ヤンデレの小説を書こう!Part16

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1名無しさん@ピンキー
ここは、ヤンデレの小説を書いて投稿するためのスレッドです。

○小説以外にも、ヤンデレ系のネタなら大歓迎。(プロット投下、ニュースネタなど)
○ぶつ切りでの作品投下もアリ。

■ヤンデレとは?
 ・主人公が好きだが(デレ)、愛するあまりに心を病んでしまった(ヤン)状態、またその状態のヒロインの事をさします。
  →(別名:黒化、黒姫化など)
 ・転じて、病ん(ヤン)だ愛情表現(デレ)、またそれを行うヒロイン全般も含みます。

■関連サイト
ヤンデレの小説を書こう!SS保管庫(本保管庫)
http://yandere.web.fc2.com/

ヤンデレ臨時保管庫 @ ウィキ(臨時保管庫)
http://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/

■前スレ
ヤンデレの小説を書こう!Part15
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1208961158/

■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。

■投稿のお約束
 ・名前欄にはなるべく作品タイトルを。
 ・長編になる場合は見分けやすくするためトリップ使用推奨。
 ・投稿の前後には、「投稿します」「投稿終わりです」の一言をお願いします。(投稿への割り込み防止のため)
 ・苦手な人がいるかな、と思うような表現がある場合は、投稿のはじめに宣言してください。お願いします。
 ・作品はできるだけ完結させるようにしてください。
 ・版権モノは専用スレでお願いします。
 ・男のヤンデレは基本的にNGです。
2名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 13:41:25 ID:uoExHnAq

    ';:::::::::::::i:::::::l]:::::l]::;:=、___;;:::::」、
   /`"' ー-'--─ ''"7::::::ヽ.   i `ヽ.
   ,'     /  パ_ i:::::::::i -!、ハ  ',
  .i  ./  ,'   /'´| ハ::::::パハ | i |
  |.  i  イ  /,ア;ニ;ヽ V .オ`i`i | ,ハノ >>1
  |.  ',  i  ,〈 .ト |    トノ.ノ レ'!   乙けーね!
  .|  ヽ、ヘレ|  ゝ'    ,  ,,|:::| |
   | i  |ヽ|:::|"   ,. -‐ァ  ,.イ:::| |
   | |    |:::|ヽ.、, i _ノ / |;:::!
  .| |   |::::ト、, `,7T"i´ヽ! | ! 
  |  |  ,.ヘ!:::::|:::::`ヽ」ヽ、! / レ'' (,,,.
  |  !/  ヽ、|へノ::ヽム:n、    <、 びしっ!
  | ./      Yヽ、/:::/´ '"´`i  ̄、
  |〈       〉:::::::7     i'  ノ、
  ',くゝ、 、 イゝ:::::/     ノ r'´ヽ〉
3名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 15:17:17 ID:jyiSPYEf
しかし>>1ぬるぽ
4名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 16:37:12 ID:RL3zNSkk
>>3
しかしガッ
5名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:26:27 ID:hLF2tzhC
問5 ヤンデレヒロインに絶対言ってはならないNGワードを答よ。
6名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:39:35 ID:4ne9SBoD
今日から一緒に帰るのやめないか?
いや、俺もさ、お前以外との友達付き合いがあるしさ
7名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:43:14 ID:l5osXX8Y
俺、これから○○(違うの女の名前)さんに告白しようと思うんだ。
8名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:51:58 ID:9OLdn/Nd
俺、女に興味ないんだ。
9名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:56:21 ID:903TpF+D
俺、女なんだ。
10名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:58:34 ID:JOT1DfDK
A.お前ん家、おっばけやーしきー!

「お前ん家、おっばけやーしきー!」
       ↓             
「お化けいそうな家だな!」
       ↓
「そんな所に愛するお前を住まわせておけるわけない!」
       ↓
「ほら、何をしてるんだよ。うちに来い!」 
       ↓
    同     居
11名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 22:38:13 ID:U+NwFers
>>10
あるある
12名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 22:40:48 ID:meCLUN3Z
>>5
こなたは俺の嫁
13名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 23:33:37 ID:4nQ+dUVr
>>5
○○さんがお弁当を作ってくれるからもう俺に弁当は作らないでくれないか?
14名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 00:26:28 ID:1rdEtT1A
>>5
お前はずっと俺の親友だ
15名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 00:39:05 ID:J2MV1Sk/
何を言っても何も言わないよりはいいはず
16名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 00:57:09 ID:CYnUDJa/
>>5
1「お前ウゼーわ…もう話しかけんなよ」

2「お前が近くにいると勘違いされんだよ。迷惑だからもう近寄んな!」

3「わり、お前に告ったの、アレ罰ゲームだから。お前なんかにマジになるわけねーだろ?」

4「やっぱお前ダメだわ。○○じゃないとな」

5「お前キモイ…」

6「近寄んなっつったろこの豚がッ!! ああ、ごめん○○。コイツストーカーでさ…」

7「お前のこと大嫌いだから。顔も見たくない」

8「一回ヤッただけで彼女面すんなよな」

さあ、(刺されるの)どーれだ?
17名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 01:30:39 ID:PJBH6tjb
>>1
ぜんぶ!
1817:2008/06/05(木) 01:31:34 ID:PJBH6tjb
19名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 02:37:40 ID:HqLQi5da
>>16
全部刺される気はしないなあ
強いて言うなら4辺りか?
20名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 07:55:41 ID:b7MhH0Wo
>>16
8は刺殺フラグ立つだろうけど、ヤンデレとはまた違う気も。
21名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 09:40:41 ID:pHmkdH0F
もうこの流れ飽きた
22名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 10:17:25 ID:fKraHHMb
>>16
5と7は逆に悦ばれる危険が・・・
23名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 10:17:43 ID:js4aBjvO
じゃぁもうくんな
24名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 12:43:31 ID:tnodCV7y
>>16
その関係のヤンデレって、関係がなりたってる背景しだいじゃない?

男の方が病んでるような展開もありかも
25名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 13:17:21 ID:HqLQi5da
26名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 19:59:19 ID:GCoaIzad
テレビの「逢わせ屋」すごかったな。
心身を病んで入院した先で看護士学校に通いつつ病院でバイトする男に惚れてどっぷり依存。
「何度も電話してるのに何で出ないのよ!」などと切れる。
しばらく距離を置こうといわれても電話攻撃はやめず、
そしてついに男に逃げられ、探してもらうためにテレビに依頼。
すばらしい。


惜しむらくは、男が患者に適当に手を出してみただけっぽいのと、
女が二目と見られぬデブスで、しかも「新しく好きな人が出来たからすっぱり忘れるために会いたい」なんて言ってたことだ。
27名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:59:28 ID:HqLQi5da
現実なんてそんなもんだ
28名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 22:09:51 ID:mRv1Q4cr
患者に適当に手を出す看護士?
それってm(ry
29名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:19:40 ID:mA5cRH/E
じゃあ、看護婦だったら?・・・・あれだ、遊びのつもりで適当に手を出したらいつの間にか本気になってて、退院の日が近づくと退院を引き伸ばそうとわざとケガさせて、ばれてクビになって病院にいったらもう退院してて、探すために「逢わせ屋」に
たのむ!ってことでいいだよね?
30名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:28:49 ID:HeK9cz40
日本で物語で最古のヤンデレは清姫?
31名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 23:52:21 ID:csuLFtqA
イザナミは?
32名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 00:36:18 ID:6WzpC2tt
カン太がサツキに監禁されるのか
あの家なら出来そうだ
33名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 01:32:00 ID:KY0j/2Fs
>>29
男が弱い立場萌え派って結構いるよね(*´Д`)
モテる男がヤンデレに捕まるってのは昔のドラマに多すぎて飽きた。
34名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 16:23:25 ID:vXFEoU+A
阿部定は?
……病み方が尋常じゃないぞ。
35名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 16:31:08 ID:SGhFpifo
三次元はスレ違いです
36名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 19:41:33 ID:vXFEoU+A
>>35 実在したのか!? 
俺はどこかのホームページの小説のヒロイン?を挙げたのだが…
37名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 19:53:53 ID:d8arAbPr
>>36つ阿部定事件
38名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 21:45:23 ID:oh6tlwxo
ヤンデレ好きなら阿部定事件くらい知っといて損はないよ
wikipediaでも見とけ
39名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 22:20:11 ID:ALllMdit
思わず股間を押さえてしまった。
KOEEEEEEE!
40名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:13:29 ID:vXFEoU+A
写真と資料見ました。
思わず股間を握りしめてしまいました。
えげつねえ……………
41名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:31:49 ID:vXFEoU+A
主人公浮気→病み娘キレる。
泥棒猫を殺害後、病み娘、男を尋問。
口論の末、男刺殺され、阿部定エンド…
その後病み娘と男の陰茎を見た者は居なかった。
そんな話はイヤだ。  
42名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 08:27:13 ID:whDEkMlS
傍観者まだ?
43名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 15:00:28 ID:D2DTyvdl
>>42
いい加減うざい
作者の事も考えろ
そしてsageろ
44名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 16:50:26 ID:IU+LpQKq
例大祭も終わったしいない君はそろそろ来るかな?
45名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 16:57:14 ID:whDEkMlS
>>43
傍観者の作者はおめーのもんじゃねーだろ。声援にいちいち嫉妬してんじゃねーよ。
46名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 17:03:26 ID:lun7lzim
>>45
一々反応すんなガキ。
そしてsageろ
47名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 17:14:25 ID:BvGuqp8E
>>46
触っちゃらめええええええええ
48名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 18:45:43 ID:wyZohCG3
貧乳ヤンデレに天然巨乳の魅力を語ってみたい
49名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 18:53:23 ID:8ymfuQY6
俺にだって
守りたいものがあるんだ!
50名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 19:15:55 ID:whDEkMlS
>>46
ヤンデレスレらしくパスを受けたらボールを回せってorz

せっかくネタを振ってもこれだもんなあ。そのくせクダラネー雑談ばかりしやがって。
51名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 20:02:13 ID:D2DTyvdl
>>50
とりあえず
私は長くからここに居て空気嫁てますよ
みたいな発言する前にsageてな
52名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 20:18:29 ID:SJUWdUTi
>>48
俺は逆だ、天然巨乳に貧乳ヤンデレの魅力を語ってみたい。
あ、天然のヤンデレは居ないかw
天然って馬鹿だし。
53名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 20:58:47 ID:hY3BUn7J
むしろ馬鹿なヤンデレもそれはそれで・・・
愛ゆえに病んでくれれば謀略術数に長けてたり戦闘力に長けてたりしてなくてもいいんだ
54部屋とナイフと暗殺者:2008/06/07(土) 21:20:36 ID:NZ2KX8FX
俺の後ろにはアイツがいる。
俺は女性にモテない。何故なら、イージスシステム真っ青の防空…対女性能力を持った幼馴染みが居るからだ。
歩く武器庫、妄想保管庫、女性キラー等の二つ名を持つアイツは今日も誰かを始末する。
今日、廊下で告白してきた女の子、かわいそうに。
たぶん今頃、"鉄道自殺" させられているだろう。
…オマエは何で俺の部屋でナイフを磨いている。
そして、何本隠し持ってる。
わざわざおもむろに太股のホルダーから警棒引き抜かなくて良いから。
「アンタの事、ずっと守ってやるからな…」      
アイツは俺の目の前でセーラー服を脱ぎ、防刃ベストとサラシ、パンティを脱ぐと、風呂場に入っていく。
…まるで熟練の暗殺者が返り血を流すように。そして、殺した相手の体臭を落とすように。
風呂から出て来た。相変わらず胸が無い。
本人曰く「掃除に支障きたすし、防具が付けられないから別に良い」らしい。
そして、ベッドで三戦交える。
この生活はアイツの両親が逃げるように海外赴任してからずっと続いている。
もう初体験から四年たったのか。
そんな高二の夏。     
55名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 21:24:04 ID:Rpqv+M2U
>>53
それはあるな。
盲目的にというか純粋に病みつつ愛してくれれば素晴らしい。
ヤンデレ娘と一緒にお風呂に入って主人公の体を洗っている時に「何か」に気が付いて
詰問とかたまらん。
56名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 22:16:57 ID:udoNiAs7
天然=バカ
じゃないだろ
天然はバカってよりずれてるんだろ
57名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 23:07:18 ID:2FA9pauA
>>54
別に文体が似てるとかじゃないのに深見真作品を思い出した。
58名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 23:46:37 ID:SJUWdUTi
>>56
余計ダメじゃんww

しかし、もうそうしてたら普通のヤンデレよりゾクッて来たわ。
普段は天然なのに主人公が好きな人が出来たとか言ったときだけ目つきが変わるあれ。
59ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:34:15 ID:C3xv1c1J
こんにちは。
ヤンデレ家族が、午後二時三十分ぐらいをお知らせします。

投下します。
60ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:35:30 ID:C3xv1c1J
 自宅にたどり着くまでに要した時間は、これまでの下校時間の記録を塗り替えるほどのものだった。
 しかしそれは非公式。なぜなら、俺はタイムなど計っていないから。
 日頃、時刻を確認できる道具を携帯電話しか持たない俺には、ストップウォッチなど縁遠い代物だ。
 とはいえ、仮に持っていたとしても今はそんな些細なことを気にする余裕は無かったから、計りはしなかっただろう。
 自宅の敷地を出てすぐそこにある電柱に手をついて、息を整えながらそんなことを思う。
 何かに寄りかからないと立っていられない。これほど必死になって走ったのは久方ぶりだった。
 別に走るのが久しぶりな訳じゃなくて、死力を尽くすのが久しぶり。
 葉月さんと一緒に下校し送り届けた後、自宅へ帰るまでの道のりを結構なハイペースで走るという日常を
送らされてきたため、俺の心肺は錆び付いてはいない。
 それでも、ペース配分など無視して足の動く限り地面を蹴り続けたら、さすがにバテる。

 やれやれだ。どうしてここまで必死になれる。
 妹に助けを求められたぐらいで、ここまで後先考えない行動を取るとは。
「シス……こーん、な、俺…………」
 自覚した。というか、自分の体で証明してしまった。
 そりゃ、前々から弟や妹に対して甘いと気付いていたが、まさかここまでとは。
 弟が十四日帰ってこなかった時でもここまで変貌しなかったくせに、妹のこととなるとこうまで変わる。
 誰がどう見たって妹想いの兄貴そのものじゃねえか。
 否定しても、チャック全開にして歩いていたのにその事実を認めない男みたいに、嘘吐いているのが丸わかり。
「……かっこ、悪うござん、した」
 俺は何も言わずに背中で語り、遠くから弟と妹を見守る男でいようと思っていたのに。

 自宅を取り囲む塀を支えにして、玄関へ進む。
 止まっていた時間は一分にも満たないぐらいだったが、呼吸を自分で制御できるぐらいにまでは回復した。
 今朝は自宅で目を覚まさなかったから妹の顔を見ていない。
 でも、たぶん家にいるだろう。弟を待つために。弟が帰ってきたらいの一番に出迎えるために。
 だから、誰かが家の玄関を開けたら真っ先に飛び出すはず。
 助けを求めてきたのは、玄関を開けた相手が妹にとって恐れの対象だったからだ。
 果たして誰が妹の前に現れたのか。
 答えは、玄関を開けて家の有様を見て、ようやく明らかになる。
61ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:37:02 ID:C3xv1c1J
 玄関のドアを開けた。
 飛び込んできたのは昨日の朝に見た我が家の玄関の光景、そのままであった。
 いや、一つ違った。
 見慣れない靴が一足、転がっている。
 置いてあるのではなく、文字通り投げ捨てたかのように放置されていた。
 家族の誰かがそんな不作法をしたのならば、真っ先に靴を揃える俺であるが、今日はそうしない。
 見慣れない靴、それすなわち家族以外の誰かが入り込んでいるという証拠だ。
 見たところ、靴の種類はスニーカーで、サイズは俺のものと比較したら小さめ。
 女……か? これだけじゃわからないけど、可能性は高い。
 ――――いや、相手の詳細など誰でもいい。
「おーい、妹? いるか?」
 呼びながら、靴を乱暴に脱ぎ捨てる。不作法は承知の上。後で揃えるだけだ。
 とりあえず、真っ先にリビングを覗き込む。
 キッチン、テーブル、ソファー、天井、異常なし。
 どこも散らかったりしてないし、誰も居やしない。
 ……てことは、他の部屋。
 妹が居そうなところといえば、弟と妹が共同で使用する部屋ぐらいしかない。
 妹からメールが送られてきてから、すでに十分以上経過している。
 どこかに連れ去られた、なんてことになっていなければいいのだが。

 弟に続いて、もし妹までさらわれたら、どうすりゃいいんだ。
 一番ろくでもない長男が残ったって、意味がないのに。
 弟と妹が危ない目に遭わないように面倒を見るなんて単純なことすらできず、
俺一人だけ無事でいるなんて、端から見たらただの無責任な男でしかない。
 人にどう思われようと、今更何しても遅いからどうでもいい。
 ただ、弟を無事に家に帰し、妹を助けられればそれでいい。

 時間が惜しいので、一番妹がいる可能性の高い場所を当たることにした。
 弟と妹の部屋。二人の名前が、ベニヤ板の上に木で象った文字で書かれている。
 そういえばこの表札を作ったのは俺だったっけ。久しぶりに思い出した。
 たぶん弟も妹も覚えてないだろう。俺が忘れてるぐらいなんだから。
 それはともかくとして、ドアを軽く三回叩いて、声を掛ける。
「俺だ。……入っていいか」
 しばし待つ。が、返事はない。
「あと十数えて返事しなかったら勝手に開けるぞ」
 一応予告をしておく。
 もしここで返事があれば、入る必要はない。
 はやる気持ちを抑えつつ、十からカウントを始める。
 ゼロまで数え終えても妹からの返事はなかった。物音すらしない。
 予告の通り、ドアノブをひねって二人の部屋に入る。
62ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:39:10 ID:C3xv1c1J
「なん…………だ、これは」
 部屋中がひっくり返されていた。
 正確に言えば、部屋に置いてあるあらゆるものがでたらめに床に散らばっていた。
 弟と妹がそれぞれ使っている机。
 二つともが机の上をまっさらな状態に変えられていた。引き出しも不揃いに出されっぱなし。
 本棚の中身は全て床にぶちまけられ、辺り一面に本の海が出来ている。本棚も倒れて、背中を見せている。
 テレビなんかも床に直接置かれ、台と離ればなれになっている。
 それ以外にも、文房具やら服やら壁掛け時計やら、なんでもかんでもが床にあり、四方の壁がすっきりしてしまっていた。
 しかし、中でも一番ひどい有様になっていたのは二段ベッドだ。
 弟と妹、どちらが上か下か知らないが、今となっては知ったところで無駄なこと。
 上のベッドと下のベッドが、別々に分離した状態に変わり果てていた。
 誇張ではなく、本当に言い表したまま、上のベッドを支える四隅の支柱がへし折れていた。
 下段のベッドは本来ならあり得ない、横倒しの直立状態になっていた。布団ももちろん剥がれている。
 そして、上段のベッドは壁に斜めに寄り掛かっていた。
 おそらく、置いてあったベッドをそのまま倒したら上のベッドが壁にぶつかり、支柱からぼきりと折れてしまったのだろう。
 どう考えてもこれは、悪意のある人間の仕業だ。
 とすると、妹が無事であるとは、限らない。

「誰? …………お兄さん?」
 小さな声を耳にして、乱れていた思考が落ち着きを見せた。
「その声、妹か? 無事か? どこにいる?」
 声は聞こえども姿は見えず。
 災害に遭った後みたいな部屋の様子では、妹がどこに隠れているのかわからない。
「怪我はないよ。 それより…………駄目」
「なにが駄目なんだ」
「見せられない。隠れてなきゃ」
「なんでだよ」
 もしかして、顔に怪我をしてしまって、そのせいで……?
「居るもん。あの人がまだ、部屋の中に」
 部屋の入り口から前方、左右、天井、ついでに後方まで確認する。
「誰も居ないぞ? お前が気付いてないうちに帰ったんじゃないか」
「…………居る。そこ」
「どこだよ」
「………………ベッドの裏」
 ベッドへと目を向ける。
 無惨な有様になってはいるが、ベッド単体としての形はまだ保たれている。
 横倒しになった下段のベッドは、死角を作り出していた。

 妹以外の気配は感じられない。
 しかし、耳を澄ますと一定の間隔で呼吸の音が聞こえる。
 これ……まさか寝ているのか? 
 自分で部屋を荒らしておいて、逃げもせずにその場で寝るなんてどんな馬鹿だ。
 だけど、これはチャンス。捕まえるなら今しかない。
 床を見て武器になりそうなものを探してみるが、分厚い辞典ぐらいしか見あたらない。
 仕方なく、辞典を片手にしてベッドへと忍び足で近寄る。
 ベッドを背にして裏側を覗き見る。
 まず見えたのは、ニーソックスを履いた長い足。
 さらに覗き込むと、スカートが見え、次にセーラー服が見えた。
 寝ているくせにその胸がやけに隆起している。いや、そんなことはどうでもいいのだ。
 それより、目にした制服のデザインが、俺の通う高校の女子の制服だったことに気になった。
 誰だ? 俺の家を知っていて、部屋を荒らし、妹には危害を加えない、そんな人間は。
 澄子ちゃん……は無いな。体型がまるで違うし、ここにいる可能性は低い。
 弟のファンクラブの子? 中には荒っぽい子がいるかもしれないけど、いまいち解せない。
 他に弟に好意を抱いているのは――――花火がいる。
63ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:41:45 ID:C3xv1c1J
 ニーソックスに、絶対領域に、スカートに、女子用の制服に、でかい胸。
 以上の特徴を持ち、かつ俺の家を知っている人間。
 そんなやつ、花火ぐらいしか居ない。
 でも、花火は何をしている? 何をしに来た?
 俺の家を荒らして嫌がらせなんかしたって、俺への恨みは晴れないだろう。
 それ以外で花火が動く理由というと、姿を消した弟の捜索。
 ――――そうか。こいつ、そのつもりで。

「来るのが遅いよ、アニキ」
 びっくりして、辞典を取り落としそうになった。
 今度は俺が花火の死角に入る番だった。
 花火に対して、俺はどれぐらいの警戒をするべきだ?
 部屋を荒らしたのだから、最大レベルの警戒であたるべきかもしれないが、
寝ていたということは、花火はもうこれ以上のことをする気はないのかも。
 妹を傷つけていないのも、きっと目的を果たすのに必要ないからだ。
「そんなに警戒するなよ。私はただ、この部屋を調べに来ただけ。
 用が済んだら、さっさと帰るよ」
「……じゃあ、なんでまだここに居る? ここまで荒らしたなら、これ以上調べる場所なんてないだろ」
「用があるからだよ。私一人じゃ見えないものがある。別の人間から見た、現状を教えて欲しい。
 アニキ。何か手がかり――――あいつの居場所を掴めたか?」
「いいや、特になしだ」
 隠れてて良かった。もし向かい合っていたら、嘘を吐いていることが絶対にバレていた。
 居場所はともかく、誘拐の実行犯の正体はわかっている。
 けれど、教えるわけにはいかない。
 他の人間ならともかく、花火にだけは。

「ふうん、そう。
 ところで、ちっさい妹に聞いたけど、アニキは昨日家に帰ってこなかったんだって?」
「……まあな」
「どこに行ってた? 夜通し遊びまわってたわけじゃないんだろ。
 今のアニキの性格じゃ、そんなことしないのは知ってる。聞きたくもないのにあいつが教えてくれたからな。
 ごまかしても、無駄だよ」
 心の中で舌打ち。弟め、要らないことまで喋りやがって。
 一番無難な答えができなくなってしまったじゃないか。
「……友達の家に泊まってたんだ」
「嘘くさい。自分の性格を理解してない。なにより、昨日の状況でそんなことをするはずがない」
「何を根拠に……」
「あいつから色々聞かされたって言っただろ。
 まず、アニキはとにかく現状維持に努める。その代わり、新しいことや変化を望まない。
 だからこそ、あいつが居なくなったことに不安になった。
 今の状況で、一日連絡を取らずに、自分の家族、特に妹をさらに不安にさせるようなことはしない。
 昨晩何の連絡もなかったという時点でおかしいんだよ」
 大当たりだ。ここまで理解されてて、ある意味嬉しく思う。
 仮に高橋の家に俺が泊まったとしよう。
 その場合、真っ先に俺は家に連絡する。友人の家に泊まるから今日は帰らない、と言う。
 弟だけじゃなく、俺まで居なくなったらさすがに両親まで不審に思うだろう。
 いや、もしかしたら昨日の朝の時点で、すでにもう。
 だから、昨日澄子ちゃんを見かけなければ俺は弟捜索を打ち切って家に帰っていた。
「あの女、葉月の家に泊まったなんてことはまず無い。そうすれば連絡しないのも頷けるけど。
 アニキはあの女を恋人にする気なんかないんだろ。返事を保留にしているのがその証拠だ。
 彼女にするほど好きじゃないのか、タイミングが掴めないのか知らないけどさ。
 本気じゃないなら、彼女にはしない。返事をせずにごまかし続ける。
 関係の変化よりも維持を優先。それがアニキの接し方。
 そういうところが、いや、そういうところも含めて――――最低だ」
64ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:43:32 ID:C3xv1c1J
 なるほどね。わかっていたけど、昨日の別れ際の台詞はそういう意味だったんだ。
 好意を寄せられていると知りながら、好きだと告白されていながら、何の返事もしない。
 そりゃあ、腹も立つだろう。クラスの皆も同じ事を思っているはずだ。
「花火。葉月さんに、俺は返事をしようと」
「ああ、そんなことはどうだっていいんだよ。返事しようがすまいが、私には関係ない。
 アニキと私を関わらせる要因は、あんたの弟だけ。
 あいつの居場所さえわかればこれ以上何も言わず、消えるよ。
 ……で、結局アニキは昨日どこにいたんだ? 家族の誰にも連絡を入れず、友達の家以外で、どこで夜を明かした?」
「それは――――」

 言えない。
 地下倉庫に居たことを知られてしまったら、さらに追求され、犯人のことまで問い詰められる。
 もし喋ってしまったら、澄子ちゃんが危ない。
 去年の文化祭で、花火が自分の名前を呼んだ軽薄な男に対して奮った暴力的な一面。
 あの場は弟が収めてくれたが、そのまま放って置いたら、あの男は顔をひしゃげさせられていただろう。
 大げさな表現ではない。本当に花火は実行してしまう。
 しかも澄子ちゃんは弟をさらった人間だ。
 自分にとって一番大切に思うものを奪われたら、人は一体どんな行動をとるのか。
 例えば俺の場合だったら。だったら――――どうするんだろ。というか、何が大事なんだ?
 妹だろうか。……恥ずかしいけど、さっきは必死に走ったぐらいなんだからそうなのかもしれない。
 でも、妹が居なくなって、俺がどんな気持ちになるのかはわからない。その時が来ないとなんとも言えない。
 取り乱す様はすぐに思いつくけど。
 俺の例えはともかくとして、花火だったらどうなるか。
 弟が居なくなって、会いたくもない俺まで捜索に使おうとするぐらい焦った。
 葉月さんが弟を狙っている人間だと早とちりして殴りかかった。
 怒りの矛先が定まったら、そんなの、止まらなくなるに決まってる。

「それは、何?」
「昨日、俺は…………」
「早く言えよ。こうやって話してるだけで不愉快なんだ。私が冷静でいるうちに答えろ」
「言いたくない」
「はあ?」
「言いたくないし、言う必要があるほど大した場所には行ってない」
 ここはなんとかしてごまかすしかない。
 花火だって、俺と話すのはあまり好きじゃないんだから、深く追求はしてこないはず。
「俺にだって内緒にしたいことがあるんだ。だから聞かないでくれ。
 弟捜しは、これからまた…………?」

 気配を感じて、右を見る。
 ベッドを挟んで向かい側にいた花火が、回り込んできていた。
 無機質な瞳が俺を見下ろしている。
「今の、なんだ」
 何の感情もこもっていない花火の声。
「聞こえなかったのか。私は、昨日アニキがどこで何をしていたか聞いてるんだ」
「……だから、答えるほどのことじゃ」
 突然伸びてきた腕に襟を掴まれた。
 続けて振り回されて無理矢理立たされ、壁に押しつけられる。 
「ぐっ!」
 背後の壁と、いまさら爪先に落ちてきた辞典がさりげなく痛い。
 襟を捻られ、締め上げられる。
 呼吸できないほどではないが、徐々に踵が浮いてきているのがわかる。
「気にくわない答えだ。最高にイライラする。
 アニキよ、あんたに聞いたのは質問の答えだ。
 昨日どこにいたのか。そんな簡単なことすら答えられないか。いつもそこまで忘れっぽいのか」
「ああ、実はそう――――」
「へらへらするんじゃねえ! 言いたくないの次は、忘れただ? 言ってることが変わってるぞ!
 ごまかそうとしてるのバレてんだよ! 卑怯者!」
 襟を締める花火の手が顎にくっついた。さすがに苦しい。
 でも、言う訳にはいかない。言ったらそこで、澄子ちゃんは。
65ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:45:37 ID:C3xv1c1J
 花火を見つめ返す。目があった瞬間に、明らかに不快そうな顔つきになった。
「むかつく。去年顔を合わせてから今までで、一番殴りたい顔つきだ。
 それとも、最初からその気か? 私に殴られたいか? 
 その方が、アニキの気持ちも正直になるから、そうした方がいいか?」
「好きにしろ。殴るだけの正当な理由が、お前にはある」
「好きに? …………ははっ、それは無理。まだ、今は無理さ。
 私がアニキを好きにしたら、たぶん、良くても半殺しにするだろうから。
 だから、そうだね。今は」
 突然内臓に鋭い衝撃が走る。痛みがのど元に達する前に、より固く、強いものが腹に突き刺さった。
 腹を抱え悶絶しないよう耐える。
 今度は、背負い投げの形で放り投げられた。
 柔道のように畳の上に着地せず、本と小物と家具の破片だらけの床に、背中から衝突した。
 手加減無しだった。手加減していたなら、俺は花火に手の届く位置に落ちたはず。
 投げっぱなしの背負い投げは、俺を一メートル以上、花火から遠ざけた。
 背中と腹から襲い来る痛みが混じり、感覚をそれだけで占領する。
 胃をへこまされたみたいに感じるが、吐き気は起こらない。
 昨日の昼から何も食べていないことに感謝した。

 横を向いて痛みをこらえていると、目の前に花火の足の爪先が見えた。
 それ以外に見えるのは床だけだ。余裕なんかひと欠片もありはしない。
「これぐらいにしておくのが後々楽だ。
 下手に怪我でもさせたら、あいつが気付くからな。
 ……さて、アニキ。返事はしなくていいから、首を動かして答えろ。
 昨日何をしていたか忘れたなんて嘘で、本当は覚えてるんだろ?」
 頷かない。頭は動かせるけど、床に置いたままにする。
「こんだけやってもだんまりか。だったら」
 うつぶせにさせられた。背筋を避けて連続で踏まれる。
 足の裏じゃない。一点集中した痛みからして、踵だ。
 肩に衝撃が走ると大量の空気が押し出されて息苦しい。
 内臓を蝕む痛みはさらに深刻化する。
 それでも、まだだ。
 せめて、花火の気が済むまで耐えさえすればいい。
 俺が白状したら澄子ちゃんの安全は保証されない。
 自分の選択で最悪の選択を回避できるなら、これぐらい耐えてみせる。
「……なるほどね。そういうわけか。それなら、口を簡単に割るはずないよな」
 なんだ? いきなり蹴るのをやめた?
 これで終わったのか? 
 それならそれで構わないけど、なんだ、今の花火の台詞は。
 何かに気付いたような……?
66ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:47:09 ID:C3xv1c1J
「そこまで強情になるってことは、誰かをかばっているんだろ。
 誰か。つまりそいつがあいつをさらった犯人、もしくは犯人に繋がる関係者だ」
 ――気付かれた! まずい、ごまかさないと!
「ち…………、違う! 俺はただ、お前が……気にいらない、から……言わないだけだ」
「嘘つけ。ますます怪しいな。そこまで必死になるなんて。
 別にアニキから本当に嫌われてようと、とっさに吐いた嘘で嫌いと言われようと構いやしない。
 どうせ、私があいつと結ばれるまで、仕方なく持っている関係に過ぎない」
 嘘吐いたことまでバレバレかよ。ちくしょう。
 ――ん、おかしい。
 なんで「嫌われようと構わない」、なんてわざわざ言ったんだ?
 言う必要なんかない。黙ってても、花火が俺のことを虫けら程度に思っていることは伝わってる。
 俺は花火が嫌いじゃない。
 対して、花火の認識は「俺は花火を嫌っている」となっているはず。
 だけど――――だけど、なんだっけ。
 駄目だ。体の痛みが頭の回転を鈍らせてる。

「アニキが口を割らないなら、こっちにも考えがある」
 花火の足が動いて、視界の外へ消えた。遠ざかる気配が感じられる。 
 回復して、体勢を立て直すなら今しかない。
 呼吸は落ち着いてる。痛みは完全に消えてないけど、ピークは過ぎた。
 後は手と足だけど――――うん、こっちも動く。
 両手で床から体を剥がして、折った膝を滑り込ませる。
 右膝を立てる。首を上げて、前方を見やる。
 そこに居たのは俺を見下ろす花火。
「嫌だ…………やめて。怖いよ、助けて…………おにいちゃん、おにいちゃん」
 それと、花火に髪の毛を掴まれ腕で抵抗する、虚ろな顔をした妹だった。

「花火、一体何をしてる!」
「あれ、もうそんな声が出せるまで回復したのか。
 頑丈だな。その辺の不良なんかよりよっぽどタフだよ。感心する」
「質問に、答えろ」
「うるせえよ。今から答えるところだ。
 …………今から試すんだよ、アニキ、あんたをさ」
 なんだと? 
 妹を使って、一体何を試そうって言うんだ。
「分からないってツラだな。ま、言うより見てもらった方が早い、と」
 花火が妹の髪を放し、両肩を掴んでまっすぐ立たせた。
 そして、一瞬だけ微笑み――――平手で叩いた。
 乾いた音が響いた。手加減をしていない。動いた右手が振りぬかれてる。
「や、やめ……やめ、て。お願い」
「…………ふん」
 鼻で笑い、今度は反対側の頬を打つ。
 妹は頬を押さえて、その場に尻餅をつくように座り込んだ。
67ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:48:21 ID:C3xv1c1J
 歯ぎしりの音。俺の顎が噛み合い、擦れ合ってできた音。
 頭に血が上ってくる。拳の震えが肘、肩、首、頭まで伝わってくる。
「何してやがる! 妹は関係ないだろうが!」
「ああ、たしかに関係はない。何にも悪いことはしていない」
「この……こいつ! だったら手を出すな!」
「騒ぐなよ。音がでかいだけで、腫れることはない。
 今回の誘拐に関しては、ちっさい妹は悪くないよ。
 でも、個人的に妬む理由がある」
 妹の髪が大雑把に掴まれ、顔が持ち上がる。
 俺の目と妹の目が合う。
 妹は泣いていた。顔をくしゃくしゃにして、涙を流し続けていた。
 口が動いているけど、動きだけで声は出ていない。
 しゃくり上げる嗚咽だけがはっきり耳に届く。
「手を離せ! 今すぐにだ!」
「断る。こうする理由が、私にはあるんだよ。
 ちっさい妹は、同じ家に住んでいるってだけで、あいつにくっついていられる。
 風呂にも一緒に入っている。同じ部屋で寝てる。
 簡単に言うと、私はちっさい妹に嫉妬してるんだよ。
 あいつに近づこうとする大量の女の群れよりも。
 あいつをさらった今回の犯人よりも、かもな」
 花火がしゃがんで、妹の顔を横から覗き込んだ。
 小さな悲鳴と共に、妹がさらに顔を強張らせる。
「どうしてだろうな? なんで妹のくせに、血の繋がった姉弟のくせに、あいつに近づくんだ?
 胸は小さい。背は低い。目の前で部屋を荒らされても何も言えない。今も、泣きじゃくるだけ。
 そんなやつは、あいつにふさわしくない。そうは思わないのか?」
「わ、私…………お兄ちゃん、お兄ちゃんが好きだから…………」
「ああ、そう。本当、憎らしいよ。
 あいつに近づいているところも、私にこんな想いをさせるところも。
 …………なあ、アニキ。どうしたらいいと思う?」
「そんなことより、手を」
「聞けって。真剣な質問なんだから。
 私が、もう二度と不安な思いをしないために、ちっさい妹をどうすりゃいいのかな?
 全身の毛を剃ろうか? 顔の形が変わるまで痛みつけようか? 両手足を折ってやろうか?
 ああ――でも、そんなの面倒だし、あいつがさらに構うようになったら困るから、いっそのこと――」

 殺してやろうか。
68ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:49:37 ID:C3xv1c1J
 聞こえた瞬間には体が動いていた。
 間合いを詰めて、右足を花火の顔目掛けて奔らせていた。
 しかし、空振り。
 体勢を崩して、その場にくずおれた。
 足を叩いて一喝。
 立ち上がって振り返る――――と同時に、脇腹に伸びた足がめり込んだ。
 吹き飛ばされる。机にぶつかり、椅子を巻き込んで倒れた。
 痛みへの反応が喉を閉ざす。冷や汗が肌に浮かぶのが分かる。
「いい一撃だったよ。あと二三センチで私の鼻は折れてたろうな」
 拳を床について、肘を伸ばす。すかさず肘に蹴りを入れられて、また床にぶつかった。
「いくら私が相手でも、まさか女の顔を蹴ろうとするなんてね。
 さすが、小学生の頃に頬を切りつけただけはあるよ。
 これがアニキの本性さ。凶暴で、残忍で、冷酷で、大事な人間以外は思いやらない。
 体には犯罪者の習性が刻み込まれてる。血には異常者の遺伝子が受け継がれている。
 肉親を好きになるところなんか、親そっくりだ。
 あいつにそんな一面がなくて、本当にほっとするよ」
「お前…………知って、るのか……?」
「まあな。あいつに聞いた。というか、カミングアウトされたよ。一方的に」
 嘘だろ。
 絶対に誰にも言うなって、ことあるごとに言ってるのに。
 弟の奴、何を考えて……?

「さあてと。お返しを、させてもらおうかな」
 悪寒。と同時に顔面に蹴りを見舞われた。
 痛みが鼻から後頭部まで突き抜ける。涙腺を刺激され、涙が出た。
 鼻腔を生温くてどろどろしたものが流れる。血の匂いが口の中を満たした。
 髪を掴まれる。目の下から流れ落ちた血が床に落ちて跳ねた。
 続けて俺の顔が床に叩きつけられる。
 一回、二回、三回と。
 途中から目を瞑っていたから、もっと多かったかもしれない。
 聴覚にも聞き取る余裕はなかったようだった。
 それでも、花火の声だけは律儀に拾う。
「……まあ、こんなもんでいいか。
 あいつに問い詰められたら、アニキが暴力を振るったから喧嘩したって言えば済むレベルだ。
 血も滴るいい男になったじゃないか。間違っても惚れたりはしないけど」
 ダメージを受けた箇所は脇腹と顔面だけ。
 それだけで体の命令が隅々まで行き渡らない。
 あっさり満身創痍。簡単すぎる。
69ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 14:55:24 ID:C3xv1c1J
 髪を解放された。床と顔面がぶつかってから、襟を掴まれて上体を起こされた。
「二つ、選択肢をくれてやる」
 眼前に花火の左手の人差し指があらわれた。
「一つ。私の質問に正直に答えて、これぐらいの怪我で済ませる」
 そんなの、できるか。
 あの子――名前は思い出せないけど――を危険な目に遭わせるわけには。
 花火の左手の中指が立った。二つ目の選択肢。
「二つ。質問に答えず、このままここでちっさい妹と一緒に、仲良くずたずたにされる。
 これじゃ駄目か。ベッドにくくりつけられ、ちっさい妹が痛めつけられるところを最初から最期まで見る、にしよう。
 こっちの方が、アニキには堪えるだろう?」
「…………ん、が」
「ん?」
「俺が…………大人しく、言うとおりに、すると」
「私が、言ったとおりのことをするんだよ。あんたは答えるだけでいい。
 言うまでもないだろうけど、私の労力はどっちにしても変わらない。
 ちっさい妹をいたぶるのも、犯人をぐちゃぐちゃにするのも同じことだ。
 真剣に考えな。妹の身の安全と、弟をさらった誘拐犯の手助け。こう言えばわかりやすいだろ」
 俺が選べば、片方だけ助かる。
 でも、選ばなかった方はそこで終わる。
「どう、して…………俺が」
「そんなこと自分で考えろ。でも、自分は何も悪くないとか、自分には関係ないなんてふざけた考えはするな。
 弟妹を守るのは、兄の役目だろ。状況を受け入れろ。とっくに普通じゃないんだ。
 アニキの漫然とした平和な日常は、とっくに崩壊してるんだ」
 迷う。どちらが大事かなんて、わかってるのに。
 ふんぎりがつかない。
 本当は等価値なのか。俺にとって、妹と澄子ちゃんは。
 選ぶって、こういうことなんだ。
 複数の内の一つを手にして、他を切り捨てる。
 そんな経験、一度もない。十七年生きてきて、覚えている限りでは。

 背中を横倒しのベッドに押しつけられた。
 逃げられない俺に、花火が顔を近づけてくる。
 そして、あることに気付いた。
「こんなこと、本当は言いたくなんかないんだけど、なり振りに構う余裕がないから言ってやる」
 花火の目の下には隈が浮かんでいた。
 目尻には乾いた涙の跡。
 金色の髪もところどころ跳ねていて、艶が失われていた。
「私が、あいつを無事に連れ戻してやる。絶対にだ。だから――早くあいつの居場所を教えろ」
 それらは、花火が弟を想ったゆえの行動。言葉は、命令でも脅迫でもなく、願い。
 弟を助けるために、花火はここまで必死に捜し回った。
 ならば、その思いに応えることに、俺は。
「教えてくれ…………アニキ」

 俺は、迷わない。
70ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/08(日) 15:01:19 ID:C3xv1c1J
* * *

 時が過ぎ、花火が立ち去った部屋の中。
 俺と妹はまだその場から動けなかった。
 妹が動けないのは、未だに花火の恐怖から覚めていないからだろう。
 俺は、心に引っ掛かるものがあって、機能低下した頭でずっと考えていた。
 ただ、答えを導き出す以前に、問いが思い当たらない。
 なんだっけ。 
 たしか、俺は倒れていたはず。そう、こうやって。
 前のめりに倒れる。両腕と両足が伸び、大の字になった。
 床の木目を見ていると、問いを思い出した。

 花火がどうして、俺に嫌われても構わないと言ったのか。
 嫌い嫌いと言ってくる相手を好意的に思う人間なんて、そうそう居ない。
 俺みたいな、相手を嫌いになる資格のない人間はともかくとして。
 ――――まさか、いや、でも。
 もしも花火が、俺の考えに気付いていて、あんなことを言ったのなら。

「……はっ、ははは、は…………くだらねえ」
 自意識過剰にもほどがある。
 花火が、俺に嫌われたいと願っているなんて、馬鹿な答えだ。零点だ。
 あいつは俺のことをなんとも思ってない、虫けら程度に思っている、というのが正解だろう。
 俺にどう思われても、花火はどうだっていいはずなんだから。

 ぺたぺたという音が聞こえた。ゆっくりと近づいてくる。
 俺の体が動いていない以上、妹が立てた音だと考えるのが妥当。
「お兄さん、そこ……危ないよ。早く、早くどいて」
 何が危ないというのだ、妹よ。
 お前が俺を心配するだなんて、二月の中旬から桜が咲き綻ぶんじゃないか、ハハハハハ。
「ベッド、ベッドが」
 ベッド? そういや、支柱が真っ二つに折れてたな。
 スケールモデルのベッドならともかく、1/1サイズはまだ敷居が高くて手が出せない。
 というか、そこまでいったら家具屋の仕事だ。
 修理、いや買い換えることになるな。思わぬ出費で我が家の家計は真っ赤っか。洒落にならん。
「倒れ、倒れそ……ううん、倒れるって!」
 妹の目は恐怖のあまり節穴に?
 俺はとっくにうつぶせに倒れているぞ。
「駄目…………だめえっ! 危ない!」
 妹にのしかかられた。
 これは初体験。体の天地を逆転させた相手が背中に乗るって結構悪くない。
 でも、軽いな。もっとたくさん食べろよ。花火みたいに巨乳になれないぞ。

 セクハラ発言を心の中で身内に対してしつつ、斜め下を見る。
 俺の右手の甲は、床に落ちた本の上に乗っていた。
 肘は浮いている。
 もし今、花火に肘を踏まれたら折れるのは間違いない。あの女、えらい馬鹿力の持ち主だから。
 骨折って意識が覚醒した状態で心臓マッサージや人工呼吸されるより痛いのかな。
 なんて考えると同時に、肘に衝撃が走った。
 色々あり、もはや痛覚のメーターは麻痺している。
 その状態で受けた今のダメージは、先刻のどれよりも深刻だと理解した。

 腕が折れていた。
 支柱が肘に乗っていた。
 目を疑う。信じられない。現実味が無い。あっさりしすぎている。
 じわじわじわじわ、頭のてっぺんから爪先まで痛みが浸透する。
 黒板に爪を立ててひっかいた時の擬音が神経を伝導していく様を想像した。

 ああ、ちくしょう。
 痛えなあ。
71名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 15:02:57 ID:C3xv1c1J
以上で今回は終了です。

次回、死闘編の決着。またここでお会いしましょう。
72名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 16:42:11 ID:HY6Y9NiA
一番槍GJ!
73名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 17:44:58 ID:sDqUvg+3
うっわ花火超ムカつく!
74名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 18:31:23 ID:JmqxEm6V
視点がやられる方だから非常にムカつくな。
澄子、または葉月と戦うのは明白だし、
ボコボコにされて新たに顔の傷が追加されるフラグだなw
まあ、兄か弟が空気を読まずに止めそうだけど。
75名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 19:26:17 ID:vYbHf5sd
果たして兄貴は五体満足で最終回を迎えられるのか!
衝撃の死闘編完結までGJはとっておきましょう。>>71乙。
76名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 19:36:56 ID:LiiA365m
なんか兄貴がここまで現状維持というか優柔不断だと
過去に相当な事があったんだろうなと思えてくる。
77名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 20:33:03 ID:3WT7NoCU
>>76
あぁ、やっぱり過去はまだ語られてないんだ
なんか作中で当たり前のように話題にあがるもんだから、読み飛ばしたかと思ってた

78名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 21:45:55 ID:UCX0DCy0
花火やりたい放題だなぁ
>凶暴で、残忍で、冷酷で、大事な人間以外は思いやらない。
これってそのまままるっきり花火に返せるんじゃないのか
79名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 22:01:48 ID:lU3QqJUX
来週日曜の最終回が楽しみだな。
80名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 22:15:27 ID:f9d917ly
>>79
勝手に終わらすなよ
81名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 22:36:13 ID:sDqUvg+3
>>78
まるで自分の姿がうつった鏡に罵倒しているようなものねw
82名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 22:52:13 ID:C1mhThDW
>>79
(兄の命が)最終回ってことですね、わかります

冗談はさておいて、死闘編最終回ってことだろ
83名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 23:03:23 ID:oi8QEnfz
GJ!

ああしかし兄貴いいな
こういう普段は人畜無害の癖に本性は冷たい。
だけど好きな奴にはとことん甘いという、ルルーシュみたいなシスコンは大好物です
84名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 23:39:53 ID:/8kC0GLJ
間違いなく花火にとってのハッピーエンドはありえないだろうな
85名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 00:36:47 ID:YZjjosiW
一方的に罵倒されたり理不尽な暴力にさらされたりしすぎだろ
それでも受身かつ自罰的な精神のあり方が変わらないとか、この兄貴異常にタフだ・・・
86名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 00:40:11 ID:bzXHmMm6
弟はなぜ両親のことをばらしたのか気になります。 次回がまちどうしい
87名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 01:10:01 ID:MQzsU8QU
弟→誘拐されるが、少なくとも身の危険はない。

兄→弟が行方不明となるや、いきなり顔見知りの女が現れて、一方的に人格批判と罵倒をされたのち、弟の捜索の途中で誘拐犯に監禁され、縛られたまま一晩放置されて強制野宿、
  その起き抜けに腹部を圧迫され気絶し再び意識喪失、起きるも、気絶させられたクラスメートの女子に誤解から詰問を受け、それを無理やりかいくぐって、気絶から起きてすぐであるにも関わらず、妹の危機に全力疾走で帰宅、
  着くも、再び現れた顔見知りの女に投げる殴る蹴るなどの暴行を加えられ、罵倒され、妹を人質に脅迫され、破壊されたベッドに潰されて片腕骨折。

これはひどい。いっそヤンデレ家族といじめられっ子の兄に改題すべきとか思っちゃうほど。
頼むから兄貴に救いを与えてやってください……。
88名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 01:34:16 ID:a5GU6kyQ
>>87
兄はそろそろ怒っても良いと思う
89名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 01:41:17 ID:ygjKQ4PD
そういや、全然傍観できてないな
むしろメイン被害者
でも葉月さんに好かれてるというだけで十分過ぎるほど救われてるじゃないか
90名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 02:00:20 ID:C4CY0qJW
兄貴カワイソスwww
俺なら数発で半死にになってるな。
兄貴、本物のタフだな。
91名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 04:50:46 ID:1vBJBpd6
実は弟が兄を憎んでるんじゃないかと邪推してしまうな
葉月さんの性格を知りながらチョコあげてみたり花火に両親のこと話してみたり
誘拐も実は狂言で兄を苦しめるつもりで燈子を利用しただけだったりして
花火が兄を嫌わなければならないって言ってたのも
弟が兄を嫌っている→私も嫌わなければならないってことだったりしてと妄想
92名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 06:31:14 ID:Rivw5zkW
>>83
おまいがそんなこと言うから、

兄貴→ルルーシュ
弟 →ロロ
妹 →ナナリー

って考えちゃったじゃないか。
93名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 06:32:27 ID:Rivw5zkW
sage忘れた。すまぬ
94名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 06:48:36 ID:QMPZ1bLx
GJ!
兄貴当分プラモ作れないな
案外それに1番怒ったりして。
95名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 08:35:03 ID:UUJAZtko
>>92 なぜか俺は弟がスザクっぽいとおもってるのだが・・・
96名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 14:29:30 ID:YbZh7+do
>>95
んじゃ葉月さんはC.C.だな
97名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 17:28:09 ID:nL1ST453
コードギアスの小説みたが、
ロロはルルーシュの妹 ナナリーに嫉妬してたが
あれもヤンデレ?
98名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 17:28:38 ID:UUJAZtko
>>96 葉月さんが兄貴に
「童貞」とかいうんですねわかります
99名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 18:37:16 ID:ygjKQ4PD
>>97
ヤンデレだとしても、男のヤンデレは死ぬべきだ
>>98
それはそれで見てみたいw
100名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 19:19:52 ID:wwCpe+ZC
男のヤンデレは生まれてきたこと自体が犯罪。
存在がウザいから首吊って死ね。
101名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 19:22:07 ID:2E62HCXl
というかコードギアス自体が・・・
102名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 20:34:41 ID:BAY3I4h3
>>84
花火にとっては弟さえ自分を受け入れてくれるならハッピーだろ。
他のすべての人間は邪魔でしかないんだし。
しかしこの状況をあっさり受け入れるなら弟も相当の人でなしになるな。
103名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 20:58:11 ID:v5xLwfVp
そういえば傍観者の投下スピード速くなってるな。
読み手としては嬉しい事この上ないが無理は禁物だぜ。
次回にwktk! GJ!!
104名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 21:08:57 ID:C4CY0qJW
俺の昼寝の夢・〜ヤンデレに戦闘車を与えたら〜

「●●君はやらせない!●●君を殺そうとするのは死ね!」
ぶつぶつ呟きながら重機関銃で集落を掃討。
「こちらマイレディ52!CAS要請!ポイントは…」
近接航空支援を要請し、愛する人に近づく泥棒猫を消す。
「こちらエリック23、デッカイのをプレゼントだ!巻き込まれるなよ!」
泥棒猫の乗っているパールライダー61は密林の敵もろとも燃料気化爆弾の餌食に…
その戦いで昇進した女の子は部下として愛する人を配置、いつも二人+機関砲手で出撃
ゲリラの掃討から大攻勢まで戦い抜いた二人は終戦後結婚。
部隊婚を行う。しかし新たな敵が!女士官 対 女性事務官 の戦いが…
 
そこで起きちまった。
105名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 01:56:37 ID:/2nMHf7K
続きよろしく
106名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 23:29:54 ID:b/zwtTk5
あの名曲+ヤンデレ スーダラ節

チョイト一杯のつもりで飲んで♪
いつの間にかはしご酒♪
気が付いたらどっかで監禁♪
君は受付の木村さん♪
ア、ホレスーイスイスーダラダッダスラスラスイスイスイ♪ 
     (略)

107名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 00:30:48 ID:3Wxplgdo
病めば病むほど強くなる

   病拳
108名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 01:08:12 ID:JA9Zgdx9
此処でもキモウトスレでもsageない奴が増えてきたのは気のせいだろうか?
109名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 03:56:07 ID:Os9sQ5He
投稿します。
ヤンデレになるきっかけまでの導入部分です。
プロットみたいなものですね。
110変身少女:2008/06/11(水) 03:56:47 ID:Os9sQ5He
【変身少女】


≪あのさ、俺たち少し距離を置いて付き合わないか≫

 祐(ゆう)くんが目の前でそう、あたしに告げた。
「えっ、あ……うん」
 その時は頭が真っ白でそう言うのが精一杯だった。一瞬、何を言われたのか
分からず、祐くんにただ笑顔を見せようと、私はニコニコしていたと思う。
「俺さ、ずっと忍(しのぶ)の事大切な友達だと思っているから。それに、忍は
美人だし頭もいいしさ。俺も羨むくらいの女の子だから、大丈夫」
「……そんな気にしないで」
 私の言葉を聞くと、祐くんは少しホッとした様に自分の家に入っていった。
 私はこの時、祐くんとのこの関係はこれからもずっと続いていくものだと少しも
疑わず、その場で≪バイバイ≫と手をずっと振っていたのを覚えている。


 祐くんとは小学校5年の時に初めて出合った。私よりも少しだけ背の大きいその
男の子は、私の隣の席に座ると手を差し伸べてきた。
「今日からよろしく」
「……えっ」
「いや、俺、隣にこんな可愛い子が座るなんて思わなかったからさ、ラッキー
だったかなって」
 その男の子は小声で私に囁いた。
「……あの……かわいい?」
「そうだよ」
 顔が真っ赤になった私をからかう様に、男の子は舌をぺろっと出してあっかんべー
をした。
111変身少女:2008/06/11(水) 03:57:39 ID:Os9sQ5He
 それから祐くんと私はずっと一緒。祐くんはスポーツ万能で勉強もそこそこできた。
お喋りも面白くてクラスの人気者。対する私は内気で眼鏡をかけていて、クラスでも
目立たない存在だった。でも、そんな私を祐くんは全く気にせずに、いつも話しかけて
きてくれて仲間に誘ってくれた。そんな優しい祐くんを私はすぐに好きになっていった。

「お前、忍の事好きなんだろ」
「あぁ、好きだよ」
「……ちょっ、……祐くん……」
「じゃあ、結婚するのか?」
「そんなの分かるかよ。まだ子供だぞ、俺」
「そんなブス、好きなんて変わっているな」
「……何だと!」
「……祐くん……いいから」
「お前、変わってんな〜。こんな女とよぉ」
「謝れ!」
「何だやるのか?」
「うるせぇ、忍を馬鹿にするな!」

 こんな事もあった。でも、凄く嬉しくて、私はその晩ずっと祐くんの事だけを考えて
眠れなかった。


≪んっ、あ……んくっ≫

 中学1年の時、初めてのキス。キスがしたいと言われて、俯いたままの私を強引に
引っ張って行って祐くんは校舎の影で唇を合わせてきた。凄く恥ずかしいのに、そうされる
事で、祐くんに愛されているんだと認識できた。私も祐くんが本当に好きなんだ。
そう思うと、下半身が熱くなる。体の力が抜け、何をされてもいいという気持ちになってくる。
私は、その夜に自慰というものを始めてした。祐くんにセックスされる妄想をしながら。
112変身少女:2008/06/11(水) 03:58:12 ID:Os9sQ5He
 その一週間後。私は母親に頼んで、コンタクトレンズを作ってもらった。今までろくに
手入れをしていなかった髪を美容室に行って綺麗にカットを入れてもらう。

【少しでも祐くんに相応しい女の子になろう……】

 勉強の時間も増やした。祐くんと同じ高校に行くためには、私のテストの点は余りにも
低かった。塾に行き、夜にまた勉強をする。祐くんは一緒にいられる時間が減ったと怒ったけど、
2年生の3学期になる頃には祐くんと同じ位の点を取れるようになった。

「あの、付き合ってもらいたいんだけど」
「……はい?」
「ずっと、見てました。その、好きです」
 この頃、私の周りで変化が起きる。私に告白してくる男の子が現れる様になった。小学校の時、
ブスとか言われていたのに……。
「……ごめんなさい」
 そう、私には他の選択肢はない。私の外観や優等生の仮面だけ見て告白してくる男子。
そんな男の子は全く興味が無い。その頃、私の胸は同級生と比べても大きかった。
腰まで伸びた黒髪、大きな胸、切れ長の目。母親も自分の娘がモデルのように成長してくれた
と近所に自慢するようになっていた。でも、そんな事私には関係ない。だって、この体は
祐くんの為にあるんだもの。

「……くっん、あっ、あ、ぁぁ……いいよぉ……祐くぅん」
≪くちゅ、ちゅっく、ちゅぷ……≫
 真夜中にいつもやっている事。この頃のあたしは、毎日自慰に明け暮れていた。祐くんも、
進学校に進むために有名な塾に通っている。だから、一緒に帰るのは週に1度か2度だけ。
その寂しさが、私を自慰の世界に引き込んでいく。祐くんはキス以上の事をしてくれない。
お互いを大事にしようねと、優しくしてくれている。
 2度程、胸を軽く揉んでくれたけど、それ以上の事はしてくれなかった。その度に私の
ショーツの中にある産毛はびっしょりと愛液に濡れ、体から溢れる淫欲がそれ以上の
行為を欲する。私は妄想の中で、公園のトイレの中、校舎の屋上、誰もいない保健室と
犯される場所を変えながら、自慰に没頭するようになっていった。
113変身少女:2008/06/11(水) 03:58:39 ID:Os9sQ5He
「よしっ、これで一緒の学校にいける」
「……うん」
「それにしても、忍も頑張ったなぁ。まさか、一緒の高校に行けるとは思ってなかったよ」
「……祐くんの為だから……私、頑張ったんだよ」
 高校受験は無事、希望した高校に合格することができた。これで、また3年間は一緒に
いられる。私は嬉しくて小躍りしそうだった。そして、これで堂々と祐くんと……。
受験勉強に縛られた1年半は、苦痛以外何ものでもなかった。でも、それもこれで報われる。
私と祐くんは、他の人が羨むようなカップルになるはずだ。


