よつばと!のエロパロ

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760名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 21:42:53 ID:qXIp7nOt
以前に10年後のやんだとよつばの話をいくつか書かせていただいたものです。
その続き(?)を投下させていただきます。
エロもないうえに取り留めのない話ですが、お付き合いください。
761手をつないで 1:2009/01/24(土) 21:43:55 ID:qXIp7nOt
目の前を雪がちらほらと舞っている。
空は灰色の雲で覆われて、吹く風も身を切られるように冷たい。
じっと立っていると指先がどんどん冷えてくるのが分かる。
慌しく行き交う人たちを見詰めながら、よつばは冷たくなった手をこすり合わせた。
真冬とはいえ、土曜日の街はそれなりに混み合っている。
どの人も厚いコートを着込み、マフラーや帽子で冷たい風と戦っている。
今夜あたり本格的な雪になるかもしれない。
(あのときも、こんな天気だったな…)
どんよりと曇った空を見上げて、よつばはそう思った。
あの時も、冷たい風が吹いていたっけ…
よつばがまだ小学校に上る前のこと、ある冬の日の午後のこと…

その2、3日前からとーちゃんの仕事は佳境に入り、とーちゃんはずいぶんと切羽詰った顔をしていたのを覚えている。
その異様な雰囲気は子どもであるよつばにもひしひしと感じられ、とーちゃんのことがすごく心配だった。
とーちゃんのために、何かして上げられることはないかとずっと考えていた。
今にして思えば、いそがしい親にとって子どもがしてあげられる一番のことは、「何もしないで大人しくしている」ことだと分かるけれど、
とにかくあの時はとーちゃんの役に立ちたかったのだ。
(とーちゃんはおなかがへっているにちがいない!)
時刻はとっくに正午をまわっていたけど、とーちゃんが仕事部屋から降りてくる気配はない。
よつばがご飯を用意して持って行ってあげたら、きっととーちゃんは喜んでくれるはずだ。
一度そう思うともう止らない。
(とーちゃんのごはんをよういするんだ!)
でもよつば一人で料理なんかはできるはずもなく、選ばれたメニューは当然のごとくカップ麺だった。
週一回のカップ麺の日のために、とーちゃんが買ってきたのを知っていたのだ。
台所中をあさってカップ麺を見つけ出し、蓋を開けたところで気付いた。
お湯がない。
ヤカンでお湯を沸かすことは、よつばだってちゃんと知っていた。
でも、よつば一人でガス台に触ったりしてはいけないと、とーちゃんと約束していたのだ。
(どうしよう…)
しばらく悩んだ末に、決めた。
今は「ひじょうじたい」なのだ。
とーちゃんのためなんだから、とーちゃんだってきっと許してくれる。
きっとよつばを褒めてくれる。
きっと。
762手をつないで 2:2009/01/24(土) 21:44:50 ID:qXIp7nOt
椅子を流しまで引きずって行き、ヤカンを持ってよじ登る。
勢い良く蛇口をひねり、ヤカンにたっぷり水を注ぐと思いのほか重たい。
ガス台のうえにヤカンを置くのも一苦労だった。
さあ、後は火をつけるだけ。
やり方は知っている。とーちゃんがいつもやるのを見ていたから。
丸いところを回すんだ。
「…あれ?」
カチ、カチと音がするけど火はつかない。
「あれー、おかしいなー」
今度は渾身の力をこめて、レバーを押し付けるように回した。
ボッという音と共に、青い炎が上った。
「やったー!」
そのまま、白い湯気があがるまでじっと待つ。
すごく長い時間に感じられたけど、あとはカップ麺にお湯を入れるだけだ。
椅子に登って触ってみるとヤカンの取っ手は熱くなっていたので、布巾で包んでしっかりと持つ。
両手で取っ手を握り、そーっと椅子から降りようとした。
でも。
よつばはまだ小さかった。
ヤカンは熱くて、重くて、小さなよつばの手にはそこまでが精一杯だった。
手から離れたヤカンが、床に落ちていくのがひどくゆっくりと見えた。
ヤカンが床にぶつかり、とんでもなく大きな音をたてた。
たっぷりと入っていたお湯は飛び散り、もうもうと白い湯気を上げている。
椅子の上に立っていたよつばの足にも2、3滴お湯が飛んできたけれど、ただただ呆然としてしまって
小さな足の火傷に気付いたのはずっと後になってからだった。
「よつば!?」
2階からとーちゃんが駆け下りてくる音がする。
「よつばっ!なにやって…」
床に転がったヤカンと、飛び散った熱湯、火がつけっぱなしガス台。
台所に駆け込んで来たとーちゃんは、一瞬でなにがあったか理解したのだろう。
「よつばっ!ケガは?お湯かぶってないか?」
あまりにショックで、言葉が出てこなくて、うなずくことしかできなかった。
とーちゃんはよつばに怪我がなかったことに安心した表情をしたあと、すごく怖い顔をした。
今でもその顔はよく覚えている。
「よつば、とーちゃんとの約束、忘れたのか?」
厳しい声でとーちゃんが言った。
763手をつないで 3:2009/01/24(土) 21:45:38 ID:qXIp7nOt
「…ううん、でも、とーちゃんに…とーちゃんに…」
とーちゃんにご飯を作ってあげたかった。
とーちゃんに喜んでほしかった。
とーちゃんの力になりたかった。
「言い訳はするな。お前はとーちゃんとの約束をやぶったんだぞ。
お前も、大怪我をするかもしれなかったんだ」
「…とーちゃん、ごめんなさい…」
涙が溢れてきた。後から後から溢れて、止らない。
「ほら、泣くな。片付けるから手伝え」
「うん…」
よつばは、バカだ。
全然とーちゃんの役になんて立たなかった。
役に立つどころか、余計な仕事を増やしてとーちゃんに迷惑かけて、心配かけて、邪魔をしてしまった。
よつばなんて、いないほうがいいんだ…
とーちゃんと二人で台所を片付けて、遅い昼食をとっている間、ずっとそんなことを考えていた。

