女の子と二人きりになってしまった 3回目

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1名無しさん@ピンキー
・雪山で大雪崩に遭い遭難。とりあえず寒さしのぎに入った洞窟に女の子が
・巨大地震が発生し、崩れた建物の瓦礫で閉じ込められる。ふと隣を見ると女の子が
・核戦争が勃発し(ry


(お、女の子と二人きりになってしまった・・・)

「私達・・・このまま死んじゃうのかな・・・」

「え!?あ・・・分からないけど・・・だっ、大丈夫・・・きっと助かるよ」

(そうだ、それどころじゃない。どうにか助かる方法を考えないと・・・)


《初代スレ》
【不可抗力】女の子と二人きりになってしまった
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153831562/

《前スレ》
女の子と二人きりになってしまった 2回目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187857177/
2名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 14:54:33 ID:M9WeYqxv
女の子と二人きりになってしまった まとめ
http://www38.atwiki.jp/hutarikiri/
3名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 00:46:49 ID:Ytt4xWvT
>>1
乙です
4名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 01:11:13 ID:rQWcTXTz
即死回避>>1乙鰈
5名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 02:35:30 ID:H1g8Boo6
スレ立て乙です
6名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 05:12:51 ID:7mnPEPs1
昔々、村の風習で男女一人づついけにえにささげるので
二人きりになって・・・と思ったが執筆断念
7名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 09:40:02 ID:iKYA1MsQ
書いてよw

>>1
8名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 10:49:23 ID:SiHBDz9C
>>6
いい題材なのにw
9名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 08:15:10 ID:Ap85OAbH
即死回避保守
10名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 10:54:03 ID:ufCSVEUn
さっそく保守
11名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 16:55:20 ID:QNzIPUEi
>>1乙っと



さて、まだ>>1に書いてある大地震ネタが無いわけだが……。
12名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 01:10:21 ID:/YBE416c
>>11
はっきり地震とは書いてないけど、これが地震ものっぽくない?
http://www38.atwiki.jp/hutarikiri/pages/14.html
13名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 01:47:56 ID:4CI0pDkg
即死回避
14名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 15:51:24 ID:YIdgiR+f
>>前スレ721
亜光速宇宙船なんか使わんでも、コールドスリープで漂流すれば良い。
エイリアン2の冒頭部分が確かそんな感じで時間経過させてた。
15名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 19:18:00 ID:56yrpreP
宇宙は二人きりネタに事欠かないな
いいことだ
16名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 02:54:13 ID:OUkb5TJ4
>>14
コールドスリープ使うと、使った段階で帰りついたら浦島太郎状態ってのが丸わかりだから。
そこが今ひとつかと思ってw
17名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 12:18:36 ID:8n93VvWw
>>16
冷凍睡眠をして、二人以外全滅したとか
そういう悲壮感抜群な話とかいいよな
18名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 14:11:59 ID:gt3KXEGT
俺は今、可愛い女の子と二人きりの状況にある。
エレベーターの故障かトラブルによりエレベーターに閉じ込められてしまったのだ。
もちろん、外部との連絡はつかない。

「私達・・・このまま死んじゃうのかな・・・」

彼女がぽそりと呟いた。
閉じ込められてからもう、2〜3時間は立つだろうか。
いくらなんでもそれはないだろうとは思ったが、

「え!?あ・・・分からないけど・・・だっ、大丈夫・・・きっと助かるよ」

口ベタな俺は彼女を励ますのに必死だった。
こんな状況では不安になって当然だ、俺も腹が減った。
ふと、彼女がもじもじとせわしなく身体を動かしているのに気付いた。

「ど、どうしたの?」
答えは簡単に予想できる、が。
直接、彼女の口からそれが聞きたくて、俺はあえて尋ねていた。

「お、おしっこ・・・、したくなって」
彼女は恥ずかしそうに呟く。

「じゃ、じゃあ、俺は後ろ向いてるから、その間に・・・」
それ系が大好きな俺にはそれでも充分すぎる。

「エレベーターが汚れちゃうよ・・・。」
どうやら彼女はそういうことを気にする人らしい。

「だ、だったら・・・俺が君のおしっこを飲むよ!」
神の如き閃きが俺の口を飛び出していた。

「う、うん」
この閉鎖空間は彼女の精神をおかしくしてしまっていたようだった。

普段の彼女ならば、そんな血迷った返答はしなかっただろう。
しかし、そんなことは俺には関係ない。

俺は彼女がショーツを下ろすのを見届けると、
跪くようにして彼女のスカートの中に頭を潜りこませる。

ドキドキとしながら彼女の秘所に顔を近づけた、その時。
ウィーン、エレベーターのドアがスライドするような音が聞こえた。
俺は咄嗟に振り返る。

「あ・・・、ど、どうぞ、ごゆっくり」

作業着を着た若い男が、気まずそうにぺこりとお辞儀をすると、
ウィーン、エレベーターは開いた時と同じように静かに閉まった。

誰がどうみてもクンニしてましたという状況だ。
言い逃れはできない。

俺はゆっくりと彼女の方を振り返る。
ぴしりと固まっていた彼女と俺の視線が交錯した瞬間。

「いやああああっ!」

まるで、時間を取り戻すかのような彼女の膝蹴りは、
見事なまでに俺のアゴを打ち砕いていた。
19名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 14:12:24 ID:gt3KXEGT
すまない、どうしても書きたかったんだ。
20名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:05:56 ID:vHgLMXr7
ちょ おま

そこでチョロチョロ出ちゃってる時にドアあけないとっ

「やっ 止まらないぃぃ」
って。

恥ずかしいのと放出感によるキモチ良さがいり混じった感情に戸惑うあたりとか

なに偉そうなこと書いてんだ自分・・・

すみません。
21名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 12:44:33 ID:Z5vxhROD
>>20を支持するw
226号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/10(木) 15:33:13 ID:KdHvuOEV
 月、ファ・サイド(裏側)のツィオルコフスキー・クレータにあるマス・ドライヴァから1機のA-SS551型軌道モジュールが飛び立った。
 コンスタンティン・エドゥアルドヴィチ・ツィオルコフスキー宇宙港発、ベルリン・ブランデンブルク国際空港着のルフトハンザ航空LH5594便である。
 俺、西塚鷹希はそれに乗り、地球への復路に就いていた。
 俺は大学受験のために遥々月にまで足を運んでいたわけだが、実際月にいた時間は2日間だけ。地球から月、またはその逆でも、移動には最低3日かかるのだ。
 長旅である。しかし、その間の暇つぶしに抜かりは無い。しかも機内には低重力障害の解消のために簡易の運動施設まである。暇はしそうだがつまらなくはない機内生活になりそうだった。
 地球−月間の旅客移動は、地球のそれとは一線を画す。地球の大規模空港から出発したSSTO(単段式往還機)は低軌道で軌道モジュールを切り離し、また地球に戻っていく。
 軌道モジュールはそのまま地球をスウィング・バイした後、月に一直線に飛んでいく。月への着陸のため、月低軌道で減速し、そしてゆっくりと目的地の宇宙港に降下していく。
 逆に月から地球への移動では、軌道モジュールがマス・ドライヴァまたはイオン・エンジンの噴射によって月を飛び立ち、今度は月をスウィング・バイ、地球に向かう。
 地球低軌道で減速し、軌道上で待機していたSSTOとドッキングの後、地球に帰る。着陸は通常の航空機と同じだ。
 機内には大勢の客がいる。ヨーロッパ人が多いが、アフリカ系もそれなりに見かける。アジア系はあまり見かけないし、日本人ともなると俺くらいだ。
 当然、機内には英語と、ドイツの航空会社だからかドイツ語、そして月での公用語であるフランス語が飛び交っている。
 向こうから見てやはり日本人は珍しいらしく、隣にいる日本フリークのイタリア人のにーさんは、日本についてあれを知っているとかこれを持っているとか、色々言っていた。英語で。
 とはいえ、どうでもいい話題に花を咲かせられるというのはやはりいいものだ。俺も英語話者の端くれ、通じればやはり嬉しいものだ。
 1日目はそうやって過ぎていった。行程としては、月をスウィング・バイして地球降下軌道に移ったところだ。
236号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/10(木) 15:54:24 ID:KdHvuOEV

 2日目ともなると、周囲の人たちの顔も覚え、連れ立って運動してみたり雑談に興じてみたりと、時間の進みが早い。受験という肩の荷が下りた事もひとつの要因だろう。
 不意に、俺は尿意を覚えて後部の手洗いにまで行く。
 機内は当然、無重力だ。不注意から飲み物が零れたり、いろいろな物が浮かんでいる。無重力は未だに慣れない。力の入れ方を間違うと、回転しながらあらぬ方向に飛んで行ってしまう。
 そうならないように、機内には至る所に手すりや取っ手が備え付けられている。俺はそれらを掴み、回転しないように慎重に移動した。
 手洗いには、既に先客がいた。個室は男子用と女子用があり、男子用の扉が閉まっていた。女子用のそっちには2人並んでいる。
 ふと、扉から2番目にいる少女と目が合った。人種はよく分からないが、なかなかに可愛い。とはいえ、用も無い上に尿意の方が勝っていたためにそれほど気に留めなかった。
 前の人――しかもあのイタリア人のにーちゃん――が出て、俺が入る。
 便器の前に立って3秒すると、自動的に吸引装置が作動する。そこに小便をする。すると、小便は勢いよく便器の奥に吸い込まれていく。便器から離れると洗浄液が出る。
 小便は濾過消毒装置によって浄化され、純水として機内で使用されるのである。
246号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/10(木) 15:54:54 ID:KdHvuOEV
 さて、便所から出ると、突然大きな音。そちらを見る。突風。飛ばされないように取っ手に掴まる。機内で突風が吹く事は通常、無い。見ると、人やものが奥の方に飛んでいく。
 何が起こった?
「そこのあなた! はやくこっちへ!」
 後ろ――風上――から声。見ると、先程の少女がこちらに手を伸ばしていた。わけが分からず、しかし俺は、風下に恐らく本能的な恐怖を感じていたのだろう、少女のいる方にゆっくり進んでいく。
 少女が俺の手を掴む。風上に進む。救命艇。その表示が見える。後方から断続的に悲鳴。
 救命艇の入り口に辿り着く。後方10メートルにも数名、脱出装置を目指して這っている人。少女は救命艇入り口の安全装置を解除、ハッチが開く。
「乗って! はやく!」
 救命艇からも突風。しかし進めないほどではない。手すりを辿り、救命艇に入った。
 唐突に振動。音は聞こえない。どういう事だ?
「気圧が……! 時間が無い! ハッチ閉めるから!」
「なっ!?」
 まだ人がいるのに? ハッチが自動で閉まる。そのガラス窓の向こうに、人がへばりついた。何か叫んでいる。が、やがて苦しそうにもがき、突風に飛ばされていった。それを、2人して見ていた。
 ガタン、という音と振動。ハッチが迫る。しかし、俺は、いや2人とも体を動かせず、ハッチのある壁にぶつかった。
 どれくらいそうしていただろう。少女が俄かに硬直を解いて壁を蹴り、その反対側に向かった。それにつられ、俺も体の自由を回復する。しかし、恐怖からか、手が震えている。
「……やっぱり、デブリ……」
 少女が重苦しく言う。その言葉に俺は彼女を向き、そしてふつふつと、感情が湧き出てきた。
「お、お前っ、何で閉めた!?」
 自分から体を動かす気力が戻ってくる。俺はそのまままっすぐ、彼女に向かう。
「あのままだとすぐに気圧が限界になるから、だから閉めたの」
 彼女の胸倉を掴む。顔はひどく歪んでいたが、気にしなかった。
「だからって! だからって少し猶予はあったろう!?」
「英語でお願い。日本語は少ししか分からないから」
 顔はともかく冷たく、しかしやはり重く言い放つその言葉に、俺は少したじろぐ。彼女の目には涙が漂っていた。そして、今まで日本語で叫んでいた事にも気付く。
「あなたがここに入った時点で、あと15秒しか空気がもたなかったの。ハッチの閉鎖には最低5秒かかる。だから、ゼロより2を取った」
 その物言いに、俺は怒りをこみ上げる。胸倉を掴む手に力が入る。しかし、言葉が出なかった。彼女の手が、俺の手に添えられる。
「あなたが感情的になるのも、分からなくはないよ。でも、生き残らなきゃ、何も出来ない」
 どこまでも現実的な彼女の言葉。しかしその目から零れる涙は、言葉を必要としなかった。
「分かって」
 俺の手が彼女の胸倉から離れる。掴みかかった事で出来た服の皺を放置し、彼女は俺に背中を向け、目の前のコンソールに向かう。
 俺は、彼女を掴んでいた手を見る。少なくとも、彼女は俺を助けてくれた。偶然間近にいた俺を。その事に感謝すべきなのか、それとも呪うべきなのか。今の俺には決められなかった。
256号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/10(木) 15:58:00 ID:KdHvuOEV
「まず、状況を知らなければ。君、大丈夫?」
 彼女が俺を見る。涙は止まっていたが、目が赤い。俺は深呼吸した。恐らく予備の空気だろう。普通の呼吸に支障が無いくらいだった。
「……一応」
「恐らく軌道モジュールにデブリが当たったのが、この事故の原因だよ。このMOOSB(宇宙空間救命艇)は本来10人乗り。一応、装備を確認して。これリスト」
 彼女は俺に冊子を渡す。救命艇の装備の一覧だった。
「あ、あんたは、何を?」
「あたしは通信してる。いくつか周波数を知ってるから。ただ、太陽活動の極大期ってのがネックだけどね」
 そういえば今年は11年に一度の太陽活動の極大期だ。もしかしたらそれで機器を狂わされてデブリの接近に気付かなかったのか。
 とりあえず、俺はリストにあるいくつかの項目をチェックして回る。救命艇内には8人分の座席と、2人分の操縦席がある。各座席の下に各人の分の救命用具が備え付けられており、またその上には宇宙服やボンベもある。
 艇後部には便所、洗面台だけが備え付けられている。水が貴重な宇宙空間、それも救命艇である。シャワーはさすがに出来ない。一応人数分のタオルはある。
 座席にはシートベルトと食事用の台があり、最後尾の座席以外の背もたれ後ろには緊急時のマニュアルやメモ用紙、筆記用具が挟められている。
 座席の下にある救命用具には1週間分の糧食、寝袋状のレスキュー・シート、救急セット、使い捨て懐炉10個、尿再利用キットが入っている。
 座席上には硬素材宇宙服と6時間分ボンベ3個、予備の栄養ドリンクが大量に入っていた。宇宙服の着方が印刷された冊子も人数分ある。
 また、その他にも消火器や人一人分が入るであろう密封袋、ビームライトも備え付けられている。
 一般的なところでの装備品チェックを終え、俺は操縦席にいる少女のもとに行く。
「終わったみたいだね」
「ああ。あんたの方は?」
「太陽フレアかな、通信がいかれてる。それに、もしかしたらヴァン・アレン帯内かもしれない。あと、レーザ・ジャイロも衝突の衝撃かな、いかれてるし、踏んだり蹴ったりだよ、もう……」
 愚痴を言うように彼女は呟く。ヴァン・アレン帯とは、放射線帯という別名の通り、高濃度の放射線が飛び交う地球周辺の帯状の領域だ。放射線は、肉体はもとより機器にも悪い影響を及ぼす。機器が高度であれば尚更だ。
「救命艇それ自体には目立ったダメージ無し。ただ、微細デブリが低速度で16箇所に衝突してる。内部に影響は無いけど、右舷の外部放射線防護パネルが損傷してる可能性がある」
 冷静に状況を見極めていく。そこに、少女の面影は微塵たりとも感じられない。
「通信もジャイロもいかれてるとなると、レーダなんて以ての外。下手したらこれにデブリが衝突する可能性だってあるし」
 言って、彼女は顔を上げた。目は未だに赤いが、それでも幾分穏やかな表情ではある。
「これ以上、何も出来ないね。通信回線はずっとアクティヴにしておけばいいし。太陽電池も展開したし。ああ、遅れたけど、あたしはリナ・アナトリティクー。ギリシア人よ」
「タカキ・ニシヅカ。日本人だ」
「オーケイ、タカキ」リナ・アナトリティクーと名乗った少女は椅子の上で脱力した。「そう、まず、色々強引に進めちゃってごめん。でも、1人だけでも助けたかったから……」
 急に申し訳無さそうに彼女は言う。そんな顔をされると、こちらだって畏まってしまう。彼女を責めたのは俺なのに。
「俺も、……何も知らないで感情的になっちまって。その、済まなかった」
「いいよ。あたしは気にしてない」
 彼女は、本心は知らないが表面的にはあっさりとした正確であるようで、俺はひとまずほっとする。
「それより、今は生き残る事を最優先に考えよう。って言っても、出来る事は体を救助が来るまでおとなしく通信電波を垂れ流し続けるだけなんだけどね。怪我も、してないよね」
「ああ。打撲も、減圧障害も無い」
「よかった。あたしも特に無し。訓練の賜物だね」
266号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/10(木) 15:59:42 ID:KdHvuOEV
 それにしても、見た目では小学校高学年から中学1年生くらいにしか見えない彼女は、突風の中で動揺する事無く自分の体を支えていた。最近は肝が据わっている小中学生が増えているのだろうか。
 というか、そのくらいの年齢の人間が通信機を扱いまた、艇の様子を細部まで把握しているという事に、冷静なった今気付いた。想像してみるといい。中学1年の女の子が先程のような内容を話しているところを。
 幾分心に余裕も出てきた。リナは未だにコンソールと格闘して、通信を試みようとしている。俺はコ・パイロット席(右側)に座り、シートベルトをつけてその様子を見た。
「メイデイ、メイデイ、メイデイ。こちらルフトハンザ航空LH5594便救命艇6号。現在NATO宇宙軍共通救命周波数で交信中。応答せよ。繰り返す、応答せよ。メイデイ、メイデイ、メイデイ」
 そのフレーズを何度か繰り返すが、しかし先方からの応答は無し。太陽フレアの影響か、それともヴァン・アレン帯内だからか。
 ため息と共に、彼女の母語であろう言葉で何か呟く。そして不意に、こちらを見た。
「やってみる?」
「え? 俺?」
「そんな顔してた」
「マジか」
 渡されたヘッドセットを装着し、俺も見よう見真似で交信してみる。リナからは国連宇宙軍の共通作戦周波数(救命用ではない)で交信するように言われた。
「メイデイ、メイデイ、メイデイ。こ、こちらルフトハンザ航空、LH5594便救命艇6号。現在国連宇宙軍共通作戦周波数で交信中。応答せよ、繰り返す、応答せよ。メイデイ、メイデイ、メイデイ」
「うんうん、上手上手」
 何だろう、複雑な気分だ。小学生だか中学生だか分からない少女から教えを受けて、まあそれ自体はまだ許せるが、行ったそれに対してこの言葉である。
「……」
「もう1回いってみようか。それで駄目なら今度はEU宇宙軍の共通作戦周波数かな。ああ、ESAの救命周波数はその次に……」
「ひとつ思ったんだけどさ」俺は彼女の言葉を遮って言う。「通信でだめなら、もっと他の方法でやってみた方がいいと思うんだけど」
「他って?」
「メールとか」
 俺はベルトに付けた小物入れから携帯電話を出す。機内では当然、電源を切っていた。メールならば、月より遠くでなければよほどの事が無い限り通じるだろう。一応UHF帯の電波を使っているのだから。
「そうか……。やってみよう。あて先はどこでもいいから、とりあえず生存報告とここで常に開局している周波数帯を送ろうか。こっちはそのメールの中継アンテナを設定するから」
「よし」
 俺は携帯電話の電源を入れる。
 携帯電話は地球上でも月面でも、その機種や会社に設定された中継アンテナの有効範囲内しか使う事が出来ない。
 それは逆に言えば、中継アンテナの有効範囲で且つ、長距離に電波を発信出来るほどに強力な電波増幅装置を持っていればどこにいても携帯電話が使えるという事でもある。
 通常、宇宙船というのはその大小に関わらず、強力な電波を発信して地球や月、または宇宙船やステーション同士で交信している。どこにいても、だ。それがたとえ火星でも小惑星帯でも、或いは木星や土星、さらに遠くにいても、例外ではない。
 問題は、その出力を出し過ぎると中の人が沸騰してしまう事だ。強力な電波は、可視光こそ発しないものの熱を以てその存在を人間に知覚させる。原理は電子レンジと同じだ。
 そのバランスが難しいのである。
276号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/10(木) 16:01:37 ID:KdHvuOEV
「日本の超長距離通信対応の携帯電話で使われてる周波数帯の上限は一応知ってるから、そこから虱潰しにサーチしてくよ。電波が立ったら教えて」
「ああ」
 この、恐らく10メートル満たない距離での通信なら、太陽フレアや放射線でも邪魔は出来まい。そして10分ほどだろうか、唐突に、「圏外」の表示が消え、電波が立ち始めた。
「電波立った。もうちょい出力上げて」
「これぐらい?」
 電波の表示が最大になる。
「オーケイ、じゃあ、今から文面書くから」
「了解。一応、あたしの生存も報じといて。それと、ここの周波数は68.1と90.4ね」
「68.1と90.4、と。あんたの名前のスペルは?」
「ルクセンブルク・イタリアン・ノルウェジアン・アメリカ、スペース、アメリカ・ノルウェジアン・アメリカ・テキサス・オンタリオ・レイディオ・イタリアン・テキサス・イタリアン・キロワット・オンタリオ・ウルグアイ」
「……は?」
「あ、ごめん。つい癖でEUのコード使っちゃってたよ。えーっと、リヴァプール・イタリア・ニューヨーク・アムステルダム、スペース、……」
「いや、いきなりEUのフォネティック・コードで言われたから面食らっただけだ。一応分かる。……T・I・K・O・U、と。リナ・アナトリティクー、オーケイ」
 題名:生存報告。このメールを見たらすぐ警察に電話して
 「そっちで報じられてるか分からないけど、俺が乗ったルフトハンザのLH5594便が多分デブリの衝突だろうけど事故った。俺はもうひとりと脱出して無事。今救命艇6号で中間軌道を漂ってる。で、そのもう1人はLINA ANATORITIKOUってギリシア人。
 この救命艇6号は救助まで無線を開局しっぱなしにする。周波数は68.1と90.4。そのまま言えば分かるから、何も考えず警察に通報して。
 あと、今年は太陽活動の極大期だから宇宙じゃ電波が通じにくくなってるので注意。
 救助されるまで心配かけるけど、一応今は無事。健康そのものだから、死んでるなんて考えないように」
 そう文面にして、両親、姉、親しい友人2人に宛先も設定完了。
「準備完了」
「うん。こっちも完了」
「じゃ、送信する」
 送信ボタンを押す。メールの文面が長いし、5人に送ったから送信画面が長い。その事が、俺を不安にさせる。
 しかしその不安を他所に、携帯電話は送信画面から待受画面に切り替わり、「送信しました」などとウィンドウが出ていたりする。
「中継を確認。一応、これで送れたはずだよ」
 俺はコンソールのモニタを見る。メールアドレスが5つ表示されている。ちゃんと、送った奴らのメールアドレスだった。あとは、メールがきちんと着信する事を祈るばかりである。
「あと、やる事はないかな?」
 彼女が今一度、自身のチェック項目を確認する。
「モールス符号とかどうだ。可視光を使えば電波よりも確実だろ」
 光を使ってモールス符合でやり取りをするというのは、昔から行われていた事だ。俺が中学生の頃、色々思い立ってひたすらモールス符号を覚えた記憶がある。
「なるほど。どこかにそんな機構が……無いなあ」
「無いのか?」
「それっぽいので航法灯があるんだけど、これはコンピュータで制御出来るのがオンとオフだけなんだよ」
 それは使えない。というか、宇宙空間のようにどの方向から救助が来るか分からない場合、全方位に光を発する必要がある。救命艇だからこそ付いていて欲しい装備だが、付いていないのでは仕方無い。
286号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/10(木) 16:02:26 ID:KdHvuOEV
 そういうわけで、行うべきは全て行った。あとは救助が来るまでひたすら待つしかない。
「無線は常に開局しておいて、定期的に呼びかけるから。昔の、ニューヨークに1人だけ、っていう映画みたく」
「ああ」
 1日1回じゃなくて1時間に1回だけどね。と彼女は付け足し、再びモニタに向く。
「君は寝ててもいいよ。無線だけだったら、1人でも出来るし」
「俺は用なしですかそうですか」
 小中学生にイニシアティヴを取られている事に、一抹の不満はある。いくらその挙動にまったく無駄が無いとしても、だ。自分の中に年功序列がまだある事に、少しイラつく。
「用なしって……。そういう事でもないんだけど、やっぱりお互い慣れてる事やった方がいいでしょ? 不慣れから機器を壊される可能性だって無きにしも非ずだし」
「何だよ、俺が機器を壊す事前提で語ってくれちゃってさ。無線装置だけだったら俺だって必要な資格くらい取ってる」
「あ、そうなの? なんていう資格?」
「デジタル広域無線通信士」
 宇宙飛行士や宇宙船操縦士、航宙管制官になるために必要な国際資格の一つだ。満16歳以上65歳未満なら誰でも受験出来るので、宇宙船に関わりたい人は積極的に受験する。
 俺はこの資格を17歳のときに取得した。この資格は1年ごとに試験を兼ねた更新手続きがあり、俺は月から出発する直前にその更新を行った。
「あら。こりゃ失礼をば。とりあえず、免許見せて。最後に機器に触ったのは?」
「昨日。更新したてだ」
 俺は携帯電話にその資格免許を表示し、見せる。
「そう……そこまで言うなら、12時間交代で詰めましょうか」
「っていうか、あんたはどうなんだよ? 免許持ってんのか?」
「あたしはこういう者なのよ」
 彼女はポケットから1枚のカードを取り出す。それはIDカードのようだった。
 「European Union Information Force」とある。下には氏名と所属。更に下には光学情報登録部、登録番号が印刷されている。ちゃんと顔写真もある。
 という事は、彼女は紛れも無い軍人。しかも所属に「I-Cors-2」とある事から、かなりのやり手だと推測出来る。
 EU情報軍とは、確か50年ほど前に米軍に先駆けて新設された公式の純軍事情報組織で、EUに関わりのある軍事事件に関して情報面からサポートしてきた。
 しかもその「I-Corps-2」は、「世間からの名声以外の全てを手に入れられる部隊」と噂されている、紛争解決に最も尽力した部署だ。
 受験のために月に行く少し前に、ニュースでEU情報軍に関する特集を組んでいたから知っていたが、それを視なければ存在すら知る事は無かっただろう。
「こ、これ、本物か?」
「当たり前じゃない。偽物だったら旅客モジュール内にいないよ」
「……じゃあ、本物だと仮定して、今あんた、何歳?」
「何歳だと思う?」
 高く見積もって13歳くらいかな。
「12歳とか、そこいら」
「やっぱり。あたしの年齢を間違えずに言える人って見た事無いよ。っていうか普通、女の人に年齢は聞いちゃだめだよ。正解は22歳」
「いや、そりゃ正解出すの不可能だから」
「だよねー。あたしね、成長ホルモン分泌障害っていうらしいののせいでこんな、ちっちゃい身体なんだよね。今年の身体検査で、ドラえもんの身長と同じになったんだけど」
 22歳で、129.3pか。そんないい年齢の人を小中学生として見ていたのか。すごく恥ずかしい。しかし彼女はそれすら意に介さない。やはりあっさりさっぱりした性格のようだ。
「まあ、そんなわけだから、改めてよろしく。それでね、無線の事なんだけど」
「んっ、ああ」
 彼女が唐突に仕事――といって差し支えないかどうかは知らないが――の話をし始める。
「現在時刻が地球標準時で16時21分。次の交信は17時ちょうどね。で、次の交信から12時間分はあたしが担当する。次の12時間分は君が担当して。そのローテーションでいこう」
「担当時間から外れてる間は何を?」
「寝てればいいと思うよ。あたしは極力起きてるけど、さすがにずっと起きてるわけにも行かないからね。不測の事態になったら、叩き起こして。あたしも叩き起こすから」
 つまり、今から12時間は実質俺がやる事は無いのだ。
 俺は副操縦士席で寝袋型のレスキュー・シートに入って、シートベルトを締める。
「じゃあ、俺は遠慮無く休ませてもらう。12時間後に起こしてくれ」
「多分その前に起きれるでしょ」
「どうだかな。俺は寝起きが悪いんだ」
「そうなの? まあ、いいや。おやすみ。いい夢を」
「どうも」

  *  *  *
296号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/10(木) 16:06:01 ID:KdHvuOEV
「宇宙船の中で二人きり」というシチュで書いてみました。
今回もエロいとこまで長くなるかもですね。あとは無重力ファックをどう書くかが課題です。
それでは、ご拝読感謝感激。
30名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 23:03:04 ID:sXtEffGR
新作ktkr!超乙。

そうか、こういう手段もあったか。
今時この手の設定は珍しい気がする。
31名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 23:39:55 ID:rjj/I5yN
そういえば生物って無重力だと妊娠しないんだよね。
宇宙に持っていったネズミだかメダカだかで実験してたっていうのをどっかで読んだ記憶がある。
326号救命艇の二人 ◆iok1mOe6Pg :2008/04/11(金) 02:03:12 ID:rXn5p8Sy
参考するサイト
ttp://www.spaceref.co.jp/news/2Tues/2006_07_26son.html
ttp://1nm.jp/q/diary/spacepregnant.html
ttp://wiredvision.jp/archives/200011/2000110805.html
ttp://wiredvision.jp/archives/200011/2000110907.html

>>31
「視力がよく、反応が早い」メダカを選抜して向井千秋女史が雄雌2匹ずつ持って行って実験した結果では、受精し卵も孵化し、ちゃんと子のメダカも育ったそうです。
まあ、魚なんで哺乳類の交尾とは勝手が違いますが、選抜した上で持っていったわけで、アトランダムに持って行ったら交尾も受精もしなかったかもしれません。これに関してはなんともいえない。
ネズミに関しては、ネット上では資料が見つかりませんでした。ただ、参考サイトを見ていただければ分かりますが、無重力での交尾は至難の業です。
だから仮令ネズミを持って行っても、交尾を成功させる事は難しいでしょう。
精子のレベルになると、重力に対して体が小さすぎるためにその影響をほぼ受けないといわれています。最低限腟、出来る事なら子宮に精子が入れば、あとは精子が特定の匂いの物質が濃い方向に泳いでいくので恐らく受精は可能でしょう。
但し、それによって妊娠するかどうかはまた別の問題になります。少なくとも胎生の生物は、無重力での妊娠には向かないでしょう。下手したら奇形児が生まれる可能性だってありますし。
因みに無重力下に長時間いると、全身が低血圧化します。すると、男性器は地球にいるときよりも小さく、柔らかい勃起になるようです。もし地球にいるときと同じくらいの堅さなら、多分貧血になります。
調べてみると面白いのでは。
長々と失礼しました
33名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 02:03:54 ID:MRdOpsZY
>>29
乙&GJ! そして宇宙で二人きりネタありがとー
続き期待してます。
34前スレ680:2008/04/11(金) 20:10:26 ID:AO+zYUDI
固有名詞大杉

そういう所を自重してほしかった
35名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:56:01 ID:qRlxZune
もう少し固有名詞を少なく、分かりやすく書いてくれるとうれしい。
でも前より読みやすかったし、おもしろかったよ、GJ
36名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 00:10:35 ID:FT7XibeK
ちょっと待て
これのどこが固有名詞大杉なんだw
37名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 03:56:14 ID:3jcNnG71
今の流れなら張れるかもしれない。

【中央日報】大韓民国も本格的な宇宙時代に突入したが、宇宙でのセックスは可能だろうか[04/11]
ttp://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1207880042/

考えてる奴は大勢いるんだなw
38名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 10:49:45 ID:nlLjwKrY
>>37
それを新聞でやるなという話だなw
39名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 16:59:43 ID:5are4yXn
固有名詞というか一般的でない単語や薀蓄を必要とする描写を
(ファ・サイドとかなんとかモジュールとか)
重ねることで雰囲気を出そうという書き方自体が
読み手を選んでるような。

>>22の1行目からしてプラテネス読んでなかったら
なんて書いてあるのかすら判んなかっただろうし…
4039:2008/04/12(土) 18:04:13 ID:5are4yXn
俺が判んなかった、です
41名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 18:06:23 ID:nlLjwKrY
そんなことはいいから妄想しようぜ
二人きりといったら体育倉庫だ
そうは思わないか?
42名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 21:57:08 ID:ZwEFDQB7
それより俺は無人島漂着とかのほうが
43名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:43:37 ID:TRoMCc3q
地方の電車、がら空きの車内なんかいいんだぜ
44名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 18:13:12 ID:BvwgKVoj
完全に二人きりだけじゃなくて、外からなにかしら接触の可能性があると尚いいな。
ちょっとした拍子に見つかりそうになったりとか。
そういう意味じゃ>>43のシチュエーションは萌える。
45名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 07:02:11 ID:L9gzv/iE
>>44
夕方の教室とか昼間の寂れた神社の境内とか田舎の雑貨屋とか個室になってる病室とかですね
わかります
46名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 10:11:03 ID:BOUa4RiV
俺としては命の危機、みたいなのがいいな。ま、雪山とか冷凍倉庫とか。

妄想のしすぎですね。すみません。
47名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 17:35:56 ID:KnkM7vUH
>>46
いいぞむしろもっとやれ

ところで今研究室で同じゼミの子と二人きりなわけだが、お互い地味に忙しいため必要最低限の会話しかしないw
48名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 17:44:00 ID:p+y+kzvE
>>47
スペックよろ
49名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 17:50:09 ID:2uDDpWNw
そこでさり気無く手伝ってやると良いかもしれない
5047:2008/04/14(月) 19:43:09 ID:MMuBrb4l
スペックとか何書きゃいいんだw

手伝うっつっても、やってる分野が結構違うから、本を自分で使うものをとるついでにとってやるくらいしかしてない
それは向こうも同じなのさ。ゼミで普通に見る光景
51名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 03:14:10 ID:J6h8zGmI
雪崩とか地震とかの天災や事故で二人っきりになるってのは王道シチュなんだけど、そういう生きるのでいっぱいいっぱいの
極限状態では性欲なんて湧かないだろうからエロに繋げるの無理があるなー、なんて思いながら仕事中にプロットを練っている俺
52名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 05:05:37 ID:HVESHvRC
>>51
むしろ本能で性欲が上がったり吊り橋効果でいい感じになれたりする可能性もあるぞ
53名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 07:27:00 ID:fcDYAafX
レイプまがいになるのは勘弁だけどな
54名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 08:29:03 ID:Vt7Ilvts
あれだピンチを一緒に乗り切る事で吊り橋効果みたいな感じになるやつか。パニック映画とかでよくあるパターン
55名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 10:02:06 ID:TdskLglJ
いったいいつになったら規制解除されるんだ

書き込みできない

ヽ(`Д´)ノウワァァァーン!!
56名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 19:48:53 ID:U1KkHgll
書き込めてるじゃん。
57名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 21:21:08 ID:EcsulKeC
生命の危機とかそこまで大変なシチュがなくとも
いくばくかの非日常感があればいい。

二人きりで小さな温泉宿に旅行に来たら
なりゆきで一部屋に泊まるようになっていてドキドキとか
他の宿泊客がいない混浴風呂に二人きりになってしまったとか
夜中に一人で宿の中庭で星空をながめていたら、パートナーも起きて来ていい感じに
なるとか、
ごく普通なのがかえって心地よい。
5881@総武の休日 ◆DlPgAmm21I :2008/04/19(土) 15:29:40 ID:M8Cqyu5b
#ながらくすみませんでした。
#前スレから続いている総武の休日、投下します。

「んんっ、んぅっ」
マリーが身じろぐ。どのくらい時間がたったのだろうか。
俺たちはあれからずっと続けていたキスを、ようやくやめた。
”んちゅるっ”
顔を離す際、どちらのかわからない淫靡ななにか吸い上げる音がする。
「んっ…どうした?」
お互いの顔はまだ至近である。
上気したマリーの頬が、碧眼が、彼女を捉えた自分の視界すべてが、己の行動を紳士的なものから逸した。
自分はマリーの頬についた”テラテラ”輝くよだれを舐める。
「んんっ、ば、かへ〜の…」
舐められてかすかに嬌声が漏れ聞こえる。”んぁんっ”
そのために彼女は何か言おうとしたが後が続かない。
なので続けて俺は視界に入ったマリーの右耳を舐め、甘噛みした。
「んっ、んひゃあっ!」
噛んだ瞬間、彼女の背が弓形に反る。
抱いた腕に”ビクッ ビクッ”と痙攣する動きがダイレクトに伝わってくる。
痙攣が治まりかけるときに、俺は彼女の頭を抱き寄せ、言う。
「イッたのか?」
「…そ、そんなこと、聞かないでぇ…」
達した直後なためか、垣間見(魅)せるしおらしい態度と言葉。
その吐息が、俺の耳朶を襲う。
”はぁっ、はぁっ、んっ、はぁっ”
呼吸を整えようとするマリー。

正直、俺はガマンの限界を向えようとしていた。

さらにマリーはささやく。
「さ、っきから、ばかへ〜のアツイのが… おなかに当たってるの…」
「……」
俺はなにも言えない。彼女を犯したい思考が正常な思考をどんどん浸食してきた。
俺の息子は、すでに臨界状態だ。
マリーに指摘されて、さらに微かな動作でこすれてしまい、いつでも突撃可能だ。
「それに、おなかの下が、すごくジンジンするの…」
彼女にいわれて、俺は抱き寄せていた体を少し離す。
下に視線を落とすと、ささやかな双眸の頂には柔らかそうな桜色の突起。
自己主張するかのごとく突き出ているのが判る。
さらに視線を下げ、彼女の股間を望む。
収穫期直前のちいさな麦畑を思わせるようなささやかな茂みの奥、足の付け根は、
水とは違う粘った液体が伝っているのが見えた。
5981@総武の休日 ◆DlPgAmm21I :2008/04/19(土) 15:32:00 ID:M8Cqyu5b
俺の息子はというと、マリーのおなかの部分に離れずくっついて、寄り添っている。
触れているだけですごくキモチイイ。
俺は、
「マリー…」
というと、彼女の脇に手を入れて、彼女を少し持ち上げる。
「え? きゃぁ!」
驚いた彼女は、何をすればいいのか判らず、抵抗できなかった。
そして俺はそのまま、先ほどの双眸の片方を、自分の口に押しつけて、吸った。
”ぺろっ、ぱくっ、ちゅっ、ちゅぽん♪、ちゅぅ〜〜〜”
「なっ! んぅっ! きゃん! やっ! ん〜〜〜っ!!」
俺の一動作毎に彼女は鳴く。
マリーは刺激による快感で突き放すこともできず、俺の頭を抱きしめる。
俺の口はさらに密着し、いたずらする度に彼女は言葉が途切れ、鳴いた。
「やっ、ばかっ、ばかへっ、んぅ! や、やめっ…」
俺はひとしきり、彼女の胸を楽しんだ。

”はぁっ… はぁっ…”
マリーは心なしかぐったりしている感じを受ける。
流石にやり過ぎたか? と思っていると、
「ばかへぇ〜…おなかの中がジンジンしてなにか、もう、もぅ」
彼女が言った。
辛抱たまらないような、なにかを欲しがる顔を俺に向ける。

俺は彼女が何を言いたいのかよくわかった。
いや、ここでわからないような朴念仁ではない。
だから言う。
「はじめは、痛いってきくぞ? それでもいいのか?」
「うん、ばかへ〜なら……いいよ…」
さすがにこれから何をするのかは、知識はあるらしい。
などと考えていると
「は、はやくっっ」
彼女に催促されてしまった。
こっちもガマンの限界なので、焦らずに急いで、
彼女の茂みの下の部分に自分の息子をあてがった。

そして俺は… 彼女に徐々に入っていき………最後の一線を貫いた。
6081 ◆DlPgAmm21I :2008/04/19(土) 15:43:12 ID:M8Cqyu5b
#いや、ながらくすみませんでした。
#ずっと放置してたわけではなく、2chのアク禁に巻き込まれまして
#(それ以外にも文章がまとめられないという未熟な面も)
#考えをまとめてたせいもあるんですが。。。
#私は文章を起こしていると、触感を感じてしまいまして、
#こういうシーンはなかなか書き進まない(身をよじったりしてしまう)
#...雑談がすぎましたね。
#現状、odn光がボロボロで、イーモバイルで書き込んでます。
#EMも禁止されたら、どうしよう。。。
#これからもよろしくお願いします。
61名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 16:15:50 ID:ccPP9/01
「双眸」は両眼のことだ。
あと、"こういうの"乱用されると特攻の拓にしか見えなくなる。
62名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 16:29:30 ID:GIN7rkea
すみません
よく推敲してませんでした
まとめは「二つの丘」と修正しました
63名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 18:43:23 ID:jGwvVUlr
>>61
逆に双眸プレイってありじゃね?www
64名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 21:17:16 ID:XH1QdPH+
>>60
つ●
たったの年間33$で、アク禁と無縁になれる魔法のアイテムです。

……お勧めはしない。
65名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 22:45:40 ID:8Pr1eArQ
>>60
総武〜の続きキタコレ!!
この期に及んでまだ「ばかへ〜」呼ばわりなのがまた良いw

…って、ソコデキリマスカ orz
66名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:03:58 ID:vrhECCSc
いいところで切りやがるw
次も楽しみだ

>>63
さすがに眼窩はやめとけw
67名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:42:50 ID:ejXEV/qS
最近のお気に入り妄想

まず飛行機事故かなんかで無人島に漂着します
そこに当然女の子も流れ着くんだけど、一緒になぜかイケメンの男も流れついてくるんだ
自分はブサイク設定だから当然女の子はイケメンのほうに少しずつよっていって
どんどん自分の居場所がなくなる
3人ではなく2人と1人になるわけです
耐え切れなくなった俺は2人と離れるために島の奥のの森に入っていきます
そこでなんだか孤独やら情けなさやらに浸るんだけどなんだかんだで銃や爆弾やナイフを発見
さあパーティの始まりだ!
っていうのおもしろいなと思ったんだけどこれはここの趣旨とは違うかな?
68名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 00:57:10 ID:iSQfsY6Q
どこがパーティなのかとかなぜ森の中に武器があるのかとかそんなチャチな疑問以前に
そ れ 三 人 じ ゃ ね?
69名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 04:35:56 ID:LCZAUm3u
>>68
ファイトクラブ的なオチにするしかないな
実はイケメンの男は自分だった。ブサメンの男も自分だった。一人二役
70名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 04:55:11 ID:njK7F7i5
>68
実はイケメンが居るというのは脳内妄想だったとか
71名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 08:33:27 ID:4dzHwBQz
>>70
なんか猟奇的な結末になりそうでやだなあw
72名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 18:57:03 ID:xH340QpU
実は女の子が居るというのは脳内妄想だったとか
73名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 23:28:16 ID:KzgzmXVh
アッー!
74名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 23:44:13 ID:1jlY5JLS
ブサイクがイケメンを倒して女の子と二人きりに。
その後、怯えた女の子とごにょごにょという展開じゃないのか。
75名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 15:00:07 ID:8Gp9ANaI
実は自分も女の子だったとか
76名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 20:03:20 ID:8hultnrN
なんというカオス
ここって百合いいのかな?
77名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 06:42:26 ID:DgsxE0/m
スレタイ的にはおkじゃね
78名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 21:48:02 ID:oBSkBFzz
百合で二人きり…

「うー、トイレトイレ…」
いま、トイレを求めて走っている私は、ごくふつうの予備校生
強いて違う点を上げるとすれば、女の子が好きってことかナ
名前は道下正子



いや、すまん、忘れてくれ
79名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 19:27:57 ID:g5C06OdE
うほっいい女
80名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 11:36:36 ID:rwUMe7XA
や ら な い か
81名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:40:00 ID:FvxWkP04
あげ
82名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 07:44:36 ID:Gz96hCeH
ほー
83名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 20:54:16 ID:I/c3E+xF
法華経
84名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 00:26:56 ID:ryUn6ux/
保守っとこう
85名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 17:30:38 ID:jqgEeqNU
86名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 23:33:52 ID:OPhzxIRI
過疎やなあ
87名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 09:57:02 ID:5/QKua83
ひとがいない・・
88名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 19:26:51 ID:bs9270qV
 夜の線路を、ワンマン電車がひた走る。
 時刻は21:42。都会ではまだ、終電を気にするような時間ではない。しかし、これはこの地域の終電だった。しかも、間も無く終点。
 車輌は1輌のみ。乗客は女の子1人。垣間見ると、座席で船を漕いでいる。いつものことだ。彼女は今年に入ってから、この電車を利用するようになった大学生のようだった。
 大学の最寄り駅との往来で片道1時間半乗っている。田舎からの通学は骨が折れる事だろう。既に両手の指で足りないくらい、座席で寝ている彼女を起こす事があった。
 そんなことを4月から2ヶ月間続けている。今では、終点の彼女が乗り降りする駅でしばらく世間話をしてから操車場に帰るというやり取りをするまでになった。
 そんな6月のある日、いつものように車内で、最寄の自販機で勝った飲み物を飲みながら世間話をしていると、彼女が少し意気込んで、言った。
「後期から、向こうで、1人暮らしをする事になったんですよ」
 嬉しさが滲み出ていた。それはそうだろう。今まで、往復3時間、電車以外の移動も含めると往復4時間をかけて通学していたという彼女は、それだけ、彼女の友人と過ごす時間を削られてきたのだから。
「そうなんだ。おめでとう、と言うべき、かな?」
 だが、何故だか、彼女の顔は次第に浮かないものになっていく。
「どうしたの?」
「いえ、……いえ、ちょ、っと、中間テスト失敗しちゃって……」
「そうなんだ。俺みたいに一浪なんてしないようにしないとな。まあ、まだ1年なんだから、そんなに気を落とす必要は無いさ」
「そう、そうです、よね! うん、ありがとうございます」
 彼女は缶を一気に呷り、一息つく。そして立ち上がった。
「今日も話し込んじゃって、すいません」
「いいさ。10時半まで暇なんだし」
 時計を見ると10:21。いい時刻だ。
「むしろナイスタイミング。それじゃあ、また明日だな」
「そうですね。……夏休みまで、よろしくお願いしますね」
「こちらこそ」
 そう言って、彼女は電車から出て行った。
「おやすみなさいですー!」
 俺は無人駅のホームでそう叫ぶ彼女に、手を上げて答えた。小さくなっていく彼女を見送り、10:33、操車場へと帰路に就く。
「……あ。また定期見るの忘れてた」
 一人だけの暗い車内で、そんな事を呟いた。



気が向いたら続けるかもしれない
89名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 19:33:07 ID:HyCHlVhs
頼む
続きを…続きを…ッ!
90名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 22:22:23 ID:Z8ORwby2
やっと人が来てくれた!!
続き希望します
91名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 03:16:49 ID:2Z5ed9jH
続きに期待。
92名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 20:38:17 ID:eQfF1sDH
保守
93名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 18:31:00 ID:PUSjGqGV
久しぶりに来てみたら…
>>88続き期待しつつ待ちます
94名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:18:02 ID:UEHVLelN
ところでよおまえらは女の子と二人きりになったことある?
俺はないな
中学のころに体育用具倉庫で作業中に
だれも中にいないと思われて閉じ込められたことはあるがな
しかも男と二人きりだった(⊃д`)
95名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:08:01 ID:wWTWCmC/
>>94
「中に誰もいませんよ」って言われたんですね。わかります
96名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:55:43 ID:zBHBLV5K
思い返せば中学時代は結構あったな
部活に選挙管理、他にも幾度かあったか…
97名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:57:44 ID:cL6ZQkJ0
昨日。ゼミで二人きり
他皆就活
98名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 03:25:27 ID:j1lHdc/U
小さな会社なんで、残業や休日出勤で部下の女の子と二人きりってのは結構。

当然、何も起こらんけどな…
99名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 14:02:56 ID:Xf0TLXIj
教室にあったPCで放課後2chを見るのが日課だった俺の後ろに女子が一人だけいたな、そういえば。
二人でフラッシュとか見てた。
今思えばフラグ起ってたのかなぁ
100名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 19:03:10 ID:w9Gt+oMT
考 え す ぎ
101名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:20:55 ID:bZB21aRm
高校のころ、授業サボって生徒会室で後輩の女の子と二人きり。

「先輩、好きよ」だって。でもそれっきり。なんだったのかなぁ・・・
102名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:41:05 ID:nW9EvK+M
逃したフラグは大きい…か……。
103名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:58:52 ID:nK1uhq9W
そんな状態があっただけでもうりゃましいわ
104名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:00:41 ID:speum7xJ
本当に告白だったのか?
だらけていた所への思いがけぬ発言に反応しきれず、
重要な部分を聞き逃してはいまいか?

後輩はおそらくこう言ったのだ


先輩、スキだらけよ
105名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:23:11 ID:VjyB/3Qx
ああ、どこぞの三姉妹か。
106名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 20:30:39 ID:tBjiXCPm
さて密室で女の子と二人きりになってしまいました
あなたならどうする?

1 犯す

2 犯す

3 犯す

4 犯される
107名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:54:17 ID:jnQ1G1GK
4一択だろ
108名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 12:04:12 ID:t/cJS1Sp
>>104が地味にこええw
109名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 22:37:03 ID:o7B4+BYp
>>105
kwsk
110名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 20:19:01 ID:6A539k9U
>>109
みなみけ
111名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 09:56:46 ID:e1XaWDhE
hoshu.
112名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:37:19 ID:x3UFLR9V
保          守
113名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 07:28:23 ID:1P1fByZd
114名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 22:18:42 ID:ZwYPly4k
115名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 22:30:23 ID:EEdk7GgX
116名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 22:46:07 ID:n9NHeSzM
117名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 23:57:34 ID:0GL/VRQ/
118名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 03:47:51 ID:TddQtFq4
119名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 20:23:49 ID:4pPlPgei
120名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 21:22:10 ID:mHD71rWI
なんだこりゃw

これはあれか、「星の歌姫」でなにか2人きりなネタを書けということか

むりだw
121名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 22:30:28 ID:LfgBBcLi
御前と俺が二人きり
122注意書き ◆AO.z.DwhC. :2008/06/06(金) 01:59:37 ID:B/eqjmBR
>>113-119の連携プレイに感動したので「星の歌姫」で二人きりネタ。
エロはぬるめで背筋がむず痒い感じを目指しました。
よろしければお付き合いください。
タイトルは「ほしのうたひめ」です。
123ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:00:28 ID:B/eqjmBR

ある日突然、あっさりと人類は滅んでしまったらしい。
僕はその歴史的瞬間に、ぼけっと寝こけていた為、一体何が起こってこうなっ
てしまったのかは分らない。
ともかくも、ある朝目覚めたら街は無人で、そう広くもない家の中には誰一人
いなくなっていた。
父さんも、母さんも、妹も、ペットのタロでさえ、その姿を綺麗さっぱりと消
していたのだ。

最初は、悪い夢でも見ているのかと何度か頬をつねったり、無理やりベッドに
潜り込んでみたりもしたが、いつまでたっても何一つ変化は起こらない。
諦めて、とりあえず街を巡ってみようと、ぐるりと近場の駅周辺を一周したが、
やはり人っ子一人いなかった。
駅に停車したままの電車はドアが開いたまま、車掌も運転士も乗客も乗せずに
のっそりとその場に留まっていたし、いつも騒がしい駅前のコンビニはガラン
としたままだ。
仕方なく、おにぎりとペットボトルのジュースを失敬して、僕は再び家に戻っ
た。
こんな時でも、いやこんな時だからこそ、家の中は落ち着く。
こんな小説やドラマみたいな出来事に遭遇しても、なかなかその通りには事は
進まないものだ。
似たような状況に陥った主人公は、まずは生き残っている相手を探したり、原
因を究明するための努力をしていたが、僕にはどうもそんな気力はない。
おにぎりにかぶりつきながら、居間のテレビをつけると当然のように映らなかっ
た。
しかし、どうやら電気は通っているようだ。
ザーザーと流れる砂嵐は、電波に乗る番組が既にないことを示していたが、変
わりに電気がまだ存在していることを教えてくれる。
水道もガスも、今の所は通っているし(今後どうなるのかは分らないが)、とり
あえず現状にあまり不満はなかった。
人寂しいことを除けば、高校生としては申し分のない、”毎日が夏休み”状態
な訳だから。
普段はうっとうしくて仕方なかった家族の声がしない家の中はがらんと広くて、
セットしたゲームの音楽がやけに大きく響いた。
124ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:00:51 ID:B/eqjmBR

***

あんまり家でごろごろしているのもなんなので、ふと思い立って学校に行って
みることにした。
誰もいない通学路を、いつものように自転車に乗って進むと、僕が通っている
地元の高校の灰色の校舎が見えてくる。
コンクリート造りの校舎はお洒落ではあるが、夏は暑く冬は寒い、最悪の学び
舎だ。
なんだかそのシルエットを見ただけでうんざりしてくる気分を無理に押し上げ
てペダルを漕ぐ。
パーカーのフードがぱたぱたと風に揺れて、肩を叩いた。

がらんとした校舎は、昼だというのにしんと静まり返っていた。
まあ、無人なのだから当たり前だろう。
特に感慨もなく、土足のまま廊下に上がりこんで、スニーカーをぺたぺた言わ
せながら教室に向かった。
本当なら授業を受けているはずの僕の教室、2−Bは見事に誰一人いない。
おそらく、僕が一人残ってしまった日のまま放置されているのだろう、机の上
には教科書や筆記用具がそのまま置きっぱなしだ。
きちんと片付いた机と、ごちゃごちゃした机、そして落書き。
各人の個性が垣間見れて、僕はついついクラスメイトの机をじゅんぐりに回っ
てしまった。
ちょっと悪趣味だが、別に机の中まで覗いたわけではないのだから、むしろ良
心的だと思ってもらいたい。
特別親しくない限り、なかなか人の机の使い方を観察する機会はもてないから、
実に興味深くそれらを見ていると、いきなりチャイムが鳴った。
びっくりして、教室に備え付けられたスピーカーを見ていると、唐突に歌声が
響き始める。
流行に詳しくない僕には、それが何の歌なのか、さっぱり検討はつかなかった
が、一つだけ分ることがあった。
その歌は、今この場で歌われている、ということだ。
息継ぎのタイミングや、マイクがたまにハウリングするかんじは、まさしくリ
アルタイムで誰かが歌っているに違いなかった。
「……放送室に誰かいるのか、な?」
呟いて、ちょっと背筋が寒くなった。
誰もいない学校の中に、一体誰がいるというのだろう。
もしそれが人間ならいいが、みもうこの状況下ではなんでもアリだ。
実は宇宙人が侵略して人類は絶滅していて、この歌は仲間たちに送っている電
波だったりすることも在り得るかもしれない。
だったら嫌だなあ、と思いつつも、僕の足はふらふらと放送室に向かっていた。

それはその歌声が可愛い女の子の声だったからかもしれないし、あまりいい思
い出のない教室から出たくなったからかもしれない。
けれどやっぱり、一番の理由は、僕がこの一人きりの世界にものすごく孤独を
感じていたことだろう。
125ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:01:48 ID:B/eqjmBR

***

「……………………」
「……………………」
意を決して放送室のドアを開けた僕は、そこに思わぬ人物を発見して固まった。

それは向こうも同じだったらしく、こんな時だというのにかっちりと制服を校
則どおりに着こなした女の子――松永雪子(まつながゆきこ)は僕の姿を見て、
歌をやめて静止した。

松永と僕の関係は、一言で言うなら「イジメられっ子同士」だ。
特に接点はない、というか会話を交わしたことすらないが、僕は彼女のフルネー
ムさえ知っていた。
それはきっと彼女のほうでもそうだろう。
何しろ僕たちは、学校でも有数のイジメの被害者だったのだから。
僕が受けていたイジメは主に精神面で、松永が受けていたイジメは極端に肉体
的なものだった。
何度か彼女が女生徒たちに囲まれてリンチにあっているのを目撃したことがあ
る。
松永がそんな風にイジメを受けるようになった原因を、僕は知らないが、きっ
と僕がイジメを受けるようになった理由と同じく、些細でつまらないことなの
だろう。
ともかくも、彼女はその所為でいつも生傷が絶えず、よく包帯や絆創膏を巻き
つけていた。

白い顔立ちと、制服から覗く細い腕は、リンチがなくなった所為かなめらかに
傷一つなくなっている。
鎖骨の少し下あたりまで伸ばされた真っ直ぐな黒髪は、開け放たれた窓から入
る風にさらさらと揺れて靡いた。
「……吉田くん?」
「松永さん、歌上手いね」
やっぱり松永も僕の名前を知っていたようだ。
軽く首を傾げて問いかける彼女に、なるべく笑顔をつくりながらそう言うと、
松永は不思議そうな顔で押し黙った。
久しぶりの人との会話は、しかし沈黙とあまり変わりがない。
どうしたらいいか迷いながらも、僕は意外にもすっきりと美しい顔立ちをして
いる松永を見つめた。
「人がいるなんて、思わなかった」
「僕も、誰もいなくなったと思ってたよ」
頷きあうと、緊張していた空気がふと緩んだ。
そういえば、誰もいないんだった。
僕らが二人きりで会話をしていたところで、誰にも見つからないし、その所為
で面倒なことになることもないのだ。
どちらともなく安心のため息をついて、僕たちは日頃とはうって変わって饒舌
に話しあいはじめた。
「いつからこうなんだろうね。電気も水道もガスもあるし、スーパーもあるか
ら別に困らないけど、ちょっと怖い」
「学校に行かなくて良くなったのは嬉しいけどね」
「それは、私も嬉しいけど。することがないから、つい来ちゃう」
「分るな、それ。僕もゲームクリアして暇になっちゃったから、ついつい出て
きちゃったよ」
顔を見合わせて笑いあうと、すっと心が軽くなっていくようだった。
松永はリンチにあっている間中、眉ひとつ動かさずに孤高を保っていたが、今
はくるくるとよく笑い、忙しなく表情を変えていく。
その様子は年頃の少女らしく、とても可愛らしい。
126ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:02:31 ID:B/eqjmBR

「でも松永くんで良かった。わたし、ずっと不安だったの。もしわたし以外の
人がいるとして、それがあの人たちだったらどうしようって」
「ああ、そっか。僕はてっきり本当に誰もいなくなったと思ってたから、そん
なこと考えもしなかったよ」
「吉田くんらしいね。ほんとに、あの話の通りの人だ」
「………………そうかな」
松永も読んでいたのか、あれ。
ちょっと凹んだ僕の様子を察したのか、松永は顔色を変えて押し黙る。
気を使わせて申し訳ないな、と思いつつも僕の機嫌は急速に落ち込んでいく。

***

小さい頃から、話を作るのが好きだった。
当然、作文コンクールだの小論文の賞だのに入賞することは日常茶飯事だった
僕の転機は、ある一つの物語に出会ったことだった。
その小説を読んでから、僕はどっぷりと創作に嵌り、寝る間も惜しんで書き続
けた。
書きあがったいくつかの話を、新人賞に応募し、そのうちの一つがめでたく雑
誌に掲載されたのが、不幸の始まり。
運悪くペンネームを使わずに投稿したため、学校の国語教師にそれを発見され、
何に浮かれたのか、彼がそれを授業で配布したり、教室に貼り出したりしたせ
いで僕の学校生活は一気に灰色になった。
思春期の男子にとって、もっとも恥ずかしい創作を、クラスメイトに見られる
というだけでもかなりのダメージだというのに、その教師は更に雑誌掲載時の
賞金額まで話題に出してしまった。
一介の高校生にとってはかなりの大金であるその金額を聞き及んで、クラスの
内外からさまざまな勧誘(という名のたかり)が横行した。
それをきっぱりと跳ね除けた後は、なんというか……はっきり言って地獄だっ
た。
けれど書く楽しさを知ってしまった僕は今更それをやめることはできず、その
後も性懲りもなく投稿を繰り返して、そのうちのいくつかでまたもや賞金を手
に入れる。
そして、それを発見した教師の手によって、地獄は幾度も繰り返されたのだ。
ペンネームを使うことも考えたが、元は文筆家志望だったらしいその教師は妙
なコネを持っていて、何をしてもすぐにバレてしまう。
もう、全てどうでもいいと割り切って、僕はひたすら外野を無視して己の世界
にのみ没頭することで教室での悪夢のような時間を乗り切ってきたのだ。

その、僕の話を松永も読んでいたとは。
件の国語教師がさんざんバラまいてくれたのだから、まあ不思議ではないが、
やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。
うっそりと落ち込む僕を気遣うように、松永はプリーツスカートの裾を白い指
で掴んでは離し、手を握り締めては開く動作を繰り返した。
「……ごめん。気にしないで。ところで、腹減らない?」
「そういえば、そうかも」
「松永はいつも食事どうしてんの? 俺はコンビニでカップ麺とか買ってるけ
ど」
「私は家でご飯作ってるかな……生野菜とかは保存利かないから、スーパーの
早めに使って腐らないように料理してる」
松永は自炊もできるらしい。
成績がいいのは知っていたが、料理ができるとは知らなかった。
顔立ちも可愛らしく、成績のよい、おまけに家庭的な優等生がどうしてまたリ
ンチを受ける羽目に陥ったのか、僕には想像もつかない。
にこりと微笑む松永に笑い返しながら、僕はついつい考えをめぐらせてしまう。
127ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:03:27 ID:B/eqjmBR

他人の不幸さえ話のネタにしようとしている自分の業の深さには呆れるばかり
だが、どうにも止められない。
今度は松永を主人公のモデルにして、何か書いてみようかな、と思っていると、
彼女は躊躇いがちに言った。
「良かったら、吉田くんも食べに来ない?」
「いいの?」
そろそろカップ麺にも飽きていた頃なので、松永のお誘いは素直に有難いが、
誰もいない女の子一人の家に上がりこむのは気が引ける。
「うん。一人ぶんだけ作るのって実はけっこう面倒だから、吉田くんがきてく
れると助かる」
「じゃあ、遠慮なく」
僕がそう答えると、松永は嬉しそうに笑って放送室の椅子から立ち上がった。
スカートのプリーツの裾が揺れて、白い膝が見える。
うっすらと傷の残った白い足が痛々しくて、僕はそこから視線を外した。

***

松永の家は、僕の家より大きかったが、豪邸とまではいかない、よく手入れを
された庭が綺麗な一軒家だった。
赤味がかった煉瓦づくりの家は、西洋風のモダンなデザインで、趣味の良い作
りのドアには金字のアルファベッドが刻まれている。
真鍮のドアノブに鍵を差し込み、僕を招き入れた松永は、陽の光が差し込むフ
ローリングのリビングのソファを指して言った。
「座ってて、すぐできるから。飲み物は何がいい?」
「なんでもいいよ。お構いなく」
「じゃ、ペットボトルのお茶にする」
くすくすと笑ってキッチンへと消えていった松永を見送ると、僕はソファに座
り込む。
もぞもぞと落ち着かなく身じろぎをしていると、グラスを片手にやってきた松
永に笑われた。
「そんなに緊張しなくていいのに」
「いや……女の子の家に来るのは初めてだから、つい」
僕の答えに、松永はくすくすと笑って薄緑色の緑茶の入ったグラスをテーブル
に置いた。
グラスの中に入った氷がかしゃんと涼しげな音をたてる。
「苦手なもの聞いてなかった。何か食べられないものってある?」
「特にないかな。でも生の玉ねぎが苦手」
「それは私も苦手だから、入れない」
「そうなんだ」
うん、と頷いて、松永は再びキッチンへと去っていった。
手持ち無沙汰に、ソファに放り出されていた雑誌をめくると、そこには松永が
いた。
正確には、松永に良く似た容姿を持った華やかな美少女が、水着姿で笑ってい
た。
可愛らしい笑顔とは裏腹に肉感的な肢体を惜しげもなく披露している少女は、
プールサイドのチェアに寝そべって長い脚を腕に抱え込み、豊かな胸を押し潰
すようにしている。
思春期の健康的な男子としては、ついつい食い入るように胸の谷間に注目して
しまうのは仕方ない。
雑誌に見入っていると、いつのまにかいい匂いの湯気が立った皿を両手にした
松永が僕の後ろに立っていた。
「それ、私のお姉ちゃんなの」
「…………美人だね」
「自慢のお姉ちゃんだけど、ちょっと嫌だったな」
「なんで?」
疑問に思って問いかけると、テーブルに皿を置きながら、松永は口をへの字に
曲げた。
聞いてはいけないことだったんだろうか。
128ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:03:58 ID:B/eqjmBR

