☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第84話☆

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魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:53:49 ID:q9O079BH
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第83話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1220182289/501-600

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/   (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:54:42 ID:UUz+mK9R
テンプレ修正

【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第83話☆
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  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

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4シロクジラ ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/10(水) 23:59:35 ID:sZ8MPhyi
1乙ですー。
5シロクジラ ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/11(木) 00:06:03 ID:C1gt0yFc
「司書長は女の子」第二話を投下します。

注意事項
・TSものです。ユーノが女の子。
・クロノ×ユーノを主軸にお話が進みます。
・今回はちょっとシリアス

駄目な方は「司書長は女の子 その2」かトリでNGをしてくださいませ。
6司書長は女の子 その2 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/11(木) 00:09:49 ID:C1gt0yFc
「司書長は女の子 その2」

休日の大通り……人々が行きかい、微笑ましい家族連れなどが目立つ中を、一人の“少年”が歩む。
コツン、コツン、と革靴の音が街中に響くも、誰もそれを気に留めない。
色素の薄い長髪を一本に纏めて腰まで伸ばした、理知的な整った顔は少女のようだ。
華奢な体を厚手の服で覆った姿は、何処か危うい魅力があった。
いや。
それは“彼”なのだろうか?
正しくは“彼女”なのではなかろうか?
街を歩む人々は誰一人して気づかぬが、少年ユーノ・スクライアは今この瞬間も思い悩んでいた。
自身の在り方に――男であると云うことに。卑下するでもなく真剣に悩み、狂わんばかりに焦がれていた。
誰に焦がれているのか? 
それは――。

『そこのフェレットもどき、背中を流してやるか……ら?』

『ああ、いえ、すいません! 友人と間違えたようで――って』

『僕って……やっぱりユーノ――』 

あのとき、シャワールームに入ってきたクロノの全身。
よく鍛えられた、厚い胸板。全身の筋肉は鋭いナイフのように引き絞られていてスマートだった。
そして、その股間の茂みの奥にある、眠れる男性器。あれが、クロノの……。
思い出すだけで頬が火照る。どくん、と一段階鼓動が跳ね上がった。
白く肌理(きめ)の細かい肌は、かっかと流れる血流によって熱く燃えるように赤く染まり、
少年の格好をしているユーノ・スクライアの全身から幼い色香のようなものを出させていた。
その様たるや――まるで乙女のようだった。
いや、ユーノは乙女だった。比喩でもなんでもなく、事実として。
スクライアの里に、十五年前生を受けた命――スクライア一族の若い夫婦の間に生まれたのは、女の子だったのだから。
そしてそれこそが……喜劇もしくは悲劇の始まりだった。


ごくり、とクロノ・ハラオウンは唾を飲み込み、スクライア宅――大きな一戸建ての住宅を睨んだ。
いささか年頃の少年が一人で住むには広すぎる家は、最新のセキュリティによって二十四時間警備され、泥棒一人入る余地がない。
クロノは戸惑っていた。自分自身の脳裏から、いまだにあの日シャワールームで見た少女のことが離れぬという事実に。
あの火照った白い肌――そして、友人そっくりの美しい顔。
まさか。
あれがユーノだとでも云うのか。
いや、そんな筈はないと心が否定し、クロノは安定を取り戻す。
きっとあれは、自分の邪な心が作り出した幻影に違いないのだ。
今日、またユーノに会えばそんな疑問は解消し、自分と彼は元通りになれる――。
そのように、まだクロノは考えていた。愚かなことに……。
時空管理局の制服を脱ぎ、私服姿でいる高町なのはがユーノの家のインターホンを押した。
ピンポーン、と云う軽やかな音――されど、家の主は現れない。
なのはがやや眉をしかめて、

「ユーノくーん、私だよー、高町なのはだよー!」

と叫ぶも、返答はなく。
二人は数分間、何もせずにじっと立っていた。
やがて、最初に口を開いたのはクロノだった。

「……出かけているのかもしれないな。今日は出直し――」
7司書長は女の子 その2 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/11(木) 00:10:33 ID:C1gt0yFc
そう言いかけたとき、足音。
振り返ると。
風が吹いて、色素の薄く長い髪が揺れた。
緑色の法衣に似た私服は、スクライア一族の伝統衣装――所謂男物だ。
丸い眼鏡をかけた、秀麗な顔が驚愕に染まる。吃驚しているようだ――なのはを見て――クロノで視線が止まって。
宝石のように深い色を湛えた緑の瞳が、クロノのざんばらの黒髪を見た。
そして……少しだけ頬を赤らめて、俯いた。
意外と観察力に優れたなのはも、この動作だけでは何がなんだかさっぱりわからず、首を傾げた。
されど、されど、されど。
クロノ・ハラオウンは、たったそれだけの動作に……魅せられていた。
ああ、とも、うん、ともつかない声――クロノは声変わりを終えて渋い声になっている――を出しつつ、ユーノを見つめたが。
“彼”はついぞこちらを向かず、なのはと一言二言、言葉を交わしていた。
たった、それだけなのに。
焦がれていた。

(嗚呼、自覚しよう――僕はユーノ・スクライアに惹かれていると)

「クロノ君、ユーノ君がお茶しようだって」

「ん、ああ……」

ユーノは無言で家にそそくさと入ると、そのままキッチンへ消えた。
玄関から見える廊下はよく掃除されていて――かえって、がらんどうのように空虚な印象を見るものに与える。

(こんなところに、一人で?)

借家なのだろう、たった一人で暮らすにはあまりにも孤独で。
クロノは、ユーノの寂しさを味わったような気分に成っていた。
あるいはそれこそが、同情と云う残酷なのだと気づかぬまま。


こぽこぽ、と茶を淹れる音が響く。鼻腔を突くのは多分良い茶葉の紅茶だろう。
ユーノが意外と凝り性なのをクロノは知っている。
何せ、少し前はそれで喧嘩をしたことがあるくらいだ。
ユーノが紅茶派、クロノがコーヒー派で言い争ったのだが。
質素なダイニングに二人は通され、椅子に座って部屋の中を眺めていた。
まるで個人の趣味や生活臭と云うものが抜け落ちた室内は、息苦しいくらい緊張感に満ちていた。
無言で過ごしていると、念話が飛んできた。なのはからだ。
あえて端末を弄っているフリをしているらしい。

(ねえ……クロノ君。ユーノ君に何をしたの? あんなユーノ君、初めて見たんだけれど……)

(いや。何もしていない……筈なんだが)

シャワールームを覗いた上に、女の子かもしれません、ユーノは。なんて言えるわけがない。
言ったら事実確認の為にユーノが脱がされた挙句、自分はバインドで空間固定されてスターライト・ブレイカーの直撃を食らうだろう。
勿論、手加減無しで全力全開に違いない。その時を考えるだけで、クロノの男は縮み上がった。
ゆえに、真実を――そう思える推測を話すことだけはしなかった。
如何になのはが優しい女の子だろうと……。

(ふぅん。じゃあ、何もしてないんだ――ユーノ君に聞いてもいいよね? 何もしてないなら)

前言撤回。明らかに悪魔だ、この高町家の末っ子は。

(……あ、ああ)
8司書長は女の子 その2 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/11(木) 00:11:41 ID:C1gt0yFc
ユーノがお茶の入ったティーポッドを持って現れた。
暖簾をくぐって見えた顔は、やはり――。

「クロノ? はい、お茶」

「ん……」

心なしか何時もよりつっけんどんな態度に苦笑しつつ、ユーノによって注がれたお茶を見た。
甘く煮出したミルクティー。遺跡探索で疲れやすいスクライア一族の男達の為に、女達が伝統的に煮出し方を習うものだ。
砂糖が入っていて、甘く濃いそれはリンディ・ハラオウン絶品の一品。甘党の母が絶品と云う時点で敬遠していたものだが……。
口にすると、ひどく癒された。

「美味い」

ユーノが慌てた。
仏頂面が少しばかり朱に染まる。

「なっ……! ん、んん。なのは、お茶の味はどうだい?」

なのはに話を振って逃げたつもりらしい。
甘いな、ユーノ・スクライア。そこは鬼門だ。
君にとっても僕にとっても、とクロノは心中で呟いた。

「うん、美味しいよー。あ、それでねユーノ君……」

「なんだい?」

顔をずいっと近づけて、なのはは真顔で告げる。
冷たい声音だった。絶対零度とは、こういうときのことを云うのではないか。
女は怖い。

「――クロノ君に変なことされなかった? そう、例えば――」

がた、と立ち上がってクロノが場を制した。父親譲りの黒い髪が揺れる。
甘く煮出したお茶を飲み干し、なのはの冷たい視線からユーノを庇う。
喉に粘つくような熱さの液体が流れ込むが、構わず喋った。

「なのは、僕を信用してくれても――」

「……ユーノ君、普通じゃないもん。絶対変だもん……ねぇ、ユーノ君?」

ユーノはそれこそ小動物のように慌て、視線を泳がせた。
少女のように整った面に狼狽が浮かび、どんどん頬が上気していく。
クロノは思う。不味い、と。
これでは、何もしていなくても何かしたと思われる、それはもう確実に。
そして自分は“お話”と称した尋問の果てにスターライト・ブレイカー。
嫌過ぎる。

「できないかな? “お話”」

殺し文句まで出た。
おっかない。とにかくクロノはそう思った。
百年の恋も冷めるであろう恐怖であった。
後ろでユーノがぞっとしたような声音で言う。

9司書長は女の子 その2 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/11(木) 00:12:38 ID:C1gt0yFc
「あ、悪魔……」

やめろ、それだけは思っても言うな。
心の中でそう突っ込みを入れつつ、クロノはその優れた頭脳を回転させて考えた。
一番いい場の治め方を。

「悪魔でいいよ? お話、聞かせてもらうから――」

満面の笑顔が怖い……手遅れかもしれない。
とにかく、状況を整理しよう、クロノ・ハラオウン。

1、なのはは僕がユーノに何かしたと思っている。

2、なのははユーノが好き……凹むが事実。

3、ユーノは多分性別が♀。

4、なのははユーノが男だと思っている。

……。

(ってどう考えても最後のが元凶じゃないかっ! 隠すべきじゃなかったか……。
いや、しかし……女の子のシャワーシーンを覗いたとか言えるわけがない……!!)

落ち着け、落ち着くんだクロノ・ハラオウン。
クールに、そうクールになるんだ。
喉を掻き毟らない程度に。

「……なのは。最初に言っておこう――誤解だ」

「クロノ君、最初にそう釈明する人は何か後ろめたいことがある人だって、お母さんが言ってたよ」

高町桃子さん、貴女はなんてことを娘に吹き込んでるんですか――?
思わず心象風景――笑顔で手を振る高町母が見えたので、クロノは再度突っ込みを入れていた。
気を取り直して言う。

「いや、だから……ユーノには何もしてな……い……悪戯一つしていません、本当です」

何故か途中から敬語になっていた。
なのはの放つ闘気(オーラ)に呑まれたのかも知れない。
六歳年下の小娘にこうなってしまう辺り、どうにもクロノ・ハラオウンという男は気弱なのかもしれなかった。
普段はばっちり決まってる男なのであるが。
高町なのはは笑顔のまま、魔王のように歩み寄った。
びくり、とユーノが今度こそ小動物のようにクロノの背中に隠れた。
熱っぽい肌が、クロノのゴツゴツした手と触れて――。

「ふぅん……本当? ユーノ君。大丈夫、何かされてたら私が――」

「い、いや。大丈夫だよ、なのは。クロノは、そんな人じゃないよ……」

そう言いつつ、クロノの手を握り締めるユーノ。
その頬は上気してる。何とも言えず色っぽいが……どう考えても男色の気があるようにしか見えない。
ピンチ――所謂命の危機――心臓の鼓動は早鐘の如く――ついでに走馬灯。
なのはは笑顔であるが、何故か青筋が浮かんでいる。
10司書長は女の子 その2 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/11(木) 00:13:36 ID:C1gt0yFc
(母さん、僕の命はここまでのようです――)

諦めの早い執務官であった。
これに対して、なのははクロノが観念したと思ったのだろう――いっそう怖い笑顔になって告げた。
胸から提げられた待機状態のデバイス、レイジングハートがぴこぴこと光って主を宥める。

《マスター、冷静になってください》

「冷静だよ? レイジングハート。私はクロノ君もユーノ君も好きだから……二人が傷つけあうのは見たくないの。
だから、過ちは今の内にはっきりさせなくちゃ駄目なの。じゃないと、取り返しがつかなくなるから……」

これが効いた。まるで御伽噺の魔女の甘言のように緩やかに。
びくん、とユーノの身体が震え、ぎゅっと胸元を必死に押さえつけながら、顔をあげた。
凛々しい秀麗な顔には決意が強く浮かび、色素の薄い髪が揺れた。
クロノはいち早くユーノの異変に気づくも、何も出来ぬことを悟った。
それでも、声だけは出た。近すぎて気づけなかった、大事なことに。

「ユーノ……」

「もう、いいんだよ。クロノ……隠してた僕が馬鹿だったんだ」

ユーノはまるで殉教を覚悟した聖職者のような姿で、眼鏡を机の上に置いた。
なのはと出会った頃からまるで変わらない中性的な容姿が露になり、続いて髪を留めていたリボンを外した。
腰まで伸びた長髪がぱさり、と風になびき、何とも言えぬ芳香が辺りに満ちた。
なのはは絶句して、ユーノの行為を見つめながら呟く。

「ユ、ユーノ君?」

無言――ユーノはお揃いのリボンをなのはにそっと握らせ。
緑色の瞳で、なのはとクロノの顔を交互に見た。
そして、何処までも平坦な声で告げた……真実を。

「まず最初に言うよ、なのは……君の好意は嬉しいけれど、僕は応えられない」

「ユーノ君、何言って――」

「僕は……女なんだ。ずっと、隠してたけれど」

なのはは、驚愕に目を見開いた。
信じられない、と云った表情で二人の顔を眺める。

「もう……やめてよ……変な冗談――」

ユーノは信じられないくらい思いつめた顔で、声を荒げて遮った。
涙ぐみながら、喋った。喋り続けた。

「嘘じゃないっ! 僕は今日だって、きつめのブラで胸を押さえてるんだ。
だから……ごめん。ずっと、騙してて――本当に、ごめん」

「え……?」
11司書長は女の子 その2 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/11(木) 00:14:55 ID:C1gt0yFc
沈黙だけが帳のように降りて、ひどく重い空気が部屋に流れた。
やがてなのはは、のろのろとダイニングのドアから出て行き――。
クロノが声をかけた。

「なのは……」

「一人にして……お願い」

クロノはどうすることも出来ずに立ち尽くし……ユーノに見つめられた。

「あ……」

「行ってあげてくれ、クロノ。僕も……一人になりたい」

拒絶。
それを噛み締めながら、クロノは家から出たなのはを追いかけた。
背後から聞こえたすすり泣きに、気づかないふりをして。
12シロクジラ ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/11(木) 00:16:19 ID:C1gt0yFc
以上で完了です。

次回から、おそらく、多分ラブコメっぽくなるかもです。
では、おやすみなさいませ。
13名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 00:20:52 ID:ASA1fbQ/
GJ!!
気になる引きで終わって堪りません。 次回もお待ちしております〜。
14名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 00:21:13 ID:iWxlKu+c
>>12
よくやった

>>1
溶けきらねえよ
15名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 00:50:42 ID:x+zd8KPL
>>12
GJだぜ!女の子であると暴露したユーノをなんて呼べばいいのか困るな
今までどうりにユーノ君だろうか?
16名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 07:52:33 ID:oShtpVvi
>>12GJ
何で男装していたか気になるところ

>>14
むしろお茶をすった砂糖を飲むんじゃね?
17名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 09:54:52 ID:qNM+pBWf
なんかこのユーノでユーなの読みたいような……普通よりフェイトの壊れ方が酷くなりそうだがw
18名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 13:19:50 ID:820XSQQW
むしろフェイトもユーノを男と意識していたので……とかもありか。
19名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 13:39:01 ID:820XSQQW
あげてた…すまんorz
20名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 13:49:38 ID:2Y6l0aja
「ユーノ君が女の子だったなんて・・・だが、それがいい!」
と、言い切っちゃいそうな、なのはさん
21名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 14:50:18 ID:fJWPRrMb
ユーノきゅんは男でも女でも……一粒で二度おいしいなw
22名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 15:29:08 ID:e2htWwoJ
水を被ると女になって、お湯を被ると男になるんだよ
23名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 15:39:08 ID:/Sd9fXN9
ぬるま湯でふたなりか。
24名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 15:41:57 ID:TjS0l5S4
らんま乙
25名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 15:45:51 ID:2Ap7Fh5a
>>23
その発想はなかった
26名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 15:51:03 ID:JXhbht97
>>23
お前天才だよ
27名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 15:56:32 ID:e2htWwoJ
場合によって臨機応変に変えるんだ。
なのは「ユーノ君、今夜は男の子で♪」
クロノ「ユーノ、今夜は男の子がいい」

あれ、かわんねーな?
28名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:01:47 ID:xCqgbzIK
ユーノ、たまに出てくるとみんならか愛されるな。
29名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:22:50 ID:L0AXEc4f
ユーノスレの空気か何か知らんが、妙な流れにすんの止めてくれ
30名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:48:12 ID:rtgxc0UN
>15-27のユーノへの愛はわかった
続きはユーノスレに帰ってやってくれ。その方が双方にとっていい
31名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:51:28 ID:+qkRtJS8
>>29
もう来ないでいいよ、説明するのも面倒だ
32名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:52:59 ID:OUam9Wdg
まあそう言うなよ
33名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:53:47 ID:Qk2QG/oy
>>29-30 うん、取り合えずお前ら百合厨が巣に帰ったまま引っ込んでてくれ
34名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:56:33 ID:DDHxV1Rr
下らんレッテル貼りの煽り合いすんなよ
35名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:59:24 ID:rtgxc0UN
あの……俺ユーノスレ住人なんだけど……
前回ユーノスレのノリはそろそろやめた方がいいと思って言ったのだけど
36名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:17:21 ID:+qkRtJS8
なら尚更帰れ
37名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:19:15 ID:JXhbht97
ちょっとユーノが話題に上がったくらいで
ユーノスレの空気とか言う奴って痛いと思う

ssが投下されてそれ関連の話になっただけなのに

それとも俺が文章の奥深くに隠された想いを見抜けないだけなのだろうか?
38名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:22:25 ID:ASA1fbQ/
↓からはいつも通り、シャマルさんの素晴らしさについて。
39名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:26:42 ID:DosunUTe
料理下手だよね
40名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:31:05 ID:OOPpil4v
一つだけ言うなら>>33の脳内が意味不明
彼の脳内ではユーノの流れを否定する人=百合派なのか
おめでたい頭だなぁ

>>38
なぜかシャマルさんは腐みたいなイメージがあるぜ……
41名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:33:56 ID:xCqgbzIK
巨乳なドジっ娘だな。
あれ、けど娘って年じ(ry
42名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:43:24 ID:L0AXEc4f
なんでこんな過剰に反応するかなぁ……
俺はただ>>17辺りから流れが妙な感じになってるように思って書き込んだだけなんだが
別にユーノが嫌いなわけでもないし、なぜか百合厨と言われるし訳分からん
そんなんだからユーノ厨って言葉が消えないんだろうに

>>38
( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!
43名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:46:09 ID:KWcZFy2O
シャマル先生って起動六課の健康を預かる身な訳だから、当然健康診断もすると思うんだ。
健康診断って言ったら真っ先に思い浮かべるのは検尿であってだな。
何が言いたいかと言うと、俺もなのはさんやフェイトさんの黄金水が欲しいんだ。
44名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 18:26:43 ID:3Rf0Omzs
>>40
なぜかシャマル先生は同人誌書いてるイメージだぜ
どこで先入観仕入れたのか解らんw
45名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:03:01 ID:TA9dGY2y
>>44
そういうSSあったよ
書いた同人誌が預言書になるって言う奴が
46名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:03:03 ID:e2htWwoJ
ユーノスレの流れにするなって流れわかるほどユーノスレ詳しいんだな
47名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:03:54 ID:hlvu3AI8
>>12
GJ

>>43
さあメモ帳を開いて、そのリビドーをぶつけるんだ!
48名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:18:17 ID:scohYi3c
>>46
先に言われたw
49名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:49:19 ID:/Sd9fXN9
ユーノスレの流れになってたなんて知りませんよ。
だいたい、前の投下作品のメインキャラの一人がユーノで尚且つ、みんなの心に残ったから
盛り上がっただけでしょうに。
50名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:10:40 ID:oShtpVvi
スレの流れがおかしいと感じたなら態々ユーノスレの名前を出してもっと流れをおかしくするより
別の話題を出すなり「雑談は自重」と言うなりすればよかったんじゃない?
もし雑談してる人がユーノスレに無関係だったらムッとすると思うよ。
51名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:15:03 ID:fJWPRrMb
>>44
つ“不可思議”
52名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:19:09 ID:rtgxc0UN
>>50
ごもっとも。痛み入ります。申し訳ない。
53名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:45:58 ID:NwqXAyA+
シャマルさんには何故か、ロリショタ好きでDT食いな貴腐人のイメージ…
白衣着たせいで、ますますその印象がw
54名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:50:29 ID:1yuPQ9Pj
シャマルさんの腐女子イメージはどっからついたんだろうな。
>>45のSSは覚えてるけどあれより前にもう同人云々のイメージが自分の中に
あった気がする……

あとザッフィー=モフ毛のイメージも気がついたら定着している。
こっちはある程度心当たりがあるが
55名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:57:20 ID:oShtpVvi
旧保管庫に同人作家シャマルさんのネタがあって面白かったな
56名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:58:51 ID:OOPpil4v
俺の場合シャマルさんの腐イメージはWebコミックとか同人誌からだな
SSから付いたって人は結構少ないんじゃないか?
57名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:00:42 ID:DosunUTe
儂の場合はここだったなあ。
もっとも、某腐女子はやての影響で、はやての方がイメージが強いけど
58名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:23:07 ID:xrcuzhh/
スバルがシャマル・マリエルにノーヴェがドクター・クアットロに改造される。
と言う夢を見る。というのを思いついた。
59名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:30:09 ID:e2htWwoJ
シャマルが腐女子ネタは双葉のリリゆうが個人的には最初だった。
A’s始まって真ん中ぐらいには腐女子にされて、闇の書がネタ帳になってた記憶がある。
60名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:35:25 ID:8hI2DZ73
ザフィやユーノやクロノを腐同人誌のネタにして
毎回ラストでザッフィーに頭を噛み付かれるっていうSSで、シャマ=腐のイメージが定着しますた
61名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:40:56 ID:cVXpF4bq
シャマルのガチバトルを見てみたい
たまには癒し手ではなくベルカの騎士シャマルだっていいはず
62名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:48:13 ID:hlvu3AI8
>>61
シャマル先生は俺と夜な夜なベッドのうえでガチバトル繰り広げてますが何か?
63名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:48:52 ID:/Sd9fXN9
ガチバトルはしないだろうなぁ。
彼女が全力全開を心がける場合、対象が油断しているとき(入浴時、寝ているときなど)に
旅の鏡で重要臓器(心臓など)を握りつぶすとか、腕だけ出してピン抜いた手榴弾を数個投げ込むや毒ガス撒布とかの暗殺スタイルになりそう。
64名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:49:05 ID:x+zd8KPL
ベルカの騎士・・・中のひと的に処刑鎌のデバイスになるのか?
65名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:50:03 ID:5Z860RJ9
>>64
フォ(ry
66名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:09:16 ID:aH4Dh7fF
クロノやエリオで話が盛り上がっても
そっちのスレいってやれってあまり言われないな
67名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:15:58 ID:DosunUTe
すまん。
ミッドチルダにタイガースもどきのチームがあるSSって何だったっけ?
フェイトさんがそのチームのファンなの。
68名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:29:22 ID:TA9dGY2y
・魔法集団リリカルやがみけInsecterS
著者:ておあー氏

他にもあったっけ?
69名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:30:06 ID:AXo50e1V
>>66
以前ユーノ関連で荒れたことがあったから
味を占めたんじゃないのかね
70名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:34:44 ID:G+w2B44v
エリオは以前なんか言われたことあった。飽きたとかしつこいとか。
まあ、そんなわがまま言われてもな……読ませてもらってるわけだから。
71名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:39:39 ID:iWxlKu+c
ないよりは多すぎるぐらいの方がいいのにな
72名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:45:47 ID:DosunUTe
>>68
Thanks
73名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:46:38 ID:hlvu3AI8
エリオの場合はすぐ擁護レス入ってくるし、書き手にも
メインで書く人が複数いてここでは割と愛されてる気がするな。

なのクロ派、生存者はいるか?応答せよ。
74名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:48:45 ID:PG7jUOIz
>>70
クロノも前にとらハSSスレ作ったらと言われたな。

>>73
ノシ

まあ絵派なのでここではお役に立てないが。
75名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:52:17 ID:xCqgbzIK
>>63
本編で使った魔法は回復と防御とそれくらいだしな。
それでもあえて無理やり戦わせるとしたら、キャロみたく防御しながら簡単な射撃魔法で応戦ってところか。
金色のガッシュという漫画にもそういう防御一辺倒なキャラがいて、登場初期は威力の低い連射不可能な射撃で
乗り切っていた。曰く、相手がへばるまで防御し続けて、弱ったところを仕留めていたらしい。
76名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:55:54 ID:/Sd9fXN9
シャマルは回復と索敵、参謀という戦闘補助系だからなぁ。
後は、主の安全を確保するために敵を暗殺、謀殺などをしていたとかありそうw
77名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:00:00 ID:DDHxV1Rr
そろそろ雑談自重
78名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:00:59 ID:WdyQZzvV
>>74
アニメ版から入った身としては、差違とかよく分からないんだが。性格とか別人だから、ってことかね?
とらハの設定を持ち出されてもよく分からない部分は確かにあるが、気にするほどのものなのだろうか。
まあこのスレの立った経緯を考えればスレ違いなのかもしれないけど。


エリオの場合はさ、粘着なアンチも熱狂的な信者もこのスレにほとんど姿を見せないから。
ユーノはその両方が、割と頻繁にここにくるからな。まあ、普通のファンもいるんだろうけど、活動する方がより目立つから。
79名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:10:25 ID:C0BeBfxS
>>75
何か考えてみたら意外に共通点あってびっくり
ガッシュ⇔エリオ
電気、ショタ、高速移動、動物系(乗り物系)の友達アリ、補助に向きのパートナー
ティオ⇔キャロ
ピンク、ロリ、補助技豊富、攻撃技少なす、前線で守ってくれるパートナー、怪力(?)
これでエリオが優しい王様目指して、キャロがツンデレになれば完璧

エリオももっと愛されて欲しいけど、キャロも愛されて欲しいと思う今日この頃
80名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:14:55 ID:scxGgrbU
もうあれかなぁ。ユーノ物は別にスレを立ててそっちでやった方が良いのだろうか。
通常のSSはユーノスレで良いのだろうけど、十八禁物は投下できないからねぇ。
隔離されてしまうのは悲しいが、その方がお互いにとっては良い気もする。
81名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:15:36 ID:Uv4Y6ICt
クラールヴィントをホーミングペンデュラムみたいに使えばいいんじゃね?
82名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:19:36 ID:s97MUBgL
>>78
とらハはとらハ、リリなのはリリなの。キャラどうこう言う以前に、原作が違うから
とらハのクロくんなのちゃんのエロのみのSS投下されたときは、本気でぽかーんとした
リリなのととらハをクロスさせてるならまだしもねぇ

ここまで言ってて一応クロなの派
でも原作で否定されてるから、ネタがあっても書く気はない
83名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:24:26 ID:pRVK5Q8T
変に突っ込んでくる荒らしはほっとけ。
下手に隔離したら別のキャラを対象にして今のスレのような攻撃をくりかえすだけだろう。
84名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:27:40 ID:DDHxV1Rr
>>80
誰もそんなこと言ってないというのに
85名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:33:10 ID:PG7jUOIz
>>82
俺は逆に、原作(作品的な意味で)で肯定されてるから
ネタが浮かべば描くなあ。

まあそれはそれとして、原作オンリーどうするかっての、過去
提議された時のリアクションから言って住人側でも割れてるんだよな。
個人的にはトライしてみてるが。
86名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:48:19 ID:+qkRtJS8
>>80
体よく追い出したいまで読んだ
87名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:52:27 ID:xCqgbzIK
クロなのは何度もトライしてゴミ箱した記憶があるなぁ。
個人的にプラトニックなイメージが強くて、どうしてもエロが思い浮かばないんだよ。
清純派と堅物なんで。
88名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:52:36 ID:YOvD7I7C
そして誰もいなくなった――に、なりかねないんだよな、隔離って。
89名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:55:39 ID:X9rf3ez0
>>80
露骨すぎるぞw
90名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:57:24 ID:l5FZu5Vu
ガチホモエロ以外なら基本的に何でもいい
91名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:58:56 ID:NwqXAyA+
そもそも板ルール的に隔離なんて不可能。
そしてネタですらない雑談はそろそろ自重。

書き手的にこういう雰囲気って、投下もしづらいし…
92ザ・シガー:2008/09/12(金) 00:05:02 ID:ASA1fbQ/
この流れを一掃するためにあと一時間以内で何か投下すると宣言する。
93名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:06:27 ID:uglOzWFc
>>91
あ…あれ…ちょうどいま、シャマルに関する話書いてるからむしろ投下しやすいぜうっしっしと思ってる俺は異端なのか…!!

いや、シャマルで盛り上がってるからこそ逆に、うわこんな読む人選ぶ話はやっぱり受けないんじゃないかな、とも思うけど
94554:2008/09/12(金) 00:09:24 ID:ExhT/jju
シャマル祭りですか!

私もお蔵入りになった小ネタのストックがあるのでシガー氏の後に投下します。
というわけで投下予告。
95名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:11:09 ID:Au3cb4VH
ロッサがロリコンだけど実はシスコンという設定で
「ハハハ僕はロリっ子にしか興味は無い!」
とナンバーズを迎え撃ったらチンク姉とぱったり遭遇して
「あ、姉でロリッ!そんな…僕の理想の女性像がここに…」
「…何だお前は?うわっ…」

という悲恋がついさっき頭を過ぎったんだ
96名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:16:46 ID:n/1UWmMJ
それはシスコンではない
97名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:19:08 ID:nZRpztQM
チンク、誰が相手でも弄られキャラなのかw
98名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:37:22 ID:aQK3qqc/
>>92
ザ・シガー兄貴の力技に期待!
99名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:54:24 ID:lRUpgKPd
明日朝からバイトなのに寝れないwwww
100ザ・シガー:2008/09/12(金) 00:56:22 ID:ZLumlovf
よし、完成した! 一時から投下開始する!! 内容は以前書いた「風の癒し手 恋をする」のアフターである!!

ちなみに非エロである!!
101554:2008/09/12(金) 00:59:59 ID:ExhT/jju
すいません、割り込ませてください。

先程確認したところ重大な間違いを発見。 投下は見送ります。

期待してくださった方、申し訳ないです。
102554:2008/09/12(金) 01:00:15 ID:ExhT/jju
すいません、割り込ませてください。

先程確認したところ重大な間違いを発見。 投下は見送ります。

期待してくださった方、申し訳ないです。
103風の癒し手 恋をする:2008/09/12(金) 01:00:54 ID:ZLumlovf
風の癒し手 恋をする アフター


ケビン・D・スミスの朝は早い。今日もそれは変わらず、彼は早朝に目を覚ます。
だが彼は目を覚ました途端になにか違和感を覚えた。
なにかが自分の身体に絡み付いているのだ。それはとても柔らかいもので、背中や足に絡まってひどく心地良い。
特に胸板に押し付けられているモノは素晴らしい柔らかさで筆舌に尽くし難い快感を与えている。
そして鼻腔にはなにか、熟れきった果実か満開に開いた大輪の花のような甘い香りが漂う。


(ん……なんだ?)


目覚めかけた思考が頭を駆けて疑問が沸く、ケビンは意識を覚醒させながらうっすらと目を開けた。
すると目の前に輝く金が広がった、寝起きでしばし霞んだ目はしばらくしてそれが金色の髪だと理解する。
そして、その金髪をそっと手で掻き分ければここ最近見慣れた新しい恋人の顔が現れた。


「シャ、シャマル先生!?」
「ん……んぅぅ……もうあさぁ?」


寝起きですっかりフニャフニャになっているシャマルが、身体をよじりながら力の抜けた返事をする。
顔を擦りながらトロンとした目で上目遣いに見上げてくるその仕草はかなり可愛らしいものだったが、ケビンはそれに見惚れる暇など無かった。
密着状態故に胸板に押し当てられているシャマルの豊かな果実の感触が視覚の認識を遅らせていた。
それに何よりも、彼女が今ここにいるのかが分からない。
ここは彼が所属する部隊の寮である、基本的に許可を貰わないと部外者は宿泊などできない。
だが、シャマルは現にここにいて自分と一緒に寝ている。ちなみに昨晩彼女を部屋に連れ込んだ等という記憶は一切無い。


「あ、あの……シャマル先生?」
「なにぃ?」
「その……どうしてここにいるんですか?」
「えっとねぇ……このまえコピーしたあいかぎではいったのぉ」
「はい!? 合鍵!? いや……それ凄く違法ですよ? 全力全開で不法侵入ですよ?」
「うぅ〜ん……むにゃむにゃ……」
「いや、二度寝しないでください!」
「あとごふんだけぇ〜」


シャマルはそう言うと目を閉じて再びグースカ眠りだす。
っていうか、いったい何しに来たんだ!? と言いたくなったが、ケビンに言う暇は無かった。
時計を見ればもう出かけなければならない時間、これ以上寝起きでフニャフニャなシャマルに構ってはいられない。


「あの、シャマル先生……もう自分出かけますからね?」
「……はにゅ〜」


シャマルは寝ぼけ気味でまるで理解したとは思えない返事を返して、シーツをギュッと頭に被る。
そんな彼女にケビンはやや呆れ気味な顔をするが、一つ溜息を吐いてベッドから出た。
104554:2008/09/12(金) 01:00:57 ID:ExhT/jju
ダブったorz

再度、申し訳ない。
105風の癒し手 恋をする:2008/09/12(金) 01:04:27 ID:ZLumlovf
手早く着替えて、部隊に行く前のランニングの準備をする。


「あの、それじゃあ自分はもう出かけますからね? 鍵とかお願いしますよ?」


念を押してそう言っても、シャマルはなんとも明瞭としない返事しかできない様子だった。
とりあえず、時間もないのでケビンはそんな彼女を残して部屋を後にした。





「よし、午前の訓練は終わりだドグサレ野郎共! さっさと飯喰って休め!」


鬼のように厳しいので有名な87部隊所属の小隊長の言葉で午前の訓練は終わりを告げる。
激しい運動によって汗まみれになった武装隊の面々は空腹を満たすべく一斉に食堂へと向かった。
腕っこきの集う87部隊の武装局員は屈強で訓練もまた彼らに見合ったハードのものだ、そんな彼らを支えるのは気力と部隊や仲間への信頼そしてなにより美味い飯である。
食堂はかなり大きく料理長の腕も相当なもので、数ある管理局の部隊の中でも裏管理局ランキング食堂部門で毎年上位をキープする程だった。
屈強な身体の隊員の中でも特に大柄な男、風の癒し手の恋人ことケビン・D・スミスもまたそんな食堂で胃を満たすべくトレーを手にメニューを眺めている。
身長190センチを超える巨体に良く練り上げられた上質の筋繊維を纏った彼の身体は食欲も旺盛だ、食べる量も並大抵ではない。
今日は食堂名物の美味しいシチューを特盛で頂こうと、ケビンが思案していると彼の視界に美しい金髪が映った。


「ああ、シャマル先生」


今朝方も会った、というか不法侵入してきた金髪ショートボブの髪を揺らした白衣の医務官がケビンの前に現われた。
ここ最近彼と恋人同士になった守護騎士、風の癒し手こと機動六課の医務官シャマルである。
陸士87部隊に臨時出向している彼女が昼食時にここに来る事は珍しい事ではないが、この日は少しばかり様子が違った。
何やらシャマルは酷く不機嫌そうに眉を歪めてこちらを睨んでいる、まあ彼女がすごんだところで迫力はあまり出ず可愛らしいだけではあるのだが。


「あ、あのシャマル先生? どうしたんですか?」


こちらに恨めしそうな視線を送るシャマルに、ケビンはそっと小さな声で話しかける。
彼がシャマルと付き合っている事はまだ部隊の誰も知らない、というか秘密にしているのだ。
もしも女に餓えた同僚に知られたら嫉妬でどんなで目に合わされるか分かったものではない。
ただでさえシャマルはその美貌から人目を引くのに、昼時の食堂なんて所では目立ってしょうがなかった。
だが人目を避けたいというケビンのささやかなる願いも虚しく、シャマルは彼の腕を思い切り掴んだ。


「ちょっと来て」
「ちょ! シャマル先生!?」
「いいから来て」


シャマルは自分より遥かに大きなケビンの身体をぐいぐい引っ張って強制連行して行く、無論彼は慌てるがそんな事はお構い無しだ。
106風の癒し手 恋をする:2008/09/12(金) 01:05:48 ID:ZLumlovf
周囲の同僚の視線が痛くて泣けてくるような状況でケビンは食堂から姿を消した、後には嫉妬と殺意を視線に込める同僚達だけが残された。





シャマルがケビンを連れて行ったのは自分の仕事場である医務室。彼女は入るなり鍵を掛けていつも腰掛けているオフィスチェアにポスンと尻を乗せる。
そして自分の前に引いたもう一つの椅子を指差して彼にそっと命じた。


「……座って」
「は、はい」


それは静かな言葉だったが有無を言わさぬ力が込められていた、ケビンは言われるままに彼女の前に腰掛ける。
そして、シャマルは目の前に座った彼にひどく恨めしそうな瞳を投げかける。何故彼女がこうも不機嫌そうなのか分からず、ケビンは肝を冷やした。
頭の中では高速で無数の思考が駆け巡り、シャマルを怒らせてしまった原因を探求するが何一つとして解明には至らない。
彼女との交際が始まってまだ一週間も経っていないのだ、粗を探そうというのが難しいだろう。
自分の知恵だけでは解決不可能という考えに至ったケビンは、恐る恐る口を開いた。


「あ、あの……突然どうしたんですか?」
「今朝の事……」
「今朝?」
「どうして起こしてくれなかったのよぉ……」


シャマルは少し涙ぐんだ瞳で恨めしそうにそう呟いた。


「ええっと……それはどういう意味でしょうか?」
「今朝はせっかく朝ご飯作ってあげようと思ってたの……」
「はい?」


シャマルの言葉に理解が思考が追いつかず、ケビンは思わず素っ頓狂な声を漏らした。
そんな彼など露知らず、シャマルは一人で半泣き状態でボソボソと言葉を続ける。


「朝起きたらケビン君いないし……一人でずっと待ってたけど帰ってこないし……今日はそれで遅刻しちゃうし……」
「えっと……それはつまり、今朝自分の部屋に来たのは……」
「うん……朝ご飯作ってあげようと思って……」


グッスンと涙を拭きながらそう哀しそうに漏らすシャマルのなんと愛らしい事か、正直“萌える”という言葉の意味を今まで分からなかったケビンだが、今この瞬間完全に理解した気がした。


「そ、その……すいません。朝は早いもので」
「ぐすん……でも、起こしてくれたって良いじゃない……」
「いや、一度起こしたんですが……」
「起こされてないもん……」


不機嫌そうにむくれたシャマルは頬を膨らませて自分の怒りをアピールする。
107風の癒し手 恋をする:2008/09/12(金) 01:06:30 ID:ZLumlovf
傍から見れば、それはただ可愛いだけの仕草ではあるが彼女にとっては精一杯の不機嫌の主張だった。
単なる感情的問題でへそを曲げたシャマルに、もはや論理的な話し合いは通用せぬと諦める。
こうなったら謝り倒す以外に方法は無いだろう。


「えっと……すいませんでした」
「……反省してる?」
「はい」
「ほんとに?」
「はい」
「……」


しばらく無言でケビンをまっすぐ見つめたシャマルは、やっと機嫌が直ったのかいままでしかめていた表情を緩めた。


「うん。じゃあ、今日は許してあげます」
「えっと……どうもありがとうございます」
「これからは私だけ置いていっちゃダメだからね?」
「はい」


そんな風に念を押すシャマルの顔を見ながら、ケビンは『この人って本当に可愛いなぁ』と感慨深く思った。
なんというか、どこか抜けている彼女の様子は、見ているだけでホンワカとした気分になる。
彼はシャマルを恋人に出来た事を心底神に感謝した。

そして彼がそんな感慨に耽っていると、シャマルはおもむろに自分のバッグからグリーンの包装に包まれた弁当箱を取り出し、一つ小さな咳をする。


「コホン、では気を取り直してお昼にしましょう」
「それは?」
「えっとね……朝ご飯の代わりにお昼のお弁当を作ったの……その、ケビン君に食べてもらおうと思って……」


シャマルの美貌が、今度は恥じらいの朱に染まる。料理に自身が無いのか、語尾に向かうに従って彼女の声は小さくなっていた。
ケビンは思った『例えどんなにシャマルの料理が不味くとも自分は食べきる自身がある!』と。


「ありがとうございます、シャマル先生。凄くうれしいですよ」
「えっと……私あんまり料理得意じゃないんだけど……その……食べてくれる?」
「はい、喜んで」
「うん……ありがと」


ケビンの返事に、シャマルは今日一番の笑みを見せる。それはまるで大輪の花が鮮やかに咲き誇るように美しく、一瞬時を忘れて魅入られた。
彼は胸の内に、形容し難い恍惚が湧き上がるのを止められなかった。
そして、シャマルはケビンの胸の高鳴りを知らず弁当箱を開けておかずを一つ箸で掴むとそれをそっと彼に突き出した。


「それじゃ、はいア〜ン♪」
108風の癒し手 恋をする:2008/09/12(金) 01:07:05 ID:ZLumlovf
「あ、あーん」


恋人同士のお約束、“はいア〜ン”である。
正直かなり恥ずかしい事であるが、ケビンは嬉しさが勝るのか何の抵抗も無くそのおかずを口に入れた……


そしてその瞬間、彼の口内で凄まじい爆発的な感覚が生まれた。


「げびゃ〜!!!」


奇怪な声を上げた刹那、口内に生じたとても言葉では表現不可能な激痛と不快感にケビン・D・スミスはあえなく気を失いその場で倒れ付した。


「ちょ! ケビン君!? ケビンく〜ん!!」


突然倒れたケビンにシャマルが驚いて駆け寄るが、彼の意識は完全に彼岸の傍に旅立っていた。
自分の料理がどれだけ破壊力を秘めているか知らない事がどれだけ危険か知らないが故の悲劇である。

その後、ケビンがシャマルの料理を口にしたかどうかはまた別の話。


終幕。
109ザ・シガー:2008/09/12(金) 01:09:18 ID:ZLumlovf
はい、投下終了。
なんていうか、シャマル分が足りなかった、ただそれだけの話。

他の連載待ってくださっている方にはすいません、でもシャマシャマ成分は突発的に必要になるんです、本当なんです。
110名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 01:13:39 ID:KA88M9Mu
GJ!
エロはなくとも久々のシャマル分に大満足〜
とりあえずケビンはイキロw
111554:2008/09/12(金) 01:14:42 ID:ExhT/jju
GJ!
そしてやっぱり料理下手なシャマルさんにもGJ!

最後に、割り込んですいませんでしたorz
112名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 01:15:20 ID:RrdCsdh/
>>109
ケビン…無茶しやがって(AA略
113名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 01:19:42 ID:RHl+ntRS
>>109
ええのぅ、グズるシャマルさんがええのぅ……
成分が足りなくなれば欲するのが人の常。
いいシャマルさん分を補給できました。GJ!
114名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 02:52:37 ID:G0Bx8QRG
>>109
GJ
シャマルさん分が足りた、ただそれだけでしやわせでさぁ
115タピオカ:2008/09/12(金) 04:51:52 ID:G0Bx8QRG
出来あがったので、ちょっと置いておきますね。長くなってしまっています。

注意事項
・戦争。しかも妄想いっぱい夢いっぱいなので本当に中世ヨーロッパの軍事や政治に詳しい人はどうか笑って済ませてください。
・ベルカのシャマル昔話。ただし妄想いっぱい夢いっぱいなので全然本編関係ない人たちしか出てこない。
・シャマル×シャマル。
・この話は本当にリリカルなのはの登場人物を題材にする必要があったのですか?
・と言われれば、確かに必要性は薄いかもしれませんが、しかしシャマルで思いついたからシャマルで書きました。
・加えて、世界設定もやはり妄想いっぱい夢いっぱいなので、ますますなのはである必要性は薄れます。

それでも溢れ出るパッションを形にしたいという妄念で書いたもんですので、目を通してもらえれば有難い事です。
116タピオカ:2008/09/12(金) 04:53:23 ID:G0Bx8QRG
旅の標 前編


息が切れる事はなかったが、暑さに噴き出す汗はどうしようもない。
夏である。
山の清風に心地よい時もあるが、どうしようもないほど暑かった。
とはいえ鍛冶場ほどではない。
こけた頬に無精ひげ、白髪しかないような頭と言う、不健康を体現したその男だが足取り軽く歩き続けた。
その手にはただ一輪、真紅の花。道中摘んだものだ。孫娘が、好きな色合いなのである。

山の中であり、森の中。
かなりの距離を歩いたが、途切れる事のない木、樹。
この領内全てが山と言って過言ではないのだから、視界いっぱいが緑になるのは無理なからぬことだった。
多分、山頂から眺める景色が壮観であろう事が、3合程度のここからでも分かる。

目的があってこんな山登りをしているわけではなかった。
鉄を扱う職人と会合し終えた今、この領に来た目的が終わっている。だから後は自由に物見遊山。
ただ、供回りはつけずの散策だ。戻ると娘にこっぴどく怒られる事だろうから、今はとにもかくにもこの緑を楽しんだ。

「は……あ」

視界が大きく開けた。それと同時に、吐息。感嘆が漏れた。
崖。
山の半分も登っていないが、高々としたその場所は周囲を一望できた。
街も見える。人が見えないほど遠いが、街の全容が一目で収まる。
城も見える。城壁高い無骨な造り。戦争の絶えなかったこの地の、かつての領主たちが苦心して築いてきた堅牢の城塞だ。
遠くに山が見え、そのさらに遠くにも山、山、山。
湖や泉の煌めきも、捉えられる。

風が吹いた。
強く、涼やかな風。
緑に染まった景色に奪われた心が、緑の風だ、とささやいた。

「あぁ…緑の風、か」
「緑の風?」

呟きを拾い、復唱したのは女の声。
不意打ちをくらったように視線を移せば、一段下がった場所。女性が一人。
美女と形容して、間違いのない女だ。
旅装束にショートボブの金髪、ほっそりとした印象だがしっかりした立ち振る舞い。
そして、墓があった。かなり古い墓だが、手入れは入念で丁寧になされているらしいのが簡単に分かる。
その墓前には彼女が供えたのであろう花束。

「緑の多い景色ですので、緑の風、と言う形容が似合う気がしたのです」
「緑の風……ですか。良い響きです」

一段下り、男が手の中の真紅の花を墓前にそえた。
孫娘には、また摘んでやるつもりだ。

「まぁ、有難う御座います」
「古い墓ですな」
「はい、百年以上ここからこの領を見守っています」
「それはすごい。御先祖様ですか?」
「私の主様です」
「主様……ですか?」

男の怪訝な顔を相手に、女は穏やかな微笑みで返す。
当惑しかけ、突っ込んで話を聞こうか迷っている男に先んじて女が尋ねた。
117タピオカ:2008/09/12(金) 04:54:49 ID:G0Bx8QRG
「この領の方では、ないのでしょうか?」
「ええ、ずっと南から鉄を売買する道を通そうとここまで来たのです。ここの鉄は質が高い」
「商人……なのですか?」
「ええ、そうです」
「そうですか、てっきり高貴なお人と思ったのですが」
「!」

男が驚いた。
そして間を置かずに豪快に笑う。四十を超えた年齢の、落ち着いた雰囲気だっただけにギャップが激しかった。

「そんな、買い被り過ぎですよ。ただの、商売人です」
「そうですか……しかし、どちらにせよ山にも森にも、魔物も出る事もあります。お一人は危ないですよ」
「なに、これでも昔から鍛え続けているのでね、逃げ脚には自信があるんです。それよりも女性一人の方が、よほど危険だ」
「ふふ、私も逃げ脚には自信がありますよ」
「旅に慣れている様子とはお見受けしますが……」
「ずっと、旅をしています。今日は、旅の報告に帰ってきました」
「その……主様に報告するためですか?」
「はい」
「………」

しばらくだけ、その古い墓を眺めた。
百年。
そう言われて納得はできるほどあせている。それでもなお、老いた墓には見えなかった。
時を止めた慈母がただひたすら子らを見つめ続けるように、この崖から城と街を愛でているような錯覚。

「時間がおありでしょうか?」
「たっぷりと」
「よろしければ、この領の昔話などどうでしょう?」
「おお、それは土産話に是非お願いしたい」

脈絡のない誘いだった。
しかし、墓と関係のある話なのだろう薄く感じながら男が頷いた。



むかしむかしの話。
この領はシャマルと言う女に治められておりました。



「シャマル様」

呼ばれる声に、唇に紅ひく手を止めた。
短く応えれば従者が入ってくる。身は鎧ってある。幕舎の中、軽く化粧施す自身もだ。
就寝ぐらいでしか具足は脱がない。
戦場なのである。

「状況は?」
「攻撃の気配があるようです」
「すぐに出るわ。行きなさい」

従者が持ち場へ戻り、すぐに幕舎を出た。
燦々と太陽が高い位置で輝く時刻。山が見えた。そして、それを包囲する自軍。
山とそのふもと全てを一望できるというわけではないが、二千を超える自軍の半数は目で把握できる位置だ。後方なのである。
即座、麾下の二百のいる場所へ足を運んだ。馬がいた。それに伴う兵士。麾下すべては騎兵なのだ。
湖の騎士団と通称される一隊だ。
118タピオカ:2008/09/12(金) 04:55:35 ID:G0Bx8QRG
「もうそろそろです、シャマル様」
「どう出ると思う?」
「逃げの一手かと」
「この首に突っ込んでくる事は?」
「無駄ですな。我らがおります故」

二代前から戦い続ける古参の騎兵と喋っている間も山から目を外さなかった。

纏まって山へと逃げた敵軍の退路を断って三週間を過ぎている。
兵糧は尽きないまでも、山の中で心は折れているだろう。耐えられず攻勢に出てもおかしくない。
現に、山に動きがある。
際立って目がいいというわけではない。木々が生い茂る山は、ただ泰然とそびえるだけだ。
しかし、山を下りてくる人間の気配―――

「乗馬」
「シャマル様…我らはもう必要ありますまい。どうかここで決着を見届けていただけませんか?」
「聞こえなかったのかしら」
「……了解しました」

一声、麾下全てに発進準備の令を下すが、誰もが是とする雰囲気ではない。
そもそも主が戦場に出る事さえ不安があるのに、攻撃に参加するとなると言語道断だ。
家督を継いで以降、半分以上の戦地に自ら赴いて指揮を執っている。
無論、武官文官を問わず臣下からは猛反対を食らった。いや、今なお戦場に出る事は渋られてる。当たり前だ。
麾下二百はこの地の最強を誇ってはいるが、戦場では何が起こるか分からない。
しかし前線に出ている。

一糸乱れぬ動きで二百が乗馬したのと、山に変化があったのはほぼ同時だ。
山の中で十人、二十人とばらばらに動いていた小さな集団が、ふもとの一点で姿を現しながら纏まり、逆落としに攻めてきた。
百が二百になりながら、二百が三百になりながら、どんどん圧力が強くなっていく。
布陣していた自軍の兵は二百やそこらだが、上手く後退したり横によけたりして緩く逆落としの威力を受け止める。
そして、突破される前に他の場所を閉鎖していた味方が集合して防御の厚みを増していく。

さらに四百、五百と敵の兵が山から突っ込んでくる。山にこもった敵の全兵力は七百といくらだ。あと少しで全てが下りてくる。
総力はこちらが圧倒的に上だが、山の反対側にも兵を配置しているので始まった今、半分ほどの人数が無駄になる。
敵の七百が一丸となってこちらの防衛に切り込んでくる。一寸だけ敵と味方が拮抗した。
一寸だけだ。
七百の敵兵がこちらの防御を破って明後日の方角へと駆け抜ける。逃げの一手だ。

「発進」

敵の七百を味方が追撃するのが、まだ遠いながら見える。
すぐにおかしい事に気づいた。
逃げる六百ほどと、踏みとどまっている百ほどに敵が分かれている。
百は決死隊だろう。残りを逃がすために死に物狂いで剣を振り回しているのが見えた。そして、その覚悟に自軍はひるんでいる。
いや、それだけではない。百の中に七百を纏めていたリーダーがいる。
リーダーを殺させまいと、周囲の者が実力以上の力を出しているのだ。あれでは五百の兵をぶつけても逆に貫かれかねない。

すぐに現場の指揮官が五百程の兵を半分に分けた。
決死隊を避けて二方向から、逃げる六百の敵を追うが驚いた事に百の決死隊はたった一度の突撃で一方を粉砕してのける。
さらに敵の六百がいったん逃走を止めて自軍の追撃を受け止めた。
いくらかの人数を削ったが、逃げの態勢だったくせに思いのほか粘りのある防御だ。そして、決死隊百とはさみ撃つ。
半分に分かれていた五百が再び纏まれば、百人近く減っていた。
さらに後方から味方が到着するが、六百が遁走に専念せずに防御もキチンと行うに当たり決死隊に切り裂かれている。
無茶苦茶な強さだ。たった百名に、自軍の七百が良い様に振り回されている。

ぐんぐんぶつかり合いの現場が近くなる。敵のリーダーと目があった。どちらも先頭なのだ。

「シャマル!!」
119タピオカ:2008/09/12(金) 04:56:27 ID:G0Bx8QRG
怒声も聞こえる距離。
片手の剣を麾下全員に見えるように動かして騎兵全員に指示を下す。
敵の決死隊百名とぶつかる寸前に方向を変えた。逃げる六百にぶつかる。
腹の据わった防御だ。逃がす決死隊百だけではなく、逃げる六百も命を燃やしている。
しかし、ここまでだ。
麾下二百の騎兵は止まらない。一撃で六百の敵兵を真っ二つに立ち割った。
二つに分かれた六百、決死隊の百が補い合おうとするより早く、反転を終えて再び二百の騎兵が敵に突っ込んだ。
守ろう守ろうと行動する決死隊百は、割れた六百のために盾になろうと立ちふさがる。
しかし六百の敵兵は散り散りになって潰走の体だ。
自軍の歩兵がさらに追撃を仕掛けようとするが、それを止めた。

「決死隊を包囲なさい」

百ほどの決死隊は、最後の最後まで牙をむき出しに戦い続けた。



死屍累々。
結局、百の決死隊が生き残る術などなく殺し尽くされた。
残りは一人。
七百を率いていたリーダーの男だけだ。
仲間の屍を超えて、ただただシャマルの軍に剣を振るう。
その顔は目が飛び出ているように見え、頬はそげ落ちている。
数百の仲間の命を預かりながら三週間も山に閉じ込められては無理なからぬ様だ。

「殺す……殺せ…殺す…殺せ…殺す…殺す…」

呪詛のように髑髏めいた顔から言葉が漏れる。もう壊れかけているが、救いはあった。
六百に届かずも、おそらく四百ほどの仲間を逃げ延びてはいるのだ。命を使っただけの、人数だと信じている。

「良く戦ったわものね」
「シャマル…! シャマル! シャマル! シャマル!」

一騎で前に出たのを皮切りに走りだそうとして転んだ。鬼のように戦った後だ。とうの昔に死線を踏み越えている。
残った命の灯はろうそくの火よりも儚い。眼を閉じて意識を失えばもう二度と起きる事はないだろう。
それほどに、戦った。
ありったけの負の感情を込めたリーダーの男の視線を、美しい両目で受け止めた。澄んだ湖のように綺麗な双眸だ。

「シャマル…!」
「どうしたのかしら、憎い私がすぐそばにいるのよ。さっさと斬りかかるなりすれば良いわ」
「ふざけるなよ……化粧だと…」
「あなたたち程度、化粧しながら殺し尽くせるという事よ」
「貴様…! シャマル! 侵略者が…!」
「…首を打ちなさい」

例えば何か気の利いた遺言でもあるかと期待していたが、結局は憤怒の声しかなかった。
馬の頭を返しながら、怨嗟の怒号が背を叩く。それもすぐになくなった。

「全軍、帰還します」



山と森が美しいこの地を侵略に来たのはシャマルの曽祖父だった。
国から賜った命令で、山連なる一帯を支配下に起き豊富な資源を物にしようとしたのだ。
土着の山の民、森の民は戦い抗った。
結局、代を跨いでシャマルの祖父が原住民を叩き伏せ、国の領として各部族を従わせるに至る。
そしてシャマルの父、シャマルに代が及ぶが、それまでに仕えていた国は滅び、シャマルはベルカの中の群雄の一つと位置づけられた。
120タピオカ:2008/09/12(金) 04:58:17 ID:G0Bx8QRG
しかし多数いた豪族全てを完璧に平らげたわけではない。
早くから帰順した部族もあったりするが、全部が全部、この侵略者に屈したわけではない。
シャマルに至るまで、何度も反抗の軍を組んで攻撃を仕掛けてきている。

全て、叩きつぶした。

今回の騒動も、そんな抵抗だ。
逃げた抵抗の徒を追うのも無理だ。かなりの部族にはシャマルに対する憎悪の念が大きかれ少なかれある。
侵略者がやってくる以前はいがみあっていた部族間であれ、きっとシャマルに牙をむいたと言う一事だけでかくまってくれるだろう。
人が隠れるのならば人の中だ。それをあぶり出すのは無理だろう。
それをする手間よりも、一つにまとまって攻撃を仕掛けてくれた方が手っ取り早く大人数を潰せる。
しかし、「シャマルに対抗できると」と期待された輝きを一つ殺したばかりだ。当分、抵抗はなりをひそめるだろう。

「戦勝おめでとう御座います」
「馬鹿ね、民を殺しておいてめでたいはずがないでしょう」

城に帰還して早々、何人もの官吏に捕まり一言述べられるがその全てに冷たく返す。
そして、そのまま戦中にあった重要な報告をその場で聞いた。
謁見を待ったり、会議を通すのも時間がもったいないと言わんばかりの態度である。
新参の臣下はひるんだりするが、長く仕えている者たちにとってはすでに当然となっているやりとりだ。
長く仕える者と言え、十年ごしがせいぜいである。官吏の大人数が、若い。
各部署の代表と言った年長でさえ四十歳をいくらか超えた程度だったりするのだ。

祖父の時代からいるような、古い臣下のかなりの数を城の外に出しているからである。
経験豊富な彼らを原住している部族たちの所へ送り、監視と同時にこちらの政治を強く施させている。
特に、原住していた民族とこちらの血をできるだけ混ぜるように尽力してもらっていた。
そして、若い文官を多数取り入れてこの領を若返らせているのだった。
早くに帰順している部族出身の若者なども採用して政治に携わらせたりと、根底からこちらになびくようなメリットも作っていた。

さらに良質の鉄が出るこの地である。いや、鉄だけではない。
シャマルの祖父の時点で、各方面の豪族連中の仲介をして質の良い資源を領の外に売り、その利益を彼らに還元している。
銭を通して損得を勘定できる多くの土着の民と、それなりの関係を確立してあるのだ。かなり甘い汁を吸わせている。
永劫にシャマルたち支配者と原住の民族は一枚岩とはなるまい。しかしそれでも利害を一致させていれば大きく反目しあう事もないだろう。

「おう、帰ったか」

執務室まで戻る折り、豪奢さはない堅牢のみを考えた石造りの廊下での事。
城主に対するものとは思えないほど気楽な声がかけられた。供回りの者もハッとなるが咎める事はない。咎める事も出来ぬ人物なのだ。
振り向けば、仙人じみた老人がいた。
枯れ木のような風体で、線のように細った双眸は閉じられているよう。
低い背丈なのに腰が曲がっているせいで豆のようだ。強固な造りをするために大きい城内の中、それがさらに強調される。
しかしながら、吹けば木の葉のように飛んでいきそうなほど軽い外見なのに、その気配はそこいらの軍人よりも重厚だった。
丁寧に礼をすれば、歩調を合わせて並ぶ。
シャマルの先生なのだ。どれどころか、シャマルの父の面倒も見ている。祖父の友人だ。

「ただいま帰りました」
「また教会から使者が来とったぞ」
「留守を狙ってですね。面と面向かい合って出頭を促すのが恐いのでしょう」
「攻めてくるかのぉ、教会」
「間違いなく」
「いくらか教会の動向が入って来ておる。そうさな、湖まで行って話し合おうか、三人で」
「はい」

執務室まで同行した時点、ふと気づけば翁の姿は跡形もなかった。
まるで最初からいなかったかのような消え方だが、いつもの事だ。
供回りの者はそこまでで止まって警備につき、扉を開けた。
殺風景な部屋だ。うず高く積まれた書類ばかりが目につく仕事部屋。
121タピオカ:2008/09/12(金) 04:59:19 ID:G0Bx8QRG
人が一人、待っていた。
暑くなってきた時期にも関わらず幾重ものローブを羽織り、フードで顔のほとんどを隠し、さらに、仮面。
手套も長い物を着用し、一切の素肌を見せぬ怪人である。
ただ、その双眸のみが外界をつなぐ唯一だ。無感動な左目に荒んだ右目。

「ただいま帰りました。報告を致しましょう」

恭しい礼に応えるように、怪人がその仮面を外す。



聖王教会。
ここ最近、急激に勢力を伸ばしてきたのがこの一党だ。
各地に強者がひしめき、群雄割拠の様相を呈するベルカでもひときわ異色の集団である。
理由は単純。あまねく困窮の民草に救いの手を伸ばすのだ。

あらゆる土地の英雄が軍事に力を注ぐこの時代、下層の者たちに理不尽に降ってくるそのしわ寄せは大きなものだ。
それら不満を持つ者たちを宗教で纏め、さらに軍事力さえ有したのが聖王教会である。
その動きから、各地の統括者からは煙たがられる一方、群雄に押しつぶされそうな弱い権力者に助力したりもしていた。
要するに仁愛を旨とした一党と言う事である。

さらに各地の異能の者に対して行動をしている事も評判を後押しするのだ。
あるいは、あらゆる場所で迫害を受ける異能の業遣いを保護し、その能力を活かしてやる。
あるいは、魔王と呼ばれる人外の力を使う覇者に戦いを挑んでこれを退治する。
かなりきわどい戦いを繰り返しながら、着実に聖王教会は強くなり、今では各国で油断ならぬ相手として注意されていた。
その一方で下々人気の高い一党なのだ。

教会は分かるとして、聖王と言うのが良く分からないというのが大多数の意見であるが、
聖王教会の指導者の一人に座す預言者が曰く、戦乱のベルカを治めるべく未来に現れる尊い存在、らしい。
聖王教会とはその聖王とやらを迎える集団と言う事だ。
人集めのためのアイドルやシンボルの類いだろうとシャマルは鼻で笑う。
ちなみにこの預言者と言うのが、聖王教会が設立する以前から有名な詩人だったらしいが詳細は不明だ。

そんな聖王教会から、シャマルへと使者が何度も来ている。
簡潔に向こうが言いたいのは「魔女シャマル様へ、その土地をもともといた人々に還してあげなさい。言う事聞かないと攻めちゃうぞ」とこう言う事だ。
二度、使者に謁見を許したが厳しく突っぱねた。
以降来た使者はシャマルの留守であったり、謁見を許可していない。
再三の警告を無視、おそらく攻勢に出ておかしくない時分だろう。

なにせ、シャマルは魔女であるというのが専らの噂なのだ。

「失礼な噂ね」
「カカカカ、なに、なに…実際は的を射ているじゃろうに」
「…そうですね」

翁は笑うが、シャマルは素っ気なく返しただけだ。
ギ、ギ、と船を漕ぐ音。小船だ。湖の上なのである。城から馬で三日、領のかなり深い位置だ。
ほとんどの者の立ち入りが禁止された区域にひっそりと存在する湖。

翁とシャマル、そしてローブとフードと仮面身に纏う怪人物の三人である。
操舵をするのは一言たりとも発さぬ怪人。翁とシャマルは船の縁にもたれかかりながら話をしている。
戦争の話だ。
聖王教会のああいった通告はなにもシャマルにだけ来ているわけではない。
各地の義に反する有力者にそこそこ送り届けられている。
数代前とはいえ、地元の者たちに憤りの残るこの領を教会が奪還してやろうというのは当然の成り行きに見える事だろう。

しかしシャマルと数人は即座に聖王教会の真の狙いを悟る。
いや、おそらく何十人も存在する群雄のいくらかも、その実体を掴まないまでも何かを悟っているだろう。
122タピオカ:2008/09/12(金) 05:00:28 ID:G0Bx8QRG
船が止まる。
静かな湖の上。中心だ。遠めの岸には深い森の緑ばかり。いや、蒼い毛並みも見える。動物だろう。

シャマルが左目に指を突っ込んだ。ずるりと抜きだされる。義眼だ。
それを、無造作に湖に放りこむ。
ちゃぷ、と控えめに義眼が水の中へと沈んでいけば、湖が起動する。
シャマルを囲むように湖中より伸びた細い光線がいくつも、ホログラムのウィンドゥを結像させていく。
多面が虚空に展開され、領内の詳細な地図や物の流れや金の流れ、さらには人の流れまでが緻密な情報として示される。
紙面には到底おさまりきらぬ情報の森。しかしそれをその場にいた三者は正確に把握していた。

ミーミル・システム。
オリジナルは泉を媒体とした超巨大データベースだが、この領に備えられたミーミル・システムは湖を用いている。
あまたの情報を記録、その分析や解析、編集ができるとても便利な書庫と言うわけだ。
紙を扱うこの時代、破格の情報の貯蔵庫として活用されていた。
代々、起動の鍵として設定した左の義眼を受け継いでいっている。

