乳房によって胸元を露出させ、その谷間が大きく見えていた。
 そして、極め付けが股間だった。
 メイドらしいのだろうか? 黒いスカートを水着の上につけてはいるが、膝上よりも短く、単なる腰布にしか見えないフリルのついたスカート。
 その下にちらちらと見える股間、それはぎゅうぎゅうに引き締められたスクール水着の食い込みによって秘所の形まで浮かび上がり、淫猥な形を浮き彫りにしていた、妖艶的な格好。
 そして、極めつけなのだが――その背中には以前にはまったく見られなかったものが見えた。
 翼である。
 猛禽類のどこか分厚い翼が、何故かミニサイズで少女の背中でパタパタしていた。

 この格好を一言で語るなら――【スク水堕天使メイド】?

 いや、おかしい。
 そんな言葉がどこから出たんだ、俺の脳内。
 柊 蓮司は頭を抱えて呻いた。

「やべえ。俺もそろそろ末期かもな」

 戦いの神経症か。
 少し病院にいったほうがいいかもしれない。
 そんな柊の様子を、「ピェ?」と少女が小さな唇を尖らせて、首を傾げた。



 そんな柊の元に姉である京子が来襲してくるまであと十分。

 そして、その騒ぎを聞きつけたベルとアンゼロット率いる最強ウィザード集団が襲い掛かってくるまで三十分を切っていた。
63マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/14(火) 22:51:23 ID:jorRZWAX
>>55
つまりこんな風になるわけですね! わかります!(><)

投下終了 ノシ!
あ、魔王ちゃんの名前は【ハル=ピュイラ】(オリジナル)でした。
どうせもう出ませんが、一応設定明かしです。
64名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 23:52:29 ID:KWfsMLHr
>>63
【ハル=ピュイラ】


アンソロで宝玉狙ってくれはのゼロ距離ヴォーテックス誤射で
撃墜されあかりんのマドレーヌに犯られとどめにフルボッコされた
ボクっ娘魔王の妹ですねわかります(ぇ


幸薄い姉妹ぢゃのぅ(ぇ
65名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 23:53:52 ID:+1MVqcZP
ちょwwwいいぞもっとやってwwww
 
…てか襲撃なんかされたら魔王ちゃんと二人で逃避行して
余計にフラグが深まること請け合いです、この書物に書いてあるからわかります。
66名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 00:18:54 ID:6l4XWalt
マッドマン氏さすがすぎるwwwwwwwwww

前作は戦闘シーンも凄かったですが、個人的にはHシーンもすげーよかったです。
あぁいう、ぬるぬるどろどろ系に襲われるシチュは大好きだーっ!!
しかも次回はレンですかっ、おっぱい星人の俺としては今から全裸待機するしかありません!!
全裸待機しながら「おっぱいとすらいむ……おっぱいとすらいむ……」と電波送っときますね

エリ夢の人もお疲れ様でした! すげー読み応え。最後の最後まではらはらしっぱなし。なに? エロが足りない? ほら、あれだ、確かあかりんもつかまってたから実はあの時に……と、加筆修正すればいいんですよ!
67名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 00:46:44 ID:itwEVwnW
>64
あー…あの、せっかく俺好みの活発系ボクっ娘だったのにイラストの一枚さえもらえなかった不憫な子か…

んでもって、エリ夢作者さんとマッドマンさんお疲れ様ー
…私も本気で、エリ夢さんの作品、えろ分薄めるか削って、分量考えて描かなかったという
部分を追加したらふつーに出版してもらえそうって言うかしてくださいとか。
えろ分あるまま出版でも私は一向に構わんっ!!のですがw

そして、読んでて途中で誇り高き幼女なちびベル様思い出した今日。
68マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/15(水) 01:00:54 ID:HHUX/gUb
ばれーた!

>>64〜以降
ま、まさかばれるとは!?
そうです、あのNWアンソロジーに出てきたボクっ子魔王の姉妹のつもりでした。
おそらく元ネタであろうハルピュイア(いわゆるハーピー)は三姉妹でして(一説によると四姉妹とも)
その中の一人のつもりでした。
名前が微妙に同じなのは、同じ種族出身ということでお願いしますw(ハルニ号でも可)

>>66
巨乳が好きですかw
ええ、私も好きです。
レンのエロスは数が少ないというかほぼないので、ちょっとドキドキしてます。
これからもよろしくお願いします。
69名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 01:37:50 ID:8HXqXXZz
>ハーピー三姉妹
あいつら普通に名前あったような気も。
…まあ、それいったら最初にハル=ピュイアって名前を使ったひとが…
…アリアン・アクロス楽しみですね(何故か話を逸らす)。
70強化姉ちゃん劇場 2/2:2008/10/15(水) 01:49:31 ID:9tlAg8iw
魔王にコスプレだとぅ!?

それだ!
71名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 01:50:33 ID:9tlAg8iw
ぐはあハンドル保存にチェックが
>>70の名前は見なかったことに
72名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 01:56:23 ID:yh8RfwGp
レンのエロス…某板で着衣パイズリ見た程度だな
73名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 02:03:18 ID:itwEVwnW
>72
kwsk
74名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 02:18:54 ID:yh8RfwGp
そういや俺が誘導されたのもここか卓ゲ関係のスレのどっかだったようなw
たしかお絵描き板の依頼スレだったと思う、かなり前だから絵は流れてるだろうが
75名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 02:28:07 ID:itwEVwnW
う、そうか。死ヌ程残念だが流れたもんは仕方ないよな…サンキュ。
誰か保存してないかなw
76名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 10:12:15 ID:6l4XWalt
>>68 マッドマンの人
おお、同士よ! おおきなおっぱいには浪漫が詰まってますよね!
寒くなってくるのでお体に気をつけつつ、執筆頑張ってください! ……へぶしっ(全裸待機中)

>>75
逆に考えるんだ! 絵を見れないという事は、お前のイメージ力さえあれば、その絵よりも何倍もエロイレンたんのパイズリシーンを脳内で生み出せるんだ!
ここに、ある男の言葉をおいておく!
「起きてたって夢を見る事はできるんだよ。
そして、夢を現実にすることが出来るのが人間なんだ!!」
77名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 12:46:35 ID:jpE8eB+J
>>73
虹裏のナイトウィザードの画像スレじゃないの?
78名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 01:09:59 ID:vS+i301u
まてまて、レンと言えば男装の麗人。
つまり必然的に「だったら男らしく扱ってやるよ」→処女アナルルートは必須ではないか?
そう変態真紳士は語るのだった。
79名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 01:48:29 ID:IeazfDKx
つまり、シャルの初めてを頂いてしまっちゃったレンですね、判ります。


【明らかにわかっていない】
80名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 01:50:47 ID:UfRRISJ4
つまり、
レン「ああ………ボクのオトコノコの初めてが………奪われちゃうぅっ………!」
こういう展開でひとまず手を打とうじゃないか。
81名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 08:44:38 ID:A2OYvPxR
>>78
貴殿の仰りたい事は痛いほどわかります。処女なのにアナルでイかされちゃうレンたんはすさまじくよい……が、少しだけ待ってほしい
男装の麗人だからこそ、そのおっぱいで徹底的に女であることを教え込むのですよ
82名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 09:16:23 ID:mE9L/n7R
>>80
……なぜかふたならーなレンに(性的な意味で)翻弄される柊の図が……。
83名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 10:02:51 ID:+7+7OD7z
どう見てもドMのレンにまで翻弄されるのか柊w
84名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 10:13:13 ID:A2OYvPxR
そりゃあ、下がる男だしなぁ……
それにドMなら「ボク、平行世界の自分である蓮司君にこんなことしてる……っ!」って羞恥にまみれるシーンを作れるじゃないか
あるいは第三者にそういう状況に追い込まれて、言葉責めされてるとか
85名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 11:59:54 ID:agPAkMsH
でも性別逆転してるとはいえ、自分とセクロスするってどんな気分だろうな?
86名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 12:40:37 ID:mE9L/n7R
……究極のナルシシズムだろーなぁ>自分同士
つっても、別人って認識があるだろうしよく似た他人って……あーでも顔の造形かなり似てんのか、そういや

そーゆー禁断的な感じ?
87名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 13:20:11 ID:yF5jRzK0
レン「違うよただのオナニーだよ」

【もはやセクロスという認識すらない】
88名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 13:36:59 ID:A2lT8045
すると、柊のほうが自家発電すると、たちまちレンのほうもあふんあふん?
89名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 13:41:42 ID:fGajy8nD
いや、心理学的には人間って自分と似た顔立ちの相手を選ぶという研究があってだな
つまり自分とよく似た、しかし女のレンはその流れでイクと柊のりそ……うわなにをするやめハッタリしご(PAM!
90名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 14:12:22 ID:GiZXAQLj
>>89
それはレンの方にも言えるわけで
そもそもヅカ趣味ってことは結構タチ側やりたい願望ありそうな感じがしたり……さすがに異性に対してはないか

レンはなんかこう真面目で従順なわんこのイメージがあるからタガ一回外れるとエラいことになりそうな予感
91名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 14:24:16 ID:A2OYvPxR
>>90
激しく同意、一度ハマっちゃうと病み付きになりそうだw
92名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 14:59:05 ID:Inm6GQ5o
「タガ一回」がダガーに見えて何事かと思った
9355:2008/10/16(木) 16:02:22 ID:CnQu3dAj
>マッドマンさん
遅くなりましたがGJ!ていうか貴方は神です!
自分の妄想がこんな文章になるとは!御見それしました。
しかし、文章からするとハルちゃん結構スタイルいいみたいですがそうなると、
柊姉襲撃>純粋っぽい性格で柊姉に気に入られる>監視していたロンギヌスから
アンゼに連絡>キルキル部隊出動>柊、ハルちゃんと逃亡(格好はそのまま)
>街で見かけたくれはなどが追跡に加わる。ついでに柊の町での評判が下がる
>逃げている間にグィードなどの濃い連中と遭遇>ハルちゃんびびって柊に
抱きつく>ムニュ(擬音)>モニター&コンパクトで見てたアンゼ&ベル様がきれる。

って感じのストーリーを妄想したんですが実際書くとしたらどこら辺修正すれば
いいですかね?ちなみに書いて欲しいと催促してるわけではありませんよ?いや、マジで。
94名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 16:26:48 ID:lrswuk6P
>>90
柊が女になっちゃえばいいんじゃね?
95名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 19:24:51 ID:laCztvT/
>93
そうだな、作者名をマッドマンさんから>55さんに変更するのがいいと思う。

>90
真面目で従順なわんこ…。
前をはだけたシャツと上着だけ羽織って、四つん這いというかお座り状態で首輪から伸びたリードを咥えて差し出してるレンが何故か脳裏に浮かんだ。
96名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 19:44:53 ID:nwnhL9ao
まさに打てば響くような変態紳士どもだな!

いいぞもっとやれ。
97名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 20:37:30 ID:IeazfDKx
>95
「さぁ、ボクを連れて行きたまえ、ベネット君……」
「そ、それはこっちの台詞でヤンスーっ!?」
「僕はどっちも嫌ですよ!助けてせんちょ……って何でエリーさんがここにっ!?」

「……命、これ、付けたい?」
「あかりん……ボクが?君が?」
98名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 21:20:14 ID:8VxDgGYv
>>95
熱を出してしまった病弱レンが、柊に「体温計で熱測ってくれないかな?」と、直腸体温計を渡しつつ、尻を掲げておねだりですね、わかります。
レントとノエルでもいいよ!
99名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 21:49:54 ID:mE9L/n7R
つまり、>>94-95を総合すると……


暗闇の中。白い肢体が、揺れる。
ぴちゃり、ぴちゃり。時折ずず、となまめかしい音を立てながら、加減を知らぬ子犬がむしゃぶりつくような
相手のペースをまるで考えていない、激しい口内愛撫。

唇を重ねているのは二人の少女。
鏡映しのように顔の造形は似通っているのに、纏う雰囲気と表情、瞳の色だけが、彼女達を別の存在であると告げていた。

一人は波なき湖面のように蒼い双眸。凛々しい百合のような気高さをはらむ少女。
しかし、今は目の前の少女の全てを貪るように、相手の動きを体づくで封じ、逃げようとする舌を絡ませ
繋がる口の中の唾液を味わい、飲み下し、とろけた瞳で目の前の少女の恥態を見逃さぬよう焼き付ける。

いま一人は、空舞う鳶の羽色の瞳。戦地を駆け回る戦士のような鋭さを持つ眼差しの少女。
しかし、今は目の前の少女に動きを封じられ、ただ貪られるだけの獲物のよう。
なぜこんなことをするのかと、よく知るはずの目の前の相手を制止しようとするものの
声は封じられ、息継ぎすら許されず、ただ酸欠と相手の苛烈な舌により生まれた不可思議な情動に翻弄される。

そんな、暗闇の中の鏡合わせは。
蒼い瞳の少女がはぁ、と熱い息を漏らし、舌を絡めるのを唐突にやめた時に途切れた。
じゃらり、と少女の首にある革製の首輪からのびた鎖が擦れて音を立てる。

犬が座っているような体勢のまま、彼女は眼下の、すでに抵抗する気力もなく未知の情欲に浮かされながら涙を零す少女を見て、呟く。

「あは……かわいい」

言われた少女は羞恥に一瞬で顔を赤らめ、表情を見られないよう俯こうとして―――脇腹を軽くつつかれ、びくんと体をのけ反らせた。
小さな衝撃でさえ官能と受け取るほどに高められた今、彼女にできる抵抗などないと言っていい。

蒼い瞳の少女は不思議そうにたずねる。

「そんなにかわいいのに、なんで隠しちゃうの?」
「そんなこと、言われて、嬉し、がれるか……」
「喜んでいいんだよ、ほら」

言って、彼女は相手の胸を自分の豊満な胸で押し潰し、着衣の上からですら尖っているのがわかる先端で、
相手の同じ場所をぐりぐりといじめぬく。涙目の少女が、高い高い嬌声をあげ、高みへと昇る

「ひっ……あっ、ああァっ! やっ。
 やめ―――あああっんあああぅああああっ―――!!」

びくりびくり。同じ体格の少女がしな垂れかかっているにも関わらず、体が弓のように反り―――
―――ぼろぼろ涙をこぼし、悲痛なまでの声とともに、果てる。
あまりの快感への耐性のなさに、攻め手があっけにとられるほど。

果てを見た少女は、虚空に目をやったまま、頭に散った火花を追いやるように力無く首を振る。
その姿を見て、攻め手の少女はぺろりと唇を濡らす。
「ほんとに―――かわいいよ、蓮司くん。食べちゃいたいくらい」

そう言って、彼女は―――首輪に「レン」とだけ彫られた金属板を付けた少女は、再び目の前の少女を貪りはじめた。
鏡合わせの凌辱劇は、当分の間終わる様相はない……。


こんな感じ?
つか、携帯辛い……(涙)
100マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:05:41 ID:EPfGZbFe
>>93
そうですね。
うーん、アドバイスというと。


101魔王少女の爆撃舞踏曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:07:11 ID:EPfGZbFe

 一行あらすじ:
 突然の魔王の襲来。それに一介の魔剣使いである柊 蓮司はとても困っていたのである!
 以下省略。



 上半身はTシャツいっちょ、下には着たままのジーンズ姿のラフな格好の柊の前には凄い難問が存在していた。
 とてつもなく、そうとてつもなく卑猥でマニアックで禁忌的な色香に満ちた格好をしたおそらく多分メイドな服装をした魔王の少女。
 それを前に柊は腕を組んで、どうするかなーと悩んでいた時だった。
 どたどたどたと、足音が聞こえたのを柊は察知した。

「っ!? やべえ、こんな時間か!?」

「ピッ?」

「とりあえず、隠れろ!!」

 混乱の上に迫る危機。それに柊は冷静な思考能力など星の彼方に弾き飛ばして、布団を引き引き剥がすと、神速の勢いでメイド服(?)な少女を抱え上げて、ベットに放り込む。
 ピェッ!? と可愛らしい悲鳴が聞こえるが、それすらも押し殺すかのような速度で布団を上から被せて、さらに頭隠して尻隠さずとばかりに突き出た臀部を無造作に押し込み
 ――その際にしっかりとスクール水着で覆われた瑞々しい尻肉を掴んでいるが、気にしている暇も無く大きめの枕で蓋をした。
 速度にして二秒にも満たない早業である。

「蓮司ー! 朝だぞー! さっさと起きなさいっ」

 その瞬間だった。
 どげしっと早朝の朝からいい音を響かせて、自室の扉が文字通り蹴り開けられたのは。

「あ、蓮司。もう起きてたの?」

 そう呟くのは茶に染め上げた艶やかな髪を肩下まで伸ばした長身の女性だった。
 飾り気のない安物のズボンを履き、大き目のタンクトップからはみ出る乳房の露出も気にせずに、上から男物のジャケットを羽織った綺麗というよりも凛々しい雰囲気の女性。
 メンソールを口に咥えたどことなく気だるい表情を浮かべた美人の女性。
 柊 蓮司の姉である柊 京子だった。

 ぜはーと息を吐いて、ベットに持たれかかるように荒い息を吐いている柊を見て京子が意外そうに声を上げた。

「た、たまには早く起きてるんだよ」

「なんでそんなに息が荒いのよ」

「たまにはそんなこともあるんだよ」

 一点調子の返事だった。
 なんかおかしいな? と京子が内心首を傾げて――気付いた。
 いや、気付くのは必然だった。
 柊のベットの布団、それがこんもりと山になっているのだから。それも人間サイズぐらいで。

「蓮司……ベットの中に何隠してるの?」

「はっ?! な、何も隠してねーよ!」

 汗ダラダラで答える柊。見事なまでに隠しようが無いのに、開き直っているのは哀れとも言えた。
 スタスタと近づきつつ、京子が告げる。
102魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ2 ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:08:03 ID:EPfGZbFe
 
「じゃあ、見てもいいよね?」

「だ、ダメに決まってんだろ!」

 せめてもの抵抗とばかりに柊が立ち上がろうとして――瞬間、こめかみに直撃した回し蹴りで吹っ飛んだ。
 一応不良のカテゴリーに入る柊 蓮司。
 その姉である京子はどうやら元チーマーだったらしい見事な回し蹴りだった。
 世界結界の弱体化故にイノセントの物理攻撃はもはや完全に遮断するはずの月衣を纏ったウィザードである柊 蓮司をも弾き飛ばす姉の一撃というのは常識外に該当しているのだろうか?

「ぐえ!」

 地面から引っこ抜かれた雑草の如き哀れさで壁に激突し、呻き声を上げる柊。
 そして、京子が内心(ついにくれはでも連れ込んだのかしら?) とウキウキしつつガバッと布団を引っぺがした。

 其処にいたのは堕天使スク水メイドでした。

「……」

「……ピェ?」

 少女と京子の目線が重なる。
 しばしの沈黙。
 しばしの硬直。
 そして、数秒にも数時間にも思えた静止した時間からギギギと音を立てて京子が壁に激突したままの柊を見て。

「このドぐされ犯罪者がぁあああ!!!」

 床を蹴る、空を舞う、全力全身のドロップキックの追撃が柊に完全無欠のトドメを刺した。
 頚椎の軋む音が聞こえるほどのイイ一撃だった。




 しばし、グロテスクな光景が続いております。

 しばらく柊蓮司の下がる映像と柊。 はわっ! ガッデム! 弁当……などと呟く四人の女子の映像を脳内でエンドレスで流し続けてくださいませ。
103魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ2 ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:08:52 ID:EPfGZbFe
 
「で? アンタもなんでここにいるのか、まったくもって知らないと?」

「ま、まったくもってその通りです……っていうか、俺はそんなことしねえって……」

 アンタが死ぬまで殴るのをやめない!
 とばかりに、馬乗りになり、紅く染まった拳を振り抜き続けていた京子が正気に戻ったのは、鳥の鳴くような声で必至に制止した少女の行動があってだ。

「うっさいわね。どうみても無理やり着せ替えた後に、強姦行為に及ぶ少年Aだったわよ? ……ああ、もう18だから本名そのままで報道されるわね」

「しねえって……」

 顔のアザだらけ、流れ出る鼻血を食い止めるためにティッシュを詰めた顔が痛々しく、柊は呟いた。
 魔王でも、古代神でも、冥魔の手でもなく実の姉に殺されかけるウィザード屈指の魔剣使いだった。

「えっと、それで君は誰なのかな?」

 柊と京子の間に挟まれ、居場所なさげに視線を巡らせていた亜麻色髪のメイド(?)少女に、京子が優しげに話しかけると、こくんと頷いて。

「ピー」

 と、鳴いた。

「あ、ハル・ピュイラっていうのね」

「分かるのかよ!?」

 京子があっさりと頷き、それに柊はふんっと鼻から丸めたティッシュを吹き出しながら突っ込んだ。

「うっさいわね。フィーリングと心意気で会話なんて成り立つものよ。前に海外旅行にいった時、ハンドサインだけでブランド品の値切り交渉までしてやったわ」

「いや、それはそれですげえけどよ……なんかちがくね? 明らかに人語じゃねーし」

「いいのよ〜。なんか可愛いし〜」

 メイド服(?)少女から、ハル・ピュイラという名称と存在に生まれ変わった少女は京子に頭を撫でられて嬉しそうに微笑んだ。

「きゃー。いい肌してるじゃない、なんかモチモチ肌〜、いいわねー若いってー」

「……なんだかなぁ」

 ぎゅーとイノセントである京子に抱きしめられて、本来ならば恐怖を与えるはずの存在であるハルは戸惑ったように声を上げて、その歳不相応に成熟した肢体を触られていた。
 そんなある意味セクハラな現場に取り残された柊は静かにため息を吐いて、これからどうするかなーと現実逃避をするかのように遠い目を浮かべた。
 しかし、彼は気付いていなかった。
 そんな柊蓮司の自宅、その窓、そこを常時ストーカーのように監視し続ける視線があったことに。

「――キルキル。柊 蓮司の自室にて魔王級エミュレイターの出現を確認したキルキル」

『キルキル。了解したキルキル』

 怪しげな会話をこなす監視者とその連絡先とは!?



 ――数十行後に判明するだろうから、説明は省略!
104魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ2 ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:09:42 ID:EPfGZbFe
 
 何故ハル・ピュイラが来たのか。
 その理由を尋ねると、ハルはどこからともなく取り出した紙芝居で語り出した。
 クレヨンで書かれた真っ黒い怪獣――おそらく冥魔、それに捕まった自分――子供のラクガキのような女の子が描かれた絵。
 次の絵を取り出す。
 その黒い怪獣に切りかかる棒人間とでっかい剣――おそらく柊蓮司とその魔剣が描かれていた。
 さらに次の絵を引き出す。
 見事に柊 蓮司に助けられるハルが描かれている……何故か80年代の少女マンガタッチで、キラキラした瞳の柊が大変きもかった。
 そして、最後の絵。
 もやもやとした白い雲の中に浮かぶ美形化された柊、それに挑みかかるようなポーズのハルの絵があった。
 それらを順番に見せると、ピエッと声を上げて、力瘤を……そんなものはないから細く白い腕を折り曲げて、ハルが声を上げた。

「んー、翻訳すると、恩返しにきたって感じ?」

 じーとしばらく紙芝居の絵を見ながら、思案した京子がぼそりと呟いた。

「ピィ!」

 その通り! と、ばかりに笑みを浮かべるハル。

「……マジか。鶴の恩返しじゃあるまいし」

 魔王が恩返しなど誰が想像するだろうか。
 少なくとも柊は想像などしなかった。

「まあいいや。途中経過がよく分からんが、暴漢か何かから蓮司が助けたんだろ? 恩返しとやら、受けてやろうじゃないか」

「え? 本気かよ」

 バツ悪そうな顔を浮かべる柊に、京子はぽかりと頭を叩いた。

「人の行為を無駄にするようなことを言うんじゃない。まあ掃除と洗濯でもしてもらえれば丁度いいだろう」

 手ごろに相手が満足するような代償行為を考えて京子は告げると、柊も問題ないとばかりに頷く。
 見たところ爵位も持たない侵魔上がりの魔王とはいえ、下手な行動をされれば何が起きるのか分からない。
 問題ない恩返しをさせて、さっさと帰ってもらうのが一番の解決策だろう。

「んじゃ、とりあえずそのちょっとおかしい格好から着替えてもらって」

 常軌を逸したマニアックコスチュームは不味いだろうと、京子が声を上げようとした時だった。


「――キル」


 ……変な声がしましたよ?

「この声は!?」

 瞬間、柊は神速の反応で立ち上がると、即座に部屋の窓を覆っていたカーテンを開いた。
 其処には静かに窓ガラスの張り付いた仮面を被った黒衣装の男たちが居た。
 正直言おう。

 ゴキブリみたいだった。

「な、ななななな!!!」

 前を向いたまま、器用に全力後退し、柊が悲鳴じみた声を上げる。
 京子はなんだありゃ? とばかりに眉を歪めて、ハルは怯えてピーピーと声を荒げた。
105魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ2 ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:10:36 ID:EPfGZbFe
 
「キルキルキル」

「キルキルキルキルキルキル」

「キルキルキルキルキルキルキルキルキル!」

 それは通称キルキル部隊。
 悪な秘密結社の戦闘員の如く洗脳されて、テンションがどこかに逝ってしまったロンギヌスの部隊だった。

「キルキル部隊!?」

「キルー!!」

 イノセントがいるにも関わらず、きしゃーと窓ガラスを蹴り破り、侵入する仮面黒衣の集団。
 その手にはごっつ痛そうなクギバットやら、多分死なないだろうけどとっても痛い鋼鉄のハリセンなど、処罰用装備を握りまくっていた。

「な、なんでこんなところに!?」

『柊さーん!!』

 その時だった。
 忌まわしき天敵の声がしたのは。

『不届き千万な行為をしてましたねー! 私の慈悲は大海よりも広いですが、さすがに見過ごせません〜』

「うるせー!! っていうか、人の家に押しかけてくんな!!」

 マンションの外でパラパラと近所迷惑極まりないヘリのホバリングをさせているのは、銀髪の美少女であるアンゼロットだった。
 拡声器から響く声に、マンションの住人がばらばらと出てきては「また柊か」 「まぁあの柊さんちの」 「柊ならやるだろうなぁ」 「だって柊 蓮司だしなぁ」 とかいう会話がされているが、構っていられなかった。
 世間の評価がさらに下がろうが、引き下がれないものがある。

「くそ、あの暇人守護者め。うちの姉貴がいるんだぞ! ロンギヌス出動なんて、馬鹿か!!」

 そんなイノセントの姉貴は平然とした顔つきでアンゼロットと柊の対応を眺めては、ほうほぅと頷いている。
 凄く不吉な予感がしたが、柊は決死の覚悟で無視した。

『事態は事を急いでいますー。さっさとそこの魔王級エミュレイターを引き渡しなさい。そんなロリきょにゅ……げふんげふん! 不快な存在を私は見過ごすわけにはいかないのです!』

「アンゼロットォ!! 今はっきりと本音が聞こえたぞ、こらぁああ!!」

 柊が確実に見えたアンゼロットの本音に絶叫を上げていると、不意にくいっとシャツの裾を引っ張られた。
 そこには潤んだ瞳で怯えるハルが居た。
 ピェ〜と生まれた間もない小鳥のような声を上げて、周りを取り囲むキルキル部隊の荒い息に怯えている。
 そんなハルを見て……柊は不意に思いついたことがあった。

「姉貴」

 馬鹿かもしれない。
 けれども、一度思いついたからにはやらないと後悔すると思った。
 だから、一言詫びようと姉に声をかけて――

「行って来い、蓮司」

 サムズアップする京子に少しだけ驚いて、柊は答えるように笑みを浮かべた。
106魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ2 ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:11:30 ID:EPfGZbFe
 
『さあ、柊さん〜? ハイかYESかで答えてくださいね』

「ああ、それなんだけどな」

 柊は答える。
 答えながら、素早く横に座り込むハルを抱き抱えた。

『え?』

「NOだ!!」

 そう告げた瞬間、柊は傍にいたキルキル部隊の一人を蹴り倒し、疾風怒濤の速度で逃げ出していた。
 ハルを横抱きにしたままである。

『なっ!? 追いなさい! ロンギヌスたち!!』

『イエッサー!!』

 エアダンスまで行使し、玄関から神速の勢いで靴を履いて、マンションから飛び出した柊を追って、キルキル部隊が威勢よく走り出した。



 走る、逃げる、全力疾走する。
 秋葉原の町を柊は全力で逃亡していた。
 それを追うのはキルキル部隊の面子であり、その手には処罰用の道具から確実にヤル気満々な殺傷道具へと変わっていた。

「うぉおおい!!!?」

 魔力すらも感じられる刀剣に、銃火器、箒まで繰り出している。
 明らかな過剰武装だった。
 そして、紡がれる魔術詠唱。
 魔法まで使う気らしい。幾らギャグでもやりすぎである。

「いいのか、これぇえええ!?」

 そんなに俺を殺したいのかという叫び声、殺気溢れる攻撃の数々にぶるんぶるんと熟れた肉体を揺らすハルの叫び声。

「ピェー!?」

 事前に秋葉原全体に連絡をまわしていたのか、映画の撮影だというスタッフに扮装したロンギヌスや、カメラなどが設置されており、時折飛んでくる銃弾や、魔法などもCGです! 小道具です! などという嘘で誤魔化しているようだった。
 最近の技術はすごいのぉっと感心している見物客――激しく間違っている気がしてならない。
 お前らはどこぞの野菜子供教師のモブキャラかと叫びたくなったが、ツッコミを入れる余裕すらなかった。

「っ!?」

 前方からウィッチブレードに乗ったキルキル部隊の突撃――ブレードアサルトと呼ばれる箒操縦技巧。

「しねえええ!」

 目的を完全に見失った阿呆の掛け声。
 それをハルを抱きしめ、その腰に、尻に魔剣を握り続けて力強くなった握力の指をめり込ませながら、柊は地面を蹴り飛ばした。
 宙を舞う、ウィッチブレードよりも上に、その搭乗者よりも上空に。

「なっ!」

 そして、ゲシリと仮面を付けたその頭部を踏み台にした。
 ブルンと踏みつけた衝撃で、たわわに実ったハルの乳房がスクール水着越しで揺れて柊の胸板を打ち、ピィッと羞恥にハルが頬を染める。
 ――その光景と格好に全力興奮するオタッキーな野次馬の皆さん、自重してください。
107魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ2 ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:12:25 ID:EPfGZbFe
 
「お、俺を踏み台にしただとう!?」

 お約束な言葉を吐いて、さらに追撃した柊の蹴りで転げ落ちるキルキル部隊雑魚A。
 その勇士に涙を流しながら、グッジョブをしたのは一人だけではなかっただろう。

「っと!」

 宙返りをするかのようにアスファルトの大地に足を叩きつけ、膝を曲げて、衝撃を吸収。
 一瞬揺れて落としそうになるハルをしっかりと抱きしめる。
 目と鼻の先、柊の首元に埋もれそうになるほどハルの顔が近く、その青い果実のような肉体がぴったりと抱き寄せられ――或いは押し付けて、むぎゅっとした音がした。
 淫らに歪む乳房、メロン型だった乳房がお椀型に淫靡に崩れて、数瞬単位で柊の胸板に合わせて広がり、乳首の先の刺激に熱い吐息をハルは吐き出した。

「大丈夫か?」

 けれども、柊は押し付けられる乳房の柔らかさも、熱く掛かる吐息の色香も、未だに掴み続ける尻肉の蕩けるような触感も気にせず、意識せず、ただその安否を気遣う。
 驚愕的なまでの鈍感さ、或いは真摯さか。
 一度他者のために動き、戦うと決めた彼の瞳にはその安否と救うための活動しか気にせず、意識を向けることのない、邪念の隙間もない純粋なる人の姿がある。
 しかし、それを気に喰わないものが居た。

「くっ!!」

 血走った目で、ヘリから柊たちの様子を見るアンゼロットだった。
 邪念たっぷりの心で、望遠カメラから見える柊とハルの様子を見る。
 憎かった。
 激しく憎かった。
 魔王の存在が? イエス、それもある。
 柊にくっつく女が許せない? ハイ、私の玩具に手を出すなどいい度胸だ。
 しかし、しかし、しかし、それだけではこの怒りは表現も説明もし切れない。
 彼女が憎んでいるのは真に一つ。

 ――たわわに実り、熟れた肉体だった。

「ガッデム!!」

 かつての肉体ならばともかく、今はつるぺた、マニア受け、貧乳はステータスだ! 状態なアンゼロットは神を罵った。
 憎悪が目に浮かんでいた。
 ばきりと握る席の肘掛が粉砕されるほどだった。
 見せ付けているのか? それとも当て付けか。
 ゲラゲラゲラと嗤う声が聞こえたような気がした。
 羨ましかろう! 物凄く悔しいだろう! 貴様には出来ぬのだ! 永久の少女よ! お前は永遠に幼児体型。あんなボイ〜ンなんて表現など出来ぬ貧相な肉体のままに生きるがいい!! この物足りない幼女め!
 ……そんな超至高神の笑い声が聞こえたような気がした。

『柊さ〜ん!!』

「なんで怒り狂ってんだよ!?」

 そして、柊に向けられる攻撃はさらに苛烈さを増したとさ。
108魔王少女の爆撃舞踏曲 おまけ2 ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:13:19 ID:EPfGZbFe

 そして、一方。
 その頃の裏界では一人の少女――否、蝿の女王が笑い声を上げていた。

「アハハハハ!!! 最高ね!!」

 腹を抱えて笑い転げるのは、銀髪に黄金の瞳をした麗しき女性。
 黒衣のドレスを身に纏い、甘く脳髄まで蕩かすような淫靡なる色香を漂わせた肢体から零れ出る素肌を隠そうともせずに、笑っていた。

「アンゼロットの奴、あんなに悔しがってるわ!」

 コンパクトから見える怒髪天を付く勢いの宿敵たる守護者の様子に蝿の女王、ベール・ゼファーは傍にいた友人である魔王に呼びかけた。

「最高だと思わない?」

「……そうですね。とても愉快だと思いますが、やはり全てはこの本に書かれた通り」

 秘密公爵リオン・グンタは手に握った書物を大事そうに抱えると、不意に笑い続けるベルを見て首を傾げた。

「ところで、ベル。一つ訪ねてもいいですか?」

「なに?」

「一々大人の状態になっているのは、対抗するためですか?」

「……」

 その質問に、ベルは答えなかった。

109名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 22:13:37 ID:mE9L/n7R
……なにやってんだ兄さんww
110マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:14:48 ID:EPfGZbFe
>>93氏へ

(・ω・)? 多分こんな感じかな? と思います。
具体的なアドバイスが思いつきませんでした、ごめんよ……
111マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:32:34 ID:EPfGZbFe
>>95さん

 彼女はそこで潤んだ瞳で見上げていた。
 荒く息を吐き、恋焦がれたような瞳でただ静かに、どことなく熱に浮かされた瞳を浮かべていた。
 彼女の格好は酷く淫らだった。
 薄い茶に染めた髪は汗に濡れて輝き、あまり焼けていないだろう肌は雪のように白く血管が浮き出るかのような儚さ。
 その体は脆く、強大なる勇者の力に翻弄されるたびに吐血し、激痛に歪む悲しき宿命。
 あどけなさを残った可愛らしい美貌、それが何度世界の破滅に凛々しい表情を浮かべて、激痛を押し隠してきたのだろうか。
 そんな彼女が今している格好は常時では考えられなかった。
 胸元から見える素肌――シャツはなく、上着のみを羽織り、白く豊かに熟れた乳房が大きく露出し、その先に浮かぶ硬く尖った乳首だけが上着の位置をギリギリ隠す位置で止めている。
 纏うのは上着だけであり、その下半身には何も付けてない、裸の格好。
 瑞々しい臀部も、なだらかな曲線を描く腰も、見るだけで欲情を誘う太腿も、そして淡い茂みを持つ股間も、隠すものはなにもなく、ただ羞恥に上がった体温により赤みを帯びて、吹き出す汗に濡れてテラテラと輝いていた。
 まるでもぎ立ての果実のような瑞々しさ。
 乳液を薄く塗りたくったマシュマロのような乳球を見て、欲情を感じないものなど居まい。
 そして、少女は獣のような体勢でぐじゅぐじゅと自らの秘所を弄り回していた。
 誰も触れたことのないだろう、その秘所を、湿った音の中に掻き消える愛しい男性の名前を呼びながら、発情しているのだ。
 汗が浮かび、愛液が床に滴り落ちる――放尿のような飛沫。
 湿った音がする。聞くだけで理性を砕き、削り、蕩かし、甘い肉欲の世界へと誘う魔笛の呼び声。
 少女は発情していた。
 少女は熱情していた。
 ジャラジャラと音が鳴る首元。
 上着以外に唯一身に付けた人型サイズの首輪、そこからk~がるものを探す鎖がまるで理性の崩壊を知らせる金のように金属音を掻き鳴らし、少女は鎖を口に咥えて、熱に浮かされた、雌犬の表情で強請った。

「蓮司……くん……」

 雌犬となった、レンが愛しい男性に甘く蕩けるような声を上げていた。


 こうですか? 分かりません!(><)
112名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 22:39:18 ID:IeazfDKx
>110
意見具申!
>105の直後は、京子姐さんがロンギヌスを蹴散らす流れです!
113名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 22:39:47 ID:C6cRcV0K
>>99
なるほど、これが携帯小説という物かっ!!流行るのも頷けるっ!!(おそらく違います。

>>101
なんでそんな微に入り細を穿つようなロリ巨乳描写をwwww
114マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/16(木) 22:55:29 ID:EPfGZbFe
コメント返しです。

>>109
ふふふ、マッドマンはついついいいネタ話を見るとやっちまいたくなるんだ。
脊髄反射で30分で書きました。

>>112
ナ、ナンダッテー ΩΩΩ
修行が足りませんね。
自分アドバイスだけしか出来ない不器用な人なんでw

>>113
せっかくのロリ巨乳なので、エロスを目指しました。
わっふるわっふる。

今度こそ、多分、終了です!
ありがとうございましたー!
115名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 23:04:09 ID:mE9L/n7R
>>114
あ、わかる。それ超わかる。
面白いネタ見ると筆動きますよねぇ。もはや脊髄反射的に。

つーか>>99はその産物。しかもエロは初挑戦。投げるかどうかめがっさ迷ったにょろ。
べ、別に>>94-95のために18禁ものの処女(作)捧げたわけじゃないんだからねっ!? とか言ってみる。
116名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 23:22:44 ID:OpO1yrhw
>マッドマンさん
サービス精神旺盛過ぎるwww
GJっしたーッ!
 
劇中の勇姿(雄姿かな?)→勇士(郎)の誤植に作品執筆の名残を感じましたw
 
>>115さん
初挑戦でこれとはすごいっすね。
一言でいうならおっきした。
じ、次回作投下を楽しみになんか、してあげないんだから!
117名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 00:00:46 ID:4AGJjz6E
すごく唐突かつ行間を跳躍した話題ではあるが。

なぜにゲヘナ・シェヘラザードテイルズのえちネタは皆無なのだろうか
アザゼルのものは過去スレにもあったというに、初代の面子はイラスト的にも中身的にも妄想直撃だというに!
サフィーアなんて見ろ、きょぬーだぞ奴隷と間違われるようなエロ衣裳だぞ下着丸出しだぞーちくしょー
118名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 00:38:17 ID:ZI7fRzna
ないなら自分で書けばいいではないか!
……って>>117に言えって俺の肩に乗っかった邪精が囁いてる。
119名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 00:38:37 ID:49z8RjJW
>>117
あのリプは出た当時パルウィーンが全部持ってったからなw
俺もサフィーアは良いと思う。

でもアッシュの方が好き。
キラキラの小説に出たアッシュの挿絵が素敵にエロかった。
120名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 00:59:40 ID:HVjWXJR4
どうせなら、歴代キャラごたまぜのとかを誰か書いてくれないものか。
ゲヘナはエロに向くし、リプレイでキャラも一杯いるのに。
121名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 01:04:27 ID:6GzxVBD/
ゲヘナは煌少女しか読んだことないから無理っぽいなあ
122名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 05:38:23 ID:SmLnsO79
>>110-111
 いやもうこれアドバイスとかじゃないよね!? 確かに具体的なアドバイスでもないけど!!

 個人的には>>108の続きが気になる…。
 いや、魔王少女〜の本編ってハルがヒロインだったっけ? とか一瞬思いましたよ。
 頑張れベル様。ヒロインの座を取り戻す(?)んだ!!

 何はともあれ、乙&GJっしたっ!!
123名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 14:36:11 ID:49z8RjJW
ぬぎぱく期待大。
つか下手なエロパロより凄いんじゃないかw
124名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 15:08:29 ID:DSvD6kT6
>>123
……誤爆?
125名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 15:42:46 ID:fN41UyYn
ソードワールドスレの誤爆か、単にこっちで振るべきだと判断したか。
まあ内容的には確かにこっちだが。

……すげー表紙絵だよなー。
1番凄い挿絵ってどんなんだ。
126115:2008/10/17(金) 16:12:58 ID:8A2Znepo
べ、別に>>116に発奮されて書いたわけじゃないんだからね!
単にいつもより4時間早く起きちゃって目が冴えて眠れなかっただけなんだから!


……とか言いつつ投下。>>99の続き。
エロは本当にはじめてなんでかなりきんちょー気味(汗)。
127>>99続き:2008/10/17(金) 16:14:15 ID:8A2Znepo
簡単なあらすじ
なんか女体化したひいらぎはレンによって貪られてるのでしたっ!つづく。



暗闇の中を肢体が踊る。
彼女たちにとって確かなものは、目の前の相手の存在だけ。
逆に言えば、だからこそそれにしか集中できない。
それは、翻弄させる側にとっては幸運であり、される側にとっては少々不幸と言えた。

何度目かの長い長い嬌声。
これまで感じたことのない快楽の果てをこの短時間で幾度も味わわされた少女は、細かく震えながらその激震の余韻から逃れるように、荒く息をつく。
顔は涙と汗とでくしゃくしゃで、いつのまにか服は脱がされ、下着だけが彼女を守る最後の砦と化していた。
そんな彼女のふとももの上に乗り、悦楽に染まった瞳で眺めるように見ている少女―――柊レンは、恍惚と呟く。

「たくさんイったね。気持ち……いい?」

その言葉に、少女は力なく首を横に振る。

「……も。ワケ、わかんね……」
「うーん、男の子のそういうのと女の子のそういうのじゃやっぱり違うのかな……」

困ったように頭をかきながら、暢気にそう言って―――レンは少女にとっての絶望の言葉を口にする。

「―――じゃあ、確実に気持ちよくなってもらえるように。本番(これから)頑張るよ」
「まっ―――待てレンっ! 無理っ! 俺もう無理だから―――ひぅっ!?」

あわてて制止をかけようとした声が、首筋に立てられた犬歯の感触で喉の奥に引っ込む。
それを了承ととったわけでもないだろうが、彼女が声を納めたほんの数瞬。
自分とほぼ同じ体格の少女の勝手を知り尽くしているレンは、やけに清楚な白地に青い刺繍のブラを剥ぎ取り、放り投げる。

目の前にこぼれるのは、白い乳房。レンと同じサイズ、形であるソレは、片手では収まりきらないほどに大きい。
何度もブラの上からいじめられ、とっくに先端は硬く尖り。少し、赤くなってすらいた。
はぁ、とレンが感嘆のため息をつく。

「おっきいね……それに、前から思ってたけど意外に肌白いよね。ボクと違って外にはよく出てるのに。
 ただ、やっぱり結構傷跡目立つよ? ダメじゃない、ちゃんとすぐ治療してもらわないと。痕残っちゃうよ? こことか」

レンは少女の傷跡を撫でるようにして触れる。
何度か絶頂に味わい、体中が今過敏なまでに反応する彼女にとっては、それでさえぴくりと震えるほどの刺激となって、小さく声が漏れる。

「っぅ……! い……いーだろ、別に。こんなんいくらあったって、別に困りゃしないんだし―――」
「そういうこと言ってると、こうだよ?」

彼女がそう返してくるのを待っていたかのように、レンは愉悦にとろけた顔で、一糸まとわぬ大きなふくらみを上から圧し潰すようにきゅ、と揉む。
レンの細い指の間からはみ出るほどの弾力。わしづかみ、という表現にふさわしく指が食い込む。
指先でゆっくり、強さの強弱を変えながら胸の形を変え、手のひらで乳首をくりくりといじりあげてこねる。
これまでの愛撫が全て布越しだったこともあってなのか、襲われている少女はよりダイレクトな愛撫に、一気に脳内が白く染まる。
必死に快楽から逃れようともがくが、レンの手の動きはその動きすら封じて彼女を喘がせる。

「ひっ―――や、あっ! レンっ、レン……っ、それキツ、くぁあんっ! やめ、て……っ!」
「気持ちいいでしょ。今までは全部ブラがあったからさ、ちょっともどかしかったかもしれないけど……って、そうでもないか。何回もイってくれてたし。
 けど、やっぱり直に触るのとじゃわけが違うでしょ?
 まぁ。これだけでイってもらってもいいんだけど、あんまり本番前にイかせちゃうと、本番まで持たないかもしれないからね。片方だけやめてあげる」

悪戯っぽく笑って、彼女は右手を胸から外す。それで、頭を狂わすほどの快楽が半分減って、彼女が少し安堵する。
しかし、それはレンの言葉通り―――本番への準備にすぎなかった。
レンは彼女がほっとしたのを見てとると、その硬くしこった右胸の先を―――迷うことなく、口に含んだ。
ぬるぬると、赤い舌が白い肌の上を舐め上げ、唇で乳首の先端を強く吸われ、舌先で捏ね上げられ、犬歯の先でつつかれ―――初めての責めに少女が悶え狂う。
128>>99続き:2008/10/17(金) 16:15:09 ID:8A2Znepo
「うああぁぁぁぁっ!? き―――か、はぁんっ、んっ! あぁぁうぅっ。や、だ。やだぁ……っ!」
「ひゃへ?もうキツい?」
「ば……っ! くちっ……ひぃあっ! あぁっ! あ、う。しゃべ、んなっ……」

敏感なところを咥えられたまましゃべられたのではたまったものではない。
それに気づいて、ごめんごめん、と笑って謝罪しながらレンは名残おしげに一回強く先端を吸い上げてから離してやると、強すぎる快楽でふるふると震える少女を見据える。

「それにしても……ホントにこういうの弱いんだね。なんていうのかな、生娘? みたいな?」
「うぅ……当たり前、だろーが……っくぅ。こっちは、こんなの初めてに……はぁっ、決まってん、だろ」
「睨まない睨まない。それに―――まだまだここからだよ? キモチイイこと」

けして迫力のない顔で憎まれ口を叩く目の前の少女を思う存分に好き勝手できることに、とろけた瞳のままレンはこれからの愉しみに思いを馳せながら―――
―――それまで少女の腹部を触っていた右手を、少女の最後の布地の砦の中に、すばやく潜りこませた。
割れ目を双球から茂みまで一直線になで上げる。それだけで、少女は大きく目を見開き息もできないほどのこれまでで最大級の快感に襲われた。

「うわ……びちゃびちゃだよ? そんなに気持ちよかった?」

紛れもなく少女の内から湧いた愛液でぬらぬらと濡れた指先を、呆れたような口調とともに見せつけるレン。
少女は快感の余韻から戻ると、ぎゅ、と目を閉じてそっぽを向く。

「ちが、う……こんなん、知らないっ……! こんなの、俺じゃない―――」

固く閉じられた瞳からは、快楽による生理的な涙。悔しさの滲む言葉。真っ白になるほど強く握り締められた手は、あまりの激情に爪が皮膚を傷つけるほど。
それにさすがに罪悪感を感じたのか、レンは少しだけ憂いを帯びた目で少女を見る。

「う……ごめん。ちょっとからかい過ぎちゃったかな。しゃべってるの辛いよね、今度は―――何も考えなくて済むように、気持ちよくさせてあげるから」

優しく少女のまぶたに口付け、レンは微笑む。
その顔は、まるで慈愛の女神のようにも見える。

―――瞳が、快楽におぼれたままでさえなければ。

レンのその表情と言葉で、少女はこれからの自分の運命を思い知る。
ただ貪られる、捕食者の役目は変わらないのだと。それで、涙があふれた。


129>>99続き:2008/10/17(金) 16:16:04 ID:8A2Znepo
ぐちゅり、ぐちゃり、ぐちゅ。ぶちゅ。
すでに布は剥ぎ取られ、たおやかな白く長い三本の指が、少女の中を出入りする。
抉り、擦り、突き貫く。指だけで何度も絶頂に導かれ、少女とレンの結合部は、水溜りができるほど。レンも、あふれでる少女の愛液で肘までべっとりと濡れていた。
その状態で、いまだにやめて、と願う言葉を喘ぎの中に混ぜる少女を、レンは愛おしいと思った。
こんなに快楽の海に沈めているのに、それでもそれを止めようとする声はなんなんだろうか、と。
もっともっと気持ちよくしてあげたら、きっと言わなくなるのではないかと思ったが、どんな快楽に突き落としてもやめてほしいと彼女は願うのだ。

―――体はこんなにも快楽を求めているのに。
―――なんて、素直じゃないんだろう。

「……かわいい」

それが、彼女の奉仕心とほんの少しの嗜虐心をそそのかしたのか。
すでにべたべたと蜜で濡れた指を、完全に引き抜く。
ぼたぼたっ、と。指先から滴り落ちる蜜。その音を聞いて、真っ赤な顔をさらに赤らめながら、一方的な責めからの解放に安堵する少女。荒い息を繰り返す。

「あ……う、ぁ…………」

指先をぺちゃり、と味わうように舐め、うん、とレンは頷く。

「おいし。もっと、ちょうだい?」

恍惚の表情と共に、レンはいまだに蜜を吐き出し続ける少女の蜜壷の口へと近づき―――少女が異変に気づくよりも早く、その蜜壷いっぱいに広がる蜜を、すする。
安全域から一気に危険地帯に放り込まれる感覚。

「ひ、ぃっ!? すわ、吸われ―――いやあっ!? き、あひああああぁぁっぁぁぁぁっっ!!!」

あまりの落差に心が追いつけず、少女は一気に高みに押しやられ、体を痙攣させながら壮絶に果てる。
しかしその頂ですら終わりではない。

「―――あぁ!? くぁああっ! だめっ、いま、いまおわっ!? おわった、のに……! はぁぁあぐっ! 
 ま、だうえっ!? いや、ぁっ! れん、やめ―――んあぁぁうあああァっ!?」

一つ登ればさらに上、その上に昇ればもう一つ上が。
終わらない。高みはさらなる高みに昇るためのステップでしかない。
レンも止まらない。一滴の雫も残さぬ勢いで、ずちゅりずちゅると吸い上げ、弱いところを舌でつつきなで上げながら更なる高みへと少女を導く。
悶え狂う少女を見ながら、レン自身が満足するまで続けた。
ぴちゃり、と最後に舐めあげて、背中の筋が心配になるほどの激しい絶頂を目の当たりにする。

くたり、と力なく横たわる少女。すでに放心状態に近いが、なんとか意識はある。それを確認すると、レンは最後の段階に進んだ。

「気持ちよかった? だったらうれしいな。頑張ったから、ボクにもご褒美ほしいな」

そう告げて。
彼女は体を持ち上げ、自分の熟れきったクリトリスで、少女のそれを擦りつけた。

「はっ、あっ!?」
「んっ―――ふ、あ! イイ、よ。気持ち、いい―――っ」

少女の体力的にもこれが限界だろう、と考え、できるだけこの蕩けるような時間を引き延ばしたい気持ちにかられながらも、できるだけ早くレンは自身を高めていく。 
すでに重なり合っている部分は蜜まみれ。どこからが自分でどこからが相手なのか、その区別がつかない。
どろどろと熱い相手の体温。鼓動すら重なって聞こえる幻聴。一つになっているという感覚。自分と同じ顔。一つになっていると錯覚する。
そして、その時はきた。

「はぁぁぁぁっ。れ、んっ、れんっ! おれ、も、むり、ぃっ!」
「ボクもっ……げん、あぁん! か、い! イこっ! 二人でイこうっ!」
130>>99続き:2008/10/17(金) 16:17:27 ID:8A2Znepo
同時。

「「あああああああああぁぁぁぁぁあああっ!!!!!」」

異口同音に、同じ顔が絶頂を迎えた。
一人は泣き叫びながら意識を手放し。
一人は恍惚の表情とともに、荒い息をつきながらも目を開く。

青い双眸が、脱力しきった少女の肢体を映す。
自分と同じ色の髪を優しく撫でて、彼女は嬉しそうに告げた。

「がんばったね、蓮司くん。これでこの薬、飲めるよ」

レンは月衣から錠剤を取り出し、口に含むと―――唇を重ねる。
先のような乱暴な愛撫とは違う、優しい口付け。意識のない少女に、錠剤を口移しで飲み込ませる。
嚥下するのを見届けて、月衣からタオルを取り出し、意識のない少女の体を拭きながら、レンは疑問を口にした。

「それにしても……なんでアンゼロット様は『一度女として気持ちいいことしすぎて意識手放さないと効果がない』性別を戻す薬なんか持ってらっしゃったんだろうね?」



……100%故意で作ってると思われる。
ついでに。レンの首輪の名前の板には超極小魔力駆動型カメラとマイクがついていたりするのだが―――彼女はやっぱり気づいていなかった。
皆さんも、甘い言葉と守護者にはご注意を。

fin.
131115:2008/10/17(金) 16:22:08 ID:8A2Znepo
……ふつーに寝ぼけた頭でこれ書くのってどーなんだ自分。いやはっきり起きてたけど。
あれか。もう脳が腐ってるのか。先生お薬ください。どこ行けば買えますか。


てゆーかエロ難しいよ超難しいよめがっさ難しいよ書いてる途中何度ちゃぶ台ひっくり返したか……!
レンを黒い子にしようとして何度しても無理でした。くそうさすがはさやさやだ。三下とはわけが違う。
あい。それじゃこの辺で。ちょっと黄昏てくるわー。
132名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 17:01:31 ID:4AGJjz6E
>>131
ジャハンナムに行って水煙草と麻薬やればいいと思います。
てーかアンタほんと初めてか。初めてでこんだけのエロスを書くのか。アンタが神か。
やはりあれか、寝不足の頭には神が降ってくるのか。

そして、レンはガイアのアンゼロットにかーなーりー仕込まれたと見える……!
133名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 17:44:31 ID:PTQZElCa
よし……もっと寝惚けろ。終わらないまどろみの世界へ君を連れていけば、きっと君は神に成れるのだろ?
(ぐっと親指を立てて)
134名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 17:49:54 ID:fN41UyYn
>130
GJだーッ! エロいぞこの野郎。

しかしナイトウィザードが流行って良作が投下されてそれに触発されてまた投下が、という良い連鎖なんだが、
ナイトウィザードばっかりというのも少し物寂しいな。贅沢な話だが。
カオスフレアの新作サプリが出たらそっちの投下もあるかしら。
135名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 18:48:54 ID:EBkcjdsH
そもそもこのスレが伸び始めたのって侵魔が堕ちる夜の投下予告があって
人造人間×強化人間が投下されたあたりからだよね

その後のダブルクロスの神作で加速の流れだった
136名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 20:09:57 ID:7iG8uBgt
>>130
就寝後一時間に目覚ましをセットするといいと思うよ。
何が言いたいかというともっと寝ぼけろ。

>>135
そして加速とレベルの高さについて行けなくなった男がここに一人。
前はちょこちょこ落としてたりしたんだけどにぃ。
137名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 21:06:05 ID:YIN6A4CI
>131、>マッドマンさん
95だが、昨日早めに意識飛んで一日空いてみれば…貴方が神か。
というか神々降臨か。>99を携帯でなんて今でも信じられん…
ところで>130のカメラはつけてる本人(レン)の姿もきちんと写してくれるんだろうか。
こう、カメラの位置から周囲○mまでの範囲を立体映像化とかw


>ゲヘナ(初代)
確かに、パルヴィーンが全部持ってった記憶があるw
ゲヘナ好きだからどのシリーズでも大歓迎だが。
138名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 22:41:16 ID:ji68teP9
>>131
続きktkr
だからエロイよっ!? GJだよっ!
こんな淫らなレンはちと素晴らしい。
 
も、もしアンタさえ良ければ、次回作を待っててあげても…
…な、何でもないわよ、ばかっ!
【またツンデレのふりをしたクレクレになっている】
139名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 23:16:34 ID:1CLCj4wy
もっと寝ぼけて良い。
140名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 23:34:47 ID:DSvD6kT6
>>132-139
だが騙されるな!百合ってるけど片方は男の娘なんだぞ!?