「それが原因で、イジメられてたからね」
「…………ああ、なるほど」
それは嫌いにもなるだろう。
兎角、思春期の少年少女は目立つ人間に容赦がない。
それが本人だろうと、はたまた身内だろうと、イジメの理由にはなるのだろう。

僕にはあまり理解できないが。
松永は、僕が手にしていた雑誌の姉の写真を見つめて、泣きそうに顔を歪めて
話し出す。
「こんな風になる前の夜、大喧嘩しちゃったんだよね。お姉ちゃんの所為でイ
ジメられてるって、わたしが泣いたら、すごく困った顔してごめんねって。お
姉ちゃんの所為じゃないのに。すごくすごく大好きなお姉ちゃんは、わたしの
自慢なのに。泣きそうな顔して、ごめんねって……そんな顔させたくなかった
のに」
「……………………………」
堪えていたものを吐き出すように、松永はすすり泣くようにして姉との出来事
を語った。
実に悲惨すぎて、僕は何と言ったらいいのか分らなかった。
イジメられることのないこの世界では、同時に松永が姉と仲直りする機会も永
久に失われているのだ。
目と鼻を赤くした松永は、沈黙する僕に照れたように笑って言う。
「ごめんね、急に。誰もいなくなってから、ずっとそればっかり考えてて。誰
かに聞いて欲しかったんだ」
「いや、いいよ」
「冷めちゃうから、食べようか」
さばさばと笑って頷いた松永は、フォークを手にとってパスタを巻き取ってい
く。
その器用な動きをぼんやりと見つめながら、僕は女の子一人慰めることのでき
ない自分の不甲斐なさに腹が立った。
話の中でなら、いくらでも、そう、いくらでもかっこよくて優しくて、ついで
に頼りがいのある男の台詞くらい考え付くのに。
現実ときたらこの体たらくである。
美味しいトマトソースのパスタを啜りながら、僕はなんだか落ち込んだ。

***

結局、松永の家で夕食までご馳走になり、僕はとっぷりと暮れた夜道を自転車
で自宅まで走り出した。
初めてマトモに話した松永は、勝手に抱いていたクールで冷たいイメージとは
違って、ごく普通の可愛らしい女の子だった。
やはり、学校では色々と張り詰めているものがあったのだろう。
元イジメられっ子同士という奇妙な連帯感からか、松永は最初からあまり警戒
心なく僕に接してくれた。
そのおかげもあり、夕食を共にとる頃には僕と彼女はすっかり打ちとけ合って
いた。
さっぱりメモリの埋まっていない携帯にでも、登録をお願いしたいくらいに意
気投合したのは良いが、肝心の携帯の電波が非常に不安定だった為、やめてお
いた。
会いたくなったらどちらかの家に行くか、学校で落ち合えばいいだけの話であ
る。
家に帰り着いた僕は、なんだかこの生活も悪くないと思いながら、ベッドに入っ
て眠りについた。
129ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:06:10 ID:B/eqjmBR

***

「吉田くんは、やっぱりすごいね」
「何が?」
あんまり暇なので、折角だからこの状況をネタに一本話を作ってやろうと思っ
た僕は、学校に原稿用紙を持ち込んでざくざくとそれを埋めていった。
恒例行事であるらしい松永の歌を聞くともなしに聞きながらシャープペンシル
を走らせていると、歌い終えた松永が僕の原稿を覗き込むようにして笑った。
「わたし、吉田くんの話好きなんだ。同じ年であんなにすごい話が書けるなん
て、すごいってずっと思ってた」
「全然すごくないよ。むしろ松永さんのがすごい」
「私が? なんで?」
「イジメでリンチにあっても、絶対学校休まないで来てたし。成績すごくいい
し。料理も上手いし。僕には絶対真似できない。なんか憧れるよ」
呟くように言った僕の言葉に、松永はかすかに頬を染めた。
実際、松永雪子という女の子は、極端に欠点の少ない、実に魅力的な女の子だっ
た。
そんな彼女だからこそ、やっかみもあってイジメは加速していったのだろう。
そう考えると人の欠点というのも良し悪しだな、と思いながら、僕はなるべく
松永から視線を逸らして原稿用紙を埋め続けた。
自分で言っておいて、なんだか恥ずかしくなったのだ。
「…………そういえば、松永はなんで歌ってたの?」
「……え? ああ、えっとね……ちょっと恥ずかしいんだけど」
「いいじゃない。教えてよ」
なんとか話題を逸らそうと、戸惑う松永に食い下がると、彼女はやがて諦めた
ように口を開いた。
「これね、吉田くんのお話の真似なの。誰もいない星のお姫様が歌って、その
歌声が王子様に届く話。私、あれがすごく好きだから。誰かに届かないかな、っ
て思って」
「……”ほしのうたひめ”?」
「そう、それ。すごく優しくてあったかくて、わたしあの話が大好きなんだ」
「ありがとう」
にっこりと笑った松永を直視できず、俯いて呟いた僕の頬は、自分でも分るく
らいに熱くなっている。
これは相当赤くなっているんだろうな、と思うとますます恥ずかしい。
けれど、自分の書いた話がこうして誰かの特別になっていることは、自分でも
思いがけないほど幸せで、嬉しい。
「だから、吉田くんが来た時は、本当に王子様がきたのかと思っちゃった」
「ごめんね、僕で」
「ううん。嬉しかった。もし誰かに会うなら、吉田くんがいいなってずっと思っ
てたから」
「……僕も、松永でよかった。ずっと、松永とこんな風に仲良くなって、話し
てみたいって思ってた」
松永のストレートな言葉につられるように、そう言ってしまってから、思わず
自分の口を押さえる。
しかし、今更自分の口から出た言葉を取り消すことはできずに、放送室には気
まずい沈黙が落ちた。

松永を意識するようになったのは、彼女が校舎裏でリンチにあっている所を偶
然見てしまってからだ。
その時は名前も知らなかった彼女は、何をされても表情を変えず、やがてリン
チに飽きたらしい相手が去っていくまで、気丈に睨み続けていた。
細く華奢な身体に、世界中の全てを敵に回して一人で立っているかのような、
挑戦的な眼差しがひどく不釣合いで、印象的だった。
気がつくとつい視線で彼女を追うようになり、時にはこっそりと彼女が逃げ出
す手助けをしたりして、勝手に満足していた。
それが、この僕たち二人以外誰もいなくなった世界で、急速にその距離は縮ま
り、今こうして互いの息も届くような距離で見詰め合うことになろうとは。
130ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:07:29 ID:B/eqjmBR

***

回想を終えた僕の目の前には、頬を染めて目を潤ませた松永が、にじり寄るよ
うにして近づいてきていた。
「ま、松永…………」
「……吉田くん、わたしねえ、知ってたよ。吉田くんが時々わたしのこと、助
けてくれてたの」
「あ、いや、その……ごめん。あんなことしか出来なくて」
僕が表立って松永を庇うと、ますますイジメは加速するかもしれない、そう思っ
て、影から助けることしか出来なかった。
……いや、それは言い訳だ。僕は松永を助けることで自分もリンチの対象にさ
れるのが怖かっただけの臆病者だ。
こんなに華奢な女の子が耐えているというのに、僕ときたらたったそれだけの
理由で彼女を見殺しにしてきた。
「ううん、わたしすごく嬉しかった」
松永は、そんな僕にもにっこりと笑ってくれる。
一緒にいるようになって、本当は彼女がよく笑う女の子だということを知った。

その笑顔を奪い続けてきたのは、あの連中と、そして僕だ。
もう少しだけ踏み込んでいれば、せめて僕の前だけでも、松永は学校の中でも
笑ってくれたかもしれないのに。
「ほんとに、ごめん、松永。なんにもできなくて、ごめん」
「吉田くん、泣かないで」
自分の情けなさに泣けてきた僕の視界は、潤んでいく。
そんなどうしようもない僕の頭を慰めるように優しい手つきで撫でながら、松
永は小さな声で囁いた。
「こんな状況で言うのもおかしいけど、わたし、吉田くんが好きだよ」
「…………僕も」
僕ときたら、本当に最初から最後まで情けない。
ある意味初志貫徹ではあるが、全くもって誇れないにも程がある。
震える声で囁いた松永に、その倍くらい震える声で頷きながら、僕たちは誰も
いない学校の、誰もいない放送室で初めての口づけを交わした。

***
131ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:08:52 ID:B/eqjmBR

***

松永の身体は柔らかく、甘く、そして傷だらけだ。
初めて裸で抱き合ったとき、僕は不覚にもその痛々しい傷跡に涙が出てきてし
まった。
松永といると、泣いてばかりのような気がするが、まあ仕方ない。
何しろ松永があり泣かない女の子なのだから、僕が変わりに泣いていると思え
ばいいのだ。
世の中は上手いこと釣り合いが取れている。
「よ、よしだくんっ……あ……ん……」
僕の下で、甘い声をあげる松永の首筋に噛み付くように口付けると、松永の細
い肩がひくりと引き攣る。
それと同時に、僕が押し入った松永の熱いぬかるみは、その内壁をきゅうと引
き締めて、僕をきつく絞り上げた。
「ま、まつながっ……すご……」
「あ……い……きもち、いいっ……す、ごくい、い……」
グラビアを飾るお姉さんよりは大分慎ましやかな胸を優しく揉むと、松永はき
れぎれに快感を訴える。
真っ赤に染まった顔が、妙に愛しくて鼻先に口づけを落とすと、松永は照れた
ようにそっぽを向いた。
そうこうしている間にも、僕の方の限界が迫っていて、正直かなりやばい。
先に僕だけ、というのもなんとなく男の沽券に関わるかんじがして、必死に松
永の身体を舌と手で愛撫していく。
「も、無理……イク……あっ……よし、だくんっ……」
「まって、もう少し」
なんとか高まったらしい松永の方の絶頂に待ったをかけながら、僕もラストス
パートを掛ける。
高くなった松永の喘ぎ声と、粘液が触れ合う湿った音に煽られて、僕は荒く息
を吐いた。

松永とこういう関係になったのは、あの放送室の出来事から二週間ほど経って
からだった。
それまでも口づけを交わす程度の接触はあったものの、それ以上の肉体的な触
れ合いはなく、しかし僕としてはそう急ぐつもりもなかったので、別段不自由
はなかった。
無人の学校で松永と話したり、彼女の歌を聴いたり、または時折キスをしたり
するだけで、結構満ち足りていたのだ。
人並みの性欲はあるが、なんだか松永をそういった対象で見るのは躊躇われて、
僕にはどうもそれ以上の行為に進むことができなかった。
その足踏み状態を一気に乗り越えてゴールまで導いたのは、やはり松永で、僕
はどうやら自分で思っているよりも更にへたれなようだった。
僕自身の情けなさは、あの時の放送室で十分に認識できたと思ったのに、更な
る下方修正が必要だったとは、我ながらびっくりである。
132ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:09:40 ID:B/eqjmBR

「……どうしたの?」
「ううん。なんか、ぼうっとしてた」
初体験を回想してため息をついた僕に、松永は不安そうに問いかけたが、僕の
答えに照れたように笑った。
シーツを巻きつけた白い体は、未成熟ではあるが十二分に魅力的である。
「松永くんと、こんなふうになるとは思ってなかったなあ」
「僕も。でも、こんなこと言うとアレだけど、ちょっとこの状況に感謝してる。
こんなことにならなかったら、こんな風に松永と一緒にいること、無かっただ
ろうし」
「そうだね。わたしも、ちょっと感謝だな」
くすくすと笑いあって、再びベッドに倒れこんだ僕らは、お互いの身体を確か
めるように抱き合う。
そうしないと、いつのまにか相手もある日突然消えてしまいそうで怖いのだ。
松永の暖かい体温に安堵を感じながら、僕は正直にも再び硬くなっている自身
を持て余す。
抑えが利かないのは、若さゆえだ。
松永の耳元で、もう一戦を強請ると、彼女は顔を赤くして、眉を顰めた。

***
133ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:10:30 ID:B/eqjmBR

***

はじまりが唐突なら、終わりも唐突だった。
ある朝目が覚めると、そこにはいつものように父がいて、母がいて、生意気な
妹が俺に突っかかり、懐かないペットのタロ(猫)が優雅に毛づくろいをしてい
た。
仕方なく、制服に着替えてパンを頬張っていると、しばらくぶりに見たテレビ
のアナウンサーが今日のニュースを伝えた。
日時は、あの世界から唐突に人が消えたその日ぴったりで、別段何一つ変わっ
たニュース
流れていない。
全ては夢だったのだろうか。
首を捻りながら学校に向かうと、通学路には同じ制服を着込んだ生徒たちの群
れが溢れている。
何一つ変わらない、いつもの光景だ。

ガラリと教室の引き戸を開けると、教室は一瞬静まり返り、やがてひそひそ声
と微かな笑い声が陰湿に広がった。
やはり、いつもどおりである。
窓際の一番後ろにある自分の席に座ると、そこには悪意のある落書きが変わら
ずに描かれていた。
何一つ、変わりはない。

昼休み、屋上に出ると、眩しい日差しが目に痛かった。
人のいないそこでは、何故か殴打の音と小さな悲鳴、そして罵倒が響いている。
134ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:11:34 ID:B/eqjmBR

まず間違いなく、リンチの現場なのだろう。
いつもならそこそこ賑わっているはずのここに、全く人気がないのはその所為
か。
納得しつつも、関わらないように踵を返そうとして、ふと響いた声に立ち止ま
る。
――――松永の声だ。
そう思った瞬間、自分でも良く分らない衝動に突き動かされて、声がする屋上
の隅へと走り寄った。
「…………なんだよ」
「何見てんだよ、チクる気?」
直感に違わず、そこには松永がいつもにようにリンチにあっていた。
彼女を取り囲むガラの悪い女生徒の鋭い視線に怯みつつも、僕は必死に座り込
む松永の手を取って立ち上がらせる。
「なんだよ、やっぱ姉貴に似て男垂らしこむのは得意ってか?」
「ていうか、コイツ吉田じゃん。金持ちの! 松永、さすがぁ〜」
囃し立てる彼女達を、できるだけ無視して松永の手を引いて歩き出すと、一人
が面白く無さそうな顔で僕を蹴りつけた。
それに呼応するように、一人につき一発ずつなんらかの攻撃を受けて、僕の身
体はちょっとズタボロになる。
が、気が抜けたのか、一人また一人とその場を立ち去っていき、屋上には僕と
松永だけが残された。
「……大丈夫?」
「松永さんは?」
やっぱり、夢だったのかな、とすこし寂しく思いながら問いかけると、松永は
俯いて頷いた。
細い指が微かに震えていて、それでようやく、松永もこのリンチが全く平気だっ
たわけではないことに気付いた。
理不尽な暴力に耐え切れる人間なんていないのだ。
それが、こんなに細くて優しい女の子だったら尚更。
ひたすら鈍い自分を恥じたが、僕はどこか満足だった。
見ているだけだった自分が、とうとう行動を起こす事ができたからだ。
あの夢の出来事のように、僕自身の不甲斐なさに好きな女の子の前で泣き出す
なんてのは、もう御免である。
「ありがとう。吉田くん」
「気にしないで、勝手にやっただけだから」
「でも…………」
「代わりに、お願いがあるんだけど……いいかな?」
弱々しく首を振った松永に、緊張しながら問いかけると今度は頷いてくれた。
それに勇気付けられて、僕は小さな声で呟く。
「歌ってくれないかな……あの曲」
「……いいよ」
その呟きに、驚いたように顔を上げた松永は、一転してくしゃりと顔を歪めた。
135ほしのうたひめ:2008/06/06(金) 02:12:44 ID:B/eqjmBR
澄んだ声で、いつも放送室で歌っていた、あの曲のメロディを口ずさむ。
サビまで歌い終わると、松永は小さく笑いながら背伸びをして、僕の頬に口づ
けた。
「夢じゃなかったんだ」
「僕も、夢だとおもってた」
びっくりしたように笑った松永は、僕にしがみついて泣き出しそうな声で言っ
た。
その細い背中に手を回しながら、僕は不覚にもまた泣きそうになっている自分
を叱咤する。
「本当に、”ほしのうたひめ”みたい。吉田くんは、わたしの王子様だね」
震える声で囁く松永の耳元に、唇を落とすと、僕はもう一度その華奢な身体を
強く抱きしめた。
気丈で頑張りやで料理の上手い、星の歌姫は、ようやく王子様に見つけられた
ようだ。
僕がその王子様にふさわしいかはこの際置いておいて、とりあえずは、巡り合
えた僕の歌姫を抱きしめ続けることにした。


***


「今日の朝、戻って嬉しかったけど、すごく悲しかった、もう吉田くんと話せなくなるんだ、って」
「それは、僕も」
「でも、さっきはすごく嬉しかった」
「僕も。そういえば、仲直りはできた? お姉さんと」
「うん。朝一番に謝ってきた。許してくれたよ」
「良かったね」
「また遊びにおいでよ。オムライス作るから」
「……いや、えーと……」
「あと、吉田くんが置いてった原稿用紙、ウチにあるよ」
「……ええっ!? ……ほんとに、夢じゃなかったんだ」
「うん。だから、取りにおいでよ、今日」
「お、お邪魔しようかな」
「おいでよ。今日は誰もいないから」
「……あのね、松永さん」
「…………吉田くん、結局向こうでも最後まで名前で呼んでくれなかったよね」
「それは君もでしょ。ひょっとして僕の名前知らないんじゃない?」
「知ってるよ」
「僕も知ってる」
「……今日、家おいでよ」
「……分った。行く」
136終わり ◆AO.z.DwhC. :2008/06/06(金) 02:13:18 ID:B/eqjmBR
終わりです。お付き合いありがとうございました。
137名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 02:26:18 ID:rSoB9s0R
>>136
GJ!!!!
あの「ほしのうたひめ」だけでこの短時間にここまでの物語を作り込むとは…
あなたが神か。

あえて消えた人達を元に戻してのENDってのが良い。うまいなぁ。
乙でした。
138名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 02:31:45 ID:8r94sCcN
>>136
深夜に投稿お疲れ。
美味しくいただきました。ごちそうさま。
139名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 02:42:59 ID:Bv9FG5BE
>>136
これはGJ!いい話ですね
展開も終わり方も好みです。松永さんかわいい

しかし嫌な教師だなww
140名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 05:46:05 ID:Z9eQyErv
>>136
なんという良作、GJ!

あんな突発的なネタで作れるとは実はプロか何かだろw
141名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 05:50:51 ID:9NSX3e5c
俺も思った。
黒歴史(厳密には黒くないけど)大公開なんて事になったら悲惨すぎるw
142名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 23:53:03 ID:nWVTSMDQ
いままでの過疎っぷりをあざ笑うかのような神がきてた
143名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 00:59:01 ID:Alym/VV9
>>136
すげえ。これすげえ。マジでGJ。
読みやすいし面白いし、これで即興とか神すぎる。
一読者としては元より、「う」を書きこんだ者として感動を禁じえないです。
144名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 01:44:29 ID:mCPBQ5NP
神GJ!!面白かった。
松永可愛いよ松永。
145名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 03:23:56 ID:wGx+6rEt
戦士達が帰ってきた!
146名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 20:00:31 ID:lttO3ut8
これは凄い。
……一創作屋として、久々にオリジナルで書きたくなってきたな。
その前にレポート終わらせないといけないか……

147名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 20:14:13 ID:M8QLPGYI
この奇跡をきっかけに職人たちの帰還を望みます
148名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 23:49:53 ID:/fUVyqnI
age
149名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 07:59:19 ID:MSXEM2tW
すげぇ
150名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 09:08:10 ID:SYF3nyMK
GJすぐる
きっと書き手は吉田くんに違いない
151名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 09:26:24 ID:S7+K9/qW
ありきたりではあるが

・生徒会室で二人きり
・部室で二人きり
・保健室で二人きり

を推薦してみる
152名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 12:14:39 ID:MFcNu2YD
どっかで聞いたような教師だなw

ともかくGJ!!!!!
5時間半でこれは凄い。
153名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 14:10:44 ID:DQGqy/Ug
>>151
それを見て即座にシチュに対応するエロマンガタイトルと絵柄が浮かんだ俺は間違いなく二人きり末期症状。
154 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:09:26 ID:YdMF7AFj

白衣に身に包んだ髭面の男が椅子に座って喋っている。
ここは何処かの会議室か何かか。
硬材で作られた信じられない位大きい会議用の机の向こう側にその男が座っている。
分厚い資料を見ながら身振り手振りで何かを一生懸命言っているようだったが、何を言っているのか判らなかった。
当たり前だ。
朝、起き抜けに叩き起こされた上に見知らぬ人間から早口で話し掛けられたら誰だってそうなる。

「なあ。」
「と、云う訳だ。そこの所を教えてくれないか?……聞いてるのか?」
「聞いてないよ。」
「何?」
「悪いけどコーヒーか何か無いかな。
朝置きぬけに何の理由も知らされずに数人掛かりでアパートから連れ出され、
車に乗せられた上にこんな訳の判らない所に連れ込まれたんだ。」

俺がそう言うと髭面で白衣のその男は目を丸く見開いた。
「…ああ、ああ。これは気が付かなかった。すまないな。すぐ持ってくる。」
そう悪い男でもないらしい。これは気が付かなかったな。
などと言いながら手元にあった電話の受話器を持ち上げて何処かにダイアルしている。

「ああ、ああ、私だ。すぐにコーヒーか何かを持ってきてくれ。ん?ああ。ちょっと待て。
エスプレッソでいいかな?」
「ああ、何だっていいよ。」
椅子の背もたれに背中を預けると信じられないくらいに体が沈み込む。
絨毯もやたらと毛が長い。しっかり体重を乗せたら足首くらいまで埋まりそうだ。
155 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:10:17 ID:YdMF7AFj

「ああ、それでいい。後何か口に入れるようなものも幾つか持ってきてくれ。
彼は朝食も取っていないようだからな。」

「お前らが浚ってきたんだろうが。」

「ん。ああ、そうだ。よろしく頼む。……ちょっと待て。コーヒーは和歌葉に持ってこさせろ。ああ。よろしく頼む。」

髭面で白衣の男は受話器を置くとこちらに笑いかけてきた。
細面の顔に年齢は50歳位だろうか。如何にも学者然としている。

「すぐに持ってこさせる。気が利かなくてすまないな。」
「なあ、いったいここは何処なんだ?何で俺はこんな所にいるんだ?
俺は大学生で今日は授業だってあるんだ。」
そう言うと髭面で白衣の男は俺の話を聞いていないかのようににこにこと笑った。

「そうだ、自己紹介もまだだったな。梅原君。私は山田という。
当研究所のチーフマネージャーをやっている。よろしく頼む。」
「俺の質問に答えてくれよ山田さん。」
山田と名乗ったその男が突き出してきた手を突っぱね返すようにそう言うと山田は眉毛を一度だけ上げた。

「大体の事情は梅原君がここに来るまでの間に説明があったと思うが。」
「今日朝起きて目を開けたらスキンヘッドのごついゴリラが2匹、ベッドの上で俺の事を見下ろしてたんだ。
今までの素晴らしい俺の人生の中でも最高の目覚めって奴だ。
首を回すと長髪の男もいて、そいつは何故か知らんが俺のゴミ箱をひっくり返して何かしてやがる。
ベッドから起き上がりつつ何だ手前らと言うとゴリラの一匹が喋った。カルチャーショックだったよ。
知ってたか?ゴリラって日本語喋れるんだ。今度動物園に行ったら是非喋りかけてみる事をお勧めするね。
まあさておき俺の名前を確認しやがったそのゴリラに如何にも俺の名前はその通りだが、君達は誰だね?
という事を至極丁寧に聞いてやったら問答無用で部屋から引きずり出されて目隠しをされ、
車に乗せられてここまでつれてこられたってわけだ。説明なんかあるか。誰だお前。」

俺がそこまで一気に言うと山田は頷きながら椅子に座った。
手のひらを上にしながら椅子に座るように促す山田の仕草に合わせて椅子に腰を掛ける。
「多少の行き違いがあったみたいだな。私は丁重に君の意思を確認した上でここに招いて欲しいと頼んだんだが。」
「どこの動物園に頼んだんだか知らないが丁重って態度とは程遠かったな。」
156 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:10:56 ID:YdMF7AFj

「まあ、それはお詫びするとして、コーヒーと朝食が来るまで
まずここに来てもらった理由について話をしようか。」

なんだかマイペースな奴だ。そう思いながら椅子に掛けなおす。
人手不足だかなんだか知らないがゴリラの力を借りてまで俺を連れてきたいってのはどんな理由だ。

「まず聞きたいが君はマスターベーションをしているね?」
はあ、と息を吐く。
「朝も早くから何が聞きたいんだ?馬鹿かあんた。」

「至極真面目な話だよ。梅原君。答えてもらいたいな。」
「残念ながらしてるよ。今、恋人がいないもんでね。だからなんだ?
20そこそこの男なら誰だってしてるだろう?」

「そうだな。誰だってしている。だが君はマスターベーションの際、精液を出しているね。」
俺は黙った。

「政府の通達は君も知ってい」
「あの訳のわからねえ病気が流行った後、精液が生産されている男がいたら出て来い。だろ?」
「そうだ。」

俺は椅子に座りなおした。トントンと指でテーブルを叩く。落ち着け。
「黙ってた訳じゃねえよ。大体精液が生産されなくなったとか言ったって出てる奴はいる訳だろ?」

「何故か子供を作れない精液がね。一時期は大分詐欺が流行ったものだよ。」
正常に精液が出る男だって言って女を騙すんだそうだ。そう言って山田は薄く笑った。

「それは俺も雑誌で読んだ。俺だってそういう特殊なパターンの奴らの一人ってだけだろうよ。」
「君の精液は正常だよ。」
「何?」

「まあ細かく言えば【少なくとも正常と思われる。】っていう段階だがね。」
「なんでそんな事が」

「政府は必死なんだよ。政府だけじゃない。世界がと言い換えてもいい。
このままじゃ人類が滅亡するんだ。そりゃ必死にもなる。子供が作れないんだ。
これはもう核戦争っていうレベルじゃない。
もはやどうなろうと人類が衰退するのは間違いない。しかし我々は滅亡は避けたいと考えている。
これは極秘情報だが君には正直に言おう。各国政府が血眼になって探しても
正常な精液を生産できる人間は現在世界で34人しか確認されていない。
全人口の0.00000000005%だ。内訳は白人系が20人、黒人系が9人、アラブ系が3人、アジア系が2人。
我々は君が35人目だと信じている。しかも日本人で始めての発見者だ。」
157 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:11:44 ID:YdMF7AFj

「どうやってそんな事調べ」
「政府は必死なんだよ。全てをこれに掛けているんだ。
この施設の年間予算は公表してある分だけで今年3兆円を超えた。
日本全国に散らばった調査員が地域の噂話ですら入念に丹念に調査する位には潤沢なんだ。」

「……」
「1ヶ月ほど前、君は大学の飲み会で君の知らない女と出会っただろう?」
宙を仰ぐ。
「まさか、嘘だろ?」
「君の前の彼女と言う人物が君が精液を生産できる人間だと言っていたという噂話が私達の耳に入ったんだ。
我々は彼女を招いて色々と話を聞いた。
そして最近多い詐欺話を全て差し引いたその残りの信頼できるケースの中でも
君に関する情報は特に最も信頼性が高いと判断されたんだ。
まあそう苦い顔をしないでくれ。全エージェントの中で最高の美人を君の為に用意したんだぞ。
彼女はほんの数ヶ月前に結婚したばかりの人妻だが政府の為に快く協力してくれたんだ。」

「ああ、嘘だ、嘘だろ。」
俺はこの1ヶ月というもの飲み会で出会った自分より僅かに年上というその女に恋をしていた。そりゃそうだ。
売れっ子のアイドルかどこかのモデルと言われても全くおかしくないような美人だった。
飲み会の席に着いたとき向かい側に座ったのが彼女で、彼女は俺に微笑みかけてくれた。
最高の笑顔で、俺は一目で恋に落ちた。
これから一生添い遂げてもいい運命の女だと胸のときめきが教えてくれた。
その日は二人で最高に盛り上がり、そしてベッドでも彼女は最高だった。
彼女は朝になると消えていて、教えてもらった電話番号は嘘だったが、俺は確信していた。
彼女とはいつかまた会えるに違いないと。

「これだろ?」
そう言って山田が分厚い資料の中から1枚の写真を手渡す。
そこにはシックなスーツを着こなして仕事向けの笑顔を浮かべた彼女の姿があった。
ああ、こんな形で会いたくは無かった。

思わず両手で顔を覆う。
「ああ、嘘だ。神様、そんな。酷い。」
「君はキリスト教徒なのか?」
「ばあちゃんがそうだったんだよ。くそっ。マジかよ。」
158 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:12:59 ID:YdMF7AFj

「しかし君はSEXが中々上手いな。うちの若いエージェントも感心していた。」
「見 て た の か!?」
「ああ、勿論だ。君がきちんと射精しているかどうか確認しないといけないからな。
あのラブホテルには全部で50箇所以上の場所に高性能カメラを仕掛けてあった。
ベッドは言うに及ばず、廊下から風呂場、トイレに至るまで全てだ。
特にベッドは20個を超えるカメラであらゆる方向から監視されていた。」

「人権って言葉知ってるか?」
「知っているし最大限尊重したいとも思っているし憲法のその部分で良ければ何なら全て今諳んじてみてもいい。
それに君の言いたい事は重々良く判っているつもりだし
もし私が同じ事をされたら自分が傷つくだろう事も判っている。私はピュアだからね。
だがしかし、この事は公共の福祉に関わる事なんだ。しかも最大級のね。」

「信じられねえ。」
「まあそう言うな。彼女は最大限自分の仕事を果たしてくれた。そして君もね。」
そう言ってから山田はあろう事か俺にウインクをしてきた。
「彼女の旦那も同じエージェントだ。
この計画にはかなりの抵抗感を示していたが彼は旺盛な愛国心と仕事への責任感からこの難局を乗り切ろうとしていた。
そのビデオは私を含めた幹部が確認した後、現場のエージェントも不審点が無いかどうか確認する予定だったが
最終的に彼女の旦那はそのメンバーから外された。理由は判るだろう?
余分な成分が混ざるのを恐れて彼女には絶対にフェラチオをするなと言っていたんだが
2度目以降、彼女はとても情熱的に君のものを口にしていたからね。
部下の家庭内争議は私達もゴメンだという事だ。」

本当に全部見られている。彼女が俺のものを右手でしごきながらな舐め回してくれた時の事を思い出して、
自分の顔が赤く染まるのを感じる。

「な、な、な」

「そういう訳で我々は君の精液を手に入れ、そして入念に検査した。
正常と思われると云う判定が出たのは3日前だ。
勿論彼女の唾液の成分が混じっているだろう物でも正常の判定がなされたよ。
その報せを受けた時の我々の大騒ぎぶりはきっと君に話しても信じてもらえないだろうな。
昼の11時だったが全部門で乾杯の缶ビールが開かれ、書類が宙を舞い、皆が互いに抱き合った。
感極まって泣き出したエージェントも多数いたし、早速盗撮した君の写真を机に飾る奴も出た。
30分後には官房長官から、2時間後には総理から電話が入ってわざわざ俺にまで激励の言葉を下さった。」

山田が自慢げにそこまで話した時、ドアがノックされた。
山田はその時には立ち上がって手を振り回しながら話していたが、ノックの音に口を閉じた。
「さて、コーヒーが入ったようだ。続きはコーヒーを飲みながらにしよう。」
159 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:14:14 ID:YdMF7AFj
@@

秘書と言うには若すぎるきらいのある感じの女の子がコーヒーを持って入ってきた。
黒眼が印象的なエキゾチックな顔立ちで、肩まで切りそろえた髪を揺らしている。
凛とした雰囲気を纏っているが、なんだか見た目は高校生位に見える。
高校を出たばかりでここに就職したのだろうか。
何歳だかは判らないが高校生位の時にはさぞかし美少女で通っていただろう。
政府機関ともなると就職する女の子もとびきりの美少女を採用するっていう事か。

朝食用のプレートだろうか、湯気を立てているスクランブルエッグにウインナー、
付け合せのサラダとパン、それにコーヒーを俺の前に置くと、彼女は頭を下げて出て行こうとした。
それを山田が呼び止める。

「和歌葉、ちょっと待ちなさい。」
山田は出て行こうとした彼女の肩を抱いて俺の方を向かせた。
「紹介するよ。私の娘だ。和歌葉という。」

「嘘だろ?今日はゴリラが喋る所を目の前で見たばかりなんだぞ。
その上トンビが鷹を産んだみたいな話を俺に信じろって言うのか?」
「何を言っているんだ?」
その時、紹介された少女がくすくすと笑った。
すぐに真面目な顔に戻ったが、
笑ったその時だけ凛とした雰囲気がふにゃりと崩れたように見えたのを俺は見逃さなかった。
とても魅力的な笑顔だったからだ。

俺は自分から手を差し出した。美少女には礼儀正しく。男としての当然のマナーだ。
「梅原です。初めまして。」
彼女はまたにっこりと笑って俺の手を取った。
「和歌葉です。こんにちは。」
160 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:15:00 ID:YdMF7AFj

そんな俺達をにこやかに見ていた山田が口を開いた。
「お互い第1印象はそう悪くないようだな。和歌葉、安心しただろう。」
何を言っているんだこの髭は。
山田の言葉に彼女は唇をアヒルのように尖らせてなんとも味のある顔をした。
ちょっと小首を傾げた後、ちょっと拗ねたように言葉を出す。
「お父さん、何でもそうやって口に出すのはお父さんの悪い癖よ。」
山田は、はははははなどと笑っている。

「ここからは和歌葉にも同席してもらう。彼女は全ての事情を知っている。梅原君、良いかね?」
俺も連れて来られた身だ。否やはない。
頷くと山田は彼女を自分の隣に座らせてから、自分も椅子に掛けた。

「あ、ここからは食事をしながら、という事にしよう。
目の前の食事は君のだ。好きに食べながら聞いてくれ。」

「今までの話で、君は自分が置かれた立場がどんなものだかある程度掴めたと思う。」

「ああ、俺が女を妊娠させる事の出来る精液を持っているっていう話だろ?」

「そうだ。ここからはもっと実際的な話をしよう。
君を脅かすつもりじゃないが知っておいたほうがいいからな。」
そう言うと山田は手元の分厚いファイルをぱらぱらと捲った。
「我が国は正常な精液を保有する人間を発見した旨を
総理大臣から本日付で各国の首脳に向けて発表する。」

「は?」
「これは超極秘に行われるから近々にマスコミに漏れる事は無い。まあ時間の問題だろうがね。
まあそれでどうなるか。という事だが、
今後全世界から日本が軍事的脅威に晒される危険はほぼ0となった。」
「なんで?」
161 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:16:02 ID:YdMF7AFj

「判らないかね?もう核爆弾なんて何の役にも立たないんだ。
人間は今後増えないんだからな。
領土を広げる必要も資源を奪い取る必要もどの国にも無いのさ。
どの国も今後、毎年毎年19世紀のちょっとした大戦レベルで総人口が減っていくんだぞ。
100年後には殆ど0だ。
それもこれも新しい赤ん坊が産まれないからだ。
だから各国は自らの人口と文化を守る事にやっきになってるんだよ。
国が守るべきものは領土と資源から文化に変わったんだ。
どの国も間違っても精液保有国を攻撃したりしない。
万が一該当者に死なれた日には世界中から袋叩きに遭うからだ。
それよりも金を支払う方を選ぶさ。
何処の国も君の精液を喉から手が出るほど欲しがるんだ。
現在、正常な精液保有国はアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、トルコ、エジプト、中国、タイの8カ国だ。
内訳はアメリカが11人、これは白人系が4人に黒人系が7人だ。ロシアは白人系が10人、
イギリスが白人系が4人、フランスが白人系が2人に黒人系が2人とアラブ系が1人。
エジプト、トルコがアラブ系を1人ずつ抑えている。中国、タイがアジア系を1人づつ。
そして日本が9カ国目に躍り出てアジア系1人となる。これが君だ。
この一報が流れた瞬間、世界では大変な事が起こるぞ。
これは私の私見だが、まず中国の首相と韓国の大統領が何を置いても吹っ飛んでくるだろうな。
総理が電話を切った10秒後には二人とも飛行機に飛び乗っている事は賭けてもいい。
3ヵ月後にはこの国は首脳会談祭りになる。
精液非保有国は元より、精液保有国でも、いやだからこそ多くの種類の精液が喉から手が出るほど欲しいんだよ。」

「なんだかパンダか競走馬みたいだな。」

「パンダどころの騒ぎじゃないさ。現在の正常な精液を保有している34人のうち、
アジア系は君が見つかるまで僅か2人だったんだ。
信じられない事だろうが教えよう。
これも極秘情報だが今、タイじゃ国民に掛ける税金を大幅に減らす事を検討しているらしいぞ。
何処かの大国がこぞってこう言って来るからだ。
そちらの国家予算位わが国で負担致しますよ。とね。
きっとエジプトじゃピラミッドを金色に塗る事を検討しているに違いないと私は思っている。」

「それで?」

「君は今、国際社会において核弾頭よりもナイーブな存在になったんだよ。
我が国はこれから第2次世界大戦後培ってきたのらりくらりとした外交に徹底的に磨きを掛けるだろう。
国内機関は元より、外交に関連する官僚の全てまでもが君の精液をどのようにして国益に繋げるかに頭を絞る事になる。」
162 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:18:01 ID:YdMF7AFj

「ちょっと待てちょっと待て。」
「何だ?」
「俺の人権はどうなる?」
「今の話を聞いていなかったのか?そんなものはない。君の人権を認めたら公共の福祉に反する。
今後の国の未来と国益が君の精液に掛かっている。」

「じょ、冗談じゃないぞ。そんなもんを俺の金玉に掛けるな。
冗談じゃない。冗談じゃないぞ。家に帰らせてくれ。」

「君はもう帰れないよ。」
がたりと立ち上がった俺に山田はこともなげにそう言った。

「何?」
「今までの話を聞いただろう?君はもう核弾頭よりもナイーブな存在になったんだ。
国が攻められることは無くても拉致やテロの対象になるかもしれない。」

「お父さん。」
それまで黙って父親の話を聞いていた和歌葉が窘める様な声を上げた。
「何だ和歌葉、俺は」
「きちんと理由からご説明しないとダメよ。
梅原さんは急につれてこられたんだから、不安に思ってしまうに決まってるじゃない。」
ぴしりと音が出るような勢いでそう言うと彼女は、俺に向ってね、という感じに首を傾げて見せた。

しかし、いや、などと呟いた後、
彼女の言葉に暫く考えるように沈黙してから、山田は一度目を閉じ、深呼吸をした。

「…すまない。娘の言うとおり、私は相手の気持ちを考えずに喋ってしまう悪癖があるんだ。」
俺が黙っていると山田は話を続けた。

「脅かすつもりは無かったんだ。
その、つまりそういう状況である事を君に理解してもらおうと思うあまり、
君に対して無神経な言い方になっていた事は謝る。
私は科学者だから時に人を人とも思わないような喋り方になってしまうんだ。
言い訳にしかならないけれどね。」

「勿論君の人権は最大限に尊重される。寧ろこう考えてもらったほうがいい。
君は超VIPになったんだ。例えばロックスターや芸能人、そういったような人たちみたいにね。
寧ろ既存のそういったものよりも遥かに高いレベルでそうなったと思ってもらっていい。
だから我々は、君にアパートに住んで貰う訳にはいかないんだ。
我々は君が決して不満に思わないような住居を無料で提供する。だからそこに住んで欲しい。
それだけじゃない。君には使い切れないほどの生活費が年金という形で国から支給される事になるし、
それに対して税金を支払う必要は一切無い。」
163 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:18:27 ID:YdMF7AFj

「それだけじゃないんだろう?俺は何をさせられるんだ?」
俺がそう言うと山田は頷いた。
「そうだ。君は聡明なようだから大体理解した事と思う。
君には今後、国、もっと具体的に言えば我々の研究所に定期的に精液を提供する義務が発生する。」

「どのくらいの頻度でだ?」

「2日、いや3日に一度でもいい。まあそれは交渉次第だ。
年金とは別に提供する度に金銭的又はその他を問わず何らかの報酬が存在する事も約束する。」

俺は溜息を吐いた。
「拒否は出来ないんだな。」
「残念ながら出来ない。事の重大性を理解して欲しいとしか私からは言えない。」
山田はいかにも済まなそうに俺にそう言った。

「外出は許されるのか?」
「勿論だ、護衛は付くが、君の視界に入るような事は無いし、
もし君が身の危険を感じるようだったらぴったりと貼り付ける事も出来る。」

「それ以外は?それ以外に制限は無いのか?」
「生活に対してある程度の制限がつくことを覚悟してほしい。
食事は基本的にこちらで用意させて頂く、勿論マクドナルドで楽しむのも自由だが、
君の健康と栄養を管理する必要があるという事だ。
後、過度な生活の乱れにも意見を言わせて貰うかもしれない。
例えば夜更かしをしすぎるというようなね。後は、言いにくいんだが…」

「何だ?」
164 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:19:49 ID:YdMF7AFj

「君は今後、性行為を行う相手を自由に決める事が出来ない。」
「お父さん!」
鋭い声を上げた和歌葉に対して山田は焦ったように言葉を続けた。

「ああ、説明が足りないな。我々が恐れているのはこういう事だ、
君が何処かの女性、つまり私達の管理下にない女性と性行為を行い、
結果エイズに罹ったというような場合だ。そういう事は絶対にまずい。
この為、君が性行為を行う事が出来る相手はあらゆる伝染病、感染症等に罹っていないクリアーな女性のみとなる。
更に言えば定期的に君と性行為を行うような相手は私達の管理対象にもなる。
言い方が悪いかもしれないが、クリーンでいてもらう為に
君以外の相手と交渉を持っていない事を証明できないといけないからな。」

「女性のみなのか?」
俺の言葉に初めて山田は本当に慌てた顔をした。
和歌葉まで思わずという感じに俺の顔を仰ぎ見た。

「冗談だよ。」
俺が手を振ると山田はほっと息を吐いた。
「焦らせないでくれ。全く想定していなかった。」

「どちらにせよそんな相手はいないし、当分出来るとも思えないな。」
「どうしてだ?」
「さあSEXしましょう、つきましてはあらゆる伝染病、感染症に罹っていないか病院に行って検査してもらえますか?
いえいえ気にする事はありませんよ。ただで検査してくれるいい病院を知っていますから、さあ今から行きましょう。
あ、それと俺と一度やると君が浮気をしないかどうか黒い服を着た男が周りをうろつきはじめますけど気にしないで下さい。
実害は無いですから。山田さん、あんたそう言って女を口説ける自信があるのか?俺は無いな。」
俺の言葉に和歌葉がくすくすと笑った。
165 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:20:38 ID:YdMF7AFj

「…確かにそれは私でも自信が無いな。そういう問題はある。
例えば、仕事やプライベート、何もかもに疲れ果てた時にふらりと酒場に立ち寄って
そこにいた魅力的な女に声を掛けて一晩を共にする、そういう事は君には出来なくなる。」
和歌葉がぎろりと父親を睨む。

「一般論だ一般論。私はお前もお母さんも愛している。
梅原君。我々もそのくらいは判っている。それに関して対策案も考えてある。
そこでだ。君のプライドをいたく傷つけるかもしれないが提案させて欲しい。
クリアーな女性はこちらで用意しよう。」

「何?」

「クリアーな女性だ。君が良ければこの和歌葉を提案させてもらおうと思っていたんだ。」
「何を言ってるんだ?」

「彼女はクリアーだ。あらゆる感染症には罹っていないし、健康そのもので、処女でもある。」
「お、お父さん。そ、そこまで言わないでよ。」
処女という山田の言葉に和歌葉がうろたえたように言う。

「身内の贔屓目かもしれないが頭も悪くないしそこそこ美人だとも思う。
それに何よりこの事を深く理解している。」

「この事?」

「君は大分理解してくれたが、きっとまだ本当に理解してはもらえていないと思う。
もう一度言うが、君は国家にとって核弾頭よりナイーブな存在になったんだ。
今後この状態に慣れるまで君は極度のプレッシャーをその身に受ける事になる。
無論これは君の判断次第だが、私としてはその時にこの事態を正しく理解し、
そして君と悩みを分かち合えるパートナーが必要だと、そう思っている。
そして彼女は私の娘で年は若いが今回の事の重大性を良く判っている。保証する。」

166 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:21:18 ID:YdMF7AFj

「それと誤解して欲しくないのだが、これは別に私が娘に強制した事ではない。
娘にはこう言ってあった。この話し合いの中、お前が相手を気に入らなければ直ぐに部屋を出て行っていいとね。
そうなった場合、君には他の女性を紹介する予定だった。」

「…」

「君が和歌葉を嫌というならどんな女でも連れてくる。そう、あの女でもいい。
この前君がコンパで出会った彼女だ。
夫婦でエージェントだからクリアーである事も保障されている。
彼女は人妻だから毎日という訳には行かないが…週に一回位だったら問題ないだろう。私が交渉しよう。」

「何と言えばいいのか俺には判らないな。」
本当に頭が混乱していた。

「そうだろう。それは判る。しかしだな。」
「お父さん。」
和歌葉が父親を黙らせるように腕を横に広げ、山田の前に伸ばした。
父親の方に向いてきっぱりと口を開く。
「ちょっと部屋を出て行って。」
「いやしかし」
「いいから。」


訝る様な山田を無理やり部屋から出すと、和歌葉はそのまま俺の方を向いた。
すうと息を吐く。顔が真っ赤だ。

「梅原さん。」
「何だ?」
「色々混乱されてるでしょうけど、一つだけ。
その、今の話ですけれど、はっきり言っておきます。別に私、殉教者になるつもりはないんです。」
「どういうことだ?」
「その、私も普通の女の子って事です。大人の人が言う今時のっていうそういう奴。
彼氏とか、そういうものに興味があったりするんです。」
「だったら。」
その気になったらいくらでも作れるだろう君ならと言おうと口を開きかけた瞬間、和歌葉に先を越される
「その、私は今日梅原さんを見ていいなって思ったんです。
お父さんとあんな風に、5分5分以上にやりあえる人ってそんなに見た事無かったですし。
とってもかっこいいと思いました。そ、そ、それに私、年上がタイプみたいだし。」
「だ、だ、だ、だから、その、いやいやとかじゃないって事です。梅原さんが私を信用してくれるなら、ですけれど。
でも本当にお仕事とか、世界だとか、国だとかそういう事じゃ無いって事です。
梅原さんがもし嫌でなかったら、お、お付き合いをするみたいな感じで思ってもらえれば良いと思います。」
167 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:22:07 ID:YdMF7AFj

「そ、その勿論、梅原さんの状況は判っています。その、SEXしないといけない事も。
だ、だからそういう所は普通のこ、恋人とはちょっと違うかもしれないんですけど。
それにその、私はした事がないのでそんなに自信はないんですけど、でも私そういうのも判ってますし、
その、一生懸命お相手しますし、それに、ええとそれにご飯も作れますし、お父さんに許可を貰えればお泊りもできます。ええとそれに、」
その、私結構お買い得だと思うんです。と俯きながら小さな声で和歌葉はそう言った。
思わず笑ってしまう。

「今、恋人はいないんだ。」
そう言うと和歌葉は顔を上げた。

「それにどうやら君のお父さんの話を聞いて思うに俺は恋人を一生作れそうにない。
少なくとも付き合う前に病院に行って徹底的に検査することを承知してくれる人が現れるまではね。
俺が思うにそんな人間は世界にもそうそうはいなさそうだし、第一その検査とやら、どの位掛かるのかも判らない。
正直言って、君のお父さんの言うとおり俺の相手は今のところ世界に君だけしかいないのかもしれない。」

和歌葉が俺の顔をじっと見る。

「まあ、でもはっきり言って俺は自分の状況をまだ良く理解できてない。
まだ今日起きてから3時間しか経ってないんだ。
朝のコーヒーも飲み終わってない状況だ。考える事はいっぱいありそうだしね。」

「はい。」
168 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:22:32 ID:YdMF7AFj

「とりあえず二人でコーヒーを飲むことにしないか?
それから、もしここの中を歩き回ってもいいなら案内してくれないかな。
もし新しい住処がこの近くにあるならそっちも。
お父さんに違う女性を頼んでみるか、それとも一人きりなるか、
それとも俺の相手は世界で君だけ、という事になるかどうか。
それを決めるのはその大仕事を終わらせてからってことにしよう。」

「はい!」
はっきりと頷いた和歌葉にコーヒーを持ってこさせて俺は和歌葉と並んで朝食を食べた。
食後のもう一杯のコーヒーを楽しんでいる最中、俺はふとある事を言わなければいけないと思って隣を見た。

和歌葉がふうふうとコーヒーを拭いているのを見ながら俺は口を開いた。

「会ったばかりの年下の女の子にいう事じゃないし、正直信じられないテンポだけれど、
君も言ってくれた事だし場合が場合だから先に言っておくよ。
君はとても頭が良さそうだし、君の事はとても可愛いと思う。」
それに。実は俺は年上の美人よりも年下の美少女の方が好みだ。

耳まで赤くしながら呆然と俺の方を見る和歌葉に向けて俺はしかめつらしく頷いて見せた。

169 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/10(火) 21:25:09 ID:YdMF7AFj

-----------

極限状態繋がりということで。
二人きりというテーマかどうか微乳な感じですが。
自分の相手はこの1人しかいなさそうだ、という感じのところが(苦しい)

では。
ノシ


170名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 21:36:26 ID:OeSY0FE9
>>169
いや、美乳だと思う。
三人それぞれ会話が粋で素晴らしい。
171名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 22:26:56 ID:bcN7+0oN
お疲れ様でした。
172名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 22:45:48 ID:veZkmleZ
>>169
読み終わって一番ビックリしたのは、ここが孕ませスレじゃなかったことだw
あっちもしくはハーレムスレの王道展開だったもんだからw

ともあれGJでした。マジで上手ですね。すげー。
この後もあるのかな。ないのかな。見たいですよ。
173名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 03:35:52 ID:naw9ZPik
終わらせ方がまた面白いな。


つーか思ったんだが、産婦人科壊滅だな…
174名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 03:54:25 ID:HmY1vljj
GJだ…和歌葉かわいいな
言い回しが一々おもしろかったり洒落てたり、うまいですね
続きに期待
175名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 10:51:25 ID:o3Pq+32y
まずはGJ!

俺も孕ませスレと錯覚したwww
176名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 11:28:33 ID:h4R7mSlf
てか孕ませスレから誘導されて(ry
177名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 18:01:39 ID:WciE87O7
何?この超大作は・・・GJ!
178 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/11(水) 21:10:35 ID:f0GY1D9t
長雨の季節ですが、SS書き、読みに励まれている様子、なによりです。

--以上、時候の挨拶
--以下、スレ住民の方にしか見えないレス

ども。上のやつ書いた人です。
感想ありがとうございます。

でも読み直してみたんですが、びっくりするほどスレテーマと全然違っていました。あれ?
少々のスレ違い程度なら知るかと開き直る程度には面の皮は厚いのですがいくらなんでも違う気がしています。
「女の子と二人きりになってしまった」のテーマを読んだ上で書いたのは確かなのですが
何故こうなった上にここに落とそうと思ったのかどうしても思い出せません。
ウイスキーにビール叩っ込んで飲んだ所為だと思いますが、
どちらにせよシチュスレですし、マナー違反したかなあと言う気がします。
もし読んで、不快に思った人がいたならすいません。

あと、感想いっぱいありがとうございました。うれしいです。
多少の続きもあるので、どっか他のスレで拾ってもらえそうな所があれば引っ越してみます。

このスレはとても良いテーマだと思いますし、また何か思いついたら投下させてもらいます。
んでは。


--以上、スレ住民の方にしか見えないレス

おっぱい。おっぱい。
ノシ
179名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:24:40 ID:o3Pq+32y
>>178
シチュ違いの突っ込みが無粋に感じられるぐらい上手かったんで、純粋に楽しめましたよ
続きがあるというのなら上で挙っている某スレでお待ちしてますww

おっぱい、おっぱい。
180名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:47:56 ID:Vw9RqJVh
>>178
ここで続きが読みたい、一度投下したのだから最後まで投下してほしい。
展開次第ではふたりっきりになることができそう…かな…
181名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:58:02 ID:tAoZREJ6
ふたりっきりなシチュエーションって
実際3Pとかでもない限りほとんどのSSって二人きりなんだよなw
だから閉じ込められ系とか他人全滅系ばっかりが出てくるんだろう
でも>>178が新しい状況を作り出してくれることに期待
182名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:59:05 ID:tAoZREJ6
すまんageてしまった
183名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 00:07:01 ID:qBjGFRho
>>180に同意

現状ではシチュ違いとは思えないし
ぜひこのスレで続けてほしい。
スレ移動を考えるのはまだ早いと思う。

順番逆になったけどGJ。
和歌葉かわいいよ和歌葉
184名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 00:29:34 ID:kwMI4VWX
( ´∀`)/先生、二人っきりの密室で精液採取とかネタはまだ有りそうな気がします。

で、和歌葉の胸のサイズってどのくらいですか?
185龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:18:15 ID:xvJeHgAT
〜「どうして助けが来ないの?」
 「さあ」
 「さあじゃないわよ。あとどれだけこうしてればいいのよ」
 「あれじゃないですか?逆に生きてるのは僕らだけだったりして。だとしたら大変ですよ」
 「え?」
 「子孫を残さないと。はは」

 東京の中心で生きてきた人間にとって、精神が参るのにそう時間はかからなかった。〜

大勢でこんな事するなんて、僕には耐えられない。
無理強いはしないという事なので、スタッフもあまり声を掛けてこない。
持参した文庫本が僕の世界の全てだ。遠くでは食器の当たる音や、薪が爆ぜる音がしている。
文庫本に陰が落ちた。目の前にスタッフと呼ばれている人が立っていた。

「君、ちょっと手伝ってくれない?」

スタッフは努めて明るく言った。うざいな。シカトを決め込もうか。

「リーダー、どうしました?」

向こうから女性スタッフが一人、こちらに気付いてやってきた。

「うん、彼に手伝ってもらおうと思ってね」
「水汲みですか」

僕は、腰をあげ逃げようとした。
そう思ったのも束の間、女性スタッフに手を取られてしまった。
地べたに座っていた為、尻をはたき面倒くさそうにその人を見た。
大学生くらいの小柄な人だ。髪をお団子に結っているので、その顔の小ささが際立つ。
見た目の印象から僕とそう変わらないように見える。

「一緒に行こう」

ポリタンクを掲げ、微笑んでいる。
「私、山野喜乃子。名前で呼んでくれていいからね。キミは日島京事君だよね。よろしくね」
「はい」
「固いぞ〜」

返す言葉がない。笑顔作ったつもりだが、きっと引きつっていただろう。

中洲ふれあいキャンプ場という看板を横に、岸に掛かる橋を渡る。
岸側から中洲を見ると、一見向こう岸がせり出した恰好に見えるが、独立した中洲であった。
谷間を流れる川沿いに遊歩道が整備されている。川側には木々が生い茂っていて、
時折その間から光る水面が目に入る。
真夏なのに涼しい風が吹き抜け、蝉も若干静かに鳴いている様に感じる。
そんな道はすぐに獣道になり、ここからは上り坂だ。この先は滝になっている筈だ。

「ちょっと、早くしてよ」
「・・・」

先程とは違い、口調がきつい。喜乃子さんは随分前方にいた。僕は少し早足になった。

「返事くらいしなさいよ」

前に向き直りざま、喜乃子さんはわざと聞こえるかのように言った。
怒っているんだろうか?綺麗な人だしちょっと緊張してたのになんか・・・
相変わらず速足で、ポリタンクを前後に振りずんずん先を行く。
186龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:18:58 ID:xvJeHgAT
道は更に酷くなってきた。山側は断崖になっており、川側も先程とは違い険しい。
まるで中国の水墨画の様。前方に手掘りと思われる刳り抜いたトンネル。

道隧姫龍

トンネルの上に掲げられた名を見て、ポケットから文庫を取り出し頁を捲った。

「同じだ」
「こんにちは」
「?」

前方からハイカーが二人下りてきた。喜乃子さんが挨拶を交わした。
すれ違う時、女性の方に軽く会釈をした。
横にいた少年は笑いながら女の人と話している。
その後姿を見ると、まるで僕と喜乃子さんのように見えた。
僕も喜乃子さんとあんな風に話せたらいいな。喜乃子さんと目があった。
うんざりしている感じなので、また何か言われる前に走り出した。
初めて喜乃子さんと並んで歩いた。しかし無言が続く。

「先に行きなさいよ」
「え、でも・・・」
「もう、はっきり喋りなさいよ。アンタみたいなの大っ嫌い」

なんか怒りっぽい人だなと思ったのと同時に、嫌われていると自覚した。

ごごごごごぉぉぉお

足元が唸りをあげた。轟音と共に山側の崖が地滑りを起こした。
それは道を呑み込み、川まで一気に崩れていった。僕は反射的に前方に飛んだ。
後ろを振り向くと、足が竦んでいるらしい喜乃子さんがいた。
喜乃子さんの足元も崩れ始め、視界を下方に移動した。
反射的に喜乃子さんの手を取った。反動で振り子の様になってしまって、
喜乃子さんは腹を打ち気を失ってしまった。ポリタンクは土砂にまみれて濁流に消えていった。
一世一代の大勝負。火事場の糞力。自分の足元も危ないので一度しかできないと思った。
幸い足場は崩れず、喜乃子さんを引き上げる事ができた。
喜乃子さんを背負うと上流へ向った。
187龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:19:32 ID:xvJeHgAT
体中から汗が吹き出る。山側の圧迫感がなくなり視界が開けた。
人の行ける最上流と思われる滝壷だ。滝壷を囲む様に円状になっており
断崖絶壁の岩の拭き抜けという感じがした。頭上には霧がかかり滝の最上部は確認できない。

ざああああぁぁぁぁ

中空で飛散した水飛沫を避けるため、大岩の影に隠れた。
喜乃子さんを横にするが呻いている。白地のTシャツから下着が透けている。
胸元には−生活更正委員会−の文字。通称、生更委。不登校、引き篭もり等
社会生活を送る事が困難な子供たちの集まり。
今回は夏季キャンプ合宿と銘打ってのイベントだった。応募が極端に少ない回という事らしく
マイクロバス一台、スタッフ含め十人いないという寂しいものだった。
数日前の台風、期間中の悪天候と、保護者からは不安の声も上がっていた。
その不安が現実になったわけだ。

喜乃子さんの腹部とふとももに血が滲んでいる。
急に不安になった。何かしなければいけない。僕は手ぶらで、持ち物といえば
文庫本と使いかけのポケットティッシュ。それに、持参を禁止されている携帯電話。
あまり使ってないけど、自分も現代っ子の一人。常に持っていないとどこか不安だった。
あえて持ってくる反抗的な自分もそこにいた。喜乃子さんはウェストポーチをしていたので、
それを外し中身を失敬した。応急処置になるような物はなかった。
底の方に小さな小物入れを見つけジップを開けてみた。
や、やはりそれらしきものはない・・・
仕方なくお揃いのTシャツを脱ぎ、滝壷で水を含ませ岩陰に戻った。
心の中でごめんなさいと言い、Tシャツの裾を捲り傷口を確かめた。
幸いかすり傷程度。ガーゼを当てるように優しく傷口にあてがった。
そのまま、太ももの方を確かめるとチノパン越しに血の滲みは広がっている。
破れ目から中を覗くとトクトクと血が溢れている。眩暈がした。僕は血に弱い。
腹に当てていたシャツで太ももを押さえつけ、見つけた蔓で足の付け根を縛った。

「速報です」

客のお膳を片付け、テーブルを拭いていたかすみは、テレビを見た。

「今日、午前十一時頃、○○県○○郡○○村にある、竜涙川上流で地滑りが起こりました。
 下流には民家やキャンプ場などあることから、○○村役場は消防と共に
 確認をしているとのことです。夜半から天気が崩れる恐れもあることから
 土石流などの被害が心配されます」

かすみは厨房で鍋を振るう夫に振り返った。その顔に不安の色が広がるのを見た。
188名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 01:19:57 ID:9eA1OFWZ
>>178
HRスレから来たが、全然違和感が無かったw
しかし、上手いなあ。
会話で表わされる各キャラの個性の書き分けはプロの作家レベルなんじゃないか?
そこらのラノベなんざ及びも付かんぞ。
会話を読むだけで、各キャラの表情が浮かんでくる。

今後の展開を考えると・・・・・・・・ホントの意味での二人きりになるのはもの凄い困難だよなあw
どんだけ逃げ回っても、隠しカメラと盗聴器とストーキングする尾行者が付いてくる悪寒。

189龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:20:05 ID:xvJeHgAT
ひぐらしが鳴いている。姿の見えない太陽が空をオレンジ色に染めている。
登ってきた川の方を見やると、雨雲が空を覆っていた。
ここは別名、霧の○○山系。年間で霧がとても多く出る地域。天気の移り変わりが激しい。
気が付いたようだ。状況を察していないのか、怪訝な表情。
横にされていると勘違いをし、裸の僕を警戒するかのように上半身を起こした。

「痛っ」
「お腹怪我してますから起きない方がいいですよ」

ちょっと気に障りぶっきらぼうに答えた。

「私、なんで?そうだ、崖が崩れて」

痛む足に施された手当てを見て続けた。

「キミが?」

頷いた。

「歩けますか?」
「だめ・・・痛い」

方法がまずかったか。

「ごめんね。シャツ汚しちゃって」
「血は止まりましたか?」
「うん。あ、ありがと。この体勢のままだからちょっと痺れてるけど」
「ごめんなさい」
「どうしてあやまるの」
「い、いや。応急処置なんて分からないから、見様見真似で・・・それに」
「?」
「喜乃子さんは僕が嫌いみたいだし」
「あ、いや、・・・そうじゃないの」

喜乃子さんの表情が翳った。

「今日はここに留まる事になりそうね」

そう言うと、喜乃子さんはまた横になった。落ち着いた様なので、とりあえずほっとした。
文庫を取り出し、頁を捲る。数頁読んだが薄暗さのせいで読むのをやめた。
変わりに辺りを散策することにした。滝壷脇に小さな一筋の流れが見て取れる。
その流れに注連縄が張ってある。本当に小説と一緒だ。
190龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:20:43 ID:xvJeHgAT
「や、喜乃子さん」
「なに見てるの?」
「歩けるんですか?」
「思ったより、軽いみたい。肩、借りるよ」

喜乃子さんの手が肩に回る。顔がとても近い。

「さっきから何見てるの?」
「あ、いや、小説を」
「へえ、どんなの読んでるの」
「い、いいです」
「見せて」
「駄目ですって」
「あっ!」

思わず振り払う形になってしまい喜乃子さんがよろけた。
グッと彼女の腕を掴んだ。そのままゆっくり座らせた。
ほら、と手を伸ばし本をせがる。
対面して、石に腰掛け、本を渡した。

「へぇ、この作家知ってる。映画になったのもあったし。結構きわどい表現多いよね」

それが何を意味するのかすぐにわかった。
この作家は性描写が露骨でそこらの官能小説よりいわゆるオカズに向いていた。
当然僕もそういう場面で興奮し勃起したし自慰もした。そんな事は露にも出さず続けた。

「この作家好きでよく読んでるんです。それで、その本はこの辺りを舞台にしていて、
 キャンプ地がこの辺りって知って、持ってきてみたんです」
「そうなんだ」
「実際の風景と照らし合わせて読んだら楽しいだろうなと思って」
「なんかロマンチックじゃん」
「そ、そういうんじゃないんです」
「そう?」
「この滝も龍姫伝説って話で載ってるんです。龍と姫の悲恋の物語です」
「なんか、よくしゃべるね」
「・・・」
「あ、別にちゃかしてるんじゃないの。面白そう、聞かせてよ龍と姫の悲しい物語」
191龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:21:14 ID:xvJeHgAT
龍姫伝説

そこは山間を流れる川が海に流れ出るのを見守る川下の集落。
粕葉家は代々神事を司っていた。娘が生まれるとその子は巫女になり、
その力は家を継ぐ男子よりも格が上とされ、女子が生まれた年は大層めでたいそう。
娘が齢十四の年、干ばつで大変な飢饉にみまわれ、巫女である娘は
龍神が住まうという滝壷で雨乞いの儀式をした。

人間の行動に興味を持ち出した小龍は巫女の儀式を見に行った。
小龍は一目でその娘に恋をしてしまった。小龍の行動を知った大龍は怒った。
しかし小龍を哀れに思った大龍は、今ならまだ大丈夫、そもそも龍族と人間が
一緒になる事は出来ないと説得するが、恋というものを知ってしまった小龍には
到底何を言っても無駄だった。小龍はさらに、どうか雨を降らせてくださいと懇願する。
今年はあの地域に降らす雨は無いと大龍も折れない。
ついに小龍は娘会いたさに掟を破り川を下って行った。
龍の通る後には必ず雨が降る。しかし加減を知らない小龍は、
娘に会いたいという欲に駆られているためか、回りが見えていない。
小龍が集落に到達する頃には川は暴れ川と化し、空には黒雲がひしめく。
雨雲に気付いた村人達は始めは喜んだが、それが大水の到来と知るや絶望した。

畑や家畜は流され、数十人の村人が行方不明になった。村人の怒りの
矛先は娘巫女に向けられた。人々のために雨乞いをし、降れば喜ばれるが
降らなければ全ての憎悪を受け、降り過ぎてもそれを受けた。
ひどく悲しんだ娘は滝壷に身を投げた。

小龍はというと、掟を破った為、八つ裂きにされてしまった。
大雨は数日続いた。事態を憂いた粕葉家は隠居した大ばば巫女様に
龍神の怒りを鎮めると共に、娘の弔いに滝壷で新たな祈祷を行った。
儀式が終わると大ばば様は天を仰いだ。

「龍神様と幼き娘が天に昇っていくのを見たのじゃ」

昇天した二人を見たという大ばば様は、それをうわ言のように呟くようになった。
それからのち、小さい流れの裏に洞を造り社を建て、注連縄を張り毎年慰霊祭を催した。
いつしか大滝を龍滝、小さいこの流れを姫滝と名付け、流れ落ちる川を竜涙川と呼ぶようになった。
192龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:22:30 ID:xvJeHgAT
「へえ、なんか切ないね」
「この土地の伝承を土台にした物語だけど、殆ど一緒らしいです。
 一緒と言っても伝承自体が恐らく創られた物だろうけど」
「いいよ」
「え」
「キミ、そうやって話してるととっても楽しそう」
「そんな」
「いい顔してるよ」

こんな事を言われたのは初めてだったので、少しビックリした。

「も、戻りましょうか」
「そうね」
「キミ、何か食べ物は?」
「ないです」

喜乃子さんはポーチから板チョコを出し、均等に分け半分を僕にくれた。

「まあ、明日までの辛抱。助けがくるでしょ」
「そうですね。でもみんな大丈夫かなあ。見てくださいよ、あの雲」
「どうだろう、降るのかな。みんなちゃんと避難してくれてればいいけど」
「喉渇いちゃった。ちょっと失敬」
「あっ!」
「なに?」
「罰当たりますよ」
「これ?」

僕から離れ、喜乃子さんは拍手を打ち、頂きますと言い姫滝から直接口を付け喉を潤す。

「ごちそうさまです」

僕も水を頂いた。僕は律儀に社が納まっている洞に向い腰を降ろし手を合わせた。
その奥には木製の小さな社があった。空き缶に花が捧げられているが随分前に枯れたようだ。
社は常に水を受けているので、とても神秘的だった。
びしょびしょになってる喜乃子さんの、顔に張りつく髪の毛にどきりとした。
その髪を両手で後ろに流した。胸が強調されて目のやり場に困った。
193龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:23:03 ID:xvJeHgAT
辺りはいよいよ夜の帳が降りてきた。
滝の音に加えて、夏の夜の虫の音とカエルの唸る鳴声が辺りを盛り上げる。
そういえばずっとしていない事を思い出した。意識しだしたら、急にしたくなった。

「あ、あの・・・出すものは出させてもらいます」
「???あ、ああ、私も」
「え?」
「私だってそれくらいはします。こっち見ないでよ」

僕と喜乃子さんは反対方向に歩き出し、用を足した。
木陰でチャックを降ろし、陰茎を取り出し放尿をする。
しかし尿が出ない。緊張と、何故か真後ろに喜乃子さんが立って見ているような気がして。
同時に自分の後方で腰を屈め下着を降ろし、陰部から勢い良く
尿を噴射する喜乃子さんを想像してしまった。その陰部は黒くぼやけてよく分からない。
僕は女性のあそこを見た事がない。アダルトビデオのそこには、
しっかりモザイクがかかっていて、その先がどうなっているのか知る由もない。
そんな事を考えていたら陰茎が芯をもってきた。
そっと前後にしごいている自分に気付き、我に返りやっと小便をした。

喜乃子さんは滝壷で手を洗っていた。
僕も横に座り手を洗う。

「足が痛いから、変な体勢でしちゃったよ」
「え、なに?」
「おしっ、・・・?!ちょっと、言わせないでよ。言いそうになっちゃったじゃん!」
「ふふ」
「笑うなー。・・・ふふ・・・ははは。初めて笑ったね。そうしてるとこっちもなんだか
 おかしくなっちゃった。鬱々としてるよりはこっちも楽になる。正直暗闇が怖いからさ」
「あ、安心してください、一応寝ずの番をしますから」
「心強いな。でもいいよ」
「大丈夫です」
「そう?」
「はい」
「じゃ、おやすみ」

虫の声もカエルの声も止み、辺りは静寂としていた。空を見上げると月に雲が掛かり
そのこぼれた明かりにかすかに周りの風景が認識できた。
滝壷に影を見た。人だ。滝に向い泣いているようだ。しなやかな曲線に長い髪。
腰回りはくびれていて、尻の割れ目が確認できる。
月が雲を抜け辺りが一際明るくなる。その明かりは女にスポットを当てるかのように
一箇所に集中した。

「龍姫・・・」

女がゆっくり振り向いた。俯いていた顔が正面を向くと、それは喜乃子さんだった。
194龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:24:30 ID:xvJeHgAT
ザアアァァァァ

滝の怒号で目が覚めた。

「おはよう」

龍ひ・・・め・・・?

