true tearsのエロ小説スレ エロい涙 2滴目

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542名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:47:28 ID:nYjPkSSL
>>537
本編が秋〜冬の物語だったので、夏の昼さがりというのがちと新鮮に感じます。
543名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:57:58 ID:aIXnhXBT
>>540
長編希望
544名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:33:13 ID:R1qckmVr
>>540
続編希望
545初めてのオナニー 1:2008/05/21(水) 03:29:27 ID:3+zy8/rA
比呂美は悩まされていた
夜、布団に入るとそれは突然襲ってくる
カラダが火照り“むずむず”してなかなか寝付けないのだ
それは中学生のころからあった
保健体育で習った【性欲】による、身体の疼きだということはなんとなくわかっていた
教科書通りにそれはスポーツで発散したり、勉強に集中することで忘れるようにしていた
だが高校生になってからは、日増しに“むずむず”が強くなっていて
バスケで汗を流すだけでは抑えきれなくなっていたのだ

このままじゃ勉強もバスケもダメになってしまう
そう思った比呂美は、思い切って親友の朋与に相談した
朋与は笑って答える
「気が済むまでオナニーすればいいじゃない」
「オ、オナ…!?」
「オナニー、したことないの?」
「…うん」
顔を赤らめて頷く比呂美、性に関しては奥手でウブなのだ
「じゃあしてごらんよ。スッキリするよ」
「で、でも…どうすればいいか…わからないから」
「へぇ〜、比呂美って意外とそういうとこウブなのね(笑)」

その夜、布団に入り電気を消すと、今夜もまたあの“むずむず”が襲ってくる
比呂美は目を閉じて、朋与に教わったことを思い出す
『まずは、片手で胸を触るの』
比呂美の左手は右の乳房に触れ、ゆっくりと円を描くように動かす
『慣れてきたら乳首にも触れて、摘んだり、転がしたり、気持ちいい触り方を見つけて』
パジャマのボタンを3つ目まで外し、人差し指で乳首を優しく転がす
『そ、そういうときって…何考えてればいいの?』
『う〜ん…やっぱりエッチなことかな。漫画のそういうシーンとか、好きな人のこととか』
真っ先に頭の中に浮かんだのは眞一郎、この手が眞一郎の手だったら…
比呂美の性的な興奮は高まっていく。無性に唇が乾き、小さく吐息が漏れる
「んっ…あ…」
自然と声が出てしまう。もしエッチな声を仲上家の人に聞かれたら恥ずかしくて生きていけない
部活用のスポーツタオルを取ると、それを口に当てて声が漏れないように噛んだ
546初めてのオナニー 2:2008/05/21(水) 03:30:30 ID:3+zy8/rA
次は…どうするんだっけ?朋与の言葉を思い出す
『気持ちよくなってきたら、もう片方の手でアソコを触って。最初は刺激が強いから下着の上からね』
右手をパジャマのズボンの中に滑り込ませる
下着の上から女の子の大切な部分をなぞるように指を動かす
『クリは一番敏感なところだから、そこもいじってみるといいと思うよ』
『栗?』
『クリトリス、陰核のことよ。比呂美って本当に何も知らないのね〜(笑)』
ジュワッと何かが溢れ出してきた。それは下着にエッチな染みを作る
パンツのゴムを潜り、柔らかな若草をかき分け、クリトリスに直接触れる
じんわりと気持ちよさが広がっていく。初めての感覚に戸惑いながらも比呂美は夢中になっていた
『あとは自分が気持ちいいように触ればいいのよ。簡単でしょ?』
『いつまですればいいの?』
『“イク”までかな』
『イク?』
『頭が真っ白になって身体がフワッて浮いちゃうような感覚』
『へぇ〜…』
『別にイクまでしなきゃいけないってことはないけど、アレは体験すると病みつきになるよ』

大胆に指を動かすたびに分泌液が泡立ち、クチュクチュと卑猥な音を立てる
「眞一郎君…眞一郎君…」
頭の中には眞一郎のことだけが浮かび、勉強、部活、悩み事、おばさんの嫌味、余計なことは消えていく
カラダが快楽だけを求めている証拠なのだろう
ココロもカラダの欲求を素直に受け入れる、もう比呂美の意思では指の動きを止められない
「んっ…あッ……あ……だ…だめっ…んんんっ…!」
頭が真っ白になり、腰がビクンビクンと何度も跳ね上がった

深呼吸を繰り返し息を整える。右手をみると指先がびしょびしょに濡れている
まるでお漏らしをしてしまったように、下着もぐっしょりと濡れていた
「私…イッちゃった…」

次の日の昼休み、朋与がニヤニヤと笑いながら話しかけてくる
「どう?やってみた?」
「うん…」
「どうだった?」
「うん…すごくよかった」
「でしょ〜!私も覚えてからは2日に1回はやってるよ(笑)」
「え?そんなにしてもいいの?」
「したいだけすればいいのよ。うちの弟なんて毎日やってるし(笑)」
「ま、毎日…」
「男子は毎日する人が多いみたいね。仲上君も毎日やってるかもね♪」