だ、騙される、ものかぁぁぁっ!!
141名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 23:43:19 ID:4AGJjz6E
>>140
精神抵抗ジャッジ失敗ですね、分かります
142名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 23:54:50 ID:7iG8uBgt
>>140
お前こそ落ち着け。片方は女の子ってことだろう。
143名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 23:55:44 ID:w3nTf7xc
>>131
すげー、すげーえろいっすよ! 処女(作)でこんなにエロイなんて……なんていやらしいんだあんた!(ほめ言葉のつもりです)
一度女の快楽を知ってしまうともう、男のそれでは満足できないとかいうよな……柊、もう男の体じゃ満足できなくなっちゃったんじゃ……
144名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 00:25:38 ID:ueJfocU1
>>143
やはり両方楽しめる身体になるべきでゴザルよ、って脳内ハッタリさんが。
 
>>134
>カオスフレアサプリネタ
本スレでちょっと話に出た、『アガ子たんのおっぱいが大きくなった』とか気になるね。
やっぱり召喚主のあかつきの使徒くんに夜な夜な…。
後は玄武の巫女さん続投なら、
玄武と意識を一体にするために、まずは身体から繋がる儀式の開始…とかだろうか。
くそぅ、表紙だけじゃ妄想の燃料が足りん。
145名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 02:03:30 ID:P9I9sEY8
箸休めにアルシャードffの短いのでも。
……明日か明後日くらいに。
146名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 06:19:52 ID:RB/qX9Zf
レンと蓮司の子供ができたらアレか、
自慰の果てに細胞分裂して単為生殖したことになるのかwww
147名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 12:07:13 ID:/K2gbFRY
>>146
 某「終わりの〜」のヒロインみたいに、時間帯によって性別が変わりそうだなw
148名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 12:27:16 ID:Cv0RWQ0Z
でもんぱリプレイ買うてきた。
…ああ、コレは確かに凄い。表紙は二番目というのもうなずけるw。
149名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 13:32:47 ID:P9I9sEY8
そんなに凄いのか、つーかもう発売か。
よし買ってくる。
150名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 15:06:04 ID:xff8AOp8
表だとうざがられそうなので裏でワープレス
エロないけど勘弁

アルシャスレ>>102-103
ガンスリ子「……例え造られた存在だろうと、候補生の貞操は私のものッ」
エイリアス候補生(略してエコー)「お姉さま!(ひしっ)」

候補生「いやいやいや、そこはせめて“私が守る”とか言ってよ姉さん! あとお姉さまって!?」
151名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 16:46:37 ID:+g6WmD7M
>>150
にア たのむ、もっとやってくれ!
   そう、かんけいないね
   ころしてでも、うばいとる!
152名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 18:04:21 ID:7360qfSg
>151
>   ころしてでも、うばいとる!
 『 何 を 』 だ w
153名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 18:11:33 ID:ueJfocU1
そりゃ勿論……貞操?
154名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 18:53:52 ID:FG5tf/DQ
>>153
へぇそう。
155名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 18:54:36 ID:KrDfNXj5
>>154
って言いそうだと思った。
156名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 19:29:10 ID:BwbAdnZf
ぬぎぱく買ってきた。
表紙はネット上の画像だと小さくてわかりづらいが……ぱんつにタテスジ入ってるw
やりすぎどころの話じゃねーぞーw
口絵はもっと酷いけどw どこが『ちょっとえっちな衣装』だw
157名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:49:58 ID:hugAfcR+
>>156
皆フラゲしてるのか、いいなぁ
158名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:52:40 ID:BwbAdnZf
いや、今日発売日だから。
159名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 22:54:28 ID:BwbAdnZf
と思ったら違ったようだ。スマソ
160名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 23:02:39 ID:sVDnXpDy
こっちは書店に並ぶの来週の火曜日以降だぞ!クソ!
161名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 08:23:49 ID:RK7Nj1bk
ぬぎぱくってにゃに?
162名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 09:04:29 ID:X4ql8GK/
デモンパラサイトの新しいリプレイ。
「ぬぎぬぎアクマとぱくぱくデーモン」が正式名称。
タイトルに偽りない、ヒドい内容です(半分褒め言葉
163名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 09:07:21 ID:RK7Nj1bk
なんじゃそりゃw
164名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 11:27:25 ID:aPlxuvnx
ぬきぬきとくぱくぱとはいやらしい
165名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 12:11:09 ID:l2EllvJ2
ぬぎぱく、口絵を見て思ったんだが…
ヒマワリの髪って赤くなかったか?アキラと被るから避けたんだろうが…。
というかアキラのほうをもっと前面に!前面に!
166名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 14:24:59 ID:MrIkgYF9
危なくネタバレを書いてしまうところだった。
実発売日と公式発売日のズレは何とかならんのか。

実質明後日まで瑞姫について語るのを我慢せねば
ならないとは・・・。
167名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 14:49:59 ID:xu7BlcVw
ぬぎぬぎはまあ言葉通りとして、ぱくぱくは焼肉の事なのかあまがみの事なのか
168名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 14:53:03 ID:+cvZ+IMC
>>167
両方
169名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 15:17:11 ID:nkeXVZJi
まだネタバレはできないんだよなー。
しかしエロいな。色々と。

ところでデモパラと言えば、R&R掲載の一発リプレイもまたやらんかな。
ほら、あの豚が出る奴。
男衆へのツッコミとスルーが鋭すぎて、同じクレイモア女子高生が出るのにちっともエロくない。
170名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 19:00:23 ID:VvvymX08
いや、一度掲載されたものなんだからネタバレもなにもないだろw
171マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/19(日) 20:18:41 ID:V583MVUP
必要があるのかどうか不明ですが、プロットが大体固まり終えました。
新作の『勇者少女の双影協奏曲(正式タイトル)』を明日か明後日には投下しますね。
メインPCは柊、ノーチェ、レン、???とか?????の予定です。
待っている方などあまりいないでしょうが、報告させていただきます。

その際にはよろしくお願いします(ペコリ)
172名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 20:21:47 ID:+cvZ+IMC
>>171
さて、全裸待機するか。
173名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 20:25:50 ID:T9NhGLq1
あちらこちらで現在進行形の作品投下…あ、あんた化け物か!?(誉め言葉のつもり)
わかったぞ!マッドマンさんはきっと三人くらいいるに違いない!
というか、追いつかねー!ともあれ投下待ってる!
174名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 20:37:49 ID:+cvZ+IMC
>>173
ZとZZとイージィがいるんだろう。多分。
175名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 21:00:51 ID:MrIkgYF9
>>170
そういえばそうだったな。

まあ、俺は文庫の方しか読んでないから、
一応二十日の24時まで待つよ。
176いつふた:2008/10/19(日) 21:38:36 ID:ejcgs3d/
ゲーム:真・女神転生200X(メガテンX11本目)
 分割:18分割(その12)。
エロ度:狙って書いたエロ描写はない。

http://wiki.fdiary.net/TableGameE/?megax12
177名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 22:52:21 ID:zgcDEnXW
ふと気になったんだが
キルキル部隊のビジュアルイメージってどんな感じだったっけ?
178名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 23:18:37 ID:lZXCaLXh
ショッカーじゃね?
179名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 00:49:18 ID:P8D/4V4B
>>171
待ってるやつなどいない、だとぉ!?
ばかやろう! 今俺は北の地で全裸待機してるぜ! そうさ! マッドマン氏の書くレンたんが、ノーチェが見れるなら……俺は死など恐れない! ……へぶしっ
180名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 00:54:12 ID:kLccn8z7
しかし大丈夫なんかね泥人形氏。
向こうで今日アクセス規制受けたみたいな話聞いたけど。
181名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 01:04:30 ID:SkeV4e1P
うむ、心配だな。

ところでサフィーアと奴隷少年のエロを思いついた。
182名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 03:55:00 ID:CL0JamFE
書くんだ、すぐに。さあ、すぐにだ。
183名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 07:44:32 ID:xNsGFISx
ノーチェっていつからこんな人気キャラに?w
184名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 07:48:12 ID:R6YloQOM
とある別SSスレの影響が大きいんじゃないかな>ノーチェ
185名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 08:15:02 ID:racfKRZ3
>>176
どんどん話が壮大になっていきますのう
186名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 08:29:40 ID:xNsGFISx
>184
ああ、この間ここにも投下してた
さるさん大好きな人のSS?
187名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 19:40:39 ID:yeJaupE0
ところでノーチェってどんな外見してるんだ?
ググってもAAしか見つからない
188だぶらぎ作者:2008/10/20(月) 19:41:08 ID:AAN+Kq5y
レス返しとかやってもいいのかなここと言いつつレス返し。

>>132
いやいや神とかはちょっと本気でマジで言いすぎだと思うのですよー……?
本当にはじめて物語です。うぁぁ今から見ても恥ずかしい……(悶)。
そうですねぇ、向こうのアンゼは一目見たときからそういう奴だと素で思ってました。
前並みに寝ぼけたら今度は『輝ける黄金』×『真昼の月』とかいけるかもしれん(お前はどこまで同キャラ戦が好きなんだ)。そしてそこに割って入る『暗黒の太陽』!(だかry)

>>133
まどろみ終わらなかったら今度はパソ子が打てなくなるんで書けなくなるんじゃないかな?
わたくしめに鬼の手をつけろと?

>>134
カオスフレアは一時期流行んなかったっけか?いるるんはすげー可愛いと思う。あと信長様。レグニツァの戦姫様ものとか見たいなー、普通のやつで。

>>136
それ寝ぼけとか以前に眠れてねぇっ!?

>>137
泥がんだむ氏は神扱いでOKでもおいらをそこに並べんのは失礼なんじゃなかろーか……(遠い目)。あんなん無理だって。
>>99はまごうことなく携帯です。そのせいで改行ミスったとこが……(悔)。昔某所の暴走リレーでも何度か携帯投下したなぁ。生活拠点ネットつながんねーもんで。
おかげで3レス分くらいならまだいけるぜ!
アンゼロット城の技術力は世界一ィィィィ!ですね、わかります。

>>138
だ、だからアンタのためにやったんじゃないって言ってるじゃないっ!
次っ……!? 次もまたこんなに恥ずかしい思いしろって言うのっ!? へ、変態! ド変態! 超☆変態!!
ほ、誉められたって、そんなのぜんぜん嬉しくなんかないんだからねっ? で、でもまた思いついちゃったら、その時は……な、なんでもないわよこのばかっ!
【馬鹿はやりとげた漢の顔で心地よい汗をぬぐった】

>>139
あれおっかしーなぁ……なんか>>139の方から、眠くなる電波っぽいのが飛んできてる気が……。
リゲ○ンリゲ○ンっと。

>>140-142
どういう状況なのか把握。ありがとう>>141-142
189だぶらぎ作者:2008/10/20(月) 19:41:57 ID:AAN+Kq5y
>>139
あれおっかしーなぁ……なんか>>139の方から、眠くなる電波っぽいのが飛んできてる気が……。
リゲ○ンリゲ○ンっと。

>>140-142
どういう状況なのか把握。ありがとう>>141-142

>>143
はっはっは、そのIfは面白いなぁ。あれか。
夜中に我慢できなくなったくれはに襲われる柊ちゃん(仮)とか、ヴィオに調教される柊ちゃん(仮)とか、リューナにいじめ抜かれる柊ちゃん(仮)とか、
精神世界で魔剣さんにその名の通り貫かれる柊ちゃん(仮)とか、リオンの羞恥プレイ柊ちゃん(仮)とか、ノーチェに吸血でえろえろされる柊蓮司とか。

……書かないけどな!

>>144
うん。あなたはハッタリの血を継ぐ者だ。今すぐカオスフレアのお手伝いに行ってあげてください。

>>146
マジか。人間じゃねぇな。

>>147
日本殴殺厚さ単行本協会会長の本ですね。わかります。

>>183
ほんとにねー、隠れノーチェファンの一人としては嬉しい限りでさぁな。

>>184
ノーチェは元から人気者だよ! だよ!
……ごめん。自分を偽るのは無理だった。

>>186
さるさんなんか大っキラ……な、なんのことですかなァ?
それがしにはとんと覚えががががござんせんが。


では。スレ汚し失礼しました。
190名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 20:53:28 ID:D3AJOF6J
>187
銀髪ツインテゴスロリの赤目吸血鬼少女13才。
191名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 22:26:54 ID:VpbdToh8
>>187
巨大な水晶玉を唐草模様の風呂敷に淹れて持ち歩く、ゴスロリヴァンパイア。
中身はケロロ軍曹。
192名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 23:50:38 ID:iX2rjkBo
この流れは来るか!ノーチェのエロが……いや、正直某軍曹口調でエロは難しいと思うんだ、うん
193名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 00:05:23 ID:w/jYTyrE
>>192
某クロススレで応理と良い感じにイチャイチャやってたぜ!
…そう問題ないんじゃないか?
(バカは答えになってない答えを言った)
194名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 00:12:23 ID:m0mXlJGs
>192
軍曹口調と思うからいかんのだ。
アイギス口調(〜中盤)だと思え。
195名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:01:46 ID:Q8oDkOp0
ああ・・・。
クレイモアやヴォージェで全裸、というのも良いが、
ブリガンダインで全身ずぶ濡れ、というのも趣深い・・・。

などと思った俺はすでに戻れないのかorz
196名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:20:54 ID:+KhVkzac
>>192
昔、リプキャラのにゃんにゃんなりきりスレでマユリとにゃんにゃんしてたぜ?<軍曹口調吸血鬼


>>193
応理とって……どんなマニアックな組み合わせだよww
大惨事しか想像できんww
197名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:22:14 ID:pBdB7aqp
そんなデモパラな発言が来たところで、書き掛けのぬぎぱくSSを投下させてもらいます。
表紙絵からの妄想ネタ、つたないもんですが読んでくれればありがたい。
198名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:23:58 ID:pBdB7aqp
ぬぎぬぎアクマとぱくぱくデーモン
すみかと久介の撮影会

放課後の教室、すみかは帰宅前にちょっと気になる男子である久介の様子をうかがってみた。
久介はなにやら雑誌のようなものを見ているようだ。
「久介くん、なにを見ているんですか?」
「ああ、伊門か。アニキ師匠の作品が載ってる雑誌をな……」
カラフルな雑誌には可愛らしい女の子やロボットのフィギュアの写真が載っていた。
「もう、学校にそんな雑誌持ってきちゃいけないですよ。」
「固いこというなよ。見ろよ、これがアニキ師匠の作品だぜ。」
久介が指差したページを覗き込んでみる。
顔が近づきちょっと意識してしまう。すると久介の方が頭を引いてしまった。
久介も実はすみかの顔が近づいてきて、ちょっといい香りがする……などとドギマギしてしまったのだ。
すみかは改めて雑誌を見てみる。そこには白銀に輝く鎧に大きな翼が生えた騎士のような姿をしたフィギュアがポーズをとっていた。
「……これってのぶ男さんが変身した姿ですよね?」
「ああ、アニキ師匠は自作の変身ヒーローって設定で作ったらしい。」
「いいのかなぁ? 悪魔憑きのことバレたらマズイんでしょう?」
「バレやしないって、オリジナルキャラなんていっぱいあるんだぜ。」
ふーんと頷きながらぺらぺらとページをめくってみる。たしかに多種多様なフィギュアが載っている。
もっとも、そういった知識のないすみかにはどれがオリジナルなのかはサッパリだった。
「あ、そろそろ返してくれ。」久介がなにやら慌て出した。
「え?」気づいた時には遅かった。ページを捲った先には肌を晒した女性のフィギュアが大量に掲載されていた。
「……」気まずい沈黙が流れる。
「あああ、いやその、ほれ、アニキ師匠の作品なんだけどよ!」久介は慌てて雑誌を取り返し元のページを開いた。
「俺もこういう作品作ってみたいなーと、思っているんだよ。」
「久介くんも、ですか。」裸の女のフィギュアを。
「ほ、ほら、かっこいいだろ。アニキ師匠の作品。」
「まあ、確かに。」
確かにヒーローのようなポーズを決めているフィギュアはスマートな騎士のようで、あまり興味の無い女の子であるすみかから見てもカッコイイと思えるものだった。
もっとも、中身は年中ランニングシャツ一丁で腹の飛び出た加齢臭ただようおっさんなのだが。
「久介くんも自分が悪魔化した姿を作るんですか?」
「いやあ、俺のはその……あまりかっこよくないから……」
久介が悪魔寄生体はモリオンと呼ばれる光と治癒を得意とする天使のような悪魔だ。
とは言え、久介の変身した姿は四肢から紐が伸びた光り輝く宇宙人といった様相で、確かにかっこいいかどうかは微妙だ。
「その点、伊門はいいよなぁ〜。なんつーか畏怖を覚える美形って感じで。」
「え、そうかな?」
褒められたことにちょっと嬉しく思い笑みが浮かぶ。
すみかの悪魔寄生体はクレイモア。炎の魔神と呼ばれるタイプの悪魔で、すみかの変身した姿も多数の突起や曲線を描く装甲で覆われており、全身で炎を形取ったような姿をしている。
複雑な形状だが力強く、そして美しかった。
「あれをフィギュア化できたらいいよな〜」
「そ、そんな私なんか……」
久介からしてみると何気ない思いつきだった。なにしろ形状が複雑すぎて自分の力量ではとても作成できるとは思えない。
それでも偉大なアニキ師匠に近づくために、無茶に挑戦してみるのもアリかとちょっと考えてみた。

そんな時、二人の携帯からメールの着信音が鳴り聞こえた。
「セラフィムからか……そんじゃ伊門、一緒にいこうぜ。」
「うんっ」
すみかは、またちょっと仲良くなれたことに素直に喜んだ。
199名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:24:08 ID:pBdB7aqp
「のぶ男パーンチ!!」
ちゅどーん! 効果音も高らかに吹っ飛ぶカルトロップ。
いつものチームで廃工場に棲みついているヴィシャスを倒すという簡単な依頼だった。
「ふっ、決まったぜ」
ポーズを決めているのはブリガンダインと呼ばれる騎士の姿を模した悪魔憑き。その正体は火山のぶ男というおっさんだ。
「あいたたた……」
すみかは敵の攻撃を受けてしまい傷ついていた。装甲が少し剥がれている。
「伊門、大丈夫か?」
久介が《治癒光》を使うと、すみかの傷がふさがっていった。
「ありがとう、久介くん。」
「おうっ、すみか。この程度の敵にやられるなんて、少したるんでるぞ!」
のぶ男から叱咤の声が飛ぶ。見た目は冴えないおっさんだが、意外と面倒見がよいところがあるのだ。
すみかは戦闘に遅れてきた上に相手が強かったのか運が悪かったのか戦闘でもいいところ無しだった。
「すみませ〜ん」
巨体を縮こまらせて謝るすみか。とはいえ、すみかが遅れてきたのには理由がある。
すみかの悪魔寄生体クレイモアは、変身すると身体が巨大化してしまうため、服を着ているとやぶれてしまうのだ。
その為すみかは変身前に物陰で服を脱ぎ、全裸になった上で変身してきたのだ。
「まあいいか、次は頑張れよ!」
のぶ男も本気で叱っているわけではない。すみかが小さくなるのが面白くてからかっているだけなのだ。
「そうそう、本気で戦えばすみかちゃんが一番強いんだから。もっと自信をもって。」
腕を刃に変えた少女、彩子がフォローを入れる。すみか達の先輩であり、ファランクスという悪魔寄生体をいれている女子大生だ。
「はい、頑張ります。」
皆の期待には出来るだけ応えたい。すみかは胸を張って背を伸ばした。
直立したクレイモアの姿はまさしく炎の魔神というに相応しい威容を誇った。
「う〜ん、やっぱカッコイイけど複雑だなぁ」
久介がすみかの様子を見ながらつぶやく。
「お、なんだ久介。すみかのことをジロジロみちゃって。」
「そうじゃないですよ。実は……」
のぶ男が茶化すと久介は慌てて説明する。
アニキ師匠の作品を見て自分も悪魔憑きのフィギュア作成に挑戦してみたくなった。
そのモデルにすみかを考えているが難しくて躊躇している。
「なんだ、それならやってみろ。悪魔憑きは失敗を恐ない!」
「いや、まだ考えてるだけだったんで……」
「すみかもいいよなっ!? モデルしてやれよっ! そうだ、俺のアトリエ貸してやるから、後で写真とっておけ。」
話を仕切り出すのぶ男に、二人はうむを言わさず従わされてしまった。

「そんじゃ、俺は報酬で飲みにいくから、あとよろしく〜。カメラとか機材は自由に使っていいからな〜」
すみかが着替えて戻ると、のぶ男はさっさと街へ繰り出してしまった。
去り際に久介に「朝まで戻らんから、頑張れよ。」と耳打ちしていった。
彩子はセラフィムに報告に戻ると言い、別れ際に「頑張ってね」とすみかに囁いてから消えた。
二人とも顔を赤くしながら、のぶ男の家へ向かった。
200名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:24:46 ID:pBdB7aqp
のぶ男は声優志望のフリーターだが、フィギュア作成に関してはプロ級の腕前であり、原型師としても活躍していた。
のぶ男は実家の離れをフィギュア作成用のアトリエに改造しており、久介もアトリエの鍵を預かり利用させてもらっていた。
「それじゃ入って。」
「お邪魔します。」
中に入るとシンナーの臭いがした。久介が窓を開ける。部屋の中は意外と広く、作業用テーブルや作品棚、プラモの箱の山などが配置されていた。
「意外と整理されてるだろ? アニキ師匠は作業しやすいように整理整頓は欠かさないんだ。」
すみかは失礼だとは思うが、人は見かけによらないものだと思った。
「え〜っと、カメラは……あれ? 無いな。」
きょろきょろと見回すと机の上に置いてあった。やっぱりそんなにきちんと整頓しているわけじゃないようだ。
「それじゃ撮ろう。そっちの壁を背中にして立ってくれ。」
久介はカメラを手にすると早速撮影に入ろうとする。すみかは制服のままだ。一枚とってみよう。パチリ。
「………………」
すみかが怒ったような目で睨んでいる。
「……す、すまんっ!」
すみかは変身するためには服を脱がなければならない。
久介の目の前で服を弾き飛ばしながら変身するなんて出来るわけがない。
「ちょと部屋でてるから、変身したら声かけてくれ!」
久介は慌ててカメラを置くとアトリエを出た。

久介はアトリエを出ると、ドアを背に座り込んだ。
つい自分と同じように考えてしまったが、同じ悪魔憑きとは言っても変身に付きまとう手間はまるで違う。
「ふう……」
ため息をつき、心を落ち着かせる。
シュル……パサッ……
薄いドアの向こうから衣擦れの音が聞こえる。
板切れ一枚挟んだ向こうでは、同級生の美少女が服を脱いでいるのだ。
息を潜めて耳を澄ます。男としてそれはしょうがないことであった。

久介が出て行くと、すみかは落ち着いてブレザーを脱ぎ、タイを緩める。
かばんの中から携帯用ハンガーを取り出し、吊るせそうな場所を見つけて取り付ける。
ブラウスを脱ぐと品の良いレースで飾られたブラジャーに包まれた形の良い胸が姿を表した。
スカートのホックを外し、脚を曲げて抜き取る。オレンジ色のしましまパンティだ。
脱いだ衣服をハンガーに吊るしたところで、視界の隅に白い影が動くのが見えた。
窓が開けっ放しだった!
「久介くん!?」
まさか彼が覗いていたのだろうか。
201名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:24:58 ID:pBdB7aqp
部屋の中でガタリと音がした後、自分を呼ぶ声が聞こえた。
少し早い気がするが、脱ぐだけならそれほど時間も掛からないだろうし、変身時間にも制限がある。早めに行動したほうがいいだろう。
久介はドアを開けて中に入り、下着姿のすみかが背を向けているのを見た。
「い、伊門!?」
声に振り向くすみか。
「え、久介くん? じゃあ今のは……」
「い、伊門、その服が……」
悪いとは思うが久介はすみかの身体をしっかりと見てしまった。
出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる、バランスの良いスタイルだった。
「服……きゃあっ!」
小さく悲鳴をあげ腕で身体を隠そうとする。
その時、動揺からか自分の中で激しい鼓動が起きたのを感じた。衝動が沸き起こる。激しい開放感がすみかを襲う。
「やだっ、変身しちゃうっ!」
頭の左右から羽のようなツノが生える。背中や腋から装甲が飛び出しブラジャーを弾き飛ばし、形のよい乳房がまろびでる。
ぷるんっ、と振るえ出たおっぱいに久介の目は釘付けられた。ピンクの乳首が見えたが、すぐに装甲が覆い隠してしまう。
「やっ、なんで急にっ! なんでこんなに変身遅いのっ!?」
通常であれば一瞬で済む変身だが、稀に衝動から変身してしまう場合にはゆっくり時間を掛けて変身することがある。
腕で身体を隠すことを禁じるかの如く、上から鉤爪のついた腕部がすみかの腕を覆う。間接部が形作られてないからか、動かすことが出来ない。
そして腰の部分から装甲が湧き出た。伸縮性のあるパンティも鋭い突起を持つ装甲にはひとたまりもなく、切り裂かれちぎれ飛んだ。
股間にうっすらと繁る痴毛、その下に伸びる秘裂を、久介は生で見るのは初めてだった。
パンティを吹き飛ばした装甲はそのまま伸びて股間を覆い尽くす。
全裸に剥かれたすみかの身体のあちこちから装甲が飛び出し、たっぷり30秒ほど掛けて身体全体を覆い尽くした。
変身が完了すると、すみかは腕で胸や股間を隠し、しゃがみ込んでしまった。
「す、すまない伊門っ! その、それほど見てないからっ! 気にするなっ、なっ!?」
しっかりガン見していたのだが、嘘をついて慰める。
すみかとしても目の前で変身したり、変身解除後に服を借りたりしたことがあったので、恥ずかしいけど少し肌を晒すことぐらいでは気にしないことにしていた。
だが、これほどじっくり見られたのは初めてだ。恨みがましい目で久介を睨みつける。
久介はビクリと身を引いた。縮こまっているが見た目は炎の魔神である。とても恐い。
「そ、それより急に呼ばれたんだけど、なんだったんだ?」
久介は必死で話題をそらす。すみかも思い出したのか事情を説明する。
「窓の外に人影を見たんです。その、てっきり久介くんが覗いていたのかと……」
「ああ、開けっ放しだったからな。って俺は覗きなんかしないよっ!」
「誤解でしたね、ごめんなさい。でも……」
非はすみかにあったので素直に謝った。だが、結果として覗かれたのと同じようなものだ。
久介としてもそれはわかっている。別に責めたいわけじゃない。顔を赤くしてそっぽを向く。
「だから、さっき見たことは不問にしますっ。忘れてくださいっ」
「あ、ああ。うん。忘れる。」
生返事を返したが、多分一生忘れられない光景だった。
202名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:26:17 ID:pBdB7aqp
ttp://www.fujimishobo.co.jp/gameinfo/image/dragonbook_0810_02.jpg
とりあえずここまでです。
スカートのことは気にしないでw
203名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 01:44:24 ID:+iT780Nz
SS投下早いなw
まああの表紙じゃ仕方ないか。

何はともあれGJ。続き期待してるぜ
204名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 03:09:35 ID:KEiPSYts
着物を着た黒髪ロングの大人しそうな娘さんが
モルフェウスのエフェクトで着物を武器に変えて、タンクトップとスパッツだけの姿になる
ということが鳥取であったが……これは萌えになるのだろうか?
205名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 04:45:45 ID:tE15WmnJ
>>167
バカ、穴に決まってるだろ<ぱくぱく
206名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 06:45:07 ID:QHvYW4RP
>>204
凄くマスクドヒーローズ的
変身ヒロイン的な意味で
207名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 11:43:03 ID:MoNvWiKe
シエル先輩というキャラがいてだな
208名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 16:18:59 ID:A7nvbjzT
>202
GJ。俺はお前を待っていた。
すみかは全くもっていぢめがいのありそうなキャラだな。
209名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 20:41:45 ID:HGf7b3mj
エルザとユンガーでまったりエロとかどうよ?
パーティー行動中は必要以上にベタベタしないけど、二人きりだと寄り添う感じの。
210名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 20:57:47 ID:+KhVkzac
>>189
やや遅レスだが

>ヴィオに調教される柊ちゃん(仮)

このへんを詳しく教えてはもらえんだろうか、俺には想像もつかん
こう、じっくりねっとり妄想を文章形式で語ってくれるとありがたいんだがのー
211名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 22:00:10 ID:Mjc7ZEp8
モンティ・パイソンプレイと称して冷凍チキンでぶたれ続けるとか
212名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 22:01:21 ID:a7cSeLMj
ただの虐待じゃねーかw
213名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 22:02:25 ID:YrZ+UJ6C
>>202
ミッドナイトGJ

・・・「天使のような悪魔」って所に思わず反応してしまったのは俺だけだろうな。

>>207
俺の先輩萌えの原点がどうした?
214名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:30:57 ID:pBdB7aqp
それではぬぎぱく続きを投下です。
215名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:31:58 ID:pBdB7aqp
「それじゃ、早いとこ撮影しちゃおうか。」
「うん、お願いします。」
久介がカメラに手を伸ばす。すみかも壁際に移動する。
「えーと、撮影モードで……」
のぶ男のカメラはデジタル一眼レフの本格的なものだった。多機能だが、久介には撮影と撮った画像の確認ぐらいしか出来なかった。
「それじゃいろんな角度から撮っていくから、まずは真っ直ぐ立っていてくれ。」
「うん、わかった。」
パシャッ、パシャッ、パシャッ
時折向きを変える指示を受けながら撮影を続ける。
(そういえば……今、裸の写真撮られてるんだよね……?)
変身しているとはいえ、一応は裸である。すみかは恥ずかしくなって太ももをすり合わせモジモジし始めた。
「? どうした伊門?」
「な、なんでもないですっ!」
「そっか、じゃあ次は各部の拡大写真を撮るよ。」
複雑な形状をしている顔を3面から撮影する。続いて腕や脚を撮る。
そしてついにカメラのレンズは胸へと向かった。
「きゃっ」
軽く悲鳴をあげ思わず腕で胸を抱え込んでしまう。
「えーと、わりい。」
久介も謝る。思わず謝ってしまった理由を考え、久介も裸の女の子の胸を撮影しようとしていたことに気づいた。
「その……伊門、胸撮ってもいいか?」
「……う、うん」
そっと腕を下ろし、胸を張る。
パシャッ、パシャッ
おっぱいを撮られているわけじゃない。でも、やっぱり恥ずかしいことに変わりは無かった。
「伊門、下も……撮るぞ?」
久介が赤面しながら訪ねてくる。
かるく脚を広げて立つ。股間と尻に向けて何度もシャッターが切られた。
(お父さん、お母さん、ごめんなさい……)
すみかはなんとなく申し訳ない気分になってしまった。

「ふう……」
久介はため息をついた。
どう考えても性的な写真とは程遠いのだが、すみかの態度とシチュエーションに釣られて、つい恥ずかしくなってしまった。
「それじゃ、今度はポーズとってくれないか?」
「ポーズですか。」
ピース……じゃないですね。ファッション雑誌に載ってるようなポーズだろうか?
くねっ
身長2mを越す炎の魔神がしなやかな女性的ポーズをきめる。
「いや、そういうのじゃなくて、戦闘中みたいなかっこいいやつを……」
「そ、そうですね。」
そうすると、剣道の構えがいいだろう。
《生体武器》を作り出し中段に構える。長年練習してきた剣道の構えだ。すみかの戦闘スタイルは悪魔化してもそれほど変わらない。
背筋を伸ばして剣を構えた姿は凛とした美しさすら感じるものだった。
「確かにかっこいいんだけど……変身した姿でその構えって、なんか小さくなってるみたいに見えるな。」
剣道の構えは所詮、対人間用の構えである。超人的脚力で走り回り、時には空すら飛ぶ悪魔戦闘の際にとってもそれほど意味はない。
むしろその肉体能力を使い切れずに収まってしまう恐れすらある。
だが、すみかは長年付き合ってきた自分の構えを否定されて、むっとしてしまった。
身体の中で悪魔寄生体が囁く。衝動がはじける。目の前の久介に猜疑心が持ち上がる。
「この構えのどこが悪いんですかー!」
必殺の中段突きを放つ。生体武器が胸に激しく突き当たり久介の身体を吹き飛ばした。
「ぐはーっ!」
一撃かまし、我に返ったすみかが慌てて久介の介抱へ向かう。
「きゃーっ、だ、大丈夫ですか? 久介くんっ!?」
「だ、大丈夫だ……死ぬかと思ったけど……」
「ごめんなさい。つい衝動的に……」
「……悪魔憑きなら付き物さ。しょうがないって。」
悪魔憑きは衝動が溜まると思わぬ奇行に走ることがある。先ほど突然変身が始まったのもそれが原因だ。
216名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:33:02 ID:pBdB7aqp
久介は自らに《治癒光》を使い怪我を回復する。
「それより、今の突きはよかったと思うよ。やっぱり動きのあるポーズはかっこいいしね。」
「そ、そうかな?」
「そうだ、模型誌でポーズのチェックをしてみたらどうかな? 参考になると思うよ。」
渡された雑誌をペラペラと捲って見てみる。
確かに剣を持ったロボットや剣士風のキャラが大勢載っている。
中には肌も露わな女性が大きな剣を振り回しているようなのもあるけど……
どれも剣を大きく振り回すようなポーズを取っているのが共通点だ。
「こんなに大きく構えたら隙だらけだと思うんですが……」
「まあ、フィクションだからね。実用性よりも見栄えなんだよ。」久介も苦笑しながら同意する。
「はあ、なるほど。大体わかりました。」
幾つかポーズを真似て撮影を続ける。
脚を大きく広げて生体武器を大振りするように構えると、身体全体が大きく見せることが出来る。
久介も気分が乗ってきたのか、色々とポーズに注文をつけてくるようになってきた。
(……そろそろ時間かも)
一度の変身時間は約10分である。衝動を解放し変身を延長することも出来るが、今日は戦闘をした後にこの撮影騒動である。
まだ余裕はあるが、そろそろ暴走領域を心配する頃合である。
「あの、久介くん、そろそろ……」
「あー、すまない。もうちょっと頼む。脚を振り上げるって出来るかな?」
「こ、こうかな?」
言われるままにハイキックを放つように脚を振り上げる。
(久介くん……私の言う事聞いてくれない……)
パシャパシャと股を広げているすみかを撮影する久介。
先ほどはあれほど恥ずかしかったのに、今は悪魔の姿であると認識してしまったからか、まったく気にならない。
(折角仲良くなれたと思ったのに……)
視界の隅に先ほどの雑誌が目に入った。ページが捲れたのか女性フィギュアがセクシーなポーズを取っているのが見える。
(私だって、こんな姿じゃなければ……)
グラビアアイドルみたいに水着姿で久介に撮影してもらう自分を想像する。
久介も『力強い』『かっこいい』ではなく『きれい』『美しい』と褒めてくれるはずである。
(悪魔憑きじゃなければ……)
ほんのちょっとした拒絶。だが、衝動が溜まり爆発寸前だったすみかの悪魔寄生体にとっては十分な引き金だった。
バシューンッ!
なにかが弾けるような音が聞こえたかと思うと、急に身体のバランスが悪くなった。
振り上げていた右脚がゴツゴツとした突起で覆われた状態から、滑らかな曲線を描く見慣れた肌色になっている。
パシャッ シャッターを切る音が聞こえた。
そのままバランスを崩し、転んでお尻を打ってしまう。
パシャッ またシャッターを切る音が聞こえた。
「いたた……」
両足を大股開きにした状態で転がるすみか。その姿は一糸纏わぬ全裸の美少女であった。
パシャッ
すみかの美しい顔も、触りがいのありそうな二つのおっぱいも、綺麗なおへそも、滑らかな太ももから伸びるM字に開かれた脚と、
その間にある股間の割れ目も、全て曝け出した状態で、シャッターが切られた。

「……え?」
つい撮影の流れで撮っていた久介もようやっと事態に気づく。
「あ、ああ、あああああ……」
言葉にならない呻き声をあげながら、すみかも脚を閉じ腕で身体を隠す。
「いやーっ! なんで、変身解けてるのー!?」
「お、落ち着け伊門っ! お、俺は悪くないっ! ってそうじゃないっ! ご近所に何事かと思われるっ!」
既に何事かを起している状況なのだが、二人とも動転して自分がなにをやっているのかわからなくなっていた。
「そ、そうだっ、服っ! 服は!?」
ハンガーに掛かっているすみかの制服を剥ぎ取るとすみかに押し付けるように渡そうと振り向く。
久介は焦りからか、脚をもつらせて転倒してしまった。
「ひっ」
すみかの軽い悲鳴がすぐ近くで聞こえた。
顔を上げると目の前にすみかの顔があった。目の端から涙が出ていた。
久介はすみかの身体の上に覆い被さった状態だった。
217名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:33:25 ID:pBdB7aqp
急に訪れた沈黙に、二人はじっと見詰め合ったままだった。
すみかは別れ際に彩子が言った事を思い出した。『頑張ってね。』
久介はアニキ師匠が別れ際に言った事を思い出した。『朝まで戻らんぞ。』
ごくり、二人ともつばを飲んだ。お互いの顔が上気しているのがわかる。
「「あの……」」
同時に話しかけ、お互い遠慮しあう。
「わ、悪いっ、今どくから「久介くんっ!」」
今更ながら慌ててすみかの上から退こうとする久介を遮るようにすみかが声をあげた。
その勢いに久介は動きを止められた。
「わ、私……今、衝動が溜まっていて、その、拒絶反応がでちゃって……」
衝動が溜まりすぎると、稀に拒絶反応が発生することがある。その際、変身している者は強制的に変身が解除されてしまうのだ。
すみかのような全裸で変身する悪魔憑きは、拒絶反応が出ると全裸で変身解除されることになる。
「あ、ああ、それでか。すまないっ、時間が長引いちゃって……」
「それでね……衝動、発散したいの……」
「ああ、それなら任せてくれっ」
久介のモリオンには《衝動操作》という他者の衝動を抑える能力がある。
「その……そうじゃなくて……」
「え?」
(そうじゃないってどういうことだ? 《衝動操作》じゃなくて、この状態で飯くいにいくとか……?)
通常、悪魔憑きが自分の衝動を発散させる手段として用いられているのは大量の食料摂取だ。
「あのっ、そのっ!」
すみかが泣きそうな顔で、真っ赤になりながらしどろもどろになりながら久介に告げる。
「……す、好きっ、ですっ!」
「へっ?」
「久介くんが好きですっ、ずっと気になってましたっ!」
「そ、そんなっ、何でこんな状況でっ!?」
久介とて健康な高校男子である。身近な女の子、しかもすみかのような美少女を意識したことがないわけはない。
最近すみかの方から久介に近づいてくることが多いから、まさかと考えてみたこともある。
だが、明らかに釣り合いが取れてないので自ら否定していたのだ。
それがまさか、すみかの方から告白してくるとは……しかも全裸で組み敷かれているこの状況でっ!

一方、すみかの方も自らの行動が信じられなかった。
最初はあまりの恥ずかしさに消えてしまいたかった。もう明日からまともに久介と目をあわすことは出来ないだろう。
身体を小さくし目を閉じて身を守る。すると久介が倒れかかってきた。
裸で、男の人に伸し掛かられる。その事が分からない程うぶじゃない。
恐怖に口から悲鳴が洩れた。涙が出てきた。眼をそっと開けてみると、目の前に久介の顔があった。目が合った。
沈黙が訪れ、不安そうな久介の顔を見たら意外なほどに冷静になった。
(久介くんは、私を心配してくれているんだ。)
あらためて確認した。自分は彼が好きなのだ。だからこれっきりで終わるなんて許せない。
「わ、悪いっ、今どくから「久介くんっ!」」
つなぎとめる。気まずいまま別れては駄目。彩子さんが頑張れっていったのは、きっとこういうことだろう。
しどろもどろになりながら変身が解けた理由を説明する。
この溜まった衝動を発散し、久介くんとより近い関係になるにはこれしかないっ!
「……す、好きっ、ですっ!」
「へっ?」
「久介くんが好きですっ、ずっと気になってましたっ!」
言えた……! 久介も、驚きながら真っ赤になっている。
後は、最後の勇気を振り絞るだけだ。久介の目をじっと見て、一呼吸してから一気に告げる。
「久介くん……衝動を……大人の楽しみで発散させてくださいっ!」
218名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:33:46 ID:pBdB7aqp
悪魔憑きには食事以外にも衝動発散手段として、半ば公然の秘密として知られる手段がある。
大人の楽しみ……すなわちセックス。
「伊門……その、この状況でそんなこと言われると……俺も男なんだし、我慢が出来なくなっちゃうわけで……」
「嫌ですか!? 私とするのは!?」
すみかが泣きそうな声で怒鳴る。
「嫌なわけないだろっ! でも、その……」久介は言葉に詰まった。
目の前には全裸の美少女、密かに好みの女の子が倒れている。腕や脚で隠し切れない胸や股間がちらちら見える。
そのすみかが顔を赤くし、目を伏せながら言った。
「こんな急な状況だけど……初めては久介くんがいいの……」
久介はのけぞった。先ほどの突きより遥かに強烈な一撃が胸を突いたのを感じた。
悪魔憑きは衝動的だ。しばしば突拍子も無い行動をとり、回りに迷惑をかける。
だが、久介はすみかの本気を感じた。ならば自分のすることは決まっている。
すみかの横に座り込み、肩を抱く。顔を上げたすみかと目が合う。
「お前の衝動、全部受け止めてやる!」
そのまますみかの膝の下に腕を入れ、身体全体を持ち上げる。いわゆるお姫様だっこだ。
「きゃっ」と小さな悲鳴が聞こえた。
そのまま大股で歩き、隣の部屋への扉を蹴り開ける。
隣の部屋はのぶ男の個室であり、久介も泊めてもらったことがある。
部屋は作業場と違って雑多に物が散らばっているが、不思議なことにベッドの回りだけは綺麗だった。
すみかをそっとベッドへ降ろす。
「……久介くん」すみかが目をうるうるさせながら見上げてくる。
「伊門……いや、すみか。」
名前で呼ばれたのが嬉しいのか、パッと目を輝かせる。
上着を引きちぎるように脱ぎ、すみかに顔を近づける。
「言うのが遅くなったけど……俺もすみかが好きだ!」
「久介くんっ!」
すみかが久介の首に腕を巻きつけてくる。そのまま二人とも自然に目を閉じ、キスをした。
最初は不器用に歯が当たってカチンと響いた。二人して目を見開いてちょっと笑って、そして今度は舌を絡めるようにキスをした。
ズボンを脱ぎ、股間が激しく盛り上がったパンツ一枚で全裸のすみかに覆い被さるようにベッドに上がる。
「……優しくお願いします。」
二人とも初めてで経験はないが、すみかが楽しまなければ衝動は発散できない。
爆発しそうな股間を我慢しながら、すみかの胸にそっと手をおく。
ふにゅっ
「……ぁ」
ため息のような細い喘ぎ声が聞こえた。手のひらからすみかの激しい鼓動が伝わってくる。
いや、すみかのだけじゃない。久介自身の鼓動もだ。
手の触れた部分のやわらかさと熱さで、二人の心が伝わったような気がした。
そのまま優しく揉みあげる。これが女の子のおっぱい。マシュマロみたいと言われるが、ボリュームが段違いだった。
指の間からピンクの乳首が覗いている。久介の股間と同じく激しく勃起している。
舌で舐めあげ、赤ん坊みたいに吸い付く。
「はぁんっ!」
すみかがビクビクと震えながら背をそらした。
「気持ちいい?」
「は、はいっ、久介くん、いいですっ!」
すみかが感じてくれている。それだけで射精しそうになるのを我慢しなければならなかった。
219名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:34:44 ID:pBdB7aqp
しばらくおっぱいと戯れた後再びキスをして、遂に腰のあたりに手を伸ばす。
股間は既に愛液でベトベトに濡れていた。
すみかは恥ずかしいのか、両手で顔を覆ってしまった。
ふとももを抱え込み、顔を近づける。鼻息が荒くなり、痴毛がゆらゆらとゆれる。
股間の割れ目をこんなに近くで見たのは初めてだ。
そっと指で押し広げて中のビラビラを確認する。中からとろとろと愛液が流れ出る。
「きゅ、久介くんっ、恥ずかしいっ!」
「ご、ごめんっ」
言葉とは裏腹に指は割れ目の中に伸びる。
つぷ。指の先を穴にいれみる。
「ひゃあっ!」
すみかが今までに無い程、激しく反応を示す。
「ここでいいんだよな?」
「いいっ、いいですっ! 久介くん、そこっ、いいですっ!」
あまりに激しい反応なので久介も一旦手を離しすみかを抱きしめる。
「すみかっ」
「はぁ……はぁ……久介くん……もう、いいです。もう、くださいっ」
焦点の合わない目で久介を見つめ様としながらすみかが囁いた。
「私の処女……奪ってください。」
その言葉で頭に一気に血が上った。正直もう我慢の限界だった。
パンツを脱いで放り出し、すみかの両足を押し広げ、ギンギンに固くそそり立った肉棒をすみかの股間に押し付ける。
上手く入らない。さっき指を入れたところを探し出し、押し付ける。
「いっ」
先っぽが入った。痛いのだろう。すみかの閉じた目尻から涙が流れている。
「いくぞ、すみかっ!」「うんっ」
一気に押し込む。
「ああーっ!」
すみかが背中に爪を立てた痛みを感じる。だが、すみかの破瓜の痛みの方が遥かに痛いはずだ。
激しく締め付けてくるすみかの膣に、久介は早くもイってしまいそうだった。
「すみかっ、大丈夫かっ!?」
激しく息をつきながら、すみかは気丈にも応えた。
「大丈夫ですっ、悪魔との戦いにくらべれば……はぁ……これくらいっ……はぁ……」
220名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:35:06 ID:pBdB7aqp
悪魔寄生体は感染するとまず宿主の肉体を変化させる。
自らを護るために強靭で健康な身体に作り変えるのだ。
それは感染者の深層意識で望んだ姿だと言われている。
そのため多くの悪魔憑きは美形で健康かつ理想的なスタイルを手に入れる。
どれだけ大食いをしても大丈夫な胃。衝動を解放するための行為に耐える肉体。
すなわち、性的快感を望むのならそれに適した身体へと変化する。

すみかは処女だったにも関わらず、破瓜の痛みを感じたのも束の間、既に膣内に挿入された久介の肉棒から快感を覚えていた。
より快感を得るために膣内は激しく動き、搾り取るように久介の肉棒を締め上げる。
久介が動き出す前に、すみかは腰を動かしはじめていた。
「久介くんっ、すごいっ、動いてくださいっ」
動き出したすみかにより強制的に出し入れさせられる久介の肉棒。
その与えられる快感を我慢するのに、久介は逆に衝動を溜めなければならなくなっていた。
すみかだけに動いてもらうわけにはいかない。もう遠慮は要らない。こちらも共に動き、昂ぶるまでだ。
激しく肉棒を突き入れる久介。その衝撃を吸収し快楽を得るためにすみかの身体は少しずつ変化していく。
また、久介の方もより高い興奮を得るためか、パートナーを喜ばせるための肉棒を更に変化させる。
より固く、より太く、より長く、そしてカリ首も大きく。
それは先ほどまで久介の股間にぶら下がっていた平均的日本人のものとは比べ物にならなかった。
そして更にそれを受け入れるべくすみかの身体は変化し、より高い快感を得るようになっていった。

激しく突き動かされる腰と腰。すみかと久介は自然と見詰め合い、手をつなぎあってキスをした。
その瞬間、二人は同時に達した。二人の股間に熱が広がる。
肉棒から精液が射精される快感。膣内に精液を注ぎ込まれる快感。
この瞬間を待ち望み溜めに溜めた衝動が、一気に解放されたのだった。

通常より長く続いた射精が止まると、久介はすみかの中から肉棒をずるりと引き抜いた。
精液と愛液、そして破瓜の血で濡れた肉棒はまだ固かった。
すみかの膣口からどろりと精液があふれ出た。
中出ししてしまった……冷静に考えると拙いのだが、今はすみかを自分の物にしたという征服感のようなもので満たされていた。
「久介くん……」
すみかが囁く。
「まだ……衝動溜まってるみたいですね……」
すみかがいたずらっぽく微笑んだ。

結局その後3回した。
221名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:35:31 ID:pBdB7aqp
既に日も落ちて結構時間がたってしまった。久介はノーブラノーパンのすみかを送り、アトリエを後にした。
「ふう、あいつら初めてだってのにがんばりすぎだろう。」
物陰からランニングシャツを着たおっさんが出る。このアトリエの主、のぶ男だ。
「それでも、俺も若い頃はあんなもんだったか。」
腹が飛び出た今と違い、若い頃は悪魔憑きらしく美形で女にもモテていたのだ。
「どれどれ、撮れているかな?」部屋の隅から隠しカメラを取り出す。
久介とすみかがどこまで行くのか、後でからかえると思って隠し撮りするために文字通り飛んで帰って準備をしておいたのだ。
デジカメは動画モードにして放置、上手くいけば何か撮れる。本命の隠しカメラはアトリエと寝室に一つずつ。
寝室はベッドの周りだけは片づけておく気配りもしておいた。
「まずはデジカメ。」
メモリを確認すると、案の定動画が録画されている。すみかのストリップシーンだ。
「あ、このシーンか。」実は覗いていたのだが見つかりそうになり慌てて飛んで逃げたのだった。
「写真の方はどうかな?」
ピッ 「ブッ!」思わず吹き出す。
いきなりすみかの全裸おっぴろげ写真が表示された。
「こ、これはいくらなんでもマズイだろう……」
数枚全裸写真が続き、その前はクレイモアに変身したすみかの写真になっている。
「どうやらまともな写真も残っているようだが……うーん、下手にいじるとバレるしなぁ。そのままにしておくか。」
カメラを元の位置に戻す。
「しかし、あいつらこのカメラの事忘れてるんだろうか……」
カメラをほったらかしにして帰宅した二人のことを心配する。
「この調子だと残りのカメラはもっと凄いな。」
アトリエのカメラは大体の展開が見えるので早送りで済ます。どうやら衝動が弾けて変身解除した騒動だったらしい。
そして寝室になだれ込む二人でその後は変化なし。
「寝室のは回収して封印するか。いや、久介に売りつけるのもアリかな〜? でもすみかに悪いしな〜?」
想像以上の展開に悩みは尽きない。少年少女の未来を見守るのが大人の勤めなのだ。
222名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:35:53 ID:pBdB7aqp
後日
「のぶ男、ダイナミックパーンチ!」
カルトロップが吹っ飛ぶ。今日もヴィシャスと戦闘だ。
「変身ッ!」
すみかが服を着たまま変身する。制服が吹き飛び、一瞬裸体が見えるがすぐに巨体の炎の魔神が現われる。
「おっ、すみか。今日はやる気だなっ」
「はいっ!」
戦闘はすみか達の圧勝だった。

戦闘終了後、すみかは新しく購入したセラフィムマントを羽織って変身を解いた。
「おつかれーい。そんじゃ飯でも食いにいくかー」
「アニキ師匠、俺らこれからすみかの服買いに行くんで……」
「あらあら、すっかりラブラブねぇ」
彩子が茶化すのも無理はない。結局二人はその後付き合い初め、見事にバカップル化していた。
今もすみかは裸にマントを羽織った状態で久介に腕を絡めている。
「おー、そんじゃここで解散にするか。彩子はセラフィムに報告しておいてくれ。」
「はいはい、それじゃお二人さん。またね〜」

取り残された久介とすみかは寄り添いあった。
「衝動溜まっちゃったね。」
「お金は服買うのに使わなきゃね。」
「食事代はないし、しょうがないよね。」
「うん、しょうがない、しょうがない。」
二人して笑いあった。これからも素敵な共生関係を続けよう。


更に後日
すみかは模型誌をみていた。
「久介くん、ありましたよっ!」
久介はすみかのフィギュアを完成させた。
「半分以上アニキ師匠に手伝ってもらったしな〜」
「でも、久介くんも頑張ってたじゃないですか。とてもかっこよく出来てますよ。」
「そっか、うん。ありがとう。」
すみかはこっそり女性キャラのページを覗いてみる。セクシーな格好の参考にするのだ。
そこに見慣れたキャラを発見してしまった。投稿者は久介になっている。
「……久介くん? これはなんですか?」
「し、しまった! そっちも掲載されていたのかっ!」
ttp://www.fujimishobo.co.jp/gameinfo/image/dragonbook_0810_02.jpg
それは服をやぶりながら変身しているすみかのフィギュアだった。
あの日、目に焼きついた姿を見事に再現している。
「なんでパンティまでしっかり再現してるんですかー!」
「いや、その、ごめんっ!」
結局新しい服をプレゼントするまで許してもらえなかったそうな。
223名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:37:29 ID:+iT780Nz
版上げの暁には食事と睡眠以外の回復方法もルール化すべきだな。
224名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:41:50 ID:pBdB7aqp
以上です。

なにこのバカップルの初体験記録?w
最初の予定では変身解除したところで馬鹿騒ぎしつつ終わる予定だったんですが、
エロが足りないと思い、そのまま初体験に突入。
しかもなんか妙に長くて、結局初体験エロSSになってしまいました。

ゲーム的に解説すると、すみかは戦闘したあと第三段階前で衝動表は『開放』『猜疑』『拒絶』を振ってます。
武器だしたり振りなおししてるんで衝動溜まってってるんですねw
久介の方は、『我慢』『焦燥』『飢餓(性的な意味で)』です。
225名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 23:45:21 ID:pBdB7aqp
>>203
お待たせしました。実はR&R掲載時から書こうと狙ってたw

>>208
すみかは苛めたいけど、性的に苛めるキャラが居ないんだよね。メギドの火あたり?