喜乃子さんだった。髪を下ろしていたので雰囲気が違う。
それもあって一瞬状況を把握できず混乱したが、崖崩れの足止めを食っていると思い出した。

「おはようございます」
「眠れた?」
「はい・・・あっ」
「ふふふ」
「ずっと起きてるつもりだったのに」
「ふふ、大丈夫よ、生憎物騒な獣はいないみたいだったし」
「じゃあ、喜乃子さんが?」
「ううん、私も寝たよ。随分早く起きちゃったの。キミの寝顔ずっと見てた」
「・・・」
「うそ。ちょっと汗を流してたの。キミもそうしたら」
「え?」
「あそこ、ほら。流れが緩いでしょ」

滝壷に浸かってみた。
心地よい冷たさに顔を洗い、潜って頭を掻きむしった。
仰向けになり流れに身を任せる。喜乃子さんの方を見ると携帯を翳し電波を探っていた。
少し深いところに移動し泳いでみた。久しぶりの感覚がよみがえる。

「昨日○○県で起きた竜涙川の氾濫は河口の地域に大変な被害をもたらしました。
 キャンプ場にいた人々の生存は絶望的で身元の確認を急いでいる模様。
 政府は先ほど自衛隊の派遣を決定し〜」

テレビを消すと昨日から連絡の取れない歯がゆさで、
いてもたってもいられないかすみと夫がいた。
195龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:24:56 ID:xvJeHgAT
結局その日は助けは来ず、一日を無駄に過ごした。

「京事君寝た?」
「いいえ」
「明日は来るよね、助け」
「そうですね」
「水は沢山あるし・・・」
「腐る程ありますね。知ってます?水だけで一ヶ月以上生きれるみたいですよ」
「本当に?」
「でも、五日過ぎた頃から、空腹感がなくなるらしいです」
「つまり、欲が無くなり、あとはなんとなく生きてるみたいな状態なのかな」
「どうなんだろう」
「罰が当たったのかな。そうだとしたらキミを巻き込んでごめんね」
「どういうことですか」
「ううん。私偽善者なの」
「・・・」
「こういう活動に参加するといろいろ有利なのよ。水汲みもそのひとつ。
 株を上げようと思ってね。で、お給料もいいし。
 正直キミ達が更正しようがどうしようがどうでも良かった。
 そしたら、この始末。私もどっちかっていうと君達と同じなのに」
「?」
「私もねキミと同じ頃、不登校だったの。生更委にも参加した事があった。
 でもすぐに卒業したの。こんな私でも好きになってくれる人がいた。
 恋人が出来たら、同属嫌悪ってやつかな、生更委の人達を見るのも嫌だった」
「そうだったんですか」
「でも別れちゃったんだけどね」

今度は僕だ。裸で滝壷にいる。何故かとても悲しくて涙が溢れる。
涙が体を伝い陰茎に達する。すると陰茎は膨張し天を仰いだ。
体が熱くなり、手足が胴と一体化し、やがて空に登っていった。
196龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:26:19 ID:xvJeHgAT
「おはよう」
「おはようございます」
「キミ夕べ泳いでた?」
「え?」
「やっぱり夢かなあ。昨日は私だったし・・・」

三日目はその空腹で目が覚めた。板チョコ一枚、それも二人で一枚。
軽く考えていたのでそんなものは昨日のうちに食べ尽くしてしまった。
崩れた現場を見に行った。やはりどうにもならず、滝の方も調べたが断崖で、
空には霧が掛かっている。どうやら陸の孤島というやつだ。

「どうにかしないとまずいですね」
「そうね。でも崖を降りて行くのは不可能。滝の上もとてもじゃないけど登れない」
「それでもなにかしないと。食べる物はないし」
「ちょっと待って」

そう言うと携帯を取りだしまた電波を探っている。

「やっぱり駄目だね。電池もやばいし」

僕もポケットから携帯を取り出した。

「キミも持ってたの?」
「こっちも無理です。残量表示ももう赤くなってる」

落ちこんでいると滝壷を旋回するペットボトルを見つけた。
飛び込み、それを拾う。これは最近発売された新商品で僕も飲んだ事がある。
ていうことは上に人が?まさか・・・
197龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:26:55 ID:xvJeHgAT
「おーーーーい!」
「どーしたのー?」

向こうで何かないか探していた喜乃子さんが尋ねる。

「いや、違うんです!」

それを聞きながらも近づいてきた。

「これ見てください」
「ペット・・・ボトル?」

ペットボトルを滝の上に掲げた。

「上から?」

頷いた。

「まさか?で、どうするの?」
「登ってみますよ」
「登るってここを?」
「はい」
「無理よ!」
「無理でも何もしないよりいい」
「向こうに何かありました?」
「い、いや」
「このままだとどうせ死ぬんです。この崖を登り、失敗して死んでも同じですよ。
 だったらやってみて死にますよ。どうにか上まで行って助けを読んできます。
 自分が死んでも喜乃子さんだけでも助かるように頑張ってみます」

言ってる事が支離滅裂なのに、僕の剣幕に驚いたのか、喜乃子さんは僕を見守った。
シャツを脱ぎ上半身を露にする。
198龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:27:29 ID:xvJeHgAT
「キミ結構逞しいね」
「水泳やってたんで。引き篭もりのクセに、今でも筋トレだけはしてるんです。
 体だけは作っておけっていいますし。これお願いします」

初日に喜乃子さんを手当てした時についた血が落ちず、川で洗っているうちに
ピンク色になったシャツを手渡した。

注連縄の脇の崖を手探りで登る。

「本当に大丈夫?」
「まかせてください。昔屋内レジャーのロッククライムで遊んだ事あるし」

岩を掴むと腕の筋肉に緊張が走る。
一歩一歩確かめつつ、上を目指す。
少しやれそうだ。自信がでてきて更に進む。ゆっくりだが確実に。
なんか今、とても人間ぽい。そう思うと自信が付いた。
しかしふっと笑みと安堵を漏らした途端、油断した。
ただでさえ水で滑る手元を掴み損ね、みるみる地上に落下した。

ああ、これで本当に死んでしまうんだ

喜乃子さんを助けるんじゃないのか?あっと言う間に駄目になったな。
やっぱり僕は駄目だな。でも・・・・死にたくないな。

姫滝の社に小さな花が供えられている。
静寂の滝壷では龍の化身と女が抱き合っていた。
二人は口づけを交わし、その時は永遠のように感じた。
199龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:28:15 ID:xvJeHgAT
今度は激痛に目が覚めた。

「よかった、気が付いた」
「喜乃子さん・・・」
「丸一日気が付かなかったのよ。打ち所が悪かったら本当に・・・うっ」
 
喜乃子さんは泣き出した。

「ごめんなさい」
「今は休んで・・うっく・・・腕・・・痛いでしょ」
「はい・・・うっ」

僕も悔しくて涙が出てきた。

随分寝たらしい。腹がなる。辺りは真っ暗だ。

「お腹空いた?」
「もうすぐタイムリミットですね」
「なんの?」
「食欲がなくなる・・・」
「大丈夫よ・・・」

彼女の、それでも気持ちだけは明るく努めようとしているのが伝わる。

「何か話して」
「え?」
「じゃあ、私が聞く」
「?」
「龍も娘も安らかに眠って、村も平和になったけど、伝承の方は結末どうなるの?」
「実は結構違うんです。・・・小龍が村を襲い、娘をさらって滝壷で愛し合った後、二人で・・・」
「・・・死ぬの?」
「・・・はい」
「私達もそうなるの?」
「知りません。でも多分」
「キスしてあげようか?」
「?!」
「そうしたら助かるかも」
「え?」
「ずっと同じ夢を見るの。滝壷でキミが悲しそうにしてるの。
 そこに私も近づいて抱き合ってキスをするの。そうしたら二人が一つになって
 天に昇っていく・・・」
「それって・・・僕も見ましたよ」
「え?」

沈黙した。

「忘れて・・・。もう、寝ましょう」

暗闇の中で、長い間そうしていたような気がする。
唇を離れるとその主は隣りで眠りについたようだった。

しかしそれはすぐに咽び泣きに変わった。
200龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:28:51 ID:xvJeHgAT
「どうして助けが来ないの」
「さあ」
「さあじゃないわよ。あとどれだけこうしてればいいのよ」

口調がヒステリックに聞こえる。

「あれじゃないですか?逆に生きてるのは僕らだけだったりして。だとしたら大変ですよ」
「は?」
「子孫を残さないと。はは」

僕も幾分頭が回らなくなっているようだ。キスの影響もあるかもしれない。
なにせ初めてだったし。その後の事もいろいろ想像してしまった。
考えてみたら、数日二人きり・・・

「なに言ってるの?」
「冗談ですよ」
「引き篭もってあんな本読んでるからおかしくなったんでしょ」
「どういう意味ですか」
「あんたがいろいろ歩き回ってる時に読んでみたのよ。
 いっぱしの文学とか言ってるけど、ほとんどエロ本じゃない」
「そんな言い方しなくても。自分だって・・・」
「・・・!?私が・・・なによ」
「・・・いつもコンドーム持ち歩いてる・・・じゃないですか」
「人のバッグ見たの?・・・最低」
「最初の日に絆創膏でもないか見せてもらったんです」
「にしても、断りもなく!」
「そんな事言ったって気を失ってたし手当てしないと」
「あーもういいよ」
「・・・」
「それにね、キミの年頃だと、その、ゴムはイコール、それだろうけど・・・
 しかもキミの場合幻想も抱いてそうだし。だけど避妊具を女の子が持ってるのは
 当然なの。結局女性の側が気をつけてないといけないのよ」
「・・・」
「キミも人を本当に好きになったらわかるよ。キミの場合まず
 学校にいけるようにならないとね」
「・・・」
「私、助かったらこの仕事辞める。こんな目に会ったからじゃなくて、
 私もちょっと変わってみようと思う」
「ぼ、僕だって、学校くらい・・・行ってやる」
「へぇ、言うねえ。そうだ、携帯出して」
「?」
「アドレス交換するの。キミの生活に変化があったら教えて。好きな人ができたらもね」

赤外線を通してお互い電池が切れそうなのを気にしつつアドレスを交換した。
それはある種の、最後の晩餐のような行為だった。
201龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:29:24 ID:xvJeHgAT
目が覚める。携帯はついにその役目を終えたらしい。

「私が・・・好きだって?」
「え?」

喜乃子さんが携帯の画面を僕に向ける。眩い液晶に目が眩んだ。画面には、

喜乃子さんが好きです。
好きな人が出来たらメールしてと言ったのでしました。

と書かれていた。アドレスも確かに僕だ。

「順番が違うけどまあいいわ」
「どういうこと?ちょっと待って・・・ケータイ通じたんですか?」
「そんな事どうでもいいの」

喜乃子さんは羽織っていた着物の帯を解き、前をはだけた。
上半身は裸で、綺麗な乳房が露になる。
下は襦袢というんだろうか、それに手を掛けするすると脱ぎ捨てた。
整った陰毛が目に入る。なぜそんな恰好だったのか気にもせず。
そこでやっと自分の陰茎が張ってくるのに気付いた。
喜乃子さんは僕のズボンを脱がすとパンツ越しに下から撫ぜた。
僕はビクンとした。
そしてパンツを脱がされた。そこには皮を被っているが自分でも
大きいと自覚している、いきり立った陰茎があった。
まるで意思を持っているかのようにピクンピクンと脈を打っている。
その陰茎に彼女が手を添え、ゆっくり皮を剥く。
彼女は微笑みながら何かを取り出した。
それを陰茎にあてがうと、何であるか分かった。
自分の秘部に当てていた艶めいた手を、陰茎になすりつけた。
そして僕に跨ると陰茎を自分の股に誘った。
その瞬間、僕に絶頂が訪れてしまった。
彼女の秘密の入り口で、陰茎は激しく痙攣し白い液体を薄いゴムの中に噴射した。
彼女はゴムを手早くはずした。ドロっと白い液体が陰茎を伝うと前後に扱きそのまま
腰を落とした。射精したばかりの陰茎は、彼女の体内で再び芯を持ち始め、
彼女の往復運動に答える。なんて気持ちがいいんだろう。
まるで全身を彼女の中に治め、体全部が性感帯になったよう。
彼女が首に手を回し、荒い呼吸をしながら喘ぐ。
その淫靡な息を感じながらキスをし、彼女を横にする。
そのあとは、もう一心不乱に腰を振り続けた。
最後はあっと言う間に訪れた。体中の精気を、まさに性器から噴射した気分だった。
もうどうなっても良かった。彼女もそうならもっと良い。彼女の胸に顔を埋めそのまま眠った。

バタバタバタバタ

「見てください。今自衛隊が滝壷の捜索に向いました。
 人です!この災害の被災者かどうかは確認できませんが人を発見した様です」
202龍姫伝説:2008/06/12(木) 01:30:00 ID:xvJeHgAT
この独特の匂いはどうやら病院らしい。
誰もいない。今度は僕だけになったのか?
廊下をかつかつと足音が聞こえる。

ふふ

僕は起き上がった。腕にはギプスがされている。
今日はいつなんだろう。あれからどれだけ経ったのだろう。

「今回の災害ですが、これは明かに初動ミスですよ。
 キャンプの被害者もそうですよ。被害者を別人と断定するなんて怠慢ですよ。
 霧が出ていたから川上は後回し?有り得ませんね。
 疑問を持った救助された少年のご両親の話に耳を向けなかったらしいじゃないですか」

患者の集まる休憩所から聞こえてくる、
ワイドショーのコメンテータの勝手な発言をスルーし屋上に行った。
そこは爽やかな風が吹いていた。心が晴れやかで、生まれ変わったようだ。
引き篭もりをしてしまような弱い心が、風と共にどこかに飛んでいくような気がする。
まず行動しろ、と良く言うが今はそれが出来そうな気がする。大抵のことはなんとかなるもんだ。
そもそもとても小さい事で悩んでいたのだ。そう、まずは行動だ。

携帯を見る。送信履歴を見た。

−喜乃子さんが好きです。
好きな人が出来たらメールしてと言ったのでしました。−

そんなメールは無かった。改めて、いや初めての送信をしよう。

「あの人」
「あら、どうしたの」
「ほら、あの人。○○県の災害の」
「あの滝壷で見つかったっていう?えー!」
「しっ!声が大きいわよ」
「生中継見たけどホントなのかしらね」
「私も見たわよ。テレビに注目してたわけじゃないけど、確かに裸のようだったわ」
「嫌だわ〜」
「でも週刊誌に載ってたけどアレがあったって」
「なに?」
「もっと寄って」
「なになに?」
「ひ・に・ん・ぐ」
「ひえぇ〜。最近の子は分からないわ〜。あらやだ、こんな事言ったら不謹慎よね」

ヅー ヅー ヅー

携帯が震える。

−今、どこにいるの?−

彼女を探さなくちゃ

おわり
203名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 05:24:35 ID:i50ag5eG
GJ!
204名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 12:24:06 ID:8w56J4eg
話が上手い。
205名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 17:53:22 ID:rClXwXVL
くそっ駄目だ!
GJと言いたいのは山々だが、作者の方の文体レベルが高すぎて、頭悪い俺には理解できん・・・
所々断片的に分かる部分だけでも神の予感がひしひしと伝わってくるのに。。。

スレ汚してすいません。
日本語の勉強してきます・・・
206名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 21:49:33 ID:zGOm4j70
そういうときはGJとだけ言ってればいいよ

GJ
207名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 22:24:17 ID:n/3GThON
GJ
しかし、ラストで全国にさらされちゃったのか・・・
208 ◆/pDb2FqpBw :2008/06/13(金) 20:03:32 ID:1CJm2tLQ
ども。上の移動のお話をさせてもらったものです。
ご挨拶を。

色々好意的な意見、マジでありがとうございました。
しかし、ここで残ると後はスレ違いと何と言われようと頑として動かない書き手になってしまいそう
(というかなる)ので自分でスレ違いと思ってしまったというのもあり、移動致します。
(個人的には自治は最小限派です。
今後の書き手の人には少々のスレ違い風味なぞ吹き飛ばす勢いで。
読み手には寛大な見守る感じで。)

最初から考えてそっちでやれば良かったので反省しています。
響とぐびなまの所為です(言い訳)。
お騒がせすいませんでした。

で、HRスレに移動させて頂きました。
続き落としてますので宜しければ見てやってください。

んでは。

209名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 08:02:11 ID:T9+dl1no
>>208
また二人きりモノが出来たら来てくれよな、
期待して待ってるぜ…。
210名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 19:41:51 ID:RDA+J/CR
>>208
かならず…戻ってきなさいよ……!。
211名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 22:16:33 ID:oHpm49yj
おっさんと二人きr、アッー!
212名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 21:44:56 ID:K2IgsyA8
>>211が美少女ならば何の問題もない


掘られるのは尻だがな!
213名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 22:17:10 ID:zW7T0rui
214名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 23:00:50 ID:QhzrZ+2Y
215名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 00:40:24 ID:kgelc7AV
216名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 03:26:50 ID:PJdYXt3w
217名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 04:19:13 ID:MC30ISr6
218名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 07:46:26 ID:UgkXrxu5
219名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 12:37:29 ID:hSgTDRg2
220名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 16:51:18 ID:p5BwyF7t
221名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 19:17:46 ID:OONB7rcb
222名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 19:30:58 ID:XrhCl1CF
223名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 22:58:55 ID:8EA3HmUR
224名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:22:56 ID:MC30ISr6
ねーよ orz
225名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 12:00:18 ID:cyaqogdV
あるあるwwww
226名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 10:53:15 ID:ygpuwRzv
保守ついでに質問
・エロシーンが書けない。つたない文でもOKなのだろうか…
(脳内でシーンは構築できてるので、あとは旨く伝えられるか なのだが…)

・保管庫って勝手に保守しちゃだめだよね? 他作家さんに断り入れた方がいいんだよね?
 4月から止まりっぱなしだからどうしようか…

・D-LIVEの11巻 エピソード35 がイイカンジに一部二人っきりなんだが…
 ああいうのをめざ…ゲフンゲフン。
227名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 17:44:26 ID:kjOV3Y7o
>>226
・つなたないと思うなら納得いくまで書き直せばいい

・みんなやり方分からないだけだと思う、自分は出来ないからできる人がやってくれるのは歓迎
 とりあえず保存だけすれば保存されるのが嫌な作家さんは自分で削除するんじゃないかな
228名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 21:43:17 ID:3Uuka8/A
>>226
そんなこと気にする前に書け
229名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:28:24 ID:wohLrP5E
一番最悪なのは、
二人きりになる→続きはまた今度→詰まって書けない
次に酷いのは、
拙すぎてスルーせずにはいられないssが投下されること。

書くのは自由だから書けばいいよ。
投下しないのと、スルーされたり叩かれたりとで、
どちらが労力に見合わないかじゃないか?
230名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 15:25:56 ID:GrIDsIeX
エロシーンが書けないんなら代わりにグロシーンを書けばいいじゃない
231名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 17:41:56 ID:mWX68sgc
それは良くないんじゃない?
232名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 18:36:20 ID:9T5WDJh2
>>230
それはやめてくれw
233名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 00:28:54 ID:u9pSFj+f
帰宅中の夜道で女の子と二人きり、てシチュはドキドキする。
冤罪的な意味で。
234名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 10:22:50 ID:IzHbOotV
>>233
だんだん早足になり、携帯を取り出すんですね
235名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 16:49:29 ID:HFHY9zLT
それなんて痴漢男?
236名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:20:31 ID:YoX5+n4+

「雪、やみそうにないわね」
「ああ」
「このままだと命にかかわりそうだわ」
「…ああ」
「こうなったらあれね、お決まりのパターンってやつよ」
「……」
「裸になって肌と肌で暖めあいましょ…ってどこ行くのよ」

洞穴の外に出て行こうとしていた俺は振り向いて言った。

「いいか、俺はそういう冗談が一番嫌いなんだよ」
「はいはい。ゴメンナサイ。何もしないから戻ってきなさいよ」

外は相変わらずの猛吹雪で現在地もわからない。
一緒にスキーに来ていた他の仲間も行方不明。
確かにここから出れば遭難&凍死は考えるまでもないことだ。
仕方なく奥に戻り、真ん中に足で線を引く。

「いいか、ここからこっちが俺のエリアだから入ってくんなよ」
「それ普通は女の子のせりふよ。
まあ、あなたは小さくて可愛いから似合わなくはないけど」

うるせぇと心の中で毒づき俺は身を丸めて寒さをしのぐ。
俺だってせめて160は欲しかったよ。
ちらりと千秋の方を窺うと170オーバーの体を俺と同じように丸めていた。
可愛くないという理由でゴスロリ風に装飾されたスキーウェアが
体の大きさに合わず、はっきり言ってイタイ。
237名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:22:55 ID:YoX5+n4+
まったく、一緒にいるのが片思い中の高町ならよかったのに。
そんな下らない妄想を膨らませながら吹雪が止むのを待っていた。
漫画やドラマと違い現実はうまくいかない。
この旅行中に告白するつもりだった。
それがこんな目にあっている。
…そういやこいつも誰かに告白するとか言ってたっけ。
来る時の電車の中で女友達と喋っていたのが漏れ聞こえたのを覚えている。
俺でないことを祈るばかりだ。





あれから何時間経ったのだろう。
あまりの寒さに体もうまく動かせない。
意識も霞みがかっている感じだ。

「やっぱり私達助からないのかなぁ」

千秋の声も弱々しい。

「さあな」

死ぬかもしれないなんて今まで生きてた中で考えたこともなかったが
急に現実になりつつある。やり残した事だらけで後悔が頭の中で渦巻く。

「はぁあ、死ぬ前にあいつに告白しておきたかったぜ」

俺の呟きを聞いた千秋が寂しそうに微笑みつつ言った

「…そう、…そうね。死んじゃう前にか」

うん?どうしたんだ。

「あのね、わたしね。君のことが好きなの」

穴の外で降り続く雪のごとく頭の中が真っ白になった。
238名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:25:21 ID:YoX5+n4+

「君が高町さんを好きなのは知ってた。決して私を受け入れられないことも。
でも死んじゃう前に後悔はしたくないし言っておくね」

勘弁してくれ。俺には俺の女神様がいるんだよ。

「ついでに言うと高町さんには付き合っている年上の彼氏がいるよ」

さようなら、俺の女神様。

「あぁ。生き残ったら新たな女神を探しにいこう」

「生き残るためには最大限努力をしなくちゃ」

気づけば千秋が俺の方ににじり寄って来ていた。
いやな予感がする。

「今こそ肌と肌で暖めあう時よ。ついでに激しい運動なんかもいいわね」
「ちょっと待て。待ってくれ」
「死ぬ前に後悔したくないわ」
「いま生きのこる為と言わなかったか!」
「この際どっちでもいいわ」

目が怖い。
239名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:27:43 ID:YoX5+n4+

確かにこいつの言いたいこともわかる。
だがしかしっっ!!



「いいかっ。俺は。どんなに頼まれても。

    男とそーゆーことするのは御免だぁぁぁ!!

わかったか!この筋肉ダルマ!!  」


スキーウェアの前をはだけながら千秋邦彦が言う。

「体は男、心は女。真実は常にひとつ」

柔道部で鍛えられた体が迫ってくる。

「恋する乙女は無敵なのよっっっ!」
「意味がわからねぇぇぇぇぇぇ!!!!」


この閉ざされた空間で、
「心だけは女の子」と二人きりになってしまったこの俺を助けてくれ!!
240名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:32:01 ID:YoX5+n4+
以上、雪山貞操ピンチ編でした。


他にも

外は吹雪、暖をとるものはなし、ここには二人きり。
おまけにこの子は非常に可愛い。
10人が10人とも美少女と言うこと間違いなし。
しかしこの子はまぎれもなく男の子
ちょっと待て俺。冷静になれ。
道を踏み外すな。
「もうちょっと寄り添った方が温まるよ」
何言ってんだ俺。
違う。俺はノーマルだぁぁぁ!!

ってのも考えたんだけど、どちらもこれ以上書くと
大切な何かを失ってしまいそうなので
ここでお終いです。
いろんな意味でゴメンネ。
241名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 00:53:48 ID:pWyxXgqf
>>240
千秋邦彦ww自重しろww
ああ、救われないお話だったな(´;ω;`)ウッ…

また男か・・・
そんなことじゃオレ図書館に蒐集されんぞ・・・
242名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 02:00:42 ID:wvNfYZKx
>>240
やべえはぐしくワロタw
でもこれはこれでありだな
そう思った俺は終わってるy=ー( ゚д゚)・∵. ターン

>外は吹雪、暖をとるものはなし、ここには二人きり。
>おまけにこの子は非常に可愛い。
>10人が10人とも美少女と言うこと間違いなし。
>しかしこの子はまぎれもなく男の子
>ちょっと待て俺。冷静になれ。
>道を踏み外すな。
>「もうちょっと寄り添った方が温まるよ」
>何言ってんだ俺。
>違う。俺はノーマルだぁぁぁ!!

このバージョンも頼むwwww













でもやっぱりおにゃのこの方がイイ!
243名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 03:59:21 ID:pCXD1Hqm
>242
そんな… わぁい とか おれ… 女になっちゃった 的なスレに出入りしてる自分からすれば、
ものすごいご褒美です 的な(まて

…名前が入ったままレスするとこだった あぶねぇ…
244名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 11:02:17 ID:JvrwKKsN
ID:YoX5+n4+
とりあえず、スレタイ見て何とも思わなかったのかを問い詰めたい
過疎スレだからちょっとくらい外れても大丈夫だろうと思ったのか?
実際過疎スレだから喜ぶ奴多いだろうけど俺はむかついた
245名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 11:09:23 ID:zcHUF42L
>>244
お前が過剰なだけだ
246名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 11:28:03 ID:vN/KaPTG
>>244
ネタSSだから別にいいんじゃね?
こんなのばっかりだと困るが
247名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 14:26:47 ID:xNUvAIbX
>>244は既にパンツを下ろして初動を開始していたんだろ。
もし自分が>>244と同じ事をしていればと思うと、その心中には共感せざるを得ない。
でも二行目までにしとけ。
248名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 15:47:33 ID:AeSZzbT2
まああれだ、スレ違いの可能性がありそうな内容なら
いらんトラブルを避けるためにも
最初にスレ違いかもしれないと断りを入れた上でやれってこった

>>244
お前ここは初めてか?力抜けよ
249名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 18:20:12 ID:eU9J6nkj
このスレの進み具合
たくさん居すぎて二人きりになれそうもないな
250名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 22:12:52 ID:M7QnZ3Om
>>249
そうか?いがいと二人だけが延々と自演をくりかえしてるだけかもしれんぞw
251240:2008/07/04(金) 23:54:51 ID:q5+t6bI4
スレが止まってる


244氏に怒られたし>>238から引き継ぐ形でまともな女の子編作った方がいい?

それとも今頭の中に浮かび始めた
「雨宿り」「女子中学生」「性的悪戯」
を使ってなんか書くか?

どっちもエロ少なくなりそうだけど。
252名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 02:21:14 ID:DOLLFN1F
両方やっちゃいなYO
253名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 07:13:00 ID:UicbfXG0
>251
誘い請けと罵られる前に一言老婆心ながら…
「住人に今後の中身について問い合わせない方が良い」
作った方が良い? は、相手にワクテカさせておいて、
実は作れなかった…につながったときの反動がものすごいので、
そういう質問はなるべく避けた方が良い。

できる、できない をはっきりさせて、作品を投下できるならしたほうが、今後のトラブルが避けられるよ。

もちろん、私としては書けるなら書いちゃえ派なので、こういう質問ならば
「書いちゃいなYO!」になるわけで。

えらそうなことで申し訳ない。私は過去に誘い請けでさんざ叩かれた記憶があるのでね…
そうならないように切に願うばかりである。

そういえばこのスレに定着して1年か… 早かったな…
254名無しさん@ピンキー:2008/07/05(土) 16:43:56 ID:dcaE2zCs
>>251
今ここでこのスレを活性化させられるのは君だけだ
幸運を祈る
255名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 01:02:59 ID:DQCBpIAe
>>253

お前イイ奴だな
256名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 02:12:30 ID:oNjVDXtN
むりぽ
257名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 03:00:39 ID:Nt74PCVj
>>253
ありがとう。勉強になります。


いま必死に238の続きから考えているけど全然進まねえ。
[好きな子を苗字で読んでるからには千秋も勿論苗字だ]
とか読み手に性別誤認させるために含みを持たせた部分が
うまく使えない。ぶっちゃけ回収できない。
もうちょっと待ってくれ。
258名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:26:27 ID:Nt74PCVj
オーケー
>>238からの続きが出来た。
各自お好みでこっからを脳内接続してくれ。
今度はちゃんと女だが、結局名前は「○○千秋」ということでよろしく
259名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:28:40 ID:Nt74PCVj
目が怖い。


その視線から逃げるように顔を背け、俺はきっぱりと言うことにした。

「おれは背の高い女はお断りなんだよ」

千秋が、今度は悲しそうに微笑んだ気がした。

「やっぱりあの時の事、気にしてるんだ」

ぐっ、と声が詰まる。
そうあれは中学の時の痛すぎる思い出だ。

「あなたが誘ってくれた初めてのデートだったのに、
行く先々で姉弟に間違われていたもんね。挙句の果てに
『えらいわね〜、僕は小学生?』とか言われるし。
あれ以来すっかり私から距離おくようになっちゃったし」

傷を呼び起こすな。
あの頃から俺は小さく、千秋は背も高く大人びていた。
小学生と高校生に間違われるくらい差があった。
ついでに胸は大学クラスだったな。うん。
260名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:34:08 ID:Nt74PCVj
「あの頃からは一応伸びたじゃない。140台だからって気にする必要ないわよ」
「150だ。いいか、149.5っていうのはもはや150と変わりない。
小数点以下を四捨五入すれば立派な150だ。
つまり150と言ってなんら問題ないのだ。
だからおれは身長150なのだ」
「見苦しいわよ。私みたいにあきらめて気にするのはやめなさい」
「大きい分には良いだろう」
「女で大きいのも嫌な事ばかりよ」
「…」
「好きな人には避けられるし」
「…」
「あなたに避けられて、悲しかったんだから」
「………悪かった…」

確かに俺が一方的に避けだしたことだから謝るべきだろう。

「だが、その、なんだ。お前はよかったのか?
こんな身長差があるのと付き合うと色々いわれるぞ」
「気にしないわよそんなの。
第一、私より身長があって、気の合う人なんて、そうそう居ないのよ」

なるほどと相槌を打つ。

「まぁ170もあればなあ」
「……このまえ180超えたわ」
「まだでっかくなってんのかよ!」
261名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:36:27 ID:Nt74PCVj
不公平だ。俺は半年も同じままだというのに。
そういやこいつ、胸も育ってないか?

「どこ見てんのよ」

俺の視線に気づいて軽く睨んでくる。

「いやスマン。…参考までにそっちはどのくらい?」

嫌われてもいい、むしろ嫌われたほうがこの状況を回避できるので
あえて聞いてみた。
すると答えんでもいいのに、顔を赤くしつつ小声でゴニョゴニョ言ってやがる。
生憎すべて聞こえたよ。カップまで答えんでもいいだろうに。素直なやつだ。
しかしなんだ。神か?神クラスか?俺の前に神がいるよ。
ああ、あれだ。昔行った間々観音のご利益だな、これは。
こいつ、あそこでお年玉落としてたもんな。
観音様グッジョブ!!

っとぉぉ、ぐおっ!
軽くトリップしてた俺はあっさり押し倒された。
262名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:38:28 ID:Nt74PCVj

「そんなことより、さあ続きよ」

マウントポジションになり、左手一本で俺の両手を頭上で拘束し、
右手を俺のウェアをはだけさせて、体を弄り始める。
全くもって男女が逆だ。
しかし千秋の手付きは非常に繊細で、俺の官能を高めていく。
フェザータッチで俺の肌を攻め、時に乳首を軽く引っかき、
そして口で俺の耳を甘噛みしたり、息を吹きかけてくる。
すでに俺の愚息は元気になっていた。
それに気付いたのかどうか、千秋の右手が俺の下半身に移動していく。

「…すごい。…熱くて…、おっきい…」

千秋が俺のをゆっくりとしごきながら、淫魔のようにうっとりとつぶやく。
俺はすでにまともな思考能力の無くなった頭で、
そりゃあれだ。田縣神社のご利益だ。
俺もあそこでお年玉落としたことがあったしな。
と馬鹿なことを思い浮かべていた。
おれのは一般レベルでしかない。
まあ身長との割合で比較すれば大きいかも知れんが。
そう考えている間も千秋によって快感を送られ続けていた。
263名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:40:55 ID:Nt74PCVj

いつの間にか両手の拘束は解かれ、千秋はその左手で自分のウェアの下を脱ぎ、
口と舌は胸板から腰を通り、俺の下半身にたどり着く。
と同時に俺のウェアの下も脱がされていく。

「ああっ」

俺のモノが千秋の口に覆われたとき、思わず声が出てしまった。
そこからの攻めがこれまたねちっこい。
舌を絡ませる。吸う。鈴口を攻める。舌を根元まで這わす。カリをなぞる。
頭を前後させ扱く。また吸う。唇で甘噛み。舌が踊り、舞い、蹂躙する。

それらが際限無く続き俺も限界に近い。
千秋を見ると持ち上がった綺麗なお尻の方、両足の付け根に左手を持っていっている。
はっきりとは見えないが自分で弄っているのだろう。

「千秋…」

名を呼ぶとこちらに目を向け、ようやくモノを放す。
しかしやはりそれでは終わらない。
いや、情けないがすでに俺が終われなくなっていた。

「うん」

俺の意思を汲み取り、体をまた起こし、
そそり立つ肉の柱に位置を合わせ、腰を固定する。
264名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:43:47 ID:Nt74PCVj

「いくよ」

そう宣言した千秋は一気に腰を落とす。
すでに十分濡れたそこは俺のを包み込み、格別の快感を俺に与える。
故に最早我慢など出来る訳もなく、自分から腰を突き上げていた。

「はあん、んん、ちょっ、いき、なり、んぁ、はげし、ああっ」

千秋のその声がさらに興奮させる。
腰をつかみ、より早く、より激しく、二人を官能の頂へと上り詰めさせ、
そしてその時がきた。

「ふぁっ、もうっ、ダメっ」
「千秋っ、チアキ、ちあきぃ」
「「いくぅっっ」」

二人の声が重なり、膣が激しく収縮した時俺も全てを千秋の中にはき出していた。

「うふ。あっつい」

この時の聖母のような微笑を俺は一生忘れないと思う。
265名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:46:44 ID:Nt74PCVj

***


「ほら、こうしてれば寒くないでしょ」

俺は千秋の両足の間に体育座りで収まり、
後ろから千秋が覆いかぶさるように抱きついてきていた。
確かに寒くは無いが、男としてこれはどうだろう?
ちょっと情けなくないだろうか。
ただそれ以上に背中に当たる柔らかい物に意識が奪われていた。
さっきまでこいつはずっと上着は着たままだったので、
実際には拝んでいない。
だからなのか余計に想像力が掻き立てられてしまう。

「はあぁ」

俺のため息をどう解釈したのか千秋が言ってくる。

「ほら、気にしない気にしない。ちっちゃくてもいいじゃない。
もう、体だけじゃなく、心まで小さくしてどうすんのよ」
「うるせぇ、お前が大きすぎるんだよ」

いろいろとな。
そう心の中だけで言葉を繋ぐ。
まあいいか。ただ責任というか、けじめだけは付けておこう。
266名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:48:35 ID:Nt74PCVj
「なあ千秋」
「うん?…!!!」

振り向いて、覗き込んできた所にキスをした。
ビックリしている千秋に俺は言う。

「お前さっき、キスだけはしなかったな」
「…」
「『キスは好き合っている同士がするもの』だっけか?
昔そう言ってたな」
「覚えてたんだ…」
「これが俺の気持ちだ。ホントは初デートの最後にするつもりでいたんだけどな。
勝手なことで悪いが、改めて俺から言わせてもらっていいか?
ここから無事に帰れたら、俺の彼女になってくれ」
「…うん。うんっ!!」

そういって俺を思いっきり抱きしめた。

「ちょっと、くるしい」
「えへへ、ごめん。でも…このままもう一回あったまる?」
「いや、体力は温存すべきだろ」
「そっか、ちょっと残念」
「生きて戻って、もう一回、初デートのし直しだからな」
「うん」
「ゴスロリは止めてくれ、お前には似合わない」
「わかったわ。もともとあなたの気を引きたくて、
カワイイ系の模索中だったやつだから、別にいいわよ」
「お前はそのままでも十分かわいい。と思うぞ」
267名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 05:50:44 ID:Nt74PCVj
また抱きしめる手に力が入ってくる。

「だから苦しいって」
「えへへぇ、初めていわれた」

ふん、いくらでも言ってやるさこれからは。
こいつにカワイイ一面があるのは真実だしな。
さしあたり今度のデートの時にでもいってやるか。
そんなことを考えながらも二人はしゃべりながら救助を待った。

***

結局吹雪が止み、少し辺りを探索したら、あっさりロッジは見つかった。
勿論全員無事に帰ることができた。
さあ、愛しの日常だ! デートのプランでも考えよう!!

***


おれはチケット売り場のオバちゃんが言い放った言葉にキレていた。
「ごめんねぇ。これはR-15指定の恋愛映画なの。
保護者のお姉さんが一緒でもダメなのよ」

「姉弟じゃねえぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「あははっ。こうなると思ってたよ、私は。予想通りだね!」

「お前もかわいくねえぇぇぇぇぇぇ!!!!」


268名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 06:00:31 ID:9noJdJpa
>>257
238の読み手側というか俺の印象は
・相手は千秋という名前の女である
・呼び捨てにはするが対象外、あるいは手出し無用、お手付き不可の関係である

こんな感じ
269名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 06:03:33 ID:9noJdJpa
てかもう出来てるし orz
今のナシね
270名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 06:03:57 ID:Nt74PCVj
以上お粗末さまでした。

後は任せた皆の衆
俺にはもう無理だ
ゆっくりと寝させてもらうぜ

間々観音、田縣神社についてはググるかwikiで調べれば載ってます。
ただし、おっぱいがでっかくなったり
ちんちんがでっかくなるご利益は無いと思います。

間々観音、田縣神社に大縣神社
すごいところだ愛知県小牧市
271253:2008/07/06(日) 11:38:31 ID:mC+gXqPB
>270 乙!GJ!

「まぁ170もあればなあ」
「……このまえ180超えたわ」
「まだでっかくなってんのかよ!」

これに吹いた&萌えたっ!

なにか粋の良い言葉を掛けたいが、思いつかなかった…
ゆっくりおやすみしていってね!
272名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 13:33:41 ID:/5Hd1kWm
GJ
これで身長差カップル好きの俺のためのSSに生まれ変わったな
273名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 17:09:51 ID:nG9wttMF
保守
274名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 01:27:50 ID:vEuEDvQZ
こんな所があったのかと>>1から一気に読ませて頂きました。
作者の皆さんGJ!
>>270小牧市民の方?すぐ近くの場所が出てきてビックリしたわ。
乙です!
275名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 07:18:51 ID:BaNtM6hG
276名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 22:26:17 ID:OHJ8Dwz6
277名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 19:04:04 ID:wS1GJvJC
278名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 19:15:16 ID:egoX2DUu
279名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 20:38:16 ID:izTCyXan
280名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 21:57:39 ID:iBM8qt4Z
281名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 01:31:56 ID:+0TnbPqT
282名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 19:23:18 ID:takuDWl1
283名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 19:42:12 ID:4pbP2pyd
284名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 23:37:24 ID:Vvfntise
285名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 00:00:36 ID:c4ayKZPo
何この流れ・・・
『欲しい物は爪切り』?

「深爪しちゃって痛いよぉー、見てよコレ」とかから始まるエロっすか?なんとマニアックな・・・
286名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 19:26:28 ID:vFm132ie
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |次で職人に期待.|
 |_______|
   ∧∧ ||
.   ( ゚д゚)||
   / づΦ
287名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 15:03:58 ID:DQ7ysM4R
このスレってプロの人が書いてるの?ってくらいGJばかりだ
思わずお金払いたくなったよナムナム

二人きりになるシリーズでは無人島物もいいよね
でも生活するのに精一杯になりそう

以前、エレベータで美女と二人っきりってことがあった
意識しないように反対方向を向いてたけど
心のそこから、故障しろ!止まれ!と神様に祈ってた俺
288名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 16:22:55 ID:vj6rJr6c
>287 うれしいこといってくれるじゃないの。
エレベータは自分は20年前に通ったみちさorz

結局なにもなかったが・・・
289名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 22:52:14 ID:Vdk3IQcl
>>289
20年前か、みんな似たような体験してるんだなぁ
だったらさ、20年前に戻れ!時間を跳躍するのさ
さぁ書け!!今、おまえはエレベータの中だ!
妄想でいいのだ、だってみんなが同じ想いだから
290名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 04:40:09 ID:oKruwFEC
>289
安価ミスってる?
288宛だとしたら、エレベータよりも続編を作らなきゃ。ね。
291名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 08:18:17 ID:QxybP8JR
うむ、ミスってる
スマン
なんでいいからとりあえず読みたい
292名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 17:03:41 ID:oKruwFEC
>291
というか、今まとめをさらっと追加しようと見てたら、
エレベーターネタあるじゃないか。
会社のエレベータだけど…

知り合いじゃなく、赤の他人とのを読みたいとか・・・?
293名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 20:25:04 ID:OaCNuAkA
あっまとめ読んできました、面白かったワラタ

でも他人と閉じ込められるのもいいネ
ってゆーかリアルでそんなことになったら
俺はどんな反応するんだろ?
自分の行動って意外と読めないよな
数年前大きな地震に遭遇したわけだが、予想もしない行動を
自分がとり驚いた

妄想するに、エレベータに他人と閉じ込められたら
緊張をほぐすため、ひたすら喋り捲るよーな気がする
実際は違うのかもしれんが…

夜の妄想の参考にオマイラだったら
どんな行動とるか教えて欲しい
294名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 20:31:03 ID:oKruwFEC
とりあえずまとめ終わり。
つかれた〜…

まずいものとか、何か気がついたら見た人よろしくお願いします。

>226で言ったとおり編集したけども… ここ見てる作者さんで
”まとめに入れないで!”って人がいたらレスください…
消去することは権限がないからできないけども、
編集>編集>すれば履歴でも追えなくなるので、
そういう方法で消そうと思います。

休日。は草稿なのでそのうちにでも。
295名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 20:49:14 ID:u1jEmt4W
>>294
296名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 21:15:13 ID:ciOT6C8G
ぷぷちゃん..かわいいよぷぷちゃん byもさー
297名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 23:09:54 ID:0bMAZgck
俺のSSを保管庫に入れてくるとは……ありがたい。

続きは出来てるんだが、明らかに可笑しい上にトリップ忘れたって言う致命的な、ねorz



本当に>>294乙です。
298wiki”管理”人:2008/07/25(金) 13:14:58 ID:gpPIMI27
>>294
乙です。
問い合わせフォームからメールアドレスを連絡していただければ権限を送ります。
299注意書き ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 04:55:12 ID:eUfC4B1w
久しぶりに来たら>>275-284が素晴らしい連携プレイに感動。
「ほしいものはつめきり」で二人きりネタを書いてみました。
前回と同じくむず痒い系で、エロぬるめです。災害ネタ注意。
よろしければお付き合いください。タイトルは「ほしいものはつめきり」です。
300ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 04:55:47 ID:eUfC4B1w


爪切り欲しいですー、と俺の隣で寝ていたはず少女がつぶやいた。

「……そうかよ」
「だって、痛いでしょう?」

何がおかしいのか、ソイツはくすくすと笑いながら俺に擦り寄ってくる。裸で
コトに及んだ後なので、汗ばんだ肌と肌がぴったりとくっつくようだ。同じも
のを食べて同じ生活をしているはずなのに、なんだってコイツはこんなにいい
匂いなんだろうか。
男と女の違いか。俺は自分でも分かる自分の汗臭さにうんざりしているという
のに、不公平である。
抗議の意味も込めて無理やり腕の中に閉じ込めると、やっぱりいい匂いがして、
不覚にもちょっと興奮した。男ってのはほんとに単純な生き物である。

***

災害ってマジ怖い。

というのが、一夜にして住んでたマンションも仕事場も近所のコンビニもいつ
も通ってた駅も全部失くした俺の正直な感想だ。もうほんと、マジで地震怖い
よ、ホント。
幸いにも俺はすぐさま救助隊に救助をしていただけたので、なんとか命の危険
からは(比較的)離れていられた。
いたのだが、禍福は糾える縄の如しとはよく言ったものだ。避難所についた俺
の日常は、まさしく災いなるかな。避難先がスラムとはこれいかに。

人間の本性というのは災害時とか緊急時にはそれはもうモロに剥きだしになる。

普段いくら文明人を気取ってても、文明生活が送れないと人間は獣になってい
くものらしい。

避難所は避難所と書いて「弱肉強食」と読む、そんな場所だった。ていうか、
一部を除いてほぼ地球全体がそんなかんじらしい。あまり入らない電波を運良
く受信したテレビによると。
まあそりゃそうだ。世界中を突然襲った地震は、俺たちの生活を根底から根こ
そぎ揺さぶりまくり、壊していった。
ほとんどの建物は倒壊し、マトモに動いている機関もあるにはあるが、マトモ
に動いていない機関の方が圧倒的に多い。かろうじてなんとか機能しているら
しい国会も、今は目先のことで手一杯のようだし、頑張ってるらしい災害救助
隊も自衛隊も、正直この事態では焼け石に水だ。底の抜けたバケツで水を汲む
ような作業を毎日繰り返している、彼らには気の毒な話だが。

まあとにかく、ある日突然ぶっ壊れた世界に、なんのスキルもない俺はぽつん
と放り出されたわけで。
301ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 04:57:24 ID:eUfC4B1w

***

スラム街……じゃなかった避難所は、日に日にガラが悪くなっていく。

災害救助隊も自衛隊も引き上げ、仮設テントだけが残ったこの場所にはとりあ
えずの食糧がある。ついでに雨露をしのげて尚且つ人もいる。
ぽつりぽつりと人が集まりだし、次第に大きな集団となるのに時間はかからな
かった。
俺は比較的最初からこの避難所にいるため、なんとか自分のテントを確保でき
たのだが、そうでない後発組はすぐ傍の廃ビルなんかに身を寄せているようだ。

どう考えても快適とはいえないだろうが、まあこの近所にいれば少なくとも人
はいるし、微々たる食糧もあるので心情的には理解できなくもない。

……その食糧にしたところで、正直もう尽きかけているのだが。
初日からコツコツ貯めていた非常食がある俺はそれなりに余裕があるほうだが、
隣近所の住民は日に日に殺気立っている。出歩けばガラの悪いお兄さんたちが
ウロウロしてるし。
まあ、極力出歩かないようにして、ついでに食糧持ってるのバレないようにし
て、なんとかやり過ごそう。


「…………やめてくださいっ!」

堅実かつ後ろ向きな今後の方針を決定し、俺が眠りに落ちようとしたとき、唐
突に女の悲鳴が聞えてきた。いつもの俺なら無視する。隣近所も無視してる。
うーん。やっぱり無視しとこう。眠いし。

「いやぁぁっ! だれか、誰か助けて!」
「誰もこねえよ。みんな自分が可愛いからな」
「そうそう、諦めて一緒に楽しもうぜえー」

そういうプレイですね。分かります。

近頃では売春組織の台頭のおかげで、道端で犯される女は全くいなくなった。
何しろ、道を歩いている女がもし組織に所属している売春婦だとして、いきな
りレイプなんてしようものなら袋叩きにされて、さらに身ぐるみ剥がれてこの
地域一体を追い出されてしまうのだ。
そんなおっそろしい博打を打つようなアホは滅多に居ない。
ということは、きっと悲鳴をあげている女はそういうところのお姉さんで、尚
且つプレイの真っ最中という可能性が高いわけで。

――やっぱ無視して寝とこ。
302ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 04:57:53 ID:eUfC4B1w

「そ、そんなことないっ! だれかぁっ! 助けてっ!」
「だーかーらー、無駄だっていってるだろ? 安心しろよ。ちゃあんと、食糧
も分けてやるって言っただろ?」

なんだよもー、いい加減演技過剰だぜ姉ちゃん、男ってのは繊細だからあんま
りしつこいと萎えちゃうんだぜ。などと、勝手にアドバイスをしてみる。
それにしてもいつまでもやかましいヤツらだ。とっととしっぽりヤって、そん
で俺を寝かせてくれや。オカズ提供してくれるのは嬉しいけど安眠妨害なんだぜ。
好き勝手に(脳内で)文句を並べたてていると、テントの外からとても演技とは
思えない泣き声が聞えてきた。

「や、やだ、やだ、やだ、やだよう……」

マジかよ。ほんとにガキじゃないか。
どう考えても幼いとしか言いようのない泣き声は、男たちの嗜虐心を煽ってし
まったようだ。女の嗚咽に重なるようにして下卑た笑いが響く。
うわあ、駄目だ。なんか駄目だ。なんか知らないけど駄目だ俺、こういうの。
少女――少女なのだろう、おそらく――の涙まじりの嘆願が俺のテントまで響
いてくる。

これやっぱ、演技とかじゃねえんだよなあ?

***

今まで、こういういわゆるレイプというか強姦というか、合意でない性行為の
現場に居合わせたことがない訳じゃない。自慢じゃないが俺の現在の住処の治
安は最低レベルなのだ。
だけど、ここまで嫌がっている女の子が目と鼻の先で犯されようとしている、
という状況は初めてだった。

何しろここではみんながみんな自分が生きるのに必死で、売れるものは身体で
も売る女は山ほどいる。そして、その大抵は食糧が手に入ると聞かされれば大
人しく身体を開いていた。多少の抵抗の差はあれど、少なくとも俺が目撃した
ことのある現場ではそうだった。
ついでに言うなら、女の方も逞しいもので、男たちに交渉を持ちかけているも
のまでいた。

最近では、その辺りの交渉を一手に引き受ける売春組織の元締めのような存在
まで現れている。
聞くところによると、売春組織は組織を通さない売春に厳しいらしい。売る者
も買う者も、組織を通して「商売」をするのがこの辺り一帯の暗黙の了解なん
だと。まあ、価格調整ってのはどんな市場にも欠かせないものなんだろうな。
その代わり、組織は一定の値段で常に商品を供給してくれるし、女たちを守っ
てくれる。
持ちつ持たれつのずぶずぶでダーティーな関係、というやつだ。

だからてっきり……てっきり、この少女もそういう「プロ」なんだと思ってい
たのだが。
どうやら、俺の考えは思いっきり的外れだったらしい。
少女の甲高いすすり泣きがいっそう激しくなり、男たちが彼女を殴りつけて黙
らせた。
いくらなんでも、「商品」への扱い方ではない。組織に知られればタダではす
まないだろう。

――こりゃ、ガチのレイプだわ
303ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 04:59:15 ID:eUfC4B1w

***

どーすんの俺、どーすんの? どーすんのよ!?

頭の中ではぐるぐると少女の悲鳴と男たちが彼女を殴打した鈍く暴力的な音が
渦巻いている。今もまだ泣き喚いている女の子は可哀想だ。助けてあげたい。
だけど俺に何が出来る? 暴力なんてからっきしの俺がなんかやたらと荒事に
慣れてそうなお二人さんに立ち向かうなんて無謀に過ぎるし、なにより怖い。
ビビりだと言われようが怖い。オレ、イタイノ、キライ。
かといって誰かに助けを求めるってのも現実的じゃない。現にこの騒ぎの中、
隣近所の連中はガン無視を決め込んでいる訳だし。


「なんだよ、お前」
「コイツはオレらが先にみっけたんだからさー、早い者勝ちでしょー?」

とか考えてる間に、俺はテントの外にワープしていたようだ。身体が先に動く
とか、マジであるんだなー。いやいや、吃驚仰天。あと予想通りお兄さんたち
すごいガラ悪い。何この世紀末覇者。

「……あー、のさ。嫌がってるみたい――」
「ああ゛!? あのさー、オレらお楽しみの真っ最中なわけ。見てわかんでしょ?」
「すっこんでろ」

俺の台詞を遮って世紀末覇者その1が多分さっきまでの悲鳴と嗚咽の主であろ
う少女を顎で示した。
――ありゃりゃ、ズタボロ。
黒髪の、多分普通のかっこして普通に笑ってれば可愛いっぽい少女は顔面蒼白
でガタガタと震えている。傷だらけの細い体に申し訳程度に纏わりついている
ボロボロの服が痛々しい。

「ていうかさ、組合にバレたらやばいよこれ。袋叩きだし」
「はあっ!? つーか何、組合って」
「……なんていうか、売春管理組合?」

どうやら、世紀末覇者二人組みは、この辺りにきて間もない新参の流入者だっ
たようだ。組合のことを知らないとあれば、そりゃ道端でレイプとかいう命知
らずな真似もできるわけだよな。
うんうん、と心の中で頷きながら二人組みをもう一度見ると、どうやら焦って
いるようだった。

「そんなんあんの? ていうかどういうの? なんでヤバいの?」
「そんなのがあって、女の子の斡旋とかしてくれて、ルール守んないと袋叩き
に身包み剥がされてポイ」
「マジで!?」
「マジで」

口々に問いかけてくる覇者二人に、我ながら適当な返事を返す。見た目は怖い
けどすごい馬鹿っぽいなコイツら。なんか好感すら抱ける馬鹿だ。レイプまが
いの真似さえしてなけりゃ、こういう馬鹿は好きなんだけどなあ。残念だ。出
会い方が違えば友達くらいにはなれたかもしれないのに。
まあでも、これならなんとか、適当に言いくるめてお引取り願えそうだ。
304ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 04:59:58 ID:eUfC4B1w

***

覇者二人に斡旋窓口への道案内を口頭で伝え終わると、ようやっと人心地つい
た。
ため息とともに座り込むと、同じく地面にへたり込んでいたままの少女と目が
合う。薄汚れてはいるが、やはりなかなか可愛らしい。
とりあえず害意がないことを引き攣った笑顔で示し、俺はテントの中に戻るた
めに踵を返す。と、後ろから少女の声が掛かった。

「あ、あのっ! ありがとうございました」
「どういたしましてー、暗い中に女の子一人で歩くのは危ないから今度から気
をつけなね。じゃあお休みー」

律儀に立ち上がってぺこりと頭を下げてきた少女の、ボロボロの服の隙間から
白い肌が覗いている。夜目にも鮮やかに、なだらかなカーブを描く胸とか腰と
か脚とかをなるべく見ないようにして早口で少女にそう言って、俺はテントに
引っ込んだ。

***

まあそんな訳で、実にありがちなイベントを経て知り合った少女の名前は、タ
カサキリオというらしい。どういう字を書くのかはしらないが。
わりかし可愛いタカサキリオは今年十八歳らしい。やっぱガキだ。寮制の女子
高に通っていたが、その高校もとっくに機能しておらず、両親とは見事に連絡
が取れないそうだ。まあ、よくある話だ。混乱を極めている混沌に満ちたこの
世界では。

でまあ、なんだかんだでここに流れついたタカサキリオは、なんだかんだで俺
のテントに居座ることになった。正直うっとうしい。が、一度助けてしまった
手前無碍にするのもなんだかなー、といった葛藤があるわけで。
流されやすい日本人、ノーと言えない日本人の典型である俺としてはなし崩し
的にこの奇妙な共同生活を受け入れることしかできなかった。
305ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:01:18 ID:eUfC4B1w

女の子と二人きりでのテント生活というのは、この絶望的な状況の中でほとん
ど唯一といってもいいくらいのラッキーイベントだろう。きっとそうだ。そう
に違いない。と、自分を誤魔化しつつ、俺は日に日に減っていく食糧を横目に
タカサキリオに問いかけた。

「……で、どうすんだよ」
「どーしましょーかー」

へらり、と笑って俺の問いをかわしたつもりらしいタカサキリオは、しかしそ
の後の沈黙に耐え切れなくなったらしい。

「…………ごめんなさい。私の所為ですね」

しおらしく謝って、タカサキリオは俯いた。日に焼けていない項の白さがまぶ
しい。細い首筋にはらりとかかる黒髪は、どこかパサついている。栄養が行き
届いていないのだろうか。
俺がコツコツ備蓄してきた食糧はこの少女の所為でずいぶんと消費されてしまっ
たはずなのだが、やはり足りないか。環境の所為もあるのだろうが。
明日の保証もないようなこんな事態では、腹いっぱい食べる、なんてのは夢の
また夢である。

「別に謝らなくてもいい。本気でイヤだったら俺も追い出すなりなんなりして
たさ。それに、遅かれ早かれ、食糧は尽きてただろうし」
「ですよねー!」

凹んでいる彼女を慰めるために言った俺の言葉に、タカサキリオは実に軽い調
子で答えた。
先ほどまでのしおらしさはどこへいったのか。ていうか俺は騙されたのか。い
や現在進行形で騙されてるのか。

「どっちなんだい?」
「何がですかー?」

危ない。思考が声に出ていた。怪訝そうにこちらを見つめるタカサキリオを、
曖昧な笑いで誤魔化す。
優しい微笑みを浮かべた好青年に、タカサキリオは胡乱な目を向けて言った。

「……で、どーしましょー?」
「俺はとりあえずここ引き払うよ。このまま居てもジリ貧だしな。テントはお前
にやるから好きに使ったらいい」

前々から考えていた。このままここに留まっても、そのうち食糧も尽きるし、
テントだっていつかは崩れる。このスラム状態では住民の力で復興、という線
も難しい。
それになにより、いつまでもここに居たら、この状態に慣れてしまうだろう。
実際、俺はレイプや暴力に、それまでの人生では考えられないくらい慣れてし
まった。きっとこれからもどんどん慣れていくだろう。そのうち、人が死んで
もなんともなくなるかも知れない。よくも悪くも、人間は慣れる生き物なのだ。

そう考えると、俺は心底自分が恐ろしくなる。
そんな自分になる前に、本当ならもっともっと早くここを出て行くべきだった
のだ。

だけど俺は怖かった。災害でめちゃくちゃになった街並みを歩ことが。で眠っ
ているだろう数々の死体の上を歩いて越えていくことが。どうしようもなく怖
かった。
その所為で、俺はズルズルとこの荒みきった場所に住み着き、慣れてしまった。
306ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:02:32 ID:eUfC4B1w

けれど、その負の連鎖を断ち切って、ここを出ようと思えるようになったのは、
タカサキリオのおかげだ。
あの夜、タカサキリオがここで襲われていたとき。
俺は彼女を助けようと思った。助けたいと思えた。
この荒れきった場所で、すり減っていった良心が、タカサキリオのおかげで蘇っ
たのだ。
だからもう、俺はここには居られないし、居たくない。

ありがとうタカサキリオ。君も大変だと思うが頑張れよ。うんうんと頷きなが
ら、タカサキリオに笑いかけると、彼女はにっこりと微笑み返しながら口を開
いた。

「わたしも行きます。どうせここに居ても、どーしよーもないみたいだし」

はい? いやいやいや、あのなお嬢さん。呆れて口が塞がらない俺をよそに、
タカサキリオはにこにこと笑う。

「連れてってください。わたし、もう一人でいるのイヤです」
「……あ、あー、うーん……」

そう言われると、俺も辛い。なにしろ、このままここにタカサキリオがここに
留まるとしたら、彼女の運命はほぼ間違いなく娼婦か餓死かの二択である。加
えて、「一人がイヤだ」といったタカサキリオは酷く辛そうだ。
彼女の所為で復活してしまった良心がちくちくと痛む。

「じゃ、明日出発ってことで。今日は明日に備えて寝ましょー」

勝手に話を纏めたタカサキリオが、これまた勝手に提案する。
俺の寝袋に包まって寝息を立てだしたタカサキリオの妙に安らかな寝顔に、俺
は苦笑することしかできなかった。
307ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:05:12 ID:eUfC4B1w

***

寝袋はタカサキリオが転がり込んできたときから、彼女のものになった。
というわけで、俺は必然的にそのまま寝る訳で。最初こそ身体がギシギシと痛
んで仕方がなかったが、今ではすっかり慣れてしまった。いつもどおりに寝転
ぶと、テントの下の地面のひんやりとした固い感触が伝わってくる。
(食糧と、水と、あとは配られた災害グッズと寝袋)
頭の中で指折り確認をしながら、明日の旅立ちに備えていると、ふいに近くで
影が動いた。
闇に慣れた目を凝らす。俺に近づいてくる影は、どうやらタカサキリオのよう
だ。


「寝てますかー」

ぼそぼそと問いかける声は、確認のようで確認じゃないような、低く潜められ
た声だった。
サラサラと髪が揺れる音がする。なんとなく、どう返事をしていいのか思いつ
かなかった俺は、彼女の問いに答えないことにした。

「寝てますねー」

覆いかぶさるようにして俺に近づいたタカサキリオは、華奢な手のひらで俺の
頬を撫でる。くすぐったい。というか、何がしたいんだ。

「……髭のびましたねー」

じょりじょりと無精ひげをさするタカサキリオ。仕方ないだろう、水は貴重品
だし、カミソリは共同なんだから。そう毎日手入れなんか出来ないんだっつー
の。

「ほんとに連れてってくれるんですかね」

拗ねたように俺の唇を抓ったタカサキリオは、ぼそりと呟いた。痛い。つーか
俺信用ないな。一応連れて行く気はあるぞ。よっぽどそう言ってやろうかとも
思ったが、唇を捻り上げられた状態でそんなこと言うのはなんか癪だった。

「うん、モチロンだよ」
「わあい、ほんとー?」

唇から指が離れた後も、微妙にムカついていたので無言を通していると、突然、
声色を変えたタカサキリオが一人芝居をはじめた。

「だってリオちゃんのこと好きだから」
「わたしも好きー」
「もう離さないぞー」

え? この子なにやってんの? なんか可哀想な子だな、タカサキリオ。いろん
な意味で悲しい子みたいだぞ。もうどの辺りで起きたらいいのか分からず、俺
はひたすら無言を貫いた。だってどう考えても気まずいだろ、俺が起きたら。
俺の葛藤ととまどいを知ってか知らずか(まあ知らないんだろうけど)タカサキ
リオは一人芝居をやめ、俺に覆いかぶさった。長い髪が顔にかかってくすぐっ
たい。

ていうかもう、何この状況!? 意味わかんない! あとタカサキさん、微妙
に胸が当たるのでこの体勢はちょっとヤバいっていうか、お願いだから下りて
ください。
308ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:07:21 ID:eUfC4B1w

「…………好き」

なんか反応し始めている下半身を必死で宥めていると、頭上からタカサキリオ
の囁きが降ってきた。何このフラグ。何フラグ? ていうかこれフラグ越して
ね? どこでこのルート入ったんですか嬉しいけどちょっと困る。
ぐだぐだとくだらない事を考えていると、唇が柔らかいもので塞がれた。少し
だけ荒れた唇は、しかし十分柔らかくてふんわりしてて、ちょっと息子がヤバ
い。
タカサキリオは未だ俺の上に跨ったまま、口づけを続けている。

「好き、です」

泣きそうに震える声で、タカサキリオはそう呟きながら俺に口づけを降らせて
いった。二人きりのテントの中には、タカサキリオの言葉だけが空気を揺らす。

拙い口づけの雨が降り注ぐ中、俺はひどく動揺していた。
女の子と二人きりのテントの中で、その女の子に告白されてしかもキスされて
いるという、この状況。フラグってレベルじゃねーぞ! 

