☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第83話☆

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 20:32:19 ID:JYebJ06P BE:460602353-2BP(0)
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第82話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1219152163/l50

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/   (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 20:35:56 ID:fPDZE1yg
次からは追加でSSX呼称表も
ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/date_SSX.html
4名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 20:47:02 ID:4qEI7GJU
5名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 20:59:48 ID:x4iOSYNP
>>1乙です
6名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 21:07:36 ID:s41yoKYG
>>1
乙!
7名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 21:58:11 ID:wkN/OB4c
>>1乙ー
8名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 23:58:39 ID:R0i65bsK
>>1です
そしてGJ
9B・A:2008/09/01(月) 17:53:53 ID:6pGlRhis
>>1
10B・A:2008/09/01(月) 17:54:47 ID:xzRTdjgD
ひょっとしたらいけるかも


注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し(特に古代ベルカや聖王に関して)
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・SSXの内容は風の噂程度にしか知りません(←もう持っている人に対して)
・前提作品『Ritter von Lutecia』
     『Nach dem eines Speerritters』
11B・ADas Erbe zur Zukunft@:2008/09/01(月) 17:55:30 ID:6pGlRhis
第29話 「Take a shot」



「止めてください、動いたら傷が・・・・・・」

「ええぇっい、放さんか!」

腕に縋り付くユーノを強引に振り払い、シエンは死にかけの体を引きずって空を飛ぶ一人の少女を追いかけていた。
ふらつきながら歩むその姿はまるで幽鬼のようであり、一歩踏み出す度に口の中に苦い鉄の味が逆流してくる。
それでも、シエンは残った生命力の一滴までも絞り出し、大事な娘の後を追いかけていた。

(セリカ・・・・私のセリカ・・・・・すまない・・・・私の、私のせいでそんな姿に・・・・・・・)

長時間の死闘で全身に傷を負い、右腕が不自然に曲がっているにも関わらず戦い続ける聖王ヴィヴィオ。
だが、激痛で霞むシエンの目には、彼女の向こうに暗闇の中でうずくまっているセリカの姿をハッキリと捉えていた。
彼女をあんな姿にしてしまったのは、全て自分の弱さが原因だ。ちゃんと彼女と向き合って、思いをぶつけ合えていればこんなことにはならなかった。
自分は彼女に甘えていたのだ。平和な世界で生きて欲しいと願っていながら、心のどこかでは都合の良い道具として使い潰そうとしていた。
それは自分の罪だ。だから、罰を受けるのは自分だけで良い。もうこれ以上、彼女を苦しませるわけにはいかないのだ。

(セリカ、私の・・・・私の娘・・・・・お前は、お前だけは・・・・・・)

伝えなければならない。
自分の思いを伝え、彼女を解き放たなければならない。
それが、こんな無様な姿を晒してまで生き延びた自分の最後の役目なのだから。

「セリカ・・・・・・セリカアァァァァァッ!!!」

胸の傷が再び開き、おびただしい量の血が零れてシエンは片膝を突く。だが、その言葉は確かに彼女に届いていた。





叫びが聞こえた瞬間、聖王ヴィヴィオの動きが突然止まった。彼女自身も驚愕しているのだろう、鈍っていたとはいえ問題なく動いていた肉体が、
まるで凍りついてしまったかのように動かなくなったのだから。

「・・・・まさ・・・・・『中・・・・将・・・・』・・止めろ、出てくるな!」

引きつった表情の聖王ヴィヴィオの視線に釣られるように、セリカもまた眼下へと視線を向ける。
そこには、全身血だらけで今にも死にそうになっている老人が、有らん限りの声を張り上げている姿があった。

「セリカアァァァァァッ! お前は、自由に生きろぉぉぉっ!」

グラリと傾いた男の肩を駆けつけたユーノが支える。ここからでもわかるくらい男の顔は蒼白であり、誰の目にも彼が長くないことが見て取れる。
だが、それでも男は叫ぶことを止めようとはしなかった。
12Das Erbe zur ZukunftA:2008/09/01(月) 17:56:18 ID:xzRTdjgD
「自分の・・・・・自分のために・・・・・・誰のためでもない、自分が笑顔でいられる・・・・・・胸を張って笑っていられる世界を目指せぇっ!」

悲痛なまでのその叫びは、大気すら震わせて二人のもとへと届いていた。悲壮ともいえる迫力にヴィヴィオは気圧され、思わず数歩後ずさる。

「頼むぅっ! セリカ、お前は・・・・・・お前は生きてくれえぇっ! 生きて、足掻いて、苦しんで・・・・・・そして、笑ってくれ」

語尾は擦れてほとんど聞こえなかった。しかし、彼の死を賭した叫びは、
闇の中で沈澱していたセリカの最後のわだかまりを突き崩し、彼女の意識を表層まで押し上げていく。

「・・・・・『ちゅう・・・じょう・・・・中将! ちゅう・・』・・・こ・・・・こいつ・・・・・出てくるなと・・・・・・・」

聖王ヴィヴィオの内側から、確かに聞こえたセリカの声に、険しかったヴィヴィオの表情に明るみが戻る。

「セリカちゃん!」

「何故だ・・・・意識は完全に乗っ取ったはず、何故出て『中将、私は・・・・・・』自我を放棄してまで得た平和を拒むか・・・・・
『私は、みんなの笑顔が見たいだけだった』・・・・・ならば私に体をよこ・・・・『けど、自分の足下が見えていなかった』・・・・
黙れ、小娘・・・・・・『私は消えたくない。生きて笑っていたい!』・・・・・・・」

肉体の主導権を巡って二人の人格が鬩ぎ合い、聖王ヴィヴィオは苦悶の表情を浮かべる。
聖王ヴィヴィオは、自分の精神と同調しやすい人間の意識を乗っ取るという発言をしていた。ならば、何らかの理由でセリカと聖王の同調にズレが生じたのだろう。
そして、持ち前の知識と経験からこれをチャンスと読んだ一人の男が、ヴィヴィオに向けて念話を飛ばす。

『今だヴィヴィオ、聖王を撃って!』

「パパ!?」

『セリカちゃんが意識を取り戻したから、聖王の精神に揺らぎが出ている! 
聖王の意識を君の砲撃で黙らせることができれば、セリカちゃんが肉体の主導権を取り戻せるはずだ!』

「そうか、手加減抜きの砲撃を撃ち込めば・・・・・・・・」

『ショックで聖王の意識は沈黙する』

「その間に、セリカちゃんが体のコントロールを取り戻して、聖王との同調を完全に遮断できる!」

『できるね、ヴィヴィオ!』

「できるよ。だって、私はママとパパの娘だから」

《その通りです。そして元マスター、相変わらずのわかりやすい説明をありがとうございます》

構えたレイジングハートの先端に虹色の翼が出現し、膨大な魔力の渦が凝縮していく。同時に、ヴィヴィオは自ら封じた禁断の言霊を紡いだ。
13Das Erbe zur ZukunftB:2008/09/01(月) 17:56:59 ID:xzRTdjgD
「ブラスター1、リミットリリース!」

《Blaster set. Barrel shot》

放射された不可視の衝撃波が聖王ヴィヴィオの体に絡みつき、その動きを拘束すると共に砲撃を通すための道を形成する。
同時に、ブラスター1を発動させたことでヴィヴィオのリンカーコアが激しく脈動し、なけなしの魔力が強引に吸い上げられていく。
虚脱感を感じる暇さえなく、体の中身を掃除機で無理やり引きずり出されるような激痛が全身を襲う。喉を切ったのか、口の中は血の味しかしなかった。
限界が近いのは目に見えていた。魔力も体力も底を尽きつつあり、長時間の戦闘でレイジングハートにもかなりのダメージが蓄積している。
だが、肉体ではなく聖王ヴィヴィオの精神を揺さぶる程の一撃を放つためには、どうしてもブラスターモードの力が必要だった。
危険は十分承知しているが、エクシードモードの出力では聖王の鎧を突破することができないのだ。ブラスター1までで抑えたのは最大限の譲歩である。

(ここまでが、私の限界・・・・・・・・)

立て続けにカートリッジをチャンバーへと装填し、圧縮魔力をレイジングハートの魔力回路へと流し込む。
膨れ上がった魔力が全身に圧しかかり、まるで骨が砕け散るかのような激痛にヴィヴィオの美貌が険しく歪んだ。
だが、これだけでも相当な負担であるというのに、ヴィヴィオは空になったマガジンを捨てて残る最後のマガジンを取りつけ、迷うことなく全弾をリロードする。

「そしてこれが、私達の限界!」

都合十発のカートリッジロードとブラスター1の負荷は最早、言葉では形容できない苦痛であった。
余りの負荷に魔法の制御が追いつかず、レイジングハートを取り巻く環状魔法陣は歪で明滅を繰り返す不格好なメビウスの輪と化している。
だが、それだけの無茶をして造り上げたスフィアは、今までのどの砲撃よりも巨大で禍々しい輝きを放っていた。

「エクセリオンバスター、フォースバースト!」

そのデタラメな魔力の塊を、ヴィヴィオは渾身の思いを込めてもう一人の自分へと叩きつける。

「ブレイク・・・シュートっ!!」





暗闇の中で、セリカはひと振りの杖を握り締めていた。それは幾度の戦いを共に潜り抜けてきた物言わぬ戦友。
今も自分のために戦ってくれているお節介焼きの魔導騎士のデバイスと同じ名を持つストレージデバイスだった。

「いくわよ、RH」

その呼びかけに返答はなかった。魔法を登録し、最低限の魔力補助を行うだけの道具であるRHにはそのような機能は付属されていないのだ。
だが、意思を持たぬはずのRHの宝玉は、まるで主の呼びかけに応えるように点滅し、カートリッジをロードする。

《やめろ! 肉体が負っているダメージを知らぬとは言わせぬぞ! 私との同調を切れば、その苦痛は全てお前へと流れ込む。ショック死する可能性も・・・・・・》

「うるさい・・・・・・・うるさいわ、このロートル!」

《なっ・・・》

「さっきから聞いていれば好き放題言ってくれたじゃない。何であんたみたいなのに頼ろうとしたのか、自分でも信じられなくなってきたわ」

《私を受け入れれば、お前の望んだ平和な世界を実現することも可能だ。なのに何故!?》

「けど、そこにいるのは私じゃなくてあんたでしょ。それは何だか無性に腹が立つから、抗うことに決めたのよ」

足下に灰色の魔法陣を展開し、虚空に向けてRHを構える。同時にマガジン内のカートリッジが全てリロードされ、凝縮された魔力がスフィアとなって膨れ上がっていく。
14Das Erbe zur ZukunftC:2008/09/01(月) 17:57:36 ID:xzRTdjgD
「それともう一つ、私に意見できるのは中将かなのはさんかあのバカ娘だけだ。だから、あんたの指図は受けない!」

完成した魔法は奇しくもヴィヴィオと同じ砲撃魔法。セリカが目指した理想の英雄が得意とした、全てを撃ち抜く光の槍。

「エクセリオン・・・・バスタアアァァァァァッ!!」





砲撃の残滓が虚空に消え、ヴィヴィオは魔法陣の上で片膝を突く。
限界を超えた砲撃は、聖王ヴィヴィオの聖王の鎧を突破し、寸分の狂いもなくその体を蹂躙した。
魔力ダメージであるが故に見た目には変化がないが、渾身の思いを込めた一撃は確かに通っている。
だが、聖王ヴィヴィオはまるで何事もなかったかのように平静を保っていた。

「ここまでか」

自嘲するような呟きと共に、聖王ヴィヴィオの体にヒビが入っていく。その隙間の向こうからは、セリカの灰色の魔力光が漏れ出ていた。

「国を背負いし我が思いに揺らぎはなかった。だが、お前達の思いは盾の如きその信念をも貫く槍であった。
穿たれた穴は小さく、だが致命的な風穴となったようだ。誇るが良い、お前達は聖王に勝利したのだ」

「聖王・・・・・・ごめん」

「何故、謝る?」

「私は、お前と向き合わなかった・・・・・・・理解しようとしなかった。だから・・・・・・・・」

「当り前だ。私は鏡の向こう側。私を理解するということは、即ちお前は私になるということだ。民と共に生きることがお前の信念ならば、
私のことなど理解できなくて当然だ。私がお前を否定しているようにな。いや、そもそも理解などして欲しくもない。お前は言葉を交わせば分かり合えると言ったが、
鏡に向かって叫んだところで返ってくるのは自分の言葉だけだ。人はな、どうやっても自分とだけは分かり合えぬのだよ。言わば、この戦いはお前の心の正義と悪、
光と闇の鬩ぎ合い。世界に対する肯定と否定の是非を問う命題だ。答えが出た時点で、片方が排除されるのは必定だった。覚えておくが良い、騎士ヴィヴィオ。
そして魔導師セリカよ。お前達の中にも、私はいる・・・・・・・胸に抱いたその槍が折れた時、お前達は私となるだろう」

聖王のどこか冷め切った笑みを垣間見て、ヴィヴィオは彼女が考えていることを何となくではあるが察することができた。
彼女にはヴィヴィオが選択した道が如何に困難であるのかが視えているのだ。そして、その困難な坂道を懸命に駆け上がるもう一人の自分の姿を夢想して、
思わず笑みを零したのだろう。
確かに自分が口にした理想を実現するのは困難だ。ジェイル・スカリエッティや聖王ヴィヴィオのように、
譲れぬものがあるために自分の我を曲げられない者と戦わなければならない事態がこの先にもきっとあるはずだ。
その時、きっと自分は挫折する。眩しくて青臭い理想が泥で汚れ、冷たい現実を思い知らされて躓くだろう。
だが、聖王の目はどんな言葉よりも雄弁に物語っていた。
勝ったからには進めと。
矛盾を突かれようと偽善と蔑まれようと叶わぬ理想と笑われようと、最後まで我を貫かねば許さない。そんな風に言っている気がしてならなかった。

(そうだ。私は、聖王を否定したんだ)

戦乱を生き抜くために彼女が見出した王道を否定した。ならば、例えどんな結果になったとしても、自分の理想は最後まで貫かねばならない。
それが、勝者の責務なのだから。
15Das Erbe zur ZukunftD:2008/09/01(月) 17:58:17 ID:xzRTdjgD
「私は消えるが、大本である私のバックアップは聖王の記憶の中で生き続ける。また何れ、別の時代の別の器で蘇るだろう」

消えゆくもう一人の自分にかける言葉は何もない。語るべき言葉は全て語った。後は騎士らしく、行動で示すのみだ。
だが、それでもたった一言の悪態を告げるくらいはこの傲岸不遜な王様も許してくれるだろう。

「歴史の中で眠っていて、もう一人の私」

「私は歴史に埋もれぬ。歴史が私そのものなのだよ、ヴィヴィオ」

光と共に亀裂が走り、砕け散った聖王ヴィヴィオの破片が風に舞う。そして、その下から現れた灰色の髪の少女が、
若干の怒りを込めた声で“自分だった者”に向けて返答する。

「こいつはあんたと違って臆病だし野心家でもないのよ。だからあんたみたいにはならないし、こいつがいる限り私もそうならない、絶対に」





その光景の一部始終を見届けたユーノは、娘とその友人の無事にホッと胸を撫で下ろした。

「良かった、二人も・・・・本当に・・・・・ねえ、シエンさ・・・・・シエンさん?」

傍らで膝を突いているシエンから返答はなかった。何故なら、彼は息をしていなかったからだ。
生命の証ともいえる呼吸が停止し、目を背けたくなる程おぞましかった胸の出血もほとんど見られなかった。
絶対安静の重傷であるにも関わらず、回復の魔法陣を飛び出してしまったのだから、無理もなかった。
だが、その目はカッと見開かれ、大空で向かい合う二人の少女の姿をハッキリと捉えている。
シエン・ボルギーニは、残された生命力を使い果たし、その長い生涯をセリカ・クロスロードの父親として閉じたのである。

「・・・・・・・・・」

目を瞑り、ユーノは静かに古き騎士の冥福を祈る。
ヴィヴィオやなのはを失えば、自分も彼のようになるかもしれない。全てを省みず、最愛の人達が守ろうとしていたもののために世界に弓を引くかもしれない。
そうならない保証は、どこにもなかった。だから、ユーノはこの老人のことをきっと忘れないだろう。
己を不器用に貫くことしかできなかった、哀れで気高い騎士の最期を。





終わったと、誰もが思っていた。
首領であるシエン・ボルギーニが死に、各地のロート・シルトの構成員も次々に投降していっている。
そして、最後の最後で出現した聖王も撃破され、セリカ・クロスロードも無事に救出された。
これで長かった戦いは終わったと、そこにいた全ての人間が思っていた。
だから、何の前触れもなくヴィヴィオがセリカの頬を殴りつけた瞬間、誰もがその光景に我が目を疑った。

「ヴィヴィオ!?」

「あの娘、どうして!?」

ヴィヴィオに殴り飛ばされたセリカもまた、苦痛を堪えて反撃する。たちまち、二人の少女は抜けるような青空の下で壮絶な殴り合いを展開し始めた。
16Das Erbe zur ZukunftE:2008/09/01(月) 17:59:04 ID:xzRTdjgD
「不味いよ、すぐに二人を止めないと・・・・・」

「いや、待て!」

飛び出そうとしたスバルを、シグナムは手で制す。

「手出しするな。これは、二人の戦いだ」

「もう戦いは終わりました。これ以上あの二人が戦う理由なんてないでしょう!?」

「いえ、あります」

ようやく繋がった足の具合を確かめるように立ち上がったエリオが、二人の前に一歩踏み出す。

「もうこれは、二人の私闘なんです」

「今の二人を突き動かしているのは、決着をつけたいという純粋な思いだけだ。時空管理局やロート・シルトのことなどもう頭にない。この戦いにあの二人が、
いったい何を思って臨んだのかは知らぬが、その思いを貫くためにも、有耶無耶なままの決着をつけねば前に進めぬ・・・・・・そう思ったのだろう」

今のままでは二人は敵同士。だから、まずは目の前の問題を終わらせて、それから新しい一歩を踏み出す。
そのためにボロボロの体に鞭を打って中断されていた戦いを再開し、決着をつける。それは余りにまっすぐで、不器用な生き方であった。
そして彼女達にできることは、ただ二人の無事を祈って戦いの行く末を見守ることだけだった。





ヴィヴィオの繰り出した拳をセリカは紙一重のスウェイバックで回避し、言うことを聞かない左腕を強引に動かしてRHを振るう。
すかさず、ヴィヴィオは身を引いて振り下ろされた杖をレイジングハートで受け止め、僅かに空いた隙間を利用してセリカの腹を思い切り蹴り飛ばした。
両者共に中・長距離戦を領分とする砲撃魔導師でありながら、繰り広げられる戦いは闇雲に打ち合うだけの殴り合いであった。
ここまでの戦いで魔力のほとんどを使い果たし上に、即座に解除したとはいえ土壇場で使用したブラスターモードの後遺症でヴィヴィオの肉体は限界を迎えつつあった。
だが、消耗の度合いならばセリカもほとんど変わらない。折れた右腕は既に使いものにならず、聖王との同調が解除された時に聖王の因子が体外に排出されたのか、
聖王の鎧はもう発動することができないようだった。髪や瞳の色が元に戻っているのがその証拠だ。
どちらも動かす度に軋みを上げる体に鞭を撃ち、激痛に耐えながら攻撃を繰り出す。それはどこまでも無様で見るに堪えない凄惨な泥試合。
だが、二人にとっては誰の介入も許さない神聖な決闘であった。

「止める、絶対に!」

「進む、あんたを倒して!」

矛を収めるのは簡単だった。
戦いを止めるのは簡単だった。
だが、背負った思いがそれを許してはくれない。だから、この戦いが終わるまで、二人は胸の内から湧き出る純粋な思いをぶつけ合った。
友達に罪を償わせるために。
最愛の人の思いを無為にせぬために。
二人は弾かれるように距離を取り、それぞれのデバイスを構えた。
二人の足下に魔法陣が展開し、周囲の空間の魔力残滓がゆっくりと集束していく。
それは二人だけの魔力ではない、エリオが、ケーニッヒが、ルーテシアが、スバルが、ティアナが、キャロが、ヴォルケンリッターが、そしてシエンが。
クラナガンで激闘を繰り広げた全ての魔導師達の魔力の残滓が、自分の思いを貫かんとする二人の少女のもとへと集まってくる。
条件は共に同じ。
傷ついた体、底を尽いたカートリッジ、大破寸前のデバイス。故に勝敗を分けるのは、どれだけ多くの魔力を集束したかにかかっている。
17Das Erbe zur ZukunftF:2008/09/01(月) 17:59:36 ID:xzRTdjgD
「やっとここまで来たんだ・・・・・・ここで、諦めてたまるか!」

「来なさい・・・・あんたの思い、全部受け止めてやる」

「私も、絶対負けない」

消滅寸前のバリアジャケットのスカートと裾を風ではためかせ、二人は通常を遙かに上回る時間をかけて魔力を圧縮する。
それはやがて一個の星となり、群れを成して一つの銀河となり、更に寄り集まって広大な宇宙そのものへと昇華していく。
見る者全てを圧倒する超極大のスフィアは真昼のクラナガンを神々しい輝きで照らし、眩しい星々の光がヴィヴィオとセリカの体を包み込む。
解き放つのはありったけの思いを込めた魂の結晶。二人が共に尊敬する魔導師よりヴィヴィオが習い、セリカが倣った流星の魔法。

「全力、全開!」

「スターライト・・・・・・・・」

勝って進むという思いを胸に、二人は今、最強の一撃をぶつけ合う。

「「・・・・・・ブレイカアァァァァッ!!」」

ビッグバンを連想させる凄まじい魔力の奔流が、静寂なクラナガンの大気を振動させる。その余りの衝撃に砲手である二人の体が吹き飛び、大きく後退する。
込められた魔力量が桁違いに多いが故に、反動は容赦なく二人の体を破壊していった。それでも、ヴィヴィオとセリカは胸に抱いた一本の槍を放さず、
ふらつく体のバランスを何とか保ってSLBの制御に集中する。

「くうううううああああああああぁぁぁぁぁぁっ・・・・・・・」

「うううあああああああぁぁぁぁぁぁっ!!」

ヴィヴィオの口からどす黒い色の血が零れ落ち、セリカの右腕の傷から再び出血が始まる。
砲撃の余波でお互いのデバイスもパーツが次々と砕けては剥がれ落ち、鬩ぎ合う流星の衝撃波は遙か彼方の地上にまで降り注いでいた。

「止めるんだ・・・・・もう一度、セリカちゃんにやり直してもらうんだ!」

目の前の少女は純粋過ぎるが故に苦しみ、多くの者を傷つけてきた。自分は親友だと言いながら彼女の苦悩にまるで気づかず、
逆に己の心の弱さから彼女のことを傷つけてしまった。だからせめて、彼女がこれ以上傷つく前にその歩みを止める。
悪事を働き、多くの人間に迷惑をかけ、街を混乱させた償いをさせる。それが親友としてできる最後の務めだ。
それさえ全うできるなら、一方通行だった友情が二度と届かなくなったとしても構わない。

「進むんだ! 犠牲にしてきたものを裏切らないために、私は前に進まなきゃいけないんだ!」

目的を違え、多くのものを傷つけ、踏みにじってきた。挙句、自分のことを大切な親友だと言ってくれた少女の心を土足で汚し、
命に代えても守ると誓った人を死なせてしまった。その償いをするためにも、ここで躓く訳にはいかなかった。
例えこの身がどれ程の罪に塗れることになろうとも、自分はここから前に進まなければならない。
自分が笑顔でいられる悔いのない人生を送るために、傷つきながらも手を差し伸べてくれた少女を打倒しなければならない。

「だから、私達の戦いを・・・・・・」

「今ここで、終わらせる!」

主の思いに応えるように、それぞれのデバイスの宝玉が明滅し、SLBの輝きが増す。既に十秒以上鬩ぎ合っているというのに、拮抗が崩れることはない。
ただ輝きだけが増していき、術者の体が傷ついていく。まるで血を吐きながら走り続けるマラソン。
ゴールはすぐそこにあるというのに、視界を埋め尽くす光が覆い隠してしまって二人には見ることができなかった。
二人が見ているのはかつての自分達だ。
同じ学び舎で授業を受け、共に魔法の練習を行い、疲れ果てるまで模擬戦を繰り返し、喧嘩して、仲直りして、一緒に空を飛んだ学生時代。
思いの違いから敵同士になって、嫌という程傷つけ合った今日までの自分達。
それを終わらせ、新しい自分達を始めるために、二人は余力の全てを振り絞って眼前の恒星を輝かせる。
18Das Erbe zur ZukunftG:2008/09/01(月) 18:00:13 ID:xzRTdjgD
「まだだ、あんたの思いはまだこんなもんじゃない!」

「耐えて、レイジングハート! セリカちゃんの意思は、もっと強いんだ!」

再会してから初めて行った模擬戦では決着がつかなかった。撃ち出した砲撃は拮抗したまま溶け合って、勝敗を決するまえに戦いが終わってしまった。
だが、今は違う。例え生命の泉が枯れ果てたとしても、この鬩ぎ合いだけは妥協してはいけない。
ありったけの思いを込めて。
持てるだけの願いを込めて。
出せる限りの魔力を込めて。
限界まで研ぎ澄まされた意地で以て、目の前の敵を打ち破る。
相手の思いを受け止め、その重みに腕が震え、どこまでもまっすぐで曲げることのできない信念を尊重する。
もう頭にあるのは相手のことだけで、他のことはどうでもよくなっていた。永遠とも取れる苦痛ですら、二人を繋ぐ確かな絆として愛おしく思えてくる。
終わらせるのが余りにも惜しい。
それでも終わらせないといけない。
敵として立ったからには、戦いを始めてしまったからには、必ず終わりを迎えなければならない。
だから吠えた。
擦れた喉を傷つけながら、込み上げてくる思いの全てを注ぎ込んで。

「「ブレイク、シュゥゥゥゥゥゥットッ!!」」





拮抗が崩れ、ぶつかり合った光と絡み合ったSLBが流星の渦と化して傷ついた少女の体を飲み込んだ。
決着はついた。
目を背けたくなるような凄惨な戦いの果てに、あの二人はいったい何を見出したのかはわからない。
だが、これで長かった戦いがようやく終わりを告げたことだけはハッキリとしていた。

「行くぞ」

シグナムが告げ、ヴォルケンリッターの面々が静かに頷く。険しい表情は、これから彼女達が自分の成すべき仕事を果たさんとしていることを如実に物語っていた。

「お供させてください」

飛び立とうとする四人の前に、エリオが立ち塞がる。足の骨折は治療できたが、まだ痛みが残っているのか顔が引きつっている。
だが、そのまっすぐな視線は揺らぐことなくシグナム達を見つめていた。

「僕も、行きます」

「エリオ、お前は・・・・・」

「足なら繋がっています。無理はしません、後ろから援護に専念します」

「いや、そうではなくて・・・・・・」

これから自分達がやろうとしていることはエリオも知っているはずだ。それは真っ当な騎士にとって堪え難い大人としての汚れ役であり、
この真正直な騎士を連れて行って良いものなのかとシグナムは逡巡する。

「エリオ・・・・」

「わかっています。けど、アリシアの父親になった時に決めたんです。人間の綺麗なところも汚いところからも目を背けないって。
でないと、僕は理想を貫けない。例えそれが、どんなに耐え難い苦痛だったとしても、僕は背負ってみせます」

揺らめくエリオの体を、ルーテシアがそっと支える。更にその後ろには、スバル、ティアナ、キャロの三人が、エリオと同じくまっすぐな目でシグナム達を見つめていた。
19Das Erbe zur ZukunftH:2008/09/01(月) 18:00:51 ID:6pGlRhis
「お前達・・・・・・」

「シグナム」

言うだけ無駄だとザフィーラが首を振り、シグナムは眉間に皺を寄せて髪をかき上げる。そして、いつになく険しい声で言った。

「・・・・・背負える者だけ着いて来い。生半可な覚悟では、心が折れるぞ」





光の奔流が虚空に消え、限界を迎えたセリカのRHがコアを残して瓦解する。
ギリギリの勝負であった。
肉体的な損傷が酷かった自分と、魔力的な消耗が激しかったヴィヴィオ。どちらが勝っていてもおかしくはなく、勝敗を分けたのは完全に神様の気紛れであった。

「・・・・!」

視界に向こうで落下する影を認め、セリカが残った僅かな力を振り絞って消えかけているアクセルフィンを羽ばたかせる。
まだ何とか動く左腕を伸ばし、堕ちていく親友に向かって一直線に。

「ヴィヴィオォォォォォッ!」

伸ばした手を掴んでくれるかどうかなど考えなかった。ただ純粋に、自分の思いの全てを受け止めてくれた少女を助けたい。
その思いに駆られ、セリカは苦痛に耐えながら大空を滑空する。
そして、差し出したその手は、堕ちていく少女の伸ばした手がしっかりと掴み返してくれた。

「ヴィヴィオ!」

「・・・・・名前」

今にも消えてしまいそうなか細い声で、ヴィヴィオは呟く。その笑みは弱々しく、掴んだその手からは力が感じられない。
だが、伝わってくる温もりは熱く、彼女の優しさで溢れていた。

「名前・・・・・久しぶりだ・・・・・」

儚げな笑みは、今のヴィヴィオにできる精一杯の喜びの表現であった。
そう、敵同士になってから、自分は一度も彼女の名前を呼ぼうとはしなかった。
常に敵意と害意を込めて彼女が最も嫌う“聖王”という称号を口にし、彼女のことを蔑んでいた。
だが、それも今日で終わりだ。自分にこんな言葉を口にする資格などないかもしれないが、それでもこの傷ついた天使のために、
どうしても言っておかなければならない言葉があった。

「馬鹿ね、これからは何度だって呼んであげるわよ」

強張った顔に笑みを浮かべ、掴んだその手に力を込める。
今はこれが精一杯だった。けど、必ず心から笑える自分になれるから。そんな思いを込めて、セリカはかけがえのない親友に笑いかける。
20Das Erbe zur ZukunftI:2008/09/01(月) 18:01:36 ID:6pGlRhis
「私達、友達でしょ」

「うん、友達・・・・だ・・・・・・」

ゆっくりと地面に降り立ち、ヴィヴィオの体を瓦礫のない平らな場所に横たえる。
右腕が動かないことが嬉しくもあり、悲しくもあった。動けばきっと、この娘を抱きしめてしまう。そしたら自分はもう歩けなくなる。
彼女の優しさに甘えて前に進めなくなる。きっと、ずっと側にいたいと思ってしまう。けれど、それだけは駄目だ。
命と誇りを賭けて貫いた信念を捻じ曲げることだけは、絶対にしてはいけないのだ。それは自分だけでなく、自分と関わった多くの人の思いを踏みにじることになる。
その中には、もちろんヴィヴィオも含まれていた。

「ごめん、行かなきゃ・・・・・」

掴んでいる手の温もりを名残惜しげに感じながら、そっとその手を放す。すると、ヴィヴィオはSLBに晒されて傷つきながらも決して手放さなかった
レイジングハートを、去ろうとするセリカの前に差し出した。

「持って行って・・・・・・思いを、貫くために・・・・・・・」

紡いだ言葉は弱々しく、語尾は萎れて聞こえなかった。
冷静に考えれば、それは意味のない行為だった。セリカは生まれついての体質のせいで、インテリジェントデバイスとは非常に相性が悪い。
いくらレイジングハートがデバイスの中でも破格の性能を有しているとはいえ、セリカに取っては融通の利かないお荷物でしかないのだ。
だが、そんなことは些末な問題だ。母親から受け継いだ唯一無二の相棒であるインテリジェントデバイスを、二度と会えないかもしれない友人に貸し出す。
これはその思い自体に意味があるのだから。
だから、セリカは親友からの申し出をありがたく受け入れ、彼女を安心させるように囁く。

「ありがとう、ヴィヴィオ」

「どういたしまして、セリカ・・・ちゃ・・・・・」

伸ばした手が力なく地面に落ち、ヴィヴィオは気を失った。
手にしたデバイスは重く、そこに込められたヴィヴィオの優しさと信念に押し潰されそうになる。
羨ましいと思った。
この娘は自分の始まりを忘れなかったのだ。だからその思いは陳腐であるけれどまっすぐで、どこまでも眩しい輝きを放っていた。
高町なのはが星ならば、ヴィヴィオは虹だ。一見すれば不安定で定まることのない色の集まり。だが、その後ろには決して曲がることのない太陽の輝きが燦々と煌いている。
我を貫くことの意味を知っているから、彼女はそこまで強く輝くことができるのだ。
そう言えば、虹は多くの色を含んでいるが、本をただせばその色は全て、太陽から降り注ぐ白色光から分かれたものであるらしい。
何ものにも染まらない無垢で純粋な根幹と、そこから分かれた多様な色。それは揺るぎのない信念と無限の可能性を持つヴィヴィオに相応しい色に思えた。

「大丈夫よ・・・・・・私は、もう大丈夫だから」

貸し出されたレイジングハートを握り直し、セリカは立ち上がる。
振り返ればまた戦いが始まる。
誰のためでもない、自分のための戦いが。
幼き日に憧れた笑顔を手に入れるための戦いが。

「別に、付き合ってくれなくても良いのよ、レイジングハート」

《そうしたいところですが、マスターの頼みを無下にする訳にはいきませんので。
ですから、街を出るまでの僅かな間ですが、よろしくお願いします、アナザー・マスター》

「心強いことね」

何となく、彼女とは性格の相性が悪い気がする。だが、それを口にする程セリカは子どもではなかった。いや、或いはそんなことも気にならないくらい幼いのかもしれない。
とにかく進むのだ。
勝ったからには進む。
前を向いて、まっすぐに。
21名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 18:03:43 ID:6pGlRhis
《後悔しませんね?》

「自分でも馬鹿だとは思っているわ。けど、止まれないのよ。自分で歩みを止めたらきっと私は死ぬ。だから、何かにぶつかって止まるまで、私は進むことを止めない」

眠りについたヴィヴィオに背を向け、セリカは一歩足を踏み出した。途端に、場を取り巻いていた空気が一変する。

「あいつに倒されたら、素直に捕まっても良いと思っていた。持って生まれた生き方なんて、
そう簡単には変えられない。やっと見つけた答えも、合っているのかどうかわからない」

見上げた視線の先には敵がいた。
まず長剣を携え、背中から炎の翼を生やした緋色の髪の女騎士と先端にドリルが付いた巨大なハンマーを担いだ少女騎士。
その後ろには緑色の法衣を纏った女性がおり、彼女を守るように灰青色の毛色の狼が控えている。
四人の顔には見覚えがあった。地上本部本部長八神はやてが所有する私的戦力にして古代ベルカ式魔法の使い手。一騎当千の戦闘集団ヴォルケンリッターだ。
その背後に控える五人にはもっと見覚えがあった。
左腕を失った蒼い髪の闘士と二丁拳銃を携えた橙色の髪の女性。白き竜を従えた召喚師と、黒き昆虫騎士に守られし召喚師。
そして二人に庇うように戦斧を構える赤い髪の青年騎士。十二年前の英雄。JS事件を解決に導いた奇跡の部隊機動六課のストライカー達だ。
更にその後ろには、赤い髪の少女と双剣を携えた少女、盾を背負った少女と眼帯で右目を覆った幼女、水色の髪の少女に巨大な大砲を担いだ少女がおり、
彼女達は性別のわからない指揮官らしき人物の指示でそれぞれの配置に着いていた。更にその後ろでは名前もわからない数百人もの魔導師達が控えている。
そして彼女達の背後には隠そうにも隠しきれない威容を誇る黒と白の巨大召喚獣。上空にはヘリが飛んでおり、デバイスらしきものを構えた男がこちらに狙いをつけていた。

「けど、私は勝ってしまった。私のために傷ついて、手を差し伸べて、名前を呼んでくれたあいつに、私は勝ってしまったの。
全身全霊の思いがこもった一撃を受け止めて、真正面から打ち破ってしまったんだ。だったらもう止まれない。ヴィヴィオを踏み越えてしまった時点で、
私は目の前の道を歩き続けるしかできなくなったんだ。次に足が止まるその時まで、休むことなく、最短距離で」

数百のデバイスが同時にカートリッジをロードする音が響き、四体の召喚獣が咆哮を上げ、重なりあった無数の魔法陣の輝きが視界を埋め尽くす。

「今度こそ目指すんだ。私が私でいられる場所を・・・・・・私が笑顔でいられる世界を。誰に命じられたわけでもない、
私自身が選ぶ世界を・・・・・・・見つけ出すんだ、絶対に! だから・・・・・・・」

立ち塞がる敵は数百の魔導師と騎士と召喚獣。魔力なき一般局員の数も視野に入れれば、その数は実に数千にも到達するかもしれない。
場合によっては、その頂点に君臨する夜天の王八神はやてとも戦わねばならない。だが、それがどうした。ここにあの三人はいない。
シエン・ボルギーニも高町なのはもヴィヴィオ・T・スクライアもいない。ならば勝てずとも負ける道理は存在しない。
自分が真に強者と認めるあの三人がいない以上、何百何千の益荒男が立ち塞がろうとそれは烏合の衆だ。
必ず生きてこの窮地を脱し、幼き日に胸に焼きついたあの眩しい笑顔を勝ち取る。
22Das Erbe zur ZukunftK:2008/09/01(月) 18:04:33 ID:xzRTdjgD
「私の正義を、あいつらに示す!」

《All right, another master》

臆することなく、セリカは駆ける。最初はゆっくりと、傷ついた両足が縺れないように。
そしてそのまま勢いに任せてストライドを広げ、歩みは彗星の如き疾走へと変化する。
体が重く、意識は今にも飛びそうで呼吸もままならない。右腕はもう熱を失っており、感覚はとっくに死んでいた。まだ繋がっているのかどうかも定かではない。
それでも動く。
ただ純粋に前に進むという思いに駆られた肉体は、瀕死に近い重傷など意にも介さずに大地を疾駆する。
誰かが口上を述べている。だが、セリカは止まらない。
誰かが威嚇射撃を行う。だが、セリカは止まらない。
誰かの直射弾が脇腹を掠める。だが、セリカは止まらない。
誰かの電撃が防護服を焦がす。だが、セリカは止まらない。
止まれるはずがなかった。
止まりたくもなかった。
ヴィヴィオの目の前で止まる訳にはいかなかった。
彼女を安心させるためにも、この包囲網を突破してから倒れなければならないのだ。だからセリカは疾走する。
降り注ぐ魔力弾の雨を物ともせず、傷口から滴る血で地面を汚しながら、傾き始めた太陽を標に瓦礫の大地を踏み砕く。
女騎士が目の前に迫る。彼女が手にしているのは炎を纏った魔剣。正眼に構えられたその佇まいに隙はなく、
暴発寸前の魔力の高鳴りが彼女の繰り出そうとしている必殺の凄まじさを物語っていた。
良いだろう、迎え撃ってやる。
残った力を振り絞って親友の思いがこもったレイジングハートを握り締め、その一撃を弾かんと振るい上げる。
そして、固い金属の折れる音が、真昼のクラナガンに木霊した。

                                                              to be continued
23B・A:2008/09/01(月) 18:06:41 ID:xzRTdjgD
以上です。
プロキシ規制ってなんだ?
それを潜り抜けるために題名はぐちゃぐちゃになってしかもageちゃうしでorz

セリカがヴィヴィオに勝つのは結構最初の頃に決まってました。
もしも無印でフェイトがなのはに勝っていたり、プレシアがフェイトを土壇場で受け入れたらどんな展開になったのかなぁと
夢想していたら最初に思いついたのが万の軍勢を相手に孤軍奮闘するフェイトの図。漠然と「自首する」という選択肢だけは
多分しないだろうなぁと思いました。
次回が最終回。エピローグとなります。



それと司書の方にお願いです。
保管庫の登場人物紹介のキャロの魔導師ランクを「ミッド式AAAランク」から「総合AA+ランク」に変えてください。
今更ですけど実際の情報とできるだけ擦り合わせしておきたくて(ルーは逃亡劇の後遺症でランクダウンしたことにします)。
お手数おかけします。
24名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 19:42:02 ID:2DW52KtX
>>23
超GJ!!!
個人的に99%ヴィヴィオが勝ってセリカの根性叩き直すみたいな展開を予想していただけにすごく意外です。
てかヴィヴィオ自身の命がどうなってしまうのか…
そしてエリオもシエン、二人の漢がかっこよすぎ!
とうとう次回が最終話か。もっと見たいような気もするが心してお待ちします
25名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 22:35:35 ID:UHvUpTj8
                       >>1>>23
   ,.、,、,..,、、.,、,、、..,_       /i  < べっ、別にあんたたちの為に調理されたんじゃないんだからね!
  ;'`;、、:、. .:、:, :,.: ::`゙:.:゙:`''':,'.´ -‐i   は、早く食べなさいよ!
  '、;: ...: ,:. :.、.:',.: .:: _;.;;..; :..‐'゙  ̄ 乙    ぜ、全然GJなんて思ってないんだから!
26名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 23:02:21 ID:chjjGacO
>>23
GJでした!
見事に予想を裏切り期待に応えてくれる展開を作り上げたB・A氏に敬礼!
「父親」として心の本音を叫び力尽きたシエン。
「自分」とは理解し合えない、と最後まで考えを曲げなかった聖王。
もう一人の自分の道を「否定」した、としっかり自覚してるヴィヴィオ。
そして積年の因縁募った親友についに打ち勝ち、
「自分の道」を歩むため最後まで抵抗する道を選んだセリカ。
ここですばらしいとしか表現できない自分の語畳力が怨めしいと
これほどまでに感じたことはありません。
この物語の最終幕、楽しみにお待ちしてます!!
27名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 23:57:57 ID:Ca5IW8pE
もはやここに来て何も言うことはない。
次回ギガ期待してる!
GodJob!
28名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 01:46:54 ID:dENnbatc
前スレ埋めAA乙
だがあんまり変なAAやキャラを馬鹿にしたAAを貼ると不快に思ったり傷つく人だっているんだぜ?
29名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 02:27:32 ID:4W6E4tk7
>>28
>【読み手 & 全員】
>1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
>読み手側には読む自由・読まない自由があります。
>読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。


文章と違ってチラ見で理解してしまいやすいとはいえ、投下宣言もあるし、
全てのレスに次スレへのリンク張られてるんだからさ
30名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 02:35:02 ID:uJNDnNli
俺は前スレの>>601>>607は反吐が出るくらい不快だった
あんなの張る奴は人としての認識に欠けてる奴か、確信もって荒らそうとしてる生ゴミにも劣る奴だ
31名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 02:38:38 ID:JHG8lf3d
>>30
毎度親切にも埋めてくれる人にそんな事を言うお前の方がよっぽど生ゴミ以下だと思うんだが
32名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 02:41:15 ID:/GGh+z13
>>30
確かに冥王ネタは気に障るかもしれんが
それをいちいち潰したてたら、なのは二次なんかどこも見れなくなるぞ

頑張ってスルースキルを身に着けてくれ
33名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 02:48:45 ID:NX+mDxgR
リリカルなのはの二次創作は良くも悪くも改変され過ぎてるのが多いしな…
>>30の気持ちも分かるが、今はスレの空気の為に我慢してくれ
34名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 02:59:03 ID:OENnIusZ
嫌なものはスルーが基本だろ
俺みたいに毎回埋めAA楽しみにしてるのもいるしさ
埋めの人だって特にメリットもなくやってくれてるんだぜ?

ってか>>30はさすがに釣りかな
文句の付け方が知能低すぎるw
35名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 03:31:44 ID:fiVi6bDe
>>30
俺もなのはさんがキモい顔にされてたり、ユーノが変な歌を歌を歌わされてるAAを見て悲しくなったけどさ、
善意で埋めてくれてるんだから文句言う筋合いはないんだよね。

暴言を吐くほど気に入らないなら次からは自分で埋める
できなければ埋めてくれる人のセンスに任せるべき
36名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 03:39:15 ID:O/EgSgGd
俺は好きだけどな、埋めAA…
基本気に入らないならスルーがこのスレの原則なんだから
文句付けるのはおかしいと思うぜ
37名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 07:16:51 ID:8Zco7AD4
SSでは淫獣や魔王がOKでAAでは不可はないよなぁ
38名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 07:59:27 ID:c/FscG0E
↓からは何事もなくSSが投下されます
39名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 09:46:38 ID:C0z7NMP6
残念1乙でした。
40名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 10:25:48 ID:JWjuX5NO
すみませんでした。
初期は普通のAAだったんだが、楽しみにしてると言われてつい調子に乗った改変AAが多く……。
もう金輪際AA埋めはやりません。不快に思われた方々すまんかった。そいで勘弁してください。

ということで↓からは何事もなくSSが投下されます
41名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 11:10:54 ID:NMuhKGDN
ちょ……俺埋めAA好きなのに。声の大きい一部に従わないでくれ。
厭な奴は見なければいいんだから。というか、新スレ立ってからは埋めなんだから厭ならなんで見るのか。
42名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 12:06:58 ID:SJC9ltQ7
埋めAAは好きだから止めないで欲しいな
43名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 12:12:48 ID:98JROWAd
俺は嫌いだから止めて欲しい
44名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 12:27:25 ID:v7UGCGq2
>>37
大丈夫な訳じゃない。
嫌なものはスルー、という基本方針に従い、貫いているだけで、魔王にしろ淫獣にしろエロオにしろお馬鹿フェイトにしろ、何も思わず容認してる訳じゃないのよ。
45名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 12:28:23 ID:L1gux5RM
少なくとも40みたいなこと言うんならもうやるなと思う
不愉快な人が出にくいAAでやればいい話だろうに、これじゃガキがスネてるのと変わらんぜ
46名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 12:38:07 ID:JHG8lf3d
嫌いな奴は普通にスルーすべき
どんなものであれ好きになる奴もいれば嫌いになる奴もいる
というか次スレ立った後に貼られる埋めAAを嫌いと言いながら見るのはただのアホとしか

>>40
本人かどうか判断つかないが、本人なら頼むから止めないでくれ
流れ見れば分かるが、止めろ的なこと言ってる人は今のところ少ない
楽しみにしてる人も多いみたいだし、何より埋める人がいなくなる
47名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 12:46:35 ID:TGs4mCFr
やめろって言っている人はツンデレなんだよ。
見なくていいのに、態々見てやめろって言うんだからw
実は楽しみなんだぜwww
48名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 12:57:38 ID:C0z7NMP6
ここまでテンプレ
49名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:15:49 ID:dENnbatc
>>40
まさか職人が辞めるなんてことになるなんて思わずに書き込んでしまいました
単に次に貼るときは少しでも留意してくれれば……と思い書き込んだのですが、その書きこみで職人さんを傷つけては本末転倒ですね
本当にすみませんでした

埋める人は必要ですし、なにより楽しみにしている人も多いので是非続けていただきたいです
元凶が勝手なことを言っているのは重々承知ですがお願いします
50名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:25:49 ID:pIrnu+ar
>>40
スルーも出来ない奴等の意見なんか聞く必要はないと思うけど…
まあこれだけ好き勝手言われたらやる気も失せるよね
もしやめちゃうなら今まで乙でした、自分はまだ期待してますけどね^^
51名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:28:09 ID:vIvAhPTW
単に悪ノリ自重しろってだけの話なのになんでここまで大事になるかね
今後は注意して普通のAAで埋めれば済むだけのことじゃないか

あと擁護してる人たちはもっと悪ノリしたネタをどんどん貼れってこと?
だとしたらそれはもうスレ住み分けをするしかないな…
52名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:33:35 ID:z8gtleuP
どうせ埋めるだけなんだし悪乗りぐらいいいじゃないか
53名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:37:28 ID:FeO8+8RU
じゃあ今度のスレ埋めではペニスAAでも貼りますね^^
改変してなのはキャラの誰かにくっ付けるのもいいですね^^

悪ノリの許容範囲なんて人それぞれなんだからこういう話になっちまうと思うが
54名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:39:53 ID:z8gtleuP
別にいいじゃない
ふたなりになる話書かれるのと何も変わらないだろ
55名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:42:10 ID:jrZDQh20
さすがにそれは埋めに便乗した荒らしにしか見えない、俺には。
56名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 13:55:03 ID:z8gtleuP
ふたなりフェイトそんで喜ぶやつらが何でAAは嫌がるのかわからないんですが
57名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 14:07:27 ID:dDgWoshX
以下、ノーヴェvsスバルのゲンヤパパ争奪戦(性的な意味で)

58名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 14:24:23 ID:a7j682v+
そいつぁ無理だが、今日中にソープナンバーズ投下できるようにがんばってる。
明日以降になるかもしんないけど勘弁。
59名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 15:27:03 ID:nZKDPPfE
>>58
楽しみにしてます!
60名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 15:51:30 ID:iVDhRsR3
>>57
ゲンヤパパ争奪なら、ノーヴェvsギンガだろJK
61名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 16:11:17 ID:9lOCsMhr
近々ここに投稿してみようかと思っているのですが、少し相談があります。
読者の好みもあるし重要ではあるかも知れないけど、話の展開的に重要な要素を
注意事項に入れておかないで、ぼかしたような状態で投稿したいのです。(例・最終的にこういう
カップリングになっていくといった)
最初から説明してしまっては何か興ざめしてしまうような気もするし、話の流れで
『こういう感じになっていくんだな』と読者に思わせられる作品を書いて
みたいと思っているのですが……。(断っておくとキャラが死ぬとかバッドエンドとか
そういう類ではありません)
やはり好みの別れそうな部分というのは、事前に注意事項に加えておいた方がいいんでしょうか?
62名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 16:37:45 ID:TGs4mCFr
型月キャラとなのはキャラがくっつく可能性があるので、
そのようなのが苦手や嫌な方は見ないことをお勧めしますとかでいいのでは?
63名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 16:41:30 ID:NX+mDxgR
要するに、カップリング自体がネタバレになりそうだから注意事項に入れたくないと
そういう事か?
64名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 16:43:15 ID:dDgWoshX
>>61
「カップリングは秘密」とか書いとけば納得すると思うが
特殊嗜好(例・実は死姦)とかだったら「最後はダーク注意」で避けてくれる…はず
65名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 17:34:27 ID:9lOCsMhr
>>62
おお、そういうのもいいかも知れませんね(いや、クロスの予定はないですが)

>>63
はい、そんな感じです。

>>64
「秘密」の一言でもアリなんですか……
……一応エロには違いませんが、とりあえず特殊嗜好にはならないと思います……多分(笑)。

皆様、どうもレスありがとうございます、参考になりました。
66名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 18:25:56 ID:TGs4mCFr
>>65
申し訳ないw何故か全然関係ないのにクロス前提で書いてた。
何でだろう?ともかく、楽しみにしています。
67名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 18:28:25 ID:sCOpRiBf
フェイトは呼ぶのも来るのも多いような気がする
何故だ?
68名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 18:49:41 ID:8Zco7AD4
69562:2008/09/02(火) 18:58:44 ID:rvzpWWdE
そろそろ投下させてもらいます。
前回から凄く間が空きましたが、待ってた方はごめんなさい。


注意事項
・一応は1期の再構成になります
・高町家がアニメより、原作に近い設定になってます
・非エロ
・タイトルは『魔法少女リリカルふぇいと』
70魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 18:59:47 ID:rvzpWWdE
お魚さん、いっぱいだ…………

って! ここ何処!? 海の中!? 何で水中で息してるの!?
え? バルディッシュのお陰? 凄いよバルディッシュ。

…………そ、そうか、あのアルフって人(?)に負けて………うふふ♪

い、いけない。でも、つい顔がにやけてしまう。
そう言えば、アルフって人(?)も、殴るとき、笑ってるって怒ってたな。

あ? べ、別に殴られるのが好きとか、そっちの趣味があるわけじゃないよ。
アリサが、よく「フェイトはM属性だから虐め甲斐がある」って言うけど、そんな事はありません。
うん。……多分。
と、とにかく、見つけたんです! 私の必殺技のヒントを! これがあれば、あの子に勝てる!……はず?

まあ、今は試しの訓練をしなければならないし、帰ったら、クロノ……だと、万が一怪我させたら
拙いだろうから、久しぶりにユーノに訓練に付き合ってもらおうかな♪
だ、大丈夫だよユーノ。非殺生攻撃にするから死なないはずだから。




……って、帰ったらユーノが居なくなってる!?
き、危険を察して逃げた? え? 誘拐? あの子に捕まった?
帰ってみたら、何だか大変な事になってました……私の所為じゃないよね?

え〜と…………うん。頑張ってユーノを助けよう! 
って事で、魔法少女リリカルふぇいと始ります!……あれ? 誘拐されるのってお姫様の役割……
それ、私のポジションだよね?

第10話

それぞれの胸の妄想や勘違い?
71魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:00:50 ID:rvzpWWdE
消沈した表情で、クロノが項垂れたまま呟く。

「クッ……僕が付いていながら」

いや、クロノが付いていたから、ユーノは向うに行った。そう言いたいのをエイミィは我慢する。
あの時のクロノの表情を見ればユーノが逃げるのも無理はない。それどころか、フェイトに見せても
一撃で恋心を粉砕出来るだろう。まあ、速攻でリンディに記録を消されてしまったが。

「でも、実際に困った事になったわね」

リンディも溜め息を吐いた。
個人的な感情を優先させれば、息子を惑わす上に、フェイトに近い存在の彼は厄介で、消えてくれた事に
感謝したいところだ。
だが、アースラの艦長としては非常に困った事態だった。
何と言っても、ユーノの立場は民間協力者である。それが、敵対勢力に浚われたとなると責任問題だ。
しかも、ユーノはただの民間協力者ではない。スクライア一族。管理局としても無碍には出来ない存在の
一族で、ユーノはその中でも将来を嘱望される人材だった。
当然、知られれば、スクライア族も、何か言ってくる可能性がある。その前に何とかしたかった。

「ユーノ、大丈夫かな?」

今度はフェイトが辛そうに呟く。フェイトにとってもユーノは友人だった。
マッチョフェレットとして冷たい態度を取ったりもしたが、それは誤解からだ。
最近でも攻撃魔法の実験台にしたりしているが、それもユーノの防御魔法を信じてるからだ。
まあ、少しくらい怪我しても、対なのは戦に、あまり役にたたないからという気持ちも少しはあるが、
それはそれ。ユーノが、今頃なのはに酷い目に合わされてると思うと胸が痛んだ。

「大丈夫に決まってる!」

クロノが力強く叫ぶ。言葉に意思を込める。そうする事で本当に無事になると言うわけではないが、
聞いたフェイトも無事だと思えるような気持になった。

「うん。そうだね。きっとユーノは無事だよ」
「ああ」
72魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:01:53 ID:rvzpWWdE
同時にフェイトは感動していた。
クロノはユーノのことを恋敵と思っている(フェイトワールドでは、そうなってます)
しかし、今は純粋にユーノを心の底から心配しているのだ。
器の大きな漢である。

「そうね。きっとユーノ君は無事でいるわ」
「リンディさん」
「そして、何としてでもユーノ君は助け出します!」

リンディが力強く宣言する。
彼女は本気だ。何故なら、もしユーノの身に何かあれば、リンディは減給では済まないだろう。
降格? あるいは左遷? どうなるかは不明だが、拙い事になるのは確かだ。

「フェイトさん、手伝ってくれますね?」
「はい!」

フェイトも力強く返事を返す。
フェイトはリンディが、自分の事をクロノとくっ付けようとしてるのを知っている。
それでも、ユーノを助けると宣言したのだ。
何と器の大きな母子だろうか。フェイトはハラオウン家の嫁候補として、全力で応える。

(うわあぁ〜……ツッコミたい。凄くツッコミたい)

そして、全てを知るエイミィは、己が衝動を抑えるのに全力を費やす。
正直、手がプルプル震えているが、何とかツッコムのを我慢した。
同時にユーノが向うに行ったのも仕方が無い気がしてきた。

(それにしても、今頃どうしてるんだろ?……ユーノ君、元気してるかな?)


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

73魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:02:55 ID:rvzpWWdE
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

そして、なのはに連れ去られたユーノは、声も出せない程の激痛に苦しんでいた。
牙は決して鋭くないが、それが逆に痛みを長引かせる。
血は出てない。骨も折れていない。だが、あと少しで皮膚が裂け、骨が砕けるだろう。
まさに生き地獄をユーノは味わっていた。

「ただいま〜っ…て、なのは! 食べてる食べてる! って、とにかく起きて!」
「……ほぇ?」

なのはは、眠りの底から呼び戻される。耳に届いたのは、自らの使い魔アルフの声。
だが、今朝は違和感を感じる。主に口の中。

「ふぇぇぇぇ〜〜〜! ユ、ユーノ君! 大丈夫!?」
「はぅ……」

なのはは、自分がユーノに噛み付いている事に気付き、急速に眠りから覚醒する。
お寝坊さんの彼女にしては珍しい事だ。

「なのは、落ち着いて。取り合えず治療を」

そう言いながら、アルフは買い物袋を下ろし、ユーノの背中をチェックする。

「う〜ん、出血は無いし、骨も大丈夫みたいだね。取り合えず冷やしておこうか」

そして、アルフは冷凍庫から冷却パックを出して、ユーノの背中に当てる。
しばらくすると、痛みが落ち着いてきたのか、白目を剥いていたユーノが正気に戻る。

「あれ?……え〜と?」
「ゴメンね! ゴメンね!」
「大丈夫かい?」
「…………あ、そうか」

ユーノは、涙を浮かべて謝る、なのはと、苦笑しながら心配するアルフの顔を見て、現状を思い出す。
自分は、今、テスタロッサ一味の元に居るのだと。
74魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:03:59 ID:rvzpWWdE
「おはよう」
「う、うん。おはよう……大丈夫?」
「うん。怪我はしてないみたい」
「そっか♪ 良かった」

なのはは胸を撫で下ろす。
その表情は心から安堵している事が窺える。
そして、アルフが諭すように、なのはに提案する。

「ねえ、やっぱり一緒に寝るのは危険だよ。今回は噛み付きだけど、次は寝返りで押し潰すかも
 しれないよ」
「うん……そうだね。残念だけど……」
「よし。じゃあ、後でコイツ用の寝床を買いに行こう。籠か何かで良いんだよな?」
「は、はい」
「OK。じゃあ、朝ご飯にしよっか」
「うん♪」

アルフは腰を下ろすと、買い物袋から買ってきたパンを取り出す。
それをユーノは不思議な思いで見つながら、昨日、ここに来てからの事を思い出す。
昨日、なのはに連れ去られたユーノは、どんな目に合うか怯えていたが、マンションに着いた瞬間、
なのはが倒れてしまった。魔力の枯渇とクロノの攻撃のためである。
だが、共に居たアルフとリニスは回復魔法を使えず、よって、医療道具を使ってなのはの治療を始めた。
そこでユーノは、少しでも自分の地位を守れるようにと治療を買って出て、回復魔法で、なのはの傷を
癒すと、甚く感激されてしまった。

「ユーノくん。どっちが良い?」

その後、夕飯はリニスも居るし、持ち帰りメニューもあるという理由で、回転寿司に行こうという事に
なった。
そこでも動物姿では入れないからと、人間姿を要求されたが、ユーノがこの世界で違和感を感じない
デザインの服では無いと分かると、アルフが買いに行ってくれたのだ。
そして、改めてユーノは着慣れない服に戸惑いながらも、初めての回転寿司に入る。
見たことも無い食べ物がテーブルを回り、最初のうちは、同じく初めてのリニスとひたすら眺めていた。
そして、なのはやアルフが取ったものを、促されるままに食べ、ユーノは不思議な味に戸惑い、一方の
リニスは寿司を気に入り、次々と皿を積み重ねていった。
75魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:05:00 ID:rvzpWWdE
「ユーノく〜ん!」

そして、夕食が終ると、リニスはお持ち帰りようの寿司を購入して主の元に帰り、ユーノは、なのは達と
共に、マンションに戻る。そこで待っていたのが、お風呂イベントだった。
高町家では無かったイベントだ。何しろ、お風呂に入ったのは、温泉で士郎と恭也と一緒に入ったのみ。
フェレット姿ではあったが、なのはとアルフの2人と一緒に入った。
しかも、なのははユーノの身体を洗ってくれた。少し乱暴な扱いだったが、なのはは風呂用の椅子に座り
石鹸で丁寧に洗ってくれた。
ちなみに洗ってる最中、なのはの方を見ると、バッチリと見えた。ユーノは、女の子には付いていないと
聞いてはいたが、見るのは初めての事。あのタテスジの機能は不明だが、好奇心は満たしてくれた。
そして、なのはが自分の身体を洗っている間、ユーノは湯船でアルフに抱かれていた。沈まないための
処置だったが、女性の胸って柔らかいのだなと、感動を覚えていた。

「ユーノ君?…………えい」

チュドォォォォォォン!!!

「うわっ!」

ユーノは、突然の魔法攻撃に目を回す。何が起きたかと見渡すと、なのはが拗ねたような顔でユーノを
見ていた。
ちなみに、向けられた指には魔力反応。どうやら、彼女が犯人のようである。
まさか、昨日風呂場で見られたことに気付き怒ったのかと思い、恐る恐る口を開く。

「えっと?」
「だから、ユーノ君はどっちが良いの!?」
「ゴ、ゴメン。聞いてなかった」

ユーノは、回想に没頭していたため、なのはの声が聞こえていなかった。
普段は優しいが、油断すると危険だと学習する。
例えるなら虎やライオンと一緒に暮らすようなものだ。どんなに懐いていても相手が猛獣だという事を
忘れては死に至る危険がある。

「もう!……パン。アンパンとメロンパンが有るんだけど、ユーノ君はどっちが食べたい?」
「え?……あの、昨日も言ったけど、僕はそんなに食べなくても平気だよ。余り物を少し貰えれば」
76魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:06:02 ID:rvzpWWdE
別に遠慮してるわけでも、乞食根性があるわけでも無い。
本当に平気なのだ。元々、今のフェレット形体は、燃費を良くするためでもある。
本来、スクライア族が使う小動物への変身の理由は、1つは人間の大きさでは入れない遺跡の中に侵入、
または閉じ込められたとき脱出するため。
そして、もう1つが閉じ込められて出れない時に、無駄にエネルギーを消費しないためである。
人間形体ならば1日分の食料でも、フェレット形態なら一週間以上は楽に食い繋げるのだ。
ちなみに高町家では、余り物とおやつのお菓子以外は出たことが無い。アースラに行ってからは普通の
食事だが、昨日の回転寿司の方が美味しかった。そのため、お腹が減ってないのだ。

「だから……」
「ダメ! 一緒に食べるの!」
「は、はい……」
「ご飯は皆で食べなきゃね。ほれ、人間姿に戻りなよ」

アルフにも言われ、ユーノは食事に付き合うことにする。
だが、選べと言われても正直困る。両方とも知らない食べ物だ。

「えっと、なのはが好きなほうを選んで良いよ」
「いや、それがね。わたしも、どっちにするか迷っちゃって……だから、ユーノ君が選んで」

ユーノは苦笑を浮かべる。隣のアルフは、すでにウインナーを確保している。
アルフが自分の分のウインナーとは別に買ってきた2種だから、おそらく両方とも好きなのだろう。
しかし、2つとも食べるのは多いので迷っているのだ。

「じゃあ、半分ずつにしない?」
「え?…………おお! ユーノ君、頭良い♪」
「なるほど、じゃあ、切ろうか」

アルフが、機嫌を良くした、なのはを嬉しそうに見ながら、2つのパンを切り分ける。
そして、3人で軽めの朝食を食べ始める。

「朝は何時もパンなの?」
「だいたいはね。ファミレスが良いんだけど、わたしが、この時間に外を歩いたら拙いらしいし」
「学校に行く時間だからね。なのはが、もっと早起きしてくれたら良いんだけど」
「無理!」
「え〜と、朝は弱いんだ?」
「うん」
77魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:07:05 ID:rvzpWWdE
堂々と言い放つ、なのはに苦笑しながら、もっと、この少女のことを知りたい気持が大きくなる。
恐ろしくて、顔も見たくなかった少女だが、こうして話してみると、怖いだけでは無い。色んな顔を
持っていることに気付いた。

「ねえ、朝はパンだとして昼は?」
「お弁当か出前」
「夜は?」
「食べ歩き♪ これが一番楽しいんだよ」

ユーノは、なのはの女の子らしい一面に笑みを洩らす。改めて部屋を見渡すと、美味しい店を紹介する
雑誌が目に入った。
こういったものをチェックして、お店を探しているのだろう。

「それで、今まで食べた中では、どれが美味しかった」
「カツ丼♪」

随分と男らしい食べ物だった。せっかくの女の子らしいイメージが音を立てて崩壊する。
そして、他愛も無い会話で打ち解けながら、3人で食事を進める。
ユーノは、フェレット姿だったのでカロリーを消費していない分、多く感じたが、何とか完食する事が
出来た。

「ごちそうさま♪」
『それでは、今後の行動についてですが……』

食事が終わり、なのはが手を合わせた後、レイジングハートが次なる行動を提案してきた。
元より、昨日の強引かつ危険なジュエルシードの回収も、ユーノの誘拐も全て作戦の内であった。
そして、レイジングハートの作戦をまとめると。

@最終的には、こちらの持つジュエルシードと管理局側が集めたジュエルシードを賭けて対決。
 もちろん、なのはに勝ってもらう。
Aそのためには一騎打ちである前提が必要。そのためのユーノ人質。
Bまず、高町フェイトと勝負。これには必ず勝つ。これで、管理局がジュエルシードを諦めてくれる
 可能性は低い。続いて、クロノが間違いなく出てくる。
 それに対しては、なのはに連戦してもらうが、保険としてプレシアに援護してもらう。
78魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:08:06 ID:rvzpWWdE
「つまり、コイツを人質にすれば、管理局の武装隊が、いきなり囲むって事はないと?」
『おそらく。そうですね。ユーノ・スクライア』
「……はい」

ユーノは正直、驚いていた。この様子だと、自分の正体を知られているらしい。
自分が、スクライア族では、それなりの扱いを受けていることを。それを考えれば管理局も下手な
真似は出来ない事を承知しているらしい。
それどころか、ジュエルシードが飛散する切欠になった事故を引き起こしたのは、彼女達の可能性が
高い。

『問題はBの状況です。必勝が前提の高町フェイトの戦力ですが……ユーノ・スクライア、正直、彼女は
 どの程度、強くなってます?』
「僕に聞くかな?」
『アナタしか知りませんから』

ユーノは、呆れながらも、何故か嘘をつけなかった。
正直に、自分が彼女の師として失格だったこと、そして、今では攻撃魔法が充実している事を伝える。

『なるほど……マスター、やはり彼女には勝ってもらいます。大変でしょうが、勝てるはずです』
「うん。大丈夫」
『心強い。では、彼女との戦闘前に互いのジュエルシードを賭け品として差し出します。勝った方が
 総取りと言う事で……』
「いや、待ちなよ。それだと、もし勝っても、その瞬間に……」
『次の敵。執務官、クロノ・ハラオウンが出てくるでしょう』
「潰す!」
『ハイ。それが理想です。しかし、保険としてプレシアの次元跳躍魔法を頼んでおきます。ただ、使った
 場合、今度こそ、時の庭園の場所が発見される可能性が高いです』
「なるほどね。その危険を回避するためにも、なのはに勝って欲しい。もし負けたら、追われるリスクを
 覚悟しろって事かい?」
『イエス。マスターには、是非とも連戦を制してしただきたい』
「任せて! つまり、フェイトちゃんの洗脳を解いた後、変態を潰せば良いんだよね?」
『ま、まあ、そんな感じです』

話を聞きながら、ユーノは不安を感じる。最初に自分で武装隊がいきなり来る事は無いと言ったが、
やはり、確証は無いのだ。
79魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:09:26 ID:rvzpWWdE
「あの、ちょっと良いかな?」
『何でしょう?』

ならば、確実に武装隊を呼ばないようにするまで。
ユーノは、人質のはずの自分が、こうも積極的に彼女等に加担している事を不思議に感じながらも、
美味しいものを食べさせて貰ったとか、良いものを見せてもらったからなど、自分に言い訳しながら、
自分の考えを伝える。

「その、地下牢とか、そう言った、如何にも捕まって酷い目に有ってそうな場所って無いかな?」
「は? なに言ってんだい?」
「つまり、僕が、こう鞭で叩かれたり拷問されてるって、向うに思わせたいんだ」
「う〜ん……まあ、地下牢は無いけど、それっぽい石畳の部屋なら、時の庭園にあるけど……」
「じゃあ、行こう。そこで僕が囚われてる映像を映す。そこで軽く拷問紛いのことをして欲しい。
 その映像を持って、ジュエルシードを賭けた一騎打ちの件を伝えた方が良い」

そう。その方が、あの変態には効果がある。
管理局の立場で言えば、確実にテスタロッサ一味を捕らえたい。そのためには、決戦前に武装隊を
待機させておいた方が良いのだ。
だが、もし、ユーノが囚われて、地下牢にでも繋がれてる映像を見せれば、どうなるか?