>>213
ぶっちゃけそこは表現に困っただけで、小説版は関係ないですw

>>223
『大人の楽しみ』による衝動回復は、通常と別方法のがよさそうですね。
行為を始めてから衝動を溜めてって、解放すると同時に思いっきり回復するとかw
226名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 00:46:09 ID:o1vq1b+O
相手に合わせて変形するチンコとかデビル17思い出したw
227名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 00:54:21 ID:QCrnJ6Km
アクロス買ってきた。

カラー絵の最後、エルザがメロディに跨って
悦んでいるようにしか見えんのは俺だけ?
228名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 00:57:19 ID:IS6S0NK7
でっかいピンクローターに抱きついてるみたいに見えたのは俺だけじゃなかったのか……
229名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 06:35:41 ID:WcKuUUSj
>>227-228
卓ゲ板行って、ラノベ板も覗いて、そして最後にこのエロパロスレに来たら…
…どうしてお前らは何処に行っても同じ感想ばかりなんだ! このマイソウルブラザーどもが!w
230名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 09:35:02 ID:nAy92Baj
>>224
GJ!
すみか、この後露出に目覚めたりしそうだ。w
231名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 12:24:40 ID:nNAVTTvD
おまいらさなえたんに釣られすぎ

悪魔つきルパンダイブの習得が必須だな。
232名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 19:43:14 ID:tdyEwpJj
>>231
おう、釣られてやるともさ!釣り針どころか竿まで喰ってやるともさ!!
233名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 19:58:55 ID:gkKWzZpt
竿をぱくぱくするんですね。わかります。
234名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 20:28:36 ID:eUyOcj99
>222
エロォーイッ!
悪魔憑き=自動床上手というのは新しいが、あの大食いッぷりを鑑みるとかなりありうるなw
次はマント一枚で頼む。
235名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:21:25 ID:Mz1uU+32
マント一枚の変態すみかたんも書きたいけど、シチュエーションがあまり思い浮かばない。
というわけで、今回は羞恥陵辱を目指してみたいと思います。
236名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:21:47 ID:Mz1uU+32
平尾ゆかりの復讐

「見つけた……あの子だわ!」
大友市の繁華街の街角で人目を避けるようにして女・平尾ゆかりは呟いた。
視線の先には部活帰りらしき女子高生が歩いている。北城学園の制服を着て髪をポニーテイルに纏めている、文句なしに美少女だ。
「すみか……とか言ったわね。相変わらず素敵な娘……」
ゆかりはレズビアンである。
かつてアイドル事務所を経営し悪魔憑きの力を利用して候補生達を食い物にしていたのだが、その楽園はすみか達によって壊されてしまった。
「あなたは私のものにするだけじゃ済まさない……滅茶苦茶に壊してあげる……!」
ゆかりは狂気を秘めた瞳ですみかをジッと見つめた。

数日後、すみかは帰宅途中に小さな悲鳴を聞くと同時にヴィシャスが現われた気配を察知した。
悪魔憑きは近くで悪魔憑きが変身すると感知することが出来るのだ。
人気の無さそうなビルの間の細い路地の先からだ。悪魔事件ならば急いで向かわねばと、すみかは駆け出した。
路地を抜けると、そこそこ広いスペースに出た。回りは高いビルで完全に袋小路になっている。
そんな場所で、OL風の女性が一人、二体のカルトロップに襲われていた。
(急がなきゃ!)
かばんを放り出し、上着のブレザーを脱いで叫ぶ。
「変身ッ!」
掛け声と共にすみかの身体に変化が始まる。
身体のあちこちから服を切り裂きながら突起が飛び出し、身体全体が巨大化する。
現われたのは炎の如き魔神・クレイモアと呼ばれる悪魔寄生体だ。
「その人から離れなさいっ!」
身体から生体武器を生やし、剣のように構える。そして炎を纏いながらカルトロップに強烈な突きを入れる。
「ギャーッ!」
吹っ飛ぶカルトロップ。女性は無事のようだ。
「早く逃げてくださいっ!」女性に声をかける。
「は、はいっ!」
新しく現われた化け物にしか見えないのだが、どうやら助けてくれるとわかったのか、慌ててすみかの後ろへ回り込み逃げ出した。
カルトロップ達がすみかを敵と見なし、戦闘態勢を整える。
カルトロップはザコ扱いされているが、そもそもヴィシャスはマイトより強い。しかも二対一だ。油断は禁物である。
「掛かってきなさいっ!」
すみかは武器を構えると気合い発した。

戦闘は引き分けだった。
カルトロップは予想より強力な個体だったらしく、すみかは少なからぬ手傷を負った。
しかも2体の攻防のコンビネーションが取れており、中々有効打を与えることが出来なかった。
衝動が溜まり焦りを感じたが、敵もこれ以上傷つきたくなかったのか途中で空を飛んで逃げ去った。
「……ふぅ」
敵の撤退を確認して、ようやっと息を吐く。あたりを見回し人目がないのを確認する。女性は無事逃げられたようだ。
変身を解除すると、すみかの裸体が現われる。先ほどまでの巨体の魔神と同じ人物とは思えないほど華奢で美しい少女だ。
人目がないとは言え、屋外で裸でいるわけにはいかない。すみかは急いでかばんの中の服を着ようと、かばんを放り出したあたりへ向かった。
……ない。かばんがない。確かにこの辺にかばんを置いて変身したはずなのに、かばんがない。
それどころか上着もない。ちぎれとんだブラウスも、半分に裂けたスカートの残骸もない。
あるのは左右にちぎれホックも壊れたブラジャーと、ビリビリに裂けてとても履けないパンティの残骸だけだ。
ビル風に飛ばされたのかと思い左右を見回す。ない。というか、それなら軽いパンティの方がなくなっているはずだ。
誰か来たのなら流石に悪魔憑きの戦闘を見たら驚くなりの反応を示すだろう。
犬あたりが咥えていった? かばんは無理だろう。 あの女性が持ち去ったのだろうか? なんのために?
すみかは混乱しつつも、全裸で途方にくれるしかなかった。
237名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:22:29 ID:Mz1uU+32
回りのビルは窓も取っ掛かりもなく20m以上の高さがある。悪魔化しても上までは届きそうもない。
ビルとビルの間は10cmぐらいしかなく、とても通れない。
その隙間の反対側が入り口であり、陰からそっと外を覗くと通路の先の道に歩く人達が見える。
わざわざこのスペースに入ってくるとは思えないが、ここから出ることも出来ない。
ストーリーキングの全裸女として噂になるなんてありえない。
ビル風が吹き、すみかの身体をなで上げる。ゴミとかカサカサ転がっている。
悪魔憑きは肉体が頑強に変化するため、通常の温度変化程度では風邪を引いたりはしない。
それでも全裸で風を受けるのは寒いことに変わりは無かった。
(せめてなにか身体を隠すものを……)
十メートル四方程度の狭い空間を見回す。
ベンチ。ここは休憩場所だったのだろうか? とても心休まる場所とは思えない。
ゴミ箱。なぜかカンを捨てるタイプ。
空き缶がいくつか。ゴミ箱使われてない……
タバコの灰皿。倒れて散乱してる。汚い。
たたみ2畳。日本の心……って、なんでこんなところに!?
結局役に立ちそうなものは見当たらなかった。
たたみをビルの隅に立てかけ、たたみハウスを作成し陰にもぐりこむ。風を防げるようになった。
全裸でうろうろするより遥かに落ち着いた。
(このまま夜まで待つしかないのかなぁ……?)
人通りが無くなったら、身体を隠せるものを探して家へ帰ろう。悪魔化すればなんとかなるだろう。
携帯電話はかばんの中だ。ここへ向かったのは自分以外知らない。
家族はセラフィムの活動と思えば、夜遅いことも今までも何度かあったことだし納得してしまうだろう。
すみかは不安と寒さから自分の両肩を抱き寄せた。

「ここッスよ! 人気がなくていーところっ!」「バッカおめえ、女連れこむならもっとマシなところ考えろよ。」
入り口の辺りから人の話し声が聞こえるッ!
たたみの陰からそっと覗くと、チンピラ風の男が数人入り込んできた。
慌てて頭を引っ込めて身体を小さくする。
(どどどどどーしよう! 見つかったら恥ずかしいっ!)
恥ずかしいどころの話ではない。明らかに不良の男達だ。全裸の美少女を発見したら襲い掛かってくるのは目に見えている。
(みつかりませんように……はやくどこかへいってー!)
来たばかりなのだからどこかへ行くということはないだろうが、すみかはそう祈らざるを得なかった。
「おっ! 女のパンツはっけ〜ん!」「マジか!?」「こっちはブラじゃね?」
(あああああっ! 私の下着ッ!)
男達が先ほどまで自分の着けていた下着を弄繰り回している。顔から火が出そうなぐらい恥ずかしかった。
「ボロボロだな。」「誰か連れ込んで犯っちまったんだろ。」「レイプか。やるねぇ。」「俺らも誰か呼ぼうぜ。」
不穏当な話をしているのが聞こえる。
「ふんふんふん」「臭いかいでんじゃねーよ!w」「変態かおめーは!w」「これは美少女の香りっ!」
(へんたいっ! へんたいですっ!)
自分のパンティに顔をつっこんで臭いをかがれている。生理じゃなくて本当によかった。
「……いやまて。これまだ温かいぞ。」「はぁ?」「ほんのり湿気があって、人の臭いもする。」「犬かおめーは!」
(いやあああああっ!)
生理的嫌悪感から背筋が震え上がった。汗だろうけど尿洩れだとは思いたくない。
「つーことは、俺らが来るちょっと前に犯ってたってことか。」「なんだよタイミングわりーなー。」
「まだ近くに居るんじゃね?」
ビクリッ! その言葉に息が止まった。見つかるっ!?
男達の会話も止まる。広場の隅に立てかけられた、見るからに怪しいたたみハウス。
「アレに隠れてたりしてなーw」「居たらでてきなさーい。」「見りゃいいじゃねーか!w」
男が歩み寄ってくる足音が聞こえる。たたみに手をかけたっ!
「よっ」
男がたたみを引き倒す。
陰から現われたのは炎の如き魔神だった。
238名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:23:01 ID:Mz1uU+32
「な、なんだこいつ!?」「ば、ばけもん!?」
男達がたじろぐ。とっさに変身したのだ。体育座りの状態から、ぬぅっと立ち上がる。男達より背が高く見下ろすことができた。
「着ぐるみかなんかだろ。おい、てめー。そんなところに隠れてなにしてやがった。顔みせろや。」
男達が敵意を見せる。変身した姿を見られたのはマズイが、このまま追い払うのが賢明だろう。
また都市伝説の類が一つ増えるだろうが、裸を見られるよりはマシだと思いたい。
怪我をさせない程度に軽く小突くと、チンピラが派手に吹っ飛んだ。
「野郎ッ!」「やっちまえっ!」
負け台詞を吐きながらナイフを抜いて襲い掛かってくる男達。いきなりナイフを取り出すなど治安の悪さを心配してしまう。
しょせん一般人と悪魔憑きの喧嘩である。すみかの圧勝で終わった。
「畜生ッ!」「覚えてやがれッ!」
どこまでも個性のないやられ台詞を吐きながら男達は逃げ出した。
すみかはため息をつくと、たたみハウスを建て直した。
「早く帰りたいなぁ……」

「アニキッ! こっちですこっち!」「慌てんなボケがぁ」
30分もしないうちにまた来た。
多少見られることは覚悟して、変身しているうちに街を駆け抜けてしまえばよかったかも知れない。
三度変身してたたみハウスを出る。チンピラがレベルアップしてヤクザになったような人が来ていた。
「……ほう、こいつか」
ヤクザは意外なことに怯まなかった。
「安心せえ、こういう奴にはちゃんと対処法があるんじゃ。」
おおーっ、とチンピラ達から歓声があがる。
「こいつは悪魔憑きっつーやつだ。お前らも聞いたことぐらいはあるだろ。」
「知ってるか?」「しらね。」「なんか聞いたことあるような。」
「知っとけやボケぇ!」チンピラがヤクザに叱られてる。
それにしても悪魔憑きについて知識があるのは考えものである。
ヤクザの中にはヴィシャスを飼い、兵隊にしている組も多いと聞く。
「オマエがなんでこんなところに居るのかは知らんが、うちのもんが世話になったからにはタダで帰すわけにはいかん。」
「わたしはただ帰りたいだけなのですが。」
すみかが声をあげるとチンピラ達に動揺が走った。化け物ではなく知性のある生物だと実感したのだ。
「女か……なんでここに居ったかわかったわ。」
口の端に笑みを浮かべながらヤクザが挑発する。
「変身を解いて顔をみせろや。態度次第では許してやらんこともない。なんなら家まで送ってってやってもいいぞ?」
「お断りしますっ!」
すみかは怒りも露わに声を荒げた。この男はわかった上で裸になれと言っているのだ。
「交渉決裂だな……旦那、頼みますぜ!」
ヤクザの男は後ろに下がると、入り口の陰に隠れていた男に声をかけた。
のっそりと空き地に入ってきたのはプロレスラーかと思うぐらい大きな男だった。変身したすみかよりも背も高く筋肉も多い。
だが、それでも一般人では悪魔憑きにかなうものではない。となると、この旦那と呼ばれた男は……!
「ぐふふふっ、楽しませてもらうぞ。」
男の身体が膨れ上がる。服を突き破りながら獣毛が全身を覆い尽くす。“無双の獣人”ヴォージェだ。
悪魔憑きの中でも最も攻撃力が高く、総合した戦闘力はクレイモアと同等と言われている。
衝動が蓄積し、カルトロップとの戦闘で傷ついているすみかには勝ち目の薄い相手だった。
(なんとか隙を突いて逃げるしかないっ!)
負けたら裸で男達の前に投げ出された上、キャプチャーされ悪魔憑きとしての力を奪われてしまうだろう。
先手を取って攻撃する。生体武器を生成しつつ猛炎撃を打ち込む。ヴォージェの腹に必殺の突きが刺さる。
炎で銃毛の焦げる臭いがした。
すかさず相手から反撃が来る。剛腕の一撃。ヴォージェの筋力から生み出される強烈な一撃である。
喰らったら今のすみかではひとたまりも無い。上半身を捻り、ギリギリでかわす。今だッ!
ヴォージェから飛び退り、入り口へ向かう。チンピラ達が邪魔なので蹴散らしながら出口へ向かう。
「甘いぜ。」
上から声がッ!
見上げるとヴォージェが壁面に張り付いていた。ヴォージェは見た目は大きく鈍重そうだが、獣の如き動きが可能なのだ。
そのまま落下しつつ一撃を加えて来る。体制を崩しながらなんとか避ける。
ザクッ!
背中に激しい痛みが走るのを感じた。首だけ背後を向く。
ヤクザの男がいつのまにかすぐ側に居た。腕が大きな刃物に変化していた。“神速の暗殺者”ファランクスだ。
「悪魔憑きがひとりだと思ったかい?」
ヤクザの男の声を聞きながら、すみかは気を失った。
239名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 01:24:03 ID:Mz1uU+32
とりあえずここまで。
この後陵辱展開を考えているんだけど、なんかチンピラ達が目立って平尾が空気化しそう。
240名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 05:21:28 ID:hgE4EM2J
テスト
241マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 05:22:45 ID:hgE4EM2J
世界は俺を見捨てませんでした!
アクセス規制が解除されましたので、今日中に勇者少女を投下したいと思うのですがよろしいでしょうか?
時間は多分夜になると思います。

242名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 05:26:34 ID:pA1cL1tz
誰が 駄目だと 言えるのだろうか。
243名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 07:44:59 ID:hMvXI3bw
駄目だ、今投下しろ


とか?
244名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 09:01:08 ID:ykunU6jo
勇者少女きた! これで勝つる!!
まってたぜええええまっどまんしいぃぃぃ!!
ずーっと全裸待機してたぜええええええ!!!
245名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 09:20:08 ID:kkx+Fya8
>236
ペース早いな。続きに期待。

……キャプチャーと言えば、デモンパラサイトって悪魔抜かれると後遺症が残ることがあるんだよなー。
後遺症のせいで苦しんでる元ヴィシャスのヒロインとか妹とか、イイと思うんだが、公式でやらんかなー。
246名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 09:49:19 ID:WXHOZYhj
>>245
後遺症に過食症とか、肥満体質とか、足が臭いとかあったら目もあてられないけどな。
247名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 10:09:03 ID:lYpHXBkx
後遺症ちゃんとルールで決まっているからw
248名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 14:42:09 ID:jAI9iCr6
>>245
過剰睡眠のゆりゆりヒロインならいたじゃないか。
249マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:42:01 ID:hgE4EM2J
ふふふ、夜だと見せかけてこんな時間に投下します。
勇者少女の双影狂想曲 オープニングです。
エロス注意!
250勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:42:47 ID:hgE4EM2J

 遠くて近いどこか。
 鏡のように似ていて、けれども食い違う何か。
 限りなく遠くて近い場所。
 極めて近くて遠い場所。


 貴方は其処にいますか?






 大好きです。
 愛しています。
 例えそれが自惚れだったとしても。
 例えそれが禁じられたものだっとしても。
 例えそれが倒錯でしかないとしても。

「ねえ……■■くん」

 ――ノイズがざわめく。

 外がうるさく、音は反響し、気が狂ったような音の乱舞。
 密閉された空間。
 逃げ場のない密室。
 凍えるほどに寒い世界の中で、白い裸身が一つ。
 彼女は笑う。
 彼女は一枚一枚と服を脱ぎ捨てて、その肌を露出させる。
 熱に浮かされたかのように頬を薔薇色に染め上げて、喘ぐように熱く白く染まった息を吐き出して、その白く豊満なる乳房を露出させ、その先端にある桜色の蕾が惜しげもなく晒されていた。
 それは美しい姿。
 それは惑わす妖艶。

 ――ノイズがうるさい。

 誰かに迫る。
 誰かを愛そうとしている、ガンガンと頭の中でうるさい声が聞こえる。
 ああ、気が狂ってしまいそう。
 誰かに見られている、或いは見せ付けている。
 白い衣装、彼女の制服、それをはだけた肌は白磁のように白い肌、潤沢なプラーナを蓄えた彼女の裸身は女神のように美しく、熱気にうなされて汗を吹き出し、テラテラと妖しく光を反射する肌は魔女のように淫らだった。
 羞恥に肌を紅く染め上げて、それでも彼女は動きを止めずに、その全てを与えるかのように蠢く。

 ――目の前が見えない。

 娼婦のように色香に満ちた笑み。
 口紅を塗ったかのように彼女の唇は赤く染まり、その藍色の瞳は蠱惑的に潤んでいた。
 彼女は妖艶なる手つきで手を伸ばし、その先にある――の頬を撫でた。
251勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:43:22 ID:hgE4EM2J

 ――気が狂っているかのように幻覚だらけ。

 愛しくてたまらない。
 愛したくてたまらない。
 犯して欲しくてたまらない。
 犯したくてたまらない。
 気が狂う、なんていういやらしい思考、なんていう恥知らず。
 狂ってしまおうか。
 滅茶苦茶に壊れ果ててしまえば、考えることすらも必要ないのだろうか。

「壊してよ」

 彼女は■■■に告げる。
 熱気にうなされた目で、脳髄までも蕩かすような言葉で囁いて。

「壊して。僕を……壊してよ!」

 それは絶叫だった。
 それは悲鳴にも似た叫び声だった。

 ただ救いを求める一人の少女の声だった。




 【勇者少女の双影狂想曲】


252勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:44:11 ID:hgE4EM2J
 
 平和である。
 今日も地球ことファー・ジ・アースは滅ぶ事無く平和だった。
 故にだらだらと一人のフリーなウィザードが惰眠を貪っていてもまったく問題などないわけで。
 デフォルトされたハエ柄のパジャマを見に付け、柊 蓮司は自室のベットで惰眠を貪っていた。

「がーがー」

 大口を開けて平和そうに寝ている。
 リラックスしきった状態、見ているだけで気持ち良さそうだ。
 そう思った次の瞬間、不意に柊の眉間に皺がよった。

「ん? ん?! や、やめろぉ!」

 うわーとじたばたと手を振り回し、そして数分後ガバリと起き上がった。
 目を覚ますや否やキョロキョロと周りを見渡し、ふぅっと息を吐く。

「ゆ、夢か……そうだよな、堕天使スク水メイドなんているわけねえよな……」

 遠い目を浮かべる柊 蓮司。
 どうやら現実と夢を取り違えているようだ。
 とはいうものの、数日前に実際にあったことなのだが、あまりの忌々しさに夢として処理しているらしい。
 ちなみにハルは無事に逃がして、裏界へと帰ったことだけは報告しておくべきだろう。

「さぁて、今日は何をすっかなぁ」

 パジャマ姿で伸びをし、パキパキと全身の間接が小気味いい音を鳴らした。
 絶賛任務のないニート――訂正、フリー状態。
 スケジュールはがら空きなのである。

「ようやく怪我も治ったし、しばらく骨休みに温泉旅行とかもいいかもな」

 学生時代には考えられなかったうきうきモード。
 広告店から取ってきた何枚かのパンフレットを月衣から取り出すと、柊は心底楽しそうに吟味し始める。
 貯蓄はある。
 時間もある。
 ならば止めるものはあるか? いや、ない!

「姉貴には書置きでも残して、適当に旅館でも予約すっかなぁ」

 山奥の秘湯と書かれた一枚のチラシを手に、柊が取り出した0−PHONEで予約の電話をかけようした瞬間だった。

 ――彼の幸せな時間は終わりを告げた。

「ええと、249の……」

 ウィーン。

「ん?」

 奇妙な音、嫌な予感、鳴り響く警報音。
 しかし、遅い。
 彼の予感はいつでも間に合わなくなってから鳴り響く。
 ガシッと首根っこが何かに掴まれた。

「お!? おぉおおおお!!? ちょ、ちょまてやぁあ!!」

 暴れながら上を見上げる、そこには巨大なUFOキャッチャーのようなアームが時空の狭間から飛び出している。
 忌々しき柊 蓮司キャッチャーだった。
253勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:44:50 ID:hgE4EM2J
 
「な、離せ! なんでいきなり!!」

 暴れるもズルズルと柊は上へと引き上げられていき――ブチッとこめかみで血管が切れる音がした。
 月衣に手を差し込む。
 瞬くような瞬間、冷たい感触――そこから彼の魔剣が射出される。

「離せつってんだろうが!!」

 一刀両断。
 手首を返し、アームの指部分を切断してみせる。
 何気にダイヤモンドコーティングを施された特注のアーム、それを切り裂いた柊の一閃は斬鉄の業を習得したのか。
 一昔前ならば歯が立たなかっただろうが、二度にも渡る冥魔との戦いに、とある魔剣使いとの激戦の果てにその剣の切れ味は増していた。
 スタッと床に降り立ち、その先にいるだろうアンゼロットに声を上げる。

「悪いが、今の俺はどこにも所属して無いフリーなんだ! 使いぱしりにされる筋合いはないぞ!」

 些細な自分でもないような用件でも自分を扱き使うアンゼロットに、多少辟易している柊だった。
 ……まあ本音は温泉旅行行きたいという気持ちが多量に占めているのだが。

『まあ柊さん、私のお誘いを断るのですか?』

 その時、外側から声が響いてきた。
 お得意のアンゼロットのヘリである。そこには長くたなびかせた銀髪の髪を何故に流し、拡声器を持った少女が柊を見つめていた。

「当たり前だ! よっぽどの用件でもないと、俺はいかねえからな!」

 とはいえ、嫌な予感は止まらない。
 アンゼロットは強引だ。
 どうせアームを追い返したところで諦めることなどないだろう。
 あえてアームを破壊したのはある意味意趣返しだった。

『本来ならばこの私としても柊さんをしばらく静養させてあげたいのですか……』

 嘘付け、と柊は思った。
 怪我が治った途端扱き使う気だと確信している。
254勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:45:34 ID:hgE4EM2J

『すみませんが、今回の貴方には拒否権はないのです』

 それは真剣な言葉。
 ぞくりと背筋まで射抜くかのような目線。

「どういう意味だ!?」

『とりあえず着替えてください。そのような服装では客人に失礼ですので』

 客人?
 いぶしかりながらも、柊は頷くと――とりあえず一言。

「着替えるからさっさと立ち去りやがれ!」

『あら? 私は気にしませんのに』

「俺が気にするんだよ!」

 シャーッとカーテンを閉めると、柊はパジャマから着替えて、着古したジーンズにシャツを身につけ、上から白いジャケットを羽織った。
 手には何個も予備のあるフィンガーグローブを嵌めて、握りを確認し、最後に靴下と靴を履いてカーテンを開けた。

『あら、早いですね』

「男の支度なんてこんなもんなんだよ」

 さて乗り込むかと開けた窓枠に足をかけた時だった。

『では』

 パチンと指が鳴らされる。
 へ? と思った瞬間、室内に魔法陣が形成される。
 転移魔法。
 そうだと悟った瞬間には柊は白い閃光に飲み込まれていた。

「ヘリの意味はなんだぁあああああああ!!」

 という叫び声を残して。

255勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:46:57 ID:hgE4EM2J
 
 転移に掛かる時間は一瞬だった。
 けれども、自分の体が細分化される感覚は、再構築される際の違和感は猛烈な吐き気となって襲い掛かってくる。
 転移酔いと呼ばれる魔法に長けないウィザードが陥りやすい症状。
 一瞬の滞空から床へと着地するも、酔った感覚で膝が崩れる。

「きぼぢわる……」

 うげーと舌を突き出しながら、どこに飛ばされたと顔を上げる。
 そこにはアンゼロット宮殿、それもよく通される応接の場所だった。
 よく手入れされた花々の花壇が咲き乱れて、噴水が沸き立つ傍に白いテーブルが置かれている。
 そのテーブルには三名の少女が座っていた。

「ん?」

 二名は見覚えがある――けれど、ここにいるはずのない人物達。
 一名は見覚えがない――けれど、どこか近親感を憶える。

「あ、蓮司くん!」

 テーブルに座っていた一人の少女が立ち上がる。
 薄く脱色して茶に染まった髪、凛々しい顔つき、見事な体躯の上に白い軍服を身に付けた男装の麗人と呼ぶべき少女。
 その凛々しい顔を喜びに変えて、薔薇色に染まった頬を浮かべる彼女の名を柊は知っていた。

「レン? それにアンゼロットまで、なんでここに?」

 男装の少女の名は柊 レン。
 この世界とは異なる並行世界に存在する少女。
 そして、その横で紅茶を啜っているのは一度だけ見たことのある黄金色の髪をした褐色の肌の少女。
 並みの人間ならば目にするだけで心焼き尽くし、激情と情念に蕩かされるほどの美貌、息することすらも忘れるほどに偉大なる存在。
 【輝ける黄金】 アンゼロット。
 本来ならばもう一人の女神――イクスィムが持ち合わせるはずの太陽としての側面を持った守護者。
 並行世界ガイアにおけるアンゼロット、そして柊 レンは共にガイアにしかいないはずの二人だった。

「いつぞやは世話になりましたね、柊 蓮司」

 ニコリと輝ける黄金のアンゼロットが微笑む。
 どこぞの真昼の月とは異なり、その仕草は丁寧そのものだった。

「あ、ああ」

 どことなく調子を崩されながら、空回り気味の返事を返す。
 そんな柊の態度が可笑しかったのか、どことなく優雅に輝ける黄金は苦笑を浮かべていた。
 そして、その横でもしゃもしゃとケーキを食らっている少女が一人。

「お? おおー、御主が柊蓮司でありますな?」

 ゴシックロリータというべき服装、巻き上げたブロンドヘヤを可愛らしいリボンで止めた少女だった。
 死人のように白い肌とどことなく腕のある人形師が造形したかのような整えられた美貌に、猫科のように縦に開かれた瞳孔、そして見るだけで背筋に感じる冷たい感覚。

「吸血鬼、か?」

 肌に触れる感覚から柊は察知。
 人間離れした造形に、冷たいプラーナの気配から間違えるはずがない。
256勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:48:13 ID:hgE4EM2J
 
「初めましてでありますな。わたしくしの名はノーチェ、今回お主とチームを組む絶滅者の傭兵であります」

「傭兵? チーム?」

 どういうことだ? とレンに目を向けると、彼女は苦笑を浮かべて、肩を竦めた。
 自分も詳しいことは分からない、という態度。
 チーム云々を言っていることからノーチェと名乗った少女ならばある程度の事情は知っているのだろうが。

「いやーしかし絶品ですなぁ、このケーキは!」

 モクモクとショートケーキを頬張る姿に説明を求めるのは難しそうだ。
 しかし、気になることがある。
 何故この少女は背中に風呂敷でどでかい水晶玉を担いでいるのだろうか? 夜逃げか? それとも泥棒か?

「柊 蓮司。そして、レン。お聞きなさい」

「あ、はい」

「おう」

 いつのまにやらアンゼロットのロンギヌスを手先のように使い、輝ける黄金は紅茶を注がせると、どこまでも礼儀正しく紅茶を一口含み、告げた。

「この度、二人を呼び出したのは他でもありません、私の望みです」

「あ、はい」

「……俺まで呼ぶってのはどういうことだ?」

「――冥魔、と言えば分かるでしょうか?」

「っ!?」

 輝ける黄金の唇から零れた言葉の一欠けら、それに柊は表情を険しくする。
 二度に渡る対峙、そのどれもが命がけだった。

「レン、貴方にも軽く説明はしましたが、冥魔とは等しき危険なものです。闇界の中より産まれいでし異形、彼らに理性はなく、衝動のみが存在する混沌」

 恐ろしき内容でさえも、この少女の唇から零れ出ればまるで美しい旋律に変わる。
 耳に焼きつくかのような言葉の調べに、柊は、レンは、そしてケーキを食いまくっているノーチェははっきりとした意識のまま聞き遂げる。

「新たなる危機にファー・ジ・アースだけではなく、ガイアもまた手を揃えて対抗することに決めたのです」

「ガイアもって……まさかそっちにも冥魔が出たのかよ!?」

 並行世界だからこそ、危険はないと思っていた。
 世界結界が弱体化したのはこちらだけだと思っていたのだ。
 それが違う?

「この世界、いえ、幻夢界を生み出すための夢見る神――幻夢神。その守護者の片割れが滅びたのです、ガイアも、ファー・ジ・アースも幾つもの夢の泡沫に過ぎません」

 そう告げて、輝ける黄金は残酷なる事実を告げる。
257勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:48:54 ID:hgE4EM2J
 
「こちらの世界に確かに皇帝シャイマールは覚醒していません。けれども、ゲイザーの死によって世界結界に綻びが生まれたのです」

「……そうだよ、蓮司君。君がシャイマールだっけ? その戦争を終わらせた直後から、こっちのウィザードたちの覚醒数が増大したんだ。多分他の並列世界も影響を多かれ少なかれ受けていると思う」

 レンはどことなく申し訳なさそうに告げる。
 自分達の世界のことなのに、頼ってごめんと。
 けれども、それが間違いだ。
 全ての発端は柊がゲイザーを倒したことにあるのだから。全ての責はこの世界にあるといっても過言ではない。

「ガイアはこのファー・ジ・アースとは紙一重の違いしかない世界。極めて近く、限りなく遠い世界なのです。どちらも影であり、どちらも表といえるでしょう」

「そうか……で、俺はどうすればいいんだ?」

「それは――」

 輝ける黄金が言葉を発しようとした瞬間だった。
 ばぁんと扉を蹴破るような音を立てて、この部屋に入るためのドアが開かれる。

「其処から先は私が説明しますわ、輝ける黄金」

 埃でも払うかのように裾を払い、どこまでも可憐な佇まいを見せる真昼の月アンゼロットがロンギヌスらしきどことなく子犬を思わせる少年を引き連れて立っていた。
 どことなくこめかみに血管が浮かんでいるのは気のせいだろうか?

「あら、失礼しましたわ。真昼の月」

「いえいえ、ある意味手間は省けましたわ」

 そう告げる声音はどことなく刺々しいのは気のせいだろうか。
 じろりと柊を見つめて、そしてその横にいるレンとノーチェをアンゼロットは一瞥すると、パチンと指を鳴らして己の分の紅茶を呼び出す。
 そして、柊の横を通り、優雅さの極まりとばかりの動きでアンゼロットは席に着いた。
 すぐさまに連れていた少年が紅茶を用意し、丁寧極まる態度でそそくさとその場を去る。

「それで柊さん。貴方を呼び出しのはガイアのアンゼロットの意向でもありますが、私の意向でもあります」

「どういうことだ?」

「ガイアとファー・ジ・アースの共同任務、その先遣隊として貴方を任命したのです。そこのノーチェは優れた探索能力を持っている故にサポートとして私が絶滅社から雇いましたわ」

「ということでありますな」

「共同任務?」

「ええ――ガイアで、初の冥魔の反応が観測されたのです」

 そう告げたアンゼロットの顔は真剣そのものだった。
 柊が、レンが、そしてノーチェもまたその瞬間厳しい顔を浮かべる。
258勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:49:39 ID:hgE4EM2J
 
「現在もっとも冥魔との交戦経験が高く、信用が出来る人物として貴方を選びました。観測された冥魔の討伐任務……受けてくださいますね?」

 紅茶を一口啜り、答えのわかりきっている質問をアンゼロットは告げた。

「では、ハイかYESかで答えてください」

「ああ、受けてやるよ」

 柊は即答した。
 それを拒絶するつもりはなかった。
 冥魔。
 かつてエリスを襲い、そして見も知らぬ魔王が、ベルが、苦しめられた今までとは異なる敵。
 それを見過ごせるわけがなく、そしてその討伐に知り合いが参加している。
 ならば手を貸すのは至極当然だった。

「よろしいですわ」

 花が開くとはこのような笑みを示すのか。
 嬉しげにアンゼロットは微笑み、輝ける黄金もどことなく嬉しげに口元を緩める。
 そして、柊の後ろでレンが嬉しそうに笑ったのを、柊は気付かない。ノーチェはとりあえず最後に残しておいたイチゴを口に放り込んだ、自重しろ。

「では、早速転移の準備を」

「分かりました。この天竜、即座にガイアへのゲートを用意します!」

 ベルを鳴らした途端、しゅばっと傍に控えていた少年ロンギヌス――天竜が一礼し、ダッシュした。

「あ、そうそう。柊さん」

「ん?」

「一応ガイアの方でもサポートスタッフとして、“あちらのグィードさんとナイトメアさん”が付きますのでお願いしますね」

「へ?」

 そのアンゼロットの言葉に、柊は呆然とした顔を浮かべるしかなかった。



 さあ戦いが始まるぞ。

 再び、そして今までとは異なる異世界へと足を踏み入れる。

 待ち受けるのは冥魔。

 異形となりし“神”。

 さあ神に抗おう、夜闇の魔法使い達。
259マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 15:51:37 ID:hgE4EM2J
投下終了!
書き逃げごめん!

次回からオリジナル設定ですが、ガイア側のナイトメアとグィードが出る予定です。
某終末の人物と同じでも気にしないでください(笑)
レンやノーチェなどに違和感が無いことを祈ります。

では、ご拝読ありがとうございました!
260名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 15:55:21 ID:0wOnWkrX
>>260
ふふー。わたくしから逃げおおせると思って。
遥か彼方で君一人に向けたGJを語りあいませんこと?

【なんか何処かのねじが緩んだようだ】
261名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 17:36:47 ID:rcdy/99/
>259
ぴぃ(訳:ぐっぢょぶ。こちらではノーチェと初対面ですか。某ゆにまほさんのがこびり付いちゃったのは悲しき生き物のサガ、か……)
262名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 17:54:24 ID:CuqoGjgN
>>260
ナイスオウンゴール。

>>259
双影狂想曲(カプリッチオ)開幕おめでとうございます。待ち望んでおりました。
おそらくはお祝いと祝福とGJの嵐になるでしょうがとりあえず私からもGJを。次回更新をお待ちしております。

さて。
ではわたくしのこと全国ポンチ吸血鬼愛好会の一員から一言二言。
・『近親感』はわざとの記述ですか?
・ノーチェの一人称:「わたくし(ひらがな表記)」
      二人称:「名前呼び(日本人はきちんと漢字表記)」もしくは「あなた」。頻度としては基本的に名前呼び。姓は呼ばない。
       口調:「〜であります」と、その変形。

……と。細かい話ですがこんなところでしょうか。慣れると口にまで出てくるから困りものですが。<「〜であります」

ではでは、このへんで失礼させていただきます。
263マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 19:32:59 ID:hgE4EM2J
レス返しアンドお詫び

>>260
お、おちついてw
レス番号が違いますよー、GJありがとうです。

>>261
ハ、ハル!? この、ピェー!(訳:ゆにまほがノーチェだと有名ですよね、さすがに許可なしでクロスなど出来るわけも無く(してどうする)
全うに考えれば初対面な二人でした)

>>262
グハッ! やばい、フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンの読み込みが足りませんでしたか。
深くお詫び申し上げます。
今後は同じ繰り返しをしないよう、しばらく読み込みをします。
は、恥ずかしい……マジで一生の不覚でした ORZ
マジで死ね 俺 oRZ(地面にめり込むほどの土下座)
264マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 19:34:06 ID:hgE4EM2J
>>262
追記。
近親感は親近感のマジで誤字でした。
本当に申し訳ないです。ごめんなさい。
265名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 19:51:32 ID:dlJ3dd+m
しむらしむらー。
ノーチェが出てるのはリーチ・フォー・ザ・スターズ。
あとGJ。
266名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 19:53:07 ID:dlJ3dd+m
sage忘れた……orz
267名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 19:53:39 ID:W4ZFN2TX
マッドマン落ち着けw

だがGJ!
これは続きが気になるな

しかしもう完全に隠居してるな柊w
268マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/23(木) 20:01:58 ID:hgE4EM2J
>>265
ノーチェが出てるのはリーチ・フォー・ザ・スターズ……ORZ
ちょっとゆにまほ見直してきます。

ああ、慣れないキャラだとどんどんボロが出ます。
ごめんなさい。
レス数無駄に消費してすみません 皆さん。
269名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 20:12:18 ID:9SpoUysG
マッドマン氏GJ!
隠居柊とケーキ貪るノーチェがすごくかわいらしかったですー、リクエストした甲斐があったよ!

次待ってます!
270名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 21:02:09 ID:9r1TpYwN
給料が入ったから(正確には明日だが)ようやくパワー・オブ・ラブと
フライング・カラーズを注文した俺にとって何というご褒美!
問題は届くより先に続きが書かれてしまう可能性が非常に高いことだな!

マッドマン氏ぐっじょーぶ!
271名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 23:32:33 ID:ykunU6jo
なぁにいいいマッドマン氏め! 夜といっていたから安心してバイトしてきたら……超GJです!!
冒頭からもしかしてあの子が!? あいつと!? いいのそれ!? ハァハァ!! と大興奮!
スク水メイド魔王のネタもしっかり入って爆笑! ガイアにも冥魔出現……そうだよねぇ、どれも全部幻夢神の夢から出来た世界だもんねぇ……と凄い納得
まだまだ序盤なのに凄い楽しい、続きも楽しみです!

ゆにまほ設定がしっくりきちゃって某二人の関係に違和感を感じる人へ
逆に考えるんだ! 時系列がシャイマール事件→マッドマン氏作品→ゆにまほ作品という形なら今初対面でも何の問題もねぇ!!
272名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 23:41:53 ID:9SpoUysG
>>271
なんか微妙にスレ違いですまんが、たしかゆにまほの人は桃魔でノーチェと柊発邂逅させてたぞ?
ってゆーかどんだけ読者被ってんだよ向こうとこっち!?
273名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 23:48:04 ID:DWZArVAH
>272
いやぁ。読者被るもなにも、普通だろ?
エロが嫌い/苦手でこっち見ない人は居るかもだけど。
274名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 23:58:08 ID:vRU6XPJx
しかし近頃NWだけでスレが回るくらいになってきたし、
スレ分けしてもいいのかもしらんな。
275名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 00:01:34 ID:9ZFbyld6
>>274
前にも誰か言っただろうけど、NWだけだと過疎る可能性が高いかも。
NWスレだけにすると、S=Fネタとかも使いずらいし、たまにDXとか最近ならデモンパラサイトとかも需要あるっしょ?

卓ゲーは一種類だけじゃなく、複数種類知っているのが結構多いからこのままのほうが個人的にはいいかな?
276名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 00:08:17 ID:eh+VuBvI
別にNWだけな訳でもないしなぁ
無理に分ける必要もないだろう、NWだけになってるならともかく
277名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 01:27:41 ID:1bmvHnRj
A・L・G! A・L・G!
278名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 02:25:25 ID:2TY/mAa5
A・R・A!A・R・A!
279名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 02:30:52 ID:HNwxuqeX
P・P・P! P・P・P!
280名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 02:52:02 ID:ZUVYBeDC
R・P・G!R・P・G!
281名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 02:53:38 ID:1bmvHnRj
だからここの住人は大好きだ
282名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 03:49:01 ID:JxVzZSuq
>>279はいくら歴戦のTRPG戦士が揃ってるこの板でも、エロパロ化は難しいんじゃあないかなぁ…w
283名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 03:54:30 ID:L9Wyd+4q
一応アクロスのユンガーとエルザでエロ考えてるよー。
挿絵でもペアだったり、二人で酒場にいったり、キャラ的にも見守るタイプで面白い。
アメのエルザにムチのユンガーというか。
まあ、一戦やらかしたあと、無精髭なでて遊ぶエルザを妄想したらエロ可愛すぎたっていうのが一番の理由なんだがなw

ツヴァイは今後に期待ってことでw
284名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 07:17:53 ID:Ni4QA4zu
>>282
……えーと、GFのPPP紹介記事の2人とか?
ただのPPならレディースキャンペーンのウーリー×ナンとかじゃない?
285名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 11:17:11 ID:ycMHeiTR
>>282
フルプレート着た女騎士にバトンもって群がるフェアリーはどうだろう。
286名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 12:24:35 ID:uNTdjqLl
変態という名の妖精ですね、わかります。
287マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:34:23 ID:9ZFbyld6
こんな時間ですが、勇者少女の続きを投下します。
ああ、これから出発だ。
オリキャラ注意!
288勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:35:26 ID:9ZFbyld6


 辛いんです。
 悲しいんです。
 それが分かりますか?
 遠い。
 遠い。

 ホライゾンの向こうの貴方。



 発作はいつも唐突だった。
 壊れていく。
 ぼきり、ぐしゃりと、細胞が自壊を始める。

「ぐ、げほっ!」

 血が唇から洩れる。ボタボタとシーツが喀血に汚れて、赤黒い染みを作る。
 体が壊れる。悲鳴を上げる肉の軋みが骨を、肉を、血を通じて理解する。
 慌てて薬を飲み干す。
 瓶から取り出したガリガリと鉄臭い錠剤、白い塊なそれはまるで白骨を齧っているような感覚、それだけで吐き出しそうになる。

「あ、ぁああ」

 シーツに指をめり込ませる。
 パジャマ越しに自分の体を抱きしめる、汗が噴出す、手加減出来ない自分の指がめり込む、痛い、けれど離せない。
 痛みがガリガリと進行してくる、生理にも似た痛み、鈍痛と鋭い痛みが交互に襲ってくる。
 もう慣れた。
 慣れたと思い込むしかない。
 ガリガリガリ、薬を噛む、水差しから水を飲む。
 溺れそうになるほど喉に水を注ぎ込み、震える手から零れる水は喉を埋め尽くし、鼻にかかり、咽た。
289勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:36:12 ID:9ZFbyld6

「がく、ごほっ」

 まるで陸に溺れる魚のようだ。
 僅かに残った水を涎と血を共に飲み干して、べたつく汗の感触に吐き気を催しながら、必死に耐えるしかない自分。
 惨めだった。
 哀れだと思えた。

「ぁあ」

 泣き言が洩れる。
 それを咄嗟に手で押さえ込み、耐える、耐える。
 嗚咽が洩れないように、隣の部屋にいるだろう兄に心配をかけないように、一生涯直る見込みのない自分の体に絶望しながら、耐える。
 ……いつまで? いつまで耐えればいい?
 ――死ぬまでだ。
 瞬時に弾き出された答え。
 それに一瞬目の前が暗くなる。

「ダメだ」

 心が折れたら負けなんだ。
 生きることすらも、笑うことすらも辛くなる。
 考えてはいけない、理解してはいけない、折れてはいけないのだ。
 すぐだ。
 一分、二分、少ししたら、すぐに収まる、発作とはそういうものだ。
 じっとシーツを噛み締めて、熱く火照ってたまらない体を押さえつけながら、自分は耐える。
 耐え続ける。
 耐え続けないといけないんだ。

 それがボクの生きる唯一の術なのだから。
290勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:37:13 ID:9ZFbyld6
 
 アンゼロットが用意したゲート、それを通り抜けた先にあったのは――なんら変わらないアンゼロット宮殿だった。
 多少の違いはあるけれど、基本的には同じ構造。

「……こっちのも変わらねえんだな」

 物珍しそうに柊とノーチェが周囲を見渡すのを、共にゲートを通り抜けた輝ける黄金がどこか楽しげに苦笑した。

「同じアンゼロットですからね。多少の誤差はあっても、本質は同じということなのでしょう」

 そう告げて、輝ける黄金のアンゼロットは柊たちに先導するかのように足を踏み出すと、パチンと指を鳴らした。
 それと同時に無数の仮面を付けた男装の麗人たちが現れる。

「車の手配を、客人たちに無礼がないように」

『はっ!』

 キビキビとしたおそらくこちらにおけるロンギヌスたちの行動を見て、やはりアンゼロットかと柊は内心納得した。
 今まで体験した異世界ラース=フェリア、ミッドガルド、ブルースフィアなどまったく違う異世界から似たような世界まで体験したが、ここまで同一であり、そして微妙に異なる世界は並行世界なのだという実感を与えてくれる。

「んー? こちらのロンギヌスは女性が多いようでありますな?」

「そういやそうだな?」

 ノーチェの物珍しそうな言葉に、柊は気付いた。
 向こうのロンギヌスにも確かに女性ロンギヌスは数多くいたが、どちらかというと男性のほうが多かったように思える。
 しかし、こちらのロンギヌスは真反対に女性のロンギヌス……それも何故か男装したものが多い。

「そういえばレンも男装してるけどよ、なんか決まりなんか?」

「あ、あははは」

 柊の質問に、何故かレンは目を逸らした。しかも笑って誤魔化そうとしている。

「?」

 聞いてはいけないことなのだろうか?
 首を傾げつつも、柊がさらなる質問をレンにしようとした瞬間だった。

「準備が整いましたわ」

 パンッと輝ける黄金が手の平を叩き、こちらに注目を集める。
 その先にあったのは転移魔法陣の上に乗った一台のリムジンだった。
291勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:37:55 ID:9ZFbyld6

「現地まではこのリムジン型箒で移動します」

「箒なのかよ!?」

 反射的なツッコミ。
 そういえば向こうでも空飛ぶリムジンだったよな?!
 そんな思いを篭めたツッコミだったが、華麗にスルーされる。

「では、皆さん乗り込んでください。詳細な説明は中で致しますわ」

 輝ける黄金の言葉に反抗する意味もないので、ぞろぞろと柊たちはリムジンへと乗り込んでいく。
 ……その前に柊は考えていた疑問をぶつけた。

「そういえば、冥魔の反応があったってどこなんだ?」

「――日本三霊山の一つ“立山”ですわ」

 静かな言葉。
 そして、ぞっと震えるような視線が注がれ、大気が凍りつく。

「そして、おそらくその神が“喰われました”」

 それは恐ろしい言葉。
 それは恐ろしい事実。

「貴方達には“堕ちた神を殺してもらいます”」



292勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:38:45 ID:9ZFbyld6
 
 リムジンに乗り込んだ。
 空間拡大の技術でも使っているのか、それとも月匣の応用か。
 内部は広々とした空間で、三人が横座りしても問題がない大きさ。
 ガクンと外部から音が響き、転移魔法が起動したらしい閃光が窓の外から見える。
 そして、僅かな振動もなく大地に着地したのだろう。
 エンジン音が鳴り響き、周囲の寂れた景色から車が動き出した。

「応援の協力者たちは現地で合流してもらう予定ですわ」

 動き出すリムジン、その中で優雅に紅茶を啜る輝ける黄金が告げたのはまずその言葉だった。

「まず教えてくれないか? 冥魔に神が喰われたって……どういう意味だ?」

「そうですね。通常のウィザードならばあまり縁がないのでしょうけど」

 輝ける黄金は顎に指を当てて、少しだけ言葉を選んだ後に告げる。

「柊 蓮司、それにノーチェさん、レン。貴方達はこの世界には神と呼べるものが複数種類存在していることは知っていますか?」

「……む? 神様は神様でありますが」

 ノーチェは分かってない模様。
 彼女の故郷であるイタリヤのポンペイではイシス神教や皇帝信仰などがあったはずなのに、どうやら吸血鬼には縁が無かった模様である。

「古代神とか幻夢神などのことじゃないんですか? 北欧神話での神々とかなら知識として知ってますけど」

「……あと神って言えるなら大いなるものの連中とか、八百万の神ぐらいしかしらねえぞ」

 多少は勉強しているレンらしい言葉に、くれはという神道系の陰陽師の幼馴染がいる柊ならではの発言。
 中々にいい答えです、と輝ける黄金は微笑む。

「しかし、神とはそれだけではありません。自然神、川の神、山の神、信仰の対象となるものであれば全て神と呼ぶべきなのです」

 極論を言えば、畏敬を、恐れを、敬意を称せられ、信仰を集めるものならば全て神なのだといえる。

「そして、立山はかつて皇神の峰(すめらかみのみね)と呼ばれ、富士ほどではないものの三霊山と呼ばれるに相応しい霊的地域であり、かの山を守護する山神が存在していました」

「……それが喰われた?」

「ええ。今立山は冥魔の領域です。事態にいち早く気付いたウィザードと応援に当てたロンギヌスによって山小屋の住人の救出や封鎖活動などは行いましたが、常人が立ち入ることの出来ない穢れた土地となっています」

「……ボクも一応その救出活動に応援に入ったんだけどね、まるで別世界だったよ」

 そう告げるレンの顔色はどこか血相が引けていて、その恐ろしさを物語るようだった。

「だろうな……俺も二回ぐらい戦ったが、冥魔の月匣は侵魔のそれとは性質の悪さが違う」

 世界全てが切り刻むことに特化した斬撃空間。
 裏返し、肉と産卵と汚濁に穢れた街。
 その二つを思い出し、柊は険しい顔を緩めない。
293名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 12:39:15 ID:Hi+93QVq
さて、この支援。必要かね?
294勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:40:56 ID:9ZFbyld6
 
「わたくし冥魔とは戦ったことがないのでありますが、それほどやばいのでありますか? 蓮司」

「下手な新人ウィザードなら歯が立たないどころか瞬殺だろうな……個人差はあるんだろうが、アンゼロット。今回の冥魔が立山を乗っ取ったってことは、その土地のプラーナは」

「全てかの者のものでしょうね。おそらく魔王にも匹敵するほどの力を蓄えているはずです」

「……俺が呼ばれたわけだ」

 霊峰とさえ呼ばれる霊的地域、そこを押さえた侵魔の恐ろしさは柊も話しに聞いている。
 世界を巡るプラーナの流れ、龍使いたちが呼ぶ龍脈、そして信仰や特異条件によって強いプラーナを帯びた霊的地域。
 そこを手に入れれば膨大なプラーナを手に入れることが出来る。
 陣としては最悪な場所を取得された。
 切り込むにも危険すぎる場所。
 だからこそアンゼロットは柊、レン、ノーチェ、さらにもう二人のおそらく自分が知っている連中ならばベテランの二人を集めたのだろう。

「それで冥魔の場所はどこだ? 俺の経験上だが、月匣の中で幾ら暴れても意味がねえ。侵魔同様にルーラーとなってる冥魔本体を叩かないと、潰せないぞ」

「あまりにも冥魔の展開する月匣が巨大なため、詳細な場所の特定は不可能でした」

「っ、山の中を探し回れっていうのかよ!?」

 それは幾らなんでも無理だ。
 複数人の熟練ウィザードの広範囲魔法で爆撃するという方法もあるだろうが、それでも確実とはいえない。

「いえ、方法がないわけではないのです。そのためのノーチェさんです」

「ズズー」

 差し出されたジュースを啜っていたノーチェが、向けられる視線に一瞬キョロキョロした後、慌ててストローから口を離し、どんっと自分の胸を叩いた。

「任せるであります! 戦闘ならばともかく情報探索はわたくしの得意分野でありますからな! この先祖代々伝わる水晶玉が唸りを上げるであります!」

 ノーチェは風呂敷に背負った水晶玉をニギニギしつつ言う。
 信用出来るのか? と柊が困ったような目でレンを見て、レンは困った顔で輝ける黄金を見て、輝ける黄金は頷く。

「あちらの私が保障しました。ノーチェさんはきっと役に立つでしょう」

「当たり前でありますよ!」

 心外なとばかりに目を見開くノーチェ。

「ま、頼りにしてるぜ」

 何故だろうか。
 柊はノーチェと名乗る少女に親近感を覚える。
 なんていうか苦労をしそうだという意味で。

「そろそろ到着しますわね」

 輝ける黄金が不意にそう告げた瞬間、リムジンの内部、僅かに振動していた揺れがどこまでも静かに止まった。
 リムジンのドアが外側から開かれ、輝ける黄金は最後に微笑む。
295名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 12:41:11 ID:Hi+93QVq
って、はやくもさるさんかっ!?
296勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:41:42 ID:9ZFbyld6
 
「ご武運を祈りますわ、レン、ノーチェさん。そして、異なる最後の希望――柊 蓮司さん」

「応!」

「行ってきます、アンゼロット様」

「OKであります!」

 そうして、三人はリムジンから出た。
 そこから広がるのは広々とした蒼穹。
 そして、どこまでも広がる巨大な山峰の景色。
 標高3015メートル、圧巻過ぎるほどの巨大な山。
 かつて見たミッドガルドのミョルニル山の高峰とは比べ物にはならないが、それでも絶景と呼べる景色。
 けれど、少し感覚を研ぎ澄ませれば分かる……腐臭にも似た圧迫感。

「居やがるな」

「気をつけて。あまり近づくと、一気に取り込まれるから」

 柊の緊張した言葉の意味を汲み取ったレンが寄り添うように立ち、告げる。
 彼女の額からはじわりと汗が浮かんでいた。
 彼女にとっては一度月匣に踏み入れただけで本格的な交戦経験のない異形の敵である。
 緊張に自律神経が狂い、汗が噴き出すのも仕方が無かった。

「そういえば現地で合流する協力者とやらはどこにいるでありますか? 既に入っているのでありますかな?」

 キョロキョロとノーチェが周りを見渡すが、封鎖されているせいか、人っ子一人見当たらない。
 まさか既に中へ?
 誰もがそう考えた瞬間だった。

「レェエエエエン――」

 上空から謎の声が響いた。

「へ?」

 柊が上を見上げる、そしてレンは即座に横へとノーチェを掴んで高速移動をしていた。

「お姉さまぁあああああああ!!」

 謎の声は高まり、そして見上げた柊は見る。
 真っ黒なゴスロリ法衣服に、帽子を被った金髪の少女が、血走った目で落下してくるのを。
 ついでに言えば乱れ行く風にパンツが丸見えだが、その先にある両足がどうしょうもなく危険な角度を持っていた。

「お、ぉおおおおお!!?」

「さまぁあああああああああ!」

 チュドガンッ!
 爆音が轟き、めきょりとその両足が柊の顔面に突き刺さり、叩き潰した。
 まるで隕石の落下の如きクレーターが発生する。

「ぁあ、蓮司君」

 ごめんねと、ほろりとレンが涙を零す。
 彼は謎のゴスロリ少女(十字架にも似た大剣つき)に踏み潰され、地面に沈んでいた。
297勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:42:28 ID:9ZFbyld6
 
「きゃ! レンお姉さま、お久しぶりです!」

 ゲシリと柊をけた繰り、むちゅーと唇を突き出しながら少女が飛んで――ガシッとレンが咄嗟に突き出した手によって肩を押さえられる。

「久しぶりだね……エリー」

「はい、貴方のエリー・ボルジア。レンお姉さまのために只今参上ですわ!」

 キラッと流し目。
 それをレンはスルーした。

「エリーがここにいるってことは、ナイトメアさんは?」

「ああ、あの人なら」

「……無茶はよくないどりぃーむよ〜」

 ふよふよと空から舞い降りる少女が一人。
 黒く夜を思わせるマント、豊満な乳房、それを覆うスクール水着にも似たスーツ、そして全身を淫らに拘束するベルト、ベルト、ベルト。
 水色の髪をたなびかせ、その片目に眼帯を付けた黄金色の瞳をしたこれまた少女の外見をした女性。
 実に妖艶、或いは変態、マニアック的な格好をするのは夢使いの宿命か。

「久しぶりね、レンちゃん」

 コードネーム、ナイトメア。本名 鈴木花子という夢使いの女性だった。

「な、ナイトメアに……グィードか。道理でアクが強い……」

 ボロボロの柊が取り出した魔剣を支えに立ち上がる。
 任務開始前からダメージを負っていた。

「うーむ、見事に女性ばかりでありますな。蓮司、しっかりするでありますよ。理性的な意味で」

「はぁ?」

 何のことだと首を捻る柊。
 フラグスルー能力が全開だった。

「んで、この二人がファー・ジ・アースからの援軍ね? 魔剣使いに、吸血鬼。前衛後衛二人に、どちらもこなせる万能が一人。バランス的にはいいわね」

 ぎゅっと胸を押し出すように腕を組み、ナイトメアが呟く。
 確かに戦力的には文句のつけようもない面子だった。
 攻撃力ならば文句のない魔剣使いと勇者に、前衛も後衛もこなせる聖職者、そして夢使いと魔法重視の吸血鬼。
 ガイア側の二名の力量を柊はまだ知らず、ノーチェの力量もまた知らない。
 だがしかし、二人の守護者が選び抜いた面々であり、ナイトメアとエリー、その二人が柊のよく知る人物の並行存在であるのならば実力は期待してもいいだろうと思った。

「とりあえずレンたちが来る前に上空からある程度偵察はすませたし、通常時の立山の地図も用意してあるわ」

 ナイトメアは胸の谷間から――人数分の地図を取り出すと、全員に地図を手渡した。

「サーチャーを何個か飛ばしたんだけど、やっぱり山頂付近に反応が強いようね」

「つまり、まずは山頂を目指すんでいいんだな?」

「魔王と煙は高いところが好きっていうものだから。おそらく冥魔にも通じるんでしょ」

 にっこりと微笑み、ナイトメアが幼女の顔つきで笑う。
298勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:43:36 ID:9ZFbyld6

「それじゃあ、方針は決まったし」

「さっそく出発しましょう、お姉さま!」

 ガシッとレンの腕によりかかり、エリーが元気よく告げる。
 全員が同意したのを見て、柊が告げた。

「んじゃ、一丁登るとするか!」

 魔剣を取り出し、柊たちは異形と化した立山へと足を踏み出した。





 狂う、狂う、狂う。
 カラカラと、空殻と、大気が渦巻く、それは頂き。
 蠢く闇が嗤う。
 ゲタゲタと。
 クル、クルと、狂、狂と。
 狂気を渦巻かせながら、堕ちた神と成り果てた魔は嗤う。

 己が神域――魔域へと侵入した罪深きものたちへと神罰を下すために、蠢いた。


 己が罪に絶叫せよ。

299名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 12:45:05 ID:Hi+93QVq
ふ。杞憂だったか…支援
300名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 12:46:57 ID:Cr0KxEI8
   |ハ,_,ハ
   |´∀`';/^l
   |u'''^u;'  |
   |∀ `  ミ  シエンシエン・・・
   |  ⊂  :,    シエン スルナラ イマノウチ
   |     ミ
   |    彡
   |    ,:'
   |''~''''∪

               l^丶
        もさもさ   |  '゙''"'''゙ y-―,
               ミ ´ ∀ `  ,:'
             (丶    (丶 ミ
          ((    ミ        ;':  ハ,_,ハ
              ;:        ミ  ';´∀`';,
              `:;       ,:'  c  c.ミ
               U"゙'''~"^'丶)   u''゙"J

            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |   もさもさ
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':
     ミ  .,/)   、/)
     ゙,   "'   ´''ミ   ハ,_,ハ
   (( ミ       ;:'  ,:' ´∀`';
      ';      彡  :: っ ,っ
      (/~"゙''´~"U    ι''"゙''u
301マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/24(金) 12:47:31 ID:9ZFbyld6
投下終了です。
次回からダイヴになると思います。
それなりに長丁場になるけれど、すみません。

なお、ガイアのナイトメアのイメージは1stサンプル夢使い。
グィードのイメージは確かどこぞのネコ耳先生が書いたNWイラストの背景に映っていた聖職者幼女をイメージしてください。
なお、山神や八百万、霊脈こと龍脈(パラーライン)、霊的地域(パワースポット)などは独自設定ですのであしからず。
ご拝読ありがとうございました!
302名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 12:55:08 ID:Cr0KxEI8
シエンオソカッタモサ・・・
         /^l
  ,―-y'"'~"゙´  |   
  ヽ ; ´ ∀ `  ゙':    ハ,_,ハ  
  ミ    / ̄ ̄ ̄ ̄/';´∀`';, サスガモサネ
__゙, ,/) / MOSA / c  c.ミ モサタチ
     \/____/  ̄ ̄ ̄ ̄
303名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 13:01:17 ID:Hi+93QVq
マッドマン氏乙&GJですー。
くそう、やはり注文したパワー・オブ・ラブよりあなたの方が速かったか…w。
表紙を見るにレンはすごいきょにぅなんだよなぁっ!楽しみだなぁ、早く届かないかなっ!
そして池田秀一御大の色っぽい悲鳴が聞きたい!

