true tearsのエロ小説スレ エロい涙 3滴目
※この作品はかなりパロディーな味付けで、エロは微量です。ご注意ください
小鳥のさえずりと、窓から差す朝の光で、眞一郎は目を覚ました
「もう朝か…ふわぁ〜」
上半身を起こして伸びをする。何かがいつもと違うことに気づく
「ん?うわぁぁぁぁ!!!」
なんと隣で比呂美が寝ていたのだ
眞一郎の声で、比呂美も目覚める
「…あ、おはよう。眞一郎君♪」
「な、な、な、なんで比呂美が!?」
「なんでって、彼女が隣で寝ちゃいけないの?」
クスクスと笑う比呂美。眞一郎は起動したばかりの頭で必死で考える
『落ち着け…落ち着け、俺。…っていうか、いつから俺と比呂美は付き合ってるんだ???』
ガリガリガリ…と眞一郎の頭の中で、現実を処理する音が聞こえる
比呂美はベッドから起き上がり、ハンガーにかけてある制服を取ると
その場でパジャマを脱いで着替え始めた
「ちょ、ちょっと!何してるんだよ!」
「眞一郎君も早く着替えてご飯食べよう。遅刻しちゃうよ」
「自分の部屋で着替えろよ!」
「ここは私たちの愛の巣じゃない。変な眞一郎君(笑)」
ためらいもなく下着姿になる比呂美。眞一郎は慌てて自分の制服を取ると、部屋を飛び出した
『どうなってんだよ!なんかおかしいぞ今日の比呂美は』
「待ってよ〜眞一郎君〜」
階段を駆け下りる眞一郎を、比呂美が慌てて追いかける
ゼェゼェと息を切らしながら、居間に飛び込む
そこには新聞を読む父の姿があった。いつもと変わらない光景に眞一郎は安堵する
「と、父さん!比呂美が、なんか比呂美が変なんだ!」
そこへ大きな鍋を持った母がやってくる
「眞ちゃんと比呂美ちゃんは、今日も朝から仲良しね〜」
その鍋をテーブルの中央に置くと、今度は魚や野菜が入った皿を持ってくる
「え?母さん、朝ご飯は…?」
「わーい♪私の大好きな“ぶりしゃぶ”だ〜〜♪」
後ろから声がした。両手を上げながら喜ぶ比呂美が、ズサーっと畳の上へ滑り込んだ
「比呂美ちゃん、いっぱい食べなさいね」
「ありがとう、おばさん!」
「ふふふ」
母はいつもとは違い、穏やかに笑いながら比呂美に話しかけている
俺はポカーンと口を開けたまま固まってしまう
「あら?どうしたの、眞ちゃんも食べなさい」
「……朝からこんなの食えないよ…」
「好き嫌いはよくないぞ」
新聞を置いた父が口を開いた
「比呂美、美味しいか?」
「うん!おじさんの分もしゃぶしゃぶしてあげるね!」
子供のように笑う比呂美を、父はニコニコしながら見ている
『これは何かのドッキリ番組?カメラはどこだ?誰かが俺を陥れようとしてるのか?』
眞一郎はパニック状態になり、その場を飛び出した
「眞ちゃん!朝ご飯いらないの?」
「眞一郎君、待ってよ〜!一緒に学校行こうよ〜!」
『くそっ!なんだよ!なにがどうなってるんだ!?』
眞一郎は自分の席につくと、頭を抱えて今朝の出来事を思い出す
まさか学校までも…と心配したが、先生やクラスメートはいつも通りだった
(キンコーンカンコーン)昼休みを知らせるチャイムが鳴る
今朝はあんなことがあったせいで何も食べておらず、眞一郎のお腹もグゥゥゥと鳴った
しかも家を飛び出したせいで弁当を持ってきていない。パンでも買おうと購買部へ向かうが財布を忘れてきたことに気づく
「チクショー、昼飯も抜きか…」
諦めかけたそのとき、廊下の向こうから小柄な少女が走ってきた
「しんいちろー☆」
その少女は走るスピードを緩めることなく、眞一郎に飛び込み抱きついてくる
「わぁ!な、なんだよ、乃絵…」
「一緒にお昼ご飯を食べましょう。眞一郎の分もあるのよ」
「本当か!助かった〜、サンキュー乃絵」
屋上のベンチに二人で座る
やっとありつけた食事だ、眞一郎は乃絵の弁当に期待を寄せる
「乃絵、どんな弁当を作ってきたんだ?」
「お弁当じゃないわ。今日のお昼ご飯はこれよ」
乃絵がコンビニの袋から取り出したのは“ね●ね●ね●ね”懐かしいお菓子だった
「マジですか、乃絵さん…」
「お水もちゃんと用意してあるわ」
小さな水筒も取り出す
「練れば練るほど色が変わるのよ」
「…うん」
「粉の番号と入れる順番を間違えないでね」
「…はい」
二人で仲良く練る練るして食べる
遠くに座っていたカップルが、こちらを指差して笑っていた
「美味しかったわ。やっぱりこのお菓子には、愛され続ける理由があるのね」
乃絵は満足そうな顔だったが、食べ盛りの男子である眞一郎には、明らかに少なすぎた
「ねぇ眞一郎、絵本を読んで♪」
「えぇっ?絵本なんて持ってないし…」
「これ、読んで♪」
そう言って乃絵が鞄から一冊の絵本を取り出す
タイトルは【ペンギンとダチョウの物語】…眞一郎が中学生のときに描いた絵本デビュー作だった
「ちょ、ちょっと待て!なんでお前がこれを!!!」
「いいから読んで♪」
仕方なく読み始める眞一郎、その肩に乃絵が頭を乗せ絵本を見ている
傍から見れば、幸せそうなカップルに見えるのかもしれない
だが眞一郎にとって自分の絵本を読まされるというのは、恥ずかしすぎる罰ゲームだった
「…ペンギンくんは言いました…どうして僕は速く走れないの?
…ダチョウくんは言いました…だけど君は泳ぎが得意じゃないか、僕には…」
いつの間にか乃絵は眠っていた。眞一郎は絵本を読むのをやめる
『乃絵の髪って、いい匂いがするな…』
乃絵の顔を覗き込むと、口から垂れた涎が、眞一郎の制服にべったり付いていた
「お、おい!乃絵、起きろ。そろそろ授業が始まるぞ」
「……むぅ〜…こうやってつけて…むにゃむにゃ……」
体を揺らしても起きようとしない。眞一郎は乃絵をおんぶして教室まで送り届けることにした…
放課後
「眞一郎君〜!どこにいるの〜?海を見にいこうよ〜!」
眞一郎はまるで戦場を駆け抜ける兵士のように、比呂美の視線を掻い潜って学校からの脱出に挑戦する
しかし階段を下りても安心はできない
「しんいちろ〜!絵本の続き読んで〜!」
下駄箱の前では、乃絵も眞一郎を探していた
男子トイレの窓から外に出ると、校舎の裏から回りこみ、なんとか校門まで逃げることができた
『これで一安心だな。まさか比呂美だけじゃなくて乃絵まで変になっていたなんて…』
乃絵は元々不思議な女の子だったが、今日はいつもより磨きがかかっていた
「おい見ろよ、あの子すげぇ可愛いな」
「あの制服、どこの高校だ?」
「ニーソックス萌え〜(*´ω`*)」
何やら校門の前で男子生徒たちが騒いでいる
『なんだなんだ?』
眞一郎も確かめようとしたその時
「眞一郎〜♪」
男子生徒たちをかき分けて、愛子が手を振りながらやってきた
「愛ちゃん!どうしたの?うちの学校に何か用事?」
「ううん、眞一郎に会いたくなっちゃったから♪」
「チェッ!また仲上かよ」
「いいよなぁ〜ボッチャンは…」
「仲上の彼女?なんだ…残念…(´・ω・`)」
騒いでいた男子生徒たちはワラワラと解散する
「眞一郎、今日もうちの店に来てくれるよね?」
「ご、ごめん…。今日は財布忘れてきたから…」
「そんなこと気にするなよ〜。今日は私のオ・ゴ・リにしとくからさ♪」
店まで歩く二人。愛子は眞一郎の腕に抱きつくようにして歩いている
「あのさ、もうちょっと普通に歩こうよ」
「なんでぇ〜?」
「歩きづらいだろ…そんなにくっついたら」
「べつにぃ〜♪」
「…あの、当たってるから、もうちょっと離れようよ」
「当ててるの♪」
『愛ちゃんもなんか変だ…!そもそも愛ちゃんは三代吉が好きだったんじゃ……』
店に着くと、愛子は眞一郎を招き入れ【本日休業】の札を出してカーテンを引いた
「愛ちゃん…店は?」
「今日はお休みにする。眞一郎に食べてほしい新作の今川焼きがあるの、ちょっと待ってて」
店の奥へ行った愛子が、しばらくして戻ってくる。その格好に眞一郎は驚いた
なぜなら愛子が一瞬、裸エプロンで出てきたように見えたからだ
よく見ると、キャミソールにホットパンツ姿なのだが、正面から見るとエプロンしかつけてないように見える
「どうしたの?あぁ〜!エッチなこと想像しただろ〜?」
「し、してないって!」
その格好で今川焼きを焼く愛子、眞一郎は目のやり場に困ってしまう
「これが新作の今川焼き。食べてみて」
「うん…いただきます」
先ほど見た、なんとも表現しがたい色の餡に警戒心を抱いてしまうが、恐る恐る食べてみる
「…ん、意外とうまい」
「でしょ〜?餡子は変な色だけど、味は良いでしょ?」
「うん、本当にうまいよ。この餡には何が入ってるの?」
「山芋と、オクラと、牡蠣と、マカと、スッポンと…」
ブーーーーッ!!!!
思わず噴き出してしまう
「俺、用事思い出したから帰るよ。じゃあね…」
「だ〜め、眞一郎ったら恥ずかしがってカワイイなぁ♪小さい頃は一緒にお風呂も入ったのに」
逃げようとする眞一郎を、愛子は後ろから抱きついて放さない
「眞一郎!いるんでしょ!」
「眞一郎君!ここを開けて!」
店の外から声が聞こえる
「助かった…!」
抱きついた愛子をズリズリと引きずりながら、カーテンを開けて鍵を外す
その瞬間に、比呂美と乃絵が飛び込んできた
「ちょっと!私の眞一郎に何してるの!」
乃絵が眞一郎の手を掴んで、顔を赤くして愛子を睨む。だがその子供っぽい目では迫力がない
「眞一郎君、一緒に帰ろう。おばさんが今夜も“ぶりしゃぶ”だって言ってたよ」
比呂美も眞一郎の手を掴んで、懸命に引っ張る
「眞一郎、今川焼きだけじゃなくて、私を食べてもいいんだゾ」
愛子は眞一郎の顔に胸を押し付ける
愛「眞一郎はね、私みたいに胸の大きい女が好きなのよ!」
眞「いや、そんなことを言った覚えは…」
乃「違うわ。眞一郎は私みたいな小さな胸が好きなのよ」
比「眞一郎君はロリコンじゃない!あの日、着替えを覗いたのは私の身体に興味があるからだよね?」
眞「だ、だからあれは事故で覗いたわけじゃ…」
愛「何言ってるの?バスケばっかりしてて筋肉でゴツゴツのくせに!」
比「ムキィー!アナタは野伏君の彼女でしょ!?眞一郎君と関係ないじゃない!!」
乃「あなただってお兄ちゃんの彼女でしょう」
眞「まぁまぁ…みんな、落ち着いて…」
三人のエスカレートした感情の矛先が眞一郎に向けられる
眞一郎は、じりじりと壁際に追い込まれた
乃絵「眞一郎!私のために絵本を描いて!」
比呂美「眞一郎君!全部ちゃんとして!」
愛子「私のことも見てよ、お願いだよ!眞一郎!」
「……助けて…俺は……俺は……うぅ〜」
「眞ちゃん、起きなさい」
母の声で目を覚ます
「……あれ?皆は?」
「何を寝ぼけてるの。今日は踊りの練習があるんでしょう?もう起きなさい」
慌てて隣を見る。もちろん比呂美の姿はそこになかった
―終―
6 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 20:52:21 ID:HhF/Efdo
>>1 乙
っていうか、容量オーバーかよ、前スレ。
ここにきて新しい作家がうまれたのは喜ばしい。
ちゃんとできなかったらこんなことになるぞ、という警告夢ですね。わかります
スレ立て&うp乙
9 :
朋与男:2008/05/25(日) 23:50:10 ID:/W0Upq0a
焦りました…… いや、マジで
「置いてかないで」気分を味わいましたよ、ホント
ともかくスレが継続されて良かったです
一日一話の凄い方、スレ立てとUP、乙でございます
それにしても書くのが早くて羨ましい
乙です
おお
ttキャラは崩しが難しいのに良くここまで
乃絵、比呂美、愛子が損なわれてない
乙です、
エロコメディとはまた違った作風ですね。
らしさを損なうことなく面白かったです。
麦端高校の入学式、新入生たちは緊張した面持ちでパイプ椅子に座っている
その中に、高岡ルミの姿もあった
ルミはバスケットボールが大好きな少女だった
小学生のときに、友達の誘いでミニバスクラブに入って夢中になった
中学校もバスケ部に入って、三年間部活漬けの毎日を送っていた
そして高校でも、もちろんバスケ部に入るつもりだったが
残念なことに、麦端高校には女子バスケットボール部がなかった
他の部活に入ることも考えたが、諦めきれないルミは、自分たちで女子バスケ部を作ることにした
中学時代の友人や、バスケに興味がある同級生を探して、なんとか5人のメンバーを集めた
だが、肝心な顧問が見つからない
片っ端から教師に声をかけてみたが、既に他の部活の受け持っていたり
バスケに興味がなかったりと、なかなかいい返事はもらえなかった
そんなときに声をかけてきたのが、野球部の顧問を務める体育教師だった
同好会として毎日放課後30分だけ体育館を使わせてもらっていたルミたちに声をかける
「高岡、ちょっといいか?」
「はい。なんですか?」
「ちょっと生徒指導室まで来い」
「はい…」
ルミは他のメンバーを体育館に残し、生徒指導室へ向かった
「入れ」
「はい」
「…お前、バスケ部を作りたいそうだな」
「はい。でも顧問の先生が見つからなくて…」
「どうだ?俺の野球部にマネージャーとして入らないか?」
「…え?…誘ってくれるのは嬉しいですけど、私はバスケがしたいので…」
「そうか。残念だなぁ」
「すみません」
「じゃあ、顧問がいなくても部活を立ち上げることはできる…ってことは知ってるか?」
「え?本当ですか!」
「あぁ、本当だ。俺が推薦すれば、な」
この体育教師は学校内でも強い権力を持っている
この男から校長や教頭に推薦すれば、部活として認められるだろう
「お願いします!私たち、もっと練習したいんです。試合だって…」
「わかったわかった。だけどな、顧問がいないと、その分部長の責任が重くなるんだぞ?」
「はい!私が責任をもって部長を務めます!」
「そうか…じゃあ見せてもらおうか。高岡の決心を…」
男は席を立ち、ルミの後ろに立って肩に手を置く
そのまま両手を滑らせ、体操服の上から胸を触りはじめた
「…やめてください」
「俺の言うとおりにしていれば、バスケ部を作らせてやる」
「…でも……嫌っ…」
男の手を剥がすように抵抗してみるが、少女と男では力の差がありすぎる
「バスケ、やりたいんだろ?」
手の動きは大きくなっていき、小さな胸を大胆に揉みほぐす
体をくねらせて抵抗していたルミだが、徐々にその力が抜けてくる
それは諦めなのか、それとも受け入れる決心ができたのか…自分でもわからない
体操服を捲り上げ、ブラジャーのホックを外すと、小ぶりながら形の良い乳房が露になる
「先生…お願いします…やめてください…!」
男はルミの哀願を無視して、机の上に押し倒すとハーフパンツとショーツを脱がせ
足を開かせて、初々しい性器に顔を埋める
鼻をつく思春期の匂い。それは男の理性を崩壊させる
舌を割れ目に当てて、舐め上げる。下から上へ、何度も何度も…
まるで変な生き物が、大切な部分を這い回るような感触
「うっ…んっ…んん……いやぁ……」
気持ちの悪い感触に身震いしながらも、ルミの意思に反して、膣は潤い始める
身体はこれから強姦されることを悟り、自己防衛のために分泌液を出した
「高岡、お前初めてか?」
「……は、はい…だからもう許してください…」
「痛いけど我慢しろよ」
いつの間にか下半身を露出している男、そのペニスが入り口に当てられる
「嫌ぁ!やめて!先生!誰か!誰か助けて!」
恥を忍んで助けを求める。純潔を奪われるくらいなら、もう誰に見られたってかまわない
しかし、この生徒指導室は三階の一番遠い教室で
ほとんどの生徒が帰ってしまったこの時間帯では、その声は誰にも届くことはなかった
ルミの抵抗を腕力で抑え込み、男はペニスを挿入する
薄い膜が最後の抵抗をみせるが、それも強引に破られてしまう
「ぐっ、痛っ!痛い痛い!イヤ!抜いて!痛い!!」
破瓜の痛みに大声をあげる。その声はキスで無理やり押さえ込まれる
「んんんん!ゥ〜〜!」
処女と同時に、ファーストキスも奪われる
高校に入ったら、バスケを頑張って、恋愛もしたい…ルミの小さな願いだった
憧れだったファーストキス、想像しては頬を赤らめた初体験…
どっちもこの男に、無理やり奪われてしまった
獣のように乱暴に腰を振る男
その下でルミは、放心状態で天井見つめ、揺らされていた
「あ…ぁ…は…っ…」
半開きになった口からは、呟くような声が漏れる
やがて男の動きは、一瞬激しさを増したかと思うとピタリと止まり、ブルブルッと体を震わせた
ルミの中に生温かいものが放たれる
「ルミ〜、遅いよ〜」
「先生と何の話してたの?」
体育館に戻ると、みんなが心配そうに駆け寄ってきた
「女子バスケ部を、作ってくれるって……」
「本当!?」
「やったじゃん!」
「これで試合もできるね!」
仲間の笑顔に囲まれながら歩く帰り道
ズキンと響く下腹部の痛みが、レイプされた事実を突きつける
その痛みを忘れるように、ルミはキャプテンとして笑顔を作り明るくふるまった
「みんな、最高のチームにしようね!」
「オォー!」
―終―
キャプテン・・・orz
乙
出だし読んでエロにならないかと思ったら
こうきたか…
けしからん。
・・・と思いながらもおっきする息子は実に正直だ(w
乙
>>12 乙です
高岡キャプテンが、なってことだ。
参りました。
比呂美と眞一郎の初体験SSあったっけ・・・?
>>19 SS投下なら、気にしなくていいよ
何でもバッチコイ!
エロければ乃絵レイプでも比呂美輪姦でもばっちこい!
ピリリリリ…ピリリリリ…
夜の九時、三代吉のケータイが鳴る
部屋でヘッドフォンをつけて音楽を聴いていた三代吉は、着信音に少し送れて気づく
画面には【安藤愛子】の文字
「もしもーし」
「三代吉?」
「愛ちゃん、どうしたの?」
「あのね…あ、明日、店に来てくれないかな…」
「明日?明日は定休日じゃ…」
「うん。三代吉に話があって…」
「今じゃダメな話?」
「うん…明日、ちゃんと話したいの」
「…わかった」
電話を切った後、三代吉の脳裏で嫌な記憶がフラッシュバックする
眞一郎に応援してもらって告白した神社…
毎日のように食べた今川焼きの味…
デートで行ったパボーレ…
紫色のセーター…
ぶんぶんと頭を振って、過去の記憶を振り切ろうとする
翌日の放課後、三代吉は自転車に乗り、愛子の店を目指して走った
夕方の5時だと約束していたのに、もう30分も遅れてしまっている
しかも天気予報を裏切って、雨まで降ってきた
「愛ちゃん!ゴメン!遅れちゃって…」
「三代吉…気にしないで、私も今来たところだからさ」
店の前で待っていた愛子は笑ってみせるが、ずいぶんと雨に濡れていた
「とりあえず入ろうよ」
シャッターを開け、店の中に入る
内側から扉を閉めると、いつもの店内が二人だけの空間になる
「まいったな〜、急に降ってきたから傘なんか持ってなくてさ〜、ハハハ」
「うん…」
愛子の表情は固い。三代吉は嫌な予感がした
『まさか今日こそ完全にフラれるのか?もう店にも来ないでなんて言われたら…立ち直れねぇよ…』
薄暗い店の中、沈黙が二人を包む。普段は陽気な三代吉も、何も言葉が浮かんでこない
沈黙を破ったのは愛子だった
「あのね…昨日言ってた“話”っていうのは…」
「うん…」
「三代吉にちゃんと謝らなきゃと思って…」
「…え?」
「私、卑怯で最低だった…。三代吉と付き合えば眞一郎に会えると思って…」
「…」
「三代吉を…利用してしまって…傷つけてしまって…」
感情をコントロールできなくなり、愛子は泣き出してしまう
「ハハハ…そんな昔のことはもういいじゃん。俺は気にしてないし、だから愛ちゃんもさ…」
「三代吉…ゴメンね、本当にゴメン…」
「もういいって。愛ちゃんが謝ってくれて、俺嬉しいよ」
愛子は嗚咽で喋ることができなくなった
三代吉はこんなときどうしていいのかわからずオロオロしてしまう
悩んだあげく、思い切って勇気を出して、おそるおそる頭を撫でる
これが正しい選択なのかはわからない
でも泣いている愛子が目の前にいるのに、何もしないというのは耐えられない
あれからどれくらいの時間が経っただろうか
落ち着きを取り戻した愛子が、涙を拭いた
「もうひとつ、話あるの…」
「何?」
「こんなこと、今さら言うのはズルイと思うけど…………三代吉が好き」
「……!?」
「私、三代吉が好きなの。…今度は嘘じゃない」
「…お、俺も…。ずっとその言葉が聞きたかったんだ…俺、ずっと愛ちゃんしか見えてなかったから」
遠回りもしたけれど、やっと三代吉の真心が届いた瞬間だった
再びの沈黙…しかし先ほどのような重い空気ではない
“照れくささ”から来る、幸せな沈黙だった
「三代吉…寒いね…」
「愛ちゃん、雨の中待っててくれたから…ちょっと待って」
三代吉はポケットの中から、くしゃくしゃのハンカチを取り出し、愛子を拭く
だが愛子は少し不満そうだ
「まだ…寒いなぁ…」
「暖房つけようか?」
「ううん。つけない」
「?」
「寒いなぁ…温めてほしいなぁ…」
やっと三代吉は、愛子の言っている意味を理解する
「…これでいい?」
愛子をギュッと抱き寄せる
「うん♪でも…まだちょっと寒い」
腕にもう少し力を入れてみる
「もう寒くない♪」
心臓の音が聞こえそうな距離。こんなに二人が近づいたことはない
雨に濡れた制服を通して、互いの体温が伝わる
愛子は潤んだ目で三代吉を見上げた
「三代吉…キス…して」
そう言って、静かに目を閉じる
抱きしめあったまま、震える唇を重ね合う
「チュッ……えへへ♪」
「そんなにじーっと見るなよ…恥ずかしいだろ」
「もう一回♪」
「…チュ」
「もう一回…」
「ちゅっ」
「もう一回…」
何度も繰り返しキスをねだる愛子。何回してもまた欲しくなる
好きな人と交わすキスには不思議な力があるのかもしれない
何度目かのキスで、愛子が三代吉の唇に吸い付いた
「んふ…ちゅっ…ちゅる…」
最初は驚いた三代吉も、愛子の意図を理解して、受け入れる
「ちゅ…ちゅるっ…ん……ちゅぱ…」
互いの舌が絡み合い、抱きしめあう腕にも力が入る
痛いほどに二つの体がくっつく
「ん……ちゅ…ちゅぱ……んんっ!?」
愛子を抱きしめていた三代吉の右手が、背中から腰をなぞり
ミニスカートの上からお尻を撫でると、一瞬ビクッと体が強張る
「…嫌?」
「ううん。ビックリしただけ…。もっと触って」
円を描くように愛子のお尻を撫で、やがてスカートの中へ進入していく
「キス、やめないで…」
切ない表情でキスを求めるその目は、溶けてしまいそうなくらいトロンとしていた
「ん…んん…ふぅ…ちゅ……」
深いキスを交わしながらも、三代吉の手は愛子の下半身を這い回る
お尻から、足へ、内ももへ…撫でる場所が変わるたび
予測できない手の動きに愛子が敏感に反応する
そして、その手はついに前からスカートの中に滑りこんだ
ツルツルした生地の上から、指がクレバスに沿って往復する
指の腹で擦るように、爪の先で引っかくように、敏感な部分に刺激を与える
愛子は押し寄せる波を、少しでも声にして逃がそうとするが
キスで塞がれているため、うまく出すことができない
「ん…ちゅっ…ちゅるっ…んん!…はぁ…み、みよき…ひゃん!」
逃げ場を失った快楽は、あっという間に身体中を満たしていく
大きく渦を巻く気持ちよさが、今にもダムを壊してしまいそうだ
膝がカクカクと震えて、足に力が入らない
なんとか立っていられるのは、三代吉に抱かれているおかげだろう
「んん!みよきち…わたし、わたし、変になるっ…壊れちゃ…」
それでも三代吉は指を動きを止めようとはしない
キスを解くと、愛子の耳元で囁いた
「壊れちゃえ…」
囁いた口から伸びた舌が、耳をペロッと舐めた瞬間
愛子の頭の中で強烈な閃光が走った
崩壊したダムから溢れ出た快楽に、心も体も流されていく
「あっ!…ダメ…い、いく…イク!…やだよ…ぃや、イクッ!」
全身がガクガクと痙攣したかと思うと、足から完全に力が抜け倒れそうになる
三代吉が慌てて受け止めるが、へなへなとその場にしゃがみこんでしまった
愛子は、赤く染まった顔や潤んだ瞳を隠すように俯いたまま、乱れきった息を整えた
「はぁはぁ……」
「ハハハ、ごめん。ちょっと調子に乗りすぎたかな」
「三代吉ばっかりズルイよ…私も…」
愛子は三代吉の肩を押すようにして、カウンター席に座らせ、膝立ちになる
「愛子?」
「気持ちよくしてあげる…」
不慣れな手つきでベルトを外し、ペニスを取り出すと、何の躊躇いもなく先端にキスをした
「ちゅ」
「うぅ…」
キスと同時に、三代吉は情けない声を漏らしてしまう
「痛い?」
「大丈夫。そのまま、続けて」
「うん。……ちゅ…ちゅ…ちゅっ」
先端、裏筋、横から…丁寧に一通りキスをすると
今度は先端部分を口に含む。体験したことのない温かさがペニスを包んだ
雨で濡れた愛子のブラウスは透けていて、ピンクに黒い水玉模様のブラジャーが見えている
それが視覚的にも三代吉を興奮させる
「…ん…ん…んんっ…」
少し引いて、さっきより奥まで、少し引いて、さっきより奥まで…
繰り返しながら、ゆっくりと奥のほうまで銜え込んでいく
頭を前後に動かし、口で擦るように刺激を与える
唾液のぬるぬる感も重なって、三代吉はあっという間に絶頂へ導かれた
「愛子…俺、このまま出したい…」
愛子はフェラチオを続けたまま、上目遣いで小さく頷く
「んっ…んっ…んっ…ちゅぽっ…じゅぱっ…」
雨音と、淫らな水音だけが、薄暗い店内に響いている
「ヤバイ…もうイキそう…出るッ…愛子!」
「じゅぼ…じゅぼっ…ちゅぱっ……んんっ!」
柔らかな口の中で、三代吉は溜まったものを思い切り吐き出す
愛子はそれをしっかりと受け止め
全てが出し尽くされたのを確認すると、尿道に残ったものを吸い出しながら口を離した
「ハァハァ……あ、ティッシュ…ちょっと待って」
「ん〜!ん〜!」
ティッシュを取り出そうとする三代吉を、愛子が何か言いたげに制止する
口内のものが零れ落ちないように、顔を上に向けると…
「ゴクッ……コク……ゴクン」
まるでミルクを飲む猫のようだった。喉を鳴らしながら三回に分けて飲み込んで、笑顔を見せる
「もったいないから飲んじゃった♪」
「これ、遅くなりすぎちゃったけど…」
「マジ?俺に?…くぅ〜!ついにやったぞー!」
手提げ袋から取り出した手編みのセーター見て、大はしゃぎする三代吉
「まったく、大げさだなぁ」
その姿を見て、愛子も幸せな気持ちになる
自分を想ってくれる人がいる幸せ、気持ちが通じ合う幸せ
「私、世界一の幸せ者なのかも…」
「ん?何か言ったか?」
「ううん、何でもない!」
―終―
26 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 01:54:48 ID:o1dAdR0T
なんか急に勢いが出てきた
乙
おお、愛ちゃんだあああああああ
29 :
朋与男:2008/05/28(水) 18:13:27 ID:sEsX6yJ9
マルチポストして聞きまくってるやつなんか教えなくていいのに
>>29 教えてくれてありがとうです!しかも朋与男さんになんてなんか光栄です・・or2
この絵がツボってしまってましてねー
>>30 ご、ごめんよ・・・tt系の住んでいるスレがココと朋与スレだけだったのだけど
朋与スレ落ちゃって・・・(´Д⊂
きいたのはココだけなんです・・・
32 :
一日一話:2008/05/28(水) 20:11:35 ID:bfgntMLA
>>29 本当ですね。イメージしていた光景とそっくりで驚きました
もし「比呂美の好奇心」がモチーフに選ばれたのなら、とても嬉しいことです
僕は絵が描けないのでこの絵師さんを含め、絵が描ける人は尊敬します
そして、長編が書ける朋与男さんも本当に尊敬しています。
さて、偉そうに宣言した“一日一話”ですが、厳しくなってまいりました(笑)
ストックが減ってきています
いずれUPできない日が来るかもしれませんがお許しください。
今日は、高岡キャプテンの続編です
ちなみに明日は、比呂美×眞一郎の話です
※この話は「高岡ルミの過去」の続編です
湯浅比呂美がバイク事故を起こした
正確には、事故を起こしたバイクの後ろに乗っていた…と言ったほうが正しいかもしれない
どこから流れたのか、その噂は学校全体に広がっていた
昼休み、女子バスケ部キャプテンの高岡ルミは比呂美の元を訪れる
「比呂美、ちょっといいかな」
「キャプテン…ご迷惑をおかけしました」
「噂は本当なの?まぁ、私たちはいいんだけど…」
「わかってます。バスケ部にはこれ以上迷惑をかけません」
「ごめんね、何もできなくて…」
「そんな…いいんです、これは私の責任だから」
「………待ってるから」
「え?」
「みんな比呂美のことを待ってるからね。比呂美がいないオフェンスは頼りないからさ」
ルミは笑って比呂美を励ます
最近、比呂美の様子がおかしいことには気づいていた
そして何もできなかった無力な自分にも責任があるとルミは感じていた
「ありがとうございます…」
比呂美は仲間の温かさに触れ、目を潤ませた
放課後の体育館、黒部朋与が高岡ルミに詰め寄っている
「高岡キャプテン!どうして比呂美を帰したんですか?」
「比呂美だって昨日の今日なのに、いつも通り練習できるわけないじゃん」
「そんな!もしこのまま退部するようなことになったら!!」
「朋与、あんたも今日は帰っていいよ」
「えっ?」
「比呂美のそばにいてあげな。一番仲がイイのはあんたでしょ?」
「…はい!ありがとうございます!」
「おらおら〜!もっとパス回し早く!」
「ボールを取ったら味方を見て!もっと声をかけあおう!」
ルミは大きな声で部員たちに指示を出す
「高岡も随分とキャプテンらしくなってきたなぁ」
気がつくと後ろにあの男が立っていた
ルミの純潔を奪った体育教師。その卑猥な視線は、恐怖心でルミを金縛りにする
「…何の用ですか?」
「お前のとこの一年生エースがやっちまったらしいじゃないか」
「その件については、まだ詳しいことはわかっていません」
「バイク事故かぁ〜、湯浅個人は停学だろうが、バスケ部はどうなるのかねぇ」
「…どういう意味ですか」
男の言葉が何を意味するのか、ルミは既にわかっていた
この汗臭い野球部の部室に連れこられたときから…
「グッ…ウグッ…んんッ…んぐっ…んんん…」
ソックスとバスケットシューズだけを残して
生まれたままの姿にされたルミは、男の前で跪かされ
怒張した男根を小さな口にねじ込まれていた
「ンンン〜!!う…んんっ…んっ…んっ…」
口の中いっぱいに広がる悪臭、無理やり犯される屈辱
なんとか口から吐き出そうと抵抗してみるが
後頭部を押さえられ、逃げることは許されなかった
男は快楽のまま、もっと奥へ、もっと激しく突き入れる
喉を突かれ、嘔吐感を催して胸が苦しくなる。ルミの目からは大粒の涙がこぼれた
「高岡、そろそろ…だ、出すぞ!」
喉の奥まで入ったまま、それは何度も跳ね上がった
大きく脈を打つたびに、ドロッとした精液が気管に入りそうになる
やっと解放されたルミは、苦しそうに咳き込みながら、出されたものを床へ吐き出した
「ゲホッ!ゴホゴホッ!ゲホ!…ハァハァハァ…ケホッ…」
涙を拭いながら、息を整える
『苦しかった。だけどもう終わったんだ…』
やっと苦痛から解放されると思ったのも束の間、服を着ようとするルミの腕を男が掴む
「まだ終わりじゃないぞ。立て!」
男は乱暴に腕を引っ張って立たせると、壁に手をつけさせ
腰を掴んで臀部を引き寄せる。陵辱はまだ終わってなかったのだ
先ほど射精したばかりの男根は、再び天を向いている
中年男のどこにこんな精力があるのだろうか…
「しっかり立て、背中を落として、尻を突き出せ」
ルミが命じられた通りの体勢を取ると、男は後ろからねじ込んだ
男子の汗の匂いが充満する野球部の部室で、後ろから犯される少女
少女の泣き声に似た喘ぎと、男の荒い息遣い、そして“パンパン”と肉がぶつかる音が響く
「もう…やめて、ください…わ、わたし…あ…」
「最初はキツいだけだったが、だいぶ馴染んできたな。どうだ?高岡も気持ちいいだろう?ん?」
腰を叩きつけながら、男が聞く
もちろん気持ちよくなどない。ただ苦痛なだけ。ただ早く終わってほしいだけ…
しかし中を擦られるたびに、身体の奥がジンジンと熱くなるのは何故だろう
これは気持ちよさではないと強く否定しながらも、身体はそれを否定できずにいた
「んっ…ヤッ…あっ…あっあっ…あん…」
「このまま中に出すぞ!」
腰の動きと共に、リズムも速くなっていく。何度か力強く腰を打ちつけ、男は果てた
「嫌っ…やだ…イヤッ……わ、わた、し…もう…いっ…ああぁ〜!」
あれから一週間、比呂美の停学処分も解けて、バスケ部はまた全員での練習を再開した
停学の間に何かあったのだろうか、比呂美の表情はとても明るく
心配していたルミや朋与は胸をなでおろした
練習後、更衣室で着替えながら部員たちが恋愛話で盛り上がる
「えぇ〜!アンタ彼氏できたの?相手は誰?」
「えへへ〜、男子バスケ部の一年生」
「マジ?年下じゃん!」
興味なさそうに、黙々と着替えるルミに朋与が声をかけた
「キャプテンは彼氏いないんですか?」
「そういえば、ルミの恋バナって聞いたことないよね」
「コワイから誰も近寄らないのかも(笑)」
「聞かせてくださいよ、キャプテン」
皆の言葉に悪気などない、だが心が押し潰されそうに辛かった
ヨ ゴ レ タ ワ タ シ ハ レ ン ア イ ナ ン テ デ キ ナ イ
「…私の彼氏?バスケに決まってんじゃん!」
―終―
体育館で朋与と高岡キャプテンが言い争う(?)シーンは原作にありましたよね
セリフが違うと思いますが、勘弁してください
>>32 乙です。
高岡キャプテンいじめますね〜。
>>いずれUPできない日が来るかもしれませんがお許しください。
毎日新作が読めるのは嬉しいのですが、正直言ってそっちの方がが残念です。
ので、もっとゆっくりしてもいいのですよ。
>>32 乙です。
高岡ルミの受難シリーズですな
このまま他の部員も巻き込みかねない勢い、果たして高岡キャプテンのラブラブHは来るのか?
ってコメント入れたいねですねwオイ
次は比呂美×眞一郎がクル━━━━(゚∀゚)━━━━!
けど
>>36さんが言ってるようにマイペースでもいいですよ。
>>19です、自分に文才が無いのを思い知らされました
眞一郎はチキンというかドライなのか、空気読める子どちらにするか悩んでます
比呂美の部屋ってベッド・・・・だったっけ?
>>38 空気を読もうとして読み切れない子かな。
>>39 仲上家でですか。
布団だと思います。
アパートは、ロフトで布団です。
書きたいことに表現力がおいつかないorz
書いている文だけでも投下しますか?
ジリリリリリリリリ
聞き慣れない目覚ましのベルで眞一郎は目覚めた。
「ここはどこだ?」
見上げた天井は記憶に無い場所…
そして、軽快に朝餉を用意する音が聞こえてくる
「おはよう。眞一郎君♪」
比呂美の声、そして何も来ていない自分
シーツに残されている確かな印
『『あれは夢じゃなかったんだ』』
昨晩の出来事が思い出されてくる
竹林での抱擁、告白、そして…
冷めていたシチューを暖め、夕食を取った後
2人は何を語るのでもなく肩を寄せ合っていた
ただそれだけの事なのに、比呂美の心は温かさに満たされてた
しかし、それを打ち壊すかのように
「そろそろ、帰るよ」
「え・・・・?」
「遅くなったら母さん心配するし、比呂美にも悪いからさ」
てきぱきと身支度を整え帰る準備をする眞一郎
それを比呂美はあっけに取られて眺めていた
「それじゃ、また来るよ」
比呂美の部屋を出ようとする眞一郎
不意に袖を引かれ、振り返ると
捨てられた猫のような顔をした比呂美が袖を掴んでいた
「行かないで、お願い」
「でも・・・」
言い澱んでいるうちに比呂美が眞一郎に抱きつく
急接近する2人の距離、顔、唇
眞一郎が動けないまま
比呂美の瞼が閉じ、そして自然と合わさる唇
「ん・・・・・」
最初は触れるように、そして徐々に熱く
なめらかで生暖かい舌が絡みあい、
息が続かなくなりお互いが距離を取った時にはもう口の周りは唾液でべとべとになっていた
眞一郎の手を取り自分の胸に押し当てる比呂美
『思ったよりもずっと大きい、そして柔らかい』
「こんなにどきどきしてるの」
比呂美の鼓動が眞一郎に伝わってくる、物凄く早い
自然と再度のキス、さっきよりも激しくそして熱く
胸に押し当てられた眞一郎の手がおそるおそる比呂美の胸をまさぐる
最初はビクっとしたもののされるがままになっていく
どんどん息が荒くなっていく2人、
眞一郎の手は止まらず動きが激しくなり、比呂美の胸を揉みしだく
服の上からでさえわかるぐらい硬くなっている比呂美の乳首を探し当てると
執拗に触り始めた
「あ・・・・はぁ・・・・ん・・・・・」
比呂美の顔が紅潮し、腰が砕けて唇が離れると
眞一郎ももう止まらなくなっていた
「比呂美・・・いいのか?」
もう声が出なくなっている比呂美は息が荒いまま黙って頷いた
腰が砕けても、そのまましがみついている比呂美をお姫様だっこでロフトの布団へ連れて行く
『軽いな』眞一郎はそう思った
ベッドに比呂美を横たえ、服のボタンを外すと
想像以上にふくよかな、そして形のいい胸が目に入ってくる
初めて間近で見る比呂美の素肌
質素ではあるが品のいいブラジャー
「恥ずかしいから見つめないで・・・・」
言われて思わず視線を外した眞一郎を下から比呂美が抱きしめ
今度は最初から舌を絡ませるキスをする
眞一郎の手は比呂美を胸をまさぐり、ブラジャーの中に手が差し込まれる
痛いくらい自己主張し硬くなっている乳首を撫でたり摘んだりする度に
比呂美の体がビクっと反応する
『これ、どうやって外せばいいんだ・・・・・・??』
そうしている内に邪魔になってきたブラジャーを外そうとして
眞一郎が手間取っているのに気付いた比呂美が体を浮かせ
フックだけを自分で外す
息継ぎするように唇が離れる
眞一郎は比呂美をそのまま脱がせようとするが拒まれる
「お風呂に入りたい・・・・」
「そんなこと構わない」
「汚いよ、シャワーだけでも」
「そのままの比呂美がいいんだ」
「自分で脱ぐから向こう向いてて」
黙って頷き、反対側を向く眞一郎
まだ半分も書けていないかもしれないですが、一端ここまで
反応が無い不安が・・・・続き書いていますが
こんな感じでいいんですか?
いいよいいよー
平日の昼間だからこんなもんだよ
どんどん尺が長くなるw
今日中に仕上げきれないかも
自分も服を着たままだということに気付き、乱雑に服を脱ぎ捨てる
これからの期待にパンパンに膨らんだ陰茎を覆うパンツだけは
さすがに脱ぐのが躊躇われ、悩んでいると後ろから
暖かい二つの大きな塊が押し付けられた
「どうしたの?」
「え、いや・・・・」
口篭る眞一郎と、その理由に気付いた比呂美は
顔が真っ赤になるが
「もうこっち向いてもいいよ」
と言い、眞一郎を振り返らせる
「綺麗だ・・・」
思わず感想が口に出てしまう
白い透き通る肌、大きいが形のいい乳房、
その頂上で小さいながらも硬くなっている乳首
くびれた腰、翳りの薄い陰毛、すらっとした足
吸い込まれるように眞一郎は比呂美をベッドを押し倒し
先ほどの続きを始める
間近で見る乳首は乳輪が小さく、ほんのりとピンク色をしている
たわわに実ったに乳房に手を添えて、壊れ物を触るかのように
揉み始めると比呂美が押し殺したように声を出し始めた
その声に興奮した眞一郎は徐々に激しく乳房を愛撫する
痛々しいほどに硬くなった乳首を誘われるように口に含み吸い上げると
眞一郎を想いながら自分を慰めていた時とは比べ物にならない快感が比呂美を軽い絶頂へと導いた
体が跳ね上がり、クタっとなった比呂美を更に責める眞一郎
乳首を口でもてあそびながら、眞一郎の手は徐々に下半身へ撫でるように下りていく
やがて、洪水のようにびしゃびしゃになった膣口を探し当てると
溢れ出た愛液を掬い上げ、小さいながらも勃起しているクリトリスを撫で上げた
「!!!!!!!」
体を駆け抜ける快感に比呂美は声にならない叫びを上げる
快感に悶える間、いつのまにか眞一郎の顔は比呂美の股間を捕らえていた
「いや・・・恥ずかしいから見ないで・・・」
「綺麗だよ比呂美、それにすごく濡れてる」
「いや・・・」
見られていても愛液はどんどん沸いて来て、お尻のほうにまでしたたり始めていた
『どんな味がするんだろう』
チュプッ・・・眞一郎は興味を抑えきれず膣口へ口を付ける
「だめ!汚い!お風呂にも入ってないのに」
少しアンモニアぽい臭いはしたが気になるほどではない
それよりも女としての匂いに眞一郎は酔っていた
「全然汚くなんか無いよ」
そういいつつ若干酸味のある愛液を吸い上げ、舌を膣口へ差し込む
「だめっていってるのに・・・・あ・・・」
責められるほど比呂美の抵抗は弱弱しくなりやがて止まってしまう
『ここを吸ったらどうなるんだろう』
眞一郎の興味はやがてクリトリスへと移っていく
チュッと吸い上げると比呂美の体が一段と強く跳ね上がった
息も絶え絶えに
「そこはダメ・・・やめて・・・・おかしくなっちゃう・・・・」
しかし、眞一郎は無言でクリトリスをなぶり続る
そして軽く歯先で挟んだ瞬間、比呂美の頭の中が一瞬真っ白になり絶頂を向えてしまう
比呂美は泣きそうな声で
「やめてってお願いしたのに・・・・」
「気持よくなかった・・・?」
「そんなことないけど・・・・いじわる」
平静を装ってはいたが眞一郎も限界だった
カウパーでパンツの前がびしゃびしゃになっている
「比呂美、そろそろいいか・・・?」
「うん・・・・・」
しかし、ここで重大なミスに気が付く
アレが無いのだ、スキンが
「比呂美ごめん・・・・・用意してくるのを忘れた」
「眞一郎君、今日はそのままでいいよ」
「でも、出来ちゃったらまずいよ」
「大丈夫、今日は安全な日だから。それに今日だけはそのままを感じたいの、ね?」
「わかった」
そして、最後の一枚を脱ぎ捨てた眞一郎の陰茎を見て比呂美に不安が走る
『あんなに大きなものが本当に入るの・・・・?』
しかし、今更引き下がれない。引き下がるわけには行かない
今日の機会を逃す事の方が怖くなり覚悟を決める
「いくよ・・・」
来る・・・と、思ったがなかなか入ってこない
クリトリスの辺りに当たるもののそのままずり上がってしまっている
段々あせってきているのがわかる、眞一郎の不安そうな顔に余裕がなくなっているのが感じられた
『お互い初めてだから仕方ないよね』
逆に比呂美には余裕が生まれてきていた、一生懸命な眞一郎がかわいく見えてきのだ
「もう少し下、そうもう少しだけ下に。落ち着いて、私は逃げないから」
目と目が合う、比呂美が上体を起こして眞一郎に軽くキスする
「頑張ってね、未来の旦那様♪」
眞一郎から焦りの表情が消え再度陰茎をあてがう
膣口に軽く亀頭が入ってくるのが分かる
「そう、そのまま」
入ってくる!そう思った瞬間、ドクッドクッと精液が溢れた
「あ・・・・・」
眞一郎の情けない声、意気消沈した顔
「比呂美ごめん・・・・出ちゃった」
何故だかとても眞一郎の顔がいとおしく見え、
比呂美は下から眞一郎の体をぎゅっと抱きしめた
その弾みでヌルっと陰茎が入って比呂美の体が強張った
痺れるような痛み、しかし精液が潤滑液になったせいかそれほど痛くは無い
「大丈夫、ちゃんと入ったよ」
「でも・・・・」
比呂美は眞一郎の首に手を回し、何か言いたそうな眞一郎の口をキスで塞ぐ
ピチャピチャと舌を絡ませるうちに一度は柔らかくなりかけた陰茎は硬さを取り戻す
「眞一郎君、好き」
この魔法の呪文で眞一郎は奮い立った
「でも、もう少しだけこのままで抱きしめて。眞一郎を感じたいの」
比呂美の膣内は熱く、包み込むように眞一郎の陰茎を締め付けた
自慰なんて比較にならない、このままずっと入れていたいくらい気持がいい
「比呂美・・・・気持ちよすぎる、また出ちゃいそうだ」
「いくらでも出していいよ。私はあなただけのものだから」
そろりそろりと抜いて、挿入する。奥がザラザラとして時々キュッと締まる
「比呂美大丈夫か?痛いのじゃないのか?」
「大丈夫、私も気持いいから気にしないで」
段々出し入れするスピードが上がってくる中
痛みとは別な感覚が生まれてきているのを比呂美は自覚した
「私・・・初めてなのに・・・こんなの・・・・」
「んんっ・・・はぁっ・・・あっ・・・ああっ・・・ああああ!!」
さっきと同じ頭の中が真っ白になる感覚の中
子宮口に熱いものが注ぎ込まれ、満たされるような絶頂が比呂美を包みこんだ
結局この後、2人は繋がったままもう2回交わり
疲れ果てて寝てしまう
「おはよう。眞一郎君♪」
「おはよう・・・比呂美・・・・!?」
朝餉を用意している比呂美を見て眞一郎は愕然とする
「比呂美・・・・エプロンの下くらい何かつけてくれよ・・・・」
「ごめん、まだ少しヒリヒリしてるの♪」
文才があれば途中お風呂場シーンも入れたかったのですが
限界なので、最後こんな感じで仕上げてみました
処女作で処女を散らすとはこれいかに・・・・とか言ってる場合じゃないですね^^;
読み返すと視点が走り幅跳びしててわけわかめですね
エロイよあんたw
次の激しいお風呂場Hに期待!
>>54 乙
処女作ですか。すばらしいエロでした。
次回作も期待しちゃいます。
>>36-37 ありがとうございます
今後もマイペースで、できる限り続けていきたいと思います
皆さんがつけてくれるレスが何よりの励みです
まとめwikiの管理人様、いつもありがとうございます
この場を借りてお礼を言わせていただきます
それでは昨日の予告通り、今日は比呂美×眞一郎の話です
※比呂美と眞一郎が恋人になって数週間。初体験より前という設定です
眞一郎は大きな買い物袋を左手に持ち替えると、ポケットから合鍵を取り出した
カチャカチャ…ガチャン
玄関を開けると、二組の靴が並んでいた。一足は比呂美の靴、もう一足は…
「おっ、やっとカレシ様が来たか。それじゃ邪魔者は失礼するわね」
「ありがとう、朋与」
すれ違い様、朋与が声をかける
「まだ熱があるんだから、襲ったりしちゃダメよ(笑」
「…!!」
眞一郎は何か言い返そうとするが、うまく言葉が出てこなかった
比呂美はロフトではなく、カーペットに布団を敷いて寝ていた
頭がクラクラして、昇り降りするのが辛いのだろう
「やぁ…具合はどう?」
「午前中に病院へ行ってきた。おばさんがタクシー呼んでくれて、付き添ってくれたの」
「そうか…」
「やっぱり風邪なんだって。点滴してもらって、熱も下がったから大丈夫」
「治るまでは無理するなよ。…そうそう、スーパーで色々買ってきたんだ」
「ありがとう、眞一郎君」
袋の中からは、スポーツドリンク、フルーツゼリー、りんご、レトルトのお粥に、カップうどん
次々と色々なものが出てくる
比呂美のことを考えながら、あれもこれもと買い物カゴに入れていったので
財布の中は随分と寂しくなってしまった
「…何か食べたいものあるか?」
「りんごが食べたいな」
「よし、ちょっと待ってて」
眞一郎は包丁を片手に台所に立つと、馴れた手つきでりんごを切った
高校生の男子にしてはかなり器用な方だろう
ウサギの形をしたりんごが、皿の上に並べられていく
「お待たせ」
「ウサちゃんだ、可愛い♪」
比呂美の笑顔を見ることができて、眞一郎も満足そうだ
だが、比呂美はなぜか食べようとしない
「眞一郎君、わがまま言ってもいい?」
「何?気分悪いのか?」
「ううん。…あのね……食べさせてほしいの」
眞一郎は動揺した
いくら恋人同士になったとはいえ、付き合い始めてからはまだ日が浅く
こんなに甘えてくる比呂美は初めてなのだ
「し、仕方ないなぁ…はい…」
小さなフォークでりんごを刺して、比呂美の口元へもっていく
しかし比呂美はプイッと顔を向こう側へそらしてしまった
「口移しで食べさせて……」
「!?」
「……噛み潰してから…」
「!!!」
フォークからウサギが飛び跳ねた
『本当にいいのか…こんなことして…』
「しゃくしゃくしゃく…」
眞一郎は比呂美の枕元で、正座をしながらりんごを食べている
食べるといっても口の中でつぶすだけで、飲み込んではいけない
比呂美は相変わらず向こう側を向いていて、赤くなった耳だけが見えた
りんごを口に含んでいるせいで、喋ることはできない
咀嚼の音がしなくなったことに気づいた比呂美は、
眞一郎のほうに顔を向け、目を閉じてから、小さく口を開いた
キスを通して、ゆっくりとりんごを比呂美の口の中へ流し込む
「んっ…」
長いキス。舌を使って少しずつ渡されるりんご、それを受け取り、味わってから飲み込む
汗をかいて渇いた体に、りんごの甘さと愛情が染み込んでいく感じがした
「…うっ…ん……んー……ちゅっ」
ようやく一切れ分を食べ終える
照れている眞一郎とは対照的に、比呂美は満足そうな表情だ
「眞一郎君、もっと食べたい♪」
結局、比呂美はりんご一個分を全部食べてしまった
比呂美を直視できない眞一郎はふらふらと視線を泳がせる
その目に入ってきたのは、テーブルに置かれた雑誌だった
高校生の読者をメインとしたファッション雑誌、それを何気なくパラパラと眺めてみる
【特集:カレシを落とす20の法則☆】
【聞かせて!みんなの初エッチ】
思わずそのページで目が止まる
『比呂美もこういうの読むんだな…』
「眞一郎君…」
「な、何!?」
慌てて雑誌を閉じる
「汗で体がベトベトするから、着替えたい…」
「ごめん、すぐ外に出るから」
立ち上がろうとする眞一郎の手を掴む比呂美、その力は意外なほど強い
「眞一郎君が着替えさせて…」
「そ、それはさすがに…ちょっと」
「…私たち付き合ってるんだよね?」
「そうだけど…」
「だったら着替えを手伝うくらい、いいよね?」
「…」
「お願い」
「…わかった。手伝うだけな」
「ありがとう。そこのタンスの三段目に学校のジャージが入ってるの」
「……あった」
「あと一番上の小さな引き出しに…下着も入ってるから」
「…あ、あぁ」
言われた通り、一番上の小さな引き出しを開けると
中には小さく畳まれたカラフルなショーツが並べられていた
そんなものを見せられて、健全な男子が何も思わないはずがない
『変なこと考えるな、俺!あくまで着替えを手伝うだけなんだから!』
「…どれ?」
「どれでもいいよ。眞一郎君の好きなやつでいいから」
好きなやつ…と言われても、広げなければ形がわからない
たくさん並べられた丸い布の中から一枚を選べと言われても
何を基準にすればいいのか、眞一郎は困ってしまう
『あんまり派手なのを選んだら、スケベな奴だと思われかねない…
これはどうだ?あ、これは前に見たことあるぞ』
「眞一郎君?」
「は、はい!」
比呂美の声に驚いて、慌てて手前にあった青と白の縞々のショーツを手に取り、引き出しを閉めた
掛け布団を取って、パジャマのボタンを上から順番に外していく
三つ目のボタンを外したとき、比呂美の白い乳房が露になる
「ブラ、してないんだ…」
「寝るときはしない子のほうが多いのよ」
「そうなのか…」
「眞一郎君のエッチ」
「…ごめん」
眞一郎は、上着を脱がせると用意したお湯にタオルを浸し、固く絞って比呂美に渡す
「眞一郎君が拭いて…」
背中から順番に体を拭いていく、前を拭くときは乳首に当てないように慎重に…
『手伝うだけって言ったのに、全部俺がやってるような気が…』
上半身をきれいにすると、体操服を着せる
いつも学校で着ているものだが、今は乳首が浮き出ていて艶かしい
「じゃあ俺、出とくから…」
再び部屋を出ようとする眞一郎、しかし比呂美が腕を掴んで逃がさない
「眞一郎君、まだ終わりじゃないでしょ…?」
パジャマのズボンに手をかけると、比呂美は脱がせやすいように腰を上げた
汗でぐっしょりと湿ったショーツも脱がせる
初めて見せる、比呂美の裸の下半身
綺麗に整えられた黒々としたヘアや、局部までもが丸見えになっている
積極的だった比呂美だが、眞一郎の視線を感じて手で隠してしまう
「じゃあ拭くから…」
「うん…」
太ももから爪先まで、丁寧に拭いていく
あまりに丁寧すぎて、比呂美はくすぐったさを感じてしまう
「ひゃ…」
「ごめん」
「ううん。ちょっとくすぐったい(笑」
どこまで拭こうかと迷ったが、結局大事な部分にタオルを当てることはなかった
「…腰、上げて」
新しいショーツを足首に通して穿かせる
「これ、眞一郎君が着替えを覗いたときのやつだね」
「あれは覗いたわけじゃないってば…」
「ふふふ」
まるで子供のように着替えさせてもらう比呂美
普段は真面目な優等生を、ここまで積極的にしたものはなんだろうか
『眞一郎君ってお行儀いいんだね……』
「おはよう、朋与」
「比呂美!もう風邪は治ったの?」
「うん、もう大丈夫。今日からバスケ部の練習にも行くから」
比呂美は眞一郎の机をチラッと見る。そこに眞一郎の姿はない
「仲上君なら今日は休みらしいよ」
「え?」
「風邪ひいちゃったんだってさ」
―終―
なんだろう、凄くエロくて素晴らしいんだけど
爆笑が止まらないwww
おいどうしたんだ、ここ2,3日神が光臨しているぞ
乙です
比呂美と眞一郎話が二話も来るとは
見知らぬ天井はこれが初SSなんですか?
いいじゃないですか
どんどん書いちゃってください
一日一話さん
あなたの引出しの多さにビックリ
陵辱を書きつつもホノボノHも書けるとは
羨ましい
>>60 GJ
ご馳走様でした。
でもマイペースで。
一日一話神引き出し多いな
69 :
19:2008/05/30(金) 10:47:58 ID:E4VyXl9z
色々とありがとうございます
いつのまにかまとめにまで…非常に恐縮です
>>66 本当に初SSです
小説はかなり幅広く読んでいますが
表現力が追いついてきません
次はお風呂場かなーと思っていますが
今回全部吐き出してしまった感があり
充電がかなり必要かもしれないです
※この話は「高岡ルミの過去」「高岡ルミの現在」の完結編です
【注意】
・身体障害の話が出てきます。不快に感じる方は読まないようにお願いします
・エロはありません
・オリジナルキャラが登場します
私はあの体育教師の子を妊娠してしまった
両親にも知られ、父が学校に怒鳴り込んだ
あの男は逮捕され、私は堕胎した
その噂は比呂美のときと同様、すぐに学校中に広まった
もう私を苦しめるあの男はいない。だけど学校に居場所はない
皆は私を“レイプされて妊娠した哀れな奴”として見ている
バスケ部の皆もどこか余所余所しくなって、部活にも行かなくなった
両親の強い希望もあり、私はあと一週間で転校する。家も引っ越すことになった
遠く離れた母の故郷に移り住むことにしたのだ
あれから私はあまり授業に出なくなり、保健室にいることが多くなった
そして今はほとんど学校にすら行っていない
今日も学校をサボって、公園のバスケットゴールを相手に延々とフリースローを投げ続けている
どれくらいシュートを放っただろうか、疲れた私はベンチに座って、楽しかった日々を思い出していた
「隣、座ってもいいか?」
そいつは私が答える前にベンチに座った
「こんなところにいたんだ」
「…誰?」
「同じクラスの二塚。…覚えてない?」
私服なのでわからなかったが、そいつは同じクラスの【二塚海斗(ふたつか かいと)】だった
二塚君とは同じクラスだが、あまり話したことはない
背が高くて、長い黒髪に、眼鏡をかけてて、同級生からはオタク系、下級生からはコワイ人だと思われている
前髪で顔が半分くらい隠れていて表情もわからない。男子としては私のタイプではない
「覚えてるよ。文化祭のライブで酷い演奏してたもんね」
「…アハハ」
彼が所属する軽音楽部は、文化祭で体育館ライブをやったのだが
二塚君のバンドは酷いボーカルと演奏で、会場から一斉にブーイングを浴びて退場したのだ
「高岡さん、転校するってマジ?」
「マジ」
「いつ?」
「一週間後」
二塚君がどうしてそんなことを聞いてくるのだろう
私は疑問に思ったが、その答えはすぐにわかった
「俺、面倒臭いことキライだし、もう時間がないから単刀直入に言うけど
高岡さんのことが好きなんだ。俺と付き合ってください」
何を言っているのか、すぐには理解できなかった
これまでドラマやマンガでは、たくさんの“告白”シーンを見てきたけど
まさか自分がその当事者になるなんて思ってもみなかった
だって私は…
「…やっぱダメ?」
「………」
「高岡さん?」
「……え?」
「返事、聞かせてくれると嬉しいんだけど…」
答えることができない
なんとかこの場を誤魔化そうと私は提案する
「えっと…じゃあ、フリースローが入ったら…」
「入ったら、返事を聞かせてくれるんだな?」
「…うん」
「よーし!」
二塚君は腕まくりをして、ボールに念じるような仕草を見せる
そして彼は、まるでサッカーのスローインのようにボールを投げた
バスケは素人なのだろう。リングの手前で失速して、そのままかすることなくシュートは外れた
転がったボールを拾って、私はその場を去る
「もう一回、明日もう一回だけチャンスをくれ!」
後ろで二塚君の声がしたが、聞こえないフリをした
家に帰っても、二塚君の言葉がずっと頭に残っていた
初めての告白だったから…思い出すだけで顔が熱くなる
こんな私のどこがいいのだろう
男みたいな私の…汚れている私の…一体どこが…
なんとなくインターネットの検索サイトに彼の名前を入力してみる
「二塚海斗」…検索結果8件
どうせ何も出てこないだろうと思っていたので驚いた
同姓同名かもしれない、早速クリックしてみる
【富山の天才少年 二塚海斗君 全国大会準優勝】
第**回全国テニス大会、中学生男子の部で、富山県代表の二塚海斗(14)が準優勝に輝いた
7歳からテニススクールに通っていた二塚君は、現在のコーチにその才能を見出され……
数年前のニュース記事だった
銀メダルを手に笑っている少年の画像もある
「これが二塚君…こんな顔してるんだ」
今のイメージとは全然違って、短髪のさわやかなスポーツマンだ
私はドキドキしている自分に気づいてしまった
次の日、私は昨日と同じ時間に公園にいた
二塚君に会いたかった。会って聞かなければならないことがある
彼は私が来るよりも先に、フリースローの練習をしていた
その手には古いバスケットボール
「そのボールどうしたの?」
「家の納屋にあったんだ。母ちゃんが昔バスケ部だったらしくて、シュートのコツも教えてもらった」
そう言って彼が放ったシュートは、リングに弾かれる
「アハハ…これでも五、六回に一回は入るようになったんだぜ」
「それからずっと練習してたわけ?」
「まぁね」
「…どうして?」
「高岡さんの返事が聞きたいから」
二塚君はベンチに座ってスポーツドリンクを飲んでいる
その隣に私も距離を置いて座った
「どうしてそんなに返事が聞きたいの?」
「…高岡さんが好きだからに決まってんじゃん」
「私ね、汚れてるんだよ…二塚君も知ってるでしょ、先生に…」
彼が私の言葉をさえぎる
「知ってる。でも俺の気持ちには関係ない」
「……私なんかの、どこがいいの?」
彼は私の近くに座りなおしてこっちを向いた
眼鏡を外してこっちを見ている、顔が近い…
「な、何?」
「見て」
彼は長い前髪をかきあげた
昨日パソコンで見た画像と同じ顔だ、だけど違うところが一つある
彼の片目は光を失い、暗く濁っていた
「その眼…」
「ビックリしただろ?中三のときに事故で見えなくなったんだ
俺、それまでは夢中になってたことがあったんだけどさ…」
「テニスのこと?」
「もう知ってるのか。インターネット?」
「うん…」
「片目だと遠近感がうまく掴めなくてさ、選手としてはダメになって自暴自棄になった
麦端高校に入ったけど、目標もなかったから退学も考えた
そんなとき高岡さんがゼロからバスケ部を作ったって聞いて…
強豪の蛍川相手でも怯まずに戦う姿を見てカッコイイなぁって思った
俺、一年のときからずっと、逆境でも諦めずに頑張れる高岡さんに憧れてたんだ」
「………」
「俺は高岡さんが汚れてるなんてこれっぽっちも思ってない」
「………ありがとう」
私は嬉しくて泣いていた
彼がボールを持って立ち上がる
「入ったら聞かせてくれよな、返事」
二回、三回とボールをバウンドさせる
昨日と同じ、ボールに念じるような仕草
「入れ!」
その声と共にシュートは放たれる
『入れ!』私も心の中で強く願っていた
バンッ!ガッ、ガッ…
ボールはバックボードに当たったあと、二度リングの淵に当たってこぼれ落ちた
彼は悔しそうに俯いている
『二塚君の気持ちに答えたい』
私は立ち上がってボールを拾い、彼の目を見て言った
「私がフリースローを決めたら、私の返事を聞いてほしい」
―後編へ続く―
74 :
朋与男:2008/05/30(金) 23:20:56 ID:syYNiYZx
一日一話さん、今日も乙でございます
高岡キャプテンに幸あれ! っていうか比呂美&朋与、助けてやらんかい!!
