スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part5
432 :
スクイズT:2008/06/16(月) 10:17:30 ID:KHV2Ilxu
8話です〜
さてクラスの人達から見た誠、世界、言葉の話を考えてみました
まあ普通は世界と付き合っているようにしか見えない…
刹那ですら実態がわからなかった訳ですからね〜
勿論これはゲームのあるルートの話ですので…ピンとくる方もいるでしょうが…
もう少しお付き合いお願いします〜
ではまた〜
>>428 ぅぉまたひっくり返すか 素晴らしいGGJ
個人的には空港で攫って逃げて欲しかったけど
(だって刹那も弱いって思うしさ)んでトイレでも連れ込んで(自粛
>>432 田中の情報収集の過程と遅ればせながらの自覚GJ
次の展開が楽しみです
なんか愛にへんなフラグを感じるのですが
感じなかったことにします
>>417 ずいぶん具体的かつ強力な電波を受信したな。
泰介が誠をレイプしてもレイパー市ねとか言われはしないな。
どうせならそれが原因で妊娠→堕胎とか。
堕胎はスレが荒れる危険あるが、誠ならOKだと思う。
泰介が女誠をヤったら
泰介はレイパ-からレイピストに進化する
>>434 誠堕胎か。ある意味すごいものになりそうな・・・。
437 :
SINGO:2008/06/17(火) 22:07:05 ID:qQ2//Bef
》スクT様
田中キター♪
CryMAXに突入!
(↑字が違う)
田中、正念場。刹那のパリ行き、断固阻止せよ。
…にしても、山県が委員長(でも代理)とは。
悪いとは思いつつ、そのネタ、パクらせていただきました。お陰でウチの
田中、Bad End回避♪
書き終えた後で気付いた事。
田中の初めてが逆レイプ。清浦の、人を愛せない病。コレって私自身に
準じてる所がありました。
しかも、相手を愛せるか実験は、私の妹がリアルに実行済みだし。(出した答はNO)
道理で、書いててデジャブを感じたわけだ…。
GameなりSSなり、スクイズってのはフィクションの一言で片付けられない
モノだと思いました。
438 :
SINGO:2008/06/17(火) 22:08:27 ID:qQ2//Bef
誠のセクス・チェンジって、こんな感じ?
その1
泰介「真琴、好きだ!俺と付き合ってくれ!」
真琴「泰介、お前の気持ちは嬉しいけど、俺は美しい者しか愛せない」
泰介「拒む所、そっちかよ!」
その2
泰介「頼むよ。俺、桂さんにフラれて、女性不信なんだ。普通の女じゃ勃たないんだよ」
真琴「ふーん。それで黒田と付き合ってるのか」
光「ねえ、二人とも。蹴っていい?」
番外
内緒で、隠れて世界の服を試着した誠。
でもバレる。
世界「真琴のバカー!ウエスト、入ってんじゃないわよ!」
真琴「怒る所、そっちかよ!」
まあ、泰介のポジションって、どうあってもレイパーなのね。
泰介、逝ってよし。帰ってくるな。
「おにいちゃ?」
夏休みに入ったばかりのある日の朝
いたるが僕の顔をまじまじと見て不思議そうにしている
「ん?どうした?」
「おにいちゃ・・なんかちがうね おかあさんみたいだね」
「おかあさん?」
どういうことかわからず
いつものように洗面所に向かい愕然とする
(うわぁぁぁぁァァァァ)
横でいたるがつぶやく
「やっぱりおかあさんみたいだね」
・・・・・・ふにふに・・・・・・ぁっ
思わず触って確認してしまう
確かに母さんみたいだな体型だった
髪も一晩でかなり長くなってしまっている
これではいつものように服に着替えようにも
さすがにあらぬところが透けて見えてしまう
いつもなら小躍りして喜ぶような事態だが
さすがに喜べない
(どうしよう・・・)
いたるは横で喜んでいるとしか思えない
「おにいちゃ きれいだねぇ かわいいねぇ
髪の毛結ぶともっとかわいいかな?」
のん気に喜んでいる
普通にTシャツ姿ではどう見ても下が透けてしまいなんともならない
もう初夏だったけれど重ねて厚手のシャツをみにつけジーンズをはく
そんな姿なのに腰つきは丸く、女を感じさせる
「とりあえずはこれしかないか・・」
髪をすき、いたるの髪留めを借りて軽く止めると
「おねぇちゃ?まことおねえちゃだねぇ」
いたるはさらに喜んでいる
母さんは学会に参加するために留守だ、数日は居ない
しかも海外・・・・最近は看護師でもそういったところに行くらしい
なんと間が悪いんだろう
誰に相談するか迷った挙句、泰介に連絡をすることにした
泰介なら乙女や愛に相談するよりはましだろうし
最悪あそこなら・・・美紀姉がいる
そう考えたわたし(私???)は携帯電話を手に取るのだった
_____________________(メタモルフォーゼ?/いつかに続く)
出来心です なんかカフカの変身みたく朝起きたらってのを想像 >誠の女体化
441 :
スクイズT:2008/06/18(水) 12:51:12 ID:mYG9L7Rm
>>437 山県が委員は誰でも考えそうだし…3組の女子で名前付きで頭が良いのは彼女だけだし…
パリ行き阻止でっか?
田中に?
誠ならいざ知らず田中に果たして?
それこそ泰介じゃないがレイパーにでもなって刹那を力ずくでモノにでも…
してもダメだよな〜
逆にどうやれば刹那をパリ行き阻止できるか?