…って、それはどーでもよくて。
相変わらず盛り上げるのが上手くて尊敬します。たまにエロスが入っているのも超☆GJです!
でも今回はノーチェがいるからエロいトラップには引っかからないんだろうなぁ女性陣!
ぬるぬるしたものでなみなみと溢れた池に落ちて服が溶ける柊蓮司というのはありそうな気がするのですがね。
304名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 13:47:11 ID:ZUVYBeDC
でも触手プレイは出ると期待してる
305支援:2008/10/24(金) 13:50:05 ID:RQtvh3Rs
               l^丶
               |  '゙''"'''゙ y-―, あ ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう    
               ミ ´ ∀ `  ,:'     
             (丶    (丶 ミ   いあ    いあ
          ((    ミ        ;':  ハ,_,ハ   ハ,_,ハ
              ;:        ミ  ';´∀`';  ';´∀`';, ,
              `:;       ,:'  c  c.ミ' c  c.ミ  
               U"゙'''~"^'丶)   u''゙"J   u''゙"J

            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |   それ  るるいえ うがふなぐる ふたぐん
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':
     ミ  .,/)   、/)    いあ    いあ
     ゙,   "'   ´''ミ   ハ,_,ハ    ハ,_,ハ
  ((  ミ       ;:'  ,:' ´∀`';  ,:' ´∀`';
      ';      彡  :: っ ,っ  :: っ ,っ
      (/~"゙''´~"U    ι''"゙''u   ι''"゙''u
306名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 13:55:32 ID:Cr0KxEI8
>>305


      / l,;_,;,,;;_,          { 、(⌒'ー-‐'´
,―-y'"'~"゙-    `"'~"゙´r―-、 ヽ、\
ヽ   丶 △        ナ<_⌒  \ `ヽ、      まぁ、もっさりさんも一皮向けばこれだからな
 ミ              、r‐く\―農¨ヽ、Y :} _    さすが邪神すとらまの眷属だけあるわ
 ゙,        .::._,.ィ^ヽト.、ト、レ-、 `ヽJノ.〃´.__`ヽ.  触手プレイ支援も対応>>304
 ミ   .:.,.ィT「 ト、!\j ヾ´ ,  }ヽ、’・ ,ハ.〈  `ヾj
 ';     人トハ_{个、 ヾこ彡{.’イ、.`<__丿 ・}
ヾご..√ `ヽ._丿.! ・ト、’・`ヾ!・ し'⌒ヾ、.‘_ノ     
`ヾご.ノ^ヽ、’ ・厶ノ `'ー-べ,_ ._ン⌒ヾこ´
       `ーく.〈_,r‐- 、    ̄
         `'ー-‐”^y!


こんなもっさりさんが貴方の背後に……いるかもしれない。

           /^l 
  ,―-y'"'~"~"~゙´  |
  ヽ  ::::::::::::::::::::::  ;:
  ミ:::::::::´-――-, `::::ミ 
  ゙,:::::::::づ,∧::∧と:::::ミ
  彡.:::::::::::(;´・ω・)::::;:'
   '; (⌒)( ∩∩) ⌒)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ttp://blameitonthevoices.blogspot.com/2008/06/see-if-you-can-guess-what-animal-this.html
ttp://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/8c/EnglishAngoraRabbit.jpg
307名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 14:51:17 ID:fyGoLVqM
>>マッドマン氏
いよいよダイブかっ! マッドマン氏の描写する冥魔はどれもいい感じに壊れていて凄い好きです。セッションで描写する時の参考になる
オリキャラもいい感じ! ロリときょぬーがバランスよく配分されているようですな! エロも戦闘も下がりっぷりも楽しみですぜ!!

>>304
触手も楽しみだが、粘液スライムプレイがより好きという俺も期待している
308名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 15:12:07 ID:nzNwoshP
>>マッドマン氏

相変わらず筆が早いGJです
あと、ネコミミ画の女聖職者は、今は無きEーログの黒皇子連載中やっていた読参でいたグィードの妹だったはずですぜ旦那

しかしあれだな、作中でも言われてるように今回は珍しくパーティーのバランスが良いなw
これなら柊がホイホイHPが0なっても大丈夫DEATHね!
惜しむらくは世紀末覇王なファンブルヒーラーが居ないことかw

マッドマン氏の影響で冥魔はガンガン強くしてもいいって、ばっちゃが言ってた!
309名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 15:19:26 ID:O9vkdqRx
>>187
遅レスだが、ノーチェのイラストは某ネコ耳先生のサイトの扉絵で見られる。
310名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 15:22:10 ID:O9vkdqRx
sage忘れたーーー!!
しかも某ネコ耳先生じゃなくてうしゃぎさん方だし(汗)
311名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 15:47:39 ID:kax+0uL+
>>310
返せ……っ。

「ねっ、ネコミミ(画)ノーチェだとぉぉぉぉっ!?」
と思ってネコミミさんとこでサイトのすみからすみまで駆け回って探した俺の純情と時間、返せ……っ!返しやがれ……っ!!!

【馬鹿は本気泣きだ】
312名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 16:47:09 ID:tMR19DA9
>311
たった3分の間に何があったんだw
313名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 17:38:50 ID:RQtvh3Rs
ふう、危ない危ない…レスを見てなければ恐ろしい罠にかかるところだった
314名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 17:45:12 ID:kax+0uL+
>>311
ゆに○ほの人乙。
315名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 18:06:04 ID:s/aPY3TL
ttp://www.fujimishobo.co.jp/sw/
どこへ向かうのだろうか
316名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 18:18:25 ID:GQEgY2Lo
巻田wwwwwwwwww
きゅうんきゅうん。
317名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 18:19:41 ID:R3fqNluO
>315
さなえはホントにエロい子だな。
318名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 19:43:24 ID:bb1Gjzvi
>>315
巻田だけどちゃんとヒロインに乳があってよかった。
わざわざ鞘でスカートめくってんのかw
でもここはまた帯で隠れる部分なんだな。
319名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 20:00:14 ID:L9Wyd+4q
DXエクソダスにデモンパにと、さなえが随分プッシュされてきてるな。
デモンパで、食事の後は運動だーとか描写できないシーンが出てきてもおかしくなさそうな感じw
320名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 20:38:22 ID:eh+VuBvI
デモンパ始まりすぎだww

>>301
投下乙

今後も楽しみにしてますw
321名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 21:39:53 ID:ysX/Gi8G
さなえはデモパラ担当になってから輝きすぎだw
322名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 21:55:16 ID:LNK9x3kY
>>315
初めてリプレイを表紙買いする日が来ようとは。
無頼の日々、今は悔ゆるのみ・・・。
323いつふた:2008/10/24(金) 22:58:04 ID:0M8/fn+f
ゲーム:真・女神転生200X(メガテンX11本目)
 分割:18分割(その13)。
エロ度:狙って書いたエロ描写はない。
 追伸:来週はお休み。

ttp://wiki.fdiary.net/TableGameE/?megax13
324名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 23:31:08 ID:Rhb8mzMI
>308
 >あと、ネコミミ画の女聖職者は、今は無きEーログの黒皇子連載中やっていた読参でいたグィードの妹だったはずですぜ旦那
 ガイアでは性別転換してるっぽいから、ファー・ジ・アースでの容姿と逆転してるんじゃね?
325名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 23:38:25 ID:VoK0IL7W
名前はガブリエラ・ボルジアだったか
326マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 00:51:16 ID:/ZwCH/V+


レス返しです

>>308 >>324
 げふぅううう!(吐血)
 なんてこった E−LOGは見てなかったから、グィードに妹がいることすら知らなかったですよ、奥さん!
 イメージ画像は脳内変換してください、色々と修正というか補足をして独自のビジュアルにします。
(PS リーチフォーザスターズしかみていなかったので、ノーチェが金髪なのか銀髪なのか判別すらつかなかったのは秘密だよ!)

>>303

 エロイトラップだって!? 山の中で何を求めているんですか!
 そして、表紙の柊レンを見ながらこう踊ると解放されますね ↓

   _ _ ∩                                    _ _ ∩ おっぱい!
  ( ゚∀゚ )ノ )))             ⊂ヽ                  ( ゚∀゚ )/
  ( 二つ    おっぱい!   ((( (_ _ )、   おっぱい!     ⊂   ノ   おっぱい!
  ノ 彡ヽ                γ ⊂ノ, 彡         .     (つ ノ
  (_ノ ⌒゙J            .   し'⌒ヽJ          .    彡(ノ

>>304
 どこまでアブノーマルですかww
 触手は前回やったばかりなのにw


>>307
 冥魔は毎度頭をこねて出しているので喜んでいただいて幸いです。
 個人的には侵魔の月匣が迷宮なら、冥魔の月匣は処刑場とかそんなイメージですね。
 おっぱいスライムは大好きですが、個人的には純情が好き。
 人外に与えるエロなどないのです!

>>308 追記
 凶悪な冥魔を出してプレイヤーが悲鳴を上げたら、もうなんていうか私のせいですw さあ罪は私に被せて、PCをいじめるんだ!(責任は取れません)
 世紀末マッチョな陰陽師を出したら真面目に敵を殲滅し、さらに柊がデスるので出しませんでしたw
 陰陽師怖いよ、陰陽師 1stルールだと鬼コンボだよ。


 ――土日中に二話ぐらい更新できるといいなぁ。


327名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 01:39:26 ID:C4L/W7hh
では>>238の続きを投下。

デモパラで、すみか陵辱です。
マッドマン氏とは別ですが触手アリ。
328名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 01:40:13 ID:C4L/W7hh
すみかの意識が目覚めた時、どことも知れぬ部屋の中でベッドに寝かされていた。
手足は拘束されているのか動かない。どうやら裸のままのようだ。
顔を上げて回りを見回す。部屋にはソファに腰掛けたひとりの女が居るだけのようだ。
「お目覚めのようね。」
女の声が掛けられた。ナイトガウンを羽織っただけの、どこかで見たような人だ。
「あなたは……昼間の?」
「ええ、そうよ。それよりもっと前に会った事は覚えてないかしら?」
気絶から回復したばかりの朦朧とした意識で、記憶を探る。
「あなたは……理緒さんの時の!」
思い出した。インチキ芸能事務所を経営してたメギドの火の信者だ。確か名前は平尾ゆかり。
「思い出したようね。」
「あなた、一体どうしてっ。あの人達は!?」
「もちろん、あなた達への復讐のためよ。あのヤクザ達は私の事務所時代の知り合い。
あなたをおびき寄せて捕らえるのに協力してもらったの。」
平尾は魔種吸引し力を無くしている。……そういえば、その後の事は知らない。
「あなた達に敗れてから私は悪魔憑きの力も失い事務所も閉鎖。
愛しいアイドル候補生達は皆、私の元を去ったわ……」
「あたりまえです。」
「あなた達を憎んだわ。そして復讐を誓ったの。力を取り戻し、あなた達を地の底に引きずり落としてやると!」
「力を……取り戻す……?」
「そう、私は再び悪魔憑きとなったのよ! あなた達への復讐のためなら死すらも厭わない覚悟でっ!」
魔種吸引された悪魔憑きは体内に免疫が残り、新たな悪魔寄生体を入れることは極めて困難である。
拒絶反応から地獄の苦しみを味わい、3分の1は死んでしまうと言われている。
ゆかりは立ち上がるとガウンを脱ぎ、変身を始めた。メキメキと身体が変化し黒い甲冑を着た道化師のような姿となる。
「これが私の新たな力、トリブルスよッ!」
トリブルス。カルトロップを生み出す能力を持つ、ヴィシャスの中でも高位の悪魔憑きだ。
「くっ、変身ッ!」
すみかも変身を始める。普通の拘束具程度なら変身すれば壊れてしまうはずだ。
「あら、変身しちゃ駄目よ。」
ゆかりから静止の言葉が掛けられる。そんな言葉を聞くわけがなかった。
その時、すみかの全身に激しい痛みが走った。
「きゃあーーーーッ!!」
すみかはベッドの上でのたうちまわった。涙がこぼれ口からはよだれが垂れて顔がぐしゃぐしゃになった。
ひとしきり暴れた後、痛みが引いたので息を整えた。
「はぁ……はぁ……はぁ……いまのは……?」
「これよ。ブラックギアスってご存知?」
変身を解いたゆかりがすみかの胸の谷間を指しながら説明する。小さくハート型みたいな痣が浮かんでいる。
「この共生武装を入れられた子はね……ご主人様の命令に逆らえなくなっちゃうの。」
すみかの胸を愛撫するように撫でさすりながら囁く。
「あなた達は憎くて憎くてしょうがないわ。でもあなたは可愛いから特別。
あなたはたっぷり可愛がって、身も心も私のものにするの。」
背中から腕を回し、胸をやさしくもみほぐす。女の扱いに慣れているのか、とても気持ちいい。
「や、やめてくださいっ! 私にそういう趣味はありませんっ!」
「大丈夫よ。これからたっぷり教えてあげる。」
あごを掴まれ、強引にキスを奪われた。
329名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 01:40:48 ID:C4L/W7hh
「ん〜〜〜!!」
舌を入れられ口の中を嬲られる。すみかはたまらずゆかりを突き飛ばした。
「はぁ……はぁ……いきなりなにをするんですかっ!」
すみかにとってはファーストキスだった。女性に無理やり奪われることになるとは思わなかった。
「あら、乱暴ね。おイタが過ぎるわ。“おとなしくしなさい。” わかるでしょう?」
黙ってなぶられろと命令されたのだ。
逆らえばまたあの苦痛を受けることになる。いっそ苦痛に耐えて変身して逃げてしまおうか。
あの苦痛は耐えがたいが、このままされるがままになるのも嫌だ。
「逆らうのはやめたほうがいいわよ。ブラックギアスの苦痛を連続して受けると、まちがいなく死ぬわよ。」
考えを見透かしたかのようにゆかりが脅しを入れてくる。
「あなたが死んだら残念だけど、その時は死体を散々陵辱した後、学校に吊るしてあげるわ。
もちろん恥ずかしい写真を沢山撮って皆にバラまいてあげる。
あなたは輪姦された挙句に殺されて晒された可哀想な少女として週刊誌を騒がすでしょうね。」
「ひっ!」
正気の沙汰とは思えない発想だった。
「もちろん、私はそんなことしたくないのよ。すみかは可愛い優等生ですもの。私に逆らうなんて愚かなことはしないわよね?」
死んで尚なぶられるより、生きてチャンスを窺うほうがまだマシだと思えた。
「……わかりました。お好きになさってください。」
観念したかのように力を抜き、ベッドに横たわる。
「本当にいいこね。すみか。私のことはお姉さまと呼びなさい。」
「はい、お姉さま。」
「よく出来ました。ご褒美にたっぷり可愛がってあげるわ。
 そうそう、お家の方へはセラフィムのお仕事で遅くなりますってメールを入れておいてあげたから。
 履歴に同じ文章が沢山残っていて助かったわ。」
どうやら逃げ場はないようだ。すみかはこれからの行為を考えると頭が重くなった。

最初は逆らおうとしたが、ゆかりの巧みな愛撫はすみかを翻弄した。
全身をなで上げ、もみしだき、次第に昂ぶらされていった。
股間に手を伸ばされ、秘裂を押し広げられると、中から愛液が溢れ出してきた。
「ふふふっ、もう準備はいいようね。」
すみかは初めての体験に既に腰が抜けそうなくらい気持ちよくなってしまっていた。
あまりに気持ちが良すぎて、このままどうなってもいいという気分だ。
ゆかりはベッドの脇のインターホンを取り上げると外へ連絡した。
「いいわよ。頼むわね。」
なにを頼んだんだろう? 朦朧とした頭に疑問が浮かんだのも束の間、ドアを開けて数人の男がなだれ込んできた。
「きゃっ!」
急に現われた男達に驚き意識が覚醒する。全裸であられもない姿を晒しているのだ。慌てて腕で身体を隠す。
「隠しちゃ駄目よ。」
「そ、そんなっ!」
命令に逆らうことは出来ない。背筋にピリッと痛みが走る。躊躇しつつも腕を下ろし、胸を曝け出す。
脚は折り曲げて座ることで隠さずに見られない体勢をとることが出来た。
するとゆかりが後ろから腕を回し、すみかの両足を押し広げた。
「やっ、やぁっ! 恥ずかしいですっ! やめてくださいっ、お姉さまっ!」
「駄目よ。これからすみかの処女喪失シーンを記録に残してもらうんだから。しっかり見せ付けなきゃ。」
「しょ、処女喪失っ!?」
ゆかりに愛撫されながら漠然と考えていたが、女性同士だから処女を奪われることはないんじゃないかと期待をしていた。
だが、ゆかりはわざわざそのシーンを撮影しようとしていたのだ。
男達は撮影機材をテキパキと設置すると撮影を開始した。
330名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 01:42:32 ID:C4L/W7hh
「はーい、これがすみかちゃんのパックリおまんこでーす。クリちゃんもビンビンで、処女だというのにラビアがパクパク開いてまーす。」
ゆかりがカメラに見せつけるようにすみかの股間を解説する。
「やぁ……撮らないでください……」
泣いて懇願するがゆかりと男達を喜ばせただけだった。二台目のカメラを抱えた男がすみかの泣き顔をアップにする。
「かわいいわよ〜、すみか。」
ゆかりが舌を伸ばし涙をペロリと舐め上げた。
「さて、じゃあ本番といきましょうか。」
背後から生々しい光沢をした触手が幾本もにょろにょろと延びてきた。
ローパーツイスト。トリブルスが持つ能力の一つだ。
「お、お姉さま……まさか……」
「もちろん、そのまさかよ。大丈夫、傷つけないように先を丸めてあるし、かわりにカリ首を作っておいたわ。絶対気に入るわよ。」
男性器を模したらしい触手が股間に伸びる。
16年間護ってきた処女を奪うのは、人の物でも器物でもない、悪魔の触手。まさしく化け物に奪われてしまうのだ。
すみかは逃げることなど出来るはずもないのだが、腰を後ろに引こうとズリズリと足掻いた。
「あら、駄目よ。逃げちゃ。」
新たに伸びた触手が両手両足を拘束する。
「ひぃあっ!」
ぴとり。
遂に触手が膣口へと接触した。カメラが股間をズームして撮っている。
「それじゃ、いただきまーす。」
ゆかりがご馳走を食すかのように舌なめずりをしながら言うと、触手がすみかの股間へ一気に突き刺さった。
「……くはぁッ!」
股間でなにかが引きちぎられたような痛みがする。
痛みにたえようと深く呼吸を繰り返す。
「おめでとう、すみか。これであなたも大人の女よ。」
祝福するかのようにキスをし、舌をからめる。
「……はぁ……はぁ……」
激しく呼吸を繰り返す。いくら息を吸っても落ち着かない。
「……はぁ……はぁんっ!」
股間の触手が動き出した。処女に対する優しさなど欠片も無い激しい動きだ。
出し入れを繰り返すだけでなく、膣内で曲がる・回転する・太さが変わるなど、触手ならではの動きも混ざっている。
「痛いッ! 痛いですッ! やめっ、てっ……!」
あまりに激しい動きにすみかは悲鳴をあげながら助けを求めた。
「大丈夫、最初は痛いけどすぐに気持ちよくなるわ。悪魔憑きですもの。」

悪魔寄生体は宿主の肉体を護るため、常に健康な状態へ保とうとする。
宿主の深層心理を反映し、見た目の美しさすら望んだ姿へと変化させるのだ。
宿主が処女喪失に苦痛を感じセックスに快感を覚えたなら、苦痛を和らげ快感を増幅するように肉体を最適化させるだろう。
すみかの身体の中で衝動がはじけた。股間の痛みとは別に、下腹部に熱が生まれたのを感じた。
処女喪失の痛みが和らぎ、股間の抽送が快楽を生み出す。
きゅきゅきゅっ
膣が窄まり、触手を激しく締め上げたのを感じる。
「く……はぁっ……あんっ!」
すみかの声から苦悶の色が消え、あえぎ声へと変化する。
「あら、すみかったらさっきまで処女だったのにもう感じてる。幾らなんでも早すぎじゃないの?」
ゆかりが胸を揉みながらからかった。
「淫乱の素質があったのね。とっても素敵よ。」
「ひがぁっ、ちがぁぅ……はぁぅ……あんっ!」
必死に否定するも呂律が回らず、すぐにあえぎ声が洩れる。
「そんな淫乱すみかにご褒美よ……」
四肢を拘束する触手により、すみかの身体が持ち上げられる。全身が空中で固定され、ありとあらゆる角度から裸を見ることが出来た。
股間の触手は激しく抽送を繰り返し、すみかの肢体は空中で踊るように跳ね回った。
331名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 01:42:53 ID:C4L/W7hh
「やあっ、気持ちいいっ、気持ちいいよぅ……」
「じゃあ次は後ろの処女の番よ。」
快楽に溺れそうな頭にゆかりの声が届く。
(後ろの処女? なんのことだろう?)
触手が出入りする股間に目をやると、同じような触手がもう一本伸びてきていた。
その触手の先端は、膣口より更に下の部分へと伸びていった。
(……まさか!?)
「ひゃめてっ、いあっ、きちゃないっ!」
(肛門へ突っ込むつもりなのだ!)
すみかは喘ぎながら否定の言葉を並べ立てる。空中で腰が自由に動くようになったため、必死に逃げるように動かす。
激しい腰の動きにより、触手が膣へと与える刺激が変化を生み、また新たな快感をすみかに与えた。
「だーめ。あなたの全てはわたしのものになるの。」
ゆかりがすみかのお尻に手を伸ばし、左右に割り開く。ピンクの菊門が顔を見せた。股間から垂れる愛液でビショビショに濡れている。
触手は股間の周りをなで上げるように動き、愛液をまとわりつかせると、菊門へと頭をつっこんだ。
「あああああっ!」
太い触手が肛門へ侵入してくる感覚。排泄に似ているが正反対の行為。
太い触手だがメリメリと中へと入り込んでくる。息苦しい。
初めての行為だが、排泄の際の快感と近しい感覚を覚える。
前後の穴で触手が暴れまわる。空中ですみかの肢体が跳ねる。全身から吹き出た汗と涙と愛液が飛び散る。
最初に与えられた苦痛はわずか。今ではゆかりの責めが全て快楽に感じられる。
触手が胸へのび双丘を強調するように縛りあげる。
激しく息を吐く口へも触手が突っ込まれる。
「ふふっ、すっかりこの子達の虜ね。」
ゆかりの声は既にすみかへ届いてなかった。すみかは既に自分の快楽を追及することしか考えていなかった。
(もっと、もっと!)
腰を激しくふり触手から与えられる快感に波をつくる。
突き出された胸へ手を伸ばし自分で気持ちいいように揉みしだく。
(もう少し、もう少しでなにかへ届くッ!)
「ほほほほ、すみかったらイキたいのね?」
(イキたい? イキたいっ!)
「ひぐぅ……ひぐぅ!」
触手を咥えながら主張する。もっと気持ちいいことを、もっと苛めて、もっと嬲って!
「本当、すみかは優等生ね。ご褒美よ。イキなさい。」
ゆかりの手が股間へ伸び、クリトリスを捻り上げた。
これまで味わった快感とは比べ物にならない程の刺激が一点に集中したかと思うと、全身へと広がり走った。
「はっ、あーーーーーッ!!」
脳に血が上り、目の前が真っ白になる。息ができない。
プシュッ
股間から白い液体が噴出した。
「潮を吹いたわっ! この娘本当にエッチな体してるわねぇ!」
ゆかりが感嘆の声をあげる。男達も喝采をあげた。
続いて尿道から黄色い液体が噴出し、綺麗な弧を描く。
「あら、おもらし? よほど気持ちよかったのねぇ」
股間と肛門、口の触手を抜き、胸の触手も解放する。この触手は射精が出来ないのがゆかりの不満点だった。
すみかは空中に磔にされ、ビクビクと痙攣しながらM字に開いた脚の間からおしっこを垂れ流している。
目の焦点は合っておらず、口は大きく開き舌が伸びよだれが垂れていた。
「はひぃ……はひぃ……」
おしっこが止まると、ゆかりはすみかをベッドへと優しく降ろした。
「どう? 気持ちよかったでしょう?」
優しく語り掛ける。
「……はい……もっとぉ……」
すみかは自由になった手で胸と股間を弄り出した。
ゆかりは成果に満面の笑みを浮かべると、次のプレイの準備に取り掛かった。
332名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 01:43:48 ID:C4L/W7hh
ここまで。
次は輪姦の予定ですんで、苦手な人は回避してくださいね。
333名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 03:32:23 ID:VbygzMB4
最近のデモンパの勢いは凄いな。
これがさなえ力か
334名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 09:12:16 ID:66P2LlQw
>>324
くっ…Eログ捨てちまったから確認できねえええええ!
335名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 10:53:49 ID:3W0Vrwal
>>マッドマン氏
更新キターと思ったら舞台が地元でフイタw
立山の伝説とか一通り語りたい気分だが自重しとく
次回以降をwktkで待つぜ!
336マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 14:20:39 ID:/ZwCH/V+
こんな時間だが、勇者少女の続きを投下してもいいかな?
半から投下します〜。
あまり展開が進んでないや ORZ
337勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 14:31:27 ID:/ZwCH/V+

 愚かなり。
 哀れなり。
 断罪せよ、断罪せよ。
 哀哭せよ、哀哭せよ。
 己が罪を理解し。
 己が闇を恐怖し。
 全てに絶叫せよ。

 さすれば慈悲深き神が罰を与えん。





 ぬちゃりと湿った音がしたのは多分気のせいじゃない。
 敷地に、領域に一歩踏み込んで……既にそこは魔界だった。
 月匣よりもなおおぞましい冥魔の神域。

「くそったれ……紅い月は登ってないっていうのによ」

 空を見上げる。
 空には紅い月光はない。
 赤光に空間は満たされていないというのに、既に息するだけでも吐き気がする。
 月衣を意識していないと即座に腐れ落ちてしまいそうだった。

「レン、ノーチェ、他の連中も平気か?」

 柊は数歩歩きながら、後ろに振り返る。

「だ、大丈夫でありますよ」

「……前より酷くなってる」

「不浄な空間ですわね」

「ふむ〜、思ったよりも危険だわね」

 ノーチェとレンの顔色が悪い以外は全員無事なようだ。
 無理もない。
 常人は愚か未熟なウィザードならば月衣ごと侵食されて、食い潰されそうな空間。
 冥魔の月匣、それは侵入者を迷わす迷宮ではなく、むしろ何もかも蹂躙し、殺し尽くすための処刑場といえた。
 二度の経験が功を奏していた。
 柊は魔剣を掴み握ると、表面上は変化のない山道を登っていく。
 荒れた山道、何人何十何百人何千人もの人間が登り続けたが故に出来た道。
 それを五人は歩いていく。
 周囲を警戒する――敵はない。
 空を見上げる――紅い月は昇らない。
 ただ吐き気がするような濃厚な気配が満ちるだけ。
 意識を保たなければ陸の上で溺れるかの如く、瘴気に溺れてしまいそうだった。
338名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 14:32:18 ID:/ZwCH/V+
 
「柊 蓮司くんだっけ?」

 夢使いである故に感性に関しては一般的である柊にとって奇異とも言える格好をしたガイア側のナイトメアがふよふよと浮かびながら、柊の横に並んだ。

「あ、ああ? なんだ?」

「助っ人という話は一応上から聞いてるんだけど、この立山――雄山への山頂付近が一応の目的地って話は聞いてるわね?」

「ああ。アンゼロットから話は聞いた」

「じゃ、登頂ルートは考えてあるかな?」

「ルート?」

「普通の月匣でも当たり前だけど、今から登るのは山なんだよ。ウィザードといっても体力は無限じゃない、何回か休憩しながらじゃないと山頂までは辿り着けないだろうね」

 ふよふよと浮かびながら、ナイトメアはクルリと回転すると、まるで妖精のように柊の前に移動した。

「飛行していくってのはダメなのか? ……いや、無理か」

 のんきに空を飛んでいくのはあまりにも危険が大きすぎる。
 いい狙い撃ちの的だろうと、柊は途中で提案を取りやめた。

「室堂辺りには非難させたから無人の宿泊施設とかもあるし、そこで休憩を取ったほうがいいと思うね」

「室堂?」

「そそ。標高2450メートル。この立山は一般的な登山コースでもあるから、そこで大体休憩を取るのがベターかしらね」

 子供のような顔つきに、大人の魅力を入り混じらせて、妖艶とも言える顔つきを浮かべるナイトメア。
 捉え難いと柊は思った。
 ファー・ジ・アースのナイトメアとは何度か共闘をした中だが、最後まで調子を狂わされた記憶がある。
 ナイトメアはナイトメア、か。
 と、柊がため息を吐き出そうとした時だった。

「カー」

 鳥の鳴き声がした。
 空を見上げる。高い高度に飛ぶ無数の鳥の姿。
 鳴き声を上げて舞っている、何の変哲もない姿。
 いや、何の変哲も無い?

「っ! 敵だ!!」

 ありえない。この異空間の中に単なる鳥が飛んでいられるはずは無いのだ。
 瞬間、柊は魔剣を構え、その叫び声に全員が空を見上げる。
 そして、鳥は鳴いた。
 禍々しい鳴き声を。

「KaaAAAAAッッ!!」

 空が鮮血色に染まる。
 紅い月が昇り、鳥が鳴き声を上げながら、同時に血反吐をぶちまけた。
 闇色の血を吐き出し、その纏っていた羽根が千切れ飛び、落下しながら内部から膨れ上がるように巨大化していく。
 名づけるならば闇鳥とでも呼ぶべきか。
 その寄生主である鳥の血肉を引き裂いて、おぞましい造形と瘴気を纏った羽無き翼を翻して、落下する。
 それが複数。
 まるで闇夜がカーテンを引きながら落ちてくるかのような光景。
339名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 14:33:12 ID:/ZwCH/V+
 
「おぉ!!」

 それを食い止めんと、柊は言霊を短く呟き、剣を逆手に握りながら、大地を踏み込んだ。
 腰を落とし、刃が地面を疾走し、空へと切り上げる一閃。
 まるで月を断つかの如き一刀、それは風の刃を纏い、鋭い不可視の斬撃を射出する。
 一刀両断にされた無数の鳥が汚濁を撒き散らしながら四散し、残った闇鳥が奇声を上げながら迫るも。

「閃光の魔弾、射抜きなさい」

 ナイトメアが上空に指を向ける。
 指鉄砲のポーズからスピット・レイ、光速で撃ち出される閃光が複数の闇鳥を射抜く、その血肉を焼き焦がし、砕け散る鳥たち。
 そして、さらにナイトメアが指を鳴らす。

「そして、縛れ」

 茨月。
 世界が恐怖する、おそろしい夢を見せる。
 光が拡散し、次々と闇鳥たちを縛り上げ、拘束する。

「ヴォーティカル・ショットであります!」

「神の威光を受けよ!」

 虚無の弾丸と閃光の爆撃。
 次々と吹き散らされる闇鳥。
 そして、最後に残った闇鳥は悲鳴のような声を上げると、翼をはためかせて、高度を取った。

「あ、逃げる気でありますよ!」

「任せて!」

 ノーチェの声に、レンは走りながら、自分の胸元に手を当てた。
 心臓を抉り出すようなポーズで中から抜き出された光を掴み取る。
 眩くばかりの聖光、輝ける武具、それはレンの手の中で瞬時に形作り、一本の閃光を放つ弓となった。

「いくよ」

 レンの繊手が弦に触れる、同時にそこから光が収束されていく。
 弓が放つ燐光を収束し、一本の輝ける矢へと再構築され、それはキリキリと音を立てて構えられた。

「打ち抜く!」

 鏃が逃げる闇鳥へと向けられる、空間が凍りついたかのような錯覚、息すらも苦しい、呼吸を止める。
 そして、手を離す。
 風を切り、闇を引き裂き、射ち放れた矢は弾丸のような速度で闇鳥を背後から射抜いた。

「GAAAA!!」

 嬌声にも似たおぞましい絶叫。
 破裂したかのように血肉が砕け散り、ボタボタと地面に穢れた血が撒き散らされて、蒸気を上げていた。
340名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 14:34:13 ID:/ZwCH/V+
 
「ふぅ」

 レンが武器を手放した、と思った瞬間再び光に還元されて、掻き消える。
 それに柊は尋ねた。

「あれ? レンの武器は軍刀じゃなかったのか?」

「一番得意な獲物はそれだけどね、ボクの武器は用途に応じて形状を変えられるから」

 レンの所有する光輝天使の武具には本来決まった形状はない。
 持ち主の意思に従い、武装の形状を決める。
 切り裂きたければ魔刃となり、穿ちたければ巨大なる神槍となり、射抜きたければ光弓と化す。
 そのポテンシャル自体が高い勇者には高い万能性が求められる。
 それ故の選択だった。

「おねえさまー! かっこよかったですー!」

 ピョーンと金髪の髪を翻し、耳に付けたイヤリングを揺らしながら、エリーがレンの背後から飛びついた。

「わ、おもっ!」

「ま、お姉さまってば重くなんかないですわよ〜」

「いや、武器が、重いんだけど」

 エリーが背負うのは身の丈ほどもある大剣である。
 それと十代半ばぐらいの年頃に相応しい外見体重と加われば、病弱なレンは思わずよろめき、それを支えようとして咄嗟に柊が手を伸ばす。

「おいおい、気を付けろ!」

 レンの倒れそうな体を支えて、柊が告げる。

「あ、ありがと」

 倒れる寸前で支えてもらったレンがお礼を告げると、その後ろにしがみ付いたエリーがビキリとこめかみに血管を浮かばせて。

「……お姉さま」

「な、なに?」

「そういえばこの方はどちらなのでしょうか?」

 にっこりと笑顔。
 背中の見えない位置でニコニコと笑みを浮かべるエリー、その気配に何故かレンは汗を噴き出した。

「え? いや、もうアンゼロット様から説明は受けてるんじゃ……」

「わ・た・しはお姉さまから説明して欲しいんです〜」

 きゅーと指でレンの腰から脇まで指を走らせてエリーが猫なで声で呟く。
 それにレンは恐怖を、そして柊は何故か悪寒を感じていた。

「あ? いや、俺はこっちのアンゼロットに言われて――」

「野郎は黙れ」

 物凄いドスの効いた声だった。
341勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 14:34:54 ID:/ZwCH/V+
「お、おう」

「えっと、蓮司君はファー・ジ・アースから協力に着てくれたウィザードだよ。ノーチェさんと一緒にね」

「あ、わたくしはノーチェでいいでありますよー」

 レンへと笑顔を浮かべて、名前を呼び捨てにするように提案するノーチェ。

「貴方も黙れ♪」

「おわぁ!」

 ギランと射抜くようなエリーの視線に、ノーチェが悲鳴を上げた。
 貴様それ以上ほざくようなら、その胸に祝福を受けた白木の杭を打ち込むぞ、ああん? とばかりの目つきだった。
 本来異端弾圧を掲げるローマ聖王庁に所属するエリーである、目的のためと己が欲望のターゲットが目の前にいるためその嫌悪感を押さえつけてはいるものの、元来吸血鬼などの類は敵なのだ。
 敵意を抑えるわけが無かった。
 ……それ以上の感情のような気もするが。

「まあ所詮この世界のウィザードでないんですから、分を弁えなさい、この部外者!」

「なんだと」

 嫌悪に満ち満ちた悪意の言葉。
 それを真正面から叩きつけられて、柊が不快そうに顔を歪める。
 そんな柊にびしっと指を突きつけながら、エリーは叫んだ。

「レンお姉さまの処女を奪うのは私ですからねー!」

「な、なにいってるんだよ!?」

「はぁ!?」

 瞬く間に崩れる緊張感。
 やれやれとナイトメアは肩を竦めて、ノーチェもそれに習うようにため息を吐き出した。
 女四人に男一人。
 戦力的にバランスは取れていても、チームワークとしては最悪だったようだ。

「さて、どうしょうかしらね」

 外見年齢十代前半、しかし山のような巨乳に、エキゾチックな格好をした人妻夢使いは困ったように顎に手を当てた。
 その時だった。
 強い風が吹いたのは。

「……風?」

 風がひゅーひゅーと呼吸のように吹き荒ぶ。
 空を見上げれば真っ赤な月光の夜、そこに――雲。
 雲? ありえない。

「何が!?」

 絶滅社の傭兵として過ごした数十年近いウィザードとしての経験でもなかった自体に、ナイトメアが厳しく顔を歪める。
 夢使いとしての魔眼で確認。
 現世は夢、夢は現実、全ては水泡の如き世界。
 夢を操り、現世をも書き換える彼女達の目には悪夢たる月匣の構成が視える。
 解析、索敵、分析。
 眼帯に隠されていない片目を大きく見開き、立ち込めてくる雲に対して目を向ける。
 そこから感じられるイメージ、嘆きの感覚、世界の悲鳴、汚物のような腐臭。
 吐き気がする――衝動のみに埋め尽くされた虚無のような冥魔の感情。
 そして、敵意。
342勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 14:35:40 ID:/ZwCH/V+
 
「まずい!」

 予感がした。
 ナイトメアの声に、刃傷沙汰になりかけていた三人が止まる。
 そして、見上げる。
 紅い月匣の空に立ち込める暗雲に。

「空に、雲!?」

「嫌な予感ですわ!」

「くるぞ!!」

 雲が蠢いた。
 そして、降り注ぐのは……雨。
 蒸気集まり水滴となし、水滴集まり暗雲となし、暗雲集まり豪雨となる。
 それは森羅万象、当たり前の現象、自然は循環し、全ては流れのままにある。
 けれど、降り注ぐその前は当たり前ではなかった。
 黒い水滴、汚れた雨、まるで血涙のように毒々しい雨がスコールとなって降り注ぐ。

「ディストーション・フィールド!」

 次元歪曲。
 その防護壁を転換する夢使い。
 さらにそれを補強するかのように、ノーチェが詠唱を唱え、三人が己の身を護ろうと武具を突き出した。

「ダーク・バリアであります!」

 暗黒の球体が生み出されて降り注ぐ雨を飲み込み、噴き出されるプラーナによる壁が雨を弾き飛ばし、歪曲した空間が受け流し、降り注ぐ雨を切り払っていく。
 毒々しい雨水。
 それは大地を汚していく。歪な音を立てて岩が崩れ落ち、まるで強酸のように蒸気を上げて溶ける、溶ける、侵食されていく。

「っ、毒か!?」

「毒雨でありますな! まるでヒロシマであります!!」

「縁起でもないこというんじゃねえ!」

 原爆投下後に降り注いだといわれる死の雨。
 それを思わせるほど穢れた雨が降り注ぎ、ノーチェが叫んだ言葉に、柊は叫び返した。
 どうする、と冷静な自分が考える。
 降り注ぐのは雨、躱すのは不可能、量が多すぎる。
 咄嗟に逃げ込むにしてもあたり一面は単なる傾斜であり、逃げ込める場所なんて見当たらない。
 雨が止むのを待つのも不利すぎる。

「どうする! 一か八か走って逃げ切れるか!?」

「無茶だよ! この雨、危険な感じがする、浴びていたらどんなことになるか」

「それなら方法は一つですわね」

 エリーがやれやれと息を吐き出すと、一歩ディストーション・フィールドの外に足を踏み出す。

「エリー!?」

 レンの声。
 雨が降り注ぐ。
 その法衣を、金髪の髪を、体を汚れた水が汚していく。
 じゅっと苦痛の声が上がり、その体が痛めつけていくのが分かる。
343勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 14:36:29 ID:/ZwCH/V+
 
「ぬ、わたくしが防御魔法をするであります!」

 ダークバリアの対象を変換しようとした瞬間、エリーが声を上げた。

「邪魔するな! 吸血鬼」

 冷たく一瞥。
 けれど、その目には嫌悪の瞳は無い。
 この場で一番脆いのは吸血鬼の少女だと誰もが悟っていた。
 彼女が防御魔法を怠れば、一番先に死ぬのは彼女だとエリーは理解していた。

「で、ですが!」

「私には神への愛と信仰があり、神に授けられた権威が私を護ります。如何に穢れようとも、この信仰は決して崩れない」

 全身から放たれる光。
 如何に汚れてもなお、少女は気高く、耳に付けた十字架形のイヤリングが揺れる、肩下まで伸びた髪をなびかせながら、詠唱を唱える。

「立ち去りなさい、悪しき闇」

 主が磔にされた十字の形をした大剣を掲げて、聖なる少女は穢れた豪雨の中でゆっくりと振り回す。
 神を信じなさい。
 世界を愛しなさい。
 無償の信仰が、無償の愛が、見返りを求めぬ普遍なる愛が痛みを消し去り、苦痛を忘れさせ、どこまでも神聖なる精神を保つ。

「退け、邪悪なる御霊」

 十字を描き、信仰を唱え、神聖なる聖句を唱え上げる。
 風の精霊を呼び込み、風を纏い、雨を吹き払う。

「如何に邪悪に蝕まれようとも、ここは神の住まう土地」

 主よ、主よ、主よ。
 穢れを退けたまえ、魔を払いたまえ、我が信仰に応えたまえ。
 そして、今ここに奇跡が体現する。

「主の愛無きものは失せよ! Amen! ハリケーン!!」

 十字を斬り、世界に響き渡るかのような少女の声が神々しく鳴り響く。
 瞬間風が舞った。
 汚濁に満ち満ちた大気が清廉なる気配を取り戻して、舞い踊る。
 それは轟風。
 それは神風。
 雲を切り裂き、世界へと愛を伝えるかのような強き風が竜巻となって、空へと舞い上がる。

「よしっ!」

 ハリケーンによって雨雲が切り散らされるのを見て、柊がガッツポーズを取った。

「はっ!」

 そして、ノーチェとレンが即座にエリーに駆け寄り、その体を支えた。
 エリーの全身は毒液に満ちて、触れるだけで肌が被れてしまいそうであり、艶のあった彼女の金髪が黒い雨によって艶を失い、痛んでいた。
 痛々しい状態、それにレンは唇を噛み締める。
344勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 14:37:56 ID:/ZwCH/V+
 
「はぁ、少し疲れました」

「エリー! 無茶して……」

「だ、大丈夫でありますか!?」

「これぐらいでくたばれないです」

 毒雨によって掻き毟りたくなるような苦痛はある、だが耐える。
 自身に回復魔法をかけながら、神聖なる力を纏い吹き荒れるハリケーンを見て、告げた。

「次の障害が来る前に早く行きましょう」

 そうエリーが告げて、他の全員が同意し、彼女を支えながら足を踏み出した瞬間だった。
 唸り声が聞こえた。

「今度はなんだ!?」

 柊の目が声のした方角に向ける。
 そこには風が渦巻きながら、唸り声の如く音を響かせていた。
 大気が集う、荒れ狂う、そして――“嗤った”。
 気配を感じた。
 そして、邪悪なる旋風が強風と化し、毒雨によって穢れた土を巻き上げながら脅威を増していく。
 気付けば大地が振るえ、震動していた。

「っ、逃げるぞ!!」

 何が起こるのか理解。
 柊はノーチェの腕を取り、横に抱える。

「なんかヤバイであります!」

「エリー!」

「エリー、走るわよ!」

「こ、これも試練かしらぁ!」

 レンとナイトメアが両側からエリー立たせて、走り出す。
 そして、その背後で邪悪なる風がもう一つの竜巻となり、エリーの生み出したハリケーンと激突した。
 大気が震撼する。
 ゲラゲラと嗤うような気配と悪意の増大と共に轟音が膨れ上がり、走り出す柊たちを追い回すかのように強風が、邪悪なる瘴気が吹き荒れた。
 ここは既に敵地。
 それはもはや魔なる世界。
 魔界。
 神域など既になく、あるとしたら邪悪と化した神の残滓が司る閉じ込められた箱庭。

 そこには安全など既に存在しない――



 空を支配し、風を支配し、大地を支配し、自然を操る。

 それは古来より神の仕業だとされた。

 ならば、それを操り、蹂躙し、支配するそれは神であろう。

 人が抗うことなど出来ぬ強大なる力が、柊たちの前に立ちはだかっていた。
345マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 14:40:26 ID:/ZwCH/V+
投下終了です。
最初は閉鎖空間、次は街全て、そして次は山脈に加えて自然現象。
どんどんスケールがでかくなるのは仕様ですw

次回も土日中に更新できるよう頑張ります。
ありがとうございました。
346名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 15:08:03 ID:3W0Vrwal
GJ! まさかこんなに早く続きが読めるとは…無理しないでくださいね
今度のトラップは自然現象……トラップ探知が通用しないトラップですね
でも、柊はいつも漢探知だから関係ないかw

追伸 >>335の発言がテンション上がりすぎて無礼になってすみませんでした
347マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 15:11:02 ID:/ZwCH/V+
>>346
む、むしろ地元の方に失礼がないようにネットで必死に調べています。
雄山神社の類の伝承などは一応出来る限り調べるつもりなのですが、なにかお勧めがあったら少しだけでもいいから教えて欲しいぐらいですw
感想ありがとうございました。
348名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 15:20:23 ID:pWHYXsID
……そっか、こっちのナイトメアは「ひとづま」だったんだよな……(呆然
ないとめあのえろしーんないとめあのえろしーんないとめあのえろしーん(ぶつぶつ
349名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 16:15:10 ID:1eLyqrIt
クロススレとかからも人が流れてきてるからかなあ、NWの投下がペース早いな。
それはいいんだが、どうも他のネタが埋もれがちだな。
350名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 16:16:22 ID:7/U1UiuA
>>348
ロリ巨乳人妻で陵辱、ご飯六杯行けるじゃないか!


マッドマン殿、乙でござる!
351346:2008/10/25(土) 16:48:32 ID:3W0Vrwal
>>マッドマン氏
お勧めですか…雄山神社関連は調べておられるとのことなので、
こちらとかどうでしょう
ttp://www.hangontan.co.jp/story.html
でもこれ、採用されたらネタバレになるのでは…
というわけで、マッドマン氏以外は自重願います


ところで、>>338で触れられている室堂から少し行った先には、
みくりが池温泉という日本で一番高いところにある『温泉』がありまして
まあ、せっかく温泉があるんですから…ねえ?w
352名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 17:43:09 ID:DpaRxPGu
>日本で一番『高い』ところにある温泉

大変、柊力で下がっちゃう!
【いらぬ心配】
353名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 18:14:07 ID:66P2LlQw
富山県ジャマイカ
354名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 18:33:26 ID:C4L/W7hh
>>349
レスとかないと本当に読まれてるのか、完全にスルーされてるのか心配ではある。
でも俺は書くよ! エロいこと大好きだから! オナニーとか放置プレイと思って書くよ!

>>351
温泉っていいですよね。自然と裸の付き合いネタにできて。
冒険者相手のゲームでGMやると休息とるために温泉を出すことがよくあります。
3シナリオに1回ぐらい出す。温泉ネタ大好き。
355346:2008/10/25(土) 18:49:00 ID:3W0Vrwal
>>354
ごめんなさい……単なるスケベ心で温泉ネタ提案して、本当にごめんなさい…orz
356名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 18:55:38 ID:C4L/W7hh
>>355
なぜ謝るかは知らないけど、マッドマン氏が温泉ネタにしてくれることを期待してまとう。
無理に期待して、期待はずれになっても気にしない方向で。
357346:2008/10/25(土) 20:19:27 ID:3W0Vrwal
いえ、あなたのほのぼのしたレスに、自分が汚れているように見えて、ついw

ってネタのつもりだった。確かに今見るとマジで謝ってるようにも見える
気にされたならごめんなさい
358マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/25(土) 23:38:46 ID:/ZwCH/V+
今夜一時頃にでも勇者少女の続きを投下します。
多分皆さんの期待に応えられるかと思ってますw
359名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:09:48 ID:t+czoL+T
ゼンラタイキスルモサー
         /^l
  ,―-y'"'~"゙´  |   
  ヽ   ´ ∀ `  ゙':    ハ,_,ハ  
  ミ    / ̄ ̄ ̄ ̄/';´∀`';, ゼンラ デモ モサモサ ダヨネ
__゙, ,/) / MOSA / c  c.ミ モサタチ
     \/____/  ̄ ̄ ̄ ̄
360名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:11:44 ID:Hags+Ngj
なにやってんだあんたわぁぁぁぁっ(爆笑)!?
裸☆待機!
361名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:21:48 ID:nbZBjK3p
ふははは、この投下も書物に書いてある通り! というわけで全裸待機だあああああ
362名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:29:58 ID:t+czoL+T
>>361
ソレミテ オモッタ モサ
・・・ガイア ノ リオン サマハ テツオタ デ
トウジョウシーン デ ハイケイ ニ バラ ガ トブ
オンナ ヲ オトスタメ ノ ホウホウ カイタ ジヒツ ノート カタテ ニ
クドキカタ ネクラ ニ レンシュウ スル ムキムキマッチョ?

         /^l
  ,―-y'"'~"゙´  |   
  ヽ   ´ A `  ゙':    ハ,_,ハ  ソウゾウリョクガマイナスモサネ
  ミ    / ̄ ̄ ̄ ̄/';´A`';, 
__゙, ,/) / MOSA / c  c.ミ モサタチ
     \/____/  ̄ ̄ ̄ ̄
363名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:35:01 ID:v1n3iuAb
むう、私の方(デモパラ)も1時頃投下しようと思ったが、しばし待つか。
364マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 00:39:37 ID:KZewB0pi
>>363

いや、先にどうぞどうぞ
それなら推敲と見直して二時ごろ投下しますんで
365名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 00:56:11 ID:v1n3iuAb
>>364
いや、こっちも書いてる途中なんで、お先にどうぞw
366マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:09:09 ID:KZewB0pi
では、投下してもよろしいでしょうか?
エロ注意ですが。
ちなみにリクエストとネタに満ち満ちております。
367名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 01:09:48 ID:v1n3iuAb
オケオケ。温泉に期待しますw
368勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:11:11 ID:KZewB0pi

 祈りなさい。
 願いなさい。
 乞いなさい。
 さすれば応えましょう。

 その全てを目の前で踏み潰してあげましょう。




 大地が震撼していた。
 風は荒れ狂い、草花は美しい風景を蹂躙するかのように変わり果て、悪意が山脈に満ちていた。
 終わらない、果ては無い、どこまでも広がる敵意。
 その中で柊たちは走っていた。

「どけぇえええ!!」

 魔剣を用いて、穢れた大地を踏み締め、加速。
 爆発的とも言える脚力で傾斜の大地を低空飛行の如く跳躍し、旋転しながら、前方に見える無数の異形たちに剣撃を叩き込む。
 エアブレード。
 遠距離まで届く不可視の刃が、人ならざる異形たちを切り裂きながら、血風を撒き散らす。
 それは人の形であっても、人ではない。
 肉塊の塊、瘴気を撒き散らす人型の爆弾だった。

「リーブレイドォ!!」

 さらに空から襲い来るのは闇鳥。
 編隊をも組んで迫るそれらを、ナイトメアが踊るような手つきで放つ光の奔流が薙ぎ払う。
 闇夜を切り裂かんとばかりの迸る閃光はどこまでも美しい。
 しかし、闇を切り裂くのは光ならば、光を覆うのもまた闇。
 限りは無い、終わりは無い、悪意が満ち満ちて、異形の集団が大地から生え出し、柊たちの前に立ちはだかる。
 ぐしゃぐしゃと水を撒き散らすような音を立てて、血涙を流しながら、筋肉繊維を断裂させて限界を超えた速度で追跡してくる集団がいる。

「っ! しつこい」

 それは野犬の群れ。
 口から汚濁を吐き出し、目からは血涙を流し、全身を弾けさせながらも疾走し続ける哀れなる犠牲者。
 救う手段は無い。
 音速に迫る速度で最後尾に走るノーチェに接近する。

「っ! 蹴散らせ、虚無の弾丸であります!」

 牙を剥き出しに迫った先頭の野犬の頭部を振り翳したノーチェの手の平から撃ち放れた虚無の刃が粉砕した。

「やったでありま――」

「馬鹿野郎!!」

 ノーチェがガッツポーズを決めた瞬間、柊の怒声が響いた。
 彼女の行動は誤りだった。
 迎撃などすべきではなかった。
 彼女がすべきなのは一歩でも早く前に進むこと、そうでなければ――まだ残る虚無の獣たちに追いつかれることは無かった。
369勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:12:24 ID:KZewB0pi
 
「え?」

 最後の跳躍。
 生物限界を超えた脚力に四肢が骨折し、絶叫の血泡を吹き出しながら、野犬たちが跳躍し、それと同時に空中で中から弾け飛んだ。
 風船の如く破裂し、さなぎの如く中から飛び出す者がいる。
 それは混沌の汚濁に満ち満ちた獣、認識してはならない、感知してはならない、常人が見れば瞬く間に発狂する闇界の獣。
 魂が怯え竦める狂気の化身。
 それは獣の形を取りながらも、獣などではない。
 おぞましいほどに顎を開き、まるで花開いた悪臭な花弁のように牙を剥き出しにする。
 弾丸のような速度。
 ノーチェにそれを躱す術はない。彼女が取得する防御魔法は魔術を防ぎ、異能を打ち消す類、物理攻撃には意味が無い。
 故に、恐怖に目を見開いて、その眼前から飛び出した“岩壁”を見た。

「アースシールド!!」

 レンが大地を蹴り飛ばし、詠唱を唱え上げる。
 冥魔に掌握されたはずの大地を一時的に取り返し、魔力を流し込みながら、己の意のままに操る。
 無数に襲い掛かる虚無の獣の突撃を封じ、ひび割れながらもしっかりと受け止める壁。
 それに向かって、レンは自分の胸を掴み、大地に足をめり込ませながら旋転。
 加速しながら、光を抜き放ち――叫んだ。

「光よぉ!!」

 それは美しき軍刀。
 芸術に見せられた彫刻家が柄に工夫を凝らし、刀身は愚直なまでに鍛え上げることに心血を注いだ鍛冶師が打ち出したかのごとく頑強なる刃。
 美しさと実用性、形状美と機能美、その二つを矛盾無く併せ持つ刀。
 燐光を纏い、手にすることが出来れば歓喜に満ち溢れるだろうその刃の塚元から光が噴き上げる。
 極光、命の煌めき、プラーナの刀身。
 十数メートルにも届く光の刃、それを重量も無く、空気抵抗すらもない状態で、ウィザードが振るえばどうなるか。
 結果。
 その一閃は音速を超え、遮る岩壁をも豆腐を切り裂くかのように両断して見せた。

「断つ!」

 手首を返し、光を拡散させた後に残るのはずるりと揺れる岩壁とその先で開きにされて、二つの汚濁となった獣の残骸。
 残った獣が地面に着地し、態勢を整えて襲い掛かろうとした瞬間、左右から飛んできた閃光と旋風によって粉砕される。

「まったく」

「手間を……かけさせますわ」

 光の弾丸を打ち出した夢使いの女性が息を吐き出せば、顔色悪く揺らめく聖職者の少女が喘ぎ声を洩らす。

「す、すまないであります」

「勘違いしないで欲しいですわ。私はレンお姉さまを救っただけですわよ……」

 額から脂汗を噴き出し、一見するだけで苦痛に悩めるエリーがそう呟くが、ガクリと膝から力が抜ける。

「エリー!」

「まずいわね。このままあの雨水と触れていると、エリーが持たない」

 ナイトメアが診断、彼女の手に触れて、レイ・オン・フィンガーによって治癒の光を注ぎ込みながら顔をしかめる。
370勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:13:09 ID:KZewB0pi
 
「《リラックス》を使おうにもこの辺りの空間じゃ、水分も汚されてるから……仕えないか。どこかで着替えさせないと駄目なのかな」

 レンが唇を噛み締めて、悔しそうに呟く。
 本来この手の呪詛ならばレンが習得しているリラックスで清めることは出来るのだが、リラックスを使うには大量の水分が必要であり、周囲の大気中から集めるにしても冥魔の影響力が強すぎて、使用するのは極めて困難だった。
 アースシールドも瞬間的に支配を奪ったのであり、数秒後には彼女の操作から脱却したからこそ諸共に破壊したのだ。

「とにかく、体を清めないと症状は悪化する一方だね」

「……どこか休めるところなんてあるのか?」

 手早く雑魚の冥魔を切り伏せてきた柊が、周りを警戒しながら声を上げた。
 一旦紅い月は解除されたものの、立ち込める気配は去っていない。
 ここもまだ安全圏ではないのだ。
 気を抜くには早すぎる。
 追ってくる異形に、襲い掛かる歪められた自然の猛威などに気を払い、数時間近く強行軍で走り抜けてきたが、そろそろ体力的にも限界が来ようとしていた。
 見ればレンの只でさえ白い顔は死人のように白いし、ノーチェもまた背負った風呂敷を重そうに肩を落とし、ナイトメアも何度放ったか分からない魔力の消費に取り繕った笑みを浮かべている。エリーは言わずもがなだ。
 柊はまだ体力に余裕があるが、これは冥魔の月匣に慣れているかどうかの差でしかない。
 疲労は等しく全員に体力を蝕んでいた。

「そうだね……かなり走ってきただけあって、もう室堂付近まで来てる」

 ナイトメアが目を向けると、その先には日本アルプスの絶景と呼ぶべき光景が目に飛び込んできた。
 遠目に見える白く化粧を覆われた山脈の数々は本来ならば見るべき人々の目を潤し、楽しませるものなのだろう。
 だが、今の柊たちに景色を楽しむ余裕は無く、始終圧迫する異界の空気が自然と彼らの心を荒ませる。

「冥魔の月匣に侵食されているせいか、かなり風景は変わっているけど……基本的な構造は同じはずだし、建物も同じ」

 遠目に見える登山客用の建築物などを一瞥しながら、ナイトメアはトンッと虚空を蹴り、宙へと浮いた。
 その視線の先には室堂の付近にある巨大な火山湖に向けられていた。

「みくりが池……確かあの付近に温泉と建物があったはず」

「温泉?」

「山は侵食されているし、みくりが池も多分汚染されている。けど、霊脈の恩恵を受けた地下水である温泉なら浸食はまだかもしれない。どちらにしてもさっきのような雨とかを凌ぐには建物に入ったほうがいいと思う……正直皆も限界だからね」

 そう告げるナイトメアは不意に重力を思い出したかのように落下すると、すとんと音を立てて地面に着地する。
 肩で荒く息を吐き出し、その突き出た乳房を呼吸音と共に揺らしながら、月衣で瘴気を浄化し、眼帯の付けていない目に入ってくる汗を拭った。