「ナイッシュー比呂美!」
放課後の体育館で、比呂美の放ったシュートはまるで魔法のようにゴールへ吸い込まれていった
―終―
547名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 05:09:15 ID:+xttTj94
GJ
でも「イッちゃった…」でちょっと吹いてしまいました
548名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 13:32:41 ID:OKMeaiaB
ついイッちゃうんだ
549名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 16:42:12 ID:YydZsFL9
>>546
眞一郎がたまたま見ていたシチュ追加はないですか?
550名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:34:24 ID:Y6FPhDcH
>>540>>545-546を合体させればいいと思うんだ

比呂美のオナニーを覗き見しながら縞パンでシコシコする眞一郎
551名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:35:33 ID:Y6FPhDcH
本スレに誤爆しちゃったよ
もう死にたい・・・
552名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 20:37:11 ID:AdMGnMai
もしやと思ってきてみたらやっぱりここだったか・・・w

>>551
まあ気にスンナw
553初めてのオナニー 番外編:2008/05/21(水) 21:36:10 ID:3+zy8/rA
>>549
「見ていた」というのは難しかったんで、「聞いてた」ってシチュで作ってみました
------------------------------------------------

眞一郎は雑誌の水着グラビアを見ながら、ペニスを握った右手を上下に動かしていた
ニコッと笑うグラビアアイドル。スレンダーな体型ながら、わざとらしく胸を寄せて谷間を強調している
元々アイドルなどには興味がなかった眞一郎だが、三代吉が雑誌を見せながら何気なく言った
「なぁ眞一郎、このアイドル、湯浅比呂美に似てないか?」
という一言をきっかけに夢中になっていった
普段は買わない雑誌でも彼女がグラビアを飾っていれば買ってしまうし
写真集とDVDもこっそりと机の奥に隠してある
以前は比呂美ですることに罪悪感のあった眞一郎だが
このアイドルと出会ってからは、オカズに悩まされることがなくなった
三代吉の言うとおり、確かに比呂美にそっくりだったのだ。顔も身体も…

「ふぅ…」
2度目の射精を終えた眞一郎は、喉の渇きを覚え、一階の冷蔵庫へ向かった
台所へ続く廊下、比呂美の部屋の前を通ったとき、何か物音が聞こえた気がした
『比呂美、まだ起きてるのか?』
そっと部屋のドアに耳を当てる

「んっ…あ…」
ドキンと胸が鳴る
苦しそうなうめき声にも聞こえるが、眞一郎にはその声が気持ちよさから漏れたものだとすぐにわかった
『比呂美…?まさか…』
目を閉じて神経を集中させ、部屋の中の気配を探る
…何も聞こえない。もしかしてさっきのは幻聴だったのかも…そう思ったとき
「…ぅ…んんっ…」
また小さな声が聞こえた。間違いない、比呂美はドアの向こうでオナニーをしている
2回も出したというのに、眞一郎のペニスは再び硬くなりはじめていた
ドアに耳を当てながら露出したそれを擦る

「あっ…あっ…んん……ハァ…ん…」
比呂美の喘ぎ声はわずかだがボリュームを増していき
ギシ…ギシ…とベッドが軋む音も聞こえてくる
眞一郎の右手も、それに合わせるようにスピードをあげていき射精感が高まっていく
「んっ…あッ……あ……だ…だめっ…んんんっ…!」
ミシッと大きくベッドが軋んだ後、何事もなかったかのように静寂が訪れる
「私…イッちゃった…」
その小さな声が聞こえた瞬間、眞一郎は尿道を駆け上がっていく快感に身を任せた
ビュッ!ビュルッ!ビュル!……尿道口から飛び出した精液はそのまま廊下を汚してしまった

翌朝、眞一郎は比呂美の顔を見ることができなかった
いつもと同じ朝、父は新聞を読んでいて、正面にいる比呂美は卵焼きを食べている
その口から漏れる喘ぎ声を聞きながらオナニーをした。たった数時間前の出来事だ
「今日は帰ったら廊下のふき掃除をしてちょうだいね」
母が比呂美に言う。廊下という言葉を聞いて心拍数が上がる
「廊下掃除なら俺がするよ…」
「眞ちゃんはそんなことしなくていいのよ」
「そうやって比呂美にばかり掃除を押し付けるのやめろよ」
思わず大きな声を出してしまう。朝食がまだ残っていたが、学校へ行くことにした
そうでもしないとこの空気に耐えられそうになかったから
―終―
554名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 21:53:05 ID:YydZsFL9
>>553
あなたが神か!?
555名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:10:48 ID:67IHSUTj
>>553
さらにその逆も頼む!
556名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 10:10:50 ID:zjXBAheC
逆は無いだろwww
557名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 10:53:23 ID:XJ/OLMBl
>>555
比呂美が眞一郎のを…というパターンですね
一応書いてみましたが、「見ていた」「聞いてた」とはまた別のシチュにしてみました
ちょっと長くなったので、連投規制に引っかからないか心配ですが上げてみます
558比呂美の好奇心 1:2008/05/22(木) 10:54:17 ID:XJ/OLMBl
「眞ちゃんの洗濯物、部屋まで持っていってあげてちょうだい」
おばさんに頼まれた私は、丁寧にたたまれた眞一郎君の衣類を持って部屋の前まで来た
「眞一郎君、洗濯物持ってきたよ……開けるね?」
部屋に入る。誰も居ない。どうやら眞一郎くんは出かけているらしい
そういえばこの部屋に入るのは初めてだ。初めて見る眞一郎君の部屋
男の子の部屋って散らかってるイメージがあったけど
整理整頓されていて意外と…と言っては失礼だがキレイだった
それに部屋に入ったときから、ふわっと男の子の香りがしていた
汗や体臭の匂いなのだろうか“男臭さ”という言葉がぴったり合うその匂い
好きな異性の匂いなのだから嫌悪感はない、というよりも…