「じゃあ、大人しくしてろよ。もうすぐジャンボが来るから、そしたら遊んでもらえ」
そう言ってとーちゃんは二階に上っていった。
(とーちゃん…さよなら…)
もうとーちゃんの所にはいられない、そんな気持ちでいっぱいだった。
上着をはおり、靴をはいてそっと玄関の扉を開けた。
どんよりとした曇り空。風は身を切るように冷たかった。
もうとーちゃんとは会えないんだとか、とーちゃんの役に立ちたかったのにとか、そんなことを考えると自然に涙が出てくる。
冷たい風の中をどこをどう歩いたのか、どれぐらい歩いたのか今はもう覚えていない。
ひどく寒くて、手の指も、爪先も、耳も、むき出しの膝も氷のように冷たくなっていた。
涙と鼻水で顔は強ばって、それでも涙は止ることなく流れていた。
冬の太陽は沈み始め、風は一層冷たく、小さな雪が混じり始めた。
周囲を見回すと、見覚えのない風景が広がっている。
不安で不安で。
とても悲しくて。
寂しくて。
涙はようやくとまったけれど、悲しい思いはとまらない。
きっと、よつばのことを心配してくれるひとなんて、だれもいないんだ…そんなふうに思えてくる。
764手をつないで 4:2009/01/24(土) 21:46:28 ID:qXIp7nOt
歩き続けた足はもう棒のようで、ますます悲しくなってくる。
ふと気がつくと、目の前には小さな公園があった。
冬の夕暮れ時に、人影はない。
そっとベンチに腰をおろし、このままこの公園で暮らそうか、なんて思う。
とーちゃんにも、ジャンボにも、ふーかにももう会えないのかな。
寒い、お腹減った。
よつばはこれからどうしたらいいんだろう。
どれぐらいそうしていたのか、体はますます冷え切って、どんどん不安も増してくる。
その時、その声が聞こえてきた。
「…よつば?よつばっ!」
聞いたことがある声だと思って、自分の名前が呼ばれているのだと分かって、顔を上げた。
やんだが、いた。
はあはあと肩で息をして、薄闇に包まれた公園の入口に、やんだが立っていた。
「…やんだ?」
正直、とても驚いた。
やんだが怒ったような、安心したような顔をしていたから。
「…お前、なにやってんだよ。ホント…お前、みんなすげえ心配して、探して…」
やんだはよつばの目の前までやってくると、力が抜けたようにしゃがみこんだ。
心配して?
探して?
みんな?
とーちゃんも?ジャンボも?
……やんだも…?
なにか喋ったら、一気に涙がふき出しそうで、何も言えそうにない。
やんだの手が頬にそっと触れた。
「こんな冷たくなって、風邪ひくだろうが、ほら」
やんだが自分のマフラーを外して、よつばの首にぐるぐると巻きつけた。
ポケットから手袋を取り出し、放ってよこす。
「手も冷たいだろ、これしとけ」
「…うん」
マフラーも、手袋もとても暖かかった。
手袋はぶかぶかだったけど、とても、暖かかった。
そして、なぜだかわからないけどほっとしていた。
やんだなんか大嫌いだけど、やんだが来てくれたことがとても嬉しかった。
765手をつないで 5:2009/01/24(土) 21:47:13 ID:qXIp7nOt
「…で?」
怒ったようにやんだが言葉を発した。