「わかった。レン、エリーを渡せ。俺が背負う」

「え? でも」

「全員で一番体力があるのは俺だろう」

 そう告げて、柊はレンが診ていたレンを担ぎ上げると、おんぶのように背負った。
 まだ膨らみきっていない乳房やガタガタと震えるエリーの体温を感じるが、柊は苦痛を押さえるかのように唇を噛み締めるのみ、彼女の法衣に染み込んだ毒液から痛みにも似た不快感を感じるが、無視する。
 その際に「貴方なんかに借りは受けたくないですわ」という声は聞こえたが、弱々しく、反抗する力も薄い。故に聞こえないふりをした。

「しっかり掴まってろよ」

 月衣からロープを取り出し、エリーと自分をレンに縛ってもらうと、柊は魔剣を握り直して、先導を切るナイトメアの後を追った。
 その後ろをレンとノーチェが背後を警戒するように走り出す。


 そして、彼らがみくりが池温泉の建物についたのは十数分後だった。

371勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:14:39 ID:KZewB0pi
 
 みくりが池温泉。
 本来ならば何人もの従業員と客が詰めているだろう建物は人っ子一人いなかった。

「敵は」

「……いないみたいだね」

 建物の中に魔剣と軍刀を構えながら、柊とレンが中に入り、建物の内部を確認するが冥魔の気配は無し。
 スリッパなどが乱雑に並べられたままの受付、直ちに避難させられたということが分かった。
 柊とレンは靴も脱がないまま建物の内部を見回り、ナイトメアが周囲に探査魔法サーチャーを展開する。

「反応は……なし」

「ぬー、月匣羅盤を使っても敵の気配はないでありますよー!」

 水晶玉を降ろし、その補助を受けて吉凶を探る魔導具を使ったノーチェが安全を確認する。
 月匣羅盤。
 近年開発された仙人と呼ばれるウィザードと錬金術師により開発された方位日時の吉凶を探る、八卦や十干十二支の文字が刻まれた魔道具。
 周囲至宝に冥魔や侵魔などの反応がないかどうか探ることが出来るものであり、その精度は月匣内でも決して劣化しないとされている。

「ひとまず安心ね。エリーを降ろして」

「おう」

 柊がエリーを背負い、縛っていたロープを慎重に解くと、ずるりと彼女が床に転げ落ちる。
 それを慌ててレンが受け止めた。

「とりあえず着替えさせないと」

「お、お姉さま……」

「なに?」

 どこか部屋へと運ぼうとしたレンに、エリーが月衣から一つの小瓶を取り出す。

「これを入り口に掛けてください。一応侵魔などの侵入を防ぐ聖水ですから」

 弱々しく差し出されたそれをレンが受け取ろうとするが、その前に柊が手を差し出した。

「それは俺がやっておく。レン、エリーを」

 聖水を撒くぐらいなら自分でも出来るという判断。
 レンに一刻も早く処置を頼むという意思の現われ、レンが柊を見上げながら頷く。
372勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:15:08 ID:KZewB0pi
「うん」

「レン、ノーチェ、二人はこっちに。こっちに入浴施設がある、体を洗い流さないとダメよ」

「了解であります。蓮司、しっかりと警戒するでありますよ!」

「おう」

「覗くなでありますよ!」

「しねえよ!!」

 ノーチェの要らぬ一言に突っ込みながら、柊は施設の奥へと歩き去っていく四人を見送り、受け取った聖水の蓋を開けた。
 玄関を横切るように聖水を撒き散らしながら、彼は荒く息を吐き出す。

「っ、結構辛いな」

 そう告げる柊の額からは押さえ込んでいた汗が噴き出していた。
 取り繕っていた体力の限界が近い、受付に手を付けながら、柊は月衣からHPヒールポーションを取り出すと、ぐいっと飲み込んだ。
 苦味のある独特の味。
 疲労を緩和させるために混入されている興奮剤により体が温まる、疲労を一時凌ぎだが忘れさせる。
 魔剣を床に突き刺し、柊は深く深く息を吐き出し、少しだけ目を閉じた。
 感覚を研ぎ澄まし、やってくるだろう危機に備えるために。


373勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:16:19 ID:KZewB0pi
 
 女用の更衣室に四人が入る。
 そして、レンは館内売店から拝借してきた複数のタオルを床に敷くと、その上にエリーを横たえた。

「エリー、脱がすよ」

「や、優しくお願いしますね……」

 キャッと頬を染めるエリー。
 そんな冗談じみた態度だったが、その顔色の悪さは隠せない。
 衣服に触れるたびに染み込むような痛みを感じながら、レンは手早くエリーの法衣を脱がせる。
 短刀に変えた光輝天使の武具で法衣を切り裂き、剥ぎ取る。
 薄い肌着だけになったエリーの手足は真っ赤に染まり、火傷のようになっていた。

「……酷い」

「治癒魔法を掛けるから、残りの衣服も」

 ナイトメアが魔力を練り上げて、魔術陣を虚空に描き出す。
 スプーリング・ライフと呼ばれる時間軸に干渉する虚無の治癒魔法。
 時間が巻き戻るかのように赤みが収まっていくエリーを見ながら、レンはその肌着を脱がせた。
 子供っぽいシャツを上に脱がせると、ブラジャーを着けていない小振りな乳房につんっと立った桜色の乳首が外気に触れて震えた。
 そして、ショーツを脱がせると、その下にあった陰毛は毒液で解けたのか赤く爛れただけでツルツルの子供のようなヴァギナだった。
 聖職者としてエミュレイターを倒すべく厳しい教育を受けた悪魔祓いのエキスパート。
 だけど、彼女の体はこんなにも幼く、頼りなく、華奢だ。
 初めて出会った時から無償の行為を向けてくれる可愛らしく、少しだけ困った子供に過ぎないと思える。
 レンを悩ませて、楽しませて、温かくさせてくれる、まるで天使のような少女だと、彼女は少しだけ思っていた。

「……巻き戻し終了」

 ナイトメアが短く呟いて、額の汗を拭う。
 体を濡らす毒液をタオルで拭いながら、少しだけエリーの呼吸が落ち着いたのを確認して安堵の息を吐き出す。

「後は彼女の体を綺麗にしないと……それと私たちもね」

「え?」

 ナイトメアの言葉に、レンは不思議そうに首を傾げる。

「分からないかしら? エリーに私たちは多かれ少なかれ触れているし、直接雨に打たれていないとはいえ、飛沫とかは体に掛かってる』

 確かに、レンの白い制服などにはあちこちに染みが出来ているし、ノーチェやナイトメアの四肢もあの毒液で満たされた泥によって汚れている。
 汚染はされているのだ。

「というわけで……」

 パチンと手を叩き、ナイトメアはにっこりと微笑んだ。
 どこか不吉な笑みを。
374勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:17:10 ID:KZewB0pi
 
「温泉に入りましょ♪」

「ええー!?」

「……なになに、効能は関節痛・筋肉痛・疲労回復でありますか! ナイスグットタイミングでありますね!」

 疲労回復というのは確かにいいかもしれない。
 けれど、けれど。

「敵陣の月匣のど真ん中で温泉に入るなんて……しかも蓮司君を置いて」

「あら? それなら彼もさ・そ・う?」

 ナイトメアが妖艶な顔つきで呟く。

「……え?」

 ピキリとレンの体が硬直した。
 蓮司君と一緒?
 裸で?
 ……無理。

「無理無理無理だよ! な、ナイトメアさん夫いるんでしょ!? 他人に肌を見せるなんて――」

「別に三十を越えた女の体なんて見ても面白くないでしょ? 私は気にしないけどな〜」

 そう告げるナイトメアはくねっと体を捻ると、ぶるんとスクール水着のような衣服から溢れんばかりに盛り上がった乳房がぷるんと震えた。
 ありえない。
 前から思っていたけど、絶対に年齢は二十歳は逆サバ読んでいるとしか思えない。
 ナイトメアの外見は下手すれば小学生、上に見積もっても中学生ぐらいの身長と顔つきに、大人顔負けの巨乳という反則的なスタイルなのだ。
 男装という変わった格好をしているレンだったが、感性だけは一般的だった。

「で、でも。あ、そうだ。ノーチェは……ってもう脱いでる!?」

 スポーンとゴスロリドレスを脱いで、パンツ一丁になった吸血幼女がレンの叫び声にくるっと振り返った。
 透けるような白い肌、まだ肉は付かずにところどころに骨が浮かぶガリガリの体躯、けれどもそこに禁忌感を憶える青い果実のようなヒップと薄い平坦な胸から見える紅いサクランボ。
 そして、彼女は子供のような動作でパンツも脱ぎ捨てて、その子供のように小さなお尻を突き出していた。
375勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:18:13 ID:KZewB0pi
 
「ん? なんでありますか?」

「いや、話……聞いてた?」

「聞いてたでありますよー」

 と、どうみても聞いてなさそうな態度でいそいそとタオルと何故か裸にも関わらず風呂敷で水晶玉を担いでいるノーチェにレンは頭痛を覚えた。
 あれなのだろうか。
 精神年齢というのは外見に引っ張られるのもなのか、外見年齢十代初期程度の彼女には羞恥心はあまりないと思えた。

「と、とにかく、ダメですからね! ボクは入ったりなんか――」

 瞬間、ガシリと足首に衝撃が走った。

「お、お姉さまぁ……」

「エリー!?」

 見下ろす、そこにはゾンビのようにしがみ付く全裸のエリーがいた。
 そして、その見上げる口元には……涎と爛々と輝く瞳があった。

「お着替え、手伝いますわぁあああ!!!」

「うわぁあああああ!!」

「私も手伝うわよー!」

「面白そうでありますー!」

 三人の破廉恥集団にレンは襲われた。

「蓮司君―!」

 助けを求める声が上がる。
 しかし。




「……握力はまだ効くよな、魔力も多少はあるし、対処は出来るか」

 シリアスな口調、真剣な眼差し、魔剣を床に着きたて、半膝を付いた姿勢で柊は襲撃に備えていた。





 無常にも声は届かない。
 両脇からナイトメアとノーチェがしがみ付き、そしてエリーが嫌に慣れた手つきで制服のボタンを外していく。

「ちょ、ちょっとまって!」

「いやですわ〜」

 そして、制服の前が開かれると、そこには白いシャツを押し出して余りある乳肉の塊。
 男装をしていてもなお存在感をアピールし続ける巨大な山がそこにあった。
376名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 01:18:57 ID:Hags+Ngj
はにゅーう
377勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:19:24 ID:KZewB0pi
 
「ぬふふふふ。もうすぐお姉さまの生乳が」

「な、生ってなに!? やめて〜!」

 シャツの前ボタンもプチプチと外すと、押し付けられていた胸がボインと飛び出した。

「お、お姉さま……恐ろしい人、着やせするタイプだったなんて」

 ガ○スの仮面チックな顔を浮かべるエリー。
 そこにはシンプルなブラジャーを付けたレンの妖艶とさえ言える格好がそこにあった。
 ……えぐえぐと漫画チックにレンが涙を流してなければ。

「途中までシリアスだったのに〜」

「ええい、大人しく脱いでくださいませ!」

 ブラジャーを剥ぎ取る、そして外気に触れたレンの乳房は剥ぎ取られた衝撃で小刻みに震えた。
 まるで巨大な桃のようだった。
 しかし、その弾力はどうだろう。まるでマシュマロ、いやプリン? プリンのような弾力を持ったソフトボールが二つ付いていると思えばいいのだろうか。
 エリーが涎を流しながら、その乳房に目が釘付けになる。

「お姉さま、おっぱいでかいですわね」

「言わないでよ! 結構気にしてるんだから!!」

「個人的には羨ましいであります」

「でも、結構肩が凝るのよねぇ」

 横に立つメロンのようなロリ巨乳のたわごとを、ノーチェは華麗にスルーした。
 そして、三人がかりで上着を完全に脱がせて、ズボンとショーツも脱がせると、見事に一糸纏わぬ少女が一人出来上がった。

「……ひどいや」

「愚痴愚痴文句いわないの!」

 そして、ナイトメアも全身に巻きつけたベルトの金具を外し、するりと縛っていた拘束具を外す。
 淫らに縛られていた彼女の肢体が解放されて、さらに羽織っていた外套も月衣に放り込むと見事にスクール水着一つだけになった。
 それを肩からずりおろし、彼女は乳房を解放した。
 白く豊潤に実った白いメロン、大粒のサクランボを先端に尖らせて、ふぅっとナイトメアが色っぽい喘ぎ声を洩らす。

「あーきつかった」

 腰元までずり降ろした状態で、ナイトメアが一息付く。
 全身をぐっしょりと汗が濡らし、艶かしく肌から反射する鈍い光はどこまでも色香に満ちていて、ここにその手の趣味がある人間がいれば瞬時に理性を崩壊させそうなほどに危うい魅力を纏わせた格好。

「なら、格好を変えたらどうですか?」

 レンがタオルで前面を隠しながら呟いた。
 初めて出会った時から変わってない格好だが、あれは夢使いの正装なのだろうか?
378勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:20:20 ID:KZewB0pi

「んー。でも、旦那があの格好だと喜ぶのよ」

『へ?』

「このコスチュームは全部夫が愛を篭めてプレゼントしてくれたの。だから、変えるわけにはいかないのよね」

 くねくねと身を捩らせながら、頬を薔薇色に染めるナイトメア。
 そして、その場の三人が思った。

 ――どうみても旦那さんは変態です。本当に、本当にありがとうございました。

 三人の心は一つになった。
 嫌な出来事で。

「このままでも風呂には入れるけど、さすがに駄目かな」

 ずるりと足首まで水着をずりおろすと、子供一人産んだ丸いお尻が露になる。
 脱いだ衣装の類を月衣に放り込み、最後にナイトメアは片目に付けていた眼帯も外した。
 そして、現れるのはもう片方の目と同じ琥珀色の瞳。

「あれ? ナイトメアさん、その眼帯って……両目見えるんですか?」

「んーファッションとあと実用性も兼ねて、片目は封じているの」

 そう告げた内容に嘘は無かった。
 彼女が片目を眼帯で封じているのは片方の目の情報を遮断し、さらに左目から入る右脳への刺激を和らげて、半分以上眠った状態にすることが目的なのである。
 夢使いは夢を見せるが、夢を見ない。
 それは常に現実という夢を見ているからだ。
 迷わし、見極めるために、彼女は己の能力を高めるために半分眠った状態で過ごしている。
 視覚能という膨大な情報量を制限することによって刺激を押さえ込んでいた。
 しかし、それらのことを夢使いではないレンに説明しても分からないだろう、とナイトメアは苦笑して話を打ち切る。

「じゃ、入りましょうか」

『はーい』

 諦め一人、同意二人の返事が返ってくる。
 そうして、四人の女性陣は立山が誇る日本最高所の温泉へと入っていった。

379勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:21:00 ID:KZewB0pi

 一方その頃の柊 蓮司。

「っ!」

 音は無い。
 気配は無い。
 姿は無い。
 されど、理解。
 己が圏域に入った存在、それを理解し、握った剣を一閃していた。

「甘ぇよ」

 虚空の中で手ごたえ。
 確かな肉を、存在を切る手ごたえがあった。
 同時に虚空が歪み、ずるりと分割された異形が出現し、汚濁を吐き散らしながら崩れ落ちる。
 後にインヴィジブルストーカーと呼ばれる闇界の住人。
 それを柊は見極め、察知し、両断していた。

「エリーの治療の邪魔はさせねえ」

 気配を理解。
 踏み出す、魔剣を肩に担いで、柊が息を吸う。
 全身が痛い――何度か攻撃が掠めた。
 ミシミシと体が重い――疲労がある。
 だが、それがどうした。
 仲間を護るのに泣き声などいらない。
 助けるためならば、命すらも掛ける。
 それを無造作に、躊躇なく、行えるのが柊が柊である由縁。

「来るよな」

 施設の床を踏み締める、プラーナを供給、四肢に、感覚の強化にしよう。
 視える、迫ってくる異形の集団に。

「建物までは踏み込ませねえ」

 玄関から足を踏み出す。
 聖水によって守護された建物、その防護がどこまで聞くか分からない、故に迎撃を選択する。
 飛び出す、音速を超えて、仲間を護るために。
 細胞一つ一つにプラーナを満たし、活性化させ、全力を振り絞る。

「ぉおおおおお!!!」

 炎よ、纏え。
 風よ、覆え。
 風炎の魔剣を従えて、柊は迫る闇へと立ち向かう。

 仲間を護るために。

380勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:21:53 ID:KZewB0pi
 
 そして、その頃の女性陣はみくりが池温泉に入ろうとしていた。
 みくりが池温泉だった。
 室内に備えられた木製の湯船に並々と温泉の水が注ぎ込まれている室内風呂だった。

「おおー、硫黄くさいであります! なんていうか先祖のトラウマが蘇ってきそうでありますなぁ」

 火山でぶっ飛ばされ、多分地球に帰ってこれなかった先祖を持つノーチェが目を光らせながら告げた。
 みくりが池温泉、その泉質は酸性・単純硫黄泉の白濁とした色を持つ。

「というわけで、入るであります!」

「っと、かけ湯ぐらいしなよ!」

「ストープよ、ノーチェ」

 突撃しそうになるノーチェの首根っこを捕まえたのは純日本人であるレンと日本国籍を持っているナイトメアだった。

「これだから吸血鬼は……」

 一糸纏わぬ裸体、その中で唯一付けているイヤリングを、少しだけカールした金髪ブロンドの髪の中で弄りながら、エリーが前に踏み出す。
 月衣を展開し、中から手の平サイズの十字架を取り出した。

「悪いですけど、念には念をいれさせてもらいますわ」

「え?」

「主よ、大いなる主よ、その威光を示したまえ」

 目を瞑り、聖句を唱え上げて、十字を切ると、ぽいっと手に持っていた十字架を温泉の中に投げ込んだ。

「あ、なにを?」

「十字架と聖句によってこの温泉を聖別しました。冥魔や侵魔、穢れしものたちには触れることすら出来ない聖水に清めましたわ」

 これならば万が一温泉に冥魔の手が及んでいようとも防ぐことは出来るとエリーは微笑んだ。
 そして、さらにもう一つ重要なことを告げるためにエリーはノーチェに振り向く。

「それと吸血鬼。貴方や人狼のような汚らわしい異端はこの聖水に触れることなんて出来ないから――」

「いやー、温泉とは気持ちいいものでありますな!」

 ざばーと掛け湯をノーチェは行っていた。
 たった今聖別をして、聖水と化したはずの温泉で。

「……」

「エリー……?」

 失敗したんじゃない? そんな目つき。
 レンから向けられるその目がとてもエリーには痛かった。

「あ、ありえないですわ。というかこの吸血鬼、本当に吸血鬼ですの?」

 体は洗ったでありますー!
 そう叫んで、温泉に浸かり、タオルを頭に載せて、びばのん○んを歌い出す吸血鬼というのは激しく間違っているといわざるをえない。
 白く濁った温泉に浸かり、その全身が白く濡れて、ノーチェは頬を上気させている。
 どうでもいいが、この吸血鬼の同僚として風呂に普通に浸かる巨乳な吸血鬼はいるわ、その宿敵は婦女子が入っている温泉に普通に侵入するなど、流れる流水が吸血鬼の弱点というのは嘘偽りだということが既に証明されていたりする。
381名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 01:22:25 ID:Hags+Ngj
にゅーう
382勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:22:55 ID:KZewB0pi
 
「ぼ、ボクらも入ろうか」

「しっかり体を洗ってね〜」

「何故か敗北感……」

 ガクリと肩を落とすエリーがとぼとぼと桶を掴み、体のお湯を掛け始める。
 心身共に未だ未成熟の彼女の体を上から白く濁った液が舐めるように流れ落ち、股間からぽたぽたと陰毛がないせいで抵抗無く滴り落ちた。
 熱く暖められる感覚に心地よいのか、吐息がエリーの口元から零れる。

「それじゃ、エリー。念のためだけど――清めよ、清浄なる流れと共に! 《リラックス》」

 魔力を練り上げ、術式を描き、レンがエリーに魔法を放つ。
 あらゆる付与魔法などを解除する水の魔法。
 それが温泉水を媒介にして、その身に染み付いた穢れを洗い流した。
 染み一つ無い卵のような彼女の肌からどろりと黒い染みが零れ落ち、床から滴り落ちて、聖別された温泉水に溶け込んでいく。

「これで大丈夫だね」

「さすがお姉さま。助かりましたわっ!」

 ぴょいっとレンにしがみ付き、もにゅっとその胸に顔を押し付けるエリー。

「ちょ、ボクも体を洗いたいんだけど」

「それなら、私が……」

「いやいい、自分でやるから」

 ぶーと頬を膨らませるエリーに、貞操の危機を感じつつ、レンはハンドタオルで体を隠しながら、桶で温泉水を汲み上げる。
 そして、設置されている鏡の前に座り、石鹸を泡立てながらそのハンドタオルで全身を洗い始めた。
 まずは肩、そして次は腕、手首を、脇の下と洗い上げて、そして胸の上を洗う。
 泡立ち、病弱上にどこか痩せた自分の体の中で大きく膨らんだ乳房や臀部などはレンにとっては少しだけコンプレックスに感じていた。
 動くのにも重いし、肩が凝るし、街を出ればじろじろと見られることが多いからだ。
 後ろでエリーが指を咥えて見ているのにも気付かず、レンはさらに乳房を揉み解すように石鹸で洗うと、胸の下も丹念に磨いた。胸が大きいと胸の上だけではなく、下側も洗う手間も発生する。
 プリンのように形を変える自分の胸にため息を吐き出しつつ、洗い終えるとその下の腹を擦りあげて、さらに太腿、脚の爪先、そして、裏側と丁寧に洗い上げると、臀部に手を伸ばし、ゴシゴシとハンドタオルで擦った。
 むっちりと尻肉の詰まった形のいいお尻、それが泡立った白いハンドタオルで汚れを落とし、さらに申し訳程度に股間を洗うと、レンは一気に汲み上げておいた温泉水を頭から帯びた。
 洗髪までしている暇は無い。
 聖別された聖水のお陰か、全身が引き締まり、心地よい刺激を与えてくれて、レンは顔を薄い桜色に染め上げて、ぶるりと体を震わせた。
 魅力的な肢体、それはただ震えるだけで劣情を掻き立たせるものだと彼女は知っているのだろうか。

「はぁはぁ、レンお姉さまステキ過ぎますわ……」

 欲情に満ち満ちた瞳を獣の如く浮かべ、鼻血を流しながら、温泉に浸かる多分聖職者エリー・ボルジア。
 そして、その横でたぷんと巨大な胸がまるで浮き輪のように浮かび上がり、誇らしげに見せ付けながら、あ〜とどこか年寄り臭い声を上げて、ナイトメアが天井を見上げる。

「極楽極楽だわ〜」

 白く濁った湯が全身に被り、その乳球の張り詰めた谷の間を吹き出た珠の汗が流れ落ちる。
 んーと背筋を伸ばすと、同時に重たげな動作と共に乳房が上を向いた。
 白濁色の水を滴らせながら、乳房を上へと持ち上がり、伸びが終わると共にばしゃんと水を叩いて、上下に豊満極まる胸が揺れて、形が変形する。
 もしも十代の青少年が直視すれば即座に下半身を抑えて、うずくまること必死のインパクト大の光景だった。
383勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:23:40 ID:KZewB0pi
 
「旦那と昔きたんだけど、やっぱりここの温泉はいいわねぇ」

 うっとりとした顔つき。
 上気し、あどけない顔つきに深い情艶の色を浮かばせて、自ら解いた髪を手櫛で梳くった。
 その横でぴゅーと水鉄砲で遊ぶのはノーチェである。

「お風呂とは気持ちいいでありますなぁ」

 うずうずと温泉の中を犬掻きのような動作で泳ぎまわり、その小さなヒップを水面から浮かばせながら、ぷかぷかと浸っている吸血鬼。
 激しく間違っていると言わざるを得ない。

「こら、お風呂の中で泳ぐのはマナー違反だよ」

 ようやく体を洗い終わったレンが、胸の前に腕を組みながら泳ぐノーチェを見下ろしていた。
 それはどこまでも美しい肢体。
 張り詰めたロケット型の乳房を突き出し、細く肉の薄い肢体が湯煙に濡れて風呂場の明かりに反射し、艶やかな色を映し出す。
 そして、ゆっくりと爪先から温泉に踏み入れると、その熱さにびくりとレンの肢体が震えて、ゆっくりと彼女は湯船に入っていった。

「ふぅ」

 胸下まで一気に浸かり、レンはようやく安堵の息を洩らす。
 張り詰めていた目を安らぎに閉じて、心地よい温泉の感触を貪った。
 タプタプと時々波立つ湯船の揺れは相変わらず反省しないノーチェと、上半身丸出しではぁはぁと興奮し続けるエリーのせいだった。

「エリー。鼻血を出すのは勝手だけど、温泉に血を入れないでね。ついでにいえば鼻血と性的興奮は科学的に関係ないから、多分のぼせてるわよ?」

「うふふ、私たちはウィザードですから、そんな科学的常識には捕われないのですわ」

 確かにその通りだが、激しく間違っているのは気のせいだろうか?

「それにしてもいい体してますわ、お姉さま♪」

「へ?」

「触っていいですか? いいや、限界だね!」

 ぐわしと背後からエリーが襲い掛かり、その乳房を握り締めた。
 突然の襲撃にレンは驚愕して目を見開き、おわぁっと滑る。

「え、エリー! ふざけないで!」

「なんていう弾力! なんていう柔らかさ! 至極の一品ですわ!」

 むにむにとその細い指をレンの胸肉に埋めながら、その返ってくる感触にエリーはくわっと目を見開いた。
 これは揉まなくては一生の後悔することになると確信した。

「め、滅茶苦茶にしてあげますわぁああ!」

「って、こらぁああ!」

 ぐにぐにと乳房を餅のように弄びながら、親指で乳首を弄ろうとした瞬間――べコンとエリーの頭部にプラーナ付きのレンの拳打がめり込んだ。
 ばしゃーんとお湯の噴水を上げて、ぶくぶくとエリーが湯船の中に上下逆さまに沈み込む。
 犬神家というべきか、足の代わりに可愛らしいお尻が水面からにゅっと突き出ていた。

「はぁはぁ、まったく」

 荒く目尻に涙すら浮かべながら、レンが息を吐き出す。
 油断も好きもなかった。
 平穏無事に風呂に浸かることも出来ないのだろうか。
384勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:24:44 ID:KZewB0pi

「はぁ」

 と、ため息を吐き出しながら、レンはばしゃりと白いお湯を顔に浴びせて、目を覚ますかのように擦った。

(そういえば蓮司君はどうしたんだろう?)

 まだ玄関で待っていてくれているのかなぁ。
 そう考えるととても申し訳ない気分になった。

(早めに上がろう)

 少しだけ熱が伝わるのを待ったら、風呂を出る。
 そう決めて、レンが息を吐き出した瞬間だった。

 ――ざわりと背筋に悪寒が走った。

「っ!」

「これは!」

「ぬ?」

 三人が一斉に立ち上がり、月衣から武装を、魔法を唱え始めた。

「敵ですわ!!」

 ばしゃんと髪の先端から水を滴らせながら、エリーが水面下から起き上がる。

「どこから……上!?」

 レンが見上げた。
 そして、衝撃音。

「おぉおおおおお!!!」

『GAAAAAAA!!!』

 誰かの咆哮、気色悪い叫び声。
 響き渡る金属音が、天井を越えて聞こえる。

「蓮司君!?」

 その正体を看破した時、めきりと天井がひび割れた。

「ぐっ!!」

 そして、天井が砕け散る。
 そこから落下してきたのは――魔剣を上に掲げ、黒い人型の異形と戦う柊だった。

「え?」

 その落下コース、ど真ん中にいたレンが硬直。

「このぉお!!」

 降り注ぐ剣撃、それを受け止めれ、手首を捻り、虚空を蹴り飛ばしながら旋転。
 異形の手首を刎ねて、さらに突き出された刺突が天を穿つかのように射出された。
 それはまるで空へと剣を掲げて、落下するかのごとく。
385名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 01:25:07 ID:Hags+Ngj
なんか、柊。激しく間違ってるよお前。いや、お前らしくていいんだけどさ。
386勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:25:41 ID:KZewB0pi
 
 ばしゃーんと激しい水音。

 それに飲まれた女と男の悲鳴。

「っ……」

 柊は魔剣を上に掲げたまま、後頭部から感じる違和感も忘れて剣を握り締めていた。
 並々と満ちたお湯の感触、それすらも握り部分から感じられる忌まわしい感触に比べれば劣る。
 逆光が目に染み込む、そこには異形が胸を貫かれて、串刺しになっていた。

「消えろ――エンチャント・フレイム!」

 魔法を発動。
 刀身が炎に包まれて、異形が欠片も残さずに焼失する。
 絶叫は無い、残骸もない、ただ虚空へと塵消えた。

「……はぁ、はぁ」

 荒く息を吐き出し、柊は安堵の思いで後ろに体重をかけて――ぐにょりと柔らかい感触がした。

「ん?」

 咄嗟に立ち上がろうと下に手を付こうとして、濁った温泉に満ち満ちた水面下の柔らかいものを握る。
 手の平サイズの、柔らかいもの。
 ぐにゃりと弾力のある――誰かの太腿?

「え?」

 振り返る。
 そこには羞恥にプルプルと紅く顔を染めて震えるレンの姿と目と鼻の先に浮かび上がった彼女の乳房だった。
 でかいと思った。
 そして、何故か綺麗だと柊は感じた。
 周囲を見渡す、そこには一糸纏わぬナイトメアが、ノーチェが、エリーが棒立ちだった。
 視線を戻す、レンが恥ずかしそうに悶えていた。

「……」

 柊の思考が停止した。
 そして、数秒が立ち、一人の怒れる少女の絶叫が硬直を切り裂いた。

「なにしてやがってんですのぉおお!!」

 プラーナ全開、退魔付きのアッパーカットが柊を車○飛びで吹っ飛ばした。

「俺が何をしたぁああああ!!」


 もっともな話である。


「うぅ、蓮司君に見られた……」

「よしよし」

「ラッキースケベ野郎であります」


 不幸な一幕だった。
387名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 01:29:41 ID:2kpITD9e
温泉サイドと柊サイドの温度差が異常だwwwww
388マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 01:29:53 ID:KZewB0pi
投下終了!
自重なんて知らないぜ!
エロス全開でさーせん。エロコメディとシリアスなバトルを同時に書いたのは初めてでしたw

>>346 >>354 >>356
前にも言ったぜ?
マッドマンはネタを出されるとほいほい形にしてしまうんだ☆
素敵なアイデアありがとうございました。
温泉ネタを思う存分出来て満足しましたw 感謝しています。
ちなみに十字架と聖句で聖水化は某スーパーナチュ○ルなどを参考にしています。
ゴーストハンターとかをやる人はお勧め!

それではデモパラの人、頑張ってください!
389名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 01:40:47 ID:weYaSuBU
柊蓮司、貴様がそれを不幸と呼ぶのなら、俺はその不幸、甘んじて受け入れよう
だから代われ。具体的には>>384あたりから

マッドマン氏、GJにもほどがありますよ〜
では、自分は次のデモパラに向けて全裸待機に入ります
390名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 01:51:20 ID:gbpafWrN
よくぞ膨らましたという他あるまい。GJすぐるwww


やべぇ……モサ。俺とにゃんにゃんしようぜ?
391名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 02:47:10 ID:v1n3iuAb
ふぅ……グッジョブでした。>>388
美しきお約束の数々、やはり温泉ネタはこうでなくては。

では、遅くなりましたが、デモパラすみか陵辱です。
結構長い&犯られっぱなしなので、苦手な人はスルー推奨です。

温泉ではなくシャワーシーンから。
392平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:48:11 ID:v1n3iuAb
冷たいシャワーが全身を洗い流す。
ホテルの一室らしい部屋に付属のシャワールームで、すみかは身体の汚れを流していた。
全身から吹き出た汗。涙とよだれにまみれた顔。股間から流れ出た愛液と血。
冷やした頭で平静を取り戻すと、たまらなく後悔だけが押し寄せてきた。
すみかは嗚咽をもらして泣いた。処女を失っただけでなく、あれほど乱れた自分がとても情けなかったのだ。
ひとしきり泣いた後、シャワーを止めて身体を拭く。
意外なことに着替えが用意されていた。
かばんの中に入れておいた着替えの下着と制服だ。
(やっと帰れるんだ……)
備え付けの時計を見ると19時過ぎだ。夕方の戦闘から考えると、意外と気絶していた時間は短かったようだ。
髪を乾かし身支度を整え、姿見で自分の姿を確認する。いつもの自分だ。
きっと大丈夫。家に帰ったらごはんをたっぷり食べて寝よう。そしてセラフィムに助けを求め対策を練ろう。
絶対なんらかの対処方法があるはずだ。
すみかは希望を捨てないまま、ドアを開けた。

部屋へ戻るとゆかりと共にファランクスのヤクザとヴォージェの男がいた。撮影班も残っている。
「あら、意外と早かったのね。」
ゆかりが楽しげに声をかけてくる。
「よう、お嬢ちゃん。さっきは悪かったな。怪我は大丈夫かい?」
ヤクザ男が意外な気づかいをしてくれた。
「はい、こちらも悪魔憑きですから。」
「そりゃそうだ。」
ハハハとヤクザ男が笑う。
「仲がよろしいことで、あたしとしても嬉しいわぁ」
ゆかりが横から口を挟んだ。
「それでね、すみかちゃん。今度はこの人達ともっと仲良くなってもらいたいの。」
嫌な予感に身体が硬直する。
「すみかちゃんが乱れる姿がとっても魅力的だったから、もっと多くの人達にも見せてもらいたいの。
 ううん、それだけじゃないわ。私ね、今度また女優事務所を開くことにしたのよ。
 男性成人向けビデオ専門の女優事務所。すみかちゃんはその第一号よ。」
頭から血の気が引いた。あまりのショックに唇が痙攣して歯がカチカチと鳴った。
「や、やめてください……それだけは勘弁してください……」
アダルトビデオに出て大勢の男達に自分が犯される姿を見られる。
知り合いの誰かに見られたら破滅だ。絶望的な未来図の恐怖に震える。
ゆかりが背後から肩に手をおき耳元で囁く。
「もっとぉ〜もっとぉ〜」
カッと羞恥に顔が染まる。先ほどの自分の姿を思い出して涙がにじみ出てきた。
「大丈夫よ。裏でしか流れないから。知り合いに見られたりはしないわ。」
それでも多くの人に見られることには変わりなかった。
「やめ……駄目……ごめんなさい……許して……」
すみかは折角洗った顔をまた涙で濡らしてしまった。
ゆかりは涙をハンカチで拭うと、念を押した。
「大丈夫。あなたの普段の生活は絶対に保障するわ。お姉さまを信じなさい。ね?」
信じられなかった。ギアスの強制が働き、背筋が凍った。
「は、はい。信じます。信じますっ!」
口に出して強調する。ギアスの発動が抑えられるのがわかった。
「ふふっ、脅すつもりはないのよ。あなたの生活は本当に守るから。
 だって、そうでなきゃ面白くないじゃない……」
ゆかりは妖艶に微笑みながら、すみかの肩にツメを立てた。
すみかはハッと顔を上げゆかりの目を見る。狂気を宿した目がすみかを見下ろしていた。
393平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:50:28 ID:v1n3iuAb
強大な力を手にする悪魔憑きには、衝動でも自我でもない共通した弱点が存在する。
それは社会。
化け物に変わってしまった自分を受け入れてくれない場所。
善なるマイトにとって、それは致命的な弱点となる。ゆえに秘密を隠し協力しあう。
一方、ヴィシャスにとっては、それは弱点とはならない。
衝動のままに生きるヴィシャスにとって、社会とは切捨て可能なものだから。
多くのヴィシャスは社会に紛れて生きるが、それはそのヴィシャスがその社会を好むからだ。
一方で社会を否定するヴィシャスの中でも特に強いものは、社会そのものを変革させようとする。
それがメギドの火・大道寺炎華だ。彼女は自分の欲望を社会に認めさせようと宗教結社を作り上げた。
大道寺炎華の美しさもだが、レズビアンであるゆかりの欲望を肯定してくれる社会。
そこに平尾ゆかりは惹かれた。
そうして作り上げたゆかりの楽園を壊した美しい少女を、ようやっと捕まえることができた。
この娘は念入りに愛して、壊れるまで遊び尽くすつもりだ。
大嫌いな男を使ってでも……

「あの男達に抱かれなさい。言う事はちゃんと聞くこと。
 変身したり能力を使っては駄目。常時発動しているものと肉体修復だけは使ってもいいわ。」
あらためて命令される。もう逃げ場はなかった。
すみかの周りを照明器具やカメラが取り巻く。撮影が始まった。
「それじゃよろしく頼むぜ。」
ヤクザ男が肩を抱き、すみかの身体を抱き寄せる。制服の上から身体を撫で回す。
「名前と歳は?」
答えねばならなかった。
「い、伊門純香。16歳です。」
スカートの上からお尻を撫でまわされる。
「学校はどこだ?」
「……公立の北城学園です。」
上着のブレザーの内側に手を入れブラウスの上から胸を揉みしだく。
「スリーサイズは?」
「はぁ……88、58、88……です。」
「8が多いな。それに感じやすいようだ。結構ボリュームがあるが、カップサイズは?」
「Dです……はぁ……」
男がすみかを抱きしめたままベッドに腰掛ける。男の手がスカートの中に伸びてきた。
「男性経験は?」
(知っているくせに!)
男がパンティの上から割れ目をスリスリとなで上げる。慣れているのか的確だ。
「……ありません。」
すみかのパンティが濡れてきていた。
「ほう、俺が初めての相手か。光栄だねぇ。」
突然アゴを捕まれると振り向かされ、唇を奪われた!
舌で口の中を嬲られる。ぶちゅう〜! と音が聞こえてくるかのように強烈だった。
無精髯が顔に刺さりチクチクとした。
「ふう……。ご馳走さま。」
男は口を離すと、すみかの頬をベロリと舐めていった。
「はぁ……はぁ……」
すみかは息苦しさから激しく呼吸を繰り返す。その中には艶っぽい声が混じり始めていた。
男はブラウスをはだけさせ、ブラを露出させる。両手でカメラに見せつけるように荒っぽく揉み出す。
「好きな男とか居るの?」
ドキリッ! 心臓が跳ね上がる。
「い、居ません……」
(まだ好き……とかではない。)
男が見透かしたように笑みを浮かべながら問い詰める。
「気になる奴とかいるんだ?」
ブラをずらして直接胸を揉む。男の大きな手のひらに、ボリュームのある乳房が形を変える。
「……はい。」
不良っぽいけど、ちょっと頼りない彼のことが頭に浮かんだ。肯定するしかなかった。
「名前は?」
「……きゅ、久介くん。」
394平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:50:54 ID:v1n3iuAb
キュッ 乳首をつままれた。
「ひゃぁんっ!」
「そいつは今、すみかちゃんがこういうことしているのを知ってるの?」
「し、知りませんっ!」
ブラジャーが上げられ、おっぱいが完全に露出する。胸に皆の視線が集まるのを感じる。
胸が外気に触れ、身体の内側の熱が冷やされ気持ちいい。
たっぷんたっぷんと、下乳から振動を与えるように、すみかを昂ぶらせるように優しく揉みあげる。
「じゃあ、すみかちゃんは愛しの久介くんが知らない間にエッチな事をしてるんだ。」
「……は、はいっ」
片手で胸を揉みながら、もう片方の手がパンティの中へと伸びる。パンティは既に愛液でビショビショに濡れていた。
割れ目を直接刺激されたすみかは、突然与えられた快感に反り返った。
「ひゃあっ!」
「すごい濡れてるぜ。」
くちゅ……くちゅ……
パンティの中で男の指が動く。男の指先は細い触手のように伸び、複雑な形状に変化していた。
《開錠触手》ファランクスの特殊能力だ。男の指は女性の股を開かせるための鍵としても最高の品だった。
悪魔憑きの繊細な動きがすみかを激しく感じさせる。
「やっ、やっ、やあっ! すごっ、すごいっ!」
「へっへっへ……本当に初めてなのかい? もうズボズボに指が入っていくぜ。」
外からは見えないが、すみかの膣内で触手が動き回り内部をかき回していた。
「すみかは本当は処女かい?」
ぐっちょぐっちょとかき回す音が股間から聞こえた。
「ひゃんっ……はぁ……ち、違います……ひゃんっ……処女は……ないですっ……」
「へえ、どうしたんだい?」
にやにやと笑いながら問い詰める。
「お姉さまに……あんっ……奪われましたっ! ……ああんっ!」
「エッチなすみかちゃんは、大好きな久介くんの知らない間にお姉さまに処女を捧げ、今は別の男に抱かれているわけだ!」
事実を少しずつ曲げて確認を取る。
「は、ひゃいっ!」
股間の触手の動きが激しくなる。
「ほら、カメラに向かって! 『すみかはエッチが大好きですっ!』」
「す、すみかは……あんっ……エッチが……エッチなことが……ああっ……大好きですっ!」
快楽を与えてくれる手の導くままに、顔を羞恥に真っ赤に染めながら言い放つ。
「『久介くんよりもエッチなことが好きです。』」
「きゅう……はぅんっ……久介くん……より……エッチなお姉さまが好きですっ!」
頭に血が昇り混乱に拍車が掛かる。既になにを喋っているのかわからない。
「よーし、『これからいっぱい男の人達とセックスします。』」
「あぁっ……はぁっ……これから……男達と……はぁぅっ……いっぱい……せっくすしますっ!」
「セックス大好き?」
「大好きっ! セックス……大好きですっ!」
まだ男を体験したことがないのに、正しい意味もわからず復唱する。
「よーし、ご褒美だ。」
「ああっ! ああっ! イイッ! イッちゃうっ! イッちゃうのおっ!」
股間の触手がスパートをかける。クリトリスを剥き上げ摘み上げる。
「よーし、イケ!」
パンティをズリ下げ、股間を衆目に晒す。カメラがズームインする。
「イクゥゥゥゥ……あぁぁぁ……!!」
すみかがイクのを男は察知し指を膣口から抜く。
パックリ開いたマンコから流れ出た愛液がふともも付近まで濡らしている。
絶頂に達したすみかのマンコから潮がプシュプシュと噴き出す様をカメラが捕らえる。
「ああああぁぁぁぁ…………」
すみかは乱れた制服のまま、ビクビクと腰を痙攣させている。
目の焦点が合わさらず天上を見上げている。
男が唇を奪うと、すみかの方から舌をからめてきた。
(せっくす……いっぱい……イク……)
すみかは前戯だけでイってしまい、頭の中はセックスで気持ちよくなることで埋め尽くされてしまった。
395平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:51:49 ID:v1n3iuAb
男が立ち上がり、すみかの身体も持ち上げるように立たされる。
脚に力が入らずベッドの脇に跪いてしまう。
「おいおい、本番はこれからだぜ。大丈夫なのかよ?」
ヤクザ男が呆れたように言う。
(そうだ……まだイタズラされただけで……イっちゃったんだ……)
相手がプロとはいえ、まだ本番前だというのに既に自分はボロボロにされてしまった気がする。
「よーし、今度は俺の番だな。」
今まで脇で見ていただけのヴォージェの男が立ち上がると、のしのしと近づいてきた。
「おいおい、旦那。俺はまだなにもやってないぜ?」
「あまりにこの娘がいい女なんでな。我慢が出来なくなってきた。」
「ちっ、しょうがねーなぁ……壊さないでくれよ?」
「大丈夫だろ。悪魔憑きなんだから。」
ヤクザ男が引っ込み、ヴォージェ男がすみかの前に立つ。
上着を一息に脱ぎ、ズボンのジッパーを下げ、パンツまで掴んで一気にズリ降ろし、脱ぎ去る。
慣れているのか、あっという間に全裸になった。
股間にはすみかの手首ほども太さがある巨大なペニスがそそり立っていた。
「ひぃっ!」
すみかは初めて見る男性器のグロさに恐怖した。
先走り汁に濡れた赤黒い肉棒はテラテラと光り、その巨大さも相まってか、すみかの理解を超えた物として目に映った。
「あ……悪魔の……」
「これが普通の状態だ。俺のは人よりかなり大きいがね。」
すみかのアッサリ言葉を否定する。
(これが……男の人の……?)
後ずさりする。うぶなすみかと言えどセックスのことは知っている。
ただし、この巨大な物がこれから自分の中に入ろうとしているとは到底信じられなかった。
「おい、逃げるなよ。」
ズイと、腰を突き出しすみかの顔の前にペニスが現われる。臭い。思わず顔を背けて目をつむる。
「これからこいつでオマエを犯してやるからな。覚悟しろ。」
言われたからといって、覚悟が決まるわけではない。だが、この人達は確実に実行する気だろう。
そろそろと目を開けて、眼前のペニスを見る。
「よーし、まずは舐めてもらおうか。」
(舐めるっ!?)
ゆかりの触手を咥えさせられた事を思い出す。だが今回の物は太さが倍ぐらいありそうだ。
「俺のはでかいからな。しっかり濡らしておかないとキツイぞ。」
「くっ」
恐さに目をつむり、舌を突き出してペニスに近づけていく。
ちょん、と舌の先が触れた。苦みを感じると唾液が出てきた。
「もっと口全体で咥えるんだよ。手で持って擦れ。」
言われた通りに指示に従う。両手でペニスを持ち、口を大きく開けてペニスを頬張る。
苦味と、汚さと、苦しさで涙が出てきた。ペニスが段々硬さを増してきた。
「よーし、いいぞー。歯を立てるなよー。もっと締め付けろ。」
「ふぁい……」
口を占領されたまま答える。
舌と唇で必死にペニスを咥えてすりあげる。
396平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:52:41 ID:v1n3iuAb
「あー、やっぱ素人じゃ駄目だなぁ……」
これほど必死にやっても男は満足しないようだった。すると男は急にガシッとすみかの頭を鷲掴みにした。
「ふごぉっ!」
「わりーな。好きにやらせてもらうぜ。」
男はすみかの頭を掴むと、強引に腰を前後に出し入れし出した。
喉の奥を突く巨根に息が詰まる。吐き出そうにも吐き出せない。
「ふごぉっ! ふがぁっ!」
すみかは両手で男を押しのけようとするが、ヴォージェの筋力には到底かなわない。
鼻息が荒くなる。呼吸が詰まる。
「はーっはっはっ! いいぞ! イクぞ!」
男は宣言通り、スパートをかけた。すみかは苦しさに失神寸前だった。
喉の奥で爆発が起きた。
びゅるっ、びゅるっ! と口の中から震えるような音が伝わってくる。
ペニスの先端から飛び出た液体が喉の奥を流れ落ちるのがわかる。
「ん〜〜〜〜!!」
すみかは今度こそ全力で男を押しのける。
腰の力が抜けたのか男も簡単に腰を引き、ペニスをすみかの口から引き抜く。
びゅるっ!
すみかの顔に白濁液がかけられる。
そのまま後ろへ倒れこみ、顔を背けて口に手をあてる。
「がはぁっ! げほっ! げほっ!」
激しく息を吐き、呼吸を再開する。口から白濁液が溢れてくる。
ぴぴっ、ぴぴっ
水滴が飛び、身体に降り注ぐのを感じる。男の射精はまだ続いており、すみかの制服の上から全身に精液を振りかけているのだ。
美しい顔や、まだ着たままだったブレザーの袖や、剥き出しの胸、皺のよったスカートなどに満遍なく降り注いだ。
「ふぅ……」
射精し満足したのか男はため息をついた。
「なんだ、吐いちまったのか。ちゃんと飲めよ。」
すみかが精液を吐き出しているのを見ると不機嫌そうに言い放った。
(飲むっ!? 精液を飲むっ!?)
確かに口の中にペニスを含んでいたし、そのまま射精されたのだから、飲むのが自然な流れなのだろう。
だが、そもそも相手のペニスを咥えたり精液を飲むこと自体が不自然で理解の範疇外だった。
397平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:52:58 ID:v1n3iuAb
「よーし、そんじゃ次は本番だ!」
驚き困惑したままのすみかの腕を片手で掴み上げ、すみかの身体を軽々とベッドまで放り投げた。
ベッドの上で跳ね上がり転がるすみか。男はすみかめがけてダイブするかの如く飛び掛ってきた。
「きゃあっ!」
「いいね、いいね! その悲鳴! 嫌がるところが実にいいっ!」
男はすみかの服を掴むとビリビリと引き裂いていった。まるっきり強姦だ。
「やっ、いやぁっ!」
すみかはアッという間に全裸にひん剥かれてしまった。
男のペニスは先ほど射精したばかりだというのに、もうビンビンにそそり立っていた。
「俺のようなヴォージェはアドレナリンをコントロールすることができる。つまり底なしだ。腰が抜けるまで犯ってやるぜ。」
すみかの両足を押し広げ、巨大なペニスを膣口に押し付ける。
「やっ、無理っ、無理ですっ! そんなおっきなの入りませんっ! やめ、やめてくださいっ!」
泣きながら懇願する。ゆかりや先ほどまでの男と違い、あまりに強引すぎる責めに、すみかは恐怖しか感じなかった。
「その泣き顔がたまらねえぜ……」
ズンッ!
一気に腰を突き入れられる。
「かはッ!」
またも呼吸が詰まる。股間に巨大な杭を打ち込まれた衝撃に気絶しそうになる。
「おらおらおらっ!」
ズンッ! ズンッ! ズンッ!
連続して襲い掛かる痛みに気絶することすら出来なかった。
やがて肉体の酷使を察知した悪魔寄生体が修復を始める。
裂けた陰裂を癒し、太いペニスを飲み込むことが可能なように、快感を覚えるように進化を始める。
「おおっ、締め付けがよくなってきたぜ。へへっ、やっとやる気になってきたか。」
男はすみかの事など一切お構いなしに腰を振り続けた。すみかの身体も感じはじめ愛液を分泌する。
「はぁ……んっ! はぁ……んっ!」
ゆっくり、深呼吸するように身体を慣らしていく。
「よーし、イクぜっ!」
すみかが落ち着く間もなく、男が腰を激しく振り出す。
「ああーっ! ああーっ!」
(苦しいっ……でも……感じ……感じちゃう!)
「喰らえっ! 俺のパワーブロウ!」
すみかの腰を抱えると、ペニスが抜ける寸前まで腰を引き、一気に奥まで突き入れた!
子宮を突き上げる強烈な一撃に、すみかは白目を剥いた。
同時に男は射精をはじめ、膣の一番奥、子宮の周りに熱が広がった。
びゅるびゅると男のペニスの中を精液が通り、外へ溢れ出すのを胎内に感じる。
長い。1分ほども続いた射精は、すみかの感覚では永遠に思えた。
ずるり……と、精液にまみれたペニスが抜き取られる。すみかの股間からは白濁液が溢れ出していた。
(膣内に……出されちゃった……)
激しい運動から解放され、息を吐いてある程度冷静になれた頭で考える。
今日は危険日ではないし、流石に一度で孕むことはないだろう。
だが、男に胎内に精液を注がれたという事実は、すみかの心に処女を失った時より激しい喪失感を覚えさせた。
398平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:54:24 ID:v1n3iuAb
男が急に脚を掴んだと思ったら、すみかを裏返しうつぶせにする。腰に手をやり、丸出しになったお尻に近づく。
「よーし、次はバックだ。」
「なっ!」
アドレナリンをコントロールしたのか、元々性欲が高いのか、男はもう回復していた。
またも、すみかの静止も聞かずに後ろからペニスを膣に突っ込む。
今度は受け入れ態勢も整っていたのか、すんなり入る。
「ひぃゃぁっ! やめっ! 少し休ませてっ!」
「馬鹿を言うな。まだまだこれからだ。」
パンッ! パンッ! パンッ!
激しく腰を打ち付ける音が響き渡る。
「あんっ! あぁんっ! 駄目っ! わたしっ! 苦しっ!」
止めて欲しくて苦しさをアピールするすみか。だが、声の色は明らかに感じている様子だった。
「おうっ、おうっ、こんなに締め付けといて、今更なに言ってるんだ。」
「あぁっ! 駄目っ! こんな格好っ! いやっ!」
すみかは強引に扱われているが、激しく打ち付けられる肉棒の感触にもはや快感しか感じていなかった。

「おいおい、旦那。ひとりで連続はズルいぜ。」
ファランクス男が話し掛けてくる。
「おう、悪いな。つい。この女最高だぜ。一緒にどうだ。」
「それじゃ遠慮なく。」
ファランクス男は服を脱ぐとペニスをすみかの顔の前に突きつけた。
「はぁ……ひぃ……あぁ……」
会話の間も抽送は続いていたが単調なペースになり、すみかは息を吐くことができた。
すると目の前に、今挿入している物より小さなペニスが突きつけられた。
「咥えな。」
腕を伸ばし上半身をあげ、四つん這いの状態になる。舌を伸ばすと、男がペニスを突っ込んできた。
先ほどのヴォージェ男の無理やりなイマラチオとは違い、ファランクス男の方は咥えやすく息がしやすかった。
「んふーっ、んふーっ、んんーふっ、んふーっ」
鼻息も荒くペニスを頬張る。ファランクス男はすみかの頭を褒めるように撫でた。
「よーし、舌を使うんだ。そして喉の奥まで飲み込むようにして、唇で締めながら出す。よーし、いいぞー。」
ゆっくりとフェラチオのこつを教え込む。すみかは先ほどの苦しさとは雲泥の差がある待遇に、喜び奉仕した。
「そろそろ出すぞ。ちゃんと飲み込め。無理な分は口の中に溜めておくんだ。」
「お、俺もそろそろイクぜ!」
背後でヴォージェ男が限界を伝える。すみかも後ろから絶えず突かれており身体も心も昂ぶっていた。
「イクぞ!」「俺もだ!」「んんーっ!」
胎内にまたも激しい熱が生み出される。口腔の奥にも白濁液が注ぎ込まれる。
すみかも同時にイった。目の前がチカチカするほど快感を感じた。
口の中に苦味が広がる。股間からあふれ出る体液がふとももを流れるのを感じる。
口からペニスが抜き取られる。慌ててとっさに口から精液をこぼさないように手でふさぐ。
顔を上げて、こくん、と飲み込む。苦味とぬめりのある液体が喉を下っていく。
口の中を舌で舐めまわし、唾液と一緒に残った精液を飲み干す。
「……はぁ……」
ようやっと息がつけた。少しよだれが垂れてしまった。
「よくできた。」
ファランクス男が褒めながら頭を撫でてくれた。陵辱されているはずなのに、褒められると嬉しくなるのは不思議だった。
399平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:56:03 ID:v1n3iuAb
股間に刺さりっぱなしだったヴォージェ男のペニスがまた硬くなってきた。
胎内でむくむくと膨れ上がる感覚にすみかは感じてしまった。
「ま、また……」
「おいおい、旦那。今度は俺の番だぜ。」
ファランクス男も抗議する。
「そうだな。じゃあ、俺はこっちを犯るとするぜ。」
ズブリッ
ヴォージェ男の太い指が、菊門へと突き刺さる。
「はぉっ!」
ぐにぐにぐに、と指を曲げ、抜き差し、すみかの肛門をほぐす。
ゆかりの触手と違い、ゴツゴツと硬い感触がまた、すみかを感じさせた。
ヴォージェ男がペニスを膣から抜き取る。自分の精子とすみかの愛液でドロドロにぬれていた。
そのまま上の菊門へと先端をつける。
「ま、待ってくださいっ、まだ、心の準備が、あぁっ!」
すみかの制止も聞かずにヴォージェ男はアヌスに突っ込んだ。
排泄の時には味わえないような、極太なペニスの挿入。
だが、すみかは自分の身体がそれを受け入れることが可能なことを、背後から与えられる快感と共に理解してしまった。
「旦那。そのままじゃ俺が犯れないぜ。」
ファランクス男がまたも抗議の声を上げる。
「よっしゃ。」
ヴォージェ男がすみかの両足を抱え込むと、そのまま持ち上げ寝転がる。
アヌスに挿入されたままヴォージェ男を背中に敷き、肢体の前面は全て曝け出した状態になってしまった。
肛門に太いものが出入りし腰を突き上げられているが、久々に楽な体勢を取れて不思議とリラックスできた。
カメラがあられもない姿のすみかの肢体を撫でまわすように撮る。
全身は汗にまみれ、突き上げられるたびに形のいいおっぱいが揺れて汗がはじけた。
連続して大量の精液を注ぎ込まれた膣からは、後ろから突き上げられるたびに、どろどろと精液が溢れ出してくる。
おなかの上から左右のふとももまで、溢れた精液がべっとりと広がっていた。
紅潮した顔はだらしなく弛緩し、口からはよだれが垂れ、若干白いものも混ざって見えた。
「あーあ、こんなに中出ししやがって……」
ファランクス男が股間を眺めながら文句を垂れる。
汚れたところに突っ込むのが嫌なのか、タオルを受け取り股間周辺をふき取る。
すみかは濡れた肌がスッキリしたのが心地よかった。
「どれ、ガバガバになってないだろうな。」
ファランクス男が膣に指を突っ込む。
「……ぁっ」
すみかが小さく喘ぎ声をあげる。
膣内でファランクス男の指が複雑に変形し動きはじめる。まるでドリルをつっこまれたみたいだ。
「あ゙あ゙ぁ゙あ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙……」
膣から注ぎ込まれた精液が掻きだされていく。同時にすみかの膣は与えられた快感にファランクス男の指は激しく締め上げられた。
「ふむ、流石に一度や二度で駄目になるものではないか。悪魔憑きだしな。」
ファランクス男は締め付けに満足したのか指を抜き去った。
400平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 02:56:29 ID:v1n3iuAb
すみかは膣内の感覚が無くなり、寂しさを覚えた。
「……あ、あの……」
ファランクス男はすみかの顔を見て、にやりと笑った。
「どうした。欲しいのか?」
「いえ、そ、そんなつもりじゃっ!」
慌てて否定するすみか。つい口にしてしまった請うかの如き囁きが、自分でも信じられなかった。
「じゃあ、どういうつもりなんだ?」
ファランクス男も焦らす。様子を見ていたヴォージェ男も挿入を止める。
自分を喜ばせてくれていた全ての動きが止まってしまった。
昂ぶった身体が、不満の声を上げる。剥き出しになったクリトリスが、突き立った乳首が、触ってと主張する。
乳首から広がる乳房が、男を敷いたお尻が揉んで欲しいとざわめく。
パックリと開いたヴァギナが、太いペニスをくわえ込んだままのアヌスが、激しく突き上げてくれとキュンキュン締まる。
「あ、ああ、あああ……」
「どうして欲しいか、ちゃんと口に出しな。」
カメラが顔を撮る。集音マイクがすみかの声を拾おうと位置を合わせる。
「……い、挿れてくださいっ!」
「なにをだ?」
つんつんと勃起した肉棒で割れ目をつつく。
「お、おちんちんを挿れてくださいっ!」
真っ赤な顔を両手で塞ぎながら叫ぶように言う。
「誰の、どこに挿れる?」
焦らすようにペニスを割れ目に沿わせる。
ヴォージェ男が背後からすみかの両手を拘束し、顔を伏せさせない。
すみかは周りを見回す。目の前にファランクス男、背後にはヴォージェ男がいるのだろう。
周りには撮影スタッフ。皆股間を膨らませている。奥のソファーにゆかりが腰掛け、すみかの様子を楽しみながら酒を飲んでいる。
(ああ、もう駄目……!)
「す、すみかの、エッチなオマンコにあなたのおちんちんを挿れてズボズボしてくださいっ! もう我慢できないのぉっ!!」
すみかは全ての羞恥心を投げ出して、考えうる限りの恥ずかしい台詞を叫んだ。
それほどまでにもう、身体は男を欲していた。
「よーし、合格だ。」
ファランクス男が即座にペニスを突き入れる。締め付けはかなりのものだ。
ヴォージェ男も突き上げを再開する。
前後から襲い掛かる挿入。二人の男の別々のペニスが作る別々の波は、ゆかりの触手と違い、すみかに絶えず新しい快感を与えた。
ファランクス男が伸し掛かり、キスをする。すみかも積極的に舌を絡め快楽をむさぼる。
そのまま胸をもまれる。包み込むように、すみかも手を重ねて一緒に揉む。
更に、背後からヴォージェ男も胸に手を伸ばす。背後から荒々しくヴォージェ男が攻める。前方からファランクス男が優しく攻める。
アヌスを突き上げる極太ペニスは一撃一撃が荒々しく、腹の底まで響き、快感を脳髄まで届かせる。
膣に挿入されたファランクス男のペニスは、ヴォージェ男の倍のスピードで突き上げる。様々な角度で連続して襲い掛かる快感は留まるところを知らなかった。
すみかは両足をファランクス男の背後に絡めるように回し、抱きついた。腰と腰が密着する。より強い快感が味わえる。
「イイッ! イイッ! おまんこイイッ! もっと! もっと突いてぇぇぇ! イクぅぅぅぅ!!」
すみかは絶頂に達した。またも潮を吹きファランクス男の腹に生暖かい液が吹き付けられる。
膣とアヌスが激しく締め上げられる。ヴォージェ男が達し、肛門内に大量の精液がぶちまけられる。
続いて前でもファランクス男が射精する。すみかは逃がさないように脚をからめたまま抱きついた。
胎内に熱い精液が注ぎ込まれるのを感じて、すみかは連続してイった。
それでも尚、すみかは腰を振るのを止めなかった。
ファランクス男は萎えたペニスを引き抜くことも出来ず、そのまま腰を振らされた。しばらくすると回復してきた。
ヴォージェ男は尻にしかれたままだったが、望むところと再びアドレナリンをコントロールしペニスを回復させる。
再び前後の肉棒が硬くなると、すみかはまたイった。イキ続けて止まらなくなってしまった。
悪魔憑きの健康かつ強靭な身体は、そのままイキながら腰を振りつづけ、すみかが失神しても止まらなかった。
401名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 02:58:11 ID:v1n3iuAb
ここまで。
全裸待機の人、お待たせしてしまいすみませんw
風邪引かないようにしてくださいw