「マジで」
「…………起きてたんですか?」

おお、声に出てしまったぜブラザー。やはり泣き出しそうに顔を歪めていたタ
カサキリオが、小さな声で言った。

「ごめんなさい」
「いや、いい。俺も寝たフリしててごめん」
「……好きです」

脈絡ないな、おい。やはりタカサキリオも俺に負けず劣らず動揺しているらし
い。引き攣りまくった顔が、初めて会ったあの夜を思い出させて、なんだか胸
が痛む。

「……ありがとう」
「迷惑ですか?」
「…………嬉しいよ」

うん、確かに嬉しい。女の子から告白されるなんて、生まれて初めてだからな、
俺。惜しむらくは、タカサキリオの年齢と俺の年齢が実に犯罪チックな点だ。
いくら俺でもさすがに三次元の未成年はちょっと……なあ。

「それって、どういう意味ですか?」
「いやだから、嬉しいって」
「…………わたしのこと好きですか?」
「好きだよ」

――やっちゃった。
俺の脳裏をそんな言葉が掠めて行った。
確かにタカサキリオのことは大事だと思ってるし、好きか嫌いかで言えば好き
だけど、っていうか好きなんだけど、この状況でこの答えはマズい気がする。

「じゃあ、その……しましょう」

ほらな。だってルート的には絶対こうなるもん。フラグ見逃してたのが痛かっ
たよなー。これなんてエロゲ? 頭の中を駆け巡る思考は、圧し掛かってくる
暖かい重みの前で霧散する。
が、これはヤバいだろ。慌てて起き上がり、俺の上に乗っていたタカサキリオ
を引き剥がす。
309ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:08:04 ID:eUfC4B1w

「あのね、」

「――初めて会ったとき、助けてくれて嬉しかったです。ここに置いてくれて
すごく嬉しかった。こんなに親切にしてもらった事、あの地震の時から、今ま
で無かった。身体目当ての人はいっぱい居たけど。なんにもしてないわたしの
こと、なんにもしないで守ってくれて、嬉しかった。一緒に連れてってくれるっ
て言ってくれて嬉しかった」

「だから、」
「わたし、ずっと傍にいたいって思った。ずっと一緒に居て欲しいって思った。
好きだから。すごく好きだから」

タカサキリオは俺の言葉を遮り続ける。ちょっとは俺にも話させろ。

「だから、俺も好きだから。な?」
「……怖いの。わたし、怖いんです。あの地震のとき、全部無くなっちゃった。
またいつか同じことが起きたら、今度もみんな失くしちゃったら、わたしもう
生きていけない」

タカサキリオは、細いからだを震わせて、搾り出すように言う。俺は何も言え
ずに、ただ彼女の言葉を聞くことしかできなかった。

「だから、して欲しいんです。……そしたら、きっとわたし大丈夫だから」

今にして思えば、何がどう大丈夫なのか分からない。けれど俺は、間抜けな事
に俺は、その時、その言い分に納得してしまった。タカサキリオは不安だった
し、俺も不安だった。


そうして、不安な者同士は、互いを抱きしめて、身体をくっつけて、お互いの
高鳴る鼓動を聞きながら、しばらく息を潜める。
お互いの存在を確かめるようにして、抱き締めあった。
310ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:10:33 ID:eUfC4B1w

***

薄暗いテントの中は、二人の息遣いだけが響いていた。顔を近づけないと互い
の表情さえも見えない暗闇の中で、俺たちは身体を重ね、手探りで相手の身体
をまさぐりあう。
興奮で上がる息と、相手の体温だけがお互いを照明している。

「……んっ……あ……ぅ……んん……」

探り探り、タカサキリオの細く柔らかい体に手を這わす。意外に豊かな胸に尖っ
た乳首の固い感触。すべらかな腹から下に指を伸ばすと、彼女は怯えたように
身じろぎした。

「怖い?」
「……大丈夫。へい、きです……ん……」

問い掛けに首を振って、タカサキリオは口づけを強請るように俺の首に手を回
した。
拙いそれに応えながら、次第に深く舌を絡め合わせる。くっついた頬に触れた
睫毛が、かすかに震えていた。

「ん……むぅっ……んん……ふ……」

テントに響くぴちゃぴちゃとした水音が、淫靡な雰囲気を作り出す。
寝袋の上に身体を横たえたタカサキリオは、俺の首に腕を巻きつけ、餌をせが
む雛のように、俺が唇を離すたび、唇を寄せてキスをせがんだ。
臍の下辺りに置いたままの手を、ゆっくりと下ろすと、下着を撫でる。かすか
に湿っているそこをつつくと、タカサキリオの身体が揺れた。

「んんっ!……ふ……ん……んぅっ……」

しばらく、ぷっくりと膨らんだ可愛らしい肉の芽をつついて楽しんでみる。抗
議するように、タカサキリオの爪が俺の肩に食い込んだ。
下着がしとどに濡れるまで、上から引っかいたり摘んだりを繰り返して、よう
やく下着を脱がすと、潤ったそこから微かな糸が引いていた。粘つく粘液が薄
闇の中にきらきらと光る。

「……もう……ですから……」
「なに?」

俺の腕を掴んで、タカサキリオが言う。が、緊張で震える声はよく聞き取れな
かった。聞き返すと、彼女は恥ずかしそうに顔を逸らす。

「……から、もう……その……」
「あー……わかった」

流石にこの状況で彼女の行動が何を意味するのかくらいは俺でも分かる。エロ
ゲじゃ鉄板のシチュエーションだ。しかし実際体験すると、それほど萌えないっ
つーか、萌える余裕がないもんだな。
極度に緊張しているらしく、触れ合ったタカサキリオの身体は小刻みに震えて
いる。その華奢な身体を抱きしめて、俺はゆっくりと彼女の身体を開いていっ
た。
311ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:11:15 ID:eUfC4B1w

***

タカサキリオの中は熱くぬかるんでいて、キツく俺を締め上げる。
苦しげな声をあげるタカサキリオは、行為に慣れていないらしい。もしかした
ら初めてなんじゃないだろうか。俺も慣れているわけではないので、無理をさ
せているような気がする。


「痛くない?」
「……ん……へいき……じゃ、ないかも……」

それは困った。だがしかし、俺も今更引っ込みがつかないというか。仕方ない
ので、とりあえず彼女の胎内に納まったまま、俺たちはぴたりと身体をくっつ
けて抱き合った。そのままタカサキリオの呼吸が落ち着くまで待つ。
お互いの汗ばんだ肌と、吐息が重なる。セックスのことをたまに「一つになる」
と表現するが、本当にその通り、俺たちは一つの塊になって静かに繋がってい
た。
不意に、タカサキリオが俺の耳元に囁く。

「ね、わたしのこと、本当に連れてってくれますか」

お前まだ気にしてたのか。今更置いてかないし、そもそもちゃんと連れてくつ
もりでしたよ。

「ああ」
「……わたし、と、ずっと一緒にいてくれますか」

短く俺が応えると、タカサキリオは一瞬安堵したように力を抜き、その後身体
を強張らせてそう尋ねた。忙しいヤツだ。

「一緒にいるよ。……俺な、お前と会えて良かった」

なんか恥ずかしいこと言ってるぞ俺。どうすんのコレ。でもタカサキリオが嬉
しそうに、ホントですか、とか言ってるからいいや。なんかそれでいいや。

「好きだよ、リオ」
「……わたしもです」

小学生みたいな告白のあと、お互いに顔を近づけて、笑い合った。
自然に唇同士が触れ合って、俺たちは何度目かのキスを交わす。
次第に熱を帯びた口づけと共に、ゆるやかに腰を揺らすと、タカサキリオもそ
れを受け入れるように身体を揺らした。
312ほしいものはつめきり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:11:37 ID:eUfC4B1w

***

「爪切り欲しいですー」

事が済んで、お互いに息を整えている最中、タカサキリオはぼんやりとした口
調でそう言った。かなり無理をさせてしまったはずなのだが、意外にも元気そ
うだ。

「……そうかよ」
「だって、痛いでしょー?」

くすくすと笑いながら、俺に擦り寄ってくる彼女は、なんだかふわんといい匂
いがする。ちょっと復活しかける息子を宥めていると、唐突にタカサキリオは
俺の背中に指を這わした。

「……いたっ!」
「でしょー? だから、爪切り欲しいですー」

現在俺の背中には、目の前の少女がつけた爪跡が散らばっているらしい。なぞ
られただけなのに、ものすごく痛い。そういえば、先ほどからピリピリとした
痛みが背中を奔っていた。これのせいか。

「わたし、今一番欲しいもの、爪切りです」
「欲がねえな」

俺が痛みに顔を歪めていると、タカサキリオはぽつりと呟いた。この状況下で
一番欲しいものが爪切りって、おい。もうちょっと色々あるだろうよ。
よっぽど言ってやろうかと思ったが、タカサキリオがあんまり幸せそうな顔を
しているので、俺はツッコミを控えた。俺イズ空気の読める男。

一番欲しいものは、もう手に入ったから。あとは爪切りだけあればいいです」

俺の内心を知ってか知らずか、タカサキリオはマイペースに続けた。

「……一番欲しいもの?」
「はい。……ずっと、一緒に居てくれるんでしょう?」
「……あー」

そういや、そんなことを最中に言ったような言わないような。いや、言ったな。
思い出すとちょっと恥ずかしいことも言ったような気がする。
あー、とかうー、とか俺が呻いていると、間近に近づいていたタカサキリオが
俺の鼻先にキスをして、にっこりと笑った。

「だからわたし、あとは爪切りでいいです」
「……そうか」

じゃ、せいぜい爪切り探しの旅にでも出るとしますかね。二人で。

313終わり ◆AO.z.DwhC. :2008/07/26(土) 05:18:22 ID:eUfC4B1w
終わりです、お付き合いありがとうございました。

保管庫編集お疲れ様です。
自分の話が入っていて嬉しかったです。


勝手なお願いなのですが、もしよろしければ話の発端になったレス(>>113-119)も保管して頂けないでしょうか。
住人の方と一緒に作った話のつもりなので、住人の方のレスと一緒に保管してもらえると嬉しいです。
めんどくさかったらスルーしてください。
314名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 09:20:31 ID:xGDmoXoI
クオリティ高ぇ。GJすぎるマジで
周りに人はたくさんいるのに、彼らは世界で二人っきり
「精神的に」二人っきりってこう……かなり来ますな。心に
主人公、思考と行動が反対だよ。でもかっこいいよ
315名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 11:18:46 ID:ta/vIXl/
GJ !
316名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 11:48:55 ID:RemxLfi6
うおお!これはすごいぞ。真昼間っからちょと感動した。
主人公がそれなりにおっさん思考でなんか萌えた。

そして爪切りネタを今まさに書いている最中の俺スゲーなみだ目。
ち、ちくそー!
317名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 13:43:22 ID:HuF4Hhu4
本当にやるなあ・・・


主人公おっさんくせえなw
318名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 13:46:48 ID:DUun1AvH
>>313
GJ!まさか、爪切りで一話創るとは…

>>316
大丈夫、ネタが重複してても作者が違えばそれは別の作品だから
つまり、何が言いたいかというと、投下して下さいお願いします
319名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 15:44:36 ID:eUfC4B1w
すでにwktkしてる人間が俺を含めて二人はいる。
だから>>316は是非とも書き上げて投下するべきだと思う。
だからつまり投下してくださいお願いします。
320名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 23:41:42 ID:yMFmrK56
なんというGJ
しかしあの流れからこんな高クオリティの作品が登場するとはw

>>316
期待してるぞ
全裸は恥ずかしいので半裸で待機しておく
321名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 00:10:10 ID:OSsTVDjN
誰かと思ったらやっぱりほしのうたひめの人か。
俺もいつかは保守リレーに参加してこの人を召喚してみたいもんだ

ともかくGJ!
32281 ◆DlPgAmm21I :2008/07/27(日) 04:32:06 ID:EzsRj9/I
>294です。
wiki管理人さまへ
メールをお送りしたのでよろしくお願いします。
323名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 04:33:09 ID:EzsRj9/I
ちょ 名前は名無しね。なしなし!
324名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 05:19:24 ID:7QVpeREO
>>323
名無しさん、お久しぶりですw                        続きマダー?
325294:2008/07/27(日) 23:28:04 ID:EzsRj9/I
>AO.z.DwhC. さん
とりあえず まとめ 編集しました。
ただ、他人が乗せている状態なので、魅せ場の効果など、意図しない編集がされてる場合があるかもしれません。
誰もが編集できるのがwikiの利点でもありますので、「ここおかしい!」とか
間違ったのせ方していた場合等、よろしければ修正をお願いいたします。

>324
続きはー… 草案で良ければまとめの<3>をどうぞ…
どこまでエロくできるか、まだ納得できないのでしばらくおまちください…
3261:2008/07/29(火) 15:22:07 ID:/FrkqDVR
327名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 22:14:34 ID:pL1yNcra
328名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 01:15:16 ID:/Vatdmur
329名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 01:55:43 ID:ZrAoVlNo
330名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 02:00:05 ID:LVJqwoOh
331名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 17:26:26 ID:0NgOH8Zu
332名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 18:31:48 ID:LLkoEWQD
333名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 19:34:00 ID:/Vatdmur
334名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 19:44:12 ID:F0WGVPMx
335名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 20:25:10 ID:L8SN4tne
全く無茶しやがって・・・w
336名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 20:49:27 ID:hB195gGE
すっかり無茶フリスレになっちゃってまあ。
保守タテネタ以外お断りのスレにならないことを祈るぜ。
337名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:37:38 ID:24cgK16W
あと◆AO.z.DwhC.氏の負担にならないようになwwww
338名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:38:05 ID:OounlGYY
そんなスレにゃならんだろ。
無茶フリっつーか、これをフリだと解釈するのはあの職人さんくらいだしな。
339名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:54:01 ID:PU8ySfej
星をくれたウサギ・・・?
340名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 18:00:03 ID:dr1MvJ4G
あっしゅく回避保守
341名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 21:36:48 ID:kpWVZZrE
圧縮って800じゃなかったっけ?
つか、もうとっくに終わってるし……
342wikiの人:2008/07/31(木) 22:00:39 ID:anmcBwKR
7/25に連絡してくれた方、
メンバー名:メールアドレスの@より前
パス:酉
で発行しました。

6/13に申請してくれた方、
承認しておきました。

というか申請機能なんてあったんですね。
343名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 22:01:52 ID:anmcBwKR
すいません、メールアドレスの前半分の_は抜いてください。
344名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 01:27:43 ID:I03ApD0V
>342-343
ログインできました。ありがとう。
345名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 06:36:30 ID:4d21/hMb
今更だけど爪切り超GJ。
なにこの神作品
346名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 14:04:58 ID:jpVBBo65
ここ数年おおきな地震が多いよね
リアルで閉じ込められた人もけっこーいそうだよね
347名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 22:08:50 ID:OuVIZx7m
>>346
10年以内に必ず大地震が発生すると言われ続けてる宮城県民イズヒア
実際に生き埋めになったらフィクションみたいに最後は必ず生還できるなんて考えない方が良い
まして男女二人きりで良い雰囲気なんてまず無い
348名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 22:27:08 ID:1KN9LRjr
まあ、実際そうなったら話はするだろうが良い雰囲気にはならないだろうな
349名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 08:38:12 ID:5D77o1Wh
吊橋効果だっけ?
危機的状況に陥った二人は…ってやつ
おいらは昔二人きりの補習授業で仲良くなった
いやこれは地震とは関係なかった
350名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 22:45:06 ID:7jWowurT
吊橋効果で出会った男女は長続きしないもんだぜ
351名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 22:53:24 ID:tfuuGLhA
されど、子はかすがいと
352名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 08:49:16 ID:yXzB6plS
>>350
どちらかがきっかけを求めていたなら
これがきっかけになってハッピーエンド
ってこともあるよーな気がする
はじめて出会う二人なら続かない気がする

っで吊橋効果って、実際経験した人いるのかな?
353名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 09:58:50 ID:t6SWshVM
修学旅行で出来るカップルは殆ど吊り橋効果だな。
354名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 11:20:18 ID:mwROuhqh
誘拐犯と攫われた相手でストックホルム症候群と言う手も(ry
355名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 01:15:14 ID:YLCExzX2
保守
356316:2008/08/11(月) 05:10:58 ID:uTAViXoz
爪切りネタやっと書き終えた。
だが原作アリなので任意のスレへ。
今度必ずお礼参りにココへ落とすぜぇ。

……お礼参りって意味ちがくね?
357名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 20:08:01 ID:M8MZAKPX
いきなり思い出した

好きだった会社の先輩と、3時間ほど車の中に閉じ込められた
ことがあった
雪がたくさん降って、街中大渋滞しただけなんだけど
帰宅に車で15時間以上かかった人もいたそうだ
それを聞くと、自分はツイてるほうだったみたい

その彼女を家まで送る途中渋滞に巻き込まれたわけで
田んぼのど真ん中、ものすごい吹雪の中で車は動かない
最初の1時間は、お互い気を使って和やかに会話
ここまでの渋滞は久しぶり
次の1時間あせりだし会話がへる
2時間を過ぎると彼女はしゃべらなくなる

やっと車が動き出して彼女が青い顔で一言
「トイレ…行きたい」

正直うれしいのは最初の1時間だけだった
358名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 00:59:38 ID:4AjpH61M
>>357
そのあとどうなるんだ
359名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 09:01:15 ID:6YCsnVbZ
>>358
コンビニ経由で自宅に送ったよ
もうぐったり
次の日会社で話を聞くと
もっとひどい目にあった人がたくさんいた
吹雪の中の渋滞はかなり危険
信号待ちしている間に動けなくなる車もたくさんいた

雪国に転勤になる人、車選びには気をつけましょう

ほんとにあった話だよ
死ぬかと思った、途中どこ走ってるかわからなくなるし(周り真っ白)
まぁここ数年雪少ないけど
360名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 09:08:12 ID:7oIWOulx
>>359
雪が少ないのは一昨年位だと思う
去年とか2月あたりは大雪で悲惨だったし。

つか雪国で冬に4WD以外の車使う猛者居るんかね?
361名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 10:21:59 ID:5lfx4Vxn
雪国では日常茶飯事


というわけではなく、やはりスタッドレスタイヤを装着してないと冬場の車道は危険すぎる
除雪入ったあとなんてのはつるつるだし、場所によってはその除雪が下手すぎて歩行者が車道の真ん中を歩く羽目になる

少なくとも俺が住んでる某雪国の街中では、雪で足止めになるということはあまりないかも
362名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 11:38:33 ID:7oIWOulx
>>361
ありすぎて困るわ>除雪が下手

つか雪国の冬期にノーマルタイヤって無謀すぎると思うんだが
363名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 13:17:27 ID:3BigVS1V
>>360
4WD以外の車使う猛者→けっこーいるね
俺もそうだ、中古で買ったN社のPは3年前まで神奈川走ってた車
力がある大きな車なら雪道でも平気(いまのとこ)
ノーマルタイヤはさすがにいない

大雪が降って動けなくなってる小型車よくみるね

あんたのとこはかなりの雪国みたいだな
おいらのとこは昔は雪国だったとこ(教科書に町の名前紹介されてた)
雪下ろしの話は聞くけど雪上げの話しってる?
この下、家がありますって看板
そんな笑い話のような事実が40数年前だけどあった

とにかく雪の閉じ込められても
甘い雰囲気にはならんって話だな
364名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 13:49:31 ID:Rz5oywxo
うちの地域はここ数年雪が積もってない
チェーンは持ってるけど旅行とか行かないから使う機会が無い
365名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 13:53:30 ID:7oIWOulx
>>363
雪上げは知らんが、今の2桁国道が雪に完全に埋もれて二階が玄関だったって時代があったのは知ってるよ。
冬は余り楽しくは無いが、夏も暑くてダメだ。

つか車重がある車なら4WDでなくても走る事は走るんだよな。路線バスはチェーンなし、ノーマルタイヤでも結構平気で走ってるし。
ただスタックしたら死ぬかもな。
ホントに4WDでないと厳しいのは軽とかコンパクトな。e-4WDみたいなのは使い物にならないが。

因みに新潟。ってかここエロパロだったのな。すっかり忘れてたわ。
366名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 15:29:00 ID:NjY98KoQ
色気のない話題だw
367名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 15:39:12 ID:ob1oYKAv
真っ白だけにな!
368名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 16:30:25 ID:tEZeXA01
10年前の夏休み
従姉妹の家、親たちが出かけて5つ年上のおねえさん(従姉妹)と留守番
オイラは13歳、おねえさんが気になってしかたない
暑くて汗をかいたのか、隣の部屋でお姉さんが着替えをはじめた
ちょっと着替えるねぇ〜っと声をかけられたときの
ドキドキを今でも覚えている
今は二人きり、見たい覗きたい、ばれたら終わり、どうしよう?
悩んでいるうちに着替えが終わってしまった
想像だけで、その晩ご飯3杯食べれた
10年前は真面目だった、しかしおしいことをした
いや、あの時あの瞬間を何回やりなおしても何もできないんだろうなぁ
あのころ、いまでは何とも感じないことがオカズになった
暑いこの時期になると毎年思い出す出来事だ

>>365
新潟の人!サンパチ豪雪のDVD見た?
昭和38年大雪が降って町全体が雪に閉じ込められる
んで自衛隊出動
屋根の上に道ができる、家全体が雪の下
人が屋根の上を歩かないよう目印(看板?)をつけたらしい
雪が下ろせない、雪を上げることしかできなかったって話らしい
その様子がDVDになってた、役所にあるかな
俺は人から借りて見たんだけど
369名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 17:10:25 ID:7oIWOulx
>>368
生憎見た事は無いな。伝聞やら記事で見たりやらは其れなりにあるが…。
370名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 00:12:09 ID:aHh+GiX6
リアリティが萌えを淘汰する。
その様な事が起こり得ようか。君達の妄想力に期待する保守
371:2008/08/16(土) 04:02:52 ID:hXdBdW8P
今更だけど>>326-334を書いてみた。
寝ぼけてるから期待しないでくれw

タイトル『ほしをくれたうさぎ』
372:2008/08/16(土) 04:03:35 ID:hXdBdW8P
 故郷のある地球からは見えない、月の裏側。森と花畑が広がり、小川のせせらぎが流れる世界で、
あのとき僕は命を繋いでいた。

 僕が火星へ向けて故郷を旅立ったのは二か月前。丈夫な厚手のマントに身を包み、新調した杖を
握りしめ、自ら描いた大きな魔法陣の中心に立ち呪文を唱えた。
遥か下方から村の人たちの歓声が聞こえる。隣を舞うように飛ぶ仲間と目を合わせ笑い合った。
僕たちは、火星の牧羊地開拓という重大な任務に携わっているという実感と喜びに打ち震えていた。
年中真っ赤な色をした葉っぱをまとう火星の木々も、きっと良い燃料となるだろう。
大きな山脈には雪が降るかもしれない。火星開拓は僕たちの文明の発展にとって、とても大きな
一歩となるはずだ。
だからぼくは…
今まさにその栄誉に浸っているであろう仲間たちのことを思うと、複雑な気分になるのだ。

 飛行は順調だった。僕の体はすいすいと星屑の間をすり抜けていったし、仲間の女性陣が乗る箒の
調子もずいぶん良いようだった。
しかし、星座の神々との交信を楽しみ、天の川を飛び越えたあたりで、事故は起こった。
少し前に生まれたばかりの流れ星の子どもが親と喧嘩をして暴れまわり、偶然傍を飛んでいた僕に
衝突したのだ。僕は軽々弾き飛ばされた。再び天の川を飛び越え、月の地面に衝突した。
「月に行ったら帰ってくることはできない。」
お師匠様がよく言っていた。「月の神様に捕まってしまうから」と。
だから、仲間が助けに来られないのも分かっていたし、恨めしく思ったりもしなかった。
ただ、自分の境遇を、これからのことを思うと、不安でいっぱいになった。
月の地面は固く、魔法陣すら描けなかった。杖もどこかに行ってしまった。
少しだけ、涙がこぼれた。
新月の夜だった。

 月に来て三日目のことだった。持っていた保存食も底をつき、途方に暮れていると、岩陰に
一羽の兎がいるのを見つけた。空腹を満たすことしか考えられなかったその時の僕は、魅了の
魔法にかかったようにその兎を追いかけた。
兎が逃げる。僕が追う。兎が逃げる。僕が追う。兎が逃げる。僕が追う。
繰り返すうちに、兎は月の裏側に逃げ込んでしまった。兎が逃げる。僕が追う―――
追った先に、花畑を見つけた。

 それから兎はたびたび姿を見せるようになった。森にも小川にも食べ物はたくさんあったので、
もう兎を追いまわすようなことはしなかった。僕たちの距離は少しづつ近くなっていった。
月に来てから十日が過ぎる頃には、僕たちはじゃれ合って遊ぶようになっていた。
兎が逃げる。僕が追う。兎が逃げる。僕が追う。兎が逃げる。僕が追う。
前と違うのは、僕が笑顔で、兎がどことなく楽しそうに跳び回っていることだった。

 月に来てから二週間と一日目の晩。今日は満月の夜だ。
僕は小川のほとりに建てた小屋の中で横になっていた。今夜はなぜか寝つきが悪い。
昼間に兎と遊ばなかったからかもしれない。兎は久しぶりに姿を見せなかった。
ふと、開け放った小屋の入口から、何かが中に入ってくる気配がした。
兎かな、と、僕は思った。当然だ。この世界には、僕と兎しかいない。
しかし、ほのかに見えたシルエットは、人の形をしていた。
373:2008/08/16(土) 04:04:53 ID:hXdBdW8P
 「…誰?」
声に出すかどうか少し迷った後で、僕は小声で尋ねた。
「こんばんわ」
鈴の鳴るような、綺麗で、ひどく澄んだ声が答えた。
「…誰?」
もう一度尋ねた。
「私は…月の女神・ルナです」
血の気が引いた。お師匠様の言葉を思い出す。「捕まってしまう」?この世界で人に似た姿のものと
出会った、それだけでも混乱しているのに、「何をされるか分からない」という不安も重なって、
僕は声を上げることすらできなかった。
「怖がらないで…」
月の女神・ルナと名乗った女性は、ゆっくりと僕に近づいてきた。心臓が早鐘を打つ。
シルエットのてっぺん、頭からは、何か細長いものが二本突き出しているのが見えた。
角だろうか?僕は食べられるのか?せめてもう一度兎に会いたかった。
様々な思いが頭を駆け巡る。
彼女――でよいはずだ――が腕を伸ばしてくる。覚悟もできぬまま目をきつくつぶった瞬間…

抱きしめられた。

 「ああ…ずっとこうしたかった…」
僕の混乱は収まるどころか一層ひどくなった。仰向けに寝転がった僕に覆いかぶさる彼女の顔は、
まさに月の女神といった表現がぴったりの、凛とした神々しい美しさを湛えていた。
大きくぱっちりとした瞳には涙が浮かび、長いまつげを濡らしている。
腰まで伸びた黒髪が脇腹をくすぐるが、そんなことを気にかけている余裕は全く無かった。
彼女は何も身に纏っておらず、二つのなにか大きくて柔らかい感触と、時折感じるコリっとした
小さな感触が、薄い毛布越しに押し付けられ、僕の混乱に拍車をかけていた。
目を白黒させ、先程とは違った意味で鼓動を高鳴らせている僕に向かって、彼女は話し始めた。

 「初めて会ったのは、この世界の裏側でしたね…あなたが落ちてきたときは驚きました。
こっちまで音が聞こえてきたんですから」
…?彼女は僕が落ちてきたときのことを知っているのか?彼女は続ける。
「怖かったんですよ?他の人を見るのなんて初めてだし、私を見つけたらすぐに追いかけまわすし」
他の人は初めて?お師匠様の話も所詮噂なのかな…それよりも、これって…でもまさか…
「でも…お花畑であなたが私を受け入れてくれたのは、すごく嬉しかった…
ずっと一人っきりだったから。寂しかったから…独りが二人になっただけだけど、でも幸せだった…」
…やはり、そうなのだろうか…この世界で僕が出会った「ひと」なんて、「ひとり」しかいない。
「…君は…ひょっとして…」
尋ねると、
「…はい。私は…あなたと遊んでいた、兎です」
374:2008/08/16(土) 04:06:48 ID:hXdBdW8P
 当然のことだが、少なからず驚きはあった。兎だと思ってたのがじつは女神様?
信じられない。でも信じざるを得ない。
言われてみれば、彼女の頭に生えているのは、間違うことなき兎耳だった。彼女はなおも続ける。
「あなたは笑うでしょうか…仮にも女神である私が、たった一つのものに心奪われ、毎日
そればかり考えるようになってしまいました。おかしな話です。これではまるで星座となった
乙女たちのようではありませんか。そう…私は…
人間であるあなたに、恋をしてしまったのです。」

 今度はあまり驚きはしなかった。彼女を笑うこともしなかった。
なぜだろうか。答えはすぐに見つかった。簡単なことだ。
隠す必要もない。言ってしまおう。
「…僕も、あなたに恋をしています。」
そう。僕も彼女に恋をしていた。たとえ相手が兎であったとしても。
毎日繰り返される逢瀬を、目を覚ましている間中待ち焦がれていたことを、他にどう説明できよう。
花畑の間から覗く彼女の耳を見つけたとき一瞬にしてときめいたあの気持ちを、
恋と呼ばずして何と呼ぼう。僕は兎に恋をしていたのだ。
「…嬉しい…なんと幸せな心地でしょう…」
この姿を見せ、嫌われたらどうしようと思うと、ずっと苦しかった。彼女は告げた。
それでも僕に自分のすべてを知って欲しかった、とも。
彼女は僕の背中にまわした腕に力を込めた。僕の腕も、彼女の腕の動きをなぞった。
もはや一片の迷いもなかった。僕たちは、どちらからともなく瞳を閉じ、柔らかく、口づけた。

-------------------------------------------------------------------------------------
 
 僕の下で顔を真っ赤にしている彼女は、もはやかなり荒い息になっていた。
瞳に溜まった涙は、痛みによるものか、幸福感によるものか。繋がったばかりの二人は、
互いに余裕など持ち合わせていない。
「い、痛い?」
「ぃ…ぃだ…いえ……へ、へいきです…くぅっ……」
苦しそうな喘ぎが、まったく平気ではないことを雄弁に物語っていた。
「で、でも」
「…ぃいから…して……あなた…と、ひ、ひとつに…なれて…ぅっ……しぁゎ、せ…」
ああ。耐えられるものか。
「女神様っ!」
「だ…め……るな、って…ぅあ…」
「ルナっっ!」
僕はゆっくりと動き始めた。破瓜を経験したばかりの彼女の膣は、僕のものを痛い位に締め付けてくる。
快感に溺れそうになりながら、僕は彼女の粘膜を擦り続けた。
「っひっ…ぐぅっ…んっ……ぅうぅぅ…かはっ…」
彼女は必死で痛みに堪えているようだった。長い耳がプルプルと震えている。
猛烈に彼女が愛おしくなり、震える耳を指でなぞり、できる限り優しく舐め上げた。
「ふひゃっ!?ぅやぁ…みみ…っあっ…!らめ、なぃれ……」
彼女の喘ぎに甘いものが混じり始めた。僕は耳を舐め続ける。
「んっ…あん…ぃゃ…みみ、きも…ちぃ…あぁんっ…」
少しづつ腰の動きを速めていく。
「いっ、あんっ!…あっ!…くふぅっ…はっ、はやい、の…いぃっ……!」
「…ぐっ…る、ルナっ!そろそろ、いくよっ…!」
限界が近づいてくる。
「ぅ、うん!きてっ!きてっ!いっぱ…ぃ!」
「はぁ!はぁっ!いくよっ!ルナっ!出るっ!ルナっ!」
僕のものを思いっきりルナの奥までねじ込み、いちばん深いところでぶちまけた。
「っ、うっ!っあぁっ!」
「ぁあぁっ!ぉ、おくで…でてぅ…!んぁぁぁん!」
二人同時に大きく体を震わせた後、崩れるように倒れこんだ。
月に来てから一番の幸福感を感じながら、僕はそのまま眠りに就いた。


375:2008/08/16(土) 04:07:44 ID:hXdBdW8P
 それからの日々は、まさに蜜月という言葉がぴったりだった。
僕と彼女は二人っきりだった。他には何も要らなかった。そこは僕たちだけの世界だった。
朝は彼女とともに目覚めた。
一日中花畑でじゃれ合った。
日が暮れると、静かな闇の中で、何度も体を重ねた。
言葉にならないほど幸福な日々だった。
だから、
彼女の表情に影が差したことにも気が付けなかった。

 月に来てからちょうど一か月後のある朝。彼女はいなくなっていた。
僕は必死で探しまわった。広い花畑も、木漏れ日の溢れる森も、土と岩の支配する、表側の世界まで
探したけど、結局彼女は見つからなかった。心身ともにくたくたになって小屋に帰ってきたぼくは、
夕食もとらずに眠ってしまった。

 物音に目を覚ました僕の足元には、見慣れた兎の姿があった。僕はすぐさま飛び起きた。
「ルナ!どこに行っていたんだい!?心配したじゃないか!」
しかしルナは答えなかった。代わりに、悲しそうな眼をして告げた。
「あなたは、故郷に帰らなくてはなりません」

 「…え?」
僕は耳を疑った。ルナは…僕を拒否しているのか?彼女が続ける。
「神も、人も住むべき場所は一つに決まっています…これは宇宙の摂理…
私は月で、あなたは地球。あなたはここにいるべき存在ではないのです…」
そんな…あんなに愛し合っていたのに…
「近いうちに、地母神ガイアの使いがあなたを連れ戻しにくるでしょう。
もし応じなければ、あなたが存在ごと消されてしまうかもしれない…」
でも…!
「だからせめて…『月の壁』の力が弱まっている新月の今夜…」
そんな…
「わ、私自身の意志で…見送らせて…ください」
そんなこと、応じられるわけがない。だって…
「そんなに、声が震えているのに…」
彼女の足元に雫が落ちた。僕の足元にも同じ模様が浮かんだ。
逆らうことはできないのだろう。女神が言うのだから間違いない。かといって、あまりに突然の
別れを受け入れられるはずもない。
彼女も僕も、今や大粒の涙を流していた。それぞれの足元に広がる雫の跡は、
魔法陣を描いていた。

376:2008/08/16(土) 04:09:00 ID:hXdBdW8P
 ああ。
ついにこのときが。
愛しい女神様に、僕の抵抗は効かないようだ。彼女は、涙声になりながら呪文の詠唱を続けていた。
僕は自然とほほ笑んでいた。
ゆっくりと体が沈んでゆく。二人っきりの世界に終りが近づいてくる。
「愛してる…!」
僕は叫んでいた。
「一人ぼっちだった兎もっ!」
膝まで沈んだ。
「綺麗な女神様も…!」
腰。
「可愛い…僕の、こいびともっっ…!」
鳩尾。僕の顔はぐちゃぐちゃだ。
「全部っ!あ、あぃしてるっ…!…ぅ…」
胸。僕は大きく手を振る。
「ず、ずっどっ!」
鎖骨。声が詰まる。
「わずれなぃよっっ!!!」
首まで沈んだとき、彼女が詠唱を終えた。
全速力で跳んで来る。最後まで可愛い兎だ。
彼女の顔もぐちゃぐちゃだった。
「ゎだじもっ…!」
絞り出すような声。
「あいじでるぅっ!」
何か固くてとげとげしたものを僕の手に押し付け、叫んだ。
「ごれっ…もっでで!はなざだいでっ!わだじのごど…ゎっ、わずれだいで…!」
僕も叫び返した。
「わすれだいっ!ゎずれないよっ!あいじでるっ!るなっ!」
「あいじでるっ!あいじでるっ!」
彼女の叫びが少しづつ小さくなり、やがて聞こえなくなったとき、僕は故郷の大地に立っていた。
僕の右手には、金色の小さな星が握られていた。

----------------------------------------------------------------------------------------------
377:2008/08/16(土) 04:09:41 ID:hXdBdW8P
 僕が地球に帰って来てから、早くも一か月が過ぎようとしていた。
予定よりもずっと早く、しかもたった一人で戻ってきた僕に、村の人たちは色々な質問をしてきた。
でも僕は何も答えなかった。
しばらくすると、村の人たちも何かを察してくれたたのか、質問しなくなった。
僕はほとんど抜け殻状態だった。いつまでたってもルナのことが忘れられない。
当然だ。約束したのだから。
夜になると、いつも月を見に行った。小高い丘に登って目を凝らしては、あの、土と岩しかない
世界に、兎が跳ぶのが見えはしまいかと、叶わぬ希望にすがり続けていた。

 それは新月の夜だった。始まりと、終わりの夜。見えるはずのない月を探しに、ぼくは暗闇の中を
歩いて丘へ向かった。
丘の上で立ち止まり夜空を見上げた時、とてつもない悲壮感に襲われた。
僕は何をしているのだろう。どうにもならないことだったのに。彼女の精一杯の決断だったのに。
でも諦め切れるわけがない。僕たちは愛し合っていたのだから。
僕の手は、ペンダントにしてぶら下げていた、彼女のくれた星屑を握りしめていた。

 刹那。溢れる光。星屑は、貧弱な鎖の呪縛を断ち切り、天高く昇って行った。あまりの輝きに
目を開けていられない。
しばらくして落ち着いてきたその光は、凛とした、神々しい美しさを湛えた、
月のような光だった。

「こんばんわ」

鈴の鳴るような、綺麗で、澄んだ声。
少し震えているのが分かる。
てっぺんには、長い耳が揺れている。

「会いに来ちゃった」

僕は駆け出していた。
すぐに涙で前が見えなくなった。
きっと彼女も同じだ。
広げた僕の両腕の中に、ずっと待ち焦がれたぬくもりが跳び込んできた。

――終――
378あとがき:2008/08/16(土) 04:13:06 ID:hXdBdW8P
いやもうやっつけ仕事でろくすっぽ推敲もしてないし超設定だしいろいろと申し訳ない。
電波ってのは怖いなあ。
379名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 08:53:06 ID:I0lGsM4L
>>378
超GJなんだぜ!
380名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 19:04:23 ID:hxEYMSZ8
うまいな。

携帯から顔上げたら満月で思わずニヤリとしてしまったw
381名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 02:34:38 ID:abMJf5h3
『ほしをくれたうさぎ』
トンでも設定だけど、良かったよ。泣いた。GJ!
382名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 13:17:05 ID:Wqw20td9
383 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:31:43 ID:WBKprcYo
>>154
からのを書いたものです。
れべんげに来ました。
前後編です。
384 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:33:27 ID:WBKprcYo
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
物語の好きな魔女の話・前
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

「こんにちは。」
古ぼけた硬材で出来ている重厚な見た目に相応しいと言っていい、
もの凄っく重いドアをなんとも不吉なギギイ……
という音を立てつつ開くとやっぱりいつも通りそこには香織さんがいた。
一点古めの喫茶店に見える室内。ちょっと薄暗い店内の奥の方は薄赤いライトが照らされている。
一面ガラス張りになっている道路に面した面にはこれまた分厚い硬材で出来た4人がけのテーブルが2つ。
部屋の中央、くすんだ赤色の厚い絨毯の上にはバランスよく同じテーブルが3つ。そしてカウンター席には古ぼけた椅子が3つ。
全体的に古臭いけれど店内は隅々まで綺麗に清掃されている。

店内にはいつも通り聞こえるか聞こえないか位の音量でスタンダードジャズが流れていて
香織さんはいつも通りカウンターの向こうで丁度今、コーヒーを入れ終わった所だった

サイフォンの下に付いているフラスコから入れたてのコーヒーを一杯分注ぐと
当たり前みたいに僕の前にコトン、とそれを置く。
僕がカウンターに腰を下ろすのを待ってから自分用にもコーヒーを一杯入れて、
香織さんはカウンターの向こう側、つまり俺の向かい側の位置に椅子を置いてカタン、と音を立ててそこに座った。

385 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:34:41 ID:WBKprcYo
「こんにちは。さて、今日はどんなお話をしてくれるのかな。」
両手の指を祈るように絡ませながらカウンターに肘を突いた格好でにこにこと俺に笑いかけてくる。
僕も今の香織さんの行動が当たり前みたいにゆっくりと微笑む。

「えーと、今日はね、世界中の誰の言葉も信用しないお爺さんの話をしようと思うんだけど。」
僕がそう切り出すと香織さんは如何にも楽しみ、と云う感じに組んだ両手をぱたぱたと前後に振った。
なんだか尻尾を振る猫を連想させるような子供染みた動きをする香織さんを見ながらコーヒーを口に運ぶ。
芳醇な香りが喉を満たす。
香織さんの入れてくれるコーヒーは苦くて濃くて、でもとても信じられないくらい美味しい。
生意気な言い方をすればブラックの美味しさって奴だ。

その香織さんはとても綺麗な顔をしていて、細い黒ぶちのよく似合う眼鏡をかけていて、
黒くて長い髪をポニーテールにしていて、胸が大きい。
つまりはかなりの美人だ。年は大体20歳位に見える。僕よりは少し年上。
今日は白と黒のフリルの付いたシャツとスカートにエプロンというなんだかメイドさんみたいな格好をしているけれど
時にはホットパンツとTシャツだけという女子大生みたいな格好でいたりかと思えば
真っ白なワンピースを着ていたりしてファッションセンスは今ひとつ統一されていない。

愛想は無いけれど冷たい感じじゃないし、話してみるととても良い人で、頭も良い。
そして香織さんは喫茶店の女子大生アルバイトに見えるもののその実、本業は魔女だ。
この喫茶店風の建物も実は魔女の住処って奴だ。

僕が香織さんにあったのは3ヶ月と1週間前、か、若しくは3ヶ月前の事。
僕は高校の1年生になったばかり、季節はしとしとと雨の降る梅雨から夏に掛けての頃。
そんなある日の事だった。
386 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:35:42 ID:WBKprcYo
@@

その日、そこそこの大雨にも関わらず、同級生に買ったばかりの傘を奪われて川の中に放り込まれてしまって
僕はずぶ濡れになりながら帰り道を1人で歩いていた。

高校生にもなってイジメにあう。
入学するまで自分がそんな羽目に陥るようになるとは思わなかった。
うん。確かに中学校までは大きな町に住んでいたし、高校からこの町に来たのは確かだ
でもまあ、高校なんてね。いろんな町からいろんな中学校の奴が集まるに決まっている訳だし。
てことは皆が1からスタートなんだし。皆が1からの出直しだ。と、そうタカを括っていた。

まあ結局は田舎町を舐めていたらしい。としか言いようが無い。
この町には中学校、高校はそれぞれ1校しかなかったのだ。
つまり高校の同級生の殆どは中学校での同級生であり、僕は高校1年生の4月にして転校してきた異分子扱いだったのだ。
おまけに僕は勉強もそんなに出来る方じゃないし、体育はそれに輪をかけてダメだ。

それでも僕は頑張ったと思う。
入学初日に僕以外のクラスメイトは全員知り合いで、
皆が僕の事を誰だこいつという目で見ていると云う事に早速気がついてから、
それでも僕は諦めることなく皆に溶け込もうと無い頭を絞った。
数日を掛けてこの田舎町では男はスポーツが出来なくては評価されないらしいという一定の結論に辿り着き、そしてサッカー部に入部したのだ。

これで皆と友達になれると思って。
結論から言うとこれは大失敗に終わったのだけれど。
387 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:37:04 ID:WBKprcYo

スポーツが出来ると評価されると言う事は、逆に言えば出来なければ評価されないと云う事を理解するのにそれほど時間は掛からなかった。
僕の行為はわざわざ自分から皆に評価してくれ、と言いにいったようなものだった。
つまり異分子でただでさえ目立つ奴が自分から皆に評価される土俵に上がっていったのだ。

僕のサッカー部入部はクラスメイトの華々しく期待に包まれた視線によって始まり、
そしてお、もしかしたらこいつはやる奴かも、と言う期待は最初の練習にて無残にも崩壊した。
当たり前だ。サッカーなんてやった事無い。
ボールはどうやって蹴れば真っ直ぐ飛ぶんだ?ボールを蹴りながらどうやって走ればいいんだ?

部活開始早々にこいつは使えない奴。という烙印を押された僕に待っていたのは執拗なイジメだった。
皆の期待を裏切った罪は重い!と言う事なのだろう。
若しくは見たこともなく使えない奴は視線に入るのもうっとうしい、と云う事だったのかもしれない。
勿論止めてくれる奴はおらず、イジメは部活から教室へと瞬く間に広がり、
僕は入学してものの1ヶ月後には毎日笑いものにされ、からかわれ、小突かれるようになった。
正に期待に満ち溢れたバラ色の高校生活って奴だ。
最初の部活動の選択をミスったってだけでここまでされるものなのか。

いくら理不尽と思ってもイジメられている人間にとってイジメられないようにする。というのは中々難しい事だ。
まず解決方法もわからない。
その日も帰り道を1人で傘をさして帰っている途中に傘をひったくられた。
束の間追いかけたものの奴らは笑いながら傘を橋の上から川に放り投げ、
そして一回も俺の方を振り返る事無く、奴らは走ってどこかに行った。
そして僕はずぶ濡れになって歩きながらぼろぼろと涙を流す事になったっていう訳だ。
388 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:38:29 ID:WBKprcYo

凄く悔しかった。
憎まれているのならまだいい。
でもこれは純粋な悪意からくる何の思いやりもない行為だ。
彼らは笑いながら帰って、そして明日になれば今日の事なんてさっぱりと忘れてしまっているのだろう。
でも僕は忘れられない。明日になっても、そしていつまで経っても覚えているだろう。
彼らはこんな事、すぐに忘れてしまうというのに。
それが悔しくて、どうしていいのか判らなくて、
歩いているうちになんだか喉元に石を詰め込まれたような気分になって、
ぽろぽろぽろぽろと涙がこぼれてきたのだ。
誤解して欲しくは無いから言うけれども僕はいつもいつもそんなにぽろぽろぽろぽろと泣く方ではない。
むしろぐっと我慢する方だ。
今までだって少々理不尽な事をされた位で泣いた事なんかない。
ましてや高校生にもなって泣くだなんて事は考えた事も無かった。

でもその時ばかりは何故だか我慢できなかった。
1人で歩いていたからかもしれない。雨が降っていたからかもしれない。
なんだかとても悲しくなったのだ。
悔しいだけなのか、自分が不甲斐無いのかも判らない。
でも胸がふさがるような気分になってどうしようもなかった。
多分今考えるにプライドが傷ついたんだと思う。
僕は孤独で、そして何も武器になるものを持っていなかった。
つまりイジメられて当然で、そして学校で皆にその事に反論する事なんて思いもよらない状態に置かれていた。
そして家では両親が新しい学校で早速サッカー部に入っている僕の事を信じていた。

雨は激しく振っていて、体中が濡れ鼠。顎から袖からボタボタと水が滴り落ちていた。
靴の中までびちゃびちゃと濡らしていて、歩くたびに靴がガポガポと鳴った。
そしてその時の僕には
「友達に傘をとられちゃったよ。困った奴だなあいつら。あはは。」
と笑いかける相手もいなくて、そしてその上酷い土砂降りの中、家はまだまだ2kM以上先だった。
389 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:39:48 ID:WBKprcYo

そんな時だった。
俯いてよたよたと歩きながら家へと向う坂道の途中、ふと顔を上げた瞬間に僕はその建物を見つけた。
外見は喫茶店風味。
重厚なドアの上の看板には古めかしく【喫茶処】とか書いてある。
その割にちぐはぐな印象を受けるのはその建物が洋風だからだ。
しかもかなり古い。横浜の外人墓地の辺りにあってもおかしくないような感じ。
玄関の横には高い生垣があって、庭の方は大きな木が何本か立っている事だけが判る。
白くくすんだ壁をツタがびっしりと覆っていて、なんだか魔女が住んでいるとでも言われたら納得してしまいそうな古さ。
その癖妙に大きくて重厚な扉だけが印象的な建物。
こんな建物あったっけ。

通学路にあったのなら印象に残っても良さそうなくらい古ぼけた喫茶店に見えた。
僕はびしゃびしゃと水を滴らせながらその建物の前で立ち止まった。
相変わらず目の前が煙るくらいの土砂降りが続いている。

僕はめそめそと泣いていて、その上濡れ鼠。のこのこと喫茶店に入って良い状態じゃなかった。
でもこのまま帰るのが嫌だった。
母親に今日の学校はどうだった?と聞かれて笑いながら嘘を吐ける気分でもなかった。

で、僕は暫く考えてからゆっくりとその喫茶店に歩み寄って、そのドアを開けて店内に入っていった。
390 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:40:48 ID:WBKprcYo
@@

足を踏み入れるとそこは外見同様、内部も古めかしい喫茶店だった。
扉を閉めるとがらんがらんと大きな音が鳴る。
赤くて大きな絨毯。薄暗くてコーヒーの匂いがする店内。
カウンターにも客席にも人一人いない。

「すいません。」
涙声を振り払って店の奥に声を掛けても何の反応も返って来ない。
それでもコーヒーの香りと涼しい店内の温度から開店中だろうと判断して店の中央へと足を進めた。
そして、そこで店の奥から出てきた香織さんとばったりと出会ったのだ。
香織さんとのその最初の出会いは衝撃的だった。

青色のビキニを着た店の人と思われるお姉さんがそこにいた。
そう、初めて香織さんと会った時、香織さんはビキニの水着姿だったのだ。
喫茶店の中にビキニの女の人がいる。しかも凄くスタイルが良かった。
眩しいくらい真っ白の身体で足なんかスラリと伸びている。
色っぽいというよりもなんだか綺麗過ぎて怖い位に思えた。

そして漆黒と言っていい黒髪をうなじにピンで留めあげた髪型のお姉さんはてくてくと水着姿のまま喫茶店の中を歩いてくると
その途中で喫茶店の中央に佇む僕に気が付いたのだろう。
「あれ」と言って僕の方を見るなり驚いた顔をして立ち止まった。
391 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:41:57 ID:WBKprcYo

「こ、こんにちは。」
いらっしゃいませでもなんでもなかったが僕はその店員のお姉さんの格好にびっくりしてしまっておずおずと頭を下げて挨拶をした。

「こんにちは。」
いらっしゃいませでもなんでもなくそのお姉さんも頭を下げて僕に挨拶をしてくる。
喫茶店の真ん中でビキニ姿のものすごくスタイルのいい女の人と
泣きべそかいた濡れ鼠の高校生が挨拶している風景は傍から見たら随分おかしかっただろうなと思う。

「君、どうやって入ってきたの?」
ここの喫茶店はいらっしゃいませと言わないのかそれともこの人は店の人じゃないのか、
頭の中には疑問が沢山だったけれど、僕はその時混乱していて疑問を口に出来るような状態じゃなかったから
いきなりの店のお姉さんのその質問に反射的に素直に答えていた。

「そ、そこのドアからです。」
僕の返答に水着姿のその店員さんははて。と首を傾げた。
「ドアからは判るけど…ドア、開いてた?」

「す、すいません。鍵は掛かってなかったから…閉店中ですよね。すみませんでした。
店員のお姉さんが水着姿でくつろいでいるのだ。(女性が普段水着姿でくつろぐものなのかどうかは知らなかったが)
少なくとも休みだっていうのは自明だ。
僕は慌てて頭をさげてドアの方へ向き直ろうとした。
392 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:44:41 ID:WBKprcYo

「ちょっと待って。」
店員さんの鋭いともいえる口調に慌てて店員さんの方に再度向き直る。
何度も言うがその店員さんはまごう事無く正真正銘の水着姿だ。
下半身なんかその、水着の下の部分だけな訳でお腹なんかが見えてしまっているわけだ。
どぎまぎとしている僕をよそ目にその女の人は真剣な顔で質問を続けていた。

「ドア、開いてたの?」
「…ドアは閉まってましたけど喫茶店って見えたから。」
そう言ってドアの方を振り返ったとき、僕はある奇妙な事に気が付いた。
ドアの横の方にある窓の向こうに目をやるとなんだか外が灰色に煙っているように見えたのだ。
まあ雨が降っているから暗いのはわかるけれどさっきまでは夕方にもなっていなかったはずだ。
こんな風な外の色は見た事がない。
深い霧に包まれているかのような、そんな色だ。霧なんてでていたっけ。

「でも、君はドアが見えて、それで、ドアを開けて入ってきたんだよね。」
慌てて視線をお姉さんに戻す。
「は、はあ。」
もしかしたら痴漢か何かと疑われてるんじゃなかろうか。と思い始めた頃、
店員さんは僕の事を一度つま先から頭のてっぺんまで見回すようにした後、ふうん。と溜息を一回ついた。

「君、才能あるよ。」
なんのでしょうか。という質問をする前に店員さんは僕に背を向けてカウンターに入っていく。

「ちょっと、待っててね。少し、だけね。コーヒー入れるからね。」
そしてその店員さんは僕にカウンターの席に座るように促しながらそう言うと、
直ぐに慣れた手つきでコーヒーを淹れ始めた。
393 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:45:18 ID:WBKprcYo
@@

「私の名前はね、香織。魔女なんだけれど、君は魔女に会った事がある?」
と店員のお姉さんは入れたてのコーヒーを僕の前にことりと置きながら自己紹介するように言った。

「帰っていいでしょうか。」
とは口が裂けても言えない感じのごく自然な口調で。
魔女?魔女って言ったよこの人。変な人だ。ものすごい美人だけど。
まあ確かに喫茶店の店内で水着姿になっているあたりは超人的な感じがしないでもない。

「ないです。」
どういうリアクションを取れば良いのかわからなかったので、僕は普通に返事を返すことにした。
魔女を外国人に置き換えればきっと話が通じないと言う事も無いだろう。
そんな事を考えながらコーヒーを口に含んだ途端、深みのある味に驚いて僕は顔を上げた。
凄く美味しい。温かくて、身体の中からぽかぽかとしてきそうなそんな味。

ぽかんと口を開けた僕に香織さんはふふん。と笑いながら声を掛けてきた。
「君、信じてないでしょ。私はね、魔女、だから、判るんだよ。」
「そりゃまあ、信じてないです。」
魔女じゃなくてもこんな話、信じないと判りそうなものだと思いながら僕は返事をした。もう一度コーヒーを啜る。
やっぱり物凄く美味しい。今まで飲んだ、どんなコーヒーよりもずっと美味しい。
394 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:45:57 ID:WBKprcYo

「ふんだ。じゃあ、もっと、魔女っぽい事をしたら、君はびっくりするんだから。」
「な、なんですか。」
温かいコーヒーにちょっと僕の心は落ち着いていた。
香織さんはふんと一度顔を逸らした後、今度は僕の顔をじっと見つめてきた。

「な、なんですか。」
「君、今、泣いていたでしょ。」

「な、泣いてなんかないです。雨に濡れてたから」
「嘘。魔女にはね、判るんだよ。」
魔女なら何で判るのかは口にせず香織さんは言葉を続けた。

「君は、今あんまり得意じゃないし自分にも向いていない事を一生懸命してるね。
で、周りの人とも上手くやっていけてない。虐待?違うかな。
君はその集団の中に入ろうとしている。でもはじき出されているんだね。」

僕は慌てて首を振った。
漸く判った。占い師か。この人は喫茶店の中で占い師の真似事をしている人なんだ。
泣きべそでずぶ濡れで喫茶店に入ってきた男の子の背景なんて占い師には簡単に予想できるんだろう。
「そんな事ないです。」

きっぱりと口に出す。
虐められている事は誰にも口外するつもりは無かった。
それはその、この水着の店員さんに良く見られたいとかそう云うことじゃない。
自分のプライドの問題だ。虐められていると自分の口から他人に言った瞬間、箍が外れそうな恐怖感をいつも感じていたからだ。
僕は虐められてなんかいないし、そんな事考えた事もない。
そんな顔をしていなければ耐えられそうに無いからだ。
だからこの香織さんという自称魔女の占い師の言葉に頷く訳にはいかなかったのだ。
395 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:46:56 ID:WBKprcYo

とは言ってもそんな自分の態度が自分でも嘘だとわかっている。
正直占い師とは言っても自分を見透かすような事を言う人の前で嘘を吐き続けるのも気味が悪い。
「す、すいません。閉店中に。か、帰ります。コーヒー、美味しかったです。コーヒー、幾らですか。」

立ち上がってポケットに手を突っ込みながらそう言うと占い師はきょとんとした顔で当たり前みたいにとんでもない事を言った。
「君、帰れないよ。」

「なんで!?」
声が裏返る。ビキニを着た自称魔女の占い師になんでこんな事を言われなきゃいけないのか。

「そっか。困ったな。なんて言おうかな。」
「いやいやいや、コーヒーの代金支払いますから。」
僕の言葉に目の前の自称魔女はふるふると首を振っている。
396 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:47:52 ID:WBKprcYo

「そうじゃなくて。ええと、何から言おう。ええとね。魔女はね、実験をしないと魔女じゃないの。」
「占い師の訓練の事ですか?僕が帰れないのと何か関係が?」
「占い師?君は、何を言っているの?」
心底不思議そうな顔をした自称魔女に僕は首を振った。
「いいです。もう魔女で。で、僕が帰れないのと何か関係が?」

「実はね、これから1週間、ここで実験をしなくてはいけないの。
実験はね、とっっっても準備が大変で、そして密閉した空間でやらなくてはいけないの。
密閉するのも大変で、密閉を解くのも大変なの。
君はね、そこに入ってきてしまったわけ。君がどうやって入ってこれたのか、判らないんだけど。」

なんかこの人は凄く重大な事を話しているような気がする。
ええと、と僕はごしごしと目を擦りながら言った。
窓の方に目をやると外は先程の灰色の霧から奇妙なほど真っ暗な風景に変わっていた。
全く色を通さない黒。漆黒というか、光を全て吸い取るような今まで見たことの無いような黒色が窓前面を覆っている。
なんだか奇妙な事になっているのは間違い無さそうだった。

僕がふらふらとドアの方に行くと自称魔女は今度は止めてこなかった。
先程入ってきたドアのノブに手を掛ける、と、がっちりとロックしたかのように動かなかった。いや、ロックじゃない。ガタツキもしない。
本当にがっちりと、まるで溶接したかのようにがっちりと嵌まったようになっている。
まるで壁にノブをつけたかのように。
今度は窓の方に寄ってみる。やはり窓の向こうは漆黒の闇に塗り潰されている。
窓のレバーも同じだった。レバーの形をしているのに奇妙なほど動かない。
マジックとか、向こうから抑えているとかそう云うことじゃない。もとからそこが壁だったかのようにがっちりと閉まっている。

そこまで確認してから僕はもう一度椅子に座った。
「どういうことですか?本当に帰れないんですか?」
僕の言葉に香織さんはへにゃり、と眉を下げて如何にも困ったというような顔をした。
397 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:48:50 ID:WBKprcYo

「君は、疑い深いなあ。」
「魔女は兎も角、自分が閉じ込められているっていうのはとりあえず信じます。
で、どういう事ですか。」
先を促すと自称魔女はんん。と咳払いをした。

「実験はね、通常の時間軸とは離れた場所でやらなくちゃいけないの。
失敗したりして周りに迷惑を掛けないようにね。
君は、そこに入ってきたわけ。私の、密閉の仕方が悪かった訳じゃないと、思うんだけど。
まあ、最悪途中で止める事も出来るんだけど、そうすると同じ時間軸、同じ場所には戻れないの。
同じ時間軸には何とか戻せるかもしれないけどそうすると多分場所は大分遠くなっちゃうし。」
僕は良く判らないまま香織さんに向けて口を開いた。

「ええと、その遠くって言うと。」

「多分、冥王星位かな。」
「冥王星!?」

僕の記憶が正しければ太陽系の端っこの星だ。土星とかより遠い。
「行けるんですか?冥王星。」
「君、行きたい?でも、寒いし暗いしここからは遠いしなんにもないよ。君、あそこから1人で帰れる?」

「帰れないと思います。多分。」
空気も無いですし、と僕がそう言うと香織さんはまた困ったなあという顔をした。
「じゃあ君、1週間家に帰れなくても平気?」
「まずいとおもいます。ていうかコーヒーとか僕の泣いてた理由とかよりそれを先に話して下さいよ。」

そう言うと自称魔女の香織さんは君が私が魔女だって信じなかったんじゃないか。と息を吐いた。
398 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:50:06 ID:WBKprcYo

「じゃあ、場所はここに戻すけど、時間がちょっと前にずれちゃっても良い?」
前にね、後ろじゃなくて、前だよ。後ろなら困るんだよね。と念を押すように言って来る。

「ちょっとって言うと。」
「多分、今から200年前…ううん。120年位には出来ると思う。」
うん。それぐらいで、多分。と顔を頷かせる香織さんに僕は頭を抱えたくなりながら言葉を返した。
マジボケか。

「それ位だったら1週間ここにいる方がマシじゃないですか。」
江戸時代の只中に放り出されてたまるか。
僕の言葉を噛み砕くように聞きながら、
香織さんはじゃあ、やっぱり君はここに1週間いた方がいるしかないね。とそう呟く。

「しょうが、ないんですかね。」
僕がそう言うと目の前のビキニの水着を着た自称魔女の香織さんは僕の言葉を待っていたかのように
うん。そうしよう。そうしよう。と頷いた。
心なしか嬉しそうにも見える。
399 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:50:52 ID:WBKprcYo

「うん。しょうが、ないよね。じゃあ、きまりだね。
実は実験はね、準備が大変なんだけど、一回始めちゃうと結構、暇なんだ。
話し相手が出来て、私もよかった。
そうそう、君、今、魔女の実験、やってるから見学してみる?
すっごく大きな鍋で色々なものをぐつぐつと1週間煮続けるの。
すっごく暑いから、汗、一杯出るよ。水着でないと出来ないくらいなんだよ。」

「はあ。っていうか本当なんですよね。出られないの。」
「ほら、コッチ、来て。魔女の、実験なんて、そうそう見られないよ。貴重だよ。」
「聞いてます?ねえ?」

まあ、そんな訳でその時から僕は1週間、
この喫茶店ぽい場所兼住居で自称魔女と二人きりの1週間をすごす事になったのだ。
400 ◆/pDb2FqpBw :2008/08/19(火) 20:51:44 ID:WBKprcYo

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前回は感想ありがとうございました。

後編は1〜2週間程度で。
多分きっと。

では。
ノシ
401名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 21:07:12 ID:O9Px7YNa
待ってましたぜ、待ってますぜ
402名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:11:28 ID:xjDBMekk
1,2週間も俺を全裸で待たせるとは貴様ドSだな
403名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 23:35:41 ID:8ns6oypJ
読んだら続きが気になるだろうからってスルーしようとしたのに……
くやしい、でもGJ(ビクッビクッ
404名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 02:09:54 ID:IiltrGY3
こいつ、俺たちに風邪をひかせるつもりか?