「それで、よつばはこんなとこで何をやってたんだよ。
よつばがいなくなったって、小岩井さんすげえ慌ててたんだぞ。
叱ったあとにいなくなったって、よつばの様子がおかしかったのに放っておいた自分が悪かったんだって。
小岩井さんもジャンボさんもお隣の子達も俺も、ずっと探してたんだ。
すげえ心配したんだ。
よつば、どうしたんだよ?話してみろよ」
よつばの目をまっすぐ見つめてやんだが言った。
もう、押さえられなかった。
涙が一気にあふれてきて、それでも必死に声を絞り出した。
「…とーちゃんはおしごとで、いそがしいから…
よつばが…とーちゃんに、ごはんをつくってあげようとおもって…
そしたら、とーちゃんが、よろこんでくれるとおもって…
…でも、しっぱいしちゃったから…
とーちゃんにめーわくをかけたから…
よつばなんて、いないほうがいいとおもって…」
嗚咽がこみあげてきて、そこから先は言葉にならなかった。
頭に、やんだの手がのせられた。
顔を上げると、笑ってるやんだと目が合った。
「よつば、頑張ったんだな。」
その言葉に、その日初めて声を上げて泣いた。
わあわあと泣くよつばを、やんだはよつばの頭を撫でながらじっと待っていてくれた。
やんだは、分ってくれたんだ。
それがなんだか嬉しかった。
「さ、帰るか」
よつばの涙が一段落すると、やんだは明るい声で言って立ち上がった。
「ほら、行くぞ」
そう言ってやんだが手を差し出した。
一瞬戸惑って、でもその手をぎゅっと握った。
手をつないで、ゆっくりと歩き出す。
「お前、よくこんな遠くまで歩いてきたなあ。隣町だぞ、ここ」
やんだがしみじみと言う。
なぜだか恥ずかしくなって、返事をしないでうつむいてしまった。
本当はやんだに「ありがとう」って言いたかったけど、どうしても口をひらくことができなかった。
その代わりに、つないだやんだの手を強く握った。
やんだはこっちを見て、ちょっと笑ったみたいだった。
766手をつないで 6:2009/01/24(土) 21:47:49 ID:qXIp7nOt
そう、あれはもう10年も前のこと。
やんだと一緒に家に帰ったときは、もう辺りは暗くなっていた。
玄関から飛び出してきたとーちゃんに抱きしめられて、そしてこってり怒られた。
家ではジャンボとふーかが待っていて、二人とも目が真っ赤だったのを覚えている。
バカなこと考えるな、ってみんなから言われた。
よつばはそのままでいいんだよって、何度も何度も言われた。
とーちゃんは「ごめんな」とよつばに謝って、よつばも「とーちゃんごめん」て謝った。
やんだは寒かった、腹減ったって、ぶつぶつ文句を言ってジャンボに怒られていた。
今考えると、なんだか可笑しい。
でもあの時は、幼いなりに真剣だった。
その幼い真剣さに、やんだはちゃんと向き合ってくれたのだ。
大嫌いだったやんだ。
その思いがいつから自分の中で変わっていったのか分らない。
もしかして、あの時からだったのかもしれない。
あの後、やんだと手をつなぐことなんて、ずっとなかった。
心の中では、きっとそれを望んでいたのに。
今は。
今は、堂々とやんだの手をとることができる。
あの頃は、そんなこと想像もできなかった。