とにかく後編を楽しみに待ってます
で、ここでまた空気を読まずに「ある日の比呂美37〜41」を投下したいのですが…
スミマセン、「見知らぬ天井」と内容がおもいっきり被ってしまいました
作者の方、本当に申し訳ありません
42以降の展開も、ほとんど同じになりそうなのですが、ラストまでの筋道は決めているので、変更できませんでした
ご不快かとは思いますが、何卒ご容赦ください
(危ないところだった)
比呂美が行為を中断してくれなかったら…… その先を考えるとゾッとする。
どこまで堪え性が無いんだ、と自分を内心で罵倒しつつ、眞一郎は比呂美を刺激することに意識を集中させた。
比呂美から見て右側に身体を横臥させ、指の腹で陶磁器のような肌の感触を味わう。
「……ん……んん……」
瞼を硬く閉じたまま、右へ左へと顔を動かして身悶える比呂美を観察する。
鎖骨や腰骨のような『飛び出た部分』に触れると、彼女の身体は強く反応するようだ。
逆に腰より下、まだショーツに覆われている局部に刺激が近づくと、恥ずかしさからか理性が回復するらしい。
太腿の前面から内側に手をスライドさせると、比呂美はパチッと眼を開き、自分を見つめてくる。
怒っているとも懇願しているとも取れる眼差し……
眞一郎はそれを、「順番が違うでしょ」という意味だと解釈した。
右手の位置をゆっくりと上半身に戻し、まだブラに包まれたままの乳房に狙いを定める。
眞一郎の指は腰からわき腹を通り、浮き出た肋骨を弾きながら下乳に達した。
乳房を形作るラインを中指でスッとなぞってから、ブラの上に覆い被せるように手の平を置く。
二日前の失敗を繰り返さないように慎重に加圧していくと、比呂美の喉が「んんっ」という快楽の音を鳴らした。
(……)
比呂美の艶かしい反応と、乳房が返してくる反発力、そしてその量感……
ゴクリと大きな音を立てて飲み下さねばならないほどの大量の唾液が、舌下からこんこんと湧き出す。
(……ひ…比呂美……)
野獣になれたら、どんなに楽だろう…… 刹那、そんなことを考える。
邪魔な布切れを剥ぎ取り、乱暴に美肉を貪って、突き入れ、そして吐き出す……
…………
(するもんか、そんなこと。絶対にしない!)
相手の気持ちを無視した交わりに、一体どんな意味があるというのか。
動物的な欲望を満たしたいのなら、自慰でもすればいい。
…………比呂美に『したいこと』……『してやりたいこと』は、そんなんじゃない…………
フーッと大きく息を吐き、邪悪な妄想を振り払ってから、眞一郎は再び右手の触覚に意識を向ける。
全体を軽く揉み込んでいくと、球体の中心に硬い物が生まれる感触が、ブラの厚い布越しに伝わってきた。
何だ?と思い、視線を比呂美の目に向けると、彼女はそれを受け止めず、プイと横を向いてしまう。
(…………あぁ、そうか)
手の平を押してくるコリッとしたモノの正体に、眞一郎は気がつく。
そして、『出っ張り』が弱点なら『ここ』はどうなのだ?という疑問が頭の中に浮かんできた。
ブラの上からなら少し強くしてもいいだろう、と思い立ち、中指の爪でピンッと弾くように刺激を加えてみる。
「くッッ!」
電気ショックでも浴びたかのように、比呂美は軽い叫びと共に、首を仰け反らせた。
左手でシーツをギュッと掴み、眞一郎の身体を抱えるようにしていた右手は、その背中に爪を食い込ませる。
「…………」
背面の皮膚にチクリとした痛撃を感じながら、眞一郎は思った。比呂美は感じやすい体質なのではないかと。
痙攣、とまではいかないまでも、身体全体を小刻みにくねらせている比呂美の痴態。
その姿が、眞一郎に次なる疑問を呼び起こす。
…………直接触ったら……どうなる?…………
思いついたら、もう止められない。……それに…………比呂美の胸を……見たい……
…………
「……比呂美……あの……とっ…て……いいか?」
顔を半分枕に埋めていた比呂美の瞼が薄っすらと開き、上半身を起こして覗き込む眞一郎に、視線が向けられる。
「そ、そんなの………」
恥ずかしいから訊かないで、と言外に眞一郎を非難する比呂美。
ムードの無いことを口にしたなと反省し、「悪い」と謝罪しながら、したいようにさせてもらう事にする。
カップとカップの間に止め具がある『フロントホック』のブラジャーを、比呂美は身に着けていた。
(…………これ……どう外すんだ?……)
『経験者』である眞一郎だったが、女性の衣服を脱がせたことは一度も無い。
フロントホック・ブラの扱い方など、知るはずもなかった。
止め具に手を掛けるものの、見当違いな方向に指を動かし、一向に作業が進まない。
あれ?おかしいな……と一人ごちて焦る眞一郎に、比呂美は目を合わせないまま囁く。
「……あの……上下に……」
比呂美の言葉を聞いた眞一郎は、はぁー、と息を吐いて気持ちを落ち着かせてから、彼女のレクチャーを実行する。
プラスティックが外れるカチッという音と共に、比呂美の双乳を包んでいた二つの椀が、少しだけ距離を離した。
比呂美の乳房は標準よりは大きめだったが、ブラのカップを弾くほどではない。
白い三角形の布は、重力に押されるかたちで、まだ比呂美の胸の上に鎮座している。
(…………見られちゃうんだ……眞一郎くんに……)
『止め具を外させる』という行為まで許しておきながら、比呂美の中で羞恥が大胆さを再び押しのけ始めた。
成長した自分の乳房が、初めて異性の目に触れようとしている……
熱く注がれる視線が『仲上眞一郎』の物であるのは、とても喜ばしいことなのだが……
(……ッ!)
ぎこちなく伸ばされる眞一郎の右手よりも早く、比呂美の左腕が乳房を防御するかのように動いた。
「?!」
え?なんで?という困惑の表情を浮かべる眞一郎の顔。
触れてもいいのに、見てはいけないなんて…… ほんの少しだけ寂しげになった目が、そう訴えている。
「ち、違うの…… その……やっぱり自分で……」
胸を隠したまま、右肘を支えにして上半身を起こし、眞一郎と向き合う。
「前でとめるブラって、寝たままだと取れないから……」
もっともらしい理由を口にし、恥ずかしさを誤魔化す。
だが、これでもう逃げ道はない。 ……自分で……眞一郎に乳房を晒すしかなくなってしまった。
チラと視線を眞一郎に戻すと、彼の双眼はただ一点、自分の胸元に注がれている。
鼻息も荒くなっている眞一郎を、比呂美は「あっち向いて」と小声で叱りつけた。
「!! あ……ご、ゴメンっ!」
眞一郎はあたふたと身を翻し、比呂美に背を向ける形で正座する。
その様子……こちらを見ようとしていないか……を確認してから、比呂美は左腕のガードを外した。
拘束を解かれたカップが乳房から離れ、柔らかな双乳が、重力に引かれて僅かに落ちる。
肩紐を外し、その白い輪から両腕を引き抜くと、比呂美は手にしたブラを壁側に投げた。
小さな布がシーツに触れて立てたパサッという音に、眞一郎の肩がピクリと反応する。
今度は両方の手の平で乳房を隠すと、比呂美は「……いいよ」と眞一郎に声を掛けた。
再びこちらに向き直る眞一郎の様子は、とてもぎこちない。
回遊魚のように目線を泳がせるさまは、深いキスや巧みな指の動きで、自分を翻弄した『男』と同じ人間とは思えない。
眞一郎の喉から、また唾液を飲み下す大きな音がした。
(……緊張してる…… 緊張…………してくれている……)
湯浅比呂美の乳房を初めて目にするという事は、仲上眞一郎にとって、大切な儀式なのだ……
そう理解することが、比呂美に勇気を奮い起こさせる燃料になった。
「眞一郎くん…………見て……」
恥ずかしさで思わず視線を横に逸らしながらも、比呂美は震える両腕をゆっくりと下ろしていく。
押さえ付けていた乳房が元の形に戻る感覚と共に、視界の外にいる眞一郎が息を呑む気配が伝わってきた。
(……変じゃないかな……私の胸……)
平均よりも、ボリュームはやや大きめ。小ぶりな乳首と乳輪は若干上向いて頂上に鎮座し、色素沈着も薄い。
美の女神すら嫉妬する完璧な乳房を比呂美は持っていたのだが、本人はそれに気づいてはいなかった。
いや、神様や世界中の男たちが賛辞を送ったとしても、比呂美にとっては無意味だっただろう。
……眞一郎が気に入るかどうか…… 比呂美の価値基準は、その一点のみである。
(…………眞一郎…くん……)
反応を返してこない眞一郎…… 正直、不安になる……
チラと目線を戻し、眞一郎の様子を伺うと、彼はまるで天使にでも出くわした様な顔で一言、呟いた。
「…………きれいだ……」
ようやく開かれた眞一郎の口から、漏れ出した感嘆の声。
驚きとも感動ともつかない……その二つが入り混じった言葉。
眞一郎が気に入ってくれた…… 眞一郎が褒めてくれた…… その感動が、比呂美の『前へ進む力』となる。
「……触って…………いいよ……」
そう言って比呂美は眞一郎に、三度目の接触を許可した。
許しを得た眞一郎は、またゴクリと生唾を飲み下してから、今度は両腕をゆっくりと伸ばしてくる。
ブラという壁の無い『直接』の接触…… 更なる快楽を期待して、比呂美の鼓動は高まった。
そして、眞一郎の両の手の平が柔らかな乳房に軟着陸を果たした瞬間、比呂美は喉を突き出して僅かに仰け反る。
ピリッとした快美感が胸から発生すると、脊髄を抜けて脳と下腹部に到達し、性感を高揚させていく。
「……んん……眞一郎…くん…………して……」
悦楽を制御しようと腹筋を緊張させた比呂美の声は、途切れ途切れになってしまう。
眞一郎は無言で頷くと、比呂美の求めに応じて、再び指技を施し始めた。
吸い付くような肌、とうい表現がある。
比呂美の肌は、まさにそれだなと眞一郎は思った。
サラッとした皮膚の表面が、どういうわけか自分の手の平にピタリと追随してくる感覚だ。
「……んん……ふぁ……ふ……はぁ……」
噛み殺すようにしていた比呂美の声が、徐々にではあるが解放されてきた。
段階的に激しくなっていく呼吸に合わせて、比呂美は唇を閉じておくことが出来なくなってくる。
正座を崩さずに、両腕を上体の横に張り付かせ、眞一郎に乳房を突き出す体勢。
その特異な状況もまた、比呂美の心を昂ぶらせるスパイスになっているようだった。
「痛かったら…言えよ」
また二日前の失敗が頭をよぎり、眞一郎は比呂美を気遣った。
「……うん……大丈夫」
そう言って微笑みを返してから、比呂美は小さく「気持ちいいよ……」と付け加える。
比呂美にとっては何気ない……小さな仕草が、眞一郎の胸に杭を打ち込まれたような衝撃をもたらす。
…………鼓動と……興奮が高まっていく…………
(……比呂美……もっと良くしてやる…… もっと…もっと気持ち良くしてやるよ……)
眞一郎は左右から乳房を挟み込んでいた手の平の位置を変え、正面から押し当てる体勢をとる。
そして指先を軽くめり込ませて全体を掴むと、ゆっくり円を描いて乳房を動かし始めた。
手の腹は桜色の突起に触れるギリギリの距離を保ち、その表面だけを撫でるように刺激していく。
「……ふぁ……んん……」
比呂美の嬌声が新たな刺激に対応して、別の……更に官能的なものへと変化する。
瞼を見開いたかと思うとすぐに閉じたり、身悶えたかと思うと硬直したりと、刺激に対する反応が激しくなる比呂美。
そんな中、眞一郎は比呂美の視線が、瞬間的に『ある部分』を見つめて静止している事に気づいた。
(……比呂美……『俺の』を見てるのか?)
……間違いなかった。空中を彷徨う視線が、何度も自分の股間に向けられている。
しかも、性感の高揚に比例して、回数も増え、見つめる時間も長くなってきているようだ。
(……それなら……)
比呂美に見せよう。比呂美を欲しがっている牡が、どんな形になっているのか見てもらおう。……そう眞一郎は考えた。
…………
激しかった眞一郎の手の動きが、ピタリと止まる。
「……?……どう…したの?」
快楽を中断された比呂美が、少量の不満を混ぜた視線を眞一郎に向ける。
「比呂美、俺……全部脱いでもいいか?」
「え?!」
素っ頓狂な声を上げる比呂美に構わず、眞一郎はトランクスに手を掛けた。
「ちょっ……待って眞一郎くん。……その……心の準備が……」
紅潮した顔を手で覆いながら恥じらいを見せる比呂美だったが、その瞳に興味と期待が宿っているのは確かだ。
「お前のそんな姿見たら……俺、もう苦しくってさ」
眞一郎はそう言って中腰に立ち上がると、比呂美の目の前で、中心が粘液で汚れたトランクスを脱ぎ捨てた。
「!!!!!」
目線の高さに戦闘態勢の男性器を晒され、比呂美の呼吸が止まる。
生まれて初めて目にする『牡そのもの』に、比呂美は視線を縫い付けられてしまった。
「そんなに……ジッと見るなよ」
そう言いながら、眞一郎は股間を隠す事はせず、あぐらを掻いて再び比呂美の前に座る。
「え……えっと……その……あ、あの……」
激しく動揺しながらも、『男』への好奇心は抑えられないのだろう。
熱く自分の勃起を凝視している比呂美に、眞一郎は言った。
「……触って…みる?」
「えええぇぇぇ???」
驚いているのか嬉しいのか、嫌がっているのか喜んでいるのか分からない比呂美の声。
眞一郎としては、比呂美が拒絶するなら無理強いするつもりはなかった。
まだ二人の愛の営みは始まったばかり…… 慌てて今日、そんな事をする必要は無い。
ニッコリとした笑みで見つめる眞一郎の眼を、比呂美は口を尖らせて見つめ返す。
「……眞一郎くん……時々、意地悪だよね」
「あ……はは……ゴメン」
まだ早かったか、と反省し頭を掻く眞一郎の耳に、「いいの?」という消えそうな比呂美の声が届く。
恥じらいとの闘いに忙しく、それ以上喋れない比呂美に向かって、眞一郎は無言で頷いた。
「…………」
長く短い逡巡の末、羞恥に打ち勝った比呂美の好奇心は、ゆっくりと彼女の右腕を操り始めた。
(……?……濡れて…る?)
比呂美から見て右側から差し込んでくる月光が、眞一郎自身に反射して、先端を光らせている。
男も濡れるとは聞いていたが、なるほどこういう風になるのか、と比呂美は納得した。
(なんか……かわいい……)
初見で受けた猛々しい印象も、慣れてしまうと何ということもない。
むしろ、眞一郎の身体の一部だと思うと、愛おしさが止め処なく湧き出してくる。
チラと眞一郎の眼を見て「いいよね?」という意志を示すと、彼は軽く頷いて了承してくれた。
(…………よし……)
慎重に右手を近づけ、人差し指で亀頭にチョンと触れてみる。
「うっ!」
ほんの僅かな刺激に反応し、眞一郎は呻きを上げた。
反射的に収縮した括約筋に連動して、上下にお辞儀をするように動く陰茎に、思わず見入ってしまう比呂美。
(うわ……動くんだ……)
何度か指先での『突っつき』を加えて眞一郎の悶える姿を楽しんだあと、比呂美は素朴な疑問をぶつけてみる。
「横には動かないの?」
「…………んなこと、出来るわけないだろ」
眉間にシワを刻み、困り果てる眞一郎を見て、比呂美はおかしくなってしまった。
ククッと声を殺して笑い出す比呂美に釣られて、眞一郎の口からも笑いが漏れる。
「……ふふ…フフフ…」
「はは………ハハハハ」
二人の間にあった『緊張』という氷が溶けていくのを、比呂美は感じた。
裸を相手に見せ合う状態にも、もうほとんど抵抗を覚えない。
笑いが治まると、比呂美は腹ばいになって、あぐらを掻いている眞一郎の膝に、自分の肘をもたれさせた。
陰茎のすぐ近く……臭いが感じられるほど近くに、顔を近づける。
「……比呂美……」
「じっとしてて」
まだ舐めたりは出来ないけど、と前置きしてから、比呂美は眞一郎の『茎』に手を添える。
自分の手ではない柔らかな圧力に包まれ、眞一郎はまた軽く呻いた。
「…………上下に……擦ればいいんでしょ?」
瞼を閉じて神経を局部に集中させている眞一郎は、「……うん……」と答えるのがやっとだった。
比呂美の口角が少しだけ上がるのと同時に、眞一郎を握った細い指がスライドを始める。
陰茎の先から零れる雫を拭うことなく行われる上下運動は、室内に粘りのある水音を大きく響かせた。
淫靡な音と、陰茎から発生する性臭と熱…… それが比呂美の気持ちを加速させていく。
「眞一郎くん……気持ちいい?」
「…………」
返事が無いので上目遣いに様子を確かめてみると、眞一郎は唇を噛み締め、襲い来る悦楽と必死に戦っていた。
男のプライドだろうか…… 可能な限り声を出さないようにと下唇を噛んで、眞一郎は快感に耐えている。
だが、比呂美のしなやかな指が繰り出す快楽は的確で、あっという間に眞一郎を限界へと追い詰めていった。
「ひ…比呂美ッ……ちょ、ちょと待って」
予想外に早く臨界点が近づき、焦りから声を上げた眞一郎を、比呂美は無視した。
眞一郎の両脚にグッと深く体重を掛け、逃げられないようにして指技を続ける。
上半身を仰け反らせ、身悶える眞一郎を見ながら、比呂美は口元を妖しく歪ませた。
(眞一郎くん……見せて……私に……全部見せて……)
……眞一郎が快楽の頂に達した時どうなるのか…… 比呂美は自分の目で確かめてみたかった。
『男性』がではない。他の男など…どうでもいい。……『眞一郎』がどうなるかが見たいのだ。
……『仲上眞一郎』が『湯浅比呂美』の導きで、どうなってしまうのか……それが知りたい。
「比呂美ッッ!……だ、ダメだッッ!!!」
眞一郎がそう叫ぶのと、握り締めた陰茎が震え膨らむのは、ほとんど同時だった。
危険を知らずに、自分の顔へと向けていた眞一郎の鈴口がパッと開き、その中から何か白い物体が飛び掛ってくる。
「ひゃっ!!」と小さな悲鳴を上げて顔を背けたものの、腹ばいの体勢では、それ以上の逃避は不可能だった。
眞一郎が無意識に突き出す腰の衝撃に合わせて、次々と自分の顔に降り注いでくる生温かいモノ……
潤滑油に使っていた透明な粘液とは違う、強烈で刺激的な臭い……
(…………シャセイ……眞一郎くんが…射精…している…………)
眞一郎の『生命力の噴出』を文字通り肌で感じた比呂美は、驚きや嫌悪ではなく、幸福でその身を満たしていた。
……自分は愛する人を、生き物が感じられる至高の悦楽へと導くことが出来たのだ……
その思い……満足感と充足感が比呂美の胸に充満し、妖しげだった表情を徐々に恍惚とした物へと変えていった。
79 :
朋与男:2008/05/30(金) 23:47:37 ID:syYNiYZx
アクセス規制?なんでしょうか?
「41」が投下できませんorz
保管庫の管理人さま
もしご覧になってましたら、収録をちょっと待っていただけないでしょうか?
一応、「41」までを一区切りのつもりで書きましたので
連投規制かな?
これでどうでしょ
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
息など切らしている場合ではない。
あろう事か自分は、比呂美に大量の精液をふり掛けるという愚行を犯してしまったのだ。
薄目を開けて呆然としている比呂美の顔には、右頬を中心に何ヶ所も白い塊が張り付いている。
ここ数日、事態が混乱していた事もあるが、眞一郎は何日もの間、自分が性欲の処理していなかったのを思い出した。
約一週間分……物理的に蓄積された白濁の量は半端ではなく、濃度も臭いも濃い。
(……早く拭いてやらなくちゃ……)
自己嫌悪などに陥っている場合ではない。比呂美を……きれいにしてやらなければ。
そう思って身体を動かし始めた時、眞一郎は比呂美の舌が上唇の端についた精液をペロリと舐めるのを目撃した。
「! ば、バカ!なにやってんだよ!」
精液の味に反応し、「うぇ」と舌を出している比呂美を見て、眞一郎は急いでティッシュに手を伸ばす。
ロフトの隅に転がっている箱から数枚を手早く引き抜き、比呂美の舌と肌にこびりついた汚れを優しく拭き取っていく。
「…変な味…」
「当たり前だろ。口に入れる物じゃない」
そう言いながら、朋与に飲み込ませた事は胸の奥に仕舞い込んで、清掃を続ける眞一郎。
幸い、髪の毛には精液が飛び散っておらず、一分と掛からずに比呂美の顔から白濁を取り除くことができた。
「ゴメン……出さないつもりだったんだけど」
結構な枚数を使ってしまったティッシュを丸めながら、言い訳にもならない言い訳を口にしてみる。
精液を閉じ込めたボールを弄びながら、眞一郎は、比呂美が早漏という単語を知っていたらどうしようかと心配した。
比呂美は腰の引けてしまった眞一郎を包み込むように微笑むと、眞一郎の手にしている紙の球を取り上げる。
そして紙の塊を鼻の前まで持ってくると、祈るような仕草と共に、そこから発する香りを肺一杯に吸い込んだ。
「?」
あまり良い臭いとは言えないそれを鼻に当て、比呂美はまだ静止している。
「比呂美……何してるんだ?」
掛けられた眞一郎の声を合図に、比呂美の祈りは終わりを告げ、紙の球は下の部屋に向かって放り投げられた。
かなり離れたところにあるゴミ箱に、見事に納まるティッシュボール。
「……さすが…」
眞一郎の呟きに応え、比呂美はウインクをしながらガッツポーズを見せた。
持ち上げた腕の動きに連動して、形の良い乳房が揺れ、また眞一郎の心臓をドキリとさせる。
乳房を見つめる視線に比呂美は気づいたが、それには応じず、代わりに小さな声で先程の質問に答えた。
「ゴメンねって言ってたの。……その……眞一郎くんの…赤ちゃんたちに……」
「……え……」
比呂美はそれ以上、何も話さなかった。……というより、彼女の中にも明確な答えは無かったのかもしれない。
ただ、自分では気にも留めていない精液という物質を、比呂美が大切なものと感じてくれた事に、新鮮な感動を覚える。
(…………子供……か…… そんな風に考えた事…無かった……)
愛されているという確信が身体を吹き抜け、胸の中で燃えている炎が、更に勢いを増していくのを眞一郎は感じた。
「……比呂美」
目の前の愛を確認するように響きの良い名前を呼んで、大切な……とても大切な存在を抱きしめる。
両腕に少し力を込めると、比呂美の腕も再び自分の背中に回され、同じ様に抱き返してきた。
「……眞一郎くん」
耳元での囁きと同時に、比呂美は身体を後方へと反らせ、眞一郎を誘うように布団へと倒れこんでいく。
もつれ合いながら寝具の海に身を沈めた二人は、しばらくの間、何も考えずに互いの体温を貪った。
相手の名を呼びあい、唇を求め、身体を……肌のきめを弄る……
そんな中で、眞一郎の指は、自然と比呂美の下腹部へと向かっていった。
まだショーツに包まれている……比呂美の『女』の部分……
許可を得てから、などと小賢しいことを、もう眞一郎は考えなかった。
本能に……自分の気持ちに正直に従えばいい……
時折見つめ返してくる比呂美の瞳と熱い肌も、「して」と言っているように、眞一郎には思えた。
手の平を肉づきの薄い臀部から、徐々に薄布で守られた陰部へと移動させていく。
中指を折り曲げ、溝に合わせて軽く滑らせてみると、そこはすでに粘度の低い体液が滲み、潤いを見せていた。
指先に伝わる愛液の冷やりとした感触が、分泌されたのが今ではないことを物語っている。
(……俺のを握りながら……濡れて……)
眼の奥を覗き込む眞一郎の視線を避け、「…いや…」と枕に顔を伏せる比呂美。
だが、その言葉は拒絶を意味するものではないと、眞一郎には分かっていた。
腰骨の張り出し……その下にあるショーツの細い部分に、人差し指を引っ掛けて下へと引っ張る。
比呂美は顔を伏せたまま、その行為を助けるように背筋を反らせて臀部を持ち上げた。
83 :
朋与男:2008/05/31(土) 00:35:28 ID:mQu/FttR
>>80 ご支援ありがとうございます
なんか本文が長かったのが原因みたいです
余分な修飾語が多すぎですかねぇ……
うおおおおおおおおおおおおGJ!!!GJ過ぎるわ朋与男さん!
どんどん息が合っていく二人にこっちもドキドキです
乙です
一日一話さん
キャプテンの未来がどうなるか不安でしたが…
このまま幸せになりますよね?
朋与男さん
ようやく結ばれた比呂美と眞一郎
初々しさがたまりません
なんだ、ただの神か
>>83 乙っっ
丁寧な描写に生唾(゚A゚;)ゴクリ
続きが気になって悶え苦しみそうw
すごい伸びてると思ったら朋与男さんの続編!
皆さんと同じく、楽しみにしていました
あれから私と二塚君は、日が暮れるまで公園で話をした
自分のことをたくさん話して、相手のことをたくさん知った
次の日はパボーレに行った。家族や友達と来るたびにカップルをチラチラ見ていたけれど
こうして自分が恋人とデートで来るなんて考えたこともなかった
ウインドウショッピングをして、食堂街でラーメンを食べて
嫌がる彼を強引に連れ込んでプリクラを撮った。最後の一枚のとき肩を抱き寄せてくれた
帰り道、海を見ながら二塚君が言った
「明日はどこ行こうか」
「明日は……学校に行く」
「…じゃあ俺も」
そっと握ってくれた手から優しさが伝わる
人の手がこんなにも温かかったなんて知らなかった
翌日、二塚君は朝早くに迎えに来てくれた
だけど学校に着いても、やっぱり教室には行けなくて…
二塚君は休み時間のたびに保健室まで来てくれた
体育館へ行ってみようかとも思ったが
皆と何を話せばいいのか考えたら、急に怖くなって足が動かなくなった
夕暮れの帰り道で意外な人物と出会う
「高岡キャプテン」
「比呂美……どうしたの?……練習は?」
「今日は休みです」
「そう…」
会話が続かない。何を話せばいいのかわからない
少し前まで一緒にバスケをしていた仲間なのに…
「キャプテン、少し話しませんか?」
「…」
「俺、先に帰ってようか?」
「…二塚君も一緒に来て……」
公園のベンチに比呂美と座る
二塚君は少し離れて、バイクの形をした遊具に乗って遊んでいる
背の高い彼が小さな遊具で遊ぶ姿は、サーカスみたいで滑稽だった
「あの人、キャプテンの彼氏ですか?」
「…ちょっと変だけどいい奴なのよ」
「優しそうな人ですね」
「…うん…それで、話って?」
「バスケ部に戻ってきてください」
「それは…」
「もうすぐ転校するんですよね?」
「…そうよ」
「でも、それまでは私たちのキャプテンですよね」
「……」
「皆が蛍川との試合を組んでくれました。男子バスケ部が運営をしてくれるそうです」
「………」
「朋与は、キャプテンとの最後の試合だから絶対勝つんだって張り切ってます」
「………」
「明日の放課後、練習に来てください」
「…でも」
「私が停学になったとき、キャプテンは言ってくれましたよね
“待ってるから”って…。私も待ってますから」
一礼してから比呂美は去っていった
「いい後輩じゃん」
「聞いてたの?」
「耳は良いからな」
「どうしよう…」
「それは高岡さんが決めなよ。だけど…」
「…だけど?」
「自分のことを心配してくれる仲間ってのはさ、願っても手に入るものじゃないぜ」
「二塚君…」
「高岡さんがちょっと羨ましいな」
その夜、私はもう着ないと思っていたユニフォームをクローゼットから取り出した
二塚君に背中を押されて、私は体育館の中へ入る
「遅くなってゴメン…」
「高岡キャプテン!」
「キャプテン!来てくれたんですね!」
「ちょっと聞いてよ、朋与がスタンドプレーばっかりでさ〜」
「先輩!あれはスタンドプレーじゃなくてですね、積極的に…」
「はいはい。キャプテンからも言ってやってよ」
「高岡キャプテン、待ってましたよ」
「比呂美…皆、ありがとう」
皆と一緒にコートを走っているうちに、わだかまりは消えていった
パスを交わすうちに、また心が通じ合っていく気がした
壁を作っていたのは私だったのかもしれない
あれから一ヵ月後、私は転校先の学校でもバスケットボール部に入った
引退が近づいてきているけど、残りの高校生活もバスケを楽しもうと思う
まずはレギュラーを勝ち取るために精一杯頑張るつもりだ
私の机には二枚の写真が飾られている
一枚は蛍川との試合に勝った後、麦端高校の皆と撮った写真
もう一枚は、少し髪を短く切った二塚君の写真
どちらも私に未来をくれた大切な宝物
―終―
92 :
あとがき:2008/05/31(土) 20:05:09 ID:8bQKaszO
高岡キャプテンも好きなキャラなんで、救われる結末を書いてみました
「二塚」という名前は、高岡駅の隣の二塚駅(城端線)から取っています
最初読んだときは陵辱物に突っ走るかと思ったけど泣かせる話になるとは
(´;ω;`)ウッ…感動した
>>89 乙です。
救われて良かったです。
名前とかちゃんと考えて使われていたんですね。
高岡キャプテン、好きなので他の話では普通に登場して下さい。
>>89 乙です
救われてよかった
まさかあの男がまた出てきてバットエンドになる一抹の不安があったので
次回作に期待
絵本のデッサン練習のために竹林に来た眞一郎と比呂美。
春先の心地いい風がそよいでいる。
なかなか構図が決まらず、落ち着きをなくす眞一郎。
そんなとき、比呂美は言う、「いいよ…」
眞一郎はなんのことかわからずぽかーんとしている。
「私、モデルやってもいいよ…」そう言いながら脱ぎ出す比呂美。
みたいな露出モノお願いしますm(__)m
露出モノwwwwwwwww
このド変態野郎がwwwwwwwwwwwwww
俺からもお願いしますm(__)m
竹林って眞一郎と比呂美が
子供のころ祭りで迷子になって片方だけの草履で歩いたり
最終回で眞一郎が比呂美に告白した場所ですか?
>>97 もう自分の中で完成してるだろw
素直に、その露出竹林Hモノを投下してくれ
>>97-98 今日はUPしないつもりだったんですけど
素晴らしいアイデアを頂いたので、なんとなく書いてみたところ
最後まで出来上がってしまいましたw
イメージとは違うかもしれませんが、よかったら読んで下さい
102 :
竹林 1:2008/06/01(日) 20:51:23 ID:NvZCCqv/
「眞一郎君、どこに行くの?」
「絵本のデッサンを練習しに行こうと思って」
「私も行っていい?」
「あぁ、いいよ」
晴れた休日、二人は近所の竹林まで出かけた
ここは静かで落ち着ける場所だし、風情があるのでデッサンには適した場所だ
眞一郎はスケッチブック広げデッサンを始める
風が吹くたびに“ざわざわ”と竹の葉が揺れる音がする
比呂美は目を閉じて風の音を感じていた
竹林を通る道を見て、比呂美は幼い頃の自分を思い出す
浴衣を着せてもらって、髪を上げてお洒落して…
今は亡き両親、そして眞一郎たちと一緒に祭りに行った
二人が御輿に見とれているうちに、大人たちとはぐれてしまい
草履を片方なくしてしまった比呂美は泣きながらこの道を歩いた
「くそっ!」
その声で回想は終わる
眞一郎のほうを見ると、頭を抱えて何かイラついてるようだ
比呂美は心配そうに駆け寄る
「どうしたの?」
「描けないんだ…」
比呂美はスケッチブックを手に取る
大きな×印をつけられた竹林の風景
素人から見れば上手い絵だった
美術の授業で提出すれば余裕で合格点がもらえるレベルなのだが…
「うまく描けてるのに…」
「それじゃダメなんだよ!」
「………」
「…ごめん。人や動物は描けるんだけど、風景がダメなんだ」
「………眞一郎君」
「この前、出版社に送ってみた絵本も背景が負けてるって…」
「眞一郎君、子供の頃、お祭りに行って迷子になったこと覚えてる?」
「……あぁ、そういえばあったな」
「私、草履を片方なくしちゃって…それを見て眞一郎君も片方脱いでくれたよね」
「そうだったかな…」
「あの時とっても嬉しかった。だから今度は私が脱ぐね…」
「え?」
103 :
竹林 2:2008/06/01(日) 20:52:02 ID:NvZCCqv/
比呂美はシャツのボタンを外しはじめた
ファスナーのジィーという音の後、スカートがストンと落ちる
「比呂美、何して…」
眞一郎が驚いている間に、比呂美は下着姿になる
眞一郎の目を見ないように俯いたまま、ブラジャーも外してしまう
「誰か来たらどうするんだよ…」
「大丈夫。誰も来ないよ」
最後の一枚に親指をかける
やはりこれを脱ぐのは抵抗があるのか、少しためらうが
一息ついて『よしっ!』というような顔をすると、決心がついたのか膝下まで一気に下ろした
足から抜き取って、脱いできた衣服の上に置くと
まるで“気をつけ”をするように両手を横にしてまっすぐ前をを見る
「私がモデルになるから………私を描いて……」
消えるような小さな声
だが眞一郎の耳にはっきりと届いた
比呂美の気持ちに答えるように、筆を走らせる
繊細な顔立ち、サラサラと揺れる髪
女らしい小さな肩、細い腕、形の良い白い乳房
くびれた腰、短くカットされた濃い目の毛、健康的な太もも…
運動をしているおかげなのか、全体的に引き締まったいい身体をしている
そこにある比呂美の全てがスケッチブックに描き込まれていく
チラチラと眞一郎が顔を上げるたびに、比呂美の体に視線が当たる
熱い視線は肌に当たるとチクチクとした痛みにも似た感覚を与え
徐々に身体を火照らせていく
同時に頭の中の雑念が消え“ざわざわ”と風の音が大きく聴こえる
眞一郎に気づかれないように、比呂美は太ももを強く擦り合わせた
「…描けたよ」
「見せて」
裸のまま駆け寄ってくる比呂美
「すごい上手…でも私はこんなにキレイじゃないよ…」
「そんなことない。比呂美はキレイだよ」
「ありがと……なんか急に恥ずかしくなってきちゃった!」
はにかむように笑うと、慌てて衣服を身につけた
「俺、絵本作家になれるようにもっと頑張るよ」
「私はずっと応援してるからね、また人の絵が描きたくなったら…」
「…うん。その時は頼む」
「くしゅん!」
「風邪か?」
五月になって過ごしやすい季候になってきたとはいえ、薄着になるとまだ寒い日もある
涼しい竹林の中で裸になったら風邪をひいてもおかしくない
「帰ったら風呂に入って温まったほうがいいぞ」
「うん。眞一郎君も一緒にね♪」
―終―
104 :
朋与男:2008/06/01(日) 21:49:24 ID:m9Ndlqug
>>101 お題を出されて即執筆って……笑点メンバーですか、あなたは
いくらなんでも凄すぎでしょ
ホント、乙です
私も考えてみましたが……
「いいよ……」
そう言って比呂美がボタンに手を掛け始めると、眞一郎はむくれてスケッチブックを閉じてしまった。
どうしたの?描かないの?と問い掛ける比呂美に向かって、眞一郎は言う。
「お前の裸は描かない。絶対に!!」
「…な!」
『夜』になると、きれいだ、最高だ、と褒めちぎるくせに、自分の身体は創作意欲を掻き立てないというのか!
多少なりとも自分の身体に自信を持ち始めていた比呂美は、自尊心を大きく傷つけられた。
沸き起こった苛立ちを、態度と言葉で眞一郎にぶつける。
「なんで?」
「…………」
プイと横を向いて答えない眞一郎。
比呂美はシャツのボタンを二つまで外した状態で、更に詰め寄った。
「なんで描いてくれないの!」
「……絵にしたら誰かに見られるかもしれないだろっ!!!」
眞一郎の叫びとほぼ同時に、風がサッと吹き抜ける。
竹林をサラサラと鳴らしたそれは、二人の怒気も空の彼方へと持っていってしまった。
…………
暫しの沈黙のあと、眞一郎がチラッと目線を戻して比呂美の様子を伺う。
顔を真っ赤にして俯いていた比呂美は、その眞一郎の動きを合図にして、
ボタンを元に戻しながら彼の真横に移動し、そのまま隣に腰掛ける。
「……それなら…………許す」
同じ様に頬を赤に染めている眞一郎の肩に、比呂美は自分の頭をチョコンともたれさせ、静かに瞼を閉じた。
という具合に、皆様のご要望と真逆の方向に、真心の妄想力が働いてしまいました
う〜ん ダメだな、こりゃ
105 :
97:2008/06/01(日) 22:16:46 ID:E83Bp2RE
97です。
>>101さん、
>>104さん、ありがとうございます!
文章が書けない自分にとって、すぐ文章化できる才能が羨ましいです・・・
だんだんと比呂美が露出に目覚めて・・・みたいなのを考えていたのですが、小学生のあのね作文みたいなのにしかならない\(^o^)/
なんぞこの流れww
>>103 GJ!比呂美の大胆さが素晴らしいですな
このあとお風呂でぬくぬくあわあわですか
>>104 ぼくは好きですよこういうの。相変わらず綺麗な表現ですね
てかある日の比呂美の後日談なのかな?
おお
朋与男さん、一日一話さんが同じ題材を即興で答えられるとは
比呂美、眞一郎もお互い想ってるからどちらともありえそうだ
なんつうかバカップルすぎて微笑ましいな
高校一、二年だから許される馬鹿馬鹿しさっていうか
周囲の環境から、無理して大人にならざるを得なかった比呂美も、
子供のような、甘え方、意地の張り方、すね方なんか見せてくれるようになるのだろうか
これまで見せなかったそんな比呂美のストレート感情表現に
ちょっととまどいながらもほっとする眞一郎や朋与
ママンも、そんな比呂美にまだ16である事を再認識させられ、
こんな子供相手に・・・と自己嫌悪、慰めるヒロシ
広がる俺の妄想乙
>>101 竹林の構想がマジであったとは…スゲェw
一緒に風呂か…続きみてぇぇ
>>104 朋与男氏も態度は逆のだけど気持ち方向性はちゃんと一緒になってるのがイイ
>>101 >>104 どちら様も乙です。
同じお題での違いを堪能いたしました。
しかし本当に筆が速いですね。
二人はカレーとシチューを食べ終わると、お茶を飲みながらくつろぐ
「ふぅー食った・・・食った。旨かったよ」
「でしょ?でもさ・・・カレーって何で二日目が美味しいのかな?」
「知らないよ・・・多分野菜から旨みが出て来るとかそんな感じかな?」
「ふ〜ん・・・」
あさみは自分から話を振っておきながら興味無さげといった感じで眞一郎を見つめる。
「ねぇ・・・最近比呂美の感じが変わったんだけど仲上君・・・比呂美に何かした?」
「いや・・・特に何も・・・」
眞一郎はあさみの質問をはぐらかすように答えた。
竹林で告白したその日のうちに眞一郎と比呂美はお互いの思いをぶつけ合い結ばれていた。
眞一郎も比呂美も初めてと言うこともあり、ぎこちないものであったが互いに満足していた。
それからはどちらからとも無く何度もお互いを求め合う関係になっていたのだった。
「ふーん・・・比呂美何か変わったんだよねぇ・・・何て言ったら良いかよくわかんないけど」
「そうか?」
「実は二人は付き合ってるとかそんな感じ?」
あさみが、茶化すように眞一郎を問い詰める・・・
「なっ・・・んなわけねぇだろ!」
眞一郎がムキになる。
それを見たあさみは直感で眞一郎と比呂美は付き合っている事を見抜いた。
「やっぱり・・・そうなんだ・・・」
「違うって!お前・・・今日なんか変だぞ?キスしてくれとか言い出すし・・・」
「別に・・・変じゃないよ」
あさみは眞一郎と比呂美が仲良くなってくれれば良いと思う反面、
自分が比呂美から眞一郎を奪いたいという相反する欲求を持っていて、それが今、
自分の心の中でせめぎあっているのを感じた。
それが今眞一郎を目の前にして爆発しそうになっている。
「仲上くん・・・比呂美・・・良かった?」
「何言ってんだよお前・・・だからそんなんじゃ・・・」
不意にあさみが眞一郎の唇を奪う。
あさみにとって2度目のキス・・・
「仲上くんが・・・比呂美と付き合っててもいい・・・私の初めての人になって欲しい・・・」
「これで私・・・諦めるから・・・」
そういうとあさみは眞一郎の前で制服を脱ぎ始めた・・・
「待てって・・・少し落ち着こうぜ・・・」
眞一郎が慌てて自分の制服の上着をあさみの肩にかける。
「ごめん・・・やっぱ仲上くん優しいんだね・・・だから比呂美が好きになっちゃうのかも・・・」
「いや・・・だから・・・比呂美は・・・」
「ちょっと前仲上くん3組の石動さんと仲良かったじゃない?比呂美・・・あんなに怒るの見たこと無かったから
比呂美は仲上くんが好きなんじゃないかな?って・・・思ったの・・・」
あさみは尚も続けた。
「最近仲上くんと比呂美仲が良くなったなぁって思ってて・・・そしたら仲上くん石動さんとあんま話さなくなったから・・・」
そう言うあさみの目から自然と涙がこぼれてしまい、あさみは眞一郎に抱きついて泣いてしまった。
>>112 おおっ!お帰りなさいませ。一日千秋の思いでお待ちしておりました。
ゆっくりで構わないので、また投下してもらえるとありがたいのですよ。
もちろんこの後は、シチューよりも濃厚なエロ(ry
管理人さんも更新、乙です。
>>112 乙です。お待ちしてました。
前の読んだとき、まだ比呂美への告白前かと思ってましたけど
読み間違えてました。
またいつの日か、続きが投下されることを期待してます。
115 :
97:2008/06/03(火) 17:28:56 ID:RuSPpC+C
97です。小学生の作文みたいですが、保守ついでに投下してみます><
116 :
97:2008/06/03(火) 17:29:38 ID:RuSPpC+C
「朋与、今日も部活休むね」
「え〜、またぁ?もう一週間出てないじゃん」
「なんか体調が悪くって…生まれるのかも!」
「またまたぁ〜。まぁ、一応伝えとくけど…早く治しなさいよ?」
「うん、ありがと」
ここ一週間、比呂美は部活を休んでいた。本人は体調不良を理由にしていたが、教室での比呂美を見る限り、そんなことはないように思えた。そそくさと帰り支度を始める比呂美を見ながら、朋与は決心した。
今日は私も部活を休もう。比呂美が何をやっているのか解明するのよ!
キャプテンに二人が休むことを告げ、ダッシュで比呂美を追いかける。
「お、いたいた」
朋与は電柱の陰に隠れながら、比呂美の後をつけていく。
「眞一郎ー、今日もあいちゃん、寄ってこうぜ!」
「わりぃ。今日はまっすぐ帰るわ。ちょっとやりたいことがあるんだ」
「なんだよ、つれないやつだなぁ〜。じゃあ俺一人で愛ちゃんとイチャイチャしちゃうゾ」
「おー、しろしろ」
ミヨキチを軽くあしらい、比呂美の方へ視線をずらす。比呂美は黒部と話しながら帰宅の準備をしている。今日も部活休むのか。いったい何してんだ?比呂美は。
ここ一週間、比呂美は仲上家に来ていない。アパートにも呼ばれないし、それどころか、比呂美とろくに会話もしていない。なぜかすれ違いの日々を送っていた。
何でだ?竹林ではあんなにいい雰囲気だったのに…何か怒らせるようなことをしちゃったのか?ちくしょう!わかんねぇ!教室を出ていく比呂美を見ながら、眞一郎は決心した。
比呂美が何をしているのか、何に怒っているのか確かめよう。
急いで帰り支度を整え、比呂美を追う。比呂美の帰り道は把握しているので、ゆっくりと、距離を置きながら尾行していく。
117 :
97:2008/06/03(火) 17:29:58 ID:RuSPpC+C
「おい、黒部、何してんだ?」
「ひっ?!仲上くん…何って…」
「もしかしてお前も比呂美をつけてんのか?」
「!!!」
「そっか。最近あいつおかしいよな」
「おかしいって…仲上くんのせいじゃないの?」
「いや、そんなことないと思うんだけど…」
「あ、行っちゃう!行くよ、仲上くん!」
朋与に手をひかれながら、比呂美を追う。いつの間にか竹林まで来ていた。比呂美が自分のために一肌脱いでくれた竹林。あの日のことを思い出し、顔が熱くなる。
「仲上くん、どうしたのよ?にへらにへらしちゃって」
「い、いや、なんでもないんだ」
あの日のことは朋与には言えない。いや、誰にも言えない。二人だけの時間、priceless。
「あ、比呂美が竹林の中に入ってくよ!」
朋与の声で現実に戻る。見ると比呂美は歩道から無舗装の竹林に入り、何かを探しているようだった。きょろきょろと地面を見ながら歩いていく比呂美。コンタクトでも落としたのだろうか?
朋与とともに茂みにしゃがみ込み、比呂美の行動を観察する。しばらくすると比呂美は目当てのものを見つけたようだ。鞄を開け、何かを取り出している。
比呂美は後ろ姿なので、何を取り出したのかはわからない。ちらりと見えたそれは、個別包装された飴のように見えた。あれは何だろう?
「!!!あれは…」
「黒部、何か知ってるのか?」
「う、ううん。知らないよ!(あれ、私があげたムードンコじゃん!何してんのよ比呂美は!)」
観察を続けていると、比呂美はその場にしゃがみ込んだ。そして…
「んっ・・・んっ・・・」
比呂美は下ろした腰を細かく上下動させている。
「筋トレ?部活を休んでも筋トレとはさすがスポーツマ」
「!!!眞一郎見ちゃダメ!」
「な、どうしたんだよ?!」
「と、とにかく、ダメなの!」
118 :
97:2008/06/03(火) 17:30:18 ID:RuSPpC+C
朋与は気づいてしまった。上下に動く比呂美の腰。スカートに隠されているが、ときおり見える棒状の…筍のようなもの…そして、自分が与えたムードンコ…比呂美は、筍でオナニーをしている…
「んぁっ・・・ぐっ・・・」
比呂美の腰の動きは加速していく。運動神経抜群の比呂美、その腰使いはさすがとしかいいようがないものだった。
「なぁ黒部…あれ…」
眞一郎も気づいたようだった。当たり前だ。あんなくぐもった声と、あんな腰使いは、あんなことをするときにしか存在しえないもの。
もうダメだ。このまま仲上くんを連れて帰ろう。そうすることが比呂美のためだ。朋与はそう思い、眞一郎の手を取ろうとした。
しかし、眞一郎はその手を払いのけ、鞄からスケッチブックを取り出した。
「ちょ、仲上くん、何する気!?」
「いいから。黒部は黙っててくれ!」
眞一郎の真剣な声と表情に、朋与はびくっとなり、その場にへたれこんでしまった。
びくんびくんと震える朋与の隣で、眞一郎はペンを走らせる。
「描ける!描けるぞ!」
それまで背景を描くことが苦手だった。
出版社に原稿を持ち込んだ時も、背景の弱さを指摘された。それからというもの、背景を描く練習をしてきたが、上達することはなかった。
一週間前の竹林のときも、比呂美の裸体を描くことに夢中となり、結局、背景はおざなり/なおざりだった。
しかし、今、比呂美の姿を見て、気づいたのだ。主人公である比呂美と、背景である筍の融合。そうだ、背景も主役として見てやればいいんだ。主役として描いてやればいいんだ!
「できたっ!!比呂美!見てくれ!俺、わかったんだよ!」
描けたことへの喜びを抑えることができずに、まだ運動中の比呂美に駆け寄る眞一郎。
あ、馬鹿、と思いながらも、びくんびくんと痙攣が止まらない朋与。
筍に跨った情けない恰好で、声の主を見上げる比呂美。
本当の地獄はこれからだろう、と目を輝かせる愛子とミヨキチ。
-終-
GJ!
でっかいGJなんだけど、
> びくんびくんと震える朋与
> びくんびくんと痙攣が止まらない朋与
妄想が止まりません・・・
この週末はバレー部が体育館を使うので部活がない
久々の休日、比呂美は毛布に包まりながらコーヒーを飲んでいた
テレビをつけると、普段は見ることのできない朝番組が流れている
――ピンポーン、ピンポーン
不意に呼び鈴がなる
せっかくの休日を邪魔するのは誰なのだろう
『もう!こんな朝から誰?勧誘とかだったら居留守使ってやろう』
パジャマ姿のまま、そろりそろりと玄関の覗き穴から外の様子をうかがう
そこには誰もいない。イタズラかと思った瞬間
――ピンポーン、ピンポーン
チェーンをかけてゆっくり玄関を開ける…やはり誰もいない
「比呂美…」
下から急に声が聞こえた。比呂美がハッとして視線を落とすと、そこには男の子がしゃがんでいた
泣いているのだろうか、俯いたまま顔を上げようとしない
「あなた、だぁれ?」
「…俺だよ…眞一郎」
男の子は涙を拭いて顔を上げた。確かに幼少のころの眞一郎に似ている
だからといって、はいそうですかと信じられるわけがない
比呂美は膝に手をついて男の子の目線に高さを合わせる
「眞一郎君の知り合い?キミのお名前は?」
「だから俺なんだってば!」
「…じゃあ、私と眞一郎君しか知らないこと言ってみて」
男の子は悩んでいる
やっぱりイタズラだったのか
「青と白の縞々…」
「え?」
「一緒に住んでたころ、脱衣所で鉢合わせになって…青と白の…」
バタン!…ガチャ
「入って」
「どうしてそんなに小さくなったの?」
「わかんない…朝起きたらこうなってたんだ」
「そう……コーヒー飲む?」
「ココアがいい」
両手でカップを持ち、ココアを飲む眞一郎
その姿に比呂美は幼い日の思い出を重ねる
「お菓子もあるわよ、食べる?」
「うん、ありがとう!」
比呂美に会って安心したのか、すっかり泣き止んでいる
体が小さくなって性格も少し幼くなったのかもしれない
お菓子を食べる眞一郎を見て比呂美は微笑んだ
「そうだ、子供用の服が必要よね」
「別にいいよ」
「大きすぎて引きずってるじゃない。一緒に買いに行こう」
眞一郎は体が小さくなったせいでサイズが合わなくなり
ダボダボの服を引きずるようにして歩いていた
比呂美に手を引かれて歩く眞一郎
いつもは比呂美の手を包むような大きな手が
今日は比呂美の手に握られている
「あ、比呂美〜!」
向こうからやってきたのは、自転車に乗った朋与だった
眞一郎は思わず比呂美の後ろにサッと隠れる
「朋与、これからどこかへ行くの?」
「ちょっと本屋にね。その子は誰?」
「眞一郎」と言いかけたが、この男の子が眞一郎だと言っても信じてはくれないだろう
「し、眞一郎君の従兄弟なの……私にも懐いてくれて、姉弟みたいに仲がいいのよ…ね?」
「うん、お姉ちゃん…」
眞一郎も合わせるように演技する
「へぇ〜、そうなんだ」
比呂美が機転を利かせたおかげで、なんとか朋与をやり過ごすことができた
「さっきはありがとう」
「朋与に知られたら面倒だもんね。それよりも……もう一回言って」
「何を?」
「“お姉ちゃん”って…」
「…お姉ちゃん」
比呂美の胸がキュンとなる
『“お姉ちゃん”…なんていい響きなんだろう!』
「もう一回言って」
「お姉ちゃん…」
「キャー♪私たち、姉弟ってことにしよう!今日は“お姉ちゃん”って呼んで!」
「えぇ〜!?」
「眞一郎君、お返事は?」
「わかったよ……お姉ちゃん…」
ショッピングセンターで比呂美はお姉ちゃんっぷりを発揮した
「これもいいなぁ〜。あ、こっちもカワイイかも」
「お姉ちゃん着たよ」
試着室のカーテンが開くと、疲れた顔をした眞一郎が現れる
「わぁ〜!やっぱりカワイイ〜♪じゃあ次はこっちを着てみて」
「もういいよ…これでいいから…」
「ダメダメ!弟の服を選ぶのもお姉ちゃんの役目なんだから!」
眞一郎は着せ替え人形のように散々付き合わされた後、比呂美は何着かの服を買った
ぐったりして家に帰るころには、もう夜空に星が輝いていた
「お風呂が沸いたから、先に入っておいで」
眞一郎は湯船の中で自分の手を見つめて考える
『このまま元に戻らなかったらどうしよう…』
明日は日曜日だが、明後日になれば学校がある
もちろんこんな体では登校できない
『ちくしょー!どうすればいいんだ!』
眞一郎はザブンとお湯の中へ潜った
ガチャ…
バスルームのドアが開く音がした
慌ててお湯から頭を出す眞一郎。そこにはバスタオルを巻いた比呂美がいた
「お姉ちゃんも一緒に入ろうかな〜」
「なんで入ってくるんだよ!」
「姉弟なんだからいいでしょ」
「…俺、もう出るから」
「ダメよ!まだ体洗ってないでしょ?お姉ちゃんが洗ってあげる」
鼻歌を唄いながら、眞一郎の小さな背中を洗う比呂美
一人っ子として育ったが、本当は兄弟がほしいと思っていた
その願いがこうして叶えられたのだ。しかも弟は大好きな眞一郎…
背中を洗いおわった比呂美の手が、前のほうへ回る
「前はいいよ!自分でやるから!」
「いいからいいから♪こっち向いて」
アパートのバスルームなので、大人が二人で入るには狭い
だがこうして大人と子供が入ると、少し窮屈だがぴったりの広さだった
自然と距離が近づく
「ほら、手どけて」
「そこはいいって…」
「きゃ〜♪何コレ可愛い!」
「可愛いとか言うな…」
「すご〜い!」
興味津々で眞一郎の小さなモノを指で摘む
いつも見る大きくてグロテスクな形とは違う、子供のモノ
「あ、皮が剥けるんだ。やだ〜可愛い♪」
比呂美に触られているうちに興奮してしまったのだろうか
血液が海綿体を満たし、子供ながらに勃起してしまう
「へぇ〜、小さくてもちゃんと…」
「もういいだろ…離して…」
「眞一郎君、苦しそう。そこに座って」
眞一郎をバスタブのふちに座らせる
そして大きくなったそれを握り、上下に動かす
「比呂美…」
「お姉ちゃん、でしょ?」
「お姉ちゃん…」
「ふふ、いい子だね。お姉ちゃんが楽にしてあげるからね」
指がピンク色の亀頭に触れるたび、ピクピクと敏感に反応してしまう
比呂美にしてもらう気持ちよさは、大人でも子供でも変わらない
「ハァハァ…ハァハァ…」
「どう?気持ちいい?」
「うん…」
「もっと気持ちよくなろうね、出したくなったら我慢しなくていいんだよ…」
「お姉ちゃん……大好き…」
手の動きが速くなっていく。バスタブを握る小さな手にも力が入る
「出そう…もう出ちゃいそう…」
急速に高まる射精感。背中や腰がしびれるような感覚が、爆発が近いことを告げる
「出していいよ。我慢しないで」
比呂美は眞一郎を口に含む。こぼさないように奥のほうまで包み込む
「出るッ…お姉ちゃ…出る!……あっ!」
「んんんっ!んっ…んん………ぷはっ」
ジリリリリリリリリ………
七時を知らせる目覚まし時計を眞一郎の手が止めた
「ふわぁ〜…もう朝か…」
洗面所で顔を洗っているとき、鏡に映った自分の顔を見て目が覚める
「戻ってる…」
手や足を何度も見て確認する
「やった!戻った!元の体に戻ったぞ!」
ロフトまで駆け上り、毛布の上から揺さぶる
「おね…じゃなかった。比呂美、起きて!」
「うぅ〜ん………」
しかし比呂美はなかなか目覚めない
「見てくれよ、元に戻ったんだ!ほら!」
この喜びを一刻も早く知らせたい眞一郎は、強引に毛布を剥ぎ取った
…が、そこで眠っているのは比呂美ではなく小さな女の子だった
眞一郎の笑顔が固まる
「………誰?」
『比呂美はどこ?この子は誰なんだ?
まさか俺と比呂美の子供!?……って、そんなわけないか』
やがて女の子は目を覚まし、眠そうな目をこすりながら言った
「おはよう眞一郎君……どうしたの?」
早朝のアパートに比呂美の悲鳴が響き渡った
―終―
乙です
幼児退行ネタとは
比呂美お姉ちゃんか…いいな
眞一郎:「いっいくぅ〜」
比呂美:「おいてかないで・・・」
・・・いや、なんでもない
127 :
朋与男:2008/06/03(火) 23:49:33 ID:CvD050wG
97さん、一日一話さん、そして復活のあさみの人さん、乙でございます
あ〜、なんか自分より上手く朋与を書かれると嫉妬しちゃいますね
「かわいい『朋与』。…そんなきれいな筆致で、簡単にスレ住人の気持ち…掴んじゃうのね。…凄いわ……」
とか言ってみたりして
黒いよ朋与男さんw
>>115 乙
いやなかなかいいよー
しかし…比呂美さんなにしてんのよw眞一郎も描けたじゃねぇぇw
>>116 乙です
何をにているんですか比呂美さん
また期待です
>>120 乙です
風呂から起きるまでの間にも、もしかして……
続きも読んでみたいな
131 :
19:2008/06/05(木) 12:38:14 ID:uJK6K8Wr
あああああああああ・・・・もうダメだ
134 :
19:2008/06/05(木) 19:30:23 ID:d4XLPNOG
正味自分の文才の無さに絶望した
ネタがかぶるとまざまざと思い知らされます
19さん
ネタが被ってもその人の味が出るから書いてみたら?
上のある竹林ネタであれだけ違う物になるんだから
>>131 どのネタが被ったんだ?幼児化?竹の子オナニー?
