1 :
☆祝☆喜寿☆:
魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
『注意情報・臨時』(暫定)
書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。
リンクは
>>2
3 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 12:40:41 ID:7B6KYbJR
3
乙
┌────────────────────┐
| 1 乙 よ 〜 ん ! │
└────────────────────┘
____ ___ i/〈,ィぃ _,.
. ,lフヘ. ヘゝ. . '/^^^゙ヾ、 、」 ,(フ⌒ヾミ、
| { {从リノ!〉 | { ,ノハ))〉)` r ___ /〉 .ゝ ト{ ((^ソリ)ゞ
. ソ,|.| ゚ -゚ノ 从|.゚ ー゚ノリ , '⌒⌒ヾ ,'_,r==ヽ. // .ソヘ(リュ^ヮ゚ノ!`
(( j(`つつ /゙〈|V|)ト、 .イ lフ,从从ゝ{ {ノノノハ))〉//. (フ,,XI)、
r</´: :: :l l: : l: :: :: :ヽ: :\_ ^'vlュ ゚ -ノ'゛|.(l|ュ゚ -゚ノ|う′ と(^つこ)う
/j: : : :|: :jl ト、 l -‐ト、: :\ト-< <巡},,\)つ {i(フ!,,Xll)'´, ヘ. /^ヽ ̄ ヽ
_、,.,,._ : : j-ハj ヽ>ー¬Tー―': \_,(フ、,〈}___从_うコ======== |⌒l ト・^・|
_,ゞ´ ゙ヾ:レ ―-、_{ jヘ ヽ\ :〈患´l患、 : (_ノ'┘: : : : : : : :} | | 〕.○.|
フ ,(レwハviゝ. j ! ヽ、_ノlノー-- `> ___: : : : : : : : : : : : : : : : / |_l ト・_,・| . '⌒⌒ヽ
´ヘ(lュ゚ -゚ノ゙.ヽ、_ノr‐┐ ノ___: -/lブ `ヽ  ̄ ̄7: : : : : :/ _ _ ヽ__ノ_ノ | i lレハリi.}
<_].[{]つヽ__ `ー' /,イ: : : : :_{ イ,ノノ^))〉 /: : : : /∠(7´ `ヾゝ ,C.!|●-゚ノ|
_ノ〈―<-ニニニ-,\.__/( レ'///|l(||`ー´ノ| /: : : : :/ イ イ ivwvv'i> ((,ゝ.)X{ニア
.Z ヽヽヽ `ヽ、\ ___.7 ノi/リ,,U,)リつ三: : :/ ^'(l|ュ ゚ -ノl| |\ 〈,、jし'Jトゝ
\Z ヽ__/`v , 'lフ `ヘゝ _> ,': : : : / 〔 ̄ ̄Lつ ̄ ̄ ̄)二二二二二二二回
/ レ"フ >、. { レハlノハjゞ i ゝ. ___ i : : : : { ノ亡二二7二匸l二匸「 ̄_)_ ̄ ̄ ̄ |.ヽ
/ r‐/弋ニヘ(|ュ゚ -゚ノ|ヽ ノw、l,,;:'(フ^^^'ヘ. : : :丶 ( __ とノ `ヽ._): : : /,ヘヘ. ヘヘ. 〔| |
_ | |\ `ヽ(フとス). Y ,;;;{ { 从リハ) 〉: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : (ヽr'l レニリノ}.〉 |,,_|
、 \ /l \/l .| | ,;;;レVュ^ヮ゚ノリ、 : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ \ヾjュ゚ -゚ノ!| ∧ノ
..\. \/ ノ / \ ;;;;フ!,,Y))つ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ,ゝリ,,Z,)リこ)7 /
リリカルファンタジーX
6 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 13:37:06 ID:iDYrv1F9
7なら今日はまじめに働く
毎日きちんと仕事してください副隊長
ようやくエリキャロで妊娠を書き終わったorz
遅すぎちまった……でも後悔は無い!!
それでは載せさせて頂きます。
題名『エリオとキャロの複雑な事情から行われる情事とその結果』
※注意事項
・エリキャロでドロリ濃厚エロスに挑戦してみた
・ハッピーエンドならぬ、孕みエンドにしてみた
・ヴァイスティアナとグリフィスシャーリーが余計なことして、二人の背中を押させてみた
・やっぱりゼストチンクは外せないよ!!
・単体ストーリーなのに総スレ数24くらい。
・長いです。
あぼんワードは鳥とコテ
ジェイル・スカリエッテイによる地上本部、そして機動六課隊舎襲撃から数日が経過した。
新人フォワード陣の中で、いちばん年齢が低いエリオとキャロは比較的軽症。
とはいえ、エリオはようやくバンソウコウや湿布が取られたくらいで、スバルは戦闘復帰までまだしばらく時間が必要だ。
スバルは当然だが、六課のロングアーチ・メンバーのダメージも相当なものだった。
六課で一番の重傷を負ったのは、未だに集中治療室で目を覚まさないヴァイス・グランセニック。
一時期、余談を許さない状態であると聴かされたティアナ・ランスターは半狂乱になって泣き叫んだという……。
病院という場所ゆえ、拳でティアナを強制的に鎮めさせたシグナムは、その後ただ少女を抱きしめてあげ、気の済むまで己の胸で泣かせてあげたという。
ヴァイスとティアナの関係を如実に表す出来事だったが……今の六課にそんなことにかまけてあげられる余裕は無い。
沈黙を続けるスカリエッティ一味と、さらわれたヴィヴィオの安否のため、手傷を追わなかった手空きの全員で捜索、というわけにはいかなかった。
全壊した隊舎の代わりに廃棄直前の次元航行艦アースラに指揮系統を移すにしても、生半可にはいかないのだ。
機動六課は傷を負った。体も、そして心も……。
緊迫感。
そんな情勢下のある時、エリオとキャロはアースラの廊下を一緒に歩く。
フリードはその少し後ろを、二人の邪魔にならないように浮遊する。
……そして突然、エリオの制服の袖を掴んでキャロは立ち止まった。
何事かと思って振りかえるエリオ。
うつむいたままのキャロ・ル・ルシエの表情は、彼女のキレイな桃色の前髪が邪魔して、エリオの視点からは伺い知る事ができない。
だけど……その震える小さな肩に、床に落ちる涙の雫に、小さな槍騎士は察した。
「キャロ……怖いん……だよね?」
少年のその問いかけに、少女は無言で少年の抱きつくことで答えた。
桃色のショートヘアの少女は、赤髪の少年の腕の中で震えきっていた。
いまや、エリオにだけ開くことの出来た胸の内。
【恐怖】
ようやく認識してしまったのだろう。
戦場というものを。
自分の居場所が……殺し合いに否応無く巻き込まれている慄然たる現実が怖かった。
ナンバーズの襲撃、そして仲間の負傷、連れ去られたヴィヴィオとギンガ・ナカジマ……。
これは、まだ10歳の少女に、自分が殺されるかもしれないという認識を与えるには充分すぎるものだ。
自分だけじゃない、ひょっとしたら愛する人達も死んでしまうかも……。
そして、少女は『死』が、永遠の別れということを意識している。
列車の時や、ガジェット・ドローンを相手にするのとは違うことに、いま、ようやく気づいてしまったのだ。
もともと機動六課は複数の要因があって設立された。
一つは八神はやてが最初に考えた少数精鋭部隊のテスト部隊としての位置づけ。
そして『予言』の"もしも"に備えて地上本部近辺に保険的な意味合いでの部隊設置である。
フォワード新人達への指導はさらに補助的な意味合いがあるが、宝石の原石の如く才気にあふれた彼女達を教え導くのは確かに有意義だ。
特に、幼い上に平均とはかけ離れた才能を持ったエリオとキャロにとって、なのは達の教練は良き修行になりえた。
実際、列車、ホテル、ヴィヴィオの保護の戦いでは大活躍と言っていいものだった。
だが地上本部襲撃を機に状況は変わる。『事件現場』が『戦場』へと脅威度が跳ね上がったのだ。
如何に平均的な地上本部魔導師より能力が高くても、10歳の少年と少女は10歳であることに変わりは無い。
故に、フェイトをはじめとする大人たちは困惑した。
襲撃により大勢の負傷者が出た今、事態は猫の手でも必要な状況。だからといって10歳の"子供"を出して良いのであろうか?
何度も話し合った結果、八神部隊長は玉虫色的な決断を下す。
主力は部隊長達高ランク魔導師が可能な限り引き受け、フォワード新人たちはその予備へ回ると……。
そしてその優柔不断な考えに八神はやてという19歳の部隊長は、戦力確保と名をうった己の浅はかな考えに後悔し、部隊の指揮を当分の間辞退する羽目になる。
【今度は、死んじゃうかもしれない】
六課の優しい大人たちは、キャロの不安を知ったら快く前線から引かせてくれるだろう……。
でも……それは出来ない。
キャロはエリオの温もりを感じながら思った。
(エリオ君はヴィヴィオちゃんやフェイトさん達を助けるために、怖いことでも立ち向かえることが出来る。
それができる"力"を持ってるから……。
エリオ君はどんなに怖くても戦えることが出来る……だから、私も皆を助けるために戦いたい。
フェイトさんとエリオ君の力になってあげたい……)
それでも怖いことには変わりない。
事実、周りに誰もいなければこうして足が竦んでしまっているのだ。
いわゆるシェルショック……PTSDの一歩手前(だから医務官のシャマルにもバレずにいた)ともいえる。
今の状況を大人たちが見たら、命令で強制的にでも戦いの場から降ろそうとするだろう。
だが、それこそキャロ・ル・ルシエがいやおうなく培ってしまったアイデンティティーを否定することになってしまう……。
竜の巫女として、だが強すぎる力を持って生まれてきてしまったせいで故郷を追放同然に追い出された少女キャロ・ル・ルシエは、自分が陸士隊でも有力な竜召喚士であることを自覚している。
これまでの訓練と実戦で、キャロは自分の召喚士としての"力"を良く知っている。
支援疾風脚
管理局武装魔導師の心得『大いなる力には大いなる責任が伴う』という言葉も知っている。
故に、大事な人の為にその『力』を有効に使わねばならないと言う、どこか強迫観念に近い思考が出来上がってしまったのだ。
誰が悪いとは言えない。もちろんフェイトの教えが不適切だった訳でもない。
……ただ、自分の生まれ持った才能が常人を越えた強力な力であることを自覚してしまっていたから。
自分は恵まれている。少なくとも戦いに関する面においては間違いなく……。
だから気丈なそぶりをして、悟られないようにした。
今いる『居場所』から外されないために。
竜の巫女として巨大に過ぎる力を持っているがために故郷を、家族を追われたキャロが行き着いた『居場所』。
そしてそれが最大限生かせるのがフォワードのフルバック……ガードウィングのエリオとのコンビだ。
だから、そう思えば怖くても前に出られる。
(エリオ君がいるから……)
キャロはエリオの背中に回している手に力を入れ、より「ギュッ」と抱きしめる。
それに答えるように、エリオの方もキャロを抱く力を、苦しくない程度に増す。
少女の桃色の髪からリンスの匂いを嗅いでしまい染まった頬を、さらに赤く染める赤髪の少年。
愛おしくて、大切にしたくて、だから言おうか迷っていた言葉をかける決心をした。
エリオは、本当に幼い恋人の耳に囁くように、だけど最後に自分も勇気を振り絞るように言葉を出す。
「キャロ……ボク絶対に帰ってくるから……だから……だから、キャロは無理しなくていいんだ!」
これはエリオがフェイトから何度も言われた言葉だ。
だからキャロもフェイトから何度も、ひょっとしたらエリオ以上に執拗に問われたはず……。
その言葉にキャロはゆっくりと姿勢を変え、今にも泣き出しそうなのを堪えた瞳でエリオを真っ直ぐ見つめる。
「私……フェイトさんの力になってあげたい……怖いけど、怖くて仕方ないけど……ヴィヴィオちゃんとギンガさんに、あの召喚士の女の子も助けたい……。
そう思ってるエリオ君を助けてあげたいの……」
その言葉で胸が熱くなるのを感じる幼い見習い騎士。
「キャロ……」
「エリオ君……お願い。その、………また……して、ほしい……」
「う、うん……。わかった。部屋に行こうか」
隊舎が壊されたことで臨時にあてがわれたアースラの個室に、二人は早歩きで行く。
走りたかったけど、キャロはエリオの手をしっかり握り締めたままだから、急ぎすぎても危ない。
部屋に入ったら扉に鍵をかける。しっかり鍵がかかっているかエリオは何度も確かめた。
エリオは自分の鼓動が高まってくるのを感じる。
キャロは部屋の真ん中でうつむいたまま立ちつくした。
今度はエリオからキャロを抱きしめてあげると、彼女は真っ赤にした顔をあげる。
初めての出会いから、このほんの数ヶ月間で少年は少女より、また少し身長が伸びた。
思えば、胸を触らせられたことに何も感じない彼女に嫌われるのではないか、何故か頭の片隅でそんな不安に取り付かれてしまった時期が一時だけあった。
もっともそんなのは杞憂だった。後に地球での活動中にキャロと一緒にお風呂に入るというとんでもない事件で吹き飛んでしまったから……。
その後も色んなことがあって、10歳の少年と少女は時々だが唇を重ねるようになった。
公私にわたって、互いに思いをぶつけ合うことが出来たからだ。
まあ、その切っ掛けを作った年長者組みの影響が大き過ぎるのだが……。
場面は、アースラに一つだけ来客用に作られたバスルーム付の豪勢な部屋に移る。
フリードリヒは専用ベッドで魔法で眠ってもらっている。
部屋の中央で向き合う、幼い男女。
少年の顔が少女に近づいていき……唇が重なった。
そっと触れ合わせるように、優しく、ゆっくりと。
彼女とキスをするたびに、エリオはがむしゃらに襲いたくなるという暴力的な欲求が湧き上がる。
でも、自分たちはまだ10歳の子供で……なにより今は大変な時期だから、それを無理矢理押さえ込んだ。
簡単に抑えることができる方法を少年は知っている。
それは、自分よりほんのちょっぴり背が低い恋人のことを『深く想ってあげる』こと……。
優しくしてあげたい。
大切にしてあげたい。
その『想い』が、腹の下から湧き上がる欲望を引っ込めてくれる。
そのかわりギュ〜とキャロのことを抱きしめてあげて………
「ん……」
「ふ、ンンッ……」
子供らしい口づけを、少しだけオトナのキスに変更する。
チュ、チュウゥ……
口が塞がっているので、二人は念話で囁きあう。
文字通り、自分の"想い"を。
『キャロ……好きだよ………』
『エリオ君、エリオ君、エリオくッッン!ッッ!?』
腕の中の少女がビクンと震えた後に小刻みに震えてくるのがわかった。
エリオの頭を茹で上げそうにさせたキャロの挙動を、やはり腕の力で抑え込んであげる。
口の隙間から涎がたれる。
そして、少年はラストスパートに入る。
クチャ…チュ、クチュ……
ちゅ……ちゅうゥ………
少年は重ね合わせた唇を通じて、少女の唾液を吸い上げる。甘くて、蕩けるようなキャロの唾液……。
それを飲めるだけで幸せな気分になれる。
普段あまり意識しない、恋人同士というのが実感できた。
(あ……、また私……エリオ君に吸われちゃってる……)
エリオになすがままにされているうちに、キャロの奥底で芽えていた、ある衝動が少女に舌の筋肉に信号を与える。
……………ちゅる
『ッッ!? キャ、キャロ!!』
『エリオ君……好き!大好き!!』
少女の、今までに無い積極的な行動で若い槍騎士は目を見開いて驚く。
キャロのほうからエリオの口の中に舌を入り込ませたのだ。
少女は潤んだ眼を薄く目を閉じ、今まで見たことのない蕩けたような顔をする。
とてつもなく扇情的な表情だ。
いやおうもなく10歳の男の子の股間に血流が集まり、硬くなりだす。
『エリオくんも……舌……』
『う、うん……』
念話だからだろうか。ダイレクトに互いの感情も伝わるような気がする。
急いで割り当てられた故、必要最低限の荷物しか置かれていない殺風景な部屋だが、10歳の少年と少女が発する犯罪めいた鼻がかかったような吐息の音と、舌が絡まりあう音が彩りをした。
チュル、くちゅ、くちゃくちゃぁぁ……
ジュル、ジュウゥ………、コクン
「フッ、ん、ん、ん、んンッ……」
「ふーっ、フゥーッ!!」
にゅるぅ……にちゅッ、にちゅゥゥ……
……この後どうすればいいか、"やり方"なら二人とも知っている。
年長者の"実践"を、何回かその目で観てしまって学んでしまったから……。
ティアナとヴァイス、それにシャーリーとグリフィスのを。
特に後者のカップルは、日中の勤務時間内でも明らかに二人に見せ付けるかのように行っていたこともあった。
ディープキスの次にする"行為"。
だけど10歳でまだ未成年だから、それ以上のことはしないように硬く考えるのは見習い槍騎士。
基礎知識として赤ちゃんがどうやって生まれるのか知っているからだ。
本番をするのはもっと先のこと……それは自分たちが大人になった時に許されること……。
しかし、幼い竜召喚士は別のことを考えていた。
だったら、赤ちゃんが出来ないよう気をつければ良いと……。
正直、第三者から見れば、この年齢でのセックスは倫理面と健康面から受け入れ難いと考えるだろう。
だけど、彼女が直面している戦いへの【恐怖】が本能を刺激して……オトナへの階段をソニックムーブで一気に駆け上げさせてしまった。
「プハァ……、んはぁ……ふあ……」
「はッ、はあぁ……? キャロ?」
キャロのほうから唇が離される。舌の間に掛かる透明な糸が、二人が熱心に舌を絡ませあっていたことを証明。
彼女の、どこか思いつめたような表情から違和感を得たエリオが、思わず問いかけてしまう。
いつもなら相思相愛の証し、繋がった証の接吻で満足の表情を見せるのだが。
……キャロは震えながら、これまで禁忌にしていた言葉を口にする。
「あの……え、エリオくん……お願いが、あります……」
「……ど、どんな?」
ま、まさか!
少年はゴクリと唾を飲み込んで備える。
10歳の女の子が……。
「もっと深く」
求めた。
「エリオくんと……つ、繋がりたい……です」
「ッッ!? キャロ、まだボクたち子供だよ!そ、それにこ、コンドームとか持ってないし……」
エリオは無意識に拒否の反応を示す。
子を為す。
セックスは赤ちゃんを作るためにかかせないことで……そして、もし、もしも赤ちゃんが出来ちゃったなら自分が『父親』になる。
それに加え自分の血が、F計画で創られた遺伝子が後世に伝えられるのが無意識のレベルで怖かった。
セックス、極端に言えば繁殖行為をすることに難色を示していたゆえ、エリオは逃げ道を探ってしまった。
【父親】
それがどれほど彼にとって心のわだかまりになっているのか?
それは当人にしか分からない。
……いや、エリオ自身もそのことに蓋を被せてしまい、今の今まで忘れてしまっていた。
その為、数日後に起こる事態に最も悲嘆に暮れたのは、二人の保護者フェイト・テスタロッサ・ハラオウンであることは押して知るべし。
何故エリオが、遂に助けに来てくれなかったモンディアル家の名を使っていたのか?
魔力ランクが高いゆえに多忙なる執務官は、慎重なカウンセリングを長期に渡って行わせるべきだった……。
しかしもう遅い!
少年と少女を取り巻く環境は情け容赦無く、周囲の人間関係もそれを増長してしまったからッッ!!
なお、単純にこの10歳という年齢でキャロと繋がることに管理局の規則違反をしているという意識は勿論あったが。
それでは意を決して言い出したキャロが可哀想な気になってしまいエリオからはそれを口実にできなかった。
そうしてるうちに、キャロからエリオの逃亡ルートを的確に塞ぐ言葉が出た。
「わ、私の生理……まだなの……だからセックスしても大丈夫なんだよ、エリオ君」
「だからって……」
「わ、わ、わたし、エリオ君と一緒になった証が欲しいの!それがあったらもう怖くない、どんなことにも立ち向かえるって、そう思うの!………こんな考え方ってやっぱりおかしいよね」
「……うぅ」
「でも好きなの……うぅん、大好きなの!エリオ君のことが大好きだからこんなこと言えるの!!」
手を解いて、すでに体は離れてはいるが、それでも眼と鼻の先の距離での懇願に何も言えなくなるエリオ。
キャロの潤んだ瞳がエリオを見つめる。
涙をため、泣き叫ぶのを我慢する少女の嗚咽が少年の心を締め付けた。
「……さい。ごめんなさい。ごめんなさい。こんなの……やっぱり、私の我侭だよね………」
自分が何を口にしたのか再認識し、顔を真っ赤にして謝る少女……。
俯いた頬をボロボロとつたって流れる涙が、エリオの心を締め付けた。
エリオはキャロにどう答えればいいか困ってしまう。
迷いがでる。
キャロを大切にしたい。だから……彼女の求めに応じるべきではないのかと?
しかしそれも数分で終った。
迷いは……キャロが息を呑んでエリオの手をとり、それを自分のスカートの中に、さらにその"奥"に導いたことで終った。
ぬるぅ……
「わッ!」
短くだが驚きの声を挙げる少年。
スカートの中で隠れて見えないが、自分の指にまとわりつく、ぬめぬめした暖かい粘液に驚愕する。
スグにキャロの手を振り払い、スカートから出すと、指先にあったのは透明でネバネバしたものだった。
ソレがなんなのか理解は出来たが故、言葉が詰まって何も言えなくなる。
これはつまり、10歳の少女のアソコが濡れて、溢れてしまっているという意味だ。
管理局制服のスカートの下に隠れた女の子らしいショーツで隠された秘密の場所。
それがコレまでの行った行為、キスだけで、ついに愛液を溢れさせてしまったのだ。
エリオの指に絡め付いたのは、その量がショーツを滲ませ、ついに少女の太腿の内側にまで垂れてきてしまったという証拠……。
「あの日から……エリオ君と初めてキスした時から、私のアソコが、お、おまんこが、ティアさんやシャーリーさんみたく濡れるようになっちゃたの……」
恥ずかしさのあまり顔をうつぶせて話す恋人の姿に、少年の鼓動が急速に高まる。
先ほどの安らぎを感じさせるものとは違い、もっと強烈なものを求める衝動が溢れ出る。
ドクン、ドクン、と高鳴る心臓の位置に、少女の薄い胸が寄り添う。
反射的にエリオが再びキャロ抱きしめたのを合図に、最後の禁忌は破られた……。
盛った赤髪の少年は、自身の荒い息を抑えないまま、急いで自分の服を脱ごうとする。
反対にキャロは、これからすることに胸をときめかせる様に、ゆっくりと脱ぎ、それを丁寧にたたんであげる。ついでにエリオが脱いだものも。
時は、もうすぐ就寝時刻。
現在、二人には休養の意味を含めた待機命令が出され、そして此処はエリオとキャロの二人に割り当てられた部屋……。
状況は二人がこれから行う情事を止めることはない(緊急事態が起きれば話は別だが)。
先に衣類を全部脱ぎ、一糸纏わぬ生まれたままの姿になれたのは桃色の髪の少女の方だ。
赤髪の少年はズボンを脱ぐのに手間取っていた。原因は少年の股間でこれまで最大に大きくなっていた陰茎が、つっかえ棒のように邪魔をしていたから。
「うわあぁ……。エリオ君の、すごく大きくなって……うれしい……」
エリオが身に着けていた全ての物をとったあと、10歳の男の子のモノとはとても見えないくらいに大きくなったソレが、天を指していたのを見た少女は優しく微笑んで言った。
少年自身も、自分の物がこれほど大きくなるとは思っていなくて、別の意味で顔を赤らめる。
このサイズはいままで(行きがかり上、やむをえない理由があったとはいえ)覗き見してきた大人の男たちのものっと同等と言えた。
竿には血管が浮き出て、鈴口からは先走りもプックリと滲み出ている。
ビクン、ビクンと脈動して見るからに今にも射精しそうな感じだ。
しかしエリオ・モンディアル本人の精通はまだだったから、目の前の裸体の少女の姿を見つめると、陰茎の根元、下腹部のあたりで何かドロドロしたものが渦巻いている感じが込み上げてきてしまい、次第に気が気でなくなってくる!
そう、エリオ少年は自慰どころか、今まで夢精もしたことはなかったのだ。
生真面目すぎた彼は、はじめて本物のセックスを見た後も、昂ぶって眠れない時は自分で自分に魔法をかけて無理矢理寝たのだ。
キャロはその逆だった。
むしろ積極的に自慰に走ってしまい、その結果がキスだけで愛液が溢れる肉体になってしまった。
原因は先に記した年長組みにあるといってよい。
話は数ヶ月前に遡る。
先輩のティアナ・ランスターが訓練メニューに違反し、その結果、高町教導官から手痛い説教を受けたことで落ち込んだ、その数日後のことだ。
あの日、エリオと一緒に夜の軽い自主トレをした後、クールダウンを兼ねての散歩で通りがかったヘリ格納庫から聴こえた苦しそうな声。
何事かと中を覗いてみれば、機体整備用の台座に腰掛けたヴァイスの上に、さらに真正面から座るティアナの姿が……。
なにをしているのかは一目瞭然だった。
大胆にも二人して全裸となって、『繋がっている』と思われる辺りに、天窓から入る月明かりに照らされてはっきりわかるヌメヌメとした液体。
ヴァイスの腰に足をまわして密着していたティアナ・ランスターが、もぞもぞと動く。
自分で動かしているにも拘らず、彼女の口から苦しそうな。だけどどこか切なそうなものが混じった吐息……。
それに比べ、ヴァイスの方は痛みに耐えるような声を出す。
汗ばみ、紅潮した顔は、普段の彼女から絶対に見ることの無い表情をしていた。
やがて大きく動き出す。
ヘリパイロットの全身を擦り付けるようにティアナが自分の体を上下に動かし始めたのだ。
二人の汗が潤滑油となりその動きを助ける。
形の良いティアナの胸が、ヴァイスの厚い胸板に押し潰され、その柔らかさを外から見つめる幼い管理局員に知らしめた。
ニュル、ニュル、ニュウ……ニュクゥッ……
腰と腰が密着していたことで隠れていたものが、女性の上下運動で露になる。
ティアナの体が上に動くことで、彼女の体を貫いていたものの、およそ半分が空気に触れた。
ヴァイスのから聳え立つ赤黒いペニスが、覗き込んでいるエリオとキャロの二人にもはっきりとわかるように、透明な、でも白く濁ったものが混じった粘液でコーティングされていた。
くぐもった声を出しながら腰をゆっくりと浮かせ、男性のをカリ首まで出した所で、執務官を目指す16歳の魔法少女ティアナは腰をゆっくりと降ろす。
ヌクゥ……じゅぷぷぷ…………
浮かす。
ニュウウウ……
降ろす。
じゅぷぷぷぅ……
次第にその上下運動が速くなっていき、ティアナの口からはヴァイスのペニスが膣内に収まるたびに短い嬌声をあげる。
動きに合わせ、ティアナのツインテールに結われた茜色の髪が空中に、不思議な軌道を描いた。
それはエリオとキャロの側から見ると、どこか幻想的な美しさを感じさせる。
―――ん、んあ!んや、はああああああーーー……!!
突如、ティアナが仰け反ったと思った瞬間、とても幸せそうな声を格納庫一杯に桃色に変えた。
傍から見ていたチビッコ二人は、隊舎の方まで届いてしまわないか驚きながらも心配になる。
当の本人は暫く震えた後、逞しい男性の上半身に圧し掛かるようにしがみ付き、またモゾモゾと動き始める。
そこに拍車を掛けるようにヴァイスから積極的なアプローチが入る。
ゴツゴツとした左手の指が、つうーと少女の背筋に沿って這う。
それと同時に、男の舌が少女の頬の汗を舐め、耳たぶを甘噛みしてあげると、少女は気持ち良さそうな甘い声を断続的にあげた。
―――ん、ん、んあ……あっ、はあぁっ、はあっ、ヴァイスさん、私、ま、またイっちゃう。
―――ティアナ、出すからな。またお前の奥に注いでやるからな!
―――あ、ふぁ……ふぁい。あッ、ああんッ……さ、最後はキスで、一緒に、お願いします……ンッ、ンンゥッッ……。
キスし合った直後、二人の体が強張るように震える。
格納扉の隙間から覗き込む少年少女に耳に聴こえるのは、何か得体の知れない粘度の高い液体が噴出する音。
どぶ、どぶゥ……びゅうう
どびゅううぅぅッッ……
びゅううううぅ……………
目を閉じ、全ての感覚を上の下のお口に集中し、男から与えられる刺激をひたすら受け入れる少女。
その顔には日常で見せるフォワード・リーダーの凛々しきものでない。
瞳を熱く潤ませ、口から涎を垂らすオトナのオンナが出す悦びの表情だ。
ヴァイスの体が不規則にビクつくたびに、ティアナの体も同じ反応を見せる。
口が重なっているが故に、二人の鼻息にどこか蕩けるようなものが混じっていた。
気がつけば、エリオとキャロは逃げ出すように走った。
全力で走り続け、人気の無い海沿いの公園まで来てしまった。
見てはいけないものを見てしまったような気がして、二人ともちょっとした罪悪感が生まれる。
空に満天の星空と、二つの明るい満月が照らす芝生の真ん中で、気まずいまま沈黙を続けていた。
が、エリオに押さえつけられていた竜、フリードリヒの抗議の鳴き声で我に返ると、二人して苦笑いしてしまった。
フリードに謝りながら、ティアナとヴァイスの関係に話し合う。
「やっぱり、ティアさんとヴァイス陸曹って恋人どうし……なんだよね?」
「うん、ボクもそう思う……でも、ティアさんが元気になってくれてたから、とってもいいことだと思うよ」
他人の、それも先輩の情事を覗き見してしまった気恥ずかしさに、その日はそそくさと別れた。
しかしキャロは持ち前の天然ぶりからか、自分が目撃した対象の女性、つまりティアナ・ランスターにあの日のことを聴いてしまったのだ。
キャロはティアナから強制的にケーキを奢らされながら覗き見したときの体の変化と、一人で気持ち良くなれる方法を伝授してもらい……エリオのことを思いながら毎晩実践したのだ。
ちなみに、リサーチ対象者のパートナーが聞き耳していて、三人揃ってオナニー大会をしてしまったとか、アルトが突然泣き出してしまったとか色々トラブルがっあったのは言うまでもない。
なおキャロは今日の朝も、いつか見た温泉でのエリオ君の裸体を思い出しながら朝一番に、クリトリスオナニーで三回ほど抜いている。
つまりエリオとキャロは完全に真逆な性に対する認識だったのだ。
これでキャロがエリオに迫らない方がおかしい……(と考える作者の脳ミソはウジがたかっているのか!?)
………話を再び戻そう。
迎賓用のシャワー・トイレ付きという豪華な部屋の折りたたみベッドに、汚れとか染みないようバスタオルを何枚も敷き、その上に一糸纏わぬ生まれた姿のキャロが横になっている。
10歳と言う幼さゆえ凹凸の少ない少女の肉体は、これから起きることに胸ときめかせるのが見て取れた。
少女の頬と同じく、少しだけ朱に染まった体。
そして、膨らみがない分、これでもばんとばかりに女性であることを主張するピンク色の二つの突起が己を主張する。
少女に体重を乗せないよう、慎重に跨ぎながら少年は、どこから手をつければ良いのかわからず、軽い混乱に陥りそうになった。
というのも、エリオが見た年長者達の職場でのイケナイことのバージョンが多過ぎ、かえってどこから手をつけるべきか迷ってしまったのだ。
エリオの記憶の中では、グリフィスは殆どの場合シャーリーをバインドで空中固定しての緊縛プレイだったのでなるべく除外。
なぜなら、キャロと二人で書類をメンテナンス・ルームに届けに行ったら、ちょうど覗き見が出来る位置で、シャーリーの手足をバインドで空中固定させて大きく開かせての背面座位。
自分たちが繋がっている部分をわざと見せ付けるかのように行っていたのは一度や二度ではない……。
エリオとキャロの二人で書類を届ける旨を出したのがグリフィス本人であるからして……彼のプレイはあまり参考にしないようにしようと硬く決意しているエリオ・モンディアルだった。
消去法に従って、参考にすべきはティアナとヴァイスの最後に覗き見してしまったセックスになる。
あれは最後の休日になった日。つまり地上本部襲撃、数日前のことだ。
当日早朝。キャロから朝の自主練と称してヘリ格納庫前に連れて行かれた。
朝もやの掛かる中、キャロに引っ張るように連れてゆかれた所は初めて覗き見してしまった場所で、中からは知っている人の声が……。
キャロ誘われるままエリオが扉の隙間から見れば、服を脱ぎ始めたティアナとヴァイスの姿がそこにあった。
バスタオルを重ね掛けした長イスを用意し、その上に横になった一糸纏わぬティアナに『前戯』を行うヴァイス。
そこから朝食の時間まで「保健の授業」をすることになった。
それが今、奇妙な形で生かせることになる。
ヴァイスがティアナにしていたのと同じことをすれば良いわけで……それはつまるところ気持ち良くさせるのだ。
見よう見まねでキャロの唇から頬、耳たぶ、首筋、肩甲骨、そしてその下へと丹念に舌を這わしていきながら、そういえばとエリオは思い出す。
あの前日、ティアナとキャロが何か熱心に打ち合わせしていたのを……。
「ふぇ?エリオ君?」
「あっ、ああ、ゴメン。続けるよ、キャロ……」
「うん……」
ちょっと考え事をしてしまって舌の動きを止めてしまっていた。
雑念はしばらく置いておこうとエリオは思いながらキャロの小さな乳首を口に含み、吸いだす。
「あ、はあ、あ、あ、あっ、アッ――……んんッツ!」
空いた乳首を指でしごく。
そっちの方は、さっき吸って硬くなっていた。
なだらかな丘、と表現してよいキャロ・ル・ルシエの胸だったが思いのほか肉付きが良くて、とても柔らかく、エリオはいつまでもむしゃぶりついていたかった。
敏感な乳首に加えられる刺激に、キャロは短く、そして艶のある声で喘ぐ。
「うあ、あ、あ、ああぁ、ふあん!はあぁ、はあぁ、はああぁ、んあああぁ……」
口の中でサクランボのような乳首を転がしているうちに、硬くなり尖ってくるのがわかる。
チュクチュクと舌で味わう……。
甘いとかしょっぱいとかでなく、とにかくキャロの味をエリオは堪能した。
次第にキャロの喘ぎ声に変化が出始めているのにも気づかなくなっている。
「ふああぁッ!ふあ……ぁあん!ん、んん〜〜〜――ッッ!?あ、だ、だ、だめえぇ!エリオ君、もう吸っちゃうのダメェ!!うあああぁぁーーーーー!!」
エリオに強く吸引され続け、キャロは敷かれたバスタオルをその下のシーツごと握り締め大きく仰け反った。
生まれて初めての想い人の手による絶頂!
「……あ、アッ、はーっ、はーっ、あんっ、ああー!はあぁー!はーっ!はーっ!ん〜〜……、ふぁーー……」
息が止まるほどのオーガニズムに達し、その余波が少し引いて荒い息を吐きながらも、なおも喘ぎ声を止められない。
イってしまったが、そんな彼女に関係なくエリオは胸を執拗に、執拗に攻め立てるのだ。
すでにプックリと充血した乳首だったが、少年はまるで少女のミルクを飲むまで止めないという感じで吸い続ける。
ようやく快感の津波が小波へと治まったキャロは、見下ろす形でエリオのソレをしばし見つめた。
別に痛いと、無視されているとか、そういうわけでない。
むしろキャロは頭の奥がジンワリと痺れてきて、自分の胸を吸うエリオのことが無性に可愛く思えてしまってきたのだ。
快感とは全く違うその感覚には覚えがある。
フリードリヒがまだ生まれたてて、キャロの世話を必要としていた時期にあったことだ。
自分の腕の中で眠るその子をギュウと抱きしめてあげたくなる感情……。
慈しみと愛で溢れたそれを人は『母性本能』と呼ぶ。
「エリオ君……」
彼の名を呟き、胸をむしゃぶり続けるその赤毛の頭を両手で優しく包んであげる。
いっそのこと、このままされるがままでいいかな、と思った。
何故なら少女は自分の胸にこだわる少年の理由を一つ知っていたから……。
F計画の残滓。病死したモンディアル家長男エリオの代替品。
それがエリオ・モンディアルだった。
それ故、彼の記憶には母親に抱かれて育った記憶はあっても、それは死んだエリオのものだ。
代替品として、記憶を引き継いで育ったエリオ本人のものでない。
記憶情報だけでない実感が欲しかったのだ。母親の胸に抱かれて育ったという実感が。
それを今、埋め合わせるようにキャロの胸で行ってしまっていた。
そういった彼の背景を知ってしまっているキャロは、ただエリオの好きなようにさせた。
ちょっと違う形になってしまったが、これもまた互いに深く繋がるという意味だとキャロは自分で納得すると、エリオが赤ちゃんのように思えてきて……。
ますます母性本能が刺激されて気持ちよくなってしまう。
快感という意味でなく、ココロが温かくなる心地良さ。
(故郷のお母さんも……私と同じ気分だったのかな?)
そう思うとキャロの瞳から再び涙が溢れてくる。
さっきのエクスタシーからくる悦びの涙でなく、望郷の念と離別の哀しみが含まれたものだ。
赤ちゃんのように振舞う恋人の頭を「いいこ、いいこ」という感じに撫でてやりながらポロポロと涙を零す。
強すぎる召喚能力を持ってしまったが故に追放同然でル・ルシエの里を追われた身だった。
その事に関してキャロ自身、ル・ルシエ族の理、というか自分の部族が抱えるジレンマというのを子供なりに知っていたから、族長からの命令もすんなり受け入れることができた。
ただ……当時は何故、お母さんがあれ程まで涙を流して謝っていたのかキャロは良くわからなかった。
でも、今ならあの時のお母さんの気持ちもわかるとキャロは思う……。
(召喚士として一人前になれたら、里を出る前に交わした約束通り必ず帰ってきます。だからお父さんお母さん、そんな悲しい顔をいつまでもしないでください。そ、それに……ふぁん!)
キャロの思考が、いま自分を攻め立てている想い人に移った途端、胸の突起物に与えられる刺激を大きく意識してしまいビクンと大きく痙攣する。
寄せては退いていた快楽の波が、再び巨大になって少女へ押し寄せてきた。
大きく頬張られ、舌先でクリクリと弄られる少女の乳首が限界まで勃起したのを、軽く歯で甘噛みされたのが凄まじい効果をだす。
それを与えてくれる張本人にして、愛おしい恋人の頭を強く抱きしめ、愉悦の喘ぎ声をだんだんと大きく長く上げていき、再び10歳の女の子の脳を茹で上げてゆく。
「あ、あ、あッ、ふあぁ、あっ、ああっ!ハアアッ!ふあああッ!ま、またいっちゃう!蕩けちゃう!ふああッ、うあああああぁぁーーー……ッッ!!」
少女は、また達した。
まだ本番に、挿れられてもいないのに、エリオの執念にも似たオッパイに対する愛撫だけでキャロはイカされた。
痛いくらいに抱きしめられて、少年は初めて自分が無我夢中になっていたことに気づく。
絶頂後、弛緩した少女の腕を解き、顔を恐る恐る上げて様子を窺うと、涙を流しながらも瞳をトロンと蕩けさせたオンナの顔があった。
呆けたように開けた口端から涎を垂らしつつ、快感の余韻で大きく息をしている様は、少年に何かとんでもないことをしてしまった罪悪感を生ませてしまった。
彼女を優しく気持ち良くさせようと思っていながら、逆に自分で我を忘れて乳首攻めをしてしまったことにエリオは後悔してしまう。
どうしようか?
このまま一旦休憩を入れるべきか?
思わず頭を抱えそうになりながら、この後どうすべきか思案する。
過去の記憶からは、現在の状況に一致するデータが見当たらない!
それはそうだ。いままで見て知った性交知識の中で、乳首攻めだけで絶頂に登らせたなんていなかったからだ。
焦るエリオの脳裏に、槍術の師匠シグナムが言った言葉が反芻される。
―――理解できないものに遭遇してもそれをそのまま受け入れろ。
焦らず観察し……自分のポジションを確保するんだ。
(そ、そうだ。まずは観察だ。え〜と、今までのでキャロの上半身への愛撫は終ったとみるべきだろうな。だから次の段階に入る前に……)
「エリオ君……いいよ……。私のこと、もっと、もっと滅茶苦茶にしていいよぅ……」
不意にキャロの口から、息も絶え絶えにしながらも許可が出た。
自由にして良い……。
男なら感動すべき言葉だったが、エリオには返って戸惑わせて「うん」と曖昧な返事で返さざるを得なかった。
いや、本当なら今すぐキャロに押しかかり、その中に挿入し、自分の中に滾っているものを全て彼女の胎内に吐き出したくてたまらない!!
とにかくと割り切り、いよいよ下半身の愛撫に入る。
身を起こし、「クタ〜」と脱力しきっていた少女の秘部のクンニに移った。
キャロの方も承知しているらしく、エリオの身体が自分の足の方に移動したとき、何も言わず自らその両足を広げてあげる。
少女の顔は、恥ずかしさで火が出るくらいに真っ赤に染まってしまっていたが、この眼で見た先輩たちの行為の事前知識として知っているおかげでそれに耐えることができた。
心の中で、「ティアさん、シャーリーさん、皆さんの勇気を私にもください」と祈ったせいもあったが……。
とにかく、今エリオの眼前にはすっかり濡れきってしまっていたキャロの秘密の亀裂がある。
10歳という年齢では、ティアナやシャーリーみたくオトナの女性の性器のように陰毛や大陰唇が見えるはずも無く、そこにあったのは一本の筋のようなクレバス。
ただ10歳の女の子らしくないと思われるのは、その溢れ出ている愛液の量だ。
太ももの内側を殆ど濡らし、なおも下に敷かれたバスタオルに大きな染みを作り続けている。
エリオがキャロの胸に行った粘着的ともいえる愛撫結果が、その染みの広さに比例していると考えるのが妥当だろう。
今まで見て来たことでも、生殖器以外の性感帯に与える刺激が愛液の量に関係していることはわかっているのだ。
その犯罪めいた少女の秘部の光景を目のあたりにした少年の鼓動は早まり、「はーッ、はーッ」と荒い息をあげ始める。
そして、キャロの秘裂の両サイドにエリオは親指をかけ、少しだけ力を入れて"開門"させた。
「クパァ」という擬音が視覚的に脳裏に鳴り響く。
……生命の神秘をその目に焼き付けた人造生命体の子供は、ますます鼓動と呼吸を荒げ、ゴクリと唾を飲み込んだ後、行動を開始した。
そろそろと顔を近づけ、舌先を拡げられたピンク色の柔肉につける。
その瞬間、キャロは「あッ」と短く喘ぐと同時に、秘裂下の穴からピュッと透明な液体が噴出された。
それをつぶさに見たエリオは、乳首攻めのときとは違う本能的な昂ぶりに理性を焼き切らされてしまった!
後は、自慰を覚えた猿の様に我武者羅に貪る。
両側陰唇を舐めまくり、一番上のすでに勃起して膨らんでいる淫核、クリトリスを舌先で転がし吸う。
「ッッ!?ふぁあん!やあああ……クッ、クリトリス〜〜〜ッ!ああああああッッ!!あああああああああァァッッーーーーーー!!!」
眼を見開いて仰け反り、肺の中の息を全部出し切るように喘ぐ少女の姿は拷問的にも思える。
クリトリスへの効果は絶大だ。
エリオはクリトリスを中心に頬張り、丹念に味わった後、ふいに口を離してその下の穴へ。
「うあッ、うあああッッ!!オシッコの出る穴吸っちゃやだ!はああぁッッ……ん〜〜、んん〜〜!!」
ヴァギナ全体を舐めたと思ったら、膣口上にある小さな小水が出る穴を舌先でグリグリと押し当て、唇を押し当て強烈にバキュームする!
「カハッ……〜〜〜アアアァァッ!?んうあああああ!!やだ!やだぁぁ!!エリオ君、そんなことしたら出ちゃう!出ちゃうぅッッ!!」
泣き叫ぶようにキャロは訴えた!
このままでは出るものが出てしまうと。
だがそれこそエリオの本能が欲するものだった!
結局出なかったミルクの代わりに、少女が体外に放出される液体を望む!!
歯止めの効かなくなった少年の頭を引き離そうと、少女は彼の赤い髪に両手を乗せるが……。
「ふぁぁッッ、ふぅあああああぁぁ??」
自慰では絶対に味わえない強烈な刺激で腕に力が入らず、結局エリオの頭髪をクシャクシャと撫でるような形になってしまった。
そして……。
シュワアアァァァ〜〜〜……
……ゴクン、ゴクン、ゴクン、ジュルゥ、ゴクゴク……
部屋が異音で満たされる。
少女が少年の口内に放出する音と、それを口内で受け止め、一滴残らず少女のを飲みつくそうとする少年の鳴らす喉の音。
「はああああああぁぁぁぁ〜〜〜〜〜………」
恥ずかしさ故眉根を寄せ、困ったような表情をして今まで以上に蕩けきった甘く熱い吐息をキャロは無意識に漏らしてしまっていた。
瞳をうるわせ、恍惚とした顔はとても10歳の女児がして良い表情ではない。
「はぁー。はぁー。あ………わたし……エリオ君にマーキングしちゃった……」
得体の知れない充足感が少女の心を満たす。
放尿と、それを飲尿されるという快感のあまり頭に霞がかってしまったキャロは、比喩として合っているのかいないのか良くわからない言葉を口にしてしまう。
だが間違いなくエリオの内臓をキャロの匂いが染めたのは間違いない。
秘めていたオンナとしての独占欲を刺激され、何度も震える少女の身体。
ちなみに強制飲尿そのものはシャーリーとグリフィスが実践しているのを見て知ってはいる……。
余韻に浸らぬうちに、また少女の体がビクビクと痙攣を起こし始める。
エリオはキャロの尿道から一滴残らず飲み干したことで、ようやく胸のつかえが取れたような気がして、次の行動へのピッチが上がったのだ。
残るは女体最大の神秘、膣口。
舌をすぼめ、限界までキャロの膣内に差し込んで、愛液と軟らかい肉襞をしっかり堪能する。
トロトロと溢れ出る愛液は一度強烈にバキュームして一気に飲み込む。
「あああ……、はあああ……アッ、ヤッ!?ま、またジュルジュルしちゃやだああぁ〜〜〜ッッ!!」
恥ずかしさと、またもエリオの体内に自分の匂いで染めたという満足感が合い混ぜになり、いやだいやだと叫びつつキャロはアクメに到達する。
視界が白くなり、愛液をビュビュっと音が出るほど勢い良く放出し、その出口に密着しているエリオの口内に吸引し尽くされた。
再び繰り出されるキャロの熱く長い吐息と、エリオが嚥下する音が部屋を支配する。
……ようやく全ての行程が終った、とエリオはキャロの顔を見て思った。
キャロはかいた汗で桃色の前髪がおでこにくっつき、幾度の絶頂でとてつもなく扇情的な表情になってしまっている。
さあ、ついに本番に移る。
尿と愛液はエリオのコンプレックスを粉砕。
どこかスッキリしたエリオはこの後、何も気兼ねなくキャロを蹂躙することができた。
そう、まるでシャーリーを虐めるグリフィスの如く……。
ティアナとヴァイスのように愛し合おうと心に決めていた少年決意は、いつの間にか雌を辱め善がらせることになんの躊躇もない怜悧な補佐官のそれに取って代わっていた。
たとえ表面上、キャロのことを優しくしようと考えてもいても、だ。
したがってこの後、己の剛槍を見開通の膣に突き刺し抉ることに何の戸惑いもなく、少女も自分の処女を一気に突き破られるのに何の抵抗も示さなかった。
アレだけ吸っても、なお愛液を滲み出す他人を受け入れたことの無いお口に、槍の矛先がチュとキスをした。
それが照準が終った合図かのように潜り込む。
初めて女性の膣内を味わう感覚でエリオは苦しむように呻き声をあげる。
「ウッ、うあぁ……キャロ!キャロォ……!!」
「痛ッッ……うう………エリオ君の、は、入って……」
容赦なく、ただの一突きで突き破られた処女膜の痛みと、そしてちょっぴりの喪失感。
だけど自分の上で、名前を呼びながら動いてくれる彼の存在に胸が一杯になる。
ようやく"繋がった"というゾクゾクする満足感が、初挿入の激痛と共に少女の精神に襲い掛かる。
苦しみを訴えるように喘ぐキャロのことは気に掛けず、エリオは欲望の赴くまま突き進めた。
ズリュゥゥゥッッ!!
一突きで少女の最奥、大事な赤ちゃんを育てるお腹なの中の"ゆりかご"の入り口、子宮口に少年の亀頭が食い込み……。
「はぁ!はぁ!キャロッ、キャロッ!!キャロォォォォォォーーーーッッ!!!」
少女が痛みで堪える中、自分の身体の中に入っている少年の肉棒が一回り膨れたと思った瞬間、それは訪れた。
ドビューーーッ!
ビュウウゥッッ!!
ドクッ、ドク、ドク、ドクドクドク……………
エリオ・モンディアル、生まれて初めての射精である。
射精のしゃくりをあげる度に、少年は痙攣するかのようにおののき、少女は始めて感じる自分のとは異なる熱さを感じ桃色の悲鳴をあげた。
「ウッ、アッ、あッ、うあっあああ…………」
「きゃああああああッ!!ん、ふぁ!アッ、熱ッッ!!んんッ!エリオ君のが私の中に出てる……出てるのぉ!ふうあああぁーーーッッ!!」
もっとキャロの奥に入れたい、子宮の中に子種を注ぎたいという雄の本能が、ビュクビュク射精しつつ限界まで子宮口にくい込ませようと腰を前進させる。
初々しい精液を浴びて子宮口がふやけ、そこに亀頭が侵入をしようとグリグリと押しつけ……。
「エリオ君、突いてぇ!!もっとぉ!!もっとぉぉぉ!!!」
「いくよっ!キャロの、もっと……奥ッ!!」
涙を流しながら催促する10歳の少女に、一心不乱に答える少年。
もっとお腹の奥でエリオ君のを感じたい。
ビュクビュク出されるのを感じたい。
そういった想いに加え少年が与える子宮口への刺激が、女の子の肉体をオンナの肉体へと変化させる。
先端にある鈴口から出るコッテリとした液体に子宮が反応し、その美味しそうな濁った液体をいっぱい飲み込もうと子宮口が僅かに開く。
その瞬間、亀頭が子宮口一杯に潜り込むことができた。
隙間のほとんど無い、愛液が満たされた子宮内部に顔を出すことができた亀頭の鈴口から、自分の遺伝子を乗せた精子の塊を勢い良く吹き出す!!
ビュゥーーーーッッ!!
ビュウウウッ〜〜〜〜――………!!!
「あっ……うっ!!んんっ……あっ!ふぁぁあッッ!!」
びゅるるる〜〜〜!
どびゅううう〜〜〜ッッ!!
ビュククゥゥ……
「しッ……子宮に注がれてる……!子宮で……エリオ君のが、射精されてるッッ!!うう、んうああぁぁぁーーーーーーー!!!」
子宮の中に確かに溜まっていき、膨れる感覚が快感に直変換され、キャロをもう何度目になるかわからない深いエクスタシーに沈める……。
数ヶ月間に渡り溜めに溜められていたエリオの遺伝子が詰まった精液量は半端でなく、キャロの子宮を一杯にさせ、その下腹部が緩やかに盛り上げてしまっていた。
お臍のスグ下のあたりにある子宮でジワジワ感じる精液の温かさが心地よく、このまま意識が薄れ眠ってしまいそうになったが、エリオの声で覚醒する。
「キャロ!好きだ!好きだぁ!!あ……あ、愛してる……。ボクはキャロのこと愛してるんだぁッッ!!」
「―――ッッ!?ひ……ひどいよ……ひどいよ!その言葉、ヒド過ぎるよぉ……!!」
少年から浴びせかけられる情け容赦ない『言葉攻め』に少女は反応してしまう。
感極まり涙が溢れ、小川のように目元から流れる。
キャロから「ヒドイ」と言われたことにエリオは驚いてしまう。
心から思ったことを、そのまま口にしてしまったのがマズかったのか?
でも今の台詞ってヴァイスさんもグリフィスさんも毎回ラストに言っていたし……。
「グス……わ、私も愛してます!」
「ッ!?キャロ!!」
「出会った瞬間から……エスカレーターで私のこと護ってくれた瞬間から、エリオ君のこと、ずっとずっと愛してました!だから……これからも愛してください!」
「キャロォォ!!」
射精の余韻が残っていたエリオはキャロの告白で感極まり、少女のことを思いっきり抱きしめてあげた。
キャロもそれに答えるかのようにエリオの背に手を回し、唇を重ねる。
何度も、何度も、最初よりも、もっともっと熱いキスを……。
股間からは破瓜の血が混じり、ピンク色になった愛液と精液の混合液が新しい染みを作った。
想いの内を出し合い、晴れて【恋】から【愛】へクラスアップしたことで、萎えかけていたエリオの亀頭が元気に膨らむ!
エリオのペニスが漲ることで射精のサインをキャロに送った。
苦しそうな表情でエリオは、動いてもいないのに自身の限界が来ている事を伝える。
「うあぁ……きゃ、キャロ!ボク……また、で、出ちゃうよ!!」
「うん!いいよぉ!きて、エリオ君!!」
桃色の髪の姫君の許可が降りた途端、赤い髪の槍騎士は、愛しみたい想いと本能からくる欲望でゴチャ混ぜになって濁った液体を、彼女の最奥に注ぎ込んだ。
「うッッ……!!」
びゅくっ……
びゅうううぅぅ……
わずかな短時間で大量生産された精液は粘っこくコッテリとしていて、子宮口に潜り込んだままの鈴口から少女の子宮内を白く塗り上げた。
生まれてから二度目の精通に、エリオは目をキツク閉じ、歯を噛み締めて"耐える"。
射精の快感に、文字通り「腰が砕け」てしまい、少女に圧し掛かってしまうのを防ぐためだ。
初体外に放出されたエリオの遺伝子情報を載せた精子が向かう先は、キャロの神聖な"ゆりかご"。
……半ばエリオの亀頭に抉り食い込まれ、ねじ開けられた子宮口から子宮の深部に精液が流れていく。
輸精管を通り、吐き出されたそれは、粘度がドロドロに高く、大好きな少女の中を内側から穢し、染め上げ、隅々まで染み渡る。
「あ、エリオ君の熱いのが、また私のお腹の中で出てる………。ふぅあああああぁぁ……、んぅ、んああぁぁーー……ッッ!!!」
少女を内側から自分のモノにしたという背徳感が少年の精神を焦がす。
射精とともに、ビクンビクンとエリオは体を仰け反り震わせる。
その体を離れさせまいと、キャロは無意識にエリオの背中に回している手足に力を入れ、ギュウとしがみ付いた。
「あッ、あああ……」
「ふああぁ……」
互いに息を吐き出すときに、自然と声がのってしまう。
ひと段落ついたところで、エリオの腰が大きくグラインドをはじめる。
「あぁ、んああッッ!?やッ、エリオ君、だめェ!!動かすのキモチ良すぎるのオオォォ!!」
引き抜かれる動きだけで、キャロは眉根を寄せた顔で善がる。
開発されたばかりの膣壁がエリオの亀頭裏側をザラザラと刺激した。
それだけで射精しそうになるのをエリオは堪える。
そう、まだ本当にはじまったばかり。
夜はこれからなのだから……。
理性を染めていた桃色の霞が薄まり、少女が意識が目覚めると自分の身体が持ち上げられていることに気づき……。
「……ん?あ、ふああぁぁぁ〜〜〜……………」
気を失ったキャロが再び意識を取り戻した瞬間、彼のがまだ自分の体内奥深くに居ることを感じて軽くイッた。
自分の体重で深く飲み込んだ少女の子宮のお口は、少年の亀頭をパックリとくわえ込んでしまっている。
子宮口から発生する快感を意識して、エリオの身体に手足でギュッと締め付けると同時に、お腹全体でも少女は少年のペニスをキュゥッと締め付ける。
失神したキャロに負担を掛けまいと、身を起き上がらせ正面体座位となったエリオは、少女の発した小さく、そしてとても軟らかい嬌声を耳元で聴いて、未だ衰えない自分の剛槍がさらに硬くなるのを実感する。
柄、矛先、ともに先の最大化と同じようになり……それはまだ10歳の少年の敏感な部分が10歳の少女の膣の柔軟さを堪能するに充分に有り余るものだ。
少年は呻き声をあげながら、少女のお尻を持って上下に揺り動かし始める。
二人の繋がった部分からクチュクチュと音が発つ。
キャロはエリオの肩に力無くもたれかかりながら、蕩けた表情で再び淫蕩な喘ぎ声を出す。
「ふあ、あ、あっ、あっ、やああ、あぁぁ……。え、エリオ君、ダメェ……。お腹の一番奥、そんなにクチュクチュしたらま、ま、またイッ……!!」
キャロの身体がぶるぶると震えたかと思うと、突然強張り……。
ぎゅううっ!!
「うッ、うああ、キツイよ、キャロォッッ!!」
愛する女の子の名を叫びながら強く抱きしめ、自分のペニスを全て少女の中に突き入れる。
そして……。
びゅうううううぅ!!
ドブゥッ!
ドブ、ドブゥ、ドブゥ………。
(ふぁ、熱……)
まだ幼い少女の脳を、注ぎ込まれる幼い少年の精液の熱さで再度ピンク色に融かして茹で上げた。
対面正座位という形故、竿の長さ分、深く、深く子宮口に潜り込んだ少年の鈴口から吐き出される白く濁った液体は、ダイレクトに10歳の女の子の子宮に注ぎ込まれる。
「ああん!?んあ、んははぁ、んあああああ!んはあああああぁッーーーーーー………ッッッ!!!」
赤ちゃんが育まれるお腹の中のゆりかごに、自分の体温とは違った熱さを持った液体が注入される感覚が今やすっかりエクスタシーへのスイッチになってしまった。
それはポルチオ性感帯を有する子宮口にくい込まれる快感と合いまり、まだ10歳のキャロをめくるめく絶頂に押し上げ……そして母性本能に近い"何か"目覚めさせて歓喜の涙を流させる。
嬌声は最後にかすれるような音を出して止まり、少女の意識は再び遠くなった。
トクントクンとさっきまでの勢いはなくなったが未だ止まらない射精はエリオの意識をも薄め……無意識に愛する少女の頬を伝う涙を舐め、耳たぶを甘噛みしていた。
少年が行う無意識の愛撫に、少女も無意識に反応し、小さく可愛い声をあげる。
そして夢心地のまま二人はキスをする。
「ん……ふっ、ん、ん、ンッ……んん……」
互いに互いの唇を重ね、舌を絡めあう音が部屋を支配していた……。
(はぁ……エリオ君……好きぃ……)
(キャロ……)
ただひたすら愛おしい………愛おしくて堪らなかった………。
"想い"がココロを強化する。
絶対に負けられない、絶対に死ねないと少年は思った。
そして、薄紫色の髪の少女を絶対に助けたいと……。
"想い"が身体を変える。
身体の奥深く……変化は最初に愛する人の精液を胎内に受け入れたときから始まった。
少年の生まれて初めて体外に放出された精子はそのまま異性の子宮へ入り、一本気に進んで卵菅を突き進み、その最終点へ。
これから第二次性徴に入ろうというばかりのキャロの卵巣は、エリオの精子に小突かれる。
そして男子の精子に元気よく突かれ、10歳の女の子の卵巣は、まるでそれに応じるかのように卵子を放出……。
いま初めての排卵!