「なにニヤニヤしてんだよ」
その声に目をあげると、やんだが笑って立っていた。
「やんだ、遅刻!」
「悪い悪い。手え冷たいだろ、これしとけ」
やんだが手袋を放ってよこす。
「うん」
あの時と同じだ、と思う。
あの時と同じように手袋はぶかぶかで、でも暖かかった。
「ほら、行くぞ」
差し出されたやんだの手を、今度はためらわずに、握った。
767名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 21:49:29 ID:qXIp7nOt
以上です。
小さい子が泣きながら歩いてたら
誰か声をかけるだろ、というつっこみはなしでお願いします。
768名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 00:17:39 ID:Zu0+Vtk7
あぁぁぁぁぁぁ超GJ!!
やんよつ良過ぎるっ!
マジで有難う!!
769名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 08:27:45 ID:/hIF5Elt
どうでもいい事に気づいたが
5巻のよつばが海に行けなくて泣くシーンで
とーちゃんが座ってるから恵那と風香にはばっちりちんこが見えちゃう
770名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 09:15:17 ID:KvEosNcQ
風香「小岩井さんおっきい・・・」
恵那「うちのおとうさんもよつばちゃんのおとうさんもだらしないんだから!」

こうですか
771名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 11:03:00 ID:0N3KKH1I
>やんよつの人
あれ?自分はドライアイのはずなのに潤いが…
772名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 14:26:02 ID:MvqvRECP
>>767
こ、これは涙じゃなくて汗なんだからね! 泣いてないんだから!

…超GJでした。
773名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 14:26:42 ID:MvqvRECP
sage忘れてしまったorz
774名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 05:01:50 ID:ji3z03H3
ええい、誰かとーちゃん×とらを書ける猛者は居らぬのか!







・・・・・すいません書いてください
775名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 04:14:44 ID:YZb5ACBl
その2人好きだから書きたいんだが…
本見て萌えられても、想像力がないから何も浮かばないんだぜ
776名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 14:42:07 ID:L6Xyz/cN
>>775
とーちゃんが所用で少し遠出をして、そこでとらとばったり
帰り車で送ってもらうことになり・・・
なんてのは?
777名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 15:43:51 ID:s1h1bgsq
少しは自分で書く努力をしろよ
778親子と虎:2009/02/06(金) 03:49:43 ID:hVrZ9XjR
ただの会話文。萌えもオチもない。


「あ!」
ダダダッ
「おい待てよつば!」

「とらーー!」
「…おう」
「きぐうだな!きせきか!?」
「どこで覚えんだそういうの」

やっと追いついたとーちゃん
「やあ」
「こんにちは」
「奇遇だねこんなとこで会うなんて」
「…親子そろって奇遇ですね」

「俺たちはあのデパートに用があってねー」
「とら知ってるか!?
「ん?」
「あのデパートはくにがつくったんだ!くにが!」
「すごいな」

「は!もうせいげんじかんだとーちゃん!行かなければ!」
「何のだよ。まあ邪魔したね」
「いえ、じゃあまた」
「またなー!」
「だから1人で走るなよつば!」


…あれ?
779名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 05:30:55 ID:g8tsPyMN
ほのぼのした
780名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 23:55:22 ID:L8UoDBag
しまうーは誰と絡ませたらいいんだ?
やっぱとーちゃんか?
でも2回しか出てきてないから扱いづらいなww
781名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 01:03:47 ID:UGrsI7Vc
やんだと絡んでる同人なら見たな
782名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 05:19:41 ID:z+yhGyty
よつばとの同人って結構ある?
そんなに見ないんだが。
俺が知らんだけか?
783名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:36:48 ID:PLikrUeV
てかなんでとうちゃんとよつばないの?
やんだよりとうちゃんでしょ・・・普通・・・・
784名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 03:02:50 ID:TPp4xSDh
良心の呵責ってやつかな…この板ではいらんものだが…
785名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 03:55:26 ID:GfRC1pH4
想像できないし、あっても読んだら微妙な気持ちになりそうだし
786名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 15:34:24 ID:9XSyVpdh
>>784
近親相姦ってこと?
787名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 20:50:19 ID:TPp4xSDh
いや、なんとなくだ
よつばト!以外だったら、父娘モノや母息子モノも好きだからね
それにとーちゃんとよつばは、血はつながってないし
ただの俺の好みの話だ、すまん
788名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 22:05:19 ID:y1mzc+Xu
単によつばととーちゃんの近姦に萌える奴が少ないだけだろう
789名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 22:52:04 ID:Bn9dZMK5
やんよつみたく中学生になった世話好きよつばがだらしないとーちゃんの面倒をみるってのはどう?
俺は書かないけど
790名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 23:58:14 ID:8lZ9nf+V
数年前にとーちゃん×よつばのフリーエロゲがあったな…。
DLしたものの怖くて開始直後に閉じてアンイントールしてしまった。
今でもDLできるかは不明。
791名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 00:08:49 ID:RWZbPf/m
むしろよつばにやんだなんておれは認めん!
よつばにはとーちゃんがいるだろう!