この地の物はシャマルの祖父が発見、利用したのが最初だ。現地住民さえこのシステムの存在を知らなかったようだった。
そしてシャマルの祖父はこの湖を一級の防衛対象としたのだが、
それを受けて「この湖をこちらの物にする事が有利」と判断した当時の豪族たちが湖の奪取に連合する。
シャマルの祖父はそんな動きに、ミーミル・システムに納まっていた土地の情報を最大限活用して、これを撃破した。
森や山しかないこの土地で、はじめて騎馬を決定打にして文句のない快勝を飾った戦いだ。
森や崖を馬で超え、湖へ攻めいる豪族たちを神出鬼没に撃ち殺したシャマルの祖父は以降、湖の騎士として称えられる。

それから家督を受け継ぐ者たちのみがミーミル・システムを秘中の秘として利用し、土地の情報を徹底的に頭に叩き込む。
そんな領主たちが騎馬隊を編成、そして自身で指揮を執り、進軍できると思えない森や山を疾駆して鮮やかに戦場を駆け抜けるのだ。
彼らの戦闘の才能と、ミーミル・システムに隠された土地の情報を合わせた結果である。
代によって総員五十から四百と変動するが、これこそ湖の騎士団と呼ばれる騎兵隊の正体だ。
シャマルの父には戦いの才がなく、長く出動がなかったのだがシャマルに代が至り、湖の騎士団は一躍最強の声を取り戻す。

教会の狙いは間違いなく、この湖。ミーミル・システムだ。
翁がこの地へやってきたのも、ミーミル・システムについて調べるためだ。一つ、作りたいものがあるらしく参考にしたいと言っていた。
他の地のミーミル・システムは破損がひどかったりするらしい。
祖父と絆を結んだのは、彼らが単純に気に入りあっただけに過ぎない。

「師父、教会の蓄え、あとどのくらいで取り戻りますか?」
「1年以内」
「時間がありませんね」
「残ってる時間、どう使う?」
「領の外の情報を直接集めて、出来る限り領の外に呼びかけもしておきます。教会が相手なら、近隣の領主も手を貸してくれるかもしれません」
「それは分からんぞ。教会に手を貸すかも知れん」
「それならそれで、仕方ありません」
「外にはどちらが行く……と、聞かんでも影の方か」
「ええ」

シャマルがそちらを見もせずに仮面の怪人を指す。
影。
そう呼称されるこの怪人は、城内ではほとんどシャマルから離れず影のようにつき従う。
五年前、シャマルが22歳の時に「拾ってきた」と紹介した時から欠片も素肌をさらさない風貌は変わらない。
シャマルの影武者か、とささやかれたのを見計らい、重臣の集まりで仮面を取って見せた。
酷い火傷で顔面が爛れきり、男か女かの判別もつかぬ程におぞましい容姿にその場にいた全員が声を失った。
五年の間に、このような噂が二度立った。影と呼ばれる怪人はその都度、仮面を取って身の毛もよだつ面貌をさらしている。
以降、陰口が絶えた事はない。

「教会はどのくらいで攻めてくると予想しますか?」
「そりゃ、将兵が誰かに依るがな、一万数千ぐらいかのぉ」
「大軍ですね」
「そのくらいないと天嶮のこの地を落とせんよ。お前のじいちゃんが、五千で暴れまわった方がおかしいんじゃ」
「ミーミル・システムがありましたから」
「見つかってない時点ですでに暴れまわっておったわい。お前のじいちゃんはなぁ、そりゃあ強かった」
123タピオカ:2008/09/12(金) 05:28:06 ID:G0Bx8QRG
ホログラムのコンソールをいじりながらシャマルが一つ、過去のデータを浮上させる。
祖父がミーミル・システム、つまりこの湖を守備した時の詳細だ。
森が深いこの位置、八百人足らずで見事に防衛を果たしている。
森が深すぎて、攻めも守りも千人単位を動員できない。
そして、そんな森を騎兵で駆けたというにわかには信じられない話と言うわけだ。

「これ、本当ですか?」
「おう、こっちにも兵を裂く気か」
「おそらくそうなると思います」
「ならば立ち入り禁止の区域も開放する事じゃな。そうせんと二千配置せんとどこかが突かれる」
「本当に、湖のみ守るようにするならば千人も必要ないという事ですね?」
「そうじゃ。むしろ邪魔」
「そのようにしましょう。しかし、そうなると禁止区域を知ったものが指揮しなければなりませんね」
「わしか影じゃろう。影の時は仮面もとらせてやれよ」
「それはあくまで最終手段です」
「教会は甘くないぞ」
「なら、そろそろミーミル・システムを参考にした作品とやらを早々に完成させる事です」
「あと少しじゃ。なに、開戦までには終わる」

ニッカリと、まるで子供のように笑う翁にシャマルが目をそらした。
眩しい。
心底から自分のしたい事のためだけにこの地で何十年も生活し、
そしてそれが終われば未練も何もなくこの地を去るであろう事が疑いない翁の自由な魂が眩しい。

今度の戦いが終わればきっと自分も……

「あぁ…旅に出たいわ」

淋しげな呟きは無意識に零れた。



七百の反乱を平定して二週間が過ぎる頃合い。
戦後の処理が終わり、滞っていた商人の出入りが順調に戻ったりと外見上、平和に戻ろうとしていた時分だ。
もちろん、逃げ延びた反逆の徒に厳しい取り締まりを行ったが広いこの領である。全てを逮捕できていまい。
大多数が領外に逃げた気配もある。そして、大多数を領外に逃がした気配もある。
逃げた先は十中八九、教会だろう。
四百が全員がたどり着いたとは思えないが、教会がシャマルに攻撃を仕掛ける時、百でも二百でも道案内がいれば成功の率は大きく上がる。
シャマルの強みは、あくあまで領の中で機能するのだ。
熟知した山と森での山岳戦。
森さえ走破して襲いかかってくる騎兵。
領の外にいる者に対して、その力は極端に鈍る。故、追えないし、追う気もない。教会がこちらに攻撃を仕掛けてくる事は、むしろ歓迎なのだ。

頭の片隅でそんな思考をしながら、一人、執務室で書類を捌いていた。
もうすっかり夜が更け、灯に頼って文字を読むばかりだ。

ふと、風が吹いた。
いつの間にか窓が開いている。

「…?」

不審に思い、部屋を見渡したが、そも人の隠れる場所などないのだ。
無論、誰もいない。ゆるりと椅子から離れて、窓辺へと一歩。

「!?」

衝撃が背中から響く。
鋭い痛み。刃。
124タピオカ:2008/09/12(金) 05:29:24 ID:G0Bx8QRG
「な…に!?」
「馬鹿な…!」

背後に、いた。女。いったい何時の間に現れたのか、まるで気配がなかった襲撃者。
同時に、襲撃者も目標の背を貫きながら驚愕の声を上げていた。

「貴様…人間ではないな…?」
「く…」

襲撃者が再度首に刃物を突き立てるが、膝をつきながら見ているしか出来なかった。体が動かない。毒だ。
手ごたえが、人間のものではないと悟ったのだろう。
襲撃者の女が手練だと、首に嫌な感触が走る中で認識する。ふつりとそこで意識が途切れた。
即座、襲撃者がほのかな光に包まれる。その足がずぶりと石造りの床に沈みかけた瞬間、

「!!」

背から胸を貫く手。
手套に隠れた手が、自分を貫くのを襲撃者は見た。その手には輝き。リンカーコア。

「な…が…!?」

未知の激痛に言葉が詰まる。胸を貫かれているが、それが痛んでいるわけではない。
どこが痛いとか、どれほど痛いとか知覚できない類のダメージだ。
膝まで沈みかけていた足がすぐに押しだされるように浮き上がり、立たされる。
後ろ。
ローブ。フード。仮面。影と呼ばれる怪人の姿。
すと、襲撃者が見える位置に貫く方と違う手が伸ばされた。
手套がされた五指のうちの三つに指輪。それに備えられた宝石が煌めけば、

「起きなさい」

仮面から声が聞こえた。
血だまりに伏す、今しがた殺したばかりの人物がそれで起き上がる。

「ば…か……な…!」
「申し訳ありません、シャマル様」
「構わないわ」

仮面が放られた。現れた面貌は、シャマルだ。
そして、襲撃者に殺され、生き返った方も…シャマルだ。
まるで見分けがつかない。違いと言えば、化粧ぐらいなものだ。

「な…ぜ…ぇ…」
「影武者よ」
「や…」
「火傷? 仮面をした人間よ、いくらでもごまかせると思わないかしら」
「ご…ごろ…じ…」
「ええ、殺されたわ。だから本物が来たの。殺されたアレも、あなたと同じ異形よ。復元機能と言うらしいわ」

もがき、あがく襲撃者だが脱出は無理だった。
リンカーコアがきしむ音がした。襲撃者の体が一度だけ痙攣すれば気絶する。

「教会のお客様におもてなしをしなければいけないわ。用意なさい」
「はい」

シャマルがシャマルに命令を下す。
いや、片方は影だ。翁がミーミル・システムから生み出そうとしている物の副産物。
22歳のシャマルを生き写した、復元機能を有するプログラム。
シャマルの姿をした、影である。
125タピオカ:2008/09/12(金) 05:30:34 ID:G0Bx8QRG


襲撃者から聞き出せる事を絞れるだけ絞り取り、心を壊した後に城内の官吏を収集、その前で首を刎ねた。
シャマル、影、翁、そして事情を話せる古参の臣下で襲撃者をさらした時の場の人間の観察をしたのは、どうも暗殺者が一人だけではないようだからだ。
若い人材を広く大きく採用しているでの、内通前提で仕えている者も多数いるだろう。それはまだ想定内だ。
暗殺者についても、何度も甦る影武者と言う手は打ってあるのだが、流石にそれが無機物を透過する異形などならば考えがいる。
翁を中心として、代々続く戦いで手を汚している家臣も何人か怪しいと感じた官吏に目星をつけた。
無論、即刻手を出さずに一人一人丁寧に様子を見るつもりだ。

「疲れたわ」

執務室。憂鬱に、シャマルが吐息を漏らした。
ローブとフード、そして仮面で完全に身を隠した影は応えず黙してただ茶を差しだした。
シャマルが影のふりをしている時でも、影がシャマルのふりをしている時でも、仮面をする者は言葉は使わぬ決まりだ。

「旅に出たい…」

淹れられた茶に目もくれず、窓の外をただ見つめた。青い空だ。広い空だ。
夢心地の色に染まったシャマルの右目を見て、影はただ主君の心労に胸が締め付けられる。
襲撃者の拷問は全てシャマルがした。
古株の信頼できる臣下に話をした時には、もう襲撃者は生きながら死んでいたのだ。
拷問など、好む者はいまい。

暗闇に閉じ込め、数日飲食を抜く。
時間の感覚を狂わせて、一人で闇を噛みしめさせた。
両手両足の骨を砕いて、クラールヴィントまで使った捕縛だ。流石に逃げられなかった。
不定期に様子を見て、すぐに去るを繰り返してシャマルが来る事を望むようになるまで待つ。
食料と水も与えるが、最初は頑なに拒んで餓死しようとしていた。結局、ギリギリの所で襲撃者は食った。
死にたくないと、思ってしまったのだ。そこが始まり。
一定のリズムを刻んで額を木の枝で叩く。それだけ。
あるいはすぐ終わる日もあるが、あるいは何時間も執拗に打ち続けた。同じ質問を何度もした。
返ってくるのは同じ答え。しかし本当の事を言っているが、まだ全部ではない。
洗いざらいを吐き出し始めたのは、死にたいと思い始めたから。それでも額を一定の間隔で打ち続けた。
同じ質問を繰り返す。返ってくる答えは同じ。しかし終わらない。
返事をする声がおかしくなってくる。奇声で笑い始める。長く尾を引く悲鳴をあげる。
全て、シャマルは一人でやった。何度も影が代わると申し出ても冷たく拒んだ。
最初に孤独や飢えを叩きつけたのを含めればほぼ一月かかった。
襲撃者が自分の名前も言えなくなればをそれで用済みだ。

やっただけ、シャマルの心もいくらか壊れた。
まだ修復できる壊れ方だ。やられた方は、治らない心の壊れ方。

陰の差すシャマルの顔が少し上がる。仮面の奥にある影の澄んだ両目を見据えた。

「旅に、出たいわ」

シャマルがそっと、影の仮面を外した。
シャマルと同じ顔が現れる。仔細に見れば、無論影の方が若い。それも、化粧で分からなくなる程度だ。

「今度の戦いが終われば、シャマル様は自由です」
「死ぬのね」
「私がシャマル様として戦中に死んで、それで自由です。旅に…出られるのです」

シャマルの手を手套した手が握り締めた。戦場で馬に乗り、並みの兵よりも力強く剣を振るうはずの手は今はか細く感じてしまう。
126タピオカ:2008/09/12(金) 05:31:15 ID:G0Bx8QRG
企みは十何年前からあった。動きだしたのは五年前。
死して復元するこの影武者が翁より紹介されてシャマルは思った。
戦場でこの影武者の死を見せ、自分は何もかもかなぐり捨てて旅に出よう、と。
翁の旅の話を幼いころから聞いていた。
家督を受け継ぎ、この地を治める事が使命と思い定めながら世界を見聞したい欲望はくすぶっていたのだ。
それを察してか、翁は祖父の代から作成に心血を注いでいる物の流用を呈してくれた。
久方ぶりに涙が出たものだ。
それからシャマルは自分がいなくなっても機能するように政治を整えていく。
自分に憎しみを集中させ、古い家臣は領に散らばる各部族の所で血を混ぜる。
もっとも、こうやって古い家臣を遠ざけるやり方は父の代が最初だ。いろいろな施策を、死んだ父から残されている。
そして、最終的に自分がいなくなった後は祖父の兄弟だった血筋に任せればいい。
ミーミル・システムはあってもただの湖に成り下がる。
後は教会を退け、なおかつ自分が教会に殺される事だ。

「影」
「はい」

唇を奪われた。頭を掴まれ、腰掛けるシャマルと同じ高さに無理やり引き寄せられたのだ。
たっぷりと長い時間、舌を吸い合って粘った水音が場を満たす。
何度か、シャマルが喉を鳴らして唾液を飲んだ。
口づけたままローブの隙間にシャマルの手が滑りこむ。辿りつく先は影の胸だ。
舌が絡みうまま、柔らかな乳房をもみしだいてその感触をシャマルが楽しむ。

「たくし上げなさい」
「はい」

淫靡な唇が離れれば影がローブをまくりあげてその股間をさらした。
座ったままのシャマルがそっと指を這わせて茂みを弄ぶ。
腿を撫てから無遠慮に膣に突っ込んだ。影が強張るが乱暴に中をかきまぜる。
しばらくは、歯を噛むだけだった影だがすぐに色っぽいうめき声が漏れ始めた。
ある意味で自慰だ。快感の壷が分からないはずがない。

「ぁ…シャマル様…」
「シャマルはあなたよ」
「わた…私は影です」
「でも、シャマルだわ」

内腿が閉じてしまわぬように健気に脚を震わせながら影がどう答えていいか分からず困惑する。
シャマル自身、疲れているのも手伝ってあまり深く考えているわけではなかった。
しとどに愛液が腿を伝っていくのを眺めながら、さらに強く膣襞をこすりつけた。

「うぅん…」

うっとりと潤んだ影の双眸と嬌声の後、影が達する。
腰が震えて、床に溜まるほど濡れそぼらせた女陰が、痙攣で放してしまったローブで隠れてしまう。

「抱き締めさせて」
「…はい」

余韻が壊れぬように優しく影を抱きしめながら、シャマルはその体重を心地よく思う。
うとうとと眠りに落ちてしまいそうになる意識で、やはり自然と言葉が零れた。

「旅に出たいわ…」

127タピオカ:2008/09/12(金) 05:35:03 ID:G0Bx8QRG
終わりです。
好きな三国は呉。好きな魔軍司令はミストバーン。好きな騎士団は黒の騎士団のタピオカでした。
128名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 09:03:23 ID:r+ACh42A
エイミィの前でクロノを犯してぇ
129名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 10:48:02 ID:n4Twg255
リーゼ姉妹の前でグレアムとやりてぇ
130名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 14:04:53 ID:KA88M9Mu
>>127
GJしたー



……あとルーテシアの前で白天王とやりてえ。
131B・A:2008/09/12(金) 16:13:20 ID:nZRpztQM
この流れをどうしろとw
投下に来ました。



注意事項
・B・A版エリルー時空です
・エリオ×ルーテシア
・エロです
・時間軸は「Ritter von Lutecia」最終話のすぐ後、2人が再会した夜の話です
・この時空におけるキャロ(20歳)は巨乳です、ちなみに童顔。
・なななんと、尻をいじめない
・孕ませなのにあんまりエロくない
・タイトルは「ただ、君だけのために」
・前提作品『Ritter von Lutecia』
       『Nach dem eines Speerritters』


〜簡単なあらすじ〜
ルーテシアの孤独に共感したエリオは六課を裏切ってルーテシアと共に逃亡、立ち塞がる追っ手を悉く打ち倒すものの、
連続する戦いとかつての仲間を手にかける罪悪感がルーテシアを守りたいという思いと鬩ぎ合い、心身ともに消耗した果てに右腕と右目を失い、
逮捕されてしまう。それでもルーテシアへの愛を貫いたエリオは再会を約束して懲役を受け、その10年後にルーテシアのもとへと帰って来た。
この時空のエリオは、基本は悩み苦しんで答えを探りながらガチバトルを展開し、ベッドの上ではあの手この手でルーテシアを可愛がる
真性のエロオ・モンデヤルであるが、今回はまだエロに開眼する前のお話である。
132ただ、君だけのために@:2008/09/12(金) 16:14:39 ID:nZRpztQM
小さい頃は、自分が世界で一人ぼっちだと思っていた。
自分のことを守ってくれた大きな騎士は、いつか自分の前からいなくなると言っていた。
自分の側にいてくれた小さな友達は、理想の主が見つかれば自分のもとを離れてしまうと思っていた。
だから、揺るがない繋がりが欲しかった。
何があってもなくなったりはしない、強固な結びつきが欲しくて、大勢の人を傷つけてしまった。
あれから10年。自分は欲しかったものを全て手に入れた。
優しい母親、大切な親友、頼れる召喚蟲、手のかかる出来の悪い部下。手を伸ばせば誰かの手と触れ合い、自分が孤独ではなかったのだと知ることができる。
けれど、寂しさは消えなかった。
一番側にいて欲しい人がいなかったから。
大好きな彼が自分の隣にいてくれないから。
自分を守ると誓ってくれたあの騎士がいなかったから。
それでも彼女は待ち続けた。
たくさんの人達に迷惑をかけた自分が幸せになっても良いのかと迷った時もあったが、溢れ出る思いだけは止められなかった。
彼と会いたい。
彼と触れ合いたい。
あの細くてしなやかな腕に抱かれ、彼の温もりを感じることができるのならば、やっと手に入った繋がりがなくなったとしても構わない。
それほどまでにルーテシア・アルピーノは、エリオ・モンディアルのことを愛していた。





降り注ぐ冷水の冷たさに身震いしながら、ルーテシアは全身の泡を洗い落としていく。本当は湯船に浸かって丁寧に汚れを落としたかったが、
さすがに人里離れた遺跡で望むのは無理な話だった。簡易シャワーがあるだけでも御の字なのだ。

「エリオには、綺麗な体で会いたかったのに・・・・・・・・・」

文句を言いつつも、ルーテシアは自分が酷く喜んでいることに気づいていた。
それも無理からぬことだった。何故なら、彼女が心から愛する彼が戻ってきてくれたからだ。
仮釈放が認められ、管理局に属する召喚師としての道を歩み始めたルーテシアは、親友であるヴィヴィオの誘いもあって来年の正式稼働を控えた新設部隊、
機動六課準備室のライトニング分隊分隊長として引き抜かれ、充実した生活を送りながら恋人の帰りを待つ日々を過ごしていた。
そして、新しく見つかった遺跡の発掘隊の護衛任務において窮地に陥っていたところを救ってくれたのが、他の誰でもない、
帰還を待ちわび続けていた恋人のエリオであった。しかも、彼は自分の分隊の副隊長として配属されたのだそうだ。
これからは職場でもプライベートでも一緒にいられるのかと思うと、どんなに冷静を装っても鼓動は跳ね上がり、期待で胸を躍らせてしまう。
実際、再会した後は部下に何度も頬の緩みを指摘されて恥をかいてしまった。
エリオとまた一緒にいられるのだから、それくらい別に良いじゃないかと心の中で言い訳しながら、ルーテシアは濡れた体を拭こうとバスタオルを手に取った。

「・・・・・・大きい方が良いのかな?」

ふと目に入った自分の肢体の慎ましさにため息を吐き、ルーテシアは呟いた。
男は胸の大きい女性が好きだと、何かの本で読んだことがあった。ボディラインの美しさに関しては自信がある方だが、
彼女の乳房はどちらかというと小振りで綺麗なお椀型である。お世辞にも大きいとはいえず、かと言って貧乳とは言えない中途半端な大きさだ。
親友のキャロは思春期を経て同性でも羨む程の巨乳に成長したのだが、自分はどうも栄養が背丈の方に回ってしまったようなのだ。

「母さんもあんまり大きくないし、遺伝なのかな?」

呟き、バスタオルを体に巻いてエリオを待たせている自分のテントへと向かう。シャワールームはテントのすぐ横に設置してあるので、
衣類を着ていなくても誰かに見られてしまうことはない。それに、この方がエリオもきっと喜ぶはずだ。

「エリオ、お待た・・・・・・・」

テントの中程まで歩を進め、ルーテシアは言葉を失った。
誰もいないのだ。
それほど広くないテントの中にエリオの姿はなく、空気もひんやりと冷め切っていた。まるで、最初から誰もいなかったかのように。
133ただ、君だけのためにA:2008/09/12(金) 16:15:22 ID:nZRpztQM
「嘘・・・・だって・・・・・・」

シャワーを浴びるまでは、確かにここにいたはずだ。ちゃんと言葉を交わしたし、見違えるように逞しくなった胸で抱きとめられ、
ずっと守ってくれると耳元で囁いてくれたのだ。それとも、彼は最初からいなかったのだろうか? 
ずっと自分は、エリオ・モンディアルが帰ってきたという夢を見ていたのだろうか?
まるで目の前が真っ暗な闇に包まれてしまったかのように、ルーテシアは呆然とテントの真ん中で立ち尽くす。
その時、誰かがテントの中へと入って来た。

「あ、お帰り、ルー。ちょっとユーノさんに呼ばれてね、さっきまで向こうのテントで話を・・・・・・・・・」

その声を耳にした瞬間、ルーテシアは地を蹴って彼の胸へと飛び込んだ。勢いで体に巻いていたバスタオルが落ちてしまうのも構わず、
目じりに涙を浮かべながら厚い胸板へ顔を押し付け、責める様に弱々しい拳を叩きつける。

「ル、ルー!?」

「馬鹿・・・・・・エリオの馬鹿・・・・・・・寂しかったんだから・・・・・・エリオがいなくて寂しかったんだから・・・・・・・」

ずっと待っていたのだ。この10年、ただ彼との再会を夢見て生きてきたのだ。だからエリオがいなくなってしまった時、
また一人ぼっちになってしまったのではないのかと絶望した。それほどまでにルーテシアの中でエリオの存在は大きく、彼との繋がりはかけがえのないものだった。

「どこにも行っちゃ嫌だ・・・・・・・・・私の側にいてくれなきゃ嫌だ・・・・・エリオがいなきゃ、私・・・・・私・・・・・・」

「ルー・・・・・・」

突然の豹変にうろたえていたエリオも、彼女の自分への思いの強さに気づいて頭を垂れた。
そして、細くて美しいルーテシアの背中に腕を伸ばし、その存在を確かめるように力強く抱き締める。

「ごめん・・・・・寂しい思い、させちゃったね」

抱き締めた体は細く、今にも折れてしまいそうなほど儚かった。今日という日まで、彼女は自分との再会だけを糧に生きてきたのだ。
そんな危うい状態にまで彼女を追い詰めてしまったのは自分のせいだ。自分勝手にルーテシアのことを振り回し、傷つけてしまったのは全部、自分の責任なのだ。

「もうどこにも行かないから・・・・・ずっと君の側にいる。君だけの騎士でいる・・・・・・だから泣かないで、ルー」

「約束・・・・してくれる?」

「約束する。僕は君だけの騎士だ・・・・・だから、ずっと側で守ってあげる」

ごく自然に、惹かれ合うように2人は互いの唇を重ね合わせた。
まるで離れ離れであった10年間を取り戻すかのように、二度と離れないという強い思いを込めて、2人はお互いの存在を感じ合った。





勢いに任せて裸のルーテシアをベッドの上に押し倒したのは良いが、エリオはどうしたものかと内心では焦っていた。
何しろ、貴重な青春の全てを刑務所の中で過ごしてしまったため、性に関する知識は友人から貸し出された成人雑誌から得たもののみだったからだ。
当然のことながら実際の経験は皆無であり、それどころかマスターベーションすらロクにやったことがない。生来の生真面目でストイックな性格もあって、
エリオの10年間はリハビリと鍛錬と社会奉仕の作業のみに費やされてきたのだ。

(ま、まいったな・・・・・・こう、こっちとしては完全に準備万端なんだけど・・・・・・・)

魅力的な裸体を前にして、まず何をすれば良いのかわからずにエリオは混乱する。一応、挿入する前に前戯という愛撫をしなければならないことは知っているのだが、
何をどうすれば女性は喜んでくれるのだろうか?
134ただ、君だけのためにB:2008/09/12(金) 16:16:01 ID:nZRpztQM
「あの、エリオ・・・・・・」

「なに?」

「私・・・・・こういうの初めてで・・・・・どうしたら良いのかわからなくて・・・・・・・・・」

頬を染めながら視線を逸らすルーテシアに、不覚にもエリオは胸が熱くなった。そして、彼女の不安を和らげようと笑みを浮かべ、艶やかな紫色の髪を優しく撫でる。

「大丈夫、ルーも気持ちよくなれるようにするから」

「うん、私も頑張るから」

初体験の不安に精一杯耐えながら、ルーテシアは潤んだ目でエリオの顔を見上げてくる。反則染みたその可愛らしさにエリオは一瞬だけ言葉を失い、
すぐに我を取り戻してルーテシアの小振りな胸へと手を伸ばす。

「・・・っ!」

ルーテシアが顔を歪め、すぐに手を引っ込める。そういえば、何か声をかけてから始めた方が良かったかもしれない。やはり、不意打ちでは彼女を警戒させるだけだ。

「ごめん、痛かった?」

「う、ううん。いきなりで、ちょっとびっくりしただけ・・・・・・続けて」

「う、うん」

頷き、今度はさっきよりも慎重に力を込めていく。すると、マシュマロのように柔らかな乳房に指が食い込み、ピンク色に充血した乳首がゆっくりとせり出してきた。

「う・・・・・ううん・・・・・」

「えっと、どう?」

「何だか、変な気持ちかな? くすぐったいような、違うような・・・・・・・」

自分でもよくわからないのか、ルーテシアの言葉はいまいち曖昧であった。それでも、絶え間なく乳房を揉まれて気持ちが昂ぶって来たのか、
次第に声に色っぽさが混ざるようになっていき、薄い唇から洩れる呼吸も少しずつ乱れ始めていった。

「エリオ・・・・・何だか、変・・・・・・胸の中が熱くて・・・・・ふわふわする・・・・・・・・」

「気持ち良い・・・・のかな?」

「だと、思う・・・・・・・・・おも・・・ああ・・・あぁ・・・」

不意に指先がきつく尖った乳首にぶつかり、ルーテシアは悦のこもった声で悶える。その嬌声は、エリオの理性を吹き飛ばすのに十分な破壊力を秘めていた。

「うぅん・・・・」

「きゃっ・・・・エリオ!?」

自己主張するかのように尖るピンク色の乳首にエリオが齧りつき、ルーテシアは驚いて身を捩る。
だが、男性であるエリオに力で敵うはずもなく、成す術もなく組み伏せられて、赤子が母乳を吸うように乳首を吸い立てられる。

「ね、ねぇ・・・・エリオ? 何か言って・・・・・エリオ」

「うぅん・・・うんん・・んん・・・・・」

「やだぁ、何か言ってよ、エリオ!」

「・・・・ごめん!」

我に返って慌てて唇を放し、自己嫌悪する。ルーテシアも自分と同じように初体験なのだ。なのに、我を忘れて彼女を不安にさせるなんて、最低の所業だ。
135ただ、君だけのためにC:2008/09/12(金) 16:17:42 ID:nZRpztQM
「ごめん・・・・・怖がらせちゃったね」

「良いよ・・・・けど、今度は優しく、ね」

そう言って、はにかむルーテシアを愛おしく思いながら、エリオは愛撫を再開する。今度は彼女を不安にさせないように、優しく労わりながら乳房を揉みしだき、
濡れ始めた秘唇にそっと指を這わす。すると、ルーテシアは一瞬だけ身を固くしたが、すぐに緊張を解いてエリオに全てを任し、与えられる快感に酔っていく。
恥ずかしさからか声は押し殺していたが、媚びるような甘え泣きは夜の静寂には少しばかり大きく、それが却ってエリオの劣情をどんどん昂ぶらせていった。

「ねぇ、いつまで・・・・続けるの?」

延々と繰り返される愛撫に根を上げたのか、ルーテシアは弱々しい声で聞いてきた。既に目はとろんとしていて焦点がずれており、全身からは玉のような汗が噴き出ている。
エリオの拙い愛撫では絶頂に達することはできなかったが、逆にそれが寸止めのようなもどかしい責めとなって彼女の女の芯を熱くさせているのだ。

「私だって知っているよ。この先、あるんだよね」

「う、うん・・・・・その、もう良いかな」

実際には十分すぎるほど昂ぶっているのだが、経験のないエリオにはあまりよくわからなかった。一応、女性の大事なところは濡れて柔らかくなっているので、
大丈夫だろうと思ってズボンを脱ぎ、いきり立った肉棒を外気に晒す。

「・・・・・・・・・」

思わず、ルーテシアは絶句した。
初めてみた男性器はグロテスクなピンク色をしており、先端はキノコのように笠がついていた。鉄塔か何かのようにそそり立ったそれは圧倒的な迫力を誇っており、
ただの肉の塊だとわかっていても凶器か何かのように思えてならない。定期的にびくびくと上下運動を繰り返す光景も、彼女の恐怖を掻き立てるだけであった。

(あ、あれを・・・・・入れるの?)

戦闘魔導師としてそれなりの実戦経験はあったが、それとはまるで違う恐怖と不安に体が震えてしまう。エリオと一つになれるという喜びも気休めにしかならなかった。

「ルー?」

「・・・・・う、うん」

「怖いの?」

「・・・・・・・・うん」

取り繕ってもばれると思い、ルーテシアは素直に頷いた。
彼女の恐怖を察したエリオは、そっと生身の左手で恋人の手を握り、安心させるように耳元で囁く。

「今日は、ここまでにする?」

「え・・・」

「怖がるルーの顔は見たくないよ。僕はルーに笑っていて欲しいんだ」

でなければ、帰って来た意味がない。自分はルーテシアを泣かせるために戻ってきたのではなく、共に笑いながら生きるために戻ってきたのだから。

「だからさ・・・・・・・」

「ううん、して・・・・・・頑張るから・・・・エリオのしたいようにして、良いよ」

精一杯の勇気を振り絞り、ルーテシアは笑みを浮かべる。恐怖と不安は未だある。だが、それよりもエリオへの思いが勝ったのだ。
136名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 16:19:02 ID:nZRpztQM
「僕だって初めてなんだ。歯止め、利かなくなるかも・・・・・・・」

「大丈夫だよ。エリオなら・・・・・きっと・・・・・」

左手を強く握り返され、エリオの心が軽くなる。そして、不謹慎なまでに膨れ上がった自身の分身を濡れそぼった秘唇へとあてがい、
気持ちを落ち着けるように呼吸を整える。

「いくよ」

「や・・・」

肉ビラを押し広げて僅かに肉棒が侵入し、ルーテシアは咄嗟に左手で口を塞いで出かかった声を殺した。例え脊髄の反射であったとしても、
否定の言葉は口にしたくなかった。彼は精一杯の優しさで自分のことを包んでくれようとしているのだ。だったら、それを受け入れるのが彼への愛情の証明だ。
だから、ゆっくりと自分の中を這い上がってくる肉棒の恐怖に震えながらも、ルーテシアは懸命に痛みに耐えてエリオを受け入れようとする。
そして、ある瞬間を境に何かが破られるような感覚を覚え、苦痛が激痛へと変化した。

「ああ・・あ・・・あああぁぁぁっ!!」

必死で堪えていた悲鳴が漏れ、舌唇を思い切り噛み締める。涙が零れているのか目頭は異様に熱く、側にいるはずのエリオの存在がとても遠く感じられた。

「ルー? ルー!?」

「エリオ・・・・いやぁ・・・怖い・・・・怖いの・・・・・・」

「ルー、痛いの? 止めようか?」

「いやぁ・・・・・行かないで・・・・・もっと近くに来て・・・来てぇ・・・・」

こちらを気遣って離れようとするエリオに腕を伸ばし、その体を引き寄せる。圧しかかってきた彼の体重は重かったが、今のルーテシアには些末なことであり、
彼と肌を重ねて少しでも近くに存在を感じることの方が重要であった。

「キスして。ねぇ、お願い。ちょっとでも離れたら、エリオが遠くに行っちゃうの。側にいて、エリオ・・・エリオ・・・・エリオ・・・・」

「大丈夫、安心して。僕は側にいる・・・ほら、側にいるから」

求められるままに唇を重ね、舌を絡めて唾液を交換する。そうしている間もエリオの肉棒はゆっくりと前後運動を繰り返し、
愛液と破瓜の血で肉を汚しながらルーテシアの肉壺を抉っていく。怖がらせているとわかっていても止められなかった。
柔らかな肉壁はエリオにとって未知の快楽であり、狭い膣道を押し広げていく征服感は何とも言えない興奮を覚えるのだ。

「ねぇ、気持ち良いの?」

不意に、ルーテシアが聞いてきた。まるで恐怖に怯える奴隷が気紛れな主に伺いを立てるかのように、怯えきった声で。

「うん、気持ち良いよ。何だか、体が勝手に動いて・・・・止まんない」

「エリオ、私で気持ち良くなってくれたの?」

「うん、ルーと愛し合えて良かった」

その言葉に、ルーテシアは顔を引きつらせながらも微笑みを浮かべ、エリオの背中へと手を回した。

「ルー、まだ怖い?」

「うん・・・・・けど、エリオが側にいてくれるから、大丈夫。エリオが気持ち良くなってくれるなら・・・・・私、頑張れるから・・・・・・」

破瓜の痛みに耐えながら、ルーテシアは媚びるようにエリオに囁く。彼女がどれほどまでに苦しんでいるのかは、背中に食い込む爪の痛みで容易に察することができた。
本当は泣いて逃げ出したいくらい辛い目にあっているのに、自分のために耐えてくれているのだ。なら、自分にできるのは彼女を精一杯愛することだけだ。
持てる限りの愛情をこめて、彼女の名を呼んでやることだけだ。
137ただ、君だけのためにE:2008/09/12(金) 16:19:56 ID:nZRpztQM
「ルー・・・・・・好きだ・・・・ルーテシア・・・・」

「エリオ・・・くる・・・・・何かくるの・・・・私の中から、何かが昇ってきてる・・・・・・」

絶頂が近いことを感じ取ったのか、ルーテシアは戸惑いながらもエリオの名を呼んで突き上げられる痛みに耐える。
込み上げてくる異様な興奮は全てが2人にとって初体験であり、お互いにどうすれば良いのかわからずただ闇雲に腰をぶつけ、
相手を気持ち良くさせようという思いだけが空回るばかりであった。

「うぅ・・・・だぁ・・・でる・・・・ルー!」

「ああぁ・・・・エリオ・・・いやだ、また・・・あああぁぁぁぁっ・・・・遠いよぉ・・・・・・エリオが遠いの・・・・エリオぉっ・・・・・」

「ルー・・・・ルゥゥゥゥッ!!」

「やあぁぁぁぁっ! う、浮く。体が・・・・浮いて・・・・あああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

ルーテシアの絶頂に合わせるかのようにエリオは力強く腰を打ちつける。
その時、偶然にも排卵日を迎えて受精のために降りてきていた子宮の入り口に野太い肉棒が深々と突き刺さり、
そのままエリオは昂ぶった欲情のままに自らの欲望を放出し、ルーテシアの子宮を真っ白に染め上げていたのだが、
初めての性交に衝撃を受けていた2人がそれに気づくことはなかった。





ベッドの中で体を縮こまらせるルーテシアをどう慰めれば良いのかわからず、エリオは困ったように頭をかいた。
何とか行為を終えて一段落ついたのだが、落ち着きを取り戻してまた恐怖がぶり返したのか、ルーテシアはエリオに背を向けてすすり泣くばかりであった。
破瓜の痛みは男性には理解できない代物なので、エリオはどうしたら良いのかわからずに途方にくれるしかなかった。

「ルー・・・・その・・・」

「・・・・・・痛かった」

「ごめん・・・・・・」

「凄く怖かった・・・・・・・」

「ごめん」

「けど、変な気持ちだった。ふわっと体が浮いて、私がどこか逝っちゃったの。すぐ側にいたはずのエリオが凄く遠くて、切ないんだけど気持ち良いの」

どう返せば良いのかわからず、エリオは頷くしかなかった。
ややして、ゆっくりと起き上がったルーテシアはジッとこちらを見据え、消え入りそうな小さな声で訪ねてきた。

「エリオも、良かった?」

「うん、凄く良かった」

「・・・・・・良かった」

その一言だけ呟き、ルーテシアはエリオの唇に自分の唇を重ねて、そのまま彼の体をベッドの上に押し倒した。

「ルー!?」

「今日はこのまま寝よう」

甘えるような言葉に反論できず、エリオは上目遣いにこちらを見るルーテシアの嬉しそうな微笑みに苦笑いを浮かべるしかなかった。
138ただ、君だけのためにF:2008/09/12(金) 16:20:59 ID:nZRpztQM
「やれやれ、甘えん坊なお姫様だ」

「嫌い?」

「まさか」

エリオの腕の中で温もりを感じながら、ルーテシアはエリオの厚い胸板に触れて彼の鼓動を感じ取る。
すぐ側にエリオがいるという確かな実感が嬉しくて堪らず、無意識に頬が緩んで笑みが零れていた。
ずっと彼に抱かれることを夢見ていたのだ。その温もりに包まれながら、幸福な夢を見ることを望んでいた。
だって、ここが一番、彼の存在を強く感じ取れるから。
エリオ・モンディアルという、優しい騎士の存在が。





張りつめていた緊張が解けて力が抜けたのか、ルーテシアは驚くほど早く寝息を立てて安らかな寝顔を曝け出す。
あれから何も変わってはいない。甘えん坊で寂しがり屋なルーテシアは、10年前から時計の針を止めて自分のことを待っていてくれたのだ。
けれど、それももう終わりを告げる。これから彼女の時間は自分と共に進んでいくのだ。

「けれど、僕は・・・・・・・」

彼女の全てを受け止められるのだろうか。こんな紛い物でしかない体で、彼女と共に生きていけるのだろうか?

「エリオ・・・・・・・ずっと、一緒・・・・・・」

虚を突く様なルーテシアの寝言を聞き、先程の自問を馬鹿馬鹿しいと一蹴する。答えはとっくの昔に出ているのだ。自分は愛するルーテシアの幸福のために戦い、
その命を守る。その生き方が揺らぐことなど、決してありはしない。

「そうだ、この娘さえ側にいてくれたら・・・・・・・」

きっと何とかなる。もうあの時のような間違いを起こしたりはしない。
自分の思いを再確認し、エリオは眠りにつこうと瞼を閉じる。胸に去来する一抹の不安を押し殺しながら。
この2ヶ月後、エリオは己の運命と対峙することとなる。その時、彼が何を考えてどのような答えを導き出したのかは、また別のお話である。

                                                                    おわり
139B・A:2008/09/12(金) 16:24:37 ID:nZRpztQM
以上です。
純愛って難しい。特に今回はエリオは素人だしルーは未開発だしでなかなか思うように動いてくれなくて。
元々は、行為の後にエロオ・モンデヤルとして覚醒したエリオがルーが拒むのも利かずに猿の如く襲いかかるという
オチを考えていたのに、何故かこんな終わり方に。
この後、エリオは出自やらフェイトのことやら諸々の問題全部棚上げして「ルーテシアと現在を生きる」ことにのめり込んでいくことになります。
最も、2ヶ月後に「クローンとしての過去」と対峙して選択を迫られるわけですが。


それと司書の方にお願いですが、この話は『Ritter von Lutecia』の方に保管してください。
『Ritter von Lutecia 最終話』→『ただ、君だけのために』→『Nach dem eines Speerritters 第1話』という順番なので。
お手数をおかけします。
140名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 17:01:02 ID:MeviyS21
エリルー物って似た流れが多いよな
ユーなのも似た流れになりやすいが、王道って感じなんだろうか?
141名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 17:36:04 ID:rOecqJXu
公式ではエリキャロなのに、その他のカップリングのほうが多い…。キャロ哀れ
142名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 17:44:45 ID:ZLumlovf
エリルー初体験GJ!!
まだ初々しい二人が可愛いやらしくて素敵です。

そうだよね、この先どんだけ淫らに狂い咲こうとも初めての時はウブだったんだよね。
ほんと氏の書くエリルーは良いです!!
143名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 18:04:31 ID:RRaFAYma
GJ!
甘い!甘すぎて砂が吐けるぜ!

ところで、冒頭の文章でフェイトさんを思い出したのは俺だけ?
144名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 18:26:42 ID:dq8BwfFO
>>141
まあ公式の男女カプは意外と人気出なかったりド直球すぎて創作意欲が
あまり湧かなかったりすることが多いから…。
145名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 18:37:25 ID:IE9+m+JD
恋というのは障害があればあるほど、萌えるもんじゃないか?

つまり普通過ぎるのは、背徳姦がなくてヤル気がでないということ
146名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 18:42:35 ID:tqf4Ll0X
あぁ、だからクロノは不倫モノが多いのか……
147名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 18:57:39 ID:c6Wc5rYA
公式のカプってエリキャロとクロエイくらいなのにキャロもエイミィも不憫だなw
いやまぁエリキャロは結婚してる訳でもないし都築的にはカプじゃない可能性もあるか
148名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 19:03:17 ID:p0EcOCdQ
そうなる可能性がある(エリキャロ)by都築

>>145
だから、はやゲンなんてできたんだな。
149名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 19:56:23 ID:r+ACh42A
エイミィの前でクロノを犯してぇ
150名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 19:58:44 ID:dq8BwfFO
なのちゃんの前でクロくんを(r
151名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 20:14:46 ID:yxQBI+z7
>>139
超GJ!!!!
るーちゃんの新妻だいありーから考えたら二人とも考えられないほどウブなカップルだなあと思います。
だが、それがイイ!!
この後ルーちゃんはエリオにたっぷりねっとりと調教されるのか…
まあ二人とも家にいる時には、ほぼ毎日してるのだから二人ともSとMになって当り前か。
「未来への遺産」後、エリオの命尽きるまで子供何人できたことか…10人超えてそう
改めてエリルーさいこおおおおおおお!!!!!!
152名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 20:42:52 ID:0+nXond1
今更だが前スレの埋めSSに気づいてほんわかした。前スレ>>610GJ
あれだね、B・A氏のエリルー見てても思うけど、微妙に王道から外れてるようで外れていないカップリングっていいね
前スレ>610氏、馴れ初め話楽しみにしています
153名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 20:45:31 ID:uziAFBLT
つーかエリキャロってくっついてたっけ?
154名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 20:56:51 ID:Pgu6udk4
あの年齢にありがちな異性への興味・好意・緊張はあっただろうけど
そこまで露骨ではなかったと思う
155名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 21:03:54 ID:Y0GI+04P
>>153
公式では『兄妹みたいなもの』って感じだった気がする
とりあえず恋人同士って明言された事はなかったはず
156名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 21:28:09 ID:F8qY37mf
>>146
個人的には、何時も言われているクロエイ不利説にちょっと物申したい。

ぱっと保管庫見てみたら、クロなのとかクロフェって結構作品多いように見えているけど
それは両者、専属の作者さんが居て頻繁に投下していたからだと思う。
多そうに見えるクロフェだって5〜6割くらいが同一作者さん
クロなのに至っては8〜9割くらいが同じ作者さんなんじゃないのか?

で、その専属さんを除けばクロエイもここで言われている程、分が悪過ぎるわけでもないと思うんだよな。
短編、小ネタ等のものでは寧ろクロエイのが手数あるし書いている人も様々。
要は、どでかいの投下してくれる専属の作者さんが居るか居ないか程度の差でしかないと思う。

エリルーだって、特にB・A氏が専属でドでかいの投下しているから活発に見えるのであって
エリキャロも決して少ないわけではない。
157名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 21:33:24 ID:42SKVceG
そして何れはなのはとユーノのような関係に……
さすが都築カップリングには容赦ねーぜwww
158名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 21:33:53 ID:5GvnwZYx
まあ、作者さんにも個人の好みはあって当然だからなぁ。
ナンバーズ大好きとか、フェイなの一途とか、はやてばっかりとか、
鬼畜専門とか、壊れギャグ専門とか
159名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 21:53:04 ID:Y0GI+04P
でも専属の書き手さんがいる影響って大きいと思う。
エリキャロ派だった自分がいつの間にかエリルー派になってるのに気づいた時は
驚いたぜ……
160名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 22:50:48 ID:vcSW39fS
GJ!!
何というラブラブなエリルーなんだ…
そういやこの時はエリオもまだエロオではなく、純粋なルーテシアの騎士だったんだなあ
それがいつのまにかルーテシアの騎士、夫、ご主人様、パパと称号をいつの間にか増やしてって。
いずれは子沢山と孫沢山の称号も手に入れるんだろうな…

自分もエリキャロこそ、マイベストカプだったのにいつの間にかエリルーこそ、マイベストカプ、次点がエリキャロに
氏のストーリーは本当に恐ろしいぜ…
161名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:43:13 ID:DbpcolE3
俺の好きな子は本編の出番が多いのにここでのメインSSは異常に少ないw
162名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:46:11 ID:4OtOQewC
だよな、ストームレイダーのSS全然ないよな
163名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:47:08 ID:XftuWwsx
>>127
好きな軍師は孔明(byGロボ)ですね。わかります
シャマルさんは良い……実にイイ……

>>139
新しい生命が誕生する瞬間とはいつ読んでもエロイですなぁ〜
GJ!
初エッチでできちゃったという点も含めれば、さらに……
あと俺はエリキャロ、エリルー、キャロルー
どれでもイケる口だから全然OKさぁ!!

164名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 03:22:22 ID:yaXYtBCp
まとめの更新って結構遅い?
1ヶ月ぶりにきたんだが、外道主のシャマルの話って投下されてる?
165名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 05:07:45 ID:HyP6Bt6X
GJ!!
エリルーいいよエリルー!
まだ初々しい二人が不器用ながらも愛を育む様子がたまらん。
そいて会話がもの凄く甘くてその純愛っぷりを更に引きたてる。
新妻時代もいいですが、恋人時代の二人も実に堪能させてもらいました。
166554:2008/09/13(土) 06:05:58 ID:FEQgsF0k
誰も居ないようなので、シャマルさんとケビンくんに萎縮しつつ、拙作のシャマル話を投下しておきます。
以下注意事項

・基本的にバカ話です
・エロではありませんがネタ的には18禁
・以前ここで雑談していたシャマルさんだけ生娘を勢いのまま書いてみた
・あぼーんワードは「湖の騎士 純情派」です

それでは、投下します。
167湖の騎士 純情派:2008/09/13(土) 06:06:53 ID:FEQgsF0k
 普段は忙しく顔を合わせられないとあって、運良く休日が重なる今日という日の八神家リビングには既に守護騎士全員が勢揃いしていた。
 しかし、部屋の中にいるのは四人。主であるはやてと主に付き従っているリインフォースUは若干だが仕事があり、遅れているらしい。
 ヴィータはそのことに不安を抱きつつも、久々の皆で囲む鍋を主はやてが約束してくれたために顔は緩み、気分はかなり高騰していた。
 いつもは子犬フォームであっても寡黙にだんまりを決め込んでいるザフィーラも、いつもは新聞に集中して周りが見えなくなってしまうシグナムも、そして料理の下準備にいつものように手間取っているシャマルも、どこか気分が高ぶっていた。
 みんなで酒を飲んでたんだとどれだけ言い訳したかったことか、と後にヴィータは語っているが、それは過ぎた後の話である。
 この時はまだ、ヴィータもシグナムもザフィーラも、そしてシャマルも。これから起こる惨状を予感することは、数百年の時を生きてきた騎士達でさえも予感することさえも出来なかった。

「なあ、シグナム」
「なんだ」
「シグナムはさぁ、何されてるときが一番気持ちいいんだ?」
「そうだな、出し入れされてるときの天井の擦れ具合とだな…………」

 さも当然と言ったようにヴィータが質問すると、シグナムはいとも簡単に吐き出してしまった。言葉を止めたは止めたが、時既に遅し。
 そして、そのことに全てを言い終わってから気づいたのか、シグナムの顔は新聞紙で完全に見えなくなってしまっていた。
168湖の騎士 純情派:2008/09/13(土) 06:07:27 ID:FEQgsF0k
「貴様、ちょっと庭に来い」
「ああ、怒るなよシグナム。それが当たり前だし分かってたことだからさ。そっかー、やっぱそーなのか」
「……分かってたこととはどういうことだ?」
「ヴァイスにどこを重点的に攻めてるのか既に聞いてある」
「アイツ……後でシメる……」

 ヘリパイロット、ヴァイスと仲が良く、良い雰囲気になっているところも度々目撃されていたシグナムだったが、当人達が警戒しているのか夜の営みに関する話は給湯室トリオに聞いても出てこなかった。
 それをあっさりとヴァイスから白状させる辺り、ヴィータには何かとんでもない弱みが握られているのかも知れない。
 若干赤い顔のシグナムも、このままではいかんと新聞から目を外し、腕組みをして真剣に何かを悩んでいるヴィータに向き直る。

「そういうお前はどうなんだ? お前の口からそのテの話はまるで聞かないんだが」
「アタシも一応女だし、そんな欲求だってそりゃああるさ」
「ほう」
「そんでさ、みんなに聞いてるんだけどやっぱしそれが一番多いんだよ。 アタシはさ、場所とか関係なしに思いっきりズガズガやられるのが好きなんだけどさ」
「エリオか」
「……うっせ」
「そうか。それで、自分はおかしいんじゃないか、と」
「そーなんだよ」
「別におかしくは無いと思うぞ。テスタロッサなどは縛られて虐められるのが好きだとこのまえ酔い潰れたときに豪語していたからな」
「うえっ、アイツそんな趣味あったのかよ。アタシが聞いたら全く面白みのない当たり障りのない反応だったぞ」
「隠しているんだろう、あいつは。全く、それに応える提督も提督だ」
169湖の騎士 純情派:2008/09/13(土) 06:08:19 ID:FEQgsF0k
 だが、シグナム達の側からは見えないその顔は、子どもには到底聞かせられないような話をしている当人達よりも顔が赤く、うなじの辺りまで染まってしまっているのは、今のシャマルにとって皆に知られてはいけないことだった。
 だが彼女はザフィーラという唯一の味方さえも、向こう側へ失ってしまう。

「なあザフィーラ、男ってどうなんだ?」
「どうなんだ、とは?」
「惚けるなよ。絶対聞いてただろ」
「……そうだな、コレに絡みついてくるのをそのまま上下させるのが何とも言えん感覚だ、とそんなところか」
「人同士と狼同士、どっちが気持ちいいんだ?」
「あ、それアタシも興味ある! 他には二人とも変われるから、狼と人間とかさ」
「……何故知っている」
「気づいてないと思ったか。休みの日になるたびに『ハラオウンの家に行ってくる。夕食はいらない』なんて置き手紙されて気づかない方がおかしい」
「……敢えて言うなら人間同士の方がいい。狼の物は交尾だからな」
「なるほど。やっぱりザフィーラが言うと説得力あるよな。経験者は語るってやつか」
「そうだ、あの小さくなったときにはまさかやってないだろうな? いくら中身は大人だとしても問題が有りすぎる」
「おう、そこんとこどうなんだ、ザフィーラ」
「…………」

 二人は半分冗談交じりだったのだが、それを言った途端にザフィーラの顔から色が消える。
 無言は肯定の現れ、とはよく言ったものだ。

「……コイツ……思ったよりアレだぞ」
「……ああ、今の反応でお前に対するイメージが百六十度ほど変わった」
「アタシも気を付けなきゃヤバいかな?」
「そうだな、リインにも話しておこう」
170湖の騎士 純情派:2008/09/13(土) 06:09:50 ID:FEQgsF0k
 いかにも深刻そうな顔で頷きあう二人だったが、ここで話が終わっていれば、何のことはないいつもの日常に戻れたはずだったとその後に後悔することになる。
 だがヴィータも、シグナムも、ザフィーラも。あの、程よく脂が乗り、体は艶めかしく、それでいて母性をも感じさせるあの体の持ち主が、そういうことを知らないはずはないとしか思わなかったのが全ての失敗だった。
 キッチンでは、顔を真っ赤にした当人が話を振ってくれるなと、なるべく気配を殺して静かに、それでいて違和感の無いように料理をしている。
 だが、彼女のそんな淡い期待を軽々と打ち砕く大砲、いやハンマーを持っている者が、かの砲撃娘以外にここには居た。

「なあ、そこんとこシャマルはどーなんだ?」
「わ、わたしですか?」

 ああ、遂に来てしまった、とシャマルは心の中で瞳を濡らす。

「シャマルにもあるんだろ? そういうとこ」
「いや、その、私はね……」
「そら、アタシも結構吐いたんだから」
「いつも舌じゃ勝てんからな。こういう場は貴重だ」

 じりじりと詰め寄ってくる二人にたじろぐことしか出来ず、視線でザフィーラに助けを求めるも力無く首を横に振るだけ。
 正に孤立無援とはこのことだ。そして、しまいには背中に壁がぶつかってしまった。
 どうすることもできなくなり、はは、と苦笑いを浮かべてやり過ごそうとするが何も出来ず、もう逃げ場もない。
 最後まで誤魔化しきれるか、そんな希望は既に無くなりかけていた。
171湖の騎士 純情派:2008/09/13(土) 06:11:28 ID:FEQgsF0k
「さあ、さあ、どうなんだ? シャマル」
「ヴィータちゃん落ち着いて! ほら、シグナムもそんなことするガラじゃないでしょう?!」
「いや、最近ヴァイスとサッパリでな。そのことでちょっとばかりイライラがな」
「アタシも教導官の勉強で会えてないしなあ。アイツも気を遣ってか連絡だけだし」

 にひひひ、と怪しげな笑みを浮かべるヴィータと、表情は変わっていないながらもどこか含んだような表情をしながら近づいてくるシグナム。
 他には寝そべって我関せずを貫いているものぐさ狼が一匹寝そべっているだけだ。一人居城に取り残された彼女に援軍は期待できそうにない。
 唯一、希望らしい希望と言えばはやてとリインフォースの帰還であるが、裏を返せば事態は更に悪化の一途を辿るかも知れない諸刃の剣である。
 シャマルは一度唾を飲み込み、何やら覚悟を決めたらしい。
 精神的な意味でも物理的な意味でも、もう後戻りは出来なかった。

「さあ、洗いざらい吐いてしまえ! さもなければレヴァンティンで股の間から真っ二つにしてやる!」
「そうだ! 吐かねーとアイゼンでその意味もなくふくらんだ胸の脂肪をぺたんこにすっかんな!!」

 いじめっ子二人が黒い笑みでか弱そうな女の子をイジメる。やっていることは話の内容を除けばその程度の低レベルなものだ。
 だがしかし、手に持っているその武器は金属バットよりも凶悪なシロモノで、シグナムの手に握られている洋剣に至っては、持ち主と共鳴しているのか本来なら光輝いているはずの刃先が、今日は邪悪な黒い光に包まれているようだった。
 そんな二人が凶悪な笑みを浮かべ、更には助けも来そうにない。
 もはや絶望的という言葉しか似合わないこの状況に、今度は心の中ではなく自身の持つ二つの瞳に少しばかりの雫が浮かんだ。

「分かったわよぅ……」
「お、やっと吐く気になったか」
「私は……私は……」

 ぷるぷると体を震わせながら羞恥で顔を深紅に染めた湖の騎士が、涙目になりながら顔を上げた。
172湖の騎士 純情派:2008/09/13(土) 06:12:17 ID:FEQgsF0k
「一度も、一度もしたことないんだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 外でカラスの鳴く声がやたらと大きく聞こえた。
 その日の八神家は、シャマルのすすり泣く声以外は家の中を静寂が支配した。











「そうか、そうか、辛かったんやな……」
「うぅ……私もぉ……女の子なん、ですぅ……」
「分かる、分かるでその気持ち。周りのみんなに取り残されていく寂寥感といったら……うぅ」
「はやてちゃん、今夜は……」
「ぐすっ……分かっとる。私が慰めたるから、今日はシグナムとは別な部屋使ってぇな」
「あ、りがとうござ、います……ひっく」
173554:2008/09/13(土) 06:15:09 ID:FEQgsF0k
投下終了です。
いやはや、なんというか、すまんかった。

SLB撃たれてきます… λ......
174名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 06:39:54 ID:bt0jbXaY
なんと不憫なシャマル…だがそれがいい
175名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 07:55:37 ID:yaXYtBCp
あーリインは?
17669スレ264:2008/09/13(土) 08:29:44 ID:mTtCcMmC
業務連絡です。
82スレの保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。
177名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 08:32:27 ID:WyQKo2IG
リインはアギトがおいしくいただきました
178名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 09:03:01 ID:4OtOQewC
>>173
GJ!
これは確かにケビンくんとの話とは相いれないシャマルさん
哀れだけど…だから逆にいい

あとエリオぶんなぐる
179名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 09:38:55 ID:u46F73UD
高校の修学旅行思い出したw
180名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 09:51:07 ID:sR59hqQE
>>173
GJ
ザフィ……お前ってやつは……
181名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 09:54:32 ID:yaXYtBCp
そいやザッフィーも子犬になれるんだし、アルフ同様ショタになれるんじゃね?
ショタでアルフに食われたり、ロリショタ同士で楽しんでたりもするんだな
182名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 11:33:12 ID:lmRTw71A
>>176
つ旦~
183名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 12:25:40 ID:xgAkqhiw
うっひょう! なんと可愛いシャマル!!!
やっぱあれですよ、シャマルルゥは純情かつ初心なおぼこ娘っすよ(無論ビッチも歓迎だが)。
素晴らしいシャマル祭りでした、GJです!!