誰か教えてください(^^;)
スクイズって実際にある恋愛経験の強烈な部分が印象強くなるからね〜
そんな事言えば私は誠死ねは言えません〜世界死ねも…
だって自分は恋人がいたのにずっと友達だと認識していた人に告白されて彼女を捨ててその子と付き合いましたからね
さて次は9話〜空港編ですが…SINGOさん…あんまし期待しないでください
では〜
442 :
mark:2008/06/18(水) 13:35:58 ID:hNkAZWfL
>>437 >>441 やっぱし意識せずとも、書き手の人生・恋愛観とかって出るものなんですかね?
私は人を好きになった時期はありますが、今となっては記憶の彼方…… 以前
淡々とした描写だという感想をいただいた事もありますが、ワールドやキャラを
無意識のうちにかなり突き放して見ているからでしょうか?
私自身が恋愛というものをあまり信用していない部分もあるのかもしれませんね。
その癖さびしがり屋だったりで、なんか最初期の誠や言葉に近いかも。
まあこの手の事は考えるほど、矛盾を起こし精神的にはよくないんですが……
ともかく、スクイズT氏やSINGO氏には頑張ってほしいのと、
新たな書き手が新風を吹かせてくれる事もこうご期待中です。
>>441 遠くの憧れより近くの友達(イミフ
>パリ行き阻止
SINGO氏田中とは関係が違うので整合性が取りにくいですよね
ただ田中と関係のないところでのブレというのはありうるかも
たとえば世界の心が相当に不安定な状況があれば
刹那がパリ行きを取りやめずとも延期とか・・
いやそれだと早期には収拾がつきませんね 失礼いたしました
いっそ主要キャラ全員性転換だな。
それで「みんなの誠」
公衆便所か
446 :
SINGO:2008/06/18(水) 18:56:51 ID:/6FJUdQm
>>444 誠の3サイズ、上から88・58・92
泰介も同様。
リアルにナイスバディ。
しかも泰介は長身なのでモデル並。
てか女性陣たちよりも腰細い。
俺には女誠女泰介とヤるのは無理だ…
448 :
スクイズT:2008/06/19(木) 12:52:48 ID:2ktWNdqd
SchoolDays-T 9話a
成田空港〜ロビー
俺と山県さん伊藤に黒田さんが見送りに来ていた…
甘露寺さんは部活、澤永は用事があるらしく…
西園寺さんも…来ていないようだ…
清浦さんは別れは済ませたから…と…寂しそうに話した…
でも清浦さんの顔には何かスッキリとした…何か吹っ切れた表情が覗かれる…
刹那「世界の事、お願い…」
光「うん〜任せて…元気でね〜刹那!」
そう言うと泣きながらお互いに抱き合う
誠「ア…き、清浦…その元気でな…世界の事は…」
刹那「うん…お願い…」
誠「…ああ…」
伊藤の顔には何かスッキリとしない…釈然としない表情が見られる…
さすがに二股かけててはハッキリとは返事できないかもな…
愛「清浦さん…頑張って代わりを務めますから…お元気で…」
刹那「急なお願いでゴメン…あとは田中がサポートしてくれるから…」
愛「はい…」握手する2人…
刹那「田中…お願いね…」
田中「はい…任せて下さい…あ、その〜」
刹那「うん?」
田中「…お元気で…」振り絞るように声を出す…
刹那「うん…約束だよ〜頑張ってね〜」小指を差し出す…
田中「はい…頑張って金メダル穫ります!!」自分も小指を出して指切りする…
さすがにその発言に回りの反応を見ると驚いていたが…
誠「田中なら不可能じゃないかもな〜」
光「だね〜」
愛「ですね…」
刹那「みんな…短い間だったけど…楽しかったよ…さようなら…」
Vサインを出して目には涙を溜めながら笑顔で微笑む清浦さん…
みんなはそれぞれ手を振りながら清浦さんは背を向けて飛行機に向かう…
そして飛行機は離陸して遥かパリの空へ旅立っていった…
伊藤と黒田さんは用事があるらしく2人で一緒に帰っていく…
あの2人…いつからあんなに仲良くなったのか?いつもは犬猿の仲で有名なのに…不思議だ…
山県さんも伊藤達と帰っていた…
俺はお腹が空いたから何か食べて帰ると言いみんなと別れたが…
当然嘘である…パリに旅立った飛行機が消えた空を1人眺めていた
結局言えなかった…いや…言わなかった…やっと気付いた俺の心は…
俺は清浦さんが好きだった…でもそれは好きは好きでも…
親愛と言うべきか〜彼女には母を求めていたのかもしれない…
勿論、俺の母親は健在だ…でも
小学生の時から母の身長を越えてた俺を母は怖がっていた
だから俺を怖がらない清浦さんを好きになっていったのかもしれない…
449 :
スクイズT:2008/06/19(木) 12:53:26 ID:2ktWNdqd
SchoolDays-T 9話b
だから清浦さんには感謝している…
あの入学式からの一連の出来事がきっかけでクラス委員をする事になり
柔道への復帰もできた…清浦さんがいなかったら俺は
まだ暗い道を迷走していたかもしれない
…どれだけここで空を見ていただろうか〜
本当にお腹が空いてきたから遅い昼食を食べに行こうと
出入り口へ向かうと…
田中「山県さん…どうして…」
そこにはさっき帰ったばかりの山県さんが立っていた…
愛「清浦さんの事…吹っ切れた?」
田中「?!〜適わないなあ〜山県さん…バレバレですか…」
愛「うん〜バレバレだね…」
田中「そうか…ははは………あ〜山県さん、お腹は空きませんか?」
愛「空いたかも〜」
田中「一緒に食べに行きませんか?」
愛「うん行きましょう…」
今は山県さんの気遣いが嬉しかった…
明日はいよいよ学校へ復帰、約束を守る為…今は前進あるのみ…
9話「清浦さんの旅立ち」
さて後1話で終われるか〜まとまるのか?
