【涼宮ハルヒ】谷川流 the 60章【学校を出よう!】

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1名無しさん@ピンキー
谷川流スレッド設立に伴う所信表明

我がスレッドでは、谷川流作品のSSを広く募集しています。
過去にエロいSSを書いたことがある人
今現在、とても萌え萌えなSSを書いている人
遠からず、すばらしいSSを書く予定がある人
そういう人が居たら、このスレッドに書き込むと良いです。
たちどころにレスがつくでしょう。
ただし、他の作品のSSでは駄目です。
谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

■前スレ■
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 58章【学校を出よう!】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1202913018/

■過去ログ■
http://www9.atwiki.jp/eroparo/pages/210.html

■これまでに投下されたSSの保管場所■
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

■投稿されたSSを案内しているサイト(作成中)■
谷川流スレ@エロパロ板ガイド
http://www35.atwiki.jp/tanigawa/

■荒らしについて■
削除依頼対象です。反応すると削除人に「荒らしに構っている」と判断されてしまい、
削除されない場合があります。21歳以上なら必ずスルーしましょう。

PINK削除依頼(仮)@bbspink掲示板
http://sakura02.bbspink.com/housekeeping/
2名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 03:20:14 ID:3CMWI1eq
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。

Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。

Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!

Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…

Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。

Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。

Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?

Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。  嫌なときは言って欲しいのね。

Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。

Q新刊ネタはいつから書いていい?
A最低でも…………一般の――――発売日の…………24時まで――――待つ。
A一般の発売日の24時まで待ってもらえますか? 先輩、ゴメンナサイです。

Q1レスあたりに投稿できる容量の最大と目安は?
A容量は4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行です。
Aんふっ。書き手の好みで改行をするのも揃えるもバッチリOKです。
3名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 03:21:15 ID:3CMWI1eq
規制情報色々


627 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/01/15(火) 21:54:50 ID:x6K+J9Jh
  あ、知らない新規制を発見したので、既出かもだけど報告。

   一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えるそうです。
   SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイみたい。

630 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/01/15(火) 23:03:23 ID:JkkZ5sEy
  デザインとして最初に改行入れたいときは、スペースを入れておけばいいらしいよ。
   と一応報告。

736 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/01/20(日) 07:28:51 ID:sjR/O4I0
   −−−
   ↑文頭にこういう単一キャラクタが重複するのもまずいらしい、と風の噂で。
4名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 03:43:39 ID:3ZHjU2eN
 


  原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。


  こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
5名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 09:54:14 ID:+7UT5Qo/
>>1

今保管庫のリンクで飛ぶと広告サイトにいっちまうんだがおれだけ?
6名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 10:03:54 ID:T1wcm2M3
>>1
7名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 12:02:09 ID:iZtnmWYu
  ___.,,, __.,,,
  (   ヽ:`:.:.:.:.:.:.:.:.:\ア
   ` -‐/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
      /.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.j
     /:.:.:.:.:.:.:.:(_ヽ.:.:.:.:.:.(ソ`
   /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l
.  /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、.::.::.:.:.:.:.::▼.:l  キョン (英名 Reeves's muntjac、学名 Muntiacus reevesi)
 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ`:、::.:ノ:.:/  
./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ト-´`´  哺乳綱 偶蹄目 シカ科 ホエジカ属に分類されるシカ。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:_._:._:._.:.:|     体長70-100cm。 肩高40-50cm。 体重10-15kg。 森林、低木林に生息する。
:.:.:.:.:.::.::.::/.:.:.::.::.:.::.`ヽ    群れは形成せず単独で生活する。 草食性で木の葉や果実等を食べる。
:.:.:.:.:.::.:/.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ   繁殖形態は胎生で、1回に1匹の幼体を出産する。 肉質は柔らかく、脂肪も少ない。
:.:.:.:.:.:.ト:.:.:∧:.:|、:.:.∧:.:.:.:.l   中華料理では、薄切りまたは細切りにして、炒め物などにされる。 別名・四目鹿(ヨツメジカ)
:::.:.:.:.:.l_V_ヽ! V___.レ|:.:l   
:.::.:.:.:.| -‐‐  ‐- |:.l/   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
:.:.:.:.:l:l.     |   l.:.|   |               ___    |
:.:..:.:|/       '  l:.:.l   |  \\     /|        /    |
.:.:.:.::.:!、  -‐  /∨  <     \\     |      /      |
:.:.:.:.:.::.:.\  /:/     |    //    |     /        |
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/       |  //    __|_.  (___ゝ  |
:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:|        \______________/
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\.    ∩
_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._:./:ヽ. / ,ゝ-,
: : ̄: : --- : : ̄: : : : : : :l. | (二`i
8名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 15:53:27 ID:lri9cDMo
ネタにマジレス
ここはSSスレの中でも屈指のSS職人が集い投稿する場所
このスレの読み手は文法や心理描写などの書き方を書き手が各自習得済みであるということを前提として作品を読む
なのできちんとした書き方を習得できてない奴が叩かれるのは当然のことなのだ
また「〜〜って酷評してるけどじゃあどんな文章ならいいの?」なんて質問はそもそもNG
なぜならそんなこと質問しなきゃ面白い話が書けないような奴はそもそも投稿資格がないのだから
ここは「SS職人を育てる」場所じゃない「SS職人が挑戦する」場所なのだから

ここで酷評を受けた奴はまだ挑戦するには早すぎたということ
自分のレベルを上げてからまた挑戦すればいい
9名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 18:44:55 ID:OwdQGHR3
それいい加減うざいよ
10 ◆LeyXT4003g :2008/04/03(木) 19:29:12 ID:nJJrnY9V
>>1
乙。
1時間早く立ててくれていたら非常に有り難かったのだが俺としては。
ところで、それ前々スレだぞ。
11名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 19:35:44 ID:oNSJcYOO
>>10
そこまで言うなら自分でたてなされ。
12名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 21:26:07 ID:W+5Co24/
なんで一時間w
ってああぁぁ!?ホントだ前々スレだ……


こっちが前スレです↓
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 59章【学校を出よう!】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204563319/
13 ◆/EC63O2OBo :2008/04/03(木) 22:52:40 ID:T07twp4o
今日初めて鳥の付け方習いました。面白いですね。文字が英語になって出てきました。バーコードバトラーのように。
バーコードと言えば私は長門や朝倉の体にも入ってるんじゃないかなと思ってます。
皆さんはどこにバーコードが入っていたらセクスィだと思いますか?
私は鎖骨の下ですかね。内腿も捨てがたいですが。あとM男は爪先とかに入ってると嬉しいんですかね?
14 ◆/EC63O2OBo :2008/04/03(木) 23:06:05 ID:O6IFLQZ0
>>13
NGに設定したんで毎回トリ付けて書き込んでくれるとうれしい
15名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 00:04:06 ID:w/xGI4RB
前スレの1000には誰もつっこまないのか。
なら俺が。

前スレ>1000
てめえ、どうしてくれるwwww
16名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 07:53:54 ID:53SSy14N
>>1
乙でございます。

>>前スレ1000
どこぞのカオスな図鑑スレみたいな真似は勘弁してくれ。

そういえば、漫画はぼちぼち「消失」を始める雰囲気だな。あれ、長編では一番短いから、来月スタートだとすると終わるのは冬になる前くらいってとこか。
半端にアニメの要素を持ちこんだり、オリジナル話をしてたわりに、雨の日をとばすのがちと理解出来んが。キョン語り不成立だから却下だったんだろうか。
あれはあれで「消失」に繋ぐ上でそれなりによさげな部分があると思うのに。
17名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 14:45:42 ID:W2P2wEKM
構図はアニメを持ち込んだかと思えば展開そのまんまだったり、ちょっと半端だよなー。
……絵柄もクセがあるというか、なんというか、下手に見える。
18名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 16:27:46 ID:V9wok1xt
漫画版消失がハルヒが盛り上がるための起爆剤のはず。5月には漫画の単行本も発売される
漫画版消失がコケればハルヒ人気も陰りが出てくる
19名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 16:39:03 ID:k6gfujDc
>>18
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
20名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 17:26:56 ID:V9wok1xt
>>19
君は何が言いたいんだ?
21名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 17:49:51 ID:4OJKbxu4
コピペ厨に構うなよ
22名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 18:03:30 ID:lDyhJINU
正直な話、絵柄はツガノよりぷよの方が上手いしなぁ
でもオリジナルの話は悪く無いから、そこら辺消失で期待してる
23名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 20:07:02 ID:mJ4H4i7k
ツガノの漫画飛ばし読みするとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう。
これはもう如何ともしがたいね……
24名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 21:12:36 ID:lRqjSLVs
>>23
ネタにマジレス
ここはSSスレの中でも屈指のSS職人が集い投稿する場所
このスレの読み手は文法や心理描写などの書き方を書き手が各自習得済みであるということを前提として作品を読む
なのできちんとした書き方を習得できてない奴が叩かれるのは当然のことなのだ
また「〜〜って酷評してるけどじゃあどんな文章ならいいの?」なんて質問はそもそもNG
なぜならそんなこと質問しなきゃ面白い話が書けないような奴はそもそも投稿資格がないのだから
ここは「SS職人を育てる」場所じゃない「SS職人が挑戦する」場所なのだから

ここで酷評を受けた奴はまだ挑戦するには早すぎたということ
自分のレベルを上げてからまた挑戦すればいい
25名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 21:34:31 ID:EFvNWOEB
>>24
キチガイ乙
26名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:08:06 ID:e5AGzh/r
>>25
スルーできないゆとり乙
27名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:25:48 ID:2u3PIMlc
こうしてまた住人同士の罵りあいで一日が終わるのであった…
28名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:26:25 ID:BLxJNh9m
そりゃそうよ、投下できる雰囲気じゃないもの
29名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:46:01 ID:AwcB66oD
なんか上でやってたような煽り合いを見てると
「自分は他人よりえらい、分かっている」「俺はお前らとは違うんだ」的な
アホみたいなプライド持ってるんだろうな。本人たち以外から見るとすごく浅はかで滑稽だ
こういうのって次の日冷静になってみると、なんであんなこと書いたんだって後悔してそう

…この流れで誰がSSなんて書けるんだ?
30名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:53:21 ID:rqmh2ZcR
ageなければ誰かが書くさ。
31名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:07:50 ID:VPNcfwEO
コピペ荒らしって削除依頼通らないのかね?
昔からやってるけど。
32名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:38:53 ID:KGfYd2dn
>>31
この程度コピペ荒らしに含まれない
33にょらい:2008/04/04(金) 23:58:54 ID:59GLV1M7
>>29
…この流れで誰がSSなんて書けるんだ?

私か?
34名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 01:36:56 ID:SRXnPv2z
>>31
いや上の見て思っただけだからそんな苛めないでくれ
つーか噛み付きすぎだろ、まあいかにも煽ってるような文で悪いのは十分分かってるけどね
最近このスレ終始イライラしてるような感じがする
マジでどうやったら前みたいに戻るか考えないといけなくね?
35名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 01:56:19 ID:lxqeT+bQ
ところでお前らぶしつけで悪いが

今流行の性転換ネタは知ってる?
36名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 02:03:23 ID:OULxbycX
>>35
二期が始まって昔の職人が戻ってくる流れが一番良いと思うけど
たぶん来るとしたら新参の人だけのような気がするなあ…
職人さん皆どこにいったんだろう、SS書くくらいだから飽きたなんて無いと思いたい
37名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 02:16:33 ID:qjKLC4wv
>>36
ここまで全部コピペ
38名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 02:28:39 ID:7nc24Xa9
>>36
ふふん、と、スレを見ている
39名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 03:04:25 ID:a4DnYtRg
何で態々荒らすんだ?
40名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 04:59:17 ID:p3s/cmoK
>>36
マジな話VIP系に移動してるんだろうね、あっちは投下とお祭り騒ぎの場の本スレと
批評や相談なんかもできるまとめの雑談所と上手く機能してるみたいだし
41名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 09:20:19 ID:HhnwhAqF
春だから
42名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 11:45:01 ID:cvFqqodx
VIPてどこ?
43名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 13:04:43 ID:PypbRDvf
>>40
いや、ずっとスレは追ってるんだけど、なかなか手が動かない。

それに、たぶん皆が思い浮かべるここの古参の書き手さんたちって、作風や文体で特定できそうな人多いでしょ。
昔からVIPとここの住人を兼ねている人なら、その書き手さんたちがVIPに投下すれば解るんじゃない?
44名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 13:57:34 ID:W7kQM2Qk
>>40
移動はしてないと思う。
前々スレぐらいに朝比奈さんの正体は誰?
って流れの時とか結構書き手っぽい人達が多かった気がする。
単純にリアルが忙しいとかネタ不足とかじゃないのか?
もうアニメが終わって2年ぐらい経つし分裂出たのも1年ぐらい前だしな。
45名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:11:51 ID:0H8WdtS6
空気を読まずに質問します。
キョンがだんだんと記憶を失っていくんだけどハルヒのことだけは最後まで覚えているっていう作品ってここの保管庫にありますか?
もしかしたらVIPの方かもしれませんが、題名や保管場所がわかる方がいらっしゃったら教えていただけませんか。
46名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:28:48 ID:J1bbmelk
>>45
そのシチュエーションで佐々木との奴なら
佐々木保管庫の「キョンの遺忘」だけどハルヒは知らないな
47名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:41:32 ID:XgpEmTH1
あれってハルヒネタの改変じゃないの?
時々ハルヒを佐々木に改変しただけの作品あるよ。死神佐々木に映画の前売り券破かれる話とか。
48名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:49:26 ID:0H8WdtS6
>>46
これはこれでいい作品でしたが、シチュエーションも異なるようで、自分が探しているものではなさそうです。
ご協力感謝します。
他の情報をお持ちの方がいましたらよろしくお願いします。
49名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:51:42 ID:CoH/bpw7
なんでおまいら保管庫見えるの?
おれへんなサイトにリンクから飛ぶんだが
50名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 16:55:26 ID:0H8WdtS6
>>49
変なところというのは『Jump Staion for PINK (PinkTower.Com)』ですか。
そこだとすれば下の方にある『Your request is:○○』をさらにクリックすることで目的のリンクに飛べます。
51名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 17:04:55 ID:CoH/bpw7
>>50
専ブラ使ってるから関係ないぜ

保管庫からSSのリンクたどるとここにつくんだ
アドレスからしてねーよ
http://affiliate.dtiserv.com/link/index.html
52名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 17:11:27 ID:0H8WdtS6
>>51
そうなんですか。お役に立てなかったようで残念です。
53名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 17:49:18 ID:cutqHu88
>>45
同じ展開ならVIPの「奇跡の先に」じゃないかな。
一度ここに転載されたことがあるから、エロパロ作品と誤認しているのかも。
54名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 17:52:39 ID:0H8WdtS6
>>53
これだ!!!間違いないです。
ご協力ありがとうございました。
55名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 20:30:36 ID:xkzlWG4j
>>51
あーそれ俺もあったわ
http://eroparo.s13.dxbeat.com/sslibrary/h/より下位の層のページが読めず
そこに飛ばされた

何日間かアクセスせずに放置してたらいつの間にか直ってた
56名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 00:17:03 ID:RFQOuMdD
保管庫で一番エロいSS誰か教えてくれ
57名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 00:27:37 ID:p4SBt0Jn
騙されたと思って古泉一樹のある種の罠を最後まで読んでみるんだ
58名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 00:30:03 ID:vw8n3+bS
これがホンとのある種の罠
59名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 02:58:46 ID:wovYwEmV
蒸し返して悪いんだが
春休みの課題と休業明けテストってあるもんじゃないのか?