――あの変態は、必ず自分の手で救出したいと思うだろう。むしろ、武装隊は邪魔だ。

ユーノは、クロノの性格を読んだ上で、お姫様ポジションに座る事を決意する。
まあ、間違っても、本当に地下牢に閉じ込められて、クロノの手で救出されるなどゴメンだが。
そんな事になった日には、クロノは勢い余って何をしでかすか分からない。

『構いませんが、理由を聞いて良いでしょうか?』
「……やだ。言いたくない」
『わ、わかりました』

僕は男に惚れられてる。そんな事は口が裂けても言いたくは無かった。
そして、その泣きそうな表情は、なのはとアルフは勿論、レイジングハートですら、それ以上の詮索を
する気になれないものだった。
80魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:10:30 ID:rvzpWWdE


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


「それじゃあ、いくよ!」
「う、うん」

あの後、時の庭園の一室に連れてこられたユーノは、鎖に繋がれて怯えた表情で頷く。
いや、実際に怯えていた。目の前には鞭を構えた、なのはが立っている。心なしか目がキラキラしてる
ような気がするが、気のせいだと思いたい。
そして、なのはが鞭を一振り。拙い振りだが、それでも痛かった。

「―っ!」
「ま、まだまだ行くの」

一振り、また一振りするたびに、振りが鋭くなり、それに比例して痛みが強くなる。
更に認めたくない事だが、なのはの目に妖しい光が灯ってきた。
そして……

「アハハハハ♪ 泣けなの! 喚けなの! そして絶望しろなの!」
「ちょっ! 痛いって! ストップ! もうマジで止めて!」
「ちょっと! なのはスト〜ップ! 撮影は終わったから! もう止めなさいって!」
『OH イエェ〜ス♪ カモ〜ン♪』
「アンタも、ちったぁ自重しろや!」

……大変な事になっていた。
ユーノは痛みの中で大切な事を忘れていた自分を呪う。
彼女と付き合うには猛獣と一緒にいるようなものだと言う事を忘れてはいけないと。


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

81魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:11:32 ID:rvzpWWdE
「何やってるのかしら? あなた達は?」
「ごめんなさ〜い」

ユーノに回復魔法をかけながら、プレシアが呆れたように呟く。
まあ、実際に呆れているのだが。

「でもね、お母さん。何だか、未知の扉を開いたような気分だったの」
「今すぐ閉じなさい。そんな扉は」
『いえ、創造主。第97管理外世界には「可愛い子には旅をさせろ」という諺があります。
 ぜひ扉の先を旅させてみては如何でしょうか?」
「行くなら、あなた1人で行きなさい。止めないから……さて、終わったわ。まだ痛むかしら?」

プレシアに声をかけられ、ユーノは自分の傷をチェックする。
傷跡はおろか、痛みすら残っていない。
ユーノ自身、回復魔法には自信があるが、こうも完全にはいかない。
次元を超えての攻撃といい、回復魔法の精度といい、自分の知る魔導師とはスケールが違いすぎた。

「あ、有難うございます」
「礼を言われると困るわね。本当だったら恨んでも良い相手なのよ」
「……あの事故ですか?」

プレシアは苦笑するだけで答えないが、その態度がYESと言ってるようなものだった。
ユーノは不思議に思う。何故、彼女ほどの魔導師がジュエルシードなどを欲するのか?
その疑問を胸にしまう事が出来ず、口に出してしまう。

「貴女はジュエルシードを使って、何をしようと…」
「なのは、今日は戻りなさい。管理局に接触しなければならないのでしょう?」
「う、うん…………行ってくるね」

ユーノの問いを無視して、まるで、なのはに出て行くように促す。
なのはは寂しそうな表情を浮かべながら、そっと部屋を後にする。
ただ、出口に差し掛かった時、声がかけられた。

「気をつけなさい。それと……昨日のお土産、美味しかったわ。ありがとう」
「……うん♪ それじゃあ、行ってきます!」
82魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:12:35 ID:rvzpWWdE
部屋を出た後、ユーノは気まずい想いを抱いた。
もしかすると、自分の所為で追い出されたのかもしれないと思ったからだ。
しかし、それでも気になった。プレシアの能力なら犯罪者にならずに、真っ当な仕事をすれば、良い面で
歴史に名を残すことも不可能ではない。
それに、あの言葉の意味……

――君は、なぜ生きてる? それに生きてるなら君の年齢は僕と同じじゃなかったか?――

クロノが言ったことが正しいとすれば、なのはは死んでいるはずなのだ。
もっとも高い可能性は、死んだと思われてたが、実際は仮死状態に近い形で、5年ほど眠っていた
というものだ。
だが、もしそうなら、彼女の性格から「勝手に人を死んだことにするな」とか言って、怒るはずだ。
それなのに、あの時は反論をしなかった。それが意味する事は……

「ユーノくん」
「ん? なに?」

なのはに声をかけられ、すぐに反応する。今度は、思考に没頭して聞き逃す事も無かった。
同じ過ちはしない。自分で良い反応だと賞賛すると同時に、調教が進んでいる気がして複雑だ。
だが、そんな事はどうでもいいと思えるような言葉がユーノの耳を撃った。

「わたしはね、クローンなんだ。9年前に死んだお姉ちゃんの」
「え?……」
「でも、お姉ちゃんは生き返る。お母さんが蘇らせるの。でも、その為にジュエルシードが必要なの」

ユーノは自分の耳を疑った。彼女が違法であるクローンだということ。
そして、プレシアが死者を蘇らせようとしていること。
そんな事は不可能だ。その言葉が喉元まで出かかったが、なのはの笑顔に、その言葉を発する機を
逃してしまう。

「ユーノ君には迷惑かけちゃったけどゴメンね。それと協力してくれてありがとう」
「……気にしなくていいよ」

そんな、当たり障りのない言葉しか言えない自分は、なのはとの間には大きな壁があるのだと実感
せざるをえなかった。
83魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:13:47 ID:rvzpWWdE


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇


その映像を見て、フェイトは息を呑んだ。否、フェイトだけでは無い。クロノもリンディも、映像を
見た全ての者が言葉を失った。
約一名「なんか演技っぽい。つーか、楽しそう」と見抜く執務官補佐がいたが、空気を読んで黙り込む。
そして、相手の言い分通りに、フェイトは一騎打ちをする事になった。
それは構わない。むしろ望むところだと高揚してる自分を感じている。

「絶対に勝つよ」

隣に立つクロノに、安心させるように言う。
だが、クロノは首を横に振って、フェイトの決意に水を差す。

「無理する必要はない。向うに話しに乗ったと思わせれば良いんだから」

クロノとリンディの立てた作戦では、フェイトに勝つことを期待してはいなかった。
ただ、フェイトが破れ、安心してジュエルシードを回収するタイミングの隙を突いて、クロノが強襲を
仕掛けるというものだった。
そして、クロノも勝つ必要はない。最後の敵は背後に居るであろうプレシアなのだから、彼女に再び
次元跳躍魔法を撃たせて場所を特定するというものだった。
問題があるとすれば、ジュエルシードの存在。出来れば強襲した時に、持っていかれないようにしたいが
それも絶対では無かった。
何しろ、こちらの指示で、何時でも武装隊に突撃させる手筈は整えている。
プレシアの居場所を特定した途端に、突撃させれば済むことだ。

「だから、負けても構わないんだ。ただ、君は怪我をしないように気をつけてくれればいい」


◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇   ◇◇◇

84魔法少女リリカルふぇいと:2008/09/02(火) 19:14:53 ID:rvzpWWdE
「怪我をしないように……か」

1人で訓練室に入ったフェイトは、先ほどのクロノの言葉を思い浮かべて頬を染める。
どんな状況でも自分を気遣ってくれるクロノの愛情が、気恥ずかしくはあっても、やはり嬉しく思える。
ユーノも自分に気があるようだが(ですから、今はフェイトさんの主観に沿ってるため、フェイトワールドの内容です)すでにフェイトの心はクロノに傾いていた。
まあ、そんな感じで相変わらず盛大な勘違いを抱えたまま、フェイトは訓練をするため、バリアジャケット
を纏った。

「さて……ん?」

そこでフェイトは自分の姿を見る。すっかり慣れてしまったが、最初は随分と恥ずかしいと思った姿。
思い返せば、ユーノに冷たかった理由の根底に、このユーノがデザインしたバリアジャケットにあるのかも
しれない。ハッキリ言って友人には見せられない格好だ。絶対に苛められる。
だが、今の問題はそんなことでは無い。

「……クロノ、どう思ったんだろ?」

クロノだけではなくリンディもだが、まさか自分の事を露出癖のある変態少女だと思ってはいないかと
不安になってくる。
これは言っておいた方が良いかもしれないと思ったが、ふと気付いた。
今はユーノはいないのだ。このタイミングで「このバリアジャケットはユーノが考えたんだよ」と、
言っても、居ない人に罪を押し付けてると思われかねない。
それどころか、もしユーノが、このまま亡き者になれば、フェイトは変なバリアジャケットをデザイン
した変態少女のレッテルを永久に貼られかねない事に気付いてしまった。

「ま、まずいよ……」

こうして、フェイトにも絶対にユーノを救い出さなくてはならない理由が出来た。
その後、打倒なのはと、ユーノ救出のために訓練を始める。その表情は鬼気迫るものであった。
そして、激動の1日を迎えることになる。全ての決着がつく日を。



つづく
85562:2008/09/02(火) 19:15:55 ID:rvzpWWdE
投下終了です。
こういった作品は勢いが大事なのに、チマチマ書いてたから今回グダグダになってる気がする。
まあ、あと残り3話、何とか頑張りますので生温かい目で見守ってください。

ところで、1期のアニメを見返してるんだけど、フェイトが初登場した後、ユーノが

「あの服装から、僕と同郷の魔術師だ」

みたいな事を言ってました。
つまり、アレってミッドでは普通の衣装って事に……スゴイやミッドチルダ。
86名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 19:20:46 ID:NMuhKGDN
なのはさんが意外に優しいのに驚いた。
しかしコメディ的暴力をシリアス作品に持ち込んだような恐ろしさを感じるw
フェイトが勘違いに気がついたときが楽しみだw

GJ!
87名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 19:33:43 ID:WPcvJGQU
GJ!
ユーノがしっかり淫獣してるw
続きも楽しみにしてます
88名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 19:48:16 ID:1WKoII3n
乙。
しかし、不条理系ギャグ作品だと分かってても、己の利のみで行動するもの達が要領良く憂き目を回避して、
気配りできる優しい人間ほど馬鹿を見るというのは気分の良いもんじゃないなぁ。
優し過ぎたのね…ユーノ…(ホロリ)
89名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 19:52:11 ID:C0z7NMP6
フェイトワールドwww
90名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 19:52:19 ID:HYAR7TAx
>>85
そういえばスバルやティアナのBJは結構肌を露出してるしなあ。
エリオも半ズボンだし……キャロはミッド出身じゃないから露出薄いのか……
なんかあとがきに反応しちゃったけど投下GJでした
91名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 19:53:09 ID:HYAR7TAx
ageてしまった、申し訳ない
92名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:20:12 ID:uy/K0KSg
>>90
なんか凄く納得した。
93名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:32:42 ID:ZSY8blrY
>>90
待てならばクロノのBJはどう説明する?
94名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:40:48 ID:6OVxolIx
>>93
冷え性なんじゃないの?
95名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:41:52 ID:uy/K0KSg
六課連中のタッグマッチのSSを保管庫で読んでいて思ったんだが、
ナンバーズも含めたら、シャマル&セインって、すっげえ凶悪じゃないか?

ディープダイバーで逃げて、旅の扉で攻撃。 凶悪過ぎる。
96名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:42:46 ID:uy/K0KSg
旅の扉違う。旅の鏡。
97名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:45:05 ID:HYAR7TAx
>>93
あれは一見露出が低いように見えて実は全裸にコート一枚羽織ってるみたいな感じで
ジャケットパージの際に本領を発揮するという説を推しておく
98名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 20:55:32 ID:u9erbX22
>>95
旅の鏡なんて普通攻撃には使えんよ
99名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:00:39 ID:50nxeWVz
>>23
GJ!!
全員の心理描写がすごすぎるとしか言いようがない
それこそが俺の心を高ぶらせる!!
エリオの大きな決意の結果とは?ヴィヴィオとセリカの運命は?
ああああああっ続きが気になりすぎる。
100名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:30:50 ID:KLZMEgZ1
>>85
GJでした。
おお、風呂イベント……しかしなんか、性欲的な感情よりも知的好奇心の方が割合大きそうだね?w
こうして過去を思い返してみると……今の方が待遇いいんじゃないかって気がしてきたよ。
ユーノ……お前さん、そのままテスタロッサ陣営に入った方がきっと幸せになれるよ? まあ、なのはさんには振り回されるかもしれないけどさw

>>95
旅の鏡自体に攻撃力はないはずなんだが……
101名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:42:34 ID:UGijOSpv
なのはの砲撃を抜けさせて一瞬で0距離射撃とか
そういう間接的な補助ではかなり使えそうなものだと思う<旅の扉
102名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:48:51 ID:uy/K0KSg
そういえばセインにも攻撃力はなかったな。
……困った。
103名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:55:13 ID:9gc1U31c
>>101
そういう使い方ができるなら、六課が襲撃された時に、もちょっと抵抗できたと思うぞ。
104名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 21:58:47 ID:tIHWr7Rw
まぁ二人とも専門外の正面ガチンコやらされて
カワイソスではあったなw
105名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 22:01:24 ID:HYAR7TAx
今投下がないからちょっと質問させてもらっていい?
wikiにあるナンバーズの『肉体増強レベル』って魔導師ランクとは違うんだよね?
詳細がイマイチわからんのだがまんま文字通りの意味で捉えていいのかしらん
106名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 22:06:33 ID:u9erbX22
>>105
言葉通りそのままに高い方が腕力や耐久力が高いってことだと思う。前線連中が高めだし。
ただあれがBのオットーでも腕力だけでバインド引きちぎれるんだから実は怪力ばかりなんじゃないのという。
107名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 22:09:50 ID:8Zco7AD4
陵辱ー陵辱はまだですか?
108名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 22:12:35 ID:nZKDPPfE
>>85
GJ!!
あのなのはといえども、淫獣にはうらやましさを感じざるをえないw

>>101
なんだかえらい凶悪だな。
109名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:06:23 ID:xYYhlLxs
ついでに一つ教えてやってください
キャロの故郷に関して、詳しい情報って全然出てない?
現地惑星名称とか、部族の様子とか、ご存じの方おられましたら情報プリーズ
110名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:07:44 ID:8+v5KUHc
>>109
つ【NanohaWiki】
それに載っていない物は公式情報なしだ
111名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:18:17 ID:dfu6xBPY
>>85GJ
あれ?ユーノが地味になのはにフラグ立ててる(いいことかは別として)?
そしてお風呂イベント……この淫獣め!まったくもって自然な反応ですけどww

しかし後書きで作者さんが言ってる事が本当ならフェイトの心配は杞憂ですね
つくづく勘違いに振り回される子だwwかわいそうに……
112名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:20:55 ID:Ap+/nD4/
>>85
もうユーノ君はテスタロッサさんちの子になっちゃえばいいと思うよ
113名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:21:50 ID:Q/gNV0DL
>>110
thx、足りない部分は妄想で補う事にする
114名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:23:07 ID:q5tKtSyf
>>85

GJです!!
でも何故だろう?フェイトさんの淡い初恋が実る未来が予想できない・・・・
ほんとにこの子幸せになれるのか?
115名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 00:58:45 ID:1emsdXU6
>>85
この流れは…ユーノ→なのはフラグ?
一応四角関係になったのか、二箇所ほど矢印の元と先の性別が同じだがw
116名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:14:01 ID:GWxNxXet
クロノ  → ユーノ
 ↑       ↓
フェイト ← なのは


なんつーカオスな四角関係www
117名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 03:01:09 ID:GMPpWwO9
旅の鏡は「取り寄せ」の魔法なので、攻撃を送り込む様な真似は無理だと思われます。
攻撃魔法ではなく、あくまで補助魔法なので、不防護服や魔法防御が正常に機能している相手への使用は
難しいと思われます。
118名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 05:26:37 ID:20NLaYku
>>85
GJ!!
「ユー×なの」がメインの世界ではおバカ百合っ娘で
折角、反転世界でノーマルに生まれ変わったのに、フェイトさんの幸せって…

フェイトさんにはやっぱり「世界はこんな筈じゃないことばかり」というセリフがよく似合います
119名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 07:04:04 ID:3FzudAF/
フェイト「世界は美しくなんかない。だがそれ故に美しい」
120名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 07:54:58 ID:d/p05GW8
フェイトちゃんの幸せな姿って、どうしてもなのはとのちょっとアレな事を夢想して
恍惚の表情を浮かべながら鼻血吹いて、昏倒する姿が真っ先に浮かびます…

>>118
おかしいな…
こっちのプレシアさんのほうがその台詞がよく似合う気がするw
(リンディ提督もだろうけど…)
121名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 10:49:23 ID:d5Wxj+vl
>>85
乙です。
愛憎劇の蚊帳の外なフェイトそんカワイソス

Mっ気があるって事は猛獣とくっ付いた方が性的にも
幸せになれるんだろうか?
122名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 10:58:08 ID:a+f1F0Dm
りりフェ面白いよ。りりフェ。
123名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 11:10:50 ID:48xPctpw
ちょっと質問、sts当時のヴァイスってなんさい?
wikiにも載ってないみたいだし…

124名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 11:15:37 ID:tao98ht2
入局時の年齢は17歳(IDカード) + 六課時はシグナム曰く「8年目」 = ?
125名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 11:23:04 ID:fBCqrteT
>>124
ミッドにしては少し遅めの就職だw
126名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 11:29:32 ID:j/aleidy
スバルやティアナのIDカード見る限り、17歳は訓練生になった歳かと。
なので8年目云々が局員になってからのキャリアならsts当時で26歳。
ちなみに、メガミ付録の初期設定では6年前で18歳くらいとある。
127名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 12:04:58 ID:48xPctpw
>>124-125
d
結構歳くってるのな
128名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 12:13:12 ID:fBCqrteT
>>126
ん?
ということは、もしティアナとくっついたら11歳差か。

ゲンヤ「まあ、頑張れ(本心:仲間見っけ)」
129名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 13:04:15 ID:2Ww5gJJw

18+6=24=17+7(丸8年じゃなく8年目)
特に齟齬は生じてないと思うが。
まあ「18くらい」だから前後一年あって23〜25(初期設定から)
訓練期間もスバティアと同じで一年?としてやっぱり25(17で8年目から)
24〜25じゃないのか?
130名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 13:23:19 ID:7VjX4teD
StS開始当時、じゃなくてStS当時のヴァイスは何歳だって話だから
可能性の範囲で24〜26のどっかって結論でいいんじゃないの
131名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 15:28:46 ID:fBCqrteT
執筆が煮詰まっているせいか、変な電波が飛んできた。
ナカジマ家が毎夜酒池肉林で女体盛りでソープ天国、お目覚めは当番制モーニングフェラ。
132名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 15:30:43 ID:z+0RnGzY
>>131
ちょっとゲンヤさんに奇襲掛けてくる
誰か一緒に来る奴居る?
133名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 15:36:30 ID:uK8DxU1O
もちろんなの
134名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 15:38:49 ID:a+f1F0Dm
正直ティアとスバルにはチンコが反応しない。
エリオとかユーノは大好物なのに。
135名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 15:41:31 ID:FczEe1bG
>>134
つまりあなたを勃起させるようなスバルエロを書けば良いのですね?
136名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 15:41:57 ID:jADj+Mnq
クロノ自重しろww
いい男にホイホイ突いていけw
137名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 15:55:54 ID:9vPGIzl2
>>135
Exactry(その通りでございます)
138名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 17:34:27 ID:nPo3VA2v
>>128
ゲンヤさんは誰とくっついても11歳差どころじゃないだろw
まあ年齢が明らかになってない以上決め付けはできんが
139名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 19:53:24 ID:pTwDYrNP
本編や漫画版の会話から、年齢は
なのはさん>ヴァイス君
だと思ってた。
140名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:54:31 ID:Q3nFo+hU
ヴィヴィオにユーノ「君」とか呼ばせてるあたり、
どうにもなのはの他人の呼び方は一般常識から外れる部分がある
そういや年上かつ上司にあたるクロノも「君」づけだったか
ちなみに今日における「君」づけは基本的に目下の者に対して使う呼び方である

>>138
いや待て、リンディとゲンヤが再婚とかになったら分からんぞ
…どんだけ大家族やねん
141名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:57:37 ID:WYTyesQV
>>140
まあ、クロノはかなり長い付き合いだからじゃね?と予測。
最初期から一緒だった面子なんだし。
142名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:59:54 ID:z9eR9OGF
>>140
公式でヴィヴィオが一回でもユーノを君付けしてることなんてあったっけ?
名前を呼んでいた記憶すらないんだが……
143名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:03:16 ID:Q3nFo+hU
>>141
いや、その一期でも速攻で君付けだったぞw
まあ百歩譲ってあの頃は子供だったからと見てもいいが…
階級的には下とはいえ、年上で自分の部下でもないヴァイスに向かって君はかなり失礼だな
そして親ならヴィヴィオの呼び方は窘めなさいw
144名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:13:21 ID:Q3nFo+hU
>>142
アニメ本編じゃないぞ、確かメガミ付属のSSMでそう呼んでたはず
本人その場にいないとはいえ、完全にスルーしてるのは教育上どうかと思いますよなのはさん
145名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:15:58 ID:7jdf+k1c
ヴィヴィオがユーノ君と呼んでるのは確かガセ情報じゃなかったか?
SSM3やSSXでは、ユーノは名前すら出なかったような気が
146名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:16:47 ID:4ce+LyDQ
目上を呼び捨てにするのはいいのか?
147名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:17:37 ID:P4rfu79v
>>145
SSM3で呼んでるぞ。聞き直すといい。
148名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:21:41 ID:Q3nFo+hU
>>145
むしろユーノが名前すら出てないなんてガセ情報こそどっから出てきたw
SSM3でヴィヴィオが日頃何してるかって話が出て、その時に無限書庫で「ユーノ君」の世話になってる話が出てくるよ
SSXは持ってないから知らんが、SSM3はさっき確認したから間違いない

>>146
日本語的には正しくない
が、外国などでは敬称をつける風習そのものがあまりないのでそういうものだと考えることも出来る
しかし君付けは明らかに誤用、あれがなのは語だって言うのなら知らんw
149名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:23:36 ID:03KZuQM/
闇の書にさん付けするなのはさんに何を言っても無駄
150名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:36:04 ID:4ce+LyDQ
くん付けで呼ぶといやあ、はやてもそうか。
しかし「くん」には同輩や友人に対する使い方もなかったっけ? うろ覚えだが。
151名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:40:46 ID:rzfXt9v8
今更だがB・A氏GJ!
まさかの展開にびっくりした
預言の内容は間違いなくセリカが死ぬものと思って見てたのに
ちょ…次回で最終ですか。
また一週間の楽しみが減ってしまう…
ただどういう結末に終わろうとも、エロオとルーちゃんのこれまでの思いをぶつけあう濃厚な夫婦の営みは見たいです
152名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:43:19 ID:MFYle4xq
基本的には目下に対して使う語で、その拡大適用という形で同輩までは使うことがある程度かな。
いくら友人でも年上の相手に使うのは失礼だし、ましてなのはから見たヴァイスのようなケースでは絶対に禁句。
人によっては馬鹿にされていると取られかねない。
153名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:49:02 ID:P3IYKe0q
所詮中卒……で済まされるレベルなのかねぇw
154名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:56:23 ID:z9eR9OGF
>>152
なのはさんのがヴァイスよか階級上だし何も問題はないけどな
会社でもなんでも年齢よか役職優先だしなぁ
まぁ、ヴァイスが内心で相当イラついてる可能性もなくはないw
155名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:07:14 ID:uA5uPfmZ
目下って、年齢だけじゃなくて地位も指すから、クロノはともかくヴァイスに対しては使い方も間違ってないんでね?
156名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:09:19 ID:s064NW/p
いっそ、変に親しみを込めるんじゃなくて「ヴァイス陸曹」みたいな感じで名前+階級で呼んだ方がサマになるし、とっつきやすくもなるんじゃなかろーか。
157名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:11:05 ID:wRmt/6Q/
古い映画に「兵隊やくざ」っつーのがあって、所属年数で階級差をある程度補正可能という描写があったが
仮にリリなの世界でもそれが適応可能としても、所属年数はなのはさんが長い……


まあ、それだけなんだが
158名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:17:43 ID:eHE64wNq
ヴァイスは知らんが、クロノを即行で君付けしていたのは
ただ単に年上だとは思っていなかっただk・・・ゲフン、ゲフン・・・・
159名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:18:13 ID:C0WrPGVI
>>143
まあしかし、クロノを「くん」付けで呼ばないなのはもなんか嫌だ…
とくに1期だと。
160名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:19:05 ID:fbwOIiob
つまり誰かがヴァイスがキレてなのはさんを殴る蹴るの強姦するssを書いてくれれば解決する訳だ
161名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:26:19 ID:mTSHrc9n
>>160
かわいがりですね、わかります

そういえば陸士訓練校でそういうことがあってもいいと思うんだ>後輩かわいがり
若い…と言うか幼いスバルとティアナを取り囲んでこう…ね
162名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:27:53 ID:F+yPlEJL
何よりかにより
魔王>>>>(超えられない冷静になってしまう壁)>>>その他
だろうに。
163名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:30:12 ID:kC7N/Yi/
>>161
あそこ先輩後輩ないだろう。1年カリキュラムだし。
164名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:35:08 ID:Fx+b/h5v
>>160
ここ最近そういう暴力的なのほとんど来てないからな……
誰か書いて欲しいぜ
165名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:36:16 ID:5Lk59CR+
>>155
常識的に考えて言わんぞそんなことは
リアルの仕事でも、自分より年上の部下持つと扱いに神経使うのよな
わざわざ君つけて呼ぶなんてマジありえない
166名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 00:48:15 ID:IbR8txMU
ちょっと雑談自重しようぜ? するにしてもこう、エロいので。

↓以下、シグナム姐さんの騎士甲冑姿で見える太股について。
167名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:00:29 ID:3zdE/9Qb
>>166
けしからん。その一言に限る。
姐さん、一口味見させ(r
168名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:16:47 ID:moVPWE/N
段々人間に近づいているというけど守護騎士の皆様は成長するのかが問題だ!!
小学生な背丈のヴィータも捨てがたいが、中学生くらいのヴィータが見たいんだぜ!!
成長しきってない胸の膨らみ(ry
169名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:18:34 ID:X7FBHRs3
ローションの付いて手で撫で回したいですw
>>165
普通、自分が管理局年数&階級が上だったら、ちゃんとしなきゃいけないところは役職で
六課内なら〜さんで呼ぶだろうなぁ。変な軋轢を生みたくないし。あとヴァイスも何故になのはさんと呼ぶのだろう?
高町とか高町一等空尉でいい気がする。

あと、エロネタだと、エリオが厳しい訓練後(内容的にはなのはがネタとか無しに叱責とかを交えたSに見えるような訓練)に、なのはにベッドでドS報復とか見たいw
なのはも、もっと攻められたいから訓練がどんどん凄い事にwww
170名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:19:15 ID:G/ePSQZp
>>166
あれって前後左右の垂れ?のしたには何にもないのかな?
即下着なのか?
171名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:24:15 ID:5hYL2Rr0
>>170
むしろ は い て な い 

まあ所詮はエロゲが原作のアニメだw
普通なら下着とは別に見せても大丈夫なパンツをつけるのだが
172名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:29:16 ID:wRmt/6Q/
>>169
っ「なのはさんでいいよ」


「教導官殿」→「なのはさん」になるまでに
間が空いてるからこうなったと予想
173名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:33:00 ID:8p6KNUuA
>>170
フェイトちゃんのバリアジャケットみたいなのに甲冑が付いてるようなものじゃね?
>>171
とりあえず、ヴィータはちゃんと履いてたな…
174名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:34:31 ID:5hYL2Rr0
>>172
実はこの台詞も相当アレだよなー
「なのはでいいよ」か「なのはさんでいいですよ」なら分かるんだが
この台詞だと、自分はタメ口で話しながら相手にさん付けを強要するという非常にナニな光景になるw
175名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:46:54 ID:Fx+b/h5v
>>174
いや、実はってお前実際にヴァイスにそう言った訳じゃないんだからよ……

ってかこのままじゃ雑談だけで100レス行きそうな勢いだぜ?
もう自重しようや
176亜流:2008/09/04(木) 01:47:38 ID:PRBxlpns
ちょっと待ってて。今最終確認中
177名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:51:06 ID:PW/pCqKL
ちょっと聞きたいんだが、六課隊舎でエリキャロって同室だったっけ?
あと、隊員個人の部屋にバスルームは付いてた?
178名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:52:43 ID:mTSHrc9n
>>177
エリキャロ:別室
バスルーム:?
179名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 01:56:13 ID:qligyxa+
>>168
いや、不死身じゃなくなっただけで人間化してるわけじゃないよ
彼らがプログラムなのは変わりないからこれからも永遠に成長しない
でも変身魔法が使えるから問題ないんだぜ!
180名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 02:37:54 ID:5YAfYFCr
>>179
むしろ成長しないのがいいんだぜ
181亜流:2008/09/04(木) 02:56:30 ID:PRBxlpns
識を伝え、式を編む我。
煩悩の咆哮たる我。
定番を越ゆる、本流の分岐たる我『亜流』の名に於いて問う。
振られし物の番たる者よ。我は汝を召喚する!


>前スレ>>150
こう書けばいいでしょうか?


三時ぐらいから投下します。
A案ことグリフィスは挫折しました・・・・orz


注意事項
・前提として、ヴァイ×ティアです
・ユーノ×アルトです。ユーアルと略するとアルフと区別つかない・・・
・細かいところを無意識に捏造してるかもしれません。
・一人称が交代するごとに話数が進みます。
・モノローグとかくどいですが勘弁してください
・NGワード(ピポーン)『こんなはずじゃなかったふたり。』
季節は春。
ザンクト・ヒルデ学院の通学路にミッドチルダの新緑の匂いが漂っている。
ボクとなのはとアルフは、今朝も通ったこの道を学院とは逆の方向に歩いていた。
要は学院からの帰り道である。
アルフはボクらより先行したところを歩いていた。
「ごめんね、ユーノ君。変なことに時間使わせちゃって」
「気にしないで。今日はそんなに忙しくなかったし」
どうしてボクらがここに居るのか。
かいつまんで説明すると、娘の様子が心配だから一緒に見に来てとなのはに頼まれたのだ。
今日は特に急ぎの仕事もないし、なのはからお願いされたら行かないわけにもいかないだろう。
「それにしても、あっという間に追い出されちゃったね」
「そりゃあ、普通はね」
ボクは苦笑して答える。
学院の廊下からこっそり授業の様子を覗いているところをシスターシャッハに見つかってしまって
その場でたっぷりお説教、そのまま学院を追い出されてしまったことを言ってるのだ。
話を聞くところによるとなのはには前歴があるらしく、シスターにはその件も含めて怒られていた。


ふいに、なのはが立ち止まり後ろを振り返る。
「ヴィヴィオもすっかり学校になじんでるみたいだし、ママとしては一安心かな」
「だったら、もうこういうことはやめようね。子供に迷惑かかるかもしれないから」
「にゃはは……でも、ユーノ君だってじーっとヴィヴィオのこと見てたよ」
「いや、それはその……まあ、そういうこともあったかもしれない」
「それじゃあ今回の件はお互い様だね、ユーノ君」
痛いところを突かれ、言葉に詰まるボクをからかうように笑うなのは。
ボクもなのはに釣られて力なく笑う。
「おーいそこのラブラブカップル! いつまでボーっと突っ立ってんだい?!」
背後からアルフの声がしたので振り向くと、ボクらのことをあきれた表情で見ていた。
さっきと比べ、小さいアルフの大きさがさらに小さく見える。
少し離れすぎちゃったか。
「もーっアルフさん! ユーノ君とはそんなんじゃないってば!」
言ってなのははアルフのところまで駆け出し、ふたりでじゃれだす。
ボクはちょっとへこんだ。
確かに今のボクとなのははお互いに付き合っているわけじゃない。
でも、ボクはなのはのことが好きだ。
お互いに落ち着いたら、ボクからプロポーズして結婚したいとも考えている。
ヴィヴィオを預かる件は厚意でやってることだけど、彼女と結婚すれば自動的にボクの娘になる。
そういう意味では、ボクはヴィヴィオのことを何かと気にかけていた。
「今は『ユーノさん』だけど……『ユーノパパ』なんて呼ばれる日が来たりするのかな」
将来の娘(?)の口調を真似してみて、妙に顔がニヤついている自分に気がつく。
ボクは慌てて自分の頬を叩いて顔を修正すると、なのはとアルフに追いつくべく小走りになった。
「ふたりとも、ちょっと待ってよ〜!」
ふたりは既にじゃれ合いを止めて歩き始めていたので、結構な開きがある。
100mくらい走ってようやく追いつき、歩きながら呼吸を整える。
「ちょっと聞いてよユーノ君! アルフさんったらひどいんだよ」
「何言ってんだい。アンタ達二人を見たら100人中100人が二人はカップルって答えるね」
そう言ってアルフはなのはから見えないような位置からボクにウィンクをしてきた。
どうやら彼女はボクのこと応援してくれてるみたいだ。
さっきの発言は、なのはにそれとなくボクを意識させるように仕向けているんだろう。

……そろそろ、それとなく切り出してみようかな。
ボクは決意を固めると、アルフに向かって念話を飛ばした。
《アルフ、ちょっと先に戻ってて》
《ん? 別にいいけど、どうしたんだい?》
《ちょっとね。なのはに重要なお話が》
《……ああ、了解。そんならオジャマ虫はとっとと退散しないとねぇ♪》
アルフはボクの意を汲み取り、ふと用事を思い出したかのように立ち止まった。
「いっけな! アタシ用事があるのをすっかり忘れてたよ!」
「ふぇ?!」
いきなりの大声になのはがたじろいだ。
アルフはやたらオーバーアクションを交えつつ、駆け出す準備をするように足踏みを始めた。
「ユーノ、アタシちょっと先にチョッパヤで帰るわ! アンタらはゆっくりでいいからねぇぇぇぇ……」
全部言い終わる前にはもう走り出していて、言葉の最後のほうはフェードアウトするように途切れていく。
「……アルフさん、なんか急に走り出して行っちゃったね」
あっけにとられたなのはがポツリ、と言葉を漏らした。
「あー、うん。そうだね」
なぜ走り出したのかわかっている身としては、これが精一杯の返答だ。
「ユーノ君、とりあえず行こっか?」
「そ、そうだね」
ボクはなのはに同意し、再び歩みを進めることにした。


しばらくの間、なのはと他愛のない雑談をしながら歩いていたボクだったけど、
アルフが残していった空気がきれいに霧散したのを見て、口を開いた。
「なのは、ひとつ聞いてもいい?」
「なに? ユーノ君」
なのはが横目でボクのほうを見る。
「これは、ヴィヴィオにも関係することなんだけど」
「うん」
ボクは一呼吸置いて、言葉を続けた。
「なのははヴィヴィオの正式な母親になったわけだよね?」
「そうだよ」
「だったらさ。ヴィヴィオの父親とかどうするのか、考えてたりする?」
なのははボクの言葉に少し考え、口を開いた。
「それって、わたしに結婚する気があるのかってことだよね?」
「ありていに言えば、そうなるね」
正確に言えば、その結婚相手のベクトルをボクに向けて欲しいと思っている。
だけど、言いたいのはそれだけじゃない。
『親』と呼べる人が居なかったボクにとっては、片親だけでも正直ヴィヴィオが羨ましい。
よほどのことがないなら、父親と母親は揃っているほうが望ましいとボクは思う。
なのははボクの真意に気づいているのかどうかはわからないけど、今度は立ち止まって考え込む。

5分くらいそうしていただろうか。
なのはは決意したかのような表情でこちらを見ると、ようやく口を開いた。
「ユーノ君、わたしね」
「うん」
「わたしはあの子が立派に成人するまでは、ヴィヴィオだけに愛情を注ごうと思ってるの」
「えっ?」
どういうことだろうか。
ボクの心の中の動揺を知ってか知らずか、なのはは言葉を続ける。
「ヴィヴィオに注いでいる愛情を、自分の夫となる人にも同じだけ注げるかどうか自信がないんだ。
 もし二人の間に子供が生まれたら……ヴィヴィオを今まで通り愛してあげられるか、とかね」
「なのは……」
「わたし、ちょっと不器用だから」
そう言ってなのはは力なく笑った。
ヴィヴィオが社会的に成人するまでには最低でもあと十年近くかかる。
ボクの年齢で考えると、ボクは30代半ばまで待たされるということだ。
それまでなのはのことを待てるだろうか?
仮になのはがボクのことを男として好きだって言ってくれるのなら、何とか待てるかもしれない。
もしそうじゃないなら、ボクには待てる自信がない。

なのはの気持ちはいったいどうなってるんだろう。
友達としてじゃなく、普通の男性に対する恋愛感情を抱いてくれているんだろうか。
ボクは彼女の気持ちを確かめてみたいという思いはある。
この想いを真っ正直に彼女に告げれば、今の関係はきっと壊れるだろう。
自分は友達としか見てないのに、相手は異性として自分を見ていたと知ることになる。
軽蔑されるかもしれない。
だけど、何もしないでただ待ち続けて悶々とした日を過ごすのも嫌だ。
ボクは覚悟を決めて、一世一代の賭けに出た。
「なのは。仮に相手となる人がボクだったとしても……やっぱりダメだったりする?」
言ってしまった。
遠まわしだけど……ボクはなのはにプロポーズをしてしまった。
なのはは三度考え込んでしまったようだが、しかし意外にも早く結論が出たようだ。
「ユーノ君だったらヴィヴィオも懐いているから、父親には向いているとは思うけど……」
そこでいったん言葉を切ると、なのはは視線を進む方向に向ける。
「わたしとユーノ君だと、夫婦として在りたい姿までは踏み込めそうもないかも」
「在りたい姿?」
「うん。わたしのお父さんやお母さん、お兄ちゃんや忍さんみたいな夫婦が……わたしの中の夫婦の理想なの」
言われてボクは士郎さんと桃子さん、恭也さんと忍さん両夫妻の姿を思い浮かべてみた。
片や、万年新婚夫婦と言われるほどお互いにベタベタな二人。
片や、まだどこか親友的なノリが残ってはいるものの、心の深い場所で愛し合っているのがわかる二人。
この二組の夫婦に共通しているのは、お互いがお互いを信頼し合い、愛し合っているということだ。
「ユーノ君は優しいから、何だかんだでわたしを愛してくれるとは思うけど」
「うん」
「わたしにはユーノ君を夫として愛せる自信がないんだ。だって、ユーノ君とは友達だから」


……これは決定打、かな?
でも、なのはにフラれてしまった割にはあまりショックは大きくないような気がする。
おそらく……ボクの中で半ば覚悟していたことなんだと思う。
ボクらの友達付き合いが長すぎて、なのはのそこら辺の感覚が麻痺してしまったんだろう。
こういうことは心理学的に十分ありうる話だ。
ボクがグズグズしていたから、なのはの心を惹き寄せる機会を逸してしまってたんだ。
これは、他でもないボクの自業自得だと思う。
「……そっか。なのはがシングルマザーを通すならボクは何も言わないよ。辛いかもしれないけど頑張って」
「うん。ありがとう、ユーノ君」

ボクらは再び歩き出した。
なのはは、母としての強い意志を新たに胸に抱きながら。
ボクは、10年の想いが霧散する痛みが顔に出ないように押さえ込みながら。
186亜流:2008/09/04(木) 03:09:28 ID:PRBxlpns
第3話(アルト視点)に移りますので10分ほど小休止します。
あたしは打ち身を負った左腕を押さえながら、医療局の医務室を目指していた。
別に戦闘があったというわけじゃない。
訓練が終わってヘリから出るときに足を滑らせて地面に落ちるという失態をやらかしちゃったのだ。
とっさに受身を取ったから大事にはならなかったけど、心配してくれた先輩に怒られた。
こんなドジを踏んだ原因はわかってる。
あれからだいぶ経ったけど、あたしが未だに失恋から立ち直りきれてなくてボーっとしてしまったのが原因。
「ヴァイス先輩とのこと引きずっちゃってるなぁ……あたし」
そう一人ごちている間に医務室に到着した。
あたしはノックして、中の返事を待ってドアを開けた。
「失礼します」
医務室の中には、あたしも良く知っている人が居た。
「あら、アルトじゃない」
「シャマル先生! お久しぶりです」
確か本局勤めだったはずでは?
「なんで私がここにいるのって顔してるわね」
「いえ、あの」
「たいしたことじゃないのよ。地上のほうから人手が足りないってヘルプ要請があったのよ」
「そうだったんですか」
地上の人手不足っていう話は前線部隊に限った話じゃないのかな。
「ええ。それよりどうしたの? どこか怪我したの?」
「ちょっとドジって、ヘリから落っこちて腕を打っちゃいまして……」
「わかったわ。こっちへいらっしゃい」
そう言われてあたしは、シャマル先生の目の前にある患者用のイスに腰掛けた。
やがてシャマル先生はあたしの左腕を取って負傷の様子を診始めた。
「特に外傷は見当たらないけど内出血があるし、結構強く打撲してるわね。こうすると痛い?」
「っ!! はい、ちょっと痛いです」
あたしは痛みに顔をしかめる。
「なるほど……アルトは明日も訓練あるの?」
「はい」
「それじゃあ早めに完治させておきましょ。こういうのは結構長引くから」
「お願いします」
「ん……クラールヴィント、お願いね」
『Ja』
シャマル先生は指にはめた待機状態のデバイスに命じ、あたしに治療魔法をかけ始めた。
左腕にのしかかっていた痛みがだんだんと和らいでいくのがわかる。
「どう? 痛みは治まったかしら?」
治療が終わったらしいシャマル先生に言われ、あたしは左手を握ったり開いたり
腕をぐるぐる回してみたりしてみたけど、特に痛みを感じることはなかった。
「はい。もう大丈夫みたいです」
「それはよかったわ。あっちの患者さんもこれくらいスマートにいけば、どれだけ楽かしらね」
シャマル先生は大きなため息をついた。
「あっちの患者さん……ですか?」
「ええ。さっき急患の知らせがあって、行ってみたら彼が倒れてたのよ」
「彼? 男性ですか」
「そうよ」
言ってシャマル先生はカーテンが張られているベッドに歩いていく。
「この患者さん、最近じゃなのはちゃんより始末が悪いのよ」
シャマル先生はなのはさんの名前を出しながら、静かにカーテンを広げる。
あたしがベッドに目を向けてみると、中にはどこかで見覚えのある人が横たわっていた。
えーっと、確かこの人は……。
「確か六課の元隊長陣と親交のある方、でしたよね?」
「そうよ。本局のデータベースである無限書庫の事実上トップ、ユーノ・スクライア君よ」
そうだ。
確か六課時代、八神元部隊長から聞いたことがあった。
ここ数年間のJS事件も含めた大事件において、様々な資料を発掘して事件解決の一部を担ったとか
あのなのはさんが親友のフェイトさんに並んで絶大な信頼を置いていて、とても芯の強い人だって。
「でも、そんな方がどうしてこんなところで辛そうな顔で寝てらっしゃるんですか?」
文系の管理職なら何となく楽できてそうなイメージがあるんですけど。
「彼はいわゆる現場叩き上げの管理職だから、部下の仕事のフォローまで率先してやっちゃう人なのね。
 おまけに、請求魔と揶揄されているある提督からの依頼を全部自分でこなそうとするから
 必然的に何日も続く徹夜作業になり、結果として無理が祟ってこんな風に倒れるってわけなのよ」
「徹夜続きって、どのくらいなんですか?」
「そうねぇ……私が前に聞いた話だと、最長記録で12徹とか言ってたわね」
「じゅっ、12ですか!? っていうか無限書庫ってそんなに仕事多いんですか?」
立て篭もり事件相手の武装局員でもそんなに徹夜しませんよフツー。
意外とすごい人みたい。
「ええ。あそこは平時の最前線とか言われてる場所よ。それにしてもあのときは大変だったわ。
 たまたま無限書庫に来ていたなのはちゃんが、無理やりユーノ君を寝かせようとカートリッジロードの
 おまけつきディバインバスターを彼に向けて撃ったらしくて……ボロボロの状態で担ぎ込まれてきたわ」
「なのはさんのバスターってあの……それ、昏倒させるって言いませんか?」
「そうとも言うわね」
苦笑いしながらカーテンを閉じると、シャマル先生は再びあたしの前のイスに腰掛けた。
「今までも深刻といえば深刻だったけど、最近のはもうそんな領域を突破してるわ。
 この間までは倒れたらちゃんと回復するまでおとなしくしてたのに、最近じゃ意識が戻る度にベッドを
 抜け出してはさっさと仕事に行っちゃうのよ。なんていうか、ここまでくると何か別の原因を疑いたくなるけど……」
シャマル先生の愚痴とも取れる説明は、まくし立てる勢いで続いていく。
「彼の表情や挙動は、付き合いの長い私が見てもいつも通りだから……何かあった訳じゃなさそうなのよ。
 一応、私以外に彼のことをよく知ってるなのはちゃんにも念のために聞いてみたけど、心当たりがないらしいわ。
 ここまで来ると、もはや八方塞がりで誰の手にも負えない状態。手の施しようがないわね」
そこまで言い終わって、シャマル先生はハッと口を手で押さえる仕草をする。
「アルト、今のオフレコでお願いね。手の施しようがない、なんて医者がいうセリフじゃないもの」
「は、はぁ……」
あたしは生返事で答える。
シャマル先生ほどの優秀な人がここまで弱音を吐く、というのも珍しい。
世の中って広いんだなって改めて痛感した。
「しかし今日はどうしようかしら? このまま見張っていたいけど、急患が出たら行かなきゃいけないし……」
「今日はって、いつもはどうされてるんですか?」
部外者のあたしが聞いてもしょうがないとは思うけど、なんとなく好奇心から聞いてみた。
「いつもならなのはちゃんを始めとする古馴染みの誰かにお願いして、彼の家に強制送還ってのがパターンね。
 でも、今日は誰もスケジュールを開けられる状態じゃないらしいのよ」
そう言ってシャマル先生はため息をつく。
「強制送還?」
「そ。自分の家に帰しておけば、仮に戻ってくるにしても多少は身体を休める時間を稼げるって寸法ね」
「ですけど、それだけだと飛翔魔法とか使われたら意味なくありませんか?」
「その点は大丈夫よ。彼に魔法の使用許可を出さないよう、Drストップという名目で各方面にお願いしてるわ」
「そこまでしなくちゃいけないほどなんですね……」
言ってあたしはふと時計を見ると、結構長い間お邪魔してることに気づいた。
そろそろ帰って明日の準備とかしないと。
「シャマル先生。あたしそろそろお暇します」
「あらもうそんな時間なの? ごめんなさいね。変なことばっかり漏らしちゃって」
「いえいえ。シャマル先生には六課時代お世話になってますし、あたしでよければ愚痴くらい聞きますよ」
「ありがとう。それじゃあアルト、お大事にね」
「はい。どうもありがとうございました」
そう言って立ち上がろうとすると、急にドアが激しくノックされる音が響いた。
「失礼します!」

バン!

大きな音を立てて一人の武装局員らしき人が入ってくる。
「どうしたの?」
「急患です! 演習中のトラブルで怪我人が出たので、すぐ来てください!」
「怪我人は何人?」
「幸い、二人だけです」
「いいわ。すぐ行くから案内して!」
「はい!」
そう言ってシャマル先生は救急ボックスの準備をして、いざ部屋を出ようとして立ち止まる。
「そうだわ。アルト、ちょーっとあなたにお願いしていいかしら?」
「え…あ、なんでしょうか?」
「さっき話したからわかると思うけど、そこの患者さんを見てて欲しいのよ」
「あ、あたしがですか?!」
「大丈夫、見てるだけでいいわ。1時間もかからないと思うし、今度何かおごるからお願い!」
俯いた状態になり頭上で両手を合わせ、懇願のポーズをとるシャマル先生。
まあ見るだけだし、さっき治療してもらった手前もあるし別にいいかな。
「わかりました。見てるだけでしたら……」
「ありがとう、恩に着るわ! それじゃ行きましょう」
「はい! こっちです」
シャマル先生は武装局員の人に案内され、医務室を出て行った。



静かになった部屋の中で手持ち無沙汰になったあたしは、イスをさっきのベッドまで
移動させると、カーテンを開けてからイスをベッドの近くで固定してから腰掛けた。
いま、あたしの目の前には件のユーノ・スクライア司書長が横たわっている。
顔を近くで見るのは初めてだけど、この顔立ちで男性と言われてもどうもピンと来ない。
こうしてベッドに横たわる姿を見てると、六課時代に重傷を負った先輩の姿とちょっとだけ重なる。
毛布の隆起具合から体格はある程度想像できるけど、たぶん普通の成人女性並みに身体が細い。
これが先輩なら12連徹出来るくらいの体力はありそうだけど、この人の身体だと出来るように見えない。
実際は相当無理しているんじゃないかと思う。
顔を良く見ると目には大きなクマが出来ているし、頬も少しだけこけている様に見える。
気力で踏ん張ってはいるけど、身体のほうはもうボロボロだっていうのは医者じゃないあたしでもわかる。
しばらくそうやって眺めていると、突然スクライア司書長の瞼が動いた。
「んっ……んふぁ……ん………あれ?」
どうやら目を覚ましたようだ。
ゆっくりと瞼が開かれ、薄目を開けて周囲を確認している。
あたしはイスから立ち上がり、ベッドの側まで駆け寄る。
「お目覚めですか? ダメですよ。まだ寝てないと」
スクライア司書長の目とあたしの目が合った。
すごく辛そうな目をしている。
「……あなたは?」
「あたしはシャマル先生から、スクライア司書長を代わりに見るように頼まれた者です」
「そう……ですか。お手数おかけして申し訳ありません」
「気になさらないでください。それよりご自分の身体を労わらないと」
身を起こそうとしたスクライア司書長を、あたしは肩を押さえ付けてベッドに無理やり戻す。
「でも、ボクにはやらないといけない仕事があるんです」
「ダメです。後であたしがシャマル先生に叱られちゃいますんで」
あたしの言葉に少しの沈黙すると、スクライア司書長は再び目を閉じた。
「じゃあ……もう少しだけ眠らせてもらいます」
「そうしてください」
そう言うと、やがて寝息が聞こえてくるようになった。
これでしばらくは大丈夫だろう。
しかし、こんなにボロボロになってもなんでまだ働こうとしているんだろう。
そして何より気になるのは、とても辛そうだったあの目。
とてもじゃないけど、シャマル先生が言ってたように『何かあった訳じゃない』とは思えない。
疲労からきてるという感じにも見えるけど、あたしには別の何かに映った。


―――そっか。
たぶん似ているんだ……今のあたしの目に。
きっと、何かどうしようもないくらい辛いことがあったんだと思う。
自分の身体を省みずにただひたすら働くことで、それを忘れようとしているんだ。
この姿を見ていると、とてもじゃないけど八神元部隊長が言う強そうな人には見えない。
仮にそれが本当だとしても、この人をここまで仕事に駆り立てたのは一体なんだったんだろう?
他人のプライバシーだっていうのに……好奇心にも似た、変な感情が湧いて止まらない。
きっと、あたしはこの人の事が気になっているんだと思う。
同じ目をした者同士、出来ることなら何とかしてあげたいと思う自分がいた。
192亜流:2008/09/04(木) 03:38:50 ID:PRBxlpns
以上です。
過日はソープ・ナンバーズネタやヘルス機動六課ネタも考えておこうと
取材に行ったり、リアル仕事がドタバタったりして投下できませんでしたorz


予定では第9〜10話くらいにエロが入ります。
第4話は忙しくなければ・・・今日明日にでも。

193名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 03:51:00 ID:tMz2QPpN
>>192GJです
なかなかいいフリ方フラレ方。スッキリバッサリですねなのはさん。
振られたもの同士、どんな会話が出るのか楽しみにしています
194名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 04:20:00 ID:jm/wN/d7
年齢がどうのとか役職がどうのとかどうでもよくないか?
ファンタジーにリアリティ求める奴は無粋だぞ
誰か投下してもらえないものか
今日は投下なかったし
195名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 06:14:53 ID:MDgwFJJT
>>19
2GJ!
続き(特にエロ)を全裸で待っています!

>>194
その投下が2レス前にあるのにスルーとは無粋だと言わざるを得ない
196名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 06:52:07 ID:+fUFp1mu
>>192
タイトルを「そんなはずじゃなかったふたなり」って読んでごめんなさいGJ!
197名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 14:22:54 ID:X7FBHRs3
GJ!!です。
なのはは、ユーノの言葉から意味を読み取れなかったのかな?
ちょっと、悲しいな。そして、アルトとユーノがどうくっつくのか楽しみですw
198名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 15:45:43 ID:aXwEU6Rw
>>192
今一番続きが楽しみなSSの続きがキターGJ!
生身が忙しいのは仕方ないっス、焦らず御自分のペースで投下してください。
199名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 15:51:53 ID:YkNTBlqp
>>192
GJ!続きが気になります
ところでそのけしからん取材に同行したいのですがw
200名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 16:38:34 ID:X3RcnCk2
うは、わざわざソープに取材に行ったのかwww
これはリアルな描写に期待wktk
201名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 19:56:41 ID:02RKWcu4
>>194
それは世界設定やテクノロジについて言う台詞であって、
人間関係にまでそれを適用したら単なる不条理ギャグにしかならんぞ
作品を見ている人間は間違いなくリアルの人間なんだから
202名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 20:06:15 ID:fbwOIiob
>>201
その話まだ続ける気なのか
いい加減にしろ
203名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 20:13:26 ID:1qEIvfW4
自重しなさい
↓なんと!久しぶりにあの職人が帰ってくる!!
204名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 20:37:37 ID:+t6i7C7v
……4の422氏が来てくれると良いな
205名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 20:50:24 ID:Q6AUvZih
246氏に胃の痛くならないフェイなのを……
206シロクジラ ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/04(木) 21:01:17 ID:RfgMw4rX
・・・何故私はこんなものを書いたのだろうか――。
SSX発売まであと少し?ですが、ちとTSものを何故か書いてしまったので投下します。
シリアス書いてたつもりだったのですが――。
「司書長は女の子」始まります。

注意書き
・ユーノくんがギャルです。所謂TSです。
・司書長は女の子とか、さも当然のように言っています。
・クロノ×ユーノ かもしれません。

以上の事項に忌避感、嫌悪感を感じる人はNGを。
「司書長は女の子 その1」か「トリップ」でお願いします。

では、開始。
207司書長は女の子 その1 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/04(木) 21:02:54 ID:RfgMw4rX
「司書長は女の子 その1」

所謂<闇の書>事件から数年が経った。
父の死に関る大事件を、見事ほとんど犠牲を出さずに解決した少年――クロノ・ハラオウンの評価は時空管理局でも鰻上りに高まり、
彼の次元航行艦隊での出世は確実と言われた時分。クロノは疲れていた。
年下の友人で、今は無限書庫に勤めるユーノ・スクライアの元を訪れたのは、云わば気分転換だった。
その昔、高町なのはが好みのタイプだったクロノは、ユーノを恋のライバルとして大人気なく見ていたものであるが――。
今や青年となったクロノは、もうすぐ次元航行艦隊の提督の椅子に座ることになりそうだった。
異例の若さでの出世にやっかみや批判も多く、疲れ切ったクロノにとって友人であるユーノとの語らいは多少なりとも気分がいいものだった。
であるからして、クロノに遠慮というものはない。ずけずけと<無限書庫>に入り込み、しばらくの間司書達の働きを見ながらユーノを待った。
されど、待てども待てども来ない。遅いな、と一人呟きつつ出された紅茶を啜った。
近くを通りかかった司書に声をかけ、ユーノの居場所を聞いた。

「スクライア司書長は何処かな?」

「司書長なら、ハラオウン執務官がいらっしゃると聞いてから部屋に戻られましたよ。
昨日から働き通しでしたから、シャワーでも浴びておられるのでは?」

少々、男同士の顔合わせで気にしすぎじゃないかと思う。多少臭うくらいで動じる仲でもあるまいに。
司書に別れを告げると、クロノは司書長に割り当てられた、住居も兼ねた部屋にノックもせずに入った。

「ユーノ、入るぞ」

言いながら扉を開く。立て付けが悪いドアは、遮音性だけは一級品らしく閉めるとすぐに外の音は聞こえなくなった。
部屋は大きな机と椅子が幾つか、簡単なキッチンと大きめのベッドがあるだけのシンプルな構成で、
机の上には古文書や聖書、はたまた情報端末が並び乱雑ながら使いやすそうな、一種整然とした印象を見る者に与える独特の空間を形成している。
じー、と音を立てている空間モニターの焼け付くような音――画面を無遠慮に覗き込むと、そこには少し前にやった模擬戦の写真が映っていた。
あのときはなのは達が一緒だったし、そのことを思い出そうとして見ていたのかも知れない。
どうやら全体の集合写真を見ているらしく、クロノがユーノと並び、憮然とした表情で立っているものも幾つかあった。
クロノは懐かしい写真に目を細めると、パネルウィンドウを少し操作した。
写真をめくっていくと、ユーノとクロノが一緒に映っている写真も何枚か情報端末に取り込んである。
少年の日の出来事であり、懐かしかった。

(あいつも、少しばかりノスタルジィに浸るときがあるんだな……)

と、シャワーを浴びる音が聞こえた。
クロノは、昨日から働き通しだったという友人を労うべく、執務官の上着を机の隅に脱いで畳んだ。

(背中でも流してやるとするかな)

そう決めると、音を立てずに――執務官になってから身につけた技能だ――バスルームの前の洗面所に立ち、残りの衣服を脱ぎ捨てた。
曇り硝子戸の向こうには明かりがついていて、シャワーの水滴が床に叩きつけられるザァザァという音が響いていた。
このとき、クロノがユーノの下着を気に留めていたら驚愕していたことだろう。小さめのスポーツブラとスパッツ――女物の下着だったのだから。
が、しかし彼は気づくこともなくバスルームの扉を開き、入室してしまった。
してしまったのだ。

「うわっ?! だ、誰?!」

女のように甲高い、声変わりもしていないユーノの声。

「そこのフェレットもどき、背中を流してやるか……ら?」
208司書長は女の子 その1 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/04(木) 21:03:44 ID:RfgMw4rX
両者共に硬直していた。
最初湯気で見えなかったそれが、換気扇に吸い込まれて見えるようになると。
美しい裸身があった。男のものとは思えない……滑らかな骨格についた柔らかな肉。
乳性石鹸のように白い肌はほんのりと赤く染まり、命の息吹を感じさせる。
半ば振り向いているユーノの身体はクロノから丸見えで、つまり――。
色々見えていた。喉仏も浮かんでいないなだらかな首から鎖骨にかけても、ふんわりとクロノの拳に収まりそうなお椀型の乳房も。
司書服や法衣の上からではわからない、くびれた腰のラインに、水滴の付着した安産型の丸い御尻も、全て。
何時もは結んである、色素の薄い髪が水分によって背中に張り付き、何とも言えず艶だった。
いや、待て待つんだクロノ・ハラオウン。“これ”がユーノ・スクライアなわけないじゃないか。
思考が常識――ユーノ・スクライアは男と云う事実を再確認した。

(……ユーノが女を連れ込んでいたんだな……そうに違いない)

む、唸った後、しばしの間考え込んでいたクロノは、ざんばらの黒い髪を撫で付けながら言った。
ちなみに、全裸である。こちらもまた色々丸見えだったのであるが、見苦しいので省かせていただく。

「ああ、いえ、すいません! 友人と間違えたようで――って」

あれ? と思考が混乱する。
相手の容姿――秀麗な整った顔、緑の瞳、薄い唇は、何処までも友人、ユーノ・スクライアにそっくりだったから。
と云うより、瓜二つ――ひょっとして兄妹? と云う可能性を考えた。
しかし、ユーノに年頃、背丈が同じ異性の親戚がいるとは聞いていないのだが。
では、“彼女”は誰だ?
そして、入室したとき聞こえたユーノの声は何処からしたのだろう?
疑問は尽きないが、クロノの明晰な頭脳が答えを導き出す前に――。
目の前の女性が、怒声を上げた。上気した頬や、涙ぐんだ目元が怒りに歪んだ。
それすら色っぽいのは、どういうわけやら。

「僕の裸見ておいて、言うことはそれかクロノ!」

「僕って……やっぱりユーノ――」

ユーノ・スクライアそっくりの少女が、拳を保護するシールドを張りながらそれを握り締めた。
握り拳を振り上げ、目に涙を玉のように浮かべて。
振り下ろした。

「クロノの馬鹿ぁぁぁ!」

打撃音――腹に痛み――見事に鳩尾へクリーンヒット――か弱い感じの衝撃。
それを、何処か他人事のように感じながら、クロノの意識は刈り取られていった。
音が、声が聞こえた。友人、ユーノ・スクライアのものだ。

「って、え? ちょ、クロノ?! おいしっかり――」

(なんだ、いたんじゃないか……)

そんな愚にもつかないことを考えつつ、暗転。
209司書長は女の子 その1 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/04(木) 21:05:08 ID:RfgMw4rX
まず感じたのは、眩しい、と云う驚きにも似た感情。
リーゼ姉妹に、魔導師として仕込まれたとき、しごきに耐えられずに気絶した後よく感じたもの。
意識が覚醒する寸前、動き出した眼球が目蓋の薄い皮膚を通して光を感知したのだろう。
ん、と喉を鳴らして目をうっすらと開けると、どうやら司書長室のベッドに寝かされているらしいことがわかった。
手足に少しだけ力を入れてみると、暖かい。薄手の毛布がかかっているときの、さらさらした感覚だ。

「クロノ……起きた?」

優しげ――死角からの気遣うような声は、この部屋の主たるユーノ・スクライアのものか。
それにしては……いささか優しげ過ぎるような気もする。
クロノとユーノの友人付き合いは、一見犬猿に見えるほど複雑なものだ。
戦友としての信頼、恋敵としての譲れないもの、親友同士の気安さ――全てが交じり合った感情こそ、二人の仲だった。
だというのに、このユーノの優しい態度は何だろうか。まるで、想い人に付き添う乙女のような――。
長年の疲れが祟って、クロノはすぐに意識を失った。まどろむように目蓋が閉じられ、すぅすぅと寝息が聞こえた。
そこで、少女は自分が今だ下着姿なのに気づいた。クロノに服を着せるのに夢中で忘れていたようだ。

「あ……」

白い肌が紅い林檎のように火照り、いそいそと美しい裸身に男物の服を着ていく。
張りのある尻の柔肉、太腿を覆う黒のスパッツの上からパリッとしたズボンを履き、上着を羽織ってボタンをとめていった。
長い腰まで伸びた色素の薄い髪の毛は、緑色のリボンで結び。
そこには、何時もどおりのユーノ・スクライアと云う“少年”がいた。

「はぁ……やになっちゃうなぁ……」

何に? と云う疑問。
あるいは、自分でも把握しきれない何かがあるのか。
自分がクロノへふとしたとき感じる、もどかしいような感情は何なのか。
悶々と悩みつつユーノは緑眼――母親譲りの瞳で、ベッドで眠るクロノを見た。
あどけない少年らしさが消えた、男らしい顔と体の輪郭。
年々柔和さと女らしさだけが増す自分が、ひどく恨めしかった。
偽る自分が――友にすら真実を打ち明けられない己が、疎ましい。
自分は、ユーノ・スクライアは、男でいたいのに。
だから。
ユーノはその日、無言で立ち去った。



最近ユーノ君と疎遠な気がする。
高町なのはがそうクロノに相談を持ちかけたのは、あれから二日後のことだった。
結局、ベッドに寝かしつけられていたクロノはユーノと会えずじまいで、事の真相もついぞわからなかった。
<無限書庫>にアポをとっても、司書長は有給休暇を取っていると云うことで、繋がらない。
駄目だろうという予感がしたが、一応教えられている端末のアドレスにも伝言を送っておいた。
二日経っても返信はなく、ただ無為に時間だけが過ぎていった――そんな時分。
どういうわけか、なのははクロノを頼ってきた。ユーノの男友達で、一番仲が良いからだろうか。
歯切れの悪いクロノの対応に、ツインテールにした栗毛を揺らして少女は頬を膨らませた。
年下ながら、本当に可愛い娘だと思う。昔の自分が一目惚れしたのもわかる気がする。
しかし、クロノの頭にあったのは、何故かシャワールームで出会った少女――ユーノそっくりだった――のことだけで。
耳元で大声を出された。

「クロノ君! お話聞いてるの?」

「うわ?! ごめん、なのは。ええと、何の話だったかな――」

高町なのはは、あどけない顔立ちに遣る瀬無い感情を抱いているようだった。
ブラウンの時空管理局制服を着ているが、何処か清楚な感じがするのは彼女の人徳ゆえだろう。
210司書長は女の子 その1 ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/04(木) 21:07:08 ID:RfgMw4rX
「……さっきから元気がないけど、ユーノ君と喧嘩でもしたの?」

「……どうだろう。僕自身、どういうことなのかわからないんだ……あいつとも連絡がつかないし――」

流石に、『ユーノが女を連れ込んでいたのかもしれない』なんて言えるわけがない。
事実誤認の可能性だって十二分にあるのだ。そこまで考えたところで、クロノは一つの可能性に気づく。
でも、事実誤認だったなら、あそこにいた女性は誰だ?
まさかとは思うが、あのフェレットもどきのユーノ・スクライアが変身魔法で少女に化けていた、なんてことはありえないだろう。
そんな趣味は友人に在る筈がない。ないと信じたい。女装癖があるなんて事態は、なのはの為にもないと信じたかった。
思考は廻り、結局堂々巡りになるのだ。

あの少女は、誰なんだ――と。

思い出す。
そう云えば、ユーノ・スクライアは決して、他人と一緒にシャワーや風呂に入ろうとしなかったな、と。
あれは、ひょっとしたら身体的な問題を抱えていて、そうしていたのではないだろうか――。
そう、例えば――男として育てられたが、実は女の子である、とか。

(いやいや待て! そんなわけないだろ――ユーノは男――)

いや、どうだろう。
あの少女のように整った顔立ち、華奢な骨格、時折艶めいて見える極々微妙な動作……。
クロノ自身に妙な趣味――少年愛とか――が無ければ、見ようによってはユーノ・スクライアは立派な少女だろう。
下手に先入観を持っているからそう見れないだけであって、ユーノという男は何処までも少女めいていた。
むしろ、そちらの方が自然なのではないか?
そう思えてきた。
むう、と唸りながら熟考するクロノを見て、なのはが決心した顔になった。
勢い込んで、テーブルに掌を叩きつけながら叫ぶ。

「もう! じゃあクロノ君、私と一緒にユーノ君へ“ごめんなさい”しに行こう?
ユーノ君なら、クロノ君がどんな間違いをしてしまっていても許してくれるよ!
よし、決まりっ! 私、準備してくるから――クロノ君もしっかり準備しておいてね」

「え……ちょ……なのは――」

彼女の姿はもう見えない――とても、強引だ。反論が出来ない。
こうして、クロノ・ハラオウンはユーノ・スクライア宅へ向かうことになったのだった。



かくして、廻り始めた歯車。
止めることは、叶いません――。
211シロクジラ ◆bsNe6z3qW2 :2008/09/04(木) 21:10:32 ID:RfgMw4rX
投下完了です。

・・・あれぇ? 欝シリアスとか、スバル何処いったんでしょう?
明後日の方向過ぎて予測不可能です――書いといてなんですが。
と言うわけで、連載としてまったり書かせていただきます。
212名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 21:21:51 ID:NwZBzGeU
アッ――――?!
213名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 21:25:21 ID:PiH7BL5B
続きをワクワクして待ってます。

ユーノ(女)×なのは
でもいっこうに構いませんがw
214名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 21:30:22 ID:IbR8txMU
GJ!!