最後は少し長めな話に〜まあ大した話ではないので…
では〜また…
>>449 愛ふぁんの私にはとても嬉しい展開
さらっとすっきりした読後感がよかった回でした
いつも最後のコメントとその回の展開から次を『読んで』
楽しみにしている部分があるのですが
今回はかなり難しいです
伏線?隠し玉が3つほど見えたのですが
どれを選ばれるのか選ばないのかまったく読めません
それゆえに次回への期待度はいつもの数倍に跳ね上がっています
楽しみにしてます
GJ
いつも思うのですが
評価の際GJ以外(以上)の言葉ってないものでしょうか
慣例なんだとは思っていますが ときどき考えます
リスペクトする
>>450 では褒めの描写を尽くせ。
ま、あんまり褒めすぎるのもよくはないんだが。
>>451 頻回に使えることばでもないよねぇ
>>452 結局それか
言葉を尽くすのがよいよね
でもわかった
ありがとう
そういや他スレみてきて思ったんだけど
このすれって『エロ』殆どないよね
需要ってあるものなのかな
0)分岐スレなんだから関係ないえろなんていらん
1)萌えこみ微エロ (自分はこの程度ならと思って書いてる)
2)萌えよりエロ えろ描写がんばらんかい!
3)最初っから最後までエロが王道 どこまでも突き進め
なんかエロ方面に手を伸ばしてみたいと思いつつ
需要がないならまぁいっかと投げやりな今日この頃
キャラを汚す側面もあるからなぁ
言葉のレイプ描写なんてのは皆が即死するかもしれないけど
エロ素材としては大トロなのは間違いがないわけで
やっぱり禁断の果実なのかな・・
3バカ4PSSの話題が本スレででてて
落とすならここになるんじゃないかと思ったのが質問の発端
454 :
スクイズT:2008/06/20(金) 14:47:57 ID:0J51HsQ3
>>450 ありがとうございます〜
そしてそうですね〜隠し玉ですか…
まあ田中の物語ですからね〜元来自分がこの話を書こうとしたのは
あのスクイズの世界の連中が誠や世界、言葉の関係をどうみていたのか?
だから話の節々を見ればこの田中の視点でどのルートに進んでるかは
わかると思うし〜まあでも隠し玉か…
勿論用意してありますからお楽しみに…
>>453 実際エロ書く人が少ないけどどんどん書いてもいいんでは
自分もいつかチャレンジしてみたいし
昔アニメの光が何で誠と関係を持ったか考察SSぽいのを書いた事があって
それにエロを加味してみたいとは思うけどね
かつてはエロ結構あった気がするんだが、
最近シリアスなサイドストーリーが増えてなくなった気が…
個人的にはエロ大歓迎、ただ陵辱はイヤ
>>455 うん 1の開始時や他からの移植分には結構ありましたよ
でも2以後はほどなく消えてたから
現行えろナシ萌えはかなりあるので
イチャ路線ならいいかなとは思ってたんだけど
やっぱり陵辱系はイヤですか
そっか
うん
>>454 そちらについても期待
あげにくければ本拠地でも〜 お待ちしています
みなさん、GJ
もう471キロ行ってるね。
暫くしたら次スレも視野に入れていかないと
>453
>落とすならここになるんじゃないかと
ここに落とせるものなら、落としたいんだけどね…
メインがPink規制の巻き添えであと1ヶ月以上は使えず、
アニメスレへ自粛気味に落としてる有り様さorz
460 :
SINGO:2008/06/21(土) 10:23:05 ID:Ff/u4vSe
》スクT様
田中、グレイトっ。
原作のルートを変えることなく、ここまで田中を脚色脚本するとわ、流石の一言ですな。
ふむ。嫉妬すら感じました。
》エロ
よく判りませんが、誰かが先陣きって投稿すれば、感染的に拡がるのでわ♪
リクエストしてみるのも、手です。
田中ファンの私は…ヤバイ。田中を逆レイプする刹那しか思い浮かばん。
もうそろそろ次スレか?早いな。
462 :
スクイズT:2008/06/22(日) 00:54:24 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話a
愛「清浦さん、元気にやってるのかな〜」
田中「あの人は…大丈夫だと思う…」
2人で明日クラスのみんなに配るプリントを纏めながら話していた…
清浦さんが転校してから1ヶ月が経った…
田中「もうすぐ期末だよね…また週末、図書館にでも行く?」
愛「うん〜そうね…田中くんは部活は?」
田中「土曜日は練習試合があるけど、その関係で日曜は休みだよ」
愛「それじゃあ日曜日に榊野図書館で…」
田中「了解…」
わざわざ山県さんは榊野町まで来てくれる…
気を使わせてしまうのが心苦しい…
もうすぐ期末…そして冬休みに入ってクリスマス、大晦日、正月が来る
しかし部活はそんな時にもある…流石に大晦日と正月三が日は休みだが…
とにかく清浦さんが旅立ってからはクラス委員と部活に忙しく
以前は何かと気にかけていた伊藤とは疎遠になっていた…
勿論同じクラスなのだから挨拶程度はするのだが…
ちなみに噂では二股に決着が付いただの…
実は別に女がいて修羅場が起きただの〜
同じクラスだがいつも一緒にいるグループが違う為か全く話しもしなくなる…
だから春が来て二年生になって別クラスになると更に会わなくなった…
逆に山県さんとはずっと同じクラスな為かクラス委員も一緒…
結局、時たま偶然すれ違って挨拶したぐらいで気がつけば3年生になり
あっと言う間に時が経って高校も卒業する事に…
お互いに違う大学に進学が決まり卒業式は山県さんとの別れを惜しむように話をした
田中「山県さんはやっぱりお父さんと同じ仕事を目指すの?」
愛「うん…そのつもり…田中くんも大学は柔道で有名なところだよね〜」
田中「ですね…また忙しくなりそうですが…頑張ります…
山県さんも頑張って下さい〜」
愛「元気でね〜またメールするね〜」
田中「はい…お元気で…」
そう言ってお互いに夢を追いかける為にそれぞれの道を歩き出す…
大学に入ると山県さんと会う機会は減ったけれど…
メールや電話で近況を語ったり悩みを話したりと変わらない関係だった…
そして…
成田空港〜ロビー
愛「お見送りありがとう…」
田中「いえ…あの…その…」
愛「私ね…田中くんの事、絶対忘れない…だから…だから…」
田中「…山県さんも頑張って…」
山県さんは留学する…本人の話だと日本には数年は帰らない…と…
飛んでいく飛行機を見ながら止められない自分を悲しんだ
463 :
スクイズT:2008/06/22(日) 00:55:12 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話b
勿論、彼女が留学するのを相談したのは一度や二度ではない…
山県さんも迷っていた…夢の為に…日本を離れるか…それとも別の道に進むか…
でも…俺には彼女を止められなかった…お互いに夢がある限り…
俺にはオリンピックで金メダル…柔道世界一になる事…
彼女にはお父さんと同じ仕事をしたい…という夢…
「夢」と「恋愛」…
この2つを手に入れる男女は果たして世の中にどれだけいるのだろうか?