俺は公立の理系の出だが部活やりつつ午後から毎日5〜6時間やって
ようやく終わる量だったぞ。20日程度の休みでな。
提出先は全て新しい教科担任だ。

すまんスルーしてくれ
60名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 03:02:12 ID:4Dmw5qZu
VIPの方の保管庫ってどこにあるんだ?
さっぱり見つからん
61名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 03:29:23 ID:ZkpLCVLP
脳がプリン体のあなたには見るだけ無駄
62名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 03:51:45 ID:BNnlojNI
VIP ハルヒ でぐぐれ
63名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 04:40:54 ID:+J6HXzC7
<チラ裏>脳味噌がピリミジン体とは言わないな</チラ裏>
64名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 05:14:49 ID:BNnlojNI
<チラ裏>プリンという検索ワード教えてくれているのに失礼な奴だな</チラ裏>
65名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 07:28:08 ID:B624rSNF
委員長便女の性活って保管庫のどこよ? ガイドにも見つからん
66名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 08:51:34 ID:rl5NzBt+
>>47
それ荒らし。あそこ粘着がいるから
67名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 11:42:00 ID:97d9T9I1
>>66
「キョンの遺忘」は住人がやたらとマンセーしていたけど、ただの改変コピペネタだったのか
68名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 15:12:08 ID:as+C7G6q
69名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 16:18:29 ID:TN1xjEce
エロパロ板なのにエロくないの多いよな
70名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 18:42:24 ID:rl5NzBt+
>>67
いや、あれは違うはず
でもここやVIPのNTRモノを改変して断りも入れずに貼る奴がいるのも確か
俺長門スレとハルヒスレは回転早過ぎるから巡回してないけど、そこも似たような事あったりする?
71名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 19:57:42 ID:jx9avJxx
>>70
遠い昔にvipの「本当に憂鬱」の改変コピペが張られたことはあったが…あとは知らん。

つーかハルヒでNTR物ってあんまりないよな?
vipだと「ハルヒの妊娠」と「本当に憂鬱」位だし…
ここだと悪徳生徒会位か?
72名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 20:55:17 ID:rl5NzBt+
>>71d
やっぱりあったのか、人気スレの宿命だな
個人的には朝倉スレ位が居心地良いな、適度にレスあって、適度に平和で、適度にエロくてw
でわでわノシ
73名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 21:27:11 ID:KCznGYL6
俺語りしたいだけならキャラスレから出てくんなと…
74名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 21:55:35 ID:8Ms5jKzZ
すみません、いま性欲をもてあましているハルヒオタなんですが
オススメのSSおしえてください。
これだけは読んどけっての三つくらい。
裸でまってます。
7524瀬:2008/04/06(日) 22:12:36 ID:WcXWfkOA
>>74

ハルヒのSmスレいくとよいよ。あそこはえろい
76名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 22:14:06 ID:8Ms5jKzZ
それはどこの板にあるのですか?
77名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 22:19:01 ID:ZkpLCVLP
ググレ
78名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 22:24:02 ID:97d9T9I1
SM板じゃないのか?
79名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 22:24:17 ID:8Ms5jKzZ
まんまSM板にあったw 
thx
80名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 23:00:14 ID:VFj/2S2i
ここでプリン(笑)の話が出るなんてここも終わったな
81名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 23:03:52 ID:ZkpLCVLP
(笑)ってwww
(核爆)とか使う人ですかwww
8224瀬:2008/04/06(日) 23:18:41 ID:WcXWfkOA
>>78
昔はテンプレについてたのになんでとっちゃったの??
83名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 23:59:10 ID:pibma+N1
>>81
そういう見下した笑いを取るために嘲笑の対象に(笑)付けてるんだろ
それがヒットするかどうかは個人差として、意味が分かってないお前は素で頭悪いな
84名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 00:34:29 ID:guaBe9Ei
(笑)なんて見るの3年ぶりくらいだ
85名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 01:35:08 ID:YkH68jmM
86名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 01:47:16 ID:n5zOKyD4
湾岸ミッドナイトじゃ、いまだに現役だけどな>(笑)
87名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 02:11:39 ID:ZsrXW4Zl
>81(笑)
88名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 04:34:45 ID:opie2FDK
いまだに小ネタ一つ投下されてないという罠
89名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 11:13:09 ID:RPRMruFX
>>81(暗黒微笑)
90名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 18:11:51 ID:E8TRYVye
>>81(暗黒邪眼)
91名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 19:37:07 ID:6gfcnM5w
>>81(さわやか三組)
92名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 20:00:33 ID:kAUlzdnk
このまま百ならスレこの代で終わり
93名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 21:44:44 ID:EUJaO6Yi
100レスまでにSSはおろか小ネタすら投下されないエロパロ(SS)スレなんて前代未聞じゃね?
逆に凄い気がする
94名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 21:46:34 ID:nV/oupcx
末期だな。
95名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:27:22 ID:m2KAAyD+
まあ当然でしょう
96名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 22:52:02 ID:Lc6kF4s/
>>93
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
97名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:02:10 ID:OjOa4X0X
アニメから2年近く、新刊から1年経って続報無しときたら
燃料が尽きない方が不思議な気もするが
98名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:06:34 ID:8lpR/+5j
それが分からないくせにスレにしがみつき続けて「過疎!」「過疎!」って連呼する京アニ厨がウザいわけですよ
学校から読んでた人間からしたらまだ大繁盛すぎて落ち着かねえ
99名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:11:44 ID:kAUlzdnk
ハルヒ「あたしのことなんか…もう誰もかまってくれないのね…」
キョン「お前はなんにも悪くないって!むしろお前の人気がありすぎてスレが立ちすぎたんだ」
ハルヒ「くだらない気安めはよしてよっ!もういい!こんなスレッドしらないんだからっ!」
キョン「ちょっと!!ハルヒー!」
100名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:28:57 ID:aONruB1A
小ネタ ―桜―

「若菜…… 」
 僕は、ソメイヨシノが盛んに舞い散る中、幹の下に佇んでいる少女を呼んだ。
「なあに、兄さん」
 何処までも透明な雰囲気を漂わせる妹が言葉を返す。
「もし、能力が消えたら、実家に帰るのか…… それとも」
 若菜は、笑顔を微かにしかめた。
「あんまり、あの家には帰りたくないなあ。でも兄さんが一緒ならいいよ」
「僕と? 」
 うん。といって、掌を伸ばして桜の花びらを掬う。
「そう。兄さんと一緒ならどこでもいいよ」
 若菜は霞のような笑顔を見せながら謡うように言葉を紡ぐ。
 真琴が聞いたらブラコンだの、シスコンだの、やいのやいの言ってからかうだろうけど、
若菜と一緒にいることが、好まざるにして与えられた能力を喪っても、未練がましく
第三EMP学園にとどまっている唯一の理由だ。

「兄さんは、私とずっと一緒にいてもいいの? 」
 どういう意味だ?
「兄さん。真琴さんと付き合っているんでしょ? 」
 むせそうになった。
 なんでいかれたサイコテレパスを恋人にしなくてはならないんだ。
 いくら彼女という羨むべき存在が傍らにいないからって、そこまで落ちぶれていないと信じたい。
「でも、真琴さんは、兄さんのことが好きだよ」
「どうして確信をもって言うんだ? 」
 僕はしかめっ面をしながら、たんぽぽのような笑顔に向けて言う。
「なんとなく、分かるんだ」
 ああ、そうかい。
 いつの間に預言者の能力を備えた妹に、苦笑未満の表情を浮かべながら、
僕は桜の木で舞っている双子の片割れの手をとった。
「そろそろ、いくぞ」
「うん。兄さん」
 僕は、季節の名前が付けられた、既にいないもう一人の妹の後ろ姿を思い出しながら、
舞い散る桜並木をゆっくりと通り抜けていった。

(おしまい)
101名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:36:28 ID:kAUlzdnk
〜ハルヒが去ったのでここから学校スレ〜
102名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:46:26 ID:ra50mw6K
>>97
VIPの臨時スレは大繁盛である件について
103名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:54:25 ID:kAUlzdnk
>>102
だから色々書くとこができて、ここの魅力がないからだって。
99のキョンのセリフ嫁バーロー
104名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 23:56:55 ID:myzWmYZt
外は外、内は内
焦る必要もない、いずれ出る新刊まで体力温存といこうじゃないか
105名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 00:38:26 ID:QFEA+952
学校やイージスやボクセカスレにしたら良いじゃん
106名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:43:32 ID:4XIK4RY0
…ええと
お前らは>>100に対して何か言うことは無いのか?
107名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:44:47 ID:ETu4j2qh
マジレスするとここは相当厳しいから辞めておいた方が良いよ
フルボッコにされるから
108名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 01:55:33 ID:O5TgRnb7
他人の作品を評論するくらい学校を知っているわけではない
109名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 02:10:13 ID:LPBM3qZf
>>100
久しぶりに学校SSが見れて嬉しいわ。
雰囲気が出せててよかったけど、学校の一人称に慣れてないのか少し違和感ががあった。
110名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 07:29:05 ID:aX3+xmR1
お前何様だよ
書いてくれるだけありがたいと思えよ!
ちょっと持ち上げてから叩くとかマジむかつくわ。すげえイラっときた!!
111名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 07:59:05 ID:2b/iOl0P
…ええと
お前らは>>99には対して何か言うことは無いのか?
112名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 08:13:59 ID:2b/iOl0P
>>107
ハルヒ「VIPなら、VIPならわたしをかまってくれるわよね!」

[ハルヒ「ねえキョンてうざくない?」]

[ハルヒ「古泉くんうざいわよ」]

ハルヒ「VIPでは…性悪扱いか…」
113名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 08:57:40 ID:HVA6y9OH
低年齢化が激しいな
114名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 10:46:13 ID:GQFzoOYb
昔からずっと、こんな感じだったよ
115名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 14:13:05 ID:O5TgRnb7
驚愕中止で分裂は夢オチになることが決定したし、本格的に燃料がなくなってきたな
116名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 16:31:44 ID:2b/iOl0P
まだ花祭りネタがある
117名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 22:53:23 ID:CM7hlkqx
>>115
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
118名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:27:28 ID:iJiuC9XM
しつこいなぁ
119名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:34:53 ID:PpDic94Q
>>118
NGワードに入れりゃいいじゃん
120名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 01:12:56 ID:5FxbgO+/
誰が言い出したんだよ全く
121名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 01:21:32 ID:8audnszn
>>120
なんか上でやってたような煽り合いを見てると
「自分は他人よりえらい、分かっている」「俺はお前らとは違うんだ」的な
アホみたいなプライド持ってるんだろうな。本人たち以外から見るとすごく浅はかで滑稽だ
こういうのって次の日冷静になってみると、なんであんなこと書いたんだって後悔してそう

…この流れで誰がSSなんて書けるんだ?
122名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 03:46:28 ID:EtkINX5P
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
123名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 05:36:06 ID:igZPTutQ
何こいつ…
きめぇ…
124名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 07:36:31 ID:g1I8+n8a
オウフww大丈夫ww大丈夫ですww
125名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 07:52:32 ID:5FxbgO+/
どうでも良いけど121もコピペだよな
126名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 10:39:21 ID:w6nO6myq
>>110
別に叩いてないんだが……。学校は基本3人称だから1人称に違和感持っただなんだが…
127名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 11:04:45 ID:9kDtSUtB
気にすんな
普通の奴なら叩いていないことぐらいわかってる
スルーしとけ
128名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 16:21:16 ID:AhQFQjzZ
しかし作者がこれくらいで切れていたのではなにも言えんなあ…
129名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 17:26:55 ID:5FxbgO+/
ところで、絶望系を書いた猛者はいないのか?
130名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 17:35:39 ID:5v3oxPq3
小ネタしか書いたことないなぁ。
131名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 17:39:43 ID:fMEz+0+i
と言うより読んだことが無い
近くの本屋には置いて無いんだよなぁ
132名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 19:46:16 ID:CriihREE
「今度は誰の人生で遊ぼうか?」
だけ覚えている
133名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:42:47 ID:pZt8D4DV
長門「・・・・・放尿の許可を・・・」
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2922190
134名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 23:55:00 ID:PJAQnw9N
ニコ厨は来んな
135名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 00:32:58 ID:+1nSXbXn
「希望系:開かれた世界」
136名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 00:52:20 ID:SywchoCe
>126
1巻は、1人称だからそれに沿っただけだったり。
それに叩きなんて、全く思っていないわけだが。
137名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 01:44:53 ID:lzoNpg8D
だったり(笑)

わけだが(笑)
138名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 04:17:08 ID:IcPB7E3s
>>100
GJです。
下手ですがSSの絵を描いてみました。
ttp://f42.aaa.livedoor.jp/~imawaka/imgboardphp/src/1207767938264.jpg
139名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 05:00:39 ID:fRZcjKdf
ほんとに下手
140名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 08:33:10 ID:Bb5fGC1L
>>138
GJ 気持ちは伝わってくるぞ。
想いを絵にした今の情熱を忘れるな。また描いてくれ
141名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 10:29:13 ID:Xkj/TGy6
保管庫更新感謝
142名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 11:09:29 ID:yLJpyXWp
>>138
SSを絵にって新しいね
GJ
143名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 14:25:05 ID:RxSHDeRc
SSのスレに自己満な絵描き居着くとたいてい廃墟になるよな…
144名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 14:34:26 ID:kAGK0BHv
シッ!!オナニーの余韻に浸られてあげて
145名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 15:31:34 ID:zwUK6Gmp
>143
……お前らのようなのが居着いた方が廃墟になる率高いんだが。
146名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 16:07:59 ID:MANDuH8Q
枯れ木も山の賑わいだしね。
……褒め言葉じゃないけど。
147名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 16:44:09 ID:p5aAlv1L
いや、こんな絵に「ご苦労様」「頑張れ」ならともかく、「GJ」とか言ってんだもん
如何に今までテキトーに「GJ!wwwwwwwww」ってやってたかよう分かるわ
不誠実な子供の集まりだ
148名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 16:47:44 ID:+1nSXbXn
学校のSS用の絵を描いたのはこいつが初めてなんだからGJになっても不思議は無い
ライト兄弟の飛行機と同じだ
149名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 16:49:18 ID:7qIuNiox
今日も今日とて自然にSOS団の部室に足が向いてしまうのは悲しい性である。
なんだ長門だけか、窓際で読書にはげむカーディガン姿をみながら俺は席につく。

今日はどういうわけかハルヒも朝比奈さんもこない、一人で詰め将棋をするのも飽きた。
ここはヒューマノイドインターフェイスをからかって見るのも悪くない。
長門、結婚してくれないか?
SF好きの宇宙人はゆっくり顔をあげた。

「そう」

まばたきもせずこちらを見つめる瞳に俺のほうが気おされそうになる。
結婚してくれるのか?

「了解した」

了解しただって?結婚式はいつにしようか?やっぱり大安吉日がいいか?
俺が次のセリフを考えている間に宇宙人は例の早口言葉をつぶやいた。

「戸籍情報を改竄した、私とあなたは婚姻関係にある」

待て、待ってくれ。俺はやるべきことをやってからでも遅くないと思ってる。
健康な高校生としては持て余している性欲を存分に発散させてからでもいいくらいだ
むしろ出来ちゃった結婚でもいいくらいだ。

「了解した」

俺が止める間もなく宇宙人製アンドロイドは因果律の操作を続ける。

「受精卵にあなたの遺伝情報をコピーした、出産の許可を」

どうやら俺は何もしていないうちに父親になったらしい。
いとおしげに腹部をなでる長門を置き去りにして俺は部室を飛び出した。
これは夢だ、明日になれば何もかも元通りになっているはずさ・・・

翌朝、教室につくなり待ち構えていたハルヒに引きずられ部室に連行された。
おいおい、UMA捕獲作戦のミーティングなら放課後でも遅くないだろ。
俺の抗議にも耳を貸さず、めずらしくハルヒは黙ったまま窓際に座る長門を指差す。

長門はいつものSF小説でもなく、小さな赤ん坊をやさしい声であやしていた。

「キョン、あんたが産ませた子供なんでしょ!責任とりなさい!!」

狭い部室の中にハルヒの非常サイレンのような声が響いた。
150名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 17:04:08 ID:CBe2VYSa
なに、少々順序が狂っただけさ
151名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 18:10:31 ID:JASY71Lf
たった一日で生んだだと……!?
152名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 19:12:25 ID:J+3HDz0P
しかし、残念ながら原作と矛盾するという致命的な欠点が。
153名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 19:54:55 ID:pHRHHtwM
>>151
「長門さんが一晩でやってくれました」
154名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 20:55:23 ID:QjFKn3z1
さすが長門だ
155名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 21:28:34 ID:MANDuH8Q
しかし出産に至るまでの過程が省かれてるとは。
キョンカワイソス。
156名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 23:57:09 ID:8Dows5u2
人類史上初の童貞で父親になった男という称号が貰えるなキョン
157名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 00:22:32 ID:yDAv9D3o
産まれた子供は神様
158名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 00:40:14 ID:W4H63jdx
>>156
2008年前に前例がいるw
159名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 00:46:34 ID:0y1NIRjg
体外受精なら父親童貞も有り得るよな?
160名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 01:22:14 ID:yD2qQWwQ
それでも嫁が宇宙人アンドロイドで童貞パパっていうのはいないだろw
161名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 11:37:15 ID:s6LxH9GB
そもそも嫁が宇宙人アンドロイドな時点で人類初だよw
162名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 12:36:18 ID:X8Nqri1j
わからんぞ
三日くらい会長の方が早いかもしれない
163名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 13:26:15 ID:OS7fwleE
あだ名しかないキャラは全員、人外と結婚するようになると思う
164名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 16:04:07 ID:ef4pM2oY
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
165名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 20:37:15 ID:qRlxZune
>>162
そのネタで、緑会をひとつ
166名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 21:18:47 ID:A1CgBabP
>>165
わからんぞ
三日くらい会長の方が早いかもしれない
167キャン ◆7m8Z7r1tVo :2008/04/11(金) 23:24:55 ID:09it3a1B
初投稿です 矛盾点等多いだろうけど許して下さいorz
キョン×みくる