≪あれ?何で私、泣いているんだろう≫
 高校1年の夏、私は自分の部屋で自問自答していた。

≪あのさ、俺たち少し距離を置いて付き合わないか≫

 これ、どういう意味だろう。私、何か悪い事したのかな?うんん、男子からの告白は
全部断っているし、エッチな事だって自慰だけ。祐くんに気に入られるように、エステに
行ったりして綺麗になる努力だってしている。そう、何にも問題ないよね。そうだ、きっと
高校生らしく、目立たないように付き合っていこうってことだと思う。私は携帯を開くと、
祐くんに電話をかける。

≪現在、電波の届かない状況にあるか、電源が入っていないためかかりません……≫

 あれ?充電し忘れちゃったのかな。几帳面な祐くんにしては珍しいな。う〜ん、今日は
凄く祐くんに会いたい気分だ。そうだ、家に直接会いに行けばいいんだ。
 私と祐くんの家は、歩いて10分も離れていない。小学校の同じ学区内で、直ぐに行ける
距離だ。自転車に乗ればそれこそ、5分で会える距離にいる。
114変身少女:2008/06/11(水) 03:59:01 ID:Os9sQ5He
【驚くかな。最近、祐くんの家に行ってないし。学校で距離を置いて、こっちで会えばいいんだ】

 祐くんの家の近くまで来た時、玄関の前に2つの影を見つける。祐くんと……妹さん?
あれ、祐くんは確か一人っ子だよね。

「祐……」

 玄関の前の影が重なった。影と影が重なり、一つになる。やがてその影は2つに別れ、
祐くんは玄関の中へと消えていった。そして、もう一つの影が私の横を通り過ぎる。
ボサボサの髪に眼鏡。冴えない少女。目立たない少女。地味な少女。
≪誰よ……貴方……≫
 声が出ない。それはどこかで見たような少女だった。そう、遠い何処かで。それは……。

≪何で、こんな子が祐くんと……キス……何で……こんな地味な……なんで……なんで……≫
 私は猛スピードで家に戻った。布団を頭から被り、大声で泣く。

「私は、祐くんの為に綺麗になった、処女だっていつでも捧げられる、祐くんは、私だけに
優しくて、そう、私だけに優しいのよ。あんな地味で眼鏡で、ブスな子が祐くんと釣り合う
訳がないじゃない!」
 何度も、何度も叫ぶ。声が枯れるまで。わたしは、一晩中叫んで泣いた。


【おしまい】
115名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 04:00:53 ID:Os9sQ5He
直球ですが、プロットはこんなもんでいいのかな?
ヤンデレは初めての挑戦ですが、壊す過程は楽しいですね。
116名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 07:25:04 ID:uTMTWeB8
>>115
イイよイイよー
忍カワイソス、祐くんからさらにひどい仕打ちをされそうだけど
それが楽しみな俺がいる
117名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 09:19:55 ID:Kh+xds0n
佑くんはB専か地味専かw
あるいは目立たない女の子救済部隊か
118名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 09:45:09 ID:EWGCc9GF
いやいや、誠ということも考えられるぞ
119名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 09:59:48 ID:RF03uV/Z
忍と謎の地味娘の因縁?らしきものが気になる。
120名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 11:02:47 ID:0/cNddCK
>>119
地味娘と忍に因縁があるわけじゃなくて、昔の地味だった忍自身と地味娘がダブって見えただけだとおも。
121名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 13:03:04 ID:uiXYhhC2
俺もおにゃのこに祐君と呼ばれたい…
122名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 14:58:50 ID:/xcQPi75
地味なのに可愛くてヤンデレ気質とか・・・
何というストライクゾーン!!
123名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 16:52:45 ID:J8eccUW0
変身の「変」の部分を最初に見て間違えて「変名おじさん」と読んでしまった俺ガイル。
とりあえずGJ。早く続きが読みたいぜ。
124名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 01:12:27 ID:yMVbCASj
>>110です
こんなにたくさんの感想いただきありがとうございます。
お茶濁しのプロット投下でしたが、続きを書いてもいいという方が
いらっしゃるので拙い文章ですがもう少し書いてみたいと思います。

もう少しだけ時間をください。
よろしくお願いします。
125名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 06:18:57 ID:6P7FNUR5
見たことがある、というあたり、もしかしたら忍が見たのは過去の自分の幻影なのかもしれない
126名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 18:06:36 ID:9KNA1QgK
>>106のネタに影響され一曲。
元曲 仰げば尊し
1.殺意が見えたぞ〜お前の顔 女の気配にも敏感すぎ〜♪
思えば〜俺〜の弁当 酸っぱい♪
今〜こそ中身を教えてくれ〜♪
2.包丁しまえよ〜危ないから何故に俺ん家の台所に♪
忘るる間ぞ無き往く年月〜そろそろ同棲五周年〜♪      
127名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 19:46:41 ID:nzVI9vPb
元曲 21世紀の精神異常者(和訳)

忍び足 鉄の包丁
あの女の匂いがすると叫ぶ
彼とのエデンへの入り口
21世紀の精神異常者

血の棚に有刺鉄線
泥棒ネコを火葬する薪の山
恋敵は嫉妬の炎に蹂躙される
21世紀の精神異常者

死の種は撒かれ、盲目の愛が始まる
愛に飢え、近づく女は血まみれ
彼にに必要な女は自分以外にいない
21世紀の精神異常者
128変身少女:2008/06/12(木) 21:45:03 ID:yMVbCASj
投稿します。
>>110からの続きです。
129変身少女:2008/06/12(木) 21:45:33 ID:yMVbCASj
【眠っている時は天使が誰にでも平等に幸せをくれるって……そう思ってた】

 祐くんがこちらを見てニコニコと微笑んでいる。白いタキシードに身を包んでカッコいい。
あれ?私、両手を広げて何やってんだろ。花束?私……手に小さな花束を持ってる。
泣いているんだ……私、泣いてる。祐くんのタキシード姿を見ながら……。

≪ピピピッ……ピピピッ……ピピピッ……≫

「ん……夢?……あれ、どんな夢だったっけ」
 最悪の目覚めだった。ひょっとすると、目の下にクマが出来ているかもしれない。
ベッドから起き上がると、クラクラ目眩がする。目覚ましを止めると、時計の針は朝6時を
指していた。姿見を覗き込むと案の定、目の下にクマができ、黒髪がピョンとはねた
無残な自分の姿があった。
「洋服のまま寝ちゃったんだ。シャワー……浴びてこよう」
 ふらふらと浴室に向かうと、デニムのパンツと白い半そでのレースシャツを脱ぐ。
「うっ。ベトベトだ」
 寝汗を掻いたのか、しっとりと濡れた下着が肌にまとわり付いて気持ち悪い。ブラジャーと
ショーツを洗濯カゴに無造作に放り込むと、浴室でシャワーを浴びる。
「また、少し大きくなった……」
 自分の胸を下から支えると、ずっしりとその手に重さがかかる。形のよい乳房が片手から
溢れるほどになっていた。男の子には分からない悩みだろうが、胸が大きくなりすぎるのも
考え物だ。肩は凝るし、運動だってやりにくい。何より、昔、さりげなく祐くんに好きな女性の
タイプを聞いた時、胸の大きな子が特に好きって感じじゃ無く、普通でいいとか言ってたのが
とても気になる。

 シャワーを浴びていると昨日の記憶が蘇り、重い不安感が圧し掛かってくる。
「祐くん……」
 昨日の女の子は誰だったんだろう。遠めに見て祐くんとあの女の子はキスしているように
見えた。お下げで眼鏡の女の子。もしかしたら、見間違いかもしれない。たまたま来ていた
親戚の子かも。目にゴミが入って取ってあげていたという可能性もあるし。
「そうよ、何かの見間違い。わたし、祐くんを疑ったりして一人で落ち込んで泣いたり。
そんな事じゃ、本当に嫌われちゃうよ」
 一人で落ち込み、怒り、泣いていた自分が何だか恥ずかしくなってくる。
「私、変な女の子なのかな。直ぐ考え込んだり、妄想したり……オナニー好きでエッチだし」
 シャワーの温水を内腿に近づける。ザーという音の中に、くぐもった吐息が混じる。
「んっ……ちょっとだけ……なら」
 肉襞を激しい水圧が刺激する。水圧で押し広げられた肉襞からぷっくりとしたクリトリスが
顔を覗かせる。ビリビリとした刺激と、ゾクゾクっとした電流が体を駆け巡る。
「ふぁっ、んんっ……んっ、い……それっ……そこ、いいっ」
 右手で左乳房の乳首を摩擦し、抓る。激しく指先が上下に動き、乳首がツンと勃起してくる。
それを指先で弾き、乳輪を親指でこねくり回す。
「ごめんっ、疑ったりしてっ、んっ、だから、ふぁっっ、好き……好きぃ…してくださ……い
……祐く……っっ!」
 トロトロした愛液が水とは違った感覚で太ももに絡み付いて、気持ち悪い。
タオルでふき取るが、まだ感じているのか、膣内からまた新たな湿り気が溢れてくる。
「また、やっちゃった…………自己嫌悪……うぅっ、……反省」
 行為が終わると、いつも罪悪感が襲ってくる。こんなエッチな女の子じゃ祐くんに
相応しくないんじゃないか、という自責の念だけが心を支配する。。
「早く、用意しよう……」
130変身少女:2008/06/12(木) 21:45:55 ID:yMVbCASj
 今日、早く目覚まし時計をセットにしたのには、ちょっとした理由があった。
祐くんは両親が共働きのせいか、毎日学食か購買部のパンを購入している。
だが、水曜日は4時間目が体育の授業の為、どうしても他の生徒よりも一歩出遅れてしまい、
人気のパンや限定数の定食などは食べられない。そこで、わたしはそれを理由にその日だけ
祐くんにお弁当を作っていた。そうとでも理由をつけないと、祐くんは恥ずかしいと言って
絶対お弁当は受け取って貰えないからだ。
「泣いて、落ち込んで、寝たわりにはちゃんと目覚ましセットしてるし。習慣て恐ろしい」
 エプロンを付けて腰まである髪を後ろゴムで縛り、ポニーテールにする。料理をする時の
わたしのスタイルだ。
「祐くんを疑った罪滅ぼし。うん、今日は頑張って作ろう」
 祐くんの好きなおかずをたくさん作る。ピーマンの肉詰め、卵焼き、ポテトサラダ。
「今日はお弁当に愛のメッセージでも入れて見るかなぁ」
 ご飯に海苔と桜でんぶでハートメッセージでもと考えたのだが、ここで手が止まる。

《距離を置いて付き合わないか》

 昨日の祐くんの言葉。自分でも少しは遠慮しないと。
「友達の前であからさまにそういう事するのは……やめよう。………んー。うーん。
…………そうだ!」
 ご飯の部分に隙間を空け、6本のウインナーを並べる。焼き串でそこに
《I LOVE 祐》の文字をつけた。
 その上に、ご飯とウインナーを覆うように海苔でそれを隠す。
「お弁当のノリを食べると、ウインナーからメッセージが出るようにしてみました」
 自画自賛ぽく、ガッツポーズをとる。これなら、友達にもばれないですむ。
祐くんだって、喜んでくれるだろう。これを見たときの祐くんのリアクションを
想像すると、おかしくて笑みがこぼれる。
「えっと、最後の仕上げ」
 お弁当に入れる、お箸の先をペロリと嘗める。
「えへへ……間接キス。」
 この位は許されるよね。

「ちょっと、忍。そろそろ学校に行く時間じゃない?」
「えっ。あ、もう、そんな時間!?」
 母さんの声で現実に引き戻される。多分、今のわたしを他人が見たら、完全に引くだろう。
この妄想癖、何とかしないと……。残ったウインナーと卵焼きをあわてて口にほお張り、
2分で歯磨きを終えるとわたしは陸上選手並のダッシュで家を飛び出した。


「おはよっ」
「あっ、うん……おはよう」
 学校に行く途中、わたしは祐くんの家に寄る。わたしの家の方が学校に遠い為、
登校は必ずこの順番になる。
そこから二人でバス停まで向かい、学校前までバスに乗るのがいつものコースだ。。
「はい、お弁当」
 わたしは作りたてのお弁当を祐くんに手渡した。学校で手渡しても良かったんだけど、
そこはわたしの祐くんへの配慮というやつだ。
「忍……いいのに」
「遠慮しないでいいよ。これはお昼にコッペパンしか食べられないであろう、
可哀想な祐くんに対するわたしの配給なのさ」
 ちょっとふざけた口調で祐くんに甘える。
「ほら……いつも悪いし」
「ふふん。たいした物なんか作って無いから安心したまえ。どうせ、がっついて
ろくに味わいもしない人に、手の込んだお弁当なんかもったいない」
「……そっか。じゃあ貰っておくよ」
 あれ?ノリが悪いなぁ。いつもなら、どうせ美味しくないだから味わうなんて
無意味だよ、とか返してくるのに。

 バス停までの間、さりげなく祐くんと手を繋ぐ。祐くんの手から温もりが伝わってくる。
それは、わたしと祐くんの絆の証し。そうしている時間が、わたしは一番好きだ。
131変身少女:2008/06/12(木) 21:46:21 ID:yMVbCASj
 お昼になった。高校で別のクラスになっているわたしと祐くんは、校舎の端と端で
かなり距離がある。しかも、今日はグラウンドにいるはずだから、会うにはかなりの
労力が必要になる。
「屋上での一緒のお弁当。今日は来るかなぁ」
 祐くんにお弁当にを渡した時は、屋上でよく一緒に食べていた。ただ、他の生徒に
見られるのを極端に嫌がる祐くんは、誘っても2回に1回しかOKしない。まして、
昨日のあんな事言った後だから、来る可能性はほぼゼロに近いと思う。
「でも、反応みたいなぁ。どんな顔して食べているんだろう」
 わくわくしながら屋上でお弁当を食べていると、お昼休みも後10分になった。
「よし、顔だけでも見に行こう」
 自分のお弁当箱をバックに仕舞うと、祐くんクラスへと足早に向かう。
「あの、立花くんはいますか?わたし、A組の如月っていいます」
「いないよ。そういえば、今日は昼休みずっといないなぁ」
 そう言われて教室を覗くと、確かに祐くんの姿はそこにはなかった。
「……あっ、そうですか。ありがとうございます」
 軽く会釈をすると、帰ろうとする。

「忍……」
 振り向くとそこには祐くんの姿があった。手にはわたしのお弁当箱を持っている。
「今日、外で食べたんだ。屋上には……来なかったね」
 誰にも聞かれないように小声で話す。
「……あぁ」
「で、感想は?」
「え、うん。美味かったよ。俺の好きなものばかりで。ピーマンの肉詰め、卵焼き、
ポテトサラダ。どれも忍にしては上出来だった」
「……それだけ?」
「……ん?なっ、何だよ、それだけって」
「……いい……何でもない」
 わたしは軽くなったお弁当箱を手に取ると、とぼとぼと肩を落としてクラスに向かった。
途中でトイレに寄って便座に腰かけると、深いため息をつく。
「……馬鹿……鈍感……ちょっと位、感動してくれてもいいじゃない」
 リアクションを期待していたわたしは、あまりのリアクションの薄さにがっかりしていた。

《ねぇ、今日、見た?立花君》
 トイレの外で女子の声がする。立花君って、言っていたような。
《A組の如月っていう人と付き合っているんじゃなかったの?》
《中庭で三井さんとお弁当食べてたでしょ》
「!?」
《あんな子とお弁当箱食べるんなら、私も誘えば良かった。A組の如月と付き合って
いるって聞いてたから諦めてたのに》
《如月って、結構男子に告白されているっていう美人でしょ》
《そうそう、今日もさっき来てたわよ》
《それより、立花君。その如月から貰ったお弁当平気で返してたけど、あれの中身、
ごみ箱に捨ててたわよ》
《えっ、それマジ?》
《私、見ちゃった。中庭のごみ箱にお弁当捨てて、そこにお弁当箱隠してた》
《それ、本当ならちょっと幻滅。酷いことするのね》
《本当も本当。だってその後、その子のもって来たお弁当食べてたもん》
《あっ、午後のチャイム鳴っちゃった。早く行こ》

「…………」
 嘘だ。
「…………」
 何言ってるの。そんな事ある訳無い。
「…………」
 祐くんが、祐くんが、そんな事するわけないじゃない。
「…………」
 だって、今日も手を繋いで来たんだよ。お弁当渡して。

「そんなのっ、嘘に決まっているじゃないっっ!!」
132変身少女:2008/06/12(木) 21:46:38 ID:yMVbCASj
 トイレのドアを力一杯殴る。ガンッという音がトイレに響き渡った。その拍子に
空のお弁当箱がタイルの床に転がる。そして、お弁当箱蓋が開いた。全く何も入っていない
空のお弁当箱。
「何も……入ってない……?」
 わたしはそれに違和感を感じる。おかずを分けていた仕切り紙、中に入っていた楊枝。

【全部入ってない】

 私は誰もいない廊下を全速力で走った。中庭のごみ箱を見るために。例え1%でもいい、
あの女の子達の話を、わたしの不安を裏切ってと祈りながら。誰もいない中庭に置いてある
ゴミ箱の中を確認するために。

他のゴミと一緒に。

《それは……あった……》

 蟻が群がっている。ぐちゃぐちゃになったそれは入っていた。慌ててご飯をかき分けると、
6本のソーセージが現れる。
「……駄目」
 そのソーセージを拾い上げる。
「食べちゃ駄目……」
 群がっていた蟻を払い落とす。
「食べちゃ駄目って言ってるでしょっ!これはっ、祐くんの何だからっ!」
 両手ですくい上げた6本のソーセージ。それを大事に抱え上げる。
「汚れちゃった。奇麗にしなきゃ。祐くんにこのままじゃ食べて貰えない」
 口元に汚れたソーセージをもって行く。
「奇麗にしなきゃ……ね」

《…………ぴちゃっ》
133変身少女:2008/06/12(木) 21:46:56 ID:yMVbCASj
「……忍、先に帰ったんじゃなかったのか」
 わたしに祐くんが話しかける。そう、わたしの祐くんが来た。
「今日は委員会で遅くなったから、祐くんを待ってたんだ」
「手、どうしたんだ?」
 包帯の巻かれたわたしの手を見ながら、祐くんが心配してくれる。
「ぶつけて怪我したの。心配しないで。たいした事ないから」
「そっか……悪いな……あの、忍……実は、俺さ……」
「気にしないで。ねぇ、何を謝っているの?それより、今日は部活でお腹減ってない?」
「そりゃ、サッカーやってりゃお腹は減るけど……」
 私は包みに大事にしまっておいた≪それ≫を差し出す。
「残りで悪いけど、祐くんウインナー好きでしょ?」
「……あぁ、好きだけど」
「あげるね。もったいないから食べて」
 楊枝に刺した一本のウインナーを祐くんに差し出す。
「これ、何で焦げ跡で数字が書かれているんだ?1とか0とか」
「何でかな。気にしないで食べて。美味しいよ」
 わたしは、1本のソーセージを口に頬張る。
「……サンキュ。もらうよ。折角だしな」

 わたしはソーセージを飲み込んだ。祐と書かれたソーセージ……美味しいよ。




【眠っている時は天使が誰にでも平等に幸せをくれる】

 ……全く……本当に当てにならないね……早く起きなきゃ。



【おしまい】
134名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 21:48:32 ID:yMVbCASj
ここで終わりです。
では、失礼します。
135名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 21:53:02 ID:9KNA1QgK
GJ!!!  忍の迷走しちまった感が俺にはウケた!
136名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 22:12:07 ID:+Zxnwnwr
GJ!
男ひでぇ…受け取った手作り弁当をゴミ箱に捨てるとか人間の所業じゃないだろ…
137名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 22:46:46 ID:9PaT93C5
GJ!
最初の頃の優しさはどこにいったんだw
138名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:12:04 ID:Ck6E5Rw1
GJ。男が誠にしか見えねぇ。
139名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:16:20 ID:yMVbCASj
感想ありがとうございます。
祐やっぱり人気無いですね。
これ、祐視点だと180度変わります。
勿論、訳があってのことなんですけど、これじゃ見えないですね。

誤植もあるしorz

そして、お弁当箱蓋が開いた。→そしてお弁当箱の蓋が開いた。
「食べちゃ駄目って言ってるでしょっ!これはっ、祐くんの何だからっ!」→なんだからっ

すみません。
140名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 23:25:43 ID:ZuP7XTsy
>>139
乙です
続き待ってます!

何故か楓と忍が被る…
141名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 00:38:58 ID:HIsa1oAL
GJ!!
でも忍かわいそう…(´・ω・`)

142名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 01:20:09 ID:KqmqA3eO
>>139
頑張って! 続き、楽しみにしてます。
訳かぁ……。食い物を駄目にするほどの事情ってなんじゃろうね?
143名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 01:22:11 ID:f8Zl1Qkh
>>133で最後にウインナーをソーセージとか書いてます。
ちゃんと読み返したつもりだったんですが、何で分からなかったのか。
もうちょっとちゃんと修行してからきます。
何度も本当にすみませんでした。

144名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 02:01:45 ID:f8Zl1Qkh
後、申し訳ありませんが、保管庫への登録を辞退させてください。
理由は上記の為です。
ウインナーと書くべきところとソーセージと7箇所も書き間違えています。
不完全な恥ずかしいSSを保管庫に残すのは、本当に恥ずかしく申し訳ないので。
よろしくお願いします。
145名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 02:59:41 ID:B7bdDo6+
待てwikiなら編集もできるよ
146名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 06:18:28 ID:h6fFAb1z
>>144
>>145も言ってるが、
wikiは修正できるから大丈夫だよ
147名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 08:19:19 ID:4xfZIvV4
>>139GJ!
最近投下がちょっと増えたかな?
でもやっぱり少ないから続きを頼みます
148名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 08:37:51 ID:AObGaD/F
このスレにタザリアを購読している人いる?
リネアがジグに対して最初はSだけだったのに執着しだして、今じゃ片足切断の首輪幽閉とかw
更に切断した片足の骨でペアリングって、病みすぎだろw
まあ、男臭い所があるから駄目か……
しかも、メインヒロインじゃ無さそうだから、いずれ退場かも知れないしな
149名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 09:10:02 ID:dbY0IfdV
>>133
GJ!
男視点での話も見たいな。コメントが気になる。

しかし、この場合男は完全に忍を切ってるようだから誠とは違うような
150名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 11:56:33 ID:Q8diy22s
あと2日でヤンデレ家族の最終回か。一週間って短い。

澄子ちゃんがあまり酷い目に遭わない事を祈りたい。
151名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 11:57:20 ID:KqmqA3eO
>>149
そうか? 一方的に別れを切り出して、事情も言わず『切った気になっている』だけなら言いたくはないがmと一緒だぞ。
お互い納得できるまで話しあってこその誠意だろう。
まあ、これ以上の考察は興が削がれるのでやめにするが。
152名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 12:20:59 ID:uiNhgbuT
>>150
だからあくまで一部完みたいなもんだと(ry
153名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 12:33:30 ID:huPE5Xk4
>>150
最終回ではないと何度言えば(ry
154 ◆wzYAo8XQT. :2008/06/13(金) 12:36:57 ID:uiNhgbuT
じゃあまあまともなssがくるまでの繋ぎとして、ぽけもん 第四話、投下します
155ぽけもん 黒  吉野町と解氷 ◆wzYAo8XQT. :2008/06/13(金) 12:37:52 ID:uiNhgbuT
 吉野町に着くと、そのまま町役場へ行き、すぐにポポとのパートナー契約の書類を作って申請した。
 ポポは今まで野生だったため住民票が存在せず、そのために若干手続きに手間取ってしまったが、一応つつがなく契約を終えた。
 その後は、もうほとんど日が暮れていたこともあり、ポケモンセンターに向かうことにした。
 その途中。
 通りの左前方に、たくさんの服が陳列されている建物が目に入った。確認するまでもない、服屋だ。
 それでようやく思い出した。
 ポポ服着てねえ。
 危なかった。ここ数日でそれがナチュラルだったもんだからすっかり慣らされていた。
 役場の受付の人がやたら不審な目でこっちを見てくると思ったらそういうわけか。
 まあ羽毛で素肌はほとんど見えないから問題ないって言ったら問題ないんだけど、気分的なものもあるし。
 というわけで、香草さんに頼んでみることにした。
「あのー、香草さん?」
「……なによ」
 振り向いた香草さんの顔は夕日で紅に染まっていて、思わずドキッとしてしまう。
 それを表面に出さないように押し込んでから、口を開く。
「ポポって服着てないよね」
「うん」
「だからさ、服買ってきて欲しいんだよね」
 ほぼ無表情だ。それは拒絶のようにも取れる。
「……予算は?」
 一応聞いてみるだけ、という口調で香草さんが聞いてきた。
「に……二千円以内で」
「二千円!? 少ないわよ!」
「だってしょうがないだろ、食料とか道具とか補充しないといけないし。それに、田舎なんだからリーズナブルなものもあるはずだし」
「道具って?」
 そういえば、早急に補給する必要のある道具ってあったっけ……? いや、たとえなくてもお金は大事だよ。
「ね、眠り粉とか」
 苦し紛れに、つい先日使い切ってしまった眠り粉を挙げてみる。
「いらないわよそんなの」
 もちろん一蹴された。まあしょうがない。僕もどうしても今補給しなきゃならないと思っているわけでもないし。
「いるって! アレなければ死人が出てたかもしれなかったんだから」
 しかし、一応必要性を強調しておく。これに関しては香草さんも負い目があることだろうし。
「大体アンタは消極的過ぎんのよ! 何で何よりも逃げること優先なのよ!」
 う、痛いところを突かれた。確かに、僕は基本的に臆病だ。だから何よりも逃げることを優先して物事を考えてしまう。
「死んだら元も子もないからに決まってんだろ!」
 気にしていることを言われたことで、思わず語気が荒くなる。
「ケンカはやめるです! ポポは服いらないです!」
 僕達を見かねたのか、ポポが僕らの間に割って入った。
「いや、そうもいかない」
「そうよ、いるに決まってるじゃない」
「なんでです?」
 沈黙。なんでって言われても……。
「も、モラル的な問題かな」
「モラルって何です?」
「こう……なんというか、とにかくダメなんだよ」
 その後も服屋の前でもめ続けること数分。なんとか香草さんに折れてもらった。
 そして待つこと数分。香草さんがビニール袋を提げて店から出てきた。
 早速中を見れば、黒のワンピースが一着に、女児用のパンツが二枚。
 僕は可愛らしいパンツを見た瞬間、思考と行動が停止した。そして香草さんに目潰しを喰らった。
「ギャー!」
「何女の子の服をチェックしてんのよ、この変態!」
 至って正論だ。でも、これはなんというか、不可抗力というか。
 袋を受け取ると、僕は激しく瞬きを繰り返しながら歩き出した。痛いが目は無事らしい。
 ほどなくして、ポケモンセンターに到着した。
 ポケモンセンターはポケモントレーナーとそのパートナーに対して無償で寝床と風呂、そして食事を保障している施設のことだ。まさに僕達旅のトレーナーとポケモンの味方だ。
156ぽけもん 黒  吉野町と解氷 ◆wzYAo8XQT. :2008/06/13(金) 12:38:15 ID:uiNhgbuT
 久々にまともな寝床と食事にありつける。施設に踏み入った僕は、それだけで少し浮かれていた。
 ジョーイさんに簡単な施設利用の説明を受けると、そのまま与えられた個室に移動した。
 与えられた部屋は二段ベッドが二つあり、それだけでほとんどのスペースが埋まってしまっているくらいの小さな部屋だ。
 でも、久々の布団だ。文句はない。
 荷物を置くと、すぐに浴場へ向かった。
 浴場は当然ながら男女に分かれている。
「じゃあ、ここで。香草さん、悪いんだけどポポのことお願い。今まで風呂に入る、なんて習慣無かっただろうし」
 まあ思ったとおり、香草さんは思いっきり顔をしかめている。
「……なんで私がそんなことを」
「香草さんしか頼れる人がいないんだよ。このとおり!」
 そう言って頭を深々と下げた。
 チラ、と上目遣いで顔を覗き込めば、相変わらずの渋い表情だ。
「……しょうがないわね」
 しかし渋々という感じながらも承諾してくれた。
「ホントに!? ありがとう! じゃあよろしくね。ポポ、ちゃんと香草さんの言うことを聞くんだぞ」
「はーいです!」
 元気よく返事するポポに、今日買った黒のワンピースと、下着を持たせた。タオルや体を洗うものは備え付けになっているとのことだ。
 脱衣所で服を脱いで、浴場の扉を開くと、そこには銭湯のような光景が広がっていた。
 先客も数人。皆同じ年頃だ。よく見れば、出発前に見たような、見なかったような顔もある。
 簡単に体を流すと、すぐに浴槽に入った。
 暖かなお湯が、疲労と怪我の溜まった体を優しく包み込む。
 ああ、なんという至福……。
 筋肉痛で痛む全身を優しく癒してくれるようだ。
 つい目を閉じ、ぼーっとしてしまう。
「コラッ! ちゃんと体洗いなさい!」
「目が染みるです! いやです!」
 そこそこに厚いはずの浴室の壁の向こうから聞こえてきた大声で、僕の穏やかな時間は強制終了した。
 その後もドタバタという音と黄色い声が断続的に聞こえてくる。
「ダメよ! ちゃんと体洗いなさい!」
「ひゃ! くすぐったいですー」
「暴れないの……きゃ! 何するのよ!」
「お返しですー!」
「く、くすぐったわよ! あっ……」
 だんだんこちら側にいる野郎共が前かがみになってきているぞ、オイ。
 僕も、前かがみになる前に出よう。
 煩悩を鎮めるためと、彼女達との今後の旅を憂う、二重の意味でのため息を吐いて、僕は風呂から上がった。
 さっさと体を拭き、さっさと着替え、さっさと備え付けの洗濯機を回し、さっさと部屋へ戻った。どう考えてもあの場に留まることは得策ではない。
 部屋に戻った僕は、そのままベッドに仰向けにダイブした。
 スプリングが硬めで、少し痛かった。
 それでも、地面とは雲泥の差で、快適なのは言うまでも無い。
 数日間野宿をしただけで、これほどまでに快適に感じるとは。
 このまま眠ってしまいたい。でも夕食は食べたい。それに洗濯物も回収しなきゃ。
 そう思っていても、意識は意思とは無関係にどんどんと沈んでいく。
 あっという間に僕は心地よいまどろみに呑まれ。
「ゴールドー!」
 そのまどろみはドタバタという激しい足音と、バターンという勢いよく扉を開く音と、そして腹部に与えられた衝撃で霧散させられた。代わりに失神という形で意識を失いそうになったけど。
「ど、どうしたんだよ」
 僕は激しく咳き込みながら起き上がり、ポポを腹の上から下ろした。最近の僕の腹部にかかる衝撃は明らかに過剰である。
「すごいですー! スースーするですー! 水浴びと違うですー!」
 トコトコと静かな足音が部屋に入ってきた。
「石鹸使ったからね、当然よ」
 ああそうか、そりゃあ自然界には石鹸なんてないもんなあ。ポポは今まで味わったことの無い感覚にすっかり興奮しているというわけか。ならしょうがない。僕の腹部の痛みもしょうがない。しょうがない……。
「よ、よかったね」
 僕は腹部の痛みで引きつる頬をなんとか誤魔化す。
「どうしたの?」
 誤魔化しきれてなかったのだろう、香草さんに不思議そうに尋ねられた。
 僕は、なんでもないよ、と誤魔化した。
157ぽけもん 黒  吉野町と解氷 ◆wzYAo8XQT. :2008/06/13(金) 12:38:58 ID:uiNhgbuT
 香草さんは納得していないようだったが、それ以上尋ねてくることは無かった。

 僕が興奮してはしゃいでいるポポを適当になだめたり相槌を打ったりしていると、食事の時間が来た。腹痛も大分治まってきたことだし、夕食を食べに食堂へ向かうことにした。
 食事はポケモンの種族のことを考えてか、野菜オンリーのAコース、野菜肉魚なんでもありのBコース、肉類のみのCコースの三コースに分かれていた。
 僕はBコースに、それプラス御飯と味噌汁で定食化する。久々のちゃんとした食事に胸が躍る。考えただけでよだれが出てきた。
 ポポと香草さんも僕とまったく同じものを頼んだ。……香草さんはともかく、ポポは箸を使えるんだろうか。
 配膳に並んでBコースのおかずを受け取る。肉野菜炒めに鯖の味噌煮のようだ。ああ、なんという真っ当な食事。なんか感動してきた。
 僕に続いて、香草さんが受け取り、さらにポポが両の翼で抱えるようにして受け取った。……あれぇ? 冷静に考えたら箸どころの問題じゃないような。そもそもポポには手が無いんだから。
 空いているテーブルを見つけ、僕とポポは座った。香草さんはというと、僕達から離れたテーブルに一人で座った。うーん、少しは仲がマシになったと思ったんだけど、中々道は険しいな。
「いただきます」
 両手をあわせると、僕は料理に手をつけた。まずは鯖の味噌煮から。
 うん、口の中でとろけるようなよく油の乗った鯖に、甘辛い味噌がよくあって……うまい!
 と、僕が至福に浸っていると、ポポが泣き出しそうな顔で料理と箸と僕とを交互に見ていた。
 可愛いからこのまま少しほうって置こうかな、なんて少し意地悪な思考が頭をよぎったが、そんな思考に従うことなく、ポポに声をかけた。
「どれから食べたい?」
 ポポは僅かな逡巡の後、鯖の味噌煮を指差した――いや、指じゃなくて翼だから、翼指したとかになるのだろうか。
 僕は箸で適当な大きさに鯖の味噌煮を割ると、そのままポポの口に運んであげる。
「はい、あーん」
「あーん…………おいしーです!」
 ポポの顔がパアッと明るくなった。うん、やっぱりポポはニコニコしてるのが一番似合うな。なんだかこっちまで和やかな気持ちになってくる。
 そんな調子だから食事にいつもの倍以上の時間がかかってしまった。
 食事を終えた後、食堂を後にしようと食堂の出入り口へ向かうと、扉の陰から緑の葉っぱが覗いて見えた。
 食堂を出ると、そこには不機嫌そうに両腕を組んだ香草さんが立っていた。
 僕達が食べ終わるのを待ってくれていたのだろうか。
「ご、ごめん、遅くなっちゃって」
「……いいわよ、別に」
 ……いいわよ、と言っている割には、その口調も不機嫌そのもので、まったくいいという感じがしない。
 微妙に気まずい空気のまま、三人で部屋に戻った。
 そして沈黙。僕は、とか何を言ったらいいのか分からず、あー、とか、えっと、とかしか言えないが故に。ポポはそんな必死な僕と不機嫌そうな香草さんの顔を不安そうに交互に見ているが故に。そして香草さんは……多分話したくないが故に。そういうわけでの沈黙。
「あ! そうだ! もう洗濯と乾燥終わっただろうから、服とってくるよ!」
 逃げではない。ちょうど今思い出したんだ。……うん。
「……じゃあ私も取りに行くわ」
 ……ほら、逃げではなくなった。
「ポ、ポポもついていくです」
 そういうわけで、僕達はまた三人で部屋を出た。
 そして無言。沈黙は長引けば長引くほどその痛さを増していく。
「ご、ごめんね」
「……どうして謝るのよ?」
「い、いや、香草さんを怒らせちゃったかなー……なんて」
「……別に怒ってなんか無いわよ」
「……そ、そう」
 本当に怒ってないなら、もう少し普通に話して欲しいものだ。……怒ってるんだろうけどさ。
 浴場と部屋との往復の間に交わした言葉はそれだけである。
 さて、部屋に戻ったわけだが。
 することがない。
158ぽけもん 黒  吉野町と解氷 ◆wzYAo8XQT. :2008/06/13(金) 12:39:44 ID:uiNhgbuT
 することが無いなら、することは一つだ。
「よし、寝よう。じゃあ僕はここで寝るね」
 そう言って、左の二段ベッドの上に上がり、毛布に包まった。
 それに続くように、ベッドの梯子を上る音が聞こえた。
 そして、その音を発していた物体はそのまま僕の隣で停止した。
「ぽ、ポポ?」
「どうしたです?」
「い、いや、ベッドは四つあるのに、わざわざ僕と一緒に寝なくても」
「……ここがいいです。……だめです?」
 ポポは僕が包まっている毛布に半分包まり、潤んだ瞳で僕を見つめながらそう言った。
 しかし同時に香草さんの、僕を非難するような鋭い瞳で見つめられているのもひしひしと感じる。
 ……ぼ、僕は……僕は!
 叫び声を上げながら逃げ出したいという衝動を何とか押さえ、笑顔を作って言った。
「いや、ポポがそうしたいっていうんなら、いいよ」
 不安気だったポポの顔がほころんだ。そして一層僕に密着してくる。
 香草さんは……見えないのでよく分からないが、多分しばらく僕に対して軽蔑の目を向けた後、音からして右の下段のベッド――つまり僕達のベッドから一番遠いベッドだ――に入って、そのまま蔓の鞭を伸ばして電気を消した。
 僕はいろんな意味で眠れなくなりそうなので、できるだけ何も考えないようにしていた。
 だが寝れない。隣のポポはすぐにすやすやと安らかな寝息を立てているというのに。

 それから、どれくらい経ったのだろう。
「ねえ、起きてる?」
 香草さんが、話しかけてきた。
「起きてるよ、どうしたの?」
 僕は動揺しつつも、大きな声を出さないように注意しながら答えた。
「……どうしてあの子ばかり大切にするの?」
 か細く、弱弱しい声。
「……あの子? もしかしてポポのこと?」
「そうよ」
 僕がポポばかり大切にしている? そうなのだろうか。確かに大切にしてはいるだろうけど、だからといって香草さんをぞんざいに扱っているつもりはなかったんだけど……。
「そんな、特にそんなつもりは……というか香草さん、あの子、はないんじゃないか? ちゃんとポポっていう名前があるんだし」
「鳥の名前なんてどうでもいいじゃない」
 険のある声が返ってきた。嫌悪の念。よく分からないが、そういうものが滲んでいるように感じられる。
「良くないよ。それに、鳥だとかいうのも良くない……と思うよ」
「な、なによ! そんなにあの子が大事なの?」
 冷静だった語気が荒くなった。でもこれは怒っているというより取り乱している、というほうが正しいような感じだ。そんなにまずいことを言っただろうか? 僕は普通のことしか言ってないと思うんだけど……。
「大事といえば大事だよ。長旅のパートナーになるんだし」
「それなら私だってそうじゃない!」
「え……マジで?」
「なによそのリアクション……私と一緒にいたくないってこと? だからあの子……ポポのことばかり」
 まずい! 香草さんの声色は今にも泣き出さんばかりな感じだ。いくら驚いたからって、マジで? はないだろ僕! 最低だろ!
「い、いやいやいや、そんなことはないよ! ただ、香草さんは……その……」
「……その?」
 どうする? ここで僕の本心を言ってしまっていいものだろうか。しかし、それ以外にこの場をなんとかできるようなものは考え付かないし……。ええい! どうせダメなら同じことだ!
「その……石英高原で殿堂入りするまで一緒に旅する気は無いんじゃないか、って思ったから」
「……私、そんなこと言った?」
 泣き出しはしなかったものの、まだ声は潤んでいる。
「い、言ってないよ! でも、その、態度とか、そういうのから、その……」
「私は絶対に殿堂入りするわ。それで、『私の種族こそ最強!』ってことを、草ポケモンは弱いって言っている世間に知らしめるのよ」
 思わぬ独白。まさか彼女がこんなことを考えていたなんて。
「そう……なんだ」
「……ごめんなさい」
「え!?」
「私……そんな誤解されるような態度とってたなんて思わなかった。私、自分の種族以外の人とまともに話したこと無くて、それで、人付き合いとか、そういうの、どうしたらいいか分からなくて」
159ぽけもん 黒  吉野町と解氷 ◆wzYAo8XQT. :2008/06/13(金) 12:40:50 ID:uiNhgbuT
 不安そうな声で僕にそう告白した。
 ああ、なんだ。
 僕は馬鹿だ。
 勝手に思い込んで。勝手に決め付けて。
 彼女はただ、自分の種族に誇りを持っている、ちょっと不器用なだけの女の子だったんじゃないか。
 小手先だけの、額面上だけの知識を身につけて、色々あらぬ想像巡らせて。
 そんなので賢しいつもりになっていた。
 ……実際は、ただの自信過剰で、無駄に妄想力豊かなだけの、最低なガキじゃないか。
 こんなんじゃ、ポケモンの研究に携わるなんて夢のまた夢だ。
「僕のほうこそ、ごめん。勝手に香草さんのことを決め付けて」
「いいわよ。私が悪かったんだから」
 もうその声はいつもの彼女のものに戻っている。
「じゃ、じゃあ、悪かったついでに、一つお願いしても……いいかな?」
「何?」
「色々あるし、あったんだと思うけどさ、せめてこの旅の間だけは、種族による差別とか、そういうの、やめようよ。……難しいってことは分かってるけどさ、それでも……」
「…………頑張る」
「え?」
「私、できるだけ頑張るわ」
 静かな、しかし凛とした声で彼女は答えてくれた。
 香草さんは、それきり黙ってしまった。
「ありがとう!」
 僕も気が楽になったのもあって、それからすぐに眠りに落ちてしまったから、本当は何か言っていたのかもしれないが。





「……ねえゴールド? 私、人間もそんなに悪くないかな、って思えてきたの。きっと、ゴールドのお陰かな。……ゴールド? 寝ちゃったの? ……ふふ、まったく、やっぱりダメね、ゴールドは」
160 ◆wzYAo8XQT. :2008/06/13(金) 12:42:26 ID:uiNhgbuT
というわけで第四話終わりです
後半が若干手抜き気味な気もしますが、直してもゴチャゴチャするだけな気がするしこのままで

当初の予定では十話くらいで完結するはずでしたが、今のペースだと十話までに病むかどうかも厳しいという……
161名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 12:52:54 ID:y/TTA+KU
壱番屋
162名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 12:55:24 ID:i483FMMu
やっとデレたか。
163名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 13:13:46 ID:HIsa1oAL
これが繋ぎ…だと…
GJ!!だぜ
ってか不覚にもポポに萌えてしまった…ヤンデレラー失格だな俺…
164名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 13:36:42 ID:B7bdDo6+
ポケモンに萌える日が来るとは…
165名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 15:35:51 ID:vIMuaZm+
10話までに病まないだと・・・
これは長編を期待してもいいんですね?w
166名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 15:42:27 ID:ygP0yE6W
何故、ヤンデレスレにポケモンが?
該当スレなら神扱いだろうにもったいない。
167名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 15:47:40 ID:fr+UWNjj
ポケモンスレでヤンデレやっても
「該当スレでやれ」といわれるのは想像に難くない
168名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 16:42:55 ID:OW9zr7mH
ポケモンきた!!
いつも楽しみにしてます
169名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 17:00:14 ID:18khLeD7
早く6人のヤンデレに囲まれるゴールドが見たいw
170名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 19:19:30 ID:DzslZQO8
サナギになっている間に主人公争奪戦に出遅れる子とか
171名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 20:08:16 ID:p3666zGq
サナギのなかに主人公を取り込もうとするんですね
172名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:15:07 ID:xMEPr7CR
問6 以下の状況に陥った場合の最善策を答よ。

主人公は追い詰められました。包丁を持ったヤンデレヒロインが薄っすらと笑みを浮かべて、
こちらに近づいています。
DEAD ENDを回避するためにはどうすれば良いか?
173名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:19:43 ID:fy/Ro6wI
窓から123で下の階のベランダにGO!!! ミスったら転落死。
174名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:19:45 ID:Ri3MNRjQ
答 地の果てまで逃げ続ける
175名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:36:35 ID:afDzE8xj
答:そもそもヒロインがどういう娘で主人公はどういう事をしたのか、で最善策は全く異なる。
よって"回答不能"が正解。
176名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:52:19 ID:RYVBybrE
ヒロインの言うことをなんでも聞く
177名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:57:16 ID:9l0q0rwz
キスをする
178名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:00:16 ID:ntZ3+9nL
暴走してるヤンデレは抱きしめたりしたら大人しくなりそうな気がする。
179名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:22:28 ID:fy/Ro6wI
刺さってナンボのもんじゃい! な感じで押し倒し、ベットへGO。
180名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 23:10:54 ID:fy/Ro6wI
先生、女の子が散弾銃持って俺のいるスポーツジムに乗り込んで来ました!どーすれば良いですか?
某M容疑者の女みたいな最後は勘弁www
181名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:01:32 ID:HIsa1oAL
抱きしめてあげる


ヤンデレは少し精神的に不安定なだけで一途な女の子ですよ
愛された側としては素直に好意を受け取るべき
182名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:08:24 ID:SB1+2Ygw
>>172
まな板と大根で応戦。もしくは悲鳴を上げてみっともなく這いつくばって逃げる
まあそうなる前に選択肢をミスらないことがベストだな。包丁出されたら大抵死ぬ以外に道はない

>>180
撃たれたらMATRIXばりのアクロバティックな動きで避けろ
183名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:18:33 ID:Zb8irHat
>>181
問題は受け入れてやっても安定化しない、もしくは安定化してもそれが長続きしないということだな、
物理的に二人っきり無人島コースでもないかぎり、安心できない。
184名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:21:22 ID:/FE3MhbE
心が読める能力者なヤンデレなら大丈夫
185名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 00:52:11 ID:eOOWNoj4
>>184
「大丈夫だ! 刺されても僕は君を受け入れるから!」(『刺されたら痛いだろうな……でも彼女の方が大切だ!』)
「○○君……」>包丁を取り落とし駆け寄る
「もう離さないからな……」>ぎゅっ


(『あ、今通りかかった娘はなかなか可愛いな。91点』)
「○○君……!」>首をぎゅっ
186 ◆wzYAo8XQT. :2008/06/14(土) 01:03:24 ID:v5L28tL5
>>166
ちょっと話の流れをぶった切る格好になってしまって申し訳ないのですが
元々この話は前々スレだか前々々スレだかの「アニメのポケモンのチコリータはヤンデレっぽかった」という発言を見て行き当たりばったりで書いたものですので
187名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 02:04:22 ID:QzlVJG6Q
なんか特殊能力持ったヤンデレいる?
188名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 02:34:10 ID:NUTVIGps
病むまでの過程が大事と考えている俺は、病むまであと何話かかろうがついて行くぜ
189名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 07:14:16 ID:ZA2Kn7N0
投下します。
>>133からの続きです。

190変身少女:2008/06/14(土) 07:14:59 ID:ZA2Kn7N0
「立花君、ちょっといい?」
 三井が声を掛けて来たのは、3時間目が終わった後の休み時間だった。三井とは高校に入学して、
同じクラスメートという以外は、あまり面識がない。ショートボブの髪に赤い眼鏡。クラスの中でも、
目立たない生徒だ。クラスの委員長をやらされているのも、投票でそれっぽいからという理由で三井に
なっていた。
「放課後、相談に乗って欲しいんだけど」
 俺に相談?意外な申し出だ。もっといい、適任者ならごまんといるぞ。横に座っている
秀才の石井なんかどうだ?俺が答えられるアドバイスの2倍はいい情報を持っていると思うが。
「う〜ん、彼じゃちょっと駄目ね。これは立花君じゃないと解決できないことだから」
 そうなのか。俺は放課後に用事があるんだがと、やんわりと拒否反応を出す。
「直ぐに終わるわ。そうね。一時間位かしら」
 どうしても今日じゃないと駄目なのか?
「お願い。なるべく早く終わらせるから」
「……わかったよ」
 俺がそう言うと、本当にありがとうと言い残し、三井は席に戻って行った。どうせ、プリント
運びだのそういった類いの力仕事をしてくれという相談だろう。クラスで一番暇そうにしてたからなぁ。


「祐くん、優しすぎるよ」
 やっぱり。予想通りのリアクションが返ってきた。そうは言ってもな、もう引き受けたんだから
仕方ないだろ。忍はほっぺたをぷぅっと膨らませてすねている。水曜日の昼休み。屋上で俺は忍の
弁当を食べながら、これまでの経緯を説明していた。
「クラス委員長直々のご指名だからな。ちょっと遅れる」

 はぁ……と、わざとらしく大きなため息をついて、忍がこちらを睨んだ。
「テストが終わったら、部活は1日休みになる。そうしたらカラオケに付き合ってもいいって
言ったのは、祐くんの方だよ。もしかして、サッカーのヘディングをやり過ぎたせいで、
若年性痴呆症にかかっちゃったのかなぁ?」
 いや、俺、まだ高校生なんですけど。
「……チョコレートパフェ、3回分」
 マジ?それはきついだろ。せめて1回にしろ。
「じゃあ、間を取って4回」
 増えてる。よし、俺がいい案を思いついた。これから先、忍とは一生カラオケには行かない。
そうすれば、チョコレートパフェをおごらずにすむ。
「……ずるい。もう……1回でいいよ。その代わり早く来てね」
 忍が甘い声を出した。こうなったら、俺の負けだ。
「あぁ……わかった、終わったらダッシュで行く」
 照れ臭い。全く、女はこういう時、得に出来ている。

 忍とは小学校以来の腐れ縁だ。小学校の時は目立たない眼鏡の女の子って感じだったのに、女って
言うのは恐ろしい。いつの間にやら、美人になっちまった。腰までのサラリとした黒髪。切れ長の目。
眼鏡も外してコンタクトになった。正に、変身前、変身後という感じだ。まぁ、そこまでなら何処に
でもいる美人なんだが、問題はその体型だ。
「忍、またでかくなっただろ」
 忍はさっと胸を隠す。最近、忍をからかうのは大抵、この話題だ。
「……ううっ」
「何食ったらそこまで大きく育つんだ?」
「……くっ!」
「脳に行く栄養がそこに集まっているとしか思えん」
「……ばっ、馬鹿、エッチ!」
 忍が俺から食いかけの弁当箱を取り上げて走り去った。やべぇ、鳥の唐揚げ、最初に食べて
おくんだった。
191変身少女:2008/06/14(土) 07:15:43 ID:ZA2Kn7N0
 放課後、掃除が終わった後、俺は三井を待っていた。クラスにいる生徒は、もう数人しかいない。
テストの結果を悲観するもの、好成績に歓喜するもの、どちらもテストという嫌なものから解き
放たれた開放感で足早に学校を後にする生徒が多かった。
「遅いな。三井……」
 教室に残っていた最後の生徒がいなくなる頃、三井は教室に入ってきた。
「ごめん。待たせてちゃった」
 これでカラオケハウスに行くのは、更に15分は遅れそうだ。こりゃ、今日のカラオケ代も折半って
訳にはいかないだろうな。
「先生がプリントの原本をなかなか用意できなくって」
 やっぱり、コピーとそれを運ぶ役目か。
「自分一人じゃちょっと無理だから。立花くん、早速お願いね」
 やる事さえ分かっていれば、後は簡単だ。それを完遂するために一生懸命働けばいい。

 40分程で全ての作業は終わった。こんなに一生懸命動いたのは、サッカー部でもそうはない。
「凄い。もう終わった……」
 そりゃそうだ。今月の俺の小遣いが大ピンチだ。カラオケハウスには、こういう時だけ小悪魔になる
忍が手ぐすね引いて待っている。
「本当にお疲れ様。これ、食堂で買ってきたジュース。先生のおごりだから、遠慮しないで」
 サンキュ。でも、俺には落ち着いてそれを飲んでいる時間は無いんだ。じゃあな、アディオス、
ごきげんよう。

「では、本題の立花君への相談をするわね」
 一瞬、教室の空気が凍りついたように感じた。おい、今、何とおっしゃいました?冗談にしても
笑えないんですけど。
「立花君じゃなきゃ解決出来ない相談をしたいって、言ったはずだけど」
 いや、確かにそうだけどさ、これ、普通の流れだと、今までのプリント作業だって思うだろ。
「こんなの勉強だけが取り得の、石井君にだってできるじゃない」
 にっこりと微笑んだ三井は、俺の顔を覗き込んでそう言った。それ、ひでえよ……三井。
石井、泣くぞ。
「それで相談って何だ?手っ取り早く頼む。忙しいんだ」
「ねぇ……立花君ってA組の如月さんと付き合っているの?」
 はぁ?なんだそりゃ。それの何処が相談だよ。俺に対する質問じゃねえか。
「それはお前に関係ないことだろ」
「大いに関係する事なんだけど。単刀直入に言うわ。私と付き合わない?」
「悪いな。俺、帰るわ」
「如月さんが美人だから?眼鏡ブスには興味が無いって事かな」
 三井、女だからって言っていい事と悪い事がある。俺が忍と付き合っているのは、顔とか関係ない。
告白は嬉しいけど、お前とは付き合えない。
「そう。でも、女は変わるの。それが好きな人の為なら」
「……えっ」

192変身少女:2008/06/14(土) 07:16:11 ID:ZA2Kn7N0
 目の前にいる少女に、俺は一瞬、息を呑んだ。眼鏡を取り、ボブショートの髪を掻き揚げた三井。
間違いなく、美少女だった。それも、並大抵のレベルじゃねぇ。モデルって言ったって、普通に
納得するレベルだ。
「中学時代からうっとおしい男子を追い払うために、こうやってカモフラージュしてる。わざわざ
ソバカスとか描いてるの。さっきはごめん。立花君が女の子を顔で選ぶような人ではないって
知ってて、ワザと言ったの」
 なら、俺がその美人の素顔を晒したって、関係ないって知ってるだろ。
「知ってる。立花君には隠し事の無いようにしておきたかっただけ」
 その顔なら、俺よりもずっとマシな男が幾らでも見つかるぜ。じゃあな。
「……そう。やっぱりね。どうしても駄目か……」
 ちょっと可哀想な気もするが、俺は二股かけられるほど器用じゃない。急いで教室を出ようと
すると、三井がまた声を掛けてきた。
「ここで立花君が帰ると、如月さん、学校を辞める事になるわよ」
 おい、今、なんて言った?
「この学校のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のコミュニティに、今日如月さんの
あるファイルが流れる。そのファイルが流れたら、如月さんは終わり」
 いい加減な事言うなよ、忍が学校を辞める事になる?冗談はよせ。
「嘘だと思うのなら、これを聞いてごらんなさい」
 三井がイヤホンを差し出した。渋々、そのイヤホンを耳に差し込む。
「!?」


≪祐くん、テスト勉強って言ったって、真面目にやりすぎじゃないのかなぁ。仮にも彼女が自分の
部屋に来ているっていうのに、3日間手を出さずに終わりって信じられないよ≫
 これは……。耳から聞こえてきたのは、確かに忍の声だ。
≪今日で祐くんとの勉強も終わり……。はぁ……寂しいよ。う〜ん、買出しってどの位かかるんだろうね≫
 明瞭に聞こえる音声が断続的に流れている。
≪これ、祐くんのシャツかな。……ん〜いい匂い。祐くんの匂いがする≫
 やめろよ。何でこんなのがあるんだよ。
≪…………んっ≫
 そこから暫く、忍の声は聞こえ無くなった。微妙な衣擦れの音だけが微かに聞こえる。
≪んっ……あっ、祐くぅん……これ、祐くんが……ぁんっ……使ってたシャーペン……≫
「消せよ……」
 静まり返る音の中に、淫音が聞こえてくる。
≪ちゅくっ……ぬちゅ……駄目ぇ……祐くんの部屋で……くちゅっ……こんな事……あっ、ぁっ、んっ≫
「消せって!」
193変身少女:2008/06/14(土) 07:16:29 ID:ZA2Kn7N0
 俺は耳からイヤホンを外した。そして、三井を睨みつける。
「お前、俺の部屋に盗聴器仕掛けたのか?」
「知らないわ。ただ、サッカー部のある人が私に面白いファイルがあるって、持ってきてくれたの」
「聞いたらビックリ。オナニー大好き少女の声が延々と続いているじゃない」
 俺の家に遊びに来たサッカー部員……何人もいるな……。
「お前、サッカー部員を……誰だそいつは」
「妙な言いがかりだけはやめてね。さて、ここで立花君だけにしか出来ない相談。このファイルを私が
何とかするから、立花君も私のお願い聞いてくれない?」
 脅迫するのか?忍の痴態を収めた音声ファイルをチラつかせて。
「何もそんな酷い事言うわけじゃないわ。3日だけ。そう、3日だけ立花君の彼女にしてよ」
 そんな気持ちになれる訳無いだろ。お前が女じゃなければ、とっくに殴っているところだ。

「なら、ここで相談は終わり。でも、もっと凄いファイルがあるかも……映像ファイルなんてあったら、
私なら恥ずかしくて死んじゃうかもね」
 おい、まさかそんなものまで、あるんじゃないだろうな。
「立花君が3日我慢してくれれば、私が全部何とかする。そうね、でも、立花君も可哀想だから
彼女って言ったって限定でいいわ。3つだけお願いを聞くだけでいい」
 そこまで俺だって馬鹿じゃない。そんなやばい事、承諾できるか。
「疑り深いのね。じゃあ、動詞限定ならどう?拾ってとか、そういうのだけ」
「本当にそれだけなのか」
「勿論、私と居ない時は如月さんと会ってもいいわ。私とは1日1時間だけでいいから」
「本当にファイルは何とかするんだな」
「約束は守るわ。私だって立花君が好きなんだし。そこまで嫌われたくない」
「それなら……3日だけなら。お前の要求を飲んでやる。その代わり、3日経ったら、もう2度と
俺に話しかけるな」
「はぁー。私だって大変なのに。ちょっと位は役得が欲しいなぁ」
「用事はそれだけでいいんだろ。俺はもう行く。明日からでいいんだろ」
「今日からでもいいわ。しかも、今日だったら10分だけでいい」
 10分だけか?1時間じゃなくて。嘘じゃないのかと、もう一度聞きなおす。
「そう、10分だけ。立花君、とっても忙しそうだし、手伝ってくれたし。でも、約束は守ってね」
「俺はどうすればいいんだ?」
「そうねぇ。じゃあ、そこに立ってて」
「立ってればいいのか?それだけ?」
「そう。その代わり、絶対に動かないでね」
 10分立っているだけ。簡単じゃないか。何なんだ。こいつ。
「いいぜ。そのかわり10分きっかりだ」
194変身少女:2008/06/14(土) 07:16:52 ID:ZA2Kn7N0
 俺は指定された場所に立った。何だか変な感じだ。悪い事をして教室に立たされているみたいな。
そして、三井が俺の前に立つ。
「立たされているんだから、直立不動でお願いね」
「ああ、わかっている。今ならどんな地震が来ても10分間は動かない自信がある」
「……立花君。私、今日如月さんと一緒の香水つけているって知ってた?」
 そう言うと、三井が目の前に立ち、顔を近づける。思わず顔を背けるが、三井の唇が頬に触れた。
「もう、雰囲気も何も無いのね。まぁ、唇は如月さんのものなんだろうから、許してあげる。でも、
今度動いたら、もう本当にこの話は終わりだからね」
 くっ、俺としたことが。でも、不幸中の幸いだ。もし、三井にもう一度立っててという要求を
されたら絶対拒否だ。
「唇はあげるわ。でも、こっちは……動いちゃ駄目だからね」

 三井が両膝をついた。髪の毛の匂いが鼻腔をくすぐった。そういえば、忍と同じ匂いがする。
「後、7分」
 突然、三井が俺のチャックを降ろした。馬鹿野朗、何しやがる。
「結構、大きいんだ。立花君……彼氏で、立花君も変か。祐って呼び捨てにしよ」
「くっ、何してる……」
≪ちゅぷ、ちゅっ、……レロレロ……祐……おっきい≫
「お前、ふざけるなっ、よ」
≪後、5分……ちゅっぱ、ちゅっく、……ぴちゃ、ぴちゃぴちゃ≫
 三井がその小さな唇を俺の咽頭に這わす。陰茎と亀頭と尿道に唾液が溢れ、舌先が上下に往復した。
「うっ、っく」
 先ほどの忍の声がまだ耳に残っている。それに、三井の香水。まるで忍にやられているような錯覚
に陥りそうだ。
≪後、3分……んっく、んっく、ちゅっちゅ、んんっ、んく……祐、すっごく大きくなってきた≫
 自分で呼吸を整えようとするが、それが無意味だって悟る。こいつ、凄く上手い。
≪後、1分……んっんっ、んっんっんっ……ぷはっ、もう、我慢しないでいっちゃっていいのに≫
 後30秒、後15秒、俺は頭で数を連呼して、その刺激に耐える。くそ、絶対、思い通りには
させない。
≪んっんっ……ちゅっ。時間切れか。凄いね、祐≫
 大きくなったそれを名残惜しそうにズボンにしまうと、三井は立ち上がった。
「もう、10分か。早いなぁ」
 もう、直立不動は無しだ。いいな。三井。
「祐がそう言うなら、もう無しにしてあげる。じゃあね」
 俺はその言葉を聞き終わる前に、その場から全速力で走り出し学校を出た。
195変身少女:2008/06/14(土) 07:17:16 ID:ZA2Kn7N0
「あっ、祐くん。来た来た。もう、始めちゃってるよ」
 忍がカラオケハウスでニコニコしながら話しかける。さっきの事は幻だったのか?俺は、生返事を
繰り返していた。
「もう、さっきからわたしばかり歌わせて。喉がカラカラだよ」
 とりあえず後2日。俺が我慢すれば、この話は終わる。でも、忍にその事を悟らせては駄目だ。
忍は見た目しっかりとし、強いようだが実は心が脆い部分もある。だから、三井との事は絶対に
悟られないようにしないと。
「なぁ、忍。ちょっと話があるんだ」
「何?チョコパフェおごるの無しっていうのは、駄目だからね。約束なんだから」

≪あのさ、俺たち少し距離を置いて付き合わないか≫

 そうだ。後2日は距離を置こう。なるべく悟られないようにするには、一番いい。
「えっ?あ……うん」
「俺さ、ずっと忍の事大切な友達だと思っているから。それに、忍は美人だし頭もいいしさ。俺も
羨むくらいの女の子だから、大丈夫」
 忍は少しショックを受けたようだ。すまん、2日経ったら元に戻る。それまで、我慢してくれ。
俺はその後、悪いと言ってカラオケハウスを出た。忍の笑顔を見ているのが、何より辛かった。

 次の日。三井の要求は夕方の1時間だけのデート。その翌日は昼の1時間、手作り弁当を一緒に食べて
欲しいというものだった。ただ、三井は最終日のこの日、俺が持ってきた忍の弁当を捨ててという
願いをした。最後の思い出に弁当を食べるのに、忍の弁当だけは目の前で見たくないという理由だった。
俺は抗議したが、最後だからと涙目で訴えられて、渋々要求を呑む事になった。
「今日で終わりだ。例のものはどうなんだ」
「そっか、残念。もう、最終日かぁ。早いね。もうちょっとだけ延長する?」
 冗談は顔だけにしろよ。俺は三井を睨みつけた。
「酷いなぁ。祐の盗聴器はもう使えないし、ファイルも全消しして貰った。もし、そのファイルが
出てくるようなら、その人訴えてもいいよ。私も証言してあげる」
 そうか。なら、お前とはもう終わりだ。二度と話しかけるな。
「了解……。じゃあね」
 俺は何も言わず、足早に校舎に戻る。隠しておいた弁当を抱え、忍に返そうと誓う。そして、たくさん
遊ぼう。友達宣言を撤回して。
196変身少女:2008/06/14(土) 07:17:39 ID:ZA2Kn7N0
「…………恋人ゴッコも終わりね」
 中庭に三井が立っている。眼鏡を外し、髪を掻き揚げた。
「ねぇ、いる?」
 そう言うと、二人の少女が三井の横に現れた。
「私は祐との約束で何も言えない。でも、あなた達は違うわよね」
「……あの、例の件は……」
「あぁ、貴方達の事?勿論、内緒にしてあげる。私を裏切らない限りはね。そうそう、最後の命令。
如月に弁当の事さりげなく伝えてくれない?あのゴミ箱にあるってね」
「……わかりました」
 二人の少女が慌てて、校舎に戻っていく。

「祐。確かに如月のファイルは処分してあげた。約束だからね。でも、あの時、鞄から撮影していた
ビデオ。そっちは約束の対象外。有意義に使わしてもらうわ。あの時、気がつかなかった?
中学生の時、祐に告白して無残に振られたあたしの事。折角、本当の顔を出してあげたのにね。
気がついてくれれば、祐のおもちゃを壊すまではしなかったのに……残念ね。本当の地獄は
これからよ」
 クスクスと笑いながら、三井は嬉しそうに校舎に戻っていった。


【おしまい】
197名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 07:19:20 ID:ZA2Kn7N0
以上です。

時系列がちょっと戻り、祐視点の話です。
まぁ、三井さんはこんな人だったという事で。

では、失礼します。
198名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 07:46:55 ID:vPQfue9x
朝からGJ!!