洗濯物を置く。このまま部屋を出ようと思ったが、足が止まる
せっかく眞一郎君の部屋に入ったんだから……好奇心が私の子供心を刺激する
ちょっと探検してみよう。キョロキョロとあたりを見回す
目に入ったのは机の上のスケッチブック、手にとってみる
色鉛筆で描かれた絵本だった。タイトルは【雷轟丸と地べたの物語】
椅子に座ってペラペラとページをめくってみる
繊細で綺麗な絵と眞一郎君の文字、石動乃絵と世話をしている鶏の話だ
物語は途中までだった、まだ完成していない作品なのだろう

『机の中も見てみようよ』
子供の私がいたずらっぽく言う
『ダメ。他人のプライバシーを覗くなんてよくないよ』
大人の私がたしなめる
『眞一郎君のこと、知りたくないの?』
『知りたい…でも…』
『好きなんでしょ?』
『…好きよ…でも…』
『だったら見たいよね♪』
子供の私が、私の手を掴んで引き出しを開けさせる
中には……筆記用具と、東京の出版社からの手紙、他には…
ゴソゴソと引き出しの中を探す。私は悪い子だ…
奥のほうで何かを見つける。なんだろう?
それを見て私は驚いた。アイドルの写真集とDVD。眞一郎君もこういうのに興味があったんだ
そういえばこのアイドルは…ある日の教室での記憶がよみがえる
あれは野伏君が眞一郎君と見ていた週刊誌、そのグラビアのページを見ながら何か話してたっけ
あの時の眞一郎、目は興味なさそうなくせに口元がニヤニヤしててなんか嫌だった…
「眞一郎君、こういう女の子が好きなんだ…」
写真の中の彼女は、とびきりの笑顔で水着姿を披露している
「私と同い年か…スタイルいいな、胸も…私よりありそう…」
自分の胸に手を当てて、ため息をつく
私はこれ以上落ち込まないようにと、引き出しを閉めた
559比呂美の好奇心 2:2008/05/22(木) 10:55:52 ID:XJ/OLMBl
次に目に入ったのは、机とベッドの間に置いてあるゴミ箱
再び子供の私が話しかけてくる
『ねぇねぇ、ゴミ箱も見てみようよ♪』
『絶対にダメよ!ゴミ箱を漁るなんて変態じゃない!』
しかし私はゴミ箱の前に座り込み、中を覗いている。私は意志の弱い子だ…
中には丸められたティッシュがたくさんあった
一番上にあった新しいティッシュを手に取り、広げてみる
何も入っていない…ように見えたが、白いネバネバしたものが付着している
なんだろうこれ…鼻を近づけてみる…変な臭いがする…
その時、私はハッと気づく。朋与との会話を思い出す

「男子は毎日する人が多いらしいよ〜」
「うちの弟なんて毎日やってるし(笑)」
「溜まっちゃうと大変なんだってさ」
「仲上君もやってるかもね♪」

これは…眞一郎君の…精液…?
私はティッシュを持ったまま固まってしまう
「やっぱり、眞一郎君もシてるんだ…」
改めて鼻を近づけてみる…変な臭い、でも眞一郎君の匂い
大きく息を吸い込むたびに、眞一郎君の匂いが体の中に広がっていく
下腹部がジワッと熱くなる
『も、もうやめなよ〜眞一郎君に悪いよ〜』
今まで誘惑していた子供の私が、今度は私を制止する
『もうちょっと、もうちょっとだけ…』
ティッシュに付着したそれを、指ですくってみる。ネバネバ…ベトベトしている
私はその指を口元へ持っていく…
『ちょ、ちょっと!そんなの舐めちゃダメだって〜!』
子供の私が、腕を引っ張って止めようとする
それを無視して私は指を口に含む。味わうように舌で舐める
「これが…眞一郎君の味…」
本当は汚いものなのかもしれない。でも嫌悪感は全然ない
むしろ美味しい、だってこれは眞一郎君のものだから