なんだ? 男の時より良いじゃないかwww
このままエロノの餌食になって、クロノ×ユーノとか全然行けるぜ!
215名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 21:52:32 ID:8XImU8uF
>>211
これはいい男装のボクっ子!GJww
しかし、オニャノコなユーノってのに違和感を感じないのは・・・ふぅ
216名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 22:01:23 ID:moVPWE/N
しかし、これ冷静になって考えるとエロノはウホっ気があるのでは?
普通は男の背中流しにいかないだろw

作者にGJと言わざるを得ない!!
217名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 22:02:29 ID:Kix6ry/U
>>211
実にいい。GJ!

司書長はStSでほぼ印象ゼロなおかげで
男とも女ともつかぬ中性的な少年期の印象しかないから、ボクっ子司書長に何の違和感もないぜ!
218名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 22:56:35 ID:hw9O4t8A
>>178
遅くなったが、サンキュー
219名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:14:10 ID:KgWJWFWK
>>585,586
偉そうにしてんじゃねーよ、キチガイども
220名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:39:16 ID:vv4aPWJY
未来安価? 人生初めて小説に挑戦しようと思うんだけど携帯から投稿するのに注意することってある?
221名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:46:01 ID:wRmt/6Q/
>>220
改行に気をつけることかな
222名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:52:26 ID:2BdPbl2u
>>220
正直、携帯投稿はやめといたほうがいい。

連続投稿規制の点などから、制限値の60行ギリギリぐらいで区切りが良いように分割して投稿、
がおすすめなわけですが、どうやら携帯からだと60行の目星が付けにくいみたい。
223名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 23:59:00 ID:Fx+b/h5v
まぁ、適当に改行して投下してみてくれ
改行が読みづらいって場合でもスルーすればいいだけだしね
あと>>219は多分誤爆だと思うぜ
224名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:12:05 ID:cns2Uy/o
>>221-223ありがと 改行にきおつければいいんだな
225名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:15:17 ID:L1X2DIcS
>>224
一つ言っておく。

脅してるワケじゃないけれど、ここは他のSSスレに比べて異常なまでに職人の質が高い。
言いたいことは、分かるよな?
226名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:20:34 ID:IFRILndA
読むだけの立場の奴がそういう事言うべきじゃないと思うんだが
227名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:21:19 ID:J5nrsGxF
>>225
おいおい、プレッシャー与えるようなマネすんなよ
ここは新参お断りとかってスレじゃないんだぜ?
そんなハードル上げるようなことしてたら投下する人間が減る一方だろうが
228名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:23:32 ID:OkzcWOfd
>>225
脅しと変わらんぞ。
229名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:30:23 ID:qa6q+HWr
私もSS投下はここが初で唯一なのですが、
なのはを見た勢いに任せた、碌に過去ログも読まない無謀な投下でしたが、それなりに受け入れてもらうことが出来ました。
きっちり注意事項を守って投稿すれば此処の皆様はちゃんと受け入れてくれると思いますよ。
230名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:32:57 ID:0nrGIili
気おつけるとか書いちゃうんだからもう少し注意力を身につけてくれれば
231名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:33:55 ID:CisHoj9Q
>>224
恐れず怯まず退かず、投稿して欲しい。
232名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:43:07 ID:fNjsKqX/
ここは批評スレじゃないんだから気軽に投下すればいい
読みたくない人は読まなければいいだけだしね
233名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 00:56:22 ID:Xn7pt+Ke
>>225
ww
234名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 01:04:11 ID:WD/Ym8Dg
最初の投下はビクビクしたけど、みんな温かく受け入れてくれたから大丈夫だよ。
235名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 01:22:48 ID:jzfTOW1l
このスレに書き込むのは今日が始めての新参ですがはやて×エリオのSS
を投下しても構いませんか?

内容はエロありです
236名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 01:27:29 ID:M6EVoFnj
構うな! 躊躇うな! 一歩も引くな! 投下しろ!!
237名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 01:27:55 ID:HvHR9fk0
>>235
また珍しいCPだなぁw
ドゾドゾ
238名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 01:30:40 ID:jzfTOW1l


タイトル 部隊長の悪戯
はやて×エリオ 
エロありです

注 はやてにちょっと不快を覚えるかもです
SSを書き始めて日が浅いので所々へたくそです

では、いきます
239部隊長の悪戯1/19:2008/09/05(金) 01:32:03 ID:jzfTOW1l
部隊長の悪戯

 スカリエッティと戦闘機人による一連の事件が解決したことで機動六課はその役目を終え、今は皆それぞれこれからに向けて準備をしていた。
昇級試験に臨む者、新天地を目指すもの、皆それぞれの目標に向けて動き出していた。ただ共通して言えるのは今の隊舎を出て行くということであり、その準備に追われていた。そしてそれは隊長陣も例外ではなかった。
「あーもー片付かへん!」

そういって自身の私室で頭を抱えているのは八神はやて。若干19歳にして自分の部隊機動六課を立ち上げた少女だ。そのはやても六課解散に伴い住居を今のところから移すためこうして引越しの作業に追われていた。
 そんなはやての部屋に来客を示すノックが聞こえた。
「はーい、どーぞ」

はやては間延びした返事をする。ここは私室のため仕事関係の来客はまずないためだ。
「失礼します」
挨拶とともに入って来たのはエリオ・モンディアル。機動六課ライトニング分隊所属の少
年である。予想外の訪問者にはやては驚いた。

はて、エリオに用事など頼んだだろうか?そんなことを思案しているとエリオが話しを切り出した。
「すみません、これフェイトさんに渡すよう頼まれたんですけど・・・」
そう言ってエリオが差し出したのは大き目の封筒だった。
「ありがとうな」
はやては封筒を受け取るとエリオを労った。

「それでは失礼します」
用件を終えたエリオが立ち去ろうとするとはやてが呼び止めた。
「ちょい待ちい」
エリオは何事かと思い立ち止まる。


240部隊長の悪戯1/19:2008/09/05(金) 01:32:56 ID:jzfTOW1l
「何ですか、はやてさん?」
はやてが特有の柔らかな笑顔を浮かべて答える。
「いや、わざわざここまで来てもらったのにただ返すっちゅーのもどうかと思ってな。どうやろ、少しのんびりしたかへん?ジュースくらいだすで」
その提案は先ほどまで隊舎内を動き回っていたエリオにとってもやぶかさではなかった。

「それじゃあお言葉に甘えて」
そういうとエリオははやての部屋へ戻っていった。「はい、どうぞ」
エリオの前にジュースの入ったグラスが置かれる。グラスの表面が水滴で濡れており、よく冷えていることが分かった。
自らの飲み物も用意したはやてが対面のソファに腰掛ける。
「いただきます」
エリオはグラスを傾けオレンジジュースに口をつける。
その様子を頬杖をついて眺めるはやて。

「そっちはどないな調子や?」
「一時期よりは忙しくなくなりましたし、自分の周りも見渡せるようになりましたね」
「それはいいことやね」
二人はこれまでのことや、進路のことを話した。
暫くしてエリオは視界にある何かに気づいた。

「あの、はやてさん、あれ・・・」
エリオの視線の先には何やら大きめの箱が忘れられたように鎮座していた。
「あーあれか。うちも今、荷物整理の真っ最中でな、なんや昔の服まで出てきてもうて大変でなあ」
そういうとはやては視線をエリオに視線を戻し続ける。

241部隊長の悪戯3/19:2008/09/05(金) 01:34:11 ID:jzfTOW1l
「ん、エリオどないしたん?そんな顔して」
そこには少し考え込んだ表情をしたエリオがいた。
「すみません、はやてさんの世界の服ってどんなのだろうって思ったんです」
好奇心からくる子どもらしい質問だったが、申し訳なさもあるのかエリオのトーンは小さくなる。

「どんなんやと思う?」
はやては柔らかな笑みを浮かべて問いかける。
エリオが唸りながら考えるが如何せん行動範囲がほぼ管理局内のみのため難しいようだ。六課の制服やキャロにフェイトなど親しい者の服を思い浮かべてみるがどれも違う気がする。
「ちょっと想像出来ません」
かなり考えた後、エリオが白旗をあげる。
するとはやてはジャーンと言いながら服を両手で広げていた。

「正解はこんなんでしたー」
ワーパチパチ、など自分で言って見せたのは白のセーターと赤いスカートだった。
「こちらではあまり見かけないタイプの服ですね」
はやての私服は特別珍しいものではないが、外の世界をほとんど知らないエリオにとってはとても新鮮なものだった。
「まあ、そうやね。でもこれはうちがエリオと同じ年ぐらいに着とったもんやねんで」
そういうとはやてはエリオに手招きをした。

「なんですか、はやてさん?」
はやては素直に自分の下へ近づいてきたエリオをじっと観察するように眺めた。
その顔はセクハラ部隊長と畏怖される時のものだった。

242部隊長の悪戯 4/19:2008/09/05(金) 01:38:48 ID:jzfTOW1l


「あ、あの…」
エリオが嫌な予感から不安げな表情を浮かべる。
「この服着てみてくれへん?」
悪魔が降臨していた……
 部屋のすみっこでエリオが着替えている。
あの後エリオ断ろうとしたが結局失敗に終わった。
エリオも他の人に見られるでもなしと何処かで自分を納得させ今に至る。

「どうですか、はやてさん?」
エリオが戻ってくるとはやてが首を長くして待っていた。
「 おー待ったでエリ・・・」
はやては途中で言葉を止め固まってしまう。目の前にいた元少年の姿に完璧に目を奪われ
ていた。

エリオが着ているセーターは多少袖が長かったのか
腕が余ってしまい本来の背丈よりエリオを一層小さく見せていた。
更にスカートは適度な筋肉の付いた決して武骨ではない
その脚線美を惹きたてていた。


そして中性的な顔立ちのおかげで今のエリオは紛うことなき
女の子となっている。
彼を知らない者が見れば誰も男だとは思わないだろう。
それくらいエリオにこの服が合っているのだ。

だが、当のエリオは勢い込んだとはいえ女性ものの服を着た羞恥心からか、
若干落ち着きをなくしていた。
それをはやてが何かを選定するような目でまじまじと見つめている。
エリオもすぐにはその視線の意味するところを理解出来なかったが、
瞬時にあることに思い至り表情を強張らせた。

そう、あれははやてが部下に彼女の言うところの
スキンシップを図る時のものである。
それは言葉にしろ、行動にしろ、今まで碌なものであった試しはない。
243部隊長の悪戯 5/19:2008/09/05(金) 01:40:55 ID:jzfTOW1l
そのため、エリオははやてに対して身構えるが、
彼女から言われた言動はエリオの予想を右斜め上に突っ切るものであった。
「エリオってほんまは女の子ちゃうんか?」
そういうとはやてはエリオのスカートをぴらっとめくり上げた。
いくら女装したとはいえ流石に下着までは変えておらず、
女性物のスカートに紺のトランクスというありえない光景が広がり、
もとに戻った。

「なにするんですか!」
直後、エリオは紅潮しながらスカートを押さえつけた。
しかし、羞恥心が大きかったためかうつむき加減のまま目尻に涙を浮かべる
という恰好になってしまった。

その表情はあるサンダ―レイジ並の破壊力を持っており、
それを眺めていたはやても電撃を食らったような衝撃を受けていた。

 はやてはそれから数瞬呆けてしまったが、またすぐにセクハラモードに
戻ると顔を緩ませ口撃に移る。

「エリオはほんまかわええなあ、フェイトちゃんが羨ましいわあ……」
と、エリオを舐めるように見つめながら呟いた。

「っ……!!」
まったく予期しなかった人物の名前が出てきたことで完全に意表を突かれた
エリオは気恥ずかしさからスカートを抑えつけるが、
先ほどから膨張している自身のストラーダを強調することになってしまい、
却って逆効果となってしまった。

「エリオもやっぱり男の子やなあ……こんな立派な槍を持って…」
はやてはスカートの隆起に気づくと、にやけ顔でそう指摘しエリオの感情を
煽った。
「そんなことありません!」

244部隊長の悪戯 6/19:2008/09/05(金) 01:45:33 ID:jzfTOW1l
顔を真っ赤にして反論するも、ここまで語気を荒げてしまっては
全く説得力がなかった。

「普通の男の子はこんなことじゃ勃たへんよ」
涼しい顔で返すはやては更にとんでもない言葉を続けた。
「エリオはきっと女装癖があるんやな」
「なっ……」

はやてのあんまりといえばあんまりな発言にエリオは思わず
二の句がつげなくなる。
それはそうだ。今まで好き放題言われてきたが上司に自分の性癖を、
それも多分に特殊なものであると断定されてはたまったものではない。

「ちがいます!はやてさんがこんなことさせるからじゃないですか!」
そう言うとエリオは自身の恰好を指差した。
しかし、はやての暴走がそれで収まるわけもなく、それどころか火に油を
注ぐ結果となってしまった。

「なんや、私のせいなん……?」
そういうと一人思案顔で何事か考えを巡らせ
「なら、はやてさんがなんとかしたるわ」 などと言い放ったのである。

それも名案やろ?言わんばかりの改心の笑みを浮かべてである。
はやてのあんまりな提案にエリオも言葉を失ってしまう。

「はやてさん、何言ってるんでっ……」
エリオの抗議は最後まで紡がれることはなかった。
正面にいたはやてが眼前に迫ってきたのだ。

「わ、わ、わ……」
エリオは思わず体勢を崩し、勢いよく背後のソファに倒れこむ。
ソファが二人分の重さを受け、ぎしっと音を立てて軋んだ。
はやてがエリオに覆いかぶさる姿勢になり、二人の体格差故にエリオの身体が
すっぽり収まる形となった。

245部隊長の悪戯 7/19:2008/09/05(金) 01:48:12 ID:jzfTOW1l
なにするんですか、はやてさん……」
はやて有利の状態とこれから行われることへの不安から
エリオはたまわず声をあげる。

「何って、ナニに決まっとるやん……やっぱむっつりやなあ」
そう言うとはやてはエリオの首筋に自身の手を当て、撫で始めた。
「うわっ!」
エリオは攻まりくる未知の感覚に自分でも信じられないような声を出し、驚愕してしまう。
この反応に味をしめたはやては、手をエリオの服の中に潜らせ、身体を弄りだした。

「やめてください!」
若干語気を強め抵抗するエリオだが、それでおとなしくなるよう
なはやてではなかった。なおも這うような手つきで降下させていき
スカートの中に侵入した。

「ほれほれー」
はやては完璧に楽しみながら手を遊ばせていると「何か」に当たり、
ぎゅっと掴んだ。

「へっ……?」
はやてが間の抜けた声を上げ前を向くとエリオが今にも爆発しそうな赤面顔で
こちらを見つめていた。

はやてが触れていた「何か」は、膨張しきったエリオのモノだった。
自分が触っているものの正体に気づいたはやてはそれを強く握ってみる。

「だめですってば、はやてさん」
言葉こそ今までと変わらないが、その口調は確実に変わってきていた。
「ほれほれ、そないなこと言いながら
エリオ君のストラーダはフルドライブやで」

そんなエリオの様子を感じ取ってか、はやては一気に攻勢をしかけた。
「まず、邪魔なもんは取っ払ってまうか…」
そう言ってエリオの下着をズボンごと剥ぎ取ると、
そこにはまさしく槍と呼ぶに相応しいブツがそびえ立っていた。

246部隊長の悪戯 8/19:2008/09/05(金) 01:49:22 ID:jzfTOW1l
「もういいですから!もういいですから!」
流石にこんなものを晒されてはどうしょうもないのか、
エリオがそれ以上の行為はしないよう懇願する。

「そない言うたかて、こんな反応見せられたら……なあ?」
はやてがエリオのモノの先端をつつくと、透明な液体が
岩盤の水滴のようにじんわりと広がっていった。

「くっ!!」
エリオが悔しそうに声にならない声をあげる。
例え自分の意思と無関係といえど、これでは
はやての言葉を肯定したようなものだからだ。
そのためエリオは軽く自己嫌悪に陥っていたが、急にその場が静かになった。

「はやてさん?」
そのことを不審に思ったエリオが視線を向けると、
はやては何か一点を注視しているようだった。
その視線の先にあるのはカウパーに濡れたエリオのモノであった。

「はやてさん、どこ見てるんですか!?」
エリオは慌てるも後の祭りである。
はやては研究対象を観察する学者のような視線のまま
モノを見てこう言った。

「やっぱ被っとる?」
「ぶっ!!」
エリオは本日何度目かも分からないはやての爆弾発言に
呆れを通り越して噴出してしまった。

エリオはとんでもなく狼狽するが、彼の年齢を考えれば
本来まだどうこう言われるような問題でもない。
ないのだが……
247部隊長の悪戯 9/19:2008/09/05(金) 01:51:24 ID:jzfTOW1l
「こんなんじゃキャロを喜ばせられへんでー」
「っっっ!!」
はやてからのまったくの不意打ちにエリオは体温を上昇させた。

「なんでそこでキャロの名前が出てくるんですか!」
エリオは顔を真っ赤にして意見するが、はやてはどこ吹く風とばかりに
受け流し、モノの先端に手をかける。

「ほな、はやてさんが剥いたるわ」
ズルッ!
エリオのモノが勢いよく引き抜かれた瞬間、
エリオは未曾有の痛みに襲われた。

「痛っ痛いですよ、はやてさん」
はやての突拍子もない行動に目尻に涙を浮かべるエリオ。
「でもこれはこうした方がいいんやで?」

はやてはおどけて言う。
「ん…?」

はやてが手に違和感を覚えて視線を落とすと顔の色が潮のように引いていく。
包皮から解き放たれたエリオのモノが力強く反り返り、
右手の中でビクビクと脈打っていた。

「こら、偉いもんが出たなあ…」
たまげたように声を挙げるはやて。やぶを突いたら
蛇ではなく大蛇が出てきた。
心境としてはそんなところだろう

「うっ…」
だが、エリオが何かを耐えるような顔をしているのに気付き
はやてのセクハラ魂に再び火が付いた。
「エリオのストラーダはフォルムツヴァイもごついなあ…」
熱い視線を向け観察するはやて。当のエリオは羞恥からか
顔を赤く染めていた。

「こんなんはどうや?」
はやては右手をエリオのモノから離しすと、
さおの上部をでこピンの要領で弾いた。
248部隊長の悪戯 10/19:2008/09/05(金) 01:53:01 ID:jzfTOW1l
「うわあああ!!」
今まで守られていたものが外気に晒され敏感になっていたのに加え、
はやてからの刺激で大声が出てしまう。エリオには少し強すぎたらしく、
息を荒くしている。

それを見て流石にまずいと思ったのかはやてが詫びた。
「ごめんな、エリオ。痛いんわもうなしや」
そう言い屈みこむと、エリオのモノに下を這わせだした。

「は、はやてさん……!!」
エリオは慌てて静止しようとするが、はやての奉仕はお構いなしと
言わんばかりに続いていった。

「ちゅる……どやエリオ、どんな感じや?」
竿を中心にエリオのモノを丹念に嘗め回していくはやて。

「はやてさん…凄いです」
初めての感覚にエリオは言葉を上手く紡げなくなっていた。
無理もない、自身のモノが異性の唾液で濡れる様とそれを
はやてのような女性に舐められるのは扇情的すぎて
一介の少年に抗えるはずもなかった。
 
周囲に聴こえるのははやてが口淫をする音と二人の息遣いのみで、
空間が切り取られたような静寂に包まれていた。
「は、はやてさん…」
その静寂を打ち破ったのはエリオ頬を紅潮させ
身体を小刻みに震えさせたエリオだった。

「どないしたん、エリオ?」
舌の動きを止め見上げる形で聞くはやて。
「さっきから変なんです、奥から何かがこみ上げてくるみたいな…」

エリオは自身に起こった異変を正直に告白する。
「大丈夫やで、あたしに全部まかせ」
エリオの言葉から全てを察したはやては早速行動に移る。
はやては一旦舌を離し、エリオは意図が分からず困惑する。
249部隊長の悪戯 11/19:2008/09/05(金) 01:54:07 ID:jzfTOW1l
「はやてさん…」
しかし、それもはやてがモノを上からくわえ込むとすぐに霧散した。
 ぢゅる…ぢゅる…

いやらしい水音とともにエリオのモノを刺激していくはやて。
はやての舌が意思を持った生き物のようにエリオのモノを這い回っていく。

「は…あ…あ…」
もはや言葉にすらならなっていない声を出すエリオ。
そこにはやての追い討ちがかけられる。
「ほや、へひほ、ひほひええは?(どや、エリオ、気持ちええか?)」
エリオのモノをくわえ込んだまま問うはやて。

「はやてさん、僕…もう…」
はやての口の動きと言葉の振動が起爆剤となりエリオの精が吐き出された。
ドピュッ!!

「んんんん!!」
はやてはとっさに身体を離すが、気付いてから動く以上全部は避けきれず、
いくらかははやての口内に叩きつけられる結果になった。
更にはやてが避けたことで、噴水のように飛び出した精子が、
はやては元より、エリオの身体にも降り注ぎ白い模様を形作っていった。
250部隊長の悪戯 12/19:2008/09/05(金) 01:57:59 ID:jzfTOW1l
「はあ…はあ…」
人生初の射精を終えたエリオは川面の魚のように酸素を求めていた。

「しっかし、まさかここまで盛大にやられるとは思わんかったわ」
傍らではやてが小言を溢しながら顔と腕を重点的に身体を拭いている。
他の部分は服を着ていたためそこまで汚れずに済んだ。
その代わりさっきの服は暫く着られそうに無いが。


だがエリオは心ここにあらずといって感じであった。
はやてが身体を洗う旅に彼女の豊かな双丘が眼前で自己主張をする。

フェイトやシグナムと比較されがちだがはやても
平均のサイズは上回っており、けして小さくはないのだ。
それを見て無関心でいられるほどエリオは子どもではないため
目のやり場に困ることとなった。

「すみません…」少しして、呼吸を整えたエリオが顔を赤くしながら詫びる。
身体にはまだ白濁液が付着したままだ。

「別にええよ、こういうの嫌いやないし」言いながら指先についた
射精の名残をちろりと舐め取った。
それは先ほどまでの行為やはやての表情と相まって
ひどく蠱惑的なものとなる。

これがスイッチとなり、エリオの中で静まったはずの炎が
再び音を立てて燃え上がった。

「ははーん」エリオの高ぶりを感じ取ったはやては
悪戯を思いついたような顔で彼のもとへ寄って行き、
白いもので汚れた身体に奉仕を始めた。

「お姉さんにまかせなさーい」おどけた口調で言いながら
エリオの上半身に下を這わせる。

「はやてさん駄目です、このままじゃまた……」
はやてが一つ汚れを舐め取るごとにエリオの全身に電流が駆け抜け、
下腹部に血液が集まりだす。

251部隊長の悪戯 13/19:2008/09/05(金) 01:59:56 ID:jzfTOW1l
「くっ……!」
自身の膨張によりエリオが苦悶の表情を浮かべる。
一度出しているにも関らず、すぐに射精出来そうなくらいに
それは膨れ上がっていた。エリオの変化を察したはやては
下を身体に置いたまま、膨張したストラーダの根元を掴んだ。

「まったくどんだけ溜め込んでたんや、適度に出さんと身体に毒やよ」
「溜め込むも何もこれが始めてです」咄嗟に言葉を返すエリオ。
そして彼の弁が間違いでないことを何よりも高々とそびえ立つ
‘彼自身’が雄弁に物語っていた。

「なら最後までいってまうか。お子さんもそれを欲しがってるみたいやし…」はやてに掴まれているブツから再び透明の液体が湿らせたガーゼのように染み出し、びくびくと脈打っていた。
「ほな、どないやエリオ?」
はやてが自らの秘部を指で押し広げ見せ付けた。
思わず息を呑むエリオ。

そこは先ほどまでの情事ですっかり湿っており、
エリオを受け入れるのに十分であった。

「ほな、いくで…」
はやてはエリオの腰に手を置き、身体を落としていく。
組み敷かれたエリオは自然とはやてを見上げる形になり、
そこでは二つの果実が自己主張していた。

はやての均整のとれた肢体は何処か芸術作品を思わせる風があるが、
エリオにとっては強すぎる刺激でしかなかった。
目のやり場に困ったエリオが視線を泳がせながら頬を赤らめると、
はやてがニヤリと笑った。


252部隊長の悪戯 14/19:2008/09/05(金) 02:02:18 ID:jzfTOW1l
「もっとエリオも楽しまな」
そういうとはやてはエリオの手を掴み、自身の双丘へと導いた。

「あ……」
エリオは手がそこにたどり着いた瞬間声を漏らす。
初めて触れた女性の肌は想像以上に柔らかく、暖かかった。
トクン…トクン…はやての鼓動が心地よいリズムで伝わってくる。

「はやてさん、心臓が早くなってせんか?」
エリオは聞きながらそれを確認するかのように手のひらを動かしてゆく。
「それはお互い様やで……」
女神のような笑みを浮かべて自分の手をエリオの胸部に持ってくる。
エリオの胸板は年相応の薄さだが、
日々の訓練の賜物か少しばかり筋肉がついていた。
それを慈しむように撫でる。

「くすぐったいですよ」
もっと触りたいという男としては真っ当な要求を隠そうとして
首を振り答える、

しかしエリオの心臓は、はやてに負けないくらいに早鐘を撃っていた。
「どや、お姉さんの感触は?」
はやてはそう言うとエリオの胸板から手を放し、身体を傾けていった。
はやての豊かな膨らみが音を立てて潰れる。

「うわ〜〜!!」
エリオは突然のことに叫ぶことしか出来なかった。
しかも今までなかった先端の刺激が加わったことで、
エリオの中の雄の部分が目覚めつつあった。

膣でより力強くなったエリオのモノに性の萌芽を感じたはやてが
耳元で甘く囁いた。
エリオも男の子やねんな…好きにしてええで…」
“ドクン”その一言が引き金となり、エリオの奥底の欲求を呼び覚ました。

253部隊長の悪戯 15/19:2008/09/05(金) 02:04:53 ID:jzfTOW1l
「いきますよ…」
言うが早いか、エリオははやての胸に慎重に手を伸ばす。
周囲を撫でるように動かし、徐々に力を込めていく。

「はやてさん、凄く…柔らかいです…」
はやての胸をぎこちなく変形させながらこぼすエリオ。

「ん…ええ感じやで」
はやては目を細めて笑みを浮かべている。

「こんなのはどうですか?」
しかし、次第にポイントを押さえ始めたエリオの的確な愛撫に
声が少なくなっていく。
そしてエリオが先端をつまみ上げると
はやての身体に電流のようなものが走り抜けていった。

「はああああああああああ…!!」
はやては自分がとんでもない声を挙げたことに驚き、咄嗟に手を当てる。
「大丈夫ですか!?はやてさん!?」

突然上がった嬌声にエリオは心配する。これは所謂イッタという状態だが、
エリオがそれを知るはずもなかった。

「…なんともないで、エリオ…」
もとの声で大丈夫と告げるが、息を荒くして言われてもそうは見えなかった。
はやてが頭に白いもやがかかったような状態で息を整えていると、

下腹部に違和感を覚えた。視線を落とすと、
二人の結合部から透明な液体があふれ出していた。
「エリオ、あたしもうあかんわ…」
上気した頬ではやてが呟く。

「はやてさんどうしましー!?」
エリオが返すより早く、はやては自ら腰を動かし始めた。
「うわあ…!!」

体格差もあり、はやてが腰を動かしたことでエリオの手が離れたが、
それどころではなかった。

ぴちゃん…ぴちゃん…
激しい上下運動によって淫靡な水音が響き渡る。
エリオは押し寄せる波に耐えながら、その視線は一点に集中そそがれていた。


254名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:06:54 ID:beMHyUcc
これはたまらん。
255部隊長の悪戯 16/19:2008/09/05(金) 02:06:59 ID:jzfTOW1l
「うわああ…」
二人の結合部分がピストン運動により見え隠れするようになっていた。
しかも、エリオのモノが濡れていたことで視覚への刺激が
より一層強くなっていた。

「はやてさん、僕もう……」
エリオは身体の奥底から湧き上がる感覚に終わりが近いことを告げた。

「エリオええよおお…!!」
それははやても同じだったのか、玉の汗を浮かべながら
恥も外聞もない声をあげた。

「だめです、また出ちゃいます!!」
「かまへん、漢を見せえ!!」
エリオの宣告を切り捨て、そのまま絶頂へ導くべく運動を加速させる。
「ええよー!!エリオのたくさん…!!」
「ああああ!!」
ドビュッ!!ビュルル…!!
エリオの本日二度目の射精は鉄砲水のような勢いではやての膣に注がれた。

はあ…はあ…」
「若いって、すごいなあ…」
はやてが腹部に満たされた精の充足を噛み締めている隣で、
エリオは疲労感とまどろみの中で息を整えようとするが、
やがて中空に意識を放り出した。


256部隊長の悪戯 17/19:2008/09/05(金) 02:08:27 ID:jzfTOW1l
「ううう・・・」
事が終わりそこには穢されたショックに打ち震えるエリオと
清清しい笑顔を見せるはやてという対称的な構図が出来上がっていた。
こころなしかはやての肌の艶がいいのは気のせいだろう・・・多分。

「酷いですよ、はやてさん・・・」
冷静な思考を取り戻したエリオが非難の意思を込めてはやてを睨む。

座り込んで半泣きになっているその表情は小動物的とも言え、
それがまた一部の嗜好の方々のストライクゾーンど真ん中な訳だが、
当のエリオには知ったことではなかった。

「いやー、すまんすまん、エリオがあんまりに可愛かったものでつい」
はやてがカラカラと笑う。

「はやてさんは‘つい‘であんなことをするんですか!」
エリオは薄っすら目尻に涙を浮かべながら抗議する。
先ほどからこんな平行線の会話が続き全く終わりが見えないでいた。

二人がそんな不毛なやり取りをしていると、遠くから誰かが近づく音がした。
今誰かに来られると非常にまずい。まずはこの状況をなんとかしなくては。
257部隊長の悪戯 18/19:2008/09/05(金) 02:10:30 ID:jzfTOW1l
そんなことを考えていると部屋の前から聞きなれた少女の声が聞こえてきた。
「あの、そちらにエリオ君がおじゃましてませんか?」
その声はライトニング分隊のキャロ・ル・ルシエのものだった。

二人は慌てて対処しようとしたが気が動転していたため見事に
こけそうになり、ドアの開閉ボタンを押してしまう。

「「あ・・・」」
二人は揃って顔を青くするが手遅れだ。
ドアが開いたのを入室許可と取ったのかキャロが部屋へ入ってきた。
「あ、エリオ君やっぱりここにいた。あんまり遅いからフェイトさんが
心配して…」
そこまで言ってキャロは固まってしまう。
家族同然の男の子が異様な恰好をしていれば当然の反応だった。

「あの、これは…」
このまま変な誤解をされでもしたら今後の生活に間違いなく影響が出る。
そう思ったエリオが必死に弁解の言葉を考える。

しかしその考えは予想外の一言に遮られた。
「エリオ君とても可愛いよ」
一瞬エリオは何を言われたのか分からなかった。
エリオが予想の斜め上を行く言葉に答えに窮していると、

はやてが背後から近づいてきた。
「ほほう、キャロにもこの…エリオちゃん…の魅力が分かるんか。
ええ素質もっとるなあ…」
エリオは何気なく聞き捨てならない台詞を言われて混乱したが、
立ち直る前にキャロが追い討ちをかけてきた。
258名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:11:36 ID:G3KRKJ2d
支援?
259部隊長の悪戯 19/19:2008/09/05(金) 02:11:58 ID:jzfTOW1l
「エリオ君、私のお洋服着てくれる?」
キャロが自分の服を着るよう懇願してきたのだ。

少なからず好意を持っている女の子からのお願いである。
エリオも本来なら了承したいところだがことがことだ。
エリオは全力で拒否しようとした。

しかし、はやてに背中から押さえ込まれてしまった。
「何するんですか!」

エリオは抵抗を試みるが流石に大人と子どもの力の差は如何ともし難く、
抵抗も無駄に終わった。

「さあキャロ、自前の服でもあたしのコスプレ衣装でも何でも試してみい」
ノリノリの二名に全てを諦めたエリオはこのまま
無事に終わることだけを祈っていた。

エリオの受難はまだ終わらない。






260部隊長の悪戯 あとがき:2008/09/05(金) 02:15:06 ID:jzfTOW1l
これで終わりです。
なにぶん始めての投下だったもので、改行や本文の行数など上手くいかない点が
多かったです。

スレ汚しになってしまったかもしれませんが、楽しんでいただければ幸いです。

てかこのはやてさんは苦情がくるかも
261名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:21:20 ID:IJoe2JC8
>>260
乙!なんかドキドキしてしまったよw
262名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:27:24 ID:/rrbLPyw
>>260
これはいい部隊長・・・
エリオと言う名の禁断の果実に手をつけてしまったようだ
ショタ物ならやっぱりおねーさんの手ほどきを受けないとね(マテ

これは次回作も期待せざるをえない。GJでした!
263名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:28:40 ID:V9/ISeo+
>>260
GJ!初めてにしては上出来、と上目線で言ってみる。
……やっぱエリオは女装が似合うのぉ……
264名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:31:04 ID:M6EVoFnj
初めて書いた? とても良いじゃないか!!

初体験でこれなら次はもっと良いモノが書けますぜ。
リリなのエロパロに訪れた新たなるSS戦士を全力で応援します。
265名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:36:39 ID:SEzisP+l
レジなの、なのスカ、ユーアル(ト)、はやエリ


変わり種CP増殖中www
266名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 02:38:00 ID:1lect/eP
乙なんだぜ!
やはり、エリオは虐められるのが似合うなw流石はフェイトそんの選んだ?逸材。
あと、このキャロはsの資質が絶対あるw
267名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 08:39:13 ID:nwIDP3W8
>>260
久々にまともな作品を読んだ
268名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 16:58:46 ID:uPGFFIEV
俺も久々にまともなエロ読んだ
269名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 17:19:11 ID:/UNWD8bi
まともか?w
まあ、最近のエロ系は極端だったかなぁw
270名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 19:56:17 ID:SEzisP+l
>>269
最近のっつーと・・・・・


・クロフェ母乳プレイ
・はやてAF
・チンク姉調教
・ユノアリ手コキフェラ
・アルト2穴オナニー
・はやエリノーマル ←今ここ



( ゚Д゚) ………


(゚Д゚)
271名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 20:03:42 ID:u+MYHgHA
>>270
こっち見んなww

――しかしwwww
272名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 20:27:09 ID:efFgH56V
なんという上級者向けのラインナップ
ガリュー×ディエチなんて考えてた俺がかわいく見えるぜ
273名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 21:01:51 ID:kngVIBh3
>>272
早くSSを書く作業に戻るんだ。
つか、少ないディエチ分、お願いします。
274名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 21:03:21 ID:M6EVoFnj
>>270
前スレなら、それに加えてゼスト×トーレという超異色カプや、ヴァイスがシグナム姐さんを青姦するのもあったぞ!
275名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 21:07:28 ID:I10qMdFx
非エロばかりだと思ってたが、こうして列挙されるとエロも多いな
276名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 21:10:38 ID:VKnxdAjL
はやエリ(女装)逆レイプ?←今ここ

こうじゃないのか?
277名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 21:10:56 ID:rc2PXHbV
>>260
GJ!!
これはすごいはやエリ…
悪戯されて快楽に落ちていくエリオきゅん…
続きのキャロに搾り取られるストーリーも是非!
将来ははやてとキャロの夫婦&性奴隷か
278名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 22:01:54 ID:jzfTOW1l
>>277
あくまで一発ネタとして作ったのでそこまでは考えてなかったです。すみません。
番外的なものでスバルに浴室でヤラレルものなら浮かんだのですが…
279名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 22:03:00 ID:VpfBZnIi
>>278
実にいい。その路線でお願いします。
スバルのエロ少ないんじゃよー
280名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 22:11:49 ID:u+MYHgHA
前々スレかなだったかにあったキャラ別の瞳の色表みたいなのもう一回見たいんだけど…誰か貼ってくれないかな?
281名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 22:57:51 ID:cswCG2r8
結局>>203の流れは来なかったか。
>>204とか>>205に本気で期待したんだが・・・
まぁ、その分良作が投下されたから良しなのか。
282名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:02:45 ID:r+vntJkx
>>280

赤=フェイト・シャマル・ザフィーラ・リインI・ルーテシア・ウェンディ・ディード・シャッハ・(ゼスト)
青=ヴィータ・はやて・リインII・クロノ・ロッサ・ゼスト・ヴァイス・カリム・(リインIIユニゾンシグナム)
黄=マリエル・スカ・ウーノ・トーレ・クアットロ・チンク・ノーヴェ・(ギンガ・スバル)
緑=スバル・ギンガ・ユーノ・オットー・クイント
紫=なのは・キャロ・アギト・アルト・メガーヌ・ティーダ・(アギトユニゾンシグナム)
水=ティアナ・シグナム・セイン・シャーリー・グリフィス・(はやて)
茶=ドゥーエ・セッテ・ディエチ・ゲンヤ・オーリス・ルキノ
283名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:11:23 ID:VpfBZnIi
>>282
俺は上から3つ目は黄じゃなくて金だと思うんだよね。
まあ境が分かりづらいからどっちでもいいっちゃいいんだけど。
284名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:15:04 ID:sJf3A2S8
なのはが紫ってのが意外だな、普通に茶と思ってた
285名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:16:57 ID:r+vntJkx
細かい差違は、公式ページのイラスト見た方が手っ取り早いかもね
文字で書き表すには、微妙な色が多い
28682スレ276:2008/09/05(金) 23:23:31 ID:mn7plpyd
雑談の流れをぶった切りますが、23時30分過ぎから投下します。
287名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 23:25:42 ID:sJf3A2S8
確認してみると、石田医師を見ると金色だったり…
28882スレ276:2008/09/05(金) 23:36:21 ID:mn7plpyd
ども。82スレ276です。
前スレで感想くれた皆さん、ありがとうございました。
ってかふたなりに対する反応がすごすぎて吹いた。ここの住人ふたなり好き多すぎだろw まぁ、自分もそうですが。
というわけで『ずっといっしょ』の続きです。ただ作者エロあり初めてだからまた緊張しっぱなしだよw

▽注意事項▽
・主人公はティアナで今回はティアナ×エリオ
・ティアナに生えてます。つまりふたなり。
・エロありです。
・この作品は二次創作です。
・NGは『オトコノコになったティアナ(後編)』で。


それでは投下します。
289オトコノコになったティアナ(後編) 1:2008/09/05(金) 23:39:04 ID:mn7plpyd

 機動六課では、場所がミッドチルダの首都クラナガンから大分離れていることもあって、多くの者が
隊舎で生活していた。施設は非常に充実しており、各部屋にはそれぞれベッドやトイレが備え付けられ
ている。またそれだけではなく食堂、娯楽室に共同の大浴場もあり、それとは別によく汗をかく戦闘員
や整備員の数が多いので、シャワールームも設けられていた。シャワールームは基本的にみんな昼しか
使わないので、夜間はシーンと静まり返っている。軽く間仕切りされたその空間の1つで、今2人の男
女が向かい合っていた。

「ティアさん、秘密って何ですか? それにこんなところで?」
「……今から話すわ。だけどコレは絶対に内緒にして欲しいことなの。それだけは分かって」
「分かりました。ティアさんがそこまで言うなら、誓います」
「ありがとう、エリオ。じゃあコレを見て」

 そう言うとティアナは入院着のパンツをおもむろに脱ぎだした。しかも下着ごとだ。女性の大事な場所
を凝視しそうになって、エリオは慌てて目をそらす。

「ティアさん! 突然何をしだすんですか!?」
「いいからこっちを見なさい」

 そう言われてしまうと仕方ない。だいだいエリオ自身も見たくないわけがないのだから。エリオは背け
た顔を元に戻して何も纏っていないティアナの下半身を見る。肉付きのいい白い太腿の間、局部を覆う髪
の毛と同じオレンジ色の陰毛の下、そこにある黒光りしたそそり立つモノにエリオは愕然とした。

「………………………ええぇぇぇぇっ!? な、何でこんなものが生えてるんですかぁっ!」
「うっさいわよ。私だって好きでこんなもの生やしているわけないじゃない!」

 ティアナはエリオにことの顛末を説明した。ロストロギアの影響を受けた結果だということを知り、エリ
オは申し訳なさそうな顔をする。

「そんな顔するもんじゃないわよ、悪いのはわたしなんだから」
「でも、僕がもっとうまくやっていればこんなことにはならなかったはずです」
「だから、別にいいって言って…… じゃあエリオは少し責任を感じてるんだ?」
「もちろんですよ、だって僕のせいじゃないですか?」

 責任感の強いエリオは、この件をあくまで自分の責任だと言い張る。これはティアナにとっては好都合。
そもそもこんなところにエリオを連れ込んだのも、隊長たちには聞けなかったことの代わりなのだから。
 面と向かって聞くのも恥ずかしいが、それでも体の疼きには耐えられない。ティアナは耳まで真っ赤にし
ながらエリオに聞いた。

「なら、1つ教えてほしいことがあるんだけど。」
「はい、良いですよ。何でも教えます」
「…………なさい」
「?」
「……り方教えなさい」
「あの、よく聞こえな」
「だからっ、男の子のオナニーのやり方教えなさい!」
「は!?」
290オトコノコになったティアナ(後編) 2:2008/09/05(金) 23:41:32 ID:mn7plpyd
 もちろん言われたエリオにとっては意味が分からない。何故自分が年上で、しかも女性のティアナにそ
んなことを教えなければならないのか。もちろんエリオだってオナニーのやりかたぐらい知っている。要は
自慰でマスターベーションだ。オカズだってヴァイスや他の整備員といった、人生の先輩方から頂戴して
いる。だからといって、それがティアナに教える理由にはならない。言いたいことは色々あるし、聞きたい
ことも色々ある。だが、

「なんでもするって言ったでしょ?」

 の一言で、赤毛の少年は

「……わかりました」

 という情けない言葉を口にするしかなかった。




 軽くしゃがんだエリオの目に映るティアナのペニスは、改めて見るとなかなかの大きさだった。少なく
とも自分のよりも大きくて、ちょっとばかり負けた感じがする。が、成長すれば追いつくだろう、とポジティ
ブシンキングで頭から追い出し、早速ティアナに教えにかかる。大体男である自分が他人のペニスをしご
くなんて、当然やりたくはない。しかし今回は相手が女性だし、それに約束してしまった手前逃げ出すわ
けにも行かず、なら嫌なことはさっさと済ましてしまおうとエリオは考えたからだ。

「じ、じゃあ触りますね」

 首肯したティアナを確認して、エリオはティアナのモノに手を伸ばす。

「まずは、こうやって握ります。それで、このまま上下に……」
「んっ……」

 言いながら軽く握ってゆっくりとしごき始める。初めて触れる他人のペニスは思った以上に硬くて熱かっ
た。しごいていると時々ビクンと脈を打つ。おそらく気持ちいいんだろうな、とエリオは勝手に解釈して
そのまま手の運動を続けた。
 一方の、されているティアナにとっては驚きの連続だ。何しろ初めて味わう感覚に、頭がついていか
ない。普段、女の子の部分で自慰をしていたときは、体全体がフワフワとゆっくり高みに上っていくよう
な感じだった。それが今回は一ヶ所から暴力的に攻められているような感覚。思わず声が漏れる。

「ふわっ、ああっ……!」
「気持ち良いですか?」

 下を見ればエリオの顔。上目遣いがなんとも言えない感覚を下腹部に与える。このままされ続けたら、
すぐにおかしくなってしまう。ちょっと時間が欲しい。

「ううっ……エ、エリオぉ。一人で、す、するときもっ、逆手なの?」
「あ、そうですね。間違えました。すぐ移動します」

 ティアナの質問に答えたエリオは、手を離して場所を動いた。これでようやくインターバル。あんなに
気持ち良いものだとは思わなかった。間が無ければきつい。と気を緩めていたのも束の間、

「本当はこう握るんですよ」
291オトコノコになったティアナ(後編) 3:2008/09/05(金) 23:44:18 ID:mn7plpyd
「ひゃぁぅうっ!」

 後ろに回ったエリオが、今度は立ち上がったままの状態で右手を伸ばし、再びティアナの剛直をしごき
だした。びっくりして思わず腰が引けそうになるも、左手をお腹に回したエリオがぴったりとくっついて離
れない。

「エリオっ、だめ、だめ、おちんちん気持ちよすぎるぅ!」
「そうですか? でもイクところまでやらないと教えたことになりませんから、このまま続けますよ」
「ちょ、まって、だっ……みゅん!」

 さっきまで嫌々だったエリオも、だんだんと興奮して調子付いてきた。密着した肌から香る、ほのかな
柑橘系のいい香り。背中にペタッとくっつけた顔や上半身で少女の柔らかさを堪能し、BGMにはティアナ
の喘ぎ声。これでは興奮しないほうがおかしい。己の分身にも、徐々に熱と力がこもってくるというもの
だ。

「どうですか、ティアさん?」
「もう……限界。だめなのぉ、なにかくる……なにか……出そう」

 あまりの気持ちよさにイヤイヤと首を振るティアナ。その下腹部にはゆっくり、だが確実になにかが溜ま
るような感覚がしてきた。初めての男性器からの快感で、頭がスパークする。もう乳首もビンビンに勃起
しているし、まったく弄られていないはずの膣口からは愛液が溢れて止まらない。いつのまにか太股まで
べたべたに濡れてしまっていた。
 その様子でティアナが絶頂寸前なのを察したエリオも仕上げにかかる。それまでよりも絞り上げるように
強く、且つリズミカルにペニスをしごきあげる。

「いいですよ、イッちゃってください。ティアさんのおちんちんから、いっぱい出してください」

 エリオの淫らな囁きが鼓膜からティアナの脳を揺さぶり追い詰め、そしてついに

「ああっ……もう、イクっわぁ。出る、出る、ぁぁああああっ!!」

 大きく叫んだティアナの体がギュッと縮こまる。と同時に、ペニスから発射されたものがエリオの手を
濡らしながら放物線を描いた。水よりも粘りのあるものが落ちる音がシャワールームに響く。ティアナは
そのまま何度か体を震わせながら全てを出し切ると、イッてしまって弛緩した体を支えきれず、ペタンと
お尻をついた。初めてのペニスでの絶頂を迎えてどこか呆けた顔。女の子座りをした足の間にあるモノ
は、ようやく力を失って小さくなりつつあった。

「どうでしたか? これが男のオナニーですけど」

 荒い息のまま一言も発しないティアナにエリオが声をかける。エリオとしては“ティアナにオナニーを教え
る”という難関ミッションをクリアしたわけだから、もうここにいる義理はない。別に誰彼かまわず言いふ
らすつもりもない。それよりもさっさと自室に帰って、さっきまでティアナから味わっていた匂いや感触を
反芻し、今日のお勤めを一発済ませたいのが本心だ。

「じゃあ、僕は部屋に戻りますね」

 まだティアナからは何も反応が返ってこないので、立ち去ろうとした。しかし、

「待ちなさい」
292オトコノコになったティアナ(後編) 4:2008/09/05(金) 23:46:05 ID:mn7plpyd
 ギュッとシャツの裾を捕まれてエリオは足を止める。顔は下を向いているので表情まで読めないが、
その指先に込められた力は相当強いようだ。

「あんた、さっきのわたし見て興奮してたでしょ」
「えっ!?」

 その言葉にエリオはビクッと反応する。ばれていなかったつもりだったのだが、どうやらティアナには
バッチリ気づかれていたらしい。

「そ、そんなことな」
「嘘おっしゃい。わたしの太股にずっと当たってたわよ。あんたのおちんちんが」
「あの、えと、なんといいますか、その……」

 口から言葉らしい言葉が出てこない。焦るせいでさらに言葉に詰まる。もうどうしようもない。きっと怒ら
れる。
 そう思っていたエリオにとって、次に耳にしたことのは信じられない言葉だった。

「今度は私の番よ」
「ハイ?」
「ズボン脱ぎなさい。さっきやってもらったかわりに、今度は私があんたにしてあげるから」
「えっ、でも……」
「いいから! わたしがするための練習よ」

 真っ赤な顔と、少し潤んだ瞳。年上の女性であるティアナの見せたそんな表情にドキッとしたエリオは、
ただうなずくしかなかった。




「じゃあ、ズボンを脱ぎなさい。それとも私に脱がせて欲しいの?」
「お……いいです、自分で脱ぎますから!」

 眼前でしゃがんでいるティアナの誘うような、それでいて恥らった表情。一瞬、お願いしますと言いかけ
たエリオは慌てて否定する。常に紳士であることが騎士たるエリオのポリシーなのだ。

「ふふっ、やっぱり大きくなっているわね」

 ティアナが、自分と同じように下半身をあらわにしたエリオの股間に目をやると、彼のオトコノコははっ
きりと自己主張していた。確かにティアナよりは小さいものの同年代の男子と比べると十分な大きさ。将来
は女性かせになると思われるそれを見てティアナはうっすらと笑みを浮べ、すぐにその表情を消した。
 自分でも今のティアナ・ランスターは異常だということはとっくに気づいている。さっきから自分は興奮し
すぎだ。エリオに頼んでイカせてもらい、今度は自分から誘ってエリオをイカせようとしている。さらにエリ
オのペニスを見て顔がにやけるなんて。普段の自分では決して考えられなかった。ここで止めるべきだと
思う。しかし同時に、このままでいい、こんな一面誰もがもっている自然なものだとささやく声も聞こえる。
そして、ティアナはそのささやき声に導かれるように、ゆっくりとエリオの後ろ側へと回った。
 さっきとは逆の位置関係。エリオの真後ろにティアナが立つ。身長差のせいで、ちょうど後ろからエリオを
包み込むような感じでティアナは手を回した。

「じゃあ、触るわよ」
「お願いします」

293オトコノコになったティアナ(後編) 5:2008/09/05(金) 23:48:04 ID:mn7plpyd
 本当にさっきと逆の立場だなぁ。ティアナはクスリと笑ってから、エリオのペニスを指一本一本で確かめ
るようにしっかりと握った。次いでそのまま上下にこすり始める。
ティアナにしてみても、他人のペニスなど触るのは初めてだった。しかも初めて触った自分のモノも結局
すぐはなしたので、実質的にペニスに触るのはこれが初めてと言ってもいい。だからだろうか、その手つき
は中途半端で単調な動きでどことなくぎこちない。

「エリオ、気持ちいい?」
「気持ちいいですよ。でも、もっとテンポよくして欲しいです」
「こんな感じ?」
「あっ…… そうです。いい感じです。それから……」

 エリオにされる命令を一つ一つこなす。生まれたての小鹿が立つことを覚え、次に歩くことを、最後に走る
ことを覚えるかのように、ティアナのテクニックも少しづつだが確実にうまくなっていった。
 やっているうちにティアナにも遊び心が起きる。エリオにするばっかりじゃなくて、自分でも試してみたい。
エリオのお腹を触っていた空いている左手を、そっと自分の股間に回す。さきほど一度放出して小さくなってい
たティアナのペニスだが、エリオに手でしているうちにまた大きくなって今は半立ち状態だ。それに手を添えて、
ティアナは自分の手の中のモノを弄りだす。

「ふっ」

 さっきエリオから与えられた快感が再び甦る。自分の手でやるのもされるのとはまた違う気持ちよさがあった。
半立ちだったモノもすぐさまエリオよりも一回りほど大きい形を取り戻す。弄っていた左手で竿の部分を握り、
エリオに言われたとおりに上下にこすってやると、下腹部からの気持ちよさが徐々に体の中に広がっていった。
 一方のエリオも、快楽の嵐に溺れかけていた。さっきまでティアナに手コキをしていたせいで痛いくらい
に勃起しっぱなしだったペニスは、今はティアナによってしごかれている。その手付きは単調だった最初
に比べると段々と慣れてきたようで、きめ細やかな女性の手とあいまってなかなか具合がよかった。さら
には覆いかぶさってきたティアナの胸。エリオの顔とほぼ同じ高さにある大きな二つの膨らみは、いま両肩
に押し付けられていた。スタイル抜群なティアナの双乳は、形が美しいのもさることながら非常に柔らかい。
二人ともシャツを着ているので直接感じることはできないが、それでもその柔らかさはエリオにとっての極上
の品。自身の一生において、おそらくそうそう感じることは出来ない感触。まさに至福のひと時を味わって
いた。
 しかし、人間は欲張りな動物。その欲望は尽きることがない。大好物も毎日食べればただの好物に成り
下がってしまうように、幸せな状況も長く続けば次第に飽き足らなくなってしまう。もちろんエリオも例に漏
れずその症状が現れていた。さっきからずっと気持ちいのだがそれももう十分。もっと気持ちよくなりた
いし、気持ちよくして欲しい。幸い今日のティアナはどこかおかしい。調子に乗っているかもしれないが
これはチャンスだ。そう思ってティアナに尋ねる。

「ティアさん、1つお願いがあるんですけど」
「なによ?」
「フェラチオしてもらえませんか?」
「フェラチオ? ってなにそれ?」
「あ。えっと、じゃあ舐めてくれませんか」
「舐めるって?」
「僕のを舐めてくれませんか?」
「え!? それってまさか、あんたのおちんちんを舐めろってこと?」
「そういうことですけど」

 多分断られるだろうなぁ。後ろにいるティアナの顔は見えなかったが、さっきの口調といいきっと顔を
真っ赤にしながら断られるとエリオは思っていた。だから次の反応が逆に信じられない。

294オトコノコになったティアナ(後編) 6:2008/09/05(金) 23:50:05 ID:mn7plpyd
「……別に良いわよ」
「い、いいんですか!?」
「何よ、そんなにびっくりしちゃって」
「だって、断られると思ったから」
「その代わり、私も条件があるわ」
「え?」
「そのフェラチオってのをする代わりに、エリオが私にもしてくれるなら、やってあげるわ」

 今度はエリオが悩む番だった。してもらえるとは思ってもいなかったのに、まさかのオーケー。しかし
その代償は、自分がフェラをする側に回るという、かなり痛いもの。欲望か、はたまた男の、騎士とし
てのプライドか。人間、誰だって捨ててはならない誇りがある。そして、他を犠牲にしてもかなえたい欲望
もある。今回エリオが選んだのは、

「わかりました。僕もするんで、ティアナさんも僕にしてください」

 もちろん欲望のほうだった。




 さっきまでエリオの背中越しにしごいていたモノが、今は目の前に存在している。壁にもたれるようにし
て立つエリオ。立ち位置が変われば見え方も変わる。エリオの真後ろから真正面に回ったティアナにとっ
て、股間の真ん中に鎮座しているソレを舐めるにはなかなか勇気が必要だった。

「あんたのおちんちん、結構大きいわね……」
「そうですか? でも、ティアナさんのほうがもっと大きいですよ」

 確かに鏡で見た自分のペニスと比べると小さい気もするが、いま目の前にあるモノはこれから舐めなけ
ればならないもの。色は黒味を帯びた茶色で先端は朱色に近い赤。硬くて熱い存在。ただ握っているだ
けでよかった先ほどまでと違い、舐めようとするもどうしても怯んでしまう。

「うるさいわね、だいたい私のは勝手にはえてきたんだから大きさとか関係ないし、むしろ無くなって欲し
いくらいよ」

 軽く憎まれ口を叩き強がって見せるもそれは不安の裏返しから。しかしこのまま何もしないわけにもい
かず、ペロっと舌を出して先っぽでエリオのペニスに軽く触れる。ティアナの心配を余所に、舐めた感触
は案外普通だった。次に裏スジの根元から先端までを舐める。特に嫌な味もしない。あえて言うならちょっと
塩辛い程度。もう大丈夫と分かったティアナは、舐めにくかったので右手で根元を押さえると今度は全体
に舌を這わせる。上へ下へ、周囲をなぞりカリの部分をつつく。

「くっ…… あっ……」

 舐め方を激しくすると、エリオが声を上げ始めた。なにかに耐えるような悩ましげな声にまたゾクっとす
る。舐める場所や舐め方によって顔が変わり弱点らしき場所も分かるのでそこは重点的に攻めた。手コキ
よりもはるかに早いスピードでどんどん性技を取得する。ティアナにはフェラの才能があったらしく、さっ
きまで躊躇っていたペニスを舐めることに最早何の抵抗もない。まるでそう言わんばかりのティアナの攻め
方は、いよいよペニスを口に含むものへと代わった。

295オトコノコになったティアナ(後編) 7:2008/09/05(金) 23:51:42 ID:mn7plpyd
「ちょっ、ティアさん!?」
「何よ、入れたらだめなの?」
「別に駄目じゃありませんし、むしろ気持ちいいですけど……」
「なら問題ないじゃない。続けるわよ」

 エリオの抗議を無視して行為を再開する。さっきまでのただ舐めるだけと違って、エリオへ与える快感は
別格のようだった。なにせエリオの表情が、だんだん眉根を寄せる苦悶のものへと変化しているので丸
分かり。それ加虐精神を刺激したのか、ティアナはますますフェラチオに没頭する。よく凡人だと自分を
卑下するティアナだが、その集中力は折り紙つきだ。亀頭に唇を寄せて軽く吸う。次は竿の中ほどまで
を口に含み唇で締め付けながら激しくしごく。根元を押さえる役目は左手に代え右手で上下にこすって、
口だけでなく手からもさらなる快感をエリオに送り出した。

「ティアさん、そろそろイキそうです」

 限界が近づいたエリオがうめくように声を上げる。しかし夢中になっているティアナは何も反応しない。
一心不乱に奉仕するあまり声が耳に届かないらしい。

「もう出ますって」

 まだ聞こえていないようだ。それでも口の中でピクピク震える肉棒になにかを察したのか、ジュルジュル
と大きな音を立ててより激しくペニスを攻め立て始める。それはつまりエリオの限界へのカウントダウン。
このままではすぐにイッてしまう。逃げ出そうにも後ろは壁で逃げられない。ティアナの口を汚すわけには
いかず、かといって女性の頭を押しのけて抜くことも出来ない。というかしたくない。だが、そうこう考え
て徒に時間を消費できるほど今のエリオに余裕は無かった。

「あ、イクっ…… 出るっ!!」

 臨界点を突破したエリオの肉棒は一度大きく膨れあがると、膨張した分全てを出し切るかのように、
ビュルッ、ビュルッと精液を放出した。

「!? ぐっ、ゴホッゴホッゴホッ!」

 運悪くちょうど奥まで咥えていたペニスからの突然の発射にティアナは大きくむせる。慌てて口から抜く
も、生暖かくて青臭いものの直撃を食らったノドが異物を吐き出そうとするので咳は止まらない。軽いパニック
だ。さらに未だ目の前にあるモノから出る白いのがティアナの顔や髪にかかる。これまた異臭を放ちながら
ベッタリと張り付く。堪ったものじゃなかった。

「ゲホッ。はぁはぁはぁ……」
「あの、大丈夫ですか、ティアさん?」
「あ、あんたね〜。大丈夫なわけないでしょう。あー苦しかった」

 心配するエリオに対してティアナは涙目になりながら答える。

「もぅ、出すときは出すって言ってよね」
「一応言ったんですけど……」
「聞こえなかったら意味ないじゃない」
「す、すいません」
「まったく。ねぇ、あんたタオルもってない? 顔拭きたいから」
「はい」

296オトコノコになったティアナ(後編) 8:2008/09/05(金) 23:53:21 ID:mn7plpyd
 エリオから受け取ったタオルを使い、顔射されて白濁液まみれになった顔や髪を拭いた。一応ぬぐった
がまだベッタリとなにか付いている感覚に閉口する。さっきまでビンビンにいきり立っていた下腹部も、今
の騒動ですっかり萎えてしまった。エリオも申し訳なさそうな顔をして黙ってしまっている。今日はこのくら
いで解散したほうがいいようだ。

「エリオ、今日はこれでお開きね」
「え? でも僕まだティアさんにしてませんよ」
「それはまた今度。今ので私のもしぼんじゃったし」
「……すいません」
「もういいわよ、済んだことはしょうがないし。して欲しいときは呼び出すから。いいわね?」
「はい」
「よし。あと私の体のことは絶対秘密だから。いいわね」
「わかりました。最初に言ったとおり、必ず守ります」
「うん、じゃあおやすみ。エリオ」

 ティアナはテキパキと入院着を着込むと、タオルをエリオに返し足早にシャワールームから去った。医務
室に戻ればお湯と清潔なタオルもあるから、それで顔と体を拭こう。早くさっぱりしたい。どこか不快感の
残る体を引きずりながら、ティアナの頭はそんなことを考えていた。行きの道と違い、頭を支配していた性
欲はすっかり去っている。どこも問題は無いように思えた。

 ただひとつティアナの気づいていない問題があるのなら、それは、自分の体について何の違和感も感じ
なくなってしまったことだった。



297オトコノコになったティアナ(おまけ) :2008/09/05(金) 23:55:13 ID:mn7plpyd

 ティアナが帰り誰もいなくなったシャワールームに、エリオはポツンと一人残されていた。さっきまでのこ
とを振り返る。訓練を終えシャワーを浴びた後、部屋に戻る途中でティアナに出会った。そこでティアナ
の秘密を知り、手コキをしてあげた後フェラをしてもらった。さらにあろうことか、もう一度同じようなこ
とをする約束まで取り付けてしまった。

「ふぅ、もう戻ろう」

 まるで夢の中のような出来事。しかし、手の中のやたらネバネバするタオルがそれを否定していた。約束
したおかげでもう一度ティアナとできる。もしかしたら今度はさっき以上のことまでできるかもしれない。そ
れはとても心躍ること。しかし秘密を抱えてしまった。それ以外にもどこか漠然とした不安もある。それが
何かは分からない。少なくともいま出来ることはタオルを洗濯し、明日の訓練に備えて早く眠ることだ。ポ
ジティブシンキングが得意なエリオ・モンディアルはそう結論づけて部屋へと戻った。

「おかえり、エリオくん」

 不安の原因は彼女だったのか。イヤイヤ、そうではないだろう。自分のベッドに転がってニコニコして
いる彼女を見ながら、エリオは一瞬浮かんだ考えを否定した。これはいつものことだから何の問題もない。
しかも自分の考え1つでどうにでもなるんだから不安を感じる必要も無いだろう。

「ただいま、キャロ」

 軽く返事をしてエリオは備え付けの冷蔵庫を開け、中に入っているミネラルウォーターで喉を潤した。興
奮してカラカラだった口の中と疲れた体に冷たい水はよく染み入る。

「遅かったねー」
「うん、納得がいくまでやりたかったから」
「明日も訓練あるんだよ。ほどほどにしなきゃ」

 そう言いながら、ピンクのパジャマを着た女の子はクスクスと笑っている。初めて会ったときは全然喋ら
なかったのに、今ではこんなにそばにいてくれると落ち着く関係にある。未来というのは分からないものだ。

「ねぇ、エリオくん。今日はどうする? エッチしない?」
「う〜ん、今日は疲れたしもう遅いからまた今度でいいかな?」
「いいよ。じゃあ、今日はお話してから寝ようね」

 ホント、過去の自分が見たら驚くほどの関係だ。どこをどう間違えたんだろうか。訓練やらナニやらで濡
れてしまったシャツを着替えると、電気を消してエリオはキャロの横に体を寝かした。

「今日のあれ、おもしろかったね」

 入るなり片手をぎゅっと握られたかと思うと、すぐに喋りかけてくる。この前の休日に、フェイトに買って
もらったフリフリがいっぱいついたパジャマは、キャロのかわいらしいイメージとあいまってよく似合っていた。

「あれって?」
「ほら、晩御飯のときにヴィヴィオが……」

 キャロの話に相槌を打ちつつエリオは考える。JS事件が終わってしばらくしてから愛を確かめ合った2人。
週に何度かキャロはエリオの部屋を訪れ、エリオが求めれば体を重ねるという日々を続けてきた。求めな
いときは普通に2人でおしゃべりをして眠るだけ。それはとても幸せだった。
 でも、とエリオはさらに思う。今日ティアナに会ってから胸の中に生まれた不安。それがいつか現実のも
のになったとき、この幸せな時間も終わりを迎えるんじゃないか。そんな未来がすぐ近くに迫っているんじゃ
ないか。不安はグルグルとエリオの頭の中を駆け回っていた。

「今日は眠れないかもね?」
「どうしたの、エリオくん?」
「なんでもないよ。おやすみ、キャロ」
29882スレ276:2008/09/06(土) 00:01:03 ID:mn7plpyd
以上で投下終了です。
いやぁ、やっぱりエロは難しい。一応「実用できるエロを書く」って信念をもってますがなんとも。
あと、続編も書きたいんですけどぶっちゃけ今のは3月から書いてました。まだ60スレの頃です。
っつうわけで、これからも書いてくつもりなんでいつか分かりませんがまた投下でもした時にはよろしくお願いします。

では、82スレ276でした。
299名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:04:38 ID:0DbiW3C9
……自分の性癖がちょっと不安になってきたじゃないかっ!!!
 