>>164
外道主シリーズならまだ投下してないよ〜。
184名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 17:38:29 ID:u5vi+D38
久しぶりにきたら20スレ以上進んでて浦島太郎状態なんだな(´・ω・`)
185名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:00:14 ID:sR59hqQE
>>184
まっさらの状態でここ半年のSSが読めるのかと思うと、正直羨ましかったりする。
読み終わると、読者としては飢えるしかないからなぁ。
186名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:02:48 ID:mc0DdYYS
>>176
いつもお疲れ様です

>>184
20スレ以上分の分のSSを読めるって素晴らしいじゃないか
187名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:13:45 ID:r8OWMIiV
たまに3期から入った人が羨ましくなる
188名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:24:43 ID:3uXBtYT7
>>186
>>素晴らしいじゃないか
確かに
変なのも最初から見えないから
いやーな気分になることもないしね
189名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:36:17 ID:sR59hqQE
ここに来て一年未満の俺ですが、過去の作品へのリアクションや雑談っぷりが羨ましくて、
過去スレ見に行くことも多々ありました。
190名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:52:55 ID:od4b4iUL
>>188
>変なのも最初から見えないから
初期の頃は妙な荒らしとかもいたもんなー
懐かしい
191名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 19:03:31 ID:dWgLDs1M
そうやって皆歳をとっていくのさ
192名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 19:08:20 ID:aLIyfhOr
そういやずいぶん前にどっかのスレで「終わりのクロニクル」を元にした八神家感動パロSSがなかったっけ
趙先生と四兄弟の最期をパロったやつ
いや別に某新シリーズ読了してふと思い出したとかそういうのはどうでもよくて
193名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 19:20:25 ID:yaXYtBCp
リンディ、ヴィーダ(二期)、リーゼ姉妹、アギト、リインフォース(初代)、チンク
とりあえずお気に入りの女性キャラを挙げてみた。方向性に節操がないなぁ。
ロリコンではないよな?
194名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 19:31:20 ID:4AnvOkXW
全年齢向けのSSスレができました
リリカルなのはの二次創作なの Part1
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1221216627/l50
195名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 19:53:47 ID:oP6IOhZ3
>>194
このスレからそっちに移る人はほとんどいないと思うぜ……
ってかSSスレが複数あってもややこしくて迷惑なだけな気が
196名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 19:56:51 ID:yaXYtBCp
>>194
今更住み分ける意味あるのか?
197名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:07:16 ID:Dn3OJlTj
まぁ立てるなとも言えないし、職人にここだけで書けとも言えない。
それにこれからSS書き始める人にとってはここの住民は舌が肥えすぎていて投下し辛い人もいるだろうしね
向こうでも職人が頑張ってくれるなら俺は応援するね。
198名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:09:40 ID:sR59hqQE
スレ追い出しの大義名分(追い出し先)ができたと勘違いする者が現れないかが心配だ。
199名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:25:32 ID:od4b4iUL
実際のとこわざわざ人のいないスレに移る人なんざ滅多にいないだろうね
>>194見てきたけどSSスレというか二次創作全般みたいだからあっちは多分漫画・絵がメインになるんじゃない?
そういうつもりで捉えとけばいいかと
200名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:35:29 ID:3TF8X968
今までどおりで行けばいいさ。間違っても向こうで書けなんて言わない
勿論向こうで書くなとも言わない。好きな方で書いてくれればおkさ
201名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:48:58 ID:1qaVAMQG
21時から
202名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:51:29 ID:WyQKo2IG
あの巨匠が
203鬼火 ◆RAM/mCfEUE :2008/09/13(土) 21:00:02 ID:1qaVAMQG
帰ってこなかった。

【注意事項】
・非エロギャグ
・ネタ含
・スバルがcrazy Nanoha fun
・ゲンヤパパンが頑張るお話
・キャラ壊注意
・捏造設定有
・本編4年前/空港火災以後
204554:2008/09/13(土) 21:00:43 ID:FEQgsF0k
>>200
次回からそんなような注意書きを>>1に入れるべきだと思うが、どうだろう?
205554:2008/09/13(土) 21:01:16 ID:FEQgsF0k
トリ外し忘れたwwwwww

あぼーんしたい…
206ダディクール:2008/09/13(土) 21:01:19 ID:1qaVAMQG
ゲンヤ・ナカジマ、46歳。
管理局地上部隊の一部隊長にして、二児の父親である。
今日は休日。一日、家でのんびりと過ごすつもりだった。
だが、ゲンヤは朝から末娘のおねだりに頭を抱えていた。
おねだりの内容は何のことはない。
末娘が敬愛し憧れている空のエースのインタビュー記事が
載っている雑誌を手に入れてきて欲しいというものだった。
雑誌の値段がバカ高いということもない。
至って安価で、どこの書店にも置いてありそうな類の雑誌だ。
ただ……。

「スバル…おめぇ……もういっぺん。その雑誌の名前、言ってみろぃ」
「だーかーら、『メガミパラダイス』だってば」
「オタク系雑誌じゃねぇかよ……」


『メガミパラダイス』
それは専ら美少女の活躍するアニメーションやギャルゲー、
アダルトゲームなどを中心に扱っている雑誌である。
毎号、表紙は美女・美少女キャラクターの顔がデカデカと載っている。
もういい年をした中年男性が手にするにはあまりに恥ずかしい。
もし、知人に知られたら何と言われるやら。
ちなみに内容にアダルトなものも含まれるので、18歳未満は購買禁止だ。
だから、スバルは自ら買うことはできず、こうしてゲンヤに頼み込んでいるわけだが。

何でエース・オブ・エースがそんな雑誌のインタビューなど受けているのか。
新聞や管理局系の広報誌、ミリタリー系のホビー誌、子供向けの学習雑誌などで
彼女が取材を受けさせられていたのは知っていたが、流石にこれはどうなのか。
たいたい、当の本人はエースと言ってもまだ15,6歳だったはずだ。
ゲンヤは管理局広報部の責任者を小一時間問い詰めたい気分に襲われた。

「んでだ、スバル。そのメ、メ……」
「『メガミパラダイス』だよ、お父さん。略して『メガパラ』っていうんだって」
「あー、そうかい。で、その『メガミパラダイス』とやらを5冊も買えって?」
「うん!」
207ダディクール:2008/09/13(土) 21:02:25 ID:1qaVAMQG
なぜそんなに買う必要があるのか。
持ち歩いているだけで恥ずかしいあの雑誌を1冊ならまだしも5冊もまとめ買い。
傍から見れば、その道の人物にしか見えないだろう。

「ねー、お父さん、いいでしょー」
「スバルよぅ……何でそんなにたくさん買う必要があるんだ?」
「切り抜き用と鑑賞用と保存用と神棚用と布教用!」

娘の言っていることが全く理解できない。
こんなことははじめてだ。

「切り抜き用と鑑賞用と保存用と神棚用と布教用に使うから5冊必要なんだよ!」
「お前…」
「お願い、お父さん! あたしにはなのはさんが必要なんだ!」

言っていることの意味がやはりよくわからなかったが、(むしろわかりたくなかった)
娘の必死におねだりする姿に、結局ゲンヤは首を縦に振らざるを得なかった。
やはり娘はかわいい。それに普段、仕事で家を空けがちなだけに、
子供のお願いには色々と甘くなってしまうらしい。



炎天下の中、ゲンヤは近所の書店を目指して歩いていた。
8月の太陽はギラギラと輝き、地上にいるものすべてを
焼き尽くすがごとく照りつけていた。
まだ10時過ぎだというのに、この日差の強さはどうだし。
はやく、買い物を済ませて、家に帰ろうとゲンヤは心持ち早歩きになった。

どうせ本屋に行くなら、とスバルから渡されたメモ用紙を、
ズボンのポケットから取り出して、道すがら眺めてみた。
それは買ってきて欲しい書籍類のリストだった。
208ダディクール:2008/09/13(土) 21:03:13 ID:1qaVAMQG
◎『メガミパラダイス 8月号』               
・『陸士訓練校 闘魂式・裏技解法テクニック』,ガイウス・イノキ著
・『フェレットさんのやさしいまほうし』,ユーノ・スクライア著
・『現職人事の教えるラクラク面接突破法』,レティ・ロウラン著
・『72年受験用:速攻の時事問題』,アンドレアス・シモンズ著
・『漫画で学ぶ管理局法』ジム・グリーン/アン・グリーン共著


「裏技」だの「やさしい」だの「らくらく」だの、そういった文字列が
含まれている参考書を選んでくるあたり、何と言ったらよいものか。
ゲンヤは思わずため息が出た。

「そりゃあ、なぁ。今から超特急で陸士訓練校入学試験の勉強の
追い込みをかけにゃならんのは分かるが、どうもなぁ…ハァ……」

娘の将来に一抹の不安を覚えつつ歩いていると、
目当ての書店がゲンヤの目にはいってくる。
だが、様子がいつもと違う。
出入りする人がやたらと多いのだ。

「今日は盛況だなおい。サイン会でもやってるのか?」

そうひとりごちながら、ゲンヤは書店の中に入っていった。
書店の中は冷房が効いていて、ゲンヤはほっと人心地ついた。
それにしても今日は混んでいる。ガヤガヤと本屋に
似つかわしくない活気がその場を満たしていた。
ゲンヤの目の前をリュックや大きなカバンをもった男性達が、
妙に嬉しそうな表情で次々とレジの前に並んでいく。
ゲンヤは気になって、レジに並んでいる男達のもっている本に
視線を向けた。雑誌のようだった。みな、一人何冊も買い込んでいる。
店内を歩きながら、レジのほうに近づいて、チラリと男達の
持っている雑誌の表紙を見ると、何か水着を着た美少女キャラの
イラストが描かれているようだった。そして表紙の上のほうには――

『メガミパラダイス』

――雑誌のタイトルがポップな字体で踊っていた。
209ダディクール:2008/09/13(土) 21:04:17 ID:1qaVAMQG
ゲンヤは呆然としてその場に立ち尽くした。
入り口から入ってきた青年達が迷惑そうに
ゲンヤの脇をすり抜けて雑誌コーナーに向かっていく。
それにハッと気づいてゲンヤも急いで、そのコーナーに向かっていく。

「や、やべぇなこりゃ。はやく買わねぇと売り切れちまう」

だが、時既に遅し。雑誌コーナーの一角へ辿りついたゲンヤは
一箇所だけ、平積みがきれいになくなっているのに気づいた。
確かめるまでもない。きっと『メガミパラダイス』の積まれていた場所だ。
周辺では、買い損ねたらしい男達が狂ったように雄叫びをあげていた。

「何で開店30分で売り切れとるんじゃ、ゴルァァァァ」

「きぃぃぃぃいいいいいいいいい」

「くそおおおおおおおおおおおお、2冊しか取れなかった!
切り抜き用と鑑賞用と保存用と神棚用と布教用とお守り用と
ぶっかけ用とスリスリ用と転売用に最低20冊は必要なのに!」

「転売屋は死ねやぁああああああうらうらぁぁぁ」

「ひぃ! お、お客様! おやめください!」
「お客様、どうか落ち着いてください!」
「ああ、暴れないでぇ」



その書店を急いで出たゲンヤは、他の書店に足を向けた。
だが、次に行った書店でも既に『メガミパラダイス』はみな売り切れていた。
焦ったゲンヤは、公衆通信機に駆け込み、そこにあったタウンページで
近場にある書店を調べ、手当たり次第にまわったが、どこも同じ状態だった。

「何てこった。これじゃ、スバルに会わせる顔がねぇ」

210ダディクール:2008/09/13(土) 21:05:10 ID:1qaVAMQG
家ではかわいい愛娘が父親の帰りを待っているはずだ。
あんなに楽しみにしていたのに、
期待を裏切っては父親としての面目が保たれない。
ここは何としてでも見つけ出さなければ。

ゲンヤはさらに区外にも手を広げて、探索の旅にでた。
電車を乗り継ぎ、大小さまざまの書店をまわる。
その甲斐あってか、数時間後、ゲンヤはついに
『メガミパラダイス』が残っている書店にたどり着いた。

そこは、とある森の中の一風変わった書店だった。
鬱蒼とした木々が周りを囲む中、
こぢんまりとした木製の建物が建っている。
2階にあがると「ここはとある書店」と書かれた
金のプレートが扉に打ち付けられていた。
変な名前の書店だ、とゲンヤは思った。
1階はレストランらしいが、誰の気配もしなかった。
なぜ森のなかにこのようなレストランや書店があるのか、
という疑問がゲンヤの頭の片隅に浮かぶ。

まあ、いいか。

はやく雑誌を買って、家に帰ろう。
この書店での売れ行きNo.1は『フェレットさんのやさしいまほうし』。
みなそちらを買ってばかりで、『メガミパラダイス』はまだ残っていた。

ゲンヤは『メガミパラダイス』の平積みに手を伸ばした。

「やれやれ、これでやっと家に帰れるぜ。ええと、ひぃ、ふぅ、みぃ……」

ゲンヤが3冊ほど雑誌を手に取ったところで、
誰かが横からゲンヤの腕を荒々しく掴んだ。

「うお? おい、何しやがる?」
211ダディクール:2008/09/13(土) 21:06:01 ID:1qaVAMQG
ゲンヤの手を掴んだ男は、ぽっちゃりした体型の小男だった。
しかしその握力は凄まじく、ゲンヤの右腕をギリリと締め付けてくる。
小男の顔色は悪く、汗にまみれ、鼻息も荒かった。
声は掠れ声になっているが、その瞳はランランと輝いていた。

「キサマ、サテハテンバイヤーカ!?」

ゲンヤが突然のことに面食らっていると、
周囲にいつの間にか似たような感じの男達が寄ってきていた。
息も絶え絶えといった風にやつれているものの、
身を震わせ、口々に怒りの言葉を浴びせかけてくる。

「テンバイデモウケルツモリカ!」
「ヲタノカザカミニモオケン!」
「キサマノヨウナヤツガイルカラ!イルカラ!」

「お、おい!違うって!」

ゲンヤは慌てて否定の声をあげるが、
男達の狂気はとまらない。
どの男も目が血走っていた。
その視線の先はゲンヤの持つ雑誌。
ゲンヤは思わず後ずさった。

「コロシテデモ」
「ウバイトル!」
「ウバイトルァァァ」
「テォアアアア」

「だから違うって! これは娘が! やめろ!」

「タワゴトヲ!」
「コモチノブンザイデ!」
「キシャァァァァァ!」
212ダディクール:2008/09/13(土) 21:06:46 ID:1qaVAMQG
ゲンヤはほうほうのていで書店から出て行った。
もみくちゃにされたおかげで髪はぼさぼさに荒れ、
服はところどころ破かれズタボロだった。
そしてその手には1冊の本も持ってはいなかった。
「何て奴らだ……」
ゲンヤは諦めて、歩き出した。休日に揉め事はごめんだった。

しばらくしてゲンヤは気づいてしまった・・・
ここはとある書店・・・
売れ筋の・・・本は・・・『フェレットさんのやさしいまほうし』・・・

恐怖に身を震わせながらゲンヤは森の中を駆けて行った。



森を出たゲンヤはがっくりと肩を落として、公園のベンチに腰掛けていた。
そこは木陰になっていて、心地の良い風が吹いていた。
陽はすでに傾き、空は茜色に染まっていた。
さてどうしたものかと、目頭をもみながら考えていると、

「ナカジマ三佐?」

自分の名を呼ぶ声が聞こえてゲンヤは顔をあげた。
駆け寄ってくるのは陸士制服を着た年若い少女だ。
ゲンヤにはその少女に見覚えがあった。

「おう。ヤガミじゃねぇか…警邏中か?」
「あ、はい、そうなんですが。今日はやけに脱水症状起こして
倒れる人が多くてかなわんのですわ。ナカジマ三佐、大丈夫ですか?」
「ああ…」
「何や顔色悪いですよ?」

八神はやてを見て、ふと、ゲンヤは思いついたことがあった。
「そういや、ヤガミ……」
だが、言いかけて、言葉が続かない。羞恥心が勝ったのだ。
こんなことを頼んだら、彼女はどう思うだろう。
213ダディクール:2008/09/13(土) 21:07:35 ID:1qaVAMQG
「何です?」
「いや、何でもない」
「あ、さよですか」
「…………」

風が吹き、公園の木々がさわさわと揺れた。
この辺りの気候は乾燥しているので、このような
真夏日でも夕方になれば過ごしやすくなる。

「今日は暑かったな」
「まあ、夏ですからねぇ」
「そうだなァ……」

会話が続かず、気まずい空気が漂う。
ちらりとはやてがゲンヤに訝しげな視線をよこした。
ゲンヤは言葉を捜すようにして口を開いた。

「なぁ、ヤガミよ……」
「何です?」
「お前、そのう……」
「?」
「……何だ、そのう」

「一体、何ですか?」

ゲンヤの煮え切らない態度にじれったくなったのか、
はやてが少々語気を強めて問いかけた。
それで、ゲンヤも覚悟を決めた。
パトロール中の彼女を長く引き止めてしまっては申し訳ない。

「空隊の、いや、教導隊か。タカマチ二等空尉と……あー」
「ああ。なの…いえ、高町教導官とは確かに同郷の幼馴染ですが、何か?」

怪訝な顔で問いかけてくるはやてに、
ゲンヤは頬をかきながら歯切れ悪く言葉を続けた。
214ダディクール:2008/09/13(土) 21:08:21 ID:1qaVAMQG
「じゃあ、だな。彼女が取材を受けた…その…」

その先が言えず、ゲンヤは口ごもって、グルリと目を動かした。
はやては首をかしげて、聞いた。

「先週の『ミッドチルダ・タイムズ』の記事のことですか?」
「いや……それじゃなくてだなァ」
「ほんなら、『デバイスマガジン』臨時増刊号ですか?」
「いや、いや。それはもう家にある」

スバルが蒐集しているから。
『デバイスマガジン』付録の特大ポスターはスバルのベッドルームの天井に
貼られている。こうしておけば、朝、目覚めるために、今にも攻撃してきそうな
大迫力の白い魔導師が嫌でも目に入る。娘の寝起きも良くなろうというものだ。

あごに手をやりながら、しばらく黙考していた
はやてがおもむろにポンと手を打った。

「あっ、『ジ・アグレッサー』のほうですか? 
あれは手に入れにくいですよね……。局内限定販売の小冊子ですし。
ご想像の通り、なの…じゃなくて、高町教導官と私は仲ええですから、
彼女から何冊かもらってますよ。何だったら、お分けしましょうか?」

ゲンヤは首を横に振った。
「それも、もう家にあるんだ」
ギンガに頼んで買ってきてもらったのか、ゲンヤが気づいたときにはすでに、
クリアカバーを付けられた『ジ・アグレッサー』がスバルの机の上に鎮座していた。
娘よ、陸士志望なのに航空関連の知識ばかり増えていくのはいかがなものか。

「んー。他に取材受けてたメディアあったかなぁ。
それにしても、最年少での教導隊入りだったとはいえ、
陸上のナカジマ三佐までなのはちゃんに注目していたとは……」

このままでは埒があかないと、ゲンヤは咳払いをした。
わずかにためらってから、ゲンヤは切り出した。

「あー、そのな…メ、メガミ、パラダィ…ス…という雑誌なんだが…」
215ダディクール:2008/09/13(土) 21:09:26 ID:1qaVAMQG
数拍の間をおいて、ポカンと開いたはやての口から間の抜けた声が漏れた。

「え……?」

紺色の瞳を困惑が埋め尽くしていた。
何と言うべきか計りかねているのだろう。
はやては微妙な表情で黙ってゲンヤを見た。
はやての視線がゲンヤには痛かった。

「…………」

その場にぎこちない沈黙が訪れる。
ゲンヤはそれを振り切るようにして、一つ息を吐き、
ままよとばかり改めてはやてに向き直って言った。

「『メガミパラダイス』が欲しいんだ、ヤガミ。出来れば5冊ほど――」



その後、八神はやては妙なボタンのたくさんついた小型デバイスで
誰かと通信したあと、「ここで10分ほど待っていてください」と言い残し、
ゲンヤを置いてどこかへ去っていった。

そして、10分後、一体どうやったのか彼女の腕の中には、
ゲンヤが捜し求めていた雑誌がきっちり5冊あった。
斜陽を背にした八神はやての笑みに、何か子悪魔めいたものが
まじっていたような気がするが、気にしない。断じて気にするものか。
今度、ゲンヤがクラナガンの高級料亭で八神家全員に食事をおごる
かわりに、今回のことは口外しない約束をしてくれた八神はやては、
これで契約成立ですね、と含み笑いを残して去っていった。
どうやら口止め料は高くつきそうだ。
だがあらぬ噂を流されるよりははるかにましというもの。

兎にも角にも、これで目的のブツは手に入れた。
やっと大手を振って、娘のもとへと帰れる。
ゲンヤが自宅につく頃にはもうすっかり辺りは暗くなっていた。
216ダディクール:2008/09/13(土) 21:10:22 ID:1qaVAMQG
「わああ、お父さん、ありがとう!」
「おうよ」
「あれ、1冊だけ、写真のところにサインがある!」
「まさか……」
「わーい、なのはさんの直筆サインだ! お父さん凄い!」
「ハハ……どうってことねぇよ……」
「これラミネート加工してお守りにする!」
「ああ、そうかい……よかったな」

愛娘が目を輝かせて喜ぶ姿を見て、複雑な気持ちがしたが、
ゲンヤはやっとホッと一息つくことができたのだった。



そんな騒動も忘れかけていた1ヵ月後のとある休日。
ゲンヤは自室で趣味の詰め将棋に没頭していた。
すると、ドアが開いて、ギンガがお茶を持ってやってきた。
「父さん、お茶どうですか」
「おう、すまねぇな。いただくよ」
ゲンヤは、将棋盤から離れ、ギンガの煎れてくれた緑茶をすすった。

「あの…父さん……」

目をあげると、盆を胸に抱いたままギンガがもじもじとしている。
ゲンヤはその様子にピンときた。何かおねだりをしにきたに違いない。
ゲンヤは言いづらそうにもじもじしているギンガを見て、内心嬉しく思った。
ギンガがこうして頼みごとに来るのは珍しい。
母親がなくなって以来、迷惑をかけまいと我が侭も言わなくなった。
しっかりしているとはいえ、ギンガもまだ13歳なのだ。
すこしは子供らしく父親に甘えて欲しい。

「どうした、ギンガ?何か欲しいもんでもあるのか?」
なるべく優しげな口調でゲンヤは尋ねた。
すると、ギンガは意を決したのか、口を開いた。「あのね……」


「『メガミパラダイス』買ってきてほしいの」

「…!?」

ゲンヤの手から、湯のみがゴトリと零れ落ちた。
嫌な汗が背中を流れる。

「えっと、今月号にね……フェ、フェイトさんのブロマイドが――」


END
217名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:11:03 ID:1qaVAMQG
ノシ
218名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:13:33 ID:yaXYtBCp
はやて経由で会う事が可能だとばれたらどうなるんだろうなぁ
219名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:30:25 ID:od4b4iUL
>>217
GJ!
ゲンヤさんかわいいよゲンヤさん

>>204
さすがに>>1に入れるほどの事柄では無い
220名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:32:52 ID:w8DauGUp
GJ!
やっぱり長編も面白いけどこう言うのもいいなぁ……。
そういえばなのはさんってサインとか練習したのだろか
221名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:38:04 ID:sAMzBRAR
このスレ、まだ続いてたんだ!!
ゲンヤ×ギンガのSS投稿してた去年の今頃が懐かしい…。(^^;
222名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:50:48 ID:Ffqg4yLh
普通に書類とかに書くのとおんなじ要領で丁寧な字を書くだけとか?
でもミッド語だったら英語の筆記体とそう変わらないんだろうか。だったらさらさらっと書けばそれっぽく見えるかも。
223名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 22:00:10 ID:sR59hqQE
血文字で
「頭……冷やそうか」
224名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 22:24:38 ID:gdvQPwpB
スバルさんあんたどこの読○・Rですか? 
これははずィ! はずいぞゲンヤさん!
225名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 23:14:01 ID:bM4Jjkam
>>139
GJ!!
実際この後エリオがルーテシアさえそばにいてくれれば幸せだ状態になってしまうのも仕方がないな
もともと命かけて守りきったけど、結局はなればなれになって、その分の思いが蓄積されて、しかもその女の子は最後に別れた時と変わらず、非常に綺麗なままだった…
これで自分の姫に夢中にならない騎士がいるわけがない!姫ももちろん同様の気持ちだろうな。
その事がすごくよく現われていて、感動
改めてGJ!
226野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:21:42 ID:HrDNT55x
 唐突にこんなものが書きたくなった。
 オフの同人原稿の反動だな。うん。

 レス数7ですよ。
 非エロだけど、下ネタですよ。
 タイトルは「ヒゲ騒動」
 あぼんはコテか鳥で
227野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:22:33 ID:HrDNT55x
       1

 更正施設に入って一ヶ月。
 一部の者の心配を余所に、ナンバーズはおとなしく更正プログラムを受け続けていた。
 もともと、破壊が大好きというわけではない。戦いが好きな者はいるが、一方的な殺戮が好きというわけではないのだ。
 試合や擬闘の形式で満足できるのなら、それ以上を求める意味などない。

 退屈はしていた。座学にはなじめない者もいる。

「なんかこう、スカッとすることないかなぁ」
「模擬戦でもやるか、ノーヴェ」
「チンク姉と? いいの?」
「ああ。しかし、ISが封じられたとしても、体術でまだお前に負けるつもりはないぞ」

 ぼっこぼこに負けて、それでもニヤニヤ笑っているノーヴェという珍しいものを、一同は見ることができた。
 ノーヴェとチンクだけではない、ウェンディやセインも時には参加している。
 オットーとディードは、互いに一緒にいるだけで静かに満足しているようだった。
 ディエチは、ギンガに頼んで厨房に入っている。料理が性に合っているのだろう。
 そういえば、ナンバーズとして過ごしていたときもディエチが厨房に入っていることが多かったことを、チンクは思い出していた。

 元ナンバーズは少しずつではあるが、立派に更正施設の生活に順応していた。
 だが、一人問題があった。
 ルーテシアである。

 ルーテシアの様子に最初に気づいたのは、チンクだった。
 一言で言うと落ち着きがない。何かそわそわしていることが多い。何かを探してきょろきょろしていることもある。

 少し考えて、チンクはある出来事を思い出した。
 そう。ドクターとルーテシアのやりとりである。
 ある日、ドクターのラボにルーテシアが一人で入っていくのを見かけたチンクは、何事かと思い、様子を見に行った。
 
「ドクター、お願い」
「おや、ルーテシア。また、おねだりかい? いけない子だな」
「もう……我慢できない」
「ふむ。ルーテシアのお願いを聞いてあげたいのは山々だが、私ではいかんせん不足ではないかな? 騎士ゼストの方が適任だと思うがね。
君が私とそうしていると、騎士ゼストが怖い目で私を見るからねぇ」
「ゼストは……堅すぎるから、痛いの」
「おやおや。私だとちょうどいい、というわけか。君にそうやって選んでもらえるとは、光栄だね。良かろう、君の好きなようにしたまえ。この体勢がいいのかな?」
「うん……」
228野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:23:06 ID:HrDNT55x
      2

「というわけで、ルーテシアお嬢様は欲求不満なのではないかと思うのだ」

 話を聞いたギンガは唖然としていた。ウェンディとセインはうなずき、ノーヴェとディエチは頬を赤らめている。
 オットーとディードは話を聞いてるのかどうかわからない。

「欲求不満って、ルーテシアちゃんはまだ……」
「年齢はこの際関係ないと思うが。本人の嗜好の問題だろう。お嬢様は父性に飢えていた。そのような形で解消しても不思議ではあるまい」
「解消って……でも、さすがにまだ早すぎると思うけれど」
「まだ?」

 チンクは首を傾げた。姉妹を見ると、ウェンディとセインも首を傾げている。ノーヴェとディエチはうなずいていた。
 オットーとディードはいつものように二人の世界に突入している。

「ヒゲを触ることに早いも遅いもないと思うのだが」
「ヒゲ!?」
「ああ、お嬢様は、ドクターや騎士ゼストの伸びかけたヒゲを触るのが好きだった」

 こう、じょりじょりと、とジェスチャーで表すチンク。
 ウェンディとセインはやっぱりうなずいている。

「生えかけのヒゲ触るのって気持ちいいッスよね。ジョリジョリって」
「うんうん。でも、ドクターのを触ろうとすると、ウー姉やメガ姉が怖い目でにらんでくるんだよ」
「あー、あれは怖かったスねえ……。でも、ルーお嬢様はさすがに黙認されてたっスから」

 ノーヴェとディエチは互いに言い合っていた。

「そ、そうだよな、ヒゲの話だよな、ディエチ、お前何か勘違いしてただろ、顔が赤いぞ」
「ノーヴェ、人のせいにして誤魔化すなんて最低だよ」
「あたしが何を誤魔化したって言うんだよっ!」
「そ、そんなこと言えるわけないでしょ!」

 オットーとディードは(以下略)

「……。えっと、つまり、ヒゲを触らせてあげればいいのかしら」
「端的に言えば、そういうことになるな」
「まあ、それくらいなら何とかなるかしら」
「世話をかける」
229野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:23:41 ID:HrDNT55x
       3

 カルタスという名の男がいる。ギンガに協力してナンバーズ更正に尽力している陸士である。
 周囲からは「女の園に出張だと!? 上手くやりやがって、いじめてやる!」と嫌がらせを受ける毎日である。
 しかし、カルタスはめげなかった。正直、彼にとってそこが女の園であろうが男の園であろうが貴方の知らない世界であろうが、どうでもよかった。
 そこにギンガさえいればいいのだ。
 だからカルタスは頑張った。
 どれほど仕事でつらい目にあっても、嫌がらせを受けても、更正施設を訪れるときは笑顔だった。
 服装は端正に。髪には櫛を入れ、香水を振りかけ、歯を磨き、爪を切り、下着を替えて斎戒沐浴して体調を整えた。
 もちろん、無精ヒゲなどもってのほか。ヒゲ剃りどころか発毛抑制ローションを欠かさない。
 そして今日も更正施設へ。

「役立たず」

 ウェンディの第一声に、いきなりカルタスは崩れかけた。いや、しかし、ここでめげてはいけない。

「うわ、ヒゲないのかよ」
「意味ないわね」
「何しに来たの?」
「ヒゲなしは用なしだね」

 ノーヴェ、ディード、オットー、セインの四連撃、そしてとどめにディエチの大きなため息と、チンクの冷たい視線。
 それでもカルタスは耐えた。
 元ナンバーズの罵詈雑言がどうしたというのか。それくらい耐えられずして、あのJS事件を乗り越えたと言えようか。
 ちょっと気持ちよくなってきたのはいいとして、とにかくカルタスは耐えた。
 そしてガルタスはギンガの姿を見た。

「あ、ナカジマさん」
「どうしてヒゲがないの? 困ったわね」

 カルタスは泣いた。

 泣きながら走り去った名も知らぬ役立たずな男のことは瞬時に忘れることにして、一同は会議を開いた。
 ルーテシアの落ち込みようはもはや無視できるレベルではなくなっていたのだ。
 だからといって、「ヒゲをジョリジョリするために男性隊員を派遣してください」と言えるわけもない。
 たとえば、「おっぱいを揉みたいから女性隊員を派遣してください」などと頼めるだろうか? それはただのセクハラである。
次元世界広しといえどもそんな注文を通すのは機動六課すなわち八神はやてしかいない。そしてさしもの八神はやてもヒゲはどうしようもないだろう。
230野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:24:13 ID:HrDNT55x
      4

 ヒゲはない。
 ないならばどうする。
 ヒゲの替わりになるものを作るしかあるまい。
 皆で考えているとウェンディが、いいアイデアがあると言い出して、

「オットー、頼みがあるッスよ」
「なに? ウェンディ」
「ボーズ頭にするッス」

 ディードの拳で宙に舞うウェンディ。

「だ、だって、ヒゲの替わりにボーズ頭ならジョリジョリできるじゃないッスか!」

 ディードの乱打に翻弄されながらウェンディは叫んでいた。
 合掌するセイン。けらけら笑っているノーヴェ。

「た、助けてぇ!!」
「無理。オットーがらみのディードを止めることができるのはトーレ姉かウー姉くらいだから」
「反省のため、ボーズ頭にしてみようか」
「ぇえええええっ! 嫌ッス! ボーズ頭はボーイッシュなオットーだからこそ……」

 なんとかディードをなだめ、会議再開。

「つまり、ヒゲの替わりになるものならばいいと」
「髪の毛は駄目です。みんな嫌がりますから」
「毛が生えているのは、頭だけじゃないよな……」

 微妙な沈黙。

「えーと、脇?」
「違うような気がする。ていうか、ジョリジョリしないような気がする」
「…………」
「ここは言い出しっぺのノーヴェが」
「ええっ!」
「そうだな。それがスジだ」
「いや、無理、無理っ!」
231野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:24:46 ID:HrDNT55x
      5

「……じょりじょりというより……もっさもさ……なんだ……」
「ふーん。もっさもさなんだ」
「もっさもっさっスか」

 orz状態で床に伏せてしまうノーヴェ。

「お、お前らはどうなんだよっ!」
「もっさもさっス」
「セインさんももさもさだよ」
「なんでそんな嬉しそうなんだ、お前らは」
「隠しても仕方にないッスよ。ディエチは?」

 突然振られて、真っ赤になって俯くディエチ。

「あ、あたしは……あの……」
「髪の毛みたいに括ってるとか」
「そんなに長くないっ!」
 
 言ってしまってから、さらに真っ赤になってしゃがみ込んでしまう。

「もう嫌、こんな姉妹……」

 オットーとディードには、さっきのウェンディの悲劇を再現したくないので誰も何も言わない。

「まあ、この外見年齢に合わせてるんだと、仕方ないッスね」
「あ、それじゃあチンク姉は?」
「わ、私に振るな」
「でも、最初にルーテシアお嬢様のことを心配したのはチンク姉ッスよ。チンク姉にできることならしてあげるのがスジっす」

 自分の言葉に首を傾げるウェンディ。

「あ、チンク姉の場合、文字通りスジ……」
「どバカーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 ノーヴェの拳で再び宙に舞うウェンディ。
 それを横目で見ながらセイン。

「で、どうなの? チンク姉。ルーお嬢様のためになるなら……」
「まだだ」
「え?」
「姉はまだなんだ。これ以上言わせるな」 
232野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:25:27 ID:HrDNT55x
        6

 チンクは問題外。
 残る六人はもっさもさ。(オットーに直接聞くことはできなかったが、ディード証言により補完)
 ジョリジョリは不可能である。

「剃るッス」

 ウェンディはそう言いたかったが、もう宙に舞うのは嫌だった。次に舞ったら確実に死ぬと思う。
 それに、自分が剃れと言われるのはもっと嫌だ。

「我々は……無力だな」
「ヒゲがないのは、しょうがないよ。みんな、女の子だもの」
「ありがとう、ディエチ。それでも、私は自分が無力だと思う。お嬢様に何もできないのだからな」
「もう少ししたら、チンク姉にも生えてくるよ」
「ありがとう……って、ちょっと待て。生えてくるのか」
「うん。きっといずれはもっさもさに」
「もっさもさに……なるのか」
「なるよ」
「もっさもさか」
「もっさもさだよ」
「もっさもさ」
「もっさもさ……あ」
「どうした、ディエチ」
「思い出した。ギンガがいるよ。ルーテシアのためだからきっと協力してくれるよ」
「待て。ギンガも年相応に考えればもっさもさだと思うが」
「うん。それはそうなんだけど」

 ディエチは見たのだ。
 拿捕され、運ばれてきたギンガの魔改造を。

「邪魔だから剃っていたの」
「戦闘機人の改造は盲腸手術か……」
「ちなみに剃ったのはクアットロだよ。あたしに愚痴ってたから」
「なんでまた、クアットロが……」
「ドクターがやろうとしたらウーノ姉が泣いて止めてた」
「そうか、あのときに剃られていたとすれば……」
「今頃はちょうどいいくらいにジョリジョリだよ」
「ルーテシアお嬢様のためならば、ギンガも協力してくれるかもしれないな」
233野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:25:58 ID:HrDNT55x
       7

「と言うわけでギンガ…」
「誰がするかーーーーーーーーーーーーーーー!!!」




 ゲンヤが訪れたとき、更正施設に立っているのはルーテシアとギンガだけだった。
 元ナンバーズ一同はそこらに倒れている。

「……なんかあったのか、ギンガ」
「……なんでもないよ、お父さん」
「おヒゲ…」
「ん? どーしたい、お嬢ちゃん」
「…じょりじょりする」
「ん、ああ、剃ってくる暇がなくてな。悪かったかい?」
「ううん」
 
 ルーテシアはにこにことゲンヤのあごをさすっている。

「じょりじょりが、好き……」
「そーかい。こんなんで良かったら好きなだけじょりじょりしてくんな」

 にこにこと微笑むルーテシアと、スバルとギンガの幼い頃を思い出して微笑ましく思うゲンヤ。
 そんな二人を見ながらギンガもまた、にこにこと微笑んでいた。
234野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/14(日) 00:26:49 ID:HrDNT55x
以上、お粗末様でした。
235名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:34:50 ID:arUvEtBn
GJ!
なんつう微笑ましいwww 思わず髭剃りを止めたくなるようなSSだ。
236名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:42:37 ID:ybBs69Th
>>234
GJ!カルタス…斎戒沐浴までしたのに報われないw
237名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:44:03 ID:JcrAUp8Q
うわああああぁぁぁん!カルタスウウウウゥゥゥゥゥゥウ!
238名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:47:24 ID:p8MRXZXp
そいや、ゲンヤは乳飲み子だったころのルーテシアに会ったことあるのかね
239名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:51:34 ID:IpZJcKxU
カルタース!
何かここ最近、ますますそんなポジションになっているが、俺達がついているぞぉ!

>>234
それにしてもこのルーは反則的な可愛らしさだ。よもや、たった三言で我を撃沈させるとは。
GJ!
240名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:55:25 ID:uEQHEa0O
グッジョブ!

俺のおヒゲ今ならいい感じかもwww
241名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:08:47 ID:/GHvS8Oa
ちょいと質問
猫先生姉妹が本編でデバイス使用してなかった理由って明言されている?
242名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:17:18 ID:vFud/dOR
使い魔だからでね?
243名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:23:18 ID:8Kk324vj
ああ、そういやデバイス使ってないの使い魔ばっかだな
ガリューやボルテール、フリード白天王などの召喚獣は当然としてアルフにユーノにザフィーラぬこ姉妹だっけか?
244名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:24:30 ID:IpZJcKxU
>>241
特に何も言われてなかったはず。
ただ、デュランダル使う気満々だったことを考えると、使えない訳ではないと思う。
カード使っていた理由は、下手なデバイス使うよりも発動が早いからとかじゃないかなぁ。推測だが。
245名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:27:42 ID:p8MRXZXp
リーゼは勇者王のときにカード使ってなかった?
ってデバイスじゃないか
246名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:36:57 ID:/GHvS8Oa
>>243
一匹使い魔じゃないのが混ざってる件

デュランダル使おうとしてたし、猫先生もデバイス使えそうですね、と言う事で意見ありがとう
247名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 03:01:29 ID:IpZJcKxU
そういや、ユーノだけ本編で誰かを傷つけるような魔法使ってないんだよな。
シャマルですら雷降らせたりリンカーコア奪ったりと意図していないとはいえ攻撃しているのに。

クロノ「ユーノ、なのはのことは・・・・・・・」
ユーノ「ヴィータを責める訳じゃないけど、僕が側にいてあげることができたら、ひょっとしたらなのはを守れたかもしれない。僕が、僕が引き籠っていたばっかりに・・・・・・・」
クロノ「人間は何かを破壊して生きていると言ってもいい生物だ。その中で君の魔法はこの世のどんなことよりも優しい。だが・・・過ぎ去った時間はもう戻らない。どんな魔法だろうと戻せない」

だからなのか、こんな場面を想像してしまった。
248名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 03:18:26 ID:ibTBAoIz
使わないのか使えないのか
使わないにしても他の手段(防衛→転移のが早いとか)があるのか
使えないにしても理由があるのか修練の怠慢なのか

全て築地の頭の中だしな
249名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 03:30:52 ID:JHp4E/ii
>築地
( ゚д゚)

市場?
250名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 04:54:20 ID:Fd5zM+UM
>>243
実はリンディさんも使っていなかったりする
251名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 07:13:34 ID:Qg3pygWK
>>234
GJ!ナンバーズ、ワロスw
そしてカルタス…お前は今、泣いていい…

>>243
無印一話で使ってなかったっけ?
まあ普通に考えたら、一応使えるだろうけど威力的には平凡レベルで
なのは達がいる以上、得意な防御や補助に魔力を使った方が得策ってことじゃない?
252名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 09:33:38 ID:JNNHmSiV
あれ、ユーノって攻撃系の術式は苦手(適正がない?)って設定じゃなかった?
一期で本人が攻撃魔法は使えないみたいなこと言ってたと思う。

レイジングハートの起動も、相性がよくないのか、できなかったし。
補助・結界系の魔導師だからそもそもデバイスいらないらしい。
253名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 12:38:49 ID:JcrAUp8Q
10秒で終るリリカルなのは
プレシア「どうやら新型次元航行エネルギー駆動炉の実験は成功のようね」

??「夜天の書を魔改造しようと思ったけどやめとこ」

三脳「なんかやばそうだからアンリミテッドデザイアは作るのやめよ」
254名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 12:41:37 ID:HrDNT55x
>>253

・フェイト産まれず

・リインツヴァイ産まれず

・ナンバーズ産まれず

なんか絶望する…………orz
255名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 12:45:31 ID:y+z487IM
>>253
エリオとキャロは…orz
256名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 12:51:46 ID:zXWiFFXr
>>253
まあ平和なのはいいことなんだがな
257名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:43:24 ID:g8KiP+ns
プレシア、アリシア、リニス、クライド、クイント、メガーヌ、ゼスト生存ルートか
話がハッテンしないな
258名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:50:40 ID:Ajq8wLIC
>>254
でも事件がないので、なのはさんが管理局にスカウトされない(魔王は生まれない)
つまり、ティアナは助かるぞ
259名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 13:54:48 ID:yCkwlAI8
>>258
馬鹿ですか?
260名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 14:00:36 ID:FQ2wGWPa
プレシアの実子として産まれるフェイト、 アリシア存命。
拾ったアルフはそのまま使い魔に。
管理局に勤務するプレシアを見て姉妹揃って局入り。
そこで両親存命のクロノと結婚、エリオとキャロの2人を出産する。

うん、すごく平凡だな。
261名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 14:02:43 ID:jwFSolpV
平凡ながらかなり幸せじゃないかw
ただ、スバルとギンガは生まれるだろうけど、空港火災でどっちかは死ぬかも。

262名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 14:09:02 ID:Iq25drB1
>>260
アリシアとリンディが大体同年代ということを忘れているのでは?
あとプレシア別に局員じゃないし。
263名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 14:15:40 ID:HrDNT55x
>>261
いや。
そう言えばスバギンは、ドクターの研究結果流用だから、産まれないんじゃないだろうか。

せめてナカジマ家の実子として産まれてくれ。ノーヴェも。
264名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 14:31:26 ID:CDTUPzd4
>>262
>アリシアとリンディが大体同年代
小説版の設定は別物と考えて
アニメ1期11話で事故発生が26年前と明言
1期SS02より、プレシアの1期時点での年齢40歳
一体何歳でアリシア生んだのよプレシアママン
下手すると一期のなのはさんよりも下(ry
265名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 14:41:53 ID:jwFSolpV
>>263
スカ博士の技術を使ってはいるけど、プロトタイプでスカが基本にしたモノであるから、
少なくともスバルとギンガを作り出した人たちは研究を続けてる可能性がありそうだ。
ただ、完成してもスカの技術なしでの製造なので、整備とかが、さらに手間が掛かったり、長く生きれなかったりしそう。
作り手が、機械の方に人間を合わせるって方法を思いつくか否かになるけど。
266名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 15:11:20 ID:IpZJcKxU
仮にフェイトが生まれてこなかったら、エリオは実験動物扱いで監禁、キャロは追放されて殲滅兵器扱いか。
何か複雑だな。
リリカルふぇいとならぬリリカルるーてしあstrikersって作れそうだ。あのノリはあの人にしか出せぬが。
267名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 15:14:25 ID:Iq25drB1
>>266
エリオも存在しない気がするが。
268名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 15:19:52 ID:CDTUPzd4
フェイトさんいない場合プロジェクトFが開発されてないからエリオもヴィヴィオもいないんじゃないか
キャロはリンディさん辺りに保護されそうだが
269名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 15:40:10 ID:IpZJcKxU
ああ、プレシアはF計画完成させないし、その基礎を考えたスカもいないんだっけ。

何かとらハ時空のstsってそんな感じなんじゃないだろうか?
270名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 15:44:21 ID:L49yRQ2r
アリシアとリンディが同年代設定とるなら
フェイトはアリシアの娘って設定でもいいかもしれない
魔力は無いものの技術者としては優秀で提督クラスまで上り詰めた傑物の娘で
偉大な大魔導師の孫って感じで
クロノとは幼馴染とか
271名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 16:03:15 ID:w52GzOsG
>>270>>253で無理やりリリカルなのははじまりますしてみる

・JSが本当に事故で海鳴に撒き散らされる
・ユーノとなのはが本編通り回収を始める
・途中からフェイトとクロノが任務で参加、なのはと共同で回収
・一方はやては改変を受けてない守護騎士達と平穏に暮らす
・JSがはやてにとり憑き、はやての「ずっと平穏に暮らしたい」という願いを叶えようとする
・はやての平穏を害する可能性がある要素=異分子である魔導師、吸血鬼、獣人などの排除を始める
・はやての才能もあり、超TUEEE!
・最終決戦へ
272名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 16:10:21 ID:IpZJcKxU
>平穏を害する可能性がある要素=異分子である魔導師、吸血鬼、獣人などの排除を始める

一瞬、世界結界という言葉が思い浮かんだ俺はTRPG厨。
273名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 16:25:09 ID:pwAmVuvT
>>271
闇の書の改変がないと転生機能は旅する機能のままで、旅する機能は各地の優秀な
魔導師の技術収集が目的だからはやてのところに闇の書は来ないんではなかろうかと思う。
俺も>>270>>253で無理やりリリカルなのははじまりますしてみる

・JSが本当に事故で海鳴に撒き散らされる
・ユーノとなのはが本編通り回収を始める
・途中からフェイトとクロノが任務で参加、なのはと共同で回収
・JSの回収が終わればフェイト達と離れ離れになってしまう事に寂しさを感じるなのは
・JSがなのはにとり憑き、なのはの「ずっと皆と一緒にいたい」という願いを叶えようとする
・なのはの才能もあり、超TUEEE!
・最終決戦へ

あれ、何かおかしいな……
274名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 16:38:49 ID:VlGsdqkn
なのはvsフェイトが起きなければ、次元震が起きてないから、アースラは参加しないと思うんだ。
だから
・JSが本当に事故で海鳴に撒き散らされる
・ユーノとなのはが本編通り回収を始める
・無事回収完了。なのはとユーノ、寂しさを感じながらも別れる。

あれ、きれいにまとまっちゃったw
275名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 16:56:46 ID:2T7V0S/V
JSとか略すからジェイル・スカリエッティが海鳴にばらまかれた姿を想像してしまった。
そこからさらにバラバラになったJSを巡って悪魔超人と戦うなのはが思い浮かんだんだが
疲れてるのかな…。
276名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 17:00:57 ID:jwFSolpV
スカ博士はどんだけなのはたちに慕われてるんだw
彼がいないと……とか思われるポジだから、重傷の仲間を救ったとか、
誰かが悲しんでいる時救ってあげたとか、発明で得た金使い身寄りのない子供を育てているとか、
体の一部を失ったり、病気で失った器官の代価が出来る高性能な機械式の内臓や義手義足を作ったとかか?w
277名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 17:28:24 ID:HrDNT55x
>>発明で得た金使い身寄りのない子供を育てている

よっしゃ、ナンバーズ復活!?
278名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 18:14:58 ID:4IW7dAKN
>>277
踏み込んできた武装局員を天井から降ってきた金色の影が一掃し、スカリエッティの傍らへと佇む!
「紹介しよう。彼女こそが我が娘…ナンバーズを超えるナンバーズ、ナンバーゼロのフェイトTハラオウンだ」

こうですか?わかります
279名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 18:19:57 ID:FQ2wGWPa
平穏なのはだと…
プレシアと同僚のスカ博士、 ウーノは奥さん。
児童福祉施設も併せて経営。
数の子はクアットロまでウーノの実の姉妹。
チンクから下は病気や事故などが原因で家族から見捨てられた、
または身よりのなくなった子供たち。
元々体の弱かったウーノ姉妹共々機人手術を受けて社会復帰する。
280名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 18:49:19 ID:iEHc+M2r
>>274
・数年後、成長したなのはの前にユーノが……(以後エロ展開
こうですね。わかります。

エリオとキャロの場合を考えてみた。

・キャロ、優れた素質を認められ、奨学制度で高等な魔法教育を受けれる学院に留学
・エリオ、大財閥のおぼっちゃま
・アルバイトしながら寮生活を送るキャロ
・ある日、階段を踏み外して転びそうになったキャロを受け止めてくれた(下敷きになった)のがエリオ・揉んでやる
・上等な抹茶に砂糖とミルクをぶちまけるがごときボーイ・ミーツ・ガールッッッ!!!
・そんな二人に割り込むようにして登場するモンディアル家次期家長許婚ルーテシア・アルビーノ
・いわば、王道を超えた、超・王道!
・一人の雄を巡り繰り二人の雌豹によってくりひろげられる召喚バトルッッ!!
・君は生き残ることが出来るか?

『召喚少女りりかるキャロ』
281名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 19:00:25 ID:R+HewRvP
誰かアギトに救いの手を・・・
282名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 20:08:22 ID:LRw5TW7P
>>280
すごく王道な展開な故にエリオ生存ルートが一つとして存在しないwww
283名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 20:12:28 ID:y5ZSAFX4
とりあえず、何話か後にフェイトさんのいない世界と言う説得で鬱SSが展開される予定の自分には、今の雑談にビクビクっす……orz
と、後で言い訳出来る様にコメントしてみる。
284名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 20:12:46 ID:dM4HH9GZ
>>280
Nice boat
285名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 20:17:43 ID:P/O88ax2
>>280
そのエリキャロルー本気で見てみたい…
誰か書いて欲しいです…俺には残念ながら無理だ

この場合エリオが騎士でも魔道師でもない、ただのおぼっちゃんって所がみそだな
それに比べてキャロは元々竜召喚の基礎は民族時代に覚えてるし、ルーは親がもろ一流魔道師
比べてエリオは優しさだけが取り柄…
こういう設定たまにはすごくいいと思うんだ
286名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 20:29:53 ID:arUvEtBn
そろそろ投下来ないだろうか?

個人的にはシロクジラ氏のトーレ姉SSが見たいんだが。
287名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 20:43:04 ID:E5xQ+lYA
>>281
アギト不幸スタートですが、

・アギト、違法研究所から救出された恩返しの為に管理局入り。
・割と私生活に無頓着なゼストの為に、料理を作ってやったりする。
・ゼスト、ロリコン疑惑が発生。
・疑惑の人物に対して、烈火の将が主に近づくなと警告。
・「旦那を馬鹿にするんじゃねぇ」と、がんばって誤解を解く。
・シグナムが自らの非を認めると、アギト内ランキング上昇。
・アギト、バトルマニアの魔力光が自分と同じ事を知って運命を感じる。
・しかし、リインフォースの存在を知ってショックを受ける。
・何かの事件で、アギトがおっぱい魔神とユニゾン。
・「お前との融合は不思議と心が温かい」なんて、天然ジゴロが曰う。
・デレ期突入。
・ゼスト、そもそもそんな関係じゃなかったのにNTR疑惑発生。

こんな感じではないでしょうか?
288名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 20:43:25 ID:y+z487IM
>>253からの流れを見て思ったが、IFものってどんなのがある?
リリふぇみたいな感じので
289名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 20:57:08 ID:jGvrvsQg
>>288
リリふぇレベルまで改定したのとなるとぱっとは思いつかんな。
ターンA氏の、エリオがスカ一味に入ってるやつぐらいか。

IFものって定義だけでくくるなら、クロノがエイミィさん以外と付き合ったってのが多いかな。
290名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:15:39 ID:roh8NTvw
ネガフェとか?あの人の続きを待っている俺がいる
291名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:53:55 ID:IpZJcKxU
>>280
どこのギャルゲーだ、それw
きっと、一話に一回以上のペースでパンチラとかシャワーシーンとか、1クールに1回水着回や温泉回がありそうだ。
見てみてぇ。
292名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 22:12:54 ID:2yiIgZnY
>>280をみてマブラヴを思い出してエリオがIF世界から原作STSにとばされてなのは
ぱっくんちょされるのを幻視した。
293名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 22:19:10 ID:T/65q88V
アリサがなのはの立場食ったのがなかったっけ?
294名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 22:30:10 ID:ksFROdk0
リリカルバイオレンスか?
でもあれはもうIFじゃなくオリジナルになってる気が。
295 ◆6BmcNJgox2 :2008/09/14(日) 22:31:19 ID:x8Ndqqvi
超久し振りですみませんが…投下行きます

・『二つの未来』の続き
・『世界の平和を取ってスカの嫁兼監視役になった未来』『自分の幸せを取ってユーノと結婚した未来』
の二つのIFの内、前者は完結したので、今は後者のストーリーです
・エロありです(801含む)
・鬱ギャグ注意(渡辺道明先生の漫画みたいなあんなノリみたいな物と考えれば多分
分かりやすいと思います。鬱とギャグが入り乱れるあのノリに耐えられない方はスルー推奨)
・オリキャラ登場
・病み要素注意
296二つの未来 44 ◆6BmcNJgox2 :2008/09/14(日) 22:32:23 ID:x8Ndqqvi
「嘘でしょ…ナーノまで…。」

帰ってきたジェイル=スカリエッティの送り込んだ怪人によって…ナーノまでもが
意識不明の重体(別の意味で)にされてしまい…なのはは愕然とするしか無かった。

クアットロとヴィヴィオに運ばれて来たナーノを診察した医師から、なのはは
ナーノの容態について知らされる事となる。

「身体的には何ら外傷の類はありません。問題なのは精神面です。」
「精神面…?」
「そうです。あえて例えるなら…死んだ方がマシ…とでも思える様な凄く恥かしい体験を
してしまったとか…そういう心の傷のせいで彼自身の心が目覚める事を拒んでいるのです。」
「そんな…先生! ナーノは…ナーノは目を覚ますんですか!?」
「申し訳ありません…身体的な外傷ならば何とかできますが…心の傷までは…。
もはや…ナーノ君自身が自分の力で立ち直る事を祈る他はありません…。」
「………………。」

医師から申し訳無さそうに頭を下げられ…なのはは何も言う事が出来なかった。

そして、病室で未だ目を覚まさぬユーノの隣のベッドで寝かされたナーノを
なのははイスに座った状態でただただ見つめていた。

「ティアナ達やユーノ君に続いて…ナーノまで…どうして…こんな…。」

なのはは涙するしか無かった。自分の周囲の大切な人が次々と意識不明の重体に
されていく現実に…とても耐えられる物では無かったから…。

「ナーノ…一体どんな…どんな恥かしい目に遭ったと言うの…?」

なのはは未だ意識を取り戻さぬナーノに優しく語り掛けるが…なのはは知らなかった。
ナーノが意識不明の重体(別の意味で)されてしまった理由…。帰ってきたジェイル=スカリエッティの
送り込んだ改造人間『ガチホモ怪人・あべオトコ』の巨根によって穢れ無き尻菊を深々と掘り込まれ…
さらには射精の勢いでペットボトルロケットのごとく宙を舞ったと言う事実。ナーノの尻菊の
奥へ発射されたあべオトコの濃い精液はナーノの体を逆流し…口の中まで真っ白に汚す程の
凄まじい物だったと言う。だが…本当にナーノにとって恥かしかった事…それはヴィヴィオと
クアットロと言う二人の女性に、下半身裸の自分がM字開脚された状態であべオトコに尻を掘られる…
その様な光景を目の当たりにさせられてしまった事…それがナーノにとって耐え難い程恥かしくて…
自ら心を閉ざす最大の原因となっていた…。

「ナーノを病院に運んだのはヴィヴィオと…何故かクアットロと聞いたけど…
私の背後で腹立てたくなる位ニヤ付いてるクアットロは別として…ヴィヴィオは
一体何処へ言ったのかな…。」

なのははふとヴィヴィオの事が気になった。ナーノを病院まで運んでくれた事について
礼を言いたかったし、何より今と言う状況ではヴィヴィオもまた標的にされてしまいかね無い。
だからこそヴィヴィオの事が心配なのだったが…
297二つの未来 45 ◆6BmcNJgox2 :2008/09/14(日) 22:33:18 ID:x8Ndqqvi
「陛下なら〜もう帰っちゃいましたよ〜? 何でもなのはさんにあわせる顔が無いんですって〜!」
「もしかしてナーノを助けられなかった事について責任を感じてるとか? そんな事無いよ。
ナーノを病院に運んで来てくれただけでも礼を言いたい位なのに…。って言うかヴィヴィオの事
陛下なんて呼んじゃダメだよ!」

なのははやや困り顔で言うが…クアットロは態々なのはの正面に回りこみ、
腹が立つ程の笑みを向けて…言い放った。

「いや〜? そういう事じゃありませんよ〜? だって〜陛下はナーノ君の事を
疎ましく思ってて〜なのはさんの見て無い所でこっそり苛めてたんですよ〜?
私が止めなかったら〜陛下はナーノ君を大怪我させてたかも〜。」
「そういう冗談はやめてくれないかな? ヴィヴィオはそんな事しないよ。」
「それがしてたんですね〜ハイ〜。陛下はなのはさんと血が繋がってないから
ちゃんと血の繋がったナーノ君の存在が面白くないんですって〜。」
「やめて…。」
「自分は血じゃなくて心で繋がってるから〜って陛下は自分こそ正統ななのはさんの
子供だと〜まだ幼いナーノ君に暴力振るって追い出そうとしたんですよ〜?」
「いい加減にして…。」

やや俯きながら小声で言うなのはだが…クアットロはそんな悲痛ななのはの
姿が面白おかしくて…さらに真実を告げ続けるのである。

「陛下ったら〜もう背だってなのはさんをとっくに越しちゃった位に立派な大人なのに〜
まだなのはママなのはママって〜お笑いですよね〜。でも〜そんな事知られたら〜
なのはママがお怒りになるのは陛下だって分かってらっしゃって〜だからこの通り〜
ここにも顔を出さずに何処かに逐電しちゃったってワケ〜。」
「いい加減にしてって言ってるの!!」

なのはは思わず怒鳴り、右足で強く音が鳴る程にまで床を叩き踏んだ。

「冗談はいい加減にして! ヴィヴィオはそんな酷い事する様な子じゃない!」
「冗談じゃありませんよ〜本当ですよ〜。」
「うるさいうるさいうるさい!!」

病室では静かにしなければならない事をすっかり忘れ…なのはは大声で叫び続けた。
なのははクアットロの言う事が信じられなかった。いや…信じたくは無かった。
確かになのははユーノとの間にナーノを産み…大切に育てた。しかし、だからと言って
ヴィヴィオの事を疎かにした覚えは無い。ナーノは確かに大切な子だが…
それはヴィヴィオも同様。ヴィヴィオもまた立派な我が子として愛していた。
少なくともなのはは…
298二つの未来 46 ◆6BmcNJgox2 :2008/09/14(日) 22:34:01 ID:x8Ndqqvi
「もう帰って!! 貴女みたいな酷い女はもうここには来ないで!!」
「酷い女なんて〜。それ私にとっては褒め言葉ですよ〜? でも〜私がさっき言った事は
全部真実ですからね〜。陛下はナーノ君の事が邪魔なんですって〜。そこだけは
忘れないで下さいね〜?」

なおも腹が立ちそうな笑みを浮かべ、クアットロは去って行ったが…
なのははやるせなかった。

「そんな事無い…ヴィヴィオはナーノを邪魔に思ったりする様な…そんな酷い子じゃない…
そうだよね…そうだよね…ヴィヴィオ…。」

なのははヴィヴィオを信じた。なのはが血の繋がりに関係無くヴィヴィオを愛した様に、
ヴィヴィオもまた血の繋がりに関係無く弟のナーノを大切にしてると…
クアットロが言う様な、ナーノに嫉妬する様な心の狭さは無いと…信じた。

一時した後、ナーノ意識不明を知ってかクロノやヴァイスを初めとする管理局の男性陣が
病室に駆け付けて来た。

「スカリエッティの送り込んだ怪人にナーノが意識不明にされたと言うのは本当か!?」
「う…うん…。」

クロノの問い掛けになのはは気不味い顔で頷き、クロノ達は静かに怒りの炎を燃やしていた。

「フェレットもどきならともかく…こんな小さな子まで狙うなんて…許せん…。」
「ナーノ君の仇は俺達が必ず討ってやりますよ!」
「ありがとう…そんなにまでナーノの事を想ってくれるなんて…ナーノは幸せだね…。」

なのははクロノを筆頭とする男性陣がこの上無く頼もしく思えた。
夫であるユーノが目を覚まさぬ今、頼りになるのは彼等しかいないから…
そこでヴァイスがなのはに訪ねた。

「所で…ナーノ君は本当に目を覚まさないんですか?」
「う…うん…。」

なのはは気まずい顔で頷く事しか出来ない。なのははナーノがどの様な経緯で意識不明になったのか
分からないし、意識を戻す方法も分から無いからだ。しかし…

「ナーノを目覚めさせる方法なら…ある!」
「え!?」
299二つの未来 47 ◆6BmcNJgox2 :2008/09/14(日) 22:34:49 ID:x8Ndqqvi
そう言ったのはザフィーラだった。そして普段見せている狼としての姿から人間の姿へと変身する。

「あれがザフィーラの人間形態…初めて見る…。」
「中々良い身体してますね…。」
「ウホッ…。」

ザフィーラが人間の姿にもなる事が出来ると話には聞いていても、それを直接見た事が無かった
ヴァイスやヴェロッサ、グリフィスは驚くばかりだったが…ザフィーラはゆっくりと
ナーノの眠るベッドへ歩み寄る。

「本当に…本当にナーノを目覚めさせる方法を知っているの!?」
「無論だ。古代ベルカの守護獣たる私を信じろ。」
「………………。」

ザフィーラの力強い言葉に誰もが緊張し、黙り込んだ。そう、彼は古代ベルカの時代から
幾多の主に仕えて来た守護獣なのだ。だとするならば、今のナーノを目覚めさせる方法を
知っていてもおかしく無い。だからこそ…皆はザフィーラを信じた。

「…………………。」

皆が緊張の眼差しで見つめる中…ザフィーラはナーノへゆっくりと顔を近付け…その唇に…

「ちょっと何をしてるの!?」

嫌な予感を感じたなのはは思わずザフィーラを突き飛ばしていた。

「何をする!?」
「何をするって! そっちこそ何をする気だったの!? ナーノにキスするつもりだったでしょ!?」
「何!?」

ザフィーラの行動を知ったクロノ達もまたザフィーラを睨み付ける。

「違う! これこそナーノを目覚めさせる方法だったのだ! ほら…良く言うでは無いか。
眠り姫を目覚めさせるのは王子様のキスしか無いと…。」
「馬鹿―――――――――――!!」
「うごぉぉぉ!!」

なのはの怒りの鉄拳がザフィーラを壁まで吹飛ばしていた。まさに母は強しである。

「まったく…古代ベルカの守護獣が聞いて呆れますよ。今はそんなふざけている場合じゃ無いでしょうに。」
「そうだそうだ。ヴァイスの言う通りだ。」

真面目にザフィーラを注意するヴァイスに皆も賛同するが、今度はヴァイスがナーノに唇を近付け始め…

「そもそも眠り姫を目覚めさせる王子様は俺みたいないい男で無いと…。」
「ふざけるなぁぁぁ!!」

今度はなのはの鉄拳が届く前にクロノ・ヴェロッサ・グリフィスの三人がヴァイスを引き放していた。
300二つの未来 48 ◆6BmcNJgox2 :2008/09/14(日) 22:35:34 ID:x8Ndqqvi
「ふざけるな! こんな時に何を馬鹿な事をやってるんだ!」
「そうだそうだ! クロノ提督の言う通り!」
「ナーノを目覚めさせられるのは僕のキス以外には…。」
「クロノ君まで!?」

今度はクロノがナーノにキスしようとし…なのはは絶望した。しかし…それはまだ序の口だった。

「クロノ提督ふざけないで下さい! ナーノ君を目覚めさせるのは僕のキス以外にあり得ません!」
「いえ! 僕ですよ!」
「そんな…二人まで…。」

ヴェロッサやグリフィスまでもがナーノにキスしようとし始め、なのはは恐怖を通り越して呆れてしまった。
そして初めて気付く。クロノ達男性陣が駆け付けて来たのはナーノが心配しての事では無く、
この様にナーノに対して下心があっての事だったのだと。だが、なのはがこうしている間にも
クロノ達はナーノの取り合いを始めてしまっていた。

「ナーノの唇を奪うのは僕だ!」
「いえ! 僕ですよ!」
「僕は提督だぞ! この中で一番階級が上なんだぞ!」
「そんなの関係ありませんよ!」

もはや今となってはその場にいる全員が敵同士だった。それだけナーノが彼らに好かれている事を
意味しているのだろうが…なのはには気持ち悪くて仕方が無かった。ナーノは確かに父ユーノ同様に
女性的な顔をしているが、あくまでも男の子だ。それなのに…同じ男のクロノ達がナーノに
狂った様に迫るのが…信じられなかった。

「なら俺はナーノ君のケツを狙い撃ちさせてもらいますよケツ!」
「負けるか! ならば私はナーノのチ○ポを嘗め回す!」

挙句の果てにはヴァイスとザフィーラまでもが蘇生し、ヴァイスは尻を掘ろうと、ザフィーラは
フェラチオをしようとナーノの穿いていたズボンとパンツを下ろそうとする始末。
もうなのはは我慢出来なかった。

「いい加減にしてぇぇぇ!!」

なのはは叫んだ。病室では静かにしなければならないのだが…その規則を忘れてしまう程…
なのはは怒りに狂っていた。そしてナーノに纏わり突いていた男達からナーノを引き剥がし、
力一杯抱き締める。

「みんないい加減にして! 一体何を考えてるの!? ナーノは皆の性欲を満たす
人形なんかじゃないんだよ! それにナーノは男の子なんだよ!
なのにどうして…どうして同じ男のクロノ君達がナーノにそんな事するの!?」

なのはは未だ目を覚まさぬナーノを抱き締め、涙をボロボロと流しながら叫んだ。
301二つの未来 49 ◆6BmcNJgox2 :2008/09/14(日) 22:36:57 ID:x8Ndqqvi
「それにクロノ君! 貴女にはエイミィさんがいるじゃない! なのに…なのに…。」

既に妻子がいるクロノまでもがナーノに嫌らしい事をするのがなのはには悔しくて悔しくて
仕方が無かったが…

「なのはは知らないだろうが…これは管理局の宿命なんだ。」
「え…?」

真面目な表情で語り始めたクロノになのはは思わず黙り込む。

「僕は…今のナーノと同じ位の歳の頃に…グレアム元提督にケツ処女を奪われた。
ナーノの父親のフェレットもどきも…本格的に無限書庫に勤める様になった初日に…
歓迎会と称して既にいた男性司書達からの乱交を受けている。」
「え…。そんな…ユーノ君…まで…?」

なのはの顔は真っ青になった。ナーノだけじゃない。クロノや夫ユーノまでもが
男同士の愛を受けた経験があったと言う事実に…

「他の皆もそうだ! 昔君が僕の義妹と百合っていた様に、男同士でも色々あったんだ!
これが…これが管理局の古くからの伝統なんだよ!」

クロノは力強くそう訴えるが…

「クロノ提督…俺…そういう経験無いんですけど…。」
「それはお前に男としての魅力が無いからだ。」
「そ…そんな…。」

ヴァイスはクロノやユーノと違って他の男からそういう事をされた経験は無かったらしく、
それがまるで悪い事の様に言われて戦意喪失してしまっていた。

「分かったか? 確かにナーノがこんな事されてしまっては母親としてショックだろうが…
それだけナーノが魅力的と言う事なんだ。それは母親として誇っても良い事なんじゃないか!?」
「こんな形でナーノが持てたって…私は嬉しく無いよ!! もう皆帰って!!
二度とナーノに近寄らないで!! 皆ナーノの前から消えてぇぇぇぇ!!」

なのははレイジングハートを構え、クロノ達に向けた。なのはは悔しかった。
例え男同士の愛情が管理局の伝統だとしても、ナーノに嫌らしい事をして良い理由にならない。
それも今のナーノは意識を失っている状態なのだ。もしナーノが正気なら…絶対泣いている。
泣いてなのはに助けを求めている。だからこそ、なのはは母親としてナーノを守る。
ナーノをホモレイプしようとする男達から…何としても守るつもりだった。

「帰って! みんなナーノの前から消えて! じゃないと撃つから! 私が撃つからぁ!」
「うわ! やめろなのは! 落ち着け! 落ち着けぇぇぇ!!」

クロノ達を病室から追い出した後も…なのははレイジングハートを構えたまま仁王立ちしていた。

「ナーノは私が守る…私が絶対守ってみせるから!」

                      つづく
302 ◆6BmcNJgox2 :2008/09/14(日) 22:38:47 ID:x8Ndqqvi
今となっては随分昔の話になりますが、今回の作風に関して色々と物議になってるのは
正直ショックでした。申し訳ありません。しかし、話の途中でいきなり作風を
変えてしまうのは、それはそれで逆にもっと酷い事になりかねませんので、このまま通させて下さいorz

(と言う事で…苦肉の策として注意書きに『鬱ギャグ』と表記させて戴きました)

クアットロの口調に関して「こんな感じで言われたら腹立つだろうな〜」って事でやりましたorz
相手の腹立つ事をあえてやるのが好きな感じのキャラですし
303名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 22:48:48 ID:ZfgVI0Fa
>>294
IFと言えばIFじゃないの? 魔力素養ゼロのアリサが魔法使えてる(魔力素養持ちになってる)わけだし。
まあ、IFをあくまで本編上の分岐として捉えるか、能力すら改竄しての再構成も含めるかで話は変わるだろうけど。
304名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 23:06:19 ID:p8MRXZXp
しかし、ナーノってごろ悪いな
305名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 23:26:46 ID:FtFLja9A
GJGJ!
306名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 23:46:49 ID:f6Aggu1W
>> ◆6BmcNJgox2 氏
GJでした。是非ともこのまま突っ走っていただきたいところです
クロノ自重、超自重w


そして、投下予告です
00:00くらいに一本いかせていただきます

30726-111:2008/09/15(月) 00:00:00 ID:/sgvbzBc
月日にして2ヶ月近く。スレ数にして10スレ以上
色々地獄だった7月・8月を乗り越えて、恥ずかしながら生きて還って参りました26-111です
久しぶりに一本行かせていただきます

・メインはヴァイスとティアナ
・エロは無いです。非エロです
・タイムテーブルは本文中にも触れますが、JS事件終結から3ヶ月後くらいの話です。大体12月
・訓練物です。かなり筆者の妄想が混じっています。ご注意ください
・使用レス16レス
・タイトル:銃手の誇り

では、投下を開始します
308銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:00:31 ID:GWMPqndK
時空管理局とミッドチルダに激震を見舞った“JS事件”の終結から、時が流れて3ヶ月 ―――
暦は12月。季節は冬を迎え、時折、クラナガンの上空からも雪が降り注ぐようになった頃の事である

新設された機動六課隊舎の外れ、格納庫の中では、防寒着で着膨れしたメカニック達の姿が見える
そんな中に・・・

「 ――― あ、居た居た!」

鉄と油と、少々汗臭い匂いに満ちた格納庫には些か不似合いな、年若い女性の華やかな声が響いた
何人かが開けっ放しになっているシャッターの方に顔を向けると、そこに居たのは機動六課戦技教導官:高町なのは一等空尉殿である
馴染みの顔ではあるので、特に姿勢を正して敬礼を向けるような者は居ない。お気楽な調子で、「よぉ、どうしたぃ?」とか「うッス!」とか言う挨拶が聞こえてきた
笑顔で小さく頭を下げながら格納庫に入ってくる姿には、『一等空尉』の威厳など欠片も感じられないが・・・

「珍しいッスね。なのはさんが、ココに来るなんて。どうか・・・よっと、しましたか?」

どうやら、自分に用があったらしい・・・真っ直ぐに爪先を向けて歩み寄ってきたなのはに、ストームレイダーの電装系をいじっていたヴァイスはそう尋ねた

「うん、ちょっと頼みたいことがあるんだけど・・・今、手が放せる?」
「んー・・・よっと、これでOK・・・と。はい、大丈夫ッス」

パネルを閉じて、汚れた手袋を取りながら彼は立ち上がった。ヘリの整備を覚えたいと自分から申し出た身ではあるが、冬場の作業はなかなかしんどい
しゃがんだ格好での作業に凝り固まった背骨や腰をゴキゴキ鳴らして身体をほぐす姿は、常々アルトから「おっさん臭いですよ、それ」と眉を顰められていたりする

「また、どっかへ出向ッスか?ストームレイダーと自分は大概いつでも空いてますが?」
「あぁ、今日は違うの。ヘリの操縦が必要なんじゃ無くって・・・」
「??」

困ったように、小さく顔を俯けるなのはの姿に、ヴァイスは首を傾げながら後ろ頭をぼりぼり掻いた。では何なのだろう?