トントントン…
誰かが階段を上がってくる音に、ボーっとしていた私は我に返る
ティッシュを丸めてゴミ箱に押し込む
あわてて部屋を出ようとしたとき、眞一郎君とぶつかりそうになった
「わっ!ひ、比呂美??」
「しし、眞一郎君!あ、あのね、洗濯物、持ってきたの!」
「そうか、サンキュー」
「う、うん!じゃあね!」
560比呂美の好奇心 3:2008/05/22(木) 10:56:55 ID:XJ/OLMBl
私は自分の部屋へと戻ったが、まだ心臓がドキドキしていた
逆転のチャンスで投げるフリースローよりもドキドキする。いくら深呼吸しても落ち着かない
先ほどまでのことを思い出す
私は眞一郎君の部屋に洗濯物を持っていった
そのまま部屋を出ればよかったのに、好奇心から彼の部屋を探検した
スケッチブックの絵本を見て、石動乃絵に嫉妬して
もっと彼のことを知ろうと思って、机の引き出しを開けた…今思えばここからがおかしかった
アイドルの写真集とDVDを見つけて、それから…ゴミ箱を見つけて…それから…ティッシュを……
顔が熱くなっていることに気づく。両手で触る、すごく熱い。鏡を見ると真っ赤だった
ベッドの上で膝を抱えて座り、ポツンと呟く
「眞一郎君もするんだ…」
ティッシュに付着した白いネバネバを思い出す
誰のことを考えてしたのだろう…やっぱりあのアイドルかな…写真集を見ながら…
「あの子、可愛かったからなぁ…スタイルもいいし…私はあんな風には笑えない…」

いつの間にか私の隣で、同じように膝を抱えて座っている子供の私
『そんなに落ち込まないでよ。男の子なら皆するって朋与も言ってたじゃん』
『違う。そんなことじゃない…』
『じゃあ何で落ち込んでるの?』
『眞一郎君は私よりもアイドルのほうがいいんだ…。当たり前だよね、私なんて…』
『…あのアイドル、お姉ちゃんに似てたよね』
『え?』
思わず隣のほうを見る。私を見てにこっと笑っている
『に、似てないよ…』
『そっくりだったよ〜!』
『そんなことないってば…』
よく思い出してみれば、髪の長さは違ったけど、身長とか、髪の色とか、目とか
ビキニでバスケットボールを抱えた写真とか…少しだけ似てたかもしれない
もしこの子の言うことが本当だったら、もしかしたら眞一郎君は私を考えてしてくれていたのかもしれない
確かめたい。眞一郎君の心の中に私がいるのか、確かめたい
561比呂美の好奇心 4:2008/05/22(木) 10:57:57 ID:XJ/OLMBl
朋与から聞いた。男の子は好きな女子の下着などに興味があるらしい…
私は“実験”してみることにした
「眞ちゃんの洗濯物、持っていってあげてちょうだい」
来た!次の日、早速チャンスはやってきた
私は一旦、自分の部屋へ行くと、タンスの中から下着が入っている引き出しを開ける
「どれがいいかな…」
これは地味すぎる…これはヨレヨレだからもう捨てなきゃ…これはちょっと派手かな…
結局、お気に入りの青と白の縞々のショーツを選んだ
さりげなく眞一郎君の洗濯物の間に挟む
彼の部屋の前まで来ると、落ち着くために深呼吸をした
「眞一郎君、洗濯物持ってきたよ」
「あぁ、サンキュー」
部屋にいた眞一郎君に洗濯物を渡す。もう後戻りはできない

翌朝、私は誰よりも早い4時30分に目が覚めた
「そうだ!確かめに行かなきゃ!」
布団から飛び出て、ボサボサ頭のまま、洗面所へ向かう
顔を洗って目を覚まし、洗濯機の前で大きく息を吸う
「よしっ」
洗濯機のふたを開ける。ない…。底のほうかも…手を入れて探す
…あった!昨日、眞一郎君の洗濯物に挟んだ私のショーツ
あのときのティッシュと同じ、白いネバネバがべったりと付着している
眞一郎君は私を異性として見てくれた、性の対象として見てくれた
嬉しくて笑みがこぼれる
『よかったね〜♪でもお姉ちゃんは変態さんだねぇ〜(笑)』
その声に振り返ると、子供の私も笑っていた

「おはよう眞一郎君」
「あぁ、おはよう…」
「昨日の洗濯物の中に、私のが間違って入ってなかった?」
「え?い、いや、俺は知らないよ…」
「そう、どこかで落としちゃったのかな」
眞一郎君は目を合わせようとしてくれない