くっ…………GJ過ぎるぜ。
300名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:05:59 ID:bXMcEZtl
どっちも掘らないのか……残念無念だがGJ

よしティアナ、次はスバルあたりで筆おろしだ!
301名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:13:13 ID:2DkHIIP5
じゃあ今度はエリオのチンポが無くなる話をk
302名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:18:14 ID:aQbX7PLj
>>301
あれ俺いつの間に書き込んだんだろう
303名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:21:28 ID:0DbiW3C9
>>301
>>302
エリオ「あ、あの……女の子のオナニーのやり方を……」
フェ・キャ・シグ・ルー「私が教え……」×4

こうですか?
304名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:45:40 ID:46CvHfby
>>260
ぶたいちょーその道は激しく険しい道です。
途中で金色夜叉とかでます。
ですが、乗り越えた暁にはかわいい子とにゃんにゃんできるので頑張れ!

処女作とは思えない出来でした…
はやエリ最高ショタ最高!
305名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 00:49:07 ID:46CvHfby
>>278
こっちも是非書いてください
スタイルはいいけど、ちょい子供っぽいスバルと子供だけど、ちょい大人びたエリオ
この二人の絡みも楽しみすぎる!
306名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 01:11:18 ID:1bx9lmmx
GJ!
どっちも入れたりせずに、ただイチャイチャ(?)するのがポイントかと
次は二人とも挿入しあって更に愛を育むのですね
307名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 01:25:26 ID:+fA0Vj60
アッー!
308名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 01:25:37 ID:gBy4FDCS
GJ!
てっきりティアナのAFと同時射精という荒技をやると思ってましたが…
309名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 03:33:40 ID:9yxgp1Il
AF・・・アームズフォート?
いいぞ〜お前のアームズフォートが見えるぞ〜ただデカイだけの鉄屑とはちがうぞ〜いいぞ〜なのですね、わかります。
310名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 04:04:56 ID:+fA0Vj60
>>309
マジレスしたほうがいいか?
311名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 05:16:43 ID:6rJ3O7tL
アーマードフェイトと読んでしまった。
312名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 09:18:25 ID:FJwgC32r
>>311
フェイトのBJのコンセプトと真っ向勝負だな。
313名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 09:59:55 ID:BkI7iwjT
>>312
当然、クライマックスにはアーマーパージしての高速戦闘モードに移行する
314名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 10:09:30 ID:gLBNRoyr
ふぇいと「真マッパーフォーム!」
315名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 10:22:38 ID:HRfnCnR0
それは、別名「ルパンダイブ」というヤツでは…
316名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 10:37:50 ID:1RdvuEQ3
フェイトそんのルパンダイブか……eroticさが全く感じられん
むしろフェイトさんにルパンダイブをかますエリオが(・∀・)イイ!!
317名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 10:41:12 ID:fG7Rt4H4
そんなのエリオじゃねー
318名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 10:47:56 ID:n3O/MZnu
むしろリリカルふぇいとの世界観でクロノがユーノにですね…
319名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 11:02:53 ID:I44obIZa
ユーノがクロノにレイプされているところをフェイトが目撃したら……
320名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 11:25:03 ID:fG7Rt4H4
また鬼畜ロノか…
321名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 11:52:45 ID:HRfnCnR0
>>319
ふぇいとちゃん「私、始まってもいなかったんだね…」
322名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 12:37:42 ID:O21EWiWf
>>319
次の瞬間なのはさんにレイプされるフェイトそんが……
323名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 14:04:38 ID:9yxgp1Il
9年後、そこでは元気にエリオを手篭めにするフェイトそんの姿が!
324名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 14:15:59 ID:Ve8o1mJu
フェイトのドMエロが見たいなぁ。AF系とか。
お相手がクロノが結構多いから、ユーノとかエリオ、大穴でグリフィスでw
325名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 14:40:28 ID:40N3DEzk
いやいや俺はなのはさんとのハードSMが見たいぜw
どっちがSでもいいけど
326名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 15:29:53 ID:WIWR5hRy
俺はフェイトそんが陵辱されるのを見たい…
327名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 15:31:03 ID:Zck0At4M
ディエチかセイン、お願いします。
328名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 15:49:58 ID:onBrREfW
オリキャラでいいからチンクとウーノ以外のナンバーズ全員、幸せにしてやってください!!11
329名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 15:53:13 ID:+ZQDtCMi
なんかクロノよりもユーノの方が腹黒く感じるのは俺だけ
330名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 15:57:30 ID:FDChZb4y
>>329
331名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 16:49:18 ID:6rJ3O7tL
過去にこのスレで幸せになったナンバーズってどれだけいる?
ソープ以外で(あれはお仕事だから)。
332名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:05:03 ID:Ve8o1mJu
ゼストの子供懐妊でトーレ、戦闘モノで見事に脱獄しテロ行為、死を偽装し、遊び倒そうとワクワクしながら逃亡するクアットロ、
エリオと肉欲の日々のセッテ、グリフィスとくっ付くオットー、サンタ(ノーヴェ専用GDV型)と働くノーヴェとかかな。

333名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:08:02 ID:Zck0At4M
スカさんと幸せになる予定のウーノを忘れないでやって欲しい。
334名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:14:03 ID:6rJ3O7tL
半分くらいは幸せになれたのか。
しかもラインナップがさすがエロパロと言うべきかw
335名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:16:30 ID:jaW8tycP
短編だけど、身体の隅々まで査察されちゃったセインもあったな
336名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:29:22 ID:46CvHfby
>>298
GJ!!
若さとは恐ろしいものだぜ…
きっとお互いの体の感触が忘れられずに、悶々するんだろうな。
エリオはキャロがいるから大丈夫かもしれないけど。
でも確実にエリオがティアナとくっついてしまうフラグが
続編もあると嬉しい!
337名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:32:23 ID:gELqV731
そろそろキシャーが読みたいな…(キシャー
338名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:46:35 ID:c+AsBenV
>>331
ウーノ……クリニックFでスカと二人のんびり隠遁生活
ドゥーエ……復活して姉妹と再会(後発組とは待望の初対面)、誰かと結ばれた
わけではないけどまあデフォだと死んでるわけだし
トーレ……ゼストの子を授かる、現在進行形のSSでオリキャラと結ばれる可能性あり
クアットロ……記憶がない、ただの不人気のようだ……自分は好きだけどねッ!
チンク……ゼストの子を授かったり(またお前か)家族を作ったり。L.L.外伝の『人間になれた』と
涙を流したのも『幸せ』の一つの形かな?
セイン……教会に引き取られエロッサと真っ昼間から真っ裸でうふんあはん
セッテ……エリオと結ばれ若干常人とは違った形の愛を育んでいる模様
オットー……グリフィスと結ばれる、多分ディードと二人健在ならどこだって
幸せなんではなかろうか
ノーヴェ……記憶がない、た(ry このスレでは千和ボイスは総じて不遇な模様。
中の人としては本編で一番頑張ってただろうに……ソープ時空ではガジェットと
フラグが立ったがソープでない時空ではどうかしらん
ディエチ……ゲンヤさんとセクロスする話はあったが単発作品なんでその後は不明。
そもそも色恋沙汰に限らず出番が少ない。気がする。個人的に。クア姉やノーヴェと
違ってキャラが掴み難い? 個人的に全姉妹中最も幸薄い気がする。
ソープ時空でも悪い男に引っかかってるとかもうねorz
ウェンディ……エリオ隊長時空でオリキャラ(だよね?)と結婚したりカルタスと
結ばれたり。彼女の場合基本元気にやってる=幸せな気がする。
ディード……あまり記憶がないその3だが、オットーという存在がいるだけ前二人より
マシ?

幸せといってもその形は色々あるけどこんなところかしらん
とりあえずディエチの不遇さはガチ
339名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 20:00:01 ID:ZrBv8VlG
クアットロは、更正施設でドゥーエと再会。とか無かった?
340名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 20:06:28 ID:Zck0At4M
オットーとザッフィーのくっついたやつなかったっけ?
341名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 20:28:40 ID:gLBNRoyr
お尻でくっついてるヤツですか?わかりません><
342名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 21:02:00 ID:I44obIZa
>>340
ターンA氏の執務官ティアナでそういう設定があったけどメインで描写されたことはなかったはず
343B・A:2008/09/06(土) 21:53:44 ID:6rJ3O7tL
話をぶった切ることになりますが、投下しても良いですか?
344名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 21:55:30 ID:XjVXhh5c
どぞー
345B・A:2008/09/06(土) 22:02:05 ID:6rJ3O7tL
それではいきます。
エピローグその1(ぇ



注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・非エロです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し(特に古代ベルカや聖王に関して)
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・SSXの内容は風の噂程度にしか知りません(←もう持っている人に対して)
・今回はエピローグ前編です
・前提作品『Ritter von Lutecia』
      『Nach dem eines Speerritters』
346名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:02:05 ID:Zck0At4M
わくわく
347Das Erbe zur Zukunft@:2008/09/06(土) 22:03:36 ID:6rJ3O7tL
第30話 「innocent starter(前編)」



あの戦いから、一週間が経過した。
ロート・シルトによる武装蜂起は、本局機動六課と地上本部、そして一部の協力者達の迅速な対応によって即時鎮圧され、最終的には首謀者の死亡という形で幕を閉じた。
それだけ聞けば聞こえは良いが、精鋭揃いの首都防衛隊が壊滅させられ、最悪の場合首都が陥落していたかもしれないということは紛れもない事実であり、
また謀反を企てたシエン・ボルギーニの自殺を許してしまったことは管理局に取って許し難い失態であった。
また、この事件における死者の数は判明しているだけでも数十人。負傷者に到っては千人近くにまで及んだが、幸いなことに一般市民に死者は出なかったらしい。
そして、一連の事件はそれを企てた組織の名前を取ってロート・シルト事件と呼ばれるようになった。





不意に肌寒さを覚え、セリカは毛布を被り直そうと右手を伸ばした。だが、どれだけ腕を伸ばしても指先からは固い感触しか伝わってこない。
それに、何だかとても腕が重かった。

(そうだ、ギブス填めていたんだっけ・・・・)

逮捕時に酷いけがを負っていたので地上本部の総合病院に入院させられていたことを思い出し、セリカは自然と自嘲する笑みをうかべた。
そして、まどろむ瞼を擦って意識を覚醒させ、何もない殺風景な部屋を一瞥する。
壁一面が染み一つない白色であり、鉄格子が填められた窓から差し込む光が反射して寝ぼけ眼には少し眩しい。
何でも設計士が図面を引く際に日照を計算に入れ忘れたせいで、この部屋は他の部屋よりも日差しが強く差し込むらしい。
だったらせめて壁紙を変えれば少しはマシになるかもしれないと看護師に言ったら、院長が白は清潔感のある色だからと言って譲らないのだそうだ。
だからセリカはここに入院して以来、一度もカーテンを開けていない。なのに、どうして今朝に限ってカーテンが開いているのだろうか?

「どこの馬鹿よ、カーテン開けたの・・・・・」

ボヤきながら、セリカは気だるげに半身を起こして伸びをする。ギブスを填めた右腕に不自由は感じるが、それでも一週間近く過ごせば嫌でも慣れてくる。
実際、文字を書くなどの精密動作を除けば、左手一本でも十分生きていけるまでに上達している。

「やっと起きたか、ねぼすけめ」

いるはずのない第三者の声に、セリカは身を固くする。恐る恐る声のした方に目をやると、眼帯をつけた赤毛の青年が壁にもたれかかりながらこちらを見つめていた。

「モンディアル・ハラオウン・・?」

自信なさげに呟くと、青年は笑いを堪えきれずに顔を俯かせる。それで彼の正体を察したセリカは、偏頭痛を覚えて思わず額に手を当てた。

「ケイン、あなたねぇ」

「オレの眼帯もなかなかイカすだろ?」

呆れているセリカを尻目に、ケーニッヒは変装用の眼帯を取り外し、陸士隊制服のネクタイを緩めてシニカルに笑った。

「生きていたのね、あんた・・・・・・」

「お陰様でな。お前の方こそ、思っていたより元気そうじゃないか。てっきり落ち込んで子どもみたいにわんわん泣いていると思っていたんだが」

「この格好を見て、よくそんなことが言えるわね」

そう言ったセリカの姿は、非常に痛々しいものだった。全身に包帯が巻かれており、折れた右腕はギブスでガチガチに固定されている。
寝返りで解れた包帯の隙間から顔を覗かせているのは色白の肌ではなく焼け爛れたケロイド状の皮膚であり、よく見れば左手の指は三本しかなかった。
348Das Erbe zur ZukunftA:2008/09/06(土) 22:04:28 ID:6rJ3O7tL
「もうピアノは弾けないわ」

「弾くのか?」

「いいえ、楽譜すら読めないわ。あんたの真似よ」

「ああ、なるほど」

吸いもしない煙草を求めて相手を困惑させる冗談を何度か口にしていたとを思い出し、ケーニッヒは苦笑する。
その笑顔を見て、セリカはケーニッヒの纏う雰囲気に若干の変化が見られることに気がついた。人を小馬鹿にしたようなシニカルな言動はそのままだが、
何となく声の調子が丸みを帯びているように感じられる。自分に対してはどちらかというと押しつけがましい性格を見せていたが、それも余り感じられない。
最後に言葉を交わした時は斜に構えた鉄面皮の裏で常に白鳥の水かきの如く神経を張り詰めていたのに、今は全身から力が抜けていて別人のような余裕すら感じられる。

「何かあったの?」

「別に。ただ、あれから色々と考える時間はあったから、情報を集めつつ身の振り方について考えていた」

「そうね、確かに時間はあった」

考えることは山ほどあった。自分のこと、シエンのこと、ヴィヴィオのこと、ロート・シルトや管理局のこと、ミッドチルダのこと。
この一週間、セリカはずっと自分達がしてきたことについて考えを巡らせていた。

「あんたは、これからどうするの?」

「そうだな・・・・・・ロート・シルトは負けて、中将も死んだ。それでもこの世界はまだ続いていく。やがてはオレ達の戦いも、
歴史の中の一ページとして埋もれてしまうだろう。だから、オレはそれを見届けようと思う。中将が守りたかったこの世界、
果たして閉ざすべきだったのか否かを、もう一度見極める。それに、果たさなきゃならない夢も思い出せたしな」

「夢?」

「ああ・・・・・大事な夢だ」

「そう・・・・なら、こんなところでぐずぐずしている暇なんてないんじゃないの?」

「まあな。だいたいここまで来るの大変だったぞ。書類を偽造してエリオの馬鹿に変装して、スタッフには金を握らせて隠しカメラに細工して
・・・・・・・・それだけで結構な金を使ってしまった」

「そうまでして、どうしてここに来たのよ? 裁判とかは中将が後処理を託した幹部連中が上手くやってくれているでしょ。
まさか、最後のお別れを言いに来た、なんてセンチなことを口にするんじゃないでしょうね?」

元地上本部防衛長官の肩書は伊達ではなく、シエン・ボルギーニは全てにおいて抜かりがなかった。大胆な行動の裏で常に最悪の事態を想定した準備を行っており、
自分達が敗北した場合や、自分が死んで組織の長としての責任を果たせなくなった時の対処法までを事細かに想定していたのである。
そのおかげで此度の事件は誰に罪があり、また誰が免責されるのかが非常にハッキリとしており、裁判もスムーズに始められるだろうと橙色の髪の執務官が言っていた。
もちろん、ケーニッヒはシエンの側近であったが故に彼しか知らない情報もいくつか持っているだろうが、それにしたって精々調書の数が一枚増える程度の
些細な違いにしかならないだろう。だから、彼は捕まるかもしれない危険を冒してまで自分に会いに来る理由などないはずだ。
すると、ケーニッヒは至極真面目な表情を浮かべ、その鋭い眼光でまっすぐこちらを見つめながら告げた。

「お前を逃がすためだ」

「え・・・・・・」

「オレの戦いは終わった。残された道は二つだけ・・・・・・お前と共に生きるか、一人で生きるかだ。まあ、どのみちオレの寿命はそんなに長くはないからな。
どっちにしても、野垂れ死ぬのが関の山だろうさ。だったら、他人に選択肢を丸投げしてみるのも一興だと思った。どうせ十二年前に中将に拾ってもらった命だ。
その娘であるお前のために使い潰してみるのも悪くないだろ?」
349Das Erbe zur ZukunftB:2008/09/06(土) 22:05:01 ID:6rJ3O7tL
「あんた、自分が何を言っているのかわかっているの? ここは管理局の施設なのよ。警備だって厳重だし、騒ぎを起こせば警備員がすぐにやって来るわ。
それに地上本部だって目と鼻の先。いくらあんたでも、けが人を連れて逃げることなんて・・・・・・・・」

「できるさ。オレが合図を送れば買収したスタッフがセキュリティを切る手筈になっている。
陽動のためにあちこちに爆弾も仕掛けておいた。逃走用の車も待機させているし、偽造パスも作った」

淀みなく彼の口から語られる言葉に、セリカは閉口するしかなかった。
自分がここに搬送されて、まだ一週間しか経っていない。その短時間で信頼の置ける人間を仲間に引き入れてここに潜り込む手筈を整え、
更には見取り図などの必要な資料を集めた上で事前に爆弾まで設置する。並大抵の労力ではなかったはずだ。
良く見れば、彼の顔はそこはかとなく頬が扱けており、目の下にも隈ができている。きっと夜も眠らずにこの脱走計画の準備を進めていたのであろう。
だが、何のために? 自分と彼の接点は、シエン・ボルギーニに個人的な恩があるというだけだ。彼がここまでしてくれる理由が、セリカにはまるで思いつかなかった。

「どうして、私なんかのためにそこまでしてくれるのよ?」

「言わなかったか?」

苦笑し、ケーニッヒはセリカの頭を軽く叩く。そして、今までに見せたことのない、優しい笑みを浮かべながら囁いた。

「オレはお前の、お兄ちゃんなんだぜ」

「よしてよ、気持ち悪い」

気取った調子に身震いし、思わずベッドの上を後ずさる。それがショックだったのかケーニッヒは肩を落としてため息を吐き、自嘲するように額を指でかいた。

「そうだな。確かに気持ち悪いな。まったく情けない、こいつはな」

どこか虚ろに呟き、ケーニッヒは背筋を伸ばす。まるで失恋したかのようなその笑みに、セリカは彼の真意を計りかねた。
まさかと思うが、あれは殺し文句だったのだろうか?

「ケイン、あんた・・・・・・」

「で、どうするんだ?」

こちらの言葉を遮り、ケーニッヒは耳元で囁く。

「オレはどっちでも構わないぜ。ケジメみたいなものだ、こいつはな。けど、お前にはお前の事情がある。
お前も見つけたんだろ、自分の居場所、本当の気持ち、目指すべき夢を」

「・・・・・・うん」

「なら教えてくれ。でないと、オレはここから先に進めない」

「私は・・・・・・・・」

言葉を切り、もう一度自分の中に問いかける。
自分は敗れた。強大な管理局の力の前に、完膚なきまでに痛めつけられて。それでも、胸の内で燻っている炎は消えていない。
ほんの僅かに残った篝火ではあるが、再び燃え上がる日が来ることを今か今かと待ち侘びている。みんなの笑顔がみたい。この気持ちに嘘をつくことだけはできない。

「ケイン、私は・・・・・・・・」





「それじゃ、何かあったらナースコールで呼んでくださいね」

検温にやって来た白衣の天使の笑顔を見送り、人の気配が遠ざかっていくのを待ってから、エリオは深々とため息を吐いた。
すると、彼の足下の布団が不自然に盛り上がり、中から一糸纏わぬ姿のルーテシアが恐る恐る頭を出して病室のドアに首を向ける。
350Das Erbe zur ZukunftC:2008/09/06(土) 22:05:33 ID:6rJ3O7tL
「行った?」

「うん、行った」

持ち前の鋭敏な聴覚で廊下を行き交う足音を聞き分けたエリオが警戒を解き、ルーテシアはホッと息を吐いた。
例え夫婦といえどケガで入院中の局員が病室で逢瀬をしていたことがばれれば管理局の信頼に影響する。

「さてと、続きする?」

「する」

行為の途中で中途半端に燃え上がった劣情は抑えが利かず、普段の楚々としたイメージからは想像もできない甘い声を漏らしたルーテシアは
夫の逞しい胸板にしな垂れかかった。そして汗の浮いた自身の胸をエリオの体に押し付け、彼の愛撫を従順に受け入れながら悦のこもった声を室内に響かせる。
だが、程なくしてエリオは残念そうに呟いた。

「やっぱり、片手だけだと上手くいかないな」

そう言ったエリオの右腕は、片口から先が綺麗になくなっていた。シエン・ボルギーニとの戦闘で使いものにならなくなってしまったため、
新しい義手を取り付けるまではずっとこうして過ごさねばならないのだが、この状態で女性を抱いたことなど皆無であったため、
上手くルーテシアを悦ばせられないと嘆いているのだ。

「余り気にしないで。普段のお返しに、今日は私がしてあげるから」

「どうしたの、今日はやけに積極的だね?」

「そう?」

「いつもは恥ずかしがって抵抗する癖に、今日は自分から求めてきたじゃないか」

「嫌いになった?」

「まさか。ますます好きになったよ」

左手でルーテシアの髪の毛を弄びながら、エリオは耳元で囁いた。何とも言えない甘く蕩けるような声の響きに、ルーテシアの鼓動は自然と高鳴っていく。

「ねぇ、退院したらどうするの? また旅に出る?」

「いや、あんまり好き勝手して君に迷惑かける訳にはいかないし、復隊するよ。それに、あの人の意思を無為にする訳にもいかない」

「あの人・・・・・ボルギーニ元中将のこと?」

「あの人は僕達にこの世界を託して逝ったんだ。自分の信念を曲げてまで、僕達が願った未来に賭けてくれた。だから、僕は戦わないといけない。
あの人の代わりに、あの人とは違うやり方で」

「エリオ・・・・・・・」

「きっと、僕は理想の騎士にはなれない。小さい頃から思い描いていた、みんなを守れる万能の騎士なんて存在しないんだ。
正義のために何かを犠牲にしなくちゃならない時だってあるし、汚くてずるいこともしなくちゃいけない時もある。
それでも僕は、胸に刻みつけた騎士道を貫こうと思う。できることなんてたかが知れているかもしれないけれど、
みんなの未来を・・・・・・君と僕とアリシアの未来を守るために」

一度はそれで苦しんだ。大事なものを守るために全てを犠牲にし、身も心も破滅に追いやられた。そしてそれはこれからも変わらない。
エリオが思い描く理想と、彼自身の思いは決定的な部分でどうしても軋轢が起きてしまう。例え世界が滅亡する瞬間であったとしても、
彼の最優先事項は最愛の家族の幸福を守ることなのである。そしてそのために自分を生かし、世界を生かす。けれど、そのために彼は望まぬ地獄を見続けねばならない。
誰だって、自分の幸福のために無関係な人が苦しむ姿など見たくはないだろう。エリオには彼らを救う力があり、彼自身もきっと救おうとするだろうが、
その手で救える命には必ず限りがある。そして、もしも救えなかった時は救えなかった自分を彼は責めるだろう。彼は愛する者を守るために心を凍らせ、
鬼になるなどという非情に徹することができない。誰のかの喜びに笑みを零し、誰かの悲しみに涙を流す。そんな優しい人が、
例え愛する家族のためとはいえ何かを犠牲にすることなど是とするはずがない。それでも彼は折り合いをつけ、人間の清濁を甘んじて飲み干す決心を固めていた。
みんなが幸福で生きられる未来を守るという、眩しい理想のために。
351Das Erbe zur ZukunftD:2008/09/06(土) 22:06:21 ID:6rJ3O7tL
「エリオ、あなたがその道を逝くのなら、私はあなたを守る盾になる。振りかかる火の粉は私が払う。傷ついた体は私が癒す。
だから、あなたは好きなように生きて。大丈夫、私はずっと側にいるから」

それが自分に課せられた役目であり、意思であった。シエン・ボルギーニはエリオが自分と同じ道を辿らないようにしてくれと、願いを託して逝ったのだ。
だから、彼が嫌だと言っても絶対に離れない。彼が二度と命を粗末にしたりしないように、これでもかという程愛してやるのだ。

「これからは、私がエリオを守るから」

「ルー・・・・・・」

自然と瞼が閉じ、唇を差し出していた。密着しているのでエリオの鼓動の音までハッキリと聞こえてしまい、
恥ずかしさで自分が耳まで真っ赤になっていることがよくわかる。

「・・・・・・!?」

不意に込み上げてきた嘔吐感に目を見開き、ルーテシアはエリオを突き飛ばしてすぐ横の洗面器に向けて思いっきりえづいた。
先程までとはまた違う恥ずかしさで顔から火が出る程赤くなっている。

「ははっ・・・・確か、前にもこんなことが・・・・・・・・うん?」

遠い記憶を手繰りよせ、エリオは眉間に皺を寄せる。そして、思い至った推論を恐る恐る口にした。

「ひょっとして・・・・・・・二人目?」

「うん・・・・三ヶ月だって」

「え・・・・えっと・・・・・・」

どう反応すれば良いのかわからず、エリオは黙り込んだ。喜ばしいことには違いないが、妊娠した状態でテロリストと大立ち回りを演じていたのかと思うと
背中に冷や汗が伝ってしまう。しかもそれは自分が行方不明だったから、という理由があるので彼女を責める訳にもいかなかった。
だが、いつまでも無言でいる訳にはいかないので、思いついた言葉を素直に口にすることにした。

「元気な子、生まれると良いね」

「エリオ・・・・・・・うん、きっと元気な子、産んで見せるから」

表情に明るさを取り戻したルーテシアが、未だ戸惑い気味のエリオを思いっきり抱き締める。
アリシアの時はすぐに受け入れてもらえなかっただけに、切り出すのが不安だったのだ。

「実はね、もう名前は決めてあるんだ」

「あ、僕も一つ良いのが思い浮かんだよ。多分、君が考えているのと同じじゃないかな?」

「なら、答え合わせしようか」

お互いに相手が考えているであろう名前を想像し、含みのある笑みを浮かべて見つめ合う。
そして、タイミングを合わせてこれから生まれてくる新しい命の名前を口にした。

「「フェイト」」





その頃、別の病室では入院中のスバルをティアナとキャロが見舞っていた。
352Das Erbe zur ZukunftE:2008/09/06(土) 22:07:02 ID:6rJ3O7tL
「はい、これお見舞いの品ね」

「ノーヴェさん達は事後処理が忙しいみたいで、後から来るそうです」

「サンキュー、ティア、キャロ・・・・・けど・・・・・・」

受け取った見舞いの品を脇に追いやりながら、スバルは部屋の一角に山と積まれた菓子の箱を一瞥した。
小奇麗な包装が施されたそれらは全てスバル宛てに届いた見舞いの品であり、そのほとんどは手つかずのまま放置されていた。

「凄い量ですね」

「さすがは特別救助隊の元ストライカー。人気者ね」

「やめてよぉ、そういうの苦手なんだから」

現役時代はいの一番に飛び出して災害現場から多くの要救助者を救い出し、マスコミなどで英雄的扱いをされていたスバルではあったが、
本人はそんな風に称賛されることを余り好いてはいなかった。彼女からすればただ純粋に泣いたり苦しんだりしている人を助けたいと思って行動しただけであり、
何ら特別なことではないと考えているからだ。だが、ティアナからすれば沈没寸前の船舶や焼け落ちるビルに取り残された人々を我が身も省みずに
救い出してきたスバルは立派に称賛される権利があると思っていた。

「あたしって何年も前に引退したんだよ。なのにファンだって言う人からこんなにたくさん・・・・・・・」

「あの時は凄く活躍していましね、スバルさんは」

「引退の時はひと騒動起きたもんねぇ・・・・・あ、これ開けても良い?」

「良いよ。処理が追いつかなくて困っていたんだ」

「じゃ、遠慮なく」

キャロが気を利かせて人数分のお茶を用意し、なし崩し的にお茶会が始まった。茶請けは大食らいなスバルが持て余す程あるので、
三人は思い思いの菓子を頬張りながら昔話や近況報告に花を咲かせた。

「スバルさん、体の方はもう良いんですか?」

「とりあえず、外見は見繕えたから後は中身の調整かな。新しい部品が生身の体に馴染んでくれるまではあんまり無理もできないし」

そう言ってスバルは、新しく取り付けた左腕を動かしてみせる。彼女の言う通りまだ生身の部分と馴染んでいないのか、
その動きはどこかぎこちなく、動かす度に耳障りな軋みを上げていた。

「もう二週間経ったのか、早いもんだね」

「早いところではもう裁判が始まっているみたいよ。捜査の方もほとんどが事実確認のための裏付け捜査だし、規模の割に裁判はすんなり終わるかもね」

「けど、ロデオ・エステートは逃げちゃったんだよね?」

「あいつ、自分が捕まった時は傀儡兵が助けにくるように仕組んでいたのよ。あれだけ痛めつけられてまだ懲りないなんて、神経を疑うわ」

忌々しげに言い捨て、ティアナはクッキーを頬張る。あんな最低の下衆野郎に管理局が出し抜かれたことが我慢ならないようだ。
最も、彼を取り逃がしたのは護送を請け負った陸士隊のミスであり、ティアナに責任は一切ないのだが、気持ちが納得していないらしい。

「まあ、管理局にいれば嫌でもまた会えると思うよ。あいつルーテシアにかなり執着しているし、そんな奴をエリオが放っておく訳ないしさ」

「あいつ、地獄に堕ちた方がマシだったんじゃないの?」

毒のあるティアナの言葉に二人は反論できず、苦笑するしかなかった。それがまるで冗談に聞こえないのは、果たして良いものなのだろうか?
353Das Erbe zur ZukunftF:2008/09/06(土) 22:07:36 ID:6rJ3O7tL
「そうだ。旦那さんから聞いたんだけど、あんた局に復帰するんだって?」

「と言っても、子ども達がもう少し大きくなってからだけどね。その間に教官資格取って、どこかの訓練校で先生やろうかなって」

「やっぱり、魔導師辞めちゃったこと、後悔しているんですか?」

「ないと言えば嘘になるかな。けど、そういうのじゃなくてさ、もっと単純に、自分の持っている技術とか思いを、若い世代に残したいって思ったの。
小さい頃に空港でなのはさんに助けられて、あの人みたいに強くなりたいって思って・・・・・それから色んなことがあって、今の自分がある。
その中で得られた、熱い思いを若手に伝えられたら・・・・・・少しはこの世界のために貢献できるかなって」

「スバル・・・・・・・」

「まあ、一番の理由は家計が火の車だってことなんだけど」

茶目っ気のある言葉で濁し、スバルは差し入れのキャンディーを口に放り込んだ。
珍しく真面目なことを言っているなと感心していたティアナは脱力感から腰砕けになり、キャロは苦笑しながらお茶のおかわりを用意し始める。
その時、病室の扉が勢いよく開き、大勢の子どもを引きつれた男性が花束を片手に部屋に入ってきた。

「母ちゃん」

「母ちゃん、元気?」

怒涛の如き勢いで雪崩れ込んできた五人の子ども達に突き飛ばされたキャロが尻餅をつき、ティアナも巻き込まれまいと入口付近に撤退する。
擦れ違い様にやって来た男性が誠実そうな笑みを浮かべて一礼したので、こちらも会釈を返してキャロと共に病室を後にした。

「あの人、スバルさんの旦那さんですよね?」

「そっか、キャロは披露宴の時に会ったきりだっけ。そう、特別救助隊の元同僚で、今は分隊のチームリーダーだったかな」

あのスバル・ナカジマのハートを射止めたということで、旧六課関係者の間ではちょっとした有名人である。
彼がスバルを口説き、できちゃった結婚まで持ち込んだのはちょっとした奇跡であると専らの語り草であるからだ。

「よお、二人して廊下で何やってんだ?」

見舞いの品を片手にやって来たヴァイスが廊下の向こうで片手を上げる。職場から直行してきたのか、武装隊の制服のままだ。
途中で合流したのか、後ろにはゲンヤとギンガを除くナカジマ家一同を引きつれていた。

「ああ、ヴァイスさん。それにウェンディ達も・・・・」

「遅くなって申し訳ないッス。司令がこれでもかって仕事出すもんだから、なかなか上がれなくて」

「救助作業は粗方終わったけど、瓦礫の撤去で大忙しだよ。戦闘機人は多少の無理も利くからチンク姉達まで駆り出されるし」

そう言ったノーヴェの顔は心なしかやつれているように見えた。スバルが抜けて以来、実質的に災害救助隊のエースとなったノーヴェは
殺人的なスケジュールをこなす毎日を送っているのだ。チンクやギンガの助けを借りて何とか対処しているものの、
最初の内は余りの仕事量の多さに気が狂いそうになったこともあったそうだ。

「お疲れ様、ノーヴェ。あれ、ディード達は?」

「オットーとディードはルーお嬢様とエリオ様のところだ。セインはシスター・シャッハに付き合わされて被災地でボランティアをさせられているらしい」

「聖王教会も大変ですね・・・・・あれ?」

廊下の向こうを見てキャロが首を傾げ、他の全員もそれに倣う。すると、廊下の向こうからオットーとディードがとぼとぼと歩いてきている姿が目に入った。
だが、少し様子がおかしい。何があったのか知らないが、顔を真っ赤にして俯いている。
354Das Erbe zur ZukunftG:2008/09/06(土) 22:08:15 ID:6rJ3O7tL
「オットー、ディエチ、何かあったの?」

「そ、その・・・・・」

「お嬢様とエリオ様が・・・・えっと・・・・・何と言いますか・・・・・・」

「とても口にできないような・・・・・あの・・・・・・・・」

「ああ・・・・・」

「ディード、気をしっかり持って!」

頭から煙を噴きながら倒れたディードの背中を支えたオットーが目に涙を浮かべながら訴え、
他の面々も唯事ではないなと感じて二人が訪ねたというエリオの病室へと駆けつけた。
だが、そこで何があったのかは一切語られることはなかった。皆一様に室内で繰り広げられていた光景に閉口し、
顔を真っ赤にしてこの時の記憶を封印することを誓ったのだそうだ。





一通りの家事をこなして凝った肩を解しながら、ガリューは胡坐をかき直して卓の上に置いておいた本を手に取った。
ガリューの最近の愛読書で、表題は『バイク入門 初級編』と書かれている。
根本的に人間とは体の造りが違うガリューは傷の治りも早く、誰よりも重傷であったにも関わらず退院するのは彼が最も早かった。
そして、入院中の主達よりも一足早く自宅に戻り、アリシアの世話をしつつエリオ達が退院する日が来るのを待つ日々を送っている。
それにお気に入りのマフラーもメガーヌが手ずから縫い直してくれたので、ここ最近の彼は非常に機嫌が良かった。
唯一不満があるとすれば、主達が入院中でアリシアが寂しい思いをしていることくらいであろうか。
いくら懐かれているとは言っても彼女の親はあくまでエリオとルーテシアであり、自分では至らないところも多々ある。
時々、フッと両親を求めて泣き喚くアリシアを抱き上げたのは一度や二度ではない。
ガリューとしては、どちらかが仕事を辞めて家庭に入ってくれないかと願わずにはいられなかった。
ちなみにアリシアはというと、今はガリューの横でキャロに作ってもらった白と黒の二体の怪獣のぬいぐるみで遊んでいた。
アリシアは数ある玩具の中でもこれが大のお気に入りで、ことあるごとにこれを引っ張り出してきては遊んでいる姿を最近はよく見かける。
度々、白い怪獣が黒い怪獣を滅多打ちにしたり足蹴にしたりしている光景が繰り広げられるのは、見ていて何だかやるせなくなってくるが。

「あ・・・あう・・あうう!」

不意にアリシアがぬいぐるみで遊ぶのを止め、何かを訴えるようにガリューのマフラーを引っ張った。どうやら、お腹が空いたみたいだ。
この娘は両親に似ずに自己主張が激しく、遠慮というものを知らない。出すものを出さなければすぐに大声で泣き出してしまうので、
ガリューは仕方なく読みかけの本に栞を挟んで離乳食を作ってやることにした。初めての子育てで勝手がわからず、
余分に買い過ぎた離乳食がまだ大量に残っているので、一番のご飯であるルーテシアがおらずともアリシアが空腹で困ることはない。
これを機会に苦手な玉ねぎを克服させてみるのも良いかもしれないなと、エプロンを身につけたガリューはあれこれ献立を考えながら厨房へと赴いた。
このまま、何事もなく時が過ぎていけば良いのにと思わずにはいられなかった。できることなら、アリシアは戦いと無縁な平和で穏やかな世界で生きて欲しい。
ごく普通に成長し、主達のように過酷な戦いに身を投じることなく、優しい夢を見ながら育っていって欲しい。
それはきっと、子を持つ親なら誰もが抱く感情なのだろう。戦うだけの人生を送って来た自分がこんな風に考えるようになったのも、
ひとえにエリオやその仲間達のおかげだ。そして、もしも主やアリシアの幸せを脅かす者が現れたら、その時は自分が盾となって彼女達を守り、
その拳で脅威を打ち砕くことをガリューは誓っていた。それが、アルピーノに連なる者を守る召喚蟲として彼が己に課した使命なのだから。

「ああ・あ・・・あうう・・・あうぅー!」

最も、その前にまず目先の脅威であるアリシアの空腹をどうにかしなければならないのだが。





事件から三週間が過ぎ去り、大方の事後処理は佳境に入りつつあった。未だ街の至る所に痛々しい爪跡は残されているものの、
関係者の裁判は順次執り行われており、事件は確実に終焉を迎え始めていた。
355Das Erbe zur ZukunftH:2008/09/06(土) 22:08:45 ID:6rJ3O7tL
『・・・・とりあえず、現状の機動六課の有効性は証明できたとみて良いのかな?』

通信の向こうで今回の事件に関する資料を読み返したクロノが問い、はやてはしばし逡巡した後に頷いた。

「一応はな。けど、今回はみんなの助けを借りんかったら負けとったかもしれん。その点を考慮したら、素直にイエスとは言われへんな」

『まあ、あれは僕とグリフィスのお節介みたいなものだけどね』

指揮系統すら混乱していたあの状況で、どうして本局所属のヴィータやティアナ達が駆けつけることができたのか、
それはひとえに人事部に所属しているグリフィスの尽力のおかげであった。彼はミッドチルダの危機を知るや、人事部で培った数々のコネを総動員し、
かつての旧六課関係者をミッドに派遣できるよう働きかけてくれたのである。クロノはそれに便乗したまでのことだ。

「グリフィス君にもお礼言っておかなあかんなぁ」

『彼が便宜を図ってくれなかったら、僕も命令違反で危なかったかもしれないな。まったく、したたかな男になったものだ』

そうして、ひとしきり笑い合った後、クロノは再び表情を引き締めて神妙な声で本題を切り出した。

『はやて、今度のことで僕は少しばかり、管理局のことが信じられなくなったよ。いや、それを言うならJS事件の時もそうだったが、
あの時はまだ本局でも事件に対応しようとする動きがあった。けど、今回はそれすらなかった。僕は自分の故郷の危機に何もできず、
ただ指を咥えて見ていることしかできなかった』

自分達の尽力で緩和されてきたとはいえ、未だ本局と地上本部の間には軋轢がある。今回のように、事態が一つの世界の中で終始し、
他の次元にまで影響を及ぼさない場合は、本局は多くの世界を争いに巻き込まぬためにその世界を切り捨てることすらあるのだ。
例えそれが、管理局発祥の地であるミッドチルダであったとしても。

『僕達は、少し上から物事を考えすぎている気がする。あれが決して間違いであったとは言えないが、
僕自身は納得ができない・・・・・いや、きっとしてはいけない。だから、僕は管理局を変える』

「クロノ君、自分が何を言っているのかわかっている? それはつまり、最高評議会議長になるってことやで」

時空管理局は本局と地上本部という二つの大きな組織に分けることができ、前者が次元世界全体を、後者がミッドチルダの安全と平和を守るための
独立した権限を有している。そして、それら二つの組織を統べているのが最高評議会と呼ばれる組織であり、唯一それぞれの組織に命令を下すことができる
管理局の最高意思決定機関だ。十二年前に一度は破綻したシステムではあるが、JS事件の混乱を立て直すために地上本部に介入しようとする本局と
それに抵抗する地上本部の衝突を避けるために再結成され、どちらの組織にも肩入れしない中立性を保っている。
だが、確かに評議会のメンバーになれれば管理局の運営にも意見することができるようになれるが、それ故に評議会入りすることは非常に困難であり、
いくらクロノが英雄の家系と言われているハラオウンの出でも末端の席に座ることすら難しいのではないだろうか。
ましてや、そのトップに君臨する議長になるなど夢のまた夢だ。

『難しいことは承知しているさ。けど、何年かかったって良い。みんなが正しいと思えることができる組織に変えていきたいんだ。
そのために権力がいるというのなら、僕はそれを手に入れる』

「意思は固いようやな。なら、私からは何も言うことはないわ。お互いに平和のために戦う魔導師なんやから、クロノ君が正しいことするって言うなら止める理由はない。
それに私も地上の戦力補強やら何やらでこれから忙しくなるから、あんまりそっちのお手伝いはできそうにないし」

『そうだな。六課が驚異を払う矛、そして地上本部が人々を守る盾か』

機動六課の役割はあくまで一度起きてしまった事件の速やかな終結を図ることであり、事件そのものを予防するための機能はある程度度外視されている。
実際、今回の一件もその規模の割に事件自体は早い段階で対応がなされたことで、比較的迅速な解決を見ることができた。
だが、機動六課が如何に優秀であったとしても、随時発生していく全ての犯罪に対応することはできない。絶対的な数の暴力を止めるためには、
どうしても同じだけの数を揃えねばならないのだ。そして、それは六課ではなく地上本部の役割であり、組織間の連携を活かすことでJS事件時には
不可能であった大規模犯罪への対応を行うことがはやての理想であった。
356Das Erbe zur ZukunftI:2008/09/06(土) 22:09:18 ID:6rJ3O7tL
「クロノ君は海、私は地上。それぞれの場所で頑張ろう」

『ああ。ありがとう』

自分達の進む道の先に何があるのか、それはまだわからない。平和で穏やかな世界か、争いの絶えぬ混迷の世界か。
何れにしろ、その道を逝くと決めたからには歩み続けねばならない。いつか、自分達の正義が正しかったと証明されることを信じて。





その日、六課課長は一世一代の大勝負をするためにナカジマ家の前に立っていた。この日のために糊の効いた新しいワイシャツを卸し、
ヨレヨレだった制服はクリーニングに出してアイロンをかけてもらった。そして、緊張で震えるその手には、給料三ヵ月分の結晶が収められた小さな小箱が握られている。

「よし、今日こそは・・・・・でも、うまくいくかな? いや、最初から諦めていたのでは始まらない。
スクライア君ならこう言うはずだ、やってみなくちゃわからない、と」

気合いを入れ直し、インターホンに指をかける。その瞬間、勢いよく扉が開いて外出用の衣装に身を包んだギンガが家の中から飛び出してきた。
諸に扉の直撃を食らった課長はインターホンを押すことなく吹っ飛ばされ、出来の悪いコメディのように汚い地面の上でもんどりを打つ。

「父さん、今日はスバルのお見舞いに行くって約束していたでしょ」

「ああ、悪い・・・・・どうも二日酔いで・・・・・・・」

「昨日あんなに飲むからですよ。ほら、服もちゃんとして。大黒柱がだらしない格好していたらみっともないでしょ」

「お前、どんどんクイントの奴に似てきたな・・・・・・って、何やってんだお前?」

玄関口で塞ぎこんでいる課長を見つけ、ゲンヤは訝しげにその首根っこを摘まみ上げる。その顔には、珍獣発見という文字がアリアリと浮かんでいた。

「俺の家に何かようか?」

「え・・・えっと・・・あの、おと・・・・いえ、ナカジマ三佐、ご無沙汰ぶりです。お出かけですか?」

「ええ、スバルのお見舞いに。そうだ、あなたも一緒にどう?」

「おいおい、こいつにだって用事が・・・・・・」

「いえ、是非お伴させてください!」

ギンガの誘いに課長は背筋を伸ばして直立不動の姿勢を取り、気迫のこもった敬礼で返答する。尻尾があれば間違いなく振っていただろう。子犬のように。
もちろん、彼の喜びにギンガが気づくことはなく、かつての部下の奇行で目を丸くしているゲンヤ共々その場に残して愛車を取りに駐車場まで行ってしまう。
課長の春は、まだまだ先になりそうであった。

                                                             to be continued
357名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:12:29 ID:gLBNRoyr
その1www
358B・A:2008/09/06(土) 22:13:47 ID:6rJ3O7tL
以上です。
後編の現在書き上がっているだけでもこれの約半分。
どんだけー、という訳で分割になりました。敢えて言うならば今回は大人編というべきでしょうか。
設定のみの存在だったスバルの旦那を出してみたり、エリルーがまたとんでもないことをw
以下は今回登場した人たちのその後です(保管はしないでください)。

・エリオ
その後も数々のロストロギア事件を解決に導き、名声を高めていく。だが、本人にその自覚はなく、
事あるごとに愛妻家で親馬鹿な一面を垣間見せることが多い。第二子出産を機にルーテシアが正式に内勤へと異動してしまったため、
繰り上がりで分隊長に就任。更にいつまでもBランクなままでは示しがつかないからと周りがうるさいので魔導師ランク試験を受け、
AAランクまでランクアップする(一発合格)。晩年はクローン故の肉体の衰えに苦しむものの、己の人生を卑下にすることはなかった。

・ルーテシア
第二子出産を機に内勤へと異動。更に保護観察処分終了後は孤児院「ハラオウン園」を設立し、
自身のように辛い幼年期を過ごさざるえない子ども達を保護して回る。

・ガリュー
主夫スキルが格段に向上した。後、エリオに無理を言ってバイクを譲ってもらった。

・アリシア
後にルーテシアからアスクレピオスを譲り受け、一人前の召喚師を目指す。
後にガリューの主となった。

・フェイト
後にエリオからバルディッシュを譲り受け、一人前の騎士を目指す。
魔力資質は姉よりも高い。

・スバル
教官資格を取り、訓練校の教官となる。だが、度々産休を取るので余り授業ができない。

・ティアナ
執務官として多くの事件を解決に導く。後に苗字がグランセニックに変わった。

・キャロ
自然保護隊の隊長に就任。また、博士号を取得して動物の生態系について研究している。
恋人も見つかった。

・ヴァイス
武装局員兼ヘリパイとして活躍中。色々あってティアナにプロポーズした。

・ナンバーズ
みんな元気にやっています。

・クロノとはやて
クロノは最高評議会入りし、管理局そのものを変えるために出世の道を志す。
はやてはクロノを信じて地上で起こる犯罪に対応する日々を送る。ちなみにオールドミス。

・ゲンヤとギンガ
楽隠居な親父と甲斐甲斐しく世話を焼く長女。端から見ているとまるで夫婦。

・カルタス
頑張れw

・ロデオ
その後も度々、自身の優秀さを証明しようと管理局の前に立ち塞がる。
その度に逮捕され、そして脱獄する。
ミッドチルダの脱獄王として後の世の歴史にも残る。
359名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:20:57 ID:Ve8o1mJu
GJ!!です。
ロデオwお前が俺は大好きだwまるでパトリック・コーラサワーwww
つうか、捕まった後も逃げ出せる凄さにびっくりw
360名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:30:46 ID:uj/judY/
仮面主夫ライダーガリューwwwGJ
もうガリューが出て来る度に笑ってしまいそうなのは俺だけで良い
361名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:31:44 ID:Zck0At4M
ディードがディエチに変身しているG
362B・A:2008/09/06(土) 22:36:54 ID:6rJ3O7tL
>>361
たしかに。ありがとうございます。

>>354
>「オットー、ディエチ、何かあったの?」  ×
>「オットー、ディード、何かあったの?」  ○

です。
363名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 23:09:08 ID:onBrREfW
>>358
GJでした!
感動をありがとう!!

そしてカルタス……
お前にはいつかブラフォードという親友が出来るに違いないw
364名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 23:50:50 ID:W18rCHKT
ミッドチルダの脱獄王、不屈のロデオに噴いたwww
最後の最後でこいつに全部持ってかれた気がする
頑張れロデオ、おまえがナンバーワンだ!
365名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 23:54:47 ID:wWDJaNvT
ちょっと質問ですが、保管庫のWIKIで表示できない漢字があったりしますか?
「捥ぐ」などの漢字が「?」表示になってるSSを見かけました。
何かの基準があるようなら、執筆の際に使用を控えようと思います。

>>338
ノーヴェはなんだかチンクと一緒に幸せに、のようなシチュが多い気がします。百合キャラ?
クアットロの不人気が悲しいです。何故かこのスレでは悪者扱いされがちですが、本編を見ると結構可愛いシーンも多いはず!
366名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 00:03:58 ID:a5d50xPP
>>365
ローマ数字みたいな機種異存文字とか言われるようなのは危険な可能性があります。
ただページタイトルはNGだけど本文はOKの場合もあります。
正確なところは、LivedoorWikiのヘルプを見るか、問い合わせてみるしかないかと。
36783スレ260:2008/09/07(日) 07:42:30 ID:e1KRP604
おはようございます。

先日宣言した、スバル×エリオの浴室プレイが書きあがったので投下しても宜しいでしょか?
368名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 07:58:04 ID:Bbr/up20
是非
369浴場で欲情 1/4:2008/09/07(日) 08:02:17 ID:e1KRP604
ではいきます。

浴場で欲情
はやてによるエリオ逆レイプ?事件から数日後、機動六課は解散前の慌しさはあるものの軒並平穏だった。隊長たちの方針により訓練も行われる、
まさにいつも通りの光景である。

「それじゃあ次はライトニングの番だよ!!」
なのはの号令により戦闘態勢に入るエリオとキャロ。それに合わせ服も陸士制服からバリアジャケットへ変わっていく。
二人がバリアジャケットの生成を済ませるも、そこには圧倒的な違和感があった。

ある者は口を手で押さえ、ある者は不自然に視線を外そうとする。とにかくその場は普通ではなかった。
「あれ、どうしたんですか皆さん…?」そして違和感の元凶である少年は一人の視線によって自分が原因であると気づいた。
「エリオくん!!」キャロがエリオの両肩に手を置き、鼻息荒くしている。

エリオは嫌な予感を振り払うべく、自身の服装を確認すると、そこには美少女が立っていた。
エリオの身を包んでいたのは赤い上着に短パン、白のオーバーといういつものスタイルではなく、
黒一色に統一された面積の少ないスーツとマントという非常に際どい格好になっていた。
「な、な、な〜〜!!」
自分の格好を見て、初めて現状を把握したエリオは激しく狼狽した。
隊長たちの方を見やると、フェイトとはやては鼻血を抑えるのに必死になっており、シャマルは様々なアングルからエリオを激写しまくり、
ヴィータに至っては、「負けた…負けちまった…」と延々呟いているというよく分からん状況になっていた。
一人黙っているシグナムからは言い知れぬ苦労が伺えた。

(というか何してるんですか、フェイトさん…)エリオは鼻血を垂らしながらはあはあしてる自分の保護者に一抹の不安を覚えるのだった。

そんな中、一人冷静だったなのはがはやてに声をかける。
「はやてちゃん…一体エリオに何をしたのかな…?」
その声は底冷えがするほど恐ろしく、まさに魔王の二つ名に相応しいものだった。

なのはの声に身の危険を感じたはやては背中に汗をかきながら、弁明を図る。
「いやな、こないだエリオに女装してもろたら予想以上に似合うててな。それでマリーに頼んでデバイスいじったんやけど…駄目やった?」
はやての弁解が終わると、なのはは数秒固まった後おもいっきり顔を上げた。
「そんな面白いこと、どうして私も混ぜてくれなかったの!?」

それを聞いたエリオは盛大にずっこけ、早く独り立ちすることを誓ったという。 
370浴場で欲情 /4:2008/09/07(日) 08:02:49 ID:e1KRP604
「それにしても今日は散々だったなあ…」エリオは一人浴室で身体を洗いながらため息を漏らす。
結局あの後は、指導に当たる隊長格が機能せず、訓練にはならなかった。

「けど、こういうことが出来るくらい平和になったってことでいいのかな?」
歳に似合わぬ達観をしながらお湯で泡を流そうとしていると、背後から人影が近づいてきた。
「エ〜リオ!!」「スバルさんっ!?」エリオはそこにいるはずのないスバルの姿に驚いている。
ここは男湯。女性であるスバルはいるはずがないのだ。
しかし、スバルはそんな道理は全力でふっとばして男湯に侵入し、エリオに密着する。
そうなれば自然スバルの年不相応の女性の部分が当たることになる。

「スバルさん、何か当たってますよ!?」
直接言葉にすることに羞恥があるのか、エリオはぼかした表現で抗議する。
「へえ、エリオも男の子なんだ…可愛い…」
しかし、スバルはエリオの反応を面白がってか密着した胸を動かし、更に挑発をする。
エリオは背中に胸が押しつぶされる感触に顔を赤くした。

「え…?」
エリオが下腹部に窮屈な痛みを覚えて下を向くと、自身のモノがすっかり膨張し股間のタオルを押し上げていた。
「うわあ…!!」
それに気づいたエリオが慌てて手で隠すが既に手遅れだった。

エリオの変化に察知したスバルは鋭角にそびえ立つソレ持ち前の好奇心でから指で突きだした。
「やっぱりお父さんのとは違うんだねえ…」
まじまじと観察しながらそんなことを言い出すスバル。子どもと大人では大きさも違うし、
そもそもゲンヤは娘の前で臨戦態勢にはならない。
そして竿の部分を掴むと前後に動かし始めた。

「くっ…ああ…」

スバルは無自覚に手コキを行ったわけだがエリオは先日精通を迎えたばかりの上、
無自覚故に加減をスバルの行為は刺激が強すぎた。
「どーしたの、エリオー?」
スバルが能天気に尋ねるがエリオにそれに答える余裕があるはずもなく、ただ快楽と闘うだけだった。
ねちゃねちゃと卑猥な音を立てて肉棒がしごかれる。
さっきまで身体を洗っていたボディーソープが潤滑油代わりとなり、その行為は順調にエリオを絶頂へと誘っていた。
「スバルさん…僕、もう…」
限界を超えたエリオはそのまま射精した。精液を受け止めるべきタオルは既にずり落ち、蛇口や鏡を盛大に汚してしまう。
371浴場で欲情 3/4:2008/09/07(日) 08:04:13 ID:e1KRP604
エリオが呼吸を整えて復活すると、スバルがとろんとした目で見つめていた。
「エリオのせーえき、こっちに欲しいな…」
そう言って、自らの秘所を指で押し広げるスバル。
エリオモノもその光景を見て勢いを取り戻し、カウパーまで垂らしていた。

「スバルさん、この体勢で大丈夫ですか?」
スバルを浴室のフローリングに押し倒し、尋ねるエリオ。
「平気だよ。お風呂の床、冷たくて気持ち良いし」
何処か的外れの答えをするスバル。しかし、その表情は楽しげだった。
エリオはそのままスバルに自分のモノを当てがっていく。
充分に濡れていたためか、それは予想以上にスムーズに入っていく。

最後まで入ったのを確認し、スバルは猫口で笑う。
「どう?簡単だったでしょ?指で結構やるし、ティアにもたまにやってもらうから…」
「ティアさん!?」
エリオは今自分と交わっている女性と、真面目を絵に描いたような彼女のパートナーの秘密に驚愕する。
それはとてつもなく淫靡な光景で、想像すらしてはいけない気がした。
しかし、欲求と妄想は堤防が決壊した川のように押し寄せ、エリオの顔を赤くする。

エリオの変化を肉体で感じ取ったスバルが自身の胸を差し出す。
「ほーら、お姉さんのおっぱいだぞー」
するとエリオは赤ん坊がそうするようにスバルの乳首を口に含み、舌で転がし始めた。
縦横無尽に舐めまわし、時に吸い上げる。
「はあ…ああ…」
子ども故の拙さが逆にスバルに快感を与えていた。
「エリオ、こっちも動かしてよ…」
スバルは熱に浮かされたような声でエリオに懇願する。
エリオが視線を落とすと、二人の結合部から蜜が溢れ出ていた。

「いいんですか、スバルさん?」
「うん、お願い…」
その一言でエリオは決心をする。

「あ…あ…あ…」
エリオがピストン運動を開始すると、スバルはここが浴場であることも忘れて声をあげる。
パンパンとリズミカルに打ち付けるエリオのモノが確実にスバルを絶頂へと押し上げる。
「スバルさん、駄目です。僕、また…」
エリオも身体の奥から競りあがってくる快感の波を感じ、限界を宣告する。
「いいよ、エリオ…このまま中に…」

その言葉を合図にエリオはラストスパートに入る。
さっきよりもより速く、より力強く、自分と自分の欲望を打ち付けていく。

ドピュッ!!
次の瞬間、白い欲望がスバルの中に吐き出された。
「「アアーーーー!!」」
そして二人は同時に果て、力なく倒れこんだ。
その結合部からはエリオの精液とスバルの愛液が混ざり合ったものが泡立ちながら溢れ出していた。
372浴場で欲情 4/4:2008/09/07(日) 08:04:43 ID:e1KRP604
「いやー気持ちよかったねえ」
肌を艶々させながら先頭を歩くスバル。
汗とお湯以外の何かを拭かされたエリオとしては気が気でないが、何が?と聞けるほど肝も据わってなかった。

二人が廊下を歩いていると、はやて、フェイト、キャロの3人が仁王立ちをして待ち構えていた。
「スバル、あかんでーそれは。あかんよー、機動六課規則第45条エリオ独占禁止違反や。というかあれ以来癖になってもうてなー」
「そうだよ、独り占めは駄目だよスバル」
「私だって我慢してたんですから」

各々主張を述べて接近する三人。というよりエリオの意思は…?
エリオには受難ではなく女難が降り注いでいるようです。

終われ

追記
ことの顛末を噂で聞いたシグナムが「エリオはおっぱいが好きと」メモしたとかしないとか…
373浴場で欲情 あとがき:2008/09/07(日) 08:05:44 ID:e1KRP604
あれ、ヤラレテナイ、ってかエリオが優位に立っちゃった。受けのエリオを期待した方は本当にすみません
エリオが成長しすぎなのははやてさんがはぐれメタル並みの経験値を持っていたということで。

さーて次回は?
@ なのはに夜の教導を受けるエリオ
Aシグナムとおっぱいプレイ
BキャロドSに目覚める
のどれかです。

注・予定は未定です
374名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 08:18:54 ID:Gzd1WziG

【表現規制】表現の自由は誰のモノ【104】
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news2/1219491880/
375名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 09:10:56 ID:Bbr/up20
>>373
GJ!
エリオ哀れ(?)
376名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 09:56:51 ID:dAatxVHk
>>373
GJ!
Cルーとキャロに限界まで搾り取られる。
377名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 10:10:48 ID:0rvIIE/D
できるだけぶっとんだ組み合わせを考えてみたいけど
セッテ、ディードみたいな無表情系は扱い辛いなぁ…
378名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 10:44:58 ID:Ax1IH3+S
>>373
GJ!
@の夜の教導でなのはさんに調教されるエリオが見たい
379名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 11:07:07 ID:T/LXI8Jr
>>358
GJ!!
とにかくエリルーが生きてて良かった
そして二人目の子供おめでとう
エリオはフェイトと同じようにクローンとしての肉体的な苦しみはでちまったのか…
まあこれからは逆に妻と子に守ってもらう人生もいいんじゃないかと

>>373
GJ!!
エロオはエロオで攻めも受けも似合うから全く問題なし
ちょwシグナムさん、あんた何をするつもりだw
@、A、B、C(!?)、全て見たいが特にB、C(!?)が見たいです。
380名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 12:07:33 ID:tRrfRvN1
GJ!
はやてさんがはぐれメタル並みの経験値フイタwwwwww
でも実際、あれだけ情熱的で(?)突発的な初体験すれば、ものすごくレベルアップしてもおかしくない。
スバルもエリオの虜になるのも時間の問題か…

自分的には全部…とはいかないと思うので一番で!
381名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 12:13:54 ID:9lVakbTG
Cのルーも含めての3Pで!
382名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 13:38:31 ID:bAN6bjfl
ルー子大人気だw
383名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 13:45:01 ID:OOT8QrjJ
GJ!

Dなのはとヴィヴィオの親子に取り合いされて、その騒ぎを聞きつけた
 6課の女性キャラ全員に搾り取られるとか?w

まー冗談は置いといて、
自分の希望としては@ですかな?
384名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 13:57:52 ID:tLxgnEXi
Eクロノに(ry
385名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 14:32:58 ID:9ugn2Yb+
Fヴァイスに(ry
386名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 14:41:11 ID:UEzvNNNL
G六課男性陣全員に(ry

Hバカ
387名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 14:44:38 ID:xgLeRLv3
>>377
自分も今ディエチで四苦八苦してる、その二人ほどじゃないけど動かしにくい
一緒にがんばろうぜ
388名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 15:52:07 ID:gTs5tOiV
よろしければ10分後くらいから投下させてください。
389名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 15:56:48 ID:gzFgrswp
どうぞどうぞ!
390蒼青:2008/09/07(日) 16:02:32 ID:gTs5tOiV
お久しぶりです。
前回から2ヶ月間が開くってどういうことだろう。
自分の非才が情けないです。

という訳で、CPのぶっとび具合と動かしづらさなら負ける気がしない、
ヴォルテールの初恋物語、第4回です。

・ヴォルテール→エリオ
・エロ無し鬱無し戦闘無し。
・捏造設定が主人公やってます。
・続き物ですので、何でこんな状況になってるんだ、という至極全うな感想を抱かれた方は、
お手数ですが保管庫で前回までの話をご覧ください。("ヴォルテール"のタグで1発です。)

以上がおkという方のみどうぞ、ご覧ください。
お楽しみいただければ幸いです。
391Washing Love No_1:2008/09/07(日) 16:04:24 ID:gTs5tOiV
つらい事があった時、差し伸べられた手。
一度拒んだはずなのに、それでも伸ばされた、手。
その手が導いたのが、今の自分。

導かれた先で、今度は自分が手を伸ばそうって。
どれだけ拒まれても、それでも伸ばそうって。
そう決めて、そうなろうとして、その手を掴んであげられた。

想いは、いつか届くもの。
そう信じていることは、決して悪くないはずなのに。
そう信じなければ、誰もがきっと動けないはずなのに。

その時の僕は、きっとわかってたんだ。
わかってたはずなのに、覚えてたはずなのに、きっと忘れてたんだ。
たとえ手を伸ばしても、どれだけがんばって伸ばしたとしても、

届かない手も、あるって事。





 〜The Biggest Love〜
Step 4 Washing Love




392Washing Love No_2:2008/09/07(日) 16:05:08 ID:gTs5tOiV
小さくなったヴォルテールが六課隊舎で過ごすようになって、はや三日。
せっかく得た念願の体だ。もうさぞかしエリオに四六時中べったりかと思いきや、

むしろその逆で、キャロ共々ほとんどが隔離された状態だった。

キャロとひとしきり泣いた後エリオのもとへいざっ!!という気合がにじみ出まくった背中へ声をかけたのは、湖の騎士シャマル。
「どんな影響が出ているか全くの未知数だから、ね」
そんな無慈悲な一言といっしょにいい笑顔で医務室へ連行され、それ以降数々の検査機器と文字通り三日三晩かけて、とことん親睦を深める羽目になった。
ゆえに。

『ゴロゴロゴロゴロ〜』
「自分で言ってて楽しいものなの?ソレ。というか、行儀が悪いのでやめなさい」
『だって暇なんですもん…』

日々の寝食を共にし、今やこの世界における最高の友となった検査用ベッドの上で、ヴォルテールは視界をくるくる回して遊んでいた。
この親友はいつでも優しくわたしの体を包んでくれるのだが、決してそれ以上の干渉をしようとしてこない。非常にやわらかで物静かないい子なのだ。
……でも正直、もうちょっと自己主張があってもバチは当たらないと思う。そのほうが楽しいのに。

まぁそんな事を考えるくらいに、ヴォルテールは暇な時間をひたすら持て余していた。

『大体、なんでキャロはもう戻れてるのにわたしだけまだ検査なんですか』
「だから説明したでしょう。契約者と離れた状態でのデータを観測したいからって。
 特に深刻な問題が起こるとしたら術がかかってるあなたのほうなんだから」
『だったら別にキャロが残っても…』
「キャロの場合も同じようにデータは取るわよ。
 ただ、そのあたりの順番も二人で話し合って決めたんでしょう?実に公平かつ民主的に」
『それはそうですけど……むぅ』

なんであそこでチョキを出してしまったのだろう。世界はこんなはずじゃないことばっかりだ。

「まったく、そんなに暇ならそこの棚にある本読めばいいじゃない」
『……結構です』

もうあんな悪夢は御免です、Dr.シャマル。

暇だったのは昨日も同じで、それでもまだ夕方くらいまではキャロがいてくれたのでお話(極めて平和的かつ和やかな)なんかもできてたんだ。
で、夜にDr.シャマルに何かないかと聞いたら、件の棚から出てきたのは薄い本が何冊か。
開いてみると、その中はなんというか…

魔境でした。

何故だ。どうして同姓同士が衣服もつけずに絡んでいるのか。しかもアレだ、なんかたまに鎖で縛られてたりするし。
時には妙にレトロな空気がしてたり、怪しげなモノを飲まされてたり。挙句の果てには…果てには……掘(以下検閲削除

特に最後のはひどかった。思い出しただけでも食欲が減退しそう。
1冊だけ活字だったから油断してた。なんかヒゲ生えたオジサンが触手に…触手に……うああああぁぁぁ。
文章が上手かったから余計鮮明に想像力が働いて…

「そういえば」
『…なんです?』

検査データをまとめるDr.シャマルから話がふられる。もう口直しになるならどんな話題でもいいや…

「そもそも私たちってどうして会話が成立してるのかしら?あなたの発声器官ってそこまで高機能じゃないわよね?」
『ああ、これ念話ですから。以前はこちら側との直接的な接点を持たなかったのでケリュケイオンを介してましたが、
 今なら普通に使えますからね。というか、そのあたりはザフィーラさんだって同じでしょう?』
「…ああ、そういえばそうね。しゃべれたのよねあのワンちゃん」

ここではないどこか遠くを見つめる医務官。盾の守護獣、貴方は今、泣いていい。泣いていいんです…。
393Washing Love No_3:2008/09/07(日) 16:05:43 ID:gTs5tOiV
「まぁ、でももうそんなにチェック項目も残ってないし、それにそろそろお迎えも来るだろうし、ね」
『おむかえ?』
「というよりは、”ごほうび”かしらね?」

キーを叩きながら、にまにまクスクス笑う医務官。
─いったい何のことですか?─
そう問い返すつもりで口を開きかけた時、何かが抜ける音といっしょに、

「ヴォルテールー、お疲れさまー」
『あ、キャロ。と、っ!!エッエリッ!!!』
「こんばんは、ヴォルテール、シャマル先生」
『え、あ、こっ、こんばんわ。っじゃなくてっ!!え?』
「ああ、二人とも訓練お疲れ様。じゃあエリオ、今晩はよろしくね」
「あ、はい」
『え??ええっ?!!いったい何がどうなってぇああぁぁぁっ!!!』

入ってきた二人に気を取られ、テンパリ過ぎて足を滑らせてベッドから落下した。モロに鼻から落ちたので結構痛い。
すると、やっぱり助けてくれなかった無二の親友の反対側から、愛しい人の近づく脚と伸びる腕が、

ヴォルテールを、その愛しい人の胸元へと導いた。

『いたた…って、アレ?』
「今夜のヴォルテールのベットは、エリオの部屋のに決まったから。
 それじゃヴォルテール、楽しんできてねー」
「そういうことですー」
「そういうこと、らしいよ?」
『……………え゙っ?』

そんな、状況に一匹取り残されたちび真竜は、
医務官の言葉を脳内で処理し、
時間をたっぷりかけて理解して、
その発案者の『してやったり』と言わんばかりの顔を見て、
隣で頬をかわいく膨らませて軽くぶーたれ気味のキャロの顔を見て、
自分の頭の上にある彼の顔は流石に見れなかったので自分の躯に優しく絡められた腕を見て、
もう一回さっきの言葉を脳内で再生してその言葉が持つ意味を余すことなく理解し直したところで─

『え゙え゙え゙え゙えええええええっ!!!』

魂─ソウル─の命じるままに、叫んだ。


─その時刻、ミッド近郊の湾に浮かぶ全ての気象観測用ブイが、何の前触れもなく一斉に高さ80cmの波を観測した。
 らしい。




394Washing Love No_4:2008/09/07(日) 16:06:21 ID:gTs5tOiV
そのままのテンションで混乱するヴォルテールを抱きかかえたまま、エリオは部屋へと帰っていった。
扉が閉まった後もしばらく念話で私へ説明とかを求めてきていたが、それも先ほどからいきなりぷっつりと途絶えている。
きっとエリオが話しかけた事でそちらに意識がいって、先ほどからの非常においしい状況─エリオに抱えられている─
にようやく気がついたのね。
開きっぱなしの通信からも若干荒い呼吸音とか聞こえてるし。
ってゆーか何で念話なのに息遣いまで聞こえるのかしら?