「あのね、ヴァイス君にしか頼めないお願いなの」
「は、はぁ・・・何でしょう?」
309銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:01:02 ID:/sgvbzBc
そんな風に頼まれて悪い気はしないが・・・格納庫のアチコチから突き刺さってくる視線が妙に痛い

「実は、その・・・急にこんな事を頼むのは、その、非常にアレなんだけど・・・」



(・・・非常に“アレ”な『お願い』だと・・・?)



不特定多数の男性職員が、ギロリと睨み付けてくるのがハッキリと解った
整備工達が手にしているスパナやレンチが、急に物々しい、物騒な輝きを帯びたような気さえするヴァイスである

「あの、そ、それで、何なんでしょうか?」
「実はね、あの、その・・・ヴァイス君!明日は予定入ってないよね!!?」

その一言は、十分な声量でもって格納庫の隅々まで響き渡った



(オーケィ、ヴァイス・グランセニック陸曹。明日の夜がお前さんの命日だ)
(おぉ、ラッキー。明日の夜って、月は二つとも新月じゃねーか)
(整備課のアイドル:アルト嬢ちゃんだけでもこっちは腹に据えかねてるってのによぉ・・・)
(シグナム副隊長のけしからんおっぱいを狙ってるって噂もあるよな。アイツ)
(それだけじゃねーぞ。新人の一人の・・・あの子だ、ティアナって子も狙ってるらしいぜ)



何やら格納庫のそこかしこでヒソヒソ話が展開され、加速的に自分へ向けられる殺気が大きくなりつつあるのは、断じて気のせいではあるまい

「た、確かに、予定は無いッスけどね・・・?」
310銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:01:33 ID:f6Aggu1W
「それじゃあね、お願いしたいことがあるの!」

胸の前で手を組んで、こちらを見上げながらズイと詰め寄ってくるなのはの姿に、ますます殺気が渦を巻き、ヴァイスは喉の奥でヒィと悲鳴を漏らす
一体、何だというのか。高町なのは一等空尉殿ともあろう御方が、自分風情に一体何の用だというのか?
自分に向かって吹き付けてくる殺意の奔流に、すっかり自棄気味にヴァイスは尋ね返した

「お、俺なんぞに一体何の用なんですか!?」
「あ、明日一日ね・・・その・・・」

なのはは尚も言い淀み、ヴァイスは二重の意味でぐびりと固唾を飲み下し、整備工の男達は“得物”を片手に肩の調子を確かめている



そんな中で、彼女はついに口にした



「あの、あのね、明日からしばらく、ティアナ達の訓練に付き合ってあげて欲しいの!」



「・・・・・はい?そ、そんだけッスか・・・?しかしまた、何で自分が・・・?」

期待外れなような、ホッとしたような、急速に薄れてゆく殺意の渦に安堵の溜息を吐きながらも、ヴァイスは首を傾げてなのはに尋ねた
言っちゃあ何だが、六課の新人四人:スバル・ティアナ、エリオ、キャロの4人は、「新人」呼ばわりこそされているものの、その実力はすっかり一線級である
『エース・オブ・エース』とも渾名される彼女:高町なのはが教官を務めているのだ。当然と言えば当然の話である
そんな四人の訓練に、どうして今更、B+ランク程度の実力しかない自分が付き合わなくてはならないのだろうか・・・?

「実はね、ティアナのデバイス:クロスミラージュのモード3なんだけど・・・」
「あぁ、話には聞いてるッス・・・確か、ロングレンジからアウトレンジ向けの長距離特化モードでしたっけ」
「うん、そう・・・だから、今でも現役のスナイパーさんから、ティアナに一つご教授して貰いたいなー。というわけで・・・」
311銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:02:04 ID:GWMPqndK
「・・・あぁ、そういう事ッスか・・・」
「どう?大丈夫?」

特別な予定は、今のところ入っていなかった・・・なら、雑用の類はアルトにでも任せて、付き合ってやるのも面白そうだ・・・
そんな結論に至ったヴァイスは、一つ頷いて胸を叩き、なのはの懇願を快諾した

「ん、大丈夫ッス!任せといてください」
「良かった、ありがとう!それじゃあ、明日の朝8時には訓練場にお願いね!」

そう言い残して、手を振りながら走り去ってゆくなのはに、小さく手を振り返し・・・その明るい色をしたサイドテールが見えなくなって、ようやく盛大な溜息を吐けた
周りをジト目で見回せば、どいつもこいつも「何かあったか?」という顔をしてやがる

「あぁ・・・心臓に悪ぃ人だぜ、全く・・・なぁ、ストームレイダー」
『...No comment』





○銃手の誇り





明けて翌朝、冬空は快晴に恵まれ、ポカポカ陽気・・・というには空気は冷たいが、風も穏やかな、絶好の訓練日和である
野外戦仕様で構築された訓練場では、一足先に準備運動を終えていたらしい新人達が整列して待っていた。いつもの訓練着の上に、丈の短いジャンバーを着込んでいる
「感心感心」と口笛を吹くヴァイスに、シグナムは「お前も見習ったらどうだ?」と視線を向けるが、ヴァイスはあっさりと回避・・・そんなやり取りの間に、なのはは訓練の開始を告げる

「それじゃあ、今日の訓練は各自の個人スキル。それぞれの先生方にみっちり教わりましょう」
「「「「はいっ!!」」」」
312銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:02:35 ID:/sgvbzBc
それぞれに良い返事を返して、新人四人はそれぞれの「先生」の下へ向かう
スバルはヴィータと、エリオはシグナムと、キャロはフェイトと、そしてティアナは・・・「おっす」と片手を挙げて見せるヴァイスの姿に、驚いた顔を作った

「あれ?今日は、ヴァイス陸曹が訓練を見てくれるんですか?」
「おぅ、なのはさんに頼まれてな。モード3の扱い方に関して、な。狙撃の基礎をがっちり叩き込んでやるぞ・・・って、どうしたよ。キョロキョロしやがって」
「あ、いえ・・・何でも無いです・・・」

何でも無いですとは言いながらも、彼女はしきりになのはの姿を探して周囲を見回し、掴み掛かるような勢いでヴァイスに尋ねた

「あの、ヴァイス陸曹。なのはさんの様子に変わったところとか、そういうの感じなかったですか?」
「あぁ?何だよ急に・・・?」

思い掛けず、真剣な顔付きで尋ねてきたティアナに、ヴァイスは腕組みをして頭を捻り・・・

「変な所、って言われてもな・・・?」
「何でも良いです、どんな些細な事でも良いですから!」
「・・・んー・・・と、まぁ、今の状況そのものが十分に変な状況だとは思うけどよ。俺なんかをお前達の訓練に引っ張り出してくるって、おかしいだろ?」
「確かに、そうですけど・・・それ以外で、何も無かったですか?」

キョロキョロと視線を巡らせたティアナの瞳が、訓練場の隅で止まる
そこには、二人分の人影が・・・訓練場を出て行くのはなのはと、白衣姿のシャマルだった。シャマルは連行するようになのはの手を引いている
ヴァイスも、同じように気付いたらしい。二人の背中を見つけて、暢気な感想を呟いた

「あぁ、今日は検診でもあったのか。エース・オブ・エースも大変だな」

ヴァイスはのほほんとそんな言葉を口にすると、ザックを担ぎ直してティアナに着いて来るよう促そうとしたが・・・その言葉は口の中で失速した
なのはがシャマルに連れられて出て行った訓練場の出入り口を、ティアナはじっと、唇を噛み締めて、拳を握り締めて見送っていたからだ

「おぃ、どうしたよ?ティアナ・・・?」
「・・・あ・・・ごめんなさい。ヴァイス陸曹。な、何でも無いです」
「んな顔して、何でも無いわきゃねーだろ?」
313銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:03:06 ID:GWMPqndK
「・・・やっぱり、説得力無いですか?」

素面と泣き顔の境目ギリギリという表情では、確かに何の説得力もあるまい
誤魔化すようにティアナは無理矢理明るい表情を作ると、いつも通りの口調で何でも無いことの様に口にした

「なのはさん、前の事件から少し体調を崩してたらしいので・・・ちょっと、心配で・・・」

そこだけ聞けば、何でもないことのように聞こえる・・・聞こえるかも知れないが、実際のところなのはは体調不良なんてレベルではないことを、ヴァイスは知っていた

高濃度AMF下での大魔力行使に、ブラスターシステムの反動・・・一歩間違えば、再び魔力の暴発に見舞われても不思議ではなかったのだ
最大魔力量の低下など僥倖の極み。今、彼女が己の足で歩けている事でさえ、本当は奇跡に近いのである

副隊長より上のスタッフは全員がそれを知っていたが、六課の足でもあるヴァイスもなのはの事は耳にしていた
彼女に僅かでも休息を取らせる為に、出向や連絡業務などにも就かせる・・・それに際して、今までよりもヴァイスを足に使うことになった
ヴァイス自身も武装隊に復隊することを決めていて、己の為の研鑽を積まねばならない身であるのは承知だが、よろしく頼む ―――
――― そんな風に、八神はやて部隊長以下、隊長陣に揃って頭を下げられたのだ。断れる筈があろうか

そして、どこで知ったのか、この後輩もなのはの体調について聞きつけていたらしい
ヴァイスはわざとらしくでっかい溜息を吐くと、ティアナの頭をぺしっとはたいた

「痛っ、何するんですか!?」
「お前がなのはさんの心配なんざ、10年は早いんだよ。おら、訓練始めるぞ。いい加減気持ちは切り替えろ」

違いない。今、自分がどれほど心配していても、なのはの回復が早まるわけではない
ならば、この機会を無駄にせず、あの人を驚かせるくらいの技術を身に付けて見せよう。そんな風に気持ちを切り替えて、ティアナは力強く頷いた

「・・・はい!」



そんなこんなで、ヴァイス講師によるティアナの狙撃講習が始まった・・・
314銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:03:37 ID:GWMPqndK
場所は、野外戦仕様で構築されている訓練場の、森林区画からは少し外れた所にある丘陵地区画。小さな丘がぼこぼこと盛り上がっている地区である
ヴァイスは肩に担いでいたザックを下ろすと、シャーリーから借りた訓練場用簡易制御デバイス、単純に「リモコン」と呼ばれている小さな端末を操作する
およそ50m程前方に、50cm四方の大きさのターゲットが投影されるのを確かめ、ひとまず今は消しておいた

「さて、それじゃ始めるぞ」
「はい、よろしくお願いします!」
「じゃあ早速だが・・・今までモード3は出力強化だけで、狙撃仕様で使ったことは無かったんだっけか?」
「はい、あまり、自信がなかったもので・・・」

モード3はJS事件の渦中でその使用が認可されたのだが・・・即座に実戦投入するのは難しいと言う彼女の判断で、変形機構などを一時的に封印し、出力強化のみに止めていた
その封印を解いたのがつい最近。きっかけはなのはから、「新しく砲撃魔法を教えたい」という言葉を受けた為である
その為に、モード3は封印解除。通常のガンズモードでは不可能な大出力射撃も、モード3:ブレイズモードなら可能だからだ

そして今、ティアナの手には初めてブレイズモードの形をとったクロスミラージュの姿がある

「へぇ。もっとゴツイ外見になるかと思ってたけど、案外スッキリした格好なんだな」
「そうですね、陸曹のストームレイダーみたいに大きい銃と比べると、同じ狙撃用って言うのが何だか信じられないです」
「ふむ・・・狙撃拳銃ってところだな」

スナイパーライフルそのものなヴァイスの愛用デバイス:ストームレイダーに比べれば些か頼りないが、ブレイズモードのクロスミラージュは大きく変わっていた
銃身そのものが一回り大きく。グリップに対して前に突き出た格好になり、カートリッジの装填は従来のカートリッジバレルの交換ではなく、
手動で銃身左脇に開いたポートから装弾する仕組みのようだ

「んで、スペックは、と・・・うげ」

クロスミラージュが表示して見せたセルフレポートを眺めたヴァイスは、思わず表情を歪めた

「あの、どうかしたんですか?ヴァイス陸曹」
「・・・あンのメカオタ眼鏡は・・・何つーかすげぇマニアックな仕様にしてやがるな。畜生・・・すげー俺好みだ」

念の為、ヴァイスが言った「メカオタ眼鏡」とは、六課のデバイスマイスター:シャリオ・フィニーノ女史の事である
315銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:04:08 ID:/sgvbzBc
「そ、そうなんですか・・・?」
「あぁ・・・まぁ、説明してもわからんだろうから簡単に言うと、こいつを使いこなすのは結構大変そうだぜ?」
「が、頑張ります!これまでだってやってこれたんですから」



『・・・』
『ストームレイダー。何か?』
『嫉ましいですね』
『?』
『えぇ、嫉ましいです。私に口があったらハンカチを咥えてビリビリに破りたいくらいに嫉ましいです』
『卿のマスターは、ただ個体差についての感想を述べただけだろう?』
『・・・“すげー俺好み”とはどういう事ですか、浮気者・・・』



二人のデバイスの間では、そんな会話もあったようだがヴァイスとティアナは露知らず、二人は訓練に移る。訓練と言っても、まずは講義だったが

「さて・・・そんじゃ、ティアナ。これから狙撃の訓練に入るわけだが・・・正直、お前くらいに魔力集束や弾体制御が上手いと、あんまし教える事は無ぇんだ。これが」
「へ?そ、そうなんですか?」

思いがけないヴァイスの言葉に、狼狽えてしまうティアナである
訓練前から教えることが無いとか、何の冗談ですか。とか考えてしまうが・・・

「いや、信じられないかもしれないけど、“狙撃”ってのはな、実に非力なもんなんだぜ?」
「でも、ヴァイス陸曹は“ゆりかご”突入直前にでも、V型のガジェットを一撃で・・・」

そう、確かに自分は目にしていた
不安定な、飛行中のヘリの中から、同じく飛行中だった“聖王のゆりかご”。その側面部分に固定砲台の様に納まっていたV型ガジェットを多重弾核射撃で撃ち抜く様を

「あぁ、そんな事もあったっけか」
316銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:04:39 ID:GWMPqndK
「そんな事、って・・・」
「良いか、“狙撃の本質”ってのはな、ソコじゃ無ぇんだ」

思い掛けず真剣な、兵の眼差しで、ヴァイスは語り始めた

「もう一回言っておくぜ。“狙撃”ってのは非力だ。本ッ当に非力だ。
破壊力じゃ砲撃に負けるし、誘導魔力弾の精密さには適わねぇ。有効射程と弾速に関しちゃそこそこだが、その為に犠牲にしてるモンがデカすぎる・・・
何の為にストームレイダーにゃこんな物が付いてると思う?」

スコープを指先で示し、ヴァイスはティアナに尋ねた

「えっと、普通に考えれば、照準器は狙いを定める為の物。ですよね・・・?」
「おぅ、正解だ。ストームレイダーはな、今のミッドじゃ珍しい“狙って撃たなきゃ当たらない”デバイスなんだ」
「・・・え?」

ヴァイスの言った言葉がいまいち理解できないティアナである
狙って撃たなきゃ当たらない、って・・・それは、当たり前のことでは無いのだろうか・・・?
首を傾げるティアナに、ヴァイスは苦笑を浮かべてティアナの鼻先に指鉄砲を突き付けた

「親指のリアサイトと、人差し指の先にあるフロントサイト。ここで狙うのが拳銃射撃の基本だが・・・誘導魔力弾を撃つ時まで、こんな大袈裟に狙うか?」
「・・・いいえ、射撃後の高速制御である程度は誘導できますし、最初から弾速の遅い魔力弾ならもっと複雑な制御もできます」
「つまりは、そういう事なんだよ。ミッドチルダ式射撃魔法には、余程の高速戦でも無い限りは射撃“そのもの”の技術は殆ど要らないんだ。
だって、そうだろ?“撃ってから当たるように制御すれば良い”んだからな・・・まぁ、杖型デバイスじゃ狙いをつけるのも難儀だろうけど」

勿論、並列処理には限界があるし、精度を出そうと思ったら集中しなきゃならないけどな
ヴァイスがそんな風に付け足した言葉に、ティアナは難しい顔のままこっくりと頷いた

「あの、ヴァイス陸曹・・・それじゃあ、狙撃手の存在意義って言うのは何なんでしょうか?」

ティアナの問い掛けは、尤もな疑問だったと思う。かつては自分も教官にそう尋ねたものだった
ヴァイスは顔から普段の陽気さを掻き消して、意外な程の陰りを帯びた、うっそりと暗い笑みを宿し、ぼそっと呟くように、言った
317銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:05:10 ID:GWMPqndK
「一言で言っちまえば・・・“暗殺”だな」

その言葉に、はっとティアナは息を呑んで、その身を堅くした
そんな彼女に、ヴァイスは手中の愛銃:ストームレイダーに暗い視線を落としたまま静かに語る

「単なる対物狙撃・・・的当てなら、砲撃や誘導弾の方が遙かに優秀さ。
だが、それ以外の、特に対人狙撃となると事情は違ってくる・・・分かり易く、人質を取った立て籠もり犯が相手の場合とか、哨兵をこっそり無力化する時、とかな。
砲撃魔法の破壊力じゃ余計な被害が出ちまうし、誘導弾の弾速じゃどうやっても気付かれる。自分の居場所だってバレちまう。
ターゲットだけを撃ち抜いて、その瞬間まで誰にも射撃を察知させないこと。“不可避にして必中”。それが、“狙撃の本質”だ」

ヴァイスの居た世界の、想像以上の“昏さ”垣間見た事に、ティアナは言葉を失ってしまっているが・・・そんな彼女にヴァイスは唇を歪めて笑うと、

「正直言って、面倒臭い技術だとは思うさ。完璧な狙撃をするには精度の高いオペレーションが必要になる。魔力集束、弾体加速、直進精度・・・
それに勿論、身体で覚える狙撃技術だな。まぁ、お前が将来執務官としてソロであちこち駆け回るなら、こういう技術はがっちりモノにしといて損は無いと思うぜ?
お得意の幻術との相性も、悪く無ぇしな」

のほほんとした彼の言葉に、ティアナもつられるように小さく笑みを浮かべたが、手中にあるブレイズモードのクロスミラージュに視線を落とすと、

「・・・私でも、上手くできるでしょうか?」
「いきなり泣き言か?そんな事じゃ、なのはさんに新しい魔法を教えて貰うことなんかできねーんじゃねぇか?」

あまりにも分かり易い挑発だったが、意地悪な笑みを浮かべたヴァイスに、ティアナは眦をキッと吊り上げると、少々膨れっ面で大袈裟な敬礼をした

「ご指導をよろしくお願いいたします。ヴァイス・グランセニック陸曹殿」
「おぅ、前置きばっかりが長くなっちまったからな、実技はちゃちゃっと行くぜ」

ザックの中から、カーキ色をした狙撃用カモフラージュマット・・・マットと言っても、バカデカい寝袋の様な代物だが・・・を広げながら、ヴァイスはニヤリと笑って見せた



そうして始まった狙撃訓練は、ティアナにとっては実に久しぶりの、本当の意味での射撃訓練となった。何故なら・・・
318銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:06:01 ID:GWMPqndK
「どした、ティアナ。誘導切ったら100m先のターゲットにも満足に当てられねーのか?」
「っ!!」

カーキ色のマットの中で、腹這いになった格好でクロスミラージュを構えているティアナは、隣に同じ格好で伏せているヴァイスの言葉に唇を噛んだ
何事かを言い返そうと唇を開きかけるも、言葉は出てこない・・・当たり前だ。ターゲットをぎりぎり掠る様な射撃をしておいて、何が言い返せようか
熟練狙撃手であるヴァイスをして『マニアック』と言わしめたモード3:ブレイズモードの扱い辛さは確かに折り紙付きだったようだ

「つ、次は、絶対に当てて見せます!」

焦りが滲んだ顔を標的に向け直すと、ティアナはグリップをきつく握り直した
ヴァイスは呆れたように嘆息すると、そっとクロスミラージュの銃身を上から押さえる

「よせよせ。そんなに気張ってちゃ当たる的にも当たらねーぞ」
「・・・じゃあ、どうすれば良いんですか?」

きりきりと柳眉を吊り上げた、ティアナのおっかない顔に肩を竦めながら、ヴァイスは並んでうつ伏せに寝そべっている彼女の肩を抱くようにして、ぽんと叩いた

「なっ!?」
「おら、肩の力抜け。腹にも脚にも、余計な力は入れんな」
「は、はい・・・」

唐突なスキンシップにティアナは少々頬を赤くしながらも、言われた通りに身体を弛緩させる・・・肩に乗せられた、少し硬い掌の感触に胸が高鳴っていたけれど
ちらりと盗み見たヴァイスの横顔は、意外な程に鋭い視線をじっと前に、ターゲットに注いでいる・・・あんな風に見詰められるなら、標的になるのも悪くないかも・・・

「おい、ティアナ。何かさっきから肩が、ピクピク動いてるのは何なんだよ?思い出し笑いか?」
「んなっ!?な、何でも無いです!何でも無いですっ!!」

埒も無い考え事が見透かされていたのかもしれない・そんな風に思えて、ティアナは慌てて首を横にブンブン振って誤魔化した

「??まぁ、良いけどよ・・・うし、それじゃあ行くぜ。構える時はあんまり力むな。グリップは地面に付けちまえ」
「・・・はい」
319銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:06:32 ID:GWMPqndK
言われた通りに、ティアナはクロスミラージュのグリップを地面に立てて、グリップを柔らかく握り込む

「でもって深呼吸だ。1回、2回、3回・・・」

言われた通りに、ティアナは唇を開き、ゆっくりと大きな呼吸を3回・・・

「・・・止めろ」

言われた通りに、ティアナはきゅっと唇を噛み締めて息を止める。クロスミラージュが見せる拡大映像・・・疑似スコープの中では、ターゲットの真芯にレティクルが重なっている

「撃て」

そっと、トリガーに添えた指を引く
放たれた高速魔力弾は、肉眼では捉えられない程の速さで宙を駆け、細く、鋭い光の筋は真っ直ぐに、狙い通りにターゲットのド真ん中を撃ち抜いた

「・・・え?当たった・・・?」
「よしよし、やりゃあできるじゃねーか」
「え?わきゃっ、ありがとうございます・・・」

喜色満面のヴァイスにぐりぐり頭を撫でられて、ティアナは嬉しさ半分、困惑半分な微妙な顔で応えた

「良いか、ティアナ。最初に撃った時みたくガチガチに力んでたんじゃ、当たる弾も外れちまう。狙撃に必要なのは、コンディションとコンセントレーションだ。
動体狙撃となると、違う技術も求められてくるが・・・まずは、冷静になることと、リラックスすることだな。それが最低条件だ」
「・・・何か、今までの訓練とは全然真逆なんですね・・・ちょっと、戸惑ってます」

フォワードチームのセンターガード・・・司令塔として、いつも気を張っていたティアナである
「リラックスして射撃に臨め」という言葉に戸惑いを覚えてしまうのは・・・まぁ、仕方がない事だろう

「まぁ、それには頑張って慣れろ。としか言えねぇわな。後は・・・あれくらい、クロスミラージュは素直な弾道の射撃をしてくれるんだ。
まずは、じっくり狙って撃つようにしろ。慣れてくりゃ、照準に費やす時間は段々短くなってくる」
「はい!」
320銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:07:03 ID:GWMPqndK
「慣れて来たからって油断はするなよ。“撃つなら外すな”。本来、必中が当たり前の世界なんだからな」

自嘲気味に苦笑を浮かべながら、ヴァイスはそう呟いた

「まぁ、お前ならきっと大丈夫だよ。俺なんかとは違って、ミスショットの苦さももう経験済みだしな」
「・・・」

ホテル・アグスタの警備任務。現れたガジェットドローンを撃退する為にフォワードチームは出動した・・・まだ半年程しか経っていない筈なのだが、随分前の事の様に思える
交戦中、ティアナは制止の声を振り切ってカートリッジを4発使用し、クロスシフトAでガジェットを一掃・・・その折にスバルを誤射しかけたのは苦い思い出だ

だが、ヴァイスの経験したミスショットの苦さは、ティアナの比ではない
外すことなど考えられない距離で、彼は人質に取られていた実の妹:ラグナを誤射してしまった
ラグナを人質に取っていた犯人は、待機していた別の狙撃手が撃ち倒し、任務は完了。ラグナも命に別状は無かった・・・だが、左目を失明してしまったのだ

「・・・ガンナーは、ロクな目に遭わない」
「え?」

何となく、暗い雰囲気が二人の間に立ち籠める中で、ヴァイスはぼそっと呟いた

「昔からな、武装隊にはそんなジンクスが有るんだよ。ガンナー・・・銃器型のデバイスを持つ魔導師は、ロクな目に遭わない。早死にする。とか、な」
「そんな・・・何でそんな風に言われるんですか!」

ティアナの兄、ティーダ・ランスターも優秀な空士で、そして拳銃型射撃デバイスを愛用していたガンナーだった
敬愛する兄や、尊敬している先輩が、そんなジンクスに呪われているような気がして、ティアナは思わず激高しながら問い返す

「一応、理由はあるんだ」
「何なんですか理由って!」
「管理局は、質量兵器の使用を原則禁じてるだろ?炸薬式の銃器なんかはその最右翼だ」
「・・・それが、何の関係があるって言うんですか」
「ミッド式のデバイスって、基本は杖型だろ。武装隊の狙撃課でも、主に使われてるのは汎用狙撃長杖ってデバイスだ。
そんな中で、こんなゴツいナリのデバイスは異質だし・・・質量兵器嫌いの上官殿とかからすれば、銃型デバイスなんてのは違法の対象にしか見えないんだよ」
321銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:07:34 ID:GWMPqndK
ライフル型デバイス:ストームレイダーを撫でながら、ヴァイスは苦笑と共にそう呟く
ティアナも複雑な表情を浮かべると、手中のクロスミラージュに視線を落とした・・・最初は、短杖型デバイスを使っていたが、どうも馴染めずアンカーガンを自作したのだ
彼女の場合、兄への憧れがそうさせたのかも知れないが・・・

「質量兵器を想起させるようなデバイスを、時空管理局局員が使うとは何事か・・・ってな。
最近はそんな上官も減ってきてるみたいだが、6・7年くらい前は当たり前みたいにガンナーは嫌われてたんだよ。
その所為で危険な事件ばっかりに動員されたり、度々配置転換喰らったり、異動になったり ――― 成果をあげても昇進は遅かったしな」
「そんな・・・」

殉職した兄を、「無能者」呼ばわりした当時の上官も、そんな、ヴァイスが語ったような人間だったのだろうか?

「そんな風潮が有ったから、今でもそんな風に言われるな・・・ガンナーは、ロクな目に遭わない。ってな」

自分の努力や、力量が認められないかもしれない。“ガンナー”である。という、それだけの理由で
今更、クロスミラージュを手放すことなどできない・・・どうしようもなく理不尽な現実に、ティアナは俯き、唇を引き結ぶ・・・
そんな彼女の、震える細い肩を叩き、ぎゅっと抱き寄せて、ヴァイスは、言った

「・・・だからよ、ティアナ。お前が証明してやってくれ」
「え、え?な、何を、ですか?」

いきなり、胸の中に抱き寄せられたことに、ティアナは身を堅くして頬を真っ赤にしていたが、ヴァイスは思い掛けず真剣な表情を作っていた

「執務官になって、バリバリ活躍して、ガンナーはロクな目に遭わないなんてジンクスを、ぶっ壊してくれよ。“ガンナーもやるもんだ”って証明してやってくれ」
「ヴァイス陸曹・・・」

抱き寄せられた格好のまま、ティアナは瞳を閉じると、ヴァイスの胸板に額をくっつけた
ドックタグの硬い感触と、彼の温もりが額から伝わってくる・・・

「・・・じゃあ、ヴァイス陸曹。私に、教えてくれますか?」
「?何をだよ?」
「そうですね、取りあえずは狙撃技術全般について。ブレイズモードを完璧に使いこなしたいので」
322銃手の誇り:2008/09/15(月) 00:08:05 ID:GWMPqndK
腕の中で、蒼い瞳が悪戯っぽく笑っていた
胸のつかえを吐き出す様に、ヴァイスも小さく笑って、二つに結わえた陽色の髪の毛をがしがしと掻き回す

「俺に教えてやれることだったら、何でも教えてやるぜ?そうと決まれば訓練再開だ」
「はいっ!」
「今日中には、500m先の動体目標を百発百中でブチ抜けるようにしてやるからな。泣き言は聞かねーぞ」
「よろしくお願いします!!」





見ていてください。私は、絶対に証明して見せます

ランスターの弾丸は、ちゃんと敵を撃ち抜けることを

陸曹に教わった技術は、人を不幸にする技じゃない。守る為の技術なんだって

私達が持つ“銃”は、誰かを傷付ける為だけじゃない。助けることもできる物なんだって



絶対に、証明して見せます





「ヴァイス陸曹、私、頑張ります!」
「おぅ、その意気だ!だが、狙撃の基本は ―――「コンディションと、コンセントレーション。ですよね?」そうだ。まぁ、肩肘張らずにやるんだぜ」
「はい!」



良く晴れた冬の青空の下で、とある少女は誓いを新たに歩き出したのだった・・・
323銃手の誇り・おまけ:2008/09/15(月) 00:09:27 ID:GWMPqndK
「さて、今日の訓練はここまでだが・・・ところでよ、ティアナ・・・その、良かったら、ちょっと貸してくんねーかな?」
「何をですか?・・・もしかして、この子を、クロスミラージュをですか?」
「へへ、実は、スペック見たときから一回撃ってみたくてよ」
「・・・シンパレートの問題とかありますから、ストームレイダーの感覚では撃てないと思うんですけど・・・」
「まぁ、そりゃそうだろうけど・・・一回だけ、一回だけ試させてくれよ!」
「わかりました。それじゃあ、クロスミラージュ、個人認証カット・・・一回だけ、ですからね」
『...Ok』
「へへ、サンキュー、ティアナ。クロスミラージュも」



『・・・(ギリギリギリ)』
『・・・ストームレイダー。歯軋りするほど悔しい気持ちは・・・あまり理解できないが、わざわざ擬音を口にするほどの事でも無いだろう?』
『陸曹の浮気者陸曹の浮気者陸曹の浮気者』



「・・・」
「・・・どうしたんです?ヴァイス陸曹。撃てるようになってますよ?」
「あー、うん・・・そう、なんだけどな・・・あぁ、やっぱり返すわ。ティアナ」
「へ?何です?ソレ。貸せって言ったり返すって言ったり・・・??」
「いや・・・俺にはこの重さが無いと駄目だ。なぁ、ストームレイダー。俺の本妻はやっぱりお前だよ」
「・・・ハァ、妬けちゃうわね。ったく」
「何か言ったか?ティアナ」
「何でもありません!お先に失礼します!」



『・・・サー・ティアナ』
「ん、どうかした?クロスミラージュ」
『ハンカチの手配が必要でしょうか?』
「ハンカチ?何で?・・・あぁ、そっか。折角のモード3だもんね。寮に帰ったらピカピカに磨いてあげるから」
『いえ、そうではなく・・・あぁ、いや、それはそれで嬉しいのですが・・・』
「どうしたの?変な子ね」



――― そんな、夕焼け空の帰り道 ―――
32426-111:2008/09/15(月) 00:13:35 ID:GWMPqndK
以上です
久しぶりだと、何か緊張しますね。掌がベタベタですよ
SSXではティアナ達がどんな活躍をしているのかとても楽しみです。っていうか早く聞きてぇ
あと、SSX公式ページでティアナが持ってるのが、ブレイズモードのクロスミラージュって事で良いんでしょうかね?
そうだと決めつけて書きました・・・違ってたらツッコミお願いします

それでは、スレ汚し失礼しました
325名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 00:30:59 ID:IauH19Tz
GJ!
嫉妬するストームレイダーかわいいよストームレイダー
肩に手を乗せられてときめくティアナもかわいいよティアナ

クロスミラージュの卿という二人称で某ギャラクシーヒーローレジェンドの帝国軍人さんを思い出した
326名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 00:37:06 ID:w6kWciwN
>>302
乙。迷わず行けよ行けばわかるさ!
いつの間にか保管庫の氏のページに格納されてるSSが半端じゃない量になってますな

>>324
ストームレイダーモエスwwwGJ!
冒頭で思わず自分もレンチを握り締めてしまったのは俺だけでいい
327名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 00:55:49 ID:asTZ6rLl
>>324
GJ!
ストームレイダー、どんだけ可愛い奴なんだお前。
もう女の子にしか見えないじゃないか(AIの性別はわからんから男かもしれんが)。
328名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:06:57 ID:SSHE4WN1
>>324
GJ。
考えてみれば銃型ってこの2人だけなんですよね。うん、何というか雰囲気とか緊張感とか、いい感じでした。
でもやっぱりストームレイダーに持って行かれてるような気がしますw
329名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:41:27 ID:eXGhbs4j
>>302
再開乙
つかなのはさん、母親としてまずはこのケダモノどもを血祭りにあげたほうがw
330 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 01:46:58 ID:vY5OufrD
取り敢えず>>280を具現化して見た。

ちなみに本編は見たことないし、キャラ設定もあやしいのでご勘弁。

反省はしない。
331 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 01:48:09 ID:vY5OufrD
『うんしょ……うんしょ…』
高く積み上げられた資料を運ぶ少女が一人。
ピンクの髪を揺らす彼女の名はキャロ・ル・ルシエ。
類い稀なる才能を持ち、このミッドチルダ高等魔術学院への奨学生としての特別入学が許された魔導師の卵だ。
生活費を稼ぐ為に毎日アルバイトに勤しみ、それでもなお成績はトップクラス。
教師達からも将来を楽しみにされている天才&努力の子だ。
そんな彼女は担任に当たるフェイト・T・ハラウオン先生に頼まれた資料を職員室まで運んでいる。
彼女には少し重いがそれでも必死に運んでいる。
二階にある資料室から一階の職員室へと繋がる階段を降りようとした時だった。
そう、彼女にとって人生を揺るがす大きな出会いが待っていた。
フラフラと階段を一歩ずつ降りていたキャロ。
その時、すれ違った生徒にぶつかりバランスを崩してしまう。
『きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
そのまま資料をばら蒔きながら階段の下へ落ちていくキャロ。
二階からとはいえ落ちればひとたまりもない。
その時、一人の生徒が何の迷いもなくキャロの落ちる地点へと駆け出していた。
『きゃっ!!』
『うわっ!!』
生徒はキャロを抱き留めるが、自身の慣性力によりそのまま進行方向へ転がってしまう。
助けてもらった生徒に覆いかぶさるような形でいたキャロはすぐに上体を起こす。
そして違和感。
それは生徒の方にも伝わっていた。
『ひゃぁ!!』
『うわわわ!!ご、ごめん!!ワザとじゃないんだ!!』
生徒は慌てて腕を動かそうとするも、焦りから事もあろうにむにむにとキャロの決して大きくはないが将来に期待できる夢の詰まった胸を揉んでしまう。
声も出ないキャロはなすがまま決して大きくはn(ry胸を揉まれ続けていた。
十秒程で冷静さを取り戻した生徒がゆっくりと腕を離し、キャロの身体を起こす。
そして、頭を下げた。
『ごめんなさい!!悪気は無かったんです!!』
『え、あ、いえ……その』
キャロは胸を揉まれしばらく気が動転していたが、周囲に散らばった資料を見てはっと思い出す。
『あ…あの、助けてくれてありがとうございます!!』
そしてこちらも頭を下げた。フロアに響くごめんなさいとありがとうございますの応酬。
それを止めたのは先生だった。
332 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 01:48:56 ID:vY5OufrD
『二人とも……何してるの?』
キョトンと首をかしげるのはキャロの担任、フェイト先生。
騒ぎを聞き付け駆け付けていた。
そこでキャロと生徒は辺りを見回す。
いつの間にか出来ている人だかり。
その中心に二人はいたのだ。
『『……え?』』
状況が飲み込めず二人揃って間抜けな声をあげてしまう。フェイトは溜め息を付いて二人を立たせる。
『とにかく、一応保健室に行こう。…誰か、資料集めて私の机に置いといて』
フェイトに連れられ保健室に向かう二人。
その後からひそひそと声が聞こえる。
『まただ……』
『流石エリオ君………』
『やはりエロオ・揉んでやるの異名は伊達じゃねーな…』
しかし二人はこの声に気付くことはなかった。
保健室で保険医シャマル先生に簡単な検査を受けるキャロ。
横では生徒が心配そうに見守っている。
『大丈夫よ、頭も打ってないし…体を軽く打ってるけどこれくらいなら治療は必要ないわ』
シャマルが検査を終えるとキャロは隣にいた生徒に改めて礼を言う。
『あ、あの!!助けてくれてありがとうございます!!』
ぺこりと頭を下げるキャロに生徒は笑ってみせた。
『いや、君が無事でよかったよ……それと、さっきはごめんなさい』
今度は生徒が頭を下げた。
事故とはいえキャロの決してo(ry胸を揉んでしまったのだから彼としてはバツが悪かった。
するとシャマルがクスクスと笑い出した。
『エリオ君、また?』
『はい……』
エリオ、それがこの生徒の名だ。
どうやらこのような事故は一度や二度ではないらしい。
シャマルにいじられ赤面するエリオの横でキャロは首をかしげる。
『エリオ君……どこかで…あぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
唐突に叫ぶキャロにエリオとシャマルが跳ね上がる。
キャロは目を見開いてエリオを見ている。
『エリオ君……あの大財閥、モンディアルグループの御曹司〜っ!?』
『あ、うん。そうだけど……』
キャロは再び頭を下げる。
『あ、あの!度々の無礼をお許しください!!』
地方出身の普通の女の子であるキャロにとって目の前にいるのはとてつもなく高い場所にいるお方。
ましてや馴々しく話し、助けてもらった時には下敷きにしてしまい、あげく服まで汚してしまった。
キャロはもう半ばパニック状態だった。
333 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 01:50:33 ID:vY5OufrD
『あ、いや…別にそんな風にかしこまらなくても……』
『あの…その…』
もはやなにがなんだかわからないキャロにエリオは笑う。
『モンディアルグループの御曹司って言っても、ここじゃただの学生だから』
『あ…はい…』
エリオに諭され、やっと冷静になるキャロ。
自分を怪我の危機から救ってくれた少年エリオ。
その眩しい笑顔にキャロは少しときめいてしまう。
エリオはイスから立ち上がり、保健室を出ようとする。
『それじゃ、授業に戻ります』
『あ、待ってください!!』
不意にキャロに呼び止められ振り返るエリオ。
そしてキャロは告げる。
『私、キャロ・ル・ルシエと言います!!助けてくれて本当にありがとうございます!!』
己の名と精一杯の感謝の心を。
そして、エリオもまた告げる。
『それじゃ改めて、僕はエリオ・モンディアル。さっきは本当にごめんなさい』
己の名と謝罪の言葉を。
これがミッドチルダ高等魔術学院を波乱へと導く幕開けになろうとは、この時は誰も知るよしがなかった。

第一話『ちっちゃな胸におっきな夢』
終結!!

『私はルーテシア…ルーテシア・アルピーノ………エリオの許嫁』

『助けて……エリオ君…』

『僕が君を守る!!』

次回、『エリオは私の婿!?』
続くかどうかは作者の脳にお聞きください。
334名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 02:14:44 ID:vMUWBIWf
>>333GJ!早速続編が楽しみなわけですよ
335名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 02:50:14 ID:ZTF+f3mJ
>>333
GJ!!
続きを期待せざるをえない
336名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 02:52:13 ID:asTZ6rLl
>>333
GJ!!
すごい、直球過ぎてハートがstrikeだよ。
ラブリーな米へと発展する期待大です。
337名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:24:17 ID:fhF+shiZ
おれ>>280なんだけどよ……
(予定してる)続編が書き終わったら>>333氏にプロポーズしようと思ってるんだ。
花束も用意してある。

うん、何が言いたいかというとGJ!
これに尽きる。
ネタ振りとしては恥ずかしいものがあるぜチクショーwwww
338名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:46:46 ID:mmQvDjtp
GJ!!
先生…続きが、見たいです…
神よどうか作者様に脳内インスピレーションのビッグバンを!
正直この設定だけでニヤニヤが止まりませんw
339名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 07:30:15 ID:bgzwrxm2
>>333
こんなエリキャロルーの学園編をずっと見たかったんだ!
エリオは二人の騎士ではないけど、二人を精一杯守ろうとして
キャロルーは自分たちの持つ強い力で彼を守り、そして好きになっていく…
た、たまらねえぜ。ぜひとも続きを!
340名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 08:13:16 ID:ARH+kSWc
さすがエロオ・モンデヤルwww
果たして彼は生き残れるのか!!!!

ちなみにタイトルは>>280のと同じでいいのか?
341名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 08:40:38 ID:HVIkjBcV
これはいいNice boatですね
342名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 09:17:51 ID:3GcrEs05
ところでこのエリオ、オリジナルだよな。
343名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 11:29:27 ID:vY5OufrD
追記
タイトルは>>280の『召喚少女リリカルキャロ』でよろしくお願いします。
第一話は『ちっちゃな胸におっきな夢』
今精一杯第二話を書いておりますのでお待ちください。
344 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 16:45:05 ID:vY5OufrD
かなり早い段階で書き上がっちゃいました。
これより、召喚少女リリカルキャロ第二話『エリオは私の婿!?』
投下致します。
345 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 16:46:20 ID:vY5OufrD
エリオとの衝撃的な出会いから一週間。
いつもエリオの事を考えてしまうピュアなキャロは勉強も手に付いていない。
でも成績は落とさない、それがキャロ。
『ねぇ、フリード……私変なのかな?』
『きゅく?』
通学の準備をしながら自身の召喚した竜、フリードリヒに聞いてみるも赤い目の竜は何も答えてくれない。
『きゅく?』なんて首をかしげる姿は愛らしい。
制服に着替えたキャロはフリードリヒをきゅっと抱き締める。
毎朝の日課なのだ。
留守番役のフリードリヒに挨拶をし、寮を出るキャロ。
寮から学院まではそんなに距離はない。
だが、朝早くに出る事に理由はあった。
それは、学院の裏庭にある。
『はっ!!はっ!!』
赤い髪の少年が槍型デバイスを持ち、素振りをしている。
エリオは毎朝ランニングと素振りをするのが日課なのだ。
この日も自慢のストラーダを振り、元気に汗をかいている。
キャロの目的はこれだった。
『エリオ君、おはよう!』
『キャロ、おはよう!はっ!』
最後の一振りを終え、キャロに歩み寄る。
キャロの手にはタオルとスポーツドリンクが持たれている。
キャロからタオルを受け取り汗を拭くエリオ。
数日前にキャロがエリオの朝のトレーニング現場を目撃して以来、毎朝二人はこうして裏庭でトレーニング後の談話の一時を楽しんでいる。
キャロの持って来たスポーツドリンクを飲みながら他愛もない話をするエリオ。
それを楽しそうに聞いているキャロ。
ほのかにピンク色な空気を醸し出す二人。
それを見つめるどす黒いオーラ。
この日もまた、波乱の一日になるのであった。

所変わってキャロのクラス。一時限目の数学(担当フェイト)が終わり、二時限目の体育(男子ザフィーラ、女子シグナム)の用意をしている時だった。
『あれ、体操服がない……』
鞄を探してみても体操服を入れた袋がない。
キャロは忘れ物をめったにしない。
忘れてもフリードリヒが届けてくれるのだ。
そしてそれはクラスの皆も知っていた。
しかし、今朝はちゃんと鞄に体操服を入れたしフリードリヒも来ない。
『キャロちゃんの体操服盗まれたの?』
『わからない……』
とにかく体操服が無くては体育は欠席するしかない。
キャロはこの日、体育を見学した。
346 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 16:47:17 ID:vY5OufrD
『…………』
それを見つめるどす黒いオーラが一つ。
ニヤリとわずかに口元をつり上げる。
キャロの災難はこれからだ。
次の騒動は三時限目、世界史(担当ユーノ)にて起こった。鞄の中には教科書がある。
ノートもある。
でもページはなかった。
『え………』
『これはヒドい…!』
普段は穏和で知られているユーノもこれには怒りをあらわにする。
即座に授業は中断、すぐさま犯人探しとなった。
『誰がやったの?正直に手を上げて』
事務兼生徒指導員、高町なのはがクラス中を問詰める。
しかし、これで素直に手を上げる犯人などいるはずもない。
なのははレイジングハートを構えながら呟く。
『名乗りでないと一人ずつ頭冷やすことに……』
『まずはなのはが頭冷やそう』
ポコッと教科書で叩いて制止するユーノ。
ミッドチルダ高等魔術学院名物の頭冷やそう漫才である。それはさておき、これは立派ないじめである。
他には何もされていなかったが、これにはキャロもショックを隠せなかった。
取り敢えずこの件はなのはが引き続き調べる事になり、授業は再開した。
なんとか授業を終えたキャロは、エリオと共に昼食をとっていた。
『それはヒドい話だね……』
キャロから話を聞いたエリオが苦言を漏らす。
皆仲良くがモットーの学院においていじめなど大問題。
エリオはキャロの手をとった。
『僕も力になるよ!何か困った事があったら相談して』
『うん!ありがとう、エリオ君!』
自分の事のように真摯に接してくれるエリオの暖かさにまたちょっぴりときめいたキャロ。
伝わる手の温もりが鼓動を早くする。
その時、後から声がした。
『エリオ……誰?』
『ルー!』
『え?』
キャロの背後に立っていたのは綺麗な紫色の長髪をなびかせる清楚なお嬢様的雰囲気を醸し出す少女だった。
『あの、あなたは……?』
『私はルーテシア…ルーテシア・アルピーノ……エリオの許嫁』
許嫁。
キャロは3秒フリーズした。
『い、いいい許嫁っ!?』
『あ、うん……親同士の取り決めでアルピーノ家の彼女が僕の許嫁なんだ』
ルーテシア・アルピーノ、モンディアルグループに勝るとも劣らぬ大企業、アルピーノカンパニーの社長令嬢。
そしてエリオの許嫁。
347 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 16:49:28 ID:vY5OufrD
二人は幼い頃から婚姻関係の取り決めをされ、モンディアルグループとアルピーノカンパニーの友好のシンボルになる予定なのだ。
少し儚く暗い雰囲気を見せるミステリアスなルーテシア。
エリオはルーテシアにキャロを紹介する。
『あ、この人はキャロ・ル・ルシエ…この前ちょっとした事故で知り合ったんだ』
『あ、キャロ・ル・ルシエですっ!』
ぺこりと頭を下げるキャロ。
ルーテシアも釣られて頭を下げる。
『初めまして、アルピーノカンパニー社長令嬢ルーテシア・アルピーノ…よろしく』
礼儀正しく、丁寧で清楚な振る舞い。
まさにお坊ちゃまとお嬢様、お似合いな二人に少し妬いてしまう。
でも、それは心の奥にしまっておく。
エリオはルーテシアにもキャロのいじめ問題について話をした。
『そうなの…ひどい話』
『うん……先生が新しい教科書くれたけど…もしかしたらまた』
『大丈夫、私も強力する』
ひしっ、とキャロの手を取るルーテシア。
『ありがとう、ルーテシアちゃん…』
『ルーでいい』
『うん!』
それからは三人、仲良く昼休みを過ごした。
だが、真の騒乱はこの後起こる。
それは放課後の事だった。
いつものようにアルバイトの為に急いで玄関を出ようとした時の事だった。
下駄箱に手紙が置いてあった。
(校舎裏の体育倉庫で待っています、エリオ)
と綺麗な文字で書かれた手紙だった。
『これって……』
いわゆるラブレター。
エリオからのラブレター。
正真正銘エリオからのラブレター。
『っ!!』
気付けば全力疾走。
体育倉庫に行くまでに一分もかからなかった。
薄暗い体育倉庫の中でエリオの名を呼ぶ。
『エリオ君、来たよ!』
告白の期待と緊張で震えているがそんなのはお構いなしだ。
ドキドキしつつ辺りを見回すが誰もいない。
その時だった。
ガゴォン、カチャカチャ。
『え!?』
いきなり真っ暗になった体育倉庫。
何者かが体育倉庫のドアを閉め、あろうことか鍵までかけたのだ。
『誰?出して!お願い!』
ガンガンとドアを叩いて叫ぶが反応はない。
なんとキャロは閉じ込められてしまったのだ。
鍵をかけられたドアは開かない。
換気のための小窓が上の方にあるがとても人がくぐれるような大きさではない。
348 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 16:50:48 ID:vY5OufrD
そう、体育倉庫はまさに脱出不可能の空間に変貌したのだ。
そしてキャロはある事実に気付く。
今は放課後、部活動がないこの学院に生徒が残るはずもない。
ましてや校舎裏の殆ど使われる事のない体育倉庫に人が訪れることはない。
つまり最低でも朝までここに閉じ込められるのだ。
『誰か、誰か助けて!!』
ガンガンとドアを叩いて叫ぶがやはり反応はない。
キャロは力なくその場に膝をついた。
一方、その頃エリオは…。
『あ、そういえばキャロがこの店で働いてるって…』
『そうなの?』
ルーテシアと共に帰宅している途中、キャロからアルバイト先と聞いたケーキショップに立ち寄っていた。
店の中に入るとそこは甘い香りが漂うおしゃれな雰囲気の場所だった。
エリオとルーテシアが店内を見渡すがキャロの姿は見えない。
エリオは案内された席で店員に聞いてみた。
『あの、ここでキャロって子が働いてるって聞いたんですけど』
『キャロ?今日は来てないよ……珍しいよ、彼女が無断で休むなんて』
『え……?』
エリオは驚いた。
エリオが知る限り彼女がそのような事をするはずはない。
忘れ物もめったにしないしノートもちゃんととる。
そんな几帳面でしっかりもののキャロがまさか無断でバイトを休むなんて考えられなかった。
店員も腕を組んで唸る。
『彼女はしっかりしているからね、休む時はちゃんと連絡くれるし……まさか何か事件とかに巻き込まれてないだろうか…』
全部言うより先にエリオが店を飛び出していた。
後を追うようにルーテシアも立ち上がる。
『私達で探してみます』
『うん、お願いするよ。心配だし』
『それじゃあ…』
そう言ってルーテシアも店を出た。
まず向かったのは学院寮。
管理人のおじさん(レジアス)にキャロが帰ってないかを聞いてみる。
『ん?キャロちゃんならまだ帰っていないが』
『そうですか……』
しかし寮には帰っていない。
次は学校だ。
しかし守衛のおじさん(ゼスト)や事務のなのはに聞いてみても見掛けていないと。
『ここも違う……』
取り敢えず校舎内を探しまわるエリオとルーテシア。
仕事を終えたなのはも加わり三人で学院中を探索していた。
349 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 16:52:00 ID:vY5OufrD
その頃、キャロは助けを求めて叫んでいたが次第に疲れて叫ぶ声が小さくなっていた。
『誰か……助けて…』
既に日は落ち、辺りには静寂が広がっていた。
小窓からわずかに月明りが入るがそれでもなお暗い体育倉庫でキャロはただ座り込んでいた。
『どうして……どうして』
誰の仕業かもわからない、朝から続く奇妙な嫌がらせ。
ピュアなハートのキャロの心はズタボロに傷ついていた。
もしかしたらこのまま誰にも気付かれる事なくただただ弱って死んでいってしまうのかも。
今のキャロにはそのような最悪の事態しか浮かばない。
『助けて……』
それでもなお助けを求める小さな声。
そして呼ぶ、己を守ってくれる優しき騎士の名を。
『助けて……エリオ君…』
わずかな希望だった。
もしかしたら誰かが探してくれているかもしれない。
その時だった。
『キャローッ!!』
『エリオ君!?』
聞こえたのはあの小さな騎士の声。
キャロは精一杯の力で助けを求めた。
エリオもその声に反応、体育倉庫に近付く。
『キャロ!?そこにいるんだね!?』
『エリオ君!!助けて!!』
『待ってて、鍵を持って来る!!』
程なくしてゼストが鍵を開けた事でキャロは無事に救出された。
疲れ切ったキャロはエリオに抱かれて保健室へと運ばれた。
『これがその手紙…』
キャロが持っていた手紙を見て一同はエリオを見る。
しかし、この字はエリオのものではない。
『誰がこんなことを…』
エリオの名を語り、キャロの命を危険にさらした謎の人物。
朝からの嫌がらせといい到底許せるものでは無かった。
エリオはキャロを見つめる。
『エリオ君…』
『大丈夫…僕達が必ず犯人を探し出してみせるよ』
エリオの言葉に一同はうなずく。
エリオはキャロの手をとる。
『僕が君を守る!!』
キャロの波乱の一日は終わった。
だが、これは単なる序章にすぎない。
キャロとエリオ、ルーテシア。
生徒や先生達を巻き込んだミッドチルダ高等魔術学院史最大の事件が遂に幕を開けた!!

第二話『エリオは私の婿!?』
終結!
350 ◆K17zrcUAbw :2008/09/15(月) 16:53:10 ID:vY5OufrD
『僕は…大丈夫だから…』

『私が……私がいなくなれば』

『もう逃げられないよ!』

次回、第三話!!
『見えざる敵、エリオの危機』
お楽しみに!!



さてさて、犯人は誰でしょうかね。
351名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 16:58:15 ID:C+qLJZcw
自己紹介でアルピーノカンパニー社長令嬢って自分で言うか……
352名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 17:06:23 ID:fhF+shiZ
>>350
GJ!
こういうのもいいなぁ……
シンプルでいかにも火曜日夕方六時にやってる女の子向け番組ぽくって……
朝の登校シーンとかアルバイト先とか冷却漫才とか
いろいろほほえがましくてOKッッ!!


>自己紹介でアルピーノカンパニー社長令嬢って自分で言うか……
どう見ても全力全開で対抗心燃やしすぎです、ルーテシアお嬢様w
353名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 17:12:57 ID:0ukl2Wmp
いいねえ、こういうなかよしやりぼんみたいなノリ
354名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 17:28:18 ID:B35r7NKe
ああ、いい感じに少女マンガチック

>>342
揉ンデヤルグループの科学力はミッドいちぃィィー!
とか言ってコピーが…
355名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 17:37:03 ID:mmQvDjtp
GJ!
実に青春を送ってるなあと思う。
さすがルーちゃんだ。彼女も母親が拉致られなければこないな性格になってたと思う。
そして、始まる三角関係…
続きが待ち遠しす。
356名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 17:39:36 ID:GEKbzr/W
>>351
テンプレなお嬢様キャラのひとつじゃないか
自身のステータスとしてこういったことを誇るキャラ
まぁヴァージョンも色々あって、ただ威張り散らすのに使うやつから
己を鼓舞するために言うやつまで 料理し甲斐の有るキャラ設定でもある
357名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 18:52:38 ID:HVIkjBcV
これで実は犯人なんていなくて全て自演の「計画通り!」だったら吹く
358名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 19:15:02 ID:asTZ6rLl
>>350
GJ。
このノリ良いなあ。安心して読めるというか、気を張らなくて良いというか。
こっそりと背景に登場するレジアスとゼストが何だか泣けてくる。
こっちでは楽しく平穏に暮らしているんだ、この人達。

今のところルーは限りなく黒に近いグレーか。
けど、ここまで王道過ぎると却って疑ってしまうなぁ。
実は、ルーテシアはブラフで、【自主規制】が犯人とか?
359名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 19:57:46 ID:vMUWBIWf
素晴らしい!この話しだとスカリエッティは間違いなく理科の先生だなw
360名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:03:31 ID:ARH+kSWc
なのはとユーノの出番が増えて欲しいと思う俺は異端か
361名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:05:32 ID:eXGhbs4j
>>357
さあ、俺と一緒に今はなきキャロスレに帰ろうかw
362名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:08:47 ID:asTZ6rLl
>>359
ならばシャマルは保健室の養護教諭か保険の教科の先生、はやては家庭科の先生かもな。
校長はミゼットばあ・・・・・ミゼット女史だろうか?
凄いな、夢が膨らむ。
363名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:10:07 ID:69iruzwM
ゲンヤは教頭か?
>>360
俺もだ。
364名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:14:30 ID:uHdc3hmO
むしろレジアスが塾ty…校長で
365名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:27:53 ID:l35LGpRi
最近、なのは×ユーノ房が沸いてるな。
公式カプでなく「ただの友人」なんだから自重してくれ

366名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:35:58 ID:0erE4NvV
>>365
まあ、あまり自分の好きなカプを押し付けるのも問題だけど、もう少し言い方に気をつけような?
367名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:39:28 ID:KQOLCEej
スバルのエロが見たいです…
368名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:41:43 ID:asTZ6rLl
>>367
スバル“だけ”じゃないけど今書いている。

執筆加速のためにも、誰か電波をくださいw
369名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:41:50 ID:B35r7NKe
>>365
まあ待て
自分もそいつらに一言二言三言あるが、少なくとも言うのは今じゃあない
TPOを間違えると正しい主張でも正当性が失われてしまう

それが目的なら話は別だが
370名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:43:44 ID:Ysn/zumg
まず主張が正しくない
371名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:45:57 ID:KQOLCEej
>>368
おお!期待してます
最近ようやくスバルのかわいさに目覚めた

あと>>365はいつもの子だと思うんだが・・・
372名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:46:23 ID:CqSFjxav
ここは公式を気にしないで楽しむところですよね?
373名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:48:05 ID:UvpieZKc
公式気にしたらクロエイぐらいしか書けるものなくなるしな
374名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:48:42 ID:vn2hMUe7
多種多様なカプ好きが集まるスレで特定のカプの話ばっか出す人がいたら不快に感じる人もいるということだろうさ
何事も適度が一番って事だろう
>>365は止めろと言ってる訳でもなく、少し自重してくれって言ってるだけだしな


という訳で荒れかねない話題はここまでにして、↓の人感想かエロい話題頼んだぜ!
375名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:49:21 ID:8T88qa/U
まあ公式が「ただの友人」なのは間違いないけどな。
ただ、度を超えなければ自重する必要もない。
376名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:49:58 ID:tapy/YZl
公式に喧嘩売らずして何が二次創作、妄想か!
377名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:50:33 ID:d85Ef/td
本放送中のアニメ板本スレでの、なのフェイ派vsなのユー派の泥沼の抗争を思い出すからやめてくれ……
双方、そしてその他の住民も得るものは何一つないですよ

ところでなのはさんに似合うのは猫耳か?犬耳か?
378554:2008/09/15(月) 20:51:13 ID:GY4gyA0T
まずは、東北大学おめでとう!! そして、感動をありがとう!!