どちらかが夢を捨てて初めて両方叶う…もしくは…
彼女がもし好きな人と結婚する事が夢ならば事は簡単なのだが…
山県さんは俺との道を交差する道には来なかった…
勿論、俺に彼女との関係を進展させてより密接なものであったなら…
あるいは…
でも俺には彼女の夢を壊してそれを補う程の包容力も決断力もなかった
だから引き留められない…もし引き留めたら彼女は夢を諦めて…
いつか…後悔する時がくるかもしれない…
だから俺達は夢をお互いに掴む事を選んだ…後悔はない…後悔は…
そんな事を思いつつ…いつまでも飛行機が飛び去っていった方向を見て
今は彼女の夢の実現と幸せを祈っていた
さらに時は流れ…
大学を卒業して社会人になって柔道のクラブがある企業に就職…
ただ怪我やつまらないトラブルに巻き込まれてオリンピックへの出場は二度失敗…
しかしチャンスを待った…地道に練習を繰り返して少しずつ問題をクリアしていく…そして…
記者会見…
記者A「力業で相手を押しまくる重戦車と名高い田中選手ですが…
今回の余りに違う戦い方に相手が戸惑っていたように思えましたが…
あれは作戦なのでしょうか?」
田中「あ〜はい!そうですね…作戦です〜
自分はずっとパワー柔道しか試合では使わなかったですから…
オリンピックまで温存してました…」
記者A「では田中選手の作戦勝ちなのですね〜」
田中「はい…」次々と質問の嵐だったが…
記者B「田中選手…この喜びをまず誰に伝えたいですか?」
田中「そうですね…実は自分は一時期柔道から離れていた事が
ありまして〜そんな自分を励ましてくれて柔道へ復帰を助言してくれた…
清浦さんに…言いたいです…あと山県さんにも…
私にとってかけがえのない友人達です…」
そう言いガッツポーズをとるとフラッシュの嵐が降りかかる…
そうあの清浦さんとの約束から10年の歳月をかけて実現した…夢であった…
464 :
スクイズT:2008/06/22(日) 00:55:55 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話c
記者会見場〜控え室
記者会見が終わり控え室に帰ってくるとやっと1人になった…
夢は叶えた…
しかし次の…俺の夢は何だろう?
また次のオリンピックでの二連覇?
それとも…引退して普通の人としての幸せを求めるか?
あるいは…山県さんを追うか?…今更かな…
まあ考える時間はいくらもある…慎重に決めようと考えていた…
ノートパソコンを立ち上げるとメールサーバーに接続する…
高校時代から使っている知人しか知らないメールを確認する…
高校時代の顧問の先生、先輩、後輩、元クラスメート…
大学時代の顧問、先輩、後輩、同級生…会社の同僚など…
両親、親戚の従兄弟などからも励ましのメールがきていた…そして…
田中「山県…さん…」
早速開くと〜
『オリンピックでの中継見てたよ〜今じゃネットでリアルタイムで
観られるから…そして金メダルおめでとう…
長い道のりだったよね…もうあれから10年経つのね…
私の方は元気でやっています…!
近いうちに一度日本に帰るので逢いたいです…ではまたね〜山県愛』
田中「そうか…近いうちに…か…」
更に見ていくと…
田中「あ…この名前は…」
登録してあったメルアド…すでに10年前のものだが…まだ使っていたらしい…
田中「清浦さん…」すぐに開くと…
『オリンピック優勝おめでとう…
田中君の事はニュースやスポーツ誌に載っている記事等で知っていました
家族共々、応援しています〜特に息子の一誠10歳は田中君のファンですので…』
息子?…清浦さん…結婚したのか〜そうか息子さんがいるんだ…
『うちの旦那も田中君の活躍を見て懐かしんでいます…
もし近くに来る事があったら遊びにきて下さい…伊藤刹那より…』
伊藤?…送付されている写真を開くと…
田中「伊藤?…誠?…旦那が?…そうか〜清浦さん…伊藤と結婚したんだ…
伊藤の奥さんになったのか…はは〜伊藤はあんまし変わんないなあ〜
清じゃない刹那さん…顔や髪型が大人だな…10年経つ訳だ〜
って息子デカ!…うむ?何だこの子…何歳だ?何か随分大きいような…」
ふとメールある一言に…『息子の一誠10歳は…』
田中「10歳!?…え〜と…刹那さんが…高校生で一誠くんを?」
ふとあの成田空港での事を思い返す…
田中「まさか!もうあの時には子供が?…だから伊藤はあんなに落ち込んでいたのか!