刺激排卵という言葉があるが、このタイミングの排卵はまさに奇跡と言えた
それはキャロが性交直前に感じていた【恐怖】感で生存本能が強く刺激されていたのと、想像を絶する快感など複数の要因で、ほんの少しだけ……そう、本当に少しだけ早く卵巣を成熟させて卵子を排出してしまったのだ。
少女が感じていたお腹の不思議な熱さ……。
それはオンナになった証ともいえる熱さだったのだ。
一般には性交時排卵とも言える現象が生理発生前に、今、この瞬間に発生してしまった。
そして初めて放出された精子は、初めて生まれた卵子の中に挿入される。
あたかも、現在進行形で行われている"産みの親"のセックスのごとく……。
こうして10歳の遺伝子は互いにまぐわい、溶け合い、ついには健全な受精卵が誕生した。
数日後。
激闘の果てに、聖王のゆりかごが消滅した光が地上でも見えた。
これで全てが終った。
誰もがそう思った。エリオとキャロの二人も。
その時だった。突然キャロがしゃがみこみ……。
「ううッ……ォエ……」
びちゃびちゃと、地面にキャロが食した物が戻される。
大丈夫です、というキャロの言は無視され、すぐさま医療施設で精密検査を受けさせられた。
………こうして10歳児の妊娠が判明し……まだ事件の後始末は大量に残っていたが、ライトニング分隊隊長はキャロがいる医療施設に駆け込む。
シャマルから説明を受けたフェイトはこの事態に、どう声をかければいいかわからず……キャロを抱きしめて泣きじゃくってしまったという。
まずキャロは自分の妊娠が信じられず、何度も何度も問いただした後、泣きじゃくり……決断を迫られた。
4人分の胎児を10歳という若すぎる胎内に宿らせたキャロに身体は、日常生活を危ぶまれるほど深刻な妊娠中毒症状を起こす危険性があった。
専門家の意見は、出産までに母体が持つとは思えないという。
……問題はその『人数』だったのだ。
この受精完了の後、二回目の排卵が行われたので、最初に生まれた受精卵は"兄と姉"になる。
"弟と妹"は対面正座位でキャロが意識を取り戻してオーガニズムに入った瞬間に排卵されたものだ。
四人という人間には多い受精卵が誕生したのは、キャロの子宮両サイドの卵巣が左右同時に排卵したからであるのだが……。
後にジェイル・スカリエッティはこう述べる。
F計画の遺児、それも未成年が通常の性交で多胎妊娠が成功するのは宇宙誕生と同じ確率だと……。
(なお、仮釈放後、妻ウーノとの性交で6人同時受精ができたため、胸を張って唱えた希少確率説を泣く泣く捨てたが、それはまた別の話になる)
既に起き始めている激しい嘔吐の繰り返しは栄養摂取の障害となる。
それでもキャロは自分のお腹で子を産むと決断。
この時"行方不明"になっているエリオは必ず返ってくると信じてのことだった。
時空管理局の総体としては、この早すぎる妊娠に一応の祝辞を送ると共に、キャロへの慎重な事情聴取と行方不明になったエリオを勘案し、児童を戦場に出すことの意味を改めて考えさせられた。
六課隊長の八神はやて、二人の子供を「追い詰めた」己の未熟さを痛感し、一からやり直すことを決意。
ヴォルケンリッターも解散させ(ザフィーラはアルフと共にキャロの護衛役になった)、改めて自分とリィンフォースだけで最初から歩き出すことになる。
しかし、一番ショックを受けたのは当の本人達であろう。
もとから深いトラウマを抱えていたエリオが行方をくらました経緯を考えれば当然といえる。
後日、エリオは両親と共にキャロの前に帰ってきた。
そして一緒に連れてきた父と母にキャロを紹介し、キャロをモンディアル家の籍に入れてもらうよう快諾してもらった。
キャロや六課の皆は、エリオがどのようにモンディアル家と和解したのかあえて聞かない。
ただエリオの父親の顔は殴られた痕が幾つもあったことから、大きな困難を乗り越えたのは間違いなかっただろう。
機動六課で残っていた仕事はヴァイスとグリフィスが分担してやってくれていた。キャロの分はティアナとシャーリーが代わりにこなした。
……まあ年長者としての責任を感じてくれたのだろう。
その日の内に、エリオは恥ずかしがる様に取り出した婚約指をキャロにプレゼントし、キャロは正式にモンディアル家の一員になった。
数週間後、容態が安定したキャロは晴れてル・ルシエの故郷に帰り、自分の夫・エリオを一族の皆に紹介した。
そう、モンディアルへ入籍したことでル・ルシエ族の束縛からようやく解放されたのだ。
なお、フェイトの長年による働き掛けで、今後キャロのような子が現れても時空管理局が協力することで、一人旅に出させるという不条理な戒律はすでに無くなっていた。
●エピローグ
10歳という年齢で4人の母となることを決意したキャロ・L・"モンディアル"に一切の後悔は無い。
なぜなら彼女の側にはいつも最愛の夫で守護騎士エリオ・モンディアルが居るから……。
彼だけではない。
六課の仲間たちや周りの大人たちも助けてくれる。
モンディアル家やル・ルシエ族は一族を挙げて助けると確約してくれた。
ナンバーズ更正組は、エリオとキャロの赤ちゃんに会いに行くという目標を立て、施設で猛勉強中だ。
チンクからは。自分のお腹のゼストの子とどちらが早く生まれるか勝負を挑まれている。
ルーテシアも、母メガーヌの回復を待って会いに来てくれると約束。
沢山の人達の協力があって11歳の誕生日を迎えたキャロのお腹は順調に大きくなっている……。
それでも残った問題はいくつもある。
しいて言うなら……。
「エリオ君……ごめん。こんなことになっちゃって……」
「ほら、何度も言わない、キャロ。ちょっと早すぎちゃったけど……ボクとキャロと本当の意味で一緒になれたんだ!ボクは嬉しいよ……本当に……」
「……うん!」
「それじゃボクの方から言うね。キャロのお腹から最初に生まれる子が男の子だったら、その名前は………」
<END>
以上、
「おれはショートストーリとして短期で書き上げようとしたら、
いつのまにか二ヶ月以上経っていた!」
な…なにを言ってるのかわからねーとおもうが
俺も何ボヤボヤしてたのかわからなかった……orz
ごめんな待たせて……
さあ、溜まっている他の続編を書き上げねば!!
それでは失礼しました!!
>>35 GJwww
良い話なのにッ! JOJOのナレーションじみた地の文でッ! 笑わざるを得ないッ!!
キャロがエロ可愛いw
GJ!&乙!
ずっとずっとこんなエリキャロを待ち続けたかいがあった!
作者様本当にありがとうございます。
これでかなりの煩悩ゲージが回復できました
エロイのう、エロイのう…
>>35 GJ!!
エリキャロ妊娠最高でした…
とにかくこれ以上ないというぐらい満足
やはりエリキャロこそ我がマイフェイバリットカプ!
キャロさんかわいいよキャロさん
>>35 GJ!エロいぜえ!!
エリキャロはやっぱりいいね。素直に祝福したい二人だ。ありがとう!
キャロの出産セクロスまだー?
多分こういう話を書いてた事なんてすっかり忘れ去られてると思いますが
「Nの系譜」の続きを久し振りに書かせてください。
・以前…「なのはが突然事故死して、そのショックでユーノは約十五年無限書庫に引きこもってたけど
美しい大人の女性に成長したヴィヴィオが現れて、彼女の頑張りでユーノは元気を取り戻して
さらには結婚。後に誕生した子には『なのは』と命名した…。」って話を書いたのですが…
今回はそれからさらに時が流れたお話です。
・そのユーノとヴィヴィオの間に誕生した方のなのはが主役のお話です。
・事故死した設定の『高町なのは』と差別化する為に『なのはjr』と表記します。
・で、なのはjrもまた管理局魔導師として働いてると言う設定でもあるのですが、
そこからさらに二人の仲間(もちオリキャラ)が登場します。
・なのはjrがユーノとヴィヴィオの子供と言う設定である様に、その仲間キャラ二人も
アニメ本編に登場するキャラと何かしらの形で関連のあると言う設定でもあります。
・敵もオリキャラ。で、やっぱりアニメ本編と何かしら(中略)
・当然オリキャラ注意
・非エロ
・最低SSを目指し、オリキャラ主役路線やって見たけど最低に成り切れない中途半端SS注意
・一応長編もので、何回かに分けて書きます。
・なのはjr表記について意見を頂きましたが、途中で変えるとそれはそれで
こんがらがるのでこのまま通します済みませんorz
「なのは=スクライア! ジェーハ・マチエティ! 三式機のは! 以上三名出頭いたしました!」
なのはjr達が指定された第○○会議室へ出頭すると、そこにはリンディ提督の姿があった。
『リンディ=ハラオウン』
諸事情によりなのはjr達三人を正当に評価しかねている他の者達と違い、
彼女はなのはjr達を一人の人間として見てくれている数少ない人物の一人だった。
そして、なのはjr達も自分を一人の人間として時に優しく…時に厳しく接してくれる
リンディが大好きだった。しかし、一つだけ解せない部分がある。
それは彼女の年齢と外見が余りにも見合っていないと言う点。
実年齢を見れば、既に彼女は六十を楽に超える高齢のはずなのだが…………
今なのはjr達の目の前にいるリンディは至って若い。と言うか、実年齢で言えば
リンディより何十歳も年下である、なのはjrの母・ヴィヴィオより幼く…ゲフンゲフン
若く見えるってのはどう言う事だ!? 謎である…。
リンディの軽い紹介を終えた後で、彼女は真面目な顔で三人を見つめた。
「実は大変な事が起こったのよ。」
「大変な事…と言いますと?」
「まずはこれを見て頂戴。」
リンディが手に持っていたリモコンを操作すると、モニターに映像が映し出された。
映像が映し出されたのは何処かの荒野だった。そして…
『うおおおおお!! 撃て撃て! 撃ちまくれぇ!!』
と、武装局員が何やらぎょーさん集まってある一方へ攻撃魔法を撃ちまくっている。だが…
『くそ! 構わず接近して来やがる!』
『退け! 退け! 退きながら撃て!』
彼らが戦っていると思われる何者かは砲撃魔法の雨にも怯む事無く、一歩一歩歩み寄り…
『うわぁぁぁ!! 化物だぁぁぁぁ!!』
と言う武装局員の断末魔と共に…何者かから放たれた強力な攻撃魔法が局員達を
まとめて吹飛ばしていた…………
「うそ…。」
「一体何者なんだ? あれだけの大部隊を一人で…。」
『………………………。』
映像を見ていたなのはjr達は驚きを隠せなかった。しかし、そこでリンディが言った。
「確かにたった一人であれだけの大部隊を倒せる存在は大変な事よ。しかし…本当に大事なのはここから…。」
「え…。」
リンディの言葉に三人は再度映像へ注目すると…
もはや戦場跡と化した荒野。その彼方此方に先程倒された武装局員達が倒れていた。
しかし、この映像を撮影していると思われるカメラマンは懸命に現場を撮影し続けている。
そして、カメラのピントが武装局員達を全滅させた何者かに合った。
「あ! あの顔…どこかで見た事が…………。」
「そ…そう言えば…そうだ…。」
映像に映った何者かの顔を見たなのはjrとジェーハは揃ってそう言っていた。
映像に映っていた者…それは人間であって人間で無い…何者かだった。
パッと見は人間の少女の様に見えるのだが…その一方で両肩や両腕、両脚等に
魔導師用デバイスをそのまま手足にした様な…その様な形をしている。
確かに戦闘機人等を始め、サイボーグの類は幾らでも確認されているのだが…彼女は違う。
まるで最初からデバイスと融合した形で誕生しているかの様な…自然さを見せていたのである。
だが、それ以上に問題なのは彼女の顔にあった。それは何故かと言うと…
「そう…彼女に似ているのよ。」
「彼女?」
リンディの言葉になのはjrとジェーハは首を傾げるが、リンディは続けた。
「実はこの映像を撮り終えた後、奇跡的に生還した職員が現場に落ちていた彼女の頭髪を
持ち帰ったの…。それを解析した結果…N細胞が検出されたわ。」
「N細胞!!」
「って何!?」
初めて聞いた単語に思わず突っ込んでいたが、リンディは構わず説明を続けた。
「N…。その語源は時空管理局史上最強と名高い一人の魔導師の名前の頭文字から来ているわ。
正式名称はNANOHA細胞…………。」
「え…NANOHAって………まさか…………。」
「そう…。NANOHA………それは今は亡き高町なのはさんの事よ。」
高町なのは。その名は時空管理局において既に伝説と化していた。
エースの中のエース。エース・オブ・エースと呼ばれ、その名に恥じる事無く
様々な大規模時空犯罪の解決に貢献した偉大な人物。その実力は歴史上の数多の
大魔導師達と比較した上でも史上最強と名高い。あえて残念な所を挙げるならば
ある日突然事故死してしまうと言う最期を辿った事と、彼女の教えを受けた魔導師は
確かに普通の水準で考えれば強いけど、伝説になる様な偉大な人物は輩出されなかった点であろうか?
ちなみになのはjrの祖母にして、ユーノの幼馴染でもある。
「で…でも…でもどうして映像に映ってた謎の人はお婆ちゃんと同じ細胞を…?」
謎の人物が亡き祖母と同じ細胞を持っていると分かっても、何故そうなるのかなのはjrには解せない。
そこでリンディはやはり真剣な表情で言った。
「確証は無いけど…もしかするならば……高町なのはさんが初めて経験した時空犯罪事件…
ジュエルシード事件の際、次元空間上にあった『時の庭園』でなのはさんが戦った時に
本来から抜け落ちたN細胞の一欠けらが次元空間を漂う内に、次元空間に存在する
未知のエネルギーの影響を受け、なおかつ同じく次元空間上を漂っていた
デバイス生命体と融合・自己進化する事によってあの様になってしまったのだと思う…。」
「まるで魔法少女版スペースゴ○ラですな…。」
真面目な顔で身もフタも無い事を言うジェーハだが、やはりリンディは真面目な顔のまま
砂糖の大量に入った緑茶を飲み干し…続けた。
「と言う事で…この度時空管理局は彼女を…『ディメンションNANOHA』と呼称する事に決定したわ!」
ディメンション…すなわち『次元』を英訳した物である。
次元空間上にて異常進化した高町なのはと同じN細胞を持った超次元生命体。
人々は彼女を…ディメンションNANOHAと呼んだ。
あの謎の人物が高町なのはと同じN細胞を持ち、ディメンションNANOHAと
呼称されたのは分かったが、まだまだ解せない所があった。
「所で…その情報をどうして第一に私達なんかに教えたのです?」
なのはjrは何気無くリンディに訪ねた。普通に考えて、ここまでの事になると
態々三人だけに教えると言った事をする必要は無い事は彼女でも分かる。
それ故に何故なのはjr・ジェーハ・機のはの三人だけを特別扱いする様な
リンディの行動が解せなかったのだが…彼女はやや笑顔を見せながら言った。
「それは…貴女達三人は高町なのはさんと関係があるからよ。」
「え…? ちょい待ち、リンディ提督。確かにあの高町なのはの孫であるなのは君なら
いざ知らず…私と機のは君も高町なのは関係者とはどういう事なのですか?」
ジェーハは思わずそう質問していた。確かになのはjrは高町なのはの孫なのだから
関係はあって当然だが…ジェーハと機のはの二人に対してもどんな関係があると言うのか?
リンディは真面目な顔でジェーハを見つめて言った。
「ジェーハ君…少し失礼な事を言うかもしれないけど…怒らないで聞いてくれる…?」
「は…ハイ…。」
ジェーハは軽く頷くしか無かった。今なら多少の失礼は大目に見れた。
それ以上に自分と高町なのはの関係が気になるのだから…。そしてリンディは言う。
「ジェーハ君が人工授精児である事は衆知の事実だけど…貴方は一体誰の精子と卵子を
人工授精させて誕生したかご存知?」
「い…いえ…自分は…ただ優秀な科学者の精子と魔導師の卵子が使われたとしか…。」
普段なら『人工授精』に関しての話題を出されると怒ってしまわざるを得ないジェーハだが、
今の彼は怒る気にさえなれず…リンディの質問に素直に答えるのみだった。
「そう…なら真実を教えてあげる…。ジェーハ君…貴方を生み出す為に使われた卵子は…
その高町なのはさんの物なのよ…。」
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
なのはjr・ジェーハの二人は思わず叫んでいた。無理も無い。余りにも衝撃的だったのだから…
「ななななな何ですかそのいきなり後から取って付けた様な超設定は!!」
余りにも衝撃的過ぎてむしろリンディの正気を疑ってしまうジェーハだが、リンディは動じない。
「あいにくだけど…後から取って付けたワケでも超設定でも無い。
貴方は紛れも無く高町なのはさんの卵子を使って生み出されたのよ。」
「で…ですが…リンディ提督…。ジェーハ君がお祖母ちゃんの卵子使ってるって言っても…
その割りにお祖母ちゃんと全然似てないじゃないですか?」
なのはjrは両親の持っていたアルバムの写真から、祖母である高町なのはの生前の顔を知っていた。
それ故に分かる。ジェーハは高町なのはとは全く似ていないと。
「それは…顔に関しては恐らく精子…優秀な科学者の方を色濃く受け付いたのね。」
「じゃ…じゃあその優秀な科学者って言うのは誰なんですか!?」
なおも慌てながらその事に関しての質問をするジェーハだが…
「それは…聞かないで頂戴…。」
「え…。」
リンディは答える事は無かった。何故ならば…ジェーハを生み出す際に高町なのはの卵子と
組み合わせられた精子とは…確かに優秀な科学者であるが…同時に天下にその名を轟かせた
大時空犯罪者ジェイル=スカリエッティの物だったのだから…。
一息付いて…なのはjrが会話に加わって来た。
「と…とりあえず…ジェーハ君がお祖母ちゃんの卵子が使われてるから関係者って事が
分かったけど…あ…あれ? ちょっと待って? じゃあ…それだとジェーハ君は
お祖母ちゃんの子供になるわけだから…ジェーハ君って……………つまり………
私の叔父さんって事にならない!?」
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
またも衝撃の事実が明らかとなってしまった。ジェーハが高町なのはの卵子を使って
生み出されたという事は、高町なのはが直接産んだ子では無いにしても、
立派に高町なのはの血を受け継いだ彼女の子供と言う事になる。
それ即ち、同じく高町なのはの子であるヴィヴィオの娘であるなのはjrから見れば
ジェーハは叔父と言う事になってしまうのである。
「じぇ…ジェーハ…お…おじさん…?」
「おじさんはやめい!! 第一まだそんな歳じゃないし! 何より戸籍上は
全くの赤の他人扱いだし………って言うかヴィヴィオさんだって高町なのはの
養子であって、血の繋がりは無いのだから………とにかくおじさん扱いはやめてくれ!!」
ジェーハは顔を真っ赤にさせて叫んでいた。まあ確かに、自分と大して歳の変わらぬ
なのはjrに叔父扱いされるのが嫌なのは仕方が無い。
「お願いだから今まで通りの呼び方で行ってくれ。それに…今更高町なのはの子だったと
言われたって……彼女を母さんと呼ぶ事なんて出来ないよ。」
「ジェーハ君…ごめんなさい…。」
少し強がりながらも悲しげな顔をしていたジェーハになのはjrも申し訳無くなり、
思わず頭を下げるしか無かった。だが、そこである事を思い出した。
「あ、ジェーハ君とお祖母ちゃんの関係が明らかになったとして…機のはさんとは
どういう関係があるんですか?」
『!』
確かにリンディはなのはjr・ジェーハのみならず機のはに対しても高町なのはと関係があると言った。
なのはjrがそれに関して質問をした時、普段何事にも動じないはずの機のはが一瞬震えた様な気がした。
そしてリンディもやはり真面目な顔のまま…
「何を隠そう三式機のはさんは高町なのはさんの………ゲフンゲフン!! ごめんなさい…今のは
聞かなかった事にして………。」
「え!?」
これから核心に迫ると言う所で突然掌を返すリンディになのはjrとジェーハの二人は驚いた。
「どうしてです!? 教えて下さいよ!」
「気になるじゃないですか!!」
「ゲフンゲフン!! ゲフンゲフン!! ゲフンゲフン!!」
二人が問い詰めてもリンディは気まずそうな顔で答える事は無かった。
「と言う事で貴方達三名も緊急出動!! いいわね!?」
苦し紛れに出動命令を出すリンディだが…なのはjrとジェーハは釈然としなかった。
とりあえず今回はここまで。続きは多分かなり先になると思います。
あと、リンディさんが老けてなかったりとかその突っ込みどころのある
超設定があがったりでスマソ
SSの内容以上にとある一文に情熱が感じられますねwww
GJですwww
52 :
554:2008/07/08(火) 23:52:03 ID:s+JoapSZ
さて、落ち着いてきたところでクリニックFいいですかい?
53 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:56:23 ID:6WQcaHvk
全然OK!! 早くカモン!!!
54 :
554:2008/07/09(水) 00:04:24 ID:s+JoapSZ
んじゃ行きます。
・カップリングはジェイル(あえてこう表記)×ウーノ
・スカの性格がかなり変化してます。それについては後に触れますが、気になる人はNGしてください。
・なのはキャラはスカとウーノ以外はフェイトくらいしか出ません。しかもかなり後半。よってほぼオリジナルストーリー。
・NGワードは「小さな町の小さな診療所 クリニック・F」です。
それでは原案の73-381氏に毎度のように多大なGJを送りつつ、投下したいと思います。
55 :
554:2008/07/09(水) 00:05:17 ID:s+JoapSZ
言い忘れましたが、今回エロなんでNGな方はスルーでお願いします。
56 :
554:2008/07/09(水) 00:05:47 ID:YSdDZ3vZ
白くて綺麗で、それでいたむっちりとした肉感を醸し出すその物体がジェイルの視界一杯に広がっていた。
ウーノはジェイルに言われたとおりにお尻を上げて突き出すような格好になり、彼へと恥部をさらけ出す。
そんな彼女の陰部は先程の愛撫と口淫で既に熟れきっており、短い間隔でひくひくと、何かを待ち望んでいるかのように卑猥に蠢き続ける。
ウーノ自身の脳内も先程の前戯でショート寸前らしく、しきりに腰を振っては後ろを振り向いてジェイルの男根を物欲しそうな目線で眺めている。
ジェイルもそれを分かっているが、一向に彼女に応えようとせず、ただウーノが空回りをしているだけの状態になっていた。
それでもなお、ウーノはジェイルに向かって腰を振り続ける。ウーノも分かっているのだ、自分がからかわれていることくらい。
分かっていてもそんな痴態を晒し続けるその訳は、ウーノの陰部の絡め取るようなその動きに全て集約されているようだった。
「おねがします……は、早くいれてください……」
ニヤリ、とジェイルはほくそ笑む。
まだ我慢、まだ我慢、と自身と自身の”無限の欲望”に言い聞かせながら彼女の恍惚とした表情や、羞恥で真っ赤に染まった頬、それにゆらゆらと動き続ける彼女の臀部などを嘗めるように睨みながら、ほくそ笑んだままの表情で言い放つ。
「さて、何をどこに入れて欲しいのか、私にはさっぱりなんだが、ん?」
「い、いじわるしないでくださいよぉ……」
腰をくねらせながら目を虚ろにさせてジェイルを見つめるウーノ。しかし、ジェイルは変わらず厭らしい微笑みを浮かべたままだ。
ウーノはやがて観念したのか、意を決したように溜息をつくと、襞を広げるように尻肉を掴む。
そして、先程よりも更に顔を赤く染めながら、ジェイルを子どもが欲しい物をせがむ時のようにしっかりと見据えて口を開く。
「お、お願いします……わ、わたしのびちょびちょになっているここに……その、あなたのそれを……」
「ふむ、私としては少々物足りないが、許してやろうか」
「あ、ありがとうございんああっ!!」
許してやろう、とは言っているが、声に出すほどに限界だったウーノと同じように、ジェイルもまた我慢の限界だった。
ウーノはそれに応えるように悩ましい声で悦びの声を高々と上げる。
それと同時に耳を傾けなくとも互いの性器がぐちゅぐちゅと粘性のある卑猥な音を立てて片方が飲み込まれていく。
「ふああああっっっっ!!」
甲高い女の嬌声と共にジェイルの肉棒が根本まで完全に見えなくなった。
声を抑えるなどという思考は既に吹き飛んでおり、上がる声にも躊躇や抑制といった感情は全くもって含まれていない。
はぁはぁと荒い息を上げるウーノを見て少し間をおいてから、根本まで挿し込まれたモノをゆっくりと引き抜いていく。
「あぅあっ! こ、こふれるぅぅぅぅ!! やめっ、ふわぁぁぁっっ!!」
肉と肉が擦れあい、ウーノだけではなくジェイルもその快感に顔を歪め、そして少しずつ引き抜いたモノをゆっくりと戻していく。
その動作の繰り返しだけのはずなのだが、それだけをしている時間が二人にとってはかけがえのないものに感じていた。
囚人の身でありながらこうして夜の営みにうつつを抜かす。
一度堕ちてしまえばどこまでも堕ちていってしまいそうなほどに甘く、それでいて胸を締め付けるように切ない、この時間が。
ウーノにとっても、ジェイルにとっても、欲望のままに生きているだけであるはずのこの時間が、それはもう堪えきれないほどに愛しいという感情を胸の奥底に憶えていた。
「ぅああっ! ……はぅんっ! ……っぁあっ!!」
ジェイルの回転数が徐々に上がって行くにつれて、それに比例するようにウーノの嬌声の感覚もまた狭くなっていった。
傍目では苦しんでいるように見えるウーノだが、自分の両手をジェイルの右手と左手に自分から絡ませ、自らの意志で自分の尻をジェイルの股間へと打ち付ける。
それにジェイルの突きも加わり、密着部分ではぐちゅぐちゅとした音が微かに二人の耳を揺らし、そして全体ですぱん、すぱん、と何かを叩いているような音が狭い寝室の中に響き渡る。
更にジェイルの打ち突けは強まり、ウーノも自分の手で腰を打ち付けるという行為はもはや出来なくなり、両手を地面へと下ろしてしまった。
「っはぁっ! ……ど、ドクタはぁあんっ! ……激しっうあん!!」
ウーノの両手によって拘束されていたジェイルの腕はウーノの腰に回され、自身の運動だけでなく手で引き寄せるようにして更に彼女への責めを早めていく。
それに呼応するように、ウーノの甲高い嬌声はより激しさを増し、かろうじて開けられていた瞼が完全に閉じられてしまっていた。
やがて、上下運動を繰り返してきたジェイルの肉棒もそろそろ限界を知らせるかのように、先端の膨らみが少しずつ増していた。
そしてそれに呼応するかのごとくウーノの膣に力が籠もり、せっかく掴んだ幸せを離すまいとジェイルの肉棒を締め付け続ける。
「ぅあああああ!! ……い、イっちゃいますんぅぅううっ!!」
「……っう! ウーノ! い、イクぞっ、ウーノッ!!」
「んあっ!!」という二人共に同じような声が聞こえたかと思うと、二人は力無くその場に倒れ込んで、ぜー、ぜー、と息を整え始める。
ジェイルのモノは未だ中に入ったままだが、異物が入ったままの状態であるはずのウーノの顔は、これ以上ないほどに幸せに満ちあふれていた。
「あつぃぃ……。お腹の中がやけどしちゃいますよぉ……」
とろんとした目つきで優しく自分のお腹を撫でるウーノと、それを息を整えながら優しく口元をゆるめて彼女を背中から抱きしめるジェイル。
そこにはまるで夫婦のような、いや、本物の夫婦よりも美しい光景が一つのベッドの上で繰り広げられていた。
至福の時というのは正にこんな時だと体現するかのように、熱いキスでお互いをねぎらう二人の間には、部屋の壁で時を刻む時計とは別に、それとは別の時間が流れているとしか言いようのない、二人だけの時間がそこには流れていた。
未だに、彼女の中では白濁とした液体が胎内で踊り続けている。
さて、ウーノとジェイルの体は戦闘による疲労というのは計算されているが、こういった行為による疲労はウーノの制作時やジェイルの誕生時には全くと言っていいほど考慮が為されていない。
だから、このとてつもない疲労感というのも彼らが創造主の設定した本来の目的通り生きていたならば有り得ない疲労蓄積だっただろう。
故に、何度か経験しているこの倦怠感というものに、ウーノは未だに慣れられずにいた。
それが失敗だったのだろう。今宵のジェイルは薬のせいか、先程口と中で二回も果てたにもかかわらず、彼のブツは未だに凶悪な形を保ったままだ。
ウーノは苦笑いを浮かべながらも、おそるおそる聞いてみることにした。
「あの……まだ、ですか?」
「これくらいであの薬がどうにかなると思ったかい、ウーノ?」
「……すいません」
首を前に倒して項垂れるウーノであったが、若干の期待の色が頬に浮かんでいたことに彼女は全く気づいていない。
そして、対するジェイルがそれを見逃すはずなど有りはしなかった。
夜は、まだ長そうだった。
□ □ □ □ □ □
「はあ……」
腰をさすりながら深い溜息をつくのは白衣姿で受付に佇むウーノその人である。
昨晩(と言うと彼女が最後に見た空は若干明るかったのだから語弊になるかも知れないが)のことを思い出すと、よくこの場所に座っていられるな、と思うのがウーノの正直なところである。
腰は痛いし、股はひりひりするし、頭は寝不足でガンガン言っているし。
ちなみにジェイル本人も、さすがに疲れが溜まっているのか、患者が来るまでは奥の事務室兼住宅のソファーでテレビを見ながら雑魚寝を決め込んでいる。
思い出すのも恥ずかしいが、あの時の私はどうかしていたのだと思う。というか、そうであったと信じたい。
一度目の膣内射精の後、三度目くらいまでは回数を数えていたのだけれど、その後は記憶も飛び飛びで何度愛されたのかの正確な数は今も謎のままだ。
この体の中にどれほどの種子が宿っているのかと、そう考えては見るのだが、体の血流が高まって冷静な思考が出来そうになかった。
所詮、安全日というものを選んで性行をしたのだから、万一がない限りは受精ということにはならないと思うのだが、それはそれで悲しい。
いつか、危ない日を狙って行為に及ぶこと日は来るのだろうか。そんな妄想をぶんぶんと勢いよく顔を横に振って打ち消す。
自分は、あの人の従者でしかないのだから。ただ、私を慰めの捌け口として利用してくれればそれだけで良いのだ。
それなのに、自分にのしかかってくる体重を布団に手を突いて緩和させてくれたり、そのまま激しく行けばいいものを自分が慣れるまでゆっくりと進めてくれたり、何より私の―――――
「……ウーノ」
自分の名前をそっと囁いてみる。
この名前は便宜上の、名前とも呼べるかどうかも怪しいものとして名付けられたものだ。
それを、何度も何度も、愛しいという感情が自分にも伝わってくるほどの優しい声で、何度も何度も―――――
「はあ……」
ウーノはもう一度大きく溜息をついた。
62 :
554:2008/07/09(水) 00:15:10 ID:YSdDZ3vZ
つくづく実感します。私はエロパロ向きの職人じゃないんだなって。
この話と一つ前の話の執筆速度の下がり具合が半端ないです、本当に(ry
さてさて、皆さん危惧しておられますが、このお話はきちんとハッピーエンドで終わらせますよ。
二人の結婚式ですか。まあ、期待しておいてください( ̄ー ̄)
まあその前に一度、地の底まで落としてやりますがね。ふふふっ。
それでは、気分も新たに73-381氏にもう一度GJを送りつつ、投下を終わります。
次回からは通常通り(?)、エロ無しに戻ります。
あ、エロ話がこれから出てこないというわけではないのでご安心(?)を。
GJ!!! やっぱウーノ姉のエロスは最高だぜ!!!!
GJ!
最近、ウノスカが多くて結構、結構。
期待してまっせ。
誰もいない。今のうちに爆撃して寝るか。『■ ユーノ・スクライア逝ってよし! ■』の最終話です。
★閲覧者の方への注意★
・「ユーノ×なのは」の割と真面目っぽい話且つ純愛エロです。この組み合わせが嫌な人はスルーしてください。
・今回は第5話です。エロ継続。
・パソコンを閲覧しながらの飲食はやめませう。
・NGワードは『■ ユーノ・スクライア逝ってよし! ■』
〜〜前回までのあらすじ〜〜
なんやかんやで、ユーノとなのははセックスすることになり、いよいよ挿入開始の段階にまで至った。
↓以下、本編スタート
一方、いざ挿入されるというこの段階になって、なのはは急に不安を覚えた。
先ほど見たユーノの巨根の映像が頭から離れない。あんなモノを挿れられて、大丈夫だろうか。
それに、初めての瞬間はものすごく痛いと聞いたこともある。
そうこうしているうちに、ベッドに戻ってきたユーノは、なのはの脚を割り、その間に腰を落ち着けた。
「……ッ!」
「なのは、いくよ……大丈夫?」
「やっぱり、ちょっとこわい……」
なのはが不安になっているのが、ユーノにもわかった。が、もう後には引けない。
とろとろと蜜を流すなのはの割れ目に、ユーノの肉棒の先端があてがわれた。
思わず、ビクッとなのはが身体を硬くする。なのはをリラックスさせようと、ユーノは優しく声を掛ける。
「大丈夫、なのは……」
「……っあ、あ……ッ!」
なのはを慣らそうと、ユーノは肉棒の先端を割れ目に沿ってなぞるように数往復させた。
熱い肉棒に入り口付近を弄り回され、甘酸っぱい感触になのはが嬌声を上げる。
「……あっ……んんっ……」
「なのは、挿れるよっ」
「あ――」
なのはが何かを言いかけたが、もうこれ以上は待てない。
肉棒を押し込むのではなく、身体全体をなのはに向かって沈め込んでいくイメージでユーノは挿入した。
なのはを怖がらせないよう慎重に、それこれ1_ずつゆっくりと入れるつもりで腰を進めていく。
「く、うぅ……ッ!……ぁ、ッッ!!」
まだ先端がちょっぴり入っただけだが、割れ目をこじ開けられるピリッとした感触に、なのはは短い悲鳴を上げた。
少しずつ、少しずつ、ユーノの肉棒がグジュグジュに濡れているなのはの秘裂に埋め込まれていく。
「……あ、んうぅんっ!!っ…んん……ッッ!!」
もう十分すぎるほど秘部はほぐれていたはずだが、なのはは少なからず痛みを感じた。
なのははまだ、男を受け入れたことのない処女なのだ。無理もなかった。
自分の中に侵入してくる異物。その初めての感触に、なのはは唇を強く噛み締め、目を固く閉じる。
だが、どうしても唇の端から声が漏れ出してしまう。
「なのは……っ……大丈夫?」
「う、くッ……ユーノくっ、ごめ、んっ!ちょっと痛い……ッ!」
「力、抜いてっ……」
「い、あっ……むり、だよぉ……」
前戯の時とは一転、なのはが泣きそうな声を上げながら、布団のシーツをぎゅうう……と握り締めている。
いったん抜こうか。ユーノの頭にそんな考えがチラリとよぎる。
あまり無茶なことをすれば、なのははいよいよ痛がってセックスに対する恐怖心を持つだけだろう。
だが、苦しいのはなのはだけではない。正直、ユーノも苦しかった。
一気になのはの最奥までブチ込み、貫きたい。
一刻も早く自分のモノを全てなのはの中に埋め込んで、めちゃくちゃに掻き回したい。
なのはを痛がらせたくないという理性と、早く奥まで挿入したいという本能。ユーノの葛藤はしばらく続いた。
だが、ここまで来たのだから、遅かれ早かれなのはは奥の奥までユーノに貫かれるのだ。
セックスをする以上、多少痛いのは避けられない。
それに、女性の膣内に肉棒の一部を挿れたこの状況で、男の本能に理性が打ち勝とうというのも無理があった。
しばらくの後、止まっていたユーノの腰が再び蠢き出す。
「あう゛っ?!」
「ごっごめんなのはっ!ちょっとだけ我慢して!」
申し訳ない気持ちで一杯になりながら、それだけ言うと、ユーノはグイッと腰を押し進める。
「ひっ?!だ、めぇっ!…あ、ぁ……あ゛ッッ!!!!!くああぁあ゛あ゛ぁあぁあああ―――………ッッッ!!」
なのはの身体が弓なりにグンッと大きく仰け反り、口からは絶叫が上がった。
ユーノの肉棒がキツキツの処女の膣道をこじ開け、その先にあるなのはの処女膜を突き破ったのだ。
「いたっ痛い痛い!ユーノ君痛いよぉっ!!」
「ごめんなのはっ!ごめんっっ!!」
処女膜を突き破ったところで、ユーノは腰を止めた。奥まで一気に貫きたい衝撃を超人的な意志で抑えながら。
しばらくの間、このままの状態でなのはに慣れてもらおうと思ったのだ。
なのはの狭い膣に肉棒をぎゅうぎゅうと締め付けられ、搾り取られるような強烈な感覚がユーノを襲う。
油断すれば、たちまち性感が高まってイッてしまいそうだ。
「なのはっ、大きく息吐いて、力抜いてっ」
「はあっはあっ、はっ、はっ、ううっ!!ユーノ、くん……」
ユーノの言う通り、なのはは深呼吸をして努めて力を抜こうとしているのだが、なかなか思うようにいかないようだ。
目の前で顔を紅潮させて汗だくになっているなのはを見ながら、それにしても――とユーノは思う。
女の子は初体験の時にものすごく痛がるらしい、ということは知識では知っていたが、まさかこれほどとは。
少しでもなのはの痛みを和らげてあげる方法は、気持ちよくしてあげる方法はないだろうか。
しばらく考えた後、ユーノは眼下にそびえ立つ二つの乳房に手を伸ばし、その硬くなっている先端部分を摘んだ。
「――ッ!!ひゃうっ!!」
今まで苦しい呻き声を漏らすばかりだったなのはの口から、先ほどまでのような甘い声が弾けた。
ツンと勃起した乳首を親指と人差し指で摘んで責め苛み、指の腹で押し潰すユーノ。
ふるふると震える乳房を手のひらいっぱいに掴み、大きく揉みほぐして弾力を楽しんだ。
5分も続けていると、なのはの表情から苦痛の色が薄まっていくのが手に取るようにわかった。
「あ、はあっ……ユーノくん……あんっ!」
なのはが喘ぐたびに、肉棒を包み込んでいる膣壁から、じゅぷ、じゅぶと愛液が染み出すのがわかった。
そろそろいいかな、と判断したユーノは、指先でなのはの乳首を刺激しながら腰に力を入れた。
「なのはっ、ちょっとだけ、ちょっとだけ動かすよ」
「ふぇ、あっ!あうぅぅんっ!!」
その声や表情からはもう、痛がっているような感じはほとんど見て取れない。
「なのは、大丈夫っ?」
「あ、あうう……だい、じょうぶ……も、ほとんど痛くない……」
「もう少し、動かすよ」
膣道の浅いところまで、ユーノは肉棒をゆっくりと引き戻す。
ユーノの熱いモノが胎内でずるりと動き、なのははその感触にブルッと身体を震わせる。
と同時に膣がキュッと締まり、ユーノの肉棒をぎゅうう……と締め付けた。
なんと、その瞬間――
「ぅぐあっ?!」
突然、肉棒の先端に噛まれたような感触を感じ、ユーノの身体がビクリと跳ねた。
自分のモノが自分のモノでなくなってしまったような不思議な感覚。
なのはの膣にほんの少し締め付けられただけで、信じられないほどあっという間にユーノの性感は高まってしまい――
「うううああああぁぁあああああぁぁあぁああぁぁ……っ!!??」
どびゅどびううっ
びゅううっ
びゅるるる
気が付いたときには、情けない声を上げながらユーノは達してしまっていた。
肉棒の先端から、自分の全てが強制的に吸い取られてしまうような、激しい感触。
自分で『する』ときとは比べ物にならないほど高い高い絶頂の瞬間――……。
しばらくの間、部屋の中に響き渡っていたのは、ユーノのはあはあという荒い息遣いだけだけだった。
「……ふぇ……?……ユーノくん?」
自分の下半身に腰を突き入れていたユーノがいきなりビクンビクンと数回震えた後、
パタッと動かなくなってしまったのを見て、不審気な声を上げるなのは。
なのはの言葉に、それまで肩で息をしていたユーノが、ようやく口を開いた。
「う、ぐぁ……ごめっ、なのは……」
「…………?」
「……出し……ちゃ……」
射精が終わり、急速に冷静さを取り戻したユーノを待っていたのは、なんともいえない気まずさと恥ずかしさ。
「早漏」という言葉があることからわかるようにように、男性にとって早く「イク」というのは恥ずかしいものである。
あまりにも早く出してしまうと、性的に未熟だと女に思われてしまい、男のプライドは著しく傷つく。
状況が未だによく掴めていないなのはは、もう一度ユーノに問い掛けた。
「……ユーノくん……?」
「だから、その……」
「あ……!」
ここまできてようやく、なのはは悟った。ユーノが果ててしまったということを。
「ご、め……」
泣きそうな顔で情けない声を上げながら、とりあえず一度なのはの中から肉棒を引き抜くユーノ。
粘り気の強い愛液が納豆のように糸を引き、コンドームに包まれたユーノの肉棒をヌラヌラと光らせている。
(しまっ、た……)
ユーノ自身、今の「早撃ち」が自分でも信じられなかった。
確かに、前戯でなのはの痴態を散々見せ付けられ、これまでに経験がないほど股間のモノは硬くなっていた。
肉棒ははちきれんばかりにビンビン、早く射精がしたくてしたくて仕方がなかった。
が、いくらなんでも挿入してからほんの少し締め付けられただけでイッてしまうとは、早すぎるではないか。
情けない。格好悪い。男として、みっともない。
そんなマイナスの感情がユーノの中でグルグルと渦を巻き、男としての自信を根こそぎ奪い取っていく。
あれほど昂ぶっていた気持ちが一気に萎えていくのを、ユーノは感じた。
なのはも、「早撃ち」が男にとって恥であることぐらいは知っている。
目の前でうなだれているユーノは今、男としてのプライドをひどく傷つけてしまっているのだろう。
そんなユーノの心中を察し、なのはは頬を紅潮させたまま、優しくユーノに声を掛けた。
「ううん、いいよ……」
「なのは……」
「わたしの中、きもちよかったんだね……ありがとう……」
そう言うと、なのはは仰向けの状態からむっくりと起き上がり、ユーノにぎゅっと抱きつく。
そのまま、ユーノと一緒にベッドに倒れ込み、身体を入れ替えてユーノの上に覆い被さった。
「うわっ!なっなのはっ?!」
突如ベッドに押し倒され、今までと状況が逆転してしまったことに驚き、慌てふためくユーノ。
(ユーノくんに、あれ、してあげよう……)
なのはがこの時思い出したのは、昔一度だけ見た「そっち系」の雑誌の一場面。
なのははもちろん、男性と「する」のは初めてだ。だが、彼女はもう子供ではない。
性的な知識も人並みに備えている。
実は、好奇心に駆られて、一度だけ「そっち系」の雑誌をこっそりと見てしまったことがあった。
雑誌の中では、女性が男性のモノにかぶりつき、メスの表情を浮かべながら肉棒を頬張っていた。
そのページを見たとき、正直言ってなのはは、うわあ……という嫌悪感を強く感じた。
清廉な彼女らしい反応だ。
だが、雑誌の女性の表情が忘れられず、心のどこかでは妖しい気持ちが湧き上がってきたのも事実であった。
「な、なのは……何を……」
なのはに押し倒され、これから何が起こるのか皆目わからないユーノが、不安げな表情で見つめている。
「ユーノくん、もう一回、おっきくしてあげる……」
そう言うや否や、なのははユーノの股間に顔を埋め、コンドームを脱がせてユーノのモノを露わにする。
目の前に現れた精液を垂れ流す肉棒の先端に、なんの躊躇いもなく勢いよくしゃぶりついた。
「!!??うっ、うわああぁぁっっ!!」
なのはの思いがけない行動に、素っ頓狂な声を上げるユーノ。
「んっ……ん、んんっ……」
雑誌では目にしたことがあるものの、実際はどうやったらいいか全くわからなかった。
だが、今はとにかくユーノを気持ちよくしてあげたい、傷ついている(であろう)ユーノを慰めてあげたい。
先ほど、自分の心を慰めてくれたユーノに、恩返しがしたい。
その一心で、なのはは一生懸命にユーノのモノをしゃぶった。
「ん、ぐっ……ん、ん、ん……っ」
舌先を肉棒の先端にチロチロと這わせると、精液の苦い味がしたが、我慢して舐め続ける。
肉棒をさらに深く咥え込み、裏側のスジに舌をつけると、ユーノの身体がぶるっと震えた。
「うっ!ぐあっ!な、なのは……いいよ、そんなこと、しなくて……!」
前戯の時のなのはのように、ユーノはなのはの頭を掴んでやめさせようとする。
ユーノは今まで妄想の中で、散々なのはに自分のモノを咥えさせて舐めさせていた。
だが実際にその場面に直面すると、彼女に自分のモノを舐めさせるなんて、とんでもないことだったと思う。
「だ、ダメだよなのは……そんな、汚いって……ふぐぁああっ!!」
なのはは上目遣いでユーノを見て、目で「ううん、いいよ。大丈夫」と語りかける。
その表情に、ユーノのオスの部分がドクンと脈打ち、大きく反応する。
唇を窄め、ユーノの肉棒を吸引すると、部屋の中に情けなくも気持ちのよさそうな声がこだました。
「ふぅ……んん、むん……んちゅ……ちゅ……」
「はっ、ああっ!くあああああああ……」
なのは自身、こんな淫らなことをしている自分が信じられなかった。
だが同時に、これが自分の最奥に眠っていた獣の部分だと思い知らされた。
「う、あ……なのは……っ……」
いつの間にか、ユーノは気持ちよさそうな表情を浮かべ、なのはにされるがままになっている。
射精を終えて萎んでいた肉棒が、みるみるうちに硬度を取り戻していくのが、なのはにはハッキリとわかった。
「っぷあ……」
大きく膨らみすぎて、もう口には含めなくなったユーノの肉棒から、なのはは口を離す。
仰向けになっているユーノの腹上に顔を埋め、すりすりと柔らかいほっぺたをこすりつける。
そんななのはの頭を、しばらくの間、ユーノは優しく撫で回していた。
「なのは。ありがとう……」
なのはにフェラチオをされている最中、気持ちよさと同時に、
傷ついた心を癒してあげたいという彼女の優しい心遣いがひしひしとユーノには伝わってきた。
「もう一回、しよ……?」
ユーノの下半身に抱きついていたなのはが、上の方まで登ってきてユーノの背中に手を回す。
ちゅっ。白濁に塗れたなのはの唇がユーノの唇を塞ぐ。
舌と舌とが絡み合って作り出される淫美な水音は、本番の始まりを告げる音――
「んちゅ、んぐっ、んっんっ……」
「んんんっ!ぷぁあん!はっ、ふぐぅ……」
お互いに相手の奥まで舌を突き込み、唾液を貪るように吸い合う。
鎮まっていた興奮がバブル期の土地の値段の如く上昇し、二人は一気に燃え上がった。
なのはの下になっていたユーノが体位を逆転させ、白くてピチピチの女体を組み敷いた。
「っぷあ!なのは、いくよ!!」
「んふぅっ!!」
ユーノの肉棒が、濡れ濡れになっているなのはの膣口にあてがわれる。
もう、一切の遠慮はしなかった。勢いに任せ、ユーノはなのはを一気に貫いた。
「!!っかはああッ!ああぁああぁあぅううぅうんんんんンンッッッッ!!!!」
ぶちゅうっ、という派手な水音が上がり、なのはの愛液が飛び散る。
結合部から弾け飛んだ愛液が、布団に染みを作った。
「なのはっ!なのはなのはなのはなのはあああっ!!」
「うあっあっあああっ!!あああ、あぁぁん……っ!!」
ユーノの肉棒が、あっという間になのはの膣内に吸い込まれていく。
ユーノはグイッと腰を押し進め、太くて長大な肉棒をなのはの奥の奥まで突き込んだ。
未開の地を、ユーノの肉棒がグイグイと進む、進む、進む。
なのはのピッタリと閉じていた秘境が、ユーノの肉の凶器であっという間に花開く。
ピリッとした痛みが甘美な肉の味に変わるまで、全く時間はかからなかった。
「なのはっ、大丈夫っ?痛くないっ?」
「いっ、いいぃぃ……!!きもちいいっ……!!」
さっきはあれほど痛かったのに、痛くて痛くてしょうがなかったのに、この変化はなんだろう。
股間にユーノの肉棒が埋め込まれた途端、なのはの中をとてつもない充足感が満たしていった。
まるで、日照りで乾き切った川に、ダムの水が一気に流し込まれたかのような感覚。
「はあっ、はあっ!よ、うしっ!!」
ユーノは奥まで突き込んだ肉棒をバックさせ、入り口付近まで戻した。
まずは浅いところからなのはを制圧し、そして最後に一番深いところを陥落させるつもりだ。
ユーノは、膣の入り口から少し入ったところで肉棒をピストンさせ始めた。
「あううぅぅっ!!」
なのはの身体に電撃が走り、汗にまみれた女体が大きく跳ねた。
ぴっと汗が飛び散り、布団というキャンパスに、女の匂いを醸し出す新たな絵画が描かれる。
ユーノはなのはの浅いところを徹底的にピストンし、ぐちゅぐちゅに掻き回した。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……!!」
締まりがなくなったなのはの口からはもう、裏返ったメスの喘ぎ声が駄々漏れになっている。
ユーノの肉棒が、なのはの狭い膣を強烈に擦り、快楽の信号をなのはの脳髄に叩き込む。
まるで、マッチ棒が着火の際に強く強く擦られるかのような、そんな激しいイメージ。
ユーノのピストンは徐々に徐々に深度を増し、そしてついに――
「!!かはっ!くぁああああぁぁあぁっ、ッッッッ!!」
なのはの身体が、背骨が折れるのではないかと思うほど、大きく弓なりに仰け反った。
ユーノの肉棒の先端部が、なのはの子宮に到達したのだ。
子宮口をグイッと小突かれ、なのはの口から一際大きな嬌声が上がった。
「か、あっ……ユーノくんのが、おくまでえぇ……っ!!」
なのはの処女の膣道に、ユーノの熱い肉棒がぎっちりと埋め込まれている。
だがしかし、ユーノの肉棒はまだ全てがなのはの中に入っているわけではなかった。
なのはの膣口で2cmほど、中に入れないでいる根元の部分があった。
「なのは!僕のものっ、まだ全部入ってないんだ……!挿れたい……っ!」
「ひっ?!そっ、そんなぁ……」
今、なのははユーノの太くて逞しいモノを、めいっぱいに咥えている状態だ。
そこからさらに突き込まれたら、一体どうなってしまうのか。
いくらなんでも、壊れてしまう。津波のように押し寄せる怒涛の快楽の中、なのはは必死に叫んだ。
「だ、めぇっ!!も、はいらないよおっ……!」
「ダメだよなのは!僕、我慢できないよ!」
「むっむりいぃっ!!むりだよっ!こわれるうぅ!!」
ユーノの肉棒の根元の部分が、ゆっくりとなのはの中に埋没していく。
これ以上はないと思っていた圧迫感が、実はまだまだ入り口に過ぎなかったことを思い知らされて。
奥の奥まで突き込まれた状態から、さらにその奥まで貫かれるなのは。
ユーノの肉棒の亀頭部分が、なのはの子宮をグイグイ押し上げる。
「!!!ああぁあぁああぁあんんんんん!!!!」
その瞬間、なのはの精神がスパークし、目の前でばちばちと火花が散った。
性感が二次関数のグラフのような急激な上昇を見せ、頂点まで到達したのだ。
膣壁から大量の蜜が勢いよく溢れ出し、結合部の隙間から噴出した。
「ひぎぃぃっ!!だ、だめええ……っ!そん、なあっ!深すぎぃっ……!」
達した直後にも関わらず、なのはの性感が再びグググッと高まった。
ユーノの肉棒は、前後にピストン運動をするだけにとどまらず、上下左右になのはの膣内を掻き回す。
何度も何度もGスポットをゴリゴリと刺激され、その度になのはは喉の奥から女の悦びを迸らせた。
「ああっ、だめえぇ!こわれるっ!こわれちゃうよおおっ!!」
「こわしてあげるっ!!なのはあっ、もっとめちゃくちゃにしてやる!!」
ユーノのその言葉に、なのはの被虐心が大きく燃え上がり、彼女は思わず叫んでいた。
「あっあぁっ、してぇっ!もっとめちゃくちゃにしてええぇ……っ!」
男を最も興奮させる言葉を吐いてしまったことに気が付く余裕など、今のなのはにありはしない。
ユーノの肉棒が、文字通り、何度も何度もなのはを串刺しにし、彼女の精神を遥か彼方まで飛ばす。
跳ね上がるなのはの腰。それを押さえつけ、勢いよくグラインドするユーノの腰。
「んああぁぁああぁああ!!またっ、イクうぅっっ!!」
ユーノに串刺しにされ、子宮に肉棒が擦り付けられるたびに、なのはは何度もイッた。
その度に、ユーノの肉棒を強烈な締め付けが襲う。先ほど一度射精していなければ、ひとたまりもなくユーノもイッていただろう。
「はあっ、ああっ!きもち、いい……ッ」
「どう気持ちいいの!?どういう風に気持ちいいの!言って、なのは!」
「は、あうっ…っあ、あ、あつくてぇ…かたくてぇっ…ふといのおぉぉ……アッ!!ああんッ!」
普段のなのはからは想像できないような淫語が飛び出し、ユーノはそのギャップに激しく興奮した。
その興奮は、ユーノの攻めのスピードをさらにアップさせる。亀頭をなのはの子宮にグリグリと擦り付け、つつき、抉る。
「んっ、んひいいぃぃっ!ふあぁん、はあああ、あぁっ……!」
気死するかと思うほどの激しい愉悦がなのはを襲った。
もう、なのはの頭の中には自分を激しく責め立てるユーノの逞しい肉棒のことしか思い浮かばない。
激しく揺れる視界。激しすぎるセックスが奏でる、肉音、水音、嬌声の協奏曲。
「なのはは僕のもの!!僕だけのものだあっ!!」
「う、うんっ!うんっ!」
頭の隅で辛うじてユーノの魂の叫びを聞き取り、なのはも大きく頷きながら叫び返した。
「他の男には渡さない!!指一本だって、触れさせるもんかああっっ!!」
「あっあああっあっああ!!うれ、しいっ、よおっ!!」
ぱん、ぱん!ぶぴゅっ、ぶちゅううっ!
ユーノの肉棒が激しく出入りするたびに、なのはの真っ白な太ももが波打つように震える。
結合部では、赤みが混ざりながらも白い濁りを帯びている、なのはの本気汁が飛沫を上げている。
こりこりに硬くなり、濃いピンク色をした乳首の乗っかっている乳房は、千切れんばかりにぶるんぶるんと暴れた。
ブラウンのロングヘアーは乱れに乱れ、汗まみれになったなのはの身体に纏わりついている。
「あっ!あっぁぁ!いっ、イクぅ!またイクぅっ!!」
「今度は一緒に!一緒にイこう!なのはあああっ!!」
「うん!うん!」
なのはと一緒に、二人で一緒にイク。何度も何度も、ユーノはそんな妄想で抜いてきた。
それが今、現実になろうとしているのだ。
これまでにないほどに昂奮が高まり、なのはにトドメを刺しにいくユーノ。
抉るようにして子宮を押し上げると、なのははユーノより一足早く、頂点を極めた。
「イッくうううううううううううううぅぅっっっっ!!」
身体を弓なりに仰け反らせ、絶叫を上げながら、どこまでも深く、深く、深く、深く――……。
肉の悦びが最も洗練された形となって、なのはの身体を駆け抜けていく。
「ぐううっ……」
なのはの締め付けに耐え切れず、ユーノも頂点に達した。
びゅるるるるっっ
びゅっどびびゅうう
ぶぴゅどぶっどぴゅうう……
これまで我慢していたものを全て開放し、遠慮なく肉棒を爆発させるユーノ。
なのはの膣が、ユーノのモノを逃すまいとぎゅうぎゅうと締め付け、精を搾り取る。
下半身どころか、身体の全てが吸い取られてしまうような感覚をユーノの全身が支配した。
放出されたユーノの熱い汁が、なのはの膣壁を灼く。
「!!??うあぁぁああぁんんんっ!!あつい……いぃっ!!」
身体の一番深い場所で、なのははユーノの熱い迸りを受け止めた。
その瞬間、イッたばかりのなのはが再び頂点に押し上げられる。
ユーノが精液を噴出し、子宮にびゅっびゅっと浴びせかけるたびに、なのはは最高点に達した。
前の絶頂が終わる前に、新たな絶頂を迎えさせられ、それすらもまた新たな絶頂に塗り潰される。
ユーノの射精が完全に終わるまでの間、なのはは最高点から一瞬たりとも解放されずにイキ続けた。
「はあっはあっはあっはあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ……」
あまりにも激しすぎる絶頂劇が幕を閉じた後、しばらくの間部屋を支配していたのは、
ユーノとなのはのハアハアという息遣いだけ。
肉棒をなのはの胎内に納めたまま、仰向けになっているなのはの上に倒れ込んでいるユーノ。
ユーノの男らしい身体を柔らかく受け止め、心地よい圧迫感に身を委ねているなのは。
滝のように流れる汗と二人の体液が混ざり合って布団に染み込み、濃厚なオスとメスの香りが部屋中に漂う。
「なのは……好き、だ……」
「ユーノくん……わたしも、好きぃ……」
「なのは、なのは……ずっと一緒に……」
「ユーノ、ユーノく……」
達した後のぼんやりとした頭の中で、ユーノとなのははお互いに愛しい人の名前を呼び合う。
何度も、何度も。
やがて、二人の意識は熱い泥に吸い込まれるかのように、闇に落ちていった。
「ふぅ……よかった……」
なのはは今、自分の部屋で心の底から安堵していた。ユーノとのセックスの後、生理がきたのだ。
あの後――朝になって目覚めたユーノとなのはは、真っ青になった。
雰囲気というか、勢いというか、結局はコンドームなしで本番に突入してしまった。極めつけは、膣内射精……。
こうなってはもう、運を天に任せるしかなかったのだが、なんとか妊娠は免れたようだ。
報告を受けたユーノは腰が抜けてしまい、しばらくの間、立つことができなかった。
今日も、ユーノとなのはは街でデートをした。相変わらず、おままごとみたいなデートではあったが。
そして――ユーノの部屋で、再び交じり合った。今度はキチンと、コンドームを装着して。
相変わらず、なのはの感じっぷりは激しいもので。結局、第三ラウンドまでやってしまった。
一度を二度、二度を三度にしたくなるのが、ユーノとなのはの年頃なのである。
今、ベッドの中で二人はぎゅっと抱き締め合ったまま、果てた後の心地よい疲労感に身を委ねている。
そんな中、ユーノが真顔になって、ぽつりぽつりと喋り出した。
「なのは……」
「ん……?」
「僕は、そんなにカッコイイ男じゃない。お金だってそんなにたくさん持ってるわけじゃない……」
「…………」
「でも……なのはのこと、好きって気持ちだけは、世界中のどの男にも絶対負けない。だから――」
なのはに告白したとき、ユーノは「なのはとずっと一緒にいたい」と彼女に言った。
実際になのはと付き合ってみて、その想いはより一層強くなっていった。
こういう関係にまで発展したのだから、もう一度、改めてなのはに自分の気持ちを伝えておくべきだろうとユーノは思う。
本気の想いを込めて、なのはの瞳を真正面からしっかりと見据えて、ユーノは言った。
「だからなのは、僕とずっと一緒にいてほしい……いい?」
「うん……いいよ……わたしも、ユーノ君とずっと一緒にいたい……」
「ありがとう……」
なのは――……
ユーノ君――……
END
これで勃起しなかった者はこのスレに相応しくない!そうとも!万死に値する!
ってつもりで書いてみた。それにしても、nanohaさんは処女なのに激しすぎるだろ、条項……
しかし、やっぱり純愛系は書くのがムズイ。次は原点回帰してまた陵辱モノでも書こうかと思います。
それでは名無しに戻ります。
ふぅ……GJ!
そしてお疲れ様です。
うん、エロいっす。なのはさんはエロキャラなんですよ、多分。
もうこれなら、いっそ妊娠エンドでもよかったんじゃ(SLB
……ふぅ
いいですな。初々しいのにエロいなんて最高じゃないですか
一番興奮したのはユーノが押し倒された時なのは秘密だ
しかし原点が凌辱てww
小ネタ
魔法■女 ふたなりフェイト
フェイト「なのは!起きて!なのは、大変!!」
眠い、まだ起床ラッパまで3時間はある。
なのは「なーに?フェイトちゃん…ふぁ〜」
フェイト「ちんちんが!おちんちんが生えちゃってるの!どうしようコレ」
…ユーノ君ので知ってはいるが、かなり大きい。というかお怒りのご様子。
寝ぼけた頭で考える。何かめんどくさくなってきた。
なのは「とりあえずコレ、ちっちゃくしないと。フェイトちゃん、からだ柔らかいよね。自分で舐めてみたら?
たしかユーノ君も昔そんなことしてたし。」
ちなみにフェレット時の毛繕いと思われるが、ユーノ君ゴメンね。正直眠い、ぐぅ。
フェイト「ええ!?ちょっと!なのは?起きて!寝ないでぇ><」
ある日突然ふたなりになってしまったフェイト。
最初の発電は何とセルフフェラという猛者っぷり。
魔法■女 ふたなりフェイト、始まりすぎですwww
は〜る〜か〜そら以下略。曲違うし。
≫35
GJ!
最高すぎました。
エロイ&甘い&すごいリアルと言うことなし!
きっとこれからは6人家族として仲良く暮らして行くことでしょう。
そしてキャロの容態が安定してきたころ、また夫婦の営みを再開して再び妊娠。
エリオキャロが20歳になるころにはきっと10人以上の大家族に!
うーん実にビューティフルライフです。
1日目を離した隙に大量投下キター!職人の皆さん、乙であります。
エリオもキャロもスカもウーノもユーノもなのはもエロイ、エロスぐる!
82 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 13:49:56 ID:qKHKOnkD
≫76
最高でした
>>76 ナイスですよ!
やっぱ王道はいいものだなぁ...
ユーノになりたいと思っちゃったぜ
次回楽しみに待ってます
84 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 16:52:56 ID:6ZgB9fgs
つまらん
85 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 16:59:14 ID:qKHKOnkD
>>50 キ バ ヤ シ wwwww
>>62 エロイ!
エロイよ!!
もうさっさっと子供を自然受精で11人くらい生んでもらって
賑やかな家庭を築いてほしいです。
ほんと
>>76 ああ、やっぱりこの二人には『バ』カップルの称号が似合うな〜
あとエロイ……ハァハァ
でも、孕ませちゃって
出来ちゃった婚で高町家を巻き込んだドタバタ騒動も見てみたいな〜
あと貴方が書いたフェイトそん陵辱はマジでえエロすぐる!!