なんかすみかが凄いことになっている気がするけど、当初の予定じゃこれから本番なんだぜ!?
いつ終わるんだろう?w
では、出来ればまた明日。
402名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 05:14:49 ID:oaUplha0
GJだ! なんかすごく久しぶりにエロ満開の作品読んだ気がする。次回はもっとすごいことになるんだよね!? 期待して待ってる!
403マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 12:02:09 ID:KZewB0pi
レス返し〜と感想です

>>385
 柊は外で闇界の雑魚共とシリアスに殺し合ってました。
 仲間を護るために体を張る、それが柊だよね!
 ギャグ空間ならつっこんでいるのだけれど、その場にいなかったものでw

>>387

 温泉サイドチームはお気楽に、柊サイドはシリアスに。
 コメディとシリアスの両方を自分で書いていても温度差が違うと実感。
 何故にこんな話になったのか自分でも理解不能ですw

>>389
 おっとまちな。
 確かにそれは不幸だが、恩恵を受けるには>>379から冥魔と戦わないと偶然という名の不幸には陥りませんよ?
 しかし、アニメといい、風呂場に飛び込むことが多い男ですね 柊。(安藤で一回、マンションでエリスに踏み込まれること一回)

>>390
 やれるだけやりました。
 ノーチェとか脱がしたのは多分俺が初めてに違いない!
 無駄に全身全霊を使って描写させていただきました。
 みくりが池温泉には行ったことがないので内部描写が本物と同じかどうかは保障出来ませんw
 女体をこんなにも書いたのはかなり生まれて初めてです。
 温泉アイデアを下さった>>346に改めて感謝を。
 
 次回からは多分シリアスの予定。


>>401 というかデモパラの人
 デモパラの人がエロスすぎて、自分影薄いww
 なんていうかGJとしかいいようがない。
 すみか、どこまで堕ちるんだ。
 あうあう、輪姦とか苦手な俺としては直視が難しいですが、それでも大変エロイことだけは理解出来ます。
 頑張ってください!
404名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 18:16:30 ID:sAhdgAKT
尻でASSと申したか。
405名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 19:46:42 ID:wzaUe7Tw
ちょw
ノーチェって『柱の男』の子孫なのかよww
406名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 20:39:11 ID:v1n3iuAb
デモパラのちょいと続きを投下。
エロはないです。
407平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 20:40:03 ID:v1n3iuAb
目を覚ました時、部屋は静かだった。
ソファにゆかりがゆったりと座り、ベッドに倒れこんでいるすみかの肢体をうっとりとした目で眺めていた。
「……綺麗よ、すみかちゃん。」
身体を起こし、ゆかりに向き合う。自分の身体がベトベトに汚されているのに気づき、激しく落ち込んだ。
下腹部は白濁液にまみれ、膣から精液が溢れ出している。
胸も、尻も、股間も、唇も、男達に嬲られた感触を覚えている。
「うえっ、けほっ、けえっ!」
気持ち悪さから吐き気をもよおす。胃液と共に白い液が流れ出てきた。
ゆかりが背中を擦り、すみかの身体をいたわる。
「はい、お水。」
水差しからコップ一杯の水を汲み、すみかに差し出す。
すみかは激しい渇きを覚えて、黙って水を受け取り飲み干した。
「さあ、こっちへ来て。シャワーを浴びましょう。」
肩を抱きシャワー室まで誘導される。ゆかりの成すがまま温かいシャワーを浴び体中を優しく洗われた。
ゆかりはすみかをお気に入りの人形を手入れするかのように、大事に丁寧にあつかった。
すみかは黙って言うなりにしていた。
髪を乾かし、用意した制服を着せる。すみかのサイズぴったりだった。
「はい、綺麗になったわ。」
「……次はなにをするんですか?」
沈黙をやめ、ゆかりに問い詰める。
「あとどれだけこんなことを繰り返すんですか!? わたしもう嫌ですっ!」
感情を爆発させながら、泣きながら叫んだ。
「もちろん、わたしの気が済むまでよ。」
ゆかりは悪気がないようなアッサリした口調で言い放った。
「わたしはあなたが壊したわたしの楽園を取り戻す。だからあなたにはその協力をしてもらう。それだけのことよ?」
「でもそれはあなたがっ!」
「悪いことをしていたから?」
ゆかりがすみかの言葉を遮るように後を続ける。
「でもね。わたしは法的に悪いことはしていなかったわよ?」
「え?」
意外な言葉にすみかはたじろいた。
「あそこに居た娘たちに悪魔寄生体を植え付けたのは確かにわたし。でもそれって別に法律で禁止とかされてないわよ?」
「え、え?」
「悪魔憑きが法を犯せば悪魔事件になるけど、事件を起こさなければなんの問題もないわけよ。」
「で、でも、飛び出して暴れてった子とか……」
「それはその娘の問題よ。あなただって暴れ出すかもしれないことに変りないでしょう?」
「じゃ、じゃあ、あのエッチな衣装は……」
「あれはわたしの趣味もだけど、ちゃんとしたレッスンよ? 法に触れたことはしてないわ。芸能人を甘くみちゃ駄目よ。
 女の子たちも最初は嫌がっていたけど、すぐに慣れたわ。」
「それは悪魔憑きが……」
「悪魔が憑いても、意思は自分のものよ。それはすみかちゃんもわかっているでしょう?」
なんだか段々論破されそうになってきた。おかしい、あの時は確かに正しかったはずなのに。
(えーと、あの時は確か全裸マンの調査で……)
頭の中で順を追って整理する。
全裸マンの調査依頼を受けて、見つけたら事務所のガードマンに追われていて、妹の理緒ちゃんの様子がおかしいことがわかって、
のぶ男さんがもういいやって乗り込んで暴れて解決した。
(……あれ?)
408平尾ゆかりの復讐:2008/10/26(日) 20:40:16 ID:v1n3iuAb
カルトロップはガードマンで、不審者の優斗くんを追いかけていたんだから別に悪いわけではない。
事務所の怪しい活動も芸能活動って言い張られると、追及が難しい。
だとすると、のぶ男さん達と暴れたのってヴィシャス退治以外の理由がなくなる。
ヴィシャスも悪事を働かなければ、ただの人と同じ扱いだから……
「ひょっとして事務所に乗り込んで暴れただけ……?」
「そうね。こっちもヴィシャスってバレると拙かったから訴えなかったけど、レッスン中に乗り込んできて暴力事件を起こしたのはあなた達の方ね。」
冷や汗が出てきた。こちらの分が悪すぎる。
「あなたたちマイトは自分達のことをヴィシャスを問答無用で倒していい正義の味方と思ってるみたいだけど、
 衝動のままに動くヴィシャスだって法を守ったまま活動することぐらい出来るのよ?
 それを法的根拠もなしに暴れて倒したら、悪魔事件を起こしたのはそちらの方になるの。わかるわよね?」
悪いのは自分達の方。すみかには反論が思いつかなかった。
「で、でもっ、わたしにっ、こんなことはっ!」
「あなたへのは復讐よ。理不尽に奪われた私の楽園を、理不尽に取り戻す。それだけのこと。」
ゆかりは狂気を見せながら声を荒げた。
「あなたがしたことを公安にたれこんだら、あなたの人権は剥奪されるでしょうねぇ。もちろん、今はわたしも同じだけど。」
人権剥奪。悪魔憑きに課せられる狂気の法。悪魔事件と認定されたが最後、その人の人生は終わる。
「だからね、すみか。あなたはもう人じゃないの。わたしと一緒に人をやめたの。」
(人じゃない……悪魔……)
あまりのショックに膝が崩れる。ゆかりがすみかの身体を支える。
「大丈夫よ。わたしは訴えたりしないし、バレたりもしない。だから秘密にするし、秘密は守らねばならないのよ。」
(秘密は守る……そういえばそう言っていた。)
「さ、立って。大丈夫。今日はもう帰って眠りなさい。送っていくわ。」
大丈夫。大丈夫。何度も刷り込むようにゆかりが囁く。罪悪感に偽りの優しさがジワジワと染み込んでいく。
すみかを車に乗せると、ゆかりはすみかの家まで車を走らせた。
ゆかりはすみかに幾つかの命令を下した。秘密を守れ。秘密を持っていることを悟らせないよう行動しろ。etcetc...
ギアスの力で強制的に『普段通りのすみか』を演じさせ、ゆかり達との関係を秘密にするのだ。
仲間にも頼れず、実質奴隷化するための命令なのだが、この時のすみかには秘密を守るための約束に感じられた。
家に着くと夜10時を回っていた。親が玄関先まで出向いたところで、ゆかりが割り込んできた。
《ヒュプノゲイズ》一般人の記憶を操作する能力だ。
ゆかりはあっという間に両親に信頼される人物として刷り込まれてしまった。
にこやかに対応する両親を横目に、すみかは自室に戻りベッドに倒れこんだ。
(今日は疲れた……もう寝よう。)
すみかの長い一日が終わった。
409名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 20:41:19 ID:v1n3iuAb
以上、すみかをやっと一休みさせることが出来ました。

えー、デモパラは痛快アクションコメディTRPGです。
こういったシナリオの重箱の隅をつつくようなことをしても
面白くないのでやらないようにしましょうw
かなり無理やりこじつけてますけどね。
410支援:2008/10/26(日) 20:44:12 ID:oThFe38x
               l^丶
               |  '゙''"'''゙ y-―, あ ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう    
               ミ ´ ∀ `  ,:'     
             (丶    (丶 ミ   いあ    いあ
          ((    ミ        ;':  ハ,_,ハ   ハ,_,ハ
              ;:        ミ  ';´∀`';  ';´∀`';, ,
              `:;       ,:'  c  c.ミ' c  c.ミ  
               U"゙'''~"^'丶)   u''゙"J   u''゙"J

            /^l
     ,―-y'"'~"゙´  |   それ  るるいえ うがふなぐる ふたぐん
     ヽ  ´ ∀ `  ゙':
     ミ  .,/)   、/)    いあ    いあ
     ゙,   "'   ´''ミ   ハ,_,ハ    ハ,_,ハ
  ((  ミ       ;:'  ,:' ´∀`';  ,:' ´∀`';
      ';      彡  :: っ ,っ  :: っ ,っ
      (/~"゙''´~"U    ι''"゙''u   ι''"゙''u

>この吸血鬼の同僚として風呂に普通に浸かる巨乳な吸血鬼はいるわ、その宿敵は婦女子が入っている温泉に普通に侵入するなど
(このねたも、何を指しているのかもわからない…)
411名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 21:10:46 ID:6g3HMr/J
まあ、悪魔生物の拡散は法律で明記されてなくても十分問題行為だし、
薬物使用とか、不法侵入に「死ぬか仲間になるか」と脅迫して集団で襲いかかったり、
雇用者に暴力を教唆してたり、十分色々問題あるけどな!w

すみかの堕ちっぷりに期待。
412マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/10/26(日) 21:15:45 ID:KZewB0pi
コメント返し 度々すみません。

>>405
 実際リーチ・フォーザ・スターズのノーチェの製作時にクレバー矢野氏が火山に巻き込まれて死んだ先祖がいるという設定を出しています。
 GMがカー○様かよ、というツッコミをいれているので取り入れましたw

>>410
蒼き門の継承者に出てくる吸血鬼、九条水希のことですね。
背教者会議に所属しているので正確には同僚ではないですが、まあ長い歴史の間にはノーチェも所属してこともあったのでは? という感じで。
ちなみに水希の宿敵とうかボス敵は真面目に風呂場に踏み込んで(ry
413名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 21:54:31 ID:YqF96dwA
>ボス敵は真面目に風呂に踏み込んで(ry
変態ですか!?
変態は許しませんよっ!?
 
…そんな奴いましたねぇ。
414名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:49:14 ID:FnFGdTGr
>変態ですか!?
風呂入らなくてもあいつは素適に変態だったな…
415yuzu:2008/10/27(月) 02:06:20 ID:WVjm+iJV
以前から名無しでお世話になってましたが、今回からHN付きで帰ってきました。
またしばらくお付き合いのほどを、よろしくお願いします。
偏りがある、と仰っていた方もいましたが、私自身趣向を変えてみたいという思いもあり、
傾向もがらりと変えてたまには別燃料を、との思いからDXネタです。
作品傾向は、ギャグなしシリアス。また、注意事項として陵辱描写や少し残酷だったり過激だったりするところもあるので、
苦手な方はご注意くださいませ。では、以下投下です。
ではでは。
416〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:07:19 ID:WVjm+iJV
 常識の裏側。
 世界の反転。
 あるべき姿の歪なネガティヴ。
 私たちの潜む場所とは、言うなればそんな夜の側に属する領域だ。
 『夜』とはいっても、それは単に時間を表す言葉では決してない。
 不夜城になぞらえられる都会の街並みを支配する『夜』は、ともすればそこに眩い光があるかもしれない。
 しかし、私たちが歩む『夜』とそれとは明らかに別種のものだ。
 そう。譬えるなら、電気も通わぬ片田舎の、人家もまばらなひっそりとした常闇の小路。
 暗く、そしてどこまでも昏く。人間が夜闇を夜闇として畏れていた頃の、あの原初の闇の世界だ。
 ついこの間まで、私は ――― 私たちはそんな闇の世界を生きているのだ、と頑なに信じていた。
 誰かの日常とはかけ離れた、決して相容れない二つの世界の境界線の向こう側の住人だ、と。
 幼い頃から感じていたのは、自分がなにか『異質な』ものであるという困惑と、抑制しきれない心の中の揺れ。
 持って生まれた生来の生真面目な性格は、私にそれを ――― 心の揺れを許さなかったし、認めなかった。
 だから私は、向こう側を ――― 明るい陽が差す向こう側を、自分から遠ざけた。
 安穏。平穏。緩みきった世界。こちら側に住む私は、あんな生温い世界の住人とは別のものである、と。
 自分は特別な存在である、とプライドを持つことで、この境界線を越えられない自分を誤魔化していたのだろう。

 いまにして思えば、随分と滑稽極まりない、子供じみた発想であった。

 プライドなど張子の虎だ。壁のこちら側にいたときは、甘ったるく脆弱で惰弱に見えていた “あちら側” も、一歩足を
踏み込んでみれば、相応に厳しく、相応に辛く、そしてそれ以上に護る価値のある素晴らしい世界であるということを
思い知らされた。
 だから ―――
 あのときの私の感情は ――― それは多分、私の中の弱かった部分だったのだ、と。
 今ではようやくそう思えるようになっている。
 昔とは随分、環境も変わった。
 施設から離れ、パートナーを得て、得がたい仲間と呼べる人たちとも出会った。大きな戦いの中で育まれた新しい
強さは、成長のベクトルにわずかな軌道修正を加え、自分の中で著しい伸びを見せている。実感として、『成長』とい
うものを肌で感じられるというのは、実は悪い気はしない。というより、今の私はそれを素直に嬉しいと思うことができ
る ――― まあ、決してそれを面に出すようなことはしないわけなのだが。

 ともあれ、私は昔と違う視点で見られるようになったこの世界を ―――
 ――― 日常を、心の底から護りたいと切に思う。
 昔と変わらない夜の世界に潜みながら。
 ようやく、瞼を開けて正面から向かい合うことができるようになった、この昼の世界を ―――
417〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:07:59 ID:WVjm+iJV


 きびきびとした腕の振りや、無駄のない足の運び。見ているこちらの身が引き締まるほどに伸びた背筋。
 同年代の少年少女たちのように、歩きながら彼方此方へと無駄に視線を泳がせることなどは決してない。
 真正面を見据える鋭い瞳は動じることなく一点に向けられ、ただ思い描く目的の場所への最短ルートをひたむきに
歩き続けているかのよう。舗道を踏みしめる革靴の立てる乾いた音は、熟練したドラマーの刻むビートのように正確
無比なリズムを奏でている。
 もしも歩き方だけをみたなら。
 百人が百人とも、彼女を男と思うに違いない。
 ある意味、それほど可愛げのない歩き方なのである。
 警察官、さもなければ軍人。そんな印象のある歩き方であった。
 とはいえ、学校指定のブレザーのスカートから伸びる脚は、溜息が出るほどにすらりと長くしなやかで。
 彼女がれっきとした『少女』であることを、なによりも鮮明に認識させるものである。
 放課後の帰途につく彼女は、今回の赴任地であるここ某県T市における任務の最中で、主に『事件』の頻発したこ
こR学園学区内を巡回中なのである。当然、転校生として潜入したのもR学園 ――― いま、彼女が身につけている
ブレザーは、その指定制服であった。
 任務終了までの仮住まいと学園までの距離はそう遠くはなく、彼女の足なら四十分もあれば往復が可能であるが、
下校した彼女は、たっぷり一時間以上かけて ――― 帰途へつく。繁華街、駅、商店街、ビル街、彼女が「ここは」と
見定めたポイントは十数箇所におよび、下校の時間を利用して必ず毎日そのポイントを経由し、それから組織の用意
してくれたマンションへ帰るようにしているのである。
 不審な人物。街並みに巣食う違和感。言い知れぬ淀み。捜すべきものは、いくらでもある。
 確たる情報が不足している現状においては、ただ愚直なまでに歩き続け、とにかくこの街を見続けるしかないのだ
と、彼女はそう思い定めていた。
 今日で、赴任からまだわずか一週間である。
 この街にとって、所詮は異邦人である彼女は、おそらくここで生まれ育った人間ほど、そういった類いの異変には気
づきにくい。なにかがおかしい、どこかが違う、と察するほどには、まだこの街そのものに慣れてはいない。
 だから、歩き続ける。頭の中に地形を叩き込み、肌で街の空気そのものを感じ取り、考えなくても足が目的の場所
へと方角を変えてくれるまで、歩き続ける。そうやって、少しでも異郷の地に馴染むことが、いまの彼女にできること
であった。
 追う相手を想定する。逃げていく相手を設定する。戦う相手を想像力で地図上に配置する。戦いから撤退する場面
を、または相手を追い込むための地形を把握する。毎日一時間かけて行うシミュレーションだった。
 もう一週間も同じことを繰り返せば、この街での市街戦におけるプロフェッショナルになれるかもしれない。
 新しい赴任地を訪れる度に繰り返されるこの習慣。
 今日も、この“意味のある” 寄り道の終点がそろそろ彼女に近づいていた。
 もう七、八分も歩けば、彼女のあてがわれたマンションが左手に見えてくる。規則正しい歩みを不意に止め、彼女は
首をめぐらせた。
418〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:08:39 ID:WVjm+iJV
「………………」
 スカートのポケットに手を差し込む。躊躇いがちに引かれた手の中に、掌サイズの小銭入れが握られていた。
 ジジッ、と小銭入れのファスナーが開けられる音。摘み上げた指に、数枚の硬貨が挟まれている。きびすを返し、彼
女が向いた先には ――― ジュースの自動販売機が並んでいた。

 たかがジュース一本、買い食いするにもいまだに変な緊張しちゃうなんてね。

 自嘲気味に笑う。小さいころから物心つくまで育った施設には、自動販売機なんてものはなかった。
 一人前と認められ、外の世界に出てからも、しばらくはこんなものに注意を引かれることすらなかった。
 外の世界に多少は慣れてからも、なんとなく登下校という行為の最中に寄り道をし、買い食いに興じるということが、
なんとなく彼女には『いけない』ことのように思われたのだ。
 
 そういえば、初めてカラオケボックスに連れて行かれたときも、変な汗、かいたっけ。

 とある任地で知遇を得た級友たちとの思い出の一幕である。
 ふふ、と笑いながら三枚の硬貨を放り込み、清涼飲料水のボタンをプッシュする。がこん、と音がして、腰をかがめな
がらそれを取り出すと、手にひんやり冷たい感触が伝わってきた。

「こちらは今日も収穫なし ――― か。あっちは上手くやってくれているといいけど」

 ペットボトルのキャップを開けながら、少女が呟いた。
 切れ長の、美しい瞳にかすかな疲労と焦燥の色を残して。
 UGNチルドレン――― コードネーム “シルクスパイダー” ――― 玉野椿。
 それが、少女の名前であった ――― 。



 〜ダブルクロス・オリジン・アナザー〜
 case XX    〜 姦辱の宴 〜 A Feast【フィースト】
419名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 02:08:53 ID:dSOOvmk4
支援?
420〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:10:37 ID:WVjm+iJV


Feast【フィースト】
1 : (名詞) 宴
2 : (動詞) ごちそうする(になる)、楽しませる(しむ)



「資料は封書で渡したものを各々で熟読してもらう。私の説明は簡潔に済ませるので、詳しい内容はそちらを参照し
たまえ」
 ミラーシェードに隠された双眸がこちらを射抜いたように、椿は感じた。
 すべてを見通すような怜悧な視線。黒いサングラスで見えるはずのない瞳は、しかし確かに私たちを見つめている
ようだ ――― UGN日本支部の一室で、直立したまま命令を受けながら、椿はそう思った。
 感情のこもらぬ無機質な声音は、ただ淡々と言うべきこと、命じるべきことを告げるだけ。
 黒いスーツに身を包んだ彼は、微動だにすることなくこちらを向いている。
 藤崎弦一。UGN本部付きのエージェントにして現在の椿の上司。
 “マスターマインド” 綾渕宗二との激戦後、UGNに戻ることを選択した彼女は、以前と変わらぬ日々 ――― 組織の
命令次第でどこの支部へでも、どこの土地へでも赴き任務にあたる流れ者のような生活を繰り返している。
 霧谷雄吾は現在、かの一件の事後処理に追われているらしく、病み上がりの身体に鞭打ち、入退院を繰り返しなが
らも激務をこなすという、実に同情すべき立場にあった。組織内の命令系統が現在どうなっているかを詮索するつも
りは、椿にはない。ただ、いまの彼女は前回の事件で縁のあった、この藤崎というエージェントの命を受け、いま現在
召集を受けているというに過ぎないのである。
 直立不動の姿勢で藤崎の次の言葉を待つ椿。彼女が、不意に形のよい眉をひそめた。
 藤崎に呼び出されたのは彼女だけではない。いま、椿の右隣には彼女のパートナーが立っている。
 そのパートナーが不躾にも、後で読め、といわれた資料を封筒から引っ張り出し、わざとらしくがさごそと音を立てな
がらホッチキスで留められたA4サイズの紙束の頁をめくり始めたのだった。
「………いて」
 軽く脇腹を肘で小突いてやると、小声でそんなことを言う。初対面のときから藤崎とは相性が悪かったせいか、こと
あるごとに反発して見せる子供じみた態度は変わらない。室内に落ちた死のような静寂を、わざわざかき乱す態度に
出るのは反抗心ゆえか、それともこの静けさに耐え切れなくなったせいか。
 椿に無言でたしなめられて、唇を尖らせたのは高崎隼人 ――― コードネームを “ファルコンブレード” という、椿と
同じUGチルドレンである。幾多の任務を共にこなした、椿のパートナー。やる気のない態度はいまだに変わらず、その
ことが椿を苛立たせることも時折あるにはあるが、頼れる相棒であることには変わりはない。
「話を続けるぞ」
 ふてくされたような隼人の態度に、藤崎は眉一筋動かさない。
「次の赴任地は ――― 県T市。市内のR学園に転入生として潜入し、そこを拠点として事件の捜査にあたれ」
 簡潔にして明瞭。事件の詳細はわからなくても、それだけで任務の内容が把握できる、必要にして十分、一切の装
飾を排除した指令である。椿と隼人が頷くのを待って、藤崎が次の概要説明に移った。
「先日、組織の別働隊がとある情報源から得た情報を元に、某所のファルスハーツ研究施設を襲撃した。研究員及び
所内エージェントの抹殺、研究資料の奪取及び施設の破壊。制圧は、ほぼ完了していた」
421〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:11:29 ID:WVjm+iJV
「ほぼ………?」
 聞き咎めた言葉への疑問をつい声に出してしまい、椿は慌てて口をつぐむ。わざわざ椿が聞き返さなくても、藤崎の
説明に抜け漏れがあるはずはないのである。
「ほぼ、だ。敵の一部も、我々の襲撃情報を察知していたらしい節がある。一部の者が研究所から逃亡した形跡があ
り、その痕跡を詳しく調査した結果、二名の逃亡が確認された。廃棄しそこねた研究資料の中で、重要書類が持ち出
されたらしいという様子から、ひとりは研究所のメンバーではないかと推測される」
 一言一句、藤崎の言葉を聞き逃さぬように椿が耳をそばだてる。こういうとき、隣の相棒はまるで役に立たない。
 長丁場の説明になると、椿に聞き役を任せて上の空でいることが多いので、自然と上司とのコンタクトは椿の役割
となっていた。案の定、隼人は天井をぼんやりと見上げつつ、早くこの部屋を出たいのだ、と言わんばかりに靴の爪
先で床をトントンと叩いている。椿は、この時点で隼人をこれ以上たしなめることを諦めていた。
「もうひとりの逃亡者は、おそらくチルドレン ――― ファルスハーツの ――― だ。押収した資料の一部から、その施
設は検体であるチルドレンのための研究所であることが判明している。しかし、襲撃完了後の捜索にもかかわらず、
少年少女と呼べる年頃の遺体は確認できなかった」
 いるはずのチルドレンがいなければ、それはすなわち逃げたうちの一人 ――― 当然の思考の帰着である。
 おそらく、次に与えられる任務とは、逃亡したFH研究所員とチルドレンの捜索、そして抹殺であろう。
 その逃亡先として特定されたのが ――― 県T市。つまりはそういうことである。
「お前たちの任務は、二人の抹殺。そして研究資料の奪取もしくは廃棄だ。目撃情報から二人の潜伏先と特定された
T市に潜入し、任務を遂行せよ」
 以上だ、とだけ最後に言うと、藤崎は完全に口をつぐんでしまう。これ以上話すことは何もない。だから速やかに退室
せよ。そう言われているような気がした。
「わかりました。さっそく現地へと向かいます」
 靴の踵を鳴らし、姿勢を正す椿。退屈そうに欠伸を噛み殺す隼人を横目で見ながら、藤崎からの任務を謹んで拝命
した椿が、T市R学園に転入手続きを済ませたのが、ちょうど二週間前のことであった ―――



 廃棄された倉庫。人気もなく、住宅街からも遠い。周囲は背丈の高い雑草のカーテンに覆われ、さらにその外堀は
有刺鉄線に囲まれている。子供が遊び場にしづらいのは、ひとえにそのためだろう。潜伏開始早々、なかなか良い寝
床を手に入れた ――― ほくそ笑みながらそう思う。
 薄暗い倉庫内は埃っぽく、唯一の光源である天井の蛍光灯も、ほとんどが死んでいる。
 その人工的につくられた薄暮の中で、僕は一心不乱に “ある運動行為” に勤しんでいた。
 床に両手をついた腕立て伏せのような姿勢。その姿勢を保ち続けながら、ある部位だけを忙しなく動かし続ける。
 腰から下、つまり下半身。
 前後に打ちつけ。揺するように左右へこねくる。
 繰り返す。それを繰り返す。ただひたすらに繰り返す。
 僕が腕の下で組み敷いているのはひとりの少女。年の頃で言えば十四、五歳であろう。
 口にタオルで猿轡を噛ませ、背後に回された両腕をビニールロープで縛り上げ、完全に上半身の自由を奪ってやっ
た。勤勉に腰を動かし続け、僕は少女の股間を蹂躙する。大きく開かれた両脚が、壊れた木偶人形のように、ぶらぶ
らと力なく揺れていた。まるで、股関節が失われたかのような広い開脚 ――― そう、腕を縛り上げたところで少し面
倒くさくなって、ちょっと力を込めて脚を捻ったら、耳に心地良い音がして股関節が外れたんだっけ。
422〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:12:23 ID:WVjm+iJV
(いいや、砕けたのかもしれないな ――― )
 まあ、どっちでもいいや。このほうが手間もかからないし楽だし、なにより逃げられることを心配しなくてもいいんだか
ら。
 そんなことを考えながら、ひたすらに腰を振り続けた。
 真面目そうな、でも気が弱そうな小柄な少女。街で見かけたときから、攫ってやろうと考えていた。
 伏目がちでやけに嗜虐心をそそる顔つきの娘だった。
 思いついたら、実行に移そうと決断していた。

 そして―――

「ぐっ、むぐっ、ふぅ、ふんむぁっ、ぐっぐうぅぅぅ………!」
 僕が動く度に、少女はくぐもった悲鳴を懸命に吐き出そうとする。
 破瓜の激痛か、それとも純潔を失った絶望か、あるいはそれともその両方か。とにかく、少女は泣き続けた。人間が
一度にこれだけの涙を流すことが出来るとは驚きである。また、ひとつ勉強になった。剛直を少女のまだ幼い最奥部
までずぐずくと押し込み、呼吸を止めた隙を狙って一気に引き抜く。いきり立った陽物にまとわりつく血液のぬめりが、
とても心地良い。十分、二十分、三十分、もう、どれだけこの抽出を繰り返しているだろう。狭い膣穴の締め付けが否
否応なしに快楽を高め、腰から背骨にかけてちりちりとした熱が這い上がってくる。
 ああ、そろそろだ。そろそろ、出る。
 少女へ埋没させた肉杭による射精行為はこれが初めてじゃない。すでに三度の放出を経て、いまは四回目の行為
の真っ最中なのである。その間、一度も彼女の身体を離してはいない。小さな肉壺に熱く屹立したモノをねじこんでか
ら、一度も抜いてやっていない。最初の射精から、いまのいままでこの少女を嬲り続けている。
 少し、苦しそうだ。
 自分の射精の量は、たぶん普通の少年とは違うのだろう。それは、比べ物にならないくらい多量だ、という意味で違
うのだ。三回分の白濁汚液の注入で、滑らかでスリムだった細い腰回り、少女のちょうど胃の辺りが不自然に膨らん
でしまっている。
「四回目だよ。そろそろ君の膣内に、またぶちまけてあげる」
 限りなく優しい声で言ったつもりだった。
 なのに、彼女の反応はどうだろう。目を見開いて、こっちを凝視して、またぼたぼたと涙を流しながら、頭が抜け落ち
てしまうんじゃないか、って心配になるくらい首を振る。言葉にしなくても、それが拒絶の意思表示であることぐらいは
わかった。馬鹿だね。嫌がったって、懇願したって、ここまでのことをしてのける相手に、慈悲を求めて受け入れられる
ものかどうかぐらいわかりそうなものなのに。始めて見たときは賢そうな娘かと思ったけど、案外、頭悪い。
 噛まされたタオルの奥で言葉にならない悲鳴を上げ続けている少女。
 もちろん、この行為に後悔も逡巡もないし、哀れみの感情なんて微塵も浮かんできやしない。
 というより、猿轡のおかげで彼女がなにを言っているか分からない。人語を喋らないっていうことは人間じゃないって
いうことだし、相手が人間じゃないっていうんならこっちも遠慮する必要はない。
 そもそも、この僕自身が “普通の人間とはかけ離れた” 存在なのだから。
 さあ、僕も一度に四回の行為は結構これで疲れるんだ。これでお終いにしてあげよう。
 最後だから激しくしてあげる。いままでで一番激しくしてあげる。
 彼女の脇腹を両手で鷲掴みにして、こちらの腰に密着できるように思い切り引きつける。腰の動きをもっと早く、もっ
と早くしてあげる。打ち付けて、ねじ込んで、奥の奥まで。
423〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:13:16 ID:WVjm+iJV
 背筋を昇る欲情の塊が、僕の腰から精巣の間で何度か上下を繰り返し、こみあげてくる溜め込んだものを吐き出そ
うとする。僕の行為の最終段階が近いと察したのか、少女はじたばたと僕の腕の中でもがく。
 だけどどうにもなるもんじゃない。上半身は縛り上げられて、両脚は関節をおしゃかにされて。ただでさえ小柄な普通
の女の子が、 “オーヴァード” である僕に敵うわけもない。だから僕は ―――

 せっかくだから一番奥で、ぶちまけてあげた。

 ほとばしる飛沫の勢いを胎内で感じて、少女が幾度目かの絶望の悲鳴を上げる。
 悲嘆? 苦痛? さあ、どっちだろう?
 彼女の膣内で行為後の余韻を存分に愉しんでから、僕は少女を自由にしてやった。
 充血と出血、白く泡立つ汚液の泡でどろどろに汚れた、赤黒い肉洞。僕のモノで栓をしていた虚ろな肉穴から、白い
粘質の塊がどろどろと溢れ出す。だらしなく開脚された脚の間、精液でできた水溜りが拡がると、彼女の膨らんでいた
お腹もみるみるうちに元通りになった。
 よかったね。元のスリムなウェストに戻ったよ。
 性交の後で汗に濡れた身体を拭いながら、僕は横臥する彼女を見守った。

 一分、二分、三分。僕は待つ。
 だけど ―――

 期待していた変化はなく、ただ息絶えようとする小動物のように身体を小刻みに痙攣させ、馬鹿の一つ覚えみたい
に嗚咽を繰り返すだけ。少し、がっかりする。
「しょうがないな。日が悪かったんだね。それじゃ、もうしばらくここで僕といっしょに居てもらうことになるな。何日か、
それとも何週間かは分からないけどね ――― せめて望む結果がでるまでは」
 声をかけても返事はなかった。
 でも、しばらくこんな毎日が続くということは理解してもらえたと思う。
 僕は背後を振り返る。
 『先生』が、穏やかな笑みを浮かべながら鷹揚に頷いてくれた。

 頑張ろう。僕のためにあんな立派な施設を作ってくれて、施設が悪い奴等に滅茶苦茶にされてからも、こうやって僕
の成長の手助けをしてくれる『先生』のために、頑張ろう。

 僕も ――― 『先生』に微笑を返した ――――――
424〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:14:29 ID:WVjm+iJV


 任務を拝命し、退室する直前。藤崎にかけられた言葉を、椿は反芻する。
 彼のような冷徹無比(と思われる)男が、踵を返して立ち去ろうとする部下たちに、躊躇いがちに声をかけるなどという
前代未聞の椿事に少なからず驚いて、それでも多分、藤崎が自分たちのことを気遣ってくれたのであろうということは
なんとなく理解できた。

「FH研究施設襲撃の顛末も資料には記載してある。同梱された別封筒には現場の映像写真も入っているが ―――
書類だけで事足りるはずだから、無理に開封することは勧めない」

 藤崎にしては珍しい、奥歯にものの挟まった言い方を彼はした。
 つまり ――― 研究施設の映像は見ないほうがいい。そう、言いたかったのであろう。
 与えられた殺風景な個室のベッドの上。
 一日の汗と疲れをシャワーで洗い落とし、まだ湿ったままの髪にバスタオルを被りながら、タンクトップにショーツ一枚
という扇情的な姿の椿がそこにはいた。ひとりじゃなきゃ、こんなだらしない格好絶対しないけど ――― 冷たい髪を
くしゃりと掻き回しながら、椿は分厚いレポート容姿の束を剥き出しの膝の上に置いた。ぺらり、ぺらり、と紙をめくる音
だけが部屋に響き、ことの発端とも言えるFH研究施設襲撃の顛末が記載された報告書に、まず目を通す。

『損害状況。
当支部エージェント一名軽症、車両二台半壊、襲撃に際し、装備補填のために支部運営予算二十パーセントをもって
これに充てる。上記以外の、特に目立った被害はなし』
『FHエージェント五名と交戦。内四名は撃退、一名を確保。研究所員二十一名は無抵抗の内二十名を確保する』
『押収した資料の一部と研究所員の証言から、一名のチルドレンと担当研究員が当日施設内にいたことを確認。追跡
するもこれを取り逃がす。要、再追跡調査』
『施設最下層のラボにて逃亡した研究員とチルドレンの痕跡を発見。支部長経由、本部報告』

 悪くない戦果だ、と椿は分析した。エージェントの損失がゼロである、というところにこのミッションの担当者の有能さ
が見て取れる。襲撃の情報が敵の一部に漏れていたらしいことを考慮すれば、十二分の成果といえよう。
 頁をめくる。
 味気ないゴシック体の文字の羅列の中に、ふと違和感を感じて椿は視線を止めた。

『制圧完了後、施設内の遺体はすべて “清掃業者” に搬送委託。被害者含む五体の遺体をK病院へ』

 被害者含む………?
 資料を流し読みしていた椿がこの一文に目を止めた。
 敵エージェントやFH研究所員を抹殺したことを指して、 “被害者” という表現はありえない。
 被害者という以上は、UGNとFH以外の第三者の存在を示唆する文脈であろう。
 さらに頁をめくる。

『遺体の身元は地元警察の協力により、襲撃計画三日前に行方不明となり捜索願が出されていた■■■■(二十歳)
であることの確認が取れる。遺体の損壊状況は激しく、逃亡中のFH研究員によるなんらかの関与が予測される』

 つまり襲撃当日、FH研究施設には彼らの手によって誘拐されたであろう女性がいたということだ。
 『研究員による関与』、『遺体の損壊状況』という二つの言葉から連想するに、二者間の戦闘行為に巻き込まれて命
を落としたのではなく、おそらくは施設内で行われていたなんらかの非人道的行為(研究員が関与、というからには生
体実験かそれに類する行為であろう。予断は禁物だが)によって、死に至らしめられたものと見られるのではないだろ
うか。
 椿はそこまで類推して、暗澹たる気持ちになった。藤崎の言っていた『開封することは勧めない』写真とは、もしかし
てこの被害者女性の遺体が残されていた現場写真のことではないのだろうか、と。
425〜A Feast〜:2008/10/27(月) 02:15:24 ID:WVjm+iJV
 しかし、藤崎にしては随分と “らしくない” 気遣いをしたものだ、と思う。
 現場において戦闘行為を当たり前のように行うチルドレンに対しては無用の気遣いではないか、とも。
 だから椿は、藤崎の言葉を深く考えることなく手渡された資料の中に同封されていた便箋を、何の気なしに取り出し
た。当たり前のようにそれを開封し、中に収められた写真を取り出し、いままで読んでいた資料を見るのとなんら変わ
らない感覚でそれを見た。

 そして ――― 藤崎の言葉の意味を理解して後悔した。

 白い台座。
 人間の身体を乗せられる大きな丸い台座である。
 資料にあるとおりの二十歳ぐらいの女性が、仰向けに寝かされている写真。
 両手足首を革のベルトで固定され、大の字に拘束されている。
 しかも、一糸纏わぬあられもない姿で。

 その腹部が ――― 爆ぜていた。

 腹部から下半身にかけて、形状も定かならぬほどに爆ぜ、彼女自身の流血で赤く汚されている。
 まるで内部から無理矢理破られたかのように、裂けた腹部の肉が放射状にめくれ上がっていた。

 これが戦闘によってもたらされた死の情景であれば、椿はもしかしたら嫌悪を覚えなかったかもしれない。
 なにをどう言い繕ったところで彼女はUGチルドレンである。
 実際に闘争行為に手を染め、彼女自身、敵と定めた対象を切り刻んで生き延びたものでもあるのだから。
 死も、流血も、それは決して彼女にとって見慣れない光景ではないのだから。

 しかし。

 この写真の彼女は違う。
 なんと言えばいいのか ――― そう。端的に言えば人間としての存在を否定されている。
 戦うことで生存の可能性を約束されたものには、敵であっても人としての存在理由や尊厳のようなものがそこには
あるだろう。しかし、この彼女にはそれすらも与えられていない。いや、むしろそれを奪われた存在である。
 死に至るまでにどのような経緯があったか、それをこの写真から見出すことはできない。
 それでも、彼女の死顔には一片の尊厳も残されてはいない。
 生前の表情を想像も出来ないほどに虚ろ。徹底的に人間性を剥奪され、感情や理性を搾取され尽くした表情。
 死者よりも死者。かつて生があったことすら忘却されかねないほどの虚無。
 実験用の生体として扱われるということがどういうことなのかを如実に表現した、グロテスクなオブジェ。

 偽善と言われるかもしれない。なにをいまさらと嗤われるかもしれない。
 それでも椿はこの写真の写す情景を嫌悪し ――― 静かに怒りを覚えた。

(絶対に潰してやる ――― )
 そう、彼女は静かに決意した。

 そして。
 T市R学園 ―――
 すでにその翌日には、任務のために転入を済ませた椿の姿が、そこにはあったのだった ―――

(to be continued)
426yuzu:2008/10/27(月) 02:17:22 ID:WVjm+iJV
以上、投下でした。
まだどれくらいの長さになるかは明確ではありませんが、お付き合いくださいませ。
それでは次回投下のときまで。
ではでは。
427名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 05:52:27 ID:8uE9BRZs
キタキタキタ〜!GJGJGJGJ!!つばきーングだよ!つばきーング!超大好きなキャラの一人なんで続きを全裸待機しますとも!もちろん椿のエロシーンまで!ふごー、ふごー(馬鹿は鼻息を荒くし暴走をはじめた)

……しかしこのシナリオ、雰囲気が物凄いダブルクロスっぽいな、素直に引き込まれたわw
428名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 10:21:03 ID:ojMLPEMo
つばキングキタ!これでかつる!
やたらとDXらしいシナリオ展開なのに敵はしっかりエロ向けなのがステキw

…でもんぱで触手ヴィシャスとか出しちゃ駄目かなぁ…
触手はむしろDXのほうかなぁ…<馬鹿は何か戯言を言い始めた
429名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 12:33:21 ID:OXOibBEp
触手はDXでのみ生きるに非ず、両方で出しちまえ!

……まぁ個人的には触手も好きだが、それ以上にスライムとか好きなんですけどね(ぼそ
430名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 13:19:12 ID:ojMLPEMo
ブラックドッグ/ブラム=ストーカーでメカ触手もスライムも自由自在…
いやいや、なむでもありませんじょ!?
431名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 15:07:26 ID:+aoF7HVa
>>428
でもんぱで触手って上で出てるじゃん。
432名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 22:53:08 ID:FZFpXOog
DXは色々妄想ができていい素材だな
手足を自由に変形できるエグザイル、凄いテクニシャンな天才ノイマン
幻覚洗脳のソラリスに幻影を出せるエンジェルハイロウ…
433名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 23:12:20 ID:NKyyBjbT
完全獣化で服が破けるキュマイラもな。
434名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 23:16:25 ID:1RfDJRin
様々な物質を変化させるモルフェウスもなかなかいけるぜ?
美人未亡人に夫の写真とかをバイブやローターにして感じさせた上で犯すとか。
435名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 23:51:56 ID:vqTHJY5V
ハヌマーンで喘ぎ声を遠くまで伝えたり、バロールで絶頂の瞬間を引き伸ばしたり
436名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 00:39:13 ID:6EILMMr/
>>408の続き、でもぱらすみか陵辱です。
今回はちょっとSM入ったハードな陵辱になるんで、苦手な方はNGしたほうがいいです。

書いてたら長くなっちゃったんで、前編です。
437平尾ゆかりの復讐:2008/10/28(火) 00:40:46 ID:6EILMMr/
翌日、いつもより遅く目覚め、いつもより多く食事をし、それでもいつも通り学校へ行った。
昨日のことは悪夢だったのではないかと思うが、そうでない証拠がいくつもあった。
処女を失った痛みは悪魔寄生体が癒してしまった。それでも自分の身体に違和感が残っている。
制服は新しく卸したてで身体に慣れていない。着替えをかばんに詰めて持ち物を確認する。
携帯には新しい連絡先が数件追加されている。正直、消してしまいたかったがそうもいかない。
平静を装い、学園生活を送る。
普段通りの生活を送ろうと気負っているせいか、今日はピリピリしていると友人達に指摘される。
危うくギアスが発動するかとヒヤリとした。
久介くんの顔をみたとき思わず目を背けてしまった。その場は誤魔化したが顔が赤くなっていたそうだ。
背筋にピリっと痛みが走った。
放課後は剣道部の部活だ。着替えの際、人に見られることに敏感に反応してしまった。
やはりピリピリと緊張していると部員達に指摘されてしまった。
意外と普通に普段通りの生活を送るのは難しい。だけど、要するに気負いすぎなのだということはわかった。
部活を終え、帰路へ向かう。もっと気楽にするべきだったと、背伸びをして肩の力を抜いた。

タイミングを見計らったように、携帯にメールが入った。
『昨日の空き地へ来てね。お姉さまより。』
しばし硬直したまま携帯の画面を眺める。大丈夫。
あの狭い路地の側まで来たところで周囲を警戒する。知人の姿はない。大丈夫。
素早く身体を路地へと滑り込ませる。不審じゃなかっただろうか?
奥へと足を進める。空き地に出るとゆかりと撮影スタッフが居た。
「こんにちは、すみかちゃん。」
「こんにちは、お姉さま。なにかご用でしょうか。」
丁寧に挨拶を交わすが、すみかの心は憂鬱だ。撮影スタッフがいるということは、また嫌らしい所を撮られるのだろう。
「今日はすみかちゃんのかっこいいところを撮りたいの。」
「かっこいいところ?」
「美少女ヒロインが剣を振るって悪党どもをバッサバッサと切り倒すアクションシーンよ。」
「はあ……」
意外な提案に生返事をする。確かに得意なことだが、そんなシーンを撮ってどうするんだろう?
入り口の方からガヤガヤと人の気配がする。
「ういーっす。」「あ、いたぜ。」「平尾様、おつかれーっす。」
昨日ここで伸したチンピラ達だ。すみかが振り向くと男達がニヤニヤと嫌らしい目つきで体を嘗め回すように見つめた。
「よーう、すみかちゃ〜ん。昨日は世話になったな。」
「今日はお礼参りっつーの? 平尾様が準備してくれるっつーんで、たっぷりすみかちゃんと楽しませてもらうつもりだぜ。」
「昨日は折角オマエの『ハダカ』みれたってーのに、手出し厳禁言われちまったからな。」
「おー、まったく残念だったぜ。あんなイイ体してたのによ。」
「俺思い出してオナニーしたぜ。」「俺も俺も。」「ギャハハハハッ」
言いたい放題言われて赤面する。
(そうだ、昨日あの人達の前で倒れたから変身解除した姿も見られてるんだ……)
「あの連中が相手だから、遠慮せずにボコっていいわよ。変身は禁止だけど、能力の使用は許可します。」
「え?」
ゆかりが悪戯をそそのかすように、すみかに口添えする。
「何も無いところから剣出したほうが、美少女ヒロインっぽいでしょ?」
そういうものなんだろうか。
「裸みられた恨みを晴らすと思って、好きにしていいわよ。」
「……はいっ」
昨日から碌なことがなかった。悪いけど、あの人達にはストレス発散させてもらうとしよう。

「すみかちゃん、これに着替えてちょうだい。」
ゆかりがセーラー服を差し出す。
「制服が汚れちゃうと大変でしょ。こっちは撮影用の衣装だから、どうなってもいいわよ。」
「はい、わかりました。」
セーラー服を受け取るが、着替える場所はない。
「すみかちゃんのストリップショー!」「いえーい!」「さっさと脱げよー!」
チンピラ達が囃し立てる。そうはいくものか。
制服のスカートを履いたまま、セーラー服のスカートを履き、制服のスカートを下ろす。下はこれで終わり。
ブレザーを脱いで、男達に背向けてブラウスの前を外す。袖から腕を抜き、セーラー服の袖を通す。
首を通せば、ほとんど見られずに着替えることが出来た。
「なんでー、つまんねーの。」「もっとサービスしろよ。」「ブーブー」
無視して制服をたたみ、かばんと共に隅に置いておく。今度は盗られないはずだが一応注意しておこう。
438平尾ゆかりの復讐:2008/10/28(火) 00:41:28 ID:6EILMMr/
撮影が開始される。
空き地の中央にセーラー服を着たすみかが立っている。
周囲を囲むのはチンピラ達が6人。手に鈍器を持って振り回している。
「今日は変身しないんだったよな。」「だったら囲っちまえば楽勝だ。」
「《フィジカルウェポン》」
すみかが呟くと、手のひらから剣のような武器が生えてくる。
剣を構えると、男達が少し怯んだようだ。
このようなチンピラ達など、日頃の稽古を発揮すれば容易く倒せる。
すみかにはその自信があった。
「やっちまえ!」「おうっ!」
お約束の台詞を叫びながら襲い掛かってくるチンピラ達。
すみかは足さばきを使いながらヒラヒラと舞うように避け、必殺の一撃を加えていく。
「なにしてんだ、捕まえるんだよ!」「おらー!」
背後から男が体当たりしてくる。捕まえて倒してしまえば、筋力に劣るすみかは終わりだった。
「《フィジカルエクステンド》」
すみかは呟くと、その場で高く跳ね上がった!
短いスカートが翻る。空中で体は一回転し、体当たりしてきた男を易々と飛び越えた。
勢いが止まらない男は仲間にぶつかり重ねて倒れた。
(そろそろケリをつけよう。)
剣に手を添え、刀身の先端まで撫でるように指先を這わす。指が触れた場所から炎が生まれる。
「《フレイムストライク》!!」
炎を纏った剣で男達に突っ込み、なぎ払う。本気の一撃では殺してしまいかねないので、見た目は派手だが手加減しておく。
「ぐわーっ!」「あちーっ!」
チンピラ達は全滅した。すみかは時代劇のように剣を振って炎を消し、鞘に収めるように生体武器を解除した。