そんな中、今回が山場のクリニック・F。 都築をよろしいでしょうか?
379名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:51:18 ID:0erE4NvV
>>エロ話題

なんかシャマル見てると凄まじく欲情する、なんつうか白衣と黒ストが良い。
380名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:51:45 ID:UvpieZKc
おk

>>377
あえて狐耳
381名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:52:09 ID:ySCdcwbQ
>>368
シチュがわからないと何とも言えないんだぜ
>>370
他のキャラが主役のSSで自分の好みのキャラの出番を増やしてほしいというのはあまり適切でもないとは思うが
382名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:52:10 ID:asTZ6rLl
>>371
“可愛らしい”スバルはちょっと難しいかなぁ。
スバルのエロは初挑戦だし、ハーレムSSだし、終始やりっぱなしでストーリー皆無だし。
エロを書くと固有結界「無限の煩悩」が強制発動する体質なんで。もしくは「グレイトフル・エロス(偉大なる性)」だろうか?
とりあえず、できるだけ頑張ってみます。
383名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:52:40 ID:8T88qa/U
くぅん?
384名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:53:15 ID:0erE4NvV
>>378
待ってましたぜ! さあ、レッツ投下!!
385名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 20:54:14 ID:asTZ6rLl
みんな、554氏だ。
道を開けよう。
386554:2008/09/15(月) 20:57:46 ID:GY4gyA0T
いやー、思わず涙出そうになっちゃいました。 やっぱり、人間っていいですね。


それでは行きたいと思います。 まず最初に、今回でクリニック・Fはある意味最終回を迎えます。
つまり、このテイストは今回が最後と言うこと。 心配だ・・・。

・カップリングはジェイル(あえてこう表記)×ウーノ
・スカの性格がかなり変化してます。それについては後に触れますが、気になる人はNGしてください。
・なのはキャラはスカとウーノ以外はフェイトくらいしか出ません。しかもかなり後半。よってほぼオリジナルストーリー。
・NGワードは「小さな町の小さな診療所 クリニック・F」です。
・何度も言いますが、「クリニック・F」は今回が最後。 次回からは・・・

それでは原案の73-381氏に多大なGJを送りつつ、投下したいと思います。
387小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 20:58:20 ID:GY4gyA0T
「私は、所詮まがい物です」

 窓の外を憂鬱そうに眺めては溜息をつく、妙齢の美女がひとり。

「そんな私でも、受け入れてくれるのでしょうか……?」

 可憐で華麗なロングヘアーを棚引かせ、差し込む光に眩しそうに目を細め、その手に隼から貰ったブライダル関連の雑誌を手にしながら窓の外を憂いのある表情で見つめる。
 彼女は創られた存在である。それ故に、悩んで悩んで、今も悩み続けている。
 そして彼は、この体のことをどう思っているのだろうか。幼き日の傷を抉ることになる、この体を。

「『私は良いウソはついても悪いウソはもう、つかないよ』だなんて……」
「ウーノ? おーい、ウーノー」
「ひゃいっ!? な、なんでしょうか」

 どうやらトリップのしすぎで戻って来られなかったらしい。
 ウーノは薄く頬を朱に染める。

「お客さんだ、治療室に戻って」
「は、はい」

 寝室で周りに薔薇の花を咲かせていたウーノは、はっ、としてぱたぱたと治療室へと戻っていく。
 傍らにはベラドンナリリーの花が鉢植えの中で揺れていた。


388小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 20:59:12 ID:GY4gyA0T
     □     □     □     □     □     □



「どうしてこんなことに……」
「仕事だと思って諦めたまえ。ほら、来たよ」

 清楚な白のワンピースを纏い、清涼感を演出する麦わら帽子を被ったウーノは、白衣姿のジェイルと共にとある中学校を訪れていた。
 中学校とは勉学を磨くための施設であり、体育の授業以外はこんなふうに学校全体が喧騒に包まれるようなことはない。
 それに加え、「がんばれー」だとか「いけー」といった歓声までもが聞こえる。木陰には屋台が軒を連ね、かき氷や焼きそばといったにぎやかな看板がグランドに色を添える。
 すなわち、今日は体育祭。生徒達にとって年に一度のお祭りである。

「お、一位みたいだね」
「そんなに楽しいのですか? ドクター」
「楽しいじゃないか。こんなふうに子ども達が純粋に競い合うところを見ているのは、本当に楽しい」
「ふふ、そうですね」

 護やその友だちが診療所の裏庭でジェイルと共に遊んでいるからだろうか。日々成長を続ける子供をジェイルは段々と好きになっていった。
 ウーノはハンディカム片手に、グラウンドへ優しい眼差しを送るそんなジェイルを微笑ましく思いながら見つめていた。



 きっかけは体育祭の前々日にやってきたとある患者だった。

389小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 20:59:46 ID:GY4gyA0T
「風邪ですねー。抗生物質を出しておきますから、安静にしてくださいね」
「えと、明後日とか、外に出られないですかね……?」
「はい……?」

 そう聞いてくるのは齢四十代の前半か、あるいは三十代の後半か、いずれにせよ、主婦の女性。
 彼女の話を纏めると、どうやら明後日は近くの中学校で体育祭が行われるとのことだった。夫が単身赴任中の彼女にとって、娘のたちの晴姿をどうしてもビデオに収めて夫に見せてあげてかったのだそうだ。
 当然、ジェイルの判断はノー。こんな体調で外に出せるわけがない。
 そこをなんとかと食い下がる彼女を宥めるため、元々非常時に備えて中学校に待機するよう頼まれていたジェイルとウーノは、泣きながら懇願する彼女を見て哀れに思い、カメラでの撮影を引き受けたのだった。



「やったよ、ジェイル先生!」
「おめでとう、はるなちゃん。やったね」
「おめでとうございます」
「ありがとう。ジェイル先生、ウーノさん」

 一位、と書かれた賞状を持ってジェイルとウーノに駆け寄ってくるのは、いかにも元気そうなショートカットの女の子。胸の名札には”石川”という名字が刻まれていた。
 そして、もう一人。

「おめでとう、お姉ちゃん」
「ありがとう、あおば。次のスウェーデンリレー、お互い頑張ろう!」
「お姉ちゃんはいいけど、私は自信ないよ……」

 同じく名札に”石川”の文字が刻まれたロングヘアーの女の子がもう一人。
 二人の顔は一目見て似てると判断されるであろう容姿で、性格の違いはあれど、一見して姉妹だということが分かる二人だった。
 そして、名札の周りを囲んでいる線の色によって学年を見分けるシステムを取っているこの中学校。二人ともが同じ色の線が名札を囲っているあれば、結論は一つである。
390小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:00:06 ID:GY4gyA0T
「なんでお姉ちゃんみたいに運動神経ないんだろ……。私たち双子なのに……」
「それを言ったらあたしだってあんたみたいに勉強できないわよ。あんたなんか恥ずかしいの体育の時だけで、あたしなんか毎日だかんね。ま、もう慣れたけど」
「ははは……。私はまだ慣れないや」
「それも性格の違いってやつだよ。いくら双子だって一卵性じゃないんだから性格までは似ないって」

 落胆の表情を隠せない妹のあおばと、人当たりの良い笑顔であおばの肩を叩く姉のはるな。彼女たちは双子であった。
 幼いときから似ていたのは容姿だけで、性格や行動などはまるで反対。活発で元気な姉と内気で優しい妹。
 ジェイルは屈託無く笑うその姿にかつてのナンバーズの面々を思い出していた。
 薬のせいか、あるいはここでの生活がそうさせたのかは定かではないが、少なくとも今の自分なら彼女たちにあんな戦いを強いる事なんてしなかったと、彼は思う。
 そもそも以前の身勝手な心が無ければ隣で微笑んでいるウーノでさえも生まれていなかったのだから、彼が戦いをしない未来など存在し得ないはずなのだが、何故だか彼の脳裏にはナンバーズの妹たちが存在しない未来は想像できなかった。
 今は家で寝ている母親の、必死に明後日は行けないだろうかという食い下がりを見ていた彼は、それによって何かを感じたのかも知れない。あるいは、彼の奥底に封印されていた父性というものが、この地の人たちとの交流を通して芽生え始めてきたのかも知れない。
 いずれにせよ、それは良い兆候であり、彼が本当に変わったことを顕著に表していた。
 そんな彼だからこそ、その一つ一つの言葉には説得力があり、その一つ一つの言葉には日本語で言うところの”言霊”が宿っているのかも知れない。

「得意不得意にしろ、精一杯やればそれでいいんだよ。一番やっちゃいけないのは人の気持ちを考えないこと。それさえ出来れば大丈夫さ」
「うわ、重みあるね。その言葉」
「それって体験談ですか?」
「それは秘密。オトナの世界はあまり気持ちの良いものじゃない、とだけ言っておこうか」
「さりげなくあたしたちの希望をブッ壊さないでよ、先生」
391小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:00:23 ID:GY4gyA0T
 人間の気持ち。それはこの地に来た最大の目的であり、何故彼はまだ少女と言ってもおかしくないほどの年齢で構成された集団に敗れたのか。それを理解するために彼女たちの出身世界へとはるばる移住してきた。
 その目的は地域の人々や子供たち。そしていつも側で笑っていたウーノの支えもあって、人のこことはなんたるかを理解することができた。
 人の心というのものを言葉で表現するならば、怒り、悲しみ、喜び、などという形式的な言葉でしか存在せず、その言葉という他人に信号を送るためだけのものでは到底表現しきれないのだ。
 それが彼には、ジェイル・スカリエッティには全く分かっていなかったのだ。彼には人の心がもたらすパワーがどれだけの可能性を秘めているか。それが理解できていなかったのだ。

『三年生に連絡します。スウェーデンリレーの整列を行いますので入場門に集まってください』

「よし、がんばろう、お姉ちゃん」
「うっし、その息だ、妹よ」

 白衣姿の彼は蒼い瞳に輝く笑顔を写しながら、優しい顔で微笑んでいた。
 眼球を金色に光らせていた頃の面影はもう、ない。



     □     □     □     □     □



「で、患者はどの子です?」
「ああ、あそこで寝ている女の子です」
392小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:01:08 ID:GY4gyA0T
 校内アナウンスでジェイルの名前が呼ばれたのは本来の業務である医師としての仕事が舞い込んだからだ。
 保険医が指さす保健室のベッドにはいかにも具合の悪そうな女の子が顔面を蒼白に変えて苦しそうに寝込んでいた。
 ちなみに、いつもはジェイルの横でぴったりと寄り添っているウーノは第二の仕事、すなわちハンディカムを右手に握ってはるなとあおばの勇姿を克明に記録することに専念していた。
 そして、彼が仕事で一緒にいられなくなることを告げると頬を膨らませて拗ねていたことをここに付け加えておく。
 閑話休題、ジェイルは熱を測り、聴診器を当て、眼球の状態を確認したりと、てきぱきと診察を行っていく。その手際の良さはジェイルを案内した保険医でさえも驚くほど。

「軽度の熱中症でしょう。病院は必要ないですが、このまま冷房の効いている保健室で休ませてあげてください」
「分かりました。それにしても、素晴らしい手際ですね」
「医者の真似事も含めれば、初めてもう長いですから」
「お若く見えますけど……。あ、私、保険医の呉 千歳(くれ ちとせ)と言います」

 保険医である彼女は、顔はもちろんのこと、足はスラッと長く、お腹はくびれていて、更に胸は常人を逸している。まさに女性としては理想とも言える体型で、誰もが羨むボディの持ち主である。
 そんな彼女が椅子に腰掛けた状態で足を組めば、丈の短い白のスカート(保険医なのだから当然だ)から垣間見える艶めかしい肢体が惜しげもなく披露されている。
 常人ならばここで舞い上がってしまうところだが、ジェイルは常人ではなかった。
 「私のことはご存じでしょうが」と前置きのような科白を何の感慨もなしに言うと、千歳は面白く無さそうに顔を歪める。しかし、足はまだ組まれたままだ。

「丘上で小さな診療所をやってます、ジェイルと言います」
「評判はいたるところから聞いています。もちろん、良い噂ばかりを」
「お恥ずかしいです。私としては、まだまだ至らないところがたくさんありますから」

 最高の笑顔を浮かべたつもりの千歳は、またも普通に返答するジェイルに肩すかしを食らったかのような気分になりながらまじまじと見つめる。そして、彼の妻の苦労に心の中で涙を流した。
 しかし、恥ずかしそうにはにかむ彼を見ていると、なるほど、あれだけ良い女のウーノが落ちたのも頷ける、とよく分からない感想を抱く千歳。
 だからこんな科白を吐露してみた。それは出来心というイタズラでしかなかったのだが。
 この時彼女は気づいていた。保健室から少し離れた廊下から誰かが近寄ってきていることを。
393小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:02:01 ID:GY4gyA0T
「それで、お疲れ様を兼ねて今日の夜は一杯やりませんか? 先生のお話とかも聞きたいですし」
「ええ、いいですよ」
「良かった! あ、よろしければウチに泊まっていきます? 飲んだ後で外に出るのはかったるいでしょうし、ね?」
「そうですね、それじゃあ、お言葉に甘え「駄目ですぅぅぅっっ!!!」

 大きな叫び声と共に保健室のドアが大きな音を立てて開かれる。
 何事かとジェイルが見やると、そこには、はぁはぁと荒い息をしながら膝に手を突いて佇むウーノの姿があった。
 ちなみに、彼はそのことに手一杯で、千歳が漏らした「ちっ」という呟きを耳に入れることは出来なかった。

「ドクター、駄目です!! あ、明日の診察に影響が出ますっ!!」
「明日は日曜日だから休診だよ、ウーノ」
「うっ……。えと、えと」
「何だって言うんだい? ウーノ」
「ともかく駄目なんですっ!!」

 うー、と頬を膨らませるウーノと、それを不思議そうに見つめるジェイル。
 傍らで見ていた千歳は二人の様子があまりにもおかしくて、つい吹き出してしまった。
 それを更に不思議そうに見つめるジェイルと、真っ赤になって自分の痴態を他人に晒していたことを今更気づくウーノ。
 その様子がまたおかしくて、彼女はついにお腹を抱えて笑い出した。

「あっはははははっっ!! これはこれは、面白い漫才をありがとうございます」
「うー……。最初から謀ってましたね」
「さぁて、どうでしょう?」
394小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:03:19 ID:GY4gyA0T
 そんな女二人を相変わらず不思議そうに見つめるジェイル。
 ああ、忘れていましたた。と、わざとらしく前置きを入れた千歳は、ウーノに意地の悪い笑みを浮かべた後にジェイルに向き直り、先刻浮かべたような誰もが落ちてしまうような笑顔を彼に向ける。

「今日のお相手は私です、ということらしいですよ」
「おおおおおおあいて……。あ、あわわわわ……って―――先生っっ!!」
「あっはっはっはっっっ!! いやー、久しぶりに笑った笑った。あー、お腹痛い、ぐふふあっははっ!」
「もういいですっ!!」

 目尻を擦りながら真っ赤な顔をしてお腹を押さえる千歳と、怒りの表情を浮かべながら羞恥で真っ赤に顔を染めたウーノ。
 ジェイルはよく分からずに、ただそのやり取りをただぼんやりと見ているだけ。
 世界はまだ、平和だった。



     □     □     □     □     □     □



 時刻は夜の十時の少し前と言ったところ。
 窓際にインテリアの一部としておいてある、犬がくわえている骨のような形のどこででも見られるようなラジオの電源スイッチに手を掛け、押す。
 患者は当然いない。たまに夜通しで遊びに来る鞍馬家のネコもいない。そして、ウーノも食器の片づけでいない。
 彼は、なんとなく寂しくなって、ラジオを付けた。ただ、彼は音が欲しかったのだ。ただ、それだけのこと。
 既にチャンネルが合わさっている状態であるために、すぐにクリアな音が聞こえてくる。パーソナリティーは弾んだ声が特徴の、それでいて爽やかさを感じる声を奏でる人間だった。
395小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:04:20 ID:GY4gyA0T
「では! ここで一曲。――――で、”The place of happiness”!」

 静かなイントロと共に、パーソナリティーであった女性の声が綺麗に響き始める。
 歌手の名前は聞き取れなかったが、ジェイルはその声に既視感を憶えると共に、その詩に酷く心惹かれた。


 君を護りたい

 どんな暗闇でも

 君を護りたい

 全ての哀しみから


 ジェイルは微笑みと共に、微睡みの中へ落ちていった。
 ただ、彼は、彼女との”幸せの場所”をつかみ取りたいと、ただそれだけを願った。

「ドクター? ドクター? ……もうっ、今日はしてくれるって言ったのにぃ」

 あの後、どういうことだと説明を求められたウーノは、顔を真っ赤に染めながら、千歳さんはかくかくじかじかを企んでいて、あれはかくかくじかじかってことなんです。
と、恥ずかしいながらもウソではない自分の気持ちを吐露すると、「じゃあ、しようか」と言ってくれたときの何と嬉しかったことか。
 それなのに寝入ってしまった彼を見て不機嫌になるが、彼の可愛い寝顔を見つめていると、そんな気分も薄れてくる。
 ふと、彼女はこんなことを呟いた。

「ああ、この日々がずうっと続けばいいのに……」

 傍らのベラドンナリリーの花が一輪、鎌で切られたような切り口で、ゆっくりと落ちていった。


396小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:12:22 ID:GY4gyA0T
     □     □     □     □     □     □



「えーと、これください」
「はいよ。外国の人かい? 日本語上手いねぇ」
「こっちに来て長いもので。これも友達に教えて貰いました」

 そう言ってショーケースの中にある弁当を指さす美しい金髪の女性。
 その顔は穏やかで、誰もが見惚れるほどだった。

「そうかいそうかい。そいつぁ縁起のよろしいもんだ。それを食べればこれからの旅も楽しくなるだろうよ」
「ええ、そうなるといいですね。あ、電車来るので、それじゃ」
「ああ、まいどあり。それと、良い旅を、ね?」
「ありがとうございます」

 駅の売店で『低崎の駅に行ったらな、これ買うんが旅の掟、ってもんや』と、親友に念を押されてやってきた低崎の地。
 転送ポートのある海鳴から電車を二度ほど乗り換えて、ようやく低崎に着いた頃には既にお昼。親友の言うとおりに、彼女の手には真っ赤に塗られたダルマの弁当が入ったビニール袋が下げられていた。
 早歩きで階段を駆け下りると、そこにはこの駅から枝分かれする視線のホームであることを示す看板と、大きな”0”の文字。長年地球に住んでいた彼女でも見たことがない零番線がその駅には存在した。
 彼女は行き先を駅員に確認すると、すぐさま電車に乗り、人もまばらなシートに腰掛け、発車の時を待つ。
 やがて、けたたましいベル音と共にドアは閉まり、二両編成の電車はガタゴトと音を立てて低崎の街を離れていく。

「ご乗車いただきましてありがとうございます。この電車は終点の上仁田まで各駅に停車いたします。次は――――

 車掌のアナウンスが流れた瞬間、今まで和やかだった彼女の顔が一変し、般若のごとく険しいものとなった。
 彼女の目的地は終点の上仁田。最近、新しい診療所が出来て住民の間で評判らしい。
 加えて言う。彼女は、先程の売店の女性の言うように、旅をしているわけではない。歴とした仕事である。
397小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:13:55 ID:GY4gyA0T
「…………」

 上仁田までの道のりは一時間と少しといったところ。
 儚き運命を背負った彼女は、決意の炎を胸に揺らめかせている。

「まもなく南低崎、南低崎です。お出口は――――






The story of "The small medical office of the small town Clinic F" is an end .

The next story is "Clinic F 'through the night'" .


                                          to be continued.....




398小さな町の小さな診療所 クリニック・F:2008/09/15(月) 21:15:37 ID:GY4gyA0T
そもそもこの話はとある雑談から生まれた話でした。
それを私が粗末な文章ですが、SSにさせていただいているというわけです。
コレより下、当時のログより抜粋。

378 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:19:30 ID:eCOOs6hg
>>377

なんか、偶然田舎を訪れたフェイトと、昔の刑事ドラマでありがちなことやりそうなスカだな。

スカ「じゃあ、そろそろ行こうか、執務官殿」
フェイト「何のこと? 村にはドクター・スカリエッティなんていなかった。ここにいたのは、子供を助けた医者だけ」


381 :名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:57:59 ID:kg3lsaEo
>>378
土曜九時の枠で放送できそうだ。

あらすじ:
ウーノと共に脱獄したスカは片田舎でモグリの診療所を開き、貧しいながら村民に慕われながら細々と暮らしていた。
都会からも遠い田舎で起きるのはこりゃまたのどかな事件。
隣家の飼い猫がいなくなってひと騒動、牛の出産でひと騒動、秋祭りの準備でひと騒動、
毎回チョイ役で出ておきながら思い人との仲がちっとも進展しない青年団の若者を後押し、
クラナガンから親の仕事の都合で転校してきた少女に初恋する小学生の男子を後押し、
両親が共働きの子どもの運動会の応援をすることになったり、街からやってきた美人教師に言い寄られるスカとそれに嫉妬するウーノ。 ←今ここ
そして最後にやってくるフェイトがが>>378のやり取りをする。

そもそも73スレの378と381の両氏が考案したこのお話。 頑張ってます。見てますか?
フラグの消化も今まで完璧にこなしてきました。
あとは、ラストを飾るだけ。 果たしてジェイルとウーノに平穏は訪れるのでしょうか???


そして、時間をずらしたこと。
これは、保管庫に保管されればいつでも見られるので、リアルタイムで見てくれている人に何か出来ることはないだろうか。
そう考えて思いついたのが”時間をずらす”ということです。
このまま終わるのか終わらないのか分からないっ! みたいな。
まあ、最初の段階でフェイトさんの登場があるのは分かっちゃってましたから、意味ないんですけどね。
あ、あと英語はかなり適当なんで間違ってたらご指摘の方よろしくお願いします(^^;

それでは原案の73-381氏と感動をもらった東北大学、そして曲を引用させていただいた某歌手様、
そして何より、今まで読んでいただいた十人の皆様に多大なGJと感謝を送りつつ、投下を終わりたいと思います。


クリニック・F。 まだまだ続きます。
399554:2008/09/15(月) 21:17:03 ID:GY4gyA0T
十人→住人でした

皆様本当に申し訳ない。。。
40073-381:2008/09/15(月) 21:38:19 ID:asTZ6rLl
>>398
GJ!
見てますよ。氏の作品は毎回やきもきしながら読ませてもらっています。
微笑ましくも切ないジェイルとウーノのやりとりに何度泣かされたことか。
2人が幸せになれることを心から願ってます。
401名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 22:05:04 ID:B+Lcoh1Q
>>399
面白かった!




けど保険医は保健医って書くんじゃないの?
どっちでも良かったけ?しょーもない事突っ込んですまんけど
402名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 22:21:46 ID:0erE4NvV
遂に法の手先が訪れた! どうなるジェイル!?

やきもきでドギマギでGJでした〜!
403名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 22:37:36 ID:/pa6Yi7x
>>350
GJ!!
キャロもルーもかわええなあ…
個人的にはエリオがハーレムエンドで3人とも幸せになってくれれば一番なんだが、さすがにないか。
犯人がルーちゃんってことはないとは思うけど…続き待ってます!
40473-378:2008/09/15(月) 22:42:06 ID:yj9Tb0O6
>>398
見てますよ!
あー、こんな面白くなるなんて、自分で調子のって書かなくてよかったぁ(汗
405名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 22:43:10 ID:yj9Tb0O6
>>350
犯人は、エリオを狙うF先生。
406554:2008/09/15(月) 23:10:37 ID:dQemFJPg
皆様、多大なGJをありがとうございます。 励みになります。

>>401
一発変換で出たのでこれでよいのかな、と思っていましたが、指摘されたので辞書で調べてみました。

保険医【ほけんい】
1 健康保険などの加入者の診療に当たる医師または歯科医師。健康保険医。
2 保険会社の委嘱によって、生命保険の契約のとき、被保険者の健康状態を診断する医師。
(以上、Yahoo!辞書より引用)

全然違いますね(^^; ご指摘ありがとうございました。


司書様、保管してくださる際は>>392の”保険医”の文字を全て”保健医”に直していただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
407名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 00:45:34 ID:5YRLSR/M
グレアムていとくはおいくつぐらいなのでしょう
stsでいまだにごぞんめいなのかとてもきになります
ていうかじょせいじんがあんなにわかわかしいのに、なにゆえグレアムていとくはAsエピローグであんなにろうかしなければならないのでしょうか
それともAsのじてんですでに100さいこえててあのぐらいですんだのでしょうか
408名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 00:54:26 ID:YzdDnGk0
>>407
リーゼ姉妹に色々吸われてるんだよ。
リンディ、レティには使い魔いないし。

使い魔の魔力供給分を自分の美容に回しているとか。
あ、フェイト……
409 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 01:01:13 ID:Bhvw9AqE
ども、『召喚少女リリカルキャロ』第三話『見えざる敵、エリオの危機』完成しました。
もう一回書き出したらなかなかインスピレーションが止まらなくて。
ここから少し鬱展開ですが、楽しんでいただければ幸いです。
ではどうぞーノシ
410 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 01:02:13 ID:Bhvw9AqE
その日、キャロの目覚めはよくなかった。
昨日起こった襲撃事件のせいかよく眠れなかったのだ。
よほどうなされてたのか枕元でフリードリヒが心配そうに顔を覗き込んでくる。
『大丈夫だよフリード』
フリードリヒの頭を撫で、ゆっくりと起き上がる。
新しく用意してもらった教科書とノートを鞄に詰め込み通学の準備をする。
体操服はあのあとゼストがごみ捨て場から見つかったと持ってきてくれた。
どうやら破かれた教科書等も一緒に捨てられていたようだ。
質の悪い嫌がらせにめげそうになったが、エリオの一言でなんとか立ち直り、学院を休むという事は避けられた。
いつもどおり鞄と共にふかふかのタオルと冷やしたスポーツドリンクを持って学院へ向かう。
どんなに挫けそうでも大好きなあの人の笑顔があれば元気になる、それがピュアなキャロ。
学院につくと、裏庭に向かう途中でルーテシアと出会った。
ルーテシアも手には弁当のような包みを持っていた。
『ルーちゃん、おはよう』
『おはよう、あなたもエリオに?』
『うん、一緒にいこ!!』
『うん』
そしてルーテシアと共に裏庭へ赴くキャロ。
そこにはいつもどおりストラーダを振り、汗を散らせる少年騎士の姿があった。
その躍動する肉体、真剣な表情に二人は見とれてしまう。
するとエリオの方が二人を見つけて歩み寄ってきた。
『ルー、キャロ、おはよう』
『あ、お、おはよう!』
『おはよう』
いつものベンチにエリオを挟む形で座りタオルを渡すキャロ。
逆隣でルーテシアは弁当を取り出している。
この日の為に早起きして作った朝ご飯用の手作り弁当だった。
『ルーちゃんすごい…』
『ルーは昔からこういうのが得意なんだ』
受け取った弁当をよく味わいながら腹を満たして行く。
味も折り紙付きであるようだ。
おいしそうに弁当を食べるエリオを見てルーテシアの才能が少しうらやましくなったキャロ。
キャロは料理は得意ではなかった。
それを感じ取ったのかルーテシアが提案する。
『それじゃ今度一緒にお料理しよう』
『え、いいの?』
『うん、簡単なのからはじめよ。…その代わり勉強教えて』
『うん!!』
ルーテシアの提案を受け入れるキャロ。
ルーテシアは勉強は苦手なのだった。
そうこうしているうちに始業を告げるベルが鳴り響く。
411 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 01:04:17 ID:Bhvw9AqE
『それじゃ、お昼にまた』
『うん!』
それぞれのクラスへと向かう三人。
そして、凶劇の第二幕が上がる……。
それは自由選択科目での事だった。
キャロはあまり得意ではない科学(スカリエッティ)の補習実験を受ける為に科学室へと向かっていた。
その途中エリオとルーテシアにばったりと出くわしたのだ。
『エリオ君、ルーちゃん』
『もしかしてキャロも科学?』
『うん』
どうやら二人も科学の補習実験を受ける為に科学室へ向かう途中らしい。
三人はそのまま同じ席に座り実験の講習を受けている。
教鞭をとるスカリエッティが薬品の瓶を手渡していく。
『今回の実験は少し危険だ。充分注意してくれたまえ』
それぞれの班がスカリエッティの指示に従い薬品を混ぜていく。
どの班も青い液体が出来上がっていた。
スカリエッティが最後の手順を説明する。
『ここでこの粉を振り掛けると短時間だが発光する。ではやってみたまえ』
エリオ達も赤い粉を液体に振り掛ける。
すると液体が青白く光った。
一同が驚愕の声を上げる。
実験は成功したかに見えた。
しかしスカリエッティはすぐに異変に気付く。
発光の色が違う。
本来ならばここで赤い光が発生し、短時間の発熱が起きるはずであった。
そして青白く発光した液体を見て叫んだ!!
『皆、伏せたまえっ!!!』
そして、大爆発。
科学室は一瞬で爆炎に包まれた。
スカリエッティは近くにいた生徒をかばって倒れこんでいた。
『だ……誰だ…薬品をすり替えたのは…』
背中が焼けただれ、唸るスカリエッティ。
最後に使用した薬品が何者かによって爆破実験に使用する発火性の高い薬品に変わっていたのだ。
ご丁寧にラベルまで張り替えてある。
一方キャロはルーテシアと共にエリオにかばわれて床に伏せていた。
ルーテシアは気絶している。
『う……キャロ、ルーテシア……大丈夫?』
『エリオ君!?』
頭から血を流すエリオ。
すぐさまキャロが血を拭う。
『僕は…大丈夫だから……それより…』
エリオは周囲を見回す。
爆発の衝撃で吹き飛ばされ、怪我をしているものもいる。
そこに騒ぎを聞き付けた先生達が駆け付けた。
412 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 01:06:23 ID:Bhvw9AqE
『先生!!』
一人の女性がスカリエッティに駆け寄る。
保健担当のウーノ先生である。
『先生!!しっかり…』
『ウーノ…私はいい、それより生徒達を…』
『は、はい!!』
スカリエッティの指示ですぐに救助活動を始める先生達。
大きな怪我をしたスカリエッティやエリオ他数名はウーノ付き添いのもと病院へと運ばれた。
病院へ向かう救急車を見送るキャロとルーテシア。
幸いエリオのおかげで怪我はなかったものの、エリオの負傷にショックを隠しきれない。
科学室では警官による現場検証が始まっていた。
程無くして校内放送が入る。
『あーあー、教頭のクロノです。先程起きた爆発事件のため、全校生徒は授業を中断して帰宅してください。繰り返します…』
どうやら事件の捜査の為に生徒は下校となったらしい。
キャロはルーテシアと別れ帰宅の準備をする。
そして玄関を出ようとした時だった。
一枚の紙がはらりと足下に落ちた。
それは昨日エリオの名を語り書かれた手紙の字であった。
(お前が存在する限り不幸の舞台は続く……次を楽しみにしていろ…)
『いやぁぁぁぁっ!!!』
書かれた文字を見てキャロは絶叫する。
それは脅迫文ともとれる文章であった。
近くにいたフェイトが駆け付ける。
『キャロ!?どうしたの!?……これって…っ!』
しゃがみ込むキャロの横に落ちていた紙を拾いあげ絶句するフェイト。
すぐに他の先生を呼び付ける。
『誰か!!』
『どうしたんだ、フェイト先生!?』
すぐにザフィーラが駆け付ける。
フェイトはザフィーラに拾いあげた紙をみせる。
『これは…』
『とにかく今はキャロを…』
『わかった、立てるか?』
『…………』
ショックを受けて座り込んだままのキャロ。
ザフィーラは無理に立たせずにそのまま抱えあげて保健室へと連れて行く。
保健室のベッドでシャマルが精神安定の魔法をかけてキャロを眠らせる。
『今は大丈夫だけど……ショックで塞ぎ込んでしまうかも知れないわね』
キャロの安否を気遣いながら脅迫文を見るフェイト。
『一体誰が……』
『さぁ…何らかの形でキャロちゃんに恨みを持っている人でしょうけど……』
その後、脅迫文は爆発事件に関わる証拠品として警察に提出された。
413 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 01:08:42 ID:Bhvw9AqE
この日はシャマルが当直となり、容態をみる為キャロと共に保健室に宿泊する事になった。
程無くして目を覚ましたキャロは辺りを見回す。
『…あれ、シャマル先生……』
『起きた?』
『私……あ…』
思い出す、爆発事件のこと、エリオの負傷、脅迫文。
キャロは頭を抱えて震える。
『嫌…嫌ぁ…』
『キャロちゃん、落ち着いて…』
『私のせいでエリオ君が…みんなが…』
『キャロちゃん…』
『私が……私がいなくなれば…誰も傷つかなくてすむ…』
『バカな事言わないで!!』
パシンとシャマルの平手打ちが飛ぶ。
『あなたがいなくなって喜ぶのは犯人だけよ!!』
『シャマル先生…』
『大丈夫、みんなが犯人を探してくれているわ。だからそんな事を言わないの』
『先生ぇ……ごめんなさい…ごめんなさい』
シャマルに抱かれて泣きじゃくるキャロ。
度重なる不幸にエリオの負傷でもう心は傷だらけであった。
そのまま泣き付かれて眠ってしまったキャロを再びベッドに寝かせてシャマルはコーヒーを飲んだ。
(こんなに傷ついて……まだ子供なのに)
思えばキャロがエリオと出会ってからこの騒動が始まったのだ。
シャマルにある思いがよぎる。
(まさか…犯人はエリオ君絡みでキャロちゃんを…?)
そして最悪の考えが芽生えてしまう。
(ルーテシアちゃん………)
そう、エリオの許嫁であるルーテシア・アルピーノ。
エリオへの愛は一番強いはずである。
キャロをエリオに言い寄る悪い虫と思いこのような凶行に及んだのかもしれない。
しかしシャマルには到底信じられなかった。
『まさか……ね』
悪い考えをふり払い自身もベッドに入り込む。
暗い保健室の中に静寂が広がった。

暗い部屋の中でテーブルに置かれたキャロの写真。
その真ん中にはナイフが突き立てられていた。
(あの女…私のエリオに怪我を……許さない)
ギリ…と歯をかみ締める。
そしてすぐさま口元をつり上げる。
『もう…もう逃げられないよ!…次は絶対に仕留めてあげる……アハハ…アハハハハハハハ!!』
暗き静寂の中に不気味な笑い声が広がった。
そして、再び舞台の幕が上がる。
惨劇の幕が……。

第三話『見えざる敵、エリオの危機』
終結!
414 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 01:11:13 ID:Bhvw9AqE
『あなたは……』

『キャロ!キャロォォォッ!!』

『犯人は……あなたです!!』

次回、第四話!!
『からくりを暴け!!キャロ、命懸けの推理!!』
お楽しみに!!



あれ?いつの間にか趣旨が変わってる………。
ラブコメから推理物になっちゃった。
取り敢えず科学教師がスカリエッティという電波をいただいたので採用してみますた。
ちなみに犯人はもう決まってます。
415名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 01:50:35 ID:5YRLSR/M
面白い!
構えず読める読みやすさだけど、もちろん話の先も気になるGJっぷり!
スカリエッティがイケメンすぎて困る
416名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 02:25:26 ID:qRkmM8k9
これは、なんと「お前のやったことは全部まるっとするっときゃろっとお見通しだ」な展開。
後、さり気にスカちゃんウーノのこと呼び捨てだねぇwこっちでも奥さん大事になw
417名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 02:46:02 ID:HBty5OnU
GJ!もう更新の速さに脱帽それにこの話しを読むと顔がにやけてしょうがないw ちょっと吊ってくる
418名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 03:26:47 ID:obVp3bAQ
GJです!
しかし、教頭はゲンヤという俺の電波は採用されなかったか。
419名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 03:55:57 ID:E0o+Oj78
有り得ねェくらい筆早いなwマジ尊敬します
あとエリオ生きろ!w
420名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 11:30:43 ID:5kwKtQVs
GJ!!その速筆見習いたいです

ところで某笛漫画パロの電波を受信したのだが、
出来たら投下してもよいだろうか??
421名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 12:28:24 ID:na57zhhm
いいんじゃね
そいや、なのはさんの相方がルビーだったらって小ネタどっかにあったなw
422名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 12:48:03 ID:F6w0OAUk
投下は職人の権利だから躊躇する必要なんか全くない。
それに拒否られて投下をためらった職人はほぼ皆無。
どのみち投下するんなら、いいですか?などと聞かないほうがいい。
お前は人の顔色伺わないと投下もできないのか。と思ってしまう。
○○で書きました。○時間後に投下します。と言った方がはるかに人として好感が持てる。
423B・A:2008/09/16(火) 12:53:15 ID:qRkmM8k9
えーと、真昼間ですがエロいの投下しても大丈夫ですか?
424名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 12:56:41 ID:ifP45mzq
おk
425名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:04:37 ID:AZZeBE5G
wktk
426B・A:2008/09/16(火) 13:06:42 ID:qRkmM8k9
前スレ>>131の妄想は僕の垂れ流しです。というわけで文章化してみました。
ちなみにこのスレの>>368も僕ですが、内容的に>>367氏が求めているスバルのエロは少なめです。
善処しましたが、6人もいるとこれが精一杯です。


注意事項
・ナカジマ家(クイント以外)総出演
・時間軸はSSXと同じ3年後。
・エロです。終始やりっぱなしです。
・相手役は全てゲンヤさんが行います。年齢による衰え? そんなの関係ねぇー
・ようするにゲンヤさんのハーレムです
・SSXは聞いたことありません
・ゲンヤさんが随所で鬼畜モードを発動します。ナイスミドル、クール・ダンディ、手から炎を出す伊達男と思っている人はスルー推奨で
・タイトルは「ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日」
・直接の繋がりはありませんが、「高町家の爛れた饗宴」、「奥様達の爛れた休日」と同じ世界です(とうとう未来まで来たか)
・つまり、フリーセックスばんざいな世界です
427名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:06:56 ID:H5u0vEVI
仕事の合間に支援
428ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日@:2008/09/16(火) 13:07:33 ID:qRkmM8k9
ゲンヤ・ナカジマの朝は早い。
就寝時間が何時であろうと疲れがどれほど溜まっていようと、毎朝6時半には必ず目を覚ます。
本人としては一日の仕事を始める前にできるだけ睡眠を取って体力を温存しておきたいのだが、それがどうしてもできない理由があった。
そう、毎朝7時には、必ず誰かが起こしにくるのだ。
その日も、下半身に走る何とも言えない甘美な感覚で眠りから引きずり起こされたゲンヤは、朦朧とする意識を奮い立たせて
自分の股間の上で傅いている銀髪の少女の姿を捉えた。

「・・・・・よお」

「おふぁようごふぁいまふ、ふぃふぃふへ」

衰えを感じさせぬゲンヤの剛直をその可憐な口で咥えこんだチンクが、起床したゲンヤに気づいて挨拶をする。
起きぬけなのか服はパジャマのままであり、眼帯も取り外されていた。

「今日はチンクか・・・・・・」

「はい・・・・・」

頷きながら、チンクは舌を伸ばして男根の裏筋を舐め上げ、左手で丸々と膨れている玉袋を揉みしだく。いつ頃から奉仕されていたのかわからないが、
ゲンヤの肉棒はチンクの唾液でてらてらと鈍い輝きを放っており、強烈な雄の匂いを放っていた。
こんな風に寝込みを襲われるのは、実は初めてではない。それどころか、最初の頃はゲンヤの朝起ちを狙って6人の義娘達が壮絶な火花を散らせながら
他のみんなを出し抜こうと、連日スニーキングミッションが展開されていたほどだ。見かねたゲンヤが当番制をしかなければ、いつか血が流れていたかもしれない。

「ちゅぷっ・・・・・くちゅ・・あうぅ・・うぅ・・・・父上、まだですか?」

「おう、もう少しだ」

「は、はやく・・・・父上の白いの、早く飲ませて・・・・・」

切ない声を上げながら、チンクはふるふると震える剛直をぱっくりと咥え込む。体の小さいチンクにはゲンヤの肉棒は大きすぎて根元まで咥えることができなかったが、
彼女は目に涙を浮かて息苦しさにむせながらも両手でどす黒い肉棒を扱き、ゲンヤを射精へと誘った。

「うぅん・・・くちゅ・・ちゅぱぁ・うっぅん・・・ちゅくぅちゅうう・・・・・・」

「うおぉっ!」

舌先で尿道を突かれ、ゲンヤは身悶えながらも腕を伸ばしてチンクの後頭部を掴み、自らの腰を上下させて小さな喉ちんこを剛直の先端で押し上げる。
その度にチンクの唇からは文字では形容し難い悲鳴が漏れ、唯一開かれている左目は白目を剥いて涙が零れた。

「うぐぅぅぅぅぅ・・んんんんぅぅぅっ!!!」

「ううぅ・・・・だ、射精すぞ・・・舌を出せ、チンク!」

感極まった瞬間を見計らってチンクの顔をもたげ、淫らに崩れた幼い美貌に向けて自身の欲望を解き放つ。
まるで火山の噴火のような勢いにチンクは圧倒されつつも潤んだ瞳に雌の輝きを宿らせ、髪や頬に付着した異様なまでに粘度の高い白い液体を舌の上へと垂らし、
ゆっくりと噛み締めるように咀嚼しながらその味を堪能する。

「・・・・・・美味しゅうございました」

呆けながらも居住まいを正したチンクが頭を垂れ、ゲンヤも一言礼を言ってシャワーでも浴びようかと立ち上がる。
だが、廊下への扉に手をかけようとしたところでチンクがパジャマの袖を引っ張り、物欲しげにこちらを見上げてくる。
429ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日A:2008/09/16(火) 13:08:04 ID:qRkmM8k9
「父上・・・・その、まだ時間が・・・・・・」

「まあ、30分くらいならな」

「あの・・・・・お疲れでなければ、こちらの方も・・・・・・・・」

そう言って、チンクは義父の大きな手を自身の股間へと誘導する。無防備な割れ目はパジャマ越しではっきりとわかるほど濡れており、股の周りに大きな染みができていた。

「父上、お慈悲を・・・・・・」

子犬のように頭を垂れるチンクを前にして、ゲンヤは困ったように頭をかいた。

「良いのか? 時間ないから激しくいくぞ」

「はい、構いません」

目をうっとりとさせて微笑むチンクの髪を優しく撫で、ゲンヤは未発達な幼い肢体をベッドの上に押し倒す。
ほどなくして、早朝のナカジマ家に幼い少女の嬌声が響き渡った。
こうやって義父に抱かれる時間を少しでも長く取るために、彼女達は朝早くにゲンヤの部屋へと侵入してくるのだ。





結局、時間一杯までチンクの肢体を堪能したゲンヤは、行為の痕跡を消そうと大急ぎでシャワーを済ませ、出勤のための身支度を整えた。
のんびりし過ぎてしまったので朝食を取っている時間はなく、今日は空腹のまま出かけるしかない。

(まあ、途中でパンでも買って隊舎で食えば良いか)

頭の中で通勤途中に通り過ぎるコンビニの位置を思い出しながら、出かける前に用を足そうとトイレへと向かう。
だが、その扉の向こうには能天気な赤毛の笑顔が待ち構えていた。

「おはようっス、パパりん」

「・・・・・・・・・・・」

無言で扉を閉める。
もちろん、扉は向こうから開き、ウェンディの腕が伸びて有無も言わせずゲンヤを狭い個室へと引きずり込んだ。

「パパりんのいけずぅ。チンク姉だけじゃちっとも満足していない癖にぃ」

「人を性欲の塊みたいに言うな。後、パパりんは止めろ」

「えー、でもこっちは正直っスよ」

からかうように笑みを浮かべながら、ウェンディは器用に片手だけでズボンのチャックを下ろし、ゲンヤの肉棒にしなやかな指を這わせる。
時間がなかったせいもあって、少々物足りなさを感じていただけに、肉棒は見る見る内に天を仰いでウェンディを喜ばせた。

「一番搾りを味わえないのは辛いっスけど、こういうのも悪くないっス」

嬉々として義父の肉棒にむしゃぶりつき、厭らしい音を立てながらバキュームフェラが開始される。こうなってしまうとゲンヤではもうどうすることもできず、
ただ黙ってウェンディが満足してくれるのを待つしかなかった。
だが、ここでゲンヤはあることを思い出した。
自分はここに、用を足しに来たことを。
430ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日B:2008/09/16(火) 13:09:33 ID:qRkmM8k9
「ウェンディ、ちょっとだけ放してくれねぇか?」

「うぅん・・・くちゅ・・ちゅぅぅ・・・んんんぅぅぅ・・・・・・・」

「ウェンディ、その・・・・・ちょいと催しちまって・・・・・なぁ、ちょっとで済むから・・・・・・」

「このまま出して良いっスよ」

「俺はそっちの趣味は・・・・・・・・・・」

「パパりんから出たものは全部飲めるっス」

徐々に激しさを増していくフェラチオにゲンヤの腰も次第に浮き始め、下腹部を駆け上がってくる感覚に呻き声が漏れる。
だが、射精への欲求と共に込み上げてくる尿意もどんどん強くなっていき、ゲンヤは欲望を解き放ちたいという欲求と義娘の口に放尿などしてはならないという
理性の間で板挟みとなってしまう。そして、ウェンディはそんな義父の葛藤などどこ吹く風とばかりに剛直に舌を絡ませ、丹念にゲンヤの弱点を責め立てていく。

「ま、待て・・・・うぉ・・・ううおおおぉぉぉっ!!」

ウェンディの八重歯が亀頭を掠めた瞬間、張り詰めていた緊張が一気に瓦解し、白い飛沫がウェンディの口の中で飛びまわる。
そして、一拍も置くことなく込み上げてきた熱い尿がじょぼじょぼと音を立てて放出され、喉奥に吐き散らかされた精液を押し流すようウェンディの口内を洗い流していく。

(や、やっちまった・・・・・・・)

やるせない倦怠感と開放感で自己嫌悪に陥り、ゲンヤはその場で項垂れる。何が悲しいって、汚らわしいと頭では思っていても、
ウェンディの口に放尿する瞬間に駆け上ってきた背徳的な感覚が非常に甘美であったことだ。癖になったらどうすれば良いのだろうか?

「パパりん、気持ち良かったっスか?」

「あ、ああ・・・・・・」

もちろん、そんな不安を相談できる相手はいなかった。





一部隊の隊長ともなると、その仕事量は一般の隊員の比ではない。事件を捜査している捜査官への指示や、突発的に起きる事件への対応、
武装局員の技能や訓練メニューにもチェックを入れねばならないし、煩わしい庶務関連の書類に目を通してハンコを押すことも欠かせない。
そんな激務に追われるゲンヤにも、心休まる昼休みは当然のことながら存在する。特に義娘が毎日、交替で作ってくれる弁当を食べるのは
彼のささやかな楽しみでもあるのだ。最も、恥ずかしいので専ら人気のない屋上で一人寂しく箸を突くことが多いのだが、今日は少しばかり状況が違った。

「やッ、はぁン・・・・・・父さぁん、もっと、もっとお・・・・・・」

「うううッッ!! ギンガ、今日は一段と激しいな?」

「だ、だってぇ・・・・・今朝は一度も抱いてくれなかったから・・・・・ずっと、欲しかったんだからぁっ!!」

対面座位で濡れそぼった肉壺を抉られながら、ギンガは恥も外聞も気にせずに嬌声を上げる。屋上への扉は施錠しておいたとはいえ、
誰かに聞こえるかもしれないという心配は父親に与えられる快楽によって塗り潰されているようだ。
431ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日C:2008/09/16(火) 13:10:24 ID:qRkmM8k9
「まったく、定期的に発情するなんて、動物かお前は?」

「い、いやぁ・・・・言わないでぇっ・・・・」

「俺の飯の時間まで奪いやがって。代わりに喰ってやっているんだから、ありがたく思え」

「は、はい。好きなだけ食べて・・・・・ギンガの厭らしい発情機人マ○コ、たくさん食べてくださぁい!」

自らの言葉に自己陶酔したギンガの肉壺がきつく締まり、抜けるような青空の下で精液が子宮へと流し込まれる濁流音が木霊する。
既に二度も果てて満杯まで膨れ上がっていた膣を逆流してきた精液が媚肉と肉棒の隙間から漏れ出て制服を汚すが、
完全にスイッチが入ったゲンヤはそれを気にすることなく硬度を維持したままの肉棒を前後させ、絶頂で息の乱れたギンガを三度責め立てていく。

「ふあ、ふあああ!? ぬ、抜かずになんて・・・・・・・」
 
仰け反りつつも父の背中に回した腕に力を入れ、激しく出し入れされる肉棒の快楽にギンガは心を躍らせる。
ゲンヤもまた、肉欲のままに腰を振るう娘の痴態に嗜虐心を刺激され、柄にもなくもっと啼かせてやりたいというサディスティックな思いに駆られて
突き上げる腰の動きに一層力が込めていった。

「ほら、とっととイカねぇと昼休みが終わっちまうぞ!」

「あぁん、だめぇ・・・・そ、そんな激しくされると・・・・・い、イッちゃうッ!! うあああああ!! ああぁぁぁぁぁぁっ!!!」





一日の仕事を終え、ようやく帰路へと着いたゲンヤはではあったが、運の悪いことに帰りのレールウェイの車内は非常に混雑していた。
何でも、数十分前に人身事故が起きて帰宅ラッシュの乗客達が足止めされていたためらしい。
圧死するのではないのかと錯覚してしまうほどの混雑ぶりに思わずタクシーを利用することも考えたが、
娘を6人も抱えて金銭面で非常に苦しい思いをしていることもあって泣く泣くその提案は却下された。

「おっと、大丈夫か・・・・・・ん?」

発射の揺れでバランスを崩した少女の体を咄嗟に受け止め、ゲンヤはその少女が自分の良く知る人物であることに気づいた。

「スバル?」

「あ、父さん」

「今帰りか?」

「うん。父さんも?」

「まあな。おっと・・・・スバル、こっち来い」

そう言って、ゲンヤは自分がもたれかかっていた扉との間にスペースを作り、そこにスバルの体を滑り込ませた。
抱きかかえるような格好になってしまったが、大事な娘を人混みに晒すよりは何倍もマシであった。

「もう、過保護なんだから」

「悪いか?」

「ううん、ありがとう」

甘えるように体重を預けてくるスバルに苦笑し、ゲンヤは通り過ぎていく窓の向こうへと視線を移す。
だが、不意に股間に押し当てられた瑞々しい太ももの感触に、思わず出かかった声を殺して腕の中の娘へと目をやった。
432ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日D:2008/09/16(火) 13:11:14 ID:qRkmM8k9
「ス、スバル・・・・・・・」

「父さん、ここであたしが悲鳴上げたらどうなると思う?」

「・・・・・・・・・」

爽やかな笑顔を浮かべながら脅迫してくる娘に、ゲンヤはどこで育て方を間違えたのだろうかと自問したが、答えは返ってこなかった。

「ねぇ、触ってよぉ・・・・・このところ忙しくてご無沙汰だったし、家まで待てないよぉ・・・・・・・」

(姉が姉なら妹も妹か)

そんなことを心の中で呟きながら、ゲンヤは引きずられるままにスバルの引き締まった尻肉を鷲掴みにする。
幸いなことに周りの乗客は全員、自分達に背を向けており、車内で肉欲に耽る2人に気づく者はいなかった。

「やれやれ、とんだ淫乱に育ったもんだな、お前も」

「もう、父さんがこんな風に育てた癖にぃ」

文句を言いつつも、スバルはゲンヤの膝を跨いでストッキング越しに秘部を押し当て、レールウェイの振動に合わせて腰をくねらせる。
密着した状態で鼻腔をくすぐる汗の匂いと、胸に押し付けられる乳房の感触がゲンヤの海綿体へと血を注ぎ、
周りに聞こえてしまうのではないかというほどに鼓動が跳ね上がっていく。

「布地越しだとあんま激しい真似はできねぇが、こういう焦らしも悪かねぇか」

「あ・・あうん・・ま、まって、とうさ・・・・・・」

「どうした? 欲しかったんだろ?」

唇の端を吊り上げながら、ゲンヤは制服の上からブラジャーのラインを指でなぞりながら手を乳房まで回し、その頂の突起を探り当ててぐいと肉の中へと押し込んでみる。
すると、頭のてっぺんから抜けるようなか細い声が漏れ、スバルが顔を埋めたゲンヤの制服に唇から流れた涎が付着する。

「とうさん・・・・そこ、いいよぉ・・・・・」

うわ言のようにスバルは呟き、ズボンの下で膨れ上がった肉棒にさわさわと指を這わす。
布地越しのじれったい刺激と、発情した少女のフェロモン臭に包まれる優越感に、ゲンヤは意識が遠くなるほどの悦びを覚えた。
その時、不意にレールウェイが大きく揺れ、力の抜けたスバルの足がバランスを崩して秘部に膝が強く食い込んだ。

「あっ、くっ、うううん・・・・」

苦しい呻き声が車内に響き渡り、何人かの乗客の視線がこちらに注がれる。口を噤んだスバルの背中に冷たい汗が流れ、
ゲンヤも身を強張らせながら周りに悟られぬようにスバルから距離を取る。だが、単によろめいてぶつかっただけだと思われたのか、
それ以上2人に注意を向けるものはいなかった。

「危ねぇな・・・・・・スバル、次の駅で降りるぞ」

「え?」

「こっちも収まりつかなくなっちまった。悪いが、一発抜かせてもらうぞ」

その言葉に、スバルは頬を綻ばせながら年に似合わぬ妖艶な笑みを浮かべ、固く勃起したゲンヤの肉棒に手を添えながら耳元で囁いた。
433ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日E:2008/09/16(火) 13:12:36 ID:qRkmM8k9
「もう、父さんのす・け・べ」

結局、降車して駅のトイレで時間が許す限り行為に耽っていると、終電ギリギリの時間になってしまった。





帰りが遅かったせいもあってか、ギンガ達はみんな夕食を済ませた後であった。久し振りに娘達との団欒を楽しめるかと密かに期待していただけに、
ゲンヤは自身の底なしの性欲を恨みたくなった。これでは、今朝ウェンディに言った言葉が物凄く虚しく思えてくる。
そう思いながらダイニングに向かうと、テーブルの上に色取り取りの料理が盛られた皿が置かれており、キッチンでは洗い物をしているギンガの後ろ姿があった。
一緒に帰って来たはずのスバルの姿はない。

「ギンガ、スバルはどうした?」

「あの娘は外で食べてきたんですって。だから後は父さんだけです」

「そうか・・・・・・・また1人で晩酌か」

「今夜は私もお付き合いしますよ。ビールで良いですね?」

にこりと微笑みながらギンガはコップを2つ用意し、冷蔵庫から冷えたビール瓶を取り出す。缶ではなく瓶を愛飲しているのはゲンヤなりの拘りであった。

「はい、父さん」

「悪いな。そんじゃ、乾杯」

軽くコップをぶつけて小気味のよい音を響かせ、一気に八割ほどビールを飲み干す。冷え切ったビールのうま味と疲れた体の節々までアルコールが伝わる感触は、
辛い労働でくたびれた心に生きる活力を与えるには十分な威力を秘めていた。

「ほら、料理も冷めないうちに」

「そうだな」

ギンガから箸を手渡され、ゲンヤは皿の上のソーセージを口へと運ぶ。塩味の利いた特製ソースの味付けはナカジマ家独特のもので、他の家では絶対に味わえない代物だ。

「んん・・・・んん・・・・・」

テーブルが僅かに揺れ、皿の上のミートボールが転がり落ちる。

「地震か?」

「かもしれませんね」

それ以上の揺れは起きなかったので、ゲンヤは改めて食事を再開する。スパゲッティもシーザーサラダもマッシュポテトもみんな塩味だったが、
ナカジマ家の食卓は視覚的な楽しみもあるので飽きることはない。

「んぬうう! んん・・・・!!」

「このビーンズ、皿にくっついているな」

皿の端の方に残っている3つの豆の1つを箸で弄りながら、ゲンヤは呟く。

「うううん、ううんんんん!!!」

「父さん、それはディエチのクリ○リスよ」

ギンガの言葉に反応するように、猿轡を噛まされてテーブルの上で拘束されていたディエチが呻く。
連日、交替で女体盛りの皿になるのはナカジマ家の女性の暗黙のルールであった。
434ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日F:2008/09/16(火) 13:13:11 ID:qRkmM8k9
「おお、そうか。これだから年は取りたくねぇな」

「もう、父さんにはまだ頑張ってもらわないといけないんだから」

苦笑し、ゲンヤはデザートであるディエチの大きな乳房へと齧り付いた。マシュマロのような肌触りと弾力のある歯応えを堪能しつつ、舌を勃起した乳首へと絡め、
身動きの取れないディエチをゆっくりと快楽の淵へと沈めていく。

「うううう・・・んんんぬ・・・んうううんんんん!」

「いけない娘ね、ディエチ。テーブルが汚れちゃうわ」

長時間、箸で突かれながら全身を隈なく刺激され続けたためか、ここに来てディエチの劣情は一気に昂ぶっていた。
しとどに濡れそぼった秘部はぱくぱくと口を開閉させており、玉のような肌は充血して薄桃色に火照っている。猿轡越しに聞こえる悲鳴も、
段々と悦を帯びたものへと変わりつつあった。

「ギンガ、お前も食うか?」

「良いんですか? なら、私はこっちのビーンズを頂きますね」

ほくそ笑みながら、ギンガはディエチのクリ○リスを舐め上げ、指で秘部を押し広げて膣道を刺激する。
堪らず、ディエチの口から歓喜の声が漏れ、テーブルががくがくと揺らされた。

「ん、んんぅっ! ううんんん!!! ふううんぅっ!!」

ギンガの容赦のないGスポット責めにディエチは腰を浮かせ、ゲンヤが両の手で乳房を揉みしだいたことで感極まって絶頂へと達し、股間から黄金水が迸る。
秘部を苛めていたギンガは、当然の如くその直撃を受けてしまった。

「・・・・・・やってくれたわね」

「んんん!! うんん! んんうううう!!」

目から涙を流しながらディエチは首を振るが、ギンガは気かずに左手の指をまっすぐ伸ばして秘部へとあてがう。
そして、躊躇することなく愛液を滴らせる媚肉を押し割って、狭い膣道へ自身の腕を侵入させていった。

「ううううんんんん!! うんんん!! んんんん!」

ディエチは義父に助けを求めて視線を送るが、家庭の実権を握るギンガにベッドの上以外で勝算が見つからず、すまなそうに眼を伏せて謝ることしかできなかった。

「まあ・・・・・程々にな」

彼にできることと言えば、少しでもディエチの苦しみを和らげさせるために彼女を悦ばせることだけだった。





入浴というものは一日の締めであり、どんなに嫌なことがあっても記憶の彼方に忘れさせてくれる至高の時間であった。
熱い湯に疲れが抜けていくような脱力感はアルコールと並んで日々を生き抜く糧となるため、ゲンヤも余程疲れていない限りは必ず風呂に入ってから眠るようにしていた。
そうして、当然のことながら、ここにも乱入してくる者がいた。

「か、勘違いするなよ。別にあたしは他のみんなみたいに抱かれたい訳じゃないからな」

「ほう、そうか・・・・・・・」

背中に押し付けられたスポンジとは違う柔らかい感触に苦笑しつつ、ゲンヤは返答する。この柔らかさは間違いなくノーヴェの乳房だ。
背中を流してやると言ってやって来たノーヴェではあったが、結局のところやっていることは他の5人と変わらない。
435ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日G:2008/09/16(火) 13:13:55 ID:qRkmM8k9
「そうだよ。みんなみっともない、恥ずかしいとは思わねぇのかよ」

「そうだな」

乳首を勃起させながら言っていてもあまり説得力はない気がする。

「あたしはいらないからな。朝の当番も仕方なくやっているだけで、抱いてなんて欲しくないんだ。これだって、別に深い意味はないんだ」

「ほう・・・・・」

そそり立つ肉棒に手を回し、泡をローション代わりにして扱きながら呟くノーヴェの顔を想像し、ゲンヤは思わず苦笑する。
きっと、顔を真っ赤にして目を吊り上げているはずだ。

「何だよ?」

「いいや。ただ、もう少し強弱はつけた方が良い。いきなり激しいと後が保たないぞ」

「う、うるさいな。別にあたしは・・・・・・・・・」

「されたくないのか?」

「・・・・・・・たい」

「何だって?」

「・・・・・されたいよ! 文句あるか!? あんな気持ち良いこと教えられたら、もう頭から離れないじゃないか!」

振り返れば、案の定ノーヴェは顔を真っ赤にして叫んでいた。強気な性格とは裏腹に、ノーヴェは繊細で照れ屋な一面も併せ持っている。
恥ずかしがり屋な彼女からすれば、性に関してオープンな他の5人のようにゲンヤに迫ることができなかったのだ。

「だから・・・・・抱いてくれよ。あたしのこと無茶苦茶にしても良いから、マ○コでもケツでも好きに使ってくれて良いからさ」

「最初からそう言えよ。別に俺は逃げたりしねぇんだから」

呆れるように苦笑し、四つん這いにさせたノーヴェの秘部を指でなぞる。よほど期待していたのか、特に弄っていないにも関わらず洪水のほうに濡れそぼっていた。
これならば、前戯も必要ないだろう。

「まあ、折角だからこっちも使ってやらないとな」

そう言ってゲンヤが指を挿入したのは小さく窄まった菊門であった。ノーヴェが口にしていたように、こちらも既に調教済みで
指はおろかゲンヤの剛直を咥え込んだことは一度や二度ではない。何気に、ノーヴェの性感帯もアナルであったりするので、彼女自身も隠れてこっそり弄っていたりする。

「ひゃぁ・・・・ああ・・・・」

「どうした? ケツの穴がそんなに良いのか?」

「べ、別にそんな・・・・・・こと・・・・・は・・・・・」

指で腸内を捏ねくり回すと、ノーヴェの声がどんどん弱々しくなっていく。どんなに強がっていてもノーヴェはまだ16歳。
百戦錬磨のゲンヤが相手では成す術もなく本性を曝け出してしまう。

「や・・・やめ・・・・それだめぇ・・・・・頭の中・・・馬鹿になる・・・・・」

「馬鹿になれよ。お前が乱れる姿が見たい」

指を引き抜き、了解も得ずに自身の肉棒を菊門へとあてがう。適度に解れたノーヴェのアナルはまるで別の生き物のようにゲンヤの肉棒を咥え込み、
引き千切らんとするかのように根元から締め上げてくる。同時に、ノーヴェの体がビクンと跳ねて、普段ならば絶対に出さない艶めかしい喘ぎ声を上げて絶頂へと達した。
436ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日H:2008/09/16(火) 13:14:27 ID:qRkmM8k9
「んおおぉぉぁぁぁあ!? はああがあぁあああっぁぁぁ・・・・・!」

腕から力が抜けて上半身が浴室の床へと倒れ込み、ゲンヤに向けて尻を掲げた態勢となる。その光景は、何とも男の劣情を誘う厭らしい姿であった。

「やあ・・・あ・・・・・・こんなの・・・・あたしじゃ・・・・あたしじゃねぇよ・・・・・・」

「素直になれよ。我慢せずに好きなだけよがって良いんだぜ」

「あ、あたしは・・・あああ・・あ・・あ・・・あぁぁぁぁぁっ・・・・」

ゲンヤが腰をグラインドさせると、ノーヴェは声を裏返しながらよがり声を上げ、直腸を抉る男根を締めつける。
浴室内に響き渡る肉と肉とがぶつかる音が2人の劣情を更に煽り、異様な興奮を醸し出していた。

「あはっぁあああああぁ!?やあぁあっっあ!! き、気持ち・・良い・・きもひいいい・・・はひああぁぁっ!!」

「そうだ、ケツが好きなんだろ、ノーヴェ?」

「す、すきぃ・・・・・・抉られるの好き・・・・・・・穿って・・・・もっとぉ・・・・」

「この好き者め。他の男とも寝たんじゃないだろうな?」

「ひ、ひがう・・・・・・さん・・・おと・・・さんだけ・・・・だけ、だからぁぁっ・・・・・」

「嬉しいこと言ってくれるな。なら、たっぷり食らわせてやるよ」

激しく腰を前後させながらノーヴェの感じやすい部分を的確に責めていき、その度にノーヴェは絶え間なく切ない鳴き声を上げて身体を震わせる。

「んぅぅ・・はうんっ! もっとぉ・・・あんっ! そこぉ・・・そこもっと突いてぇぇ」

瞳を潤ませ、顔を蕩けさせながらノーヴェは懇願する。絶頂が近づいてきているのか、収縮を繰り返す腸壁はゲンヤが腰を引く度に逃すまいと肉棒を締め上げ、
深いアクメを得ようと脈動する。

「射精すぞ、ケツの中に射精すからな!」

「射精してぇっ・・・・けちゅ・・・・あたしのけちゅにぃ・・・射精・・・だ・・・し・・・ああああっ・・・」

一際強く菊門が閉まり、限界を迎えたゲンヤは義娘の直腸に欲望を解き放つ。

「はぁぁやぁぁああっっ!! うっ・・・・・くああぁあああっ!!」

腸内を精液で焼かれ、肛虐のオルガズムに達してノーヴェは嬌声を上げながら義父の肉棒を締め上げ、
絶頂の波に呑まれながらも放出される精液を一滴残らず飲み干さんとする。

「んはぁぁぁあっ! すごぉい・・・あついぃぃ・・・・・ひいよ・・・・ケツ・・・・すき・・・・・・」

みっともなく涎を垂らしながら、ノーヴェはぐったりと浴室に横たわる。そして、これで終ってしまうのかと、
少しばかり残念に思いながらゲンヤが直腸から一物を抜くのを待った。だが、節くれだった亀頭の感触はいつまで経っても腸内で主張を続け、
収縮を繰り返す菊門に締め上げられてさっきよりも野太く膨れながら精液で汚れた腸壁を擦り上げていく。

「あれくらいで済むと思うなよ。今日は足腰立たなくなるまで啼かせてやるからな」

その言葉にノーヴェは自分が背筋を震わせ、歓喜していることに気づいた。
恐怖はあった。快楽に溺れ、自分が自分でなくなってしまうのではないのかという恐怖だ。だが、そんなものは些末な問題であった。
こんな風に義父に愛してもらえるのなら、悦楽に身を任せて馬鹿になっても良いかもしれない。
437ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日I:2008/09/16(火) 13:14:57 ID:qRkmM8k9
「来て・・・・・あたしのケツ穴、目一杯穿ってぇ・・・・・・」

厭らしく腰を振りながら懇願し、腸内の野太い剛直を締め上げる。それだけでも、彼女は軽いオルガズムを感じていた。





「ああんん・・・・ああ・・・父さん、とうさん・・・・・良いよぉ、きてぇ・・・・きてえぇっ!!!」

ベッドに横たわったゲンヤの上で、裸のスバルがあられもない姿を晒しながら激しく腰を振っていた。
今日一日で6人の娘の体を代わる代わる抱いていたにも関わらず、ゲンヤの肉棒は未だ衰えることなく娘の肉壺を抉っており、
逞しいその太さと持続力にスバルは歓喜の声を上げてよがり狂う。

「ひゃぁぁぁあっ!? あぁぁああぁああああぁぁぁ・・・・・・」

「ううおおおおぉぉっ!!」

雄叫びを上げながら腰を突き上げたゲンヤが肉壺の奥で精をまき散らし、スバルは絶頂へと達してゲンヤの胸にしなだれかかった。

「父さん・・・も、もっとしてぇ・・・・・・」

「帰りにあんなにしてやっただろうが。まだ足りねぇのか?」

「あれだけじゃ足りないよぉ。もっといっぱい苛めてくれなきゃ、疼いちゃって治まんないよ」

「これ以上は明日に差し支えるんじゃないのか?」

「明日は休みだから大丈夫。ねぇ、しようよぉ」

甘えるような猫なで声を上げ、スバルはゲンヤの胸を指先で弄りながら誘惑する。可愛い娘のお願いを前にすれば、理性などまるで役に立たない張り子の虎だった。

「仕方ねぇなぁ。後少しだけだぞ」

「やった」

頬を綻ばせ、スバルは肉壺からゲンヤのモノを引き抜いて態勢を入れ替える。色艶の落ちないピンク色の媚肉はゲンヤの白い精液で汚れており、
生い茂る青い恥毛が何とも言えない生々しさを醸し出していた。

「父さん、今度はお尻でしてぇ・・・・・スバルのおケツ、好きなだけ苛めて良いよぉ」

頬を上気させながら、スバルは父に懇願する。
その時、部屋の扉が勢いよく開き、床に着いていたはずのギンガ達が部屋へと乱入してきた。

「スバル、抜け駆けなんてずるいわ」

「ギ、ギン姉!?」

「パパりん、あたしはいつでも準備OKっスよ」

「父上が喜んでくださるのでしたら、このチンク、夜伽の相手もやぶさかではありません」

「今日はまだ、お父さんに抱いてもらっていない」

「足腰立たせなくするんじゃなかったのかよ? あたしはまだまだやれるぜ」

口々に喚きながら、5人はパジャマの裾をまくし上げて濡れそぼった股間を露にする。ここに来るまでの間に自慰でもしていたのか、5人とも既に準備万端であった。
438ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日J:2008/09/16(火) 13:15:31 ID:qRkmM8k9
「父さん、まずは私を・・・・・・」

「待ってよ、あたしの方が先だってば」

「スバルはさっき抱かれたから、次は私がやる」

「今の内に抜け駆けっス」

「そうはいかん。父上の夜伽の相手は姉がする」

「チンク姉でもこればっかりは譲れねぇ」

わいのわいのと自分を巡って争う6人の娘を前に、ゲンヤはどうしたものかと顎に手をあてる。休日の前の夜はだいたいいつもこんな感じなのだが、
よくぞまあ飽きずに何度も同じことを繰り返せるものだ。

(まあ、一番頭がイカレているのは俺かもしれないが)

自嘲するように笑みを浮かべ、ゲンヤは今夜も腹を括って6人全員の相手をすることに決める。
据え膳食わねば何とやら。これだけの美少女達を好きにできるのだから、徹底的に楽しまねば相手に失礼というものだ。

「父さん、ねぇ早くぅ」

「そう急かすな。ちゃんと全員、相手してやっから」

こうして、ナカジマ家の夜は更けていった。

                                 おわり
439B・A:2008/09/16(火) 13:16:07 ID:qRkmM8k9
以上です。
ゲンヤさんはどっちかというと頼りがいのあるナイスミドルなのが多いので、時と場合で鬼畜全開なパターンはちょい不安です。
今回は舞台がミッドということで二刀流のあのお方の出番はなし。エリオとの壮絶な加速合戦も考えましたが、オチが思いつきませんでした。
支援ありがとうございました。
440名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:22:55 ID:AZZeBE5G
GJ!!
とっても良かったです!
複数等が自分も好みだし、続きも読んでみたいです!
441B・A:2008/09/16(火) 13:26:43 ID:qRkmM8k9
>>428
誤字を発見orz
>そう、毎朝7時には、必ず誰かが起こしにくるのだ。  ×
>そう、毎朝6時半には、必ず誰かが起こしにくるのだ。 ○

です。
ちゃんと推敲したのに・・・・・・。
442名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:33:22 ID:zuBBfWVK
GJ!!!

なんつうけしからん機人姉妹! エロ過ぎだろこの家庭www
将来ゲンヤの死因は確実に腹上死ですなこりゃ。
443名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:40:15 ID:gS/jWhSG
エロスGJ!www
そろそろ次あたりは野外プレイをw
444名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 13:43:09 ID:NN5YThow
>>422-423の流れで吹いたwww
ゲンヤハーレムGJ!
445名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 14:05:15 ID:aBFI8djl
>>439
GJを突っ込んでやるから四つん這いになれ!
ノヴェスバは尻責めとか、細かいところも実に良い仕事で、うむ。
446名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 15:36:09 ID:0gaTPB5g
某ドリルアニメを最近見終わったせいで
ギンガの左手のドリルがでかくなる夢を見た

スバル勝てなさそうじゃね?
447名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 17:49:23 ID:5x0ytivf
魔力で、左手の周りの空気を超圧縮し、左手を高速で回転させる事で超圧縮空気も、
螺旋運動させて飛ばし、相手を削り潰す、空気のミキサー、偽神砂嵐を考えた事はあるw
448名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 17:59:34 ID:Bhvw9AqE
ブリッツキャリバーの超高速移動で真マッ○スペシャル
449名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 18:35:30 ID:0B99UvBi
マッド○ペシャル?