参考にさせてもらうほどにw
ついでに毎日おかずにさせてもらっておりますε=(゚∀゚*)ムハー
あんた書く喘ぎ声はエロスグルんだよッッ!!
>>35 この二人の未来を祝福せざるおえない…!
なんという純愛かつエロエロなエリキャロッ!!
ずっとエリキャロ妊娠ものを待ち続けたかいがあった
子宮内射精がここまでエロいとは…本当に224氏GJ!!!
エロパロだしとやかく言うことじゃないが、未成熟な身体での妊娠は母子ともに危険なので避けるべきなんだがなぁ
性行為自体がホルモンバランスに影響があるって聞いたこともあるんだがな
そういう面倒な所をスルーできるのが二次元のいい所だと思ry
リリカルでマジカルだから未成熟な身体でも平気です
そもそもホモサピエンス同士じゃないので妊娠しても一代限り
なんて言い出したらきりがない
>未成熟な身体での妊娠
その背徳感が堪りません!!!11!
>>89 言いたいことはわかるが面倒と言ってはいけない。いろいろと問題です
ただでさえ最近はこういうのを法規制したがるのがいるのにさ
まぁここにいる段階でおれも同類だからとやかく言う資格はないんだがな
>>93 エロパロでそういうこと言う時点でホント空気読めてないと思う
みんな
>>88なことは知ってる
だけど現実と妄想は完全に区別できるから大丈夫だよ
そもそも色々まじめに考えると公式だって
やっぱり9歳の子供を戦場に送り出すのはマズイって話にw
つかマジカルでリリカルな魔法少女なんだからなんでもOKだろjk
>>93 エロパロスレで法がどうとか道徳的な事言われてもなぁ……
そんなん言ってたらエロゲやエロ漫画はとうの昔に全滅してるよ
第一、もし何かに規制がかかってもここに投下されるような個人の文章が規制される事はないでしょ
九歳に殺し合いさせるよりは、セックスさせた方がまだマシだわな。
>>79 「ちゅぱっ……ちゅぱっ……」
執務官が時折このような行為にふけるのを
見て見ぬふりをする情けが機動六課にも存在した
102 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 23:10:06 ID:6ZgB9fgs
959 :魔法少女リリカル名無し:2008/07/04(金) 17:38:51 ID:pYVHR8Rs
とある作品では、自分で完璧な計画にわざと穴を空けて、その危険を楽しむマゾだって言われてたな。
失敗しても、それはそれでよしとするぐらい真性のw
976 :魔法少女リリカル名無し:2008/07/04(金) 20:20:41 ID:phFypdQQ
>>965 あれってかなり恐ろしい作戦だと思ったのに本編じゃそれ以降触れられなかったな
>>959 なんて作品?
ヒントだけでも
977 :魔法少女リリカル名無し:2008/07/04(金) 20:36:44 ID:pYVHR8Rs
エロパロでレジアスタグで見つかる「尊き愚者」って作品
143 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/07/08(火) 18:01:25 ID:f4Lb6WLf
エロパロのあれとかどうよ?
>>138や
>>141をかなり満たしてるが
宣伝乙wwwww
>>102 ということは、お前昨今のキャラスレ見に行ってないな?
いつもの人キタ━ (゜∀゜) ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ッ!!
いつもいつもご苦労様だ
>>102 昨今のキャラスレだとなにかるのか?
流れからすると宣伝だらけなのか?
なんか粘着してる奴がいるな
別に◆Ev9yni6HFAの作品に興味はないがスレの空気を悪くするのは止めてほしいな
フェイトのお尻を想像して落ち着くんだ!
9歳の方な!
居合番長がいようものならば流血必死ぞ!
例えに居合い番長を持って来るその発想力に惚れたw
リリカル☆ふぇいとマダー?
突然ですが、連載を続けていく自信をなくしてしまいました。
これ以上続けてもスレのレベルを下げるだけだと思います。
司書の皆様には申し訳ないと思いますが保管庫の作品の削除をお願いします。
トリップコピペしても意味ないぞ。
トリが◆でなく◇なのは何故かなー
なりすまし乙
・最強オリキャラ登場
・既存キャラ設定捏造
・既存キャラ死亡有り
これ条件で最低SS投下していいのか?
>>111 分かりやすい荒らしとはいえ、流石に酷いな
投下してないのにこの有り様だと投下なんか出来なくなるだろ(それが目的なんだろうが)
>>115 いいか駄目かならいいよ
ただ評価が貰えるかは個人の力量次第
俺としては最低SSはぼちぼち自重してもらいたい。
狙ってわざと書いているとはいえ文字通り「最低」なSSなわけだし。
ごくたまに読んだら「ひでぇwwww」と笑えるけど連続で来ると読む気が無くなる。
例えるなら「絶対に不味いラーメン」「ちっともうまくないラーメン」という謳い文句のラーメン連続で出てくる感じ。
>>117 専ブラでNGしとけばいいだけなんだから、そういうワガママ言うのはいただけないな
俺は注意書きで最低SSと書いてあるものは一度も読んだことがないが、
書きたい人や読みたい人がいる以上そういった投下しにくくなるような書き込みはすべきじゃない
どんなSSでもそれを投下する権利は死んでも守られなければならない
みたいな事をアルザスの守護竜が言ってたよ。詳しくは忘れた
笑えない最低と笑える最低があるからなぁ
笑えないのはいわばヘイト系。
それも設定レベルから叩けるように改竄して、持ち上げる側も同じく持ち上げられるような改竄してるようなやつ。まぁそんなの滅多にないが
それらに比べれば最強オリキャラなど「こいつヒデェw」と笑える分数十倍マシ
最低SSとか予防線張っといて他の作者は勿論のこと読者と真剣に勝負しようともしない奴は痛い
>>121 最初から最低SSとして書いてるんだから予防線も何もないでしょ
「筆才豊かな自分は最低SSをも嗜める」みたいなあざとい筆意があからさまに滲み出てる>最低SS
注意書きちゃんとしてくれれば何も文句言わない
ええ、蔵の中は危険が一杯 ですよ
うちの妹の場合 は、本気で騙されました
しかし男手が少ないのもまた事実……
と、オリキャラSSの存在を擁護してみる。
オリキャラカップリングでは今のところ
フェイトさんをゲッツしたトクサイの人とスバルを孕ませた救助隊の人ぐらいか?
(どちらもエロシーンが無いのが残念だ)
>>125 エリオ受けを想像した、もう駄目かもしれん
128 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 18:48:01 ID:02joVw4X
ヴィータ=赤いきつね
シャマル=緑のたぬき
なー、ググってもわからんのだが、
ヘイト系って何?
>>129 作者が気に食わない本編キャラを作品内で徹底的に叩いてる作品。
たいていオリキャラがよく分からない理論で本編キャラを攻撃し、
なぜかそれが認められてしまう。
131 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 19:12:16 ID:ufmOYE5B
>>122 「僕こんなのしか書けません」
「そんなことないよ! すごくおもしろいよ!」
「どこがさいていっすか、さいこうっすよ」
「○○しのかくのおもしろいなー」
>>129 >>130の内容に加え理解できないのが、なぜかハーレムを形成したり途中経過一切なくもててたりする場合が多い
なんで本編アンチしてるのにキャラとは出来上がってるんだろ
ほんとに某生まれたてとか勘弁してください。外のことだけど
>>128 ヴィータ+フェイト=赤いきつね(人気)
シャマル+はやて=緑のたぬき(不人気)
……ハッ!
空気を読まずに、エリオの新バリアジャケット考えてみた。
エリオ「フェイトさん、何の本見てるんですか?」
フェイト「ああ、これ? 今なのはの故郷で新しい水着が出てるの。そのカタログかな。
この水着を着るとね、スピードが大幅アップするらしいの。
だから新しいバリアジャケットに取り込めないかな、と思って。」
エリオ「僕も新しいバリアジャケット考えようかな…」
フェイト「あ!私に考えさせて!少しひらめいたことがあるの。」
キャロ「私も!こういうのどうですか?」
そして生まれるエリオの新フォーム。
一切のムダが無く、スピードを極めた漢のためのバリアジャケット。
名付けてブーメランフォーム。
その名の通りブーメランパンツ一丁で、後にブーメラン・デカと呼ばれる変態が誕生する瞬間であった。
さらに後、管理局に特殊刑事課が生まれる、かもしれない。
>>135 キャロさりげないw
真ソニック着せられて泣いてるエリオの絵を思い出したが、
いっそブーメランの方が男としては気楽かもしれん
ヘイト系でも面白いものは面白いと思うぜ
リア厨が気軽に手を出して失敗したようなのが結構あるってだけで
>>132 自分が気に食わないからってわざわざ外のこと持ち出すなよ
好きな人もいるだろうし何よりここ他所の話題は禁止だ
半年ROMれ
パピヨンフォーム無いのか…
パピヨンフォーム…
敵も見方もドン引きだろwww
>>139 一部の人だけ蝶々の妖精さんとか呟くんですね分かります
むしろ変態に見えるのはごくごく少数の常識人
パピヨンフォームは
虫だけにガリューじゃね?
エリオは槍でカズキ対応
>>143 スカリエッティが蝶々のおひげを装備するのか、
個人的にはルーが蝶々のつけひげ装備して満足げに微笑んでほしいんだが
>>120 ヘイト系は個人の趣味や妄想がモロ反映されるからな。
>それも設定レベルから叩けるように改竄して、持ち上げる側も同じく持ち上げられるような改竄してるようなやつ。
原作上ノーマルのはずの贔屓キャラや、オリキャラが何故か突然魔法とかの異能に目覚めて既存キャラの出番を食ったり。
例えば管理局ヘイトの場合でも、特定キャラとだけは何故か親交があったりカップルだったりする。
ヘイト系は諸刃の剣だよな。楽しめるのって、それに共感できる人間か、客観的に見ることを貫ける人だけで、その他の人には不快感を与えることが多いし。
まあ、前置きさえきちんとしてくれてれば、何の問題もないわけだが。
>>145 最後にそうやって締めるんなら自己満足の為にわざわざそんな事書き込むなよって話なんだが
ヘイト系って微妙に定義が曖昧だからいろんな職人さんが書きにくくなるかもしれないだろ
>>143 何故か意外とあっている不思議
カズキ→一度死に生き返る。武器槍。槍で空飛ぶ。年上スキー
エリオ→一度死んで生まれる。武器槍。槍で空飛ぶ。年上スキー(?)
あとは隠されたプロジェクトFの力が目覚めてパワーアップすれば…
そもそも当時から散々カズキカズキ言われてたからなぁw
クローン死肉をおいしそうにくちゃくちゃ食べているルーちゃんですね?
恭也が蒼紫っぽいようなものだな
>>147 カズキがエリオなら、ヴィクターはゼストだな。
キャロは大戦士長で。
リンカーコアをぶちまけろ
>>151 個人的にキャロはまひろな感じがするな
んで、戦士長がザフィーラ
>>151 何故キャロ? 立場的にはリンディさんとかでは。
見た目凄く若くて礼儀正しいのに「ロートル」等の暴言吐く部下を容赦無くボコると。
「片手に」 「デバイス」
「心に」 「リリカル」
「唇で」 「ユニゾン」
「背中に」 「性癖を」
ここでフェイエリキャロの三人が決めポーズと
ドゥーエ「何を隠そう私は変装の達人!」
>>155 全員顔を真っ赤にしながらやる様子が浮かんだ
>>149 ミートパイにして食べてるんでしょう?
で、母親のメガーヌは脳だけになっていると……
あれ?
これってやっぱルーテシアの父親はゼストってことになって
しかも違和感無いぜ!?
ルー「食べる? ママの味」
いや待て
誰が斗貴子になるんだ?
声優ネタでシャマル。
性格的にシグナムorトーレorチンク。
武器的にフェイト。
エリオがカズキなら、背丈から言ってチンクだろうが……中の人が大変だw
主人公とヒロイン両方だぞw
フェイト(9歳)とかどうだ?
ディード「桜花」
オットー「秋水」
セイン「忍者もーらい!」
クアットロほど次郎が似合うキャラはいないと思うw
164 :
B・A:2008/07/11(金) 03:05:55 ID:SMVwX7G6
これは、今投下して大丈夫?
166 :
B・A:2008/07/11(金) 03:18:13 ID:SMVwX7G6
誰もいないのか。
なら、落していきます。
注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ、今回出番なし
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・セインはディープダイバー中。詳しくは本編で。
第17話 「成すべきこと」
テーブルに広げられた地図を見下ろし、課長は低くうねった。
臨時司令部は結界の範囲外であるクラナガンの郊外へと移動させられ、指揮系統に混乱の見られた残存部隊も徐々に連携を取り戻していっている。
だが、結界の拡大は思っていた以上に早く、このままではまだ無事な住民を全て逃がす前にクラナガンが錆色のドームに飲み込まれてしまう。
「ディストーションシールドを使って、結界を抑え込むというのは?」
「ロストロギアを用いた結界ですよ、オーバーSランク魔導師と次元航行艦によるバックアップが必要です」
「ないものねだりをしても無駄か・・・・・・仕方がない、とにかく住民の避難を・・・・・・・」
その時、通信士の一人が悲壮な声を上げた。
「大変です、敵航空機が多数、こちらに接近しています。迎撃、間に合いません!」
「なに!?」
即座に展開された仮想ディスプレイに、百機近い数の軍勢と戦う航空魔導師達の姿が映し出された。
それは余りに絶望的な戦いであった。
百の軍勢に対して航空魔導師はたったの三人。
たった三人で百機の敵を押さえ込もうと、彼らは青い戦場を飛翔している。
援護を向かわせようにも、彼らが戦っているのは遙か上空だ。とても今から間に合う距離ではない。
勝算など欠片も見当たらなかった。
「誰か・・・・・・誰かいないのか!? 近くに航空魔導師は!?」
「探しています。けど、どこも苦戦していて戦力に余裕のあるところなんか・・・・・・・・」
『おい、私を忘れてはいないだろうな?』
彼女から緊急通信が入ったのは、正にその時であった。
□
なおも続々と増え続ける鋼の軍勢を前にして、シグナムは奇妙な懐かしさを覚えていた。
劣勢に追い込まれた地上本部、不足する戦力と空を埋め尽くす敵影、そして頼れる相棒と共に空へと上がった自分。
奇しくもそれは、十二年前のJS事件と同じ状況であった。
『敵影は視認できるだけで八十二、なおも増大中です。航空戦力のほとんどは結界内に飲み込まれてしまい、とても手が回りません』
「了解した。航空魔導師を下がらせろ、巻き添えを食らうぞ」
『りょ、了解』
それが比喩でも何でもない事実であることを感じ取ったのか、通信士は緊迫した声で退避命令を飛ばす。
たちまち、守り手のいなくなった空は鋼の群れに埋め尽くされていった。
『なあ、シグナム』
「なんだ?」
『旦那が守りたかった空は、こんなに暗かったっけ?』
己の内から聞こえる固い声音に、シグナムは改めて自分がいる空に目をやった。
抜けるような蒼天、だが今は無数の機械の兵に埋め尽くされ、あちこちで爆炎が上がっている。誰もが憧れ、美しいと思う蒼穹はどこにも見当たらない。
『旦那が死んで十二年、私達は精一杯やってきた。シグナムも八神さんもルールーも、こんなことにならないように頑張ってきたんだ。
なのにこの様じゃ、後を託して逝った旦那が浮かばれねぇ』
「ああ、我が身の未熟を呪いたくなる」
かつて一人の男が友と共に願った平和な社会の実現。シグナムは彼の死の間際にそれを託されていた。
だが、ようやくその兆しを見せ始めた瞬間、世界は再び混乱の坩堝へと叩き落とされた。それは決して個人の責任ではないが、シグナムは己を責めずにはいられなかった。
少なくとも、自分がその場に居合わせることができれば、首都防衛隊は全滅せずに済んだかもしれないのだ。
「だがな、アギト。お前のロードはそれを悔やんでただ嘆くだけの不甲斐ない騎士だったか?」
『シグナム?』
「例え世界がどれ程不条理に満ちていようと、私は剣を振るい続ける。平和という名の篝火を消そうとする闇を何度でも払い続ける。それが騎士の生き様、我が騎士道だ」
抜き放ったレヴァンティンに装填された炸薬が爆ぜ、長刀が連結刃で形作られた鞭へと姿を変える。
「屈してしまえばそこまでだ。違うか、アギト!?」
『お、おう! ここで諦めたら、それこそ旦那に申し訳が立たねぇ。やるぜシグナム、旦那の空を守るんだ!』
「ああ」
頷きながらも、シグナムはアギトの言葉に僅かばかりの嫉妬を覚えていた。
アギトの中からゼスト・グランガイツという存在が消えることはない。どれほど自分と彼女の相性が高かろうと、今はもういない彼がアギトにとって一番のロードなのだ。
それが少しだけ憎たらしかった。
(ふっ、私もまだまだ青いな)
『シグナム?』
「何でもない。いくぞ、アギト」
『おう、烈火刃!』
燃え上がる深紅の炎が刃の鞭に絡みつき、背中から噴き出す炎の羽根が一層激しくはためく。
互いの魔力が共鳴し、高ぶっていく感覚に高揚感を覚えながら、シグナムは愛剣を振り上げた。
「剣閃烈火、火龍一閃!」
裂帛の気合いと共に炎の鞭を振り下ろす。
刹那、蒼穹を埋め尽くしていた鋼が爆散し、黒鉄の空が青き色を取り戻した。
『五十六機撃破! シグナム、まだまだ来るぜ!』
「望むところだ、全てこの場で叩き切る!」
『おう、気張れよレヴァンティン!』
《Jawohl》
群がる敵を薙ぎ払い、シグナムは紅蓮の翼を羽ばたかせる。
その様は正に一気呵成、怒涛の攻めを止められる者はおらず、鋼の軍勢は破片すら残さず打ち砕かれ、焼き尽くされていく。
『シグナム一尉、東に敵影七十、迎撃に出た陸士隊が苦戦しています。至急応援を!』
「いや、今ここを離れれば、本丸の守りが薄くなる。応援には行けぬ」
『しかし、それでは陸士隊が・・・・』
切迫した通信士の言葉を遮り、シグナムは穏やかに告げる。どこか自慢するように、笑みすら浮かべながら。
「安心しろ、そちらには身内の者が向かう」
□
その傀儡兵は五階建てビル程の巨体を誇り、強力なバリアを有していた。更に周りには数十ものガジェットを従えており、
撃ち込まれる無数の魔力弾を毛程にも感じずに瓦礫を踏み締め、立ち塞がる魔導師達を蹴散らしながら街を闊歩していた。
迎撃に出た陸士隊も奮闘しているが、如何せんAMFとバリアの二重の壁を突破することができず、傀儡兵に決定打を与えることができなかった。
もしも傀儡兵に意思があったなら、こう感じていたことだろう。
物足りないと。
自分の進軍を止められる者はおらず、腕のひと振りや火砲の一撃で易々と蹴散らすことができる。
立ちはだかる瓦礫の山などそれこそ障害にならず、通った後は何もない更地と化していた。
人間ならば歯ごたえのなさにやる気を失い、動きに隙ができていたかもしれない。しかし、機械である傀儡兵にそのような感情はなく、
ただ淡々とプログラムされた命令を実行するだけだった。即ち、『Search&Destroy』。敵として認識しうるあらゆるものを焼き払い、破壊の限りを尽くす、それだけだ。
もしも傀儡兵に意思があったならば、敵の動きに作為的なものがあることに気づいたであろう。
だが、生憎彼らには命令を実行するための最低限の知能しか与えられていなかった。
故に彼らは誘われるままに進軍を続け、いくつ目かの角を曲がった瞬間、巨大な何かによってガジェット諸とも跡形もなく粉砕された。
「撃破完了。なのは、次はどこだ?」
『えっと・・・・通りの右側、一分後に銀行の角から来るよ』
「了解。やるぞ、アイゼン!」
《Jawohl》
「ギガント、シュラァァァックッ!」
敵の姿が現れた瞬間、ヴィータは超巨大化させたグラーフアイゼンをその中心へと振り下ろした。
衝撃で大地が揺れ、舞い上がった土煙が視界を覆う。純粋な物理破壊を前にしてはどれ程強力なAMFも意味を成さず、
傀儡兵達はバリアごと押し潰されて原型すら留めることができなかった。
『次、三十秒後に左から。その次は五十二秒後に後ろから来るよ』
「へっ、休む暇もなしか。良いぜ、今日は大盤振る舞いだ。カートリッジがなくなるまでぶっ潰してやる!」
新たに現れた敵目がけてグラーフアイゼンを叩きつける。幼女がモグラ叩きよろしく巨大なハンマーを振り回すというシュールな光景は、
見守っていた陸士隊の面々を黙らせるのに十分な力を秘めていた。
「こ、これって現実だよな・・・・・」
「あ、ああ。さすがは戦技教導隊・・・で良いのか?」
□
ヴィータが獅子奮迅の活躍をしている一方、周囲を見渡せる雑居ビルの屋上を陣取ったなのはは、
ヴィータにタイミングを指示しつつ、敵の誘導に苦戦している陸士隊の通信支援に回っていた。
「北側の傀儡兵は無視してくれて構いません、そちらは203部隊が押さえます。
はい、あなた達は西側から回り込んで、威嚇射撃をしつつ後退、敵をヴィータ二尉がいる十字路まで誘導を」
『了解』
「それと、あまり不用意に敵に近づき過ぎないようにしてください。人型はパワーこそありますが、動きは鈍重です。
距離を取って対処することを心がけてください」
『わかりました、ご協力に感謝します』
やや固い声音で返答が返され、通信が切れる。すかさず、なのはは別の部隊に通信を繋げ、同じ助言を与えつつ陸士隊に傀儡兵の誘導を行わせる。
そうして集まった無数の軍勢は、ヴィータが漏らさず一網打尽にしてくれる手筈になっていた。魔法が使えないなのはにとって、後方支援こそが唯一の戦いの方法なのだ。
そして、それは思っていた以上に成果を上げていた。最前線を退いて既に四年経ったとはいえ、不屈のエース・オブ・エースの名は未だ強い影響力を持っている。
彼女が後方に控えているというだけで、前線で戦う魔導師達の士気は高まり、予想以上の奮闘を見せているのだ。
「凄いですね。エース・オブ・エースがいるというだけで、こんなにも士気が高まるなんて」
誰かがそんな風に呟くのを聞いて、なのはの胸に一抹の寂しさが去来する。
果たして、彼らの何人が自分のことをなのは・T・スクライアとして見てくれているのだろうか。
恐らく、誰一人としていないはずだ。彼らは自分のことを不屈のエース・オブ・エースという英雄として見ている。
魔法を失おうと、前線から退こうとそれは変わらない。自分は死ぬまで管理局の不屈のエースなのだ。
それでも良いと思っていた。
こんな自分でも、まだできることがある。
自分という存在そのものが武器となるのであれば、彼女は躊躇なくそれを振るおうと決めていた。
今もこうしている間に、ヴィヴィオは辛い戦いを繰り広げているのだ。ならば彼女の母として、自分は彼女が帰る場所を守らねばならない。
そのためにできることがあるのなら、何だってやろうと決めていた。
(ヴィヴィオ、ママはヴィヴィオが帰る場所を守るから・・・・・・だから、後悔なんてしないように、ヴィヴィオも頑張って)
土煙の舞う蒼天を見上げ、なのはは心の中で我が子の無事を祈るのだった。
□
また別の場所では、負傷した武装局員の治療のためにシャマルが仮設テント内で奮闘していた。
sien
「ぐああぁ・・・・・先生、俺、まだ死にたくない・・・・・」
「気をしっかり持って、両足が折れているだけよ。命に別状はないわ」
「先生、また急患です! これ以上はもうベッドがありません!」
「軽傷な人は床に座らせて! それと、この人にギブスを。私は他の人を診ます」
額に汗を流しながら、シャマルは自分にできる精一杯の治療を施していく。誰一人として死なせない。その思いが、彼女を突き動かしていた。
□
突如として地面から隆起した無数の棘が木々を突き破り、ガジェットの装甲を刺し貫く。
文字通り地面に縫い付けられたガジェットは身動きの取れぬままケーブルをふるふると震わせ、一拍遅れて粉微塵に弾け飛んだ。
「てぉああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!!!」
怒声を振り絞り、ザフィーラはV型の胴体に回し蹴りを叩き込む。有り余るパワーは堅牢な装甲を易々と貫通し、
吹き飛ばされたV型の巨体はまるでボーリングのように周囲の仲間を巻き込んで地面を転がっていく。
振り返って跳躍し、爆撃を行おうとしていたU型の片翼を掴み、眼下の群れに目がけて投げ下ろす。
衝撃で搭載していた爆弾が破裂し、T型諸とも大爆発を起こして弾け飛んだ。
敵は苦し紛れに発砲してくるが、ザフィーラの強固な防御魔法に阻まれて傷一つつけることができない。
そこで繰り広げられていたのは戦いではなく、一方的な殺戮であった。
「ば、馬鹿な・・・・・・三十機ものガジェットが、全滅だと・・・・・・お前はいったい、何者なんだ!?」
狼狽した一人の男が半狂乱な叫びを上げる。その言葉に、ザフィーラは律儀に返答した。
「我は盾の守護獣ザフィーラ! 夜天の王、八神はやてに仕えし獣、そして・・・・・この地に眠りし使い魔アルフの生涯の伴侶なりぃぃっ!!!」
叫びに呼応するように木々がざわめき、新たに大地が隆起する。その一撃で以て、三十機のガジェットの群れは残骸すら残さずに消滅してしまった。
「なぁっ・・・・・」
「彼女の安らかな眠りを妨げる者は、何人たりとも容赦はせん! てぉあああぁぁぁーッ!!!」
獰猛な雄叫びに、彼らは既に己を見失って逃走を図っていた。
捕まれば殺される。
恐怖の余り顔を引きつらせ、明日を誓い合った同志すら見捨てて彼らは遁走する。無論、逃げられるわけなどなかったが。
□
鋼と肉がぶつかり合う音が木霊し、魔力弾の嵐が上空を飛び交う中、ルーテシアとキャロは懸命に白天王の治療を試みていた。
キャロ達が駆けつけてくれたことで何とか窮地を脱することはできたが、彼女達が束になってかかってもデウス・エクス・マキナを止めることはでなかった。
何しろ、相手はギオ・エルガの直撃にも耐えきる上、パワーもスピードもヴォルテールを遥かに上回っているのだ。
今はヴォルテールが奮闘してくれているので辛うじて押さえることはできているが、キャロの魔力が尽きてヴォルテールが力尽きてしまえば、
如何に彼女達であろうと羽虫の如く蹴散らされてしまう。故に彼女達の唯一の勝機は、ヴォルテールと白天王による魔力砲の同時攻撃しか残されていなかった。
「キャロ、余り無理をしないで。今、キャロの魔力がなくなったら、ヴォルテールが戦えなくなる」
「ルーちゃんこそ、疲れているんだから無理しないで。ただでさえ体調が良くないのに」
「気づいていたの?」
「女の子だもの」
「キャロ・・・・・・・・・・」
親友の気遣いに感謝しつつ、ルーテシアは内心で突っ込まずにはいられなった。
(キャロ、私達ってもう二十二歳なんだけど)
果たして、その年齢は女の子と呼べるのだろうか? いや、女の子は心がキラキラ輝いていればいつまでも少女だとのたまった偉い人もいるのだから、
あながち間違いではないような気もするが。
などと思考がそれ始めた瞬間、ティアナが悪鬼もかくやという程の睨みを利かせた一喝を飛ばした。
「二人とも、無駄話する暇あったら手を動かす!」
「「は、はい」」
背筋をピンと伸ばし、二人は再び治療に専念する。とにかく、今は白天王を治すことが最優先だ。
自分達を守るために死力を尽くして戦ってくれているスバル達のためにも、何としてでも白天王を蘇らせねばならない。
□
ガンシューターを何百発と撃ち込まれても一向に堪える素振りも見せないデウス・エクス・マキナに、ノーヴェは苛立ちを募らせていた。
「くそっ! これだけ撃ち込んでいるのに傷一つつかねぇ! 何とかならねぇのか!」
「姉のISも利いていないようだ。魔法だけでなく、物理攻撃に対しても恐ろしい防御力だ」
「堅くて斬れない」
まるで巨象に挑む蟻のような気分だった。こちらの攻撃はまるで通用せず、逆に向こうは腕のひと振りで容易にこちらを捻り潰すことができる。
更に巨体の割に動きも素早く、飛行もできるので厄介極まりない。
「スバル、振動破砕っス! あれならきっとダメージが通るっス!」
「って言われても、こんなに大きかったらあんまり意味ないよ」
スバルのIS振動破砕は、機械に対して非常に有効な攻撃となりえるが、それでも所詮は打撃であることに変わりはない。
全長何十メートルもの巨体に打ち込むとなれば、急所を的確に狙わねば決定打にはならないのだ。
『みんな、どいて』
ダメージが通らないのなら動きを止めようと、ディエチはデウス・エクス・マキナの足下を狙う。
その試みは見事に成功し、地面に空いた穴に足を取られてデウス・エクス・マキナの巨体がバランスを崩した。
すかさず、オットーがバインドで四肢を拘束し、身動きが取れなくなったところにティアナとウェンディの砲撃が撃ち込まれ、
駄目押しとばかりにスバルの奥の手、振動拳も叩き込まれる。
「やったか?」
緊張した面もちで一同が見守る中、徐々に視界を覆っていた砂埃が晴れていく。
直後、耳障りな金属音にも似たデウス・エクス・マキナの咆哮が大気を震わせた。
「畜生、ノーダメかよ!」
「いや、胸元をよく見ろ!」
舞い上がる砂埃から顔を庇いながら、チンクが声を張り上げる。見ると、二大召喚獣の砲撃を受けても傷一つつかなかった銀色の装甲に、僅かではあるがへこみができている。
「利いていないわけじゃない。ただ、対象が余りに大きすぎて振動エネルギーが伝わり切らないのだ」
言うならば、次元航行艦に射撃魔法を一発撃ち込んでも簡単に沈んでくれないのと同じ理屈だ。
やはり、脆い場所を見つけ出してそこに一点集中で振動拳を叩き込まねばならないらしい。
だが、敵もそう易々と同じ手を許すはずがなかった。地上にいては思うように身動きが取れないとばかりに瓦礫を押しのけ、
巨大な金属の翼を羽ばたかせて空高く舞い上がったのだ。
「いけない、追いかけて、ヴォルテール!」
アレを空に上げては魔力砲で狙い撃ちにされてしまう。
焦ったキャロはヴォルテールだけでなく、出し惜しみしていた魔力を総動員させて竜魂召喚を行い、フリードも追走させる。
「双竜召喚か・・・・・面白い、少しは歯応えがありそうだ」
入念に張り巡らせた防御魔法で戦いの余波から身を守っていたロデオが厭らしい笑みを漏らし、気取った調子で指を鳴らす。
「さあ狂え、デウス・エクス・マキナ」
瞬間、デウス・エクス・マキナの内部機構が凄まじい勢いで加熱し、搭載されたカートリッジが次々に爆ぜる。
それは余りに馬鹿馬鹿しい理屈であった。
数百トンの重量に桁外れの運動エネルギーを上乗せすることで、その破壊力を増大させる。
単純故に強力無比、容赦のないその一撃は高層ビルを粉々に打ち砕き、衝撃で周囲の建造物に亀裂を入れるほどの威力を誇る。
フリードは持ち前のスピードで何とか回避することに成功したが、巨体のヴォルテールにそのような機敏さなど望むべくもなく、
僅かに掠っただけの右腕がまるで戦艦の艦砲射撃でも受けたかのように粉微塵に千切れ飛んだ。
「ヴォルテール!!」
「はっはっはっ、アルザスの守護竜も所詮その程度か!」
「くっ、こんのぉぉぉっ!!!」
「さっきから好き放題言ってんじゃねぇっ!!」
激情に任せ、スバルとノーヴェはロデオ目がけて疾走する。
二人を待ち構えていた十数の傀儡兵が自爆し、爆風が二人の体を包み込んだ。
常人ならば即死してもおかしくない衝撃と熱風。それを二人は防御魔法と機人故の頑強さを頼りに潜り抜け、左右から挟み撃ちをしかけた。
「振動拳!」
「ぶっ潰れろぉっ!!」
黒煙を振り払い、二人は同時に攻撃を繰り出した。
瞬間、二人は驚愕した。
ロデオがいない。
つい先程まで、防御魔法に守られながら笑っていたロデオは遙か後方に下がっており、
互いの拳が向かい合っている自分達を捉えている。既に勢いのついてしまった攻撃は止めることができず、
お互いにぶつけあう以外の道はない。だが、スバルの振動拳は一撃必殺、その直撃を受ければ、
如何に戦闘機人であるノーヴェといえど無事では済まない。
最悪、死の恐れもある。
「こ、こんのおぉぉぉぉっ!!!」
「スバルぅっ!」
その時、ティアナが撃ち出したアンカーがスバルの右腕に巻きつき、その軌道を変化させる。
即座にスバルは身を捻り、速射弾の連射をギリギリで回避してノーヴェから距離を取る。
「あ、危なかった・・・・・・」
「くそ、あいつ舐めた真似しやがって」
スバルは妹を殴り殺さずに済んだことにホッと胸を撫で下ろし、ノーヴェは危うく姉を撃ち殺しかけたことに強い怒りを覚える。
「二人とも気をつけなさい。同士打ちなんてしたら目も当てられないわ」
「ティア・・・・・・それって多分、ティアが一番言っちゃいけない台詞なんじゃ・・・・・・・・・」
「うっさいスバル! 集中する!」
「って言われても、打つ手ないよぉ」
敵は遙か上空で手も足も出ず、召喚師は堅牢な防壁に守られて傷一つつけることはできない。正に八方ふさがりだ。
「頭脳戦はお前の領分だ、私達はお前の指示で動く」
「そうは言われても、あそこまで反則級の相手と戦ったことなんてないし。
せめて、奴が地上に降りてきてくれればまだやれることもあるんだけど・・・・・・・・」
『地上に落とせば良いんだあ?』
不意に、ヴァイスからの念話が届いた。
「ヴァイスさん?」
『野郎にカマかけてやる。落下に巻き込まれるんじゃねぇぞ』
「だ、大丈夫なんですか?」
『俺を信じろ。昔言ったよな、俺はエースでも達人でもねぇ。けど、後輩が進む道を作ってやることはできるってよ』
□
揺れるヘリの荷台で片膝を突き、ヴァイスは愛用のライフル型デバイス“ストームレイダー”を構える。
スコープの向こうではまるで怪獣映画かなにかのように空中戦を繰り広げている二匹の竜と機神の姿が映っていた。
「くそ、揺れが酷い。アルト、ヘリをもっと安定させろ!」
「や、やっています! けど、風が強くてこれ以上は・・・・・」
尊敬する先輩に怒鳴られ、悲鳴のような声を上げながらもアルトは必死で突風に煽られるヘリの姿勢を保とうとレバーを引く。
だが、彼女がいくら頑張ってもヘリの揺れは治まらなかった。その上、遙かニ千メートル先の標的は目まぐるしく動いていて動きが読めず、
立ち塞がる無数のガジェットU型が視界を遮ってしまうのでとても狙いが定まらない。狙撃を行うには正に最悪の環境と言えた。
《警告。統計学的に見て、この状態で狙撃が成功する確率は0.02%です》
「それでもやるんだよ」
静かに言い放ち、ヴァイスは意識を集中する。
ストームレイダーから流れてくる情報の全てが、狙撃が不可能であることを物語っている。
距離が遠い。
足場が安定しない。
障害物が多すぎる。
何より、標的が狙わせてくれない。
(くそっ・・・・・くそ、くそっ・・・・・・!)
無理だ。
自分の技能の限界を超えている。
この状況下ではデバイスの弾道補正も却って邪魔になる。完全なマニュアル照準で、目と勘だけを頼りにこれから狙う的を射抜くなど不可能だ。
それでもやらねばならない。自分の女に約束したのだ、守ってやると。突破口は自分が開くと。
『ヴァイスさん』
その時、ティアナから念話が届いた。
「ティアナ?」
『ヴァイスさん、一人で何でも抱え込まないでください。私って、そんなに頼りないですか?』
「お前の実力は誰だって認めている。もちろん俺もだ。立派にやっているって思っているよ。俺なんか足下にも及ばねぇ」
『だったら、もう少し信用してください。スコープ越しかもしれないけれど、私もみんなも、一緒に戦っているんですから』
「ティアナ・・・・・・・」
頭を殴られたかのような衝撃に、思わず銃身が揺れる。
スナイパーとは口で言うほど簡単なものではない。寧ろ、要求される過酷さは一般の戦闘魔導師よりも遙かに過酷だ。
スナイパーは常にスコープ越しに標的を観察する。時に何日間もそこに映る人物の習慣や趣味を見つめ、飲み食いや友人との語らいを見つめ、
その上で手にしたデバイスの引き金を引く。なまじ相手が見えるが故に、その過酷さは想像を絶するものがある。
彼らの仕事は互いの意地がぶつかり合う斬り合いでもなければ、顔も合わせぬまま殲滅することでもない。入念な観察と一方的な虐殺。
狡猾さと非情さを併せ持つ悪魔の所業だ。才能だけでは到底やっていけない。
当然、ヴァイスもそれは経験している。スコープ越しに多くの人間の営みを観察し、
眉一つ動かすことなく撃ち抜かねばならない重みは十分に理解している。それ故に、気負い過ぎていたのかもしれない。
誰にも理解してもらえず、誰にも助けてもらえない孤独に囚われた英雄にでもなっていたつもりだったのだろうか? だとしたら、大きな間違いだ。
自分は孤高の英雄ではない。多くの仲間と共に戦うただの狙撃屋でしかないのだから。
「ティアナ、クロスミラージュのデータをストームレイダーとリンクさせろ。状況が知りたい」
『え・・・・はい!』
即座にティアナから送られてきた情報を仮想ディスプレイに映し出す。
味方を意味する青いマーカーの数が、今はとても頼もしい。自分は一人ではない、これだけ多くの仲間と戦っているのだという実感を持つことができる。
「オットー、ディエチ! 邪魔な雑魚を片付けろ、今すぐにだ!」
『了解』
『了解』
短い返事の後、レイストームの緑色の閃光と拡散弾に設定されたヘヴィバレルの砲撃が空を埋め尽くしていたガジェットの群れを焼き払い、
標的までの視界がクリアになる。
すかさず、ヴァイスはストームレイダーを構え直してスコープを覗き込む。
そこでは、未だ二体の巨体がぶつかり合い、激しい取っ組み合いを演じていた。
「キャロ、そいつのケツを俺に向けさせろ!」
『ケッ・・・・・ヴぁ、ヴァイスさん・・・・・・・』
「良いから言われた通りにするんだ。文句は後で聞く!」
『は、はい・・・・』
顔を真っ赤にしながらヴォルテールに指示を出す様を想像し、ヴァイスは意地悪そうに舌なめずりをする。
良い調子だ。
肩から力が抜け、神経が程良く解れている。今ならば、星すらも撃ち落とせるような気がしてならない。
(さあ・・・・・・ヴァイス・グランセニック、一世一代の大勝負だ)
《Variable Barret》
ヘリの揺れも髪をなびかせる風も味方につけ、ヴァイスはデバイスと一体になる。
たった一度きりのチャンス、逃すわけにはいかない。
(まだか・・・・・まだなのか・・・・・・・)
取っ組み合いを演じる両者の向きが安定しない。目当ての場所がこちらを向いてくれなければ、折角のチャンスも無駄に終わってしまう。
そう思った時、ヴァイスが待ちに待った瞬間が訪れた。
反射的に引き金を引き、二千メートルの距離を吐き出された魔力弾が高速で飛翔する。
たったの一発、デウス・エクス・マキナの巨体を撃ち抜くには余りにも小さい。
だが、それはヴァイスの思い描いた軌道を正確に通過し、大気を引き裂きさながら腰部にマウントされたスリットへと吸い込まれていった。
巨体の中で何かが潰れたかのような音が響き渡る。
一瞬の後、巨体が僅かに揺らいだ。続いてスリットから黒い煙が立ち上り、部品らしきものがバラバラと零れ落ちてくる。
そして、誰もが唖然と見守る中、神を模した機械の兵は飛び方を忘れた雛鳥のように錐揉みしながら地面へと落下していった。
「よっし、思った通りだ」
『ヴァイスさん、いったい何を・・・・・・・・』
「どんな機械にだって冷却装置は積まれているもんだ。外部装甲は魔法を弾けても、中の精密な部分までは手が回らないと思ってな、
そこを撃ち抜いてやったのよ」
それは乗り物好きなヴァイス故に気づくことのできた弱点であった。
しかも運が良いことに、彼が撃ち抜いたのはデウス・エクス・マキナの飛行ユニットの冷却装置だった。
それが損傷した以上、デウス・エクス・マキナは二度と空を舞うことはできないだろう。
反撃の狼煙が上がった瞬間であった。
□
その時、凶暴な駆動音を轟かせて一台のバイクが戦場に現れた。
それは慣性の法則を無視しているかのように車体を蛇行させながら瓦礫の山を疾走し、ルーテシアの前で停車した。
「エリオ!?」
「アリシアは無事だ。託児所の人達と一緒にシェルターまで誘導しておいた」
ヘルメットを放り捨て、エリオは地面に降り立つ。風にはためく純白のマントが視界を遮り、
敵味方入り乱れる戦場にいながら二人はまるで世界に自分達しかいないかのような錯覚を覚えた。
「ごめん、いつも肝心な時にいないよね、僕って」
「エリオ・・・・・」
「わかっている。結局、僕はまだ子どもなんだ。わがままばかり言って、いつもみんなに迷惑かけている」
「そうだね・・・・・・けど、最後は必ず来てくれるでしょ」
「だって、僕は君の騎士だから」
「なら、それで十分。嫌なことも苦しいことも、全部エリオが帳消しにしてくれる。だから、許してあげる」
「ありがとう」
広げた腕に彼女を招き寄せ、エリオはそっと細い体を抱き締める。
温もりが冷えていた心を溶かし、確かな力となって流れ込んできた。その鼓動を感じ取りながら、エリオは名残惜しげにルーテシアから離れる。
満たされているという幸福感とは別に、吐き気にも似た不快感が込み上げてくる。
この感覚は、あいつが近付いてきた証拠だ。
「ごめん、行かなきゃ・・・・・・・」
「うん、頑張って」
互いに頷き合い、二人は背を向ける。
ルーテシアは傷つき、倒れている白天王に。
エリオは別の答えに辿り着いた、もう一人の自分に。
「結局来てしまったか、モンディアル」
「ケーニッヒ・・・・・・・」
無造作にバイヨネットを担ぎながら、ケーニッヒはエリオを睨みつける。
「できれば、お前との決着は世界を閉ざした後にゆっくりと着けたかったんだがな、こいつは」
「そのことだけど、保留というわけにはいかないかい?」
「ほう・・・・・何故だ?」
「ケーニッヒ、僕達が生きているのは何故だかわかるかい?」
「さあな、考えたこともないな」
「それは、自分が生きた証を未来に残すためだ。後に続く子ども達のために、希望に満ちた未来を作ってあげることだ」
「そのために、世界を閉ざすことが邪魔だと言うのか?」
「僕がこの答えに辿り着いたのも、多くの出来事を経験できたからだ。色々な人と出会い、たくさんの出来事を経験し、多くの考え方と触れあった結果だ。
良いかい、出会いとは可能性なんだ。君も僕も、今まで生きてきた時間の中で様々な人と接し、その結果として今の自分があるんだ。
世界が閉じていたら、キャロや母さんと出会えなかった。多分、ルーと分かり合うこともなく、結果として僕の娘も生まれなかった。
ケーニッヒ、君達がやろうとしていることは、可能性を潰すことなんだ。未来を閉ざしてしまう行為なんだ」
「故に、それを守ると言うのか?」
「ああ。それが僕の成すべきこと・・・・・・・この世に生を受けた意味だ」
「ふっ、いつかは死んでしまう肉の塊に意味など求めてどうする。お前の理想では未来は守れても世界は守れん」
「君の信念では、世界は守れても未来はない」
互いに一歩も退かず、真っ向から視線をぶつからせる。
議論はどこまでも平行線、和解の余地など最初から存在しなかった。
「やはり、オレ達の答えは槍で見い出すしかないか」
「不本意だけど、そのようだ」
諦めたかのようにエリオは頭を振る。どのみち、顔を見せた段階で激突は必至だったのだ。
こうなってしまっては、一刻も早くケーニッヒを倒してシエン・ボルギーニを見つけ出さねばならない。
「閉ざせ、バイヨネット」
《Gefängnis der Magie》
無機質な機械音と共に、空間が世界から切り離されていく。
周りの風景が変色し、立っているのか横になっているのかもわからなくなってしまうくらい地面が頼りない。
自己の存在すらあやふやになってく。
そんな中、エリオは笑みを浮かべて振り返った。
丁度、こちらに目をやっていたルーテシアと視線が交わる。
「ルー、今度は一緒に戦えない・・・・・・けど、僕達はいつも一緒だ」
「うん・・・・・・勝って、未来で会おう」
そのやり取りを最後に、あやふやだった感覚が急速に現実味を取り戻し、エリオとケーニッヒは誰もいない瓦礫の街へと降り立っていた。
「さあ、ここなら誰の邪魔も入らない。気兼ねなく殺し合いができるぞ」
「言っていろ。けど、僕は絶対に人の命を・・・・・・・未来を奪わない。それが僕の戦いだ!」
獰猛な笑み浮かべ、二人はそれぞれの得物を構える。
それぞれの理想の正しさを証明するために。
己の信念に従って生きるために。
因縁の対決が、今切って落とされた。
to be continued
以上です。
どんだけ長いんだこのお話は。やりたいネタ、詰めたいネタが多すぎる。脇役が活躍し出すともう止まらなくなるよ。
182 :
B・A:2008/07/11(金) 03:59:17 ID:SMVwX7G6
コテ外し忘れた。
支援ありがとうございます。
それじゃ、おやすみなさい。
>>182 GJ!
これは何という脇役祭り。ヴィヴィオの出番が…w
学校行く前にいいもの読ませてもらいました。
GJですたよ。
魔導と物理の複合バリアは
Asのラストで破ってるから
最初はもっと楽勝だと思ってたw
結構裏かかれて楽しい。
GJ!!です。
読んでて思ったのだが、ロデオが負けても別に恥でもなんでもないw
あれだけの人数と対等に戦えるんだもの。
GJ!
個人的には全員に活躍する場所があるというのはとてもいい事だと思いますよ〜
それだけ氏も考えて書かれているということですし、こちらも燃えてきますし、実にいいです。
とにかくルーちゃん頑張れ!
187 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 13:09:16 ID:Kq2mERrc
>>B・A
機種依存文字って言葉知ってる?
sageもできない名前呼び捨ての厨に言われたくないだろうよ
189 :
B・A:2008/07/11(金) 15:30:12 ID:SMVwX7G6
誤字を発見しました。時間が時間だったから寝ぼけてたのかなぁorz
>>175のヴァイスの台詞
>『地上に落とせば良いんだあ?』 ×
>『地上に落とせば良いんだな?』 ○
です。
司書の方、保管の際は訂正をお願いします。
もうちょっと、かまってあげてwww
平日昼間に書き込みが少ない事はむしろ喜ぶべきだろうw
>>182GJ
>B・A氏
GJです。
ところで、冷却装置壊すところ見てフルメタのベヘモス戦思い出したのは自分だけじゃないよね?
今から投下大丈夫ですかね?
どうぞどうぞ
197 :
あおそこひ:2008/07/11(金) 20:39:42 ID:A5E+LvIh
では投下ゆきます。
2〜3スレ前で最終話の模擬戦に挑戦しようと言ったものです。
時間がかかった上にまだ序盤のみですが。
・戦闘系、非エロ
・26話(最終話)模擬戦の妄想補完
という内容で。
こいや…読んでやンよ?
「それでは」
「レディー」
「「ゴー!!」」
はやてとギンガの掛け声を合図に、最後の模擬戦が開始された。
開始の合図と共に投げ上げられた剣十字と待機状態のブリッツキャリバーが落ち始めもしないうちから、フェイトがフォワード陣へと突進。
フェイトに続いてヴィータとシグナムもなのはをその場に残し、地上にいるフォワード陣へと迫る。
『じゃあ、いってくるね、なのは』
『うん。先陣がんばってね、フェイトちゃん。ヴィータちゃんとシグナムさんも、作戦通りよろしくね』
『わーってるよ、なのは。そっちこそしくじるんじゃねーぞ』
『まあ、せいぜい楽しんでくるさ』
『では…いきます!』
トップスピードまで加速し、開幕時にロングレンジ程度離れていたフォワード陣との距離を、一気に詰めるフェイト。
飛行速度の関係で、かなり遅れてヴィータとシグナム。
同時攻撃ではなく、単独のフェイトの後ろに、ヴィータとシグナムが続くという構図。
『うわ、隊長たち一気に来たよ、ティアっ』
『予想戦術の範囲内でしょ、スバル。各自分断されないように気をつけて。キャロは、私と一緒にフェイト隊長が射程に入り次第迎撃を』
『はい』
『近接したら頼むわよ、スバル、エリオ』
『まかせてっ』
『了解です』
対して、開幕と同時に隊長陣の切り込みによる分断・各個撃破を警戒していたフォワード陣は、密集して互いに援護し合える陣形へとシフト。
戦術論的には、後続の二人から突出したフェイトを、待ち構えるフォワード陣四人で迎撃しうるチャンス。
ティアナの指示のもと、フォワード陣はその場にとどまり、隊長陣の三人を迎え撃つ態勢をとった。
「でも、フェイト隊長が単独行動する意味が…?」
突出した一人を四人で迎撃できるという、開幕において願ってもない優位な展開。
しかし、だからこそこの状況は、指揮官たるティアナの警戒心を喚起する。
フェイトの力量を考えれば単独行動でも問題はないだろうが、だからと言ってあえて他の二人を引き離して接近する意味もないはずだ。
そこにどんな意図があるのか。
『来ました!』
何かあると確信するよりも早く、予想以上のスピードでフェイトはミドルレンジへと侵入、そのまま無数のプラズマランサーを射出。
いち早く警戒の声を上げたキャロはケリュケイオンからフィンを展開、翼状スフィアから光弾を発射。
丁寧な射撃でプラズマランサーを破壊すると同時に、フェイト本体にも牽制の光弾を送る。
ティアナは疑問を心の片隅に残しながらも、クロスミラージュをツーハンドモードで展開。
前方ミドルレンジのフェイトに次々と魔力弾を撃ち込みながら、その後方、未だ射程に届いていないヴィータとシグナムの動向を見据える。
フェイトは迫りくる魔力弾に対してシールドは用いず、持前の機動力と高速移動魔法を駆使して、最小の軌道変更のみでこれを回避。
避けきれない魔力弾のみを大剣状のバルディッシュを振るって切り払い、減速すらせずにフォワード陣に迫る。
ティアナとキャロ、仮にも射撃訓練を受けた二人分の弾幕が、足止めにならない。
『スバル、エリオ!』
『まかせて、ティア。いくよっ!』
『はい、スバルさん』
『キャロも二人のサポートに』
『わかりましたっ』
ついに近接攻撃の間合い寸前にまで接近したフェイトに対し、スバルとエリオがツートップで対応。
先頭にスバル、次いでエリオ。そのさらに後方にキャロ。
スバルは、フェイトへの攻撃に全力を。
エリオは、後方のキャロと共に、フェイトがスバルの攻撃にリアクションした際の追撃とサポートを担当。
そして、指示を飛ばした当のティアナは、クロスミラージュを構えてフェイトの後方にいる残り二人の挙動に目を光らせる。
「リボルバー…」
フェイトが弾幕を潜り抜けた瞬間、ショートレンジに入るタイミングを見計らい、スバルが右拳をかざしカートリッジをロード。
高速回転するナックルスピナーとともに、右拳をフェイトに向けて振りぬいた。
「シュート!」
リボルバーナックルから放たれる、前方への広域衝撃波。
近接距離における、前方への『面』の攻撃。直線的だが高速移動魔法を絡めての多様な動きをみせるフェイトへの、スバルが選んだ攻撃手段。
防御すればスバルが追撃、エリオとともに近接攻撃で畳み掛ける。
回避すればエリオのストラーダと、さらに後ろに控えるキャロの射撃魔法がフェイトを狙う。
ティアナが判断したように、フェイトとヴィータたちとの距離は連係ミスと呼べるほど離れすぎており、今この瞬間、二人からのサポートもフェイトには届かない。
「いっけぇぇ!」
突き抜ける衝撃波。
直接攻撃範囲に到達したフェイトの次の行動に対応するため、全神経を集中させるスバルとエリオ。
しかし。
衝撃波の晴れたその先に ―― フェイトがいない。
『いない!』
『突破されたんですか、スバルさん?』
『ちがうよエリオ、手応えが無い。回避されたんだ!』
至近距離での範囲射撃を回避され、さらに、回避したはずのフェイトの居場所がつかめない。
回避行動による隙を狙っていたはずのエリオですら、あろうことかフェイトを見失っている。
『スバル、そこ!』
『エリオ君、上にっ』
狼狽するスバルとエリオに、ティアナとキャロが鋭く声をかける。
サポートのために離れた位置から一部始終を見ていたティアナとキャロは、かろうじてフェイトの挙動を把握していたのだ。
接近していたスバルとエリオの視界が衝撃波のおこす乱気流で狭まった瞬間、フェイトは前進せず真上へと高速移動魔法で軌道修正。
直進するリボルバーシュート本体と周囲の衝撃波の壁を垂直に乗り越えて回避し、フォワード陣の頭上へと回りこんでいた。
間近のスバルとエリオからすれば、まさしく視界から消失したとしか言えない、頭上の死角への移動。
「いくよ、バルディッシュ」
<Yes, sir>
「…撃つは雷、響くは轟雷。アルカス・クルタス・エイギアス…」
フォワード陣の頭上に回り込んだフェイトは、そのまま淀みなく呪文詠唱。
ザンバーフォームのバルディッシュを頭上に掲げて、リボルバー内のカートリッジ全弾を連続ロード。
爆発的に高めた魔力リソースの大半を魔法の高速発動のために使用、回避どころか攻撃されるという認識すら困難な早さで、広域攻撃魔法をチャージ。
刀身に宿る雷気を解き放つように、上から下へと、大剣状のバルディッシュを一閃させた。
「サンダー…フォール!」
振り抜かれたザンバーを追うように、戦闘空域全体を白く染めるほどの落雷が奔る。
晴天の空に、閃光と轟音が弾けた。
『天候操作…落雷が来ます!』
『みんなこっちに!』
一方、フェイトの下方では。
鋭敏な感覚と周囲に満ちた雷気で、一足早くエリオがフェイトの攻撃を直観していた。
エリオの警告に続くティアナの号令に即座に対応、ティアナを中心として防御陣形を組み始める。
「…あ」
しかし当のティアナは、号令をかけた瞬間、落雷で白く染まろうとする空のさらに向こう側を見上げ、何かに気づいたように声を上げた。
その直後に、上方にいるフェイトのさらに上空から、ひときわ強力な閃光が炸裂。
周囲に轟音と衝撃を撒き散らしながら、落雷がフォワード陣四人を飲み込んだ。
『やったのか、テスタロッサ?』
『ううん。うまく切り抜けられました。みんな、無事みたいです』
閃光は去ったが、まだ落雷による大気の乱れが静まりきらない中、上方から見下ろすフェイトの視界の中には、無事な四人の姿がある。
ティアナを中心として四人が一点に集結、互いのシールドを重ねることで強度を補い、落雷を防ぎ切ったのだ。
四人は、閃光と轟音で視力と聴力が低下した状態でありながら周囲の隊長陣の位置を把握しなおすと、やはりティアナを中心に素早く陣形を再編成。
スバルとエリオは、正面のヴィータとシグナムへの迎撃態勢をとり、キャロは上方のフェイトを見据える。
ただ、中心のティアナだけは他の三人と異なり、何かに集中するように目を閉じ、顔を伏せていた。
『ま、そのくらいはやってもらわねーとな。教えた甲斐がないってもんだ』
落雷の衝撃で赤毛を乱しながらも、ヴィータは足を止めずに前方へと飛行と続け、ついにショートレンジにフォワード陣を捕捉。
巨大ドリルのごとき鉄槌、ツェアシュテールングスフォルムのアイゼンを手に、フェイトに掻き乱されたフォワード陣へと、猛然と襲いかかる。
『なのはには悪いが、ここで沈めちまうのもアリだな。いくぜ、シグナム』
『ああ。状況によってはこのまま殲滅戦を仕掛ける。そちらの状態はどうだ、テスタロッサ』
『作戦通りとはいえ、今のでちょっとバルディッシュに無理をさせてしまいました。動くのは問題ないけど、負荷が抜けるまでは、派手な魔法は難しいですね』
『ならば、牽制を頼む。私も、ヴィータと一緒に前に出る』
『わかりました、シグナム』
フォワード陣の頭上をキープしたまま、フェイトは慣れた手つきでリボルバーから使用済みカートリッジを排莢、スピードローダーで手早く再装填。
フォワード陣の前方から攻めるヴィータとシグナムへのフォローとして、頭上からのプレッシャー役へと転向した。
フォワード陣にとっては息をつく暇もなく、前方からヴィータ、少し遅れてシグナムが迫る。
位置関係は、フォワード陣から見て、前方ショートレンジにヴィータとシグナム、上方ミドルレンジにフェイト。
広域攻撃の後のフェイトに目立つ動きは無いが、頭上を制されているため、それだけで多大な重圧がある。
突破力のあるヴィータと、近・遠距離共に攻撃可能なフェイト。ヴィータの後方には、近接戦闘に加えて、空間制圧攻撃が可能なシグナム。
数に勝るフォワード陣が、逆に包囲されかかっている形だ。
<Search successful>
「…やっとみつけた。ありがとう、クロスミラージュ」
<Thank you>
意識を集中させるように目を閉じ顔を伏せいていたティアナが、ゆっくりと顔をあげた。
手の中のクロスミラージュに表示されるデータを険しい顔で見据え、覚悟を決めたように凛と、声を上げた。
『スバル!』
『うん、わかってる!』
状況は不利。半包囲されつつある状況を打開しなければならない。
上方にいるフェイトは機動力に長け、追っても追撃しきれないのは明白。
ならば、こちらにクロスレンジでの戦いを挑みに来るヴィータとシグナム、特に先頭のヴィータを全員で迎え撃つのが確実だ。
ティアナからの声をそう解釈したスバルは、即座に前方へとウイングロードを形成。
ヴィータと、それに続くシグナムとの戦闘を見据え、前方空域の足場を確保するように展開しようとする。
『馬鹿スバル、違う。ヴィータ副隊長じゃない、その奥を見なさい!』
『ええっ?』
しかし、スバルの行動は、まるでスバルがそうするであろう事を予測していたようなティアナの一喝で止められた。
目まぐるしく入れ替わる展開の中、ティアナの眼差しは、ヴィータとシグナムの、さらに後方に向けられている。
『スバル、エリオもキャロもすぐに全力で前進して。ここで留まって闘ってたら負ける!』
スバルだけでなく、エリオとキャロもティアナの切迫感を感じ取り、戦場のさらに「奥」へと視線を向けた。
『ううん違う。負けるわけですらなくて…戦いにもならずに、終わらされる』
「うん。ティアナは、気付けたみたいだね」
<Yes>
「でも、間に合うかな? さあ、いくよレイジングハート」
<All right.my master>
「最初から…全力でね」
ティアナの見据える先。
ヴィータの後方に控えるシグナムよりも、さらに奥。
開幕直後、突出したフェイトによって足止めされた自分たちフォワード陣から、いつの間にかひどく遠ざかっていた、最悪の砲撃手の存在。
ティアナは歯噛みする。
今から考えれば、開幕直後から隊長陣による戦術的誘導があったことは明らかだ。
その場に足を止めて陣形を整えれば、多対一で迎え撃てる状況を狙えた、フェイトの不自然な突出。
フェイトに続いてヴィータとシグナムまでもが一気に前進したために生じた、散開すれば即座に各個撃破されるというプレッシャー。
そして、攻撃と同時に目と耳を封じる効果も狙い、さらに足を止めての集団防御を強制した、高速詠唱による広域落雷。
結果としてティアナを始めとしたフォワード陣は自覚なくその場に留まることを選択「させられ」、同時にその対応に追われて、なのはの存在を一瞬、失念した。
そこから導き出される、隊長陣の作戦。
フェイトの奇襲、ヴィータとシグナムのプレッシャーを盾にして、なのはが戦闘空域の限界まで移動する時間を稼ぐこと。
そして手の届かない距離からの、最大威力での遠距離砲撃による、ただ一撃での殲滅。
気付かなければ、ヴィータとシグナムを万全の態勢で迎え撃とうと足を止めていれば、もうこの時点で隊長陣によるチェックメイトが決定していた。
なのはから叩き込まれたセンターフォワードとしての役割。
司令塔として戦場全域を広くサーチしていたティアナだけが、落雷の直前に唯一、フォワード陣から遠ざかるなのはを捉えたのだ。
「リミットリリース。ブラスターシステム、起動」
<Blaster set>
「ブラスター…3!」
それまで、目立たないように魔力消費を抑えて飛行していたなのはから、爆発的な魔力が立ち昇った。
腰を落としてスタンスを広くとり、横なぎにレイジングハートを構えるなのはの周囲で、四基のブラスタービットが展開。
ビットはすべて砲口をはるか前方のフォワード陣に向けると、一斉に強く桜色の魔力光を灯し、砲撃のチャージに入る。
主砲口たるレイジングハートの先端には、挑むには絶望と実感させるほどの魔力が集束されていった。
誰も知らないことだが、かつてクアットロは、ブラスターシステムを「優秀な前衛がいて後先考えずに一撃必殺を撃てる状況なら、最強スキル」と評した。
そして最後の模擬戦で隊長陣が選択した戦術は、オーバーS・ニアSランクの魔導士三人を前衛とした、先手における、最大威力の、長距離砲撃。
「いくよ、みんな。これが私たちの、手加減抜きの ―― 全力全開!」
<Starlight Breaker ―― Count nine>
『スバル、エリオ。なのは隊長まで前進。完成までに、砲撃を止める。いいわね?』
『オッケー、ティア』
『了解です』
『キャロ、全力で二人をフォローするわよ』
『はい、ティアさん』
すでにカウントは始まっている。
最初にして最期を告げる集束砲撃が完成するまでの残り時間は、10カウントに満たず。
指揮官たるティアナが逡巡していられる時間など、ありはしない。
取りうる手段は大まかに二つ。
ひとつは、カウント終了までに、砲手であるなのはに攻撃を加え、砲撃シークエンスを強制的に中断させること。
もうひとつは、カウント中に防御体勢を整え、集束砲撃をやりすごして、その後に反撃に移ることだ。
攻撃するならば、カウント終了までのわずかな時間で、隊長陣=Sランク空戦魔導師三人の壁を突破する必要がある。
やりすごすならば、まずブラスターシステムによる全力砲撃を回避した上で、当然その後に続くであろう隊長陣全員による追撃を回避しなければならない。
彼我の戦力差を冷静に捉えるほど、どちらの手段も絶望に思える。
しかし、少なくとも後者は論外だ。
客観的に見て、自分たちのシールドでは、フェイトの落雷を防いだようには、ブラスターシステムによる集束砲撃は防げない。
また、直後に来るはずの他の隊長たちの追撃をやり過ごすには、迎撃陣形を維持しつつ、砲撃自体を回避する必要がある。
なのはの砲撃が、それらを許すほど甘いものとは思えない。
この状況で放たれる以上、撃ってしまえば戦局を終結させうる「必殺」であるはずなのだ。
だから、ティアナは前進を選ぶ。
例え高い壁しか見えなくとも。
ティアナがその瞬間の状況を読み取り、チームを動かさねば、絶対に勝利はないのだ。
「じゃあ…いくよっ!」
スバルは気合と共に拳を地面に打ちつけ、上空に向けて幾重にも空色のウィングロードを展開。
魔法で高速移動に入ったエリオと共にウィングロードを駆け上がり、まずは迫るヴィータと、その後方にいるシグナムへと接近。
上空に向かうことで距離が近くなるフェイトに対して警戒しつつ、フリードに騎乗したキャロとティアナが続く。
ティアナの指示のもと、四人は、最終的になのはへと到るルートの第一歩を踏み出した。
205 :
あおそこひ:2008/07/11(金) 20:51:43 ID:A5E+LvIh
以上でした。
続きはなるべく早く。
では、失礼しました。
これは……ハートが熱くなる!