西園寺さんが来なかったのは…まさか!!」
465 :
スクイズT:2008/06/22(日) 00:56:37 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話d
エピローグ〜
オリンピックが終わり日本に帰ってきたが…
なかなか金メダルを取ったとなると色々なしがらみがついて回るらしく…
伊藤家へ遊びに行く時間がなかったが…
それでも刹那さんには連絡して色々な話はしていた…
田中『じゃあ…パリに行く前にはお腹に一誠くんが?』
刹那『うん〜そういう事…』
田中『西園寺さんが見送りに来なかったのは…まさか伊藤との間がバレて?』
刹那『違う…けど…結果的には世界とは暫く…口聞いて貰えなかったけどね…』
田中『そうだったんですか…《今は仲直りした訳か〜》』
ふと砂浜で刹那さんとの電話のやりとりを思い出す…
ほぼ10年振りの原巳浜の砂浜…伊藤家へ遊びにお邪魔する前に立ち寄った…
田中「変わらないなあ〜ここは…」
ここで伊藤に会って刹那さんに会って山県さんと会った…
あれがなければ…と感慨に耽っていると…
?「やっぱりデッカくて大きいね〜田中さんって!」
田中「うん!?…」
突然名字を言われ振り返ると一瞬そこに立っていたのは…
田中「清…刹那…さん?」
赤いリボンを付けた刹那さんが立っていた〜しかしふと気がついた
田中「《確か…今は髪型は違うはず…》え〜と何か用かな…お嬢ちゃん?」
よく見ると刹那さんにどことなく似ていて…
しかし容姿は全く刹那さんに似ず身長も高い…胸も大きい…
とにかく街角で見かけたらつい目を引くタイプの女の子〜
でも何か引っかかっていた…昔…会った事があるような?
?「さすがにやっぱり覚えてはいないか〜10年前だし…」
ふと不機嫌な雰囲気を醸し出していたが…何かを思い至ったのか〜
?「これなら判るかな?」
と言って両手で髪の毛の根元で束を持って俗に言うツインテール…って
田中「あ〜止ちゃんか!」
止「へへ〜よかった名前は覚えてくれてたんだ…」
さっきの不機嫌さはなくなって途端にニコニコしだして…
田中「《間違いない…止ちゃんだ…》大きくなったね…ん!今、高校生かな?」
止「はい〜榊野学園ですよ…田中先輩!」
田中「そうか〜あれから10年経ったんだな…」
止「ですね〜田中先輩!」
田中「ははは〜何か照れるよ…そうか…後輩ね…」
止「ふふ〜あれそういえば先輩はお兄ちゃんに会いに来たんでしょ?」
田中「ああ、ちょっと伊藤家にね〜来るのが早かったから…
時間潰しでここにいるけど〜止ちゃんは?」
止「先輩を迎えに…」
466 :
スクイズT:2008/06/22(日) 00:57:36 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話e
田中「え?!」
止「…と言うのは違ってただの散歩です〜だから先輩と会ったのは偶然ですよ〜」
田中「止ちゃん〜先輩は何か馴れないから田中でいいよ…」
止「あ…はい…田中さん〜その…まだ時間ありますよね」
田中「あ〜ああ…」
止「あの〜お願いがあるんだけど…聞いてくれますか?」
田中「うん…何だい?」
止「重くないですか…」
田中「だ、大丈夫…だよ…《重くはないんだけど…スカートじゃないからって油断した〜
まさか太ももがここまでダイレクトに…ホットパンツで肩車…恐るべし!!》」
止「どうかしましたか?田中さん?」
田中「いや!!何でもない!何でもないよ〜《うわ〜あんまし動かないでくれ〜
ってか止ちゃん…警戒心無さ過ぎ!太ももが締め付ける〜別の意味で地獄だ!》」
と1人悶々と天国と地獄の狭間を味わう…
しかし止は無邪気に話し出す…
止「やっぱり田中さんの上から見える景色はあの頃のままなんですね〜」
田中「へ?!」
止「何故か覚えているんですよ〜私が散歩しててもいつもこの景色は見られないのに…
田中さんが肩車してくれたこの景色は…あの時のままなんだ…」
田中「止…ちゃん…?」
暫く止ちゃんは懐かしそうに遠くの景色を見ていた…俺はまだ悶えていたが…
止「でもこれで夢が一つ叶いました〜ありがとう田中さん…」
田中「はは〜そ、そりゃ〜よかった…って夢?」
止「はい!…私…ずっと憧れていたんですよ…お兄ちゃんと…せっちゃんを…」
田中「《せっちゃん…ああ刹那さんの事か…》」
止「一誠くん産んだ後、簡単に身内だけで結婚式やったの…
その時、お兄ちゃん…せっちゃんをお姫様ダッコして…
今でも覚えてるんですよ…あの時の事も…」
田中「…」
止「だからいつか…絶対私を軽々と持ち上げてくれる人に巡り合いたい
…って夢なんです…」
田中「へぇ〜そうなんだ…」
既に冷静な判断ができなくなっていたが…
田中「え!今なんて?」
止「ああ〜聞いてない!田中さんってば!!もう非道いんだから〜」
そういうと肩車したまま上で暴れる止ちゃん…
田中「ごめん!」
止「もう知らない!田中さんなんて!」
というが一向に降りようとしない…
田中「いや〜その…あの…」
精神的にグロッキー状態の俺は股間の分身を宥める事に神経を集中する…
止「田中さん〜罰として走ってください!」
田中「はひぃ〜」
467 :
スクイズT:2008/06/22(日) 00:58:18 ID:HkXr1euw
SchoolDays-T 10話f
もう何が何やら〜判らないまま夢中で走る…
そして…
止「あ!?田中さん大丈夫?」
田中「ほげっ!へ?!何だ?」
止ちゃんの顔が目の前に!