なんて言っても誰も分からないorz
450名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 19:03:26 ID:vTwZ1NDz
>>414
GJ!!
エリオ頑張れすごく頑張れ。
つーか着実にフラグ立ててるあたりいつか、死亡フラグ踏みそうで怖い
そしてキャロも頑張れ。
451名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 19:13:33 ID:E0o+Oj78
「召還少女」なのにまだ召還しないね
452名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 19:28:59 ID:2sDwHjYO
召喚→中には誰もいませんよ
453名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:02:19 ID:r3Upu5Yu
>>448
真ゲッター○ボに乗るユーノ・クロノ・ゲンヤの夢なら見たことがある。
クロノが「遅れた分をゲッ○ーフェイトのスピードに賭ける!!」とか言ってた。

きっと真ド○ゴンにはエリオ・スバル・カルタスが乗るんだろう。
454名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:05:47 ID:0m5ZiZNh
>>414
GJ!
エリオーかっこいいよ。
ただ、いつかやばいことになりそう。
続き楽しみにしてます。
455名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:16:12 ID:dp/K0Cul
>>439
何この淫乱家族GJ
最終誤字確認が済み次第一本投下します
456ておあー:2008/09/16(火) 20:25:31 ID:dp/K0Cul
完了。
前回レス下さった方、ありがとうございました。
キシャーの続きがもうちょいかかりそうなので生存報告を兼ねて短編を投下します。

今回の注意

・非エロ
・メインはゲンヤとチンク
・時期は三期終了後、5・9・10・11の娘がナカジマ家入り。ただし5番以外出番無し
・SSX未入手なのでそっちとの矛盾があってもスルーをお願いします
・本編を台無しにするオマケあり

なおこの話はアルカディア ◆vyCuygcBYc氏の『L.L.外伝 ゼストの槍』とその感想レスにインスピレーションを得て
誕生した話です。この場を借りて同氏達に深く感謝しこの話を捧げます。迷惑だったらお手数ですが返送してください。
457ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:26:34 ID:dp/K0Cul
 月明かりが窓から差し込む静かな夜だった。
 ゲンヤ・ナカジマは真っ暗なダイニングで一人、グラスを傾けていた。
 明かりをつけないのは最近増えた『家族』を起こさない為というのもあるが、実際のところ深い理由は無かった。
 強いて言うなら、亡き妻に似てきた長女に深酒は控えるよう事あるごとに注意されるのに辟易していたからだろうか。
ゲンヤ自身に飲み過ぎている感覚は無かったが、彼女が言うには『最近特に量が多くなっている』との事だった。
 確かに今こうしている姿を見れば、彼女は確実に眉を顰めるだろう。

 不意に視界の端で何かが動いた気配がして、ゲンヤは気配の方向に向かって声をかけた。

「誰かいるのか?」

 しばしの後に現れた人影は、家族の中で最も小柄な人間のものだった。

「チンクか。てっきりウェンディ辺りが冷蔵庫を漁りに来たのかと思ったが」
「……漁りに来ているのですか」

 ゲンヤの座るテーブルに人影が近づき、月明かりがその顔を照らす。
 銀髪の少女――チンクは少し申し訳なさそうな表情を浮かべながら椅子を引きゲンヤの向かいに腰掛けた。

「おう。ノーヴェが一回にウェンディが三回、どっちも『夜中に食うと太るぞ』って言ってからは来なくなったがな」
「申し訳ありません」

 チンクが頭を下げようとするのを、ゲンヤは手で制した。

「おいおい、やめろよ大袈裟な。こんなもん頭を下げるような事じゃねえよ。それにもしそれをするならギンガだろ。
一応更生プログラムの担当官だったんだからよ」

 ゲンヤはそう言って笑う。
 ちなみに更生プログラムはそこまで細かい事は指導しない。あれはもっと基本的な社会のルールを学ぶものであり、
この程度の事までいちいち教えていてはいつまで経ってもカリキュラムを消化できないだろう。
 こんな事で監督不行き届きを指摘されてもギンガが気の毒である。
458ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:27:14 ID:dp/K0Cul
「つうか、もしかしてメシの量が足りてねえのか? 一応ギンガとスバルのを参考にしてんだが」

 ナカジマ家の食事は基本的にゲンヤが担当している。
 クイントを亡くして以降男手一つで二人の娘――それもかなりの大食いな二人を育ててきたゲンヤにとって、料理は
半ば趣味のようなものだった。
 ギンガや今は家を出ているスバル、チンク達もそれぞれ全く心得がない訳ではない。しかしよほど凝ったものを
作る時で無い限りゲンヤは毎日一人で家族全員分の食事を作り振舞っている。
 故に食事に関して何か問題があるなら対応しなければならないとゲンヤは質問した。

「いえ、十分です。あの子達には私から注意しておきます」
「だから別にいいって言ってんじゃねえか……」

 頑固な『娘』に苦笑いを浮かべながらゲンヤはグラスを呷る。
 少し間が空いた後、ゲンヤが口を開いた。

「まあ、しかし……ちっとばかしデリカシーがねえ言い方になるがよ。戦闘機人ってのはほんとにいい食いっぷりを
するよなあ。ギンガとスバルを引き取ってすぐの頃、家族でレストランに行った事があったがあの時は女房と二人で
顔を青くしたもんだ」



「……そう、ですか」



 ゲンヤに返答するチンクの言葉は、歯切れの悪いものだった。
 それがゲンヤの発言を受けてのものだという事は、発言したゲンヤ自身も良く分かっていた。

 チンクが『戦闘機人』という部分ではなく、『女房』という部分に反応した事も、だ。
459ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:27:56 ID:dp/K0Cul
もう十年近く前になるあの日。
 クイント・ナカジマが所属していた部隊――通称『ゼスト隊』が全滅した事件に彼女が深く関わっている事はゲンヤも
知っていた。その事について、彼女が気に病み苦しんでいる事も。
 だからこそゲンヤは今日、このタイミングを好機と捉えクイントの話題を口にした。
 これから二人が本当の意味で家族となる為に、この問題についていつか何らかの形で決着をつけなければならないと
彼自身も思っていたからだ。

「なあ、チンクよ」

 ゲンヤはグラスに新たな酒を注ぎながらチンクに話しかける。
 確かに最近飲む量が増えているかもしれない、と継ぎの言葉を考えながらゲンヤは何の脈絡もなく思った。

「確かにお前さんはあの日、女房が亡くなったあの現場に居合わせた。アイツの死に関わった。けどよ……」
「違う!」

 短いチンクの叫びがゲンヤの言葉を掻き消す。

「陳腐な慰めの言葉など、止めてください……!」
「チンク……」
「あの日! 貴方の妻であるクイント・ナカジマの命を奪ったのは……私なのです! 貴方の妻を殺したのは……
私なのです……!」

 今度は長く、部屋を沈黙が支配する。

 それは十分に予想できた事だった。もちろん、ゲンヤも覚悟を決めていた筈だった。 
 それでもチンクの口からその事実を聞いた瞬間手が震え、持っていたグラスを取り落としそうになった。
 今も心臓が早鐘を打ち、言おうとしていた言葉は喉の奥に張り付き出て来ない。

(……情けねえ)

 ゲンヤは心の中で自分に対して悪態を吐く。
 自分からこの状況を招いておいて、いざとなると何一つ出来ない。
 冷静になろうとする傍から意識は混乱し、体も心も完全に硬直している。
 チンクが再度口を開いたのはそんな時だった。
460ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:28:36 ID:dp/K0Cul
「いつかこんな日が来ると思っていました」
「……チンク?」
「決着をつける為に更生プログラムを受ける事を選び、ここに来た筈でした……だからずっと怖かった。あまりにも毎日が
平穏過ぎて、幸せ過ぎて。もしかして、このまま何事も無くずっと日々を重ねられるのではないかと錯覚しそうで……
でも、やはり過去を無かった事になど出来ません」

 チンクの掌に機人特有のテンプレートが広がり、そこから一本の短剣が出現する。
 チンクはもう一方の手でそれを掴むと、ゲンヤの前に差し出した。

「何の真似だ」
「受け取ってください。これを私の心臓に突き立てる権利が貴方にはあります」

(……バッカヤロウ)

 毅然とした口調でチンクはゲンヤに申し出る。
 だがその口調とは裏腹に、差し出された彼女の手は小刻みに震えていた。
 それだけでゲンヤには十分に理解できた。彼女が今日までどれだけ深く悩み、己の罪に苦しんで来たかを。

 JS事件が終結し、贖罪を求めて海上隔離施設を訪れた彼女。
 そこで全てを赦され妹達と幸せに生きる未来という希望を提示したのは、消せない過去を否応なく思い出させる
自分が殺した人間の娘、そして夫。彼女にとってそれはどれだけ残酷な仕打ちだったろう。
 希望と絶望を交互に提示され、彼女の心は真綿で首を絞められるように追い詰められていった筈だ。
 いつやって来るのか分からない、手の中の希望が霧散し絶望の淵に突き落される瞬間に脅える日々。
 それでも妹達と生きる今は幸せだったのだろう、彼女は自分から希望を手放す事も出来ず一人で苦悩し続けた。
461ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:29:43 ID:dp/K0Cul
 ゲンヤは後悔する。
 なぜもっと早く彼女と話をしなかったのかを。
 彼女は自分で自分を裁く事が出来ない。彼女を裁く権利を持つ人間が彼女のすぐ側にいたからだ。
 判決は、ゲンヤが下さねばならなかった。
 
「もしご自分の手を汚せないというのであれば、私は自分で命を絶ちます。覚悟は……出来ています」
「……わかったよ」

 彼女は覚悟を決めている。ならば自分もその覚悟に応えなければならない。
 ゲンヤは右手を伸ばし、チンクの手に握られた短刀を受け取る。
 僅かに触れた彼女の手は驚くほど冷たかった。
 逆手に握りチンクの前へと歩を進める。
 チンクも椅子から立ち上がり、ゲンヤの前にその身を差し出す。

 裁判官が無言で右腕を振りかぶる。
 被告は目を閉じ、眉根を寄せてその時を待った――



 ゴツン


462ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:31:40 ID:dp/K0Cul
「つっ!?」
「このバカ娘が」

 予想していたものとは違う鈍い痛みに、チンクが驚いて目を見開く。
 そこには、彼女に拳骨を入れた左手をひらひらと上下させるゲンヤの苦笑があった。

「言うに事欠いて親に自分を殺せだなんて、冗談も程々にしとけよ」

 ゲンヤはそのまま部屋の隅に向かって右手の短刀を放り投げる。
 短刀は鮮やかな軌道を描いてゴミ箱の中に消え、カコンという乾いた音を残しチンクの視界から完全に消えた。

「な、なんで……」
「いいから座れ。ゲンヤ父さんのお説教タイムだ」

 チンクを椅子に着かせると、ゲンヤは自分も座る。
 勢いづけにグラスの中身を一気に飲み干した。
 明日は二日酔いかもしれないが、なあに構わない。弱い自分という人間は、時に酒の力を借りる事も必要だ。
 
「チンク」
「は、はい!」
「お前、さっき俺が右腕を振り上げた時何を考えてた?」
「な、何をって……」
「いいから答えろ」

 有無を言わさないゲンヤの調子に、チンクは逡巡しながらも答える。

「初めに浮かんだのは妹達の事でした。ノーヴェ、ウェンディ、ディエチ……聖王教会に引き取られたセイン、オットー、
ディード。それから更生プログラムの受講を拒んだセッテと姉達……ドクター、ジェイル・スカリエッティの事も少し
思い出しました。それに……施設でお世話になった方、ギンガにスバル、ティアナ、ルーテシアお嬢様とアギト、彼女に
会いに来ていたエリオという少年とキャロという少女……今まで出会った者から、私が命を奪ってしまった者まで、一瞬の
うちに次々と彼女達の顔が浮かんでは消えました」
「その顔を見て、何か思った事はあったか」
「……」
「遠慮すんな。思った事を正直に言いゃあいい」

 ゲンヤに促されチンクは続ける。
463ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:32:45 ID:dp/K0Cul
「……彼女達にもう会えなくなるのだと思い、たまらなく寂しくて恐ろしい気持ちになりました。命を差し出す事に
後悔は無い筈だったのに、『死にたくない』という想いが心の中を埋め尽くし、そればかり考えていました」

 チンクは苦悩の表情を浮かべながらもハッキリと答えた。
 彼女の言葉に嘘は無いという事はその表情が物語っていた。
 自分から贖罪の為に命を差し出すと宣言しておきながら、実は命が惜しかったと自覚させられそれを宣言させられる。
 彼女の心の中は今情けなさや悔しさ、恥ずかしさで満ち溢れているだろう。酷な質問をしてしまったと思う。
 だがチンクの本当の気持ちを知れたおかげでゲンヤは自分の選択が正しかったと確信する事が出来た。

「答えにくい事を聞いちまったな。んじゃ、これで最後の質問だ。
 あの日――もしお前が逆にクイントに殺されていたとして、お前は死ぬ間際今みたいな事を考えたと思うか」
「きっと……考えなかった、と思います」
「そうかい」
 
 ゲンヤは息をつくと、先ほどチンクに言おうとしていた言葉をゆっくりと語り始める。

「なあ、チンクよ。俺ゃあ時々考えるんだ……戦闘機人事件っつう事件はよ、誰が解決したんだろうなってな。
確かに主犯を捕えたり、派手な活躍をしたのは機動六課の連中だ。だがな、アイツらだけじゃ事件を終結させる事は
出来なかった。局側の首謀者は全員が死亡。スカリエッティは捜査協力を拒否。そんな中で事件解決に役立ったのが
ゼスト・グランガイツが遺した戦闘機人事件のデータだった。あのデータはゼストとその部下達が文字通り命を懸けて
集めたもんだ。それに機動六課とゼスト達だけじゃねえ。ゼスト隊が動くずっと前からJS事件が終わるまで、
数えきれねえ魔導師が命懸けで事件を追って、解決しようと力を尽くしてきた。中には道半ばで倒れた奴もいた。
だがそいつらの頑張りは絶対に無駄なんかじゃあない。生き残った者、倒れた者、全員の努力を積み重ねた結果で
今があって、誰一人欠けてても戦闘機人事件という事件は解決しなかった。俺はそう思ってる」

 チンクは俯き黙ってゲンヤの言葉に耳を傾ける。
 ゲンヤは続けた。

「でな、そうやって事件が解決して、一段落着いて……ふと考えたんだよ。一体俺達は何の為にこの事件を追ってたんだろうってな。
それで、女房がギンガとスバルを連れて帰って来た時の事を思い出したんだ。アイツは俺にこんな風に言ったよ。
『何処かの誰かの勝手な都合で、兵器として生み出される子供達がいる。兵器としての生き方しか許されない子供達が
いる。自分にはそれが我慢できない。だからそんな何処かの誰かをぶっ飛ばして子供達に言ってあげたい。貴方達は
兵器じゃなくて人間だって。自由に未来(ゆめ)を見て、自由に生き方を選ぶ事が出来るんだって』ってな。
俺はきっとそれが答えなんだと思う。『救けたい』って純粋な想いがな」
「う、ぁ……」

 チンクの口から小さく声が漏れた。 
464ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:33:18 ID:dp/K0Cul
「アイツが救いたかったのはよ、お前達なんだ。死ぬ事さえも怖いと思えねえ『兵器』として生み出されたお前達が、自分で
未来を選んで、死ぬのがこええぐらいに幸せな人生を送れる日がいつか来るようにアイツは戦ったんだ。だから俺にお前を
殺すなんて真似は出来ねえ。アイツがお前に与えた未来を、俺がお前から奪うわけにはいかねえからな」

 ゲンヤは立ち上がると、涙を流すチンクの髪を優しく撫でた。

「生きろチンク。アイツの分までだなんて考えなくていい。お前が思うようにでいい。お前が望むようにでいい。
全力で今とこれからを、『兵器』じゃねえ『チンク・ナカジマ』っていう人生を生き抜いてくれ……きっと、アイツも
それを望んでる」

 声にならない声の代わりに、チンクは何度も何度も首を振って頷いた。 
 そんな彼女の姿を見ながら、ゲンヤは心の中でこれで良かったのだろうかと自問する。

 あの日、物言わぬ姿になって帰ってきた妻の姿を見た時の事をゲンヤは今でもハッキリと思い出せる。
 愛する者を失った悲しみ、だがギンガとスバルの前では強くあらねばならないという虚勢。
 そして渦巻く感情の中には妻を殺した者に対する激しい怒りもあった。
 約十年という月日はけして短いものではなかったが、あの時抱いた感情が完全に風化してしまったわけではない。
 自分の中の何処かが『彼女を赦すな』と訴えているのも確かだ。
 それでも――

(うちはカカア天下だからよ、女房にゃ絶対服従だ)

 なあ、お前ならこうするだろ……クイント?
 天国の妻への問いに答えが返ってくる事はない。
 ただテーブルに置かれた写真立て、幼いスバルとギンガと共に映る彼女が一度だけ頷いたような、そんな気がした。
465ナカジマ家にて:2008/09/16(火) 20:34:27 ID:dp/K0Cul
 翌朝。

「チンク、ちょっと来なさい!」
「どうかしたかギンガ?」
「どうかしたか、じゃないわ! これを見なさい!」
 
 チンクに対するギンガの剣幕に、ゲンヤは何があったのかと朝食を作る手を止めて振り返った。

「スティンガーをゴミ箱に捨てるなんて危ないじゃない! ゴミの回収に来た人が怪我したら大変でしょう!」
「あ」

 あ、とゲンヤも同時に呟く。
 そういえば昨晩はあの後チンクが泣き止むまでずっと髪を撫でてやったり彼女が寝室に戻った後もう一つグラスを
出してきてクイントと一杯やったりしていて、ゴミ箱にホールインワンした短剣の事などすっかり忘れていた。

「刃物をゴミに出す時は云々……」
「まあギンガ、その、なんだ。朝っぱらから何もそんなに大声出さなくったっても……」

 事の責任の半分は自分にあるので、ギンガの説教を受けるチンクにゲンヤは助け船を出す。

「父さんは黙ってて! あ、そういえば最近夜中私に隠れてこっそりお酒飲んでるでしょう? 今度やったら
没収しますからね」

 が、船を沈められた挙句藪ならぬ水中から蛇を出す結果になった。
 クイント亡き後久しく家庭内ヒエラルヒーの頂点にいた自分だが、どうやらその座は娘の物になったらしい。


 やれやれ、これでいいのかねえ……クイント?
 天国の妻への問いに答えが返ってくる事はない。
 ただテーブルに置かれた写真立て、幼いスバルとギンガと共に映る彼女が何度も頷いたような、そんな気がした。
466ナカジマ家にて:ひどいおまけ:2008/09/16(火) 20:36:19 ID:dp/K0Cul
おまけ(ボツ案)

「チンク」
「は、はい!」
「お前、さっき俺が右腕を振り上げた時何を考えてた?」
「な、何をって……」
「いいから答えろ」

 有無を言わさないゲンヤの調子に、チンクは逡巡しながらも答える。

「初めに浮かんだのはゼストの事でした。槍を振るうゼスト、空を駆けるゼスト、大地に立つゼスト、食事をするゼスト、
風呂に入るゼスト、ルーテシアを見守るゼスト、それから……初めて体を重ねた時、痛みに耐える私を優しく気遣って
くれたゼスト、そんな所舐めたら汚いって言った私にお前に汚い場所など無いと言ってくれた……」
「もういい……その、なんだ……部屋に戻ってもう寝な」

色々と台無しなのでボツ
467ておあー:2008/09/16(火) 20:38:02 ID:dp/K0Cul
以上です。お付き合いくださった方、ありがとうございました。おまけ……なんかもういろいろごめんなさい。
まえがきで触れたように、ゲンヤはチンクの事をどう思ってるのか気になったので妄想してみました。このテーマは
書き手の数だけ答えが違うと思うので、他の人のこういうSSも読みたいなあと思う今日この頃です。

それから司書の方へお願いがあります。まとめに蒐集する際はおまけ部分はカットでお願いします。
468 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 21:18:15 ID:Bhvw9AqE
こんばんは。
この機に乗じて『召喚少女リリカルキャロ』の第四話を投下します。
いよいよクライマックスですが、なんだか段々gdgdになってきました。

取り敢えずどうぞ
469 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 21:20:57 ID:Bhvw9AqE
『キャロちゃん……キャロちゃん!』
『あ………シャマル先生…』
不意にキャロはシャマルに起こされた。
時刻は朝5時過ぎ。
『あれ……私…』
『うなされてたわよ…大丈夫?』
どうやら昨日の出来事がキャロの夢を見てうなされていたようだ。
しかしキャロはそれでも気丈に振る舞う。
『大丈夫です』
『そう……時間も時間だしそろそろ起きましょうか』
シャマルがベッドから抜け出してイスにかけてあった白衣を着る。
キャロも上着を来てベッドから起き上がる。
すると保健室のドアが叩かれた。
『シャマル先生…起きてますか?クロノです』
早朝出勤をしてきたクロノが保健室に顔を出してきた。
シャマルがドアをあけクロノを迎え入れる。
『おはようございます、教頭』
『取り敢えず朝ご飯になるものを持って来ました、キャロ君も一緒に…』
『あ、ありがとうございます』
イスに座り持ってきたパンを頬張る三人。
クロノはシャマルと今後の予定について話している。
『取り敢えず上から一週間休校にし、事件の調査をするというお達しがでた』
『八神理事長が?』
『ああ…それと、後でフェイト先生が来てキャロ君を寮まで送り届ける手筈になっている……近いとはいえ一人は何かと危ういからな』
どうやらキャロの周辺で起きた事件の為、学院側がキャロの保護に乗り出したようだ。
シャマルはキャロに顔を向けた。
『大丈夫、心配しなくていいわ。何かあったら相談してきなさい』
『はい!』
シャマルの笑顔にキャロは元気を取り戻していた。
『君の安全は学院が全力を尽くして守る。我が学院としても君のような逸材を無くすのは惜しい……安心してくれ』
『クロノ教頭…』
クロノの一言にキャロは安心感を抱いた。
すると程無くしてフェイトが保健室に顔を出した。
『キャロ、おはよう』
『フェイト先生…おはようございます』
『じゃあフェイト先生…後は』
『はい』
キャロはフェイトに手を引かれ保健室を出た。
その後姿をみつめ、シャマルの表情が変わる。
『クロノ教頭…お話が』
『大体言いたい事はわかる……エリオ君とルーテシア君の事だな』
二人は周囲を確認し、話を始める。
シャマルは自分の推理を話す。
470 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 21:23:31 ID:Bhvw9AqE
『恐らく…ルーテシアちゃんがエリオ君に接近したキャロちゃんに嫉妬して起こした犯行…と思ったんですが』
シャマルは口ごもる。
そこでクロノはシャマルの気持ちを代弁した。
『信じたくないんだな』
『まさかあの子が……』
『確証はない…が、彼女は黒側だな…あとは』
『他にエリオ君に関わる人物……』
二人は次々に推理を重ねていくが全ては机上の空論、いくら意見を言ったところで状況が変わるわけでもなかった。
シャマルはただ、キャロを心配するしか出来なかった。
一方キャロはフェイトに連れられ寮に戻って来ていた。
部屋に戻りフェイトが帰った後真っ先にフリードリヒに謝る。
『ごめんねフリード…部屋を空けちゃって…』
『きゅく〜』
ご主人様の帰りが待ち遠しかったのかフリードリヒはキャロにすりよる。
事情を聞いていたレジアスがフリードリヒにご飯を与えていた為空腹は免れていたようだ。
キャロはフリードリヒを撫でながらベッドに座る。
ふわりと髪がなびいた。
『…あれ?』
よく見ると窓が開いている。
そして窓枠に引っ掛かった紙飛行機。
キャロはそれを手にとった。
何か文字のような物が書かれている。
あの綺麗な字で。
『………!』
キャロは凍り付いた。
恐る恐る紙飛行機を崩していく。
(最後の幕を上げよう……午後6時クラナガン郊外の13番灯台に一人で来い。もし誰かに知らせたら、ルーテシア・アルピーノの命は無いと思え)
『これって……』
キャロはそこに書かれた名前を見て驚いた。
ルーテシアが人質になっている。
キャロは時計を見た。
午前11時半、まだ時間はある。
ルーテシアに連絡を入れて安否を確認することは出来る。
しかし、犯人が側にいるかもしれない。
知られればルーテシアは殺されてしまう。
キャロは唇を噛み締める。
(行かなきゃ……エリオ君もルーちゃんも私のせいで…)
今、フィナーレへと続く最後の幕が上がる。
午後5時、キャロは身仕度を整え寮を出る。
誰にも見つからないようにコッソリと裏口から外に向かう。
(……)
それを見つめる人影が一つ。
キャロはクラナガンの市街地を灯台方面に向かうバスに乗っていた。
キャロは窓の外を見る。
そこには目的地である13番灯台が見えていた。
471 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 21:26:31 ID:Bhvw9AqE
(あそこに犯人とルーちゃんが……)
キャロは真剣なまなざしで灯台を見つめ続ける。
灯台に一番近いバス停で降り、目的地に向かい歩くキャロ。
そしてキャロを追う影が一つ。
キャロはそれに気付いていない。
切り立った岸壁に立つ13番灯台、通称死の灯台。
周囲は崖という環境から自殺の名所としても有名な場所である。
故に自殺志願者でも無い限り近付く者はいない。
灯台の下でキャロは犯人を待ち続けた。
そこに現われた人影、黒いローブを着てフードを深くかぶっている。
その表情をうかがい知る事は出来ない。
『約束通り一人だな…』
変声魔法で声を変えている為機械的な声が響く。
キャロは黒いローブの人間に尋ねる。
『あなたは……あなたは誰なんですか!?ルーちゃんは…』
『黙れ…』
黒いローブの人間の威圧感に後ずさるキャロ。
黒いローブの人間はキャロに近付いていく。
『お前が……お前が私の大切なモノを奪った…』
『な……なにを…きゃっ!!』
キャロの首を掴み持ち上げる。
キャロの顔が苦痛に歪む。
『そうだ…お前さえいなければ……』
『かっ…は……な、にを…』
『自分を取り巻く事件に巻き込まれた人々に責任を感じたキャロ・ル・ルシエは死の灯台において自殺を遂げる……それが私の舞台の幕引だ』
キャロを持ち上げたまま岸壁の縁に立つ黒いローブの人間。
そして、手を離す。
『さよなら……』
『きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』
そのまま海へと消え入るキャロの姿を見つめ黒いローブの人間は口元をつり上げる。
『ククク……アハハハハハハハ!!』
そして消えた。

(どうして……私のせいなの?)
海へと落とされ意識は消えかけていたキャロ。
どんどんと沈んで行く体、力が入らない。
いや、諦めていた。
己が消えれば全てが終わる。
もう誰も傷つかなくてすむ。
(お父さん…お母さん……ごめんなさい…)
そして意識が途切れようとした時だった。
急に意識がはっきりとした。
暗い空間にキャロはいた。
『……私…死んじゃったの?』
(否…汝は死んではいない)
『誰!!』
キャロが振り返るが何も見えない。
しかし、確かに『何か』がそこにいる。
キャロは声を上げた。
『あなたは誰!?』
472 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 21:28:20 ID:Bhvw9AqE
(選ばれし竜の巫女よ……ここは我の深層空間…ここに時間の概念はない)
『何を言っているの?』
(まだ汝は死んでいない……)
『どういう事?あなたは誰?』
(我は汝を守護せし竜…汝の使命はまだ終わってはおらぬ!)
キャロに語りかける竜。
それはキャロが生まれた時から守護の力を授けていたと言う。
キャロは俯く。
『……これでいいの、これでみんな助かるから』
(それは本心か?)
『………』
先程まで抱いていた感情に疑心が生まれる。
本当にこれでいいのか?
(汝が消えて喜ぶ者がいるのか?)
『……!』
キャロは顔をあげる。
シャマルが言い聞かせた言葉。
そう、キャロが死んで喜ぶのはあの黒いローブの人間だけ。
『みんな……』
(汝には果たさねばならぬ巫女の使命がある……だが、今は目の前の危機を乗り越える事を考えろ)
『はい……私が、犯人を捕まえます!!』
キャロの目には決意が宿っていた。
自分のみならずエリオやルーテシア、大勢の命を危険にさらした謎の人物。
それを許す事は出来ない。
竜が声を上げる。
(ならば願え、生きる事を!ならば問え、全ての謎に!ならば呼べ、我が名を!!我が名は……)
そしてキャロの意識が戻る。
『ヴォルテェェェェェル!!!』
日も沈んだ暗き海から一筋の炎が撃ち上がる。
そして浮かぶ黒き竜の影。
それはキャロを優しく、力強く抱いて形を成す。
キャロが竜の目を見つめる。
『ありがとう、ヴォルテール……』
そして、意識は途切れた。
次に目覚めた時には病院のベッドに寝ていたキャロ。
目に入ったのは涙を浮かべるエリオとルーテシアだった。
『気が付いた、キャロ!?』
『キャロ!キャロォォォ…うぁぁ…!』
ルーテシアがしがみついて大声で泣いている。
エリオも気が抜けて涙を流している。
すぐさま医者がかけつけキャロの検査をする。
一通りの検査を終えた医者がキャロに告げる。
『大丈夫ですよ、一日安静にしていれば明日には退院出来ますよ』
『よかった……』
キャロを保護したシャマルとクロノが事情を説明する。
『キャロちゃん、13番灯台の崖下の岸辺に打ち上げられていたのよ』
『実は君をつけていたのだが見失ってしまってね…』
473 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 21:30:29 ID:Bhvw9AqE
クロノは目線を厳しいものにする。
『まさか自殺未遂をしていようとは…』
『違います……犯人に呼ばれて…』
『なんだって!!』
一同の目の色が変わる。
クロノがキャロに問詰める。
『なぜ黙っていたんだ!!』
一瞬クロノの剣幕に押されるが、キャロは事情を説明した。
手紙の事、ルーテシアの事、そして犯人の事を。
『……なんという』
クロノが頭を抱える。
隣ではシャマルがルーテシアを見ている。
するとルーテシアは自分の事を話した。
『私はずっとエリオといたよ…』
『お見舞いに来てくれてたんだ……でも、一体だれが…』一同が考えこんでしまう。
犯人がキャロを直接狙って来た以上、また狙われてしまう前になんとしても犯人を捕まえなくてはならない。
キャロは頭の中で考えを巡らせる。
(体操服が盗まれた時…教科書とノートが破られた時…体育倉庫に閉じ込められた時…爆発事件…そして今日の事……)
全ての事件を辿る。
しかし、思い当たる人物全員はそれを全て実行するのは不可能だった。
必ずどこかで不可能な場面が出て来る。
しかし、キャロは考えて考えて考えた。
そして、ヴォルテールの言葉を思い出す。
(ならば問え、全ての謎に……そう、問わなきゃ…必ずどこかに穴がある…私は………私は?)
不意にキャロが体を起こす。
『あの時……私は本当に?』
そして、拳を握り締める。
たった一つの勘違い。
それを正しく見つめた時、そこに一人の人物が浮かぶ。
信じたくない、信じたくない。
頭で繰り返す。
しかし、やはり一人しかいない。
キャロはクロノに言った。
『明日……学院関係者と警察を呼んでください……それと、お願いがあります』

会議室に学院に勤める教師や事務員、エリオやルーテシアが集まっていた。
警察官が入口を固めている。
議長席にはキャロが座っている。
『突然ごめんなさい……でもこの学院を巻き込んだ事件を解決するために協力してください』
キャロは簡潔に理由の説明をする。
『今回、爆発事件を企てた犯人がわかりました』
会議室がどよめく。
そしてキャロはゆっくりとある人物を指差した。
『犯人は……あなたです!!ルーテシア・アルピーノ!!』

第四話『からくりを暴け!!キャロ、命懸けの推理!!』
終結!
474 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 21:31:12 ID:Bhvw9AqE
『どうして……こんなことを』

『あなたは間違っている!!』

『僕は……僕はキャロを守る騎士だっ!!』

次回、最終話!
『想いよ届け、小さな騎士』
お楽しみに!!



なんかやっつけ感が……否めない…。
段々路線が外れて行く……………
475名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 21:42:32 ID:X0g95pcn
ふと思ったが、インセクタやガリュー使えば、アリバイの意味ないね。
476名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 22:08:39 ID:r3Upu5Yu
>>467
GJ!
色々とぐっときた。
ちょっと泣いてくる。
477名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 22:19:50 ID:pl+eX1Hb
>>467
重いテーマですね…GJ。
ボツ案でちょっとワロタw

最近このスレでのゲンヤの出番が心なしか多いな。流行中?
478名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 22:43:05 ID:M6m04XiV
>>467GJ!
私も「ゼストの槍」を読んでチンクに対するゲンヤの思いが気になっていたので読めて良かった
切ない、そしてやり切れなくもあるね

>>474
超展開が進んでさらにカオスに……
GJだけど、ておあー氏の直後だからもう少しレスを挟むなり、時間を置いた方が良かったかもしれない
479 ◆K17zrcUAbw :2008/09/16(火) 23:01:31 ID:Bhvw9AqE
>>478
うん、正直早すぎた感があった。
今度からは空気を読むよ。


それと遅ればせながら>>467先輩、GJッス!!
480名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:55:15 ID:0m5ZiZNh
>>474
もう次回で完結か…
なんか寂しい感じがするな…
ルーちゃん犯人か
ガリューやインゼクト使わなかったのも納得。
彼女もエリオを好きな人の一人として、闇討ちみたいな卑怯な手でライバル蹴落とすなら最低限、自分の手を汚して…と考えるはず。
逆に自分の召喚獣に手を汚させて自分は高見の見物は、さすがにやっちゃいけないことだろ。
改めてGJ!!
481名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:59:09 ID:vTwZ1NDz
>>474
GJ!!!
ルーがヤンデレになってエリオを奪還するという話でも俺は満足してしまう
一途な思いもそれはそれでいいもんだ。
482名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 00:30:05 ID:3/kqlUpF
キャロ「ルーテシアさんは何者かの協力でアリバイを作っているのです」
エリオ「な、何者かって誰なの?」
キャロ「何者かは何者かです!」


こんな推理じゃないよね?
483名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 01:11:00 ID:1DizAUJe
推理が始まった瞬間にエリオが「この事件を33分持たせる」と言っ・・・・・忘れてくれ。
484名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 01:31:29 ID:GKwpC7Y+
エリオ主役でノベルゲーを作ろうとした事があるが
Nscrのマニュアルを見た瞬間、挫折しかけた・・・

>>474の最終回後
改心したルー子やキャロたちクラスメイトとともに修学旅行に行くも
空港で火災が発生し、皆と逸れ巻き込まれてしまうエリオ。
一人現場から脱出しようとするなか、燃え盛る火の中、
迷子となった妹を探す一人の姉と出会い共に行動することとなる。
遂には妹と再会するも、襲い掛かる猛火の前に死を覚悟するエリオたちだが・・・なんて、電波が来た

どうやってエリオ達が生き延びたかって、エリオがいないことに気がついたルーとキャロが
慌てて召喚獣を呼んで火災現場ごと吹き飛ばしたんだろ
本編?でスバルとギン姉がいないからつい・・・

485名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 02:30:54 ID:kcrEiJcj
犯人はクアットロだった!とかか?
486名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 03:06:18 ID:1DizAUJe
ドゥーエが変装・・・・・だめだ、エリオとの接点が思いつかん。
487名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 07:16:55 ID:UpePmYtL
あくあそしうあいうc
488名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 11:52:26 ID:rBB3M+MY
エリオ「僕は変態じゃないよ!仮に変態だとしても変態という名の紳士だよ!」

推理というとこれが最初に出てきて困る。
489 ◆Ev9yni6HFA :2008/09/17(水) 12:19:15 ID:lxl2QJR1
新しく出来た二次創作スレで1話から書き直そうと思います。
なので、司書の方には申し訳ありませんが、保管庫にある「尊ぶべき愚者」の削除をお願いします。
490名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 12:29:10 ID:MEbnP/Jd
>>484
もしそのノベルゲーム作成してくれたら、一万でも買う

このエリキャロルーのラブ米も実際にギャルゲで発売すれは面白そう
バッドエンドはキャロルーともヤンデレ化してアッーッ!
491名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 13:14:13 ID:1DizAUJe
>>490
エイミィ「おーす。潜った修羅場は数知れず、それでも簡単な選択肢の間違いで即BADENDへまっさかさまなエロオ・揉んでヤルを救済する
      へんてこヒントコーナー、エイミィ道場。私が師範のエイミィ・リミエッタである(え、苗字が違う? いいの、ここでの私は永遠の16歳)。
ヴィヴィオ「その弟子一号、本編はおろか、SSですら接点がないはずなのに、現役の小学生だからという理不尽極まりない理由から無理やりブルマを
       履かされた平凡な小学3年生(時々聖王)、高町ヴィヴィオであります」

バッドエンドといえばね。やっぱり。
492名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 13:48:42 ID:3eO+114D
リヴォさんとこのエイミー道場思い出したw
あっちじゃリインIIだけど
493名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 14:11:03 ID:QaXp0r2N
>>491
元ネタのタイガーと違ってエイミィは
「ねえクロノ君、お嫁にもらってくれるー?」
「いいよー、オッケー」
のお姉ちゃん三秒ルートを実現しちゃったなw
494名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 16:30:47 ID:0eQwSKJa
◆三笠フーズ 汚染米事件 〜食べた人は全員肝臓ガンで死にます

・「アフラトキシン」は地上最強の天然発ガン物質
・発症までに10〜20年かかるが、極微量でも摂取すれば、
 肝臓ガンになる可能性は100%
・調理では分解されず食品中に残る
・西日本で肝臓ガン死亡率が高く偏っており、原因不明とされていたが・・・
 (資料)国立がんセンター
 http://ganjoho.ncc.go.jp/pro/statistics/gdball.html?7%9%1

医師板からのコピペ 

40 :逃亡者:2008/09/13(土) 01:26:17 ID:23fUP1Pf0
 2年前から大阪で勤務しているが、以前の勤務地と比較して大阪は本当に
肝臓癌の患者が多いと感じた。消化器内科からTAE(肝動脈塞栓)の依頼
が次から次へとくる。
 で、ずっと疑問に感じていたことがある。大阪では患者の殆どが男性なの
だ。おまけにウイルスフリーもちらほらいる。それでHCV・HBV以外にも肝臓
癌の原因はきっとあるに違いないと、大阪に来てからずっと思っていた。
 今回この事件を知って二度驚いた。ひとつは不謹慎だけど、「あー、やっ
ぱり」っていう驚き。実際には因果関係を証明するのは無理でしょう。でも
治療している私の実感としてはピッタリだったてことなんですよね。そうい
う驚き。
 もうひとつは、自分も肝臓癌になる可能性があるっていう驚き。というよ
り、恐怖だろうか。肝臓癌の治療すればするほど思うのだが、本当に治らな
い。今では絶対に治らないという確信さえ持っている。最期が悲惨なだけに
考えてもみなかったことだ。
 肝臓癌になるかどうかは別にしても、今はこんな情けない国に生まれてき
たことが悔まれて仕方がない。

三笠フーズ(大阪)、浅井(愛知)→ノノガキ(三重)、太田産業(愛知)
島田化学工業(新潟★) ←new!!\(^o^)/
495名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 17:15:31 ID:m4ccMHXo
>>494
どうでもいいけど食べた人の中には交通事故で死ぬ人も結構いると思うんだ
496名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 17:22:43 ID:38G8jHPi
>>489
ちょ! マジすか!?
497名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 17:43:40 ID:QaXp0r2N
>>495
つーか100%ってのはアフラトキシンを大量に摂取させられたラットの死亡率だよ
微量摂取した人間の発癌率データなんてどこにもない
まあそれでも最悪レベルの発癌性なのは確かなんで責任者は全員打ち首獄門にしたいがな
498名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 17:49:09 ID:JfLNwUxD
だがしかしこのスレで話す事じゃないぜ

召喚少女リリカルキャロを読んだ瞬間から俺の中に『私立ナンバーズ学園』という
言葉が生まれて頭から離れないんだがどうしたものか
499名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 17:57:14 ID:0P+hVUmY
機動六課が汚染米によって機能停止
さぁ今こそ皆を救う時立ち上がれ魔法女医シャマルさん

こんな電波届きました
500名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 17:59:29 ID:yhdLossj
ヴィータ「おかわり」
501名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 18:03:23 ID:m4ccMHXo
>>497
だって
食べた人は全員肝臓ガンで死にます
って書いてあるから
502名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 18:06:32 ID:E08U0Osm
いちいちスレに関係ないコピペに反応すんなよ……
503名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 18:16:26 ID:JG/Pe5A0
↓からは年増キャラの良さを語るよ♪
504名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 18:23:20 ID:38G8jHPi
レティ提督エロいよ〜、人妻子持ちメガネ熟女がいやらしくない訳がない!
505名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 18:23:27 ID:GA1fkRIy
なのはさんってさ、見れば見るほど美しく見えるんだよなぁ……心からそう思うよ
506名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 18:25:05 ID:JfLNwUxD
>>505
7秒差で命拾いしたな
507名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 18:26:10 ID:QaXp0r2N
>>504
充分若作りだけど
それでも熟女って感じはするからな
親友と違ってw
508 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:31:12 ID:SSgCc8A0
遊戯王を見終わったんで、『召喚少女リリカルキャロ』最終話『想いよ届け、小さな騎士』書き終えました。
取り敢えず事件の推理とエピローグになります。


最初にオイラが言います。
『 全 て 計 画 通 り 』
509 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:32:31 ID:SSgCc8A0
『犯人が……私…?』
犯人だというキャロの主張に会議室にいた人全ての目線がルーテシアに向く。
あまりに突然の出来事にルーテシアも驚きを隠せない。
『どうして……私が…?』
『あなたはエリオ君の許嫁…エリオ君を愛していた……そして、私がエリオ君と仲がよさそうなのが許せなかった……』
そう言ってキャロが鍵の束を取り出した。
それは職員室に置いてある各教室の鍵であった。
キャロはそれを見せながらさらに話を続ける。
『……これは最近知った事ですが…ルーちゃんは私と同じで召喚のスキルを持っている……召喚した虫に鍵を盗ませ、薬品の入れ替えをさせれば彼女が犯行を行う事は可能です!!』
その一言に一同がざわめく。
ルーテシアは首を振って否定する。
『私じゃない……やってない…』
『ルー……酷いよ…自分の為にキャロや僕を…』
『なんて娘だ……』
『怖い子だ…』
しかしエリオや他の先生が次々とルーテシアを非難する。
『嫉妬したからって殺害まで考えるなんて……』
『挙げ句キャロを呼び出してまで殺そうとするなんて……』
『早く捕まえないか!!』
次々とルーテシアに浴びせられる罵声。
それはどんどん大きくなっていく。
しかしルーテシアの一言で会議室は静まり返った。
『……どうして知ってるの?』
一同がルーテシアを見つめる。
表情を変えずにただ一点を見つめるルーテシア。
そしてキャロは口を開いた。
『どうして……こんなことを…信じたくなかったのに………』
キャロは涙を流している。
そして顔を上げ、ルーテシアと同じ場所を見る。
そこには、一人の女性が立っていた。
『どうして私が呼び出された事をあなたが知っているんですか……』
赤き瞳、金色の髪。
『答えてくださいっ、フェイト先生!!』
キャロの担任、フェイト・T・ハラウオン。
口に出た言葉、キャロが呼び出された事実。
それはキャロがクロノに頼んだ事だった。
『私が突き落とされたのを知っているのはここにいる私達と犯人だけです……ですからこの事を誰にも言わないでください………犯人は絶対に口を滑らせます』
キャロはフェイトにもう一度聞く。
『どうして…あなたが…』
『み、見掛けたのよ……キャロが街でバスに乗るのを!』
510 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:34:03 ID:SSgCc8A0
フェイトから弁明の言葉が出る。
しかしキャロはさらにフェイトを問詰める。
『私だけを見掛けたんですか?』
『え…そ、それはそうよ!!だって呼び出されたのはキャロだけ…』
『残念だが、フェイト先生………バスには私も乗った』
さらに弁明するフェイトの言葉をクロノが遮る。
そう、クロノはキャロの後をつけていた為気付かれないようにあのバスに一緒に乗り込んだのだ。
もしフェイトがキャロを見掛けていたのなら後をつけていたクロノも目撃しているはず。
しかしフェイトはキャロしか見ていないと言った。
フェイトの言葉は嘘だった。
フェイトは直立不動のまま震えている。
『思えば私の勘違いからこの事件は誰にも不可能なものと思い込んでいました…けど、ある部分の勘違いを正すと………フェイト先生にしかこの犯行は不可能なんです』
そう言ってキャロは足下から箱を取り出す。
中から体操服の袋、教科書とノート、学院の鍵(ゼスト所有)、すり替えられた薬品、そして三通の手紙を取り出す。
キャロはそれを順番に見せる。
『まずはこれです』
そう言って体操服の袋を持ち上げる。
『事の発端はこの体操服が盗まれた事から始まりました。これは二時限目前に発覚……次に教科書とノートが破られていた事件……これは二時限目の間に起こった…』
そう言って教科書とノートを持ち上げる。
ここまでは普通の嫌がらせに過ぎない。
しかし事件はここからエスカレートしていく。
次にキャロは一通目の手紙を取り出す。
『そして、その日の放課後にエリオ君の名で私は体育倉庫へ呼ばれて閉じ込められました……これが一日目の出来事です』
ここでキャロは一息置いた。
『犯人はこれで私が塞ぎ込んでくれればいいと思っていました……けれど、私はエリオ君のおかげで立ち直った。だから犯人はその日の内に次の犯行を仕掛けた』
そこでキャロはスカリエッティを見る。
スカリエッティはその日の事を説明してみせる。
『私は翌日に行う予定の実験の準備は放課後すぐにすませる事にしている……私の準備した薬品に細工するなら翌日までに充分な時間がある』
そして鍵と薬品の瓶を持ち上げた。
キャロは再びフェイトに向き直る。
511 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:35:32 ID:SSgCc8A0
しかしフェイトは反論する。
『けどそれはさっきキャロが言った方法でルーテシアにだって可能なはず!!』
『いえ、無理です……この犯行はあなたにしか出来なかった』
キャロはスカリエッティから鍵と薬品の瓶を受けとるとそれをフェイトにみせた。
『爆発事件……その犯人を示すのはこれとは違う三つ目の証拠』
『三つ目の証拠!?』
そう言ってキャロは再び箱に手を入れる。
取り出したのは数十枚の紙の束。
それを見たクロノが呟いた。
『自由選択科目の希望書か……』
『そうです……ルーちゃんがこれを知る事は出来ない…私が科学を受ける事を知っていたフェイト先生にしか犯行は不可能なんです』
キャロの言葉にフェイトの表情が曇っていく。
そして話は二日目から三日目の事件に移る。
『あの爆発事件で一つだけ誤算が起きたんです…それはエリオ君が私とルーちゃんをかばって怪我をした事……これにあなたは激昂した。けど、その日はシャマル先生が私の側にいたから犯行を諦めた……』
そしてキャロはクロノを見た。
クロノは申し訳なさそうに話を切り出す。
『しかし……私がフェイトにキャロの帰宅警護を依頼した事で事態は変わった』
キャロはそこで三枚目の手紙を取り出した。
『それによってフェイト先生は私が部屋に帰る時間を把握していた……だから私を呼び出す為の計画を練った』
事の推移はこうだ。
まず件の手紙を用意し、紙飛行機をつくる。
それを持ってフェイトはキャロの部屋に向かった。
管理人のレジアスに事情を説明し、着替えをとる名目でキャロの部屋に侵入。
あらかじめ窓をあけ、隙間に紙飛行機を挟んだ後何食わぬ顔で着替えを持ってキャロを迎えに行った。
そして約束の時間に黒いローブを着てキャロを殺害しようとした。
『これもあなたにしか出来ない犯行です……』
『……甘いわ』
キャロに追い詰められたかのように見えたフェイトだったが、逆にキャロに問い掛ける。
『キャロはこの事件が私一人によるものだと言ってるの?』
『はい』
『なら、最初の体操服はどう説明するの?あなたの鞄に入っていた体操服をどうやって盗んだの?私は授業をしていたのよ?』
512 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:37:41 ID:SSgCc8A0
あの日体操服は朝からキャロの机にかけられた鞄の中、誰も触っていない。
なのになぜ、体操服は消えたのか。
フェイトはその疑問をキャロにぶつけた。
『そう、あの日誰も体操服を盗む事は出来なかった』
『なら、私にも…』
『あの日、私は体操服を忘れていたんです』
フェイトの肩がはねる。
キャロは体操服の袋を持ち上げる。
『私、めったに忘れ物はしないんです。そして、それを知っていたクラスメイトの言葉で私は体操服を《盗まれた》と思い込んでいました…けど、本当は体操服は忘れていたんです。そしてフェイト先生はある方法で体操服を手に入れた…』
その時、一匹の竜が会議室に舞い込んだ。
キャロの召喚竜フリードリヒだ。
キャロはフリードリヒを撫でながら話を続ける。
『フリードは私が忘れ物をすると必ずそれを届けてくれる癖があるんです』
そう、あの日もフリードリヒは体操服を咥えて学院を訪れていた。
そしてそれをいつものように『担任』のフェイトに渡して帰って行ったのだ。
『こうしてあなたは体操服を手に入れた…これで全ての犯行はあなたにしか出来ない事になる……』
全ての推理を聞かされ、一同の目はフェイトに向けられる。
しかしフェイトそれでもなお表情を崩さない。
まだ、完全に追い詰めてられていなかった。
『確かに……それなら私にしか出来ない。けど、それは机上の空論…確固たる証拠がないのに私を犯人と呼ぶ事が出来るの?キャロ』
未だに出てこない証拠にフェイトはキャロを問詰める。
キャロにチェックをかけた、はずだった。
しかしキャロは再び箱に手を入れ、透明な袋を取り出した。
『これが証拠です』
その中に入っていたのは金色の長い髪が数本。
まさしくフェイトのものであった。
『フリードのもう一つの癖……他人にすり寄ること………あなたが体操服を受け取った時にあなたの髪が付着していたのをさっき見つけたんです……盲点でした』
『ちなみに部屋からフェイト先生の髪と思わしきものも見つかったようだ』
『………そう、この竜が』
チェックメイト、フェイトは証拠まで押しつけられてフッと笑う。
『どうして……あなたが』
『プロジェクトFって知ってる?』
フェイトは唐突に切り出す。
そしてそれにエリオが反応した。
513 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:39:02 ID:SSgCc8A0
『私はね……昔モンディアルグループによって生み出されたプロジェクトFの人造生命体…』
『え!?』
突如として出て来るモンディアルグループの名。
それに一同は驚く。
そう、フェイトはモンディアルグループの人造生命体を作るためのプロジェクトで生み出された人造生命体であった。
その後フェイト自身は養子に出され、毎日を過ごしていた。
とてつもない枷を背負いながら。
『私は優しくされたわ…みんな愛してくれた。でもそれは嘘、仮初の愛』
フェイトは自分が人造生命体である事に負い目を感じていた。
そしてそれは次第に人間に対する恨みに変わっていった。
『そんな時に…エリオの存在を知った。エリオも私と同じ…作り物』
『やめてくださいっ!!』
エリオが叫んだ。
しかし、フェイトはお構いなしに続ける。
『私は生まれながらにして誰にも愛されてはいなかった……でもエリオなら…同じプロジェクトFの人造生命体であるエリオなら…私を愛してくれるはず………だからあなたが疎ましかった』
そう言ってキャロを睨み付ける。
キャロは微動だにせずフェイトの目を見つめる。
『あなただけじゃない……ルーテシア、あなたもいずれ始末する予定だったのよ……』
そう言ってフェイトは懐から金色の三角形の何かを取り出した。
『予定は狂ったけど……あなた達を殺してエリオを手に入れる事に変わりはないわ……バルディッシュ』
瞬間、フェイトの手には黒い杖のような物が握られていた。
しかしすぐに剣のような形に変形し、金色の刃を展開する。
フェイトはキャロに向き直る。
『あなたがいたから私の計画は失敗した……まずはキャロ…あなたから』
そしてフェイトは跳んだ。
キャロに向かって一直線に飛び込む。
しかし、刃はキャロに届く事は無かった。
『ストラーダ!!』
自身の槍型デバイス、ストラーダの加速で間に割って入るエリオ。
フェイトのバルディッシュはエリオのストラーダとの鍔競り合いになる。
『どうして……エリオ…私はあなたの』
『あなたは間違っている!!こんなことをしても僕はあなたのモノにはならないっ!!』
その一言にフェイトは僅かに動揺した。
その隙を見逃さずエリオはストラーダを打ち込む。
『かっ……!!』
514 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:40:37 ID:SSgCc8A0
脇腹に強烈な一撃を受けたフェイトが吹き飛ばされる。
この騒動で会議室にいた一同が次々に逃げ出していく。
『クロノ教頭、ルーを!』
『わかっている!!』
クロノが駆け出し、ルーテシアを保護する。
しかし、フェイトはすぐに体勢を立て直しルーテシアに狙いを定める。
『逃がさない!!プラズマランサー!!』
複数の魔力弾を形成し射出。
高速で撃ち出されたプラズマランサーにクロノは反応出来なかった。
しかし、プラズマランサーは届かない。
『クロノ、早く!!』
『ユーノか、すまない!!』
ユーノが咄嗟に結界を張りユーノとルーテシアを守る。
クロノはルーテシアを抱えて会議室の外へ駆けて行く。
それを見つめながらフェイトは呟いた。
『どうして……どうしてみんな邪魔するの?』
ゆっくりとエリオに歩み寄るフェイト。
エリオはキャロをかばいながらストラーダを構える。
フェイトの目には涙が浮かぶ。
『私は愛されたいだけなのに……同じ人造生命体のエリオなら私の気持ち、わかるよね…?』
『わかりません…』
『…っ!!』
エリオはフェイトを睨み付ける。
『例え愛されていなくても僕はあなたのように他人を恨んだりはしない!!この学院のみんなが…僕を僕として認めてくれているからっ!!』
エリオが飛び掛かる。
バルディッシュで受けるがエリオの力は先程の比ではない。
『あなたは愛されていないなんて言ってるけど……違う!!みんなあなたを慕っている!!人造生命体のフェイト・T・ハラウオンではない、この学院のフェイト先生を!!』
『けどっ、私達は人造生命体である事にかわりない!!』
激しい鍔競り合いに部屋中が軋む。
キャロは事の成り行きを見守るしか無かった。
『なんで人造生命体である事に拘るんですか!?それでもあなたはあなただ!!』
『うるさいっ!!』
『うわっ!!』
フェイトがエリオを弾き跳ばす。
フェイトはそのまま一直線にキャロに向かう。
『キャロ、あなたがいなければエリオは!!』
『先生!!』
『やめろぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』
そして、刃は止まった。
ストラーダの加速で間に割って入ったエリオの腹を貫いて。
床が赤く染まって行く。
515 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:41:51 ID:SSgCc8A0
『く……うぅ』
『エリオ君!!』
『どうして…どうして』
形成された魔力刃が消え、フェイトはバルディッシュを離す。
バルディッシュが血溜まりの床に落ちる。
エリオは膝をついたがフェイトを見上げる。
『僕は…確かにプロジェクトFによって作られた人造生命体…親の言う事を聞いて生きていくだけの存在だった……でも、違う…』
エリオは薄れ行く意識の中言い放った。
『キャロに出会って…僕は変わった……僕は初めて親に逆らった……許嫁であるルーよりキャロの事を好きになっていた…』
どんどん溢れ出る血が床を染め上げる。
しかし、エリオは言葉を止めない。
『僕は……僕だから…だから決めた……僕は…僕はキャロを守る騎士だ!!……ごほっ、げほっ』
口から血を吐くエリオ。
しかしフェイトもキャロもルーテシアも、誰もが動けなかった。
遮ってはいけない。
この言葉だけは遮ってはいけない。
エリオは倒れながらフェイトに言い放った。
『だから…あなたは……あなただ……みんなに慕われる…この学院の………フェイト先生…だか…ら』
『エリオ君ーッ!!!』
『シャマル先生!!』
『はいっ!!』
すぐさまシャマルが応急治療に入る。
出血量が多く命も危うい。
放心状態のフェイトは取り押さえられ、キャロも保護された。
応急治療を終えたあとすぐさまユーノが転移魔法で病院へとエリオを連れて行った。
ショックを受けて放心状態のキャロにルーテシアが声を掛ける。
『行こう』
『え……?』
『エリオは死なない。それにキャロがいないと悲しんじゃう』
『ルーちゃん……』
恐らくルーテシアも相当なショックを受けているはず。
しかしそれでもルーテシアは気丈に振る舞う。
キャロは涙を拭って立ち上がる。
そしてルーテシアと二人で病院へと向かう。

3時間ほどたっただろうか。
手術室から担当の医師が出てきてエリオの両親とキャロ、ルーテシアに結果を告げる。
『取り敢えず一命は取り留めました。しかし出血量が多かった事もあり今日が峠でしょう』
『エリオ君……』
病室に運ばれたエリオを見てキャロは祈った。
初めて会ったあの日からずっとエリオの事を想ってきた。
516 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:43:43 ID:SSgCc8A0
朝早くから自主訓練をするエリオが眩しかった。
最初の事件の時に手を取って真剣なまなざしを向けてくれた。
爆発事件の時、自分の事も厭わずにかばってくれた。
そして、向けられた刃。
それを身を挺してかばってくれた。
しかし自分がエリオにしてあげられるのは祈る事だけ。
ただただ、エリオの目覚めを祈る事だけ。
そして、祈りは奇跡を起こす。
いつの間にか朝になっていたようだ。
カーテンの隙間から朝日が差し込む。
『ん……』
眠ってしまったキャロは朝日に照らされ目を覚ます。
はっと我に返りエリオを見る。
目は閉じている。
『エリオ君……エリオ君………』
キャロはベッドに顔を埋める。
まだ目を覚まさないエリオ。
もしかするとこのまま死んでしまうかもしれない。
キャロは泣いた。
『嫌だよ……エリオ君…』
朝日に照らされたエリオの顔が輝く。
そして、目を開けた。
『キャ……ロ………?』
『エリオ君………エリオ君!?』
『僕は……』
キャロはすぐさま医師を呼び付けた。
駆け付けた医師がエリオの容態を確認する。
『意識はしっかりしているね……回復魔法を併用した治療にシフトすれば一週間で退院出来ますよ』
『よかった……』
エリオの両親やルーテシアも涙を流して喜ぶ。
エリオはキャロに礼を言った。
『ありがとうキャロ……キャロの声が聞こえたんだ…』
『エリオ君……』
キャロの祈りはエリオに届いていた。
竜の巫女の力か、はたまた本当の奇跡なのか。
エリオは沈み行く意識の中でキャロの声を聞いていた。
そして、何者かに引き上げられるように意識を取り戻した。
『父さん……母さん…ルー……ごめんなさい…僕は』
『いいんだ……』
『それがエリオの選んだ道なのよ……』
全ての気持ちを打ち明けたエリオに両親は笑顔で答えた。
しかしルーテシアは押し黙っている。
キャロは申し訳なさそうに顔を伏せる。
元々ルーテシアはエリオの許嫁なのだ。
それを後からキャロに奪われたとなれば当然怒っているだろう。
しかしルーテシアの反応は違った。
『やっと正直になったね……』
『え?』
『私、本当は諦めてた』
諦めてた。
まさかの台詞に一同が驚愕する。
517 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:45:16 ID:SSgCc8A0
『だって…私といるときのエリオは楽しそうじゃなかった。でもキャロと出会ってからエリオは変わった』
許嫁として幼い頃からエリオを知っているルーテシアはエリオの僅かな変化に気付いていた。
そう、エリオは本当の意味での恋をしたのだ。
親同士で取り決められたモノではなく、自分の意思で。
それに気付いてルーテシアは少しずつ身を引いていった。
ルーテシアもエリオの事が好きである。
しかし、エリオはキャロを選んだ。
それをルーテシアは静かに受け入れたのだ。
『だからエリオの本当のお姫様はキャロ……あなたよ』
『ルーちゃん……』
『私はあなたを恨んだりしない。むしろ感謝してる。エリオが人間らしくなったのはキャロのおかげ……だからエリオを愛してあげて』
『うん!!』
この事件をきっかけに二人は学院全体の公認カップルとなった。
毎朝、トレーニングするエリオとそれをサポートするキャロ。
ルーテシアに料理を教えてもらい、腕も上達した。
違うクラスだが勉強は互いにしっかりと、しかし時には手を取り合い成績はトップクラス。
お昼はルーテシアを交えて三人で仲良く。
授業が終わればキャロはアルバイト、エリオは再びトレーニング。
そしてキャロのアルバイトが終わる頃にエリオが来店、気を利かせた店主が二人だけの貸し切りにするなどもあり雰囲気はラブラブ。
そしてまた一日が終わる。
そんな学院ライフが数年間続いた。
そして、エリオとキャロ…学院最後の日。
互いに18歳を過ぎて卒業式を終えた後だった。
二人はいつもの裏庭で最後の談笑をしている。
『でもよかった…二人とも管理局に入局が決まって』
『うん……ルーちゃんも会社を継ぐって』
『僕はまだ父さんに会社を任せて管理局で修行するからね……』
二人は管理局への就職が決まっていた。
配属はまだわからないが、二人一緒に過ごす事に変わりはない。
そしてエリオはポケットから小さな箱を取り出した。
『それでね、キャロ……これ』
『……指輪?』
『あれからかなりたって…それで僕は幸せになれた……だから今度は僕がキャロを幸せにする番だ…』
『エリオ君……』
『この先何があるかはわからない……けど、僕はずっとキャロの側にいたい……いいかな?』
『………うんっ!!』

最終話、『想いよ届け、小さな騎士』
終結!
518 ◆K17zrcUAbw :2008/09/17(水) 18:46:38 ID:SSgCc8A0
取り敢えずこれで『召喚少女リリカルキャロ』は終了です。
かなりやっつけなストーリーでしたが最後まで見ていただき感謝です。
足りない話を補完した後日談なんかはまた機会があれば書きたいと思います。
ちなみにオイラバッドエンドなんて書けないよ。
多分皆さんの予想の斜め上を言ってるので、
『 計 画 通 り 』

ちなみにガリューなんかを使えば犯行はルーテシアにも可能ですが、最初の体操服と教科書の時点ではルーテシアはキャロの存在を知らなかった、と言っておきます。
うん、最初はルーテシアが犯人の予定でしたが捻りを加えたらフェイトそんになりますた。
一応フェイトそんにも救いを予定してますが……書けるかどうか。

またいい電波を拾ったらその時はまた見てやってください。
それではありがとうございました。
(´・ω・)なお、この後作者は自爆する。
519名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 20:16:15 ID:GKwpC7Y+
投下乙!
きっとガリューさんはルーの執事なんだろうな・・・
520名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 20:22:16 ID:JDhZXYkD
>>500 そんな! 声まで変わって!
521名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 20:38:46 ID:9umsqQnQ
>>520
姿もどこかのサッカー選手に変わるってか?w
522名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 20:40:52 ID:0P+hVUmY
>>520-521
Jリーグカレーだっけ?懐かしすぎるwww
523名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 21:00:31 ID:MEbnP/Jd
>>518
GJ!
おめでとうキャロ!
キャロがエリオとくっついたって、すごい久しぶりな気がする。
個人的にはエリオがキャロルーと公認で付きあうハーレムエンドでも良かったと思
う〜ん、後日談も見てみたいもんです。
524名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 21:29:33 ID:Ykl8DTNS
>>518
確かに予想を裏切る展開でした。
でもこれはこれで予想よりもいいかも。
キャロよりもヤンデレルーに萌えてしまった俺っていったい…
後日談も見てみたいが、あえてここはもう一つのルーエンディングの方を希望したいです!
浮気したら、即ドスッ になってしまいますが。

525名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 21:43:06 ID:JG/Pe5A0
いい話やった…GJ!
なんとなくジャンプの打ち切り漫画的な展開の様に思えたけど。
もうタイトルが「名探偵キャロ」でもいい気がしてきたw

>>405
あんたすげーな!!! 俺すっかり騙されてたぜ!!!
526名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 23:00:38 ID:nvW9gFRx
>>518
地味に犯人予測できてた俺は勝ち組。
ともかくGJ! エリキャロハッピーEND久々に見たぜ!