うおっ超お久しぶりな職人さんが!
相変わらずGJ!!
幕間劇のひとが…戻ってキタ━━━━(゜∀゜)━━━━GJ!!!!
以前、15話の模擬戦のリクに応えてくれたときもびっくりしたが、今回もびっくりだw
実は最後の模擬戦、貴方が書いてくれないかなと内心思ってたんだラーメンにキーボード吹いたよああありがとう
>>208 とりあえずコテを外そうぜ。 話はそれからだ。
>>208 そして落ち着こう、ラーメンにキーボード吹くってあーた
GJです。
>>208>>210 昔なんかのテレビで外国の人が貝殻とかキーボードとかをバリバリ食べてたのを思い出した。
>>205 GJなんだけど、ちと細々指示出しすぎな気がした
何年もコンビ組んでるスバルとFWチーム組んで1年のエリオの差が無い感じに違和感
続きに期待してます
>>208 ぬるぽ氏が飲食しながらPC使うなってあれほど・・・
チンコにがつんとくるよなエロいの希望
>>181 GJ!!
サブキャラの活躍も実にイイ!
そしてラストのエリオVSケーニッヒの会話だけでwktkが止まらなくなった
存在意義が決して重なることのない二人の兄弟の対決…ものすごく期待大
いつものsageもできない名前呼び捨ての屑に負けず頑張ってください
>>181 GJ!
脇役の活躍に心奪われ、エリオのかっこよさに惚れた。
エリオの信念がマジよすぎる。
ありがちといえばありがちだけど、この世界の彼はその重みをいやというほど知ってるからな・・・
だからこそ説得力もあるし、かっこよさもあるんだと感心
>>181 GJです!!
大きい敵を相手にみんなで力を合わせるってのはやっぱカッコいいですね
なのはさんの後方支援も新鮮でいい感じ、ヴィータは……確かに傍から見たらシュールだろうなw
で、そんなカッコいいお話なのに一個だけ
一行目の
>>テーブルに広げられた地図を見下ろし、課長は低くうねった。
って、『うねった』じゃなく『うなった』の間違いですよね?多分
初っ端のこの一行読んだおかげで脳内において課長がなぜかキタキタ踊りを踊るシーンが脳内再生リピートされてて腹筋がヤバスwww
>>205 GJです!!
スペック的にまともにぶつかれば、フォワード陣では隊長たちに敵う訳もなく
その辺をどうひっくり返すのか楽しみです
やっぱり勝利の鍵は作戦を立てるティアかな?
個人的には「頑張る秀才娘」なティアが好きなので、見事隊長たちの裏を書いて一泡吹かせてやってほしいですね
219 :
B・A:2008/07/12(土) 16:34:56 ID:V8zQM1KU
>>218 えっと・・・・・リアルに間違えてました。ご指摘ありがとうございます。
>>167 >テーブルに広げられた地図を見下ろし、課長は低くうねった。 ×
>テーブルに広げられた地図を見下ろし、課長は低く呻った。 ○
です。
220 :
554:2008/07/12(土) 18:25:03 ID:5YwojA33
今回は外伝的お話なので、投下ラッシュの10時以降は避けて、早めの時間帯に投下しておきます。
・カップリングはジェイル(あえてこう表記)×ウーノ
・スカの性格がかなり変化してます。それについては後に触れますが、気になる人はNGしてください。
・なのはキャラはスカとウーノ以外はフェイトくらいしか出ません。しかもかなり後半。よってほぼオリジナルストーリー。
・今回は外伝的なお話なので、お二人の出番はありません。
・NGワードは「Clinic F SS-01」です。
それでは原案の73-381氏に多大なGJを送りつつ、投下したいと思います。
221 :
554:2008/07/12(土) 18:27:01 ID:Q8qrBjOQ
ゴメンナサイ。土壇場でやっぱりタイトル変更します。
NGワードは「クリニック・F SS-01」になります。
正直言って、手詰まりだった。
彼の残したアジトはもちろんのこと、彼が出入りしていた施設その他諸々も虱潰しに探し続けた。
それでも、見つからない。管理局の捜査能力を持ってしても足跡すらも掴めないのだ。
「アイツ、ほんまどこにおるんやろなー……」
机に置かれている花を突きながら、投げやりに呟くその背中はどこか哀愁を誘うものがあった。
□ □ □ □ □
ジェイル・スカリエッティの逮捕と共に試験部隊としての役割を終え、早々に解散する予定であった機動六課だったが、スカリエッティから流れたAMF機能付きのガジェットドローンや
傀儡兵のコピーが犯罪者の間で使用されていることが判明したために、急遽運用期間を伸ばして存置されている。
というのは建前で、機動六課が存置されたことの理由はむしろ別にあった。
希代の犯罪者、ジェイル・スカリエッティの脱獄である。
もちろん、地に落ちた管理局の信頼をこれ以上落とすわけにもいかず、マスコミや一般市民にはこのことは徹底的に伏せている。
当然、厳重な口封じも大切だが、管理局としてもスカリエッティをこのまま易々と見過ごすわけにはいかない。だが、如何せん足取りが全くと言っていいほど掴めないのだ。
側近であるウーノと共に、一度資金を得るために数あるアジトの中の一つに侵入したところまでは分かっている。だが、そこから先の痕跡が忽然と消えているのだ。
理由は多重転移とエリアサーチの妨害だということは分かっているのだが、その妨害工作の数々が巧妙かつ正確なもので、管理局鑑識班を持ってしてもそこから先の足取りを掴むことは出来ていなかった。
そこで、やはり苦汁を飲まされるのは若手職員なのは最高評議会による運営システムが消滅した現在でも何ら変わりのないことである。
最も、因縁のある彼女たちの部隊からしてみれば願ったりの状況ではあるのだが。
「フェイトちゃんもティアナもシャーリーも、血眼になって探してくれてるんやけどな……。やっぱり、凄いヤツやったんやなぁ、アイツは」
ジェイル・スカリエッティの逮捕から丸半年が経とうとしているはやてのそれからは、以前とは変わらず落ち着いたままだ。
今回の戦いでの反省点を纏めた報告書を上に提出したところ、試験部隊とはいえリミッターの限定解除をロングアーチだけで許可が下りるようになったというのは正直、大きいことだ。
しかし、そのリミッター解除もあれから一度たりとて使用されたことはない。
理由は、彼らが、ジェイル・スカリエッティ一味の力が強すぎたのだ。
来るのはガジェットドローンの制圧や、彼らとは比べものにならないほど弱い魔導士達の犯罪鎮圧のみ。
もちろん、人名が掛かっている以上は本気でぶつかっているのだが、その本気を出す前に向こうの力が尽きてしまう。
この半年間、フォワードの四人が鎮圧活動に入ることはあったが、各部隊の隊長たち四人の出る幕は一度たりとも有りはしなかった。
「それにしても、ティアナも頼もしくなってきて、スバルも、エリオも、キャロも……。部隊長として、これほど嬉しいことはないて」
本当に、頼もしくなった。そう思う。
ちょっと前までは隊長たちにくっついているだけで、助けどころか足手まといにさえもなっていた四人が、今では各々が優秀な局員として名が広まりつつある。
少し前に上官が四人を褒め称えていたことを思い出し、顔が思わず緩んでしまったのは仕方がないことだと彼女は思う。
自分としては自身の名のある戦功よりも、教え子達の良い噂の方が断然嬉しいのだ。
自分の元で育った雛が、外へと羽ばたいて雄大に大空を飛び回る。その何と素晴らしいことか。
「この魅力にヴィータはやられてもうたんやな。ふふっ、可愛いやつめ」
いつものニヒルとした笑みではなく、心底からおかしいというふうに、手を口元に当てて頬をゆるめる。はやてが手に取った写真には嬉しそうにスバルに掴みかかっているヴィータの姿があった。
そんな、大人びた仕草をする彼女はもうすぐ二十を迎えるところ。そろそろ浮ついた噂から身を固める時期に近づき始めている。
だが、今はまだそんな時期ではなく、他に優先すべき事があるということを、もう十分すぎるほど理解している。
だから、まだこれは表に出すべきじゃないと、自分の中でもう一度、気合いを入れ直す。
そうだ、海鳴のみんなで撮った写真と家族で撮った写真、それに六課のみんなで撮った写真。その他に、もう一枚が机の中にあり―――――
「……ちゃうちゃう。今はそんなこと考えてる余裕なんてないんや」
ブンブンと大きく首を振って雑念を振り切る。
今まで何度となく上司への恨み節をその行為でもみ消した過去のある彼女だが、今回のそれはまさしく恋する乙女そのものの仕草であった。
今は、仕事の時間だと、そう言い聞かせてまず思い浮かんだのは、新米ながら難しい事件を担当している見習い執務官のことだった。
「ティアナ、大丈夫やろか……」
あの半人前ながらも責任感だけはやたらと強い執務官見習いに、はやては不安を覚えていた。
まあ、彼女の杞憂というのは大抵何事もなく終わることが多いので気に留めないことの方が多いが、今回ばかりは事件の規模ゆえに多少の心配はしていた。
外は木枯らしが吹き始め、冬の訪れを告げている。
□ □ □ □ □
「見つけた……!」
トレードマークであるオレンジの髪にツーテールという出で立ちの彼女は、何個もモニターが表示されるその中心で、まるでプロのピアノ奏者が流れるような演奏をしているかのように、縦横無尽に指を走らせていた。
そこで、ついに見つけたのである。湿気臭くて生活感の感じられないこのアジトを作った張本人が、レリックというロストロギア以外に何を求めていたのかを。
「これは……」
ティアナの眼前に表示されるデータはほとんどが管理局の優秀な魔導士たちの出身地や戦績など、一執務官であるティアナではとても見られないような細かなデータが膨大な数保管されていた。
そこには、当然と言ったように自分の名前や相棒それに彼女の姉の名前、そして小さな同僚達の名前まで、自分の知っている人は全て網羅されているのではないかというほどに、情報は完璧だった。
そしてティアナは気づく。自分の直属の上司である高町なのはの名前や部隊長である八神はやての名前、それに以前はやて経由で聞いたことのあるギル・グレアム提督や、
更には自分の相棒とその姉まで、最低でもランクはスバルのA+とそうそうたる名前達が彼女の目の前で、他の人間とは区別された上で羅列されていた。
この人たちに共通する事例は何だ。そう考えたときにふと、思い出したのがはやてやなのはの名前だった。
この世界では普通、名前が先でその後ろにファーストネームが来るのが一般的だ。
それなのにどうして、彼女たちは普通とは逆の氏名で名乗っているのか。
それは簡単な答えであり、自分たちも経験したことがあることだから、特別に驚くことではない。
第九十七管理外世界。通称、地球。
なのは達の住んでいた日本という場所は、全ての人間がこちらとは逆の氏名で名乗るのだ。
なのはの父から「スバルさんの本当の名前はこっちだとこうやって書くんだ」と言われ、”中島昴”と、漢字という難そうな文字で書かれた色紙をもらい、
それにスバルが感激して、”中島銀河”と”中島玄也”という文字も頼み、それを土産としてミッドチルダへ持ち帰っていたことは、蚊帳の外であったティアナにとっても貴重な体験であった。
そこで思う。この分けられている人物はこの地球という血筋が関係しているのではないかと。
そう考えれば納得がいった。なのはやはやては言うに及ばず、スバルやギンガも―――詳細不明だがクイントからの完全クローンではあるのだがゲンヤの血も混じっているのだと、ティアナはスバルから聞いたことがあった―――祖先を辿れば地球という地にたどり着く。
そう言えば、とギル・グレアムという人も地球の出身だという話を、前にクロノ・ハラオウン提督から尊敬する魔導士として話していたことをティアナは思い出していた。
全てのパズルが上手く重なっていった。
だが彼らはどこにいるのか、という根本的な問題がまだ残っている。
ひとまず、上司に連絡を入れようと、携帯端末からいつものようにその名前を探して、コールをかけた。
「あっ、フェイトさん、見つけましたよ。あのですね―――――
□ □ □ □ □
―――――で、アタシ達の出番ってワケね」
「そうなの。お願いできるかな?」
「任せなさい。アタシ達を誰だと思ってるわけ? 天下のバニングス家の一人娘と夜に名を轟かせる月村家の御令嬢よ」
「夜の、ってのは語弊が生まれるから止めてほしいんだけど……」
フェイトは地球にいた。いわゆるバーという場所で、雰囲気の良い店内には気品のあるドレスやスーツを着込んだお客が静かにグラスを傾け、フェイト自身も麗しい黒のドレスを着ていた。
彼女と共に席に座っている女性二人も彼女に負けず劣らずの美人で、一方は赤を基調とした燃えるような出で立ちで、もう一方は紺を基調とした落ち着いたイメージが印象的な、フェイトも含めたその陣容は先程から店内の男性客の目を引いている。
そして、仕事が忙しい中でこんな娯楽施設に居る具体的な理由を言えば、ティアナからの連絡が予想以上に斜め上を行っていたためである。
「それにしても、あんた達の捜査に協力する日が来るなんて思ってもなかったわよ」
「私も。完全に蚊帳の外だと思ってた」
「二人ともごめんね、忙しいのに……」
「あー、いいのよ、いいの。むしろ、あんた達に協力できてむしろ光栄って言うか……その」
「素直に嬉しいって言えば良いんだよ、アリサちゃん」
「なあっ!! ……あー、もう、やっぱりアンタと居ると腹の底を見透かされるわね。国見!」
頭を掻きむしったアリサが勢いで店員と思われる人間をカウンターから自分のテーブル席まで呼び寄せる。しかも名指しで。
そしてその隣ではそんな様子を苦笑いを浮かべながら静かに見守るすずかがいた。
そのことに、いつもの日常だなあ、と変な感銘を受けて、フェイトは口元を緩め微笑を浮かべる。
「あの……お静かに願えますか?」
「なに他の客が居るからって猫被ってるのよ。……まあいいわ。ギムレットを一ついただけるかしら?」
睨まれた国見という男は、いかにも図星を指されたといった様子で、溜息をついてそれに答える。
「……かしこまりました」
「そら、さっさと行け。……で、話ってのは? 聞かれちゃマズいんでしょ?」
「うん」
ティアナからもたらされた話はこうだ。
ジェイル・スカリエッティのとあるアジトを調べていた彼女は、彼がやたらとこの地球に興味を持っていたことを固くロックされていたデータベースの中から発見したのだった。
その資料によれば、どうもこの世界の人間と言うよりは、この世界そのもに興味の対象があるようだ。とのことだった。
彼の完璧主義な性格から言って、これ以上の手がかりはフェイトでさえも見つけることは困難を極めそうだった。
こういった事件に限らず、事件というものはあまりに時間を掛けすぎると手がかりや目撃者の記憶といったものが風化してしまい、良くない。
ティアナの持ち帰った資料のみで彼を捜すことはあまりに分の悪い賭けであるが、これ以上の進展は望めないと考え、単身赴いてきたのである。
「それで私たちを頼ったと、そういうわけね」
「うん、そうなんだ。こっちもこっちで探してはみるけど、私だけだとどうしても限界があるから」
「まあそんなことアタシ達にしか頼めないでしょうねえ。そもそも他の人じゃ根底から受け入れてくれないだろうし」
「魔法世界の狂乱科学者、かあ……」
「お願い、できるかな? あ、忙しいんなら別に良いんだよ。二人に迷惑かけられないし、第一それは私の―――――
フェイトの口はアリサの人差し指によって塞がれた。
アリサの方を見ると、先程まで興味津々といった感じで大きく見開かれていた瞼が固く閉じられている。
何か怒らせるようなことしたかな、とフェイトは体を縮め込む。
「フェイト」
「な、なに?」
「あんたのそういうとこ、まだ直ってないみたいね」
「……へ?」
怒られると思っていたフェイトは諭すようなその口調に驚きを隠せなかった。
最近では愛想笑いも完璧に出来るようになったと自信もついてきたと自負しているフェイトだったが、友人の前ではそうはいかないらしい。
「とにかく、頼れるときはアタシ達を頼りなさい。迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないんだから」
「だから、嬉しいって素直に言えばいいんだって」
「う、うるさいっ! だいたいすずかは―――――
あの頃見ていた風景と何ら変わらない風景を垣間見て、フェイトは口元だけで優しく笑った。
自分は変わってしまったけれど、彼女たちはあの頃から全然変わっていない。こんなことをアリサに言ったらそれこそ怒られてしまうけれども。
バーの店員の堪忍袋の緒が切れる前に、どうにかしないとな。
そう思ったフェイトは、酒のつまみとして以前親友から教わった捜査官としての話術をちょっとだけ披露してみることにした。
「そう言うの、痴話げんかって言うんだよね?」
喧騒が一人から二人になり、静かなはずのバーの店内が更に騒がしくなったのは言うまでもないことだった。
そんなやり取りが行われていることを、海鳴更にはミッドチルダから遠く離れた地に暮らす二人は、この時はまだ知る由もなかった。
事態はゆっくりとだが、一歩一歩踏みしめるように着実に進行している。
ブラストハンド支援。
232 :
554:2008/07/12(土) 18:39:11 ID:Q8qrBjOQ
今回はこれにて終了です。
いやはや、あの二人以外を書くのは久々で、口調とか妙に難しかったです。
次回も外伝的お話になってしまうんですが、どうかご勘弁を。
管理局の動きを書きましたから次は……というところでしょうか。
それでは原案の73-381氏にGぬるぽJをしながら投下を終わります。
>232
乙。体制の足音が迫ってきましたな。
>>232 GJ!
その調子でがんばって下さい!
今日はなんか感想書く人少ないね。
特異なカプだから仕方ない部分もあるのかもしれないけど
つーか単純に人減ってきたんだろ。理由にはいろいろあるとは思うが。
アリサにお酌してもらいたい
なら、今晩辺りにまた投下できるよう頑張るか。
あんまりレスの間を開けずに連投するのは好まれないかもしれないけど。
何で誰もすずかのエロ書いてくれないんだ……
身体といいエロ設定といい、これほど使い勝手がいい女性キャラはそういないはずなのに。
>>238 ヴォルケンリッター・スバル・ティアナ・ギンガ・ロングアーチ・教会組・ナンバーズの大半、等など
すずかだけでなく以上十数人以上が出番待ち状態であるがスレの現状でございます。
>>238 相手がいないからだろ。
それに目立った特徴もないし。
竿要員がみな異世界人だから、管理外世界の人間は使いにくいしな。
クロノ全盛の時代には個人ページでクロノ×すずかを数点見たことあるけどな。
どうやらとらハ経験者には夜の一族関連で話が広げやすいらしい。
>>241 とらハ世界での姉がエロすぎるからな。
発情期万歳。
>>238 確かアリすず書いてた人ならいたでしょ
名前すら覚えてない人の多いナンバーズの大半よりかはよほど幸せw
キシャーの続きマダー?
>>235 つ【規制】
夏はバカ(荒らし)やる奴が多いから、
とばっちり食らうのさ…
>>239 ヴォルケンやスバルはともかくロングアーチは無理だろ? ってか、あまりに個性が貧弱すぎる。
貧弱なのはチンコ要員のバリエーション(ry
チンコ要因そこまで言われるほど少ないとは思わないけどな……
ただみんな影が薄いってだけでさ
まぁ、いざとなったらオリキャラって手もあるしそもそも百合派が超活発だしな
バリエーションもなにも大概がユーノかエリオじゃないか
バリエーションとか言うなら既存をもっと使ってからにしようよ。特にゼストな、チンクの相手しかない。チンクもゼストしかないか?
大昔にこのスレで棒担当列伝があったが、レジアスやカルタスまで入れても十人いたかいないか。
対する女性キャラは軽く三十人超。
そりゃ淫獣やエロオや異時空エロノが大車輪で活躍することになるわな。
チンコ要員が少ないんじゃなくて女性キャラが多すぎるってだけだと思うなぁ
チンコ要員だってその気にさえなればレジアスとか士郎とかグリフィス他もいるしね
百合でふたなりとかもチンコ要員に出来るし
とりあえずナンバーズの数は半分以下で良かったような気がしないでもない
>>251 ナンバーズにいらない子なんていねえ!
お前ちょっと来い、ソープ連れてってやるから!!
>>251 そこでオットーが実は男の子だった説ですよ
士郎やゼストは考えれば使えそう……か?
要員の数がいることと、使いやすさ、絡めやすさは別問題だからなぁ。
そりゃあ職人さんも、なんの繋がりもないキャラ同士より、あるキャラの方が書きやすいだろうし。
あとはキャラの性質にもよるか。士郎さんなんて、普通に考えりゃ、奥さんと娘、ハラオウン家とか、接点自体はそこそこあるけど。
本編での奥さんとのラブラブつぷり見てたら、他の人とをわざわざ書く気にならないもんな。
要は、どれだけ汎用性があるか、てことじゃね?
そういう意味じゃエリオとユーノは比較的、女性キャラと接点作りやすいし、性格とかも把握しやすいから、書きやすいんだろ。
>>256 クロノ君を忘れないでやって下さいorz
ノマカプだとやっぱエリオクロノユーノの三人は結構多いよなー
サイト巡ってるとエリオは恭也と同じ頻度くらいに感じるけど
まぁ、こんな話しても結局職人さんはノマカプだろうが百合だろうが自分の好きなカプで好きな話書くだけなんだけどなw
クロノはある程度キャラのベクトルが判明してる分、三人娘とヴォルケンと
カリム以外の汎用性があまり高くないからねえ…
業務連絡です。
76スレ保管完了しました。
職人の方々は確認お願いします。
追伸:いつの間にやらwikiの1ページ当たりの容量制限がゆるくなったみたいなので
現在容量オーバー分割されてるものを暇を見て統合していこうと思います。
260 :
B・A:2008/07/13(日) 14:51:59 ID:Lsuj8S3q
>>256 一度、高町家の爛れた関係ということで家族内乱交に耽る高町家を書こうとして挫折したことあるなぁ。
桃子と美由希のキャラがよくわからなかったから。
>>259 乙です
さて、気合入れて頑張ったら夜どころか昼に書きあがったんですが、今は投下大丈夫ですか?
何だか雑談で盛り上がっているようですが。
おお!支援します。
恭ちゃんと美由紀の原作カプが再びですか……。残念です。
そういえば、桃子さんと士郎さんは夫婦なのに、そういった作品は見かけませんね。
投下しても一向に構わん!! むしろ推奨するところである!!!!
263 :
B・A:2008/07/13(日) 15:03:45 ID:Lsuj8S3q
それではいきます。
の前に、前回の17話でセインだけが出番も台詞も描写すらなかったことに関して謝罪orz
彼女の能力ってすんごく扱いにくいんですもん。声は好きだけど。
注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ、今回出番なし(というか今回はエリオとケーニッヒのみ)
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・途中、鬱な要素もあります
第18話 「不可侵の悪夢」
そこには彼ら以外に誰もいなかった。
積み重ねられた瓦礫の山、打ち砕かれた高層ビル、炭に成り果てた木々に引き裂かれた大地。
世紀末を連想させる荒涼とした残骸の世界。
その中心で、同じ顔をした騎士が互いに得物を手にして向かい合っていた。
「最後にもう一度だけ言う・・・・・・・今すぐに武装を解除して、投降しろ」
「できないな」
「『嫌だ』、じゃないんだね」
「オレは嘘つきで卑怯者だが、自分の信念だけは曲げない。お前が立ち塞がる限り、オレの答えは最後までノーだ」
「世界を閉ざせばどれ程の混乱が起きるか、わからないわけじゃないだろう?」
「ああ。物流が途切れて経済は混乱、数年は餓死者が出るだろうな。だが、そんなことはオレの知ったこっちゃない。お前は、地獄で迷子になったことはあるか?」
「何だって?」
「教えてやるよ・・・・・・・・オレの垣間見た地獄を」
静かに告げられたその言葉には、異様な迫力があった。
憤怒ではない、絶望でもない。その言葉からエリオが感じ取ったのは、深い悲哀であった。
そして、何故そのように感じたのか理解できぬまま、唐突に戦いは始まった。
《Sonic Move》
吹き荒ぶ砂混じりの風に頬を殴られながら、両者は互いの得物をぶつけ合う。
お互いにその実力は把握している。故に、初手で繰り出されたのはどちらも必勝を狙った一撃必殺であった。
「でやぁぁぁぁぁっ!!」
「はあぁぁぁぁっ!!」
ケーニッヒの神速の突きがエリオの喉元を捉え、その進路上に立ち塞がる二本のデバイスとぶつかり合う。
交差した瞬間、三本のデバイスはまるで反発しあう磁石のように弾け、反動を殺し切れずに二人の体が大きく仰け反った。
「はあぁっ!」
瞬時に態勢を立て直したケーニッヒは、バイヨネットの刃を再びエリオ目掛けて振り下ろした。
両腕が弾かれて使用できないエリオは咄嗟に体を捻り、半ば転がるような形で落ちてくる槍を回避してケーニッヒの背後に回り込む。
するとケーニッヒは片手で器用にバイヨネットを回転させ、逆手に持ち替えて隙だらけのエリオの背中を狙った。
「・・!」
殺ったという確信が驚愕に変わる。互いの必殺をぶつけ合い、刹那の攻防を乗り切ったことで生まれる致命的な隙は、
どれ程の達人であろうと反応することのできない間隙の瞬間だ。だというのに、エリオはまるで最初からそれを予期していたかのように紙一重で突きを回避し、
そのまま遠心力を乗せた一撃を繰り出してくる。
乾いた音が瓦礫の街に木霊した。
咄嗟に体を軸にバイヨネットを半回転させることで攻撃をいなし、ケーニッヒは大きく後退する。背筋を走る戦慄に冷や汗が流れる。
必死を狙って繰り出した三連撃は、全てが計算づくの攻撃であった。一撃目の突きが弾かれるのも、二撃目の斬撃が避けられるのも全て布石、
敢えて捌かせることで相手の防御を切り崩し、大本命である背後からの三撃目を叩き込む。もちろん、布石として放った二度の攻撃も必殺の念がこもった本物の攻撃であった。
でなければ、エリオ程の騎士を追い詰めることはできない。事実、二度の必殺を潜り抜けたことでエリオの体は硬直し、致命的な隙が生まれていた。
にも関わらず、彼は己の死を間近に感じ取った瞬間、まるで弾かれるように体を捻ってそれを回避し、逆に攻撃を叩き込んできたのだ。
「紫電・・・」
「はっ!?」
「・・一閃!」
いつの間に近づいていたのか、ストラーダの穂先がすぐそこまで迫っていた。
即座に混乱から立ち直ったケーニッヒは、余裕を持って回避行動に移る。常人ならば反応すらできずに首を跳ねられるであろう神速の突きも、
驚異的な反射神経を誇るケーニッヒはコマ送りされた映像のようにその軌道を見切ることができる。
「不意を突いてもその程度か、閃光の名が泣くぞ」
神速には神速で以て返礼するとばかりに、ケーニッヒは怒涛の攻めを開始する。
研ぎ澄まされた殺意の槍は掠っただけでも致命傷と成りうる破壊力を秘めており、バリアジャケットが纏う薄い防御フィールドなど易々と貫いてくるため、
エリオは防御ではなく回避を余儀なくされる。だが、放射状に放たれる突きの連撃は巧みに回避コースを潰していき、
逃げ場を失ったエリオは紙一重で攻撃を避けつつ後ろに下がるしかなかった。
(そうだ、それで良い。さっきのがまぐれかどうか試してやる)
先程と同じように必死の連撃で防御を切り崩し、相手が取れる選択肢を削っていく。
嵐の如き苛烈な攻めは避け続けるだけで精神力を削り取り、エリオから余裕を奪っていく。
そして、その動きが単調な跳躍へと変化した瞬間を見計らい、ケーニッヒは片足を蹴り上げた。
「うおりやぁっ!」
「ぐぅっ、目が・・・・」
蹴り上げられた砂が目に入り、エリオの視覚が奪われる。だが、驚愕していたのでは連撃の餌食になってしまうため、視覚を封じられながらも気配だけを頼りにバックステップを踏む。
それこそがこちらの狙い。エリオの退路には事前に設置しておいたフォトンスフィアが狙いを定めており、後はトリガーを引くだけで彼を蜂の巣にする手筈が整っている。
《Düsenform》
故にエリオは上に逃げた。ストラーダのブースターを噴かせ、恐らくは自分にとって唯一のアドバンテージである空中へと退避する。
それは正に、ケーニッヒが狙った通りの行動であった。
「バイヨネット、撃ち砕け!」
《Photon lancer》
瞬間、エリオの逃げ場を塞ぐように設置されていた五つのフォトンスフィアが火を噴いた。
そう、これこそが真の狙い。連撃も目潰しもさっきと同じように背後を狙うと見せかけて、エリオを上空に逃がすことが目的だったのだ。
だからエリオは、宙に上がった瞬間にストラーダを地面に向け、地上スレスレの低空を飛んで背後に設置されていたスフィアを飛び越した。
彼は最初から、ケーニッヒが何を狙っているのか読んでいたのである。そして、これならば槍とフォトンランサーを回避しつつ間合いを取ることができる。
危険な綱渡りではあったが、エリオは見事にやってのけた。
そこに生じた僅かな気の緩みを、ケーニッヒは見逃さなかった。
何故なら、彼は最初からこのタイミングを狙っていたからだ。先程までの攻撃は、全てがこの瞬間を作り出すための演出であり、こちらの狙いが背後からの攻撃であると思わせて上空に逃がし、
そこで仕留めることだと思わせるための盛大なブラフだったのだ。
「一閃、必中っ!」
更なる加速と共にケーニッヒは必殺の突きを放つ。最早、ストラーダの魔力噴射でも逃れられない致命の距離。
避けることはできず、受ければデバイスごとその心臓を貫く魔の一撃だ。
「・・!」
しかし、今度もまたエリオは避けてみせた。回避不能なはずの一撃を、何かに憑かれたかのように普段とは異なる足運びで、避け切ったのだ。
その瞬間を両の目で確かに捉えたケーニッヒは、ある恐ろしい事実に気づいた。
エリオは、自分がどのように動いたかを自身で把握していないのである。
攻撃を避けられた瞬間に垣間見た横顔は、自分の取った行動に認識が追いついておらず、驚愕の色が浮かんでいた。
つまり、エリオは自分の意思で攻撃を避けたのではなく、脳が己の危機を意識する前に体が反射的に回避動作に移っていたのだ。
(こいつ・・・・・・潜った修羅場が半端じゃない・・・・・・・)
脊髄反射で戦闘を行うなど、通常の訓練では到底会得できるものではない。それこそ、死と隣り合わせの張り詰めた日常を送らなければ、身につかない技能だ。
いったいどれ程の死線を潜り抜ければ、あそこまで死に鋭敏になれるのだろうか?
(いや、それだけじゃない。こいつは脊髄反射で戦いながら、オレを殺さないように最善の努力をしている。普通あり得るのか、無意識に手加減するなんて?)
戦いに慣れ親しんだ者程、その肉体は合理的な理念に沿った動きを見せる。ましてや無意識下での動きともなれば、
それはもう純粋な防衛本能に沿って相手の急所を狙う以外の行動が取れないはずだ。だが、エリオはそれをしない。
最初の攻撃は必殺を避けられて驚愕していた自分でも辛うじて捌ける程度に弱められており、今は反撃のチャンスがあるにも関わらず攻撃しようとしてこない。
信念だけではない。エリオの肉体そのものが、人を殺すことを拒んでいるのだ。
それはあくまで合理的に、効率良く人を殺すことだけを追求してきたケーニッヒには、到底理解できない感覚であった。
ふと、エリオの様子がおかしいことにケーニッヒは気づいた。
殺意が感じられない。
燃え滾る闘志も氷のように冷酷な殺意も彼からは感じ取れない。あるのは悲哀、悲壮なまでに悲しい表情。そして、頬を伝う一筋の涙であった。
「貴様、オレを哀れむのか!? 非道に堕ち、悪に身を置く哀れな騎士と嘆くのか!? その優しさが度し難い悪であると、気付かぬお前ではあるまい?
自分が真っ当な騎士だというのなら、せめて本気でオレを殺しにこい!」
「違う!」
ケーニッヒの言葉を、エリオの一喝が吹き飛ばす。
「同情でも哀れみでもない。僕は知りたい、君が何故そこまでこの世界を守ることに固執するのかを。教えてくれ、何が君をそこまで駆り立てる。君はいったい、何を見たんだ? 何に絶望したんだ?」
「・・・・・・貴様、オレの中に何を見た?」
「かつての僕と同じものを」
「同じだと? そうか、お前も確か理想に裏切られたのだったな。愛する者を守るために世界の全てを敵に回し、
その結果として掲げた理想に裏切られた。みんなを守りたい、弱い者の力になりたい、恩人に恩返しがしたい。
願いの全てを切り捨て、ただ一人の女のために命も誇りも捧げて傷ついたんだったな」
「それは今でも変わらない。ただ、守るべきものが愛する人の幸せに変わっただけだ」
「その幸せに自分の命も含まれているから自己犠牲はできず、他人の命も含まれているから殺人もできない、そして今度は我が子のために未来を守るか
・・・・・・モンディアル、お前が口にしているのは理想論だ。人間はそこまで器用じゃない」
「できるできないじゃない、やるかやらないかだ。何もしなければ、世界は何も応えてくれない」
「そうさ、世界はいつだって残酷で傲慢だ。無慈悲に人の命を奪い、人生を弄び、呆気なく幕切れさせる。どんな理想も意味はない、あるのはただの現実だ」
そう言って、ケーニッヒは一枚のカードを取りだした。表面に刻まれた魔法陣から、それが魔法を簡易的に保存しておける使い捨ての魔力蓄積装置であることがわかる。
「見せてやるよ、オレが見た地獄を」
瞬間、カードが弾けて世界が一変した。
□
その少年は幸福だった。
造り物の体に偽りの記憶、血の繋がらない親。自分が何者なのかも証明できない不確かな出自。
それでも、彼は幸せだった。
何故なら、優しい家族がいたからだ。
母親は早くに亡くなり、父親は仕事がら家を留守がちであったが、その愛情を一身に受けて育った少年はまっすぐな心根を持つ心優しい性格を育んでいた。
少年の父親は地上本部の局員だった。特殊車両やヘリの整備が主な仕事であったが、かつては次元世界一の次元航行艦を設計することを夢見ていたらしい。
だが、折しも不況が重なって夢を追いかけることが難しい時代であり、彼は泣く泣く夢を諦めざるえなかった。それでも、暇を見つけては製図を描いては破り捨て、
いつか自分が作った船をみんなに披露したいと息子に自慢するのが彼の日課であった。少年がボトルシップに興味を抱いたのも、そんな父親の影響があったからだ。
たまたま父親が飽きて投げ出した作りかけのボトルシップを完成させ、それを褒められた時、少年は少しだけ尊敬する父親に近づけたような気がした。
以来、彼は管理局の戦闘魔導師やプロのモーターレーサーに憧れるよりも、乗り物の整備士に憧れるようになったのである。
父親に連れられてこっそり次元航行艦のドッグに入り、初めてXV級の艦を見た時は興奮の余り夜も眠ることができなかった。
そして、いつか自分が父親の後を継ぎ、次元世界一の艦を設計するという夢をその胸に抱いた。
だが、そんな幸せな日々は呆気なく終わってしまった。
□
「こ、これは・・・・・・」
目まぐるしく変わる景色にエリオはふらつき、車酔いにも似た吐き気を覚える。
恐らくは幻覚の類なのだろう。彼の周りでは自分の子ども時代に良く似た少年が父親らしき男性と楽しそうに戯れ、笑っている姿が映し出されている。
「まさか、この子が・・・・・・・?」
「そうだ、オレだ」
「それじゃ、この人が・・・」
「オレの親父だ。良い人だった・・・・・・お人好しで、気が弱い癖に正義感だけは強くて、子どもみたいにいつも夢を語っていた。そんな、馬鹿な親父さ」
風景が流れ、世界は瓦礫の街へと変貌する。だが、それはさっきまでの光景とは微妙に違っている。何よりも、遙か彼方で暴れ回る二つの巨体に見覚えがあった。
「ヴォルテールに白天王・・・・・・それじゃ、ここは・・・・・・」
「十二年前のクラナガンだ。親父はここで死んだ」
「死んだ? けど、スカリエッティは・・・・・・・」
「ああ、奴は呆れるくらい人道主義を貫いた。恐ろしいことに、ガジェットとの戦いで死傷を負った者は誰一人としていなかったよ。
だが、二次災害まではどうすることもできなかった」
父親に手を引かれ、少年は必死で走っていた。幼い体に全力疾走は堪えるだろうに、彼はそれを億面にも出さない。
繋いだ手から感じ取れる力強さが彼を勇気づけていたからだ。
『ケイン、後少しでシェルターだ。そこまで行けば安全だぞ』
『うん・・・・ボク、頑張るよ』
『偉いぞ。お前は何があっても父さんが必ず守ってやるからな』
空では無数のガジェットが航空魔導師と戦っており、周囲は逃げ惑う人々と彼らを守ろうと懸命に戦う陸士隊が入り乱れて混沌とした様相を露にしている。
紅蓮の炎に包まれた阿鼻叫喚の地獄絵図。並の子どもならば泣き喚いて立つこともままならない状況で、少年は持ち前の大人びた思考と父親に対する無条件の信頼を頼りに震える心を鼓舞していた。
大丈夫、お父さんが必ず守ってくれる。そう信じて掴んで手に力を込め、棒のようになった足に更なる力を込める。
そうして、新たに一歩を踏み出した瞬間、唐突に父親は掴んでいた手を放してしまった。
『え?』
バランスを崩した拍子に蹴躓き、転んで膝に出血が起こる。
滲む涙を堪えて、少年は顔を上げた。だが、すぐ横を走っていたはずの父親の姿がどこにも見当たらない。
右も左も人・人・人。逃げ惑う人々の足が邪魔で何も見えない。
『お父さん・・・・・お父さん!』
唯一の心の支えだった父親がいなくなったことで、押し込めていた恐怖が湧き上がってくる。
堪えていた涙が少しずつ頬を伝い、喉からは自然と嗚咽が漏れる。それでも少年は、必死で己の内の恐怖と戦いながら父親の姿を探していた。
やがて、周りから人がいなくなったことで視界が開け、消えてしまった父親の姿を彼は見つけ出した。
『ケ、ケイン・・・・・・・』
『お父さん!』
ビルの壁が崩れたのか、父親は瓦礫の下敷きになって身動きが取れない状態だった。
ケガでもしているのか、苦しそうな表情を浮かべている。そして、その腕には小さな女の子が抱きかかえられていた。
『ケイン、この娘を連れてシェルターに行くんだ』
『お父さんは? お父さんはどうするの?』
『父さんは一緒に行けない・・・・足を挫いたんだ。それに、瓦礫が重くて抜け出せない』
『駄目だよ、お父さんが一緒じゃなきゃ嫌だ。待っていて、すぐに誰かを呼んで・・・・・・』
『ケイン!』
父親の一喝が、少年を竦み上がらせる。一緒に暮らして五年、こんな風に父が声を張り上げたことは一度としてなかった。
『ケイン、言う通りにするんだ。早くしないと、瓦礫が崩れてこの娘も生き埋めになってしまう・・・・・さあ』
『やだ・・・やだよ・・・・』
『男の子だろう。だったら、女の子を守るんだ・・・・さあ、ケイン。早く!』
父親に急かされ、少年はおっかなびっくり女の子を瓦礫の中から引きずり出す。
抱きかかえたその体はとても小さく、生きているのが不思議なくらい衰弱していた。
しかし、それでも生きている。こんな地獄のような現実を前にして、小さな命はまだ死にたくないと訴えかけてきている。
『行くんだ・・・・・・ケイン・・・・』
『お父さん・・・お父さんは!?』
『ケイン、その娘を守れ・・・・・・強く生きろよ、ケイン・・・・父さんはずっと、お前のことを・・・・・』
瓦礫が崩れ、父親の姿が見えなくなる。
『お父さん・・・・いやだ、お父さん! 一人にしないで、怖いよ・・・・・僕を守ってよ・・・・・ねぇ、お父さん・・・・お父さん!』
いくら泣き叫んでも地の底の父親は返事を返してくれない。
瓦礫をどかせばまだ助かるかもしれない。そう思って女の子を手放そうとしたが、できなかった。
指が柔肌に食い込み、離れることを拒否している。自分の腕がまるで自分のものではないかのように命令を拒み、何かが急き立てるように少年の本能を揺さぶった。
守れ。
守れ。
守れ。
耳を塞ごうにも手が放れず、気づけば足は瓦礫に埋まった父親から離れてシェルターに向かおうとしていた。
それは死の間際に少年の父親が残した呪いであった。
『ケイン、その娘を守れ』
絶対たる親から命じられた言葉を拒否することなど、まだ十歳の少年にできるはずがなかった。
だから、彼は父への慕情も死への恐怖も振り払い、目に涙を浮かべながら瓦礫の街を歩き続けた。
自分の腕の中で眠る女の子が憎らしい。この娘がいなければ、自分は一人にならずに済んだ。父親も死なずに済んだ。こんな怖い思いもしなずに済んだ。
道中何度も、その頭を地面に叩きつけてやりたい衝動に駆られた。
それでも、胸の奥底に打ち込まれた楔が守ることを強制した。
いつしか靴底は破け、足の皮が裂けて毒々しい血の足跡が地面を彩った。何度も石に蹴躓き、その度に腕に抱いた女の子を庇ってケガをした。
そうして辿り着いたシェルターの扉は、既に固く閉ざされていて開くことができなかった。
もう、収容人数がいっぱいになっていたのである。
絶望が少年の心を押し潰さんをする。
立ち尽くす少年の胸は父への謝罪の言葉で埋め尽くされていた。
『ごめん、お父さん。僕、この娘を守れなかった』
力尽きた体がグラリと揺らぎ、棘だらけの地面が急速に近づいていく。
最早、女の子を庇うために身を捻る力すら残されていない。
だが、少年の体が地面に叩きつけられることはなかった。力なく倒れ込んだ体を、大きな腕が抱き止めている。
『大丈夫かね?』
その老人は、酷くしわがれた声で少年にそう呼びかけた。
渋みのある声音であったが、鉄のような硬さを連想させる強張った声であった。
その顔は、まるでこの世の全ての業を嘆いているかのように深い皺が眉間に刻まれている。
ここまで歩き続けて死に近づいていた少年は、一目で看破することができた。この老人もまた、自分と同じく体の前に心が死んでしまった残骸であるのだと。
だが、それでも自分にとっては救いの主であることに変わりはない。
『この・・・・この娘を・・・・・・』
『君の妹かね? 大丈夫だ、衰弱しているがケガはない。それよりも君の方が危険だ、すぐに治療をしないと』
後半はほとんど聞き取ることができなかった。
妹じゃない、そう訂正したくても声が出ない。ただ、最後に父親との約束を果たせたことに安堵し、少年は掴み続けていた意識を手放した。
『お父さん・・・・・ボク、ちゃんと言いつけ守れたよ・・・・・・』
幻覚はそこで終了した。
再び世界は何もない瓦礫の街に戻り、同じ顔をした二人の男が向かい合って対峙する構図となる。
「これが・・・・・・君の・・・・」
「ああ。あの時、中将に助けられなければオレは死んでいた。もっとも、あの段階で既に心が死んでいたからな。
だから空っぽの胸には親父の呪いが詰まっている」
「何を言っているんだ、君のお父さんは女の子を守るために命を落としたんだ。高潔な人じゃないか!」
「違うな、お前は何を見ていた? 親父はオレのことを守ると言いながら死んだだぞ。
余計な命を、くだらない正義感に駆られて救い出そうとしたばっかりによ」
「なっ・・・・・」
驚きの余り言葉が出なかった。だが、同時にエリオはケーニッヒが言わんとしていることの意味を理解していた。
何故なら、十二年前のエリオならば、絶対にこの父親のような行動は取らないと誓っていたからだ。
「そうだ、親父は関係ない他人を助けようとしたために死んだ。わかるか? 守ると言ったオレを見捨てて、いやオレも込みで守ろうとしたんだろうが、
そのせいで親父は死んだ。これがオレの信念の正体だ。人間は、一番守りたいと思う者以外を助けようとすればその命すら危うくなる。親父のようにな!」
十二年前のエリオは、世界の全てから愛するルーテシアを守ろうとして理想に裏切られた。
ずっと一緒に戦ってきた仲間を傷つけ、尊敬していた師匠に刃を向け、危険な無茶を繰り返してみんなに迷惑をかけた。
それによって摩耗した精神が辿り着いた先は、あらゆるものを犠牲にしてでも大切なものを守るという歪んだ願いであった。
それは自分だけでなく、大切なものすら傷つけてしまう茨の剣。だが、少なくともそれを掲げた当人の心は満ち足りている。
愛する者を守るために死ぬ、その自己犠牲の儚さに浸り、救われて逝けるのだから。そして、逆に言えば愛する者を守れずに死んだ者は、この世に後悔だけを残して逝くことになる。
救えなかったという後悔、守れなかったという後悔。いわば、全てを投げ捨てた者に残る最後の尊厳。ケーニッヒが守ろうとしているのは、そんな歪んだ正義感だ。
「わかっているのかい、それは茨の道だ。前にも言っただろう、全てを蔑ろにすれば、いずれは全てを失うと。守りたいと思ったものにすら拒絶されると」
「関係ないな。正義など所詮は人のエゴ、ただの押しつけだ。だからオレはそれを実践できる世界を作る」
「そのために次元世界を閉ざすのか?」
「それはほんの序の口だ。世界を閉ざし、次は地方ごとに隔離する。その次は街、区画、家と少しずつ単位を刻んでいき、やがては個々人の意識すらも閉ざす。
そうすれば、もう誰にも拒絶されることはない。己の内なる世界にしか目を向けなければ、もう心が揺らぐことはない。
人間は最後まで、自分が守りたいと思ったものだけを守りながら死ぬことができる」
「歪んでいる・・・・・・それがロート・シルトの掲げる正義なのか!?」
「オレ個人の正義だ、中将は関係ない。そうさ、オレの願いは中将とは違う。お前はどうだ! 愛する者の幸せのために、その要因となるもの全てを守る。
そんな理想はあり得ない、それは空想のおとぎ話であるからこそ、眩しくも美しい輝きを放っているものだ。お前の方こそ、立派に破綻している。
さすがは英雄の名を受け継いだだけはあるな、モンディアル・ハラオウン!」
「僕は一度だって自分が英雄だなんて思ったことはない。ただ家族の幸せを願う、馬鹿な父親・・・・・・それだけで良い。
君にだって整備士になるという夢があったんだろう? 君が命がけで守った女の子は、あの娘を守ることがお父さんの呪いなら、
そのために生きようとは思わないのか!?」
「あいつのために、だと?」
その瞬間、ケーニッヒの顔が別人のように醜く歪んだ。
溢れ出た怒気が視界を黒く染め上げるかのような錯覚を覚える。それは正に憎しみの権化、世に解き放たれた狂人の眼差しであった。
「貴様に何がわかる!」
「・・・・!?」
「全ての元凶となった娘を守ることを強要されたオレの気持ちが、親父を死なせた原因となった女を
妹として守らなければならなかったオレの気持ちが、望んで愛する女を守っているお前なんかにわかるか!」
「憎んでいるのか、あの女の子を!?」
「そうすればどれだけ救われただろうな。だが、オレはあいつを憎むことすら許されなかった。あの娘を・・・・・・・セリカを憎めば親父との約束を守れなくなる。
だからオレは、オレの正義のために世界を変える! オレのように悩み苦しむ全ての殉教徒のために!」
野生の獅子ですら射殺すその殺気に、エリオは僅かに気圧された。そして確信する。
ケーニッヒは、未だ十二年前のあの瓦礫の街に囚われているのだ。結界に覆われたこの無人の街は彼の心の象徴だ。
(同じなんだ・・・・・・彼も、僕も・・・・・・・)
どちらも守ることに固執して、その本質を見誤ってしまった。ただ一点、その僅かな差が自分と彼を隔てる違いであった。
「君は、自分を蔑ろにし過ぎている・・・・・・自分を守れない人間は、何一つ守れやしない・・・・・もちろん、この世界すらも」
「世界を構成するのは個人の主観だ。自分にとってそれが幸せなら、例え地獄の苦しみを味わっていてもそこは天国だ。かつてはお前もそうだったんだろう、モンディアル?」
「だったら、僕はその妄執を断ち切る。君をあの地獄から解放する、ケーニッヒ!」
《Explosion》
ストラーダのブローバック機構が駆動し、魔力噴射によって白煙が舞い上がる。
それがかつての自分の否定に繋がると知ってなお、愛する母の教えに背くとわかっていてもなお、彼は挑まずにはいられなかった。
ケーニッヒの止まってしまった時を動かす。
エリオにとってこの戦いは、ただの意地の張り合いから一つの崇高なる願いを賭けた聖戦へと姿を変えていた。
□
空中を疾走しながら、エリオは三度に渡る戦いで得たケーニッヒの戦力を分析する。
こちらの攻撃を見てから避けられる人間離れした反射神経に隠れがちだが、ケーニッヒは槍も魔法も非常に高い練度を有している。
単純な打ち合いならばこちらに分があるだろうが、射撃戦になれば連射のできない自分が圧倒的に不利になる。
また、苦手な砲撃魔法を会得している点も考えると、バインドや補助魔法の類もある程度使いこなせている考えた方が良い。
恐らく、他にもまだ何か切り札を隠し持っているはずだ。
一方、こちらの手の内はかなり知られてしまっている。ストラーダとバルディッシュはどちらも第二形態まで見られているし、
場合によっては第三形態の情報も事前に知られてしまっているかもしれない。だが、それは別に驚異だとは思っていなかった。
ザンバーフォームで使用する魔法はその悉くが出の遅い大技ばかりであり、高速戦が主体となる自分達の戦いではほとんど役に立たない。
詠唱に時間がかかるため、見せ技として使用することもできない。故に自分が取れる手段は小技を駆使して相手の隙を突くか、まだ見せたことのないアレを使って一気に畳みかけるかだ。
そして、そのどちらの手段を取るにしても、唯一のアドバンテージである空中からの一撃離脱は非常に有効な戦法であると言えた。
だが、ケーニッヒも黙ってやられるような男ではない。彼にとってもエリオの脊髄反射は脅威であり、純粋な武術勝負にもつれ込めば手数の差で自分が不利となることは承知している。
だから彼は何が何でもエリオを近づけまいと弾幕を張り、距離を取る必要があった。
「チィッ、相変わらずすばしっこい奴だ!」
《Explosion》
連続でシリンダーを回転させ、膨大な魔力を魔力回路に叩き込んでスフィアを形成する。
容赦なく浴びせられる高速の魔力弾の嵐。それをエリオは紙一重で回避し、バルディッシュを盾代わりにして受け流し、ケーニッヒ目がけて突撃する。
「でやぁぁっ!!」
「くうぅっ!」
「はぁっ!」
繰り出された突きを捌いたと思った瞬間、背面から蹴りが飛んできた。
直感だけでそれを回避したケーニッヒは、逆に自分の蹴りを放って振り下ろされようとしていたバルディッシュを弾き、バイヨネットの穂先を突き立てる。
とにかく攻めさせてはいけない。イニシアチブを取られれば、敗北の確率が大幅に上昇する。
導き出される合理的な数値だけを頼りに放たれた神速の突きがエリオに襲いかかり、詰め寄った間合いが僅かに開く。
《Sonic Move》
間髪入れずに発動した加速魔法が再び二人の距離を放し、エリオは再度攻撃を仕掛けようと空中に飛ぶ。
だが、同じ手をそう易々と許すケーニッヒではなかった。彼の左手には、既に黄色の魔法陣が煌いている。
「サンダァァァァッスマッシャァァァァッ!!!!!!」
轟と撃ち出された極大の雷撃砲が真正面の建造物を吹き飛ばした。
てっきり砲撃で狙撃を狙ったのかと警戒していたエリオは、訝しんで攻撃のチャンスを逃してしまう。
そして、その隙がエリオの唯一のアドバンテージを奪う羽目になってしまった。
「はあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
未だ砲撃の迸る左腕を支え、ケーニッヒは独楽のように回転する。
当然、棒のように振り回された砲撃は周囲の建造物を手当たり次第に破壊していき、粉砕された瓦礫は勢いよく打ち上げられて大空を舞った。
「これは・・・・瓦礫の結界!?」
エリオの周りを打ち上げられた無数の瓦礫が舞っており、それが飛行を阻害している。
ヴィヴィオのように飛行魔法で自由に空を飛ぶことができれば回避できないこともないだろうが、エリオの飛行はあくまでストラーダの魔力噴射による牽引であり、その動きは直線的だ。
故に、四方八方を覆う瓦礫の結界を避けて飛ぶことはできない。そして、この瓦礫は障害物になると同時に、空を飛べぬケーニッヒが間合いを詰めるための足場にもなるのだ。
「バイヨネット!」
《Grenzpunkt freilassen》
デバイスをフルドライブ状態に移行させ、瓦礫の結界を駆け上がって来たケーニッヒが神速の連撃を放ち、エリオを捉え損なった攻撃が周囲の瓦礫を打ち砕く。
閉鎖空間においては空戦よりも陸戦の方に分があるため、エリオもまた飛行を止めて瓦礫の上に降り立ち、両者は落下する瓦礫を飛び交いながら必殺の意思を込めて切り結ぶ。
その間僅か四秒。その四秒間で二人は四十合近く打ち合い、お互いに決定打を与えられぬまま地面に激突して轟音を上げる。
すかさず、両者は起き上がって疾走を再開した。
この戦いは速度の鬩ぎ合い。素早く、無慈悲に動くことこそが求められる。遅れを取ればそれだけ相手に付け入る隙を与えてしまうのだ。
「はぁ・・・はぁ・・・・・強い・・・・・・」
瓦礫に身を伏せて射撃の嵐を防ぎながら、エリオは慣れた手つきで消費したカートリッジを補充する。
戦闘中における弾込めは最も隙の大きな瞬間ではあるが、それ故に緊張感も高く興奮を覚える。
こんな状況でなければ、きっと胸の踊る戦いになっていたであろう。それが残念でならなかった。
「一か八かだ。二人とも、付き合ってくれるかい?」
《Jawohl》
《Yes, sir》
「良い子だ」
間隙の隙を縫って疾走し、何度目かの打ち合いへと移行する。
真正面からの突きと左からの斬撃を囮にし、要所で蹴りを叩き込んで防御を崩す。
その体捌きは既に人間のものではなく、ケーニッヒにとっても見覚えのある動きへと変化していた。
「その動き、あの虫野郎か!?」
「そうだ。ガリューだけじゃない、剣術はシグナム師匠、魔力噴射の扱い方はヴィータさん、格闘技はザフィーラ、
チャージドライブはなのはさん。そして魔法は、母さんから受け継いだ!」
次々と打ち出されるエリオの持ち札。
人間離れした体捌きから繰り出される斬撃と蹴撃を辛うじて捌きながら、ケーニッヒは徐々に後退していく。
「人は思いを受け継いで未来に進む。その思いを、新たな人に届けるために!」
「未来など、オレはいらない。オレはオレの正義に殉じられればそれで良い!」
「だったら、その思いすら未来に持っていけ!」
裂帛の気合と共に振り上げられたバルディッシュがバイヨネットを弾く。
無防備に晒された胴体。今ならば、こちらの必殺の間合いの範疇である。
「必中一閃!」
「ぬうおぉぉぉっ!!」
正に執念であった。
ケーニッヒは体が浮かび上がった状態から筋肉の力だけで地面を蹴り、エリオの必殺を回避する。
僅かに掠った太腿からおびただしい血が流れ、転がった地面を赤く染める。そして、転がりながらもケーニッヒは次なる手段を講じていた。
「!?」
追撃をかけようと一歩踏み込んだ瞬間、エリオの体は壁にぶつかったように急停止した。
ぶつかったのは空中に浮かんだ魔法陣だ。先程のどさくさに紛れて設置された無数の魔法陣から伸びた光の枷がエリオの四肢を拘束し、空中に張り付けにする。
《ライトニングバインド? まさか・・・・・・》
高速で離脱していくケーニッヒの狙いにいち早く気づいたバルディッシュが、悲鳴のような声を漏らす。
《サー、これは危険です。急いで脱出を!》
「わ、わかっている。けど、この拘束は半端じゃなく固い」
エリオがバインドブレイクに戸惑っている隙に、ケーニッヒは自身の周囲にフォトンスフィアを形成する。
その数は瞬く間に二十を超え、三十を超えた。
《Phalanx Shift》
合計三十八個の連射型の大型スフィアが輝きを放つ。
そう、考えてみれば簡単な理屈だった。
自分と母の魔力資質が同じならば、奴と母の魔力資質もまた同じ。ならば、この魔法を習得していたとしても何ら不思議はない。
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」
幾度も修羅場を潜り抜けてきたエリオではあったが、今度ばかりは本気で死の危険を嗅ぎ取っていた。
恐らく、ケーニッヒは非殺傷設定なんて生易しい攻撃はしてこない。放つからには一撃必殺、確実に息の根を止めるよう、全ての弾殻を殺傷設定にしてくるはずだ。
「こいつで極める・・・・・・・フォトンランサー・ファランクスシフト」
高々に上げられた左腕を合図に、スフィアのトリガーセイフティが解除される。
三十八発の光球、その全てが放電を放ちながら輝きを増していく。
「撃ち砕け・・・・・・・ファイア!」
号令と共に解き放たれた雷光が煌き、無数のフォトンランサーが撃ち出される。
秒間七発の高速連射を単一の目標目がけて四秒間維持する一点集中制圧射撃。
仰々しい発動プロセスを経る割に、繰り出されるのは単純な射撃魔法の弾幕だが、1064発もの弾幕の嵐に耐えられる者などいはしない。
《兄弟!》
「うおぉぉぉっ・・・・・ああぁぁぁぁっ!!」
身を縛る拘束に歯を食い縛りながら、エリオは視界が金色の光で満たされていくのを凝視する。
次の瞬間、撃ち出された無数の雷の槍が大地を震わせ、轟音が結界内に響き渡った。
to be continued
276 :
B・A:2008/07/13(日) 15:57:51 ID:Lsuj8S3q
以上です。
この回で決着を着けるつもりだったのに、長くなったので分けることになりました。それにしても戦う度に超人度が増していくな、この二人。
最近、バトルばっかり書いているのでエロが書きたくなってきたけど。ネタがなぁ。
>>276 GJ!!