それは、ある晴れた日の夕方だった。
いつもの如く坂道を下って帰っていたら、朝比奈さんが近寄ってきた。
いつみてもかわいいね。
すると、朝比奈さんは「ちょっと来てくれませんか。」と言うので異論なし、
即答で「いいですよ。」と言った。
「じゃあ、こっちに来て下さい。」と言われ、ついていった先は路地裏も
路地裏。
ここで何があるんですか?と質問する前に布で口をふさがれ、意識を
失った。
どれくらい時間が経ったのだろう。気が付いたら、ベッドの上だった。そ
れもかなりゴージャスな。
周りを見回してみると、何と朝比奈さんがいるではないか!すると俺が起
きたのに気付いたのか、近寄ってきた。
そしてこう言ったのだ。
「ごめんなさい。」
168名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:25:26 ID:FOmgmE32
sage
169名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:28:08 ID:JbuDMUxi
処女受胎の処女は女の子という意味でセックスしてないという意味ではありません。
処女をそのままの意味で解釈しているのは誤訳なのです。NyO雷
170名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:29:06 ID:nSISiP2V
Q1レスあたりに投稿できる容量の最大と目安は?
A容量は4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行です。
Aんふっ。書き手の好みで改行をするのも揃えるもバッチリOKです。
171名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:56:07 ID:pGIC3DFn
コテ名乗る自意識過剰に限ってアレなのばっかと言うのを如実に証明しているな。
172名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 00:03:25 ID:7SNxnuun
キャン ◆7m8Z7r1tVo(笑)


釣りにしか見えねえ
173キャン ◆7m8Z7r1tVo :2008/04/12(土) 00:07:55 ID:nEqTW95u
時間あいてスマソ 未来創造堂みてたorz
おれはもうビックリしてしまい、何故朝比奈さんが謝ってるんだと自分に
問うてみたがわからないので朝比奈さんに訊いてみた。すると、泣きな
がら答えてくれた。
「実は…ひっく、…こんなものが郵便受けに入ってて…ぐすっ」
と見せてくれたのはどこにでもありそうな封筒だった。中には1枚紙が入って
いた。そこには「今夜俺とヤれ」ということと強制コードが書いてあった。
なるほど。……って俺と!!??どういうことだ?
「それは……禁則事項です」ようやく泣き止んだ朝比奈さんが言う。
ところで、一つ訊くのを忘れていた。ここはどこなんですか?
「ここは……ラブホテルです。」
やは。これは別に脱字でもなんでもない。本当に俺が発した言葉だからだ。
あまりに唐突だった。
朝比奈さんは身体ごとぶつかってくると、その勢いのまま俺をベッドに押し倒し、唇を重ねてきたのだ。
「…………!」
柔らかい唇の感触と芳香で頭がくらくらする。この時ほど死んでもいいと思った瞬間はない。
俺は拒絶することも優しく抱き寄せることも出来ず、 ただただ呆然と朝比奈さんのキスを
受け入れることしか出来なかった。
やがて唇が離れると、朝比奈さんは服を脱ぎ始めた。
174キャン ◆7m8Z7r1tVo :2008/04/12(土) 00:19:52 ID:nEqTW95u
至福の瞬間とでも言い表そうか。いや、やはり言葉では表現できん。
目の前には朝比奈さんのグラマーな裸体がある。
スマソ もう眠い 続きは明日 ノシ
175荷夜等胃:2008/04/12(土) 00:22:47 ID:nzt2O72w
久しぶりのエロに期待!
176名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 00:27:16 ID:8fQdCSqa
100%釣りだな…
どうしようもねえ
177名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 00:27:45 ID:lcREHP8T
コイツひょっとしてヒヒヒスレの奴と同一人物じゃね?
178名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 00:28:33 ID:g2sGglNi
山田祐介先生降臨?
179爾譽螺縊:2008/04/12(土) 00:30:36 ID:nzt2O72w
>>173
やったぁ!と思っていたのに朝比奈さんの嫌々やらされてる感が感じとれてしまったり
キョン自身もハルヒのことがちらついてしまうという感じにまとめてください。
180名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 01:35:52 ID:+HulsOtY
>>173 支援
午後のみくるティー風でも問題なし
181名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 04:54:36 ID:cph6+w7S
委員長便女の性活って保管庫のどこよ? ガイドにも見つからん
182名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 08:32:59 ID:RfqAdnxJ
そのコピペ飽きた
過去ログ読め
183名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 11:36:21 ID:qBoPWmRy
>>179
アホな注文せず黙って読んでろ
184名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 13:58:30 ID:J6xcb3kp
100%釣りだな…
どうしようもねえ
185キャン ◆7m8Z7r1tVo :2008/04/12(土) 16:34:29 ID:nEqTW95u
いいのか!?これでいいのか!?と俺は自分に問うた。正直、俺はハルヒとしたかった。
しかし、目の前の体を見て息子がギンギンの状態でそんなことを言っても説得力ゼロだ。
そもそもこれは朝比奈さんの任務なのだ。
くッ…仕方ない…辛いのはお互い様なんだ…ならヤろう、徹底的にヤッてやろう。
そう決めた途端、下半身に快楽がくる。朝比奈さんが自分の息子を必死にいじりだしたのだ。
うッ…ヤバい。テクニックがプロい。
「朝比奈さん、でるっっ!!」
186名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 16:35:47 ID:iLp2ChxJ
100%釣りだな…
どうしようもねえ
187名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 16:35:48 ID:nEqTW95u
その言葉が言い終わるか終わらないかの内に精液を朝比奈さんの
喉奥に解き放つ。
ドピュ!、ピュッ!、ドピュ!、ビュッ!
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
放たれた大量の精液、それを全て飲み干そうと必死な朝比奈さん。
ビュッドピュ、ビュッ
勢いが弱まりつつも射精は続く。
ビュッ、・・・ビュ
ようやく、止まった。
188名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 17:45:34 ID:J6xcb3kp
そのコピペ飽きた
過去ログ読め
189名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 17:51:36 ID:qBoPWmRy
まだ完結してないのか
190名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 18:59:40 ID:uziUoMeq
>>189
アホな注文せず黙って読んでろ
191名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 20:49:11 ID:9XvIJY/a
二期が始まって昔の職人が戻ってくる流れが一番良いと思うけど
たぶん来るとしたら新参の人だけのような気がするなあ…
職人さん皆どこにいったんだろう、SS書くくらいだから飽きたなんて無いと思いたい
192名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 21:37:45 ID:xqMqrDi5
二期じゃなくて驚愕だろ
193名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:39:11 ID:J40D4wno
もう原作の方なんかだれも興味ねーよw
ここだって爆発的に人口増えたの京アニ厨だし
アニメやらなきゃ話にならんだろ
194名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:40:40 ID:TXRQRm/u
投下します。エロなし、20レス程度。
195名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:43:04 ID:TXRQRm/u
 五月雨ブッキングスクランブル

「梅雨ねえ」
 木曜の三限目。古典の授業中、ハルヒのつぶやきが俺の背中に降りかかった。ちょうど小雨が降り出してきたところだからか、その言葉には若干の湿り気が付帯しているようでもある。
 俺は特に返事をしたりもせず、教壇で数百年前の日本語を呪詛のように唱え続ける国語教師の顔を漫然と眺めていた。昼休みまではまだしばらく時間がある。寝るには持って来いの環境である。
「ねえキョン。あんた最近佐々木さんに会った?」
 …………。
 まどろんで船を漕ぎかけた俺の意識が、針でつつかれたように唐突な覚醒を促された。バラードを奏でるのに持ってこいのテンポを刻んでいた心拍は一気に三倍に跳ね上がる。
 しかし俺はそれを顔には出さず、
「何だよ急に。会ってねえよ」
「あっそう」
 気だるい時間の会話はそれきりで終了した。俺はハルヒがまだ何か突っ込みを入れてこないか心中で迎撃体制を整えていたものの、それはまったくの徒労に終わった。冷や汗と引き換えに眠気はどこかへ消えてしまい、何か損したような気分になる。
 しかしまあ、相変わらず常人とは桁外れに直感のあるヤツだ。
 ハルヒの十分の一ほどの勘を持ち合わせている方ならお解りかもしれないが、俺はつい昨日佐々木に会ったばかりである。心臓が早鐘を打っているのはその証拠で、とっさに俺が嘘をついちまったのにも当然だが理由がある。
 それじゃ早速だが、その回想から始めるとするか……。
 …………
 ……
 …
 学校帰りだった。
 ハルヒや古泉、長門に朝比奈さんといういつものSOS団の面々と別れた俺は、このところ週五のペースで降っている雨をうっとうしく思いつつ、傘をさして早足ならぬ早ペダルで帰途についていた。
 ハルヒが世界を真っ二つに分裂させちまうという、春一番も真っ青な暴風吹き荒れる一台珍事は、すったもんだの末に半ば現状を維持する形でいちおうの収束を見た。
 異世界人まがいの新一年生の正体には驚愕することしきりだったし、旧友佐々木が連れてきた奇矯な面々、周防九曜に橘京子、未来人藤原の思惑が縦横無尽に絡み合っての騒動には慨嘆しっぱなしだったが、
それもこれも発端はハルヒだったわけで、俺としては今さらとやかく愚痴を言うつもりはない。
 思うに、自分が今を楽しんでるって自覚がある上で懸案事項たる問題に立ち向かうってのは実に健全な状態であり、つまり今の俺は毎日が楽しくて仕方ないわけだ。
 ドタバタのフィナーレを祝福するように催された鶴屋邸での八重桜花見大会も、そりゃあたいそう趣のあるイベントになったしな。
 鶴屋さんが蔵から引っ張り出してきた着物をSOS団の三人娘が着てみたり、代々の歴史と伝統を感じさせる五月人形を拝見できたり、各人が持ち寄った柏餅をたらふく平らげたり、とかく貴重なひとときだった。
 このようにして、奇妙奇天烈な不可思議現象と、どこにでもあるようなささやかな年中行事やら日常やらを交互に味わっていくことこそが、今の俺が自分の立ち位置を存分に謳歌できていると感じるゆえんなのである。
 などと恒例の一人反省会を脳内にて実施していたからだろう、注意力が散漫になって、突然出てきた人物の存在に気がつかなかった。
「おっと」
「うわ」
 急ブレーキをして衝突を避けた矢先、よろけて倒れそうになる自転車をなんとか片足で止めたものの、持っていた傘が地面に落ちた。解ってるつもりだったが雨の日の片手運転はやっぱり危ない。
「すんません」
 傘を上げて謝辞を述べた俺の口はそのままぽかんと開きっぱなしになった。
「おおこれは。ご無沙汰しております」
「新川さん?」
 ばったり会ったのは新川さんに相違なかった。
196名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:44:46 ID:TXRQRm/u
 一瞬誰だか解らなかったのは、見慣れた執事姿でもスーツ姿でもなかったからだ。初老の皺が目尻に浮かぶ新川さんは普通に普通の私服姿だった。
 カジュアルなダークブラウンのベストはどこかのブランド物だろうか。出で立ちだけ見ればその辺を歩いてるちょっとおしゃれな男性と変わりない。
 俺は一度チャリを止めると、傘を拾いながら、
「どうしたんすか? こんなところで」
 ここは閑静な住宅街だった。あと二分も歩けば俺の家に着く。こんなところで新川さんに出くわす理由に特別な心当たりがないが。
 新川さんは小雨の鬱陶しさをまるで感じさせない微笑をたたえながら、
「今日は用事もありませんから、市内を散歩していたところです。あいにくの空模様ではありますが、これはこれで風情があります」
 と、渋みのあるバリトンボイスでおっしゃった。
「散歩……ですか」
 新川さんはこのあたりにお住まいなんだろうか? だとすれば今まで顔を合わせなかったのが不思議なくらいだが。
 疑問が次なる疑問を手招きした。
「そういや新川さん、普段は何をなさってるんですか?」
 『機関』の内情がどうなっているのか、そういえば真面目な話を一度も聞いたことがない。俺がいつでも聞けると思ってたからなのか、はたまた古泉がうまい具合にはぐらかしてきたからなのか。
 ともかく、森さんに多丸さん兄弟、そしてこの新川さん。ハルヒの力によって集まることになっただろう面々がオフの時間(ってのもアレだが)に何をしているのか、今さらながらに少し興味があった。
 新川さんは古泉のそれに深みの成分を加えたような笑みで、
「一般の方々となんら変わりはありません。一日が始まれば、すべきことをして、次の日を迎える。それだけです」
 と、具体的には何も明かさない内容を述べて、
「すみませんがそろそろ行かねばなりません。失礼いたします」
 いつもの慇懃な礼をして去っていった。
 上背のある後姿を五秒ほど見つめながら、俺は新川さんがまだ会社勤めをするような歳かどうか、だとすれば役職はどのへんで給料はいかほどかなどとケッタイな想像を膨らませていた。
 とまあそんなことはどうでもいい。いやよくはないが、本題とは関係ないのである。問題はこの後だ。
 雨足が若干強くなってきたため、俺は再びママチャリのペダルを漕いで自宅へ急いだ。今度は通行人や自動車と衝突することのないよう、注意しながら。
 そのおかげか、自宅に通じる最後の角を曲がった直後、玄関前に誰かがいることに気がついた。何となくの雰囲気で妹の友達だろうかと推測をつけたが、それは大きな間違いだった。
「げ」
「あら、お帰りなさい。待ってました」
 その人物はブラウンのブレザーにチェック柄のスカートという出で立ちだった。早い話が学校の制服だ。どこのものだか記憶になくもないが、混乱のせいもあって咄嗟には頭から出てこない。
 その人物は見覚えのある傘から片手を出して、
「雨、止みませんね。そういえば前に集まった時もこんな天気でしたっけ」
「何しに来た」
 できることなら会いたくない顔ベスト3に入っている人物である。表情も心境もたちまち曇天の空模様になる俺へ、
「あら、愛想がないんですね。初めて会ってからもうかなりのものだし、そろそろ少しくらい打ち解けてくれてもいいんじゃないですか?」
 淡い色の傘がくるりと回る。
 麗しの先輩、朝比奈さんを二月に誘拐した一味の首魁、橘京子が立っていた。

 降りしきる雨の中、俺は心中で警戒のサイレンを鳴らしつつ、
「知り合いをさらった人物に親しく接しろってほうが無理な話だろ」 
「だから。もうあんなことはしませんって、何度も言ってるじゃないですか」
 橘京子はせせら笑いのような声をかける。進級を破滅的に祝うような春先の一件以来、まともに顔を合わせるのは初めてである。古泉からその後の動向だけは風の噂程度に聞いていたが。
「今度は何を企ててんだ」
「また。すぐにそういう陰謀めいた方向に持っていくの、やめてもらえませんか?」
 無駄に愛嬌のある口調も相変わらずだ。これで何も企んでないほうが詐欺ってもんである。
「今日は今までのお詫びに来たのです。謝罪ってほど大それたものでもありませんけど」
 そんな間柄になった覚えも、なるつもりもない。どっちかっつうと犬とサル、あるいはハブとマングースでもいいが、そっちのほうが近い関係だろ。
「それをちょっと、小指の先くらいでいいから解消しようと思って来たのです。お時間、大丈夫ですよね?」
 橘京子は首をちょっと傾げて視線をこちらへ向けた。時間はあるが誘拐犯につき合うゆとりはないね。
「あるんですね。よかった!」
197名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:45:33 ID:TXRQRm/u
「…………」
 これまで、俺のお人好しレベルはせいぜい常人に毛の生えた程度だと思っていた。
 しかし本日づけで善人クラスまで昇格せねばならんようだ。
「何でついてきちまったんだ」
 溜息と愚痴が同時に漏れる。ブッダ並の悟りを開く日も遠くないのかもしれん。とうとう俺も開祖にまで登りつめたか。
「独り言漏らすのはクセなんですか?」
 傘越しにこっちを振り返る橘に、俺はぶしつけな視線を投げ、
「ほっとけ」
 いったい何が好きで元来た道を引き返さねばならんのか。
「どこに行く気だ」
「いつものところです。すっかりお馴染みの」
 二度目のため息が漏れた。前方を歩くお下げ髪にではなく、そのフレーズだけでピンときちまった自分にだ。
「何しに」
「着けば解ります」
 それを今知りたいんだが。
「また会合じゃないだろうな」
「ちょっと違います」
 ちょっとってのが気になる。
「いいから黙ってついて来てください」
 今にして思えば、どうして断らなかったのか我ながら不思議だった。みすみす戦地へ地雷を踏みにいくようなものじゃないのか、これは。