「で、こっちのあなたはいったい何がそんなに不満なの?」
「むぅぅ〜…」

あらら無視。キャロってこんな性格だったかしら?
この子はさっきから、エリオたちが出て行った目の前の扉に穴でも開けたいのか、とでも思わせるほどのガンにらみを披露中。
まあでも、自分の育てた大事な竜が他人にホイホイついてっていなくなってしまえば、そりゃ不機嫌にもなるか。

それも二匹とも、だものね。

それは、ドアが閉まる直前。
閉じるドアの狭くなった隙間に疾ったのは、白銀の影。
そのスピードはまさに電光石火と呼ぶにふさわしく、一瞬の後にはその影はエリオの肩に到達していた。
そう、もともと預かってもらう予定だったヴォルテールだけでなく、フリードまでもがエリオについていってしまったのだ。
その早業には誰もが呆気に取られ、意外にも最も早くそこから復帰したヴォルテール(当然必死)の怒涛の『帰りなさい』コールに
さらされたにもかかわらず一向に扉が開かないところを見ると、どうやら戻ってくる気はサラサラないようだ。
まったく、フリードも薄情ねえ。今夜とかキャロは一人なのに。
いや、それはまぁ私は当然ついてるけども。

それにしてもしかし、エリオってば竜に人気あるのねぇ。
あの子の体からは何か、竜に好かれるような特殊なフェロモンでも出てるのかしら。
今度機会があったら本格的に調査してみよう。
んん?竜に好かれる…殺し文句……竜殺し………ベッドでバッタバッタと…………

これはっっっ!!
これは久々に電波が降りてきたかも…!!!


実はこの時、シャマル先生が見せた狂気的ともいえる思考のアクロバットの結果、室内の二人の思考の先にいる人物はピッタリと
重なることになった。それは先程のシャマルのキャロに対する予測が根本的に間違っていたことを意味しており、同時に、

(わたしだってまだ、エリオくんの部屋に泊めてもらったことないのに……)

この先に待ち構える大嵐の前兆でもあるのだが、今の時点でそのことに気付いていたのは、ベッドサイドに置かれた医療機器の一つだけだった。




395Washing Love No_5:2008/09/07(日) 16:06:57 ID:gTs5tOiV
『…っ。???』
「ん?どうかした?」
『あ、い、いえ、なんか妙な寒気が…。
 そっ、それじゃ改めて。お、おじゃましまーす…』
「はい、いらっしゃい」
「きゅくるー」

だが当然そんな事を知っているヴォルテールは存在しておらず、今ここにいるヴォルテールはもう、ガッチガチに緊張しまくってた。
普段だったら当然のように室内でエリオといっしょに出迎えているフリードに対して突っ込みつつやきもちでも焼きながらこれまでに何回くらい泊まっているかとか
エリオの寝像はどうだとか、そんなあたりをねっちり尋問していているところだが、正直今の彼女にそんな余裕はなかった。

何しろ、一歩先は彼の部屋。
これだけでヴォルテール的にはご飯3杯はいける。

いかに六課隊舎が新築と言えど、半年近くも暮らせばそこに住む人間から色々なものがうつる。
それはたとえばインテリアに代表されるような部屋の雰囲気だったり、生活感だったり、においだったり。
昔の偉い人いわく「部屋はそこに暮らす人そのものを表す」とのことだが、それはまさに言い得て妙だ。

まあ結局何が言いたいのかと言えば、恋する乙女をそんな空間に放り込んだら一体どうなるのかという事で。

部屋に一歩足を踏み入れたその瞬間からヴォルテールはコンマ数秒、意識が飛んだ。

─いやいやいや、だってしょうがないじゃないですかっ!!
 わたしエラ呼吸じゃないですもん!!
 だって敷居を跨いだ瞬間もうエリオなんですよっ!!
 空気の中にまで彼がいるんですよ奥さんっ!!

一応魚にも嗅覚はあります。

実際には彼の部屋にはフェイトとの写真くらいしかインテリアと呼べるようなものは無く、また六課では訓練漬けの毎日を送っているために
この部屋にいる時間自体もそう長い訳ではない。訓練後にもフォワード陣にオペレーター'sを交えての懇談会、という名の宴会(当然ノンアルコール)が
よく開かれているし、この部屋には本当に”寝に帰ってきている”ようなものなのだ。
だからそこまで気になるほどに臭いがついていたりするわけでもないのだが、そこはまあ、あれだ、恋愛補正。
日々募る想いはそこに残る僅かな残滓も増幅して、彼女ごと壊しかねないほどに自身を震わせる。
それはまるで、優しく理性を飲み込む大津波。

そんなものに飲まれたから。

「さ、それじゃ行こうか」
『うひゃぃぃ!!!』

周りの状況が何も見えてなかった。

「ん?どうかした?」
『いいいいいえ、あのそのっ、…ごめんなさ…い』
396Washing Love No_6:2008/09/07(日) 16:08:07 ID:gTs5tOiV
謝られるようなことをしただろうか、と首をかしげるエリオと肩のフリード。
だが今のヴォルテールにとっての関心事はむしろもうちょい下。
抱えたかごから覗くタオルやシャンプーやリンス。なにやら突き出た柄のような物も見える。
そしてさっきのエリオの発言。
ということは。

『あの…』
「うん」
『つまり…』
「うん」
『ソレ…』
「うん。お風呂」
『ああ、…いってらっしゃい』
「何言ってるの、ヴォルテールもいくんだよ?」

そのまま籠の中に放り込まれるヴォルテール。

『…へ?』
「だからお風呂。体はキレイにしなきゃね」
『いやまあそうですけど、でも』
「ああ、大丈夫だよ。フリードで結構慣れてるから、心配しないで」
「きゅくー」
『いやそういうことじゃなくて、ってゆーかフリードリヒ!!貴方入浴シーンで見かけないなーと思ったらそんなことやってたんですか!!
 いつもいつも、貴方の主は誰なのかちゃんと理解してます?!キャロに寂しい思いさせてるんじゃないですか?!ねぇ!!?』
「きゅっくるー?」
『また貴方はそうやって都合のいい時だけ仔竜のフリして!!もっとこう貴方は守護するものとしての立場を…
 って、今はそんなこと言ってる場合じゃなくてー!!』

廊下に1匹の鳴き声と、もう1匹の混乱と、1人の足音がこだまする。
そんな中、2匹の竜が何やらきゃいきゃい騒いでいるのを、エリオはとても穏やかな気持ちで眺めていた。

─種族はまったく違えど、その姿は端から見れば、とても仲のいい兄妹のように見えたという。



まあ。

『エリオすとーっぷ!!』

そのうちの1匹にとっては、割と真剣に話を聞いて欲しい事態だったのだが。




397Washing Love No_7:2008/09/07(日) 16:09:26 ID:gTs5tOiV
さて、もはや周知の事実かもしれないが、機動六課隊舎の風呂は、隊舎の風呂としては、異様に広い。
年頃の女の子である八神はやて部隊長の完全監修によって誕生したこの隊舎の中でも、この空間には特にそのこだわりが強く見て取れる。

隊舎という特性上、さすがに露天風呂や開放的な大きい窓を設けるといった事は出来なかった(ただし、もし許可が出ていたならやりかねなかった)が、
10人以上がゆったりと入ることができる大きな浴槽、磨き上げられ黒く輝く石張りの床、こちらも広々としていて、さらには壁面に
2畳ほどの大きさの鏡が取り付けられている脱衣スペース、さらにはある程度の広さのコンパートメントを複数持つシャワールームや、
管理外世界産の高級木材を使用したサウナスペース、常に数種類のミルク系のドリンクが常備され、脱衣スペースの一角で毎日稼動し続ける
冷蔵庫など、え?これ一体どこの旅館よ?と問いたくなるような設備と広さが確保されている。

ただ、この広さと設備の立派さ故に、機動六課の全隊員は常日頃の身だしなみ並びに清潔さにかなり高いレベルを要求されてしまうこととなった。
特に男性隊員は、徹夜明けでなおかつ2、3日入浴を欠かしていようものなら同じ部署の女性隊員から総シカトを食らい、他の男性隊員も女性の立場が強いこの職場では
その空気に下手に逆らうこともできず、次の休憩時間までひたすら四面楚歌というかなり切ない立場を味わうこととなる。それが例えどれだけ尊敬する上司であろうとも、
その際には一切の手心も加えられる事はない。最悪の場合、対象は結界魔法で周囲を覆われて、ろくにコミュニケーションをとる事もままならない状態にまで
追い込まれることもある。先日もある一人の哀れなヘリパイが隔離対象とされ、休憩時間開始と同時に顔を手で覆いながらシャワールームへと内股で駆けていく姿が
多くの隊員に目撃されたばかりだ。

まぁつまり、隊員たちはこの充実した設備群を部隊長の、『清潔には常に気を配れ』という無言のメッセージと受け取ったようなのだ。
もちろん当のはやては毛ほどもそんなことを考えていた訳ではなく、「開放的な空気の中ならみんなのガードも下がりやすいやろうへへへへ」と、
非常にわかりやすく私利私欲に走っただけなのだけれど。

そんな背景もあってか、入ってた当初から既に何人か、男湯の中には入浴中の隊員の姿が見られた。
おもむろに開けられた扉に一瞬その場の視線が集中するものの、それらは瞬く間に霧散して、湯から立ち昇る湯気との境目を無くしていく。
そしてエリオに連れられてやってきたヴォルテールもまた、無くしていた。
ただしこちらは抵抗する元気を、だ。
エリオの後を追いながら、ヴォルテールは若干茫然自失な状態になりながらも、なんとかこの状況を飲み込もうとしていた。

─なぜだろう。なんでこんなことになったんだろう。
 わたし別に何も悪いことしてないのに。

「じゃあまず先にフリードから洗っちゃおうか」
「きゅくー」

心の中で腕組みして考えているうちに、エリオはシャワーの蛇口をひねってお湯の温度を確認している。
フリードもどこからプラスティック製の椅子を2つ引っ張り出してきて、早くもその一つに腰掛けている。
こちらはもう準備は万端、といった感じだ。

─あれ?でもよく考えたらコレって別に罰じゃないですよね?
 むしろDr.シャマルの言った通りご褒美?

ちらりと2人のほうを覗いてみる。

石鹸を泡立て、スポンジを使ってフリードの肌に乗せてゆく。
そのまま擦らないのは、竜の肌が意外と硬く、少しざらついているから。
最初それを知らずに普通に擦ったら、スポンジがゴリゴリ削れて瞬く間に床にウレタン製のかき氷が出来上がったことがあった。

なのでそれ以降、エリオはこちらを使うことにしている。

「きゅー♪」

毛先が肌を擦りあげるたび、フリードが鼻歌じみた吐息をもらす。
エリオは先程部屋から持ってきた浴槽用ブラシの柄を細かく持ち直して、フリードの全身にくまなくフィットさせてゆく。
目元は危ないので避けていたり、羽の付け根を少し念入りに洗っていたり、その動作を見るだけでもかなり手馴れていることがわかる。
さらにダメ押しとして、フリードの顔が気持ちよさから思いっきり緩んでいた。素人目には解りづらい、というかもうほとんど判別不能なのだが、
ヴォルテールの眼には、シャワーで流したならそのまま泡といっしょに流れていくんじゃないかってくらいゆるゆるに映っていた。
398Washing Love No_8:2008/09/07(日) 16:10:21 ID:gTs5tOiV
その表情がなんか非常に腹立たしかったので、ここはエリオに視線を集中させることにした。
だって心の平穏を保つためですもん。これはしょうがない、ね?しょうがないんですよ!!

そんな、何故か言い訳口調のヴォルテールは見た。

湯気。
足元を流れる泡。
エリオ。
白い肌。
付き始めた筋肉。
でもまだまだ細い腕。
まっすぐと伸びた背中。
普段より湿気で元気のない、紅い髪
バスタオルを巻いて、椅子の上にある腰。

要するに、何も着ていない。
つまるところ、裸。
はだか。
エリオ。
はだかエリオ。
はだ…

『かーーーーーーーーーーっっ?!?!?!』
「うわっ?!どうしたのっ??」

念話なのに、なぜか室内で反響した。
いきなりの大音量に驚いて振り返るエリオ。するとそこには、

『かっ、かかっ、か……』

全身をバイブレーター化させた生物がいた。
おお、さすがは稀少古代種。入浴ひとつ取っても我々にはまだ解明しきれていない不可思議な生態が……………………………………違うか。

『は、は、はっ、はっか、かかかかかかかかか』
「薄荷?」

英語ではミント。一口食べればすっきり爽快。
とはいえ、今の彼女はすっきり爽快といかないらしい。まあ、当然といえば当然だけど。
というかこの段階まで気づかないあたり、いったいどんだけ混乱してるのだろうか。

「?
 まあいいか。じゃあフリードは、流したらおしまい」
「きゅくー」

とてもいいお返事の後、泡をすっきり流されたヴォルテールはペタペタと足を鳴らして、どこかへと歩いて行ってしまう。
それはつまり…

「じゃあ次は、ヴォルテールの番だね」
『…………はっ?!!』
399Washing Love No_9:2008/09/07(日) 16:11:09 ID:gTs5tOiV
こうなるということを意味していて。
熱暴走を起こしていてズレた頭ではろくな反応を返すことも敵わず、エリオにあっさりと抱きかかえられたヴォルテール。
流れるのは、背中に感じる彼の熱に心と身体を焼かれる時間。
それはもう、全てを飲み込むくらいに熱いくせにどこか狂おしいまでに優しくて、ヴォルテールから抵抗という選択肢を根こそぎ奪っていった。

『あ………う……』

だから。
そんなだから、その口から漏れるのは、意味を成さない呟きと。

「じゃあ、始めよっか」
『………………お願いします……』

弱々しい、肯定の意思だけだった。



先程目の前で行われた行為がそのまま、彼女の身体に施されてゆく。
若干の滑りを孕んだモノを塗りたくられ、自分が覆われてゆくその感覚は快と不快のちょうど中間くらい。
そして全身がその感覚に慣れ始めた頃、時は満ちたとばかりにその棒は姿を現した。
それは、彼女を快楽で犯すもの。無機質な、血すら通わないモノ。
彼女の視界の及ばぬ世界から音もなく這い出たソレは、目の前にある穢れを持たぬ肌に照準を定め、

そして、触れた。

『ひゃっっ!!』
「あ、ごめんっ!!」

と、背中にブラシを当てられてヴォルテールは一瞬、本当に飛び上がった。
いきなりだったとはいえ少々オーバーな驚き方に謝りつつも少し怪訝そうな表情を見せるエリオだが、背中越しのヴォルテールには
それが見えない。

というか、彼女にとっては今それどころじゃないのだ。

─皆さん、一つ考えてみていただきたい。
 今まで間接的に、会話くらいしかできなかった想い人と、今は風呂場でふたりっきり。
 当然お互いすっぽんぽん。しかも、その彼に身体を洗ってもらおうというのだ。
 こんなシチュエーションで、平然と相手と会話ができるような奴は人間じゃない。
 ……てゆーかわたしも人間じゃないけども。

ちなみに「普段から服着てないじゃん」とか、「そもそもふたりきりじゃないんですけど…」とか突っ込んではいけない。
乙女の恋愛フィルターは都合の悪い情報は全てカットしてしまう極端仕様と古来より相場は決まっているのだ。

「じゃあ、洗うね?」
『ははははははい』

まぁそんな調子なので、その後もブラシが肌に触れるたびに、エリオの目の前の小さな身体はびくんと跳ねて。
4回くらい繰り返したところで、ついにエリオが口を開いた。
400Washing Love No_10:2008/09/07(日) 16:11:44 ID:gTs5tOiV
「もしかして、嫌だった?」
『…………え?』

それは、雫が滴るくらいの呟きで。

「もしそうなら、ごめんね?無理強いみたいになっちゃってたね」
『いや、あの、えっと……』

熱くて優しくて、なぜか気持ちいいのに、

「僕もちょっと浮かれてたみたいだから。
 新しく家族が増えて、舞い上がってたみたいだから」
『へっ?あ、あー…う〜ん……』

どこか寂しそうで、泣きそうで。

「ちょっと周りが見えて無かったかもしれない。
 だから、ごめんね?」
『あっ』

でも、それでも笑うんだもん。

「?」
『あの、えっと、その、……〜〜〜っ』

そんなの、ずるい。

『……いやじゃ、なかったです』
「え……?」

だってわたしは、わらったエリオが、すごく好きだけど、

『わたしも、ちょっと、舞い上がっちゃっただけですから』
「あ……」

そんな笑顔は、みたくない。みたくないです。

『だから、大丈夫です』

そんな、かげる笑顔は。あなたの、哀しみは。

『だから、』

だから。


401Washing Love No_11:2008/09/07(日) 16:12:21 ID:gTs5tOiV
『……洗ってください』



取り除かせてください。
わたしも、つらくなるから。
貴方のその笑顔は、わたしにはつらいだけだから。

哀しまないでください。
わたしなら、大丈夫だから。
それが貴方のためになるなら、わたしは、きっと大丈夫だから。

「…え、いいの?」
『…………はい』

少しくらい恥ずかしくても。
わたしが、知らないわたしになっても。

「…………うんっ!!」

あなたが、そうやって笑ってくれる。
笑ってくれるなら。
わたしは、きっと大丈夫。

「じゃあ、始めるね」

ほら、だってあなたの手はこんなにやさしくて。

「フリードよりも少し弱めにするから、何かあったら言ってね」

あなたの心も、こんなにやさしくて。

『…………あ……』
「ん?」

そしてわたしは、それに包まれる。
隙間無く、余す事無く、際限無く。

『あ!!あ、あの、その、』

だからなのだろう。

『き、…気持ちいい、です……』

こんなにも、気持ちがやさしい。
包まれたわたしが、そのままやさしさのかたまりになってしまうんじゃないかってくらい。

「そう?じゃあもっとするからね!!」
『あ、あ…はい…………お願い、します』

そして、彼女は願った。

護りたい。
このやさしさを。
このやさしさをくれる、あなたを。
どうしても、なにがあっても、絶対に。
護りたいんです。

『……お願いします』
402Washing Love No_12:2008/09/07(日) 16:12:53 ID:gTs5tOiV
護らせてください。エリオ。





湯気と泡に混じった、彼女はただ、そのことを願った。
その時の彼女は、どこまでも純粋で。

ただそれだけを、願ってしまったのだ。





つづく




403Washing Love おまけ1_1:2008/09/07(日) 16:13:59 ID:gTs5tOiV
おまけ1


泡が流された後も、包まれるようなあの感覚は残り続けて。
それらはつかるお湯の温かさと、身体の芯のすぐ隣で混ざり合ってゆく。
あの優しさが、ゆっくりと薄れてゆくようなこの感じは、少し寂しいけれど、でも。

「ふうっ……」

すぐ隣に、彼がいてくれるから。
お湯を通じて、彼のあのやさしさが、しみ込んでくるような気がするから。
お湯の温かさの何割かが、彼のやさしさのせいだと、思ってしまうから。
そんなことはありえないのに、でも彼の隣にいると、そんな気に、なってしまうから。

振り向いたエリオと、湯気越しに視線が重なる。
たったそれだけのことで、わたしの周りのお湯だけ、少し温度が上がる。
それはしみ込む温度より、ちょっとだけ熱くて乱暴で、少しのぼせてしまいそうで。
でも、いいや。

彼の熱になら、きっと焼かれても、大丈夫だから。

ヴォルテールは視線を戻すと、浴槽の淵に顎を乗せてそのまま目を閉じた。
もう少しこうしていよう。のぼせるくらいには、浸っていたい。
彼の熱と、やさしさに。
だからそれまでは、このままで。


─だが、現実とは往々にして無情なものであり、至福の時間ほど長くは続いてくれない物なのである。

「きゅ〜〜!!!」

ばっしゃーーーーーーーーーーん!!!

戻って来て早々に湯船の中心目がけてダイブしたのは、鳴き声からお解かりの通り、白銀の騎竜。
十分な助走をもって繰り出されたその突撃の最大スピードは軽く音速を超え───ていたかは定かではないが、
とにかく彼の無邪気な振る舞いによって湯船に大きな水柱と、それに伴う小津波が発生した。

この時間に入浴する習慣を持つ隊員にとっては、もう既に割と見慣れている光景である。
そのため、ある者は少し上体を起こしたり、或いは手や近くに転がっている桶を用いてガードしたり、あらかじめ様々な対策をとっている。
エリオ自身も、両腕で顔面の前に盾を築いて波をやり過ごしていた。

しかし、この浴室内でただ一人だけ、それらの対策を全く取れなかった哀れな存在がいた。
その者はフリードの飛び込み癖をまったく知らずに入浴しており、
そもそも着弾地点に背を向けていたためにろくに対策も取らせてもらえず、
波をかぶっても大丈夫な身長など、まるで持っていないのだが、しかし、
404Washing Love おまけ1_2:2008/09/07(日) 16:14:44 ID:gTs5tOiV
『がぼぐぼがばあぶぼふぅっっっ?!?!?!?!?!?』

今までこのように全身で水につかった事など一度として無いため当然泳ぎ方など知るはずも無い、初心者マーク全開な真竜さまが水流に
もみくちゃにされながら溺れかけていた。
もともとフリード並にサイズダウンしている今のヴォルテールにとっては、ちょっと爪先立ちでギリギリ口が水面に出るかな、というレベルなので、
慣れていない水中で一度方向感覚を失ってしまったら、ちょっとやそっとじゃ体勢を立て直すことなど、まず不可能だった。

結果。

『─ぷっはああぁぁぁ!!はーっ!!はーっ!!はーっ!!』

ヴォルテールの状態にいち早く気がついたエリオによって救出され、腰で支持され逆さに吊られたままで、当の真竜サマは盛大な過呼吸と
ともに、今この瞬間を生きている事に全力で感謝していた。
晴れやかな表情で全身から水滴を滴らせる逆さ吊りのその姿は、もし彼女を守護竜として崇めるアルザスの皆さんがご覧になった場合、
むせび泣くか目をそらすか指をさして笑うかの、人として非常に難しい選択を強いられるであろう光景である。
ま、恐らく大半の人間は指差しながら目をそらしつつ笑いすぎて涙が溢れ出て来るのだろうが。

ともあれ、こうして彼女の至福の時間は唐突に終わりを告げてしまい、

『フ〜リ〜ィ〜ド〜〜!!!』
「キュクー♪」

浴槽をリングにした一大鬼ごっこが、騒々しく幕を開けた。




浴室に1匹の鳴き声と、もう1匹の怒声と、1人の拭いきれずに蒸発した汗が染み渡っていく。
そんな中で、ペンギン張りの潜水泳法で縦横無尽に水中を逃げ回るフリードと、怒りのパワーと気合でなぜか身についたバタフライ泳法を
駆使してフリードをダイナミックに猛追するヴォルテールの姿を見て、エリオはいつもよりも3割くらい楽しそうな笑顔を浮かべていた。

─種族はまったく違えど、その姿は端から見れば、とても仲のいい兄妹のように見えたという。
 実際に見た奴がそう見えたっていうんだから、しょうがない。








─その後、ベッドで眠るエリオと、そのお腹の辺りで泳ぎ疲れて熟睡しているフリードと、ささやかな主張としてエリオの寝巻きの背中側の裾を
 少しつまんで眠るヴォルテールの姿は、誰がどう見ても仲のいい兄妹のように見えたそうな。














405Washing Love おまけ1_3:2008/09/07(日) 16:15:19 ID:gTs5tOiV
─その頃、医務室では。

「エリオくん…………」

 一人の少女の小さな小さなつぶやきが、闇に呑まれて消えていた。


つづく





406Washing Love おまけ2_1:2008/09/07(日) 16:15:55 ID:gTs5tOiV
おまけ2


機動六課隊舎の風呂が異様に広くて豪華というのは、既にご存知だろう。
そしてこの施設が、部隊長である八神はやての女の子らしいこだわり、という隠れ蓑によって巧妙に偽装された、私欲と職権濫用の果ての産物である
事も既に述べられている。

述べられているが、しかし。

そのことだけではこの件の全てを理解したとは言い難く、それを実現しようとするならば、彼らの事を語らなければならない。
これは、8メートル四方の密室で人知れず繰り広げられた、彼らの熱い友情の記録である。


機動六課の浴室には、隊舎の設備としては些か疑問符のつくような物も数多く常備されているが、その最たる例が、男女の浴室にそれぞれ
備え付けられたサウナである。
そしてある時から、六課の中にある噂が流れ始めた。

曰く、「男子サウナには”主(ぬし)”が出る」

その者は部屋の左隅の席を常に好み、誰よりも先に浴室に現れてはその場所をいつも確保している。
そしてそのまま瞑想をするかのように目を閉じて静かに佇む。その浅黒い肉体に一切の無駄なく筋肉を積載した、その姿はタオルを一枚しか
纏ていないにも関わらず覇気と威圧感に満ち溢れ、その姿には歴戦の武装隊員ですら呑みこまれ、ただ新兵のように取り乱すのみである。
その闘気をかいくぐり、まれに会話を投げかける強者もいたが、いずれも「ああ」の一言で会話を打ち切られ、その後二の句を続けられた
者は、未だいない。その空気の重さとサウナの熱に耐え切れず、部屋から立ち去るしかないのだ。

さらに不可思議なことに、男子サウナ以外でその男の姿を見た者が誰一人としていないのである。あの筋骨隆々とした体格を見るに、
武装隊の誰かであろうというのが一応の通説ではあるが、六課所属のあらゆる隊を当たってみても該当する人物は存在しない。
また一度はフォワードメンバーであるランスター二等陸士による、幻術を用いたイタズラの線も考えられたほどだが、武装隊員総勢12名による
尋問用フォーメーション『マッスル・ケージ』(AMF下で十二方を褌装備の武装隊員により囲まれた上での尋問、技術協力:F・T・H執務官)
を用いた取調べの最中にも対象が変わらず現れたため、その線は現在のところ、限りなく薄いとされている。

こうしてその存在を広く知られながらも、対象の正体はまったくと言っていいほど掴めていない。
また、(対象自体は)被害を一切出しておらず、ただサウナの一角に陣取っているだけなので、取調べのためにそうそう拘束することもできない。
そんな対象の事を、六課男性陣はその外的特徴と不気味さ、そして表立って表すことはできないが、畏敬の念を込めて、こう呼ぶ。



”白髪の主”と…………。



そして今日も、主はいつもの場所で、静かに目を閉じている。
サウナの中には現在、他の人影はない。
いつものようにそこにいるだけで、後から入ってきた者がそそくさと出て行くのもまた、いつもの事だ。

故に。
ドアが開き、ペタペタとした足音が自らの隣でその響きを止めるのもまた、いつもの事。

「きゅ〜」
「ああ、今日もお前が元気そうで安心した」

そして、いつも通りに互いの近況を語り合ってゆく。
その周囲には、いつもの主の雰囲気とは似て非なる、柔らかさを含んだ空気があった。

「きゅっく〜」
「む、そうか。今日からお前の親戚のようなものが尋ねてきているのだったな」

そうこうしている内に、話題の中心はどうやらサウナの外にいる存在へと移ったようだ。
407Washing Love おまけ2_2:2008/09/07(日) 16:16:46 ID:gTs5tOiV
「きゅ〜きゅくる〜。
 きゅきゅっく〜、きゅくる〜」
「フッ、そう言ってやるな。その姉とやらも必死なのだろう。
 誰かを好くということは、全てを投げ打つような覚悟が必要だからな」

何やら片方が若干愚痴り気味で、それを主が諌めているようだ。

「お前もその事はよく考えておいたほうがよい。
 お前も俺も、主を護るためにその事は力になる。
 機が来たときに、それだけが背を押してくれる。
 俺は、そんな戦いをしたことがあるからな」
「……きゅく〜」

なんかいい事言ったくさい。

「きゅ〜」
「なに、礼には及ばん。
 俺も、お前と語らうこの時を楽しみにしているのでな」

お礼したっぽい。

「……きゅく〜」
「ああ、それではまたな」

別れたらしい。

そして、主はまた一人、目を閉じて物思いに耽る。

─やはり主はやてにサウナの設置を進言したのは間違いではなかった。
 隊員たちの疲れを癒しながらも交流の場ともなる。最高ではないか。
 風呂派のシグナムは『サウナなど邪道だ』などと言って反対していたが、風呂では湯気で互いの顔がはっきりと見えない。
 それでは役不足というものだ。よい檜の調達には少々金がかかりはしたが、この効果を考えれば安い買い物と言えるだろう。

立ち上がる主。今日はもう満足したらしい。

─もう主はやてがお戻りになる時間だな。
 そろそろ俺も戻っておくか。

サウナの扉を開け拡げ、そのまま脱衣所へ。
そして、脱衣所の入り口にあるのれんをくぐった時、そこにもう人の影は一切見当たらなかった。



これは、8メートル四方のサウナという密室で、人間達が知る事無く繰り広げられた、彼らの(物理的に)熱い、友情の記録である。



おわれ



408蒼青:2008/09/07(日) 16:23:19 ID:gTs5tOiV
今回は以上です。ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

この程度の分量を書くのに、3ヶ月以上余裕でかかってます。
なんか本当にごめんなさい。

ただ、見苦しく言い訳させていただくなら、
「夏休みなんて…ないよ…」とか言い放った教授が悪いんです。
きっとそうです。エロゲやってたとかニコ動ばっか見てたとか、
何もせずに14時間睡眠とか筋肉革命とか、そんなことばっかやってた訳ではないのです。

…………どうも、すいませんでしたorz


それでは、今回はここまでです。
ここまで読んでくださったすべての方へ、
ありがとう。
409名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 16:30:51 ID:WP2dy5wD
>>408
GJです!!
相変わらずフラグまみれの我らがエロオ・モンデヤル(違w
ここにルーテシアの白天王や地雷王やガリューも混ざった更なるカオス
を想像してしまったw
そしてザッフィーw 縁の下の力持ちだなぁw
メンタルケアを進んで引き受けるあたり芸が細かい、
何気に結構重要だからな、こういった大所帯での不満の解消は
シャマルさんも居るだろうが、男連中だと異性に対して遠慮や抵抗が出る場合があるからなぁ
410名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 16:38:39 ID:e1KRP604
GJ
このヴォルテールはヴィータと気が合いそうだな
411名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 16:52:37 ID:X8HRpI45
>>373
@かAで
エリオでなのはさんとシグナム姐さんの絡みはあまり見れないので是非ともお願いします。
412名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 17:04:30 ID:XxQL7rgx
>>373
GJ!
次回は希望を言うなら@が見たいですね
まぁ、投票募ってるわけでもないみたいですし書きたいものを存分に書いてください

>>408
GJ!
ヴォルテールかわいいよヴォルテール
413246:2008/09/07(日) 18:36:57 ID:jDe3Ayh1
投下皆さんGJです。
さてこちらは、クロエイの後編となるエロと+αです。
エロス分が足りないけれど、クロノ君とエイミィさんを絡ませたかっただけだからいいんだもん。
と言う事で以下からです。
414Love for you:2008/09/07(日) 18:37:48 ID:jDe3Ayh1
 今でも覚えている。初めて、彼の体温を素肌に感じたときの事。
 何年経っても忘れられない。初めて、この唇に彼の唇を感じたときの事。

「――クロノ君、きもちいい……?」
「あ、あぁ……エイミィ」

 あの時の恥じらいなんてもうどこにも在りはしなかった。クロノを誘った時感じていたものも、今では遥か忘
却の彼方。
 蕩けきった口調。蕩けきってまとまらない思考。
 差し出されたそれにしゃぶり付き、添えた手で擦り上げ、エイミィが唇に感じるのは彼の唇ではなく、情欲に
張り詰め、もう幾度と無く味わった、幾度と無くエイミィ自身の子宮を突き上げた夫であるクロノの男性器。
 充血した亀頭が、エイミィの舌に転がされた。裏筋を舐め上げられ、鈴口に舌先を突き入れられば、瞬間クロ
ノが呻き眉を顰める。
 もうそろそろ――。
 直感でも何でもなく、彼の息遣いとくわえ込んだ肉棒の震えにそれを理解したエイミィが、最後のとどめ。彼
の最も弱い部分を攻め、吐き出された彼の精液に喉を潤した。
 ぷはぁ、と止めていた呼吸を再開させ、一子纏わぬ姿のエイミィがクロノを押し倒しキスをせがむ。鍛えられ
た彼の胸板。それに、決して大きいとは言えない自身の乳房を押し付けて。

「ま、待てエイミィ! さっきから――んぐっ!」

 荒々しいキス。クロノの歯に音を鳴らしてぶつかった歯が痛かったが構いやしない。逃げようとするクロノの
舌をそのまま絡め取り、先程まで彼のモノを味わっていたその唇で、エイミィはクロノの口内を思う存分味わっ
た。
 クロノは翻弄されるのみ。記憶に残る数え切れぬ程の交わりの中でも、どこにも思い当たらない今の彼女に戸
惑っていたから。
 だがそんな事はお構いなしに、エイミィは吸い付いていたクロノの唇から離れ、今度は彼の首筋に舌を這わせ
ていく。
 クロノの首筋、エイミィの舌が通る道に唾液がぬめぬめと光っていた。目の前に広がる光景に、クロノが直感
的に悟る。
 この目の前にいる愛する女は、男を知らないその辺の生娘よりも何倍も危険な存在だった。

「――ねぇ、クロノ君。エッチするの久しぶりだよね」
「そう、だったか……?」
「うん。久しぶり。カレルとリエラが産まれてから殆どしてない」

 不意の問いにそうだったかとクロノが記憶を探るが、変わらず続くエイミィの舌の動きに翻弄され、まともに
考えること等出来はしない。
 答えを出せないクロノに苛立ったようにエイミィが一度。クロノの乳首に歯を立てた。

「ぐっ……」

 仕事と子育て。それぞれのやるべき事に翻弄される毎日。
 夫であるクロノは単身ミッドチルダへと渡り、若干の寂しさを愛する子供達がいる喜びで覆い隠して。

「ねぇ、クロノ君。そろそろ欲しいな」

 何て事はない。
 彼女は溜まりに溜まっていたものを全て吐き出したかったのだ。


魔法少女リリカルなのはStrikerS
―Love for you―
(後編)

415Love for you:2008/09/07(日) 18:39:24 ID:jDe3Ayh1
 ベッドに背を預け、エイミィが右手を太ももの下に添えると共にクロノの目の前で大きく脚を開いた。左手で
自身の髪と同色の陰毛を掻き分け、陰唇を割り開いてクロノを待つ。
 彼女の秘所は既にしっとりと濡れている。陰唇が割り開かれると同時、泉の様に湧き出た愛液が糸を引いて白
いベッドのシーツに染みをつくった。

「挿入れるぞ」
「うん、いつでも」

 若干頬を染めているエイミィに、全くでは無いだろうが羞恥を感じている様子は無い。あるのは、もうすぐク
ロノの熱い肉棒を挿入れてもらえると言う興奮くらいか。
 妖しく光るエイミィの瞳を見つめながら、クロノが淀みない動作で腰を前に突き出して。

「んっ……」

 エイミィの膣内に肉棒を挿入れた瞬間、耳に届いた小さな彼女の嬌声に鳥肌が立った。
 思わず身を固めてしまいかねない程の懐かしい感覚に抗う様に、クロノがエイミィの子宮深くに肉棒を突き入
れる。
 背を仰け反らせ、先程よりも甲高い声で吐息を漏らすエイミィに思考の大半を真っ白に塗りつぶしながら、エ
イミィの頭を抱き寄せしばらく今の余韻が消えるのを待った。
 だが、そんな僅かな時間さえ待ちきれないと言う様に、しきりにエイミィが腰をくねらせている。
 肉棒が噛みつかれているかのように締め付けられ、最早声を漏らすだけで達しそうな程。溜まりに溜まってい
たのはエイミィだけじゃない。クロノもまた同じだった。
 動くぞ、とそんな言葉すら言うのももどかしくクロノが一度腰を引く。腰を打ち付けようとすれば、感じるの
は昔から変わっていない抵抗感。そして耳に届くのは、昔よりも何倍も艶の増した彼女の嬌声。

「……クロノ君、す、凄い……っあぁっ……!」

 クロノの腰の動きが徐々に速くなる。それに伴い二人の接合部から聞える水音はより顕著に。部屋を埋め尽く
す二人の呼吸は更に荒く。
 一定のリズムを刻むベッドが軋む音が、呼吸と水音とエイミィの嬌声しか無いこの部屋のBGMとなっていた。
 クロノがエイミィの唇を奪い、自分がされたように彼女の舌を絡め取る。
 クロノにされるがままの唇をそのままに、エイミィは打ち付けられる彼の腰の動きに合わせ、自分もと腰を激
しく前後させていた。
 これ程までに求め合うのは何ヶ月ぶり、いや何年ぶりか。胸板に感じるエイミィの乳房が最後に手にした時よ
りも若干大きくなっているような気がするのは、やはり二人の子供が出来た故か。
 未だ鮮明に残っている記憶の中の彼女の裸体が霞んでいた。その代わり、今目の前にある裸体の事しか考えら
れなかった。

「ひぅっ……!? む、むね……胸触ったらぁぁっ……!!!

 エイミィに密着させていた身体を離れさせ、そのまま彼女の胸を鷲づかみにした。親指の腹で凝り固まってい
る乳首を転がし、小さめの乳輪をなぞってやればエイミィの嬌声はより大きく。
 爪を立てて捻ってみれば、思わず呻くほどに彼女の膣が狭くなっていた。

「ふあっ、んんっ、クロノ君凄いよぉ! すごっ……だ、駄目ぇぇぇ!!!」

 何が駄目だと言うのか。こんなにも、腰を前後させているくせに。
 目の端に涙を溜め口端から涎を垂らしているエイミィに、徐々に感じてしまうのはほんの僅かな嗜虐心。
 胸を揉み、乳首に爪を立て、肉棒を彼女の最奥に突っ込み喘がせて、クロノがエイミィの唇を塞ぐ。そのまま
舌を絡めれば、エイミィも必死にクロノの舌を味わおうと彼の唇に吸い付いた。
 互いの唇を吸い合う二人の口から、空気の漏れる音が聞えていた。そんなあまりにも見苦しい音さえ、今は何
も感じない。
 相変わらず接合部はねちゃねちゃと粘着質な音を立て、クロノが視線をそこへ向ければ混ざり合った濁った体
液が小さな泡を立てていた。

「エイミィッ、お前のっ、くっ……凄い事になってるぞ!」
「そんなのぉっ、当たり前だよぉ、だって! だってぇ……ひぁぁぅ!!」
416Love for you:2008/09/07(日) 18:40:29 ID:jDe3Ayh1
 子宮を突き刺す度、荒い息と共に声をかければエイミィが頭を捩りその声に応えた。涙に滲む視界の中、見つ
めるクロノの顔に、汗だくの顔に乱れた髪を張り付かせながら。
 限界が近かった。クロノも、エイミィも。
 クロノの肉の削岩機は既に限界以上に張り詰め、痛みを覚える程。それによがり、嬌声を上げ、エイミィは
もっと深くとクロノの腰に自身の腰を押し付けていた。
 くっ、とクロノが唇を噛む。射精する寸前、力を振り絞るようにエイミィを突き刺していたそれを引き抜こう
として――だが彼女はそれを許さない。

「エイミィ!?」
「駄目っ! 中に出してっ! クロノ君の頂戴!」

 クロノの腰に脚を回し、エイミィが彼の肉棒を膣の奥、子宮をより深く突き刺せるようにしがみ付く。瞬間、
膣内で吐き出された熱い固まりが子宮に流れていくのを感じ、エイミィが恍惚の表情を浮かべて。
 その隙にクロノが肉棒を引き抜けば、現れたのは射精間もないにも関わらず衰える様子も見せない彼の肉棒。

「あはっ、ドロドロだぁ……」

 栓が抜かれ、エイミィの中から精液があふれ出す。指で割り開いてみれば更にもっと。噎せ返るような匂い
と共に、日に焼けていない真っ白なエイミィの太ももを精液が更に白く汚していた。
 それだけじゃない。
 エイミィの湧き出る愛液も同等かそれ以上。貪欲な彼女の膣は、更に擦り上げて欲しいと淫らな涎を垂らし、
縦の唇を開く。
 真っ赤に充血した陰唇と、その上。こっちも触ってと自己主張する陰核が、欲望を満たす為エイミィの指に
よって転がされた。

「んんっ、くろのくんのぉ、凄い濃くて、美味しい……んちゅ、はぁ――」

 自慰を見せ付けるが如くではなく実際にクロノに見せ付けながら、時折エイミィは掬ったクロノの精液を口に
運び、喉を動かす。
 口端から精液を零しながら微笑むエイミィが、酷く淫猥に映った。

「君一人で気持ちよくなってどうするんだ。僕を忘れるな」

 エイミィの目がまだ足りないと訴えている。そしてクロノ自身もこんなものではまだ足りない。
 自慰を止めないエイミィを強引に押し倒し、尻を突き出させひくつく彼女の膣口に狙いを定めれば、エイミィ
が自ら陰唇を割り開き尻を振る。こう言う時どうすればいいのかは、もう身体が覚えていたのだ。

「嫌だね。僕を忘れた罰だ」
「んっくぅぅ!?」

 それを無視してその上。くすんだ桃色のアナルに一気に肉棒を突き刺した。考えていなかったアナルへの挿入
に、エイミィの意識が一瞬白に染まる。
 それを再び戻させたのは、やや力任せに突き上げてくるクロノの肉棒だ。
 痛い程の締め付けは膣以上。そしてエイミィの嬌声も、今まで以上に。

「んんっ、お尻っ、お尻はぁっ、ひあぁぁっん」

 エイミィの後ろ髪を縛っていたリボンが解ける。結婚してから伸ばし始めたその髪が、エイミィが頭を振り喘
ぐ度に揺れていた。
 形の良いふっくらとした尻にクロノの腰が叩きつけられるたび、波打つように尻肉が歪みエイミィが背を仰け
反らす。
 数えられる程しかした事の無い行為。クロノが後ろから突き、エイミィが突かれる度に喘ぐその様はセックス
と言うよりも獣の交尾そのものだ。
 自身の一番汚い穴に挿入れられ、痴態を見せつけ、涎を垂らす。見ていれば目を背けたくなるようなその行為
が、今は何よりも幸せだった。ずっとこのままでいたいと思うほどに。
 子宮を突かれる圧倒的な快楽でもない、陰核を抉られる壊れそうな快楽でもない、違和感と圧迫感を伴う苦痛
だけ。
 だがそれでも、腸壁は滾々と腸液を分泌しクロノにせがむように強く締め付けていた。
417Love for you:2008/09/07(日) 18:41:14 ID:jDe3Ayh1
「くっ、はっ……はあぁっ! こ、これ気持ちいいよぉぉ……」

 ギリ、とクロノの噛み締めていた歯が音を立てた。
 されるがままのエイミィに覆いかぶさるように腰を打ち付けるクロノもまた、肉棒を締め付けるエイミィの
アナルに歯を食いしばり、耐える。
 既に射精感はそれ程までに高まっている。そして――本日三度目の射精。
 出すぞ、と言う間も無く呆気なく。射精を止めていた忍耐力と言う名の防波堤は意とも簡単に崩壊し、二度の
射精と些かも変わらぬ大量の精液がエイミィのアナルに注ぎ込まれる。

「――!!!」

 声も無く、エイミィが悶えていた。
 クロノの射精は終わらない。エイミィの尻に密着させ、腸壁に締め上げられ震える肉棒に目をきつく瞑って。
 脱力しエイミィがベッドに完全にその身を預けると共に、するりとクロノの肉棒が引き抜かれた。それでも尚。
 荒い呼吸を戻せず喘ぐエイミィのアナルは、やや大きめに広がったまま。それを見ながら肉棒を二三度擦り上
げれば、最後に残っていた精液がエイミィの尻を白く染めた。

「はぁ……はぁ……クロノ君の、熱い……熱くて、火傷しちゃいそうだよ……」

 流石に三度目の射精となれば、肉棒の硬度もそれなりになってしまう。ベッドに座り込み、休憩でもするかの
ように息を整えるクロノに、エイミィが緩慢な動作で覆いかぶさって。

「クロノ君の、綺麗にしなくちゃ」

 クロノ自身の精液と、腸液で汚れたクロノの性器。やや硬度の無くなったそれをエイミィが弄ぶように指で奮
わせ、舌先を満遍なく嘗め回す。
 睾丸を揉み、時折上目遣いでクロノの表情を伺いながら汚れたクロノのそれに奉仕を続けた。
 段々と、クロノの性器が硬度を取り戻す。再び肉の槍と化した肉棒にエイミィが一度目を細め、ややあってか
ら唇を舐め、準備は完了だ。

「綺麗になったら続きだよ」

 まだ終わらない。終わらせない。こんなものではまだ足りない。
 クロノの上にエイミィが跨った。


* * *

418Love for you:2008/09/07(日) 18:41:58 ID:jDe3Ayh1
「――いい加減にそろそろ、やめて欲しいんだが」
「駄目。まだ」

 最早何回射精したか分からなかった。もう当分しなくてもいい程にはしただろうと、クロノが疲れた表情で溜
息を吐く。
 そんなクロノの様子に頬を膨らませ、エイミィが一度身を捩る。グッと唇を噛んで堪えるクロノの肉棒が、エ
イミィの中で震えていた。
 クロノの上で同じように何回も絶頂を繰り返しながら乱れ続け、相変わらず彼のものを咥えて離さないエイミ
ィであったが、流石に疲れは感じているようで今は丁度、小休止と言ったところなのだろう。

「クロノ君のビクンビクンってしてる。まだしたいんだよ」
「悪いが僕は限界だ。続きは一人でやってくれ――って、エイミィ!」

 不服だと言うように、エイミィが腰を上下する。形の良い乳房がプルンと揺れたが、クロノが腕を伸ば
す事は無い。そんな力があるのなら、エイミィをどうにかしたいから。

「分かったから、そうやって腰動かすのは止めてくれ」
「んー、ほんとかな」

 どうやら相当信用されていないらしい事に、内心もう一度溜息を吐きエイミィを睨んだ。
 しっとりと汗を浮かせている表情は、可愛いと言うよりも綺麗なのかもしれない。ただどうしたのと首を傾げ
る様は、何ら変わらない思わず何か助けてあげたくなるような年上の姉のままだった。

「じゃあ、続けるぞ。このままか? それとも後ろからか? 何でもいいから選んでくれ」
「何かやる気が感じられない」
「そんな事は無いが……まぁ、でも疲れたな。このまま寝たい」

 エイミィが胸を舌で擽っていた。それほどくすぐったくは無いが、生暖かくて気持ちが良い。本当にこのまま
寝てしまいたくなる程だ。
 だがまだ足りないとせがむエイミィは、再び腰を上下に揺すり始めている。じわじわと競りあがってくる感覚
に、クロノが呻くがエイミィは無視をした。
 いくら疲れたと言われようが、こっちはまだ全然足りていない。会えない日が続けば続くほど。この先、次に
会うのはいつかを考えれば考えるほど。
 今のうち、クロノ分を摂取しておかなければ恐らく辛いはずだから。

「じゃあ、後二回だけ。二回したら、家帰って一緒に寝よ」
「……絶対だからな」
「うん」

 ややあってからクロノがエイミィと同じように腰を動かし始めた。小さく嬌声を上げるエイミィが、再びもっ
ととせがむのは彼女が二回目の絶頂を終えた後だった。


419Love for you:2008/09/07(日) 18:42:47 ID:jDe3Ayh1
 そして、次の日の朝の事。
 薄っすらと瞼を開けて映る光景に、ここがホテルではなく自宅の寝室である事をクロノが思い出す。
 あの後立ち上がれなくなる程に搾り取られた後の記憶は無い。どうやって帰ったのかも謎だった。腰に残って
いる疲れと鈍痛もしばらくは治りそうも無い。
 時計を見れば午前十時過ぎ。一般的な管理局の勤務時間は九時からな訳だから完全な遅刻である。それでも、
急ごうと思う気にはなれなかった。
 目覚ましは止めてあった。
 エイミィに呼びかけるが返事は無い。それどころか寝室にすらいない。が、彼女を探すよりも先ずはシャワー
を浴びるのが先決だろうと、クロノが気だるい身体でベッドから抜け出した。いくらなんでも、こんな状態では
外に出る事など不可能だから。
 バスルームに下着だけを身につけクロノが向かう。脱衣室にあったのは、エイミィが使ったのであろうまだ暖
かいバスタオル。そしてその隣には、小さく畳まれたトランクスと、使っていないバスタオルだ。
 ゆっくりしている訳にはいかない。熱いシャワーを浴び、完全に眠気を昨夜の名残と一緒に洗い流してバス
ルームを出たクロノが、丁度良くハンガーにかけていた制服に袖を通しながらリビングへ。
 エイミィに起こしてくれなかった文句と、朝の挨拶をする為だった。

「エイミィ! 昨日仕事だって言っただろう!?」

 リビングに、クロノの声だけが響いた。
 それ以外は何も無い。エイミィの声だけではなく、姿すらも。キッチンを見てみれば、いい香りがクロノの
鼻腔を擽った。恐らく、朝食だ。
 昨日は動かしてすらいなかったコーヒーメーカーの電源が入れられていた。冷蔵庫には、皿に盛られている
サラダが少し。ドレッシング付きだった。
 まさかと思い連絡をいれようすれば、彼女の携帯への連絡手段であるクロノの殆ど使われていない携帯電話に
は一件のメッセージ。

『ごめん! やっぱりカレルとリエラが心配だから。朝ごはんは作ってあるからちゃんと食べて――』

 メッセージは途中で切れていた。他にも何件か、全てエイミィによるメッセージを聞いた後でクロノが連絡を
いれる為、こちらの世界の通信器のコンソールを操作する。
 宙に浮かぶウインドウに現れたのはフェイトだ。彼の遅刻と言う珍しいものにやや驚きながらも、どこか納得
した様子。

「悪いが今日は少し遅れる」
『了解。エイミィがね、遅れるかもって言ってた』
「……そうか。とにかくそう言う事だからよろしく頼む」

 フェイトとの通信が切れれば、途端音の無くなったリビングに、若干の寂しさを感じてしまう。
 エイミィの作った朝食を皿に盛り、冷蔵庫に入っていたサラダをテーブルへ。

「――いただきます」

 勿論、食後にはコーヒーが待っている。

* * *

420Love for you:2008/09/07(日) 18:43:33 ID:jDe3Ayh1
「っ……まだ体中重いや」

 海鳴に帰り、皆の朝食を作ってその後。エイミィは、洗濯物を干しながら一人呟いていた。
 カレルとリエラは幼稚園。この日休みを取っていたリンディはいつもの様に翠屋へ。そしてアルフは現在、絶
賛お昼寝中である。
 背後からは、お昼のワイドショーが流れていた。それを聞きながら勢い良くエイミィは洗濯物の皺を音を鳴ら
して伸ばし、物干し竿へ。
 腕を上げる瞬間、ズキンと身体が悲鳴を上げていたがまぁ、自業自得である。その分暖かかったのだから何ら
問題は無い。
 その暖かさを思い出して、若干顔が熱くなった。一人悶えにやけて、傍から見ればさぞ気味の悪い光景だった
ろうが生憎今見ているものは誰もいない。

「っと、もうそろそろアルフも起きちゃうか」

 起きて昼食が無いとなれば、さぞ文句を言うだろう。自宅へ帰る途中買った材料で軽めの昼食。アルフには
ソーセージでも出しておけば喜ぶ筈だ。
 ソーセージがフライパンを転がった。油の弾ける音と、肉の焼けるいい香り。
 背後からはもぞもぞと何かが動く音。アルフだ。両耳をピクピクと動かし、寝ながら匂いを嗅いでいた。

「アルフー! お昼食べるんでしょー?」
「んにゅ……当ったり前じゃないか……」

 テーブルには一人分の昼食。首を傾げるアルフに、エイミィは応えるように欠伸をして寝室へ。ミッドで
少し寝たはいいが、仮眠とも言えない睡眠時間ではやはりまだ寝たり無い。

「あの子達のお向かいはどうするんだい? あたしが行こうか?」
「んー、行く。時間になったら起こして」

 欠伸をもう一つ。これはどうやら相当深い眠りになるらしい。念のため、向いの時間に携帯電話の目覚ましを
セットする。
 と、気付けばメールの受信を告げるアイコンがポツンと。差出人は、良く知っている人物だった。

『ごちそうさま』

 件名にはたったそれだけ。本文には何も無い簡単すぎる、彼からのメール。それに苦笑交じりで笑い、ベッド
に横になる。
 次はちゃんと、彼の口からその言葉を聞く事にしよう――。
421246:2008/09/07(日) 18:44:29 ID:jDe3Ayh1
以上です。ありがとうございました。
気を抜くとエイミィさんが、すぐクロノ君に顔面騎乗したがって困ります。
上の方にあった胃の痛くならないフェイなのは、長編がある程度進んだら書けるかなぁと。
次の投下は長編の続きです。ではでは。
422名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 18:48:26 ID:x97xXonj
GJ!
久々にクロエイのエロス分充填できました。
もう一度GJ!


でも結局後ろ掘ってるよこの提督はw
423名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 19:08:34 ID:XxQL7rgx
>>421
GJGJGJ!
なんとも貴重なクロエイ分を補給出来ましたw
長編の続きもフェイなのも楽しみに待ってますね!
424名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 19:37:56 ID:e1KRP604
GJ!
とてもエロイです。
この濃厚エロスは是非とも参考にしたいです。
425名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 19:38:54 ID:CLk3UdX0
>>421
1万年と2千年前からGJ!!面白かったです。
久しぶりにクロエイ分を補給できました。

最後に『ごちそうさま』でした。
426名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 19:52:33 ID:Wuaco9S7
GJ、良かったねエイミィ……凄まじく久しぶりにメインのSSが来て。
427名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 20:33:13 ID:mhwamdo3
>>421GJ!GJ!GJ!
ものすごくエロかったです。
口には出さないもののエイミイも寂しいんだな……とエロイのにも拘らずしんみりしました
良かったらまたクロエイで書いてください
428名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 20:42:10 ID:E+UPt4ou
あれ・・・?
俺のストレートど真ん中じゃね・・・!?
429554:2008/09/07(日) 22:45:17 ID:UrGeqZTn
誰も居ない、な。
今なら勢いで書いたクリニックF番外編投下しても大丈夫みたいだ。

というわけで一応、よろしいでしょうかね?
430名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 22:46:30 ID:nJAeEy/O
GO!
431名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 22:48:18 ID:Wuaco9S7
ずっと待ってたぜ!!
432名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 22:55:53 ID:UrGeqZTn
どうもお待たせいたしました。
いや、月末で忙しくて乗り切ればどうにかなるかなと思っていたらどうにもならなくて・・・と、言い訳はここまでにして。

・カップリングはジェイル(あえてこう表記)×ウーノ
・スカの性格がかなり変化してます。それについては後に触れますが、気になる人はNGしてください。
・なのはキャラはスカとウーノ以外はフェイトくらいしか出ません。しかもかなり後半。よってほぼオリジナルストーリー。
・NGワードは「クリニック・F SS-02」です。

それでは原案の73-381氏に多大なGJを送りつつ、投下したいと思います。
433クリニック・F SS-02:2008/09/07(日) 23:00:53 ID:UrGeqZTn
「何やってるんスかねえ」
「何やってるのかねえ」

 揃って同じ声を上げるのはナンバーズ内でも底抜けに明るいセインとウエンディのコンビである。
 更正施設の標準服である白のTシャツに身を纏った少女が二人、ふかふかの芝に座って開放感のある天窓から雲を眺めてぼんやりと呟いていた。いつもノーヴェやスバルと繰り広げる喧騒など微塵も感じさせない。
 更正に向けての社会の仕組みやマナーを勉強するという名目で行っている座学が少々苦手な二人は、指導役であるギンガの授業が終わるとナンバーズの庭と言っても良いこの場所をすぐに訪れ、二人で、
もしくは同じく座学の苦手なノーヴェと共に談笑するのが日々の日課になっていた。
 今日の話題は、先日ナンバーズ更正組一同に発表されたジェイル・スカリエッティの脱獄である。

「ドクターなら脱獄自体はできてもおかしくないんスけど、なんか腑に落ちないっス」
「そうそう。ウー姉だけを一緒に連れてったってのはまだ分かるけど、脱獄しても何も行動を起こさないところとかは、なんかね」
「ただあたしたちが知らないだけかも知れないっスけど、ギンガさんやスバルとかの落ち着きっぷりを見てたら何かあったようには思えないっス」
「そうなんだよねえ」

 側近であるウーノを連れ出したというのはまだ分かるのだが、やはり姉妹にとって分からない点は脱獄したなら何故何も行動を起こさないのか、という一点である。
 収監前の彼を少しでも知っている人間ならばそれがどれだけ奇異なことであるかよく分かる。
 事実、敵であったはずのスバルやティアナでさえ、更正施設を訪れた際に「何も行動がないのがかえって怖い」と漏らしていたほどである。
 そこに、小さな足音が伸びた日陰と共に歩み寄ってきた。

「姉は何もない方が良いと思うぞ。平和が良いんだ、平和が」
「チンク姉……」
434クリニック・F SS-02:2008/09/07(日) 23:01:38 ID:UrGeqZTn
 チンクの見つめるその先には妹たちと同じく雲を見つめていたが、その目は妹たちよりも更に遠くを見つめ、何か達観したような目つきをしていた。
 かつて意味もない殺戮を繰り返してきた彼女にとって、ギンガやカルタスらから教わる知識は新鮮で、その中で自分のしてきた行動が社会にどんな影響を及ぼしていたのかを理解するのはとても簡単なことだった。
 ただ、頭で理解をすると言うことに関してのみ”簡単”という単語を使えるのであって、自分のしてきた行動を”正しく”理解はしていなかった。
 産まれたときから戦闘を強いられてきた彼女たちにとって自分の意識を変えるということは並大抵のものではない。それは産まれながらに母親の理想でありたい、自分のことは構わず、ただ母親の喜ぶ顔が見たいと、そんな歪んだ理想を願った少女と同じように。
 だいぶ理解してきたなけなしの倫理観から考えるに、果たしてドクターは、ウーノ姉様は何を引き起こそうとしているのか。そして、何も引き起こさなくともその戦闘意識を変えることが出来るのか。
 チンクは座っている二人の妹を見つめるために下を向き、もう一度窓から空を見上げる。

「姉はな、ここにいる妹たちだけじゃなくウーノ姉様も含めた向こうにいる姉妹には、もっと幸せになってほしいと思うんだ」
「チンク姉らしいっスね」
「うん、本当に」

 そうか、と優しく目を伏せ口元に笑みを浮かべるその顔には、かつて管理局のエースが率いる部隊を壊滅させた残忍さの欠片も見えない。まさしく妹思いの姉そのものである。
 その表情を不思議そうに見つめていたセインが思い出したように人差し指を天に向け、そういえば、と呟く。

「ドクター、ウーノ姉のことだけはなんか特別扱いしてるように感じたよね」
「そう言われてみれば……そうっスね。ドクターの食べ物から散髪まで全部ウー姉がやってたし、ドクターも常にウー姉を隣に置くことを意識していたみたいに感じたっス」

 あーだこーだと議論を交わす妹を見て優しい微笑みを浮かべる小さな影。
 私はこんな表情をして妹たちを眺めたことは今までにあっただろうか。チンクは過去の自分を省みるが、該当する記憶は一つもないことに気づく。
 彼女は変わったのだろう。感情というものが邪魔で邪魔で仕方がなかったあの日をチンクは心底後悔していた。自分はドクターの手足なのだと決めつけて、それ以外のことを否定する。
 環境が環境だけにしょうがないという見方もあるのかも知れないが、チンクはそうでないことに何の疑念も感じていなかった。
 戦闘以外では面倒を見ない姉たちに変わって彼女が全てを行ってきたのである。それを否定すれば、当時の自分の立場はおろか自分の感情すらも否定することになる。妹たちが一喜一憂して、そのことに自分も歓喜していたあの頃のことを。
435クリニック・F SS-02:2008/09/07(日) 23:02:20 ID:UrGeqZTn
「さあ、もう休み時間は終わりだ。戻るぞ」
「ええー! もうっスかー?!」
「もうちょっとだけ、ね? お願いチンク姉ぇ」
「駄目なものは駄目だ。早く戻るぞ」
「そんなー……」
「うぅ……。これからまた地獄が始まるっス……」

 小さな姉に引きずられる大きな妹が二人。
 引きずっている彼女の顔は満ち足りたような笑顔。今この瞬間を懸命に、そして楽しく生きている。そんな感情を自分自身の奥底が宿していることを、チンクは正しく理解していた。
 後ろであーだこーだと文句を垂れる声が聞こえる。だから、彼女たちには聞こえなかった。襟首を掴んでいる彼女が何かを口元で呟いたのを。

「妹たちは良い子に育っています。だから、安心してください、ウーノ姉様。そしてドクターと共に――――

 最後の言葉は妹達の文句と吹き抜ける冬の風で全てかき消された。
 彼女が何を言ったのか。それは彼女自身しか分からない。
 ふと、彼女の横を綺麗なアゲハチョウが通り過ぎ、それを横目にして微笑んでいた。それはそれは綺麗で、それでいて純粋な微笑みで。



     □     □     □     □     □



「何をしてるんですかねぇ」
「私達には関係のないことだ」
「……ただ言ってみただけですよぉーだ」
436クリニック・F SS-02:2008/09/07(日) 23:03:31 ID:UrGeqZTn
 厳重な魔法柵で囲まれたその場所を一言で表すならば、拘置所。
 要注意人物として更にマークが厳しくなった三人は施設の中の更に奥。見回りの看守以外は足音も聞こえないような奥底にまで追いやられていた。
 要は、この場所にクラナガンはおろかミッドチルダ全土を震撼させた戦闘機人の収監者がいることは誰にも知られてはならないのだ。
 理由は簡単だ。彼女たちの存在が犯罪者の耳に入ればその莫大な戦力を得ようと犯罪集団の襲来があるとも限らないからだ。彼女たちがそんなふざけた集団に協力するかどうかはまた別の問題だが。

「それにしてもぉ、わたしたちを置いて愛の逃避行だなんて、ホントひどいですよね、ドクターってば」
「愛の逃避行、か。フッ、あながち間違ってはいないかもな」

 自嘲気味に口元を緩めて笑うトーレはかつてと何一つ変わらない口調で、しかしその表情は幾分かの柔らかさを含んだ微笑でクアットロの嘲笑に応える。
 彼女たちは先の施設内で教育を受けていた少女達とは違い、各々の理由から更正施設への入居を拒んだ者たちがこのラブソウルムの拘置所に入れられている。
 それが半年経ったとある日のこと、一緒に拘留されているはずのウーノが忽然と消えていたのだ。「ウーノは借りていく」という少し前までは当たり前のように目にしていた筆跡のメモ書きを残して。

「それにしてもぉ、なんで脱獄なんかしたんでしょうかねぇ。研究が出来なくなって禁断症状でも出たんですかねぇ」
「私にはそうは思えないがな」
「だってぇ、あのドクターが研究以外のことでそこまで固執するところなんて想像もできないですよー?」
「考えても見ろ、なんで別の拘置所で拘留されていたはずのドクターがここまで来て、どうしてウーノだけを連れていく」

 クアットロは顎に手をやって分かりやすく考え込むポーズをする。
 トレードマークとして未だにかけている大袈裟な伊達眼鏡と相まって、その姿はかなり様になっている。

「うーん……やっぱり一番の側近だから、いろいろと把握していて研究するのに便利だからー、とかですかぁ?」
「それだったらウーノ姉様のコピーか、或いはそれに代わる存在を作りだして対応するはずだ。命など、微塵にも思っていなかったからな、ドクターは」
「そーすると、ドクターにもその命を考えるような思考をするようになった、ってことでしょうかね?」
「そう考えれば納得がいくな。だが……おっと、この辺はお前への宿題にしようか、クアットロ」
「どーしてですかー!? そこまで言ったんなら教えてくれたっていいじゃないですか!」
437クリニック・F SS-02:2008/09/07(日) 23:04:14 ID:UrGeqZTn
 自身の体の前で両手の拳を握りしめて怒る少女と、それを苦笑いでたしなめる少女。それはどこからどう見ても同じ年代の少女達が取りなす会話にしか聞こえない。格子の中で行われていることを除いて、だが。
 彼と彼女たちは変わっている。ジェイル・スカリエッティという呪縛から解き放たれたあの日から。

「それはそうと、あの半年間のウーノ姉様の顔ったら面白かったなどという言葉では言い表せぬほど面白かったな」
「話をそらさないでくださいよ! まあ、面白かったのには同意しますけどぉ」
「しきりに明かり取り用の窓を眺めては憂鬱そうな顔をして、まるで誰かを待っているかのようだった」
「……愛の逃避行、で宿題の答えは合ってます……って、その前に聞いてます?」



     □     □     □     □     □



「本当に、何をしてるんだろう」
「そうねぇ、何をしてるんでしょうねぇ」

 無人世界だと聞くマークランでの生活に若干の不安を持ってその地に降り立ったルーテシアだったが、こちらに笑顔で手を振る母の姿を機内から見つけただけで、そんな気持ちは次元世界の彼方へと吹き飛んでしまった。
 それからの生活は楽しくて、楽しくて。数々の枷を填められているなどとは到底思えない日々。
 彼女が居て、母親が居て、それを見守る虫たちが居て。彼女らの周りには彼女らに感化されたように美しく咲き誇る花たちが居て。
 そんな日々がこれからも変わらず有ることを、ルーテシアは心の底から願っていた。
 だから、数日前にはるばるやってきたエリオとキャロにそのことを聞かされた彼女は少しの間、狼狽した。だがそれはほんの少しだけで、彼女はすぐに笑顔になった。
438クリニック・F SS-02:2008/09/07(日) 23:04:54 ID:UrGeqZTn
「また、何か悪いことをしなければいいんだけど……」
「ドクターは、悪い人じゃない」
「え……?」

 意外そうな顔をしながら娘をまじまじと見つめるメガーヌ。冗談を言っているかと思ったが、その瞳は真っ直ぐ前に向けられ、その力強さが偽りでないことを教えてくれる。
 その力強さは次の瞬間に消え失せ、今度は悲しい瞳をその眼球に映す。