何なんだこの熱さは!
エリオもケーニッヒもかっこよすぎる!
もうそうとしか言えないぐらいテンションあがってるぜ!!
エロなら事件後のルーちゃん新妻だいあり〜を希望!
でもこの時期ならルーちゃん人妻だいあり〜になるのか。
そんなこととは関係なく、エリルーのエチーはハアハアしてしまうので大いに希望!
ルーちゃんがエロオの手によって新妻の時よりもどれほど調教されてしまってるのかすごい楽しみです。
これはまた何と熱い戦いなんだ…
ルーテシアの騎士の時のエリオvsシグナム戦に匹敵しますよ、これは
もうGJ!としか言いようがありません。
エロなら今の流れから行ってエリオとルーテシアのラブラブを期待してしまいます。
個人的にはルーテシアがエリオに淫らにされる前の、エリオが出所して直後の話が見たいです。
互いに始めてで、とまどいながらも、待ちに待った10年分の愛を重ねる…
そんな甘すぎる純愛を一つリクエストお願いします。
これなら大きく話を途切れさすことなく、できるのではないかと
GJ!!
テンションがさらに上がってきたーー!!
ケーニッヒみたいなキャラは大好きです。
幸せなオチはなさそうですが、彼がどういう最後を迎えるのかをwktkしながら待ってます。
エロといえば、久々に氏の書かれるクロフェのエロが読みたいです。
出来たらエリオとの3Pで同居後の話を。
>>258 志村ー!!エイミィさん!エイミィさん!
>>279 エイミィは出番を考えれば当然の評価なのかな
ところでなんでエリオなんだ?そこはキャロだろ
まとめるとエリキャロ&クロフェの4Pでいいんじゃないかな
282 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 21:11:27 ID:pjcn6Xyp
>>281 今週のお題
「義妹の愛し方」
でおk?
つまり、クロノとフェイトが正しい義兄妹の関係を身体を張って教えるんですね?
実はエリオが年下でそれを知ったキャロがお姉ちゃんぶったり年上ぶったりするとかがツボです
どうせだからなのはと恭也も加えればいいんじゃないかな
カリムとヴェロッサも義兄妹だぜ?
>>285 その二人は実だから正しい義兄妹にならない。眼鏡の方ならなんとか……
>>286 カリムはクロノの不倫相手だからなぁ
ナンバーズはウーノ以下全員義妹なんだが。
浮気してなかったとしても仕事に奔走してる単身赴任夫をもつエイミィさんこそ浮気しないのかね
相手は、旦那の友人であるユーノかロッサ君あたりか?
>>287 さも公式設定かのようにカリムを不倫相手にするんじゃねぇw
なのはと恭也は確かに義兄弟ではないけど片親違いなんだし別にいんじゃない?
スウェーデンかどっかでは片親違いでも結婚出来るとかって聞いたことあるぞ
今日ブクオフでコミック2巻を流し読みしたんだ。
そしたら最後の方に人間形態のザッフィーがヴィヴィオを肩車しててその後ろでユーノとアルフが二人を見守っている写真の絵を見つけたわけですよ。
なんつーかザフィパパもすごくいいモノだと思った。
ついでにユノママとアルフお姉ちゃ(ry
>>293 ユーノは男の娘なんですね、わかります。
ヴァイスを小突いて、アギトと話しているシグナムもシグヴァイ派の俺にとってはよかった。
>>293 そこはアルフママにしてあげて下さいw
ただでさえザフィとユーノくらいしか相手いないのに
て、複数いるってむしろ恵まれてる方かw
わたしとはやてちゃんは相手すら居ません
という声が聞こえた
緑のたぬきはグラーフアイゼンのツェアシュテールングスフォルムに処女膜貫かれてろよ
って田中が言ってました
田中ぁ!! 腸ブチ撒けられてぇかあああああ!!!
って某騎士が言ってました。
302 :
B・A:2008/07/14(月) 02:59:17 ID:h39PCOP1
すみません、自重せずにもう一個投下して良いですか?
風呂入っていたら思いついたエロが完成したんですが。
エロパロ板でなにを戸惑う
304 :
B・A:2008/07/14(月) 03:06:19 ID:h39PCOP1
それじゃ、いきます。
全体的に薄い内容です。
注意事項
・高町家総出演(ゲストとしてユーノと忍も参戦します)
・エロですが、なのははエロいことしません
・ハードなことしている割に短くて薄っぺらい
・スワッピングとショタが駄目な人は避けた方が無難です
・タイトルは「高町家の爛れた饗宴」
「それじゃあね、なのは」
「うん。また後で電話するね」
「わかった、待っている」
「バイバイ、フェイトちゃん」
フェイトが手を振りながら自宅であるマンションの中に消えていく。
その背中が見えなくなると、なのはは憂鬱から深々とため息をついた。
別にフェイトととの友達づきあいに行き詰っているわけではない。関係は良好、一緒にお風呂に入ったりお泊り会を開いたりと真っ当で親密な関係を育んでいる。
ちなみに否定しておくが、自分には百合の気はこれっぽっちもない。アリサからよくからかわれるが、自分達はあくまで仲の良い親友同士だ。
頭を振り、なのはは自宅の玄関を凝視する。憂鬱の原因は、この向こうにいるのだ。
「うぅ・・・・自分の家に帰るだけなのに、何でこんなに悩まなきゃいけないんだろう?」
頭を抱えてその場でグルグルと回るが、答えなど当然返ってこない。
何となく虚しくなって、なのははがっくりと肩を落とした。とりあえず、ご近所様の目もあるので玄関先でいつまでも突っ立っているわけにはいかない。
(偉い人はこう言っていたよね、『おケツに入らなければコジを得ずって』・・・・・・きっとエッチな人だったんだろうなぁ)
微妙に間違った故事を思い浮かべながら、なのははゆっくりと玄関の扉を開ける。
途端に、あられもない嬌声が聞こえてきた。
「あああぁぁぁっんん!!」
「・・・!!!!?」
大慌てで家の中に駆け込み、玄関の扉を閉めて鍵をかける。
そしてさっきの叫びがご近所に聞こえていないことを願いながら、なのはは声が聞こえたリビングへと全力で疾走した。
「お母さん!」
「あぁん・・・・あ・・あら、なのは・・・・お、おかえり・・なさい・・・・あぁ・・・」
帰宅した娘を出迎えるのもそこそこに、桃子は胸の大きな果実を揺らしながら快楽に顔を歪ませる。
思わず目に入ってしまった股間には、赤黒い兄の剛直が深々と突き刺さっていた。
「ああぁん・・・・恭也・・・いぃ・・いいぃん・・・あぁぁん・・・あぁん」
「母さん・・・・あぁ・・・ううぅあ・・・んんぅ・・・・・」
全裸の母に跨られ、恭也は苦悶とも快楽とも取れるくぐもった声を漏らす。
一方、リビングの奥ではTシャツ一枚の美由希が士郎に正常位で押さえつけられ、悦のこもった声を張り上げていた。
「父さん・・・・だめぇ、いくぅ・・・もう、あたし・・・あぁぁっっ!!」
「おいおい、この程度で根を上げるようじゃ、一人前の御神の剣士にはまだまだ程遠いぞ」
「だ、だって・・・あぁぁん・・・・父さんの・・・お、大きい・・・あぁっっ・・・・だめぇ、イッちゃう・・・・・!!!」
「嬉しいこと言ってくれるなぁ。よし、今日は目一杯犯してやるからなぁ」
「あぁ・・・う、ん・・・犯して・・・・あたしのことメチャメチャにしてへぇ・・・・・」
呂律の回らない口調で叫び、美由希は士郎の背中に腕を回す。
お互いに無言で唇を重ね、舌を絡ませながらグイグイと腰をくねらせる度に膣と肉棒の隙間から白い液体がグジュグジュと零れ落ちた。
「うあぁ・・あ・・・・父さんの舌・・・舌ぁ、おしいい・・・・おいしいよぉ・・・・・・」
「美由希、うおぉぉっ、射精すぞ、膣に射精すぞぉっ!!」
「きてへぇ、膣出ししてぇ!」
「母さん、俺ももう・・・・・・・」
「射精すの? 良いわ、母さんの膣に射精して。息子の精液で、お腹の中一杯にしてぇっ・・・・・」
切羽詰った声を上げて恭也は腰を突き上げ、母親の子宮口を抉じ開けてその中を容赦なく犯していく。
堪らず、桃子は膣を締め上げ、昇り詰めている息子の精液を絞りださんと下半身に力を込めた。
「・・・・おお・・・あぁ、射精るぅ・・・・」
「あぁぁぁっ・・・・息子の精液・・・・きたぁ、きたわぁぁ・・・んんんっ!! あうあ・・うううぅん・・・・・ああああんんっ!!!」
「あたしもイクうぅっ!!! 父さん・・・・あぁぁっ、ああんんんっ!! で、出ちゃう・・・・おしっこ・・・ああぁっ!!!」
一際深く剛直を突き上げられた瞬間、美由希は黄金水をまき散らしながら絶頂へと達した。
そのままぐったりと四肢を投げ出し、力なく父親の胸にもたれかかる。
「あ、あの・・・・・・」
ただ一人取り残されたままのなのはは、呆然と立ち尽くしていた。
「なんだ、なのはも加わるか?」
「え、遠慮しまーす。て、それよりもご近所迷惑! 昼間っから何やっているの!」
「何って、スキンシップだよ。なあ、桃子」
「ええ。セックスは仲良しの秘訣なのよ」
どこかズレた返答を返す両親に、なのはは頭痛は覚えた。
これだ、これが頭痛の種なのだ。
彼らは何かというと猿みたいにセックスをしたがる。昼夜問わず、24時間やりたくなったら即服を脱いで交わりだすのだ。
平日の昼下がりにワイドショーを見ながらスワッピングプレイなんてまだまだ序の口だ。日によっては洗濯機を回している最中に後ろから襲いかかったり、
眠っている間にこっそりベッドに忍び込んだり、食事の最中に堂々とフェラチオさせたりとやりたい放題である。なので、これは高町家ではごく当たり前の光景なのだ。
「みんなの家はこんなことしていないよ」
「みんなはみんなよ。個性を大切にしなきゃね」
「そうだぞ、その家にはその家のやり方というものがあるんだ」
こんなやり取りもいつものことだった。
誰もがこの状況を当たり前と感じている中で、なのはだけが違和感を覚えて頑なにセックスすることを拒んでいるのである。
桃子達もあくまで本人の意思を尊重するということで無理やりなのはを犯そうとはしてこないが、何だか除けものにされているみたいでそれはそれで寂しいことだった。
「あ、おやつは冷蔵庫の中にプリンがあるわよ」
「うん、ありがとう、お母さん」
自分の秘裂から引き抜いた恭也の肉棒を頬張りながら微笑む桃子に礼を言い、なのははキッチンに向かう。
その時、背後から聞き慣れた少年の声が聞こえてきた。
「あぁぁっ・・・・シ、士郎さん・・・・だめぇ、僕・・・」
「何を言っているんだ、こんなに固くしていちゃ説得力ないぞぉ」
「だめぇ、今ゴシゴシされたら・・・・・あ、ああ、くるぅっ・・・・・ザーメン射精る・・・あぁ、お尻も・・・・あぁ、あああぁぁぁぁっ!!!!」
美由希が休んでいる間のインターバルとして、士郎がユーノを背後から犯していた。ユーノは犬耳と首輪をつけられていて、犯されている格好も相まってまるで本物の犬のようだ。
(お父さん、ユーノくんのことお気に入りだからなぁ)
前にどうして男同士でセックスするのかと聞いたところ、『御神の剣士は二刀流だからな』というよくわからない答えが返ってきた。
そのことを父と同じ御神の剣士である兄に相談したところ、『俺はノーマルだからな』と顔を真っ赤にして否定していた。
だが、時々恋人である忍とそのメイドであるノエルも交えて3Pに耽っているので、ある意味二刀流だなとなのはは思っていた。
「ほらぁ、ユーノ。ここどうなっているか言ってみて」
気だるげに起き上がった美由希が士郎に犯されるユーノの肉棒を弄びながら聞いてくる。
「う・・・あぁ・・・うううぅ・・・あぁ・・・」
「ユーノ、言いなさい!」
「は、はいぃ。ぼ、勃起してます・・・・ガチガチで・・・・射精したくてビクビクしてます」
有無を言わせぬ調子にユーノは身を強張らせ、聞くに堪えない淫らな言葉を連発する。
フェレット時代に色々と行った悪さを彼女に知られているので、逆らうことができないのだ。
「くぅっ・・うぅ・・・ユーノきゅんのアナルは本当によく締まるなぁ・・・・・もう射精しそうだ」
「ああぁっ・・・・士郎さん・・・ああ、だめぉぇ、美由希さん・・・・皮、チ○ポの皮剥いたら・・・・あああ、も、もう・・・あぁぁぁぁっ!!!」
直腸の奥深くで放出されたうねりが快楽中枢を刺激し、固く勃起したユーノの肉棒がビクビクと震えて白い汚濁を美由希の顔目がけてぶちまける。
顔にかかったユーノの精液を美味しそうに舐めとると、美由希は士郎からユーノを受け取り、妖艶な笑みを浮かべてその上に跨った。
「今度はあたしが絞り出してあげるね」
「ま、待って・・・・・ちょっと休ませ・・・・あぁぁっ!!」
「男って肛門弄ったら回復するんだよね、父さん?」
「あんまりやり過ぎるとすぐに萎えるけどな」
「はーい」
「よし、恭也、桃子の尻をこっちに向けてくれ、2人がかりで母さんを感じさせてやろう」
「あぁ、あなた・・・・・あぁ、きてぇ・・・・桃子のお尻を犯してぇ・・・・・」
「うぅ・・・母さん、また締め付けが・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
何となく食欲がなくなり、なのははおやつのプリンを諦めて自室に戻ることにした。
完全防音のあの部屋ならば、家中に響き渡る彼らの嬌声も聞こえてこない。
「わたしだけ、おかしいのかなぁ・・・・・・・」
自分の家族がしていることが世間一般に見ておかしいということは知っているが、少なくとも高町家ではこれが普通のことなのだ。
なのに、その高町家の人間である自分はあんな風に乱れることに抵抗がある。幼少時から漠然と感じている疎外感を改めて実感し、なのはは寂しそうに唇を吊り上げた。
「あら、なのはちゃん、おかえりなさい」
「忍さん?」
階段を上ろうとして呼び止められ、振り返ると兄の恋人である月村忍が片手を上げて微笑んでいた。
当然と言うべきか、彼女も服は着ておらず、形の良いプロポーションがこれでもかと言わんばかりに自己主張している。
「来ていたんですか」
「ええ。少し前まで恭也と楽しんでいたんだけど、ちょっとやり過ぎて体が汚れちゃって、シャワーをお借りしていたの。恭也、まだ使えそう?」
「多分、後2回でダウンするんじゃないかと」
「大変。ありがとう、なのはちゃん」
優雅な微笑みを残して忍は走り去り、未だ嬌声の木霊するリビングへと駆け込んだ。
「恭也、未来の妻を放ったらかしにするとはどういうこと!」
「忍!? ごめん、母さん。俺、忍の相手しないと」
「やぁぁぁ、抜いちゃだめぇ。恭也、恭也ぁぁっ・・・・・」
「ぐああぁぁっ、母さん、そんなことしたら射精る・・・・・」
「恭也、射精すなら私の膣に射精しなさい!」
「ははは、モテモテだなぁ、恭也」
「ユーノ、ほらまだまだ射精せるでしょ。チ○ポ勃起させて、もっと腰を動かして!」
「み、美由希さん・・・あぁ、も、もう・・・・だめぇ・・・・あぁぁ・・・・」
脱兎の如く駆け出し、半ば転がり込むように自室に駆け込む。
そのままベッドに倒れ込むと、なのはは枕に顔を埋めてため息をついた。
寂しい。
胸にぽっかりと穴が空いてしまったかのような気分だ。
「フェイトちゃん・・・・・」
思わず呟いたのは親友の名前だった。
何でだろう?
自分にはそっちの気はないはずなのに。
では、どうして携帯電話を手に取っているのだろう?
どうして、フェイトの電話番号を呼び出しているのだろう?
(神様、別にやましいことが目的じゃありません。ただ、ちょっとお話して慰めてもらいたいだけです)
心の中で言い訳をしつつ、聞こえてきたコール音に胸を高鳴らせる。
やがて、待ちに待った親友の声が聞こえてきた。
「なのは?」
「もしもし、フェイトちゃん・・・・・・・・・・」
僅かに上ずった声を漏らすなのはの股間では、白い下着にジンワリと愛液が染み出していた。
おわり
310 :
B・A:2008/07/14(月) 03:23:02 ID:h39PCOP1
以上です。
とりあえず、僕は頭がおかしんではないだろうかと本気で悩んでいたり。
おかしい、エリルーかセッエリかティアディーでやろうと考えていたら何故か高町家乱交パーティーがw
謎だ・・・・・・・・。
>>B・A氏
ちょwwwwwwwwwwwwww
いきなりナニ書き上げてるんですか!
目覚めて2チャンチェックしたらコレだよヽ(゚∀゚)ノ ワー
ていうかなんだこの少子高齢化社会の防波堤一家はw
あとユーノがァァwwww
こんな一家だったらなのはを9歳で妊娠させてもユーノ君にはお咎めなさそうだ
むしろ孫の性教育をどうするかで揉めそうだが……。
とりあえず高町家=爛れてるということに決定。
いや〜、やっぱ乱交は浪漫ですなぁ!
(エロパロ的な意味で)
>>前にどうして男同士でセックスするのかと聞いたところ、『御神の剣士は二刀流だからな』というよくわからない答えが返ってきた。
クソワラタwwww
いや、丑三つ時に楽しませてもらった
GJ
>>310 おお!
高町家出すと(特に恭也や美由希)とらハ3と被るかなーって思ってたけど
別にそんな事なかったぜ!
GJでした。
>>310 なのは、君だけはそのままでいて…と思ったけどかなり手遅れっぽいなw
いろいろとひどい高町家の様子に笑わせてもらいました
>>280 むしろエイミィってフェイトのことかなり可愛がってそうだし、フェイトさえよければ3P誘いそうだな
フェイトにお姉ちゃんとか呼ばせてたりするかもしれぬ
あ、まさかハラオウン家も爛れちゃってますk
ヒデェw
至極エロパロらしい作品だ
>B・A氏
暴走しすぎwwwww何があったwwwww
とりあえず高町一家は手遅れだということがわかったw
特にユーノがwwww
時々短編読みきり挟みながら、長編の方を書いてくれるとうれしいです。
GJ!
エリオもケーニッヒもやっぱり兄弟みたいなものだなと実感しました。
そしてエリオの方が兄だなぁとも実感。
これまで大切な人達を傷つけて愛する人を守ってきたエリオならきっと何とかできるはず。
是非続きを…待ちきれません。
ちょw
何故このようなエロにw
>>B・A氏
駄目だこの家族、早くなんとかしないと……
最近エロ書いてないからってこれはwww
GJ!!
忍がなのはに声かけた場面でそのまま忍がなのはに優しく手解きする(もちろん性的な意味で)のを
瞬時に想像した俺はもうなんかダメかもしれない……
御神の剣士は二刀流だからなwww
腹筋がちぎれるwwwうえwwwwうえぇwwww
321 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 12:26:25 ID:6E5cAMP6
322 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 12:30:41 ID:6E5cAMP6
>>B・A氏
結局、なのはもwwってか、ユーノも巻き込まれてる!
クロノ、君の義妹と親友をこの家族から守るんだ。
まさか、クロノもすでに……アッーーーー!!
…なのはも高町の血をちゃんと引いているんですねぇ(しみじみ
このノリがハラオウン家と八神家に流れて、10年後には六課自体がこのノリに…途中で聖王教会にも飛び火しかねない気が
そしてゆくゆくは時空管理局地上本部にも…だめじゃん時空管理局
なんというバカエロwwww最高すぎるぜ!!!
超GJでした!!!!
性王狂会
ユーノきゅんキタア…!
しかしこの一家ダメすぎるwww
GJでした!
桃子さんエロいよ桃子さん最高
>>324 しかし人数比が女>>男だから男が枯れ果てそうだ。
>>330 最初のクククのせいでメイドガイの声で脳内再生された俺はどうすれば……?
>>331 シャマルさんにフォークで刺されれば良いと思うよ
101人のクローンエリオがメイドガイになって大襲来するんですね
さあ白天王のメイドSSを
ふと思った。幼少期のなのは兄もなのは父に、ズッコンバッコンやられていたのかと。
……まさか今も?
ソフ倫の近親相姦解禁前に、本編ストーリー前からヤりまくりの
実の妹をヒロインに組み込んで結婚エンドまでやらかして 発禁→義理に修正
食らったゲームだな。
主人公兄妹も親から性的虐待受けてて。
あと少女っぽい後輩(♂)ルートまである。
やっとだ…半月ぶりに規制解除ktkr
ロングパスになるけど許せ。ぬるぽ氏、原点回帰期待してるよ!
こんな家庭にいたらそりゃ歪むわwwwwwwww
最後の電話のシーンで
「はい、スタッフサ○ビスです」 と空耳が聞こえたのは俺だけでいい
GJ!
個人的には美由紀のエロが見れてホクホクです。
それと桃子さんも。
≫336
旧保管庫にある549氏の「Call My Name」を読めばいいよ。
個人的にアレは名作だと思う。
>>344 今現在は読めなかったっぜ。
いや、実は前に読んだことがあるんだ。
だけど最後の落ちがよく分からなかった。なのはに何が起こったのか理解できなくて
俺の頭の名作のカテゴリーからは外れていた。
最後のなのはの感想文はいったい何を表したオチだったのか?
>>346 旧保管庫に行けば全部見れるよ。
まあ、確かによくわからん終わり方だったが。
348 :
344:2008/07/15(火) 01:14:37 ID:5LJ1ONTC
>>346 名前を失った少女は家族に陵辱されながらもその愛を感じる。
最後の1話は名前を無くす前に少女が書いた愛する家族についての作文。
今と過去の対比だと思ってた。
あとあの話は未完。549氏の体調の問題でなかなか続編が出ないのが惜しいところ。
ちょい遅めのGJ!&待っていました!
エリオとケーニッヒ…二人ともすごくイイ。
二人とも立派な信念を持ち、それがたまらなくカコイイ!
そしてバトルでも二人とも普通にカッケエエ
ここまで綿密な戦いを描けるB・A氏…改めてGJ!
そして続きが異常に気になってしまう…
wktkしながら待ってます。
エロ分も久しぶりにエリルー、セッエリを希望!
ラブラブなエリルーもアーッなセッエリも見たいです!
☆リリカルふぇいと待ち☆
351 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 12:35:28 ID:E6gjpSfd
|┃三 ガラッ
|┃ ____
|┃/⌒ ⌒\
|┃(●) (●) \
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\ えへへっ
|┃ |r┬-| |⌒)遊びに来たお!
|┃ `ー'ォ //
(⌒ヽ・ ・ ̄ /
|┃ノ /
|┃ つ <
|┃ (::)(::) ヽ
|┃/ > )
|┃ (__)
|┃
|┃ ____
|┃/⌒ ⌒\
|┃ (―) (―)\
――‐.|┃:⌒(__人__)⌒:::::\
|┃ |
|┃ /
|┃ヽ・ ・ ̄ /
|┃ \ ,.:∴~・:,゜・~・:,゜・ ,
|┃ヽ_)つ‘∴・゜゜・・∴~・:,゜・・∴
|┃ (::)(::) ヽ ・゜゜・∴~゜
|┃/ > ) ゜゜・∴:,゜・~
|┃ (__) :,゜・~:,゜・゜゜・~
クアットロが幸せになれる話を待ってる・・・まだ無いよな?
クアットロの悲恋なら、一応ネタ暖めてますぜ?
>>353 それ幸せになってなくないか?w
クアットロだとやっぱ繋がり敵にはスカかナンバーズか
なのはさんの砲撃浴びた人間がことごとく骨抜きにされてるのを考えるとなのはさんも余裕でいけるな
でもなのクア……うん、語呂は微妙だなw
356 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 12:50:54 ID:E6gjpSfd
m9(^Д^)プギャー
>>352 ソープ・ナンバーズで224氏の書いたSS「指名先は幻惑の使い手」ってものがあるよ?
クアットロがメインの数少ないSS。
358 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 12:55:56 ID:E6gjpSfd
__
ホジホジ /⌒⌒\
/(●)(●)\
/ ⌒(_人_)⌒ \
| mj|ー′ |
\(_ノ /
ノ ノ
コレ、しばらく職人こない方が良いんじゃね?
もう世間は夏休みだっけ?
夏休みというか、夏休み直前の試験休みだな。
大学生なら試験真っ盛りだ。
前スレ辺りから粘着されてる職人もいるしな……
大丈夫かな、あの人
ゆーの ゆーの ゆの 鬼畜の子
>>364 愚者の職人さんか?
そいやユーなの書かなかったってことで貶してたのもいたな
おれはユーなのは好きじゃないのでどうでもいいんだけどさ
ところで、なのフェイが二人とも陵辱される
↓
陵辱後、二人で慰め合いエッチ
というSSはあります?
どうでもいいは言い方が悪いな
作品への感想で苦言を言う分はいいと思うが職人への直接攻撃は控えるべきだと思う
興味ないなら無視すればいいって言いたかっただけだ。おれはそうしてる
義務教育とかじゃないんだからスルーが一番だ。
崖っぷちの ゆのは
彼女のお母さんは普通?の人間。
でもお父さんはフェレットだったのです!!
なのは「ユーノくん、アタイ妊娠したの!」
ユーノ「おろせよビッチ」
糸冬。
>>370見てふと思ったんだが、地球とかミッドの住む世界が違う人間の間でも子供ってできるんだろうか?
と書いたところで、ナカジマ家の先祖が地球出身ってことに思い至ったよ。ゲンヤさんは流石に混血ですねごめんなさい。
高町さん家みたいに養子という可能性もあるけどな
つまり、われわれホモ・サピエンスの祖は宇宙や次元世界からの渡航者だったんだよ!!
ナカジマ家の先祖はなのはみたいに事件に巻き込まれてスカウトされたのかね
374 :
ておあー:2008/07/15(火) 19:33:59 ID:wBkO7u5y
>>373 おなかの空いたナカジマ(スバル似)が、食べ物を探して放浪しているうちにミッドチルダにたどり着いた説。
>>371 まてまて地球出身者同士での結婚を続けてきたのかも知れんぞ
だからミッド人(推定)のクイントとの間に子供はできなかった
ところでキャロはサバイバル能力高そうだしフェイトとエリオでキャンプに行って動物を普通に解体して二人にひかれる小説誰か書かない?
>>375 スバルとギンガはナカジマ家とは血が繋がってないんじゃないか
忘れられがちなこと。
ヴァイス、アルト、キャロもミッド出身ではない。
次元世界を股にかける誘拐団とかがあったかも知れない
>>377 いや、まあ、そうなんだけど。
その辺りは無視して先祖はなぜか顔が似ている、というのがお約束じゃないですか。
>>376 >>サバイバルキャロ
妙に惹かれるものを感じた。
382 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 20:18:47 ID:JflQDmFE
>>373 ΩΩΩ〈 な…なーんだ
子孫といえば、子作りエロスが見たいです先生!
あげてスマン
槍を投げるが獲物を取り逃がすエリオ
自由にテントになれるふんどしフリード
少しずつ露出が多くなる料理担当のキャロ
サバイバルと聞いてこんなのが思い浮かんでもうた
>>380>>381>>383 サバイバルといえば放浪の一族出身のユーノも忘れないであげてください。
10年間の書庫暮らしで鈍ってる可能性が無きにしも非ずだが……
387 :
これは違う:2008/07/15(火) 20:26:56 ID:xtUmLYML
キャロ「ちゃんと食べてあげますから。成仏してください」
???「ておあーーーーーーーー!」
>>386 書庫にテント張って住み着いているイメージが……
なんか漫画とかでキャロの部族って結構原始的な印象があってさ、キャロも狩猟と解体を仕込まれてたり見慣れてて解体のスプラッタが平気な印象があるんだよね
>>387 ザッフィー!!!!
三期で役立たずなフェレットにしておきなさい
>>389 普通にテントの中で焚き火とかしてたからな。動物さばくくらいはお手の物じゃないかね?
フェレットは食べるところ少なそうだから、食べないんじゃないかな?
つか三期じゃフェレット変身してないだろうにw
あと、一応活躍はしてたよ。ゆりかごのこととか。地味だけどw
チキンブロス
>>390 敵の根城の地図なんて超重要情報だろうに
日の目を見ないなぁw
二期で闇の書の事を調べ上げたのも結構な功績の筈なんだけどな……
ユーノsugeeeより何で今まで無限書庫を放置してたんだよ、ってツッコミの方が多いのが哀れだ
まあ三期は男衆イラネって空気が全開だったからな。
いい扱い受けてたのはエリオだけだろ。
六課陣営だけでもグリフィスは空気、ヴァイスは取って付けたようなトラウマ持ち。ザッフィーは当て馬。
クロノ、ロッサ、ユーノは、画面に出てなくても話が進む程度の扱いだし。
イモ虫を涼しい顔して食べるキャロ
それを見てドン引くエリオ
お友達を食べられて泣きだすルーテシア
まで見えた
>>396 仕返しにエリオを(性的に)食べるガリュー。
>>395 ユーノとクロノは、前作からのファンサービスで出した可能性もあるけど、
ロッサって本当に何のために出てきたか分からんキャラだったな。
>>399 ウーノに水見式とか念の説明をクチュクチュするため
>>399 はやての相手候補……かな?
なのはにユーノ、フェイトにクロノとすると三人娘で一人相手不在だし
このスレではゲンヤさんの方が相手回数多そうだけどw
グリフィスには戦力にならないでもトグサ的な頭脳面での活躍は欲しかった
ヴァイスはサイトー、ヴェロッサはイシカワ辺りかな
>>401 それはないだろw
第一、なのはにユーノ、フェイトにクロノって当てる気があるとも思えない
男キャラを出すのに理由って必要?
>>フェイトにクロノ
エイミィを時々本気で忘れてるだろww
フェイトそんを男にしたらクロノよりハーヴェイらしいしなあ…
>>406 エイミィはこのスレだと作品が多いとか少ないとか以前のレベルで不幸だな。
旦那は異次元で義妹を嫁にしたり前世の嫁とひっついたり教会の人と不倫したり。
いったいなにがダメなんだ?
不倫は文化なんです(黒)
>>410 ブリッジにいる人、対外不遇でさぁ
の割にリンディは盛況な不思議
>>399 初めて漫画で見たときは、
「ああ、勇○王の武器はスバルに渡して、外見はこいつか。スタッフがよっぽど勇○王好きなんだな」と思ったw
>>409 ハーヴェイはそんなに萌える奴だったのか……。
>>410 対抗馬に比べて押しが弱い、ってのは前にこのスレで話題になってたな
なんつーか、キャラ創りが上手い都築らしいな、って俺は思うんだ
話題になったときは、いわゆるタマ姉ポジションなのになんで駄目なのかって話題になって、やっぱリリカルなのはだからじゃね?ってことになったと記憶してる
>>410 なのは、フェイト、カリムに比べると人気は低いみたいだし、好きな作者が少ないんだろ。
職人も好きではないキャラは書く気にならんだろうし。
後、これは個人の好みなんだがエイミィって、お姉さんキャラとしては好きなんだが、
嫁や恋人となると今ひとつなキャラ。つーかヒロインの顔じゃない。
ハーヴェイは今でいうクーデレだった。
すぐにデレデレになるが
>>410 ダメというか大して複線も無く結婚したからってのもあるんじゃないかな
単純に不倫ネタが好きな人もいるだろうけど
結婚発覚した頃のクロフェ派とクロなの派は怖かったよ……
たぶんエイミィさんには「媚び」が無さすぎたんだと思う。
なのちゃんがその辺を感じるままにうろちょろするあまりに自然体の妹だったように、
ちょっと「お姉さんキャラ」を上手く作りすぎちゃったんだろうな。
>>416が言うように、エイミィさんとくっついたことにピンと来ない人は、誰かと
くっついたクロノを弄って笑ってるほうがらしいとよく言う。
>>416 俺もそうだったんだが、とあるサイトのSS読んで見方が変わったかな
ネットって広大だから、探そうと思えば結構あるんだよね、クロエイってさ
氏はそこらへん、読んでみると見方が変わるかもしれんぞ
関係ないけど俺、エイミィさん結構好きなんだよ(ポツリ
>>420 もっと声を大にして言いなされ
影響受けたSSって『それは私に別れを告げた日』でFA?
エイミィさん大好きだー!結婚してくれ…なくてもいいや。
旦那はクロノだし。
>>418 >大して複線も無く・・・
そうかなぁ?この2人の結婚が公式で決まった時は、ごく自然の成り行きと言うか、納まるとこに納まったと言うか
『あぁ、やっぱりね』って感想を抱いたけど。
>>418 二期まででなんの複線もなかったのにStsの漫画でいきなり結婚だったからなぁ。寝癖直してるところしか思い出せない
まだリーゼ姉妹と結婚しましたとかの方が納得できた。使い魔だけどさ
ところでクロなの、クロフェともかく、クロはやはあんまりいないみたいだな。二期で考えればフラグはあるんだが、本編中で接触がなかったのが原因かねえ
2期の時点でクロノが肉親以外で一番付き合い長いキャラってエイミィじゃなかったっけ
それ自体がとてつもないフラグだと思うが
>>420 いや、自分は基本的に雑食だから、クロエイものも見てるよ。
その中でも、エイミィの親父がクライドの船に乗ってた設定の話しは好きだったな。
たださ、読んだ後で思うんだけど、その手のエイミィって姉キャラとして死んでる。
せめて、クロノとの結婚後の描写があればイメージ出来るんだけど、何も無いで
ただ結婚しましたじゃ、余計に自分がイメージしてるエイミィとの違いが激しい。
>>423 納得とかは人それぞれになっちゃうからなぁ。
自分はリーゼとは想像できん。それならまだフェイトの方がわかる。血はつながってないんだし。
「なのは」「フェイト」「はやて」「エイミィ」の選択なら、エイミィで自然だと思った。
>>422 いや、本編で恋愛ネタに消極的な時点でどれも伏線には成りえんよ。
まあ、たぶんエイミィさん認めない人も「予想はしてたけど一番行って
ほしくない方向に踏み込んだなあ」とは思っただろうけど。
>>423 クロはやは波が起こりかけた頃に結婚で腰折られて3期の作風の変化やはやて自体の
変化とかで止めを刺された感じだな。
クロフェ好きだけど別にエイミィとくっ付いたからって不自然とは思わなかったな
というかフェイトのクロノへの気持ちは家族愛や憧れの混じった初恋みたいなものだろうから、
必ずしも結ばれる結果にならなくてもきれいなお話にはなる
エイミィもフェイトのことよく可愛がってそうだし、フェイトもエイミィのこと好きそうだしな
ただレズ疑惑ショタ疑惑不倫疑惑のかかってるフェイトさんじゅうきゅうさいには心配だがw
>>421 あまりこういった質問に答えるべきではないのかも知れないけど、あえて答えるなら
正確に言うとそれと『余り者には福がある』だね
基本的に甘々が基本ベクトルの俺は両生類の人とかが書いてたのも結構ツボってたりするんだ、俺
まだSSサイトの存在を知らない頃(時間軸的にはA's放送直後くらい)は
>>426と全く同意見だったし
>>425 読んでいてなるほど、と思った
姉キャラとして見られるか、って言われると?だもんな
いやはや、参考になる
>>426 一番クロノとフラグ的なものがあったのは一期のなのはだと思うな
二期で綺麗に末梢されてたけど
それと公式でいくとクロノが血が繋がってないとはいえ妹のフェイトと結婚するのは考えづらいような
それだったらまだリーゼのが自然に思う
ま、俺はクロエイも結構好きだけどさ
エイミィとクロノは本編でもさりげなくじゃれ合ってた場面が多い気がしたがな
俺としては結婚して落ち着くべき所に落ち着いたと思ったものだ
>>429 まぁ、サイト名出してないし荒らすために突貫するような人はいないだろうからいいんでない?
この場は様々な性癖を赤裸々に曝け出す変態と言う名の紳士たちが集うスレだし。
俺の場合は『リミエッタ会議にようこそ』とかも大好きなんだけどなぁ。あの独特なノリがたまらん
両生類の方が書いてたのだとクリスマス記念のヤツとかも凄く良かった。
あとはみんなで海に行って 君は変わらないね的な掛け合いをするやつとか。
学園祭のも好きだし…
むしろジャンル無関係でエイミィさんが出てればなんでも好き。節操無しでサーセン
>>431 あれ見てると、なんていうか仲のいい男女か姉弟辺りで落ち着いてて結婚には結びつかない感じなんだよ
そろそろ雑談自重しろ。
いい加減不毛な議論だ、少し自重しよう。
相手誰だって受け入れるのがここだろ?
435の発言によってクロノ×グレアムフラグが立った…かもしれない
んじゃ無難にクロノ×ローウェルでも…
438 :
554:2008/07/15(火) 23:56:19 ID:Zq0aiVIZ
それじゃあ推古も終わったし、お口直しにクリニック・Fでもいかがですか?
カモン
>>432 匿名掲示板には色んな奴が入ってくるので、楽観視は禁物だぜ。特に夏は。
是非にお願いします!! あなたのSSを待ってました!!!
ぜひ!
しかし推敲の間違いではと突っ込みを入れてもよろしいでしょうか、サー
推古天皇の時代が終わったんだよ。
443 :
554:2008/07/16(水) 00:02:39 ID:Zq0aiVIZ
推古とかどこの天皇ですかね。。。まあそんなことはどうでもいいとして。
もう後5分待ってればID変わってたのに、なんて言いつつ投下しますね。
あ、前回は番外編の投下とお伝えしましたが、都合により本編の投下となりました。お詫び申し上げます。
・カップリングはジェイル(あえてこう表記)×ウーノ
・スカの性格がかなり変化してます。それについては後に触れますが、気になる人はNGしてください。
・なのはキャラはスカとウーノ以外はフェイトくらいしか出ません。しかもかなり後半。よってほぼオリジナルストーリー。
・NGワードは「小さな町の小さな診療所 クリニック・F」です。
それでは原案の73-381氏に多大なGJを送りつつ、投下したいと思います。
昨日のことを思い出す。そう言うと、真っ先に何時間にも及ぶ激しい夜の営みがまず思い浮かんだウーノだったが、その後に思い出したのが牛の赤ん坊を抱き上げたときの重みだった。
軽いようで、重い、あの何とも言えない手に掛かる重圧を、ウーノは不思議に思っていた。
それは命の重みだ。そんな簡単な言葉で片づけられるのだが、彼女はその言葉以上に自分の腕に掛かっていた大きな重みを感じ、ただ抱き上げただけにもかかわらず、腕の中の毛布にくるまった子牛は重く、そして思わず見とれてしまうほど可愛く感じられた。
哺乳類という生き物は、仲間から攻撃されるのを防ぐためにあえて容姿を可愛く見せて産まれて来るという。
牛もそれに当てはまった誕生の仕方だったのだろう。事実、ウーノはあの時腕に抱かれて小さく鳴く子牛をとても可愛いと感じていた。
そしてふと、彼女は思う。自分はまだ人間の赤ん坊を見たことがないと。
牛の赤ん坊であれだけ可愛かったのだから、人間の赤ちゃんというのは一体どれほどの威力を持って産まれてくるのだろうか。
自分の子どもならば尚更だろう。そして想像するのは、藍色の目をした自分とあの人の―――――
「……あのー、聞こえてます?」
真っ赤な顔をして目が虚ろになりながら顔はだらしなくにやけて崩れている。そんな女性が受付カウンターでぼーっと座っていたら誰だって話しかけづらい。
ウーノはその声にはっ、と気づき、顔を犬のようにぶるぶると振ってからいつもの営業スマイルを何事もなかったように浮かべる。
だがその口元は若干ながら引きつっていたが。
「あ、そ、その、宇都宮牧場の者なんですが……」
「あ、う、宇都宮さんのご子息のか、方ですか。……し、少々お待ち下さい」
自分のどうしようもない恥態を晒してしまった事による焦りが口の回転をこれでもかと言うほど遅くする。
とりあえず、自分の出る幕でないことは確かなので、ウーノはリビングのソファーで寝ころんでいるジェイルを起こしに事務室へと繋がるドアをくぐった。
もちろん、赤く染まった自らの顔を見せたくないという意味合いもあるのは当然だ。
□ □ □ □ □
「それで、これがお礼です」
「それでは失礼して……おぉ」
手渡されたそこそこの厚さと見える茶色の紙封筒に隙間を作り、中身を確認する仕事着のジェイル。ちなみに、ウーノは変わらずに受付へと戻っている。
彼の反対側にはショートカットでいかにも活発そうな、それでいてまだあどけなさの残る栗色の髪の女性が向かい合うようにして座っている。
このような、大事な用件やお金絡みの話などは待合室のソファーと机を移動して、即席の応接室を作る。そのためにわざわざカーテンによる仕切を作ったほどだ。
茶封筒の中身を見たジェイルは一瞬言葉を無くし、その中身をまじまじと見続ける。
そこには、二週間ほどはジェイルとウーノ二人何もしなくても食べていけるほどの大金が入っていた。一件の治療費としては、それも牛となればかなりの額である。
「本当に、こんなに貰ってよろしいのでしょうか?」
「いいんです。あの牛一頭でどれほどに損失になることか。それに、都会から獣医を呼び寄せてもその手間賃だけでこれくらいのお金は軽く飛んでいってしまいます。だから、いいんです」
そう念を押す彼女はボーイッシュな外見からは想像も付かないほど穏やかな物言いで返答する。
どこかのお嬢様なのではないかと思えるほどにおしとやかな口調であり、なおかつ太陽のような微笑みには相手を思わずにこやかにしてしまうような力を持っていて、そんなところにジェイルも初対面にも関わらず大変に好感を持っていた。
だから、だったのだろう。彼は何気なくとある質問をした。ただ、何の打算も無しに。
「ところで、お名前を伺っていませんでしたね」
「ああ、そうでしたね。はやて、って言います。宇都宮疾風です」
「はやて……」
その名を聞いてジェイルの顔が一瞬にして険しい物へと変わる。その名に恨みはないが、かつての因縁というものが未だ心に巣くっていたのだろう。
良い雰囲気で話せていたのに、途端に雰囲気が悪くなってしまった。そんな風景に、何か自分は不味いことを言っただろうかとジェイルの正面に座っている疾風は一人慌てる。
この場合は完全に彼の独り相撲であるのだが、彼の過去を知っている者ならば苦虫を噛み潰したような表情をしている今の彼の姿を容易に想像できるだろう。
一転して険悪な雰囲気が流れる仮応接室。そこに、救世主となる一人の男がやってきた。
「こんちわー! ……あれ、ウーノさん、ジェイルさんは?」
「ちょっと今取り込み中でして、お静かに―――――
例えるならば、堂々巡りが続いて収拾がつかなくなり会話が完全に死んでしまったところで宅配便の届け物、と言ったところだろうか。
いい加減に会話を進めなくては、と思ってどう話を切り出していこうか考えていた疾風だったが、これを機に話を進めてしまおう。
そう考えても良かったのだが、彼女にとってはこの声の主こそがいけなかった。宅配便だったらどれだけ良かっただろうと彼女は一人思う。
しかし今は我慢だ。今は支払いの最中なのだから我慢だ。いくらアイツが失礼極まりないヤツだったとしても、我慢だ。
「お、新しい髪飾りですね。可愛いですよ」
「ありがとうございます」
カーテンの隙間からにこっ、とした看護婦の笑顔が垣間見える。それが引き金だった。
「ハヤトォォォォォ!!」
その声は窓ガラスを通り抜け、山びことなって反射していたという。
□ □ □ □ □
「痛ってーな。何も殴ることはないだろ」
「うっさい。大体あんたは人の奥さんになに色目使ってるのよ。それも旦那さんの前で」
先程よりクリニック・Fの待合室では一組の男女が何やらケンカ中だ。
後になって分かったことだが、その喧騒は丘の麓にある鞍馬荘にまで響いていたと、伊吹からウーノは告げられたが二人には黙っておいたのは言うまでもない。
そのウーノとジェイルは、いつもは気さくな立川書店の主である隼と、つい先程までおしとやかな口調に感心していた疾風が突然に言い争い(と言っても隼の頬は赤く腫れ爛れているが)を始め、何がなんだか分からないまま待合室の隅に追いやられていた。
そんな状況でも、二人のケンカは収まらない。ストッパーが居ないのだから当然と言えば当然か。
「色目? 何のことだ」
「うっ……」
そう言えば昔からコイツはこうだった、と額に手を当てて溜息をつく疾風。
明らかに馬鹿にされたような物言いだが、隼は何故か立腹の表情を浮かべない。
本人としては、馬鹿にされたことよりも色目というワードが何故出てきたかの方が関心が高いようだ。彼はどうやら、よほどのお気楽主義であるらしい。
「……ああ、もう。だから、既婚者にナンパまがいの科白を言ってどうすんのって言ってるの!」
「別に既婚者だっていいだろ。可愛かったんだから」
可愛い、というワードに若干の動揺を示す疾風。
それは隼にはもちろん伝わっていないが、その顔には何故か哀しみの色が混じっていると部屋の隅で固まっている二人は揃って同じことを思っていた。
「だから、旦那さんが目の前にいるのに別にいい気はしないでしょ、って言ってるの!」
「ジェイルさんとはもう長い付き合いなんだよ。だから、そんなことで怒らない人だってのは分かってるんだ」
「だから、そういうことじゃなくて……」
いい加減に収拾がつかなくなってくるのは、こういった些細なことが発端の言い争いにはよくあることだ。
それに、空気の険悪さから言ってこのまま部屋の中にある物を壊されそうな気がしてならない。
そう思ったジェイルは、二人を仲裁する意味合いも含め、二人の間に割って入った
「はいはい、二人ともそこまでね。立川さんは今日は何の御用で?」
「あ、ああ。ウーノさん用に本を、と思って。あ、使ってくれてるんですか、本。嬉しいな」
そう言って無邪気に微笑む隼の指先には、ウーノが読み終わり処分するはずだった本が、お客さんの退屈しのぎとして本棚の仲にぎっしりと詰め込まれている。
利用者にはすこぶる好評で、婦人雑誌の類を中心に絵本まで置いているので子どもにも利用率は高い。
閑話休題。
「私としては怒られるかな、と思ったんだけれど。平気でしたか?」
「平気も何も、ウチの本が長くいろんな人に読まれることは素直に嬉しいですよ。怒るだなんて、滅相もない」
「そうでしたか。それじゃ、後で”本の提供:立川書店”とステッカーでも貼っておきましょうか」
「はははっ、いいですね」
「それじゃ、一両日中に作業を、っと、そうだそうだ、忘れていた」
和やかな雰囲気で隼と談笑をしていたジェイルは、何がなんだか分からずにポカンとしている疾風に向き直り、目を細めて微笑を浮かべる。
「疾風さん、と言ったかな?」
「は、はい」
「ちょっとキミに興味があるんだ。今度低崎にでも出て買い物ついでにお茶でも一緒にどうだい? ああ、お金なら気にしないでくれ。前の病院にいたときの金が大量に余ってるから」
一瞬、空気が氷った。
それでも、ジェイルは持ち前の鈍さで、疾風はカッコイイ男の人(既婚だけど)にお茶に誘われ、気分が浮かれていたが為に気づかなかった。いや、気づこうともしなかった。
お陰で、その煽りを食らった約二名は未だ凝固した状態から溶けずにいる。
「その、いいんですか? ちょっと悪い気も……」
「なに、私が興味本位で連れ回すんだ。そのくらいの対価じゃ安いくらいだよ」
「えっと、先生がいいのなら……」
「じゃあ、決まりだね」
「じゃあ、決まりだね、じゃないですドクター!」
自分たちを除け者にしておいて何を勝手に二人でお茶の約束なんか取り付けて大体ドクターは私の妻であってそんなことは許されないでもドクターは何か算段があってのことかも知れないしそれを邪魔したらドクターに嫌われちゃうし―――――以下略。
と、これがウーノのこれまでの脳内の様子を纏めた物である。
分からないから良いのかも知れないが、ここまで思考するまでに僅か二秒。少々危険なお年頃である。
「何か問題あるのかね?」
「その、疾風さんと二人きりでなんて…………と、とにかくダメなんですっ!!」
本人としては般若のごとく怒っているつもりで居るウーノだが、真っ赤に染まった顔と涙混じりの目で子どもが駄々をこねるかのよう手をバタバタと振って暴れるその姿は、怖いなどとは到底思われそうにない。
どちらかというと、普段凛々しいはずの彼女が取ったその行動は、むしろ”可愛い”という形容詞が似合うもので、談笑をしていた隼もウーノの方を向いて頬を若干赤に染めている。
それを見て、落胆の色を隠せない疾風の姿があるが、お約束と言ったように隼自身は気づいていない。
そんな細かい感情の変化など気にもせず、ウーノの暴走は続く。
「ドクター、あんまりです……。私を置いてどこかへ行ってしまうなんて、それも他の女の人と一緒に……」
「う、ウーノ、分かっているだろう。わ、私が何を考えて彼女を誘ったのかを」
「それでも、それでもです……ドクターは私の事なんてどうでもいいんですよ……うぅ……」
そんな昼ドラ的な空気が終始流れていた月曜の朝だった。
ちなみに、ジェイルはこの後ウーノとも同様の買い物とお茶に赴くことになるのだが、それはまた別の話である。
451 :
554:2008/07/16(水) 00:13:29 ID:V6v7aHvy
今回はここまでです。
あ、浮気とかじゃないんで心配はしないで下さいww
そして、恒例の新キャラ紹介です。
宇都宮 疾風 (うつのみや はやて)
隼とは幼なじみ。ちなみに仲良くなったキッカケは「名前が似ている」から。
専門学校を卒業後に保育士として上仁田に戻ってくる。
強気な性格で常に一本槍。子どもが好き。
ちなみに八神はやてとは完全に無関係。
そいでは、それでは原案の73-381氏にもう一度多大なGJを送りつつ、投下したいと思います。
最後にもう一つ。 俺はエイミィさんが好きだぁぁぁぁぁぁぁぁ(ry
GJです!
是非、映像で見てみたいと思ってしまう。
GJうううぅぅぅぅ!!!
しかし、このSSのウーノ姉マジ可愛いですねぇ良い嫁だ。
eranano持ってる人いたら再うpおねがいします
>>451 あーー!
もうほのぼのしてていいなあ〜
ウーノという相方がいるスカはさっさと籍入れて
子作りに励むべきだ!
して、結婚はいつになるんですか!?
(切実な問題)
というか戦闘機人は子供作れるのか?
そういう器官は排除されてそうなんだけどさ。代わりにスカクローンを育てるための機構があるって感じで
こんな感じか?
チンク「ポコペンポコペンダーレガツツイタ、ポコペンポコペンダーレガツツイタ…」
げろん。
>>456 スカさんは命について興味を持っているから、普通の子宮があっても
可笑しくないんじゃないかな。と、自分は思っていたりする。
そのあたりは本編でほとんど明言されてないから人それぞれの想像でいいんじゃね。
このスレだとチンクがゼストの子供身篭ってるのがちょくちょくあるな。
>>459 ゼスト×チンクはここでの共通項になってる感じがするよな
二人とも別キャラとのネタはほとんど見ない
ゼストで見ればルーテシア、メガーヌ、アギト辺りは何とかできそうだがな。本編後も生きてるならシグナムとヴィータも可能か?
チンクは……かなり無理やりでヴァイスでいけるかね。幼い体型と眼帯でトラウマ刺激の方向でさ
チン○は事件後なら牢獄に入ってる訳でもないしやろうと思えば誰とでもいけるでしょ
ノーマルでも百合でも充分に活躍できる汎用性の高い方です
>>460 というか本編だけならゼストに関してはアギトが圧倒的なはずなんだがなー。
あれか。サイズが小さすぎるのか。
ゼスト×アギトなら凄い良いエロSSが一本あったんだけどねぇ。
確かにもうちょい増えて欲しいカプではある。
今気付いたけどファリンのエロってないのね
アニメオリジナルだからとらハ世界にも行けず、リリカル世界でも取り上げられないとは不幸な……
>>460 ヴィータは因縁薄いからちと苦しいなあ、と思いつつも
「若いな」と子供扱いされたのが悔しかったヴィータが、一生懸命に自分の大人っぷりをアピールしたり、
歴代主に仕込まれたテクでゼストをイかせまくって「ふっ若いな」とやりかえす図とか浮かんだ。
>>467 さあ!
その発想をキーボードに叩きつけるんだッッ!!1
ゼストだったら、
チンク以外にもリィン、アギト、ヴィータといったチビッコヒロインズ・ハーレム状態でも許せる。
不思議!
>>468 ルー子も忘れないで。
って、ゼストの相手はシグナム以外じゃロリか人妻しかいないのか。
ゼストの相手って言えば
本編で行動を共にしていた、ルー、アギト
戦って実力を認めあったシグナム、ヴィータ+リイン
右目の因縁があるチンク
昔の部下のメガーヌに、クイントもいけるか
オーリスも親友の娘として出来そう
これでもけっこう多いんじゃない
まあ可能性は出来る限り模索した方がいいというか
ヴァイス陸曹がほぼシグナムとティアに固定されてるのも大きな損失だと思うのです
>>471 ここでも裏方が忘れられるというデジャブ
473 :
562:2008/07/16(水) 20:22:48 ID:81IEEbtf
雑談をぶった切って悪いが投下します。
前回から間が空きましたが、申し訳ないです。やはり長くなりました。
注意事項
・一応は1期の再構成になります
・高町家がアニメより、原作に近い設定になってます
・非エロ
・タイトルは『魔法少女リリカルふぇいと』
え、え〜と、ユーノです。何で僕が最初のナレーションをするのかと言うと……
「みんなが見てた……同じジュースを2つのストローで……あれ、紙コップだよ? お洒落なグラス
じゃ無いよ……みんな笑ってた……店員まで笑ってた……子供が指差してた……」
……まあ、フェイトが良い感じに壊れてます。
どうすれば良いんだろうね?
それにしても、もう逃げ場が無くなりました。この分だと家まで押しかけてくるのも時間の問題。
いっそ、フェイトと引き換えにジュエルシードを要求するって手もあるけど……
今まで散々世話になっておきながら、そんな真似は出来ない!
うん。どっちにしても、そんな要求したところで、聞いてくれないだろうしね。
むしろ、自分の身の方が心配だし。
……なんで、こんな事になったんだろ?
まあ、気を取り直して、魔法少女リリカルふぇいと、始ります。
第7話
3人目の魔法……って、僕は!?
レイジングハートの悲鳴と共に光の柱が建った。
どこまでも高く伸びる光に気圧されるように、周囲の者が吹き飛ばされる。
「ちょ、ちょっと!」
中でも、フェレット姿で体重の軽いユーノは、一際遠くまで飛ばされ、幸運にも、なのはと距離が
出来た。
だが、大元の事態は好転してはいない。ジュエルシードは怪しく脈動を続け、今にも弾けそうな
禍々しい気を放ち続けていた。
「レ、レイジングハート?」
『…………マス……ター………』
「……壊れちゃった」
「なのは! やばいよ!」
立ち上がった、なのはもジュエルシードの異変に気付く。
現在はデバイスも壊れ、打つ手が無いかに見える。
だが、なのはは何の躊躇いもなく、ただ一言。
「アルフ、ゴー!」
「オッシャァァァァ!」
非情にも使い魔に制圧を命ずる。
「止まれ……止まれ……」
「ふれー! ふれー! ア・ル・フ!」
主の声援を背に、アルフはジュエルシードを握り締め、発動を抑えようと魔力を込める。
ジュエルシードを持った手からは血が流れ出しているが、それでもアルフは力を弱めない。
「うわぁ…………鬼だ」
ドン引きするユーノを尻目に、なのはの心温まる声援を背にしたアルフは、ジュエルシードの
発動を止めると、力尽きて倒れた。
「アルフゥゥゥゥゥ!……な、何でこんな無茶を?」
アンタがやらせたんだろ! と、ツッコミを入れたいのを我慢して、ユーノは物陰に隠れる。
心の底から関りたくなかった。
「なのは……ほら、ジュエルシード」
アルフが、そう呟くと、掌をひらいて、その中にあるジュエルシードを差し出す。
……かなり、血塗れだった。
「アルフ、ありがとう……レイジングハート、回収を」
『………………………………』
「レイジングハート?」
返事がない。壊れているようだ。
「レイジングハート……えいっ」
なのはは、一声上げると、ジュエルシードを宝玉部分に押し当て、グイグイと捻じ込むように入れる。
『チョッ……オマチ……クダ……』
「………………よし、入った♪」
『……イタイ……イレチャ……ダメー……』
「大丈夫だって、ちゃんと全部入ったから♪ さて……アルフ?」
「………………………………」
「レイジングハート?」
『………………………………』
お供のダメージは限りなく大きかった。
さすがに手当てと修理の必要があり、デートの続きは困難だった。
「仕方ないか……フェイトちゃん。続きは明日で良いかな?」
「………………………………」
そして、フェイトは依然と死んだ魚の目をしたままだった。
ユーノは身を隠したまま、この酷い修羅場を観察する。
「うん。それじゃあ、明日は……公園で、お散歩なんてどうかな?」
「………………………………………」
「えへへ♪ じゃあ、明日の夕方に公園で待ち合わせしよう」
返事がないのを同意だと勘違いしているのか、それとも、これが彼女の日常なのか、マイペースに
話を進める。
「じゃあ、明日……って、そうだ。可愛い動物さんは? さっきまで居たんだけど」
そう言って、辺りをキョロキョロと見渡す。
ユーノは身体を縮め、見つからないように、やり過した。
「…………いないや。持って帰ろうと思ったのに……まあ、明日会えるよね」
明日になったら忘れていて欲しい。ユーノは心の底から願った。
「じゃあね。フェイトちゃん。また明日♪」
そう言い残すと、なのははアルフを抱きかかえて飛び去っていった。
そして、ようやく平穏が訪れると、ユーノはフェイトの元へと向う。
「フェイト、もう大丈夫。あの子は帰ったよ」
「………………ユ、ユーノ………来るの……遅いよ」
正気に戻った途端、フェイトは泣き出した。
そして、ユーノは、フェイトが泣き止むまで延々と愚痴を聞かされる羽目になるが、今の彼にとって
フェイトの愚痴程度は痛くも痒くも無かった。
(持って帰るか……明日こそ、何処かに隠れていよう)
何しろ、明日は我が身、しかも、待ち受けているイベントはデートどころでは無いのだから。
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
「アルフ、大丈夫?」
「平気だよ」
怪我を気遣う主に、アルフは力強く答えるが、手の出血は完全には止まらないでいた。
この、攻撃に特化した主従は、回復魔法を使えないのだ。
「アタシの事よりさ、レイジングハートは?」
「うん。一応、自己修復の最中だけど」
「時間がかかりそうだね」
台座に置かれた待機状態のレイジングハートは、静かに点滅し、自らの傷を癒している。
「そうだ。1度お母さんの所に帰ろう」
「あ? なるほど」
プレシアの元でなら、アルフの治療もレイジングハートの修復もはかどる。
現状では、新たなジュエルシード探索もままならないし、報告しなければならない事もある。
「恋人が出来たんだもんね。急に紹介するって連れて行くと、お母さんビックリしちゃうし、
先に伝えた方が良いよね」
「そうだよ! さすが、なのはだ。優しいや」
すでに恋人になったらしい。フェイトが聞いてたら泣くだろうが、どうせ否定しても無駄だし
聞けなくて幸運だったろう。
「じゃあ、明日の朝に向うへ行くとして……今のうちに、お土産を買ってくるね」
「1人で大丈夫かい?」
「平気だって。アルフは怪我してるんだから大人しくしとくように」
「う、うん……って、やっぱり行く! 外の空気を吸った方が良いし、お願い! 連れて行って!」
ただでさえ、手が痛いのに、ここで待っていたら胃まで痛くなってしまう。
それより、さっさと買い物を済ませ、明日に備えて寝たほうがマシだった。
「そ、そう? じゃあ、一緒に行こうか」
「うん」
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
翌朝、なのはが里帰りのために転移魔方を発動させた頃、重く圧し掛かる空気を纏った小学生が
トボトボと学校への道のりを歩いていた。
そう、高町フェイトである。
「はぁ〜〜」
そして、昨日から何度目になるか分からない溜め息を吐いた。
気が重い原因は、今日の夕方のイベントを想像するためだ。
昨夜、何とか回避する手段をユーノと相談したが、互いに相手を生贄に差し出す以外の名案は出ず、
最後は自分だけ逃げないよう、お互いに約束して、話し合いは終了した。
「何やってたんだろ?」
改めて考えると、実に無駄な時間を過したものだ。
だが、あまり暗くなっても仕方が無い。もうすぐ学校に着くし、せめて学校だけでも楽しもうと
考え直す。
「うん。昨日はアリサとすずかに心配かけたみたいだし、謝らなきゃ」
そう呟くと、早足に学校へと向う。
まあ、現実逃避ではあるが、それを言うのは酷と言うものである。
だが、フェイトが知る由も無かった。今日の学校が、彼女にとって安息の地にならない事を。
「ん?……」
最初に気付いた違和感は、自分に対する視線を感じる事だった。
だが、普段から容姿と運動神経の良さで注目を浴びる事が多いため。今回も大して気にすることなく
やりすごしていた。
そして普通に授業を受けるが、やがて時間が進むに従い、だんだんと視線の数が増えていく気がする。
それを不思議に思いながらも、昼休みに突入した。
「アリサ、すずか、今日は何処で食べる?」
フェイトは普段との違いが気にはなりながらも、普段どおりアリサとすずかを食事に誘う。
「う、うん」
「そ、そうだね。聞きたい事もあるし、屋上に行こうか?」
「聞きたいこと?」
フェイトは質問を促すように首を傾げるが、移動を急かされて、何も聞けないまま弁当を広げる事に
なった。
「それで、聞きたいことって?」
フェイトが質問の内容を急かす。普段はそんな真似はせず、相手のペースに合わせるタイプだが、
アリサとすずかの様子が変だ。それだけでなく今日は周囲の反応もおかしい。
さすがにフェイトでも気になっていた。
「ア、アリサちゃん……」
「そ、そうね……」
アリサは表情を引き締めると、ビシッとフェイトを指差しながら口を開く。。
「隣のクラスの奴が見たって言ったんだけど、フェイト、アンタさ……昨日の子と
ファーストフードで、その……ジュースを……」
フェイトが硬直する。まさか見られた?