「いいわ! いいわよ、すみかちゃん! とっても素敵! かっこいいわぁ!」
ゆかりが小躍りしている。撮影スタッフにも親指を立ててグッジョブとサインを送ってくる者がいる。
「えへへへっ」
思わぬ歓声に、ちょっと照れくさい。
(最後のポーズはちょっと格好つけすぎたかも。)
男達に背を向け、ゆかりの方へと歩き出す。
「待ちな、まだ終わってねえぜ。」
倒したチンピラ達から声がかかる。振り向くと全員ボロボロになりながらも立ち上がってくる。
「あの……もう止めた方がいいんじゃないですか?」
「いいや、まだ本番はこれからさ!」
男達の体が内側から膨張を始める。服をぶち破り裸の体が外骨格に包まれていく。
虫のような姿、獣のような姿、蜂のような姿、蜘蛛のような姿、蛇のような姿、蛸のような姿。
様々な形態へと変化していく。悪魔憑き、カルトロップ達だ。
「あ、あなたたち……ヴィシャスに!?」
「そういうことだ。」
すみかはゆかりの方へ首を向ける。ゆかりは獲物を狩るような残虐な笑みを浮かべている。
甘かった。ゆかりが撮影するというのだ、こうなることを考えておくべきだった。
変身を封じられた上でカルトロップが6体。絶望的な戦力差だった。
439平尾ゆかりの復讐:2008/10/28(火) 00:42:35 ID:6EILMMr/
昆虫の頭部に獣人の胴体を持つカルトロップ・アタッカーが飛び掛ってくる。人間時とは比べ物にならないスピードだ。
スカートが切り裂かれ、ふとももが大きく露出する。白く美しいふとももに一筋赤い線が走った。
アタッカーと反対に獣の頭に昆虫人の胴体を持つカルトロップ・ディフェンダーが突っ込んでくる。
ただの体当たりとは言え、変身していないすみかが受けたら一たまりも無い。衝動に我慢しつつ全力で回避する。
バランスが崩れそうなのを脚に力を入れて踏みとどまる。すると思わぬ死角から攻撃を受けた。
敵は上空から急降下すると、すみかの背中に斬りかかった。セーラー服とブラジャーがバッサリと斬られ、背中が大きく露出する。
蜂人間の姿を持つカルトロップ・ライオットだ。
体勢を崩したところに追撃がかかる。右足首に粘り気のある糸が絡みついた。
そのまま斜め上に力任せに引っ張られ、右足が高く上げられてしまう。
長く滑らかな曲線を持つ白いふとももが露わになり、その付け根にあるパンティも丸見えになっていた。
すみかは残る左足だけでは踏みとどまれずに転倒してしまった。
粘糸の先には壁に張り付いた蜘蛛人間カルトロップ・ハンターがいた。
ズルズルと引きずられるすみか。その先には二対の腕を持つ蛇人間カルトロップ・ウォーリアがいた。
すみかは咄嗟に生体武器を抜くと粘糸を切り払い、返す刀でウォーリアに斬りかかった。
立ち上がりながらの不十分な体勢での斬りつけだが、すみかの生体武器はウォーリアの腕を斬り飛ばした。
だが、ウォーリアはまるで問題がないかのように残る3本の腕ですみかに組み付くと武器を持つ腕を捻り上げた。
激しい痛みに、すみかはたまらず生体武器を手放してしまった。
ウォーリアの拘束を逃れようと腕の中で暴れるすみか。ウォーリアは斬り飛ばされた腕を拾い上げると、傷口にピタリとくっ付けた。
次の瞬間には腕は治っていた。脅威の再生能力だ。
再生した腕で、すみかの胸元に手を伸ばす。セーラー服の襟を掴むと、一気に引き剥がしながらすみかを突き飛ばした。
「きゃあっ!」
慌てて胸を押さえながら、たたらを踏む。突き飛ばされた先には蛸人間カルトロップ・イサーが構えていた。
胴体のほとんどを占める大きな蛸のような頭。下腹部から生える多数の触手。異形揃いのこの場で最も化け物じみた悪魔憑きだ。
蛸が墨を吐くように、口から圧縮空気を噴き出した。激しい風圧がすみかの身体を吹き飛ばし壁に激突させた。
「かはっ……!」
全身の骨が砕けたかと思うぐらい激しい衝撃に、すみかは肺の中の空気を吐き出すと、そのままズルズルと崩れ落ち気絶してしまった。
440平尾ゆかりの復讐:2008/10/28(火) 00:43:02 ID:6EILMMr/
すみかは壁に背をあずけ、座り込むように力尽きていた。体中擦り傷と打ち身だらけでボロボロになっていた。
背中のベルトを切られたブラジャーはなんとか身体にまとわりついているが、胸からはズリ落ち形のいいおっぱいが丸見えになっていた。
スカートは大きく切り裂かれた上に、突風を受けたため完全に捲りあがって、ふともももパンティも丸見えになっていた。
男達はボロボロになったすみかを取り囲んだ。
「起きろこら。」
アタッカーがすみかの頭を鷲掴みにして持ち上げ、頬をぺしぺしと叩く。
「うぅ……」
全身の痛みが覚醒したすみかを苦しめる。悪魔憑きの力を解放し、肉体修復を始める。
すみかの身体中にあった擦り傷や打ち身が癒され消えていく。
目の前には先ほどこっぴどくやられたカルトロップ達が居た。
多少回復した程度でどうなる状況ではなかった。
すみかが目を覚ましたのがわかると、アタッカーは手を離した。すみかは再び地面に転げ落ちた。
「よう、すみかちゃん。ボロクソに負けた気分はどうだい?」
「どうだい? すみかちゃん。昨日の俺らの気持ちわかってくれた?」
「悪魔憑きってすげーよなー。」
「こんな圧倒的な力もってんだからよー。いい気になってたんじゃねーの?」
「俺ら今、最高にスカッとしてるしな!」
すみかは顔を伏せ、カルトロップ達に罵倒の言葉を投げつけられるのに耐えていた。
「おい、どうなんだよ?」
「さっきみたいにいい気になってたんじゃねーの?」
「無敵の変身ヒロイン様が悪党を蹴散らしたってよ。」
すみかを弾劾するように問い詰めてくる。
確かに彼らの言う通りだ。自分に都合が悪かったから変身して彼らを追っ払ったのだ。
しょせん悪魔憑きと一般人の喧嘩と高をくくっていた。
「……は、はい。いい気になってました。」
蚊の鳴くような小さな声で答える。
「あ? 聞こえねーぞ?」
「いい気になってました! ご、ごめんなさい!」
目に涙を浮かべながら、頭を下げて謝罪する。
「謝ったぐらいで許してもらえると思ってんじゃねーぞ、こら!?」
「昨日とさっき、二度も悪魔憑きの力で俺らをボコにしてくれたんだ。」
「たっぷり謝罪をしてもらわないと、なっ!」
すみかのスカートに手を伸ばすと、一気に引きちぎった。
「ひっ! 嫌あぁっ!」
「へっへっへっ……楽しませてもらうぜ!」
彼らは暴力で復讐しようとしているんじゃない。
このカルトロップの、化け物の姿のまますみかを犯そうというのだ。
「いやっ、いやあぁぁぁ! 助けてっ、お姉さま助けてくださいっ!」
藁をも掴む思いで、ゆかりに助けを求める。
「駄目よ、すみかちゃん。責任は取らなきゃ。」
無情にも化け物に犯される少女の姿を逃すまいとカメラが回っていた。
441平尾ゆかりの復讐:2008/10/28(火) 00:43:51 ID:6EILMMr/
すみかは空き地の真ん中に放り投げられた。見えやすい場所に移動させたようだ。
男達があっという間に周りに群がり、四肢を押さえつけられ大の字にさせられる。
既にすみかの身体を覆うのは、頭のリボンと裂けて用を成さないブラジャー、パンティと靴下だけだった。
「そんじゃ、ご開帳〜!」
左右から手が伸びブラジャーを引き裂き、パンティに手をかけ力任せにむしり取る。
すみかの裸体がアッサリと男達の目に晒されてしまった。
「嫌あぁっ! やめてっ! 見ないでぇっ!!」
「うるせえなぁ。今更恥ずかしがってんじゃねえよ。」「おい、口ふさげ。」「あいよ。」
ハンターの口から粘糸が吐き出される。粘糸はすみかの口をマスクのように覆い隠してしまった。
「んぅ〜! んぅ〜!」
息は出来るがしゃべることが出来なくなってしまった。
続けて手首も粘糸で縛られ、バンザイをするように頭の上で地面に貼り付けられてしまった。
男達はすみかの身体をじっくり堪能すべく、いたぶりだした。
「見ろよこのおっぱい。」
鋭いツメの付いた化け物の手がすみかの胸を揉みしだく。ツメが突き刺さりチクチクと痛む。
「乳首ピンク。」「昨日も見たけど、いい乳してんなー。」「乳首勃たせてみろよ。」「俺に任せな。」
蜂人間のライオットが名乗り出る。胸に手を伸ばすと先端から小さな電撃がほとばしり、乳首に命中する。
「んんっ!!」
突然襲い掛かった痛みに、すみかはたまらず声にならない悲鳴をあげた。
「痛いってよ。」「あたりめーだ。」「ザマぁw」男達の笑い声しか返らなかった。
「もっと聞かせろ。」「よっしゃ。」
連続して乳首に電気ショックが与えられる。傷つけるほどの威力はないが、強い刺激がすみかを痛めつける。
やがて痛みに反応してか、乳首が勃ってきた。すみかは激しい痛みのなかに、少しの快感を見つけてしまったのだ。
「お、乳首勃ってきた。」「よろこばせてどうすんだよ。」「こいつが変態なんだよ。」「やっべー、マゾかよ。」
男達が大声で笑う。すみかは反論したかったが出来なかった。
「おいおい、上ばっか弄ってないで、本番はこっちだろう。」
すみかは先ほどから股間に与えられていた刺激にじっと耐えていた。
蛸人間イサーの粘つく触手が、股間の割れ目やふとももを撫でまわしていたのだ。
「お、ビショビショじゃーん。」「やる気マンマン。」「やっぱマゾだな。」
(ち、違うっ!)
すみかは心の中で抗議の声をあげたが、当然男達には届かなかった。
「どれどれ。」
蛇人間ウォーリアが四本の手で器用にすみかの陰裂を割り広げる。
「こっちも綺麗じゃーん。」「昨日犯られまくったって聞いたぜ?」「マジで?」「なんだよ中古かよ。」
中古。使い古し。言葉が胸に突き刺さる。自分の純潔は既に無く、その事実は周りに知られていた。
「お味の方はどうかな?」
ウォーリアの蛇のように先割れした舌がチロチロと伸びて、割れ目を舐め上げる。
「んぁんっ! んんっ! んぁっ!」
口を塞がれているが、嬌声をあげたのが男達にもわかった。
細長い湿った舌が一瞬だけ触れて離れ、次の瞬間にはまた別の場所を舐めあげる。
微妙かつ繊細な刺激にすみかは感じてしまったのだ。膣口からジワジワと愛液が溢れ出し、細い舌がそれを舐めあげる。
「濡れてきたぜ。」「感度いいな。」「レイプされて感じるのかよ。」「マジ変態。」「やっぱマゾじゃん。」
「んぅ〜!!」(違うっ! そんなんじゃないっ!)
必死に否定するが、すみか自身、自分が感じていることがわかっていた。
ただ、化け物達に襲われているというのに、これほどアッサリと感じ出す自分の身体が信じられなかったのだ。
すみかに自覚はないが、昨日の性交は既に人外の領域であった。
自在に形を変える指先や規格外の肉棒、変幻自在の触手による処女喪失……。
これらを受け入れる肉体へと、これらの攻めを受けても健康を保てる肉体へと悪魔寄生体はすみかの身体を変化させていた。
「どれ。」
つぷっ……
膣口にキスをするように蛇の口が触れたかと思うと、猛烈な勢いで蛇の舌が膣口を出入りし膣内全体を舐めまわした。
「んあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
プシュッ!
すみかは一瞬で絶頂へと追いやられ潮を噴いた。
「すっげー!!」「イった!」「潮噴いたぜ!」「俺初めてみた!」「俺も!」「潮噴く女なんてマジでいたんだ!」
脱力した身体を投げ出し、放心したまま男達が囃し立てる声を聞いた。
(……やっぱり、わたしって……)
他の女とは違うんだ。レイプされてイってしまう変態マゾ。誰も見たことがない潮を噴く身体をもつ女。
すみかは厭らしい自分を認めるしかなかった……。
442平尾ゆかりの復讐:2008/10/28(火) 00:44:11 ID:6EILMMr/
「そんじゃ、最初は俺からだったな。」「チッ」「早く済ませろよ。」「潮噴かせてみろよ。」「まかせとけ。」
遂に犯される時間が来たようだ。悲しみに涙が止まらない目を開けて相手を見る。
昆虫の頭に獣人の身体を持つアタッカーだ。胴体は毛深く獣毛に覆われており、股間からは対照的に毛のない肉棒が生えていた。
「……っ!!」
すみかは目を見開いた。カルトロップは常人よりも肉体が大きい。もちろんそれは股間のイチモツも同じ事だ。
先細りしてカリ首はないが、機能のヴォージェ男並の大きさがあった。
思わず後ずさりし逃げ様としてしまうが、腕が拘束されたままであった。
アタッカーはそんなすみかの様子を見ると、粘糸を引きちぎり腕を自由にした。
思わぬ自由を手に入れたすみかは、反射的に逃げ様としてしまった。
「はっはっはー! 捕まえたー!」
もちろんそんなことが出来るはずもなく、身体を捻っただけで一歩も動くことなく捕まってしまった。
「やっぱ犯すときはバックだろう。」
すみかの腰を掴むと這いつくばらせるように頭を押さえつける。
「んぐぅっ!」
「ほーれ、逃げてもいいんだぜ!?」
腰を掴み逃げられないようにした上で、すみかが足掻く様を見てあざ笑う。
「残念、時間切れだ。……おらっ!」
対した時間も与えずに、アタッカーはすみかの膣に巨大な獣のペニスを一気に突っ込んだ。
一度イったばかりの肉体は、巨大な肉棒をアッサリと受け入れた。
「んーっ!!」
股を割って押し入ってくる肉棒。昨夜散々味あわされた感覚がすみかを襲う。
獣のような格好で、獣のような化け物に犯される。すみかは自分が人間とは思えないくらい惨めだった。
「おらっ、おらっ、おらっ!」
すみかのことなどお構いなしに獣のように力任せに何度も腰を打ち付けてくる。
その度にすみかは激しい苦痛を味わうが、その刺激が不思議と性的興奮を呼び覚ましてくる。
おなかの奥底からじんわりと広がる熱が、心に火を灯すように燃え上がりはじめた。
(ああ……感じちゃう。獣なのに……感じちゃうっ!)
確かに自分は今、犯されながら感じていた。一度火が付いてしまうと、自分ではどうしようもなかった。
『変態』『マゾ』『こんな女初めてみた』『本物の淫乱ね』
自分に投げかけられた言葉が頭の中を駆け巡る。
「よーし、そろそろイクぜっ!」
(……まだ早いっ!)
合図の声を掛けられて、最初に考えたのがそれだった。
自分の準備は整ってない。まだまだ物足りないと。
あまりに自然にその考えに至り、未だその思考を継続していることに気づかないままだった。
「うおおおぉぉぉぉっ!」
膣内でアタッカーの射精が始まる。胎内にじんわりと心地よい熱が広がる。
だが、すみかはガッカリした気分になった。自分は満足できてない。
射精がとまったところで、自分の思考に気づいた。
今、自分はなにを考えていたんだろう? 思い出し頭に血が上る。
満足できない? 自分は犯されるのを、もっと激しくされるのを望んでいたというのか!?
手で顔を覆い隠す。今の表情を誰にも見られたくなかった。

射精が終わったアタッカーがペニスを抜こうとしたところで動きが止まった。
「な、なんだこりゃ。抜けねえっ!」「んっ!」
すみかは肉棒の根元部分が大きくふくらみコブを作り上げたのがわかった。膣口が大きく開き裂けそうな痛みを感じる。
「なんだかわからねえが、続けて第2ラウンド行かせてもらうぜ!」
「おいおい、そりゃねえぜ。」「ちんこまで犬と一緒かよ。」「犬ってそうなのか。」
アタッカーはすみかと繋がったまま、すみかの身体を裏返し正常位に持ち込んだ。
膣の中を強引に回るペニスが生み出す摩擦が、すみかに痛みと共に快感をもたらした。
動くまでもなくアタッカーの射精が始まる。長く、胎内で小水を放たれているような射精だった。
すみかは継続的に胎内に注がれる熱を感じ、意外な充実感を味わっていた。
443平尾ゆかりの復讐:2008/10/28(火) 00:44:23 ID:6EILMMr/
1分以上続いた長い射精が終わると、ようやっとアタッカーはすみかの中から出て行った。
濡れたペニスを引き抜くと、すみかの膣口からどばどばと精液が流れ出て尻の下に水溜りを作った。
「最初っから中に出すんじゃねー。」「つーか2度もやんな!」「なげーんだよ!」「しょうがねーだろ。そういう作りなんだから。」
男達が自分の扱い方で喧嘩をしている。まるで人間扱いされていないのに、不思議と誇らしい気持ちになる。
「次は俺だ。」
カルトロップ・ディフェンダーの巨体がすみかの前に立ち上がる。
ディフェンダーはアタッカーとは逆に、獣の頭に昆虫人の胴体を持つ。
股間の外骨格が左右に別れると、間からやはり外骨格に包まれたようなゴツゴツとした黒光りする管が現われた。
(獣の次は蟲……。)
すみかはあらためて、自分が人間扱いされていないことを理解した。
ディフェンダーはすみかを軽々と抱えあげると両足を広げ、立ったまま正面から繋がった。
ズブリ。外骨格のスベスベした硬い感触が、膣を分け入ってくるのを感じる。
途中にいくつもあるツナギ目部分が、人の物とは違う段差をつくり膣内を掻きあげる。
重力に引かれてすみかの身体が下がる。ズンッ! 巨体に似合った大きなペニスが子宮を突き上げた。
「んぁっ!」
口はふさがれたままだが嬌声が漏れる。正直、思う存分喘ぎたい気分だった。
ゆっさゆっさと、すみかを抱っこしたまま上下に揺れるディフェンダー。
その度にすみかは子宮を突き上げられる。脳天まで突き抜ける痛みと快感は病みつきになりそうだ。
なにより股間に挿入されているペニスは、これまで味わったものとは一線を隔している。
大きく太く、そして人ならぬ硬さと数々の段差を持つペニスは、すみかを喜ばせるためのものなのだ!
(もっと、もっと……欲しいよぅ……)
皆に感づかれてもいいから、もっと味わいたかった。
両手をディフェンダーの首に回し両足を腰に巻きつけて強く抱きつく。
剥き出しのおっぱいを昆虫の身体に擦り付け、身体を伸ばすように腰をすり寄せる。
「ぐははははっ、こいつ自分から腰をすりつけてきたぞ。」
ディフェンダーの笑い声に、男達が騒ぎ出す。
「やっぱすみかちゃんやる気マンマンじゃん。」「いえー!」「本物の淫乱ってやつだな。」
(……淫乱っ!)
羞恥に顔が赤く染まる。
(馬鹿にされている。認めたくない。でもっ!)
腰の動きは止まらなかった。男の腰の上で、踊るようにカクカクと腰を振り続けた。
背筋が伸び身体が反り返る。獣の顔が胸へ近づき、牙だらけの口でまるまるとしたおっぱいを甘噛みした。
「んんっ!」
追加された刺激に身体が敏感に反応する。痛みだけど、痛みじゃない。不思議な感覚。
再び、かしかしとおっぱいが甘噛みされる。快感が沸き起こる。わかった、これは……
(愛撫してくれているんだっ!)
強引に犯しているはずの化け物なのに、すみかを喜ばせようとしてくれている。
思わぬ優しさにすみかの感情は爆発した。胸を舐めている頭を抱き寄せ、キスをする。
興奮して頭に血が上ったせいか、すみかは喜びを隠す気はなくなっていた。
(ありがとうっ! ありがとうっ!)
キスの雨を降らすとディフェンダーも顔を上げ、すみかの口から粘糸を引き剥がすと噛み付くようにキスを返した。
獣の口から舌を伸ばして、すみかの唇へとつっこむ。すみかも舌をからめて、口内を蹂躙されるのを楽しむ。
はぁっ……くちゅっ……ぴちゃっ……んっ……ちゅっ……
自由になった口で、思う存分にキスを楽しむ。すみかはキスがこれほど気持ちいいものだとは知らなかった。
「おいおい、スイッチ入っちゃったぜ。」「こいつは楽しめそうだな。」「早くこっちまわせよ。」
承知したのか、ディフェンダーの腰が動きを激しくする。
「やっ、あんっ、イイッ! もっと! イイッ!」
解放された喘ぎ声を思う存分叫ぶ。もう恥も外聞もなかった。
すみかは自らの意思で膣を締め上げると、男の射精を促した。
「もっと、もっと、あっ、あぁぁぁぁ〜!!」
すみかがイクと同時に膣内でペニスが爆発する。力強い射精の勢いに、身体が突き上げられたような感じがする。
「あぁ〜……あぁ〜……」
余韻に浸るすみかからペニスを引き抜き、すみかを横たえる。
ごしごしとペニスを扱くと再び射精が始まり、すみかの身体に降りかかった。
444名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 00:47:30 ID:6EILMMr/
ここまで。
なんか自分の予想以上にすみかが堕ちてしまった。大丈夫かな?

>>428
デモパラにも触手はいっぱいありますよ!
自分も出したし、これからも出す予定です。
まー、なんでも出来るDXと比べると少なくなりますが、触手たちの個性を重視したいですね。
445名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 01:24:02 ID:27PO/dCw
>>444
エローい!!と思わず叫びそうになりました。言葉攻めに揺れる気持ちとか、それぞれの特徴を生かしたHとかがしっかり描写されているのがいいですね。
シチュエーションももろ好みで美味しく頂かせていただきました。GJです。
ただ、個人的にはもうちょっとがんばって抵抗してくれたほうがよかったかな、と思います。こういうシチュは、やっぱり堕ちまいと足掻いているあたりが
一番おいしいと思うので。←外道


時間があったので25スレの作品を保管してみました。作者のみなさん、いつも面白い作品を読ませていただいてありがとうございます。
保管の際、マッドマン氏の小ネタ25-111に文字化けを発見しました。お手数ですがご確認ください。
該当部の正しい文章を教えてもらえれば修正しますので、次回更新の際にでも一言お願いします。

その他、なにかおかしな点がありましたらお知らせください。ディスプレイの前で土下座しつつ修正しますので。
以上です。
446名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 06:53:36 ID:6EILMMr/
>>445
保管乙であります。

>やっぱり堕ちまいと足掻いているあたりが一番おいしいと思うので。
同意だ兄弟。
最初一度書いてボツにした文では4人目ぐらいまで堕ちてなかったはずなんだけど、
書き直したらあっという間に堕ちてしまったw

続きを書く際にまた抵抗する気力を沸き起こしてもらうよう、頑張ります。
447名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 07:25:30 ID:6EILMMr/
そういえば、今度の連休の夜あたりに、デモパラエロありオンセの需要とかってあるかなぁ?
久々にGM側で遊びたくなってきた。
448名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 18:24:58 ID:DKrNQq8i
|皿▼)
449名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 23:06:02 ID:BkItHxF/
>>447
ナイト・ウィザード劇場!を調べると幸せになれるよ。きっと。
450名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 00:15:24 ID:Z/AX86Uj
>>443の続き。
昨日にも増して痛々しい暴力とかあるので、陵辱苦手な人は注意。

>>449
結構活発に活動してるんですねぇ。
451平尾ゆかりの復讐:2008/10/29(水) 00:15:51 ID:Z/AX86Uj
火照った身体に降りかかる精液の熱さが、朦朧とした意識を現実に呼び戻す。
(思いっきり感じちゃった……どうしよう……)
もう言い訳できなかった。男達には完全に淫乱マゾとして扱われるだろう。
これから彼らが飽きるまで化け物の姿で犯されまくるのだ。
(もう、諦めてしまおうかな……)
全てを投げ出したように寝転がったまま弛緩する。
次はどんな犯され方をするのだろう? どんな【気持ちのいいこと】されるのだろう?
強姦されているはずなのに、すみかの心は解放とは別の期待に満ちていた。

そんな楽しげな思考が頭部を襲った痛みにより中断される。
「おい、馬鹿女。」
蜂人間型カルトロップ・ライオットがすみかの頭を蹴ったのだ。
痛みに驚き、頭を抱えてライオットを見上げる。
「お前なに勘違いしてんだ。喜んでどうすんだよ。俺らはお前を嬲ってんだよ。犯してんだよ。わかってんのかこら?」
理不尽な言葉を並べられながら、ゲシゲシと全身を蹴りつけられる。
すみかは突然の暴力に混乱しつつも耐えるしかなかった。
(な、なに? なんなの?)
「あいつドSだからなぁ。」「あ〜あ、すみかちゃん可哀想。」「壊すんじゃねーぞ。」
おそらく手加減しているのだろうが、カルトロップの筋力で蹴られるのは並の人間では一たまりも無い。
ライオットはすみかの腹を踏みつけると踵をグリグリとねじり上げる。
「ぐぇっ」
カエルのような声が出た。腹を踏みつけられ膣内に溜まった精液が股間からあふれ出ていった。
「中出しされて喜びやがって、この変態女が! 俺らはお前に奉仕してんじゃねーぞ?」
精液があふれ出る股間めがけて蹴りが放たれる。外骨格に包まれた硬いつま先が膣口に突き刺さる。
「ひぐぅっ!」
脆く敏感な部分に強烈な打撃を加えられ、未体験の痛みにすみかは白目をむいて悶絶した。
ライオットはつま先を突っ込んだまま、中をかき混ぜるようにグリグリと動かした。
「お前が嫌がってないと、復讐にならねえだろうが。」
「痛いっ! やめてくださいっ! 痛いですっ! 痛いっ!」
股間を傷つける痛みに気絶することすら出来ずに、すみかは泣き叫ぶ。

謝罪のために体を投げ出すだけじゃ不満だと言うのだ。
肉体だけではなく心を痛めつけなければ駄目だと言うのだ。
ここまで自分をボロボロにして置きながら、まだ不満足だと言うのだ。
なぜなら、自分は淫乱の変態マゾだから。男に犯されるのを喜んでしまうから。
「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! ごめんなさいっ!」
羞恥と痛みで泣き叫びながら謝罪する。一体自分は、なにを謝っているのだろう?
男が満足するにはどうすればいいのだろう? すみかはどうすればいいのかわからないまま謝りつづけた。
452平尾ゆかりの復讐:2008/10/29(水) 00:16:17 ID:Z/AX86Uj
ライオットがようやくすみかの股間からつま先を引き抜いた。つま先は白濁液に塗れていた。
「チッ、汚れちまったぜ。」
忌々しく言い捨てる。まるですみかが悪いような言い草だった。
痛みに涙を流すすみかの鼻先に、ライオットのつま先が差し出された。
「舐めろ。」
(……え?)
一瞬なにを言われたのか理解できなかった。次に理解して頭に血が上った。
足を舐めろと言われたのだ。精液に塗れた汚いつま足を舐めて綺麗にしろと言われたのだ。
「どうしたメス豚。さっさと舐めろ。」
ライオットが表情の読めない顔で、おそらく見下しながら命令する。
今までも自分は人間扱いされていないと思っていた。だが、性欲処理用でも【女】扱いはされていたのだ。
この男はそれすら不要だと、すみかの尊厳など一切認めるつもりがなかった。
キッ、と顔を上げライオットの顔を睨みつける。
「そうだ、いい目だ。」
「くぅっ!」
ライオットはすみかの頭を鷲掴みにすると跪かせて、汚れたつま先に顔を押し付ける。
「さあ、舐めろ。お前の中から出てきた汚い汁だ。ちゃんと味わって飲み干せ。」
悔しさと怒りと羞恥で体中がワナワナと震えていた。
「……絶対に許しませんっ!」
必ずこのどん底から這い上がり屈辱は返してみせる。すみかは再び立ち上がる気力を取り戻した。
「いいぞ……それでこそ犯しがいがあるってもんだ。」
つま先をすみかの口に突っ込もうとしてくる。すみかはさせまいとつま先を掴み取った。
にちゃり……と、手の中で粘液が小さな音を立てた。生暖かく先ほどまですみかの胎内に入っていたことを感じさせた。
(……くさい。)
男の肉棒から出るときは美味そうに飲んでいたというのに、今はとても舐める気がしない。だがやるしかなかった。
そろそろと舌を伸ばし、精液を舐め上げる。何度も味わった苦味に砂の味が混ざっていた。
「マジで舐めてるよ。」「うわー、ああなっちゃ人間終わりだな。」「あいつマジ外道。」
男達にすら哀れまれる自分に涙しながら、すみかは黙ってつま先を舐めつづけた。

「……終わりました。」
口に手をあて吐き気に耐えながら終了を告げる。
「……悔やしそうだな。」
(当たり前ですっ!)
視線だけで殺せそうな勢いでライオットを睨みつける。
「じゃあ、本番といこう。メス豚らしく四つん這いになってケツを突き出せ。」
蜂のような体毛を割って出たペニスがそそり立っている。
一々言う事が癪に障った。この男に抱かれるのが心底嫌だった。
逃げることは出来ないので早く済ませてしまうしか方法はなく、黙って言われるままにする。
両手と両膝を地面に着き、四つん這いになってお尻を男に向ける。
「もっとケツを突き出せ。」
両足を伸ばし、お尻を高く突き上げる。ライオットの腰の前に股間と臀部が晒された。
「汚ねえマンコだ。」
(……ッ!!)
指を突っ込みかき回しながら罵倒される。今まで抱かれた男達は皆褒めてくれた性器が馬鹿にされた。
自慢するようなことではない。だが褒められるたびに密かに嬉しかったのだ。自分はいい女だと。
悔しさと恥ずかしさで涙が滲んだ。
ライオットは腰に手を当てると、すみかの確認も取らずに尻の穴に自らの肉棒を突っ込んだ。
「アッー!」
「メス豚にはこっちで十分だ。」
つくづく嫌な男だった。
453平尾ゆかりの復讐:2008/10/29(水) 00:16:29 ID:Z/AX86Uj
不意打ちのようにアヌスに挿入され最初は戸惑ったものの、出し入れされるうちにすみかは自分のペースを取り戻していった。
所詮、突っ込んで腰を振っているだけの男である。挿入されているのは悪魔憑きらしく巨大な物だが、この程度は既に慣れていた。
すみかは既に余裕すらあった。尻を出入りするのは気持ちいいが、単調で感じるほどではない。
せいぜい感じている振りでもしてやって、お尻で締め上げてさっさと射精させてしまえばいい。
「あっ、あっ、あっ」
心の中で男を罵倒しながら肛門に力を入れる。ぎゅっ、とお尻の中に肉棒が密着するのがわかった。
「……お前、俺を馬鹿にしてんのか?」
「あっ、あっ……えっ?」
ギクリと、背中が冷えるのを感じた。
ライオットの鉤爪のついた手が胸を強く揉みしだく。ツメが乳房に刺さり、赤い血が流れ出た。
「い、痛いッ!」
「感じてるフリして、さっさと済ませようってか。撮られているからって役者だな!」
上半身を起こされ持ち上げられ、足が地面から遠ざかる。
「だったら俺が本当に天国まで連れてってやるよ!」
ブゥゥゥン! ライオットの背中の蜂の羽が激しく音を立てる。
すみかと繋がったままふわりと浮かび上がったと思うと、ライオットはビルの屋上付近まで飛び上がった。
空中に静止すると、姿勢を前倒しに戻す。目の前には地面までの20mほどの空間。
変身してないすみかが落ちたらひとたまりもない距離。
すみかの身体を支えるのは、お尻に突き刺さったペニスだけだった。
「きゃ、きゃぁぁぁぁっ!」
本能的に括約筋を締め上げ落ちまいとする。だが当然人ひとりの体重を支えられるわけもなかった。
ライオットは落ちそうになるすみかの両腕を捕まえると、そのままふらふらと上下移動を繰り返し始めた。
全身で味わう落下運動の無重力感と、それを受け止める肛門の肉棒。落下の恐怖と、肉棒の悦楽。
連続して襲い掛かる緊張と解放、恐怖と快楽に、すみかの心は休まる暇がなかった。
「ふぅ……あぁぁぁぁっ……ふぅ……あぁぁぁぁんっ……!」
「ほーれ、ほーれ、落ちるぞー。頑張れー。」
心臓が休まる暇もなくドキドキと激しく鼓動する。力の無い棒読みの励ましだが、混乱するすみかの心に一言だけ届いた。
(がん……ばる……? がん……ばるっ!)
落ちるときは項垂れ、昇るときには振り上げる。上下運動にシンクロし、空を飛ぶように身体を躍らせる。
すみかは自ら空を飛んでいるような気持ちで快楽に浸った。
(ああ……本当に、天国みたいに気持ちいいっ……)
454平尾ゆかりの復讐:2008/10/29(水) 00:16:44 ID:Z/AX86Uj
「そんなわけねーだろ。」
急に胸を強く揉まれ、痛みに現実に引き戻される。
「さあ、こっからは天国と地獄だ。お前がイク前に俺をイカせたらお前の勝ち。
 ただし、俺がイク前にお前がイったら、ここから突き落とす。」
「ヒッ!」
無茶苦茶な提案だった。散々感じさせられて、今にもイキそうなすみかには落ちて死ねと言っているようなものだ。
「ま、まって、やめてっ、負けっ、負けでいいから降ろしてっ!」
「駄目だ。じゃあ、本気でいかせてもらうぜ。」
空中で寝転がるようにホバリングする。すみかは騎乗位の状態になり、落ちることなく安定してホっとした。
下からアヌスを突き上げてくるが、これなら自分で気持ちをコントロールできる。
安心したのも束の間、股の間から何か生えてくる。ライオットの体毛に包まれた部分から太くて大きな針のようなものが出てきた。
「……まさか!?」
「こっちが本物だ。しっかり味わいな。」
「あ、あああ……あぁーっ!」
巨大蜂の巨大な針がすみかの膣口にズブリと突き刺さった。しっかり狙いどおりに入ったからか痛みはない。
「このままイったら毒が出ちまうかもしれねえなぁ?」
(ど、毒針!?)「い、いやぁぁぁ!」
先にイっても落下、イかせても毒。進退窮まってしまった。
「お願いっ、助けてくださいっ!」
「絶対許さないんじゃなかったのか?」
皮肉めいた口調で問い詰める。
「許すっ、許しますっ! 許してくださいっ!」
死の恐怖がすみかの混乱に拍車をかけた。
「くくくっ……駄目だ。」
ライオットはすみかを下へ向けるとホバリングを止め、自由落下を開始する。
「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
地面に落ちるギリギリですみかの身体を抱えて起こしホバリングを再開しブレーキをかける。
カメラの目の前にフワリと着地したとき、すみかは白目を剥いて失神していた。
股間から勢いよく黄色い小水が放たれ弧を描いた。
ライオットはカメラに見せつけるようにすみかの破廉恥な姿をおっぴろげた。
尿が止まると、ライオットは股間と尻から自らの物を抜き去った。両方の穴からライオットの精液が流れ出てきた。
「ふぅ……、いい締りだったぜ。」
用が済んだら気が済んだのか、すみかの肢体を放り投げるとサッサと仲間の所へ戻ってしまった。
すみかは小水の水溜りに倒れながら、ビクビクとお尻を痙攣させていた。
455名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 00:18:09 ID:Z/AX86Uj
ここまで。
すみかを反抗させようと思ったら攻めるほうがより酷くなって手がつけられなくなってしまった。

次はもっとマイルドな責めになります。
456名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 02:14:47 ID:3uuA6Y59
>>455
うぁひでぇ。外道だなぁ、蜂人間。
今回もあっさり風味で堕ちちゃったすみかさんですが、前回とは違って恐怖心から折れちゃいましたね。
さすがにこいつ相手に下手な反抗心みせたら21禁(グロ的な意味で)にいっちゃいそうですし。相手が悪かったなぁといったところですか。

次回のマイルドな責めも期待してます。
457名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 02:35:24 ID:fmNMUwYl
すまん、ちょっと聞きたいんだけど
卓上ゲームの地下スレってここでいいの?
浅学なもんで半ば混乱気味なんだ……
458名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 04:24:31 ID:Q2sg9j5v
何故混乱するのかわからんがここが通称地下スレだよ
459名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 11:32:34 ID:uAOPcLCj
>>457
お前さんもしかして柊スレから叩き落されて来た奴か? 
そうだという仮定で言うが、あれはちょっと姉さんのキャラを把握してなさすぎだw
ここでならお前さんの妄想はいくらでも吐き出していいぜ? もちろん興味わかない相手には無視されたり、どうかと思うものは叩かれる可能性があるけどな


これで全然別人だったら俺赤っ恥だね!!
460名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 11:38:21 ID:zKalsjvp
>>459
え、下がるスレからハエ叩き並に落下してきた人なのか?
俺はてっきり半角二次板で初心者だって宣言したら絨毯爆撃喰らって、その上住人が関係ない話しだしてそれを責任とらされるように最後に注意されたかわいそうなあの人かと思ってた。
461名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 12:05:17 ID:Kw8EPSxR
>>459
残念柊スレに下品な妄想書き込んだのは俺だ
赤っ恥だな!

【誰が、とは言わない】
462名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 16:20:37 ID:5x+Q9ywa
半角二次のNWスレから誘導されてきた奴かも。
463名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 20:49:08 ID:x9nMyyBX
>>462
惜しい、そいつは俺だ!
そろそろ円環×柊のSS書こうかな

【アホは地下からあがった!】
464名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 21:09:20 ID:Tt0K6PvE
>>459
弟に激ラブ、略してゲブなだだ甘京子お姉ちゃんでもあったのか?


【馬鹿がつつみあかりスレからやってきた】
465名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 21:30:10 ID:ZRu4Zowb
次ぎスレ辺りでいいから、地下から這い上がる先のスレへの案内欲しいな
どっかあんないのあるすれへの誘導でもいいが
466名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 21:42:36 ID:zKalsjvp
>>465
どこの?<リンク
467名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 22:48:31 ID:fcq0m9pW
>>465
一行目は、あらゆるシステムのスレが該当するから無意味。
二行目は、18禁板を常時案内する様なスレは卓ゲ板にない。
468名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 01:40:22 ID:uc3jM9ig
なんだかんだ言ってもここは「地下」…つまりアンダーグラウンド。そうそう晒されてはいけない場所だしな。
おとななら、ゆうどうなんかにたよらず、ひとりでここまでこれるようにならなきゃ!
469名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 10:16:58 ID:36owI24I
>468
 >465 についてのレスであれば、逆じゃないか? 違ったらすまん。
 >465 が言っているのは「地下から這い上がる先のスレへの案内」なんだから。
 要は非18禁の作品が投下されているスレへの誘導をテンプレに載っけたらどうだ、という提案だと思うんだが。
470名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 10:30:52 ID:fHMNo7Uj
>>469
だよなぁ。確かに>>465も分かりづらいけど、>>468みたいな解読はどうやってもできなかった。
俺もまだまだだな。

で、結局>>465はどこへの誘導を張ってほしいんだ?
471名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 16:45:58 ID:M7AliNbU
>>469
それなら1に張ってある
>卓上ゲーム板作品スレ その2
だろ
472yuzu:2008/10/30(木) 20:58:39 ID:ICeiNivI
『〜A Feast〜』の続き、投下です。
少し短めですが、前回に引き続いて(いや、作品の傾向として全体的にそうなりますが)鬼畜風味なので、
閲覧ご注意願います。ではでは。
473〜A Feast〜:2008/10/30(木) 20:59:56 ID:ICeiNivI
 午後の授業を終えた放課後。
 R学園の正門前で隼人を待つ間、椿はT市内の地図を眺めながら時間を潰していた。
 T市への赴任が決まったその日に二人の間で取り交わした、三日ごとの情報交換の約束の日が今日だった。
 有益な手がかりが見つかろうが見つかるまいが、定期的に落ち合い、顔を合わせる取り決めである。
 任務開始から二週間が過ぎ、この会合も今日で五回を数える。それぞれが独自の方法でFHの痕跡を追跡するやり
方は、少なくとも今日に至るまでその有効性を証明するには至っていない。
 元々、情報収集という分野は不得手な二人である。狭い市内とはいえ、手分けをして潜伏に適した場所をしらみつぶ
しに探すという実直なやり方では、やはり限界がある。ただ足を使って捜索するしかないという状況で、多少時間がか
かることは覚悟の上であったが、それでもやはり思ってしまう。
「こんなとき、ヒカル支部長だったら簡単に情報を手に入れちゃうんだろうな」、と。
 考えたところで無駄なことをつい思い浮かべてしまい、椿は苦笑した。いまここにいない大宙ヒカルのことを考えても
詮無きことだ。だが、そんな思いが頭に浮かぶのを抑えられないくらい、調査の進展は芳しくなかった。
 T市の地図に目を落とす。
 そこには、今まで椿が訪れた場所ごとにボールペンで赤丸のチェックが入っている。
 誰でもすぐに思い浮かぶ目ぼしいポイント。空き家。開発途中の工事現場。河川敷。
 一軒家と違い、周辺住民との交流が少なくても、さほど不審に思われないマンションやアパート。
 また、T市においてFHの拠点があるとするならば、候補地として多くの中小企業が利用する雑居ビルも一応チェック
項目に入れておいた。学園を中心とした半径十キロ圏内は、椿自身の筆跡で記された赤色の書き込みでほぼ埋めつ
くされている。この二、三日の椿の懸案は、捜索範囲をもう五キロ拡げるべきであろうか、という一事についてであった。

「よー、待たせたなー」

 難しい顔をしてボールペンのキャップを噛んでいた椿に、後方から声がかかった。
 今回の任務にあたり ――― いや、今回に限ったことではないが ――― 、仕事のパートナーとして同行してきた高
崎隼人である。短く刈り込んだ髪をがしがしと掻き毟りながら、眠たげな顔をして欠伸までしてみせる相棒の顔を一瞥
し、椿はぴしりと言い放つ。
「遅い。十分遅刻」
 猫科の獣 ――― いや、むしろ鷹か鷲のような猛禽を思わせる切れ長の瞳が、隼人を鋭く射抜いた。
 気の弱い男子生徒ならば萎縮しかねないほど、凛とした瞳。どこまでも真っ直ぐで、迂闊な言い訳など許さない気迫
がこもった強い視線である。しかし、相手は隼人だ。チルドレンにしては珍しいヤル気のなさとふてくされた態度は他の
追随を許すものではなく、この椿の睨みにも動じない図太い神経の持ち主だ。
「なんだよ、十分遅刻って。第一待ち合わせの時間なんか決めてないだろ」
「教室を出て、昇降口から正門前まで徒歩七分。ホームルームが終わったのは二十分前。クラスメートとの挨拶に三分
かかったとして、じゃあ後の十分はなにをしていたの?」
 なんだか、すごく嫌がらせみたいなことを言っているな ――― と。
 そのことに気がついて椿はなんとなく気恥ずかしさを覚える。なにもここまで、分刻みのスケジュールを隼人に強制す
ることはなかった、と思い直す。
474〜A Feast〜:2008/10/30(木) 21:00:32 ID:ICeiNivI
「――― ごめん。私、いますごく嫌味なこと言ったみたい」
 捜索状況の停滞のせいにはしたくはなかったが、進展があまりに少ないことへの苛立ちがあるのは本当だった。
 その苛立ちが棘となって言葉に表れたのだとしたら、隼人には謝らなければいけないし、自分は反省しなくてはいけ
ない。いつも隼人に向かって頭を冷やせ、冷静になれと言っているはずの自分がこれでは、どうしようもない。
「いいって。でも焦ることはないぜ。俺たちはできることはやってる。お前なんか特にそうだろ? 任務で手ェ抜くヤツじゃ
ないからな」
 大らかなのか、物事の細かいところに気を配らない性格なのか。隼人は椿の謝罪を受け流すようにそう言った。
 変に真面目な返答をされるよりはずっと気が楽だった。
「………ありがとう。ごめん」
「だからいいって。で、今日はどこで作戦会議するんだ?」
 学生鞄を頭の後ろに回し、大きく伸びをしながら隼人が尋ねる。
「今日は私のアパートにしよう? いくつか打ち合わせたいこともあるし、確認したいこともあるから」
「わかった。じゃ、先に出てろよ。俺、二、三分したら遠回りでいくからさ」
 これは、周囲に下手な詮索をされないための配慮であった。同時期に転校してきた見知らぬはずの男女二人が、仲
良く連れ立って帰った上に、片方がもう一方のアパートに上がりこむところを目撃されてしまっては、決して良い噂は立
たないであろう。
「うん。それじゃ」
 簡単な挨拶をして、くるりときびすを返すと、椿は脇目も振らずに帰途につく。
 その背中を見送る隼人が大きく溜息をつき、
「ただ、なにごともなく二週間………か。椿じゃなくても、ちょっと参るぜ………」
 呟きつつ、ぶらりぶらりと歩き出した。
 任務が滞っていることに焦燥をつのらせているのは椿だけではなかった。決して表面にこそ出さないが、隼人は隼人
でこの状況になんらかの打開策を見つけなければ、と心底思っている。幸い、現在このT市においてレネゲイド犯罪と
思われる事件は起きていない ――― まだ、いまのところは。
 だが、解決が遅れれば遅れるだけそれが起きる危険性は日増しに強くなっていく。
 そうなることは、絶対に避けたかった。
「頼りにしてるんだぜ、お前のこと」
 本人を目の前にしては言えないが、それが隼人の本音である。あいつは俺より頭が切れる。俺より状況を見る目を
持っている。この街に隠されたFHの影を捕まえることが出来るとしたら、自分よりも椿であろう、と。
 三日前から、どれだけお互い捜査に進展があったかはわからない。
 それでも今日の情報交換が実りのあるものであるように、と祈らずにはいられない隼人であった ―――
475〜A Feast〜:2008/10/30(木) 21:02:08 ID:ICeiNivI


 『先生』が調達してきてくれた食料を、ダンボール箱で作った即席のテーブルの上に並べる。
 コンビニで買ってきたおにぎりやサンドウィッチ、出来合いのお弁当。施設にいた頃は食べたこともないような珍しい
ものばかりで、僕にとっては毎食毎食が新鮮な驚きに満ちている。この街に来てからは、以前より環境が良くないから
せめて食事はたくさん食べて欲しい、という『先生』の言葉に甘えているのだ。
 今日の晩御飯 ――― 現在時刻は夜の七時だ ――― は、ハンバーグ弁当。具が全部違うおにぎりが四個。ハム
とツナのサンドウィッチ。それと、デザートには小さなチーズケーキ。食べすぎだって思うだろうけど、このあとたくさん
“運動” しなけりゃいけない僕には適量だ、って『先生』も言ってる。
 おにぎりとサンドウィッチの包み紙を開け、お弁当の蓋を開けると、倉庫中においしそうな匂いがふわりと漂った。
 僕がお弁当に手をつけ始めると、すぐに僕の傍らできゅるきゅる、と小さな音が聞こえる。食べる手を休めてそちらを
見ると ――― 攫ってきた、あの気弱そうな少女が僕の食事の様子をぼんやりとした目で見つめていた。
 ここへ連れてきてから今夜が三日目の夜。そういえば、この娘に食べ物を与えた記憶が僕にはなかった。
 考えてみれば、三日の間も飲まず食わずで毎日僕に犯され続けているんだから、体力も消耗するしお腹だって空く
だろう。僕は少し考えて、少女ににじり寄ると、猿轡を外してやった。パリパリの海苔に包んだ梅干入りのおにぎりをつ
まみあげると、彼女の口元に持っていき、それを食べさせてあげることにした ――― なぜなら僕は梅干が好きじゃな
いからだ。『先生』が買ってきてくれる食事はどれも美味しいのだけれど、梅干だけがどうしても好きになれない。
 少女は、僕の差し出したおにぎりと僕の顔を交互に何度か見比べて、それからようやく、おずおずとそれを食べた。
 パリッ、と乾いた海苔を噛む音。小さな口を懸命に動かして咀嚼と嚥下を数回繰り返すと、ぽろぽろと泣き出した。
「美味しい、ありがとう、美味しい」
 泣きながらそんなことを言った。
 本当に馬鹿だ。なんでありがとうなんて言えるんだろう。いらないから、捨てるも同然であげただけなのに。
 餓死でもされたら面倒だから気まぐれで食べさせてやっただけなのに。こんな目に遭わされて、相手に礼を言えるな
んて、やっぱりこいつ、頭が悪い。
 なんだか無性にイラついた。
 ダンボールのテーブルを脇によけ、僕はなんの前触れもなく少女の脚の間に手を滑り込ませる。
 下着なんか、攫ってきたときから破り捨ててやったから、ずっと下半身は裸のままだ。
 僕の精液にまみれ、どろどろに汚れきった肉襞を掻き分けて、人差し指と中指を奥までねじ込んでやる。
 久々の食事を与えられて安心しきっていた少女は、僕の突然のこの行為になんの心の準備もできていなかったよう
で、乱暴に股穴をほじくられると、
「うぶっ、ひぁあぁぁぁぁーーーーーっ!」
 口から御飯粒を撒き散らしながら仰け反り、間抜けな悲鳴を上げた。差し込んだ指を滅茶苦茶に動かす。悲鳴の途
中で思い切りむせ、咳き込んだ。おにぎりの欠片でも気管につまらせたのだろう。指の動きは止めないまま、ズボンの
ジッパーを下ろすと、敏感にその音を察して少女は半オクターブ高い金切り声を上げる。
「どうして、なんで、やだ、やだぁっ!」
 食事を与えられたことを優しさや慈悲だと勘違いしたんだろうか。僕がもうこんなことをしないと、まさか夢にでも思っ
ていたんじゃないだろうか。頭が悪い。本当に馬鹿だ。
 僕は心の中で少女のことを軽蔑しながら、言葉遣いだけは優しく言ってあげる。
「食前の運動だよ。軽く一回、つきあってもらうからね」

 少女の応えを聞くことなく ――― 僕は侵入を開始した。
476〜A Feast〜:2008/10/30(木) 21:03:06 ID:ICeiNivI


 スチールのパイプベッド。一人用のテーブル。
 たったそれだけが椿の暮らす仮住まい ――― 今回の任務に際して組織が貸し与えてくれたアパート ――― の居
間にある、生活用品のすべてだった。食事と就寝の空間以外にはなにもない。テレビもラジオもない。
 殺風景といえば殺風景な部屋である。
 所詮は任務の間だけの住居なのだから、必要以上のものは持ち込まないにこしたことはない。しかしそれでも、椿の
それは徹底していた。情報交換のために部屋に上がりこんだ隼人が、信じられないものを見るように椿の端正な顔を
見つめる。俺の部屋だって、もう少しは賑やかだぞ。隼人の目は、そう椿を非難しているようだった。
「? なに?」
 自分を見る隼人の視線に気づいて、椿が首を傾げた。彼女がこの部屋の有様に不平も疑問も抱いていないのは明白
である。そもそも、これが椿自身が望んで造り上げたレイアウトなのだから、文句がなくて当然であろう。
「………いーや。別に」
「? 変な隼人 ――― 」
 お前のほうが俺には変だと思えるけどな、とは口にはしない。これも椿の持ち味といえば持ち味だ。
「鞄、適当なところに置いていいから。制服の上着を脱ぐなら、押入れを開けてハンガー出して。お茶でも淹れるから、
座っててね。座布団はないけど」
 短い言葉でてきぱきと指示をする椿。隼人に矢継ぎ早に言いながら、自分自身も帰宅後の身支度をする。
 学生鞄はベッドの枕元へ。制服のブレザーを脱ぎ、ワイシャツ姿になると丁寧に畳んでそれを鞄の上に置く。
 アパートの玄関脇へと足を運び、小さな台所の横に置かれた一人用のコンパクトな冷蔵庫を開けると、中から清涼飲
料水のペットボトルを二本、取り出した。その間、わずかに一分半。
「――― はい」
 テーブルの上にペットボトルを無造作に置く。
「お茶淹れるって、これかよ」
「………」
 途端に椿が不機嫌そうな顔をしたので、隼人は口をつぐんで慌ててペットボトルを手に取った。あと数秒反応が遅け
れば、隼人の分の飲み物だけが冷蔵庫にしまわれていただろう。キャップを開け、返せと言われる前に口をつけてしま
えばもうこっちのものだ、と言わんばかりに一気に半分まで飲んだ。
 その仕草を睨みつけたまま、椿が自分のペットボトルの飲み口に口をつける。ほんの一口だけ含み、唇を湿らせた。
「まず、状況を順序立てて始めから整理しましょう」
 ペットボトルをテーブルに置きながら、椿がまず口火を切った。異論のあろうはずもなく、隼人が無言で頷く。
「UGNの襲撃したFH研究施設から、ひとりの研究者とチルドレンが逃亡した。目撃情報から、二人の潜伏先をこのT市
と特定し、UGNは私たちをここへ送り込んだ。私たちの任務は二人の抹殺と、施設で行われていた研究資料の奪取ま
たは廃棄。でも、この二週間の捜索はいまのところ一切の成果を上げていない。と、ここまではいい?」
「ああ」
「編入したR学園を中心として、半径十キロ圏内を捜索ポイントに定めたのは私の提案。二人がかりで目ぼしい建物や
施設をしらみつぶしに当たってみたけど、潜伏場所の特定はできていない。今日私が相談したかったのは、捜索範囲
を拡げて同じやり方で捜索を続けるのがいいのかどうか、なんだけど ――― 」
 半径十キロから十五キロまでの範囲に捜索エリアを増やすこと。学園正門前で椿が思案していた内容の、隼人への
提案であった。言葉をそこで切って、隼人の顔を窺う椿の表情がいつになく自信なさげに見える。
477〜A Feast〜:2008/10/30(木) 21:03:54 ID:ICeiNivI
「――― めんどくせえな」
 ずばり、隼人がそう切り捨てた。
「隼人、面倒くさいってそんな ――― 」
「だってそうだろ。見つからなけりゃ来週から二十キロ、それでもダメならもう五キロ。そんな捜索の仕方をするつもりな
のか、お前」
 珍しく椿が言葉に詰まった。闇雲に時間だけをかけて捜索範囲を広げることにどれだけの意味があるのか。なんの手
がかりも見つけられていない現状では、ただ徒労感が増すだけであろう。だから、このやり方を正しいとは椿も思っては
いない。正しい、という確信があるならば提案だの相談だのとまだるっこしいことは言わず、
「このやり方でいくから」
 と、隼人をぐいぐい引っ張っていくだろう。
「なあ、椿。ちょっとやり方変えてみないか」
「え?」
 隼人のほうからの提案に、椿が目をかすかに見開いた。
「いや、変えるっていってもどう変えたらいいか俺にはさっぱりなんだけどな。どこに隠れてるかを考えるのはいったん
やめにしようぜ」
 それをやめて、いったいなにをするのかという提案が隼人にあるわけではない。ただ、この先の見えない捜索に嫌気
が差しているのは確かなことで、たまにはなにか違ったことをしてみないか、ということを椿に言いたいのであろう。
 特別深い考えから発せられた言葉ではなかったが、隼人の言葉に椿はふと、考え込んだ。
 しばらく、顎に指を当てながら目を閉じて物思いに耽る。

「――― 違う方面からアプローチをしてみる、ということ?」
 瞼を開いたときはすでに、椿の瞳に闘志が戻りかけていた。なにものをも鋭く射抜く、あの瞳だった。
 思えば、T市に潜入した当日、椿と隼人がまず始めたことはなんであったか。
 無人の家がないかどうか。廃棄された工場施設などがないかどうか。
 椿たちは、一足飛びに、そんなところから調査を開始してしまったのである。
 『逃亡者が潜伏できる場所が市内にどれだけあるか』。
 椿たちの捜索は、まずこれを念頭において始められた。
 しかし、いまとなってはそれが間違いだったことがわかる。これでは、T市内にあるすべての建造物を探さなければな
らなくなり、隼人の言うようにいたずらに捜索範囲を拡大する羽目に陥るのは当然だった。
 それではダメだ。
 椿たちが考えるべきだったのは、
 『逃亡者が潜伏先としてどんな場所を選びやすいか』 ――― このことだったのである。
 捜す相手の心理を読む。行動様式を読む。潜伏先として選ぶ、環境の好みを読む。
 
 たとえば ―――
 運転免許を持っていない人間は駅の最寄に住居を構えたがるだろう、とか。
 なにか特別な持病を抱えている人間なら大きな病院の近くに住みたがるだろう、とか。
 そういう些細に見える情報をもとに捜索相手の行動パターンを読むのである。
 ひとつの市全体をただ無目的に探し回るくらいなら、挙げた例で言うように『線路沿いにある大きな病院』の近くに住
んでいるのではないか、という目安を元に探したほうが遥かに効率的で理に適っているといえるだろう。
 今回の任務にあたっては、言うなれば ―――
 捜索対象が研究者とチルドレンの二人である、という先行情報があることに安心して、『標的』に関する基礎情報を集 
めることを無意識のうちに怠っていたことが、捜索の進捗がおぼつかないことすべての原因であった。
478〜A Feast〜:2008/10/30(木) 21:04:59 ID:ICeiNivI
 結論として ――― 第一に、逃亡した研究者とチルドレンに関する情報をまず集めること。
 椿の中で、以降の捜索の指針がなんとなくではあるが固まった。
「アプローチなんてどっちの方面からでも構わない。お前が決めてくれていいからさ」
 ニッ、と隼人が笑いかける。
 その笑顔は、ようやくいつもの俺たちらしくなってきたな、と、そう言っているようだった。
「………隼人も、少しは考えてよ」
 本来の調子を取り戻したのであろう。隼人を叱咤する椿の声も、どこか柔らかい。
「まずは、敵の情報を集めるところから仕切りなおしましょう。T市近辺の支部に協力を仰ぐのもいいかもしれない。近郊
のFH拠点について、できるかぎり情報を調べたいから」
「そうか。潜伏に協力しているヤツが近くにいるかもしれないってことなら捨て置けねえしな」
 隼人が腕組みをしながら感心したような口ぶりで言う。敵の情報を探るなら、まず敵のことを知ることだ。
 近辺にFHの拠点があるのなら、そこから糸を手繰り寄せてもいい。
「そういうこと。さあ、今日はもう解散しましょう。明日から、もう一度洗い直すんだから」
 静かな決意を込めて、椿が真摯な瞳で隼人を見た。
 お互いの目を見て、こくん、と一度だけ頷き合う。
 明日を待とう。今日は、いままでに無駄にしてきた時間を取り戻す明日のために、早く休んでしまおう。
 休息も息抜きも『任務』のひとつだと、椿が知ったのもつい最近のことである。
「ああ、わかった。そうしよう。じゃ、な。ごっそさん」
 残ったペットボトルの中身を一気に飲み干し、隼人が立ち上がる。床に放り投げておいた学生鞄をひょい、と持ち上げ
ると、「また学校でな」と振り返りもせずに言い残し、玄関口へと歩み出た。アパートのドアノブを捻る音、木製の扉が軋
む音だけを残して隼人の気配が消え去ると、椿は制服のワイシャツ姿のままベッドに倒れこむ。
 気が張っていたのかもしれない。任務が遅々として進まない焦燥からストレスを感じていたのかもしれない。
 だけど今日、隼人と話をしてなにかが吹っ切れた。そして、それと同時に、疲れがどっ、と押し寄せてきた。
 ベッドの上でいつの間にか静かな寝息を立てながら、椿は夢も見ずに深い眠りの中へと落ちていった ―――



 晩御飯の前の腹ごなしのつもりで少女を犯す。
 すぐに耳障りな悲鳴を上げ始めたので、外した猿轡をもう一度噛ませてやった。
 やかましい騒音はくぐもった呻き声に変わり、そのうち甘えて鼻を鳴らすような啜り泣きへと変化していった。
 たった三日で随分と変わるものなんだな。僕はそんなことを考えながら、深く埋めた腰を動かし続ける。
「ふぅん、くぅん、ん、んふぅ、うんむぅっ、くんんっ………」
 さっきまで絶望の涙に濡れていた目が、別の意味での涙を流し始める。
 顔が真っ赤だ。薄く開いた瞼がぴくぴくと震え、なんども開いたり閉じたりを繰り返す。
 この反応は―――『先生』が教えてくれた “感じている” という状態なのだろうか。
 細い腰を両腕で抱え込み、一番深い部分まで到達できるように強く腰を押し込むと、内部の柔らかい肉が僕自身を
包み込むようにきゅんきゅんと締め付けてきた。ぬめり、潤った膣が収縮を繰り返し、僕を悦ばせようと蠕動する。
 目を細め、駆け上ってくるなにかに耐える表情が、少女の高みへの『到達』が近いことを教える。
 突き出した腰から僕の剛直の先端にかけて、軽い痺れが駆け抜けたかと思うと、僕にも放出のときが訪れた。
479〜A Feast〜:2008/10/30(木) 21:05:42 ID:ICeiNivI
「………っ、出る。出すよ」
 少女の表情に怯えのようなものが走った。しかし、だからといって途中で止めようとは思わない。
 欲望の印、征服の証である大量の精液を、少女の胎内へと流し込んでやる。
「むぐっ、ふぐうっ!?」
 顎をそらし、僕から身体を逃がすように背中を反らす少女。だけど、がっしりと固定された腰は微動だにすることもで
きず、少女は僕の股間からほとばしった体液のすべてを十分に胎内へと受け入れた。

 びくびくっ、びくびくっ。

 全身を硬直させたまま、痙攣を続ける少女。膣内射精への嫌悪と、迎えてしまった絶頂感が混ざり合った、とても複雑
な表情をみせている。犯されているのに、感じて、イッてしまったことへの嫌忌と、どうしようもなく悦んでしまっている肉
体への戸惑いが、嗚咽となってほとばしる。