まさかこんなことがあったなんて……
199名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 08:28:26 ID:EalYLaMF
逆恨みと身勝手な妄執の塊ですね >三井
200名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 09:18:28 ID:VjHVjv5U
こいつら、どんな惨めな死に方するんですか?

って期待すると、大した報復が行われずストレスだけが残ったりするからなぁ。
201名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 09:26:38 ID:U8B9aZSA

でも、この手のSSのお約束だが何で男の思考回路はおかしいんだろう

>≪あのさ、俺たち少し距離を置いて付き合わないか≫
普段からべったりひっついていたヒロインにこんなセリフ吐くなんて馬鹿だろ
これで頭の良いキャラ設定だったりするから余計違和感が
脅されて精神的に不安定だったという考えもあるがそれでもちょっと…
だが、ここで落ち着いた対応を見せるとお話が終わってしまうからしょうがないかw

>これ、祐視点だと180度変わります。
冷たい糞野郎と感じてたが、お馬鹿な思考回路でどつぼにはまるガキに見方が変わりましたw
202名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 11:09:08 ID:0H/r8jVS
GJ!
まさかこういう裏があるとは思わなかった。

>>201
まるで自分なら最良の対応が出来るみたいな言い方だね
下衆な茶々入れはやめたら?そういう性格だとリアルで友達減らすよ。
203名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 11:26:23 ID:x4BtRcXB
GJ!
忍が可哀想すぎる

>>201
地震が起きた時、必要もないのに枕もって逃げる人いるよね。
そんな感じじゃないかな?
204名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 11:39:13 ID:a0aURn2L
ないとは思うけど、NTRやレイプ描写があるなら警告お願いします。
うまく収拾つくといいな。続き、楽しみにしてます。
205名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 12:03:55 ID:9RiIC3Wf
201は可哀想な人だな。
何はともあれGJです。祐くん誠じゃなかったや。
206名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 12:28:46 ID:bZM6KbmT
しかしどうしよう
前話の保管断られているから、
これ保管すると話つながらなくなってしまうんだけど。
この作品自体未収録にした方がいいのかな
207名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 16:13:09 ID:a09jsTKS
保管の際にミスを修正してくれればおk
って許可を作者さんが出してくれれば良いんだろうけどね
208名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 18:55:11 ID:ZA2Kn7N0
感想ありがとうごさいます。
参考になります。

最初、プロットの思いつきだけで書き始めた変身少女も、随分長くなりました。
やっぱり、整合性を取るのは難しいですね。

>>206
保管庫の管理人さんへ。
いつもお疲れ様です。
もし、よろしければ校正したファイルを上げましたので、こちらを保管庫に
入れていただけませんでしょうか。
大変お手数をお掛けしますが、よろしくお願いいたします。

http://ossan.fam.cx/up/uploda2/loda.cgi?mode=dl&file=2156

DLKeyは   ヤンデレ    です。

209名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 20:21:13 ID:0H/r8jVS
>>208
お疲れ様でっす


しかし、こうしてみると続きが気になりますな
ええ乳した女性が不幸な目にあうのは許せない性質でさぁ
210無形 ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 00:46:11 ID:r6GuVZQE
投下します。
211ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 00:48:26 ID:r6GuVZQE
広い、と云う感覚は、孤独を認識させられることがある。
僕が通った廊下も、通された一室も。
広く、高く、長く。
どこか心細さを掻き立てられる場所であった。
傍に誰かが欲しくなるような、そんな感覚。
だからと云って、「人外」がそこに在っても、不安が紛れる事は無い。
楢柴綾緒。
今僕の前に居る従妹は、その面に化生を貼り付けている。
――泣増(なきぞう)。
綾緒が付けている能面は、そう呼ばれるものだ。
広い客間で僕らは相対している。
彼女は僕が座ると、言葉を発するよりも早く。
唯、深深と額を地に着けた。
綾緒は一言も発しない。
僅かに身を振るわせるだけである。
「・・・綾緒」
僕が声をかけると、着物姿の化生は静かに身を起こす。
完成された所作だ。
背筋が通り、風格のある座仕方だった。
「にいさま・・・」
能面越しに籠もる声は、正しく従妹のもの。
綾緒はもう一度にいさまと呟いてから、両手を着いた。
「急な御呼びたて、申し訳ありません。本来ならば兄の君に御足労願う等あってはならぬことですが、
綾緒は楢柴の屋敷を出ること叶わぬ身。どうか御容赦下さいませ」
「・・・何故、面を?」
身体を起こさせた僕は、そう質した。
他に云うべきことはあるはずだけれど、“それ”には触れたくなかったからだ。
「今の綾緒は・・・にいさまにあわせる顔がありません」
「・・・・・」
“どういう意味”で、あわせる顔がないのだろうか。
内罰的な意味か。
外罰的な意味か。
「とうさまには・・・・会われたのですよね?」
「ああ」
「そう――ですか。ならば、にいさまと綾緒の将来も、聞かされたのですよね?」
「将来、と云うことでもないだろう。唯、以前のように戻っただけだ」
そう。
綾緒が僕を呼ぶとしたら、当然婚約の話だろう。
文人氏は僕にこう云った。
あれが罪を自覚できるようになったら謝罪させると。
今、この場に僕を呼んだのは、綾緒だ。
文人氏が同席している訳でもない。
つまり、それは――
「綾緒は悔しゅう御座います」
この従妹は、何も変わっていないと云う事だ。
彼女はくぐもった声を僕に向ける。
「綾緒は、唯、お慕いするにいさまと共に在りたいだけなのです。その為に、総てを捧げ、一身に尽す
つもりです。それだけで、他はいらないのです。とうさまだって、それは理解してくれていたはずなの
です。なのに、突然に綾緒とにいさまの仲を裂こうとされた――。理由も告げぬままに。にいさまには
何と云って御詫びをすれば良いか、綾緒には思惟を絶することに御座います。本来ならば、このような
不始末、死して償う事ではありますが、考えているうちに・・・唯、にいさまに逢いたいと・・・」
それは、静かな感情の爆発であった。
ゆらり。
ゆらりと。
感情の爆風が、行動となって顕れる。
ぶるぶると震える腕が伸び、僕の両肩を掴んだ。
力は強い。肩が鬱血しそうな程に。
「綾緒」
「にいさまっ」
212ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 00:51:03 ID:r6GuVZQE
綾緒は僕を抱きしめていた。
息をすることが困難になるくらい、力一杯。
「綾緒、離れてくれ」
「嫌です!綾緒は、にいさまを離したくありません。これ以上、離れることは出来ません」
「・・・・」
そう。
これは確かに爆発だ。
中心が弾けて、周りを巻き込み爆ぜるだけ。
根本的に。
僕と綾緒では考え方が違うのだ。
この娘は狂おしいほどに僕を愛している。
だけど、僕には綾緒に女としての感情を持っていない。
普通ならば、ここで従妹を諭すべきなのだろう。
お前の気持ちには、伯父の存在を抜きにしても答えられないと云うべきなのだろう。
けれど――
「・・・・・」
爪と、耳が疼く。
云って聞く可能性は、酷く低い。
ここで綾緒が狂乱したとしたら、文人氏は、また心を痛めるだろう。
対処の方法が思いつかない。
ここへ来たのは失敗だったのだろうか?
否。
対応叶わなくても、綾緒の心を鎮める事は出来るはずだ。
鎮めて、心が平らになれば、自己を客観的に見れるはずだ。
そうすれば、綾緒と文人氏の間も、改善に向かうのではないか?
そんな脆い期待を抱いてここへ来た。
僕の身体にしっかりと腕を回す従妹に声をかける。
「綾緒。お前とは、きちんと話しをしたい」
「はい。にいさま。綾緒も・・・にいさまとお話をしたいです。ずっと、ずっと、その御声を聞きたい
と願っておりました」
従妹の指が、僕の身体に喰い込んで往く。
その痛みが、どれだけ僕を想っていたかを知らせていた。
綾緒と顔を合わせたのは、ついこの間だ。
それなのにこの美しい鶯は、もう渇き餓えている。
「にいさま・・・ここではなく、綾緒の部屋へいらして下さい」
こもった声がそう嘆願した。
盤根錯節に遇わずんば、なんぞもって利器を別たんや。
少し迷ったけれど、僕は頷いて移動する。
鶯の、巣へ。

綾緒の部屋は、和風そのものである。
公家と武家は相反する観念を持つことがあるが、ここでは公武が見事に調和されている。
武を嗜む公家か。
或は、雅を解する武家か。
そのどちらかの娘の部屋と云われれば、即座に了解出来ただろう。
荘重にして明媚な一室は、けれど不必要に広い訳ではなかった。
これは綾緒の考えか。それとも文人氏の意向だろうか。
いずれにせよ、名族楢柴本家令嬢の部屋にしては、狭いと云える。
僕は根っからの中産階級者である。
狭い部屋のほうが断然落ち着く。
この従妹の部屋へ来たことも幾度かある。
だから、唯の一点を除いて、違和感を感じることは無かった。
その一点――僕はそれを指差した。
「綾緒、それは何だ?」
それ。
畳の上に敷かれた、寝具。
つまり、蒲団だ。
従妹は基本的にカッチリした人間なので、敷きっ放しにするとは思えないのだが。
(いや――)
213ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 00:53:33 ID:r6GuVZQE
敷きっ放しにしては、整いすぎている。
まるで、敷いたばかりのように。
「にいさま・・・」
僕が綾緒に顔を向けると、従妹は一歩僕に近づいて面を上げる。
「にいさま、“これ”を外して頂けませんか」
これ――泣き増面である。
意図の読めぬままに、見慣れぬ顔を除いた。
その下にある従妹の姿。
それは、泣き腫らしたかの様に赤い眼をしていた。
事実、泣いていたのだろう。
実情はどうあれ、この娘は僕に愛されていると思っている。不可解に引き裂かれたと思っているのだか
ら。
僕が能具を傍らに置くと、堪りかねたかのように綾緒は胸に飛び込んだ。勢い、僕が抱きしめる形にな
る。
「にいさま、にいさまぁ・・・・!」
ぽろぽろと。
大きく美しい瞳から、水滴が零れた。
事情を知らなければ、或は“相手”が僕でなければ、すぐにでも慰めてやったことだろう。
しかし――
「にいさま、綾緒は、綾緒は、悔しゅうございます。初めて御逢いした時から・・・いいえ、生を受け
る以前より御慕いしていたにいさまと漸くひとつになれるはずでしたのに・・・、とうさまの・・・と
うさまの誤った命で、それも儚いことにされてしまいます・・・」
「・・・・」
何と云うべきだろうか。何と云ったら良いだろうか。
激発させず、鎮めることだけに集中するにせよ、言葉は慎重に選ばなければならない。
綾緒は僕の胸板に頬を擦り付け、涙ながらに不遇を訴え続ける。
「綾緒」
僕は両肩を掴んで、少しだけ距離をとった。このままでは顔が見えないからだ。
綾緒は潤んだ瞳で、じぃっと僕を見上げた。
取り敢えず落ち着かせること。
それだけを決めて口を開こうとした矢先、従妹は僕の首元を凝視した。
「にいさま・・・それは・・・?」
「え?」
そこにあるのは、一ツ橋に貰った御守り。
ある女性から渡された。
そんなこと、云える訳も無く。
落ち着かせようとしているのだ。余計な発言は避けねばならない。
言葉を捜していると、従妹は奇妙に煌いた瞳を僕に向けた。
「にいさま・・・それを・・・綾緒に見せて下さいませ」
「・・・・」
首から外して従妹に手渡す。
すると、彼女は小さく震え始めた。
「あ・・・あ・・・あぁ・・・」
「綾緒?」
泣いていた。
従妹は再び涙を流していた。
泣きながら、御守りを抱きしめるようにその手で包んでいた。
「嬉しい・・・。嬉しいです。にいさまが、綾緒と同じことを考えていて下さったなんて・・・」
「え?」
当惑するのは僕のほうだ。
同じことを考えた?それはどういう意味だろう?
僕は部屋を見渡した。“広いが広くない”部屋には、綾緒の意図を感じさせるような変化は何も無い。
否。
“ひとつ”だけ、あった。
僕の足元。
そこに敷かれているもの。
そして――
従妹の手の中の御守り。
『それ』は、何を祈願したものであったか。
214ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 00:56:08 ID:r6GuVZQE
(まずいぞ!)
たとえば。
婚姻関係で揉める親子を是とさせる現象。
僕の母が、どういう理由で険悪な本家との仲を解消させるに至ったか。
「にいさま!!」
思考がそこに辿り着いた時、僕の身体は蒲団へ倒されていた。
従妹は僕に覆い被さり、熱の籠もった顔が近づいて来た。
「待て綾緒!違うんだ!その御守りは、違うん・・・んぅっ!!」
身体が固まった。
今、僕の口に押し付けられているものは、何だ?
口の中を這い回っているものは、何だ?
「ん、んぅ・・・」
「んっ・・・にい・・・さまぁっ・・・」
くちゅり。くちゃりと。
爆ぜた感情が蠢いて往く。
従妹は自らの唇で僕の口を塞ぎ、一心不乱に、舐め、吸っていた。
「や、やめ、んぐっ・・・」
再び口を塞がれた。
何とか抵抗しようとしたが、綾緒の行為は思考を鈍らせた。
脳味噌が蕩ける。
僕にはこういう経験は無いけれど、それでも何故だか判った。
今僕のされている行為は、他の人間とするよりも、ずっと上質で淫靡であるということ。
他人とこういうことをしても、恐らく、ここまで脳は蕩けない。
楢柴綾緒という人間を構成するパーツは恐ろしく出来が良く、その行動は魔性の趣があった。
(やばい・・・)
のぼせた様に顔が熱くなる。
血液が沸騰し、“どこか”に血が集まって往くのが判った。
(こんな・・・恋愛感情どころか、男女の感覚も持っていない相手に・・・・)
身体だけが、反応させられている。
天性のものなのだろうが、それだけ上手なのだ。
僕は抵抗を試みるが、
「うぁぁっ」
頬を押さえていた両の手。その片方が、すぐに反応した部位を握っていた。
「にいさま・・・」
綾緒は完全に入り込んでしまっている。
その瞳はどこかとろんとしていて、僕の知らない女としての表情を浮かべていた。
「にいさま。綾緒も・・・こういったことは初めてです・・・。至らない点があるかとは思いますが、
どうか御容赦下さいませ」
初めて?
これで初めてなのか?
僕の下腹部に伸びる手は別の生き物のように独立して動き、思考と行動を遮断した。
従兄の表情を見ながら、的確に弱い部分を学習して往く。
このままでは・・・・。
「や、やめてくれ・・・・」
叫んだはずの声は、酷く弱弱しかった。
まるで形だけの抵抗の様に。
「ふ、ふふふふふふ・・・」
綾緒は穏やかに。けれど、どこか淫蕩に微笑む。
「いつもそう・・・」
「うううぅっ」
「いつも、にいさまは口だけは駄目だ、嫌だって云うんですよね?」
ジ、ジジと。
聞き慣れた音がする。
従妹は僕を見据えたまま、ジッパーを引き降ろしていた。
「どの様な時でも、最後は必ず綾緒の願いを聞いてくださるのですよね?今も、そう」
(ち、違う)
従妹は完全に誤解している。
恐怖。
或は痛み。
215名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 00:56:28 ID:BcFk4sd1
紫煙
216ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 00:58:39 ID:r6GuVZQE
僕がそれに屈してきたことを、良い様に解釈してしまっている。
「だから・・・」
「うぁぁっ」
外気に晒された僕のものを。
綾緒は、丁寧に扱き上げて往く。
「いつもの感謝も籠めて、綾緒が精一杯、御奉仕致しますね?」
「う・・・い、嫌だ・・・やめてくれ・・・」
僕は首を振る。
蒲団から這い出ようともがいた。
けれど綾緒の腕は僕を掴んで、脱出を阻んだ。
「愛しております。綾緒のにいさま」
紅を塗ったような赤い唇を形の良い舌がなぞった。
「だ、駄目だっ!」
これ以上先に進んでしまったら、完全に引き返せなくなる。
「にいさま」
「うわぁっ」
「にいさまは、何も考えなくて良いのです。総て綾緒に御任せ下さいな。にいさまはただ、綾緒を感じ
ていてくれればそれで良いのです。幼子のように、綾緒を求めて下されば、それで」
馬乗りになった綾緒は着物をずらして往く。
雪の肌の中に見える女の部分は、しっとりと濡れていた。
「にいさまだって、寂しかったでしょう?そうでなければ、あんなことをしませんよね?」
「あんな、こと?何の話だ・・・?」
「云ったはずですよ?織倉由良を、家にあげないように、と」
「――」
何で・・・。
「そのこと・・・っ」
「それも云ったはずですよ?」
綾緒は乱暴に僕のものを握りこむ。快楽よりも痛みを優先させるように。
「綾緒は何時でも、にいさまを見ています、と」
「う、ぁ・・・」
従妹の表情は淫蕩なそれのまま。
けれど、その瞳は暗く濁っていた。
「罰を与える――本来ならば、そうするところです。でも、綾緒と逢えなくて、にいさまも寂しかった
のですよね?とうさまを説得出来なかったのは綾緒の落ち度です。ですから、織倉由良の件でにいさま
を責める様な真似は致しません。だって、大切なのは“これから”ですからね・・・」
ゆっくりと。
綾緒は僕のものを自身の中に宛がう。
繋がる。
それはあってはならないこと。
「や、やめろ!やめてくれぇ!」
「やっと・・・やっと愛しいにいさまとひとつに・・・・」
「駄、駄目っ、うあああああ!!」
躊躇は無かった。
僕に跨った綾緒は、全身を重力に任せていた。それは、進んではいけない道へ足を向けることと同じで
あった。
「んぅっ・・・にい、さまァ・・・!!」
何かを突き破る様な感覚。それは一瞬のこと。
従妹は顔を歪め、すぐに呆けた笑顔で僕を見おろしていた。
「う、うわぁぁっ」
自分の口から漏れる悲鳴。
それは、起きてしまったことに対する恐怖と、それを上回る快楽からだった。
締め付ける。
そう云う表現は聞いたことがあるけれど、綾緒のそれは、そんな次元を超越していた。
まるで全方向から舌で舐め上げられる様に。絡みつき、僕という存在を絞りつくすかの様に。
男を悦ばせることに特化した器官と動きは、僕の思考を壊すには充分だった。
「んんぅっ・・・にいさま。綾緒の、にいさま・・・」
どこか夢見るような瞳。
念願かなったからか。それとも、行為自体に酔っている為か。
217ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 01:01:13 ID:r6GuVZQE
とろんとした表情の従妹は、にいさま、にいさまと呟きながら、一方的に腰を振っていた。
痛みを感じていないのか。
陶酔は、痛みをも甘美な快感へと変質させているのか。
鶯の鳴き声は、どこまでも艶やかだった。
「うああ、うぁぁぁ」
僕は何も考えることが出来ない。
恐怖と、悔恨と、快楽と、自失。
脳内がどろどろに溶けて、叫んでいるのか呻いているのかも判らなかった。
「あ、ぁぁぁ、にいさま。にい、さまぁ・・・!」
綾緒が上下する度に、僕の意識が飛びそうになる。
自分がどの様な表情をしているのかすら判らない。
あるのは奇妙な恐怖と、恐ろしい程の快楽だけ。
「ああぁ、にいさまぁ、にいさまァ!綾緒の中に、にいさまを・・・んっ・・・にいさまを感じます。
もっと、もっともっともっとぉ、もっとにいさまを、綾緒に感じさせて下さい」
綾緒の中は際限なくきつく、気持ち良くなっていく。
限界が訪れるのは、時間の問題だった。
「お願いだ、綾緒、もうっ・・・もうやめてくれ・・・」
「にいさま・・・にいさまも、気持ち良いのですね?綾緒を感じてくれているのですね?」
「こ、こんなの・・・駄目、だ・・・」
「云ったはずですよ?にいさまは・・・にいさま、は、何も考えなくて良いと。唯、唯、綾緒に・・・
綾緒に、甘えていれば良いのです」
笑う従妹の顔は。
恐ろしく妖艶で、恐ろしく高圧的であった。
綾緒は僕に尽くしているつもりで、どこまでも僕を支配して往く。
今この瞬間も、僕を見定め、思う通りに動かしていた。
恐怖と。痛みと。そして、快楽。
綾緒は従兄をコントロールする術を完全に身につけていた。
どう動き、どう攻めれば良いのか。
知悉し、楽しんでさえいた。
(身体が、おかしくなってる・・・)
まるで望んでいない相手としているのに。
(もっと・・・もっと動いて欲しいと思ってる・・・・)
感覚が一点に集中し、その場に齎される快感だけにのめり込んで往く。
知性も。理性も。
何もない。
貪ることだけを身体が欲していた。
日ノ本創という人間が、楢柴綾緒という化生に喰われて往く。
心も、身体も、何もかも。
綾緒の口は僕をしっかりと啄み、“それ”を飲ませろと無言で要求していた。
「さあ、にいさま、にいさまの子種を・・・綾緒に授けて下さいませっ・・・・」
弄ぶことを止め。
絞り尽くすことに集中した従妹に抵抗する術は無い。
「う、うあああああああああ」
僕は泣いていた。
泣きながら、綾緒の中に果てていた。
「んぅぅっ。にいさま、にいさま。まだ、まだまだ足りません。もっと、もっと授けて下さいませっ」
それは、僕の中の僕と、僕の中の綾緒の消滅だった。


218ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 01:03:30 ID:r6GuVZQE
家についたのは、夜になってからだった。
どうやって帰ってきたのか、覚えてもいない。
楢柴の車を断ったことは記憶にあるので、何時間も掛けてふらふらと歩いて来たのだろう。
あの後――
綾緒は壊れた僕を抱き続けた。
身も心も枯れ果てる程に絞りつくし、満足そうに笑っていたように思う。
愛しそうに自らの腹を撫で、何か呟いていたように見えた。
玄関についた僕は、その場にへたり込んでいた。
家に帰ればホッとするはずなのに、涙が出て止まらなかった。
膝を抱えたまま、ずっとそうしていた。
廊下に置かれた電話が鳴ったのは、その時だ。
普段の習慣がそうさせたのだろう。
僕は受話器を耳に当てていた。
片耳は心同様壊れている。
聞こえる方の耳に、受話器をあてた。
僕の口から声は出ない。
その気力がなかった。
「あ、日ノ本くん?やっと繋がった!さっきからずっと電話してたのよ?」
「・・・・・」
それは誰の声だったか。
親しい先輩・・・いや、僕の恋人だったか。
どちらでもいい。
「日ノ本くん、お昼のことはどういうつもりだったの?朝歌ちゃんには謝罪されたけど、日ノ本くんの
言葉を聞きたいの。ねえ?私の覚悟、まだ伝わってなかった?もう一度命を掛けなきゃ駄目?」
「・・・・・・」
何かを云っている。
よく聞き取れない。
こちらの耳は、壊れていないはずなのに。
「ねえ、日ノ本くん、私、寂しいと死んでしまうのよ?」
「・・・・・・」
「聞いてるの?返事をして!」
「・・・・・・」
「どうして返事をしてくれないの?それとも、何かあったの?」
「・・・・・・」
「何かあったのね?判った。今すぐそっちに往くから待ってて」
電話は一方的に切れた。
何が判ったのだろう。
自分でも自分が判らないのに。
兎も角、誰かがここに来るらしい。
誰が来るかは判らなかったが、逢ってはいけない人のような気がする。
ここも、僕にとっては安住の地では無いのだろう。
壁に掛かっている能面が、じっとこちらを見つめている。
貴方を見ていると、誰かが云った。
心身が摩耗していて、それも誰の言葉か思い出せない。
僕は受話器を澱んだ瞳で見つめると、そのままにして外に出た。
家の鍵は掛けたろうか。
どうでも良いか、そんなこと。
靴も履いていない。
ただ、どこへともなくフラフラと歩いた。
心身悉く吸い尽くされたせいか。
それとも別の理由か。
総てが消耗し、意識が摩耗している。
自分が生きているのか死んでいるのか、それすらも識別出来ないくらいに。
どれくらい歩いたろう。
5分か、10分か、それとも1時間か。
疲労に疲労が重なった頃。
ぎゅっと。
何かが僕の手を握っていた。
いつの間にか、すぐ傍に誰かがいたのだ。
219ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 01:05:47 ID:r6GuVZQE
酷く小さく、華奢な人影がそこに在った。

「何をしているんですか。こんな所で」

抑揚の無い声。
痩身の少女は、じっと僕を見つめている。
「・・・・・」
僕は答えない。
これは誰だったろう。思い出せない。
唯、逃げなければいけない相手では無いような気がした。
少女は僕の手を握ったまま見つめていたが、やがてどこかへ引っ張り始める。
抵抗はしない。
そんな気力は無い。
少女に腕を引かれて、唯のろのろと歩くだけ。
やがて、どこかに到着する。
すぐに着いたような気もするし、結構歩いたような気もする。
時間の感覚も無い。
到着した場所は、どこかの家の中。
澱んだ瞳に映るのは、大量の本。
廊下にも、階段にも、部屋の中にも。
目に入る範囲に、形大小様様な書籍が積まれている。
どこか見覚えのある光景だった。
懐かしい感覚。
僕はここへ来たことがあったようだ。
通された場所は、矢張り本だらけの一室。
なんだか安心する。
そう思った瞬間、力が抜けた。
地面に張り付いて、動くことも出来なかった。
ちいさな誰かが、何か云っているが、答える気力は僕には無い。
深い闇の中へと意識を沈めるだけだった。

意識を取り戻した時視界に入ったのは、本の山。
窓からは陽の光が射し込んでいる。
どうやら僕は眠っていたようだ。
ここはどこかの部屋の中。
大量の本に埋もれた部屋の中。
本の山は綺麗に積まれているが、その量が多すぎるために雑多な印象を受ける。
「どこだ?ここ?」
場所が判らない。
何となく見覚えはあるのだが。
そもそも自分は、何でこんな所にいるのだろう?何でこんな所で寝ていたのだろう。
辺りを見回す。
すると、すぐ傍に気配を感じた。
ちいさな身体が、僕に寄り添う様にして、穏やかに寝息を立てていた。
痩身矮躯を猫の様に丸めて、僕の服を握っている少女の姿があった。
「ひ、一ツ橋?」
何で僕はここにいて、一ツ橋が隣で寝ているんだ?
理解が追いつかないが、兎に角、本人に聞かないことには始まらない。
僕は寝息を立てる後輩の身体を揺さぶった。
「お、おい、一ツ橋?起きてくれ」
「ん・・・」
昔馴染みは僅かな振動で目を覚ます。
無表情だが眠たそうな目のままで身体を起こした。
「おはようございます、お兄ちゃん・・・」
「おはよう。って、何でお前はここで寝てるんだ?」
「私が私の部屋で寝ていることが不思議ですか」
「え?」
僕は改めて周囲を見渡す。
云われてみれば成る程。
220ほトトギす ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 01:08:33 ID:r6GuVZQE
ここは博識な教授と、その娘の暮らしている家屋に相違なかった。
「待てよ、じゃあ何で、僕はこんな所にいるんだ?」
目の前の人間に問いかけたのか。
それとも自分の記憶を探ろうとしたのか。
僕がそう云うと、一ツ橋はじっとこちらの目を見つめた。
表情は無い。だけど、真剣さの伝わる瞳だった。
「僕は・・・昨日・・・・」
(!!!)
思い出した。
吐き気の催す様な出来事を。
鶯の巣で起こった、忌むべきことを。
かたかたと身体が震える。
目の前が霞んで、寒気が全身を包み込む。
その瞬間――
僕の頭を小さな身体が抱きしめていた。
「一ツ橋・・・?」
「大丈夫です」
無機質なのに、穏やかな声。
「大丈夫・・・。怖がらなくて良い」
「ぅ、あ・・・でも、僕は・・・」
綾緒と・・・。
「大丈夫・・・」
一ツ橋は僕の頭を撫でる。
心臓は痛いくらいに鳴り響いているのに、不思議と心が凪いでいた。
「私が護ります」
表情は見えない。
声に抑揚も無い。
けれど、一ツ橋からは強い意思のようなものが感じられた。
「お兄ちゃんを不幸になんてさせません。私の人生と引き換えにしても、幸せにしますから」
だから泣かないで。
一ツ橋はどこまでも静かに。
「っ・・・・」
僕は再び身を震わせる。
涙が出た。
身体の震えが止まらなかった。
221無形 ◆UHh3YBA8aM :2008/06/15(日) 01:10:38 ID:r6GuVZQE
投下ここまでです。
では、また
222名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 01:15:35 ID:q+d8LvQT
GJ!!
223名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 01:29:27 ID:Wtd2bxHO
なんという投下ラッシュ。
作家の皆さん、GJです。
224名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 03:03:20 ID:GDaLKlsV
な ん と い う ヘ タ レ(褒め言葉
そして綾緒の素晴らしいガロード・ランっぷりにヤンデレの光を見た
惜しみないGJを
225名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 03:21:02 ID:ncTRLDAq
ついにきたほトトギす!GJです!兄ちゃん軽く壊れた時の朝歌の慰め方めっちゃ良い。というか、綾緒の親父さんは、死んだということになるのか?
続き待ってます。
あとはことのはぐるま待つだけだぜ
226名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 05:13:34 ID:GiOiCHHv
久々の朝歌キタワァ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:* ミ ☆
二体のヤンデレモンスター相手にどう動くか楽しみです。

そして親父さんの安否が気になる…
227名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 11:44:15 ID:VLeSTx3p
そろそろヤンデレ家族の時間だな。
228ヤンデレウィルスに感染してみた:2008/06/15(日) 12:45:12 ID:vC+4sfDU
『ゲームソフト』

「さて、ラスボス倒して今日中にクリアだ」カチッ

「あれ、嘘だろ」

うふふ

「データが、ラスボス前のデータが」

まだ終わらないで、もっと遊びましょ

「消えてる・・・・・・」

あは、アハハハ!

「ちくしょおおおおおおお!」

ずっとずっと遊んでね・・・・・・
229名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 12:47:50 ID:vC+4sfDU
バイトおわたら他のも投下してみる
230名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 13:57:50 ID:SDpcmFzd
美月のバイトしてるガソリンスタンドってリッターいくら?
231名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 15:53:39 ID:IxSAScLV
三井死ね三井死ね三井死ね三井死ね三井死ね三井死ね三井死ね三井死ね
232ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:13:42 ID:bxuyQO3U
投下します。

前回(>>71)ああ言い残しましたが、予想外に長くなったので、予定を変更してお送りします。
233ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:15:15 ID:bxuyQO3U
***

『二月十六日 曇りのち雨 降水確率八十パーセント

 アタシと彼の同棲生活一日目。
 彼ったら、新しい家で暮らすのが嫌だって言うの。
 今まで住んでいた家の方がいいんだって。
 そんなこと言ってえ。本当はアタシがお願いしたらノーとは言えないくせに。
 彼はとっても疲れているみたいだったから、早速ベッドに寝かせてあげた。
 そうしたら、口ではなんだかんだ言いつつ、ベッドの上で大人しくなった。
 彼はずるい。そんな無防備な状態を見せるなんて、アタシを惑わすつもりかしら。
 据え膳食わぬは女の恥。
 当然体の隅から隅まで、じっくりねっとり味わわせてもらいましたとも。
 具体的に言えば、シちゃいました。合体、連結、ドッキング、フュージョン、みたいな。
 いやあ、はしたなくも学校でシたのも加えれば、一日に十回以上として、とっくに三十回は越しちゃった。
 少ないと自分でも思う。
 彼は性欲漲るぎらぎらした十代の高校生だから、もっと多くたっていいはず。
 でも、十四日は初めて一緒になれた感動で泣いちゃったからあまりできなかったし。
 十五日は授業に出て、さらにお義兄さんと談笑してたから時間がとれなかった。
 今日だって、彼を家まで連れて行くのに手間取ってしまって、家にたどり着いたのは正午をちょっとすぎたぐらい。
 ごめんね。アタシの友達、時間にルーズだから。
 まあ、車を出してくれるだけありがたいんだけど。
 明日は彼を連れて、また友達の車で移動。
 もうすぐ、彼の育ったこの町から離れられる。邪魔者は足跡を辿れなくなる。
 アタシの夢は、もうすぐ叶う。
 これからの一生、好きな人と二人っきりで暮らしていける。
 それを、誰にも邪魔なんかさせない。
 特に、あの金髪の悪魔には。    』

「今日の分は、これでよし」
 日記帳を閉じて、留め金具をはめ、誰にも見られないよう南京錠で鍵をかける。
 自分一人が読むだけの、同年代の女の子たちがよくやる日記。
 鍵がついてるから見た目は無骨だけど。
 これでも小中と学校に通ってきたから、宿題として日記を書いたことはもちろんある。
 けど高校生になってからは――――というか、あの事件の後からは、自分だけのために書いたことは一度もない。
 書くことがなかったわけじゃない。めんどくさかったわけでもない。
 彼を好きになってからは、書きたいこと、不満に思ったこと、嬉しかったことがいっぱいあった。
 ただ、それを書けなかった。
 自分のことを書こうとするたびに、あの男に犯された記憶が蘇って、気持ち悪くなってしまう。
 今、日記を書けているのは、彼の愛のおかげ。
 彼に抱かれてから、あの男の記憶が薄れた。
 きっと、彼が記憶を上書きしてくれたんだ。
 そうじゃなきゃ、こんなに体が軽くて、幸せな気持ちになんかなれないもの。
 なんだか若返ったみたい。
 いやいや、実年齢だって十分若いけど、そういう面のことじゃなくて、精神的に。
 自分が世界で一番幸せとか、自分が世界の中心にいる、みたいに思えるようになった。
 そういうこと考えてたのは、小学から中学入りたての時期だった。
 それが、高校生になった今頃そう思えるようになったのは、やっぱり。
「彼が、アタシの、アタシだけのものに………………」
 あー、もうダメ。
 叫ばずにはいられないって。歓喜しないわけないって。机だってバンバン叩いちゃう。
 アタシ、彼のお嫁さんになったんだ。彼には、アタシだけしか頼れる人居ないもんね。
 本当は彼からプロポーズされたかったけど、状況が状況だから仕方ない。
 アタシに告白されて、過程はどうあれ彼はアタシを抱いてくれたんだから、オーケーの返事をもらったようなもの。
 それに、たっぷり中に注いでもらったから、子供だってできちゃうかもね。
234ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:16:23 ID:bxuyQO3U
「…………そう、だったらいいな」
 でも、望みは薄い。
 あの男に犯されて、一回だけ堕ろしたことがあるから。
 考えないようにしてたけど、やっぱり子供をつくれないかも、っていう不安は堪える。
 彼に申し訳ない。そりゃ、簡単に妊娠なんてしないものだけど、いつまでも身ごもれないのはアタシが悪いんだと思われそう。
 こんな体になった原因はアタシにはないけど、その原因を彼に話していない以上、アタシの責任に思われてしまっても仕方ない。
 でも、これから打ち明ける気にはなれない。
 彼に嫌われたくないし、それに――――過去は過去だから。
 アタシが努めるべきことは、彼の心の奥の奥まで、彼の体の隅から隅まで、アタシの色に染めること。
 真心の籠もった『愛してる』を言わせること。
 絶対に、言わせてみせる。
 アタシは、彼と一緒に幸せになりたいんだ。

「う……ぁ……」
 あ、彼が起きたみたい。
「ううう…………い、やだ……こんなの」
 なんだかうなされている。
 四肢をベッドに縛り付けているのが原因かな。
 でも、この方が色々都合がいいから、許して欲しい。
 あなたの身の安全を守るためには、アタシの目が届く位置に居てもらう必要がある。
 外に出たら、怖い怖い金髪のホルスタインや、畜生みたいに血の繋がりをあっさり無視する妹さんと遭遇しちゃう。
 それに、それに…………アタシ、縛られてるあなたが好きなの!
 動けないあなたを犯してるのに、実はあなたに体を貫かれて犯されている、っていうのがいい。
 あなたの方からアタシを求めてくれれば、こうする必要なんかないんだけど、ね?
「こんな、つもりじゃ…………なかったのに、ごめ……ん」
 それにしても、どんな夢を見ているのかな?
 なんで謝ってるの? 
 その言い方は何かやらかした人間のものでしょう。 
「僕は、僕が…………本当に、好き……のは…………」
 あら。あらあら?
 寝言で告白するつもり?
 理想とはほど遠いシチュエーションだけど、好きだと言ってくれるならば甘んじて受け入れましょう。
 ふふふ――――さあ、打ち明けなさい。ドーンと!
「は、なび…………だから、ごめん」
 ……あのー、花火をドーンと打ち上げてほしいわけじゃないよ。
 違うでしょ。あなたが言わなきゃいけないのは、あたしの名前。
 忘れちゃった? なら思い出させてあげる。
「僕は、澄子ちゃんが好きだ。澄子ちゃんが最高に好きだ。澄子ちゃんが欲しい。アイウォント澄子。
 澄子ちゃんを抱きたい。澄子ちゃんのためなら死ねる。愛してる、澄子!」
 さあ、つられて言ってしまいなさい。
 アタシのことが好きだと!
「助けて、花火、にいさん…………」
 忌々しい金髪女の次は、先輩?
 先輩は助けになんか来てくれないよ。
 今頃は誰かに発見されているだろうけど、アタシの跡を追うことは不可能。
 先輩はアタシの家がどこにあるのか知らない。行き先なんかもちろん教えていない。
 理想郷? そんなもの、どこにもない。どんな場所にでも人が住んでいる限り悪意は潜んでる。
 でも、たった二人きりの場所だったら、その限りじゃない。
 彼さえいれば、アタシにとってはどこだってユートピアになる。
 そう思っているのに、あなたはアタシ以外の女にしか興味を抱かない。
 告白しても、アタシの気持ちを疑って、気のある素振りを見せない。
 たとえ夢の中でも、アタシの割り込む隙間を作らない。
 徹底的に、拒み続ける。
 そんなことされたら、いつまでもあなたを好きなままのアタシは、強引な手段をとるしかないじゃない。
235ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:17:52 ID:bxuyQO3U
 彼の頭の左右に手をついて、上から覆い被さる。
 まだ彼は気付かない。眉根を寄せて眉間にしわを寄せている。
 なんだかなあ。この体勢の時にそんな顔をされたら、アタシにのしかかられるのを嫌がってるみたいで、気分が悪い。
「悪い子には、おしおき……」
 右手で彼の顔を正面に。何度見ても可愛い寝顔。
 見るだけで、うずうずして抑えが効かなくなる。
 頬が熱くなって、眠りの魔法をかけられたみたいに目がトロンとして、夢中になってしまう。
 目を逸らせない。
 でも、今は逸らさなくてもいい。以前とは違うんだから。
 同じクラスで、遠目にあなたを見ている時は、あなたと目があったらすぐに目を逸らしてた。
 片思いをしているに過ぎないアタシには、そうするのが精一杯。
 それが今じゃ、あなたの命を握るまでの立場になっている。
 生殺与奪――――生かすも殺すもアタシ次第。
 たまらない。ゾクゾクする。こんな幸福感、普通じゃ絶対に味わえない。
 手を繋いでデートしたり、ムード満点の場所で愛を囁かれることに、憧れなかったわけじゃ、ないけど。
 それ以上に、あなたを独占できる今の状況は最高。
 やっぱり、アタシはどこかがおかしい。世間からズレている。
 いつからおかしくなっていたか。
 あの男に乱暴された時から、じゃない。
 あなたに出会った瞬間から、でもない。
 きっと、あなたを好きになった時からだ。
 そして、それからあなたの身は危険にさらされていた。
「自分で言うのもなんだけど…………きっと、アタシに出会ったことがあなたの不幸だったのよ」

 彼が目を開けて、アタシを見る。
 アタシは、彼の目の色が変わる前に、アタシへの拒絶を浮かべる前に、目を閉じて彼の唇を奪った。
「む……っあ、やめ…………」
 顔を逸らそうとしても無駄無駄。
 どのみち、アタシからは絶対に逃げられないよ。
「ん、ふ……ぁ……ん…………あっ……ん、ふふふ」
 舌を絡め、彼の体に抱きついて、股間を撫でる。
 縦に動かしたり、こねたり、握ったりしていると、だんだん固くなってきた。
 それはアタシの行動を許可してくれた証拠。体は嘘をつかない。
 彼は徐々に、しかし確実に、アタシの唇や匂いに反応しはじめている。
 知覚した時には、快楽を味わえる、と。
 いわゆる条件反射だ。
 そういうのも悪くない。
 数を数えれば、彼がどれくらいアタシの色の染まっているかの度合いが分かる。
 うふふ、ふふふ。
 あははは、は。……ははははは!
 すぐに、アタシに、アタシの与える快楽の奴隷に、してあげる。
 葵紋花火のことなんか、数日の間に忘れさせてあげる。
 夢にも見られないようにしてあげる。
 
 あなたは一人しかいないから。
 あなた以外に、あなたみたいな人はいないから。
 何もせずに、他の女のモノになってしまうのを見ているなんて、絶対にできない。
 このチャンスは逃さない。
 あなたは二度と放さない。死ぬまで、いいえ、死んでも放さない。
 アタシが死ぬ時が、あなたが死ぬ時。あなたが死ぬなら、アタシも死ぬ。
 あなたは同じ事を思ってくれないだろうけど。
 一方通行な、一蓮托生の誓い。
 そう思いこむぐらい、あなたが好き。
 十分の一でもいいから、あなたに伝わって欲しい。
 そうしたらきっと――――アタシのことを好きになる。
236ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:18:47 ID:bxuyQO3U
「お願いだから、アタシのことを好きになって…………ね?」
 そう言っても、彼は首を振るばかり。
「ごめん」
「どうして、謝るの」
「何度も言ってるように、僕が好きなのは、花火だから。
 澄子ちゃんを選んで、花火から離れるなんてこと、僕にはできない。
 好きになってくれたのは嬉しいけど、応えられない。だから、ごめん」
 言うねー。
 とっても傷つくよ、今の言葉。
 でも、でもね。
「謝られても、アタシは諦めない。あなたの心が、折れるまで。
 また、気絶するまで気持ちよくさせてあげる」
「やめて、くれ」
「やー、よ」
 彼は下半身を唯一包んでいる下着をずらす。
 明らかに他の箇所とは違う熱を宿らせた陰茎が、存在を主張する。
 それを、可愛がるように手で包む。
 彼の顔は、それだけで何かをこらえるように固くなり、そっぽを向いた。
「我慢なんか、しなくていいのに」
「違う……澄子ちゃんにこんなことされたくないって、思ってるんだ」
「正直になりなよ。
 あなたが耐えるなら、心が折れるまでアタシは続ける。
 最初からさあ、受け入れた方が楽だと思わない?
 もう二度と、アタシから逃げることなんかできないんだし」
「そんなこと、わからない」
「無駄よ。変な希望を抱くだけ、叶わなかったときのショックが大きくなる。
 お別れしましょう。今までの環境から。
 両親のこと、お兄さんのこと、妹さんのこと、幼なじみのこと。
 そんなもの、重荷になるだけよ」
「そんなこと! そんなの……駄目だ。僕には、花火や兄さんが必要なんだ」
「へえ、そう」
 指を動かして、彼の陰茎の裏スジに這わす。
 柔らかな部分をひとさし指の腹で責める、というか弄る。
 続けていると、時々びくびく動いて、硬さも増してきた。
「う……っあ」
「じゃあ、耐えてみたら? 
 縄の腐りかけた橋を渡ってるときみたいに、いつかは落ちちゃうってびくびくしながら、アタシの責めに耐え続ければいい。
 勝てるはずのない戦いだけど――自分の信念を貫いたなら、屈服しても納得できるよ、きっと。
 僕は昔花火のことが好きだった、でも今は好きじゃない、とか言うようになる」
「……ない。絶対に、僕は負けたりなんかしない。
 曲げられるものと、曲げられないものがあるんだ」
「かっこいいね。ますます、惚れちゃいそう。
 これ以上好きにさせてもらっちゃ、本当にもう、困っちゃうよ」
 いつか折れちゃうものを、健気にも守っている彼は、アタシの想像通りの人間。
 そして、折れるまでじわじわ追い詰めるのが好きなアタシは、かなりサディスティックだ。
237ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:19:33 ID:bxuyQO3U
「覚えてる? 昨日の夜、あなたがなんて言ってたか。
 気持ちいいって。アタシの体が欲しくて、仕方なくて、動きが止まらないって言ったのよ。
 アタシがやめてって言っても、ずっとやめなかったんだよ」
「そんなの、嘘だ」
「嘘じゃ、ありませんよ?」
 ふふん、都合の良いアタシの想像に決まってるじゃない。つまり嘘よ。
 まあでも、こう言ったら彼の動揺を誘えるから、悪い手じゃない。
 それに、まるっきり嘘でもない。
 一昨日に比べて、明らかにアタシの体に慣れて、応えるようになってる。
 そういうの、受け入れる側の女からすればわかるんだよ。
「あなたはアタシに傾きかけてる。そして、諦め始めてる。
 それでいいの。怖いこととか、不安になることとか、これからは一度も起こらないよ」
「嫌だ。僕は……忘れたくなんか、ないんだ!」
「忘れましょう? あなたは一番幸せになれる道を選んだだけ。
 誰もあなたを責めないわ。みんな、笑って許してくれる」
 優しく包み込み、彼の後ろめたい気持ちを和らげる。
 彼は心配してるだけ。
 葵紋花火や、お兄さんに怒られるのを。
「アタシと二人で辛いことを分け合えばいい。
 大事な人でも、物でも、目的でも、誓いでも、支えになる何かがあるから、人は強くなれる。
 そういうの、アタシは素敵なことだと思う。
 たとえ世界中の皆があなたを責めても、アタシだけは味方。
 どんなになっても、見捨てたりなんかしないよ。
 あなたの全てに、アタシは惚れたんだから」
 彼は首を振る。
「僕が望むのは……君との未来じゃないんだ。
 花火が居ないと、僕は、僕は………………」
 はあ。
 こりゃ、まだまだ意志は折れそうにないね。
 一昨日の夜から、彼との会話はずっと平行線で、交わることがない。
 でも時間はたっぷりあるわけだし。
 ゆっくりと、気持ちを変えさせてあげましょう――――いただきます。愛しいあなた。
238ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:20:26 ID:bxuyQO3U
 
 
「うぅん、そこ、イイ……気持ちいいよぅ………………う、ん?」
 閉じていた目を開けたら、いきなり快楽から解放された。
 というか、単に夢から目が覚めただけか。
 …………ちえ。すっごいもったいないことした気分。
 寝る前にもいっぱい中に精液を出してもらったけど、そんなものじゃ足りない。
 夢でも妄想でもいいから、もっと彼のことを考えていたいのに。
 目の前には彼の横顔。彼もアタシとシている最中に眠ってしまったみたいだ。
 今すぐ夢の続きをしてやろうかと考えたけど……安眠を妨げるのも気が引けるし、体力が回復しなかったら困る。
 体を起こして、両腕を伸ばして伸びをする。
 あくびをすると頭に血が巡り、眠気のもやを追い払った。
「…………ふう、今は夕方、かな?」
 窓の外を見る。空に浮かぶ雲は灰色で、夕日まで沈んでいる。
 時計の短針は六を指しているから、今日はまだ十六日だ。
 一日眠りこけていれば十七日だけど、たぶんそれはないだろう。
 携帯電話の画面に映る日付は二月十六日だ。
 それに、メールも届いてないし、電話も掛かってきてない。
 十七日になったら友達から連絡が来るはずだ。……忘れていない限りは。
「不安になってきたわね…………」
 もし向こうが忘れてたら、ここから移動するのが遅れちゃう。
 ここに留まっていたら、先輩や葵紋花火、その他のイレギュラーに発見される危険が高まる。
 そもそも、アタシの頼んだ通り、明日の朝の五時に迎えに来るかが怪しい。
 あの子、朝に弱そうだし。
「……連絡して、確認しよ」
 彼を起こさないよう、 ベッドからゆっくりと下りる。
 安らかに眠る彼。今はうなされた顔をしていない。
 眠りを妨げないよう、額と右頬、最後に左頬にキスをして、部屋を後にした。
239ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:22:21 ID:bxuyQO3U
「お断りだ」 
 なぜか知らないけど、初っ端からお断りされた。友達に。
 電話をかけ、相手から開口一番にそう言われては、こっちとしても言葉を選ばなければならない。
 どうして友達との電話で気兼ねしなきゃならないんだろう。
「あの、まだ何も言ってないんだけど」
「言葉を交わさずとも、伝わるものがある」
「テレパシー?」
「いいや、お前をよく知る人間としての勘だ」
 伝わってないじゃん。頼み事する気なんかなかったのに。
 それにいきなり断られるってどうなの? 友達って、そういうものかな?
「で、何の用だったんだ、澄子」
「ああ、あのさ、明日何時に迎えに来ればいいか、覚えてる?」
「もちろん。五時だろう」
 ……まあ、さすがに覚えてるよね。
「あと、約一日もあるわけだから、昼寝しても大丈夫だな」
「わかってない! 覚えてないよ! 夕方の五時じゃなく、朝の五時!」
「なに! よりによって日曜の朝に早起きして、しかもヒーロータイムを見逃せと!?」
「約束したじゃん! この間一本三万円するタイヤおごる代わりに協力してくれるって!
 しかも四本だよ!? 高校生に十二万円も払わせといて契約破棄するつもり?」
「そん、な……そうと分かっていれば、断ったものを。ああ、私のライドピンクの活躍が……」
「しかも断るんだ……時間ずらすよう頼むとか、しないんだ……」
 彼もそうだけど、高校生以上の年齢層が夢中になれるほど面白いものなのかな。
 アタシなんか小学生の頃でも戦隊ものに興味なかったのに。
「録画しておけば後で見られるじゃない」
「わかってない! リアルタイムで見る興奮をお前はわかっていない!
 いいか、録画じゃ、興奮が三割減少するんだ!」
「いや、そんなことを主張されても」
「早起きしてテレビの前に座り、CMが明けるまでの待ち遠しさ。
 前回のラストシーンから始まり、続けて流れるオープニングテーマを聞いたときの、童心に帰る心地。
 番組関連の玩具やソーセージのCMを挟んで見る、流れるような本編の展開。
 次回予告を見る時の、もの悲しさと期待。来週もまた元気に生きようって、そう、思えるのに……」
 うわあ……結構深刻そう。
 そっか。この子にとって、きっとヒーロータイムは、アタシにとっての彼みたいな存在なんだ。
 しょうがないなあ、もう。
「わかったわよ。何時からだっけ? 八時?」
「……七時、三十分」
「その時間になったら、途中のサービスエリアに寄って見ていいから」
「…………本当に?」
「本当、本気、真剣、マジ、嘘じゃない。だから落ち込まないの。事故ってもらっちゃ困るし」
「澄子」
「なによ?」
「愛してる」
「あっそう。アタシはあんたじゃなくて、他の男が好きなの。ごめん」
「なるほど、ツンデレか」
「アタシはツンデレじゃないんだけどね……」
 あえて言うなら、彼に対してのみデレデレって感じ。
 それに、どのへんがツンだってのよ。デレてもいないし。
240ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/15(日) 18:24:10 ID:bxuyQO3U
「で、電話をかけてきたのは確認のためだけか?」
「え? えーっと、ね」
 初めはそのつもりだったけど、今はなんだかお腹が減ってる。
「迎えに来てくれない? 今から」
「お断りだ」
「振り出しに戻らないでよ……」
 またさっきの会話をリフレインさせる気はない。
 向こうには、試しに会話を振ったらノってきそうな気配がある。
「どーーしても、迎えに来る気はないわけ?」
「最初から約束していたならともかく、澄子の腹の虫の面倒まで見る気はない。
 歩いていけばいいだろう。コンビニが近くにあったはずだぞ」
「その距離を歩いているうちに襲われる可能性もあると、思わない?」
「それなら、また去年の文化祭の時みたく、忍者の格好でもして行けばいい」
「……ヤなこと思い出させるわね、こんな時に」
「なんの話だ?」
「いいえ、なんでも」
 この子、去年の文化祭でアタシのコスプレ見てるのよね。
 その日の晩に衣装ボロボロ、体をボコボコにされたことまでは知らないでしょうけど。
 今回先輩を拉致監禁したのはアタシだけど、先輩がばらさない限り葉月さんが襲ってくることはないはず。
 先輩の性格からして、アタシをかばって口を割らないのは予想がつく。
 ああいう人って優しいから、利用しやすい。
「……ま、いいわ。自転車で行ってくるわよ」
「ああ、気をつけて行ってくるんだぞ」
「そう思うなら迎えに来なさいよ」
 この子は、いちいち心にもないことを。
「気をつけて帰ってくるんだぞ。家に帰ってくるまでがお遣いだ」
「あんたは、いちいち心にもないことを!」
 叫び、電話を切る。

「あ、やば」
 今ので彼、起きちゃったかな?
 部屋のドアを開けて見る。……よかった、まだ寝てる。
「ごめんね。ちょっとだけ一人にしちゃうけど、すぐに帰ってくるから。
 寂しがらないでね? 帰ったら晩ご飯、食べさせてあげるから」
 もちろん、全部あーん、で。
 それとも、口移しがいいかなあ?
 うーん……よし決めた!
 出血大サービス。両方やろう。
 澄子ちゃんの愛、文字通りお腹いっぱいに味わっていただきましょう。
「うっふふふ。くっちうっつし。くっちうっつし」
 足取りも軽く玄関へ。
 新婚の旦那さんって、こんな気持ちなのかもなあ。アタシの場合は奥さんだけど。
 二月の夜の肌寒さもなんのその。平気、へっちゃらです。
「じゃ、行ってきまーす!」
 元気よく言い残し、鍵を掛けて家を出た。
241名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 18:27:36 ID:bxuyQO3U
今回はここで終了です。

いろいろと、ごめんなさい。
次回で死闘編は終わります。
242名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 18:48:31 ID:dgQtzPSU
乙。
もう何も言わない。
243名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 18:50:25 ID:hyoyIzed
一番槍GJ!
新キャラを交えてストーリーがどんな結末を迎えるのか!
wktkwktkしながら続きを待ちます!
244名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 18:51:49 ID:n5lHQZS7


来週がただただ待ち遠しいです。
245名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 18:53:06 ID:hyoyIzed
一番槍じゃのうたorz
うぅ、悔しいのう、恥ずかしいのう
246名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:00:19 ID:NdWtfWKX
弟―――――ッ!!
夢オチかと思ったけど違ったか…
サービスエリアってことは高速だし2時間は走るからどこまで行くんだコレ。
兄貴は出てこないしどう転がるか全く想像がつかない。
そして死闘編は何をもって完結なんだ…
とにかく週刊傍観者、GJでした。来週も楽しみにしております。
247名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:10:54 ID:IxSAScLV
お兄ちゃんがどうなったのか気になる。

ともかくGJ!!
248名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:23:45 ID:D33g6xvz
GJ!弟より兄貴のほうが心配だwww
これって俺だけ?
249名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:27:13 ID:jaictH/u
澄子ちゃん、夜道には気をつけろよ。(花火的な意味で)
250名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:39:26 ID:AUk4Kyj4
正直、弟なんかより兄貴が気になるな。
251名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:47:41 ID:/tkC1+Kk
GJ!
やべー、澄子可愛いすぎw
ある程度交友関係も持っていながら彼一筋ってのがいいね。
252名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:58:20 ID:1bmPTzHI
兄貴は羊の皮を被った狼だと予想
兄貴に期待、GJ!
253名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 20:29:11 ID:+p0CPZG1
ホトトギスが来てる‥‥ありがたやありがたや
254名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 20:41:09 ID:2QVi7B0J
弟、絶対兄貴に関して負い目あるよ。
ただの家族愛なら妹のこと一回も呼ばないのはおかしい。
うーん、死闘はまだ続く。どこに着地するんだろうね。
楽しみに待ってます! GJ
255名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 20:45:39 ID:LaNgllEO
乙っす

あと終わりとか勘違いしてるバカがいるけど、
死闘編が終わりな!