私は眞一郎君の一番になりたい
あの写真集やDVDを、眞一郎君が捨ててしまうくらいの存在になりたい
いつかきっと…
―終―
562名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 12:54:57 ID:mAldK+xr
GJすぎる
563名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 14:44:21 ID:z4s6iO0f
>>557
リクに応えてくれてサンクス!
564名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 16:55:59 ID:zShvFq0K
>>540と話が繋がっているとは・・・
なんというクオリティ
565名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:38:58 ID:/K9f3V7d
朋与男さんから続くオナネタ連発に吹いた
比呂美の好奇心は切なさがありますね
566名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:38:08 ID:z4s6iO0f
この後、実際に激しいセクロスする関係になるとは
夢にも思わなかっただろうな。
567名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 23:12:52 ID:Gk6UHAmr
もう比呂美は何やらせても可愛い上にエロい
568名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 12:24:39 ID:hKaJzJKd
>>558
続きも期待したい
569名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 12:56:10 ID:eQQw0hTy
そろそろ、すれ違いじゃなくてだな…お願いします
570名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 13:57:40 ID:yFEE+387
こんにちは。最後に“―終―”をつけている者です
>>540 >>545-546 >>553 >>558-561

今日は6時か7時くらいに投稿させていただきます
(もしかしたらIDが変わってるかもしれません)
完成したものがいくつかと、浮かんできたアイデアもいくつかありますが
一日一話くらいのペースで投稿していこうと思います

続編などのリクエストにも応えていきたいのですが
それだけの実力がないので、できる限りで…という形で勘弁してください

最後に、読んでくれた皆さん、まとめwikiに載せてくださった方
本当に本当にありがとうございます。嬉しい限りです
もっと早くこのスレに出会っていれば……悔しいです
放送が終了しても、これだけ多くの方がスレやまとめwikiを維持してるわけですから
true tearsは素晴らしい作品ですよね

長くなって申し訳ありません。失礼します
571名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:16:02 ID:mRPLKh8A
>>570
眞一郎(比呂美)がしてるとこを比呂美(眞一郎)に見られて、お互い真っ赤に
だが眞一郎にはその場の勢いで押し倒したりなんてできるはずもなく、真っ赤になって逃げ出す比呂美を止められずに・・・
っての書いて書いてー

以後二人とも悶々と悩みまくる展開で
572名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:25:57 ID:ZzG92tuW
>>570
乙です
まあそんなに気張らずに
マイペースでいきましょ
573無邪気な天使 1:2008/05/23(金) 19:40:55 ID:yFEE+387
放課後、校門を出たところで、乃絵が嬉しそうに駆け寄ってくる
おそらく待ち伏せしていたのだろう
「眞一郎!一緒に帰りましょう」
俺は、蛍川高校の4番、つまり乃絵の兄に頼まれたのをきっかけに
二週間前から乃絵と付き合っている。最初は乗り気ではなかったが、乃絵といる時間は新鮮だ
ちょっと変わったところがあるけど、俺が考えもしなかった方向から物事を見たり
他人の気持ちをズバッと当ててしまったりする…不思議な女の子である
それに乃絵の兄には、交換条件として比呂美と付き合ってもらう約束をした
これで比呂美は好きな男と結ばれる。比呂美が喜ぶことなら俺はそれでいい…

二人で海岸沿いの道を歩いていたその時、乃絵が突拍子もなく、とんでもないことを言った
「ねぇ眞一郎、セイシってどんなのかしら?」
「セ、セイシ??」
「そう。男子は出すんでしょう?精子」
いきなりのとんでもない発言に、俺の思考回路は一瞬フリーズしてしまう
「な、なんだよ。からかってんのか?変な冗談はやめろ…」
「冗談なんかじゃないわ!真剣よ!」
乃絵の眼差しから、さっきの発言が冗談ではないとわかる
「私たちも生まれる前は精子だったのよね。中学のとき授業で習ったわ」
「…」
「つまり精子って“生命の種”なのよね。不思議で素敵だと思わない?」
俺にはお前のほうが不思議だよ…
「ねぇ眞一郎、“生命の種”見せて、出して」
「…そんな簡単には出せないよ」
「嘘!オナニーをすれば出るんでしょ?」
「…できるわけないだろ」
574無邪気な天使 2:2008/05/23(金) 19:42:42 ID:yFEE+387
乃絵は俺の手を掴むと、グイグイ引っ張って防砂林のほうへ連れて行く
「お、おい、どこ行くんだよ」
林の奥のほうまで行くと、乃絵は俺の前にしゃがみこみ、ベルトに手をかけた
「ちょ、ちょっと待てって!」
ベルトを外すのに集中していて、俺の声は聞こえてなさそうだ
ベルトを外し、ファスナーを下ろすと、ためらうことなく下着も脱がせてくる
俺のペニスを取り出すと、右手でそれを握り、動かし始めた
「私だって何も知らないわけじゃないわ。こうすると気持ちよくなって出るんでしょう?」
その通りだ。ひんやりと冷たい乃絵の小さな手は気持ちよくて、意思に関係なく勃起してしまう
「すごーい…大きくなってきた」
満足そうな顔で眺めている乃絵。目がキラキラしている