止「ごめんなさい!田中さんがフラフラになるなんて思わなくて…」
話を聞くと途中で走るのを止めて止ちゃんを抱き上げて地面に降ろすと…
そのまま倒れたらしい〜止ちゃんは俺が気がつくまで膝枕してくれたようだ…
止「ごめんなさい…」
田中「ちょっと立ち眩みしただけだから…気にしないで…」
止「ごめんなさい…」
田中「ああ〜泣かないで…もう元気だから!ほら!!」
立ち上がると体操しだす俺!
止「うん!」
満面な笑みで答える止ちゃん…
田中「あ…しまった時間が過ぎてる…止ちゃん行こう!」
俺は無我夢中だったのか?止ちゃんを抱き上げて…
田中「行くよ!止ちゃん!」
そのままお姫様ダッコで伊藤の家に走り出す!
止「はい!」
砂浜を全力疾走で走る田中の首に手を回して止は叫ぶ!
止「いけー田中さん!」
最終話「10年目の肩車」完
まず山県ファンの人ごめんなさい!
最初は田中と伊藤の家に山県が彼女として行くラストだったんですよ
ところが…何故か山県は夢に向かってしまい…
あの夏休みがいけなかったかな〜と
田中と山県の2人はあれで友情の方が強まってしまい
男女の仲になれませんでした〜
次はいたるファンの人ごめんなさい!
あの夏休みの出会いでいたるは田中へのフラグが立ってしまい
最後はあんな感じに…まあ田中みたいなタイプって求められる異性でないと幸せになれないのではないかと…
ちなみに10歳差…のつもり〜奥手な田中に積極的な止…
ああ何か期待を裏切った気がする〜本当ごめんなさい!
はあ〜やはりノリだけで話を追加すると…反省です
ちなみに皆さん気がついてるとは思うけど…この田中主人公の話では
世界と言葉が出てないですが〜勿論意識して出しませんでした
理由は田中にとってあの2人はいなくても構わない存在なんです
彼にとって自分を受け入れてくれる人の事が大事なので
だからあえて出しませんでした
ルートも最後はババロアか肉欲のどちらかを経由の通称「妻ですエンド」事〜西瓜の後日談となります
あと子供の名前をwoodさんのSSから拝借しました〜事後承諾になりますが後でブログにて…
さて次は何書こうかかな?
ではまた〜
>>467 読後爽快感max
>田中と伊藤の家に山県が彼女として行くラスト
でも、いたるの方がいいですよね 意外性と未来を感じさせる
いやぁさすがの隠し玉宣言ですGJ
山県ファンですけど
比べるならコッチの方がいいと思いますです うん
もちろん山県エンドでも別の味付けはあるのでしょうけれど
書き手さん紹介を作られた方へ
形式を似せて
part5からの新規参加の書き手さん紹介を加えました(part6の方)
勝手おゆるしください。
わからない
相変わらず設定・展開ともにわからないのだけれど
そのわからなさ加減が妙に面白い、惹かれるものがある
「わからないけど面白い」ジャンルなんてあるのかどうか知らないし
個人の好みという点では絶対的に別れるとは思うのだけれど
自分にはやはり「おもしろい」
再確認した
以前ちょっとお聞きしたグロ系作品
スレも最後なので丁度いいかなと思い投下することにします
(ぶろぐにあげたときは不評だったので穴埋め代わりのつもりです)
拒否感のある方は回避推奨します
『堕天使たちの午後』
______________________
出演:ある法医学者(警察協力医)と、その助手
場所:大波良市立医大法医学教室剖検室
時間:12月26日午後
特殊:グロあり 耐性のない方は読まないこと
______________________
ご遺体の彼
名前は伊藤 誠・・・
担当の警察官より渡された現場の状況などの報告書
そこにはかつての同僚の名前も記されていた
元同僚の子供
彼女が妊娠したと聞いたとき
頭を叩きつけられたようなショックを受けたのは覚えているが
まさかこんなことになるとは思っていなかった
彼女に振られ
臨床から逃げるように立ち去り
母校の法医学教室に戻ったのはもう・・・
そうか・・・17年になるってことか
「故人に向かい黙祷・・・」
助手と二人頭を垂れて黙祷をささげる
普通はお顔に向かって一礼し拝むところだが
その顔が無い 頭部が離断された異状死体で見つかったのだから
仕方なしに首の部分にそれを行う
報告にきた警察官によると
まだ頭部は発見されていないとのこと
助手に向かい
いつものように所見を述べ始める
「頭部は切断されて存在しない
切断面は疎、不整、生活反応は見られない
創面は削られたあとがあり頸部脊椎には波紋状の切断面あり
おそらく鋸歯(キョシ)による切断と思われる
詳細は後に計測の予定
血液のしゅう下は背面のみ
右前腕外側に防御創とおもわれる切創複数あり
1・2・・・
背面の刺創一箇所以外は胸部、腹部の前面に刺創が多数認められる
1・2・3・・・・・・・
創縁はすべて整、
3番の創縁のみ一部不整あり
創端はすべての創で抹消側が鋭、頭側が鈍
大半に生活反応を認めるが5・9・11・13・・
これらには認めず 」
助手のメモをとる鉛筆のすべる音だけが
狭い部屋の中に響く
時折確認をする彼の行動がもどかしい
「ゾンデ、メジャー」
すっと渡される
「創口の計測を始める
最大創長 80mm 最大創洞長 150mm以上 腹腔後壁に到達」
そのほかの創測定値を助手が丁寧に記載していく
たとえ因縁がある相手としても
仕事として何も変わらぬようにいつもの手順で進める
「以上外表面の観察を終了する
悪いけど、爪内の遺物 口腔内の採取などお願いする
ちょっと休ませてくれ・・・」
怪訝そうな助手をその場に置き
剖検室から離れる
研究室にもどり一服する
煙が立ち上り天井まで届かず霧散する
気持ちを落ち着かせるための儀式のようなもの
まだ若い少年のご遺体・・・、自分の子供ではないのは間違いが無いが