がんばれ
「トゥルー・ティアーズ・アフター〜クローズド・キス〜 」(仮)まだかなー
顎と首筋にキスの雨を降らせながら、眞一郎の右手が少しずつ、『最後の壁』を秘部から遠ざけていく。
横縞模様の小さな布切れが膝まで下ろされたところで、比呂美は下肢を曲げて、自らそれを取り去った。
「…………」
何も言わずに、その先の行為に進むことを宣言してくる眞一郎の瞳。
比呂美は唇を重ね、そのまま流れるように眞一郎の肌をついばむことで承認を与える。
緩い力で閉じられた股間に、ゆっくりと侵入していく眞一郎の手の平。
比呂美の陰部は華奢な身体に比例する小ぶりなサイズで、大きくはない眞一郎の手でも、全体を包むことが出来た。
先程のお返しとばかりに、眞一郎は比呂美の外陰部をゆるゆると擦り上げはじめる。
「……ん……」
初めて局部に受ける異性からの刺激に、比呂美の唇は眞一郎の肌を味わう作業を中断させられてしまう。
少しずつ熱と潤みを帯び始め、眞一郎の動きと温かさに反応して一気に開花していく肉の華。
「はああぁぁっ!!」
中指だけが角度を変え、露出を始めた陰核に強く触れた瞬間、快感という名の電流が比呂美の脊髄を駆け抜けた。
それに連動する形で収縮した膣の筋肉が、内部に溜まった蜜を押し出し、眞一郎の指をさらに湿らせる。
「比呂美……」
新たに潤滑油の補給を受けた眞一郎は、外陰を完全に割り開き、さらに『奥』への侵攻を目指す。
「……しん…いちろう…くん……んああ…あぁ……」
嬌声を堪えることもなくなり、眞一郎の指技と乳房を這い回る舌技に翻弄される比呂美。
もはや比呂美は、眞一郎に愛撫を返すことが出来ない状態になっていた。
……縦横無尽に自分の体表面で暴れまわる眞一郎の指と舌……
それらはまるで、湯浅比呂美の取り扱い方を熟知しているかのごとく、的確に弱点を狙ってくる。
(……なんで……なんで、私の気持ちいいトコ……分かるの?……)
右の乳房を揉みしだく、しなやかな左手……
左の乳首に吸い付く唇と、先端を擦るように舐める舌先。時折、乳輪を程よい強さで噛んでくる前歯……
そして、それらとは全く別の意思があるように、小陰唇とその奥の柔肉を解し続ける右手……
(……あぁ……なに?……なにかっ…………来る……)
興奮で桃色に染まっていた前頭葉の辺りに、体験した事の無い感覚が走る。
眞一郎を想いながらしていた自慰の時とは違う……一段上の悦楽の予感……
未知の感覚に恐怖を覚えた比呂美は、眞一郎の肩に爪を食い込ませて、愛撫を止めようとする。
しかし眞一郎は比呂美の気持ちを察知しながら、右手の動きを止めようとはなかった。
「……し…眞一郎…くん…………いや……」
「大丈夫。そのまま……感覚を追って。……怖くないから……」
初めて見る……自信に満ちた眞一郎……
……彼には自分を『別の世界』に導く力がある…… そう比呂美は確信した。
…………なら、信じればいい…………
また眼を閉じると、比呂美は眞一郎の頭を自分の乳房に埋め込むようにして抱きしめた。
眞一郎は口撃と左手の愛撫を止め、右手の動きに全神経を集中し始める。
更に立体的になった指技に連動して、大きくなっていく淫靡な水音。
「……あ…あ…あぁ…あぁ……」
陰部から発せられるクチュクチュという音と、自分の喉から漏れ出す呻きが止められない。
……恥ずかしい…… とても恥ずかしい『湯浅比呂美』の本当の姿……
でも、眞一郎には見て欲しい。……そして…… この感覚の先にある場所に連れて行って欲しい……
「眞…一郎くんっ!……私…………あぁッッ!!……あああぁぁッッ!!!」
眞一郎の髪を捉えていた指先に力が込められ、『頂』が近いことを知らせる。
乳房で口を塞がれて喋ることができない眞一郎は、無言のまま、右手に己の意志を送り込んだ。
不規則に陰唇を弄っていた指が動きを緩め、中指が膣の入口に狙いを定める。
菊門と膣の間……会陰部を優しくなぞってから、ゆっくりと膣口に埋め込まれていく指先。
その刺激に比呂美が「んっ」と短く声を上げるのと、眞一郎が右腕を震わせるのは、ほとんど同時だった。
眞一郎は腕の筋肉を小刻みに振動させて、細かな波動を比呂美の局部に送り込む。
「…ふぁっ!……はっ…はああッッ!!……んうっ…ああああぁぁぁッッッ!!!」
抜かりなく、包皮の上から陰核に添えられた眞一郎の親指が快感を二重のものとした。
全身を包んでいた炭火の様な温かさは消え、代わりに痺れにも似た快感電流が、神経組織を駆け巡る。
「ッッ!!!!!」
眞一郎の名を呼ぶことすら叶わない……強烈な……未体験の悦楽……
比呂美は眞一郎の頭を拘束したまま身体を痙攣させ、襲い掛かってきた白い闇に、その心を沈めていった。
比呂美の強烈なヘッドロックから解放された眞一郎は、はぁ、と大きく息をついた。
(……窒息するかと思った……)
そう心の中で呟き、顎を突き出して断続的に身体を痙攣させている比呂美を見下ろす。
閉じあわされた大腿には、まだ自分の右手が挟み込まれたままだった。
刺激を与えないように、ゆっくりと手を引く抜く。
「んんんんッッ!!」
僅かな擦り上げにも敏感に反応し、全身をくねらせる比呂美。
眞一郎は、比呂美の呼吸と痙攣が治まるのを待って、声を掛けた。
「比呂美?……大丈夫…か?」
肩に手を伸ばしかけるが、比呂美はそれを避けるように、横を向いて身を縮こまらせた。
やり過ぎてしまったのだろうか。……嫌な思いをさせたのではないか、と不安になる……
…………
こちらを向いてくれない背中を見つめながら、気持ちの沈み込みを実感しはじめた時、比呂美が口を開いた。
「…………イッちゃった……」
「え?」
声が小さすぎて、よく聞こえなかった。思わず「なんだって?」と聞き返してしまう。
それを『眞一郎が意地悪をしている』と思ったのだろう。比呂美は声を荒げて怒鳴った。
「イッちゃった、って言ったの!…………馬鹿……」
眞一郎に背を向けたまま、比呂美は頭の下に敷いていた枕を抜き取り、後ろへ向かって投げつける。
ノールックパスに慣れているせいか、比呂美の『シュート』は柔らかな音を立てて、見事に眞一郎の顔面に命中した。
「いてっ」
大き目の絆創膏が張られた額の傷が少し痛み、もう一人の少女から叱責を受けたような気になる眞一郎。
「しっかりしろ!」と叱ってくれる彼女に、眞一郎は心の中で「大丈夫だ」と答えた。
(……そうだ……自信を持ってすればいいんだ……)
決意をあらたにする眞一郎の視線の端に、小さな真四角の袋が捕らえられる。
まだこちらを向かない比呂美の後頭部……そのすぐ側にある、薄いブルーの小袋。
(…………)
比呂美が入浴している間に、自分の財布から取り出して、枕の下に忍ばせておいた避妊具に、眞一郎は手を伸ばす。
躊躇いなく封を切ると、その音に反応して比呂美の肩がピクリと震えたが、眞一郎は気にしなかった。
完全に力を取り戻した勃起に、手際よくスキンを被せ、準備を整える。
朋与との体験のあと、何度か自分で装着の練習をしたので、作業を手間取ることはなかった。
…………
自分が何をしているか。これから何が始まるのか。……比呂美は気配で察している……
そう理由も無く確信した眞一郎は、「比呂美」と呼びかけて、その細い肩に手を置いた。
壁に向いたままの身体を、少し強引に自分に向けさせる。
「……あ…」
数分ぶりに再会した比呂美の顔には、繋がる期待と破瓜への恐怖が、複雑に絡み合って張り付いていた。
「……キス…して……」
眉間を曇らせたまま唇を差し出してくる比呂美に、舞い降りるような柔らかい口づけを送る眞一郎。
そのまま身体を移動させ、下半身全部を使って比呂美の下肢を割り開く。
「……ん……」
我が身に迫る『危険』を察知し、比呂美は繋いだままの唇から声を漏らした。
だが、眞一郎はそれには応えず、腰を完全に比呂美の股間に割り込ませ、勃起した陰茎を陰唇に押し付けてしまう。
「はぁあっ…」
再び始まった性器への攻撃に、比呂美はキスを解いて嬌声を上げた。
互いの腕で相手の上半身を拘束し、性器を擦り合わせて性感を高め合う二人。
「はぁ、はぁ、……ひ、比呂美ッ……」
比呂美の陰部は先程の潤みに加え、新しい温かな粘液を噴き出しつつある。
……ほんの少し角度を変えれば、比呂美の『膣(ナカ)』に侵入することは可能であると、眞一郎には思えた。
(…………よし…)
言葉で伝えるなどという無粋な真似はせず、見つめることで自分の意志を比呂美に宣言する。
しかし、それを受け止めた比呂美の視線は、何か別の思いを秘めて眞一郎を見つめ返してきた。
怖いのか?と思わず訊きそうになる眞一郎。
だが比呂美は眞一郎が口を開くより早く、考え抜いた決意を音にした。
「眞一郎くん。……それ、とって……」
142 :
朋与男:2008/06/07(土) 21:46:26 ID:qNfJKkcV
少しですが『保守』も兼ねまして投下させていただきます
あまり話が進んでなくてスミマセン
次は合体できるように頑張ります
>>140 乙です。
ねっとりとした表現、さすがですね。
マイペースで書いて下さいと言いつつ投下がないと寂しいものです
わがままで、すいません。
>>142 今回もしつこいほどの甘美な描写…最高です。
> マイペースで書いて下さいと言いつつ投下がないと寂しいものです
わかるわぁ
朋与男さん
乙です
相変わらず綺麗なエロ描写ですね
マイペースでって言ってるけど
続きが早く来ないかと焦ってしまう
きっと眞一郎に「ちゃんとする」って言われて待ってた比呂美はこんな感じで
待っていたんだろうなぁ
wktk
保守かねてリクエスト
梅雨です。
放課後、先にアパートに来た眞一郎(合い鍵有)
室内には下着が干しっぱなしになっていた
ついついそれに手を出してしまって……
って感じな梅雨が舞台のものをお願いします
148 :
梅雨 1:2008/06/09(月) 20:48:33 ID:+9ctxHVM
6月。北陸地方にも梅雨の季節がやってきた
「…でさ、ここ苦手な範囲なんだ、教えてくれよ」
「ダメよ。宿題は自分でやらなきゃ意味ないでしょ」
「そんなこと言わずに…な?頼む!」
「…仕方ないわね。一緒にするだけならいいよ」
「助かるよ!」
「じゃあ先にアパートに行ってて。今日の練習は5時には終わると思うから」
「わかった」
眞一郎はアパートの廊下で合鍵を取り出す
比呂美がこっそり作って渡してくれたもので、この鍵の存在は両親も知らない
二人の天使がキスをしているキーホルダーが揺れて玄関が開いた
まるで自分の家のように慣れた様子でカップを取り出しコーヒーを淹れる
「ふぅ…たしか5時だったか…まだ時間があるな」
コーヒーを飲みながらテレビを観ていた眞一郎だったが
やがてつまらないワイドショーに飽きてしまう
『それでは次はお天気です。梅雨のせいでスッキリしない天気が続いていますが…』
パタ…パタ……ザァー
窓を叩く雨音に気づいて外を見ると
雨雲が空をおおっていて雨が降り始めていた
「また雨か…………洗濯物!」
比呂美が洗濯物を干しているのではないかと思い、眞一郎は慌ててベランダのほうへ走る
しかし隣の部屋のドアを開けると、洗濯物は室内に干されていた
「そうだよな、フツーは部屋干しだよな…」
慌てた自分が恥ずかしくなりテレビの前に座りなおす
149 :
梅雨 2:2008/06/09(月) 20:49:13 ID:+9ctxHVM
『この天気は日曜まで続くようです。月曜からは気温も上がり…』
テレビのお天気キャスターの声も眞一郎の耳には入ってこなかった
どうしても先ほどの洗濯物が気になってしまう
気が付くと眞一郎は洗濯物の干してある部屋に入っていた
干されている衣服の中から小さな布を見つけると、手にとってまじまじと観察する
スカイブルーのその布は、綿とは違った手触りだった
大きめのリボンや可愛らしいレースから、比呂美の女の子らしさを感じる
鼻に当てて嗅いでみる。洗濯済みなので洗剤の匂いしかしない
しかし洗っても落ちない積み重ねられたシミが眞一郎を興奮させた
「ハァハァハァハァ……」
シミのついた部分を口に含み、右手はペニスを扱き続ける
比呂美がつけた下着。比呂美の下半身を包んでいた下着。その事実だけで射精するには十分だった
「比呂美…比呂美……うッ!」
ペニスの先端に巻きつけて、小さな布の中に大量の精液を吐き出した
「くそっ!何やってんだ俺!」
スイッチが入ってしまうと出してしまうまで冷静になれない。男の悲しい性である
我に返った眞一郎は、風呂場で汚した下着を洗いドライヤーで乾かした
何度も心の中で謝りながら…
時計の針は5時を少し回っていた。眞一郎は傘を持って学校へ向かう
下駄箱で靴を履き替える比呂美を見つけて声をかける
「比呂美」
「眞一郎君!どうしたの?」
「急に雨が降ってきたからさ…迎えに来たんだ」
「…ありがとう。一緒に帰ろう!」
一つの傘に二人で入って、並んで歩く帰り道
幸せそうに笑う比呂美は、眞一郎が自分の下着を汚したことを知らない
そして眞一郎も、比呂美の鞄の中に折り畳み傘があることを知らなかった
―終―
>>148 一日一話さんかな乙です
二人の天使がキスのキーホルダーとか色々背景が思い浮かびそうな小道具とかイイ!
実は眞一郎が帰った後湿った下着の残り香に気がつき比呂美もオナニーをっ…
って展開もありそうだw
梅雨…… それは定期試験に備えねばならない鬱陶しい季節でもある。
お世辞にも優秀な成績とはいえない眞一郎は、「比呂美先生」の個人授業を受けるべく、アパートへと向かっていた。
『先に部屋、行ってて。午後練が終わったらすぐ帰るから』
という「先生」の言いつけに従って、自宅には寄らずに比呂美の部屋へと直行する。
大嫌いな試験勉強ではあったが、メガネの似合う美人家庭教師を独占できると思うと、眞一郎の心は躍った。
合鍵を使って中に入り、スニーカーを脱いでから台所の横を抜ける。
いつもどおり、二人の愛の勉強部屋へと脚を踏み入れると、『ある物』が眞一郎を待ち構えていた。
「……げ……」
部屋中に張り巡らされた、洗濯物を干すロープ。そして、その下に吊り下げられた下着、下着、下着……
どうやら比呂美は、洗濯をしてから登校したのを忘れて、自分を部屋に呼んでしまったらしい。
(まったく……)
三代吉は比呂美を『パーフェクトな女の子』などと評するが、どうしてどうして……彼女はかなりのウッカリさんだ。
しょうがないなぁ、という風に苦笑する眞一郎。そしてその眼に飛び込んでくる、見覚えのある一枚。
ブルーの横縞で彩られた小さい三角形……それは眞一郎が初めて目撃した比呂美の下着だった。
(そういえば…『初めてした時』もコレ、つけてたよな)
中身以外に興味は無い眞一郎だったが、なんとなく惹かれるものを感じて手を伸ばす。
比呂美の秘部を覆う所を摘んだ眞一郎の人差し指と親指は、愛撫するように、その中心を擦り合わせ始めた。
(『比呂美の』を……何度も吸い込んでるんだよな……こいつ)
『初めて』の後も、このショーツは何度か目にしている。
……比呂美の愛液で満たされ、グショグショになった姿を……
何ともいえない不思議な気持ちに囚われて愛撫を続けていると、突然、玄関がバン!と大きな音を立てて開いた。
ヒッ!と素っ頓狂な声をあげた眞一郎の身体が、瞬間冷凍されたように固まる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
油の切れた機械のように、ぎこちない動きで首を回し、ドアの側に立つ人物を確認する。
……確かめるまでもなかった。この部屋の主、「比呂美先生」だ。
「あ……あのさ…………ご、誤解だから…な?」
ショーツを摘んだままの姿勢で、全く説得力の無い弁解を眞一郎は試みた。
「…………」
バタン、とドアが閉じるのと同時に、比呂美は無言のまま眞一郎に向かってくる。
(ヒイィッ!な、殴られるっ!!)
ショーツをいやらしい手つきで愛撫するという変態的行為を目撃されたのだ……
平手打ちの二三発は覚悟しなければ、と眞一郎は身構えた。
迫る足音…… 『湯浅比呂美』の接近が、こんなにも恐ろしく思えたのは……初めてだった……
瞼をきつく閉じ、眞一郎は衝撃に備えたが、いつまで経っても頬に痛撃は襲ってこない。
代わりに聞こえてくる、下着が洗濯バサミから外される音と、消え入りそうな比呂美の声。
「……ごめんなさい。はぁ、はぁ、…その……忘れてて……」
恐る恐る眼を開いてみると、比呂美は眞一郎の視線から逃れるように顔を背け、生乾きの下着を取り込んでいた。
練習の途中で気づいたのだろう…… 全力疾走してきたと思われる比呂美の呼吸は、まだ整っていない。
顔も幾分赤くなっていたが、それは酸欠とは関係ないようだった。
(……あれ?)
良く見ると、比呂美の異常はそれだけではなかった。髪や制服がしっとりと濡れている。
窓の外に目をやると、霧のような細かい雨が、灯り始めた街灯に反射しているのが見えた。
「雨、降り始めたのか?」
比呂美は眞一郎の視界から下着を隠しながら、「うん」と短く返してくる。
眞一郎はバスルームからタオルを取ってくると、片づけを終えた比呂美の頭に、それを優しくかけてやった。
「風邪ひくぞ」
そう言って微笑む眞一郎を正視できないのか、比呂美は嬉しさで崩れた顔をそのタオルで隠す。
「眞一郎くん…」
「ん?なんだ?」
甘い声で話し掛けてくる比呂美の顔を眞一郎が覗き込んだ瞬間、肉が肉を打つバチン!という音が部屋に響き渡った。
「エッチッッ!!変態ッッ!!!!」
あぁ…やっぱり怒っていたのか、と激しく揺さぶられた脳で、眞一郎は思考を紡ぐ。
「なに考えてるのよッ!…し、下着…撫で回して……もうっ信じらんない!!!」
外の雨と同じく、激しさを増す比呂美の言葉攻め……
朦朧とする頭でそれを聞きながら、眞一郎は(こりゃ今日は授業の後の『ご褒美』は無しだろうな)と思った。
152 :
朋与男:2008/06/09(月) 22:42:36 ID:Q233BIZz
エロパロ笑点、今回も参加させていただきます
一日一話さんには、速さでも質でも及びませんが……
>>150さんのおっしゃるとおり、
「梅雨」の比呂美ver.は、是非とも読んでみたいですね
期待しちゃっていいですか?
>>150 はい。“元”一日一話です(笑)
そのありそうな展開、書いてみました
アイデアの提供ありがとうございます
>>152 いやいや、まだまだ朋与男さんにはかなわないです
調子のいいときはわりとスラスラ思いつきますが、駄目なときは全然駄目なんで…
では、梅雨の比呂美編です
↓
「ここにさっきの公式を当てはめて…」
「そっか!ほんと比呂美って頭いいよな」
「そんなことないってば……さぁ、次の問題もやってみて」
一緒に宿題をするといっても傍から見れば
家庭教師が出来の悪い生徒に教えているような光景だった
二人きりとはいえ先ほど出したばかりの眞一郎は
宿題を終わらせると比呂美を襲うこともなくアパートを出た
「はぁ…私って魅力ないのかナ…」
洗濯物を畳みながら比呂美がつぶやく
スカイブルーのショーツに触れた瞬間、何かの違和感を感じる
Tシャツなどに比べれば乾きやすい下着、だが少し湿っているような感じがする
直感的に眞一郎の顔が浮かぶ。眞一郎はここで一人だった。もしこの部屋に入っていたとしたら…
これを見つけた眞一郎が何を考え何をするのか…
思春期の男子について何も知らないわけじゃない
そっと鼻を近づけてみる
部屋干し独特の生乾きの匂い、その中に混じって強烈な生臭さが微かに残っている
「……やっぱり」
比呂美はこれで眞一郎が自慰にふけっていたことを確信した
「そろそろご飯作らなきゃいけないのに…」
ご飯を食べて、お風呂に入って、明日の予習もしなければいけない
これからの予定は決まっているのに、比呂美は何故かロフトへ上る
布団の上で横になり、汚れる前にショーツを脱ぐ
下半身がひんやりとした空気にさらされるが、次第にそこは熱を増していく
洗濯済みとはいえ自分の下着を鼻に当てるのは抵抗があったが
こうすることでしか眞一郎を感じられないのだから仕方ない
微かに残った眞一郎の匂いを嗅ぎ分ける
右手は自然と股間のほうへ伸びて大切な部分に触れている
肉芽を包皮の上から転がすように触る
比呂美が自分を慰めるために見つけた一番気持ちのいい部分
「あ…眞一郎君……んっ…あんっ……くぅ…」
指の動きは大胆になっていき、自分の意思とは関係なく腰が跳ねるように動く
指先はキラキラと粘り気のある液体を絡め取り
それを肉芽にこすりつけると更に気持ちよくなることを比呂美は知っていた
窓の外で勢いを増していく雨とシンクロするように、指使いも激しさを増していく
「はぁ…あっ…いや…あっ、あっ、眞一郎君…眞一郎君…しんい…んんんっ!」
雷鳴と共に、比呂美の身体にも雷が落ちるような衝撃が走った
「なぁ比呂美、今日の宿題もできればまた教えてほしいかなぁ…なんて」
「いいよ、部活が終わったら教えてあげる」
「助かるよ!じゃあ今日も先に行って待ってるから」
「…眞一郎君、使った後はそのままでいいからね♪」
―終―
乙です。
変なリクエストの答えていただきまして、
ありがとうございました。
>>148 エロでありながら、細かいアイテムで
表された二人のラブラブ度がいいです。
>>151 オチてますね。ご褒美ってなに。
比呂美先生はグッドジョブです。
これを別で読んでみたいです。
一日一話さん朋与男さん
乙です
相変わらず即興でここまで作られるとは
今後の季節ネタが楽しみです
比呂美に思いっきり頬を張られなじられたいと心底思いました
やはり僕は変なのでしょうか
正常です。
>>158 君は多分マイユアの菜々香を好きになれる。俺のように
>>160 菜々香さんは睨みつけて引っぱたいただけで、なじったりはしてません><
名塚のblogで紹介されてたサイトに行って画面をクリックしてたら「蹴られたいの?」と言われました。
イエス、ユア・ハイネス!!
遅筆屋さんとカカさんの新作はいつ頃アップされるのか気になるところ
気長に待ちましょう
普段は比呂美スレに投下してるSS書きだけど、向こうが鯖ごと死んでる・・・・
こっちに置いてどれくらいの人が気がついてくれるだろ
復旧が明日の午後ぐらいになりそうだから復活したら向こうにも貼ればいいんじゃないかな
では、22時にこちらに置かせてもらいます
171 :
黒兄 1:2008/06/12(木) 19:19:33 ID:g6RonNKx
「それでね、眞一郎ったら変なのよ。…お兄ちゃん聞いてる?」
「あぁ、聞いてるよ」
俺はキッチンに立ちながら、妹の話を聞いていた
「ほら、ココアできたぞ。飲め」
「ありがとう、お兄ちゃん」
マグカップを両手で持ってココアを飲む乃絵
乃絵…俺の可愛い妹。俺は乃絵の兄。だからこの感情は許されない
この気持ちには鍵をかけて、ずっと心に閉まっておく
そう誓ったはずだった
「眞一郎だって本当はそう思ってるはずよ、だから明日は」
「はいはい。もう乃絵の“のろけ話”は聞き飽きたよ」
「の、のろけてなんかないわ!」
「もうカレシとはキスくらいしたのか?」
「キス…そんなのしてないわ……」
両手を頬に当て赤くなる乃絵。俺は心の中でホッとため息をついた
そもそも仲上眞一郎に乃絵と付き合ってくれと頼んだのは俺だ
その俺が乃絵と仲上眞一郎との関係に嫉妬するというのもおかしな話である
「おい、寝るならちゃんとベッドで寝ろよ。風邪ひくぞ」
22時。テレビを観ながらソファでウトウトしはじめた乃絵に声をかける
「……ふわぁ…うん…おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
カレンダーの今日の日付には赤い丸がつけてある。これは母が夜勤の日の印
看護師として働く母は、月に何回か夜勤の日があるのだ
23時。俺はすやすやと眠る乃絵の枕元に立つ
綺麗な顔…天使のような寝顔…たまらなく愛おしい
妹ととしてではなく、一人の女として俺は乃絵が好きだった
「乃絵…起きてるか?」
耳元で声をかける。ぐっすりと眠っていて反応はない
ココアに入れた睡眠薬がよく効いているのだろう
安心した俺は布団を取り、Tシャツの上から小さな膨らみに手を置いた
「乃絵…乃絵…」
何度も声をかけながら乳房を撫でる、相変わらず反応はない
乃絵の胸はお世辞にも大きいとは言えない
高校生になった今でも持っているブラはほとんどがワイヤーの入ってないもので
サイズだって中学に入ったときから成長していない
胸だけではなく、体があのころからあまり成長していないのは
大好きだった祖母を亡くしたショックで、涙を失くし、時間も止まってしまったからなのだろうか
172 :
黒兄 2:2008/06/12(木) 19:20:09 ID:g6RonNKx
Tシャツを捲り上げて、乳房に吸い付く
本能が求めるまま、ジュルジュルと音を立てる
刺激された小さな乳首はピンと立ち、コリコリと硬さを持ち始める
眠っていても体は素直な反応を見せている
ショートパンツのウエストを掴むと、下着ごと一気に脱がす
シンプルなデザインのジュニアショーツが、罪深さを認識させる
薄く柔らかいヘアの下、包皮をかぶったクリトリスを親指で擦る。体がわずかにピクンと反応する
小さな膣に指を入れ、潤っていることを確認すると、俺は勃起したペニスを取り出した
「乃絵、挿れるぞ…ごめんな」
乃絵の足を左右に大きく広げ体を入れる
指で小さな花びらを開き、膣口に亀頭を当て腰を前を突き出す
入りそうにもなかった小さな入り口が、せいいっぱい広がって俺を受け入れてくれる
そのまま乃絵の身体を折り曲げるようにして、体重を乗せ一気に挿入する
グチュッ…という音と共に、亀頭が乃絵の奥にコツンと当たった
自分勝手に腰を動かして快楽を貪り、子宮の入り口を何度もノックする
乱暴なくらい激しいピストン運動にも乃絵は表情ひとつ変えないが
唇がわずかに開いて、半開きの口から息が乱れてきている
意識はなくとも、体が激しい動きに酸素を求めているのだ
「ハァ…ハァ…乃絵、乃絵、くそっ……出るッ!」
寸前まで乃絵の膣を楽しみ、腹や胸に発射した
この絶頂の瞬間は、この行為でしか味わえない
だから何度も何度もこうして乃絵を汚してしまう
自分が兄として…人間として、最低のことをしているという自覚はあるが
麻薬のような中毒性に俺の心は蝕まれてしまっていた
「おはよ…」
「おはよう。飯できてるぞ」
「お兄ちゃん…変な夢を見たの……怖い顔をした眞一郎が……私に乱暴するの……」
「何言ってんだ。シャワー浴びてさっぱりしてこい、遅刻するぞ」
「うん……」
冷静を装ったが内心はバレたんじゃないかと焦った
そういえば聞いたことがある、睡眠薬は慣れてくると効き難くなると…
次はもう少し量を増やしてみるか
―終―
比呂美がストレッチしながら眞一郎とセックルしてる話か
ガリンコを食べてたのに気がついたら眞一郎のガリンコを食べてたSSを誰か・・・
>>171 乙です。
四番病んでるなww
しかしあの乃絵の無垢なスキンシップは兄の教育の賜物かw
アニキャラ個別が死んでるからもしやと思ったら
ママンさんキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
176 :
ガリンコ:2008/06/12(木) 20:11:36 ID:g6RonNKx
>>173 ガリガリガリ…
「比呂美、今何してるの?」
「んー、ガリンコ食べてる」
「ガリンコおいしいよね〜」
「新発売のメロンソーダ味もおいしいよ」
比呂美はガリンコを食べながら朋与と電話をしていた
その隣で眞一郎は教科書を前に大の字になりイビキをかいて眠っている
「そこに誰かいるの?仲上君?」
「うん。宿題が終わらなくて手伝ってたの」
「ホントだらしない奴ね〜」
「朝から頑張ってたから疲れて寝ちゃってる」
「…じゃあ明日の朝練でね」
「うん。また明日、じゃあね」
比呂美は電話を切ると、口の中でぐにゃぐにゃになったガリンコの棒を捨てる
食べ終わってもアイスの棒を舐め続けるのはなぜだろう
そんなことを考えながら眞一郎の傍に座った
「眞一郎君」
声をかけても熟睡しているようで起きる気配がない
比呂美の手が眞一郎のズボンの上に置かれ優しく摩り始める
眠りながらもそこは硬さを増していった
眞一郎を起こさないように慎重にチャックを下ろして器用に取り出す
すっかり大きくなっているそれを手で握り上下に動かすと
「うぅ」と小さな声が漏れたがまだ起きることはない
「いただきまーす」
小さく言うと比呂美は口を開け、かぷっと銜える
その様子はさっきまでガリンコを食べていたときと変わらない
ただ食べているモノが眞一郎だという点だけが異なっている
「じゅるっ…じゅぱ…ずるっ……じゅるるる…」
ガリンコを舐め溶かすようなフェラチオ
眞一郎は夢を見たまま果ててしまった
「…うぅ…比呂美…」
「眞一郎君、目が覚めた?」
「……もうこんな時間か。帰らなきゃ」
比呂美は壁にもたれてイチゴ味のガリンコを食べている
『さっきのは夢…?』
眞一郎は夢にしてはリアルな感覚が下半身に残っていることを疑問に思う
「どうしたの?エッチな夢でも見た?(笑)」
「そ、そんなわけないだろ」
比呂美の口元から垂れる白い液体
イチゴ味のガリンコに練乳は入っていない
―終―
>>175 もしかしたらアニキャラスレログ復活しないかもしれないって
なんてこったい、ログ復活しないのか・・・
>>176 こんなオバカなリクに応えてくれて乙です!
>>176 (*´Д`)/ヽァ/ヽァ
比呂美さん最高だぁ
(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
乙ですー
>>183 乙です。
はて、比呂美はどこ行っちゃったんでしょうかね。
一応コレ張っておくか
参考までに今までのスレタイ
スケスケ可愛い
2爆目
写メ3枚目
四面楚歌
五里霧中
セーター6〜14着目
転倒15回目
ハート型の涙16滴目
アイス17本目
がりんこ18本目
メガネ19本目
置いてかないで20〜21回目
振り袖22着目
きれいな涙23滴目
君の涙を24〜29滴目
君の絵本30冊目
割れたカップ31個目
いいよ…32回目
シチュー33皿目
みえてますよ34チラ目
本当の笑顔35回目
縞パン36枚目
抱擁37回目
シチュー38杯目
マフラー39本目
ケーキ40個目 ←今此処
>>183 乙です
やっぱり落ちていたのか
もしやと思いここにきたらママンさんが着てる
>>187 運営板で状況確認して「22時にSS投下する予定だったのに」と愚痴ったら「エロパロにいけば」と言われたw
名乗ってもいないしどこのすれとも言っていないが、気がついたのかもしれないなww
>>188 何気に保管庫にココがリンクされてたりする
比呂美スレの住人、意外と2ちゃん慣れしてない人多そうだったけど今の状況わかってるだろうか
そして、復旧後に戻ってくるだろうか・・・・
>>190 住人があんまり来ないのは案外ここは盲点なのかもしれないねw
今日は皆それぞれ違うスレにいるんじゃないかなぁ
これをがきっかけで本スレの荒らしも消えてくれるとありがたいが
おっといい加減板違いな発言はやめておくか
やはり、復旧したら改めて投下しなおして、場合によっては十一幕の更新遅らせた方がいいか
今帰宅したんだが、アニメ総合、キャラスレ大変みたいだね・・
いまいち状況ワカラナイが早く復旧して欲しいものだ
>>194 banana3145は12日11時半過ぎ(日本時間)から、落ちています。
「ブートデバイスが見つからない」というエラーで起動不能です。
13日14時(日本時間)までに代替機が準備されます。
復旧作業はそれから始まります。
ハードの不良箇所によってはログが失われている可能性があります。
HDDはRAID1で構成されていますが、上記エラーはRAIDコントローラの
障害時に多いもので、RAIDコントローラの障害でHDDが双方とも
巻き込まれている事がもっとも懸念されます。
なお2chの約60台あるサーバは、
アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコにあります。
避難所をex25に建てている方がいるようですが、一日4〜5回も
落ちるサーバなのでオススメできません。
要するにアメリカの鯖が物理的に壊れた
RAIDが壊れている場合過去ログのサルベージが不可能な危険性は高い
明日の14時に鯖の替えが準備できて、そこから復旧作業が始まるから明日一杯動かないと思っていい
>195
丁寧にありがとう
物理的にやられたのは痛いな。
>>193 乙です。
復活してから再投下で、更新も遅らせても
よろしいかと思いますよ。
>>197 どうも
しかし運がないな
物語の大団円だからと思って週末に発表しようと思ったらこれだもんな
十幕は月曜、十一幕も水曜に上がってたのにw
>>198 何か困ったことになったようだが同じ作品が好きなんだしゆっくりしてってね (AA略
さて、折角エロパロに来たんだからエロバージョンのSSを書いていくってのはど?
あ、こっちにいたw
比呂美スレがどっか行っちゃってマジ焦ったよ
ほんと「おいてかないで」状態で半分涙目だった
ママンさん、今度エロ有りもよろしくね
復旧しますように
( -人-).。oO(ナムナム...)
鯖フカーツしてログ残ってない場合新しく立てることになるんだよね?
もしそうなるんだったらスレタイ案としては『おかえりなさい41回目』を挙げておくw
>>202 「おかえりなさい41日目」を希望
エロに限らずひとつのディテールを詳細に描写していくのが苦手なんだよね
お世話になったお礼に一本書かなきゃと思ってるけど
そうか、41日目かw
エロの場合、絵よりも文章のほうが難しい気がするね。
スレ違いの無駄話をgdgdし続けてるのはそれなりに心苦しい
気もするが、エロSS作家さんがうpするまでのスレ保守に
一役買ってるんだと好意的に自分勝手に解釈しておくことにするw
さて、仕事にもどるか・・・
ママンスレやモブスレどうなるかな
ちょっと心配
復旧は2,3日じゃ終わらないらしい
最長で7月までずれ込む可能性もあるそうだ
気長に待つか
今日は十一幕の投下しません
代わりにエロパロ1本書きます
それともアニメサロンexに避難所立てる?あそこなら3ヶ月で勝手に落ちるから立て捨て出来るし
3ヶ月が枷になるほど過疎なスレじゃなかったし
>最長で7月までずれ込む可能性もあるそうだ
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
復活してるみたいだけど、スレは自体はダメかな
残っていた各キャラスレと、本スレたて直すのかな
ごめん、大丈夫みたいだ
復活しました!スレの皆さんありがとう!
お礼のエロSSは今日中に投下できると思いますので
お目汚しにどうぞ
(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
了解
「悪意」
初エロなので温かい目で見てください
ちょっと変わった作品にしてありますが、正直読後感はよくないと思うので
先に謝ります
217 :
悪意 1/4:2008/06/13(金) 23:22:20 ID:7LBuKU6g
会社を出るとすぐ、私は大きくため息をついた。最近では疲れも翌日に残る。
大学を出た後、地元、富山の製薬会社に就職して25年、営業二部の部長にまで栄達し、社
会的には成功といえる人生を送ってきた。
しかし、妻との関係は冷え切り、子供もなく、家には一切の会話はない。連絡事項は全て
メモで行われ、この10年妻が台所に立つ姿を見たことがない。ただ、戸籍と屋根で繋がって
いるだけの、赤の他人であった。
それでも以前は――まだ私が課長だった頃だ――仕事終りに部下と飲み歩くなど、それな
りの息抜きも出来た。だが部長ともなると若い社員は身構えてしまい、私がいるだけで無礼
講とはならない。それがわかっているから私も以前のように部下に混ざって飲む機会も少な
くなり、代わって取引先との接待や自分の会社の役員の供をする事が増え、ストレスは溜ま
る一方であった。
「・・・・また、一人で食っていくか」
独り言を呟いて、駅前のレストランを目指す。イタリアンは最近少し重く感じるが、そこ
は値段も手頃でよいワインを置いている。
店の明かりが見え、知らず足を速めた途端、横から飛び出してきた何者かと衝突した。
「ぅわっ」
「きゃっ」
ほとんど同時に短い悲鳴をあげ、私達は尻から着地した。
「す、すいません。お怪我はありませんか?」
「いや・・・・大丈夫だ。君は?」
痛む腰をさすりながら、一人で立ち上がる。相手はもう立ち上がっていた。
「私も平気です――あーっ!」
急に大声を上げて、私に近づいてきた。かなり若い、背の高い女だ。ショートの髪が私の
顔の下に引き寄せられていく。
「大変、どうしよう。アイスがこんなにくっついちゃった」
女の言う通り、私の胸元には彼女の持っていたソフトクリームが、べったりとくっついて
いた。コーンが胸に刺さっているように見える。
「本当にすいません。どうしよう、シミになっちゃいますよね?」
「まあ・・・・クリーニングに出せば、なんとか」
それを聞いた女は暫らく考えていたが、やがて思い切ったように
「あの、でしたら、すぐに洗った方がいいですよね?」
218 :
悪意 2/4:2008/06/13(金) 23:23:03 ID:7LBuKU6g
妙な事になった。
女に連れられて入ったのは駅からは離れているが、繁華街の中核をなしているシティホテ
ルだった。女は慣れた様子で部屋を取り、私をその部屋に案内すると、ルームサービスを頼
むと同時に私の服のクリーニングを至急で要望した。そして私に向かって、
「服の下までアイスでベタついちゃったでしょう?シャワー浴びてきてください」
と、浴室に追いやられてしまった。
ここまで来ると私にもなんとなくわかってくる。
つまり、私は「目をつけられた」のだ。
適当に金を持っていそうな、そしてまだ男としては現役な中年。自分から素人に手を出す
度胸はないが、相手がその気で誘ってくるなら買ってもいいという程度の下心はある親父。
私はそういう男に見られたのだ。
まあ、それならそれでいい。私も若かりし頃にはそれなりに遊んだし、妻との関係がおか
しくなった当時はそういう女を買ったこともある。もしそういう目的の女なら今夜くらい愉
しんでも罰は当たるまい。
シャワーから出ると、女が上着を脱いで寛いでいた。その服装を見て、さすがの私も驚い
た。
彼女が着ているのは制服だった。それも銀行とか、企業のものではなく、どう見ても高校
の制服で――つまり、まだ少女と呼ぶべき年齢だったのだ。
「君はまだ学生だったのか・・・・」
私は呆れて声をかける。女――いや少女は無邪気と呼ぶには妖艶に過ぎる微笑を浮かべた。
「ええ、麦端高校の1年生です」
麦端か。たしか姪が中等部に編入していたはずだ。
「こういう事はよくやっているのか?ええと――?」
「――ルミ、でいいです。よくなんてとんでもない。そんな悪い子じゃないんですよ、私」
私は苦笑した。言葉と口調が見事に正反対を向いている。
明るい所で見ると、ルミは美人ではあったが、同時に少女らしさも持っていた。髪は明る
い茶色のショートカット、化粧はほとんどしておらず、少し勝気そうな瞳が印象的だった。
ルミは私に座るよう促すと、ルームサービスのワインの栓を開け、グラスに注いだ。
「さ、どうぞ」
私はグラスに口をつけた。重く、強いワインで、空きっ腹には堪えた。
「きついな、これは」
「そうなんですか?よく知らないで頼んじゃいました」
そう言ってルミも一口。途端にむせ返る。
私は笑って
「言わんこっちゃない」
「す、すいません。こんなに強いなんて・・・・」
「もっと軽いのを頼もう。私もなにか食べるものが欲しかった所だ」
「あ、でも、私、その・・・・これ以上は、お金が・・・・」
「クリーニング代だけで十分。後は私の奢りだ」
「そんな、それじゃ・・・・でも、ありがとうございます」
おそらく最初からそのつもりであろうが、それでもこういう反応をされると可愛いと思え
てくる。
「でも・・・・それなら、私、ちゃんとお礼しないと」
ルミの声が変わった。少女ではなく、女の声に。
219 :
悪意 3/4:2008/06/13(金) 23:23:44 ID:7LBuKU6g
私に背中を向け、制服を脱いでいくルミ。ジャンパースカートを脱ぎ、ブラウスのボタン
を外す。
裸になっても、ルミの印象はあまり変わらない。胸はあまり大きくないが、痩せているわ
けではなく、スポーツでもしているのだろう、引き締まった、均整の取れた身体だ。
ショーツとブラも脱ぎ去ったルミは、もう一度ブラウスを羽織り、ボタンは閉めずに私を
振り返った。
「なんでわざわざブラウスを?」
「この方が喜ぶかと思って」
なにかの雑誌で手に入れた知識なのか、経験上の実感なのか判別できない。ルミはそのま
ま私に近づくと、私に唇を重ねてきた。
少し迷ったが、舌を差し入れてみる。ルミはそれを受け入れ、暫し舌を絡め合わせた。
私の手がルミの乳房をまさぐる。外周から円を描くように揉みしだき、先端の突起を指先
でつまむ。唇を重ねたまま、ルミが呻き声を洩らした。
ルミは唇を離すと、少し悪戯っぽい笑顔を浮かべて私のバスローブの前をはだけた。そし
て私の乳首を唇で挟み、軽く歯を立ててくる。
「お、おい――」
「おかしい。男の人は女にこういう事するのに、女からされるのは恥ずかしいんですね」
一度口を離したルミはそう言って、すぐに愛撫を再開する。唇は胸から腹に下がっていき、
更に下へ。まだズボンを履いていたが、そのベルトを外すと、ズボンの前を開き、トランク
スの上から私のモノを手でしごき始めた。
トランクスも下ろされ、むき出しになった一物は、もう久しく記憶がないほどに硬直して
いた。彼女は躊躇うことなく口に含み、舌先で私を責めてきた。
「ん、む、むぐ・・・・」
我ながら情けない声が自分の喉から絞り出される。10代のガキならともかく、この歳にな
ってこの程度の前戯で果ててしまっては沽券に関わる。
いつの間に用意したものか、ルミの手にはコンドームの袋が握られていた。封を切り、中
身を口にくわえると、慣れた手際で口で私に装着してくれた。
再びルミの顔が私の目の高さまで上がってくると、
「続きは、向こうで」
ベッドを見ながら言う。
二人でベッドまで歩き――残念ながらお姫様抱っこをするには私は歳を取りすぎた――掛
け布団を剥ぐと、ルミが私をベッドに押し倒した。
仰向けになった私の上に、ルミが覆い被さる。私のモノを手で持つと、自分の中に導いて
いった。
16歳、自分の娘と言ってもおかしくない年齢の娘が、私の上で腰を動かしている。この上
ない背徳感と、彼女自身の動きによって、私は大いに昂った。両手を伸ばし、ルミの両の乳
房を鷲?みする。荒々しい愛撫に、ルミの表情が歪む。
「ハァ、ハァ・・・・おじさん、凄い・・・・!」
ルミの腰の動きが激しくなっていく。私も下から突き上げていく。二人が獣じみた声をあ
げ、動きが最高潮になったとき、二人は同時に果てた。
220 :
悪意 4/4:2008/06/13(金) 23:24:15 ID:7LBuKU6g
「ねえ、おじさん」
事後のけだるさの中で、ルミが私に話しかけてきた。
「ん?」
煙草を吸いたい気分だが、数年前から禁煙して持っていない。ホテルを出たら買おう、と
思った。
「私、おじさんに言い忘れてた事があるの」
「なに?」
「私ね、フルネームは高岡ルミ、て言うの」
「高岡?」
なんだろう、どこかで聞き覚えがある名字だ。高岡・・・・高岡・・・・・・・・。
目が覚めた。さっきまでの気分は全て吹っ飛んでしまった。私は跳ね起き、ルミを見つめ
た。
「そう、私は高岡弥生の娘。あなたのお父さんが手を付け、そして生まれた子供。つまりあ
なたの異母妹。どう?腹違いとはいえ、自分の妹の味は?」
「・・・・・・・・どういうつもりだ、これは?」
「別に。やっぱり私の父方の家系は、男はみんなけだものだって言う事を確認したかっただ
け。でも、こんなこと会社に知れたらどうなるのかしらね?」
「・・・・誰が信じるものか」
「ここの部屋、お兄さんの名前でとったのよ。何驚いているの?当然名前は知ってたわよ。
ルームサービス持ってきたボーイさんは、二人いて男がシャワー浴びてた事を知っている
し、私が高校の制服を着ていた事も見てる。いざとなれば証人はいくらでもいるわ。それに、
写真もあるのよ。私のバッグ。よく見ると横に穴が開いているのに気付かなかった?その粗
末なもの咥えてる時に、リモコンでシャッター切ったのよ。こぴしてばら撒いてもよし、メ
ールで送りつけてもよし、どっちがお望み?」
「そんなことをしてみろ。お前だってここにいられなくなるぞ」
精一杯の脅しであった。だがルミは唇の端をゆがめて笑うと、
「こんな町に愛着も郷愁もないわよ。妾の子、妾の子って、私や母がどれだけ後ろ指指され
てきたと思ってるの?あなたを道連れなら、町を出ることくらい安い取引だわ」
私は目の前が暗くなっていくのを感じた。自分ではなく、自分の父の不始末によって、こ
れほどに理不尽な復讐をされていることに、そして反撃の機会が残されていない事に、絶望
していた。
「・・・・何が、望みだ。どうすれば、黙っていてくれる」
「大したことじゃないわ。ただ、片親って色々大変なのよ。大学の推薦もとりづらいし、就
職だって不利だし。お兄さんなら色々人脈も持ってるでしょ?可愛い妹の為に、この先色々
と協力して欲しいのよ、ね、簡単でしょ」
言葉では簡単だ。だが私には、一生摂り付いてやるという宣告にしか聞こえなかった。
了
乙
キャプテンすげえw
ドアホンのモニターには愛子の姿が映し出されている
「あ…私、安藤と申します。三代吉君はいらっしゃいますか?」
「愛子?ちょっと待ってて」
「どうしたんだ?」
「これ、店に忘れてたよ」
「おぉサンキュー。置いといてくれてもよかったのに」
「たまたまこっちの方に用事があったから…」
「そうか…」
「…」
「……」
「………」
「…上がってく?」
「え?あ、うん…じゃあ…お邪魔します」
「ちょっと散らかってるけど」
「うわっ!本当に散らかってるな〜」
「男の部屋なんてこんなもんだぜ(笑)」
「私が片付けてあげるよ」
「別にいいって。ジュース持ってくるから座ってて」
座っててと言われても、床には衣類やマンガなど無数の物が散乱していて座る場所などない
愛子はそれらを踏まないように爪先立ちになりながら部屋の奥へ進む
ベッドに腰掛けて改めて周りを見渡すと酷い光景だ
「しょーがないなぁ」
衣類を畳み、マンガは本棚へ戻し、ゴミは袋に捨てていく
テキパキと片付けられ、汚かった部屋はきれいに整理整頓されていった
戻ってきた三代吉はジュースを落としそうになる
整理整頓された部屋よりも、部屋の中央で“それ”を読んでいる愛子に驚いたのだ
「ちょ!ちょっと!」
「みよきちぃ〜ベッドの下ってのはベタすぎないかい?(笑)」
「何してんだよ!」
「高校生がこんなの読んじゃダメでしょ〜」
「愛子だって高校生だろ!」
三代吉は雑誌を取り上げようとするが、愛子の小さな体はひょいひょいとかわす
「何々?激エロスクールガール特集?ふむふむ、これはなかなか刺激的ですなぁ」
「返せってば!」
「きゃっ!」「うわっ!」
勢い余ってもつれた二人はベッドの上に倒れこんだ
「ゴメン!」
「三代吉…」
覆いかぶさるようにして倒れた三代吉は立ち上がろうとするが
愛子がその腕を掴んで放さない
「私は三代吉の彼女なんだよね?」
「…俺はそう思ってるけど」
「だったら三代吉の好きにすればいいのに…」
「え?」
「こんな本なんかより…もっと私のこと見てよ…」
「んッ………はっ……ちゅ……ァ…」
口の周りを唾液でべとべとにしながら、何度も唇の奥深くまでキスを交換する
三代吉の手は一枚また一枚と愛子の衣服を脱がしていき
やがて愛子は下着とハイソックスを残しただけの姿になった
フリルをたっぷりと使った可愛らしいピンクの下着は
“フラワープリンセス”をモチーフにしたガーリッシュなデザインで
愛子が三代吉のことを考えながら買ったものだった
「可愛いの着けてるんだな」
「でしょ♪お気に入りなんだ…ぁッ」
ブラ越しに下から持ち上げるようにしてゆっくり揉むと
手の動きに合わせて、何か助けを求めるような切ない声が漏れる
「ふわぁ……んッ……ぁぁ……ひゃん…」
「脱がすぞ…」
「うん…」
―ギシギシギシ
ベッドのスプリングが軋む音に重なって
二人の息遣いも激しくなっていく
愛子の豊かな乳房もピストンのリズムに合わせて弾む
「うっ……んっ……三代吉…もっと…」
「愛子…俺もう……」
「やっ…ンンッ…好きって…言って…」
「好きだ…愛子が一番…世界で一番好きだっ!」
「んぅッ……ぅッ……ぁぁッ…イッ…ク……あぁんッ!」
愛子の背中が大きく仰け反った
抱き合ってお互いの体温を感じ、余韻に浸りながら呼吸を整える
汗ばんだ肌のひんやりした感触が心地よい
落ち着きを取り戻した二人、目が合い微笑みあう
「三代吉、気持ちよかったヨ♪」
眞一郎はずっしりと重い紙袋の中を覗き込み目を見開いた
「こんなに!?」
「俺にはもう必要ねーからな」
「でも苦労して集めたんじゃ…本当にいいのか?」
三代吉は笑って答える
「俺たち、親友だろ」
―終―
>>225-227 一日一話さん乙です
ミヨキチと愛ちゃんの初Hネタですか
最後ミヨキチに貰った物が比呂美にばれて…な展開も読んでみたいです
ちょっと前は「ガーリー」と言うと、やや扇情的な格好のことを指したんだけど
最近じゃ女の子っぽい格好のことを指すんだよな
フラワープリンセスってのは全然知らないんだけど後者の事だよね
>>228 ありがとうございます。比呂美にバレて…ですか
「比呂美の好奇心」みたいな感じになりそうですね
あれは同居中の設定ですが、告白後の比呂美なら燃やしちゃうかもしれませんね(笑)
>>229 そうなんですよね。特にファッション用語や流行語などは「何それ?」と思って
辞書を引いても実際に使われてる意味とは微妙に違ったりしますね
僕は【ガーリー(ッシュ)=可愛い・プリプリな感じ】と教えてもらいました。なので後者ですね
愛子の下着は、ファッション雑誌(カタログ?)に載っていた下着が元ネタです
最近暑くなってきましたね
true tearsは冬の富山が舞台なので、ネタができたら夏の話も書いてみようと思います
麦端高校の夏服ってどんなのでしょうか?気になります
231 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 14:07:54 ID:O2RXS8Kd
ちょっとあげときますね
>230
ジャンスカの上がないバージョン + 半袖シャツ
という身も蓋もない夏服と予想
みんなファッションに詳しいんだね
オレにはさっぱりだ…
ただの服オタです
服買いすぎて貯金が出来ないorz
首を横に振って欲望を払い除けようとする眞一郎を、比呂美は真っ直ぐに見つめていた。
自分が差し出した甘い誘惑…… それが導く牡として抗いがたい欲求と、眞一郎は闘っている。
「駄目だ!……約束しただろ!」
…………ちゃんと避妊はする…………
行為を始める前……交替でシャワーを浴びる前に、眞一郎と比呂美はそう決めていた。
自分たちも、周りの人たちも、誰も悲しませないために『ちゃんと』しようと。
…………だが…………
「大切な夜なの。一度だけの……大事な夜なの。……お願い……」
眞一郎との初めての繋がりを邪魔されたくない…… 今の比呂美の頭の中には、その事しかなかった。
……重ねられた愛撫で思考が曇っているわけではない。
………仲上の体面、破壊されるかもしれない未来、学校生活、『おばさん』の叱責………
そんなものを全て飛び越えて、純粋に自分が求めているもの…… それが眞一郎との『本当の繋がり』だった。
「そりゃ…俺だって……」
愛する女の胎に精を注ぐ……それは男に生まれた者にとって、何物にも代え難い至上の悦びだ。
ましてや眞一郎は体験者…… その禁断の味を知っている……
「でも駄目だ。子供が出来るのは俺じゃない……お前なんだぞ」
自らの欲望と比呂美の未来……天秤に掛ければ『比呂美』が重いに決まっている…… そう訴える眞一郎。
しかし、『眞一郎』を欲する比呂美の決意は揺るがず、引く事もなかった。
「何それ。…………そんなの……」
途中で言葉を切り、唇を奪うことで、比呂美は自分の想いを眞一郎に注入する。
「んっ…」
不意打ちを喰らった眞一郎が呻くのも構わず、言葉や音には出来ない気持ちを伝えようとする比呂美の舌。
窒息寸前まで口腔を貪ってから、比呂美はもう一度、胎の中の『女』が求めているものを、眞一郎に告げた。
「……お願い…………とって……」
「…………比呂美……」
陰唇に当たる隆起を撫で上げようとする比呂美の動きを、眞一郎は腕を掴んで止めさせる。
そして、そのままの姿勢で瞼を閉じ、眞一郎は心に埋もれた答えを探し始めた……
…………
…………
「後悔しないか?」
一瞬とも永遠ともつかない間の後、再び開いた眞一郎の目が、覚悟を決めた力強い光を放って、比呂美の心を射抜く。
比呂美はその眼差しに反応して、自分の子宮がキュッと収縮するのをハッキリと自覚した。
(………はぁ……眞一郎くん……)
濁りの無い眼光で自分の心を貫きながら、もう一度「後悔しないか」と訊いてくる眞一郎。
想いが届いた喜び……そして気持ちと気持ちが繋がった充足感が比呂美を満たす。
「しない…………するわけないじゃない……」
比呂美が身体に充満する想いを口にし終わるのを待って、眞一郎は唇を重ねた。
そして擦り合わせていた局部に手をやり、自身の隆起を覆う皮膜を剥ぎ取る。
パチンというゴムが弾ける音と、眞一郎から直接伝わる熱が、願望の成就が近いことを比呂美に教えた。
(…………来る……眞一郎くんが……私の………中に……)
キスを解いた眞一郎は、陰茎を溝に合わせてスライドさせ、愛液を茎の腹にまぶし出した。
眞一郎の雫と比呂美の露とが混じり合い、クチュクチュという卑猥な音がロフトに充満する。
比呂美はその感触と音に引かれるように、首を曲げて、眞一郎が没頭する『作業』に目をやった。
……大きく開いた自分の股…… その間を眞一郎の腰が前後するたびに、張り詰めた亀頭が見え隠れする……
視覚、聴覚、触覚の波状攻撃が、比呂美の中の『牝』を呼び起こしていく。
(…………欲しい…………)
女から求めるなんて、はしたない……それを百も承知の上で、比呂美は噴きあがる欲望を口にした。
「……眞一郎くん……来て……」
桃色の陰唇だけではなく、宝石のような瞳までも熱く潤ませながら、比呂美は眞一郎に挿入をせがむ。
小さく頷いてから、眞一郎は陰茎の照準を充分に解れた肉の裂け目へと合わせた。
亀頭の先端をめり込ませてから、眞一郎の両腕が比呂美の上半身を抱きしめ、逃げられないように固定する。
「……眞…一郎くん……」
「少し我慢して。一気に挿れる」
ゆっくり挿入すると、痛みが長引いてかえって辛い、と眞一郎は言った。
返事はせずに両目を閉じ、眞一郎の背中にしっかりと腕を回して身体を密着させる。
胸の辺りに感じる眞一郎の鼓動に意識を集めながら、比呂美はその瞬間を待った。
陰茎の長さの分、離れていた腰を、眞一郎は比呂美に向かって前進させた。
充血した亀頭を膣に半分ほど埋め込むと、痛みを感じ始めたのか、背中に当てられた比呂美の指に力がこもる。
「…ッ!!!……ん…いッ……痛……」
繋がりたい、という気持ちはあっても、痛みを受ければ、肉体はそれを退けようとしてしまう。
比呂美の身体は上へと逃げ始め、両手は眞一郎を押し返すように動いた。
(ゴメン……我慢してくれ)
一気に貫くとは言ったものの、狙いを外さないために、ある程度…カリ首までは慎重に埋没させる必要がある。
少しでも早く比呂美の苦しみを終わらせなければ…… 眞一郎はそう思い、挿入に全神経を集中した。
「……痛い……痛…いよ……」
苦痛を訴える比呂美の両眼が、喜びではない別の涙で濡れている。
それを見て、萎えそうになる気持ちを無理矢理に奮い立たせると、眞一郎は挿入を続けた。
上半身を捕まえていた腕を、片方だけ腰に回し、固定を確かなものにする。
「比呂美……いくよ」
そう声を掛けると、比呂美の顔が「もっと痛くなるの?」とでも言いたげに曇り出す。
……だが、もう構ってはいられない……
苦しむであろう比呂美の顔を見ないで済むように唇を重ね、麻酔換わりの唾液を比呂美に与える。
…………そして…………
引き絞った弓を解き放つように、眞一郎は自らの矢を比呂美の膣へと打ち込んだ。
「んッッ!!!!!」
反動をつけて繰り出された一撃を受けると、比呂美はキスを振り解いて仰け反った。
全身に薄い汗の膜をまとって硬直してしまった比呂美を包むように、眞一郎は身体を密着させる。
耳元で鳴る、比呂美の奥歯が軋む音…… 快感ではない痺れに震える華奢な身体……
そして陰茎に感じる、『膜』を引き裂いた確かな感触と、肌よりも遙かに熱い温かさ……
感動、などという軽い言葉では言い表せない……比呂美の処女を奪ったという実感……
……だが、儀式はまだ終わりではない。
(あと、もう少しだ……もう少しで……『届く』……)
苦痛に耐えている比呂美に申し訳ないと思いながらも、眞一郎は最後の仕上げに取り掛かった。
膣の中程まで潜り込んだ亀頭の、ほんの数センチ先に潜んでいる比呂美の『女』……
眞一郎はそこを目指して、自らの陰茎を根元までグッと押し込んだ。
「あああああぁぁっっ!!!」
悦楽とも悲鳴ともつかない比呂美の絶叫が、天井と壁に反射する。
膣の側壁とは違うコリッとした硬さを亀頭に感じ、眞一郎は自分が、比呂美の一番大切な所へ辿りつけたことを知った。
(……繋がった…………俺は……俺は比呂美の中にいる……)
至高の悦びに包まれ、自然と子宮を突き上げるように動いてしまう眞一郎の腰。
その動作が比呂美に痛みとは違う感覚を与えたのか、今まで拒絶に動いていた身体の動きが変化した。
肩を押していた腕は首に回され、投げ出されていた脚は、眞一郎の腰の後ろで下半身を引きつけるように交差する。
(動かしても平気……か?)
しがみつく様な比呂美の反応を、眞一郎は誤解してしまった。
腰を軽く揺すって陰茎を少し前後させると、比呂美は「痛っ!」と叫んで、更にきつく抱きついてくる。
「動…かないで… ……痛いの……」
一番敏感な部分の『肉』を裂いたのだ。すぐに痛みが無くなるわけはなかった。
「ごめん。……少し…このままじっとしていよう」
耳元で優しく呟いて、比呂美を抱きしめたまま、差し込んだ部分を動かさないように身体を静止させる。
慌ててはいけない…… そう己に言い聞かせ、眞一郎は比呂美の心と身体が落ち着くのを待った。
…………
…………
暫くすると、比呂美の呼吸の乱れは徐々に落ち着きをみせ、全身の緊張も緩んできた。
上半身だけを少し離し、顔を覗いてみる。
相変わらず痛みはあるようだが、挿入を始めた直後よりは額の険もとれて、幾分か楽になっているように見えた。
「比呂美、大丈夫か?」
自分でこんな目に会わせておいて、大丈夫も無いものだが、他に言葉の掛けようが無い。
「……大丈夫じゃない」
比呂美は薄目を開けて「う〜っ」と唸ると、右手で拳骨を握って、眞一郎の頭を軽く小突いた。
「いてっ」
絆創膏が張られた部分を避けて命中した攻撃に、眞一郎が思わず声を上げる。
比呂美が「これでチャラ」と言って悪戯に微笑むと、眞一郎も困ったような顔で笑い返してきた。
「まだ痛いか?」
「うん…ちょっとズキズキする。……ちゃんと…全部挿ったの?」
恥ずかしいことを口走りながら、眞一郎が嵌まり込んでいるところを覗き込んでみる。
(……やだ……すごい……)
桜色の肉が左右に割れ、その中心の孔が、眞一郎の陰茎をしっかりと咥え込んでいた。
それに会陰部を流れる、愛液とは違う生温かい液体の感触……
少量ではあるが、やはり出血もしてしまったらしい。
「……挿った…ね……」
「……うん……挿った」
二人で結合している部分を凝視しながら事実を確認し終わると、眞一郎は顔を近づけ、唇を求めてきた。
痛みで動けない以上、今できる愛撫はこれだけ、ということなのだろう。
互いの唾液を呑み合う激しい口付けを交わしながら、意識を膣の内部に向けてみる。
先刻、手の平で感じた熱の塊……猛々しいペニスの息吹が胎内に感じられた。
自分でも触れたことのない…女の器官を押し上げて圧迫してくる、眞一郎の情熱……
(……眞一郎くんが……眞一郎くんが…私の中にいる………)
『女』になったのだ、という強烈な実感……
形容不能な想いが心を震わせ、自然と目尻に透明な雫が湧き出した。
「! 比呂美……また痛み出したのか?」
比呂美の喉が嗚咽で鳴るのに気づき、眞一郎は慌てて身体を起こす。
「……ううん…………違うの……」
首を横に振り、これが悲しみの涙ではないことを知らせる比呂美。
…………眞一郎と深く……深く繋がることが出来た…………
その喜び……充足感を泣く事でしか表現できないのが……もどかしい。
「……眞一郎くん……好きよ…………愛してる…… あなたがいれば…私は……」
…………他には何もいらない…………
と言いかけて、それはとても陳腐なセリフだと気づき、途中で言葉を打ち切る。
伝えられない…… 言葉じゃ足りない…… ……心が…苦しい……
だが、その気持ちは眞一郎も同じだった。
「……俺だって…俺だって、お前を愛してる…… お前がいれば……俺は……」
眞一郎も、想いを最後まで言葉にすることが出来ない。
口先で紡ぎだす音では不足だと、その苦しげな表情が物語っている。
「比呂美っ」
伝えきれない想いをぶつけるかの如く、眞一郎は闇雲に身体を抱きしめてきた。
その動きが傷口を擦り、忘れかけていた苦痛が蘇って、思わず「んっ」と呻きを漏らしてしまう。
「あっ、ゴメン!」
「いいの……もう…大丈夫だから……して……」
「……無理するなよ。もう少しこうして…」
眞一郎の気遣いを、比呂美は柔らかな微笑みで遮り、痛みの先にあるものを要求する。
「したいの。……眞一郎くんと……」
「……比呂美……」
……本当は…本当の想いは……もっと深い……
……溶けたい…… ……溶けて混じって……眞一郎と一つの存在になりたい……
……でも、それが叶わないなら……せめて……
……この痛みの向こう側にあるものを……眞一郎と二人で…見つけたい……
……そこに……二人の想いを本当に繋げてくれる何かが……ある気がするから……
…………
「…………眞一郎くん……『セックス』……しよ……」
ただ純粋に……眞一郎を求める比呂美の…飾りの無い素直な言葉。
「…………」
僅かな逡巡のあと、眞一郎は比呂美の想いに応えるように頷くと、ゆっくりと腰を前後に動かし始めた。
238 :
朋与男:2008/06/16(月) 00:47:48 ID:R9aqhNZI
比呂美スレに、カカさんの予告が来てますね
7月上旬か…… 楽しみ!
>朋与男さん
乙です。
自然に口にしてしまいそうな賞賛の言葉は終わるまで我慢したいと思いますw
朋与男さん乙です
比呂美スレで更新してると聞いて飛んできました
ホント綺麗なエロだな
二人の想いの強さを感じられます
比呂美スレの更新情報は朋与男さんが書き込んでくれたの?
242 :
朋与男:2008/06/16(月) 01:26:50 ID:R9aqhNZI
>>241 そ、そんなずうずうしい事しませんよ
スレを覗いてMAMANさんやバイトさんの作品を拝見したりはしますが、
「ある日のシリーズ」に関する書き込みには、あえて答えないようにしてます
あくまでエロパロスレのSSですから
放課後の練習が終わると、高岡キャプテンは比呂美を体育館の裏に呼び出した
どんな話か大体の見当がついている比呂美の表情は暗い
「合宿の集金なんだけど…」
「すみません。もう少しだけ待って下さい」
「そのことなんだけど、朋与から色々聞いてるわ。もし無理だったら私が…」
「大丈夫です!必ず用意します!キャプテンには迷惑かけられません」
「…わかった。でも困ったことがあったら私たちに相談するのよ!」
「はい。ありがとうございます」
「話っていうのはそれだけだから。お疲れ」
「お疲れ様でした」
高岡キャプテンが去った後、比呂美の携帯がメールの着信を知らせる
「寄り道して帰らない?」
「ごめん。今日は用事があるの」
朋与の誘いを断って比呂美は家とは反対の方向へ歩き出した
隣町の公園に着くとベンチに座っているサラリーマン風の男に声をかける
「あの……」
「君があの書き込みの子?」
「はい…そうです」
「可愛いね〜ビックリしたよ」
「…このことは誰にも言わないで下さいね」
「わかってるよ。バレたら困るのは僕も一緒だし」
二人で公園の車椅子用のトイレに入り鍵を閉める
俯いたままモジモジしている比呂美に男が言う
「じゃあスカート上げて」
「はい…」
小さく震える比呂美の指先が制服の裾を掴み、ゆっくりと持ち上げる
普段はスカートに隠されている健康的な白い太ももに光が当たった
「もっと上げて。それだと見えないよ」
「はぃ……」
「お臍のとこまでね」
このまま恥ずかしがっていても仕方がないと、大きくたくし上げる
形のいい小さなヘソ、その下にはブルーのリボン
男が欲している白いショーツが丸見えになった
100円ショップで購入した生地も粗末な安物だったが、男にとっては何十倍もの価値がある
「……もういいですか?…あまり時間がないので」
「…そうだったね」
男は財布の中から千円札を三枚取り出す
比呂美はスカートが捲れないように気をつけながらショーツを脱いだ
両者の手にある物が交換される
「どこをほっつき歩いてたの?」
「すみません…」
「こっちは片付けがあるんだから、勝手な時間に帰ってこられても困るの」
「……すみません」
「もうあなたのご飯はないわよ」
「すみません……」
「“すみません”ばっかりね。あなたのお母さんそっくりだわ」
「…………」
部屋のドアを閉めると比呂美は深いため息をついた
引き出しから【合宿費 一年 湯浅比呂美】と書かれた封筒を取り出し
男からもらった三千円を入れる
(あと少し…なんとかなりそう…)
ベッドに寝転がり携帯を開いて掲示板をチェックすると
そこには“マッチ”を売る少女たちと
それを買い求める男たちの書き込みが並んでいた
比呂美もそこへ新たに書き込む
『富山・高一・即日希望・野口さん三人から』
携帯を操作しながらふと思い出す
(明日は100円ショップに行って“マッチ”を仕入れなきゃ)
―終―
>>246 ありがとうございます
そういうスレがあったのですね
続編は考えてませんが、もし出来上がったときはそちらのスレに行かせていただきます
もう遅いですが、比呂美好きな方には不快な内容だったかもしれません…
注意書きなどもっと気をつけるべきでした。申し訳ありませんでした
まとめサイトの管理人様へ
上の「マッチ売りの少女」をまとめサイトに載せていただける場合は
文頭に
【 ※比呂美が買春をする内容です。不快に感じる方は読まないようにお願いします 】
と注意書きを付け加えていただけると幸いです
お忙しいとは思いますがよろしくお願いします
個人的には、ぜひ書いてもらいたいんですけどね。
でも、おっしゃるとおり、売春ネタはNTRにも通じるヒロインビッチ化属性なので、
普通のファンのみなさんからは敬遠されるのです。
書きたくなったら、ぜひそのスレでどうぞ。
管理人様、ありがとうございました
>>247 ドキドキしながら読みました。
比呂美は不幸な姿も似合います。
ぜひ続き書いて欲しいです。
>>235 脳裏に浮かぶほどの描写に痺れそうな甘い言葉乙っっです。
比呂美スレからのリレーSS来ないかな
一日一話氏なら・・・一日一話氏ならきっとなんとかしてくれる
朋代男さんの眞一郎と比呂美のやりとりは『アイルケ』を思い出すなぁ
※これは眞一郎が乃絵を選んでいたら…というifな話です
これまでは周囲から変わり者扱いされ、他人と距離を置くことが多かった乃絵だが
眞一郎を好きになり付き合うようになってからは、少しずつ周囲の環境にも溶け込めるようになった
初めて買った携帯電話、その待受画像は大好きな眞一郎の笑顔
乃絵は暇さえあればそれを眺めていた
今もこうして携帯を片手に幸せそうに笑っている
「眞一郎……」
「またそれ見てるのか」
「!」
気づかないうちに背後に立っていた純に驚き、慌てて携帯を閉じる
「お、お兄ちゃん!見ないで!」
メールガトドイタヨ メールガトドイタヨ
「ほら、彼氏君からのメールじゃないのか?」
「わかってるわ!」
乃絵は携帯を胸に抱え、慌てて自分の部屋へ駆け込むと
誰にも見られないように布団を頭にかぶってメールを開いた
『今から会えるか?』
(やっぱり眞一郎!)