「どう?精子出そう?」
「うぅ…ぐっ…」
初めて他人に手で擦られる感触に、身体が支配されてしまう
「眞一郎、苦しいの?」
「ち、違う……続けて…」
乃絵は黙々と手を動かし続ける
射精感はすぐに訪れた。それはとても大きな波で、我慢という防波堤では止められそうにない
「乃絵…出そう…!」
「出して…見せて“生命の種”」
「乃絵…乃絵!乃絵!」
俺は乃絵の名前を叫びながら、絶頂を迎えた
勢いよく発射した第一波は、乃絵の顔を汚した
ビクン!ビクン!と大きく脈を打ちながら、射精を繰り返す
ブラウスの襟や、ジャンパースカートの制服、乃絵の全身を汚し続けた
「これが“生命の種”……素敵、この中に見えないくらい小さな精子がたくさんいるのね」
乃絵は顔や制服に付いた精液を指で集めて、まじまじと観察している
「舐めても平気かしら?」
汚いからやめろ…と言うより先にペロッと舌で舐めてしまった
「苦い…でも天空の実ほどじゃないわ。不思議な味」

その後、俺は制服を整えて、ポケットティッシュで乃絵にかかった精液を拭き取った
「ごめんな。制服、汚しちゃって…」
「ありがとう、眞一郎」
天使のような笑顔を見て、なぜか顔が熱くなる
気が付くと、日は傾き、あたりは薄暗くなっていた
防波堤の上を歩きながら、乃絵が歌う
♪しんいちろ〜の、精子の中にもアブラムシ〜♪
「バカ!そういうこと大声で言うな!」
「えへへ♪」
「…こういうこと、他の男にしちゃダメだからな」
「それくらいわかってますよーだ」
乃絵がほっぺたをぷくーっと膨らませて言った
こいつには本当に裏表がない。自分に純粋で、他人にも素直な気持ちをぶつけてくる
いつか俺が“気高い涙”を流すことができたなら、その涙を乃絵にもらってほしい
その一滴が天使を救い、羽ばたかせることができるのなら
―終―
575名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 21:39:02 ID:hKaJzJKd
>>573
乙です
>♪しんいちろ〜の、精子の中にもアブラムシ〜♪
ワラタww
576名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 22:21:59 ID:e3gXAq/a
>>573
乙です。
ここ最近では久し振りな乃絵の話、ちょっと感動です。

とてもすばらしい創作速度ですが、無理せず気長にして下さい・
577名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 00:14:59 ID:fiVyo3H1
べ、べつに乃絵のエロを書いてくれたって
嬉しくないんだから勘違いしないでよね!
578名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 01:29:16 ID:UbbEm1vP
>>573
ゴルゴンゾーラリゾット吹きそうになったwww
579名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 06:37:56 ID:HOEpHsqo
次はドSな比呂美が眞一郎を責める
「残酷な天使」ですか?w
580夫婦 1:2008/05/24(土) 16:39:04 ID:byY2Zhz4
畳の上に敷かれた二組の布団
くっついているわけでもなく、離れすぎているわけでもない
この微妙な距離が、この夫婦にとっての最高の距離なのだ
「今日のお前は、本当に立派だったよ」
いつもは寡黙な男が、天井を見ながら話す
「私、みっともなかったわ…」
美人な女は、目を閉じて呟いた

『比呂美は私たちの子供です。責任をもって育てます』
女の言葉は、男と比呂美の心に、大きくしっかりと響いた
今日は、どこかに刺さっていた何かが抜けた日だった
膿んだ傷口も、これから時間と共に癒えていくだろう

「お前が比呂美に冷たく接していたのは、俺の責任でもある」
「そんなことは…」
「“あの過去”がお前を苦しめたのだろう?」
「…」
今は亡きもう一人の女を含め、三人の間には共有する過去があった
それは美しいばかりではなく、哀しい過去でもあった
「たしかに比呂美は似ている。だがあの子に罪はない」
男は続ける
「それをお前も理解してくれたことが嬉しかった
 お前には辛い思いをさせたな。すまない
 だが、お前を選んだあの日から、俺が愛する女は生涯お前だけだ」
女は何も言わない。男が隣を見ると、女は泣いていた
「泣いているのか?」
「ふふ…嬉し泣きよ」
女が笑ったのは久しぶりのことだった
581夫婦 2:2008/05/24(土) 16:41:38 ID:byY2Zhz4
「そっちに行ってもいいかしら」
「…あぁ」
女は男に抱きつき、顔を上げて目を閉じる
キスを待つその表情は、少女のころから変わっていない
普段は髪を後ろで結んでいるからだろうか、髪を下ろした夜の顔はいつもより艶やかだった
「ちゅ………ぁ…んんっ…」
キスは徐々に激しさを増していく。同時に慣れた手つきで互いを脱がせあう
結婚してから十数年、初めて結ばれた日からは二十年も経つ
だが何百回、何千回と身体を重ねても、飽きるということはない
ゆっくりとしたリズムで動く、腰が動くたびに心地よい波が揺れる
「アッ…ああっ……ぅ…ん…んっ…ゃ……今度は…あっ…私が上にっ…」
男の上で腰を振る女
その肌は、とても三十代のものとは思えないほどハリがあり、
身体には無駄な脂肪は一切なく、美しいボディラインを維持している
愛される妻でいるために、陰ながら続けている努力の結果である
「綺麗だ…」
腰を突き上げながら、男が言う。その一言は女にとって最高のご褒美だった
「んっ…あ、あんっ……ひゃ…も、もうダメ…私、ああっ…イっちゃい…そ…です…」
「俺も…もう…っ……一緒に………くっ」
「ひゃ…ら、らめ…んん、イク!…イクッ!」
絶頂を迎え、ガクッと力が抜けた女は、男の胸に倒れこむ
抱きしめ合いながら、乱れた息を整える二人
額には汗が滲み、その表情からは満足感がうかがえる