たぶん
256名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 21:05:09 ID:UjOg+Brl
兄貴の覚醒に期待っ
257名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 21:05:40 ID:ncTRLDAq
兄貴しか見えない
258名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 23:22:36 ID:IxkENcWL
スクールデイズとダブルキャストを久々にやって思った。
…このスレのSSをゲーム化するなら何が良いと思う?
259名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 23:46:20 ID:q+d8LvQT
カチカチ山、お茶会、ことのはぐるま

そういえばお茶会のゲーム化みたいな話もあったよな?

260名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 23:46:46 ID:dgQtzPSU
>>245
くやしいのう
261名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 00:04:35 ID:oyZk6Hf3
>>254
負い目とかじゃなくて、幼少期に自分と妹の命を助けてもらったからじゃないか?
なんかそういう感じのことがほのめかされてるし
要するに、弟にとっては兄は無敵のヒーローみたいなもんなんだろうよ。自分がピンチの時には必ず駆けつけて助けてくれるっていう
262名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 00:05:44 ID:xX8vRdm8
いない君、監禁トイレ、ことのはぐるま
が自分の中ではあってほしいな。特に監禁トイレ
263ヤンデレウィルスに感染してみた:2008/06/16(月) 01:01:48 ID:vTbj9rqy
あああーバイトおわったー!
寝る前に投下
264ヤンデレウィルスに感染してみた:2008/06/16(月) 01:11:04 ID:vTbj9rqy
『heartshot』

Aim――HeadShot

今日も一匹、主に擦り寄ってきた醜い肉の塊をモノに変える。
弾けた頭部が、醜悪な肉塊のくせに割りときれいな花を咲かす。
この肉を沈めたのは、まあ、予防だ。
これ以上近づかれては目障り、それで十分。
前の前の汚物は主の唇を奪った、だから撃った。
撃ったといっても口を広げてやっただけ。主を汚した唇と引き換えに。
風穴開いた大口なら馬の×××も咥えられるだろう、ビッチにはお似合いだ。
明確な罪状があるのはそいつだけ、だと思う。多分。
主がまるで誘蛾灯かのように、蟲は寄ってくる。
何匹狩ってもきりがない、次から次へと沸いてくる毒蛾ども。
一匹一匹撃ち落すのはいささか面倒ではあるが、主との二人だけの世界のため。
苦労があるからこそ、喜びもひとしおだ。
二人きりの時間、主と私の至福の一時。

油断した。
少しペースをあげすぎたか、犬どもに嗅ぎ付けられた。
見つかってからの奴等の対応は意外と早い、思ったより優秀。
それが鼻につき逃走途中に数人を地獄へと突き落とす。
仲間を殺され怒った奴等は数を増し、あげく特殊部隊までご登場。
どっちが悪いのかも分からないのか、所詮犬だ。
そして愛の逃避行は終わりを告げる。
囲まれた、地上は盾を持った亀に包囲され、高所にスナイパーが3人、スコープから主を視姦する。
後数分もしない内に主は狙撃され死ぬだろう。
それは嫌だ、とても嫌なことだ。
けれど、主を他人の手に渡すことはもっと嫌だった。
だからせめて、最後は私の手で。
そこで気づいた。気づいてしまった。
私では主の心臓を打ち抜くことができない事に。
その時、音速を超えた鉛が主の胸を貫いた。
Aim HeartShot
正確に心臓を貫かれ開いた穴から血液が噴出し私へ降りかかる。
ああ、なんて、あたたかい……
私を離すことなく、膝から崩れ落ちる主。
HeadShot
主は頭部の半分を亡くし絶命し、私は地面へ放り出された。
広がる主の血の海に沈みながら、主の匂いに包まれながら私は願う。
もしも、生まれ変われたのなら、私をもう一度主のモノにしてください、と。
265名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 02:44:48 ID:9n6M74CS
ええっと•••終わり?
266ヤンデレウィルスに感染してみた:2008/06/16(月) 08:05:02 ID:gOHkfPJ3
あごめん寝落ちしてたw
終わりです
267名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 08:32:12 ID:gOHkfPJ3
ヤンデレウィルスに感染してみたシリーズ(笑)は
後は短編3つくらい投下予定
基本的は物をヤンデレ化してみるお
ID変わるのは携帯とPC両方使ってるから
268名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 08:53:41 ID:MGi14TT4
ふと思ったんだがツンデレがヤンデレに変わるとかどうよ?これってありきたり?
普段は男にツンツンして、いざデレようという寸前で男は他の女と付き合ってしまう
間近で男と女の幸せぶりを見せつけられ自分から離れていく男
男としてはツンデレがツンツンしてばかりいたから離れる良い機会と思っている
ツンデレ女は徐々に病んでいき、そしてヤンデレに変わるという

……ありきたりだな。なんか斬新なヤンデレってないものかね。病みに病んで病みまくりとかさ
269名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 11:09:11 ID:OWaDNwEh
投下します
270親友の謎:2008/06/16(月) 11:11:31 ID:OWaDNwEh
「最近ろくなことが無い」
 いや、正確にはろくなことが無い、どころの話ではない。
 何故ならおれは命を狙われているからだ。
 至って普通の高校生である俺こと武内正也が何故命を狙われているのかと言うと・・・
「正也ー! 一緒に帰ろ!」
 この、俺の親友が原因である。
 こいつの名前は寺田圭吾、俺とは小学校からの付き合いだ。
 こいつが何故原因かと言うと、こいつに最近彼女ができた。
 しかも物凄く可愛い子である。
 しかしながらこいつは彼女より親友であるこの俺を優先するのだ。
 そのせいで俺は毎晩、嫉妬に狂ったこいつの彼女に殺されかける。
 それはよろしくないのでこいつに言う。
「俺より彼女と一緒に帰ったらどうだ?」
 俺の命のためにもそうしてくれるとうれしいが・・・
「嫌だ。」
 きっぱりと拒否された。この話をするといつもこいつの機嫌が悪くなるのは何故だろう?
「でもなあ・・・」
「正也は僕と帰りたくないの?僕よりあの女狐を優先するの?」
 そう言って腕に抱きついてくる。こいつ、彼女を女狐っていったよな?
 まあいいや。
 正直、男と言うより男の娘と呼ぶべきこいつに抱きつかれて悪い気はしない。
 そして流されるままに今日もこいつと一緒に帰る。
 今日もどこかからこいつの彼女の視線を感じる。
 本当、ろくなことがない。
 けど、今日も頑張って生き延びよう。
 
271名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 11:13:27 ID:OWaDNwEh
以上です。短くてすいません
272名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 11:43:21 ID:SsELRjRq
>>271

GJっす!
何か新鮮だ

これで終わらすのは勿体無い

続きが読みたいぜ!
273名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 11:48:41 ID:qgmF1cma
>>271
投下乙です
何となく「外見は女だけど男友達」って新ジャンルがあったのを思い出したw
>>268
斬新では無いけど、好きな男に釣り合う自分になるため人知れず努力していたのに、
やっとそれが報われようとした矢先に他人に男をかっさらわれて、
今までの自分は何だったんだって絶望感からヤンデレる、っていうのを考えてた
あんま純粋な愛ゆえじゃないなこれと思って書くの途中で止めちゃったけど
274名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 14:09:07 ID:Y0QeOCKq
>>264
ライフル視点か。最後の一文にグッと来た。GJ!
275名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 18:20:27 ID:g5WdT+WZ
犯行に使用されたライフルはどうなるんだろうか
処分されるのかどこかに保管されるのか
死ねないライフルの夢はどうなる?
276名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:10:05 ID:Y4Y+Wi45
>>271
もっと書いてから投下した方がいい
あと注意書きも必要
277271:2008/06/17(火) 00:22:46 ID:CbUDsTTp
>>276
すいませんでした。注意書きはどのような感じで書けばよいでしょうか?
あと、皆さんに質問なんですが。
続きは書こうか悩んでいるのですが短いということは続きを書いたほうが
良いのでしょうか?


278名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:48:16 ID:FK32P/YQ
書くも書かぬも君次第。
悔いの無い様にな。

タイムスリップ+ヤンデレ物
誰か形にしてくれるか?

老婆となった(死んだ)病み娘の精神が、あの時代に戻る…と言う話。
○十年前…想い人死亡(もしくは他の女に捕られる)
この時病む。      ↓
○十年前…好きでも無い奴と結婚
あの人が忘れられない。↓単調な今の生活  
現在…病み娘死亡または何かで、あの人の居た時間へと…タイムスリップ

279名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:48:47 ID:2gd8X+ga
注意書きは「若干ホモホモしいです」とかかな?
作者さんが今後書くかもしれない続きで状況が変わるならいらないかもしれないけど、
今回投下されたのでは、恋愛感情が友人彼女→友人(男)→主人公って見えるから、
少しでもそういう描写があると嫌って人のためには必要かと
続きは投下してくれると嬉しい、ただ自分が読みたいだけだけどw
でもこれも無理矢理書けという訳じゃないしね
作者さんの続編を待ちわびて、スレ住民が耐えきれず
うっかりヤンデレ化するところを見れるかもしれないし
280名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 00:58:38 ID:MNoBIZD9
>>278
事の顛末は書き手に委ねるのかい?
かなり色々な最後が予想できそうなんだけど。
281 ◆busttRe346 :2008/06/17(火) 01:38:56 ID:6u6c9BFk
お初です。投下します
282或る木こりの話 一話:2008/06/17(火) 01:39:45 ID:6u6c9BFk
―――昔々のことじゃった。
ある山ん中に一人の木こりがおった。自分で小屋を建てて、独りぼっちで暮らしとった。
山には、木こり以外、二本足で立つもんはだぁれもおらんかった。木こりはそれでも気にせんかった。
なぜならそいつは、特別、人間という生き物を怖がっていたんじゃ。
木こりの身の丈は小さな杉の木ほどもあったし、座り込めば、でっかい岩みたいにしか見えんかったからの。
普通の人間が見たら、まず「バケモンだ!!」なぁんて騒ぎだすにちがいなかったんじゃ。
実際には、それ以上のことを木こりはされたんじゃな。石を投げられたり、鍬で襲われたり。
そんなもんだから、木こりは人間ってやつに愛想を尽かして、山ん中に引きこもっておったんじゃ。
寂しかったんじゃないかって?
そりゃあ、寂しかっただろうよ。木こりに話しかけてくる奴なんざいなかったからな。
木こりだって食っていかなきゃならねえ。森の動物達を狩っては、腹を満たしておった。
そんなんだから、鹿も猪も鳥も、みぃんな、木こりの姿を見ると一目散に逃げていったんだ。
ところがある日、木こりの家に娘がやってきたんだな。
それもとびきり綺麗なやつが、だ。


第一話


木こりが目を覚ますのは、きまって、太陽が真上に昇る頃であった。
朝を告げる鳥の鳴き声など、木こりの住む小屋には響かない。小鳥達は、この熊のような男を恐れていて、
彼が腹を空かしていなくとも、近付くことはなかったからだ。それゆえ、スダレの隙間から差し込む陽射しが
目を射るまで、木こりは延々と眠るのが常であったのだ。
ところが、である。
その日に限って、木こりは、早く目を覚ますことになった。
森のざわめき以外の音が、耳に飛び込んできたのだ。
―――トントントン。
当初、木こりは、それが小屋の戸を叩く音だと気付かなかった。
十数年のあいだ、そんな音を耳にしたことがなかったのだから、それも仕方のないことである。
太陽はまだ山の向こうで、崖をよじ登ろうとしている時分―――夜明け前である。
(そんな時間に戸を叩く人間が、果たしてまともなやつだろうか……?)
木こりはしばし逡巡したあと、覚悟を決め、声を出した。
「ど、どなたで?」
声を出すことすら、久々のことである。自分でも予期せぬほどの大きな声であった。
さらには、どもっていたり、所々がひっくり返っていたりで、どうにも威厳のない代物であった。
283或る木こりの話 一話:2008/06/17(火) 01:41:21 ID:6u6c9BFk
あまりに恥ずかしかったのか、木こりは咳払いをしたあと、もう一度、しっかりと言葉を発した。
「どなたで?」
扉の向こう側にいる訪問者からは返事がない。しかし時折聞こえる、寒風が通り抜ける時のような
震える息遣いが、“そいつ”がそこにいることを、木こりにはっきりと悟らせた。
今度は、出来るだけ敵意を感じさせないよう、柔らかな声色で戸に話しかけた。
「どなたで?」
うさん臭い声ではあったが、相手は木こりの意図を、果たして理解したらしい。
『おはようございます。申し訳ないのですけれど、一度、お顔を見せてくださいませんか?』
色で表すならば、澄んだ水色。布地で表すならば、柔らかな絹織物。そんな質感の、女性の声が返ってきた。
だが、例えどんなに美しい声の持ち主であっても、心までそうであるとは限らない。それも、いきなり
「顔を見せろ」ときたものだ。徹底的な人間不信に陥っていた木こりには、魔女の囁きにしか聞こえなかった。
「なにゆえに、おめえさまはそんなことを言うのかね?」
じりじりと後退りつつ、木こりは手を馴染みの斧へと伸ばす。
『どうしても、どうしても必要なことなのでございます。どうぞ、その斧を私に向けないでくださいまし』
木こりは仰天した。彼はまだ戸を開けていない。扉の向こうにいる女には、苔に覆われた木目模様しか
見えていないはずだ。だというのに、彼女は木こりが斧を掴んだことを知っているのだ。
(こいつはいよいよもって怪しい。きっとこの山に住む悪魔に違いあるめえ)
岩のような体を震わせて、木こりは斧の柄をしっかりと握り締めた。
『お願いします。おやめください、どうか、落ち着いてくださいまし。一目、お顔を見せていただければ、
それでよろしいのです』
女のあまりの必死な様子に、木こりもつい、気勢を削がれた。しかし、そう簡単に気を許せるほど、
木こりの人間に対する感情は緩くない。
「そんなら、おめえさま。扉から十歩、離れてくだせえ。そんでもって後ろを向いて、目をつぶっててくれ。
俺が『良いぞ』と言ったら、こっちを向いてくれ。約束してくれ、でねえと、俺は扉を開ける訳にはいかねえ」
『分かりました。あなたがおっしゃる通りにいたしますわ』
木こりは、この返事を聞いて、ほっ、と息をついた。
(魔女は、相手の目を見て呪いをかけると聞く。これならば俺が襲われる心配もあるまい。
どうせ相手は女だ、腕力なら俺に分があるだろう)
284或る木こりの話 一話:2008/06/17(火) 01:55:23 ID:6u6c9BFk
木こりはそう考え、斧を椅子に立て掛けると、扉へそろそろと近付いていった。
扉を少しだけ開き、外を伺う。
(何と美しい娘だろう……)
そこには、身なりこそ貧相なものの、どこか高貴な空気を纏う、金髪の少女の後ろ姿があった。
「あの……よろしいでしょうか。お顔を見せていただいても……」
木こりがしばらく見とれていると、少女がおずおずと話しかけてくる。
少女に見とれていた木こりは、慌てて、「よし、良いぞ」と返事をした。
ふわりとなびいた金髪が、いつの間にか顔を出していた朝日の光を吸い込み、燦々と輝いた。
鼻も口も小さく、小綺麗にまとまっていて、顔の輪郭は、少し丸い。こちらに向いてから、
少女はゆっくりと目を開けた。青い瞳が木こりをじっと見つめる。木こりの方はその動作一つ一つに
見惚れてしまい、もはや少女に対する警戒心を完全に失ってしまっていた。
二人はしばらくのあいだ見つめあっていたが、やがてその均衡は、少女によって破られることとなった。
突然、少女の瞳に涙が溢れだしたのだ。
「ああ! 神様! ようやく会わせてくださったのですね!」
豊かな金髪で、とめどなく流れだす涙を拭い、わんわん声を上げた。
困ったのは木こりである。顔を見た途端に泣き出されたのだから、どうすることもできない。
(ああ……やはりこのお嬢さんも、俺を怖がるのだ)
昔から、木こりを見る女の顔は二つと決まっていた。
一方は、まるで糞尿でも見るかのような嫌悪に満ちた顔。もう一方は、化け物にでも出会ったように怯える顔だ。
この少女も例に漏れず、自分の容貌に恐怖しているのだ、と木こりは思った。
ごつい手で顔を覆い、小さく呻いた。
ところが、そうではなかったのだ。

「本当に、長かった。あなたに出会う日をずっと心待ちにしていたのです!!」

少女は駆けだし、木こりに抱き付いたのだ。
「へええ?」
木こりがこんな間抜けな声を出してしまったのも無理はない。
今までの経験とは全く別の、異質の反応である。恐れられこそすれ、涙するくらいに喜ばれたことなど、
一度もないのだ。少女は嗚咽を繰り返し、木こりの纏うぼろ切れの裾を掴んでいた。
もう二度と放しはしない、とでも言うかのように。


285或る木こりの話 一話:2008/06/17(火) 01:59:28 ID:6u6c9BFk
 ※  ※  ※  ※  ※  


「私の目には、人間が人間に見えないのです」
かび臭い小屋の中、木こりと少女はテーブルを挟んで座っている。
互いの目の前では、お茶が、ぽつぽつと湯気を浮かべていた。木彫りのコップを手に取り、唇を湿らすと、
少女は再び話を始めた。
「生まれたときから私の目はこうなのです。お父様もお母様もお兄様も、みんな枯れ木にしか見えないのです」
「それはどういったわけで?」
木こりは困惑気味に質問する。
「分からないのです。とにかく、私には生きている者が全部、枯れ木にしか見えません。体の大きな方は、
太い幹の枯れ木に。小さな方は、細くて、今にも折れてしまいそうな枯れ木に、という具合にしか
見えないのでございます」
少女の目には、再び涙が溢れだしていた。きっとこれまでのことを思い出したのだろう。
(しかし、本当にそんなことがあるのだろうか……?)
木こりは、少女の言葉が真実なのか、今だに確信を持てないでいた。
「お医者さまには話さなかったのかね?」
「ええ、ええ。もちろんしました。ですが、お医者さまは、まったく信じてくださらないのでございます。
お医者さまだけではございません、誰も私の話を信じてはくださいませんでした。私は、自分が
大変恐ろしくなりました。だって、この世界には、私以外、枯れ木しかいないのです。
犬は、四本の根っこで私に駆け寄ってきては、めりめりと不気味な音を立てて尻尾を振りますし、
小鳥達ときたら、木屑が空に浮いているようにしか見えないのですもの。それに、私にはもう一つ、
不思議なものがありまして、命のないものとお話が出来るのです。例えば、本当の木とか、家とか。
私がそんなものとばかりお話をするものだから、お父様もお母様も、すっかり怯えてしまいまして。
いたたまれなくなって、私は我が家を飛び出したのです」
お茶の表面に、波紋が広がった。少女の涙は、止め方を忘れてしまったかのように、零れだす。
人と話すことが久々な木こりに、少女の慰め方など分かるわけもない。図太い体でおろおろと周囲を見回す。
当然、小屋には誰もいない。木こりは改めて「ああ、俺は今、人間と会話をしているのだ」と認識した。
「そうか。それで、さっき、俺が斧を持っていることが分かったのだね?」
286或る木こりの話 一話:2008/06/17(火) 02:00:39 ID:6u6c9BFk
「ええ。この小屋の戸が、教えてくれました。うちの主人は大変怖がりなのだ、とおっしゃっていましたわ」
何がおかしかったのか、少女はくすくすと笑った。相変わらず涙は、零れ続けているが、
気分は楽になったようである。その後、顔を引き締めると、少女はこう言った。
「私は、枯れ木以外の生き物をずっと探しておりました。そして、ようやく見つけたのでございます」
それまでの会話から予想はしていたものの、それは、木こりにとってやはり衝撃的な事実であった。
(なんてことだ……。人間から化け物と罵られてきた俺が、よりによって……)
「初めてヒトをヒトと、分かりました。あなたさまを見て」
(このお嬢さんには、人間にしか見えないのだ)
少女は真っ直ぐに木こりを見つめ、木こりはそれを避けるように深く俯いた。

「どうか、どうか私をここにおいていただけないでしょうか?」

木こりを穴が空くほどに見つめ、少女は懇願するのだった。
287 ◆busttRe346 :2008/06/17(火) 02:01:55 ID:6u6c9BFk
投下終了です。途中手間取りまして申し訳ないです
それでは
288名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 02:40:57 ID:Ng+ilz7R
>>287
乙! これは期待せざるを得まい…
今後の展開がまるで読めないからwktkが俺の心を揺さぶりやがるぜ
289名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 03:08:20 ID:L9ctrKD5
>>287
GJ! 今後が楽しみです
何だか火の鳥を読みたくなってきたぜ
290名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 03:12:59 ID:0wvJypsh
>>287GJ!俺の好みのシチュだ
291名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 07:56:22 ID:pxfOQpM5
>>289
俺も火の鳥思い出した
292名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 11:04:18 ID:g83hfX2b
沙耶の唄を思い出した俺は少数派
293名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 11:08:37 ID:KEWm1N5x
>292
おれもおれも
294ヤンデレウィルスに感染してみた:2008/06/17(火) 11:56:23 ID:ll1+OD4V
GJサンクス

まあその後は読んだ人それぞれの感じたようにってことでw
解説みたいなのはキモがられそうだからよしとく

短編投下します
295ヤンデレウィルスに感染してみた:2008/06/17(火) 11:58:33 ID:ll1+OD4V
『ヒッキー』

「今日こそ外にでるんだ・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・

「10年間の引きこもり生活、さようなら!」ガチャ

・・・・・・ふふ

「あれ? あれ?」ガチャガチャ

ねぇ何処にも行かないで・・・・・・

「クソ! なんで開かないんだよ!」ガチャガチャガチャガチャ!

・・・別にいいじゃなぁい

「なんで・・・・・・」

この部屋にずぅっといましょ、今までみたいに。ねぇ?

「・・・・・・・・・・・・寝よ」

そうそれでいいの、あなたは私の中にいればいいの
296ヤンデレウィルスに感染してみた:2008/06/17(火) 12:33:28 ID:ll1+OD4V
『ゲームソフト』

「データ消えは流石に焦ったなあ」

だって、クリアしたらもう遊んでくれないんでしょ?

「でもその後はレアアイテムめちゃくちゃでるしレベル上がりやすいし」

楽しんでくれてるみたいで良かった♪

「あっというまにラストダンジョンだ」
あっ

「あッ! フリーズ・・・・・・」

まだまだ終わらせないからね〜

「ちくしょおおおおおおお!」

データを消去しますか?

>はい
いいえ
297ヤンデレウィルスに感染してみた:2008/06/17(火) 12:35:40 ID:ll1+OD4V
『ゲームソフト2週目』

「データ消えは流石に焦ったなあ」

だって、クリアしたらもう遊んでくれないんでしょ?

「でもその後はレアアイテムめちゃくちゃでるしレベル上がりやすいし」

楽しんでくれてるみたいで良かった♪

「あっというまにラストダンジョンだ」
あっ

「あッ! フリーズ・・・・・・」

まだまだ終わらせないからね〜

「ちくしょおおおおおおお!」

データを消去しますか?

>はい
いいえ
298名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 12:40:04 ID:ll1+OD4V
以上です

しまったミスったあああ!

2週目じゃないほうがミスですごめんなさい
携帯はいかんね
299名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 18:14:37 ID:2ueb+k6C
>>295
お、俺引きこもりやめないぞ!お前のせいだからな!
300名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 19:38:04 ID:JOPan4k+
>>297 久しぶりに無限ループが怖いと思った。
301名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 00:06:15 ID:IGzwcgH1
しかし同じゲームのわけだからいつまでたってもクリアできないとあきられるんじゃ……
といったら次はプレイするごとにシナリオが変わるようになったりして
302名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 00:49:21 ID:IJN1TCCm
新しいハード買われたら終わりだな
303名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 02:16:45 ID:rYUeg11A
最近、鬱ゲーしかやってないな俺。
(スクイズとWキャスとFate)
この三つで無限ループは辛い。
304名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 03:49:12 ID:za3UyxMz
Wキャスとは懐かしい
305名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 19:44:40 ID:HJoaQr5p
>>303
そこまで鬱じゃないな
306名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 20:06:52 ID:TK6OMM2g
むしろfateとか燃えゲーだろ
307名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 20:56:09 ID:NWv4t/QQ
fateが欝とかはじめて聞いたぞ
308名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 21:07:30 ID:rYUeg11A
俺、士郎君サクサク殺られたし、桜にガンガン食われた上に美月に「フンッ」でブチ殺され、ジェノサイト編に直行
挙げ句の果てに世界に刺されたし電車にも跳ねられた。
「三十連続バッドエンドマスター」の称号を得た。(自称)
…プレイ方法が悪かったかな?ネタを探して今日も死ぬ。
309名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 21:07:32 ID:ZIb05lmD
で、それにヤンデレ出てくるの?
310名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 21:09:32 ID:acfuVu18
>>307
○○○ルートは割と鬱だ。まぁそれでも燃えるが
311名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 21:39:01 ID:7swxid7m
鬱ならこれかなあ
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm314985

当時はヤンデレという概念すらなかったが
312名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 22:03:26 ID:4w4yYsqD
フリーだが、奥様は惨殺少女とその前作・料理とかいうゲームがなかなか鬱展開なヤンデレだったな
泥棒猫の脳ミソを旦那の口に突っ込んでいくのはただのサイコにしか見えなかったが

まあ、あんまり言うと宣伝になっちまうからやめとく
313名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 22:46:47 ID:T8/xcNDI
こっちの方がいい意味で病んでる
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm3452025
314名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 22:49:43 ID:T8/xcNDI
ごめん、7分辺りでマジで突き落としがあるとは……
恐るべし、クリスちゃんw
315名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 23:09:24 ID:WewePQoq
>>313
相手を想って、病んでいる=ヤンデレのテンプレを守っているような女の子だよな
316名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 02:12:50 ID:JVck4qGu
ヤンデレ依存度テスト

以下の問いを○×で答えよ。

1.ヤンデレヒロインが登場する夢を見たことがある。
2.今現在所持している本(漫画、小説問わず)、アニメ、ゲームの中で、一つでもヤンデレを含むものを持っている。
3.ヤンデレヒロイン(ゲームやアニメ、漫画など)の名前を五人以上言える。
4.現実(リアル)でヤンデレヒロインに拘束されたいと思っている。
5.今後ヤンデレヒロインが登場する漫画、アニメ、ゲームは全て集める気でいる。
6.ヤンデレとメンヘラの違いが分からないやつは許せない。
7.もしヤンデレヒロインが登場する物語の登場人物になれたなら、傍観者(主人公の友人など)よりも、主人公がいい。
8.ヤンデレヒロインの無茶な要望(私以外の女と会話しないで!、など)に応える自信がある。
9.ヤンデレヒロイン達は愛情表現が不器用なだけの一途な女の子で、決して病んでいるわけではない    と思う。
10.貴方はヤンデレが大好きですか?


以上の問いで○と答えた数を↓と照らし合わせて下さい。

0個 スレ違いだ。けぇんな、兄ちゃん。アンタはこっちに来ちゃいけねぇ!
2個以上 ヤンデレ初心者。往くは茨道。今ならまだ引き返せる。
5個以上 ヤンデレ中級者。覇道を選ぶか。若人よ。
7個以上 ヤンデレ上級者。病みを求める者よ。汝その先に何を望む?
10個 まだ気づかないんですか?もはや貴方自身がヤンデレだということに。貴方はヤンデレに病んでいるのですよ。
317名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 02:32:28 ID:mKRqCO8R
中級者か
まだまだ大丈夫だな
318名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 05:08:15 ID:CN+MldCz
上級者か…
まだ大丈夫だな
319名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 06:20:56 ID:7cc1XUwB
俺自身か…
320名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 08:52:16 ID:7A2k478p
上級者か

>要求に応える自信がある
応えちゃったらもう病まないじゃないか、というジレンマが脳内を駆け巡った
321名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 09:43:19 ID:4XslQx2R
>>320
そうだよな
その先(監禁とか)に進むためには、ヤンデレ発言をさらりと流せる度胸が必要だもの
この質問はチョット浅いぜ
作ったやつが、まだヤンデレを理解できてないんじゃね
322名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 10:08:40 ID:ak/AaFnB
上級者だが、まだ全然普通だな

というか問7は納得いかない
いきなりトップギアのヤンデレにも、徐々に病んでいくヤンデレにもそれぞれのよさがあるように、主人公と観測者にもそれぞれのよさがあるはずだ
主人公なら言わずもがな、ヒロインの愛を独り占めという最高のポジションだ
しかし、観測者というのも、主人公とヒロインの心情の流れ、ヒロインがおかしくなるきっかけ、そしてヒロインの裏工作など、主人公では見ることの出来ない景色が見れる
323名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 12:30:07 ID:iJTqjjIt
ヤンデレ家族の兄はこの設問的には"傍観者"と"主人公"のどっちなんだろう
324名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 12:40:26 ID:DiHUUEIN
あの作品は二つのヤンデレラインがあるからな
葉月さんラインでは当事者
弟ラインでも傍観者というより被害者
325名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 17:37:17 ID:hfYw8NPr
傍観者というよりも被害者になってきたな。毎回酷い目に遭ってるし
主人公が被害者というのはやはり周囲がヤンデレだからか
しかし名前が未だ出てこない主人公というのも珍しいな。多分最後まで出ないのだろう
326名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:05:29 ID:T3Cngf7f
最近は結構名前でない主人公結構いないか?
戯言とかハルヒとか主人公の名前でずに愛称ばっかだぞ
327名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:28:26 ID:ISBoWp0P
主人公だけじゃなくて、主人公の家族全員名前出てないよな
328名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:44:58 ID:YxvT0Beg
初心者だ・・・orz
確かに・・・俺は監禁されても外出くらいは許してほしいとか思ってるが!!
それでも初心者だなんて信じられない!
329名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 20:11:36 ID:J80omISD
それは監禁とは言わないぞ…
330名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 20:51:25 ID:6aA9yrxZ
それは同居です
331名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 21:32:14 ID:Xni+Gsd+
そうそう、ほのぼのしてるけどその実ギラギラしてんだよな
脱出しようと襲いかかってきた男を柔術でぶん投げてそのまま逆レイプ的な
332名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 21:50:15 ID:1SRHHsFM
彼女はとある武器の使い手です。
障害排除の為、愛の為彼女は戦います。
その武器は…
1.鋸
2.包丁(料理人が認めた一品)
3.日本刀(刀匠渾身の一品)
4.アサルトライフル
5.チェーンソー
6.弓矢(ボウガンも可)
7.………対戦車ミサイル発射機?     
  どれよ?  
333名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 21:52:25 ID:U5fP06Lf
8.鉄パイプ
334名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 21:57:44 ID:ph5uS/qw
スタンガンと薬がたりないぞ
335名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:12:16 ID:76X9gJfC
噛み付いてワニのように回転するんじゃないかな
336名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:12:33 ID:ncZWUjAH
己自身
337名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:21:31 ID:L831biHP
スタンド名はエボニーデビルですね。分かります。
338名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:28:09 ID:A1jhZGO8
火事場の糞力

元々、空手の有段者で全身これ凶器
339名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:32:54 ID:DiHUUEIN
爪と指
ヤンデレにとってあらゆるものが武器となる
340名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:32:49 ID:ak/AaFnB
念力
341名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:34:10 ID:FWA3welM
>>335
デスロールw
342名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:37:02 ID:lCc0OGkA
ヤンデレにとって五体全てが武器であり、一掴みの砂は兵器である
343名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:49:18 ID:5Ijv6/In
ガイア自重wwww
344名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 06:21:20 ID:GpnCJtFL
色んなお口
345名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 06:31:38 ID:dDDTlOv3
邪気眼
346名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 07:54:21 ID:5kg8MwM+
ヒロイン補正
347名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 08:57:19 ID:BJ9iPAd7
ビームソード

がっちょんがっちょんと、炎を物ともせず歩きながら、こっちに迫ってくるロボ娘がたまらないと思う俺ロボスレ住人
348名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 13:06:37 ID:DkoCKyY+
本物なら愛だけで充分
349名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 15:09:15 ID:AYFZZgLi
石破ラブラブ天驚拳を思い出した
350名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 18:24:55 ID:IwH1geeQ
>>323-325
日曜日の最終回が楽しみだよな。
351名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 18:27:13 ID:E4Jldf/N
最終回じゃねーだろ
勝手に終わらそうとしてんじゃねーよ
352名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 18:33:26 ID:e5mMd8P4
なんつーか最終回って書いて煽るバカはホントしんでいいと思うわ
353名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 18:51:25 ID:GpnCJtFL
毎週いるよな。何がしたいんだか
354名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 19:06:31 ID:CvGYwdPm
泥棒猫を火達磨にする
ヤンデレをカッコイイと思う俺はもうだめかもしれん。
355名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 19:34:18 ID:0JXA0lxi
      ,,、,、、,,,';i;'i,}、,、
       ヾ、'i,';||i !} 'i, ゙〃
        ゙、';|i,!  'i i"i,       、__人_从_人__/し、_人_入
         `、||i |i i l|,      、_)
          ',||i }i | ;,〃,,     _) 汚物は消毒だ〜っ!!
          .}.|||| | ! l-'~、ミ    `)
         ,<.}||| il/,‐'liヾ;;ミ   '´⌒V^'^Y⌒V^V⌒W^Y⌒
        .{/゙'、}|||//  .i| };;;ミ
        Y,;-   ー、  .i|,];;彡
        iil|||||liill||||||||li!=H;;;ミミ
        {  く;ァソ  '';;,;'' ゙};;彡ミ
         ゙i [`'''~ヾ. ''~ ||^!,彡ミ   _,,__
          ゙i }~~ } ';;:;li, ゙iミミミ=三=-;;;;;;;;;''
,,,,-‐‐''''''} ̄~フハ,“二゙´ ,;/;;'_,;,7''~~,-''::;;;;;;;;;;;;;'',,=''
 ;;;;;;;;''''/_  / | | `ー-‐'´_,,,-',,r'~`ヽ';;:;;;;;;;, '';;;-'''
'''''  ,r'~ `V ヽニニニ二、-'{ 十 )__;;;;/ 


いや・・・すまん
356名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 21:35:57 ID:E6aBgG7o
ヤンデレが泥棒猫を従順な犬に変えて使ったりな
357名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 22:09:05 ID:lnY3Rqxx
ヤンデレが笑顔で包丁持ってるのは何か格好いい
358名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 22:44:37 ID:4wc9zgif
ヤンデレが好きな男を逆レイプする様には心が躍る!
359名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 23:17:20 ID:3Eem8Ach
>>356死ね
ヤンデレに出会えずに死ね
すぐ死ね、早く死ね
真っ先に死ね
360名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 23:34:53 ID:p8gbXl86
ヤンデレのあの娘が護衛だったら。
大佐「今回の君の任務は、特殊能力保持者 間友音鼓を護衛する事だ。」
(五年前の事覚えてるかな。間友君)
大佐「どうしたんだ…闇輝軍曹?」
音那「了解しました。三十時間後に開始します!」
…翌日。三逆高校
音那「転校してきました闇輝音那軍曹で…なんちゃって。」
音鼓(昔、隣に住んでた女の子そっくりだな。でもその娘、中東かどっかに行ったんだよな。)
担任「闇輝さんに質問がある方どうぞ。」
男子A「この中でタイプなのは誰ですか?」
音那「間友…?君かな。」
ウオオオオー間友ー! バカ共が騒いでいる。
………一週間後。
音鼓「まさか音那ちゃんだったとは。また俺はアイツの異常な程の嫉妬に困るのか…」
女子A「チョコ受け取って下さい。」
音那(まさか爆発物?それとも毒物?)「音鼓君ソイツ多分テロリストよ!受け取っちゃダメ!」
女子A「あんた邪魔しないでよ!間友君のな…」
パンパンパン…ドサッ
音那「さ、第二陣が来る前に帰りましょ…」
日記…2月14日、テロリストと思わしき人物を七人射殺した。音鼓にチョコを渡して良いのは私だけ。



とある作品を見て思いついたネタ。
 
361名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 23:44:11 ID:Y6RBBhwp
逆フルメタか
362名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 23:58:47 ID:GpnCJtFL
359は馬鹿か?泥棒猫利用して何が悪い?
363名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:18:48 ID:kgelc7AV
安価ミスじゃないのか?
じゃなきゃ意味わからん
364名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:18:52 ID:oMZjYhl4
ヤンデレが邪魔者を犬にする?
有り得ないな。
みんなの意見はどうかな?
365名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:29:15 ID:GWnngQ7y
>>364
邪魔者足りえなければいいじゃないか。要するに裏で使って男には直接接触させなければいい
366名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:42:50 ID:qc53om8h
「どんな場合でも、殺人はダメだ」と男に言われて、遵守するヤンデレっ子はどれくらいいると思うよ?
367名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:42:52 ID:z+Z3kaX3
>>364
君のヤンデレ像ではナシなのはわかった

だからって俺は全然アリだけど
愛が募った策略は大好物です
368名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:49:25 ID:oMZjYhl4
そういうSSって過去スレにある?
369名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:50:00 ID:LgHfNymL
策士女さんと策略に乗せられるドジっ子幼が男君を追い詰めるんですね
俺も意外と好みだわ
370名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 01:24:57 ID:kgelc7AV
本当は策士女よりドジっ子の方が数段上の策士なんですね
371名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 07:39:24 ID:Sxtm3TU0
>>362-363
sageれないカスはここにゃいらねぇんだよ
372名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 07:40:51 ID:Sxtm3TU0
ま  さ  に  お  れ  !
373名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 08:16:56 ID:GWnngQ7y
不覚にもw
まさかヤンデレスレでこんな和やかな気分になろうとは
374名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 10:11:42 ID:UU9Eu5St
>>372
お前は俺のツボを心得ているな
375名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 11:22:39 ID:CQzUj445
>>372
IDがみつお
376名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 12:27:16 ID:0FZIK9+G
>>372
和んだ
377名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 13:30:19 ID:RyJ9ODGl
>>372はヤンデレなドジッ娘とみた
378名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 14:15:44 ID:samIhNQL
小説スレで雑談するなよクソ共。ここは投下と感想だけだ。
379名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 14:24:42 ID:gh/oIsY/
はいはい決め付け乙
380名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 15:11:52 ID:LgHfNymL
作者のネタになりそうな会話ならありじゃね?
これがなるとは思えんがw
381名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 18:31:20 ID:dY3o3XZx
>>378
じゃあ投下の無い間は何をしろ、と?
382名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 18:33:16 ID:dY3o3XZx
あれ、プレステ3からじゃアンカつけれないのか?
383名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 18:42:53 ID:XKgm+CtD
PS3でエロパロってどんだけwww
384名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 20:37:54 ID:samIhNQL
>>381
ムリに伸ばす必要ないだろ(笑)投下かと期待してみれば、いつもバカ話。
385名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 20:54:20 ID:z+Z3kaX3
>>384
まとめサイトだけ見ればよくね?
386名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 21:58:59 ID:6mYFoo6l
よく雑談がいやだという人がいるが、何故雑談がいやなんだぜ?
投下がないときは茶でも飲んでゆっくりしていけばよいと思うのだが。
ひたすら投下と感想だけのスレなんて、心が渇いてしまうぜ?
387名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:01:48 ID:ss0DWQp5
でも投下が来たと思ってスレ開いた時のガッカリ感はわかるんだ
388名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:03:01 ID:p/JvaAZ3
雑談がわけのワカラン盛り上がりをみせると逆に投下しづらい空気になるからだろ
389名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:06:56 ID:GWnngQ7y
雑談なんてすぐに切れるから、そこで投下すればいいだけさ

というか、雑談やるなとは言わないが、雑談やってる奴らは何か書いて投下しようとはしないのか?
390名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:19:23 ID:y+3PMkyQ
書いたとしても、初心者だから叩かれるのは目に見えている
391名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:19:34 ID:oqvQ588Y
ていうかスルーしろよ
392名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:20:55 ID:samIhNQL
>>386
スレタイ嫁。さびしいからって、ネタもないのに強引にここで話すのは迷惑行為でしょ。
393名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:22:21 ID:QLaN68O+
書けたら雑談なんてしません!俺はね
394名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:26:28 ID:samIhNQL
>>393
いい加減荒らしをやめてくれ。ここは>>1にある通り、小説を書くスレ。

ネタにもならない単なる雑談なら馴れ合い板で存分にやって。
395名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:33:50 ID:UibXV/bb
たまにループするなあ、この話題。
ここはあらゆるヤンデレネタを愛でるスレだったんだが。
臨時保管庫のカウント見ても最近急に住人増えたみたいだし、その影響もあるのかな。
396名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:37:06 ID:gO921l0S
ヤンデレヒロインは主人公を監禁して頑張って調教するようなSSとかキボンヌだぜ
397名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:48:52 ID:kgelc7AV
>>372-395までヤンデレ関係無し
398名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:52:25 ID:samIhNQL
>>395
強引に言い切らないで>>1をちゃんと読んでよ。

主体はあくまでも小説を書く事。そして創作の助けになるネタを話す事。

ネタを拡大解釈してさびしい椰子の雑談にしかなっていない現状はおかしい。
399名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:55:03 ID:wZiKLgiZ
いつも通り、右肩上がったり下がったりのまったりした感じでよろしく。
400名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:58:22 ID:Sxtm3TU0
おまえら書き手に対して病んでるからこんな論争を広げるんだな?
だったら俺に止める理由は無い続けてくれ!むしろ続けろ!

あっちなみに俺は対してお茶会の作者さんに病んでると思いますです、はい。
401名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:59:13 ID:8rw81sph
ま、妙に必死な方はそれだけこのスレに病んでるんでしょう
そう思えば萌えるかな
402名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 00:01:45 ID:LGu+KJ5u
>>400
ナカーマ

正確に言えば更紗に病んでる……
403名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 02:35:48 ID:QE6MHdkY
>>398
すごく共感できるよ、全然関係ない雑談はやめてほしい
手始めに君が金輪際この話題を書き込まないことから初めてはどうか
404名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 06:58:28 ID:CjWlpbyH
>>403
アホか?静粛にする場面で騒がしいガキに注意する声を「お前がまず黙れ」と言ってどうする。

おかしな矛先で雑談荒らしを擁護する一味の意見など聞けるものではない。
405名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 07:15:33 ID:wY95pKPj
とりあえずみんな落ち着きなさいな
よい子にしてないとヤンデレの女の子に嫌われるぞ
406名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 07:27:52 ID:CjWlpbyH
それは困る。
407名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 08:22:08 ID:U4CvM8gy
悪い子はしまっちゃうおじさんにしまわれてしまうんだ

もうだめだ
408名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 09:21:18 ID:xWH0jGV4
しまっちゃうおじさんはヤンデレ?
409名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 09:31:19 ID:VJbdukNy
わるい子はしまっちゃうおねえさんにしまわれて(監禁されて)しまうぞ
410名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 09:43:49 ID:qTM3UFVk
そのしまっちゃうお姉さんはシマリスくんの姉だったと
411名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 11:00:57 ID:i/X/BKm1
大姉ちゃんがたんを入れた料理を食べさせてくれるんですね、わかります
412名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 13:11:16 ID:P/C++gUo
いきなりカオスwww
413名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 14:42:49 ID:94/hJALI
そう言えばお茶会書いてる人ってどうしたんだろう……。
全然音沙汰ないけど、何かあったのかな。
単に書く気が出ないだけならいいんだけど……。
414名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 14:54:13 ID:BwFDzfOc
鋭意執筆中だと思いたい
まぁ元気ならそれでいいけど
415名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 14:55:30 ID:N0yzyFyA
ヤンデレ娘「思いだけでも、力だけでも」
416名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 16:55:02 ID:CjWlpbyH
日曜日は傍観者の日なのに、投下ないな。
417名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 16:55:59 ID:/ZBnvRAi
静かに全裸で待て
418名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 16:57:12 ID:jYfztLc3
急かしたり投下日を勝手に決めつけるのって良くないと思うよ
419名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 17:06:01 ID:od4nDWEF
>>416お前よくsageずにカキコするけどsageって知ってるか?
420名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 17:58:16 ID:BIzmQWzM
こんな常識知らずが知ってるわけないじゃない
421名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 18:03:19 ID:rQLpIO9O
sageはね、メール欄にsageって入れるんだよ。
分かった?厨房
422名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 18:31:45 ID:3Bt1oexP
荒れてますね^^
423名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 18:46:40 ID:L6qDAbCS
何で皆そんな喧嘩腰なんだよ…
従容として待てばいいじゃないか。
424名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 18:56:08 ID:t7Mp0Mvl
すぽぽんのまま早48時間。
風邪を…こじらせました。
みんな、出すのは下だけにしたほうがいいぜ?
425名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 19:00:44 ID:wY95pKPj
>>424
こっち来いよ
俺が人肌で暖めてやっから
426名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 20:36:48 ID:nVbQ85aD
>>425
アンタなんかに>>424はわたさないっ! 彼は私があっためてあげるんだ!
427名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 20:47:37 ID:UrK+Upcx
>>426
ふふ、あなたの血で暖めてあげるわ
その後はゆっくりと私が・・・
428名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 21:01:53 ID:lw464EeP
最近の若い者は礼儀を知らんなぁ

SS投下をお待ち申し上げるには全裸で正座
ネクタイと靴下以外は許されないと心得ておけぃ
429名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 21:07:43 ID:DU1GFGcY
さむいお(´・ω・`)
430ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:09:41 ID:L4ArOBLk
日曜日は残り一時間。

投下します。死闘編最終回。

※約20レス使用します。
431ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:11:49 ID:L4ArOBLk
 家を出て、間もなくして後悔した。
 前方からの向かい風が、寒さと相まって容赦なくアタシの体力と体温を奪おうとする。
 自転車は速いけど、この季節に防寒対策をせずに乗るには厳しい。
「せめてフードでも、被ってくれば、良かったわ……」
 自転車に乗る時、手袋をする習慣のおかげで手はあまり冷えてない。
 けど、コンビニに着くまでには冷え切っているだろう。
 乗っている自転車は、クロスバイクとかいうタイプらしい。
 友達が乗らなくなった自転車を貰ったから、詳しいことは知らない。
 ハブの精度がどうだの、ホイールが別物だの、タイヤがママチャリより細いだの言われてもどこがどう違うんだか。
 そんなものより、前カゴがついている方がこんな時はありがたい。
「武器だって積めるし、ね……」
 今携帯しているのは、ボールペンのみ。
 制服の胸元に一本、両腕に五本ずつ、スカートのポケットに二本の、合計十三本。
 コートとか私服だったらもっといっぱい仕込んでるし、種類も多い。
 だけど、彼は制服エッチが好きそうだから、着替える訳にはいかなかった。
 良妻は殿方の好みに合わせて衣装を選ぶものなのです。
「……だからって、よりによってミニスカで出ることないでしょ、アタシのバカ。出てくる時に着替えるとか、さ……」
 あー、ダメだ。止まって耳と手を暖めないと走れそうにない。
 ブレーキをかけて、外灯の下で停止。
 手袋を外し、手をサドルとお尻の間に挟んで、温める。
「ふー……あったか」
 耳に手を当てると、自分の体の一部とは思えないぐらい冷たくなっているのがわかった。
 コンビニまでの道程はまだ三分の一ほど。
 ここで着替えるために引き返すのは手間。これだから、中途半端に目的地が近いと困る。
 吐いたため息で手を温め、擦り合わせて、手袋をはめる。
 ペダルをこぎ出そうとしたところで、前方に何かが見えた。
 ライトで照らした先の地面に……あれは、人の足だ。
 電灯の明かりが届かない範囲にあるから、全体像は掴めないけど、靴の色と首の細さからして、たぶん女。
432ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:12:25 ID:L4ArOBLk
 女……か。ヤな予感。
 葵紋花火? アタシが彼をさらったことに気付いた?
 ――いいえ、それはない。
 犯人がアタシだと知っているのは先輩だけ。
 だけど、問い詰められたぐらいじゃ先輩はそれを明かさない。
 もしバラしたらアタシの身が危険にさらされると思い、かばうはず。
 暴力で脅されてもなお、そうするとは限らないけど。

 ここは何食わぬ顔で通り過ぎるのが吉。
 人間の足じゃ所詮自転車の速度には敵わない。
 こぎ出して、正体不明の女の左側を道幅いっぱいに避けるコースで進む。
 進み、進み、進み……あと二メートルで女の横を通り過ぎるところまで来た。
 このまま、ギアを上げて加速すれば――――
「見つけたあっ! 見つけたわよっ!」
 え、何々?
 声の聞こえた方向、右――女の方を見る。
 暗澹とした空間の中に、濃厚な敵意。攻撃の気配。
 上体を屈める。
 頭上を局地的な突風が通り過ぎた。
 アタシの顔面があった位置を通り過ぎていた。
「ちぃっ! 外れたっ!」
 何が外れたって――攻撃に決まってんでしょ、アタシ!
 しかも今の鋭さ、自転車の速度と合わせたら、首を折ってもおかしくないぐらいのものだった。
 敵だ。誰か知らないけど、アタシを殺そうとしてる奴がすぐそこにいる!
「待ちなさい! 自転車から降りなさい!」
「誰が降りるもんですか! こんのっ!」
 後方へ向けて右腕を振り、ペンを放つ。
 すぐにハンドルを掴み、立ちこぎで疾走。
「ちょこざいな真似を! そんなの、通用しないんだから!」
「あーもう、やっぱり当たってないしぃぃぃ!」
 足首を狙えれば相手の速度を落とせるだろうけど、それじゃこっちも遅くなる。
 逃げるしかない。しかも家には行けない。
 このままどこか遠くまで引っ張って、その後で撒くしかない。
 難しいなあもう、相手をちぎらないぐらいに加減して走らなきゃならないなんて! 全力なら楽なのに!
433ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:13:26 ID:L4ArOBLk
 女の追ってくる気配はビンビン伝わってくる。
 こっちは全力じゃないにしてもけっこう早めに走っているのに、靴の音が遠ざからない。
 どんな化物なのよ。声は葵紋花火とは違うみたいだけど。
 こりゃ、なおさら捕まる訳にはいかなくなったわね!