 果たして着いたのは予想に違わず、SOS団御用達として近々市内観光ガイドにも紹介されそうな(冗談だが)、お馴染みの喫茶店だった。
 店に入るやテーブルの一つから手が挙がった。橘京子は、まるで陽子に引き寄せられる電子のようにふらふらとそこまで誘引される。
「や。僕のほうが先だったね」
「ごめんなさい。待たせちゃいました?」
「佐々木?」
 先に座っていたのは佐々木だった。激しい既視感に捉われた俺は用心深く店内を見渡したが、他に知ってる顔は見えなかった。いつかのようにネガティブな取り巻きがいるわけではないらしい。
 俺は佐々木に向き直って、
「学校帰りか?」
「まあね。今日は塾もないから、こうしてちょっとした息抜きもできるってものさ」
 佐々木もまた制服を着ていた。一年ぶりの再会以来、折を見て何度か顔を合わせるようになってはいたものの、高校の制服姿の佐々木を見るのはこれが初めてだった。落ち着いた色合いのブレザーとスコットタイ、座席の傍らには学校指定のものと思しき学生鞄が置いてあった。
「用ってこれか?」
 と、俺はここまで無用の水先案内人と化していた橘京子の方を見て言った。佐々木とは異なる制服を着た超能力娘は、妙に嬉しそうな笑みでこくんと頷いた。
「まあ、まずは座ってください。さ、遠慮なく」
 佐々木の向かいに座った橘京子は、佐々木の隣を俺に指し示した。
「何の真似だよ」
「何の? さて何でしょう。あ、すいません、ホット三つお願いします」
 花咲く季節の躁病患者のように楽しげな橘京子はちょうど通りかかったウェイトレスにオーダーをした。念のため確認したがウェイトレスは喜緑さんじゃなかった。アルバイトを辞めたのだろうか。
「キョン、もう少し肩の力を抜いたらどうだい。それじゃまるで張り込み中の刑事だ」
198名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:46:04 ID:TXRQRm/u
 佐々木に言われ、俺は必要以上に険しくなっていた眉根をもみほぐした。
 いかんいかん。ここしばらく目立った出来事がなかったことによる反作用か、無意味なまでに不思議アンテナの感度が鋭くなっているようだ。ハルヒが知ったら驚喜乱舞しそうだな。
「これで全員なのか。まだ奇天烈なゲストがいるんじゃないだろうな」
 言うまでもなく藤原と周防九曜の理解不能ツートップのことである。敵陣に切り込んでゴールを決めたら、自陣じゃなく敵陣の得点がマイナスになりそうなくらいには行動の読めない奴らだ。
 尋ねられた橘京子は古泉の女版みたいな微苦笑モードで、
「いません。どっちもこの頃集まりが悪くて」
 そりゃ喜ばしい。集まって密談した挙句、時間と空間を超越した二尺球を破裂させられちゃかなわんのでね。盆以外の花火炸裂大会はハルヒ一人で十分だ。
「まあまあキョン、過ぎたことはいいじゃないか。実を言うと、僕も今日橘さんに呼ばれた理由を知らないんだ。楽しみにしていたところさ」
 俺は恐々としてるが。
「そう?」
 佐々木は喉の奥でクックッと笑った。この仕草だけは中学時代からまったく変わっていない。

 ちょうどオーダーのホットコーヒーが運ばれてきたところで、橘京子はようやく本題を切り出した。
「デートしませんか?」
 何か口に含んでいたら即刻吹き出していただろう。カップに手をかけたところだったのは幸いだ。
「何つった?」
「だから、デートしませんかって。意味通じてませんか?」
 いや、国語も英語もここ最近は平均点に届くかどうかってくらいの成績を収めているし……ってそんなんじゃない。意味は通じてるとも。そうじゃなくて。
「デート?」
 佐々木も意外だったらしい。単語の意味を忘れたような表情を一秒ほど浮かべたのち、首をわずかに傾け、
「誰がするの?」
「もちろんあなたたち二人です!」
 橘京子は満面の笑みと共に言い放った。近くの客がチラチラとこちらを見る目が痛い。
 衆目を知ってか知らずか、佐々木はそしらぬ顔で柳眉を上げて、
「僕が?」
 自分を指差した。
「はいっ」
 橘京子はあっさりと首肯。俺も佐々木に倣い、
「俺と?」
「ええ」
 なぜ。
「だから、この前のお詫びに。お互い色々と大変だったじゃないですか。だから」
 だからって何がだからなのだろう。ちっとも文脈が繋がってないぞ。
「もうコースも決めてあります。なんにも心配いりません」
 そう言うなり、橘京子は自分の鞄から近場の観光スポットやらレストランやら博物館やらテーマパークやらの資料およびパンフをやたらめったらに広げ始めた。その鞄は四次元空間にでも繋がってんのか。
「心配ないどころか心配しかねえよ。なぜ俺が佐々木とデートせにゃならん。お前そもそもデートって言葉の意味本当に解ってんのか」
「あなたが知ってるのにあたしが知らないわけないじゃないですか」
 小癪な一言を放った小娘は、
「ね、佐々木さん。どうですか? もちろん資金はあたしが持ちます。全部」
「全部?」
 佐々木は少し驚いた様子で訊ねた。橘京子は結った髪が跳ねるほど深く頷いて、
「安心してください。やましいことは一切ないですから」
 いかがわしさ満点である。これで怪しくないと言うなら今から俺は路上のキャッチセールスに片っ端から快諾してみせることができるだろう。
「お前の話が今までやましくなかったことがあったかよ」
「どうですか? 佐々木さん」
 無視かい。
199名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:46:35 ID:TXRQRm/u
 あっさり拒否すると思いきや、意外にも佐々木は考えるように顎を引いた。アメジストのように透き通った瞳を橘京子に向けた佐々木は、
「いつ?」
 おいおい待ってくれ。
「佐々木、まさか行くつもりじゃないよな?」
「さすが佐々木さん! 乗ってくれると思ってました」
「お前は口を挟むな。佐々木、血迷うな。お前らしくもない」
 この言葉に佐々木はぴくっと眉を動かして反応する。
「さてキョン。キミが今ここにいるのはどうしてだろう」
 湖面のような瞳がこちらに向いた。俺は思わず心臓を押さえそうになる。さて、何でだろうな。
「気づいたらついて来てたんだ。行き場を無くした捨て犬が思わず通りかかった子どもについていくような感じというか」
「へえ?」
 佐々木は面白いものを鑑賞するような目を向けながら、
「僕は近頃少し退屈していたんだ。春先の毎日がこれまでに比してかなり刺激的だったものだからね」
 クスッと笑う佐々木の表情は、俺に本音の吐露を促しているように見えて仕方がない。
「言いたいことがあるなら言ってくれ」
「別に? ただ、こういう息抜きがどれだけ貴重なものか知らないのは少し浅はかだったかなと思うんだよ。特に、春以前の僕自身に対して教唆したい事柄でもある」
 口の端がむずむずと痒くなってくるのは何の効能だろう。さっき刑事みたいだと言われたばかりだが、今度は一転して自白を強要される被疑者のような心境だ。
 落ち着くためにコーヒーを飲もうとした矢先、
「本当は行きたいんでしょ?」
「うあっつ!」
 橘京子の茶々が入った。何つうタイミングで口出ししやがる。火傷したじゃねえか。
 誤魔化しのようにカップを置いた俺は無意味に腕組みして、
「よし解った。時間をくれ。二日でいい」
「そんなに?」
「これでも譲歩してるほうだ」
 冷静な頭で考えないことには何かしらの後悔を生みそうだ。
「解りました。それじゃ佐々木さん、また連絡してくださいね」
「解った。キョン、返事は僕にしてくれればいいよ。橘さんには伝えておくから」
 橘京子と佐々木は、それぞれに趣の異なる笑みを浮かべて言った。
 …
 ……
 …………
 ということがあったのである。今にして思えばありゃいったい何だったんだというくらいに意味不明な提案だった。あまりの精神的衝撃に、その後どうやって自宅まで帰ったか覚えていないほどだ。
「どうかしましたか? 妙に難しい顔をしていますが。そんなに効果のある一手でしたか」
「ん?」
 俺は今現在の状況を認識すべく周囲を観察した。
 放課後で、文芸部室である。正面のテーブルには連珠盤。聞こえたのは、梅雨の湿気と無縁の無駄に爽やかな古泉の声だった。
「何でもねえよ。ほら」
 と、俺は一手を指して手の平を上向けた。古泉はいつもの如才なき姿態とともに沈思黙考の構え。
「なあ古泉」
 気を取り直して俺は質問する。
「お前、例のあれがない時は何してるんだ?」
200名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:47:37 ID:TXRQRm/u
「あれとは?」
「ほら、お前は時折『機関』とやらの非常勤任務に出向いてるだろ。それ以外の時間はどうしてるのかと思ってさ」
 古泉は盤上に目を向けたまま背もたれに身を預け、
「これまでに何度か申しましたように、普通の高校生と何ら変わりない生活を送っていますよ。そういう部分こそが大事なのでね」
「それはあの新川さんとか森さんも一緒なのか?」
 ここで古泉は目線をこちらに向けた。一度瞬きして、
「詳しくは話せませんが、まあさほど変わりありませんよ。むしろ違っていた場合どんな生活をしているのか、僕が知りたいくらいです」
 区切りのいいところで古泉は一手を指した。
「じゃああいつらはどうなんだ。橘京子とその仲間連中は」
 二月。二人になった朝比奈さんとお使いRPGをこなしていく際に起きた誘拐事件。そこでの顔ぶれをぼんやり思い出しながら俺は言った。
「さほど我々と変わらないのではないでしょうか。見た目は普通、というのはあなたもご存知の通りですね。そういう側面が肝要なのはあちらとて同じでしょう」
 俺は肩をすくめて嘆息した。
「さきほどから様子が変ですが、何かあったのですか?」
 古泉は元名優の初老探偵が浮かべるような優雅な笑みを振りまいた。
「言っただろ、何でもない。ただこのところ妙に静かだと思ったもんでね。いったい連中は何をやってるんだろうかと勘繰っただけさ」
 俺は窓辺で文庫を読み進める長門を見ながら言った。ちょうど二ヶ月前、周防九曜の妙ちきりんな力のせいで寝込んじまった姿を思い出す。
「想像以上に厄介な展開でしたからね。向こうもうかつに次の手を打てないのではないでしょうか。たとえ涼宮さんの力によるものであったとしても、世界が分岐してもう一人の僕やあなた、涼宮さんが生まれるのはもう懲り懲りですよ」
 それは俺も同感だ。同じ時期の記憶が二種類あるのは気持ち悪いったらない。
「まだ昨年末のように、何者かの力によって模造記憶を植えつけられていたほうがましだったかもしれませんね」
 とはいえ世界改変もごめんこうむりたいが。
「佐々木に力を移すとか言ってたのは結局どうなっちまったんだ?」
 その問いに古泉は静かに首を振った。
「繰り返しますが、僕に解るのは涼宮さんに依然として力が宿っているということだけです。あなたのご友人については何も。そうでなければ、そもそも橘京子の一派を異端視したりはしなかったでしょうね。それはあちらも同様です。
彼女たちは佐々木さんについて解る代わりに、涼宮さんと、彼女が発生させているだろう様々な現象について体感的に理解することができないのです」
 古泉の話によれば、世界をどうにかるほどの謎パワーは今もハルヒにあるらしい。春からこっち、閉鎖空間の発生頻度は少しずつ減っているものの、時々思い出したように《神人》が暴れるのだそうな。
「決着を見ていないのは確かです。あいにく僕は未来人ではないので、この先どうなるのかは解りませんが」
 と、古泉は目の端で朝比奈さんを見た。このところ心なしか成長した気もする俺の先輩は野郎二人の目線に気づかず、長門から借りた魔女の物語に没頭している。そういや大人版の朝比奈さんともご無沙汰だな。質問したい事柄が山のようにあるのだが。

 結局、古泉にもハルヒにも昨日の一件を明かすことはなかった。つうか言えなかった。「橘京子に乗せられて佐々木とデートするかもしれない」なんて話せばどうなるか解ったもんじゃない。
「じゃあどうすんだ、俺よ」
 夜、自室の机でハルヒ謹製の英語問題集を前に、俺は呻っていた。
 何か引っかかる。
 別に、佐々木とどこかへ出かけるってだけならさして後ろめたいことはない。あいつが『親友』と言ったように、俺だって佐々木を親しい友人として認識している。友人と連れ立って休日に気晴らしに出かけるのはいたって普通の行動だ。
 デート。
 問題はその一単語である。橘がふざけてるのか茶化してるのか知らんが、デートってのは通常恋人同士に使う言葉であって、友人の間柄にある二人に用いるものではない。
「キョーンくんっ!」
「のわっ!」
 呻吟していた俺の眼前に受話器が差し出された。
「電話だよー」
 妹である。シャミセンの出入り用に開け放したドアから侵入を果たしたらしい。
「誰から?」
「サキちゃん!」
 受話器を受け取った俺は口を真一文字に結び、シャミセンを追いやる時と同じ仕草で妹を部屋から退散させて、電話に出た。
『や。相変わらず妹さんは元気でいいね』
「まるで成長の兆しがないから、最近逆に心配になるぞ」
201名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:48:09 ID:TXRQRm/u
 電話越しの佐々木は笑うような間を置いて、
『あれだけ純真無垢でいられるのも貴重じゃないかな。羨ましいね』 
 もしかして、俺がヒネクレてる分妹にピュアな心が行ってしまったのか?……あるかもしれない。俺は溜息つきつき首を振った。
『考えてみたかい?』
 屈託ない調子で佐々木が言った。何のことか思い出した俺は、幾分真面目さを取り戻して、
「本気で行くつもりなのか? あいつに話を合わせたとか、そんなんだったら遠慮なく断っていいと思うぞ。何なら俺が返事してやってもいい」
 ややあって、
『それはないね。橘さんは僕の大切な友人だ』
「友人ね」
 この二ヶ月の間に佐々木の橘京子に対する認識は知人から友人に昇格したらしい。
 俺はハルヒや鶴屋さんとは微妙に異なるベクトルで明るい橘京子の笑顔を思い浮かべだ。
 確かに悪気はなさそうだが。それは前回も一緒だった。
「しかしだな。こう言っちゃ何だが余計な提案だったぞ」
 俺がそう言うと、佐々木は少しの間何も話さなかった。何か考えているような気配があって、
『彼女は健気なんだよ』
 と言った。何を思っての発言なのか、すぐには判別しかねる。
『藤原や周防さんは彼女がいなければ集まらなかっただろうね』
「別に――」
 集まってくれなくてよかった、と言いかけるのを慌てて止めた。
 ――僕には彼女たちしかいないんだ。他に寄ってきてくれた人はいなかったよ。
 春、佐々木が呟いた言葉が不意に蘇った。
「いやすまん。しかし俺としてはさ」
『日曜日の午前十時、いつもの駅前で』
 そう言って電話は切れてしまった。単調な機械音だけが、受話器を手にした俺の耳朶を打っていた。

 子機を放り出すと、俺はベッドに仰向けに寝そべって天井を見上げた。
 佐々木は佐々木で何か思うところがありそうだった。一方的に電話を切るなんてことがこれまでにあっただろうか。単に橘とのつきあいで話に乗るようなタイプでもないだろうし。
「しかしまあ、よく降るもんだ」
 窓の外は今日も雨降りだった。例年にないくらい今年の梅雨はよく雨が降る。そういや去年はどうだったかなとしみじみ回想した俺は、ハルヒと閉鎖空間から帰ってきてもう一年経ったのかと思い至った。
 あの時は俺も若かった、なんて言いたくなるくらいには遠い昔に感じる出来事だ。閉鎖空間やら情報統合思念体やら、常識を超越した存在の数々を受け入れることができずにいた、一年前の自分。
 ピリリリリリ――、
 電話が鳴った。子機じゃなく携帯のほうだ。日中マナーモードにするのを忘れていたことにヒヤヒヤしつつ、俺は電話に出た。
『もしもし?』
 この一年最も聞き慣れた声がした。
「ハルヒか?」
『ええそうよ』と言ったハルヒは続けて、『キョン、あたしの作った問題集ちゃんと解いてるでしょうね?』
「ああ」
 解いてるさ。進捗状況ははかばかしくないがな。仮にも中間でそれなりの点取れたのは、やたらと山が的中するこのハンドメイド問題集のおかげだ。
『そう。ならいいのよ。あんたはこっから先平均以下の点を取らないようにするんだからね。目標は学年上位三十位以内キープよ』
 そりゃまた随分とハードルが高いな。
『国木田レベルまで引き上げたげるって言ったでしょうが。あたしは言ったことは必ず実行するのよ。文武両道がSOS団のモットーなんだから』
 文武両道ね。何度か聞かされてきたことだ。あの活動内容のどこらへんに「武」の文字が適用できるのかさっぱり解らんが。
『うっさいわね。つべこべ言うんじゃないの』
 ここでハルヒは一度息継ぎするような間を置いて、
『それはそうと、あんた次の日曜日ヒマ?』
「…………」
 さてな。何かあったような気がする。
202名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:49:42 ID:TXRQRm/u
『どうせ何もないでしょ? 日曜の朝十時、いつものとこに来なさい』
 日曜日、十時。いつものところ。
「ハルヒ、その日はちょっと用事があってだな」
『何? 家族と出かけるとかそんなん?』
「ああいや、そういうわけじゃないんだが」
『じゃあ決まりね。市内探索するから。一ヶ月以上ご無沙汰だったでしょ』
 そういやそうだな。班分けしないで回るようになって一回か二回やったきりだ。
『だから集まるわよ! あたしの勘では、この長雨に油断した不思議な出来事が今頃市内にはびこってるところよ』
 俺は降雨の中意味もなく巨大UFOが市内上空をインメルマンターンする様を思い描いて身震いした。裂けたアスファルトからは得体の知れない触手が伸びてのた打ち回っている。世紀末だ。
『そういうことだからよっしく。グッバイ!』
 通話終了。例によって小気味いいほどに一方通行だ。断る隙もない。
「ちょっと待て」
 俺は壁にかかったカレンダーで日付を確認した。日曜日。約束の時間は午前十時。佐々木の予定と綺麗にブッキング。
「………………」
 俺は初対面時の長門ばりに三点リーダを連続させた。このまま三日後を迎えれば俺は打ち首になりかねない。そう思うや背筋がぞくぞくと冷えた。
「やれやれ」
 などと悠長にしている場合でもないだろう。たぶん。