 ずるっ………

 射精後の余韻を十分に堪能した後で、少女の膣から僕自身のペニスを抜き出した。
 こぷこぷと音を立てながら、大量の白い粘液が充血した肉穴から溢れ出る。
 そして、いつもの通り僕は待つ。
 『先生』がいう通りの “望む変化” を待ち続ける。

 だけど ――― やっぱりなにも起きなかった。落胆の溜息をつく。
 そのとき、背後で人の気配がして、先生が帰ってきたことを僕に知らせた。
 『先生』は振り返った僕を見て、調子はどうか、と柔らかい口調で尋ねてくる。今日もうまくいきません、ごめんなさい、
と僕は素直に謝った。『先生』の望む結果ではないのだとしたら、それは僕がいけないんだろう。いつまでも僕が成果を
出せないことで、『先生』は僕を叱りやしないだろうか。見捨てられやしないだろうか。
 僕は、ただひとつ、そのことだけが怖い。
 でもやっぱり『先生』は優しい。いままでこの少女を犯してきたやり方は『先生』の指示だ。だから、このやり方で成果
をあげることができないのは僕のせいではないそうだ。そう言ってくれた。
 むしろ、試験的に行ってきた今のやり方では効果が出ないことを、これではっきりと確信できた、と『先生』は言う。
 『先生』が言うところの、 “サンプル取りのための性行為” を、ご苦労様、とねぎらってくれた。
 叱られるかと思ったら褒められたので、僕は嬉しくて泣きそうになってしまった。
 『先生』は続けて言う。
 明日から、一番最初のやり方に戻ってみよう。きちんと、 “エフェクトを使いながらやってみよう” と。
 
 僕は元気良く、「はい」と、そう答えた ―――

(to be continued)
480yuzu:2008/10/30(木) 21:06:23 ID:ICeiNivI
以上、投下でございました。ではでは。
481名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 22:25:36 ID:vPDzZjbY
乙。

……梅干しが嫌い……
482強化人間劇場:2008/11/01(土) 08:57:40 ID:Pqss8T2O
投下です。
今回はその名のとおり強化人間のお話。
ていうかあかりん。
つうかおっぱい。
てかコミケ落選。
483ピュアなキモチ:2008/11/01(土) 09:00:56 ID:Pqss8T2O
「命……」
 狭界に浮かぶ、豪奢な城。
 浮遊島ともいえる世界の守護者の居城にして第八世界最後の砦。
 その一室に、規則正しい寝息と電子音が響いていた。
 そう、それはあの日から。
 魔王アスモデートの陰謀を打ち砕いた、一年弱の長きにわたったあの戦いが終わったときから。
 そして金色の魔王を退けたときのたった数分の逢瀬から、真行寺命は目を覚まさない。
「命…… 私、待ってるから」
 傍らに座る赤い髪の少女の瞳に映るのは、在りし日の彼の笑顔。
 妹との運命を呪う苦悶の顔。そして全てを受け入れそれでも抗い続けた、あの決意の顔。
 だが寝息を立てる彼の顔は、今やどのような表情も映さない。
 彼が再び昏睡してから、そう時は経っていないはずなのに。
 何故、永劫の時を待っているような感覚に陥るのだろう。
 きっと、それは想いが大きい故に。それ故、命が【在るのに居ない】時間が重くのしかかる。
 彼女――緋室灯の時計はその時から止まっていた。
「……?」
 否、秒針だけがほんの数秒ずつ動いていたのかもしれない。
 彼の意識は無くとも、身体はそこに在るのだ。
 ことあるごとに彼を訪れる彼女がそれに気付かないはずはなかったのだ。
 彼の身体は生きている。心臓は脈打ち、鼓動は血を巡らせる。
 それは寝息が取り込んだ酸素を体中に行き渡らせ、生命の息吹を繋ぐ。
 生きている。
 それは生態反応と無縁ではないということ。
 灯の視線はいつしかある一点に注がれていた。
 彼の股間あたりに小高く築かれたテントのような張り出しに、である。
 無論、それが何であるか分からない灯ではない。
 恋というものを知った今、あかりんだって女の子。そういうことに興味がないわけではないのだ。
 いやむしろ興味津々であったと言った方がいい。
 そんな青い感情と、彼の苦しみをどうにかしてあげたいという【ピュアなキモチ】を誰が否定できようか?
 無理である。そんな一昔前の恋愛漫画風にカタカナで書かれたキャッチフレーズを否定できる無粋な者などこの世界(主に卓ゲ界隈)にはいないのである。
 いやむしろネタとして拾って大惨事を望んで引き起こす者が大半である。
 え? 俺は違う? フフフ照れなくてもいいのよ仔猫ちゃん。一度恋愛ロールをやってしまったら病み付きになるぜー?
 ……さておき。
 ここで問題が発生した。
「命……苦しそう」
 す、と彼にかけられたタオルケットをめくる灯。
 そのままパジャマのズボンに手をかけた。
 そう、問題とはまさにこの一点なのである。
 恋愛に興味を持った灯が参考にしたのは少女漫画。傭兵として常に最新の情報を得るよう教育された彼女が手に取るのは、勿論最近の少女漫画の最新号。
 まあ最近の少女漫画の傾向として、【ピュアなキモチ】を伝える手段は大抵アレである。
 キス? ああ、それも含むね。しかも唇だけじゃなく色んなところにしちゃうね。
 そんなものを【戦略的な最新の情報】として取り込んだ、状況的には目を覚まさない恋人を待ち続ける悲劇のヒロインそのものである彼女の行動、推して知るべし。
484ピュアなキモチ:2008/11/01(土) 09:01:47 ID:Pqss8T2O
 * * * 

 そのころ真行寺命の精神は、とある狭界で彷徨っていた。
「おふぅっ!?」
「ど、どうしたんですか真行寺さん?」
「まーた変な声あげちゃって」
 対隕石一万倍男(仮名)と隕石女(仮名)が、急に奇声を発した命の顔を覗き込んだ。
「はふんはふん」
「な、なんか顔が赤くなってきたね。なにこれマサト」
「し、知らないよ」
「や、柔らかいッ!?」
「柔らかい……なにかしら?」
「いや想像もつかないし。真行寺さんが転がってるの固い地面だし」

 * * * 

 緋室灯は頑張っていた。
 具体的にはふにふにと形を変える自らの乳房を両手で固定、命の肉棒をどうにかこうにか胸中に収める。
「こうして、こう」
 むにむにと手を上下に動かす。乳肉が揺れ、肉棒を程よい柔らかさで押し包む。

 * * * 

 そのころ真行寺命の精神は、身体に伝わる感触が変化したことに悶えていた。
「あああッ!? そんなスベーって! ヌメーってぇぇぇ!!!」
「し、真行j」
「いや、もう放っておこうよマサト」

 * * *

 緋室灯は頑張っていた。
「……滑りが足りない」
 そう、乾いた皮膚同士では摩擦するほど滑らないのだ。
 特に結構なボリュームを誇る灯の胸は柔らかく、擦るというより形を変えて包むといった方が正しいような格好になってしまう。
「……あれを、試す」
 灯はそっち方面の知識を総動員し、とある一つの方法に辿り着いた。
 まずモゴモゴと口を動かす。舌先で犬歯をなぞり、唾液の分泌を促すのだ。
 そして唾液が口内に十分溜まったところで命の先端が胸の谷間から顔を出すような姿勢にシフト。
 ターゲットへと潤滑剤を投下する。
 その甲斐あって、唾液でテラテラと光る亀頭は程よい摩擦係数で灯のしっとりとした皮膚の摩擦を、彼女が胸を動かす度に感じることができるようになった。
「命……命……」
 むにむに、ヌルヌル、と灯は胸の中の愛しいモノへ優しい刺激を繰り返す。
485ピュアなキモチ:2008/11/01(土) 09:02:48 ID:Pqss8T2O
 * * *

 そのころ真行寺命の精神は、カクカクと腰を震えさせながら地面に転がっていた。
「オホフ! おっほぅ!」
 星継ぐカップルは既にその場を後にしていた。

 * * *

 緋室灯は頑張っていた。
 柔肉で竿を擦る。
 胸の谷間から顔を出す亀頭を口に含み、唇と舌でちぷちぷと音を立てながら刺激する。
 たまに肉棒を谷間から解放し、コリコリと硬くなった乳首で亀頭の付け根をなぞる。
 いつしかビクビクと命の腰は痙攣し、その先端はパンパンに膨れ上がっていた。

 * * *

 そのころ真行寺命の精神は、……もうダメだった。
「ぬふう」

 * * *

「あら灯さん、もうお帰りですの?」
「ええ。いつまでもこうしてはいられないから」
「……頑張ってください、としか言えない私を許してください」
「いい。……命が帰って来る場所を、守る為だから」
 アンゼロットの声を後に、緋室灯は任務へと赴く。
 大事な人の帰る場所を、なくさないために。
「……けぷ」
 ガンナーズブルームに乗って飛んでいると、小さくゲップが出た。
 ちょっと生臭かった。
 しかし灯はそれを嫌悪することはなく、むしろ愛しささえ感じていた。
 行為の残滓。それは彼が生きているという実感。それは自分が彼へ抱いている感情の実感。
 だから咽喉に絡もうがちょいと魚介類ライクなスメルであろうが関係ないのだ。
 それこそが緋室灯の【ピュアなキモチ】なのだから。

 * * *

 そのころ真行寺命の精神は、涙目でズボンとパンツを洗濯していた。
 【ピュアなキモチ】がもたらすものは、古今東西往々にして青臭い喜劇と悲劇なのであった。
486強化(ry:2008/11/01(土) 09:10:19 ID:Pqss8T2O
ちゃんちゃん、と。

あかりんはピュアなので命が目を覚まさないうちはおっぱいまでなのです
アンダーにあるピュアホールは命が復活したときにラヴラヴな状態で奪われることを期待しているのです
まああかりんも強化人間だしKYO乳であってもアンダーはTURUTURUだ! みんな知ってるね!

※コメントが痛々しいのは仕様です
487名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 10:44:19 ID:19Bj+Qzo
いや〜、命が馬鹿(褒め言葉)っっぽいなあはっはっは
488名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 12:02:55 ID:LpkdikZZ
つか落選か、残念無念……
489名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 17:06:21 ID:i+9Ed24O
……腹痛テェwww
490名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 18:35:53 ID:H79oZX+9
ぬふうwwwwwwwwww
491名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 19:28:38 ID:KKjEBO1V
ぬふうはやめれwwwwww
492名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 21:34:14 ID:l59TRCyh
どうしよう……俺けっこう普通におっきした……
493名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:05:48 ID:uFqg60wD
まあ、命はあかりんに押し倒されてるのが似合うよね
494名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 22:44:44 ID:394qb0r2
あ…堪能している間に気づいたんだけど、そろそろスレ容量がヤバい
495名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 23:36:39 ID:cFcoZij0
おう、ホントだ。あと1回の素敵な長文攻撃にギリギリHP(容量)残るくらい?
496名無しさん@ピンキー:2008/11/01(土) 23:44:39 ID:xg0fxAr4
ところで。

>>181はその後いかがなりしや? 一部世界は知らんと欲す
497名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 00:06:09 ID:m3cXSBDa
>>496
最近ちょー忙しかったのでちょっと待っててちょ。
来週も忙しいので15日くらいまでには仕上げてみたい。
498名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 04:21:16 ID:bZs0ofpp
酷すぎるwwwなんだこれwww
499名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 09:55:42 ID:NuzZWeyQ
>>497
おk、wktkしながらお待ちしてまつ

……ふう、この時期に二週間も全裸待機はHARDだぜ……(ぬぎぬぎ)
500名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 11:42:35 ID:LkPTmj5I
命www
501名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 12:19:50 ID:IDZMyysT
>>486
むしろ命の回復が遅々として進まない理由の一端がコレなのではw
502名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 12:21:43 ID:GnmVuOBp
斜め読みしてたら>499-500から「命HARD」というタイトルを見出した。
少し自分の人生を見直したくなった。
503名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 12:38:29 ID:jGNap90V
命、狭界サイドから見たら単なる変態じゃねえかwww
あかりんひどすwww
さすが、死んだ命を埋葬する女だぜ!
504名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 14:18:05 ID:fLehdp5s
待つんだ。あかりんはあくまで自分の純愛にのっとった行動をとっただけで、
命に悪意があったわけではない。だから罪はない。



罪があるのはそうなるとメタ視点での理解があった上で行動した中の人だ。
505名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 14:33:48 ID:zlYg6Lds
つまり小暮英麻様が全て悪いと<それは違う中の人だ。
506名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 14:55:15 ID:dialJi/N
それでも間違ってない気がするのは何故だろう。
507名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 15:00:42 ID:zlYg6Lds
っと、もっと悪い人を思いついた。
あんなにむちむちでけしからんキャラデザインをしたネコミミ先生が悪いということで。
508名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 17:47:47 ID:6FM7DI7P
あかりんはきっと、あの豊満な胸だけの奉仕プレイだけでは自分が物足りないと思うんだ。だから自分も満足するためにスマタで命を喜ばせ、自分もあふんあふんしちゃってるんじゃないかと俺は希望するのだがどうだろうか。
509名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 18:19:33 ID:IDZMyysT
>>506
下でのご奉仕は自分が抑えられなくなりそうで怖いから自重してるんだよ
「欲望に正直」があかりんの性格設定だし
510名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 18:44:53 ID:IDZMyysT
あ、上の書き込みは>>508へのレスでした
ゴメンコ
511名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 18:50:49 ID:xxJrfo95
前でやったらにんっしんっしてしまうので後ろの穴でやります
512マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/11/02(日) 21:35:59 ID:jGNap90V
お久しぶりです。
ちょっと時間は分からないのですが、深夜頃「勇者少女の双影狂想曲」の続きを投下してもよろしいでしょうか?
多分スレ容量は足りると思います……たぶん。

DXやらデモパラがはやっていて、NWの投下が少し躊躇いますw
513名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 21:45:23 ID:tErakW0B
どうみてもNWばかりで他はレス付かない状況に見えるけど?
投下は誰もが待ち望んでいると思われ。
514名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 23:26:39 ID:jfn7Zb7S
>>512 マッドマン氏
SSを書かない俺がこんな偉そうな事を言うのも失礼なんですが……
その発言は逆に他のシステム作品の投下の妨げになりかねないと思います。
ここは卓ゲーのエロパロスレなのですから、NWでもDXでもデモパラでも何でもウェルカムのはずです
他のものがはやってるからこちらの投下をしないほうがいいなんてルールはねぇ!!
貴方も、他の職人の方々も気をつけるべきはスレ容量と他の職人の投下タイミングとかぶってないか、ということだけですよ。少なくとも俺はそう思います
515名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 23:39:17 ID:61IGzi0l
いやそんな長文でマジレスする内容じゃないだろw
ただでさえ残り容量少なめってわかってるのにww
516名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 23:40:03 ID:xngjWyPk
まあ、投下があるとわかってるなら、
もう次スレ立てちゃっていいんじゃないかね?
517名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 23:48:03 ID:z2otJzZ+
3行目だけで十分だなw
518名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 00:34:24 ID:wqbKb7PC
>512
世の中にはNW専用スレもあるんだぜ? エロ禁止だけどな!



……いやー、最近どーも閑古鳥が。
519マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 00:43:18 ID:bTM/NTPK
>>514

誠に申し訳ない態度をしてしまい、すみませんでした。
今後は無駄口を叩かずに、投下のみをします。
他のスレ住人にもご迷惑をおかけしました。


1時ごろから勇者少女の投下を開始します。
520名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 00:43:21 ID:MGvUb7xh
地下はそれなり(それでも一時の勢いはないが)、地上は軒並み閑古鳥が鳴いているような…。
世間的には連休だから、作家の皆さんもどこかにお出かけ中なのかね?
単に忙しいだけかもしれんが。
521名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 00:49:07 ID:YNetDl7s
ちゅーか>>513の方がなんだかなぁ、という気がする。
そんなこと言ったらデモンパ職人さんとかが嫌な気分になる、とは思わんのだろうか。
522勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:00:11 ID:bTM/NTPK
投下開始します!



 挑め、挑め、挑め。
 急げ、急げ、急げ。
 命ある限り。
 大切な何かを見失わぬ内に。
 ただ前へ。

 朽ち果てるまでただ進め。



 みくりが池温泉。
 そこで休憩を取った柊たちは体勢を建て直し、傷や疲労を癒し終えていた。

「……俺はボロボロだけどな」

 赤く腫れた頬を押さえて、柊はぼやくように呟く。
 女性陣が温泉に入り、心身共にリフレッシュしたのに比べて彼は(衣服ごとだったが)カラスの行水よりも短い休息を終えただけだった。
 他の面子提供のポーションを飲み干し、済まなそうな顔を浮かべる女性が発動させた浄化魔法のお陰か体調はそこそこマシである。

「ご、ごめん」

「まあいいけどよ。んじゃ、そろそろ出発するんだが、ナイトメア。ここから山頂までどれぐらいあるんだ?」

 顔を真っ赤にし、涙目なエリーや能天気に笑っているノーチェと異なり、マイペースな状態でふよふよと空中に浮かび、着替えも同じなキツメなスクール水着を着た人妻夢使いはくるんと滑るように回転すると、ピッと指を立てて告げた。

「室道からは大体三時間半ってところかな?」

「もうすぐじゃねえか」

 今は太陽が真上を過ぎ、大体午後の二時ぐらいだろうか。
 急げば暗くなる前には辿り着ける。
 そして、どうせ紅い月が昇るのだ。夜という状態を気にする必要は無い。

「普通に行けば、ね。柊君みたいに若い子なら頑張れば三時間もかかりそうにないけど、足止めがないわけがないし」

 困ったわねぇ、とふよふよと空中で寝そべるような体勢を取って、ナイトメアは解れた髪を軽く指先で弄った。

「色々と地形も変わっている可能性はあるわね」

「地形が?」

 レンが首を傾げて、柊がその言葉の意味を予測して、顔をしかめた。
 エリーとノーチェだけはどこか分かってないように首を傾げる。

「ま、行ってみればわかるでしょ。言葉で語るよりもずっと分かるわ」

 その言葉の意味は数時間後、骨身に染みて理解することになった。
523勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:01:05 ID:bTM/NTPK
 
 月匣。
 それは侵魔が作り出す己の常識を適用し、外敵を退けるための迷宮。
 ならば、冥魔はいかなる迷宮を創り出すのか。
 趣向に満ち溢れた際限なき色の空間か。
 それとも残酷なる罠が張り巡らされた砦か。
 推測は自由、仮説も自由。
 けれど、きっと理解することは出来ないだろう。
 理性を失い、衝動と本能と己の中に渦巻くどす黒い衝動に塗り潰されて、秒単位で自身を改竄し続ける、汚染され続ける呪われた破綻存在に推測など出来るわけがない、仮設など理を説いても無駄だ。
 ただ共通しているのは殺戮・恐怖・混沌・憎悪・悪夢・悲鳴・絶叫。
 負の感情、絶望に満たされた衝動、悪意をさらなる悪意で塗り潰し、悪夢をよりおぞましい悪夢で犯し尽くす。
 壊れるしかない。
 闇界とはそれほどまでに恐ろしく、おぞましく、憎々しく、狂おしく、許されざる場所。
 禁忌である。
 罪悪である。
 如何なる罪悪であろうとも過剰と言える、より凄惨な場所、壊れるしか救いのない場所、故に壊れ果てたもの。
 それが産み出すものは壊れていないわけがない。
 正常などありえるわけがない。
 例えるならば強姦。
 比喩すべきは陵辱。
 穢れを知らぬ、痛みを知らぬ、乙女が浅ましき魔物に犯されてなお神聖さを保てるか。
 絶叫を上げて、泣き叫ぶ少女を笑いながら犯し、その魂までも蹂躙し尽くし、淫靡な声音で叫びを上げるまでに壊した少女が元に戻れるか。
 無理である。
 過去と現在、現在と未来。
 それらを定める一線の如くそれらは明確に違いがある。
 例え似ていようとも決して違うのだ。
 0と1、虚と現、マイナスとプラス、異なる存在。
 壊れたものとはもはや手遅れなのだ。
 救えぬのだ。
 悲しい、切ない、同情する、憐れむべき者達。
 けれど、それに意味は無い。
 過程に意味はなく、結果に意味が伴うように、向けるべき感情に意味はない。
 手遅れというものは存在するのだ。
 その限界線に他者が無数に線を引くだけで、確かに存在する。
 そうして手遅れになったものたち、負に染まりつくしたものたち、それらがこの山の神を犯している。
 変わらぬわけが無い。
 似ていようとも同一でありえない。
 そして、同一でないからこそどこまでも変わり果てることが出来る。
 その証明が、今柊たちの目の前に障害となってぶつかっていた。

「……なんだこりゃぁ」

 立山。
 その頭頂部である雄山への登山は女子供でも容易であり、そのハイキングコースも既に確立されている。
 柊たちはそのハイキングコースを歩いて、山を登っていたはずだった。
 けれど、どうだ。
 目の前に立ちはだかるのは無数の木々、木々、大樹。
 山を森林で埋め尽くすかのごとく、登山道を阻む、巨大なる木々が黒々と乾いた血液にも似た樹肌を浮かべてそびえていた。
 それも傾斜のある場所に、まるで杭が打ち込まれたかのように等間隔に木々が並んでいるのである。
 不気味さを感じさせる黒ずんだ樹木、一定間隔で並べられた木々に対する違和感。
 どこか異物感で吐き気が込み上げてくる。
524勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:01:47 ID:bTM/NTPK
 
「こんなところに森? ……なわけないよね、山だし」

「どうみても冥魔の影響ね。現実の立山にこんな木々はないわ、見たことも無い」

「どうする? 飛んでいくか」

 中に入れば何が待ち受けうけているのか分からない。
 世界結界が弱体化して以降ウィザードの月衣による世界への干渉力は高まっている。
 飛行魔法を取得していない柊でも、短時間ならば虚空を蹴り飛ばし、空を舞うことは出来るのだ。
 常識の力が弱まった故の副産物だったが、ウィザード単体の戦闘能力は冥魔や力を増していく侵魔に対抗するように強化されていく。
 しかし、ベテランのウィザードであるナイトメアは首を横に振るうと、他の面子を一目見て告げた。

「それもいい手だけど、無理ね」

「? どうしてだ。確かに狙い撃ちの危険性はあるけどよ、下手に突っ込むよりは……」

「……気付いてないのね。柊君」

「え?」

「適応力は高いのはいいけど、他との差異に気付きなさい」

 柊が首を捻ると、ナイトメアは熱の帯びたため息を色香すら感じられる仕草で洩らし、すとんと大地に優雅に降り立った。
 そして、おもむろに指を曲げて、周囲の大気を掻き混ぜるかのように動かし、その指先から魔力の波動が柊には感じられて――それが何も起こさなかったことに首を傾けた。

「ダメね」

「なにがだ」

「冥魔の月匣内、君は慣れてしまっているけれど、私たちはまだ慣れてないの。私とエリーは飛行魔法を習得しているからこの中でもなんとか飛べるかもしれない、けれどレンとノーチェちゃんにはきついわね」

 月匣とはルーラーの操る空間であり、それはコアとなる存在の潜在意識の投影と言われている。
 月匣の常識はルーラーの常識であり、ルーラーの手の平に握られているといっても過言ではない。
 では、ここで一つの定義がある。
 何故月匣に侵入したウィザードが、ルーラーの手によって即死させられないのか。
 月匣内の全てを操るルーラーならばウィザードの周囲を毒ガスにするなり、或いは回避不能の刃の群を出現させ、切り刻むことも出来るだろう。
 或いは耐え切れぬほどの凍気や凍死させることや、逃げ場のない火炎を生み出し焼き尽くすことも可能なはずである。
 何故それが行われないのか。
 侵魔が手加減をしている?
 そんなわけがない。
 嫌悪と憎悪、或いは気まぐれならば愛しさすらも抱えて迎えられるのがウィザードだ。
 手を緩める理由など皆無。
 では、何故それら必殺の行為が行われないか?
 それはウィザードの月衣に理由がある。
 月衣と月匣、規模の違いはあれどその性質は実際のところ同一である。
 ウィザードは月衣を用いて月匣に侵入する際に己の常識――ルールを持って自身を保護し、侵食してくる月匣の常識に抵抗している。
 それらの反発を持って、ウィザードは一時的にだが周囲の環境を掌握、ある程度の無効化を行っているのだ。
 ルーラーである人間が明確な意図、力を注ぎ込んで作り上げたトラップや環境など以外にはその侵食を押さえ込んでいる。
 その反発力には個人差が存在し、例えばまだ未熟なウィザードが魔王級の月匣に飛び込んだ結果、数秒と経たずに存在を食い殺されたというケースも存在している。
 逆に、強すぎるウィザードの侵入によって、雑魚侵魔が造り上げた月匣が瞬く間に掌握され、トラップなども意味を成さずに踏破、逃げることすらも出来ずに撃滅されたという件例もあるのだ。
 つまるところそういうことだった。
 冥魔の力は強く、それが産み出す月匣に未だに慣れていない他の四名では月衣による反発力は弱体化し、魔法が使えないほどではないが常の実力を発揮し尽くせない。
 それほどまでに冥魔の力は強く、禍々しかった。
 魔王級エミュレイターとの交戦経験がある四人でも抵抗し切れないほどに。
525勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:02:27 ID:bTM/NTPK
 
「どっちにしろ、入るしかないってわけか」

「どう考えても罠だけどね」

「ならば、その罠ごと叩き潰してやるだけですわ!」

「皆ガンバレであります」

『お前もやるんだよ!!!』

 意気揚々と闘志を燃やす他の面子から一斉に銀髪少女にツッコミが叩き込まれた。

「げふぅ、でありますよ」

「まあとりあえず行きましょうか。気をつけてね」

 ナイトメアがパンパンと母親のように手を叩き、柊たちは神経を張り詰めながら木々の中へと踏み込んでいった。
 深い。
 黒ずんだ木々がどこまでも続いていきそうだった。
 等間隔に並んだ木々、混沌めいた冥魔には相応しくない神経質なまでに整地された大地、それを昇る、まるで茨の棘のように並んだ木々の間を柊たちは歩く。
 先は見えない。
 どこまでも続く世界。
 標高3015メートル。
 物理的には全力疾走で数分程度の直線距離、地形次第で数倍にも数十倍にも膨れ上がる登山という名の魔法、その論理的な意味をなさない無限大に膨れ上がる距離感。
 果てがないように思える。
 変化がない故に錯覚を覚える。
 不可思議な、常識外の論理を知り尽くしたウィザードでなければ発狂してしまいそうな光景。
 後ろを見ても同じ森、前を見ても同じ光景、左右共に同じ、距離感が狂ったのか、方向感覚が狂ったのか、迷いの森という名に相応しい光景。
 人は永久に広がるチェス板の上に立っていたら迷わずにいられるだろうか。
 白と黒、等間隔、変化のない模様、静寂と好むくせに沈黙には耐えられない人の性、刺激無しでは発狂する人間としての弱点。
 ざっざっざと規則的に足音を響かせ、ざらついた斜面を歩きながら、柊は不意に呟いた。

「どこまで続くんだ?」

「分からないよ。月匣に距離感なんて求めても意味は無いことは分かってるでしょ?」

「だけどよ」

 変化のなさに、何時来るかもしれないトラップに神経を貼り付けていた反動の所為か、僅かに柊の顔には疲労の色が浮かぶ。

「正しい方角には進んでいるよな?」

「斜面は登っているから、方角は間違ってないはずよ」

 そうなのだ。
 斜めに傾いた地面、それを登り続けることだけが唯一の迷宮の如き森の弱点だった。
 目的地は山頂部である。
 登り続ければ辿り着く、当たり前のこと、常識的なこと。
 それを踏まえて、柊たちは黙々と足を動かし続けて……持っていた0−PHONEが17時を表示した時だった。

「……どういうことだ?」

 登っていた斜面は終わっていた。
 しかし、柊たちの前にあったのは山頂ではない。
 ――下り坂。
 まるでピラミッド型の斜面を登り尽くしたかのように目の前に広がるのは等間隔で並んだ木々であり、滑るように整地された下り坂の斜面。
 目を向ければ、下り坂の先には溝のように、谷のようになった下り坂の終着点があり、その先にあるのは……上り坂。
 まるで波線のように続いている無限の如き森、後ろを振り返ればそこには今まであった下り坂ではなく、真正面に一つの頭頂部、下り坂から上り坂へと登りきった坂の頂があった。
526勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:03:24 ID:bTM/NTPK
 
「まずいわね……惑わされてる。中で仕掛けてくるんじゃなくて、踏み込んだ時点でもうひっかかっていたってことね」

「……空を飛んでもダメだろうな」

 形は違えとここは無限ループの迷宮そのものだ。
 無限に続く道、どこまでいっても辿り着けない迷路、もっとも単純にしてもっとも効果のある惑わし方。
 力押しで破れる代物ではない。

「ナイトメアさん、サーチャーを」

「分かってる。エリーも」

「わかってます」

 二人がその手から光の光球を幾つも生み出すと、四方に飛ばした。
 周囲を探り、術式を解析し、正しき対処方法を見つけ出す。
 それしか方法はない……のだが。

「っ!」

 光球が四方に飛んだと思った瞬間、虚空から生じた闇にばくりと噛み砕かれた。
 何の予兆もなく、気配もなく、ただ無造作に破壊された。
 一つも残らずに叩き潰される。
 その後、何度かサーチャーを飛ばすが、その度に破壊される。
 まるでその存在を忌避し、許可しないかのように。

「ダメね。探索魔法の類を無効化、ね」

「どうする? 無作為に探るしかないのか」

「ダメだよ。それじゃあ敵の思う壺だし」

「ぬー。こんなことなら、絶滅社から脅迫してでもガンバーズブルームと結界徹甲弾を手に入れておくんでしたわ!」

 地団駄を踏むエリーに、困ったわねと困ってなさそうな顔を浮かべるナイトメア。
 その二人を見て、どうするかと顔を付き合わせる二人の柊。

「それならわたくしに任せるであります」

 そして、一人背中の風呂敷を降ろし、ぬーと水晶玉に力を入れ始める吸血鬼の小娘が一人。

「お? ノーチェ、やれるのか」

「こんな時のノーチェであります!」

 ぬふふと顎に手を当てて、謎のボスっぽいポーズ。
 どこの組織のボスだといいたくなるような怪しさだった。

「いいから、早くやってよ」

「せっかちでありますな」

 呆れたようにレンが急かすと、ノーチェは改めて水晶玉に手を翳した。
 魔力が渦巻いていく。
 白魚の如き細腕が大気を撫で上げて、その真っ赤な唇から紡がれる言葉にならない歌声、鈴なるような声が旋律の如く呪文を囁き、水晶玉の中の虚空が少しずつ歪み始める。
 それは覗き込む誰もが認識出来るほどの変化。
 ザザザとノイズが走るように水晶玉の中にビジョンが浮かび上がり、それはゆっくりと歪みを整えながら、一つの言葉を浮かび上がらせた。
527勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:04:10 ID:bTM/NTPK
 
『右にいけ』

「……」

 沈黙。

「…………」

 痛々しい沈黙が重なる。

「………………」

 言葉に出来ない静寂が続いて。

「……………………見なかったことにしない?」

 さっと憐れむようにレンが顔を背けて、全員に告げた。
 彼女なりの優しさだった。

「な、なんでありますかー!?」

 レンの言葉に当然ながらノーチェは異議を唱えた。
 先祖代々伝わる水晶が馬鹿にされたも同然だったからだ。
 ……それ以前の問題のような気もするが。

『ガンバレ』

「って、水晶玉が何故に励ますでありますか!?」

 もはや一人ツッコミ劇場だった。

「と、とりあえず頼るものもないし、行ってみてはどうでしょう?」

 エリーがどこか引きつった笑みで、全員に言った。
 レンは少しだけ意外そうな顔を浮かべる。吸血鬼、異端なる種族であるノーチェをどこかエリーは嫌悪している面があったのだが、それをフォローするような言葉に仲良くなったのかなと彼女は思った。
 実際はひたすら吸血鬼の概念を覆す天然少女の行動に嫌うのが馬鹿らしくなったのが事実だったが、それはどちらにしてもマイナスになるような誤解でなかった。

「そうだね。一応やるだけやってみようよ!」

「……一応のところに本音が出ているでありますな」

「うっ」

 ジト目で見つめてくるノーチェの視線に、アハハとどこか誤魔化すようにレンが汗を流しながら視線を逸らす。

「それにしても右って、どっちなんだ?」

 ぐるりと柊が周りを見渡すが、右とか左とか、そんな概念が通じそうにない場所である。
 水晶玉を前にして、右側に行けばいいのだろうか?
 そんな風に柊が考えていると。

『こっちこっち →』 と、矢印が水晶玉に浮かんだ。

「便利すぎだろ!?」

「伝家な宝刀の水晶玉でありますから!」

 えへんとまったくない胸を突き出し、威張るノーチェだった。
528勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:05:08 ID:bTM/NTPK
 
「んじゃ、とりあえず進むかー」

『お〜』

 ノーチェを除く全員がどこか気を抜いて、矢印の方角に歩き出した瞬間だった。
 ゴウン!
 と、地鳴りがした。

「なっ!?」

 それは震度7にも匹敵する地響き。
 同時に斜面が揺れる、木々が震える、絶叫の如く大気に音が鳴り響く。

「っ、間違いないわ! 全員走って!!」

 冥魔の妨害と瞬時にナイトメアは判断。
 大地の上、数十センチ上の虚空を踏み締めながら、フィギュアスケートのようにナイトメアが空中を滑走する。

「っ、行くわよ!!」

「おわーであります!」

 揺れる地響き、それに干渉されぬために続いてエリーもフライトを発動。
 低空飛行で跳躍しながら、その腕力でも引きずれる小柄なノーチェを掴み飛ぶ。
 柊もまた月衣による常識への侵食を開始、揺れる虚空を踏み締めながら跳躍しようとして――後ろに振り返った。

「レン、急げ!」

「うん!!」

 揺れる大地の中、僅かにもたついたレンもまたその戦士としての脚力で疾走を開始する。
 それを補助するように柊が祝詞を呟き、風を呼び出した。

「エアダンス!」

 レンの速度が上がる、風を纏い、その動きが軽やかに、重力という束縛を脱ぎ去ったかのように速くなる。

「ありがとう!」

「きにすんなっ!」

 そうして、全員が全速力で移動を開始する。
 震える大地がメキメキと嗚咽の如き地響きを奏でると、黒ずんだ木々が断頭台の刃の如く倒れこんでくる。

「っ! 邪魔ですわ!」

「ってね!」

 迫る大樹を、二人の天属性の爆光が吹き散らし、その障害を力任せに薙ぎ払った。
 光の奔流が、木々から連なる夜闇の如き暗黒を引き裂く。
 疾走する五人の魔法使いの道を切り裂くように、二人の魔法使いが閃光を放ち続けた。
 どれほどの闇を走り抜いたのか、数えるのも馬鹿らしいほどの数の木々を吹き飛ばし、変わらぬ気配と唯一違う爆音に彩られた世界を走り続けていた。
 時折ノーチェが大事そうに抱える水晶玉が『次はこっち ↑』 『その次はあっち ↓』 と巡るましく映像を切り替え、方角を変えていく。
 頼れるのはただこの水晶のみ。
 それを信じるしか方法はなく、世界を震撼させ続ける冥魔の地響きが向かう先を正しいと証明しているような気がした。
529勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:06:16 ID:bTM/NTPK
 
「っ、あれを!」

 エリーが声を荒げる。
 永久無限に続くと思われた傾斜面と等間隔に並び続ける木々の闇の向こう。
 薙ぎ払った閃光にぐにゃりと歪んだ違和感を憶えた。

「空間のゆがみですわ!」

「っ、あそこを抜ければ!!」

「出口かどうかはともかく、行かせたくはないみたいね!」

 ガラガラとドミノ倒しのように迫る大樹。
 知らぬ植物、数千年の月日を掛けなけばこれほどまでに巨大にならなかっただろうと思える強大なる厚みと巨大さを持った黒き木々が駆ける魔法使い達を押し潰さんと迫ってくる。
 それを悪夢の使い手は鼻で笑った。

「悪いけど、この程度の悪夢は見ていられないのよ!」

 光を生み出す。
 熱く暑く温かく、大きく膨らみ強大に、その輝きは太陽の如く燃え盛る。

「消し飛びなさい――フラッシュエンド!」

 光の終焉。
 ナイトメアの全身に施された魔装が輝き、妖艶なる色香を併せ持ち、息を飲むほどに神々しい閃光が少女の外見をした夢使いの手から発せられる。
 これにて払えぬ闇は無い。
 この光に焼き尽くされぬ黒はない。
 終焉にこそ輝く偉大なる閃光、その閃華が奔流の如く大樹の群を引き裂き、四散させた。

「よし! これでぇえ!」

 障害突破。
 歪みに向かう面々、残り距離数十メートル、十数メートル、八メートル、五メートル、三メートル……
 これで辿り着く。
 誰もがそう思った瞬間だった。

 上空の果てで悪意が嗤ったのに、柊が気付いたのは。

「っ! まて!!」

『え?』

 柊が足を止めて、上空に魔剣を掲げる。
 しかし、他の皆は足を止めることは急には出来ぬ。
 だからこそ一人を除いて、全員が文字通り光速で迫る悪意に気付けなかった。
 音は遅れて聞こえた。
 ただ閃光のみが駆け抜ける。
 それに柊が反応し、防いだのはまさしく奇跡だった。

 それは落雷だった。

 神鳴り。
 神鳴らすもの。
 天より落ちし電光はかつて人々は神々の仕業と崇めた。
 瞬くよりも早く振り落ち、如何なるものも耐えられぬほどに焼き焦がす、それを神の仕業と言わずしてなんという。
 光の柱、その場の全員を息つく暇もなく焼き尽くすほどの威力が十二分に存在した。
 それを切り裂き、防いだのは銘刀を持って雷を切り裂いたと言われる雷切りの逸話の如き光景。
 しかし、代償は大きく、じゅわぁと柊の両手が絶叫の如き音を上げて、金属製の刃から伝達した電流はその全身を焼き焦がした。
530勇者少女の双影狂想曲 ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:07:36 ID:bTM/NTPK
 
「がぁ!」

 絶叫。
 それに反応し、膝を屈した柊に駆け寄る少女が一人。

「蓮司君!!」

 悲鳴の如く声を上げて、悲痛にレンが顔を染める。
 上空から叩き落された柊を受け止め、その二人が地面に崩れ落ちる。

「おねえさまぁ!」

「っ、だめ!」

「まずいであります! 追撃が!!」

 空が黒ずむ、電光が輝く、それを裂けるために悲鳴を上げるエリーを掴み、二人が飛び退る。
 その三人を背後から歪みが襲った。

「え?」

「あ」

「なっ!」

 光が歪む、光景が歪む、次元の歪みに三人が食われるかのように飲み込まれて。

「みんなぁ!!」

 レンの絶叫。
 少女の叫びに返す声は届かずに――歪みが消えた。
 三人が消えて、空しく地面を抉る落雷がレンの網膜を、柊の目を眩ませた。

 そして、残されたのは二人。

「……そんな」

 膝を落とす、レンの顔が青ざめる。
 ここに探索魔法の使えない戦士が二人。
 無限の如く広がる迷宮に囚われた。
 苦痛に顔を歪めて、汗を噴き出す柊が呻くように呟く。

「……やべえ、な」

 その一言が現状を残酷なまでに告げていた。


 脱出する術を見つける手段がなくなっていた。


 空に響く悪意がそんな二人を嘲笑うかのように、黒雲を巡らせて、闇はより一層深まりを強める。


 夜が訪れようとしていた。


 長い長い夜が。
531マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 01:10:25 ID:bTM/NTPK
投下終了です。
夜分遅くにすみませんでした。
今後は迷惑を掛けないように気をつけます。


ああ、それと
以前25-111で文字化けしているところがあると、保管のほうで言われたのでこの場で提示させていただきます。

 上着以外に唯一身に付けた人型サイズの首輪、そこからk~がるものを探す鎖がまるで理性の崩壊を知らせる金のように金属音を掻き鳴らし、少女は鎖を口に咥えて、熱に浮かされた、雌犬の表情で強請った。

 上着以外に唯一身に付けた人型サイズの首輪、そこからつながるものを探す鎖がまるで理性の崩壊を知らせる金のように金属音を掻き鳴らし、少女は鎖を口に咥えて、熱に浮かされた、雌犬の表情で強請った。

に修正してもらえるでしょうか?
つながるという漢字で文字化けするのがあるようです。よろしくお願いします。


……次回からエロエロになるといいなぁ(希望)
532名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 01:12:25 ID:MGvUb7xh
支援するですよ。
533名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 01:19:30 ID:MGvUb7xh
マッドマン氏、GJ&乙でしたっ!

>ガンバーズブルーム
誤字…かな?

>もはや一人ツッコミ劇場だった。
うん。流石わノーチェw 伝家の宝刀と漫才まで出来るとわ、素敵すぎるww

>531
>まるで理性の崩壊を知らせる金のように
 『まるで理性の崩壊を知らせる鐘のように』じゃないかと。


ここ、Unicode OKなのに、化ける文字なんてあるのかしら…?
534514:2008/11/03(月) 01:20:09 ID:r6bSMySW
>>519 マッドマン氏
投下お疲れ様です、そしてGJです! PT分断で展開にハラハラ、エロ期待にワクワクですな!
ただあの、俺の言いたかったことはまさに3行目だけだったんで……投下だけしかしないとかやーめーてー!? マッドマン氏のレス返しも楽しみなのよー!?
他の作品も出てきたからってマッドマン氏の投下自体を自粛することなんてないですよ、といいたかったんです_no|||

他の住民のみんなも無駄に容量食う書き込みしてごめんね
535名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 01:24:32 ID:L1MaKusc
〉マッドマン氏
乙&GJ。
ところで、俺は軽い雑談や小ネタも好きで読んでる所もあるから、無駄口なしの投下のみっていうのも淡白かなって気がする。
今回は苦言もあったけど、以後は少し気をつけた上で書くならいいんじゃない?制限つけてもつまらんし、色々な意見あって当然だし。今回のも貴重な意見だってことで受け止めれば。
きっとあなたの作品が好きで、他の職人氏のことにも気ィ使える人の意見だからさ。
容量ないのに長文失礼だけど、言っときたかった。偉そうでごめん。
536名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 01:41:22 ID:ltep9jzU
ノーチェの人お疲れ様。
ここのスレは人も投下の頻度も少ないから別に小ネタはさんでもいいんじゃないかと思う。
537名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 02:01:16 ID:wqbKb7PC
>536
違うくない?
538名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 02:06:06 ID:zb6CNw8C
GJ

そういや、手元に赤巫女ないからうろ覚えなんだが、確かナイトメアの奥さんって赤巫女時点で妊娠ンヵ月だったよな
つまり、このナイトメアは赤巫女をボテ腹で戦い抜いたと!

【しかし馬鹿にはボテ腹属性がなかった】
539名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 03:01:07 ID:MGvUb7xh
>http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220275184/383
> 一行の文字数を四十字前後で区切ってるのは、一応一般的な文庫本がそれくらいだからという理由です。
> 区切りなしで連続の文章にすると、たぶん一行七十字以上になるかと思うんですが、私なんかは行の左から
>右まで左右にくりくり眼を動かすのが疲れちゃうタチなんでこの形にしていました。
> あと、これくらいの文字数だと作業上(添削とかいろいろ)私がやりやすいというのも大きな理由だったりします。
> だから、今回は自分の作業性を阻害しない(目で追いやすく改稿しやすい)ギリギリのラインである五十字前後に
>一行の文字数をアップしてみました。

 前スレのレスを今頃とか、どんだけ亀なんだ自分…。
 とまあ諸事情で書き込めなかったので今頃レスを返します。>『エリ夢』の人

 何やら作業をExcelでやられてるとかいう意外なことを書かれていたようですが…。
 実際問題テキストエディタなんかを使用した方が効率がよいのではないでしょうか?
 大抵のエディタには右端での折り返し桁数が設定出来るので、それを個人の作業しやすい桁数に設定すれば良いかと思いますし、何よりExcelだとデフォルトフォントは等幅ではないので、英数字や括弧なんかが半角なのか全角なのか判りにくいでしょうし。
 また極希に末尾に全角空白が紛れていますが、その辺もエディタの設定で空白を表示できるように設定出来るので、余分な空白の混入も避けやすいのではないかと思います。
 まあ、どうしてもExcelを使わなければならない機能的 or 個人的な理由があるなら仕方がないですが…。

 ちなみに。
 日本語というのは元々縦書き文化なので文字も筆で縦書きしていくときに書きやすいように作られていて、現在PC画面上で見られるフォントなんかも、印刷用のフォントとは違って横書きで読みやすいよう元々の字体から若干形を変えられているらしい。
 それでも起源である縦書きの形を完全に壊すことができないため、横書きでは読みづらいようになっているとか。
 そして、日本人が苦痛を感じることなく読める『横』書き1行あたりの字数は20字+α程度だと言われているとか…。
 雑誌等を意識して見てみると大抵が25〜28文字程度で、本のサイズがA4を超えるような大判になると1ページを左右2段組に分けて、25〜28字程度に調整されているらしいです。
 なお、縦書きの場合には識別許容量が増加して、1行辺りが40字を超える程度になっても苦痛を感じなくなるとか。
 横書き時の約1.5倍程度の許容量があるらしく、一般的な小説のなんかがそんな感じですね。

 あー、あと括弧が半角なのはPCでは見辛いかと思われます。希に全角だったりもするので意図的かどうかわかりませんけど。

 どうも、長文失礼しました。
540名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 05:58:17 ID:r/1LmXCP
>>536
ノーチェの人は別人だろ?
向こうでいうなら禁書の人がマッドマン氏だと思うが。
541名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 07:24:13 ID:QQF2FTFh
マッドマンさん乙でした〜。
ノーチェ水晶玉に笑わせてもらいました。
てか日本語表示なのかよ! 読者にまで配慮するのかこの水晶玉w
542名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 10:23:56 ID:N73/Xf92
いつもながら乙であります!
543名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 11:15:02 ID:cmvnlSKC
>>531
乙でありますっ!
二人っきり! 二人っきり!
あ〜、次回が楽しみだ。
544名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 11:18:54 ID:cmvnlSKC
卓上ゲームエロパロ総合スレ26
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225678641/

次スレ立ててきたであります。
>>454のデモパラすみか陵辱の続きを投下するであります。
545名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 16:54:02 ID:KNCdqdEQ
最近スレが早いなあ。

やはりアニメ化か。アニメ化の影響なのか。
546名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 18:09:03 ID:VFH/+g0c
これでアリアンかSW2あたりがアニメ化されたらとんでもないことなるなw
あとNWの2期目とか
547名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 18:33:15 ID:UFX9etda
ノーチェの水晶球が便利すぎるww
548名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 19:00:06 ID:r/1LmXCP
意外にみんなRFS見てないのかな?
549マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 19:01:17 ID:bTM/NTPK
苦言をしっかりと受け止めつつ、沢山のレスがあったので埋めも兼ねてレス返しです!
……ネタに走っている面には目を瞑ってください。(><)

>>534
 今後は不用意な言葉を避けるように気をつけますね。
 レス返しとか喜んでくださると嬉しいです。

>PT分断で展開にハラハラ、エロ期待にワクワクですな!
 ……PT分断で前回よりも酷いバランスPTになりました(仕組んだ奴が言うな)
 魔剣使い+勇者とか、夢使い+聖職者+吸血鬼とかバランス悪すぎるだろ JK。
 片方は前のめり、後者は魔法に固い奴がいたらひーひー言いそうですね!


>>535
 励ましの言葉と忠告ありがとうございます。
 今後は気をつけて投下するようにしようと思います。
 改めてありがとうございました。

>>536
 ノーチェの人違いますww

>>538
 ボデ腹だったとすると大変なまでにどこぞのからくりなサーカス過去編状態。
 ……妊娠していたかどうかはこちらでは不明ですよ?
 ただ最終戦近く前に妙に梅干とかレモンとかを食べたくなって、うえーと吐いたりしたぐらいですから!

>>541>>547

 ノーチェの水晶玉の性能は異常です。ええ。
 なんと早送り機能から逆再生、スキップと一時停止機能まで搭載していますw
 どんな水晶玉やねん。

>>543

 二人っきりですね。ふふふ。
 なんというか 今のマッドマンの心理的にはこんな感じです ↓

                       _                  _ _ ∩
                    ⊂ヽ ゚∀゚)ヽ    おっ!     ( ゚∀゚ )ノ )))  おっ!
 lll ノ( ゚∀゚ )ヽ lll  おっ!     `ヽ  ヽ' ))            ( 二つ
  ミ、_つ とノ彡             ノ   ノ             ノ 彡ヽ
   (_( ̄)_)              し' ⌒J              (_ノ ⌒゙J

 (\  _ _ /)            _
  \( ゚∀゚ )/   ぱい!     ( ゚∀゚) ミ   ぱい!     ⊂ヽ
    |   |             γ 二つ つ           ((( (_ _ )、    ぱい!
    |   |              {   (                γ ⊂ノ, 彡
    し ⌒J              ヽ,_)ヽ,_)               し'⌒ヽJ

   _                    _  て           
⊂ヽ ゚∀゚)ヽ   おっ      ( ゚∀゚) そ   ぱ…       
  `ヽ  ヽ' ))            γ 二つ つ          
   ノ   ノ         Σ {   (             
  し' ⌒J        グキ ヽ,_)ヽ,_)            

  <⌒/ヽ-、___   ……少しはりきったよ。
/<_/____/    ……ラ○ァ 光が見えるよ。  沢山のレスありがとうございました。
550マッドマン ◆265XGj4R92 :2008/11/03(月) 19:13:18 ID:bTM/NTPK
レス忘れ

>>533氏へ
 文字化けは保管庫での話ですねー。
 向こうだとunicodeじゃなくて、化けるらしいので。
 あと誤字は普通に間違えてましたww 指摘通りで間違っています。

>ガンバーズブルーム
 ガンナーズブルームですね。
 ガンバーズ……がんばるーず? 頑張る=気合をいれる=根性出す=ガッツ=勇気=Gス○ーン?
 そうか、魔力水晶弾の代わりにGストーンを篭めて、勇者が使う箒だったんだよ!(AA略)
551名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 20:54:09 ID:WgMSk2rT
>>539さま。
前回に引き続いてのご丁寧な解説を頂きまして有難うございます。
ただ、いまさらこんなことを書くのも恥をさらすようなのですが、テキストエディタって、ワードパットとかメモ帳のことを
仰っているのでしょうか?それともWordのことですか?本当に素人の言うようなことを書いてしまいますが、私、文章
を起こすとき、Excel以外のソフトを使ったことなくて(いや本当に)。
仕事でもWordとか使うことなくて、もっぱらExcelばかり。機能的な問題があるのか、と仰ってましたが、私には自分
のPCにどんな機能的問題があるのかすらチンプンカンプンで(真面目にそうなんです)。
個人的な問題とあえて言うなら、毎日仕事やら何やらで使い慣れているから………としか言いようがないんですよね。
いや、むしろ他の機能の使い方を知らないだけというか(恥ずかしい話ですが)。
試しにワードパットとかWord使って悪戦苦闘してみたんですけど、使い方を把握することすらできないという………
なんかもう、頭かきむしっちゃいましたよ(笑)。
全角半角や空白等は、書きながら注意していくよう、いままで以上に気をつけるしかないのかなぁ、と。
本当、何度も色々教えていただいたのに、教え甲斐のないヤツでスイマセン………。
あ、長々と関係ないみたいなこと書いて申し訳ありませんでした。ではでは。
552名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 21:01:51 ID:cmvnlSKC
>ワードパットとかメモ帳とかWord
これら全部テキストエディタ。もちろん他にも一杯あるよ。
これらは紙に文字書いていくのと同じように使うためのソフト。

エクセルは表計算ソフトなんで、どちらかというと電卓に近いものなんだけど、
文章も入力できるから一応テキストを書くことも出来る。
でもそれって、ブラウザのURL欄でテキスト書くことも出来るよねーってのと同じです。
なんか違わね? ってだけ。

ワードパットとかメモ帳とかWordは、一応テキスト書くためのものだけど、
色々ごちゃごちゃ付いていたり、逆に無かったりするから分かりづらくなっちゃうんですね。
「開く」→「文章書く」→「保存」
これだけで十分なんですけどw

ちなみに私は秀丸エディタ使ってる。テキストべたうち。
553名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 21:15:20 ID:P/olJtI4
エクセルはストーリーエディタっぽい使い方ができるので使い慣れてるとかえって便利かもしれない
554名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 21:43:59 ID:r/1LmXCP
>>552
自分はメモ帳使ってますかねー。おかげで行頭空白が手打ちしなきゃいけないんでめんどい
一番余計な機能がないのでメモ帳はオススメですが。

うーん……Excelに慣れてるならWordがオススメですかね。操作感覚は一番近い、はず。
表計算ソフトであれだけ書けるのが逆にビビりですが(汗)。

慣れてるもので書くのは楽ですので特に変える必要はないと私は思いますが、個人的にはやはり用途にあったものを使うのが一番いいと思います。
慣れると便利ですし。


なにがわからないんだろう……えーと、Wordは紙に印刷された時の想定で画面に表示されてるので
意図しないとこで改行されたように見えますが、実はデータ上改行されてませんので、そのままコピペしても改行は出ません、とか?

ここでやっていいかは知らないけど、疑問点はお答えできますよ?
555名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:29:21 ID:5ZwWIa2M
Wordや一太郎は「ワープロソフト」だからテキストエディタとは少し違うよ
テキストエディタは、「ただ長い文章を打つだけ」に特化してるやつ
余計な機能がついてないから軽く早く、整形や編集が容易という特徴がある
メモ帳やワードパッドでも問題ないといえばそうだろうけど、
フリーウェアか2000円くらいのシェアウェアを落としてきて使うのが個人的オススメ
556名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 22:49:00 ID:8qexJUbV
TeraとPeggyを愛用中だなぁ。
どっちも、スクリプトとか打ち込む時に使ってただけだが、それ以外じゃ落ち着かなくなってきた。
557名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 00:04:01 ID:bTM/NTPK
自分はWindousWordかなぁ?
フォントとかいじって古めかしい感じだと明朝体、
ライトノベルとかSFな感じだとゴシックって感じに雰囲気を掴みやすくなるから。

テキストエディタは色々と試行錯誤して、自分似合ったものを探すと吉だろうね。
558539:2008/11/04(火) 01:22:11 ID:uX64mVQD
>551さま
 何やらスレの流れがおかしなことにっ!?煤i ̄□ ̄;
 別スレに誘導した方がいいのかなぁ、と思いつつテキストエディタ系のスレを見て回ったらどこも雰囲気があやしい…(ぉぃ

 何か色々と惑わせてしまったようで、申し訳ありません。
 「機能的な理由」と書いたのは、文章作成作業中に何かしらExcelの機能を使ってるから、あえてExcelで作業されているのかなぁ、とか思ったんですが。
 「個人的な理由」ってのは、まんまパソコンに詳しくないから仕事で使っている道具(ソフト)で〜、って感じだったんですが…。

 とりあえず、

「テキストエディタとは、コンピュータで文字情報(テキスト)のみのファイル、すなわちテキストファイルを作成、編集、保存するためのソフトウェア(プログラム)である。」

 だそーで。とまあそんなわけで。

 『メモ帳』はテキストエディタですが、『ワードパッド』は違います。
 基本的に文字装飾(一部のフォントサイズを変更できたり、太字や斜体にしたり、下線とか取消線を付けられたり、文字の色を変えたりとか)が出来るのはワープロソフトとかの分野ですね。

 ただメモ帳だと色々と機能が貧弱なので、ググるなどして自分で使いやすいエディタを探してみると良いと思います。
 有名なとこだと『秀丸エディタ』とかですかね?(有料ですが)
 フリーだと『サクラエディタ』とか『EmEditor Free』、『TeraPad』辺りになるのかな。

 私はツールマニアなので色々と手を出したりしてますが、今のところは『サクラエディタ』をメインで使ってます。
 「SakuraEditorWiki」とかでググるとまとめWikiが出てくるので、画面左の「Install」に進めばあとは何とかなるかと。

 昔は文章書くヤツは『WZ EDITOR』とか言われてた時代もあったんだけどねぇ…。



 初心者質問スレとかに移った方が良いのかも…?
 スレ埋めに入ってるからいいのかな…?
559名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 03:22:42 ID:Z6BvRUTX
え……まだ移る必要性感じてなかったの?
てっきり分かって半ばツールを駆使しない愚鈍へのペナルティにここでやってるんだと思ってた。
560名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 08:07:56 ID:uUeE9ss+
>558
別スレが嫌なら保管庫の掲示板を利用すればいいのでは?
561名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 21:28:50 ID:Vu255cFz
もはや卓上ゲームにすら関係ない話題で埋められてもなー
562名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 21:40:08 ID:IRKvPZNB
みんな、シナリオ書くときはどんなテキストエディタ使ってる?おれはtxtなんだけどさー。
563名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 21:46:56 ID:BS0IsSbK
テキストエディタがなんだろうと、書けることは書けるしなあー。
長レスの応酬するようなことか。
564名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 22:08:38 ID:5ZIEEL27
俺、SSはメモ帳とword使ってるわ
ツールの優劣論は板違いだな
565名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 22:25:38 ID:Yzr7uSAc
566名無しさん@ピンキー

卓上ゲームエロパレ総合スレ26
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1225678641/

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