「う、嘘だよね。フェイトちゃんは、そんな“変”なことしないよね」
「そうよね。フェイトが、そんな“バカなマネ”するわけないし」
“変”なこと“バカなマネ”
間違いない。アレを見られてしまった。
「フェイトちゃん?」
「フェイト?……ウソでしょ?」
フェイトの顔色が悪くなり、全身から嫌な汗が滲み出る。
その態度はアリサの質問に対し、YESと言っている様なものだった。
そして、訪れる奇妙な沈黙。フェイトは上手い言い訳を言おうとするが、殺されるのが嫌だから
仕方が無く、と言っても、信じてはくれないだろう。
「あ、あの、フェイトちゃん、そんなに気にしないで良いよ!」
「そ、そうよ! フェイトがヘンタイ…」
「アリサちゃん!」
「あ!? ち、違う! そう! フェイトが、その……そっちの趣味でもアタシは気にしないから!」
「うん♪ 私たちは友達だから。フェイトちゃんが女の子を好きになっても応援するよ」
「そうよ。友達だからね。まあ、世間の目は厳しいだろうけど、頑張りなさい」
優しさが痛かった。凄く痛かった。マジで痛かった。思わず涙があふれ出す。
「フェイトちゃん、泣いたらダメだよ。禁断の愛を選んだんだから。これくらいで泣いてたら
これから先、耐えられないよ」
「違う……違うんだよ、すずか」
「ホラ、涙拭きなさいよ。昨日はファーストフードでバカップル飲みを披露したんでしょ!
その勇気があれば、何だって出来るわよ」
「バカ……うぇ〜〜ん!……」
フェイトは泣いた。声を上げて泣いた。
そして、その後も自分に向けられる視線の正体、変態を見る視線を浴びながら午後の授業を受ける
羽目になった。
生温かい視線と、気持悪いものを見る視線を浴び、時折耳に入る子供らしい率直かつ残酷な単語が
耳に入る。
フェイトの神経は、次第に磨耗していった。
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
優しくて、明るくて、プレシアにとって本当に自慢の娘だった。
物心付いた時には父親の顔すら知らなかった。それでも寂しさを口にする事無く、母の周囲の
研究者たちと打ち解け、彼等を家族と慕い、笑顔を振りまいていた。
そんな環境に育った所為か、機械に興味を持ち、特に離れた場所に居る母と会話できる通信機能が気に
入ったのかデバイスへの造けいは深く、行く行くは母親を超える研究者になるだろうと周囲に
期待もされていた。
また、ケンカが嫌いで、研究の行き詰まりから口論を始めることもある“家族”を叱り付ける事も
あった。
過酷なスケジュールを強要する上層部への不満と困難な研究に、匙を投げずに続けてこれたのは、
ひとえに娘の“なのは”がいたからこそだろう。
しかし、その研究が愛する娘を奪った。あの忌まわしい事故で……
――こんなはずじゃなかった――
そして禁忌に手を染めた。娘と共にこれまでの仕事を失った後、プレシアは地方で魔導研究に従事し、
数年間の内にいくつものプロジェクトを成功させると、作業成果と特許料によって莫大な金額を手に
入れた。
そして、それを用いて娘を蘇らせるための研究を始める。
そこで、この方法ならと思って着手したのが、娘のクローンを作ることだった。
あの、愛しい娘と再び過したい。そんな願いを込めて。
しかし、復活した娘は別人だった。我がままで、乱暴で……
――許せなかった――
愛する娘と同じ顔をした化け物を憎んだ。
この時のプレシアの精神状態は普通では無かった。否、明らかに狂っていた。
大切な娘を失い、狂気に取り付かれながら金を得るために様々な研究に従事し、ようやく苦労して
完成したクローンは自分が想い描いた娘では無かったのだ。
廃棄しようとも思ったが、娘と同じ顔をした少女を手にかけるのは気が引けた。
それに、娘を蘇らす事を諦めてはいなかった。今回の方法でダメだった以上、他の手段となると、
明確に違法や禁術に手をつけなくてはならない。プレシアは、この時点で管理局の保管する
ロストロギアの中に、使えるものがあれば強奪も厭わないと考えていた。
そして、そのためには実行役がいる。優秀な戦力が必要だった。
正に、この偽者は打って付けだと考えた。
――そうだ。この娘は、そのために作ったのだ――
プレシアは、自分をそう納得させた。
それどころか、そう考えると次こそは上手く行くと思えてくる。
プレシアは、この偽者が上手く戦えるように、戦闘に特化した思考を持つインテリジェントデバイスを
作成し、使い魔として前以って蘇らせたリニスに、自らの技術と知識のうち、戦闘と偽者を育てるのに
役立ちそうなものを圧縮して送り込むと、教師役の使い魔として完成させた。
プレシアは、このリニスも嫌いだった。蘇ったなのはが、悲しんでは可哀想だと考え、使い魔として
先に蘇らせた山猫は、以前の主人の都合など考えず、部屋を散らかし、呼んでも来ないくせに、
来て欲しくないときに来る、そんな可愛げのない家族ではなくなっていた。
大人しく主の命を待つ真面目な魔法生物。使い魔とはそんなものなのだ。
だから、見たくも無い偽者の2人を纏めて放っておけばいい。
そして、自分は愛しい娘の眠るポッドの前で研究に時間を費やす。名案だった。
――そう。名案のはずだった――
最初の異変は、大人しく主の命令を待つ真面目な魔法生物の反抗だった。
「無理です! あの子は私の手に負えません!」
無論、無視した。何故、偽者の言う事なんかに耳を貸さねばならないのか?
だが、プレシアは後悔することになる。リニスは元々、主人の都合など考えず、部屋を散らかし、
呼んでも来ないが、来て欲しくないときに来る、そんな可愛げのない家族だった。
その事を忘れていたのだ。
そう。リニスは、使い魔になってもリニスだった。聞いてはくれないプレシアの元に、なのはを
送り込んだのである。
「お母さ〜ん、見て見て♪」
チュドォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!!!
プレシアは、お話と言う名の攻撃を受けて、初めて悟った。
――取り返しの付かない事をしてしまった。とんでもないものを作ってしまった――
だが、この時のプレシアは、まだ分かっていなかった。リニスの本質も、そして、なのはの事も。
何しろ、今の彼女に冷静な思考など出来るはずも無い。
だから伝えた。自分を母だと信じる偽者に出生の秘密を。
だから見せ付けた。偽者に本物の姿を。
だが……
「ふ〜ん……じゃあ、わたしのお姉ちゃんなんだ」
事実を知って、ショックを受けて絶望するはずの偽者は、笑顔で姉の存在を喜んだ。
そう。この我がままで、乱暴で、凶暴な偽者は、同時に明るく、優しい、なのはと同じ存在だった。
そして、乱暴になった、なのはに振り回され、段々と横柄になってくる使い魔に憤慨しながら、
プレシアは何時しか自分を取り戻していた。
それは、形を変えながらも、プレシアが愛した家族が戻っていた事を意味していたのだ。
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
「……そう思っていた時期が、私にもあったわね」
プレシアが遠い目をして呟くと、目の前の少女、なのはが首を傾げる。
「ん? お母さん、どうかしたの?」
「いえ……それより、その恋人とやらは、貴女の事をどう思ってるのかしら?」
「もちろん、愛してるに決まってるよ♪」
どう考えても嘘だ。あえて言うなら思い込みといったところだろう。
レイジングハートの修理とアルフの治療に帰ってきた、なのはの報告は驚くべきものだった。
未だに4つしか手に入れてないと聞き憤慨しかけたが、アルフが予備があると言い出した。
つまり、“恋人”になった“少女”が幾つか持っていると。
その言葉に違和感を感じ、レイジングハートの修理が一段落すると、詳細な説明を求める。
そして、2人がお土産に持ってきた『翠屋のシュークリーム』を食べながら、ゆっくりと、なのはが
向うの世界に行ってからの出来事を聞いた。
だが、その現地の魔導師が、どうして、なのはの恋人になったのかが理解できない。
どう考えても、怯えて同行したとしか思えないのだが……
視線でリニスに問いかける。彼女も同じ考えだったのだろう。なのはでは無く、アルフに問いかける。
「アルフ、貴女は、その少女となのはの関係をどう見てます?」
「そりゃあ、お似合いだよ」
「正直に、心の底から、思ってる事を、言いなさい」
強い口調で一句一句、嘘は許さないという意思を込めて問いかける。
「…………オニアイダヨ」
「OK、解りました……プレシア、この通りです」
「……なるほどね」
治療を終え、さっきまで喜んでいたアルフの目が死んだ魚のように濁った。プレシアも何があったかを
正確に理解して頭を抱えた。
ジュエルシードを保持している以上、戦闘は避けられないとして、それでも勝手に恋人にされてた
少女を思うと、何でこんなものを作ったんだろうと溜め息が出る。
そして、口に運んだシュークリームの心地良いと感じた甘さが、今は何故か悲しい味に変わっていた。
「それで、今日も夕方からデートなんだ」
「そう……」
その憐れな少女のために、今日中にはレイジングハートの修理が終らないから、今夜は泊まっていけと
嘘を吐こうかと考えると……
「そうですか。では、レイジングハートの修理も終りそうですから、そろそろ……」
「この駄目猫!」
ひたすらに気ままで、自分本位な使い魔の一言で、あっさりと目論見が崩れる。
「むっ? 聞き捨てなりませんね」
「黙りなさい」
自分の使い魔ながら、駄目すぎる。
維持が大変だからと手を抜かずに、もっと、ちゃんとしたものを作れば良かったと後悔するが、
最早手遅れ。まあ、だからこそ後悔と言うのだが。
「ん? お母さん、リニス、どうしたの?」
「気にしないで下さい。プレシアは、なのはがお嫁に行くのを寂しがっているだけですから」
「え? そうなの?」
「はい。世の中の親というものは、そんなものです」
「えへへ……親子」
ちょっと待て、色々突っ込みたいが、なのはが上目遣いで見てるので何も言えなくなる。
「ですが、なのは。私は応援します。頑張ってください」
「うん。ありがとうリニス」
この駄目猫、なのはを他所に押し付けるチャンスだと思ってやがる。
本気でお仕置きしてやろうかと考えると、リニスが澄ました顔で皮肉る。
「プレシア、なのはが居なくなると、そんなに寂しいんですか?」
「え? べ、別に……」
だが、そう言われて、プレシアは本気で慌ててしまった。そんな筈は無い。そう言いたいが声が
出なかった。
そして、その反応はリニスにとっても意外だった。
「……プ、プレシア? まさか、図星ですか?」
そして、レイジングハートの修理が終り、なのはが出て行くまで、微妙な空気を漂わせたまま、
主従は沈黙を続けるのだった。
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
「もうすぐ時間だ……」
ユーノは、時計を見ながら項垂れる。この時間まで懸命に頭を絞った。
どうすれば、お持ち帰りの運命から逃れられるのだろうか?
だが、名案が出ないまま時間だけが過ぎ去り、タイムリミットは間近である。
「やっぱり、逃げようかな……」
そう呟いた瞬間……
『ユーノ』
「ヒッ!」
タイミングよく、フェイトからの念話が入る。
悪魔の誘惑に屈しかけていた手前、緊張しながら念話に応じた。
『ど、どうしたの?』
『来い』
『え? は、早くない?』
『いいから来い。公園』
『え、え〜と……』
何やら様子がおかしい。確かにフェイトはお喋りとは言えないが、こうも必要最小限の単語しか
口にしない子ではなかったはずだ。
『さっさと来ないとユーノから殺す』
ヤバイ。よく分からないがテンパッてる。おやつを食べたら出かけようと決心する。
『わ、わかった』
『悠長におやつ食べた後でなんて言わないように』
『も、もちろんさ。すぐに行くよ』
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
渋々と家を出て、公園に向かうと、只ならぬ気配を発しているフェイトが見えた。
異様な鬼気が漂っている。
『フェ、フェイト?』
ゆらり……と、フェイトがユーノに視線を送る。
「ヒッ!」
怖い。何だか、凄いことになっている。
『え、え〜と……フェイト?』
「結界の準備を」
周囲に人が居ないとは言え、ユーノが気を使って念話を使っているのに、フェイトは普通に口を
開いた。
その気迫に押され、ユーノも普通に口で喋る。
「あ、あの……」
「だから、あの子が来たら殺るから……着いたら、すぐに結界を」
「殺るって!?」
「そうだよ。殺るよ。そうしないと私に明日は来ないの!」
「ちょ、無理だよ。勝てないって! 逆にフェイトのほうが殺されるって!」
「殺される?……」
「う、うん」
自暴自棄になってるフェイトを慌てて止めるが、やはりフェイトの目がおかしい。
今も殺されると聞くと、なにやら嬉しそうに笑っている。
「うふふ……それ、良いね。うん。死んだら楽になれるかな?」
「フェイトォォォォォ!!! しょ、正気に戻ってよ! って、バルディッシュ、何があったの?」
フェイトでは埒が明かない。何があったか聞く相手を一緒に居たはずのバルディッシュに代える。
バルディッシュは、短い沈黙の後、その重い口をゆっくりと開いた。
『ご学友に見られたのです。昨日のアレを』
「アレって?」
『ファーストフードで……』
ユーノは思い出した。喫茶店でやるのでさえ、強大な精神力を必要とするバカップル飲みを、あえて
ファーストフード点でやった勇者が居た事を。
あの時のフェイトの死んだ目は忘れようがない。
『本日のフェイト殿の学び舎は地獄でした』
「冷たい視線を浴びたんだね?」
『9割方は……さらに1割の祝福する言葉と視線が追い討ちとなりました』
「そう……」
『最早、フェイト殿には、あの少女を倒す事でしか明日を切り開く術はありません!』
「バ、バルディッシュ!?」
『さあ! 結界の準備を!』
「君もか?」
バルディッシュもフェイトに同調して、おかしくなってしまった。
ここは、自分が何とかしなくてはと考えてると、異様な気配を感じた。
「これって!?」
ジュエルシードの発動。木がジュエルシードを飲み込んで動き始めてしまった。
「こ、こんな時に!」
「肩ならしに、ちょうど良いね」
『yes sir』
焦るユーノを尻目に、好戦的になったフェイトの目が怪しく光る。
「ユーノ、結界」
「はい」
逆らい難い何かを感じ、言われたとおりに結界を展開すると、フェイトはバルディッシュを起動させ、
バリアジャケットを身にまとう。
「バルディッシュ!」
『Photon Lancer』
「ファイアッ!」
金色の閃光がジュエルシードを取り込んだ木に向って飛翔する。
だが、その身を穿つはずの閃光は、障壁によって阻まれた。
「シールド!?」
まさか、シールドを展開するほどの知性があると思っていなかったユーノは驚きの声を上げるが、
横から聞こえる笑い声に身を竦ませる。
「クスクス……あの子と同じことをするんだ?」
「フェ、フェイト〜?」
「本当に……良い肩慣らし!」
『Scythe Form 』
「フェイト、落ち着いて!」
バルディッシュをサイズフォームに変形させると、危険だと叫ぶユーノを無視して一気に突っ込む。
木の根が、蛇の如く襲い掛かるが、フェイトはそれらを完全に見切り、かわしながら距離を詰めると、
金色の刃を叩き付けた。
「はあぁぁぁぁぁっ!」
シールドが金色に刃を受け止めるが、それも一瞬の事で、シールドを砕きながら金色の刃が木の幹を
抉るように切り裂く。
「薄いシールド」
「フェイト! 後ろ!」
傷付けられたジュエルシードを取り込んだ木は、自らを守るため、その武器である根をフェイトの
背中から貫かんと向わせる。
だが、フェイトはユーノの声が聞こえても、その場を離れず、身体を半身にすると襲い来る根を
バルディッシュで次々と切り裂き始めた。
「す、凄い……」
ユーノは、思わず呟く。最近では、なのはの暴走の激しさに振り回されていたが、改めて考えると
フェイトは元々、ジュエルシードを取り込んだ化け物程度なら、それほど苦労せずに倒していたのだ。
そして、現在はなのはを倒すために訓練し、ずっと強くなっている。
そう見えないのは、なのはが強すぎるだけで、フェイトが弱いわけでは無いのだ。
「本当に強……いっ!?」
「無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁぁぁぁ!!!」
『フェイト殿の槍裁きは世界一ィィィィィ!!!』
フェイトとバルディッシュのテンションが異様に上がっている。次々と襲い掛かる木の根を
切り裂きながら、バルディッシュの石突部分で、ジュエルシードを取り込んだ木に出来た目を刺す。
「うわぁぁ……」
えぐい。ユーノは前から薄々思っていたが、フェイトは意外と容赦がない。
案外、なのはとお似合いではないかと思うが、それを口にしたら絶対に殺られる。
「フォトンランサー!」
そして、木の根の勢いが落ちたところで、近距離からのフォトンランサー。普段の連射重視の細い
針では無く、閃光が槍となって放たれる。
「これで……しぶとい」
だが、止めを刺すには、少し威力が足りなかった。なのはの砲撃を見た後だから、余計に感じるのか、
フェイトは魔導師として、汎用性が低い。
敵はすでに死に体。反撃する力さえ碌に残されていないにも関らず、今回のように巨大な相手だと、
簡単に倒す事が出来ないのだ。
ユーノは、自分に攻撃魔法の才能があれば、援護が出来るし、フェイトにも教える事が出来たと
考えるが、それは無いもの強請りでしか無いことは分かっている。
だが、今のようにフェイトが肩で息をしているのを見ると、もっと力があればと思ってしまう。
その時……
「ディバイイィン バスタァー!」
フェイトと戦闘していた相手が、桜色の閃光に飲み込まれる。
そして、真面目なことを考えてると、直ぐに空気を壊す人がいたなと、ふと思い出した。
「来ちゃった」
ユーノが呟いて、上空を見上げると、そこには白いバリアジャケットを纏った少女が浮かんでいた。
「フェイトちゃん、大丈夫?」
「………来たね」
その言葉を聞いた、なのはに喜色が浮かぶ。自分を待っててくれたのだ。
いきなり戦闘をしていたから驚いたが、ここは1つデートっぽくムードのある言葉を……
幸い夕方の時間の海岸線は夕日が照らしていた。これを利用しない手は無い。
「き、綺麗な夕焼けだね」
頬を染めながら、そっと呟く。
出来れば、ここで「君の方が綺麗だよ」と言って欲しかったが、答えは帰ってこない。
ここは、もう少し攻めなければならないと判断する。
「で、でも、フェイトちゃんの方が、ずっと綺麗だよ」
すかさず、こちらから言った。
自分の言葉に照れるフェイトを想像しながら彼女を見ると、そこには冷たい視線を放ちながら
デバイスをこちらに向ける愛しい人の姿。
「フェ、フェイトちゃん?」
「フォトンランサー!」
「キャア!」
突然の恋人からの攻撃に、なのはは驚きながらもシールドを展開して防ぐ。
そして、驚くなのはを尻目に怒れる使い魔が行動を起こす。
「なのは! よくも!」
「待って! アルフ!」
飛び出しかけたアルフだが、なのはの制止に反応し動きを止める。
だが、なのはも止めたは良いが、次のアクションに困っていた。それも当然だろう。彼女にとっては、
全く攻撃される覚えは無い。
何故なら、2人は愛し合ってるのだから……
「フェイトちゃん……」
悲しげな瞳で、愛するフェイトを見つめるなのは。
返すは殺意を秘め、狂気に片足を突っ込んだ視線のフェイト。
そして、全てを知り、呆然と眺める冷めた視線の小動物。
「うわぁ……出来あがってるよ」
瞳をウルウルさせて、悲劇のヒロインぶってる。そんな、なのはを見てユーノは溜め息を吐く。
気持が擦れ違ってるなんていう生易しいレベルでは無い。
だが、それでもフェイトに攻撃されるなど、なのはにとっては青天の霹靂であった。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!」
「フェイトちゃん!」
シールドを展開して、フェイトの斬撃を受け止める。
狂気に彩られた視線に射抜かれ、悲しみが増す。
「わたし、フェイトちゃんとは戦えないよ」
悲しげに呟く、なのはを見ながら、ユーノは呆れると同時に、このまま倒せるのではと淡い期待を
抱いた。
千載一遇の好機。フェイトが殺人のタブーを犯すが、ここで仕留めれば……ユーノの心で悪魔が囁く。
だが、ユーノの耳に、現実の悪魔の声が入った。
『マスター、あのフェレットを人質にして、落ち着かせましょう』
「そうか! さっすがレイジングハート♪」
「ちょぉぉぉぉぉぉぉ!」
「アルフ!」
「おっしゃぁぁぁ!」
支援しておいたほうがいいかな
ユーノは完全に油断していた。
動揺したところをアルフに接近され、捕まってしまう。
「ゲット!」
「うわぁぁ!」
そして、アルフはユーノを掴んだまま、なのはの元に行き、その手を前に差し出す。
「さあ、お嬢ちゃん。コイツに怪我されたく無かっ…」
「フォトンランサー」
「「ちょぉぉぉぉぉ!?」」
人質ごと貫かんと放たれた閃光は、緑色のシールドに阻まれ、アルフは難を逃れる。
「ユーノ! 今のシールド、ユーノのでしょ!? なに? 向うの味方するんだ?」
「今のは防がないと僕が危なかったじゃないか!」
「根性なし」
「あのね……」
口論を始めるフェイトとユーノを見ると、アルフは視線をレイジングハートに送る。
「おい?」
『ふむ。最悪の主従ですね』
そう呟いた瞬間、フェイトが突然笑い始めた。
「そうだ! アハハ 何で気付かなかったんだろ?」
「フェイト、目が怖いよ……」
「ユーノ、変身を解いて。本当の姿を現すのよ」
「そ、そうか!」
フェイトが邪悪に微笑む。かつて、自分が想像して苦しんだ姿、マッチョフェレットの勇姿。
それが、なのはの目の前で現れるのだ。その凶悪な姿が今なら頼もしく感じる。
そして、ユーノが緑色の光に輝き、驚愕する2人の目の前で光が大きく膨らむと……
「あれ?」
「男の子?」
そこには、想像していたマッチョなフェレットではなく、端正な顔立ちの少年がいた。
うなされそうな凶悪さは何処にも無い。声に合った優しげな顔立ち。これが普段だったら頬の1つでも
染めるところだが今はタイミングが悪かった。
「……うそつき」
フェイトはユーノにデバイスを向けながら、憎悪を込めて呟く。
今まで散々、自分を悩ませておいて、いざ武器に使おうと思ったら想像と違いましたなんて、
本当に世界は悪意に満ちている。
そして、怒りを込めたフォトンランサー発射。
「ユーノのバカァァァァァ!」
「ちょぉぉぉぉぉぉっと待てぇぇぇ!」
「この、嘘つき! 嘘つき! マッチョじゃないじゃない!」
「マッチョって何のこと!?」
ユーノは訳が分からないまま、錯乱するフェイトが疲れるまでシールドで弾き続ける。
ようやくフェイトが疲れて、動きが止まったところで、ユーノは早速、自分の目的を果たそうと、
なのはとアルフに振り向く。
「さあ、僕は人間だ。ペットになんか出来ないぞ」
そう。何で今まで思い付かなかったのだろう。なのはは、自分をフェレットと思っていたから
ペットにしようとしていたのだ。
だったら、本当の姿を見せれば、問題は無いのだ。ユーノは今までの自分の迂闊さに苦笑いする。
「なのは?」
そしてアルフは、目を瞑りコメカミに指を当て考え事をしている、なのはに判断を仰ぐ。
なのはは、暫く悩んでいたが、目を開けると、一言だけ呟いた。
「人間の男の子を飼うのも面白そうかも」
支援
ユーノは、自分の迂闊さに冷や汗を垂らす。彼女を常識で考えた自分が馬鹿だった。
「でも、なのは。人間の男の子を飼って、どうすんの?」
「え〜とね、椅子にしたりとか?」
「「椅子?」」
ユーノとアルフが同時に声を発する。空耳だと思いたいが、深く考えてる暇は無い。
もう逃げよう。幸い今は拘束されて無いのだから。それに、下手に使用法を聞いたりしたら、
精神の方が戻って来れなくなる。
「あ、逃げた?」
ユーノが逃走に移ったのを、なのははしっかりと確認していた。
「アルフ、あっちはお願いね」
「任せな!」
「もう、イヤァァァァァッ!」
なのはは泣きながら逃走するユーノをアルフに任せて、フェイトと向き合う。
可愛い動物さん兼、可愛い男の子のペットも大事だが、今は錯乱した恋人を元に戻さなくては
ならない。そう、愛の力で。
「フェイトちゃん、何があったの?」
「うるさい! 貴女の所為で!」
今日、学校であった事を思い出しながら、フェイトはバルディッシュで斬りかかるが、なのはの
シールドに容易く受け止められる。
「どうして!? 恋人同士が戦うなんて変だよ!」
「キエェェェェェェ!」
恋人という単語に反応したフェイトが、完全に切れてしまった。
「フェイトちゃん! わたしだよ! 恋人のなのはだよ! 正気に戻って!」
「ウキィィィィィィィィッ!」
傍から見れば、頭のおかしくなった少女を元に戻そうとする一生懸命な少女という美しい構図だが、
狂わせた原因が正気に戻れと言っても説得力も効果も無かった。
だが、重要なのは、なのはにその自覚が全く無い事だ。そして、それは彼女が持つデバイスも同じ。
『マスター、彼女は正気を失ってます。話し合って落ち着かせましょう』
「うん。そうだね」
なのはがデバイスを構えて“話し合い”の準備に入る。
そして……
『Divine Shooter』
「シュート!」
フェイトに襲い掛かる桜色の光弾。それらをバルディッシュで叩き落すが、フェイトは
先ほどから無駄に魔力を使っていたため、魔力切れで気が遠くなり始めていた。
「くっ……」
「フェイトちゃん、これで……目を覚まして!」
『Divine Buster』
自分に迫ってくる光がゆっくり見えフェイトは微笑む。
今の残された魔力では、シールドを張っても耐え切れない。
だから、無防備で受ける。これで楽になれるのだから……フェイトは、そっと目を瞑り、静かに
心を安らかにして最後の時を待つ……
(父さん、母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、先立つ不幸をお許しください。
アリサ、すずか、誤解されたままなのは残念だけど、友達でいてくれてアリガト。
それとユーノ、色々とゴメンね。ジュエルシードの事とか、守ってやれない事とか、
マッチョと勘違いしてた事とか……ん?)
……だが、中々衝撃が来ない。そっと、目を開けると目の前でラウンドシールドを展開している
人物の背中が見えた。
「……ユーノ?」
一瞬、そう思ったが、髪と服の色が黒く、魔力の光は水色だった。
支援
「ストップだ!」
なのはは、突然現れ自分の攻撃を受け止めた人物を見ていた。
そして、思考が高速で回転し、何者かを導き出す。
今まで見たことも無い少年……
「時空管理局の…」
昨日まではラブラブだったフェイト……
「クロノ…」
だが、今日になると、おかしくなっていた……
「ハラオウンだ…」
まるで、正気を失って……洗脳?
「話を…」
昨日別れてから、今日会うまでの間に何かが起きた。そして今、目の前には謎の少年……
「聞かせて…」
全ての謎は解けた。愛するフェイトを洗脳し、操っているのは、この男だ。
「もら…」
「死ぃねぇなぁのおぉぉぉぉっ!」
「おぉぉぉぉぉっ!?」
なのはの怒りが爆発した。
続く
投下終了です。
良いところでブツ切りな第7話でした。
なのはのライバル(?)登場で、次回からは戦闘が一方的では無くなります。
それでは、久しぶりの登場人物紹介
プレシア・テスタロッサ
なのはの母親。優秀な大魔導師であり、研究者。
愛娘のクローンを作りながらも、完成したらアレだった残念な人。
なのはの魔力光は金色で無く桜色のため、アニメのようには憎悪まではしていない。
ただ、ひたすらに呆れている。もう後悔と反省しまくりです。
リニス
駄目猫。本当に駄目な奴だが、原因はプレシアが維持が大変だからと手を抜いて作った所為。
本気で、この作品のプレシアは残念な人です。
能力的にはアルフと同レベルで、もちろんデバイスなんて作れない。
ただ、維持は楽でプレシアにとっては居ても居なくても変わらない程度の魔力消費しかない。
>>502 GJ!今回も笑わせてもらいました
立場は変わっても変わらず薄幸属性のフェイトに泣ける・・・
でもこの天然に極悪ななのはさんはかわいくて好きだw
クロノは大丈夫なのか?!続き気になります
なるほど、
なのはさん→フェイト→クロノ
なのか……?
>>502 GJ!
にしても、フェイト擦り切れてるなあw
まあ、あんなモノを見られりゃあそうなるのもやむなしというところでしょうか。
クロノも登場して、次回どうなるやら。楽しみにしてます。
なんというドタバタw
なのはさんフリーダムすぎるww
人間ユーノもペット扱いかよ…って、あれ?実はそれ本編も変わらない?まぁいいか
フェイトさんの平穏は戻ってくるのかなぁ…
>>502 GJ! こんな壊れたフェイト(9)は初めてみましたよ。
この後の展開のセリフを当てはめてみたら・・・
イカン、腹が捩れてwww
後クロノ、登場早々戦闘不能と言う展開は某ロジカルを思い出しました。
>>502 GJ!フェイトの壊れっぷりも凄まじいが、さらに斜め上言っているなのはさんがヤバすぎるwwwww
なのはさんの脳内思考は、全てが異次元空間だろうから我々常人には理解不能なんだろうなw
そしてクロノ。出てきて早々サヨウナラ。キミノコトハ、ワスレナイヨ
てか、“死ねなの!”はいかんですよw
509 :
サイヒ:2008/07/16(水) 22:13:03 ID:obSBsGCJ
初心に帰って、特に中身無くクロフェがいちゃついているだけの話なんぞ投下します。
クロノ×フェイトでエロ。言うまでもないでしょうがクロフェ時空。
本編終了直後で、二人が新婚間もない頃という時間軸です。
前後編。どっちもエロはあります。
(…………遅い)
ある日の夕刻、クロノは自宅のリビングで少しイライラしながら妻であるフェイトを待っていた。
仕事や長期航海が忙しくなかなか帰って来れない家であり、それだけに仕事の空気は持ち込みたくなく
て帰るとすぐ制服を脱いでラフな格好になるようにしているが、今のクロノは制服ほどではないがきっち
りとしたタキシード姿だった。
(準備始めてからかなり経つし、部屋に呼びにいった方がいいか?)
時計に目をやっているクロノに、対面の席に座ってジュースを飲んでいたアルフが声をかけた。
「クロノ、あんた時計見すぎ」
「そうか?」
「十秒に一回は見てるよ。せっかちだねえ。まだパーティーが始まるまでたっぷり時間はあるんだし、落
ち着いて茶でも飲んでなよ」
「でも、もう三十分以上経ってるんだぞ」
「まだ三十分、だよ。あんたは服着て髪の毛に櫛入れたら終わりなんだろうけど、女はいろいろとおめか
ししなきゃいけないんだから」
(……ザフィーラとデートする時も化粧しない君がいうか?)
心の中でだけ反論するクロノ。さすがに口に出すほど馬鹿ではない。目の周りに青痣作って人前に出る
のはごめんだ。どうもフェイトと恋人同士になってから、アルフが自分への突っ込みに暴力を振るう頻度
が高まったように思えるのは気のせいだろうか。
「デートとかの支度する時はもっと早いぞ」
「今夜はフェイトのお披露目みたいなものなんだから、デート以上に気合入れて当然だろ」
「だけど……」
「ああもうっ。そんなに気になるんだったらあたしが覗いてきてやるよ」
軽く癇癪起こしたアルフが、立ち上がってフェイトの部屋へと行った。
だがそのまま戻ってこない。
「口紅濃すぎやしないかい? 薄めのこっちにした方がいいとあたしは思うけど」
「その色だとドレスと似合ってないからこっちで……」
漏れ聞こえてくる声が、着付けを手伝っているリンディ共々フェイトをいじくる側に回ったことを教え
てくる。
やっぱりアルフも女だったんだなと妙に納得しながら、クロノは言われたとおり茶でも淹れて待つこと
にした。
ゆっくり二杯飲んで三杯目をどうするか思案していると、ようやく部屋から三人が出てきた。
アルフとリンディに続いてリビングへ入ってきたフェイトの装いに、少しの間クロノは目を奪われた。
紺と紫で構成されたドレスは肩が完全に露出しており、大胆にスリットも入っている。少女から成人へ
と変わりつつあるフェイトの大人っぽさを際立たせる衣装。
いつも髪の毛を先端で纏めている黒いリボンも外しており、ちょっと動いただけで滑らかな金髪の先端
がさらさらと流れる。
口紅は結局濃いのにしたようだが、それでもリンディの見立ては確かでけばけばしいことにはなってお
らず、顔の真ん中で綺麗に唇が栄えている。他にも色々と念の入った化粧をしているのが分かった。
確かにアルフが言ったとおり、デートとは別段階で念の入った格好だった。
「このドレス前に仕事で着た物でシャマルのコーディネートなんだけど、似合ってるかな?」
「あ、ああ……。すごくきれいだよ」
クロノの言葉で、フェイトは嬉しそうに微笑んだ。隣の二人は「もうちょっと捻ったこと言いなさい」
「この野暮天」と額の辺りに書かれた顔をしていたが。
「……じゃあ行こうか」
呼んでいたタクシーの到着時刻だったのと、母と使い魔の非難じみた視線から逃れるためという二重の
理由で、クロノは足早に玄関へ向かいかけたが、廊下に出た所で思い直して足を止める。
「足元大丈夫か? いつもと違う服装だけど」
「別にこれぐらい、走ったりしなかったらこけることなんてないけど……」
ちょっと考える風な顔をしたフェイトが、そっと手を伸ばしてきた。
「…………手を引いてもらって、いい?」
「ああ」
差し出されたフェイトの手首を、クロノはそっと手に取って歩き出す。
「……リンディ、あの二人に何か一言どうぞ」
「そろそろ新婚気分が抜けてくれると母としてありがたいわね。こんなんじゃおちおち同居も出来ないわ」
「結婚したてだからじゃなくて、前からあんなんだよ」
玄関で見送るアルフとリンディがいっそう生暖かい目をしながら何かしゃべっていたが、今度はあまり
気にならなかった。
ハラオウン夫妻のとある一夜
管理局だろうがどこぞの株式会社だろうが、高位につくとパーティーや宴会にお呼ばれのかかることが
多くなってくる。
自分から積極的に交友関係を広めていくタイプではないが、人付き合いを徹底的に遮断しているわけで
もないクロノは、そういうものに誘いを受ければ適度に参加することにしていた。
今回の海の中将就任十周年記念パーティーも、いつもどおり適当に会話と飲み食いして帰ろうと思って
いたのだが、リンディと通信した時に何気なく話題に出したことで状況がちょっと変わる。
『あなた一人で参加するの?』
『ああ。ユーノは中将と全く接点が無いし、ロッサも忙しくて……』
『そうじゃなくて、フェイトを連れていかないかってことを訊いてるのよ』
『フェイトを? 別にフェイトは招待されてないし……』
『……あまり口にしたくないけど、あなたたちが義理とはいえ兄妹だったことをあれこれ言ってる人はま
だいるのよ。そういう相手を黙らせるには、公の場で私達はもう夫婦ですっていうのを見せつけて周囲に
認識させるのが一番手っ取り早いと思うわ。法律的には何の問題も無い結婚なんだし』
かくして母の勧めに従って、フェイトも参加することにとなったのだ。
※
見せつけろとは言われたが人前で手を繋いだりキスしたりするわけもなく、普通に会場の隅でクロノと
フェイトは寄り添って飲食していた。兄妹時代にこうやって二人同じ宴席に出席することはほとんどなかっ
たから、二人並んでいるだけでも関係が変わったということになるだろう。
中将の挨拶や祝辞の読み上げは終わり、参加者はみな料理や酒を手に取り数人で輪を作って会話するか、
会場内を巡って知り合いを探している。
二人の元にも数名の知人がやってきて数言会話をしては去って行ったが、やがて見知らぬ人物が二人の
前で足を止めた。
「これはこれはハラオウン提督に執務官、でしたな」
でっぷりと太った中年男に渡された名刺の肩書きには海に所属する一佐とあったが、クロノの記憶には
無い名前だった。といっても、執務官時代から自分は知らないのに相手は知っているというケースは多かっ
たので、さして奇異にも思わずクロノも挨拶した。
クロノの渡した名刺は見もしないで胸ポケットにしまった男は、身体ごとフェイトへ向き直って話しか
ける。
「そういえばお二人はご結婚なされたんでしたか。いやいや、管理局通信などでお顔は知っていましたが、
こうして直に見ると一段とお美しい」
「ありがとうございます」
「こんな人を奥様にもらえたハラオウン提督は実に果報者ですな。わっはっは」
本人は豪快なつもりだろうが、だみ声のせいで野卑にしか聞こえない笑い方だった。
そのまま男は、クロノなど放っておいてフェイトの容姿や功績について歯の浮くようなお世辞を並べ立
てていく。
最初は黙って会話を聞いていたクロノだが、男の目がフェイトの顔を食い入るように見つめだしたあた
りからどんどん眉間に皺が寄りだした。
さらに男の視線は胸の谷間やスリットから伸びたほっそりと長い足にまで飛び、涎を零しそうな顔をし
ている。
さすがにクロノが無礼を咎めようと一歩踏み出した時、剣呑な空気を感じ取ったのか男はひょいと身を
引いた。
「おおっと、あまり長く話していてはご主人に嫉妬されてしまいますな。失敬失敬、わはははは」
最後の最後まで不快な笑い声を上げて、男はさっさと立ち去って行った。今度は別の夫婦連れに話しか
け、似たような目つきで女性の身体を鑑賞している。
舌打ちしたい気分を抑え、災難だったなとフェイトに声をかけてやろうとしたクロノだが、その横顔を
見てさらに眉をひそめることにとなった。
フェイトの頬はうっすらと上気し、目尻も下がっている。唇は小さく何かを呟きながら、小さく頷いて
は微笑む。不快さらしきものは全く感じられない。むしろ明らさまに喜んでいる。
(…………きれいだと褒められたのがそんなに嬉しいのか?)
フェイトがこんな表情をする理由は、クロノにはそれしか思いつかなかった。
顔はいつも見慣れているから仕方ないとしても、出掛けに衣装や化粧について自分がありきたりな褒め
言葉しかしなかったのが不満だったのだろうか。
そんなことならありったけの語彙で表現してやるべきだった。
ようやくクロノがじっと見つめていることに気づいたのか、フェイトが顔を上げる。
「怖い顔してどうしたの?」
「……なんでもないさ」
自分でも不機嫌さがにじみ出ていると分かる声を出しながら、クロノは横を向いてぐいっとシャンパン
を飲み干した。
それからも顔見知りや全く知らない人まで、何人もが近寄ってきては挨拶していった。
彼らは口を揃えて「きれいな奥様で」とフェイトを褒め、その度にフェイトは嬉しそうな顔をし、対照
的にクロノの機嫌はどんどん悪くなっていった。
さすがに不躾な視線を向ける者はいなかったが、どうしてもあの男を思い出してしまう。パーティーも
たけなわとなるころには、クロノはむっつり黙り込んで酒をすすることを繰り返すだけになっていた。
「クロノ酔っ払ったの? 気持ち悪いならロビーで休んだ方がいいよ」
心配してくるフェイトに、まさか君が上機嫌なのが原因だと言えるわけも無く、黙って頷きフェイトと
一緒にクロノはロビーへと出た。
広いロビーは閑散としており、入り口でボーイが手持ち無沙汰にしているだけだった。
ここなら挨拶されることもないだろうし、室温も低いから頭に上っている血も冷めるだろう。
我ながらしょうもないことで気分を害していると分かっていつつも、椅子に座ったクロノは訊ねた。
「やっぱり、もっと褒めた方がよかったか?」
「褒めるって、何を?」
「君のドレス姿だよ。きれいだってありきたりなことしか言えなかったから」
だが、フェイトは静かに首を振った。
「別に。クロノが人を褒めたりするの苦手なの知ってるからいいよ。最初に私を見た時、クロノすごくびっ
くりして顔赤くしてたでしょ。あれで充分」
「けど君は、たくさんの人に褒められて喜んでたじゃないか」
「え?」
ますますフェイトは意外そうな表情をする。
「違うよ。たしかに私嬉しかったけど、あれはその……奥様って呼ばれるのが、嬉しくて」
今度はクロノが意外な顔をする番だった。フェイトの思考はかなり読めるようになっていたはずだった
が、今回に関しては喜ぶポイントがさっぱり分からない。
「なんでそんなことで?」
「ほら、私とクロノって、結婚したけど特に何も生活が変わってないでしょ」
言われてみれば結婚前から同棲はしていたわけだし、特殊な状況により姓が変わることすら無かった。
肉体関係に至っては、言わずもがなだ。
恋人期間中の生活がそのまま継続されており、本来なら結婚時に覚える目新しさというものは全くといっ
ていいほど無かった。
「ちょっとぐらい変えてみようかっていろいろやってみたんだけど、あんまりうまくいかなかったし」
「ひょっとして、この間朝に言ってたのも……」
「うん、呼び方変えてみようかなって思ったんだけど」
先日のことである。朝からフェイトがやたらと緊張しているようでなんだろうと首を傾げていると、朝
食の時にいきなり調子外れの声で言ったのだ。
『お、お味噌汁美味しいかな、あ、あなたっ!』
唐突かつ予想だにしていなかった言葉にクロノは味噌汁を、アルフは飯粒を盛大に吹いて朝食の席は大
騒ぎとなった。そしてその日ずっと、フェイトの機嫌は最高に悪かった。
似たようなことは、思い返してみれば数点あった。
「なのははユーノとヴィヴィオが一緒の家に住むのは楽しいって言うし、はやてもゲンヤさんがはやてっ
て呼んでくれるようになったって喜んでたし。私も、もう少し結婚したっていう実感が欲しいなって思っ
て」
「それであなた、か」
「今日いっぱい奥様って言われて、やっぱり私はクロノのお嫁さんになれたんだなぁって思ったらすごく
嬉しくなっちゃった」
恥ずかしそうに笑うフェイトと対照的に、クロノは特大の溜息をついてがっくりとうな垂れた。
「……ごめん」
「どうして謝るの?」
「いや、いろいろと…………とにかくすまなかった」
そういう想いに気づいてやれなかったのも、勘違いしてくだらない嫉妬をしたのも、クロノが軽く落ち
込む理由としては充分すぎた。
「どうして謝られるのか分からないけど…………何か私に悪いことしたと思ってるならお願い聞いてもらっ
てもいいかな?」
「ああ、デートの約束でも買って欲しい物でもなんでもいいぞ」
「そういうのもいいけどね……この近くにホテルがあるんだけど、今晩そこに泊まりたいな」
「また妙なお願いだな」
「せっかく豪華な服着てるんだから、雰囲気のある所でクロノにしてほしいなあって」
「ずいぶんと即物的すぎやしないか」
「…………駄目?」
気分を立て直したクロノは、屈んで瞳を覗き込んでくるフェイトの頭を軽くぽんぽんと撫でて、小さく
笑った。
「駄目なわけないだろ、ハラオウンの奥様」
※
到着したホテルは、折りよくスイートルームが一室空いていた。
ボーイに案内された部屋は調度品のなにもかもが一級品だと分かる物で揃えられており、売りである景
色も足元に無数の市街地の明かりが煌いている素晴らしい夜景だった。
だがクロノとフェイトの目に映っているのは内装でも窓の外でもなく、お互いの瞳だった。
「んん……んはぁ…………くろの……」
お互い眼を開けたまま舌を相手の口内へと差し入れ、とろりと絡んだ唾液をすする。
唇ではなく、舌で繋がるキス。
息が苦しくなるまで続けてからようやく離れたが、フェイトはまたすぐに唇を近づけてきた。
今度は口ではなく、頬へと口づける。少しずつ顎へと下がっていき首筋で止まると、そのままちゅっと
音を立てて吸いついてくる。
GJです!!
なのはさんの不幸は回りが誰もなのはさんの悪いところを悪いって言えないところですね。だから増長する。
多分無理だろうけどスーパークロノタイム期待してますww
「君は、首にキスマークつけるのが好きだな」
目の前数寸の位置にある金髪を指に巻きつけていじくりながら、クロノは言う。
「うん、形が残るから好き。……けど、クロノも好きだよね? つけてる時、すごく気持ち良さそうな顔
してるよ」
そんなことを感じたことは無かったが、クロノは指を止めて感覚を首筋に集中してみた。途端、ぞくっ
と軽く背筋に、きた。
(たしかに……これは……)
頚動脈を皮膚の上からフェイトが甘噛んだり吸ったりされると、ぴりっとした感触を覚えてむずむずす
るが、けっして不快ではない。むしろ気持ちいい。
「ふふっ、やっぱりクロノ嬉しそうな顔してる。…………こっちも、悦んでるね」
フェイトの指が、ズボン越しに自己主張を始めた部分をそっと撫でる。唇と首にキスされただけで、股
間はずいぶんと大きくなっていた。男にも性感帯はあるというから、クロノにとってその場所は首筋なの
かもしれない。
「ねえ……指と口のどっちがいい?」
細い指に優しく撫で上げられ、しっとりと艶が混ざり出した赤い瞳に見つめられて、クロノのスイッチ
も徐々に切り替わりつつあった。
だが欲望が頭を支配する前に、残った理性が待ったをかける。
「服脱がないと。ドレスが汚れるぞ」
「どうせだから着たまましようか?」
ドレスの裾をめくり上げたフェイトとの交わり合い。想像してみるとちょっと興奮したが、やはりきれ
いなドレスを汚すのは忍びなくてクロノは首を振った。
「珍しいね。着たままでするの大好きなのに」
「…………なんかものすごい勘違いをしていないか、君は」
「でもクロノがマニアックなのは事実でしょ」
言われて己がやらかしたあれやこれやを思い返せば、ぐぅの音も出なかった。せめて今度からなるべく
全部脱がせて始めるようにしようと誓うクロノだった。尻とかそのへんについては、止めるつもりは毛頭
ないが。
「とにかくやめておこう」
「ちょっとぐらいなら最近のクリーニングはきれいに落とせるのに……。あっ、そうだクロノ」
悪戯っぽくにこりと笑ったフェイトが、足元にしゃがみこむ。
「全部飲んじゃったら、汚れないよ。だから最初だけ、このままで」
「……それはそうだけど。むしろ君の方が着たままするのが好きなんじゃないか」
子供の理屈のようなことをさも名案であるかのように言うフェイトに苦笑して、結局クロノは任せるこ
とにした。
ベッドに腰掛けたクロノのジッパーを、フェイトが下ろす。トランクスの前が開かれ、半勃ち状態のも
のが指に握られた。
形を確かめるようにフェイトの指が一度輪郭をなぞると、先端で止まった。つつくようにして撫でなが
ら、今度は顔が近づいてくる。
そのまま口に含んでしまうかとクロノは予想していたが、フェイトは舌だけ伸ばして陰茎の半ばをぺろ
りと舐めた。
そのまま何度も同じ場所を舐め続けるフェイトを、クロノは軽くからかう。
「僕の味でもするのか?」
「するよ。……クロノが、だんだん興奮してるって分かる味が」
真剣なのか冗談なのか分かりにくい返事がされ、それを機に愛撫が一気に加速して行く。
どこを攻めるかは完全に役割分担がなされ、指は亀頭を爪弾き時に軽く締め、舌は幹に見える血管をさ
らに浮き上がらせようと執拗に舐め回し、屹立を高めてきた。
念話を繋げて言葉でも快感を与えてくることもせず、ただひたすらフェイトは指と舌を動かし続ける。
クロノの勘所を知り尽くした技巧は、我慢の扉を突破して確実に高みへとクロノを誘う。とはいえフェ
イトの奉仕にはそれなりに耐性を持っているクロノにすれば、射精に至るにはまだまだ快感が足りない。
やがて舌が疲れたのか、フェイトは一度口を離し大きく息を吐いた。その間も手は肉棒をしごいて性感
を持続させている。
「胸も、使っていい?」
提案にクロノは黙って頷いた。
自分で細かくリクエストするよりも、フェイトのしたいがままに任せるのが一番気持ちよいということ
を、経験で知っている。ひょっとすれば何度も何度も抱き合っているうち、クロノの脳はフェイトのする
ことなら何であろうと最高の愛撫になるように、自分の内側を変化させていったのかもしれない。
そんなことを考えているうちに、フェイトはドレスの胸の部分に指を引っ掛けて下着ごと下ろし、胸を
完全に露出させた。
白い二つの乳房は下からドレスで押し上げられていることでちょっと形が歪んでいるが、それすらも柔
らかさの証であり、そこらの二流グラビア雑誌のモデルなど到底敵わない胸である。
双丘に出来た谷間の上に、クロノの肉棒が乗せられる。完全に挟んでしまうことはせず、乗せただけで
身体を前後に揺らすフェイト。指ほどの強さと上手さはないが、すべすべした肌と弾力を裏筋へと伝えて
くる。
「クロノ、ちょっと腰が浮いてるよ。やっぱりおっぱいが好きなんだ」
「ああ、君の胸は……気持ちよすぎるからな…………んっ!」
亀頭をぺろりと舐められて、クロノは軽く身震いした。
着衣のままやる癖があるかどうかについては反論したい点があるが、大きさ・柔らかさ・張りの全てが
揃っているフェイトの胸が好きであることは自覚せざるをえなかった。
クロノの答えが嬉しかったのか、フェイトは相貌を緩めていっそう胸の間深く肉棒を沈めた。
胸だけではない。舌がぴちゃぴちゃと音を立てて亀頭を舐め、指は根元の袋を柔らかく揉み解しつつ、
不意討ちで上面をつつっと撫でる。
肉棒のあちこちに触れるとクロノが異なる反応をするのが楽しいのか、フェイトは低い波で緩急をつけ、
弄んでくる。
だんだん息が荒くなるのが、自分でも分かった。腰に感じている快感にも、痺れと鈍痛が混じっている。
「あくぅっ!」
舐めるだけでなくいきなり亀頭が口に含まれた時には、思わず声まで上げてしまった。
その声で限界が近いと判断したのか、さらにフェイトの愛撫は激しく変化する。柔らかい乳肉がふにゅ
りと肉棒を完全に飲み込み、舌は鈴口をほじくりかえしながら軽く歯を立てる。指は二つの袋を手の内で
転がして、軽く弾いた。
ほんの十数秒前まではあった遊びが、一切無い。ただただクロノを射精させるためだけに、今のフェイ
トは動いている。
一種凶悪と例えていい愛撫に加えて、溜まった唾液が隙間から溢れてフェイトを普段の清純さからいや
らしい女の顔へと変貌させ、クロノを終焉へと導いていく。
「出す、ぞ……っ! フェイトっ!!」
頭に手を置いての絶叫に、フェイトは根こそぎ吸い尽くすような吸引をもって答えた。
水飴にまみれたようにぬめっている口内で、切っ先が跳ね上がる。大量に噴出された白濁液が、舌の制
止を押し切って喉奥まで流れ込んでいくのがクロノにも分かった。
半ば無理やり飲まされていることでフェイトは苦しげな顔をするが、それでも口を離すことはなく射精
が終わるまでじっと耐えていた。
「はぁ…………。気持ちよかったよ、フェイト」
実際には数秒だろうが、体感時間では数十分続いたように思える放出もようやく終わり、クロノは肺の
底から息を吐きつつ謝辞を述べた。
顔を上げたフェイトは、吐き出さないよう手を当てながら口に残る精液を飲み下していく。一口ごとに
喉がこくんと動いた。
最後まで飲み終えると、フェイトも同じように大きく呼吸をする。
「いっぱい出たね。……ちょっと残ってるけど」
まだ胸に埋れたままの先端には、白い液体が付着している。フェイトがぺろりと舐めて掬い取ると、肉
棒は震えて出し残しの精液をまたぷくりと浮かばせる。完全に出なくなるまで何度も、フェイトは残滓を
口へと運び続けた。
続く
520 :
サイヒ:2008/07/16(水) 22:24:30 ID:obSBsGCJ
以上です。
あとは本番やってオチつけるだけなんですが、エロシーンがやたら長くなったんで分割。
明日か明後日に投下予定。
>>502GJ
なにこのプレシアさん。かわいい!
そしてアルフ……辛かったら泣いてもいいんだよ?
くくくくく・・・
ハラオウン夫妻というタイトルで
クロノエイミイキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
と小躍りしたのは私だけでしょうか・・・(´;ω;`)ウッ…
俺と一緒に飲み明かそうか……
>>520 GJ
奥様と呼ばれてうれしがるフェイトが可愛いです。
確かにこんな奥さんなら、クロノが他の男の視線に嫉妬するのもわかります。
やっぱりサイヒ氏が描くクロノとフェイトはいいなあ。
明日か明後日の投下もお待ちしています。
>>502 GJ!!w
クロノ。
出てきて早々、何という受難だw
いやぁ、色々考えていて思考の坩堝に入って鬱になりかけてたら、
頭空っぽになるくらい笑わせてもらいましたw
お陰で、難しく考えるの馬鹿らしくなったw
好きなキャラクターを好きなように書けば、それでいいんだ。うん
>>520 GJ!!
しかしなんだ、一番気になったのは。
尻とかそのへんについては、止めるつもりは毛頭ないが。
って! 結局尻好きなんかお前はwwwww
>>502 いいぞwもっとやれwww
「死ぃねぇなぁのおぉぉぉぉっ!」
これは流行るwww
ちょっと質問させてください。
使い魔とか守護獣ではない形で、獣人は出してもOK?
以前読んだSSで、アルフとザフィーラの養子という形で、人狼が出てきたと記憶しているのですが…
>>529 あれは特殊な例(次世代モノ)だったから大丈夫だったけど、完全なオリジナルキャラで獣人となるとこのスレは食いつき悪いかな
そもそもオリキャラ自体にあまり良い反応がないし
>>529 その獣人キャラの立ち位置によると思う。
なのは達の敵なのか、はたまた味方なのか
個人的には敵として出てくるならOKかな
仲間でもいいが、バカみたいに強かったり惚れられ体質だったりはカンベンな
クロノの相手として初代リインがいいなぁとか思ってた時期があった。しかし初代が消えないですんだ場合はUを作る理由が消えるか
ところで二次作品で"リイン"が"リィン"になってるのを見るんだが"リイン"であってるんだよな?
リインフォースがリーンホースを呼び出したようです
537 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 16:29:15 ID:Ra1poHiF
いくつもの愛を重ね合わせるんですね
538 :
529:2008/07/17(木) 16:44:38 ID:gXPuRuIw
>>530-533 すばやい返答ありがとうございました。
オリジナル獣人キャラの立ち位置としては、管理局と敵対する組織の一員として出すつもりです。
性別は女性で、外見はアルフに似た感じです
極力、スレの皆さんに受け入れていただけるようにがんばります
>>520 サイヒ氏、投下乙です!
相変わらず貴殿の書くSSのクロフェは激甘な関係ですね。
本番お待ちしています。
>534
わりと、書き分けるのに使われている事が多い。
大人体型の初代が『リ“イ”ン』、子供体型の二代目が『リ“ィ”ン』と。
まぁ確かに初代リインと二代目リインが同時に存在するようなSSだと便利だろうからね。
そういえば俺もAs本編開始前にクロノとはやてが出会ってクロはやの初代リイン生存ルートというものを考えたが
半分ほど構想練って、もう一年以上放置してるw
>>542 とりあえず投下してみましょう
感想とかから残り半分が生み出せるかもしれんぞ
544 :
B・A:2008/07/18(金) 00:30:13 ID:WfxS342O
>>502 「死ぃねぇなぁのおぉぉぉぉっ!」
不覚にも萌えた。そんな要素はないはずなのに、笑うところなのにw
GJ。まさかクロノを出オチに使うとは思わなかった。
と、ところで投下しても大丈夫ですか?
流れ的に笑って(
>>502)、悶えて(
>>520)・・・・・多分、燃えて鬱になると思いますが。
ガンガン投下OK!!!