まぁこんなぼくは少数派か・・・
ってことでだれかよつばととーちゃんもの書いて。
792名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 21:19:08 ID:rtVN/Y/e
初心に戻って処女作『よつばと結婚紹介所』を書き直してみました
スレッド容量をオーバーするので創作発表板の方へ投下しました
プロットは同じなので新鮮味はないですが興味があれば見てください
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1228978952/134-138
793名無しさん@ピンキー:2009/02/12(木) 22:47:43 ID:BOK9exq6
sageも出来ん奴に書くものなんぞない
794名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 02:18:01 ID:mDL55iVL
思春期よつば→とーちゃんはちょっと萌えるな
「まったくとーちゃんはよつばがいないとだめだな! ぜんぜんだめだ!」
とか言いつつ世話を焼き、よつばはファザコンだねとか友人に言われつつ
とーちゃんを好きで何がおかしい?と真顔で首を傾げるような話ならば
795よつばとバレンタイン:2009/02/13(金) 18:15:36 ID:+afoJr0o
よつばととーちゃんでバレンタイン話、エロなしほのぼの

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「とーちゃん、きょうはチョコのひだな!」
「チョコの日じゃない、バレンタインだ」

きらきらした目で自分を見上げて言う娘の間違った認識を、小岩井は真顔で正した。
「ばれ……なに?」
「バレンタイン。女の人が好きな男の人にチョコレートをあげる日」
「チョコのひだな!」
「だから違うって」
小岩井が説明しても、よつばの頭にはチョコレートという単語しか残らないらしい。
「とーちゃん、チョコくれ!」
「なんでだよ。俺は貰う側だよ」
よつばが嬉しそうに手を差し出す。その手をぺちんと払って、小岩井が言う。
小岩井の言葉の意味がよく分からなかったのか、よつばは目をまん丸にして固まる。
それからしばらくして、おもむろに背を向けると走り出す。
「どこに行く?」
「おとなりでチョコもらってくる」
「やめろ」
既に戸口まで駆け出していたよつばをスライディングして阻止する。
今までも度々アイスだのおやつだのを貰いに行ってはいるが、バレンタインにチョコレートを
ねだりに行くのはさすがに、なんというか恥ずかしい。小岩井さん宅にはチョコレートがない、
つまり自分はモテませんと吹聴されてるような気がする。
「いやまあ、一児の父だし今更女の子から貰う機会ってのもないしなあ」
普通の会社員なら、それでも義理チョコの一つや二つ、貰う機会もあるだろうが。
あいにく小岩井の職業は翻訳家で在宅勤務。
「チョコの日にチョコもらえないなんてとーちゃんはなんてあわれなんだ」
「憐れむなよ。なんかグサッとくるから……」
畳の上にあぐらを掻いて、膝によつばを乗せて小岩井は少し思案した。
まあなんだかんだ言って、こいつはチョコレートが食べたいだけなんだろうな。
最近テレビではバレンタイン特集でチョコレートものをよく見かける。
高級チョコレートの値段に小岩井が驚愕している横で、よつばはよだれを垂らさんばかりに
テレビの中のチョコレートに見入っていた。
796よつばとバレンタイン:2009/02/13(金) 18:16:23 ID:+afoJr0o
「……よし。じゃあとーちゃんにはよつばがチョコレートをやる」
「ほう。よつばがくれるのか」
「うちにチョコは?」
「ないよ」
よつばがあからさまにがっかりした表情になる。絶望だとでも言わんばかりだ。
「だめだな、とーちゃんは」
「だめか」
「だめだめだー。しかたない、とーちゃんいくぞ!」
「どこに?」
「チョコ! かいにいくのー!」
何言ってんだー!と言わんばかりによつばが叫び、小岩井の腕を引っ張る。
まだ仕事が途中なんだけどなあ、とぼやきながら小岩井が立ち上がる。
「とーちゃんはやくしろ!」
よつばはあっという間に階段を降りて、外套を着こみいつものおでかけバッグを肩から提げて、
玄関で靴を履きながら小岩井を呼んでいる。思い立ったら止まらない娘だ。
「今行くって」
苦笑しながら小岩井も後を追いかけた。