さぁ、次回作の執筆に取りかかるんだ。
527名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 23:23:06 ID:yhdLossj
([` | ´] > GJな>>518のリンカーコアをヘルアンドヘヴンしにきました
528名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 00:32:47 ID:pM6PpxEY
「お別れだ、チンク」
「ま、待ってくれゼスト。いったいどうしたと言うんだ」
「何も聞かず、なかったことにしてほしいと言っている。わがままなことだとはわかっている。しかし……、お前の身体は……」
「そうだな。私はこの身体だ。すまない。お前には、新しい女ができたのだな」
「すまん」
「しかたない。私はこの身体なんだから。相手はさぞ魅力的なのだろうな……ウーノなのか?」
「違う」
「では、トーレか」
「違う」
「まさか…………クアットロ!? あれは駄目だ、財産を奪われて毒殺されるぞ」
「……お前はクアットロをなんだと思っているんだ、どちらにしろ違う」
「それじゃあ、いったい誰なんだっ! 他のナンバーズはまだ稼働していない。ドゥーエはここにはいない。はっ、まさか…………」
「ああ、その通りだ」
「ドクターとそういう関係だったのか!!!」
「違うわぁー!!!!」
「そ、そうか。邪推して済まなかった。だがいったい誰なんだ」
「ルー……げふんげふん」
「……え?」
「気にするな」
「……一つ聞かせてくれ。私の身体が幼いのが問題ではなくて、もしかして、成長しすぎているのか?」
「ルーたんはいい…………」
「遠い目をするなーーーーーーーーーーっ!!」
529野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/18(木) 00:34:14 ID:pM6PpxEY

「別れた理由」

なんとなく突然思いついた。反省はしていない。
(つか、これはSSになるのか?w)
530名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 00:44:45 ID:UznrDp2X
>>518
GJ!!
犯人予測できた人ってすげーな。まず無理だろ…
自爆しないで後日談かルーエンドかフェイトそんエンドかハーレムエンドをお願いしまつ。
エリキャロのいちゃいちゃ分をもっと補充したいし、ルーやフェイトそんに救いも欲しい。。
作者様の元気が続けば是非!
531名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 01:04:07 ID:urZ99/ED
>>528
これは、数年後にヴィヴィオがピンチなのでは(見た目だけなら最年少。年齢だけならナンバーズ後発組)。
とりあえずゼストよ、ちょっと頭冷やそうか。
532名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 01:08:32 ID:5JnBNB7h
お馬鹿ゼストは無かったな
533名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 01:16:28 ID:OQ56DBYk
ルー共々壊れてるのが1本だけあったような
534名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 02:25:45 ID:wCijM5cV
>>528
そういえば、シグナムが相手の時と比べて、ヴィータが相手のときは随分気合いが入ってた気がw
535名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 02:32:47 ID:4EH3dR0c
ゼスト=ハードロリータ説浮上www

まあ、そもそもルーテシアやアギトを連れまわしてんだから当たり前か。
536名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 02:33:57 ID:CiS082yA
チソク相手に負けたのもまさか…
537名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 03:26:37 ID:X03e+XCJ
レジアスと親友だったのも幼オーリス狙いだったからとかw
538名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 05:10:31 ID:urZ99/ED
幼女だった頃のスバルとギンガも狙われていたのかw
539名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 06:11:42 ID:yOi0enuS
ああ…ゼストが壊れていく…
540名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 06:19:30 ID:5fy5UADz
うん、この流れ嫌いじゃないぞw
541名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 08:26:05 ID:wjv1EhF2
>>528
無粋なツッコミをいれるなら時系列的におかしいが、まあいいか。
542名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 12:34:26 ID:CwQladnl
>>518
これは予想外すぎるというかびっくりでした。
エリオがギャルゲの主人公っぽく、かっこ良さがあり良かったです。そしてキャロの珍しい活躍。
最期に勝つのはやはり純粋な愛ですね。
GJ!
543名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 12:42:41 ID:zJPyX12r
今更だが>>489ってホントに本人か?
◆Ev9yni6HFA氏はトリ抜かれたって書き込み別スレで見たが……
保管庫はしばらく削除しない方がいいかもね
544名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 12:52:20 ID:SbxGvvsG
だから皆、静観してるんだろうさ。
昔、640氏が投下直後だったか、トリップを抜かれてしまったときは、
ID変わらないうちに、トリップ変更宣言だしたから事なきをえたが。
この場合、SS投下がないとやはり本物かどうかこっちも判断できないもの
545 ◆K17zrcUAbw :2008/09/18(木) 20:05:50 ID:DdcbNwuc
>>535のおかげで後日談その1『ルーテシアの心』完成。


かなりのキャラ崩壊に注意
546 ◆K17zrcUAbw :2008/09/18(木) 20:07:20 ID:DdcbNwuc
ミッドチルダ高等魔術学院での事件から数ヶ月。
『はぁ……』
ルーテシアは大きな溜め息をついた。
エリオとキャロが付き合いだしてからというもの、交流が無いわけではないが二人との距離が少しだけ離れていったのを感じずにはいられない。
あんなことを言った手前、今さら、
『エリオは私のもの……だからあなたを殺すわ、キャロ』
なんてセリフなんて吐けるわけが無い。
確かにルーテシアのイメージにはピッタリだがそんなことを言う為に友情を捨てるなんて出来ない。
それこそ『ないすぼーと』になってしまう。
煎餅をかじりながら再び溜め息を吐く。
『それでも元許嫁の私の前で遠慮なくラブラブするのはやめて欲しいわ』
『取り敢えず詰め所に来て勝手に煎餅かじって言うセリフではないな』
『いたんだ』
『お前がいる方が問題だ』
ここはミッドチルダ高等魔術学院の守衛であるゼストが住んでいる詰め所である。
壁には槍やらロープやらの対犯罪者用の装備がぶら下がっている。
ゼストはそう言いつつルーテシアに茶を差し出す。
『とか言いながらお茶をだしてくれるあなたが好き』
『からかうな』
炬燵に足を突っ込んで煎餅を取る。
この広い学院にいる守衛は4人。
それぞれが東西南北に一棟ずつ設置された詰め所に住んでいる。
南側に位置するゼストの詰め所にここ最近ルーテシアは入り浸っていた。
煎餅をパリパリとかじりつつルーテシアは新聞を見る。
『どこぞの中年かお前は』
『いいの、学校じゃミステリアスなお嬢様だから』
それにしてもこのルーテシア、おっさんである。
ゼストは時計を見て立ち上がった。
『そろそろか』
『何が?』
コンコン、とドアがノックされる。
ゼストはドアを開けてある人物を迎え入れる。
銀色の髪をなびかせ、右目に包帯を巻いた少女がゼストに抱き付く。
『待て、チンク…客がいる』
『……え?』
『………こんにちは』
チンクと呼ばれた少女はルーテシアを見てしばらく固まる。
そしてゼストを睨んだ。
『誰?』
『…………はぁ』
二人の少女に板挟みにされ、ゼストは頭を抱える。
炬燵の正面にゼスト、両サイドに二人が座る形になった。
『取り敢えず炬燵の中で暴れるのはやめろ』
『『ごめんなさい』』
547 ◆K17zrcUAbw :2008/09/18(木) 20:08:08 ID:DdcbNwuc
しばらく沈黙が続いたが、唐突にチンクが切り出した。
『お前は誰だ』
『私はルーテシア・アルピーノ……アルピーノカンパニーの 社 長 令 嬢 ……あなたは?』
『私はチンク……ここの生徒で 押 し か け 妻 をやっている』
『…負けたわ』
『何に負けたんだ何に』
どうやらこのチンクという少女、月に数回ゼストの詰め所にやって来ては妻のように炊事洗濯掃除をしているようだ。
その腕はルーテシアに勝るとも劣らない。
しかし悲しいかなこのゼスト、家事が完璧である。
おかげでチンクのすることは余り無い。
『押しかけ妻と言うよりは遊びに来るのに近いな』
『うっ、うるさいっ!!……それよりお前はなんでここにいる?』
チンクの問いにルーテシアは少し考え込む。
『………今日は激しかった』
『ゼストォ〜〜!!』
『何もしていない!!』
ルーテシアの一言(もちろん嘘)にチンクはゼストに泣き付く。
ゼストは慌てて釈明、ルーテシアは冷ややかな目で二人を見つめる。
『こんなおっさんのどこがいいの?』
ルーテシアはさらに刺のある一言を言い放つ。
『おっさんとはなんだ!!渋くて素敵ではないか!!ま……まだ、キスとかはした事無いけど……いつでもしてくれていいのだが』
どさくさに紛れて爆弾発言をするチンク。
ルーテシアは冷ややか目をゼストに向ける。
ゼストは溜め息を吐く。
『なにを言っているんだ……』
するとチンクはゼストにつかみ掛かる。
『わ、私は本気なんだぞ!!いつ求められてもいいように財布に避妊具だって…』
『それは普通男の方が用意するものじゃ…』
『では、ゼストの財布に…』
『入れるなっ!!』
もはや話の論点がわからなくなって来たのでルーテシアは退散する事にした。
このままでは済し崩しにR指定になってしまう。
そんな場面に居会わせるのは気まずい。
パタンと扉を閉じる。
すると二人の声が聞こえて来た。
『ゼスト………』
『取り返しが付かなくなっても知らんぞ』
『お前になら…私は……あっ』
取り敢えずその場を離れる事にした。
特にする事も無いルーテシアは校舎に入っていった。
廊下を歩いていると、突然叫び声が聞こえた。
『違うって言ってるだろ!!』
548 ◆K17zrcUAbw :2008/09/18(木) 20:09:46 ID:DdcbNwuc
この声、ユーノ先生だろう。
誰かと言い争いをしているようだ。
声の聞こえた教室をコッソリとのぞいてみる。
そこにはユーノにつかみ掛かるなのはの姿があった。
『ユーノ君の嘘つきっ!!私じゃなくてアルフ先生を選ぶなんて……』
『だからそれは彼女が…』
なにやら浮気についての痴話げんかのようだ。
ユーノは必死に弁明しようとしているが、興奮したなのはは聞く耳持たず。
レイジングハートまで持ち出す始末だ。
『お願いだから話を聞いて!!』
『ユーノ君のばかっ!!あんなにデレデレして……どうせ私なんかより…』
『なのは!』
するとユーノはなのはの腕を掴む。
『離して!!』
『どうして君はいつも僕の話を聞いてくれないんだ!?』
真剣なまなざしで見つめられ涙を流すなのは。
それをユーノはじっと見つめる。
『昨日はアルフ先生に飲みに誘われたんだ』
『やっぱり……私なんかより……』
意地を張るなのはの目の前に小さな箱を出してみせるユーノ。
その中には小さな指輪が入っていた。
ユーノはそれをなのはの左手の薬指に付けてやる。
『これ……』
『もちろん断ったさ……これを買いに行きたかったからね…』
それは結婚指輪。
なのははレイジングハートを落とす。
カラン、と渇いた音が教室に響いた。
『もし僕のことが嫌いなら、今すぐ指輪を捨ててくれても構わない……』
『ユーノ君……ずるいよ…』
『なのは……』
(見せつけてくれるわ……)
ルーテシアはその場を後にする。
見つかると頭を冷やされてしまいそうだからだ。
そして、二人の声が漏れて来た。
『だめ…ユーノ君……ここじゃ』
『いや、僕がなのはを愛している事をわからせないと』
『あ……見つかっちゃうよ……』
(もう見つかってる……)
そのまま屋上へと脱出する。
冬空に冷めた風が舞う。
その冷たさがルーテシアの心に染みた。
『彼氏……欲しいな…』
たった一つの切実な願いだった。
日の暮れた空がルーテシアの心を写しているようだった。
しかし寒くなって来たので帰る事にした。
身も心も冷えきったルーテシアに春は来るのか。
それはルーテシアしか知らない。
549 ◆K17zrcUAbw :2008/09/18(木) 20:12:41 ID:DdcbNwuc
ご め ん な さ い
取り敢えずゼスト=ロリコンにしか見えなかったのでこうなりました。

550名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 20:24:15 ID:zb+ny5PG
チンクとなのはさんに萌えたw
551名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 20:30:52 ID:CiS082yA
あれG?
これ途中が抜けてませんJ?
ゼストとチンクのR指定がないですよ?
552名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 20:31:58 ID:fHEwxeT3
ガリューさんがこちらを恨めしそうな顔で見てましたが、無害です。
この学校、絶対に教育に善くないだろw
数年後、元気に通学するヴィヴィオの姿があるわけですね、わかります。
553名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 21:41:10 ID:tCfsirFY
>>549
GJ!
そしてゼスト=ロリコンがますますガチにw
あれ〜おかしいな…どうしちゃったのかな…
ゼストさんって、昔は人妻部隊の隊長だったのに…
554名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 21:53:44 ID:FcJpDw/j
ひとづまには飽きたのさ……
555名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 21:54:34 ID:Q97/uY6X
本当アギトを誰か救済してあげて
556名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 21:58:53 ID:n8MLjtJK
アギトか……

アギト×リイン
シグナム×アギト
ゼスト×アギト
研究所員×アギト (鬼畜系)

のどれがいいんだろ
557名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:07:16 ID:2I1Jr2RI
>>556
G3−X装着者の氷川さんで
558名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:07:40 ID:rmYlR/H9
アギト×リイン×シグナムで
559名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:10:53 ID:CwQladnl
とりあえずエリオがルーちゃんとの二股で全部解決だと思う
Gj!
560名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:16:51 ID:fHEwxeT3
ゼストさんは幼子に惹かれてその部隊に入ったに違いないw

シグナム×アギト×エリオ
リイン×ユーノ×アギト
何故だろうか、アギトって受けのイメージが強いな
きっと責めに回れるのはエリオくらいだろうか?
561名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:19:03 ID:Q97/uY6X
>>556
オーソドックスに下二つのどちらかで
562名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:22:14 ID:CiS082yA
アギト、オリジナルのキャラクターを作れば無茶苦茶広く話作れるのにな
563名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:35:11 ID:urZ99/ED
>>553
きっと、スカに改造されて目覚めてしまったのさ。
あるいは、人妻もロリも両方OKなのか・・・・・・・両方満たしているエイミィが危ないw
564名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:36:31 ID:Dp+gx+YI
スカリエッティの趣味はスカなんだろうか
565名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 22:37:56 ID:znrh2PD8
>>563
ヴィータやアルフも人妻になれば条件満たすな
566名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 23:08:30 ID:urZ99/ED
>>565
あ、そういう意味じゃなくて、エイミィ(人妻)とリエラ(幼女)がいるという意味だったんだが。
だが、確かに永遠の幼女と体型自由自在なその2人なら一粒で二度おいしいって感じだ。
567名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 23:14:27 ID:fHEwxeT3
いかんザッフィーに向かって「お父さん、お嬢さん僕にをください」ってマジメな顔でいうゼストが見えたw
知らないひとから見れば、ザッフィーお父さんだよな?
まちがいなくこのゼストはシグナムさんに斬られるなw
568名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 23:32:06 ID:n8MLjtJK
ドゥーエがロリだったら殺されてなかったのだろうか。
保護してたりして。
569名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 00:00:08 ID:urZ99/ED
>>567
ゼスト「お父さん、お嬢さんを僕にください」
ザフィ「・・・・騎士ゼスト、今なんと仰られました?」
ゼスト「お嬢さんを僕に・・・・・・」
ザフィ「違う、その前に」
ゼスト「・・・・・・お父さん?」
ザフィ「もう一度」
ゼスト「お父さん」
ザフィ「声を大にして、愛をこめて」
ゼスト「お父さん!」
ザフィ「ワーンス、モアっ!」
ゼスト「おと・・・・」
ヴィー「轟・天・爆・砕!」


八神家のペットの地位から脱した瞬間の一コマ
570名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 00:13:06 ID:Udfkv+Xt
なにこの流れ
571名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 00:13:46 ID:7TY5MEDG
みんなゼストが好きなんだ


本当に好きなのか、これはww
572名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 00:18:27 ID:xOUElnzW
>>568
いかん、ロリコンのゼストに保護されライアーズ・マスクを解いて、
逃げようにも逃げれない幼児体型のドゥーエを想像してしまった
解いたら解いたで危機が待っているも、解かなければやはり危機(貞淑的な)が待ち受けているのですね、わかります。
きっと、レジアスを問いただそうとするも、目の前に幼女いて何もかも吹き飛んだんだなw
573名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 05:51:44 ID:JVIWkVhb
ライアーズ・マスクって体型まで自在な変身能力じゃなかったような気が……
574名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 08:37:01 ID:5MYsKfq7
>>549
ゼストさんあんたw
そしてここからルーテシアによるエリオ寝とりの展開となることを希望
575 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:09:22 ID:IkdKbtdP
あのね、ザフィーラが父さんだのアルフが人妻だの怪しい電波飛ばしたのは誰だい?
おかげで筆が止まらないんだけど。
そろそろ指が痛くなってきた……

『ザフィーラパパとアルフママ』
どうぞ
576 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:10:17 ID:IkdKbtdP
『アルフ、ちょっといい?』
自宅で煎餅をかじって雑誌を見ていたアルフに突然フェイトが声を掛けた。
『珍しいね、こっちに戻って来るなんて』
『うん、ちょっとアルフに頼みたい事が……』
『?』
パリン、と渇いた音が響いた。
所変わって時空管理局機動六課。
フェイトに連れられてやって来たアルフは驚愕した。
誰も仕事をしていない。
というか出来る状況では無い。
その中心に原因があった。
『うあぁぁぁぁぁぁぁぁん!!』
『びぇぇぇぇぇぇぇっ!!』
二人の子供が大声で泣いている。
男の子の方は赤黒い髪に茶色の耳と尻尾、女の子の方は白い髪に青い耳と尻尾。
人狼、ワーウルフと呼ばれる種族の子供であった。
アルフは溜め息をついた。
『だいたい言いたい事はわかったよ……』
『ごめんね…』
てへっ、と舌を出して謝るフェイト。
取り敢えずアルフは泣きわめく子供の元に行ってみる。
そして一言言った。
『ザフィーラ……なにやってんの?』
『………見なかった事にしてくれ』
そこには泣きわめく兄妹にいいように遊ばれているザフィーラがいた。
『これでもマシになった方だ………』
ザフィーラが駆け付けるまでは暴れまわり、手が付けられない状態であった。
アルフは兄妹に歩み寄る。
『どうしたの?パパとママは?』
『うっ……ぅ……いないの』
アルフの姿に安心したのか女の子の方がしゃくり上げながら答える。
次第に男の子の方も落ち着き、事情を話し出す。
『う……パパもママも死んじゃった……それで町の方まで来たらここに連れてこられて…』
『そっか……さびしかったんだね』
『うん………』
どうやら両親は死んでしまったようだ。
要するにこのワーウルフの双子はみなしごで、クラナガンに迷い込んだところを管理局が保護。
ザフィーラがいるからと機動六課に送りつけて来た。
アルフは二人を撫でながら話を聞いていく。
『二人とも名前は?』
『僕はクリフ……こっちが妹のクリス』
『クリフとクリスだね……辛い事聞くけどパパとママはどうして死んだんだい?』
『う……いきなり知らない人達がやってきて僕達を連れ去ろうとしたんだ……パパとママは僕達を逃がして…その時に』
577 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:11:14 ID:IkdKbtdP
『なるほどな……』
ザフィーラが唸る。
どうやら何らかの理由でクリフとクリスが狙われていたところを両親が逃がし、その際両親は殺されたという。
ザフィーラははやてに念話を送る。
(主……そういう事が)
(わかった……こっちでも調べてみるわ……二人の事、頼むな)
はやてに事件の事を任せてザフィーラは二人を見る。
しかし、二人はアルフに懐いている。
『……この様子ならアルフだけでも』
『待った』
静かに立ち去ろうとしたザフィーラを三人が掴む。
クリフとクリスは涙目で、アルフは不敵な笑みでザフィーラを見る。
『パパァ……』
『行かないでぇ……』
『と、いうわけで……よろしくね、パパ♪』
『…………ぐっ』
ザフィーラパパ、ここに誕生。
『では母親はどうする』
『そりゃもちろん』
アルフママ、同時に誕生。
ザフィーラは溜め息をついた。
アルフは二人と手を繋いで立ち上がる。
『それじゃ、遊びに行こうか?ここじゃみんなの邪魔になるし』
『『はーい』』
それにしてもこのアルフ、ノリノリである。
ザフィーラは頭を抱えた。
ミッドチルダでは存在が認識されているとはいえ、ワーウルフと言うのは珍しい存在である。
さらに管理局員として有名な機動六課の一人、盾の守護獣ザフィーラがいるとなれば自然に注目が集まる。
『んー、見られてるねぇ』
『仕方ないだろう…ワーウルフとは珍しいものだからな』
二人を連れてアルフと並んで歩くザフィーラ。
あちこちからひそひそと声が聞こえる。
『あれ、ザフィーラさんじゃ?』
『あら、奥さんとお子さんかしら』
『隅におけないわね〜』
『人気だね、ザフィーラ』
『…………ぐっ』
話題の中心であるザフィーラに視線が集まる。
どうやら親子と勘違いされているようだ。
さりげなくザフィーラは話題を変える。
『ところで、どこへ向かう気だ?』
『んー?まずはこの子らの服をかわなきゃね』
二人はかなり薄汚れた格好をしていた。
どうやらかなり大変な目にあったらしい。
アルフは子供服を扱う店に向かう。
そして、店に入るなりクリスを連れて奥へと消えていった。
取り残されるザフィーラとクリフ。
ザフィーラはクリフの手をひいてやる。
578 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:12:04 ID:IkdKbtdP
『来い、俺が見繕ってやる』
『うん!』
ザフィーラもクリフを連れて奥へと消える。
それからは大騒ぎだった。
『ちょっとザフィーラ、それじゃ地味すぎるよ!!』
『何を言うか。これくらいでなければ目立つだろうに』
『その子にはこっちのが似合う!!』
『むぅっ!!だがクリスにはこれでなければ』
『なっ!!』
あれやこれやの応酬戦、結局選んだ服10着程を買い込んで終了。
二人も新しい服に浮かれる。
ザフィーラは少し疲れた表情を見せていたが、アルフはお構いなしに歩き出す。
『お腹も空いたし、ご飯食べよっか』
『『はーい!』』
『………元気だな』
ちなみに荷物持ちはザフィーラ。
四人はファミリーレストランに入って、席に案内される。
『さて、どうする?』
『『『肉っ!!』』』
ザフィーラの問いに三人が元気よく答える。
ザフィーラは店員を呼び付けて注文を伝える。
『特製巨大ステーキを四人分頼む』
『かしこまりました』
しばらくすると、雑誌程はあろうかという大きさの肉が三枚積まれた皿が四つ運ばれて来た。
クリフとクリスはじゅー、と音をたてる巨大な肉の塊によだれを垂らす。
『ほらほら、よだれよだれ』
『ごめんなさい』
『……食べてもいいの?』
クリフが申し訳なさそうにザフィーラに聞く。
ザフィーラはふっとほほ笑みながら答える。
『お前達の肉だ』
『………いただきますっ!!』
『いただきますー!!』
『熱いから気をつけなよ』
熱々の肉を頬張る二人を見ながらザフィーラとアルフもステーキを口にする。
初めて食べるらしいステーキの味に二人は笑顔になる。
『おいしい!!』
『そうか、よかったな』
四人はあっと言う間にステーキを完食し終え、幸せそうな顔をする。
それはさながら本当の親子の様に見えた。
代金を支払い店を出る。
そのまま四人は街中を歩き続けた。
高いビル、行き交う車、どれもがクリフとクリスには目新しかった。
そうこうしているうちに日も傾いて来た。
『そろそろ帰ろっか?』
『あぁ……む?クリスは?』
『え?いつの間に……』
ふと気がつくと側にいたはずのクリスの姿は無い。
周りを見渡すがどこにも姿は見えない。
579 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:13:55 ID:IkdKbtdP
ふとクリフが周囲の匂いを確かめる。
そして、顔を青くする。
『クリスの匂い……それと、パパとママを殺した奴等の匂いが一緒に……』
『なんだって!?』
『く……どっちだ!?』
『あっち!!』
すぐさまザフィーラはクリフを抱えて跳ぶ。
その後をアルフが追従する。
クリフのナビで二人は森の中へと進んで行った。
『いたっ!』
そこにはクリスを縛り、檻の中へ閉じ込めている集団がいた。
ザフィーラはクリフを木の影に隠し、集団の中の一人に向かって跳んだ。
『ておあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』
『な、なんだ…ぐふぉ!!』
首に蹴りを叩き付けられ気を失う男。
周りの男達が一斉にデバイスを構える。
しかし、また一人倒れた。
『あんたたち、何やってんだい!!』
『ちっ……こいつ』
『させん!!』
アルフに飛び掛かった男をザフィーラが殴り飛ばす。
ザフィーラが相手をしている間にアルフは檻を壊し、クリスを救出する。
クリスをクリフの元へ逃がして二人は男達と対峙する。
『連絡は?』
『いれておいた……後は時間を稼ぐっ!!』
そして、二人の戦闘が始まる。
『こいつっ!がはっ』
『ぐあっ!!』
『女だからってなめるんじゃないよ!!』
『ちいっ!!ぐおっ!』
『ておあぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
『こ、こいつ…』
男達の一人が懐から違うデバイスを取り出す。
そしてそれをザフィーラへ叩き付けた。
『ぐおぉぉ!!』
『ザフィーラ!?…っ!あぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
立て続けに二人に襲いかかる鞭型デバイス。
それは高電圧のかかった獣用の調教鞭である。
叩かれる度に高電圧で体を蝕まれる。
二人はなす術がなかった。
『パパ……ママ……』
それを影から見つめるクリフとクリス。
その光景は二人の両親が殺された時と同じものであった。
クリフは拳を握り締める。
(僕達に力があったら…パパもママも…死なずにすんだ……)
悔しかった。
自分達に力が無いために今、再び二人の親代わりとなってくれた人が殺されそうになっている。
クリフとクリスは願った。
((もう誰も傷つかないで!!))
そして、光が森を包む。
『な、なんだっ!?』
『…………クリフ…クリス…か?』
580 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:15:24 ID:IkdKbtdP
そこに立っていたのは赤黒い長髪を揺らし、茶色の耳と尻尾を持つ男性。
そして白いショートヘアに青い耳と尻尾を揺らす女性。
姿こそ成長してはいるが、それはまさしくクリフとクリスだった。
二人を狙っていた男達は声を上げる。
『やはり噂は本当だったか』
『これは必ず捕獲しなければな…』
そう言って一斉に鞭を振う。
しかし、クリフが一喝。
『はぁっ!!』
鞭は何かに阻まれるように弾かれ、男達を襲う。
『ぎゃぁぁぁっ!!』
『くそっ!!計画変更だ!!死体でもいいから持ち帰るぞ!!』
男達は次々と二人に襲いかかる。
しかしクリフとクリスは強く、容易くあしらわれてしまう。
男達は再び鞭を使おうとするが、鞭が何かに弾かれてしまう。
『許さない……パパとママを……』
『お前達は…絶対に許さない!!』
森がざわめく。
吹き荒れる風に男達は逆らう事が出来ずに次々と吹き飛んでいく。
二人はザフィーラとアルフの元へ歩み寄る。
『お前達……その姿は』
『事情は後で説明します……それよりも今は奴等を』
『……わかった』
ザフィーラとアルフは再び立ち上がり男達に対峙する。
人狼四人の威圧感に男達は気圧される。
『貴様らの非道な行い……許せるものではない!!』
『ちぃっとばかし痛い目見てもらうよ!!』
『ひぃっ!!』
そこからは言うに耐えない大惨事。
四人による乱撃が次々と男達の意識を奪っていく。
はやて達機動六課が到着した頃には人の山が築き上げられていた。
『な…なにがあったんや』
『まぁ……気にしないでよ』
クリフとクリスは元の姿に戻り、疲れ切った様子で眠っている。
ザフィーラがクリフを、アルフがクリスを背負い隊舎まで帰って行った。
そして、二人が目を覚ますまでの間はやてが事情を説明した。
『この子らな、管理外世界のワーウルフの一族で元々時を操る能力があるらしいんや』
『時を…?』
時を操る能力。
それは文字通りあらゆる事象に介入し、時間の操作をすることが出来る能力である。
管理局はこの事を知っており、この能力を狙うものが現れぬように管理外世界に隔離、密かな支援を行ってきた。
二人を襲った者達もこの能力に目を付けていたらしい。
581 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:17:03 ID:IkdKbtdP
そして、はやては二人に申し訳なさそうに言う。
『事情が事情やから……やっぱり二人を元の世界に返す事がきまったんや…』
『そうですか……』
『…仕方ない……よね』
一日だけとはいえ、二人の両親として過ごしたザフィーラとアルフ。
家族ごっこ…と言ってしまえばそれで終わりなのかもしれない。
しかし、二人は家族ごっこであろうとクリフとクリスに深い愛情を注いでいた。
たった一日の家族ごっこ、それが今終わりを告げる。
二人が目を覚まし、アルフとザフィーラは別れを告げる時間を与えられた。
『クリフ……クリス……』
『ママ…』
アルフに抱き締められ涙が止まらない。
わかってはいた。
だが、その時が来るのがこんなにも心苦しいとは思わなかった。
クリフはザフィーラを見上げる。
今にも泣きそうなクリフをザフィーラは見つめる。
『泣くな………男なら意地を張れ』
泣きたいのはザフィーラも同じ。
しかし、それをこらえて父としての威厳を見せつける。
クリフは涙を拭う。
『僕……パパみたいに……強くなるからっ!!』
『ああ……強くなれ』
『ママ…ありがとう』
『何言ってんだい……あたしらの方が礼を言いたいくらいだよ』
力強く二人を抱き締めるアルフ。
そして、時間が来た。
アルフの腕を離れ、転送ポートに入る二人。
光に包まれる二人にアルフは叫んだ。
『寂しくなったら戻ってきなよ!!あたしらはあんたたちの親なんだからね!!』
『ありがとう、パパ、ママ!!』
『また来た時は…もう一度肉を食べに行こう』
『うん!!…さよならは言わないよ!!』
そして二人は光の中に消えていった。
光の消えた転送ポートを見つめる二人。
そしてアルフはそのままどこかに走って行った。
『アルフ……』
『ここは私に任せておけ…』
『ザフィーラ………』
アルフの後を追うザフィーラを見つめフェイトが涙を流す。
『やっぱり…こんなこと頼まなければ…』
『それは違うよ、フェイトちゃん』
なのはがフェイトの肩を支える。
『きっとこれが一番正しかったんだよ…』
『なのは………』
なのはに抱き締められ泣き続けるフェイト。
きっとアルフの苦しみはこれ以上に大きい。
それを考えると涙が止まらなかった。
582 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:18:32 ID:IkdKbtdP
そして、機動六課隊舎の屋上。
そこにアルフの姿があった。
アルフを見つけたザフィーラが静かに歩み寄る。
『……これでよかったのかな…』
ザフィーラに問い掛けるアルフ。
しかしザフィーラは何も言わない。
アルフはザフィーラを見上げる。
直立不動で立つザフィーラ。
しかし、その目には光るものがあった。
『ザフィーラ…』
『何も言うな………今この時だけは…』
するとアルフは獣の姿へ変身する。
『ならさ……吠えようよ………全部吐き出そう』
『………ああ』
ザフィーラも獣に姿を変え、隣に並ぶ。
そして、月夜に吠えた。
その日、ミッドチルダ全土につがいの狼の遠吠えが響き渡ったという。
それはどこか物寂しげで、悲哀に満ちた遠吠えだったという。
そして、それに呼応するかのようにここではないどこかの世界でも二匹の狼が遠吠えを世界に響き渡らせたという。

『あたしも子供が欲しいよ……』
『いずれは……な…』
『お……?』

583 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 12:20:09 ID:IkdKbtdP
あぁ〜、やっちゃったなぁ……調子こいて電波なんか受信してさぁ…やっちゃったなぁ、おい。
中途半端なシナリオだよなぁ…あぁ〜、やっちゃったなぁ……。
584名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 12:43:24 ID:3pd1cpxW
そう思うのなら載せなければいいと思う。
自分で書いて満足してればいいと思う。
てゆーかウザイわ。最後の書き込み。
585名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 13:07:05 ID:VtcIQXD6
>>583
どうして最後の書き込みで台無しにするの? 投下終了とだけ言って去ればいいのに。
本文はいいとして、それ目障り。
586名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 13:13:27 ID:Y70I4qnR
なんだろう
最後の書き込みは確かにちょっとどうかなとは思うが>>584-585がやたらと同一人物の自演臭い……
ゆとりは学校いけよ
587 ◆K17zrcUAbw :2008/09/19(金) 13:26:26 ID:IkdKbtdP
>>584-585
確かにこれはやり過ぎでした。
次回からは気をつけるように致します。
申し訳ありませんでした。
588名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 16:24:39 ID:yLySC2KW
>>587
そういう時もあるさ、気にスンナ
つか、神経過敏すぎだろw>文句言う奴
589名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 16:52:22 ID:CooNQ7Pg
ゆとり自演乙

>>583
GJ!
あまりの筆の速さに感服しますた
590名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 17:26:51 ID:gOJRAwyD
>>583
話は最後にちょっと切ない余韻が残る普通にいい話でGJでした。
でも申し訳ないが自分も後書きについてはちょっと残念だった。
本編の余韻が後書きを見た事で吹っ飛んじゃったというか感動が薄まってしまったというか。
どういうつもりであのように書いたかはわからないけど、もし自分の書いたSSが
受け入れられないんじゃないかと思って心理的予防線を張ったならそんな必要は全くない。
このスレは懐が深いから少々無茶な話だって受け入れてくれる。
もし本気で自分で中途半端な作品だと思っていたのだとしてもそれもいちいち書かない方がいい。
極端な話中途半端か判断するのは個々の読み手だし貴方の発言でそれまでは話を楽しんでいたのに
「自分は中途半端な話を読まされたのか」と思って気分を害してしまう人もいるかもしれないのだから……
長々とごめんなさい。
591名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 19:34:28 ID:CooNQ7Pg
こうして作者のスキルがまた一段階上がり、
後に読む者が「やべwwwおっきしたwww」と口にするような素晴らしいSSを生み出していくのであった…
592名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 20:30:48 ID:jkrr+pO+
早いから犠牲になったんだろうけど全体的に雑
593名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 22:04:17 ID:ScCP7QBd
勢いが大事な時もあるけど、それでも練り上げでいい味がでる場合もあるよな
ケースバイケースだけど
594名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 22:44:51 ID:VLrboVBh
まぁ作者自身がけなしてたら、それにGJつけてる人の立場が無いよな
595名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 22:50:44 ID:p0CjNjJl
>>586
>>589
喧嘩口調の>>584はともかく>>585は正論だろ
なんでも自演とか言うなよ
あとなんでもかんでもゆとりゆとり言うのも語彙が貧弱そうで頭悪そうに見えるぞ
596名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 22:54:47 ID:Udfkv+Xt
>>585も下手すりゃ喧嘩口調な気が
597名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 22:55:01 ID:Fkoi19nw
同感
598名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 22:58:35 ID:Zs6c5Qkb
↓からはおっぱいについて話をしよう
599名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:00:40 ID:vNzyN72q
聖王様はいろいろけしからんと思うのです
600名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:04:57 ID:/SwGWpzB
成長キャロの胸は揉ンデヤルが成長させたと信じてる俺。
601名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:06:56 ID:oPtMW1mC
>>599
それを言うならシグナム姐さんも負けちゃいないぜ
602名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:10:11 ID:VLrboVBh
シグナムとフェイトのおっぱいはどちらが上か考えながら寝る
603名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:12:15 ID:CooNQ7Pg
おぱいの大きいキャラの順番をおしえて
604名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:12:45 ID:pVS0S2bx
話題がおっぱいになった途端に書き込み出すお前ら



大好きだ
605名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:14:37 ID:p0CjNjJl
シグナムのおっぱいだけはベルカ式作画のほうがよかったw
DVDで修正されて愕然としたよ
「ああ、俺たちの夢を乗せたロケット(おっぱい)が!」
606名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:18:47 ID:8ExlD1Z+
ナンバーズのおっぱいについて考えてみたんだが、誰かこの空欄を埋めてくれないだろうか

  >  >  >  >  >  >  >  >  >  >  >チンク
607名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:24:57 ID:Zs6c5Qkb
あ、今ヴィータが笑ったような気がした。
608名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:27:25 ID:3VdKwA6V
シグナムのオッパイはシリーズを追うごとに小さくなってそうな気がする……哀しすぎるだろjk
オッパイ魔人の名はどこへ消えた!? 制作スタッフなに考えてる!?

なので、俺はこのスレでのシグナムの巨乳描写に全力を惜しまんぜ!!! STSアニメ版が霞んで見えるようなオッパイを表現してやる!!!
609名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:27:50 ID:kx4n9hwr
>>606
 >  >  >  >  >  >  >  >  >  >オットー>チンク

…一番おっぱいは名前に反してドゥーエだと信じてる。
610名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:40:30 ID:VLrboVBh
>>606
貧乳至上主義、そうだな?
611名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:40:32 ID:UHu1u3T2
あんなけしからん聖王様が昔にベルカ統一したいにゃんとか言い出したら、
聖王の部下の紳士たる漢達は戦わずにはいられないよ。その血を聖王教会の男性も引いてると信じたい。
あと、ドゥーエは巨乳というよりは、美乳で大きめという芸術点が高いハイグレードだと思う。
612名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:41:58 ID:XfiR03y3
正直、大きけりゃいいっていう態度はどうかと思う
確かに胸は(大抵の場合)身体の全パーツ中もっとも前に突き出しているパーツであるからして人目を引きやすいし、かつセックスアピールとしての効果も高いと思う
しかしだ、女性の魅力はそれだけじゃない
うなじであるとか、鎖骨であるとか、ウエストラインであるとか、脚であるとか、あるいはヒップであるとか、色々あるもんだ

ゆえに、胸の大きさ云々だけでもって女性の魅力を語らんとする奴はあんまり好きになれんね
女は胸だけの生物じゃないんだぞー!
613名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:45:16 ID:SNIvafN5
>>612
ボンキュボンの包まれたいような四肢も、
つるぺたで柔らかい、きれいな肌ってのもどっちも好きです

胸に挟まれるのも押し付けるのもいい
614名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:46:13 ID:3VdKwA6V
そうだな、尻とかもかなり重要だな。

つまりトーレのSSもっと書け、と。
615名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:57:49 ID:vNzyN72q
>>606
トーレ>セッテ>ディード>ドゥーエ>ウーノ≧ノーヴェ>ウェンディ≧ディエチ>クアットロ>セイン>チンク≧オットー
くらいと予想。
とりあえず上位2名は原案で巨乳って書いてあるし下位3名も間違いないだろうがその他が適当。
616名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:58:41 ID:xOUElnzW
けど、トーレってあまり他のキャラと接点がないのも事実だ。
トーレ姉さんによるセッテの性教育なんて電波が・・・
誰か書いてくれないか?
617名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 23:58:48 ID:BHhE17/F
しかしこのスレで一番尻描写が多いのはたぶん執務官。
あれか、元義兄の旦那のせいか。
618名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 00:04:56 ID:p0CjNjJl
フェイトそんが尻キャラなのは原作どおりだろう
まあStSではせっかくの尻フェチ垂涎を狙ったソニックフォームのデザインが寸胴な作画に潰されたがw
619名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 00:05:05 ID:tgv6YhjD
もはや、このスレではハラオウン=アナルファッカー、というのは常識だもんなwww
620名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 00:31:40 ID:Z3PqzdHJ
フェイトはドMのアナル好きっていうのが、ここでのキャラw
621名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 00:42:06 ID:YvEcbSeM
一期で縛られてシバかれてる所は最高だ
622名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 01:10:22 ID:qtHGK8nV
>>619
いわれてみれば、カップリングがフェイなのの場合、
なのはさんは尻を攻められてる事が多い気がする。

血統ならぬ姓統?
623名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 01:12:14 ID:fPgtRs6Z
その辺は尻ネタではなくアナルネタでは
いや、確かに尻にあるんだがw
624名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 01:14:53 ID:jHepmnoU
爆乳でドMのアナル好きのフェイトと
重度のおっぱい星人でドSのアナルファッカーのクロノ
この二人の相性の良さは異常
625名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 01:22:41 ID:hdlFjtnf
ドSフェイトそんとドMでお尻の弱いいじめられっこなのはさんが大好きです
この組み合わせのなのはさんのかわいさは異常

それにしても昨今のエロSSってリリなのに限らず尻弄くるの多いよなw
626名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 01:39:59 ID:/TgoICR+
興<尻と聞いてオーバードブーストで飛んで来たぞ…いいだろう、私が相手になる
627名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 02:24:37 ID:wj22yV1a
>>626
クロスSSで好きなだけ絡んでください
連載止まってますがね
628名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 02:44:32 ID:h4w0pSS4
>>624
そう考えると、このスレにおけるサイヒ氏の影響はかなり大きいよな。
その流れ、あの人が始めたようなものだし。
629名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 03:13:12 ID:KDRpD7gY
たった1人の人間が投下した作品内の設定が半ばデフォとして認知される。
偉業だな、これは。
630名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 03:36:28 ID:dtzCPQLN
しかしなのはエロパロの職人って、尻好き多いと思うんだがw
631名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 04:42:13 ID:jThPubfs
>>600
ぽよ子のキャロは将来巨乳になるイメージがあるな
もちろんエロオが貢献していることは間違いないが
モンデヤルが将来に向けて巨乳好きになるのだけは確実だな
632名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 08:23:43 ID:U9CF8UTU
3期だとシグナムよりシャマルの方が巨乳じゃないか?
633名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 08:50:46 ID:O8m/WZir
>>625
しかしこのスレでは、なのはさんはSであることが多いw
いや、Mななのはさんも見て見たいが。
634名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 09:16:39 ID:ZkQMPDUU
フェイトちゃんがSな話はあるけど、なのはさんがMな話ってあんまり見たことがないな。
(淫獣モードのユーノやクロノに言葉責めで苛められるくらいならあったけど…)

ここではドMにされることの多いフェイトちゃんがSになってるときは、たいていなのはさんもいっしょに
ユーノを苛めてるしw
635名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 09:42:40 ID:MGwRbRmL
しかし、なぜここまでドMフェイトがみんなにあっさり受け入れられたんだろ…。
636名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 09:54:33 ID:O8m/WZir
>>635
理由は簡単。
このスレの住民がみんなドSだからw
637名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 10:19:59 ID:W+tqLAwh
無印の鞭打ちのシーンでイメージが確定してしまったんだろう。
あれだけ虐げられても頑張ってる姿を見ると、普通は健気と受け取るんだろうけど……
我らのエロ脳ではそんな解釈はされなかったということだなw
638名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 11:50:53 ID:rztdZisN
どうでもいい話
実際に尻でやってみるとわかるんだが、結構体位に気を使う
639名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 12:45:58 ID:f2shWnBO
>>638
まんぐりに近い正常位か、顔を伏せたバックくらいしかないからな。
変形側位が思いの他キツかったのは驚いた。
640名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 13:18:12 ID:d3PfGG96
リアルでも猛者が多いのなこのスレw
641名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 13:49:24 ID:rztdZisN
>>639
顔ふせなくてもバックは出来るよ
ちょっと工夫すれば足腰への負担も小さく出来るし


>>640
実際にやらないとイメージわかないからなw
642名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 13:59:39 ID:X+LYIq5d
つまり、尻SS書いてる方々は、みんな後ろの経験在りということに……ま、まさかなぁ……w
643名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 14:21:54 ID:M0oXNyvb
そんなこと言ったらアッーSS書いてる方々は…
644名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 14:36:57 ID:rztdZisN
もしかして俺だけか?
尻エロSS書くための資料欲しさにそういうところに取材に行ったのは
645名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 14:47:44 ID:RB5xYPPZ
>>644
別ジャンルだが、二次創作を書くに当たって、その舞台となる場所に旅行へ行った作家さんは知ってるが……
そっち系は未だ聞いたことないな。いや、興味はあるが、地元にそういうのないから……
646名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 15:01:51 ID:G+/RQawA
リアルでは魔法使い見習いなのに何食わぬ顔してエロSSを書いてる人間もいるんだぜ……
647名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 15:25:27 ID:K/hYUKv+
ぬほほぉ!とかいぐぅ!の世界は魔法使いの方が書きやすいんじゃないかとも思うけどな…
648名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 15:33:09 ID:FzvzeR4A
別にSSが面白ければ書き手の経験なんてどうでもいい
経験してないからこそいいものが書けるって人もいるし
649名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 16:15:19 ID:Z3PqzdHJ
時に妄想力は経験を凌駕するのか。
650名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 16:18:52 ID:O8m/WZir
そろそろ、ドMななのはさんのSSきぼんぬw
651名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 16:32:20 ID:ZkQMPDUU
常に全力全開で、限界まで自分の身体を酷使するなのはさんはある意味ドM…
652名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 16:32:36 ID:G+/RQawA
ドMななのはさんが想像できない……ドSなフェイトさんなら余裕なんだが
653名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 16:47:49 ID:O8m/WZir
>>651
SLB撃ちながらビクンビクンするんですね、わか(ry
654名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 17:17:25 ID:KDRpD7gY
撃った瞬間にエクスタシーを感じるわけか。
カートリッジは差し詰め媚薬?
655名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 18:11:28 ID:sHekBopS
経験ないと書けなかったら陵辱とかロリとか新婚とかアッーとかどうすんだよw
656名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 18:21:06 ID:hdlFjtnf
創作に経験無いととか無粋にも程があるんだぜ
触手とかのエロに限らずSFとかファンタジー全く書けなくなるぞw
妄想してこそ創作
657名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 18:27:36 ID:FzvzeR4A
>>652
保管庫見れば、結構あったと思う

>>653
そんな感じのWebコミックが確かどこかにあったぞw
658名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 18:30:58 ID:sGD4Hu7K
どMなフェイトとユーノは想像できるけどなのははどう考えてもどSだわw
659名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 18:48:47 ID:FzvzeR4A
なのは受けなやつばっか読んでるせいか知らんが、俺はなのは=Mとしか考えられないな
ま、なのはさんの印象も十人十色だし職人が好きなように書けばいいと思うが
660名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 20:49:38 ID:M0oXNyvb
無敵のエースオブエースが夜だけドMというのは悪くない
縛られて喘いでる現場をスバルティアナに見られるのもまた一興
661名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 20:57:27 ID:rKi3Yyrk
↓ティアはSかMか
662名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 20:58:01 ID:es0HSZrH
ぱっと見Sで潜在M
663名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 21:00:18 ID:tgv6YhjD
そろそろ雑談自重で投下待った方が良くないかい?
664名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 21:00:55 ID:rztdZisN
プチSかな
665名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 21:17:29 ID:KDRpD7gY
>>663
今頑張っている。
666名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 21:40:01 ID:Chpa9mwK
スバル専用でツンデレS
それ以外では強気受け
667尊ぶべき愚者 十八話  ◆ghfcFjWOoc :2008/09/20(土) 23:17:53 ID:GrfwsvB0
◆Ev9yni6HFAです
これから投下しようと思いますが、トリバレしたので変更しました
>>489も自分ではありません
スレ住人の方にはご迷惑をおかけしました

・非エロ
・オリキャラ多数、というかメイン。今回は特に
・自己解釈あり
・SSXは未だ入手してないので矛盾があるかもしれません
668尊ぶべき愚者 十八話  ◆ghfcFjWOoc :2008/09/20(土) 23:19:19 ID:GrfwsvB0
 一人の少女が裏路地を歩いている。
 嬉しい事でもあったのか、足取りは軽やかで絵本から抜け出した妖精がように微笑ましい。
 降り注ぐ月光が金色の髪を輝かせる神秘的な光景の中で、不意に少女の足が止まる。

「出てきたらどうだ? 今は機嫌が良いから遊んでやる」

 振り向いた少女の視線の先、物陰から現れたのは一匹の犬だ。
 しかし、普通の犬ではない。
 体はダークグリーンの絵の具を塗りたくったような鈍い光沢を放ち、現実味に乏しく足音もない。

「ふぅん。可愛い狗だな。知り合いから貰ったチョコレートがあるが、食べるか?」

 板状のチョコレートを鼻先に突き付けるが口をつける気配はない。
 人肌で溶けかかっているのが気に入らないのだろうか、と少女が考えを巡らせていると、

「……ん」

 空気が一瞬弛緩したかと思うと一気に硬直する。
 周囲の風景に変化はないが、自分を見つめる視線が増えたように感じる。

「結果か……術式はベルカ式に近いが、ミッドチルダ式にも似ている……」

 呟きながら少女が上空を見上げると、建物の上に幾つもの人影を確認出来た。
 予めこの場所で待機しておいて通りがかった自分を取り込んだのか。
 全員が同じデザインの槍型アームドデバイスを手にしているが、それより目を引くのが顔の上半分を覆い隠すマスクだ。

「教会騎士団……」

 だというなら現れた理由も粗方理解出来る。
 難儀だなと思いながら相手の出方を窺う。

 彼等は怯む事なく次々に建物から地面に飛び降りる。
 間近で見ると怪しい集団だが、相手は少女と全く異なる感想を抱いたようだ。
 先頭に立つ騎士からざわめきが生まれ、それが波のように後方に伝播していく。
 そして、それは決して友好的なものではない。
 亡霊でも見るような恐怖と動揺の視線を向けられて少女は微かな苛立ちを覚えた。
669尊ぶべき愚者 十八話  ◆ghfcFjWOoc :2008/09/20(土) 23:20:20 ID:GrfwsvB0
「申し訳ないが、預言阻止と教会の安寧の為です。一緒に来ていただきたい」

 厳かに宣言し、騎士達は一斉にデバイスを少女に向ける。
 自分達より年下の少女に丁寧な口調の騎士にくすぐったさを覚えながらも表情を引き締める。
 しかし、一緒に来ていただきたい、か。
 てっきりこの場で殺害される可能性も考慮に入れていたが随分と穏便だ。
 ああ、死せる王の解釈に自信がないのか。
 勝手に納得しつつ気を引き締める。

「いいのか? わたしをここで拘束したら預言は果たされないかもしれないぞ」
「それが何か」

 何を当たり前な。
 それが騎士の心境だろう。
 つい先程預言阻止の為に来たと宣言したばかりだ。

「預言通りになった方が教会に都合が良いのではないかという事だ。
 お前達がどういう解釈をしたかは知らないが、預言通りになっても教会をさほど被害を受けない。
 むしろ、預言の正確性が立証される事になる」

 少女は悪魔のような妖艶な笑みを浮かべた。
 彼女は先程から騎士達の手が小さいながらも震えているのを見逃さなかった。
 ここにきてなお、戦う事への躊躇があるのだ。
 上手く誘導すれば争いを避けられるかもしれない。

「論外です」

 だが、騎士は語気を強め、言い放った。

「人に被害が及ぶと分かっていて見過ごす事は出来ません」

 その言葉に少女は、子供を見守る母親のような慈愛に満ちた表情になる。

「当然の判断だ。尤も、自分達が撒いた種だ。見過ごすと言ったらわたしが矯正していた。ただ」

 そこで一旦言葉を切り、片手を頭の高さまで上げる。
670尊ぶべき愚者 十八話  ◆ghfcFjWOoc :2008/09/20(土) 23:21:55 ID:GrfwsvB0
「哀しいかな。あの預言に出てくるのはわたしではないのだ。……時間を無駄にしたな、お互いに」

 手を勢いよく振り下ろす。
 異変はそれと同時に起こった。
 先頭で少女と対峙していた数名が喉を押さえて倒れたのだ。
 突然の事態に混乱が騎士達の心を支配する。

 少女の攻撃か? しかし、魔法陣もなく魔法を使った様子はない。
 異変はそれだけに留まらない。
 後方に控えていた数名が地面から突き出した氷柱に肢体を囚われる。

「童話でありそうだな。お城での窮屈な生活に嫌気が差したお姫様はこっそり抜け出すんだが、城下町で下賤な者に絡まれるんだ」

 少女はふぅと自嘲気味に溜め息を吐く。

「残念だが、わたしには有能な護衛がいるんだ。これでも皇帝だからな」

 もはや少女の興味は騎士達には向いていなかったが、騎士達はそういう訳にはいかない。
 一人の騎士が足を地面に釘付けにする氷をデバイスで砕いてよろよろと起き上がる。
 死に体で、力なんて殆ど残っていなかったが、それでも雄叫びを上げて突撃する。
 しかし、見えない何かにぶつかったように頭を揺らして崩れ落ちる。

 自分以外に立っている者がいなくなったのを確認すると、一部始終をずっと見ていた犬の前にしゃがみこむ。

「舐められたものだな。もし、わたしが一人でも鎧を抜けずに全滅していた」

 犬は微動だにしない。
 真剣な口調での独り言に馬鹿らしくなった少女は目を細め、軽く吐息。

「これから言う事はお前達の預言者の言葉と同じくらいの気持ちで聞け」

 などと言ってみたが、実は何を言えばいいか、あまり考えていなかった。
 教会の利益になりそうな事を言っておくべきか。
 そうすればベルカ自治領の為にもなるだろう。
671尊ぶべき愚者 十八話  ◆ghfcFjWOoc :2008/09/20(土) 23:24:17 ID:GrfwsvB0
「そう遠くない将来、お前達の前にわたしと同じ色の髪と目をした子供が現れるだろう。
 だが、教会には置いておくな。それが聖王教会にとっての最善だ」

 言い終わったが、まだ心に引っ掛かるものがあった。
 うっかり一番肝心な事を言っていなかった。

「そして、全てが終わったら戦いや権力闘争とは無縁の世界で育ててやれ。学校で勉強したり友達と遊んだりというな。
 預言と無関係のわたしを襲ったのだ。それ位は聞け」

 犬は一回だけ頷くとゆっくり後退し、夜闇に溶け込むように姿を消す。
 それを見届けた少女はつまらなげにチョコレートを一口かじる。
 中途半端に溶けた生暖かいチョコレートが喉を通過するのは後味が悪い。
 やはり自分にとってはキャラメルが一番だ。

 地面に座ってぼんやり上空を眺める。 
 ベルカの夜空とは違うが、ここもまた、星が綺麗だ。

「で、お前はいつまでそこにいる気だ?」
「いや、なんか出ていくタイミングを見失っちゃって」

 ビルの裏口の側に置かれたゴミバケツの蓋がひとりでに持ち上がり、中から外交官が出てくる。
 奇行に今更突っ込む気にはなれない。

「こいつらどうするよ?」

 倒れている騎士のマスクを剥がし、マジックで目蓋に瞳の落書きをしている。

「気絶しているだけだ。今なら凍死する危険もないだろうし、すぐに救援が来るだろうさ」
「さっさと消えてやるのがせめてもの情けか」

 立ち上がって尻に付いている埃や汚れを振り払う。
 結界は未だ解除されないが、まあ歩いていけばそのうち外に出られるだろう。

672尊ぶべき愚者 十八話  ◆ghfcFjWOoc :2008/09/20(土) 23:25:29 ID:GrfwsvB0
以上です
最近は別のスレに浮気気味で投下が遅れちゃいました
673名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 23:44:36 ID:Gsrs3w1a
古代ベルカの空って戦争だか、質量兵器だかの影響で汚れてたんじゃないっけ?
星とか綺麗に見えるのか?
674名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 23:57:14 ID:+RnrFhKy
>>673
星が見えないのは、「敵機が8で青が2」な状態のせいだったはず
大気汚染とは言われてなかったような
675554:2008/09/21(日) 00:42:38 ID:HFkMwgyV
1:00に投下予告!

とりあえず>>653を文章にしてみた。
676名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 00:43:10 ID:BP99R2L2
GJですぜ!!
677名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 00:57:44 ID:n5f/GWo9
む、ならばこっちはその後になるか。
間に合えばだが。
いや、間に合わせてみせる。
678554:2008/09/21(日) 01:04:08 ID:HFkMwgyV
さて、667氏には悪いですがお先に投下させていただきます。まあ、小ネタ程度に考えてください。
>>653で妄想していたらSSが一本出来てしまったので投下したいと思います。
まったく、このスレの妄想力はすごいぜ。

NGワードは「魔力依存症 ダメ。ゼッタイ。」です。
それではいきまーす。
679554:2008/09/21(日) 01:05:32 ID:HFkMwgyV
すいません、677氏でした。
本当に申し訳ない。
680魔力依存症 ダメ。ゼッタイ。:2008/09/21(日) 01:06:02 ID:HFkMwgyV
「ねえ、あれってなのはさんじゃない?」
「どれ? あ、ホントだ」

 スバルとティアナはいつものようにデスクワークを終えるといつものように通路を通っていつものように隊舎へと帰る予定だった。
 そんなとき、ふとティアナが目にしたのは海に浮かべられた訓練場の中で、的を前にして愛杖であるレイジングハートを構えて凛々しい顔をする上司の姿であった。
 しかし、訓練場で自身の体と心を鍛えていることは別段おかしいことではないのだが、ティアナはその上司の顔にどこか違和感を感じた。

「なのはさんの顔、ちょっとおかしくない?」
「ホントだ。少し赤いみたいだけど、熱でもあるのかな」
「ちょっと心配ね。見に行ってみる?」
「うん、私も心配」

 いつもは真っ直ぐ行くはずの通路をスバルとティアナは早歩きになりながら左に曲がった。行き先を示す立て札には「海上訓練場」の文字が躍る。
 訓練場は上から訓練の様子を見るために物見やぐらのような場所が存在している。普段フォワード陣が訓練を行う際に隊長たちが指示を出すのもそこから行う。
 スバルとティアナは駆け足で物見やぐらへと通じるリフトに飛び乗り、ティアナはモニターを操作して、スバルは目視でなのはの姿を探す。戦闘機人とガンナーである彼女たちにとってこれ程の距離は無いに等しい。

「あ、いたよ、ティア!」
「今こっちも見つけた……んだけど……」
「うん、なんか様子がおかしいよね」
681魔力依存症 ダメ。ゼッタイ。:2008/09/21(日) 01:06:47 ID:HFkMwgyV
 訓練場使用時には常時展開されているモニターがなのはの位置を的確に知らせると共に、ビジョンだけでなく音声も受信できる。
 部隊長であるはやてが新人の育成をするに当たってもっとも力を入れたのがこの訓練場であった。
 そんな訓練場で、もう新人とは絶対に呼べないなのはが訓練をしている。
 訓練場を使用すること自体は何の問題もないのだが、俯き加減の顔は頬を赤く染め、呼吸を荒くさせながら愛杖を掲げるその姿は、訓練中の姿だとはお世辞にも言えなかった。
 スバルとティアナがいるモニターのスピーカーからも「はぁ、はぁ」と甘い吐息が聞こえ、それだけで若輩である二人は顔が赤くなってしまう。
 モニター越しのなのはがポケットからマガジンを取り出し、愛杖にカートリッジを艶やかな笑みを含んだ表情で入れているその様は、一種の妖艶さを醸し出していると行っても過言ではなかった。

「レイジングハート! カートリッジロード!」
『Load cartridge』
「ふぁあっ!! こ、この感覚、きたぁ……!」

 色気のある声がスピーカーから流れ出し、傍観している二人は赤くなっていた顔を更に赤く変える。
 やがて、なのはは俯いていた視線を正面へと戻すとそのままの状態で足下に魔法陣を展開させ、術式を自らの相棒へと叩き込む。

「はぁ、はぁ……いくよ、レイジングハート!」
『all right』
「ディバイン!!」
『Buster!』
「くるっ……! ひぁ、ひあああっっっ!!」

 ドンッという鈍い音も聞こえるが、モニターの前の彼女たちを釘付けにしたのは何を隠そう、悩ましい声で嬌声を上げる上司の姿であった。
 その姿に
 腰を反らせて口をだらしなく開け、涎が滞りなく滴り落ちるなのはであったが、それでもまだ足りないのか震える手で更にカートリッジをレイジングハートへとつぎ込み、それに満足したのかまた艶やかな笑みをその顔に浮かべる。
682魔力依存症 ダメ。ゼッタイ。:2008/09/21(日) 01:07:32 ID:HFkMwgyV
「っぁ……はぁ……レイジングハート、まだイける?」
『all..... right』
「うん、お願い……。カートリッジロード!」
『Load..... cart....ridge.....』
「っはあ……まだくるぅ……まだくるのぉ……」」

 歯切れの悪いレイジングハートの声など気になっていないのか、あるいはもう耳に入っていないのか。
 なのはは最大の絶頂を迎えるため、自らの最大の技とカートリッジという媚薬を使い己の火照った躰を最大限にまで鼓舞する。
 キン、という集束の音と共に巨大な魔法陣が展開され、ディバインバスターの放出によってなのはの周りに散らばっていた魔力素を再び自身の体内へと戻していく。

「あ、あつぃぃぃぃ!! きちゃう、きちゃうよぉぉぉ!!」

 レイジングハートの先端に集まった凶悪とも言える大きさのヒカリはやがて前へと突き出され、しっかりと眼前にある的をロックオンする。
 その間も魔力素の集束は衰えを知らず、もはや魔法とは言えず質量兵器にさえ見えるレベルにまで達していた。
 それに伴い、なのはの体も俄然火照りを増し、口からは涎をだらだらと垂らしながらはぁはぁと艶やかな吐息を発する。下半身からも粘りけのある粘液が彼女の太股を伝ってひんやりとした感触を与える。
 彼女の絶頂はもうすぐそこまで来ていた。後は、全てを解放するだけ。
 そんな彼女の様子に顔を真っ赤にしながら依然として固まり続けている二人は何とも滑稽な様相であった。

「れ、ふぁっ、れいじんぐはぁっ、と……い、くよ……」
『ok.....』
「んあっ! す、すたーらいと、っああ! ぶ、ぶれいかー……!」
『.....Starlight Breaker』
683魔力依存症 ダメ。ゼッタイ。:2008/09/21(日) 01:08:14 ID:HFkMwgyV
 巨大な爆弾が続けて爆裂したような耳を切り裂く破壊音が聞こえたその時、その破壊音の主は悩ましい笑顔を浮かべながら絶頂を迎えていた。

「ぅあああああ!! いくぅぅぅぅ!! いっちゃうよぉぉぉぉっっっっ!!」

 焦らして焦らして、焦らし続けてそこからの開放感だ。気持ちよくないはずがない。
 なのははその声と共に膝から崩れ落ちていった。その顔は心からの幸福そのものであった。



     □     □     □     □     □



「良かった、繋がった……! スバルにティアナ、今どこにおるんや?!」
「…………」

 床に置かれたティアナの端末にはやてからの一報が入ったのはそれから数分したときだった。
 本来ならばすぐに応答しなければならないのだが、尊敬する上司のあんな姿を見て心神喪失中の二人は彼女からのコールに応答することが出来なかった。

「まずいっ! 今海上訓練場におるんやな! スバルとティアナ、隊舎内での魔法使用を許可するから早く帰って―――

 グシャッ、という通信機が潰れる音ではっと我に返る二人だったが、時既に遅し。
 心神喪失状態から復帰してすぐの感覚が鈍っている状態であったが、死の危機という状態の前ではそんな常識は意味を成さない。

「二人とも……なんでここにいるのかなぁ? ちょっと、頭冷やそうか……」

 背後からの凄まじい死のオーラに、二人は振り返ることすら出来なかった。
 部隊長室で「二人ともごめんな。骨はひろってやるから、潔く成仏しいや」と誰かが言ったらしいが、その他の真相は分からない。
 ただ、翌日の朝日を二人揃って医務室で迎えたことは言うまでもない事実である。


                         end.
684554:2008/09/21(日) 01:10:35 ID:HFkMwgyV
投下終了ですー。
あと、ごめんなさいorz


そして、>>681に中途半端に「その姿に」という文があるので、保管の際には削除をお願いいたします。
お手数をおかけします。
685名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 01:27:14 ID:g2QspScr
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

>>684
>653をこうも増幅するとは。GJ
686名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 01:28:36 ID:BP99R2L2
なのはアブねえwww GJでした。
687名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 01:35:14 ID:YsOrGbjn
GJ!
これで某所のWebコミックみたいにRHまでカートリッジ中毒になったら・・・・
688名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 02:02:31 ID:3QT6S77H
>>684
GJ、こう言う話好きだ
689名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 02:26:15 ID:N7vTqVel
遅くなったけど、◆ghfcFjWOoc の人乙。
ただ、こういうツッコミは無粋だが、犬にチョコはあげたら駄目だよ。
死ぬから。ミッドの犬はどうか知らんけど、現実では、駄目だから。念のため。
690名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 02:31:31 ID:LWxN2LvD
あと、ネギ関係もダメだよな。
691名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 02:34:02 ID:KtW6PX6s
ついでに言うと味覚も人間より利くから、塩っ辛い物もやめた方が良いんだぜ
692B・A:2008/09/21(日) 02:49:21 ID:n5f/GWo9
後は大きさだな。
犬は肉食だから咀嚼はあんまりしない。前に飼い犬がリンゴを喉に詰まらせてひと騒動起こした。

もう5分ほどで>>677で言っていた奴投下します。
スバル分を投下します。
リベンジです。
693名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 02:56:26 ID:BP99R2L2
ういうい〜待ってましたぜ〜。
694B・A:2008/09/21(日) 02:59:47 ID:n5f/GWo9
それではいきます。


注意事項
・ゲンヤ×スバル
・時間軸はSSXと同じ3年後。
・エロです。
・最初はほのぼの、オチはシリアス
・SSXは聞いたことありません
・タイトルは「ある親娘の幸福」
・「ゲンヤ・ナカジマの爛れた一日」とは一切関係がありません
・スバルとゲンヤは恋人同士になっています。何故かは作中で軽く説明しますが、深くは突っ込みません
695ある親娘の幸福@:2008/09/21(日) 03:00:40 ID:n5f/GWo9
レールウェイの扉が開き切るよりも早く、スバルはホームへと駆け出した。
時計を確認すると、待ち合わせの時間までまだ10分ほどあった。ここから待ち合わせ場所の広場は目と鼻の先なので別に急がなくても良かったのだが、
今日という日を心待ちにしていたスバルにとっては僅か2分足らずの道のりすら遠く感じるのだ。
個人的には、隊舎からウィングロードで一直線に走ってきたかったくらいなのだから、気が焦るのも仕方ない。

(あの人、もう来ているかな?)