「なでなでして…」
猫のように甘えた声で女が言う
男は女を抱いたまま、綺麗な髪を撫でてやると、幸せそうな笑みを浮かべる
普段の涼しげな眼や、クールな態度からは想像できない、意外な一面
二人っきりのときだけ、夫にだけ見せる、甘い笑顔
それを見て男は、改めてこの女だけを愛することを心の中で誓った
―終―


(おまけ)
「おじさんとおばさん、最近ラブラブだよね?」
家の前で雪かきをしながら比呂美が言った
「そうか?俺には変わらないように見えるけど…」
眞一郎も隣でシャベルを動かしながら答える
「あ、そっか、眞一郎君の部屋は二階だから気づかないのね」
「……え?どういうこと?」
「ニブい人にはわからないってこと」
「???」
―おしまい―
582名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 17:18:48 ID:pWTSMX2A
乙!
ママン達のギシアンを聞きながらオナニーしてる比呂美キボン!
583名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:25:08 ID:Gs3SEEy8
>>580
乙っ
あのママンから想像できないほど甘く熱いセックルですね
比呂美への豹変振りは夜の生活のお陰かな
でもママン達の部屋って確か二…
584名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:06:23 ID:gmfjUeSR
そこで、「おぎゃあ」ですか?
585名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:17:36 ID:byY2Zhz4
>>583
あれ?二階でしたか?…申し訳ありません
お恥ずかしながら、実は各話一回しか観てないので
細かい設定とか、不安な部分が結構あって、これからもボロが出るかもしれません
(関西人なので、「シャベル」を「スコップ」と表現しそうになったり…)
ご指摘、本当にありがとうございました

おまけの部分は、脳内でカットしておいて下さい(笑)
ツンデレっぽい美人なママンも大好きです
586名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:39:03 ID:+u/XvyFL
>>585
私は一階だと思ってた。
まー細かい事は気にしない、気にしない。
587名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:52:49 ID:Gs3SEEy8
pixivの2階図面見てたけど12話で比呂美の部屋のおぎゃーの声がママン達の寝室に届いてるからやっぱ1階かも試練
ごめんね
588名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:20:42 ID:AeeWwv+O
>>580
乙です
そういえば放送当時のバレスレ等で
9話からママンが急に丸くなったって疑問に
「夜だな」って説があったな
589名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 16:25:54 ID:gBR/NWt+
>>583
眞の部屋だけ2FでFA
590true☆tears 1:2008/05/25(日) 19:54:40 ID:7IhdMRuo
※この作品はかなりパロディーな味付けで、エロは微量です。ご注意ください

小鳥のさえずりと、窓から差す朝の光で、眞一郎は目を覚ました
「もう朝か…ふわぁ〜」
上半身を起こして伸びをする。何かがいつもと違うことに気づく
「ん?うわぁぁぁぁ!!!」
なんと隣で比呂美が寝ていたのだ
眞一郎の声で、比呂美も目覚める
「…あ、おはよう。眞一郎君♪」
「な、な、な、なんで比呂美が!?」
「なんでって、彼女が隣で寝ちゃいけないの?」
クスクスと笑う比呂美。眞一郎は起動したばかりの頭で必死で考える
『落ち着け…落ち着け、俺。…っていうか、いつから俺と比呂美は付き合ってるんだ???』
ガリガリガリ…と眞一郎の頭の中で、現実を処理する音が聞こえる
比呂美はベッドから起き上がり、ハンガーにかけてある制服を取ると
その場でパジャマを脱いで着替え始めた
「ちょ、ちょっと!何してるんだよ!」
「眞一郎君も早く着替えてご飯食べよう。遅刻しちゃうよ」
「自分の部屋で着替えろよ!」
「ここは私たちの愛の巣じゃない。変な眞一郎君(笑)」
ためらいもなく下着姿になる比呂美。眞一郎は慌てて自分の制服を取ると、部屋を飛び出した
『どうなってんだよ!なんかおかしいぞ今日の比呂美は』
「待ってよ〜眞一郎君〜」
階段を駆け下りる眞一郎を、比呂美が慌てて追いかける