もしかしたらあれが自分の息子だったのかもしれない・・・
そういう妄想が頭らはなれないのだ
いったいどういう少年だったのだろう
聞けば彼女は離婚してあの男の子を女手ひとつで育てていたという
開かれた捜査報告書を改めて読む
これだけでは何もわからない
でも、彼女が一生懸命子供を育ててきたであろうことはわかる
書かれておらずとも知っていることだから
彼女の人となりを・・・
再開
頸部から丁寧に表皮を剥離する
みずみずしい肢体
若さが溢れていると思う
胸壁を骨切りバサミで開ける
心嚢内液貯留なし、心臓を摘出
同割断、心腔内血液疎・・・残存血液を採取
「はい、これ・・・」
典型的な失血死と思われる
肺損傷は・・・ 右肺底部後外(コウガイ)側(ソク)に背面からの侵入創あり
一部は肝臓を離断している
「ここ写真とって」
ほかは特に目立った損傷は無いな・・・
「次、腹部に移ります」
・・・・・
・・・
・・
・
必要な臓器の摘出を終え、虚となった部位には麦藁を詰め込む
故人の尊厳はこれで守れるのか・・・
長年し続けている仕事だが
この作業の時には改めてそう思わざるをえない
死してなお傷つけられる理不尽
最後に麻縄で創をすべて閉じる
最近は目に見える部分だけは白ナイロンを使うけれど・・・
伝統的にそのままだ
いつもはなんとも思わない手順が
とても奇異な感覚を生む
疲れているのだろうか・・・
いや、この感覚は
古い写真や作文を紐で閉じる感覚なんだと気がつく
彼こそが自分の若かりし時の象徴なんじゃないか・・・・と
「先生、なんだかおかげんがすぐれないように見えますが・・」
助手が心配をしてくれている
いや個人的な感傷だから・・とも言えずに窮する
そこへ電話が鳴り響く
「先生、神○川県警の方から・・・」
「すまない、やっと終わったから報告書を・・・」
「お疲れ様です それはすぐに取りに伺いますが
用件は別でして・・・」
また16歳のご遺体だそうだ
今度は女性・・・
ほんとうにどうなってるんだこの国は・・・
少年の遺体を冷蔵庫に押し込み、その隣に空きがあるのを確認する
「おい君! もう一件搬送されてくるから受け取りを頼む!」
「先生は?」
「部屋で報告書を書いておく、臓器片のクロマトなんかは頼んだぞ!」
「はい 了解しました!」
これが今年のクリスマス・・・
この世に神なんていない
それが法医学を学んで理解したもっとも間違いのない知識だった
_________________(おわり)
『堕天使たちの午後(後編)』
______________________
出演:ある法医学者(監察医)と、その助手
場所:大波良市立医大法医学教室剖検室
時間:12月26日夕〜夜半
特殊:おなじくグロあり 耐性のない方は読まないこと
______________________
「先生・・ 2人目のご遺体、到着しています
先生のサインが必要なんですけど」
「ぁぁ わかった今すぐいくから」
あれから何本吸ったか
灰皿は既に一杯になっていた
2人目は16歳の女性・・・
搬送に付き添ってきた鑑識の警察官から概要の説明と
途中の経過報告書を貰う
さきほどの男の子と同じ学校の女生徒
おなじく異状死体 発見日時も近い
瞬間的に事件が関係しているだろうということは察しがつく
そして・・・
こちらにも見覚えがある名前が・・
厳密に言えば「苗字」は違うけれど・・
かつて家庭教師をした生徒の名前
さらに言えば自分の同級生の妹の名前だった
「踊子」という名前はそうあるものではない
「西園寺」という姓はわたしが教えている間に
家庭の事情でかわることになると聞いていたもの、旧姓は「伊能」
すーーーーっと力が抜けるのがわかった
こちらもわたしの因縁の相手だ
長い間仕事を続けてはいるが、立て続けに知り合いの関係者を扱ったことは無い
今日はなんて日だと・・・いやもう言うまい
これも仕事だ
「先生、準備できました」
「ぁぁ・・ すまない、今日はかなり残業が延びるけれど大丈夫か?」
「はい、でも山本君がネーベンから帰ってきていますから交代しますよ・・
先生こそ 大丈夫なんですか?」
「ぁぁ・・ たぶんな」
ご遺体に向かい一礼、黙祷する
「それでは始めます」
手順に従い、外表面の観察、検体の採取からはじめる
肌の擦過部分などはもちろん
異状があろうとなかろうといわゆる『穴』にはすべて綿棒をいれての検体採取
着衣の乱れなどはないと書いてあるがそれも規定の通りだ
それにしても若い、若すぎる・・・
あの男の子もそうだが、人には死ぬべき時期があると思う
それを彼らは明らかに誤っている、そう思う
頭部を切断され、今度は腹部を猟奇的にあけられている・・
自殺死体などは見慣れている、事故死体もそう
でもあれらは『運』が悪かったものだと思うことにしている
自殺は病気と同じ、事故は一定仕方が無いものだから
こちらの女性の死因は一目で明らかだった 左総頚動脈切断
断面は粗であり表皮剥脱を伴うことから・・・
・・・ ぁ・・・鋸歯・・・だ
さきほどの少年の頚椎の切断面を思い出す
「これ、模りしてくれ・・」
「は・・ はい」
「それとさっきの少年の頸部も・・・頼む」
「さっきの少年のですか?」
「ぁぁ・・ 頚椎部分と表皮部分の模りだ」
「わかりました 追加しておきます」
二つの事件はつながっている、あとであの警察官に報告しておくべきだろう
もちろん確実なことは詳しく創面を分析しないといえないことだが
胸部、きれいな胸をしている、少女の若さがみなぎっている
キズをつけるかどうか・・・迷う、規定ではすべてを開放する 規則だ
だが、あまりに若く 腹部の痛ましい創をみるとためらう
これ以上はあまりに哀れだ
わたしも人だ・・・ そう思い考え直す
「腹部からはじめる」