しかし夏厨沸いた方が住人が増えて良いんじゃないかと思う今日このごろ
405名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 19:27:01 ID:vPS+7FGp
>>404
盛り上げたいと荒らしたいは、別感情でおさめておいて下さい
おっさん読むのについてげんよ
406名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 15:03:49 ID:0t6RfKvY
墜落事故でたった二人の生存者が発見されるまでの一ヶ月の話。
男と女は飛行機が墜落した密林で…というマンガを読んだことがある。
女の方は家族旅行、男は確か出張か何かだった。
女と男は隣になり、お互いにコイツタイプだなんて思っていた。
その時機体が揺れてエンジンが爆発!
次に女が目覚めた時、洞穴だった。男が運んだ。
イス六席の残骸と四散した機体、エグい死体におびえていた女を慰める男
サバイバル生活三週間目に結ばれた。
発見されて帰国した二人は最後結婚してEND 
こんな話だった。 
407名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 15:23:25 ID:JXZ3ji3V
タイトルと掲載誌を思い出して貰おうか。
408名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 10:36:28 ID:iYqeMPa2
こりゃいい話だな
409名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 02:15:41 ID:yFVwRbjT
410名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 06:52:43 ID:9zQUszI7
411名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 07:24:46 ID:KLa75SSm
412名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 08:47:22 ID:L0eXTqK+
413名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 12:35:19 ID:Zk8EI8VM
414名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 14:28:55 ID:fIvcz9jv
415名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 15:32:16 ID:t2OB/0D8
416名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 16:01:21 ID:URBGtcNv
417名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 17:12:37 ID:y2/psg4h
無茶振りってレベルじゃねぇぞwww
418名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 18:56:49 ID:jiiZeRrw
わたあめ姫ってくるかと思ってたらw
419名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 20:04:58 ID:9zQUszI7
素直に「ほんとのわたし」にならないところはさすがというか…。
420名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 23:52:32 ID:PvCAKlws
職人の人に喧嘩売ってるようなもんじゃねーかwww
421名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 15:40:18 ID:tHzr1DPv
 
422名無しさん@ピンキー:2008/09/01(月) 22:17:32 ID:xxO1Qk9n
ふぅ。なんか物凄いバトンを拾っちゃったぜ☆
もうSSを越えて小ネタレベルだが許してくれ。

      ホントのわたがし

「…………」
夏も終わり、これは秋祭りとでも言うのだろうか。俺は今祭りの真っ只中に居る…のだが。
「…………」
なんだこの無口キャラは。何故そこに立ち止まっているのだ、そして何故一言もしゃべらない。
息をしているかも定かではない少女を観察し始めて十数分、そこであることに気付いた。
微細な視線の動き、視線は次々とふわふわの雲を割り箸に巻きつけるおっさんの右手に固定されている。
……やれやれ。
おっさんに百円硬貨を三枚わたして『それ』をうけとると後ろで置物のようにしている少女に差し出した。
「……それはあなたの。」
…しゃべった。いや、問題はそこじゃない。意外と常識人だなこの娘。
――おっさん、もう一本…ってなんだその目は。
硬貨をもう三枚渡して二本目を受け取るともう一度少女に差し出す。
すこしくらい素直に他人の好意をうけ取れよ?
「……ありがとう。」
―――正直言おう、くらっと来たね。それ程この娘の微笑は破壊的だった(凄くいい意味だとも
「……わたがし」
あぁ俺はこの娘の名前を知らない、彼女も俺の名前を知らない。
「……ホントのわたがし。」
知らなくても、いい。今ここにこの笑顔があるのだから――――― -Fin?-
423名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 01:03:52 ID:MgGcLDYf
>>422
よくあの無茶なお題からがんばった
と言いたいところだが、残念ながらおっさんがいるので二人きりじゃないなw
424422:2008/09/02(火) 03:50:42 ID:nO5ReRT6
>>423
あぁ、その…なんだ…orz

ついでにノリだけで書いてしまった本文もorz
425名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 14:38:12 ID:o47Cpfmy
ここはあれだ、彼女は実は人外のナニかで、
おっちゃんと二人きりだったというオチ…


は、いやだwww
426名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 14:51:20 ID:YZnMT9RE
>>425
おっちゃんには少女が見えてないから、変な目で見られたんだな。
427名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 22:50:16 ID:jRQbAtOh
実は女の子は既に死んでいるが、男にだけ幻覚が見えている
だからおっさんと二人きり
428名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 01:19:46 ID:jabeeVti
それじゃスレチだ
真相はこうだ 主人公は俺娘 女の子は幽霊
つまりおっさんと二人きり
429名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 05:23:51 ID:QR3Vpttl
>>113-119
で始まったこのスレの無茶振り伝説(?)をまとめサイトに置いてみたいのだがどうだろう?
>>428
そのネタで続きを書いてみる。
お っ さ ん と 二 人 き り なネタで
430名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 10:09:48 ID:oVdtZe83
おっさんの人気に嫉妬
431名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 23:24:08 ID:2XEjI3dc
おっさんと女の子が二人きり
432422=429:2008/09/04(木) 03:38:12 ID:FVFlLMV1
さて、寝ぼけてるからあんま突っ込みは入れないで(


「あんた……見えたのか?」
祭りの屋台もぽつりぽつりと片付けられ始めた23時過ぎ、わたがしのおっさんが訝しげに話し掛けてくるのは果たして必然だったのか。
――見えたって、何が?
見えるも何も、俺のこの20年とちょっとしかない人生の中で見えないものを見るなんて矛盾した行為をしたことは一度も無い…おっさん、聞いてるのか?
「見た…んだな…。」
……ダメだ。トリップしてやがる、落ち着くまで待つか。

--10分後--

やっとおっさんが落ち着いた、この十分であったことといえばまだ閉まってない屋台で飲みものを(また)二本買ってきたぐらいで……
……俺が何を見たって?
「いきなり話題を戻すなや。そのことなんだがこの屋台の前に女の子が居なかったか?」
あぁ、いたよ。すげぇ可愛かったよな、
……確かにあの娘は此処で微笑んだ、それは事実だ。たとえおっさんがそれを見逃してても俺は絶対あの笑顔を忘れないと誓えるね。…それがどうかしたのか?
「俺はその子を見ていない。いや、俺には見えなかったんだ。その子が。」
―――遠まわしに言うな、結論を言ってくれ。
「幽霊、だ。俺らみたいな的屋に流れるうわさの一つさ」
幽霊か。たしかにあの笑顔は人間が持っていてはいけないレベルの破壊力(やっぱいい意味で
「夏の暮れにある祭りで自分にしか見えない女の子に親切にすると幸せになれるそうだ」
確かにあの笑顔は人を幸せに出来る。幸せになった本人が言うんだから間違い無い

「ところでねえちゃん。綿菓子、食ってくか?機械片付けてないからすぐ出来んぜ」
いきなりなんだよ、しかもねえちゃんって…やっぱ俺のことだよな、ばれてたか
「ばれないとでも思ったか?こっちだって客商売だから服装と口調だけじゃ丸判りだ」
あぁそうさ、俺は女だ。あんたとは気が合いそうだよおっさん。
笑うなよ?そう言いながら目深に被ったキャップをとると背中にかかる長さの黒髪が舞った。
「こりゃべっぴんさんだ」
少しニヤけている、しかし気のいい笑顔を向けてくれたおっさんは少し――ほんの少しだけ素敵だった。-Fin-
433名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 04:47:10 ID:N3IIwfkx
ちゃんとスレタイ通りになったなww

乙。
434名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 12:41:18 ID:tgC0Ys4d
さて、そろそろ一週間か

一週間真っ裸は辛いぜ
435名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 21:20:27 ID:MsCjXP9M
>>432
やべえこれはGJ

個人的にはボクっ娘より俺娘の方が好き
436名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 23:07:37 ID:NMTewcEc
保守
437名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 03:42:29 ID:3mD8SCSw
だれか「タイトル」と「物語設定」と「男のスペック」と「女のスペック」を書き込んでくれ
レスくれてから10分以内にSS書いてやんよ↓
438名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 03:58:55 ID:Da/QXOUp
タイトル「移動する檻」
物語設定「正義感に燃える新人婦警がアンタッチャブルなものに手を出してしまってさあ大変」
男スペック「組長」
女スペック「吹石一恵」
439移動する檻:2008/09/08(月) 04:11:28 ID:3mD8SCSw
「まいったな 捕まっちまったぜ」
 組長は部下の小さなミスから警察に追われ、そして逮捕された。
 逮捕したのは吹石一恵似の女性警官。どうも新人らしい。
「はい! きりきり歩く!」
 新人らしい。正義感の炎をメラメラと萌えさせながら組長に命令してきた。
 つれてこられたのは刑務所。留置所とかじゃなくていきなり刑務所。
「さあここの最新式の監獄に入るのよ!」 
 なんだこれは?
「へへーん。あなたはもう懲役20年の刑が待っているの。
 この檻はあなたを入れたとたん宇宙へと飛び出して、戻ってくるのは20年後。
 絶対脱獄できないんだから」
 組長は檻に入れさせられ、ドアが閉まりかけたそのとき、
「あっー」
 その女性警官はバナナの皮にすべり、一緒に中に入ってしまった。
「……」
「……」
 そしてその最新式の檻は宇宙へと出発してしまった。
440名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 04:12:43 ID:3mD8SCSw
ごめん 10分は無理だわ リロード50回ぐらい押したのに……
441名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 04:19:55 ID:58pSPwEk
バナナワロタwww
442名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 17:41:51 ID:Hi2B7RBh
>>439
そこからはじまる愛の物語
443名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:22:42 ID:0cdDH3GH
444名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:25:05 ID:OfE/7d92
445名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 00:55:50 ID:b/qgW/+Y
446名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 01:07:03 ID:LEDS/4Ao
447名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 01:37:16 ID:PAsWKjem
448名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 01:48:14 ID:c1JY8mHX
449名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 01:55:36 ID:f+B18Cl/
450名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 02:04:09 ID:D3svc1X1
451名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 02:13:12 ID:editGC4p
452名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 02:16:50 ID:TDMeMfP4
453名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 03:12:12 ID:QipLxngu
454名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 03:41:44 ID:IwN4263/
455名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 04:03:49 ID:3h3O67rr
おまいら連携良すぎるwwww
456名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 07:11:27 ID:ZzU8aFlV
島に漂着した男女が救助を求め
ほらがいを吹き続けるんですね。
457名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 13:35:18 ID:editGC4p
ここまでお膳立てされてるんだ
あとは・・・わかるな?
458名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 15:29:45 ID:YPDBbD1/
わかっているよ、ブラザー
パンツ脱いで待ってろということだな?
459ほらがいのなりやまぬしま:2008/09/09(火) 20:24:48 ID:PxJRODi8
島には一つの伝説がある。
離れ小島で法螺貝を一晩中吹き続けられた男は
女に何一つ不自由のない一生を送れるだろう、という伝説が。
俺の知る限りでは、その偉業を達成した男はまだいない。

その夜、俺は法螺貝を携えて離れ小島へと泳ぎついた。
毎晩、成人を迎えた男は交代で離れ小島に移り法螺貝を吹く。
慣れれば法螺貝の吹き方や音色で誰が吹いているのかはすぐにわかる。
成人を迎えた俺がその役をするのは初めてのことだ。
俺は自作の法螺貝を思い切り辺りへと鳴り響かせる。
この島の男は誰もが自分専用の法螺貝を作り持っている。
法螺貝特有のくぐもった音が波の打ち寄せる音を掻き消すかのように辺りに響き渡る。
自分でも惚れ惚れとするような法螺貝の音色だった。
・・・・・・?
穏やかな波の中を誰かが泳いでくる。
近づくにつれ、次第にその姿がはっきりとしてくる。
波打つような長い乱れ髪、よく焼けた褐色の肌。
健康的で柔らかそうな肢体。 布越しに見て取れる、ほどよく膨らんだ胸。
成人を迎えたばかりの俺と同じ年頃の娘だろうか。
月明かりに照らされたその表情は、まるで女神様のように美しかった。
法螺貝を吹く手が思わず止まってしまうほどに。
「吹いて・・・・・・。」
甘い囁き声が俺の耳をくすぐり、しなやかな指先が俺の熱い胸板を撫で下ろす。
幻かとさえ思えたそれは、紛れもない生々しさを伴った本物だった。
「あ、 ああ・・・・・・。」 俺は言われるまま、法螺貝を吹き鳴らす。
胸の内の熱さを伝えるような、雄々しい響きを法螺貝は鳴り響かせる。
しなだれかかる彼女はうっとりとしてその響きに耳を澄ませる。
俺の胸を弄んでいた指先は次第に下へ下へと降りていく。
身体に伝わる柔らかさにそこはすっかり張り詰めてしまっていた。
彼女は腰巻を軟らかに取り外し俺の法螺貝に舌を這わせる。
包み込むような生温かな舌での愛撫に腰が引ける。
俺は腰が砕けてしまうように、岩場にずるずると崩れ落ちていた。
法螺貝を吹き続けられたのは男としての意地と根性だけでしかない。
思えば、この岩場には人の肌を傷つけるような尖りが一切ない。
幾度もの逢瀬を重ねる度に岩場は次第に丸く丸く変化していったのだろう。
彼女はくすりと笑うと俺に跨った。 その艶かしい体はずぶずぶと俺の逸物を呑み込んでいく。
それは口とは比較にならない、熱さと強さで俺の物を締めつける。
もう法螺貝なんて吹いていられなかった。
俺は邪魔な布切れを剥ぎ取ると、目の前にある二つの果実に手を伸ばす。
何よりも柔らかな果実に顔を埋め、その先端を舌で舐めまわす。
彼女の口から甘い喘ぎが漏れる。 その音色は法螺貝とは比較にならないほど耳に心地よく響く。
もっとこの音色を聞きたい。 そんな思いが俺の頭の中を支配していく。
ねぶるほどにその先は硬くしこり、彼女はよりよい反応を見せる。
果実をこね回し、腰を激しく突き上げる。
腰を突き上げるほどに彼女の音色は高く短く響いていく。
繋がりは淫らな音を鳴り響かせ、激しさを受け入れるように蜜を溢れさせる。
次第に昂ぶる快感に俺はあっさりと耐え切れなくなってしまう。
体が浮き上がるほど激しく腰を打ちつけ、熱い迸りを彼女の中へとぶちまける。
ぐったりとした彼女は俺の体に寄りかかってくる。
快楽に蕩けきった表情は、俺を満足させるには充分すぎる。
「また、会えないか?」
蕩けた表情の彼女に俺は囁きかける。
「貴方が法螺貝を吹く晩に。」
彼女は艶っぽく微笑んで俺の胸を指で撫ぞる。 俺は嬉しくて法螺貝を一吹きした。
打ち寄せる波の音を打ち消すように、その音は高く強く響き渡っていった。
460名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 20:28:25 ID:PxJRODi8
しまった、終わりって書いとけばよかった
というわけで、以上
461名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:00:55 ID:bxdvkr0q
>>460
先を越されただと・・・!?
しかしGJ!褐色娘はいいよね
462名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 22:29:07 ID:XdUGWkwq
>>460
グッジョオオオブ

やっぱここの職人は優秀だわ
463名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 01:02:10 ID:S9CuUBMK
GJ!
てか、なんであんな題材で書けるんだwwww
464名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 06:28:01 ID:A9xqfRMw
もう伝統芸能だな
465名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 08:15:12 ID:ognw8LYp
いまのような感じでもいいんだけど
もっと読み手と書き手の融合されるような物語を作るには
俺ら読み手としたらどんなことをしたらいいのかな?
466名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 10:53:46 ID:7jjU9F91
>>459
超GJ!
確かに伝統芸能でも良いかも知れん
>>465
書けばいい、そうすれば読み手も書き手と融合できる。
467名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 15:28:30 ID:sYNNoonW
ここに載せて1年

未だに未熟者です。

ああ・・・Liaちゃんに会いたい
468名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 19:23:35 ID:X6Xj/Jjb
469名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 20:05:29 ID:ac/dZMXO
470名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 20:11:02 ID:4QxJlOtj
471名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 20:12:29 ID:DDj7dPsj
流れ早っ!
>>461で乗り遅れた者なんだけど次のお題に入る前に投下させて
472法螺貝の鳴り止まぬ島・別ver ◆8czeHikF2E :2008/09/10(水) 20:16:50 ID:DDj7dPsj
>>460改めてGJ! 続いてしまうけど競作ってことでひとつ。
では投下。
473法螺貝の鳴り止まぬ島・別ver (1/6) ◆8czeHikF2E :2008/09/10(水) 20:17:42 ID:DDj7dPsj
ブォー、ブォー、ブオォーー。

法螺貝の音が鳴り響いた。短く二度、そして長く一度。
ホオリは夕陽に照らされた赤い海を見晴るかす。
もちろん、船影などどこにも見当たらなかった。
少しだけ視線を俯けると、沖合いの暗礁に乗り上げた奇妙な舟の残骸が目に留まる。
切れ上がった不思議な形状の帆と腕木を持つワタツヒトのイクサフネ――マヨリは、確か「カヌ」と呼んでいたか。
ワタツヒトの舟は足が早い。アマヒトの舟では、食らいつかれたらまず逃げることはできない。
かつてのホオリにとってそれは恐怖の象徴だった。
だが、破れた帆を空しく潮風にはためかせるその姿には、もはや物寂しさしか感じない。
ホオリは頭を振ると、再び海岸沿いの急な勾配を上り始めた。

小岩の多い難儀な斜面を登りきると、途端に視界が開けた。
間近になった法螺貝の音のもとに目を向けると、
断崖の縁に、屹立して法螺貝を鳴らし続ける少女の姿があった。
落日のまばゆさの中に、深い褐色の裸形が浮かび上がる。
娘らしく尻も胸もまだ貧しいが、すらりとした四肢は力強く地面を踏みしめていた。
ワタツヒトは女も戦をするという。マヨリのしなやかな体つきを見る度に、ホオリはなるほどと思う。
水平線の彼方を睨み長い黒髪をなびかせるその姿は、確かに自分と同じツワモノの気風を備えていた。
ホオリは岩陰に身を潜めたまま、しばらくワタツヒトの娘に見とれていた。

ブォー、ブォー。

短く二度鳴ったところで、急に法螺貝の音が途切れる。
何事かと目を凝らすホオリの前で、マヨリはゆっくりと地面にうずくまった。
絶壁から下を覗き込むようにして、苦しげに身を捩じらせる。
波頭が砕け散る音に紛れて、二、三回ほどえずく音が聞こえる。
ホオリは岩肌に背を預け、身を隠した。
マヨリの発作が治まり、もう一度法螺貝の音が聞こえ出すまで静かに待つ。

それはほんの僅かな間だった。
直ぐにまた、何事もなかったかのように法螺貝が鳴り出す。
ホオリはたっぷり三度法螺貝の音を聞き流すと、ようやく身を起こした。
小岩を蹴りつけわざと足音をたてながら、マヨリの背後に立つ。
すると、マヨリは法螺貝から口を離し、ホオリを振り返った。
「メシにしよう」
ホオリは左手に携えていた蔦を掲げて見せる。
蔦には四尾ほどもの良く肥えた魚が吊るされていた。
マヨリは顔を背けると曖昧に頷く。
ホオリは、その横顔をたいそう美しいと思った。
474法螺貝の鳴り止まぬ島・別ver (2/6) ◆8czeHikF2E :2008/09/10(水) 20:18:29 ID:DDj7dPsj
* * *

砂浜で焚き火を挟み、二人は黙々と焼いた魚を口に運ぶ。
あたりは既に薄闇に閉ざされていた。

「今日はたくさん獲れた」
沈黙に耐えかねたホオリが口を開いた。
話題になればなんでも良かったが、多少、釣果を誇りたい気持ちがあったのも事実だ。
四尾という数自体はどうということはないが、今日の魚は全てシオノオチだった。
勿論偶然ではない。ホオリは特に滋養があるとされるシオノオチを狙って獲ったのだ。
シオノオチははしこくて銛で突くのは難しい。それが日に四尾も獲れれば「たくさん」と言える。
そのことは言わずともマヨリにもわかったはずだ。
ワタツヒトもアマヒトも、相争う仲ではあるが、共にこの海に住まう民なのだから。

しかしマヨリの返事は素っ気ないものだった。
「トヨタマビッコのおかげだな」
この言葉には、さすがのホオリもかちんと来た。
「アマヒトの俺が獲ったんだ。ホテリノミコトのおめぐみに決まっている」
売り言葉に買い言葉で、つい喧嘩腰の反論が口をつく。
だがこれは賢明なやり方ではなかった。
「ヌシらアマンビトは理屈ばかり言う」
そう言ってマヨリはそっぽを向くと、二度と口をきいてはくれなかったのである。

魚を平らげてしまえば、後はただ焚き火を挟んで座り続けるだけだ。
わざわざこの場を離れたりはしないが、さりとて言葉を交わすわけでもない。
沈黙の中、ホオリは早くも先程の言動を後悔し始めていたが、もう遅かった。

もっとも、こうして何かと仲違いしてしまうのはいつものことでもあった。
激しい戦の中、ホオリは海に落ち、この島に流れ着いた。
そして同じ境遇のマヨリと出会い、奇妙な共同生活を始めて、もう何十日にもなる。
しかし、和やかな雰囲気の中で言葉を交わせたことなど数える程もない。
マヨリは必ず理由をつけては険悪な空気を作り出し、話を打ち切ってしまうのだ。
それが意図的なものであることをホオリはわかっていた。自分も初めはそうだったからだ。

多分、わかりあってしまうのが恐ろしいのだ。
ホオリはそんなことを考えながら、膝を抱えて横を向いてしまったマヨリの顔を見つめる。
彫りの深いはっきりとした目鼻立ち。
赤銅色に焼けたホオリの肌とはまた色合いの違う、深い褐色の肌。
頬に紅く引かれた二本の刺青もそうだし、すらりとした長い手足もそう。
見れば見るほど、マヨリはホオリたちアマヒトとは「異なる人」なのだ。
しかし、ホオリは思う。
それでも、自分はこんなに美しい女を見たことがない、と。
475法螺貝の鳴り止まぬ島・別ver (3/6) ◆8czeHikF2E :2008/09/10(水) 20:18:59 ID:DDj7dPsj
* * *

やがて、燻り続けていた炎がふっと揺らめき、消えた。
満点の星空の下、すべてのものが蒼く染まる。
ホオリは音もなく立ち上がった。
置き火を回って近づいてくるその気配に、マヨリの肩がぴくりと跳ねる。
顔を上げ、傍らに立ったホオリを見上げた。
マヨリの瞳は潤んでいた。唇が小さく開き、熱い吐息を漏らす。
ホオリが跪いて身を寄せると、マヨリはぱっと腕を開きホオリの首元に手を回してしがみついた。
じっとりと汗ばんだお互いの肌と肌がぴたりと吸い付く。
ホオリはマヨリを見つめ、マヨリはホオリを見つめる。
そして、どちらからともなく唇が重ね合わされた。

奇妙な習慣だった。
陽の光、焚き火の灯りのもとではあれだけ反発しあう二人が、夜の闇の中ではお互いをさらけ出しあう。
まるで闇の帳の中でなら、互いの奉るオヤカミの目も届かぬとでもいうかのように。
わかりあうことへの恐怖が薄れ、ワタツヒトでもアマヒトでもないただの一つがいの男女になる。
そして、絶海の孤島にただ二人の孤独を慰め合うのである。
言葉は交わさない。ただ、肌と肌を重ねあう。それが暗黙の取り決めだった。
この島に漂着して間もない夜、寝静まったはずのマヨリが肩を震わせて嗚咽しているのを、
ホオリは何も言わず抱きしめた。それ以来一夜も空けず続いている、奇妙な習慣だった。

割り入ってきたホオリの舌に、マヨリは無我夢中でしゃぶりつく。
激しい動きで舌と舌を絡めあう。流れ込む唾液を、マヨリは音を立ててすすりこんだ。
ぴちゃぴちゃという水音と、時折切なげに鼻を鳴らす音だけが響いた。
二人は唇を重ねたまま、両足を絡め合う。
マヨリは自分の秘所をホオリの腿に押し付けるようにして、もどかしげに腰をくねらせた。
ホオリの腿に熱く濡れた粘膜の感触が走る。
マヨリが腰をくねらせる度、それはぬらぬらと粘液のあとを残してホオリの腿を這い回った。

――ぷはっ
長い長い口付けの後で、ようやくマヨリの唇が離れた。
篭っていた昂ぶりを解き放つように、長く熱い溜息がこぼれる。
マヨリは再びホオリにしがみついた。
背中に回した両腕にぎゅっと力がこもる。
ホオリはマヨリの激しい昂ぶりを鎮めるように、その腰まで届く長い髪に掌をすべらせる。
そしてマヨリの呼気が落ち着くと、ぽんぽん、と二度ほど、その後頭部を優しく叩いた。
口付けの余韻に身を縮こまらせていたマヨリが、それでようやく腕の力を抜く。
しなだれかかるようにホオリにその身を預けると、耳元に唇を寄せてかすれるように呟いた。
「ホオリ……」
マヨリの、少しだけ異なる発音で呼ばれた名は、ホオリの耳にひどく官能的に響いた。
今すぐ、この女を力の限りかき抱いて犯し尽くしたい。
湧き上がるそのほとんど暴力的な欲求を、
ホオリはあらん限りの自制心をかき集めて抑えねばならなかった。
476法螺貝の鳴り止まぬ島・別ver (4/6) ◆8czeHikF2E :2008/09/10(水) 20:19:31 ID:DDj7dPsj
もたれかかるマヨリの体を両腕で抱えながら、ホオリはゆっくりとマヨリを砂浜に横たえた。
「ホオリ、ホオリ」
マヨリはうわ言のようにホオリの名を呼びながら、彼を迎え入れようと脚を開く。
ホオリはその間に体を入れると、体重がかからぬよう肘を立てながら、徐々に体を重ね合わせた。
――ぴとり。
ホオリの、苦しいほどにいきり立った先端がマヨリの秘所に合わされる。
ぬらりとした愛液が先端に伝い、ホオリの背筋をぞくりとした快感が駆け抜けた。
切なげに見上げるマヨリの顔が、星明りに照らし出される。
眉は苦しそうに顰められ、その下で大きな瞳が揺れていた。
ホオリは自分自身を、焦らすように緩慢にマヨリに埋めてゆく。

「ん……んんん、ん……」
マヨリはたまらず喉を鳴らした。
じわじわともったいぶるような挿入のため、マヨリはそのすべてをはっきりと感じることができた。
期待の余り、自分の中が意図せずしてきゅうきゅうとホオリを締め付ける。
そうすると、ホオリが今自分のどのあたりまで来ているのか、その形まで知覚できるようだった。
常にない優しい動きは、かえってマヨリの心にもだし難い欲求を生み出す。
しかしホオリは浅く埋めたまま、突き上げも、抜き差しもせず止まってしまった。
「ホ……オ、リ」
ある高みにまで引き上げられた状態で、達することも冷めることもできない。
そんなもどかしさでマヨリはホオリの名を呼ぶ。

すると、ホオリの上体が動いた。
マヨリの中で抽送への期待が高まる。
しかし、ホオリはゆるく半身を起こすと、片腕に体重を預け、空いた片手でマヨリの胸に触れた。
失望が生まれる。しかし、ホオリの掌が乳房をこね始めると、歓喜がそれに取って代わった。
「んあっ、……あ、はあああっ」
胸を揉まれただけなのに、マヨリは声を漏らすほど感じていた。
ここ最近で急速に張りを増していた乳房は驚くほど敏感になっていたのである。
円を描くような動きがこそばゆい快感となって、昂ぶっていたマヨリの体を疼かせる。
ふと、動きが止まったかと思うと、ホオリの指が乳首を爪弾いた。
「あっ! あっ、あっ、やっ、んんん……んんんん!」
電撃のような快美が走る。
たまらず嬌声を上げたマヨリの首筋に、今度はホオリの舌が這わされた。
ねっとりとしたその動きに全身が総毛立つ。
二箇所からの責めにマヨリの体の芯がきゅうと収縮した。
すると、体内に咥え込んだ熱く硬いホオリの物をきつく締め付けることになる。
自分の中で脈動するホオリの存在感が、マヨリを打ちのめした。
「ああああっ、んんん、んあああああっ!」
気づけば、マヨリはあられもない声を張り上げていた。
477法螺貝の鳴り止まぬ島・別ver (5/6) ◆8czeHikF2E :2008/09/10(水) 20:20:01 ID:DDj7dPsj
「はあっ、……はあっ、……はあっ」
その後もホオリの愛撫は続いた。
中の物はぴくりとも動かさないまま、マヨリの体中に指を舌を這わせる。
激しいわけでもないその愛撫にマヨリは何度も小さく達した。
しかし、達しても達しても、快楽は突き抜けることなく身の内にわだかまり続ける。
マヨリは今や蕩けきっていた。
声すら上げられず、途切れ途切れに息を喘がせる。

一方で、ホオリももう限界であった。
直接の刺激は少ないから、肉体的にこらえることはできる。
しかし、夢中になってマヨリを鳴かせている内に、自分の興奮も極大に達し、
放つ直前で足踏みし続けるような不思議な高揚状態が続いていたのである。
耐え続けたせいで膨れ上がった射精欲求で心がはちきれそうだった。

――ぬぷり。
ホオリが動いた。
充血しきったマヨリの中はきゅうきゅうとホオリを締め付けたが、
溢れるほどに吐き出された愛液のため、ホオリのそれは窮屈な中をものともせずに滑り進む。
それはマヨリの浅い部分をゆっくりと擦り上げるだけの、なんということもない緩慢な動きだった。
しかし、二人は既に意識が焼き切れるほどの官能の限界に上り詰めていた。
ほんの身じろぎ一つで、ホオリは吸い込まれるような極上の快楽を感じた。
僅かな浅い抜き差しで、マヨリの中に骨抜きにされるような官能の渦が広がる。
「ホオリ! ああああっ! ホオリっ! うああああっ!」
マヨリは泣き叫んでいた。
もう駄目だった。体の芯を突き抜ける快感でわけがわからない。
これはお互いの欲求をぶつけ合って慰め合うような交わりとは質が違う。
自分は体の隅々まで愛され尽くされていた。
アマンビトの男に身も心も開ききっていた。
いや、そんなことはとっくにわかっていた。
だけど、もう、陽の光の下でもそれを偽れそうになかった。
――どくん
マヨリの中でホオリが脈打つ。
二人は同時に達していた。
そして、ホオリはこれまで何十回も自分を、自分だけを受け入れてきたそこに、
新たな精を注ぎ込んだのである。
478法螺貝の鳴り止まぬ島・別ver (6/6) ◆8czeHikF2E :2008/09/10(水) 20:21:07 ID:DDj7dPsj
* * *

翌朝、二人は再び断崖の上に立っていた。
ここまで互いに一言も発しなかった。
激しい情交のまま眠りに落ち、体を重ねたまま目覚める。
そして無言のまま連れ立って断崖へと上る。
それは奇妙な習慣だったが、これまで毎日繰り返されてきたことだった。

「ワレは漁に行く。今日はヌシの番だ」
銛を手にしたマヨリは、それだけ口にすると、ホオリに法螺貝を押し付けた。
これも何十回と繰り返されてきた光景だった。
ただ、今日はいつもよりもマヨリの顔が青褪めているように見える。

一日交代で法螺貝を鳴らす。そういう取り決めだった。
マヨリの番のとき、彼女は短く二度、長く一度、法螺貝を鳴らし、ワタツヒトの助けを呼ぶ。
助けがくれば、アマヒトのホオリは殺されるだろう。
ホオリの番のとき、彼は長く三度、法螺貝を鳴らし、アマヒトの助けを呼ぶ。
助けがくれば、ワタツヒトのマヨリは殺されるだろう。
この島では一日おきに異なる音色の法螺貝が鳴り続ける。
どちらかが死ぬその日まで。

ホオリは法螺貝を受け取った。
しばらく無言で手の中のそれを眺め回す。
そして、マヨリが止める間もなく、それを断崖から海に放り投げた。
「何をするっ!」
マヨリは叫んだ。怒声を張り上げ、ホオリに銛を突きつける。
しかし、その顔には今にも泣き出しそうな表情が浮かんでいた。
「なぜ……捨てた?」
怒っているのか泣いているのか、今にも嗚咽を漏らして崩れ落ちそうな表情のマヨリに、
ホオリは静かに答えた。
「俺はマヨリに生きて欲しい」
くしゃりとマヨリの顔が歪んだ。
ホオリは続けた。
「俺の子にも生きて欲しい」
乾いた音を立てて、銛が地面に転がった。
マヨリは天を振り仰いで泣いていた。
ツワモノの仮面を捨て、幼子のように声を張り上げて泣いていた。
ホオリは泣きじゃくる子をあやすように、マヨリをそっと抱きしめた。

絶海の孤島に新たな民が生まれた。
もう、島に法螺貝が鳴り響くことはない。

(おしまい)

注記:この物語は架空の時代の架空の生命体のお話です
   妊娠初期のセックスは避けましょう


慌しくてごめん
479名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 20:24:27 ID:bIv+JQmt
GJとしか言いようがない
480名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 20:44:47 ID:N3EmqoWd
職人さんはなぜこうも俺らの無理に答えてくれるのか・・・
481名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 20:51:31 ID:ZpThKAVj
やっべぇ…感動した!!超GJ!!
神作品拝めて幸せだー
ここの職人ほんとすごいね
482名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 00:51:50 ID:QAgRDKuE
はー……どっちもレヴェル高っけぇ。超GJ!!
その底無しの対応力に痺れざるをえないぜ。
良い話とか切ない話とか多いなー。いいよいいよー。
483名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 01:43:54 ID:oFC2CiuB
感謝感激雨あられ!
職人さんたちGJすぎるぜ!
484名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 16:17:48 ID:kphM40lb
職人さん達GJ!

ところで、このスレの住人さん達にいくつか質問したいんだ。

1.ダメなジャンルはある?
2.非エロおk?
3.長さはどれくらいがいい?

3に関しては期待しないでくだしあ。
初めての挑戦なモンでorz
485名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:16:26 ID:Q1+/r0nW
>>484
1.血とウンコ以外なら大概おk
2.全く問題ない
3.長ければ長いほどいい、但し未完は嫌だ
486名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 17:21:53 ID:QW1Ct1b4
>>484
俺はグロ、スカ、バッドエンドがなければなんでもおk
487名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:23:51 ID:nreq02k1
>>484
グロ・スカはNG
完結さえしてくれるなら長さは気にならない
488名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:49:48 ID:nctYZcbZ
>>485-487
おk。
時間はかかるけど完結してみせる。


んじゃ。毎度恒例(?)


489名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 20:52:26 ID:L5CwUvd0
490名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:25:19 ID:S2tVA7mV
491名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:30:02 ID:JEsqq7XV
492名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 21:31:29 ID:NZ9uY0TG
493名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:29:27 ID:/U7A4Wla
494名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:38:46 ID:3kHuUFIS
495名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:42:45 ID:5U8HXtys
496名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:53:30 ID:CyWXQkZS
497名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:57:11 ID:lBqJjGOA
498名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 23:59:47 ID:3kHuUFIS
まだ続くのかよ・・・
499名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:02:01 ID:nctYZcbZ
>>493でとめておけばよかったと激しく後悔
500名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:22:58 ID:KC4Cd4Bm
女の名前を柘榴で書けば問題ないんじゃね?
501名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 00:46:43 ID:FApWwWVl
>>500
がんばってみる
502名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 01:49:24 ID:FApWwWVl
だれにもGJもらえなくていい。
取り合えずと言えどもここまで書けた自分を誉めたい。

職人さんから見れば保守用にしか見えないだろうけどorz

投下しま
5031:2008/09/12(金) 02:17:25 ID:FApWwWVl
どこかでひぐらしが鳴いている。
もうすぐ夏が終わるのだろう。
彼女は今日も元気でいるだろうか。
元気でいてくれないと困るのだが。

そんなことを思いながら、俺は果実の手入れをしていた。
手入れといっても、水をまいて虫がついていないか簡単にチェックするだけだが。

「ん。もうすぐだな」
ひとりごちる。
スターフルーツは9月の上旬には実が熟す。
実が熟せば熟すほど黄色に変わる。

長かったと言えば長かった。
インターネットで調べてみたり。
専門雑誌を漁ってみたり。
得意なやつにアドバイスをもらったり。

小さな苗からはじめて、
もうすぐ食べられるまでに成長した。
彼女は喜んでくれるだろうか。

「・・・・・・と。時間か」
感慨に浸っていたら時間になってしまった。
「絵の具、画用紙、パレット、キャンパス……よし、準備完了」
必要なものを確認して、かばんに詰め込む。
俺のじゃない、彼女のだ。
「さて、行くか」
かばんを背負い、自転車にまたがって。
山の上にある病院を目指して走り出した。







「はぁ、はぁ、」

何の悪意があって山の上になど病院を建てたのか。
お年寄りが大変だろうに。
自転車から降りて走り出す。

「あと……もうすこし……」
病院は見えている。
目が悪いから彼女は見えないけど。
彼女の病室も確認できる。
……窓だけど。
もうすぐ終わるはずの夏も。最後のあがきなのか。
普段より気温が高い。
セミの鳴き声がうるさい。
5041:2008/09/12(金) 02:18:15 ID:FApWwWVl


『スターフルーツ?』
『ん』
『なにそれ?』
『果物』
『ふーん……食べたいのか?』
『願い事』
『願い事?スターフルーツに?』
『お星様』
『おま』
『……だめ?』
『……手術』
『?』
『手術はいつ?』
『わかんない』
『それを食べるのは?』
『わかんない』
『……わかった。その代わり時間かかるぞ』
『?』
『作ってして持ってきてやる。取れたてしんせん。誰も願ってないやつ』
『ん』
『そのかわり―――』
『ん』



ガキの頃に結んだ小さな約束。
自分でも律儀だなと思う。
そんな約束、すぐに忘れてしまえるのに。
たぶん、お願いをした本人も忘れているだろう。
5053:2008/09/12(金) 02:19:30 ID:FApWwWVl
昔のことを思い出しているうちに、病院にたどり着いた。
病院特有の、消毒液の香りが鼻についた。


503号室。
それが彼女の部屋。

コンコン。とノックをして

「はろー」
部屋のドアを開けた。

「……遅い」
彫りの深いはっきりとした顔立ち。
寝ていれば確実に『眠りの森の美女』と名付けられるだろう容姿。
十中八九美人と言われるだろう彼女―――柘榴は不機嫌だった。
俺の遅刻が原因だけどさ。
「わり。坂に負けた」
疑り深い目で見られている。
ホントだよ。あの坂がなければ2.3分は余裕だった。
「……絵の具」
「はいはい」
絵の具一式の入ったかばんを見せる
「彗」
「どした?」
「……屋上」
「屋上?」
「ん」
「マジ?」
「マジ」
「うぇ」
またあの地獄に戻るのか
「だって暑いだろ」
「雲」
「雲?なんかいいのあるのか?」
柘榴の視線から見えるよう顔を寄せる。
ガキの頃からやってきた動作だ。いまさら何言われようと……かな。
「クジラ」
腕を伸ばし大きい入道雲を指した。
「クジラか。確かにここからじゃ面倒か……」
「面倒」
「……日傘あるか?」
「ある」
「おk。車椅子借りてくるから待ってろ」
「ん」

柘榴の返事を聞きながら病室を出て、近くの看護師さんに車椅子を貸してもらった。

どうしてここまで出来るかって?
数学より簡単だ。
おれ―――星夜彗は樹柘榴のことが好きだからさ。
506名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 02:21:16 ID:FApWwWVl
たぶんつづきま
いつになるかはわからないけど
最低でも次スレまでには終わらせたいorz
507名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 08:03:06 ID:/5abn+y0
>>506
今書け! みなみけ! すぐに書け!
俺にパンツ脱いだまま待ってろというのか?
パンツ脱いだまま仕事にいっちゃうぞ? いいのかそれで? ああん
508名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 08:19:34 ID:zJi5DwlM
何か、おれたちに問題があるのか?
見苦しいかもしれんが

そのような態度にこそ問題があることになぜ気がつかぬのか?
真の全裸道とは、ただ正座し黙してお待ち申し上げるのみ
509名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 17:46:48 ID:Pc3sH6JL
おk、裸にネクタイで待ってる
510名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 21:09:09 ID:xBGFQdxX
おk。
おまいら大好き。
ちょっと執筆してくる。
511名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 22:30:02 ID:d6VXQ2i3
>>509
もちろん蝶ネクタイだよな
512毎度毎度「ほ」で始まるのも辛くね?:2008/09/12(金) 23:14:42 ID:SAk0JmPY
513それだと「続き期待」とか書きづらい:2008/09/12(金) 23:25:14 ID:Glqgs+Ki
514名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 23:25:24 ID:Dl5tkPyt
なるほど、柘榴をどうするかと思ったら人名に使ったかw
GJ!
515名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:17:33 ID:fw3oBlX5
待たせたな。

もうすぐ投下島
5164:2008/09/13(土) 00:31:06 ID:fw3oBlX5
「ガーネー」
「んー?」
「まーだーかー?」
「まーだぁ」

残暑?猛暑の間違いだ。

車椅子にキャンパスを載せて絵を描く柘榴
言い忘れたけどガーネットの和名が柘榴石なのな。
幼い頃に教えてもらった小さな秘密。
それ以来おれは柘榴をガーネと呼んでいる。

「すーいー」
「んー?」
「暑いー」
「ん、わり」

自己に埋没してたら日傘がズレたらしい。
あわてて角度修正。

「ガーネー」
「んー?」
「のど渇いた」
「んー……」
「はらへったー」
「んー……」
「飯の時間だー、帰るぞー」

屋上で過ごすこと約三時間。
階段を上る途中に発見したパイプ椅子を失敬した。
椅子に座りながら傘を差し続けているが、いい加減腕がつらい。
それに、これ以上居続けると看護師さんに怒られる。
517名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:37:13 ID:c5GI3Zd5
今回の投下終わり・・・?
5185:2008/09/13(土) 11:08:53 ID:na8/+OJS
すまね
回線が落ちたんだ。
今から続けて投下島
5195:2008/09/13(土) 11:11:35 ID:na8/+OJS
「ダメ」
「おま」
「クジラ……」

入道雲を眺めてみる。
クジラと判別しにくくなっている。

「形変わってるだろ……」
「ギリギリ」
「……あと5分だけな」
「んー」

普段表情を見せないガーネが少しだけ嬉しそうな顔をしていた。

(俺も安いな……)

心の中でため息をつきながら、空を見上げる。
入道雲以外は何にもない青い空。
吸い込まれそうな……とは誰が言ったのだろう。
今なら共感できると思った。

「すーいー」
「ん?」
「終わったー」
「うぃー。病室戻るか」
「ん」

ようやく終わったらしい。
パレットと筆を受け取り日傘を渡す。

「後でやるのか?」
「やるー」
「おk。」

ならしまう必要はないな。
絵の具一式は階段の近くにおいておけばいいか。

「ちょっと待ってろなー」
「ん」

いつもと変わらない会話。
いつまでも変わらない会話。
彼女はこの日常をどう思うのだろうか。
5205:2008/09/13(土) 11:12:15 ID:na8/+OJS
半身不随
彼女の足はもう動かない。
小学校の頃、車にはねられて病院に運ばれた。
脳出血とわかり、緊急手術が行われた。
必ず快復する。
そんな思いは3時間後に裏切られた。
「残念ですが……快復の見込みはありません」
ドアが少し開いていた診察室から聞こえた嗚咽。
彼女の母親が泣いていた。
柘榴の病室を知らなかった俺は、母親から聞こうと思っていた。
看護師さんから診察室にいると聞いた。


そこから先の記憶はない。
ショックだったのだろう。
気がついたら彼女の隣のベッドで寝ていた。

彼女はまだ目覚めていなかった。
ベッドから飛び降り、そっと彼女の近くによる。

彼女の右手を両手でそっと包んだ。
涙があふれてきた。

病室にいるのはおれと彼女だけだった。
声を殺して泣いた。


それから俺が泣いた記憶はない。
いや、泣く資格などないのだ。

だって彼女が事故にあったのは―――
5217:2008/09/13(土) 11:12:58 ID:na8/+OJS
「彗?」
「ん?ああ、わり。ぼーっとしてた」
「……今日の彗、なんか変」

表情には出さないが、俺を心配しているのだろう。

「いつもどおりだ」
「……ん」
「おま。否定してくれよ」

苦笑交じりに言った。

「いつもどおりだ」
「…鸚鵡返しか」
「ん。おなかすいた」
「おk。戻るか」

階段の近くまで車椅子を押して。

「ほれ、乗っかれ」
「ん」

こっから先はおんぶだ。

「ん。よいしょ」
「……じじくさ」
「よぉばぁさんや。飯はまだかね」
「……」
「いて!こら。なぐんな」
「知らない」

自分から振ったくせに、機嫌を損ねたらしい。
面倒な性格だ。


「彗」
「ん?」
「……ごめんね」
「…気にするな。いつもどおりだ」
「……ん」

きっとなんでぼーっとしたのかわかったのだろう。

「しっかりつかまれ」
「ん」

気を振り払うように階段をおりた。
5227:2008/09/13(土) 11:20:18 ID:na8/+OJS
とりまこれだけ。
また書いてきま。
ちまちま書いて申し訳ないorz

他の職人さん達と比べると風景描写が……orz
523名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 12:15:28 ID:rwiMXGGu
えー
いいよいいよー
早く続き読みてー
524名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 12:52:57 ID:3QjPaP4l
両親の仕事の都合で一人暮らしをしている男がいる。
その男が風邪で寝込んだのを知り、看病しに行った幼なじみ(女)。そしてその日は看病してるうちに寝てしまう。
次の日、男の風邪はよくなり、自宅に帰る幼なじみ。だが、両親がいるはずの自宅の鍵は閉まっていて、携帯や自分の鍵は家の中のため、鍵を開けることも連絡をとることもできなかった。
涙目で男の家に帰り、男に事情を説明する幼なじみ。
そして二人きりの生活が始まる。

こんな電波を受信したのだが、文才がないのでこのスレの職人様に書いてほしい。
ちなみに俺の頭の中では、幼なじみは捨てられたという設定ではない
525名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 13:14:31 ID:xCLnSGDP
↑おっけーい。まかせろ。30分待て。
526有紀と亜子:2008/09/13(土) 13:50:05 ID:xCLnSGDP
「げっほ、げっほ……参ったな、熱が下がらないや」
 病院で薬をもらい、水分をたくさんとって、休養。
 これ以上なく体を休ませているわけだが、有紀はまだ回復に至らなかった。
「ったく、こんなときに両親でもいてくれたらな」
 有紀の両親はとっくのまえに亡くなっていた。戦争によるものだった。
 ピンポーン。
 突如、誰かの来訪を告げる音が鳴った。
 有紀は知っている。それが新聞の集金か、セールスか。だけどもっとも可能性の高いものは……
「有紀さーん。いますかあー」
 亜子だった。彼女とはもう生まれたころからずっとのお隣さんだった。いわば幼じみというやつだ。
 彼女もまた両親はいないと聞いているので、有紀はより感慨深い共感を抱いていた。
「おお、亜子、また遊びにきたのか?」
「いえ、今日は、その、あの、有紀さんがさっき病院に行っているのを見て、お体大丈夫かなっておもって来たんですけど……」
 亜子はこのような人だった。
 思いやりのある慈悲深い性格。
 有紀はそんな彼女のやさしさをしっているので、丁寧にお礼を言った。
「あ、やっぱり具合が悪そうですね。私はお邪魔でしたかしら」
「ん? いやそんなことないよ。来てくれただけでも元気がでたよ」
「そうですか、そういってくれてうれしいです」
 亜子はにこっと笑った。
 彼女は有紀がまだお昼を取っていないことを知り、手作りの料理を振る舞ってくれた。
 ひととおり食べ終わると部屋の中を簡単に掃除をして、看病も定期的に見てくれた。
 そして、
「なにかあったらまた呼んでくださいね」
 といって帰っていった。
 二分後……
「カギがなーい!」
 亜子はどうやらカギをなくして家に入れないようだった。
 そう彼女はドジっ娘だったのだ。(×)
 そう彼女はもう半分ぼけていたのだ。(○)
 これでは生活もままならないなとおもった有紀は、来年七十になる亜子に結婚を申し込んだ。
 亜子は顔のしわをめいいっぱい伸ばして、笑った。


 後悔はしていない。反省もしていない。むしゃくしゃしてやっつけおっつけしたかっただけなんだ!
527名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 13:54:08 ID:3QjPaP4l
ちょwwwwwwwworz
528名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 15:20:45 ID:H/mgpUGU
執筆中に浮かんだ子ネタ投下。


「ガーネー」
「んー?」
「大好きだー」
「んー……」
「愛しているんだー」
「んー……」
「……反応しない?」
「しない」
「 (´・ω・`) 」

空を見上げる。
吸い込まれそうなくらい青い空だった。
声を殺して泣いた。





樹海ドコー?orz
529名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 15:28:23 ID:H/mgpUGU
>>509
亀だが、靴下はいといてくれ。
あと、パピヨンマスクは必須な。
530名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 15:49:27 ID:ezt/u9Hp
>>526
い い ぞ も っ と や れ
531名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 18:25:45 ID:xCLnSGDP
なあ、おまいら過去のウィキ作品の中で何が好きだった?
その中にもし俺の作品があったら、続編作るよ
532名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 19:45:29 ID:c5GI3Zd5
La-Piece〜ラピエス〜かな?
wiki見返してみたが長編は未完が多いな・・・

>>531氏の書いたもので、未完ものがあれば、完結させて頂きたいです
533名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:11:31 ID:3QjPaP4l
延々と〜・魔窟・総武
この三つは好きだし、完結してほしい
このスレの職人はスゴウデが多いから、どの作品も好きだがwww
534名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:18:54 ID:3b7CvgdN
おk

期待してる
535名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:26:54 ID:s2S2kXBr
過去ってほど過去でもないが、ほしのうたひめは衝撃だった
今読み返してもジェバンニぶりと完成度がすげえ
一文字書き込んだ俺としては、アレから物語ができたっつーのがとんでもなく嬉しかったな
536名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 21:45:35 ID:xCLnSGDP
>>535
ほしのうたひめ すげえww
五時間であの速筆っぷりは俺にはとんとむりじゃ
537名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 22:48:49 ID:eLP0j1yb
その前に完結できるのがすごいと言うか……
どうしようか。
ここまでは浮かんできたのに先が浮かばないorz

職人さんたちはこうゆう時どうするのか……
538名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 23:23:39 ID:eLP0j1yb
連投スマソ。

誰がいるのかわからないけど。
質問したいんだ。

視点を変えるのってあり?
539名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 23:30:30 ID:krM8W4Tv
540名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:12:37 ID:Z/DcnziZ
個人的意見だが、同シリーズ別話ならおk、同じ話でやるのはあんまり好きじゃない。
541名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 00:48:07 ID:/XkmuHYz
>>538
無問題
542名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 02:25:49 ID:AnoXDPO0
>>540
ありがとう。ちょっと見てくる

>>540-541
おk。
いやな人もいるからがんばって同一視点で書きま。
543名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 16:09:33 ID:ePk7na4u
柘榴
今日の9−10時過ぎにはうp予定です。
バイトあるので行ってきま。
544名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:33:36 ID:gaDbzLvv
>>543
もうそろそろかな?
バイト乙でした
待ってるよー
545名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:47:28 ID:rj9RNSYE
お待たせしますた。
投下島
546名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:48:35 ID:rj9RNSYE
「ご馳走様でした」
「ご馳走様でした」

おれはコンビニおにぎり。
彼女は病院食。

休みの日は二人一緒に病室で食べるのが通例になっている。
かといって、食事中に喋ることはない。
どちらもよく喋るほうではないし、彼女のほうは基本やることが決まっている。
俺の学校生活はソロであることが多い。
昼飯は屋上で静かに、休み時間と授業中は睡眠。
前者はともかく後者は病気のためだ。

ナルコレプシーを知っているだろうか?
睡眠障害の一種で『居眠り病』『過眠症』などと言われている病気の一種だ。
この病気は時間場所問わず眠気の発作に襲われる。

ナルコレプシーにかかったのは、たぶん事故があったあの日以降から。
精神または神経の異状による病気。

精神系の病にやられるのは道理と言うか必然と言うか。
547名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:49:48 ID:rj9RNSYE

「彗」
「ん?」
「あれ」

彼女は窓から見える空を指した。
さっきまで入道雲しかなかった空がだんだん暗くなっていく。

「雨か」
「雨だ」
「絵の具そのまんまにしなくてよかった」
「よかった」

絵の具じゃなくて紙だが。

「とりあえず持ってくる」
「ん」
「ついでだからなんか買ってくる。なんか欲しい物あるか?」
「……ジャンプ」
「りょーかい」

おにぎりの包みを袋に入れて。病室を出る。
まずは屋上へ絵の具一式を回収しに。
548名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:50:28 ID:rj9RNSYE
病室を出たとたん。

「ふぁ〜・・・」

あくびが出た。
発作だ。過眠症の。

動いている間はどうにでもなる。
ガキの頃から培ってきた結論。
椅子に座るなり止まるなりしたとたんに眠気に勝てなくなる。

「はやく終わらして寝るかな」

食後に薬を飲んだが、遅効性だ。
ここで来るとは踏んでいなかった。


階段を上り、屋上を目指す。
絵の具一式を丁寧にしまい、次は購買へ。

歩いていても眠気は治まらない。
寝ないだけだ。眠くなくなるわけじゃない。

ジャンプを買って病室へ向かう。
外は見なかった。ぶっちゃけ気付かなかった。
雨はもう降り出していた。
549名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:51:07 ID:rj9RNSYE


「ただいま」
「おかえり。遅い」
「おま。絵の具片付けてたんだって」
「……ん」
「ほら、機嫌悪くするなって。ジャンプ買ってきたから」
「……ん」

ジャンプが入っている袋を渡し、ベッドに腰掛ける。
長くて細くて癖のない髪。くしゃくしゃになるように頭をなでた後、
手櫛で綺麗に整えるのが好きでさ。

「……」

彼女も嫌がらない。
まぁ、向こうがやってくれって言ったんだし。

「ガーネ」
「んー?」
「少し寝る。雨が止むか5時になったら起こしてくれ」
「りょーかい。彗」
「んー?」
「こっち」


腕を使って体をずらし、ベッドを半分ほど空ける柘榴。
550名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:52:38 ID:rj9RNSYE
「おま、いいって」
「ダメ。風邪引く」

ガキの頃はよくやってたけど、今はちょっと……

「あれこれ考えない」
「……すまね」
「気にしたら負け……膝枕する?」
「流石に……それは」
「……ん」

靴を脱いでベッドに入る。
彼女のぬくもりが落ち着かなくなると思っていたけど。
逆にすごく安心する。


眠くなったらすぐに家に帰る。
それが基本だった。
天気予報は毎朝確認してるから、傘が必要な日もわかってるつもりだった。
今回は外れたらしい。

外れてもそんなに酷い雨じゃないから自転車を走らせて帰ってしまう。
だが、いまさら気付いた。

嵐だ。


豪雨ですね。わかります……じゃなくて。

「あーあー……帰れるかな」
「お泊り?」
「それは無い……たぶん」

まぁ、眠け限界。

「んじゃ、よろしく」
「ん。おやすみ」
「おやすみ」


限界だったらしい。
彼女に返事をした後、俺はすぐに意識の闇に落ちた。
551名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 21:53:33 ID:rj9RNSYE
とりまこれだけ。
続き執筆してきま。
552名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 22:57:01 ID:CANHbpf0
更新が多くてすばらしい
しかし二人の関係が良いなァ
553名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 23:45:07 ID:gaDbzLvv
うん、すごく好き
二人の情景が思い浮かぶよ
ゆっくりでもいいから最後まで待ってるね
乙でした
554名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 00:10:56 ID:IU0WVd5h
>>522-523
あともうすこしでうp出来そうな予感。
人に誉められるって久しいな……
555名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:14:42 ID:xgmPAaRZ
こうして>>554は伝説の職人の一人になるのであった
556名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:21:49 ID:IU0WVd5h
うそだぁ。

とりま投下島。
557名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:22:43 ID:IU0WVd5h
「柘……ガーネー。まーだー?」
「もうちょっと待ってー!」
「早くー」


今日はみんなと近くの公園で遊ぶんだ。
でも、ザクロ…じゃなくてガーネのじゅんびがおそい。

「早くしないとザクちゃんって呼ぶぞー」
「やだぁ!」
「早くー」

ガーネは本名なのにザクロってよぶのがキライなんだ。
ほんにんは、
「だってザクロは苦いんだよ?果物なのに。苦いんだよ?」
って言ってた。

「お待たせ!」
「おーそー……」
「?」

ビックリした。
普段はズボンとか男の子っぽいものしか着ないガーネが。
ワンピース着てる。
ものすごくお姫様みたいで……

「すいちゃん?」
「うわ!」
「どうしたの?」
「な、なんでもない!」
「……変なの」

お顔が熱い。
だって、仕方ないよ。

今のガーネ。
ものすごくかわいいんだもん。
558名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:24:23 ID:IU0WVd5h
「は、早く行こう!みんなが怒っちゃう!」
「うん!」

ガーネと手をつなぎ、公園に向かって走り出した。


公園までもう少しのところに、悪の大魔王がある。
こいつは、もうすぐのところで行く手をふさぐ悪いやつだ。
その名は赤信号。俺のテンテキだ。
この前ガーネに言ったら笑われた。

「むぅ、魔王め」
「仕方ないよ。それに魔王って言うのやめない?」


ガーネの言葉をムシして、いつまでたっても青にならない信号をにらむ。
こうなったら!