 翌日の昼休み。
「キョン。顔色が悪いようだけど大丈夫?」
 国木田の声が鼓膜を素通りする。俺は箸の端を噛んで半眼で正面を眺めていた。
「ああ」
「ほんとに? 具合悪いなら保健室に行ったほうがいいよ」
「ああ」
「ほっとけ国木田。どうせまた涼宮がらみで何かあったんだろ。ったく懲りねぇよなあ」
「ああ」
 別段聞きたいとも思わない谷口の声もまた耳を素通りした。
「あああ」
 俺は本気で考えていた。
 どうやって日曜日を乗り切ればいいか?
 約束の順番から言ってハルヒに断りを入れるのが筋ではあるのかもしれない。しかしどうやって? 家族の用事ってイイワケは使えないうえ、ちょっとやそっとの嘘じゃあいつには余裕で看破されちまう。
 勘の切れ味にギネスレコードがあるなら、あいつはその後百年単位で塗り替えられない記録を作ることができるだろう。
 じゃあ佐々木の方に断りを入れるか?……いや。それだって考えものだ。佐々木は佐々木で卓抜した洞察力を持っているんである。
 もしハルヒの予定を優先させてのキャンセルなんてことが解ったらあいつは密かに悲しむかもしれん。そういう感情を一切表に出さない奴ではあるにしろ。

 という具合に煩悶しつづけること半日。
「…………」
 昼休み。部室で頭を抱える俺を、読書中の長門が琥珀のような瞳で見ていた。
「長門、お前は何かに迷ったりすることはないのか?」
「?」
 俺の質問に長門は首を三ミリほど傾けた。
「いや、別に深い意味はないんだ。ただ、お前はいつも自分の意思を曲げないなと思ってさ」
「……」
 長門は読みかけていた本を伏せると、誤差範囲程度に顎を引いて、
「ある」
「え?」
 それきりまた読書に戻ってしまった。
203名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:50:09 ID:RfqAdnxJ
支援
204名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:50:37 ID:TXRQRm/u
 いったいどういう状況で長門が迷ったりするのか気になったものの、さしあたって問題になるのは俺の頭を独占することしきりの二択課題であるから、俺は首を振って解決策を再考することにした。
「……」
 時折長門がこちらを気にしていたような気がしたのは思い過ごしだっただろうか。

「キョン? 聞いてんの?」
 放課後、ハルヒの声がいやに強く響いた。
「ああすまん、何だっけ?」
「再来週のフリマに出展するものの候補、何かあったら意見出しなさい」
「特にないな」
「あんた今何も考えずに答えたわね。罰則を科すわよ」
「あーすまん。妹が遊ばなくなった人形セットとか、ほとんど新品のまま投げたシュミレーションゲームとかでいいか?」
「既製品ね。まあいいわ。枯れ木も山の賑わいっていうし」
 人に出品強請しておいてそれかよ。
 とか思ってる間にハルヒは朝比奈さんに標的を変更した。前回同様大量の衣類が破格の安値で出回ることになろう。すでに瞳が潤みかけているスウィートメイドさんに幸あれ。
 正面を向くと古泉が真顔で俺を直視していた。何だよ。
「隠し事ですか? 関心しませんね。あなたはさほどポーカーフェイスが得意でもないようですし」
 玲瓏な声が響く。さて何のことだか。
「涼宮さんが三度呼ぶ間、あなたは完全に思考の檻にこもったままでしたよ。あなたをそこまで悩ませる案件とはいったいどのようなものでしょうか」
 それでも俺は口を開かずにいた。
 ここで古泉に心情を吐露してしまえば、最終的に佐々木との約束を反故にしかねない……そう思った。
 古泉は完全にハルヒの味方だ。俺がハルヒの機嫌を損ねるような選択をしようとすれば、何か問題が起きる前に止めてくるかもしれない。
 無論、俺だってこのSOS団がホームであり、それはこの先だって変わらない。春先の橘京子の申し出――ハルヒの力を佐々木に移送する――をすっぱり断ったのもそういう理由があったからだ。
 そうは思うものの。
 電話越しに佐々木が発した声を思い出すと、どうしても今回の約束を断るのは避けたかった。いわく名状しがたき感覚。

 古泉の執拗な視線攻撃を無言の体とともにやり過ごした俺は何とか帰宅時間を迎えた。当然だが問題のほうは何一つ片付いていない。
「それじゃ日曜日に駅前で。キョン、遅刻もダメだけど早すぎてもダメよ」
「何だそりゃ」
「奢りになるのを避けたいからって、一時間も前から待ち伏せてるのは反則ってこと」
 お前いつだったか、自分がビリにならないためなら前日から泊り込みしてでも待ってやるとか言ってなかったか。
「それは意気込みの話よ。実際にやるかは別ね」
 相変わらず理屈の通じない奴である。
 言うだけ言うと、ハルヒはさっさと踵を返して走り去った。俺を含む残った面子も三々五々に解散し、さて帰るかと自宅方面へ足を向ける、
「……」
 すっかり帰ったと思ってた長門有希がこちらを見ていた。
「長門、どうした?」
 長門は俺というより、その向こうにある空間に穴でも開けそうな視線を数秒に渡って送っていたが、
「……」
 結局何も言わずに帰っていった。何だったんだ?
 俺は首を捻りつつ頭も捻って、軽やかとはいえない足取りで自宅を目指した。

 突然だが、人には決められた時間までにやっておかなければならない雑事ってものが何かしらあるもんだ。それは有形無形を問わず目の前に現れ、本人の意思を問わず難題を突きつける。
 身近なところで言えば定期試験なんてのがそれにあたる。学生やってる以上どうやったって避けられないが、期日は残酷にも確実にやって来るんである。
 慌てて準備するくらいなら事前に対応策を練っておくのが定石ってものだが、そうほいほい片付けられるんならそもそも問題にはならず、ついぞロクな対策を講じぬままに本番を迎えてしまい、
結局甚大な被害とともに瀕死寸前になることも何度かあった。
 失敗は成功の母である、とは発明家トーマス・エジソンの言葉だったか。まことにその通りで、何も学ばないのであれば以降も同じ失敗を繰り返すに違いなく、先人の言葉とはかようにありがたい響きを伴う福音のごとき――、
「キョンくん。どしたの? ぼーっと立ったまま」
 階段から降りてきた妹が声をかけた。おう、出かけるのか。
205名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:51:10 ID:TXRQRm/u
「うん。ミヨちゃんとこ」
 そうか。次はぜひ遊びに来いよと言っておいてくれ。
「うんっ。じゃあねキョンくん」
 傘を持った妹は、ドアを開けてぱたぱたと出て行った。外は小雨だったが、俺にとっては中南米辺りを旋回中のサイクロンがまかり間違って目の前に現れちまったくらいの荒れ模様に思える。
「なぜだ」
 気がつけば約束の日を迎えていた。
 俺は何ら対策を講じることもないまま、ぼさっと玄関に突っ立っている。
 手遅れである。処置なしだ。俺は今から処刑場に向かうのかもしれない。なぜこんなことになったのか? この二日間の己が行動を振り返っても取り立てて反省点が見当たらないように思えるのはなぜだ。
 これまでのトンデモ現象を何とか乗り切ってきた自信と言えば聞こえはいいかもしれない。しかしそんなものはこの場においては砂上楼閣ですらない。嵐は既に俺の行動圏内を全域包囲しているのだ。
 俺は十字を切るキリスト教徒の心境で、爆心予定地へと大いなる一歩を踏み出した。

「どういうこと」
 鼓膜と心臓を稲妻のようにつんざく声が俺を出迎えた。
 いや、実際はそこまで深刻なトーンじゃなかったのかもしれん。が、二ヶ月前と同じような顔ぶれが揃ってる場面にまたも出くわして、平然としていられるほどの肝っ玉は俺にはないらしかった。
 そこにいたのはハルヒと古泉、佐々木と橘京子、それとなぜか未来人藤原の計五名だ。
 前回と顔ぶれが微妙に違っている。欠員は周防九曜と長門、そして朝比奈さんか。
 なぜ今日に限ってSOS団三人娘のうち二名がいないのかさっぱり解らなかったが、悠長にそんなことを訊いている暇はなさそうだった。
 俺を除く五名の傘がパラボラアンテナみたいにこちらへ向いた。俺に向かって一言発したハルヒを見ていた佐々木が、
「キョン、僕も訊きたいところだ。先約があったとは聞いていなかった」
 俺は責任の追及に対して舌が回らなくなる政治家の気分を存分に味わいつつ、
「あー、佐々木。そっちが先約で合ってる。後から入ってきたほうがこっちだ」
 と、なるたけプレッシャーにならない対象を視線で探すと、古泉の形骸のような笑みにしか行き当たらなかった。朝比奈さんの不在が悔やまれる。
 何ら心の安寧を得ることもないまま俺は第二波による攻撃を受ける。険のこもった調子でハルヒが、
「あらそうだったの。キョン、用事ってこれね。ははん、そりゃ市内探索もできっこないわね。時間までピッタリ一緒なんだから」
 だから断ろうとしただろ。
「はっきり言わなきゃ解んないじゃない」
 お前が一方的に電話を切ったんだろうが。
「それでも後から言うチャンスはいくらでもあったんじゃないの?」
 う。それはだな。
「とにかく全面的にあんたが悪いわ。こんの優柔不断、スットコドッコイ」
 ハルヒは俺の良心をバックドロップで投げ飛ばした挙句ロケットランチャーで見事に狙撃粉砕した。ライフゼロ。
 眉を正弦曲線のグラフみたいにねじ曲げたハルヒは、
「もういいわ佐々木さん。こいつをどこへでも連れてってちょうだい。顔も見たくない」
 おいおい。
「そう? 何だか悪い気もするけど」
「いいのよ。遠慮しないで。罰則を考える時間も欲しいとこだしね。さ、古泉くん。こんなバカはほっといて行きましょ」
 ハルヒは古泉の手を引いた。SOS団きっての微笑みキングは取るべき態度を一瞬決めかねたものの、最終的に団長に付き従った。
 去り際、俺に非難するような、警告するような視線を飛ばしてきたのが癪だ。
「キョン。僕が言うことでもないかもしれないが、友人は大切にした方がいいよ」
 佐々木は普段と何ら変わりない穏やかな口調と表情で言った。
「いいんだ。あいつもそろそろ年相応の分別を身につけたっていい頃だ」
206名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:51:45 ID:TXRQRm/u
 何の思考も解さず口から反発の言葉が出た。意味もなく腹立たしかった。去年の映画撮影で朝比奈さんをかばう時に感じた怒りの縮小版みたいなむかつきがする。
 大体いつも一方的なんだ。ハルヒの奴は。そのために俺がどれだけ振り回されてきたと思ってる。
「あの、それじゃ出発していいですか?」
 口を開くタイミングをずっと計っていたのか、橘京子が控えめに提言した。
「おう。どこへでも行ってくれ」
 ハルヒと古泉が消えた方角を睨みながら俺は言った。
 なぜだろう、いつもならあんなハルヒの態度もひっくるめて余裕で腹八分目まで飲み込んでるはずが、今日はどうにも虫の居所が悪い。ハルヒに負けじと俺もガキってことか。
「それじゃ行きましょう。今日はいい日になりそう」
 橘京子は、五月雨の煩わしさなどまるで感じないような機嫌のよさで他三名を先導する――。
 って、
「お前は何でここにいるんだ?」
 一連の会話に産毛の先ほども加わらなかったネガティブな野郎が随伴しているのを発見して、俺は問うた。野郎こと藤原は、
「既定事項」
 とだけ言って顔を背けた。不服そうに傘を差す姿がマイナスオーラをよりいっそう増幅させる。
 まったく溜息も出よう素振りだったが、この時の俺は別段不快な気もしなかった。これだけ雨が続けば憂鬱にもなろうものだ。こいつがずっとこの時代に留まってるとは到底思えないが。
 歩き出してすぐ、思い出したように佐々木が、
「そうだキョン。涼宮さんといえば、彼女はあれからキミの勉強に関して何か措置をとったのかい?」
 暗雲の下でも透き通った瞳がこちらへ向く。
「ああ。おせっかいにも俺の成績グラフは下げ止まりだ」
「よかったじゃないか」
 そのはずだ。実際何か礼のひとつでもできんものかと思案してたとこだった。
 が、
「どうせいつかは予備校に行くだろうし、それまでの悪あがきにしかならないけどな」
 裏腹のセリフばかりが口をつく。さっきのやり取りといい、どう考えても悪いのは俺の方なのに、どういうわけか否を認める気になれなかった。
 いいさ、ハルヒは古泉とよろしくやってろ。長門が生み出した世界じゃあいつらは形だけでも彼氏彼女だったんだしな。どうにでもなればいい。
 今ごろハルヒはさぞご立腹だろうが、ご機嫌取りは古泉の十八番だ。おあつらえむきだろう。

 果たして橘京子が俺たちを連れて行ったのは、遠くの市街などではなかった。
「なあ」
「はい?」
「何でよりにもよって市内散策なんだ。もっと他に行くところがいくらでもあっただろ」
 俺たちが歩いているのは、小雨ぱらつく川沿いの並木道だった。映画撮影や朝比奈さんとの奔走でさんざんお世話になった遊歩道だ。
 俺の質問に橘京子は、
「確かにそれも考えました。けど、あなたにとって一番新鮮なのは、いつもの場所を違うメンバーで回ることじゃないかって思ったのです」
 さも愉快と言わんばかりに笑顔を浮かべた。見たとこ今まで会った中でもことさらに今日は楽しそうだ。
 新鮮どころか舌の上の苦虫が毒素を倍にしたような感覚だったが、俺は特に何も言わなかった。
 橘京子いわく、どうやらこれは形式的ダブルデートを模したものらしい。まるでそんな気分に浸れないのは俺も藤原も同じらしかったが、
「こんなんで本当に気晴らしになるのか?」
207名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:52:26 ID:TXRQRm/u
「なっているよ。電磁誘導の法則を発見した時のファラデーはこんな心境だったのかもしれないね」
 佐々木は楽しげだった。ファラデー。誰だそりゃ。俺にはさっぱり理解できないが。
 俺の反応に佐々木は「何でもないよ」と言ってクスクス笑った。どうやら本当にこの状況を享受できているらしい。つくづく立派な精神構造だ。
 橘京子は群れの中心で目の役割を果たす黒い稚魚めいたリーダーシップで、俺や佐々木をあちこちと連れまわした。コースはハルヒが日頃巡ってる場所とまるで行かないような場所とが半々だった。

 しかし、
「完全にお前の趣味だろ」
「どうしてですか? 全然そんなことありません」
 市内にわずかしかない映画館にやって来たところだった。こってこての海外恋愛映画は、橘京子以外他に誰一人趣味にしてるとは思えんシロモノである。
「帰らせてもらう」
 藤原が本日二言目となる呟きを漏らして立ち去ろうとする。
「待ってください」
 にこにこ笑いの橘京子が襟首つかんで引き戻す。
「放せ現地民」
「嫌です未来人さん。この前もその前もてんでかみ合わなかったじゃないですか。今度は少しくらい協力する姿勢を見せてくれてもいいと思いますけど」
「協力? はっ」
 藤原は肩をすくめて嘆息した。二ヶ月前に見た時よりは幾分くつろいだ態度に見えないこともない。藤原は続けて、
「いい加減にその虫唾が走る言葉を捨てたらどうなんだ。え? 僕がお前に力を貸す意味など微塵もない」
「少なくとも今日一杯はつき合ってもらう約束です」
 橘京子はそう言うと藤原をハンドバッグのように手繰り寄せた。
 引っ張られた未来人野郎は顔面を起き抜けの低血圧が浮かべる表情そっくりに歪めたが、やがて渋々といった風情で付き添い役の任に戻った。

 明らかな橘京子の謀略により俺と佐々木は隣の席になった。
 上映五分前、橘京子は俺に、
「映画館は上映中真っ暗になりますから、佐々木さんに何かイタズラするならチャンスだと思います」
 と、意味不明な耳打ちをして俺の首を九十度捻らせた。何考えてんだこいつは。
 さて、映画のほうは俺もテレビで時折CMを目にしていた程度には宣伝費を使っており、主演の役者も顔や名前くらいは知ってた。
 ど真ん中直球ストレートの脚本に手垢がついてそうなくらいべったべたな演出だったが、佐々木の向こう隣からあからさまにすすり泣く声が聞こえてきたのには閉口するほかない。
 一番奥で藤原がどんな顔してんのかちょっと見たかったが。
「へえ。人はこうして恋に落ちるものなのかい?」
 鑑賞というより分析するような眼差しでスクリーンを眺めていた佐々木が、こちらを横目で見てささやいた。そう言われても俺に真っ当な恋愛経験がないのはお前も知っての通りだ。
「あれ。てっきり高校に入ってから変わったのかと思っていたが」
 どういう意味だ。ハルヒのこと言ってんなら見当違いも甚だしいぞ。
「そうか。これは失礼」
 丁重に詫びた佐々木は続けて、
「でも、他に気になる異性の一人や二人いてもおかしくない年頃じゃないのかい?」
 ふと朝比奈さんと長門の顔が浮かんだ。しかし、直後脳内モニタの向こうからハルヒが現れてあかんべして消えた。俺は首を振って、
「普通に高校生活を歩んでればそうなってたかもな」
 若干の間があって、
「普通に、ね」
 それきり佐々木はスクリーンへと視線を移し、後は何も言わなかった。俺は少しだけ引っかかるものを感じつつも、上映が終わる頃にはその疑念をまるっとどこかに忘れてしまっていた。