ゼェゼェと息を切らしながら、居間に飛び込む
そこには新聞を読む父の姿があった。いつもと変わらない光景に眞一郎は安堵する
「と、父さん!比呂美が、なんか比呂美が変なんだ!」
そこへ大きな鍋を持った母がやってくる
「眞ちゃんと比呂美ちゃんは、今日も朝から仲良しね〜」
その鍋をテーブルの中央に置くと、今度は魚や野菜が入った皿を持ってくる
「え?母さん、朝ご飯は…?」
「わーい♪私の大好きな“ぶりしゃぶ”だ〜〜♪」
後ろから声がした。両手を上げながら喜ぶ比呂美が、ズサーっと畳の上へ滑り込んだ
「比呂美ちゃん、いっぱい食べなさいね」
「ありがとう、おばさん!」
「ふふふ」
母はいつもとは違い、穏やかに笑いながら比呂美に話しかけている
俺はポカーンと口を開けたまま固まってしまう
「あら?どうしたの、眞ちゃんも食べなさい」
「……朝からこんなの食えないよ…」
「好き嫌いはよくないぞ」
新聞を置いた父が口を開いた
「比呂美、美味しいか?」
「うん!おじさんの分もしゃぶしゃぶしてあげるね!」
子供のように笑う比呂美を、父はニコニコしながら見ている

『これは何かのドッキリ番組?カメラはどこだ?誰かが俺を陥れようとしてるのか?』
眞一郎はパニック状態になり、その場を飛び出した
「眞ちゃん!朝ご飯いらないの?」
「眞一郎君、待ってよ〜!一緒に学校行こうよ〜!」
591true☆tears 2
『くそっ!なんだよ!なにがどうなってるんだ!?』
眞一郎は自分の席につくと、頭を抱えて今朝の出来事を思い出す
まさか学校までも…と心配したが、先生やクラスメートはいつも通りだった
(キンコーンカンコーン)昼休みを知らせるチャイムが鳴る
今朝はあんなことがあったせいで何も食べておらず、眞一郎のお腹もグゥゥゥと鳴った
しかも家を飛び出したせいで弁当を持ってきていない。パンでも買おうと購買部へ向かうが財布を忘れてきたことに気づく
「チクショー、昼飯も抜きか…」
諦めかけたそのとき、廊下の向こうから小柄な少女が走ってきた
「しんいちろー☆」
その少女は走るスピードを緩めることなく、眞一郎に飛び込み抱きついてくる
「わぁ!な、なんだよ、乃絵…」
「一緒にお昼ご飯を食べましょう。眞一郎の分もあるのよ」
「本当か!助かった〜、サンキュー乃絵」

屋上のベンチに二人で座る
やっとありつけた食事だ、眞一郎は乃絵の弁当に期待を寄せる
「乃絵、どんな弁当を作ってきたんだ?」
「お弁当じゃないわ。今日のお昼ご飯はこれよ」
乃絵がコンビニの袋から取り出したのは“ね●ね●ね●ね”懐かしいお菓子だった
「マジですか、乃絵さん…」
「お水もちゃんと用意してあるわ」
小さな水筒も取り出す
「練れば練るほど色が変わるのよ」
「…うん」
「粉の番号と入れる順番を間違えないでね」
「…はい」
二人で仲良く練る練るして食べる
遠くに座っていたカップルが、こちらを指差して笑っていた
「美味しかったわ。やっぱりこのお菓子には、愛され続ける理由があるのね」
乃絵は満足そうな顔だったが、食べ盛りの男子である眞一郎には、明らかに少なすぎた

「ねぇ眞一郎、絵本を読んで♪」
「えぇっ?絵本なんて持ってないし…」
「これ、読んで♪」
そう言って乃絵が鞄から一冊の絵本を取り出す
タイトルは【ペンギンとダチョウの物語】…眞一郎が中学生のときに描いた絵本デビュー作だった
「ちょ、ちょっと待て!なんでお前がこれを!!!」
「いいから読んで♪」
仕方なく読み始める眞一郎、その肩に乃絵が頭を乗せ絵本を見ている
傍から見れば、幸せそうなカップルに見えるのかもしれない
だが眞一郎にとって自分の絵本を読まされるというのは、恥ずかしすぎる罰ゲームだった
「…ペンギンくんは言いました…どうして僕は速く走れないの?
 …ダチョウくんは言いました…だけど君は泳ぎが得意じゃないか、僕には…」
いつの間にか乃絵は眠っていた。眞一郎は絵本を読むのをやめる
『乃絵の髪って、いい匂いがするな…』
乃絵の顔を覗き込むと、口から垂れた涎が、眞一郎の制服にべったり付いていた
「お、おい!乃絵、起きろ。そろそろ授業が始まるぞ」
「……むぅ〜…こうやってつけて…むにゃむにゃ……」
体を揺らしても起きようとしない。眞一郎は乃絵をおんぶして教室まで送り届けることにした…