「昔、間違ってドクターの部屋に入っちゃったことがあって、その時に写真立てを見たの」
「それは?」
「難しい顔をした小さい頃のドクターと、真っさらな笑顔を浮かべる大人のウーノさん」
「…………」

 おかしい。例え創り出された存在とはいえ一応は人間と同じように生育し、成長していく。
 それがどうして、小さい頃のジェイル・スカリエッティと、彼の側近であったウーノの現在の姿のままで写っている写真など、タイムマシンという存在のないこの世界においては全く持って不可能なはずだ。
 メガーヌは車いすに座りながら考える。しかし、答えは一向に導き出されては来なかった。
 やがて、彼女の隣にいるルーテシアが、その悲しい瞳を保ったまま神妙な面持ちでメガーヌの方を振り向く。

「ウーノさんはね、クローンで作られたって聞いた。スバルさんやギンガさん、そしてノーヴェさんのように」
「……!!」
「たぶん、写真の女の人はドクターが小さい頃にお世話してくれた人。それを、ドクターが―――――
「やめて!!」
439クリニック・F SS-02:2008/09/07(日) 23:05:26 ID:UrGeqZTn
 メガーヌにとってもっとも辛いこと。それは、時々痛み出す彼女の体のことでも、辺境世界へと隔離された自身の境遇のことでもない。
 あの日、為す術もなく、銀髪の小さな戦闘機人に為す術も無くやられていった仲間。その記憶だ。
 彼女がルーテシアの話を止めさせたこと。それはある種の逃げだ。目の前にある事実から自分を遠ざけ、見ないふりをする。
 彼女はジェイル・スカリエッティを一生掛かっても許さないだろう。私欲で人間のクローンなどを創りだし、それを私欲のために手足として使っていく。
 親友でもありパートナーでもあった彼女のクローンを見せつけられて、どうして平気でいられようか。関係ないのだと頭では分かっていても、彼女の心は邪な方向へと進んでしまう。
 ルーテシアが彼を擁護しても、おそらく彼女は許さないだろう。
 恨み、憎しみ、妬み。そんな言葉で片づけてしまえばどれほど簡単だろうか。彼女の苦しみは、彼女にしか分からないのだから。



 ルーテシアは頭を抱えて震える母親の姿を見つめ、悲しそうな瞳のままいつまでも立っていたという。


440554:2008/09/07(日) 23:09:57 ID:UrGeqZTn
今回は投下終了です。分かってると思いますが、前回の番外編と対になるお話となっております。
そして、間が空いた上に番外編で、しかも短いなんて・・・ほんとゴメンナサイ。

えーと、暴露してしまうとこのお話のテーマとして”心”というのを最初から考えていました。
機械とか創られた人間とかでも心はあるんだぞ、って感じの。どっかの洋画にそんなようなのありましたけど。
物語はもうすぐで佳境に入ります。 その時は、常にドクターの隣にいる彼女の”心”に関するお話を書けたらいいなあ、と思います。


それにしてもセインにトーレにクアットロに・・・。 初書きのナンバーズが多すぎて困った。
441名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:20:58 ID:tRrfRvN1
408
GJ!
相変わらずの黒龍様のかわいさに悶えた
ちょっと腹黒なところがさらにキュートさを引き出している
そしてこの場にキャロ、ルーテシア、ガリュー、フリードも混ざってさらに大混戦になるのですな
4424の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:30:58 ID:RJnIJYo5
554氏の投下より1時間ほどしか経っていませんが、すいません、1本投下させてください。


珍しく1ヶ月以内に仕上がりました。4の422です。
でも、若干名に需要のある例のものの続きではありません、ごめんなさい。

以下諸注意。
・フェイト×なのは。結婚した2人の新婚生活をイメージ。
・エロあり(拳入れとかそういう、ややSチックな描写有)
・フェイトさん微S。なのはさん微M。
・76スレで投下した「〜 A love affair in the bath  〜」とタイトルが似てますが別物です。

 14レスほど使用しまーす。
4434の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:34:15 ID:RJnIJYo5
 
 水道の水音と食器の触れ合うカチャカチャという音。

「なのはー、食器これで全……部……」

 小さく鼻歌を奏でながら、その音色に合わせ、頭が、腰から伸びる優美なヒップのライン
が緩やかに揺れる。

 つい今しがた、2人の胃の中に納まった料理の数々が乗せられていた皿を両手に持ち、 
フェイトがキッチンに足を踏み入れると、そこに広がるそんな光景。
 そんなごく当たり前とも呼べる日常の風景に、フェイトは言葉を無くす。

「あ、ありがと、フェイトちゃん。休んでて、これ終わったらコーヒー……どしたの?」

 声に振り向き。固まったまま動かないフェイトに、首だけ振り向いたなのはは動かして
いた手を止める。

「えっ! あ、ご、ごめん、ちょっと……その、見惚れちゃった……」 
「……へっ?」
 頬を赤くしてうつむくフェイトに、なのはは目をしばたかせ……それも一瞬、

「もーぉ、フェイトちゃんたら、いいかげん慣れてよぉ」
 あはは、と笑うなのはの頬もわずかに、赤い。
「う、うん、ごめん、わかってはいるんだけど、でも……その……」
 もじもじと指を合わせるフェイトに、なのははまんざらでもない笑みを浮かべ、それで
一抹の恥ずかしさに、取り繕うように食器洗いを再開。

「わ、私達、結婚したんだよ。もう夫婦なんだからねっ」

 照れた拍子になのはの左手薬指の指輪が食器に当たり、かちん、と小気味良い音を立てた。


  魔法少女リリカルなのは  〜 A love affair in the kitchen  〜



 コーヒーメーカーのフィルターにざざっとコーヒーを入れ、ポットをメーカーにセット
して、フェイトはスイッチ入れた。
 じゃーとお湯が注がれる音にフェイトはうなずき、コーヒーカップを取ろうと食器棚へ
足を向ける。
 と、その視界の先には、なのはが居る。
 先ほどからの洗い物を続け、左手に食器、右手にスポンジを持ち。そしてその視線は、
手元の食器ではなく、

 フェイトに向けられていた。

「ん? なのは?」
「えへへ……フェイトちゃんのこと、言えないね。わ、私もちょっとだけフェイトちゃん
に見惚れてた……かも、えへへへ」
「……なのは……」
「え、えと、その、も、もう『遅いから送っていこうか?』とか『今日泊まっていける?』
とか聞いたり、聞かなくてもいいんだ、って思ったら、う、嬉しくなっちゃって……」
「や、やだ、なのはったら……い、今更だよぉ、そんなこと……」

 赤くなってうつむき合う2人。
4444の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:35:31 ID:RJnIJYo5
 使われることなく流され続ける水流をどうにかしなければと思いつつ、なのはは、
 コーヒーの抽出が終わるまでにカップを用意しなければと思いつつ、フェイトは、

 お互いがお互いを見合うことしかできない。

 息苦しくも心地よい沈黙に、2人とも動けない。

 時折一方がえへへ、と小さく笑い、それに答えるようにもう一方が顔を赤くする。
 「え、えっと」と片方が切り出し、それにもう片方が「な、何?」と聞き返し、「な、
何でもない」と恥ずかしそうに顔を伏せる。

 何度かそんな不毛を繰り返しつつ、そろそろ何とかしないと、とお互いが思い始めた頃、
ふいにフェイトに違った感情。

 もじもじと身をよじるなのはの姿に、愛おしさ以外の何かを感じ始める。

 それは例えるなら、喉の渇きを訴えている時に差し出されたコップ一杯の水。

 荒々しく奪い取り、一気にその中身を煽りたい、そんな感情。

 ごくりと唾を飲み込んだフェイトは、ゆっくりと1歩を踏み出す。
 そして次の1歩を踏み出すまでに、フェイトは瞬時にこの後のシナリオを頭の中に描く。
 なのはに向け、2歩踏み出したところで、フェイトは口を開く。

「あれ? なのは、そのお皿……」

 猿芝居であるのはフェイトにも重々承知。それでもなのはの気を引くには十分。
 案の定、我に帰ったなのはは、え、何?と言って自分が洗っている皿に視線を落とす。
「ほら、お皿のここ……」
 すっとフェイトはなのはの後ろに立ち、なのはの頭の左から顔を覗かせる……
 と見せかけ。
「えい!」

 気合一発。

 掛け声と共に『閃光の戦斧』の使い手に恥じぬ動きで、素早くなのはのホットパンツの
裾に両手を掛け、一気にそれをなのはの膝の上までずり下げる。

「きゃああああああああああぁっ!」

 臀部から太ももにかけて、ホットパンツの布地が瞬間過ぎ去る感触に、なのはは飛び上
がり声を上げる。
 慌ててホットパンツを元に戻そうとしかけ、自分の手が洗剤の泡や水に濡れている事に
気づき、はたまた手にした食器を落とすわけにはいかず、なのははわたわたと身体を振る
ことしかできない。
「ふぇふぇふぇフェイトちゃっ! ななななな何っ! って! やだぁ! 下着ぃっ!」
「ほらほら、暴れたらお皿落として割っちゃうよ、気にしないで洗い物続けて」
「出来るわけないよぉ! 恥ずかしいから早く戻してぇっ!」

 そんなもったいないこと出来るわけがない、とばかりに、フェイトはパンツの上からな
のはの尻をまさぐり始める。
「ん、なのはのパンツ、さらさらして気持ちいいよ」
 シルクの心地良い感触を手のひらに、フェイトはなのはの耳元に顔を寄せて囁く。
「やだやだやだぁっ! まだ着替えてないから汚いよぉっ!」
「あはっ、なのは、イヤなのは下着が汚れてるせいなんだ。じゃぁ取っちゃおうか」
「へっ?!」
4454の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:36:32 ID:RJnIJYo5
 調子付いたフェイトは、なのはの下着をまさぐる手をそのままパンツに掛け、やはり先
ほどと同じように、それも一気に引きずり下ろす。
「いやああああああっ!」
「なのはのお尻、やっぱりいつ見ても綺麗。ほら、ぷりんとしてこんなにすべすべだよ」
 さわさわとフェイトの手でヒップのふくらみをまさぐられ、なのはの背筋に寒気と、そ
れ以外の「何か」が走る。
「ひあぁんっ!」
「ん? なのは、今の声何? もしかして感じちゃった?」
 なのはの身体に流れた快楽の糸口を感じ取り、フェイトはなのはの尻をまさぐる右手は
そのままに、ぴたりとなのはの背中に自分を密着させ、左手をなのはのタンクトップの裾
から滑り込ませ、ブラジャーごと右胸を鷲掴む。
「っ!? ちっ違っ! んぅっっ!」
「違う? 違わないよね? 私なのはの感じた時の声なら全部知ってるんだから、今の声
は……」
 ブラに包まれていても、わずかにその存在を誇示する乳首を、フェイトは親指と人差し
指で軽く挟み込む。
「んはあぁぁぁぁんっ!」

「乳首を触ってほしい時の声だよね♪」

 声と共に、ふにふにと柔らかかった突起は瞬間的にむくむくと隆起し、フェイトの指に
こりこりと心地良い弾力を与え始める。
「はぁっ、あっ! んはっ! あぐんっ! はっ、あっ、あああっ、んんんーーーっ!」
「すごい声。なのははブラの上から乳首摘まれるの好きだもんね。ほーら、もうこんなに
こりっこりになってる」
「ぁはっ、んうっ、だ、だめぇっ、フェイトちゃっ、ああんっ! んっ! はぁぁっ!」
「何がダメなの? あ、そうか、ごめん、右だけじゃなくて左も触ってほしいんだね」
 左手を左胸に移動させながら、フェイトは器用に親指だけでブラジャーをたくし上げ、
むき出しの左の乳首を気持ち強めに摘み上げる。
「ちっ! 違っ、んあああああああああぁぁっ!!」
 胸からの痛みすら伴う快感と、お尻をまさぐられるもどかしい快感が押し寄せ、なのは
の背中がびくびくと痙攣し、足元ががくがくと震え始める。
「違わないでしょ。もっともっと欲しいんでしょ? ね、なのは」
「そんっ、ちがっうっ! やめっ、てぇっフェイトちゃんっ! んあっ、はぁんっ!!」

 先ほどのフェイトの「感じた時の声なら全部知ってる」という言葉は、全てではないに
せよ、嘘ではない。喘ぎ声の語尾が上がり始めたところをみると、もうあと一押し。そし
て「あの台詞」が出れば、もうゴールは間近。

 フェイトは円を描くように動かしていた右手を前に回し、秘唇のやや上、包皮とパンツ
の上からクリトリスを軽く押しつぶすように中指を突き上げる。
「やあぁぁぁぁぁっ!!!!」
 ぎゅうとなのはの太ももが閉じられ、お尻をフェイトの側に突き出してくる。必死に逃
げようとしているのだろうが、足を閉じたことにより、フェイトの指はますますなのはの
股間にめり込む結果となる。
「あはっ、なのは、そんなにこっちも触ってほしかったの? 私の指、なのはの中にめり
込んじゃったよ?」
「やっ! も、もダ、めぇ、た、立って、られっ、ああああぁっ!!」
 がくんとなのはの膝が砕け、上体が落ち、食器が手から離れ、シンクの中にがたんと音
を立てて落ちる。フェイトの手が無ければそのままくず折れていただろう。
「ふふっ、もう足にきてるの? しょうがないなぁ、なのはは」

 ほら、とフェイトはなのはの身体を立たせ、その二の腕を掴むと、蛇口から流れる水で
両手の泡を洗い流す。
 その間もはぁはぁと息を荒げるなのはをくるりと回し、自分の側を向かせると、わきの
下と膝に両手を入れ、えいと持ち上げる。
4464の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:37:14 ID:RJnIJYo5
「ひぁっ!」
 苦も無くなのはを抱え上げると、フェイトはシステムキッチンの上になのはを座らせ、
ホットパンツを足から抜き取り、さらに同じように両膝付近に引っかかっているパンツを
も抜き取り、後ろに放り投げる。

「やぁ……フェイトちゃぁん……恥ずかしいよぉ……」
 悲壮な声を無視し、フェイトはなのはの両膝の裏に手を入れ、がばと足を割る。
 冷ややかな空気が股間を撫で、なのはの顔が羞恥に染まる。
「あああああっ! やっ! そ、そんなっ!」
「足、閉じたらお仕置きだよ、なのは」
「っ?!」
 冷徹なフェイトの一声に、なのはの両足がびくりと振るえ、閉じかけていたその動きが
ぴたりと止まる。
 その様子に満足げに頷いたフェイトは開かれた股間の間に自分の顔を寄せる。

「あはっ、なのは、やっぱりもう濡れてたんだ!」

 半ば開いた大陰唇から覗く襞が内からの液体できらめき、フェイトを誘う。
 なのはは後ろ手に上体を支えていた両手で顔を覆い、いやいやとかぶりを振る。
「やぁぁ……恥ずかしい……い、言わないでぇ……」
「恥ずかしい? 気持ちいい、の間違いだよね? なのは」
「ひぅぅっ!」

 こんなになってるんだから、とフェイトはなのはの秘唇をぺろりと舌で舐め上げる。

 ぴちゃ、ぴちゃ、と、わざと音を立てて、フェイトはなのはの股間に舌を這わす。
 視界の上の方でびくびくと腹筋が震え、なのはの声がその動きに重ねられる。

「あぁんっ! はひっ、ひんっ! やはっ! やめっ、てぇっ! おねがっ、んっはぁっ!」

 顔を仰け反らせ、再び両手を後ろに付いたなのはは、震える身体をなんとかその両手で
支えるも、その手も時折びくびくと痙攣する。
「止めていいの? なのはのここ、もうぬるぬるになってるよ?」
「やあぁっ! ダメぇっ! きっ、汚いよぉっ! あんっ! ま、まだっ! お、お風呂っ!
入ってなっ! あああぁっ! だっ、めぇっ!」
「もう、いつも言ってるのにまだわからないの? この方がなのはの匂いがいっぱいするん
だって」
「ああああっ! ダメだよぉっ! ゆっ! ああっ! もう許してぇぇぇっっ!」

「ん、わかったよ、もう止めるね」
「ひゅへっ?!」

 不意にぴたりとフェイトは股間をまさぐるのを止め、なのはの股間から顔を上げる。
 まさか本当に止められると思っていなかったなのはは驚きの声を上げ、フェイトに視線
を送る。
「私だってなのはが本当に嫌がることなんかしたくないよ。ごめんね、ちょっと私いい気
になっちゃったね。さ、洗い物済ませちゃお、私もコーヒー入れるから」
 そう言って自分から離れようとするフェイトに、反射的に待ってと叫び、離れ行くその
腕を掴む。

「ん? どうしたの、なのは? 私、ちゃんと謝ったでしょ?」
 フェイトの口元に浮かぶ小さな笑み。こういったやり取りは無論、初めてでは、ない。
「どうしたの、ホントに? まさか続けてほしかった、なんてことはないよね? だって
なのは嫌がってたし、続けて、なんて一言も言ってなかったもんね」
「……フェイトちゃん……ひどぃよぉ……」
4474の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:39:10 ID:RJnIJYo5
「何言ってるの? だってなのはが止めて、って言ったんじゃない、私ちゃんとなのはの
言うこと聞いてあげたんだよ?」

 半ベソですがるなのはを突き放すように、自分の腕を掴むなのはの手を空いた手で外す
と、フェイトは一歩下がり、コーヒーメーカーに向き直る。
「さて、と、もうコーヒー出終わってるね、急がな……」

「………………て……」

 ぽつりと漏れるなのはの声。
「ん?」
 あやうく聞き逃しそうになったそれに、フェイトは反射的に聞き返す。
 言ってからようやく来たかとフェイトは口の端をわずかに上げてほくそ笑む。
「聞こえないよ、何て言ったの? なのは」
 かぁ、と赤くなる頬を隠すようになのはは視線を逸らし、それでも小さく口を開く。

「……もっと……して……フェイトちゃん……なのは、もっとして欲しいのぉ……」

 ようやく導き出した「あの台詞」。
 なのはの呼称が「私」から「なのは」に変わる時。
 それがなのはの中でのスイッチであることを、度重なる逢瀬からフェイトは知っている。
快楽に我を忘れ、強固なシールドで普段覆われているなのはの内の女性が表に出てきた印。

 遠ざけた足をまた再び元の位置に戻すと、フェイトは服の上からなのはの乳房を持ち上
げるように鷲づかみ、親指と人差し指で、的確に乳首をきゅっと摘む。
「ふぅあっ! んんっ!!」

「ん、欲しいんだね、なのは。今日はどうしてほしい? 優しくしてほしい? それとも
滅茶苦茶にするのがいいかな、壊れちゃうくらい思いっきり痛く……」
「い、いやぁ、なのは痛いのやぁ、や、優しくしてほしぃのぉ……怖いのやぁ……」

 普段の姿からは想像もつかない弱々しい懇願。

 必ずなのはが受けに回ることから2人の逢瀬は始まる。結婚する前から幾度と無く2人
は身体を重ねてきたが、このスタンスは決して変わらなかった。
 言葉の通りにフェイトが優しくなのはを攻めれば、喘ぎの中で、ともすれば自らフェイ
トの腕を掴んでまで、激しく責められることをなのはは望む。
 幾度目かの交わりの中、フェイトが意を決し、言葉でもってなのはを攻めた時。なのは
は触れられずして、言葉の力だけでもって絶頂に達してしまった。
 その時。それまでなのはを気遣い、手心の中でなのはを攻めていたフェイトの中で、何
かが弾けた。
 言葉で、道具で、さまざまな行動をもって「攻める」ことをその日のうちにフェイトは
覚えた。なのはに蔑む言葉を浴びせ、鞭代わりにベルトでその身を打ち据え。言うなれば
サディスティックな喜びに目覚めてしまったというべきか。

 そしてまたなのはにも、先天的に受動的な部分が多分にあったようである。快楽を与え
るはずのないであろう言葉や痛みといった刺激を、なのはの身体はさしたる経験も無く、
快楽に転化してしまったのだから。

 縛られたり、鞭打たれたり、秘唇以外で指や擬似男根を受け入れたり、変身魔法で顔を
変えての羞恥露出に至るまで。
 ごく一部であろう特殊趣向な人々が行うそれらの営みが、なのはとフェイトの間では、
一般的な営みとミックスされる形でとり行われていった。

 だからなのはが「優しく」、と言うならば……

「わかったよ、なのは。壊れるくらいイカせてあげるからね」
4484の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:39:49 ID:RJnIJYo5
「ああ……いやぁ……ゆるし、て……あぁ……フェイトちゃん……なのは、怖い……」

 口調「だけ」優しく。フェイトはなのはに覆いかぶさっていった。

 〜 〜 〜 〜

 リズミカルになのはの中に出入りする中指に、人差し指を加える。
 んぅ、と呻くなのはだが、その声には十分に艶が含まれている。
 先ほどよりもわずかに抽出の速度を落とし、2本の指でなのはの中をかき回す。
 時に2本の指をそろえ、時に開くように。動きを変える度になのはの喘ぎのイントネー
ションが変わる。
「んぁ、ん……あぁ、ん、ふぅんっ、んっ! はぁっ、んんっ、あふっ、んっ……」
 フェイトは2本の指でなのはの内壁の前側、Gスポット付近をかき出すように攻める。
「この辺かな、なのはのエッチなスイッチは?」
「んああぁぁっ! ひっ! はっ! だめっ! そこだめぇっ! おかしくなるのぉっ!
なのはそこぐりぐりされると変になるのぉっ!!!」
 ぐじゅぐじゅと卑猥な音がなのはの股間から発せられ、フェイトの指にわずかに感じら
れていたひっかかりが無くなり始める。
「ほら、指が簡単に動くよ。もっともっと動かしてほしいってなのはの身体は言ってるよ」
「はぁんっ! んっ! かはっ、あっ!! あっ! だ、めっ、なのぉっ! ダメになっ
ちゃうのぉっ! あああああぁ!!」
 いい感じで声が出始めた、と、フェイトは頃合を見計らい、一旦なのはの中から指を抜
きとり、またすぐになのはの中に突き入れる。

 中指と人差し指に加え、薬指を添えて。

「あはああぁぁぁっ! ああああっ! フェイトちゃん! フェイトちゃん! あんっ!
お、おっきいいぃぃっ!」
 3本の指でフェイトは、より大きなストロークで同じ部分を攻め続ける。
 単調な動きではあるものの、1本増えた指により、内部をかきわける度合いは2本の時
の比ではない。内壁をごりごりと蝕まれる感覚は、なのはの理性を容易く削り取っていく。
「いやだめぇっ! こわれっ! んぁっ! ごりごりいやぁっっ! フェイトちゃんの指
いぃっ! なのは壊れちゃ、ああああああぁぁっ!!」
「何言ってるの、なのは、これくらいいつもやってるでしょ。壊れるっていうのは……」

 ずちゅ、とフェイトは3本の指を引き抜き、指先を一度ぺろりと舐め、改めてなのはの
秘唇に狙いを定める。

「せめてこれくらいから言ってほしいな」

 人差し指から小指までの4本をぎゅっと纏め、フェイトは勢いよくなのはの中に手を突
き込む。

「ぁがああああああああぁぁぁっっ!!!!!」

 4本の指とまでなると、もはや細やかな指の動きなどの小細工はできない。フェイトは
ただ勢いだけでがしゅがしゅと4本の指をなのはの中に打ち込む。
「ひいいいいいぃぃぃっ! はがっ! あっ! んぐっ! はぁっ、ひっ! ひゃめっ! 
てっ! はっ! ああっ、はっ! ああっ! がっ! ひたっ、いたひぃぃぃぃぃっ!!」

 痛いという叫びはフェイトは指の付け根になのはの恥骨の感触を感じる辺り、嘘ではな
いのだろう、だがしかし、だからといってフェイトに止める気はさらさらない。
 恐らく痛い「だけ」ではないだろうことをフェイトはよく知っているのだから。

「すごいなのは。指4本咥えちゃったね。4本は初めてだからちょっとだけ痛い? でも
痛いだけじゃないよね? それ以上に気持ちいいでしょ? お汁がどんどん出てきてるん
だから」
4494の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:40:28 ID:RJnIJYo5
 手のひらを伝い、手首にまで光る筋が流れている事実を伝え、フェイトはなのはの被虐
心を煽る。ひぃひぃと喘ぐなのははフェイトの言葉に弱々しく首を振ることでしか反抗を
示せない。
 やおら上腕の筋肉が少し悲鳴を上げ始めたフェイトは、なのはを言葉で攻めながら、指
を打ち込むのを止め、なのはの中に入るところまで入れた指をぐりぐりとねじ込む動きに
変える。
「はぁがっ! かっ、はぁぁぁっ! うぅんぐっ、かはっ、あっああぁぁぁ……」

 叫びすぎて枯れはじめる声、ぎゅうぎゅうと自分の手を締め付ける内壁、開け放たれた
口元から垂れる一筋の唾液、秘唇ごしにより一層感じ始めた恥骨の感触、びくびくと震え
るその身体。
 見るもの聞くもの感じるもの、目の前のなのはの存在全てがフェイトの心を揺り動かし、
吐息が荒くなる。下着が蜜壷から溢れ出した愛液を吸い取り、肌にまとわりつき始める。
 なのはを攻める行為だけで、間違いなくフェイトは性的興奮と快感を感じていた。

「なのは……かわいい、なのは……私の手でなのはが感じてる……いつもあんなに凛々し
いなのはがこんなかわいい声で喘いで、震えて、感じて……
 大好きだよ、なのは。愛してる。誰にも渡さないよ、私の、私だけのなのは。
 もっともっと……もっと感じさせてあげるね。もっと私を感じて……私だけのものに……
してあげるから……」

 なのはの膣壁をねじり攻めていた指をフェイトは抜き取る。ぐちゅ、という音と共に引
き抜かれたそれには垂れるほどの愛液がまとわりつき、蛍光灯の光を反射し、ぬらぬらと
卑猥な光を放っている。
 その光景に、ただでさえ薄ら笑いを浮かべていたフェイトの口元がさらに歪み、笑みは
不気味なほど妖艶なものに変わっていく。

「いくよ、なのは……」
「はぁっ、はぁっ、はっ、くふっ……ふぇひと……ちゃ……」

 息も絶え絶えななのはの表情を脳裏に焼きつけたフェイトは、まとめた4本の指にまだ
汚れを知らぬ1本をゆっくりと添える。

「……さっきは壊れても、って言ったけど……今度は逆だ。壊れちゃダメだよ、なのは」
「ひゅぇ?……ぇっ?……」
 わずかなインターバルに、若干呼吸の落ち着いたなのはが、何のこと、と問おうとした
矢先、腰に、足に、腕に、胸元に、金色の光がまとわりつく。
 それをフェイトのバインドだと気付くより前に、またしても股間にフェイトの指先がわ
ずかに入り込む感触。
「あふっ、んはっ……」
 つぷ、と小さな音と、内壁へのかすかな感触にすらも背筋をぞくぞくと刺激が駆け抜け、
唯一動く頭を仰け反らせ、なのはは小さく喘ぐ。
 そして、フェイトの行くよ、という声が聞こえるや……

「がはああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!」

 股間から先ほどに倍する圧迫感。
 あまりのことに、思わず自分の股間を責めるフェイトの手掴もうとしたなのはの腕が、
忘れていたバインドによりぎりぎりと締め上げられる。
「ひぎっぃっ! いったぁっ、いたぁぁぁぁっ! フェイトちゃっ! やめっ! がぁぁっ!」
 なのはは頭をめぐらせ、痛みにわずかしか開けられぬ目を必死に自分の股間に向けると、
視界に入ったのは自分に入り込もうとしているフェイトの指……

 いや、指、では……ない。

 手のひらをなのはの側に向けているので、見えた。
4504の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:41:15 ID:RJnIJYo5
 フェイトの親指が自分の内に入り込もうとしているのが。
 揃えまとめられたフェイトの右手の5本の指。
 その全てが、
 ぎりぎりと自分の中にねじ込まれようとしている。

「いっ、嫌あああああああああっっっっっ!!!!」

 驚きと恐怖と痛みとで、なのはの口から悲鳴が上がる。
「ふふ、苦しい、なのは? 今ちょうどいっちばん太い所を入れてるから、それが過ぎる
までの我慢だよ。ちゃんと気持ちよくしてあげるから、ほら、力抜いて」
「ぐぁがっ、むっ、無理ぃっ! そんなの無理ぃぃぃっ! やぁめっ! ぎっ、あっあぁ……」
 (心からではない)フェイトの気遣いなど届くはずもなく、ただただ押し寄せる圧迫感
と痛みに、なのはは千切れるほど頭を振り乱し、バインドに食い込んだ腕や足ががぎりぎ
りと悲鳴を上げる。
「もう少し、もう少しだよ、なのは……もう……すこ、し……」
 ぐりぐりと、まるでドリルのように、少し、また少しと、フェイトの手はなのはの秘唇
をこじ開け、想像を絶する痛みを伴い、なのはの膣内に埋め込まれていく。
「ぎゃがぁぁぁっ! ひぃぃっ! いたぁっ! いたぁぁいっ! やっ、がぁぁぁっ!!」
「ほら、がんばって、なのは。大丈夫、赤ちゃんが出てこれる穴なんだから、私の手なん
てそれより全然小さいから」
 フェイトは空いた手でなのはの下腹を優しくさすりながら、それでも右手の動きは緩め
ず、ぎりぎりと手、いや、もはや手首そのものをなのはの中にねじ込み続ける。
「がぁぁぁっ! やぁぁぁっ! 無理ぃっ! もう無理ぃっ! いぎゃぁぁっ! むりぃっ!
ゃめえぇぇぇっっ!」
 そして遂に、
 恥骨に圧迫され、部分的に色の変わり始めた秘唇を押しのけ、
「もうっ、すぐっ……」
 フェイトの親指の第二関節が、
「入っ……たぁっ!!」
 ずぼり、となのはの中に押し込まれた。

「ひぃぎゃああああああぁああああぁぁぁぁっっっっっっっっっっっっっっ!!!!」
 絶叫。

「がはぁっ!」
 長く長く響いた声が、最後に一際大きい声で締めくくられる。
 勢いでフェイトの手首までが一気になのはの中に潜り込んだ。
「かっ、はっ、あっ、あっ……あ……ぁ、ぁ……」
 目は見開かれ、半分白目を剥き、頭を大きく仰け反らせ、なのはのバインドされた身体
がひくひくと振るえる。もはや声もだせなくなった口は上空に向けあがあがとわなないて
いる。

「入った。入ったよなのは! 私の手、全部なのはの中に入ったよ! すごいよなのは。
ほら見て、手首までずっぽりだよ! すごいすごい!」
「ひゃ……めっ……抜ひ、てっ……もほっ……む、り……」
 事切れるのかとも疑う、断末魔のようななのはの声。フェイトはそんななのはの声など
聞こえないといった風に、ただただなのはの中に消えている自分の手首に感動している。
 痛いほどにぎりぎりとなのはの内が自分の手首を締め付ける感覚に、ともすればそれだ
けでフェイトは達しそうになる。
 下着で留められなくなった愛液が伝う太ももを擦り合わせ、そのぬるりとした感触にも
また酔いしれる。
(触っても無いのに……私もうぬるぬるだ……)
 吐く吐息に熱を感じながら、フェイトはなのはに入り込んだ自分の腕を動かそうとする
が、強烈な締め付けにほとんど動かすことができない。
「すごい、もう全然動けないくらいにぎちぎちだよ。なのはもこんな大きいの入れたの初
めてだよね? どう、気持ちいい? フィストファック、って言うんだよ、こういうの、
知ってた?」
4514の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:42:05 ID:RJnIJYo5
 フェイトは覗き込むように、自分の顔をなのはの顔に寄せて問う。
 光の失われたうつろな瞳をさ迷わせ、うわ言のように小さく「抜いて……」と繰り返す
なのはがそれに答えられるはずもない。
「ふふ、答えられないくらいいいの? あ、違うか、もう気絶寸前、って感じだね、ん、
大丈夫だよ、今起こしてあげるから」
 なのはとは対照的に、瞳に加虐な光を宿らせると、フェイトは締め付けられ動かぬ拳を
無理やりパンチを打ち込むように、なのはの中に向け突き上げる。

「ぎゃがぁぁぁぁっ! だめへっ! ぎゃっ、がっ! あぐっ! がっ、あっ! ひっ!
いたっ! やめっ! ひぎっ! いがぁぁっ! あがぁっ!」

「ふふ、なのは、そんな痛いフリしてもダメだよ。ほら、どんどん手が動くようになって
きた。気持ちいいんでしょ? 素直に言わないとダメだよ」
 フェイトが手を動かす力は変わらないにもかかわらず、そのストロークが少しづつ大き
くなっていく。
 本当になのはがフィストファックにより快感を感じ始めたか、はたまた身体の防衛本能
なのかはわからないが、徐々に徐々に愛液の分泌量が多くなり、フェイトの腕の出し入れ
がスムーズになり、ぐちゅりぐちゅりとなのはの股間から滑らかな音がし始める。

「あぐっ! はがぁっ! ひぐっ! うがっ! はがぁっ! はっ、はっ! あんっ!」

 わずかになのはの声にも艶が混じり始める、なのは自身は半ば意識を失いかけているに
もかかわらず。
 ならば、とフェイトは抽送のスピードを上げる。
 途端、股間からの音がじゅぶじゅぶと(フェイトにとって)小気味いい音に取って代わる。
「あががっ! ひぎっ! くぁっ! はっ! んあっ! はっ! あっ! ああっ! んあんっ!」
 フェイトが打ち込む拳に合わせ、なのはが喘ぐ。
 30秒もしないうちに、もはやなのはの口から苦痛の声のほとんどは失われる。
 そこにあるのはフェイトのよく知る、そしてフェイトしか知らないなのはの声のみ。
 ほどよい締め付けになったなのはの内は、もはやフェイトの手が上下に抽送するだけで
なく、左右に回転させることさえ許している。
 そしてもうよかろう、とフェイトはなのはを縛り付けるバインドを一斉に解き放つ。
「んああああぁん! はぁぁっ! うぁんっ! はぁっ! はっ、ひゅごっ! ひゅごひっ!
ふぇひとちゃんの、手ぇっ! ひもぉひっ! ひぃぃっ! もっ! もぉぉっ! ひっ!
いっひゃあああぁぁっ!! いっひゃうよおおおぉぉぉぉぉっっっっ!!!」
 途端、なのはの腰がフェイトの手の動きに合わせうねり出し、声は完全に快楽を求める
台詞に成り代わる。抜き出された手に絡み付いている愛液には、白いものが混ざり出し、
最後に向けての準備が整いつつあることを示していた。

 頃合、とばかりに、フェイトは空いている左手を、包皮から顔を覗かせ、ぷっくりと膨
らんでいるクリトリスにあてがい、埋没している5本の指をなのはの中でぱかりと開く。

 そしてひくひくと蠢くクリトリスと、
 膣内でだらりと垂れ下がり、来るはずのない精液を口を開け待ち構えている子宮口とを、

「なのは、もうイクんだね? いいよ、私の手でイッちゃうの見せて! 手でイッちゃう
変態さんななのはのこと見せてっ!!」

 両の手で一気に摘み上げた。

「ひぃぐううぅぅぅぅぅぅぅっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!」
「っ!? くぅっ!」

 びくん、となのはの身体が一際大きく震え、フェイトの右手が千切れんばかりに締め上
げられる。
 長く長く響いた絶頂の声は、攻める側のフェイトすら軽い絶頂へと導く。
 そのままなのははどさりとキッチンの上に仰向けに倒れこんだ。
4524の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:42:53 ID:RJnIJYo5
 
「あ……が……は……ぁあ、ぁ…………」
「はっ、はぁっ、なの、は……」

 びくびくと全身を痙攣させるなのはに、フェイトは熱い眼差しを向け、身体のひくつき
と連想して締め付けられる自分の右手を一気に引き抜く。じゅぼりっ、と大きな音と共に、
愛液の雫を撒き散らし、なのはの腰が跳ね上がり、大きく震える。
 力を込めた拍子に、フェイトの秘唇からも、溜まった愛液が噴き出し、下着に新たに色
濃い染みを作る。

「あぎゅぅぅっ! がっ……は、ぁあぁ……」

 そして、どさ、となのはの尻が落ちると共に、しゃぁぁ、と水音がキッチン床に響き渡る。
「あ……やはぁ……おひっこ……出へる……ゃぁ……とま、ら………………」
「あははっ! なのはおもらししてるのっ!? そんなに気持ちよかったの? キッチン
でおしっこするなんて、やっぱりなのはは変態さんだね!」
 朦朧とした意識の中、それでも必死に股間に力を込め、漏れ出る雫を止めようとしてい
たなのはに、自分を罵るフェイトの声。
 その声がむしろ心地よく頭の中に染み入り。最後に口元に笑みを浮かべると、なのはは
全身から力を抜き、股間を流れ伝う液体をそのままに、暗闇の中に意識を手放した。

 〜 〜 〜 〜

「……ん……」
 ゆっくりと開けた視界に、眩しさと、ようやく慣れ親しみ始めた天井の光景。
 身体に大きく残る気だるさから、どうやら気を失ってからさほど時間は経っていないよ
うに感じられた。
 肘をつき、ゆっくりと身体を起こすと、上半身から毛布が落ち、きちんと衣服を身に着
けた自分の姿に気付く。
 フェイトが着せてくれたのだろうか、とぐるっと頭をめぐらせるも、フェイトの姿は見
てとれない。
 どこに、と思った矢先、キッチンの方から水音がしていることに気付く。

 んっ、と少し気合を入れ、ゆっくりとなのはは寝かせられていたソファーから立ち上が
り、床に落ちた毛布はそのままに、キッチンへと歩み寄る。
 そっと顔だけ覗かせると、目に入ったのはシンクで洗い物(恐らくはなのはが途中で放
棄したものの続きであろう)をするフェイトの姿。

「……フェイト、ちゃん?」
「!? なのはっ!?」
 声に気付いたフェイトは慌てて手にした食器とスポンジをシンクに戻し、流れる水で手
の泡を落とすと、タオルで拭くのももどかしく、自分の服に手を擦り付け、だっとなのは
に駆け寄ってくる。

「ご、ごめんなさい! ごめんなさいなのはっ! わ、私、途中から何が何だかわからな
くなっちゃって! な、なのはが痛がってたのに全然止めようともしなくて! ほ、本当
にごめんなさい! あ、あのっ! な、なのはのあんな姿みてたら、も、もうどうしよう
もなくなっちゃって! だ、だから、そ、その……お、お願いっ! な、何でもするから
お願い、私のこと嫌わないでっ! な、なのはに嫌われたら私もう生きていけないよ。
 ごめんなさい、本当にごめんなさい! 私のことぶっても何してもいいからごめんなさ
い、嫌わないでっ! お願いします! お願いしますっ!!!」

 自分の肩を痛いくらいに掴み、涙を流して必死に懇願するフェイトのあまりの迫力に、
なのはは気おされ、目を丸くするしかない。
「あ、あの、フェ、フェイト、ちゃん?」
4534の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:43:46 ID:RJnIJYo5
「ごめんなさい! 許してお願い! お願いしますなのはぁっ!!」

 ぼろぼろと流れる涙を拭くこともせず、ただ謝り続けるフェイトに、困惑していたなの
はも、ゆっくりと自分を取り戻していく。
 そして泣き叫ぶその背にそっと自分の手を回し、えい、と自分の胸にフェイトを抱きか
かえる。

「!? なの、は……?」
 そのままなのははあやすようにフェイトの髪を撫で付ける。
「馬鹿だなぁ、フェイトちゃんは」
「えっ?」
 顔を上げたフェイトに、なのはは不意打ちとばかりに口付けを落とす。
「私がフェイトちゃんを嫌いになるはずないじゃない」
「なの、は……お、怒ってない、の?」
 驚き顔のフェイトになのははにこりと微笑む。
「そりゃぁ、ちょっとは痛かったけど……ん、でもね、その……き、気持ちよかったよ。
びっくりはしたけど、ね」
「ご、ごめんなさい……」
 それでもなお謝罪を続けるフェイトに、まったくぅ、となのはは一人ごちると、今一度
軽く触れるキスをフェイトに送り、こつん、と熱でも計るように互いのおでこをくっつけ、
間近からフェイトを見据える。
「エッチの最中はいつも先にフェイトちゃんが主導権を握るのに、なーんで終わった途端
にそんな弱腰になるかなぁ、もう……」
「う……」
 あまりにも近い距離からのなのはの言葉に、フェイトは顔を赤くして、目の前のなのは
の瞳から逃げるように視線を反らす。が、それでもくっついた額は離れてはいない。
 そんなフェイトに苦笑して、なのははフェイトから顔を離す。途端フェイトの口から、
「あ……」という、小さな、そして明らかな落胆の声が上がる。
 そんなフェイトになのははまたも苦笑い。

「もう、ね、フェイトちゃん、だったら教えてあげる」
「え?」

 言うなりなのはは再びフェイトの頭を自分の胸にかき抱く。
 フェイトがなのはの胸の感触に浸るより早く、なのはは言葉を連ね始めた。

「私の王子様は、フェイト・T・ハラオウン、という名前です」
「へっ?……むぐっ!」
「フェイトちゃんは黙って聞いてなさい!」
「……」
 有無を言わせぬ口調で、なのははフェイトを抱く腕に力を込め、自分の胸元に押さえつ
ける。
 フェイトから抵抗する力が抜けたのを確認し、なのはは言葉を続ける。

「初めて出会ったのはもう10年近く前になります。そして、ちゃんと手を繋いでお話で
きるようになってから、私に告白してくれるまで、5年以上かかりました。告白までの間、
手を繋いで学校から帰ったり、2人きりでバレンタインや誕生日を過ごしたり、一緒にお
風呂に入ったり、一緒のベッドで寝たりもしたのに、そして私がいつもいつも、1日1回
以上は「フェイトちゃん大好き」って言ってたにもかかわらず、5年間も何も言ってくれ
なかったのです」
「う……」

 フェイトの上に見えない重圧がずしりとのしかかる。
 確かになのはに告白した時に帰ってきた返事は「5年間は長かった……」であった。
 でもあの時は「好き」というのはあくまで友達同士での「好き」だと思っていたし、な
によりなのはは、アリサ・すずか・はやてといった周囲の友人に対しても、自分に対する
それとほとんど変わらない接し方をしていたはずだ。
4544の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:44:21 ID:RJnIJYo5
 自分だってそれほど人付き合いに慣れている方ではない。告白だってどれだけ勇気を振
り絞ったと思っているのだ、と、なのはの胸でぶちぶちと唸る。

「そしてやっと恋人同士になれたのに、なんと告白したその日の夜から航行任務で2週間
も会えない日が続いたのです。告白とキス1つだけで残された私がどれだけ気に病むかく
らい、考えてほしかったです」
「う……」
「まぁ、それに関しては戻ってくるなり、クロノ義兄さんやリンディ義母さんに怒られる
のもいとわず、真っ先に私に会いに来てくれたから許してあげました」
 なんだがずいぶん自分が悪者に仕立て上げられている気がする。と、やはりおおっぴら
には言えず、なのはの胸の中で愚痴る。
(自分だって教導隊のくせにいつも矢面で前線に立って上に怒られてたじゃない。私が知
らないとでも思ってるの? 事件の度に怪我でもしてないか、とか私がどれだけ心配して
ると思ってるの。酷いよなのは……)

「それに、普段のお仕事中はすごく凛々しくてかっこよくて、海のエースに恥じない仕事
ぶりなのに、一旦家に帰ると私にごろごろ甘えてきたり、まだ一人で髪の毛洗えないのー、
とか言って私に洗わせたり」
「っ?! だ、だってそれはなのっ、ムグムグ……」
 なのはが洗ってくれる、っていうからしてもらってるだけで、まして一人で洗えない、
などと言った覚えはない。というフェイト叫びはなのはの胸に全て吸い込まれた。

「休日はお昼まで寝てたり、私がお出かけしようよー、って言ってもベッドに押し倒して
結局そのまま1日中エッチしてたり」
「!? そ、それモガモガ……」
「お休みを中々合わせてくれなかったり、本局勤務の時にお昼一緒に食べてても、あーん、って
してくれなかったり、街中でデートすると手は繋ぐけど腕を組んでくれなかったり、映画
館でカップルシートに座るのを拒んだり……」

 フェイトを胸の中に黙らせ、なのはは延々と愚痴(?)る。
 拘束されたフェイトは胸中で、だってそんなの恥ずかしいんだもの。ただでさえ同姓婚
なんて、出来るっていうだけで物珍しいっていうのに。と、反論……したくてもできない。

「でも」

 その言葉と共に、なのははフェイトを開放する。
 息苦しさに大きく息を吐いて、顔を上げると、待ち構えていたなのはの視線。

「私はそれら全部まとめて。フェイト・T・ハラオウンが好きです。愛しています」
「えっ……」
「急に仕事が入っても、何とか少しでも時間を作れるようにがんばってくれていることを
知っています。
 結果的に暴走しちゃうことが多いけど、エッチするときに私をいっぱいいっぱい気持ち
よくしようとしてくれてるのを知っています。
 私の好きなパスタを作るのに、夜遅くまで一生懸命料理の練習をしていたのを知ってい
ます。
 一緒に寝る時に、いつも私が寝るまで頭を撫でてくれていることを知っています。
 私のために車の免許を取ってくれたことを知っています。
 洗濯物を畳む時、いつも自分の服より私の服を先に畳んでくれるのを知っています。

 いつもいつも、自分のことより私のことを考えてくれているのを知っています」

「なのは……」

「私はそんな、私を心から愛してくれているフェイトちゃんを……愛しています。
 友達になったあの日、ううん、そのずっと前から、私はフェイトちゃんの虜でした。
 私の心の中には、ずっと前から、ずっとずーっと前から王子様のフェイトちゃんが居ま
した。1度として変わることなく、消えることなく。
4554の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:44:59 ID:RJnIJYo5
 ……だから、フェイトちゃんさえ嫌じゃなければ、一生、私を傍に置いてください。私、
フェイトちゃんの良い奥さんだ、って言われるように一生懸命がんばります。だから……
フェイトちゃんも、私の頼れる旦那様で居てください。お願いします」

 言葉と共に、なのはは深々と一礼。

「……これが、私の、偽りのない、本当の気持ち。フェイトちゃんのことが好きで好きで、
大好きで大好きでたまらない私の気持ち。
 女の子同士だからとか、周りの目とかそんなの私はどうでもいいの。ただあなたと一緒
に居られるなら、あなたと一緒に生きていけるなら、寄り添って進むことができるなら。
 ……それが私の幸せなんだから」

 それ以上は、とフェイトはなのはを抱きしめる。
 目尻に光るものを浮かべたなのはは、抵抗せずなすがまま、フェイトに抱き止められる。

 言葉もなく、ただフェイトはなのはを抱きしめる。なのはも何も言わず、両手をフェイ
トの背に回す。
 このまま時が流れるかと思いきや、フェイトはいきなりの形で、やや強引になのはの唇
を奪う。
 舌でなのはの唇を割り、そのまま口の中に舌を潜り込ませる。
 荒々しく舌をからめ、なのはが息苦しさにくぐもった呻きを上げるのも構わず、舌先を
吸い上げる。
 息の続く限り、なのはの口内を蹂躙し、ようやくフェイトがなのはを開放すると、ぜい
ぜいと荒い息がなのはの口から漏れる。無論フェイトもまた同様に。

「は、離さない、よ、はぁ、はぁ、も、もう絶対、は、離さない。なのはの居場所はもう
一生私の隣だからね、きょ、拒否なんてさせないからっ」
「……はぁ、はぁっ、フェイ、ト、ちゃ、ん……」
 息も整わぬまま、フェイトは一気にまくし立てる。なのはも荒い息の中で、うんうんと
何度も頷く。

 そして今一度、今度はお互いを同時に求め合う形で2人は抱擁する。
「なのは……」
「フェイトちゃん……」
 互いの名を呼び合い、それがまた互いの名をお互いの口から引き出す。
「…・・・なのは」
「……フェイトちゃん」
 幾度も、幾度も、幾度も幾度も繰り返される呼びかけに、なのはとフェイトは互いの名
だけで答えあう。
 はたから見ればさぞかし滑稽な、意味のわからない光景。
 それが通じ合うのは2人だけ。
 尽きることのない呼び合いは、2人の中でだけ通じる、互いの愛の道標になっていった。

 〜 〜 〜 〜

「じゃぁ、とりあえずなのははちょっとだけ休んでて、これ(洗い物)終わったら一緒に
お風呂入ろ?」

 ようやく身を離したフェイトからの提案。

「え、でも、一緒にやった方が速いんじゃない?」

 なのはにしてみれば一時も離れたくない心の現われ。

「ううん、ほら、もうすぐ終わる量だから1人の方が速いよ。ね、すぐ終わるから、リビン
グで待ってて?」
4564の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:45:48 ID:RJnIJYo5
「……う、うん……でも……」
「い、いいんだ。その……私さっきなのはに酷いことしちゃったから、少しでも休んでて
ほしいんだ」
「……う、ん……じ、じゃぁ、お願い、して、いいかな?」
「うん、任せておいてよ!」
 そこまで大っぴらに喜ぶようなものでもないとは思うが、となのはが思う暇こそあれ、
フェイトは腕まくりして意気揚揚とシンクに向かい、気合一発、食器達と格闘を始める。
 半ばあっけにとられるも、まぁ、せっかくだから甘えちゃおうかな、と、肩をすくめ、
なのははリビングへと回れ右……の勢いで、そのまま1回転。
 視界に再びフェイトを捕らえる。

 そして片手で口元を隠して笑みを作ると、そろりと1歩を踏み出し、そっとフェイトの
後ろに立ち……

「ね、フェイトちゃん」
「えっ?」

 声にフェイトが振り返る。

「あのね……今度はこっちの……」

 わずかに爪先立ち、フェイトの肩に顎を乗せ、耳元で囁く。

「番だよっ!」
「きゃああああああああああぁっ!」

 フェイトの短いタイトスカートは、言葉が終わる前に、床の上にその姿を落としていた。


 必ずなのはが受けに回ることから2人の逢瀬は始まる。結婚する前から幾度と無く2人
は身体を重ねてきたが、このスタンスは決して変わらなかった。

 ……そしてまた、一夜の営みの中で攻守が交代する姿勢もまた、変わることは無かった。


  魔法少女リリカルなのは  〜 A love affair in the kitchen  〜

                                        End…less?
4574の422 ◆h7y.ES/oZI :2008/09/08(月) 00:48:47 ID:RJnIJYo5
 以上です。

 よかった、投下中に娘が泣くかとヒヤヒヤしてましたw

 えー、先日、若木民喜先生のサイン入り単行本をゲットして浮かれている4の422です。

 最近原作をプレイする暇……もとい隙(w がなく、なかなか「もう一人…」の続きを
書くことができません。
 結局イメージできるのはなのフェイだったり、クロなの(は終わってますが)だったり、
なのヴィヴィだったりで……中々難しいです orz

 では今度こそ都築(誤字)を投下できるようにがんばります・・・・・・

 それではまたー。


P・S 司書様へ
 前々スレでつまらない要望出してすいませんでした。どえらく迅速な対応に感謝と、
日々の保管庫更新ご苦労様です!


P・S 2
 友人に突っ込まれたので先に言っておくと、実話ではありません。
 ……一部シチュエーションは参考にしましたがw
458名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 00:54:00 ID:YB3mNG32
>>……一部シチュエーションは参考にしましたがw
なるほど。食後の皿洗い担当ですか(違)

GJ! やっぱり王道はよいですなぁ。
459名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 01:08:58 ID:U5wYng4d
>>440
GJ!!です。
他の姉妹やスカ博士に協力していた者達の考えが見れて楽しかったです。
460名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 04:14:25 ID:yFHmSp1P
>>457
GJGJGJGJ!!!
フェイなの最高だよフェイなの!
一番好きなカプのいいエロが見れて大満足です。
次の投下も楽しみにしてますね
461名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 06:05:01 ID:RlGqEYxH
クロノとトコロテン希望
462名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 08:54:48 ID:++z/snnj
B・A氏GJ!
とりあえず大人組はほぼ皆無事っぽくて安心。
エリオ…お前って奴は妊娠してる妻を思いっきり、前線で戦わせてたのか…
まあ仕方ないけど。
これからも妻と子を守り、そして守られるといったような理想的な夫婦関係で過ごして生きて欲しいです。
そしてガリュー。とうとうライダー化したか(違
463名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 09:14:32 ID:tApAsTIG
>>462
そりゃ主人の見た目がライダーだから(違
464名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 12:03:18 ID:ikixnSYV
フォームチェンジはいつですか!?
465名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 12:17:14 ID:8T9EfC+F
>>457
GJ!夢精した!
もう甘過ぎてエロ過ぎて歯医者に行けばいいやらパンツ洗えばいいやら…
次の投下も楽しみに待ってます!
466名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 12:46:05 ID:GDpgmsy7
B・A氏GJ!
今回のMVPはロデオで決定ですね。
果たしてセリカはどの道を選ぶのか。
そしてクロノとはやては根底から局を変える決意を固めた模様で。
できれば某チューリップの二の舞にはならないよう祈るとしましょう。
最後のその後は盛大に吹きましたw 次回、楽しみにお待ちしてます!
467名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 13:46:40 ID:WSPJ4rKj
>>457
ぐっじょ!
いやー久々にこんな甘いの読んだですわ
468名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 14:18:58 ID:3C62fEwn
>>457
GJ!
なんと素晴らしいフィストファックss!
フェイなののSMは最高すぎるw
機会があったらまたこのカプで書いて下さる事を祈ってます。

>>440
GJ!
こういう姉妹の視点とかもいいですねぇw
ナンバーズは数多くて大変そうですが、頑張って下さい!
469B・A:2008/09/08(月) 19:30:46 ID:R0WbC8bN
誰もいないようなので投下にやってきました。
エピローグその2です。



注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・SSXの内容は風の噂程度にしか知りません(←もう持っている人に対して)
・今回はエピローグ後編です
・前提作品『Ritter von Lutecia』
       『Nach dem eines Speerritters』

470Das Erbe zur Zukunft@:2008/09/08(月) 19:31:31 ID:R0WbC8bN
第31話 「innocent starter(後編)」



煌々とした満月が天頂に昇り、草木すらも寝静まった深夜、ザフィーラは最愛の女性が眠るアルトセイムの地を訪れていた。

「すまないな、こんな夜中に」

物言わぬ墓に向かって一言詫び、ザフィーラは居並ぶテスタロッサ家の墓に黙礼する。そして、最愛の女性の墓の前に腰を下ろすと、
おもむろに取りだした盃に持参した酒をなみなみと注いで彼女の墓前に手向けた。

「主はやてが色々とお忙しいようなので、局員ではない私まで駆り出されて中々戻ってくることができなかった。明日も遠方へ出向くので護衛を任じられたので、
夜明けと共に発たねばならない。何ともままならないものだ」

そう言って、ザフィーラは自分の分の盃を一息に飲み干した。

「それと吉報が一つある。エリオの妻が第二子を懐妊したそうだ。喜べアルフ、二人目の孫が出来たぞ」

もしも彼女が生きていたら、どんな反応を示すのだろうかと考える。
きっと、手放しで喜ぶはずだ。アルフは使い魔の中でもとりわけ感情豊かであり、どうでも良いようなことでも涙を流し、些細なことで笑みを漏らす。
そんな彼女が、敬愛する主の息子に新たな家族ができると聞いて、喜ばないはずがない。その場に本人が居合せていたら、有無も言わさず抱きついて祝福していたはずだ。

「エリオは大きくなったぞ。この矛盾した世界の中で苦しみながらも答えを出し、生きる意味を見出した。そして、守るべきもののために戦っている。
エリオだけではない。キャロも、ヴィヴィオも、なのはも、主はやても、クロノ提督も、みんな必死で生きている。見えているか、お前の愛した者達が生きるこの世界が」

この思いが届いていることを切に願いながら、ザフィーラは天へと昇った恋人に向かって語りかける。
消えゆく瞬間まで案じていた者達は、ちゃんと自分達の人生を歩んでいると。

「人は誰かと出会い、愛し合って子を作る。思いは親から子に受け継がれ、その子どもが成人して誰かと愛し合い、生まれた子どもにまた受け継がれる。
そうやって、現在を生きる者達の思いは遺産となって未来へと運ばれていくのだ。あいつらを見ていると、停止した時を生きる我が無性に虚しく思えてくる
・・・・・・・・だが、まだ逝けない。私は盾の守護獣。この命は主はやてと我が妻であるお前のためにある。だから、お前が愛した者達、
そしてこの世界を守ることが私の使命だ」

守護騎士システムが劣化していっているとはいえ、不老の身であることに変わりはない。
自身が生きることを諦観せぬ限り、この身は守るべきもののために生き続けてくれる。例え、使えるべき主がいなくなったとしても。

「私は、お前のためには死ねそうにない。すまないな、アルフ・・・・・我が愛しき守護の獣よ」

白く輝く月の光に照らされながら、ザフィーラは最愛の女性を偲んで盃を仰ぐ。
ふと垣間見た夜空の月は白く、まるで吸い込まれるような幻想的な輝きを放っていた。

「美しいな・・・・・・あんなに美しい月は、久し振りに見た」

月が満ち欠けるように、その世界で生きる人々もまた変わっていく。その営みを見守ることがせめてもの手向けとなるのなら、喜んで永遠を生きよう。
そうして、移ろいゆくこの世界の中で、変わらぬ思いを秘めた守護獣は、一人孤独に誓いを立てるのだった。





どんな業界にも時代の波というものがあり、それに乗れなかったものはいくら優秀であったとしても時代に取り残されて自然と消えていく運命にある。
ミッドチルダのとある街に建てられた造船所もその例に漏れず、不景気の煽りを諸に受けて経営は破産寸前にまで追いやられていた。
給料を払うことはできなので従業員は次々と辞めていき、残ったのは偏屈で有名な親方と一部の理解ある弟子達ばかり。
その弟子にしても、今では転職を考えている始末であった。
そんな矢先、一人の青年がその古びた造船所を訪ねてきた。
471Das Erbe zur ZukunftA:2008/09/08(月) 19:32:18 ID:R0WbC8bN
「すみません、こちらで雇ってもらえないでしょうか?」

「悪いな、見ての通りの自転車操業で人を雇う余裕はもうねぇ。他を当たってくれ」

「あなたの設計した艦・・・・・L級の次元航行艦の試作モデルでしたよね。トライアルでは落ちたけれど、その技術は一部流用されて現在のXV級にまで活かされている。
当時の課題とされていた駆動炉の排熱問題を見事に克服した画期的なシステムで、特に冷却回りの設計が・・・・・・・・」

「ちょ、ちょっと待て坊主。お前まさか・・・・・・・」

「オレも設計は少し齧っていましてね。あなたが果たせなかった夢、次元の海を渡る最高の艦を作るという夢、オレが代わりに叶えちゃいけませんか?」

ふてぶてしいその言葉に、親方は作業の手を止めて青年の方に向き直った。
まず目を引いたのは燃え上がる炎を連想させる赤い髪だった。顔立ちは端正だが、どこかしたたかさを感じさせる意地の悪さが垣間見えるため、
好印象を持つ者は少ないだろう。どういう訳か身なりもボロボロで上着には焼け焦げた跡すらあり、どう贔屓目に見ても浮浪者にしか見えない。
だが、その目には強い野心の光が宿っていた。どのような逆境であろうとも必ず乗り越えて夢を掴む。そんな若さを感じられる力強さがある。

「坊主、お前本気なのか? こんな潰れかけの造船所じゃまともな仕事はないぞ。給料だって払えるかどうかもわからねぇ」

「それでも、ここなら夢を追いかけられると思ったから来ました。あなただってまだ夢を諦め切れていないから、
船を造っているんでしょう? オレにも譲れないものがあります。次元の海を渡る艦、オレと一緒にもう一度造りませんか?」

あくまでも己を貫こうとする青年の姿に、親方は若き日の自分の姿を重ねて見た。自分もかつて、次元の海を渡る艦を造ることを夢見て船大工になる道を選んだ。
だが、血の滲むような努力をして造り上げた艦はトライアルで落選し、それを機に何もかもが上手くいかなくなって従業員も自分の下を離れていった。
しかし、それでもまだ次元の海にかける情熱は消えてはいない。借金を積み重ねてまで造船所を存続させているのは、自分の夢を実現できる日がきっと来ると、
心のどこかで思っていたからだ。
そして、目の前の青年は、その夢を自分と共有したいと言ってきている。自分が、次元の海を渡る艦、次元世界一の艦を造ると。
賭けてみるのも、良いかもしれない。

「坊主、名前は?」

「ケーニッヒ」

「奥で作業着に着がえろ。こってり絞ってやる」

「どうも・・・・・・ああ、それと。家族がいるんですが、入れてやっても良いですか? 場所取りますけど働き者で結構役立ちますよ」

「ああ? お前何を言って・・・・・いいぃっ!?」

ケーニッヒと名乗った青年の背後で蠢く群れを見て、親方は絶句した。
何故なら、青年が引きつれて来たのはテレビなどで散々報道されていた危険な自動機械、ガジェットであったからだ。
一瞬、親方は殺されるのではないかと恐怖した。だが、青年はそんな親方を無視して造船所の奥へと向かい、ガジェット達もそれに続く様に
わらわらと造船所内に入ってきて適当な一角を占領する。

「お前達、邪魔しない程度に手伝っていろ。働かざる者食うべからずだ、こいつはな」

青年の言葉に反応し、ガジェット達は造船所内に散らばって仕事中の弟子の手伝いや、造船所内の掃除を開始する。突然の事態に造船所内のあちこちから悲鳴が上がり、
驚いて腰を抜かした弟子達が親方のもとへと集まってくる。そんな中、作業着に着がえ終えた青年が、底意地の悪そうな笑みを張りつかせたまま、ふてぶてしく言い放った。
472Das Erbe zur ZukunftB:2008/09/08(月) 19:33:04 ID:R0WbC8bN
「で、オレはまず何をすれば良いんですか、親方?」

後に、一隻の艦が時空管理局の次期主力次元航行艦のトライアルに提出された。その艦は今までの次元航行技術を覆す画期的なシステムを採用しており、
XV級艦船を超える艦として並みいる競合企業を押しのけて制式採用されるに至ったが、その艦の設計者の名前が公になることはなく、
設計者のイニシャルらしき『K・E・S』という三文字の言葉だけが記録に残ることとなった。だが、その人物が次元航行技術に革新をもたらしたのは事実であり、
『K・E・S』の名は後の世まで語り継がれることとなった。





教導任務を終えたヴィータが教導隊のオフィスに戻ってくると、部隊長であるなのはが誰かと通信で話し込んでいた。
邪魔をしては悪いと思って無言のまま自分のデスクに戻り、帰路の途中で購入したホットミルクを啜る。
疲れた体の節々にまでミルクの温かさが広がっていき、何とも言えない心地よさに思わず頬が緩んだ。

「そう・・・・・わかった、頑張ってね」

どこか残念そうな言葉の響きにヴィータは訝しみ、通信を終えてため息を吐いているなのはに話しかける。

「なあ、なのは・・・・・」

「ああ、ヴィータちゃん。お帰り・・・・・」

どうやら、こちらが帰って来たことにも気づいていなかったようだ。なのははどちらかというと聡くて周囲に気を配る人間なので、
こんな風に周りが見えていないのは余り良い状態であるとは言えなかった。

「何かあったのか?」

「うん。わたし、振られちゃった」

その言葉に、思わずヴィータは手にしていた紙コップを握り潰してしまった。幸いにも全部飲み干した後だったので、手がミルクで汚れることはなかったが。

「おい、冗談だろそれ・・・・・・」

スクライア家崩壊の危機を想像し、ヴィータは震えあがる。一部では本局のスクライア、地上本部のハラオウン(機動六課は厳密には本局所属だが、
名目上の指揮権は地上本部にある)とまで言われる程のおしどり夫婦であるなのはとユーノの間に、いったいどのような問題が浮上したのであろうか?
一瞬の内にヴィータの脳裏で数々のストーリーが組みあげられる。
ユーノがなのはとの夜の営みで満足できずに隠れて風俗通いをしていた。
ユーノが実は同性愛者で某提督とできていた。
ユーノが実は家政婦のアイナさんと浮気をしていた。
ユーノが実はロリコンで自分やリインに目をつけていた。
ユーノが・・・・・・・・。

(よし、殺しに行こう)

事実無根の妄想で怒りを燃え上がらせたヴィータは、グラーフアイゼンを片手に無限書庫に殴り込みをかけようとなのはに背を向ける。
だが、オフィスを出る寸前で、なのはの呟いた言葉が彼女を引き止めた。

「ヴィヴィオがね、教導隊には入らないって」

寂しそうな呟きに、ヴィータはグラーフアイゼンを待機状態に戻してなのはのもとへと戻る。
473Das Erbe zur ZukunftC:2008/09/08(月) 19:33:37 ID:R0WbC8bN
「そういえば、見習いとして研修させるって言っていたよな」

「うん。まだ経験不足だから引き抜くのは無理だけど、今後のために教導隊がどんなものか体験してもらおうと思って。
あの娘は単純な実力だけならもうエース級だし、それくらいなら良いかなって」

「けど、断られた?」

「私の夢は、そこにはないって」

それは嬉しくもあり、ほんの少しだけ寂しくもあった。
ヴィヴィオはずっと、母親であるなのはと同じ戦技教導官になることを志していた。何度落ちようとも諦めずに教官資格を取ろうとしたのは全てそのためであり、
念願かなって資格が取れたと大喜びしていた姿はまだ記憶に新しい。そして、なのはも娘の願いをほんの少しだけ後押ししてあげようと
今回の教導隊での研修を持ちかけたのだが、ヴィヴィオはそれを断ったらしい。

「ママの真似じゃなくて、私だけの夢を追いかけるんだ、だって。まだまだ子どもだと思っていたけど、いつのまにか一人前な台詞を言うようになっていたよ」

「子どもなんてそんなもんだ。放っておいても勝手に成長するし、親がどうこう言ったって聞かないこともある。大人にできることなんて、それを見守るくらいだな」

見舞いに行った時、エリオは大人の役目は子どもが生きる世界を守ることだと言っていたのを思い出す。
その時は抽象的すぎて意味がよくわからなかったが、あれから色々考えてみて、何となくではあるがその意味を掴むことができた。
つまりは、子どもが自由に生きられる世界を作ること、それが大人の役割なのだ。親が道を決めるのではなく、子が自らの意思で己の生き方を考える。
その権利を守るのが大人の仕事であり、エリオが言っていた大人の役目とはそういうことなのだ。そして、ヴィヴィオが目指す夢がどのような形であろうと、
それが彼女自身の思いから表れたものならばそれを尊重してやらねばならない。