 映画が終わり、四人で連れ立って(ってほど足並み揃ってないが)劇場を出ようとした矢先、
「あ」「あ」
 これから入場するらしいハルヒと古泉にばったり会った。そういやあっちも市内探索に向かうところだったのだ。この二時間ばかりの間にすっかり忘却していた。
 すれ違いざま、ハルヒと俺は闘犬のように険悪なアイコンタクトをしながら、
「お楽しみね」
「ああ、おかげさまでな」
 交わした視線からバチバチ火花が散る。ついでだ、気になってたことを訊いておこう。
208名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:52:59 ID:TXRQRm/u
「朝比奈さんと長門はどうしたんだ?」
 ハルヒは飛びかかる寸前の闘牛みたいに息荒く、
「急用ができて来られなくなったのよ。あんたと違ってちゃんと昨日のうちに電話が入ったけどね」
 悪かったな。どうせ俺は優柔不断だ。
「まるで反省してないみたいね。ここで謝辞のひとつでも述べたらちょっとは免罪してやろうかと思ったけど、期待したあたしがバカだったわ」
 あまりに一方的な言語攻撃に俺が反駁しようとした矢先、
「涼宮さん、わたしが無理を言ったのよ。彼は悪くないわ」
 突如佐々木が口を挟んだ。俺もハルヒも瞬きして佐々木を見た。佐々木は長いまつ毛に縁取られた瞳をわずかに細め、
「忙しいことは知っていたのに押し切ってしまったのはわたし。ごめんなさい」
 不意に中学時代の佐々木がフラッシュバックした。クラスメイトの岡本を初めとする女子連中と話す際、佐々木はこうして普通の女言葉で交流していたのだ。
「……佐々木さん」
 ハルヒは取るべき態度を決めかねるようにしていたが、やがて固めていた拳骨をほどいた。
「ちょっと」
 俺の右肩がとんとん叩かれた。見ると古泉がいつの間にか俺のすぐ傍に来ていた。忍びかお前は。
「いいですか」
 止める間もなく、副団長は俺の手首を引っ張ってロビー脇に連れて行った。
「何しやがる。放せ」
 古泉はちょっと痛いくらいに手に力を込めていた。
 人の往来がない廊下まで来ると、古泉は俺の手を解放してこちらへ向き直った。
「どういうつもりですか?」
 その口調には明らかに険があった。たった一言で非難されたことが解る。俺は意識的に渋面を作って、
「見ての通りだ。佐々木と先約があったんだよ。断れなかったんじゃなく断らなかった」
 きっぱりと言った。古泉は溜息のような吐息を短く漏らすと、
「涼宮さんに当てつけるような真似をせずともよいでしょう。彼女の言っていたように、早いうちにSOS団の予定をキャンセルしていれば、まだこんなことにはなりませんでしたよ」
「またハルヒか」
 俺は言った。今日に限ってはあいつの味方になる気はさらさらない。
「後から入った予定を断らなかったのは悪かった。けどな、あいつのまるで成長してない態度には腹が立ったんだよ」
「それはあなたも同じです」
 咎めるような口調とともに古泉は言った。俺はえもいわれぬ罰の悪さを感じる。
「どうしたんですか? あなたらしくもない。まるで映画撮影の時の繰り返しを見ているようです。とにかく、明日でもいいですから涼宮さんにはっきりと謝ってください。愚痴ならその後でいくらでも聞きますよ」
「断る」
 俺がそう言うと、古泉は何か言いかけてから首を振った。
「戻ります」立ち去りかけた古泉は振り返り、「あなたと佐々木さんが一緒にいる二人。我々のほうで監視していますから、不用意な真似はできないはずです」
 では、と言って古泉は足早に戻っていった。
「やれや――」
 出かかった口癖を止めたのは、てんで真剣味のない自分にうんざりしたからだ。

 ハルヒと古泉は俺らが見たのとは別の映画を上映してるホールに消えた。
 俺と古泉が話してる間、佐々木とハルヒの間にどんなやり取りがあったのか、佐々木は語ろうとしなかった。橘京子は相変わらずご機嫌だったし、藤原は反対に不機嫌だった。
 その後も、同じ市内なのによくもまあこれだけ色んな場所を巡れるもんだと思うほど精力的に、橘京子は主体性のない四人組の先導役を続けた。
 俺はといえば、古泉とハルヒに無意味な反感を覚えたまま、落ち着かすに歩行継続。
「つくづくあんたは物好きだな」
 放浪のような散歩道の途上、嘲弄するような音色で藤原が呟いた。何がだよ。
209名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:53:36 ID:TXRQRm/u
「早い話あんたは退屈だったんだろう。この二ヶ月間暇で暇で仕方がなかった。何か面白いことが起きないかと思っていた。だからあいつの――」と、藤原は顎で前方の橘京子を指して、
「提案に飛びついた。疑似餌にひっかかる淡水魚みたいにな。違うか?」
 鋭い刃で一突きするような的確さで藤原は俺の心中を言い当てた。俺が言葉を発せずにいると、藤原は口の端を嫌な感じに曲げて、
「そこまでいくとただのバカだ。今に後悔するぞ。僕からのありがたい忠告だ」
 お前の言葉をうやうやしく授かるつもりなどハナからないが、
「どうしてそんな注意をわざわざ俺によこすんだ。仮にもお前は敵だろ」
「ふ。愚劣な質問だ。駒を白黒に塗り分けるのは大昔の遊戯盤の上だけで十分だ。浅薄な計略に乗るつもりもない。誰かの恣意のままに動くのは僕の最も嫌うところだ」
 と、謎のような台詞を吐いて藤原はまた黙ってしまった。とらえどころのない奴だ。
 昼飯は日頃SOS団が行くよりも高級な店でとった。俺だったらワリカンでも入店を拒否したいくらいに値が張ってたものの、全部橘京子が持つのだからと開き直った。
 会計時、額面は結構な数値に膨れ上がってるんじゃないかと思ったが、笑顔以外の表情を忘れたみたいに女超能力者はご機嫌だった。
 店を出る頃には降っていた雨もにわかに上がり、傘を差さずとも平気だった。
「それじゃ」
 と、橘京子は一行の一歩前に出て、
「あたしとこの人はここでおいとまします」藤原を指差して、「今日はありがとうございました」
 俺と佐々木へしゃなりとお辞儀をした。
「もういいのか? まだ午後いっぱい残ってるが」
「いいのです。それじゃ、また」
 橘京子は手を振って駅方面へと駆けていった。藤原の姿を探すと、ほんの一瞬の隙にもうどこかへ消えていた。せめて何か言ってから帰れよな。
「さて。どうしようか?」
 もちろん後に残ったのは佐々木ひとりである。佐々木は口の端に人差し指を当てて、
「キョン、キミは今からでも涼宮さんのところへ行ったほうがいいんじゃないかな」
「いいや」
 ほとんど反射的に俺はノーと言っていた。
「佐々木、俺は今日こっちに参加したことに何ら後悔はないぞ。ハルヒのあれはお前が気にすることじゃない」
 佐々木は口を開きかけたが、思い直したように首を振り、
「そうか。解った」
 そしていつもの穏やかな笑みを浮かべ、
「それじゃキョン。よかったら少し僕につき合ってくれないかな。本屋に行きたい。参考書をいくつか買っておきたくてね」
「いいぜ」

 書店は駅に唯一あるデパートの中に含まれている。日頃長門から借りた本くらいしか読まない俺にはそこまで馴染みのある場所でもないが、佐々木は週に一度は立ち寄る常連らしい。
 品定めする中、佐々木は数学の問題集と物理の参考書を一冊ずつ手に取った。
「数V……って、もう三年の内容やってるのか?」
「え。ああ、うん。二年までの内容は一通り終わったし、後は復習だけだからね」
 なんとまあ。目前のテストだけでひいひい言ってる身の上からすれば次元の違う話だな。
 佐々木は他に必要なものがないか書棚を眺めつつ、
「僕みたいな人は僕の学校にはいくらでもいる。僕より結果がいい奴も、悪い奴も。要領がいいのも、そうでない人もね」
 その言葉には何か慣れないものを感じた。何だろうな、これは。佐々木は確かにここにいるのに、俺との間に金星と木星くらいの距離があるように感じる。
「ああそうだ。彼、国木田はどうしている? 先日、名前が全国模試の順位表に載っているのを見つけてね」
「お前を目標に自己研鑽するって話してたぞ」
 俺は国木田が昼休みに佐々木の話をしていたのを回想しつつ言った。どうやら国木田は順調に鍛錬を続けているらしい。
 佐々木は前髪が揺れる程度に顎を引き、
「そうか。追い抜かれないようにしないといけない」
210名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:54:11 ID:TXRQRm/u
「佐々木なら余裕だろ」
 そう言いながら、棚に並ぶ書籍のタイトルだけで頭痛を起こしかけていた俺が視線を戻すと、佐々木は平積みになった参考書に目を落としたまま黙り込んでいた。
「佐々木?」
 明かりがついたことに気づいたような反応で佐々木は、
「ん、何でもない。さて」
 そう言うとレジへと歩いていった。何だったんだ?

 買い物を終えた俺たちはデパートの下まで戻った。屋内から出た途端、ぱらぱらと水滴がかかる。
「また降ってきたな。梅雨さえなければこの時期には何も言うことがないんだが」
 俺は愛用して久しいビニール傘を広げて言った。かれこれ一ヵ月半使ってるせいかボロボロだ。コンビニで五百円そこらで売ってるシロモノにしちゃなかなかの好記録である。
「キョン、そろそろ帰ることにするよ。今日は楽しかった」
 背後から佐々木の声がした。
「おう。またな」
 そう言いながら振り返った時だった。

「ごめん、キョン」
 らしくない佐々木の言葉が耳に届き、俺がその意味を理解するより先に――、

 何か、温かいものが唇に触れるのを感じた。
 それが佐々木の唇だと気づいたのは、駅ビルの背後に広がる曇り空が、たちまちのうちに変色した後だった。灰色から、淡い黄色へ。
 瞬間、辺りにいた一切の人の気配が消失した。
 話し声、車の喧騒、飛行機の滑空音。すべてが見えない防音壁に吸い込まれたかのように、ぴたりと止んだ。
 戦慄か、はたまた震撼か。一瞬のうちに全身が総毛立つのが解る。
「佐々木……!?」
 俺は落雷の気配を感じ取ったイヌワシのように佐々木から離れた。
 佐々木はうつむいていた。すっと延びた前髪、その向こうに浮かぶ表情を読むのは、ここからじゃ困難だ。
 俺は今一度周囲の状況を確認する。降っていた雨は完全に止み、あれだけ行き交っていた人の波は綺麗さっぱり消滅している。
 雲も太陽もない空は、一面ぼんやりとしたクリーム色。鳥に飛行機、超人はもちろんのこと、超能力者だって飛んでやしない。
 記憶をわざわざ検索するまでもない。全身がこの感覚を覚えている。ここは二ヶ月前橘京子に連れてこられた閉鎖空間だ。佐々木製の。
「どういうことだ、これは」
 そのまんまな感想が口からこぼれた。一足先によくできた真夏の怪談を聞いたかのように汗腺が開いている。嫌な感じだ。
 なぜだか解らないが取り返しのつかないことになったような違和感がある。猫を噛む直前の鼠の気持ちが今なら解る。
「キョン。『世界をどうにかしてしまう力』は、これで僕に宿ったはずだ」
 抑揚のない平板な声で佐々木は言った。再度見ると、二年来の友人は顔を上げ、いつもと変わりない微笑を浮かべている。しかし、それがこの場においてはそら恐ろしかった。
「そりゃいったいどういう意味だ。お前に力が宿るって?」
「ああ」
 佐々木は、ありもしない太陽を観測するように空を見上げた。
「そうか、これが」
 何も解らない。どういうこった。なぜ俺と佐々木がこの閉鎖空間にいる。橘京子の誘導なしに。
「初めて見たよ。話には聞いていたけれどね。こうして来てみると本当だったことを実感する」
「佐々木。どういうことか説明してくれ。何なんだ。これは」
211名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:54:51 ID:TXRQRm/u
 詰問口調になる俺に、佐々木はとっておきの推理小説のあらましを語る時のように不敵な笑みを浮かべ、
「涼宮さんの力を僕に移したのさ」
 明瞭簡潔な回答を述べた。

「そんなバカな話があるか」
 バカな話し方をしていたのは俺の方だったかもしれない。が、さし当たってそんなことはどうでもいい。ハルヒの力を佐々木に移しただって?
「冗談はよせ」
「冗談じゃないはずさ。他にキミと僕がこの場所にいる理由が説明できないからね。それに、キミにはこういう状況に思い当たる節があるんじゃないのかい?」
 何のことだ、と言いかけた俺はすんでのところで言葉を飲み込んだ。
「さすがキョンだ。気がついたようだね」
 今、俺と佐々木が何をしたか。
 そして、以前、俺はハルヒに何をしたか。
「橘さんの仮説はある程度正しいみたいだ。もともと論理による証明のしようがない話だったけど、傍証は揃ってきた」
「なに意味不明なこと言ってやがる。さっぱり解らねえぞ。佐々木、お前は俺に何をしたんだ」
「それはキミにも自明だろう。キスだ。扉を開けるただ一つの鍵が……キョン、キミだった」
 微妙に既聴感のあるフレーズを佐々木は言った。
 鍵。
 それは俺がこれまでに何度か耳にした言葉だ。しかし、その意味は何一つ解らずにいた言葉でもある。
「キミに口づけすることで『力』は僕に移るはずなのさ。今僕らがここにいることは、無事に受け渡しが済んだことの証だろう」
 引き続き嫌な感覚が全身を支配していた。五感を超えたところにある直感のようなものが、この世界には俺と佐々木以外に誰もいないのだと伝えてくる。
 しかし、感性がそう主張しても理性が全力で認識を拒んでいる。あってたまるか、そんなことが。
「ちょっと待った。佐々木、どうしてお前がそんな条件を知ってんだ」
「橘さんさ。彼女はキミと僕を恋人同士にすることに執心していたからね。直接言われなくともピンと来たよ。僕にも色々とアドバイスめいた提言をしてくれたから」
 佐々木は周囲の様子をひとしきり観察していたが、やがてまたこちらを向いた。
 そうか、そういうことだったのか。橘京子が言ってた受け渡しの条件ってのは。
 しかし、それだけじゃ根本的なところにある謎が解決しない。
「だが待て、佐々木。お前はそんな力を持ったら精神を病むとか言ってなかったか。どちらかといえば、お前は受け渡しに消極的だったはずじゃねえか。いったいどうしてこんな」
 佐々木は大きな瞳を輝かせるなじみの表情を浮かべて、
「そうだね。実のところ今でもそう思っているよ。別に僕じゃなくてもよかった」
「どういうことだ」
「この世界を形作る要素があと少し違っていたら、僕はこんな力を持とうとしなかっただろうってことさ」
 佐々木は俺の記憶にあるどの表情とも異なる微細な笑顔に変化して、
「限界なんだよ。何もかもね」
 