『いいよ』
人差し指で一つずつ丁寧にキーを押していく
たった三文字だけなのに時間がかかる。すぐに返事は来た
『バス停で待ってる』
『わかつた』
「出かけるのか?」
心配そうに尋ねる純に、玄関で靴を履きながら乃絵は答えた
「すぐに帰るわ」
「車に気をつけろよ。あと8時までには帰ってこい」
「もう!子供じゃないんだから」
ガラガラガラ…ピシャン
「あいつも社交的になってきたな…」
眞一郎と付き合うようになって変わり始めた乃絵
これまで自分が守ってきた妹が自立を始めた
それは兄としては嬉しいことだったが少し寂しくもあった
(俺もそろそろ乃絵から離れないといけないな…)
ポケットから携帯を取り出し、電話帳の最後の名前を選択する
「もしもし?俺だけど。飯まだならうちに来ないか?」
「眞一郎!ごめん、待った?」
「俺もさっき来たところだから」
「そう……それで…」
「…急に乃絵に会いたくなったんだ」
「眞一郎…」
星空の下、見つめ合う二人の頬は赤く染まっている
「入ろうか…」
「うん…」
この海沿いのバス停は、海から吹く風や雪を凌げるように小さな小屋になっていて
冬になると小屋の中にストーブが置かれて暖を取れるようになる
今は冬ではないので雪は降らないが、それでも夜になると風が冷たい
二人はバス停の中で話すことにした
「さっきのメール“わかつた”になってたぞ(笑)小さい文字はこうやって打つんだ」
「メールって難しいのね…」
「覚えれば簡単だよ」
「頑張って覚えるわ。……眞一郎と繋がっていられるために」
「乃絵…」
眞一郎は携帯を覗き込む乃絵の顔が近いことに気づく
その視線を乃絵も感じ取り、互いの顔を瞳に映しあう
「しんいちろ、っ…………」
乃絵の唇が塞がれる。唇を軽く開き、眞一郎を受け入れる
初めて舌を入れられたときは全身を強張らせるばかりだった乃絵だが
今では自分からも積極的に絡ませていくようになった
「…ん……ぅっ……」
バス停には二人の息遣いと唾液が絡み合う音が広がる
荒い呼吸を繰り返す眞一郎の手が乃絵の胸に当てられた
「…眞一郎、だめっ……誰か来るかも……」
「もうバスは来ないから大丈夫」
乃絵が顔を上げて壁の時刻表を確認すると、確かに最終のバスはもう出ている
「でもっ…」
「大丈夫だから……乃絵が欲しいんだ…」
眞一郎が耳元で甘い言葉を囁く
ありきたりなクサイセリフも、乃絵にとってはドラマチックなその言葉
身も心も溶かしてしまうには十分だった
眞一郎がバス停のベンチに腰をかけ
向き合うようにして乃絵がその上に座る
乃絵の小さな身体は、大きくなった眞一郎をギュウギュウと締めつけている
「あっ…や……待って…」
「どうした?痛いか?」
大きく首を横に振る乃絵
「ううん…違うの…熱くて、変になりそうだわ……」
「そのまま身を任せて…動かすよ?」
乃絵の小さなヒップを両手で支え、上下に動かす
体重の軽い乃絵は眞一郎の上で跳ねるように揺らされた
「ぁ……ゃっ……んっ……くぁ……ああっ……」
眞一郎にしがみつきながらその腕の中で上下に揺れる乃絵
結合部から聞こえる“ぐちゅぐちゅ”という卑猥な水音
二人のリズムが激しくなると、水音もボリュームを上げて鼓膜を通って脳の奥を刺激する
「あんっ…やっ…ダメっ…しっ、しんいちろぉ!」
「乃絵っ…俺も!」
「んんんっ!アッ!だめ…真っ白に…なるッ!……ふわぁぁぁぁ!」
狭い乃絵の中が更に収縮して圧迫する
眞一郎は一番奥の深い場所で、子宮の入り口へ何度も生命の種を打ち込んだ
脱力した乃絵を抱きながら頭を撫でる眞一郎
その腕の中で乃絵は愛情に満たされ、幸せを全身で感じ取っていた
「家まで送るよ」
「うん……」
「どうしたんだ?」
「ヒリヒリするの……眞一郎、おんぶして♪」
眞一郎は乃絵をおんぶして満天の星空の下を歩く
「この前の絵本、最終選考に残ったって通知が来たんだ」
「本当!?すごいわ!すごいわ!」
まるで自分のことのように手足を動かして喜ぶ乃絵
「こら、暴れるなよ」
「やっぱり眞一郎は飛べるのよ!」
「乃絵と出会っていなければ、俺は飛ぼうともしなかった。…ありがとう乃絵」
「眞一郎、また素敵な絵本が描けたら私に一番に見せてね」
―終―
>>257 おおー新作来てたぁ
眞一郎と乃絵ifですか、幸せそうでイイですね
乙です。
次はママンと近親相姦ネタとか・・・
ありがとうございます
>>261 ママン×眞一郎ですね
挿入なしで短いですが書いてみました
265 :
歪んだ愛情:2008/06/21(土) 11:59:24 ID:/XU+MRCO
シュシュシュシュシュ…
母の細い指が眞一郎の陰茎に絡みつき、優しい指使いでこすりあげている
「母さん…もう……こんなこと…」
「やめる?眞ちゃんがやめてほしいならやめるわよ
その代わり、あの子にはこの家を出て行ってもらうことになるけどね」
「そんな……」
「当たり前じゃない。あの子は家の人間じゃないんだかから」
「母さん……くっ…」
「中学は出てるんだからもう働けるわ。高校に通いたいなら施設から通えばいい」
「…どうして……」
手のひらで包むように握りなおして上下運動を再開する
しっとりとした手のひらの感触に、眞一郎の腰はとろけそうな快感に襲われる
「眞ちゃんくらいの年頃の男の子は、すぐに溜まってムラムラしちゃうのよね……」
「うぅっ…」
「だからってあの子に対して特別な感情は持っちゃダメ。わかるわよね?」
「……比呂美は…うっ!」
比呂美の名前を口にした瞬間、母の手を動きが激しさを増す
「こうやって毎日出してあげるから、眞ちゃんは余計なことを考えなくていいの」
比呂美に対して性的な欲求を覚えないようにと、毎日欠かさず行われる母の歪んだ愛情表現
「あら?垢が溜まってるわよ。お風呂に入ったらちゃんと皮を剥いて洗いなさい」
「か、母さん!」
丁寧に包皮を剥き、亀頭の下のくびれに溜まったカスを、母の舌先が舐め取っていく
その感触に敏感な亀頭は耐え切れず、快感は一気に尿道を駆け上った
ビュッ!…ビュッ!ビュルッ!……ドクン……ドクン……
脈を打つように跳ね上がる。何度も何度も…
母の口腔内はドロリとした精液と、その強烈な臭いで満たされた
口の中いっぱいの精液をティッシュに吐き出すと
母は決して比呂美には見せることのない優しい顔で言った
「出したくなったときはいつでも言いなさい」
―終―
うはぁ・・・
クオリティ高い&早い
Intel入ってますね
>>265 ママンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
エロいwエロいよママンwww
リクエストに応えてくれてありがとう(*゚∀゚)=3ハァハァ
270 :
元一日一話:2008/06/23(月) 05:03:51 ID:xYSlNHcz
ママン美人でいいですよね(;´Д`)ハァハァ
今日の夜に、ママン×眞一郎の続編(完結編)をUPしたいと思います
∧_∧ ∧_∧
( ・∀・) ワクワク (・∀・ )
( ∪ ∪ ∪ ∪ )
と__)__) 旦~ 旦~ (__(__つ
さて、靴下履いて待たなきゃな
※「歪んだ愛情」の続編です。近親相姦。比呂美の鬱END。ご注意下さい
学校から帰った眞一郎は机の上に鞄を投げると
階段を駆け下りて台所のほうへ向かった
「眞ちゃん、おかえり」
「母さん…」
台所に立つ母に後ろから抱きつく
首筋に顔を埋めるようにして母の香りを嗅ぎ
白いカーディガンの上から両手で胸を弄る
手に力が入らなくなった母は包丁を置いた
毎日欠かさず行われる、母の歪んだ愛情表現
眞一郎は当初、比呂美に対して罪悪感のようなものを感じていた
だが思春期の男子にとって性欲は恋心よりも強い
いつしか比呂美のことなど頭から消えてしまい
性欲に支配された眞一郎は母の身体を自ら求めるようになっていった
「母さん……したい……」
台所に手をつき、尻を差し出す母
眞一郎はもう一秒も我慢できないといった様子で
膝丈のスカートを捲り上げ、黒のショーツを脱がせると
硬くなったものを母のそこへ当てがう
もう眞一郎の目には白桃のような尻しか見えていなかった
16年前、自分がいた胎内へ近親相姦という形で帰っていく
「お前の母ちゃんキレイだな」
いつかの三代吉の言葉が蘇る
たしかに眞一郎の母は同年代と比べてもかなり若く見える
三十路だと嘘をついても誰も疑わないだろう
そんな若々しい素顔と肉体を持った母だからこそ
眞一郎も血縁関係を忘れることができたのかもしれない
「ハァハァハァハァハァ…」
「あっ……んっ……っ……ん……」
息を荒げて、無我夢中で腰を振る眞一郎
両手でがっちりと掴まれたウエストは
子供を産んだ女性にありがちな体型とは違い、艶かしいラインを描いている
母は眉間にしわを寄せ、喘ぎ声をなるべく漏らさないように手の甲を口に当てた
それでも眞一郎の激しい腰使いに、膣内は強く擦られ意識がボーっとしてくる
ぱん!ぱん!ぱん!ぱん!パン!パン!パン!パン!
肉のぶつかり合う音が大きくなるにつれて、声も押さえきれなくなる
母のポニーテールがゆらゆらと揺れて、熟れた果実の甘い香りを漂わせている
二人の絶頂を知らせるように、コンロのケトルが“ピーーッ”と鳴った
「んっ…んんっ!眞ちゃ…あぁ…はっ…あっ…あぁ!」
「母さん!出そっ……イクッ!」
「あんっ…んっ!ぁぁ!あっ!あっ!アッ!んんんンッ!」
ドクン…ドクン……ドクン………
腰の動きがピタリと止まり、眞一郎は母の中で果てた
行為を済ませた眞一郎は、無言のままズボンを上げて台所を出る
母も何事もなかったかのように衣服を整え、料理の続きを再開するが
スカートの中では溢れ出た精液を黒のショーツが受け止めていた
「眞一郎君、話があるの…」
「何?」
「私ね、この家を出て働くことにした」
「え!?………嘘だろ…」
「おじさんの知人が東北で温泉旅館を経営してて、そこで雇ってもらうことになったの」
「そんな…」
「…今までありがとう。私、眞一郎君のこと忘れない」
「また会えるよな?夏休みになったら俺!」
「もう会わないほうがいいと思う……」
比呂美が仲上家を去る日
「じゃあ行ってくるから」
父が車に乗り込む。母は比呂美を笑顔で送り出した
眞一郎は助手席の比呂美に何か声をかけたかったが言葉が浮かんでこない
比呂美は眞一郎のほうを見ないまま、車は走り出して消えていった
それから一ヶ月
「母さん…母さん…」
「眞ちゃん………あっ…」
眞一郎が母の身体を貪っているころ
妻と息子の関係を知らない父は、庭で洗車をしていた
比呂美と引き換えに手に入れた高級外車を…
―終―
ひろしボルボに乗ってなかったっけ
ボルボだけど850エステート、古い
そもそもボルボは高級外車じゃない
>>273 なんて…淫靡でエロエロママンなんだ…ハァハァ
比呂美(´;ω;`)ウッ…
280 :
散花 1:2008/06/24(火) 19:28:15 ID:5Jujq+q+
※輪姦注意
「ここでいいのかしら?」
乃絵は公民館の入り口をそーっと開けて中を覗いた
暗くて何も見えず、人の気配も感じられない
「眞一郎?」
声をかけてみるが反応はない
暗闇の中、二階から漏れた光が階段を照らしている
「…眞一郎、上にいるの?」
そろりそろりと階段を上る
一歩を踏み出すたびにギィギィと階段が軋んだ
二階の明かりがついた部屋のふすまを開ける
「眞一郎…」
そこには期待していた眞一郎の姿はなく
初老の男と、あご髭を生やした男がいた
「あ、あの…私は……」
無断で公民館に入ったことを言い訳しようとするが
二人の男は立ち上がって乃絵のほうへ向かってくる
「ご、ごめんなさい!」
振り返って走り出そうとした乃絵は
頭にタオルを巻いた若い男にぶつかった
「おっと、どこ行くんだい?」
男は笑っているが、その目から殺気のようなものを感じ取り
乃絵は自らに迫る危機を予感した
急いでこの場から逃げようとするが、腕を掴まれ部屋の中へ引きずり込まれてしまった…
281 :
散花 2:2008/06/24(火) 19:28:47 ID:5Jujq+q+
「嫌!…やめて!イヤ〜〜!!」
畳の上へ押し倒された乃絵は必死になって暴れるが
男三人に力で勝てるはずもなく、あっけなく押さえ込まれてしまう
「林さん、手首押さえて!」
「了解」
「能登さんは口を!鼻は押さえないように」
「よしっ!」
「んーー!んんーーー!!」
若い男は二人に指示を出し、乃絵を完全に無力化してから
慣れた手つきで制服を剥ぎ取っていく
「職人技だなぁ、有沢さん(笑)」
林と呼ばれたあご髭の男が感心するように言う
「こういうのは場数を踏んで覚えるものです(笑)」
笑いながら話す男達の下では、乃絵が諦めず抵抗している
唯一自由になる足で、有沢の体を蹴飛ばしてみるが効果はなかった
ジャンパースカートは脱がされ、ブラウスのボタンは全て外された
下半身を守る最後の布に手がかけられる
「んんん〜〜!!んんんん!!!」
悲痛な叫びは、能登の手によって部屋の外へ届くことはなかった
乃絵の口腔内に、酸っぱい匂いが広がる
脱がされたショーツを口にねじ込まれ、助けを呼ぶことは不可能となった
林が押さえ込んだ腕からも力が抜け落ちている
(あぁ、この人たち麦端踊りの…)
今さらそんなことを思い出しながら、乃絵は絶望の底へ沈んでいった
「この娘、坊ちゃんの女でしょ?本当にいいんですかね?」
「坊ちゃんはあの髪の長い娘に乗り換えたんだとさ。かまわんだろう」
「へぇ、あの綺麗な娘にも一発お相手してもらいたいもんだ」
「ば〜か、仲上さんに殺されちまうぞ(笑)」
282 :
散花 3:2008/06/24(火) 19:29:21 ID:5Jujq+q+
「じゃあ俺から挿れさせてもらいますよ」
有沢が乃絵の腰を掴んで身体を引き寄せる
(助けて、お兄ちゃん!…眞一郎!)
狭い入り口をこじ開けて、先端が埋まっていく
「くっ…キツ〜……」
「んー!むーーー!!」
初めて味わう痛みと恐怖に声を上げ最後の抵抗を見せる乃絵
だがその弱弱しい抵抗も虚しく、有沢は容赦なく処女膜を貫いた
「グッ…ンーーーッ!!んんーーっ!!!」
声にならない悲痛な叫び。零れ落ちる純潔だった証
乃絵は行き場のない悔しさと痛みから逃れるように、目を強く閉じて、頭を左右に振る
口にねじ込まれたショーツをようやく吐き出すが、大声を出して助けを呼ぶには遅すぎた
「痛っ!…やめて!」
「ハハハ、この娘、処女みたいですよ」
「お願い!もうやめて!イヤァァ!」
「初めてだったのか。そりゃ悪いことしちまったなぁ」
能登と林は小さな胸を乱暴に揉みまわし、有沢はキツく締め付けられる感触を愉しむ
「すげぇ感触…ヤバッ、出そうだ…」
「いや〜!…やめて…やめて!……ぅっ…出さないで………」
膣内射精、妊娠、中絶…乃絵の脳裏に最悪の事態が思い浮かぶ
だが有沢はそんなことなどお構いなしに、短く呻いて乃絵の中へ射精を繰り返した
有沢が立ち上がると、今度は下半身を露出した能登が乃絵の足元へ座り込む
「よーし、次はわしの番だ」
どれくらいの時間が経っただろうか、乃絵にはとても長い時間に感じられた
三人にオモチャのように扱われた乃絵は、身体中を精液で汚されボロボロになり
まるで感情を失った人形のように、まばたきもせず天井を眺めている
「眞一郎……お兄ちゃん……」
眞一郎も純も、もう乃絵の傍にはいない
これから独りでこの傷を癒していかなければならない
冷たい涙が頬を伝う。乃絵は声をあげて泣いた
―終―
俺も声をあげて泣いた
俺も……・゚・(ノД`)・゚・。
俺は声を上げて歓喜した
ネタ切れのせいか随分下品なのが増えたな
287 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 18:10:24 ID:xWsuY2VH
禿同。電波とか空気とかママンとか(゚听)イラネ
糞みたいな作品連投してスレを無駄に消費しないでくれ。
やっぱり比呂美と眞一郎のラブラブなSSが読みたい。
朋与男の降臨期待ヽ(`Д´)ノボッキアゲ!!
えーオチはアレだがママンのは好きだけどなぁ
ママンエロいよママン
好き嫌いはあるだろうけど、けなすどうだろう。
これはこれで成立してるし
職人さんは負けずに投下してくださいね。
>>289 貶してるつもりはない
マンセー以外の感想は言っちゃいけないのか?
>>290 本人乙
もう無駄な雑談はやめようぜ。
けなすというか、ttのキャラである理由がどこにもないようなのが増えた気がする
今までのはまだキャラを消化した上で書かれてたのに上のなんて名前変えたらどの作品のエロパロでもなりそうだ
>>291 君比呂美スレでも同じ事言って暴れてたよね?
乃絵に関係なく作品アンチだと思うけどね
自治厨めいた言い方やマンセー以外受け付けないのかという逆ギレ気味の言い方もよく似てるよ
残念だが別人だ。
あ、別人なんだ
ただたまたま同レベルだっただけね
それは失礼。あんなキチガイ複数いるとは考えもしなかった
何が気に障ったのか知らんが落ち着けよ。
せっかくドラマCDも出て燃料が投下されたと言うのに、なんだこの荒れ方?
乃絵厨koeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
>>300 乃絵厨はどこのスレでも暴れるからな。
比呂美ENDとか乃絵ENDとかエロゲー視点で見てるから痛い。
wikiのことだがエロパロ保管庫は削除するか移転させたほうがよくね?
まともに読めるものはある日シリーズだけだし
見慣れないタイトルだからクリックしてしまうのか
本日の人気ページに毎日のように上がってくるのはウザイ。
本スレや比呂美スレのエロ妄想は面白いけど
低レベルなエロSSはttを侮辱してる気がする。
職人に文句言うな
>>302 マンセー以外の感想は言っちゃいけないのか?
そうやって職人職人って持ち上げるから勘違いするんだろ。
誰も止めないから暴走する。
っていうか単発多いなw
>>303 あなたの好み以外は排除しようとしているようだ
比呂美スレの妄想はよくて、エロSSは侮辱という境界線がわからない
655 名前:メロン名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/16(月) 04:20:13 ID:???0
まだ終わらんよ
密かに比呂美スレで自治厨を装ってがんばってる
乃絵だけを終わらせてたまるか
いつからここは比スレの出張所になったんだ?
>>305 それも怪しいんだよなぁ。
そいつは乃絵厨を装ってるただの荒らしだろう。
ID:xWsuY2VH
ID:DUYmgym0
ああースッキリした。
俺はSSに対する批判をレスしただけなのに
なぜか噛み付いてきたID:DUYmgym0はキチガイ。
どっちもどっちだよwww
314 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 22:52:57 ID:fIVbYspB
素直に自分より上手い職人はいらないと書けばいいのに
315 :
朋与男:2008/06/25(水) 23:34:54 ID:FAbG7Cg4
コテハンがコテハンにレスするのはルール違反ですが、言わせてください
一日一話さん、やめないでくださいね
私はあなたのブラックからハートフルな物まで書き分ける作風、とても好きです
黒系の時はちゃんと警告文が最初に入ってますし、問題ないと思います
今のスレの流れには関係ないんですが、
ドラマCDで朋与に好きな男ができて、ちょっと失恋気分です……
そうかぁ…ワルっぽい奴が好きなのか……
>>315 そういえば・・・告ったのは聞いたが、どういう返事だったのかは聞いてないな・・・
>>
禿同。電波とか空気とかママンとか(゚听)イラネ
糞みたいな作品連投してスレを無駄に消費しないでくれ。
批判じゃなくてただの罵詈讒謗だよ。
厭なら見ないでスルーすればいいのに。
>>316 うまくいってたら、即報告してる。
振られたから話すタイミングがつかめなかったんだよ。
しかし、ここにまで自治厨が出てきたか
朋与男さん
そう落ち込まないで…
しかし、朋与は3ポイントシュート入れるほど上手いのか
そのへんは
・告白、失恋して気落ち気味の朋与 → 蛍川に気合で負けてる
・比呂美に告白(と暗に失恋)を告げる → 3ポイントを決める
・吹っ切れて、次に → 流れが変わって勝利
で示されてる
3ポイントを入れるほど上手い上手くないではなく、試合の内容で
朋与の心境の変化と成長を表してる
もっと言うと、朋与は常に比呂美の「揺れる心」の代弁をしてきた
比呂美が口で「そんなことない」と言う時に「本当にそう?」と言う役目。
だから比呂美に恋人ができたら、朋与も恋に目が向く事になるし
比呂美が恋の過去のごたごたを吹っ切ったら、朋与も同様に吹っ切る。
だから比呂美の過去の擬似恋愛が蛍川、それなら朋与も蛍川。不良っぽいのは4番の一面の影。
朋与だけが吹っ切ったのではなく、比呂美も吹っ切った事を示したんじゃないかと。
それを重ねて大きく戦力アップ、勝利。
という、朋与を使って、比呂美が4番の影を払拭した描写を示した。
そういえば「after tears これからのことを」の続きとか
来ないですね
>>319 ドリブル突破と3ポイントシュートに朋与の失恋パワーを見たw
ドラマCD効果で盛り上がってきたなw
朋与男さんには失恋後の朋与のSSを書いてもらいたい
今日は平和だな
厨が暴れてないからな
今日はレス少ないな
誰かSS書いてくれ
SS投下の無いエロパロなんて存在意義が無いぜ
(激しく動くのはマズい…)
陰茎を大きく出し挿れするのも駄目だ、と眞一郎は頭の中で、自らに禁止事項を課す。
まずは比呂美の苦痛を、これ以上拡げないこと。
そのためには、裂傷を擦らないように深くペニスを沈めたまま、小刻みに動かして刺激するしかない。
しかも、痛みを抑えるだけでは不十分なのだ。……比呂美を……少しでも気持ち良くしてやらねばならない……
(これで比呂美が『良く』なるかは……分からないけど)
正直、自信は無いが迷ってもいられない。出来ることをしなければ。
なによりも、比呂美がそれを望んでいる。
…………
ゆっくりと、そして慎重に、眞一郎は陰茎の位置をずらし始めた。
体重を掛けて、比呂美の恥骨の硬さを感じられるくらいに、局部を密着させる。
埋め込んでいる分身の先で、意識的に子宮を一段深く圧してやると、比呂美は「んぁ」という甘い息を吐き出した。
(……奥……か?)
試しにもう一度、鈴口で子宮口に熱いキスをする。
すると比呂美はまた、感じた圧力に比例した容積の吐息を、鼻腔から漏らした。
「奥……いいのか?」
視覚を閉じていた比呂美は、どうやら膣奥に意識を向けて、胎内の様子を想像していたらしい。
軽く握った手で口元を隠しながら、黙って頷くことで、眞一郎の質問を肯定する。
その所作……垣間見せる『恥じらい』が、また眞一郎の心臓を高鳴らせた。
(よし……今度は……)
結合部をスライドさせないように注意しつつ、連続して子宮の入口をノックしてみる。
弱く、弱く、強く。弱く、弱く、強く。
本能が知らせる一定のリズムを膣内に刻みながら、眞一郎は比呂美の反応を探った。
「んっ、んっ、んっ………はうっ……はぁん……あぁぁん……」
処女膜を裂かれた痛みが簡単に治まるわけはない。苦痛はまだ続いている筈だった。
それなのに、比呂美の声は徐々に耐えるような呻きから、沸き起こる快楽を噴出させるものへと変化しつつある。
(ここを攻め続ければ……なんとか……)
痛みが消せないなら、それを忘れられるくらいの快楽を与えてやりたい。
二人の大切な『初夜』だ。苦しいだけの思い出にはさせたくない…… そう眞一郎は思った。
…………
「……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
運動らしい運動などしていないのに、眞一郎の呼吸は時間を追うごとに荒くなっていく。
精神的な緊張が原因かと思ったが、直接的な要因は別にあった。
「うッッ」
細かなジャブを打ち込まれていた比呂美の膣が、無意識に強烈なカウンターパンチを見舞ってくるのだ。
脳の命令を待つことなく、バスケで鍛えられた筋肉を使って、眞一郎を上下から挟み込んでくる膣肉。
(や、ヤバい……)
瞬時に、眞一郎は射精の瀬戸際まで追い込まれてしまった。
前立腺の反応を何とか押さえ込むため、陰茎を膣の最深部で固定し、放出欲をやり過ごす。
ピストンの中断に、比呂美が「眞…一郎くん?」と呼びかけてくるが、それに答える余裕は無かった。
(まだ終わるわけにはいかない…… 比呂美を『良く』してからだ…… そして……比呂美と一緒に……)
初めての交わりで、同時に達するなんて不可能かもしれない……それは分かっている。
大体、自分の拙い技術で、比呂美を頂に導けるかどうかは怪しいものだ。
だが、それでも諦める事はしたくない。今は駄目でも、それは必ず次に繋がる。
そして……その気持ちは比呂美に届く…必ず届くはずだと思えた。
…………
「苦しそう……大丈夫?」
前後運動を止めてしまった眞一郎に、気遣いをみせる比呂美。
自分の痛みや苦しみを二の次にして、髪の毛を撫でてくれるその優しさに、眞一郎の胸は熱くなった。
「その……締め付けがキツくてさ。……気持ち良すぎるっていうか……」
視線を泳がせながら告げると、比呂美は少し困ったような顔を見せたが、褒められた嬉しさは隠し切れないようだった。
「もっと動いていいよ。……だんだん…良くなってきたから」
「ホントに?無理してないか?」
と訊いてみると、比呂美は「うん」と頷いて、自分から腰を擦り付けるようにしてきた。
「…………ねぇ…して……」
そう言って口元を緩ませる比呂美の表情には、何か妖艶なものが混じり始めていると、眞一郎には思えた。
(試合のときみたい……)
挿入のストロークを大きく取り始めた眞一郎を見上げながら、比呂美はそんな事を考えていた。
練習で負った怪我や筋肉痛が、試合になると途端に気にならなくなる事がある。
集中力と興奮……それが醸成する高揚感が、到達地点以外を見えなくする……あの感覚……
乙女を失った痛みは消えていないはずなのに、意識がそれを感知しなくなっている。
「はぁ、はぁ、…し、眞一郎くんっ……はぁ……はあぁん!」
徐々に勢いを増してくる、眞一郎の抽挿運動。
粘液をまとった亀頭が子宮口に口付けるたびに、額の奥が熱を帯び、快感以外のことが考えられなくなる。
肌を接して単純な性器の摩擦運動をしているだけなのに、理性を駆逐してしまう…眞一郎の動き……
(……いいっ…………すごくっ……)
指の振動だけで絶頂に導かれた時から薄々感づいてはいたが、眞一郎には女の急所を見つける能力があるようだ。
促され、がむしゃらに動いているように見えて、その実、そうではない。
的確に、確実に、感じる部分……気持ちいいところを目掛けて、陰茎を送り込んでくる。
……それも、最適な圧力で……
もちろん、本人に自覚は無いのだろうが、受け手たる比呂美には、眞一郎の『才能』が嫌というほど実感できた。
(眞一郎くん……上手……)
ぼんやりと靄がかかり始めた意識の隅で、パートナーを賞賛しながら比呂美はふっと考えた。
もしかして、自分だけが悦楽を享受してはいないだろうかと。
膣の自然な反射で相手に快楽を与えている比呂美には、眞一郎をちゃんと『良く』している自信が持てなかった。
(さっきは『イキそうだった』って言ってくれたけど……)
眞一郎は満足してくれているだろうか…… 自分の身体は、眞一郎を…気持ちよく出来ているだろうか……
…………
「……眞…一郎くん…… はぁ、はぁ…… き、気持ちいい?」
自然に漏れ出す嬌声の間隙をぬって、比呂美は訊いてみた。
そんなこと答えるまでもない、という顔をしながら、眞一郎はやや強引に唇を奪ってから告げる。
「気持ちいいよ…… はぁ、はぁ、…気を抜いたらすぐ……くっ……い、イッちゃいそうだ……」
……バスケで鍛えているからなのか、上下からの圧力がたまらない……
そう口にする眞一郎は笑顔だったが、それは普段のさわやかなものでは無かった。
どことなく……『牡』としての悦びが滲み出ているような……そんな表情をしている。
(良かった……私にも…『出来てる』んだ……)
本能を、欲望を剥き出しにしている眞一郎の様子を確認できて、比呂美は安心した。
そして、その眞一郎の顔を鏡にして、比呂美は自分が今している表情を自覚する。
……自分もきっと、眞一郎と同じ顔をしている…… 悦楽に溺れる…『牝』の顔を……
その確信が、比呂美に偽りの無い欲求を口にさせた。
「眞一郎くん……もっと…もっと激しくして!」
「えっ………大丈夫なのか?」
性欲に踊らされながらも、眞一郎は比呂美を気遣う気持ちを無くしてはいなかった。
これ以上は痛みが増すのではないか、と躊躇いをみせる。
「もう痛くない。ホントだよ。……だから……もっと良く……して……」
今、感じている悦びと、これから与えられる快楽を期待して輝く、比呂美の笑顔。
その微笑みと言葉が、眞一郎のリミッターを外してしまった。
「!! …………ひ、比呂美っ!!」
絶食していた犬が食事を与えられたかのように、穏やかだった眞一郎の性技が荒々しく変貌する。
比呂美の骨が軋むほど、抱きしめる両腕に力が込められ、下半身の動きからは遠慮が消え去った。
更に大きく出没運動を始めたペニスの攻撃に、比呂美の発する悦びの声のトーンが上がる。
「あぁっ、あぁっ、ああんっ!ああぁんッッ!!」
熱い頬をピタリと擦り合わせながら、比呂美、比呂美、と自分の名を呼び、腰を打ち付けてくる眞一郎。
射精という最終目標を目指しながらも、天賦の才なのか、比呂美の『ポイント』を外すことはない。
「眞一郎くんッ!! あぁん!あんっ!……し、眞一郎くんッッ!!!」
比呂美も感じている悦びを、心の内側に秘めることを止めた。
素直に……身体が感じ取るまま…… 比呂美は興奮を全身で表現し始める。
…………
月光の蒼い照明と、パンパンと鳴り響く、肉と肉の衝突音に満たされていく寝所。
切羽詰って乱れていく互いの呼吸が、儀式の終わりが近いことを、比呂美と眞一郎に知らせていた。
「あんっ!あんっ!あぁんっ!! あんっ!あんっ!あぁんっ!!」
亀頭が叩き込む衝撃に連動して、紅潮を増し、鳴り続ける比呂美の細い喉。
「もう痛くない」と言った比呂美の言葉は、嘘ではなかった。
比呂美は間違いなく本気で感じ始めている…… そう確信する眞一郎。
普段はミントの香りがする口臭も、今は内臓から湧き出してくる動物的なものへと変化していた。
その獣のような臭いが……抑えこんでいた野性を目覚めさせる。
「はぁ、はぁ、…比呂美ッッ!比呂美ッッ!!」
完全に『タガ』が外れた眞一郎の思考は、たった一つのことに支配されていた。
(出すんだッ!……比呂美の…ナカにっ!!………俺の全部をッッ!!!)
比呂美の膣に……胎内に自分の精液を放出する…… そのことの意味は充分に理解している。
だが今は、それが引き起こすかもしれない『事象』のことは考えない。
二人の初めての交わりを……セックスを本当の意味で完結させるには、そうしなければならないと思えるから。
…………
(…クッ……もう…限界だッ……)
尾てい骨の辺りにむず痒い痺れが発し、放出が近づいていることを前立腺が知らせてくる。
だが、眞一郎は比呂美に、『中出し』の了解を取ろうとは考えなかった。
「比呂美っ!……俺、お前のこと守るからッ! ……ずっと…守るからッッ!!」
…………決意と覚悟…………
比呂美と共に在りたいという想いを、眞一郎はその言葉と、これから施す行為に込めようとしていた。
(……来るッ!…………眞一郎くんが!!)
『守る』とだけ叫んで、眞一郎が抱きしめる力を強めた時、比呂美はこの行為の終わりを予感した。
差し込まれ、激しく膣を出入りしているモノが、更に容積と熱を増したように感じられる。
(受け入れるんだ……眞一郎くんの全部をッ!)
比呂美は意識的には操れないことを承知の上で、腹の奥で覚醒を始めた子宮に……その入口に命じた。
(…………開いてッッ!!)
あの白くて熱いトロミを、身体の芯まで届かせたい…… その比呂美の念は子壷ではなく、膣筋肉に伝わる。
ペニスを握るように締め付けたあと、ミルクを搾り取るかのごとく、蠕動を始める内壁。
その動きと、「来てぇぇっ!!」と叫ぶ比呂美の声が、眞一郎にとどめを刺した。
「……ウウッッ!!!……ひ、比呂美ィィィっ!!!!」
スピードを上げつつも、規則的に前後していた眞一郎の腰が、全く違うベクトルに跳ね回り、暴れる。
比呂美の下腹部を、内側から破りそうな勢いで突き入れられる陰茎。
それが膣の最深部で固定され、痙攣を始めた直後、比呂美は激しい熱の飛沫が胎内に打ちつけられるのを感じた。
ドピュッ!ドピュッ!ドピュッ!ドピュッ!!ドピュッッ!!!
「あああああああああぁぁぁッッッッ!!!!」
胎奥……子宮の底に直接浴びせられる、眞一郎の熱い命の噴出。
永遠に続くのではないかと錯覚させる射撃に、心と身体の芯を撃ち抜かれ、比呂美の意識は高みへと昇る。
(……眞…一郎ッッ!!!)
胸の奥で愛する男の名を呼び捨て、比呂美は悦楽の階段を駆け上がった。
だが膣に残る僅かな痛覚が『絶頂』を邪魔して、あと一歩のところで、頂上に手が届かない。
最初だから仕方ない。むしろ最初でここまで来れたのだ、と比呂美は前向きに考えた。
白い悦楽の世界へ飛ばされなかったことで、自分と眞一郎の状況がハッキリと把握できると思えばいい。
(……眞一郎…が……)
自分の……湯浅比呂美の『身体』で眞一郎が達している…… その確かな実感。
殺されるのではないか、と思えるほどの両腕の締め付けと、張り付いている肌から伝わる震え。
産道を掘削するように、尚も『奥』を目指して打突を続けるペニス。
…………そして……その先端から噴き上がる……いや、叩きつけられる『命のスープ』…………
先ほど目にした眞一郎の噴射が、今、自分の膣内で行われている…………
(……き、気持ち……イイ……)
歳相応に持つ性知識と、体験している感覚が融合し、比呂美の脳に胎内で起きている現象が像を結ぶ。
眞一郎にしがみつきながら、比呂美は思わず、目の前にある華奢な肩に噛み付き、前歯を立てた。
333 :
朋与男:2008/06/29(日) 01:20:28 ID:rIZGSTzT
すみません
>>332は「ある日の比呂美 50」です
あと、住人の皆様にお願いが
「ある日の比呂美」の更新を比呂美スレに書き込むのは止めてください
せっかく宣伝して下さっているのに、本当に申し訳ないのですが、
何日か前に「エロパロの更新情報なんて迷惑だ」という趣旨の書き込みを見つけてしまいました
やっぱりエロ主体のSSですので、不快に思われる方も多いと思うのです
勝手を言って申し訳ありませんが、何卒よろしくお願い致します
朋与男さん乙です
やっと二人が繋がりましたね心も体も
>ある日の比呂美」の更新を比呂美スレに書き込むのは止めてください
宣伝していた一人として謝ります
ご迷惑をかけてこちらこそすみません
折角、保管庫もありますしね気をつけます
なんというGJ……ああもうたまらなく比呂美がかわいい
やはり眞一郎は『天才』なんですな
>>333 乙です
比呂美のいじらしく可愛いです。
比呂美スレに書き込んだことはないですけど、
あまり気にしないでね。
>(……眞…一郎ッッ!!!)
もうジョジョにしか見えないwww
荒木絵の比呂美を思い浮かべて噴いた
338 :
朋与男:2008/06/30(月) 22:22:23 ID:J7b8Xxc7
ドギャアアァァンン!! そ、その発想は無かった
唇の分厚いジョリーンのような比呂美ですか……
無い…… それは無いなぁ〜
笑わせていただいたお礼に、もう一節、投下させていただきます
ここまでしか書けてませんので、続きは当分先かもしれません
……一日一話さん、ホント帰ってきてください
吐き出した精液を奥へ奥へと圧し込もうとしていた陰茎の動きが、段々と緩やかになっていく。
小さな心臓のようだった陰茎の脈動も、再充填された物を出し切ったことで、今は治まりを見せ始めていた。
「…………ッ…はあっ……」
比呂美の肋骨を砕かんばかりの勢いだった腕から力が抜けると、眞一郎は大きく息をついた。
全身の筋肉が弛緩し、そのまま比呂美の身体を押し潰すように体勢を崩す。
「んふ……」
眞一郎の身体が位置を変えたことで、噛み付いていた口が肩から外れ、比呂美もまた、息を吐き出した。
二人のハァ、ハァ、という荒い呼吸音だけが、ロフトを満たしていく。
…………
…………
「ごめん…… 私、変な癖…あるかも……」
先に口を開いたのは比呂美の方だった。
顎のすぐ下に接している眞一郎の肩。そこには自分の歯型がしっかりと刻みつけられている。
再び肘で自分を支え、比呂美を圧迫から解放した眞一郎は、その事には答えなかった。
「……比呂美……」
肩の代わりに、両目の焦点位置に現れる眞一郎の顔。
満足そうな…… それでいて温かな…… 『湯浅比呂美』の芯をキュンとさせる眞一郎の笑顔……
比呂美は自分の表情筋が緩んでいくのを自覚しながら、同じ様に「……眞一郎くん……」と呼び返した。
それを合図に舞い降りてくる唇。
示し合わせたかのように、二人でチュッチュと淫靡な音を立て、互いの舌をついばみ合う。
(…………最高……)
頭の中で反芻される射精の瞬間…… 眞一郎の男らしさに蹂躙される悦び。
そして今、下腹部に感じる、自分の物ではない熱と粘り。
(…………いっぱい……出た……)
自分を少女から女へ、もしかすると『母』へと変えてしまうかもしれない物質が、胎内を白く染めている。
本能が漠然とした警報を発してはいたが、比呂美の心は微塵も恐怖を感じ取らなかった。
(………幸せだ……幸せ…………)
眞一郎の愛が注ぎ込まれた…… その想いと充足感だけが、比呂美の全身を満たしていた。
…………
…………
「抜くぞ」
密着させていた肌を少し離して、眞一郎がゆっくりと腰を引いていく。
白く濁った二人の愛のカクテルを道連れにしながら、半分ほど引き抜かれるペニス。
「あ、ちょっと待って」
「?」
比呂美は頭上を探って、隅に追いやっていたティッシュの箱に手を伸ばし、手早く中身を三枚ほどを取り出した。
「はい、眞一郎くんの分」
「あ……あぁ」
呆気に取られる眞一郎の手にティッシュを握らせると、続けて自分の分を用意する。
凄い量だから抜いたら零れちゃう、と言って微笑むと、眞一郎は恥ずかしそうに視線を逸らしてしまった。
こういう可愛いところも好き……などと思いながら、結合部に紙をあてがう。
「いいよ」と告げると、眞一郎は分身の残りをヌルリと引き抜いた。
(……あん…)
…………繋がった……ひとつになった存在が…………自分から離れていく…………
寂しさが胸の奥をチクリと刺したが、もうそれが不安に変化することはないのも分かっていた。
ふっと息をついて感傷を消し去ってから、眞一郎が去った空間を追うように、腹筋に力を入れて身体を起こす。
その時、比呂美の予想よりも早く、注がれていた精液が漏れ出す感覚が襲ってきて彼女をハッとさせた。
熱く、粘りのある液体の息吹を膣口に感じ、比呂美は思わず「あっ」と声を漏らす。
口を閉じかけていた膣から、ゴポッと下品な音を立てて飛び出してくる白いゲル状の塊。
体勢を変えたことと、内臓に圧力が加わったことが引き金になり、胎内に蓄えられた精液が押し出されたらしい。
手を素早くスライドさせ、会陰部でそれを受け止めると、ティッシュで噴出口を押さえ込む。
逆流するのは想定の範囲内だったが、自分の子宮はもっと『眞一郎』を吸い込んでいると、比呂美は思っていた。
(……全部……呑み込みたいのに……)
難しい願いであることは承知している。 ……でも……
ジワジワとティッシュをすり抜けて、湿気と熱を手の平に伝えてくる眞一郎の白濁。
その中を泳ぐ眞一郎の命に思いを馳せ、比呂美はまた心の中で(ゴメンね)と呟いた。
>>339 乙です
俺も1日1話さんの楽しみにしてるよぉ
毎回何が飛び出すか分からないからワクワクしてました
341 :
元一日一話:2008/07/01(火) 05:44:42 ID:IkPiizpp
すみません
ネタ切れというか、途中まで書いた話はいくつかあったのですが
ご指摘の通り「ttのキャラである理由」があるストーリーがなかなか思い浮かばなくて…
書けたらまた投稿させてもらいますので、そのときはよろしくお願いします
>>246さんが紹介してくださったスレで、比呂美のSSを書いたので興味がある方はどうぞ
ただ、スレタイ通りのブラックな内容なのでご注意ください
またいつかお待ちしてます。
書きかけの職人さん、戻ってきてほしいな
>>341 そうですか…
夏らしいttキャラの七夕や夏祭りのSSなんかも見たかったんですが
またSSが思い浮かんだら何時でもお待ちしてます。
344 :
朋与男:2008/07/02(水) 22:36:31 ID:097pIXdt
>>341 書きかけのお話があるんですか… 読みたいなぁ…
私も前に『眞一郎が成長してない。キャラが違いすぎる』って指摘された時は凹んだのですが、
『この話は自分の頭の中にしか無い物だから、自分が形にしたいなら書くしかない』
と言い聞かせて、ダラダラと書き続けています
エロパロですから、色々なifが『あり』だと私は思うのです
『これはttじゃない』とか固く考えずに、また一日一話さんのお話を披露してください
スレが存続する限り、お待ちしております
皆さん、ありがとうございます
書きかけの話はどれもttっぽくないと思い消しちゃいました
でも朋与男さんの言うとおり、色々なifがあってもいいかもしれませんね
微エロですが、さっき出来上がった新作を投稿させてもらいます
346 :
魔法の薬 1:2008/07/02(水) 22:59:38 ID:MeDNp8+z
※微エロです
「ごめんごめん、遅くなっちゃった!」
スポーツバッグを揺らして駆けてきた朋与が比呂美の隣に座る
夕暮れの校庭。早めに練習を終わらせたバスケ部とは対照的に
サッカー部は試合形式の練習に汗を流している
「それで相談って?」
「うん……えっと…その………」
「仲上君のこと?」
「……鋭いね」
「比呂美が私に勉強やバスケの相談するわけないから、残るは友情か恋愛の話でしょ」
自虐的ながらカラッとした笑顔をみせる朋与に、比呂美もつられて笑う
「なるほどね〜」
「うん……」
「付き合ってどれくらいだっけ?」
「来月で5ヶ月目」
「もう4ヶ月か……ふ〜む」
「どうすればいいんだろう………」
ため息をついてうなだれる比呂美
沈黙を破るように朋与は立ち上がった
「よし!朋与さんが一肌脱いであげましょう!」
次の日の放課後
帰る準備をする眞一郎に、朋与が話しかけた
比呂美はその様子をチラチラと心配そうに見ている
「ねぇ仲上君、今日はもう帰るの?」
「あぁ、そうだけど」
「じゃあちょっと付き合ってよ。話があるの」
(黒部が俺に話?……まさか!)
女子から話があると言われれば、思春期の男子ならその多くが告白を連想してしまう
だが今回の場合は、眞一郎の思惑は外れることになった
「比呂美とは最近どうなのよ?」
「どうって……別に…普通だけど」
「普通ねぇ。うまくいってないんでしょ?」
「どうして黒部にそんなこと言わなきゃいけないんだよ」
「私が比呂美の親友だからよ」
「………」
「マンネリというか………進展がない、そんな感じでしょ?」
「うっ…」
「当たり〜♪」
ニヤッと笑う朋与。図星を突かれた眞一郎は思わず目をそらす
しかし朋与が簡単に当ててしまうのは当然のこと、比呂美に教えてもらっているのだから
347 :
魔法の薬 2:2008/07/02(水) 23:00:24 ID:MeDNp8+z
眞一郎と比呂美は恋人同士
だが付き合って4ヶ月が経ったというのに二人の関係は半年前とあまり変わっていない
人生の中で最も生殖力が強い時期といわれている高校生なら恋人に“したい”ことはひとつ
可愛い彼女ができた男子なら当然“それ”しか考えられないだろう
だが眞一郎は比呂美を大切にしすぎているのか、キス以上のことは求めなかった
気持ちが通じ合った異性が傍にいるというのに
お互いに自慰でしか性欲を発散させないというもったいない時間が続いていたのだ
比呂美は勇気を出して押し倒すことも考えたが、やはり初体験は男のほうから…というのが乙女心
もしかしたら自分に女としての魅力がないのかもしれないとまで考えだした比呂美は
どうしていいのかわからず朋与に相談したのである
「仲上君は呪いとか魔術に興味ある?」
「はぁ?……別にないけど」
「私はそういうのにけっこう興味があるのよ」
(黒部ってオカルトマニアだったのか…)
「それでね…あれ?……どこいった?」
朋与はゴソゴソと鞄の中を探る
「あった!これ何だと思う?」
「…飴玉だろ?」
朋与が取り出したピンク色の小さな玉
眞一郎の言うとおり、一見するとそれは飴玉にしか見えない
「なんと……これは【魔法の薬】なのよ〜!」
「……もう帰っていいか?」
「待って!これは私が黒魔術の本を読んで作った正真正銘の本物!
これを食べさせると、その人は好きな人にメロメロになるの!あの有名なフランスのルイ13世もこれで…」
必死に早口で説明する朋与。その甲斐あってか眞一郎は足を止める
(好きな人にメロメロ?じゃあこれを比呂美に食べさせれば…)
「どう?すごいでしょ?」
(でも比呂美が俺を好きじゃなかったら…いや、これは気持ちを再確認するチャンス!)
「これで比呂美は仲上君にメロメロよ!欲しいでしょ?ねぇ、聞いてる?」
「え?あぁ…」
「1000円で売ってあげる」
「金取るのかよ。1000円は高い」
「じゃあ800円!」
・
・
・
「ちぇっ!ボッチャンのくせにケチなんだから」
朋与は100円玉をポケットにねじこんだ
348 :
魔法の薬 3:2008/07/02(水) 23:00:56 ID:MeDNp8+z
いつものように比呂美のアパートで宿題をする二人
「どうしたの?」
さっきから自分のほうをチラチラと見ていた眞一郎に比呂美が尋ねる
「え、いや…別に…」
「変な眞一郎君♪」
(黒部にもらったこの薬、本当に効果があるんだろうか)
100円に値切った怪しい薬を握り締めて、眞一郎は勇気を出した
「あ、あのさ………飴食べる?」
「飴?うん、もらおうかな。いただきます」
手渡されたピンク色の小さな玉を比呂美が口の中に入れた
眞一郎はその様子を固唾を呑んで見守る
「……どう?」
「おいしいよ」
にっこり笑う比呂美、変わったところはないようだ
(やっぱり黒部のイタズラか。100円無駄にしちゃったな…)
異変が現れたのは5分後だった
「なぁ比呂美、ここの問題は…」
「あつ〜い!暑い暑い!もう夏だから暑いね〜」
比呂美がいきなり暑いと言い出したかと思うと、Tシャツをスルスルと脱いでしまった
白いTシャツの下はブルーのキャミソール
ブラの肩紐と、キャミソールを押し上げる膨らみに思わず目が行ってしまう
「ふぅ…暑い暑い。そうだ、ガリンコ食べよっと。眞一郎君も食べる?」
「俺はいいよ…」
冷蔵庫からガリンコを取り出してきた比呂美は、さっきより眞一郎に近づいて座る
正座をずらしたような女座り。脚を広げて座っているため、デニムのミニスカートから奥の白い布がチラリと覗く
「眞一郎君、勉強なんてやめよやめよ。こう暑くちゃ集中できないよ」
眞一郎は別の意味で集中できなかった
暑いと言っているわりには徐々に体を近づけてくる比呂美
「でも…」
「ガリンコ冷たくておいしいよ♪」
棒アイスをかじらずに、何度も口に出し入れして溶かすように舐める
アイドルのDVDなどでよく使われる『間接的な表現』
連想させる行為を思い浮かべながら、眞一郎は下半身が硬くなっていくのを感じた
「眞一郎君も食べなよ。はい、あ〜ん♪」
「んぐ…」
比呂美は強引にガリンコを眞一郎の口へ入れる
舌の上で広がるメロンソーダと比呂美の唾液の味
(あの薬は本物だったのか……)
「おいしいでしょ?あはは(笑)えいえいっ」
眞一郎の口に押し付けられたガリンコは、脆くなった部分が折れてTシャツの中にコロコロと転がり落ちた
「大変!脱いで脱いで!」
Tシャツを脱がせようとする比呂美、眞一郎はよろけて後ろへ倒れる
「比呂美!ちょ、ちょっと!」
比呂美は制止を振り切りTシャツをまくりあげ、眞一郎の胸元についたガリンコの欠片を舐める
「ペロッ…」
「ひゃっ!」
冷たい舌の感触に眞一郎が情けない声を漏らす
「ぺろ……ぺろっ……ちゅっ……」
比呂美の舌先が男女共通の性感帯に当たり、体がビクッと跳ねる
「ごめんね♪」
349 :
魔法の薬 4:2008/07/02(水) 23:01:56 ID:MeDNp8+z
「…バタバタしてたらまた暑くなっちゃった」
「ま、窓を開けよう!そしたら涼しくなるから!」
慌てて窓際に駆け寄る眞一郎を無視するように、比呂美はキャミソールの裾に手をかける
「これも脱いじゃえ♪」
開け放たれた窓は、すぐに閉め直されカーテンが引かれる
白いブラにミニスカートという格好の比呂美が、立ち上がって眞一郎に詰め寄る
さっきまでの笑顔が消え、真剣な表情だ
「比呂美、なんか変だよ?」
「変なのは眞一郎君のほうでしょ……私のことキライ?」
まっすぐに目を見つめる比呂美
その視線に眞一郎は動けなくなる
かろうじて動かせる眼球、少し視線をずらすと白いブラに持ち上げられた豊かな胸
首筋から流れた汗が鎖骨を伝って、その深い谷底へと落ちていく
「……好きだよ」
「私も………」
「どうだった?」
「うん。頑張ってみた」
興味津々に尋ねる朋与に、比呂美は満足そうに答えた
「比呂美なら演劇部でも活躍できるかもね」
「朋与のおかげだよ」
「で、どうなったの?仲上君は襲ってきた?」
「ううん。キスしただけ」
朋与はガクッと膝を曲げてこける
「全然ダメじゃん…」
「でもね、今度の土曜日に野伏君の家に泊まるって家の人に言ったみたい」
「???」
「でも野伏君の家には行かないんだって」
「それって……!」
「うん」
恥ずかしそうに比呂美が笑った
―終―
350 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 01:38:10 ID:zHYJYZgv
管理人さん、売春スレのSSまで保管したの?
エロパロスレはともかく、作品スレからも隔離されたスレのまで保管するのはどうかと思うけどなあ
お前は管理人じゃねーだろ、だまっとけ
>>345 おぉーまた元一日一話氏の新作を読めるとは
おせっかい朋与に笑いつつ比呂美の積極的な夏らしいアプローチに(・∀・)ニヤニヤ
眞一郎そこは暴走するだろww
続き見てぇぇ
乙です。
353 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 02:21:57 ID:zHYJYZgv
一日一話さん
乙です
また朋与男さんが嫉妬しそうなかわいい朋与ですね
あれだけの事を比呂美にされても襲わないのは眞一郎らしいね
356 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 11:45:31 ID:j8f2z0hg
357 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 11:47:04 ID:j8f2z0hg
358 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 16:52:46 ID:fKPXPXDL
カカです。現在、推敲しています。
結局、文庫本一冊を超える量になりましたので、
まだ投下まで時間がかかりそうです。がんばります。
序幕を先行投下致します。よろしかったらどうぞ。
「トゥルー・ティアーズ・アフター 〜ファースト・キス〜」
true tears after ―the first kiss―
――序幕 『大事な話があるの』――
ttp://www1.axfc.net/uploader/File/so/7915
文庫本の分量ってマジですか!
乙です。
>>358 乙です!
目次の量に吹いた
さらに序章って事に目を疑ったw
読み始めたら比呂美のかわいさについ笑みが毀れてしまいました
感想はだいぶ先になりそう…でもじっくり読みたい気分です
>>345 乙です
お帰りなさい。
また読めて嬉しいですし、これからも期待しちゃいます。
>>358 そんな長作が!
楽しみにしてます。
>>358 乙です
お待ちしておりました
前作での比呂美と眞一郎の口論が忘れられません
しかし、乃絵からの電話気になるなぁ
まさか、4番がらみじゃないですよね?
363 :
朋与男:2008/07/03(木) 22:36:52 ID:oSsFUZ2z
一日一話さん、お帰りなさいませ
朋与の活躍…私にとっては何よりのご馳走でございます
ありがとうございました また可愛い朋与を書いて下さいね
そしてカカさんの長編が、いよいよ完成間近ですか
こちらも冒頭で朋与が何かやらかしそうな気配……楽しみです
それにしても文庫本を超える文字量ですか 凄いなぁ
文庫本一冊分超えワロスw
全部一辺に投下ってことはないですよね?
膝立ちの姿勢になって、股間をティッシュで押さえている比呂美を、眞一郎は黙って見ていた。
声を出したくない、と言う方が正確かもしれない。
呼吸はかなり落ち着いてきたが、内在する精力を全て吐き出した疲労感は、予想以上に凄まじかった。
頭もフワフワしている感じで何も考えられず、ただ脱力したまま、目の前の比呂美を見ることしか出来ない。
そんな眞一郎の様子に気づいた比呂美は、クスッと悪戯な笑みを浮かべた。
腹筋に力を込めた比呂美の鼻腔から、「んっ」という声が漏れ出す。
膣の奥深くまで打ち込んだ自分の精を搾り出しているのだな、ということだけは、朧気に理解できた。
「……見て…………凄いよ……」
上目遣いにこちらを見つめ、比呂美は精液を受け止め終わったティッシュを差し出してくる。
畳まれた紙の中央に溜まる、盛り付けられたヨーグルトのような……純白ではない濁ったモノ。
固体なのか液体なのか分からない白濁に混じる、僅かな赤い線と青い臭気……
「………………」
無言のまま表情を変えず、二人が交わった証拠に眼を凝らす。
比呂美の純潔を散らし、心も身体も結ばれたのだという実感が、眞一郎の胸を貫き、そして熱くした。
……だが、一瞬の反応の遅れが、比呂美に無用な誤解をさせてしまう。
「そんな心配そうな顔しないで……」
その言葉が電気ショックのように、眞一郎の精神を覚醒させた。
決して『妊娠』のことを忘れていた訳ではないが、今、考えていたのは別のことだ。
しかし比呂美は、眞一郎の気持ちを読み違えたまま言葉を紡ぐ。
「…………大丈夫よ。……もしもの事があっても、仲上の家や眞一郎くんに迷惑は掛けないから」
…………私が望んだことだから、その時はひとりで何とかする…………
視線を横に逃がしながら比呂美が続けた言葉に、眞一郎は刹那、怒りを覚えた。
……『その程度の男』と思われている、という苛立ち……
だが、比呂美をそんな考えに追い込んでいるのは、自分自身の不甲斐なさだと、すぐに思い至る。
(……確かに…そうかもしれない…… けどっ!!)
今の自分に『力』が無いのは分かっている。 でも……もう比呂美と心がすれ違うのは御免だと眞一郎は思った。
資格があろうが無かろうが、偽りのない気持ちだけは……ぶつけ合わなければ。
とっくに定まっていた決意が、口より早く、眞一郎の腕を動かした。
穏やかだった眞一郎の表情が急に不機嫌になり、右手が精液を受け止めたティッシュを比呂美から取り上げた。
眞一郎は手早くそれを丸めると、階下へと捨ててしまう。
突如、甘い雰囲気が霧散してしまった空気を感じ取り、「なに?」と訊きかえす比呂美に、眞一郎は言った。
「お前、何を言っても俺は怒らないって思ってるだろ?」
「え!?」
自分は眞一郎の癇に障る何かを口にしただろうか? 迷惑は掛けない、と言っただけなのに……
どう返したらよいか分からずオロオロしている比呂美を、眞一郎の腕は問答無用でギュッと抱きしめた。
「!!」
そして形の整った耳朶に口付ける近さで囁く。
「……迷惑掛けないとか、ひとりでとか…………今度言ったら許さないからなっ!」
「…………眞一郎くん……」
背中に食い込んでくる眞一郎の力強さを実感しながら、比呂美は自分の愚かさを思い知った。
また自分の悪い癖が出てしまった…… もうそんな気遣いは必要無いのに……
左右の瞳から、また……熱い雫が零れ落ちてしまう…………
…………
比呂美が愚図り始めたことに気づき、眞一郎の指がまた、濡れた目尻を優しく撫でる。
「……もう……拭うだけじゃなくて…………たまには……泣かせない努力もして……」
そう言って眞一郎をなじる比呂美の顔は、涙に濡れながらも美しく輝いていた。
「くしゅんっ」
それぞれに陰部の始末をしている途中で、眞一郎は軽いくしゃみを発して鼻をすすった。
どうやら、全身に薄っすらと塗られた汗が体温を奪ったらしい。
「シャワー浴びる?」
「いや、家に帰ってから風呂入るし…」
そこまで言いかけて、眞一郎はハッと口をつぐんだ。
そうなのだ。眞一郎はこの部屋に泊まらない。……朝まで共にいることは出来ない。
…………
「少し冷えちゃったね。……私も…なんか寒い」
比呂美はそう言うと、足元に畳んでおいた毛布を引っ張り、二人の身体を包んだ。
残された僅かな時間……もう少し、眞一郎の存在を感じていたいと思う。
身体全体で圧すようにして眞一郎を横たえ、比呂美はその肩に顔を預けた。
「……暖かい」
そう呟いて眼を細めると、眞一郎は比呂美の想いを察したのか、無言のまま、胸に添えた手を握ってくれた。
…………
…………
眞一郎の太くはない上腕を枕にして見る天井は、不思議な景色に見える。
毎日見ている物なのに、何故かそれが、こことは違う『別の世界』を映している気が、比呂美にはした。
…………眼前に拡がる蒼い世界……そこに眞一郎と二人で浮かんでいるような錯覚…………
神秘的な想像に身を委ねているうちに、比呂美の思惟にふと、父と母のことが浮かんできた。
(お父さんとお母さん……どうしてるかな……)
逝ってしまった両親のいる世界は、こんな所なのではないか、と理由も無く思う。
娘の自分から見ても、とても仲の良い夫婦だったから、きっと向こうでも寄り添って離れないことだろう。
そしていつか、生まれ変わって『こっち』に帰ってきても、互いを必ず見つけるに違いない。
…………そんな二人だったのに…………
『おばさん』の誤解を真に受けたとはいえ、母を信じられなかった自分を愚かだったと、今更だが思う。
そんなこと…あるわけが無かったのだ…… 『おばさん』の言うとおり、あるわけが……
(ゴメンなさい、お母さん。 ……でもね……今なら……)
心から母を信じられる。理解することができる。……同じ『女』として…………
……自分も命懸けで愛せる相手とめぐりあい、そして固く結ばれたから……
…………
…………
「なに…考えてる?」
反射する蒼を見つめながら、眞一郎が短い沈黙を破った。
「いろいろ。眞一郎くんは?」
「う〜ん……やっぱ泊まっていこうかなぁ……なんて…」
と言って頬を寄せてくる眞一郎を、比呂美は「ダメに決まってるでしょ」と優しく嗜める。
ハハハと笑いながら「だよな」と返してくる眞一郎の横顔には、比呂美を安心させる不思議な力があった。
本当はずっと……朝まで眺めていたいけれど、それはまた今度にしようと思う。
楽しみを後に取っておくのも悪くない、などと比呂美が考えていると、緩んでいた眞一郎の表情が突然変わった。
「! ……なに?」
急に真剣な顔を向けてくる眞一郎に驚き、比呂美は瞼をパチパチとしばたたかせる。
「大事なこと…言い忘れてた」
「??」
枕として貸し出されていた腕の筋肉が蠢き、下腕が比呂美の肩を強く引き寄せた。
そして……瞳孔の更に奥……心の底に焦点を合わせて、眞一郎は告げる。
「ただいま、比呂美」
「!」
…………
……まったく……この人は……『湯浅比呂美』を泣かせる天才だ…………
またしても熱くなった涙腺に「堪えろ」と命じながら、比呂美はそんなことを思った。
「……お帰り、眞一郎くん」
ギリギリで踏み止まった涙を蓄えたまま、自分が眞一郎の『帰るべき場所』であることを、抱き合うことで確認する。
…………
…………
毛布に包まりながら一言も喋らず、眞一郎と比呂美は、互いの体温で相手を温め合う。
…………その夜、二人が寝所の中で交わした会話は、その短い挨拶が最後になった。
367 :
朋与男:2008/07/05(土) 21:17:53 ID:myw3ghLt
エロパート、終了でございます
このあと引き続き、エピローグの序章を3節、投稿させていただきます
>>保管庫・管理人さま
いつもお世話になっております
今回の投稿分なのですが、出来ましたら《52・53》《54・55・56》で
分けて収録していただけると嬉しいです
劇中の時間が少し離れておりますので、その方が読み易いかと思います
どうぞ宜しくお願いいたします
比呂美と眞一郎……そして朋与の運命の日から、数日が過ぎた。
朋与は結局、あの日から病欠ということで学校を休み、二人と顔を合わせることは無かった。
比呂美が部活でキャプテン代行を務めた以外は、普段と変わらない日常が流れ、そして日曜日がやってきた……
…………
ブラインドが開くシャッという音と、その隙間から差し込む光が、眞一郎に目覚めを強要した。
(休みなんだから……まだ寝てたっていいだろうに……)
どうせ母だろうと見当をつけると、眞一郎は「ううん…」と低く唸って侵入者の要求に抗う。
昨晩は新作の下書きに夢中になって、深夜の四時まで作業をしていたのだ。
今が何時かは知らないが、まだ起きるつもりはなかった。
…………
…………パラッ…………
…………
作業机の方から、画用紙をめくる音が聞こえる。
(……ん……なんだよ……)
例え母親でも、作品に手を触れられるのは良い気分がしなかった。
眞一郎は寝返りをうって、重い瞼を開けると、机の前にいる人物に抗議の視線を送る。
「起きた?」
眞一郎の目覚めに気づき、声を掛けてきたのは母ではなかった。
ストーリー順に並べておいた下書きを、一枚一枚、ゆっくりとめくっている比呂美の姿が目に入る。
こちらを見ることもなく、できたての話を読むのに夢中になっている比呂美。
眞一郎は身体をベッドから起こし、眼の辺りを擦りながら訊いた。
「日曜に来るなんて、珍しいじゃないか」
休日は経理の仕事もないので、比呂美が朝から仲上家に顔を出すことは殆どない。
「うん、ちょっとおばさんに教えてもらいたいことがあって」
そう言いながら、比呂美は下書きをめくる手を止めない。
味噌汁のダシの取り方が何とか…と言っているが、理由は別にありそうだった。
なんだろう?と思い、眞一郎は、比呂美が口を開くのを待つ。
「…………あのね……」
「ん?」
眞一郎が小首をかしげたところで、会話は止まってしまった。
『あのこと』だろうか?と少し不安になったが、自分がしっかりしなければとも思う。
だが、二人が結ばれてから、まだ数日しか経っていない…… 『結果』が出るには早過ぎる気もする。
「……身体、調子悪いのか?」
問い掛ける眞一郎に、比呂美は少し驚いたような顔を向けてきた。
「……あぁ…違うの。そっちは平気よ。……一昨日…生理来たし……」
若干モゴモゴと口篭りながら、比呂美は新しい命が宿らなかったことを報告する。
覚悟が空振りして眞一郎は拍子抜けしたが、二人の為には、今はそれで良かったのだと思い直した。
(……?… それじゃ何なんだ?)