 突き当たりの壁、曲がり角。
 ギリギリまで突っ込み、右に若干体重を寄せ、進路を取る――けど、これはフェイント。
 重心を反対側に切り返し、同時にリアブレーキをかける。
 たちまちリアタイヤが滑り出し、車体は左へと急旋回する。
 いわゆる二輪ドリフト。
 ハンドルを立て直してバランスを取り、左の通路へ向けてペダルをこぐ。

 今の速度なら、女は足を止めなきゃ曲がりきれないはず。
 振り向いて、背後を見る。
「……、あれ?」
 居ない。影も形もない。
 黒く染まった路地と、外灯の放つ白い光が見えただけ。
 だというのに、追ってくる足音が止まらない。
 都市伝説の妖怪?
 という推測は、次の瞬間に裏切られた。
 視界の隅、右の塀の上に――黒い影。
 それは、まだ追ってきている、さっきの女。
 後ろを向くためスピードを落としたアタシと並ぶ速さで走っている。
 黒い影が塀から飛び降りて、また追いかけてきた。
 着地してさらにスピードが上がったのか、じわじわと近づかれる。
「なによそれえ! 反則じゃない!」
 前傾姿勢で立ち漕ぎ。全力で逃げる。
 塀の上? さっきの曲がり角でそのまま駆け上がった?
 壁走りしたうえ、足場のない場所を走るなんて!
 怪我とか、死ぬのが怖くないの、あの女!
「追ってくるんじゃないわよ! この、サイボーグ女! 改造人間!」
「うる、さい! 反則は、あなたの、方じゃない!」
 ああもう、石ころ邪魔、走りづらい!
 夜道ってこれだから嫌いなのよ!
「何言ってるのよ!」
「私が居ない時に限って、二人きりで会ったり、クリスマスにデートしたり、チョコ渡したり!
 いつまでも逃げてないで、正面から勝負しなさい!」
「何のことかわかんない! それに、あんたみたいな化物と勝負できるもんですか!」
「臆病者! 女の風上にも、置けないわ!」
「ふん! 勝てばいいのよ勝てば! どんな手を使っても、ねえ!」

 前方からまばゆい光。車だ。
 そしてこれは――――チャンス!
 左の壁に寄り、左足を自転車のフレームに乗せる。
 サドルの下にはサドルバッグ。友達がおまけでつけてくれたものがそのままくっついている。
 中には十徳ナイフみたく多機能な、携帯用のマルチツールがある。
 手探りで先端の尖っている工具を立てて、そのまま、迫る車の左フロントタイヤ目掛けて投げる。
 車はアタシの自転車を避けるように左へ寄る。
 テールライトまで通り過ぎたところで、突然、タイヤの擦れる音が甲高い音が鳴った。
 耳をつんざく激突音と、盛大な破壊音が、夜の気配をでたらめに引き裂いた。
 離れた位置で停車して、車の有様を見る。
 それはもう、ひどいことになっていた。
 道幅と同じくらいのサイズの白のセダンは、丁度路地を遮るかたちで止まっていた。
 左右の壁には一メートルぐらい削れたような跡が残っている。
 前照灯とブレーキランプは付きっぱなし。むき出しの白い光が塀を照らしている。
 運転手はエアバッグに埋もれている。全然動かないから、気絶しているのかもしれない。
 ……まあ、アタシがやったんだけど。
 ごめんなさい、運転手の人。
 ニュースで報じられたら、お詫びするから。……たぶん。
434ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:15:04 ID:L4ArOBLk
 今ので女は車と衝突したはず。
 目の前に壁が現れたら、とっさに壁を走るなんて芸当はできないでしょう。
 悲鳴らしき声は聞こえなかった。叫ぶ暇もなく気絶してくれていれば楽なんだけど。
「甘いのよ、そんな手」
 あらら……無事だったか。
 思うとおりにいかないのがこの手の人間とのやりとりとはいえ、この女ほどしつこいのは滅多にいない。
「ちょっと先を読めば、あなたがどうするかなんてわかる。
 中学生でも、あの車を避けることだって容易いわ」
 それはさすがに無理でしょ。
 今ならともかく、中学時代のアタシじゃ何が起こったかも理解できずに車の側面にぶつかったはずだ。

 女の声が聞こえた方向を見やる。
 塀の上に、同じ高校の制服を着て、その上にコートを羽織った女が立っていた。
 右足を浮かし、ふらつくどころか微動だにせず、アタシを見下ろしている。
「あなただったんですね。運動能力を考えれば納得できます。
 どうしてアタシを追うのかは…………わかりませんけど」
「事ここに至っても、まだシラを切るわけ。とっくにあなたのやったことはバレているのよ」
「……葉月さん」
「木之内……澄子!」

 葉月さんが跳び上がった。
 空中で一回転、して――いきなりアタシ目掛けて落ちてきた。
 漕ぐのは間に合わない。諦め、自転車を捨てる。
 ひねった体を蹴りが掠めた。
 必殺技っぽい一撃が外れても葉月さんの構えは崩れていない。
 右に横っ飛び。距離をとる。
 しかし、即座に詰められ、一歩先まで接近される。
「甘い!」
「ちぃっ!」
 両足を曲げ、屈む。
 横薙ぎの一閃。頭上を鋭い暴力が通過する。
 左腕を一振り。袖に仕込んだボールペンが手の中に収まる。
 横から円を描くように足首を狙う。
 空振り――躱された。
 察すると同時、反撃を予測。
 思ったとおり。突っ込んできたスニーカーの爪先を、首を倒して避ける。
 後頭部の髪と皮膚を削いでしまいそうな前蹴り。喰らったら一発KO。
 伸びた足を、背負うようにして肩に乗せる。
 そのまま背負い投げを――――できない?
「背中が続いていない、足がお留守! そして!」
 意図せず、体が持ち上がった。
 いいや、持ち上げられていた。葉月さんの足に。たった一本の足に。
「腰が、弱い!」
 己の失敗を悟り、手を離す。
 しかし――――これが最大の失敗。
 肩と葉月さんの足の間に、距離が生まれた。
 それは拳一つ、あるかないかぐらいだったけど、充分だった。
 肩目掛けて振り下ろされたギロチンみたいな踵落としは、数センチで威力と速度を増していた。
 踵がめり込んだ。肩の筋肉が潰れる。右の肺が悲鳴をあげる。肋骨が歪む。
「ぅふっ…………かは」
 咳が噴き出た。慣れ親しんだ呼吸の手順がとても難しいものに感じる。
 これでは、次を躱さなくては、やられてしまう。
 左手を地面に着き、前転。着地と同時に振り返る。
 目の前に、大きく踏み込んだ左足が見えた。
435ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:16:48 ID:L4ArOBLk
「とどめえっ!」
 次に来るのは腰だめの拳、いや掌底だ!
 両腕を交差させ、受け止める。
「く――う、うああっ?!」
 吹き飛ばされた。後ろから引っ張られたみたいに。
 つま先が地面を擦る。踵が浮いていて、踏みとどまれない。
 勢いに流され、半ば転がるように着地する。
 掌底を受け止めた左腕が、真ん中からじんじんと痛みを訴えてくる。
 指はぴくりとしか動かせない。
 そのうえ右肩はまだ痛みを訴えている。染み込んだ衝撃を除去している最中だ。

「どうやら、決着みたいね」
 離れた位置に居る葉月さんが、勝ち誇るように言った。
 それはどうでしょうね――と、言ってしまっていいものやら。
 両腕が使えて、かつ、障害物の多くて物の散乱する場所で戦うならともかく、今の状態じゃ回避もままならない。
「……ええ、そうらしいです」
 ここは時間を稼ぐ必要がある。
 それに、話の仕方次第で戦いを中断させられるかもしれない。

「葉月さん、どうして、アタシを狙うんです?」
「あなた、ふざけているの?」
「いいえ、そうじゃなくて。考えてもわからないんですよ。
 アタシは葉月さんに何かをした覚えがないから」
「あなたが何かしたのは、私じゃなくて、あの人に対してよ。
 私よりいつも一歩先に、あの人にくっついたり、チョコあげたりして!」
 あの人って――先輩のことだよね。
 葉月さんが好きな異性って、先輩ぐらいだし。
 へえ……先輩、葉月さん以外の女の人にチョコもらえたんですか。
 予想外だ。言っちゃ失礼だけど。

 一昨日にアタシは先輩にチョコを贈ったりはしなかった。
 それじゃ、ただ葉月さんが誤解しているだけじゃないの。
「あの、ですね。アタシは先輩とは、ただの顔見知り程度の仲ですよ。
 チョコをあげたことなんか一度もありません」
 くっついたことは――あったかも。去年のクリスマスに。
 でもあれは演技だし。
「そもそも、アタシの好きな人は他にいるわけですし。ですから――」
「澄子ちゃん」
「はい?」
「澄子ちゃんって呼ばれて居るみたいね。あの人から。
 聞いたわよ。ばっちりと、この耳でね」
 あちゃあ、知ってるんですか。
 というか、先輩。葉月さんの前でうっかり口にしちゃったんですか。
 聞かれちゃったら、もうごまかせないじゃないですか!
436ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:18:00 ID:L4ArOBLk
「私には、葉月さんで、あなたには澄子ちゃん。
 名前も呼んでくれないのに。どうしてあなたはそんな幸せな呼ばれ方をされているの」
「お願いしなかったんですか? 名前で呼んで、って」
「したわよ」
「なら、呼んでくれているはずじゃ……?」
「お願いした途端、あの人は私の前から逃げ出したのよ! 
 きっと、名前を呼ぶほど仲が良くないから! だから嫌がって逃げ出したのよ!」
「な……」
 なにやってんですか、先輩!
 名前を呼ぶなんて友達同士でもやってますよ。恥ずかしがってどうするんです、小学生ですか!
 先輩の意気地無し、馬鹿! おかげでアタシがピンチですよ!
「そして…………逃げたのは、私の名前を呼ぶのが嫌だったから、だけじゃないはず。
 あなたがあの人を呼んだんでしょう? そうじゃなきゃ、あんなに必死になるはずがない」
「は……はい?」
「メールを送ったでしょう、あの人に向けて。
 今すぐ会いに来て欲しい、とかなんとか、ふざけたことを書いて」
 根拠がないにもほどがある。
 言いがかり・オブ・ジ・イヤーにノミネートされそうなほど。
「送ってませんよ。ていうか、アタシ、先輩のメルアドすら知りませんし」
「いいえ! あなたが送ったに違いないわ!
 だって、彼の携帯電話に実際にメールが届いていたんだもの!
 証拠なんか、それだけで充分よ!」
 ファミレスに来る悪質な客でも、今の葉月さんほど理不尽なことは言わない。
 理不尽な言いがかりを取り扱う専門家とか、どこかにいないかなあ。
 ……………………ハア。

「……葉月さんはアタシをどうするつもりで?」
「そんなの決まっているわ。あの人に、今すぐ会わせて。
 きっとあなたは行き先を知って居るんでしょう?
 例えば、あなたの家とか」
 うーん……先輩とアタシの彼氏を置き換えたら百点なんだけどなあ。
 まあ、当たっているにせよ、外れているにせよ。
「教える訳にはいきませんね。葉月さんを、アタシの家に上げるわけにはいきません」
「それは、あの人があなたの家にいると認める、ということかしら」
「否定しても、同じでしょう。あなたはアタシの言葉なんか信じない、聞かない。
 一応、先輩が今どこにいるのかは知りません、と言っておきますけどね。
 アタシの家は、来客を招けるような状況じゃないんです。
 散らかっていて申し訳ありませんって言いたくないので近づかないでくれません?
 いや、是非とも近づかないでください」
「嫌よ。あなたの言うことは信じられない。
 あなたの家に上がって、家捜ししないと私の不信感は拭えない。
 無理矢理にでも、案内してもらうわよ」
「まったく、もう……これだから、暴力に訴える人たちは嫌いなんです」
 なんとかして、逃げなくちゃ。
 言うとおりにして、家に上げるという選択もあるにはある。
 家に上げてから、彼を発見される前に力ずくで葉月さんに退いてもらう、ということもできる。
 アタシの家であれば、それができる。
 だけど、それは綱渡り。
 もしも葉月さんがアタシの予想している以上の人だったら、アタシはねじ伏せられ、彼を発見される。
 そして、未来は閉ざされる。
 彼とまた離ればなれになる。
 チャンスがまた訪れるとは限らない。

 そんなの――絶対に嫌よ。
437ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:19:27 ID:L4ArOBLk
「言っておくけど、逃げられるだなんて思わないで。
 自転車に乗る隙は与えない。動き出したらすぐにでも押さえ込む。
 諦めなさい。あの人に会わせるなら、悪いようにはしないわよ」
「……諦める?」
 アタシが、彼を?
 ああ、確かに。諦めてしまえば楽でしょうね。それはそれは、楽な選択だわ。
 今ここで受け入れてしまえばアタシはこれ以上傷つかずに済むものね。
 ――――はっ。
 笑わせないでちょうだい。
 中学の頃にあの事件に巻き込まれて、あまりにも多くのものを諦めてきたアタシが、最後まで諦めきれなかった、大好きな彼。
 たかが凶暴な女に追い詰められたぐらいのことで、揺らぐとでも?
 大木で百八回つかれても、誓いは曲げないわ。
 アタシは色ボケ女よ。彼にどうしようもなく参ってしまっている弱い女。
 彼以外に大事なものなんてありはしないし、これからも作る気はない。
 譲るつもりなんてさらさらない。
 誰に咎められても、自分の身が危険にさらされても、状況をひっくりかえしてやる。
 断固抵抗。絶対反抗。
 やってやろうじゃない。

「……葉月さん」
「何かしら。降伏宣言でもするつもり?」
「先輩って、童貞だったんですよ」
「え、え。やっぱり? よかったあ、じゃあ、私が初めての女になれるってこと………………ん?
 だった、って何? どういう意味?」
「めでたく先輩は童貞卒業されました、ということです」
 葉月さんの表情が一変した。血の気が引くとはこの表情を指して使うのだろう。
 間もなくして、震えだした。美人との評価を欲しいままにするだけあり、怒り顔まで様になっている。
「まさか、ああああなた、あなたが、が……」
「先輩って、結構荒っぽいんですよ。アタシがバテてても、まだまだやり足りないみたいで。
 力一杯抱きしめて、欲望のたけをアタシの体にぶつけるのに夢中になって。
 葉月さんにも見せてあげたかったなあ。アタシを抱えながら陶酔した先輩の表情」
「……嘘よ」
「本当です」
「嘘! 嘘嘘嘘嘘嘘、嘘よ、でまかせに決まってる!」
「信じたくないでしょう、葉月さんからすれば。
 でも、事実は事実。先輩は、アタシを選んだ。
 同じクラスの葉月さんより、後輩の木之内澄子の方が魅力的だったんでしょうね」
「なんて…………ことを! よくも、掠め取ったわね!」
 挑発に乗ってくれた。
 わっかりっやすーい。
 葉月さんの抱く先輩への不安をちょこっと突けばあっさり引っ掛かるんだから。
 アタシの言っている台詞こそ、なんの根拠もないものだって考えればわかるでしょうに。
 ここまで葉月さんを不安定にさせる先輩も先輩だけど、今回ばかりはその性格に感謝しなきゃ。
 でも、嘘でも先輩とセックスしたとか言いたくない。
 言ってると不愉快になってくる。
 先輩は、嫌いじゃないんだけど。
 恋人を選ぶなら、真っ先に除外するタイプだわ。
 葉月さんがどうして先輩を選んだんだか、アタシにはわからない。
438ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:21:00 ID:L4ArOBLk
「もう、あなたは許さないわ」
「そうですか。許さないのなら、どうするつもりです? さっきみたいに力でねじ伏せますか?」
「そんなことしないわよ。いいえ、そんなものじゃ済まさない。そんな軽い刑はあなたにはふさわしくない。
 二度と彼に近づけないようにしてあげる。恐怖のあまり、誰の前にも姿を現せないようにしてやる」
 ……へー、あっそう。そうですか。
「じゃ、やってみたらいいんじゃないですか?」
「その言い方……できないとでも、思っているの?」
「いいえ。葉月さんならそれぐらいのことはできるでしょう」
 相手が、アタシじゃなければ。
 あの事件を乗り越えたアタシに、痛めつけて恐怖を与えようったって無駄。
 だって、彼が居るから。
 彼が恐怖に打ち勝つ力と、心の拠り所を与えてくれた。
 彼が居ればアタシの心はいつだってエネルギー満タン、パワー全開。
 誰を相手取っても、心臓に氷の刃を突きつけられても、怖くなんかない。
 忌まわしいのは、体に限界があること。
 気合いは充分してる。
 ただ、気合いで補ってもさっきの葉月さんの猛威に立ち向かえるとは思えない。
 さて、どうするか――――と悩んだ時だった。

「…………ん? 今の音」
「救急車のサイレンね。おおかた、近くに住んでる人たちが通報したんでしょう。
 あなたが、車を事故らせたせいでね」
「あららら。思ったより早いなあ……」
 本当、仕事が早くて助かる。
 警察は動くのが遅いし、頼りないのが混じってるから嫌いだけど、救急隊員の人たちは仕事熱心だから大好き。
 おかげでアタシにとってはやりやすくなった。
 間もなく様子を見に来た人たちが野次馬のごとく集まってくる。
 それに乗じて動けば逃げるのも容易いわ。
 ここで葉月さんを仕留めることだって、できるようになった。

 葉月さんは周りに目を配っている。
 そして、少しだけ歯噛みしてから、アタシを見て言った。
「場所を変えましょうか。ここにいたら続きができそうにない」
 やっぱりまだやる気なんだ。
 だけど、状況はアタシに味方してる。実に扱いやすい。
「いいんですか? ここから二人して居なくなっちゃって」
「……どういう意味?」
「二人で、もしくはそれぞれバラバラでこの場から立ち去ったりして、誰かに見られたらどう思われるんでしょうね。
 間近で事故があったのに、まったく興味を示さずに立ち去る女子高生二人。
 もしかしたら犯人かも、なんて思われるかもしれませんよ」
「それは……それなら、顔を見られないようにすればいい」
「ますます怪しいじゃないですか、それじゃ」
 葉月さんが舌打ちした。
 なるほど、やっぱりこの人は一般的な日本の女子高生らしい暮らしを送ってきたらしい。
 それっぽいことを言われたら信じてしまう。
 事故現場から人が立ち去ったぐらいじゃ、誰も怪しんだりしない。
 皆現場を見ることに集中しているから、三分もすれば忘れてしまう。
 あからさまに犯人っぽい容姿をしているならともかく、制服を着た女子高生なんか怪しまれない。
 わざわざ通報して警察に協力する人も滅多にいない。
 ははっ。
 まさか、ここまで上手くいくなんて。
 これなら、戦うことも、休戦させることもできる。
 せっかくだから、さっき痛めつけられた分の仕返しをしてあげましょうか。
 どうやら、恐怖を心に刻みつけられるのはあなたになりそうですね、葉月さん。
439ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:22:23 ID:L4ArOBLk
 ボールペンを両手に取る。
 軽さと頑丈さと細さを吟味して選んだ、とっておきのうちの二本。
 中指と薬指ではさみ、逆手に持つ。
 でも、これはまだ構える前の準備の段階。
 確実に仕留めるためには、まだ条件が足りない。
 人が押し寄せてきて、混乱に乗じて死角が生まれた時にようやく条件は揃う。
 
 背後から光が差し、葉月さんの顔が見えた。
 ギャラリーが到着したらしい。
 あれ、地面が明るくなった。ありえないぐらい。
 足下を照らすには大袈裟過ぎる光量。懐中電灯の光じゃない。
 車のライトだ。
 葉月さんが左の塀に寄る。少し遅れてアタシも、反対側の塀に移動する。
 まさか真っ先に車がやってくるなんて。
 これじゃ、逃げるしか手がない。ペンを投げるだけでは葉月さんを仕留められない。
 塀に手を伸ばして跳び上がろうとしたら、突然車が目の前で停まった。
 見慣れたタイプの、どでかい白の四駆。
 まさか、と思って動きを止めて見ていると、助手席のドアが開いた。
 運転手がアタシを見ながら叫ぶ。
「乗れ、澄子!」
「はい?」
「とっとと乗れ、このAカップ!」
「なんですと!?」
 いきなり現れて失礼な! Bぐらいあるっての!
 たぶん!

 いやそれはともかく、アタシにこんなこと言うのはあの子しかいない。
 アタシに車という移動手段と、力を貸してくれる友達。
「京子! あんた、アタシにスリーサイズで負けてるくせによくも!」
「背は私が勝ってる!」
「なおさら救いが無いわ、このもやし娘!」
 やりとりしながら助手席に飛び乗る。
 ドアを閉めるより早く車はバックで走り出した。
 みるみるうちに葉月さんが遠ざかる。
 葉月さんは何が起こったのか理解していないみたいに、塀に寄ったまま立ち尽くしていた。
440ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:24:05 ID:L4ArOBLk
 京子は右手でハンドルを細かく切り、左肘を背もたれに乗せて後方を見るという、女心を刺激する姿勢をとっている。
 ちなみにアタシの女心は刺激されない。
 ドアを閉める。緊張の糸が緩み、肩の力が抜けた。
 一息吐いてから、口を開く。
「京子、どうしてここにアタシが居るってわかったの」
「ん? そんなの、お前の制服の襟に仕込んだ発信器を頼りにしたに決まってる」
「どうせ冗談だろうからあえて突っ込まないけど、それにしたって、
 迎えに来ないって言ってたあんたがなんでやってきたのかがわからない」
「あー、それはな」
 突然車が急停止。
 シートベルトをしていなかったせいでダッシュボードに頭を打ちそうになった。
 理由を問う前に、京子が右に素早くハンドルを切る。
 車は右の路地へ進路を取って、走り出す。
 ……止まるなら止まる、曲がるなら曲がるって言って欲しい。
「簡単に言えば気が変わった」
「気が変わった瞬間に電話して欲しかったわ……」
 そしたら葉月さんには会わなかった。自転車も置き去りの目に遭わなかった。
「違うんだ。変わったと言っても、出かける気分になっただけで、澄子を迎えに行くつもりじゃなかった。
 コンビニに寄って食玩を大人買いするついでに晩ご飯を買うつもりだった」
「でも、国道走ったらコンビニに着くじゃない。
 こんな路地に入る必要ないはずよ。もしかして、あんた迷った?」
「違う。途中で財布を忘れていたことに気付いたんだ。
 仕方ないから、澄子に奢って貰おうと思ってな。
 澄子と鉢合わせするように走ってきた訳だ」
「……あっそう」
 この理由が、アタシを迎えにきたのをごまかす照れ隠しだったら、上手いと言える。
 照れ隠しだったとしても、全然感動しないけど。
 もちろん、奢る気にも全くならない。

「そんなことより、澄子、さっきの女はなんだ」
「ああ、あの人は学校の先輩の葉月さん。
 垂直の壁を走る走破性と、数十センチの幅でも真っ直ぐ走るバランスと、自転車とスピード勝負しても負けないエンジンと、
 若者に絶賛されるデザインがウリの十七歳よ」
「……人間の紹介とは思えないな、今の。アンドロイドか?」
「さあ? 解剖しないとわかんない」
 まあ、人間なんだろうけど。
 紹介してて自分でも嘘っぽいって思うよ。
 どんな両親の間に生まれて、何を食べて、どれぐらい鍛えればああなるんだろう。
 少なくとも、地力じゃアタシはとても敵わない。
「とりあえず、お礼言っとく。ありがと。おかげで逃げられたわよ」
 あのままでも逃げられたんだけど、とは言わないでおく。
 手間を省いてくれたのは事実だから。
「礼なんか要らないさ。それよりも……」
「はいはい。ちゃんと食玩の大人買いにも付き合ってあげるわよ」
「そうか。五件まで付き合ってくれるか」
「言ってないし。なんで五件もコンビニに寄らなきゃ行けないのよ」
「一件じゃせいぜい一箱しか買えないだろう。どうせならもっと欲しい。そうは思わないか?」
「金を出すのがアタシじゃなければ、ね。
 ともかく、手持ちがあんまり無いから、何件もいくのは駄目」
「じゃあ私が立て替えておこう。あとで請求するから問題ない」
「あんたは、まったくもう……」
 嘆息して、何気なくバックミラーを見る。
 小さな光が闇の中に浮かんでいた。
 それはいつまで経っても遠ざかることなく、むしろ少しずつ大きくなっていった。
 車が左に曲がる。それでも光はまだ付いてくる。
 外灯が一瞬だけ光の正体を映し出す。
 そして、戦慄を覚えた。
441ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:25:04 ID:L4ArOBLk
「追ってきているな、さっきの女」
 京子の言葉に頷く。
「ゆっくり走っているにせよ、三十は出ているんだが。
 音がしないところからして、自転車で追ってきているようだ。
 クロスかロードのどっちかなんだろうが…………どっちだと思う」
「クロスの方よ」
「なぜ分かる?」
「前、あんたに貰った自転車だから。あれ、クロスバイクって言うんでしょ」
「ああ、あれか。なら納得だ。私が乗っても四十ちょっとは出せたからな。
 でも、なぜその葉月とやらがそれを?」
「自転車を跨いでる時、上空から人間が急降下してきたら飛び降りるでしょ。
 実際にやられたから、置き去りにしたのよ」
「……やれやれ」
 京子が肩を落とした。
「澄子、お前と知り合ってから私は変な目に遭ってばかりだよ。
 まさか、仮面を被っていない生身の状態で特撮シーンを演じる女と、リアルチェイスすることになろうとは」
「いいじゃない。おかげで元気になったんだから」
 しばしの沈黙の後、ふん、と鼻であしらわれた。

 アタシと京子は、かつて同じ男から、同じ目に遭わされた。
 いわば暴行事件の犠牲者同士。
 でもアタシ達が仲良くなれたのは、事件の当事者だからとか、名前が似てるから、という意識があったからじゃない。
 京子の弟が自殺したのが原因だ。
 事件を起こしたあの男は、とにかく最低最悪の変態性欲の持ち主で、見た目が良ければ男でも女でも襲った。
 そのうちの、男の犠牲者に京子の弟も含まれていた。
 まだ小学生で、女の子と好き合った経験もないのに、変態の慰みものになった、京子の弟。
 事件後に受けた精神科医のカウンセリングで知り合ったのがきっかけ。京子ともその時知り合った。
 出会った時は、はきはき喋ってよく笑う、事件にめげない強い男の子だと思った。
 彼が仮面を被っていたのだと気付いたのは、自宅のあるマンションの屋上から飛び降りて、命を絶った時。
 気付くのが遅すぎた。アタシも京子も、自分のことだけしか考えていなかった。
 傷ついていたのは京子の弟もそうだったのに。
 傷つかないはずがないのに。
 アタシ達は、京子の弟を助けられるはずだった。
 年下の男の子に慰められるんじゃなくて、年上のアタシ達が慰めるべきだった。
 それからだ、アタシ達がお互いのことに気を配り、協力し合い、友達になったのは。
 心の底から親友と言える相手。
 だからこそ、京子はアタシを止めなかった。
 人をさらうために力を貸してなんて言って、味方してくれるのは救いがたい悪党と京子だけ。
 協力を要請するのがどちらになるかなんて、悩むまでもない。
 アタシは京子を、京子はアタシを助ける。
 それが、アタシ達の暗黙の誓い。
 申し訳なく思うのは、アタシが京子よりも彼を優先させていること。
 本当にごめんね、京子。
442ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:28:16 ID:L4ArOBLk
「澄子、次の角を左に曲がる」
「りょーかい。きっちり曲がって葉月さんを撒いちゃって」
 ライトがT字路を照らす。
 京子はなかなかスピードを落とさない。
 葉月さんはまだ追ってきているから、そうするのはわかるけど。
「ちょっと、これじゃぶつかっちゃう!」
「シートベルト着けて、どこかに掴まれ…………吹っ飛ぶぞ」
「なんでアタシが吹っ飛――――ああああぶつかるうっ!」
 ヘッドレストに両手でしがみつく。
 ぐんぐん壁が迫る。
 激突する画を思い浮かべた時、右側に重力で引かれた。
 車が、横向きに走ってる。
「ちょ、何やってんのあんた!」
「ああ、うるさい。騒ぐな」
 信じられないほど落ち着いてハンドルを操作する、イカれた運転手の声。
 どうやら落ち着いていないのはアタシだけらしかった。
 車も、壁にぶつかるすんでのところで左の路地に入っていった。
 シートが平らになっていることを理解してから、盛大に息を吐き出す。
「そんなに怖かったか?」
「当たり前じゃん! 事故るかと思ったわよ!」
「まあ、私もリアが塀にぶつかるかと心配したけどな。こういう場所で滑らせるのは初めてだから」
「無謀なことしないでよ! 今すぐ降ろしなさい!」
「いいのか? 女に追われてるんだろう」
 あ。
 すっかり忘れてた。
 サイドミラーで後方を見る。光は見えず、ただ暗いだけ。
「良かった。さっきので撒いたみたい」
「……本当にそう思うか?」
 なぜか京子の声は暗い。
 声にいつもの余裕がない。
「ええ。自転車のライトが見えないから」
「じゃあルームミラー、は見えないから――――リアウインドウを見てみろ。
 すごいものが見られるぞ」
「見たってどうせ一緒でしょ。後ろからは誰も……追って、来てはいない、わね」
 けど、あのカーブを曲がり切って付いてくる自転車よりも、すごいものが見えた。
 リアウインドウが黒く覆われていた。
 もちろんそれは、京子の趣味で貼られている黒いシールなんかじゃない。
 時々蠢き、自身が有機体であることを主張する。
 人が――葉月さんが、リアウインドウに貼り付いていた。
443ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:30:24 ID:L4ArOBLk
「い、いつの間に?!」
「予想、いや、他にやり方がないから断定してもいいか。
 さっき車が横向きになった瞬間に勢いよく壁に突っ込んで、自転車を捨てて飛び移ったって所だろう。
 なるほど、さっき右をぶつけたかと思って疑ったが、あれは自転車が壁に激突した音だったのか。
 よかった、車が傷ついてなくて」
「ちっとも良くない! 冷静に分析してる場合? このままじゃ――」
 後部座席から光が差した。
 密閉された車内の空気を乱す音が入り込む。
 風の音と、タイヤの立てる走行音。
 リアトランクが開いている。
 勝手に開くなんてことはない。京子はそんな故障を放ってはおかない。
 考えられるのは一つ。
 葉月さんがトランクを開けた。
「ふふ、ふふふふふ……あはははは、ははははは!
 逃げられやしないわ。許さない。絶対に彼を取り返すんだから。木之内澄子……あなたから!」
 トランクを掴み、内側に入り込もうとしながら笑う葉月さん。
 マジ、映画の世界。
 もう、サイボーグでも改造人間でもアンドロイドでもミュータントでも、どれでもいい。
 葉月さんはそれらに劣らない。この執念は異常だ。
「京子、なんとか振り落として!」
「まだできない」
「どうして!」
「道幅が狭い。やりたくない」
「あんたねえ! ここでアタシがやられたらあんたまでおしまいよ!?」
「お前のやらかしたことのとばっちりでか。
 澄子が、そこに居る女の男に手を出したのが悪いんだろう。
 自分が可愛いと思ってる貧乳はこれだから……」
「先輩のことは誤解だし、アタシは貧しくないしあんたよりは少なくとも――――ええい、いいから早く振り落としなさい!」
「世話の焼けるやつだ、まったく」
 京子は小さくかぶりを振る。
 ハンドルの方は少しもぶれていない。
「あまりやりたくはないが、致し方ない。
 澄子。十、四五秒もたせろ。それまで中に入れるな」
「どうやって!」
「お前の腕は木の棒か? 射撃の腕ははりぼてか? 自分で考えてなんとかしろ」
 やりとりの最中も、葉月さんはトランクと格闘して、入り込もうとしてくる。

 あと、約十秒。
 葉月さんの顔面目掛け、ペンを二本投げる。避けられた。
 ペンを二本消費。残り九本。
 シートを後ろに倒す。
 左手、ペンを投げる。遅れて右手、後部座席のレバーを掴む。
 レバーを上げると同時、シートを蹴る。
 葉月さんが引く。ラゲッジに乗っているのは左足。
「あと五秒」
 あと、五秒らしい。
 葉月さんの足が伸びてきた。のけぞって躱す。
 足首を掴み、右手に持ったペンを突き出す。
「つーかまーえ、た!」
 刺さる前にアタシの体が倒れる。
 葉月さんに引き寄せられた。可笑しそうな顔を見上げる。
 シートのレバーに手を伸ばす。握り拳が見える。
 レバーでシートを持ち上げる。軽度の衝撃。シートを殴られた。
「右に回る、捕まってろ!」
 左から、手が伸びてきた。
 視界が掌でいっぱいになった。
444ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:32:21 ID:L4ArOBLk
 頭部が揺れた。
 左の窓にぶつかって、音と衝撃が鼓膜を揺らした。
 脳を揺らし、目の奥の奥を奮わせる。
 体が左に流れてる。肩から腰までドアに密着している。
 甲高く、重々しいスキール音が聞こえる。
 歪んで見える窓の向こうは目まぐるしく変わる。
 そして、一際大きく車体が傾き、わずかに静止。背後からトランクの閉まる大きな音。
 平衡感覚が斜めの状態から正常に戻る。遅れて、アタシの体がシートに倒れた。
「…………京子、今の何」
「五百四十度ターン。四分の五回転。つまり、一回転したのちに車の鼻先を左に向けた」
 ああ、道理で。
 カーブを直角に曲がったときより時間がかかったわけだわ。
「それより、そんなことして大丈夫なわけ? 狭い路地でさ」
「周りを見ろ。とっくに開けた場所に出ているぞ」
 頭をシートから剥がし、フロントウインドウを見ると、塀に囲まれていない道が見えた。
 左には、さっき走ってきた路地が暗闇を広げている。
 なるほど。路地を直線に走ってきて、車道に出た途端ターンしたの。
 回転が終わった瞬間にトランクのドアを閉ざすこともできた。
 これなら効果的だわ。いかに葉月さんとはいえ、耐えられないはず。
 シートの後ろ、足下、一応助手席まで見てみたけど、葉月さんはいない。
「ああ、よかったあ。中に入り込んでたらどうしようかと思ったわよ」
「ちらっと見たが、トランクが閉まる直前、吹っ飛んでいったぞ。
 どの方向に行ったかは見えなかったが。
 ……それより、変な物は転がっていないか?」
「変な物? いえ、相変わらず何も積まれてないけど」
 京子はなんでか車に物を積みたがらない。
 アタシが人形を置いてもいいか聞いたらあっさり却下した。
 さすがに傘ぐらいは置いてあると信じてるけど。……見たこと無いんだけどね。
「例えば、指とか、腕とか、制服の切れ端とか。血が付いたら最悪だ。匂いが染みつく」
「安心しなさい。そうなったらさすがに悲鳴ぐらい、あげてるはずだから」
 確認するのが面倒だったからそう言った。
 一応後で確認しておこう。
 もしもあったら……その時はその時に考えましょう。
「京子。悪いんだけど、家に送ってくれない? コンビニに行く気分じゃないわ、もう」
「ん、了解。私もそのつもりだったからな」
 車が静かに発進する。
 アタシは、冷蔵庫の中身がどれだけ残っているのかを浮かべながらシートにもたれた。
445ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:34:31 ID:L4ArOBLk
 自宅に到着した。
 なんだか三日ぶりに帰ってきたみたい。今回の外出では、初体験が多すぎた。
 家にある唯一の自転車は、帰還が叶わなかった。
 ちょっともったいない気もするけど、どうせ明日には県を二つ跨いだ先にあるところへ行って、
それきり帰ってこないから乗れなくなることに変わりない。
 車を塀に寄せて停車させ、京子が振り向いた。
「ここでいいか?」
「ええ、ありがと。家、上がってく? 残り物で作った料理なら振る舞ってあげるわよ」
「悪くない。けど、断らせてもらうよ。
 家に帰って、明日の準備をして、早めに寝なければいけない。
 澄子の家に寄ったら、帰りが遅くなるのは見えてるからな」
「そう。ならしょうがないか」
 ドアを開けて降りる。
 足を着いた瞬間に膝が少し笑った。地面が頼り甲斐ありすぎる。
「じゃあ、バイバイ。
 明日はよろしくね。五時、しかも朝の五時だから、忘れないように迎えに来てよ」
「お前こそ、男と熱くなりすぎて寝坊するんじゃないぞ。
 約束の時間を五分過ぎても出てこなかったら、私は帰るからな」
 なんでフィフティフィフティの関係なのに、あんたはそこまで優位に立ってるの……。
 一応アタシが依頼主なんだから都合してくれてもいいじゃない。
 小さくため息。気を取り直す。
「じゃあね、京子」
「また明日だ、澄子」
 ドアを閉めると、京子の車は静かに走り出した。
 赤いテールランプに向けて手を振る。
 応えるかのように、車は突き当たりの角を曲がって消えていった。

 二階の窓を見上げる。
 アタシの部屋。今は彼が眠る部屋。
 明かりを点けっぱなしにしてきたから、もちろん窓から光が漏れている。
 そろそろお腹を空かして起きている頃かも。
 何を作ってあげよう。
 お米は冷凍したのがある。卵があったら炒飯、無かったらお粥にしようか。
 問題は、どの具が残ってるかだけど。
 彼、嫌いなものとかあるのかな。
 というか、好きなものさえよく知らないわ、アタシ。
 これは由々しきことだわ。早急に彼に聞かなければ。
 炒飯やお粥が嫌いな人は滅多にいないだろうけど、万が一のケースもあり得る。
 ああ、でも。
 今顔を見たら駆け寄って抱きついて、しばらく動けなくなるのは目に見えてる。
「どうしよう……彼、何が好きなのかな」
「あの人は、フレンチトーストが好きらしいわ」
 え?!
 驚き、呼吸を止めたまま息を呑んだ。喉が締め付けられる。
 今の声、葉月さん。
 嘘。だってさっき、振り落としたはずじゃ。
 もしかして、振り落とされる寸前に、車内から見えない死角にしがみついていた?
 そうだとしたら、これほどの人がアタシの家に来ている現状は、とても良くない。
「いつか作ってあげたいわ。美味しい牛乳に砂糖をたっぷり入れて、パンを浸して。
 フライパンでパンを濃いきつね色に彩ったら、バターとシロップをかけて。
 そして、私の気持ちを舌と心で味わってもらうの。
 甘い甘い、クラクラくるこの気持ち。
 そしたら、あの人、きっと笑顔で美味しいって言って、私の名前を呼んでくれる」
 これが、これこそが――――大ピンチだ!
446ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:36:35 ID:L4ArOBLk
 駆け出す、玄関目掛けて。
 鍵を取り出し、しかしまだ使わず、ドアの前で停止。
 ターンしつつ左手でペンを背後へ飛ばす。
 追いかけてきた葉月さんがペンを払う。スピードが落ちた。
 後ろ手で鍵を開ける。最小限ドアを開けて、玄関へ滑り込む。
 しかし、ドアが閉まらない。
 葉月さんの靴がドアに挟まれていた。
 ドアの隙間から、宵闇に浮かぶ薄ら笑いの顔が覗き込んできた。
「ふふふ……ははは、あっはあ! とうとう、追い詰めたわよっ!」
 凄まじく強い、抗いようのない力でドアをこじ開けられる。
 後ろへ跳ぶ。靴を履いたまま床に着地。
 じりじりと後退するアタシと対照的に、葉月さんは悠然と靴を脱いだ。しかも出船の形にしてる。
「あの人を前にして、土足で他人の家に上がっているところを見られたくないわ。
 そう、ここがあなたの家なの。そして、あの人は二階にいる。そうね?」
「さて、どうでしょう」
「まあ、答えてくれなくてもいいわ。
 自分の目で確認すればいいだけだから。ちょっと失礼させてもらうわよ」
 玄関右手にある階段に葉月さんが向かう。
 もちろんそれを何もせず、ただ傍から見送ることはしない。
「葉月さん、アタシに背中を向けていいんですか?」
「遠くからあなたにペンを投げられても、ちっとも痛くないんだもの。
 そんなものより、あの人が今は大事なの」
「そうですか。じゃあ、こんなのは、どうです?」
 靴箱の上に乗った花瓶を掴み、放り投げる。
 狙いは葉月さんの手前の壁。

 砕ける音。
 飛び散る破片。バラバラに舞う花びらと茎。そして、水。
 こんなものじゃ葉月さんの体には、大したダメージを与えられない。
 狙いは別。
 葉月さんの顔と、髪と、服だ。
「…………どういうつもり?」
「ちょっと葉月さんの顔に足りないものがあるかな、と思ったもので。手を加えてあげたんですよ。
 ひどい有様ですね。とてもじゃないけど、好きな男性に会いに行く女性とは思えません」
 そう。今の葉月さんの髪には、花びらが少々と水が大量にかかっている。もちろん、顔にも。
 瓶の細かい破片が、コートの黒地をしまらないものに変えていた。
 しかし、今の葉月さんは、言うなれば水も滴るいい女。
 むしろ別の魅力を引き出してしまった感じ。
 でも、こう言ったら葉月さんは引っ掛かってくれるはずだ。
「つくづく……あなたは、私の神経を逆なでしたり、逆鱗に触れることをするのが、好きね」
「ええ。得意技です。そうでもしないと、アタシの大事な物が奪われてしまうんですから」
 振り向いた葉月さんが、アタシを見下ろして、微笑んだ。
 嘲るような笑いではない。まるで、楽しんでいるよう。
「いいわ。あなたにも私にも、譲れないものがある。
 なら、どうすればいいか。どうしなければいけないのか。
 もちろん自覚しているわね」
「愚問です。もとより、アタシはそうするつもりでしたから」
 可能な限りそんな事態は避けるつもりだった。
 だけど、今なら言える。力でアタシを圧倒する葉月さんを前にしても。
 限定された空間。隅々まで詳しく知る場所、アタシの家。
 体力は全快している。加えて、足の指先から髪の毛先まで満ちる気力。ベストコンディション。
 駄目押しの、葉月さんの今の格好。
 負ける要素が、これでもかというほど排除されている。
「勝負です、葉月さん。アタシに勝ったら、二階に上がってください」
 今なら、確実に勝てる。
447ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:37:39 ID:L4ArOBLk
 一足先にアタシがリビングに入ると、葉月さんもついてきた。
 入り口で立ち尽くす葉月さんは、訝しむように目を周囲に配らせていた。
 罠でも仕掛けてあるのでは、と心配しているのだろう。
「そんなところに立ってないで、どうぞ椅子に腰掛けて楽にしてください」
「……要らないわ」
「じゃあ、お茶でもいかがです? あ、今は冷たい方がいいですか?」
「あなた、自分がさっき何を言ったのか覚えてないの? 決着をつけるんでしょう、今から」
「やだなあ、葉月さんったら」
 椅子を引いて座り、頬杖を突きながら葉月さんを見上げる。
「そんなに疑われるなんて心外です」
「よくも、そんなことを言えるわね。あなたと私の間に、一瞬でも信頼関係があった?」
「無いですけど、アタシの心遣いを察してくれてもいいじゃないですか。
 自転車を追いかけて、少し戦って、自転車を漕いで、車にしがみついたら、さすがにお疲れでしょう。
 戦うのは一息ついてからでも遅くはないですよ」
「……悪いけど、あなたの心遣いなんていらないわ。
 私はあの人に会いに来たの。あなたの相手をする時間も惜しい。
 早く立ちなさい。痛いのは一瞬で済ませてあげる。死ぬほど痛いでしょうけど。
 それだけで、彼に近づく気を無くしてやるわ」
「つれないなあ、そこまで邪険にしなくてもいいのに」
 足を組む。余裕を見せつけるように、アタシは言う。
「じゃあ、そろそろ始めましょうか。時計の秒針が十二を指したら、レディゴーです」
 壁掛け時計を見る。残り時間は三十秒。
 葉月さんはコートを脱いで、首を右に左に動かす。
 対して、アタシは動かない。
 動かないようにしている。葉月さんの取る一手を限定させるために。
「一つ、聞かせて頂戴」
「短いものでしたら、どうぞ」
「あなたは、あの人のことを、どう思っているの。
 本気? それとも……ただの遊びや、暇つぶしのつもり?」
「そんなの、決まってます」
 溜めをつくり、あと三秒というところで、答える。
 先輩に抱くアタシの気持ちを、口にする。
「アタシにとっては、遊び相手にもなりはしない、B級映画みたいな人ですよ」
448名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:37:40 ID:xwIzaC0c
支援
449ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:40:18 ID:L4ArOBLk
 時計の秒針が十二を指す。
 葉月さんが突っ込んできた。人というより獣と呼んだ方がいい憤怒の表情。
 突進の勢いを乗せたサイドキック。それが机の縁を捉えた。
 アタシの背後には四十センチの空間と、壁。前からは机が迫る。
 だが、読み通り。
 両足の裏を机の下に当てる。机は直前で進路を変え、斜めになる。
 机の重みにバランスを崩した椅子が倒れる。両腕で受け身を取る。
 机を飛び越えた葉月さんが上空に現れる。
 蛍光灯を背にして、勝利を確信した笑みを浮かべている。
 同じようにアタシも笑う。

 右に転がって葉月さんの落下地点から回避。
 続くのは踏みつぶすのを目的とした右の踏み込み。しかしそれは届かない。
 なぜなら、葉月さんは支えを失った机と壁に挟まれたから。
 転がっていたアタシは巻き込まれることなく、机の下をくぐり抜け、机を挟んで葉月さんと対峙する。
「こんなのっ!」
「おっと、そうは行きません」
 机の縁を蹴る。葉月さんの背中に机がめりこむ。もう一撃お見舞いする。
「…………調子に乗って、このっ!」
 葉月さんの姿が消えた。
 机の下を潜り込んでくる――という予想は大きく外れた。
 右に飛び退く。わずかな間を置いて、机が空を飛んだ。
 滑走距離もなしに上昇させたのは葉月さんの力。床を背にして両足を伸ばして吹き飛ばしていた。
 机はリビング入り口方向へ向かい、豪快な音を立てて横倒しになって床にぶつかり、それでも慣性を失わず、また倒れる。
 完全にひっくり返り、リビングのドアに激突した。
 ……すご。この人にはびっくりさせられてばっかりだ。
「すぐにあなたも同じ目に!」
「なりゃしません!」
 手元の椅子を横倒しにして、葉月さんへ向けて滑走させる。
 その場合にとる行動。今し方アタシの見せた手を覚えたなら。
「ワンパターンね!」
 椅子はもちろん止められる。そして。
「――同じ手は、食わないわよ!」
 アタシに向かって跳ね返ってくる。
450名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:41:23 ID:od4nDWEF
支援
451ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:41:47 ID:L4ArOBLk
 あなたは部屋が一つしかないと考えている。
 葉月さんの認識する戦いの場では、物は邪魔な障害物でしかない。
 まっさらな空間こそが、あなたの得意なフィールド。
 いわば、部屋は四隅のある正方形。床は一つ、壁は四つ、天井は一つ。
 もしくは、囲いのない平坦なグラウンドのど真ん中。

 向かってきた椅子に向かって、軽く跳ぶ。勢いを活かしもう一歩。
 三歩目で両足をそろえ、椅子を踏み台にして、跳躍する。

 ――けど、椅子もある意味で限定された一つの空間。
 足場にもなるし壁にもなる。武器にもなるし盾にもなる。
 部屋には無数の床と壁と天井が存在する。
 点と点の隔たりを細かく断ち、角度をつけて線と線を結び、空間を作り出す。
 一つの限定空間において変動する空間を際限なく構築する。
 固定されぬ観念の生む戦場。
 無論、その中には相手も組み込まれている。

 頭上にいるアタシを葉月さんが拳で迎え撃つ。
 土足のままだったおかげで、拳の衝撃を受けることなく、足場を確保。
 拳を踏み台にしてさらに跳ぶ。
 目指すは、かつて机のあった位置の横にある食器を収める棚――の上。
 天井に背を付けて、足を動かす。
 するとどうなるか。
 不確かな足場である食器棚は倒れる。重力に導かれ、無防備な葉月さんの背中へ向かう。
 振り向いた時には、もう遅い。
「な、嘘――――っ!」
 大胆だけど無機質な食器棚に、葉月さんは押し倒された。
452名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:42:33 ID:L16w6vaA
453ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:43:16 ID:L4ArOBLk
「あー……すっごい、疲れた」
 頭を打って気絶した葉月さん、の上に乗る食器棚、の上に座り、アタシはようやく緊張を解いた。
 この部屋なら勝てるという確信はあった。
 しかし、前提がある。アタシが思うとおりに動ける、冷静に判断できる精神状態である、の二つ。
 事前にシミュレーションをする必要はあまりない。
 相手の取る最初の一手さえ見逃さなければ、あとは頭が判断して、体を動かしてくれる。
「でもこんなの、そうそうできないよねえ……泊まるのが今日限りだからできたけど」
 明日の朝食は京子の車の中になりそうだ。

 お父さんとお母さんは、怒るかもね。
 娘が居なくなったことよりも、リビングがぐちゃぐちゃになっていることについて。
 携帯電話には、両親の番号もメルアドも登録済み。
 だけど、二人ともアタシの番号とメルアドなんか知らないみたいに、一度も連絡をくれない。
 そんなんだから、この家であの男の凶行を許したんじゃないか――――なんて、責めたりはしない。
 運が悪かった。ただそれだけ。
 事件に遭うまで、アタシは一年の内の九割を一人きりで暮らしてきた。
 いわゆる鍵っ子の上級もしくは下級バージョン。
 より深刻になっているのは、進化なんだか退化なんだか。
 ともかく、十五歳になってあの男に遭遇したのは、偶然だ。
 そうでも考えなければ、やってられない。
 アタシが両親を嫌いだから、偶然がその目を向けたなんて、思いたくない。
 アタシは悪くない。
 それだけは、絶対に信じて疑わない。

 さて、葉月さんを縛る前に、彼の様子を見に行くとしようか。
 でかい机が滑って空を飛んで着地して倒れて、おまけに食器棚が倒れたんだから、何事かと彼が怖がってるかも。
 怖がっていたら、子守歌を歌ってあげないと。
 歌といえば、カラオケ。
 京子と行くとヒーローソングのメドレーを聞かされるけど、彼もそうなんだろうか。
 個人的にはラブソングがいいんだけど。
 彼が葵紋花火やお兄さんのことを忘れるまで、まだまだ時間はかかりそう。 
 それまでは、カラオケデートもお弁当作って遊園地に行くのも、おあずけ。
 根気よく関係を築いていこう。
 アタシと彼は、まだ付き合ったばかりなんだから。
454名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:45:48 ID:A4AvAy3+
支援
455名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:45:54 ID:od4nDWEF
支援しよう
456ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:46:10 ID:L4ArOBLk
 二階へ行き、彼の眠る部屋の前に立つ。
 考える。
 もし彼が起きていた場合、さっきの物音をなんと言って説明しよう。
 葉月さんと戦っていた――じゃなくて遊んでいた、というのもアリだけど。
 他の女を彼に会わせたくない、意識させたくないという、アタシの女心がそれを却下する。
 浮気するのを心配してるわけじゃない。とっくに金髪の雌牛に惚れているから。
 いずれは雌牛のことも忘れさせるけど、対象になりうる存在はなるべく排除したい。
 葉月さんは先輩に惚れているから、除外するとして。
 京子にも一応チェックマーク入れておこう。
 親友を疑うなんてしたくないけど、彼をさらった犯人を知っているのは京子と先輩ぐらいだから、仕方ない。
 そうね、さっきの物音のことは忘れさせましょう。
 もっとすごい思い出を刻みつければ、些細な出来事は簡単に忘れるもの。
 ああ、どうしよう。彼を抱く、葉月さんを縛る、どっちを優先しよう。
 うー……一回するぐらいなら、でも一回やったら止まれないだろうし。
 しょうがない。
 また一階に下りて、葉月さんを縛ろう。
 彼とするのはそれからでも遅くないや。

 回れ右して、一歩踏み出した。
 その瞬間に、わずかな物音を察知した。
 近い。とても近くの、扉の向こうから。
 でも彼は縛られているから起きられない。
 だったら――――他の人間だ。
 勢いよく開いた扉を飛び退いて避ける。廊下側のドアノブが壁にぶつかって跳ね返った。
 戦闘状態に移行した神経で、次の動きを待つ。
 聞こえたのは、忌まわしく、憎たらしい、大嫌いな女の声だった。
「待っていたよ、ずっと。お前ら二人が帰ってくる前から、ずっとな」
「……玄関には鍵をかけていたはず」
「窓を割って入った。ガラスには謝っておいた」
「アタシにも謝ったらどう? ガラス片の散らばった床に土下座して床を舐めたら、
 許してあげるのを後ろ向きに検討してあげる」
「それをするのはお前だ、木之内。あいつをこんな目に遭わせて、ただで済むと思うなよ!」
 廊下に飛び出した金髪は、葵紋花火。床を蹴って懐に飛び込んでくる。
 闘牛よろしく飛び込んできたところを躱す。
 ――刺し殺す。
 中指と薬指でペンを挟み、手首と垂直に持つ。
 手加減抜き、相手の体の機能を奪うための武器として扱う。
 葵紋が足を止める。
 背中に飛びつく。左腕で首をロックし、耳の穴目掛け、突きだす。
 ペンの先が肉を穿つ。
 しかし刺さった箇所は、葵紋がとっさに動かした右手。
「う、おおお、おおっ!」
 壁に叩きつけられる。背中でアタシの体を潰そうとしてくる。
 だが、これぐらいでは左腕は緩めない。
 右手を捻る。銀色のペンがより深く、怨敵の手を深々と貫く。
「死ね! 死んでしまえっ、葵紋、花火!」
「黙れ! お前如きが――――」
 葵紋の右手が動く。壁とアタシの手がぶつかる。
 ペンは八割方埋まっていた。すでにアタシの手から離れている。
 次に何が来るか分かっても、前からは葵紋の背中に、後ろは壁に挟まれて身動きがとれない。
 身長差のせいで足が床に着かない。
 逃げようがない!
「私の名前を! 呼ぶんじゃないっ!」
 右の太腿に重い一撃。続いて芯を侵すような鋭くて熱い痛み。
 血が噴き出していると、見なくてもわかる。
 だが悲鳴はあげない。
 ここで仕留める。
457ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:48:49 ID:L4ArOBLk
 左手で右腕の上を掴み、右手を葵紋の後頭部に当てる。首を締め上げ、右手を前に押し出す。
 裸締め。テコの原理を応用した首折りの手段。
 力で圧倒的に劣るアタシにはこれぐらいしか、接近戦で有効な手がない。
 葵紋はまだ抵抗する。しかし力は弱くなっている。
 右足と脇腹に葵紋の持つペンが突き刺さる。
 おそらくどれかはかなり深く刺さっている。痛みが呼吸を阻害する。
 歯を食いしばって力を込める。左腕を支点に、右手を力点に。
 葵紋の喉がわずかに震えた。
 最後の力を振り絞った葵紋の持つペンはアタシの頭頂部を貫いた。
 視界の右半分が紅く染まる。右のまぶたを閉ざした瞬間、はずみで力を緩めてしまった。
 左腕を掴まれた。体が流れ、受け身もとれずに叩きつけられた。

 熱くなった頭では、右の腿と脇腹の痛みを知覚しない。
 闘争心が、憎悪が、不自由な足を引き摺って動かす。
 気付いたらアタシは立っていた。右手は壁に付いている。左手はスカートのポケットに。
「木之内、よくも、よくもあいつを、やったな! やりやがったな!」
「吼えるなっ! 彼は、アタシだけのものだ!」
 左手、ペンを掴む。
 投げるなんてことはしない。この女だけは確実な手で仕留める。
「あんたさえ、消えれば!」
「居なくなれ! あいつを穢したお前なんか、ここで終わってしまえ!」
 葵紋が突進してくる。
 だけどアタシの足はもう動かない。動かせるのは両手だけ。
 右手を壁から離し、一瞬だけ直立する。
 葵紋の体当たりを正面から受ける。
 腰を掴まれ、押され続ける。壁に叩きつけるつもりか。
 だけど、大人しくやられはしない。
 右の袖からペンを出す。残るのは一本だけ。左手と合わせて二本。
 これで充分だ。
 心臓と、右肩。ここを潰してしまえば、葵紋はこの世から居なくなる。
 アタシと彼の前に二度と現れない。
 勘だけで心臓に狙いを定める。
 壁に衝突した際の反動で、深く突き刺さってくれるはずだ。
 
 日記の続き、明日は色々書けそう。
 書き終わったら、明日は彼と何をして過ごそうか。
 今なら、やりたいことがいっぱいっぱい浮かんでくる。
 部屋でテレビを見てるだけでも、一緒にご飯を食べるだけでも、なんなら同じベッドで添い寝するだけでもいい。
 そうだ。明日はパンを焼いて、食べさせよう。
 アタシ、お菓子作りは結構好きなんだ。ケーキだって作れるんだよ。
 食べてくれるかなあ。彼、どんな食べ物が好きなのかなあ。
「えへへ、へ……」
 忘れずに、聞かないと。
458ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/06/22(日) 23:50:37 ID:L4ArOBLk
 壁と背中がぶつかり、前方からの衝撃が内臓を圧迫した。
 葵紋が後ろに下がり、尻餅をついた。
 アタシの右手には、ペンがない。
 きっとこの雌牛に刺さったんだ。屠ることが、できたんだ。

 支えを失った体が、壁を擦りながら落ちてゆく。見慣れた廊下の景色が上っていく。
 そして、気付いた。
 背中のどこかを、鋭い物が穿っている。
 もう意識は一割ほどしか働いていない。
 このペンは、どこまで達しているんだろう。
 アタシは、また彼と日常を過ごせるまでに回復できるのかな。

 あー。
 なんだか、切なくなってきちゃった。
 死なないよね、アタシ。
 まだ死にたくないもん。
 なのに、どうして、無性にお礼が言いたいんだろう。
 お別れじゃないのに。
 まだ生きる気満々なのに。

 私、あなたに会えて救われた。

 本当、あなたを好きになってよかった。

 ありがとう。


 こんなこと、言わないんだから。
 不安にさせちゃうから、絶対に……言ったりなんか………………しない、よ――――――
459名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:52:50 ID:L4ArOBLk
以上、死闘編終了です。
支援してくれたみなさん、乙かれさまです。

次回から新編突入です。
来週の日曜日に間に合うかは、正直、分かりません。
460名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:53:21 ID:L16w6vaA
OTSU
461名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:54:45 ID:od4nDWEF
終わったのか。
GJ!澄子ちゃん、いきろおおおおお
462名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:55:01 ID:L6qDAbCS
つ…疲れた…
エロパロってことを忘れてしまいそうだ。まさに死闘。
しかしここで終わりって!
先は気になるけど無理なさらず。GJでした。
463名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:57:47 ID:lfdRoG6r
GJ!!
リアルタイムで楽しめました。多謝。
曜日は気にせずに!
464名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:58:44 ID:2DkvI/fb
なんという引き・・・次回の投下が待ち遠しいじゃないですか。GJとしか言いようがない

敵を前にしてもフレンチトーストで妄想できる葉月さんがかわいくてしょうがない
465名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:00:39 ID:rQLpIO9O
GJなんだぜ
しかし、葉月さんが人間か疑わしいなwww
あと、別に来週間に合わなくても自分のペースでゆっくり書いてほしいんだぜ
そして最後にもう一度・・・GJ!!
466名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:02:46 ID:mL2pU08d
GJ!
ああ・・・澄子ちゃん・・・【追悼】
467名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:09:20 ID:0ODVhhKV
GJ過ぎます!
そして兄貴にも見せ場を
468名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:13:43 ID:bQntMuf2
しかし冷静に考えると澄子ちゃん死んでしまったら兄貴脱童貞のくだりはどうなるのだろう
469名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:27:12 ID:fdCkN7SV
澄子ちゃん家に兄貴いないしなぁ。
花火さんがやってきて弟はどうなってるんだろう…?
470名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:29:45 ID:HNCOUkK4
GJ!
作者さんがキモオタ童貞の僕たちにさみしい思いをさせないように
兄貴の脱童貞フラグをへし折ってくれたんだよ
471名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:34:14 ID:HuhZ2C3f
もはや傍観どころかフェードアウトしかけている兄について
472名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:36:55 ID:XNAcKZRW
恋する乙女、三つ巴ですな
GJ!!


それでも澄子ちゃんなら…澄子ちゃんならきっと…
473名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 00:49:27 ID:nMFUNvOY
しかしあれだ
葉月さんはスザク並みの身体能力だなw
474名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 01:25:44 ID:4wZ1SvSh
腕折られても存在感消える兄ってw
>>468
証人が消えたら、後は妄想と暴走が待つだけだろう
475名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 01:42:53 ID:RJh8tz7R
GJです。
しかしまぁ兄貴はみんなが傷つかないようにがんばってるのに利用され、殴られ、妹には好かれず…腕までへし折れるとは…orz
ひどい目にあってるのに健気で、真のヒロインは兄貴のような気がしてきた

個人的には同じモデラーとしては命とも言える腕を結果的にせよへし折った花火は許せないので今回で退場とは思いたくなかったり
…とは言ってもあの優しい兄貴が報復とかはありえないだろうけど

続き楽しみにしてます
476名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 03:07:20 ID:nG+0Y/lv
兄貴は苦労人だから守ってあげたくなるなw
477名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 03:19:47 ID:Rjgyh2M6
日五の反逆アニメよりもキツイ引きだ。
次回、待ってるぜ。
478名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 05:18:57 ID:eoJkxrFL
GJ。やっぱり面白かったや今回も。つーか葉月さんがチートすぎるww
あと、澄子ちゃんの安否もか…
479名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 07:12:07 ID:jlunA3F0
すごいなあ
葉月さん、ホラー映画のバケモノみたいだw
480名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 07:23:56 ID:jnP/hpXZ
も は や 兄 貴 し か 見 え な い
481名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 09:51:57 ID:69sdRxkU
澄子ちゃんが澄子ちゃんが・・。一番生き生きしてたキャラなのに。作者乙。
482名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 12:30:54 ID:SZpiEUdT
GJなんだけど、葉月さんのヤンデレブーストが行き過ぎてる感が…
483名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 16:36:44 ID:geoVl1xF
傍観者乙です。

話が変わるけど
月刊コミックアライブ5月号に病ンデレ喫茶という入賞作品があるのだが
本人……ではないよな
484名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 16:39:38 ID:f7w00pIt
ヒントつ葉月さんは今まで本気で戦っていなかった
485名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 16:42:13 ID:nMFUNvOY
108つの葉月さんの技のうち今まで出してなかった数個を出したに過ぎない
486名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 17:15:23 ID:x96JncfQ
葉月さんは変身するたびにパワーを大きく増す
そしてその変身をあと2回残していた
487名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 17:37:24 ID:YvI2XJLK
穏やかな心を持ちながら、激しい嫉妬によって目覚めたんだろう
言葉様だって、鋸引いただけでマフラーと髪の毛も斬り裂いたから乙女には必至のスキルだと思うよ
目の前で兄貴を逆レイプするか、花火がしたようなことを見せれば第二、第三の限界を突破するはず
488名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 18:31:50 ID:geoVl1xF
ttp://imepita.jp/20080623/663070
本人かどうかだけ誰か教えて
本人だったらすんません
489名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 18:42:43 ID:Rjgyh2M6
>>488
読みたいな、この漫画。
線と表情がモロ好み。
490名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 19:14:52 ID:BKMao6ls
>>488
普通の思考じゃ思いつかないようなタイトルだからなあ……

本人なら問題ないしむしろ応援するけど、たぶんただのパクリ作家なんだろうな
491名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 19:24:11 ID:4wZ1SvSh
>>489
これだけじゃ、仮に本人じゃなかったとしても盗作とかそういうレベルの話にはならないだろ
ツンデレ喫茶なんて実在するくらいだし、ヤンデレ喫茶という発想も不可能ではないだろう
492名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 19:32:29 ID:eeXm0YSO
ヤンデレ喫茶でググったらここのSSが一番上にくるけど、同じ発想をする人はいっぱい居るみたい。

そんなことより、その入賞作品のあらすじが気になる。
賞金五千円ってことは、扱いも小さくて、あらすじなんか載せないのかな。
教えて! >>488
493名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 19:47:10 ID:geoVl1xF
>>492
ない
それどころか一番評価されてるのもない
今、コミックアライブのホームページにいるけど
作品を見るとこもないっぽい
494名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 19:48:24 ID:geoVl1xF
>>492
ない
それどころか一番評価されてるのもない
今、コミックアライブのホームページにいるけど
作品を見るとこもないっぽい
495名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 19:49:07 ID:geoVl1xF
二重投稿スマソ
496名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 19:56:59 ID:6KDOU8Dd
あばばばば
旧保管庫が挨拶もなく削除されている

古い画像とか文章確保しとらんわ……
497名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 20:14:13 ID:4wZ1SvSh
うわっ! マジだ
これ一体どうするんだろう
498名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 20:52:07 ID:eeXm0YSO
うぞ!
俺が>>492を書き込む直前までは見えてたのに! 
499名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 21:02:40 ID:na41NLGY
管理人も監禁されたか…。
500名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 21:15:38 ID:eIE77zr2
マジですかw

      ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \
  /  o゚⌒   ⌒゚o  \  また最初から保管し直す作業が始まるお……
  |     (__人__)    |
  \     ` ⌒´     /


SSは大丈夫だけど絵が……持ってる人再うpヨロ
501名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:17:33 ID:goOYDFGd
ヤンデレ喫茶の十回通うと……とかの
設定がパクられてなきゃOKじゃないか?