 あらゆるものがたちまちのうちに消え去った世界の中で、佐々木は静かに話し出す。
「たった一年と数ヶ月だったけれど、それだけで僕には十分すぎた。もうとっくに戻れないところまで来てしまっていた」
 佐々木は目を細めて笑った。俺は圧倒的な何かに一切の動きを止められたままだった。
 疑いの余地など寸毫もない。この危機感は、ハルヒと共に閉鎖空間にさ迷い込んだあの日の夜に匹敵した。
「中学を卒業してキミと離れた後、僕は少しずつ自分が変わっていくのを感じていた」
 解らない。どこが変化したって言うんだ。俺には中学時代のままの佐々木にしか見えないぞ。
「それは……そうだね。僕がキョンにある種の懐かしさを感じるのと同じように、キミも昔の光景を重ねて僕と接しているということなんだろう」
 佐々木は静かに息を吐いて、また話し出す。
「僕が入った学校の連中は、内に野心を秘めた狡猾な人ばかりだった。もちろん外には一切それを出さないし、うわべは親切そのものさ。
でも、入学して一週間もすれば解ってしまった。彼らは友人にメリットしか求めていない。デメリットをもたらす者がいれば、巧妙にそれを潰すんだってね」
 述懐するように話す佐々木は、辺りをゆっくりと歩き始めた。
「四六時中勉強のことだけを考えるような場所さ。休み時間の話題も自らのステータスを満たすためのものでしかない。将来を見据えた社交の場とでも言えばいいかな」
212名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:55:29 ID:TXRQRm/u
 佐々木は一度立ち止まって、
「まあ、そのくらいは中学の時から覚悟していたことだった。二年の時、学校を見に行って、自分がどういう高校を目指さなければならないのか知った。今のままではアイデンティティを保つことなどできないだろうと思った」
 再び歩き出す。
「そして僕は自らを律した。この言葉遣いは結果のひとつだった。精神の害となるような要因はなるべく避けなければならなかったから」
「やっぱり意図あってのものだったのか」
 佐々木は朗らかに笑って、
「そうさ。あの言葉――恋愛感情は精神病の一種。これを言っていたのは涼宮さんだろう?」
 ドライアイスを当てられたように背筋が冷えた。どうしてそれを知ってるんだ。
 佐々木は別段調子を変えることもなく、
「彼女には前に会ったことがあるんだよ。その頃の僕はこんな言葉遣いじゃなかったし、髪型だって違ったから、彼女は覚えていないかもしれないけどね」
 ――髪を伸ばしたり切ったりするだけでもかなり印象は変化するものさ。
 再会した時、佐々木はそんなことを言っていた気がする。
「涼宮ハルヒ。彼女はある種、僕とは対極に位置している存在だ」
 噛みしめるように佐々木は言った。俺は胸騒ぎのようなざわつきを感じる。
「藤原の話では、キミと彼女が出会わない未来もありえたらしい。どういうわけかこうなってしまったがね。結果的に、キミは今僕がしたのと同じ方法で、涼宮さんに力を"与えた"」
 ――――。
 時間が止まった気すらした。佐々木の発言の最後のフレーズだけが頭の中でリフレインする。
「藤原はこういう仮説を述べていた。キミが涼宮ハルヒに力を与えた時点から、三年前まで遡って世界は作られた。
それはもともとあった時空に上書きされる形で。だから、今から四年以上前の、書き換えられていない時空との間には亀裂があってタイムトラベルができない――彼はそう言っていた」
 あの未来人、佐々木にそんなことまで話していたのか。
「そうさ。彼は僕にこう持ちかけてきた『お前に歴史を作り変えてほしい』ってね。ニュアンスとしては、四年前にあるという時間の亀裂を修復できれば、後はどうなろうと彼には関係ないようだったが」
 佐々木は春先に一度それを試みたが、ハルヒが時系列を分岐させたせいで失敗に終わったことを明かした。
「キョン。僕はキミと一緒にいたかった。これまで、キミほど話が合う相手は他にいなかった」
 涼やかな声を聞きながら、俺はこれまでの佐々木がどのようにふるまっていたのかを思い返していた。
「自覚していないかもしれないが、キミはかなり稀有な特性の持ち主だ。僕が自然の法則に反する現象について話をする時、唯一キミだけが純粋な好奇心をもって傾聴してくれた。
中学三年にもなれば、普通は即物的なものにしか興味が行かなくなり、超常現象なんて見向きもしなくなる。でも、キミは違った」
「!」
 気がついた時には佐々木がすぐ近くまで歩いてきていた。
 佐々木は、俺を抱擁した。
 華奢な身体に、控えめな温度のある細い腕。
「一年間、ずうっと辛かった。こんな感情は真っ先に捨て去るべきものだって、解ってたのに……」
「佐々、木?」
 その表情を見ようとするも、佐々木はより強く俺を引き寄せて、それを拒んだ。
「親友」
 佐々木は言った。俺は脈拍数の増加を感じる。
「理性でそう解釈するのが精一杯だった。高校に上がって、ただ繰り返すだけの毎日がどれだけ単調で、味気なく、……苦しかったか」
 佐々木は、俺の間違いじゃなければ……震えているように感じた。
 肩に顔を押しつけてるせいで表情は伺えないし、声もくぐもってはっきりと聞こえない。しかし、密接した細い肩だけは、直接佐々木の心情を伝えてきた。
「佐々木……」
 どうすべきか迷った。はっきりと、俺は動揺していた。
 この一年間、そんなことを思っていたのか、佐々木は。
 触れたら割れてしまう水晶を扱うように、そっと佐々木の頭に片手を当てた。どれだけ男の言葉を使おうと、どれだけの感情を押し込めようとも、佐々木の内面はどこにでもいる普通の少女だったのだ。
「キョン……キミはずるい」
 肩に額を押しつけたまま、佐々木は微かに聞き取れるほどの声量で言った。
213名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:55:59 ID:TXRQRm/u
「ずるい? 俺がか?」
 佐々木は微かに頷く気配を見せ、
「ずるい」
 一息の間を空けて、
「物事のいいところだけが、どういうわけかキミに向かっている。気づいているか? 今やキミはこの騒動の中心人物だ。涼宮さんでも僕でもなく、キミが。
キミだけが、すべての不思議な現象を体感し、自らそれを打開する身にあるんだ」
 俺は手を離していた。それはどうやったって目を背けられない事実だった。
 そうだ。確かに、俺はこの一年、常識じゃ考えられないほど素っ頓狂でおかしく、面白い出来事に遭遇し、何とかそれらを乗り切ってきた。
 数々の出来事に東奔西走しながら、ハルヒの命令に諾々と従いながら、SOS団の面々と放課後を過ごしながら、あまつさえ俺はそれを楽しんでいた。
 生まれたての小鹿のような力で俺の胸を突いていた佐々木は、
「キョン。うらやましいよ。僕はキミのようでありたかった。こんな風に屈折してしまうのではなく、不可思議な出来事に遭遇して、しかもそれらを信じてしまえるような人でいたかった」
 俺の背に回していた両手を、ふっと解いた。
「僕はいくつかずるいことをした。失敗しないための、功利的でアンフェアな手段を取った」
 そう言うと、佐々木は俺から離れて、後ろを向いた。
「世界を正常化しようと思う」
 な、
「何言ってんだ。佐々木」
「元に戻すのさ。不思議なことなど何もない、元の世界に。もともとあってはならない力だろう、これは。これさえ……こんなものさえなければ」
「やめろ!」
 俺が叫ぶと、佐々木は振り返って、驚くほど綺麗に笑った。
「やめる? それはどうしてだい? 涼宮さんから力がなくなれば、キミはもう余計なことで四苦八苦することはないだろう。普通の日常に回帰することができる。夢から覚めることができる」
「しかしだな、それは……」
「それは。何だろう? ……キョン、矛盾しているよ。見事なまでのパラドクスだ。キミは涼宮さんから力が無くなる日を待ちながらも、どこかでまだこんな日々が続けばいいと願っている」
 たたみかけるように言い切った佐々木は、最後に、
「違うかい?」
「…………」
 心臓を平手で思いっきり引っぱたかれたような、目の覚める痛みがした。
 その通りだ。
 俺はまだ、SOS団での放課後が、ハルヒたちと過ごす毎日が続けばいいと思っている。
 そりゃ、ハルヒの力がいつまでもあってはもちろん困る。が、それでもまだ、もう少しの間終わりはこないだろうと、言わば高をくくっている。
「図星だろう」
 佐々木は笑みの色彩を変化させて、
「キミの様子を見ていれば瞭然だったよ」
 今さらながらに俺は思う。
 俺はこれまで、佐々木の何を見ていたのだろう。何を知っていたのだろう。
「溜息が出る。四月に再会したキミは本当に楽しそうだった。自分じゃ気づいていないかもしれないけど、涼宮さんといる時、キミは笑っていた。僕の知らないキョンがそこにいた」
 佐々木は一歩一歩俺から遠ざかりながら歩いた。
「僕が今まで何を見て、何を思っていたのか。知らなかっただろう?」
 俺は無意識のうちに首を振っていた。解っていたら、今の俺はここにいなかったかもしれない。
 佐々木は俺に背を向けたままで、
「うんざりだよ、こんな毎日は。だから終わりにしよう。そして、この世界を理不尽なことの少ない場所へ作り変える」
214名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:56:32 ID:TXRQRm/u
「佐々木、待ってくれ。お前は疲れてるだけなんだ。この世界だって捨てたもんじゃねえ。もっとわくわくするような――」
「甘い考えですね」
 俺でも佐々木でもない声がした。俺が催眠術を解かれた被験者のように周囲を見回すと、橘京子が通りの向こうから歩いてくるところだった。
「ふふ。ようやくうまくいきそうです」
 橘京子はエイプリルフールにとびっきりのウソをついた少女のような顔で、
「四年。それがどれだけ長かったか、あなたには解らないでしょうね。解らないことばかりだから楽しんでいられたのです」
 そぞろ歩きしながら、佐々木と俺の間に割って入った。
「でも、それももうおしまい。あなたの代わりに、世界中の人が今より幸福になるなら安いものでしょ? あなたはもう十分に楽しんだのだから」
「お前……、初めからこれが目的だったのか」
 橘京子は今まで浮かべた中でも一番の、大輪の花が開くような笑みで、
「はいっ。こういう結果になるのなら、はじめから佐々木さんに条件を明かしてしまえば早かったかもしれませんね。今となってはどっちでもいいことですけど」
 橘京子は軽やかにステップを踏んだ。空中庭園を散歩するようにご機嫌な足取りだ。
「世界は生まれ変わるのです。ようやくあるべき姿になるの。誰かのワガママに左右されることのない、居心地のいい場所に」
「どうしてそんなことが解るんだよ。新しく作った世界が間違うことだってあるかもしれないだろ」
 橘京子は意に介さず、
「あなたにとってはそうかもしれません。だって、あなたはこれまでが楽しくて仕方なかったのだから」
 悲劇のヒロインを演じるような困惑の面持ちで、
「でも、世の中には佐々木さん以上に苦しんだり、困っている人が本当に沢山いるのよ。あなたはそれがまるで解っていません。自分の世界を壊されたくないだけ。……違いますか?」
「……」
 即座に「ちがう」と言えなかった。
 今まであった世界が本当に誰にとっても居心地のいいものだと言えないことくらい、俺にだって解る。ハルヒと会う前の俺は、確かにもっと色んな不満があったりもした。
 橘京子は無言の俺を模範解答を答えた生徒を見る教師のような目で眺めながら、
「そう。もともと世の中はそんなに都合よくできていません。あなただって疑問に思ったんじゃないですか? どうして自分にとってこんなに面白い世界が待っていたのか。
何によって、自分がこんなにも刺激的な毎日を過ごせているのか」
 橘京子はモンシロチョウが蜜を吸う花を選ぶように歩きながら、
「答えは簡単です。あなたと涼宮さんの願いが同じだったから。あなたの願いは、涼宮さんの願い。逆でもいいですけど」
 橘京子は佐々木を見て、俺を見た。そののち小首を傾げて、
「でも、涼宮さんだって最初の願いを完全に叶えたわけではありません。それはあなたが彼女を元の世界に連れ戻したから。
そう考えれば、本当の意味で世界を思い通りに動かしたのは、実はあなたなのかもしれませんね」
 何を言う。んなことあるはずがない。俺には変な空間に入る力も、時間を飛び越える能力も、魔法みたいな呪文を使うこともできない。
「問題はあなたの属性じゃありません。立場です。他の誰でもない、あなたでなければならない理由。もう解っているんじゃないですか?」
 今や確信犯そのものの橘京子は、つと遠くの空へ視線を固定した。つられて俺もそちらを見る。
 ずっと遠いところ。周囲に広がる街並みの、そのまた向こうが仄かに光った。
 橘京子は明けの明星みたいな遠方の光を眺望し、
「始まったみたいです。もう少し待てば、この場所も変わるはずです。全てが生まれ変わるまで、それほど時間はかからないと思います」
 俺は佐々木を見た。佐々木は両手を抱き寄せるようにして、彼方の一点が光る様子を見ていた。
「佐々木」
 俺は思い出したように言葉を継ぐ。
「いいのかよ。これでお前は満足なのか。そんな簡単に一切合財を投げ出しちまうような奴だったのか、お前は」
 すると佐々木は、まるで古いアルバムを懐かしむような瞳でこちらを見た。疼痛がする。
「キョン。それは僕を思いやって言ってくれているのかい? 本当に? キミは自分の元いた世界を取り戻したいだけなんじゃないのか」
「違う!」
 俺は自分の手のひらを固く握って主張する。
215名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:57:03 ID:TXRQRm/u
「佐々木、元の世界だって捨てたもんじゃねえんだ。お前はストレスのはけ口を持ってなかったんだろう。この一年、満足に遊ぶこともできなかったんじゃないのか? 俺に言わせりゃそんなの間違ってる。本当は――」
「いいよ、もう」
 佐々木は俺の言葉を遮り、双眸を閉じて静かに首を振った。そこには諦観の念が浮かんでいるように見えた。
「疲れたんだ。とてもね。それに、キミと違って僕の内面はもう随分と汚れてしまっている。この世界に何もなかったのは、それを僕が望んでいたからさ」
 佐々木はわずかに目を開けて、路上の一点を見つめた。
「元には戻れないんだよ。僕はもうキミの記憶している僕ではないんだ」
 俺はというと、拳を固めたまま、何も言えずにただ棒立ちしていた。
「……」
 無力を感じる。
 俺がこいつに何ができるというのだろう。
 世界を取り戻す? 聞いて呆れるぜ。俺が何を言おうが、今ここにいる佐々木を救うことなんかできやしない。俺が日常を楽しんでる間、佐々木は一人で苦しんでいたのだから。
 一年間。その間に俺が自分の世界観をまるごと転換されちまったように、佐々木もまた違う環境に染まってしまったのだ。俺には想像もつかない、別の「世界」に。
 俺が自分の境遇を受け入れ、あまつさえ楽しんでいた一年間、佐々木は別の場所で、まったく逆のことを感じていたのだ。
「佐々木……」
 喉の奥に熱い塊が詰まっているみたいに、苦しかった。
 俺が今ここでどうもがこうと、佐々木が過ごした一年間は戻ってこないのだ。それは過ぎ去った時間軸上の出来事でしかない。そこでは時間遡行ですら無為に終わるだろう。
 過去をいくら変えようが、「今」ここにいる俺と佐々木には何の変化も起きないのだから。
「すまねえ」
 それしか言えなかった。これまであらゆる困難を乗り越えてきたと思ってた自信は、粉塵のようにどこかへ飛ばされて、消えた。
 佐々木はこの場においてなお笑顔を浮かべていた。
「いいよ。キミは何も悪くない。自制しきれなかった僕がいけないんだから。今僕のしていることは、僕がもっとも嫌う人種のする行為だ。自己を顕示する。人に迷惑をかける」
「迷惑なんかじゃねえ!」
 思いのほか大きな声が出たのは、そうでもしなきゃどうにかなっちまいそうだったからだ。
「お前はそうやって人に迷惑をかけまいとしすぎなんだ。馬鹿野郎」
 俺は言葉が詰まってしまわぬよう、一気に言い切った。
「佐々木。お前、四月にハルヒの前で俺のことを何て呼んだか、忘れてないだろうな」
 佐々木は口を微かに開けてぽかんとした。当惑したような表情を見るのは、中学三年から思い出しても初めてのことだった。