「まあ、元気出せよ。なんなら、今夜飲みに行くか?」

「ありがとう。けど、ヴィータちゃんってお酒飲めたっけ?」

「飲めるわけないだろ、あんなもの」





最後の戦いで意識を失ったヴィヴィオが、病院で目覚めたのは三週間後のことであった。傷だらけだった体も順調に回復しており、
医者の話ではリンカーコアにも特に異常は見られなかったそうだ。病院を勝手に抜け出したことや許可も取らずに戦闘行為を行ったことなどは、
事件解決のために尽力したからという理由ではやてが有耶無耶にしてくれた。
あの後セリカはどうなったのだろうか? 無事に逃げきったのか、それとも捕まったのか。捕まったのだとしても、自分は会うことができるのか。
最も気になっていたことは、誰一人として教えてはくれなかった。だが、一週間の検査期間を経て退院が決定した日、親友に貸し出したはずのレイジングハートが
修復されて手元に戻って来たことが全てを物語っていた。
人々の笑顔を見たい。ただそれだけを胸に自分を打ち倒し、思いを貫くために生きようとしたセリカは、管理局の力の暴力の前に敗退したのだ。
その時、ヴィヴィオは自分の弱さを悔やんで涙を流した。
もしも、自分が勝っていれば彼女を傷つけることなく休ませることができた。例え彼女の願いを捻じ曲げることになったとしても、
圧倒的な恐怖と絶望に屈することにはならなかったはずだ。
思いを貫くための力の重要性を、ヴィヴィオは初めて理解した。
思いを伝えるためには言葉が何よりも強い力を持つ。だが、その言葉を届けるためには、理想や信念を貫くためにはどうしても強い力が必要になってくる。
話し合うだけでは、言葉だけでは何も変わらず、伝えることができない。
話さなければ、言葉にしなければ伝わらないものもある。
信念を貫く力と、思いを伝える言葉。
それがどれだけ大切なものであるのかを、ヴィヴィオは今更ながら強く実感した。
強くなりたい。
誰の思いも踏みにじらない強さが欲しい。
誰かを傷つけることなく、守り切れる強さが欲しい。
子どもの頃に求めたあの純粋な強さがもう一度欲しいと、ヴィヴィオは切に願った。
そして、事件から一ヶ月が経ったある日、退院したヴィヴィオはカリムに呼び出されて聖王教会を訪れていた。
474Das Erbe zur ZukunftD:2008/09/08(月) 19:34:59 ID:R0WbC8bN
「すみませんね、ヴィヴィオ。退院したばかりだというのに」

「いいえ、もうすっかり治っていますから」

そう言ってシャッハの前でヴィヴィオは軽く飛び跳ね、ケガが治ったことをアピールする。

「リンカーコアも調子良いですし、この分だと来週くらいから復帰できると思います」

「それは良かった。みんなきっと喜ぶでしょうね」

「お兄ちゃんはまだかかりそうだって、ルーお姉ちゃんがぼやいていましたけど」

「困りましたね、彼との再戦を楽しみにしていたのに」

取りとめない話を交わしながら、二人は延々と続く長い廊下を歩いていく。すると、反対側から司祭らしき人物がやって来て、ヴィヴィオに向かって恭しく一礼した。

「これは陛下、お会いできて光栄です」

「司祭!」

慌ててシャッハが声を荒げ、司祭はハッと気づいて口を噤んだ。
狼狽する司祭の顔にどことなく見覚えがあったヴィヴィオは、訝しげながら司祭の顔を見つめ、記憶を手繰り寄せる。

(あ、平和式典の・・・・・・・)

純血派のテロの際に人質となっていた参列者の一人だ。確か、こちらの話を聞こうとしない純血派のリーダーに食ってかかり、
自分のことを庇ってくれた司祭が彼だったはず。

「司祭、そのことは極秘事項です。周りに誰もいなかったから良かったものの・・・・・・・・」

「良いんです、シスター・シャッハ」

司祭を叱りつけるシャッハを制し、ヴィヴィオは司祭に向き直って微笑みかける。子どもの頃に両親から読み聞かされた、お伽話に出てくるお姫様のように。

「あなたが私のことをどう呼ぶかについて、私に強制する権利はありません。言葉でどれ程否定しても、
この身が聖王であることに変わりはない。だから、あなたはあなたの胸の内より湧き出る素直な感情に従ってください」

自分で言っておきながら、何だか欺瞞染みているなとヴィヴィオは内心で自嘲した。だが、ありのままの自分を受け入れて生きていくためには、
この欺瞞がどうしても必要となる。それが己を欺く行為であったとしても、自分の運命を受け入れねば前には進めないのだ。

「あなたが望むのならば、私は王として振る舞いましょう。ですが、このことだけは忘れないでください。国とは人が造り、人が育むもの。
その大いなる過程の中では王とてただの人と変わりません。故に、私は聖王ヴィヴィオとしてではなく、ヴィヴィオ・T・スクライアとして生きています。
私は人々の上に立つのではなく、皆と共に生きていきたい。皆と喜びを分かち合い、悲しみに涙したい。ですから、王が必要とされぬ限り、
私は聖王を名乗ることはないでしょう」

己が聖王と呼ばれる存在であり、造られた兵器であることは紛れもない事実である。
仮にそれらを否定すれば、現在の自分自身、引いては今日まで自分と繋がりのある者達全てを否定することにも繋がる。
肯定でもなく否定でもない。ただありのままの自分を受け入れ、共に生きていく。そのために王として振る舞うことが必要ならば、自分は喜んで道化になろう。
それが、人として生きていくことを誓ったヴィヴィオの決意であった。

「・・・・・・・」

詠うように紡がれた言葉に、司祭はおろかシャッハすら押し黙り、まじまじとヴィヴィオの顔を見つめた。
二人が驚くのも無理はない。事情をよく知らぬ司祭ですら、ヴィヴィオが聖王としての出自に苦悩していることは聞いている。
その存在自体が一国を揺るがしかねない重要人物であるという事実は、まだ十七歳の彼女には非常に過酷な運命であったはずだ。
そして、その運命を呪いながらも受け入れることがどれ程の決意を有するか、わからぬ二人ではなかった。
475Das Erbe zur ZukunftE:2008/09/08(月) 19:35:52 ID:R0WbC8bN
「今の世が、王制でないのが惜しまれますな」

姿勢を正した後、司祭は表情を引き締めて跪き、己の忠義を明らかにする。

「あなたがその道を逝くのならば、御心の赴くままに歩みください。あなたが人として生きるのならば、私は個人的な忠誠をあなたに誓いましょう、騎士ヴィヴィオ」





「子どもというものは、良いものですね」

優雅な仕種で紅茶を啜り、カリムはテーブルの向い側で落ち着きなく座っているユーノに向かって言った。

「この世界の残酷さや大人の汚さを知りながらも、夢と理想を胸に前を見ることができる。最初は躓くかもしれない。けれど、赤子が四足で地面を這って行くように、
自分のペースで少しずつ成長していき、やがては二本の足で立ち上がる。年を取った大人では、何かを受け入れたり認めたりすることは、難しいですからね」

ヴィヴィオのことを言っているのだなと気づいたユーノは、静かに頷いた。

「あの娘は強い娘でした。強くて、まっすぐで、他人に弱さを見せたことがなくて・・・・・・・まるで、小さい頃のなのはを見ているみたいだった。
本当はとても辛いはずなのに、誰にもそれを打ち明けずに一人で戦っていたんです」

「幼き日の約束が、彼女の意固地な性格を形作ってしまったのでしょうね」

強くなる。それはヴィヴィオが幼き日になのはと交わした約束であった。辛くても前を向けるようになる。転んでも一人で立ち上がる。
どんなに遠くても、大好きなママのもとへ自力で歩いていく。その純粋な思いはいつしかヴィヴィオの中で歪んでいき、
誰にも迷惑をかけてはいけないという意固地な性格を育んでしまったのだ。

「けど、ヴィヴィオは本当に強くなりました。拒絶ではなく受け入れる強さ。事実を否定するのではなく、
肯定する優しさをあの娘は持っています。あなたが解読してくださった予言も、無事に外れてくれましたし」

「あ、あれは・・・・・すみません」

自分が解読した予言のことを持ち出され、ユーノは身を縮こまらせる。
預言の最後の一節である、『二つの星は大地を焼き、かくして王は天へと昇る』を、ユーノはヴィヴィオとセリカは全力全開の勝負をした後に、
そのどちらかが死亡するという未来を暗示しているのではないのかと、解釈していた。だが、戦いの果てに二人は無事に生き残り、
結果として天に昇ったのはセリカの意識を乗っ取っていた聖王であった。

「まさか、本物の聖王が出てくるなんて思わなくて」

「最初からわかっていることの方が変ですよ。未来は無限の選択の果てに移ろい、変わっていくもの。私の預言者の著書は、
きっと一番実現する可能性の高い未来を示唆しているのでしょうね。ですが、それすらも人の力で変えることができるのです。ヴィヴィオのように」

「その・・・・恐縮です」

「そう畏まらないで下さい。それに、あの預言は聖王の消滅を意味していたのではないのかもしれません。
『王は天へと昇る』・・・・・・・・ユーノ先生、『天』には何がありますか?」

「・・・・・太陽、でしょうか?」

やや当てずっぽうなユーノの答えに、カリムは慈母の如き微笑みで応える。どうやら、正解であるらしい。
476Das Erbe zur ZukunftF:2008/09/08(月) 19:36:40 ID:R0WbC8bN
「例え地上で何が起ころうと、太陽は変わらず空で輝き続けています。その姿が雨雲に隠れたとしても、雨が止めばまた地上を光で照らします。
どんなに長い夜が訪れようと、必ず朝はやってきます。それは、この宇宙の創世以来、ずっと繰り返されてきたことです。冷たい雨や暗い夜を退ける眩しい輝き。
人はそれを、希望と呼びます」

「では、あの預言は・・・・・・・・」

「私はこう考えています。ヴィヴィオとセリカ、未来を担う二人の子ども達が、この世界で生きていく希望を見出す。
自分の夢や現実と向き合って、理想を追求するという解釈もできるのではないでしょうか?」

「もしもそうであったのなら、預言は当たったことになりますね」

「歴史と同じです。先は読めず、後から思い返せばいくらもでも解釈の仕方がある。私達は、そんな危うくて儚い世界の中で生きているのです」

「ですが、それでも僕達はこの世界で生きています。だから、例え辛くても前を向いて歩いていくしかない。少なくとも、ヴィヴィオはそう決心しているはずです」

きっぱりと言い切ったユーノの表情は、我が子に対する信頼で満ちていた。

「これは子どもの頃に聞いた話なのですが、第97管理外世界・・・・・・なのはの故郷には、太陽を目指した青年の逸話があるそうです。
その物語の主人公は、造り物の翼を蝋で背中に固定して空を飛んだそうです。ですが、彼は太陽の輝きに目を奪われ、
その熱で翼を固定していた蝋が溶けて海に堕ちてしまった。ですが、ヴィヴィオの翼は蝋で固めた造り物ではなく、あの娘自身の心の強さで造られた魔法の翼です。
ですから、きっと太陽を目指してもその翼を失うことはない」

「あなたは、あの娘を信じていらっしゃるのですね」

「ええ、自慢の娘ですから」





いくつ目かの角を曲がったところで、ヴィヴィオは自分達がカリムの執務室から離れていっていることに気がついた。

「あの、シスター・シャッハ・・・・」

「ええ、今日はこちらで良いんです」

訝しむヴィヴィオに案内役のシャッハはにこりと微笑み、本来ならば昇るべき階段を下っていく。有無を言わせぬ調子にヴィヴィオは反論できず、
問い質すことを諦めて先を行く彼女の背を黙って追いかけることにした。小さい頃から何度も泣かされた記憶があるせいか、シャッハの相手はどうにも苦手であった。
良い人であることは確かなのだが。

「こちらです、ヴィヴィオ」

突き当たりの扉の前で立ち止まったシャッハが、こちらに向かって手招きする。
古ぼけたその扉は、如何にも抜け穴ですと主張しているように思えた。

「私はここで待っていますから、この先にはお一人で行ってください」

「は、はい・・・・・・」

含みのある笑みを浮かべるシャッハにうすら寒さを覚えつつ、ヴィヴィオは古びた扉に手をかける。
蝶番が錆びついていたのか、押すと非常に耳障りな金属の擦れる音が響いた。

「まったく、いったい私に何をさせる気・・・・・・・・」

一歩踏み出し、目の前にいる人物の姿を捉えて言葉を失った。
扉の向こうは整備の施されていない原っぱに繋がっていた。川が近いのか微かにせせらぎが聞こえてきて耳に心地よく、時々吹く風は僅かに春の香りが混じっている。
そして、その中心には一機のヘリが降りていて、その前に立っている灰色の髪の少女がジッとこちらを見つめていた。
477Das Erbe zur ZukunftG:2008/09/08(月) 19:37:32 ID:R0WbC8bN
「セリカ・・・・ちゃ・・・」

「久し振り、ヴィヴィオ」

はにかむように頬を染めながら、セリカが言う。
突然の事態に頭がついていかず、ヴィヴィオはどんな反応を返せば良いのかわからなかった。あの後どうなったのか、ケガは大丈夫なのか、
どうしてここにいるのか、これからどうなるのか。自分でも把握し切れていないくらい聞きたい事はたくさんあったはずなのに、
いざ彼女を前にして頭の中が真っ白になってしまったかのように言葉が出て来なかった。

「どうしたの、そんな顔して?」

「だって、セリカちゃん・・・・・・どうして・・・・・」

入院中のはずの君が、どうしてこんなところにいるの? そう問おうとしたはずなのに、喉に声が詰まって言葉にならなかった。
そんな風に戸惑うヴィヴィオを見て、セリカは苦笑する。

「退院したから、本当はこれから拘置所の方に移送されるはずだったんだけど、八神本部長が気を利かせてくれたのよ」

「あの事件の重要参考人は、本当なら面会謝絶なんだがな。こいつがどうしても会いたいっていうもんだから、騎士カリムをダシに使ってもらったのさ。
ただし、フライトプランを誤魔化せるのは十五分が限界だ。二人とも、話したいことが色々あるだろう? 俺の目が届く範囲でなら好きにしてくれて構わないぜ」

ヘリの壁にもたれかかっていたヴァイスがセリカを送り出し、芝居がかった調子で腕時計に目をやった。

「ほら、ヴィヴィオ」

「う、うん・・・・・・」

セリカに促され、ヘリから少し離れた場所にある木陰に腰かける。
何となく、視線を合わせ辛かった。言いたい事はあるはずなのだが、改めて切り出そうとするとお互いに黙り込んでしまう。
そうして、時間だけが刻一刻と過ぎていく中、セリカは意を決したようにヴィヴィオに言った。

「ありがとう」

「え?」

「私と向き合ってくれて・・・・・・私の思い、ちゃんと受け止めてくれて・・・・・・・ありがとう」

管理局に抱いていた怒りも、この歪んだ世界に抱いていた憎しみも、不甲斐ない自分への嫌悪感も、ヴィヴィオは全て受け止めてくれた。
胸の内から湧き出てくる全ての感情が込められた一撃を受け止め、真正面から向き合ってくれた。
君のしていることは、悪いことなんだと。
正しい思いのために、何かを犠牲にしてはいけないのだと。

「あんたが初めてだった。私のやったこと、叱ってくれたのは」

シエンは怒ってくれなかった。みんなの笑顔を守りたいという思いをただ尊いと褒め称え、認めてくれるだけだった。
そのための行いが多くのものを傷つけると知っていながら、自分のことを傷つけてたくはないという優しさから叱ってはくれなかった。
ただ仲が良いから、友達と言うのではない。一緒にいるから友達と言うのではない。相手のことを考え、その思いを尊重し、
時には自分が傷つくことも恐れずにその人物のために尽力する。友情が失われることを恐れながらも、悪いことを悪いと言える勇気。
否定する優しさを持つということが、本当の友達なのだ。

「あんたが私に呼びかけてくれなかったら、きっと聖王の中で私が消えていたと思う。あんたが必死になって止めてくれなかったら、
きっと私はもっとたくさんのものをなくしていたと思う。だからありがとう。私のことを、叱ってくれて」

「セリカちゃん・・・・・・ううん、私の方こそ、いっぱい傷つけてごめんなさい。セリカちゃんの嫌がること、たくさん言ったし、その体だって・・・・・・・・」

「これは自業自得よ。それにあれだけの目にあって、なくしたものは左指二本だけなのよ。右腕は時間がかかるけど治るって言われたし、リンカーコアは・・・・・・・」

そこでセリカは一度押し黙り、ヴィヴィオから視線を逸らす。
478名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 19:38:09 ID:rR/Gta/x
>>358
GJ!!!
間違いなく今度生まれてくるフェイトは強くなるな。
色んな強さを持ったエリルーの子で母親の腹にいる時から死闘を繰り広げているから間違いない。
更に姉貴と同じようにガリューが好きになるのも間違いない。
男の子だったらともかく、女の子だったらエリオ悲惨…

>>408
GJ!!
ヴォル子だけでなく、ガリュ子とハクテン子も間違いなく加わるな。
更にフリードがもう少し大人になればフリ子も加わるし。
そこにキャロとルー子が入れば完璧!
479Das Erbe zur ZukunftH:2008/09/08(月) 19:39:11 ID:R0WbC8bN
「リンカーコアは・・・・・・・多分、治らない・・・・・・かもしれないって」

「治らないって・・・・・・・」

「無茶をし過ぎたツケみたい。聖王の記憶と疑似・聖王の鎧の負荷に加えて、過剰な魔力行使と大規模砲撃。
私のちゃちなリンカーコアには相当の負担だったみたい。医者が言うには、生きていたのも奇跡らしいわ」

どこか自嘲する含みのある笑みに、ヴィヴィオは言葉を返すことができなかった。過ぎ去った時間にもしもはないとわかってはいても、考えずにはいられない。
もしも、もっと早くに彼女の苦しみに気づけていたら?
彼女の離反が判明した時に、有無も言わさず逮捕していたとしたら?
その想像に意味はないと知りながら、ヴィヴィオは親友から魔法を取り上げてしまった自分の不甲斐無さを責めずにはいられなかった。

「あんた、まさか自分のせいだって思ってないでしょうね?」

「え?」

「馬鹿じゃないの? これは私の責任なの。優しくするのは勝手だけどね、ケジメくらいは自分でつけさせなさい。
それに、私は魔導師を止めるとは一言も言っていないわよ」

「けど、お医者様は・・・・・・・」

「リハビリをしても完治する可能性は極めてゼロ、治っても大規模砲撃はもう使えないだろうから、せいぜいショートバスターが良いところかな。
けど、それでも治る見込みはあるの。だったら私は諦めない。諦めてたまるものですか。でなきゃ私は、あんたのために戦えないじゃない」

そう言って、セリカは自由の利く左手でヴィヴィオの大きな体を抱き締めた。
背中に回された腕に力はなかったが、密着した部分から伝わる熱はマグマのように熱く、彼女の思いの強さを物語っていた。

「ヴィヴィオは私を止めてくれた。私の名前を呼び続けてくれた。ヴィヴィオがいなかったら、私は本当の自分にも気づけなかった。
だから今度は、私がヴィヴィオを助ける番だ。ヴィヴィオが間違った道を進もうとしたら、私がぶん殴ってでも止めてあげる。
ヴィヴィオが暗い闇に囚われたら、どれだけ拒絶されても必ず救い出す。ヴィヴィオが苦しんでいたら、私がそれを取り除く。友達なら、当然でしょ?」

目に涙を浮かべながら、セリカはヴィヴィオに訴える。友達でいても良いのかと。
きっとこれからも、君のことをたくさん傷つけるかもしれないけれど、それでも友達でいて良いのかと。
その問いかけに、ヴィヴィオは嗚咽で声を震わせながら答えた。

「うん・・・・・・その時はお願いね、セリカちゃん」

親友の胸に頭を預け、静かに涙を流す。
辛辣な言葉の裏に秘められた思いが嬉しくて涙が止まらなかった。
たくさん傷つけてしまったのに、自分のことをまだ友達だと呼んでくれることが嬉しかった。

「生きなさい、ヴィヴィオ。この世界は辛いことがたくさんあるかもしれないけれど、あんたは一人じゃない。私がいるし、みんながいる。
それを教えてくれたのはヴィヴィオなんだから、誇らしく胸を張りなさい」

「うん・・・・・・けど、私が自分と向き合うことができたのは、セリカちゃんのおかげなんだってこと、
忘れないで・・・・・・・セリカちゃんがいたから、今の私があるの」

お互いがいなければ、今の自分達はいなかった。
セリカという親友がいたから、ヴィヴィオは自分を認めることができた。
ヴィヴィオという親友がいたから、セリカは自分の気持ちを再確認できた。
たくさん傷つけ合ったけれど、二人の胸は親友への感謝の気持ちで溢れていた。
480Das Erbe zur ZukunftI:2008/09/08(月) 19:40:08 ID:R0WbC8bN
「私はね、みんなの笑顔が見たかったんだ。ただ、目の前にいる人が笑っていてくれたら幸せだった。
けど、その笑顔を守るために戦おうって決めたら、私は笑えなくなった。自分の笑顔も知らない奴が、誰かの笑顔なんて守れないよ。
だから、私は自分が笑顔でいられる世界を・・・・・・・みんなが笑っていられる世界を作る。難しいかもしれないし、どれだけ時間がかかるかもわからない。
けど、この手で必ず作ってみせる。みんなの笑顔・・・・・私が心から笑える世界・・・・・・ヴィヴィオが戦わなくても良い世界を」

「だったら、私はこの世界を守る。私の夢はママみたいな強い魔導師になって、困っている人の力になること。けど、私はママじゃない。
ママみたいに人にものを教えることは苦手だし、ママみたいに格好よくは戦えない。後悔と自己嫌悪を繰り返しながら、砲撃で敵を焼き払うことしかできない。
けど、それでも守れるものがあるのなら、私は戦える。エース・オブ・エースの娘としてじゃない、聖王としてでもない。私自身の意思で戦える」

これからも自分達は、多くの嘆きと悲しみを知るだろう。身の毛もよだつ絶望に恐怖し、涙することもあるだろう。それでも、この日の思い出を思い返せば、
きっと今この瞬間の自分に戻ることができる。ただ純粋に、誰かの笑顔のために戦いたいと願った心を思い出せる。だから安心して別れることができる。
例え離れていても思いは同じだ。戦う場所が変わったとしても、願いは同じだ。
誰かが悲しむ姿を見たくない。
その思いを胸に、戦っていける。

「時間だ」

ヴァイスの無粋な一言が、二人を現実へと引き戻した。
名残惜しげに二人は体を離し、目じりに溜まった涙を拭う。

「もう、行くんだね」

「多分、かなり長く服役することになると思う」

それだけの罪をしでかしてしまったのは揺るぎようのない事実だ。そして、戦いに敗北した者は、それを大人しく受け入れて償う義務がある。

「元気でね、セリカちゃん」

「ヴィヴィオもね。困ったことがあったら、ちゃんと周りを頼りなさいよ。あんた泣き虫の癖に、意地っ張りだから」

「セリカちゃんだって、人に頼っていられないって言って何でも自分一人でしようとする癖に」

涙交じりで苦笑し、セリカはポケットから取り出した白色の宝石をそっとヴィヴィオの手に握らせる。
それは彼女の半身であり、苦楽を共にしたストレージデバイス“RH”であった。

「これ、預かっていて」

「え、でも・・・・・・」

「レイジングハート、貸してくれたでしょ? これはそのお返し。服役中は触ることもできないから、
ヴィヴィオに使っていて欲しいの。戻ったら、必ず返してもらいにいくから」

「大事に使う・・・・・壊したりしないから・・・・・・ちゃんと毎日、磨いて綺麗にするから・・・・・・・」

声を詰まらせながら、ヴィヴィオは笑顔を浮かべる。これからしばらく会えなくなるけれど、きっと自分達の道が交わることはもう二度とないかも知れないけれど、
それでも旅立つ親友のために、ヴィヴィオは涙を拭って別れを告げる。
481Das Erbe zur ZukunftJ:2008/09/08(月) 19:41:22 ID:R0WbC8bN
「またね、セリカちゃん」

「ええ、また・・・・・また会いましょう、ヴィヴィオ」

きっとまた会える。だって、自分達は友達なのだから。





一年後。

『サーチャーに反応。目標は裏通りを疾走しつつ、まっすぐDブロックへと・・・・・・・あぁっ!?』

通信の向こうで上がった悲鳴を上げた新人のロングアーチスタッフに、ヴィヴィオはため息をついて話しかける。

「どうしたの、報告は簡潔にね」

『す、すみません、スクライア分隊長・・・・・えっと、目標は空中へと飛び上がり、Fブロックへと向かっております。
追跡していたスターズ03とスターズ04は撃墜された模様です』

「すぐに救援を送って。目標は私が対応します」

『了解』

通信を切り、ヴィヴィオは煙の上がっている西の空へと目をやった。
博物館へと移送中であった傀儡兵が誤作動を起こし、暴れ出したと通報が入ったのは今から二十分前のことだ。傀儡兵は低ランクではあるもののロストロギアであり、
周辺のものを手当たり次第に破壊しながら街中を逃げ回っているらしい。そこで、被害が大きくなる前に取り押さえようと、機動六課に出動要請が入ったのだ。

『ヴィヴィオ、僕だ。丁度、近くまで来ているんだけど、援護はいるかい?』

「大丈夫だよ、お兄ちゃん。今日は家族サービスの日なんだから、ルーお姉ちゃんやアリシア達と一緒にいてあげて」

『ほんのちょっとくらいなら大丈夫だよ。ガリューだってやる気満々だし・・・・・・・』

『ヴィヴィオ、あなたからも何か言ってあげて。エリオったら家族を放ったらかしにして仕事に行くだなんて言うのよ』

エリオとの会話中に突然割り込んできた念話にヴィヴィオの頭は一瞬混乱し、車酔いのような眩暈と頭痛が起きる。
普通に喋っているのと違って、念話は脳の中に直接電気信号を発生させて会話をしているので、同時に喋られると回線がパニックを起こしてしまうのだ。

「もう、いっぺんに話さないでよ。お兄ちゃん、ただでさえワーカーホリックなんだから、非番の日くらいちゃんと休む。
ルーお姉ちゃんも、ガリューにちゃんと言い聞かせてね」

『はい・・・・・』

『ありがとう、ヴィヴィオ。けど、無理だけはしないで。あんなこと言っておいてなんだけど、危なくなったらすぐにエリオか私を呼んでね』

「わかっている。ありがとう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」

二人との念話を切り、ヴィヴィオはこちらに向かってくる傀儡兵をまっすぐに見据える。部下に傀儡兵を誘導させて、
待ち伏せさせておいた別動隊が取り押さえるという作戦だったのだが、まさか自分のところにどんぴしゃで来るとは、ツイテいるのかいないのか。

《私も起動した方がよろしいですか?》

危険なロストロギアを前にして、デバイスはおろかバリアジャケットすら展開していないというのは危険以外の何ものでもない。
だが、ヴィヴィオはレイジングハートの申し出を静かに断り、右腕に巻いたアンクを天へと掲げた。
482Das Erbe zur ZukunftK:2008/09/08(月) 19:42:07 ID:R0WbC8bN
「あれくらいなら、私一人でも大丈夫かな」

《では、お手並みを拝見させて頂きます、マスター》

こちらを試すような言葉に苦笑し、ヴィヴィオはアンクに嵌めこまれた純白の宝石に意識を集中させる。

「RH、セットアップ」

静かな宣言と共に、ヴィヴィオの体は戦いのための防護服に包まれ、無手であった右手に深紅の杖が握られる。
それは、今は遠くにいる親友から預かった大切な宝物であり、バリアジャケットも彼女のそれを真似て装飾の一部が赤い色に変更されていた。
杖の感触を確かめるように回転させ、表情を引き締めてその先端を向かってくる標的へと向ける。調子は上々。自分もRHも絶好調だ。

《任務は目標の捕獲であり、破壊ではありません。そこをお忘れなく》

「わかっているってば、レイジングハート」

口やかましい相棒に口を尖らせ、ヴィヴィオはRHのカートリッジシステムを駆動させ、足下に虹色の魔法陣を展開する。

「さあRH、私とあなたの主の正義をあいつに示そう」

思いは受け継がれていく。
親から子へと、友から友へ。
例え傷つけ合わねばならなかったとしても、まっすぐな思いをぶつけ合えば必ず分かり合える。
正しい思いなんてないのかもしれない。けれど、間違った思いもまた存在しない。人は誰もが心に自分だけの正解を持っていて、それ故に他人と争い合う。
それでも、信じられるから人は誰かと友情を育み、愛し合い、絆を深める。
そして、絆は夢や理想という思いを子ども達に伝え、それは遙か未来に生きる人々にまで受け継がれていく。
遠い未来へ向けての遺産として。
                                                                        Fin
483B・A:2008/09/08(月) 19:44:28 ID:R0WbC8bN
以上です。
このエンディングは結構悩みました。リボン交換はやらない方向にしようと思っていたので、
デバイスを預けるという方向で(だから前々話でレイジングハートを貸し出すという展開が思いついたわけで)。
ヴィヴィオで四期ネタをやりたい、エリオでクローンネタをやりたい、ガリューをバイクに乗せたいというそれだけで一本お話がかけそうな妄想を
混ぜて作ったこの長編はこれで終わりです。思い返せば削ったところ、予期せず増えたところがいっぱいでした。
何より、24話くらいで終わるはずだったのが31話になるなんて、僕も想像できなかったorz
もっと小ネタも挟みたかったなぁ。
以下は今回登場した人たちのその後です(保管はしないでください)。


・ヴィヴィオ
自分にできる精一杯をするという誓いを胸に、武装局員として最前線で活躍し続ける。
出自に対するコンプレックスを克服したことで戦闘スタイルも高速学習能力を取り入れた変幻自在なものへと変わり、
無敵の聖王の鎧も相まって戦った者は「あんなの反則だ」と口を揃えて文句を言うのだそうだ。また、年を経るにつれて王としてのカリスマも獲得していき、
多くのものから慕われる存在となる。晩年はエリオと同じく肉体の衰えが出てきた。

・セリカ
誰かの笑顔のために自分を犠牲にするのではなく、その笑顔の中で自分が笑える世界を作るために政治家となる道を志す。
そして、出所後はかつての仲間を集めて政治結社ロート・シルトを結成。最愛の人シエンが愛したミッドチルダを笑顔で溢れる世界にするべく努力するものの、
前科者であるが故にその活動はなかなか思うようにはいかなかった。だが、それでも彼女はめげずに自分の理想を貫いている。
リンカーコアは何とか回復したものの、魔力は現役時代の半分にまで低下してしまった。常に憎まれ口を叩いているが、ヴィヴィオのことは誰よりも気にかけている。

・ケーニッヒ
行方不明。
度々、嫌がらせと称してエリオの名を騙っては善行や悪行を行い、エリオに迷惑をかけている。
時々、個人的な理由からエリオやルーテシアに手助けをすることもあるが、基本的に管理局とは敵対の姿勢を取っており、彼らと馴れ合いを演じることはない。
クローン故の短命を己の運命として受け入れており、病気の治療も拒んで限りある命を楽しむことを選択、
最後までエリオのことを「大嫌いだ」と公言してはばからなかった。

・ザフィーラ
今後も墓守としてテスタロッサの墓を守る日々を送る。また、有事の際には自ら戦いに赴き、妻が愛した者達を守るためにその力を発揮する。

・なのは
教導隊の隊長として様々な訓練カリキュラムや新しい戦術を考案し、管理局の魔導師育成に尽力する。
ヴィヴィオのことは深く愛しているが、そろそろユーノとの間に実子が欲しいなとも思っている。

・ヴィータ
なのはの補佐として働きつつ、鬼教官としての名を轟かせる。

・ユーノ
考古学者として多くの論文を発表し、名声を高めていく。ヴィヴィオが危険な武装隊に所属していることは相変わらず快く思っていないが、
彼女が自分で決めたことだからと自分に言い聞かせて妻と共に娘の無事を祈っている。

・シャッハ
今後もグラシア家に仕えています。

・カリム
自らの預言の解読率を高めるために研究を重ねる。それは未来を見通すためではなく、
人間が自らの意思で来るべき未来を選択するために必要であるからと考えているからである。

・エピローグで出番のなかった人たち
笑顔でいます、元気ですw
484B・A:2008/09/08(月) 19:46:15 ID:R0WbC8bN
チラ裏
当初の予定では作中でアーマードデバイスを絡めようかと思ったけれど、冗長しそうなので止めました。
人間では捉えきれない動きで飛びまわる敵を前に大ピンチの面々に「その役目、私に任せて頂こう」と仮面で顔を隠したエリオが登場、
「お前は誰だ?」、「『跳ね馬」とでも名乗っておこう」、「跳ね馬?」、「ファンの一人ですよ」。
「斬り裂けバルディッシュ、その名のままに! 紫電一閃!・・・・・・僕に断てぬも(自主規制)」
「妻も守る、敵も倒す。両方やらなくちゃいけないのがベルカの騎士の辛いところだ。覚悟は良いね、僕はできている」
「決着をつけるためにあの世から戻って来た」、「戦いの基本は格闘だ」
「待たせたな」、「あなたは・・・・エリオ!?」、「イエス、アイアム!」
「ガリューが“覚悟”をくれなかったなら…この“道”は見えなかった。自分の電撃をあえて身に受けるこの“覚悟へ”の『道』は…!!」
「突っ切るしかない。真の『覚悟』はここからだ! 二人とも腹をくくれ!」
《げ、限界だ、兄弟!》、《サーの魔力が・・・》、「ま…まだだ…僕にはまだ!意識はあるッ!まだ撃ち込んでやるッ!」
「くらいなさいッ!シエンッ!半径20m、クロスファイヤー・シュートをーッ!」
「シエン、容赦せん」
全部カットしました。
いつかネタ満載の話を書けるようになりたいなぁ。
485B・A:2008/09/08(月) 19:48:18 ID:R0WbC8bN
そ、それと投下してから気づいたのですが、保管の際は「第31話」を「最終話」に変えてください。
どうして投下し終ええるまで気付かなかったんだろう?
486名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 19:58:10 ID:3+MWPidw
やっと終わった…
487名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 20:05:37 ID:Fkh0fuaU
GJ
読んでる方も多少感慨が…
488名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 20:32:14 ID:M7eLAx6X
ここってエロパロだよな…?
489名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 20:40:33 ID:Z2AyX9Ew
>>488
よし、そこまで理解できるならもう一歩だ。>>1をよく読もうぜ
490名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 21:07:47 ID:VFynV7LA
GJ!
タイトルがイノスタだと気づいて凄い演出だな、と。
ともかく、お疲れ様でした。

>>488
それがこのスレのいいところ
491名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 21:48:26 ID:TDuo05fG
B・A氏、GJです
これだけの長編をきっちり完結させられるのはそれだけでも凄いなと思います。

大概、長編なんてものは風呂敷広げすぎたりして途中で行き詰まり、更新が鈍くなって
自然消滅ってケースが殆どなのにきっちり完結、しかもかなりの投下スピードでそれを行ったことは感服させられます。
お疲れ様でした。
492名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:05:40 ID:lCKbtq5F
>>485
B・A師GJでした!登場人物がいきいきして本当に読みやすかったです。
完結お疲れ様でした。

>>488
エロ、非エロ、シリアス、ほのぼの。何でもありですごくいいと思う。
493名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:40:40 ID:M7eLAx6X
いや、別に悪い意味で言った訳じゃないんだ
他のエロパロのスレも見てるんだが、ここまで高いレベルのSSは初めてだったからな
494名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 22:53:37 ID:rR/Gta/x
>>483
ものすごく申し訳ありませんでした…
B・A氏の作品の感想を投下したことで氏の作品の邪魔をすることになろうとは何という…

改めてGJ!!
ルーテシアの騎士の時から好きだった俺にとってはものすごい感慨があります。
正直言って本編3期が終わってしまった時に匹敵する!
ヴィヴィもセリカも共に生きられて本当に良かった。
これからしばらくしたら彼女達が先頭に立って歩んで行って、その後ろをアリシアやフェイト達が歩むんだなあと涙
氏のシリーズは本当にそういった人の繋がりを表現し、伝えてきたと思う。
改めてGJ!!!&乙!!!!
495名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:12:12 ID:BopZfrlB
GJ!!です。
カット部分がジョジョ祭りw
496名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:54:22 ID:Zx5i5gch
>>485
GJ!&完結お疲れさまでした!
高クオリティとハイペースを両立されたこの作品に心から感服させられました。
途中、少々戦いの局面が増えすぎて作品の主旨がぼやけたかな、と思う所もありましたが、問答無用の迫力に圧倒されました!
次作も楽しみにお待ちしています!
497名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 02:11:25 ID:us7Y+Dpe
2:30から一本投下します
498名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 02:12:45 ID:oMEYSrvk
待ってる
499名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 02:29:35 ID:f6AVqhal
カモンベイビー
500CRR:2008/09/09(火) 02:30:20 ID:us7Y+Dpe
どうも。
SSXでティア大活躍と聞いて黙っちゃいられねぇ!!

・ヴァイス×ティアナ
・エロ
・SSXネタバレ:なし(時系列的にはほぼ同時期ですが別物です)

・今までのあらすじ(保管庫にある私のヴァイス×ティアナSSのまとめ)
 StS9話以降あたりからヴァイスと男女な関係を持ち始めたティアナ。
ヘリの中でヤッていてアルトに見つかったり、入院するヴァイスを見て心配のあまり涙したり。
いろいろあったけれど、最後はヴァイスからのプロポーズを受ける。
今では『グランセニック執務官』やってます。

と言う訳で、どうぞ。
501CRR:2008/09/09(火) 02:32:28 ID:us7Y+Dpe
ミッドチルダ首都、クラナガンの中央地区。
時空管理局・地上本部の中枢機能を一挙に引き受けるこの区画の中に、ビルのテナントとして店を構えるカフェがあった。
店自体は、ミッド各地区にチェーン展開をしているごくごく普通の店構え。
しかし、テーブルを一つ陣取り、腕を組んでそわそわとしている男性がいるその店内は、
普段とは違うちょっと変な空気が流れていた。

「予定より30分遅れてやがる。何かあったんじゃねぇだろうな?」

『もう少し落ち着いてください、相棒』

「まぁ、そりゃそわそわしたって始まらねぇのは分かってるけどよ」

地上本部からのヤボ用の帰りということで、陸士の制服に身を包んだヴァイス・グランセニックが、
首からアクセサリーのようにぶら下げているインテリジェントデバイスに諭される。

『彼女の仕事内容を考えてください。少し長引く可能性も無い訳では』

「あー!! わーってるよ!! 少し黙ってろストームレイダー」

『……了解。でも、周りのことも気にかけないと』

「ん……?」

いつの間にか、店の中の客がじろじろとヴァイスを見ている。
苛立ちを隠せない大声を上げている男性がいるとあれば、無理も無いだろう。
ヴァイスは頭を掻きながら苦笑いをして、照れ隠しをするしかなかった。

「あ、あははははは……お?」

ふと、ヴァイスが窓の外を見る。
目印にとヴァイスが路上に駐めておいた真っ赤なバイクをしばし見た後、店内に入ってくる女性が見えた。

「やーっと来やがったか」

ヴァイスの肩の力がすっと抜けた。
カフェのドアに付けられたベルがカランカランと音を立て、先ほどの女性が入ってきた事を告げる。
オレンジ色の長い髪をなびかせながら颯爽と歩く姿のみならず、
時空管理局・執務官である事を示す黒い制服が、周囲の客の目を釘付けにしていた。

「すみません、ちょっと長引いてしまって……」

「あのな、いい加減に敬語止めろっていつまで言ってればいいんだよ」

ヴァイスの座る席の前で止まり、やや切れた息をゆっくりと整えながら謝る。
機動六課卒業から4年。凛々しく自信に満ちた眼と、女性らしさを増した佇まい。
502CRR:2008/09/09(火) 02:36:14 ID:us7Y+Dpe
「あ、つい……ごめんなさいヴァイスさん。ただいま」

「……おう。おかえり、ティアナ」

執務官としてはまだ新人、結婚は半年前。
新たな人生を歩みだしたティアナ・グランセニックが、満面の笑みでヴァイスに挨拶した。







Blessing to "TEANA" 外伝 〜Blessing at Daybreak〜








マンションの窓から、沈み始めた夕日の光が入ってくる。
クラナガン郊外の住宅地に建つ、マンションの一室が二人の住居である。
しかしティアナもヴァイスも仕事で家を空ける事が多く、入居して半年経ってもまだ部屋から感じられる生活感は薄い。

「んぅーっ!! このベッドってこんなに広かったんだ」

「おう、幾ら俺が立派な成人男性でも、このベッドはちぃーっと広すぎたくらいだからな」

先日ハウスキーパーを入れたばかりの、二人用の寝室。
きれいな真っ白いシーツが映えるダブルベッドに、ティアナが思い切り背中からダイブする。
久しぶりの我が家に羽をめいっぱい伸ばすティアナの横に、ヴァイスも仰向けに倒れこんだ。

「……ごめんなさい、分かってたとは思うけど」

ティアナは天井を見上げたまま、不意にヴァイスに切り出した。
仕事とプライベート、どちらを重視するのかはずっと悩みどころだったのだが、
『お前の夢の邪魔するつもりは無ぇ』というかつてのヴァイスの言葉を受け、日夜執務官として奔走している。

「なーに、夢は夢、新婚生活は新婚生活。欲張っちまおうぜ」

「……うん」

天井を見たままで、どちらとも無く手を探り出す。
お互いを求め合いさまよっていた、ティアナの左手とヴァイスの右手がぎゅっと繋がる。
そのまましばらく何も語らず、温もりをゆっくりと味わっていた。

「……………」

お互いに顔だけを見合わせる。
今のティアナは執務官としての任務から解放され、任務中は忘れていた熱が体の芯からこみ上げて来ていた。
まるで付き合い始めた頃のような、不安と期待の混じった顔を見せてはいるが、
ティアナは自分からはアクションを起こさない。

一方ヴァイスはと言えば、ティアナと離れていた間の欝憤が沸点に達しようとしていた。
どうせなら……と自慰すら自制し、ティアナが帰ってくるのをずっと待っていたのだ。
露骨には態度に出してこなかったものの、正直言って我慢の限界に達していた。
503CRR:2008/09/09(火) 02:38:38 ID:us7Y+Dpe
「……シてぇ」

「え? ヴァイスさん、今何て……っ!?!?」

手を繋いだまま、ヴァイスはごそごそとベッドの上を動き、ティアナとの距離を一気に縮める。
きょとんとしたままのティアナの顔と、やや息が荒いヴァイスの顔が近づき、
そのままヴァイスはティアナの唇に自分の唇を重ねた。

「ん……っ!? うぁ……っ、あ……」

「んっ、ん……」

唇だけを合わせる動きから、やがて口内に舌を入れ始める。
始めはややぎこちなく、拒否するようなしぐささえ見せていたティアナだが、
ねっとりと舌を弄ぶヴァイスのキスが続けられるうちに、頭が熱っぽくなりだした。
相手の唾液さえ自分の体液になってしまうのではないかと思えるほど、
ヴァイスの口とティアナの口の間で唾液の交換がなされていた。

「っ、ぷは……ぁ……な、いきなり過ぎる……」

「ん? だってお前がこういう時に『本当にして欲しい事』をなかなか口に出さないのは昔からだしな。結婚してからも」

「う……だって……っ、ん……っ!?」

くたっとベッドに体を預けるティアナと、むくっと体を起こしたヴァイス。
力の抜けたティアナの体をヴァイスは抱えるように起こし、背中側からティアナの首筋をついばんでいく。
片手でティアナの体を支え、空いた手で器用にティアナの制服の中をまさぐっていた。

「あの、ヴァイスさん……脱がせて、んっ……帰ってから、着替えてないし……っ」

「待った、このままでいい」

「え、何で……っうあぁっ!?」

ヴァイスがティアナの黒い制服のボタンを外し、首元のタイも外してしまう。。
シャツから見える胸元をさらにはだけさせ、薄い黄色のブラジャーに包まれた乳房だけを出すような格好になった。
形の良い乳を、下からブラジャーごと持ち上げるように愛撫していく。

「執務官の制服のままで……なーんてシチュエーション味わえる人間、そういねぇからな」

「んうっ、は、ぁ……ヘンタイ」

その間も、ティアナの顔を中心にキスを繰り返すヴァイス。
時折唇を重ね、手と舌の二段構えでティアナの性感を高めていく。
ティアナとヴァイスが機動六課時代に付き合い始めてかれこれ4年が経つが、
いつまで経ってもセックスの主導権はヴァイスががっちり握って離さないのであった。

「変態で結構。それに……」

ヴァイスがティアナの後ろへ回り込む。
ヴァイスの手が上半身から下へ降りていき、ティアナのスカートの中へと消えていく。
黒いストッキングの中の下着へとするりと入り込んだ手が、火が点いたように心が昂ぶっているティアナの秘部を探る。
ごつごつしたヴァイスの手が下腹部を這い回る感覚に、ティアナは思わずビクンと体を震わせた。

「あ、ひぁ、あぁあっ……!! っあぁああっ……」
504CRR:2008/09/09(火) 02:41:36 ID:us7Y+Dpe
手のひらでティアナの秘部を被うように捕えたヴァイス。
人差し指と中指だけ曲げて、ティアナの花芯への侵入を試みる。
意外とすんなりとヴァイスの指を受け入れたティアナの秘部は、触らずともすでにじんわり濡れていた。

「……その変態な俺を受け入れるのはどこのどいつだ?」

ヴァイスは手を抜き取り、やや粘り気のある愛液を人差し指と親指の間で転がす。
その手は、顔をすっかり赤くしたティアナの目の前に持っていかれた。
意地悪な成分が含まれた声で、ヴァイスに囁かれながら自分の痴態を見せられたティアナは、
いい様に弄ばれる悔しさを少し涙目になりながら頬を膨らませる事で表現していた。

「……相変わらず、バカ……」

「お前も相変わらず素直じゃねぇな」

「ひ……っ!? んぁ、ぅ……!!」

ティアナをベッドに寝かせ、ヴァイスが本格的に攻めを開始した。
はだけた制服から出ている、胸の先の突起にしゃぶりつく。
口を付けていない方の突起は、指先でコリコリと転がす。
空いたもう片方の手は、太腿の内側をゆっくりと這わせていった。
ヴァイスの動作一つ一つが、じわじわと、しかし確実にティアナの体を刺激していく。

「ん、ひっ、あ、ぁあぁっ……んぅぅうっ」

始めはヴァイスの舐めた所だけ唾液で濡れていたティアナの肌に、直にティアナ自身がかく汗で濡れる部分が現れてきた。
へそ周辺のラインにはうっすらと玉の汗が浮かび始め、夕日と部屋の明かりに照らされる。
赤く染まった顔にも汗が浮かび、段々とティアナの声に余裕が無くなっていく。

「ん、そろそろ……」

「え……っあ!! はあぁぅぅっ!? あぁあぁぁああぅあっ!!」

不意にピリッと全身を走った快感に、ピクンとティアナの体が少し跳ねた。
チュポンと音を立ててヴァイスは乳首から唇を離し、黒いストッキングと黄色いパンツを脱がせる動きに入る。
ヴァイスが器用に手を使うことで、スルスルとティアナのなめらかな脚を滑っていくストッキングと下着。
最後はティアナも少し脚を動かしながら手伝い、上手く抜き取られた。

「ん、くぅうぅっっ……っは、あぁぁっ!!」

「……すんなり入っちまったな」

ヴァイスは改めて二本の指をティアナの秘部へと忍ばせる。
先ほどから続けられている愛撫で、すっかり体の筋肉が弛みきっているティアナ。
それは秘部も例外ではなく、愛液による潤滑も相まって二本の指をすんなり受け入れた。

「あ、っ……!! くぁ、あぁああうあぅぅっ……!!」

ゆるゆると蕩けるような力加減で、ティアナの膣の肉がヴァイスの無骨なシルエットの手を締め付ける。
ヴァイスの人差し指と中指がじわじわと焦らすような動きで、ティアナの最も感じる所を探り当てようと膣壁を擦りあげる。
ティアナは喘ぎ声をなるべく出さないように歯を食いしばるが、
その努力がまったく感じられないほど、ティアナの口から頻繁に漏れる喘ぎ声は大きかった。

「う、ぁ……っ!! あああんぅっ……!! っあ!!」

ティアナの体がピクンと跳ねる。
そのままガクッと体をベッドに預けたティアナからは、明らかに絶頂を迎えた事を示す興奮した息遣いが感じられる。
少し目に涙を溜めながら、頭を力なく横たえていた。
505CRR:2008/09/09(火) 02:44:41 ID:us7Y+Dpe
「は、ぁ……っはー……はー……ぅ……」

「よし、そろそろか」

そんなティアナの光景を見て、ヴァイスは準備万端な事を確信した。
自分の手に付いたティアナの愛液を少し舐め、ヴァイスは下半身に身に着けているものを脱ぐ。
すでにスタンバイ状態のモノで、ヴァイスはぬるぬるとしたティアナの秘唇を直接擦り上げる。
たまにクリトリスに触れると、小さな喘ぎ声と共にティアナの体がピクンと跳ねた。

「く、ぁぁあっ……!! んぅぅっ、あ……んっ……!!」

十分に愛液がまぶされた肉棒が、ゆっくりと秘唇に飲み込まれていく。
すっかり出来上がった膣はあっさりとヴァイスを受け入れ、さらにちょうどよく締め付けてくる。
受け入れる側のティアナにも、挿入によって与えられる快感が大きな波のように襲って来ていた。

「ん、ああぁぁああああぁぁっ……!! っあぁあぁあぁ……」

ティアナの口から漏れる喘ぎ声は、明らかに蕩けていた。
心の奥で待ち望んでいたモノをしっかりとくわえ込み、ピクピクと痙攣する膣内。
軽く絶頂を迎えた膣の感触を、ヴァイスはしっかりと味わっていた。

「うぉ、お前……さすがに敏感すぎるだろ……っ!!」

「あ……だって、ぇ……」

玉の汗が浮かぶティアナの顔に、普段のきりっとした表情など微塵も見られない。
口をだらしなく半開きにし、歓喜のあまり紅潮した頬に涙の筋を作るその光景を見ながら、
ヴァイスはティアナに『ある提案』をした。

「……なぁ、ティアナ」

「ぅあぁ……な、に……? ヴァイス、さん……」

「子供、欲しくねぇか?」

「……へ!?」

あまりに唐突なヴァイスの言葉に、快楽に緩んでいたティアナの意識が一気に覚めた。
ベッドに預けていた頭をガバッと起こし、やや混乱しながら話を続ける。

「な、こ、こここここっこっこ、子供っ!?」

「そろそろじゃねぇかなって思ってよ、家族が増えて、家庭を作っていく……そんな頃合」

子供が欲しいと思った時が、まさに子作りのちょうどいいタイミング。
最近のヴァイスの意識の中には、必ず子供の事があった。
特に街中で楽しそうに歩く親子を見たときなど、嫉妬の感情すら覚えるほどであった。

「か……ぞ、く?」

「おう。俺と、お前と、俺とお前の子供」

「……………」
506CRR:2008/09/09(火) 02:47:34 ID:us7Y+Dpe
一方のティアナは、ヴァイスの言葉の中の『家族』『家庭』という単語に敏感に反応していた。
唯一の肉親である兄・ティーダを亡くしてから、だいぶ時間が経った。
兄の夢を追っていた少女はすでに夢を叶え、さらに失った物を自ら作り出せる立場にあるのだ。

「家族、か……」

「……どうだ?」

それを意識すると、ティアナの心の中にも子供に対する強い願望が現れてきた。
ヴァイスがさっき言い放った提案に、ティアナが了解を出す。

「欲しい……かも。私と、ヴァイスさんの血を引いた、私達の子供……」

「よし、そうと決まれば……!!」

「え、っああぁぁぁうああっ!?!? あぁあああっ!! ちょ、ああぁっっ!!」

それを聞くや否や、ヴァイスは早速腰を使い始めた。
腰を掴み、パンパンと音を立てながらヴァイスのピストン運動が続く。
軽い絶頂を迎えていたティアナの膣壁を擦り上げ、翻弄する。
あっあっ、とピストン運動にあわせて小さく喘ぐティアナの耳に、ヴァイスが口元を近づけた。

「お前、確かそろそろ危険な日じゃなかったか?」

「え、そんなこと言ったって、ぇえっ!! 最近不規則だからそんなの信用できないっっ!!」

セックスは幾度と無く行ってきた二人。しかしそれはあくまで『恋人同士の愛情確認』としての行為であった。
『生殖行為』という本来の目的に沿ったセックスは、これが初めてかも知れない。

「いや……何となく、今日なら種付け出来そうな気がする」

「種付け、ってそんな……あぁぁああっ!! ろこ、つ……過ぎる、ぅううっ!!」

妊娠の心配が無い……言い換えれば妊娠させる事が目的の今日は、ヴァイス・ティアナ共に心構えがいつもと違っていた。
ヴァイスにしてみれば、ティアナの子宮目がけて思いっきり射精が出来る。
ティアナにしてみれば、ヴァイスの精液を一滴残らず体に吸収出来る……?

「露骨って言っても、っ……ホントのことだから仕方ねぇだろ、っ!!」

「うぁぁあぁっ、ああぁぁっ!! ひぅぅっ、あああぁあんっ!!」

コツコツと子宮口をノックするような動きが、ティアナを確実に捕えていた。
しわくちゃになった執務官の制服から覗くティアナの脚や胸に、汗が滲む。

「うっ、行くぞティアナ……一発目だ、っ……!!」

「うぁぁあぁあ゛あぁっ!? あぁあ゛ぁぁぁ……っ!!」

ピッチを限界まで上げたヴァイスの腰の動きが、ヴァイスの呻きと共に止まる。
力強く打ち付けた腰を震わせ、精嚢から湧き上がる欲望をティアナの子宮に注ぎこむ。
その感触に、ティアナは口をパクパクさせて体を震わせ、全身で快感を表現していた。

「あぁぁあああぁ……はあぁぁっ……うあぁあぁぁぁ……」

「ふー……、流石に結構出たな……」
507CRR:2008/09/09(火) 02:50:18 ID:us7Y+Dpe
「あ……はぁ……ぁ、ヴァイスさん……『一発目』、って?」

「ん? いや、これ一発で妊娠するとは到底思えねぇからな」

ガクガクと震えるティアナの太腿に、力は入らない。
霧がかかったかのように頭がボーっとするティアナにも、しっかりとヴァイスの言葉は入ってくる。

「正直溜ってるし、今日はとことん行くぜ?」

「え、あ、えぇええぇぇぇっ!?」

いつまで経っても、慣れた手つきのヴァイスからの愛撫も、するセックスも慣れないまま。
おまけに今日は『子作りモード』とでも言えばいいのか、いつもとオーガズムの感触が違う。
そんな体に、さらに肉棒を突きたてられたら一体どうなってしまうのか。
ティアナはこれから起こるであろう二回目の生殖行為に、恐怖さえ感じていた。

「さて、やっぱり種を子宮に溜めないとな」

「え、ちょっと……きゃあぁぁああっ!?」

力の入っていない体を持ち上げるのは少々辛かったが、
それでも比較的あっさりとヴァイスはティアナの体をひっくり返した。
まんぐり返しの体勢にすれば、ぐちょぐちょに濡れて物欲しそうにヒクつく女性器と、
快感で何も考えられなさそうな緩んだティアナの顔を同時に拝むことができる。

「や、っ!! こんな体勢、っ……やだ……」

「ほぅ? なら……」

ティアナの哀願を遮るように、ヴァイスは自らのモノをティアナに改めて突き刺した。
さっき一発放った精液と、ティアナ自体の愛液が混ざり合った潤滑液がアシストして、
既に硬さと大きさを取り戻した肉棒はぬるりとティアナの膣の中に飲み込まれていった。

「は、あぁぁっ……あぁぁぁああぅぅっ!?」

「うっ、これは……いい具合だぜ、ティアナ……っ!!」

膣内をカリで擦りあげながら一気に子宮口まで亀頭を届かせると、それだけでティアナの意識が軽く飛んだ。
膣壁のぬるぬる加減とキツイ締め付けが、絶妙な快感をヴァイスに与える。
ひっくり返らないようにティアナの脚をしっかりと持ち、ヴァイスがピストン運動を再開した。

「ひ、はぁぁああぅっ!! んぁああっ!! ひゃああぁっ!!」

愛液と精液でヌラヌラと光り、泡だった液を糸を引いて巻き込む肉棒を、秘唇が飲み込んでは吐き出す。
ぐちゅぐちゅと淫らな音を立てながら出入りするヴァイスのモノを、目の前ではっきりと捕えざるを得ないティアナ。
窮屈な姿勢に折りたたまれ、顔に愛液が飛び散ってくるのではないかと思うくらいの距離で挿入シーンを見せ付けられる。

「ひ、ぃいいっ!! 激しく、っ!! しないでぇえっっ!! 壊れちゃうぅぅっ!!」

いやらしい音、いやらしい光景、部屋に充満する雄と雌の匂い、ゾクゾクする快感。
それら全てが、ティアナの理性を少しづつ剥がしていく。

「壊れりゃいいさ……っ!!」

「っくあぁぁっ!! や、だあぁぁあっ!! ひあぁぁああっ!!」

歯からガチガチと音を立てて快楽に耐える、ティアナの蕩けた顔を見下ろしながら、ヴァイスは上から腰を突きこむ。
自分の精液がティアナの子宮にたっぷり溜まるように、それがやがてきっちり受精できるように。
快感に流され訳が分からなくなっている伴侶のあられもない姿が、ヴァイスの射精衝動をさらに高めていた。
508CRR:2008/09/09(火) 02:52:15 ID:us7Y+Dpe
「うぉぉっ……行くぞ二発目、っ!!」

限界まで精子を我慢し、ヴァイスが最後の一突き。
パチンと腰同士が当たり、そのままぴったりと固定される。
一回目の射精とほぼ変わらない量の精液が先から発射され、またティアナの膣内を白く犯していく。

「っはぁぁぁあっっ!? イ、くぅぅぅううぅぅっ!!」

足の先をまるで足が吊ったかのようにピンと伸ばし、ティアナも絶頂を迎える。
口からは断続的な声を漏らし、オレンジ色の長い髪はすっかり乱れている。
強烈な快感にティアナの目は虚ろになり、意識をふと手放しそうになる。しかし。

「「は、あ゛あぁあ゛ぁぁぁ……ぁ……ん、ぅうぅううっ!?」

ヴァイスがいきなり、ティアナの口内に舌の侵入を試みる。
口を性器に見立てたかのような、ヴァイスによる執拗な愛撫がティアナの意識をたたき起こす。
そのまま二人とも余韻に浸りながらしばらくの間ディープキスを続け、やがて口が離れる。

「……っぷは、なーに寝ようとしてんだ」

「んはっ、あ、そんな……別に私は……っ」

「ほれ、尻上げろ」

「ひゃぁぁっ!? こんな、ぁ……っ!!」

まだ覚めたばかりで思考が固まらないティアナに、うつ伏せになって尻を掲げるように指示するヴァイス。
犬のような体勢にされたティアナの秘部に、ヴァイスのモノが本日三回目の侵入を果たした。






―――――数時間後。
ベッドに仰向けに寝るヴァイスの体の上に、ティアナがこれまたぐったりと仰向けになって体を預ける。
二人の性器はしっかりと繋がったままで、激しくは無いもののピストン運動は続けられている。
既に二人とも生まれたままの姿になり、汗で少し滑りやすくなった体同士をくっつけ合っていた。

「あ……ぁぅ、あ……っ、あんっ……」

汗が滑るティアナの下腹部の中には、すでに何回もヴァイスの精が放たれた。
まるで、キュンキュンと子宮が動くかのような感覚を感じるティアナ。

「ひぅっ!? や、ヴァイスさんっ、お腹……撫でないで……っ!!」

ピストン運動を止め、下腹部をヴァイスが手のひらでさするだけでビクンと体が痙攣する。
四肢に力は入らず、おまけに汗やいろいろな汁が肌を伝うティアナ。
ヴァイスのたくましい体に全てを預け、されるがままにピストン運動を受け付け、
精液が放たれるたびに軽く意識を飛ばす事を繰り返していた。

「ほーう? なら……」

「ひっ!?!? あ……っく、イ……くぅ、っ……!! でて、るぅ……」

射精する時の男性器のピクピクした動きも、全てティアナの意識に快感として送り続ける膣壁。
ティアナ本人の意識とは裏腹に蠢き、ヴァイスの精を根こそぎ搾り取ろうとする。
509CRR:2008/09/09(火) 02:54:48 ID:us7Y+Dpe
「相当キマってるな……」

「あっ、くぅ……だって、っえ……ひゃぁぁっ!?」

ティアナの体を持ち上げ、ヴァイスが姿勢を変える。
ちょうど向かい合って繋がる形、いわゆる対面座位の姿勢をとった。
ベッドに座るヴァイスの上に膝をついて跨り、腕を背中までまわす。
独特の密着感で安心できるらしく、ティアナお気に入りの体位の一つである。

「こんなに挿されっぱなしじゃ……体、熱くて……止まらなくて……」

「……そうか」

ヴァイスの体にしがみ付き、ティアナが荒い息に混ぜて言葉を発する。
無意識の内に腰をグリグリと押し付け気持ちいい場所を探すティアナの動きを感じ、
ヴァイスのモノはさっき出したばかりにもかかわらず、ティアナの膣内でまた硬さを取り戻す。

「え、ヴァイスさん、あの……もしかして、まだ元気?」

「おう、どっかのエロい嫁さん見てたら、尚の事今日で孕ませたくなったんでな」

心のヴェールを全て剥ぎ取り、本能のまま快楽に身を任せているティアナの姿が、ヴァイスを一番興奮させる。
昔からそうであったし、もちろん今でもそうである。
いつもは真面目で少々とっつきにくそうなティアナが、惚けた顔をして自分の腰の上で踊る。
そんなギャップが、ヴァイスにたまらなく愛しい気持ちをもたらしていた。

「えっ、ちょ!! あぁあぅっ!! あはぁぁああんっ!!」

ヴァイスはティアナの腰に手を回し、ティアナの腰使いの手助けをした。
肉棒が敏感な膣内をこすりあげ、さらにティアナの体を追い詰める。

「ひはぁぁぁぁあああっ!? あたって、る、ぅうぅうっ!! ゴツゴツって、えぇぇぇっ!!」

上手い具合に敏感な部分を捉えたのか、ティアナの媚声が一段と大きくなった。
ヴァイスの頭を自らの胸に抱え込み、断続的に声を上げる。

「やぁああぁっっ!! あんっ!! あぅぅぁあああっっ!!」

「ティアナ、どうだ……っ!! イイか……!?」

「っはぁぁあああっ!! イイでぅ、っ……イイですっ!! 気持ちいいですっ!!」

子宮の中に留まっていた精液が、重力に従って奥から逆流してくる。
それはピストン運動の潤滑剤となり、膣の中でグチュグチュとかき混ぜられる。
すでにぬるぬるの膣内がさらにぬめり、ヴァイスのモノに飽きることの無い快感を送っていた。

「ひゃめ、イくっ!! イきっぱなし、にぃいっっ!! なっちゃ、うぅぅぅ……っ!!」

「垂れてるぞ……っ、もっと締めろ……!!」

「え、っあ、そんなことっ、言ったって、ぇえぇっ!!」

ヴァイスからのやや無茶な注文に文句を言いながらも、ティアナは下腹部に力を込める。
膣の肉がきゅっと締まり、結果的にヴァイスの射精を促す動きになる。
ティアナの白い臀部にヴァイスの手が伸び、がっちりと掴まれる。

「ひぐぅぅっ!? あっく、ぅぅうっっ!!」
510CRR:2008/09/09(火) 02:58:08 ID:us7Y+Dpe
「よし、っ……!! もう一発イクぞ……!! 膣内に……っ!!」

「ん、ぅううぅっ!! 来てっ、きて、っああぁああ゛あ゛あっ!!」

逃げ場が無くなったティアナの腰がぐりぐりと押し付けられ、同時にヴァイスが果てた。
子宮口とピッタリと繋がった肉棒の先からの、何億という数の子種を含んだ白濁液のゼロ距離砲撃。

「ひぁぁああっ……!! あはあぁっっ……んあ……ぁ……」

「う、ぉおおっ……搾り取られて……っ」

ティアナの体に刻まれ生殖本能が、精液を吸い尽くそうとする。
子宮口は亀頭に吸い付き、最後の一滴までキュンと吸い取る。
その感覚に、ティアナはまた絶頂を迎えた。

「はー……は、ぁ……はー……たまってる、びゅーって……でてる……とまらない……」

ヴァイスの耳元に熱い息をかけながら、口元を快感でガクガクさせながらティアナが感想を漏らす。
自分の膣の中がさらに白くなっていく様子を想像しながら、もう一度軽く果てる。

「おなか……ちゃぽちゃぽ……孕んじゃう、ぁ……はぁ、っ……」

7回、いや8回分だったか。
妊娠させるべく放たれた精液が溜っているのを意識しながら、
ティアナはボーっとした頭から辛うじてそんな言葉を紡ぎだした。






それからさらに数時間。あと2時間ほどで朝日すら拝めそうだ。
ベッドの上には、未だに繋がりあったままの二人が寝転がっていた。

「……立てない」

「俺もだ」

あれから、二人はの行為はさらにヒートアップ。
『シャワーを浴びてなかった』と言うことで一緒に浴室に入り、二人でシャワーを浴びながら立位で一発。
さらにバスタブにティアナの両手をつかせて、

『突っ込んでるだけじゃ芸が無ぇ』

というヴァイスの訳が分からない意見により、ティアナの秘部を激しく指で攻め、潮を盛大に吹かせた。
あまりに弄りすぎたのか、ヴァイスが二本の指を勢いよく抜いた瞬間、ティアナは黄金色の液体まで噴き出した。
イきすぎて、ヒューヒュー息をしながらぐったりとしたティアナの体をひっくり返し、バスマットの上で正常位でさらに一発。
ベッドに戻ってからは思いつくままに体位を変え、試し、その都度しっかりと膣内射精。
最後には二人とも腰が立たなくなり、今はティアナの後ろからヴァイスが挿したままでゆるゆるとしたセックスを味わっていた。

「腹減ったけど、これじゃデリバリーすら呼べねぇなぁ」

「うーん、こんな姿見られたくない……」

「下っ腹には溜まってるがな」

「あっ、くぅぅっ……!! んぁ、触ったら……っ!!」
511CRR:2008/09/09(火) 03:00:46 ID:us7Y+Dpe
ぴったりと肉の棒で子宮口に蓋をされ、精液は一滴も外へ出ようとしない。
ティアナは、下腹部にヴァイスから放たれた子種が蠢いているような感覚を感じっぱなし。
たまにヴァイスが腹をなでると、先程ほどでは無いがピクッと体を反応させる。

「んは、っ……ねぇ、ヴァイスさん……」

「ん? どうした」

段々と落ち着いてきて、ティアナが話題を振る。
後ろから抱きしめ、顔を合わせないままで、ヴァイスはその話題に耳を傾けた。

「もし本当に子供ができたとして……大丈夫かな」

「何がだよ」

「私、本当に母親としてやっていけるのかどうかって」

「……………」

そのまま黙ってしまうティアナ。
母から受けた愛は、幼い頃のわずかな記憶の中にしか無い。
兄から、友から、そして夫からの愛情とは質が違う母の愛情を発揮できるのかどうか。
ティアナは不安で仕方なかった。

「ティアナ、悪い癖出てるぞ」

「へっ!?」

そんな不安を抱くティアナを、ヴァイスは後ろから抱きしめる。
―――――もう劣等感や余計な不安を抱かなくてもいいくらい、お前はデキる奴だ。
そんな思いを込めて、回した腕に少し力を込めた。

「俺もちゃんと力貸すぜ? もっと肩の力抜けよ」

「あ……」

初めから優れた人間なんてそうそういないのだ。
ふとティアナは、かつて六課時代になのはがヴィヴィオとの接し方に苦戦していたのを思い出す。
誰だってきっと最初は手探りで、徐々に慣れてくるはず。

「まぁ、俺も『父親』初体験だし、どうなるかはやってみねぇと分からんがな」

「……うん」

ゆっくりでも確実に成長できればいい。周りに助けてくれる人がいればさらに心強い。
そのための人生の伴侶なのだろうから。
ティアナは背中にヴァイスの温もりを感じ、とても穏やかな気持ちに包まれながら、
いつのまにか疲れも手伝って、繋がったまま目を閉じてしまった。







512CRR:2008/09/09(火) 03:03:21 ID:us7Y+Dpe
―――――それから2ヶ月後。

ポートフォール・メモリアルガーデンを覆う空は若干明るんできたものの、まだ肝試しができそうなほどの暗さだ。
そんな朝も早いうちから、墓石に向かってしゃがむ人影があった。断じて幽霊の類ではない。
その人影の後ろへ、もう一つの人影が近づいてくる。

「……誰?」

「……えへへ、流石にバレちゃったか」

「バレたも何も無いでしょ? 足音で気配なんかバレバレよ」

近づいてきたのは、銀色の管理局の制服を纏った、紫がかった青色の髪の女性だった。
しゃがんでいた方の女性に近づき、パートナーとの再会を喜んでいた。

「まさかこんな所でこんな時間に、ティアと会えるなんて思わなかったよ」

「スバルこそ、何でこんな朝早く……と言うか夜が明けないうちにここに来たのよ?」

どこで買ったのかは分からないが、ちょっとした花束を抱えたスバル・ナカジマが、
ティアナのいるランスター家の区画にやってきた。

「昨日がちょうど母さんの命日だったんだけど、急に出動になっちゃって。今任務から上がって来たとこなんだ」

「なるほど、できるだけ早くお母さんと話がしたい……と」

「えへへ、まぁそんな感じ。で、ティアこそ何でこんな朝早くから?」

特別救助隊の激務に追われながらも、疲れ一つ顔に出さず笑みを浮かべるスバルを見ると、
ティアナまで釣られて自然と笑みがこぼれる。
共に訓練校や機動六課での日々を過ごした大切な友が、充実した日々を送っているようで何よりだった。

「……ん、ちょっと早めに報告したい事があってね。今日朝イチでミッド離れて、しばらく別次元で長期任務だから」

ティアナは改めてしゃがみこみ、手を合わせ墓石に向かう。
しばらく目を閉じた後スクッと立ち上がると、スバルの質問が飛んできた。

「……ねぇ、報告っていい話?」

「まぁ……いい話よ」

ティアナが無意識のうちに、自分の下腹部に目をやったのをスバルは見逃さなかった。
ずずいっとティアナに寄り、目をキラキラさせたままティアナと向かい合った。

「もしかして、妊娠……した、とか?」

「えっ!? な、なななななななな……!?」

問い詰めると慌てたティアナのリアクションだけで、スバルは全てを把握した。
あの日、散々ヴァイスから精液を注がれたティアナは見事に懐妊。
つい先日、仕事中に急に気分が悪くなり、検査を受けた時に発覚したばかりである。

「そっか!! ティアがお母さんになるんだ!! やっほ―――――!!」
513CRR:2008/09/09(火) 03:07:37 ID:us7Y+Dpe
まるで自分のことのように喜び興奮したスバルは、思わずティアナの両手を握り、自分を軸にしてぐるぐると回り始めた。
当然、ティアナはスバルに振り回される格好になる。

「あはははっ!! やった!! やったねティア!!」

「ちょっ……いいから降ろしなさいこのバカスバルっ!!」

豪快に空中高くティアナを振り回すスバル。
吹っ飛ばされそうなほど勢いよく振り回されてはたまらない。
ティアナの切実な訴えを聞いて、慌ててスバルはティアナを降ろした。

「ったく、アンタねぇ……」

「はは、ゴメンゴメン」

ふと、辺りが明るくなる。
日の出の時刻を迎えたミッドチルダを照らす、明るい太陽が顔を出した。
暗い空と朝の日の光がもたらすコントラストに、スバルもティアナも暫し心を奪われる。

「うわ、ぁ……」

「綺麗だねー……」

しばらく朝日が昇る様を見ていたスバルが、横に立つティアナの方を向き、
昔のちょっとした思い出を語りだした。

「……ねぇ、ティア」

「何よ」

「六課時代にさ、八神部隊長に『私たちの名前』の第97管理外世界での意味、教えてもらった事覚えてる?」

「えーっと……『スバル』は有名な星団の名前で、『ティアナ』はどこかの言語で『夜明け』……だっけ?」

「そう! この朝日見てたら、なんかその話思い出しちゃって」

徐々に太陽が顔を出す。
長い夜を超え、今日もミッドを明るく照らすだろう。
その朝の光を見ながら、スバルはさっきの『名前の意味』と自分達を当てはめてみた。


―――――自分は、暗い闇の中でさえ、負けないくらい明るい光を放つ星に。
―――――ティアナは、長い闇を乗り越え、今日の朝日のように次元世界を明るく照らす存在に。


「……なーんてね」

「スバル、アンタ何独り言しゃべってるの?」

「ん〜? なーいしょ♪」
514名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 03:08:07 ID:768Y0P3I
死炎
515CRR:2008/09/09(火) 03:10:09 ID:us7Y+Dpe
そんな名に恥じない人物になれている……のかな? などと思いながら、
スバルはすっかり一人前となった親友の顔を見て笑った。






お互いに帰る時間がやってきた。
エルセアからクラナガンまではかなり距離があるが、転移魔法があれば一発だ。
別れる前に、スバルがティアナに一つ質問をした。

「……ねぇティア」

「何よ?」

「今、幸せ?」

「……なっ、何聞いてんのよ!?」

「いいからいいから〜!! どう?」

いきなりと言えばいきなりな質問に、顔を赤く染めながら驚くティアナ。
それでも、スバルにせがまれては敵わない。
ティアナは、ずいずい迫るスバルを『ちょっと離れなさい』と一喝し、






「―――――決まってるでしょ?」






口ではっきり返答する代わりに、満面の笑みをスバルに見せた。





おわり。
516CRR:2008/09/09(火) 03:11:29 ID:us7Y+Dpe
以上です。長くなる旨を予告し忘れてしまいすみません。
いろいろ詰め込んだものの、とにかくティアで孕ませ物がやりたい一心で書いた。
やっぱりティアは翻弄されてもてあそばれているのが萌え(ファントムブr

ではさようなら!