前にクロスチャンネルのパクり携帯小説出した携帯サイトに
まんまヤンデレ喫茶ってタイトルの携帯小説があったし……(内容は似て非なる物)


発想的には上にも言うように珍しくないと思うよ
502名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 22:35:19 ID:de2fusL5
「ヤンデレ」って言葉も結構膾炙してるからなー
503名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:05:09 ID:x005xiBX
ヤンデレ喫茶なんて発想珍しくもない。
504名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:05:55 ID:P7W4BjQd
○○喫茶自体あきた
505名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:09:01 ID:gFSDoOp+
なら次はヤンデレバーだな
506名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:11:18 ID:de2fusL5
そーいや、一昨年あたりにソウルのカジノに遊びに旅行した時、
地下街にあった日本語の観光案内のフリーペーパーでメイド喫茶特集とかあって噴いたんだけど、
何故か割烹着喫茶なんつーのがあったな。
どんだけ日本かぶれなんだよwて思った。
後学の為に行ってみたんだけど、丁度定休日だったんでバーガーキングで我慢したのはいい思い出。
507名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:29:24 ID:y1832XZH
富豪の娘系なヤンデレが『男が彼女から貰った高級腕時計と、自分が買った同じタイプのヤツを入れ替える』とかどうか?

見事、入れ替えてきた腕時計(彼女→男に送られた)に語りかける。
「やれやれ、あなたは男君の手首に巻かれてるよりも、冷たい海底でさび付くほうが似合ってるよ」
508名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 23:32:43 ID:ediX1WW0
VIPとかニコニコとかから来た奴増えたな
最悪だ…またうるさくなる
509名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:00:17 ID:iPLKenwM
>>503
だって入ったら二度と出られそうにないもんとか言いだすんだろ?
これだから素人は困るのよ!(`・ω・´)
510名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:01:51 ID:Qdc1z6DP
すまん、聞くとばかにされそうで聞けなかったんだがVIPってなんなんだ?
あと、腕時計のくだりのやつはヤンデレとまでは呼べないとおもうんだぜ
511名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:10:09 ID:8ZP38E60
very important person
つまりヒロインにとっての主人公のことさ
512名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 00:10:36 ID:Qdc1z6DP
ごめん、ググったら即自己解決したわ。スレ違いの質問悪かった。
お詫びとして、ヤンデレの彼女がいるやつに別れろって言ってくる。
513名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 03:02:47 ID:OYAAtN3/
小まめにアップされた画像保存した俺勝ち組
514名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 03:56:13 ID:Mu/9IRw7
よし、うp
515名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 05:20:17 ID:fDXpewkU
>>513
マジでzipで頼む
保管庫的にもかなり必要だし
516名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 09:01:28 ID:OYAAtN3/
いっそ保管庫にまとめてはったるわ!!(Wiki的な意味で
やりかた教えてください。別にアンタのためじゃないんだからね!!
517名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 09:05:17 ID:OYAAtN3/
ちなみにお茶会の相方さんの74枚と保管庫にあった1枚、計75枚っす。
518名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 10:51:15 ID:PLhnwv7/
性的な意味で
というくだりしか思いつかない!
519名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 11:20:20 ID:jaz/O3OA
>>517
エライ!褒美として>>520を監禁していいぞ。前なり後ろなり好きにして構わん!
520名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 11:24:08 ID:qdEcAInx
              ,:/:::::::::::::;;;;;: -――‐- :;;;;;;`ヽ、
         ,:'/:::::::::::::::::/u      ,  ,  ``-;ヽ
         ,:':/:::::::::::::::::/  '⌒`ー‐'| | |`ー-‐、u|::|
        ,:'/:::::::::::::::::/u /⌒ヽ     /⌒ヽ !::! ;
       ,' l--、:::::::/   l  O | lj  | O | '、l ,:
       /´,―、ヽ:/     ヽ、,r‐'-、:::::::::ゝ--く  l ;
     .;'/ /ニ_ノ |   ..::::::::{  r,、 ヽ / ,r-, ノ::.. '、;
     ; | l  '-,        / ヽ !},. ---'し'_,ヘ   :..ヽ':, 
       ':,!  `‐'   u ヽ  ,. -'"´_,. ----,、 ヽ、u  l ;
        ':,ヽ_ノ u   ノ'" ,. -''" ̄ ̄ ̄ ヽ. ヽ  |
        .,: | lj      /  /_,. ---、,. -----、|  |  / ;.,
    --―'ヽ     /  '-------―――‐''" ノ /``ー- 、_
        ヽ、u '`ljー-----―――
521名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 11:31:38 ID:UEyFVbRF
で、削除された保管庫にあったSSはどうするの?
522名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 12:15:48 ID:8ZP38E60
523名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 12:39:47 ID:CCBrxsTT
>>516
ttp://www42.atwiki.jp/i_am_a_yandere/upload/186.html
ここから「参照」をクリック、ファイル決定したら「アップロード」でうp。
後の細かい訂正・編集は任せてくれてもおk。

>ちなみにお茶会の相方さんの74枚と保管庫にあった1枚、計75枚っす。
お茶会以外の絵は無いのかなあ……? 他にも保存している方がいたらうpお願いしまつ。

>>522
いや、まあやるけどあまり期待しないでくり(´・ω・`)
いつ終わるか分からんw
524名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 12:45:20 ID:8ZP38E60
>>523
いえいえ、大変な仕事でしょうからね。頑張って下さい
525名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 17:27:10 ID:op83iK0f
旧が消えたとたんことのはぐるまとかヤンデレ家族とか和菓子と洋菓子とかを1から読み返したくなった
526名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 17:54:17 ID:gMVuv0eJ
よろしいならばウェブアーカイブだ
527名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 18:24:40 ID:w7g4Jkjz
そういや昔若気の至りで書いて投下したSSも今回ので消えたな・・・
反応薄かったし誰も思い出さないようなので消えたままでもいいや。

ち、違うぞ、この水滴は涙じゃなくて汗なんだから!
528名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 18:29:17 ID:AWDrWFhL
>>527
やぁ俺。続きは出来ているんだがもう一年近く寝かせてるんだぜ。
だがタイトルさえ言ってくれれば拾ってくるぜ。
529名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 18:38:15 ID:VMU2v8to
>>527
リアルタイムでは読んでないが
保管庫の方は全て読んで、全てで興奮した俺も居るんだぜ

消えたままにすると、消されたヤンデレさんの情念で死んじゃいますよ
530名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 21:37:22 ID:op83iK0f
>>527
べ、べつに思い出せなかったわけじゃないんだからね!
ことのはぐるまとかっていっただけであんたの作品も含まれてるんだから!
勘違いしないでよ!!


…ってこれはツンデレなのか?
531名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 22:22:16 ID:n6Mg5EO2
大変な事態が起こっているようだが、一つだけ言わせてくれ

今までずっと……「葉月」って名前だと思ってた……!!
532名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 22:49:25 ID:A2t1M9nK
>>531
同志よ! 葉月さんがキレるまで気付かなかった俺マジ読解力ナシ\(^O^)/
533名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 23:27:57 ID:8ZP38E60
むしろ気づいていた人間はいるのだろうか
534名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 23:35:08 ID:DAwekO2B
あれ?違うのか?葉月が名前じゃなかったのか?orz
535名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 23:55:35 ID:o49mR3+o
……ホントだ。
さん付けじゃなくて名前で呼んでもらえないのに憤慨してる。
536名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 00:56:20 ID:qjMlEC18
おまいらw
537名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 01:20:48 ID:yOX6Julj
テスト
538名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 01:29:36 ID:StwP8oEN
葉月さんって下の名前なんだけっ
539名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 01:31:54 ID:24GYpyKd
>>538
未出です
540名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 01:43:48 ID:G5nY/GU/
安心しろ、お前ら
俺は如月が読めなかった…
541名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 06:23:36 ID:o5NqF9Tn
あれ?前に兄が「葉月っていい名前だと思う」って言ってなかったっけ?
542名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 07:49:53 ID:V4G6ipWn
兄も勘違いしてたりして。
543名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 08:04:24 ID:Xsek6T+N
つ【ヤンデレ家族 第六話】

妹との会話シーン参照。
544名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 12:40:45 ID:+Nakyi1s
>>543
サンクス。家族のほうは平凡な名字なのね。
最後まで出てこなさそうだけど。
そいや弟も京子ちゃんも特撮スキーなんだな。
545名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 13:11:18 ID:2H/XdT0K
兄貴が特撮ロボットのプラモで京子ちゃんを落とし、京子ちゃんルートへ入る、
という電波を受信した。
546名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 14:11:50 ID:pfWJmntY
>>545
人畜無害なオタク兄貴なら本当にフラグ立てそうだなw
547名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 16:22:29 ID:Bsqya2L4
>>545
京子ちゃんからは仄かにキモ姉のかほりがするので難しいような気がする。
立てたとして澄子ちゃんと兄貴のレベルの『友愛?』かな。
548名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 17:42:24 ID:o5NqF9Tn
>>543
この頃は、妹も目立ってたなぁ
今は、インフレで兄と同じ苦労人キャラに成り下がってしまった。



…ところでこの話の主人公って兄貴じゃなくて
弟なんじゃないかと思い始めてきた。
549名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 18:45:18 ID:+jGOTtH5
548よ。ヤンデレ家族のタイトルをもう一度よく見ろ
550名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 19:05:18 ID:y7lSqkr+
>>545
>兄貴が特撮ロボットのプラモで京子ちゃんを

「兄はロボット好きのプラモ狂四郎」と読んでしまった。
プラモの魔改造にかまけて遊んでくれない兄を振り向かせようとするキモウトとか。
551名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 19:33:33 ID:EXZxNqDu
「お兄ちゃーん、これ何?」
「あーこれはMGフォースインパルスだよ」
「ふーん……じゃあこれは?」
「それはアッガイ」
「ふーん……じゃあこれh」
「あのさ、うざいよお前。俺は今1/100セイバーを作ってるわけ」
「うん……」
「ついでにいうとこいつにバラエーナとクスィフィアスとファンネルを設置しなきゃならない」
「でも……」








悪趣味だよお兄ちゃん
552名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 20:01:03 ID:RcYBuMOO
アッガイたんと種プラを同列に語るなんて!
553名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 20:22:28 ID:bJsMq+tC
ヤンデレ妊婦が裏切った彼氏を半殺しにしたうえ、自ら陣痛促進剤を打ち
朦朧とする彼氏の眼前で彼氏の子である未熟児を産み落とし、
父子共々苦しみながら息絶えるのを嘲笑しながら見つめる…

てのは?
554名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 20:41:26 ID:Xsek6T+N
NO.
555名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 20:43:52 ID:8FCYfhpZ
>>553
只の基地外
556名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 20:58:29 ID:y7lSqkr+
泥棒猫じゃなく彼氏に報復だなんてヤンデレじゃないな
557名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 21:02:23 ID:2wck6rYO
殺し、半殺しするなら泥棒猫。
彼氏には監禁。
558名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 21:11:17 ID:/FoJ663d
ヤンデレによる暴力というのは男に対する復讐というより
男に対する洗脳的な意味で用いられるのが基本だろJK
559名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 22:09:15 ID:oAejfKuw
>>548
俺も弟が主人公に見えてきた。

ヤンデレ家族と傍観者(である男)の兄

だったりして。

560名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 22:14:53 ID:/FoJ663d
弟が主人公というか
基本的に兄視点で弟がヤンデレに翻弄される様子を描いてるんだろ・・・
だから傍観者の兄だと思うぞ
561名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 22:15:48 ID:XBW3mZx5
唐突に聞くけど、どっちが好み?
自爆型ヤンデレ…自傷行為や内罰的思考に走る。
戦闘型ヤンデレ…他人を排除しようとする。      
562名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 22:20:25 ID:F+Hj7S3O
色仕掛け特化型を忘れてないか?
563名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 22:21:03 ID:ialZqg09
>>561
彼を愛しすぎて周りの事を気にしないヤンデレが好み
564名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:16:53 ID:JFOBNldw
>>561
人間として内罰的な子のほうが好感が持てる
でも別れ話を切り出すときは他人を排除しようとするヤンデレより自爆型のほうがめんどくさそう
何か根本的に間違っている気がするけど
565名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:33:12 ID:a0FLPRbD
>>561
おおまかな分け方はそれでいいと思うが
そもそもヤンデレっ娘たちをを系統分けするのは難しい気がする
病む相手によっても本人の性格によってもかなり病み方が変わるはず

あと相手に罰を与えるタイプを忘れてるだろ
上書きの加奈(だったと思う)とかどうすんだよ
566名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:36:19 ID:a0FLPRbD
あとちょっと気になったから言っとくが

このスレはsage進行だ

sage忘れたなら謝るなりするべきだと思うぞ
連投スマソどうしても気になったんで
567名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:03:24 ID:tVYjNJU8
>>566
sageてない奴の書き込み内容を見てみろよ
多分何を言っても無駄だぜ
568名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:03:37 ID:kcQmHv3j
ヤンデレの華である「監禁」が分類できないぞ…>>561
ヤンデレの最大の目標は基本的に「想い人と結ばれること」だから
その達成手法で分けてみるべきじゃないだろうか。

・泥棒猫排除型
他の女の排除によって目標の達成を目指すタイプ。

・想い人篭絡型
想い人を陥とすことで目標の達成を目指すタイプ。
誘惑したり気を惹くためにハラキリしてみたりお仕置きしてみたり監禁調教してみたり。

・人の話を聞け型
心変わり?彼は今でも私のことを愛してるよ?
569名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:19:53 ID:iB0L64Mx
最後吹いたw
570名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:56:04 ID:Fpbnsuxk
アホっぽいヤンデレが好きです
571名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 01:02:00 ID:tstfmAzH
アンサイクロペディアのヤンデレの記述が酷すぎるw
572注意書き ◆AO.z.DwhC. :2008/06/26(木) 01:51:29 ID:qXV4WHWG
妖怪ヤンデレです。
獣耳や尻尾などの表現があります。が、獣人というほどの属性はないです。
苦手な方はスルーお願いします。
よろしければお付き合いください。タイトルは「妖しの呪縛」です。
573妖しの呪縛:2008/06/26(木) 01:52:44 ID:qXV4WHWG

プロローグ

***

なんだってこんなことになったんだ。
頭が割れそうに痛くて、縛られた手足がじくじくと痛む。
そんな僕を気遣うように、しかし互いに互いを警戒しあって、少女たちは口々
に言う。
「大丈夫? 祐くん、すぐに解いてあげるからね」
幼馴染の少女が、可愛らしく、あくまでも可愛らしく小首を傾げて僕を見つめ
た。
くりくりとした愛らしい瞳からは隠しようもない殺意が覗いていて、それは決
して僕に向けられたものではないと知っているのに――いや、知っているから
こそ、恐怖で身が竦みそうになる。
蛇に睨まれた蛙のように凍りついた僕を救ったのは、しかし蛇ならぬ獣だった。
「土御門、わたしが解いてやろう。縄も、お前の呪縛も、な」
さらさらと揺れる艶やかな黒髪を揺らし、嫣然と微笑む少女の、花のような顔
だちからも、他の少女たちと同じく狂気の色が見え隠れしている。
可愛いや綺麗、というよりもただひたすらに美しいクラスメートの少女は、く
らくらと頭の芯まで痺れるような美しい微笑を僕に向けた。
にこりと笑んだ赤い唇が艶かしく、僕は思わず――こんな状況だというのに―
―唾を飲み込んだ。
「駄目ですよ、先輩たち。祐先輩はわたくしのものですから」
無邪気に、そう無邪気に笑う後輩は、この異常な状況を楽しんですらいるかの
ように、囀るようにそう言った。
二人の少女たちの射るような視線をも意に介さず、彼女はセルフレームの薄い
眼鏡を指で押し上げる。
綺麗に切りそろえられたおかっぱの髪を揺らし、お嬢様然として優雅に微笑む
後輩は、僕をこんな事態に追い込んだ張本人であり、尚且つ僕が拘束されてい
るこの屋敷の所有者でもあった。

「祐くん」
「土御門」
「祐先輩」

口々に、それぞれの個性溢れる美少女たちは僕の名前を呼んで、三対の視線を
向ける。
だからいったい、なんなんだ、この事態は。
悪夢であるなら可及的速やかに覚めて欲しいし、現実であるとしたら――――
なんだかもう、考えることをやめてしまいたい。
零れ落ちるため息を、それぞれの敏感すぎる聴力で聞き取ったらしい彼女たち
の視線は、僕から逸らされて再び互いに向けられた。
「あなたが」
「おまえが」
「先輩達が」
地獄の炎のように熱く、しかし真冬の冷凍庫よりも冷たく、そして地を這うよ
うに低い声で、三人の少女は呟いたあと、ふいににこりと笑い合った。
どう考えてもこの状況には似つかわしくない笑顔――それも三人ともが極上の
笑顔である――を浮かべあった三人は、一瞬にして無表情になり、突如僕の視
界から消えた。

いや、正しくは、僕の目が追いきれなかっただけかもしれない。
ともかくも、僕の視界はそこで暗転し、僕はそこで何が起こったのか、それ以
上のことを知ることはできなくなった。

***
574妖しの呪縛:2008/06/26(木) 01:53:46 ID:qXV4WHWG

犬神とその呪縛

***


――――ぶるるるるっ

派手なエンジンの音を上げて、バスは走り去っていった。
僕はといえば、ぜえぜえと息を切らしたまま、呆然とそれを見送るより他にな
く、ため息混じりにバス停のベンチに座り込んだ。
少なくともあと十分は、バスはこない。
僕の近所のバス会社は、俺イズスタンダードな会社らしく、バスは運行表に従
わないわ、運転手は好きなところで停車するわ、実にフリーダムである。
まあ、社員も社員なら、社長も社長な会社だから、仕方ないのかもしれない。
僕は「妖怪バス」のあてにならない時刻表と腕時計を交互にみつめて、眉を顰
めた。
どうあっても、待ち合わせには間に合いそうにない。

***

最近になって、人ならざるもの――つまりは妖怪の認知が次々と人々の間に広
まっていった。
原因はよく分からないが、なんでも都市開発だの環境の著しい破壊だののおか
げで住む場所を失った彼らが、政府高官に掛け合ったらしい。
掛け合ったというか、むしろ脅したというのが正しいのだろうが。
なにしろ妖怪――ろくろっ首だの、一旦匁だの――が自分の家に押しかけて生
活保護を叫ぶのだから、その「政府高官」とやらには同情するしかない。
一昔前の見世物小屋そのままの、しかも「本物」が、自分の前に現れただけで
も驚きなはずである。
そんな彼らに詰め寄られ、環境破壊だの自分たちの窮状だのを訴えられた高官
には、同情するしかない。

――ともかくも、妖怪たちはにわかに人権(といえるのかよくわからないが)を
得て、徐々に世間に浸透していった。

***

最近では、参政権を得た妖怪たちが選挙に立候補したりなんかもしている。
見事な貫禄の九尾の狐が、ふさふさの尻尾を揺らして微笑んでいる選挙ポスター
を見るともなしに見つめながら、僕はこっそりため息をついた。
「未来のために――(き)つねに明るい明日を目指します! くびのきつね」
駄洒落かい。
ベンチから立ち上がって、選挙ポスターの貼ってある掲示板まで近づくと、脱
力しそうなキャッチコピーが嫌でも目に入った。
センスのないキャッチコピーに項垂れながら、金色の毛並みを指でなぞる。
つつつ、とポスターに指を這わせると、写真の中の狐は身をよじるように震え
た。

「バスこないなあ」
ポスターに話しかけるようにして、ぽつりと呟くと、ポスターのなかの狐がに
やりと微笑んだ。ような気がした。
575妖しの呪縛:2008/06/26(木) 01:54:49 ID:qXV4WHWG

***

「おーそーいー!!」
ぱたぱたと尻尾を揺らした犬神、皐月は、ふさふさに白い耳をピンと立てて僕
に向かって吠え立てた。
こういうとき、僕は皐月が犬神でよかったなあ、と思う。
なにしろ、彼女の機嫌は耳と尻尾で駄々漏れなのである。本当に怒っているか、
機嫌が良いのか悪いのか、精神状態がそっくりわかる、彼女専用の嘘発見器の
ようなそれらは今日も感度良好だ。
「ごめん」
「どーせ、また寄り道してたんでしょー? 狐の匂いがするぅっ!」
やばい、ちょっと機嫌が悪くなってるな。しょんぼりと垂れはじめた耳を見て、
僕はにわかに焦る。
犬らしく鼻の効く皐月は、僕が先ほど見つめていた選挙ポスターから拾ったら
しい狐の匂いを敏感に嗅ぎ取ったらしい。
むぅ、と可愛らしい鼻の頭に皺を寄せて僕を睨んだ皐月は、ふんと顔を逸らし
た。
「怒らないでよ。妖怪バスの時刻表があてにならなすぎて遅れたんだって」
「……なんで、狐の匂いがするの? 妖怪バスの中には、狐の妖怪はいないで
しょっ!」
ムキー、という効果音がつきそうなほどに苛立っている皐月の頭をぽふぽふと
撫でながら、僕は応えた。
「選挙ポスターから移ったんだと思う。九尾の狐、今期も立候補するんだね」
「あ、あー。なんだ、てっきり祐くんが浮気したのかと思ったぁ!」
一転して、機嫌よく尻尾を振りはじめた皐月は、可愛らしい顔立ちをにわかに
明るくして微笑んだ。
というか、なんだその思考回路は。犬神は妖怪の中でも単純で直情型らしいが、
これはいくらなんでも酷いだろう。
なんだか皐月が可哀想な子に見えてきて、僕はくしゃくしゃと彼女の頭をかき
回した。
色素の薄い、金色がかった髪がさらさらと揺れて、指ざわりのいい滑らかなそ
れが僕の手の中をすべりおちる。
「なーにーすーるーのっ! もう」
「ていうかね。皐月ちゃん、ちょっと考えなさすぎでしょ。いつも言ってるけ
ど」
「だって、祐くんが悪いんだもん。私、ずっと待ってたのに、狐の匂いさせて
来るんだもん!」
うーん。それを言われると辛いな。僕はなんとなく、忠犬めいて微動だにせず
この場に佇んでいた皐月を想像してしまう。
うん、考えるだけでなんか可愛くて可哀想で、申し訳ない。
「……ごめん。とりあえず、どっか入ろうか。待たせてごめん」
「いーよっ! 私、パフェ食べたい。チョコレートのやつ」
それはやめといた方が――と言いかけて、僕は皐月が本物の犬のようにチョコ
レートが駄目なわけではない、ということを思い出した。
危ない危ない。皐月は犬扱いされるのが大嫌いだ。こんなに犬だというのに、
何故か。
せっかく直ってきた機嫌をふたたび損ねるのは僕としてもごめんこうむりたかっ
たので、腕にしがみつく皐月をそのままに、僕たちは喫茶店へと向かった。
576妖しの呪縛:2008/06/26(木) 01:56:27 ID:qXV4WHWG

***

皐月と僕の初めての出会いは――出会いは――ええと、出会いは――。


そうそう、思い出した。皐月と僕がはじめて出会ったのは、たしか幼稚園のこ
ろだった。
ようやく世間に浸透しはじめていた「妖怪」に属するらしい彼女の両親と、僕
の祖母がなんか関係があったらしく、彼女たちはちょくちょく我が家に訪れて
いた。
皐月のご両親は、実に立派な犬神のお父さん――子供心にも、その威風堂々と
した佇まいとふさふさの毛並みには心底痺れたものだ――と、楚々とした佇ま
いのお母さん――どうしてこんな落ち着いた和風美人から、皐月が生まれたの
か、今でも信じがたい――で、僕は彼らが好きだった。
幼い頃に両親を失くしていた僕にとって、彼らは二組目の両親のようなものだっ
た。

そんなわけで、必然的に皐月とはほとんど兄弟のように育った。
正確には毎日一緒にいるわけではないのだから、従兄弟のようなものだろうか。
ともかくも、全くない血のつながりを感じさせるほどに、僕と皐月は近しく育っ
た。

幼い皐月は、今では見る影もないが、実に無口で内気で可愛らしい少女だった。


――まあ、今でも可愛いけど。

小学校に通うようになってからは、今ほど認知されていなかった「妖怪」だと
いうことでイジメなんかも受けていたらしい。
皐月はそんな時、いつもふらりと我が家によっては僕の前でこっそり泣いてい
た。
両親が人間と妖怪ということで、妖怪の輪にも人間の輪にも当てはまらない皐
月は、幼いなりに自分の異端さを感じ取っていたのだろう。
今でこそ珍しくない妖怪と人間のハーフも、その頃は今よりずっとずっと蔑ん
だ目で見られていた。
「妖怪となんて、よく――――」
「誇り高いはずの犬神が、よもや人と――――」
「いくら、権利が保証されても、所詮妖怪でしょう? まして――――」
口さがない大人たちと、その大人たちから聞きかじった知識で皐月を攻撃する
子供たちに、彼女は随分と傷つけられていたようだ。
けれども、そんなことを両親に話して、彼らを傷つけたくなかったのだろう。
皐月は結局、僕以外の誰にも、一言もそんな話をしなかった――らしい。
「祐くんは、祐くんは、わたしのこと嫌いにならないよね?」
「ならない。皐月ちゃんは、皐月ちゃんだよ」
可愛らしい真っ白な尻尾と耳をふるふると揺らして、泣きながら訴えた皐月に
――、ええと、皐月に――。

――――なにしたんだっけ?
577妖しの呪縛:2008/06/26(木) 01:57:22 ID:qXV4WHWG

***

「――くん、祐くん、祐くんってば!」
ぼんやりと遠き日に思いを馳せているうちに、皐月はチョコレートパフェを食
べ終えていたらしい。
綺麗に空っぽになったパフェグラスの底を未練がましくつつきながら、皐月は
眉を寄せて僕を睨む。
「なに考えてたの?」
「ああ、いや……昔のこと。皐月ちゃん、よく泣いてたよね」
何気なく僕が言うと、皐月は顔を真っ赤にしてあ、だのうう、だの言葉になら
ない唸り声をあげた。
ぴるぴると白い耳が揺れている。本気で恥ずかしがっているようだ。
皐月はしばらく、じたばたと手足を揺らして暴れていたが、やがて顔をあげて
僕を見つめる。
真っ赤になった顔と、涙で潤んだ顔に、僕はどきりとした。
「……祐くん、覚えてる? 約束」
「え?」
「あ、いい。覚えてないならいい! むしろ忘れてていいよっ!」
真剣に聞かれて、僕が思わず間抜けな顔で問い返すと、皐月は即座に顔を伏せ
る。
紙ナプキンをぐりぐりと捻り上げながら、彼女はふたたびじたばたと暴れ出し
た。

***

「僕は皐月ちゃんが、がんばってるのしってるよ。だいじょうぶだよ」
なんの根拠もないくせに、私を甘やかす祐くんが嫌いだったこともある。
だけど、その柔らかい手と、優しくて甘い言葉は、昔から――はじめて会った
ときから大好きだった。

「はじめまして」
なんてちっちゃくて華奢な子なんだろう、とびっくりした。
私は昔から、なんでか知らないけど山の中で育ってて、いつのまにか街にこし
てからも中々外に出ることはなかった。
今にして思えば、それは私の珍しい容姿に対する、父と母の配慮だったのだろ
う。
でもまあ、当時はそんな事にまで考えが及ぶはずもなく、私はちょっと彼らが
嫌いだったりした。子供なんてそんなものである。
「僕は土御門祐、つちみかど、ってなんかへんな名前だよね」
あはは、と笑った祐くんは、そう言って私の手を握った。
初めて触れた、同じ年の子供のてのひらはびっくりするほどあったかくて優し
い匂いがした。
「わ、わたし……皐月」
「皐月ちゃん、尻尾があるんだねえ! かっこいいねえ、きれいだねえ」
にこにこと笑いながら、祐くんは私の尻尾をむんず、と掴んでなでた。
普通なら怒るような、とんでもなく(犬神にとっては)失礼な行動に、けれど私
は何故か怒る気になれなかった。
そう言った祐くんがあんまり可愛くて、その言葉が嬉しくて、私はにまにまし
たまま、彼に撫でられるままに尻尾をぱたぱたと振っていた――。

祐くんとの出会いは、大体そんな感じだった。
なんだか祐くんのお祖母さんとうちの両親は知り合いだったらしく、我が家が
祐くんの家の近所に越してきたのもあいまって、行き来が多かった。
殆ど兄弟同然に育った私たちは、だいたいいつも一緒に遊んだ。
祐くんは、私と遊ぶときに、私が影でなにかこそこそ言われていることに気付
いていたらしい。
だけど、祐くんは――私と一緒にいたら自分だって変な目で見られるというの
に――何も言わずに、ずっと私と一緒に遊んでくれた。
578妖しの呪縛:2008/06/26(木) 01:58:31 ID:qXV4WHWG

「も、もうやだ! きらい、ぜんぶきらいっ! こんな耳も、尻尾も――」
「僕は好きだよ」
小学校にあがってからしばらくして、私は祐くんとクラスが離れてしまった。
クラスの中には私以外の妖怪は一人もいなくて、妖怪に慣れている子もいなく
て、おまけに担任の先生までもが妖怪が苦手で――。
ものすごく簡単に、イジメがはじまってしまった。
もともと口数の多い方ではなかった私は、そのせいでますます無口になった。
(何しろ、口を開けば、「犬か吼えてる」とかからかわれるのだ。そんな状況
で口数の多くなる犬神などいないだろう)
「僕は、皐月ちゃんの耳も尻尾も、すごく好きだよ。綺麗だし、かわいい」
「……か、かわいくないっ! きもち悪いよ、こんなの……」
「皐月ちゃん――――」
とりわけ、人と異なる尻尾と耳に、強烈なコンプレックスを抱くようになった
私は、祐くんの言葉を素直に受け止めることができなくなっていた。
首をふった私を、祐くんは悲しそうに見つめながらため息をつく。
「……皐月ちゃんのこと、悪くいうひとの方がおかしいんだ。だって、こんな
に綺麗なのに」
「うそ。祐くんのうそつき。皐月のこと本当はきもち悪いと思ってるのに。み
んな言ってるよ、皐月みたいな変な子、ぜったいけっこんもできないって」
きれい、と祐くんは眩しそうに目を細めて私の尻尾を撫でた。
その時の私には、嬉しいはずのその行動すら嫌で仕方なくて、思わず乱暴に尻
尾を振りながら、祐くんを詰ってしまう。
ぺし、と尻尾で手をはたかれた祐くんは、悲しそうに眉を寄せて、私の頭をな
でた。
「皐月ちゃんが、けっこんできないなんてありえないよ。だってすごくかわい
いもん」
「かわいくないっ! 皐月はばけものだから、かわいくなんかないっ!」
「僕は、皐月ちゃんが好きだよ。ようかいでも、皐月ちゃんは皐月ちゃんだよ」

祐くんはそう言って、私を見つめる。あんまり真剣に言うので、私はびっくり
してしまった。
小さい頃の祐くんは、ときどきこっちが驚いてしまうくらいストレートで大胆
なことを平気で言う男の子だった。
「だから、皐月ちゃんはけっこんできないなんてことないよ。泣かないで」
「…………祐くんが、」
「なあに?」
「祐くんは、してくれるの? 皐月と……けっこん」
いつのまにか流れていた涙を、優しく拭いながら祐くんは笑った。
晴々とした笑顔で、私がおそるおそる問いかけた言葉に、うんと頷いて―――
―。

私たちは、幼く拙い口づけを交わした。
その日から、ずっと、祐くんは私のものなのだ。

けれど、私が真剣な気持ちで――それはそれはとても真剣に――施した「口づ
けの儀式」は、すぐに両親にバレて、ひどく怒られた。
口づけの相手は生涯ただ一人だけである犬神にとって、その儀式は神聖かつ厳
粛に――、と父は私を叱り、母は困ったようにおっとりと微笑んでいた。
女同士、私の真剣さをなんとなく分かっていたのだろう。私に説教する父の横
で、母は私を窘めるように見つめるだけで、一度として私を叱らなかった。

幼いなりに真剣だった儀式は、しかし幼いだけに不完全だったらしく、結局父
と母と、それに祐くんのお祖母さん(なんでも、霊力の高い巫女さんだったら
しい)の手によって封印されてしまった。
それでも、私の懸命さゆえか、封印は不完全で、ふとしたはずみに祐くんが思
い出せば、それは解けてしまうらしい。
記憶ごと封じられた口づけは、私にとっては苦い思い出だが、小さな希望でも
ある。
579妖しの呪縛:2008/06/26(木) 01:59:03 ID:qXV4WHWG

――もし、いま。
――祐くんがあの日のことを思い出してくれたら。

祐くんは永遠に私のものになるのだ。口づけの呪縛によって。
そう思って、祐くんの周りにその手の知識の本を置いてみたり、色々と努力を
重ねているのだが、未だに思い出してはくれないみたいだ。

チョコレートバフェの冷たい甘みをかみ締めながら、私はちょっと憂鬱に、祐
くんの顔を盗み見た。
最後の一口を胃の中に流し込むと、とろりと溶けたバニラアイスの香りが口の
中いっぱいに広がった――。

***

「妖怪って、」
「なーにー? 祐くん、チョコレートパフェもう一杯食べてもいい?」
好きにしなよ、と言うと皐月は躊躇なくウェイトレスを呼び止めてさっそく二
杯目のパフェを注文した。
ふんわりと膨れたミニスカートが可愛らしい制服が文句なくなく似合う、三つ
編みのお姉さんのすらりと伸びた脚を思わず目で追ってしまう。
「ゆーうーくーんー?」
途端に低い声で、皐月に下心を含んだ視線を咎められ、僕は内心で冷や汗を垂
らした。
こういう時の皐月は、正直にいって、怖い。
「……妖怪って、一生に一人としかキスできないんだってね。このあいだ本で
読んだ」
話題を逸らそうと、この間読んだ本のことを口に出すと、皐月は見事に紅茶を
噴いた。
レモンティーが白いテーブルに斑模様を作る。それを紙ナプキンで拭きながら、
皐月に口を拭うようにハンカチを渡すと、彼女は咳き込みながら受け取った。
「ゲホっ、ちょ、え? なんで、え? 祐くん、思い出し――」
「あ、本当なんだ」
わたわたと慌てながら、言葉にならない問いを繰り返す皐月を見るに、例の本
の眉唾ものだと思っていた記述がどうやら事実らしい。
てっきり適当なでっちあげだと思っていたのだが、まさか事実だとは。びっく
りだ。
580妖しの呪縛:2008/06/26(木) 01:59:42 ID:qXV4WHWG

***

「妖怪の接吻」

――妖怪は、生涯の伴侶と認めた相手としか口づけを交わさない。
というより、交わすことができない。
彼らにとってその行為は神聖な契約のようなものであり、みだりにするもので
はないのだ。
ゆえに、妖怪が口づけを交わすのは生涯を通してただ一人であり、一匹である。


また、この接吻という行為は彼らの中でもっとも神聖視されており、一般に言
う「結婚」に値するものだとも言われている。
生涯の伴侶を決める行為なわけであるから、そう考えるのも道理だ。

一説によると、口づけを交わしたその瞬間から、彼らは伴侶の傍を離れること
ができなくなるという。
これは「妖しの呪縛」と言われている。

***
581妖しの呪縛:2008/06/26(木) 02:00:21 ID:qXV4WHWG


ぼんやりと本の内容を反芻しながら、いまだ慌てる皐月の口元を拭う。
今日はずいぶんと、皐月の顔に血が上る日だ。
「ななななな、い、いきなり、なっ!」
「うん。いや、なんか気になったからさ。でも、皐月はハーフだから、ちょっ
と違うのかな?」
「…………あんまり、変わらない、かも」
ぽそっと呟いた皐月は、もじもじと指をつき合わせて僕を見た。
なんだ、このラブコメみたいな展開は。――――やっぱり、なんだか重要なこ
とを忘れている気がする。
僕がもんもんと思い悩んでいるうちに、先ほどのウェトレスさんが、生クリー
ムとアイスがこんもりともられたパフェグラスをささげ持ってやってきた。
どっぷりとかかったチョコレートソースは見ているだけで、胸焼けをおこしそ
うな代物である。
「こちら、スペシャル・チョコレート・パフェ・デラックスでございます」
スペシャルでデラックスと来ましたか。
やっぱりさっきのパフェより格段に大きく見えたのは、僕の見間違いではなかっ
たらしい。
嬉々としてパフェスプーンを取り上げた皐月を見るともなしに見つめながら、
僕はさっきからのどの奥に刺さって抜けない小骨のように、ひっかかって仕方
ない「何か」を思い出すべく、努力した。

582終わり ◆AO.z.DwhC. :2008/06/26(木) 02:01:15 ID:qXV4WHWG
一旦終わりです。
次回は狐娘の予定です。
お付き合いありがとうございました。
583名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 02:14:40 ID:spkgINqM
一番槍GJ!
584名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 02:19:15 ID:6KluioxQ
   素 晴 ら し い   
585名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 02:34:19 ID:n5ZfskC1
なんというか…

久々にツボった。これは凄い
586名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 03:48:08 ID:0GrsMwLI
皐月かわえええええええええ!
しかも世界観をきちんと構築してあるし激しく今後に期待できる、GJ!

つーか土御門って血統が正統すぎるw
587名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 07:24:51 ID:nzCNKt+y
土御門安倍晴明流?
これは面白くなってきた、GJ!
588名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 07:26:52 ID:cJjRS+B7
GJ!
これはつぼに入った
589名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 08:51:46 ID:cjT43IqE
犬とキツネとやっぱり後1匹は猫なんだろうか
続きに激しく期待してます
GJ!!
590名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 11:19:19 ID:MfiOYpbA
人外でヤンデレとは俺の好みを心得てらっしゃる
591名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 14:21:56 ID:lqai/lFo
すげえ好みの話だ。
前スレでヤンデレ娘の日常書いてた人か?
なんつーか王道ヤンデレ上手いな。
592名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 22:47:08 ID:XSALe9Fc
俺もめっちゃ好みだわ

GJです!期待してます!!
593名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 23:43:13 ID:PPMez/Sj
おぉ新連載か、まじGJ!
俺的に黒髪の人が気になる
黒髪好きなもんで
594名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 19:49:40 ID:CryUo+Fe
某サイトで地球最後の日ネタを読んで思った。
ヤンデレと人類滅亡の話、誰か書いてみてくれないか?
“人類最後の日”を迎えた世界。ある者は家族と、またある者は恋人・想い人と最期の29時間を過ごす。
その中の一組?と一人のお話。とか…
     
595名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 20:00:05 ID:0NUV5jyP
自分で書け
596名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 20:02:00 ID:7rEptEeo
そういうのエロゲであったな
597名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 20:51:42 ID:bI0P2RAM
そして明日の世界よりじゃなかったっけ
嫉妬というか焼き餅はあるけどヤンデレではなかったような・・・
598名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 21:44:58 ID:no8XVfH6
青葉がモロにヤンデレだぞ
599名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 21:59:30 ID:n17PEtEN
あぁ、やっぱりみんなそれ思い出してたか。それ、おもしろいか?ヤンデレと聞いてるが、鬱になりそうなので、どうにも手が出せん
600名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:20:22 ID:8u1AZpdx
人類滅亡と言えば、実は言うと5月の初め頃にあの漫画が再び連載した記念に、
M○Rヤンデレネタ書こうとしたんだが、自分の作品が立て込んでて時期を逃した。
601名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:23:33 ID:+NMdzQem
>>600
ΩΩΩ<な、なんだってー!
602600:2008/06/27(金) 22:33:00 ID:8u1AZpdx
ほら、ヤンデレを人類滅亡にこじつけるのがちょっと面倒でな。
603名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:39:52 ID:vr/Nclyi
むしろヤンデレが人類滅亡させるってのは・・・

既出のなかの既出ネタですかそうですか
604名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:46:34 ID:no8XVfH6
先月だったか先々月に発売されたエロゲにも
好きな男が「この世は救えないから人類滅亡させたほうがよくね?」なんて厨ニ病なこと
言い出したばかりに500年もかけて人類鏖殺しようとした一途な女の子が登場してたw
605名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 23:27:16 ID:PepgrO3w
なんの甲斐性もない男に付き合ってた姉。
家賃も電気代も水道代も姉に払わせられてて。
でもそれでも好きで男の話になると嬉しそうな顔で話しだす。
いつもみんなから別れろと言われ
「うん」
とは言うものの、結局最後まで別れることはなかった。
606名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 23:29:29 ID:DumpI2CZ
>>604
目覚めた能力で主人公に使って、自分が死んでしまうヒロインのゲームか?
607名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 01:12:09 ID:kP3LLipM
由乃に監禁されたユッキーは幸せ者だと思うの
608名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 01:48:00 ID:lp5uAJ5Z
未来日記の監禁シーンを見て、これからずっとああして過ごしたいと思うやつは、一体ここに何人いるんだろうか。
ちなみに俺は、ベッドならオーケーだが、椅子に座りっぱなしはお断り。
609名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 01:52:50 ID:dm4qbtZV
普通に考えてイスにずっと縛り付けられてたら血管内で塊ができる→それが脳や肺のほうに流れて詰まるでアボン
610名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 01:55:31 ID:LBGWm0QO
>>609
でも死んだことを受け入れられずにミイラ化した男の子のお世話を続けるんですね
611名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 04:41:09 ID:MamHqOaQ
>>610
ドラクエ7のロボット思い出した
612名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 07:08:55 ID:s7Mk5eVM
wiki保管庫に旧作がどんどん補完されてますね
乙です

本保管庫の管理人さんもいままでありがとうございました
613名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 07:47:34 ID:xxLGtDDx
保管庫の管理人さんいままでありがとう。
614名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 08:04:31 ID:y7HuyrX6
おまえら、ヤンデレっ子に監禁されるのか?
615名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 09:53:06 ID:irZqlNvT
普段少々ぶっきらぼうな口調で変わり者っぽい、で、二人きりでデレる
→クーデレ来た!?
→ある日家に遊びに行く
→気がつくとベッドの上で拘束!おまけに媚薬を盛られたっぽい で、逆レイプ イャッホー!ヤンデレ来た!
→他の女と会話しただけで詰め寄られる
→「〇〇と会話した女は処分した。安心しろ。」と喜々とした様子で告げられる
・・・その後色々とあったがそれなりに今を楽しんでいる。
初めは処分と聞いて驚いていたものの、今では慣れっこだ。
でも一緒じゃないと外出できないとか、半拘束は少し厳しいかな?

こんな展開希望
616名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 13:26:13 ID:nhj5bRKG
ベッドや椅子に固定されるとトイレに行けないのがなぁ…
617名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 13:27:57 ID:xXevl3lb
>>616
全部処理してもらえるじゃん
618彼氏は猫派:2008/06/28(土) 13:32:49 ID:v6EmRGau
彼氏が最近お弁当をよく残したり一緒に帰ってくれなかったりと、
不安になったヤンデレっ娘が彼の帰りの後をつけて、
そこで目にしたのは捨て猫を世話してる彼氏の姿だった。
残してたお弁当を分けたりしてる所を見て

「私より、そんな薄汚い猫を優先するの?
 そんな優しい所も大好きだけど、それは私にだけ向けてほしいなぁ。
 だから、ちょっと邪魔だね、その猫は。
 フフッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ」

チャキチャキ
ヤンデレっ娘は鞄からカッターを取り出した。







てのを思いついた
619名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 14:07:03 ID:hOWwinV9
>>618
次の日彼氏が捨て猫のところへ行くと、ネコミミをつけた彼女が待っていた。
「このネコミミとシッポですか?ええ、ホンモノですにゃん♪」
彼氏はすぐに気が付いた。わずかながら血の匂いのするそれは、
昨日までかわいがっていたあの捨て猫のものと同じ柄なことに。
そして彼女のうしろには皮を剥かれた捨て猫の死体があることに。


という文を忘れているぞ。
620名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 14:37:51 ID:4udwtTes
>>619
皮まで剥ぐことはなかろう。
三味線でも弾く気か? そのヤンデレっ娘。
621名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 14:58:47 ID:0qoDnv8G
『ドゥール・ダルジャン』の鴨の血のソースに触発されて、自分の血で料理を作って男に出す。

愛液とかを混ぜるよりはマシだと思うがどうだろうか?
622名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 15:35:55 ID:lp5uAJ5Z
>>618
同じようなSSが嫉妬スレのまとめサイトにあったはず。
623名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 15:52:19 ID:RgTjzmew
俺は>>621みたいなのはみたことあるな
まぁ最後のほうでネタばれみたいな感じだったが
624名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 16:50:08 ID:Xj1q2rTJ
ぬこたん虐待はらめぇー

そういえば、日本初のヤンデレって誰だろう
神話まで入れるとスセリヒメ辺りかなあ?
625名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 18:06:45 ID:y5NGCXya
神話までいれるとイザナミなきがする
まぁ実在する人物で思いつくのは安倍定くらい?
626名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 18:15:48 ID:XqtMpPA1
ビジュアル的に未来日記は嫌い
627名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 18:46:44 ID:XK0hOArM
>>582
亀気味だけどGJ
非常に好みの設定で御座います
あと、気になったんだけど
土御門は「つちみかど」じゃなくて「つちつかさ」と読むんだけど、わざとそうしたのかな?
月見里を「やまなし」じゃなく「つきみさと」と読むくらい違和感感じたんだけど
628名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 18:52:09 ID:dKaMbktL
つちえもんかと思ったよ
629名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 19:00:56 ID:BeYL5KZP
あまり無知を晒すなよ
630627:2008/06/28(土) 19:05:42 ID:XK0hOArM
あぁごめん。気になって調べてみたら一般的にはつちみかどでいいみたいね
ほとんどのwebページでつちみかど表記だった
安倍姓から土御門姓になって福井に本拠移したとき
つちつかさだったはずなんだがなぁ
631名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 19:08:41 ID:Nr3IkKmC
(o゚c_,゚o)ププッ
632名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 19:09:32 ID:4udwtTes
>>627
普通に『つちみかど』つってるエロゲー知ってるけどな。
ふむ、一つ勉強になった。
633名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 19:16:55 ID:40OdwjqX
つち「みかど」ってのが天皇を示す『帝』にも取れて不敬だから
とかなんとか言う理由で後から『つちつかさ』に変名したんじゃねーの?
適当なこと言ってる自信はある。
634名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 19:36:16 ID:nTZ7vhrg
土御門天皇は普通に「つちみかど」と読みます
635名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 19:39:09 ID:abX0riV7
天皇を表す婉曲的な表現って沢山あるからな
御門なんて典型だな。
他には九重(ここのえ)とか雲居とか上とか殿とか公(おおやけ)とか…。
大学受験の時に必死に覚えたよ。
636名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 19:48:47 ID:40OdwjqX
つーかあれだ。
正しいのが「つちみかど」だろうが「つちつかさ」だろうが言えることは一つだ。

妖怪ヤンデレはいい。
637名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 20:25:08 ID:ocGtVks3
>>635
釣りかどうか判断に困る。
638名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 21:39:03 ID:UA8vX9BG
土御門 つちつかさ の検索結果 約 731 件
土御門 つちみかど の検索結果 約 16,700 件

土御門をつちつかさって読むなんて聞いたことないけど本当なの?
639名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 21:41:01 ID:y5NGCXya
はいはいここらで終わりにしような
空気悪くなるし作者も投下しづらいだろ・・・
640名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 22:20:32 ID:/f7jptKe
ヤンデレに「これって間接キスだよな」って言ったらどうなるの?
641名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:04:31 ID:4udwtTes
>>640
真っ赤になって照れ喜ぶと思う。
642名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:06:58 ID:q8gDLdQc
ヤンデレ楓に『俺、他に好きな女の子が出来たんだ』
と言うと稟はどうなるのかな……

ああいう、大人しい系のヤンデレはどれほど黒いのか
スカウターでも測定できない
恐らく、ドロボウ猫をあの地球人のように木っ端微塵にするのかな
643名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:28:18 ID:0qoDnv8G
自分の血が付いたハンカチを渡してみたとき何が起こる?
『洗って返す』『保存する』『しゃぶる』『舐める』『食べる』『切り取る』etc
644名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:40:08 ID:s7Mk5eVM
アニメしかみてないけど楓に裸で迫られたら俺は拒否できない
ていうかあんな子と一緒に暮らしてたら惰性で結婚までいきそう
645名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:56:10 ID:nZHErSA2
ところでお前ら本当に>>1読んだか?
VIPやらニコニコから来たか知らんしどこから来たかは関係ないが
ただの馴れ合いは必要ない、小説以外ならヤンデレ系のネタだからな
646名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:00:28 ID:nZHErSA2
というわけで依存って言葉が最近の小説で無くなってきたと思うんだが…
もっと依存させてみるのもいいと思う。まぁしてないわけじゃないけどもっと崩壊したヤンデレ娘がすきだ
647名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:00:56 ID:HOKJUmqp
>>645
嫉妬スレに帰れ。雑談はいい荒らし避けになる。
あのスレは妙に雑談禁止して荒らしが来て流すことができずに滅んだ。
648名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:01:13 ID:C2f9g7q9
もはやネタとしか思えねえww
649名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:04:02 ID:dKaMbktL
また空気悪くなるんですか?
650名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:06:16 ID:7mHbUZjp
sageろカス
651名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:21:47 ID:7e/MZ57R
>>644
惰性……だと…?
652名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:45:57 ID:DvbtHhcX
前保管庫(と言っていいのかな)の管理人様、遅ればせながらお疲れ様でした。
653名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 01:00:51 ID:it6E1vuT
>>618
このSSが読みたい。教えてくれないか?
654名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 01:27:15 ID:ROa1pfns
死ね
655名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 02:07:36 ID:pjfHGXuU
拒絶し続けられて精神病んじゃうのはベタだけど好きさ

最初から最後まで拒絶し続けられて
脅迫や彼の四肢切断、監禁なりで彼の肉体だけは手に入れるんだけど
心だけは奪えない

っとすごく具体性の無い設定が浮かんだ
656名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 03:00:18 ID:pZJd52ME
シャッフルはゲームしかしてないんだけど楓が病んでるのはアニメだけ?
確かに主人公の嘘に気がつくまで主人公を攻撃してたけど、特に病んでるようには思わなかったな
657名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 04:15:20 ID:uKsUFYpY
>>656
楓のヤンデレはアニメオリジナル
ゲームの楓だとあの状況受け入れるんじゃね? 陰でめちゃくちゃダメージ喰らってそうだが
658名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 06:13:15 ID:BqSl+vTp
>>653
煌く空、想いの果て

>>618みたいなシーンはにょろっとしか出てこないけど。
659名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 06:20:09 ID:BqSl+vTp
にょろっとじゃねえや、ちょろっとだ。スマソ
660名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 07:21:11 ID:Jd1+dFrh
澄子ちゃんの続きまだー?
661名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 08:01:36 ID:iGt5mZFC
やっぱり変なのが沸いてるな…
最近ヤンデレが流行ってきた証拠って事でいいのか?
662名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 08:07:12 ID:jzRsD9I1
>>656
あれはアニメオリジナル
まあゲームもある意味病んではいるけど。
663656:2008/06/29(日) 09:21:55 ID:pZJd52ME
>>657>>662
やっぱりそうなのか、thanks。
ゲームはプリムラが可愛かった記憶しか残ってないな。
アニメは作画が凄かったので見てない。
664名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 12:36:39 ID:eLRgvLdb
ニコニコでヤンデレ検索したら変なコラージュいっぱいあって気持ち悪かった。
ナニアレ
665名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 13:36:33 ID:dIqUtB/q
>>664
そんなものに頼って探そうとする君が悪い。
市井でいう『ヤンデレ』は色々混ざってるから、アテにならない。
666名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 14:59:43 ID:yOJXD04V
>>664 なんでニコニコで探すんだよww 
Pixivとかで探す方が、よっぽどヤンデレぽいものが見つかるぞ。ま、絵のうまいへたがあるけどな。
667名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 15:12:30 ID:bkv2sTJb
ヤンデレラって感じのSSって無い?
668名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 16:09:17 ID:uKsUFYpY
>>667
SSが無ければSSを創ればいいじゃない

669名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 16:22:01 ID:Jd1+dFrh
ヤンデレ家族を全裸で待ち続けるぞ!!
670箸が転んでも人類滅亡な年頃:2008/06/29(日) 16:53:15 ID:FO2YGx25
>>600で面白そうなこと言ってたんで代わりに俺が書いてみた
ヤンデレっぽさはほぼない上に自分で何やってるかわからなくなったから
スレから追い出されたSSを投下するスレに投下しようかとも思ったけどこっちに投下。
というわけでヤンデレにあらずんばSSにあらずって人は回避推奨
2レスか3レスほどの短いものです
671箸が転んでも人類滅亡な年頃:2008/06/29(日) 16:54:04 ID:FO2YGx25
今日も今日とて学校を終え恋人の樹林夜美(キバヤシ ヨルミ)と一緒に下校していた。
「今日は何事もなく1日終わりそうでよかったな」
「平穏に日常が過ぎていくっていいことよね。
 このまま留(トマル)と一緒に何十年も平穏に生きていきたいわ」
実は何かあるときには結構な確立で夜美が大事にしているので
どことなく複雑な気もしないでもないが、
惚れた相手にこんなうれしいことを言われては俺が上機嫌になるのも仕方ないだろう。
「うれしいこと言ってくれるじゃないの、それじゃ・・・あ」
なんとも唐突に夜美がくれた俺の靴の紐が切れたではないか!
何か嫌な予感がすると思ったら案の定隣にはブツブツ喋っている恋人の姿が
「留にあげた靴の紐が切れちゃった・・・私があげた靴は白と赤をメインに使ったスニーカー、
 スニーカーには大抵の種類で白い色は使われているからここでは除外する。
 その紐が切れた、紐も糸も同じ細長く何かをまとめるものとして同一視してもいいでしょう。
 つまり残った単語は赤と糸、つまりこれは赤い糸とも言い換えられるはず!」
あぁやっぱりいつもの無駄な頭の回転を利用したとんでも思考が展開されていってる。
はたから聞いてると辻褄があってないどころか無視したような理論だが本人はいたってまじめだ。
「赤い糸といえば『運命の赤い糸』。誰と誰のものかは考えるまでもなく私と留ね。
 つまりこれは私たちを妬み引き裂こうとする全人類の邪悪な意思の表れだったのよ!!」
またいつものように突飛な発想で全人類の敵にされてしまった。
夜美は基本的には非の打ち所のない人間なんだがよくこういうことがあるのが珠に傷だな。
672箸が転んでも人類滅亡な年頃:2008/06/29(日) 16:54:45 ID:FO2YGx25
「今は兆候だけにとどまっている邪悪な意思も成長を続ければ
 きっと実害をもって私たちに牙を剥いてくるはず!」
「で、でも本当にそんな意思が現実に何かできるなんて思えません! 
 靴の紐が切れたのだって何かの偶然かもしれないじゃないですか!」
いつの間にか夜美の取り巻きになっている後輩の田中さんが話に加わっていた。
ノストラダムスではないがこれから面倒ごとになるのは俺でも予言できる。
「確かに実際に物を壊したりなどの干渉はできないかも知れない。でも聞いたことはない?
 焼けた鉄棒だと信じ込ませて鉛筆を握らせたら本当にやけどをしたという催眠術の話を!」
「あ、あー! まさか!」
「そう! プラシーボ効果よ! 病は気からという言葉もあるように想いや心構えには
 実際に体に異変をもたらすほどの力がある。
 ならこの邪悪な意思も何らかの悪影響をもたらす力があってもおかしくはない」
「そんな! じゃあ樹林さんと留くんはどうなっちゃうんですか!?」
「ちょっと待って! さっき樹林は『全人類の邪悪な意思』って言ってた。
 それが本当ならその妬みは2人だけに害を及ぼすだけでなくなるとは思えないわ!」
次々に夜美の友人たちが集まりどんどんと話が大きくなっていく。
こうなってはもう誰にも収拾をつけることはできないだろう。
正直もう無視して帰りたいがここで無視をするとあとで縛られた上で問い詰められるので帰れない。
「そうなるでしょうね。きっと私たちに何かが起こったら次はほかの誰かを、
 それも終わったらさらに次と続いていきそして最後には・・・人類は滅亡する!」
「「「なんだってーーーー!!!」」」ΩΩΩ
なんだってー!が出てきたからそろそろ終わるかな?と思いつついつでも動けるように準備をする。
673箸が転んでも人類滅亡な年頃:2008/06/29(日) 16:55:35 ID:FO2YGx25
「でもただそんな意思があるだけでは靴の紐を切るなんて干渉はできないはず。
 どこかにその意思を手伝っている人がいるかもしれないわ」
「そういえば・・・担任のキタヤマ先生が最近催眠術にはまってるっていってたわね」
「たしかキタヤマ先生はバツイチ・・・年頃のカップルへの嫉妬心に意思が付け入ったのかも」
「とりあえず手がかりとして会ってみる価値はありそうね。学校の職員室まで戻るわよ!」
やっぱりばかげた行動を起こしそうになったのでいつものごとく夜美を後ろから抱きしめた。
「留!? 人前でいきなり抱きつくなんてどうしたの?」
「留先輩はいつも私たちと先輩が話してるといきなり抱きついてますよね。
 情熱的な留先輩に愛されててうらやましいです」
聞き様によっては俺を狙っているかのような発言をした田中さんを凄い形相でにらみ続ける夜美。
ここでどうにかしないと行方不明にされてしまいそうな彼女のためになんとしても宥めなければ
「夜美が凄く感情を込めて他の男のところに行きそうだったからついね」
「そんなつもりじゃなかったの! 愛してるのは留だけだから!!」
「わかってるからさっさと家に帰ろうねーっと。そういうわけで3人ともさようなら」
さっさと一方的に別れの挨拶をして両腕で拘束したまま夜美を連れて行く。
これからどうやって宥めるかも考える途中にふと思いついた
『俺が宥めるのをやめたり別れを告げたりした時こそ本当に人類滅亡のときかもしれない』
という考えもこの行動的過ぎるところや頭の回転の速さを利用した誇大被害妄想を鑑みると
あながち間違ってもいないかもしれない。
674箸が転んでも人類滅亡な年頃:2008/06/29(日) 16:56:44 ID:FO2YGx25
投下終了
キバ○シの手にかかればどんな日常でも人類を滅亡させられる
675名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 16:58:12 ID:8QokSxAY
無駄に漢字使ってて読みにくいしなんか文がぎっちり詰まってる感じ
>「「「なんだってーーーー!!!」」」ΩΩΩ
なんというかVIPでスレ立ててやった方がいいと思うよ
676名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 17:58:07 ID:IqSoa7/o
今日はヤンデレ家族来なさそうだな。前回言ってたし。でも楽しみだなぁ
677名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 18:41:15 ID:vkPl1iv1
確かに楽しみだな。
でも作者さんの都合が第一ということを皆さん忘れず全裸に靴下で正座して待ちましょや
678名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 18:41:33 ID:XTJvg3v4
>>674
お疲れー
679名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 19:06:05 ID:G8rVo9dt
>>674
ひたすら暴走していく思考になぜか萌えたw
お馬鹿なノリも結構好きです
680名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 20:25:03 ID:dIqUtB/q
>>674
まあ、繋ぎとしてはちょうどいいかな。お疲れさま。
681無人機はダンスを踊れるか?:2008/06/29(日) 21:13:27 ID:/m0dDNyH
無ければ作れ!で投下
「堤君、例のシステムの再調整お願いね。」
「了解しました、今行きます!それじゃまた後で。」
「うん……今晩は早く帰ってきてね。」
俺は、朝野二尉に呼ばれて研究室に向かう。俺の恋人、浦春名三尉は寂しそうだ…ゴメン。
最近、俺は陸海空統合戦術コンピューターシステム(ゼウスシステム)の開発に忙しくて二人の時間を作れなかった。
「春名、遅くなった!ゴメンな!あと二週間程で完成するから。」
あれから5時間、研究室で再調整をしていた。
「真人、お帰り。ご飯出来てるよ。」春名は笑顔で台所に走って行った。
二週間後の八月十七日、ついにゼウスシステムが起動した。
最近、朝野二尉と良く残業をする事が増えた。そして帰りが十二時を回ることも珍しく無かった。
そしてこの“異常な残業”に疑問を持った春名が朝野二尉の行動をチェックするようになって十日目の晩。
深夜の研究室で色仕掛けで誘惑された。帰宅した時、凄い勢いで詰られ、泣かれた。
その日から、朝野二尉は俺の体に接触するような体勢を取るようになった。
画面を見る時も俺の顔の横から見るようになり、胸が背中に当たっている。                
682無人機はダンスを踊れるか?:2008/06/29(日) 21:17:14 ID:/m0dDNyH
リアルの都合で続きはまた時間の余裕がある時投下します。
誠に申し訳ありません。
683名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:30:52 ID:iGt5mZFC
明らかに前と比べて流れが早くなってるな
なにがあったかは知らんが
684名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 00:32:40 ID:zbzPME5E
>>683
チラシの裏にでも書いとけ
685名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 05:45:17 ID:sT0qmbyb
なんかこのスレ最近書き手に対して冷たくないか?
>>675とか>>681に何の反応も示さないとか
技術的に未熟でも、自分の趣味に合わなくても、投下してくれたなら読み手としてまず労いの言葉をかける。これが紳士なんじゃないか?
書き手は大事にしないと廃れるぞ
もちろん、書き手様々で盲信するのもダメだが

書き手のみんなもこのスレ嫌いにならないでほしい
686名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 06:01:28 ID:1KQUF6gb
とりあえず1ついっておこう
自分にあわないSSはスルーしてることがおおいとおもうぞ
スレの趣旨にあってるかどうか関係なく自分にあわないと思ったとき
スレを荒らすのははばかられるのでただ反応しないことが多いんだよ
687名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 07:10:30 ID:oxWm5S1i
>>685
揚げ足悪いが、>>675じゃなくて>>674だと思われ
うーん・・でもやっぱり自分に合わないならスルーする方が紳士じゃね?