外に出ると風が冷たかった。
首を竦めて歩く小岩井に対し、よつばはそんなことなどまるで気にならないらしい。
つないだ手をぐいぐい引っ張ってどんどん進む。どうやら目的地はすぐそこのコンビニらしい。
「だけどお前、買ってやるって金持ってるのか?」
「もってる、まかせとけ」
とーちゃん、チョコはどんぐりじゃ買えないと思うよ、と続けようとしたがその前に
よつばは小岩井の手を離して駆け出してしまった。ひとりでコンビニに飛び込む。
よっつ結びの目立つ髪型がお菓子コーナーへと一直線に消える。
小岩井が追いつくと、よつばはチョコレート売り場にしゃがみこみ物凄く悩んでいるようだった。
その後ろから商品棚を覗きこみ、華やかにラッピングされたチョコを眺めながらよつばに問う。
「……どれを買ってくれるんだ?」
「!!」
「……なんでそうだった!みたいな顔なんだよ」
限りなく俺にくれるってこと忘れてただろう、お前。じとーっとした目で小岩井が見つめると、
よつばは慌てて首を振った。どっちがとーちゃんのすきなあじかかんがえてたんだ!と言いながら、
よつばがレジへ駆けて行く。
797名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 18:20:41 ID:+afoJr0o
「これください」
「はい、チョコレートが一点で127円です」
少し離れて小岩井が見守っていると、よつばがごそごそとバッグをあさって小銭を出す。
どう見ても茶色い銅貨ばかり、数枚。
ありゃ足りないな。全然。苦笑して、小岩井が足りない分を出そうとサイフを出した。が、
「だめー! よつばがとーちゃんにかってあげるの!」
よつばがばたばたと暴れて抵抗する。それを見たレジのおばちゃんが笑って、
「お父さんにバレンタインのチョコレートあげるの?」
と訊いた。よつばがこっくり頷く。
「だから、チョコ……」
「うん、お父さんにプレゼントするのはえらいね。でもこれじゃお金足りないんだわ」
しょんぼりとうなだれるよつばに、おばちゃんがレジの横に積んである小さなチョコ菓子を手に取った。
「でもこれならお嬢ちゃんの持ってるお金で買えるよ」
「ほんとか! それうまいか?!」
「おいしいよー」
「よし! じゃあそれください!」


小さな駄菓子のチョコレートを三つ買って、よつばは上機嫌でコンビニを出た。
満面の笑み。少し誇らしげに、自分で買ったチョコレートを小岩井に差し出す。
「はい、とーちゃん」
「はい、どうもありがとう」
にこにこと笑う娘の頭を撫でて、小岩井は礼を言う。
「よし、帰るか」
「かえってチョコたべる」
「俺にくれたんだろ」
「……あげた。でもちょっとだけもらう」
食い意地はってんなあと笑いながら、親子は手をつないで家へと帰った。

-------
終わり
798名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 18:45:20 ID:Ge907iN1
ほのぼのした

やっぱ、よつばだとエロ担当にはなりにくいのかな
成長した姿のイメージも人によって違いそうだし
799名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 19:42:34 ID:EODt71jw
ブラボー! いいカンジだね!
800名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:17:38 ID:EODt71jw
>>792のスレッドで感想を書いてくださった139氏ありがとうございます
君の優しさに全俺が泣いた! 少し心が救われました
ただ向こうのスレは批評批判メインなので感想は自重してください
ゴメンね。それとありがとう
801名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:35:40 ID:M8ACuEwS
>>795面白かったよ。
書いてくれてありがとう。
そして>>792の方のもおもしろかったよ。
やっぱりとーちゃんとよつばはほのぼのするね。
802名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 00:02:33 ID:rKEG0iBW
>>800
そういうことなら>>792の書き込み時点で注意が欲しかったかも。自分もあっちに感想書くとこだった。
ほのぼのとして可愛かったよー、とーちゃんと結婚する!は父親のロマンだね!
いじられ風香も可愛い、あさぎの断り方がらしくてすげー好き。次も期待してる!