相変わらず比呂美は『なにか』言いたげな様子なのだが、それほど深刻に悩んでいるようにも見えない。
しばらく、迷いを含んだ視線をこちらに向けていた比呂美だったが、「やっぱりいい」と下書きに目を戻してしまう。
「この新作、猫が主人公なんだ」
「え? ……あぁ……」
一昨日に思いついた、まだ題名も決めていない話。物語の主役は、旅をする一匹の牡猫だった。
…………
そのネコは、せかいじゅうを旅していました およめさんをさがす旅です
ネコは《ノラネコ》なので、なまえはありません
はやくおよめさんを見つけて、じぶんをなまえで呼んでもらうことが、ネコの夢でした
あるとき、ねこは海岸を旅していました
そして、さみしそうに泣いているカモメの女の子にであいます
《かわいそうなカモメさん、きみに涙はにあわないよ》
ネコは涙をなめてあげましたが、カモメの女の子はなきやみません
…………
物語はそんな風に、ネコが旅先で色々な動物の女の子に恋をする、という形で進んでいく。
だが、結局ネコは、女の子が好きな相手とのキューピッド役を務めて、彼女たちの元を去っていくことになる。
そして紆余曲折の末、独りで最初の町に帰ってきたネコは、防波堤に登り、空に向かって泣く……
「『ぼくはひとりだ ぼくはひとりなんだ だれもぼくの名前をよんでくれないんだ』……か……」
ラフスケッチの最後の一枚を読み終えた比呂美は、絵本の世界に入り込んでしまったのか、とても悲しげだった。
「……悲しいお話…… 眞一郎くんらしくない……」
作家の端くれとしては、完成していない作品を口頭で説明するのは如何なものかと思う。
だが『一番のファン』である女の子が、自分の絵本で悲しい顔をしていることに、眞一郎は耐えられなかった。
「それで終わりじゃないんだ。結末はまだこの中」
そう言って人差し指で自分の側頭部を突っつき、昨夜描ききれなくてさぁ、と眞一郎は笑う。
「…………」
「…………比呂美、どうした?」
机に視線を落とす比呂美の表情は、薄曇りのまま変わることが無かった。
そして次に比呂美の口をついて出た言葉が、眞一郎に彼女の心が感じたモノを悟らせる。
「この子、朋与の……」
「…………」
その指摘に、今度は眞一郎が口を噤む番だった。
さすがだ、と思う…… 比呂美が見抜いたとおり、ネコのモデルは朋与の愛猫・ボーだった。
話すのを止めた眞一郎の様子を知るのが怖いのか、比呂美は視線を机に向けたままでいる。
だが、重苦しくなるかと思われた空気は、眞一郎の発した言葉で吹き飛んだ。
「そう。そいつのモデルは黒部ん家のネコ。そんで……それはアイツの話」
「!」
弾けるように、比呂美は眞一郎に向き直った。
眞一郎は『何も隠す事なんか無い』という風に、晴れ晴れとした顔をしている。
……キョトンとしている比呂美を真っ直ぐ見つめながら、眞一郎は続けた。
「アイツがくれた物、教えてくれた事、……形にして残したいって思ったんだ」
「…………朋与のために?」
その問いに眞一郎は、「アイツはそんなこと、望む奴じゃないだろ」と言って、首を横に振る。
「俺の中のケジメっていうか… 俺、バカだから、描いとかない忘れるっていうか……」
「プッ…… 何それ……フフフ…」
いつの間にか比呂美の顔は霧が晴れ、笑顔になっていた。
…………伝わったな、と思う…………
それから眞一郎は困ったような顔で「笑うなよ」と抗議をしたが、暴走をはじめた比呂美の腹筋は止まらない。
やれやれ……と苦笑しながら『笑い転げる美少女』を観察していると、対象の動きが突然、ピタリと静止した。
(??)
再び眞一郎に向けられた比呂美の顔は、まるで憑き物が落ちたような、透明な微笑みをしている。
「私が怒るとか…思わなかったの?」
「うん。全然」
間髪入れずそう言い切る眞一郎を、一歩近づいてきた比呂美の両腕が、包み込むようにして抱きしめた。
もう言葉はいらないな、と感じた眞一郎は、そのまま首を伸ばして、比呂美の唇を求める。
…………ペチッ!
目を閉じてキスをねだる眞一郎の額に、弾けた比呂美の指が直撃し、絆創膏の横に小さな赤い痣を作った。
「痛っ! ……もう、なんだよ〜」
「早く起きなさい。休みだからってダラダラしない!」
そう言ってフフッと笑うと、比呂美は戸口をくぐって階下へと降りていってしまう。
「ま、待てよ」
『おあずけ』を喰らった眞一郎は、新しい痛みを擦りながらベッドを飛び出し、比呂美の後を追った。
洗面所で軽くうがいをしてから居間の戸を開けると、いつもなら上座で新聞を広げている父の姿が無かった。
食卓の上にも、一人分の朝食しか用意されていない。
「母さん、比呂美の分は?」
台所の気配にそう声を掛けてみると、引き戸が反対側からスッと引かれ、その比呂美本人が顔を出した。
「今 何時だと思ってるの? 私はもうとっくに頂きました」
「あれ? お袋もいないのか?」
比呂美の話では、一時間ほど前に二人で出掛けてしまったらしい。
挨拶回りか何かか?と想像しながら、眞一郎は朝食に箸をつけ始める。
「じゃあ、私いくから。後片付け、自分でしてね」
「え!? 何だよ、それ」
お茶くらい付き合ってくれると思っていた比呂美は、すでに帰り支度を済ませて、玄関側の戸口に回っていた。
用事があるから、と素っ気無く告げ、比呂美は戸をピシャリと閉めてしまう。
(……話があるんじゃないのかよ……ったく……)
どうやら本当に、母から味噌汁の味付けを習いに来ただけらしい。
恋人同士なんだから、嘘でも『あなたの顔を見に来た』くらいは言って欲しいものだと思いつつ、お碗にお茶を注ぐ。
微かな苛立ちを感じながら、眞一郎がお茶漬けを胃袋に流し込み始めたとき、閉じられた戸板が再び開いた。
「……ん?なんだ、忘れ物か?」
冷たくし過ぎたと反省したのだろうか。 肩越しに振り返って見る比呂美の様子は、どこか神妙だった。
「…………もしかして……デートとかするつもり……だった?」
「え??」
謝辞の気持ちから、想像が大きく飛躍してしまった様だ。
比呂美の脳内では『眞一郎は今日、自分をデートに誘うつもりだった』という事になっているらしい。
「いや…別に。俺も今日、用事あるし」
……決して『お返し』という訳ではない。本当に予定があるので、眞一郎は正直にそう言った。
「………… あっそう! じゃ、私いくわ!」
一際大きく雷鳴が轟いたかと思うと、今度はドンという轟音を立てて戸が閉まる。
……こういう面倒なところも可愛いよなぁ……などと考えながら、眞一郎は立ち上がって比呂美を追った。
「怒ったのか?」
ブーツを履いている比呂美を玄関で捕まえ、眞一郎は訊いた。
「別に。 ただ、言われた事をそのまま返してくるなんて、子供だなって思っただけよ」
比呂美はおとなしそうでいて、結構、気性が荒くて怒りっぽい。
だが、それは甘えの裏返しで、その本当の顔を見せるのは、自分と母、そして朋与くらいであるのも分かっていた。
頼られている実感は嬉しくもあるが、やはり、誤解は早く解消せねばと思う。
「用事があるのは本当なんだ」
と抗弁する眞一郎をキッと睨みつけ、「何の用事!」と問い詰めてくる比呂美。
本当は夜になってから話すつもりだったが、こうなっては仕方が無かった。
前触れもなく比呂美の上体を抱きしめ、その耳元に眞一郎は囁く。
…………これから行く場所、そしてこれから会う人たちのことを…………
…………
眞一郎の話を聞き、すっかり怒気が抜けてしまった比呂美は、「私も一緒に行く」と言い出した。
だが、眞一郎は首を縦には振らない。
「一人で行きたいんだ。 二人で行くのは……まだ早い」
それに、そっちにも約束があるんだろ?と問い掛ける眞一郎に、比呂美は短い逡巡のあとで、静かに頷いた。
比呂美が普段の落ち着きを取り戻したことを確認し、眞一郎は彼女を解放する。
「夜に……こっちの用事、何なのか話すから」
比呂美はそう告げながらブーツを履き終えると、クルリと眞一郎に向き直って瞼を閉じた。
なんだよ、と惚ける眞一郎に、「ん」と唇を突き出して『お出掛けのキス』を要求する比呂美。
「大胆だぞ、お前」
「いいじゃない。……ふたりっきりなんだしさ」
それもそうだ、と呟いて、眞一郎は比呂美の瑞々しい膨らみに、自らのそれを甘く重ねる。
従業員の少年が中庭からそれを目撃し、硬直している事に二人が気づくのは、それから二分後のことだった。
乙です
エピローグも何かが起こりそうな雰囲気ですね。続きがとても気になります
朋与男さんの直後で恐縮ですが、保守がわりにと書いた七夕の話です
※ドラマCDを聴く予定がある方は、聴いてから読むことをオススメします
※相変わらずエロシーン短めです。スイマセン
7月7日。今日は七夕
この町の夜空にも、綺麗な天の川が流れていた
満天の星空には花火が打ち上げられ、人々は七夕祭りを楽しんでいる
浴衣姿の人々が行き交うお祭り広場、そこに“愛ちゃん”の屋台も並んでいる
「ハァ……皆楽しそうだなぁ」
三代吉は屋台の中でため息をついた
「黒2つくださ〜い」
「はいッ!まいどあり〜。200円になりま〜す」
表情を接客モードに切り替える三代吉
同い年くらいの二人のお客は、どちらも浴衣姿の美人だった
「二人とも可愛いから餡子いっぱい入れちゃうよ」
「わぁ〜、ありがと〜♪」
「また来てねー♪…………浴衣の女の子って可愛いなぁ」
――バシーン!!
笑顔で手を振り、客を見送る三代吉の背中を強烈な痛みが走った
「いってぇーー!」
「何を勝手なことしているのかな、アルバイト君?」
後方から感じる愛子の殺気に、三代吉の背筋が凍る
「いやぁ…あんまり売れないからさぁ………」
「売れないのは三代吉の接客が悪いからでしょ!鼻の下伸ばしちゃって、最低!」
「えぇ〜!?それは誤解だってば……」
「どうだかねぇ」
「また痴話喧嘩してるのか?」
その声のほうへ二人が振り向くと、比呂美を連れた眞一郎が呆れ顔で立っている
「おっ、眞一郎。デートか?」
「わぁ〜、比呂美ちゃん可愛いね!浴衣似合ってるよ」
「ありがとうございます」
愛子に褒められ比呂美は照れくさそうに笑った
「比呂美はどっちにする?」
「えっと…白がいいな」
「白と黒1つずつ」
「はいよ〜」
祭りも終わり、広場からは人の姿が消えていく
二人は屋台を片付けて最後の仕事に汗を流していた
三代吉が屋台を乗せたリアカーを引っ張り、愛子が後ろから押す
その様子はあの麦端祭りのときと変わらない
だがこの半年間で二人の関係は大きく変わっていた
「相変わらず…この坂をリアカーってのは…キツイよなぁ〜」
「ほら、頑張って!」
「早く免許が取りたいぜ…でも来年は無理かな…再来年なら…」
(三代吉と来年も再来年も…また一緒に……)「……今日はゴメンね。三代吉もお祭りを楽しみたかったでしょ?」
「んー…でも愛子と一緒じゃなきゃ楽しくないから。来年も一緒に屋台やろうな」
急にリアカーが重くなる
三代吉は体を持って行かれそうになりながらも、なんとか踏みとどまった
「うわっ!おい!急に手放すなよ」
「私、帰る」
「え?どうして?」
「それ返しといて」
「ちょっと!………何か気に障ること言ったか?」
屋台とリアカーを返し終わるころ、三代吉はTシャツがぐっしょりと濡れるほど汗をかいていた
夜になっても下がらない気温と、生ぬるい夜風が夏の訪れを知らせている
襟をバタバタと扇いでいると、肩に冷たい感覚がはしる
「っ!!」
驚きながら振り向くと、愛子が三代吉にサイダーのペットボトルを当てて笑っていた
「お疲れ様」
「なんだ、愛子か……ってそれ」
「びっくりした?」
冷たいイタズラか、その格好か、どちらのことを聞いているのかはわからなかったが
三代吉はえんじ色の浴衣を着た愛子の姿に驚いていた
「どうしたんだよ、その格好」
「えへへ。似合うでしょ?」
「あぁ…」
「行こっ」
「どこに!?」
愛子が三代吉の手を取る。突然の出来事に三代吉は手を引かれるまま歩き出した
「お〜い、どこに行くんだよ」
「あの場所だよ」
着いたのはあの神社
三代吉が告白した場所。二人が別れた場所。そして愛子が告白した場所
始まりと終わりを経験した思い出の場所だった
「早く早く」
「えぇ〜夜の神社って不気味なんだよなぁ…」
「男のくせに情けないこと言わないの」
どこからか聞こえてくる虫の鳴き声、蛙の合唱、木の葉が風で揺れる音
先ほどまで祭りを盛り上げていた、笛や太鼓や花火の音は消え静寂に包まれている
「線香花火やろうよ」
「花火?」
「私もね、本当は三代吉とお祭りを楽しみたかったんだ。二人だけの思い出がほしくて…だからね」
愛子は取り出した線香花火に火をつけた
――パチパチパチ
愛子の横顔が花火の灯りで浮かび上がる
三代吉は早くなった鼓動を抑えるために、サイダーを喉に流し込んだ
「ほら、三代吉も」
「おう……」
「綺麗だね」
「…愛子も綺麗だよ」
「似合わないキザなセリフ(笑)」
「うるせー!でも本当に綺麗だぞ。浴衣も似合ってる」
「あ、ありがと……なんか照れくさいな」
線香花火が消え落ちた瞬間、唇が重なり合った
「ん………あっ」
三代吉は愛子の手を取って立ち上がり、強く抱きしめた
「ハァハァ…ハァハァ……」
「三代吉?」
愛子は下腹部に押し付けられる強張りと、乱れた息遣いから三代吉の気持ちを感じ取る
抱きしめられた腕の中に漂う汗の匂いに理性も緩み始めていた
小さな子供を落ち着かせるように優しく話しかける
「どうしたの?……したくなっちゃった?」
コクッと頷く三代吉
「三代吉がシたいこと……シていいよ」
三代吉の舌が愛子の口腔で暴れる
「んっ……ふっ……んん………」
愛子の手は縋るように三代吉のTシャツを掴んでいた
口元からこぼれた唾液が糸を引きながら、胸元に落ち浴衣の中へ流れていく
「んんっ……んふぅ……ぴちゃ………」
キスをしながら浴衣の上を這っていた三代吉の手が襟ぐりを広げていく
なかなか緩まないもどかしさから、やや強引に襟を広げると
愛子の張りのある胸が帯の上に乗るようにしてこぼれ落ちた
「ィヤ……」
下から持ち上げるように掴むと、逃げ場を失った胸が形を変えて指の間からはみ出てくる
その様子を愉しむように、三代吉の手は踊り続ける
敏感な胸への愛撫に愛子の膝はガクガクと震えていた
「あんっ……んぁっ…立って…れない……」
三代吉は大きな木にもたれるように促すと、今度は味覚でその胸を味わう
暗がりとはいえ、野外というシチュエーションに二人の気持ちはいつもより高ぶっていた
「もう挿れていいよな?」
「……うん」
愛子は木にもたれかかったたまま、片脚を三代吉に持ち上げられ、秘所がぬるい夜風にさらされる
限界まで硬さを増した三代吉のモノが当てられると、まるで待ち望んでいたようにヌルッと飲み込まれた
「うっ…あぁっ…んぁ!んぅっ!はぁん!」
身長差がある二人、愛子は爪先立ちになりながら三代吉と繋がっている
大きく突き上げられるたびに、爪先が浮きそうになり
その反動でピストンは深くまで突き入れられる
「はぁっ!はぁっ!みよきち…んぁぁっ!んんっ!」
「しっかり俺に捕まって…」
三代吉の言うとおりに両腕を首にまわすと、もう片方の脚も持ち上げられ
愛子は三代吉に抱きかかえられる“駅弁”の形になる
「ひゃっ!落ちる!」
「大丈夫、ちゃんと捕まってて」
「あっ!あっ!あんっ!へ、変に!なるッ!」
――ぱしっ!ぱしっ!ぱしっ!
湿った肌がぶつかる音、愛子の奥を突き立てる音
月明かりに照らされる、汗で額に張り付いた赤みがかった髪と、はだけたえんじ色の浴衣
艶かしい色気をふりまく愛子の身体を、三代吉は理性を失った獣のように貪る
三代吉が作るリズムに合わせて愛子が泣く
「んっ!んんっ!あっ!あっ!あんっ…くっ、イッ!イクッ…くぅっっっ!!!」
愛子の頭の中で花火のように大きな閃光が弾けた
同時に果てた三代吉もまた同じ花火を頭の中で咲かせていた
乱れた浴衣を整えながら、愛子はハッと思い出したように言う
「あ!短冊に願い事書くの忘れちゃった…」
「なんて書くつもりだったんだ?」
「それは…『三代吉とずっと一緒にいられますように』…って……」
「それなら大丈夫だって。俺は一生愛子の傍にいるつもりだから」
―終―
>>365 朋与男さん
乙です
何でも一人で解決しようとする比呂美に怒る眞一郎カッコイイな
>>371 一日一話さん
乙です
そういえば三代吉と愛ちゃんは祭の日にデートって難しいんだよね
愛ちゃんの両親が気を利かせてくれればいいのに
>>365 連続長文投下乙です。
まだエピローグが続くみたいですけど
もうそろそろこのシリーズも終わりですか?
寂しいです。
比呂美の泣きも焼き餅は可愛い。
ちゃんと男をしている眞一郎もいいですね。
>>371 こちらさまも乙です。
CDドラマを考慮に入れた、イイいちゃいちゃエロです。
こうなると同時刻の比呂美サイドも気になります。
>>367 朋与男さん乙です。
長かった眞一郎と比呂美のねっとりとして甘く痺れるようなエロパートも終了ですか…
名残惜しいというか寂しいというかもっともっと見てみたい気もします。
でも通常パートで甘え拗ねる比呂美がカワイイ
眞一郎が何処に行くのか気になるところですね。
>>371 1日1話さん乙です
ドラマCD後の二人と繋がってあたかもその場面が思い浮かぶようでした。
しかも七夕ネタがまた嬉しい!
> ※相変わらずエロシーン短めです。
そんなことないです凄くいいですよ
Hの持って行き方やキャラの特徴をつかむのが上手いなぁ
面白かったです。
※近親相姦です
7月7日。今日は七夕
この町の夜空にも、綺麗な天の川が流れていた
満天の星空には花火が打ち上げられ、人々は七夕祭りを楽しんでいる
乃絵と純の姿もその中にあった
「お兄ちゃん!ほら、あれ!」
「そんなに走ったら危ないぞ」
――カラン、カラン、カラン
乃絵は下駄を鳴らしながら、祭り会場の中央に並んだ竹に駆け寄る
長机に置かれた短冊と筆ペン。自由に願い事を書いて竹の葉に飾れるようになってある
「わぁ〜素敵!お兄ちゃんも書きましょう」
「短冊か、懐かしいな」
『もっと大きな空を飛べますように 乃絵』
乃絵は書いた短冊を竹の葉に吊るす
その時、隣で揺れる短冊がふと目に入った
視界に映ったその名前。一瞬のことだったが写真で撮ったようにはっきりと読み取れてしまう
その短冊を手にとってみる
『比呂美の願いが叶いますように 眞一郎』
悲しいわけじゃない。寂しいわけじゃない
眞一郎との出会いは乃絵を大きく変えてくれたのだ
しかし言葉にできない感情は、モヤモヤと心の中で広がっていく
初恋というのは散った後もこうして心の中に留まるものなのかもしれない
「乃絵、何してるんだ。行くぞ」
純の声と花火の音でその靄は晴れた。乃絵はもう気づいている、兄や友達がいて自分は決して独りではないと
「お兄ちゃんは何を書いたの?」
「俺か?…俺は……『乃絵の好き嫌いがなおりますように』って」
「ひどいわ!ちゃんとニンジンも食べられるし、皮だってきんぴらにして…」
「ピーマンは?」
「それは……これから食べられるようにがんばるわ」
その夜、枕を抱いた乃絵は純の部屋をノックした
――コンコン
「乃絵か?どうした?」
「うん……あのね、今日は一緒に寝てもいい?」
「怖い夢でも見たのか?もう高校生なんだから…」
「違うの。お兄ちゃん、明日東京に戻るでしょう?だから今日はたくさん話したくて」
「……いいよ。おいで」
純がベッドを半分空けると、乃絵は嬉しそうにそこへ寝転がる
「七夕って、織姫と彦星が一年に一度だけ逢える日なのよね」
「あぁ」
「……なんだか私たちに似てるわ」
「東京は遠いからな」
「そうじゃなくて……」
乃絵は視線を外して顔を見られないように俯いた
乃絵がこうなってしまうのは、話し辛いことがあるときだ
それを知っている純は、何も言わずに乃絵の頭を優しく撫でる
「お兄ちゃんの“もう少し好き”よりも………私は……私は……」
純の手が止まる
「私も……純が“もう少し好き”…………」
「乃絵……」
「兄妹だから……いけないことなの?」
二人の間に流れる天の川は、とても大きくて、流れが速くて、深い
たとえ橋がかかっていたとしても絶対に越えてはいけない川
しかし乃絵は、眞一郎にもらった勇気の翼で向こう岸へと飛び立った
幼い頃からこうして同じベッドで一緒に眠ることは何度もあった
だが今夜のように一糸まとわぬ姿で…というのは初めてだった
「んぅっ……あっ……お兄ちゃん……うっ!」
「痛かったっか?」
乃絵はふるふると頭を左右に振る。痛いわけなどない
優しすぎる愛撫に頭から爪先まで、皮膚全体が熱く火照り
身体の奥からふやけてしまいそうなくらい気持ちいいのだ
純が浅く挿入した指も、熱くトロリとした愛液に濡れていて
挿いれている指先だけが溶けてしまいそうだった
「最後までしても大丈夫か?」
乃絵がコクンと頷く
純は手を添えながら、洪水のように愛液が溢れる小さな洞窟の入り口に近づけると
乃絵の身体はキュッと閉まって侵入を防ごうとする
「乃絵、力抜いて……我慢できなかったらやめるから」
「うん…お兄ちゃん、キス……」
覆いかぶさるようにしてキスをする
そのまま純は腰を動かし、乃絵の入り口を思い出しながら角度を微調整をする
舌を絡めて唾液を交換しながら、純の腰はゆっくりと沈んでいった
「ちゅっ…はっ……んふっ……んんんっ」
さっきの反応が嘘のように今度はスムーズに挿入されるが
少し進んだ先で、乃絵の純潔が最後の抵抗を示す
軽い反発感と重い背徳感を突き破り、兄は妹を貫いた
「んっ……ァ…ちゅ……くぅぅ……んんっっっ!!」
「くっ……乃絵、やめるか?」
「…平気よ……ふぅっ…んっ……ちゃんと…奥まで……」
「わかった。苦しかったら言うんだぞ」
純は再び掘り進む。乃絵の一番奥深くまで
――コツン
「つぅっっ……ぅぁっ……あぅっ!」
シーツを握る手に力が入り、乃絵は歯を食いしばって何かに耐える
純が最も深い場所に達したとき
奥を突いた反動で今まで脱力していた乃絵の膣内が急激に締まった
「ウッ…乃絵っ!」
温かくトロトロした壁に激しく締め付けられ、純はあっけなく精を放ってしまった
「ゴメン……」
「どうして謝るの?」
「いや………」
「お兄ちゃんに私の“初めて”をあげることができてよかったわ」
背徳者になっても無邪気に笑う乃絵
それを見て堕天使はこの笑顔を何があっても守り抜くと神に誓った
東京行きのバスを待つターミナル。列の最後尾で話す二人
純が上京するときは違い、夏の太陽がアスファルトを照り付けていた
「夏休みになったら東京に行ってもいい?」
「東京は広いから迷子になるぞ」
「いつまでも子ども扱いしないで!」
東京行きのバスがウインカーを付けて入ってくる
(織姫も彦星と別れるときはこんな気持ちなのかしら…)
乃絵はそんなことを思いながら純の背中を見つめていた
「乃絵、目を閉じて」
振り返った純の唇が、そっと乃絵の唇に触れる
「元気でな」
純は窓際の席に座り、乃絵に向かって手を振る
乃絵もバスが見えなくなるまで大きく手を振り続けた
―終―
>>379 乙です。これもドラマCDの流れですね。
乃絵の身近の男は4番だからお目にかなう彼氏は早々できそうも無いかな
七夕に絡めて久しぶりに会えた兄妹ってのがъ(゚Д゚)グッジョブ!!
>>379 連投乙かれさまです。
やはり、幸せだけど他の二組と違って背徳感がありますな
7月7日。今日は七夕
この町の夜空にも、綺麗な天の川が流れていた
満天の星空には花火が打ち上げられ、人々は七夕祭りを楽しんでいる
「お待たせ。行こう」
「あっ……」
「どうしたの?」
「……それ、似合ってるよ」
「ふふ、ありがとう。おばさんに買ってもらったのよ」
「母さんが?」
あれから眞一郎の母は比呂美に着付けや料理を教えたりしている
険悪な雰囲気は消え、比呂美も穏やかな表情でいることが多くなった
さりげなく二人きりにさせないようになど気を遣っていた眞一郎は
大きく変わった二人の関係に嬉しい戸惑いを感じていた
「種類が沢山あって迷ってたら、おばさんが『眞ちゃんはこの色が好きよ』って教えてくれたの」
「え?そんなことまで……」
確かに比呂美が着ている浴衣は眞一郎の好きな色だったが
母に全てを見透かされているようで、眞一郎は気恥ずかしくなる
「眞一郎君、あれ何かしら?」
比呂美が指さす方、祭り会場の中央には竹が何本か並んでいる
「坊ちゃん、こんばんわ」
「あ…町内会長さん、こんばんわ」
「あれは短冊を吊るす竹ですよ。お父様の提案で町内会が竹林から取ってきたものを立てたんです」
「父さんがそんなロマンチックなことを……」
「よかったら坊ちゃんたちも、短冊に願い事を書いていってください」
「面白そう!眞一郎君も書こうよ」
「願い事か……」
筆ペンを手にしたまま、眞一郎は考え込んでしまう
(絵本作家になれますように?……ダメだ。夢は自分の力で叶えなきゃ)
(比呂美が幸せになりますように?……これだと今の比呂美が幸せじゃないみたいだし)
(比呂美とずっと一緒に………ってのはちょっと女々しいかな)
(比呂美が……比呂美と………比呂美に………比呂美のために………)
そんな眞一郎の隣で、比呂美はスラスラと筆を走らせる
ようやく眞一郎も何かを思いつき、願い事を短冊へ書き込んだ
「屋台も出てるし何か食べようか?」
「そうだね。私もお腹すいちゃった」
「そういえば、この辺りに……」
眞一郎はキョロキョロと広場を見渡す
「あった!」
『売れないのは三代吉の接客が悪いからでしょ!鼻の下伸ばしちゃって、最低!』
『えぇ〜!?それは誤解だってば……』
『どうだかねぇ』
“愛ちゃん”の看板の下、屋台の中で愛子と三代吉が言い争っている
「また痴話喧嘩してるのか?」
その声に気づいた二人が眞一郎のほうに振り向く。三代吉は“助かった”という表情だ
「おっ、眞一郎。デートか?」
「わぁ〜、比呂美ちゃん可愛いね!浴衣似合ってるよ」
「ありがとうございます」
比呂美は愛子に褒められて照れくさそうに笑っている
「比呂美はどっちにする?」
「えっと…白がいいな」
「白と黒1つずつ」
「はいよ〜」
防波堤に座って海を見ながら今川焼きを食べる二人
祭りの笛や太鼓の音が少し遠くに聞こえ、打ち上げられた花火が海に映っている
「黒餡も美味しそう……ちょっとちょうだい♪」
眞一郎が持っている今川焼きにかぶりつく比呂美
身を乗り出したときに揺れた髪から石鹸の香りが漂う
「眞一郎君も一口あげる。はい、あ〜ん♪」
「あ〜ん……」
普段は大人びて落ち着いる比呂美だが、二人きりになるとこうして甘えてくる
「小学生のとき、眞一郎君の家で七夕祭りしたことあるよね。覚えてる?」
「懐かしいなぁ。あのときも短冊書いて庭の竹に吊るしたっけ」
「眞一郎君は『かめんライダーになりたい』だったよね(笑)」
「早く忘れてくれ……。たしか比呂美は…」(…しまった!)
そこまで言って眞一郎は黙り込んでしまう
『おとうさんとおかあさんとずっといっしょにいられますように ひろみ』
「あのときの願い事は叶えてもらえなかった……」
「…………ごめん」
「ううん。いいの。………でも今日の願い事だけは…叶えてほしいな……」
「……何て書いたんだ?」
「あのね…………」
比呂美の小さな声は、大きな花火の音にかき消されたが
眞一郎の耳まではしっかりと泳ぎきった
そして眞一郎は比呂美の耳元で囁く
浴衣の上に大粒の涙がこぼれる
「……証明して」
「えっ?」
「その言葉、嘘じゃないって証明して……」
「んっ…んっ……んぅ……んきゅ……」
眞一郎の口の中に白餡の味が、比呂美の口の中には黒餡の味が広がる
二人は文字通りの甘いキスに夢中になる
眞一郎が比呂美を優しく押し倒そうとしたそのとき
海岸線沿いの道路を走る車のヘッドライトが二人を眩しく照らす
慌てて海のほうへ座りなおすと、車が通り過ぎるのを静かに待った
「ここだと見られちゃうかも……」
「そうだな……」
眞一郎は身長ほどの高さがある防波堤から飛び降りた
続いて比呂美も手を借りて浜辺へ降りる
「ここなら大丈夫……だよな…」
「大丈夫……かもね…」
防波堤をブラインドにすることで道路からは見られることがなくなったが
いつ浜辺に人が来るかはわからない
それでも二人はアパートまで帰る時間さえ我慢することができなくなっていた
「ん…ふ……ふぁ……んっ……んゅ……」
情熱的なキスに比呂美の足はぶるぶると震えている
防波堤に背中をつけているから、これ以上後ずさりことはできない
それでも眞一郎は更に比呂美に迫る
比呂美の膝が崩れても、腰が砕けても、誓いを証明するために心と身体を押し付けた
「汚れちゃうから、ちゃんと捲って……恥ずかしいけど………」
「うん……」
防波堤に手をついた比呂美が、眞一郎のほうへ白いお尻を突き出す
「もうちょっと足広げて……背中下げて……」
「やっぱり恥ずかしいよ……」
比呂美は強い羞恥心に赤面したが、眞一郎が挿ってくるとそんなことも忘れてしまう
「んっ…うぅ……アッ……ッ!ひゃっ!…もっとゆっくり……」
「……ッ…ぐっ……比呂美」
「アっ……あんっ……きゃっ!…んぁっ!…はやっ……んんっ!」
眞一郎はスピードを落とすが、すぐに我を忘れて激しく動かしてしまう
今はこうしてただ夢中で打ちつけることが、比呂美のためにできる全てなのだと信じて疑わない
「比呂美……比呂美……比呂美ッ!」
「うッ!あぁっ!んっ…んんっ……あっ!ふわぁっ!」
指を絡めて手を繋ぎ、星空の下を歩く帰り道
「今日は晴れてよかったね」
「そうだな。天の川も見えてるし」
「織姫と彦星はちゃんと逢えたよね……」
織姫と彦星は一年に一度逢えるけれど、比呂美は両親と一生逢うことができない
大切な人を失う悲しみを知っているからこそ、もう誰も失いたくない
「眞一郎君……」
比呂美の手に力が入る。眞一郎もそれに答えるようにギュッと握り返した
比呂美の願いを叶えることができるのは、織姫でも彦星でも神様でもない
この世界で仲上眞一郎だけなのだ
―終―
三夜連続の連投、すみませんでした。これで七夕の話は終わりです。
三人(三組)がワンシーンずつシンクロする(?)というのはやりたかったんですけど
書き出したのが遅かったせいもあり、イマイチな部分が多かったかもしれません。
比呂美の短冊も、もっと考えたかったのですが頭が回らず、こういう表現にしました。
読んでくださってありがとうございました
また新しいネタが浮かんできたら投稿させてもらいます。
390 :
朋与男:2008/07/07(月) 23:28:21 ID:3Mykxew1
一日一話さん、七夕三部作、堪能させていただきました
愛子、乃絵とつづいた時点で「こりゃ今日は比呂美だ!」と思っていましたが…GJです
そしてコメントを下さった皆様、本当にありがとうございます
今回は「ある日の比呂美 57〜60」を投下させていただきます
鬱陶しいほど長い「〜比呂美」も、今日の分を入れて、あと三回で終了予定です
最後までどうぞ宜しくお願いいたします
麦端高校の体育館は月に一回、近隣の住民に開放されている。
もちろん生徒も自由に使用できるのだが、休みの日にわざわざ学校にやってくる者はあまりいない。
……午前十時五十五分。比呂美の姿は、その体育館にあった。
(そろそろ来るかな)
自分を呼び出した黒部朋与は、時間に正確な人間だ。
おそらく、約束の時間…十一時ちょうどに現れるに違いない。
『決着をつけたい』と書かれていたメールの文面…… それが内包する意味は、正直、良く分からない。
あの日、朋与と眞一郎の間に何があったのかは訊いていないし、これからも訊くつもりはない。
踏み込んではいけない部分というものは、やはりあると思うから。
ただ眞一郎にそうしたように、朋与の中に自分に対して叩きつけるモノがまだあるというなら……
それを受け止めたい。 受け止めなければならない。
だから……自分は今、この場所で朋与を待っている。
眞一郎に相談することも止め、ここで一人、朋与を待っている。
朋与が真剣に愛を傾けた男を奪った……それが自分の責任だと思えるから。
…………
「あれ? 比呂美、何その格好」
予想通り、時間ぴったりに現れた朋与の第一声はそれだった。
普段と変わらない冬の定番服で親友を迎えた比呂美に、朋与は呆れたように言う。
「何って…… 朋与こそ、何それ??」
高岡先輩から受け継いだ『4』のナンバーがプリントされたユニフォームを身に着け、朋与はボールを指先で回している。
「『何それ??』って…アタシらの決着っていったら、コレしかないでしょ」
朋与は手にしたボールを床に数回バウンドさせ比呂美にパスすると、肩に掛けていたバッグを床に下ろした。
そして、真っ直ぐな……風のように清涼な視線を比呂美に向けて来る。
「『王様の城』の前で喧嘩して……それっきり顔、合わせなかったじゃん。だからさ……」
『王様』の眼の届く所で、ちゃんと勝負して……スッキリしたい、と朋与は言う。
……『王様』とは、地べたを指す麦端高内での隠語だ。
狸に襲われても生き残った強靭さと、人を食ったような態度から、地べたは影でそう呼ばれている。
呼び始めたのは、あの石動乃絵だという噂もあるが、真相は定かではなかった。
…………
「地べたの見ている所で……喧嘩のケリをつける…ってこと?」
「うん」と言って頷く朋与が動かした視線の先には、開放された扉の向こうに、地べたの住まいがハッキリと見える。
外からの反射光に眼を細めながら、朋与は続けた。
「アタシさ……比呂美とずっと親友でいたいと思ってる」
大人になっても、おばさんになっても、お婆さんになっても……一生の友達でいたいと思ってる……
だから、この一年で二人の間に積もった『滓』を全部吐き出してしまいたいと、朋与は比呂美に視線を戻して告げた。
「イヤな物、残したくないんだ。比呂美との間には」
そう宣言して清清しく笑う親友を、比呂美は『凄い』と思った。
石動乃絵とは別の意味で、朋与は凄い……本当にそう感じる。
眞一郎を救い、自分を救い、そして己は深く傷ついて……
それでも尚、気高くあるこの少女が、自分の事をまだ『親友』と呼んでくれる……それを誇りに思う。
そして彼女が望むのなら……彼女の望む『決着』を……『ケリ』をつけなければならない!
…………
「……いいよ。やろう、朋与。……ブッ倒れるまで!」
ニヤリと笑ってチェック柄のマフラーを首から抜き取ると、比呂美は手にしていたボールを朋与に投げ返した。
「フフ……悪いけど……今日はアタシが勝つからね!」
少しだけ表情に悪意を混ぜ込んで、口角を歪ませた朋与がドリブルを始める。
だが、比呂美も負けてはいなかった。
(服くらい…丁度いいハンデだわ)
イメージの中でならともかく、実際の1on1で、比呂美は一度も朋与に負けたことが無い。
ガードポジションでの指揮能力以外、選手として朋与に劣る部分はひとつも無いという自負が比呂美にはあった。
「さぁ、来い!!」
両腕を一杯に広げてディフェンス体勢に入る比呂美。
そんなライバルの様が滑稽だとでも言わんばかりに、朋与は身体を左右に揺らしながら近づく。
(…なに??この自信……)
いつもと違う気迫に圧された比呂美が刹那、怯みを見せたとき、「吠え面かかせてあげる」と呟いて、朋与は笑った
「おじさん、おばさん、 ……ご無沙汰してます」
日本海に面した小高い丘の斜面……そこにある寺の小さな霊園に、比呂美の両親の墓は立てられていた。
……この場所を訪れるのは久しぶりだった。
ここに来たのは火葬の後、納骨に立ち会った時と、昨年の三回忌法要の時だけ。
普通に墓参りをしたことは、一度も無い。
不義理をしていた訳はいくつかあるが、一番の理由は、あの時の比呂美だ。
漆黒のワンピースを着て泣き崩れ、背中を震わせる姿が頭に浮かびそうで……怖かった。
いや、その不安に泣き濡れる肩を抱くことが出来なかった、情けない自分を思い出したくなかったのかもしれない。
……でも、今は……
…………
「お線香、忘れちゃいました。……すいません」
乏しい財布の中身に相応しい小さな花だけを供え、膝をついて手を合わせる。
そして瞼を閉じ、眞一郎は心の中で、比呂美との間にあったことを二人に報告した。
天国にいるおじさんとおばさんは、多分、自分と比呂美が愛を確かめ合ったことを知っている。
『そういうこと』を親に…それも相手の親に報告するのはどうなんだ?と思わないでもない。
だが、心の中で嘘をつくなんて器用な真似は出来ないし、したくもないので、眞一郎は小賢しい言い訳は考えなかった。
…………
…………怒っている…と思う…………
二人の大切な宝物を、勝手に自分のものにしてしまったのだから…… 腹を立てるのが当然だ。
もし、おじさんが生きていたのなら、顔の形を変えられても文句を言える筋ではない。
(でも俺、謝りません)
自分を睨みつけているだろう二人の魂に、眞一郎は胸の中でキッパリと告げた。
……謝罪とは『過ち』を認める行為…… しかし、自分と比呂美の愛は、絶対に『過ち』などではない。
まだ早い、と責められれば抗弁できないが、『謝る』ことは違うのではないかと、眞一郎には思えた。
(お二人にどんなに叱られても……謝りません。 ……俺たち……愛し合ってますから)
そうだ……自分と比呂美は愛し合っている……
……それだけは……胸を張っておじさんとおばさんに言うことが出来る、揺ぎ無い事実だった。
しかし、微かな記憶を頼りに思い浮かべた二人の顔は、『大丈夫なのか』と自分を責め立てる。
私たちの大事な比呂美を、本当に君は守ることが出来るのか?と問い詰めてくる。
……その表情の中に、自分たちが比呂美の側にいられない苦しみを織り込みながら……
…………
(まだ、許してもらえないのは分かってます)
「比呂美をください」と見栄を切れるような……そんな立派な大人に……自分はまだ成れていない。
でも、いつか必ずおじさんとおばさんに認められる男になって、比呂美を守る。
おじさんとおばさんが遣り残した分まで……幸せにしてみせる。
……いつか…必ず…………
…………
「だから、もう少し待っててください」
最後の願いは、口から音になって飛び出してしまった。
自分と二人の他には誰もいないのだから、別にいいかと思い、立ち上がって墓石に一礼する。
そして踵を返し、来た道を戻ろうとした瞬間、視線の先に見知った人影を見つけて、思わず眞一郎は脚を止めた。
「珍しいな。お前一人か」
「……父さん」
近づいてくる父は自分と違い、手桶と柄杓、線香と花をちゃんと用意していた。
月命日でもないのにどうして?と問う自分の横を抜け、父は墓石に水を掛け始める。
一緒に出掛けたはずの母が見当たらないので聞いてみると、本堂でご住職に挨拶している、という答えが返ってきた。
「得意先回りの帰りなんだが……母さんがな……」
「母さんが?」
取引先への挨拶が終わり、家へと向かっていた帰り道、母は急に「お墓参りがしたい」と言い出したそうだ。
……母も自分同様、この場所を訪れた事は殆ど無い。
昨年の三回忌法要ですら、『自分には資格が無い』といって裏方に徹し、墓前には顔を出さなかった。
……その母が、一体どうして?……
…………
「『今朝の比呂美の顔を見たら、なんだか二人に会いたくなった』……そうだ」
……嬉しいのだろうか。 火を点けた線香の束を軽く振りながら、父は柔らかな笑みを浮かべている。
「……なんだよ、それ」
ぶっきら棒に返したものの、眞一郎にはその一言で、母の心境が変化した理由が……何となく分かった様な気がした。
最近の母と比呂美は、一時期の確執が嘘のように、女同士で通じ合うモノを見せる時がある。
自分よりも比呂美の方が母に似ているな、と感じる瞬間さえ、たまにだがあるのだ。
『母親』としての直感が、自分との繋がりで変わった比呂美の様子を、敏感に感じ取らせたのかもしれない。
そしてその事を……おばさんに知らせたくなった……のかもしれない。
母とおばさん、そして比呂美…… 男の自分には分からない感覚を、女たちは共有している……
確かめようの無いことだが、眞一郎にはなぜか、そんな風に思えた。
…………
…………
「お前の話は何だったんだ?」
「……え……」
自分たちの分の花を飾り終え、父は視線をこちらに向けると、そう訊いてきた。
正直に話すわけにはいかないので、「比呂美のことを…ちょっとね」とだけ言って誤魔化す。
息子の胸中を知ってか知らずか、父は「そうか」とだけ呟き、内容を深く追求してくることはなかった。
「……それじゃあ、俺、先に行くよ」
再び踵を返して、眞一郎は墓前を離れようとする。
すぐ側にある石段に脚が掛かった時、「眞一郎」と息子を呼び止める父の声が、さざ波のように届いた。
「…………?」
返事をせず振り向いた眞一郎に、父は墓前で手を合わせたまま……『親友の思い』を代弁する。
「その時が来たら、二人でここに来い。 ……俺が……湯浅の代わりに、お前を殴ってやる」
その言葉と共に吹いた強い風が、眞一郎の全身を叩き、そして通り過ぎた。
……だがそれは、打ち据えるような冬の冷風ではない。
背中を軽く押してくれるような……暖かい春風だった。
(…………)
見慣れた父の横顔が一瞬、記憶の底にある『湯浅のおじさん』に見えて、涙腺を潤ませる。
しかし自分はもう、この人の…この人たちの前で泣く訳にはいかない……
そんな思いが胸を駆け、雫の流出を寸前でせき止めた。
……比呂美を託された責任……それを果たせる『男』に、自分は成らなければならないのだから。
…………
…………
そのまま瞳を閉じ、親友と久しぶりの会話を始めた父に向かって、眞一郎は身体を向き直らせて深々と一礼した。
もちろん、義理の父母となる二人の御霊にも。
そして眞一郎は、本堂へとつづく石段に脚を掛け、三人の語らいを邪魔しないように、墓前を辞した。
階段を下る途中で、こちらへ登ってくる母に出会ったが、互いに微笑み合っただけで、特に言葉は交わさなかった
また一つのケジメを自分の中でつけた眞一郎は、今日の天気のように晴れ晴れとした顔で帰路についた。
夜、比呂美にどこまで話そうかと思索に耽っていると、朝食を消化した胃袋がグゥ〜と音を立てて鳴る。
……そういえば、もうそろそろ昼時なのだが……
(家に帰っても飯がないな)
こういう状況の時、最近の母は決まって、自分の食事を用意するのを忘れる。
従業員に出す食事は絶対に忘れないのに、だ。
比呂美も用事で出掛けているから、アパートで何か食わせてもらうという訳にもいかない。
(『あいちゃん』でも行ってみるかな)
日曜の営業時間は午後二時からだが、この時間なら愛子も三代吉も、店に来て仕込みを始めているはずだ。
行けば何か食わせてもらえるだろう……
算段を立てた眞一郎が、歩速を上げて『あいちゃん』へ向かおうとしたその時、ポケットの中の携帯が震え出した。
「?」
取り出して相手を確認してみると、画面には満面の笑みを浮かべる比呂美が映し出されている。
なんだ、もう用事は済んだのか?と思いつつ通話ボタンをピッと押す。
だが、受話口から聞こえてきた第一声に、眞一郎の心臓はドキンと跳ね上がった。
《やっほー!仲上君!黒部で〜す!!》
「!!」
…………どうして比呂美の携帯を朋与が……
心臓が激しく脈打ち、声が出せない眞一郎の複雑な心情をよそに、電波の向こうで朋与ははしゃいでいる。
《ハハハハハ。驚いてやんの》
《…と、朋与!…はぁ、はぁ、……人の携帯……勝手に…》
けたたましい朋与の声の向こうに、息も絶え絶えな比呂美の声が混じる。
……一体、何がどうなっているのか???
落ち着かない気持ちはさておき、何が起きているのかは理解せねば、と思う。
そして想像できない状況を把握するため、眞一郎はやっとのことで声を絞り出した。
「お前ら……何やってんだ?」
《フフン。今、比呂美をボッコボコにしてしているところよ》
勝ち誇る声に《まだ負けてないわ!》という比呂美の声が被ったが、妖怪のようなケケケという声に掻き消されてしまった。
再び絶句してしまった眞一郎の耳に、朋与はつづけて鞭をくれる。
《そういう訳よ。 助けたかったら今すぐ、体育館まで来なさい!…以上!!》
「おい!ちょっと待…」
……眞一郎の返答には、全く聞く耳を持たないらしい。
命令口調で一方的に要求を突きつけてきた後、これまた一方的に通話は打ち切られた。
「…………た、大変だ……」
眞一郎の脳裏に、一年と少し前に目撃した、頬を腫らして泥まみれになっていた二人の姿が浮かぶ。
……まさかとは思うが…… ……まさかとは!!
…………
「うい〜っす!眞一郎!!」
携帯を握り締めて硬直している眞一郎の背に、聞き知った声が猛スピードで接近する。
眞一郎の横で急制動をかけたそれは、野伏三代吉の操るおニューの自転車だった。
「どうよ、これ? 昨日買ったんだけどさ〜。これで愛子とラブラブ・サイクリング、と洒落込もうかと……」
殺気立つ眞一郎の様子に気づかず、三代吉はおそらく実現不可能であろう妄想を話しはじめる。
アホか、お前はこれから店の仕込みだろう!という突っ込みは勘弁してやり、眞一郎は三代吉からハンドルを奪った。
……僥倖…… まさに、渡りに船である。
「な、何すんだよ」
三代吉を押し退けるようにサドルも奪うと、眞一郎はペダルに右足を乗せた。
完全に地面に追い立てられた三代吉に背を向けたまま、「借りるぞ」と短く告げて、動力を加える。
「な、何ぃぃ!オイッ!!眞一郎!!!」
遠ざかる三代吉の声が、自転車泥棒ぉぉぉ!!と叫んでいたが、そんなモノには構ってはいられなかった。
眞一郎は加速する!
何とかして、朋与を止めなければ!!
…………比呂美が……比呂美が危ない!!!
>>389 一日一話さん
乙です
七夕ネタ堪能させえていただきました
>>390 朋与男さん
乙です
それぞれの決意と決着ですね
三代吉の自転車をぶん取って駆けつけるシーンは
10話ラストを思い出させますね
>>389 七夕3部作乙です。
それぞれのラブラブが感じられて良かったです。
またいつかに期待しております。
>>390 乙です。
こちらはクライマックスで
朋与に格好良さ、そして二人の決着の付け方が
らしいですよ。
眞一郎は墓参りでしたか。
このシリーズもそろそろ終わりですか。
次もあったら嬉しいです。
>>390 相変わらず素晴らしいです。映像が脳内に浮かびまくります。
ここは百合ネタはOK?
ぜんぜんおk
どんと来い
そこは「ばっちこい」だろ
ほ
「朋与。ちょっとフザケすぎ!」
比呂美は朋与の用意したスポーツドリンクをラッパ飲みしつつ、眉をハの字に曲げて抗議した。
勝負を始めてから開く一方の点差に焦り、早々に脱いでしまったコート。
自分がへたばっている隙に、その中から勝手に携帯を取り出して、眞一郎に電話するなんて……
…………悪戯の域を超えている…………
「バ〜カ。そんなんじゃないから、心配しなさんな」
僅かに不安の色を見せる自分の瞳に気づいたのだろうか?
朋与はカラカラと明るく笑って、手にしたペットボトルの中身を飲み干した。
「小遣い稼ぎよ。……ヒヒヒ」
唇を片方だけ吊り上げ、悪巧みをしていますと表情で語る朋与は、まるで時代劇の悪代官のようだった。
お主もワルよのう、と思わず言ってやりたくなる。
「さて! 次、行ってみようか!」
パンと弾けるように立ち上がると、朋与は脇に置いていたボールに手を伸ばした。
この拷問はまだ続くのかと思うと溜息が出るが、ぶっ倒れるまでやると言った以上、途中で投げ出す事は出来ない。
惨めな結果を示す得点ボードを睨みつけてから、比呂美も立ち上がり、センターサークルへ移動する。
格下の朋与が相手でも、やはりこの服装と上履きでは実力を出し切れないのは、嫌と言うほど分かったのだが……
(でも、眞一郎くんが来るまでに……必ず引っくり返してやる!)
バスケで朋与に負けているところなんて、眞一郎には絶対見られたくない…… エースのプライドに賭けても。
…………
自分自身に喝を入れるため、平手で頬をピシャリと叩く比呂美を、朋与はボールを弄びながら鼻で笑う。
「無駄よ。今日の比呂美はアタシには勝てない」
「! ……言ってくれるじゃない」
何度も偶然が続くわけ無い!と比呂美が吠え、低くディフェンス姿勢をとった時だった。
右を抜いてくると思われた朋与の身体が、比呂美の裏を掻いて左に振れる。
「クッ!!」
対応が遅れたのは服のせいではなかった。
脚を踏ん張って朋与の動きに追いつこうとした瞬間、股の中心にピリッとした痛みが奔り、気力と集中力を削ぐ。
またか、と内心で舌打ちした時にはもう遅く、鹿のような俊敏さで左へ抜けた朋与は、ゴール下に突入していた。
バッシュが鳴らす『キュッ』というスリップ音と共に、斜め後ろへジャンプする朋与。 そして!
「!!」
比呂美の十八番、フェイダウェイ・ジャンプシュートを、朋与は見事に決めてみせた。
悔しさで端麗な口をヘの字に曲げる比呂美に向かって、ニヤけた表情でボールを拾いながら朋与は言う。
「痛いでしょ? ……ア・ソ・コ……」
「!! な……な…………何を言い出すのよ!!」
ペンキでも被ったように真っ赤になった比呂美を、朋与は容赦なく言葉で突付き回した。
歩いていると、何だか棒が挟まったような感じがする…… 脚を開くと『乙女』があった所に激痛が奔る……
処女を失った比呂美の状態を、朋与はズバズバと言い当てていき、そして最後にこう付け加えた。
「ケイとアキが教えてくれたのよ。『なんだか比呂美の動きが鈍い』ってね。ヒヒヒ」
チームメイトからのメールを読んで朋与は、こりゃ間違いないな、と確信したという。
……つまりこの決闘は…………巧妙に仕組まれた朋与の罠だったのだ。
「ひ、卑怯よ!朋与!!」
「フフ……甘いわね、比呂美。アタシは勝つためには手段を選ばない女よ」
ニヤニヤといやらしいく口角を捻じ曲げたまま、朋与はボールを放って寄こした。
それを受け取りつつ、比呂美はへの字だった唇を尖らせて、赤い頬をプーっと膨らます。
比呂美らしくないその仕草を見て、挑戦的だった朋与の表情がフッと緩み、少し悲しげな笑顔に変わる。
「…………いいじゃん。……今日はアタシに勝たせてよ」
「………朋与……」
その解読が難しい笑みを目にして、比呂美は思った。
…………これもまた、朋与の気配りなのではないかと…………
…………自分を打ち負かすことで、眞一郎を奪っていく罪を……心の重荷を減らそうとしているのではないかと……
…………
「隙ありィ!!」
朋与の風のような一閃が、思索の海に潜った比呂美の手からボールを叩き落とす。
「ッ!! と、朋与!!」
比呂美から奪ったボールを操りながら、朋与は踊るようにコートを跳ね回った。
「待ちなさいッ!」と叫ぶ比呂美の声と、そこに駆けつけた眞一郎が発した「比呂美ッ!!」という絶叫。
その二つが混じり合うように体育館の壁を反響したのは、ほとんど同時だった。
(ありゃ? 随分と早かったな)
ボール目掛けて喰らいついてくる比呂美を、蝶のように舞いながら翻弄しつつ、朋与は眞一郎を見遣った。
比呂美の携帯で眞一郎を呼び出してから、まだ十分と経ってはいない。
どうやって駆けつけたかは知らないが、眞一郎が乏しい体力を極限まで酷使したらしいことは、一目見れば分かる。
大きく肩で息をしている様子は、本当に気の毒なくらい疲れて見えた。
「待ちなさいっ、朋与ッ!!」
ところが比呂美の方はというと、頭に血が上っているのか、今は眞一郎よりボールが恋しいらしい。
(まったく、この娘は)
やれやれ、という表情で追撃をかわすと、朋与はレイアップシュートを軽く決めて、勝負を一時打ち切った。
「チッ! も、もう一本よ!!」
「熱くなりすぎ。あれでも見て落ち着けば?」
親指を立てて、入口の方を指差してやる。
眞一郎は状況を理解して安心したのか、その場で膝をつき、脱力して倒れこんでいた。
「はぁ、はぁ、……お…お前ら…………はぁ、はぁ……」
そのまま仰向けに身体を転がし、大の字になってしまった眞一郎に、二人は駆け寄った。
「ちょっと、大丈夫? 比呂美、水よ水!」
「う、うん」
壁際に放置してあるペットボトルを比呂美に取りに行かせる。
眞一郎はまだ呼吸が整わない様子だったが、朋与は仁王立ちのままで、手を触れようとも助け起こそうともしなかった。
(それは私の役目じゃない)
心の内に自分でそう言い聞かせながら、朋与は比呂美を待つ。
すぐに駆け戻ってきた比呂美はしゃがみ込み、飲みかけのスポーツドリンクを差し出した。
「これ、飲んで」と言って手渡されたそれを一気に煽る眞一郎。
そして一呼吸おいてから、彼は怒りを発火させた。
「お前らっ!!ふざけるのもいい加減にしろよなっ!!!」
激しい雷を落としてから「心配させやがって」と愚痴る眞一郎を見て、比呂美はシュンとなってしまう。
だが、この程度の悪戯をする権利は、自分には充分あると思うので、謝ろうなどとは微塵も考えない。
「殴り合いでもしてると思った? んなわけないじゃん。ハハハハハハ」
快活に笑う朋与に呆れたのか、負けたと思ったのか、眞一郎はゆっくりと立ち上がた。
ハァと大きく溜息をついてから、「俺、帰るわ」と力なく言う眞一郎を、朋与は呼び止める。
「用があるから呼んだのよ。普通に声かけても来ないでしょ?」
そう告げて、今度は自分が壁際に置いてあるバッグに駆け寄り、中身を漁り出す朋与。
なんなんだ?と眞一郎と比呂美が顔を見合わせていると、朋与はきれいな包みを持って戻ってきた。
……袋状の包装が施された一抱えほどの大きさの……一見してプレゼントと分かる…それは……
「……それ、もしかして……」
眞一郎には一目で、その中身が分かったようだ。
その反応に満足し、口元をほころばせながら「うん」と頷いた朋与は、それを眞一郎の手に握らせる。
あの日、比呂美の手に渡ることなく、グシャグシャになってしまったプレゼント……
朋与はそれを、市販の包装材で包み直すことで、眞一郎の真心を再生させていたのだ。
「渡してあげなよ。仲上君の気持ち」
「…………」
包みを握る眞一郎の指先に力がこもる。 華奢な肩も……少し震えているように見えた。
(感激しやすいんだから……もう……)
でも、そんなところも……と考えかけたが、ダメだと自戒して、まだ振り切れない想いに朋与は蓋をした。
眞一郎の背中に回って、軽いタックルでその身体をを小突き、「早くしろ」と発破を掛けてやる。
その朋与の応援に頷いて、眞一郎は比呂美に向き直った。
「比呂美……これ……」
比呂美に向けて差し出される……あの時、渡せなかった『想い』。
…………
……そして朋与は一歩後ろに下がって、向かい合う恋人たちから身を引いた……
…………
「……私……それ、受け取る資格……ない……」
目線を斜め下に落として、比呂美は戸惑う。
当然だろう。 包装の中身はあの日、比呂美が雪と泥の中へと叩き落した『あれ』なのだから。
「お前が初めてアドバイスしてくれた絵本、あっただろ?」
「……うん」
眞一郎が初めて入選し、賞金を獲得した絵本には、どうやら比呂美の力が加わっていたらしい。
朋与にとっては初耳となる話だったが、今となっては嫉妬することもないし、端からする筋合いも無い。
むしろ、ちゃんと二人が『恋人』していたことが分かって、朋与は嬉しかった。
「あの本の賞金で買ったんだ。 ……お前のために買ったんだ」
眞一郎の腕がゆっくりと動き、朋与がそうした様に、比呂美の手にそれを握らせる。
「…………でも……」
この期に及んで、比呂美はまだ困惑の表情を朋与に向けてきた。
…………まるで許しを請うように…………
(ホントに……)
……比呂美はバカだ。 頭は良いけど…バカだ。
眞一郎の気持ちを受け取るのに、何を遠慮することがあろうか。
それはこの世界でただ一人、『湯浅比呂美』だけに与えられた正当な権利なのだ。
……胸を張って、堂々と行使すればいいのに……
(でもまぁ……そんなところも可愛いんだけどさ)
遠慮、躊躇い、戸惑い…… それが無くなってしまったら、それは比呂美ではない気がする。
その態度は他人の気持ちを思いやる優しさの裏返し……
比呂美がそんな娘だと知っているから……自分は彼女の『親友』をやっている。
…………眞一郎を……愛した男を託すことが出来る…………
…………
朋与はクスリと笑ってから、助けと許しを求めている比呂美の望みに応えた。
「さっさとソレに履き替えな。まだボコられ足りないの?」
「!」
腰が引けていた比呂美の背筋がピンと伸び、視線が眞一郎の方に向く。
いいのかな?という比呂美の気持ちを受け止めてから、眞一郎は答えた。
「本人がいいって言ってるんだ。遠慮なく叩きのめせ!」
眞一郎がウインクをするのを合図に、比呂美の涙腺が崩れるのを、朋与は見た。
自分と眞一郎の贈り物を、まるで生まれたての赤ん坊のように、比呂美は大事そうに胸に抱える。
「……ありがとう……ありがとう…………」
抱きしめた物に顔を埋めるようにして呟かれた声は、嗚咽も混じって、とても聞き取りづらかった。
その比呂美の目の前で、どうしよう?と立ち尽くす眞一郎の背を、朋与はトンと軽く押してやる。
(ったく!決まってんでしょ!!)
振り返った眞一郎は、声を出さずに「バカ」と動いた朋与の唇を見て、何をするべきかを悟った様だった。
そして朋与は再び二人から離れ……恋人たちに背を向ける。
眞一郎が比呂美に近づく足音…… 柔らかく、優しく……比呂美を抱きしめる気配……
それは直接見なくても、朋与にはちゃんと感じることが出来た。
(……うん……それでいいのよ……)
顔をあげ、天井に……その向こうにある空に視線を向ける。
まだ微かに聞こえてくる、比呂美の「ありがとう」という声。
自分の目からも涙が零れるのではないかと、朋与は少し心配になったが、それは杞憂に終わった。
(そりゃそうか。もうこの二人の為に流す涙なんて、残ってないもんね)
身体中の水分が無くなるくらい…自分は泣き腫らしたのだ。 ……もう勘弁して欲しい……
…………
…………
しばらくすると比呂美は、眞一郎の腕の中に涙を置いてきたかのように、ケロリと泣き止んでしまった。
崩れてしまった自分を恥らうように、「履いてくるわ」とだけ告げ、体育館を後にする比呂美。
更衣室の方へ消えた彼女の背中を見て、朋与は思い出していた。
新しいバッシュを履く時に、比呂美はいつも楽器の調律をするように、入念に靴紐の調整をしている……
…………
「フフ…… 次のゲームはしんどい事になりそうだわ」
「??」
呟いた独り言に眞一郎が振り向いたが、朋与は相手をすることなく、その場から離れた。
開放されている側面扉の脇に立ち、朋与は外を見遣った。
彼方に小さく『王様の城』が見え、その中の地べたが餌をついばんでいるのが、遠目にも良く分かる。
(私……ちゃんと出来た……よね?)