688名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 08:03:43 ID:GvyTIlqX
>>685
下書きレベルで安易に投下するのは問題あり。以前は渾身の作品揃いで趣味を外れても拍車出来た。
689名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 08:49:56 ID:FqxDYvHM
当然このスレの人間は監禁されたいと思ってるだろうが、現実に美人で病んでる奴なんてほとんどいないよな…
ブスのヤンデレほど恐ろしいものはない…
690名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 09:06:40 ID:NpcOEZsg
だよなあ
ちやほやするほうが逆に残酷な気がするわ
691名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 09:18:34 ID:6xmFxw1c
>>689
選べる立場じゃないのは重々承知。
だからこそ、綺麗な夢を見たいのだ。







何が言いたいかというと、ヤンデレは美人が前提。不細工のそれはヤンデレではない!
692名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 10:40:38 ID:4BRa8QZ0
こういう議論とかし始める奴がいるから戦争は終わらないんだ
693名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 11:21:51 ID:gCsmin5J
自分語りは聞きたくないな
694名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 13:57:59 ID:NpcOEZsg
>>692
議論が存在しないとヤンデレの娘も存在しなくなるぞ。そして議論はなくても戦争は起こる。むしろ議論がないと戦争は起こる

「主人公君は私だけのものなんだから!」
「いや、その理屈はおかしい」
「そっか、そうだよね」
ってな具合に
695名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 14:42:06 ID:Od+A6fIq
最近のこのスレは排他的だと思うがね
何かあるとすぐVIPとかニコニコとか言い出して関係の無い人まで不快にさせる。
気をつけたほうがいいよ
696名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 14:55:58 ID:1KQUF6gb
まぁ変なのたまに沸いてるしな
終わった話題をいつまでも引きずるのは愚の骨頂だぞ

まSS書くにしても他の人が読んで
読みにくい理解しづらいものはスルーされるのが普通だろ
あえて感想をつけようとするとそれで変なのが沸きやすいからな
697名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 15:52:58 ID:lQdjSlyw
ようするに時代は新たなヤンデレ女王を求めているということだ
698名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 17:31:27 ID:MaLMtmgx
>>694
「そっか、そうだよね。




まだ所有者の印を刻んでないもの……」
699名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:39:08 ID:XV2W0RBE
虹じゃなきゃ駄目でしょ。
〇〇デレ系の中で唯一惨事でも実現可能なものだがな。
700名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 19:48:22 ID:1KQUF6gb
しかし3次だとかなりの確率で痛い子
電波になりやすいがな・・・
そもそも特殊な状況下に置かれない限りそこまでの愛情は普通うまれない
701名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:03:32 ID:+VQZA3eV
ヤンデレ家族が来なかったのは容量を気にしてとかかな。
そろそろ次スレの頃合いだし。
702名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:05:47 ID:h0m+WTz1
ヤンデレ家族は作者が今度は日曜は厳しいみたいに言ってたぞー
しかしあの人ペース安定してるよな
703名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:18:30 ID:XGEH6JXP
>>701
まだ慌てるような容量じゃない。
704名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:51:15 ID:Qvo8cIDK
>>700
ヤンデレではないが、精神患った娘は可愛い娘が案外多い
祖父が、アル中が元で精神科に入院したとき、結構可愛い娘が入院してたりして驚いた
たまたまかもしれんがw
705名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:58:44 ID:oxWm5S1i
>>702
あそこまで安定してくれると読み手としては嬉しいよな
けど作者さんもあのペースで投下してくれてるんだからしばらく休んでもいいんじゃないかって思う
続きは凄く楽しみだけどね
706名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 21:19:50 ID:kRVAz8Ap
>>704
知的障害者にも可愛い子が多いよ。
欝で精神病院通ってたとき可愛い子が奇声あげてた。
707名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 21:23:35 ID:1KQUF6gb
そろそろスレチだぞ・・・
>>704>>706
それはヤンデレじゃないだろうが・・・
708名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 21:42:35 ID:H1C0GyrA
>>611
エリーの話をするんじゃねえ!!
709名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:22:32 ID:xFQbkwFb
そういえば子供の頃、知的障害者に突然噛まれたことがあるが全然かわいくなかったな。
710名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:47:31 ID:xFQbkwFb
さらに言わせてもらうと、
仮に知的障害者でかわいい子だったら強姦されたりする可能性が非常に高いよな。
法廷での証言能力が無いから狙われるってのは、よく聞くし。
仮に俺がそういう子を好きになって保護するとしたら、もう監禁するしかないだろうな。

と、ここまで考えた所で閃いた。
これはSS書けるぞ、と。

例えば、知的障害者の主人公が犯罪に巻き込まれたりしないか、いじめられたりしないかと常に心配で、
傍で監視しながら病んでいるヒロインの話とか、そんな感じの作品を誰か書いてくれ。

ちなみに俺は今、別なSSを書いているから無理。
711名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 23:51:45 ID:gCsmin5J
スレ違いだ他所でやれ
712名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 01:47:42 ID:gZMG6CHX
一応、誘導しといたと方がいいのかな……。

【心と】  障がい、不自由のある日常  【身体】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204098249/l50
713名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 16:45:50 ID:kNb7ZJcc
不謹慎だと言われるかもしれないが、時事ネタ+ヤンデレ物の話とか読みたい。
例、表示偽装に手を染めてしまった主人公との暮らしを守るために、嗅ぎ回る者を消して行くヒロインとか…
714名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 18:09:49 ID:xzYXRdVX
その発想は面白いけど書くの難しいな(^^;
715名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 18:13:28 ID:R0ECt0L9
どっちかと言うと弱みを握ったヒロインと握られた主人公で見てみたいな
716名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 18:56:34 ID:kNb7ZJcc
2・3年程前に耐震強度偽造問題をネタにしたエロゲがあったような…。
最近なら、“使い回し”とか“産地虚偽表示”や“期限切れ”なんていう食品関係だな。     
717名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 19:06:50 ID:OPeXEZ9o
スクランスレに鬱展開なやつがある
718名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 20:58:40 ID:Hvh7DX+a
>>697
ラノベのリネア様を思い浮かべたよ。
719名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 23:02:26 ID:8n3Pz1Fx
>>713
保管庫にある「彼が望むなら死んでもいい」は
実際にあった事件を元ネタにした作品だったりするが。
そういうのとはまた別か
720名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 23:05:45 ID:GsyKu+sI
男を薬漬けにしちまおうぜ。
中国四川省じゃあ、習慣性のあるケシの実を使う料理店があるそうだ。
721名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 00:48:37 ID:yo6HbGV/
薬効が高いんだよ、お姉ちゃんのスープは
一生忘れなくさせてあげる

こうですか
722名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 00:54:03 ID:/88bpVfp
お注射で薬漬けはこのスレにあった気がする
俺も新しいネタを考えようにもすでに先人が通った道ってパターンばかりで自分の発想力のなさが情けない
723名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 01:23:19 ID:0R5JJyE9
中国といえば易牙。

料理評論家の弟が外で食べるばかりではなく、ちゃんと家に帰ってきてくれるように、
自分以外誰も作れない料理を作るお姉ちゃん。
「困ったわ、もう食べさせてあげられるところがないわ。
 右腕がなくなったらお料理できないし……。そうだ、なければ作ればいいのよ」
724名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 16:21:20 ID:UkF9IbTh
いま思ったんだが「わたしとアナタは前世で恋人同士だったのよ!」ってのは産地偽装になるんじゃないか
725名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 16:49:37 ID:jti5Zo4l
いや、産地偽装だったら、「あなたと私は実は兄妹だったの! 血で結ばれているの!」とかいう嘘を言うことだろ
726名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 17:24:23 ID:yo6HbGV/
どう考えても逆だボケナス
「わたしたち、本当の姉弟じゃないの。血はつながっていないの、
 だいじょうぶ、気にすることなんかないのよ……くすくす」
こうだろ
727名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 17:33:58 ID:jti5Zo4l
しまった……。世間一般の産地偽装の観念し縛られていたか……
俺もまだまだだな
728名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 21:07:59 ID:Tj7LILPp
どっちもどっちだと思ったのは気のせいか?
729名無しさん@ピンキー:2008/07/02(水) 21:32:33 ID:GLnmtro3
>>726の方がヒロイン的にはメリットが大きいと思われる。
血が繋がっているのは、(性的な意味での)大きな障害だから。
そのままごまかし続ければ結婚まで行ける。
730 ◆wzYAo8XQT. :2008/07/03(木) 15:38:27 ID:Wo5smDnS
ぽけもん黒七月分投下します
 翌朝。
 窓から光が差し込む前に目が覚めた。
 ポケギアを確認すれば、時刻はおおよそ五時。
 僕も随分朝型になったものだ。
 隣で寝ているポポを起こさないように毛布からでると、一つ伸びをした。
 そしてそのままベッドから降り、香草さんの無垢な寝顔を確認してからリュックの中身を確認する。
 うん、まあ食料もまずまずだし、道具は不安といったら不安だが、早急に何か必要なレベルではないし、とりあえず買い足す必要はないかな。
 よし、と小さく頷くと、立ち上がり、部屋から出た。
 そのままポケモンセンターからも出る。ちょっと朝食の時間まで外でも歩こうと思ったからだ。
 まだ明るいというより薄暗いという感じだし、ここは田舎なので、外を歩いている人は誰もいない。
 まったく無人の道路や町を一人闊歩するのは中々気分のいいものだ。
 海岸線まで散歩して、引き返そうとしたそのとき。
 今は閉まっている海の家の陰から、緑の葉っぱが覗いて見えているのを見つけた。
「えーと、香草さん?」
 僕が声をかけると、ガラガラという何かを倒すような派手な音がそこの陰から聞こえてきて、その音に続くように香草さんが倒れて出てきた。
「な、何やってるの?」
「あ、アンタがこそこそと出て行くから、気になってつけてきたのよ!」
「何でつけてくるのさ……一声かけてくれれば一緒に来たのに」
「い、いいのよ! 私の目的はあくまでアンタが妙なもの買わないための監視なんだから!」
 頬が朱に染まっているのは朝焼けのせいかそれともか。
 妙なものって……それに、そもそもこんな時間に空いている店はこんな田舎にはないし。
「まあいいや、僕はもう帰るところなんだ。だから一緒に帰らない?」
「そ、そうね! アンタも一人じゃ寂しいだろうしね!」
「いや、僕、結構こういう静かな一人の時間って好きだよ?」
「……やっぱり、迷惑だった?」
 頭の葉っぱまで萎れさせてうなだれる。その様子はまるで母親に叱られた小さな子供のようだ。
「い、いやいや、全然そんなことないよ! むしろ嬉しいよ!」
「そうよね! 嬉しいに決まってるわよね!」
 はあ……なんだかなあ……。
 どうして彼女はこう不器用なんだろうか。
 まあ僕がこう臆病で逃げ腰なのと同じで、しょうがないことなんだろうけどさ。
 まあそういうわけで、僕と香草さんはならんで歩きだした。
 朝の日差しを味わいながら歩くこと数分。

 火災が飛んできた。

 火災は飛ぶものじゃなくて起こるものだ、とかまっとうなことを言われても困る。
 火の災いが通り魔的に飛んできたら、それは火災が飛んできた、というほかに短くて適切な表現は無いだろう。
「あつっ!」
 僕は目の前に飛んできた火炎を避けることが出来なかった。直撃していれば、少なくとも全治数週間レベルの火傷を負っていたところだろう。
 でも軽い火傷を負うくらいで、そうはならなかった。
 なぜかと言えば、実は僕が火が効かない超人だからとかそんなのではなく、香草さんが咄嗟に蔓の鞭で僕を後方に飛びのかせてくれたからだ。
「よう。相変わらず隙だらけで、その上鈍臭えな」
 そんな声が左前方から聞こえてきた。その方向を見れば、屋根の上に赤毛で黒い半袖の服にジーンズを穿いた男と、同じく赤毛で、黒い長袖の服に黒いスパッツを穿いた女が立っていた。
女の方は袖口から指のような白く大きな爪が覗いて見える。そして女は背中に燃え盛る火を背負っている。二人とも逆光で顔は見えないが、僕にはこの二人のシルエットに心当たり
――いや、そんなはっきりとしたものではない。予感、というほうが適切か――があった。
「ま、まさかシルバー!?」
 その予感に従う。人違いなら赤っ恥だが、僕はむしろそのほうがいいとさえ思っていた。
「その通り! 久しぶりだなゴールド」
 赤毛の男が一歩前に踏み出した。そのことで顔があらわになる。端正だが、不遜な顔つきをした男が、赤い長髪をたなびかせてそこに立っていた。あの火炎、そしてこいつと一緒に居るってことはつまり隣の女は……。
 予想しうる最悪の展開、そして予想しうる最も現実性の高い展開。
「何よアンタ! いきなり人目掛けて火を飛ばすなんて、一体何考えてんのよ!」
 香草さんが屋根の上目掛けて怒鳴った。その怒りも尤もである。
「ご……ごめんなさい」
 赤い髪の女がペコペコと頭を下げながら謝った。この動作、そしてこの声……やっぱり。
「俺がそうするように命令したんだよ」
 赤毛の男は腕を組みながら堂々とそう言った。
「何命令してんのよ! それに、命令されたからってそんな命令に従ってんじゃないわよ!」
 香草さんが再び屋根の上目掛けて怒鳴った。そのツッコミも尤もである。
「すいませんごめんなさい……」
 女はただひたすらに謝り続ける。
「謝ったら許してもらえるとでも思ってるの!?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
 香草さんが怒鳴るたびに、その謝りは加速した。
「ラン、俺以外の人間に謝る必要などない」
 赤髪の男が、一切の揺らぎの無い、自信に満ちた声で女――ランを制した――いや、命令した。
「……! す、すいませんでしたマスター……」
 ランは男に謝る。しかしそれは僕達に向けられていたものとは明らかに異なるものだった。まるで、自分の全てをその男に握られているような、その男の機嫌を損ねたら破滅するような、そんな必死さが伝わってくる。
「一体あいつらは何なのよゴールド? 知り合いみたいだけど?」
 香草さんはため息を一つ吐いて、僕をねめつけてきた。
「ああ……なんというか、幼馴染というか……」
 榊シルバーと火野ラン(ひの らん)。彼らは小さいころよく遊んでいた友人――いや、親友、とも呼べるものだった。
 だった。過去形である。

 ランは僕と同じく若葉町の生まれで、昔から親しくしてきた。ある日、他の子供達と一緒に、立ち入りが禁じられていた山に入った。
しかし僕とランだけ皆からはぐれてしまった。山をさまよううちに日が暮れてきて、ランが泣き出してしまって、僕も泣き出したいほど心細かった。
野生のポケモンや虫獣に怯えながら、ランの背中の火の明かりを頼りにさまよっていると、木々が少しまばらな、開けた場所に建っていた一軒の家にたどり着いた。
明かりがついていたから入ってみれば――動転していたとはいえ、ノックも何もなしとは、僕達はよっぽど慌てていたに違いない――、そこには僕達と同じくらいの年頃の、赤毛の子供が一人で料理をしていた。
僕達に気づいた子供は驚いたが、事情を話すと快く食事を振舞ってくれて、その上一晩泊めてもらい、町までの道も教えてもらった。
その晩、いろんな話をした。その子供はずっと一人で――極まれに大人がやってきて、生活に必要なものやお金を置いていってくれるということだが――暮らしてきたと聞かされた。
今思えば、初対面の僕達にあんなに優しくしてくれたのはきっと、ずっと一人で寂しかったからに違いない。
 僕達はそれから、こっそり大人たちの目を盗んで、頻繁に彼の家を訪れて、一緒に遊ぶようになった。
 シルバーが皆を引っ張り、何かあったら僕が策を練って状況を打破し、ランはそんな二人の後をニコニコしながらついてくる。
 僕達は幸せだった――あの事件が起こるまでは。

「生きていたのか。僕はてっきりとうに死んだものと思っていたよ」
 僕はシルバーを睨みながら、皮肉交じりの言葉を投げる。
「言っただろ? 俺様は世界で一番強いんだ、死ぬわけが無い」
 彼はその皮肉をなんでもないように流した。
 ああ、その言葉を昔の彼は口癖のように言っていたっけ。実際、彼は無敵だった。そこまで強いポケモンは出ないとはいえ、山にでる野生のポケモンをいつも一人で負かしていた。
一度数メートルの小さな崖から落ちたけど、何事も無かったようにケロッとしていたときなんて、シルバーは本当に人間なのか? と疑ってしまったものだ。
「それどころか、お前も殿堂入りを目指す旅に参加してるのか」
 まさか、とは思ったが、状況的にそう考えてしまう。
「おう」
 返事はやはり肯定。だが、そんなことはありえるはずがない。
「どうやって? 人殺しで人攫いのお前が!」
 僕はありったけの憎しみを込めてシルバーを怒鳴った。
 僕を見ていた香草さんの表情が変わった。人殺しや人攫い、という物騒な語に反応してか、それともいつもの僕にはありえない、棘剥き出しな口調に反応してか。

 ずっと野生のポケモンや害獣が出る場所で一人で暮らしてきたせいか、シルバーはとてもナイフの扱いが上手かった。
遊んでいたときに、何回それに助けられ、どれだけ僕がシルバーのナイフの腕を見込んだ作戦を立てたことか。
だが、今となっては、頼りにしていた彼のナイフの技術は、ただ憎いだけのものとなってしまった。……彼がナイフなんて使えなければ、彼は人を殺さずにすんだはずなのに。

「どいつもこいつも弱っちくて困る」
 彼は何かを――自分以外の全てかもしれない――バカにするように言い捨てた。
「……そうか、やっぱり力ずくでか」
 状況的に考えて、彼が旅に参加するには担当官の脅迫か懐柔しか考えられない。彼に懐柔を行うほどの智謀や回りくどさはないだろう。彼はいつも実力行使あるのみだった。
「弱い奴に生きてる価値はねえからな」
「また殺したのか!」
「熱くなるなよ。別に殺しちゃいねえ。弱すぎて殺す気にもならなかった。お前は、どうだろうな。バトルといこうじゃねえか」
 やはり、行ったことは脅迫か。でも、そんなことは今僕には関係ない。
「言われなくても、だ。ランは力ずくでも取り戻す!」

 あの晩。僕の全てに重い枷をつけることとなったあの事件の起こったあの日。
 僕とランはいつものように親の目を盗んでシルバーの家に遊びに行った。すると、普段は真っ暗はなずの森がやけに明るい。その明るさは、彼の家に近づいていくにつれて増していく。彼の家にたどり着く前に、分かってしまった。
 彼の家は、燃えていた。
 木製だった彼の家は轟々と燃え盛り、その付近を昼間のような明るさと、真夏のような暑さで照らしていた。
 僕とランは呆然と立ち尽くした。いつの間にか、隣には警察官達がいた。警官だったランの父親も。
 そして聞かされた。シルバーはロケット団の偉い人の息子だったのだと。そのため、話を聞くために来てみれば、ナイフによる抵抗を受け、その上家に火を放ったのだと。誰も中に入れないから、今説得を試みているので、協力してくれ、と。
 僕とランは悔いた。きっと彼の家がばれたのは、僕達が後をつけられたからだと。そのために、シルバーは今こんな酷い目にあっているのだと。
 僕達は必死に説得をした。もう一秒でも彼に辛い思いをして欲しくなかったからだ。
 火は一層勢いを増し、火に対して耐性のあるランとランの父親以外――もちろん僕もだ――は数十歩下がった。
 僕は、今でもこのことを後悔している。ランの父親は無理でも、せめてランも一緒に下がらせていれば、と。きっと、僕が逃げ腰なのは、このとき逃げることが不十分だった、という認識がトラウマになっているからに違いない。
 突然、家が爆ぜた。黒煙と火の粉があたりに降り注ぎ、僕も、他の警官も反射的に目を瞑ってしまった。そして目を開けたときには、血まみれのシルバーが、同じく血まみれで倒れている嵐の父親の前に立っていた。
 彼は動こうとした警官達を、父親の返り血を浴びて真っ赤になったランにナイフをつきつけることで制した。ランは震える手で、自分からナイフを少しでも遠ざけようと、シルバーがナイフを持っている手を押さえている。
 そして、続けざまに起きた、二回目の爆発。その爆発の後、目を開けたときにはもう誰もいなかった。
 消火後、焼け落ちた家の下から抜け道が見つかったが、必死の捜索もむなしく、誰も見つけ出すことは出来なかった。
 この事件から数日後、ランの母親は精神を病み、死んでしまった。

 きっとランがシルバーから逃げずに従っているのは、今までの生活によって刷り込まれたシルバーに対する恐怖のせいに違いない。ならば、僕はシルバーを力ずくで倒して、ランを救い出さなくてはならない。
 それが、あの日のランと、ランの両親に対してできる唯一の贖罪であり、あの日から常に自分を責め続ける冷罵から逃れる唯一のすべだからだ。
 一部施設を除いた市街地でのバトルも、バトル時のトレーナーへの攻撃も、安全上の理由から、人、ポケモン問わず禁止されている。でも、そんなルールを律儀に守っていられる事態ではない。
「香草さん、協力して欲しい」
 はっきり言って、これは僕の問題だ。こんなことに香草さんを巻き込みたくは無い。でも、僕は酷く非力だ。彼女の力を借りねばならない自分が憎い。
「言われなくても! 事情は知らないけど、やられっぱなしで引き下がれるもんですか!」
 香草さんはそんな僕の心情を理解して、そして気にしなくていい、と言ってくれるように、力強く肯定してくれた。
 二人と二人で暫し向かい合い、にらみ合う。その膠着を破って、先に仕掛けてきたのはシルバーだった。
 ――尤も、それも僕の思惑通りだった。短気でせっかちなシルバーが長々と探りあいだのなんだのするはずがない、ということを理解していたからだ。初手が相手から来ると分かっていれば、問題なく対処できる。そして初手を打ったことによって生まれた隙をまんまと叩ける。
 シルバーはナイフを二本投擲してきた。香草さんはそれを蔓の鞭で叩き落す。
 やっぱり、アイツは僕を攻撃することに何の躊躇いも無い。でもその方が心置きなく攻撃できる分、やりやすいというものだ。……と言っても、僕は武器なんて元々持っていないのだけれど。あ、十得ナイフならあった。……とてもバトルの役には立ちそうも無いけどさ。
「ラン目掛けて蔓の鞭!」
 香草さんの蔓の鞭がランに迫る。ランを蔓の鞭で絡めとって、そのままこちら側に助け出す!
「ラン、火炎車」
 しかしランは炎に包まれ、迫った蔓を焼き切った。……当然服が燃えたりすることはない。炎ポケモンの服は基本的に耐火仕様だ。
それでも、常に強い熱に晒され続けていればいずれダメになってしまうため、あまり熱い部分には基本的に何も纏わない。ランの場合、常に燃えている背中の部分の服がポッカリと切り取られているはずだ。
「シルバー目掛けてハッパカッター!」
 シルバーに数十枚の鋭く磨かれた葉っぱが高速で回転しながら迫る。いくらシルバーがナイフの名手とはいえ、これを捌ききれるわけが無い。
「ラン、そのまま俺の前に立て」
 だが、火炎に包まれたランがシルバーの前に移動したことでハッパカッターは焼かれ、二人に届かない。
 しかしそんなことは予測済みだ。
「蔓の鞭でランの足を絡め取れ!」
 この位置ではシルバーはランが邪魔で攻撃できない。それに、足付近はさすがに火力が弱い。僕の予想通り、蔓の鞭は焼き切られず、ランの足を絡めとった。
 やった!
 そう思ったのも束の間、体勢を崩す前にシルバーのナイフで蔓を切られてしまった。
「ラン、火炎放射」
 シルバーの命令を受けて、ランの胸部が眩く輝き始めた。
 その様子を見て、僕は愕然とする。
 火炎放射といえば、極熱の劫火で対象物を焼き尽くす、炎系上位の技だ。そんなものを使えるなんて……レベルが違いすぎる。
 しかし絶望に浸る暇も無い。対処法を考えねば灰燼に帰すのみだ。喰らったら、下手したら人間の僕なんか骨も残らないだろう。
 そして運の悪いことに香草さんは草ポケモン、ガードは期待できない。家の陰に隠れる? 
いや、一番近い建物でも、香草さんに指示を出して二人とも隠れ終えるまで五秒はかかる。間違いなく逃げてる最中に黒こげだ。
しかも、そんなことをしたらあの悲劇を繰り返すことになりかねない。ハッパカッターに蔓の鞭? 
いや、両者とも届く前に放たれた火炎に呑まれ、消し炭になるのがオチだ。眠り粉? 
……ありえない。相手は屋根の上だぞ? 届くはずが無い。怪しい光曳光弾? 
ダメだ、リュックはポケモンセンターだ! 糞! なんでリュックを置きっぱなしにしてたんだ! なんでポケットに入れておかなかったんだ! ……待てよ、ポケット?
 火炎放射はまだ不完全だったのか、溜め時間が長かった。……と言ってもほんの数秒だが。だがそのことが幸いした。僕に考える時間をくれたのだ。
 僕は咄嗟にポケットに入れておいた煙球を、僕の数メートル前で炸裂させた。
 と同時にランの胸部に溜められた炎熱が開放され、僕達目掛け飛来した。
 しかし煙球によって酸素を減少させられた空気は火炎の燃料となることは無く、火炎を僕たちまで届かせることは出来なかった。
 余波の熱風を浴びながらほっと胸をなでおろした。
 その瞬間。
 左足に鮮痛が走った。煙の向こうから投擲されたナイフの一本が、僕の足を掠ったのだ。
 血が噴出す傷口を、左手で抑える。
「ゴールド!」
「大丈夫だ! それより、さっきと同じ位置にハッパカッターだ!」
 慌てて僕に駆け寄ってくる香草さんを制して、命令を出す。
 ハッパカッターの風圧で煙が晴れた。しかし火炎に包まれたランのおかげで、二人は無傷。そのことが分かったのみ。
 薄笑いを浮かべ、余裕の表情で見下ろすシルバーと、歯を食いしばり、悲痛な表情で見上げる僕。
 しばらく、そのままにらみ合う。
 が、その緊張は、警笛によって崩された。
「コラー! 市外地でのバトルは禁止されています! 直ちにやめなさい! それとそこの少年少女! 屋根の上から下りなさい!」
 婦警さんが警笛を吹き鳴らしながら、猛然と道路を走ってこちらに迫ってきていた。
「チッ、邪魔が入ったな。運のいいやつめ。……また会おう。尤も、お前がリタイアしなければの話だがな」
 シルバーはそう言い放って、こちらとは反対側に飛び降りた。ランも後を追うようにそれに続いた。
 痛む足を引きずって、家と家の間を通り抜け、反対側にくれば、もう二人は『穴を掘る』で逃げ出した後だった。
下水管に逃げられると、追うのはもはや不可能だ。
今すぐ追えば間に合う? いや、待ち伏せされていて、穴を覗き込んだ途端にグサリ、という可能性もあるし、最低限、なんらかのブービートラップくらいは仕掛けてあるだろう。そういう奴だ、シルバーは。常に冷徹で、抜け目無い。
「っはあ……」
 僕はその場に倒れこむ。
「大丈夫!?」
 香草さんが慌てて僕に駆け寄ってきた。
「少年、怪我をしているじゃないか。事情聴取は後だ、ポケモンセンターに急ぐぞ」
 婦警さんはひょいと僕を背負う。男としての立場は無いが、この傷でポケモンセンターまで歩くのは辛いので、ここは甘えとこう。


「これでよし、と。今回は大した怪我じゃなかったから良かったものの、あんまり無茶はしちゃ駄目よ」
 女医さんが、包帯を巻いた僕の左足の腿をパンッと叩いた。痛みに思わず顔をしかめる。
 ポケモンセンターはポケモン、とは掲げてあるものの、当然普通の人間に対する医療設備としての側面も持っている。切り傷の治療程度は、仕事がなくてぼーっとしているより楽だ、というくらいに簡単にこなしてしまう。
 怪我は全治一ヶ月だが、補助無しで普通に歩いても大丈夫な程度のものだということだ。当然、激しい運動は禁止だが。
 今この診察室にいるのは僕と女医さんと婦警さんの三人。
香草さんには、ポポが起きたら部屋には誰もいなくて、しかもいつまでたっても誰も帰ってこなくて不安に思うと悪いから、ということで事情を説明しにいってもらっている。
「無茶以前に、市街地でバトルなんて一体何を考えているんだ!」
 と、そのときちょうど香草さんが帰ってきた。診察室に戻ったらいきなり怒鳴り声とは、彼女もタイミングが悪いもんだ。
 場違いなのに、一瞬気が緩んでしまった。僕はそんな自分を叱責し、気を引き締めなおす。
「アイツは人殺しの上に人攫いなんです!」
 婦警さんの怒声に突っかかるように僕は怒鳴った。
「人殺しに人攫い? まだ子供じゃないか」
 当然、そんなことを言われた婦警さんはキョトンとしている。
「子供でも、ロケット団の人間です」
 団員、とは言っていない。だから間違ったことを言っているわけではない。
「ロケット団だと! 少年、詳しい話を聞かせてくれ」
 ロケット団、と聞いて彼女の顔色が変わった。最近ロケット団が復活した、という噂もあるし――僕達は実は遭遇して、しかも撃退しているわけだが――、その手の話題には敏感になっているのだろう。
 僕はあの事件の話をかいつまんで説明した。
 婦警さんは驚いた顔をし、香草さんに到っては、どう僕に声をかけたらいいのやら、という感じでオロオロしている。
「そうか……よし、榊シルバーだな。顔は見た。人相書きを作って全国の警察に回そう」
「よろしくお願いします」
 一応、形式的に頭を下げておく。しかし、僕は警察に何か期待している、というわけではない。
「しかしだな、そんな事情があっても、いやあったら尚更市街地でバトルをすべきではなかっただろう! 君達の命どころか、町の人の命だって危険に晒したんだぞ、君は! 彼と同罪になりたいのか!」
 さっきと雰囲気はうってかわり、婦警さんは説教モードにトランスフォームだ。
「……すいません」
「今度からそんなことがあったら、逃げ出して、ちゃんと私達に助けを求めてくれ。分かったな?」
「……はい」
 僕はこの後、全自動肯定マシーンとなって巡査の話を聞き流した。
説教が終わるころにはもう朝食の時間はすっかり終わっていて、僕達は朝食を食べそびれてしまった。やらされたことといえば、一発で呼び出せるようにと、ポケギアにしっかり警察署の電話番号を登録させられたことくらい。
 どうせ警察は大したことはできない。きっとあの悲劇を繰り返すだけだ。この町の警官にも、きっと家族はいるはずだ。……それならば、そんな目に遭うのは僕のほうが――僕だけでいい。
 ……とは言っても。
「ごめん」
 僕は香草さんの正面に立ち、床が見えるくらい深く頭を下げた。
「どうしたの?」
 香草さんは意味が分からない、というように戸惑っている。
「香草さんを巻き込んでしまって。僕の命が危険に晒されるのは勝手だけど、僕の勝手で香草さんの命まで危険に晒させてしまった」
 ホントに、自分の非力が恨めしい。
「バカ」
「……本当にごめん」
 ああ、はやり怒られてしまった。一体どうやって謝罪をすればいいのやら。まさか、もう契約解消だ! なんて言い出されたらどうしよう。
「ああもう、ホントにバカね。いい、あなたが勝手に死んだら私が迷惑するのよ! パートナーをみすみす見殺しにした、なんて後ろ指差させたいわけ!?」
 あれ? 香草さんはまったく僕の思惑と異なったことを言っている。しかもちょっと顔が赤い。
「誰も責めたりなんてしないさ。少なくとも表面上は」
 僕も混乱して、言うべきではない言い訳を口にしてしまう。
「いちいちうるさいわね! 私と契約した時点で、アンタの命はアンタの自由に出来るもんじゃなくなったの! 分かった!? 分かったなら今後も巻き込みなさい!」
 言い切ると、香草さんはフイッと顔を背けた。でも耳が真っ赤なのが余計よく見えるよ、香草さん。
「そんな横暴な……」
「私は分かったかって聞いてんの」
 香草さんの手首から伸びた蔓が僕の首に巻きつく。ちょっと力を入れれば僕の首は……。
「わ、分かりましたですはい」
「よろしい。じゃあ部屋に戻りましょう」
 途端に香草さんはニコニコして、僕の手を引いた。腿が痛いからそんなに急がせないで欲しいな……。
 でも、その空気は不思議と心地よかった。
737 ◆wzYAo8XQT. :2008/07/03(木) 15:45:33 ID:Wo5smDnS
投下終わりです。多分次回投下は八月になります
738名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 16:52:57 ID:dwMRgX1b
>>737
GJ!
だんだんデレてきてる
739名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 17:05:48 ID:xpFG+qkh
GJ!!

さあ、八月まで全裸で待機だ
740名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 18:50:13 ID:cRML9RhW
こういう場合どうするんだろ

男「今日は女の誕生日だから俺が料理つくるよ」
女「ほんと!?うれしい!全裸でwktk」

しばらくして
男「できたぞ!酢豚」

女「酢……豚……?」

女は酢豚が大嫌いで口に入れたら吐いてしまうくらいです。さあ女はどうする
741名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 18:58:48 ID:fSM5f2KA
誕生日に酢豚……だと…?
742名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:02:39 ID:sh98PJHV
>>740
死ね
743名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:17:45 ID:cRML9RhW
最近直で「死ね」って書き込むやつ多いなぁ……
別に酢豚という品目に特に意味はないです
744名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:19:32 ID:2wSim/XC
カマキリとか蜘蛛とかも一種のヤンデレかも
Hした雄を我が子への栄養として喰ってしまうし
745名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 21:43:35 ID:NfGSYuwf
>>744
タイトルは思い出せないが、昔やったエロゲーを彷彿とさせるな
幼なじみの所に逃げようとする主人公を食べようとするやつ
746名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 22:49:25 ID:copQM+8g
>>737
遅ればせながらGJです
747名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 23:55:31 ID:hnd/q3MF
>>744
あれには雄の子種を独占するために交尾後雄を食べてちゃうって話を聞いたことがあったな
自分が交尾の後食べちゃえば雄カマキリが他のメスと交尾できなくなるわけで
ヤンデレ的に考えるとおいしいシチュな気がしないでもない・・・
748名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:02:07 ID:4Gq9LRl6
無償の愛とは言わないけど、他者に捧げる愛の暴走がいいのであって
自己愛の暴走の結果、他人を傷つけるのは違う気がする
749名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:07:11 ID:DH4jBvuc
>>744
それは生態であって病んではない、とか言っちゃいけないのかい?
750名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:24:53 ID:8PNiyfSS
>>737
GJです。良質な栄養分を補給させて頂きました。
751名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:30:51 ID:SlnEdMLr
>>744
虫までそういう視点で見るのかお前はww
752名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:51:23 ID:eJNvCeO8
虫なんかより猫を飼うんだ
玄関でお出迎えしてくれるし、自分の匂いを付けようと一生懸命に体を擦り付けてくる。
あまりよくない傾向なんだが飼い主依存という状態があってだな
……当方が飼ってるのは雄なんですけどね
753名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 01:06:35 ID:3NvvNZMY
新聞読むの邪魔してきたりするよな…
あれは猫なりの嫉妬と考えている
754名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 04:01:26 ID:FfKV02hX
>>752
擬人化して夜伽ですね、わかります
755名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 04:03:52 ID:bRAwV1e8
>>737
GJ!
朝一で見た!さわやかな朝だ!
756名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 08:47:06 ID:RZceoUor
>>752
それっていけないのか?
うちの猫は二匹ともそうなんだが……甘やかしすぎたか
757名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 09:16:13 ID:CKy2iR5c
>>752
今まで猫や犬を飼ったことないので飼い主依存をぐぐってみた…

飼い主依存=犬猫のヤンデレ状況っぷりに!激しく萌えた。
検索結果を見て飼い主さんの体験談に同情しつつハアハアしてます。
758名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 13:28:11 ID:eJNvCeO8
>>756
度合いにもよると思う
酷くなると飼い主が傍にいないととトイレや食事もできなくなるらしいからね

>>757
ヤンデレ属性がないと辛いだろうね
759名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 15:33:26 ID:RZceoUor
>>758
もしかしてかなりヤバいかも……
うちの猫は俺がいないと飯食わないんだぜ
760名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 01:41:04 ID:r48/3hVE
カニバリズム系ヤンデレはよほどの理由がない限り、サイコっ子になっちまうよな。


「私も食べていいですか?」に過剰反応。
「お肉が硬いですね」の言葉に顔面蒼白。
そんなときは「よっ、食道楽!」と声をかけてやりましょう。
761名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 16:22:21 ID:S+zEnq81
>>753
俺のパソコンをぶっ壊したのも嫉妬から来るのか。だが許さん。
762名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 18:09:29 ID:q09MDnbJ
ヤンデレ家族マダー?
763名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 18:31:06 ID:uGGXLPHK
>>761
俺は目覚まし時計壊されたうえに部屋にゲロ吐かれた
もはや嫉妬じゃないよ、ヤンデレでもないよ・・・
764名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 19:34:03 ID:ro0BJdci
金田一少年の事件簿とかでたまに恋人を殺されて復讐をする女とかいるじゃん
恋する相手は死んでるけど愛故に見立て殺人とかしちゃう子はヤンデレといっていいんだろうか
765名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 20:11:04 ID:O4e+uj8O
>>764 首狩り武者だっけな
剣持のおっさんの昔の同級生がいる片田舎の旧家での事件のやつ

実の息子を生んだときその女は貧しくて金持ちの息子と自分の息子を交換するんだけど
その後息子が大きくなった頃に今まで育ててきた自分の仮の息子を
実の息子の将来のために殺すってストーリーだったけど
あれもヤンデレに近いものがあったような・・・
766名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 21:25:48 ID:O4e+uj8O
最後は実の息子に毒殺されるんだが
そのことに気づいてなお息子をかばって
「これは自殺なのよ」とかいって死んだしな
767名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 22:02:06 ID:NwsGoWAU
金田一なら、最初の頃に出てきた、
高校生天才作家に奴隷扱いされている彼女(地味眼鏡っ娘)。
ひどい扱いされているようで実は彼氏の作っている作品は全部この娘の代筆。
性欲の捌け口にされているようで、身体使って彼氏をコントロール。
心身ともに彼氏は操り人形でした、というのがよかった。

途中まで犯人?と思わせるような頭脳の切れ味をちらちら見せながら、
結局は殺人事件そのものにも興味すらなく、
彼氏との、セックル含めた主従関係を続けることと
コントロールしている彼氏の社会的成功を継続させることだけを
淡々と続ける地味っ娘が、
真犯人どころか金田一よりIQ高く思えたあの日の夕暮れ。
768名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 22:57:28 ID:q09MDnbJ
あれってエロシーンだけを濃くしてくれていればなあ。
769名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 06:19:01 ID:lB0Cn/ib
地獄の傀儡師もある意味ヤンデレだな
770ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:42:33 ID:jaox4gaa
夕食時にこんばんは。

入院編、投下します。
771名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 19:43:18 ID:r98vChYl
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
772ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:44:18 ID:jaox4gaa
「血液型占いより、星座占いの方が当てになると思わないか?」
 慣れ親しんだ町にある、慣れ親しんでいない病院に入院してから三日が過ぎた、二月十九日。
 俺の呼び出しに応じて見舞いにやってきた高橋は、病室に入った途端にそう言った。
 今日は平日。もちろん俺の通う高校は平常通りに教育機関としての役目を全うしている。
 高橋が制服を着ているのは、学校帰りだからだろう。
 時間からして、こいつは歩いてきたらしい。
 まあ、学校から病院まで走って来られて、汗だくの顔で病室に飛び込んでくれるよりは嬉しい。
 実は入院生活が退屈だから知り合いが来てくれるだけでも嬉しいのだが、その辺は内緒にする。
 あまりの退屈さに、昨日は本当に病院から抜け出す作戦を立てたぐらいだ。
 病院で過ごす時間は、神経をふやけさせる。
 いい意味でも、悪い意味でも。

 高橋は病室のドアを閉めると、ベッドの近くにあった椅子に足を組んで座った。
「ABO式で分類する、つまり人間のタイプを四つに分けるというのは危険だ。
 しかし、だからこそ覚えるのが簡単で、浸透しやすくもある。
 十二星座を全て言える人間は、四つの血液型を全て言える人間より少ない。
 これが、浸透の度合いについて指す、最もわかりやすい例えだろう」
 十二星座ね。
 みずがめ座、ふたご座、おとめ座、しし座、いて座、てんびん座、
後は、えーと……おひつじ座、かに座、さそり座、あと三つはなんだっけ。
 自分の星座は覚えているが、それ以外となるとうろ覚えだ。
 ちなみに俺はおとめ座である。
 小学生の頃は、男のくせにおとめ座というだけでからかわれた覚えがある。
 ふむ。そう考えると星座占いというものも、いかがなものかと。
 だが、どちらにせよ。
「血液型で絞り込もうが、生まれた月で絞り込もうが、高橋の占いよりは当てになる」
「占いを当てにするのはいい傾向ではない」
「じゃあ、これからは占いなんか信じないことにする。高橋のも」
「君は僕を信じていないのか?」
「……別に、お前の人格について言ったわけじゃないぞ」
 ああ言えばこう言う、この男は。
 感謝はしている。先週、訳あって地下室に閉じこめられ、葉月さんに助け出された後もジャージを貸してくれたし。
「そうそう、ジャージ、ありがとうな」
「なに、気にすることはない。友人として当然のことだ。
 それに…………」
「それに、なんだ?」
773ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:45:24 ID:jaox4gaa
 病室の入り口を振り返り、さらに窓の向こうの空にまで目を向ける高橋。
 何かを警戒しているようであるが、病院で何事が起こると心配しているのか。
 チェックするように指先を入り口、窓、天井に向けた後、高橋は俺に向き直った。
「それに、君にジャージを貸すつもりなど、僕には無かった。自分から貸そうと思ったわけじゃない。
 あの日、君がいつもより少し緊張感に包まれた顔で放課後の学校を歩き回っていたのは知っている。
 が、その後で何者かにさらわれたとまではさすがに知らなかった。
 無断欠席した時点で、何かがおかしいとは思っていたけど」
「普通は、そんなもんだろ。気付く方がすごい」
「うむ。葉月さんはすごい。君が登校していないか、僕に真っ先に聞いてきた。
 あれは、アレだな。つまり、ああいうことだ」
「あれアレ言うな。お前は説明をめんどくさがるお父さんか」
「口にせずとも察してもらいたいのだがな。葉月さんが君のことを想っているから、君の異常に気付けたということ」
「分かってるよ、その辺のことは」
 葉月さんは俺を好きなままで居るんだって、この間の土曜日に思い知らされたから。
 俺が澄子ちゃんを話題に出した後の変貌振り。
 弟に渡されたチョコを、澄子ちゃんからの贈り物だと誤解して怒ったこと。
 葉月さんが、自分を名前で呼ぶように求めてきたこと。
 全ておいて、澄子ちゃんを意識していた。対抗していた。
 では、対抗心はどこから生まれたのか。
 葉月さんが俺に寄せる好意からだ。
 自意識過剰だと以前の俺なら考えるだろうが、今の俺ならば、そう断言できる。
「葉月さんと、何かがあったらしいな、その様子だと」
「……さすがに、それぐらいは見て取れるか」
「まあね。けれど、僕は何も言わないことにする。
 僕は他人の恋に口を出すほど馬鹿でも、向こう見ずなわけでもないから。
 それに、そんな余裕もないし。できるのはちょっとした助言ぐらいだ」
「そうかい。そうしてくれると助かるよ」
 俺だって、高橋の恋に口を出す余力はないから、似たようなものだ。
 というか、頑張れとしか言いようがないのだが。
 高校二年生と三十路の教師、この二人をどうやればくっつけられる。
 せめて篤子女史が只者であればやりようもあるだろうに。
774ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:47:06 ID:jaox4gaa
「僕がジャージを貸すことになったのは、葉月さんに頼まれたからなんだ。
 なんでも君の制服がひどく汚れているらしいから、替えとして同じぐらいの体格の男子の服が必要だったそうだ。
 それで、偶然ジャージを持っていた僕が貸すことになったのさ」
「ふうん。別に普通じゃん。
 ……なのに、なんでお前はそこまで警戒してるんだ」
 だんだん椅子ごとベッドに近づいてきているし。
 今じゃほとんど耳打ち状態だ。
「葉月さんに聞かれたら、困るからだよ」
「よりわからなくなったぞ。聞かれて困るような話だったか、今の」
「会話の内容ではなくて、今回の件についての僕の受け止め方を、だよ。
 どうも、葉月さんは君がいろんな目に遭ったことを嘆いているらしくてね。
 しかし、それだけならいい。そこで止まっていてくれれば。
 ……彼女は、自分を責めている。同時に、周りの人間に対しても不満を抱いている。
 どうして、君を助けられなかったのか。なぜ、誰も君を助けようとしなかったのか」
「それ、本当か」
 高橋は首肯する。
「たしかに、君が無断欠席した時点で僕も動いていれば、
 君はここで、プラモデル作りに限って発揮される技巧の詰まった右腕をギプスで固定していることはなかったかもしれない」
「だからって……」
「だからと言って、そのことを責められてもね…………僕には、謝ることもできない。君にも、葉月さんにも。
 今回の件に関して、僕は自分に非がないと思っているから」
「実際、非がないしな」
 悪いことをしたのは澄子ちゃんだ。
 直接動機を聞いても、彼女の言っていることはわがままにしか思えない。
 花火の気が動転したのも、原因を突き詰めていけば弟が誘拐された事に帰結する。

「しかし君は、どうして普段通りののっぺりとした表情のままなんだろうか」
「……常にのっぺりしているお前にだけは言われたくないと言い返したい俺は、おかしいのだろうか」
「事件から数日が経ってもまだ顔の腫れは完全に引かず、腕も当分の間使い物にならなくさせられたというのに。
 なぜ、不満の一つも漏らさない? もちろん聞きたい訳ではないが」
 さりげなく浅くけなすなよ。そして、スルーするなよ。
 むしろお前の反応に不満を覚えるわ。
「ちょっと前までは苛立ってたけど、三日も経てば、さすがに怒りも収まるさ。
 ここにいたら、自分と向き合う時間だけはたっぷりあるから。
 やりたいこともやれないと、退屈でな」
「君がそう言うのならそれでいいが…………もし、怪我をしたのは自分の責任だと思いこんでいるなら、即、改めた方がいい。
 変に自分を納得させると、また同じような事が起こった時、躊躇いなくそこへ飛び込み、自分の身を危険にさらしてしまう」
「…………色々言えない事情があるんだよ、こっちには」
「そうか、言いたくないならそれでいいさ。
 ただ、僕の忠告は覚えておいてもらいたいな。君が入院してから、葉月さんの調子が思わしくなくてね。
 元気ではあるんだが、時々寂しそうにため息を吐いたりする。あまり彼女を悲しませるんじゃないぞ」
「努力は、してみる」
 妹にまた助けを求められて、まだ覚えていられるかはわからないが。
775ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:48:43 ID:jaox4gaa
 高橋が言うには、月曜と火曜の間に学校では特に何事も起こらなかったらしい。
 俺一人が入院したぐらいで何か変化が起こるなんてことはない。そんなのは当たり前だ。

 学校以外の、うちの家族に関わる問題は一応の解決を見た。
 花火は俺に宣言したとおりに、弟を連れ戻すことに成功していた。
 弟の体に怪我の類は無く、日曜日だけ自宅で過ごして、月曜日には俺の見舞いにやってきた。
 つまりそれが昨日のことなのだが、弟は疲れた様子を見せることはなかった。
 驚いたのは、花火まで病室にやってきたこと。
 一言も漏らすことなく帰って行ったのは、俺の見舞いを目的としていたのではないから。
 単に弟の身が心配で、弟について行ったら仕方なく病院に来てしまったというところだろう。
 何度か花火の顔を見たが、花火はまるで右頬の傷を隠すように窓の方を向いていて、一度も目を合わせなかった。
 俺の有様を見て何も言わないのは、実にあいつらしいと言える。
 花火に謝って欲しくない俺にとっては、ありがたいことだった。
 
 しかし、弟が家に帰ってきたことを知って、一つの気がかりが心に浮上した。
 澄子ちゃんがどうなったのか。
 花火が弟を連れ戻したということは、もちろん澄子ちゃんとやりとりをしたはず。
 結果として、澄子ちゃんの手から弟は解放されたわけだが、如何なる手段を用いてそれを果たしたのか。
 花火は何も言ってくれなかった。弟も聞き出せなかったらしい。
 まず、澄子ちゃんが無事なのか心配になる。
 花火の性格から考えて、問答無用で実力行使に踏み切った可能性が一番高い。
 高橋に澄子ちゃんの安否を聞いたところで、答えは返ってこないだろう。
 葉月さんにはもちろん聞けない。豹変されるのが怖くて、葉月さんの前では口にしたくない。
 やはり俺が登校してから、直接確認するしかない。
 もっとも、澄子ちゃんのクラスメイトに聞いても、期待していた類の答えが聞けるとも思えない。
 クラスメイトの一人が無断欠席して、そのことについて追求する人間がいるかどうか。
 葉月さんが俺を捜したみたいに、澄子ちゃんを心配している友達がいるのか。
 去年の文化祭で弟と澄子ちゃんのクラスメイトとは顔見知りだが、あの時考えていたのは衣装のことだけで、
交友関係の把握とか、後輩と親睦を深めたりなんてしなかった。
 ともかく、木曜日が退院日でそれまで学校には行けないから、今度の金曜日だ。
 金曜日に調べよう。
 それまでは退屈と向き合うしかない。
 …………予定がない、やりたいことができないって、かなり辛い。
776ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:49:57 ID:jaox4gaa
「じゃあ、僕はそろそろお暇するよ」
「なぬ? もうちょっとゆっくりしていってくれてもいいんじゃないか」
「……このシチュエーションで、その台詞。
 君が、か弱くて葉月さんのように麗しい女の子だったならば、僕だってもう少し考えたかもしれない」
「ち……この薄情者め」
 そりゃ、俺が入院している女の子の見舞いに行ったときに「もう少しゆっくりしていって」と言われたら、喜んで居座るだろう。
 好きな相手であろうとなかろうと、気弱になっている可愛い女子の要求に応えたくなるのは男の性だ。
 しかし、男に同じ台詞を言われても嬉しくない。そこには同意する。
 この場合、暇だからと言って男に頼った俺が馬鹿だな。
「しょうがない、あと少しだけ話に付き合ってあげよう。
 肘の関節を脱臼したらしいが、どれぐらいで回復する予定なんだ?」
「だいたい、四週間から六週間だと。ある程度動かしてもよくなったら、リハビリすることになってる」
「ということは、その間はずっと入院か?」
「いや、痛みも引いてきたし、木曜日には退院するよ。で、ギプスしたまま学校に行く」
「難儀だな。利き腕を使えない状態ではノートもとれないのに。
 いっそのこと、ずっと入院していたらどうだ? 今日から新学期まで春休み気分が味わえるぞ」
「入院してるより、学校に行ってる方が楽しいよ。お前も入院してみたらわかる」
「残念。僕は一生涯怪我や病気をしない、医者にかからないことを人生の目標の一つに掲げているからね」
 そう言うと、高橋は立ち上がった。
 借りていたジャージをバッグに入れ、病室の出口へ歩いていく。
 ドアを半分ほど開いて廊下側に出て、高橋は振り向いた。
「では、金曜日に」
 レールを転がる音も、壁を叩く音もなく、ドアは閉まった。
777ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:51:39 ID:jaox4gaa
 一人になり、弟が持ってきてくれた漫画を読んでいるとトイレに行きたくなった。だから俺はトイレに行く。
 トイレに行くぐらいのことに理由なんか必要ないが、することがないと自分で自分の行動する理由を、
こじつけでもなんでもいいから浮かべたくなってくる。
 入院期間が短くて良かった。
 一ヶ月間も周りが白く、他人の居る空気が濃いのに生活感の薄い場所に居たらどうにかなりそうだ。
 型にはまり過ぎているとでも言えばいいのだろうか。
 病院の外側が部品数の多いプラモとするなら、病院の内側は組み立ての楽なプラモだ。
 見ているだけで部品の処理に頭を抱えたくなるものと、そうでないもの。
 手を加えやすいもの、手を加えにくいもの。
 俺が好むのは、成形色がひとつかふたつしかなくて、パーツが細かく分割されているスケールモデルだ。
 簡単なプラモは、すぐに作り終えてしまうから面白くない。
 病院の外は何が起こるか予測できても的中するとは限らない、いわばカオス。
 対して、病院は怪我を回復させることに努める単調な場所。
 プラモデルと病院での生活。
 ちょっとだけ似ていると思うのは、俺だけなのだろうか。
 というか、結びつけようとするやつは俺ぐらいしかいない。

 病院の中で何かの楽しみを見つければ、ちょっとは退屈も紛れるだろう。
 しかし、俺はあと二日間しかこの病院にいない。
 例えば、美人の看護師さんと仲良くなってもすぐにお別れしなければいけない。
 この病院の看護師に好みの人は居ないけど。
 葉月さんの方がずっと美人だし。
 ――あ、そういえば。
 葉月さん、今日はまだ来てないな。
 まあ、毎日は来ないか。
 来てくれるのはありがたいけど、また昨日みたいなことになったらちと困る。
 面会時間が終了しても居座ろうとする葉月さんと、若い看護師さんのやりとりはなんとも要領を得ないものだった。
 剣呑な顔つきの葉月さんは、手助けに来た先輩看護師三人を相手にしても譲る気配を見せなかった。
 結局俺が説得して、どうにかお帰りいただけた。
 今日来ないのは、昨日のことで病院が嫌いになったからかも。
 でも、それはそれでありがたく思えてくる。
 いろいろと気を遣ってくれる葉月さんに、俺はまだ言っていない。
 告白の返事。葉月さんの気持ちに対する俺の答え。
 病院で話を切り出してもいいか、やめておいた方がいいのか、頭の片隅で考え続けなくて済む。 
 来てくれても、来てくれなくてもありがたい。
 ただし、ポジティブな感謝か、ネガティブな感謝かの違いはある。

「……何様、というか、なんなんだろうね、俺は」
 なにやってんだろ。
 時々、どうして入院しているのか、どうして肘を固定しているのか、理由をぱっと浮かべられなくなる。
 最近は混乱しっぱなしだ。
 やらなければならないことを先送りにして、目の前の問題に対処し続けている。
 今のままじゃいけない、葉月さんに誠意を見せなければいけない、そう思ってもなかなかチャンスがない。
 加えて、先日の澄子ちゃんによる弟誘拐事件。
 澄子ちゃんがどうなったのか気になる。
 土曜日から一度も会っていない妹の様子も気がかりだ。
 金曜日から問題を片づけ始めよう、なんて考えていると、それまでの間にまた何か起こりそう。
 杞憂に終わって欲しい。
 せめて、尾を引きそうな問題だけは起こらないでもらいたい。
778ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:53:10 ID:jaox4gaa
 慣れない動きで用を足し終え、病室へと足を向ける。
 途中、すれ違う白衣を着た人間や入院患者、それ以外の人間に会釈をする。
 忙しそうにしているのは見舞いに来た人たちだった。
 世話をするためによく動いているけど、落ち着かないから忙しい演技をしているようにも見えた。
 病院関係者は誰もが平静な顔で、コツコツという靴音を立てて歩いていく。
 彼ら彼女らの一定のリズムは乱れない。
 きっとそれは、この町の病院で働く人特有のペースなんだろう。
 忙しいときもあれば、忙しくないときもある。
 たまたま今の時間が穏やかなだけだ。
 病院と言えばドラマみたいに常に忙しそうなイメージがあるけど、中にはそうでない場所があったっておかしくない。
 たまたま、この町の病院がドラマチックじゃなかっただけだ。
 そして俺は、テレビドラマのようなことが身近で起こっているというのがあまり嬉しくない。
 ドラマなんて、見方を変えてしまえばどろどろしたものでしかない。
 カメラアングルと演出の妙で綺麗に見えているだけだ。
 そこから漏れた人間がどうしているのかなんて、わかりはしない。
 例えば、カメラの当たっている場所で、兄弟の一人が同級生の女の子にさらわれて十八禁的なことをされている間に、
裏の舞台にいる残された長男が怪我をしたりとか。
 バイオレンスな出来事は裏でこそ起こりうるものなのだ。