546 :
B・A:2008/07/18(金) 00:44:15 ID:WfxS342O
では、いきます。今回もかなりビクビクですが。
注意事項
・B・A版エリルー時空のお話
・主人公はヴィヴィオ、今回一言だけ出番あり(違うんだ。ちゃんと終盤に出番があるから、それまでは待ってみんな)
・オリキャラが出ます
・非エロでバトルです
・sts本編から11年後の物語
・フェイトが天寿を全うしております
・その他かなりの捏造多し。今回、一番のビクビクはここ
・タイトルは「Das Erbe zur Zukunft」 意味:未来への遺産
・最後に鬱な要素もあります
第19話 「課せられた罰」
不意に喉を熱いものが逆流する感覚にむせ、ケーニッヒは片膝を着いた。
まるで痛みが意志を持ったかのように全身を駆け抜け、激しい咳きが喉を傷つける。
堪え切れずに口から吐き出されたのはおびただしい量の真っ赤な血であった。
「はあ・・はあ・・・・・・・奴は・・・どうなった?」
多重にバインドを施しておいたので回避は不可能。仮に防御が間に合ったとしても、あれだけの弾幕が降り注げばどれ程強固なバリアも意味はなさないはずだ。
だが、相手は谷底に落ちても平然と生還してみせるような男だ。死体を確認するまでは油断できない。
(どっちだ・・・・仕留めたのか、それとも仕損じたのか)
足の傷と咳きの苦痛に顔を歪めながらも、ケーニッヒは油断のない目つきで前方を凝視する。
やがて、視界を覆っていた白煙が晴れると、彼は驚愕の声を漏らした。
「なっ!?」
白煙の向こうには何も存在せず、ただ瓦礫が転がっているだけだった。死体どころか肉片一つ見当たらない。
まさか、消し炭すら残さず潰れてしまったのだろうか? だが、それにしては血痕が少な過ぎる気がする。
(土壇場で逃げたのか? だが、どうやって・・・・)
ケーニッヒの脳裏に数秒前の出来事が蘇る。
あの時、エリオはバインドに拘束されて身動きが取れない状態だった。術式は完璧であり、通常の方法での脱出は容易ではない。
エリオはそのまま無数の雷の槍に撃ち抜かれ、死に絶えるはずであった。だが、あの時奴は・・・・・。
『バルディッシュ、ジャケットパージ!』
そう、バリアジャケットを構成している魔力を敢えて爆発させ、その衝撃でバインドを吹き飛ばしたのだ。
危険な行為ではあるが、あれならば加速魔法と併用することでファランクスシフトの一斉射撃から逃れることができる。
(なら、奴は・・・)
《Sonic Move》
正にその時、無人のビルの窓の向こうで金色の閃光が煌めいた。
反応できたのは正に奇跡だった。それ程までにその一撃は速く、重く、疲弊した体では受け止めきれずに成す術もなく吹き飛ばされてしまう。
「ぐあぁっ!」
受け身も取れずに背中を地面にぶつけ、痛みに悶えながらもケーニッヒは閉じようとする瞼を無理やりこじ開けて砂埃の向こうを睨む。
そこには、バリアジャケットを失い、ボロボロになりながらもニ本のデバイスを放さず、しっかりと両足で地面を踏みしめているエリオの姿があった。
□
乱れる呼吸を必死で整え、エリオはフラつく足に力をこめる。咄嗟にバリアジャケットを吹き飛ばしてバインドから逃れることには成功したが、
こちらのダメージは決して軽いものではなかった。衝撃で体のアチコチが痛みを訴えているし、離脱する前に使用した加速魔法の反動で骨や筋肉が軋みを上げている。
魔力の消耗も激しく、大技はもう数える程しか放てない。
(けど、それは向こうも同じはず)
あれだけの数のスフィアを形成し、なおかつ維持するには莫大な魔力を消費する。
ましてやケーニッヒは病床の身、体への負担は相当なものであるはずだ。
「ぐうっ! ごほっ、ごほぁっ!」
「ケーニッヒ!?」
「来るな!」
うずくまって血を吐きながらも、ケーニッヒは声を張り上げて近づこうとするエリオを制する。
「止まれねぇんだ。聞こえるんだよ、セリカの嘆きが、苦しみが。オレはあいつの兄貴なんだ。あいつを守ってやらなきゃならねぇんだ」
「ケーニッヒ・・・・」
「頭の中で親父が言うんだ、『セリカを守れ』って。だから、オレは世界を・・・・あいつのために世界を・・・・・」
バイヨネットを杖代わりにしてケーニッヒは立ち上がる。
発作で息をするのも苦痛なはずだというのに、彼はまだ戦いを止めようとしない。足の出血は止まることなく流れ続け、容赦なく彼の体力を奪っていく。
最早、デバイスを握っているのもやっとの状態。ただ立っているだけでも煮え湯を飲まされているかのような苦しみを味わっているはずだ。
それでも、ケーニッヒはただ一つの思いを胸に立ち上がった。
妹を守る。
幼き日に義父にかけられた呪いだけを糧に、ケーニッヒは槍を握っていた。
自分のために戦っているのか、彼女のために戦っているのか、何のために世界を変えようとしたのか、それすらももう定かではない。
妄執に突き動かされ、自分を蔑ろにし、命さえ軽んじて、彼は己に牙を剥く敵を睨みつける。
「さあ・・・・・・続きだ」
「・・・・・・・・・」
憎むべき少女を守らねばならなかった気持ちなど、自分には一生理解できないだろう。
望んで修羅道に堕ちた自分には、彼の苦痛は共感できても分かり合うことはできない。
ただ一つ言える確かなことは、今ここで彼を止めなければ、やがてはかつての自分のように摩耗し、全てに裏切られて自滅していくしかないということだけだった。
「・・・・・・やるしかないのか」
静かに瞼を閉じ、意識を集中する。
彼は多くの者を傷つけた。
愛するルーテシアを苦しめ、大切な部下を傷つけ、平和なクラナガンに混乱の種をばら撒いた。
希望溢れる未来を閉ざすその行いを、自分は許すことができない。恐らく、今後も何があろうと彼に対する怒りや憎悪が消えることはないだろう。
だが、それはあり得たかもしれない自分の可能性なのだ。自分と彼は表裏一体。どちらも手段と目的をはき違えてしまった哀れな道化師だ。
ただ自分はその道を選ばず、彼は選んでしまったというだけ。そして彼を苦しみから解放するには、彼に打ち勝つ以外の方法はないのだ。
「オーヴァードライブ、新・ソニックフォーム」
《Barrier Jacket, Sonic Style》
光が放たれた。
エリオを中心に紫電が迸り、その輝きで世界を包み込む。その光条の中で、傷ついたエリオの体は再び戦装束を纏っていく。
その姿はインパルスフォームでもライトニングスタイルでもなかった。黒一色のノースリーブのシャツにライトニングスタイルの意匠を彷彿とさせる赤いハーフパンツ。
両腕には銀の籠手が装着されており、手足にはソニックセイルと呼ばれる金色の羽根が生えている。
迸る雷光を振り払うように手にしているストラーダとバルディッシュを一閃させ、一回転する。その僅か一挙動で、エリオの周りで沈澱していた大気が乱気流を起こした。
「薄い装甲を更に薄くしたか。速度は増すだろうが、一発食らえばそこで堕ちるぞ」
「当たらなければ良いだけだ」
「負担も相当なはずだ。はっきり言うぞ、自殺行為だ」
エリオの加速は魔力による飛行ではなく疾走であり、あくまで人体の運動の延長である。当然、速く動けばそれだけ筋肉や骨に負荷がかかり、負担が蓄積していく。
特にこの新・ソニックフォームでは膝への負担は相当なもので、トップスピードで限界機動を行えば、反動でしばらくの間動けなくなるだけでなく、
最悪の場合自滅する恐れすらある。
仕損じれば己の命すら危うい諸刃の剣。それがエリオのリミットブレイク“新・ソニックフォーム”だ。
「君の必死に応えるには、僕も必死を出さなきゃならない・・・・・・・これが正真正銘、僕の全力だ」
「ふっ・・・・・・オレ達の戦いは、魂の削り合い。肉体の負傷など二の次か」
ケーニッヒの周りに無数のフォトンスフィアが形成される。
今度は威力を絞ってスフィアの数と連射性を向上させることで、ファランクスシフトを迎撃に用いるようだ。
「出し惜しみはなしだ。来い、モンディアル!」
「ストラーダ!」
《Sonic Move》
「ファランクスシフト、撃ち砕け!」
エリオの踏み込みと雷の槍が煌くのは、ほぼ同時であった。
瞬間、凄まじい突風が辺りに吹き荒れた。
瓦礫を蹴散らし、エリオは放たれたフォトンランサーを回避する。その動きは最早視認できる領域ではなかった。
ケーニッヒの驚異的な動体視力を以てしても残像しか捉えることができず、虚しく避けられたフォトンランサーが背後の壁に穴を穿ち、不格好なアートを形作る。
「でやぁぁぁぁぁぁっ!!」
降り注ぐ無数の雷の槍の間を縫うように駆け抜け、電光石火の一撃を見舞おうと突撃を仕掛ける。
瞬間、眼前に三発のフォトンランサーが飛来し、強引な方向転換を余儀なくされた。
慣性の法則を無視した限界機動に、肉体が悲鳴を上げる。既に増加した血流によって毛細血管が千切れ、黒ずんだ内出血が皮膚に表れている。
砕けるような音は踏み込んだ地面が砕けたからなのか、それとも自分の足の骨が折れたからなのか、それすらも定かではない。
だが、そんな苦痛もダメージも一切頓着することなく、エリオは音の波すら切り裂きながら体を酷使する。
条件は向こうもほぼ同じ。ケーニッヒの言う通り、自分達の戦いは肉体ではなく魂の戦いだ。打ち勝たねばならないのは外敵ではなく死へと向かう自分自身。
故に、内なる闘志が燃え尽きない限り、この身が停止することはあり得ない。
直後、眼前を雷の槍が通り過ぎた。
驚愕がエリオを襲う。
信じられないことに、自分の高速機動に対してケーニッヒは徐々に順応し始めている。飛来するフォトンランサーは未だこちらを捉えるには至っていないが、
着弾地点との距離は着実に近づいてきていた。
(やっぱり、一筋縄じゃいかない)
自分の体が壊れていく様を幻視しながら、エリオは更なる加速を得ようと大地を蹴る。
瞬間的に四肢から噴き出した魔力噴射が砂塵をまき散らし、視界がもの凄い速度で後ろに流れていった。
加速度的に平衡感覚が狂っていき、自分が今、地面に立っているのかさえ曖昧になっていく。魔法で強化されているのは肉体だけであり、感覚は通常のままであるため、
意識が体についていかないのだ。その上、加速中は認識が追いつかないので身体強化と魔力付与以外の魔法は使用できないという欠点もあり、
肉体への負担の大きさも相まって新・ソニックフォームは限定された状況下でなければ切り札とも呼べないお粗末な代物に成り下がってしまう。
現に今も肉体が酷使される痛みに神経が蹂躙され、目まぐるしく移り変わる景色から流れ込む大量の視覚情報に脳がパニックを起こしている。
常人ならば発狂しかねない速度と苦痛。それを抱えながら、エリオは更に自身の速さを一段階上昇させた。
瞬間、エリオの意識が唐突に途切れた。
「あ・・・・ああ・・・・・・・・」
まるでビデオの巻き戻しのように修復された意識を総動員して両足に命令を下し、飛来する雷の槍を回避する。
僅か一瞬とはいえ、意識が途切れて無防備な状態を晒してしまった。恐らく、その速度が自分の限界なのだろう。
その境界を越えれば、まるで爆弾のスイッチが入ったかのように致命的なダメージが肉体に襲いかかる。
(・・・・・・・・・・・・・)
覚悟したところで恐怖心が消えるわけではない。いや、寧ろ生きることの幸せを知ってしまったが故に、明確な死への恐怖は前にも増して恐ろしく感じるようになった。
“死ぬかもしれない”という恐怖は抑えることができる。それならばまだ制御できる感覚だ。だが、“死んでしまう”という恐怖まではどうすることもできない。
果たして、あの境界の先にあるのはそのどちらの恐怖なのか。
果たして、あの境界を超えた先で自分は命の灯を燃やし続けることができるのか。
愛する者の未来を、自分に思いを託してくれた人達の願いを、守り続けることができなくなることが堪らなく怖かった。
「・・!」
加速した意識が再び断絶する。
後悔が胸を埋め尽くす。
全力を出すと、死力を尽くすと言ったにも関わらず、その領域にまで自分を高めることができない。
自分の生命を削りながら力をひり出しているケーニッヒに対して、何と情けないことか。
彼の全力に応えられなければ、例えこの戦いに勝利したとしても、彼の信念に打ち勝ったことにはならないというのに。
またも意識が途切れる。
雷の雨はもう目の前まで迫って来ていた。
フォトンランサーの一点集中連射。紙のように薄い装甲でそれを食らえばひとたまりもないだろう。恐らく、痛いと感じた瞬間には蜂の巣になっているはずだ。
(死ぬ・・・・・死ぬのか・・・・・・・)
死ぬのは怖い。
死ぬことが怖くない人間はいない。
では何故、人間は死を恐ろしいと感じるのか。
いったい死の何に対して、人間は恐れを抱くのか。
(そうだ・・・・・・怖いのは死ぬことじゃなくて・・・・・・・・)
世界が霞んでいく。
急速に遠のいていく意識の中で、瓦礫に覆われた灰色の街が白い光で埋め尽くされていく。
吹き荒ぶ絶望と言う名の風が容赦なく体を切りつける。
その痛みを承知で、エリオは遂に一歩踏み出した。
「恐ろしいのは・・・・・・・彼女と同じ時間を生きられなくなることだ!」
瞬間、激痛の炸裂に意識が沸騰した。
痛みで何も見えず、何も聞こえない。手にしているはずの鋼の相棒の感覚すらない。
境界を踏み越えた先にあったのは死と言う名の絶望。それが己の内から体を壊していく。
骨が軋みを上げた。
眼球が圧迫された。
筋肉が断裂した。
血液が逆流した。
呼吸なんて踏み込んだ時点で止まっていた。
苦悶すらできないまま意思が死んでいく。
死中に活どころの話ではない、生そのものがここには存在しない。
真っ白な光に染まった世界は乱入した異物を排除するためにこの命を押し流そうとする。
(・・・・・・・・あ・・・・・・あ・・あ、あ・・・・・・・・・・)
ありとあらゆる思考が溶けていく。
分相応の力の代償として、みっともなく縋りついてきた命が成す術もなく削られていく。
自分が何のためにこの領域に踏み込んだのかさえわからなくなる。
その中で、ありえない幻が手を差し出していた。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ)
壊れた体が歓喜する。
もう会えないと思っていたあの人は、目の前に立っている。
漆黒の装束を纏った女性が、純白のマントをなびかせ、金色の髪を風に流しながら、その白く細い手を差し出し、赤い瞳をまっすぐこちらに向けている。
『さあ・・・・・・・エリオ』
白い世界で、幻の女性は優しく微笑む。
ここよりも遙か先で、彼女は自分がその手を取ることを待っている。
その姿を垣間見た途端、顎に力が入った。
奥歯を噛み締め、動かぬ体に力を込める。否、動いていないのは錯覚だ。この白い世界も幻、そこにいる彼女も幻想。
だが、それでも彼女の思いだけは本物だ。そして、その思いに応えるために、全身全霊を賭けてあの場所まで駆け抜ける。
(・・・・・・あ・・・・さん)
感覚が急速に戻ってくる。
勢いよく伸ばした手は、しっかりと彼女の手を掴んでいた。
「母さん!」
『行くよ・・・・・エリオ』
「はい!」
掴んだ手がフェイト・T・ハラオウンの幻想に引き上げられ、エリオの肉体が、意識が、感覚が、限界を超越する。
かつて母が立っていた領域に、エリオもまた足を踏み入れる。
そして二人は、渾身の力を込めてこの白い世界を突破した。
□
その瞬間、ケーニッヒの眼前で信じられないことが起きた。
(な、に・・・・・・・?)
エリオの驚異的な速度に対して、自身の目はその動きを徐々に捉え始めていた。
もちろん、力学的な常識を遙かに逸脱した速度で疾走するエリオの動きを視ようするためには相応の無理をしなければならない。
こちらも余力はほとんど残っていないので魔法による補助は望めず、半ば自己暗示のみで認識を引き延ばすという荒業はケーニッヒの脳に深刻な負荷を与えていた。
そして、視界を赤く染めながらもその動きを見極め、残る魔力を総動員して全方位からフォトンランサーを撃ち込んだ。
狙いは確実、計算し尽くされたその射撃を逃れる術はエリオにはない。そのはずであった。
「・・・・何故だ・・・・何故当たらない!?」
無数の雷の雨が降り注ぐ瞬間、エリオは今までを遙かに上回る速度へと加速してその難を逃れた。
それは最早、ケーニッヒの反射神経を以てしても見切ることのできない神速の領域であった。
「・・!?」
繰り出された一撃を辛うじて受け流し、殺しきれなかった勢いが痺れとなって全身を駆け巡る。
擦れ違い様に撃ち込んだフォトンランサーは、その悉くが化け物染みた戦闘機動で避けられてしまった。
(さっきまでと動きが違う。それにこの力、いったいどこにこれ程の余力が!?)
疑念を抱きながらも立て続けに繰り出される連続攻撃を気力のみで捌きながら、搾りカスとなった魔力をかき集めて最後のスフィアを形成する。
消耗が酷くて騎士甲冑を維持することもできなくなり、完全に無防備な状態となって必殺の時を窺う。
「・!」
「そこか!」
頭上から突撃してきたエリオ目がけてフォトンランサーを撃ち出す。
主の命を受けて解き放たれた六発の魔力弾は大気を切り裂きながら肉薄する敵を撃ち抜かんと咆哮を上げる。
だが、それすらもエリオは身を捩って回避し、手にしたデバイスをこちらに叩きつけてくる。
「ぐううぅぅぅぅっ! はああぁっ!!」
弾いた瞬間にバランスが崩れる。
反転したエリオはすぐさまこちらに向かって駆け出し、止めの一撃を放つだろう。
対してこちらの魔力はもう僅かしか残されていない。騎士甲冑も失い、疲弊した体では速度で勝る相手に勝つことなどできない。
(オレが負ける・・・・・負けるのか・・・・・・・何も守れないまま、何もできないまま・・・・・・夢も誇りも命も、全て投げ出したのに、オレは・・・・・・・オレは・・・・・・・・)
敗北の自覚が、ケーニッヒの闘志を更に燃え上がらせた。
「ふ・・・・ふざけるなぁっ!!!」
ケーニッヒの周りに無数の金色が煌いた。
残る魔力の全てを注ぎ込み、今までよりも更に素早く、多くのスフィアを作り出す。
エリオが限界を超えたのならば、自分に超えられない道理はない。
「ぶち抜け、ジェノサイドシフトォォッ!!!」
目前まで迫ったエリオに向けて最後の一撃を放つ。
世界が金色に染まり、爆発の煙が視界を覆う。
勝った。
あの距離では絶対に避けられない。
相手の動きを捉えられないなら、絶対に外さない距離まで近づけてから撃てば良い。
一か八かの賭けだったが、勝利の女神はこちらに微笑んだようだ。
その時、一陣の風が視界を遮っていた煙を吹き飛ばした。
「なっ・・!?」
そこには二本のデバイスが転がっているだけで、エリオの死体はどこにも見当たらなかった。
まさか、咄嗟にデバイスを盾にして回避したのか。そう思った瞬間、背後から凄まじい闘志の唸りが叩きつけられた。
ほぼ反射的に身を捩り、素早く懐から取り出したカードを破裂させて防御魔法を展開する。
「だあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「ぬおぉぉぉぉぉっ!!」
裂帛の気合いと共に打ち込まれたエリオの左拳が魔法陣にぶつかり、火花を散らす。
瞬間、凄まじい衝撃が周囲の瓦礫を吹き飛ばした。
「く、くぅぁ・・・・・・オレをここまで追い詰めるか。だが、デバイスを捨てたのは失敗だったな。脆いとはいえ、お前如きの拳で抜ける程この障壁は柔ではない」
顔を引きつらせながら強がりを言うケーニッヒに対し、エリオは更に拳に力を込める。
摩擦で皮膚が切れて赤い飛沫が舞い、同時にエリオの纏っていた騎士甲冑が消滅していく。どうやら、彼も魔力を使い切ってしまったようだ。
「ぐ・・・ぐあ・・・・あぁぁっ・・・・・・」
「貴様、何を・・・・・」
霧散したはずの魔力がエリオの体内に吸収されていくのを見て、ケーニッヒは彼が騎士甲冑を自らの意思で消滅させたことに気づく。
「術式、解析・・・・・・完了!」
「まさか、それは・・・・・・・・」
「これは、僕のもう一人の母さんの魔法だ・・・・・受け取れ! バリアァァァッブレイクゥッ!!!」
拳を通じて構成されていた術式に割り込みがかけられ、魔法陣は堅牢を保てなくなって軋みを上げる。
そして無数のヒビを駆け巡らせ、硝子のような結晶と化して砕け散った。
支援
「紫電一閃!!」
バリアを砕き、返す形で腰だめに構えていた右腕が放たれる。その腕には、金色に輝く雷光が纏われていた。
完全に身動きを封じられていたケーニッヒはその拳を避けることも防御することもできず、無防備な顔面を殴り飛ばされる。
急速に視界が流れる中、ケーニッヒはエリオの背後に何者かがいるような幻を垣間見た。
金髪の女性。
茶髪の女性。
緋色髪の女性。
赤髪の少女。
蒼灰色の髪の男性。
橙色の髪の女性。
漆黒の鎧を纏った人型の蟲。
他にも多くの人物が、エリオの背後を守るように佇んでいる。
「奴は、一人じゃなかった・・・・・・・オレは奴だけでなく、奴の師をも相手にしていたのか・・・・・・・ふ、ふはは・・・・はは・・・・・・・」
瓦礫の山に激突し、握り締めていたバイヨネットが地面に転がって乾いた音が木霊する。
□
ぶつかってきたヴィヴィオを突き飛ばし、追撃をかけようとRHを向けた瞬間、セリカは不意に形容し難いざわめきを感じて眼下の結界を見下ろした。
「ケイン・・・・・あなたなの?」
バビロンの鍵の結界によって物理的にも魔力的にも通信が遮断され、お互いの現状など知る由もない。
だが、セリカは何故か彼が戦いに敗れたのだと感じ取っていた。
「セリカちゃん!」
「・・・!」
放たれた砲撃を回避し、ディバインシューターで牽制しつつ距離を取る。
湧き上がる不安と懸念は既に心の片隅に追いやられていた。
戦いとはそういうものだ。勝者がいるのなら必ず敗者が生まれる。それがたまたま、今回はケーニッヒだったというだけだ。
(良いわ、あんたの正義も私が背負う。私と中将で世界を変える!)
それ以上は思考することを拒否した。
大事な仲間だった。
外道ではあったがその実力には全幅の信頼を寄せていた。多分、尊敬していたのだと思う。
何故、あんなに目をかけてくれたのかはわからないが、大半がありがた迷惑だった親切も今となっては素直に感謝できる。
だが、それだけだった。
抱いていた思いとは裏腹に、彼の敗北に対して何の感慨も浮かばなかった。
まるで機械のように、淡々と体を動かし続ける。乾いた目に憎悪と憤怒の炎を燃やし続け、目の前の敵に集中する。
つまりは、自分にとって彼はその程度の存在でしかなかったのだと、初めて彼女は理解した。
□
ケーニッヒにとって、戦いとは勝つことが全てだった。
敵の情報を分析し、地形を利用し、自分に有利な状況を作り出し、損害を最小限に抑えて相手の命を奪う。
それが最も効率の良い戦いであり、騎士同士の古臭い決闘など歯牙にもかけたことがなかった。
それでは守れないと思っていた。
大切なもの、守らなければならないもの、譲れないものを。
そして、事実守ることができなかった。
「ああ、最初から間違えていたんだな」
「・・・・・・・・・・・」
「お前を殺すのなら、家に爆弾でも送りつけてやれば良かった。或いは毒殺か、それとも飛行機でも落とすか・・・・・・・何れにしろ、もっと見境のない手段に出るべきだった」
ただ、決着をつけずに終わらせることが気に食わなかった。
相容れないが故に白黒ハッキリさせてから前に進みたい。変革した世界を歩むためには、自分と異なる答えに辿り着いた男を
打ち倒してからでなければいけないと思い込んだのが、今回の敗因だった。
「ケーニッヒ」
不意に、エリオは懐から小瓶を取り出し、ケーニッヒに投げ渡した。
「こいつは?」
「僕達の発作を抑える薬だ。それだけあれば一年は保つ」
「何故、これを・・・・・・・・?」
すると、エリオはおもむろにケーニッヒの胸倉を掴んで持ち上げ、悪鬼もかくやと言う程に目を吊り上がらせて言った。
「一度しか言わないからよく聞け。僕は自分の命を粗末にする奴が大嫌いだ。だから、これは僕から君に与える罰だと思え」
「罰・・・・だと?」
「生きろ」
静かに、しかしハッキリと聞こえる声でエリオは言う。
「君にはまだ夢があるんだろう。なら生きるんだ。生きて、君の全てを次の世代に伝えろ。君の意思を、願いを、技術を、理想を、君の命の残り香を後世に残すんだ。
自分だけの過去を、自分の遺産を未来に語りつげ」
「・・・は、はは・・・・・今更・・・・・・今更そんなこと・・・・・・そんなこと、できるわけがないだろう。
オレはもう、戦う以外に生きる道はないんだ。戦って、戦って、戦い抜いて、そして死んでいくしか救われる道はない。
自分の正義に殉じる以外の生き方を、オレは知らない」
「ケーニッヒ、JS事件は終わった。君はもう、戦わなくて良い」
「・・・・・・・・・」
「君のお父さんは、君に呪いをかけたんじゃない。願いを託したんだ。自分の分まで、精一杯生きて欲しいって。
だから、君は生きなきゃならない。君の死は、君だけの死じゃないんだ」
「オレの・・・・死・・・・・オレの、命・・・・・・・」
自分が死ねば、セリカを託して死んでいった父親の思いが報われない。
その言葉が、深くケーニッヒの心に突き刺さる。
「きっかけ一つで、思い一つで世界は変わる。人間は弱いから何度でも迷う。何度だって苦しんで、何度も傷ついて、
少しずつ答えを得ながら生きていくんだ。ケーニッヒ、回り道するくらいの時間は、まだ残されているんじゃないのかい?」
「また・・・・・オレのような奴が現れるぞ。何度でも、何度でも、人間が争い続ける限り、何度だってオレやお前は生まれてくる!
それでも、お前はオレに戦うことを止めろと言うのか!」
「僕が戦う! 僕と、僕の仲間が。ルーが、ガリューが、ヴィヴィオが、六課のみんなが、管理局が。君も、他のみんなの命も、未来も守ってみせる!
命を大切にしない者となら、僕は誰とだって戦う! だから生きろ。生きて、未来を見ろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
もうこれ以上は言うことはないとばかりに、エリオはケーニッヒの体を突き放す。
それはまるで、そこから先は自分で答えを探せと言っているようであった。そして、もしまた争いを起こすようならば、何度でも叩き伏せるとその目が語っていた。
(まいったな、こんな男は見たことがない。確かにこいつとは、潜った修羅場の数が違うようだ)
ぐったりと四肢を投げ出し、ケーニッヒは深々と息を吐いた。同時に、展開されていた封鎖領域が解けて周囲に再び喧騒が戻ってくる。
「俺の・・・・・負けか」
不思議と胸の内は清々しい気持ちで満ち足りていた。きっと、自分の全てを出し切った上で敗れたからだ。
もちろん、悔しくない訳ではない。自分を負かした奴の顔を見れば、腸が煮えくり返る程の怒りを抱いてしまうことに変わりはない。
それでも、今はまだ敗北の余韻に浸っていた方が良いと思えるくらいの潔さは持ち合わせていた。
「・・・・・・火、貰えるか?」
「煙草は吸わない。それに、健康にも悪いよ」
「言ってみただけだ、オレも吸わない」
茶化すように言い、ケーニッヒはゴロンと寝転がって天を見上げた。
灰色のドームに覆われているが、その上には確かに青空が広がっている。そして、そこでセリカが聖王ヴィヴィオと戦っているはずだ。
「エリオ」
(こいつ、僕の名前を!?)
「中将はあそこにいる」
エリオの驚愕を無視して、ケーニッヒはある建物を指差した。それは、このバビロンの鍵が作りだした結界の丁度中央に位置する建物だった。
「中将はあそこで世界が閉じるのを待っている。無論、一人でだ。他に護衛はいない」
「どうして、それを僕に?」
「それは・・・・・・」
『いけませんねぇ、スクーデリア。敵にこちらの情報を与えるなんて』
「・・!?」
地響きのような振動と共に、一機の傀儡兵が近付いてきた。
そのスピーカーから聞こえてくるのは、今もまだルーテシア達と戦いを繰り広げているロデオのものだ。
『どうやら負けてしまったようですね。ですが、そこまで消耗していればこいつでも十分殺せます』
「チィッ!」
力の入らない体を無理やり動かし、ケーニッヒはバイヨネットで傀儡兵の拳を受け止める。
「エリオ、こいつを!」
懐から取り出したカードをエリオに投げつけ、ケーニッヒは傀儡兵を押し倒す。
「ケーニッヒ、何故!?」
「勘違いするな、一年の寿命延長の貸りを返すだけだ」
「けど、その体で戦うなんて・・・・・・」
「良いからさっさと行け、行って未来を守れ・・・・・・・・セリカのな」
「・・・・・・・生きろよ」
エリオは手渡されたカードを砕き、登録されていた回復魔法を発動させながらストラーダを起動して飛翔する。
その姿を見届けた後、力尽きたケーニッヒは傀儡兵に突き飛ばされて地面に倒れ込んだ。
『裏切るつもりですか、スクーデリア?』
「言わなかったか、オレはこういうお約束が大好きだってな。それに、最初からお前のことは気に食わなかったんだ、こいつはな。
今日まで有効利用してやっただけ、ありがたく思え」
『そうですか。では、お礼にここで殺してあげましょう』
そんなことは初めからわかりきっていたと言わんばかりの言葉を返し、ロデオの傀儡兵は拳を振り上げる。
(ここまでか。どうやら、未来を見るどころか大事なもの一つ守れずに、オレはあの世に逝かなきゃならないみたいだ。皮肉だな、こいつは)
自嘲気味に笑い、ケーニッヒは自分の死が訪れるのを静かに待った。脳裏には、今日までの出来事が走馬灯となって蘇ってくる。
(ははっ・・・・・悪いな、セリカ。オレはここで退場だ。ルーテシア・・・・・・あんたは良い女だった、旦那にゃ勿体ない・・・・・・・
エリオ・・・・そういうことだから、来世じゃライバル同士だ・・・・・・あばよ)
そんな小さな囁きをかき消すように、傀儡兵の拳が振り下ろされる。
瞬間、どこからともなく現れたガジェット達がコードを伸ばして傀儡兵に絡みつき、その動きを封じた。
「お前達!?」
『えぇっい、邪魔だ! どけ!』
傀儡兵が腕を一閃させると、一度に数機のガジェットが打ち砕かれる。
他のガジェットが魔力弾を撃ち込んだが、それもほとんど効果を表わさなかった。
しかし、それでもガジェットは次々に現れては傀儡兵の前に立ち塞がり、ケーニッヒのことを守ろうと果敢にも攻撃を仕掛ける。
その度に傀儡兵が腕を振るい、たくさんのガジェット達が残骸へと変えられていく。
「止せ、すぐに任務に戻るんだ! オレのことは放っておいてくれて良い! これは命令だ!」
声の限りに叫ぶが、ガジェット達は聞こうとしない。なおも無意味な特攻を仕掛け、傀儡兵の剛腕で粉々に打ち砕かれていく。
「止めろ! オレは・・・・オレはお前達にそんなプログラムを組んだ覚えはない! お前達はただの道具だ。
利用するために直してやったんだ! 義理立ててオレなんかを守る必要はない!」
嗚咽にむせながら、ケーニッヒは立ち上がる。
ガジェット達は止まらない。次から次に現れては僅かばかりの時間を稼ぐために蹴散らされ、潰されていく。
何故という疑問はすぐに晴れた。
ありえない行動を取る機械を、自分は既に知っている。
エリオ・M・ハラオウンのアームドデバイス“ストラーダ”。奴は度重なる戦闘と術者との触れ合いの中で独自の自我を確立し、
機械でありながら一個の生命として存在していた。ならば、ガジェット達もまた自らの意思に目覚め、自分のことを守ろうとしてくれているのではないだろうか。
『くそ、こうなれば自爆して、奴諸とも!』
「やめろぉぉっ、ロデオォォッ!!!」
『死いねぇぇぇっい!!』
(動け・・・・・動け、オレの足・・・・動け、動くんだ。頼む動け!)
鉛のように重い体に鞭を打ち、傍らに転がる鋼の相棒を再び掴む。
瞬間、ケーニッヒの肉体は蓄積したダメージを一切斟酌することなく、機械仕掛けの鮮やかさで各部に命令を発した。
「ぬうおぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
最後の力を振り絞り、ケーニッヒは大地を蹴った。
一瞬で肉体の限界まで加速し、自爆装置が作動するよりも早く傀儡兵の首を跳ねてロデオとの精神リンクを遮断する。
同時に、限界まで酷使されたバイヨネットの柄が音を立てて砕け、ケーニッヒ自身の肉体も無茶な魔力運用のせいで限界に達し、
力なくその場に膝をついた。
見回せば、無数のガジェットの残骸が屍のように折り重なっていた。動いているものはほとんどおらず、全員が何らかの損傷を受けている。
その内の一機を、ケーニッヒは優しく抱きかかえた。
「馬鹿野郎・・・・・・何で、こんなことしたんだよ・・・・・」
すると、ガジェットはコードを伸ばして地面に何かを書き込んだ。
『おとうさん』
そこには、拙い文字でそう書かれていた。
「馬鹿が・・・・・お前らを設計したのはスカリエッティだ。オレじゃない」
『おとうさん・・・・・なおしてくれた・・・・・・かぞく・・・・まもる・・・・おとうさん・・・・・だいすきなおとうさん・・・・・まもる』
「馬鹿野郎・・・・・大馬鹿息子だ、お前達は・・・・・・」
『また・・・なおして、くれる?』
「ああ、何度だって直してやる。新品同然にしてやるよ・・・・・・本当・・・・・・・・・必ず、直して・・・・・みんな直してやる・・・・・・」
気づけば、涙が頬を伝っていた。
彼らとはいつも一緒だった。
プラントを見つけ、廃棄されていた彼らを修復し、プログラムを書き換えて道具のように使役してきた。
それでも彼らはそれに恩義を感じ、自分のことを父と慕ってくれていたのだ。
そして、自分も知らず知らずの内に心のどこかで彼らのことを家族のように思っていた。
『おとうさん・・・・・・ありがとう・・・・・・』
ドサリと、文字を綴っていたコードが地面に落ちる。
静かな音を立てて抱き締めているガジェットの動力が停止する。
中枢回路が焼き切れたのか、頭部から黒い煙が出ている。機械にとって命ともいえる基盤が壊れてしまえば、もう彼らを直してやることはできない。
二度と目覚めることのない眠りが、彼らにも訪れたのだ。
「あ・・あああ・・・・ああああ・・・・・ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
己に降り注いだ罰に耐え切れず、鋼を纏っていたはずの心が完膚無きまでに砕け散る。
そして、冷たい家族の亡骸を抱えたケーニッヒの悲痛な叫びが、混沌渦巻くクラナガンの空に木霊した。
to be continued
561 :
B・A:2008/07/18(金) 01:39:00 ID:WfxS342O
以上です。
というわけで、彼はここで退場です。
次回は一旦先延ばしとなったVSロデオの回です。
以下の補足説明はネタばれですので、保管庫には保管しないでください。
新・ソニックフォーム
この呼び方は単純にエリオの拘りで、正式名称は“ソニックスタイル”。
バルディッシュのリミットブレイクを使用できないエリオが試行錯誤して作りだしたオリジナルの騎士甲冑。
フェイトのソニックフォームと比較すると陸戦向けに最大速度よりも小回りや瞬発力に重点を置かれている。
ただし、負荷が大きくていつブラックアウトしてもおかしくないという危険があり、“広い場所”で“一対一”でなければ役に立たない
非常にピーキーな性能になっている。加速した瞬間に壁に激突して自滅なんてした日には目も当てられない。
なお、没案として短パンフォーム、海パンフォーム、褌フォームというものもあった。
正に「さらば、僕の羞恥心」
562 :
B・A:2008/07/18(金) 01:40:09 ID:WfxS342O
>>561 本編読んで熱くなった後、ソニックフォームの解説で最大に吹いたw
こいつが超GJ(スーパーグッジョブ)!!!
>>561 三フォーム没秘話。
エリオ「これが新フォームだよ、ルーテシア。…………ああああっ、荷物をまとめてどこ行くの!? 実家ですかぁ!!??」
すまんかった。
そしてGJ!
『もう一人の母さんの魔法』
そして
『バリアブレイク』
ありがとう。
久しぶりに泣いちまったよ……
>>562 GJ!
自分でお約束言ってりゃ世話ねえなケーニッヒ
このあとはロデオが倒されセリカが墜とされ万々歳ってか
>>566 言いたいことは分かるが、もう少しオブラートに包もうぜ。
かく言う自分も正直中将の考え方に惹かれてる人間なんで、なんとかセリカには頑張って欲しいぜ。
難しいよね、正義って。
まあ、手段がちと、なぁ。
今の日本が鎖国したらどうなるか、とか考えたら、とてもじゃないが応援できるやり方じゃないんだ。
これで熱くならない奴はいないんじゃないかというぐらい良かった!
本当に正義ってのは難しいもんだな…
それから解説に思わず笑っちまったw
短パンフォームはその歳じゃマズイッス
GJ!!!
ベッタベタですね
>>568 ミッドチルダの国土面積が不明だから何とも言えないんだよな
日本と同じくらいだと経済が破綻したり食料不足になりそうだが、地球と同じくらいなら何とかなりそうだし
あー、でもミッドチルダ南部のザンクト・ヒルデ魔法学院は首都から1時間なんだよな……
もしかして一つの県くらいしかないのか?
>>571 そもそも交通機関が現実世界と同じかわからん
下手をすれば「南部への直通テレポーター(所要時間10秒)」
なんてものがあるかも知れ
そんなのがあったら沈没しそうな船にスバルが一人で乗り込んだりしないだろw
>>573 つ行先座標固定
座標指定自由なテレポーターがホイホイ使えるなら、
さすがに三期本編の戦術に歪みが生じる
本局の一艦船のアースラは座標を好きに設定出来てたような……
まあ、アースラの設備〉〉〉〉〉地上の設備かもしれないけど
>テレポーター
普通に次元犯罪者や反管理局世界と戦っているので、対テロで広域妨害をかけているのかも。
他所の次元世界との交易で利益をあげてる企業や、施設の大半が他の世界にあるような企業は潰れるだろうしな。
となると失業者が溢れるわけで、そっちのケアができないとそれらが犯罪者になってしまう可能性もある。
あとは食糧自給率か。本編中ではそっち系の描写が一切無かったからな。郊外には畑とかあるんだろうか?
公式が何も言ってない以上、個人個人が勝手に妄想しとけばいいのさ
少なくとも議論して解決するモノじゃない
なんというかリリカルなのはSSってメイン張る敵だったキャラが主人公達に共感、または諭されちゃうのが
多いんだよな。本編自体がなのは達が正しいって方向性だししょうがないんだろうけどそういうのが多すぎて
少し辟易してる。でも、そういうのが求められてるんだよね。
なのは達と最後まで相容れないSSってないかな?
なーのなーのなの悪魔の子ー♪
少なくともプレシアは最後まで相容れることなく消えていったような
つーかフェイト自体、なのはに諭されたって言われると何か違う気もする
一応スカも現時点では相容れられてないが、なんか四期では普通に味方側にスカ博士とかいそうな気がしてならない
>>576 緊急時に使えるようにするぐらいするだろwww
救急車や消防車に道路交通法を順守しろって言ってるようなもんだw
>>579よ。とりあえず、「求められている」とか、自分の意見を一般化するのやめろ
どうもその書き方から見ると、エロを求めているわけじゃなさげだし、ここじゃなくて
>>2のリンクからいける他のなのはSSスレに行ってみるといいと思うよ
>>579 エロパロスレで自分の求めるSSがないかって聞く時点でもうね、アホかと
ここで空気が読めることに定評のあるなのはさんから一言!!
ト、
| ヘ _/}
少 し … | . ヘ / /
_,ゝリ. | / /
頭 冷 や そ う か … ,--メ、_ 〉-┴―' ' ― ― - : - 、 / / /
ノ--' \、: : : : : : : : : : : : : : : : : \ / / /
, '": : : : : : ヽ}: : : : : : : : : : : : : : : : : : \. / _/^ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :Y/三`: : : : : ヘ
/, イ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_,. ‐'" ノ木\:`ヽ、.: : : : ::ヘ
_ / / : : :./ : : :: :./ : : : : : : : : : : :.:ヽ: : : /:ハヽ \ : : ヽ: : : .ヘ
./-- ヽ /: : / / / : : : : :. :V: ://ハ ヽ \: \:. ヘ
/ ヽ /.:..:;イ..:..:../:..:..:..:..:.,!..:i..:.i.:..:..:..:..:..:..:..:. .:..:..:..:V..:/..::ハ ヽ V..:. :...ヘ
| ', |:.:./::|.:.:.:.:|.:.:.:.:.i:.:.i:|.:.:ハ:.ハ.:.:.ト:.、:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.V:./:/ ', V:::.:.:.:.: .ヘ
{ ', レハ:.|::.:.:∧::i.:::| ::::|,士弌 ヽ_心ヾヾ、_'i.:::i.::.i.:}/:/ ヽ V::::...:..:..:..ヘ
', ', /;:| 'ハ:.:.:.ハ:N::.:.ト:.:.|`込ラ` \弐弌ヘ..i:.:|.:.:}イイ´ \. }:::::::::.:.:. .:.ヘ
', \ {ハ| /ハ:.:ハ:.:ヾ::ヾト、`"" ヾヒ乃}:|:ノ:.:b ノ \( \:::::::.:.:.:.::ヘ
ヽ \__/"⌒ヾ!ヽ\ゝヽハ` , `'''''゙ レリ:/<_ r---、\ \::::::::.:.:.}
\. }、ヾヾ\ (⌒ヽ ト\ ト::ト、 、__ ノイ| ! `TT'´ \ ':,::::::.:.|
/⌒\__ノ \:..\ \`ヽ 》 ヾ!. \ ,. イイ:.::| ! !:ハ \__ }:::::..リ
__/:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::.:..:ヘ:ヾ ヽ \ 《 /ト\ `ー<__/ /:.:/ノ ノノ } } \:.:/
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.ヽ::::::::::::::::::::::.:ヘ.ヾヾヽ: i \./ ≫ {\lニニコイノ / / ! } ハ
.{.:.:.:.:.ヽ:.:.:r´⌒ヽi::::::::::::::::::::::::::i:ll.:.ll:. ツリ }. / ≪ ', |::| ン / ≪ | /ノ .|
/.:.:.:.:.:.:.:.V {:::ヽ:::}::::::::::::::.|:||.:||.:.:} リノ { \ \二ー/ / | // ノ
(.:.:ヽ/⌒\ )-、./⌒\ソ|:||.:||.:/Y____,イ-----\ ヘ / /_____| =ニノ/
\r'\ ヽ__/ /.:ノ:||.:||//:/ { \ V / `}__/´ , イ'
\ \__ノ (/ヽ_ノ 7.:.リ:.リk::::| ヘ ,___ゝ、. |∠_, ------、 ト、_ / ノ、
\_/\ L/ /.:./:./イ||.:.| .人 {:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:}} イ \ \
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>>579 求められてるというか、都築氏がそういうの好んで使うからな。
原作の味を残してSSを書こうとするとそうなってしまう。
590 :
三浦:2008/07/18(金) 16:05:35 ID:z5scxbAK
30スレぐらい久しぶりですが、これから投下しても大丈夫でしょうか?
是非!!!
592 :
三浦:2008/07/18(金) 16:10:22 ID:z5scxbAK
では、これから投下させて頂きます
StS後の時間軸、メインキャラは1歳ずつ年を取ってます。オリジナル設定が多数あり。
メタ発言及びTV本編に否定的な発言が随所にあります。
オリ×フェイト オリ×スバルの予定、非エロ。ヴァイス×ティアナ、他ノーマルCP前提。
百合0%。あってもギャグのネタレベル。
NGワードは「Mago azzurro senza fine」でお願いします
「ここも違う……」
フェイトは蛻(もぬ)けの殻となっていた部屋を後にして、狭い通路の中を走っていた。
ここまで数えて4つの部屋のどれもが、元いた者達が既に引き払った形跡を確認しているゆえに、その足取りには焦りの色が見え始めている。
飛行魔法、あるいは高速移動で時間を短縮したい所だったが、人二人がようやく通れるような広さでは、飛行魔法を行使するとかえって動き難い。
バルディッシュも基本の斧型(用途自体は杖と大差ないだろうが)を保ち、敵の量産型戦闘機人やガジェットT型も、『フォトンランサー』のみで方を付けなければならない状況であった。
幸いこちらは一人なので同士討ちの心配は無かったが、敵は機械に過ぎないのだから殆ど同じ条件と言えた。
ならば数の少ない方が圧倒的に不利であるのも事実。
しまいには、AMF(アンチ・マジック・フィールド)の影響で念話及びデバイスによる遠距離通信がジャミングされていて、味方の状況を知る事が出来ない。
それがフェイトの焦りに更なる拍車をかけていた。
◇ ◆ ◇
「これ……なんて言えばいいんだろうね?」
ジャルパが呟いた言葉に、スバルもティアナも返答に悩む。それだけ、眼前の光景には現実味を感じられなかったからだ。
廃ビルの屋上で自分達の前に現れたのは巨大な一匹のコウモリ、いや。これはコウモリの一種とは言えなかった。
最も近い形状の生物がコウモリであると言うだけだった。
主な体色は濃紺と黒、そしてコウモリと人間を掛け合わせたような生物、としか言いようが無かった。
ただ一つ断言できる事は、こいつが自分達の眼前に立ちはだかっている敵であると言う事だけだ。
「とりあえず、3対1でフルボッコかな? スバルちゃん達は前から、僕が後ろから行くよ?」
ジャルパが軽い調子で切り出した提案に、スバルは顔色を変えた。
「前からだけでも充分じゃないんですか? 後ろからなんて……」
恐らくは前後から攻撃を仕掛けるのが気に入らないのだろうとジャルパとティアナは察する事が出来た。
「もしかしなくても、『戦いは正面から正々堂々とやりましょう』って言いたいの?」
ジャルパは笑顔で聞き返してきた。
そして、スバルの答えを聞かずにいきなり敵の方に向かって後ろ向きのまま飛び上がる。
いわゆるムーンサルトの容量で敵の後ろへと回り込んだと確認した瞬間、突風がスバルとティアナに襲い掛かった。
背後には落下防止用のフェンスが張り巡らされていたため、落ちる事は無かったが、それでも衝撃と痛みが体に走る。
一瞬ブラックアウトして霞んだ視界にかろうじて映ったのはジャルパがレミントンでコウモリに銃撃をしている光景だった。
『スバルちゃん、ティアナちゃん、生きてる!?』
軽快な呼び声が念話を通じて頭に響いた。
『これでも正々堂々なんて言える? 僕たちの常識で考えたルールなんて相手にしてみれば知ったこっちゃないんだよ?』
ジャルパがコウモリに勢いよく飛び掛って頭を蹴り飛ばし、空中に現れた蒼い羽根が矢のように飛び交ってコウモリの羽根に穴を開ける。
さらに畳みかけようとレミントンのポンプを引き、銃口を向けて狙いを定めた瞬間、コウモリは口から衝撃波を発した。
「のわぁっ!」
ジャルパはそれをもろに胸の辺りに受けて、先ほどのスバル、ティアナと同じように吹き飛ばされる。
恐らくコウモリが元々備えている、距離を測るための超音波を出す器官を強化したのだろう。
小さい動物でも人間と同じ大きさになれば、それだけの威力を持った武器を幾つも備えた存在になりえるのだと言う事実に驚愕する。
そして、敵は人間のルールなど通用しない獣であることも同時に痛感した。
◇ ◆ ◇
『充分注意してください。先ほどまでの量産型戦闘機人とはまるで違います。おそらく目の前の機人は蜘蛛の細胞を使い』
「黙っていろ、気が散る!」
相棒の槍を黙らせて、アルバトロスは目の前のクモと人間の混合生物に詰め寄り、首を狙って刃を振るった。
クモ機人(仮称)は間一髪でそれを躱すと口から糸を吐き出して、アルバトロスの右足を狙ってきた。
それを左にサイドステップを踏んで避けると、魔法の式を組む。
槍の穂先に空気か集まって来るのを感じ取り、魔力を穂先へと集中させた。
『Wind Blade』
アルバトロスが槍を振りかざした瞬間、魔力によって精製された空気の刃がクモ機人に向かって飛ぶ。
この一撃には敵を仕留めるだけの威力が無い事は自分で分かっている。狙いはそこからコンビネーションを繋げる事。
この魔法は風を刃にして飛ばすだけではなく、刃に空気をまとうことでそれ自体の攻撃力を上げる事が出来る。
アルバトロスが槍を振り回すたびに気流の刃が飛び交い、敵を切り刻んでダメージを与える。当たればもちろんの事、躱されても風の刃が切り裂く回避不能の二重攻撃だ。
派手な大技を見せびらかす必要はない。微細な傷を相手に与えて続けて弱らせ、確実に仕留める。
魔力量に飽かせた力押しばかり考える人間など、スポーツ感覚で戦う言わば『甘ちゃん』でしかない。ここは少年向け格闘アニメの世界ではなく、犯罪者を殺す事さえも日常の一部であるミッドチルダなのだから……。
(いける!)
カマイタチで八方塞がりになり、遮二無二突っ込んできたクモ機人に向けてアルバトロスは待っていたと言わんばかりにバインドで絡め取った。
糸の巣を張るクモを逆に捕らえると言うシュールな構図だ。
三枚の魔力貯蔵カードを槍の石突きに取り付けられたスリットに投下させる。
『3cards Charge! Spiral Thrust』
ティフォーネの穂先に次第に風が集まって、自分の側へ吹く竜巻が形成される。
アルバトロスは大きく後退して片手で柄の中央を握り、勢いを付けつつ体の自由を奪った相手の心臓目掛けて全力で槍を投擲した
ドリル状の風を槍に纏わせ、回転した槍がクモ機人の心臓を肉片にしながら大穴をこじ開けるはずだった……。
◇ ◆ ◇
「ここもか……」
もう何度目になるかも分からない台詞を吐きつつも、フェイトは中へと入り込んだ。
司令室かは断定出来ないが、大きなディスプレイが目に付く。
「バルディッシュ」
『Get set』
短く答えた相棒を介して、情報端末へのハッキングを試みた。
ここが司令室ならば、量産型の戦闘機人へ命令を出している信号を止めて無力化することが出来る。あとは有用な情報を引き出して破壊するだけだ。
「悪いけど、ここはハズレだ。司令室はこの隣になる」
「ああ、そうですか……、って!」
背後から聞こえた声にフェイトは慌てて身構えようとしたが……
「動くな」
後頭部に何かを当てられる。感触からデバイスを突きつけられているようだ。
首に当てない事から刃物の類ではないだろう。だとすれば銃器タイプのストレージかインテリジェントデバイス。
魔力反応の無い量産機人ばかりいる状況で、魔導師がいる事を失念していた。
まんまとハメられた。と言うより、バルディッシュの探知にも引っかからなかった相手のステルス技能故だ。敵ながら見事と言った所か……
「デバイスを置いて、両手を頭の後ろで組んでもらおうか?」
声からして背後の敵は恐らく男だ。
今は相手の指示に従っておこう。しかし、ただ黙ってやられるわけには行かない。
『バルディッシュ、気付かれないように』
「おっと!」
声紋パターンの記憶をさせようと、バルディシュに念話で指示を送ろうとした瞬間、紅い光弾が1発、フェイトの耳をかすめて目の前のディスプレイに穴を開けた。
「念話も禁止。こっちも必死なのよね」
男は軽い調子で言い放った瞬間、紅い紐状のバインドがフェイトの体を縛り付けた。
バルディッシュは手から離れて、体の自由は封じられてしまった上に助けを呼ぶ事も出来ない。最悪の状況だ。
「ボス達もそろそろ逃げた頃かな?」
男はフェイトの前に回りこんでその姿をさらす様にテーブルに座った。
黒いスーツとネクタイに赤いワイシャツ。一見すると地下組織の構成員と言うよりも、雰囲気の軽さとあいまって夜の街にいるホストを連想させていた。
と言っても、足に履いているのは正装に欠かせない革靴ではなく、機能優先のスニーカーに近い。手は黒いグローブで保護してある。
当然そんな水商売人はいない。一見してバリアジャケットである事を悟らせないその姿は、自分たちが普段眼にしない『狡猾さ』が滲み出ていると感じた。
極端に長くも短くもない黒髪はミッドチルダでは珍しい。そして何よりも目が放せなかったのは彼の笑顔だった。
一見すれば誰にでも分け隔ての無い態度を示すような微笑みに見えるそれは、むしろ完璧すぎる故に違和感を覚える、無理やり張り付けたような『虚構の笑顔』と感じた。
自分と同じ紅い目は、自分とは違う物を今まで見てきたのだろう……。右手には一風変わった銃器が握られていた。
ボディのカラーは黒、普通の銃器とは違いグリップを握った拳の先に銃身があると言う特異な形状。
あえて言うなら、アルファベットの『A』の先端を潰したような感じだ。
そして銃身の下部には片刃のブレードが折り畳まれている。恐らく状況に応じてブレード全体が銃身をかぶせる様に伸ばして刀剣に変形させるのだろう。
形状から察するに、近接及び中距離戦を主眼に置いた設計をされている、とフェイトは推理した。
「ああ、コイツが珍しい?」
男はフェイトの視線に気付いたのか、ひょいとデバイスを上げて言葉を返した。
「カタログには出てないよ。ジャンクパーツで組み上げたハンドメイド品だから♪」
あっさりと答えた態度にフェイトは驚く。わざわざ自分の情報を漏らしているような物ではないか?
しかし、これで相手のデバイスから得られる情報は役に立たない。ジャンクパーツ製と言う事は、他人が使った不要物をかき集めて作ったものだ。パーツの流通ルートを探っても意味は無い。
「オレとしてはデバイスの話も好きだけど、どっちかって言うと君のスペックが知りたいなーってね」
「私の魔力とランクなんて知ってどうするんですか? そんな事なら民間人でも知っていますよ」
スペックと聞いて真っ先にフェイトは戦闘に関する事と察して返すが、男の方は逆に予想もしていなかったと言った風に、目を点にしていた。
「うわー、捕まってもマジメなのね……。でもさ、あんまりマジメだと男にモテないよ」
ピシャーン!
彼の言葉と共に、フェイトの脳内ではサンダーレイジ級の落雷が走った。
この状況が画面に移されるとしたら、暗転して亀裂が入る演出がされたことだろう。
マジメだとモテない……まさかそこに自分が未だに恋人が出来ない原因に繋がっているのだろうか……?
くどいようだが、なのはにはユーノがいる、はやてにはヴェロッサがいる。部下のティアナとシャーリーはそれぞれヴァイス、グリフィスと付きあっている。
更に義兄も数年前に結婚し、自分の使い魔さえも最近は人型になる機会に恵まれない守護獣とつつがなく交際が続いている。自分が保護した二人の子供たちは周囲からお似合いのちびっこカップルと囁かれている。
なのに、フェイトだけが浮いた話一つ無いまま執務官をやっている。
挙句の果てには高町なのはと、百合と言う名の鋼の如し絆で結ばれていると言う、はた迷惑な噂までも後を絶たない……
どよーん、と肩を落としてブツブツとなにか呟いているフェイトを見て、男の方は何か言ってはならない事を口にしてしまった事を悟った。
「絶対無敵かと思われた執務官にも、意外な弱点があったのね」
◇ ◆ ◇
ヴァイス・グランセニックはヘリを自動操縦に切り替えて、ストームレイダーをライフル形態で構える。後部ハッチを開いた先にはティアナ達3人が量産機人、及び『未確認の敵(アンノウン)』に苦戦を強いられている。
「まずは雑魚を減らす……」
何千回も繰り返した狙撃の魔弾を構築する。直径が親指ほどあるか無いかと言うぐらいの大きさに凝縮した上で、何層にもコーティングされた弾丸が放たれる。
その0.1秒後には彼女等3人を取り囲んでいる機人がバタバタと倒されていくのだ。
1人につき1発、あるいは弾道が重なって偶発的に複数を倒せる場合もある。
化物のような破壊力は無い変わりに、一撃で相手を確実に撃ち抜く様は、文字通り『必殺』と呼べる代物だ。
それは、かの白い悪魔高町なのはよりも状況次第で有用性を発揮する。どちらか一方が絶対的に優れているわけではなく、あくまでも状況次第だ。
今の状況で仮にヴァイスではなく、なのはが砲撃魔法を行使したとしよう。
確かに敵は一撃で殲滅される。ただし、スバル達が被るダメージと周囲の被害を考えなければの話だ。
彼女のような強大な破壊力を効果的に使うならば、能力の高い結界魔導師の存在が不可欠になってくる。そして、今の彼女の手綱を握れるだけの人材は殆どいないのだ……。
JS事件で味方などの被害が殆ど無かったのは軌跡に近い。おそらくバックアップを行ったスタッフによる努力の賜物だ。
そして、今回の任務で彼女に呼び声がかからなかったのは、破壊力によるデメリットの方が余りにも大きすぎると判断されたからに他ならない。
ならば逆に、対人戦闘のスキルを重視された人選でヴァイスが今ここにいると言う事だ。
雑魚は数えるほどにまで減ってきた。
これならばスバルとティアナでも充分に片がつく、とすれば次に狙うのは必然的にジャルパが戦っているアンノウンだったのだが……。
『Caution!』
スコープが新たな敵の反応を捕らえた事をストームレイダーが警告してくる。
ヴァイスがスコープを向けた先にいたのは……。
「あいつは!?」
◇ ◆ ◇
転移魔法を構築して、ティアナとスバルの前に女性がひとり現れた。
夜の闇には不釣合いな純白の長髪、同じく白を基調としたバリアジャケットは、肩や太腿を露出させており、どこと無くボンテージやレオタードを髣髴とさせる。
自分たちのよく知った教導官のバリアジャケットを蟲惑的に改造すれば、あんな風になるのではないかと思った。
しかし、彼女が持っているデバイスは杖ではなく、拳銃であった。
「なんか、パッとしないな〜」
彼女は周囲の状況を確認するや、いきなり溜め息をついた。
「何者!?」
目の前の女に、ティアナは即座に銃を向ける。
「何者もなにも……あんたたち管理局の、敵だけど?」
女は臆面も無くそう口に出した。更に続けて……
「あんた、あんまり面白くなさそ……、10秒ぐらいしか持ちそうじゃないや」
期待はずれと言わんばかりのガッカリとした表情で、ティアナを品定めし出す。
「2人でかかってきていいよ。それなら1分ぐらいは楽しめると思うから」
用は、今この場で戦っているの3人の中で自分が一番格下だと言う事だ。
あの女の後ろでコウモリと戦っているジャルパは手が放せそうにない、とすればこいつの相手をするのは必然的にスバルとティアナになる。
「は〜、やっぱりあの時見たいな戦いは期待出来ないな〜」
「あの時?」
スバルはいつ相手が襲い掛かってきても応戦できるよう、構えだけは解かずに聞き返した。
「このデバイスを使ってた男と戦った時。7年ぐらい前だったかな? えーと、名前は……」
女は手元の銃に目をやってグリップに掘り込まれている名前を確認する。
「ティーダ、ランスター、って読むのかな。ずっと退屈だったけど、あの戦いだけは楽しかったなぁ♪」
その口ぶりが、ティアナの内にセットされた導火線に火を点けた。
「……ふざけるな」
スバルでさえも、聞いた事の無いほどのドスを効かせて絞り出された声。
「ティ……ティア?」
「兄さんは……あんたなんかの退屈しのぎで殺されたってワケ?」
目の色が変わると言うのはこんなことを指して言うのだろうと、スバルは普段あまり使う事の無い頭で考えていた。
こんな彼女は見た事が無い。たぎらせた怒りと憎悪を隠す事無くむき出しにしている。
「殺して……殺してやるッ!」
「さぁ、おいで……」
子供を迎え入れるような仕草を女がとった瞬間、ティアナはアサルトナイフに変形させたクロス・ミラージュを構え、思い切り踏み切って襲い掛かっていた。
「殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる! 殺してやる――――――ッ!」
繰り出されるティアナの斬撃を女の方は軽々と避ける。その気になれば反撃などいくらでも出来るほど、今の彼女が隙だらけだと言う事にスバルは気付いていた。
むき出しの感情がティアナの攻撃を無駄な力の入りすぎた大降りに変えてしまっている。
そして思い出したのは、ティアナが情け容赦なく圧倒的な魔力に飽かせて撃墜されたあの光景だった。
今度は模擬戦じゃない。相手は情けなどかけない。
スバルはマッハキャリバーを最高速のモードにして二人の間へ突撃を敢行した。
急加速によるGが体をのけぞらせようとも、スバルは加速を止めない。
このまま勢いを利用して、ティアナと相手を引き離しつつ一撃で相手を昏倒させる算段だ。
グローブのタービンが回転し、周囲の空気を震わせ、廃莢された2発の弾丸によって魔力が上乗せされる。
「いっけえぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーッッ!!」
懇親の力を込めて繰り出された右拳が鈍い音を響かせる。
スバルは放った一撃に、標的の骨を砕く手ごたえを確かに感じていた。
「……ごふぁっ!」
命中した標的は派手な音と共に鮮血を口から吐き出し、地面を赤に染める。
「…………えっ…………」
そして、ナックルが突き刺さっていたのは、他ならぬティアナの背中の左あたり、心臓のほぼ真後ろであった。
「ざーんねん♪」
女はティアナのバリアジャケットを片手でつかみながら、楽しげに口を開いた。
読まれていた。としか言いようがない……。
だからこそ、こいつはあんな真似ができた。自分は全く手を出さずにティアナを盾にするだけで、スバルの攻撃を利用して二人にとっての大ダメージを与えた。
あんな場所にカートリッジの魔力まで上乗せした懇親の一撃を叩き込まれれば、いくら非殺傷設定でも人間の体が耐えられるはずもなかった……。
下手をすれば折れた骨が内臓に突き刺さっているかも知れない。
だが、それよりも大きいダメージは……。
「……ティア…………あ、ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!」
スバルの心に刻まれる『味方を傷つけた』と言う事実だった……。
598 :
三浦:2008/07/18(金) 16:18:15 ID:z5scxbAK
以上です。
すんません、忘れられた頃にやってきました。ランボルギーニ・ミウラです。
出す予定の無かったキャラクターを新たに作ってしまったために、話を纏めるのに時間がかかりました。
あと、全然技名叫ばせられません。なぜなんだろう……
そう言えば、本編にランボルギーニの車名の人っていませんね。氏がトラクターと同レベルだと思ってるからでしょうか?