その心の呟きは、地べたに向けられたものではなかった。
今は遙か遠くに暮らす『十五分だけの親友』が、朋与の内側にぼんやりと姿を現し、そして微笑みかけてくる。
「偉かったよ」と言ってくれる石動乃絵は、もちろん、自分が勝手に作り出した幻影でしかない。
バカだな、という自覚は充分にあるのだが……
それでも、朋与は乃絵に……石動乃絵にそう言ってもらいたい気分だった。
…………
「なに、見てるんだ?」
入口に置き去りにしてきた眞一郎が、いつのまにか横に並び、朋与の視線の先に何があるのか捜そうとしている。
だが、朋与はその質問には答えなかった。
戸枠に手をついて外の光を見つめたまま、もう一つの用事を眞一郎に切り出す。
「私たち、もう話しするの止めようよ」
突然放たれた朋与の言葉に、眞一郎は声を詰まらせた。
…………朋与は、以前と変わらない友情を示してくれる…………
…………全部終わって……また新しく『友達』としてやっていける…………
眞一郎はそんな風に、甘く考えていたのかもしれない。
「……なんでだよ…… そんな、話ししないなんて……」
明るい雰囲気だった朋与に安心しきっていた眞一郎は、冷水を浴びせられたように動揺している。
「……ケジメ…だからかな……」
男と女が別れるということ…… それはとても重たい出来事なのだ……
それを眞一郎に分からせるため、朋与は汗を吸ったバンダナを外し、『黒部』から『朋与』に変わって見せた。
寄せていた髪がハラリと落ち、悲しげな笑みが眞一郎に向けられる。
「…………」
朋与の『変身』を見て、喜びと戸惑いが浮かぶ眞一郎の表情……
それは朋与の奥にある燃え滓を僅かに震わせたが、決別を完全な物にする決意が揺らぐことはなかった。
…………
…………
「もうこれっきり、仲上君とは話ししない。いいでしょ?」
朋与からの『サヨナラ』を真正面に受け止めた眞一郎は、凍結されたように固まっている。
しかし、それは短い……刹那の時間だった。
すぐに瞳の光を取り戻し、張り付いた氷を振り払うように動いた眞一郎の手が、朋与の右手を掴む。
「っ! な、なに?……」
いきなりの接触に驚く朋与を無視して、眞一郎はゆっくりと、少女の人差し指を自分の額の傷へと導いた。
そして指先を絆創膏の上にあてさせると、静かに目を閉じ、そして言葉を紡ぐ。
「傷……圧してくれないか?」
「……え…… な、なんで?」
いいからさ、と呟いて、それ以上教えてくれない眞一郎を朋与は訝しんだが、とりあえず言われた通りにしてみる。
軽く力を加えると、眞一郎は一瞬だけ痛みに眉を歪めたが、すぐに凪いだ海のような静かな表情を取り戻した。
「何なの……これ?」
「うん……『おまじない』……かな……」
前にもこういう風にされたことがあってさ……と呟きながら、眞一郎は自身の中で何かを租借している。
そして、噛み砕いた何かを、己の力にしているのが……傷に触れている指先から伝わってくる……
(…………そうか……)
朋与にはすぐに分かった。
以前にこうしたのは、きっと乃絵だ。
いつ、どこで、どんな時にそうしたかは分からないが……きっとそうに違いない……
……確証はない。 でも……同じ経験をした女の勘が……間違いないと告げていた。
乃絵との繋がり、記憶は、間違いなく、今の眞一郎を形作る力になっている。
そして眞一郎は、それと同じことを……自分にも求めてくれた…………
(……眞一郎の中に乃絵がいる…… そして……きっと私も……)
自分と友の記憶が、愛した男の力に……本当の愛を見つけ、育む力になっている確信を、朋与は得た。
それは、あの電車内で指を絡めた時に感じたモノとは、比較にならないほど強固な実感だった。
グリッと指先に捻りを加え、傷口を痛めつけながら、朋与は眞一郎を突き放すようにして圧し返す。
さすがに痛覚が我慢の限度を超えたのか、眞一郎は「痛っ!」と叫び声をあげた。
「『私たち』はもっと痛かったわよ。心にザックリ、深〜い傷を負ったんだから」
「…………」
朋与は冗談めかして笑ったが、眞一郎はそれを真剣に受け止め、また固まってしまった。
でも、それでいいのだ、それが眞一郎なのだと、朋与は思う。
その真摯さ、相手の心の傷を、自分のものとして感じる感性は、眞一郎の一番の武器になる。
…………比呂美を守る……力になる…………
…………それが…分かる…………
…………
「たっぷり苦しみなさい。 そして強くなるの…… 比呂美の為にね」
それは以前、情事の後のベッドで、朋与が眞一郎に送った言葉だった。
言いたい事を言い終わり、朋与はバンダナを付け直して『黒部』に戻ると、眞一郎に曇りの無い微笑みを向ける。
眞一郎は、再会できた『朋与』が消えたことに一抹の寂しさを見せたが、彼女を追いかける様な真似はしなかった。
「やっぱ厳しいな、『朋与』は…… でも……ありがとう……『黒部』……」
首を小さく右に傾げて、眞一郎も同じ様に透明な笑みを返してくる。
その仕草は朋与の想いをグッと締め付け、心を強く震わせた。
泣くもんか、と自分の魂に言い聞かせながら、朋与が目の前の……己のモノではない太陽を凝視した時………
…………
「お待たせ!」
入口に現れた比呂美の張りのある声が、体育館の内壁に反響して朋与の耳に届く。
新しいバッシュを履き、どこで見つけたのか、輪ゴムで髪をポニーにまとめたその姿は、完全に戦闘体勢に入っていた。
不敵な顔でこちらを見つめ、フフッと笑みを零す比呂美。
その余裕に朋与は苦笑すると、ドリブルで接近してくるライバルに向かって駆け出していく。
……だが……
「あ、忘れてた!」
そう叫ぶと朋与は、何を思ったか途中でUターンして眞一郎の前に引き返してしまう。
ポケットから四つに折り畳んだ紙を取り出して、何事だと呆気に取られる眞一郎に、それを突きつける朋与。
「な、なにこれ?」
「請求書よ」
「はあ???」
眞一郎が紙片を拡げてみると、そこにはプレゼントの再梱包に掛かった必要経費がビッシリと書き込まれていた。
包装袋、リボン代は言うに及ばず、それを買いに行く時の電車代まで、会計にしっかりと計上されている。
中でも『技術料』は飛び抜けて高く、ボッタクリと罵っても問題ないのではないか、と眞一郎には思えた。
「……ちょ…これ…高くね??」
「支払いは比呂美を通してちょうだい。分割でもいいけど、お金は自分で稼ぐこと。いいわね?」
眞一郎の目の前で人差し指をチッチとチラつかせると、朋与は比呂美に向かって再び駆け出して行く。
「オイ!マジかよ〜」
「マジよ! 割引は利かないからね!!」
眞一郎にきつく念を押すと、朋与は改めて比呂美に駆け寄り、そして対峙した。
「待たせたわね」
「朋与……今度は私がもらうわ。……悪いけど、二対一だしね」
そう言ってバッシュのつま先で床を蹴る比呂美は、憎らしくもあり、可愛らしくもある。
「よくもまぁ……ぬけぬけと言ってくれるわ、アタシに向かってさぁ」
隙を伺って姿勢を低く構える比呂美に対し、朋与は大きく両腕を拡げ、防御の体勢を取った。
……ゴールを狙う牝豹と化す朋与と比呂美……
闘いの高揚感が身を震わせ、二人の口角を吊り上げていく。
「…………いくよ……」
「フッ…………来い!」
比呂美の操るボールのバウンド音が、一際大きく場内に響き渡る。
背中の方から「比呂美!負けるなよ!」という声が聞こえたが、それはもう、朋与にはどうでもいいことだった。
408 :
朋与男:2008/07/14(月) 00:50:59 ID:l5NAsjD7
長らくスレの容量を無駄に消費してまいりました「ある日の比呂美」……
次回の投下で最終回となります
終わる終わると言いながら、ダラダラと長引かせて、本当にすみませんでした
今度こそ終わりますので、何卒ご容赦のほどを
朋与かっこいい……
なんていうか……トモカッコイイ……!
いや、もうね、これが正史でいいんじゃないかと
次で最終回……期待してます
>>408 乙です。
熱くなっている比呂美と冷静な朋与の対比がいいですね。
ここであのプレゼントを持ってくるとは!
朋与はけじめをつけちゃうのですね。
乃絵との重なりもお見事でした。
次回で終わりですか。早く読みたくもありますが
一ヶ月ぐらい待ってもいいとも思います。
で、不安なのは「ある日の比呂美」が終わるだけですよね。
長編のシリーズなんていいません。短編でも続けていただけることを願います。
>>408 朋与男さん
乙です
ようやくあのバッシュが出てきましたね
次回で終わりですかなんだか寂しいですね
カカさ〜ん
カカさあああああああああああああん
>>408 乙です。
前回の比呂美と朋与の対決が出崎調に脳内再生されガチンコで
飛び掛りキャットファイトやってるかと心配したけどちゃんとバスケ勝負になっててよかったぁ
プレゼント握り締める比呂美良かったね比呂美…やべ涙腺が…
感動的な場面で請求書を持ってくる辺り朋与らしいw
楽しみにしてた「ある日の比呂美」も残るところあと1回か……………待ってます
誰か新婚初夜で肉欲ズブズブになってる比呂美書いてくれー
夏の海、山でもいいけど、旅行物も読みたいな
4番とツーリングに出かけた比呂美に迫る貞操の危機
>>416 しかし眞一郎が現れて比呂美を奪って行くという
「ある日の比呂美 最終回」を待ちながら
保守を兼ねて投下します
※ドラマCDを聴く予定がある方は、聴いてから読むことをオススメします
※女の子同士
「それでさぁ、日登美ったら中学のときにね……」
「ワァーー!桜子!それ以上は言わないで!!」
「何々?」
「乃絵には話してもいいじゃ〜ん」
「ダメダメ!あれだけは絶対にダメ〜!」
日登美の家で行われたお泊り会。
並べられた三枚の布団の上で、パジャマ姿の三人が騒いでいる。
秘密を喋ろうとした桜子と、それを慌てて止める日登美
乃絵は、その様子を隣で笑って眺めている。
こうして友達と楽しい時間を過ごす、乃絵にとってこれは大きな飛躍。
飛ぼうとしなければ、この時間やこれから積み重ねていく思い出は、ずっと遠い空の向こうだっただろう。
「ねぇ、乃絵は好きな男子とかいないの?」
「えっ?」
「それ私も知りた〜い」
「いないわ……」
年頃の少女なら誰もが興味を示す話題
誰が好きとか、誰と誰が付き合ってるとか、時間と共に恋バナは盛り上がっていく。
そして、それよりも興味深い話
高校生にとって、一番知りたいこと、一番聞きたいことに話題はスライドしていく。
「ってことは、乃絵はエッチしたことないんだ?」
「な!?……な、な、な、ないわ!」
「やっぱり〜。こんなカワイイ小動物を襲ったりできないよね〜」
日登美はニヤつきながら、真っ赤になった乃絵の頬を人差し指でプニプニと突く。
この手の話に免疫がない乃絵は、助けを求めるように桜子のほうに視線を送る。
しかし、その桜子も乃絵を責めた。
「じゃあオナニーはする?」
「!!!」
「しないの?オ・ナ・ニー」
「し、し、しないわ!そんなことしない!」
「え〜!うそ〜?」
「気持ちいいのに『ねェ〜』」
桜子と日登美は、顔を見合わせ、小首をかしげながら声を合わせる。
乃絵は、喉が渇き、全身から汗が出るような感覚を覚えた。
「あ!そういえば、いいモノがあるの!」
日登美は机の引き出しから、あるモノを取り出す。
桜子はそれを見て、驚きの声を上げた。
「ちょっと日登美!それ、どうしたのよ!?」
「えへへ、ネットで買っちゃった」
「まったくあんたは……」
それが何なのか、桜子には一目で理解できたが、乃絵には全然わからなかった。
「これ、なぁに?」
「オモチャよ」
乃絵は、まるで好奇心旺盛な子供のように、興味津々な様子で
ピンク色の小さな縦長の球状を、手のひらに乗せて、まじまじと眺める。
「可愛い!卵みたい。どうやって遊ぶの?」
「こうやるのよ」
日登美は、卵とコードで結ばれたコントローラーのダイヤルを回す。
すると、モーター音と共に、卵がブルブルと振動を始めた。
「わぁ!震えてる……」
「これはね、こうやって使うの……」
日登美は卵を持つと、それをパジャマの上から乃絵の胸に当てた。
「キャッ!」
突然のことに驚き、慌てて払いのけようとする乃絵
その手首を、後ろから桜子が掴む。
「桜子!?」
振り向いた乃絵に、桜子は無言でニコッと笑いかけた。
両手を封じられた乃絵の胸に、ピンクの卵が当てられる。
――ブゥーン
「ひゃっ!……日登美!やめて!」
「ふふふ」
日登美は、パジャマのボタンを外し、乃絵の胸に直接振動を与える。
桜子は、暴れる乃絵を押さえつけながら、穏やかな口調で語りかけた。
「乃絵……これはね、ローターっていってね……」
「桜子!放して!」
「女の子が気持ちよくなるためのオモチャなんだよ」
「嫌っ!二人ともやめて!」
ローターで乳首を擦るように刺激しながら、日登美がいたずらっぽく言う。
「乃絵ったら、乳首立ってきてるよ」
「ホントだ。気持ちいいの?」
「気持ちよくなんか……ないわ……もうやめて……」
その言葉を無視するように、日登美はパジャマのズボンに手をかけた。
乃絵は激しく抵抗するが、桜子がそれを許さない。
日登美は、乃絵の足の間に入り込み、ショーツの上から割れ目に沿って、ローターのおなかの部分を押し当てた。
ダイヤルを更に回して振動を強め、空いたほうの手は内腿を撫でる。
相変わらず強い力で押さえつづける桜子に、乃絵は涙を流しながら懇願した。
「お願い……もうやめて……うっ……どうしていじめるの……?」
「いじめてなんかないよ。私たちは、乃絵に気持ちよくなってほしいだけ」
「こんなの……ううっ……気持ちよくなんか…………」
「さっき私が『オナニーする?』って聞いたとき、乃絵、『そんなことしない』って言ったよね?」
乃絵は無言で頷く。
「『そんなこと』ってことは、オナニーがどんな行為か知ってるんだよね?」
「あっ……」
「ふふっ、いいのよ。女子だってほとんどの子がしてるんだから」
桜子の指摘通り、乃絵はオナニーを知っていた。
名前を知ったのは最近だったが、乃絵は小学生のころから
不安な夜、嫌なことがあった夜、なかなか寝付けない夜は
布団の中で、こっそりと右手をパジャマの中に忍び込ませていた。
イクとか、イカないとか、そういった次元のオナニーではなかったが
指を押し当てたり、擦ったりすると、じんわりと気持ちよくなって、力が抜けてよく眠れたのだ。
「桜子、見て!濡れてきた!」
「どれ?うわぁ〜……すごい」
「えっ?いやっ!見ないで!」
快楽の証であるシロップで、ショーツはクロッチの部分が変色していた。
十円玉ほどの大きさの、恥ずかしい染みを見られて、乃絵は赤面する。
「ショーツも脱がせてあげなよ、それ以上汚れたらかわいそうだって」
「そうだね……乃絵、脱がすよ。暴れないで」
乃絵の下半身を裸にした日登美が、大げさに驚いてみせる。
「すご〜い!超キレイだよ!」
毛は薄く、色素もあまり沈着しておらず、陰唇もほとんどはみ出していないが
そこはシロップでキラキラと光り、妖しくも美しい光景だった。
日登美は、ローターをパクパクと蠢く膣口に当てながら
親指と人差し指で、すっぽりと被った包皮を剥いて、クリトリスを露出させた。
「ひゃうっ……いやいやっ、そこはダメなの……」
「すごーい。乃絵のクリちゃん、小さくてカワイイ……どう?これ気持ちいいでしょ?」
包皮を剥き上げたまま、シロップに塗れたローターの先をクリトリスに当てる。
「んあっ!……んんんっ!!」
あまりの衝撃に、腰を跳ね上げる乃絵。
甘い振動から逃げるように、腰をくねらせるが
日登美はその動きを正確に追って、クリトリスにローターを当て続ける。
「んっ!やだっ!いやぁぁ!」
振動がクリトリスに伝わるたびに、乃絵の身体は正直に反応して、悦びの声を上げる。
乃絵が抵抗を諦めたと悟った桜子は、手首の拘束から胸への愛撫に切り替えた。
両手の指先が、小さな乳輪に合わせて円を描く。
「乃絵の胸、白くてキレイだね。マシュマロみたいに柔らかいし……」
やわやわと指先の振動で胸を揺らしたり、ピンと立った乳首を摘んだり
桜子の器用な愛撫が、日登美のローターと相まって、乃絵の性感を高めていく。
「ひうっ!……止めて!……お願い!変になるっ!……あぁっ!」
「変になっていいんだよ、乃絵」
「そうそう。我慢しないでイッちゃいなよ」
「やだっ!……変に……なりたくない……んんっ!……だめっ……むりっ!……と、飛ぶ!……いあぁァァぁぁ!!!」
桜子の膝の上で、乃絵は目を覚ました。
視界に入ってきたのは、天井と、心配そうな二人の顔。
「気がついた?」
「桜子……」
「イッちゃったんだね」
「日登美……」
「ごめんね。ちょっと調子に乗りすぎちゃった」
(桜子に胸を触られて、日登美に卵を当てられて、頭が真っ白になって……身体がフワッて……)
乃絵は、意識を失う前のことを思い出し、ようやく自分に何が起こったのかを認識した。
日登美が、びしょびしょになったシーツを指差して言う。
「これ、乃絵が濡らしたんだよ」
「うそ……私……」
桜子は乃絵の頭を撫でながら訊ねる。
「気持ちよかった?」
「……うん」
それから乃絵は、身体がフワリと浮くようなあの感覚に夢中になった。
今夜も飛ぶために、電気を消して、右手を下腹部へ導いていく。
―終―
>>418 乙です。
ドラマCD後ですか!
桜子も日登美も普通の女子高生だからエロ話は当然出てくるんだろうな
あの乃絵が二人にどんな合わせ方をするか興味があっただけに
エロが自然でおもしろかったです。
>>418 えろ可愛かった!乃絵、また書いてもらえると嬉しいです(*´∀`)
>>358のSS持ってる人いましたら再up出来ませんか?
>>418 乙です。
ドラマCD引用作品はうれしいな
保管庫更新ありがとうです!
カカさ〜ん
カカさあああああああああああああん
もしかしたら、明日月曜日あたりに「ある日の比呂美」のラストが
とうとう来ちゃうのか
430 :
朋与男:2008/07/21(月) 00:52:15 ID:6EM24dmq
>>429 スミマセン この一週間忙しくて、まだ一行も書けてないんです……
事件も感動もエロもない平凡なラストですから、そんなに期待しないで下さい
そして
コメントを下さった皆様、保管庫を更新して下さった親切な方、ありがとうございました
7月中には何とかUPしますので、もう少々お待ちください
>>430 お疲れ様です
大変かと思いますが、是非とも完成させてください
36 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/07/12(土) 15:08:14 ID:y8Uwo2e4
ども。管理人です。
最近は忙しくて週1ペースの更新なってて申し訳ないっす。
でもまぁ、SSの投下も少なくなりましたし、このペースでも十分対応はできるのが幸いです。
それと更新に関してなのですが、別に私がwikiの編集をしなくても、
新作が投下された場合、皆さんで追加、編集を自由になさっても一向に構いません。
もともとみんなで編集できることが理由で通常HPではなく、wiki形式を選択したので。
やり方は簡単です。
上の「@wikiメニュー」から「新規ページ作成」を選択。
ページ名を入力して、モードを選択してください。通常は「アットウィキモード」でおkです。
あとは本文を入力して、編集が終わったら、表示されている認証パスワードを入力して、「ページ保存」ボタンを押してください。
そうすると更新履歴に追加したページが表示されるはずです。
最後に「比呂美スレSS保管庫」もしくは「エロパロスレ保管庫」のページで、
上のメニューから「編集」から「このページを編集」を選択。
追加した作者さんの連番に合わせて、『番号:[[タイトル]]』こんな感じの形式で編集をしてページを追加して、
認証パスワードを入力して、「ページ保存」で編集完了です。
住人の皆さんで作っていくのがwikiの醍醐味だと考えていますので、
私の更新を待たずにでも、自由にやっていけばいいと思います。
カカさんのSSってどこで更新してるの
カカさん〜
本当でいきなり長編が投降されているよ。
たしかに長編だし、直接保管庫に投降すればいいのだけど
ここが寂しくなるから、報告だけでもしてほしいな〜。
でないと、ここで感想を書くの変になるし。
うおっ…ホントだ
第二幕、第三幕、第四幕が投下された…気がつかなかったわ(ノ∀`)
カカさん乙です
要するに発表する場さえあればこのスレはどうでもいい人なのね
だから管理人さん以外も編集するの不安だったんだよ
職人なんて自己顕示欲の発現の場が欲しいだけだから
こういう私物化したような使い方する奴が出てくる
>>438 何様なんだお前はw
乞食の分際で偉そうにほざくなよカスがwww
あんな長編を書いてもらうだけでもありがたいと思わなきゃ
SS読んでttに対する熱い想いと相当なサービス精神を
感じたのはおれだけじゃないはず
441 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 12:51:08 ID:2YCukIVm
続々と、カカさんのSSが保管庫に投下されてますね。
乃絵とのキス等の話はもう関わらないかと思っていたのですが
比呂美と直接対決があるとはね。
まだ、なんで眞一郎と比呂美が別れるような展開になるのか分からないな。
しかし、保守もかなてココにもなにか残して欲しいですね。
比呂美スレのSSが荒らしに削除されたみたいだね
職人が直接更新し始める→他の人もいじり始める→自分の気にいらない箇所を勝手に削除
→編集合戦→廃墟になる
他のwikiでもあった事。だから直接投下はやめて欲しかったんだ
荒らし騒ぎは管理人が編集作業を他のユーザーにも自由にやるように推奨したため
職人のせいではないだろ
wikiはみんなでいじるものだからそのこと自体は問題ないと思うのだけれど
コミュニティとしてのコントロールが効かないのはまあその、アレだな
446 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 15:23:06 ID:3vlH6gvJ
う〜む、困ったね
>>443 このような状況になるのを他スレで何度もみてるよ
信用できる管理人が週に1回ペースぐらいでゆっくり更新するのがいいみたい
管理人も2、3人で一定周期での交代しながらだと精神的に楽かな
ファーストキス一章の朋与と比呂美の掛け合いに思わずニヤニヤしてしまった
真剣な話なのにどこか可笑しさが込み上げる朋与のアクションw
その朋与のペースに乗せられて告白してしまう比呂美さんww
比呂美の落ちた玉子焼きにちゃんとごめんなさいを言う辺り何気ないけど比呂美らしい
朋与が落ちた玉子焼き拾って食べるんじゃないかひやひやしたわ
うん面白かったです
季節柄、比呂美の水着のエッチ話が読みたい
マイクロビキニとかいいよな
451 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 12:41:47 ID:SKSorjkb
ファーストキッス、面白いのに〜。
カカさん、ここ見ていないのかな〜
今からでもいいのに。
452 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 00:45:14 ID:dPKXbo4K
保管庫、
あれはあれで、困ったモノだ。
あれ目次の方消したのは誰だ
ひょっとしてカカさん自分で撤去したか
454 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 00:54:18 ID:dPKXbo4K
悪戯している奴でしょ
>>454 そっちならいいんだが、本人だともう更新がなくなるかもと心配になった
ただ、なんとなく気にしにないでと言いにくいんだよな、あれは
スレ告知してほしいって意は結構あったからね
それでも敢えて気にしないでくださいと言っておこう
ところでカカさんっていつごろからカカを名乗ってたの?
春雷の時はまだ名無しだと思ったけど
>>457 春雷の時の後書きで名乗ってるよ
しかし、保管庫酷いな
あの11だけは削除しておかないか?あれあると戻ってきにくそうだぞ
削除は管理人さんしか出来ないな
でも文を全消しする事は出来るか
復元だけしといたけどコレでいいのかな
「うぃっす!」
電源の入っていない自動ドアを手で開けて、『あいちゃん』の店内に足を踏み入れると、そこに店主の姿は無かった。
代わりに調理場からこちらに仏頂面を向けてきたのは……
「俺の新車に傷、つけなかっただろうな」
野伏三代吉の恨みがこもった『視線』と言う名の槍が、鋭く全身を突き刺してくる。
(怒ってるなぁ。 まぁ当然か)
と内心呟きながら、開店準備に追われる三代吉を横目に、眞一郎は頭を掻きながらカウンター席に陣取った。
「あ〜 ……悪ぃ、ハンドルがちょっと……」
「なにぃぃ!?」
学校に到着するとすぐ、眞一郎は自転車を校門脇に乗り捨てて、一目散に体育館へと疾走してしまった。
当然、スタンドを使って立て掛ける、などという気の利いた作業がなされる事も無かった訳で……
必然的に新品の自転車は随所に擦過傷を負い、無残な姿を『あいちゃん』の裏手に晒している。
「お・ま・え・なぁ〜!!」
「だから悪かったって。今度、埋め合わせするからさ」
このとおり、と拝むようなポーズをとる眞一郎に呆れたのか、三代吉はそれ以上詰め寄ってくることはなかった。
「俺の計画がメチャメチャだぜ」
などと愚痴りながらも、三代吉は冷蔵庫からコーラを引き出し、慣れた手つきで栓を抜く。
冷えた瓶をドンと眞一郎の目の前に突き出すのと同時に、彼は別の詰問を始めた。
「で? 何だか知らないけど……間に合ったのかよ」
「! …………あぁ」
ニコッと笑みを返しながら、コイツはいつもこうだな、と眞一郎はあらためて思った。
……三代吉は……本当は自転車の傷なんか心配しちゃいない。
眉間にシワを作っていたのは、きっと自分の…………いや、自分と比呂美の心配をしていたからだ。
それでいて……入ってはいけない一線を自覚している気配りと優しさが……コイツにはある。
(さっきの比呂美と朋与の笑顔…… 見れたのは三代吉のお陰だよな)
…………とてもありがたい、頼もしいと感じる。
…………
「なんだよ、人の顔ジッと見て」
無言で視線を送る自分を『気持ち悪いヤツ』とでも思ったのだろうか?
拭き掃除をしていた三代吉の手が止まり、また憮然とした表情がこちらに向けられた。
「なんでもね〜よ」と笑ってコーラを一気に煽り、口にするのは照れくさい感謝を、炭酸と共に押し戻す。
そして、しばらく二人で雑談に興じていると、二階につづく階段がトントンと軽快な音を立て始めた。
「あれ? 眞一郎、来てたんだ」
バンダナを頭に巻いた愛子が現れ、声を掛けてくるのと同時に、眞一郎もまた、片手を上げてそれに応える。
いつも通りの、何気ない受け答えに笑顔になる『接客仕様』の愛子。
……だったのだが、カウンター内でのんびりしている三代吉の姿を見つけた途端、彼女の顔色が変わった。
「三代吉!あんた何やってんのよ!」
「へ? 何って??」
「夕方から団体さんの予約入ってるって言ったでしょ!! 倉庫から材料運んどいてって昨日頼んだじゃない!!」
やべぇ!忘れてた!と叫ぶやいなや、エプロンを大慌てで外し始める三代吉。
ラブラブサイクリングは無理だったか、と内心で笑いを噛み殺しながら、眞一郎はその背中を呼び止めた。
…………やはり……言うべき事は、言うべき時に言わなければならない……と思う。
「……三代吉……サンキューな」
今日だけのことではない。
今までの分と、そしてこれからの分。
おそらく、一生掛かっても返しきることが出来ない三代吉の友情……
眞一郎は心の底から、何物にも代え難いその宝への感謝を、短い一言に込めて彼に送った。
何気ない言葉の中に自分の真意を汲み取ったのか、鼻を軽く擦って照れを隠し、「バカ野郎」と笑う親友。
その姿は、追い立てるように背中を押す愛子と共に、勝手口の向こうへと消えていった。
「さっさと行って来い! 三十分以内に帰ってくることッ!!」
「す、スイマセン、店長〜」
間抜けな……でも、どこか温か味のあるやり取りが、視界の外から聞こえてくる。
眞一郎は三代吉に、胸中でもう一度「ありがとう」と呟いてから、戻ってきた愛子に視線を移した。
「ったく。出勤したら予定表を確認しろって言ってるのに。 ……で? 眞一郎はどうしたの?」
従業員の出来の悪さを嘆きつつ、店主は開店準備を引き継ぎながら話し掛けてくる。
「いや。 借りてたチャリを返しに来ただけなんだ」
そう短く告げて、カウンターに手をつき、腰を上げる。
他に用事は特に無いし、このあと比呂美と待ち合わせているので、のんびりもしていられない。
「それじゃ」と愛子に手を振ったところまでは良かったのだが……
ぐぅ〜
朝食以降、何も補給を受けていない胃袋がとうとう悲鳴を上げ、その叫びが愛子の耳に届いてしまった。
「何よ。 お昼食べてないの?」
「うん…まぁ…… 色々あってさ」
苦笑して去ろうとする眞一郎を呼び止め、愛子は鉄板に火を入れる。
完全に浮いていた腰を席に戻して数分待つと、香ばしい匂いを放つ今川焼きが三つ、眞一郎の前に差し出された。
「助かったよ。ホントは腹ペコでさ」
もう一本、追加されたコーラと共に、眞一郎は世界一の今川焼きで空腹を満たし始める。
愛ちゃんの焼くヤツは味が違うな、と世辞ではない世辞を口にしてみたが、愛子はまともに取り合ってはくれなかった。
…………
「ねぇ、眞一郎」
黙って開店作業を続けていた愛子が、突然、こちらに目を向け口を開く。
「ん? なに??」
口の中いっぱいに今川焼きとコーラを詰め込んだ眞一郎に向かって、愛子は驚愕の一言をサラリと言い放った。
「あんた、また女の子泣かせてきたでしょ?」
「ぶっ!!!」
いきなりの……しかも弱点を正確に撃ち抜くような愛子の一撃に、眞一郎は思わず口にしたコーラを噴き出してしまった。
汚いなぁと顔をしかめながら、愛子は手元の雑巾でカウンターと眞一郎の口元を拭く。
「ゴメン…………でも、なんで?」
表情で『その通りです』と白状しながらも、眞一郎はそう訊かずにはいられなかった。
魔法使いでも見るような視線を向ける自分に、愛子は「『お姉ちゃん』を舐めんなよ」と見得を切って笑う。
「あんた、『あの時』と同じ顔してるもん」
そうキッパリと断言し、愛子はカウンターの向こう側から、自分を見下ろしてくる。
…………腰に手を当てて、踏み台代わりのビールケースに仁王立ちしている愛子お姉ちゃん…………
…………あの時とはいつのことだろう……心当たりがありすぎて、どれか分からないな…………
『弱みを握られた弟』的な思考が、ショックで麻痺しかけた脳みその中をグルグルと巡る。
どんな返事をしたらいいのかと困っていると、愛子は満面の笑みのまま、拳骨を自分の脳天に落としてきた。
「いてっ!」
「まったく……アタシと乃絵ちゃんだけかと思ってたのに」
やれやれ、と呆れて肩をすくめ、「あんたはナチュラルに女を泣かせ過ぎ」と説教を垂れる愛子。
だが『お姉ちゃん』はそれ以上、事の次第を深く突っ込んで訊いてこようとはしなかった。
ただ一点だけ、「比呂美ちゃんは知ってるの?」と冗談の混じらない鋭い声で重要な事を問い詰めてくる。
「知ってる。 ……全部……知ってる」
真面目な質問に同じ真剣さで返答をすると、愛子は納得したらしく、「そう」とだけ呟いて話は打ち切られた。
…………
…………
「ごちそうさん。 んじゃ俺、行くわ」
開店の邪魔にならないようにと、再び席を立った眞一郎を、愛子はまた呼び止めた。
自分の分は三代吉が取り返してくれたからいいけど、と前置きしてから、彼女は静かに呟く。
「乃絵ちゃんと……その娘の涙は無駄にしちゃダメだからね」
その言葉の重さに胸が詰まり、声が出ない眞一郎に向かって、愛子は「分かったの!」と念を押す。
眞一郎は、はにかんだ笑顔で「うん」と頷くのが精一杯だった。
そして「ありがとう」という感謝の気持ちを、『照れ』というオブラートに包んで口にし、店を後にする。
「また、おいでね」と背中に告げてくる愛子の声…………
それが、比呂美の元へと向かう今の眞一郎にとっては、温かく、貴重で、かけがえの無い物に感じられた。
比呂美は、眞一郎と待ち合わせの約束をした海岸沿いの防波堤に腰掛け、ひとりで海を見ていた。
三代吉に自転車を返しに行った眞一郎と別れてから、もうかれこれ一時間になる。
『あいちゃん』からここまでは大した距離ではないので、てっきり先に来ていると思ったのだが……
(シャワーと着替え。食事まで済ませた私より遅いって、どうなのよ?)
そう胸の中で愚痴りながらも、比呂美は立腹しているわけではなかった。
……たまには一人で……海を見ながら静かに物事を考えるのも悪くない……そう思う。
朋与のこと…… さっき聞かされた『おばさん』とお母さんの再会のこと…… そして眞一郎のこと……
経験不足の自分の頭では、正確な回答を導き出せないのは承知しているが……
……それでも……少しでも……噛み砕いて、呑みこんで、自分の血にしなければならない。
そうしなければ、支えてくれる優しい人たちの想いに、一生報いる事が出来ないのではないか、と比呂美には思えた。
…………
…………
「!」
照りつける太陽の光と比呂美との間を何かが横切り、思索の海に潜っていた意識を、現実に引き戻す。
吸い寄せられるように視線を上向けた比呂美の瞳に映ったのは、空を舞う二羽の海鳥たちだった。
上昇気流に身を任せ、真上を旋回する姿…… それは自分とは無関係な存在であるはずなのに、何故か目が離せない。
「にゃあ」
そしてこれもまた、突然に左側から聞こえてくる猫の鳴き声。
いつの間にそこに現れたのか、見覚えのある小さなシルエットが、すぐ隣で空を見上げていた。
「ボー……ちゃん?」
呼び掛ける声に、また「にゃあ」と反応し、こちらに近づいてくる彼は、間違いなく朋与の飼い猫『ボー』だった。
「なにしてるの?」という比呂美の問いには当然答えず、腕に胴体を擦りつけて挨拶してから、再び離れていくボー。
忙しいから構ってやれないぞ、とでも言いたげに、ボーはまた空に……鳥たちに向かって鳴き始める。
…………何度も……何度も……空に向かって鳴き続けるボー…………
それは今朝、眞一郎の部屋で目にした絵本の世界の再現だった。
続きを……結末を教えてもらっていないストーリー……その答えがここにあるのではないか。
何故か訳もなくそう思え、比呂美はボーと海鳥たちの『会話』に意識を傾け、耳をすませた。
…………
バサッ!
何度目かのボーの叫びに応え、海鳥たちが旋回を止めて舞い降りてくる。
ボーの頭上を掠める様に飛び、また大空へと舞い上がっていく鳥たち……その雄大な飛翔が目に焼きつく。
……それは決して威嚇などではなく、ボーの魂を、どこか別の場所に誘おうとしている様に、比呂美には見えた。
「にゃあ!」
ボーもそれを理解したのだろうか。 彼は鳥たちの軌跡を追うようにして、比呂美の側を離れ駆け出していく。
…………その先の待つ何か……誰かを求めて飛翔するように…………
…………
ボーの姿が視界から消えた時、比呂美は全ての答えを掴んだような気がした。
そして自分も、正体が分からない何かに促されるように立ち上がる。
全身に吹き付けてくる風を正面から受け止めて…… 両腕と両脚を一杯に拡げて……比呂美は思う。
(飛ぶんだ!!)
……『飛ぶ』…… それはあの石動乃絵が口にしていたフレーズ。
そして、言葉の中に込められた意味が……今の自分には良く分かる。
接点など無いと思っていた少女の想いが、眞一郎を通して、いつの間にか己の血肉になっているのを感じる。
……飛ぶ……みんな…いつか飛ぶ……
絵本の中のボーも、朋与も、『おばさん』も、……そしてたぶん、石動乃絵も……
…………自分の道をみつけて、羽ばたいていく………… ……そして……
(私も飛ぶ! 私のみつけた空を!!)
それはみんながくれた空。 眞一郎の空。 どこまでもつづく蒼の中を、自分は彼と二人で羽ばたきたい!
…………
…………
洗いたての髪を潮風に泳がせながら、比呂美は防波堤の上で心と身体をいっぱいに開放する。
ようやく現れた眞一郎がその後ろ姿に引き込まれ、立ち尽くしている事にも、しばらく気づくことはなかった。
「飛べそうか?」
後ろから掛けられた声に、比呂美はハッと肩越しに振り向いた。
いつからそこにいたのか……眞一郎の笑顔が、少し離れた場所からこちらを見ている。
「…………」
「……なんか言えよ」
口走ってしまったポエムっぽい質問に返答がもらえず、眞一郎は困ったような表情を作った。
だが比呂美の顔は、眞一郎と同じ透明な笑顔を反射するだけで、すぐにまた海へと向き直ってしまう。
視線を風に戻し、無言で世界に向き合う自分の背中を、比呂美は眞一郎への答えにした。
(……感じて……眞一郎くん)
…………
…………
今の自分の所作を目にして、『飛ぶ』という単語を連想した眞一郎……
視界の外にいる彼は、きっと石動乃絵を思い出しているに違いない……
……朋与のことも、思い出しているに違いない……
(石動乃絵と黒部朋与が、仲上眞一郎の中にいる。大事な何かを…形作っている……)
かつてはそう考えるたびに、胸の奥に黒い炎が燃え上がり、嫉妬で身を狂わせていた。
自分に出来ないことを眞一郎にしてやれる……彼女たちが憎かった。
でも、今は違う。
あなたの涙は奇麗だ、と言ってくれた石動乃絵の想い……
眞一郎を包んであげて、と言ってくれた黒部朋与の想い……
そのどちらもが、身体の奥底に根を張っているのが、ハッキリと分かるから。
……あの頃の『湯浅比呂美』は、もういない……
眞一郎と同じように、彼女たちと接することで、自分は変わった……飛ぶことができた。
二人の想いを受け入れて、力に出来た今、不の感情が心を支配することは……もう無い。
…………そして…………
風に向かう自分の背中を見つめてくれる眞一郎は……その事を全てを理解してくれている……
……自分の……湯浅比呂美の全てを…………
…………
…………
比呂美は広げていた手足を畳むと、振り向いて防波堤から飛び降りた。
視線を絡ませてくる眞一郎の前に立ち、「わかった?」と悪戯っぽく小首をかしげて笑ってみる。
「……うん」
口中で小さくそう言った眞一郎は、比呂美の示した答えに満足しているようだった。
感極まった様子の眞一郎に、「帰ろう」と呟き、ひとり歩き出す比呂美。
「あ……待てよ、比呂美」
背後から呼び止めるその声には、聞こえないフリをする。
そして比呂美は、記憶の底に沈んでいた、ある唄を歌い始めた。
♪す〜ぐそこ〜にアブラムシ〜♪
♪眞一郎〜の靴〜の底にもアブラムシ〜♪
後ろをついてくる眞一郎……その心が震えるのを明確に感じるが気にしない。
……蒼天に向けて口ずさまれる……うろ覚えのメロディ……
何も含むところはない。 それは眞一郎にも分かっていると思う。
ただ……今はこの唄を……彼女の唄を歌いたい。
そんな気分だった。
…………
眞一郎を子分のように引き連れ、比呂美は防波堤沿いの道を晴れ晴れとした顔で、歌いながら進んでいく。
(……気持ちいい……)
石動乃絵もこんな気持ちだったのだろうかと思い、声のトーンを上げたその時、後方から突然に爆笑が巻き起こった。
「ぷぷっ……ぶはははははははは!!」
響き渡る笑い声に心の高揚をかき消され、比呂美の眉間にシワが刻まれる。
振り返ってみると、眞一郎が緩んだ目元に薄っすらと涙を浮かべながら、呼吸困難に陥ったかのように身悶えていた。
「な、なによ!」
「くく……わ、悪ぃ……。 でもお前……唄だけはヘタクソだよな……ププッ……」
何とか押さえ込もうとして叶わず、眞一郎はまた大口を開けて笑い出す。
比呂美は顔を真っ赤に紅潮させながら、腹筋に手を添えて苦しむ眞一郎を置き去りにして再び歩き出した。
(ホントにもうっ! 空気読めないのは直らないんだからっ!!)
唄が下手なのは、言われなくても自覚している。
麦端高校で完璧少女の名を欲しいままにしている自分の、唯一の弱点が『コレ』だった。
(歌手になりたいわけじゃないんだから、別にいいじゃない!)
そう。 なりたいモノは他にある。
……湯浅比呂美がなりたいモノは、眞一郎の……仲上眞一郎の…………
…………
脳天から怒気という湯気を発散しながら、思考が別の結論へとスライドしかけた時だった。
「その唄、まだ一節つづきがあるんだぜ」
もう笑っていない眞一郎の声が、耳朶の裏に響く。
それがどうしたのよ、と声を荒らげながら比呂美が脚を止めるのと同時に、眞一郎の喉が高らかに鳴った。
「♪眞一郎〜の心の底に……『湯浅比呂美』!!♪」
町じゅうに聞こえるような大声で叫ばれたそれは、先程とは全く逆の意味で、比呂美の顔を耳まで赤く染める。
「……な……」
感激と羞恥にまみれて声が出ない比呂美の真横まで、眞一郎は一気に距離を詰めてきた。
そして勢いに任せて手を取り、指をしっかり絡めると、比呂美の身体を引っ張るようにして、眞一郎は歩き出す。
……繋いだ手から……指先から……眞一郎の想いが、熱に形を変えて伝わってくる……
比呂美は自分と同じ様に、頬を赤らめている眞一郎の横顔を眼に焼き付けながら、握る手の平に力を込めた。
眞一郎がそれに反応し、視線をこちらに寄こす。
「今朝の絵本の…つづきだけどさぁ……」
そう言いかける眞一郎の言葉を、比呂美は首を横に振ることで止めた。
結末はもう知っている。 眞一郎の描きたい物語なら……ちゃんと分かっている……
瞳の光で紡いだ想いは、眞一郎の心に届いたらしい。
黙って頷き、話を途中で打ち切ると、仲上の家へ向かう歩速を少しだけ早める眞一郎。
比呂美は恋人に歩くスピードを合わせながら、帰路の先で待っている家族の顔を思い浮かべた。
今日は着物の着付けレッスンのあと、新しい料理の作り方を教わる約束をしている。
《今夜は…… そうね。ブリ大根にしましょう》
今朝、『おばさん』が嬉しそうに言った言葉…… それが頭に浮かび、比呂美は顔をほころばせた。
「?? 何だ?」
「ううん、何でも。 おばさん、気が早いなぁ〜って」
不思議そうな顔で見つめてくる眞一郎を横において、比呂美は『ブリ大根』が持つ意味を考える。
(あ……そういえば……)
……女の子がお嫁に行く時、ブリ大根を食べると幸せになれる…………
幼い頃、この地方特有の素敵な風習を教えてくれたのは、確か母だったなと、比呂美は懐かしく思い出していた。
[おわり]
467 :
朋与男:2008/08/02(土) 01:02:39 ID:x8UDAAZK
カカさんの新作で盛り上がっているところ、失礼いたします
長々と続けて参りました「ある日の比呂美」、終了でございます
なんとか結末にたどり着けたのも、すべて読んでくださった皆様のおかげです
心より御礼申し上げます
で、次なんですが……今のところ予定はありません
もうカカさんや一日一話さんがおられますし、そろそろ引き時かとも思います
それに大本命の遅筆屋さんとあさみの人さんも控えておられますしね
でもまぁ、また発作的に何か書きたくなって、投下してしまうかもしれませんので、
その時はまた、暇つぶし気分で読んでやってください
それでは住民の皆様、またお会いできる時までサラバです
ご愛読、本当にありがとうございました!
朋与男さん乙です
「○○がいるから」と言わず、思いついたらいつでも帰ってきてください
朋与男さんの代わりは誰もいないのですから
カカさん
変な人が保管庫にいたようですが気にせず投下してください
こんな事であの大作が全貌を日の下に置くことなく終らせるなど惜しすぎます
469 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 01:30:41 ID:PezavDXE
>>467 乙です。
すばらしい長編ご苦労様でした。
エピローグ、愛ちゃんとの会話や本編のエピソードを上手い引用などなど
綺麗な締めでした。
長編でなくても全然構いませんので
発作を起こされて投下されることを首を長くして期待してます。
いままでありがとうございました。
朋与男さん
お疲れ様でした
綺麗なエロ描写が印象に残ります
また気が向いたら投下してください
俺はエロ描写よりも修羅場の描写が好きだった
>>467 お疲れさまです。
大長編の終わりに寂しさを感じています。
どうか朋与男さんの創作意欲に発作が起こりますように。
>>467 波の音が…海鳥の声が…ボーの鳴き声が…
そして海辺で楽しそうに並んで歩くラストシーンの二人が見えた気がした
今まで楽しませてくれたことに言葉で語り尽くせないほどの感謝とありがとうです。
そしてまたいつでもお待ちしてます。
474 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 13:33:14 ID:oS23MW1q
朋与男さんは、多少間が空いても落としてくれるという
安心感があったからなー。
他の職人さん方が続きを投下してくれる事を期待してます。
保守っておくか
ここに書くべきか迷ったけど
カカさんお疲れ様でした
相変わらずカカさんの口げんかはインパクトあります
保守
誰か〜ぁ、書いて〜
もうこのスレも終わりやね。
比呂美と泳ぎに行く話し希望
世間は所謂盆休みだ
まだあきらめるのは早い。
あきらめたらそこで...
夏休み真っ最中の8月某日。
比呂美と眞一郎は海に来ていた。といっても泳ぎに来たわけではない。
眞一郎は石段に座って、水平線を見ながら大きく伸びをする。
「せっかくの夏休みだってのに、補習のせいで一日無駄にしちゃったなぁ」
「眞一郎君は毎日ダラダラして無駄に過ごしてるでしょ」
比呂美のきついツッコミが入る。
今日は補習がある登校日。
その帰り道にこうして二人で海に寄ったのだ。
太陽が傾き始めても、気温は一向に下がりそうもない。
冬は雪が積もる富山でも、夏というのは当たり前に暑い。
比呂美も眞一郎の隣に座り、同じ水平線を見ながら言った。
「来週の日曜日、泳ぎに来ない?」
「バスケ部の練習は?」
「休みなの。だから……ね?」
「いいよ」
「やたっ!そうと決まれば水着を買いに行かなくちゃ。晴れるといいな〜」
(比呂美の水着……)
如何わしい妄想をしてしまうのは、健全な男子だという証拠でもある。
――ピカッ!
眩しい閃光に、眞一郎の緩んだ頬が引き締まった。
――ゴロゴロゴロ
空の向こうから雷鳴が聞こえる。
「降ってくるかも。帰ろう!」
比呂美は立ち上がり、眞一郎の手を取って走り出す。
「ちょっと待ってくれよ」
急かす比呂美と、引っ張られる眞一郎。
雨雲はあっという間に太陽を遮り、強い雨を降らし始めた。
「急いで!」
鞄で雨を凌ぎながら、二人は海岸沿いのバス停へ駆け込んだ。
「はぁはぁはぁはぁ……」
膝に手をついて息を切らす眞一郎とは対照的に
比呂美は少しも呼吸が乱れておらず、鞄から取り出したスポーツタオルで眞一郎の体を拭いている。
「大丈夫?風邪ひかないでね。海に行けなくなっちゃう」
「はぁはぁ……俺は大丈夫だから。ほら、比呂美も」
タオルを取って、今度は眞一郎が比呂美の雫を拭う。
「ありがとう」
眞一郎は、時刻表と腕時計を交互に見ている。
「バスが来るまであとどれくらい?」
「もうそろそろ来る時間だけど……」
「遅れてるのかな」
「多分」
ベンチに腰を掛けてバスを待つ。
バス停の屋根を叩く雨音が、夕立の激しさを物語っている。
窓から海を見ると、波も荒れてきているようだ。
相変わらず、遠くの空では雷が鳴っている。
「ちょっと寒くなってきちゃった」
「大丈夫か?」
「抱きしめてほしいな……」
抱きしめられた比呂美の体は、雨で濡れたせいで少しひんやりとしていた。
比呂美の濡れた髪からは女の香りが漂う。
その甘く艶かしい香りは、眞一郎の鼻先をくすぐり、本能を刺激した。
「比呂美……」
「眞一郎君……んっ……ちゅ……ちゅぱ……」
眞一郎が差し出した舌を、比呂美はつるりと受け入れた。
二人の唇の間で淫らな水音が奏でられる。
ディープキスを交わしたまま、眞一郎の手が比呂美の太ももへ伸びる。
だが、比呂美はそれを払いのけてキスを解いた。
驚いた表情の眞一郎に、比呂美は頬を紅潮させたまま言った。
「バス、来たみたい」
耳をすませると、確かに雨音に紛れてバスが近づいてくる音が聞こえる。
“バスはいつも間の悪いときにやってくる”
それは今回も同じだった。
バスに乗り込むと、比呂美は眞一郎の手を引いて
最後部の二人用の座席に座った。
前方のワイパーは速いテンポで動いている。
窓際に座った眞一郎はボーっと海を眺めていた。
(気まぐれな夕立を恨んでも仕方ないか)
眞一郎の足に何かが触れた。
その感触のほうを見ると、比呂美の右手が、左の太ももに置かれている。
「比呂美?」
「すごい雨だね」
そう言いながら、比呂美の手はさするように動いている。
「そうだな……」
「来週の日曜日は晴れるかな?楽しみだね」
手の動きはゆっくりだが、大きく前後している。
「眞一郎君も楽しみにしててね…」
スラックスの上から、眞一郎の男の部分に触れる。
同時に耳元で小さく囁いた。
「…私の水着姿」
そこはすっかり硬くなっていた。
トランクスとスラックスを内側から破るように、力強く屹立している。
「ひろ、み……」
「ん?」
比呂美は確かめるように、指先で眞一郎の形をなぞる。
そして十分に血液が海綿体に流れていることを確認すると
今度はファスナーに指をかけ、引き下ろしていく。
ジジジジジジ
ファスナーを全開にすると、今度はトランクスの前開きに指先を忍び込ませた。
「やばいって……」
「大丈夫……」
「誰かに見られたら……」
「絶対バレないよ……」
二人の他にバスに乗っている人は
運転手と、中央付近の座席で会話をしている二人のお婆さんだけ。
前の座席の背もたれが胸から下を隠しているので、見られる可能性は低いかもしれないが
もしかしたら途中で誰かが乗ってくるかもしれない。
それでも眞一郎は比呂美を払いのけないし、比呂美も手を動かすことをやめない。
解放されたペニスは、苦しそうなほど硬く勃起していた。
比呂美の右手が優しく包み込み、慰めるように上下に動いてしごき始めた。
シュッシュッシュッシュッ
規則正しく刻まれるリズム。
眞一郎は、表情に出さないように懸命に耐えていたが
しっとりとした比呂美の手のひらの感触と、バスの中という状況が
限界への距離を急速に縮めていく。
雪解け水が湧き出るように、尿道口からカウパー腺液が滴る。
それが比呂美の手のひらで塗り広げられて、ペニス全体をぬらぬらと光らせた。
上下する比呂美の手は速度を上げ、バスのワイパーと同じリズムで動いている。
「……気持ちいい?」
「うん……」
「……出そうになったら言ってね」
「ごめん。もう出そう……」
限界が近いことを告げると、比呂美はスカートのポケットからハンカチを取り出した。
その様子を見ていた眞一郎は気づいてしまう。
比呂美のブラウスが雨でくっきりと透けて、ピンクのブラが見えていることに……。
脳に送られた一枚の画像が、トリガーをあっさりと引いてしまった。
「出るッ……!」
眞一郎は、比呂美の耳元で小さく叫ぶ。
比呂美は左手で用意していたハンカチを、素早く亀頭の先端に当てた。
握られながらも、力強く脈を打って精を放つペニス。
先端から放出された白濁液は、ハンカチの上でプルプルと震えるほどの濃さだった。
栗の花にも例えられる重く不快な臭いが漂う。
汚れた面を内側に折ったハンカチを、平然とポケットにしまう比呂美。
眞一郎も、ぐったりと項垂れたものを、そそくさとスラックスの中に押し込んだ。
次は 麦端三丁目 麦端三丁目
バスはウインカーを点滅させて
スピードを落としながらバス停のほうへ寄っていく。
二人が前方の降車ドアに向かう途中
中央付近に座っているお婆さんの会話が聞こえた。
「なんだか変な臭いがしない?」
逃げるようにバスを降りる二人。
いつのまにか夕立は通り過ぎ、西の空が赤く染まっていた。
―終―
487 :
朋与男:2008/08/19(火) 21:57:19 ID:fj+ZT/JG
むむ、スレ維持の救世主参上!ですね
一日一話さん(ですよね?)、一ヶ月ぶりの新作、堪能させていただきました
しかし比呂美……バスの中でとは大胆な……
火がついた二人の性欲が、これで治まるとは思えません
続きを激しく希望いたします
あと「ある日の比呂美」の終了に感想を書いてくださった皆様、
ついでと言っては失礼なのですが、この場を借りまして厚く御礼申し上げます
ありがとうございました
>>482 元一日一話さんキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!
久しぶりのSS美味しゅうございました
> 「来週の日曜日、泳ぎに来ない?」
> 「バスケ部の練習は?」
> 「休みなの。だから……ね?」
> 「いいよ」
続きも読みたいなぁ
( ゚∀゚)o彡°水着!水着!w
一日一話さん
乙です
相変わらずコンパクトでありながら濃厚なSSですね
>>482 守護者あらわる。
乙です。
いい燃料補給になりました。
491 :
元一日一話:2008/08/23(土) 02:38:50 ID:JiLCtbEC
遅くなってすみません
アク禁に巻き込まれていました。解除されたようなので書き込みます
>>487 お久しぶりです
「ある日の比呂美」お疲れ様でした
皆さん同様、新作を期待しています
海と水着の話は、是非とも書きたいと思っています
まだイメージもわいてこないので
夏の終わり(8月中)までに間に合うかわかりませんが、できるだけ頑張ってみます
比呂美の水着について、皆さんはどんなイメージがありますか?
個人的には下着の印象からか、白や青系なのかなと思うのですが、黒なんかも似合いそうですよね…
乃絵についてはスクール水着が真っ先に思い浮かびますw
今回は「バスに揺られて」の続編です。保守代わりになれば幸いです
※「バスに揺られて」の続編です。
バスを降りると夕立は通り過ぎていた。
雨上がりの匂いの中、夕焼けを背に歩く比呂美と眞一郎。
大きく伸びた二つの影は、寄り添って手を繋いでいる。
「今日も帰ったら絵本の続き?」
「そうだな。夏休みが終わるまでには一冊描き上げたいし」
「そう……」
「でも最近は暑さのせいか集中できなくてさ〜」
不意に比呂美が立ち止まる。
「家に寄っていかない?」
一歩先で振り返る眞一郎。
「集中できるようにしてあげる……」
〜♪
眞一郎の唇が動き出したと同時に、携帯電話の着信音が鳴った。
「ごめん……」
「…………」
「もしもし?帰り道だけど。えっ?……わかった」
――ピッ
「……おばさん?」
「今日は用事があるから早く帰ってこい、だって」
「じゃあ仕方ないね」
「ごめん」
「ううん」
一人アパートに帰った比呂美は、玄関を閉めると深いため息をついた。
「はぁ〜……」
鞄を置いて右手を見つめる。
ほんの少し前まで、この手は眞一郎と繋がれていた。
それよりもう少し前には、眞一郎を握って上下していた。しかもバスの中で。
ポケットに手を入れて、取り出したハンカチをそっと広げる。
べっとりと付着した眞一郎の精液。
男子特有のキツイ臭いがむわっと漂う。
比呂美はこの臭いがどんな香水よりも好きだった。
「くんくん……」
鼻腔いっぱいに匂いを吸い込む。
(眞一郎君の匂いだ)
下腹部がじゅんと熱くなるような……
子宮が疼くような……
触りたい。いじりたい。気持ちよくなりたい。
比呂美の性欲が身体を動かす。
ハンカチを握り締めたまま、軽やかにロフトへ駆け上った。
ハンカチを鼻に当てたまま、ショーツを脱いで横になる。
(眞一郎君……)
スカートを捲りあげ、茂みの奥へと右手が伸びる。
視覚と触覚を満たし、そして嗅覚にダイレクトに響くリアルなオカズが
無意識のうちに比呂美の指使いをいつもより大胆にさせた。
ちゅくっ…くちゅっ…ぴちゃ…くちゃっ……
薄い粘液が奏でる水音と、甘美な吐息。
水音のボリュームが上がってくると、吐息は喘ぎ声に変わっていく。
「うぅっ!……眞一郎くん……もっと……あんっ……もっとぉ……」
この手が、この指が、眞一郎のものだったら……
そんなことを想像しながら、比呂美は快楽の頂点へと登りつめていく。
ハンカチを口の中に含んで噛み締める。
青臭い眞一郎の味が舌から脳に伝わる。
脳と身体が反射的にエクスタシーの記憶を呼び出して、あの気持ちよさを再現した。
「んっ……あっ…いっ…あっ…はぁん……んんっ!…アッ!…イ、ぃく…!!」
頭の中が真っ白に痺れる。
背筋にグッと力が入り、腰が大きくブリッジのように跳ね上がる。
そのまま比呂美は意識が薄れていくのを感じながら
強い眠気に身を任せて、瞼を閉じた。
それからどれくらいの時間が経ったのだろう。
意識を取り戻した比呂美は、重い身体を起こして時計を見たが、まだ長針が半周した程度だった。
シーツにできた無数の染みは、比呂美が飛沫をあげたことを物語っている。
本能が求めた満足感と、理性が生み出す罪悪感。
それは自慰行為を覚えたころから変わっていないが、その比率は変わってきている。
「何作ろうかな〜」
シャワーを浴びた比呂美は冷蔵庫を開けて、夕食の献立を考える。
しばらく考えた後、アロエヨーグルトを取り出してドアを閉めた。
(海だもん。水着だもん。ダイエットしなきゃ……)
比呂美の身体には、落とすべき無駄な脂肪などないのだが
少しでも綺麗になりたいと思うのが乙女心。
ダイエットに水着選び、約束の日曜日まで、比呂美にとって忙しい毎日が始まった。
―終―
GJ!海編も期待してます
比呂美は白のビキニが似合いそう
>493
比呂美がとても魅力的です。
海と水着の話も凄く楽しみです。
比呂美の水着は白のワンピースを着てほしいですかね。
さりげなくハイレグぎみで、背中が大きくカットされていたり。
496 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 13:55:02 ID:+OMZ4DRE
>>491 GJ
続き乙っす。
比呂美さんもすっかりエロくなっちゃて、最高です。
水着は白や逆に濃い紫のワンピースがいい感じ。
ちなみに乃絵はフリフリ系で、愛ちゃんは頑張ってセクシーなビキニかな。
海編、楽しみにしています
乳首やマンコが見えそうなマイクロビキニで
ないわw
愛ちゃん、大胆
夏が終わるなぁ
愛ちゃんならコーラに睡眠薬混ぜて逆レイプくらいしてくれると思ったのに
503 :
海水浴 1:2008/08/31(日) 19:24:41 ID:HNAlUayF
「こんにちは。あの、眞一郎くんは……」
「まだ二階で寝てるみたいなのよ。起こしてあげてちょうだい」
下から聞こえる話し声は耳に届いていたが
眞一郎の体と瞼は重く、ベッドから起き上がれずにいた。
階段を上る音が近づいてくる。
「眞一郎君、起きて」
「…比呂美?…今何時?」
「もうお昼だよ。今日の約束忘れちゃったの?」
(今日の約束?なんだっけ?)
「ねぇ」
比呂美の声に眞一郎は瞼を薄く開けた。
ぼやけた視界の中で、比呂美の顔が近づいてくる。
「せっかく可愛い水着買ったのに。見たくないの?」
(そうだ。今日は比呂美と海に……)「……見たい」
「じゃあ起きて。早く行こっ!」
『比呂美の水着姿が見たい』その一心で眞一郎は起き上がった。
雲ひとつない空、太陽の光を反射して海面はキラキラと輝いている。
気温はこの夏の最高値を記録していた。
「晴れてよかったね。早く泳ごうよ!」
「そうだな。え〜っと更衣室は」
汗ではりついたTシャツの胸元をパタパタと動かしながら
眞一郎は更衣室が備えてある海の家を探した。
「あそこにしようか……!?」
眞一郎が指差しながら隣を見て驚く。
熱い砂の上で、比呂美がワンピースを脱ごうとしているのだ。
「おい!こんなところで!」
慌てふためく眞一郎を横目に、比呂美はするっと脱いでしまった。
ワンピースの下から現れたのは、下着……ではなく水着。
疲れた顔でロボットのように「似合ってるよ」と繰り返す朋与と共に
二時間半もかけて選び抜いた水着である。
「……どうかな?」
「えっ……あ……カワイイ……」
「それだけ?」
「……すごくよく似合ってる。やっぱり比呂美ってスタイルいいよな」
「ふふ、ありがとう♪」
ニコッと笑う比呂美の姿を、眞一郎は直視することができなかった。
504 :
海水浴 2:2008/08/31(日) 19:25:18 ID:HNAlUayF
浮き輪に座って波に揺られる比呂美と、それにつかまる眞一郎。
この波のように心地よい穏やかな時間が流れる。
夏休みの間も、連日のように部活がある比呂美にとって
今日はようやく訪れた夏休みらしい一日。
二人が同じ時間を共有するのは久方振りだった。
「バスケ部は明日からまた練習?」
「うん。夏休み中もいくつか練習試合が入ってるから」
「そっか、忙しいんだな。一緒に遊べるのも今日だけか」
海面下で眞一郎の手が動く。
「あっ……眞一郎君……」
浮き輪の穴に座っている比呂美のヒップに触れる。
「他の人に気づかれちゃうよ……」
「離れてるから大丈夫だって」
「でも……」
小さく締まった柔らかい肉をいやらしく撫で回す。
臀部から前のほうへ手が移動すると、手のひらから指での愛撫に切り替わる。
比呂美の一番恥ずかしい部分を、指が摩るように前後する。
一本の筋をなぞるように、何度も何度も。
「眞一郎君……んっ」
比呂美の手が浮き輪をギュッと握る。
久しぶりに逢えた恋人。
それも眩しい水着姿で。
押さえ込んでいた欲望が暴走を始めて、眞一郎の悪戯はエスカレートしていく。
爪先で優しく引っ掻いたり、指を震わせて振動を与えたり、巧みに比呂美を高めていく。
「んっ……あんっ……やっ」
水着の股間部分を器用に手繰り寄せ、比呂美の大切な部分を海水に晒す。
指先で入り口を十分にほぐすと、ずぶりと中指を侵入させた。
「んんっ!んァ!」
そこは眞一郎を待ちわびていたかのように、ぬるっと抵抗なく受け入れて
嬉しそうにギュウギュウと指を締め付ける。
ぷかぷかと波に揺られながら、下から眞一郎の指に突き上げられる。
動きを変え、形を変え、膣壁を擦り上げる一本の指。
比呂美の息は乱れ、目は虚ろに空を眺めている。
「はぁ…はぁ…はぁんっ!…くっ……ぁん!」
「あんまり声出すと気づかれるぞ」
「だって……んふぅ……っ……指が……」
「指が気持ちいいのか?」
コクコクと頷く比呂美を見て、眞一郎は征服感に満たされる。
中指に続き、人差し指も比呂美の中へ侵入する。
うねうねと蠢くイソギンチャクのような動きが与える強い刺激。
「んんっ!…くぁ…あっ…アンッ!ぃぁっ、ひぁっ、イクッ!!」
二本の指がグイッと同時に曲げられて、比呂美の頭は真っ白に染まった。
505 :
海水浴 3:2008/08/31(日) 19:26:07 ID:HNAlUayF
「眞一郎君、やっぱり……んっ!」
「しー。静かに……」
狭いシャワー室で絡み合う二人。
丸まった水着が足元に転がり、スノコがカタカタと音をたてる。
壁に手をついた比呂美を、背後から突き動かす眞一郎。
その右手は比呂美の白い乳房を掴んでいる。
――ぺたぺたぺた
感じやすい比呂美が声を出してしまわないように、ゆっくりとした腰の動き。
いつものような激しさはなくとも、もどかしさとスリルが官能を後押ししてくれる。
「……っ……ぅ……ぁっ……んっ……」
抑えきれない嬌声が、淫靡な吐息となって比呂美の唇から零れ落ちる。
隣のシャワー室から人が出て行く気配を感じると
眞一郎はここぞとばかりに、比呂美の細いウエストを掴んで、激しく揺さぶった。
ラストスパートに応えるように、比呂美の膣は力いっぱい収縮する。
「んっ、あっ、…あっ、イヤッ、んあぁっ……ひっ、ぃっ、ぃっ……」
「はっ、はぁっ、いぃっ、あっ!んっ!……っ!!」
ドロッと溢れ出た精液が、スノコの上に垂れ落ちる。
シャワーの水に流されて、排水溝へと消えていく。
日に焼けた身体に冷たいシャワーを当てながら、二人は抱き合って乱れた呼吸を整えた。
更衣室の前で腕時計に目をやる眞一郎。
(おそいなぁ。でも女は着替えに時間がかかるっていうし……)
それから十分後、更衣室から出てきた比呂美はどこか浮かない顔をしていた。
「眞一郎君、大変なの……」
「どうした?」
・
・
・
比呂美は恥ずかしそうに耳元で囁く。
「下着忘れちゃった……」
―終―
GJ。比呂美さんエロいよ比呂美さん
しかし眞一郎、ようやく確保したデート当日に昼まで爆睡かよww
ちゃんとしろww
>>503 夏の終わりに、ありがとう、ありがとう。
大胆なお二人さんのやられます。
そして、最後のオチまでついて。
またいつか、待ってます。
一日一話さん
乙です
全くこのバカップルわw
デートに浮かれてドジッ子な比呂美も可愛いですね
一日一話さん乙!
どうやって帰るんだろうw
ノーパソ
帰りはノーパンプレイですか
(;´Д`)ノーパンノーブラ…ハァハァ
比呂美さん、フトモモに精液垂れてきてますよ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:/:..:..:../:../l:::!::..:: : : : : : : :! ヽ: :', :ヽ: . . ヽ ',
. ':::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::::;':..:..:.::,'!:.,' |:.!::::: : : : : : i :i ', :i : : :, . . . .
i::::::::::::::::::::::::::l:::::::|:::::::::i:.:::.:::/ !:i |!i::::::.:. : : : i :i i :ト : : ' . . . i i
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. !:::::::::::::::::|:::::::l:::::::l:::::.:l:::;'-‐ ´| ! \::::. :.、! _, -_厶-:、i.:! . . ! ′
!:::::::::::::::l:::::::!::::::.:!::.:l|::i -‐_¬ ヽヘい. 'ィ抒:i」}`y'|:! . . ハi
';::::::::::::::::!:::l:l::::.:.:.';.:.| !{ _,,xゥァ示'^ヾ ヽ {t込.,_ l' /. , !
、:::::::::::::';::lム:::::.:.:.v! ,〃{Yfiリr'^ `−"´ ノ/:〃′
ヽ::::::::::ハ::い:::::.:.:ヽ `` ど辷うゝ' ///// ´/://
`、:::::{.ハ´ヘ:::::.:.:ぃ、 ///// { /イ
i::::::', ヽ.{\:::.\ 〉 !