追伸 司書長の方々へお願いがあります。

@私のヴァイ×ティアSSで共通世界の作品を全て絡めたいと思うので、

・〜ティアナの課題〜 
・〜努力の少女〜 
・〜初恋の味は塩味〜(アルトメインですが同一世界観なので) 
・〜ストームレイダーより愛をこめて〜 
・〜あなたが目を覚ますまで〜
・〜Tear's night〜

をまとめて「Blessing to "TEANA"」(かぎカッコ無し)と言うタイトルの長編扱いにしてください。

A【スバル02式はダッチワイフなの!】を「スバル02式」(かぎカッコ無し)に変更してください。

わがままで面倒なお願いではありますが、時間がある時によろしくお願いします。
いつも保管ありがとうございます。
517名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 03:49:10 ID:KsDqvdxD
>CRR氏
お疲れ様でした。GJ!
やはりラブラブ孕ませエロは良いものだ…

なのユー孕ませエロ電波が1回降って来たが
続きの電波が来ない…
518名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 08:51:01 ID:H1QKWWx7
エロい!エロすぐるぅ!
519名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 08:58:20 ID:AJa6KMJU
B・A氏GJ!!
そして本当にお疲れ様です
今回の戦いは色んな意味でヴィヴィオにとっての試練だったと思います
でもその試練を乗り越えたからこそ、きっと本当の意味での聖王になれるんじゃないかと思います

そしてエリオ夫婦の初々しかったころの初体験話がものすごく見てみたいです!
520名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 09:50:30 ID:RKRqJJGC
GJ!
521名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 09:52:48 ID:uOqPiX6L
GK!
522名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 18:22:32 ID:pphgyNCF
さてと乙するか
523名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 19:37:23 ID:+ymwUuVA
>>516
CRR氏だ!
総員ティッシュを準備!
対孕ませエロ態勢!!!

いや〜〜、
エロイは幸せそうだわで俺の股間も大変だw
あとヴァイス溜めすぎに吹いた。
ティアナも子宮に注がれて溜まっているのを感じる様はほんとに幸せそうだ。
ラグナもお姉ちゃんになれて嬉しそうな感じがするぜ!

うんナニが言いたいかと言うと、『ラヴラヴ孕ませエロ最高』
これに尽きる。
あの孕ませ大災害も、次世代ネタも大好きだ。
524名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 19:45:13 ID:qRJVlPz6
三人娘+ユーノ・クロノが夏祭りに行ったり
車でスキー行ったりする電波を受信したが、件名だけど本文がなかった。

いわゆる五人組によるリア充生活です。スケベな方向じゃないぞ!
525名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 20:54:34 ID:X1PgdRHJ
>>524
日常を描くならアリすずも入れてやってと思ったり
526名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 21:00:19 ID:c/81XxnX
>>525
別に日常って訳じゃないんじゃない?
>>524がそのカプが好きってだけでしょう
527名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 21:44:56 ID:3/HAefzu
カプっていうか管理局勤め組だろう
528名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:30:45 ID:khutJ20A
さっき電波を受信したんだ。
ある人物が病んでエリオを独占するためにフェイトとキャロを殺してエリオが復讐の鬼になるという話。
犯人はエリオが自分を追ってくる動機を増やすためにスカも脱獄させて、エリオはもしかしたらスカなら2人を蘇生させられるかもと思って
犯人を追いかけるんだが、犯人はエリオの目の前でスカも殺してエリオの心を全部独占するって話なんだ。

これどうすれば良いんだ? 今まで、救いのない話なんてこれっぽっちも書いたことないんだけど。
529名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:33:14 ID:F/Zy+U3+
>>528
犯人はルーテシア。

まで読んだ。
530名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:34:10 ID:OFs/JM33
>>528
ここで聞くぐらいなら書け。そして自分で確かめろ。需要ならある
531名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:37:12 ID:rFZ+C3ug
というかいちいち電波受信したとか報告しなくていいから
532名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:53:21 ID:F/Zy+U3+
>>531
あ、でも結構ネタになるから重宝してます。すいません。
533名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:54:07 ID:I2Yzpjt2
>>483
完成お疲れ様です。
改めてルーテシアの騎士編から未来への遺産編までの奥深さに感動。
そこにアリシアの話も入るので更に奥深さが…
エリオの成長から始まって、悲しみと過ちを乗り越えて大人になってルーテシアとの間に子供ができて
ヴィヴィオはただ、今の自分さえ幸せならそれで世界がそのままでもいいと思ってたけど、苦しい思いや葛藤の果てに考えて成長して
本当に皆の歩んできた人生、未来への遺産が見れて良かったと思いました。
そしてエリルーのラブラブ話が見たいと思うのもごく当然の反応だと思うんだ……

>>528
レッツチャレンジ!
需要ならあるぞ!
53469スレ264:2008/09/09(火) 23:27:39 ID:Cug5A2p1
>>516
修正しました。
あと質問ですがこの外伝で一応完結なんでしょうか?
535名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 23:41:58 ID:BopZfrlB
>>531
その意見は間違っていないと思うけど、続く>>532が作家さんのようだから
面目がw
こんなのってあったら面白いね。とかどう?聞いたりするのも場合によるけど役に立つみたいだ。
某所の雑談場所で会話している時のネタで短編を書く作家さんもいたし。
536名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 00:15:16 ID:2MC3ETRD
>>535
そういうのならわかるけど、自分が書くことを前提にして需要とか反応とかを探る人はちょっとどうかと思う
警告さえすればほとんどが許されるんだから態々「需要があるから」なんて言い訳せずに書きたい物を恐れずに書いて欲しい
自分が書くことを前提にしちゃったら他の人が同じネタを使いづらくなるしね
537名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 00:33:13 ID:YkiM0Pwu
確かに、ここはどんなジャンルだって、需要がないことなんてない気がするよ。
何せ、レジアスと触手とか最低主人公となのは達が一時期流行になるカオスの殿堂だものなぁw
ともかく、どんなダークモノだって最初の注意書きと文章自体が面白ければ受け入れられるだろうし。
ただ、書くなら需要があるのが書きたいと思うのかも。需要云々の質問はこれから書こうとする書き手の不安の具現なのかもしれない。



538CRR:2008/09/10(水) 01:56:45 ID:rkHWms0v
>>534
確認しました。
もしかしたら今後別の外伝ネタが浮かぶ可能性もありますが、
一応これで完結扱いにしてください。

素早い対応、ありがとうございました。
539名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 09:28:12 ID:jGIval/R
たった今思いついたんだが、はやてがユーノを拾う話って無かったよね?

……レイジングハートと闇の書の同時運用……鬼だ。
540名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 09:36:33 ID:RTx38Gzt
初期のはやては、
魔法使えなさそうだけど。
541名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 09:43:24 ID:M/1VV1c5
>>539
ちなみに、ここにないだけで同人誌化はされているが。
542名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 10:15:58 ID:ft45TfjG
>>540
リンカーコアが闇の書内部に格納されてるからな。
たぶん実際はRHと闇の書は択一なんじゃないかと思う。

どうせなら闇の書はなのはが持てばいいと思うんだけどな。
そうすりゃ家族から気にかけてもらえてなのちゃんのままでいられるし
闇の書繋がりで関連性もできてはやユーフェイはそれはそれで任せて
万事劇的ななのクロが(ry
543名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 10:54:59 ID:OTMQATOu
>>542
リリカルフェイトならぬリリカルはやてですねわかります
544名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 12:03:55 ID:N3gbDiQY
>>542
アイデアは良いが、最後の1行がな。
ここの職人でクロなのって言ゃぁ、ほら・・まぁ、あのお察しな方だし・・

何が言いたいかというとそこまで考えたんならぜひ本格的に書いてくれ
545名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 13:55:42 ID:7z2lvjVV
>>543
リリカルはやてという同人小説が実際にあるぞ

というかなのはとはやての立場が逆なssとかはエロパロには無いが探せば結構ある
このスレでも誰かが書くってんなら歓迎するけども
546名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 19:20:32 ID:RTx38Gzt
でも、大阪弁は
基本サブキャラだからな……。
メインは厳しい。
547名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 19:20:37 ID:jS00e9Wx
>RH、闇の書が逆に
なるほど、つまりこういうことか

●はやて
家族生存、足の障害無し
ユーノを拾ってフェイトとバトル

●なのは
父親死亡のうえ、兄と姉本当は実兄と実姉じゃない
兄のヒザ故障
アルバイトの拳法家と空手家は注意しないとしょっちゅう屋内バトル


こりゃ〜闇の書の守護騎士たちも大変だわ!!
翠屋の手伝いにおおわらわだな。
とりあえず5人も“お手伝い”がいればだいぶ助かることだろう。
だが、一回はシャマルを調理場に立たせて地獄を見せてみるのも良いw
548547:2008/09/10(水) 19:23:45 ID:jS00e9Wx
五人じゃねえ!
四人だったorz

リィンフォース引っ張り出すのは序盤ではイロイロマズイか!?
549名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 19:31:10 ID:RTx38Gzt
そう言えば、
何で終盤しか出れなかったんだっけ?
忘れた。
550名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 19:44:25 ID:UUz+mK9R
>>549
実体化には400ページと主の承認がいるから。
はやてが蒐集の事実を知らない以上出てこられるわけがない。
551サイヒ:2008/09/10(水) 20:41:22 ID:x4aZa3Mm
生存報告がてら、書きかけのソープナンバーズなど。

ソープナンバーズメインはセイン。
前後編で前半部分はエロ無し。後編はエロばっか(の予定)。
他の姉妹ではドゥーエ姉さまの出番多目ですが、こちらもエロはございません。
552肌触れ合うも多少の縁:2008/09/10(水) 20:42:14 ID:x4aZa3Mm
 ソープナンバーズの休憩室では、今日も戦闘機人姉妹の元気な声が響いていた。

「ん? ノーヴェなに持ってるんスか?」
「な、なんでもねえよ。あっち行けってば。……こらっ! 見るなっつってんだろっ!」
「ほほう、映画のチケットッスか。しかも二枚。誰といつ行くんスか?」
「そ、それはだなぁ……。ディエチとだよ! 今度の休みに行こうって決めてて……」
「ディエチならその日はお客さんとデートのはずッスけど?」
「ま、間違えたセインだセイン!」
「ノーヴェはこう言ってるッスけど、本当ッスか?」

 話を振られたセインは、飲んでいたピーチジュースを口から離して答えた。

「いんや。私ノーヴェと休み被ってないし、ノーヴェが映画行くなんて今初めて聞いたけど」
「くっ……。別に誰と映画に行こうがウェンディには関係ないだろ!」

 開き直るノーヴェの鼻の頭を、ウェンディは楽しそうに小突く。ノーヴェは邪険に振り払うが、その程
度で追求を止めるウェンディではない。

「ふふ〜ん。そろそろ白状した方がいいッスよ。陸士隊隊長さんと一緒に行くって」
「なっ、なんで分かる!?」

 怒鳴ったノーヴェが我に返って口を押さえるも、もう遅すぎた。

「いや〜、だってあのお客さん来た時はたいていノーヴェを指名して朝までコースだし、ノーヴェはノー
ヴェですごく嬉しそうな顔してプレイルーム行くんスから」
「嬉しそうな顔なんてしてねえ!」
「映画見に行った後は、レストランからホテルのコースとかッスか? それとも先方の家族にご紹介?い
やあ、次にあのお客さんが来たらお義兄さんって呼ばないといけないかもしれないッスね」
「黙れ、あたしだって知ってんだぞ! お前が最近陸士隊の兄ちゃんとデートしてんのは!」
「別にカルタスさんとは二回食事に誘われただけッスよ?」
「そういうのをデートだってんだよ!」

 やいのやいのとじゃれ合う妹達を特に止めようとも思わずジュースをすすっていたセインだったが、少々
いぶかしむことがあった。

(……あたしって、馴染みのお客さんいないよね)

 デートに誘われるとまでは行かなくても、名前を覚えて二回に一回は指名される客というのが、こうい
う商売をやってれば出来るものである。
 だがセインがこれまで相手してきた相手を思い出しても、自分にはそういう客の心当たりが無かった。
たいていの客は一度きり。
 セインだけ客の付きが悪いというわけではないだろう。各姉妹の売り上げは、高額な特殊プレイを専門
にしているドゥーエやクアットロを除けばほぼ同じぐらいのはずだ。

(なんでだろ? 接客のコツとかによるのかな)

 自分の客に対する態度を思い返してみるが、落ち度があったとは思えない。
 多少言葉使いが馴れ馴れしかったかもしれないが、それも愛嬌のうち。だいたいこんな場所で堅苦しい
しゃべり方をする方が客も嫌だろう。
553肌触れ合うも多少の縁:2008/09/10(水) 20:43:10 ID:x4aZa3Mm
(分かんないなあ……)

 首を捻れど答えは出ない。こうなれば誰か身近な相手に訊くしかないと思うセインだったが、そこでは
たと適任者がいないことに気づいた。
 ウーノは、店の拡張工事に伴う土建屋との交渉で不在。
 メガネは論外。間違いなく、散々からかわれておもちゃにされるだけだろう。
 トーレとチンクなら親身になって相談に乗ってくれるだろうが、だからといって具体的な解決策が出て
くるかといえば、二人の姉の性格からしてそうでもなさそうである。トーレもチンクも接客で愛想を言う
のは苦手らしく、時たまウーノに注意を受けていたりする。
 妹達に訊くのは、姉の沽券に関わりそうで嫌だった。ただでさえ妹達の誰からも尊敬されていないのだ
から「あたし馴染みのお客さんいないんだけどどうすればいい?」などと訊ねて株を落とすのは避けたい。
 ドクターは新型接客ガジェットの開発中とやらで、研究室に籠りっぱなし。研究に熱中している時のス
カリエッティは邪魔をされると激しく不機嫌になるので、相談してもまともに答えてくれないだろう。

(となると、あとはドゥーエ姉か)

 二番目の姉のことを、セインはよく知らない。セインの稼動前にはスカリエッティのラボを出ており、
戻ってきたのはごくごく最近である。その間何をしていたのか訊ねても「ボケ老人どもの介護してたのよ」
と心底嫌そうな顔で吐き捨てるだけなので、詳しくは知らない。
 しかし一緒に暮らすようになって日が浅いとはいえ、トーレやチンクをからかっている姿やあのクアッ
トロが完全に信服しているとこからして、性格にだいぶ癖があることは知れている。正しいアドバイスが
もらえるかは、一抹の不安があった。
 ドゥーエに訊くよりも今晩ウーノが帰ってきてからにしようかとも思ったセインだが、結局はまだ言い
合いをしている妹二人を残して、休憩室のさらに奥の部屋へと足を運んだ。




          肌触れ合うも多少の縁




 ナンバーズの間では「事務所」と呼ばれている、プレイルームとは違う意味での仕事部屋。帳簿つけを
やっているウーノ以外はめったに入る者がいない部屋でもある。
 ローションやバスタオルなどにかかった経費などの資料が収まったロッカーの間で、二番の姉はガジェッ
トに持たせる店の看板のレイアウトをしていた。本来はウーノの仕事だが、彼女がいないので代理として
指名されたらしい。
 ひたすらかったるそうな様子でマウスを動かしているドゥーエに、セインは声をかける。

「ドゥーエ姉、ちょっと相談したいことがあるんだけどさ……」

 かくかくしかじかと疑問を打ち明けると、黙って聞いていたドゥーエはさほど意外なことを聞いたとい
う顔も見せずに口を開いた。

「あら、あなたやっぱり馴染みのお客さんいなかったのね」
「やっぱりって……あたしそんな風に見られてたの?」
「まあね。言葉で説明するよりデータで見せた方がいいかしら。ちょっとこれを見て」
554肌触れ合うも多少の縁:2008/09/10(水) 20:43:55 ID:x4aZa3Mm
 ドゥーエは椅子をずらして、セインにもパソコン画面が見えるようにする。
 ウーノ程ではないにせよ流暢な手つきでパネルを叩くドゥーエの指が、フォルダの中から一つの表を呼
び出した。

「これは客の嗜好調査用に、十回以上来店したお客さんがどんなプレイをどれだけしたかをまとめた表よ」
「こういうのまずいんじゃない? 本名までばっちり出してるし。最近、個人情報保護がどうたらってう
るさいけど……」
「そんなこと言い出したら、風俗店事態が違法よ。だいたいこんなもの、他所に漏らさず警察にばれなかっ
たら、情報を保管しようが改竄しようがいいのよ」

 なんか、この姉の性格が一発で知れる一言だった。さすがはクアットロが尊敬しているだけはある。相
談したことを早くも後悔し始めたセインだった。
 その間にもドゥーエは表を色々と操作し、最終的には三人の客のプレイ内容だけが画面に表示された。

「これってあの……」
「三変態よ」

 三変態。
 身も蓋もないドゥーエの呼び方から知れるように、この三人はやたらとマニアックなプレイを要求して
くることが多く、姉妹の間でたいへん評判は悪い。「こいつらが無限書庫司書長や提督やってる管理局な
んて、潰れちゃった方が世のため人のため私たちのためよねえ。あ〜あ、ドクターがまた管理局転覆計画
とか立ててくれないかしら」とはクアットロの言葉である。

「そんなに悪い人達にも見えないけどなぁ。回数は多いけど、あたしはそんなにすごいプレイをされたこ
とないし」
「そこがまさに問題なのよ」
「え?」
「いいかしら。ここ最近三人があなたを指名した前後のプレイを出すと、こうなるわけ」

 再びドゥーエの指が動いて、表の一部分だけを画面に表示した。


『クアットロ→SMプレイ  ドゥーエ→マタニティプレイ  セイン→ノーマルプレイ
 トーレ→体操着プレイ  チンク→メイドプレイ』

『セッテ→アナルプレイ  トーレ→アナルプレイ  セイン→ノーマルプレイ
 オットー&ディード→アナルプレイ  ウェンディ→アナルプレイ』

『ディエチ→バター犬プレイ  ノーヴェ→プロレスプレイ  セイン→ノーマルプレイ
 ドゥーエ→教師プレイ  ウーノ→ウォータープレイ』
555肌触れ合うも多少の縁:2008/09/10(水) 20:45:17 ID:x4aZa3Mm
「この意味、分かるかしら?」
「あたしだけ、マニアックなことされてない……?」
「つまりね、あなたは言うなればお粥なのよ」
「お、お粥ぅ!?」

 脈絡の無い例えに驚くセインの顔に、びしりと指が突きつけられる。

「豪勢な料理を食べまくって胃もたれした人間がたまーに朝食のメニューにして、ああ久しぶりに食べる
とシンプルで美味しいな、けど二回連続は飽きるから明日はまた焼肉にしよう。……そんな感じのポジショ
ンなのよ、あなたは。一言でまとめると、華が無い」
「ちょ、ちょっとドゥーエ姉、それはひどいんじゃ……」
「でもあなたすごく地味でしょ」
「どこが!?」
「胸も尻も小さめ。かといって貧乳系としてはオットーに遠く及ばない。ロリというには背が高すぎる。
元気な性格にしても、ノーヴェやウェンディと比べたらインパクトが足りない。とにかく何もかもが中途
半端」

 反論したいセインだったが、言われたことを思い返してみればけっこう当てはまっている。
 身体にめりはりがあるとは言い難いし、騒がしい妹達と比べてみれば自分の性格を薄い気がした。あの
二人が無駄に濃いという気もしたが。

「……そんなにあたし駄目な女?」
「そういうわけじゃないわよ」

 多少テンション落としたドゥーエはいつもの理知的な顔に戻り、突きつけていた指をくるくる回しなが
ら言った。

「世間見回したら、顔も性格も十分に上玉の部類ね。だけどここは風俗店。所詮は一晩だけの付き合いな
んだから、身体や性格にぱっと分かる特徴がある方が人気あって当然よ。外見は無理として、あなた何か
はっきりとした特徴を身につけないと」
「特徴、特徴…………そうだ! ディープダイバー使って手とか頭だけ壁から出して奉仕するのはどう?」
「部屋に入ったら生首が壁から生えてる店にあなた行きたい?」
「…………無理だね。えーっと、えーっと、だったら……」

 何かないかと悩むセインに、今度はにやにやと表情を崩したドゥーエがまたキーボードを叩く。今度も
何かデータを見せてくれるのかと思ったら、単純にシャットダウンしただけだった。
 モニターの電源も切って椅子から立ち上がるドゥーエ。けっこう小柄なのでセインよりも背は低いが、
下から見上げてくる視線になにやら良からぬものを感じて無意識に一歩下がるセイン。
 どこかで見た眼だと思ったら、クアットロが悪だくみをしている時の眼にたいそう似ていた。
 やや戸惑っているセインの様子にますます笑みを深めながら、ドゥーエは口を開いた。

「手っ取り早いのは、エッチなことする時のテクニックかしらね。男なんて単純馬鹿ばっかりなんだから、
気持ちよかったらまた指名しようって気になるわ。そうして何回もしてるうちに、あなたの良さに気づい
て馴染みのお客になってくれると思うわよ。…………だからね、個別レッスンしてあ・げ・る」
556肌触れ合うも多少の縁:2008/09/10(水) 20:47:03 ID:x4aZa3Mm
 個別レッスンってなに、と聞き返す暇さえ与えられず、頭と腰に回った手によりセインの身体は強引に
引き寄せられる。

「!? んんっ!?」

 一瞬で口が塞がれ、舌が入ってくる。反射的にセインは舌を引っ込めるが狭い口腔の中に逃げ場がある
はずがなく、あっという間に追い詰められて舌が犯される。
 身体の中でも特に神経の集まっている部位同士が、くっついてはぬめり合う。
 絡まったまま今度はドゥーエの口の中に引っ張り込まれたかと思うと、歯を立てられさっき以上に巧み
な刺激を受ける。
 最後にぺろりと唇を舐め、突き出たままひくひくと動いている震える舌を押し戻されてようやくドゥー
エのキスは終わった。

「どうかしら。キスだけでもこれだけ気持ちよくなれるでしょ」
「あ……」

 まだぼんやりしているセインの頭だったが、身体の方はしっかり反応しており乳首が軽く勃っていた。
頬にも血が上ってるのが、自分でも分かる。

「ちゃんと感じたみたいね。じゃあ次はもっと直接的なとこいくわよ」
「ちょっ、そこはっ!? な、なんでいきなりお尻からなのさーーー!!!!」



          ※



 ノーヴェとウェンディと入れ替わりで休憩室に入ったトーレの耳に、壁の向こうのかすれ声が聞こえて
きた。

『あ……うぅ……もうお尻、勘弁してよぉ……』
「あれは、セインの声ですね」

 一緒に休憩時間となったセッテにも聞こえたのらしい。いつもの無表情のまま奥の扉に眼を向ける。

「何かあったのでしょうか」
「気にするな。すぐ……かどうかは分からないが、そのうち開放されるはずだ」

 今現在、事務所にいるはずの人物が誰なのか思い出したトーレには、だいたいの見当がついた。姉の悪
癖に小さくため息をつく。

「そういえばセッテ、お前はドゥーエと親しくしているか?」
「いえ、帰還された時に軽く挨拶した程度ですが」
「ならいいが、ドゥーエには気をつけろ。あれは機会を見つけると、妹だろうがノンケだろうが構わず食っ
て暇つぶしをする癖がある」
「のんけ、とは何でしょうか?」
「分からないならいい。とにかく、ドゥーエと二人きりになるのは極力避けることだ」
「了解しました」
(お前まで陥落されてクアットロのようになったら大変だからな……)

 妹の中では一番眼をかけているセッテに心の中でだけつけ加え、トーレは冷蔵庫から出したスポーツド
リンクに口をつけた。
 そのままセッテと二人、特に会話するでもなく椅子に腰掛け身体を休め、やがて休憩時間の終わりを迎
える。
 二人が部屋を出る時にも、奥から聞こえてくる声は止まなかった。


          続く
557サイヒ:2008/09/10(水) 20:49:12 ID:x4aZa3Mm
以上です。
後半の展開を三通りほど考案中に加えて、ちょいとリアルが忙しいんで気長にお待ちください。

そういや俺がナンバーズ中心話書いた時は、ドゥーエ姉様皆勤賞ですね。
そのうちちゃんとエロも書きたい。
558名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 21:13:17 ID:q9O079BH
GJ!
久しぶりのソープでしかもセインがメインとは嬉しい限りです!
559名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 21:34:01 ID:MhJkyz6l
GJ!

しかし、本気でデンパってのはあるんじゃないかと思う今日この頃。
うん、セイン書いてる途中なんだぜ。
560名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 21:48:42 ID:jS00e9Wx
久しぶりのソープ・ナンバーズきたああああ!!!

じゃなかった、
サイヒ氏
お久しぶりでありますw
561タイトル未定:2008/09/10(水) 22:24:44 ID:O1gOD8TH
カオスな名作が多いこのスレでも今まで多分なかったジャンルの作品を投下してみたいと思います。

・やおいでユーノ監禁陵辱
・一応ストーリー重視のシリアス長編(一応ダーク・アンハッピーエンド要素はないです)
・ユーノ以外のリリなのキャラは回想と最後辺りにしか出てきません。
・オリキャラ・オリ設定多数
・カップリングは秘密(なのユー・ユーなのではありません)

とりあえず投下はこの条件を見た各々方の反応を伺ってからにしたいかと(小心者)
562名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 22:31:30 ID:q9O079BH
スレ住人の反応など気にするな耳を貸すな! 天の定めた>>1に反さぬ限りここは無限なる自由の荒野ぞ!

っていうか、他に投下したい人もいるかもしれねえんだから、投下するならさっさと、一分一秒でも早くしてくれ!!
少なくとも俺は半裸で待ってる!!
563タイトル未定:2008/09/10(水) 22:35:08 ID:O1gOD8TH
(尻込みすいませんでした、では投下してみようかと……)

ボンヤリとした意識が、複数の足音の遠ざかっていく音を捉えた。
どれ位気を失っていたのか。窓も何もない、ただ照明の明かりが眩しく目につくその部屋の中では、昼夜すら判然としない。
口の中に滴る苦い液体の味と、鉄枷に嵌められた両手首の擦過傷の痛みが、今この時間が夢幻でないことを嫌でも突きつけてくる。


―――白という色を、こんなにも煩わしく思う日が来るなんて思わなかった。


それはあの子の象徴。いつだって全身を賭して目の前の苦難を打ち破り、天高く駆ける彼女の翼を思い起こさせるその色は、
自分にとって確かに、温かく胸に残る色の筈なのに。

―――覆い隠す雲もなく残酷に全てを照らし出している、どこまでも白い部屋の照明が―――今はただ、憎らしくてしょうがない。

「―――もう少し暗い方が良いのか?」

真上から降りかかる男の声に、瞬間意識が引き締められる。『見えた』のかも知れない―――その可能性を考えるやいなや、
それまで無防備な緩められていた神経が、瞬間的に引き絞られていく感覚を覚えた。

「……意識して覗かなくてもわかる、それだけ目一杯照明睨んでりゃな」
564名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 22:35:40 ID:SBFD4MRH
むしろすぐに読みてぇ
565タイトル未定:2008/09/10(水) 22:39:27 ID:O1gOD8TH

世間話でもするかのような口調のまま、太く長い指が容赦なく後孔に触れ、ゆっくり押し広げられる感覚。大勢の男に
辱められた直後の肉体であろうと、この男は気にしないらしかった。
―――同時に、前の連中の吐き出したものの残滓が、つぅっ、と腿を伝う感触。
それまでもがハッキリと男の目に映っていると悟った瞬間、頬が急激に熱くなるのを感じた。

(―――穴がついてるのはお前だって同じなのに、何が楽しいんだ)

唇を噛み締めながら、そう悪態をつくだけで精一杯だった。
明るい空間で裸を晒されることには、不本意ながらいい加減慣れてしまったが、それでもこんな風に自分でも見たことのない奥の奥まで
無造作に暴かれる度、火のような羞恥が込み上げてくるのは否めない。やがてその指は器用に内部を探って、時に唾液を塗りこめながら
クチュクチュと後孔をほぐしていく。敏感な内壁を直に触れられるむず痒さと、それ以上にゾクゾクと背筋を這い上がってくるような―――
快感、と呼ぶのであろうその感覚に、半開きになった口から細い吐息が漏れる。
自らの意思とは関係なく、自身の先端からジワジワと滲み出していく先走りに歯噛みしたくなった。
ロクに触れることもないまま捻じ込むだけだった先程までの行為と比較してみれば、男の指先は実にしっかりと身体を昂ぶらせていく。
とりあえず負担が軽減されるだろうということはわかっていても、正直それを幸いだとは思えなかった。
566タイトル未定:2008/09/10(水) 22:42:32 ID:O1gOD8TH
極力視線を意識しないよう顔を思いっきりそむけていると、不意に胸部を走る電撃のような痺れ。

「っんあ!」

桜色の胸の尖りが、空いた方の手の指で軽く引っ掻かれる。
あからさまな反応が喉から零れ落ち、ユーノは己の不覚を羞恥と共に呪った。
胸と後孔を弄る両手はそのままに、次いで男は突き出した舌を白い下腹部へと這わす。己の不浄の穴で立てられるそれと合わせて、
合わせて、不快な水音が増していく。脳の酸素が汚染されて毒素となり、身体の芯を得体の知れない何かに塗り替えていくようだ。
幾度めかの行為にさえ容易く蕩けていく体を呪いながらも、ユーノは横たわっている硬質の床に肩甲骨を力いっぱい押しつける。
手も足も出せずに嬲られる中、せめて気をやらないように痛みで身体の熱を逃がそうと始めた悪足掻きに過ぎない。
それでもほんの少し、肩の痛みと入れ替わるように快楽の波が引いていく感覚に安堵を覚えた。


―――そして、そんな子供の浅知恵はあっさりと打ち破られた。


「――――っ……!」

白い背中が弓なりにしなう。手足の指先がピンと張り詰め、陸に揚がった魚のように激しい痙攣に襲われる。
ヒクヒクと震えたまま、放置されていたはずの自分の分身。それが何か、滑りを帯びた生暖かい温もりにすっぽりと包み込まれ、
なぞられている。

(―――嘘、だろ……!)
567タイトル未定:2008/09/10(水) 22:46:18 ID:O1gOD8TH

―――今されている事が何を意味しているのか、わからない訳じゃない。むしろ、ここに連れて来られて幾度となく強いられてきた、
屈辱的な行為のひとつだった。苦い精液の味を、知りたくもないのに味あわされてきただけだったユーノにしてみれば、一体何が
良いのかまるで理解出来なかった『それ』の齎す快楽が―――今、現在進行形で身体を蝕んでいく。
男の表情は情事の最中とは思えないほど事務的でありながら、舌先で先端を弾くようになぞったり、時にふぐりを引っ掻いたりと、実に
巧みな刺激を与えてくる。
己の未熟な男の徴を咥えこまれている恥辱に加え、今まで以上の激しすぎる快感に晒された身体が、一連の行為によって蓄積された疲労など
まるで感じさせない、激しい抵抗を見せ始める。しかし、足の間に身体を割り込ませている男にしてみれば何の抵抗にもならない。
心臓の鼓動が痛いほどに加速し、頭の中が得体の知れない感覚に掻き回されていく。
「っあ」「…う」と、必死で声をこらえながら目を瞑っていたユーノは、下半身に生じた感覚にビクリと肩先を震わせた。
 ドクドクと脈打ち、震える自身に集中していく熱。出してしまう、と悟った瞬間、身を捩ってどうにか気をそらそうとする。
嫌だ何で恥ずかしい怖い嘘だこんな奴の口で―――嫌悪感と屈辱で頭が満たされる中、それでも身体の昂ぶりは鎮まってくれなくて。

「うぐっ、ふっ……ぅああぁっ……!」

―――引き攣るような咆哮が零れた後、頭の中が真っ白にスパークしたような衝撃を覚えた。
下肢に広がる、熱くぬるぬるとした液体の感触。途方もない虚脱感がねっとりと身体を侵食し、汗に濡れた薄い胸がゆるやかに上下する。
 目の端には、吐き出された自分の精を口内で受け止め、口元を白く汚した男の顔。

(……出した、のか?)

―――この男に触れられ、その口の中に。
快感に身を任せ、浅ましく自らの欲望を吐き出した。あいつらと同じように―――
568タイトル未定:2008/09/10(水) 22:49:51 ID:O1gOD8TH

男は、打ちのめされたユーノの顔など見向きもしないかのように、次いで再び後孔に指を突き入れて、慣らし具合を確認してくる。
そして男が脇の下に手を差し込むと同時に―――ユーノの身体は、弾かれたように硬直した。


―――また始まる。
―――自分の、男としての矜持を一瞬で突き崩した、あの瞬間が―――


自分の両足を持ち上げながら、男が下衣をくつろげて己の剛直を露出させる。後孔に近づいていくそれを見ても、ユーノは指先ひとつ
ロクに動かそうとしない。
 動かさないで、それでも感じない、何でもないフリを通すことが、あの日から張れる唯一の虚勢だった。
顔に掛かった髪が一房、サラリと頬を滑る感触がやけに鮮明に感じられる。
『入り口』に触れた一瞬の冷たい感触は―――ずぶりと容赦なく差し込まれたその時、灼熱に変わった。

「―――っ!」

上げかけて、必死にこらえた声が喉の奥に消えていく。
引き裂くような痛みは大分和らいだけれど、内臓を引き絞られるようなこの圧迫感はどうしても消えてはくれない。
男の方にしてみても内部の締め付けが相当キツイはずだが、それでもなおペースを緩めることなく着実に奥へと突き進んでいく。
息も苦しくなる程の圧倒的な質量と熱さに、意識が眩む。その全てが後孔を埋め尽くした時は、最早マトモに目も開けていられなかった。
 息を喘がせ、汗に濡れた胸を上下させるユーノとは裏腹に、完全に己をその後孔へと埋没させた男は、平然とした様子で
ゆっくりとした律動を始める。
微かな水音さえ嫌でも耳に入ってしまう静寂の中で、狭苦しい内部をゆっくりとかき回す熱塊が、時に敏感な箇所と擦れあって
身体を昂ぶらせていく。挿入時の衝撃で一旦は萎えていた筈の自らの徴が、また浅ましく首をもたげてきたのを見ていられなくて、
ユーノは瞼を硬く閉ざした。
 しかし、見計らったように男の動きが変化したのは、その時だった。
569タイトル未定:2008/09/10(水) 22:54:05 ID:O1gOD8TH

「……あっ!」

内部で蠢く熱塊の抽送が、性急にそのスピードを増して粘膜を蹂躙し、津波のような悦楽を身体に叩きつけてくる。
余すところなく内壁を激しく突き上げられる衝撃と快楽に、頭の中で無数の火花が飛び、自分を保っていたなけなしの意地や矜持が
たちどころに吹き飛ばされていく恐怖を覚えた。

「あ―――あぅっ、あっ!くっ……や、あ、ああぁぁぁっ!!」

あられもない声を上げて、汗に濡れた髪を振り乱すユーノの表情から、苦悶と陶酔が綯い交ぜになったような色が滲む。
後孔と一緒に頭の中までもをかき回されるような感覚の中、最早羞恥心や理性は根こそぎ奪われ、身体を襲う快楽の波を
享受することしか考えられなくなる。
 やがて後孔を突き上げる楔が熱と硬度を増していくのと同時に、己もまた、膨れ上がった官能が爆発しようしている気配を
感じた。
息苦しさも痛みも巻き込んで、渦を巻く快感に押し上げられるように白い肩がビクッ、と硬直し―――



―――冷たいのに熱い、そんな矛盾した温度のマグマが、身体の奥に注ぎ込まれたようだった。
昂ぶった身体にはそれすらも絶頂を促す刺激となり、数秒の痙攣の後、屹立して白い迸りを吐き出した分身を、ユーノは息せき切らしながら
虚ろに見つめている。
ヌルリ、と白く生暖かい欲望の残滓を纏わりつかせたまま、熱い楔が身体から引き抜かれて、我知らず気だるげな吐息が口から漏れた。
 男は血の滲んだユーノの手首を覆う手枷に指を伸ばし、カチャリとした音を立てて腕の拘束を解いた。
少しだけ顔に汗を浮かべただけで、行為を始める前と後とでは何も変わらない。
―――その姿が、ユーノの熱をゆっくりと冷やしていくようだった。

『―――流石に疲れたかね』
570タイトル未定:2008/09/10(水) 22:58:05 ID:O1gOD8TH

耳でなく、頭に直接響いてくる意思の声。ここからは見えないどこかで、今も自分を高みから眺めて嬲っている者の声。

『もし立てないようなら人をやろうか?後始末をするだけの体力が残っているかも怪しいものだが』

―――その申し出への返答を、ユーノは念話ではなく行動で示した。
はだけられていた前開きの上衣をすぐさま羽織り直し、顔や下半身の汚れを拭うこともせず立ち上がる。
腰や後孔の痛みによろけそうになるのを堪えて部屋の出口まで辿り着くと、見張りの人間に伴われ宛がわれた部屋へと向かう。

―――男の欲望を受け入れたばかりにも関わらず、白濁に濡れた後孔が物欲しげに疼いたようなその気配を、ユーノは無理やり
振り払った。




濃い湯気の立ち込める浴室の中、残されていた体内の精がドロリと滑り出て、お湯と一緒に排水溝へ流されていく。
放射される熱めのシャワーを浴びながら、光のない碧眼は鏡に映る自分の姿を無心に見つめていた。
 線が細くてまだ丸みの強い、少女じみた柔らかさの残っている顔。少し伸びてきた麦色の髪はシャワーに濡れて肩先まで下がり、
手枷の後もまだ赤く残ってはいるが、長時間の拘束による痺れも引いて来た。
571名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 22:58:19 ID:4mIJB6Jg
流石に別板でやれよ
572タイトル未定:2008/09/10(水) 23:02:35 ID:O1gOD8TH


―――痕跡を洗い流しさえすれば、呆れるぐらい以前と変わらない姿のように思えてしまう。


なす術なく身体を引き裂かれた最初の行為を、忘れた訳じゃない。
壮絶な痛みにみっともなく泣き叫ぼうと、捻じ込まれた後孔から出血しようと、現実は無情なほど微動だにしなかった。
最初はこうされる事の理由も意味も考えられない程放心していた筈が、一日二日と経つ内に順応していって、三日目には
行為の終了後に現在展開出来る限りの探査魔法を施設内に仕掛ける算段を考え始めていたのだから、人間というものは案外図太いものだ。
 脱衣場に戻ってザッと身体を拭いてから、用意されていた着替えに袖を通す。外に出られる訳でもないのに変化を求めたところで
仕方ないが、用意される服は大体、先程と似たような白を基調とした病院着のような衣服ばかりだった。
監禁部屋のパイプベッドに身を投げ出して、照明の光が強い天井を見つめる。生乾きの髪から滴る水滴が顔へと零れ落ち、
ゆっくりと頬のラインを伝ってから、やがて唇へと到達した。それを何気なく舐め取った時―――
 一瞬、あの熱い白濁が舌の上を滑り、喉の奥にまで届いた時の感触が、脳裏でリフレインする。

「―――……っ!」

途端、心臓がバクバクと痛いほどに拍動し、喉の奥から込み上げる吐き気にユーノは咄嗟に口元を手で覆う。
駄目だ、吐くな。落ち着け。もういい加減慣れた癖に、今更こんな事ぐらいで揺さぶられるな。
冷徹なまでの理性の呼びかけが、胸の内の嫌悪感を無理矢理打ち消そうとする。

―――けれど。
この状況下だけでなく、自分自身も確かに変わりつつあることは、最早自覚せざるを得ない。
犬のような体勢を強いられながら間断なく突き上げられ、失神するまで白濁色の熱を注ぎ込まれた。鼻を摘まれながら男達の
欲望を口に突き入れられ、嫌悪感に涙を流しながら口内で爆発した精を受け入れさせられた。
どれだけ痛くて苦しくても、それでも最初の内は、行為に悦楽を感じなければ、流されなければ、まだ自分は自分でいられているという
ちっぽけな矜持が確かにあった。まだ大丈夫なのだと確信出来た。
573タイトル未定:2008/09/10(水) 23:06:14 ID:O1gOD8TH
―――でも。
そんな強がりも意地も、先程の行為で粉々に打ち砕かれた。
自分の身体は、確かに変わってしまった。突き入れられ、奥をぐちゃぐちゃにかき回され―――
気づけば無意識の内に男の楔を求め、自ら最奥へと促すかのように、はしたなく腰を振り動かしていた。

「・・・・・・何、やってるんだろうなぁ・・・・・・」

慣れてしまえば、この前まで知識でしか知らなかったあんな快楽をも、浅ましく求められるようになってしまうのか。
人間としての尊厳も何もかも叩き潰すようなあの行為に溺れるような、そんな自分になってしまうのか。
 諦めた訳では決してない。何ひとつ成せぬまま状況に流され続けるなんて、許せる訳がない。
けど―――

(―――何もかも、なかった事に出来るのか?)

ここへ来る前の自分に戻って、帰ることが出来るのか。
―――出来る訳ないと、頭のどこかで囁く声が聞こえた。

毒にあてられたかのように快楽を貪り、注がれる精液の熱さに陶酔すら覚えた、さっきの瞬間を鮮明に思い出す。
痛みも恐怖も、そして快楽も、忘れ去るにはその身体にも心にも深く影を落としている。
果てない陵辱を通し、自分自身が自分じゃない何者かとして新たに作り変えられてしまったような―――そんなユーノ・スクライアのまま、
あの光差す穏やかな輪の中へ戻れるのか。
574タイトル未定:2008/09/10(水) 23:10:50 ID:O1gOD8TH

(……しっかりしろ)

わかっている。そもそもの前提である脱出の目処すら立っていないのに、今からこんな事で悩んでどうするのか。
静寂の中で胸いっぱいに息を吸い込んで、溜まった呼吸を薄い唇から静かに吐き出す。心拍は段々落ち着いて来た。
拘束されてはいても、こうして休憩の為に一人きりになれる時間が用意されていれば、どうとでもなる―――いや、してみせる。
使える魔法に限りがあるのが現状といっても、スクライア一族の探査能力は魔法だけに特化したような代物ではないのだ。

―――と、そういえば。

ふと、ユーノはガバリとベッドから起き上がって周囲を見渡す。
樫作りの机に、黒いパイプベッド、浴室もトイレも備え付けられているものの、殺風景としか言いようのない意匠の監禁部屋。

(―――まさかこの部屋、ヘンな仕掛けとかされてないよな?)

まさか向こうだって、ここ最近の行為だけで自分が屈服したとは思っていない筈だ。何かしら仕掛けるかも知れないことを見越して、
部屋に盗聴器の類でも忍ばせる位のことはするかも知れない。
早々に見つかるような場所に置いておく訳もないだろうが、手近にあった枕元を探っていると、

「……あ」
575タイトル未定:2008/09/10(水) 23:21:29 ID:O1gOD8TH
別に、目当てのものがいきなり見つかった訳じゃない。―――ただ、そこに隠しておいたのを思い出しただけ。
白いリネンの上で鮮やかにその色彩が映える、緑色のリボン。あいつらに取り上げられたくなくて、なけなしの魔力で
簡易結界を張ってまで隠していたもの。任務に向かう前の彼女が、苦笑しながら渡してくれた―――


   ―――ユーノ君、髪伸びてるのに全然切りに行かないんだから―――


「―――」

ここで監禁されている以上、容態を確認しようなど望むべくもない。
それでもハッキリわかるのは、彼女は―――きっとまだ闘っているのだということ。
集中治療室の中、生命維持装置から伸びる無数のチューブに繋がれたまま、意識はなくとも自らの生を繋ごうと足掻いている。
―――いつだって、そうだから。どれだけボロボロになっても、決して目の前の難題を投げ出さず、諦めない―――彼女の在り方を、
自分はよく知っているから。

一瞬、ベッドの上が鈍い音と共に揺れた。壁に叩きつけた拳が鈍い痛みを訴えるが、気にならなかった。
大怪我もしていない五体満足の身で、進んで行動出来る足もちゃんとある。なのに馬鹿な心配に引きずられて、何を考えているんだ。
自分はちゃんと動けるじゃないか。頭というちっぽけな武器を使い、やらなければならないことがハッキリしているじゃないか。

あそこへ、帰る。帰る為に闘う。振り上げる剣も拳も、何も持たない者のやり方で、無様に足掻いてみせる。


   ―――そして、そう。
       彼女の目覚めるその時を、笑顔で迎える為に。
576タイトル未定:2008/09/10(水) 23:24:54 ID:O1gOD8TH
肩先まで伸びて来た髪を、手早くリボンで結わえる。首筋にひやりとした空気がかかる。
 彼女と出会った頃はもう少し短かったのに、ここまで伸びるのにもう何年ぐらい経ったのだろう。
あの時とは違う。あの時の自分の声に応えてくれた彼女は、今生きる為に必死で抗っている。
ここには、「助けて」という言葉に応える者はいない。
―――彼女のような、救いの手を差し伸べる者はいない。

      
       ―――だからこそ。
       今は独りで、闘うんだ。





―――それは、後の管理局武装隊・戦技教導官高町なのは。当時11歳だった彼女が、ベッドの上で生死の境を彷徨いながらも、
生をもぎとる為に必死で闘っていた新暦67年時まで遡る。
彼女の魔法の師であるユーノ・スクライアが巻き込まれたこの事件は、その性質上公式の記録に残ることはなかった。
幾度かの命の危険に晒されたものの、彼自身は大事に至ることなく愛すべき友人達の輪の中へと帰還した、最終的にはそれだけの話であり、
とりあえず彼や周囲の人間の未来に大きく作用するような結果にはならなかった、とだけ言っておこう。
 ただ彼は、弟子にして友人たる高町なのはのリハビリ期間が終了した年より、秋から冬へ移り変わる境目の季節を迎える度、
その事件をふと思い返す事が多くなった。

そんな少しだけの、些細な変化を後々に残すことになる戦いの舞台の名は―――第66管理外世界『ダオ』。
その時は待ち受ける激戦など知る由もなく、世界はただシンと静まり返るのみだった―――。

577タイトル未定:2008/09/10(水) 23:28:27 ID:O1gOD8TH
板違いと言われようと一度勢いに乗ってしまえば止められず、ここまで来てしまいました……(戦々恐々)
濡れ場を書くのは実は初めてなので緊張しました。なのであんまり濃ゆいエロ要素は期待しない方がよろしいかと。
とりあえず今言えるのは―――『続きは皆さんの頭の中で補完して下さい』みたいな事にはならないよう頑張りたいと思っています(ぉい)。
578名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:29:29 ID:UUz+mK9R
これは流石に別板でやれと言いたい
579名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:32:06 ID:MhJkyz6l
>>571
>>578
百歩譲って別スレならわかるが、なんで板まで。
580名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:33:09 ID:cTH21mT9
いいじゃないか別に
ホモ禁止なわけじゃないんだし
581名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:35:17 ID:q9O079BH
ショタ強姦GJだ。
線の細い美少年が無理矢理犯される、良いじゃないか、実に良いじゃないか。
俺はオッパイでもロリでもショタでもレジアスでもOKだ。
582名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:39:42 ID:sZ8MPhyi
奇しくも同じユーノネタ?!
いや、ショタじゃないけれど。

11KBのやつがあるのですが・・次スレを待った方が無難ですかな?
583名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:42:37 ID:fv3J7Hnb
83スレのライフは残り12kB

次スレは立てられませんでした・・・誰かお願いします



>>577
GJでした。何だか見てはいけない類の、新しい地平が見えたような気がしますよ
584名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 23:50:43 ID:q9O079BH
585名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 01:11:38 ID:To06/EMC
>>571
>>578
このスレは過去、レジアス触手陵辱すらやり遂げたスレじゃないか
今更ショタユーノ陵辱くらいで目くじら立てなくても良いじゃない
586名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 01:16:45 ID:iWxlKu+c
ユーレジかクロレジマダー?
リバ不可な
587名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 01:21:17 ID:ASA1fbQ/
>>586
ちょっと待て! レジアス受けなのか!?
588名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 01:35:44 ID:x+zd8KPL
ユーレジ・・・バインドによるSMプレイですね、わかります。

ゆ「へー、男の子にこんな事されるのが嬉しいんだ・・・」
レ「はぁ・・・はぁ・・・アー!はぁ・・・はぁ・・・」

だめだ、こんなものが浮かんでしまった・・・ちょっとSLB貰ってくるわ!!
589名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 01:47:08 ID:3B95OxRg
>>588
貰ってこい。遠慮なく貰ってこいw
590名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 13:20:14 ID:iWxlKu+c
>>587
Of course.
591名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 14:18:24 ID:J3s6p65H
つまり、死んだレジアスの奥様が、ものごっそ責めキャラなんだ……


オーリス「……知りませんでした。母が、まさか……」
フェイト「ええと……はじめまして、ですか?オーリス姉さん……」
592名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 15:40:39 ID:TjS0l5S4
ドMなレジアスとな!!

休み時間になるたびに、オーリスにヒールで踏まれて喜んでいる姿想像しちまったwww
593名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:22:51 ID:5EZSG1Qd
さ〜〜
ありあまっているナンバーズの婿になるチャンスだ!

で、こういうときにかぎってナンオレSSて少ないんだよな〜。

トーレにアタックした職人氏、がんばれ〜
594名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:18:20 ID:DosunUTe
>>ナンオレSS

ナンバーズ
オーリス
レジアス となっ!?

なんというカオス……
59566スレ736:2008/09/11(木) 17:21:10 ID:/3L/1Els
…大丈夫かな?

埋め用に超小ネタ行きます
70スレ562氏のモフモフを見て書きたくなったんで書いてたもんです

注意書き
・3人娘とモフモフ3匹によるモフモフです
・全体的にゆるゆるです
・絵的にはたぶん10代前半くらいで思い浮かべるといい感じ
・ザッフィーだけじゃなくて大きいアルフもモフモフだと思うんだ、というだけの話
・他の守護騎士はきっとフレーム外にいるんだよ
・当然エロ無しです
・一応NGワードは「たとえばこんなモフモフ日和」で
596たとえばこんなモフモフ日和 1/2:2008/09/11(木) 17:23:49 ID:/3L/1Els
 それはなんでもない、とある休日の昼下がり。


「はやて、どうしたの? いきなり呼んで……」
「しっ!」

 背中から掛かった声に振り向いて、口の前に人差し指を立てる八神家の主。
 その表情に浮かんでいるのは悪戯っぽい笑み。

 促されるままに彼女の前方を見れば、そこには朱と蒼の二匹の狼が。

 急いで来て、などと人を呼び出して何事かと思えば――――。

 思わず肩を落として息を吐くフェイト。
 まぁ、平和な用事で何よりだ。

「そっか、アルフ……ザフィーラに会いに来てたんだ」
「うん、私も出かけててさっき帰ってきたとこなんやけど、なんや気持ちよさそーに寝ててなー」

 なんていうか、あれだ。

 モフりたいと思うのは当然じゃなかろうか。人として。

「せっかくやし、なのはちゃんも呼ばへん?」
「そうだね」


『……というわけで、なのはちゃんもおいでー』
『それは別にいいけど……』
『あ、ついでにユーノも連れて来て、なのは!』
『ふぇっ?』


「……それで、なんで僕まで?」
597たとえばこんなモフモフ日和 2/2:2008/09/11(木) 17:25:03 ID:/3L/1Els
「ごめんねユーノくん……」
「いや……別になのはが謝らなくてもいいけどさ」

「うん、とりあえずな」
「フェレットに変身してくれる? ユーノ」

「…………はい?」


 まぁいいけど、と怪訝そうに呟きながらもフェレットに。



 もふ。
 もふ。

 はやては蒼の、フェイトは朱の毛に顔を埋めた。

「ほら、なのはも早く!」
「え、えええ?」
「んで、ユーノくんは上に乗ってな!」
(ええー!?)

 もふ。

 ……もふ。

「おおおおおおおおおお」

 なにこのモフモフ天国超しあわせ。

 ノリノリ状態だった二人は恍惚と、
 最初は戸惑い気味だったなのはもモフモフしているうちになんだか気持ち良く、
 そのまましばらくモフモフを愉しんだ。


 それはなんでもない、とある休日の昼下がり。



(……僕の存在価値って……)

 寝転がる三人娘の上に乗って、代わる代わる抱きかかえられているフェレットだけが、
ちょっぴり遠い目になっていたのは気にしない。
59866スレ736:2008/09/11(木) 17:26:11 ID:/3L/1Els
以上です
お粗末さまでしたー

1レスで収まるかと思ってたら収まらなかった…
599名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:29:52 ID:ASA1fbQ/
モフモフGJ〜♪
600名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 18:24:43 ID:3Rf0Omzs
埋めAAー!
601名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:16:24 ID:KQMzawe6
>>597
ユーノ羨ましすぎるだろ、条項……
602名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:39:14 ID:pSDE+vwi
見た目をStS版で考えると(ユーノ視点限定で)ハーレムに見える不思議。
客観的に見ると動物と戯れる美人さん×3だがw
603名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:54:27 ID:C0BeBfxS
>>408
遅レスですが、GJ!!!!

「そして全身がその感覚に慣れ始めた頃、時は満ちたとばかりにその棒は姿を現した。
それは、彼女を快楽で犯すもの。無機質な、血すら通わないモノ」

エリオとヴォル子のエチーが本当に始まったものだと本気で期待した俺病気w
てかヴォル子かわいすぎだ。
人間形体に変身しなければ萌えないだろと思っていたのですが、全く違ってました。
もうキャロとヴォル子どっちともエリオの嫁でOKです。
604名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:09:37 ID:TjS0l5S4
ユーノが激しく羨ましいが・・・3人がもしこのまま寝入ってしまったら恐ろしい目に合いそうだw
605名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:14:46 ID:DosunUTe
3人+二匹が夢の中で焼き芋を食べるんですね?
606名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:27:39 ID:/3+6XGJp
81スレ329です。埋めネタ

冒頭からアルフが出産
ザフィーラ×ギンガ、エリオ×ティアナ

タイトル:マイディア
607名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:30:19 ID:/3+6XGJp
「ああ・・・これでもうユーノと喧嘩しないで済むし肉も食べれるようになるんだね・・・」
「アルフ・・・・・うん、よく頑張ったね。おめでとう」

「・・・人間形態で産むのがこんなに酷く体力いるなんて知らなかったよ・・・もう当分はしたくはないね・・」
「アルフ・・・僕と一緒になってくれて、本当に嬉しい。ありがとう」


アルフとユーノに子供が生まれた。
数は5人、しかもその内の3人は狼に変身出来る能力を備えていた。
生まれたばかりで上手く制御することが出来ない為、子供達は誰かが来るたびに怯えて変身してしまい、
その怯える仕草がまた可愛いので周囲を和ませる。


そんな子供たちの姿を見ながら聖王様が(可愛いなぁ。でもユーノくんとアルフは結婚できないからこの子たちは・・・
待ってて、すぐにヴィヴィオが教会入って発言権を高めて一般人と使い魔の結婚できるっていう法律を作って・・・ねぇザフィーラ、ヴィヴィオも
「小さな教会で愛を集い会ってそしてそして限りない未来ええええええええええええ!!!
きゃーそんなザフィーラ駄目だよヴィヴィオ恥ずかしい!!」

途中から体をくねらせ、妄想に走っていったのは公然の秘密である。
608名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:33:44 ID:/3+6XGJp
アルフとユーノの家へ遊びに行った時に撮った子供たちの画像を見ながら、ギンガは笑った。

「子犬って本当に可愛いですね。私好きだな」
「・・・・・・飼いたいのか?」

ザフィーラの声に少し不満が混じっていることを、ギンガは聞き逃さなかった。
「やいちゃいましたか」
「違う」
確かに嫉妬したが、まさか言える筈がない。というかナチュラルに間違えているがアレは狼の子供だ。

「そうですか?じゃあ、そういうことにしておきます。うふふ」
ギンガの目の輝きは消えない。ザフィーラをいじることを楽しむ顔をしている。

「将来二人暮しが寂しくなって、犬を飼いたいって言ったら、飼ってもいいですか?」
「無理だ」

即答していた。
むきになっていたわけではないが、それを否定しても信じないだろう。
実際自分でもかなり大人気はなかった、と自覚はしている。

「フェレットを推すぞ」
口から出任せ。フェレットは好きでも嫌いでもない。
「そう、残念」

ギンガはザフィーラに寄り添いながらくすくす笑うので、あまり残念そうには見えない。
からかわれたか、と眉間のしわを深くしてしまう。

「冗談ですよ?それに私、犬ならもう飼ってるし」
それはまさか、と怪訝な顔をすると、ギンガは楽しそうに語った。

「大型犬なんです。毛並みがもふもふしててとっても気持ち良くて。
構ってあげないとうなだれるけど、遊んであげればしっぽがぱたぱたして、とっても可愛い」
「それは・・・・・・」
「名前はザフィーラ。いい名前ですね。世界で一番好きな人の名前なんです」
「喜ぶべきか落ち込めばいいのかわからんぞ」
守護獣として――ギンガの恋人として、情けないことも言われたが、さりげにとても嬉しいことも言われて、複雑だ。

「私が飼い主な事に不満でも?」
彼女に負けるのが悔しかったので、ておあ、と言ってザフィーラはギンガの唇をぺろりと舐めた。

「いきなり何を、ザフィーラ」
「犬だからな」
「・・・・・・しつけがなってないです」
「お前のしつけ方が悪いのだろう?」
と言ってやれば、形勢はいつのまにか互角だ。
「・・マテ!」
「何も聞こえないな」
と、ギンガの口に自分の唇を押し付けた。
「もう、本当に躾が・・・クスクス」
「所有欲と独占欲は強いものでな」
「どうぞ・・いくらでもって・・・あん・・・・もう・・・発情しちゃったんで・・ぇ・・・あぁん」
「マーキングだ」
「ぁ!!んん・・・!」
609名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:40:37 ID:/3+6XGJp
エリティア編





エリオは、気だるげにベッドから天井を見上げ、ぼんやりと呟いた。
「可愛い子犬でしたね。僕、好きですよ」
「あれ狼じゃない」
流れる髪が隣のティアナの髪と入り混じった。
ティアナは声の主に視線を投げる。
隣では同じように視線を向けてきていたエリオの瞳。
目が合うと聞いている事に満足したのかエリオはまた天井に視線を戻し、緩慢な動きで天井へ向けて腕を持ち上げた。天井に向けた視線のまま自分の指先を確かめるように眺めながらまた口を開く。

「・・・幼い頃からアルフには面倒を見てもらいましたけど、まさかユーノ先輩と、だなんて夢にも思いませんでした」
どこでどう転がったんだろうか。
「何処で何が起こるかわからないのが生きるって事でしょ。ところで、何で先輩なのよ?」

「そりゃあの人からは色々なことを学ばせていただいたからですよ!好きな人の近づき方とかどうやっていけば綺麗に撮れるのかとかファインダー越しの愛とか」
そう言いながら、エリオはベットの上でユーノと自分との馴れ初めを喋り始めた。成る程、それであんなにユーノと親しげにしていたのか、と合点がいった。

「・・・・・・盗撮辞めなさいよ。私が訴えたらあんたなんてすぐにお縄の中なんだからね」

「何を言ってるんですか!僕からティアさんへの愛を取ったら残るものはストラーダだけですよ」
「うっ(こんなキモイ男を何だかんだ好きな自分なんて)嘘だ!!!」
610名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:45:47 ID:/3+6XGJp
終わりです。
ユーノ×アルフの妊娠に悩み苦しんで出産までの過程は後日投下させてください
ヴィヴィオの考えは子供だからな、でお願いします。
611名無しさん@ピンキー
                   、、
                     \ヽ、
               _,. -―- . ヽヘ ノ}
             _, - '´       \} レ'ノ
    ヽー- -‐‐ '´           -‐¬ 、
     `ー-/     ,       、  ヽ   ヽ
       . '      , i    ヽ 、 ヽ  、 、  ',
      /  / /,  l i ! l    l  i l . l.  i i    i
       /  i i  l| l. |   ィ 丁!T|.  l |.   |
     | ,i :/ | !,.イ丁 ト. 、 j l|,z== 、!: ! j !   |
      ! l| i :l l. ト,;:==、いノ!ノ  {t心Y /イ   l
       !|| :i| ::!.l:.. {i {tい` ′ _いノリ/l l |:l. ,
       ! l', ::い:、l ヽソ  ,    ̄/l:l:|.!|:i:! ′
         ヽ!ヽ :ヽトヘ ´    __    l:l:|:!|::;' /
         ` \ヽ::ヘ、   ヽ′  ,川::リ//
            l.`::l::l::`iー-,. ..__//イ!//'′
              | l::l::!:;v'^´ 〉-―'/イく,、
               ! トv′_,/:::::::::::::::/::冫、_
             V.イ「 l::::::::::;.-'´ / /: : >、
            ,.イ: :/| l,.-'´ , '´ / :/: : : :\
           /:/ :/  、   . '´  ⌒j:/: : : : : : : ハ
              i: l (_)   `'´     ゝ:' i : ; : : : : : : :i
          l: :|:/ ト,     r1 、 |: :l::/: : : : : : : :|
           |/:l′i'/     ノ'′ヽ !: /: :i : : : : : : l

ユーノ・スクライア(魔法少女リリカルなのは)