600 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 17:44:24 ID:2pkniFbr
オリキャラ×フェイトキター
601 :
579:2008/07/18(金) 17:55:06 ID:NqrTjrJK
ここの非エロSSの感想レス見て「求められてる」って解釈して書いたんだが、不快にさせてゴメン。
あとスレ違いな発言も反省してる。次からよく考えてから書き込むわ。
キニスンナヨ
乙
>>600 sageてね、と俺の隣にいるフェイトさんがおっしゃっている
>>579 保管庫にある長編などには、そんな敵側が我を貫くのも多いですよー
自分もそういうSSも好きなので、色々探すと面白いかと思います
605 :
ザ・シガー:2008/07/18(金) 22:03:20 ID:+pcKFack
さて、突然だが投下するぜ。
前回書いた「鬼畜艦長 クロノ」の後編でエロでっす。
鬼畜艦長クロノ(後編)
クロノが部屋の外に人の気配を感じるのと、ドアが開く音が響くのは同時だった。
ノックもせず呼び鈴も鳴らさず…いや、そもそも表札のないこの部屋にいきなり侵入してくる人間など限られている。
部屋にやって来たのは長く美しい金髪を揺らした女性だった。彼女は迷う事無くクロノとはやてがまどろみに耽る寝室へと一直線に足を進める。
寝室のドアが開くと、クロノはそちらに顔も向けずに踏み入ってきた女性に声をかけた。
「少し遅かったですね」
「ええ。その……仕事が忙しかったもので…」
クロノは未だ陶酔に浸るはやてをベッドに残して立ち上がると、汗に濡れる火照った身体を気にもせず全裸で女性に近づいていった。
女性は一糸纏わぬクロノの裸体に思わず頬を染めた、いままで何度となく見てきたものではあるが、羞恥心の強い彼女はやはり恥じらいを覚えるのだろう。
クロノは彼女のその反応に心底嬉しそうな黒い笑みを浮かべる。
ほどなく二人の距離はゼロに近づき、クロノは唇が触れそうなくらいに彼女に顔を寄せた。
「はやてはしばらく無理みたいなんで、じゃあ早速始めますか騎士カリム?」
「そんな……せめてシャワーを…」
女性、聖王教会騎士である金髪の美女、カリム・グラシアは胸の奥まで射抜くようなクロノの鋭い視線に顔を俯けて小さな声で答えた。
仕事上がりで少しばかり汗をかいた身体で好いた男に抱かれるのはあまり良い気持ちではないのだろう。
しかしクロノはそんな事などお構い無しに彼女の艶やかな唇に口付けた。
「んぅぅ!…ちゅぷっ…ふむぅ!」
唐突に唇を奪われ、妖しく蠢く舌に貪られてカリムは思わず身をよじって抵抗した。
だが彼女のささやかな抵抗など猛る獣欲に身を焦がす雄には敵わない。
即座にカリムの細い両肩をクロノの手が押さえつけて、そのまま彼女を壁に押し付けた。
手足をバタつかせて抵抗するカリムだが抵抗も虚しく、口付けの快楽は彼女の心と身体を蕩かせてしまう。
舌が口内を蠢き、舌同士を絡ませあい歯の裏側まで舐め上げて淫蕩に蹂躙していく。
すぐさまカリムの四肢からは抵抗の力が抜けていき、ダラリと力なく垂れる。
しばしの時、部屋には二人の口の間から零れる舌同士が舐めあう水音のみが支配した。
永いようで短い口付けの時間が終わりを告げ、クロノが唾液の糸を引かせながら唇を離す。
口内を満遍なく愛撫されたカリムの瞳は情欲に火を灯され、トロンと潤みきっていた。
こうなったら、もう後はただ彼の思うままに辱められるより他は無い。
クロノはカリムの肩を押さえていた手をそのまま下に移動し、彼女の纏っていた法衣を脱がしにかかった。
胸元から服が脱がされ肩から肌蹴て、純白の下着に覆われた彼女の豊満な乳房が露になる。
薄明かりの中でもよく分かる白磁の美しい肌を純白の衣が飾り、まるで一個の芸術品のようだった。
これを好きに出来るかと思えば、いつもの事ながらクロノの胸は悦びに一段と高鳴る。
「相変わらず綺麗ですね、見惚れてしまいますよ」
「そ、そんな事は…」
純粋に心から述べたクロノの賞賛にカリムは思わず顔を俯けながら、頬を恥じらいの朱に染めた。
まるで生娘のように恥らうその仕草は妖艶さの中にいじらしい純真さ与えて、ひどく可愛らしく映る。
クロノは一瞬だけ彼女の艶姿を目に焼き付けると、すぐさま邪魔な白のブラを外しにかかる。
彼は胸を覆う下着のフロントホックを薄暗がりだと言うのに瞬く間に解除し、即座に抜き去った。
そうすれば、美しくたっぷりとしたボリュームを有するカリムの乳房が露になる。
ブラを抜き去るときの反動で大いに揺れる乳肉に、クロノの股間は先ほどまではやてを散々犯していたのが嘘のようにいきり立った。
猛々しい彼の肉棒の凄まじさにカリムは思わず喉を鳴らして魅入った。何回見ても彼の剛直の凶悪さには驚かされる。
「じゃあ早速いきますか」
「え?」
カリムがそう疑問に思った刹那、クロノは彼女のロングスカートをたくし上げてそのまま下着越しに秘所を弄る。
既に先ほどの熱烈な口付けの快感の為にびしょ濡れだったそこからは、湿ったいやらしい音が漏れた。
「ひゃぁっ!」
胸元を肌蹴させられたから胸から弄られると思っていたのが、唐突に秘所から触れられた。
思いもよらないその刺激にカリムは甘い鳴き声を響かせる。
「凄いな、もうすっかりびしょ濡れだ。これならすぐいけますね」
そう言うや、クロノはそのまま力任せにカリムの下着をずり下ろして彼女の身体を反転させて壁に手を付かせた。
自然、カリムはクロノに向かって尻を突き出す体勢になる。彼女の形の良い豊満な尻が揺れて雄を淫らに誘う。
「それじゃいきますよ」
言葉が言い切られる前に硬くいきり立ったクロノの肉棒が即座にカリムの秘所に当てがわれ、一瞬で貫く。
既にしとどに濡れていた蜜壷は凄まじく隆起した肉の槍を、一切の抵抗無く奥深くまで受け入れた。
膣の奥、最も感じる性感帯を正確に抉られたカリムはあられもない嬌声で喘ぎながら背を反らせ震える。
「ふぁぁあぁっ!!!」
まるで洪水のように愛蜜で溢れたカリムの蜜壷は、様々な緩急を付けて埋没した肉棒を締め上げて快楽を貪った。
彼女の淫穴の与える快感にクロノはさきほどはやてを犯し尽くしたとは思えぬほどに腰を突き上げる。
バックの体勢で肉槍が膣を抉り突き刺し、壁に手を付いたままのカリムはただひたすらにクロノの猛る肉欲に嬲られた。
「くっ! 素晴らしい締め付けだ、やっぱりあなたはバックの方が燃えるんですねぇ」
「ち、違います!…んぅぅ……私は…はぁんっ!」
獣のように後背位で犯されて喜んでいる、等と言われてカリムは彼の言葉を必死に否定しようとしたが、それは叶わなかった。
まるでタイミングを狙い済ましたかのように、クロノがさらなる力を込めて思い切り腰を突き上げて膣を抉る。
溢れる愛液を掻き乱して行われる肉棒の蹂躙に、カリムの秘所からはグチャグチャという淫靡な音が響く。
「そうは言ってもあなたの“ここ”は凄く嬉しそうじゃないですか。さっきから溢れてますよ?」
「はんっ!…やぁぁ…ちが……んぁぁあっ!!」
嬉しそうな残響と嗜虐に満ちた声でそう言いながら、クロノは腰の動きのピッチを上げる。
掻き乱された愛蜜が泡を作りながら掻き出され、水音と共に膣内の様々な性感を感じる箇所を強く突き刺し抉る。
徹底的に膣肉を貪る肉棒の蹂躙が少しも休む事無くカリムを責め立てた。
さらに、カリムのしなやかな腰を押さえつけていた腕がスルリと移動、向かうは上方にある彼女の豊満な乳房。
大きな彼の手が着衣の拘束から開放されたその美しい二つの果実を鷲掴んだ。
彼の指は極上の柔らかさを誇るカリムの乳肉にしっかりと深く沈みこむ。
力を込めて豊かな乳房が満遍なく揉みしだかれ、それに応じて形を変える。
もちろん先端の乳頭を転がすのも忘れない、白磁の肌に映える桃色のそれをガッシリとしたクロノの指が乱暴に掴んでは弄繰り回した。
「ひゃんっ!…やぁ……胸ぇ…そんな…いぢらないでくださ…はんっ!」
性感の塊のような膣を抉られ敏感な乳首を弄られ、まともな思考が欠片も残らず溶けてしまいそうな強烈な快楽。
カリムは甘い声で許しを請おうとするが、彼女の言葉が最後まで言い切られる事はなかった。
クロノの腰の動きがさらなる加速度を加えられ、容赦なく蜜壷の内部を蹂躙してカリムの脳を快楽で蕩かせる。
「ナニ言ってるんですか? 好きでしょ? 胸弄られながら後ろから犯されるの」
「そんな…あんっ!……ちがいます…わたしは…ふあぁぁぁあっ!!」
カリムに反論など許されなかった。
彼女が声を発しようとした刹那、クロノは熟知し尽くした彼女の性感帯を的確に肉棒で突き上げる。
そうすれば言葉を紡ぐ事など不可能だ、彼女の美しい唇からはただ甘えた鳴き声しか出す事はできない。
カリムの身体、こと性感という点においては彼女自身よりもクロノのほうが遥かに理解しているのだ。
クロノは肉棒が一突きする毎にあとどれだけで彼女が絶頂に達するか手に取るように分かった。
「ああ、もう少しでイきますね? それじゃ僕もそろそろ一回出しておきますよ」
「はぁっ!…まって…もうすこし……やさしく…んぅ!…」
「ダメです」
その言葉と共に乳房の先端の桃色の豆が捻り上げられながら、カリムの膣を抉る肉棒がある一点、彼女の感じる最大最高の箇所を今までとは比べようもない力で突き上げた。
そして吐き出される白い精。粘り気を帯びたクロノの子種がドクドクと音を立てて吐き出される。
内蔵まで響きそうな凄まじい衝撃が身体の芯を貫き、膣から背筋を流れた快楽刺激が脳に濁流の如く注ぎ込む。
あまりに強烈な絶頂の快楽にカリムは意識が一瞬跳び、身体が甘い電流に溶けるような錯覚を感じた。
「はぁあぁっ!!!」
汗に濡れた輝く金髪を振り乱しながら背を折れんばかりにのけ反らせてカリムは絶頂の内に果てる。
部屋にはただ彼女の甘い嬌声が響き渡って、ひどく耳に心地良い。
快楽の極みに達したカリムは半ば意識を失って全身を弛緩させてしまう。
支える力を失った彼女の身体をクロノは乳房に回していた手をとっさに腋に移して支えてやった。
「大丈夫ですか?」
「ふぁ…ふぁい……らんとか…」
クロノの問いにカリムはろれつの回らぬ言葉で返した、快楽で蕩けきった彼女はしばらくは上手く喋ることも出来ないだろう。
大量の精液と愛液で泡が立っている結合部から肉棒が抜き去られると、クロノはカリムの身体を支えながら彼女の身体に手を這わせる。
彼の手は実に巧みにカリムの纏っていた服を脱がしていく、それは正に熟練の技だった。
瞬く間に一糸纏わぬ裸体となった彼女を抱き上げると、そのままベッドに運ぶ。
ベッドには、未だ先ほどの交合の余韻にぐったりとしているはやてが横たわっている。
クロノはそのままはやての隣にカリムの身体を寝かせた。
ベッドの上に並ぶカリムはやて、とまるでタイプの違う二人の美しい女。二人はシットリと汗に濡れた髪や上気した肌を魅せて素晴らしく淫蕩さを匂わせている。
今までたっぷり射精したというのに、クロノの男根は彼女らの艶姿に再び硬度を取り戻していった。
クロノの顔には更なる淫欲を喰らう悦びに黒い笑みが張り付いていた。
彼のその様子にぐったりとしながらも意識を取り戻していたはやてが口を開く。
それは懇願するような口調だった。
「クロノ君……まだするん?」
「ああ、まだまだ始まったばかりだろう? 次は後ろの方で楽しませてもらうよ」
はやてとカリムの桃のような尻、そこにあるたっぷりと性感を開発された肛門に狙いを定めながらクロノはゆっくりとベッドの上に足を進めた。
彼のその様子にはやてとカリムの瞳は淫蕩な期待に妖しく光る。
雄の眼は嗜虐の、二匹の雌の眼には被虐の愉悦が溶けていた。
三人の夜はまだまだこれからだ。
終幕。
611 :
ザ・シガー:2008/07/18(金) 22:08:39 ID:+pcKFack
投下終了です。
短くてすいません、今回はさる友人の依頼でカリムのエロでした。
GJですな
鬼畜艦長というからにはなのは、フェイト、リンディ、リーゼ姉妹や六課新人編も当然期待していいんですよね?
鬼畜なんだからユー…
すまんかった。
>>611 短くてもおkさ
カリム相手は背徳感があるのがいいねぇGJ!
>>611 相変わらずの変態っぷりですなGJです。
ハアハア
ウッ
GJです!
>>613 ユーノ場合、なのはに馬乗りにされて
「いい表情だね」とか「声出して女の子みたい」とか言われてる場面しか想像できない。
GJ!でしたー。エロスはステキです、なんかこうむらむら(ry
きっとユーノなら、なんとかしてくれる・・・筈。
新参ですが、23:10から投下していいでしょうか?
>>611 投下乙です。
いいですね、鬼畜クロノ
クロノ君には三期で活躍できなかった分ここで、特に下半身で活躍をしてほしいです。
では投下の前に注意事項ー
・STSアフター
・六課がほぼ全滅
・シリアス
・エロなし
・設定改変バリバリ
では行きます。
>>561 超GJ!!!!!!!!!
「僕のもう一人の母さんの魔法だ」で熱さと胸の中から込み上げてくる何かで涙が込み上げてきた
「pray」が本当に似合いそうな最高のバトルでした。
改めてこの世界のエリオが大好きになったよ
マジGJ!!
雨が降りしきるのは、空が世界の有様を嘆いているからではなかろうか。
きっと空が泣くから晴天も曇り、雨が降るに違いない。
冷たい五月雨の降り注ぐのは、人の息吹のある繁華街だろうと、死者の眠る墓場だろうと同じことだ。
墓場へ続く木立の中の石畳の上で、ふと栗色の長髪を持つ女は空を見上げ、左手に持つ傘で弾いていた雨粒の洗礼を受ける。
着込んだ耐寒用のオリーブグリーンのコートの裾からはみ出たズボンが、雨に濡れて僅かに色を変えた。
その目尻に雨粒とも涙ともつかぬ液体がたまり、頬を伝い落ちた。首から紐で提げた深紅の宝玉が、機械的な音声で主に声をかける。
《Master?》
「なんでもない……行こうか、レイジングハート」
再開される足音と雨を遮る傘のぽつぽつとした音。
断続的なそれを聞きながら、空をもう一度見上げる。
空は、泣いていた。
そうして、彼女は歩む。
彼女の記憶にとって重要な死者を、4年前に散っていった命を弔う為に。
「皆……向こうではどうしてるかな?」
声は虚空へ吸い込まれ、消えた。
雨音だけが、後に残った。
ミッドチルダ首都クラナガン郊外の墓地にて。
雨に濡れながら、青い短髪の少女は墓石に微笑みかけた。少女は時空管理局のブラウンの制服を着ており、その肢体は瑞々しかった。
献花台には生前相棒が好きだった白い花々が添えられて、とても綺麗だ。
泣きそうな顔で笑いながら、天国に逝った親友にそれを見せた――時空管理局執務官の証である紋章。
試験をパスしたことを示す通知表もクリアファイルに入れて取り出し、墓前へ掲げた。
時空管理局執務官に、スバル・ナカジマ陸士を採用す。
そうはっきりとミッドチルダ語で書かれていた。
笑っているのか、泣いているのかはっきりとしない声でスバルは言う。
「ねえ……ティア、見てよ。あたしさ、ティアの分まで頑張ってね、執務官になったんだ。フェイトさんに比べればなったの遅いけど、19歳でだよ?
結構父さんと母さん、ギン姉や職場の同僚に自慢できる種が増えたんだ。あたし、ティアみたいにこの子を扱えないけど……」
死人、ティアナ・ランスターの拳銃型デバイス『クロスミラージュ』の待機状態である黒いカードを掲げて、泣き笑いを浮かべる。
雨の雫と涙が混ざり合い生温い液体となって頬を、顎を濡らしていくのを感じながら、クロスミラージュを起動させ、腰のホルスターに収めた。
「……きっと使いこなしてみせるよ、ティア。だから――今はさ、天国のお兄さんと一緒に幸せでいて欲しいな」
こんなことを言ったら、「大きなお世話よ、あんたに心配されるほど落ち込んでない」くらいは言い返してきそうなものだが、返答は無言。
それもその筈だった。ティアナ・ランスター陸士は、4年前の大事件――<聖王の揺り篭>浮上時の地上戦で、命を落としていたから。
一対三――それも三体の戦闘機人を相手に奮戦し、地上戦線立て直しの時間を稼ぎ殉職した相棒は、兄の下に逝った。
逝ったのは、ティアナだけではない。
機動六課は、壊滅した。前線、後方問わず多くが死に絶え、僅かな生き残りは部隊解散後、己の流儀で生き方を探した。
まるでそれが、残された者の義務だと言うかのように。
それが、逝った者への礼儀なのだろうか。
逝った人の目標を受け継ぎ、成し遂げた者。
大切な人の為に、戦うことを決めた者。
失った者を悼み、戦いを捨てた者。
そして――すべてを失い、報復にひた走る者。
――コツン、コツン、ビシャリ
濡れた足音が、墓場の石畳に響いた。水溜りを踏みつけ、水が飛び散る音。
スバルが目を音のした方に向けると、そこには傘を差した女が立っていて、何かを言いたげに墓石を眺めていた。
二十歳を過ぎたばかりだろうか、その肌には張りがあり、黄色は彼女がミッドチルダ人ではないと見る者に知らせる。
灰色に天も地も覆われた墓地において、彼女の着る緑色のコートは何処か異界めいていた。
サイドポニーに纏められた栗色の長髪を見て、スバルの心臓が跳ね上がった。クリアファイルを握り締め、呻く。
「なのはさん……?」
「久しぶり、スバル。元気だった?」
憧れとの再びの出会いは、静寂の中でだった。
憧憬の念は消えず――されど、隠し難い悲しみと、胸の痛みは消えなかった。
母クイント譲りの青い髪の毛を冷たい雨に濡らしながら、スバルは緑色の瞳を見開いて呟いた。
「……あたしは、なのはさんに管理局に戻ってきて欲しいです。何時まで続けるんですか。その戦いを」
「まだ、なのはさんって呼んでくれるんだ? まあ、それはそうとね。
スカリエッティは、まだ何か企んでる。戦闘機人も、ガジェットドローンも、必ず、止めてみせる」
暗い瞳で女は――高町なのはは、仇敵を追う覚悟を打ち明けた。
今この瞬間も、何処かで戦禍と破壊を、死と炎の歌を紡ぐ科学者へ贖いをさせるために。
失ったものは、家族と仲間と親友。スバルは凛とした瞳で彼女を見据え、言った。
「誰も、望まない死闘です。何が得られるんですか?」
「戻ってこないのはわかってるよ……お父さんも、お母さんも、お兄ちゃんもお姉ちゃんも。
フェイトちゃんも、はやてちゃんも、エリオもキャロも、みんな戻ってこない。でもね、だからって立ち止まってられない」
「そうですか……でも――」
瞬間、スバルの左腰からクロスミラージュが引き抜かれ、なのはに向けられた。
何時でも魔力弾を発射できる態勢である。スバルの純白のバリアジャケットが開封され、煌いた。
腕部と脚部に装着される鋼の篭手とローラーブーツ――アームドデバイスとインテリジェントデバイス。
「――あなたを捕まえます。それが、あたしにできることだから」
「ティアナのデバイスか……執務官合格、おめでとう」
僅かに微笑んだなのはの顔に、スバルは目を細めた。
動揺してはいけない、相手は管理局空士部隊の元エースオブエースであり、今でも第一線級の戦闘能力を持った魔導師なのだ。
警戒しこそすれ、油断する理由は皆無。デバイスを展開していなくとも、一流の魔導師は魔法を使えるのだから。
なのはは笑ったまま、ゆっくりと呟いた。
「でも……まだ敵の殺気を読むのに慣れてないね?」
「え?」
背後で渇いた金属音が響き渡る――透過シートの引き剥がされる音がして、巨大な球体から節足の生えた異形が、三連装レーザー砲をぶちまけた。
咄嗟にマッハキャリバーが展開した魔力障壁でレーザーを受け止めながら、スバルは驚愕に叫んだ。
「ガジェットドローンV型?! こんな街中で――」
「まだ、何も終わってない――<JS事件>は続いてるんだよ、スバル」
優しい残酷な声が響いた。
直後、なのはとスバルは左右に跳び、二人のいた空間を出力を増した光線が焙った。融けて雨水を蒸発させる石畳を尻目に、なのはは出口目掛けて駆けていく。
この隙に乗じて脱出し、管理局の眼に届かない場所へ逃げるつもりなのか。
それを横目で見ながら、スバルは右腕の黒鉄(くろがね)色の篭手『リボルバーナックル』の回転弾倉内カートリッジを消費、魔力による身体強化を実施した。
「スバル、強くならなきゃ、誰も救えないよっ!」
「わかってる、つもりです――」
左手に握ったクロスミラージュの銃身から魔力光が飛び出し、ガジェットの重装甲を凹ませる。
だが、致命傷にはなり得ず、多脚砲台たるガジェットは機体右側面に設置されたミサイルポッドのミサイルカバーを開放、目標に向け高速飛翔体を発射。
炸裂弾が詰まったミサイルが爆裂すれば、墓地が吹き飛ぶのは確実――スバルの行動は、はっきり言えば狂っているとしか思えないものだった。
マッハキャリバーでミサイル発射の瞬間に敵の眼前へ飛び込み、ミサイルを下から叩き、発射方向を上方へずらし、有線誘導式の証であるワイヤーを手刀で切断。
雨水を
弾きながら天空へ向け射出されたミサイルの噴射炎へ向け、クロスミラージュを構える――撃つ。
高速直射魔力弾が、ミサイルの腹を撃ち抜き、爆散。同時に、振り上げた右拳に魔力を込めて振り下ろした。
「――ナックルダスターッッ!」
快音――圧倒的破砕音――破壊の奏でる轟音。
砕け散る装甲、飛び散る火花、ばら撒かれる機械の臓腑が、スバルの視界を塞ぐも、後方に跳躍した彼女に影響は無く、
墓場の外へ吹き飛ばされた球体が火球となって爆散した。降り注ぐ機械部品が、雨と一緒に地面にぶつかり、からからと音を立てた。
雨は降り止み、代わって太陽が沈み始めた。
「あたしは……皆の分まで、生きてみせる……! 見ていろ、ジェイル・スカリエッティーッッ!」
その声は、ガジェットの残骸に混ざった集音マイクによって、確かに彼の男に伝えられた。
雨の晴れ間に、高町なのはは傘を差すことを止め、空を見上げた。
今は泣き止んだ空は、ゆっくりと暗夜に向けて、眠りのときに近づいていくのだろうか。
レイジングハートを首から提げながら、ふと宵闇に浮かぶ数多の顔を思い出す。
我が子と呼び、共に歌った少女ヴィヴィオ――死した者の中に名を連ねながら、墓一つなかったベルカの王<聖王>のクローンである人造生命。
やがて、宵に輝く星々の中にこそあの子がいるような気がして、なのはは悲しみに身を強張らせた。
「でもね……ヴィヴィオ。私は、貴女の下にはいけない」
浮かぶのは、哀切。もしくは、怒り。
どうしようもない感情に、女は泣いた。
彼女達の旅路に、幸運があらんことを。
第1話 了
投稿完了です。
死した友の屍を踏み越え主人公するスバル、と云う構図が頭に浮かび、書きました。
次回はもう少し長くなるように心がけたいです。ではー。
管理外世界の高町家まで全滅!?
何やったんだ、スカ……
ワクワクテカテカ
629 :
サイヒ:2008/07/18(金) 23:36:07 ID:kETSMbX/
>>611 久々に自分が書いた以外のクロカリ分が取れました。しかも俺よりずっとエロイよ!
これでずっと詰まってたカリムの神前エロが完成出来そうです。謝々。
だがね、シガーの旦那。
俺の書く不倫カリムは信仰度薄いから、神様の名前呼びながら辱められたりしないんだ。
>>626 死人の多さに唖然愕然。おまけにドクター無事っぽいし。
ナンバーズも大量に死んだりしたのでしょうか。
先がひたすら気になります。
お二人ともGJでした。
0:30頃に俺も投下させてもらいます。
>>626 うあぁ…かなりが死んでるのか。いきなりハードな設定だな。
そして、台詞から察するにまさか戦闘民族高町家がなのはを残して全滅してるのか!?
個人的になのはとスバルの師弟の絡みは好物なのでかなりGJでした。
しかし、ホント、みんな同じ電波をどこかから受信してるんじゃなかろうか。
こっちが最近思いついたネタも全滅鬱モノなんだが。(とりあえず暖めてるよ)
>>626 これはまたスゴイな。
六課全滅とかはある話だけど、高町家全滅ってwwww
なのはさん、自分の末期は……ヴィヴィオと一緒の場所へ行けないとすでに覚悟決めてるのか。
完全な復讐者と化すつもりなんだ。
スバルがなのはさんを止めて、事件を解決できるのか、続き期待してます。
うわああ……
死にすぎ、しかも高町家まで……orz
>>626 GJ!
>>611 ふ〜、一発決めちまったぜ……
あいかわらず鬼畜クロノはエロ提督だぜ!
>>630 高町家を殺れるとしたら雨月さんぐらいしかいないな。
636 :
サイヒ:2008/07/19(土) 00:30:10 ID:tpxCqHUn
クロフェエロの続きです。
本編終了後、二人が結婚しているという設定。
エロが九割。オチ一割。
エロノがやたらフェイトそんをいじめてますが、いつものこってす。
「……次は、私がしてもらう番だよ」
最後の一滴を舐め取ったフェイトが、ゆっくりと立ち上がりながらドレスに手を回す。いくつかのボタ
ンが外され、身を覆っていた布が徐々に脱げ落ちていく。合わせてクロノも衣服を脱ぐ。
脱いでいる間、フェイトが熱い視線で見つめてくるのは恥ずかしかったが、今さらすぎることなどでさっ
さと全裸になってしまう。
クロノが下着を脱ぎ終えるのと同時に、一足先に裸となっていたフェイトがしだれかかってきた。再び
クロノがベッドに腰掛け、その上にフェイトが乗った体勢となる。
「キスしていい?」
「わざわざ訊くようなことじゃないだろ」
「だって、飲んだばっかりだから」
「それも、今さらだな」
口淫の後のキス、あるいは出したばかりのフェイトの秘裂を舐めることは何度もやっているから、自分
の精液の味は知っている。間違っても美味いものではないが、我慢するぐらいなら平気だ。
安心したフェイトが、すぐに唇をくっつけてきた。入ってきた舌に感じるのはやはり苦味だったが、絡
め合ううちに甘いフェイトの唾液の味へと変わっていく。
口づけを交し合いながら、クロノはシーツに置いていた右手を上げ、フェイトの乳房に触れた。すぐに
手の平の中で転がすようにして揉む。
性器を挟まれるのは無論好きだが、やはりクロノは手で愛でるのが一番好きだった。
五指を広げて駆使しなければ完全に堪能できない大きさ。ちょっと力を込めれば指と指の間から乳肉が
溢れるまでたわわに実っている。
(出会った頃は、こんなに大きくなるなんて思いもしなかったな)
記憶に残る九歳のフェイトは、容姿はともかく胸のサイズは目立って大きいということは無かった。だ
いたいあの頃は、こうして裸で愛し合うことなど想像どころか知識としてすら備えていなかった。それ以
前にまだフェイトはハラオウン姓すら名乗っておらず、当時の自分に将来この子と結婚することになるの
だと言っても性質の悪い冗談としか取られないだろう。
これだけ遠かった二人に幾つもの数奇な縁があって、今はこうして夫婦となっている。未来のことなど、
本当に誰にも分からないものだ。
頭の隅で感慨にふけりながら、クロノは左手をフェイトの腿伝いに股間へ伸ばす。
茂みに軽く触れただけで、その奥にある花弁が湛える湿気と熱気が漂って指に絡んだ。
クロノの精液はフェイトにとって言ってみれば催淫剤のような効果があり、指の一本ぐらいなら侵入さ
せても問題無い程度には潤っているだろう。
そうと分かっていながら、クロノはふわふわした恥毛に指を絡めるに止めた。
愛撫してくれると想像していたのであろうフェイトが期待を外され不満そうな顔をしたので、頬擦りと
胸を揉んでいる手を力強くすることでなだめてやる。
付け根から先端付近まで丹念に揉みほぐしていくうちに、血の巡りが集中してどんどん体温と弾力が上
がっていく。
「胸、また大きくなってないか? ひょっとしてもう妊娠してて、母乳が出るとか」
「そんなわけ、ないよ。……絞ったって何にも出ないし」
「本当にそうなのか、試してみようか」
ぎゅっと鷲掴み、同時に硬くなっている乳首を摘んだ。
「ひゃんっ!」
フェイトの言ったとおり母乳は出なかったが、股間の指にとろりと垂れてきたものがあった。二滴、三
滴と続き、やがては指一本がびっしょりと濡れるまでになる。それでもなお、クロノは決して一番熱い場
所には触れてやらないまま乳首を転がし続ける。
我慢できなくなったのか、ついにフェイトが腰を指に押しつけてきた。
しかしクロノはちょっと指の角度を変えることで、中に入らないようにしてしまう。
「ああぁん……! 焦らすの……ずるい」
秘裂の上を撫でるに止められたフェイトが、潤んだ瞳で軽く睨んでくる。
「私だってクロノにたくさんしてあげたんだから、いっぱい、して」
言葉だけでなくフェイトの手がクロノの股間を握って、これ以上焦らせば実力行使の可能性もあること
を暗に示す。
肩をすくめたクロノは、要望通り本格的にフェイトを発情させる段階へと踏み込んで行った。
触れた秘肉の準備は整いきっており、ほとんど抵抗無く指を飲み込む。その熱さと柔らかさ、そして愛
液による滑らかさが、クロノに溶けたバターを連想させた。
待ち望んでいたものを得た胎内は悦びに蠢き、どんどん奥へと導いてくる。
じゅぷっと音を立ててかき回すと、フェイトが鼻にかかった声で甘く啼いた。
「クロノの指、気持ちいいよ……。もっといっぱい入れて、感じさせて……はふぅっ!」
言われたとおりにしてやると、上半身の力を完全に抜いて顎をクロノの肩に乗せてくる。クロノの肉棒
に絡めた指すらほどき、身体も精神も完全な無抵抗状態。おそらくこのまま指を軽く動かしているだけで
もすぐに果てるだろう。
指が生み出す快楽に頬を緩ませているフェイトだが、対するクロノは内心ちょっと不満だった。
フェイトがこうなった場合は、おおむねだらだらと区切りの無いセックスになる。フェイトとたっぷり
長い時間かけて睦み合うのも決して嫌いではないが、今日のクロノはそういう気分ではなかった。二人が
とことん求め合うような交わり方がしたい。
なおもしばし、膣壁を強く擦ったり淫核を抓ったりしてみたが、フェイトは震えながら小さく嬌声を上
げるだけだった。
これ以上フェイトを高ぶらせてとことん乱れさせたければ、もっと直接的な行動に出るしかない。
「そろそろ、しようか」
囁いて、クロノはフェイトの身体を下ろしシーツに横たえてやる。
うつぶせになったフェイトの腰だけを高く支え、後背位を取った。クロノの方からこの体位を選ぶのは、
思い切り激しするぞという意思表示。
フェイトもそれを望んでいたのか、腰を喜ぶように小さく振って肉づきのいい尻を揺らす。
自分でやっておきながら扇情的な格好に思わず喉がごくりと鳴ったが、邪なことしか思いつかなくなり
つつある頭は、直接的な行動を取る前にもう一段階設けることを思いついた。
フェイトの尻に両手を這わせると、細かく生えた産毛の触り心地を楽しみながら撫で回す。
「……どうしてしないの?」
「そろそろとは言ったけど、すぐにするとは言ってない」
屁理屈にすらなっていないことをのたまいながら、クロノは執拗に何度も何度も臀部を揉む。
乳房はびっくりするほど性感帯の塊であるフェイトだが、尻の方は穴を除いて感度は鈍い。全く感じな
いというわけでもないが、本番一歩手前でされても身体は冷めるだけ。そして身体が冷めても、心は容易
に冷めてくれない。
筋肉がついている分だけ、乳房よりも揉み応えがあってこれはこれでクロノには面白いが、フェイトに
とってはたまったものではないだろう。
こんな場合、どうすればクロノがちゃんとしれくれるかをフェイトは知っているはずだ。そして羞恥や
意地といった障壁を無くしている精神は、すぐ欲望に忠実な行動を取ってくれた。
指がしとどに濡れた秘裂を開いて、桃色の内部を見せつけてくる。
「ほらぁ……ここにクロノの熱くて硬いの挿入れて、口よりたっぷり出して……」
小刻みに震える尻肉と、滴り続ける愛液。そして淫蕩の色に染まった横顔と声が、クロノの精神に徹底
的な亀裂を入れる。眼にして鼓膜に響くだけで、腰に射精の兆候が生まれた。
「……ああ、今度こそ、抱いてあげるよ」
フェイトをまた一段階堕とした事実に満足して唇の端を吊り上げながら、片手で自身の性器を握りフェ
イトの入り口へ重ね合わせる。
一つ深呼吸して、腰を沈めていった。
「ふあぁ……はいって、きてる……クロノが……」
穂先が子種を受けるためだけに存在している入り口をこつりと当たって、完全に結合が終わったことを
知らせる。
焦らし気味だった前戯そのままに最初ぐらいはゆっくりと抱くつもりだったが、そんな生温いことをフェ
イトの身体は許してくれない。
どこまでもクロノに従順なフェイトの中で、膣だけが貪欲にクロノを攻め立ててくる。精液を根こそぎ
搾り取らんと、きゅうきゅうと締めつけてくる。
ねっとりとまとわりついてくる媚肉に溶かし喰われるような感触を覚え、これから始める交わりの予定
表を自分で破り、引き剥がすようにクロノは強く腰を引く。幹全体にこそげ落とされるような快感が走り、
汗が額を伝った。
続け様に何度も腰を打ちつければ、しっかりとした圧迫感はあるくせに繊細な動きでフェイトの蜜壷は
受け入れ、同時に貪る。
「あっ……! 奥、叩いちゃだめ……!」
口が何と言おうと、すでにフェイトは髪の毛を乱してよがり、自分からも小さく腰を振る段階に入って
いる。
ペースが早いけれどそろそろ軽く一回イクと見極めたクロノは、照準を子宮口だけに絞り込んだ。膣の
終わりにして子宮の入り口は、どれだけ強く突いても毀れることなく柔らかくクロノを受け止める。
「あはぁ……んっ、んぁぁ!!」
しばらく部屋の中には、意味を成さない言葉と肉を叩きつける音だけが満ちては、弾けた。
「ああっ! クロノ、クロノ……わたし……もう……っ!」
フェイトがシーツに爪を立て、腰を激しく痙攣させる。
震えが止まり身体が力という力を失うまで、クロノはしばし穿つのを止める。もちろん蛇口の栓は強く
捻って射精してしまうことがないように。
そして感極まった声が止むと、ぐったりとしたフェイトの身体に手を回して持ち上げた。
「イッたばかりで悪いが……僕はまだ満足してないんだからな」
黒く囁いて、お互いが膝立ち状態という不自由なまま、強引にクロノは性交を再開した。
体位が変わった以外はさっきまでの再現のようだが、今度のクロノは腰だけでなく手も使用する。
指を、腰の真ん中で息づくもう一つの穴に捻り込んだのだ。
「くふぅん!! またぁ、お尻いじめる……!」
「いじめてるんじゃないさ。後ろと前に挿入れられるの、君は大好きだろう?」
差し込んだ瞬間から体内で凝縮された熱に迎えられ、指が焼け爛れたように錯覚する。食いつき方も指
が鬱血しそうで痛みすら感じているのに、なぜか病みつきになってもう一本指を入れた。
指が性器に変換されたようで、尻穴が締まると腕全体が悦んで震えた。
フェイトの身体を支えている方の手が、自分も愉しませろとばかり頭に無断で勝手に乳房を握りつぶし
た。
充血した乳首は、軽く弾いたぐらいで身体が跳ねるぐらいの性感帯となっている。そこに乳房全体の分
も加えれば、感度はもはや淫核に匹敵するといっていい。
そこを男の握力で攻められれば、膣を激しく肉棒で貫かれるどころの話ではない。
「や、やめてクロノ……胸、痛い……」
「そんなこと言う割には全然抵抗しないじゃないか。痛いじゃなくて、気持ちいいんだろ。本当に、マゾ
い身体だ……!」
「クロノだってサドのくせに……!」
「それならお互い需要と供給が合ってちょうどいいな」
自分の言葉に、自分で酔う。フェイトも嬲られることで興奮しているのことが、雪色の肌が紅潮してい
ることで明らかだった。
しかしいい加減出させてくれと叫ぶ身体が、酩酊している脳味噌に水を差す。
陰嚢の痛みが頭に届いたのを潮に、エッセンスであるおしゃべりをクロノは切り上げ、射精すべく抽迭
運動に本腰を入れる。
フェイトも口での抗いは止めて、柔らかい肢体をクロノに貪られるがままに任せきる。
「フ、フェイトッ!!」
「ああ、ああぁぁっ!! だしてっ!! あついの、いっぱいっ!!」
フェイトの言葉が引き金となって、滾りが疾った。
精液どころか血まで出ていそうな爆発。
肉棒が、射精しながら断末魔ののたうちを起こし膣内で暴れまわリ、瞬間的な絶頂の連続でフェイトの
身体を支配する。
連鎖してフェイトの胎内はこれ以上ない締めつけと、意思では生み出せない複雑な動きで肉棒を絡めと
り、精液を比喩ではなく本当に搾り取った。
「ぐぁっっ……! ま、また出るっ!!」
二度目が終わらないうちに、三度目の精液が前を押し出して鈴口から飛び出た。
連続射精にクロノの腰が抜けて、二人の身体がシーツに落っこちる。結果、新たな精液は体内ではなく
虚空を経由してフェイトの身体に降り注がれた。
「はあっ……かはぁ……」
余韻に浸るどころか、全力疾走時のように無呼吸で身体を動かしていたため、クロノはろくに口が利け
ない状態に陥った。
咳き込むように息を吸いベッドに腰を落としたまま、クロノは胡乱な視線を伴侶へ向ける。
尻に始まり髪の毛をべったり汚して頬まで飛んだ白線。股間からはどろりと同色の液体が零れてシーツ
に溜まっていた。
汗と愛液と精液でぐちゃぐちゃにまみれ、気絶しているのか目覚めているのか定かでないぐらいぐった
りと力無く喘ぐフェイトを見ているうち、嗜虐心に引っ張り出されてどす黒く汚れた独占欲がクロノの胸
の中で発露する。
宴席で会った男のように下種な視線に晒されたくない。このきれいで淫らな身体を傷つけてしまう危険
な任務の多い執務官も続けさせたくない。
フェイトはただ家にだけいて、クロノを迎え、クロノに食事を作り、クロノに抱かれる。そういうだけ
の存在でいるべきだ。それが自分にとってもフェイトにとっても最上の幸福であるはず。
もっと抱いてイカせて肉の悦びを植え付け、クロノ無しではいられない身体にしてやろうと、クロノは
肢体に手を伸ばす。
まずは口から犯そうと、噛みつくようにして唇を奪う寸前のことだった。
フェイトのまつ毛が震えて、自失から目覚める。
眼と眼が、合った。
「…………くろの?」
一瞬で夫の精神がおかしな場所にいるのを察知したものの、それがどこなのかまでは分からず、迷い子
のような不安さを内包した紅の瞳が、じっと見つめてくる。
ただそれだけで、心の闇が嘘のように晴れていく。
湧き出た黒い想いにしっかりと蓋をして、こちらを向いているフェイトの唇ではなく額にクロノは口づ
けた。
(……本当に、度し難い馬鹿だな僕は)
快楽などで縛らなくても、フェイトはずっと一番近い場所にいてくれる。
年が変わって間もない頃だったあの日。想いを伝え合って、兄妹から恋人同士になって、ついに結婚ま
でしたこの一年と少し。
ずっとフェイトは言葉でも態度でも身体でもクロノに伝え続けてきてくれたではないか。
あなたが誰より大好きです、と。
フェイトを仰向けにすると、クロノはそっと優しく抱きしめてやる。
「ごめん、止まれなくて強くしすぎた。身体、痛かったりしないか?」
「……へいきだよ。飛んじゃうぐらい、きもちよかった」
とは言うものの、瞳の焦点は定まっていないし口も上手く動いていない。抱擁したまま、頭から背中ま
でをあやすように何度も撫でてやる。
このまま眠るかとも思ったが、やがてフェイトは腰をもぞもぞ動かして引っ付けてきた。
「まだしたい?」
「…………クロノにぎゅってしてもらってたら、なんか胸とお腹の奥が温かくなってきて、あんなにして
くれたのにもう一回してほしくなっちゃって。……私、エッチだね」
「お互い様だ。僕だってこんなに君が欲しいと思ってるんだから」
自分も腰を動かして、まだしっかりと勃っている性器をフェイトの腰にくっつけて、自分の浅ましさも
教えてやる。
くすりと二人で笑い合い、もう一度繋がるためにちょっとだけ身体をずらす。正常位を横向けにした体
勢。
腕の中にいるフェイトの息遣いと四肢への力の入り具合から、クロノは激しさよりも優しさを選択する。
可憐な花が傷つかないよう細心の注意をもって、徐々に腰を埋没させていく。何度も受け入れなれてい
る経路は、スムーズに最奥まで通してくれた。
「全部入ったね。……あったかいよ」
クロノが手ひどく扱った乳房には、指の痕が残っていた。痛々しさを思わせる赤い場所に、クロノは舌
を這わせる。外傷ではないので唾液を塗ったところで治癒の助けにはならないだろうが、フェイトは嬉し
そうな顔をしてちょっとだけ胸を突き出してくる。
腰は全く動かさない。フェイトの内側を刺激するのは、時折自然現象で痙攣する動きだけ。
フェイトの内側もクロノを包み込むと、愛液と精液に塗れた襞の一つ一つが細かく動いて肉棒を舐めて
きた。決して強く締めてくることはしない。
ぬるま湯のような交合。ただただ繋がっただけで抱き合う。快楽よりも愛しさを与えて、同じだけ返さ
れる。
暖かすぎてクロノが眠気すら覚えた頃、腰がひくんと震えた。
ぼんやりと腰で広がる快感で、ようやく自分が出したことにクロノは気づく。
最愛の相手の子種を貰う幸福に浸りきっているフェイトの耳元で、クロノははっきりとした声で囁いて
あげた。
「フェイト、ずっと愛してる」
結局、自分にはいくら頭を捻ろうが気の利いた言葉など言ってやれないのだと気づく。だから単純な言
葉と行動に、ありったけの想いを込めてやることをするしかないのだ。
クロノの言葉に微笑を浮かべ、一度強く唇を押し当ててからフェイトは熱い吐息に乗せて囁く。
「私もそうだよ。言葉じゃ言えないぐらい愛してる。だから、もっと、もっといっぱい愛して…………あ
なた」
※
「……なあ、やっぱり君が選んでくれないか?」
「だぁめ」
パーティーから数日後、二人はグラナガン一の百貨店内にある有名洋服店のドレスコーナーにいた。
あの日フェイトが身に着けていたドレスは皺が寄ったぐらいでクリーニングに出せば新品同然になって
戻ってきたのだが、盛装はあれ一着しか持っていないと知ったクロノが新しいのを買ってやることにした
のだ。
ところがいざ服屋に到着すると、クロノに選んでほしいとフェイトがせがんできてクロノを悩ませるこ
とにとなっていた。
服装をチョイスする能力などは身体のどこにも備わっていないため、さっきからクロノは唸りっ放しだっ
た。
店員が面白そうな眼でこちらを眺めているのも、クロノの恥ずかしさを助長している。
(やっぱりフェイトだったら黒かな。……でもありきたりすぎる気もする。赤は派手すぎるし、黄色は髪
の色とかぶるし。…………困る)
頭が半分混乱状態になりつつあったクロノの眼にふと止まったのは、深いブルーのドレスだった。
シンプルな作りで目立つのはロングスカートに入ったラインぐらいだが、その分だけ上等な生地をたっ
ぷり使って上品に仕立て上げている。
フェイトの身体の前で広げると、落ち着いた雰囲気のあるフェイトに寒色系は似合っており、露出面積
が少なめなのもクロノの気に入った。
「僕はこれなんかいいと思うんだけど、どうだ?」
「クロノが選んでくれたのなら、私は文句言わないよ」
めちゃくちゃ珍妙な服を選んでもその言葉は聴けただろうかと一瞬考えたが、それにこの服すごく私の
好みに合ってるしと笑うフェイトを見ているうちにどうでもよくなった。
レジで会計を済ませ、さてどこに行こうかとクロノは思案する。
この日はただ単に服を買いに来ただけでなく、半日デートの予定。昼食までちょっと間がある。
どうしようかとフェイトに訊ねると、同じフロア内の一角が指差された。
「……どうして紳士服売り場なんだ」
「次は私がクロノに服をプレゼントしてあげる番だから」
「僕は君と違ってこういう服は数着持ってるんだが」
「全部既製品の似たような物ばっかりでしょ。そんなのばっかり着てパーティーに出てるとセンスが無いっ
て笑われちゃうよ。黒と灰色の色が違うだけでもずいぶん違うんだから。ほらほら、早く」
もうすっかり行くことに決めてしまったのか、フェイトが手を引っ張って急かしてくる。
一つ溜息をついたクロノは、手を引かれるがままにフェイトの指し示す方向へと歩き出した。
結婚一ヶ月目。順風満帆な夫婦生活の、とある一コマであった。
終わり
以上です。
真ソニックに始まり、本局制服・インパルス・陸士隊制服・部屋着と来て今回のドレス。
あとは訓練での黒シャツ&ジーパンでエロ書いたらフェイトさんが三期時間軸で着てた服装コンプリートのはず。
……あかん、どう考えても真ソニックの時と被るシチュエーションにしかならない。
訓練を見学に来たクロノがムラムラして休憩中に襲うんですね
他の面子に気づかれかねない状況にビクビクするフェイトをクロノが虐めるわけですな
GJ
まさか一日に2度もクロノのエロSSを読むことになろうとは
次スレたてるとき、sage進行どっかに明記しないか。昨年の夏も連投嵐さん襲来してきたし
焼け石に水かも知れないが‥‥
GJ!!! なんつうエロ夫婦!!!!
サイヒ氏投下乙です。
なんたるエロバカ夫婦!
この次元のフェイトは子沢山に違いない。
>>626 おぉ……久々の真っ当なシリアス
これは続きに期待せざるを得ない
しかし俺はなのはさんの死ネタは全然いけるのにフェイトさんが死んでるとなんかヘコむ……
ともかくGJ!
>>647 正直明記する意味ないんじゃないか?
sageない奴は意図的かウッカリばかりだし
GJ!!!素晴らしすぎる!
>>649 残念だが子供は少なそうだ。クロードだけの可能性もある。
誰かさんが高い頻度で妊娠しない尻穴を愛でるからなwww
妊娠期間なしで生まれる子供ならたくさんできそうだけどな
つ「うん子」
>>635 都築さんの漫画羅刹鬼憚(とらハと同世界)の主人公、以下説明。
通称『漂泊の退魔師』。普通の神経を持った犯罪組織や暗殺者、夜の一族ならその通り名を訊くと避けて通ります。
外見は、10代後半。銀髪で金眼、真一郎よりも美形。趣味、女装。
剣技は、美沙斗や真雪でさえ足元にも及ばない程の腕を秘めており炎を操る能力を持つ。
さらに霊力は耕介や美緒以上。その霊力は、ざから以上の魔獣をも従えさせる。
その相棒であり雨月の保護者でもありパートナーである霊剣『火鷹』は十六夜と同じ相互供給型。
霊状態に置いても、炎を操れると云う優れもの。
なによりも、『火鷹』で斬った霊は『火鷹』を通じ雨月が己の霊力に変換しています。
即ち、『火鷹』で斬った霊は成仏することなく、雨月に喰われるんです。
ちょっと読んでみたいな。
単行本化はされているのかな。
>>654 なにその厨設定満載のチート主人公は……。
ところで火鷹ってとらは2の十六夜の話で出てきたあれですか?
とらハ大辞典で調べたが、それらしい。
だからまあ、そもそも都築氏の作る設定自体は本質的に厨二全開なんだな。
ふだんは丁寧なキャラ描写や恋愛・家族とかのチートが無意味な領域で
話を書くから上手く隠れてるだけで、とらハ3、OVA、StSみたいに下手に深く
世界観に突っ込んだり作りが荒かったりすると隠し切れず顔を出す。
>>657 そういう話題はアンチスレでやれと言うのがなんで分からないの?ばかなの?
ここはリリカルなのはのエロパロスレだ。
とらハとか他の作品の話題を持ち込むのはいかがなものか。
>>657 君が批評家気取るのは勝手だけどそれをここでやらないで欲しい
過剰反応だと思うけど
スマン
つい説明付けたがりな悪い癖が出た
どう考えても過剰反応だろ。別の作品の話をしたのがまずかっただけで、別にアンチてもなんでもない。
夏だなぁ
よし。話題を変えよう。
クロノ×フェイトのカップリングでエイミィがいないのが気になります。
彼女は時空から消滅してるんだろうかこんちくしょー!
>>626 うわぁ、六課死にすぎ…続きが気になる。
フェイトそんはスカに捕まって犯られて殺られたと勝手に妄想。
>>561 これは個人的にマイベストバトルになりました。
エリオとフェイトの絆は途切れることはないと改めて思ったよ…
エリオのような人造魔道師のために自分の残り少ない命をすべて捧げた彼女の遺志は本当にすごい
そして新ソニックフォームww
ルーは普通に許容しそうだけど、周りの目がいたすぐるwww
>>626 シリアス路線では久々に面白そう。
超期待。
意訳:最近のシリアス気取りの作品は全く面白くないのばかりで
つまらなかったところだ
>>671 ちょっとだけ俺もそう読めたけど、意訳してどうなるの?
シリアス作品が面白くなるの?
ギャグ作品増えるの?
ホラー映画で真っ先に死ぬタイプの人なんだろ
674 :
サイヒ:2008/07/19(土) 17:46:31 ID:tpxCqHUn
>>666 俺の過去作読んでもらったら分かりますが、ちょこちょこ登場してます。
クラウディアのブリッジでお仕事してたり。
クロノとのフラグ自体が立ってなかったという設定なんで、告白したはいいが振られたとかは一切無し。
二期ぐらいの位置づけでクロフェの友人やってます。
しかしエイミィはともかく、カレルとリエラは絶対に消滅してしまうのがクロフェ時空の定め。
クロードの名前をカレルにしようかとも考えたんですけどね。
次スレたててくる
埋めついでに有名なホラーコピペ改変してみましたよ。
鬱ですよ。ダークですよ。嫌ですよ。
壊れフェイトです。
総レス数は三
忘れてた。
あぼんはコテか鳥でお願いします。
1
7月10日
もうすぐ夏休みだ。
今年の夏休みは、なんだかとてもいい事がおきそうですごくワクワクしている。
7月11日
来週から期末テストが始まる。
テストが終わればいよいよ夏休み。待ちきれないな。
7月12日
本当はテスト勉強の予定だったんだけど、
エイミィに誘われて市営プールに行ってしまった。
ちょっと罪悪感があったけど、それも同じクラスのなのはに会うまで。
なのはの水着を見てしまった!
でも、なのはでも試験前にプールへ行ったりするんだ。
なのはらしいとは思うけれど。
7月13日
勉強ははかどらない。なんだかやる気がおきない。
ベッドに寝転がって、ずっとなのはのことを考えていた。
なのははユーノとつきあうんだろうな。あんなに仲良しだもの。
そう考えたらますます何もする気がおきなかった。
7月18日
やっと期末が終わった。試験の結果? 全滅の一言。
なんか、もうなのはのことが頭から離れない。
なのはと会いたい。
7月19日
電話帳をめくったら、なのはの家の住所と番号がのっていた。
もう知っていることだけど、妙に嬉しかった。
7月20日
なのはなのは、ああ、せっかく夏休みがくるのに、なんかすっきりしない。
なのはと会うことはできるけれど。でも会うだけだもの…
7月25日
なにもやる気がおきない。
こないだの月曜日、なのはがユーノと歩いているのを見てからだ。
ふんっだ。
2
7月30日
今日からクロノたちは長期任務。
一人で留守番することになった。
思いついて、アルフにザフィーラのところに遊びに行っていいよと言う。
夜、眠れない。
8月3日
なにもしない。
夜も眠れない。
あけがた、近所をうろついていたら、いがいときもちよかった。
8月4日
よなかから、うろうろする。
たのしくないけど、ほかになにもするきがおきない。
8月6日
大変だ。なのはは今、私のベッドで眠っている。夢みたいだ。
実は今日の朝、いつものように近所を散歩していたら、道になのはが倒れていた。
レイジングハートは道ばたに落ちていて、どうやら車にひき逃げされたらしい。
なんてラッキーなんだろう。
レイジングハートはバルディッシュで破壊しておいたし、しばらくは見つからないだろう。
8月7日
昼過ぎ、一度なのはが目を開ける。
思い切って告白したけど、意識がぼんやりしているみたいで、返事はしなかった。
近所ではなのはの捜索が始まっている。
8月8日
なんでいままで気づかなかったんだろう。
今日はじめてなのはに着替えをさせてあげた。
なのはは思ったとおり、とってもきれいな体だった。
ただ、あちこちにあざや傷があるのがいやだった。
きょうはいちどもめをさまさなかった。
3
8月・・・
きょうもめをさまさなかった。
おしっこをもらしていたからおふろにいれてきれいにしてあげた。
なのはのかおがくらい
きょうはこんびにへいっておへやのこうすいというものをかってきた
これでへやのなかもくさくなくなるとおもう
はやてがきた
なかにいれずにおいかえした
じゃまだ
なのはがとけてきた
こんびにへいっておへやのこうすいをかいにいってすごくへんなかおをされた
きっとわたしもくさいんだ
なのはのめがなくなった
いしょけんめいさがしたらべっどのしたにあった
もういらない
なのはいらない
以上、お粗末様でした。
元ネタ詳しく
「もういらない しまだいらない」でググってみてください
こ、怖いよー!!!
これって、続きあるよね。
日記形式なのが背筋ゾクっとさせられるな。
絶望の世界を思い出したけどまた違う元ネタか恐ぇよ
埋めてしまうべ
┏━┓ ┏━┓ ┏━┓ ┏━┓ ┏━┓ フ>'´ `ヽ//⌒ヽ
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃┏┛ ┗━━┓┃ ┃ / イ / 、ハ) 、 ヽヘ
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┗━┛ ┃ ┃┃ ┃┗┓ ┏┓ ┃┃ ┃ / { { {{ トk从|\j斗l ',!ハ\j ',
┃ ┃┗━┓ ┏━┛ ┃ ┃┗━┛┗━┛ ソイヤッサ! / V llハY冽 f冽リ j ∨ i
┏━━━┛ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┏━┓ / / ヽ从小¨´ '_ `¨/l∨ ∨ l
┗━━━━━┛ ┗━┛ ┗━┛ ┗━┛ / / |.lゝ, _ イ/ ∨ l
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┃ ┃ ┃ ┃┏━━━┛ ┃┃ ┃┃ ┃ _,、_ / /≠ミ 〃 /⌒Y⌒`く∧ \ ∨ハ
┗━┛ ┃ ┃┃ ┃┗┓ ┏┓ ┃┃ (\ rv、_/〈〈 〈¨¨ ̄ __7 ヽ ___,∧ 〉 {ー'´ ̄} ∨
┃ ┃┗━┓ ┏━┛ ┃ ┃┗━┛┗ (ヽ\^-ゞヽ\ ヾ、ヽ _,>'´ / く _,小_\/{7 } /
┏━━━┛ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┏ _`ニ)::::::::::}::::}::ヽ }} レ'7´ たニ二二/l |L二 __/ -={
┗━━━━━┛ ┗━┛ ┗━┛ ┗‘ー ―ァ、:::::::`:ノ :::} 〃イ / _〕 //`ー┬、∧ |
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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第78話☆
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電気を大切にねっ!
東京電力
___________
/|:: ┌/レl:j、:j、::|::l:|:┐ ┐ ::| おかしいなぁ…どうしちゃったのかな
/. |:: |:l'莎 ヘト忝レ::l: | ::| 暑いのはわかるけど、エネルギーは無限じゃないんだよ
|.... |:: |l ¨ , ゙ー' |/イ | ::| CM見た時だけ納得してるふりで、実際は冷房三昧なら
|.... |:: |l\ ‐ イ l/` | ::| CMの意味、ないじゃない。ちゃんとさ、電気と仲良くしようよ
|.... |:: └──────┘ ::| ねぇ、私の言ってること
\_| ┌────┐ .| 私の省エネCM、そんなに間違ってる?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄  ̄/ 少し、エアコンの温度上げようか……
/.∧ ∧目_ /
│((( ;゚Д゚))) │
│ / | │
│(___ノ │
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野狗氏がホラーネタ出してきたので…といってもギャグ
@なのはさんと都市伝説 (※コピペ改変)
【7:13】メリーさんという輩からの着信で起床。「家の前にいる」等とほざいてやがるの。おかげで寝起きが悪いの。
【8:02】朝食で使った油の容器に「台所の黒い悪魔」ことコードネイムGが入っていた。
気にせず捨てた。今まで気がつかなかった事に腹が立つ。
【8:36】出勤。どうもダルい。家を出るときに着信が鳴ったが、急いでいたので無視した。
【9:07】遅刻しそうなので走っていると、後ろからお婆さんがダッシュで追いかけてくる。
お婆さんには悪いけど、サインはお断りしているの。フラッシュ・ムーブで振り切る。それにしてもあくびが止まらない。
【9:30】デスクに向かっている。下を見ると白い手が私の足をつかんでいた。
ふりほどき蹴りをいれる(お姉ちゃん直伝)。大人しくなった。最近の痴漢はたちが悪いの。
【10:39】窓際に立ち、空を眺めていると、白い服をきた女が落ちてきて目があった。この不細工が。
【12:24】廊下を歩いていると、すれ違う時に男が「よくわかったな」と言ってきた。黙れ池沼。 サインはお断りなの。
【14:26】RHに着信記録16件。とりあえず返信してみる。「わたしメリーさ…ブチッ…ツーツーツー」
【16:12】外回りをしているとマスクをした女が声をかけてきた。「わたしきれい?」今日は変質者が多い。
無視してもついてくのでバインド魔法をかけた。こっちは急いでるの。
【17:30】エレベーターに乗ると人形が落ちている。「わたしリカちゃん。呪われているの」
うるさかったので箱に詰めて無限書庫宛に送っておいた。ユーノ君ならこういう珍しいのを喜ぶよね。
【20:32】友人に車で家まで送ってもらうことに。途中、バックミラーを覗くと上半身だけの女がついてきていた。
友人に急ブレーキをかけさせる。女はバンパーにぶつかった。もう着いて来ないようだ。友人が何事か喚いていたが気にしない。
【21:30】帰宅、着信記録が49件。またアイツか。 娘はスヤスヤと寝ている。
【21:35】娘のベッドの下に男がいたのでRHでボコって追い出した。大の男が泣くな。
【22:10】メリーさんからの電話に出る。「わたしメリーさん、今あなたの後ろにいるの」残念。後ろは壁なの。
【23:34】着信がしつこく鳴り響く。RHに言って受信拒否を設定した。
【23:59】ホッケーマスクをかぶり斧型アームドデバイスをもった不審人物を窓の外に発見した。
いい加減、腹が立ってきたのでスターライトブレーカーで吹き飛ばす。汚い花火なの。
【0:00】就寝。今日一日でかなり疲れた。
【2:00】急に目が覚める。金縛りかな?髪の長い女が天井にへばりついて恨めしそうにこっちを見つめてる。でも睡魔には勝てないの…。
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悪夢-マボロシ-に 黒天-マヨナカ-の蒼に溶けて 奇跡の種-ツブ-
希望-ユメ- 想像-マボロシ-を 遥か天空-ソラ-
さらわれぬように まっすぐ現在-イマ-を 破り 君は光の 響いてる
. / / / / ∧ | ', 、 ∨ ハ
攻略-クリア-したい 運イ | , ; / / / V l ! ! | 、 ヽ | 女テ
. 命マ | l | | ハ _|_| |_」...」 _| | :| | 神ン
澄んだ風-コエ-が . | | |:イ:「ヘ∧| j/l /l./「 | | |∨ シ
覚 .瓦礫の舞台-オペラ- | | | |V(ヒ_] ヒ_ン l /| | ./
. て | | トゝ'" ,___, "' ノ/| |/|/ 隠してたズルい影-自分-
る ココロの夜.-カゲ- ./ /| lヘ、 ヽ _ン ハ | ,.'';
/ / :| | }\ /| | ;' ! 時空-トキ-を越え
まだ見えぬ未来-ヨル- 宇テ ./ //| ∨ \> 、- イ |、| | ! i _
宙ン // ∧ ∨\\ ニ/| :|:: | |\ ,x '' ' 、 ,.. -'´ ,.'
宝石-ホシ- 希望-ユメ- . /_,/:::∧ ∨/ ∧∧l !:::| |::::::ハ;' / ',.. - '′
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508 名前:ミッドチルダのぬこさん [sage] 投稿日:2008/07/12(土) 13:28:43
トーレの所に子猫置いてみたら、一心不乱にもふっていたなぁ・・・
やっぱあいつも女か
509 名前:ミッドチルダのぬこさん [sage] 投稿日:2007/07/12(木) 13:57:54
∧,,∧ ∧,,∧ ∧,,∧
(・∀・) (・∀・) (・∀・) おまえら全員ぬっこぬっこにしてやんよ♪
゚○-J゚ ゚○-J゚ ゚○-J゚ ,,
518 名前:クアットロ ◆NO4yzQ4yJg [sage] 投稿日:2008/07/18(金) 03:33:45
>>508 |
|フ^^^ヘ
|ノ人ヘゝ / パシャッ
|`ヮ【◎】パシャッ パシャッ
| っ 9ミ \ パシャッ
|〉、,〈}、
|し'_ノ-ゝ
""""""""""
あはははははみ〜ちゃった〜み〜ちゃった〜♪
フフフ、これでまたお姉様をモフるネタゲットでございますわぁ〜♪
たとえ捕まっても撮った瞬間デスクトップ行き! バックアップを何十に張り巡らして保存ですわぁ〜♪
よくやったわ
>>508! これはほんのお礼の焼き増しよぉ〜♪
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@規制対策
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