!::::::ヽ. {_`ヽ\、ー ' ,
>>514で
|:::::::::::`丶、`′ ` _, , ' 投票されることを考えてたらイっちゃった…
j::::::::::::::.:::::::`T ^ヽ ー '"´ /
'::::::::::::l:::.:.:.:i::::! 丶 _ /:!
/::::::::::::::|:::::.:.:l:::| ‐- _ /: i :l
/:::::::::::::::::!:::::::.:.!:l `7¬':::::i: :!: l
. /::::::::::::::::::::l:::::::::.:iヽ ,':::::::l::::::!: |i: :!
かなり善戦したな
勝たないほうがよかったよ
ここで負けて良かったよ
むぎや祭エロを〜〜
待つのって体力がいるのよね
祭、おわった…
オナバード
保守
523 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 08:08:28 ID:73Cem3Pc
しんさくしんさく!
夕立は突然だった。
つい先刻まで快晴だった空がいきなりヘソを曲げ、久しぶりに一緒に下校する眞一郎と比呂美に襲い掛かる。
運の悪い事に二人は傘を持っておらず、その上、今いる所は仲上の家までは、まだまだ距離がある場所だった。
(こんな土砂降りの中を走って帰ったら、眞一郎くん風邪ひいちゃう)
比呂美の決断は早い。
眞一郎の手を取ると、彼を引っ張るようにして自室へのコースを駆け出す。
学校で『周回遅れの女王』の異名をとる俊足に掛かれば、現在位置から自宅までの距離など何程の物でもない。
大した時間も経ずに、二人は比呂美の暮らすアパートの玄関へとたどり着いた。
「結構 濡れちゃったね」
玄関の鍵を開けながらヘヘッと肩をすくめる比呂美に、答えを返す余裕は眞一郎にはなかった。
肺の辺りを押さえながら、「…殺す気か…」と吐き出すのが精一杯。
万年運動不足の文化系にとっては、豪雨の中の猛ダッシュは相当の苦行だったらしい。
比呂美は満面の笑顔で眞一郎の抗議を無視すると、部屋の中へと彼を押し込んだ。
そして真新しいタオルを二つ用意し、その一つを眞一郎に投げ渡す。
受け取ったタオルで頭や肩の水滴を拭いながら、窓外の様子に目を遣り、眞一郎は呟いた。
「当分、止みそうもないな」
「日が暮れるまでは無理だよ」
自分のタオルで髪を拭きながら、比呂美は眞一郎の横に寄り添って、同じ方向に視線を向ける。
「シャワー浴びて。そのままじゃ風邪ひくよ」
入浴を勧める比呂美に、眞一郎は「傘を貸してくれれば帰ってから風呂に入れる」と抗弁したが、彼女は聞き入れない。
何をムキになっているのか、と横に立つ温もりに目を遣った瞬間、眞一郎は比呂美が求めているモノに気づく。
…………三割ほど閉じられた瞼の奥……青味がかった瞳が訴えかける『それ』は…………
…………
(そういえば、もう何日もしてない……)
ここ最近、二人は各々の用事で忙しく、会話を交わすのも久しぶりだった。
そして最後に身体を交わらせたのは四日前……
愛の交感を覚えたばかりの恋人たちにとっては、『長すぎる』と言って差し支えない時間である。
「比呂美」
眞一郎は短く呟くと、両腕を伸ばして比呂美の身体を抱き締めようとする。
が、自分の全身が濡れ鼠の様になっていることがふいに思い出され、その動きは寸前で止まった。
「ふふっ… 私も濡れてるんだから、別にいいのに」
大好きな『眞一郎の抱擁』が得られなかった比呂美は、微量の非難を視線に混ぜて微笑む。
眞一郎はそれを受け止めつつ、同様に微笑みを返しながら右手を比呂美の左頬にあてた。
「……いやらしい顔…してるぞ」
「……眞一郎くんも…ね」
お互いの体内で、心臓の鼓動と共に『欲望』が跳ね回り始めたことを、二人は敏感に感じた。
軽い口づけを交わしてから、眞一郎と比呂美は相手の制服に手を掛ける。
慣れぬ脱衣にもどかしさを感じつつも、何とか目の前の恋人を全裸にした二人は、今度は何の遠慮もなく抱き逢った。
「……一緒に……入ろう」
「……」
眞一郎の大胆な誘いに、比呂美は僅かな戸惑いを見せる。
もう手足の指の数では足りないほど眞一郎とセックスを重ねてきたが……入浴を共にしたことはない。
一糸まとわぬ姿になっておきながら……今更…だが……
(……恥ずかしい)
未体験の領域に踏み込む恐怖に、比呂美の心が一瞬だけ怖じけたが、それは本当に一瞬のことだった。
きつく抱き締めてくる眞一郎の存在が、些細な恐れと怯えを煙のように消していく。
「……いいよ……洗いっこ……しよっか?」
「えっ…」
眞一郎の耳元で囁かれた言葉が、瞬時に二人の立場を逆転させる。
「……比呂美」
心の余裕が消し飛んでしまった眞一郎の手を、比呂美の白い手が引く。
「……入ろ……」
雨雲のせいで薄暗くなった部屋を後にし、眞一郎と比呂美は頬を欲望で紅潮させながら、バスルームへと消える。
室内には脱ぎ捨てられた二着の制服と、激しさを増す雨音だけが残された。
[つづく]
525 :
朋与男:2008/09/21(日) 03:06:15 ID:zAw96bk+
遅筆屋さんとあさみさんの復活を願って、短いお話を投下させていただきます
保守です、保守
ただひたすら『ヤル』だけの話にしようと思ってますが、対面座位だけはさせない予定です
おおおGJです!
積極的な比呂美かわいい!
次作も期待しています
527 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 05:06:25 ID:llvbe6QE
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
>524
二人で風呂ですか!続きが猛烈に楽しみです。
朋与男さんプチ復活ですね
続きが楽しみです
>>524 おおおお。朋与男さんだ!
「ヤル」だけなんて言われますが、二人のラブエロが読めるだけで
最高です。それも「つづく」ですし。
他の職人さんもぜひ追随してほしいです
「二人で入るの、初めてね」
暖色系の明かりに照らされた浴室で、比呂美はタオルで髪をまとめ上げながら呟いた。
「そ…そうだ…な」
すっかり主導権を奪われてしまった眞一郎は、気分を落ち着かせようと深く息を吸い込んでみる。
だが、目の前に広がる夢のような光景に、呼吸器と心臓は暴走を続ける一方だった。
二人で入るには狭すぎる洗い場を、小物を片付けることで少しでも広くしようとしている比呂美の後ろ姿……
タオルに隠された髪の生え際と、柔らかさを増してきた肩から尻にかけての緩いライン……
確かな照明に彩られた世界が、もう見慣れたはずの比呂美の裸体を、普段よりも美しく、扇情的に魅せる。
(自分で誘ったんだろ。 しっかりしろ、俺!!)
視界を閉じて苦し紛れに入れた気合は、僅かに声になってしまった。
「え? なに??」
何事か、と訊き返してくる比呂美に視線を戻すと、すでに浴室の整理は終わっていた。
液状石鹸のボトルとバスマット、浴室用の小さな椅子以外は、お湯の入っていない浴槽に追いやられている。
そして片づけをした本人は、椅子を自分の前に置き、バスマットの上に正座していた。
問い掛けに答えられない恋人を無理に追及したりはせず、比呂美は「座って」と囁き、眞一郎を促す。
「う、…うん」
その言葉に吸い寄せられるように、眞一郎は椅子に腰を下ろした。
内心の動揺を悟られないように、わざと男性器を堂々と比呂美に見せ付ける。
だが、平常心と優位性を取り戻そうとする眞一郎の目論見は、比呂美が発した一言で脆くも崩れた。
「お客さん、外 暑かったですか?」
「……………………は、はいぃぃぃ???」
股を大きく開いたまま、それに負けないほど大きく両眼を見開く眞一郎を見て、比呂美はククッと笑い出す。
唖然としている眞一郎をよそに、比呂美はシャワーのコックを捻ると、お湯の温度を確かめながら言った。
「『エッチなお店』ではね、最初はこう挨拶するんだって」
自分と眞一郎の冷えた身体に温水を浴びせながら、比呂美はまだ薄く笑っている。
「な……何を言って……えぇ??」
眞一郎は心底、どう反応すればいいのか分からなかった。
確かに今の状況は、三代吉から聞いたことのある『エッチなお店』の様子に酷似しているが……
(なんで比呂美がそんなこと知ってるんだ……)
罠か…… 隠れて三代吉と『その手の』猥談をしている事がバレたのか……
眞一郎の背中に、冷たい物が駆け抜ける。
…………
陰部だけでなく、身体全体が緊張で固まってしまった眞一郎をよそに、比呂美はボディシャンプーを自分の身体に塗り始めた。
「な…なにしてんだよ……」
比呂美の理解不能な行動を目にし、思わず眞一郎の口が動く。
だが、比呂美はそれが聞こえないかのように作業を続け、身体の前面で石鹸を泡立てると、眞一郎の後ろに回り込んだ。
「……朋与がね…… マンネリにならないように、ちゃんとサービスしろって……」
「!」
二人にとって、かけがえの無い少女の名前を聞き、眞一郎は緊張が解けると同時に得心がいった。
ネットジャンキーの黒部朋与ならば、『この手の情報』に精通していても不思議は無い。
(朋与の奴……余計な事を比呂美に吹き込んで……)
そう内心で呟いたものの、眞一郎は朋与に感謝していた。
いつも自分たちを気に掛けてくれていること……
そして二人に新しい世界に踏み込むきっかけを与えてくれたことを……
…………
「うわっ!!」
刹那、思考を別のところに飛ばしていた眞一郎の背中に、比呂美の柔らかな乳房が押し付けられた。
甘美な刺激に声を上げた眞一郎の反応を楽しみながら、比呂美は手を前に回して眞一郎の上半身をギュッと抱き締める。
そして小さな唇を開き、前歯で眞一郎の耳朶に軽い噛み跡をつけてから、小声で囁いた。
「じっとしててね。……私が……きれいにしてあげる」
「……比…」
眞一郎の返事を待たずに拘束を解き、円を描くように自分の身体を動かし始める比呂美。
乳首の先端が背部を蠢くむず痒い感覚に、眞一郎は「うっ」と呻き声を上げた。
[つづく]
532 :
朋与男:2008/09/24(水) 03:04:29 ID:t6nsgCUF
コメントくださった皆様、ありがとうございます
温かく迎えてくださってホッとしました
保守が目的なので、なるべく小まめに投下したいと思っております
眠れなかった夜に、ありがとうございます
明日は休みます 比呂美と眞一郎が幸せならどうでもいい
今日はもう寝ます
朋代男さんお帰りなさい&乙です
新作もいい感じで今後が楽しみです
でも、朝此処を覗くのはこれからよそう・・・前屈みになっちゃう///
535 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 12:01:00 ID:2lMSUwa+
i⌒r.´ ヽ
l. | ,lノリハリ)
キタ━━━━━━ ノ,,ノゝ(!i゚ヮ゚ノ━━━━━━!!!!!
((. ⊂)_6)つ
.i__|_i ◯
し'ノ
>>532 またまた続きが来たよ。
間を開けてでも投下していただければ、週の生き甲斐になります。
朋与男さん
乙です
どんどんエロくなっていくな比呂美さんは・・・
朋与GJ!!
朋与男さん
乙です
保守投稿ご苦労様です
※鬱注意
原案:
>>502さん
朦朧とする意識の中、眞一郎は重い瞼を開けた。
(ここは……ここは……どこだ……?)
何が起こったのかわからない。
ただ、これは夢ではないということは理解できた。
90度に傾いた世界から自分が横たわっていることに気づく。
しかし体に感じるのは、ベッドの心地よさとは程遠い、硬く冷たい感触。
(ここは……俺の部屋じゃない……)
起き上がろうとするが、拘束されていて腕が動かない。
なんとか上半身を起こすと、強烈な眩暈と頭痛が眞一郎を襲った。
「痛てっ……なんだこれ」
眩暈が治まるのを待つ。
ズキズキと響く頭痛のおかげで、徐々に意識を取り戻し始める。
(……監禁されてる?誰に?)
舌上に漂う甘い味。胃からこみ上げる炭酸の気泡。
(たしか俺は……!)
自分がどこにいたのか、何を食べていたのか
意識を失う直前に何を飲んだのか、眞一郎ははっきりと思い出した。
暗い小部屋のドアが開く。
「眞一郎、気がついた?」
差し込む光に目が眩んで顔は見えなかったが、声と影で眞一郎には愛子だとわかる。
同時にここが店の倉庫だと気づいた。
しばらくすると明順応で視界が鮮明になる。
その目に映った愛子の悲しげな表情からはいつもの生気が感じられない。
「愛ちゃん、どうして…………」
愛子は何も言わないまま、眞一郎の唇を奪った。
「比呂美ちゃんと別れて。アタシと付き合って」
突然の強引なキスと告白。
眞一郎は驚きのあまり言葉を失ったが、落ち着いた様子で自分の気持ちを告げる。
「俺は比呂美をずっと支えるって決めたんだ」
「そうだよね。そういうところが眞一郎のイイトコロ……」
振り返ってうなだれる愛子の背中からは深い哀愁が感じられる。
「俺、誰にも言わないから!それに三代吉は愛ちゃんにマジなんだしさ」
「三代吉じゃダメなの」
「えっ?」
「三代吉はイイヤツだけど、やっぱりアタシは眞一郎が好き。眞一郎じゃなきゃイヤ」
何かを覚悟したように愛子は顔を上げた。
白いセーターに手をかけると、少しの躊躇もなく脱ぎ捨てる。
続いて赤いミニスカートも、キャミソールも、下着も
まるでこれからシャワーでも浴びるかのように。
「胸は自信あるんだ。比呂美ちゃんより大きいでしょ?」
挑発するように胸を寄せ、虚ろな目で迫る愛子。
「愛ちゃん!やめてくれ!」
その言葉とは裏腹に、眞一郎の中に潜む本能は反応していた。
いくら理性を身につけても人間だって所詮は動物。
子孫を残すようにインプットされた遺伝子が、雄の部分を駆り立たせる。
衣服を脱ぎ捨てた愛子だったが
ほどよく肉付いた健康的な脚にはニーソックスが履かれたままだった。
その姿が淫靡で肉感的な雰囲気を醸し出し、眞一郎の燻る火種に油を注ぐ。
これ以上愛子の艶かしい姿を見てはいけないと、眞一郎は瞼を閉じて叫んだ。
「もうやめてくれ!!」
「眞一郎、ちゃんとアタシを見てよ」
「俺は愛ちゃんと三代吉とずっと友達でいたいんだ。だからもう……」
「ごめんね。でもこれが最後の我侭だから」
――カチャカチャ
愛子の手は眞一郎のベルトを外し、下半身の衣服を剥いでいく。
右手で女陰をほぐしながら、左手で眞一郎のペニスを更に硬くさせる。
黙々と下準備を進める愛子を止められる言葉はもう何もなかった。
十分に潤ったことを確かめると、愛子は眞一郎に跨る。
「目を覚ましてくれよ!」
「悪いのは全部アタシ。眞一郎は何も考えなくていい」
狙いを定め、腰を落とし、眞一郎を“にゅるり”と飲み込んで奥深くまで受け入れる。
「んっ……はぁ……入った。やっぱり三代吉よりも大きい……」
「愛ちゃん、やめ……」(比呂美……!三代吉……!)
これが愛子による強姦だとしても
恋人と親友、大切な人を二人も同時に裏切ってしまったという事実が
愛子の軽い体重と共に、眞一郎に重く圧し掛かった。
眞一郎はこれまで比呂美と何度かまぐわったことがあったが、いつも避妊は欠かさなかった。
だが今回は違う。このまま射精してしまえば、愛子の中で直接精子を放つことになる。
親友の彼女に対してそんなことが許されるはずがない。
眞一郎はそう自分に言い聞かせて必死に歯を食いしばった。
「あっ、んっ、んんっ……奥に当たって、ん、きもちいっ」
眞一郎の上で腰を振る愛子。
愛子はこうして眞一郎とひとつになることをずっと望んでいた。
ベッドの中で一人慰めるときも
三代吉に組み敷かれて処女を散らしたときも
ずっと眞一郎のことを考えていた。
もう戻れない境界線を越えて、愛子は叶わぬ願いを現実のものにした。
「あぁっ!いいっ!眞一郎!あんっ」
小さな身体を弾ませるたびに豊かな乳房がゆさゆさと揺れる。
大きさだけではなく、形も色も柔らかさも非の打ち所がない。
たわわに実った二つの果実には、男なら誰でも揉みしだいて吸い付きたくなるような魅力があった。
「あぁぁっ!…んぁぁぁっ!」
三代吉にはない太さが、硬さが、大きなカリ首が、愛子を内側から強く刺激する。
今まで感じたことのない快感が、愛子の腰を激しく動かした。
眞一郎のペニスを膣全体で感じながら絶頂に達する。
「んッぁ!いっ!ぃっ!眞一郎、いッちゃ……あァァッ、イクッッ!!」
それと同時に眞一郎も一筋の涙を流しながら、愛子の中で果ててしまった。
目も合わせず走り去る眞一郎の背中を見送りながら、愛子は店のシャッターを下ろす。
ミニスカートの奥から垂れてきた精液が、ニーソックスに染みをつくっていた。
誰も居ない暗い店内。
いつものあの席に眞一郎と三代吉が座ることはもうないだろう。
愛子はその場に崩れ落ち、声をあげて泣いた。
「アタシの背がもっと大きかったら」
「アタシの髪がもっと長かったら」
「アタシがバスケットボールをやっていたら」
「アタシがあと一年遅く生まれていたら」
「そしたら眞一郎の彼女になれたのかな?」
―終―
>>539 元一日一話さん乙っ
病んでる愛ちゃん…こえぇぇぇぇ
しかしエロいわぁ愛ちゃんの身体w
また楽しみにしてます。
眞一郎の両肩に手を置いて、そこを支点に比呂美は身体を動かし続ける。
楕円から八の字へ…… 胸の先にある桃色の小肉が、縦横無尽に眞一郎の背で踊った。
「気持ち……いい?」
「……あぁ…………うっ!」
瞼を閉じて身体を小刻みに震わせる眞一郎の痴態が、比呂美の心を熱くさせ、その口元を緩ませる。
だが、そんな比呂美の優位は長く続かなかった。
攻撃に使用している部位は女にとって……比呂美にとって最も『感じやすい』部分。
性感の激しい高揚と限界が比呂美の神経に襲い掛かり、少しずつ意識を混濁させていく。
「…はっ……はぁ……はぁ……」
感じはじめていることを眞一郎に悟られないように、漏れ出る嬌声を押さえ込もうとする比呂美。
しかしそれは、湧き出す悦楽の前では無駄な抵抗でしかない。
程なく、比呂美の声は比呂美自身の制御を離れ、眞一郎の呻きより激しいものになっていった。
…………
「……比呂美… 前も…してくれよ」
「え? ……あ…うん」
比呂美は自分勝手に盛り上がっていたことを反省し、再び身体を眞一郎の前に滑らせて跪いた。
(気持ちよくしてあげなきゃ。 眞一郎くんを……気持ちよく……)
見上げた眞一郎の顔が余裕を取り戻しつつある事に戸惑いながらも、比呂美はそそり立った陰茎に手を伸ばそうとする。
だが比呂美の手の平が目標にたどり着くより早く、眞一郎の両腕が比呂美の身体を引き寄せていた。
「あっ!! ちょっと…何??」
突然、眞一郎が攻撃に転じたことに、戸惑いの声を上げる比呂美。
眞一郎はそれに動ずることなく、そのまま腕全部を使って、比呂美の背中と臀部に刺激を加え始める。
「いやっ!」
予告もなくスタートした眞一郎の愛撫から、比呂美は身を捩って立ち上がり壁際へと逃げ出した。
しかし、その顔に嫌悪の情が浮かばないのを熟知している眞一郎は、椅子から立ち上がって比呂美を追い詰める。
「『洗いっこ』……なんだろ? だったらさ…」
「そ、そうだけど……先に私が………ぁあん!!」
背面を壁に遮られて逃げられない比呂美は、眞一郎にあっさりと捕らえられてしまった。
「この方が…手っ取り早いよ」
勃起した陰部を腹部に押し当て、胸板で乳房を押し潰しながら、眞一郎は先程の比呂美の動作を真似る。
その甘美な感触に、比呂美の口からは「はぁあ」という甘い吐息が漏れはじめた。
ボディシャンプーの泡と眞一郎の肌が織り成す甘美な刺激が、比呂美の前頭葉は痺れさせる。
そして、全身に行き渡っていく心地よい弛緩……
徐々に力が抜けていく比呂美の身体を支えながら、眞一郎は腹に当てていた陰茎の位置を、陰裂へと移動させた。
比呂美のそれを真似るようなものから、セックスを直接に連想させる動作へと移行していく眞一郎の動き。
陰唇の谷間をレールに見立て、ペニスを前後させる眞一郎の動きに、食いしばった比呂美の口から嬌声が零れる。
「んんっ……いやぁ…」
説得力の無い拒絶の言葉を比呂美は口にしたが、眞一郎は攻撃の手を緩めない。
壁際に比呂美を固定したまま、陰茎の上部で開き始めた肉の華を刺激し続ける。
(ダメっ……欲しくなっちゃう……)
下腹部の奥に巣食う牝が脈動をはじめ、『貫かれたい』という強い気持ちが比呂美の脳内を駆け巡る。
眞一郎の本能も、陰茎の上面に感じる比呂美の蜜の感触が引き金となって、暴走を始めていた。
「比呂美、いくよ……」
僅かに腰を落とし、陰茎の角度を調節しながら比呂美の膣に狙いを定める眞一郎。
腹筋に力を込め、怒張をグイと突き出そうとした瞬間……
「ダメっっ!!」
比呂美の鋭い声が、狭い空間を切り裂く。
快楽に呆けていた比呂美の身体が覚醒し、バネのように弾けると、眞一郎の拘束を振り解いた。
眞一郎から距離をとり、浴室の隅に逃げる比呂美に、『おあずけ』を喰らった牡の非難の視線が飛ぶ。
「な、なんだよ。 お前だって…」
欲しがっているじゃないか…と口にしかけて、拒絶の理由が突如、眞一郎の頭に思い浮かんだ。
「あ…… もしかして、今日って…」
比呂美は赤面した顔をコクリと頷かせてから、今が『危険』な時期であることを告げる。
「たぶん……そろそろ排卵日だから…… ナマは…ダメ……」
セックスという行為に、常に付きまとう『妊娠』という現実……
それが眞一郎の顔を、牝を狩る野獣から普通の高校生へと引き戻していった。
545 :
朋与男:2008/09/29(月) 02:23:06 ID:Bf/tZx1W
>>539 一日一話さん、新作良かったです
「出たぁ! 愛子さんの『48の眞一郎殺し』の一つ、『非情なる昏睡レ○プ』だぁ!!」
とか思っちゃいました
次はDVD最終巻のパッケージ乱入記念として、朋与が主役のお話をお願いします。
ありがとうございます
明日は会社にいってみようかな
一日一話さん&朋与男さん乙です
愛ちゃんの切なさが伝わってきます
朋与男さんさすがですね
この手ので「避妊」とか出されると萎える事多いけど
逆に二人がお互い大切にしてるのが伝わってきます
>>539 乙かれです。
愛ちゃんの情念を深く深く感じました。
続くのかな。
>>544 朋与男さん、乙です
これで、行為をやめちゃうのかな
それとも、他のプレイか
551 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 11:15:21 ID:NKhfJAtz
i⌒r.´ ヽ
l. | ,lノリハリ)
キタ━━━━━━ ノ,,ノゝ(!i゚ヮ゚ノ━━━━━━!!!!!
((. ⊂)_6)つ
.i__|_i ◯
し'ノ
トゥルー・ティアーズ サプリメント・ストーリー
『 は じ め て の 外 泊 』
―― all night long ――
《 一 きちゃった……》
「じゃ〜留守番、お願い。すぐ戻るから」
比呂美は靴を履きながらそういうと、少し急いだ様子でドアを開けて出て行った。明らかに小
走りになった比呂美の足音がすぐ小さくなって消えた。ひとときの別れ――。とても『別れ』と
は言えないほどのちっぽけな『別れ』でも、比呂美の部屋にひとりで取り残されると寂しさが襲
ってくる。比呂美のいない比呂美の部屋――。比呂美は、この部屋で毎朝ひとりで起き、毎晩ひ
とりで眠る。その寂しさに比べれば、こんな『別れ』なんか『別れ』のうちに入らないというの
に。眞一郎は自嘲気味に顔をゆがめると、ドアの鍵をかけ、リビングに戻っていった。
眞一郎は後悔していた。
「シチューが食べたい」と思わず口に出してしまったせいで、比呂美はひとりで買い物をする羽
目になったからだ。冷蔵庫を開けて食材が足りないことに困っている比呂美に、「一緒に買い物
にいこう」と眞一郎はフォローしたが、比呂美はその提案をかたくなに拒んだ。
なぜ? と眞一郎が尋ねると、「セフレで一緒にいるところ、見られたくないし……」と比呂
美は答えた。その一言で眞一郎は妙に納得させられた。もし、『セフレ』という名のスーパーに
一緒にいるところを目撃され、その噂が妙な方向に膨れ上がった場合、『セフレ(エッチ友達)
がセフレ(というお店で)でお買い物』というレッテルを貼られかねない。それは、ラブホテル
からふたり一緒に出てきたところを目撃される恥ずかしさに匹敵するだろう。そして、この手の
噂は当の本人たちにはどうすることもできないというのが、人の世の法則だった。つまり、一度
しくじれば万事休すなのだ。
そうなると、思春期の女の子にとっては耐え難い日々が続く。ボーイ・フレンドとの仲がいい
ことを冷かされるならまだしも、『ふしだらな娘』、『もう処女じゃない』と言われ続けるのだ。
男には想像つかない精神的苦痛である。おまけに比呂美は一度、石動純との逃避行でさんざんな
目に遭っている。比呂美がそういうことに人一倍気にするのも無理からぬ話。
しかし、出かける準備をしている比呂美は、なぜだかウキウキしているようだった。人目があ
って眞一郎と一緒に出かけられないことを残念に思っているはずなのに、これから恋人との約束
の場所に向かうような感じだった。さきほど、シチューを作る材料が足りないことを確認した比
呂美の顔は一瞬くもったが、すぐに一転して、これはチャンス! と言わんばかりに明るさを取
り戻した。比呂美にしてみれば、こういうシチュエーションを楽しみたかったのかもしれない。
恋人を自分の部屋に残して自分だけ買い物に出かけ、戻ってくれば恋人が自分の部屋の中から迎
えてくれる。そういうひとときを味わいたかったのかもしれない。
比呂美と付き合いだしておよそ半年――。眞一郎も比呂美のそういう女心にほんのちょっと、
思いを巡らすようになっていた。
相変わらず、比呂美の部屋は白とピンクの世界だった。眞一郎は腰を下ろさず比呂美の部屋を
眺めた。ピンクのカーテン。白い整理ダンス。階上のベッドの手すりにかけられた制服のブルー
がやけに目立った。ティッシュペーパーの箱も白かピンクしか見たことがない。おそらく比呂美
の母親の趣味が少なからず影響しているのだろうと思っていたので、眞一郎は色の趣味について
特に触れないでいた。
眞一郎は腰を下ろし、テーブル上のテレビのリモコンに手を伸ばしかけて、あるものが目に留
まった。眞一郎が座っている場所から右斜め方向の壁際に置かれた白い整理ダンスの引き出しの
ひとつが、わずかながら浮いていたのだ。1センチあるかないかだけ引き出しが飛び出している。
眞一郎は、その引き出しを奥まできっちり入れてあげようと思って、そのタンスのそばまで行き
かけて、重大なことを思い出した。眞一郎と比呂美の仲を揺るがしそうなくらい大事なことを。
その白い整理ダンスの引き出しのどれかに比呂美の下着が収まっていることを眞一郎は知って
いた。下着が収まっている状態を直接見たわけではなかったが、比呂美の部屋での挙動を総合的
に判断して導き出された結論だった。五段ある引き出しの上から四番目は、ブラジャーとショー
ツが収まっている。間違いなかった。その引き出しが、今ちょっとだけはみ出していたのだ。
(罠か? 比呂美のいたずらかもしれない……)
眞一郎は、整理ダンスに伸ばしかけた手を引っ込めた。
今さらながら、比呂美の下着に特別な興味はなかった。この部屋で比呂美を愛撫しつづけてい
るうちに、比呂美の下着を十種類くらい知ることになった。まだ見たことのない下着はあるだろ
うが、いずれお目にかかれるだろう。わざわざ信頼を裏切ってまで未だ見ぬ下着を見ようとは思
わなかったが、ただ、ひとつだけ気になることはあった。
それは、この引き出しにはコンドームが隠されているということだった。過去一回だけ、『行
為』の最中に眞一郎をベッドに寝かせたまま比呂美がフロアに下りたことがあった。引き出しを
開閉する短い音がしたあとすぐに比呂美はベッドに戻ってきたが、今思えば、あのとき、枕元に
準備しそこねたコンドームを比呂美は取りにいったらしかった。比呂美はそのことに一言も触れ
なかったので、眞一郎も何だったか訊かないのがエチケットだろうと思って黙っていた。
ただ、やはりこのことは男として確認しておいたほうがいいだろうと眞一郎は思った。コンド
ームを『どこにしまっているのか』ということを。比呂美にコンドームを取りに行かせるような
ことは二度とさせてはいけないだろう。眞一郎の男としての責任感が、一度引っ込めた手を再び
引き出しへ向かわせた。
(下着を物色するわけではないんだ。比呂美に恥ずかしい思いをさせないための下調べなんだ)
とにかく頭の中で何でもいいから理屈を繰り返して理性を押さえつけ、眞一郎は四番目の引き
出しを開けた。
うわっと漂ってきた甘い香りに、眞一郎は魂が抜けてしまうような感覚に見舞われた。心と体
が離れていくような感覚……。やばい、と思い、まだ神経がつながっていた両腕で整理ダンスを
力強く突いて、開け放たれた引き出しの中に視線を落とした。幸いにも、眞一郎を現実に引き戻
すモノがすぐに目に留まった。眞一郎は、それを見てほっとした。下着をかき回さずに済むと思
った。引き出しの一番手前の内壁に、掌の半分くらいの大きさのコンドームの箱が二つ、下着と
内壁との隙間に滑り込まされていた。ひとつは、黒と金のデザインの箱。もうひとつは、赤と銀
のデザインの箱で、これは眞一郎が調達して比呂美に渡したものだった。
それにしても、あの香りは何だったんだろうか。たしか、比呂美の体を抱きしめるときにほの
かに匂う香りだった。こういう拘りは、男には到底理解できない『女の嗜み』なのだろうと眞一
郎は思った。三代吉も同じようなことを言ってた気がする。愛子を抱きしめるといい匂いがする
んだ〜って。
拘りといえば、女性にとって下着のデザインも、妥協の許せぬものだろう。眞一郎は、いけな
いと思いつつも、引き出しの中に詰められた比呂美の下着を改めて観察した。ほとんどが白とピ
ンクのものばかりで、紺色や例の縞模様のものが数種類あるだけ。全体的な印象としては、いた
ってシンプルだった。おそらく、この年頃の女の子にしてみれば下着の枚数は少ないだろう。欲
しくても買えないという現実が、この引き出しの中に映し出されているようで、眞一郎は少し切
なくなった。比呂美だって表に見えないところのおしゃれはしたいはず。それなのに、なんだ、
この部屋は。ぬいぐるみのひとつ置いていない。かわいい小物がひとつくらいあったっていいじ
ゃないか。前々から比呂美のそういうところが気になっていた。
眞一郎は、もやもやとした思いを振り切るように引き出しをきっちり閉めた。下着を覗いたと
比呂美に疑われてもいいと思った。正直にコンドームの場所を確認したと言おうと思った。そし
て、ちゃんと謝ろう。
いろんな葛藤があったせいで喉がカラカラだった。眞一郎は、コーヒーの入った自分用のマグ
カップに手を伸ばした。そのときだった。来訪を知らせるチャイムが鳴った。
あまりにも予期せぬことに、眞一郎の鼓動は息苦しくなるほど急に乱れた。
比呂美がこの部屋を出て15分くらいしか経っていない。『セフレ』までは少なくとも片道2
0分はかかる。途中で引き返してきたのだろうか。
眞一郎は、気を落ち着かせながら、音を立てずにそろりと玄関のドアへ歩み寄った。靴脱ぎ場
の手前まで来たところで、もう一回チャイムが鳴った。そのことで、眞一郎は一気に警戒心を強
めた。
(比呂美じゃない。比呂美なら、ドアをノックするはず)
ドアを開けるわけにはいかなかった。もし、比呂美の友達だったら、とんでもない騒ぎになる
だろう。とにかく誰だか確認しよう。眞一郎は、ドアの中央にある防犯窓に物音を立てないよう
に慎重に近づき、そっと覗いた。体の右側が少し見えた。スカートらしきものを穿いている。た
ぶん、女性だろう。誰だか分からないが、仕方がない。居留守を決め込むしかなかった。だが、
眞一郎がリビングへ戻ろうと体重を移動しかけたとき、訪問者がドア越しに声をかけてきた。
「眞ちゃん。居るのはわかってるのよ。開けなさい」
母・理恵子だった。
555 :
カカ:2008/10/03(金) 01:51:43 ID:bOGg0fn/
カカです。アクセス規制に巻き込まれていて
長いこと書き込めませんでした。
いろいろご迷惑をおかけしまして申し訳ありません。
連載に挑戦します。よろしくどうぞ。
>>555 お久しぶりです
またカカさんの作品がよめるとは、うれしいかぎりです
前作、大好きです
最近職人さんが次々復活してくれて嬉しいな
皆さんの作品大好きです
>>544 思わず生唾を飲み込む展開…
ごちそry最高ですw
>>555 おおーカカさん久しぶり乙です。
比呂美と眞一郎のうれし恥ずかし逢引が突然のママン参戦w
続きが気になるっっ!
レベルの高い連載が2つもきて嬉しい限りです。
>>555 乙かれさま。お久しぶりです。
再開はとてもとても嬉しいです。
比呂美の部屋で一人となった眞一郎の
行動が実に面白かったです。
(比呂美とばったり会ったのだろうか……)
もしそうなれば、比呂美はおそらく眞一郎が部屋にいることを隠すだろうが、理恵子に簡単に
見破られて白状させられるだろう。人付き合いが豊富な理恵子を騙すなど容易なことではないの
だ。それにしても、比呂美がいないと分かっているのに、なぜ理恵子はアパートに来たのだろう
か?
眞一郎は観念して、ドアのロックに手を伸ばしかけたが、はっと気づいて再び息をころした。
(母さんのことだ。カマかけてるのかもしれない)
――――――――――――――――――――――――――
チャイムを鳴らしても比呂美がすぐに出てこない
↓
何かやましいことがある
↓
眞一郎が部屋にいる
――――――――――――――――――――――――――
……という論理なのだろう。簡単だ。
理恵子の罠を見破った気になった眞一郎は、ほっとため息をついたが、『ウラを取る』ことが
物事をうまく運ばせるためのコツだ、ということに眞一郎が気づくのにはもう少し時間を要した。
ドアの向こうの理恵子は、沈黙を保っていた。二度目のチャイムが鳴ってから3分は過ぎた。
それでも理恵子は一向に帰る気配を見せない。
確たる証拠を握っているのだろうか。眞一郎が今この部屋の中にいると――。これだけ部屋の
中から反応がなければ諦めてよさそうなものだが。もし、理恵子が比呂美と近くで出くわしてい
れば、そのことを話してくるだろう。でも理恵子はまだ一言しか言っていない。やはりおかしい。
理恵子の作戦だ。眞一郎がそんなことを考えていたときだった。
ピルルルルルル――
眞一郎のズボンのポケットの中にあった携帯電話が鳴ったのだった。
眞一郎は、「わっ!」と思わず声を上げて飛び上がり、着地のときに床をドスンと言わせてし
まった。間違いなくドアの外まで伝わっただろう。
ドンドン
間髪入れずに理恵子がドアを取立屋みたいにノックしてきた。
「眞一郎ッ! 早く開けなさい。お父さんに言いつけるわよ」
ここにいるという証拠を眞一郎は自ら提供してしまった。理恵子にウラを取られたのだ。携帯
電話の電源をまっ先に切ることを思いつかなかった歯痒さが込み上げてくる。眞一郎は、少し投
げやりな気持ちになってドアのロックに手を伸ばした。
そのときだった。眞一郎の背後から――リビングの奥から「いやっ!」という悲痛な叫びが弾
丸のように飛んできた。眞一郎の全身はそれに激しく揺さぶられた。その音の弾丸が眞一郎の心
臓に命中したのではないかと思うくらいに。だが眞一郎は、どうにか振り向いてその叫びの主を
確認できた。
栗毛色の、腰まで伸びた長い髪――。比呂美だった。
比呂美が顔を伏せて床にうずくまっていた。
なぜ、比呂美がここにいる? 眞一郎は当然のことながら混乱した。今から20分くらい前に
買い物に出かけたではないか。少し冷静さを取り戻しかけた眞一郎は、この状況について考え出
したが、すぐに心臓が破裂しそうな衝撃を覚えた。その原因は比呂美の格好だった。比呂美は、
上半身裸だった。正確にはブラジャーを着けていたが、肩ひもは完全に垂れ下がり、両腕には赤
いみみず腫れがいくつもあった。下の方は、スカートがびりびりに破かれていて、膝頭を擦り剥
いていた。まさに乱暴されたあとの格好だった。
(どうしてこんな……)
眞一郎は、ドアの外にいる理恵子のことなんかきれいに忘れてしまい、怒りを増幅させながら
比呂美の方へ足を運ばせた。自然と大またで歩き、握りこぶしにさらに力がこもって振るえた。
(だれが、こんなことをっ!)
すでに怒りが頂点に達した眞一郎は、床をどすんどすんと言わせた。眞一郎の目には比呂美し
か映っていない。だが、リビングに入りかけたところで、眞一郎は自分の右手に違和感を覚えた。
怒りに硬直している体とは対照的に、柔らかい感触。それがなんであるかは今はどうでもいいこ
とだったが、眞一郎はちらっとそれに目をやった。眞一郎の右手の握りこぶしから白いものがは
み出している。あまりにもまぶしい白さだったので、眞一郎は少しそれに興味がいった。立ち止
まり、右手をゆっくり開いた。
白いもの。白い布切れ。小さな花の刺繍が施されている。ショーツだ。比呂美のショーツだ。
(まさかっ!)
眞一郎は、慌ててもう一度比呂美を見た。比呂美は顔を伏せて泣いている。肩を怯えたように
震わせ、鼻水をすすり上げて泣いている。
(おれが、はぎ取ったというのか?)
そんなはずはない。そんなことをするわけがない。眞一郎は必死に自分にそう言い聞かせた。
だが、それを裏付ける確たる証拠は眞一郎には何もなかった。逆に、眞一郎が犯人だと疑う証拠
は眞一郎自身が握り締めていた。こういうとき、『比呂美を愛している』という強い想いは、眞
一郎を勇気づけてはくれない。そっぽを向いたままで事態を変えてくれない。どう行動してきた
か、どう行動するのかが今の眞一郎を救うのだ。比呂美に事の真相を訊くしかない。それはとて
も辛いことだと分かっていても、そうしなければ、ぼろぼろな姿の比呂美を目の前にして眞一郎
は気が変になりそうだった。
「比呂美……」
眞一郎が重い口を開くと、比呂美は意外にあっさりと顔を上げた。だが比呂美の視線は、眞一
郎を突き抜けていって、眞一郎の背後にいる人物に定まっていた。
「……ヒロシくん……」と、かすれた声で比呂美が何かを求めるように囁いたあと、部屋全体を
響かせるほどの低い声が眞一郎の背中に襲いかかってきた。
「涼子を泣かしやがって」
眞一郎は、後ろの人物が誰だか考えるよりも先に、反射的に振り向いた。だが、眞一郎が半分
ほど振り向いてようやくその人物が視界の端に見えてきたところで、左顎に強い衝撃を受け、気
がつけば部屋の天井を見せられていた。
563 :
カカ:2008/10/04(土) 02:06:58 ID:M9j1Vw0E
感想ありがとうございます。
こんな調子でちょっとずついきます。
時が止まっているみたいだった。いや確実に、仰向けにさせられ宙に浮いている眞一郎の体は
重力に従って落ちていっていたが、1秒が10秒になったようにゆっくりだった。この落下スピ
ードなら床に到達するまでに自分を殴った相手を確認できると思った眞一郎は、顎を引いてその
人物を目で捉えた。
まず、前に突き出した右腕が目に留まった。眞一郎に強烈なパンチを見舞った拳。その拳から
腕を辿っていくと顔がある。仁王のような形相でまだ眞一郎を睨みつけているその顔は、眞一郎
にどことなく似ていたが、眞一郎よりも顔が細かった。大きなメガネもかけている。若かりし日
の父親、ヒロシだった。そうなると、このヒロシが「涼子」と呼んだ比呂美は、比呂美の母親と
いうことか。まだ宙に浮いている眞一郎は体をひねって、床にうずくまっている比呂美にそっく
りな女性を見た。よく見ると、比呂美よりも痩せている感じだ。顔は双子のようにそっくりだっ
たが、頬のあたりが細い。
そうこうしているうちに、眞一郎の体はまもなく床に衝突する。眞一郎は、後頭部を打たない
ようにもう一度顎を引き、両腕を開いて柔道の受身の姿勢を取った。
衝撃はすぐ来た。だが、それは衝突したときの衝撃ではなった。
眞一郎の体が床に到達すると、周囲は一気に真っ暗になって、眞一郎は床よりもさらに下へ引
っ張られていったのだ。落下するというよりも、下へ向かって重力よりも速く加速するといった
感じだった。ものすごいスピードだった。何か目に留まるのだが、どれもが白い光の腺にしか見
えない。どこまで、落ちるのだろう。いや、進むのだろう。底知れぬ不安が眞一郎を襲ったが、
眞一郎は、まもなくこの急下降劇が終わるのを感じていた。そして、その予感どおりになった。
こんどは衝突のときのような強い衝撃だった。眞一郎は一瞬息が詰まって気を失いかけたが、
なんとか堪えることができた。やがて、音を感じた。テレビの音声。眞一郎はうっすら目を開け
た。見えた世界が斜めになっている。体を起こすと、正常な水平の世界に戻った。眞一郎は、ゆ
っくり辺りを見回した。比呂美は、いない。比呂美に似た女性もいない。後ろを振り返った。ヒ
ロシもいない。だんだんと眞一郎の頭の中に記憶が蘇っていく。殺風景な部屋。自分の部屋でも
比呂美の部屋でもない。部屋の真ん中に置かれたいかにも古そうなちゃぶ台。そして、その古さ
とは対照的に今風な液晶テレビ。ちゃぶ台の脇に目をやると、大きなスポーツバッグがある。そ
れを見て、眞一郎はすべてがはっきりした。
「夢か……」
565 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 09:47:24 ID:c2IaPCiX
どこまでが1なんだw日付け変わったら連番変えればいいのに
>>563 乙です
ジェットコースターみたいな展開に状況整理が追いつかないw
題からしてお泊りを予想してたけどタイムスリップ?物なのか
取り合えず頭をまっさらにしてみた方がよさそう
続き楽しみです。
567 :
カカ:2008/10/04(土) 19:42:24 ID:JaSnKz9Z
ちょっと解説しておきます。
分割投下の仕方がわるかったので混乱させてしまったようですが、
冒頭のシーンは全部、眞一郎の夢です。
ただ、この夢での出来事は、いろいろと意味をもっています。
次に投下する回からふつうに話が進みます。
>>567 自分も怒濤の展開に一瞬戸惑ったけど
最後の眞一郎の一言で納得できました
むしろハラハラさせる文章上手だと思います
続きも楽しみにしてます
眞一郎の口から大きなため息がこぼれ落ちた。怒りと、追い詰められた気持ちと共に……。
眞一郎は今、マンションの一室にいた。先週より金沢に来ていて、ここでずっと寝泊りしてい
た。今日で七日目だった。
もうひとつため息をつくと、眞一郎は立ち上がり、ガラス窓を開けた。すぅーと爽やかな風が
秋の虫の声と共に滑らかに入り込んでくる。状況把握のためにフル回転していた眞一郎の脳が正
常運転にだんだんと戻っていくと、全身の神経からのフィードバックを感じるようになる。左顎
に痛みを覚えた眞一郎は、そこに手を当て、振り返ってちゃぶ台を見つめた。どうやら、ちゃぶ
台の角で顎を強打したらしい。父親に殴られた、左顎――。夢の中でなくても、比呂美を泣かす
ようなことがあったら、ヒロシは間違いなく眞一郎を殴るだろうう。父親としての感情とは別の
感情を、おそらく抱きつつ……。
左顎は、ずきんずきんと疼いてかなり痛かった。そんなに強く打つものだろうかと眞一郎は少
し不思議に思い、夢の中に陥る前の時点のことを思い出してみた。
テレビを見ていた。今日は金曜日。夜九時から洋画がはじまり、それを頬杖をつきながら、ぼ
ーっと見ていた。ちょうど『ロッキ○』だった。それで、夢の中で親父に強烈な右ストレートを
食らうことになったのか。眞一郎は苦笑した。いつの間にか、そのままの姿勢で眠りに落ち、し
ばらくして頬杖から顎が外れ、支えを失った眞一郎の頭部が落下する。この落下のときが、夢の
中での、あの強烈に下へ引っ張られる落下のときだったのだろうか。そうなると、現実と夢の中
での出来事の順番が食い違うことになるが、そもそも夢というものは時間軸に縛られないのだか
ら、そういう矛盾を考えても仕方がないだろう。大事なのは、夢の中で起こったひとつひとつの
出来事。内容が内容だっただけに、さきほどの妙にリアルな夢のことが眞一郎は気になった。リ
アルだっただけに、その記憶も鮮明だった。現時点でも夢の中の出来事をひとつも忘れてはいな
いはずだ。
忘れていない? そういえば……。
眞一郎は、ちゃぶ台の上の携帯電話で時間を確認した。二十一時三十三分。
眞一郎がこのマンションで寝泊りするようになってから、毎日夜九時ごろに比呂美が電話をか
けてきた。今日まで一日も欠かしたことがない。ここへ出発する日に眞一郎は、自分から電話を
かけるから――と比呂美と約束したが、その日、見事にすっぽかしたもんだから、比呂美は頭に
きてしまって、眞一郎を当てにしないことにしたのだった。
ただ、眞一郎は比呂美との約束をないがしろにしていたわけではない。確かに、約束どおりに
電話をかけなかったが、眞一郎がここへ来た目的と、ここでの初日に受けた衝撃のことを考える
と、それは致し方ないのかもしれない。
明後日の日曜日より一週間に渡り、金沢の県立総合体育館で『世界の絵本の見本市』が開催さ
れる。いわゆる、絵本のオリンピックである。その開催準備のボランティアとして眞一郎はお盆
のあとここへ来ていた。全国各地より絵本ファンがボランティアとして集まったが、せいぜい三
日間準備を手伝って帰ってしまう。眞一郎のように一週間手伝える人間は少なかったので、眞一
郎は準スタッフ的な待遇を受けて、宿泊場所としてこのウィークリーマンションの一室を与えら
れたのだった。もともと多めに確保していた宿泊用の部屋がかなり余っていたらしかった。食事
についても事務局から弁当が支給された。
ボランティア作業は、興奮と肉体労働の連続だった。世界の絵本の見本市というだけあって、
とにかく会場作りが大変だった。まず、二つある会場の床にシートを敷き詰める。そのあと、
延々と折りたたみ椅子と机を運び込んだ。ここまで丸三日を要した。盆休みを過ぎて多少涼しく
なったとはいえ日中の気温は夏さながらに上がった。おまけに体育館という建物の中だ。蒸し風
呂状態だった。こんな過酷な労働条件でも、わくわくすることはあった。日本全国を飛び越え各
国から続々と集まった絵本作家たちが設営を手伝いはじめるのだ。そのときに当然、絵本の状態
を確認してから展示の仕方を検討しだす。休憩時間にボランティア・スタッフは彼らと交流する
ことができ、作家みずから絵本の解説を賜るという至極のひとときに、体の疲れを癒され、新た
にやる気をみなぎらせていった。
しかし、体力の消耗は確実に蓄積されていった。眞一郎は、作業を終えてこのマンションに戻
ると、すぐお風呂に入り、ちゃぶ台に突っ伏して夢うつつの状態で比呂美からの電話を毎日待っ
た。比呂美に心配かけないように電話では明るく努めたが、おそらく隠しきれなかっただろうと、
眞一郎は感じていた。
きょうは、どうしたんだろう、電話――。
もうすぐ夜十時だ。比呂美の声を聞かないと眠れないとかそういう寂しさに取りつかれている
わけではないが、約束事にきっちりとしている比呂美の性格からすると、何かあったのだろうか
と心配になる。夢の中で乱暴されていた比呂美の母親の若かりし姿が脳裏をよぎった。
そういえば、比呂美は買い物に出かけたっきり、あのあとどうなるんだろう。
夢の中の出来事なので考えてもしようがないのだが、実際に、比呂美は眞一郎と一緒に買い物
することを拒むのだろうか。眞一郎はそのことだけが気になった。
ほんとうに、比呂美はどうしたんだろう――。
こちらから電話をかけてみようかと思った眞一郎は携帯電話を取り、アドレス帳で比呂美のペ
ージを開いた。あの竹林で撮った比呂美の笑顔が映し出される。比呂美を仲上家で預かってから、
丸々一週間、眞一郎が比呂美の顔を見なかったことはなかった。もちろん、比呂美の方も同じこ
とだ。
あいつは、どう思ってんだろう。案外、けろっとしているのかもしれない。両親と二度と会え
ないということに比べたら、どうってことないのだから。
最後にキスしたのは、夏祭りのあとだった。二週間前のこと――。浴衣姿の比呂美が脳裏には
っきりと焼きついている。
眞一郎の頭の中で、比呂美の存在が急激に膨れ上がってきた。やがて、体のラインが作られて
いく。最初はぼんやりと、そしてだんんだんはっきりと。すでに比呂美の体のすべでを知ってい
るのに、眞一郎の妄想は裸体の状態で止まらず、ちゃんと比呂美に服を着せた。
眞一郎は、ちゃぶ台の上にあるティッシュペーパーの箱を手元に引き寄せ、二枚だけ中身を引
き出した。そのときだった、玄関のチャイムが鳴ったのは――。夢の中でもそうだったが、眞一
郎はまたしてもびっくりさせられた。まだ夢を見ているのだろうかとさえ思った。眞一郎がここ
で寝泊りしだしてから、この部屋の玄関のチャイムの音を聞くのは初めてだったからなおのこと、
心臓が止まりそうだった。
事務局の人だろうか。眞一郎はテレビの音を消してからゆっくり立ち上がった。明日、眞一郎
は、この部屋を出ることになっている。その確認かもしれない。それだったらまず、携帯電話に
連絡があるはずだと思い、眞一郎はおそるおそるドアに近づいていった。
ドアのそばまで寄って、とりあえず、「どちらさまですか?」と訊いた。
「あっ、眞一郎くん。比呂美です」
なんだって!
ドア越しから聞こえてきた懐かしい声に全身が鳥肌立った。ずっと受話器越しの劣化した比呂
美の声ばかり聞いていたので、ドア一枚挟んでいても比呂美の声の生々しさに眞一郎の胸はくす
ぐられた。さっさとドアを開けてあげればいいものの、眞一郎は、まだ夢のつづきではないかと
少し疑っていたので、防犯窓から比呂美と名乗る女性を確認した。夜なのではっきりとは分から
ないが、シルエットは比呂美に限りなく近かった。
眞一郎は、急いでドアロックを解除してドアを開けた。ドアという隔たりがふたりの間で取り
払われ、一瞬、あの甘い香りが漂ってきた気がした……。
眞一郎は、比呂美の全身を見渡して、もう一度、比呂美であることを確認した。赤いスポーツ
バッグとバスケット(籠)を持った比呂美が目を細めて笑っている。後ろの長い髪は、三つ編み
にされていて、体の前で揺れた。
「えへっ、きちゃった……」
うっすら頬を赤らめ、わざと子供っぽくそう言った比呂美は上目づかいでぺろっと舌を出した。
「……ひ、ろみ……」と、眞一郎がかすかに声を漏らすと、比呂美は、わたしだよ、と大きく頷
いた。
はじめての外泊−2 へつづく
571 :
カカ:2008/10/07(火) 00:49:55 ID:eYsh6YTJ
ようやく比呂美さん登場です。以上までが第一幕です。
保管庫の方では、「はじめての外泊−1」に追加しています。
現時点の構想では、第九幕まであり、春雷よりちょっと多めの
話になりそうです。
これからも、よろしくどうぞ。がんばります。
今後の展開にゾクゾクするw
573 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 00:46:34 ID:SMFLJAjJ
i⌒r.´ ヽ
l. | ,lノリハリ)
キタ━━━━━━ ノ,,ノゝ(!i゚ヮ゚ノ━━━━━━!!!!!
((. ⊂)_6)つ
.i__|_i ◯
し'ノ
>>569 舌を出して照れる比呂美かわえー
やっと状況がつかめた、しかし随分リアルな夢だわ
眞一郎はもう比呂美依存症ですか
イヤオレモカww
>>571 いままでが序章っといったところですか。
まずはご苦労様です。
麦端から離れた土地での、
二人の生活?がどうなるか楽しみですわ
カカさん乙です
あまりにも唐突すぎるから夢かなと思ったけど
やはりそうでしたか
しかし、この夢今後の展開との結びつきが気になります
2つとも続きが待ち遠しい
エロ保守
更新がピタッと止まってしまいましたね。
続きが読みたい。
>>580 ちょっと意表を突かれた。
そうか、規制中だったのか。
またこっちの方に書き込んでくれないかな。
「ごめん……俺、調子に乗って…」
許されない行為をしようとした罪悪感からか、眞一郎は視線を逸らしたまま比呂美に謝罪した。
「ううん。 私が悪いの」
始める前にちゃんと言うべきだったと、比呂美も目を泳がせながら呟く。
そして眞一郎が平静を取り戻したことを確認すると、比呂美は壁際から背を離し、眞一郎に近づいた。
「…………」
黙り込んでしまった眞一郎の瞳を覗き込み、怒っているわけじゃない、と目で訴える比呂美。
その気遣いが眞一郎の心を軽くし、表情に笑みを呼び戻した。
「もう……出るか。 何か冷えてきたし」
緊迫した空気を洗い流そうとする眞一郎の言葉に、比呂美も「うん」と曖昧に答えて、再びシャワーへと手を伸ばす。
眞一郎をその場に立たせたまま、比呂美は先に自分の身体に張り付いたボディシャンプーを流しはじめた。
温水が吹き出る噴射の音と、跳ね回る水滴の音が浴室内に響く中、泡の衣装から比呂美の裸体が解放されていく。
(……比呂美……)
身を翻して『脱衣』を続ける比呂美の姿に、眞一郎の喉がゴクリと鳴った。
その小さな音に危険を感じたのか、比呂美は退室を早めるべく、今度は眞一郎の肌に手の平とシャワーを滑らせはじめる。
「つ、続きは……ベッドで……ね」
ぎこちなく微笑みながら、比呂美は黙々と眞一郎の身体を洗った。
自分でやる、という眞一郎を押し留め、大体の泡を流し終えると、最後に陰部を目掛けて温水を浴びせ掛ける比呂美。
「んっ…」
緩い刺激を受けた眞一郎の鼻から、何かを堪えるような声が漏れると同時に、起立した陰茎が再び姿を現した。
(……あ……)
小刻みに痙攣する先端が比呂美の両眼を狙い撃ち、その視線を釘付けにする。
僅かに開いた鈴口がこちらを睨みつけ、『なぜ受け入れないんだ』と比呂美を叱責した。
(そんなに責めないで……私だってホントは……)
目を細めて唇を軽く噛み締めながら、比呂美は心の中でそう呟いた。
数ヶ月前に二度目の膣内射精を受けて以来、比呂美の心は決まっている。
……許されるのなら……一日でも早く眞一郎の子を、この身に宿したい…… ……でも……
(我慢しなくちゃいけない。 ちゃんと結婚するまでは…我慢しなくちゃ)
そう自分に言い聞かせてみるものの、『眞一郎自身』に見据えられ、身体の疼きは激しさを増していく。
……ハッキリと知覚できる、眞一郎の精を求める膣と子宮の痙攣。
(……いけない…… 欲しがっちゃいけないのに……)
比呂美の下半身は、その全身を統括する理性の制御から解き放たれ、欲望に屈しつつあった。
そして、牝の受胎本能に追い討ちを掛ける、眞一郎の陰茎の動き。
ヒクつくペニスが比呂美の視覚を捉えて離さず、その思惟を尿道と輸精管の奥に潜むモノへと引き込む。
…………比呂美の胎内で芽吹くことを渇望している、眞一郎の命へと…………
…………
「うぅ……く…うう……」
外と内から攻め立てる本能の要求に耐え切れず、比呂美はシャワーを取り落として、膝を折ってしまった。
「比呂美! 大丈夫か?」
バスマットにしゃがみ込んだ比呂美を追うように、眞一郎も腰を落とす。
呼吸を乱す比呂美の肩に手を掛け、伏せている上体を引き起こすと、そこには先ほどとは全く別の比呂美がいた。
潤んだ瞳と、震えながらも悦びを求めて歪む口元が、比呂美の心が『堕ちた』ことを如実に表す。
(……赤ちゃん…出来てもいいや……)
完全に牝と化した比呂美の思考には、世間体を気にする心も、眞一郎の母への気遣いも、もはや残ってはいなかった。
その内側にあるのは、愛する男の精を胎に受けたいという、女の本能だけ……
…………
「…………やっぱり……ここでしよ……」
「な!なに言ってんだよ!!」
突如、豹変して『生姦』に誘ってくる比呂美に、眞一郎は戸惑った。
しかし比呂美は恋人の動揺を意に介さず、蕩けた眼差しを向けながら、更なる誘惑の言葉を吐き出す。
「膣(なか)に出さなければ……大丈夫だよ、きっと……」
「…………比呂美……」
呆気に取られる眞一郎へ妖艶な笑みを投げ掛けてから、比呂美は放置していたシャワーの栓を締める。
そして立ち上がり眞一郎に背を向けると、浴槽の縁に手をついて、白桃のような尻を高く突き出した。
[つづく]
583 :
朋与男:2008/10/20(月) 21:39:31 ID:3mXR+Xvt
間が開いてしまって申し訳ありません
スランプなのか、筆の進みが普段よりも更に遅くなっております
でも途中で投げ出したりはしませんので、気長にお付き合い下さい
現在、ちょっとヤバめな展開ですが、
最終的に眞一郎と比呂美が困るようなことにはなりません
ご安心ください
朋与男さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
>>583 ありがとうございます。お待ちしておりました。
そしてこれからもお待ちしております。
・・・堕ちた比呂美もいいなぁ・・・
>>583 お疲れ様です。ありがとうございます。
流石です、先輩。えっちぃです、相変わらず。
いや、比呂美さんが眞一郎に堕ちる分には問題ないですから。(こら)
>>580 おぉそっちに続編来てたのか教えてくれてサンクス
カカさんも乙です。
>>582 蕩けそうな比呂美さんとってもエッチぃですw
>気長にお付き合い下さい
うん 待ってる
朋与男さん乙です
暴走モードの比呂美さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
さあどうする眞一郎?
しかし、カカさんが規制中とは
「挿れて……眞一郎くん……」
首を九十度ほど曲げ、後ろで固まっている眞一郎に妖しい視線を送りながら比呂美は囁きかけた。
「いや…でも……」
そそり立つ勃起の角度とは裏腹に、眞一郎はまだ常識の鎖に繋がれている。
結合を躊躇うその姿に、苛立ちと気遣われる喜びの両方を感じる比呂美。
だが、『欲しい』という強烈な欲求の前には、眞一郎の感情など瑣末な問題でしかなかった。
「フフ……」
整った口元がまた歪み、浴槽の縁を掴んでいた比呂美の右手が、己の腰から臀部へと滑るように動く。
……比呂美は『どうすれば眞一郎を誘えるか』を熟知していた。
緩い動作で秘部にあてがわれた指が、眞一郎に向かって突き出されている陰唇を割り開いて、その内部を見せつける。
「!!」
ピンクというよりは、熟れたザクロのような鮮烈な『赤』が、眞一郎の視覚を占領した。
心臓と呼吸が乱れ、両脚が理性の制御を振り解いて、誘いかける『禁断』へと歩を進めていく。
「…来て……早く…」
たっぷりと艶やかさを付加されたその言葉が、眞一郎の鎖を引き千切る決定打となった。
「比呂美ッ!!」
短い絶叫が狭い室内に響くのと同時に、眞一郎は目の前にいる牝の背中に飛びつく。
その動きは、愛しく抱き締めるというよりは、匂いを擦り付ける野獣のマーキング行為のようだった。
「ああぁん…」
背部全体に感じる眞一郎の感触に、声を上げて悦びを表現し、身悶える比呂美。
首筋を這い回る舌の滑り…… 乳房を揉みしだく十本の指…… そして股間に擦り付けられる熱い昂ぶり……
その全てが燃え上がる官能に更なる燃料を注ぎ、比呂美の全身を震わせた。
「はぁ、はぁ、はぁ……はぁああっ!!」
執拗にうなじを愛撫する眞一郎の動きに反応し、軽めの絶頂を得た比呂美の身体が仰け反る。
弾けるような動作のせいで、髪をまとめ上げていたタオルが解け、自慢のロングヘアーが空間を舞った。
乱れ踊る栗色が愛用するシャンプーの甘い香りを撒き散らして、眞一郎の鼻腔と性欲を刺激する。
硬度が増したペニスの先端からは、微量の精を含んだ透明な粘液が溢れかえり、浴室の床へと光の糸を引いた。
「……ホントに…挿れるぞ」
二人分の体重を受け止め、比呂美の両腕が小刻みに震えている。
だが今の眞一郎には、それに気づいたり、優しく声を掛けたりする余裕はなかった。
(挿れたい…… 比呂美に…… 比呂美の膣に……)
…………受胎可能な牝と性交する…………
遺伝子に刻み込まれた牡の本能に支配された眞一郎は、局部を弄って比呂美の生殖器に狙いを定める。
その決意を感じ取った比呂美も、挿入を求めて、陰唇付近の感覚を頼りに腰を動かした。
カウパー氏腺液にまみれた亀頭に、花開きはじめた膣の入口が喰らいつくように押し当てられていく……
「ナカに……出したらダメ…だからね……」
そう小さな声で警告を発した時、比呂美は眞一郎の方を振り返らなかった。
…………振り向いたら……バレる…………
悟られるわけにはいかない。 今、口にした言葉と真逆の感情を、自分が奥底に秘めていることを……
…………
「……分かってるよ……」
比呂美の想いを知ってか知らずか、眞一郎は荒い息遣いのまま上体を引き起こすと、眼下の尻肉に指を掛けた。
己の先端が確かに比呂美を捕らえていることを確認すると、加減も気遣いもない強烈な一撃を繰り出す。
「はうぅッッ!!!」
一気に中心を貫かれ、女の最深部を刺激された比呂美の口から、雄叫びにも似た声が漏れた。
そのまま肢体を硬直させ、比呂美は胎内を割り裂いた侵入者の感触を追いかける。
(あぁ……『そのままの』眞一郎くんだ……)
普段のセックスに不満があるわけではないが、やはり一切の邪魔が入らない直接の交わりは、得られる充足感が違った。
そして、先走りの体液に混じった精子に反応した子宮が、脳と理性に代わって比呂美の身体を操りはじめる。
(出して……眞一郎くん……そのまま……)
ペニスをもっと深く呑み込まんと、比呂美は痺れかけていた両脚を踏ん張り、性器を眞一郎に押し付けた。
「んッ!」
根元まで完全に咥え込まれた眞一郎が、直に感じる比呂美の粘膜の感触と圧力に呻く。
比呂美の欲求と己に巣食う牡の本能、そして四日間の禁欲が眞一郎を無慈悲に攻め立て、彼を射精の淵へと追い込んでいった。
[つづく]
590 :
朋与男:2008/10/25(土) 00:16:28 ID:eaJnuD9X
コメントくださった皆様、保管庫で読んでくださった皆様、
そしてその保管庫を更新してくださった親切な方、
どうもありがとうございます
保守を兼ねての投下でございます
それにしても「はじめての外泊」、面白すぎですね
和室の真ん中に一組の布団とか、もう最高
カカさんの規制が解除されるまで、スレの維持、がんばりますよ
>>590 性的欲望が理性の器から毀れそうなギリギリの状態がたまりません
(;゚∀゚)=3…ハァハァ…
>>590 毎度毎度、乙です。
出したらダメといいつつ、その心理は…
眞一郎がそれに気付くかな
射精するころにはそんな考え弾け飛んでるだろうw
594 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 20:14:14 ID:9KaLN1xF
さて、そろそろあげておこうか
カカさんはまだ規制中だそうだ。
続きがwikiの方にあがってたよー。
《……出せよ……気持ちいいぜ……》
身体の中に住む悪魔が、歯を食いしばって快楽に耐える眞一郎の耳元に、そう呟いた。
比呂美の姿を見てみろ。 欲しい、欲しいって腰を振ってるじゃないか。
括約筋を蠢かせ、必死になって膣を絞め上げているじゃないか。
…………妊娠させるんだ…………孕ませろ、比呂美を…………
…………愛しているんだ…………躊躇うことは…ない……………………
「だ…ダメだっッッ!!!」
意図的に否定を音にすることで、眞一郎は脆弱な己の心に喝を入れた。
『仲上眞一郎』は基本的に、差し出された悦楽の前には我慢弱い。
朋与との初体験のときも、比呂美と結ばれたときもそうだった。
相手が求めていることを言い訳に、危険や結果を省みず、快楽に溺れてしまう。
(でも今日は……『そうする』わけには行かない)
肉欲よりも強力な《比呂美を想う気持ち》が、暴走しそうな心に制動を掛ける。
たとえ比呂美が望んでるとしても、『それ』をしてはいけない!