「だーっしゅ!」
「あ!」

車は通ってなかったし一気にわたってしまう。
いつもやってることだし今日も大丈夫。


「ほら、ガーネも早く!」
「えぇ!?でもお母さんが赤の時はわたっちゃいけないって」
「早くしないとおいて行っちゃうぞー?」
「でもー……」
「大丈夫だって、車通ってないから。」
「……よーし!」

深呼吸するガーネ。
そこまで気合入れなくてもいいのに。

「えーい!」

ガーネが走ってこっちにきた。





信号の先にはカーブがあって、昼間は車どおりが少ない。
丁度この先もカーブが続き、規制がなかった頃は、走り屋のスポットだった。
走り屋が悪いのか、俺達が悪いのか。
どっちも悪かったのだろう。
スポーツカーがカーブを走ってきて……


彼女を撥ねた。
559名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:25:45 ID:IU0WVd5h
とりまここまで
ペースがだんだん下がってきた。
でももうすぐ終わる予定。
スターフルーツ忘れてたよorz
560名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 01:34:48 ID:Eqxmz68n
走り屋死ね
561名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 02:06:21 ID:PAJNEBUR
なんだろう
この喋り方をする女の子には物凄くデジャヴを感じる
562名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 02:25:33 ID:v7BgfWU4
ゆっくりでもいい
俺らは常に待っている!
563名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 02:27:27 ID:IU0WVd5h
あー……
さっき言ったことと真逆で申し訳ないが。
なんかものすごく調子がいい。
今日明日中には完結する予感。
564名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 02:59:37 ID:IU0WVd5h
またせた!
もうすぐラストを投下する!
565名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:21:19 ID:xgmPAaRZ
よっしゃ パンツを脱いで待っていよう

あれ? 蝶結びのネクタイがない
566名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:24:11 ID:IU0WVd5h
うし、完了。
今から投下島。
あとすまんが、










濡れ場は寸止めだ。
567名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:24:55 ID:IU0WVd5h
目を開けると、視界が歪んでいた。
泣いていたんだと気づくのに時間はかからなかった。
俺に泣く資格など無いのに……

子供の頃は毎日のように見ていた夢。
もう飛び起きたりしなくなってしまった。
慣れたのか。擦れてしまったのか。
きっと、どっちもなのだろう。


体を起こそうと思ったが起きられなかった。
彼女が抱きついていたから。

「夢を見たの?」
「……ああ」
「あの日の?」
「……ああ」

腕で涙をぬぐうが、あふれる涙は止まらなかった。

「俺があの時お前を急かさなかったら……」
「そうだねー」
「俺があの時ちゃんと信号を待っていたら……」
「そうだねー」
「……ガーネ」
「んー?」
「お前は、俺を恨んでいるか?」
「んーん」

彼女を見る。
彼女も泣いていた。

「何故?」
「だって……」

彼女は泣いていながらも、向日葵のような笑顔で言った。
568名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:25:40 ID:IU0WVd5h
「すいは、いつも一緒にいてくれた」
「……」
「自分の用事があっても、私を優先してくれた」
「……」
「いつだって私を一番に考えてくれた」
「……」
「すい」

彼女の腕に、力がこもる。

「私はね、すいが好き」
「!……」
「あの事故の前から好きだった」
「……」
「私が行きたい場所は、無理してでも連れて行ってくれた」
「……」
「だから、私の足で心を痛めないで」
「……ガーネ」
「んー?」
「俺は……お前のことが好きでいていいのか?」
「違うよ」

顔が真っ赤に、涙を流しながら、それでも向日葵のような笑顔を絶やさず。
彼女はこう言った。


「ずーっと、私のことを好きでいてほしい」

俺もきっと、顔が真っ赤のはずだ。
顔が熱い。きっと顔は茹でダコになっている。
569名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:26:56 ID:IU0WVd5h
「……ガーネ」
「んー?」
「キス……していいか?」
「ダメ」
「……」
「ちゃんと告白してくれなきゃダメ」
「…ガーネ」
「んー?」
「お前のことを……愛している」
「ん」

そっと、自分の唇を彼女の唇に乗せた。
そっと、彼女を抱きしめた。

「ファーストキスだ」
「俺もだ」
「……すい」
「ん?」
「セックス……してくれる?」
「やだ」
「……」
「こうゆうのは、男から言わせろよ。俺の立つ瀬がないだろ」
「そっか」

二人で小さく笑う。

「ガーネ」
「んー?」
「……お前とセックスしたい」
「ん……来て」


俺は、彼女の中に埋もれていった。






事がすんだ後、顔を合わせるのが恥ずかしかった。
でもそれは俺だけだったらしくて。
彼女はいつもどおり振舞っていた。
さらにいうと彼女は大胆になった。
570名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:27:43 ID:IU0WVd5h
「はろー」
「んー」
「今日も屋上か?」
「ん。でもその前に」

彼女は目をつぶる。
俺は彼女に近寄り、唇を重ねた。

「……なんか慣れないな」
「新婚気分?」
「まだ結婚して無いだろ。それにどちらかといえばバカップル状態だ」
「だねー」
「だな」
「ん。すいー」
「んー?」
「結婚してくれる?」

派手にこけた。
今このタイミングで言われるとは思わなかった。

「おま……あーもう!」
「?」
「俺の立つ瀬が……」
「最初から」
「……」

ため息を一つついて、
ポケットから小さな箱をとりだし、彼女に渡す。

「ほれ」
「?」
「あけてみろって」

俺って赤面症かな。
すぐ赤くなる。
でもしょうがないと踏んでみる。

「彗……」

中から出たのは、婚約指輪。
何の飾りも無い、シルバーリング。

「樹柘榴さん」
「……はい」
「一生……傍にいていただけませんか?」
「……星夜彗さん」
「……はい」
「貴方となら……どこまでも」


彼女に渡した小箱の中から指輪をとって、
差し出された彼女の薬指にはめた。

「……泣くなよ」
「だって……」
「あーもう」

ベッドに座っていた彼女を抱きしめて、唇をふさいだ。
571名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:29:00 ID:IU0WVd5h



「ガーネ」
「んー?」

後ろ手に持っていた紙袋から、お星様を取り出す。

「スターフルーツ?」
「そそ。結構がんばったんだぞ」
「……覚えていて、くれたんだ」
「あたりまえだ。好きなやつの約束は忘れないぞ」
「……うそだぁ」
「ちょ」
「だって、忘れてる」
「……なにを?」
「絵」
「絵?」
「絵」

……あ
確かに忘れてた。

『……わかった。その代わり時間かかるぞ』
『?』
『作ってして持ってきてやる。取れたてしんせん。誰も願ってないやつ』
『ん』
『そのかわり、絵を描いてくれ』
『絵?』
『絵。お前の描いた絵、好きなんだよ』
『ん』

忘れてたのは俺だけか。

「……ガーネ」
「んー?」
「樹海行ってくる」
「ダメ」
「情けないな、俺」
「そうだねー」
「否定してくれたって」
「……するところが無い」

ちょっと視界が歪んだ。


572名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:29:57 ID:IU0WVd5h


きっと、これからもずっとこんな調子で日常は流れていくのだろう。
途中で挫折を経験したりもするだろう。
喧嘩だって多々あるはずだ。



それでも。



彼女と一緒なら、どんな事だって乗り越えていける。
そんな気がする。


さて、まずはだ。


「とりあえず、絵の具一式と果物もって、屋上に行くか」
「ん」


ガキの頃に結んだ小さな約束を、
叶えに行くとしましょうか。


〜fin〜
573名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:32:36 ID:IU0WVd5h
初めての完結をありがとう。
このスレだからこそ出来た気がする。
目汚しにしかならないだろうけど。

とりま今日は寝るぜ。


このスレと、その住人達に幸あれ。
574名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 03:58:11 ID:n0KmtiO/
クソッ、何でこのスレの人はこんなにレベルが高いんだ!
超乙。
575名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 06:17:31 ID:xgmPAaRZ
>>573
ちょーGJ
新作期待してんぜ
576名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 11:13:34 ID:88abLKjd
>>573
GJ!温かい作品ありがとう
独特の雰囲気があってすごく良かったよ
次もあったら期待して待ってる
577名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 12:44:32 ID:LsYUQnvO
>>573
GJ
夜遅くによくがんばった!!
578名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 12:56:45 ID:HdFBRUzZ
柘榴

まさかこんなにいい反応がもらえるとは思わなかった;・w・
とりま休憩、ちょっと頭が痛いのです。
579名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 15:52:41 ID:HdFBRUzZ
柘榴

のんきにたばこ吸ってたら歪んでしまった。

誰かあの事故の真相を知りたい人間はいるだろうか。

注 シリアス ダーク 1ページ分

バイト終わったら+読みたい人間がいたら書きま。
580名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 16:46:40 ID:xgmPAaRZ
ああ、なんか即興で書きたくなってきた

だれか「タイトル」と「物語設定」と「男のスペック」と「女のスペック」を書き込んでくれ
レスくれてから10分以内にSS書いてやんよ↓
581名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 16:57:51 ID:224cq5Pv
タイトル:>>580にお任せします。
物語設定:ライダーとヒッチハイカー
男のスペック:バイク・ねらー
女のスペック:クーデレ

こんなもんで良いかい?
582580にお任せします:2008/09/15(月) 17:21:06 ID:xgmPAaRZ
 工藤は動けるインドア派だ。
 今日も2ちゃんをやりながら、それに飽きると外へと飛び出す。
 と、いってもバイクを使って片道5分のコンビニに行くだけだが……
「あれ? 誰かいるぞ?」
 コンビニに行こうとしている工藤が見たのは、セミロングの少女だった。
 大学生の工藤より一回りぐらい若い。
 その女の子は画用紙のようなものを掲げていた。
「なんだろ? ヒッチハイクかな?」 
 工藤はなおも前進する。
 そして、その画用紙には<758>と書かれているのがわかった。
 工藤は女の子の意図がわからなかった。
 一思案をして、それが彼女の現在の所持金かなと思ってみたりした。
 彼はその女の子に近づき、
「お金持っていないの?」
 と聞いてみた。
 女の子は無愛想な表情で、
「うん……だからヒッチハイクをしている」
 と答えた。
 工藤はすぐ目の前に私鉄の列車があることに気づいて、その駅まで案内した。
「あ、758円だったらけっこういいところまでいけるよ」
「いや……違う……」
「ほら、お金出して」
 工藤は少女から無理やり財布を奪い、そのなかから580円分の切符を買った。
「580にお任せします」
 工藤は少女に切符を渡し、にこやかに笑ってその場を去った。
「いいことをしたなあ」
 呆然と切符をにぎりしめる少女を置き去りにして、工藤はコンビニで100円ウーロン茶でも買おうかと思った。
 だって俺金ないもん。

ごめん つまんね 失敗した感がある とりあえず工藤なんか死んでしまえ
583名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 18:10:22 ID:224cq5Pv
>>582
乙。って、工藤ww
584名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 18:46:03 ID:88abLKjd
>>579
是非読みたい

>>580
乙www
585名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 21:28:07 ID:pCgXFcHP
柘榴

>>584
がんばって執筆中。
10時前にはうp出来そうな予感。

ってか明日は入社試験。
5時起きだから10時までに仕上げないと\(^q^)/
586名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 21:52:52 ID:pCgXFcHP
柘榴

書き終わったからうpしま。

他の作品と比べて(たぶん)感覚的に重たいものとなってしまった……orz

あの形で終わらせたい方はスルー推奨。
真実を知りたい方は読んでくだしあ。
587ほしふるーつとざくろ True:2008/09/15(月) 21:53:52 ID:pCgXFcHP
きっと彼は、あの事故が自分のせいだと思っているのだろう。

だが本当は違うのだ。






事故があったあの日を、私は昨日のように覚えている。


天敵赤信号などと言った彼を馬鹿にするように、
私は赤信号の横断歩道を三分の二くらいで止まっていた。


「ガーネ!危ないから戻ってきてよ!」
「やだー。」

彼の心配をよそに、私は笑っていた。

「ガーネ!」
「もう……わかったー」

よほど私を心配してくれたのだろう。
彼の叫び声が怒鳴り声へと変わった。

ゆっくり歩いて彼の元に戻る。




信号の先にはカーブがあって、昼間は車どおりが少ない。
丁度この先もカーブが続き、規制がなかった頃は、走り屋のスポットだった。
走り屋が悪いのか、俺達が悪いのか。
どっちも悪かったのだろう。
スポーツカーがカーブを走ってきて……




私を撥ねた。
588ほしふるーつとざくろ True:2008/09/15(月) 21:55:04 ID:pCgXFcHP
人はショックで記憶が混乱することがある。
脳の防衛機能のひとつだ。


彼は事故の記憶が消失していた。
無理やり思い出そうとして、脳が記憶を捏造してしまったのだろう。
そしてそれが瑕となってしまっている。





事故があって二日後、私は目を覚ました。
誰もいない、知らない場所。

言いようの無い不安に襲われて、病室から抜け出そうとして。





ようやく、私の足が動かないことに気づいた。

半狂乱だった。
自分の足が動かない。
怖かった。


看護師さんに取り押さえられ、鎮静剤を打たれた。


次に起きた時、私はすべてを知った。

腰から下は一生動かないこと。
あの事故は彼のせいになっていたこと。
そして、私の家はこの病室になったこと。


私はもう一度、気を失った。
589ほしふるーつとざくろ True:2008/09/15(月) 21:55:46 ID:pCgXFcHP
おきたのはその日の夕方。
右手が動かないと思ったら、彼の両手で包まれていた。
泣き疲れて寝てしまったのだろう。
それでも彼の口から
「ごめん……ガーネ……俺のせいで」




そう聞こえた。



「ごめんなさい……すい……私のせいで……」




私は声を殺して泣いた。







きっと彼は、その記憶とトラウマを胸に刻んで生きていくのだろう。
そんな彼の瑕を、私は癒すことが出来ない。

私は臆病者だ。
そんな瑕がなくても彼は私の隣にいてくれる。
それでも私は怖いのだ。

その記憶が無ければ、彼は何処かへ行ってしまう。
そんな気がしてならない。
私は不安でたまらないのだ。



彼がその瑕を抱いて生きていくように、
私も自己嫌悪と罪悪感を胸に刻んで生きていくのだろう。



神様、どうかお赦しください。
それでも私は、彼を愛しているのです。



ほしふるーつとざくろ

〜True end〜
590名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 23:18:18 ID:4Hc/RcNO
なんかせつねえ。
だがそこがGJ!
591名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 00:05:48 ID:+cn5nFny
まじで泣いた
GJ!!!
592名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 19:21:24 ID:UwZoniHW
就活から帰ってきますた。
たぶん落ちた\(^q^)/
気晴らしに何か書こうと思うんだ。


593名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 19:53:06 ID:vmhr8yTD
594名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:00:23 ID:PaYmOG1v
595名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:27:37 ID:JS450jCq
書きたいなら好きなもん書けばいいんじゃね?
596名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:38:27 ID:UwZoniHW
>>595
確かにその方が早いけど。
病院ネタしか思いつかない\(^q^)/
病院ネタにするにしても
テーマが無いと書けないorz
597名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:51:40 ID:JS450jCq
>>596
がんばれ

あと過疎ってもないのに縦ネタ振るのやめれ
気使って縦ネタ終わるまで待ってる職人さんとか居たら気の毒だしな
あれはもっと半端なく過疎ってるときに許されるお遊びであって連発するもんでもないと思うんだ
598名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:55:44 ID:ot2nQoC3
599名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 21:15:18 ID:UwZoniHW
>>597
すまなかった。
途中で縦ネタが増えたから定番になったと思ってたよorz
600名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 21:19:01 ID:vmhr8yTD
>>599
とりあえず自分で振った「ほたい」で何か書いて投下するんだ。
女の子と二人きり、かつ、保健体育的な何かを。
601名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 21:22:00 ID:UwZoniHW
>>600
おk

閉じ込めは王道だよな?
602名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 21:24:23 ID:ifZt+B37
包帯でぐるぐる巻きにされて、看護婦さんと2人きりってのはどうだろう?
603名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 21:26:20 ID:UwZoniHW
>>602
その発想は無かったわw
今必死になって学校ネタをひねってたよ
604冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/18(木) 11:43:15 ID:RK4nF5hh
 サン・ミシェル女学院といったら、本国フランスはおろか、欧州中に知れ渡っているハイスクールの一つ。
 貴族の子孫も大勢ここで学ぶ。いわばお嬢様学院。
 ここで五年間すごした私は、その名前を口に出しただけで、
驚き、喝采し、そして敬服する周りの人たちに対してすっかり謙遜する素振りを身につけてしまったけど、まあ、悪い気はしないわ。
 ここに通っている私でも、実際すごいと思うのよ。
 例えば今回の旅行とかね。
 修学旅行といった大層なものではないけど、社会科の授業の一環として、ジャポンへの学習旅行。
 テーマはアジア経済の発展について。
 とはいっても、私の友人、そして教師すらさらさら、勉強を教えあうといった雰囲気は感じられない。
「さあ、みんなで遊びに行きますわよ」
「ウィー」
 というような感覚ね。

 そんな私も正直、アジア経済なんかどうだっていいの。
 世界第二位の経済大国だか、自動車の輸出大国だか知らないけど、
そんなことを暗記するよりも、ほら……なんだっけ?
 友達が踊って私に見せつけていた、ハヒルだっけ? アヒルだっけ?
 ああ、そうそうアヒルダンスを歌いながら踊り、
もしくは、それに関わるアニメーション談義を聞いていたほうが、よっぽどジャポンの勉強になるわ。
605冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/18(木) 11:44:26 ID:RK4nF5hh
 パリ東京間の飛行機の中では、けっこう退屈なく過ごせた。
 まあエアフランスを一機まるごと借り切っているもんね。
 普段のおしとやかな雰囲気はどこへやら。
 迷惑をかける相手のいない私たちは、女子高生らしくキャイキャイ談笑している内に、あっという間に東京に着いた。

 うんうん。ここの国は面白いわ。
 まずそうね〜、第一印象といったら、結構な割合で日本人がマスクをしていたことかな?
 ゴーグルを身につけている人もたね。
 でも決して大気汚染が激しいってわけではないわよ。
 春真っ盛りの新鮮な空気を思いっきり吸い込んだら良いのに。環境に敏感なのだろうか?
 あとはね、アキハバラに行ったときのこと。
 日本語読めないから、何をいっているかわからないけど、
 普通の看板広告が、アニメーションから飛び出してきたようなキャラクターでそれはもう大勢。
 ティッシュを配るメイドさんもたくさんいたわ。
 私たちとそんなに年、変わらないんじゃないかな。
 今学校ある時間だと思うんだけど、どうなっているのよ?
 友達は、
「むえ〜♪ むえ〜♪」
 とかいって写真を撮りながら喜んでいるし。

 ようやく授業らしい授業といったら、自動車の組み立て工場の見学。
 車体にドアが取り付けられる瞬間を狙って、
「ウィーン……ベルン! ウィーン……ベルン!」
 って言ったら、みんなが笑ってくれたわ。
 だってそう聞こえたのもの。
 私の高等すぎるギャグを分かってくれるクラスメートに感謝をし、
 次に向かったのは、魚加工工場。
606冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/18(木) 11:46:06 ID:RK4nF5hh
 魚といったらあれね。
 隣国イギリスの唯一の名産フィッシュアンドチップ。
 マクドナルドのフィレオフィッシュにはさまっているやつよ。
 食事に関しては<天国の料理人>と<地獄の料理人>。
 そんな風に揶揄されている仏英だけど、同じ島国のジャポンも、地獄のほうに入るのかしら。

「はーい、いまからここの加工工場に入りまーす。皆さん、ホッカイロは買ったかしら?」
「えー? なんでホッカイロが必要なんですか、先生?」
「ホッカイロは冗談だけどね。とっても寒いところに入るからだわ。覚悟しておいてね」
「寒いって、どのぐらい?」
「そうね〜。真冬の吹雪の中、エッフェル塔のてっぺんにいるときより寒いかしら。マイナス二十度よ」
 きゃあー、とクラスメートたちの喚声があがる。
 二人で抱き合いながら、ブルブル震える振りをする友人もいたわ。
「さあついていらっしゃい」
 先生に従って、私たちはついていった。

 ドアというよりも、城門みたいな入り口にたどりつくと、
上から強く吹きつける風で、私の腰まである金髪がくしゃくしゃになった。
 後ろにいた友達は爆笑していたけど、冗談ではないわよ。
 いくら冷気を逃さないための仕組みといっても、限度があるでしょう!
 私は後ろにいた人たちに、華麗な言い回しの文句でその場を収めようと思ったけど、
それが、もう、できなかった。
 くちびるの水分は、灼けた鉄板にとんだ一粒の水滴よりも早く蒸発し、
追いうちをかけるように、乾燥と痛みを与えるの。
 同時にからだ表面のすべての細胞が、いっせいに収縮し始め、
目の角膜も、髪の毛の表皮細胞も例外なく、寒気に備えたわ。
 さ、さぶーー。これがマイナス二十度……
 もう、視界なんてあったもんじゃない。
 というか寒くて目があけられないもん。
 かろうじて首を上げると、強制労働前のうなだれた罪人がゆっくりと徒行しているような列に見えるし。
 うー、さぶい。私もあんな無様な格好で歩いているのかな。
 なんて思い始めて、乱れた金髪を笑った連中のことは、どうでもよく……
607冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/18(木) 11:47:08 ID:RK4nF5hh
 いや待てよ。こうなったら後ろの連中が寒さで豹変するさまを見てやろうではないか。
 こう思った私は、ギギギとロボットがごとく首をひねらすと、寒さに震える集団が二つに見えた。
 えへ♪ これはまいちゃったわ、目がここまで悪くなってしまうとは……
 いや、ちがうちがう、ちゃうねんで。制服ちがうから。
 私がみた二つの集団とは、私の後ろに続くクラスメートたちと、恐らくは……ジャポンの学生さんたちだ。
 多分私たちと同じ、社会科見学みたいなものかな?
 あの顔だちと長ズボンが途切れなく続いていくのを見ていると、男子校の学生さんっぽい。
 うわあ、異国の異性を見てるとなんか変にドキドキしたりしてしまうわね。っていうのもちょっとあったけど、
それよりも正常顔が、寒さに震える顔に次々と変わってゆく、まるでコンベヤーシステムかよ!
ってつっこみたくなるほどの流れ作業っぷりが面白かったわ。……私たちも同じだけどね。

 体育館ほどの広さがある冷凍庫にはさまざまな魚が置いてあったわ。
 魚。魚。魚。
 うーん。魚に種類があるというのは分かる。
 だけど、これ以上どう観察せよというのかしら。
 品書きには日本語で書いてあるし、読めないわよ!
 はっ! もしや先生は、この寒さを体験したいがためだけにルートに加えただけかも……
 そんなこんなを思っていると、私にも種類が分かる魚に出会った。
 コッドフィッシュ。つまりタラよタラ。魚辺に雪で鱈!
 ははーん。やっぱりイギリスと同じ島国のようね。
 これでフィレオフィッシュでもつくって。日本の名産とでも言うつもりかしら。
 最近では低カロリーの日本料理が世界的にブームだというけど、所詮はこの程度なのね。
608冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/18(木) 11:47:57 ID:RK4nF5hh
 私が、日本料理と英国料理の図式をイコールで結んでしまおうという時に、
「アメリカから来たの?」
 と誰かが英語で話しかけてきた。
 ジャポンの学生。私より5センチほど高くて、年齢のほうは……ジャポン人は幼く見えるという噂もふまえて、同じくらいかしら。
 発音の基礎を学びなおしたほうがいいんじゃない? というぐらいだったけど、
それよりもこの高貴な私を、肥満率60%のアメリカ人だと思われたことに腹が立った。
 ふん、でもまあいいわ。
 周りを見たところ、特にジャポン学生の集団とクラスメートが交流している様子はないし、
私に声をかけようと決めた。という一点のみ、この男子学生を評価してあげなくもない。
 胸は少し控えめですけど、このエメラルドのような瞳に惹かれたのかしら。
 それとも毎日手入れの欠かさないこの金髪に目を向けたのなら、それもまた良しですわ。
「いいえ、私はフランスから来ましたわよ」
 と丁寧に英語で言い返した。
 ホントは美しい音色を持つフランス語で返そうかと思ったけど、
それではコミュニケーションが図れるとも到底思えない。し、仕方なくなんだからね!
「おーう、フランスか、パリ! シャンゼリゼストリート! ルーブルミュージアム!」
 なに? この子、頭おかしいのです? 自分の中のフランス知識をひけらかしているのかしら。
 こ、これは負けていられないわね。
「ゆのーう、ジャポンアニメ、シャナ! ラキスータ! テニプーリ!」
 刹那、男の表情が変わった。まさに痛恨の一撃をくらった具合に。
 アニメ自身は見ていないのだけど、友人に教えてもらった単語が効を奏したようだわ。
 あ、あれ? だけどこの男、だんだんとくちびるがにぃっと吊りあがって、ほくそえむのはどうして?
「おーう、ラキスータ! アーイマーイサンセーンチ!」
 な、なんですの? そんな英単語、高校では習わなかったわ。
 もしやアニメ単語の続き? じょ、冗談じゃないわよ。アウェーの私が勝てるわけないじゃない。
 今度はボディーラングエッジで話しかけてくるわ……ジャポン人男性は気が弱いというのは嘘のようね。
 でもまさかこの私が、彼のに押されてしまっているとは……悔しいけど事実かも。
 い、いや、これは違う……ボディーラングエッジではない!
 ――アヒルダンス!
609冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/18(木) 11:49:13 ID:RK4nF5hh
 おそらく私たちはコミュニケーションの三割程度しか取れなかったとはいえ意気投合したのだと思う。
 いえ、意気投合したと思わなくてはやってられませんわ。
 なんですの、この状況!
 あんなに明るかった冷凍庫は、今は薄暗い電球色に変わってしまっているし。
 あんなに騒がしかった冷凍庫は、今は凍った魚のパリパリっとした氷運動の音に変わってしまっているし。
 あんなに私の髪の毛をぐしゃぐしゃにした入り口は、今は無残にも厚い鉄の扉に覆われているし。
 私たちがどうしたっていうのよ!
 絶望した! マイナス二十度のなか、異国の男の子と二人っきりという状況に、絶望した!
 こういうのって管理人みたいなのが、ぬこの子一匹見逃さずに巡回してまわって、
ようやく誰もいないって確認してから扉を閉めるのが相場じゃない!
 これは訴えてもいいレベルじゃないかしら。リーマンとメリルが再生できるほどの巨額の慰謝料を吹っかけてやるんだから!
 わあ! 隣を見ると、寒さで真っ青にしている彼がいるし。……彼って。
「そういえば、あんた名前なんていうのよ」
「……睦啓太」
「ムツメーター? なんですのその自動車に取り付けられているかのような計器は」
「……?」
 ああ、この程度の英語も通じないのでしたわね。
 ったく、アメリカは日本を従属させているのだったら、英語ぐらい叩きこんでやりなさいよまったく。
「もう一度聞くわ。あなたのお名前はなあに?」
「……けいた」
「ふぇいた?」
「けいた」
「ふぇいと?」
「けいた」
「ああそう。あなたの名前はフェイトね。私の名前は……」
 そこまでいうと、急に男は活力を取り戻し、
610冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/18(木) 11:50:05 ID:RK4nF5hh
「ナノハ」
「……は?」
「君の名前はナノハ」
 ――――!
 な、なーんで私の名前をあんたに決められないといけないのよ! そこにある魚で頭かち割ったほうが良いんじゃない!?
「いや、この場合は逆に、僕がナノハで、君がフェイトのほうが、いいかも……なぜなら君金髪だし」
 …………
 だめだ、こいつ……はやくなんとかしないと……
「私の名前はマリーよ。いい? とってもポピュラーな名前なんだから覚えなさいよ」
「けい。いー、あい、てぃー、えい――――ケイタ」
「ケイタ。わかったわケイタね」
 セサミストリートじゃあるまいし、なんでこんなに時間がかかることやら。


「今、とてつもなく危機に瀕しているのは分かるわよね?」
「……うん」
「このままでは私たちも、あの魚と同じようになるわ」
「……うん」
「んで、これからなんとか対策をとらなくてはいけないんだけど」
「……うん」
 …………
「WHAT DO YOU DO!!」
「……う、うん!」
 ああ、終わった。
 さっき彼とは三割はコミュニケーションが取れるといったけど訂正するわ。ゼロよゼロ!
 使い魔じゃないけど、本ッ気でゼロだわ。
 でもケータはもしかしたら私の役に立っているかもね。怒りの炎のおかげで少しは寒気が遠のくわ。
「くしゅん」
 うおーっと。やっぱり寒い。寒いというより、ちょっとくしゃみをしただけで顔の回りがひりひり痛い。
 いくら叫んでも叩いてもどうにもならないあの扉がある以上、どうにかして暖を取らなくちゃいけないわね。
611名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 17:51:41 ID:tU6M742o
612名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 23:16:36 ID:oQ02krbi
俺がこのスレを初めて見つけたときに思い付いたシチュキター(・∀・)ー!

続きに期待。
613冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/19(金) 10:23:12 ID:LpHbQNZO
 暖……暖というと……どこかに冷風をしのげる場所とか、その冷風をとめるスイッチみたいなものはないのかしら。
 ってかここ、空調効きすぎよ!
 なんか閉じ込められてから、一段と寒さが増したと思うのは、たぶん気のせいじゃないわね。
 私たち見学者によって暖められた空気を、急激に冷やそうと思って、冷房のつよさを強にしたんだわ、きっと。
 もう耳の感覚なんか、寒さや痛さを通り越して無感覚になっているし、頭の内部まで、ジェラートを食べたように、鈍痛がする。
「くちゅん」
 あー、鼻水が出ているか出ていないのかもわからないわね。
 あれ? ケータ? なんかこっちに手招きをしている。 何か発見したのかしら。
 え? なに!? 突然制服のボタンをはずし始めた。 何考えているのよあんたは。
 ……あ……ああ。その上着を貸してくれるってわけね。
 いや、で、でもいいわよ。ケータだってものすごく寒いんでしょ。顔見たら分かるよ。
 私はノンメルシーって言おうと思ったけど、その前に彼はまたそのボタンをとじはじめた。
 ん? ……ってなに? ボタン掛け違えていただけかよ!?
 彼は制服上のホックまでしっかりはめこむと首まで縮こませて、またその場にしゃがりこんだ。
 はぁ……こっちはブラウスなんだから、胸元がスースーするのよ。つーかコイツは何のために呼んだんだか。
 ケータは横目でじろりとこっちの胸元を指差した。
 今度はどうしたって言うのよ。……うわ、わ、私の胸に手を伸ばして、何する気!
「マリー」
 突然ケータは、私のブラウスの襟首をつかんだ。
 サン・ミシェル女学院伝統的な茶色のブラウスに。
 こ、こんなところで、だれも周りにいないからって、そういうのは良くないと思うのよ。
 だいたい、ねえ? そういうのって早すぎるでしょ。
 いくら私たちが、クラスメートたちの集団行動に気づかないぐらい語り(?)あってたとはいえ、
魚の切り身がすぐ横にある場所でなんか、したくないわ。
 考え直して、ケータ!
614冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/19(金) 10:24:14 ID:LpHbQNZO
 私はなみだ目になって訴えるも、彼はブラウスをはだけ……
 ……うん?
 逆におもいっきり締めつけられて、安全ピンでとめられた。
 …………
 な、何よ! そうするならそうするってはじめに言いなさいよ!
 胸元が暖かくなったじゃないのよ! まったく!
 ケータはまた元の位置にもどって、お尻のつかない体育座りをした。

 三十分ぐらいたったと思う。
 いまごろはきっと私がいないって大騒ぎしているころかしら。
 ケータのクラスでも同じことよね。すぐに助けが来る……うん、きっとすぐに。
 私たちはそれから一言も声を掛け合わずにじっとしていた。
 じっとしていると急に悲愴感が押し寄せてきて、それがどうしようもなくなって話しかけたくなってしまう。
 でも、さっきの勘違いによる羞恥心が負けじと出てきて、ケータからまた顔を背けてしまう。
 ああん、寂しいよう、リアちゃん、メアリーちゃん、せんせい〜。
 私が友達の名前を心の中で呼んでいると、突然、キテレツな音色が響いた。
「ミックミクニシテアゲル〜。ウータハマタネガンーバールカラ〜」
 なあ、なに? なに? なにこれ?
 すると、ケータだけがなんか分かったような顔をして、ごそごそと制服ポケットをまさぐった。
 あるじゃん! セルフォンあるじゃん!
「しかし、僕は、携帯電話を、持っていた」
 こうケータが説明し始めた。
 なにが“しかし”よ! しっかりこの場においてもっとも大事なものをもっているじゃん!
 説明は良いから、早く出なさいよ。 ああ、もう! ミクの歌、聴き入ってるんじゃないわよ!
615冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/19(金) 10:25:01 ID:LpHbQNZO
「――――」 
 ケータはジャポンの言葉で、誰かと話していた。
 たぶん彼の先生か友人が気づいたのね。助けはいつ来るのかしら。十五度ぐらいの素肌を癒してくれる大気にはいつ会えるのかしら。
 ああ、だめね。心が急いでしまうわ。まずはここから生きて帰れるという安堵をギュっとかみしめなくちゃ。
 ケータの電話が終わった。すると同時に私は、
「あなたの先生たちはどこにいるの? いつ助けがくるの」
 と聞いた。
 中学一年程度の英単語で、ゆっくりと。
 するとケータは、
「ああ、違う違う。今のは、弟から」
 は?
「みなみけのDVD第三巻、どこにあるのって」
 は?
「あいつにも困ったものだよ。弟は十二歳のくせして千秋が好きなんだぜ。でもこういうのもロリコンって言うのかな」
 ちょ……
 そんなのどうだっていいじゃない! アニメなんかユーチューブで見なさいよ! 千秋より保坂だろ常考!
「助けはいつ来るのよ!」
「それは、いまから、呼ばないと……」
「なら早く電話をかけなさいよ!」
「わ、わかったから、首絞めないで……」
 私は速攻でケータに電話をかけさせた。
 鏡をみなくても分かるほどケータをガン見していたから、よもや関係のない人に電話をかけるといったボケはしないだろう。
「あ……」
「なによ! 今度はどうしたのよ!」
「電池……」
 …………
 …………
 私は呪ったわ。自分の運のなさに。
616冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/19(金) 10:26:07 ID:LpHbQNZO
 ついていない。と思っていたけど、実は何かが取り憑いているんじゃないかしら。
 ほら、ここには何千という魚の死体があるわけだし。
 取り憑くんだったら、ケータのうじのわいてる頭の中だけにしなさいよ。
「くちゅん……く、くちゅん」
 うわあ、体の芯まで冷えてきた。
「大丈夫?」
 わたしのくちゃみに反応して、ケータの方から声をかけてきた。
「え、ええ。まだ大丈夫だわ」
 と返しても、やはりそろそろ限界が近いかもしれない。
 やっぱ……
 やっぱあれなの? あれをするしかないの?
「くちゅん」
 ……し、仕方ないわ。
617冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/19(金) 10:26:45 ID:LpHbQNZO
「ねえ、ケータ」
「ん?」
「あなた、寒くない?」
「……特に」
 強がりを言わないでよ。会話が続かないじゃない。
「わ、わたしはちょっと寒いんだけどさ、もしよかったら……」
「?」
「ほら、お互い体を寄せ合うと、凍えが止まる可能性が若干増えるというか……」
 ああん、もう。こんな遠まわしに難しい単語並べても、ケータは理解してくれないわよ。
 もっと直接的に言わないと……
「あなたと合体したい」
 つ、通じたのかな、ちょっと恥ずかしいセリフだったけど。
 でも、思いは通じた。
 ケータはそっと肩を寄り添ってくれた。
 なに? こいつ結構いいところあるじゃない。近くで見るとそれなりにたくましくて、男の子の香りもするし……
「ケータ、あなた女の子ににモテるでしょう?」
「いや、ぜんぜん?」
「いーえ、私には分かるわ。ジャポンは謙遜する文化だって習ったからね」
 ケータは少し困ったような表情を作ったが、私は続けて言う。
「私は自分のことをはっきり言うわ。もし私が女学院に通っていなかったら、ボーイフレンドなんかいっぱい作っていたね」
「……」
「自分で言うのもなんだけど、結構モテたと思うよ」
 私は前髪を掻きあげながら、彼にウインクをした。
 どう? これで何百人もの後輩からお姉さまと慕われるほどのプロポーションよ。(胸はないけど)
 私の髪には香りは薄いけれど芯の強いシャネルの五番をつかっているんだから。街を歩くだけで皆振り向くわ(胸はないけど)
 この靴も、スカートも、ブラウスもすべて一級品のブランド物なのよ。(胸はないけど)
「ケータもさぞやおにゃのこにモテモテなのでしょうね」
 こうして膝を組み替えさせてみたりして、ケータを誘ったのだけど、
「あなたとは違いますから!」
 突如、彼は人間離れした顔になった。
 びっくりしたのと同時に、なにかまた理不尽な怒りが込み上げてきた。
 なーにがあなたとは違いますよ! フフンじゃないわよ!
 …………
 まあ、いいわ。そうだった。ケータは男子校だったのよね。
 つまり女の子に対して免疫がない……ということにしといてあげるわ。
 でもこんな美貌の持ち主にそんなこと言うなんて、ちょっとしゃくにさわるわね。
618615において訂正:2008/09/19(金) 10:40:02 ID:LpHbQNZO
保坂→まこちゃん
619続き期待:2008/09/19(金) 13:15:13 ID:dMXWIaZA
貴方とは違うんです!
620名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 04:58:39 ID:bU7uQBbM
要所要所に混ぜ込んだオタネタがwww
てか、携帯あるなら使えw
621冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/20(土) 10:03:04 ID:ymWeqJAC
「ぉーぃ、ぉーぃ」
 響きの伝わらない、まるで遠くの彼方から叫ぶような呼び声が聞こえたあと、
あの忌まわしい入り口の扉にガンガンともの打つ音がした。
 私の耳に狂いはありませんわ。これぞまさしく探している合図!
「ケータ、助けが来たわよ! ほら、おきなさい!」
 隣にいるケータを肩で小突くと、ケータはそのまま……
 反対側に倒れてしまった。
「ちょっと……ケータ?」
 彼はまるでカチカチに凍ってしまったように、両膝をきちんと折りたたんだ形で動かない。
 顔を触ると、それはもう冷たく、意識がないようにも思えてしまう。
「ケータ! ケータァ!」
 返事がない、ただの……って冗談じゃないわよ!
 起きなさい! 起きないと、あんたのCドライブ、全世界に公開しちゃうわよ!
「う……ぁ……」
「ケータ! ケータ! ケータ!」 
 意識はある!? ここで眠ってしまったらおしまいよ! お願いだからしっかりして!
「……姉ちゃん……あと、五分」
「だーれが姉ちゃんよ! 立てやゴルァ!」
 私は無理やりケータを立ち上がらせた。
 股間にも変なテントがたっているけど、そこは気にしたら負けよ、マリー。
「ほら、ガンガンガンって扉がたたく音が聞こえるのよ。私たちを助けに来たのよ」
「ん……本当、だ」
622冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/20(土) 10:03:51 ID:ymWeqJAC
 私はケータを入り口まで引っ張っていった。そして確実に人の声を耳にした。
「――――!」
 扉の外にいる男性が、ジャポンの言葉で叫んでいる。
「ほら、ケータ! 彼なんて言っているの?」
「――――、――――」
 ケータは外との会話をしていた。
 わ、わ。これはいけないわ私。うれしくてケータの会話の邪魔をしちゃ、足手まといな女の子になっちゃうじゃない。
 およそ一分の話し合いの間、私はじっと黙ってケータの顔色をうかがっていた。
 ケータはポーカーフェイスだから、ぜんぜんわからなかったけど。
 外の男の声が止まった。
 続いて、ケータが……さっき座っていた位置に戻り始める。
 な、何を言われたのかしら。
「ね、ねえ、ケータ。いまからドア開けますよ〜、みたいなことを言ったんだよね」
「ああ、そうだよ」
 ふぅ、ちょっとびっくりしたじゃない。黙って扉から離れるから。
「なんか扉が故障したらしくて、開かないんだ。取り外すのに、十時間ぐらいかかるんだって」
 はあ? TEN HOURS? 
「分っていうのは、MINUTESって言うのよ。テンミニッツ。そんなのこともわからないの?」
「わかっているよ。本当に十時間だよ。十時間というとマリーがフランスから日本に来るのと同じぐらいの時間かな?」
「本気で言っているの? あなたの聞き間違いじゃない?」
「聞き間違いはしないよ。同じ日本語で話しているんだしね。ははは、参っちゃったね」
「ははは、じゃないわよ! どうするのよ、これから!」
「あ、ほら。冷房も止めてくれたみたいだし。なんとかなるんじゃないかな?」
 確かに、突き刺さるような風の流れはいつのまにか無くなっている。
 でもこの冷凍庫の中の熱活動といったら、私たちの二人ぐらい。とてもすぐに温度が上がるような状況ではないわ。
「と、とにかく。十時間なんて間違っている! おかしいと思わないの? 何かの陰謀よ!」
「そんなことないさ」
「もうあなたの国のガンダムとかエヴァとかを出動させて、助けにこさせなさいよ!」
「……マリー、いくらアニメが好きだからって、現実逃避するのは良くないよ」
 じょ、冗談にきまっているじゃない! あんたに話を合わせてあげただけよ!
 そんな哀れむような視線はやめて。
623冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/20(土) 10:04:39 ID:ymWeqJAC
 私は何かの陰謀という線をまだ疑ってはいたけれど、
十時間ここでこーして身を屈めていなければいけないということは理解したわ。
 閉じ込められてからようやく一時間。つまり今までの十倍はこの苦痛に耐えなければいけないわけね。
 ……もうやだ、この国。
 そういえばパリからここまでちょうど十一時間だったわね。
 あの飛行機の中では、あっという間に時間が過ぎていったけど……今はどう暇を潰せばいいのかしら。
「はっはっは、魚の見学でもするかい? マリー」
「魚なんかもう見飽きたわよ。今度食卓に並んでいることがあったなら、星一徹ばりにちゃぶだい返ししてやるんだから」
 はぁ、唯一の知的生命体と思わしき人物は、なんかアホの子だし、key作品の歴代ヒロインよりも私はかわいそうなんじゃないかしら。
「kjちゅん」
 あーもう、今日何回目のくしゃみだろう。あまりにくしゃみのしすぎで文字化けしちゃったじゃない。
 私はまた、ケータの左隣にくっつくようにして腰を下ろした。
「ケータ?」
 あれ? 震えているの? んもうしょうがないわね。だったら……
 そう思っていたら、急にケータがすくっと立ち上がったわ。
 え? 私の近くにいるのがそんなに嫌なの!? 緊急事態なんだし、そんなあからさまな態度を取らなくても、
「ちょっと、離れるね」
 ケータはポケットからビニール袋を取り出すと、ささっと物陰に隠れていく。
 二十メートルぐらい離れていったかしら。
 突然、ものすごい湯煙が舞い上がっていくのが遠目にも見えて、それがトイレだと気づいてあわてて目をそむけたわ。
 そして一分もしないうちまた私の隣に座る。
 手際がいいわね。そ、その、おしっこの入った袋は置いてきたのかしら……まあ当然ね。
 持ってきてもらっても困るもの。
 それにしても、もし私だったら、あるはずのないトイレを探して、我慢しながらうろちょろしていたでしょうね。
 ていうか、あんたなんでそんなビニール袋なんてもん持っているのよ。
624冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/20(土) 10:05:24 ID:ymWeqJAC
 あ……
 やばい、なんか私も、おしっこに行きたくなってきたわ。
 当然、私のポケットにはビニールなんてない。
 こ、これは、どうしたものか……
「ケータ」
 声をかけたら、目が合った。
 ま、まあ、もっとも声をかけたら振り向いてもらわなくちゃ困るわけなんだけど、
こう10センチの距離感で見つめあうのは、耐えられないぐらいはずかしい。
「な、なんでもありませんわ」
 ってー! なんてことをいうの、私は! 
 いまはケータがビニール袋を持っているかどうかを聞くのが、最優先事項なのに。
 で、でもそういうの聞くのって、でっかい恥ずかしいじゃない。
 もうまるで、いまからトイレに行きますよって言っているのと同じじゃん。
 うーん、どうしたものかー、どうしたものかー。
 ケータはこんな私の気持ちを知ってかしらずか、またポケットからさっとビニールを取り出した。
 あ、よかった、一応、まだ持っているわけね。……ていうか何者よ、アンタ。
 さあ、それを無言で私に渡してくれたら、あなたをアホの子呼ばわりしたことを撤回してあげてもいいわ。
 ケータは、そのビニール袋を……
 もってまたどこかに行こうとした。
「ちょ、待ちなさいよ。またどこかに行く気?」
「あ、うん。今度は大きいほう」
 ……あなた、なかなかやるわね。
625冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/20(土) 10:06:05 ID:ymWeqJAC
 そのあと恥ずかしながらもビニールを頂戴し、用を足したわけなんだけど、やっぱりマイナス二十度ってものすごいわね。
 あっという間に袋の中に霜がついてしまう。
 この分だと、すぐにでも凍ってしまいそうだわ。
「は……くちゅん」
 さむいさむいさむい。
 わっちはまたぬしの隣という定位置に座ると、少しだけ安心感を得たわ。離れないでくりゃれ?
 ドアの工事が始まったようだわ。
 音量としては小さいものだけど、重い音がする。
 斬鉄剣の使い手なんか日本にいっぱいいるはずでしょ? ホントなにやっているのかしら。
 ぐぅ〜
 ――――!
 私のおなかの音……じゃないみたいね。
 ……ケータったらおなかすかせちゃって。
 私はほっとして、そしてほほえましくケータを見ていたら、またもやポケットから……
 りんごを取り出した。
 ボクドラえもんかよ!
 シャリシャリとおいしそうにりんごを食べ始めると、半分食べたところで、こっちを向いてきたわ。
 まるで、マリーも食べる? と言わんがごときに。
 あ、でもビニール袋の件もあるし、ここは素直に受け取っておいたほうが、いいかも。あと何時間あるか分からないし。
「マリー」
「な、なによ」
「マ リー  し っ て い る か  し に が……」
「はいはーい、ストーップ」
 谷川九段もびっくりの光速のつっこみを入れておいて、半分食べかけのりんごを奪い取ったわ。
 もぐもぐ。
「あー、おいちぃ」
 か、勘違いしないでよ。私は青い血が流れているほど、野蛮ではないわ。
 どうせケータもこのりんごをくれる気だったんでしょうし……
 ケータは、こんな私をニコニコしながら見ていたわ。
 まるでこうなることを予想していたかのように。
 くぅ。
 ……私にとって、アンタは本当に死神よ。
626冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/20(土) 10:06:52 ID:ymWeqJAC
「そういえばさ、マリーってツンデレだよね」
 またまたまた、いきなり何を言い出すのかな、この子は。
「あー、やべえ、マリーがかわいく見えてきた」
 私はそういわれた瞬間、顔という顔から火が吹いたのを感じた。
 って、って、って、てもて〜!
 し、至極当然のことだわ! でもその言い方だと、まるで私が今までかわいくなかったみたいに聞こえるじゃない。
「でもなー。僕まだレベル3だから、声が聞こえないしな〜」
「は? 何のレベルなのよ」
「レベルが4まで上がると、君の声が、くぎゅに変換されるんだ」
「はあ?」
「オタクレベル」
「はぁ、左様ですか」
 もうケータに対しては、愛しさと切なさと心強さの割合が0:10:0になってきて、なんかいろいろと、諦めた……わ。

 ゆび先がジンジンと痛むなか、私は今までのことを思い起こしてみた。
 っていっても、ケータのボケに私が振り回される展開なんだけど、ちょ、ちょっとは役に立ったこともあったわ。
 くび回りの暖かさ。これは彼が安全ピンで止めてくれたおかげだわ。胸がなかったからとかいわないで! ステータスなんだから。
 りんごもおいしかった。彼の体温のおかげで凍ってはいなかったし、その甘さが心身に染みこんでいったわ。
 しかしね、ケータのあの鈍感さはなんなのよ! 蹴ってもつねっても、何にも感じないんじゃないかしら。誘惑にも無視するし。
 てあたりしだいに罵倒してみても、仕方がないわね。オタクだから喜びそうだけど……それにしても、
 つんでれって何よ! あんなのただのヒステリー人格破綻者なだけじゃない! 
 てゆーか、ホントに私は無事生きてフランスに帰れるのかしら。頭が朦朧としてくるし……
 ね、眠たくなってきた。あん、でも、ここで寝てしまうと本格的にやばいような希ガス……

 縦読みなんかしなくても、十分ゆっくりできているわよ、バカ。
627冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/20(土) 10:07:33 ID:ymWeqJAC
 …………
 …………
「マリー」
 …………
「マリー、起きた?」
「ぅ、うん?」
 ここは、どこなんだっけ?
 あ、魚が見える。
 そうだった。
 冷凍庫だったわね。
 でもそれにしても暖かいな。
 なにかに包まれているような。
 私は……
 ――――っ!
 なに! なんでこんな姿勢でいるの?
 これ、ケータだよね。
 ケータの肩にあごを乗せちゃっている?
 右のほっぺたが、たぶんケータの顔にくっついてて……
 わたしったら、なんでギュッと抱きついているのよ!
 ちょこんと膝の上にのっちゃっているし、
 ケータったら地面にお尻ついちゃっているじゃない。冷たくないの?
「あったかいね」
 う……わかったわよ。あったかい。すごくあったかい。
 それは認めるわ。
 ……あ、
 抱きついて密着している部分がやけに体温を感じるなと思ったら、ケータのやつ制服脱いでいるじゃない。
 その制服は……
 なによもう。私が着ているんだわ……
628冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/20(土) 10:08:42 ID:ymWeqJAC
 やさしかった。
 そう思えたのは、制服をくれたとかそんなことじゃない。
 ケータの心臓のオト。
 トクン、トクンって。
 世界のどの言語よりも雄弁に語りかけてくれる。
 “信頼”っていう言葉があるわよね。
 例えばほら、戦争のときに、彼なら背中を預けられるぜ。みたいなやつ。
 そういった気持ちが、彼の中から私の中に、そして私の中から彼の中に、出たり入ったりしているのが分かる。
 なーんだ。なんで早くこうしなかったのかなあ。
 十時間を生き延びるには、こうするしかなかったのに。
 私はまた一段と強く彼を抱きしめ、より彼に体温を分けてあげられるような体勢にしようと思ったわ。
629名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 10:18:01 ID:XWGXLP4T
支援
630名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:01:42 ID:lQ4hgYRg
待たせたな!

……待ってくれた人いないよねorz

とりま保体ネタうpしま
631名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:03:31 ID:lQ4hgYRg
閉じ込められました。

「\(^q^)」
「何万歳してるの?気持ち悪い……」
「今この状況を悲観してたんだが。 終 わ っ た ってな」


保健体育の授業で係だった俺、青下光は、
女子の係である星夜空と閉じ込められました。

「ったく、地下倉庫でまさかこんな目にあうとは」
「それはこっちの台詞よ。なんであんたなんかと……」
「そのあんたと閉じ込められる事になった原因は誰だろうな?」
「う……」


教材用のビデオがあるからと地下倉庫に取りに行かされた俺。
正直このままサボろうかなとか思ったんだけどさ。
屋上に行こうとしたところで空に見つかり地下倉庫に来ましたよっと。
この地下倉庫、立て付けが悪いことで有名でさ。
ちゃんと空けっぱなしにしないといけないらしい。

はい、空さんがうっかり閉めてくれちゃいましたよっと。

「まぁ、誰もいないよりかはマシだったんじゃねーか?」
「あんたといるくらいなら一人で閉じ込められた方がまだマシよ!」
「おま……まぁ、お前の背中にあるもの凝視して言えるなら信じてやるよ」

右手でポケットからすばやくイヤホンを取り出して耳に装着。
密閉式だからちょっとした耳栓代わりに。
632名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:04:05 ID:lQ4hgYRg
「……?」

俺の行動に疑問を持ちながらもゆっくりと後ろを向く空。

「……キャー!」
「だから言ったろうに」


地下倉庫は文字通り物置と化しているようで。
人体模型が空を見下ろしておりました。


「……」
「あぁ、そっち骸骨あるからな」
「!」

口をパクパクさせながら後ずさる空。
そのままへたり込んでしまう。


こいつはホラー系とかそうゆうのが苦手だ。
こう見えてもガキの頃からの付き合いなんだぜ?
まぁ、ちょっとした事で縁が切れてるんだけどさ。

「さてどうしようかな」
「……携帯は?」
「生憎だが圏外だ」
「……使えないわね、その携帯」
「そうゆうお前の携帯は?」
「……カバンの中」
「自分に無いもの人にねだるなよお前は……」

文字通り八方ふさがり。
とりあえず先公が気付くのに期待するしかねーな。

「寝るか」
「何で寝るのよ」
「それ以外に選択肢が無い。いっそ無理やりこのクソ狭い地下室で骸骨と人体模型相手にダンスでもするか?」
「……いい」

ため息をつく空。
ため息をつきたいのは俺のほうなんだがなぁ。

「なんかいった?」
「いんや」

……無駄に勘が鋭いし。

背中を棚の柱につけて右腕を後頭部にまわす。
……やっぱり片腕だと面倒だ。
633名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:07:48 ID:lQ4hgYRg
続き勢威執筆中につき。




あ、誰も待ってなかった。
自意識過剰乙orz
634名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:12:13 ID:XUBFXht7
とりあえず、乙?
流し読みなもんでついてなかtった。
すまん。 
635名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 01:47:49 ID:uEkgWsaJ
>>628
おいおいGJ過ぎるわ待ってるぜ!
636名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 03:43:24 ID:9tH81lAd
>>628>>633
両方続き期待してるよ
637冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/22(月) 11:27:36 ID:YOMObaqB
「ケータ、それではお尻が冷えるでしょう?」 
「え……全然平気だから、気にしなくていいよ」
「あなたが気にしなくても、私が気にするのよ。それに体重を思いっきりかけちゃっているから重いでしょうし」
「マリーはそんなに重くないよ」
「い、いいから立ちなさい」
 私はケータの膝から降りて、腕を引っ張ったわ。
 私を支えてずっと座りっぱなしだったから、足腰が痛むみたい。
 時間をかけてゆっくり立りあがらせると、私はケータの胸に飛び込んだ。
「えい」
 すこし驚いたみたいだったけど、かまわずケータの腰に手を回す。
「これなら寒さをしのげるわね」
「マリー、二人とも立ったまま待ち続けるのかい?」
「ええ、そうよ」
「さっきみたいに座っていたほうがいいんじゃないかな?」
「それだと、あなたのお尻が冷たくなっちゃうじゃない」
「それでもいいよ、座っていようよ」
「……うーん、どうしても座りたかったら、今度は私の上に座ってもいいわ」
 一人で座るのと違って、お互いの体温を共有する形で座ろうと思うと、
どちらかが、氷よりもはるかに冷たいこの地面に腰を落とさなくちゃいけない。
 ケータはもしかしたら私に対するいたわりだけではなくて、
本当に座っていたほうが楽だと判断したのかもしれないけど、
それではケータのお尻が凍傷になってしまうわ。
「そんな……女の子の上に座るなんてできないよ」
「じゃあ、こうして立っていましょうよ」
 ケータは、最初はその両腕の置き場に困っていたみたいだけど、観念したみたいにまた抱きしめてくれたわ。
638冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/22(月) 11:28:18 ID:YOMObaqB
 気づいたのは、それから十分後ぐらいかしら。
 ケータが前かがみになったり、そしてまた直立を繰り返したりして、なんだか様子が変みたい。
「なによ」
 といって、グイっと体を寄せてやったわ。
 うん? 私のおなかに当たるの、なんなのよこれ。
 私が、ケータから出ているその不審な突起物を私のおへそあたりにくっつけようとすると、
ケータはものすごい勢いで後ずさった。
「え? どうしたっていうのよ」
「あ、ごめん。マリーがあまりに良い匂いがするもんだから……」
 良い匂い? まあ悪い気はしませんけど、だからってどうして私から離れるのよ。
「それは、ケータにとってイヤなことなの?」
「いや、嫌っていうことじゃなくて、そのなんだ、マリーに迷惑をかけてしまうというか……」
「? 私は別に迷惑とは思っていませんわ」
「……マリーってエッチなことをされても気にしないタイプ?」
「エッチ? なんでそこでエッチなことになるよ」
 エッチ――という単語自体、私はよく理解していなかったけど、
友達からは、男女がラブラブになることって聞いたことあるわ。
「寒いわ。エッチでもなんでもいいから、私を抱きしめてちょうだい」
「……わかった」
 ケータは、いろいろと申し訳なさそうな顔をして、また近づいてきた。
「悪かったよ。緊急事態だというのにな」
「別にもういいですわ……で、これは結局なんですの?」
「え、あ……その……」
 私はそこではたと気がついた。
 もしかしたら、おなかにできもののある人かもしれない。
 そうだとしたら、私はとても失礼なことを言ってしまったことになるわ。
 でもそれと、エッチなことと、何か関係あるのかしら。
 私は、ケータのその大きなできものをそっとさわってみた。
639冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/22(月) 11:28:57 ID:YOMObaqB
「うわ!」
「ご、ごめんなさい。痛かった?」
「痛くはないけど、大胆だなって。その、男のここにさわるなんて」
 男のここ?
 あ、なるほど。もしかしたらこれは男性器というやつかもしれない。
 保健体育の教科書で読んだことあるわ。
 ふーむ。
「これはいわゆる、おちんちん。というやつかしら」
 私は興味本位で、ケータのお腹にある盛り上がっている部分に顔を近づけた。
「……そういうね」
「むかしパパのを見たときは、ぷらーんとしていて柔らかそうだったけど、あなたのは硬そうだわ、個人差?」
「いや、マリーを抱きしめて興奮したからだと思う」
「……そうなの?」
「……本当にお嬢様みたいだね」
「な、なにがよ」
 お嬢様みたい。といわれれば普通ほめ言葉のように聞こえるはずなんだけど、
今のケータの言葉には、なんだそんなことも知らないのか。というニュアンスがあったわ。
「馬鹿にしないで。常識も兼ね備えているお嬢様よ。し、知らないわけありませんわ」
「はは、そうだね。性に対する知識はテレビやネットでいっぱい転がっているもんね」
 テレビやネットか。
 ケータはそこで性の知識を手に入れたというわけね。
 私は……
 私の場合は、環境が悪かったせいだわ。そうよ! 環境のせいよ!
 小学校を卒業して以来、男の人とここまでお話したことはなかったし、
学園寮にあるテレビやネットでも、そういうこと教えてくれなかったわ。
 いま考えると、もしかしたら寮が規制していたのかもしれないわね。
 でも無知は罪。そして屈辱だわ。
 ケータに、それがバレないようにしないと。
 ……大丈夫。私には人より優れた頭脳があるわ。
640冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/22(月) 11:30:52 ID:YOMObaqB
「その、なにかな、男の人って大変よね。おちんちんを大きくしたり小さくしたりするもの」
 私はさっき得たばかりの知識を持って、そう言ってみた。
「あははそだね、でもあまりおちんちんという単語を使うのははしたないよ」
 そ、そうでしたの? 知らなかったわ。
「じゃあ、何というのが正しいのかしら」
「うーん、言いよどむのが、恥じらいがあっていいんじゃない?」
 そういえば、ジャポンのアニメにもそんな場面があったわね。
 むむむ、これが、萌えってやつか。
 しかし、これでケータには一本取られてしまったわ。
 どうする? じゃあ逆にケータの知らなさそうな女の子に関することを言ってみようかな。
 ふふふ、ケータにあーんなことや、こーんなことをいったら、
私がちゃんと性知識を持っていることをわかってくれるかしら。
 ……いや、でもそれだと逆に自慢しているような態度になってしまうから、悪い印象を与えてしまうかもしれない。
 うーんと、困ったわね……
 ……そうだわ!
「私はね、ジャポンの人に対して、興味があるの」
「いきなり、どうしたんだい?」
「せっかく地球の反対側にきてまで勉強しに来たのだもの。しっかり学ばなくては学生失格だわ。そう思うでしょ?」
「うん」 
「いい返事ね、ケータ。じゃあ男の人にという意味じゃなくて日本人にとして質問するわ」
 私は、いまなおケータの膨らんでいるところを、なでなでしてみた。
「ここはどんな形をしているかしら」
「わっ、わっ!」
 ケータは、また慌てたように後ずさろうとする。でも今度は私が許さない。
641冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/22(月) 11:31:37 ID:YOMObaqB
「な、なに? デレモードに入ったの?」
「あらもーど? なにそれ。今は私がここを見たいというお願いに、あなたはウィかノンかを言うだけよ」
「ちょ、ちょっと。それはやっぱりおかしいよ。じゃあ僕もマリーに胸を見せてっていってもいいの?」
「え! そ、そ、それはおかしいわよ。私がジャポンの勉強をしたいだけなんですもの。そ、それに……」
「それに?」
「そういうところ見せちゃだめって、先生が……」
「じゃあ聞くけど、なんでだめなのかな?」
「そ、それは……はしたないからですわ」
「はしたなくないという理由だったらいいんだよね。それだったら僕も、フランスを勉強したい」
 一理……あるわね。
「じゃあ、私がブラウスをとったら、ケータもズボンを脱ぐわけね」
「え? いいの、それで」
「だってそうしないと、ジャポンの勉強ができないんでしょ。仕方がないわ」
 私は、安全ピンをはずし、ボタンをはずし、ベージュの中から現れる白のブラジャーもはずした。
 そしてあらわになったふたつの先っぽを見せる。
「ど、どう? これがフランスよ」
「お、おお! これがフランス!」 
 ケータは私のぺったんこのフランスをまじまじと見つめた。
「も、もういいよね! 寒いし着るよ」
「あ、うん」
 素肌の熱が逃げないうちに、さっそうとブラウスをはおって、
「じゃあ、こんどはケータのジャポンの番ね。はい、脱いで脱いで」
「……うん」
 私はドキドキしたわ。だって、写真とかじゃない男の子のはだかをみるなんて初めてだもの。
 ケータはズボンを緩め、そしてパンツごとゆっくりと下ろしていった。
「――!」
 想像してたのより、大きくて、グロテスクで、変な臭いの放つジャポンがそこにあった。
「ところで僕のジャポンをみてくれ。こいつをみてどう思う?」
「すごく、金閣寺だわ」
 私の目には、ケータのジャポンがとても輝いて見えた。
642名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 21:36:41 ID:AMQ0Xb4t
ちょww
なにこの展開www
643名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 00:01:08 ID:NNaoiThU
何だこの最後4行の会話シーンはwwwwいいぞ
644名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 07:48:39 ID:Cfe/wwHj
ところでwwww
645名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 11:35:56 ID:t7pkJj/m
なんという金閣寺wwww
646名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 10:09:05 ID:1hR2utpU
五重塔ではなかったんだな
647名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 02:36:16 ID:jFJcpp+4
奇才すぐるwwwwww
648冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:43:28 ID:FljhsdPO
「いつもは小さくなってズボンにしまわれているのよね、どうしたら小さくなるの?」 
「その……抜いてくれるとか」
「え? 抜くの?」
「いやいや。無理にお願いしているわけじゃないんだ。もしマリーが良かったらなんだけど」
「別にいいわよ。だけど本当に抜いてもいいの? 痛くないの?」
「痛くないよ。逆に気持ちいいよ」
 わ、わかったわ。 これを抜くのね。
 きっとトカゲのしっぽみたいに生えてくるんだわ。ジャポンってとてもフシギ……
 私はジャポンの根元を右手で握り、そして左手でケータの下腹部を支えた。
「い、いくよ」
 そしてありったけの握力を、両腕にこめたわ。
「いた、痛え! 待った待った。何をしたいのかなマリーは」
「決まっているわ。もちろんこれを抜……」
 あれ? ケータのこの慌てた表情を見ると、私はなにか間違えたことをしたのかしら。
 もしかしたら、“抜く”というのは、何かの隠語かもしれない。
 そしてケータは私がこの単語の意味をわかっていて当然のように話したということを考えると……
 常識である可能性が高いわね。
 ……そんなこともわからないのかと思われたくない。
 この窮地をしのぐには……
「や、やだわ。ケータはフランス式というのを知らないのかしら」
「フランス式……」
「そうよ! フランス式!」
「おお! フレンチキスは濃厚って聞いたことあるけど、フレンチ抜きとは……」
「そ、それなのよ! それも濃厚なの!」
649冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:44:11 ID:FljhsdPO
 こ、困ったわ。濃厚に……抜くんだって?
 なによ、濃厚って。ジャポンの未開の地を耕して小麦でも植えるのかしら。
 ってそれは農耕だっちゅーねん。
 まずよ。まず、抜くの意味を理解しなければいけないわ。
 そういえばさっきケータは気持ちいいって言ってたわね。
 気持ちいいことか……
「ほ、ほらどう? これ気持ちいい?」
「……え?」
 私はケータのジャポンを、子供の頭をかわいがるようになでてみた。なでなで。
「ど、どうよ!?」
「うー……ん。気持ちはいいけど。これって濃厚?」
「え? いやいや。まだあれよ! フランス料理で言ったらまだオードブル。メインディッシュはまだまだ!」
「あ、ああ。前菜のサラダの段階ね。やっぱり抜くことにもテーブルマナーみたいなのがあるんだ」
「そ、そうなの。マナーはとても大切なことだわ。ヨーロッパでは常識よ!」
 助けて……エーリン!
 話がどんどん膨らんでしまうわ。どうしたら……
 こうなったら、意地でも小さくなってもらわないと。
「じゃあ、次は本気だしていくよ」
「う、うん」 
 今度は、ジャポンをゲーセンのレバーのように上下に揺らしてみた。
 上上下下左右左右BA。
 ちなみにBは左の玉、Aは右よ。
 …………
 あれ? 裏技が起こらない……バグかしら?
 入力ミス? 
 もしかしたらBは右の方だったかも……
650冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:45:11 ID:FljhsdPO
 んなわけないわね。
 ケータの顔も気持ちよさそうな感じじゃないし。
 ケータは、
「……今の僕には理解できない」
 苦笑いをひくつかせるようにそういった。
「ち、違うわ。今のはスープよ。ほら、オードブルとメインの間には、スープが必ずあるじゃない。
こうすると、メインがより引き立つのよ」
「な、なるほど。メインのためなんだね」
 ふぅ。助かった。おもわずケータの脳みそをアンインストールしてしまうところだったわ。
 だけど、これでいよいよ後にも引けなくなった。
 まさしく背水の陣だわ。
 と、とりあえずもっと情報を得なくては……
「そういえば、ケータはいつもこんなに大きくなったとき、どういうふうに抜いているの」
「え? 今それ関係あるの? メインを早く出してほしいんだけど」
「関係あるわよ。こっちだって、魚料理出したらいいか、肉料理出したらいいかわからないじゃない。
この質問は、あなたにとって一番いい料理を提供するためのものよ」
「そ、そうなんだ」
 ケータは自分のジャポンを握りしめると、しごき始めた。しこしこ。
「あはは、なんだか恥ずかしいね」
 うん? 動き的には、さっき私がやった二つとあまり変わらないじゃない。
「なによ。全然小さくならないわ……それどころかどんどん大きく」
「え? いやまだイっていないから」
 イク?
 ああ、これもまた別のことを意味する単語ね。
 イクと小さくなるんだ。
「マリー。だんだん耐えられなくなったよ。そろそろメインディッシュを」
「わかったわよ。でも最後に二つ質問させて。
まず一つ。その抜こうとしている行為は、あなたの手と私の手を比べたら、どっちが気持ちいい?」
「もちろんマリーの手だよ」
「ふーん。じゃあ二つめ。“イク”のに必要な力はあなた自身が加減できるものの?」
「そうだね」
 ……よし!
 じっちゃんの名をかけただけあったわ。
 謎が全て解けた。
 ケータの求める濃厚さをだすこと。そして無知な自分をさらけ出さなくていいこと。
 この相反する二つの事象を満たす方法を!
651冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:46:03 ID:FljhsdPO
「一番いいメインディッシュがみつかったわ」
「本当?」
「どんなふうでもいいわ。私を好きに使っていいよ」
「ええ!? 好きにって……?」
「さっきあなたのジャポンを私のおへそに当てたとき、気持ちよかったよね」
「うん。とても」
「だから私のどの部分でもいいわ。手でも足でも。
そのジャポンを私の好きな部分へ押し付けて、好きなだけ力を込めて、好きなだけイッてもいいわ。
それがあなたにとって一番いいメインディッシュ」
「な、僕の望むまま動いてもいいの?」
「ええ、あなたのお好きなように」
「僕の望むまま脱がしてもいいの?」
「ええ、その代わり暖めてね」
「わ、わかった」
 ケータはその言葉を最後に、ゆっくりと前進してきて、私の胸の中に顔をうずめた。
 そしてこれでもかというほど、そこで大きく深呼吸する。
「な、何をしてるの? ケータ」
「マリーの匂いを嗅いでいる」
「匂い? 香水だったら、この冷凍庫から出たあと、いくらでもあげるわよ」
「香水じゃないよ。マリーの匂い」
「そ、そうなの?」
「うん。あまりにも良すぎてクラクラくる」
「……」
 確かに私もこの位置なら、ケータの男の子の匂いが感じられる。とってもドキドキする匂いが。
 ケータの頭の位置がどんどんと上がってきた。
 そしてパンツに固い何かが当たったわ。
652冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:46:53 ID:FljhsdPO
 私の目線からは、スカートに隠れていてよく見えないけど、おそらくはジャポンね。
「んっ……んん」
 ケータはそれを突き刺すようにしたわ。
 冬に飲む缶コーヒーと同じぐらいの熱さ、固さが、私を持ち上げるように。
「そんなに、力を入れて、痛くないの?」
 そういった私もその強さに、くすぐったさを超えて痛みを感じた。
 でもケータのほうが心配。
 例えて言うなら、ワイングラスを下から箸で強く押しているよう。
 折れてしまわないか心配なのよ。星野ジャポンみたいに。
「んっ! んっ! 大丈夫! だよ! マリーこそ! 平気!?」
 押し付けるリズムに合わせてまで、無理に話しかけてくれる。
 でもこんなに夢中なんだから、どうやら平気そうね。
 力を入れているのもケータなんだし。
「ええ。私もへい――っ!」
 ――んんんんんっ!
 とつ、ぜん、すごい……ものすごい痛み? いえ、ものすごくよく分からない感覚が全身に駆けめぐったわ。
 不思議、というよりも怖くなってきた。なんなのこの感覚。
「マリー、いまイった?」
「イったって、なに、が……?」
「とても気持ちよさそうだったよ」
 気持ちいい? 私が?
 この感覚が何なのか判断するまえに、ケータがまたその突き刺す運動をしてきた。
「マリー! マリー!」
 私の名前を叫んで、今度は腰を大きくグラインドさせる。
 わからない。
 この感覚を、なんていえばいいのか分からない。
 無理にして言葉をつむぐとしたら、突き続けてほしい感覚……っていうか……
 ――ふぁあ!
「ケータ! ケータ! もっと!」
 ――!
 いまっ、誰の声? 私!?
「マリィィー!」
「あああっ! んああああああっっ!」
653冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:47:34 ID:FljhsdPO
 …………
 …………
 私は今、ケータに体重を預けていると思う。
 ケータの肩に、両腕を乗っけて、その片方の腕の上からも、さらに頭を乗っけて。
 なんで私は疲れているのかしら。
 なんでパンツがベトベトになっているのかしら。
 ……でもそんなことどうだっていいや。
 頭が回らない。
 …………
「マリー、とても気持ちよかったよ」
「……そう」
「マリーは?」
「……」
 なんて、言えばいいのだろう。
 私の辞書に、該当する単語がない。
 私は……
「普通よ」
「普通!?」
 どういったらいいのか分からなかったから、ベターに答えてみた。
「あはは、普通か……そだよね。僕のためにしてくれたことだもんね」
 あれ? なんかケータがしょんぼりしちゃったわ。
「あのさ……だったら今度はマリーを気持ちよくさせたいんだけど、どうかな?」
「私を気持ちよく? 今こうしているだけで、心の底から気持ちいいわ」
「今よりも、もっとだよ」
「もっと?」
「今度は僕が、日本式を教えてあげるよ」
654冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:48:57 ID:FljhsdPO
 ――ジャポン式。
 でも、彼女がいないって言っていたケータが、そんなことを知っているのかしら。
「僕は雨の日も風の日も毎日、妄想で鍛えていたから大丈夫だよ」
「毎日?」
「うん。ある日エロゲをやったときには指テクを編み出し、ある日アニメを見たときには舌テクを極めたよ……想像でね」
 な、なんて勉強家なのかしら!
 私が、航空力学における偏微分をつかった証明問題や、
北海原油先物とIFO景況指数の相関関係をプログラミングするという無駄な時間を過ごしている間に、
ケータはなんて素晴らしく充実した時間を過ごしてきたのかしら。
 負けたわ……私の存在が恥ずかしくなってきた。
「……ジャポン式を、教えてくれる?」
「うん、任せて」
655冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:49:45 ID:FljhsdPO
 ケータはポケットの中から、ベトベトになった私のパンツの代わりに、替えのパンツを用意してくれた。
 もちろんそのパンツは女もので、サイズもぴったりだったわ。
 あとそれと、二人用キングサイズのベッドを取り出し、
枕、シーツ、掛け布団も取り出し、
周りの空気を暖めるためのファンヒーターもいくつか取り出した。
 もちろんこのポケットからね。
「ここに寝転がって」
「……うん」
「服を全部脱がすよ」
「ふ、服を!?」
「うん、もっとフランスを見てみたい」
「ええ!? さ、さっき私のフランス見たじゃない。まだ足りないの?」
「あれはフランスでいうと、まだマルセイユあたりだよ。僕はパリも見たいな」
「パ、パリってどこ?」
「こ・こ」
 ケータは替えたばっかりのパンツをツンツンした。
「きゃん」
「脱がすよ、いいかな?」
「そ、それがジャポン式なの?」
「うん」
「そ、それなら仕方ないわね」
 ケータはパンツの両端を持って、とてもやさしく下にずらしていく。
「ああ、ブローニュの森が見えてきたよ」
「ブローニュの森?」
「知らないのかい? 全仏オープンのテニス場やロンシャン競馬場がある場所だよ」
「そんなの知っているわよ」
「マリーのここではもう“深い衝撃”は走ったのかな?」
「深い衝撃? 変な英単語」
「うわあ、今度は森が深くなるにつれて、ベルサイユの薔薇の匂いがしてきた」
「ベルサイユの……いえ、もういいわ」
「ああ、ムネのドキドキが止まらなくなってきたよ。輝かしいシャンゼリゼ通りのその先には……雨に濡れた凱旋門が!」
「ケータ? もうそろそろ作者がフランスの友人に怒られそうなんで、やめてもらえません?」
「あ、ああ、そうだな。つい暴走してしまったよ」
656冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:50:39 ID:FljhsdPO
 その後、お互い真っ裸になって、抱きあったわ。
 君が上手で、下手が俺で。
「……このあとどうするのよ」
「僕のジャポンをマリーのフランスに入れたい」
「こ、こんな大きいのが入るの?」
「だからね……」
 ん?……んああ!
 なにか、さわられた!?
 私にはケータの顔しか見えないから、あそこがどうまさぐられているか分からない。
 だけど、体が、ヒクッ、ヒクッってなっちゃうの! んふぅ! ふぅああ!
「こんだけ、濡れれば、もう大丈夫だね」
 そして、ケータが自分のジャポンを私のフランスにあてがうと、
「いくよ!」
「…………んんんん、た、いた、いたーい!」
「そこでこれ! アマゾンで買ったこの薬!
この薬をクリに塗ると、破瓜の痛みですら全て快楽の饗宴に変えてくれるという幻の一品。塗るよ? ぬりぬり」
「ふぁあああああああ!」
「ふん! ふん! ふん!」
 そっか、そっか、これが、気持ち、いい、というのね、いい。イイ! スゴクイイ!