 なんてことを考えているうちに、自分が世話になっている病室が見えてきた。
 同時に、かつてない光景が目に飛び込んできた。
 澄子ちゃんや妹よりもずっと小さい、小学生ぐらいの女の子が、病室のドアに張り付いている。
 小さな不審人物に気づかれぬよう、足音を忍ばせて近づき、背後に立つ。
 女の子は、ドアを数センチだけ開き、そこから中を覗いている。
 しばらくその状態を続けた後、今度は首だけを部屋に突っ込んだ。
 体隠して頭隠さず。そんなことをしたら、ベッドに寝ている俺でもさすがに気づく。
 ふむ――――この子は誰だ?
 病室には二人まで入れるようになっているが、表札に入っている名前は俺だけ。
 相部屋している人間はいない。
 とすると、俺の見舞いに来た親戚の子供だということになる。
 なるのだが、親戚が見舞いに来るなんてことは聞いてないし、正月でさえ実家に訪れない親戚が来るとも思えない。
 それに、これぐらいの大きさの子供が親戚に居ただろうか?
 もしかして、両親が隠れて育てている子供?
 ……それはない。世間に隠す必要があるという意味では俺と弟と妹も同じ。あえて隠す意味がない。
 部屋を間違えているんだろう、きっと。
779ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:55:33 ID:jaox4gaa
「ねえ、君」
「ふひっ!」
 と叫び、その弾みで開いたドアに嫌われ、女の子は前のめりに倒れた。べちゃっという感じで。
 あれ、声のかけ方を何か間違えてしまったのか? 別に普通だったと思うのだが。
「あ…………」
 いかん。女の子がスカートを穿いていたから、こけた時にめくれ上がってしまった。
 スカート全体ではない。後ろだけがめくれ、太腿と股上十センチが見えているだけだ。
 しかし絶妙すぎる。チラリズムと言える領域から逸脱することなく、しかし確実に白とグレーのストライプの中身が見えている。
 くっついた左右の太腿とストライプのそれの間に、小さな細長い三角の隙間ができていた。円錐を横から見たような形をしている。
 幼い外見の割に太腿の形が良い。緩やかな曲線が膝へ続いている。
 極めつけが、右膝だけを曲げてこけたこと。
 静止画であれば、膝が曲がっているかいないかで大きな差が出る。
 足が真っ直ぐならただ寝ているだけ、片方の膝だけ曲がっていればアクシデント、両膝が曲がっていればわざとらしい。
 そう、片方だけというのが肝要なのだ。
 それは意図してやったものではないだろう。完全に偶然の産物だ。
 だけど、だからこそ価値がある。
 この子が大きくなってから同じ事をやっても、これほど可愛らしくはなるまい。
 実年齢が低いころ、もしくは澄子ちゃんみたいに思春期でありながら幼く見える子にだけ許されている。
 そして、そんなレアな光景を俺は見てしまった。
 いや、すぐに目を逸らしたから、ちらっと見ただけだ。じっくり観察していたわけではない。
 網膜に残像が残るのが悪い。体の機能が万全に働いた証拠であって、むしろ喜ぶべきことなのだ。
 真の小児性愛者であれば、目を剥いてじっくり見ているはず。
 俺が咄嗟に目を逸らすという反応をしたのは、正常だという証拠なのだ。
 だから、すぐに優しく気遣いの言葉をかけることもできる。

「だ、大丈夫?」
「うう…………鼻、痛い」
 女の子は鼻を押さえながら立ち上がった。涙目で俺を睨んでくる。
 女の子の柔らかそうな髪は、左右両方の耳の後ろでリボンでまとめられている。
 染めているのかどうかはわからないが、髪の色は茶色。
 小さい顔に、くりくりの瞳。どう見ても小学生。
 大きくなってもこの容姿のままで居て欲しい、なんてことを思った。
 いや正確には、無垢なままで育って欲しいという期待だった。
 実際には経験を積んでいくうちに変わっていってしまう。
 だけど、望まずにはいられない。
 ランドセルを背負っている十歳ぐらいの子を見ていると、俺はそんな期待をしてしまう。
 まっすぐに自分の感情をぶつけてくる瞳を、他の誰よりも間近で見ていると、特に。
「何か用ですか…………じゃなくて、何か用?」
「いや、それ、俺の台詞」
 それに、なぜ敬語を言った後で言い直したんだ。
 普通、敬語にして言い直すだろう。
「いきなり後ろから声をかけて驚かせておいて、ごめんの一言もなし?」
「ああ、ごめんごめん」
「誠意が感じられない。ごめんなさい悪かったです許してください、ぐらい大きくなったら言うものじゃないの?」
「……言わねえよ」
 まずい。口調が高橋相手のモードになってきてる。
 落ち着くんだ。気を取り直して。
「あのね、君。俺は怒らないけど、年上の人と話す時は敬語を使った方が、ぐっと印象が良くなるから、気を遣った方がいいよ」
「ボク、目上の人には敬語を使うけど、対等の相手ならタメ口で話すことにしてる」
「……ってことは、何か。俺は君みたいな小学生と同レベルだと、言いたいわけか」
「むしろボク以下だね。女の子のパンツを見て喜ぶのは小学二年生レベルだもん」
 な? 気付いていたのか……?!
 ――――いや違うそうじゃない。俺は喜んでない、断じて。
 散歩中、猫の親子が道ばたでくつろいでいるのを見た時みたいに和んだだけだ。
 一切興奮なんかしていない。
 誤解は解かなければ。この年になって、小学生に馬鹿にされたままでは居られん!
780ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:56:58 ID:jaox4gaa
「まだ子供にはわからないんだろうね」
「何が? 年下の可愛らしい女の子を好きになる変態の気持ち?」
「いいか。男っていう生き物はな、マンネリを嫌うんだ。その性質は大きくなるにつれて強くなる」
「だから、同年代の女よりもボクぐらいの子を好きになるの?」
「そうじゃない。成熟した男は、真の男は……………………下着などでは興奮しない!」
 唖然とした顔を浮かべる女の子。
 きっと、今まで知らなかった大人の世界を知って驚いているのだ。
「自分を律することができる男は、性的なものから見たりしない。
 社会的な立場を守り、同時に自らの欲求を満たすために、ひたすら我慢する。
 むやみに下着を見たがるのは、無謀の証。
 まず相手が自分にとってどんな相手かを知り、そして――――――――」
 あれ? 女の子がだんだん俺から遠ざかっていく。
 一歩踏み出す。と、女の子まで一歩後退する。
 試しに、俺の方が一歩下がってみる。しかし、女の子は動かない。
 女の子と俺の体が見えない金具で固定されているわけではないらしい。
 後退はするが、前進はしない。
 それって…………避けられてるってこと?
「ど、どうした?」
「いやっ、ち……近づかないで、…………変態」
「っな! また変態と言いやがったな?」
「だってそうじゃないか! 下着でも興奮しないってことは、相手を見ているだけで興奮するって意味でしょ?」
「違う、それは誤解だ! 中にはそんな奴もいるかもだが、少なくとも俺は違う!」
「そんなこと言って、今もいやらしい妄想でボクを弄んでいるんでしょ!」
「思い上がるな! ちびっ子には十年早い!」
「じゅ、十年? 十年って言うと、ボクが今九つだから…………十九?
 う、嘘だ! ボクはそんなに年増にはならないもん!
 女はいつまでも十七のままだって、お母さんが言ってたもん!」
 十九で年増って。
 この病院の看護師のみなさんが聞いたら激怒するぞ。
 というか、お母さん。
 子供に間違った認識を植え付けないでくださいよ。
「人は大きくなっていくものなんだよ。ちびっ子だっていつかはそうなる」
「ちびっ子って言うな! ボクは玲子だ!」
「それが名前か。じゃあ、玲子だから…………玲っ子と呼ぶことにしよう」
「なんだよ、その上擦って間違って言っちゃったみたいなあだ名! ちびっ子とくっつけるんじゃない!」
「じゃあ、似た感じをあてがって…………冷やっ子なんかどうだ?」
「どうしてそうなるんだよ!」
「玲と冷。かなり似た漢字だと思うけどな。お気に召さないか?」
「召すもんか! 同じクラスの東並みのセンスだよ! お前なんか今日から東って呼んでやる!
 ボクを変なあだ名で呼ぶやつは全員、東だ! 東東東、あずまあずまあずま!」
 ほう、やるな、東君とやら。
 相手の名前の部品を使いながら、元の名前のイメージを覆すようなあだ名を付けるなんて。
 しかし、この子も面白い。
 あだ名で呼ばれただけでここまで取り乱すなんて、いかにも小学生らしい。
 まあ、そろそろ弄るのはやめにしようか。
 騒ぎすぎると周りに迷惑だ。もう手遅れっぽいけど。
781名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 19:59:03 ID:mK90ZV52
支援
782ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2008/07/06(日) 19:59:06 ID:jaox4gaa
「ところで、玲子ちゃん」
「なに、東」
 せっかく名前を呼んだのに、君は俺のことを東って呼ぶんだね。
 止めやしないけどさ。
「どうしてこの病室に来たんだ? 入り口に名前が書いてあったろ?」
「ちゃんと見たよ。別に間違ったわけじゃない。ちょっと、確認したいものがあって、しょうがなくだよ」
「ふうん? 代わり映えのない病室だと思うけど」
 窓から見えるのは中庭だけ。小学生ぐらいの大人しそうな男の子が木陰で読書していたりはしない。
 病室の造りは言わずもがなだし、持ち込まれた私物も代わり映えのないものばかり。
「そういうのじゃなくて、もしかしたらなんだけど…………ねえ、東」
「なんだい、冷やっ子ちゃん」
「ここに、ボクぐらいの子供がいそうな男の人、来なかった?」
 来ていない。
 入院してから見舞いにやってきた男は、弟と高橋だけだ。
 どちらもまだ高校生だから、九歳の子供を持つには早すぎる。
 身辺で唯一条件に当てはまりそうな父は、海外に出張中。玲子ちゃんが見ているはずがない。
 だけど、即答することはできなかった。
 玲子ちゃんの期待を込めた眼差しが、俺を射貫いている。
 答えるまで待っていそうな雰囲気なので、探るように慎重に話しかける。
「いつ見たんだ? 何日前?」
「昨日。この部屋から出て行くのを見たんだ。
 すれ違ったときは気付かなかった。気付いた時には、もうどっかに行ってた」
 昨日は弟が見舞いに来た日だ。
 じゃあ、弟と勘違いしたということか?
「悪いけど、たぶん別人だよ。昨日見舞いに来た男は俺の弟。
 結婚もしていないし、子供ができたっていう話も聞かされてない」
「本当に? 他の人っていうことはないの?」
「うん」
「本当にホント?」
「悪いけど、本当なんだよ」
「そう…………だよね。やっぱり、ボクの勘違い、だよね……………………」
 玲子ちゃんは肩を落として俯くと、俺の右側を通り過ぎていく。
 肩を掴んで止めようとして、右腕がギプスで固定されている事実に気付いた時には、玲子ちゃんはもう廊下に出ていた。
「バイバイ、あず――――地味な名前のお兄ちゃん。
 同じ名字の人に会えて、ちょっと楽しくて浮かれちゃった。悪口言っちゃって、ごめんなさい」
 ドアが閉まって、視界から玲子ちゃんの姿が消える。

 奇妙な出会いだった。
 父親を探して俺の病室にやってきた女の子は、俺の退屈を紛らわしてくれた。
 数日の入院期間も、あの子と楽しく過ごせるならもう少し延びてくれてもいいような気がした。
 でも、もうあの子は俺の前に姿を現わさない。
 玲子ちゃんは父親を求めている。聞いた訳でもないのに、確信を持ってそう言える。
 そうじゃなきゃ、見知らぬ男子高校生と話なんかしないから。

 もしも、俺があの子の父親だったのなら。
 朝に目が覚めたら、一日の輪郭を真っ先に捉え、生き生きしてやるべきことをこなすだろう。
 目標を持ち、子供に優しくして、何も告げずに行方不明になったりしないだろう。

 そんなことをベッドに身を預けながら考えていると、眠くなってきた。
 だから、俺は寝る。
 理由もなく眠くなって、眠りたい時に横になれるのは幸せだと、入院してから初めて思った。
 昨日までは何かのことを考えていないと眠れなかった。
 だけど、今日は逆で、何も考えなければ眠ることができそうだった。
 そんな当たり前の感覚を思い出すのは、かれこれ三日ぶりだった。
783名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 20:00:40 ID:jaox4gaa
今回はここまでです。

また次回、会いましょう。
784名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 20:20:05 ID:avSR9fkm
兄貴ぃぃぃぃぃ!
生きてたんだね!
そしてさりげなく新キャラ登場!
次は葉月さんのターンか!?
785名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:06:29 ID:9c9KfA+4
待ってました!!
GJ!!


次は幼女か…ゴクリ…
786名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 21:15:28 ID:axIvrYZd
GJ!
まさか、弟に隠し子が!?ww
787名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:30:51 ID:f3pCznP4
GJ!!
冷ややっこwww兄貴のセンスにワロタwww
新キャラにwktkせざるおえんな
788名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:39:20 ID:ovK8L39v
GJでございます。まさか、親父に隠し子が居たなんて…
789名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:49:36 ID:kA7/dQuv
ようじょ☆ようじょ☆つるぺたようじょか…
入院編ってことは退院するまでにもう一波乱あるってことですか。
妹や葉月さんの様子も気になるぅぅぅ!
790名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 22:56:10 ID:6tJO7BoY
GJです!
しかし、これを読んだあとに軽く気落ちするのは、次回への渇望からだろうか…。
それとも、、、健気過ぎる兄貴に対してのアレだろうか。

そして幼女が誰の子かきになる所であります!
791名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:17:21 ID:WeVryrUb
兄貴ー! そうか、妹を大事にするのはシスコンではなくロ(ryw
澄子は……やっぱ退場かなぁ。
792名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:22:12 ID:ztUIGKOS
確か父と弟はそっくりだったはず
ということは……
793名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 23:36:09 ID:apkjVyht

     ∧_,,∧
. /\. (`・ω・´) /ヽ カクシゴー
 | ● ⊂   ⊃ ● | 
 ヽ/ /   く \ /
    (ノ⌒ヽ)
794名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 00:10:59 ID:1HJenYmQ
GJです。確かに、次は葉月さんに来てもらいたいな。…ょぅι゙ょ
795名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 00:23:03 ID:bwBaJY13
なあ俺今Gガールって映画見たんだが
なんと内容がヤンデレコメディだった、新ジャンルじゃね?
796名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 01:54:39 ID:/uXPrZtp
兄貴はヤンデレより全方位心配症の度合いが大きく上回ってるなー
常に素っ気ない対応しかしてくれない(しかもここ最近の不遇の元凶)澄子ちゃんに対して、
心配だー心配だー言い続けたり、
読者の立場から見てると、花火の「大事なもの以外には無関心」発言の信憑性がどんどん薄れる……
797名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 02:34:41 ID:oGPsxX5x
GJ。
これからまたまた急展開?
楽しみです。

また兄貴はひどい目にあってしまうのだろうか…orz
798名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 05:33:14 ID:NArtfY4I
「大事なもの以外には無関心」というより「優先順位間違えていませんか?」もしくは「勝負所間違えていませんか?」だな
兄弟揃ってトラブルメーカーとは恐ろしい家系だぜ
799名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 07:02:14 ID:7+hjDsbf
入院中の澄子ちゃんの妹っぽいキャラと思ったけど違うみたいだな。
800名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 13:50:39 ID:KE0rllrz
>>795
kwsk
801名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 14:55:11 ID:bwBaJY13
>>800
スーパーマンみたいな力をもった女(ユマ・サーマンが役やってる)の
スーパーヒーローがヤンデレっぽいんだけど

説明しにくいので一場面書くと

主人公の男がユマ・サーマン付き合ってるときに自分と仲良くしてる女友達のことが本当は好きだと気付く
主人公が別れるために冷却期間を置こうと言うと、ユマ・サーマンが主人公はその女友達のことが好きだと感づいてキレる
スーパーパワーで部屋を荒らしまわって最後は絶対に後悔することになると捨て台詞を吐いて天井突き破って出て行く。
以下延々と嫌がらせが続いて
その間にも主人公が女友達に告白して付き合い始めて主人公と女友達がセクロスした後、ベットでゆったりしていると
ユマ・サーマンが空飛んできて窓からホウジロザメ投げ入れたりとかするお話

ごめん上手くどんな話か説明できなかったけど
凄い嫉妬深いヤンデレのやってることが命にもかかわりそうであぶねーって話なんだけど
全体的に軽いテンポで進む全然暗くならない感じのコメディだった
802名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 15:12:16 ID:qhxwDK8Z
どこが病んでるんだ?
803名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 15:24:08 ID:KE0rllrz
>>802
病んではいるんじゃね? デレてるかは分からないけど
804名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 15:28:36 ID:XVEG1/gA
前スレでダブルキャスト勧められたからやってみてとりあえず一度クリアしたけど
面白そうだな、事件は微塵も解決してないうえにヤンデレっぽい所も全然見てないから
キッパリ面白いとかつまらんとか言えないけど。
805名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 16:58:37 ID:1+LJ1Bn3
BADEND 姉妹
は後味が悪すぎて泣きそうになった
806名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:23:19 ID:XVEG1/gA
>>805
今まさにそれ見たわw
マジで俺涙目。
807名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 17:43:37 ID:c11bSVbP
ちょっとしたヤンデレ情報です。
先週のヤングジャンプ連載中の「カジテツ王子」に家出した夫を屋根裏部屋に、
監禁する妻の話がありました。
あと一番最近のヤングアニマル嵐に連載している、「職業殺し屋」に、
現代版阿部定といった女が出ました。
808名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:16:07 ID:jgCdxTPA
以前ダブルキャストを勧めた俺が今ニヤニヤしてますよ
フルコンプはしなくていいが全部のエンディングは見るべし
そして主題歌の「door」にハマるがいいわ

最近ヤンデレSSを書こうとしてキャラをイメージするんだが
今まで言葉か楓だったのが美月ばっかり思い浮かぶようになってきたよ
美月はヤンデレというよか健康的な太股の元気で病的な娘さんだなと私は思います
809反省はしている:2008/07/07(月) 20:27:46 ID:I7P2kbHy
形式:YD-3756-4
全高:1.6m
重量:120kg
装甲材質:ヤンデリウム合金スーパーウツテンカイ複合材
動力:病愛融合炉
武装:
・ビームソー
・キューピッドプラズマボウガン

連合のTNDR系列に対抗するために製造された、通称「Y兵器」。ピーキーな性能故に、制御可能な疑似人格プログラムは非常に限られる。
ダメージを装甲の堅さや武装の出力に変換する特殊装甲を持ち、物理的な戦闘では画期的な破壊能力を得る。
カタログには表示されていないが、炉を解放する一種の自爆装置を搭載している。
810名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 20:29:10 ID:yysjixya
>>807
前者は知らんが、後者は彼氏彼女(スイーツ脳的な意味で)の関係になった奴を殺して×××を切り取る腐れビッチだぞ。
ヤンデレに該当しないのはもちろん、阿部定も馬鹿にしている。
あとスーパージャンプの毒×恋もどうかと思うね。
フラレたら代わりを見つけて自分好みにしようと考えるくらいなら、拉致監禁でもすればいいのに。
811名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:09:05 ID:D3zc/jKv
ヤンデレにはセックス、ファック、zig-a-zig-ah、メイクラブがつき物だよな。
812名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:55:52 ID:YUb6GB+H
最近似非ヤンデレが多すぎるなあ
どこかの眠れないCDとかただの自己中なメンヘラじゃねーか
813名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:58:37 ID:bwBaJY13
814名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 21:59:35 ID:Dh4EXeeL
>>808
個人的には一番恐いENDは佐久間が飛び降り自殺して
何事もなかった、真相が不明になったENDが一番恐い

美月が覚醒しているのに主人公が他の女の子と浮気すると
絶対に凶器の夜再びですよ
815名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 22:37:28 ID:fVw8EK2J
脱線中
816名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 23:03:59 ID:uU0kry2d
ネタバレ自重してくれませんかね
817名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 00:11:02 ID:TGxud+3Z
ヤンデレ家族と傍観者の兄、面白いな
最初から一気に読めた

葉月さん良いね
818名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 02:44:06 ID:WpKm3OQc
トイレに掛けてあるカレンダーの8月を見る度にヤンデレ家族と傍観者の兄が思い浮かぶ。
819名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:29:47 ID:IsvcuhZJ
問7 以下の状況に陥った場合、アナタなら次のうちどう行動するか理由を付けて答えよ。

最近主人公がストーカー被害に遭っているそうです。
主人公によるとストーカーは隣のクラスにいる女子らしいのですが、
理由(そのヤンデレヒロインの親が警察のお偉いさんで、いつももみ消されている)
があって警察は執りあってくれません。

主人公の親友であるアナタはどんな行動を執るか。

A.ヤンデレヒロインを説得する
B.主人公をヤンデレヒロインと付き合うように説得する
C.嘘の情報(実は俺達付き合ってるんだ、とか)をヤンデレヒロインに吹き込み、主人公を諦めさせる
D.ヤンデレヒロインの弱味(ストーカーの確たる証拠など)を握り、諦めるように脅しかける
E.ヤンデレヒロインが主人公に送った自分のエロい写真を焼き増しして学校中にばら撒き、学校にいられなくする
F.むしろヤンデレヒロインの忠実な部下となって主人公を裏切る
G.「俺、関係ないから」、と言って見て見ぬふり
H.その他(自由回答)
820名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 09:42:55 ID:SNoa54jJ
ループ入りましたー
821名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:19:19 ID:Ii4TDxOz
>>819
こういうのすごくくだらないと思うんだが
822名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 10:23:19 ID:Y9RwKfls
>>819
Gだな、ヤンデレほど敵にまわしたいものはないぜ。
823名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 11:09:21 ID:4udZ4DU+
>>819
おもしろいと思ってこういうの考えてるんだとしたら可哀相になってくるよな
824名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 20:48:29 ID:OxfqyuU/
H.余計なアンケートを取った819がヤンデレヒロインに始末される
825名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 20:49:58 ID:YaswYvvA
■お約束
 ・sage進行でお願いします。
 ・荒らしはスルーしましょう。
  削除対象ですが、もし反応した場合削除人に「荒らしにかまっている」と判断され、
  削除されない場合があります。必ずスルーでお願いします。
 ・趣味嗜好に合わない作品は読み飛ばすようにしてください。
 ・作者さんへの意見は実になるものを。罵倒、バッシングはお門違いです。議論にならないよう、控えめに。
826名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 21:09:28 ID:Y9RwKfls
I.ヤンデレに始末されると言った>>824が変わりにヤンデレに殺される
827名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:15:48 ID:jxVJ59ac
なあ、この話もう止めないか?
話題を変えようぜ、保管庫で続きが今一番読みたいssは?
俺はヤンデレ家族とかちかち山だな。
828名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 22:21:30 ID:VVvSxrps
そんな明らかにヤンデレネタが浮かびそうもない話題振られてもね…
あ、俺も振れないけどね
829名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:05:53 ID:OyXjWQyo
一番背筋を寒くさせる絵ヅラを妄想してみるとか?
例、落下する言葉様
830名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:36:33 ID:Cv1cFNhJ
ヤンデレ原体験についてとかどうだろう。俺が知りたいだけだけど。
今でこそヤンデレっていう分類もされて、そういう言葉もできて認知されてきてるけど、昔からこういう系統のキャラはいたんだよな。
一番最初に出会ったヤンデレってどんなんだった?

ちなみに俺はなんかのドラマ(多分刑事ドラマ)の犯人の女だった。
相手役の男が浮気して、浮気相手殺害→その男の足折って監禁っつー今思うと王道ルートにもぞくぞくしたけど、
一番キタのは弱ってく男縛り付けて飯食べさせるシーンだった。
一口ずつ口に運んで、男が零したら口拭ってやって、そんでにっこり笑ってるの。
最終的には女が事故にあうかなんかして入院、監禁されてた男は餓死で死んじゃった様な気がする。

一緒に見てた家族が女のアレさ加減にドン引きする中で妙にドキドキしてた。
831名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 23:57:01 ID:lkuSWoP6
馴れ合いUZEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
832名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 05:18:56 ID:UNJ4tBKm
上司・部下の関係でヤンデレ
先輩後輩でヤンデレ
…そんな感じの小説が読みたい。作れる人は短編で良いからお願いします。
俺にヒントを下さい。 
833名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 06:52:16 ID:JFj0y7+v
>>832
保管庫にあるのは?確か幾つかあったけど
ひどいよ!おおこうちさんとか先輩と後輩だし
上司と部下も短編であったと思う、まあ別のが読みたいなら・・・自分で書け。
834名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 14:07:01 ID:iYsxM2GC
>>832
一週間
835名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 23:16:38 ID:REwcocKF
いくらなんでも>>819が叩かれすぎ
とりあえず俺はBを選ぶよ
836名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 01:51:06 ID:VlN6VwRu
837名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 04:26:27 ID:kx8JVNKk
擬人化+ヤンデレ。
ヤンデレ機械娘(兵器娘)
なんていう電波を受信した。

試しにボロいベンツを擬人化してみる。
販売店から帰って来た男は部屋に金髪の女の子が居る事に気づいた。
男「あなたはどちら様でしょうか…?」
190E「ご主人様、私を捨てちゃうの…?」
男「捨てるって何の事?それよりここ俺の部屋なんだが…」
190E「そう…あなたは私を捨てて新しい車に乗るのね…」
男「????!!危ないからナイフ下ろそうな…」
190E「私と一緒に死んで頂戴。」
男は死に、車庫のベンツ190Eが突然爆発炎上。この心中の真相は誰にも分からない。 
838名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 08:36:23 ID:YWxfR6fM
>>836
お前さ、恥って言葉知ってる?キモいんだよ

あーあ、やだやだ
何で最近この手の決め付け厨が蔓延ってんだろ
何度も何度も自演だの腐女子だのすぐに決め付けたがる
この手の決め付け厨は生きる価値のないゴミだから早々に死んで欲しいよ
いや、ゴミならリサイクルができるか。ヘドロだねヘドロ
とっととこの手のヘドロ野郎が死に絶えればいいのに
839名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 08:37:24 ID:VkJzi3n9
かちかち山の投下を待ってどれくらい経つのだろうか…
きっと作者さんは取材のために山に行って彼女に監き……

ところでヤンデレと言えば何度も聞き返すシーンとかゾクゾクするんですよ
こう、暗い瞳でだんだんと顔を近づけてきながら
「ねえ、なんで嘘つくの? アタシわかるんだよ? どうして嘘を言うの?
昨日の夜あの女と会ってたでしょ? 会ってたよね? 知ってるんだよ? わかるんだよ?
ねえ、なんで? どうして? ねえ? ねえ? ねえ? ねえ? ねえ? ねえ?」
とかさ。疑問系で質問攻めとか超興奮しませんか?
840名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 09:28:05 ID:U2xZTeIL
>>837
何故直ぐに殺そうとするんだ…

ヤンデレ=死、は確定しちゃったのか…orv
841名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 10:42:07 ID:IG/LXhHk
殺るのは最後の手段だ
最終的にはそうなるとしても、そこに至るまでの過程がヤンデレの醍醐味
842名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 11:05:17 ID:ukdfKekf
>>838
おちけつ
843名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 12:40:59 ID:kx8JVNKk
擬人化ネタ2
新携帯と旧携帯
男「オッ…新機種出てんのか…買い換えるかな…」
旧機(…アンタ、なに新しい娘見てんのよ!私だけを見て…!昨晩だって私の事見つめてくれたじゃない!)
男「さて、母ちゃんに頼むか…」
翌日、男が販売店から帰ってきた時、左手には赤い新機種が握られていた。
そして夜…見慣れない女の子が部屋で睨みあっていた。飛び起きる男。
旧機「アイツは私のマスターなの、だから手を出さないで!」
新機「そんな事言われても、ご主人様は私をお選びになられた訳でして…」
旧機「あ、起きたんだマスター、質問に答えて。」
男「まさか、君たち携帯?髪の色が機体色のなのか?」
新機「はい。私達は携帯電話の魂で、満月の夜だけ受肉出来るのです。」
旧機「で?どっちにするの?コイツ?それとも私?ねえ、どっちにするの?×6」
新機「ご主人様、この女の事は忘れて私だけを見て下さい。対衝撃・防水機能付いててお得ですよ。」
男「ウワァ〜〜〜」
男は朝日が昇るまで青い髪と赤い髪の美少女二人に詰め寄られて見事、学校に遅れましたとさ…おしま… 
新機「ご主人様、次の満月の晩にまた逢いましょう…」
おわり… 
844名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 13:23:30 ID:Ti80O1MG
で、ヤンデレはどこ?
845名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 14:36:07 ID:xnhjKjqZ
VIPでやれ
846名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 14:56:42 ID:8M3Dfn9g
過程が大事と言っておきながらそれですか
847名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 14:57:38 ID:W9tCtPjw
>>845
VIPに帰れ
848名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 15:03:50 ID:QEhqFaya
荒れる流れだからみんな少し落ち着いたほうがいいと思うんだな
とりあえず投下を待つためにみんな脱ごうじゃないか。ネクタイと靴下だけは着用してもよし
ヤンデレに刺されたいという妄想をする者は全裸にサラシ巻いて正座ね
849名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 15:34:53 ID:3ECt4uAT
同意、だが俺は既に全裸なんだ
850名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 15:49:12 ID:ukdfKekf
眼鏡だけは
851名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 16:06:41 ID:ZoXhaCF6
カイゼル髭、蝶ネクタイで待つ所存
852名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 17:17:26 ID:npX7x9Fj
ステッキ
853名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 17:50:41 ID:Frwa5029
>>848
全裸にサラシじゃ防御力皆無だろw
854名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 19:40:46 ID:/bfWjh06
ヤンデレ娘が来てくれるというのに何故、防御する必要があろうか
855名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 20:04:24 ID:fCxbOLam
ヤンデレを甘く見ると痛い目にあう。
856名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 20:42:34 ID:kx8JVNKk
科学系ヤンデレ…科学の力を用いて愛を伝える。被験者とかやってる内に好かれる。
ただ、よく分からないガスの容器が部屋に置いてあるが、中身は致死性の…
工学系ヤンデレ…機械関係の開発などが好き。テストパイロットに好意を寄せる。
生体改造や試作兵器の実験体になりたく無かったら彼に近づかない方が… 

マッドサイエンティスト系なんてどうですか?
857名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 21:36:35 ID:Frwa5029
>>854
殺されたら終わりだろ。生きながらえるということはそれだけヤンデレ娘の愛を長く味わえるということだ
858名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 22:49:01 ID:fbkX3GZK
ヤンデレの娘に「遊ぼうよ〜」と武器振り回しながら追いかけられて
もう逃げられないと覚悟を決めて、
「まあ待て、もっと大人の遊びを(ry」
→エロ突入
という流れはここの住民的にありなのか?
859名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 22:57:29 ID:CfKGxefr
俺にはありだ
860名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 22:57:58 ID:OyfQxJ0Y
一行目の時点で何かがおかしい。


いや、待てよ。

「……あの子と仲良くなってから、私と遊んでくれなくなったよね。
 寂しいよ、私。昔は、あんなにいっぱい遊んでくれたのに。
 中学生の頃は、休みの日が来たら、毎日遊びに誘ってくれたのに、今じゃ顔を合わせることもなくなっちゃって……。
 今から遊ぼうよ。昔みたいに木刀をベルトに差して、両手で電動ガン持って追いかけてきてよ。
 サングラスかけて、ターミ○ーターみたいな顔して、笑わせて。楽しませて。
 それとも――――私がやろうか?」
みたいな展開なら、俺的にはギリギリでアリ。
 
861名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 22:58:21 ID:CfKGxefr
>>859
sageろカス
862名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 23:28:05 ID:OJpejpnT
>>856
後者はむしろテストパイロットのほうを改造しちゃうほうが俺的にはキます
863名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 23:33:32 ID:npX7x9Fj
ヤンデレとかくれんぼをして、そのまま放置したい
864名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 00:33:43 ID:3QaOiA4o
ヤンデレをいぢめるssもいいな
妄想が膨らむが、文にはできない…
誰か書いて…
865名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 00:39:19 ID:Lvw6aXyh
>>863
いいかもしれない
866名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 02:58:39 ID:J5Xi8hbF
>>863
そしてその後二人して世間からかくれんぼするんですね
867名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 03:03:21 ID:p7uOxYOa
>>856
生物学系なら脳と性器だけの生きた標本にさせられたり
胎児標本制作の為だけに中出しHさせられたりとか…
868名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 03:37:18 ID:ufgTgcIE
>>867
それはただのキ○ガイ
869名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 03:53:12 ID:CB45nlMH
ヤンデレとメンヘラの違いだな
ヤンデレは抑えられない愛情が爆発した結果だろ
それはなんかただの器具類が恋したかんじがするぞ・・・
俗に言うヤンデルだな
870名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 04:35:51 ID:SuHMN9lL
生物学系…男の精力倍加調整や持続時間延長調整とか…
心理学系…催眠や精神改造・洗脳によって男を虜に…周りの女は催眠で男を忘れる。
流体力学・航空力学系…テストパイロットに惚れ込む。工学との違いは、分野が特定されている事。
電子工学系…クラッキングからプログラム制作まで何でも出来る彼女。
男の携帯からPCまでありとあらゆる電子機器を掌握している。 
871名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 00:53:36 ID:y0paGjoN
文系…辞書のような恋文を渡してくる
872マッド:2008/07/12(土) 01:38:13 ID:RJjowiz9
それぞれの日常…実験一作目
「先輩、大好きです。あんな女なんかよりも私を愛して下さい。」
「お前と俺は先輩後輩のままだ。それは出来ない。」
そうして男はアパートに戻った。そしてパソコンを立ち上げた時、それは起こった。
“先輩、消毒しておきましたよ、あの女も、ゲームも。だから私を愛して”
表示されるメッセージ。
携帯を開いた時、やはり同じ様なメッセージが出た。
彼女の画像とエロゲーが全て消えていた。それを確認した時、いきなり画面が暗転した。
その直後、ファイルが増えていた。その中身は…後輩の無修正画像・動画60点と愛のメッセージだった。
“先輩のパソコンも携帯も全て私が握ってます。私を見てお願いお願いお願い…”

終わり   
873名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 02:01:17 ID:odCEzp62
つまんね
874名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 02:54:27 ID:85RhU1Pk
一言言えば・・
ヤンデレは過程だ
その過程がつまらないならヤンデレに魅力がなくなるとおもう

まSS書く上でもいえることだとおもうが
875名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 05:42:10 ID:WuI0Vfic
>>872
いくらヤンデレとは言え俺のHDDの中を触るなんて許さん!!乙!(`・ω・´)
876名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 07:18:59 ID:zt7kO1qs
そんなに過程が好きなら自分で書きなさい。
好みの押し付けいくない
877名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 07:58:41 ID:mmtqzw5L
嘘をついて他の女とデートしてるところをヤンデレに押さえられたい
878名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 08:05:07 ID:85RhU1Pk
好みの押しつけ・・・
なぁ・・・
879名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 09:50:40 ID:Ps6E7gM2
さすがにこの短さじゃ好みとかの問題以前だろ…
880名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 09:57:41 ID:qz4HdPTo
過程過程言う奴もウザいけどな。
881名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 11:59:01 ID:Um5Zq3O6
過程がないと単なるメンヘラとかになるやん
882名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 14:52:59 ID:r4dusd4y
この私にはそれはない…あるのはシンプルなたったひとつの思想だけだ…
たったひとつ!『あの人を支配する』!
それだけよ…それだけが満足感よ!
過程や……!方法なぞ………!どうでもよいのだァーーーーーーッ
883名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 17:09:20 ID:85RhU1Pk
スクイズとか過程があったからこそ覚醒したときの落差がすごくて面白かったわけで
逆にその後でてきた劣化量産ヤンデレがつまらなかったのは過程を吹っ飛ばしたせいだぞ・・
過程も何も吹っ飛ばすと単にメンヘラ好きや猟奇好きとしかおもえなくなる
884名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 17:40:58 ID:lCYghaTs
そもそもヤンデレを覚醒させるやつは誠みたいなクズか、
ヤンデレの前で他に女がいることを臭わせてしまううっかりさんぐらいじゃね?
885名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 18:23:20 ID:nXrmXVdr
ヤンデレの気持ちに気づかない鈍感とヤンデレの気持ちに気づいていながらリアクションを取れないヘタレを忘れてるぞ
886名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 18:55:10 ID:7mfaUwIg
言葉様に着信拒否するのと、空鍋様に「俺、この家を出ていこうと思うんだ」宣言
この2つにすごくゾクゾクするのは俺はSなのだろうか?それともMなのだろうか?
887名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 19:17:15 ID:lLh7TeAB
ふむ。
つまり死亡フラグを立てるような台詞を言うところから全ては始まるというわけだ。
888名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 20:38:28 ID:fo8tI/8d
>>883
スクイズこそ猟奇ヤンデレの原点だろ。俺過程なんてほとんど覚えてないぞ
889名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 20:52:57 ID:3A1s8rzy
それは記憶力が
890名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 21:00:19 ID:t+N8bfwC
>>888
男性恐怖症だけど誠君が好きだから付き合う
誠君がいやらしい目で見てくるから恐いけど、我慢させちゃうの可哀相だからキスはする
誠君が共通の友達と浮気してるけど、大好きだから別れない
誠君と付き合う様になってからいじめが激化したけど、誠君との繋がりを保つ為に我慢する
誠君に約束をすっぽかされたせいでレイプしたけど耐える
誠君が(以下略

ちなみに言葉が誠に直接危害を加えたことはありません
891名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 21:49:29 ID:85RhU1Pk
スクイズは行動こそ衝撃的な物が多かったが
基本的に過程を重視してる
ただその後の劣化型量産ヤンデレはスクイズの衝撃的なところだけをパクって
ほとんど過程が描かれなかったからなんで好きになったのか
どうして病んでいったのかが非常にわからなかったのでつまらなかったな
過程がいらないなら猟奇やメンヘラいけという話で
892名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 22:29:24 ID:qz4HdPTo
ID:85RhU1Pkは結局自分の好みを言ってるだけじゃないか
丸一日かけて主張するようなことかw
893名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 22:35:51 ID:1ifLvy/j
過程が大事なのは同意する
でも、ヤンデレは病んでく過程だけじゃなく
狂気ともいえる愛しかた、という過程も大事
だから、別に最初から病んでてもいい思う

いきなり猟奇にいくのは、にわかが過程を誤解してるだけ
894名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 22:43:14 ID:3A1s8rzy
「通常デレモード」と「ヤン・デレモード」が両方ともきっちり書いてあればよろしい。
由乃は病む過程はないが、この2つがちゃんとあるので萌える。
"ヤン"と"デレ"ではなく"ヤン・デレ"と"通常デレ"、これ重要。
895名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 22:49:26 ID:Ps6E7gM2
まあのssは過程なんか関係ないほどの短さだがな
896名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 23:05:47 ID:fnFK/dMt
最近のこのスレは投下しにくさMAXだな。
小ネタにまで過程うんぬん言うやつは何なの?
最近の流れからするとスレ初期からの作品は殆ど邪道って事になるがそんなん関係なく面白いし
まだ完結してないのもあるんだから余計な縛りはよせ
897名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 00:17:12 ID:IDd2XJlS
お前みたいのがいるから投下しにくいんだろ
898名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 01:39:32 ID:sNUFmfqk
そうか?896の言う通り雰囲気悪いのはよろしくないかと…
ってか○○(書き手)くんの邪魔をする奴はあの娘に消されるぞ。
899名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 03:14:07 ID:IDd2XJlS
だからいちいちそういうこと言うお前みたいなのが雰囲気悪くするんだって
900名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 06:53:06 ID:U+/8viSx
以降荒れるような会話と発言禁止な
暑いからってお前等まで熱くなってスレが荒れるのはよろしくない
全裸になってクールダウンすればみんな落ち着くだろう
投下を待つためにも熱冷ましにも丁度良いじゃないか
そんな訳でムダ毛あるヤツは剃ってこい。もっと紳士らしくいこうじゃないか
901名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 07:20:15 ID:HxADrcs+
ネクタイはゆずれんな
902名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 07:22:37 ID:5QAoK2yw
おや?俺のワキ毛の様子が…?
903名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 07:23:57 ID:tzLVULuf
俺陰毛そってくるわ
904名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 09:03:24 ID:DohLAKDt
ムダとはなんだ、ムダとは・・・

わが頭髪に一本の無駄なし!!
905名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 11:40:34 ID:bOmMAH81
ヤンデレに嫌われるために一人剃毛プレイを見せ付けるんですね
906名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 12:55:03 ID:oX3xLVnj
その毛を捨てるなんてもったいない!!
907名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 13:14:30 ID:Wxx0/fnZ
次の日、寝ないで作りました! と自毛100%のカツラを渡されると。
908名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 13:16:36 ID:RVuC6OVn
陰毛100%だろフツー
909名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 13:46:29 ID:nxgazyFK
ヤンデレに追われてる男「ヤンデレ死ね」
910名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 14:26:01 ID:7CiTAa1b
この勢いだとレナはヤンデレとかいいそうだな
911名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 14:37:50 ID:oZvq860S
ああ、ジャジャの滝沢レナさんね。
たしかにあの人はヤンデレの素質がある。
覚醒する可能性3パーセント未満だけど。
912名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 15:24:34 ID:LGyBON+a
ユッキー愛してる
913名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 15:54:20 ID:KaRiABIz
なんというか……このスレ新参が増えたよなぁ
メジャーになったのはいいけど明らかに勘違いしてるやつとそいつを矯正したがる定義好きのやつが譲らない言い合いをしてるように見える

あーはいはい、うだうだ言わないでSS書けとね
後三週間ほどしたら投下するからみんなも全裸+αの紳士でいてくれないか?
914名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 16:08:18 ID:slNPMgUC
>>913
三週間だと? そんなことだから他の泥棒猫に先を越されるのだお前は
915名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 16:09:54 ID:XTuWt6iT
こうも暑いと常時裸でもなんの問題もないという
916名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 16:11:56 ID:nRgkOeLd
>>915
あるだろw
917リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/07/13(日) 17:30:21 ID:cF50TLel
こんばんは、またまた久々にたずねてきました。
何だか荒れているようなのでSS投下…といきたいのですが弾がないので
書き始めてみたCGを投下します。
そろそろSSの方を描いて一周年近くなるので初ヒロインの月乃鞠を
http://freedeai.com/up/src/up8474.jpg
それではまた、久々の投下故失礼しました。
918名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 17:48:34 ID:IfaOZ4cq
一番槍GJ
だが、画像サイズでかすぎだろ、常識的に考えて……
919リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/07/13(日) 18:07:33 ID:cF50TLel
すいません、少し小さくしてきました、不慣れなのでご迷惑おかけしました。
http://freedeai.com/up/src/up8475.jpg
920名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 18:45:55 ID:oivVJVDO
>>919
お久&乙乙
色があると雰囲気かわるもんだね
921名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 20:38:58 ID:Dy/bWU8z
>>917
ちょwデカスww
顔を捜すのに手間取ったw
GJ
922名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 21:52:40 ID:IRnnlKB+
>>911
ここでJyaJyaの名前が出るとは思わなかったw
ミヤギが誠化したら可能性あるな。
923名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 21:55:52 ID:OI0YlLFB
>>919
画像の大きさ、その30%くらいでいいと思うよw
924名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 22:12:26 ID:P3CjY3aw
というかなぜかJaneでみるとエラーでるんだが・・・
925名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 22:47:41 ID:DTPowi3K
毎週連載傍観者
リアルで忙しいのか
926名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 23:22:44 ID:vM6fCgYT
とりあえずこんなの見つけた
必要なら役立ててくれ

ttp://yandere.web.fc2.com/list3.html
927名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 00:02:24 ID:OOM2aohd
今日はヤンデレ家族来ないかもね…
928名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 00:20:34 ID:d8ghMmJy
そういう気持ちは心の中にしまえないかな。
929名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 02:48:00 ID:xOLeMoxE
そろそろ新スレの季節ですよ
ヤンデレの小説を書こう!Part17
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1215971239/
930名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 12:04:45 ID:D5qh33mM
>>928
そのお前の気持ちを書き込むな。
931名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 13:13:07 ID:w1VHP5MI
ちょっとスレ建て早漏すぎやしないか?
932名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 13:15:02 ID:Q1zKyLO8
最近沸点がやけに低いのやら不必要に煽るやつが多いな
スルーすればいいだけのことなのに噛みついたり、揚げ足取ってみたり
雑談云々の前にこういう雰囲気のほうが職人さんが投下しにくい……というか職人さんの書く気力を奪う気がする
933名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 16:43:41 ID:YaXV/Hhd
お互いがお互いを尊重しあえばこんな空気になるはずないんだがな・・・
まあ、そんなことよりヤンデレと付き合ってるやつの親友視点ってこのスレの住民的にどうよ?
いや・・・俺は書けないけど
934名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 17:06:22 ID:k5CxXlZi
親友視点…男か女によって変わるからなんとも言えない。
男→男同士の付き合いが減り、女に振り回される親友にアドバイスしたりする。
女→彼女の牽制を受ける。男にアドバイスしよう物なら大変なことになる。 
935名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 18:34:15 ID:vvIRT0OW
>>934
それだ!
936保管庫の中の人:2008/07/14(月) 21:32:00 ID:lREb+fpR
>>917
>>919
今来たら302だった件(´;ω;`)
だ、誰か再うpを……
937リッサ ◆v0Z8Q0837k :2008/07/14(月) 23:29:31 ID:rrDYAEXd
わかりました、店長では有りませんが一肌脱ぎましょう。
解像度もどうにかした完成版です。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org5347.jpg.html
938名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 23:48:36 ID:lREb+fpR
ありがとうです。

ちょw巨大さにビビッたw
939名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 00:00:36 ID:fLIfM0F2
>>937
やっぱサイズなんとかしたほうがいいと思う
四分の一でもまだでかいってくらいなサイズだ
940名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 11:47:15 ID:4JjvOhnU
個人的にはサイズは1/5くらいでいい。
容量も1/10くらいになるし。
941名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 12:34:39 ID:ORUkp2Xq
やあ、俺新参。今ちまちまと文書いてる最中なんだが質問がある
ヤンデレ要素薄くてもここに投下してもいいのか?
942名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 12:36:43 ID:Y9eg71FZ
薄くてもヤンデレ分入ってるなら可だろ
943名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 12:41:08 ID:mAkBQ1vc
>>941
今はヤンデレ要素0でも、長編でいずれ病むなら
944名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 13:46:30 ID:R7jJ32DG
でも、病むのが物語の中盤とか最終話直前とかはやめてくれ
945名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 17:26:43 ID:hzsbe2cq
注文が多いな
946名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 17:51:37 ID:IcEuTjvM
>>944
そこまで制限することはないだろ
それすると病むまでの過程を描けなくなる
上で言われてるようにいずれ病むなら当初はなくてもいいんじゃない?
947名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 19:58:49 ID:VZ9sG8t0
途中でぶん投げられることもありえるから完成してから投下してほしいね
948名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 20:11:31 ID:mAkBQ1vc
そんな注文ばかりつけてたら書き手なんていなくなっちまうわ
俺達はおとなしく全裸で待機してればいいんだ
949名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 20:55:21 ID:2mLoccaZ
まったく!どうなんてんだよ!酢豚ひとつにいつまで待たすんだ!ええ?!
950名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 21:01:39 ID:/zUYcw6G
「店長!豚が騒いでます!」
「お望み通り酢でもぶっかけてやれ!」
951名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 18:03:02 ID:LvYhG8tg
ハァハァ、わたしは醜いメ酢豚ですハァハァ、どうかは私めにご主人様の酢を!酢を!
952名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 20:31:05 ID:Vq9VXCGX
それはしょうゆです。
953名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 21:51:35 ID:mHO148no
かかってきた電話にかまけてヤンデレを長時間放置したい
954俺と妹:2008/07/16(水) 21:52:26 ID:Vm59XHHt
うちの妹は可愛い。誰がなんと言おうと可愛い。
高校生になってちょっと小生意気になってきたが、そこもまた可愛い。小生意気になったにもかかわらず、相変わらず俺のことを「おにいちゃん」と昔のままの呼び方で呼ぶ辺りが妹の可愛さを如実にあらわしている。

喧嘩をすると、夜中に俺の布団に潜り込んでくる妹は可愛い。クラスのなんとかちゃんがどうだか、と俺に一生懸命話してくる妹は可愛い。休みの日には俺に纏わりついてくる妹が可愛い。そのくせ、外で友達に会った時には繋いでいた手をぱっと放す妹も可愛い。

例えシスコンと言われようが、俺はそういう可愛い可愛いもう一つおまけに可愛い妹が大好きだ。


――大好きなのだが。

この状況は少しおかしいと思うんだ、妹よ。お兄ちゃんは混乱の極みだぞ。
「お兄ちゃんとシたいの!」
俺のベッドに潜り込んできた妹は、そう言って頬を染めながら俯いた。うむ、今日も可愛いぞ、妹よ。でも、ちょっと問題発言だと思うな、それ。


目の前には、妹のふわふわした茶色の長い髪が妹のなだらかな肩の先で揺れていた。
俯きがちの白い頬のラインは素晴らしくキュートな曲線を描いてすっきりとした顎につながっている。神様が特別手を掛けて作り上げたらしい俺の妹は、今日も今日とてすんばらしい美少女だ。
この美少女兼俺の妹の瞳はぱっちりとしたアーモンド型で、きらきらとした薄茶色のそれはまるで宝石のように輝くので、俺は密かに「ジュエリー・妹」と呼んでいる。

そんなジュエリー・妹を瞬かせた妹が(ややこしい)、反応を示さない俺の肩に白い手を伸ばした。
ちっちゃな手は傷一つなく真っ白で、桜貝のようなピンク色の形のいい爪がその先にちょん、とついている。俺の妹の「ジュエリー・妹第二段」である。


「お兄ちゃん、聞いてる?」
「あー……聞いてた。聞いてたともさ」
「じゃ、いい?」
そう言って、妹は俺の言葉を待たずにうきうきとパジャマのボタンに手を掛けた。
すいすいと器用に動く妹の手が、可愛らしい黄色のパジャマを肌蹴させていく。白い肌が次第に外気に晒され――って、こら待て。
「こら、こらこらこら」
「…………お兄ちゃん、いや?」
こてん、と首を傾げて妹はそう俺に問いかける。可愛いなもう。いや、違う違う。

――あのね、妹よ。
確かにお兄ちゃんお前が大好きだよ。だけどな、それはあくまで兄としてであってね。
「わたしもお兄ちゃん大好き!」
都合のいいとこだけ聞くんじゃありません。パジャマ脱ぐのをやめなさい。
む、胸が見えるから! 程よく育って……じゃないよ。乳首がほんのり桃色でジュエリー妹第四弾だなー、とか考えてる場合じゃないよ。
「だから、いいよね?」
よくないですぅー! という暇もなく、妹は俺の上に跨って、上半身をゆっくりと下ろしてくる。なんだこのシチュエーション。これなんてエロゲ?
「……んっ…………」
鼻にかかった声を上げて、押し付けられた妹の唇の感触は、とても柔らかかった。
ほぼ全裸に近い美少女に圧し掛かられ、あまつさえキスまでされて、ついさっきまでなんとか宥めていた俺の息子はついに俺を裏切る。
――あああああ、妹でたっちゃったよ。
俺の苦悩を露知らず、妹はその柔らかい舌で俺の口内をまさぐり続けた。
955名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 21:53:57 ID:Vm59XHHt
誤爆しました
申し訳ありません、スルーお願いします。
ほんとすみませんでした。
956名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 22:12:48 ID:zIDwJ5+5
続きをどこのスレに投下したのかを言え
さもなくばさらに脱ぐぞ……
957名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 22:18:36 ID:kykgFyyl
おい、はやく続きを見せるんだ!さもなくば貴様の邪気眼を公開させるぞ!
958名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 22:52:00 ID:lDVIolFB
>>956
いや、ネクタイまでとるのはイカン!
デモを行うのが昨今の流れであろう。
959名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 23:04:47 ID:Ba3djAHl
キモウトのほうかな?w
960名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 23:31:28 ID:Vvfntise
キモウトには投下されてねえな
マジでどこのスレで続きが読めるのか知りたい

もしキモウトスレへの誤爆で妹が病む展開なら、このままここに投下してほしいんだぜ!
961名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:10:28 ID:ujSjvZff
妹!おっぱい!
  _  ∩
 ( ゚∀゚)彡
 ( ⊂彡
 |  |
 し⌒J
962名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:32:39 ID:k5HHVfex
>>960
寧ろ違ったとしても同じ作者様に妹が病むバージョンを書いて欲しい・・・
963名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 16:05:24 ID:4wQOgQlf
(・∀・ )  >>955

( ・∀・)  >>955
964名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 22:47:09 ID:R+G1nXJR
俺は次スレに引っ越すぜ!
埋めヨロシコ〜
965名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 04:50:52 ID:zn5bN0Fx
wikiのことのはぐるまって
3話から22話にとんじゃってるんだけど
間ないの?
966名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 05:18:01 ID:XfpJ7idi
>>965
本保管庫管理人さんが引退して現在wikiの方が鋭意保管中です気長に待ちましょう
なお待ちきれない場合は過去ログがあるのでそちらから自分で拾ってくることもできます
967名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 05:19:15 ID:zn5bN0Fx
そうですか
お騒がせしました
968名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 10:38:36 ID:7efjt2ZX
ちょっと話題に遅れたが長編で最初は病んでいないというのもカタルシスを感じて俺的にはすごくいい
969名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 10:57:43 ID:WYriO8Qe
狂おしいほどまでの愛
愛ゆえに狂ってしまう女の子
一途な気持ちを抑えきれずに歪んでしまうその姿に
俺はもう・・・
970名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 13:34:46 ID:V2cG/UWy
みんな病んでるな。俺もだがorz
971名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 14:10:30 ID:jq1T6HUz
男のヤンデレなど死ぬべきだというのに、ヤンデレっ娘を愛せば愛すほど、自身がヤンデレになっていく
なんというアンビバレンス
972名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 15:34:30 ID:414fSbKG
>>965
暇だし編集しといた
973名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 15:39:34 ID:69PjIGrh
ヤンデレを求める者自身がヤンデレにはならないと思う。
分かり易く言うと男という植物に、愛という特濃の液体肥料の原液を常にかけ続けるのがヤンデレだ。
そんな環境では普通根が腐って枯れてしまうわけだが、
中には栄養の吸収が滅茶苦茶悪くてそのくらいの栄養の方がすくすくと育つ植物がある。
これがヤンデレを求める者だ。
974名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 16:06:25 ID:s69M7FRr
>>973
分かりやすい
975名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 16:37:28 ID:WYriO8Qe
うん?
俺は基本ヤンデレに愛されるより、誰かを愛しているヤンデレを第三者で傍観するのがすきなんだが
976名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 17:06:32 ID:o0YM7E5p
>>972
965ではないが乙。
続きこないかなあ~
977名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 21:42:40 ID:f37Hy9Oh
そういえばお茶会ももう一年ぐらい来てないな
作者さんがこの前、完結はするって言ってたけどな
・・・さて、それまで全裸で待ち続けるか
978名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 22:43:56 ID:UqbIsc3m
ぶっちゃけ今んとこあの人は東方SSがメインっぽいしなー
文章書き続けてるってのは確かだからそのうち復帰してくれるかもな
979名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 00:50:02 ID:hWvgbsbK
そういやあの人、
ヲチ板に専スレがある東方ジャンル新参と交流始めたんだよな……

チャットやメッセでリクしまくって一人の絵師をジャンル撤退させたらしいけれど
SS書きなら大丈夫なのか?
980名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 02:30:54 ID:UcvEG4iD
なんでお前らそんなに詳しいんだ……?
ハッ、まさか……
981名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 04:00:44 ID:Yy9Mc0s9
思いつく病み

・地位、名誉、能力を完全に備えた私に惚れられているのはむしろ名誉じゃない。逃げたら殺すわ
・こんな私だけど、あなたのためならなんだってしてみせるよ。だから捨てないでください……
・あなたの全てを知りたいの。あなたを独占したいの。別に悪いことなんかしてないよ? 愛だもん
・あなたを愛していたのに……私は愛されていなかった……
・あなたと私はフォボス・イオ経由の赤色レーザー無線で前の宇宙から繋がっていて……


まあ、ヤンデレの可能性は無限大なんですけどね
982名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 15:24:52 ID:ABpmWrKu
萌え
983名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 15:34:55 ID:2gJq+ANZ
ことのはぐるまは九、十、十一話が面白いよな
984名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 23:21:17 ID:YpTGGmyn
>>982
1番上が好みなのは僕がヒモ願望を潜在的にもっているという表れなのでしょうか
985名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 00:57:48 ID:asVpOMfh
>>981
一番上はただの高飛車に見える
つーかヤンデレなら愛する彼を殺すなんて発想自体ができないだろ
986名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 02:17:54 ID:1p04acgb
いやいや、一応殺す、とか脅しとくのはありだろ。プライドのせいで素直に好きだとかいえない。でも絶対に逃げて欲しくない。可愛いじゃないか
心中以外で本当に殺しちゃうのはなしだが
987名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 06:32:18 ID:1anAetPR
お前らどこまで病んでるんだよ(笑)
988名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 09:00:44 ID:aG288+99
いつもよりやけに饒舌なヤンデレの弁当食べたい
989名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 13:51:44 ID:sGJ45j5D
ウメ
990名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 14:45:53 ID:6sumNsDD
>>983
ことのはぐるまは主人公が誠レベルの基地外思考なのでもういいです
991名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 22:03:53 ID:19a0qjL3
>>981
一番下はヤンデレじゃなくてサイコさんだYO!
992名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 22:57:29 ID:bHIdtKc0
ヤンデレとメンヘラってやっぱ難しいよな
993名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 23:05:20 ID:Cp3b2Dm1
難しいも何も根本からして違う
994名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 23:58:34 ID:sGJ45j5D
1000なら監禁される
995名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 01:16:37 ID:WFWHnBpQ
1000なら姉の監禁から解放される
996名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 01:20:56 ID:lWfcf9Ke
1000なら姉に監禁される
997名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 02:33:26 ID:yAXA+nqm
なんか好き嫌いの花占いっぽいな!
998名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 02:41:33 ID:a7NXrIkN
998
踏み台
999名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 02:42:26 ID:up4Q4y1j
スリーナインげt
1000名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 03:24:32 ID:wbeYj1wZ
1000なら風音
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