……ということで、現在スレ容量494KB、次スレ立てようぜ!

あずまんがと統合って話があったけど、その方向でいいのかな。
あずまんがスレ住人に確認した方がいいだろうか。
803名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 00:40:45 ID:Sll4QHxl
単独で別に構わんと思うが
804名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 13:50:49 ID:+mb9kWrT
近親相姦ってよつばととーちゃん血繋がってないだろ。
ならどうとでもなるだろ?
805名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 13:33:06 ID:FUpD1I6S
エロパロなのにエロなしばかりとな
806名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:38:51 ID:JPona1ad
何も投下なくて落ちるよりいい。おもろいし。
807名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 23:38:47 ID:QYVoPEnc
>>805
昼間から文句言ってる奴へのレスの定番は
自分で書け
808よつば×とーちゃん:2009/02/27(金) 01:44:19 ID:SJUo16p3
ごめん、エロなし
よつば18歳設定。原作キャラクターを再現しているとは言い難い、つーか俺妄想全開。

「高校卒業と大学合格おめでとう、よつば。がんばったな」
「ありがとう、とーちゃん」
カチン、とよつばはウーロン茶、小岩井はビールで乾杯をした。
ちゃぶ台には、小岩井の作ったカレーとよつばが風香から習って作った肉じゃがが並んでいる。
お祝いのごちそうとしては質素だが、お互い一番の得意料理を振舞うということで決まったメニューなので、二人に不満はない。
「しかし、よつばが大学生かぁ。ここに来た頃は電動ドリルで牛乳を作るなんて言っていたから、どうなることかと心配したもんだが…」
「もう、昔の話はやめてよ」
感慨深げに語る小岩井に、よつばは顔を赤らめながら抗議した。
ごめん、と笑って答えながら、小岩井は18歳になったよつばを見つめた。
女性らしい柔らかな曲線を描くしなやかな肢体、昔と変わらない好奇心と生気に満ちて輝く瞳と明るい笑顔。
綺麗になったとつくづく思う。
「…そろそろ、覚悟をしておかないとな」
「?何の話?」
「いや、よつばがすっかり綺麗になったからさ、周りの男共が黙っちゃ居ないだろう。よつばが彼氏を連れて来ることの覚悟をさ」
「…馬鹿」
「ははは、実際どうだ?気になる男の子とかいないのか?」
「…いるよ」
「なに!?」
自分で話題を振っておいて、慌てる小岩井。
「好きな人、いるよ。とーちゃんの良く知っている人」
「俺の知っている?だけどお前、今まで家に男を連れてきたことなんて…。ジャンボ?いや、奴にはみうらちゃんが。まさか、やんだか?だめだ!とーちゃんは認めないぞ!」
「…違う」
「それじゃぁ…まさか、お隣の綾瀬さんか?いやいや、まさかそんな…」
小岩井家の決して広くはない交友関係を頭に浮かべながら必死に考えていた小岩井だが、よつばがじっと自分を見つめていることに気が付いた。
「……」
溢れんばかりの想いが込められた熱い視線。その意味が読み取れないほど小岩井は鈍感ではなかった。
「よつば、まさかお前…」
小岩井の問いかけに何も答えず、よつばはちゃぶ台の上に置かれた小岩井の掌に自分の掌を重ねた。
呆然として小岩井は、大きな不安とわずかな期待に震えているよつばの瞳を見つめた。
よつばはその小岩井の視線を遮るように瞳を閉じると、ゆっくりと身を乗り出して、小岩井の唇に自らのそれを近づける。
「待て、よつば」
穏やかだが逆らうことのできない力が込められた小岩井の言葉に、よつばは身体をびくりと震わせ、目を開けた。
よつばの瞳に、厳しい表情をした小岩井が写る。
拒絶された。
自分を抑えられなかった後悔と、今までの暖かい関係を壊わしてしまったという絶望とがよつばを押し潰す。
「あ、あはは。やだな、とーちゃん。本気にしないでよ、冗談よ冗談。ごめんね、変なこと言って」
身体を震わせ、頭を振りながら必死に言葉を搾り出すよつば。
その尋常でない取り乱し方をみて、小岩井は先ほどの自分の対応がまずかったことを悟った。
だから、激しく振られているよつばの頭にぽんと手を置くと、優しく撫でながら静かな声で語りかけた。
「いいよよつば、判ったから。取り繕わなくてもいい。謝る必要もない。」
「とーちゃん…」
涙に濡れたよつばの瞳に、いつもと同じ穏やかな表情に戻った小岩井が写る。
「少し驚いただけだ。すまん。少し話し合おう」
優しい小岩井の言葉に、よつばは嗚咽を漏らした。
809よつば×とーちゃん