 ドン!
「おーいケーター! 助けに来たぞー!」
 なに? 今の音? そして声? 扉のほう? あ、助けが来たわけね。
「いるかーケーター? あ、いた、ケータ……お、お前なにやってるんだ?」
「マリーとセックス中だ」
「セックスって、ちょ、おま……」
「大丈夫、彼女も同意の上だ」
「はああ! んああ! うぐぅ!」
 ケータは助けに来てくれた友達と言葉を交わしながらも、腰を振り続ける。
「ふんが! ふんが! ふんが!」
 はあ、はあ、はあ……あれ? だんだん、薬が切れてきたのか、痛みが出てきた……イタ、痛い!
「もうやめてケータ。薬のヒットポイントはとっくにゼロよ」
「お、おい。彼女痛がっているぜ。もうやめてやれよ」 
「HA・NA・SE!」
657冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:51:39 ID:FljhsdPO
 ……あの後、無事に収まったのは奇跡としかいいようがないわ。
 ケータがたまたま、その場で見たことを全て忘れさせてくれる薬を友人に飲ませ、
さらに時間を十時間逆流できる時計みたいなもんも持っていたのだもの。
 でもこれって、奇跡というのかしら……考えるだけで、野暮ってもんよね。
 私とケータは冷凍庫に閉じ込められる前まで昔に戻って、そしてクラスメート達とともに外に脱出したわ。
 ケータのクラスと私たちが離れ離れになる際、私はメールアドレスを書いた紙を彼に差し上げた。
 そして、残りの社会見学も済ませ、私達は母国へと。

 ふぅ。一週間近くの旅も終えて、私はいま寮の自室にいるんだけど、ケータはメールを出してくれてるかしら。
 むつみけいたから一件メールが来ています? ん、どれどれ?


―――――――――――――――――――――――
 From  むつみけいた
 To まりー


 /^o^\フッジッサーン フッジッサーン

 \\(^o^)タカイゾ

 (^o^)// タカイゾ

 /^o^\フッジッサーン
―――――――――――――――――――――――


 ……なにこれ? これがジャポンの流行なのかな?
 まあいいわ。私も返信してあげる。
658冷凍庫に閉じこめられた二人:2008/09/25(木) 17:52:24 ID:FljhsdPO
―――――――――――――――――――――――
 From  まりー
 To むつみけいた


 そんな事よりケータよ、ちょいと聞いてくれよ。富士山とあんま関係ないけどさ。
 このあいだ、ジャポンに行ったんです。ジャポン。
 そしたらなんか冷凍庫に閉じこめられてとても寒いんです。
 で、よく見たらジャポンのオタクも一緒に閉じこめられているんです。
 もうね、アホかと。馬鹿かと。
 お前な、社会見学如きで普段来てない冷凍庫に来てんじゃねーよ、ボケが。
 二人きりだよ、二人きり。
 なんか金閣寺とかも見せてくるし。一家4人で金閣寺か。おめでてーな。
 よーし僕ホントは英語できないけど、いつのまにかペラペラになっちゃうぞぉとか言ってるの。もう見てらんない。
 お前な、グレンラガンのフィギュアやるからその冷凍庫の扉空けろと。
 ジャポンってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
 マスターの向かいに座った英霊といつ聖杯戦争が始まってもおかしくない、
 刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。タイガー道場は、すっこんでろ。
 で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、「嘘だ!」とか言ってるんです。
 そこでまたぶち切れですよ。
 あのな、ひぐらしなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
 得意げな顔して何が、「嘘だ!」だ。
 お前は本当に「嘘だ!」を言いたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
 お前、レナとちゅっちゅしたいだけちゃうんかと。
 ジャポン通の私から言わせてもらえば今、ジャポンの間での最新流行はやっぱり、
 ローゼンメイデン、これだね。
 乳酸菌とってるぅ? これが今、麻生政権の正しい生き残り方。
 もちろん景気対策を優先。そん代わり財政再建はおいてけぼり。これ。
 で、中川が、真紅をモデルに女装してコスプレ。これ最強。
 しかしこれを頼むと次から民主にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
 素人にはお薦め出来ない。
 まあお前、ケータは、ポニョでも見てなさいってこった。
―――――――――――――――――――――――

 ……よし、送信っと。
 
 よくわからないボーイフレンドができてしまったけど、まあこれも人生よね♪  おわり
659名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 18:14:01 ID:FljhsdPO
冷凍庫に閉じ込められた二人
>>604-610
>>613-617
>>621-628
>>637-641
>>648-658

純文学ともいうべき真面目で固い文章にお付き合いくださり、ありがとうございます。
……なんだかな、久しぶりに長編を書くことにあたり、最初はシリアスに行こうと思ったんだけど、
急にマリーとケータがボケはじめちゃって、収拾のつかない展開になってしまいました。
キャラが勝手に動いちゃうってやつ。
正直言って、面白いかどうかはかなり謎。
ほかにもいろいろ書きたいけど、
このスレにおいて、まだ未完の作品もあるからそれからなんとかしようかと思います。

それでは、この文章を読んでくれたみんなが幸せになることを願いつつ……バイビー
660名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 23:39:07 ID:0sP5aht4
>>659
超乙!
ボケがシュールすぎて吹いたww

とりまこの流れに乗ってほたいうpしてみる
661名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 23:39:58 ID:0sP5aht4
俺には左腕が無い。
正確には左腕を失った……か。

ガキの頃、交通事故で左腕をグシャグシャにしたらしくてさ。
左腕を切り落とさなければ命に係わっていたいたらしい。

ボールを落とした子供があわてて道路に飛び出て、
ダンプに轢かれて、なんてよくある話だ。
ただ、ちょっと違う点があってさ。

ボールを追いかけたのがボールの持ち主ではなく。
轢かれた本人ではなく、ボールを持っていた子供がトラウマになってしまった。


ずいぶん前の記憶だ。
記憶は磨耗するし、本能が事故当時のことを封印している。
つまり、俺はそのときのことを覚えていなくて。
おれの近くにいたこいつがトラウマになってしまったと。
皮肉な話だ。

「光」
「ん?」
「……やっぱり、不便?」
「?…あー、確かに面倒だな。地下室に閉じ込められたときは特に」
「……」


落ち込んでら。
確かに言い過ぎた感はあるが、んなことは知らねーよ。

「情けが仇」
「……?」
「情けが帰って悪い結果になるっていう慣用句だ。
 悪い結果になるとまではいわねーけどさ。
 いちいち人の腕見て同情だの罪悪感だの湧かせるのやめろ。
 虫唾が走る」
662名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 23:41:26 ID:0sP5aht4
別にそこらへんのパンピーに同情されたくて左腕を失ったわけじゃない。
いくら人体の一部が欠如しようとお前らと変わらない人間なんだ。

「罪悪感はともかく、そんなに同情したいなら紛争地域にでも行って来い。
 俺よりも酷いやつがごまんといるだろうよ」

言いたい事を言い切って目を閉じる。
……胸糞悪い。ここが学校じゃなかったら三本吸いだな。

「……いの」
「ん?」
「どうすればいいのよ!」
「……なにが?」

単純に疑問だった。
どうすればいいのよって……何を?

「あー……そうだな。もしどんな顔すればいいのとか考えているのなら、
 お前の頭は小学生以下だ」
「な!?」
「笑ってればいいじゃねーか」

呆気……じゃなくてあきれてるな。
あきれたいのはこっちなんだが。

「いつか言った筈だ。『笑っていてほしい』ってな。
 それを今更気付いたかのように罪悪感と同情に塗れた顔しよってからに。
 お前のせいで俺の腕を失っても、この傷は俺のものだ。
 罪悪感はともかく同情で塗れるのはお門違いにもほどがある」
「だって……私があの時……」

空が泣いた。
こいつの泣き顔久しぶりだなと、
心の片隅で思いながら、俺は言葉を紡いだ。
663名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 23:42:32 ID:0sP5aht4
「バーカ。人生はゲームじゃないんだ。
 リセットボタンなんて無いんだよ。
 だから学習するんじゃねーか。
 二度と繰り返さないように。
 これから先へ繋ぐ為に。」

空は泣き止まない。
もうこの際だ。俺も言うだけ言ってしまおう。
こいつが泣けるだけ泣かせてしまおう。
こいつがいつでも笑えるように。
過去から伸びる、後悔という名の鎖を断ち切るために。
これから先にも続く道を閉ざさないように。

「いつかは忘れたが、きっと小学生の頃だろう。
 俺もお前も馬鹿だった。
 だからこんなことになった。
 それでも一つだけ言える事がある」


あー…こうゆう状況だから言えるんだろうが、
やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいな。

それでも、後で自分が後悔しないように。
一つの思いを言葉にこめた。



「笑っていて欲しいんだよ。
 今も昔も、お前のことが好きだから」


「!……」

おーおー、顔真っ赤にして泣いてら。
まぁ、顔が真っ赤なのは人の事いえないだろうけどさ。
664名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 23:43:45 ID:0sP5aht4
「……ずっと好きだったんだよ。
 文句あるか?いくら左腕を失ったからって
 好きになっちゃいけないなんて道理は無いぞ」

左胸のポケットからハンカチを取り出して空の涙を拭う。
でもこいつは泣き止まない。
いいさ、いくらだって拭ってやる。
空が俺のことをどう思っていようと、
今だけは涙を拭うのが俺の権利だ。

「……ずっと……好きだった」
「……」
「好きだけど…あんたに拒絶されることが怖かった……」
「……」
「拒絶されるくらいなら自分から拒絶したほうが怖くないと思った……」
「……」
「もっと怖くなった……」
「……」
「でもあんたは私に近づいてくる……どうして……」
「……全てを肯定するのなら、傷はつかない。
 全てを否定するのなら、傷つくしかない。
 俺の言葉じゃないし、全てってわけでもないが。
 左腕が無くなったという事実を肯定した。
 お前に拒絶されてる事実をを否定した。
 だから傷はつかないし、傷つくしかない」
「……」
「何度も拒絶された。何度も否定した。もう傷だらけだ」
「……どうして」
「それだけお前のことが好きなんだよ。
 ……もう肯定しろ。
 俺がお前を攻めてないという事実を。
 もうそんなことで自分を傷つけるな」

そう言って、空をそっと、抱きしめる。
665名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 23:44:31 ID:0sP5aht4
小さな子供。そう思った。
空は俺より一回り小さい。
でも、それよりももっと小さく感じた。

「……光」
「なんだ?」
「光って、大きかったんだね……」

空が、俺の背中に手を回す。

「ばーか、お前が小さいんだよ」
「そうなの……?」
「当たり前だ。それに……」

少しだけ、抱きしめる腕に力をこめて、こう言ったんだ。





「好きな女を包み込めないのは正直頂けない」
666名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 23:45:52 ID:0sP5aht4
とりまここまで。
なんか重たい小説しか書けないなーorz
ほのぼのとしたやつ書きたいんだが……
667名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 03:25:45 ID:/8vQ6gEL
重くて結構、俺としては全く問題ありません!
668名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 18:23:06 ID:oWZSbeWi
>>654
> 私が、航空力学における偏微分をつかった証明問題や、
> 北海原油先物とIFO景況指数の相関関係をプログラミングするという無駄な時間を過ごしている間に、
無駄どころか物凄く有意義じゃね?これww

>>666
お疲れ様です
669名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 19:14:49 ID:VV1lw9Zk
>>666
いやぁ面白かったよ。
シリアスだけどそういう心情描写とかが完結&正確で読みやすかった。
670名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 02:52:00 ID:sC2Z3ag4
もうすぐうp出来そうな予感。

今回は重くない小話が乗るよー
671名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 03:33:19 ID:sC2Z3ag4
おまたせしますた。
保体うpしま。
672保体:2008/09/27(土) 03:35:05 ID:sC2Z3ag4



「で、どこまでいった?」
「ちょ、おま」
「先生!」


あの後、教師によってあの地下室から開放された。
弁明はあるが、サボったことには変わらないので、
二人仲良く職員室に出頭した。

「なに、担任としては聞いておかないといけないんでのぅ。
 不純異性交遊。その年なら理解できるだろう?」
「後一歩でってときに開放されたよ。
 ハグしてたのは人体模型と骸骨を見て泣いたコイツを宥めるため」
「光!」

いくらこの担任が俺の左腕の事情を知ってるからって、
体面は張らなきゃいけない。

「ふむ。まぁいい。星夜、先に戻りなさい。青下と話がある」
「マジかよ……。空、先戻ってろ。とっとと終わらせて追いつくから」
「……うん」



少しだけ不安そうな顔をしながら職員室を出て行く空。
673保体:2008/09/27(土) 03:35:43 ID:sC2Z3ag4


「で、どんな話?」
「なに、星夜と仲良く話をしているからな。
 あの件は片付いたのか?」
「……あぁ。ようやく肩の荷が下りた気分だ」

この教師は命の恩人だ。
轢かれた後すぐに病院へ連絡してくれたらしい。
事故が起きたのが朝早くで、散歩をしてたら腕が挽肉みたいになって気絶してる俺と、
その場で泣き崩れている空を発見したらしい。

「そうか……長かったのぅ」
「同感だ。まぁ、それだけ濃く生きてきたって事だろうな」
「ふむ、青下」
「?」
「今ならお前に渡しても問題ないだろう」

そう言いながら、机の中から小さな紙袋を取り出し、俺に手渡す。

「これは?」
「餞別だ。必ず二人であけること」

そう言って、担任は机の上の書類に目を移した。
もう俺に用はないということだろう。


紙袋をポケットに入れて、俺は空を追った。




その時に疑問に思うべきだった。
何故あの担任が肩を震わせているのか。
674保体:2008/09/27(土) 03:36:39 ID:sC2Z3ag4



「で、どんな話をしたの?」
「話じゃなくて、こんなのを渡された」

放課後、二人きりで家に向かっていた。
あの地下室を除いて、こうゆう風に話すのは久しぶりだ。
コイツは女友達と、俺は男共とつるんでいるから、
基本学校で話すことはない。
それ以前にコイツが俺を避けていたんだが。

ポケットから紙袋を取り出す。
それを空に渡す。

「二人で開けろってさ」
「ふーん……」

軽くセロハンテープで封をしてあるだけだが、
片手しかない俺には十分厳重だった。

「開けてくれ」
「うん」

セロハンテープをはがし、中身を取り出す空。

「なにこれ?」
「ぶっ」

中に入ってたのは男性用避妊具。
コンドームでした。
忘れてた。あの担任は素敵爺さんだということに。

急いで空からコンドームを引ったくり、ポケットに隠す。

「何するのよ!」
「お前が持ってたら怪しまれる。あの素敵爺さんめ……」
「…なんなのあれ?」
「……男性用避妊具」
「男……っ!」
675保体:2008/09/27(土) 03:37:15 ID:sC2Z3ag4

茹で蛸みたいに顔を真っ赤にする空。
人の事いえないのはいつもどおりで。

「やられた……」
「……光」
「ん?」
「今日お父さん帰ってこないんだけど……家に来る?」
「ちょ、おま」
「……ダメ?」
「……本当に帰ってこないのか?」
「うん、お母さんのお見舞いでそのままお泊りだって」
「……着替え持ってくるからな」
「……うん!」


右手を差し出す。
左手が右手に絡む。



綺麗な夕焼けだった。
宵の明星が見えた。

そっと、キスをした。

「空」
「?」
「ずっと……好きだからな。これから先も」
「私だって、光のこと、大好きでいるんだからね!」



きっと、俺達はどこか歪なはずだ。
それでも。


歪だからこそ、美しく見えるものもある。


静かに、そう思ったんだ。
〜fin〜
676Threads of Destiny:2008/09/27(土) 03:39:41 ID:sC2Z3ag4
「なぁ」
「?」
「空が男と付き合ってる」
「空が?」
「空が」


男性は花瓶に新しい花を挿す。

「良かったじゃない」
「いや……その付き合ってるのが、青下さん家の……」
「あぁ……良かったじゃない」

男性の顔は沈んでいるのに対し、
女性は笑顔だ。

「良かったのか?」
「良い事よ。ようやくあの娘も立ち直れたって事よ」
「……そうか。長かったな……」
「長かったわね……」

二人とも苦い顔を浮かべる。
あの事故のことを思い出しているのだろう。

「でも、不安だ」
「何が?」

「彼は、空を背負えるのか……」
「背負えないわね」
「ちょ、おま」
「だって彼には腕が一本足りない」
「……なら」
「でも、違うでしょ?」
677Threads of Destiny:2008/09/27(土) 03:40:27 ID:sC2Z3ag4


男性は困惑している。
女性の言っていることの意図がつかめていないようだ。

「彼はあの娘と共に歩んでいくわ、なら背負う必要なんてないじゃない。
 あの娘が転んだときに右手を差し出せれば充分でしょ」
「でも」
「あなた……体が動かない私を重荷に感じたことはある?」
「あるわけないだろ。いつも支えてもらってるんだから」


子供のように不機嫌な顔をした男性。
それを宥め、諭すような女性。

「あの子達も同じよ。きっと支えあって生きていくわ。
 それに、雨降って地固まるって言うじゃない」
「……長い、雨だったな」
「きっと岩のように固いわよ」

「……なぁ」
「?」
「何故、そこまで自信満々に言い切れるんだ?」
「そんなの、歴史を覚えるより簡単よ」
「?」


「だって、私たちの子よ? 更に言えば、あの子が好きになった子じゃない。
 自信満々に言い切れないほうがおかしいわ」

満面の笑みになる女性。
一瞬、呆然とした後、男性は苦笑した。



「そうだよな……俺達の子だもんな」
「うん」
「うし、今度ここに呼ぶか」
「え?」
「お前に描いてもらわないとな。
 ついでにスターフルーツに願掛けでもするか」
「……そうね」




ゆったりと時が流れていた。
どこか歪な2つの組を、そっと祝福するかのように。
678名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 03:43:10 ID:sC2Z3ag4
うp完了!
柘榴よりも短いはずなのに疲れた\(^q^)/

とりま今日は寝ます。
お疲れ様!


P.S.
会社から不採用通知きますた\(^q^)/
679名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 02:49:34 ID:BJxDAdRY
ちょ、俺がやろうとしてたネタをやられた……!
乙。超乙。
680名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 23:41:04 ID:kF2U6L9T
>>678
超GJ!
セリフ言葉「」が多いのにこんなに読みやすいのはどんな魔法使ったんですか。
to:P.S.
そんなもの小説とともに送り返しちまいなさい
681名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 00:00:36 ID:hAD7ckO5
>>679
コンドームが使いたかったんですね。
わかります。

>>680
これが俗に言う「風景描写不足」だ!

首吊ってきま
682名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 03:19:42 ID:eDHfW/YG
最近、複座型戦闘機、複座型人型戦車と言うシチュエーションが読みたいと思った俺。小ネタ投下
山の中で…
201X/8/2 某県某山にF-15EJが墜落した。
異音がした直後、エンジンが停止し、最後の通信はWAF(女性航空自衛官)の声で
「アンコントロール、ベイルアウト」096号機は火を吹き斜面に突っ込んだ。同刻、斜面では…
ACES2射出座席から離れた男女が居た。前座は木に引っかかり、後座は岩に引っかかっていた。
「柳一尉、大丈夫か!あと、サバイバルキットは持ち出したか…」男は岩の下に居た女に聞いた。
「沢田一尉、持っている。私達はどうやら二晩位覚悟した方が良いようだ。」雨が降り始めた。
ビニールシートにくるまった二人は暗灰色になり行く空を見ていた。
翌朝。二人はキャンプに来た子供の様に語り合い、寝ていた。やる事が無い上、酷く疲れているので仕方がなかった。一日目は…
墜落三日目、天候が回復した。白と黄色の救難ヘリが二人を回収した。
二人は軽傷で意識は明瞭、骨折も見られなかった。
ただ…柳一尉と沢田一尉の体には、打撲以外のうっ血痕が所々見られたが…
「両名は腰を打ったのか、ぎこちない動きだった」と救難員は語った
683名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 23:10:54 ID:j92I5H2f
>>682
なんというオチw
救難淫もニヤリですなww
684名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 23:11:45 ID:j92I5H2f
○員
×淫

なんだこの間違いorz
685名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 08:19:54 ID:gG+84mOB
>>682
複座型人型戦車でGPMを思い出した俺が通りますよ。オチで、バスの中なのに吹きそうになったw
686名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 16:00:48 ID:Sn6vY9P0
うん?
最後の二行、中卒のオレにも分かりやすく説明してくれ。
どういう状態だったのか、詳しく、綿密に、やらしく、あえぎ声も含めて頼む。
687名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 16:34:02 ID:q8KOcm6o
複座型人型戦車っつったらガンタンクだろ
688名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 18:26:46 ID:qsiofimp
職人が長編SSを書いたあとだって言うのに
なんか閑散としているな
689名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 21:06:48 ID:geeEk2oq
>>688
そうゆうのもありだと思うよ?
ゆったりするのはいいことだ。

とりま小説のキャラとかストーリとか。
プロットって言うんだっけ? を練りこんでま。
690名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 14:37:36 ID:SszIlPKs
お題というかなんか燃料が欲しいところだ
691名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 18:03:08 ID:WDq17oNx
幼馴染と路線バスの中で二人っきり


おk。ちょっと川の様子見に行ってくる
692名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 20:47:33 ID:cOk3lJZA
俺もお題もらおうかな。
>>695

くだらない吐露だが、
世界は何処かで?がっている。
足が動かなかったり、片腕が無かったり。
次に?がるものは、きっと目が無いんだろうな。



さて、近くに樹海が無いか探してくるかな。
693名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 22:57:12 ID:FOnHlMfG
>>692
目がないのは流石に・・・
ttp://dorobouneko.web.fc2.com/index.html
嫉妬三角関係修羅場まとめ

目がない女の子と二人きり・・・?
694名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 23:49:54 ID:cOk3lJZA
>>693
おk。まずは誤解を正そうと思った。
目が無いじゃなくて、目が『見えない』だったよorz
695名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 00:59:00 ID:mYyugadF
「宇宙人がUFOの中で女の子と二人きり」
696名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 01:25:16 ID:hGxi2ezo
いつもどおりの縦振りにしておけば良かったと激しく後悔。

とりあえず一週間で完成させたい。
697名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 02:57:01 ID:pZLcUIBV
前に途中まで投下された、宇宙船の脱出ポッドで二人きり、みたいなシチュ好きだなー。
生死が掛かった状況下だと色々エロに持ち込みやすいし。
698名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 03:25:59 ID:It4SjmiH
リレー方式にでもするか?
例えば。舞台とシチュ決めて、キャラは作っていく。
分かりやすくするとこんな感じ
1.地震が起こり、部屋で二人きりなシチュ希望(リクエスト)
        ↓
2.おK 導入部投下
        ↓
3. 2の後に続くように書いていく。         

だが…予想外の展開になり、続けにくくなりうる事もある罠…         
699名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 03:44:30 ID:BJBqtzRI
とりあえず、やることやっちゃえば〜


             |:ョ,: :::::: : i|,   わしがじっくり育てたるがな〜!                  
             〔`|,r・: : : : `゚"'''''・x,_        : t・+=@  
             ,,,i广: :::    i、   ゙'!i、       .〕  ゙L   
              ,r″ : : :::::::: : :  ゙k   j゚L      .,,i´  〕   
           ,i´ : : : : :::::::::::::::::: : ゙l,、  ヒ:┐ _,,v〃 ._,,r″  
          ,i″.: :,ri,,:::::::::::::::::::::::: : ヽ:   ゚L゙厂`: ::::::::,,i″    
         ,i´: ,r"_,゙l,::::::::::::::::::::::::: .゙L:   ゙l,゙l、:_::,J'″      
        .,r″::,i´::::::::゙゚'|l,,:::::::::::::::::::::::::::`':   .゚l,レ,|`|「        
     ,,,,. ,,i´: ::,r'ヒ::::::::::::: .”'r,,、:::::,,,、::::::::::::::::: ::゙'レ,!°       
     ゙l_]″::,d゜: ゙l,'i,,::::::::::::: : ゙'ヽdペ''┐: : : : : : : `'r,        
      .゙゙‐'''゙゙|:::: : .》,.~''ーv,,、::::::::|ぐ  〔       ゙'L       
            |,   ゙l゙'l,,_:::::::`"'ー,,,レi,、 .゙k   ュ    〕       
         ゙┐: ::'ョ".゙'l|l!_,,,v・″ ゙ヘi、,l゙    |    ,li、      
          ゚L .ミ,,,r''“゜           ,「::   .,ぐ.ト     
           ‘'',ir″     : : : :     _,r゚¬''j广::.,/      
           ,r″     : : :::::::::::::::,,,v・″  ./~゚'l,l°      
             |  ._,,,v――ー¬ーキ―:i,''゚゙~'i、 │  ゙l、      
             |,_、″      : : ::::::::::::::`::::::゙l、 ヒ  |,      
           `~゙゙゙゙゙~゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙¨"''''¬-v,,::::゙゙l, .|  ,r"      
                          ゙゚'┐゙‐'' ̄
700名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 11:27:57 ID:eJzdEeR7
べつに書き手が何人かいるみたいだから、
テーマとか決めずに任せちゃったほうがいいのではない?
701名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 16:33:25 ID:jyMTmkeo
リレー方式で悪い点
・予想外の展開になったら?がりにくい。
・そもそもリレースレ(?)っポイのがある気がする。

よい点
・面白そう。
・エロがかけない書き手(俺とか)は他の書き手に任せられる。

あまりにも過疎って来たときの最終手段としてはいいかもしれない。
702名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 22:23:54 ID:xyijCSM1
リレーの他にもシェアワールド見たいなのはどうだろう?
世界観がきまってると結構書きやすいと思うんだ。
リレーについての投票は棄権で。なんとも言えん…やるなら参加するけど。
703名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 23:00:36 ID:HQV9Xe5C
やるならやるできっとそんな流れは来ると思われ。

安価でお代、キャラの性格、世界観。
これくらいの縛りをつければ予想外ってのは無くなるかなと。
必要に応じて縛りを減らすなり増やすなり。

減らす=自由度高い、予想外おおい(かも)
増やす=自由度低い、予想外少ない(かも)

まぁ、楽しければいいんじゃないかと。

これ書いてたら>>582思い出して軽く吹いた。
704名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 02:56:56 ID:am1VnBE3
昼下がりに郊外に向かう準急電車は、長い編成にもかかわらずガラガラだった。
先頭車に乗っているのは、703と、先頭側の壁の向こうにいるらしい運転士ぐらいのものだろう。
週刊の漫画雑誌も、さっきから読み飽きて脇に捨て置いた。
あくびがでる。独りぼっちの郊外電車というのも悪くないが、所用とはいえ退屈だ。

電車が駅に止まって、ふらりと乗り込んできたのは、高校生ぐらいのジャンパースカート姿の少女だった。
小さなショルダーバッグと、スケッチブックを携えている。
ああ、これで空間を独占できなくなったな、と703は内心つぶやいた。
その娘はセミロングヘアの案外可愛らしい容貌だったが、どこか投げやりな無表情で、703の方へ近寄ってきた。
何だ? 宗教か何かか?
平板な声で彼女は訊ねてきた。
「あの……580円でどこまで行けますか?」
「は?」
少女が出したのは、580円の片道切符だった。

「……親と喧嘩して突発的に家出して、優しくしてくれる名古屋のおばーちゃんちに逝きたいけど
カネがないからヒッチハイクしようと道端でスケブ挙げてたら、バイクに乗ったヘンな顔の男が現れて、
勝手に580円きっぷ買わされて、電車に乗せられた、と?」
隣に腰掛けた無口らしい娘は、こくんとうなずいた。
いまどきヒッチハイクで名古屋まで行こうとする娘も身の程知らずだが、そのバイクメーンもかなり無責任な奴だ。
大学のゼミに工藤五八郎という無責任男がいるが、そいつといい勝負だな。

こっちも週末の暇つぶしに、郊外に住む友達の家に行くことを話した。
「大学の同級生でね……あ、パンあるけど、食べる?」
少女はちょっとためらったが、無言でうなずいた。

-----
次、任せた
705名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 04:59:37 ID:yVY58QTv
なるほど。
この少女(クーデレ)がいろいろな男性とふたりっきりになる物語ですな。
新しい試みということで、まあやってみよっか。
706名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 05:04:00 ID:yVY58QTv
10月の岡山。
車窓から見える紅葉の山々を感じながら、703は少女のうぐいすパンを頬張っている姿を眺めていた。
――いまどき家出ねえ。
家出という行動じたい、最近はドラマでも漫画でもすっかりお目にかけなくなってしまった。
だけど現実として家出少女という存在がいる以上、
703にはどう対応したら適切かということに、少々戸惑っていた。
「とりあえず名古屋なら、JR線に乗ったほうがいいと思うけど、
ここから一番近いところだと少し乗り越し料金がかかちゃうかな?」
「……」
「家族の人には、出かけるっていっているの?」
「……」
ガタンゴトン。
少女は、通り過ぎ行く電信柱の影3つ分の空白を置いて、
「うん。大丈夫」
とつぶやいた。
その言葉の真偽までは703には分からなかったが、今そのことを問い詰めても仕方がない。
「あと20分ぐらいしたらJRの小さな駅につくと思うから、そこで乗り換えたほうがいいよ」
「……はい……ありがとうございます」
一つ一つの言動において、非常にゆっくりとした話し方だったけど、
703の目には逆に、しっかりとした子だなあ、という印象をあたえた。
よく考えて、言葉を選んでしゃべるタイプだな、と。
「お金は持っているの?」
「……ぎりぎりですけど、問題ないです」
「……そっか」
問題ないといっている相手に、これ以上つっこめない。
つまり彼女にとって僕に声をかけたのは、路線や料金のことを知りたかっただけだ。
703はそう思った。
それから20分後、彼女は一礼をして列車から降りた。

ガタンゴトン。
読み飽きた漫画雑誌をもう一度開いてみたが、内容はまったく頭に入らない。
さっきの少女の姿が目に焼きついて離れなかったせいだ。
――あれ? あの女の子かなりかわいかったよなあ。
友達のところにいくよりも、なんとか口説いて名古屋までつきあったほうがよかったかもな、くそ。
少し行儀が悪いかなと思ったが、703は誰もいない座席にごろんと横になった。

-----
次、任せた
707名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 05:46:59 ID:7Jv9Yxn6
逃した魚は大きかった…等と取り留めもない事をしばらく考えていた703。
そして友人の701宅に付いた。ドアをノックしたが反応が無い。
彼に言われていた通り、裏の倉庫の方に行った。
エンジン音が聞こえて来て、排気ガスが見える。
「701〜遊びに来たぞ〜」703は声を掛けつつ工具棚の陰を覗き込んだ。
「アイツなら今帰省中だ、アタシにモンスターいじらせてな。」
灰色の整備服のお姉さんがいた。所々、オイルや煤で汚れているがとても綺麗な人だ。
T字レンチでボルトを締めたお姉さんは、車台の上からバイクを降ろした。
「うっし、終わり!あたしゃあのバカの従姉妹の清水京。アンタの事は聞いてるよ。」
二人で居間に行った。茶菓子とリモコンを渡すと京さんは離れに行った。
7O3は離れを覗いてみようかと考えたが止めた。そして五分後。
Gパンと灰色の作業ジャケットの彼女が現れた。髪を降ろした京はとてもセクシーだった。
「飯作るから座ってな。」笑顔でそう言って台所に立ったとき、彼女は純日本美人となった。

後よろしく 
708名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 12:56:40 ID:kHdYOqEp
俺は暗い道でたたずむ女の子を発見して、走っていた車を停止した。
スケブにナゴヤと書かれた文字に驚きつつ、駆け寄ってきた少女に話しかける。
「ナゴヤまでいきたいのか?」
「はい。でも途中でお金がなくなっちゃって…」
「しょうがないな… 近くのトラックステーションぐらいまでなら、乗せてやれるが…
 正直、ここでヒッチハイクするよりも効率がいい ナゴヤナンバーの車を探して交渉すればいいからな」
「…はい」
「まぁ、なんだ、後ろに乗ってくれ」
俺は後ろに乗せることを促す。
すると助手席に座っていた金髪碧眼の少女がわめく。
「ちょっと ばかへ〜! 道ばたにかわいい女の子がいるから、車とめたんでしょぅ?!」
「い、いや、そういうわけじゃ…」
「……」
ナゴヤ行きたい少女は、地元では見慣れない容姿の少女を見、言った。
「日本人…ですか?」
「むかっ!」
「あ、いや、れっきとした日本人だ。ただ、容姿がちょっと違うだけdごはぁ!」
顔面を殴られた。結構痛い。
「ば・か・へ・ぇ・?」
「すまん」
「こっちも結構切羽詰まってましたので、遠慮無く乗ります」
「あ、こらっ!」
「どうぞどうぞ」
すました顔の少女。マリーは不満顔だが、致し方ないという感じだ。

「へー… そう… キミも家出なのか…」
「え? …も?」
「あ、うん、この子も、あ、マリーっていうんだけどね、初めて会ったときはそういう事情だったからね…」
マリーはふくれっ面だ。そんなに俺が少女と話すのが不満なのか…


「さぁ、トラックステーションについた。俺たちはこの後ちょっと急ぎの用事があるからね、済まないがここでお別れだ」
「いえ、ありがとうございました」
「お互い、がんばろう!」
「はい!」

そういうと、軽くクラクションを鳴らし、マリーとその場を後にした。


#580円少女が不憫でならないので、拾ってみました。
#後よろしく
709名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 16:00:25 ID:Whc9GEX7
(;゚д゚)言えない……701と703が同一人物だなんて口が裂けても言えない
710名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 19:51:51 ID:O1SwybOb
おいおい二人きりスレなんだから金髪女捨てて乗せ換えるくらいのことしろよ。
もしくは車内で金髪と運転手が二人きりになるために小娘を荷台に積むくらいしろよ。
711名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 22:25:43 ID:AwdKLhY6
>>708
総武の休日キターーーッ!!ww
ばかへーとマリー、キターーーーッ!!

本編の続きも待ってます。
712名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 22:33:31 ID:ujulx1+s
既存の小説を混ぜてもいいのか。
おk
ちょっと繋げてくるかな。
713名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:25:51 ID:ujulx1+s
「これから言うのは独り言だから無視していいからな。
 アンタ、あんまり話すの得意じゃなさそうだし」
「……」

静かにうなずく少女を横目に、男はトラックを走らせる。

最初、トラックステーションで少女を見たときに、
男は自分の目を疑った。
ナゴヤと書いてあるスケブを掲げてボーっとしてるのだ。

良くて性質の悪い冗談、悪ければ詐欺だと踏んだが、
まぁ大丈夫だろうと、男は少女に近づき事情を聞いた。

なんでも、性質の悪い男に捕まり、有り金を意味のない電車代と交換させられてしまった事。
電車に乗ったは良いものの、途中で人に聞いて到底つかないと諦めて電車を降りた事。
気のいいカップルに乗せてもらってここまでたどり着いたこと。

「さっきも言ったとおり、乗せられるのは浜松まで。
 またトラックステーションで降ろすから、ゆっくり探すといい。
 ここよりも近い分、名古屋に行くトラックも多いだろう」
「……」

ちゃんと独り言だと推したのにうなずいてくれる少女。
いい娘だと、男は片隅に思った。



特に渋滞はなく、浜松まであともうすぐという所で、
男は少女の目が、小さな写真に留められていることに気付いた。

「妻だよ」
「! ……」
「昔事故でな、足が動かなくなったんだ。
 救われないことに、事故の原因が俺なんだ」

男は自嘲的に話す。
自分で独り言と念を推しても、誰かに聞いてもらいたかったのだろう。

「信号無視、今と違って走り屋が無茶なことを平気でしてた時だ。
 親からも耳にタコができるほど言われたのにな。」
「……」
「…今でもふと思うんだ。妻は俺といるだけで幸せだというが、
 あの事故がなければもっと幸せだったんじゃないかって」
「……」
「……おっと、くだらない独り言につき合せちゃったな。
 忘れてくれるとありがたい」

それ以降、男は何も喋らなかった。
714名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:27:58 ID:ujulx1+s

「んじゃ、ここでお別れだな。
 さっきも言ったとおり、ここの方が名古屋行きのトラックは多いだろう。
 最後まで送ってやりたいんだが、すぐに行かなきゃいけないところがあるんでさ」
「……ありがとうございました」
「ん、元気でな」
「あ…あの……」
「?」

少女は、ゆっくりと男に言った。



「愛する人のそばにいる。……それが一番幸せなのではないでしょうか」



男はあっけに取られたあと、苦笑した。

「そうか、それが一番幸せなのか……ありがとう」
「いえ……」

少女はばつの悪い顔をした。
きっと、年端の行かない娘に言われるのはどうかと、
今更考えて、後悔しているのだろう。

「んじゃ、今度こそお別れだ。名前は聞かないし言わないよ。
 次に会うことがあったら言うよ」
「はい」

軽くクラクションを鳴らし、男はその場を後にした。



※二人きりというのが趣旨だから既婚者もおkと踏んだ。
※2レスはありなのかどうかわかりませんでした。
※邪魔なら思いっきり叩くなりスルーして下しあ
715名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:29:08 ID:05Iz6nwe
し、志村ー!行き過ぎてる、行き過ぎてるよナゴヤ!(>>706の1行目)
716714:2008/10/07(火) 23:38:23 ID:ujulx1+s
ごめんやらかした。
浜松→寝屋川と脳内変換して下しあorz
717名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:40:39 ID:am1VnBE3
>>707
ぐつぐつと何やら煮える音の合間に、野菜を刻んでいる包丁の音が混じって聞こえてくる。
京は何やら作っているのだろう。
しかし、俺をほったらかしてイトコに接待まかせて、どこをほっつき歩いているのやら、と703は思った。
京がキッチンから首を突き出した。
「なー、まだちょっと時間かかるから。昼寝でもしてなよ」
「あ、どーも」
何だか落ち着かない。玄関に脱ぎ散らかしてあった701のものとおぼしいサンダルを履いて、外に出た。

701はバイク乗りだ。セローを1台持っていて、やっぱりバイク乗りで703と共通の友人の工藤(例のバカだ)とつるんで
ツーリングに逝ったりする。気まぐれな奴だから、約束すらほっぽらかしてバイクで出かけてしまうことがないでもない。
バイク好きなのはイトコがバイク乗りの整備士とかで、その影響だとは知っていた。
しかし、それがちょいとはすっぱでカッコいいお姉さんだとは聞いてなかったぜ。
赤とんぼのつがいが秋の午後に相応しく、つるみながら飛んでいく。
けっ、とんぼでさえつるんでるのに俺と来たら……
電車の家出少女のことを一瞬思い出し、それを無理に忘れようとしながら、裏手の倉庫に来た。

さっき京がいじっていたバイクは、コンクリートの床に下ろされて、黒光りしたボディを休めている……
ん?
703の視点がタンクとエンジンの刻印に止まった。
げげっ、よく見たら本物のハーレー・ダビッドソンじゃねーか。さっきは国産のモドキかと思ったぜ。
ちょっとやれた中古で、ノーマルからさほどいじられている様子はないが、ハーレーご自慢のVツインエンジンはクロー
ムの鈍い光を放ち、全般によく整備されていることがうかがえた。京の腕はしっかりしているらしい。
そうか……701め、大型取ってバイトで稼いでるとは聞いてたが、これを買うためか……俺に自慢する気だったな。
京のつてで仕入れて回送してもらってきたってとこだろう、と703は思った。
しかしセローからハーレーに一気昇格とは……免許取っても、無茶だぞ。
「おーい、メシできたよー」
京の声が聞こえた。
718名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:41:50 ID:05Iz6nwe
>>716
じゃあ何故か地元の名前が出たこともあるしやってみようかw
ちょいお待ちを。
719名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:43:22 ID:am1VnBE3
茶の間に上がると、なんだか甘みの混じった味噌の香りが漂ってきた。思わず腹の虫が鳴る。
「ほい、遅いお昼だけど」
「すいませんね。701はどうしたんスか?」
「なんか、工藤とかいうのから呼び出しかけられてセローで出てっちゃった。そのうち戻るでしょ」
「あ、工藤か! しょうがねえなあ……」
どうせ701を呼び出してつるんでバイクで走って、峠近くのラーメン屋で工藤が701にたかってラーメンを食う、というパタ
ーンだろう。工藤はそういう奴だ。
701はしばらく戻るまい。どうせヒマだ、腰を据えた方がいい。
「じゃゴチになります」

丼に盛られたのは、野菜のたっぷり入った煮込みうどんだった……どろりとした黒みのあるつゆが独特の匂いを放つ。
ふうふう言いながら、京と差し向かいでうどんを食う。
何だか気恥ずかしい。
口は悪いがさばけたこの女性は、イトコに似ず落ち着きのある美人だった。
彼女の仕立てたうどんは旨かった。料理は上手いようだ。
「うん……おいしいです、これ」
「家伝の味噌煮込みうどん、けんちん風だ。こっちは野菜が手に入りやすくていいね」
女性と話すこともあまりないので、戸惑いながらも「半分田舎ッスからw」と誤魔化した。
「でも、珍しい味噌ですね」
「当然! わざわざ名古屋の八丁味噌持ってきたんだから」
ばたりと箸を置いて、703は京の顔を見た。
「名古屋!?」
「あたしね、名古屋のバイク屋に勤めてるんだ。701にバイクを持ってきてやるんで、早起きして高速ぶっ飛ばしてきた」

703は、つまみ食いをしていた頃のサザエさんのような顔になった。
720名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:48:49 ID:am1VnBE3
>>716
俺も岡山に長距離の私鉄電車があったことに驚いたw
まー忘れようw
721名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 23:56:29 ID:ujulx1+s
なんというgdgdリレーw
顔がにやけてしょうがないんだぜ兄弟w
722名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 01:04:55 ID:JkfLskQ6
素晴らしいな。顔がにやけてしょうがない
今までの登場人物みんなとからませたいな
723名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 01:09:12 ID:xDXRsaJp
>>722
彗は出した。
後俺のキャラはガーネ、光、空だな。

どうやって出そうか考えてるけど、
考えた端から顔がにやけて大変なことになってるw
724718:2008/10/08(水) 01:24:04 ID:BdNj4yWp
(さて困った。なんでこんなの拾っちゃったんだろう)
 彼は風呂場から流れる水音を聞こえないふりをしながら布団に潜り込んだ。

 * * * * * *

 夕方、通行量が多くなって真っ暗な国道沿いで煤にまみれたスケッチブックを持った少女が一人。男がどう
したのか、と質問すると、少女はこれまでの道程を静かに語りだした。岡山からここまで電車やヒッチハイク
を乗り継いでここまで辿りついたのだ、と言う。
「つーか君、まだ高校くらいじゃないの? 親御さん、心配してると思うけどなあ」
「……無いです。心配なんかしていません」
 彼女は意志の強い目で男を睨みつけた。本当にそう信じ込んでいる目だった。
「それだったらそれでいいけど。……で、君は今晩どうするの?」
 彼が訊くと、長距離のトラックに乗せてもらって親戚のいる名古屋へ向かおうと思っていると簡潔に答える。
「ふーん、真夜中に時速100kmですっ飛ばしてるトラックの運ちゃんが、歩道でスケッチブック持ってる
 子供に注目してくれるのか。すごいな、流石プロドライバーだ。そんなところにまで目が行くんだから」
 青年が意地悪く皮肉ると少女はぎくりと身を固くした。そんなことを考えてもいなかったらしい。
 ここは大阪と京都の中間地点ということでトラックの通行量は多いが、長距離輸送のトラックが止まること
は殆ど無い。高速道路に乗るなら大きな川の向かい側だし、名古屋方面へ抜けるならもう少し南から生駒山を
抜けていったほうが早いから、名古屋へ直接行くのはちょっと骨が折れるのだ。

(これはちょっとかわいそうな子だなあ……)
 少女に聞こえないように青年は嘆息した。
(所持金ほぼ0円で家出してここまで来れたのは彼女の人徳か、それとも運か。どっちにしろかなりツイてい
 るんだろう。ここで旅を終わらせてやってもいいだろうが)
「ウチでよければ泊まりに来るか?」
 そこまで考えたときに青年は口を滑らせてしまった。
「いいんですか!?」
「あー、でも一人暮らしだよ、俺。」
 バツが悪そうに彼は返す。高校生くらいの少女を一人暮らしの男の家に上げることになるからだ。
「……私は大丈夫です」
 少女はちょっと迷った様子を見せたがすぐに答えを返す。所持金も無いし、怪しい男の家でも仕方がないと
割り切ったのだ。
(……うわー、どうしよう)

 * * * * * *

 彼が布団に潜り込んですぐ、遠くの方から声が響いてきた。
「あのー、バスタオルを……」
 青年は頭を掻きながら起き上がった。どうやら出しておくのを忘れていたらしい。
「はいはいちょっと待っててね〜」
(これはいつ洗ったっけな。……クサッ! ダメだ。こっちは……ちょっと臭いがおかしいけど、まあいいか)
 そんなことをしながら男が乾いてバリバリになったバスタオルとジャージを持って風呂場の前に立つとドアが
開いた。そして裸のままの少女が彼の胸に飛び込んでくる。
「……どうしてお風呂場にゴキブリがっ!」
(お嬢さん、そんなことよりあなたの格好を気にしてください。僕もうドッキドキです)




とりあえずエロパロスレだしエロを入れやすくしてみた。

……ここ初投下だよリレーも初参加だよ出来がマズかったらNGにぶちこんでくれよ俺もうダメだよ俺
とりあえず実家に帰ろう。それで岡山からのヒッチハイク少女見つけるんだ……
725名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 01:39:29 ID:g0hs0zM3
夕暮れ迫る高速道路を、1台のハーレー・ダビッドソンがヘッドライトを光らせ、時速65マイル≒104kmフ
ラットで疾走していた。

快調にプッシュロッドを踊らせて鼓動を響かせる自然空冷Vツインエンジン上にまたがり、フルフェイスヘル
メットにブルーのつなぎで身を固めてグリップを握るのは、京だ。
その後にセミフェイスのメットを被ってしがみついているのは、京のリュックを背負わされた703。

703が、往路の電車での小さな事件を京に話したのが、きっかけだった。
『大洲に住んでて、うちにカブの整備頼みに来るバアさん、こっちの方に孫娘がいるって言ってたんだよ。
息子夫婦が厳しくて、叱られてばかりいてかわいそうだから、遊びに来るとかわいがってやってるんだけど
ねえ、って――店で女があたしだけだから、整備に来るとあたし捕まえてヒマ潰してるんだ、バアさん』
スケブを持って名古屋に向かおうとしていた家出娘の話を京に語ったら、えらい話が飛び出した。

『その孫、口下手で無口だけど絵が得意で、いつもスケッチブック持ってるんだと』
『……同一人物ぽいですね』
腕を組んで考え込んでいた京は、しばしして思い切った様子で言った。
『……よし、じゃ名古屋行こ』
『へ? なんで?』
『その家出した娘、連れ帰るんだよ。話を聞いていると悪い子じゃなさそうだ。
たぶんどうにかして、名古屋のばあさんのとこまでたどり着くと思う。
でもさ、ばあさんに甘えるのもいいけど、いつまでも子供じゃいられないんだ。
親どもと向き合わせるために、帰してやった方がいい。
あんたとあたしなら話は通じると思う。一緒に来な。とりあえず行きはハーレーで連れてってやるから』
『あのー……ハーレー、701のですよね?』
『この京さんに整備おったけて勝手にツーリングに逝くバカが悪い。構わない、欲しけりゃまた名古屋まで取
りに来させる』
その気迫に押されてしまい、なるほど筋は通っている、お姐さんを放り出して遊びに行った701がいけない、
と思わず答えてしまった703だった。

京は事も無げに、1000ccをオーバーするハーレーVツインをキックスタートさせた。大した脚力だ。
「よくつかまってなよ。あたしのお腹に手を回して」
「え、いいんですか……いいんですよね(汗)」
二人の真下では、大きなエンジンの2個のピストンが毎分2000往復して力強い鼓動を響かせている。
京の細いウエストに腕を回していると、到底かないっこないのに、
「この姐さんのシリンダーと、俺のピストンで、3気筒目をセットしたいなあ……毎分20往復ぐらいで駆動さ
せて」などとアホな妄想が浮かんできた。
が、それも高速道路に乗るまでだった。

バイクの二人乗りで高速道路に乗るのは初めての703だったが、スピードによる風圧は物凄い。
ほぼ制限速度を守っているのだが、それでも落ちたらおしまいだ。
703の「ピストン」が急激に小型化していた。
以前見た映画の「イージー・ライダー」で流れていた「ワイルドで行こう」を脳裏で絶叫して反復しながら、振
り落とされないようしがみついているのが精一杯だった。
京の腹の内は、わからなかった。
726名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 06:11:40 ID:zk34QG98
北陸地方某所。地震によって外界と隔絶された暗い空間に、一組の男女の姿があった。
男はボサボサ頭で眼鏡をかけ、野暮ったい背広を着たサラリーマン。
女は真紅のボディコンに黒い網状のストッキング、豹柄の上着を羽織った売春婦。
満足にシャワーも浴びれなかったのか、香水でも隠しきれない性臭を漂わせている。

地震が起きて瓦礫に埋まる前、ここはやや寂れたビジネスホテルだった。
男は残業明けでチェックインしたばかりの、まだシャワーも浴びていないサラリーマン。
女は男の部屋の前の廊下を歩いて、目的の部屋に向かっていたデリヘル嬢。
地震に巻き込まれた二人は、逢う予定もなかった面識のない相手と二人きりで過ごしていた。
地震発生時刻は午後11時。現在は深夜1時。余震も収まり落ち着いた時間が流れている。

女の化粧で整えられた顔はそれなりに整い、ボディラインも派手な衣装に負けていない。
特に脚線に自信があるのだろう。スラリとした脚を強調するように組んでいる。
男の注意を引くようにしきりに強く息を吐いていた女は、カツカツと踵を鳴らしてついに声を上げた。
「ちょっと、アンタさっきから何してんのよ」
ノートパソコンを起動させて画面の光を眼鏡に反射させていた男がチラリと女を見る。
「2ch」
短く答えると男の視線は再びノートパソコンに向けられた。女としては面白くない。
「なにそれ。なんでわざわざこんなときにしてんのよ。オタクってやつ?」
「まあ、ありていに言えば」
またしても短い答えに、会話が発展することなく終息する。
閉じこめられた不安に駆られている女は、それでも接触を諦めなかった。
男の隣に座り、身を乗り出して画面を見る。
「ヘンな画面。なにこれ。えー、【エロパロ】 − 女の子と二人きりになってしまった 3回目?」
香水とむせるような性臭に眉を顰める男。女は片眉を吊り上げ、小首を傾げてから口を開く。
「これってアレ? 電車男みたいなヤツ? どーしたらいーか聞いたりするんでしょ?」
「……違う。小説を書いて載せる場所。毎晩巡回してるから見ないと落ち着かない」
「へー……。ちょっと見せてよ。上の方から。はー……こんなのがあるんだ」
乳房を強調するようにぐぐっと身体を寄せてくる女に、男が視線を外しながら軽く仰け反る。
慣れない手つきでカチカチ↓キーを押してスクロールした女は、不意にニヤリと笑った。
「こーゆー趣味があるなら、アンタ今私に欲情してたりすんの? 二人きりだもんね」
「別に。小説の主人公みたいに振舞えるわけじゃないし。……緊張はしてるけど」
「まーそりゃそーか。……ていうかさ、アンタシャワーも浴びてないの?」
「残業明けたばっかだから」
「そりゃゴクローサン」
「どうも」
当たり障りのない会話をしながらスレを斜め読みしていた女の眉がまた少し上がる。
「あー、なんかヘンじゃない? 後頼むってなにこれ」
「リレー小説。続きを他の人が書いてく」
「ふーん。……なかなかエロくなんないわねぇ。こんなの普通にヤられるっしょ」
「リレー小説は半分共有物だから、自分の手で変化を与えることを嫌う書き手もいる」
「ふーん。あれ、二人きりじゃなくなった。なんかいきなり名前とかあるし」
「他の作品のキャラがゲストとして登場した」
「あ、エロくなった。……と思ったら脇道にそれた」
「よくあること」
「ふーん……ねえ、つまんないんだけど」
「感想は人それぞれ。小説を書くのが苦手な人でも参加しやすいし、面白くなることもある」
「アンタはなんか書かないの? 感想とか続きとか」
「こういうの参加するの苦手」
「ふーん」
最後まで読んだ女は興味が無くなったのか画面から顔を離し、男の顔を見る。
「ね、してあげよっか。二人きりだし。次の仕事前だったし……男の人の汗の匂いって嫌いじゃないんだよね」
「んー……、救助呼んだし、大人しくしてた方がいい」
「いつくるかわかんないわよ。それに手か口でするだけだし。タバコ我慢しててストレス溜まってるしさ」
「昨日抜いたばっかだから勃つかわかんない」
「ローションあるし、タマとかアナルとか手でマッサージするのけっこー自信あったりするんだよね」
「……シャワー浴びれないのにローション使うのはどうかと思うんだけど」
「あーもーうっさいわね。っていうかなんで微妙に片言なのよ。さっさとヤらせろっつーの!」
「ちょっ、わっ、」
翌朝パンツとスラックスをズルズルにしたサラリーマンと派手な女が保護された。<了>
727名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 15:49:42 ID:0DlkGszo
なんか物語が二つ進行してない?
どっちかに絞ろうぜ
728名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 15:58:24 ID:W3WpDYqy
>>727
全裸で正座しながらwktkしてれば?がるさ。
729名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 11:39:42 ID:2qHEvJwH
         /:::;;;;;;;;`ゝ 部長どうです。具合は・・・・・                           
        ./;;;;;;;;;-_i´_ ヘ                      _,,,......_   
        .|iiiiiii人. ` `i〕                   /´ ヾミシ`ヽ.   
       __/ ̄  i、 ノト'´                  _,iヘ_ へ. `!,-、_!<う〜ん 私にはピッタリだ!
      ./       ´ ̄ヽ                / トi_!二l ̄ ノ ヽ   君のじゃスカスカで>>5
     / / /   /, ,' , ト、              //  ヽl∀)_ノ   `ヽ、   持て余すだろ〜〜〜〜。
    .l゙ ;;.l l   /, ' , ',ノ ;l             / |    :;, ̄        ヽ、
    .! ;;;l i  l ,' ' ,' ','./ イ             l  io,'  :;l´      、    i、
    │ _;;ヾヽ |, , ' , 'i″  ヽ            ヽ/ ̄´ `ヽ、 ;o', _;メ、    ヽ
     !  `,! l l; ;', ', ノ;;   ;;l            /      `゙'''''''" ;;;;;ン、_    !
     ヽ;;;;/  ! l  ./;;;;   ;;:! ,/  ̄ミヽ、  ( ( i っ       ;;;;;;;〈 /   ノ
      /゛ ./'´/   ヽ.、 ,,;;;ノ/リリヾ  ..:;ヽ   ,-一!;;:,,     _;;;;:::''''-ヽ/   /   ズボボッ
   巛  !  ;| (、 i_ ̄``ーヾ、ノゝリ:::::::::::::;ノ  i ,,,;;;;:;ヾξζ/、`、`/ ̄` ノ ≡≡   ズボボッ
.   巛  ト、_i!、`iメゝ' 、`、、ヾf) ヽ....::::/----┴―'´ ̄`ヽξ 、`、`i l_i_/ ̄ヽ、≡≡
     /;',';';,゛ヾ、、`、`、、`、`ヽフ vー             !ッ、__`、`、` 、`、 `ヽ
    ./,',',',', ',;',;./`-、` 、、_ ` ;;)ヽi  i_, ---―ヽ、   l ζ  `゙'''ー/゛ , , , ノ
     ト ,',', ','/    ̄ ア゛,' ', , , ノ   i  !     /  ハ   i、  ._ノ゙ ̄l ,' ', ,' ,'/
    ,i', ',' ',/      / ,' ,',' ,','ノ-―'  ノ    i_ノ一ヽ   l ̄ _,/´`i ', ' '/
730名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 00:42:34 ID:fUuZUGbk
丸一日放置か。
落ちないか心配なのでなんとなく保守。