「ぇ?」
「胸部は完全に無傷、頸部の創が致命的であるのは見るまでも無い
採血は他でも出来る 最後に大学に依頼してAiだけ押さえておくことにする」
「そんな費用でませんよ」
「仕方が無い 自腹でいい・・・ あまりにな・・・」
「わかりました 予約だけしておきます」
本院に電話をかける助手
後ろからさらに話しかける
「ん、だから今は取り合えずの検体採取と外表からの確認だけ、あとは山本君に引き継いでおいてくれ」
「わかりました」
大学の臨床で用いる機器は夜間しか使えない
昼間、人目のつく時間にご遺体を移動させるのは好ましいことではないし
コメディカルもこういうことは正直嫌がるのが現実だから
器械の操作は自分でできるからかまわないが・・・
「メモを頼めるか?」
「はい」
助手が準備をするのをまち
独り言をいうように所見を述べ始める
「下腹部の観察にうつる
頸部の創とはことなる創縁、こちらは鋭利な刃物だろう
正中からやや外れている、やや左上から右下に創長は280mm
腹壁を縦断している、腹腔内、骨盤腔内に手を入れた形跡があるな
腸管膜からの出血、腸壁の点状出血・・・・これ写真とっておいてくれ
時間がたつと目立たなくなるから・・・」
カメラの音が響く
「骨盤腔内に血液の貯留を少し認め・・・
・・・・・・・子宮がなくなってるわ ここも写真を・・・」
「は・・はい・・」
「あとはAiの後でいいよ 休憩しよう
それと、血液検査にゴナドトロピン類を加えておいてくれ」
「ゴナド・・・?」
「ほかにエストラジオール、プロゲステロン・・・山本君に聞け、妊娠の判定だ」
「妊娠ですか?16歳ですよ?」
「普通の16歳の女の子が子宮を切り取られるか?????
・・・いやスマン ちょっと疲れているみたいだ」
「す・・すみません、伝えておきます」
わからんが・・もしそうだとすると
相手は・・(冷蔵保管庫の方をみる)・・彼、ということか・・
「Aiの準備ができるまで、一端保管する」
「しまっておきます」
「いや いい、君が検体を運んでおいてくれ こっちはやっておくから」
「はい、わかりました 失礼します」
助手が慌てて採血チューブを握り締めて走り出す
他の検体は置き去りじゃないか・・・
普段、声を荒らげることのないわたしが大きな声を出した
たぶんそれで慌てたんだろうなぁ 苦笑する
少女に布をかぶせる わざと顔にはかけない これは規定違反だ・・・
少年を引き出す 顔は存在しないが・・ 首の覆いをとる・・・ これも
そして改めて扉を閉める
感傷だ、なんたる感傷だ・・
この行動に自分でも合理的な説明はできない
ただ、生きているうちに出来なかったことをさせてやりたかった
自分でもバカバカしいと思うが
なぜかそうしたかったんだ
今日はまったく調子が出ない
自分でも何か歯車が狂っているのがよくわかる
ポケットをまさぐり
タバコに火をつける
これも規定違反だ・・・
わけのわからない苛立ち
なんだか家に電話をかけたくなった
今すぐにあいつの声がききたい
まだ帰られないから・・怒るだろうなぁ
でも声だけでも聞きたいんだ
そういったら笑われるかもな・・・いい歳をしてって・・・
ふぅぅぅ・・・ 大きく煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出した
__________(おわり)
Ai(autopsy imaging) /CTやMRIが使われます
では 次スレへ移行!!!!
──イ ̄ ̄ア─z _
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./:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.〃─┬ ヾ:.:.:.:.:.:.:.|
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| / /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.N ト) 彡テ ヘ∧∧
イ / <:.:.:.:.:.:.:.:{ハ/,.;彡ノ 、 |リ| ||.| .l _
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/_/ //:.:..(ヽ. トト∧/ ノ ゝ7V ` ` f
\:.:.:.:〈 ̄:.:.:.:.:.:_ | | | } __ ,イ __ , ヘ ヽ─ 、. {
ノ:.:.:.:.:.:.:.:.:.イ||ト,\ヽ ヽ/ i __/| |トヽ, ) l
<:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘミミ三 ', l ||| || `ト _/》
ゝ:.:.:/ ヽミミ三\ } ///| }三三//|
く:.:.:.:/ トニ>ヽ__>オ/ >── ヽ
\イ ト三三三三l \ |
人 yニ──ゝ |三三三三イ\ ト\ \
| \  ̄ ̄ ̄ ト───‐イヘ \_.| ノ
| ヽゝー l イ ヽ/ <__ /
/ `ス 〉 / l \/// _/
〉 彡'´ \ / //  ̄ ̄
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|/ |八:.lミz¨´ リ:.:.:.レ' ハ\
′ 〉 r-ー'' ̄`, ハ:.:.:.:.:.. . . ::, \
∧ ! | リ:. :. :.:.:.:.:.:.:.:.:, ヽ
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