「落ち着いたか?」
「…うん」
「あー、しかし、なんだって俺なんだ?よつばの器量なら、男なんぞ選り取り見取りだろうに」
「判らないよ、私にも。でも、自分の気持ちが娘が父親を慕うそれとは違うと意識したのは、父ちゃんと血が繋がっていないことの意味を理解した中学の頃からかな」
額に手を当てて、小岩井はため息をついた。
「俺は、よつばには広い世界を知って欲しいと思っているんだ。いろんな人と出会って見識を広め、自身で納得できる幸せを探せるように。掴みとれるように」
よつばは、じっと小岩井の言葉に耳を傾けている。
「俺は、あちこち旅をしたおかげでお前と出会い、お前の父親という得がたい経験もしてきた。今のお前を見れば俺は誰にでも胸を張っていえる。俺は幸せだってね」
「だから、よつばにはこの家や俺という狭い世界で満足して欲しくない。俺は、おまえの足枷にはなりたくはないんだ」
よつばは小岩井の話を聞き終わると、柔らかく微笑みながら言った。
「やっぱり大好き。とーちゃん」
「はい?なんでそうなる…」
「だって、そんなにも私のことを思ってくれているじゃない」
「それはだな、父親としての…」
「とーちゃんはそうかもしれないけど、私はとっては違う」
よつばは再び小岩井の手をとり、愛おしげに頬を摺り寄せた。
「大丈夫、心配しないで。今のままとーちゃんに依存していたら、私はいつまでもあなたの娘のままだもの。私はあなたを支えて一緒に人生を送れるパートナーになる。大学に通うのも

、そのための第一歩」
「とーちゃん」ではなく、「あなた」と自分に呼びかけるよつばの大人びた表情に、思わず胸の鼓動が高まるのを小岩井は感じた。
「あなたの気持ちを裏切るようなことは、決してしない。約束する。だから…」
今まで見たことのないほどの真剣な眼差しで、小岩井を見つめるよつば。
「あぁ、お前が本気だということは良くわかったよ、よつば。もう、親子だ父親だといった言葉で説得できる状況じゃないな」
「!とーちゃん。じゃぁ…」
ぱぁと喜びに顔を輝かせるよつばに、慌てて小岩井は手を振る。
「待て待て待て待て。ついさっきまで、俺はお前のとーちゃんだったんだぞ。男としてお前の気持ちに真摯に向き合わなきゃならないんだ、少し考える時間をくれよ」
「少しって、どのくらい?」
「お前が大学を卒業するまで」
「ちょっと、とーちゃん!」
不満げなよつばをまぁまぁとなだめる小岩井。
「お前が独り立ちするまでは、お前のとーちゃんで居させてくれよ。それに、大学生活で俺なんかよりもよっぽど良い男が見つかるかもしれんしな」
むー、と頬を膨らませていたよつばだが、ふぅと息を吐くと
「まぁ、とりあえずでも私の気持ちを受け止めてもらっただけで、今日のところはよしとするか」
そして、にやりと挑発的な笑みを小岩井に向けると
「楽しみにしていてね。大学卒業するまでには、とーちゃんに相応しいとびっきりのイイ女になってみせるから」
「はいはい、精々期待しているよ。さぁ、飯食おうぜ。腹減っちまったよ」
「じゃぁ、暖めなおしてくるよ」
料理を持ってよつばが部屋を出て行くと、小岩井は天井を見上げて大きなため息を一つついた。
「はぁ〜、お袋になんて言おう」

終わり