最後には比呂美を苦しめることに…………泣かせることになる!!
砕けるほどの力で奥歯を噛み締めることで、眞一郎は尚も続く責め苦に耐えた。
……絶対に膣には出さない!……
固い決意を比呂美に知らせるように、両手の指に力を入れ、腰の動きを封じて摩擦を止める。
結果的に、その動作は陰茎を胎内深くに固定し、比呂美に強烈な快感を味あわせた。
「くあああああッッッ!!!」
中程度の絶頂が比呂美の脳に襲い掛かり、膝と肘が震え背筋が収縮する。
それに連動するように、膣もペニスを強い力で締め上げたが、眞一郎はその『出せ』という要求に何とか耐え抜いた。
…………
…………
絶頂の波が過ぎ、浴槽に半分突っ伏す形で息を乱している比呂美の背中を見下ろしながら、眞一郎は冷めた頭で考える。
(今の比呂美は普通じゃない)
肉体的な欲求なのか、精神的な物なのかは分からないが、比呂美は社会的立場を忘れ、『命』を宿すことを望んでいる。
今はまだ許されないこと…… 『ふたりの未来』を早く引き寄せようと焦っている……
「比呂美、こっち向けよ」
真意を確かめようと、眞一郎は臀部に指先をめり込ませたまま、比呂美に命令した。
だが、いつもなら快楽の頂に達したあと、必ず眞一郎の唇を求めてくる比呂美が、振り向くどころか返事もしない。
「比呂美」
再度の呼び掛けにも返答はなく、帰ってくるのは沈黙だけ……
ここに至り、眞一郎は比呂美の精神が尋常な状態ではないことを確信した。
浴室という変則的なシチュエーションの影響だけではない何かが、比呂美の心を確実に狂わせている。
(それなら…………)
やることは決まっている。 比呂美を幸せにする選択を、常に自分はしなければならない。
たとえそれが、この瞬間の比呂美の望みと合致しない行動だとしても……
…………
…………
眞一郎は白桃に喰らいつかせていた両手を、腰のくびれに移動させた。
そしてまだ回復が完全でない比呂美に……その中心に向かって、勢いの良い一撃を繰り出す。
「くうッッ!!」
突き込まれたモノと同じ体積の排気が、比呂美の肺から漏れ出した。
苦しむような、悦ぶような……意味を判別しがたい甘い吐息。
そんな比呂美の反応を無視して、抽挿は激しさと速度をどんどん増していく。
さして鍛えてもいない腹筋と背筋を限界まで酷使して、眞一郎は休み無く己を突き挿れた。
……まるで「早くイッてしまえ」とでも言わんばかりに……
「眞…一郎ッ…く……んぁああっ!!」
望んでいたモノが与えられたことで、噤まれていた比呂美の唇が再び開き始めた。
しかし、開いたのは『上』だけではない。
乱暴さが加味された刺激に応え、比呂美の胎が緩みはじめ、陰裂から大量の愛液が生み出される。
……湿気を吸った肌と肌が打ち合うパンパンという音。
そして、それを押し退けるように響きだす愛液の混じり合う音が、比呂美の欲望を更に加速させていった。
[つづく]
カカさん、朋与男さん、連休中にどうもありがとうございます
なにもないおれの連休にこれらを読むという意義が生まれた
生きがい
598 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 09:46:40 ID:G0g0rgJL
i⌒r.´ ヽ
l. | ,lノリハリ)
キタ━━━━━━ ノ,,ノゝ(!i゚ヮ゚ノ━━━━━━!!!!!
((. ⊂)_6)つ
.i__|_i ◯
し'ノ
>>596 ありがとうございます。流石です。
いつもながら、展開がイイ。
いやホント、眞ちゃんは「ちゃんと」出来る男だっ。
朋与男さん
乙です
感情と理性の鬩ぎ合いが凄いですね
えっと、保守ついでに、カカさんが規制中なので保管庫の方にあげてたヤツを
カカさんのかわりにこっちに貼り付ける、なんていうのはどんなもんでしょうかね?
通常ならご本人がなされた方が問題ないんでしょうが・・・いかが?
エロパロ板って保守する必要あんの?
一月くらい書き込み無くても落ちないと思うんだが。
思い違いだったらすまん。
>>602 新しいスレを立てる人が結構いるから油断はできない
いつ圧縮が来るかわからんないしね
……眞一郎に想いが届いた……
凄まじい速度で浴びせられる子宮へのキスを受けながら、比呂美はそう考えた。
しかし、「眞一郎くん」と恋しい名を連呼する自分の声に、全く反応が無い。
(…………違う…………違う…んだ……)
眞一郎の施す激しい抽挿の意味が、自分の求めている物ではないことを、比呂美はすぐに悟った。
荒々しい中にも優しく弱点を刺激してくる腰使いは、確かに眞一郎のモノなのだが……何かが足りない。
いつもは感じられる……何かが……
(私だけ……イカせようとして…る?……)
中出し行為を避け、妊娠を回避し、迷い込んでしまった異常な状況を終わらせる。
触れ合っている粘膜から伝わる眞一郎の意図を理解したとき、比呂美の心に暗い靄が掛かった。
…………女の私が覚悟を決めたのに……逃げるの?…………
…………おばさんが……周りから白い目で見られるのが…そんなに怖いの?…………
苛立ち、悲しみ、焦り……
久しく感じなかった黒い感情が胸中に充満し、思考が我侭な子供へと変わって行く。
「…いやッ……あぁぁっっ!……はぁ、はぁ……いやぁッッ!……」
比呂美の呻きに混じり始める、今の行為への否定の言葉。
快楽に踊らされながらも、比呂美は玩具を買ってもらえない幼児のように、イヤイヤと首を振り続けた。
……気持ちの繋がらない不誠実な交わりなど、セックスとは言えない。
それは動物の交尾以下…… ダイエットのための体操と大差ない。
眞一郎とそんな空しい交わりはしたくない。 ……したくないのに……
「やあぁぁ……こんな……こんなの…………あああぁぁんんッッ!!」
眞一郎とのセックスにおいて、初めて吐き出される比呂美の拒絶。
だが、膣と子宮が比呂美の神経に送り込む性感に、慈悲などというものは皆無だった。
意志とは無関係に身体は確実に反応し、比呂美は二度目の…より強烈な絶頂へと押し上げられていく。
そして眞一郎は、比呂美が自分の気持ちを読み取ったことに気づきながらも、前後運動の手を緩めることはしない。
一刻も早く浴室から出るのが最良の選択であると分かっていながら……そうはしない。
比呂美の女としてのプライドを傷つけないために……
なりふり構わず受胎を望みながら、相手にそれを拒否された惨めな女…………
そんな風に自分を思わせないために、眞一郎は腰を繰り出し続けた。
…………パン、パン、パン、パン…………
徐々に間隔が短くなっていく、肉と肉の衝突音。
快感の昂ぶりに比例して、比呂美の理性はその支配範囲を狭め、肉体は悦楽に蝕まれていく。
「あんっ!あんっ!…しっ…眞一郎ッッ!!……い……イキ…そうッッ!!!」
その言葉を合図に、眞一郎の仕打ちをなじる態度は消え、比呂美の全てが快楽に染まった。
……もう…何もかも……どうでもいい…… ……ただ……『頂』に登りつめたい…………
性衝動によって、一片の隙も無く桃色に塗り込められてしまう比呂美の思惟。
「きてぇっ!…眞一郎ッッ!! ……きてええッッッ!!!」
絶叫する比呂美に呼応するように、眞一郎の陰茎が的確に急所を狙い撃つ。
最良のタイミングで最良のポイントに打ち込まれる一撃!
「ああああああッッッ!!! い……イクぅぅッッ!!!」
亀頭が強く子宮口に押し当てられた瞬間、一際甲高い声が室内を震わせ、比呂美の全身が硬直した。
背中がその後ろにいる眞一郎の温もりを求めるように反り返り、表皮の全面に薄い汗の膜が形成される。
(うっっ……や、ヤバイ!)
絶頂によって引き起こされた痙攣は、当然のごとく、性器に最も顕著な形であらわれた。
それは揉み解すような刺激を陰茎に与え、射出するつもりのなかった眞一郎を一気に『瀬戸際』へと追い込む。
「うわあっっ……ひ、比呂美ッ!!」
激しい射精衝動に襲われた眞一郎は、反射的に目の前の白い背中へと喰らいついた。
腰のくびれに添えていた指は、比呂美の前面に回りこみ、重力に引かれて形を変えていた乳房に噛み付く。
必死に耐える眞一郎を嘲笑うかのように、甘美な刺激を加え続ける膣の蠕動。
(ダメだッッ!! 膣に…出し…たら……)
しかし、眞一郎の肉体は精神の叫びを無視して、性交の最終段階へと駆け出しはじめていた。
濃厚な白濁が精嚢から輸精管を抜け、尿道の根元へと送り込まれる。
射出体制に入った陰茎の変化を感じ取った比呂美の身体も、効率的に精を搾り取るべく、自動的に膣を締め上げをキツくしていった。
[つづく]
605 :
朋与男:2008/11/10(月) 01:42:28 ID:500RGoNr
エロパロ板って保守の必要が無いんでしょうか?
だったらもっとスローペースでもいいのかな?
コメントくださった皆さん、本当にありがとうございます
一応、あと二回くらいで「番外編2」は終わらせるつもりですが、
眞一郎と比呂美が『すれ違ってしまった』ので、なんとかせねばと思っております
こんなに緊迫感のあるセックスも珍しいww
いやー、おもしろいしエロいし、読んでて飽きないなあ
GJです!
>>605 乙デス。激しく寸止めされた気分w
たまに気がついて番号洗ってみると結構下の方にいたりしてドキドキ
したりします。一応保守レスはあっても良いかなと思うんですが、朋与男さん
がその保守の為に無理矢理(って程では無いかもしれませんが)SSを
仕上げるのもどうかななんて思ってみたり。もちろん早く続きが読みたいので
早いに越した事は無いのですがw
そういえば保守ってどうなんだろうね
確かこの板なら新スレ即死以外ならほとんど落ちる心配ないって
どこかで見たような
>>605 乙っ
比呂美視点がъ(゚Д゚)グッジョブ!!
エロさの中にも流されずにちゃんとキャラ心情とストーリーを感じさせるのが流石だわぁ
すごく続きが気になります!
>>608 それでおk
即死のみ
過疎スレだからな
「クッ!!」
奥へ突き込め、という遺伝子の命令を断ち切ったのは、眞一郎の強固な意志だった。
『比呂美を悲しませない』という強い決意が、発射の寸前で腰を捻らせる。
「!!!」
胎内を埋め尽くしていた熱が、瞬時に消え去る感覚を比呂美は味わった。
絶頂の根源たる物体が行為の終息前に抜き取られるのは、比呂美にとって初めての経験である。
その喪失感が、快感で真っ白になっている思考に黒い何かを数滴……ほんの数滴、混ぜ込んでいく。
…………おいてかないで…………
眞一郎と『噛み合わない』という現実が、比呂美の胸の奥に呼び起こす小さな不安。
離れないで欲しいという切ない想いを具現化するように、腿が逃げるペニスを追いかけて内側に閉じる。
「クッ! 比呂美ぃッ!!」
逃亡先に先回りしていた快楽に絡め取られ、眞一郎の声帯は情けない音を発した。
そして、決壊寸前の『自身』を素股で愛撫されることと、もう大丈夫なのだという安心感が、眞一郎の欲望を開放させる。
ビュッ! ビュッ! ビュッ! …………
内圧によって拡げられた亀頭の出口から、猛烈な勢いで噴き出す、液体とは呼べない高粘度の白濁。
子宮の底へと撃ち込まれるはずだったそれは、比呂美が手をつく浴槽の外壁へとぶち当たり、品の無い音を立てた。
(あぁ……あぁ…………)
絶頂の白い闇の中に漂う比呂美の耳に、粘着質な衝突音がこだまする。
眞一郎の命が胎外で弾ける……願望が成就しなかった証の空しい音が。
(…………ッ……)
快感に耐えるために噛み締められていた比呂美の奥歯が、湧き出した別の思いを表現してギリと鳴った。
だが、その小さな苛立ちは、眞一郎に届かない。
比呂美の感情をよそに、窄められた内股を膣に見立て、眞一郎は腰を送り出して体内の精を搾り出し続ける。
「んッ! んッ! んッ!」
無意識に鼻腔から漏れる声に合わせ、パチン、パチンと比呂美の臀部を打ち続ける眞一郎の下腹。
それはまるで、孕め、孕めと眞一郎の肉体が自分に向かって叫んでいるかのように、比呂美には感じられた。
(……逃げた…くせに…………)
眞一郎の心と身体の乖離に、苛立ちを増幅させる比呂美の中の牝。
だが、恋人たちのすれ違う想いとは関係なく、二人の肉体は快美感に反応し踊り狂った。
そして射精は徐々に終息に向かい、眞一郎の腰は『打ち止め』を示すぶるりという短い震えを比呂美に伝える。
比呂美の肢体もまた、内在する澱みとは裏腹に、『痙攣』という形で味わっている悦びを眞一郎に伝播させた。
…………
…………
比呂美と眞一郎は、行為が終わった時の体勢でしばらく固まっていた。
……もう動けない…… ……動きたくない……
そんな事を考えながら、活力の全てを使い果たした二人は、性交が与えてくれた悦楽の余韻に浸る。
しかし、今まで緊張を強いられていた肉体には我慢の限界が近づいていた。
筋肉が意識の制御を離れ、糸の切れた操り人形のごとく、二人の身体は床へと崩れ落ちる。
バスマットにあぐらを掻く形で尻餅をついた眞一郎の上に、追随して落ちてくる比呂美の身体。
眞一郎は僅かに残った体力を振り絞り、身を投げ出すように倒れ込んでくる比呂美を何とか受け止めた。
「比呂美? 大丈夫か?」
精気が失せた様子の比呂美を心配し、眞一郎は首を回して顔を覗き込む。
「…………」
呼びかけに応えない比呂美の視線は、バスタブにべっとりと張り付いた白濁へと、真っ直ぐに向けられていた。
薄く開かれた瞼の奥から発せられる眼光と、浅い眉間のシワが、比呂美の抱えた不満を如実に表現する。
……眞一郎の判断は正しい…… それは分かっている…… ……けど……
この苛立ちは間違いだと充分に理解しながら、『無言』という鞭で眞一郎を責め立ててしまう比呂美。
(……でも…私は……欲しかった…………)
再び瞼を閉じてから、比呂美はそう胸中に呟き、唇を小さく噛み締めた。
…………初めての……心が満たされないセックス…………
比呂美の焦燥を感じた眞一郎が、謝意のつもりなのか無言で乳房を弄ってくる。
だが、空しさに包まれた比呂美にとって、そんな眞一郎の気配は、今はただ煩わしいだけだった。
[つづく]
つづく!
>>611 乙です。GJですっ。毎度、さすがです!
でも、意外と深刻な心理描写になっているのが、
エロスレなのに(エロスレだからこそか?)大変気になるところっす。
眞一郎が正しい分、理性的でない比呂美の焦燥との和解(?)が
待ち遠しいですっ!
うーん、大丈夫だと思ってるけどちょっとドキドキしますなぁ。
いや、乙ですー。
朋与男さん乙です
二人ともハッピーエンドとわかっていても
こみ上げてくる不安さは流石ですね
カカさんのが保管庫にあがってたよー!
>>616 おおーサンクス!ちょっくら読んでくるよ
カカさん乙です。
♪眞一郎〜のこころの底に・・・ ニャル様
比呂美の部屋の水周りは、ロフトの下にコンパクトにまとめられていた。
狭いながらも浴室とトイレは別になっており、洗面所の横に洗濯機を置くスペースも確保されている。
「……はぁ」
情事の後片付けを済ませた比呂美は、仕事を始めた洗濯機の横で髪を乾かしながら深く溜息をついた。
唸りをあげるドライヤーの温風に栗毛を泳がせながら、数分前の出来事を反芻してみる。
(……どうしちゃったんだろう…私……)
冷静さ、というより正気を取り戻した今の比呂美には、先刻までの自分が全く理解できなかった。
本当に妊娠を望んでいたのか、ただ中に出されたかっただけなのか…… もうそれも思い出せない。
(《気持ちいい》ってことに流されやすい……のかな、私)
……そうとしか考えられない…というよりも、そう考えたいと比呂美は思った。
眞一郎との約束された未来を破壊する結果を、自分が本心から望むはずはないのだ。
先ほどの異常な行動は、膣内射精による快感を欲した肉体の欲求に、精神が屈服しただけ。
それはそれで情けないことなのだが、受胎本能に踊らされて社会性を放棄したのだと認めるよりは、幾分マシと言えた。
「……だらしない…」
小声でそう呟いて、比呂美が内在する牝を罵倒した時、リビングに繋がるドアが外側から軽くノックされた。
「な、何?」
ドライヤーのスイッチを切って、ドアノブに手をかける。
まだバスタオルを巻いただけの姿だったが、居間にいるのは眞一郎だけだ。 別に恥ずかしがる必要も無い。
「雨あがったからさ。俺、先に行くよ」
そう掛けられた声に応えて扉を開けると、眞一郎は既に生乾きの制服を身につけ、帰り支度を整えていた。
今日は夕食を仲上の家で食べる曜日なので、二人が一緒に帰宅しても別段おかしくはないのだが……
「制服の俺と私服のお前が一緒に帰ったら……ちょっとマズイだろ?」
「……そう…ね」
眞一郎と比呂美の関係が『一線』を越えていることに、眞一郎の両親は気がついている。
しかし、たとえそうでも、『そうではないフリ』をするのが子供としての義務だ。
学校帰りの不自然な『寄り道』を見せ付けて、両親に要らぬ詮索をさせる訳にはいかない。
《二人の『深い関係』を感じさせぬよう注意を払う》
それは大人になる前に性を繋いだ眞一郎と比呂美にとって、周囲に対してしなければならない最低限の礼儀であった。
「なるべく、暗くなる前に来いよ」
アリバイを気にしつつも、眞一郎は比呂美への気遣いを忘れることはない。
玄関でスニーカーを履きながら、「なんなら、着替えてから迎えに来るから」と優しい言葉を投げかける。
だがその眞一郎の声は、比呂美の耳には届いていなかった。
裸体にバスタオルを巻いただけの美しいシルエットが、何かに憑かれたように窓外へと視線を遣っっている。
(ホントだ……晴れてきてる)
雨は止んだ、という眞一郎の報告どおり、空を塗り込めていた厚い灰色が、所々ひび割れを見せていた。
そして、その割れ目から下界へと伸びる光の橋…… 差し込んでくるオレンジの光。
(…………きれい……)
世界はもう泣き止んだのだ。 もう美しさを取り戻しつつあるのだと、比呂美は理解した。
なのに自分の感情は、反比例するように『不』の方向へと変化したまま、薄闇の中に漂っている。
『湯浅比呂美』を置き去りにして、明るさを回復しつつある夕空の輝き……
自身でも解読不能な混乱を抱えた今の比呂美には、その煌きが妙に妬ましく感じられた。
…………
「比呂美、どうした?」
窓の外を向いたまま固まってしまった比呂美の白い背に、玄関から伺うような声が掛けられる。
「ううん、なんでもない」
肩を小さくすくめてから比呂美は振り向き、眞一郎の元に駆け寄った。
明らかな『作り笑顔』を浮かべる比呂美に気づき、少しだけ陰りを見せる眞一郎の表情。
微妙な空気と微妙な感情が混濁し、向かい合う恋人たちの間に、気まずい沈黙が停滞した。
「……あの……」
重い気配を払い除けようと、比呂美の口が取り繕いの言葉を紡ぎだそうとする。
だがそれよりも早く、眞一郎の両腕が前に伸び、比呂美の身体を引き寄せようと動いた。
[つづく]
620 :
朋与男:2008/11/28(金) 02:19:13 ID:XPtSHpJz
2−9で終わりの予定だったのですが、
書いてるうちに長くなってしまい、分割することにしました
次の2−10で「番外編2」はおしまいです。
その先は……まだ秘密です
毎度ながらGJです!
冷静になった後で後悔する辺りが比呂美らしいww
>>620 乙です。
うんちゃんと分かってるところが比呂美らしいね
さり気なく空の描写が入ってるのがなんともttらしく感じました
ご褒美あるかなw
>>620 乙であります。いつもながら、GJですっ!
比呂美さんの自己嫌悪モードを、“ちゃんとした”眞一郎が
どう解きほぐしてあげられるか。
楽しみにしておりますっ。
引っ張られる衝撃で、比呂美の裸体を包んでいたバスタオルの結び目が解けた。
「あ……」
布が床へと落ちる柔らかな音と共に、乳房と肺を軽く潰されることで漏れ出す甘い声。
湿った服で抱き締めることに遠慮があるのか、眞一郎の腕の力は普段よりも幾分弱かった。
ワンパターンなんだから、と胸中に呟いてみるが、比呂美はその抱擁を不満とは思わない。
迷いっているときに、自分をちゃんと繋ぎとめてくれる存在が感じられることは、とても心地よいことだから。
……しかし……
「あのさ……今日みたいな日は…」
「…………」
眞一郎の口から漏れ出た『今日みたいな日』という単語が、比呂美の瞳を瞬時に濁らせた。
今日みたいな日はしてはいけない……しないようにしよう、とでも言いたいのか。
(そんな常識論なんて聞きたくない。……それに……)
二人の愛が形となる可能性がある日を、眞一郎が《危険》と認識していることも、比呂美の癇に障った。
眞一郎の視野の外にある比呂美の唇が、キッと噛み締められる。
音どころか気配も発しない不満の発露であったが、眞一郎はそれを感じられないほど愚かではなかった。
比呂美とのズレを感じ取る本能が、《間違っている》ことに気づかせて、その口を噤ませる。
「……?」
想像した台詞を吐かない眞一郎を訝しみ、比呂美の唇が動きかけた。
だが、それは突如動いた眞一郎の腕が、比呂美の両肩を掴んで身体を引き離した事で打ち消されてしまう。
「!」
突き放されると思える程の勢いだったが、比呂美の上腕に食い込んだ眞一郎の指は、決して離れることはない。
乏しい腕力で比呂美の身体を自分に正対する位置に固定すると、眞一郎は真っ直ぐに目の前の曇った瞳を見据えた。
「ゴメン。 ……次は…ちゃんとするから」
「…え…」
二人の失敗を一人で背負い込もうとする眞一郎の気遣いが、比呂美の中の氷を溶かしていく。
多少のすれ違いはあっても、眞一郎の優しさと誠実さだけは変わらないのだという確信。
その揺ぎ無い事実が、比呂美の心に再び暖かな焔を灯した。
「…………うん……私も…次はちゃんとする……」
眞一郎の制服の胸元に、比呂美は額を摺り寄せるようにして甘えてみせる。
頼りにしてくれ、と相手が求めているときに、素直にそうすることもまた、愛の形だと比呂美は思った。
…………
…………
「じゃ、またあとで」
「うん」
バスタオルを身体に巻きなおし、比呂美は玄関ドアの向こうに立つ眞一郎に向かって、ひらと手を振った。
同じ様に軽く手を振り、扉の向こうに消えていく眞一郎を見送る。
金属製のドアが閉じる、バタンという大きな音。 そして徐々に遠ざかっていく眞一郎の気配。
比呂美はいつものように、去っていく眞一郎の姿を確認しようと、リビングの窓へと駆け寄った。
薄いレースのカーテンを少しめくり、仲上の家へと帰っていく眞一郎の後ろ姿を視界に入れる。
(……大丈夫……大丈夫よ……)
さっきの出来事は、ほんの些細なすれ違いでしかない。
気にするような……深刻になるようなことではないのだと、比呂美の思考が結論を出そうとした時……
「んっ……」
大人しかった胎の奥の器官が急に暴れだし、身体の主に抗議を始めた。
誤魔化すなと叫ぶように、収縮を繰り返して比呂美を責め立てる子宮。
(…………んぁ……なんで……)
不足しているモノなど無いのに…… 満たされているのに……
比呂美には自分自身が一体何を求め、欲しているのかが分からなかった。
「…私……何が欲しいの……」
無意味である事を承知の上で、沸き起こった疑問を声に出してみる。
だが、夕日に染められた部屋の壁が答えを返すことはない。
正体の分からない焦燥が、眞一郎のくれた温もりに取って代わり、体内に充満する。
(…………何なの?……何なのよッ!!……)
ささくれ立つ気持ちと、股間を濡らす愛液の感触。
比呂美はその二つを感じながら、暫くの間、窓際に立ち尽くしていた。
TO BE CONTINUED
新シリーズへ
625 :
朋与男:2008/12/01(月) 02:42:46 ID:CThev5Wh
ただヤルだけの話のはずが、なぜこんなことに……
あぁ、石を投げないで下さい
新シリーズのプロットをじっくり練って、
皆様の望む結末に着地させるように努力しますので、
何卒お許しを……
万札紙飛行機投げてあげるお
>>625 乙デス。良かったよ。
お餅を包んで投げてあげようw
乙です。ありがとうございますっ。
その上これが、新シリーズの予告編となろうとは。
それにしても、比呂美さん。結構、深刻ですな。
どこまで描いていただけるのか、楽しみです。
ま、言質も頂きましたのでw
皆が望む決着…って、この言い方があれですけれどww、
私も天空の食事を掴んで投げてあげましょw
うん。ガリンコ積んで、待ってる。
629 :
朋与男:2008/12/02(火) 01:43:09 ID:Vr0Bo/O3
コメントくださった方 保管庫を更新してくださった方
そして読んでくださった皆様、ありがとうございます
石じゃないモノが飛んできてホッとしました
新シリーズは、まだ断片的なアイディアを書き留めている状態なので、
全体の道筋が決まり次第、始めさせて頂きたいと思っております
年内にスタートできるといいのですが、どうなりますか……
とりあえず、最後に眞一郎と比呂美が濃い『一発』をかます事だけは決めてますので、
どうぞご安心くださいませ
「いただきます」
日本海の新鮮な魚介類で作られた料理の前で、比呂美は両手を合わせた。
見た目にも美しいこの夕食を作ったのは、眞一郎の母である。
仲上家の風景に、比呂美は自然と溶け込んでいた。
比呂美と眞一郎の母との関係は、時間と共に改善してわだかまりは消え
週に一度はこうして比呂美も一緒に夕食をとるようになっていた。
「ごちそうさまでした」
食器を片付けようとする比呂美に声をかけたのは
誰よりも彼女を憎んでいたはずの眞一郎の母であった。
「そんなことしなくていいのよ。お風呂沸いてるから、よかったら入っていきなさい」
比呂美が家族として認められたからだろう。
これまでには考えられなかった言葉と穏やかな表情だった。
冷えた手足の先に、痛みにも似た感触を覚えながら
比呂美は湯船の中で大きく息を吐いた。
「ふぅ〜……」
以前は風呂場やトイレの中でさえも、気が休まる時などなかった。
だが今はこうして大きく手足を伸ばすことができる。
比呂美はようやく自分の居場所を見つけることができたのかもしれない。
(そういえば……)
ふと昔のことを思い出す。
まだこの家が比呂美にとって、とても息苦しい場所であったころ
脱衣所で着替えているところに眞一郎が入ってきて
下着姿を見られてしまい、赤面して眠れなかったあの日のことを……。
今ではその下着の内側でさえも、眞一郎の前に曝け出しているのだが
あのときのことを思い出すと、比呂美は今でも心拍数が上がってしまう。
(あのときの眞一郎君……今なら……)
鏡の前で眞一郎を想い、にこっと笑う比呂美。
そのとき、風呂場のドアが不意に開いた。
「一緒に入ってもいいかしら?」
比呂美の返事を待つことなく、何も身につけていない眞一郎の母が入ってきた。
突然のことに驚きながら、比呂美は慌ててタオルを取って身体を隠した。
「あら、そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃない。女同士なんだし」
「おばさん……!!」
「背中、流してあげるわね」
比呂美が抱いていたタオルを取ると、後ろで膝をつき石鹸を泡立てる。
恥ずかしそうに俯く比呂美と、その背中を洗う眞一郎の母。
二人の間を沈黙が流れる。
「綺麗な身体ね」
眞一郎の母がぽつりと呟くように言った。
その言葉通り、比呂美の肌は雪のように白く滑らかだった。
弾力があり水をも弾く、肌理細やかな若い肌。皺や弛みなどとは無縁の身体。
「本当にあなたの母親にそっくり。嫉妬しちゃうわ」
その言葉には、かつて比呂美を苦しめたトゲはない。
「そんな……おばさんも綺麗です……」
「うふふ、ありがとう。」
背後から伸びた手が、比呂美の乳房に触れた。
「あっ、前は自分で……」
「意外と大きいのね。着痩せするタイプなのかしら」
「あの……」
「大きいし張りもあって形もきれいね」
その手は洗うというよりも、乳房の形をじっくり確かめるように、比呂美の身体を這うように動いた。
両手で下から持ち上げるように、寄せてから手をはなす。そしてまた下から……。
若い果実は重力に負けることなく、高い位置をキープしている。
気が付くと、タオルは床に落ちていた。
「んっ!」
石鹸の泡を絡めた大人の指が、先端の突起をキュッと摘んだ。
甘い刺激が全身を駆け巡り、比呂美の口からは自然と声が漏れる。
「おばさ……あっ……ん……」
「お風呂は声が響くから気をつけて……」
ねっとりとした乳房への愛撫に、比呂美は手を口に当てて声を押し殺そうとした。
それでもビブラートのかかった甘美な吐息が、指の間からこぼれ落ちてしまう。
「う……あッ……ゃ………」
大人の指使いで16歳の少女を弄びながら、眞一郎の母は比呂美の耳元でたずねた。
「眞ちゃんとはもうシたの?」
「んっ……ご……めんなさい……」
「謝らなくていいのよ。でもまだ高校生なんだから避妊はしっかりしなさいね」
硬く尖った乳首を親指と中指で強く挟み、人差し指が擦り上げる。
比呂美は身体を預けるようにして、ビクンと大きく仰け反った。
乳房を弄んでいた右手が徐々に下がって腹部を撫でる。
そこには無駄な脂肪など一切ついておらず、ウエストは艶かしい曲線を描いている。
女子にしては硬い腹筋をなぞり、指先が栗色の茂みの中へと進んでいく。
「きちんと手入れしてるのね」
「お母さんが教えてくれたんです……」
恥毛が生え揃った中学二年生の春。母に教えられて比呂美は処理の仕方を覚えた。
バスケのユニフォームが袖のないデザインということもあり
脇とビキニラインを定期的に手入れをすることが、比呂美の習慣になっていたのである。
指先は小さく整えられた茂みを抜け、少女の核心である新芽に触れた。
「ひゃん!」
「見つけた……ここ、気持ちいいでしょう?」
「いっ……ん……あぁ……ダメ……」
指の腹で包皮ごしに刺激すると、新芽はぷっくりとその存在感を露にする。
石鹸のぬるぬる感と、緩急をつけたタッチが、比呂美をどんどん高い場所まで登らせていく。
ギュッと脚を閉じて快感に耐えようとするが
乳房に当てられていた左手がその脚を開くように促すと、比呂美は逆らえず身体を開いてしまった。
強烈な快感を生む新芽の下で、ヒクヒクと何かを求めるように呼吸をするたびに
ぬらぬらとした愛液が、奥のほうから次から次へと分泌されている。
愛液の泉源を探すように、中指が洞窟の中へと侵入する。
奥へ奥へ……圧迫感を感じながら指はどんどん飲み込まれていく。
「んんっ!……んぅっ…!!」
くちゅくちゅと音が出るほどかき混ぜられたかと思うと、今度は膣壁をくすぐられる。
女の身体を知り尽くした熟女の指技に、比呂美は抗うことなどできなかった。
「ほら、イッていいのよ」
「あぁっ!……だめっ!いぁぁっ!イクッ……んんッ……!!!」
我を忘れた比呂美の大きな喘ぎ声が響き渡る。
眞一郎の母は、左手で比呂美の口をふさぎ、右手の中指を折り曲げて上壁を強く圧迫した。
同時に比呂美の中で真っ白な花火が弾ける。
全身がビクビクッと何度か跳ねたあと、脱力した比呂美の身体はぐったりと眞一郎の母の胸に崩れ落ちた。
アパートまでの道を手をつないで歩く二人。
「ごめんね。いつも送ってもらって」
「これからも遠慮せずに家に来いよ」
「うん……」(さっきのアノ声、聞かれてないよね?)
比呂美が立ち止まる。
一歩先で振り向く眞一郎。
「今夜は泊まっていって」
「えっ?でも……」
「おばさんも泊めていいって言ってたから」
潤んだ瞳で見つめられ、眞一郎は頷くしかなかった。
―終―
久しぶりに帰ってくることができました
気がつけば放送開始からもうすぐ一年ということで
DVD買って復習したいところですが金欠ですorz
アニメのDVDってどうして高いんだろう……
朋与男さん、連載お疲れ様です
新シリーズも楽しみにしています
次回こそは朋与が主役のお話を書けるよう頑張りますw
ギャー、本当に久しぶり またあなたに会えるとは
早起きしてよかった
>>634 おおおー久しぶり乙〜!
ママンとの絡みが実に自然でいて使えるエロさ…ご馳走様です。
眞ちゃん今夜はいつにも増して積極的な比呂美さんにエロエ…コボンもといメロメロですなww
休日の昼下がり、比呂美の部屋。
ごろんと寝転がった視線の先に、眞一郎は数冊積み上げられた少女漫画を見つけた。
勝手知ったる比呂美の部屋。これが彼女の持ち物ではないことはすぐに分かった。
「どうしたのこれ?」
ページをぺらぺらと送りながら眞一郎が尋ねる。
「何?」
流しで洗い物を終えた比呂美がタオルで手を拭きながら顔を出す。
「あ、それ? 朋与に借りたの」
眞一郎の隣に腰掛けて、一冊受け取ってページを開く。
「遊びに行ったときに一巻だけ読んで惹き込まれちゃって……時間も無かったから借りてきちゃったの」
「そんな面白いの?」
「うん。今度自分で買い揃えるつもり」
「へー……」
確かに絵は綺麗だし、女の子が好みそうなかっこいい男の絵もちらほら見える。
けど、比呂美が漫画にハマるなんて珍しいなと眞一郎は思った。
仲上の家にいた時はそういった類のものを買ってる様子もなかった。
居候の身分ということで我慢していたのかななんて考えていると、
「……ほら、ここ読んでみて」
「ん?」
言われて比呂美が指差すページを覗き込む。
彼女の長い髪の甘い香りがふわっと鼻こうをくすぐりドキっとさせられる。
「『知ってた? 私たち兄妹なんだって……』……あっ……」
ピンときた。比呂美がこの漫画に惹かれた理由。
「これ……」
「うん。恋をした二人が実は兄妹だったっていう話なの。
どこかに似たような二人がいたよね」
比呂美は冗談めかして微笑む。
「俺たちは違っただろ」
誤解だったとはいえ、あまり思い出したくない記憶だった。
「うん……でも、この話しは本当の兄妹で……結局結ばれないの」
「おかしいだろ。漫画だったら普通ハッピーエンドにするだろ? 実は血が繋がってなかったとか」
比呂美はゆっくりページを捲りながら、
「そうだったらいいなって思いながら読んでたんだけどね……
読み終えたとき悲しくて泣いちゃった……
真っ先に眞一郎くんのこと思い浮かべた。
よかったって。私たちは兄妹じゃなくてよかった……って」
そういう比呂美の瞳には涙が滲んでるように見えた。
そんな苦しい思いをしたのになんで、
「買い揃えることないんじゃないか?」
眞一郎がそういうと比呂美は首を振って、
「だからこそ大切だって思いたから。眞一郎くんのこと」
「比呂美……」
見つめる瞳が綺麗で愛しくて吸い込まれそうになる。
そんな見とれている眞一郎の隙を付いて、比呂美はすっと唇を重ねた。
ほんの少しの触れ合いに胸が温かくなる。
「本当に兄妹だったらこんなことできなかったね」
「もし今、本当は兄妹だって言われたらどうする?」
口にした眞一郎自身が胸を締め付けられる思いがした。
比呂美が身を寄せて眞一郎の背中に腕を回す。
「今さら言われたって無理……
眞一郎くんと抱き合う嬉しさ知ったもの……
眞一郎くんに満たされる幸せ知ったもの……」
同じ気持ちを共有できていることに無上の喜びを感じる。
「んっ………ん、……んっ……」
抱きしめ合い唇を重ね、抑えきれない劣情が互いの舌を絡ませあう。
「んっ……比呂美、いい?」
とても高ぶりを抑え切れそうにない眞一郎が尋ねる。
「駄目って言われても私からしちゃう」
抑えきれないのは比呂美も同じだった。
「……ん、んっ…………」
再び唇を重ねると、眞一郎は比呂美の胸に手を伸ばす。
ブラと薄いセーター越しでもその柔らかさを十分感じられて、ますます興奮させられる。
もっとちゃんと触りたいのだが、比呂美がキスを止めてくれないので(眞一郎も止めるつもりはないが)、
セーターとブラをたくし上げ直に触れる。
初めて触れたときより大きくなってきている気がする比呂美の張りのある胸を両手でまさぐり、桃色の乳首
を親指で弾くと、ビクビクと感じてくれるのが嬉しい。
「っ……そんなにされたら感じちゃう」
唇を話して比呂美が反論する。
「仕方ないだろ。比呂美の胸 触りたくなるんだから」
「私にもさせて……」
比呂美は屈みこんで、眞一郎のベルトを外すともぞもぞとトランクスを動かし、すでに勃起した肉棒を取り
出す。
「もう凄く熱くなってる……」
熱っぽく呟いて比呂美は肉棒にキスをする。
「比呂美……」
一方的にされる事に行為を制しようとしたが、美少女にフェラチオされることを男として拒めるはずが無い
。
「んっ……ちゅ、ちゅっ、んっ……」
バスケをしてるのにすべすべとした柔らかな手で優しく握られ、亀頭にキスの雨を降らせながら、唾液を乗
せた舌で舐められると、背筋にぞくぞくと快感が走り抜けた。
比呂美のフェラチオは何度しても慣れない。
これだけの美少女が献身的に奉仕してくれる現実にものすごく興奮して落ち着かない気持ちになる。
それに、
「比呂美……なんか凄く上手い」
回数を重ねる度に上達していき、こちらの快感のポイントは把握されていた。
「こういうこと上手って言われても恥ずかしい……」
そういう間も手でしごくことを忘れない。
「そう感じるんだから仕方ないだろ」
「っ……ん、んんっ…んっ!ぢゅっちゅっ、んっ…ちゅっ、んんっ……」
ごまかすように奉仕に集中する比呂美。
肉棒を口に含み、舌を絡めながら出し入れして吸い上げる。
時折聞こえる唾液を吸い上げる淫らな音が、静かな部屋に響きわたるのが更なる興奮をかきたてる。
「比呂美……もうっ……」
絶えていたが我慢の限界だった。はっきりとは言わずとも射精を懇願する。
「いいよ、このまま出して……」
一度髪をかき上げ上目遣いにこちらを見る瞳に欲情した。
びゅるっ! びゅくっ、びゅくっっ!
先端を含んでいた比呂美の口内に勢いよく射精した。
「比呂美っ……!」
好きな女に受けとめてもらえる悦びになかなか高ぶりが収まらない。
濃い白濁の体液を本能のまま注ぎ込む。
その全てを比呂美は眉をしかめながらもちゃんと受けとめた。
「んっ……んんっ……」
射精が終わるのを待って比呂美は口を離し、そして精液を嚥下する。
この瞬間がまた眞一郎の劣情を誘う。
「無理しなくてもいいのに」
「ちゃんと受けとめたいの……眞一郎君のだから」
最初のころは全てを受けとめきれなかったり、吐き出したりしていたが、それでも眞一郎が気持ちよくなった証を無下に扱いたくないと比呂美は言う。
精液を飲むなんて簡単に出来ることじゃない。
愛されてるんだと眞一郎は実感する。目の前の少女が愛しくてたまらない。
「きれいにするね」
言って比呂美は、唾液や精液を纏った肉棒に再び舌を這わせ、それらを拭っていく。
射精後で敏感になってる先端を優しく刺激され、肉棒は萎えることがなかった。
「今度は俺がするから」
我慢ができずに逆に比呂美に覆いかぶさり、スカートの中に手を這わせると、
「ま、待って……! 私は大丈夫だから」
何が大丈夫なのか瞬時に理解できなかった眞一郎から身を引き、比呂美は自分でスカートを脱ぎ、
「……あんまりじっと見ないで」
比呂美は顔を赤くして言うが、どうしても目が離せずわずかに視線を外すだけの眞一郎。
彼女がショーツを脱いで言葉の意味を理解した。
すでに密壷からは愛液が溢れていて、ショーツと糸を引いていた。
恥ずかしさに、比呂美は両手で自分を抱きしめるように丸くなる。
「……いやらしい娘だって軽蔑しないで」
今にも泣きそうな比呂美。
眞一郎と触れ合い、彼に快感を与えてるだけで、身体が勝手に悦びを溢れさせ男を求めていた。
まだ16歳の、子供でも大人でもない曖昧な年齢。
清らかでいたいと願う少女の心と、好きな男に愛される悦びを知った淫らな心が入り乱れ、情緒が不安定になる。
そんな比呂美を眞一郎はそっと抱きしめキスをする。
「軽蔑なんてするわけないだろ。
比呂美が俺を欲しがってくれてるってわかって嬉しいし……」
少しキザな台詞を言ってるなと自分で照れくさくなるが、それが正直な気持ちだ。
「眞一郎くん……」
優しく自分を受け入れてくれる彼が愛しい。
だからこそ眞一郎が欲しい。
「……お願い」
比呂美なりの精一杯のおねだりに応えるべく、眞一郎は忍ばせていたコンドームをすばやく装着し、彼女の足を開かせ身体を滑り込ませる。
先端を膣口に宛がい蜜を馴染ませる。
この先の密壷の快感を知っているがゆえに眞一郎は息を呑んだ。
「入れるな?」
「うん」
眞一郎は息を止めるくらい集中して、腰を押し進めた。
「んっ、んんっ……!」
熱い肉棒が膣内を進入してくることに自然に息が漏れる。
眞一郎からすれば呑み込まれる感覚だった。
最初の抵抗を過ぎれば後は歓迎されるように“ぬぬぬ”と呑み込まれいくようだった。
『初めの頃はあんなに抵抗感があったのにな』
思わず思い返す眞一郎。
それだけ比呂美と身体を重ね、互いを馴染ませていった証拠だった。
根元まで挿入してやっと息を吐く。
「比呂美大丈夫?」
「うん……眞一郎くんでいっぱいになってる」
嬉しそうに微笑むと膣内も肉棒をきゅうきゅうと甘美に締付けてくる。
それだけで思わず射精しそうになるのをぐっと堪える。
「膣内でびくびくしてる……」
「比呂美の膣内 気持ちよすぎるから……」
彼女の膣内は複雑にうねっていて無数の襞が生き物のように絡みついてくるうえに、いろんな箇所で締めつけてくる。
比呂美しか女を知らない眞一郎だがこれが名器と呼ばれるものなんだろうなと感じていた。
なんとか気をそらそうと視線を逸らして気が付いた。
「比呂美、腕回して」
「? うん」
言われるまま比呂美は首に腕を回すと、眞一郎は比呂美の背中を抱いて身体を起こさせると、自分が横になり彼女を上にさせた。
「背中痛かっただろ?」
「このくらい大丈夫だよ。気を使わなくてもいいのに」
「少しくらいカッコつけてもいいだろ? ……正直あんまりもちそうにないからカッコ悪くて」
苦笑いする眞一郎。
「気持ちよくなってもられてるのにカッコ悪いなんて思わないよ」
「ん、でも…なぁ……動くな?」
全肯定されることに気恥ずかしくなり、行為に集中することにする眞一郎。
わずかに腰を揺するだけでも圧倒的な快楽が襲ってくる。
「奥……揺さぶられるっ……」
比呂美の方も深く挿入され奥を刺激されると、快感が溢れてきてあっという間に高ぶってゆく。
自然と腰も動き、眞一郎の肉棒を淫らに締めつける。
「んっ、あっ……あんっ……眞一郎くん……気持ちいい……?」
喘ぎの合間に問いかける。
「ん……凄く気持ちいい。比呂美は……?」
「私もっ……ふわっ、んっ…気持ち……いい……気持ちよくて……んっ、腰っ、動いちゃって……
いやらしくない?……嫌いにならない……?」
いつも以上に比呂美は蜜を溢れさせ、結合部がらぐちゅぐちゅと音がする。
「嫌いになるわけないだろ。俺だって、めちゃくちゃ硬くしてるだろ?
比呂美としたくってこうなってるんだぞ? 嫌いになるか?」
「ならないっ、んっ…ならないっ……求めてくれて嬉しいっ……」
「ならお互い様だろ?」
「……うん」
比呂美は恥ずかしそうに微笑み、眞一郎に覆いかぶさってキスをする。
「んっ、んんっ!んっ…んふっ、ん」
舌を絡ませながら、眞一郎は快感に張り詰める胸を愛撫し快感を送り込む。
「んっ、俺もうイクからっ」
「うん、私ももうっ……」
眞一郎が切羽詰って告げると、比呂美も抱きついて切なげに訴えてきた。
最後とばかりに突き上げると、膣内も情熱的に絡みつき締めつけてくる。
「比呂美……っ!」
「眞一郎くんっ! 好きっ…あっ!んんっ、ああっ…イっちゃうっ……!!」
どくんっ!
びゅくっ! びゅるっ、びゅるるっ!!
比呂美の腰を抱き寄せ、奥まで挿入し射精する。
膣内が精液を求めるように収縮してくるので、さっき以上の精液がゴム越しの膣内に注がれてゆく。
ゴム越しでも意識が飛びそうなほど気持ちいい。
もちろん眞一郎は何もつけずに膣内射精する快感も知っている。
ゴム越し以上の開放感に加え、比呂美を妊娠させるかもしれないという背徳感が混ざり合う、神経が焼ききれそうな快楽。
あれは麻薬だ。
だからこそこうやってゴムをつけて自重しないと、簡単に比呂美を妊娠させる自信がある。
「んんっ……凄いっ……気持ちよくて……幸せ……」
愛しい男が自分の胎内で果てる幸せをどう表現したらよいのだろう。
こんなにも自分は満たされているんだともっともっと眞一郎に伝えたい。
もっともっと眞一郎の喜びを受け取りたい。
だからこそ強く思う。
「兄妹じゃなくてよかった……」
「そうだな」
指を絡ませあい、優しく優しく慈しむように唇を重ねた。
「なぁ……比呂美?」
「……何?」
「もっといいか?」
「……うん」
二人は布団に移動して、時間が許す限りお互いを求め合った。
リハビリで書いてみました。途中改行おかしくてごめんなさい。
二人のキャラがちょっとおかしい……orz
言い訳はしません(保管庫でしたけど)。
after tearsの続きはもうちょっと、いや、もうしばらく、いや、もう再来年……必ず。
ぎゃー、超お久しぶり あさって会社に行く勇気が出てきた
ありがとう 夜更かししてよかった
乙ですっ。いや、遅筆はステータスですから、大丈夫w
眞一郎、男ですなぁ。日常の一コマな感じもGJでございます。
俺も明日会社に行く元気補充できましたよっ。
648 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 20:19:01 ID:Rt2Mwl1K
遅筆屋さん、乙デス。
おかえりなさい。次のSSもお待ちしております。
・・・でも来年ならともかく、再来年までかかるんですか?w
かつてのSS書きの人が続々と戻ってきたな
皆さん乙です
hosyu
聖夜エロは無しかな
653 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 01:17:41 ID:SVwL39BZ
残り20KBか…容量きつくなってきたな
保守
新年ネタが読みたい。エッチしながら二人きりで初めて年を越すみたいな。
年に数回ある『祭』と同様に、大晦日は仲上酒造にとっては書き入れ時である。
翌日に控えた新年の準備で、近隣の神社のほか、一般家庭からも大量の注文が舞い込む。
高校三年の眞一郎と比呂美は数ヵ月後に受験を控えた身ではあったが、
この日ばかりは家業を手伝わないわけにはいかなかった。
眞一郎は従業員たちに混じって配達に。
比呂美は眞一郎の母と共に、電話や店頭での応対に精を出し、忙しい年の暮れを送っていた。
そして、真冬の太陽が落ちはじめ、町中の新年の準備が終わった頃のことである。
眞一郎はようやく仕事から解放され、家に戻ってきた。
「ふぅ、疲れた〜」
配達用の自転車を片付け、自室で仮眠を取るべく階段をふらふらと登る。
障子を開いて部屋に入ると、自らを操る気合の糸を切って、身体をベッドに倒れ込ませる眞一郎。
そのまま眠りに堕ちて行けば、ある程度の回復は出来るだろうと考え、瞼を閉じる。
だが、眞一郎の気配を追いかけるように階段を登ってきた足音に、その企みは敢え無く打ち砕かれた。
「眞一郎くん」
同じ様に仕事がひと段落した比呂美の影が、戸口から声を掛けてくる。
「……そっちも終わったのか?」
「うん。 注文の電話も打ち止めみたい」
そう言いながら、比呂美は眞一郎が突っ伏すベッドの縁に腰を下ろした。
「おばさんもね、おじさんに呼ばれて…公民館に行っちゃった」
視線を合わせないまま、比呂美は暗に、《今 この家にいるのは私たちだけよ》を告げてくる。
ポケットを弄り避妊具を取り出した比呂美は、眞一郎の視線の先にそれをちらつかせながら、
「しよ」と声を出さずに唇を動かした。
「ここでか?」
アパート以外の場所で『求めて』くる比呂美の積極性に、眞一郎は気圧されてしまう。
それに、今は体力もほとんど残っていないので、できれば夜まで待って欲しいのだが……
「嫌ならいいけど」
煮え切らない眞一郎に向かって、比呂美はプイと横を向き、拗ねたフリをして見せた。
だがそれは、眞一郎の性格を計算しての行動である。
……こういう態度を取れば、仲上眞一郎は湯浅比呂美の誘いを拒めない……
それを熟知してのアクション……恋人同士の遊びだ。
眞一郎もそれが比呂美の《サイン》であることは充分に承知している。
そして、彼女の望み……欲望を蔑ろにする選択肢は、仲上眞一郎の中には存在しなかった。
…………
「嫌だなんて言ってないだろ」
比呂美の手首を掴んでコンドームを取り上げると、
眞一郎はそのまま、比呂美の身体を巻き込むように寝具へと組み伏す。
「ちょっと……いきなりは……」
本心とは真逆の言葉を紡ぎだす比呂美の唇を、眞一郎は「うるさい」と優しく囁いてからキスで塞いだ。
そして、この数ヶ月で熟練の域に達した指使いを屈指して、比呂美の性感帯を刺激しはじめる。
「……ん………くっ……」
眉間にシワを寄せながら、くぐもった嬌声を漏らし出す比呂美。
その姿が、慣れない労働でクタクタになっているはずの眞一郎の身体から、疲労を一瞬で吹き飛ばした。
眞一郎と比呂美が肉体の関係を持つようになってから、まだ一年と経ってはいない。
それなのに、絡み合い、もつれ合う二人の動作は、何年も連れ添った夫婦のように息が合っていた。
場所も確認せずに伸ばされた指が、的確に互いの衣服のボタンを外し、二人を生まれたままの姿へと近づけていく。
「あ、待って」
ほとんどの脱衣を終え、下着だけとなった眞一郎に、突然ストップが掛かった。
眞一郎と同様にショーツだけとなっている比呂美が、布地の上から陰部の肉を揉み解そうとする指を掴む。
「ダメ。代え……無いから」
「あ……悪ぃ」
そうなのだ。 比呂美はこの情事のあと、ここで着替えることは出来ない。
迂闊さを悔やんだ眞一郎は、「失敗失敗」と頭を掻いて謝罪をする。
そんな恋人を微笑みで包み込みながら、比呂美は自分でショーツを脱ぎ捨て、こう続けた。
「……もう…準備できてるから……」
眞一郎を迎え入れるために開かれる細い両腕、そしてしなやかな両脚。
その付け根には本人が申告したとおり、牡を受け入れる為の潤みが、艶かしい輝きを放っていた。
ゴクリを生唾を嚥下してから、眞一郎は先ほど比呂美から取り上げた避妊具を手早く装着する。
そして、「…きて…」という甘い囁きを合図にして、
完全に硬化した自分自身を、比呂美の胎内……最奥へ向かって突き入れていった。
「ぅっっ!!」
割り開かれる悦びに、くぐもった声を上げる比呂美の白い喉。
意識の底に《もし、おばさんたちに聞かれたら》という警戒があるのか、その声は普段よりも抑え気味である。
しかし、眞一郎はそんな比呂美の思惑などお構いなしに、蓄積されていた欲望をぶつけた。
たっぷりと湧き出していた愛液に助けられ、存分に力を発揮する眞一郎の陰茎。
そして比呂美の理性は、子宮の底を連打してくる官能的な刺激の前に、早くも決壊寸前に追い込まれてしまう。
「しっ…眞一郎っ……くんっ……声……声出ちゃうっ……」
切れ切れの悲鳴を上げながら、ピストン運動の緩和を求める比呂美。
だが眞一郎は、その要求をニヤリと意地悪く笑って撥ねつける。
「はぁ、はぁ、……嬉しそうな顔して……何言ってんだよ」
……眞一郎は理解していた。
自分のペニスを深々と咥え込みながら、比呂美が何を考えているのか……
(……比呂美はこの状況を楽しんでいる……)
家族に見つかるかもしれないスリルと、相手の《テリトリー》に取り込まれ、自由を奪われる束縛感。
普段とは違う、彼女にとっては《異質》な状況が、比呂美の興奮と心拍を加速させている。
そしてその《加速》が、陰部と汗に濡れた肌を通して自分にも伝播してくる……
その……とてつもない……快楽が……
…………
「比呂美ッッ!!」
眞一郎は短く、しかしハッキリと愛しい女の名を叫ぶと、前後運動のスピードを速めた。
「くあああああっっっ!!!」
強烈な刺激に晒されることで、比呂美の内部に掛かっていた抑制が一瞬外れ、叫びが漏れ出す。
(だめっ! ……そんなにされたら……すぐイッちゃうッ!!)
イク…… 絶頂へと強制的に押し上げられる……
脳内に浮かんだ予感が比呂美の唇を無意識に動かし、「イク」という単語を小声で連呼させた。
「イッちゃう… イッちゃう… イク… イク… 」
迫り来る快楽を、その感覚を追い始める比呂美の意識。
唇から零れる淫靡な声は徐々に間が短くなり、遂には「イクイクイク」と数珠繋ぎになってしまう。
そして、それに連動して速度を増す眞一郎の突き込みが限界に達しようとした、その時……
「眞ッ…一郎ッッ!!!」
平時、絶対に『くん』を外さない比呂美が、恋人の名を呼び捨てる…… それが絶頂の合図だった。
「いいぞ、比呂美ッ!」
眞一郎は放出欲を間近に感じながら、比呂美にある行為をおこなう許可を与えた。
と同時に、股間と股間を隙間無く密着させることで、亀頭の先端を深く突き込んで比呂美の《女》を抉る。
「んああああああああッッッ!!!」
絶頂に達した比呂美が甲高い叫びを発し、その完璧と言ってよい肉体が大きく海老反った。
びくびくと暴れる美肉を押さえつけ、拘束するように絡みつく眞一郎の四肢。
そして、一歩遅れて『頂』に達した眞一郎の性感神経が、
その全身をぶるりと震わせ、陰茎とそれに連なる器官の制御を、魂の意思から切り離す。
どくっ どくっ どくっ どくっ
……大量に溜め込まれていた精の放流……
避妊具越しに胎内へと叩き込まれた熱い迸りが、比呂美の快感を更に一段上へと押し上げた。
(ッッ!!!!)
思惟が真っ白に染められ、膣と子宮の震えが止まらない。
……壊れる……壊れてしまう…………
時間がゆっくり進む白い世界の中で、比呂美はそんな恐怖感に、訳も無く囚われる。
だが、その恐ろしさを打ち負かす方法を、彼女は知っていた。
興奮の極みに達すると、無意識にしてしまう『いけない癖』…… それをすればいいだけだ。
心の隅にいる醒めた自分が、「変態」と自分自身を罵ってくるのを自覚するが、そんなことは気にしない。
眞一郎はそんな自分を許してくれる…… 愛してくれるのだ……
……素直に、欲するままに『すれば』いいのだ……
そう比呂美は確信を持って思った。
いけない自分…… ダメな自分を見せる…… 見せ合うのが愛…… 本当の愛……
…………
(愛してる… 眞一郎……)
心の中でそう呟いてから、比呂美は射精を続ける眞一郎の肩に吸血鬼のように噛み付いた。
溢れ出そうな想いを、震えと痛みに託して、愛する男に伝えるために…………
…………
日が完全に落ちたのだろうか?
悦楽の波から開放された二人は、部屋が薄暗くなっていることに気づいた。
「結構…長くしちゃったかな?」
そう言って眞一郎は比呂美の身体を押し潰したまま、時計に視線を遣る。
さして進んではいないデジタル表示の輝きが目に飛び込み、
行為を始めてから二十分ほどしか経過していないのが、一目で分かった。
「『つるべ落とし』……だね」
古臭い言葉を持ち出して、比呂美は笑う。
冬の落日はとても早い…… ただ、それだけだ。
大丈夫。 おばさんたちは、まだ帰っては来ない。
毎年、大晦日のこの時間、おじさんとおばさんは挨拶回りに忙しく、夕食時まで帰宅しないのが通例ではないか。
「心配ないよ」
包み込むように微笑んで、比呂美が眞一郎の頬に手を伸ばした瞬間だった。
ガラッ
玄関の引き戸が動く音が、キンと冷えた空気を伝わって階下から二人の耳朶に届く。
そして、それに続いて響き渡る、眞一郎の母の「ただいま」という声。
「「!!」」
まだ結合を解いていない二人の身体が、快感ではないモノに反応して、ピクリと震えた。
「誰もいないの?」
まだ遠くにあるおばさんの声を耳に受け、身体が反射的に跳ねる。
泡を食っている眞一郎を押し退けてベッドから出ると、比呂美は散乱した衣服を手早く身に着けはじめた。
考えるよりも早く、状況に対して的確に動いてくれる自分の肉体。
やはり身体は鍛えておくものだな、とつくづく思う。
…………
一分と掛からずに身支度を整えた比呂美は、まだ全裸でいる眞一郎をベッドの中に押し込めた。
おい、と抗弁する眞一郎を無視して、「疲れて眠っているフリをしろ」と悪知恵をつける。
「お前なぁ…」
「いいから」
不満で尖がった眞一郎の唇に軽く口付け、その頭に布団を被せて裸体を隠す。
そして比呂美は乱れの残る髪を手櫛で整えると、一階つづく階段口へと足を向けた。
「お帰りなさい。早かったですね」
何事もなかったかのように、比呂美は家族を探してキョロキョロしているおばさんに声を掛けた。
「あぁ、良かった。出掛けちゃったのかと思ったわ」
そう言って微笑んでくれるおばさんに、比呂美も微笑み返す。
もちろん、二分前まで彼女の息子と交わっていたことは、微塵も感じさせずに。
「公民館の方、もういいんですか?」
「すぐに戻らなきゃいけないんだけど、あなたにお願いがあって」
「??」
おばさんが自分に頼みごととは珍しい、と内心で思いながら、比呂美はその内容を問うた。
「悪いんだけど… 年越しそばの準備、お願いできないかしら?」
「! …はい、構いませんけど…… いいんですか?」
仲上家のそばつゆは既成の品ではなく、こだわりのオリジナルだった。
代々、嫁から嫁へと受け継がれているその『味』……
一応の味付けは教わっているが、まだ自分が一人で仕上げるのは早いのでは、と比呂美は思う。
「去年ちゃんと覚えてくれたし… 大丈夫よ、あなたなら」
さらりとそう告げると、おばさんは踵を返して玄関へと足を戻す。
「それじゃあ宜しくね」と背中越しに手を振るその姿を見送る比呂美の胸が、熱い何かで満たされていった。
眞一郎がくれる温かさとは別の……かけがえの無い何かで……
数分後、やはり階下の様子が気になったのか、眞一郎が服を着て階段を降りてきた。
「あれ? お袋は?」
「うん。 また公民館に」
何しに戻ってきたんだ?と訊くともなしに呟いて、眞一郎は母の行動を訝る。
比呂美はその問いに答えを返すつもりはなかった。
ただ黙って眞一郎の背後に回りこむと、その背中を台所に向かって強く押す。
「な、なんだよ」
「おそばの仕度するから手伝って」
脈絡の無い比呂美の行動に、眞一郎は「そんなのお袋がやるよ」と言って抵抗するが、比呂美は耳を貸さなかった。
またしても訪れた『重労働』の予感に、情けない声を上げる眞一郎。
そんな恋人の心情をよそに、比呂美はすぐに現実となるであろう楽しげな想像で頭の中を満たしていく。
美味しい年越しそばを食べて…… テレビを観て…… 『家族』でおしゃべりをして……
思わず口元が緩み、「ふふ」と声が漏れる。
「???」
訳が分からないぞ、という顔をして、眞一郎は肩越しに振り向く。
比呂美は満面の笑みで返答すると、そのまま疲れの溜まった眞一郎の身体を、台所の奥へと押し込んでいった。
[おしまい]
660 :
朋与男:2008/12/31(水) 12:45:51 ID:rjkFN7wK
新シリーズ……ではありません
年末スペシャルってトコでしょうか
番外編2のつづきになる新しいお話は、
たぶん来年、スレが『4滴目』に移行してからになりそうです
ゴメンナサイ
それでは住人の皆様、良いお年を
見に来てみて良かったw
朋与男さん乙デス。
二人の逢瀬のこなれた感じが素敵ですねぇw
新作も楽しみにお待ちしておりますハイ。
>>660 乙です!GJでございますっ。
アニソン三昧ファイナル聞きながら、
スレを見直しておりましたら、なんと!
そうですよね。大晦日は『家族』で過ごすもの。
比呂美さんも仲上家の家族に、ですものね。
ありがとうございました。良い年迎えられそうです!
ああ、良いお年をっ。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
朋与男さん乙です
来年もお願いします
GJです!比呂美の「しよ」が意表を突いていい感じ
ママン気付いてない?何でも見通しそうなイメージだけど……
来年もよろしくお願いします
GJ!これはいい気分で年越しできるぜ
669 :
カカです:2009/01/01(木) 02:30:16 ID:HaSCMUgF
明けましておめでとうございます。
ようやくの規制解除です。
「はじめての外泊」の更新が滞り
もうしわけありません。
家族が入院してしまって……
落ち着いたら再開します。
それと、
朋与男さんの作品は、
「ある日の比呂美17」から保管庫の方に
私が更新させていただきました。
もしミスがあったらご指摘ください。直します。
それでは、今年もよろしくお願い申しあげます。
カカさんお帰りなさい&明けオメです。
朋与男さん始め他の作家の方&スレ住人の皆さんにも明けオメことヨロです。