?がってるし小ネタでも考えてみるかぁ。
731名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 01:02:15 ID:r45uGDZv
二週間ぶりに来たらリレーやっててびっくり
ここの皆さんの連携は素晴らしいですね

俺は参加自重してROMらせて頂きます
書いたの千秋邦彦だけだもん、絡ませるわけにはいくまい
732名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 02:18:36 ID:36/XZ93c
「二週間ぶりに帰ってきたら、なんで俺の町が魔物に襲われちまってんだよ……」
731が町に踏み入ると、そこには子供達に刃を向ける魔物たちの姿があった。
「うわああ、助けて!」
「きゃあああ、食べられちゃう!」
逃げ惑う子供達。
しかしそのうちの一人が、731を偶然にも発見した。
「ああ! 731だ!」
「――おお、本当だ。731が助けに来てくれたんだ!」
子供達は731の力を信じていた。731ならこの場を凌ぎきってくれるだろうと。
「……おいおい、今日家に帰ったらROMっているつもりだったのによぉ」
しかし周りには勇者はおろか、大人達すらいない。
事実、子供達を救えるのは731ただ一人だけだった。
そしてそれを信じて疑わない、子供達の眼――
「ったく、わかったよ。誰もいないんだったら……」
731は魔物に筆を向け、言った。
「俺が書くしかねえだろ!!」
733名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 03:27:53 ID:iR9FEPAE
>>732
むしろお前が書けw
無駄にするなその文才ww
734名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 11:53:26 ID:tqrWUJur
731は筆を腰だめに構え、反対側の手で墨を持つ。
街では《超摩擦野郎》と呼ばれた731は、おもむろに墨を近くの水溜りにつけた。
瞬く間に水は墨汁に変わり、深い黒を子供たちに見せつけている。
――この人なら、勝てる。
子供たちは、本気でそれを信じている。
その期待を裏切らぬよう、731は筆を水溜りという硯に浸す。
思いは速さに変わる。
筆は音速を超えた証に白い飛行機雲を引き、731の頭上に掲げられた。
731は腰から紙を手に取り、魔物に見せつける。
「――おい! 魔物ども!」
魔物は子供たちにせまろうとする手を止め、後ろを振り向き、驚いた。
筆と紙を持ち、全裸で立ち尽くす女性。いや、少女と言った方が正しいか。
その少女はまだ幼い裸体を晒しながら、魔物に向かって堂々と言い放った。
「戦火なんてくだらねぇぜ! 俺の小説を読め!」
735名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 12:40:21 ID:36/XZ93c
少女はいまこの辺か?
http://koideai.com/up/src/up6742.jpg
736名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 00:25:49 ID:QwIRlbT3
魔物は身構えた。
――なぜ、この少女は戦火を馬鹿にする?
彼らにとって、戦火とは命のようなものだ。
鬼畜、陵辱、その他諸々の要素を含む、いわば「負のエロ」である。
魔物は負のエネルギーを吸収し、生きる原動力とする。
つまり、食事だ。
そして今はそのエネルギーを捕食するために、村に出向いた。
戦闘、略奪、破壊。
暗く、黒いその力を求めるために。
魔物たちはとうに人の心を無くし、自分たちの思いが間違っているとは思っていなかった。
――なぜ戦火が『くだらない』のだ?
至極当然、その疑問が浮かび上がる。
浮かんだら、問うしかない。
魔物たちはいっせいに声を揃え、言った。
「少女よ、なぜ戦火が『下らぬ』? こんなにも上質なエロを補給する媒体は他にないではないか。」
そして、子供たちの一人をおもむろに抱き寄せ、
「答えよ。 もし納得できぬ答えならば、この子供は戦火されると思え。」
言い切った直後、731はすぐに口を開いた。
まるで、言うべきことが決まっていたかのように。
「俺は――」
737名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 16:22:15 ID:Qzs1M9Nw
保守
・・・ってスレはどれくらいで落ちるものなの?
738名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 21:10:13 ID:WA+CNgCa
物語が散乱としているね
リレーは>>582の少女もの一本にしてくれなきゃ、職人は書きにくくなるわな
739名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 01:15:16 ID:P9I9sEY8
そもそもこういうのは着地点や時間制限の目処をつけてからでないとグダグダになるばかりか、
スレが荒れてしまうぜ。
740名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 01:29:19 ID:qW8RTiAd
今って新規の投下はさておいてリレーが続いていって完結するのを待ってる状態なの?
それともリレーなんてなかったことにして新規の投下を待ってる状態なの?
それともリレーが続くことを願いつつも新規の投下もおkな状態なの?
741名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 04:43:03 ID:x9LgrgUs
>>740
> それともリレーが続くことを願いつつも新規の投下もおkな状態
これでいいかと。
少なくとも、リレーものの書き込み中じゃなければ新作を遠慮する必要は無いと思う。
742名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 20:33:59 ID:9yBg+onf
この少女は
>>582のように(大学生より一回りほど若い)小学生高学年or中学一年なのか
>>704のように高校生ぐらいなのか
どっちなんだろ?
浜松に行っている描写もあったように
リレー参加者はよく前の文章を読んでから書いたほうがいいと思う。
・・・と今から書こうかと思っている俺が言ってみるテスト。
743名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 00:51:35 ID:DKrb5Jps
744名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 02:28:27 ID:OEjQHxb6
745名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 04:59:26 ID:KQIh3u6C
746名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 05:46:22 ID:ebTIhfap
747名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 11:47:55 ID:uSdb1w4k
748名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 12:40:48 ID:xV43Ki7P
749名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 17:25:11 ID:gYN+UdBU
750名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 18:21:54 ID:/UzkAT3D
751名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 18:52:26 ID:1XdDi3Zh
752名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 20:13:15 ID:uxQvAuvn
753名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 20:37:44 ID:Tdn+DeKV
>>743-752
ほくそえむ4回送りだと?
な ん だ そ れ は。
754名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 23:41:28 ID:GIAzQ7e2
なんかありそうじゃね
4回送りが何かわからんけど
いろんな解釈できそう
755名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 23:52:56 ID:dak1fEpb
出来れば縦振りはかな文字だけにして欲しい俺がいる
756名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 01:26:38 ID:Kglvrdba
もうさ、あれだよな
757名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 12:45:27 ID:qhLNrSnC
>>756
アレだと・・・?まさかアレなのかッ!?
758名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 13:25:37 ID:b/QpkYWA
アレはちょっとやりすぎだろ常考
759名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 13:47:13 ID:t1q1gndr
どんなタイトルでも話は作れないこともないけどな
ほしいものはつめきり で 星芋の初芽切り とか考えてたのは内緒だぜ

金持ちのボンボンが男4人、女4人で離れ小島にある別荘にクルージング
ボートは3人乗り、かつボンボンしか運転できない
他の男女をボードで本島に運び、最後は意中の女の子と2人っきり
まさに計画通りの ほくそえむ4回送り
760名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 20:51:45 ID:Z2StVPCN
日本語ってすげーなー。しみじみ。
761名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 17:48:26 ID:ZoPDlV74
>>759
それいいね
誰か書いてくれないかなあ
762名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 00:31:17 ID:/LpoNqD+
ホッシュ
763名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 03:38:59 ID:guzVH7QS
今回はひらがなだけにしようか。
全員が>>759のような神じゃないんだから
無理矢理なお題を出してわざわざ過疎らせ無くてもいいじゃないか。
つーわけで、

764名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 04:18:26 ID:UJT1YkL3
765名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 04:51:31 ID:DCV+6d+6
3
766名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 12:01:30 ID:UllqqRrZ
.
767名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 14:03:26 ID:g1S0641i
ほぼ3、だと……。


久々の熟女ネタ??
768名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 14:04:02 ID:HUQ6bWAa
・・・妊婦さんと二人きり?
769名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 14:07:29 ID:pT38d2Wp
保母さんと二人きり?
770名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 14:09:46 ID:HUQ6bWAa
保母さんか。なるほど。・・・二人きりなのにほぼ三人なのかと読んじゃったw
771名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 14:16:11 ID:pT38d2Wp
さすがに妊婦ものはマニアックすぎるかと
安定期に入った女性ならセクロスできるけど寝取りになりかねんし
やるとしたら、二人きりの期間が長くていつのまにか彼女が妊娠→これでほぼ3人だね、とか?
772名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 14:57:35 ID:HUQ6bWAa
おみそれしました。これが発想力の差か……。
せっかくですので、ちょっと保守がてらにやってみます。


ざざー……ざざー……
晴れ渡った南国の空の下、無人島には浜辺に体育座りする男女の姿があった。
葉っぱの服で男は腰を、女は腰と胸周りを隠しているが、その他は小麦色に焼かれている。
食事を食べ終わった二人は、ぼーっと空を見上げながら口を開いた。

「ヒマだねー」
「ヒマだねー」

ご飯はすぐ取れる。住む場所も確保した。でも助けは全然きやしない。
衣食住とそれなりに整った環境では、暇を潰すのも一苦労だった。
ぼーっと空を見たあと、男が提案する。

「セックスしよっか」
「うん。いーよ」

女がこくんと肯くと、男は女を押し倒した。
葉っぱの服をめくると、真っ白な乳房とピンクの乳首がぷるんと震える。
ちゅぱちゅぱと吸うと、女も男の股間に手を伸ばした。
ギンギンに反り返った灼熱をさすり、タマをくにくにと揉んで滾らせていく。

シックスナインの格好になると、二人はお互いの性器を一心に舐めしゃぶった。
じゅぽじゅぽ、じゅるじゅると音を立て、存分に快楽を貪りあうと、結合の体勢に入る。
男が正常位で腰を沈めると、濡れそぼった女性器がぬったりとペニスを包み込んだ。

「はぅぅぅっ、あんっ、ひゃあっ、わ、私たち、えっちばっかり、ひっ、してる、よね」
「そうだね、でも、しかたないよ、他に、すること、ほんとにないん、だからっ!」

昼と夜となく何度も身体を重ねあい、お互いに馴染んでしまったペニスとヴァギナ。
その快楽に背筋を震わせながら、二人は腰を動かしながら唇を貪りあう。
二人の間には愛や恋は存在しなかったが、寂しさが埋まる感覚は心地良かった。

「なんどもえっち、してるのに、元気、だよね、キミの、オチンチン……っ」
「しかたないよ。山芋にうなぎにスッポンに……精力がつく食べ物ばかり獲れるんだからっ」
「あは、は――……っ、あんっ、ひゃんっ、もう、ダメぇ……っ!」

女の足が砂浜を掻くと同時に、ビュルビュルと精液が女の子宮を叩いていく。
慣れ親しんだドロドロの精液を胎内に受けながら、女は男にすがりついて快楽の余韻に浸った。


長い月日が経って、セックスの回数も数え切れないほどになった頃。
相変わらず熱い陽射しが降り注ぐ晴れ渡った南国の空の下に、二人はいた。
ご飯を済ませ、ぼーっと海を眺める。遠くのほうでイルカが跳ねた気がした。

「誰も通らないねー」
「そうだねー」

ご飯はすぐ取れる。住む場所も確保した。でも助けは全然きやしない。
衣食住とそれなりに整った環境では、暇を潰すのも一苦労だった。
ぼーっと空を見たあと、男が提案する。

「セックスしよっか」
「だーめ」

男の言葉に、女が大きくなったお腹をさすりながら言う。
助けはこないけれど、退屈な生活は少しだけ賑やかになりそうな予感が二人にはあった。
この無人島にいるのは、二人じゃなくてほぼ三人になっていたのだから。おしまい。
773名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 14:59:55 ID:HUQ6bWAa
お目汚し失礼しましたー。
774名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 15:14:33 ID:pT38d2Wp
いや、そこですぐSSにできる貴方のほうが100倍すごいです
二人の会話になんとなくなごんだ GJ!
775名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 06:52:44 ID:wvvfZ2lo
ほぼ3って円周率のことじゃないの?
776名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 18:06:14 ID:DnumYqdl
>>775
俺はあえて黙っていたものを・・・
777名無しさん@ピンキー:2008/11/04(火) 20:05:56 ID:kDbrfEao
つまり2002年以降に円周率を習った娘と、それ以前に円周率を習った男が二人っきりに
その先思いつかん。誰か考えてくれ
778わたがしの人 ◆NVCWad4xKE :2008/11/05(水) 00:48:30 ID:8GU6wXTN
円周率はほぼ3であるが3ではない

「だから円周率はほぼ3だって。」
眼前で頬を膨らませる少女、彼女は円周率を3といって聞かない。
「最低でも3.14までは覚えとけ」
そういう俺も3.14159...この後を思い出せなかったりするが気にするな
これだけあれば特に問題は起きない気がする
「だって学校で3でいいって言われたもん」
そうか、文部科学省。おまえだな?この少女に適当な事を教えたのは
「じゃあちょっと絵に描いてみようか」
言葉より絵で説明した方が早い気がするので書いてみる
まずは円を書きこの円の円周に頂点が重なるように正六角形を書く。
そしてこの六角形が正三角形六つになるように補助線を引いてここから証明に入る
「円周の求め方は半径×2×円周率だよな?」
「うん」
これはちゃんと教わったらしい
「じゃあ正三角形はすべての辺の長さが同じって事は知ってるか?」
「馬鹿にしてるの?」
知ってるようだ
「これが半径だってことは判るか?」
円の中心であり六角形の中心でもある点から伸びる線を指差す
「わかる。」
真面目顔で頷いた。
「そして円周を3とおいた時―――
―――(中略)―――
―――――証明終わり。
「ってことだ。3じゃ短すぎるだろ」
すこし省略したのは作者の都合だ俺のせいではない
「ゔぅぅ〜」
うなる少女。これもこれで可愛いが
「わかったか、円周率は3.14だぞ」
こういいきるのは間違えだったと今となっては思う
「え?言い切っちゃって良いの?円周率はπだよっ
 私は一度も3だとは言い切ってないよ〜♪」
しょうじょは すきっぷしながら さっていった

俺は一人ただ呆然と夕日に染まる砂場に立ち竦んでいた


今では後悔している反省はしていないorz
…いつも一字一句捻り出して書いてるのに
今回はノリでドンドン筆は進んだよ。
全く推敲してないから変なとこがあるかもしれないけど気にしないでね
779名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 00:50:18 ID:t54A8mni
文部省(後に文部科学省)は円周率は約3.14であると教えた上で、円周率を計算に用いる場合、
3.14を掛ける際には計算機を使い、手計算の際には円周率は3として概算できればよいと考えていたが、
教育界には戸惑いが広がっていった。そんな折、学習塾大手の日能研が「ウッソー!?半径×半径×3」
等と書かれた広告を首都圏の通勤電車の中に大量に張り出す等して大々的なキャンペーンを行った。
マスコミもこれを扇情的に取り上げ、「ゆとり教育の結果、公立小学校では円周率は3と教えることになった」
との短絡的なテーゼが社会に広く認識されることとなった。
780名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 01:07:32 ID:oKIQihtW
バイト塾講師だが、中学受験業界では今も普通に3.14で計算させてるぜ。もちろん手計算で。
781名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 17:53:30 ID:n6HlWHbR
大学になれば関数電卓使うからあんま意味ないがな
782名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 19:10:46 ID:kj3lKMG3
中学になったらπになるから意味ないけどな。

>>780
中学受験でπ使うのっておkなの? 駄目なの?
ずっと前から気になってたんだけど。
783名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 20:14:52 ID:m1ELrcXn
>>778
女はズルいって話だな。GJ
784名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 23:00:56 ID:t54A8mni
>>782
問題に「円周率は3.14とする」って明記してあるので
πは使用不可
たまに「円周率は3とする(3.1とする)」という引っ掛け問題もあるけど
785名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 11:14:17 ID:W5pfekPm
俺は高校からπだったな
786名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 16:07:31 ID:vfaeZNb7
πて字、
よ〜くみると右パイのほうが
ボリューミーだな
787名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 07:31:09 ID:s+Ful4dr
788名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 07:36:12 ID:qFmioxPP
789名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 07:46:11 ID:qGuWyX1W
790名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 08:09:37 ID:g/PPvucw
791名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 10:08:57 ID:M2zCshEj
792名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 12:27:34 ID:jKU1MOHk
793名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 12:42:21 ID:o1+fZd7H
794名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 13:20:50 ID:bkmr3WRh
795名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 13:57:28 ID:aw4fAevg
796名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 15:00:23 ID:XB8F5KOW
797名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 15:39:40 ID:0fluflDQ
798名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 16:03:10 ID:WKSkrSUj
799名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 16:35:06 ID:ic8aKLCQ
800名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 16:35:59 ID:yx2V589E
801名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 16:38:22 ID:6UrHcC5q
802名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 16:48:14 ID:aLGRoXJ6
803名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 22:24:54 ID:pWfhrQUP
804名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 22:57:20 ID:Qew+jm3x
805名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 23:22:14 ID:kZGac3xo
806名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 00:25:42 ID:+wWQKXU1
807名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 00:44:07 ID:R70kSgGB
808名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 00:55:29 ID:v5/yQCMS
809名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 06:18:54 ID:oaPadEbJ
なんぞこれ
810名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 08:35:27 ID:LkgbDP2+
書いてみる
811名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 14:22:19 ID:iKBGS6rZ
まぁ葉月ちゃんが
オナニーに目覚める話しか
812名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 19:40:45 ID:ZGw5zZbo
ほんとうのってついてるから偽者は味わったことがあるわけだ。
813名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 20:31:18 ID:KC/PG5A5
偽物のオナニーってなんだろう
ヴァーチャルリアリティで体験とか?
814名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 21:17:02 ID:3PlX9BcT
ニセモノのオナニー・・・おそるおそる指でクリトリスくにくに
ホンモノのおなにー・・・ぐねぐねバイブでおまんこずぼずぼ

ではないかと。
815名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 21:37:35 ID:iKBGS6rZ
まあ

だけの

をどうするかがポイントだな
816名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 23:11:49 ID:yNYG3J7r
はづきを八月と変換してみるもよし。
817名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 07:15:15 ID:os1U219z
818名無しさん@ピンキー:2008/11/11(火) 11:43:50 ID:PUtNUNqp
いきなり拒否られてしまったようだ
819名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 23:45:28 ID:hh0C5DhB
ほしゅ
820(´・ω・`):2008/11/14(金) 15:11:12 ID:A4mzNWV2
ふう…ここいらでオナニー談義に決着をつけねばなるまいね。

スレの再起動の意味で投下します。
821(´・ω・`)HAZUKI−はづきー:2008/11/14(金) 15:12:23 ID:A4mzNWV2
どこにでもいるようなフリーター、それが俺、尾矢寺参(おやでらまいる)三十八歳だ。
俺には普通の人間にはありえない特殊な能力がある。
指向性があり任意で出せる気功、又はフェロモンと言ったところか、勿論効くのは女限定だ。
これを喰らわせた女は、否応無く男が欲しくなるという夢のような能力だ。
イケメンには程遠い俺が、それ以上のたらしのような気分を味わう事ができるんだ。
能力を手に入れた当時は使い方も知らず、効果を把握するために色々な無茶もやらかしたりもした。
まあ、若かったんだろうな、年齢は30を越えていたがな。
こんな俺でも家庭というものがあり、今年一歳になったばかりの娘もいる。
察しがいい奴なら気付いたと思うが、娘の母親ーつまり嫁さんは『能力』を使って
手に入れた。
いや「手に入れてしまった」と言ったほうがしっくりくるか。


時は二年前まで遡る


当時の俺は小さな塾の講師を務めていて、生徒達の評判も悪くは無い標準的な男だった。
女を発情させる能力という類の無い力こそあったが、ある理由で自粛していたため
極平凡なサラリーマンだったからだ。
能力を手に入れて使い方もそれなりに覚えてきた俺は、女と「いたす」ために
自分が住んでいる場所から幾分遠くの地域まで足を伸ばした。
万が一、教え子に見つかってしまわないためだ。
仮にも人に物を教える立場にある俺だ、醜聞はなるべく避けたい、ならば
慎重に慎重を重ねるぐらいが丁度いい。
元々うちの塾の性格上、生徒は区内に住んでいる者に限定して募集したため、県を跨げばその心配も無い。
しかし毎夜出かける車のガス代で、俺の財布はペラッペラになっていた。
手持ちの金が心もとないこともあり、惣菜をまけてもらおうと近所の弁当屋のオバちゃんに
能力を使ってしまい逆レイプされそうになったのは記憶に新しい。
「いくよ」
女蛮族のようなその一言が、今でも耳に残っている。
どこにイクというのが、何がイクというのか
「屠所のブタのように…青ざめた面にしてから
お前のちんこの温かさを、あぁぁ味わってやる!」
大きな物音に気付いた弛んだ肉の悪魔の…いや、オバちゃんの旦那が、彼女を羽交い締めに
して正気に戻してくれなければと思うと、ぞっとする。
行為後は素に戻ってしまうという事には気付いていたが、外からの干渉でも能力の効果が切れるという
特性を知りえたのは僥倖だった。
822(´・ω・`)HAZUKI−はづきー:2008/11/14(金) 15:13:12 ID:A4mzNWV2
それから一週間
浮かれ過ぎていた自分に猛省、己を見つめ直す意味でも能力の使用を自粛する事にした。
女を漁る毎日からネットでエロ画像を漁る毎日に逆戻る。
初日は久々にネットでのズリネタ探しに戻った事で
「うーんっ、たまのネットサーフィンも楽しいもんだ」
気分は賢者、そんな軽口さえ叩けたのだが、二日、三日と経ていくごとに
「じゃかましわ!」
いつもならなんとも思わない、それどころか嬉々としてズリネタにしていた隣の部屋の住人が
ギシアンする音にさえブチ切れしてしまう程に耐え切れなくなった。
右手左手とスイッチしながらの自慰を行う一週間だったが、つい最近まで女をティッシュ代わりに
散らかしていた俺だ、凄まじい精神的抑圧が達する事を許してくれなかった。
いつものように遠出をするにはガス代が足りない、かといって給料が振りこまれるまではまだ
幾分日数がかかる、とても性欲を我慢できるような状況ではないがどうする事も出来ない。
もう部屋を出て初めに目に止まった女をターゲットにする、老婆?幼児?そんなの関係ねえ!
抑えきれない欲求にリスクの高い方法を選ぼうとしたまさにその時、天啓が舞い降りた。
「そうだ、生徒がいるじゃあないか」
逆に考えるんだ、生徒に見つかる危険性があるならその生徒自体を虜にすればいいと。
どう考えてもミイラ取りがミイラ、一番リスクの高い方法を選んでいたなど、性欲に頭が支配された
この時の俺は気付いていなかった。

「おやっさんばいばーい」
「おやっさんさようなら!」
「おう、気をつけて帰んな」
塾の玄関口、そろそろ受験を控えた初等部の生徒達の帰りの挨拶に、俺も手を振って答える。
跳ねるように帰路についていく生徒達、今時の子供にしては元気で礼儀正しい
ちなみに「おやっさん」とは俺の名前からとられた愛称である。
中、高等部の生徒になると流石に言ってくる生徒も極少数だが、渾名を言われる程度には
親しまれ、信頼されているのだ。
その社会的信用が地に落ちる、下手を打てばそれだけでは済まない。
現代に生きるリーマンとして生きるか死ぬかの瀬戸際、しかし、勝算が無いわけではなかった。
一人だけ、たった一人だけ心当たりがあった。
講義が終了してからまだ三十分すら経ってはいなかったが、既に校内には人の気配が殆ど
感じられなくなっている。
講師連中は各自職員室で添削、ポツポツと残る生徒も無駄話に飽きてその足は外に向き始めていた。
図らずも、俺が望むようにお誂え向きな展開になっているようだ。
ふって沸いた運のよさに少しの心強さを覚えつつ、再度教室に向かう。
一度人払い、生徒達を下校に促そうと玄関まで足を運んだのだが、その必要はなかったようだ。
電気はついているが、空寒ささえ感じる廊下を音を立てないように忍び歩く。
誰一人残っていないと思われた自分の教室内から、吐息のような、微かな声が響く。
ほんの僅かに開いた扉の隙間から目を凝らすと

ーいた

823(´・ω・`)HAZUKI−はづきー:2008/11/14(金) 15:13:55 ID:A4mzNWV2
案の定、今日もしていたようだ。
俺の机の前でブレザーの上着をモゾモゾとまさぐっている女子生徒、桃瀬唯(ももせゆい)。
何をしているのかは明白だった。
自慰、すなわちオナニーだ。
誰もいなくなった中等部の教室、切ない表情で小指をくわえながら、手をブレザーの
上着の中に入れてじれったく動かしている。

桃瀬唯は頭が良い、成績はこの塾の中等部の生徒の中では五指に入る。
顔も可愛い系で、その整ったパーツは将来さぞかし美人になるだろう事が想像できる程だ。
今でこそオナっている桃瀬だが、この塾に入ってきた当初は模範的な生徒だった。
今でも模範的には変わりないが、講義が終わると御覧の通りだ。
「大方受験へのストレスと言ったところか」
今年受験の桃瀬は成績は問題無いのだが、考え過ぎてしまう嫌いがあり、自分に
自信が持てないのだろう。
その事には真面目で控えめな性格も一因している。
好都合な事に、控えめで溜め込むタイプの桃瀬は格好の獲物だ。
何度か積極性を持たせるために話し合ったりもしたのだが、結局変える事は出来なかった。
一度落ちた消しゴムを拾ってやる際に、意識的ではなく俺の指先が桃瀬の胸に当たった事があった。
「あ…っ」
叫ばれると思い焦ったのだが、その心配は杞憂だった。
桃瀬はぎゅっと目を閉じて何かに耐えているようで、悲鳴をあげる事も無かったのだ。
何も言われない事にほんの少し気が大きくなった俺は、この日から機会があるごとに
百瀬の胸に触れていた。
初め指に当たった感触でノーブラであることを知ってはいたが、ここ一年で成長期を迎えたのか
AからEにまでサイズアップしたにも関わらず、未だに付けていない。
体を硬直させつつも無抵抗、そのくせいっちょ前に快感は感じているらしく、顔を耳まで赤くして
乳首は硬くシコっていた。
思えばこの時既に下地は出来ていたのだろう。
性的な快感でストレスを発散させるというすべを、桃瀬は知らず覚えていたわけだ。
そんな事もあって、なんともなしに桃瀬の仄かな好意が俺に向けられていたのも感じていた。
それでも俺は、ことが明るみに出てしまう危険性の大きさに尻込み、ヘタレて手を出せなかった。
桃瀬も踏ん切りがつけないのか、意思を顕にすることは無かった。

だが今、この状態で、俺が我慢する事など何も無い。
全てを…解き放つ!
824(´・ω・`)HAZUKI−はづきー:2008/11/14(金) 15:14:25 ID:A4mzNWV2
机の角で性器を刺激するわけでもない、ただ胸をまさぐる拙い自慰に浸る桃瀬。
それでも気持ちが高ぶったのか、軽い絶頂を迎えたようでヒクンと小さく体を
跳ねさせた後、しばらく硬直していた。
体が固まり、弛緩して気もそぞろになる一瞬、これを機と見て俺は行動を開始した。
速やかに扉を開閉、後ろ手に鍵をかけることも忘れない。
かける体重にきしむ床が
きしり
小さく音を立てた。
無音であった教室の中では、小さくとも感づかせる事は充分であったらしく
桃瀬は下げていた顔を驚愕に染め持ち上げようとする。
まだ慌てる時間じゃない
「ハッ!!!」
その口から悲鳴が上がる前に、気合を篭めて能力を発動する。
ピンクがかった靄としか形容の出来ない何かが、桃井の全身を包むように広がり
ブ厚い鉄の扉に流れ弾丸にあたったような音が、俺の頭の中に響いた。
俺の能力である
『どんな女の感情も羞恥心に染め上げ情欲で自ら股を開かせるはづかしい(旧仮名遣い)気功』

「恥気(はづき)」が確実に流れた証拠だ。

「桃瀬、紛い物の自慰しか知らないお前は、本当の快感というものを知らない。」
「紛い物の…おな…にー…ぁうっ?」
変化させられた思考に体が追いついていないだろう、おぼつかない様子である。
「性器が疼くだろう?今までのお前なら胸だけで満足していたはず」
いや、桃瀬の性格を考えると怖がっていただけかもしれない。
しかし今の百瀬は男が欲しくて欲しくて堪らないはず…
「あううぅっ、何これぇ」
俺の憶測を証明するように、桃瀬の性器からはつつぅーっと愛液が太ももを伝っていた。
「ああぁやだぁ」
くちゅくちゅと音を立てながら性器を指で弄る、初めて感じる性器からの快感に
自分を抑えられなくなっているようだ。

「桃瀬、先生が男というものを教えてやる」
825(´・ω・`)HAZUKI−はづきー:2008/11/14(金) 15:16:18 ID:A4mzNWV2
自身もはちきれんばかりに滾っている陰茎をなだめすかしながら、表面上は紳士を保つ。
もう直ぐ訪れるだろう快感を思うと、先走って先走りが出てしまいそうになったが
よろめく桃瀬を支えるべく、素早くその身に手を伸ばした。
「ぃやっ」
だが予想していた反応とは違い、桃瀬は俺が差し伸べた手を払ったのだ。
「も、桃瀬?」
「おまんこいいよぅ…ほんとうのおなにーいいよぅ」
依然性器を弄り回す桃瀬、その顔は
だらしなく口の端からよだれを垂らし、白痴の如くだらしの無い表情、所謂
「アヘ顔」で、肉欲に染まっている事は確かだった。
それなのになぜー
「な、なぜだ!なぜ俺の恥気が効かない!?」
能力で耐え切れない疼きに身悶え、俺の身を持って愛を与えてやろうとした桃瀬は
性器から快感を得る本当のオナニーがしたくなっただけだという。
「くひっ」
しばらくの間放心していたのだろう、俺は桃瀬の声で自分を取り戻した。
身を震わせ虚空に向かい舌突き出した桃瀬はイってるのだろう、既に何度か
達しているはずなのにそれでも自慰を止める素振りは見せなかった。
「せんせ…せんせ」
俺の名を呼んでいるくせに、目の前にいる俺を無視しているかのような
変わらず痴態を晒している桃瀬に、言いようの無い怒りが陰茎の中から込み上げてきた。
なんなのだこの女は
俺のことが好きではなかったのか
「俺のことが好きじゃなかったのかよおおおお!!!」

俺は怒りに身を任せた。自慰に夢中になっている桃瀬
その愛液に濡れた指を強引に引き離し、体を頭上まで持ち上げる。
そう、大して鍛えているわけでもない俺の力でも持ち上がるくらい
桃瀬は人一倍体が小さく、そして軽かった。
勢いのまま下、陰茎に向かって桃瀬を振り下ろす
ぶつん、と何かが切れた感触と共に根本まで暖かさが広がった。
「ぃううぅぅぅっ!?」
桃瀬が何か叫んだようだが、理性を捨てた俺の耳には届かず、後ろから前から
ケダモノの如くガンガン犯した。
「いだっせんせ、やめ」
「せんせ、いっ、せんせっ」
「すきっ!せんせ、せんせっ」
「あひぃ!せっくす、せっくすすごっ!」
「ちんぽっせんせっ、ちんぽっ!」
「せんせのちんぽでいぐっ!おまんこいぐぅぅぅ!!」
桃瀬は処女だった

そして、妊娠した

826(´・ω・`)HAZUKI−はづきー:2008/11/14(金) 15:17:00 ID:A4mzNWV2
「ゆうべはおたのしみでしたね」
夜通しのハードな性交に失神して、気付いた桃瀬の第一声がそれだった。
怒るでもなく、怯えるでもなく、愛情を向けてくる彼女に拍子抜けした。
「せんせとわたしはもう、合歓綢繆です」
「合歓綢繆(ごうかんちゅうびゅう)…」
男女が深く愛し合うことのたとえで、相思相愛よりも濃密な言葉だ。
講師としての俺が、こいつに教えた言葉だった。
おとなしい性格の桃瀬が、こんな懐の大きな女だとは思ってもみなかった。
事後の後にとは卑怯かもしれないが、俺はこの時こいつを好きになったんだと思う。

その後は大変だった。
講義が終わり、さあ寛ごうかと思った矢先、真赤な顔した桃瀬が言った。
「赤ちゃん、できました」
桃瀬は一人でも育てると言って聞かなかったが、俺にも親父として、人間としての
プライドというものがある。
妊娠がわかったその日に、俺は桃瀬の両親に全てを話し、殴られ、罵倒され、父親の足に
涙と鼻水を出しながらしがみつく桃瀬と二人、地に額をこすりつけ
最後にはしぶしぶ許された。
しばらくは塾の講師としてそのまま教鞭をとっていたが、日に日に大きくなる桃瀬の腹に
ついに隠し切れなくなった俺は塾長に申し出、辞職した。

俺は肩書きこそフリーターだったが、ネット講師として、桃瀬は子供を抱えながら
通学する愛らしいヤン(過ぎる)ママとして生活している。
あれから恥気についてわかった事がある。直接ではなくても回線など間接的にも通すことが
できるらしく、その場合は効果が著しく落ちるのだが、好意などは充分過ぎるほど持たれるのが
判明し、評判も上々だった。
桃瀬、いや唯からは
「直接使わないなら、いいです」
との許しを得ていたが、生徒から俺宛のメールを読む度にぷぅと頬を膨らませていた。
案外嫉妬深いなと思ったが、逆の立場だったら俺は憤死しているかもしれない。
ふと、なぜ唯だけに能力が効かなかったのか、
恥気を受けて本当の自慰がしたくなっただけなのかを問うてみたことがある。


「元から好きな人に、効くわけ無いじゃないですか。…か、覚悟はできてましたし」


なるほど、言いえて妙である。



827(´・ω・`)HAZUKI−はづきー:2008/11/14(金) 15:17:40 ID:A4mzNWV2
余談だが、隠し切れなくなった要因は、もう一つある。
俺との関係をクラスメイトや教師から訊ねられる時だ。
そんな時、二人が結ばれて以来そ多用する事になった言葉を使い、唯はいつもこう答えるらしい。
「ごうかんちゅうびゅうです」
熟語がわからない人間には誤解される、俺が強姦して中出しした鬼畜に聞こえるからだ。
あながち外れてない事が恐ろしいが、なんとかしてもらいたい。
とは言えないのが、惚れてしまった弱みかもしれない。


                             おわり
828(´・ω・`):2008/11/14(金) 15:19:37 ID:A4mzNWV2
以上です。

そして綴りが
HAZUKIではなく
HADUKIなことに気付きましたとさ(´・ω・`)
829(´・ω・`):2008/11/14(金) 15:22:16 ID:A4mzNWV2
誤:余談だが、隠し切れなくなった要因は、もう一つある。
正:余談だが、最近困っている事が、一つある
('A`)脳内変換よろしくお願いします。
830名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 21:23:00 ID:vnf+nFyr
>>829
くそう、面白いじゃないか! GJ!
ナイスごうかん・・・ちゅー、びゅー?
ただ、できれば夜通しのセックスをですね。
831名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 23:58:52 ID:9aghVHDv
GJ!
まさかはづきをそう持ってくるとはw

>>829の脳内変換しなくても普通に読める気がするんだが気のせいか?
832名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 00:00:19 ID:9aghVHDv
sage忘れスマソ
833名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 02:11:32 ID:847wZoVy
合姦チュービュッ
834名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 03:21:36 ID:2Z1LFgu6
ぽーにょぽーにょ

ちゅぎゅ
835名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 20:23:02 ID:vNyCe9wk
民族淫嬢の主人公思い出した
836名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 01:33:51 ID:+R7mIkYk
今作ってるのが完成したら投下おk?
837名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 02:41:07 ID:fAI1I/iH
>>836
なにその誘い受け・・・


べ、べつに期待なんてしてないんだからねっ!
838名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 08:47:15 ID:xmpG23k9
>>829
GJ!
アホスwwwwなんという閃きwwwwwwwwww
徹夜でセックル描写も読みTEEEEEEEE

>>836
誘い受けなんてせずに、何も言わずに投下しようぜ?
839名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 20:31:55 ID:5+DpLu9/
>>829
なるほど。そうきたか。
やりますねー。GJ。
840名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 20:57:00 ID:R+A2VOrQ
841名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 03:57:34 ID:AZpLawbd
842名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 12:10:23 ID:MwtLCAGt
843名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 12:42:32 ID:Ax3AYI2Y
844名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 14:54:36 ID:ME8tPOoA
     ____
   /__.))ノヽ
   .|ミ.l _  ._ i.)
  (^'ミ/.´・ .〈・ リ
  .しi   r、_) |   わしが二人きりにさせた
    |  `ニニ' /
   ノ `ー―i´
845名無しさん@ピンキー:2008/11/23(日) 17:22:24 ID:plOXbGvP
うぜぇwww
846名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 00:13:56 ID:UZzG7FD0
縦振りはひらがなだけになったんじゃないのか
847名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 19:18:12 ID:EunnXd12
続き

848名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 19:28:40 ID:3xCXP1e8
849名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 20:27:58 ID:KpTKdWGq
850名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 20:28:07 ID:YDqrzwnC
w
851名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 10:40:21 ID:aflVd0OH
852名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 15:15:55 ID:YY5YPGKC




いつまで続くんだ
853名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 17:08:37 ID:toMfG0qW
投下が来るまでじゃね?
保守ネタ落とそうとしてもこの調子じゃ確定しないし、落ちるまで続けたいんだろ
854名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 20:45:59 ID:qll2uhkO
保守
855名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 01:23:57 ID:cqYU6Wmw
856名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 07:55:39 ID:Dqmh8+fk
ネタはあるが時間がない…(ヽ´ω‘)ダレカ…
857名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 21:14:49 ID:5ebPgROg
上に同じくorz
858名無しさん@ピンキー:2008/11/26(水) 22:19:21 ID:CJYQsufZ
体育倉庫内
   「……閉じこめられちゃったね」
   「……うん……どうしよう……」

体育倉庫外
   「わしが二人きりにさせた」
   「これが星野先生流の仲直り方法……!」


ぱっぽー、ぱっぽー。二時間経過。


体育倉庫内
   「うっ、くっ……中に、出すよっ……!!」
   「うんっ、私にキミの赤ちゃん孕ませてっ……!!」

体育倉庫外
   「……わしは二人きりにさせとらん」
   「星野先生……。二人ともー! ダメよー! 避妊しなさーい!
    隙間から! 隙間からコンドーム入れるからーーー!!」


うん。まあそんなわけで。
扱い辛い縦ネタは消化したから心置きなく普通のSSを投下してくれ……ッ!!
859名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 02:22:41 ID:Lzki/eMW
とりあえず、現実世界のIT系デスマーチをだれか止めてくれ。
なにもできん。
758行きたい少女の続きがキニナル。だれか〜!
860名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 21:07:19 ID:wOh0wHEK
新参なんでよく分からないんけど
ここの縦ネタって前スレからの伝統なの?
なんかちょっと暴走気味に見えるんだけど
861名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 21:33:42 ID:xZYLm8l2
伝統→×
たてよみで保守→言葉がつながる→それを使用した神SSが投下される→奇跡成立

こんなかんじ。

みんな機転を利かせて職人もいろいろ作ったりしてる。
暴走気味だという意見も50%の割合で賛成できるが、
それがここの醍醐味でもある というものも半分を占めてる。

・・・伝統・・・なのかなぁ
862名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 21:34:10 ID:HiGPdfhj
住人の悪乗りにたまたま職人さんが気を利かせてマジで返してきてくれたもんだから、それに便乗して悪乗りが続き、以下無限ループ
いつからだったかは忘れたが、そんなに昔じゃなかったはず
863名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 15:41:20 ID:n/iit3OA
ぶっちゃけただの保守なので何も気にする必要は無い。
864名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 02:25:41 ID:lJRs0VuO
ネタにはなると思うけどね。

865名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 17:10:36 ID:kEjYVTgs
866名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 17:10:06 ID:BIVfY/qR
867名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 17:39:38 ID:1CxXsh9e
868名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 23:34:22 ID:m76reEmr
869名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 01:11:24 ID:txnBQVpL
「ほぁぃょぅ……」
「ほぁぃょぅってなんだほぁぃょぅって。さっさと起きろ」

朝はこいつを起こしに来るのが俺の日課。
低血圧のため、中々起きやしない。

「……」
「……あゆ? 」
「……くー」

……うん。
これは、必殺技を使うしかないらしい。
使ったとたん俺も自爆するというもろ刃の剣だが。

「……あっちゃん」
「どうしたのるーちゃん? 」

……普通に起きやがった。
何かいいようのない感情が顔面に出そうだったので、
すぐに後ろを振り返る。

「……るーちゃん? 」
「……遅刻するぞ早く起きろあゆ」
「はーい、でもその前に……」

肩を軽く叩かれて、後ろを振り向いた瞬間。
……俺の唇にあゆの唇が触れた。

「……毎朝起こしに来てくれてありがとう。
 今日も大好きだよ。ルイくん」

向日葵のような明るい笑みを浮かべるあゆ。
そんなあゆを見て。
もうすぐクリスマスなのに今日も熱い日になりそうだと思う自分がいた。


腕慣らしに保守ネタ。
石榴のころとは比べ物にならないほど堕ちたなorz
870名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 01:20:48 ID:AMMPC/1p
いやいや、大差はないよ。
871名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 00:02:48 ID:l+0IVUej
保守
872名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 17:40:13 ID:WTChqRZ7
…よいなぁ…
873名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:10:21 ID:f2Jvsev7
***

「ザク……ガーネー。まーだー?」
「もうちょっと待ってー!」
「早くー」


今日はみんなと近くのこうえんであそぶんだ。
でも、ザクロ…じゃなくてガーネのじゅんびがおそい。

「早くしないとザクちゃんって呼ぶぞー」
「やだぁ!」
「早くー」

ガーネはほんみょうなのにザクロってよぶのがキライなんだ。
ほんにんは、
「だってザクロは苦いんだよ?果物なのに。苦いんだよ?」
って言ってた。

「おまたせ!」
「おーそー……」
「?」

ビックリした。
いつもはズボンとか男の子っぽいものしかきないガーネが。
ワンピース着てる。
ものすごくおひめさまみたいで……

「すいちゃん?」
「うわ!」
「どうしたの?」
「な、なんでもない!」
「……変なの」

お顔があつい。
でも、しかたないよね。

今のガーネ。
ものすごくかわいいんだもん。
874名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:10:53 ID:f2Jvsev7
誤爆orz
875名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 20:54:38 ID:yzsZZefv
ちょ
どこの誤爆だ
876名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 23:15:05 ID:DpEihrnk
誤爆www
877名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 23:54:44 ID:4wpbQv+R
>>874
せっかくだからこっちにも何か書いて〜。小ネタでいいから〜。
878繋がる人:2008/12/14(日) 00:45:06 ID:dJ64AdgE
「小ネタでいいから書きなさいよ! 」
「いや、書くのは構わねーけどさ……」
「けど?」
「……この状況でどうやって書けと」

病院の屋上に閉じ込められました。

「そもそもなぜわかった!? 」
「電波」
「おまえはアンテナか……」

俺はセブンスターを、コイツは不○家の棒付き飴を口にくわえたままボーっとしていた。

「で、だ。どうするよ? 」
「何を? 」
「この状況」

温暖化のせいかどうか知らないが、
12月なのにまだ10月ではないのかと思うほどあまり寒くない。
しかし、寒いことには変わりはなく、このままだと風邪をひく。

「病院だからっていう理由で携帯は持ってきてない」
「そーね」
「入口は一つだけ、さらに言えば扉は閉まっている」
「そーね」
「頼みの綱は親頼み」
「そーなのかー」
「そーなのかーじゃなくて、なんか考えろ」
「……わはー☆」
「……そんなキャラじゃないだろお前は」

そんな調子で、俺たち二人が屋上から解放されたのは、
コイツの親がイチャイチャし終わった三時間後でしたよっと。


「空が壊れた……」
「光がノってくれない……」


ほっしゅ!
879名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 00:48:03 ID:4cIOlYdI
ぴちゅーん

ところでイチャイチャマダー?
880繋がる人:2008/12/14(日) 01:00:16 ID:dJ64AdgE
>>877
>>869および>>873振り(=゚ω゚)ノ

【心と】 障がい、不自由のある日常 【身体】スレにて
誤字脱字修正+α版ほしふるーつザクロ投稿してきますた。

気が向いたらどうぞ。

コテハンつけてやんよ

>>879
気が向いたら書くともさ〜
881名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 19:13:32 ID:3E2vbL1e
882名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 04:28:36 ID:Sf5/S1R5
883名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 08:09:18 ID:HfPgkhHA
884名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 08:33:10 ID:Q2UcMzI4
885名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 14:29:40 ID:pg3/VkLm
886名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 18:12:43 ID:PMNU3ty6
887名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 22:08:45 ID:Qse+J9b+
888名無しさん@ピンキー:2008/12/20(土) 23:56:36 ID:Gkzd0EbP
889名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 16:02:18 ID:bpTS8DSQ
890名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 02:33:22 ID:1Ew9tfEx
891名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 12:16:13 ID:2jyg4S9A
892名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 17:02:39 ID:116pyMQ2
893名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 17:19:19 ID:s06iC4ir
894名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 19:05:19 ID:kVsQL8mi
895名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 03:06:51 ID:K7uw2Ap8
896名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 16:21:20 ID:bs4PRAcs
スレ埋めの嵐にしか見えんぞ
897名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 09:35:31 ID:EUyj5+nq
中途半端に止まったな
898名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 21:15:26 ID:g/CHthA2
ほんがんじょうのおとどけもちん・・・どう読むんだ?
899名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 21:43:53 ID:KhzFQAdT
本願城のお届けも珍とな?
900名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 23:56:13 ID:3ewIMpkI
なるほど、本願城から朕がクリスマスプレゼントを届けにくる、と
901名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 01:07:59 ID:wJW+yUN2
どんな城だよww
902名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 08:54:19 ID:ge6Zfs7C
願いがかなう城とかなんかそんなんじゃね?
903名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 11:32:07 ID:86xIKXer
だがちょっと待って欲しい。本願嬢ということは考えられないだろうか。
904名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 23:16:08 ID:FR3IViSs
お譲がお餅を持ってくるわけですね。

ちょっと書いてくる
905名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 06:27:08 ID:moL60pOe
んが余ったな
906名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 15:45:00 ID:OOruIaPR
保守
907名無しさん@ピンキー:2009/01/01(木) 00:12:38 ID:Y9flxzo4
あけおめ。
今年も二人っきりだね♪
908名無しさん@ピンキー:2009/01/05(月) 23:41:02 ID:A2c4GuND
909名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 01:48:13 ID:lg2Mz6Lf
910名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 02:00:05 ID:3Y8fgZK2
911名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 10:43:57 ID:THGmOT5e
912名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 14:10:58 ID:AdvXG25n
913名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 14:27:56 ID:NUIQ4EVX
ニコ厨ってw
914名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 15:59:29 ID:9ap++ZpB
ニコ厨…ではないんだな、ほぼってことは。
915名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 18:16:05 ID:S6YorFul
ほぼ日刊
916名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 11:54:26 ID:0Tmh4lO9
あれだな、東方ネタにはついていけないニコ厨だな
917名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 16:11:25 ID:qa/2odow
ゲイとボカロとアイマスについていけない、24時間ニコニコ開きっぱなしの俺は多分当てはまるな

>>915
糸井重里乙
918名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 16:38:56 ID:X7E9NdGZ
ニコニコなんて所詮タダで使えるCDレンタルショップ程度の認識の俺も当て嵌まりそうだ。
919本とUNO 何がしたくなったハヅキ?:2009/01/08(木) 16:28:07 ID:MubFh+An
「というわけで、ハヅキちゃん、お留守番よろしくね。」
とか言いつつ、買い物に出かけたおかんと隣の家のおばさん。
どういうわけか、お隣の葉月ちゃんと一緒にお留守番ということに。
可愛い女の子が一人だと危ないから、という理由らしい。
やりたい盛りの若者と一緒の方がよほど危ないだろ、と断ったんだが。
はいはい、わかったわかった、の一言で押し通されてしまった。
一応は信用されてはいるらしい、悲しい限りである。
ちなみにハヅキというのは俺の名前である、ハジキとか呼ばれたりもする。
お隣の女の子の名前が葉月ちゃんであるのもすごい偶然だ。
絶対に俺の名前を参考にしただろ、おばさん。
「ハジキ兄ちゃん、遊ぼー?」
UNOを片手に葉月ちゃんが、俺の服の裾を引っ張る。
どうにも暇を玩んでいるらしい、本を読んでいた俺はちらりと葉月ちゃんを見た。
元気よさそうに跳ねるポニーテール、セーター越しにでもよくわかる膨んだ胸。
本当に小学生なのかと疑ってしまうが、小さい頃から見ているので疑う余地はない。
「少しだけな?」
こんな可愛い子に求められるような目で見られるのはさすがに辛い。
本を開いたまま勉強机の上に置いて、向かい合うようにして絨毯の上に座る。
葉月ちゃんが正座なんかするもんだから、デニムのスカートの中が見えてしまいそうだ。
肝心の部分は真っ暗で見えそうなのに見えない、不思議!
「じゃ、始めるね。」
にこにこと可愛い笑顔でカードを配る葉月ちゃん。
葉月ちゃんがカードを配ろうと屈む度に、襟首からセーターの中が(以下略)
「おーけー。」
葉月ちゃんが配り終わったカードを拾う、リバース二枚、あとは数字か。
色もそれぞれ万遍なく揃ってて、いい感じだ。
ちらりと葉月ちゃんの表情を窺がう。
カードを見た瞬間、葉月ちゃんがにんまりと嬉しそうに笑った。
なかなか良さそうな手札がきているらしい。
「じゃ、いくよー?」
葉月ちゃんが山札をぴらりとめくる。
数字の7か、なんとも縁起のいい数字だな、そう思ったのが俺の最期だった。
「スキップ、スキップ、スキップ、スキップ、らんらんらーん♪」
ばしばしと容赦なくカードが叩きつけられていく。
「・・・!?」
ま、まあ、そういうこともあるだろう、確率的にはありえないことでもない。
なんとか頭の中で納得させようとする。
「ハジキ兄ちゃん、ごめんねー。」
葉月ちゃんが可愛らしく、ぺろりと舌を出した。
くるりとカードを回転させて、見せたカードはドローツー。
悪魔のカードとも恐れられているカードの一つだ。
「に、二枚ドローな。」
俺は冷静さを装って山札からカードを二枚引く、内心はボロボロだ。
「ほんっとに、ごめんね、UNO!」
葉月ちゃんが両手を合わせて謝る、嫌な予感がした。
場に出されたのは、またしても悪魔のカード、ドローツー。
「ど、ドローすればいいんだろ、ドロー。」
山札から二枚引く。
「あっがりー。」
ぽてっと、最後のカードが場に出される。
「なにぃーーーー!?」
最初から、勝てる勝負ではなかったということか。
俺は手の中の11枚のカードをプルプルと震わせていた。
にわかに下が騒がしくなってきた、おかん達が帰ってきたらしい。
「ハジキ兄ちゃん、今日はありがとね。」
お礼の言葉と共に俯いていた俺の頬に、ちゅっと何かが触れる。
顔を上げた俺の目の前で、葉月ちゃんが恥ずかしそうに頬を染めて微笑んでいた。

おわり
920名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 00:22:12 ID:9QIjwS3I
>>919
これは数年後を書くしかないだろう!!
921名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 01:36:06 ID:+EU83O/v
GJ!

高校生と小学高学年で4、5歳差くらいかな?
922名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 18:37:18 ID:3LPbVLQt
まったりしてていいな。
923本、頑丈のお届けも、『珍…(ry:2009/01/13(火) 20:03:39 ID:ygmqyGgi
図書委員というのは不幸な職種である。
クラスで一、二を争う不人気な役職ではないだろうか。
まず、時間拘束が大きいというのが理由の一つ。
下校時間まで図書室の管理をしなければならないのだ。
うちの学校には本を借りに来る奇特な生徒はほとんどいない。
おかげで無尽蔵に暇な時間が発生するのである。
周りにいくら本があっても本嫌いの俺には何の暇潰しにもならない。
本好きのやつなら天国なのだろうが、俺にとっては地獄もいいところだ。
時間を無駄に食い潰す、実に馬鹿馬鹿しい仕事である。
ローテーションの関係で週に一度の任務であることが唯一の救いか。
いつも通り退屈な時間を過ごしていた俺は、いつのまにか心地よい眠りに誘われていたのだった。
ゴン! そんな擬音がぴったりな、鈍い衝撃が俺の頭を襲った。
「いって〜!?」
ズキズキと痛む頭を押さえ、俺は辺りを見回す。
眼鏡を掛けた、おさげ女の子が俺の目の前に立っていた。
重く分厚そうな本を携えて、どうやら凶器はこの本らしい。
珍品、名品、大百科? 本で敵を倒すゲームとかあるけど、まじで痛い。
女の子は無言のまま、じっと俺を見つめている。
「……何?」
そんな冷たい目で睨まれると、少し怖い。
ちらりと時計を見ると、ちょうど下校時間ピッタリだった。
もしかすると、俺が起きるのを待っていてくれたんだろうか?
「本、返しにきた」
彼女は小さな声でぼそぼそと呟いた。
本好きにありがちな内気な子なのだろうか、よくよく見てみれば少し可愛い。
「じゃ、名前書いて元あった場所にしまっといてよ」
俺は頭のこともあって、事務的な口調で彼女にそう伝える。
トントンと彼女は名簿を指差した、名前はもう書いたといわんばかりに。
察するに、名前はとっくに記入済みのようだ。
だったら、後は本をしまうだけだから、彼女にもできるはずだが。
彼女は無言で、ぐいぐいと俺の制服の裾を引っ張る。
ついてこいというんだろうか。
奥の本棚まで強引に俺を引っ張ると、彼女は上の方を指差した。
丁度、本一冊分の空きがある。
彼女は本をしまおうと背伸びをしてみせるが、ギリギリ手が届かない。
どうやら、彼女一人では本がしまえなかったようだ。
「貸して」
俺は彼女の手から本をひったくると、隙間に本を押し込んだ。
どうだ、と言わんばかりに彼女を振り返る。
彼女は、おーっと僅かに感嘆の表情を浮かたが、すぐに我に返って。
「二巻」
ぼそっと小さな声で呟いた。
一瞬、意味がわからなかったが本棚を見ればすぐにわかった。
先程入れた『珍品、名品、大百科』の横に、二巻があった。
おいおい、これシリーズ物かよ。 少々、呆れながら二巻を取り出し彼女に渡す。
彼女はずっしりとした本を受け取ると、両手で抱きかかえるようにして。
何事かを思いついた素振りで、チョイチョイと人差し指を俺を招くように動かした。
ちょっと耳を貸せと言ったところだろうか。
俺が頭を下げると、彼女はぐいっとネクタイを引っ張って。
「ありがと」
そう俺の耳をくすぐるように囁いたのであった。
彼女の突飛な行動に思わず顔が熱くなってしまった。
そんな俺の様子を見て彼女はにんまりと笑う。
彼女の初めて見せた笑顔、それが妙に可愛く思えて胸がドキリとした。
狼狽する俺を尻目に、彼女はバイバイと軽く手を振って去っていったのだった。
俺は本棚から、『珍品、名品、大百科』を手に取ってぱらりとめくってみる。
何が面白いのかわからないが、彼女には惹きつけられる物があるんだろう。
その日から図書委員の仕事が少しだけ楽しみになった。 理由はまあ、言うまでもない。

924名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 20:05:25 ID:ygmqyGgi
エロ成分皆無だし、二人きり要素もちょっと薄い
そこらへんは、他の人に期待
お粗末さまでした
925名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 00:58:45 ID:KTarv6PI
これこそ二人っきりの醍醐味
周りに人がいたんじゃ冷やかされちゃうようなことでもできちゃう特殊なシチュエーション!
たまらねえぜ


GJ
926名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 12:49:50 ID:FrATonXO
GJ


律義に数珠繋ぎやってくれたんだなぁ

たまには数珠繋ぎもいいもんだ

じゃあ開始↓


927名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 18:09:51 ID:3iuZdTBw
928名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 19:51:04 ID:RajDTQmG
929名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 20:30:14 ID:08CEv/gT
930名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:29:47 ID:7po5U5oj
か.なしいかな、イミフな言語の羅列では誰も書いてくれないと思う
931名無しさん@ピンキー:2009/01/15(木) 21:34:41 ID:iqOD2gRD
何文字までかの指定も無いしな
932名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 01:45:11 ID:wANf6yd8
別にほで始まらんでもよくなったのか?
933名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 07:56:24 ID:MQPkDgId
何で始まろうが何レスしようが
1日にスレ埋めようがなんでもありになりました
934名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 21:23:40 ID:DM8H3Tfz

935名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 21:45:35 ID:tnY/ivj5
936名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 16:54:31 ID:/sR3iADo
かみなぴぬぜ



937名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 17:02:18 ID:wRhxsPJv
938名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 01:23:53 ID:juM8GCIB
939名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 01:54:39 ID:GsftHXT5
ようし任せろ!
940名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 14:45:11 ID:1LkyXqbP
しかし6号救命艇が止まっちゃったの残念だな…
面白そうなシチュにキャラだったのに
941名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:41:57 ID:G4iupeHG
>>940
俺も残念だ
固有名詞がどうとかって言われてたけど
あれって平たく言うとわかんね、日本語でおkって意味だしなあ
ああ言われて続ける気にはならないんじゃないかなあ……
942名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 21:49:35 ID:qjnU4bOd
それ以前に普通に冷めただけじゃね?
現代モノ以外をやろうとするとよくあること。
943名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 00:01:32 ID:iwDu4TO7
944名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 14:44:22 ID:7RN1tCN6
945名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 20:06:27 ID:UP2WMKBr
946名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 20:21:28 ID:9o4K5HAh
947名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 23:16:33 ID:ILmqDS4Z
948名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:08:12 ID:WMLjhi1j
949名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 00:10:44 ID:O1htI+DC
950名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 23:00:21 ID:PjgRAOao
ポルノ象牙?
951名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 18:48:52 ID:v6vTynee
歩流野像解
952名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 19:01:25 ID:7+Qb6auF
Por no zor ge.
953名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 21:06:04 ID:sYT6WmPE
ポルノチックな象牙色の○○○とか?
954名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 15:51:02 ID:gEjeDsyO
ポルノはアウトだろjk
955名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 16:31:30 ID:iR7m8EmP
お楽しみの所すまないが、句点なんだ
956名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 16:39:14 ID:pqpwGoFu
句点とかどうでもいいぜ、本人乙
お譲がお餅を持ってくる話はまだですか?
957名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 00:49:37 ID:KRVZU8Qg
958名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 02:54:58 ID:c2WfiiWv
もうええわ
959名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 21:20:45 ID:u7Y/E/yd
960名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 23:57:44 ID:1qF8qUn/
961名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:01:22 ID:1qF8qUn/
962名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:37:38 ID:bAoHcQH8
963名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:38:27 ID:bAoHcQH8
964名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:39:07 ID:bAoHcQH8
965名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:39:51 ID:bAoHcQH8
966名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:40:37 ID:bAoHcQH8
967名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 00:49:17 ID:Ppkb6IiK
普通に読むと「本棚の妖精」だな
968名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 12:24:46 ID:TsEHDQug
はい、おかしいのが二人ほど紛れ込んでますね?
969名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 18:12:01 ID:vQbw6OUy
本棚までだな
970名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 19:31:11 ID:ia293nU3
どう考えてもID:1qF8qUn/=ID:bAoHcQH8だろ。
971名無しさん@ピンキー:2009/02/02(月) 23:36:41 ID:vmwqUZfL
目欄で言い訳とか縄文人かよ
972名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 23:18:44 ID:NeVkEdIP
誰か節分もの書いてくれよ
973名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 19:28:30 ID:cnAQspr2
投下途中の作者に戻ってきて欲しい とか
旅にでた少女は次はダレにヒッチハイクするのか、果たして追いかけてる男は間に合うのか とか



まだ… まだガマンですか… 的な保守。
ぶっちゃけサーセン…
974名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 23:46:03 ID:hQQvlgQy
>>973
耐えろ!耐えるんだ!
耐えられないなら自分で作って投下するべし!
975名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 00:30:57 ID:oGv/Y7A5
「れ、冷静になれ俺」
そして落ち着け俺の息子
自分に言い聞かせつつ、裸の少女を見ないようにした
「……きゃー!!!」
少女がいきなり叫び俺をつき飛ばした
どうやら現状を理解したようだ
俺はつき飛ばされるとは思っていなかったためバランスを崩し倒れた
「痛っ!」
勢いよく倒れたため頭が床にぶつかったようだ
まさかこんなことになるとはと痛む頭を押さえつつ思った
「ご、ごめんなさい」
少女は謝りつつ俺に寄り、頭を手慣れたしぐさで触った
「…一応大丈夫、内出血とかにはなってないと思う」
(お嬢さん、そんなことより何か着てください。息子が覚醒してしまいます。)
息子の覚醒を防ぐために平然を装うことにした
「だ、大丈夫だから…それよりここにバスタオルとジャージがあるから…」
少女は裸だったのを思い出したようで顔を真っ赤にしてバスタオルとジャージをひったくり背を向けた
「…着替えるので向うに行っててください」
「わかった」
俺は頷き布団の中に戻った
どうやらとてつもなく大変なものを見てしまったような気がする
「ともかく息子が覚醒しなくて良かった」
安堵していると、「息子さんがどうしたんですか?」とジャージ姿になった少女が尋ねてきた

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
……ダメだ…俺の力じゃこれ以上書けないorz
不快に思ったらNGにしてくれ
976名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 00:52:09 ID:rR46M95e
わっふるわっふる
977名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 22:25:20 ID:ooWPRzjl
なんか書いていい?
978名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 23:06:45 ID:g4Z/OVwJ
駄目な理由がない。
979名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 10:10:18 ID:LaCvd/CZ
ボチボチ次スレ?
980名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 16:41:01 ID:dRXlsz+e
次スレ立つの?
981名無しさん@ピンキー
二人きりの穴の中で
女「暖め合いましょう(はぁと)」

っていう展開読みたい。