待ち合わせの相手のことを思いながら、スバルは階段を三段飛ばしで駆け下り、改札に回数券を通して陽光の差し込む駅前広場へと飛び出した。
そして、休日に行き交う人達の間を縫うように駆けながら、街路樹の横で手持ぶたさに突っ立ている中年の姿を捉え、手を振りながら大きく声を張り上げた。

「父さん!」

アスファルトを蹴り、スバルはまるで体当たりでもするかのように父であるゲンヤの胸へと飛び込んだ。
一瞬、衝撃でゲンヤはバランスを崩すものの、何とか踏ん張ってスバルの背中に手を回す。

「久し振りだな、スバル」

優しく囁くように紡がれるゲンヤの言葉に頬を緩めながら、スバルは父の胸へと顔を埋める。僅かに鼻腔をくすぐる汗の匂い。幼い頃に何度も嗅いだ父親の匂いだ。

「ふふっ・・・・父さんの匂いだ」

「止せよ、みんなが見ているだろ」

「良いの。もう少しこうしていよう」

「もう親に甘えるような年でもないだろうに」

そうは言うものの、ゲンヤは無理にスバルを引き離したりはしなかった。彼自身、スバルとの再会を楽しみにしていたこともあったし、
何よりこうして抱き合うこと自体はやぶさかではないのだ。何故なら――――――――――――

「それで、今日はどうするんだ?」

「うんとね、今日はまず・・・・・・・」

――――――――――2人は、恋人同士なのだから。





休日の昼下がりは人通りが多く、カップルや家族連れで溢れかえっている。それに紛れて仲睦まじく腕を組む一組の年の離れた男女は、
傍目には仲の良い親子のようにしか見えなかった。だが、カンの鋭い者なら少女が男に対して恥じらいと甘えが混ざり合った異性に対する
愛情の目を向けていることに気づいたであろう。

「何だか久しぶりだね、こうやって歩くの」

「そうだな」

スバルの感慨深く呟きに、ゲンヤは素っ気ない言葉で返す。スバル的にはここで愛の言葉の1つくらい吐いて欲しかったのだが、
照れているのかゲンヤは押し黙ったまま頬を真っ赤にしている。その仕草が可愛くて、スバルは一層恋人の腕にすり寄って彼の存在を腕の中に感じ取った。
696ある親娘の幸福A:2008/09/21(日) 03:01:57 ID:n5f/GWo9
「こら、あんまくっつくと歩き難いだろう」

「ちょっとだけ、ちょっとだけだってば」

きっかけが何だったのか、この思いがいつ頃から芽生えたものだったのか、それはわからない。だが、父への異性としての愛を自覚した時には、
まるで手の施しようのない不治の病のように、スバルの心の奥深くまで浸食していた。その思いは日増しに募っていき、
局入りするために実家から出ても消えることはなかった。それどころか、距離を置いたことで彼への思いはかえって燃え上がり、
どうしようもない状態にまで陥ってしまったのである。そして、休暇で里帰りしたある夜、とうとう我慢できなくなってゲンヤを押し倒し、
強引に関係を結んでしまったのである。
行為を終えて冷静さを取り戻した後、スバルは自分がしでかしてしまった行為の愚かさに自己嫌悪に陥った。
今まで培ってきた関係をぶち壊しにするような真似をしたのだから、それは無理もない。だが、涙ながらに謝罪するスバルをゲンヤは静かに抱き締め、
愛しい娘であった彼女の思いを受け入れてくれた。そして、その夜から2人は親子ではなくなった。

「それじゃ、まずはここに入ろう」

目当ての店を見つけ、スバルは立ち止まる。釣られてゲンヤも歩みを止め、頭上に掲げられている看板を見上げて首を捻った。

「スバル、ここは男ものの服屋じゃないのか?」

「せめてブティックって言ってよ。ほら、入って入って、今日はあたしがコーディネートしてあげるから」

「別にいらねぇよ、服なんざ家にたくさんあるんだから」

「そう言わないでさ、少しくらい若作りしようよ。ほら、こんなのはどう?」

そう言って、スバルは手近なラックからオレンジ色の生地に黄色のラインが走った、南国系の派手なシャツを手に取って掲げて見せる。

「あんま趣味じゃねぇな」

どちらかと言うと、ゲンヤは渋めで地味な色が好みだった。最も、それ以前に服装自体に無頓着で陸士隊の制服がほとんど私服のようなものだ。
クイントがまだ生きていた頃は、その色気のなさっぷりを何度も嘆かれたことがあった。言わば、性分なのである。

「それに、若い奴の服なんて、俺みたいな親父には似合わないだろう」

「案外似合うと思うけどなぁ。ねぇ、試着してみたら?」

「そいつをか?」

「だめ?」

渋るゲンヤに向かって、スバルは手にしたシャツを胸元に掲げ、切なそうに潤んだ瞳でこちらを見上げてくる。
甘えているようにも不安がっているようにも見えるその表情は、容赦なくゲンヤの良心を刺激し、罪悪感を掻き立ててくる。
そして、気がつけば無骨な手が伸びてスバルからシャツをもぎ取っていた。

「仕方ねぇな。着てみるだけだからな」

「本当? ありがとう、父さん」

一転して表情を綻ばせ、笑顔を浮かべるスバルに背を向けて、ゲンヤはため息を吐く。年下の娘に手玉に取られているみたいで、何だかとても情けなかった。
697ある親娘の幸福B:2008/09/21(日) 03:02:34 ID:n5f/GWo9
(不甲斐ねぇな、俺も)

ちなみに、その服はスバルのごり押しもあって、数分後にめでたく購入することが決定した。





それから一時間ほど、スバルはゲンヤの腕を引いて店中の商品を順番に見て回りながら、気になった服を手に取ってゲンヤにあてがい、
彼がそれを着た姿を想像しては元の場所に戻すという行為を繰り返した。楽しそうに笑いながらも服を選ぶ目つきは真剣そのものであり、
彼女がどれほどゲンヤのことを思って選んでいるのかは容易に察することができる。
そうして、いくつかの服を選んで購入した後、2人は休憩を取るために近くの公園までやって来た。

(ふぅ・・・・・さすがに堪えるな)

荷物を置いてベンチに腰かけたゲンヤは、改めて自分が年の離れた子どもと付き合っていることを実感させられた。一応、若い頃はそれなりに鍛えていたのだが、
やはり寄る年波には勝てないようで、ブティック内を引っ張り回されただけでスタミナを使い切ってしまったのだ。
最も、スバルに心配はかけたくないのでそんなことは億尾にも出さないが。
そのスバルはというと、ゲンヤの隣で彼に買い与えられた五段重ねのアイスクリームを前にして目をキラキラと輝かせていた。

「ぬははは・・・・・」

「こら、みっともない声なんか出すな」

「えぇ、だってぇ・・・・・・」

色取り取りのアイスの山を頬張りながら、スバルは喜びを隠し切れずに笑みを零す。だらしのない光景ではあったが、
心底嬉しそうにアイス食べるその姿は見ていて何だか気持ちが良い。買った甲斐があるというものだ。

「あ、父さんも食べる?」

こちらの視線に気づいたのか、スバルは半分ほど食べ切ったアイスをゲンヤに差し出した。

「いや、俺は腹減ってねぇし・・・・・・・」

「おいしいよ」

「お前の好物だろ、好きなだけ食えよ」

「食べないの?」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・わかった、食べれば良いんだろ」

不承不承に頷き、ゲンヤはアイスを受け取ろうと手を伸ばす。だが、スバルは伸びてきた手を華麗に回避すると、
暑さで溶け始めているアイスをゲンヤの口元に突きつけて微笑んだ。

「はい、あーん」

「なっ・・・・・!」

思わず、ゲンヤは素っ頓狂な声を上げて周囲に視線を巡らせる。もちろん、スバルと関係を持ってからはこういうやり取りは何度かしているのだが、
この年にもなるとそういう行為にどうしても抵抗感を抱いてしまうのだ。
698ある親娘の幸福C:2008/09/21(日) 03:03:37 ID:n5f/GWo9
「あーん」

「スバル、その・・・・・・」

「あーん」

どうあっても、自分の手でアイスを食べさせたいようだ。
改めて溶けかけのアイスを凝視し、ゲンヤは生唾を飲み込んだ。断面のチョコレートアイスにはスバルの歯型がはっきりと残っており、
溶けている表面にはうっすらと唾液が混ざっているような気がして顔が熱くなって鼓動が速くなった。

「あーん」

「・・・・・・ひ、一口だけな」

腹を括り、ゲンヤは舌先で僅かにアイスの表面を撫でると、すぐにそっぽを向いて黙り込んだ。
口の中に広がる甘ったるい味と場違いな背徳感で胸が一杯になり、自分がどうしようもなく惨めに思えてならなかった。

「おいしい?」

「・・・ああ」

「でしょう。ここのアイスは最高なんだよ」

ゲンヤの葛藤を知ってか知らずか、スバルは曇りのない眩しい笑みを浮かべて先ほどゲンヤが舐めた場所に自身の舌を這わす。
たったそれだけのことなのに、ゲンヤの鼓動は大きく跳ね上がった。

「はうあぅ・・・・幸せぇ・・・・」

無邪気なその呟きが、いったいどれほど男心をくすぐっているのか、この娘は気づいているのだろうかと、ゲンヤは考えずにはいられなかった。





冷たいものが頬にぶつかったのは、スバルがアイスを食べ終えた頃であった。不意に降り出した雨は瞬く間に土砂降りとなり、
明るかった青空が消えて雷鳴の轟く雨雲が空を覆い隠していく。傘など持ってきていなかった2人は大急ぎで雨宿りできる場所を求めて走ったが、
雨は時と共に激しさを増していき、屋根のある場所まで辿り着いた時には2人ともずぶ濡れになっていた。
さすがに大事なスバルにいつまでも濡れた服を着せているわけにもいかないので、ゲンヤは勇気を振り絞って提案した。

「ホテル、行かないか?」

その一言だけを告げるのが精一杯であった。もちろん、下心がなかったわけではない。実家ではギンガ達の目もあるので、
デートの締めはどこかのホテルでと決めていた。それが少しだけ早まっただけのことだと自分に言い聞かせる。

「・・・父さん」

どこか心細げな呟き。
冷たい雨に打たれたからか、今のスバルはいつもよりも幾分弱々しく見えた。
699ある親娘の幸福D:2008/09/21(日) 03:04:13 ID:n5f/GWo9
「・・・・・・良いよ」

俯きながら、スバルは了承する。そっと差し出された手は、不安と期待が入り混じって小さく震えていた。





きっと、雨に打たれて頭がどうかしてしまっていたのだろう。後から思い返した時、ゲンヤはその時の出来事をそんな風に思い込むことにしていた。
とにかく歯止めが利かなかった。
バスルームへと消えていくスバルの背中が忘れられず、気がつけば衣類を脱いで室内に乱入していたのだ。

『シャワーを浴びてくるから待っていて』

たったそれだけの簡単な約束すら果たせず、ゲンヤは欲望に駆られて突然の乱入に驚くスバルを後ろから羽交い絞めにしていた。

「と、父さん・・・・・」

「わりぃ・・・・無理だわ」

我慢なんてできるはずがなかった。
目の前にこのような果実をぶら下げられていては、男としてどうしても無視するわけにはいかない。

「けど、体冷えているし・・・・・・」

「温めてやるよ」

自分でもらしくないと思いながら、ゲンヤは震えるスバルの肢体に腕を回し、柔らかい膨らみを優しく手で包みながらうなじに舌を這わせる。
すると、スバルは体をビクビクと震わせながらも色っぽい声を漏らし、しな垂れかかるようにゲンヤへと体重を預けてきた。


「んん・・・・ああ・・あ・・・」

うなじを這う舌をスバルの唇にまで滑らせ、2人は互いの舌を絡めながら唾液を交換する。
そうしていると中途半端に湯で濡れて滲み出てきた少女特有の瑞々しい香りが鼻腔をくすぐり、ゲンヤの後頭部を激しく揺さぶった。

「と・う・・・さん・・・・」

「うん?」

唇を離すと、熱い吐息が吹きかけられた。
気づけばスバルが股間の一物へと手を伸ばしていた。きつくそそり立った男根は目の前の少女の肉壺をほじくり返し、
快楽の波に呑まれて泣き喚く姿が見たいと訴えかけるように脈動している。滑らかなスバルの指の腹で亀頭を撫でられると、
それだけで達してしまいそうになるほどの快感が駆け昇ってくる。

「父さんも、して・・・・・・」

「ああ」

降り注ぐ熱湯も苦にならなかった。
2人はバスルームの床に座り込み、互いの性器を弄りながら執拗に唇を貪り合った。
スバルはまるで5本の指を別の生き物のようにゲンヤの肉棒に絡ませ、亀頭から玉袋にかけて丹念に揉みしだいていく。
そして、空いているもう片方の手は充血した自身の乳房を鷲掴み、勃起した先端の突起を無造作に摘まんで快楽を得ようと体を揺する。
そんなスバルを愛おしく思いながら、ゲンヤは片手で彼女の乳房を優しく撫でまわし、もう一本の手で肉ビラを丁寧になぞりながら濡れそぼった秘唇を捏ねまわし、
時々気まぐれを起こしたかのようにクリトリスを押し潰しては彼女が乱れる様をつぶさに観察していく。
見ているだけで果ててしまいそうになる。
健康的な肢体、白いうなじ、弾力のある乳房、腰のくびれ、収縮を繰り返す肉壺、張りのある太もも、そして自分の腕の中で聞こえる彼女の嬌声。
全てがゲンヤの理性を狂わし、本能に突き動かされるままにスバル・ナカジマという料理を味わっていく。
700ある親娘の幸福D:2008/09/21(日) 03:05:18 ID:n5f/GWo9
「ああ・・・・・・うんっ・・・・・んふぅ・・・・・」

「我慢しなくて良いぞ」

「けど、恥ずかし・・・・・・」

「あれだけ人前で抱きついておいて、今更恥ずかしいはないだろう」

焦らすように秘唇を擦っていた指の動きが、肉壺を抉る激しいものへと変わる。ぬるま湯に浸かっているように呆けていたスバルの意識は一気に過熱し、
ざらついたGスポットを容赦なく擦り上げられて思わずゲンヤの肉棒をきつく握り締めてしまう。

「あぅっ! ふ、あぁぁ、んっ・・・・・」

完全にペースを乱され、抗おうにも押し寄せる快楽の波が邪魔をする。手の中で存在が大きくなる肉棒は燃える様に熱くなっているのに、
それを射精に導くことができず、ただゲンヤが望むままに悶えながら身を捩ることしかできない。

「は、あっ、ああっあっあっ・・・・・・・」

「ほら、もっと感じて良いんだぞ」

「ま、待って・・・・と・・・・・」

制止の言葉は聞いてくれなかった。
ゲンヤは捻るように体勢を入れ替え、真正面から向き合うようにスバルを押し倒して瑞々しい乳房の先端にむしゃぶりつく。
Gスポットと乳首の3ヶ所同時責めは、さしものスバルにも耐えられない熟練の技巧であった。

「うぁあん・・・・・・っ! ひあっ! あ、あぁっ! だっダメ・・・・・・・・・」

一際深く潜り込んだゲンヤの指が、勢いよく引き抜かれる。直後、スバルは弓なりに仰け反りながら四肢を痙攣させ、壊れた水道の蛇口のように潮を迸らせた。

「だあ、だめぇ・・・あああああッ!? うあああああぁぁぁぁっ!!」

降り注ぐシャワーの音を引き裂き、スバルの嬌声がバスルームに木霊する。その淫らな姿を余すことなく堪能したゲンヤは、
ぐったりと手足を投げ出して脱力しているスバルをゆっくりと抱き起こし、無造作に唇を奪った。

「うぅぅんんん・・・んんんぅ・・・・・」

霞む頭でキスをされているのだと気づき、反射的に舌を伸ばしてゲンヤと唾液を交換する。絶頂に達したにも関わらず、体は満足していなかった。
ゲンヤはまだ果てておらず、肉棒は萎えることなく天を差したまま自分の中に入れる瞬間を待ち侘びているのだ。あれを受け入れるまでは、
気を失ってやるわけにはいかない。

「父さん・・・・ベッド、連れて行って・・・・・・・」

「しょうがないな」

甘えるようなスバルの願いを聞き届け、ゲンヤは童話に出てくるお姫様のようにスバルを抱きかかえる。年を食ったとはいえ、
少女1人を抱きかかえるくらいの力はまだ残っている。

「ふぁぁ・・・・」

バスルームからベッドまでの僅かな距離ではあったが、重力に逆らう浮遊感は何となく絶頂に似ている気がしてスバルは悦のこもった声を漏らしてしまった。
絶叫マシンの恐怖とエクスタシーは似ていると言われているが、こういうことなのかもしれない。
701ある親娘の幸福E:2008/09/21(日) 03:06:06 ID:n5f/GWo9
「どうする? 今日はされる方か、それともする方か?」

「・・・・・する」

ベッドの上に降ろされたスバルは、びしょ濡れのゲンヤをベッドに横たわらせ、ゆらゆらと揺れる肉棒へと手を伸ばした。
先端からはお湯とは違う粘着いた液体が漏れ出ていて、ねちゃりとした感覚が指先を伝う。意味もなくそれを嬉しく思いながら、
スバルは脈打つ肉棒をゆっくりと咥え込み、口の中で舌をなすりつけるようにくねらせる。

「うぅ・・・んぬ・・・んんんう・・・くちゅぅぅ・・・ちゅぁぁ・・・・・」

とても18歳とは思えない艶めかしい口の動きと、どこか不安げに見つめてくる目が何とも言えず、ゲンヤは低く声を唸らせながら僅かに腰を浮かせてしまう。
だが、寸でのところで射精するのを堪え、裏筋を這う舌と太ももにぶつかる柔らかな感触を楽しみながらスバルの痴態に心を躍らせる。

「ねぇ、気持ち良い?」

「ああ、凄く良いぞ」

「良かったぁ・・・・・」

蕩けるように語尾が延ばされ、スバルは口に収まり切らない大きな肉棒をバキュームするように音を立てながら深々と咥え込み、
自身の口の中を犯していく。そして、ゲンヤの限界が少しずつ近づいていることを確認すると、気だるげに腰を浮かせてその上に跨り、
だらしのない笑みを浮かべながら肉棒の先端を秘唇へとあてがった。

「あぁああんっ!!」

一気に腰が落とされ、一番深いところまで肉棒が深々と突き刺さる。ほんの少しだけ子宮口をノックされただけだというのに、
スバルはそれだけで軽い絶頂に達してしまった。同時に、収縮する膣の蠢きに耐えられなかったゲンヤの肉棒が膨れ上がり、焼けつく様な熱い迸りを膣の中で満たした。

「あは・・・・射精ちゃったね」

どこまでも淫らで妖艶な微笑みを零し、スバルは射精し続ける肉棒の感触を楽しみながら腰を左右に振る。
すると、スバルの愛液で濡れたゲンヤの陰毛と股間が擦れ、ざらついた感覚が膣を更に強く締め上げた。

「ぐうっ・・・・」

「あふぅ・・・・・・あぁ・・・気持ちいい・・・・・・・」

うっとりするような呟きが漏れ、ゆっくりだった腰の動きが少しずつ激しくなっていく。最初は肉棒の形を確かめる様に左右に。
それから先端と根元の感触を味わうために上下に。そして、出し入れの度に膣内を隈なく擦ってもらえるよう、円を描くように腰の動きを変化させていく。

「ふぁっ、ああああああぁぁぁっ・・・・・・」

「あ、はあっ・・・・・ああ・・・・・・っ!!」

肉がぶつかり合う音と、2人の男女の嬌声が混ざり合って悦楽の三重奏を奏でる。淫らな合唱がもたらす奇妙な一体感はスバルの劣情を一気に燃え上がらせ、
堪らず姿勢を傅かせて乳房をゲンヤの胸に押し当て、震える唇を自身のもので塞ぐ。

「うぅ・・・ああうあ・・・ううぅん・・んん・・・・・」

「んぐぅ・・・うんん・・・ぐうぅぅっ!!」

唾液が零れ、汗がシーツを汚す。自分と彼が混じり合ったかのような心地よさと、押し上げてくる快感が脳を焼き、瞼の裏に火花が散る。
結合部からは愛液に混じって先ほど射精された精液が隙間から漏れ出ており、虚空の観客に見せつけるような淫らな腰遣いも相まって
何とも言えない官能的な雰囲気が醸し出されていた。
702ある親娘の幸福F:2008/09/21(日) 03:06:44 ID:n5f/GWo9
「あ、こ、ここっ・・・当たる・・・当たっているっ!」

「ぐぅぅっ・・・・スバル、もう、もう・・・・・・」

若さを活かした激しいグラインドに、ゲンヤは早くも限界を感じて切羽詰った声をあげた。

「あぁっ・・・と、父さん・・・・射精すの? さ、先が・・・膨らんでいるよ・・・・・・」

酔いしれるかのように呟いたスバルは、ゲンヤの手を取って固く握りしめる。そして、ゲンヤの精を根こそぎ絞り尽くすかのように肉棒を締め上げ、
尿道を駆け上がってくる雄の欲望を歓喜の声を上げて迎え入れた。

「ああっ、射精てる・・・・父さんのしぇいえき射精てるのぉっ・・・・だめえぇ! イク、あたしもいく・・・・いく・・・イクうぅぅぅっ!!!」

「うおおぉぉっ、スバルぅ!!」

「んっ、んひいいぃぃっ! あ、あちゅい・・・・お腹焼けてる・・・・あちゅくて焼けるりゅぅぅぅぅっ!!!」

跳ねる様に膨れ上がった肉棒から迸った精液が子宮を満たし、溢れ返った分が膣道を逆流して隙間から漏れ出てくる。
だが、絶頂へと突き上げられたスバルはそれを気にすることなく、寧ろ未だ萎えずに自分の中でぴくぴくと震えている愛しい人の存在に頬を緩ませながら、
とろけ切った雌の声のままゲンヤの耳元で囁いた。

「しゅきぃ・・・・・もっと、もっとしてぇ・・・・してぇ・・・・とうさん・・・・とうさん、すき・・・・・・」

身悶えるスバルの唇を、ゲンヤは無言で奪って体位を入れ替える。今度は、スバルが下になる正常位の体勢だ。
すると、スバルは半ば無意識のままゲンヤの背中に腕を回し、彼の存在を強く感じ取る。
三度欲望が放たれたのは、それから間もなくのことであった。





それから何度も獣のように交わった後、スバルは疲れ果てて意識を失った。それからどれくらい眠っていたのかはわからないが、
気がついた時にはゲンヤの腕を枕にしていた。

「とう・・・・さん・・・・・・」

瞼を擦りながら見上げると、ゲンヤはいびきをかきながらだらしのない寝顔を晒していた。陸士隊の隊長としての真面目な顔でもなく、
自分と一緒にいる時の男としての顔でもない。今まで、飽きるくらい見続けてきた父親としてのゲンヤ・ナカジマの姿だ。

「父さん」

こんな風に無防備な彼を見ていると、時々罪悪感で胸が苦しくなる。娘である自分が、死んだ母から父を奪ってしまったことを。
いけないことなのだということはわかっている。
母親への申し訳ない気持ちだってある。
だが、それでもスバルはゲンヤへの気持ちを抑えることはできなかった。

「ごめんなさい・・・・・母さんから大事な人、あたしが奪っちゃった・・・・・・」

目じりに涙を浮かべながら、ゲンヤの手にそっと自分の手を重ねる。大きくて温かなその感触は、ずっと自分を抱き締めてくれた父の温もりだった。
703ある親娘の幸福G:2008/09/21(日) 03:07:34 ID:n5f/GWo9
「あたしは・・・・この人が好きなんです。だから、ずっと好きでいさせてください。ごめんなさい・・・・幸せになって・・・・・ごめん、なさい・・・・・・」

「・・・・・馬鹿野郎」

不意に野太い声がスバルの懺悔を遮り、胡乱気に瞼が開いてゲンヤのまっすぐな視線がスバルの泣き顔を捉える。

「幸せになっちゃいけねぇ奴なんていねぇ。あいつに謝らなきゃいけないのは俺の方だ。だから、お前が泣いて謝るなんざ、筋違いだ」

「けど、あたし・・・・・・・」

「うだうだ言うな。俺が今向き合っているのはお前だ、スバル。だから胸張って幸せになれ。いや、俺が絶対してみせる」

きっぱりと言い切り、ゲンヤは空いている手をスバルの頬へと添えた。

「ずっと俺と一緒にいろ、スバル」

「父さん・・・・・・・」

涙が止まらなかった。
懺悔ではなく歓喜の涙。
自分は愛する人と幸せになっても良いのだという、喜びの涙だ。

(母さん、あたし、この人が好きです。大好きなんです。だからごめんなさい。あたしは、この人と幸せになります)

愛する人の腕の中で、スバルは静かに泣いた。
ただ静かに、泣き続けた。

                                おわり
704B・A:2008/09/21(日) 03:09:49 ID:n5f/GWo9
以上です。
突発的に思いついたゲンスバネタ。前回は6分の1だったスバルを今回は1人に絞ってみました。
そして気づいた。スバルは良い女だ(何を今更)。
705名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 03:26:27 ID:BP99R2L2
一番槍GJ!!!  背徳に彩られた親子の契りGJ!!!
706名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 06:40:13 ID:EVTwzZFo
>>704
GJ! アレですな、スバルは小悪魔タイプですな。
好物のアイスクリームをやらしい小道具に利用しおってからに実にけしからん!
707名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 08:10:21 ID:DuOHOcx3
せつねぇ……せつねぇよ……。
でもすっごくGJ!
708名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 14:51:18 ID:w+byeNz7
ハラオウン家と八神家の爛れたってあったっけ?
ハラオウン家が高町家に襲撃されたのは見覚えがあるんだがさ
709名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 15:00:30 ID:Rtk7NFfc
>>708
爛れシリーズに八神家は参戦してなかった気がするがあまり自信はない
71069スレ264:2008/09/21(日) 15:08:32 ID:DMxM8X1q
業務連絡です。
83スレの保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。
711名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 15:21:34 ID:Rtk7NFfc
>>710
つ旦~
71266スレ736:2008/09/21(日) 15:53:54 ID:kUzxQJ8d
>>710
保管お疲れ様です

『たとえばこんなモフモフ日和』で、

>「……それで、なんで僕まで?」
>
>「ごめんねユーノくん……」

ここの間が一行開いてるのを詰めてもらえると嬉しいんですが、
修正お願いしていいでしょうか?
お手数かけてすいません〜
713562:2008/09/21(日) 19:05:25 ID:L9av0bo0
スレも終わりかけだし、短い話を投下します。
リリふぇの11話が後少しの状態だったのに、変な想像を起こして……

 注意事項
・主役は鬼畜なエロノ提督。カリム、フェイト、はやてと不倫ドリーの関係
・下ネタの壊れギャグ
・エロネタだけどエロシーンは無い
・クロノが尻好きでフェイトさんがM奴隷だって意見は自分も同感であります

タイトルは『クロノ提督の使い魔』です。
714クロノ提督の使い魔:2008/09/21(日) 19:06:25 ID:L9av0bo0
今日は久しぶりの休日だった。そんな訳で、たまにはエイミィと子供達を何処か遊びに連れて行こうかと
考えてると……

「ねえ、お父さんは“使い魔”いないの?」

息子のカレルが、そんな事を聞いてきた。まあ、聞いてきた理由は検討がつく。
腕の中には子犬フォームのアルフがいる。要は新しいペットが欲しいといった感覚なのだろう。
だが、使い魔はペットじゃない。まあ、アルフを見ていると普通に犬だし、本人もザフィーラと違って
犬扱いに疑問を感じない奴だから、勘違いも仕方が無いのかもしれないが、違うものは違う。今のうちに
間違いは正しておきたい。さて、どう言ったものかと、悩んでいると……

「でも、悪くないんじゃない? クロノ君が使い魔を持つのって」

そんな事を言いながら現れたのは、妻のエイミィ。コーヒーを入れてきてくれたのだ。礼を言いながら
受け取り、淹れたてのコーヒーの香りを嗅ぐ。それにしても、未だに『クロノ君』呼ばわりは
どうかと思う。まあ、別に構わないが……

「うん。良いんじゃないか? 言われて見れば最近は、魔力は使わないしね」

すると、そう言って、アルフまで同意するので、少し考えてみた。
使い魔の長所は、最初に作った目的によって様々だが、短所は魔力消費の大きい事だ。
使い魔が優秀になればなるほど、消費は大きい。
ちなみにアルフは優秀な使い魔だが、現状で消費に見合った役に立ってるかと聞かれれば、はっきり
言ってNOだ。彼女の能力は高い。戦闘能力はAランクだ。
だが、やってる事は子供の面倒を見ることと家事手伝い。世の中を舐めてるのかと問いたくなる。
Aランク相当の使い魔に家事をやらせているハラオウン家は異常である。
しかしだ。彼女を現場に連れて行けば役に立つかと聞かれたら、これもNOになる。

ここが問題なのだ。能力の高い使い魔は、存在するだけで主の足を引っ張ってしまう。

たしかに、PT事件で、僕たちが手こずった原因の一端に、彼女の存在がある。彼女のジャミング能力は
逃亡には非常に有益で、追いかける側は面倒この上ない。だが、今のフェイトは追われる立場ではなく
追う立場。アルフの能力は、あまり役に立たない。
それに、フェイトが未熟だった頃はフォローも出来た。
715クロノ提督の使い魔:2008/09/21(日) 19:07:53 ID:L9av0bo0
だが、現在では言い方は悪いが、アルフの能力程度でフォローできるなら、フェイトは1人でやれる。
むしろ、アルフがいれば、フェイトがアルフのフォローをしなければならなかった。
おまけに、アルフが戦闘すれば、それだけ魔力消費が増え、フェイトの能力に制限が出来る。
分かりやすく言えば、限りがある魔力を、扱いが下手なアルフが使うより、有効に使えるフェイトが
独占した方が、有益だった。
だからこそ、アルフは前線から下がったのだ。生きている限り一緒にいるという契約で成り立った主従は
役に立たなくなったからと言って、切ることが出来ない。
もっとも、フェイトがアルフを見捨てるはずが無いから、契約自体は関係ないんだが……

「でも、おばあちゃんも使い魔いないよ」

今度はリエラが、そう言ってくる。
まあ、母さんの場合は、魔力は大きいし、戦闘向きでは無いから、それこそ使い魔がいればと思えるが、
母さんには緊急事態用のディストーションフィールドを張る役目がある。
もし、使い魔がいれば、緊急事態の時には、使い魔のダメージで魔力が足りなくなっているなんて、
馬鹿げた話しになりかねない。そのためにも、魔力を温存する必要があった。
その点、僕は…………あれ?

「クロノ?」
「「おとーさん?」」

…………待てよ? 一応、今でも緊急事態には僕が出ることもあるだろうと、訓練は続けている。
しかしだ。今の僕は一隻の艦長ではなく、艦隊の司令官。アースラ1隻の艦長だった頃と違い、部隊の
能力保有制限は大幅に緩和。それなりの戦力を集めている。よって配下の戦闘要員はフェイトを含めて、
僕より強いのがゴロゴロと……あれ?

「緊急事態って、彼女等に手に負えない状況で僕が出て何になる?」

ちょっとだけ考えてみた。
敵はフェイト達でさえ敵わない強力な魔導師。その巨大な敵を相手に傷付いたフェイト達を救うため
颯爽と僕が登場。
716クロノ提督の使い魔:2008/09/21(日) 19:09:03 ID:L9av0bo0
『フェイト! 大丈夫か!?』
『ク、クロノ! き、気を付けて! コイツ強い!』
『分かってる。後は任せてくれ……さあ、今度は僕が相手だ!』
『邪魔なの』

ジュ!……
ダメだ。一瞬でやられてしまった。
どうする? 何とか隙を……無理だ。そんなので何とかなるなら、僕以外のメンバーが何とかしている。
じゃあ、何故、僕は魔力を温存してるんだ?……え〜と……

「おとーさ〜ん!」
「ダメだわ。完全に自分の世界に入ってる……取り合えず、皆で遊園地にでも行こうか?」
「「「は〜い♪」」」


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


昨日は、せっかくの休日だったのに、気付いたら家には誰もいないという情け無い状態になっていた。
僕は不要な人間なのだろうか? 家族の語らいは? 夫婦のスキンシップは何処に行った?
夜は夜で、両脇にカレルとリエラを配置しているし……普通は子供が真ん中だろ? たしかに僕は滅多に
帰らないし、子供が双子だから、そんな配置になるのも自然なのかもしれないが……
そんな訳で今日は聖王教会にお邪魔している。何で妻に相手に去れなかったら、ここに来るんだと
聞かれれば……まあ、察してほしい。
取り合えず、昨日から考えぬいた結論。僕は使い魔を持ったほうが良いという事だ。
だが、そうすると次の問題が出てくる。

「どんな使い魔が良いと思いますか?」

そう。今の僕の魔力は、はっきり言って宝の持ち腐れ。ならば有効利用したいところだが、どう使えば
最も良いのだろうか?
理想は、認めたくは無いがリーゼ姉妹。あんな強力な使い魔を使役できれば助かるだろう。
しかし、僕の魔力では、あんな化け物を維持するのは不可能。どう頑張ってもアルフクラス。正直、それも
難しいが……
717クロノ提督の使い魔:2008/09/21(日) 19:10:10 ID:L9av0bo0
「つ、使い魔ですか?」

僕の質問が唐突過ぎたのか、騎士カリムは頬を染めながら首を傾げる。
ん? 頬を染めて?……

「わ、わん……」
「……カリム?」
「しょ、少々お待ちを」

何故だか、騎士カリムは犬の鳴き真似をしたかと思うと、そそくさと部屋を立ち去った。
しばらく待つと戻ってきたが、その頭の上には犬耳が……

「わ、わん」

どうやら、騎士カリムは今夜のプレイの事だと勘違いしているようだが……

「可愛いですよ。カリム」
「く〜ん♪」

僕は間違いを正すつもりは無かった。カリムを抱き寄せ、頭を撫でてやる。今夜はこのまま楽しもう。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


ダメだ。昨夜は、つい目的を見失ってしまった。
だが、冷静に考えてみれば、カリムに相談するのも間違っている。
彼女は騎士と言っても、戦闘が得意なわけではない。
かと言って、指揮官かと聞かれたら、それも少し違う。
さらに上の政治的な思考の持ち主で、武官と言うより文官だった。
要は、使い魔を、どう使うかを考えるような人物ではないということだ。

「それで、君ならどう思う?」
718クロノ提督の使い魔:2008/09/21(日) 19:11:14 ID:L9av0bo0
そもそも、悩みの内容は、使い魔の性能だ。リーゼ姉妹のような戦闘力を期待できない以上は、
目的を絞ったほうがいい。
つまり、戦闘でも、どういった能力にするのか。あるいは、戦闘ではなく、提督任務の補佐でも良い。
使い魔に書類仕事の手伝いをさせる奴だっている。
だから、僕の仕事に詳しい人物。配下の執務官であり、義妹であるフェイトに訪ねた。

「え? つ、使い魔?」
「ああ、僕も持とうかと思ってな」

そう、戦闘だったら、どんなタイプになるにしろ、フェイトと行動を共にするだろう。だったらフェイトに
直接聞いた方が良い。それに戦闘で不要と思うなら事務でも、より良い使い方を考えてくれるだろう。
それに、彼女にはアルフという使い魔がいる。相談相手にはうってつけだ。

「え、え〜と……にゃ〜ん♪」

……君もか?

「ごろごろ〜」

そう言いながら身体を摺り寄せてくる。
まあ、妹に甘えられるのは、兄として望むところだ。
だがな、フェイト……兄は不満だ。昨夜のカリムは犬耳装備だったぞ? 君はエロさにおいて最強だと
思っていたのは、僕の過大評価だったのか?

「にゃ?」

しばらく甘えるように身体を摺り寄せていたが、急に立ち上がると、部屋を去っていった。
どうしたのかと思っていたら、しばらくすると戻ってきた。

「うん。さすがフェイトだ」
「にゃ〜ん♪」

ちゃんと猫耳を装備してきた。僕は満足して抱きしめると、違和感に気付いた。
719クロノ提督の使い魔:2008/09/21(日) 19:12:23 ID:L9av0bo0
「……尻尾?」

尻尾がスカートの裾から覗いていた。
もちろんカリムには無かったものだ。だから、昨夜は新しい尻尾を生やしてやると言いながら、後ろの
穴を楽しんだんだが……スカートを捲って中を確認してみると……

……妹は下着を穿いてなかった。オマケにこれから入れようとしてた所には先客が。尻尾が刺さってる。

さすがはフェイト。僕の予想を超えてくるとは……

「にゃう?」

フェイトが首を傾げる。いかん。妹に負けては兄として情け無い。
まあ、取り合えず、尻尾型バイブの電源を入れるか……


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


……また聞くタイミングを逃してしまった。
まあ、尻尾は良いものだということが分かっただけでも良しとしよう。あの壁越しの振動が……
いや、それは置いておいてだ。

「僕は使い魔を欲している。君の意見を聞きたい」
「え? つ、使い魔?」

そんな訳で、今日は指揮官の意見を聞きたいと思って、はやての所へ来た。

「わ、わん」
「それは一昨日やった」
「にゃあ?」
「それも昨日通過した」
「じゃあ、どうしろってゆうん!?」
「いや、そう言われてもな……そもそも君に犬や猫は似合わんだろ?」
「まあ、私はタヌキや言われてるし……」
720クロノ提督の使い魔:2008/09/21(日) 19:13:56 ID:L9av0bo0
あれ? 何だか、また話がずれてるような気がするのだが……

「……なあ? タヌキの鳴き声って知っとる?」
「き、聞いたことがないな」
「そやな。取り合えず……た、たぬー」
「天婦羅が好きそうな鳴き声だが、それは無いだろ?」
「やっぱり?」

そして、僕達はタヌキの鳴き声を考える。そもそも、タヌキのイメージを言えば……

「ポンポン?」

どうも、タヌキと言えば、4足歩行の動物より、太った置物のイメージが優先する。
どうだろうと、はやてを見ると、何故か顔を真っ赤にしていた。

「はやて?」
「えっと……赤ちゃん欲しいん?」

……また、随分と飛躍した想像だな。まあ、たしかに、はやてはスマートだし、その細いウエストでは、
腹を叩いてもポンポンにはならないだろうが……だからって、妊娠はないだろ?

「で、でも、今日は無理やと思うな……」

そう言いながら、指を折って何かを計算している。予定日がどうとかブツブツ呟いて……

「……なんやったら、来週の終わり頃で?」

……つまり、今日は安全日ということだな? 中で出してOK? そうで良いんだな?


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

721クロノ提督の使い魔:2008/09/21(日) 19:15:00 ID:L9av0bo0
……さて、またしても目的を達成できなかった訳だが、どうしたものか?
今日は真面目にユーノのところにでも行こうかと考えてると、なのはが歩いてるところに出くわした。
彼女が使い魔を持つのは想像できないが、まあ、参考までに彼女に聞いてみるのも良いだろう。

「なのは、少し聞きたいんだが」
「ん? クロノくん、どうしたの?」
「ああ、使い魔を持とうと考えてるんだが……」

話してる最中、彼女の表情が変わる。こう、人殺しのような目で、僕を見てきた。

「クロノくん、前世じゃ、良い子だったのに……」
「前世って……」

……それを言うなら君の方こそ、凄い変貌だぞ。
何で、そんなに暴力的な子になったんだ? ケンカが嫌いな、なのちゃんは何処に行った?

「まさか、わたしまでペット扱いしようだなんて……少し、反省した方が良いよね?」
「え? ペット扱いって何のことだ? 僕は使い魔が欲しいと言っただけなんだが?……」
「まだ言うんだ?」

そう言いながらレイジングハートを向けてくる。
な、何でこんな事になってるんだ? 僕は使い魔を欲しいと思っただけなのに……

「頭、冷やそうか?」

閃光に包み込まれ、薄れ行く意識の中、僕の脳裏には何故か“自業自得”または“日頃の行い”という
言葉が浮かんでいた。




終わり

722562:2008/09/21(日) 19:16:07 ID:L9av0bo0
投下終了です。
最初はクロノは使い魔がいた方が良いんじゃないかって、真面目に考えただけなのに、
気付いたら、こうなっていた。
723名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 19:46:01 ID:BP99R2L2
おい提督www これはなんというエロノwww

実に乙でした、GJです。
724名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 19:58:56 ID:WFwCnyqg
>>722
GJ!なのはをペットにするなら、うさぎにしたいな
725名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 20:04:06 ID:BqeqD6tC
>724
黒うさぎならぬ白うさぎってか
726名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 20:07:50 ID:foexKDwj
>>725
だれうま
727名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 20:10:05 ID:w+byeNz7
前世が出るということはなのはも篭絡寸前なんですね?

>>724
因幡的にいえばワニを倒してしまいそうな兎だな。つか飛べるから話が始まらないか
728名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 21:05:16 ID:eVlfv3Dm
いたずら黒ウサギじゃないのか?中の人的な意味で

>>722
GJ!ひさしぶりに節操の無いクロノを見た気がする。
クロノの使い魔ってまじめに考えても想像がつかないな…
鳥とか?鷹みたいな猛禽類で
729名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 21:09:21 ID:u8dI46JO
Hで「使い魔プレイ」を過去にもしていたって事ですね
730亜流:2008/09/21(日) 22:03:05 ID:9rKmyR+m
>>710
保管乙です
早速ですが以下修正お願いします。

・行詰め

第2話
>将来の娘(?)の口調を真似してみて、妙に顔がニヤついている自分に気がつく。
>
>ボクは慌てて自分の頬を叩いて顔を修正すると、なのはとアルフに追いつくべく小走りになった。

>ボクは一呼吸置いて、言葉を続けた。
>
>
>「なのははヴィヴィオの正式な母親になったわけだよね?」

第3話
>腕をぐるぐる回してみたりしてみたけど、特に痛みを感じることはなかった。
>
>「はい。もう大丈夫みたいです」

>そこまで言い終わって、シャマル先生はハッと口を手で押さえる仕草をする。
>
>「アルト、今のオフレコでお願いね。手の施しようがない、なんて医者がいうセリフじゃないもの」

>「あ、あたしがですか?!」
>
>「大丈夫、見てるだけでいいわ。1時間もかからないと思うし、今度何かおごるからお願い!」

>これでしばらくは大丈夫だろう。
>
>しかし、こんなにボロボロになってもなんでまだ働こうとしているんだろう。 ←『。』を『?』に変更お願いします。



※ 第2話:空白二行を一行に変更してください
>「なのは。仮に相手となる人がボクだったとしても……やっぱりダメだったりする?」
>
>
>言ってしまった。
731ザ・シガー:2008/09/21(日) 22:10:02 ID:BP99R2L2
はい、ちょっと短編のギャグ投下します〜

ナンバーズ、ってかチンクメインの非エロのギャグで。
732チンクの夢、それは厚い靴底の下:2008/09/21(日) 22:12:43 ID:BP99R2L2
チンクの夢、それは厚い靴底の下

スカリエッティとナンバーズが日々を過ごす地下基地。広大な敷地面積を有するそこには施設内に様々な部屋がある。
ガジェットの自動生産ラインから戦闘訓練室や倉庫などなど、数え上げたらキリがない。
そして、その中にはナンバーズ一人ひとりに宛がわれた個室などもある。
11人(ドゥーエ除く)の部屋は個人の自由で丁度や内装を弄られており、それぞれに個性的な部屋になっている。
そこでは一人一人が自分の趣味や嗜好に合わせたライフスタイルを送っている……この5番めの姉もまたそうであるように。


「ふふ……ようやく来た……待ち侘びていたぞ……これで姉も……ムフフ♪」


チンクは薄暗い部屋で一人、今しがた郵便で届いた荷物を眺めていた。どうやら何か通販で買い物したらしい。
しかし彼女の表情は心からうれしそうにニンマリと笑っている、一体何がそんなに面白いのやら? とにかく彼女の心を満たすようなモノらしいのは確かだ。

これはと五番目の姉のオバカで可愛らしいとある騒動の記録である。





翌日の朝、スカリエッティの施設内をノーヴェ・ウェンディ・セインの三人が歩いていると後ろから声をかけられた。
振り向けばそこにはちっちゃな五番目の姉が立っていた……僅かな違和感と共に。


「ノーヴェおはよう!」
「ああ、おはようチンク……姉?」
「ん? どうした?」
「いや……チンク姉なんか……その背が……」
「ふふん♪ 分かるか? 実は少し大きくなったみたいでな」


チンクはその小さな胸をドンと叩き自慢げに笑う。
確かに彼女の背丈はいつもよりも僅かに高くなっていた、これが事実ならば驚くべき事である。
しかし妹三人が注目したのはチンクの背丈の事よりも彼女が履いている靴だった。

それはぶっちゃけて言うなら……それは思いっきり底が厚かった、そりゃもう摩天楼の如く。

これこそ、いわゆる一つのシークレットブーツである。
気付くなというのが無理な話だが、どうやらチンク本人は隠しているつもりらしい。
無論、妹三人はこの空気を察してなんとか調子を合わせた。


「そ、そうなんだ、凄いねチンク姉(ここで言ったらチンク姉が傷つくなぁ……なんとか合わせておこう)」
「す、凄いっすねぇ、流石チンク姉っす(うわぁ、これでばれてないと思ってるって……こいつぁ相当な天然っすねぇ)」
「チンク姉いつも牛乳飲んでたもんねぇ(チンク姉テラアホスwwww)」


三人はそれぞれ笑顔で姉の話に合わせて返事をする。
ノーヴェなどかなり引きつった顔になっていたが、チンクはよっぽど嬉しいのかまるで気付いていない。
完全に自分の嘘がばれていないと思い込んでいる。


「ふふ、そうかそうか♪ よし! では早速他のみんなにも教えてこよう!」
733チンクの夢、それは厚い靴底の下:2008/09/21(日) 22:15:44 ID:BP99R2L2
「ちょ! チンク姉!?」


ノーヴェが止めようとしたが、チンクは彼女の声など聞かず瞬く間に駆けていった。
よほどこの事を姉妹に自慢したいのだろう、バレバレだとも気付かずに。





「やあトーレ、クアットロおはよう」
「ああ、おは……よう(ちょ……なんだこの靴……底厚っ)」
「あらあらチンクちゃ〜ん、なんだか今日は見違えたわねぇ♪(ぶっ! なにこの子! ばれてないと思ってるし、マジバカ過ぎっしょwww)」
「ふふ……分かるか? 実は驚くべき事に身長が伸びたのだ」


自慢げに笑うチンクだが、トーレは哀れんだような複雑な表情を、クアットロはどす黒いものを隠して慈母のような笑みを浮かべる。
先ほどと同じく二人に自分の背が伸びたと告げるチンクだが、コレを見かねたトーレはとりあえず真実を告げようとした。


「なあチンク……お前その靴、ムグッ!」
「凄いわねぇ〜チンクちゃん、お姉ちゃん見直したわ〜♪」


突っ込みを入れようとしたトーレの口をクアットロは即座に塞いだ。
いきなり口を塞いだクアットロにトーレは訝しげな視線と共に念話を送る。


『おいクアットロ、何のつもりだ? ここは教えてやるべきだろ、姉として』
『あらあらトーレ姉さま〜、こんな面白そうな事に口を挟むなんてあんまりじゃないですか〜。ここは黙って見ていましょ♪』


こうして3番と4番の姉からも見事にシークレットブーツの秘密(まったく秘密になっていないが)はスルーされた。





「ああウーノ、ドクターおはよう!」
「ええチンク、おは……よう?(ちょ……これは……)」
「ああおはようチンク(む? この靴は……)」
「ふふ、実は私は最近身長が伸びたようなんですドクター」
「え? 何を言ってるんだいチンク、君の靴、ブベラッ!」


スカリエッティがチンクの靴を指摘しようとした瞬間、ウーノの腕が眼に見えぬ程の速度で動き彼の顔面を捉えた。
手首を用いた当身技、世に虎拳と呼ばれる技である。
ベルカ無双コガン流中目録術許しのウーノの虎拳、無刀であろうと凶器となる拳が凄まじい破壊力でスカリエッティの口を塞いだ。


「すいませんドクター、手がすべりましたわ♪ でも、それは凄いわねチンク。おめでとう『ダメですドクター! そんな事言ったらチンクが泣いちゃうじゃないですか!』」
「あ……ああ、凄いなチンク『わ、分かったよ……だから痛いのはやめて』」


スカリエッティに向かって菩薩の笑みと阿修羅の気迫を浴びせたウーノは念話越しにしっかりと言い聞かせる。彼はそのあまりに凄まじい気迫に額に汗をたらして頷くしかなかった。
そしてこの反応にチンクはとうとう本格的に自分の靴の事がばれていないと判断してしまった。
734チンクの夢、それは厚い靴底の下:2008/09/21(日) 22:17:01 ID:BP99R2L2
これをなんとはなしに察したウーノはとりあえず緊急姉妹会議を開く事を決意する。


『これはいけないわね……みんなを集めないと……』





「という訳で、ナンバーズ緊急会議を始めます」
「あの、ウーノ姉……一体何が」
「よく聞いてくれたわねディエチ、実はチンクがその……大変底の厚い靴を履いてるんだけど……」


ウーノはディエチの質問に言葉を濁しながら説明しようとする。
そのまんま言ったらチンクに可哀想だと考える優しい姉心、正に長女の鏡であった。
しかしそこにナンバーズのクソメガネことクアットロが口を挟んだ。


「あらぁ、ウーノ姉様〜、普通にシークレット履いてるって言えば良いじゃありません?」
「ちょ! クアットロ! そんな事言ったらチンクが可哀想じゃない」
「だって事実ですしぃ〜」
「ダメよそんな事言ったら! お姉ちゃん怒るわよ!? みんなも良い!? チンクに会ってもそういう事言っちゃダメよ? 分かった?」


ウーノはクアットロにプンスカ怒って注意すると、他の姉妹一同に向き直りしっかりと念を押す。
怒ったお姉ちゃんに逆らう事などできぬ、ナンバーズは長女が絶対の封建社会であり、少数の優しいお姉ちゃんと多数の妹によって構成されるのだ。
妹達はウーノ言葉にただ大人しく頷いた。

だが運命は残酷にもこの優しさを裏切る事となる。





同時刻、施設内部のとある通路。


「おお、チンクか、久しいな」
「これは騎士ゼスト、ええお久しぶりです」


チンクに声をかけたのはスカリエッティと協力関係にある男、ゼスト・グランガイツと彼の同伴者であるルーテシアとアギトだった。
普段あまりスカリエッティと関わりたがらない彼がここに来ている事にチンクは僅かに疑問を感じて首をかしげる。


「今日はどうなさったのですか? ここに来るのは珍しいですね」
「ああ、実はデバイスの整備を頼みにな……ところでチンク……お前……」
「ふふ、気がつきましたか? 実は私最近身長が……」


チンクが自信満々に見栄を張ろうとした刹那、無常にも純真で幼い突っ込みが炸裂した。


「あれ? その靴凄く底が厚いね」


チュド〜ン!

ルーテシアの簡潔にして痛烈な言葉がチンクの心に爆弾投下。
735チンクの夢、それは厚い靴底の下:2008/09/21(日) 22:18:23 ID:BP99R2L2
だが事態はこれに終わらない。


「ゼストはこういう靴知ってる?」
「ん? ああ……これはシークレットブーツという」


チュド〜ン!!

すっかりゼストにもばれてた、見栄を張ろうとしたのが凄まじく恥ずかしい。
だがトドメにアギトからも一言爆弾投下。


「小さいやつが履いてタッパをごまかすんだぜルールー」


チュド〜ン!!!

チンクの心は完全にへし折れた。





「ウーノ……」
「へ!? あ、あらチンク……どうしたの?」


ウーノが姉妹を集めて緊急会議を行っている部屋にフラリと小さな影が現われた。会議で話題のちっちゃな姉ことチンクである。
彼女の存在に気付いたウーノは姉妹一同にさっと目配せして先ほど会議で説明した事を促した。


「じ、実はみんなにもチンクの背が伸びたって話してたのよ。ね? みんな?」
「はいウーノ姉さま」
「凄いねチンク姉」


ディードとディエチがウーノの鋭い眼光に脅されて早速言い含められた事を復唱する。
だが事実を知ったチンクにはあまりに見え透いた慰めだった。


「うるさい!」
「ど、どうしたのチンク?」
「もう知ってるんだ! 皆して私の嘘に気付いてたんだろう!!」


会議終了一分で露呈、あまりに儚い優しい嘘と慰めであった。


「え!? ちょ、なに? もしかして……」
「知ってるとも!」
「お、落ち着きなさいチンク……お姉ちゃんはチンクの事を思って」
「うるさういるさ〜い! もう皆なんか嫌いだ〜!!」


チンクは涙で潤んだ瞳をグイと手で拭うとそのままウワ〜ンと泣きながら走り去っていった。
その後、部屋の隅で体育座りをしてのの字を書き続けていじけるチンクをみんなで必死(一部の除く)慰めたとかそうじゃないとか。

終幕。
736ザ・シガー:2008/09/21(日) 22:21:14 ID:BP99R2L2
はい投下終了です。
なんつうか、俺が一番好きなナンバーズって実はチンク姉なんだ……実は。

いつかチンク姉を凄まじく陵辱するSSを書きたいと思いつつ、今日はつい可愛がってしまいました。
737名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:24:55 ID:ze0Pa0cq
>>736
GJ!
チンク可愛いよチンク。
738名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:26:49 ID:s3AF+Qgs
これはいいGJですな。
739名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:31:00 ID:/V/6RHT2
凄まじくGJです!
個人的にチンク姉大目録萌許しを差し上げたいほどGJ!

無類の4番好きの私としては、ラストシーンでメガ姉は(やっぱり)バレたチンク姉が泣いてるのをニヤニヤしながら眺めたんだろうな〜、と想像が膨らんでしまいます。
740名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:31:58 ID:n5f/GWo9
GJ。
靴が届いた時のチンクの顔が目に浮かぶなぁ。
けど、一番萌えたのは不覚にもウーノだったんだ。すごく優しいお姉ちゃんだ。
741名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:33:05 ID:9FqlfJaV
うんGJだ
けど不粋な質問しても良いだろうか
ウーノとドクターって念話使えたっけ?
742名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:38:45 ID:PWCTE+dw
腕を組みながら自慢げにしてるチンクがありありと浮かびます。
チンク可愛いよチンク
743亜流:2008/09/21(日) 22:40:44 ID:9rKmyR+m
>>ザ・シガー氏
GJ! チンク姉憐れ・・・




では、改めて生存報告という名のいい訳をgdgdとさせてください
このスレを使い切る前に最終確認して投下……しようと思ってたら容量が足りなかったorz


・SS書き進めながらの気分転換に、公式HPの立ちキャラを切り抜いて二人のスナップ写真を捏造してました
・第4話を一回書き終わったところで読み直してみたら流れが不自然すぎたので、推敲繰り返して3回くらい書き直しました
・書き込みできないから規制かと思ってしばらく放置してました(専ブラをアップデートしたら直りましたorz)





<以下チラシ裏>
ソープナンバーズ&ヘルス機動六課用の風俗取材で1ヶ月間に20万くらい使いました・・・某茄子dj
744名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:50:26 ID:3QT6S77H
>>736
GJ!
俺もチンクちゃんが一番好きだが、この話で一番可愛かったのはウーノと言わざるを得ない
イイハナシダ-
745エリオ総受け:2008/09/21(日) 22:51:19 ID:PWCTE+dw
83スレ260です
かなりお久しぶりです

やっとこさ新作のフェイト×エリオが完成したので投下しようかと思ったのですが、
足りなさそうなので次スレを待ちます
746名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:55:47 ID:w+byeNz7
>>745
だったら自分で立てたらどうですか?
74769スレ264:2008/09/21(日) 22:57:19 ID:DMxM8X1q
>>712
>>730
修正しました。

それでは次スレ立ててきますかね。
748名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 22:58:38 ID:PWCTE+dw
>>746
他力本願な発言をして申し訳ありませんでした。
不快な印象を与えたのであれば謝罪します。
74969スレ264:2008/09/21(日) 23:00:40 ID:DMxM8X1q
立ちました。

☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第85話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222005558/
750名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:02:46 ID:n5f/GWo9
投下ラッシュが続くなぁ。

>>743
風俗の中でもソープは一等お高いですからね。
場合によってはソープ嬢と同意の上で【自主規制】までできるから、「風俗の王様」と言われているそうです。
というか、軽く調べたらソープってあくまで風呂屋なんですね。部屋貸して、後は2人の同意で【自主規制】をするという。
ソープ嬢が勤務しているって形態にすると摘発の対象になるようで。
751名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:04:10 ID:w+byeNz7
>>748
謝罪する必要はないですよ?
昔いた板で、この手の催促者にはこういう返しが通常だったのでただの反射です
752名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:05:10 ID:vNMXasvU
このスレの住人はホント博識だなぁw
753名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:06:13 ID:HcbXaCoE
>>749
乙です。

>>743
おおなんと……神妙に拝見させていただきます。
754名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:08:07 ID:PWCTE+dw
>>751
そうなんですか
どちらにせよスレ立てもしたことがない新参なのでこれからは不用意な発言には
気をつけます。
755野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/22(月) 00:27:22 ID:fcdJNWbn
穴埋めバカSS。
タイトル「ザフィはや〜白昼の情事」
二レスのみ
あぼんは鳥かコテで。
エロネタ。
756野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/22(月) 00:27:57 ID:fcdJNWbn
       1


 冷たい視線にくじけそうになりながら、はやては毅然と一同を見渡した。

「せやから、犬の習性はフェイトちゃんもなのはちゃんもよう知ってるやろ? アリサちゃんのところにようけおったやん」
「いたね」
「そ、そやろ、なのはちゃん。そやったら覚えてるやろ? 犬って、変なところに頭入れようとしてくるから困ってたやん」
「うん。お股に頭を入れようとしてくるんだよね。あれらは私もフェイトちゃんも困ったよ。だけど、それが犬の習性って言われると怒れないし」
「そうそう、そういうことなんよ」

 フェイトがぼそりと言う。

「でも、ザフィーラは犬じゃないよね」
「それに、人間体型だったよね」

 なのはは首を振った。
 幼なじみでもある上司のオフィスに入ったら、上司のスカートの中に守護騎士が頭を突っ込んでいたって、どう考えればよいやら。
 ちなみに、その守護騎士は二人分のバインドに固められて部屋の隅に転がっている。
 
「はやて、凄く嬉しそうに声上げてたし」
「そ、それは違う。フェイトちゃんの勘違いや。私は、『冗談やめや、ザフィーラ』って言ってたんよ?」
「ふーん。なのはにはどう聞こえた?」
「私には、『上手やよ、ザフィーラ』って聞こえたけど」
「なのはちゃん、最近働き過ぎや。聴力が落ち取るで」
「レイジングハート、さっきの録音を再生して」
 All right, my master
「録音しとったんかいっーー!!!」
「バルディッシュ、映像記録もあるよね?」
 Yes,sir
「映像までっ!?」
「正直に言おうよ、はやてちゃん。別に、ザフィーラとそういう仲だって事は恥ずかしい事じゃないと思うし」
「そうだよ。オフィスで、ていうのはどうかと思うけど。別におつきあいは悪い事じゃないよ」
「そ、そうなん? なんか、自分の守護騎士相手にしてるって、恥ずかしゅうて……」
「それじゃあ逆にザフィーラさんが可哀想。正々堂々とつきあえばいいじゃない」
「はあ……なのはちゃんの言う通りや。あたしが間違ってた。正々堂々とつきあうべきやな」
「そうそう。みんなわかってくれるよ」
757野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/22(月) 00:28:30 ID:fcdJNWbn
       2

 翌日、はやてのオフィスに顔を出したなのはとフェイトは、たっぷり一分唖然とした後、とりあえず一人と一匹を蹴り飛ばした。

「な、なにすんの、二人とも」
「だから、オフィスではやめろって言ったの」
「してへんよ」
「ザフィーラがはやてちゃんのスカートの中に頭を」
「それは犬の習性やから」
「だからザフィーラは狼だから。それに、他の人にそんなことをしているのは見たことないよ。
 だけど、万が一ヴィヴィオにそんなことをしたら、ヴォルケンリッターに欠員が出るよ」
「そやけど……」
「言い訳は聞かないの」
「狼状態の方が気持ちええねん」

 なのはが動きを止めた。驚くフェイト。

「舌が、ええ感じにざらざらで」
「……ユーノ君といっしょなんだ」
「え?」
「ユーノ君も、フェレットの時の方が舌が気持ちよくて……」
「わかってくれるんか、なのはちゃん」
「うん。わかるよ」
「……実は……私もわかるよ」
「フェイトちゃん?」

 はやてとなのはが顔を見合わせる。

「うん。アルフの舌、気持ちいいんだ」

「獣姦でもレズなのっ!?」
「ほんまもんや、ほんまもんのガチや……」

 何故か二人が引いていって、フェイトは一人取り残されたという。
758野狗 ◆gaqfQ/QUaU :2008/09/22(月) 00:29:03 ID:fcdJNWbn
 以上、お粗末様でした。
759名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 00:38:48 ID:oTgaBxLh
フェイトwwアルフが可哀相すぎるぞw
だめだこの6課何とかしないと・・・w
760名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 00:43:57 ID:QWdv1cdk
フェイトやっぱりそんな役回り回ww
しかししっくりくる不思議!
761名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 07:57:38 ID:NAPgk/+n
>>736
GJでした
ゼストは小さい子のほうが好みだから気にしなくていいぞチンクw

あと>>735の「うるさいうるさ〜い!」が「うるさういるさ〜い!」になってますよ
762653:2008/09/22(月) 09:58:34 ID:dH+H5uIB
>>684
ちょwwwwwwおまwwwwww
あの1行からここまで書くとは。GJす。

でも、どうしてもオチがS寄りになってしまうのが、
やっぱりなのはさんだなぁと思ったw

763名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 15:08:33 ID:5VHgDBc0
クロード君とユーナちゃんのHが見たいw
出来ればできちゃった婚の話しも含めてwww
764名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 15:28:22 ID:jEbW8x4K
できればその後のバインド&砲撃地獄もw

そして、ナカジマ姉妹、ヴォルケン’s、ナンバーズ達のおっぱい天国を
回顧するトウヤ君とか…
765ザ・シガー:2008/09/22(月) 17:14:17 ID:xDZSEX7z
>>741
いや、ドクターやウーノが念話できるかどうかは、その……ご都合主義でおねがいします。

>>761
ああ、そうですね、>>735

「うるさういるさ〜い! もう皆なんか嫌いだ〜!!」
    ↓
「うるさいうるさ〜い! もう皆なんか嫌いだ〜!!」

です、保管の際はこれでおねがいします司書様。 お手数かけてすいません。

そしてGJサンクスです、お陰様で書く気力が湧きました!
766サイヒ:2008/09/22(月) 20:04:27 ID:i0CgFBrp
>>763-764
さすがにオリキャラのエロシーンを事細かに描写する度胸はないんで、
「8years after」で没ったシーン&おまけなど。


「この淫行少将!! 息子にどういう教育してたんだーーーー!!!!」
「待て、落ち着けユーノ! チェーンバインドで首を……ぐぇっ」
「だめだよユーノ君……そういうのは非殺傷設定でやらないとお話聞けなくなるの」

 家の中から聞こえてくる喧騒に青ざめながら、咄嗟にソニックフォームで管理外世界まで逃亡するか否かを算段するクロード。
 しかし半秒迷っている間に、肩をがっちり押さえつけられる。
 振り向けば、トウヤが母親そっくりな笑顔で笑っていた。

「よかったな親友よ。恋人への愛に生き、愛を邪魔する魔王と戦って愛を貫きながら死ぬ。
最高に格好いい舞台が目の前に用意されてるぞ」



スバル……一家の中では温厚な部類に入るため、しばしば成人後の弟の乳成分補給に使われる。
     対価は右ストレート三発。
767名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 21:26:00 ID:yXEMoHhg
遅レスながら、>>324GJ!
絶対、アンタSSX聞いてから書いただろww
768名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 22:41:52 ID:SJiwnz5/
>>766
GJ!!
情景が目に浮かびますw没にするには惜しいですね。
後、関係ないですが、トウヤの乳成分補給の物語は是非見てみたいっす……。
769名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 23:28:47 ID:1bLCHJ7h
>>768
ほらよ、乳成分補給

機動6課ロング・アーチの宿舎

「ねえ、なのはママあれ作って!!」
「うんいいよ。ちょっと待っててね」

ヴィヴィオにせがまれ、そうしてなのはは嬉々として台所へむかった。
@牛乳100ml、水は30ml それをよく混ぜる。
A砂糖をおおさじ1杯入れたなべに火をかけて、狐色になるまで焦がす。
B火を止めたら、水と混ぜた牛乳を少しづつ加えて、中火にかける。
C一煮立ちしたら、鍋に冷水をあて、人肌程度まで冷ます。
D最後にバニラ・エッセンスを加えてできあがり。

「はい、ヴィヴィオ。キャラメルミルクだよ」
「わ〜い!!(ゴクゴク・・・)おいしい。なのはママありがとう!!」
そうしてなのははヴィヴィオの頭を優しくなでた。



所変わって、陸士104部隊のオフィス。

「おう、ヴァイス。あれ作れや!!」
「へいへい・・・じゃすと・もーめんと・ぷりーず(棒読み)」

「あ〜もう!!またタイムアップですって!!つか何であそこでエンストすんのよ!!」
「これで賭けは俺に向いてきたぜアルトもヴァイスも朝までにスッテンテンにしてやるからな♪」
「三佐、女性に向かってセクハラ発言禁止!!」

ゲンヤにケツを追い立てられ、台所へ渋々向かうヴァイス。

@清酒「白鷹」を二号とっくりにいれ、それをとっくりの肩につかるくらいまで水をひたしたヤカンにかける。
A沸騰するかしないかでコンロを止め、「人肌」になったところで取り出す。

「はいよ、熱燗」
「よし!!(ゴクゴク・・・)プッ〜まず!!アルコールがとんじまってるじゃねえか!俺が真の熱燗の手本を見せてやるぜ」
そうしてゲンヤはヴァイスをひきつれ、台所へひきずっていった。


だめだ、とても埋めにはならない・・・
770名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 23:37:33 ID:AjOgFzeG
>>769
突如、ゲンヤがヴァイスでわかめ酒という電波を受信してしまってどうしよう……
771名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 23:53:34 ID:9P1DhP7w
>>769
104じゃなくて108では?
772名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 23:56:36 ID:b2J2gkk0
>>770
一瞬想像してしまった。
ってか、今回のスレはゲンヤ出番多いな。
773名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 23:59:23 ID:1bLCHJ7h
>>771
申し訳ないです・・・

>>770
ゲンヤとアルトのわかめry)ゲフンゲフン。何でもありません。
774名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 00:00:47 ID:QWdv1cdk
え、アルトって生えてるの?
ツルツルかと思ってた
775名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 00:15:37 ID:37mq2Pj4
>770
惜しい、男のは「竿酒」というのだ。
776名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 00:19:26 ID:Z8ZMJ09y
>>769
むしろゲンヤさんがスッテンテンにされかけて、それでも
「さ、最後にこのパンツを賭けて勝負だ!」
と言ったところでギンガ乱入→制裁→退室のコンボが見えた
777名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 01:41:59 ID:IAsEeud9
>>776
そして、寝室へGO→ベッドにダイブ→夜の制裁開始のコンボを俺は見た。
778名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 08:58:26 ID:Sz2rtudL
779名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 09:54:21 ID:aMTwnXsi
どうせ書き込みテストかなんかだろうが
ageんなボケ
780名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 12:33:04 ID:ZhwY+61a
酒ならレティさんだろ、常考・・・
781名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 12:42:58 ID:PgvIS2xh
>>レティさん

レティさんが息子相手にわかめ酒をご馳走すると?
782名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 12:58:31 ID:37mq2Pj4
>781
「息子に飲ませる酒があったら、自分で飲むわよ」

 ズズ……薄暗い寝室に何かを啜る様な音がする。
 事実、それはレティ・ロウラン提督が息子グリフィスの竿酒を、そしてその婚約者であるシャリオ・フィニーノのワカメ酒を堪能している音だ……
783名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 13:59:30 ID:Z8ZMJ09y
レティさんの旦那さんは生きているんじゃないの?
全く情報無いからアレだけど

もしや生前のクラウドさんとの間の子が……
784名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 14:06:05 ID:nKDYKWRl
>>783
どこのFF主人公だw
785名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 14:20:14 ID:pFT4g2UV
ルーテシアの父親がゲンヤとかないかな
ほとんどゼストで鉄板な感じだが
786名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 14:41:25 ID:P7wjdPKA
>ルーテシアの父親がゲンヤ

ルーママと再婚ですね。わかります。

ていうかメガーヌさんだったらスバルは即OKじゃね?
ギンガは複雑な気分になるだろう。
スバルという元気一杯なお姉ちゃんが出来てルーテシアも幸せそうだ。

つうかメガーヌ再婚させたら『大家族・ナカジマ家の一日』が成立w

>>35
チンク!おめーはゼストとラヴラヴになってろ!!
……そう思ってた時期が俺にもありました。
787名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 15:21:26 ID:IAsEeud9
>>786
ゲンヤを巡ってギンガとメガーヌが火花を散らす姿を俺は見た。
788名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 15:40:20 ID:zGzSkyi6
ここ最近のゲンヤさんのもてっぷりは異常。




だが、それがいい。
789名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 21:26:37 ID:mjZejgbg
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
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|_|_| 从.从从  | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
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                   ,.-―っ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
           从  iヽ_)//  ∠    再  開 !!!!
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          、_):::::://(   (ひ
          )::::/∠Λ てノし)'     ,.-―-、   _
______人/ :/´Д`)::   (     _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
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|__|| 从人人从 ..|__L_/      .( ヽ     ::|
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        巛ノi
        ノ ノ                  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ノ')/ノ_ら      ∧_∧       | いきなり出てくんな!!
      、)/:./、      ( ´Д`)      | ビックリしたぞゴラァ!!!
     )/:./.:.(,. ノ)    `';~"`'~,.       \   ________
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_____ 从\、,. ,; .,、∴';. ・  ( _ノ~ヾ、ヽ
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790名無しさん@ピンキー
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           ゝ.、._.ノー-‐'丶゙__)
           Liノ