「お前は俺の『親友』なんだろうが」

 佐々木の大きな瞳が見開かれていく。
「親友なら相手に迷惑かけて当たり前じゃねえか」
 ちくしょうめ。
「いいか、よく聞け、佐々木。仮に世界が全部生まれ変わって、記憶も何もかもなくなるようなことになったとしても、俺は必ずお前を見つけ出して、絶対にまた『親友』になってやるからな。
お前が嫌だ、迷惑だと言ってもだ。迷惑かけるのが『親友』なんだからな」
 自分でも何言ってんだかよく解らなかったが、そんなことはどうだっていいんだ。佐々木は聡い奴だ。滅裂でも十分解ってくれる。
「……」
 佐々木は浮かべる表情をどこかに忘れてきていた。
 はっきりと動揺していることが、同じくらい動揺している俺にも見て取れた。
「うう、うわああん」
 急に橘京子が泣き出した。
「何でお前が泣いてんだよ」
「だって、だって……」
 橘京子は自前のハンカチで目頭を押さえていた。まったくこいつは。助演女優賞狙いもいいとこである。
216名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:57:34 ID:TXRQRm/u
「何ていい話なんでしょう。うえええ、えっく、わぁん」
 橘京子はくしゃくしゃになって人の友情話に号泣していた。仮にも敵役がこれでは立つ瀬がない。おかげで俺の方が何言おうとしてたか忘れちまったじゃねえか。
 俺が不覚にも吹き出しそうになっていると、目が合った佐々木もまた苦笑していた。できることなら、普段もそんな風に笑っててくれ。
 橘京子が涙を拭って、顔を上げる――、
「きゃあっ!」
 その表情がたちまちのうちに蒼白状態になった。眼前にある一点を見つめて、肝をつぶされたように硬直している。
 振り向く。
「何だ、これは……!」
 知らないうちに空間に亀裂が生じていた。オクスフォードホワイトの空は、鋭利な刃物で大きく引き裂かれたみたいにぱっくりと割れていた。
 その向こうにはダークグレーに染まった得体の知れない深淵がある。
「な……。あ……」
 言葉を失したのは佐々木か、橘か。
 裂け目の向こうから、見覚えのある、青白く発光する巨躯が覗いた。
 《神人》――。
 青白い巨人の上半身が、駅ビルのすぐ隣に現れた。小山のような立ち姿は、突然だったこともあり、その場にいたものの頭を真っ白にするのに十分な効果があった。
 《神人》は空間の裂け目から上半身だけを覗かせ、腕の一振りで駅ビルを木っ端微塵にふっ飛ばした。
「きゃあああああっ!」
 橘京子が頭を抱えてその場にうずくまった。
 なぜだ。どうしてここに《神人》がいる。ここは佐々木の生んだ閉鎖空間のはずだ。
「佐々木! 俺から離れるな! 橘! こっちへ来い!」
 脊髄反射のように口走った後、俺は片手で佐々木の手首をつかんだ。一瞬ぴくっと反応した後、佐々木は俺の手を握り返した。死んでも放さねえ。
「あ……ああ……」
 腰が抜けてしまったらしい橘京子は、両手で顔を覆ってかぶりを振るばかりだった。その場から一歩も動けないようだった。
「キョン、橘さんを助けてくれ。お願いだ。じゃなきゃ、僕は……」
 ――――。
 《神人》の声なき咆哮が大気をマイクロ波のように震わせる。青白い巨人は、身体の全部をこちらへ入れようと躍起になっている。
「橘!」
 俺が叫んだちょうどその時、《神人》が再度拳を振るった。直撃を受けた建造物が轟音と共に倒壊し、破片が……こちらへ落下してくる!
「橘さん!」
「危ねえ!」
 橘京子の頭上にコンクリート片の真っ黒な影が落ちる。
 映像だけがスロー再生されたみたいにゆっくりに感じられたが、それは本当に一瞬の出来事だったはずだ。
 巨岩ほどもあるビルの破片が橘京子のいた地面に激突した。
 つんざくような衝撃音と濛々たる煙幕が同時に発生する。割れた小片が俺の耳元をヒュッと掠める。俺は咄嗟に佐々木の前に出た。
 視覚はたった今目の前で起こった出来事を仔細に伝えてきたが、脳がそれを認識しようとしなかった。
「たちばな、さん……?」
 佐々木が呟いた。その声は今や少女のものにしか聞こえなかった。
「橘……橘!」
 呼んでみたが返事はない。ビルの傍ら、なおも《神人》は身を乗り出そうと必死にもがいている。
 しかしそんなことはもはやどうでもよかった。眼前の巨大隕石みたいなコンクリート塊は、まともに食らったのならひとたまりもないくらいの大きさだ。まさか、そんな。

「……危ないところでした」

 何者かの静かな声が耳朶を打った。たちこめていた煙霧がゆっくりと晴れていく。
「な、あなたは……!」
 橘京子はその人に抱かれていた。気を失っているのか、お下げ髪と片手が力なく垂れ下がっている。しかし外傷はどこにもないように見えた。
217名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:58:18 ID:TXRQRm/u
 俺はひとまず安堵するも、その安心はすぐさま驚愕へと変貌した。橘京子をいわゆるお姫様抱っこで軽々と持ち上げている人物。大いに見覚えがあるものの、大いに意外でもある。

「新川さん!?」

 そう。孤島と雪山でパートタイムの執事を演じ、誘拐事件の時には超一級のドライビングテクニックを見せた初老の長身男性、新川氏が悠然と立っていた。
「どうしてここに?」
 俺が質問すると、新川さんは油断のない目を上空、《神人》のいる方に向けながら、
「説明は後でございます。早急に避難いたしましょう。こちらです」
 そう言うと、橘京子を抱えたまま驚くほど俊敏な動作で俺と佐々木を先導した。
「行こう佐々木」
 佐々木は反射的に頷いた。手をしっかり握ったまま、俺たちは新川さんに続く。
 直後、《神人》のラリアットがビルの残骸を打ち砕いた。ダイナマイトを爆破したみたいな衝撃が、空気越しに首筋を押す。
「キョン。あれは何なんだ?」
 明晰さを取り戻したのか、走っている最中、佐々木が言った。
「ハルヒのストレスを具現化したものらしい。が、正直俺も詳しいことは解ってない。あれが今ここにいる理由も含めてな」
「……。そうか」
 後ろを振り返らずに走っていたため、その時の佐々木がどんな表情を浮かべていたのか、ついぞ俺は知ることがなかった。

「ここまでくれば当座をしのげるはずです」
 通りをいくつか走り抜けると、新川さんは立ち止まって呼びかけた。
 橘京子を抱えていても呼吸一つ乱れていない新川さんや佐々木に対し、俺は緊急の短距離走にすっかり息が上がっていた。仮にも今をときめくヤングな高校生なのに面目ない。
 まる二十秒かけて呼吸を整えた俺は、ようやく元いた場所を仰ぎ見た。そして驚いた。
 今や空間の半分ほどが灰色に染まっていた。亀裂は相当な大きさに広がり、一跨ぎすれば《神人》がこちらへ来てしまいそうだった。周囲にあったはずの駅ビルは根こそぎ破壊され、跡形もない。
 俺が何か新川さんに何か質問しようとすると、
「来たようです」
 新川さんは平静を保ったままで鋭く言った。見ると、灰色と白の狭間、空間と空間の境目から、針でつついたくらいのサイズで赤い光点が飛び出した。
「これでもう大丈夫でしょう」
 新川さんの言葉に俺はやたらと安心した。そしてしばしの間、突然の出来事を観覧した。
 一年前、古泉に連れられて行った閉鎖空間で見た光景の別バージョンみたいな画がひたすら展開された。
 違ったのは光の玉がただ一つしかなかったってことで、推察するまでもなくそれは古泉一樹本人だろう。佐々木はどこか陶然と一連の様子を見ていた。
「……ん」
 微かな声に気配を感じた俺は首を横向けた。新川さんに抱えられていた橘京子が突発的な失神から立ち直りかけたらしい。意外に早いな。
「……あら? これはどういう……え? あれ。ああ!?」
 短い間に橘京子の表情は数段階に変化した。カラフルな点滅信号みたいな百面相は、最終的に決定的な当惑に支配されたような羞恥めいた表情に収束した。たどたどしい視線が新川氏の元へ向かう。
「お」
 その直後に放たれた言葉が、俺を本日最大の衝撃へいざなった。

「おじいちゃん……」

 ……………………。
 あー、うん。聞こえなかった。きっと建物の破砕音で鼓膜がいっちまったんだろう。でなきゃ俺の聴覚がこの奇矯な空間に捻じ曲げられておかしくなってるか、どっちかだ。
「どうしてここに……おじいちゃんが」
 二度目の発言も同じだった。ああそうか、やっぱり正常な俺の精神はここではないどこかへ旅立ってしまったんだなあ。ワームホールを通って違う宇宙へ旅立っちまったのかもしれん。
「京子。怪我はないかな?」
 新川氏は慈愛に満ちた眼差しで橘京子へ言葉をかけた。俺はというと、たった今発覚しかけた事実を一口たりとも飲み込めずにウンウン呻っていた。
218名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:58:49 ID:TXRQRm/u
 百万ボルトの衝撃に打たれた痺れが取れぬように、俺は回らぬ舌でこう質問した。
「あのー、新川さん? もしかしてそこの橘京子女史は、そのー、もしかして」

「私の孫にあたります」

 時が止まった。サンダーストラック。バッターアウト。オーマイゴッド。
 急速に脳の海馬が探さなくてもいい記憶を次々と参照した。つい最近橘京子が俺の自宅前に来た日、俺と新川氏がばったり会っていたこと。
 二月、誘拐され救助された朝比奈さんを見る新川さんの眼差しが、まるで孫にでも向けるような色味を帯びていたこと。
 あれはもしかして、孫がした行為に対しての憂慮が顕現していたってことか?
「やだ。おじいちゃ、下ろして……ください」
 あからさまに赤面している橘京子は、熱を計るような仕草で額に手を当てて静かに申し出た。新川氏は橘京子が無事だと判断したのか、そっと細い身体を開放した。
「橘さんの、おじいさま?」
 佐々木が興味深い目で新川氏を眺めた。いっぽうの橘は、ありもしない風を送るように顔をぱたぱた片手で煽いでいたが、
「……はい」
 えらい静粛に肯定の返事をした。
 その間、俺たちの後ろでは古泉が《神人》相手に必死の攻防を繰り広げていたが微塵も眼中になかったことは言うまでもない。

 さて。
 それから後に起こったことにはさほど目立ったトピックはない。
 つうのは嘘っぱちで、本当は十分にあるのだが、詳しく描写すると何かとアレなので、かいつまんで説明しよう。
 まず、すっかり忘れられて孤軍奮闘していた赤玉古泉が、長期戦の末《神人》を撃破して俺たちの元へ帰参した。
 古泉は俺と佐々木に諦念気味の視線を投げた後で、橘京子と新川氏を見て、やれやれとばかりにまた苦笑した。その仕草に鏡で俺自身を見てるような感覚がしたことには閉口するほかない。
 原子核融合したような二つの閉鎖空間(片方は佐々木、もう片方がハルヒのだ。理由は後ほど)は、時空をひん曲げた戦犯たる《神人》を古泉が倒したことで対消滅し、俺たちは元いた世界に戻ってきた。
 昼下がりの活気溢れる駅前広場にはハルヒ――俺は人生史上類を見ない戦慄と恐懼を覚えた――だけじゃなく、長門有紀と周防九曜のコンビまでもれなくセットでついてきた。心情的においしいともお得とも言えないオマケだったが。
 これは週明けに長門から聞いた話になる。
「周防九曜はあなたを単体攻撃の標的に認定し、この十三日間に渡ってあなたの半径二メートル以内に常時存在していた」
 昼休み。文芸部室でのん気に飯食いながら長門の講釈に耳を傾けていた俺は、危うく頬張っていたブリの切り身を丸呑みしかかった。
「んぐ! ……何だと、長門。そりゃマジか」
「まじ」
 と、長門はくだけた相槌を打った後で、
「二ヶ月前、わたしを襲った周防九曜は、彼女自身によるわたしへの直接攻撃は無為だと認識した。その後、標的をあなたに変えた」
 海洋深層水みたいな瞳で俺を見た長門は、
「周防九曜はこの数日間、あなたの脳内組織に間接アクセスすることで判断力を鈍らせていた」
 聞くほどに怖気の走る話だった。
「周防九曜は自らに不可視遮音フィールドを展開し、あなたを常時監視下に置いていた」
 淡々と語る長門は、やがて閉鎖空間が発生した日について言及した。
「位相空間発生時、周防九曜はあなたとの接触を断たれた。あの日、わたしは喜緑江美里に会ったのち、周防九曜を見つけ、彼女の不可視遮音フィールドを解除した」
 二ヶ月間の解析の結果、天蓋領域はどうやら本当に情報統合思念体とは構造基盤の異なる宇宙からやって来た存在であることが解ったらしい。
 春先の喫茶店で喜緑さんと周防九曜が接触していたことで、喜緑さんは九曜の不可視フィールドをデコードするための糸口を入手していた。しかし、長門とは属する派閥が違ったために、長門は彼女からそれを受け取る必要があった。
 長門がインビジブルモードの九曜に気がついたのはごく最近のことらしい。
219名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:59:01 ID:F8IsZsT0
sien
220名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 22:59:39 ID:TXRQRm/u
「素粒子レベルでの揺らぎを感知した」
 あの意味深な目線はそういうことだったのか、と俺は納得した。
「いったいあいつは何がしたかったんだ」
 俺の問いに、長門は「目的は不明」と言った上で、
「コミュニケートの一環であったかもしれない」
 どんな友好手段だ。俺が外務大臣なら即決で破談にさせてもらいたいところだ。
 ひとしきり話し終わった後、俺は今聞いた内容に身震いしながら、滞る箸を動かして昼食を続行していたが、長門がまだ読書に戻っていないことに気がついた。
「どうした?」
「図書館」
「へ?」
「今度、図書館に行く」
 長門は窓からの薄明かりを細面に受けつつ言った。弁当食ってた俺は箸を止め、続く言葉を待ったが、長門は特に何も言わなかった。
 何ともなしに俺は箸で自分を指して、
「俺もか?」
「……」
 長門はまる一秒の合間を置いてから、静かに首肯した。

 長門の意思表示がどういう心情によるものなのか大いに気になるところではあったが、古泉からも聞くべき話があったので、昼休みが終わらぬうちに俺は特進クラスの戸をノックした。
「謝らなければなりませんね」
 廊下の窓辺。久々の晴れ模様に、古泉は初夏を先取りしたような爽やか全開の微笑顔で、
「今回はあなたと言うより僕の失着でした。警戒が足りなかったと言うよりは、想像力に欠けていた、と言うべきでしょうか」
 敏腕の霊媒師や科学者だって宇宙人が光学迷彩まとって俺に憑依してるなんて想像はできないだろ。おあいこだ。
「監視ってのは新川さんのことだったのか?」
 古泉は微笑を苦笑にシフトしつつ、
「ええ。新川さんは先日、お孫さん――すなわち橘京子の監視は自分に任せてほしいと『機関』に申し出ていたんです。何せ可愛いお孫さんですから。心配だったのでしょう。
あなたに血縁関係が露見すると余計な混乱を招きそうだったので、これまで伏せていたんですが」
 大いに混乱したさ。羽ばたけばそのまま空飛べそうなほどだ。
「すみません。これはどういう筋書きなのか僕にも解りませんが、違う考えの下に集まった二つの勢力に、祖父と孫が分かれて所属することになってしまったのですよ。
初め、橘京子は我々の側に新川さんがいることを知らなかったようです。新川さんも、最初は彼女を慮って、できるだけ接触することがないようにしていたんですが」
 古泉は人差し指で唇をなぞり、
「しかし。ふとした弾みで知られてしまいましてね。以来、意図せずして新川さんは彼女を影から見守るような役割についてしまったというわけです。
こちらとしても向こうの出方を監視する立場の者がどうしても必要でしたから。器量のある新川さんがそこへ収まったのは好都合だったと。そういうわけです」
 リアル足長おじさんか。確かに新川さんは底が見えないほどに器用だからな。あの運転技術は思い出すだけでも失禁しそうなくらい迫力があった。まだまだいくつもの特殊技能を隠し持っていそうだ。
 色々想像は尽きなかったが、俺は目下思考の領域を寡占化されっぱなしな問題へ話題を変える。
「もう一つ話があるんだが」
 古泉は俺の意を汲んだ目で、
「二つの閉鎖空間ですね」
 俺は神妙に頷いた。放課後の団活を思うと今からブルーである。
 推測がついているかもしれませんが、と前置きした古泉は、
「あなたと佐々木さんが世界を作り変える瞬間、あの場に僕と涼宮さんが通りかかったのですよ。僕たちが何を見たのか、言うまでもなくお解りかと思いますが」
221名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:01:12 ID:TXRQRm/u
 古泉、天気もいいし今から屋上行ってロープレスフルバンジーを敢行しようじゃないか。
「遠慮しておきましょう。あいにく、僕にはそれより楽しいことがいくつもあるのでね」
 朗らか極まるSOS団副団長二年目は、
「あの瞬間に生まれた爆発力といったら、それはもうすさまじいものがありましたよ。新たな宇宙が生まれる瞬間に立ち会ったかと錯覚するほどの衝撃です。案外、あの時どこかで別の世界が生まれていたのかもしれませんね」
 などと軽口まで叩き出した古泉に俺は、
「勘弁してくれ」
「ともかく、それによって涼宮さんの閉鎖空間が同時発生したわけです。最初、佐々木さんの空間とは別の位相に存在していたんですが、拡大する過程で三次元方向に移動、接触し、しまいには《神人》によって両者の間に亀裂が入ったようです」
 古泉は新川さんと共にハルヒの空間へ侵入し、裂け目を渡って佐々木の空間へやって来た、ということらしい。
「まさか新川さんも赤玉変身能力を持ってるんじゃないだろうな?」
 ささやかな俺の問いに、古泉ははぐらかすように首を振った。
「そうそう、橘京子の目論見も、ある程度検討はついていたんですよ。しかし――」
 以下、古泉のイイワケが延々続いたので割愛させてもらおう。
 「よもや市内探索の日とブッキングさせるとは」とか、「おかげで僕の身動きが」とか、清涼スマイルで誤魔化し続ける古泉を見ているのには薄情な楽しみがあったけどな。

 つうわけで、結果だけ見れば世界は元通りになった。
 これが既定事項だったのかどうかなんて考えたくもないが、果たしてあのまま佐々木が世界改変を成功させていたらどうなっていたのか、時々考えては寝つきが悪くなる微妙な年頃だ。
「あんた。罰ゲーム三十連発を裸一貫で受ける覚悟はできてるんでしょうね?」
 放課後、ハルヒが団長机の三角錐をかったんかったん揺らしながら俺に詰問する。
 喜怒哀楽をまとめて百倍濃縮還元したような表情が浮かんで、俺にはそれが死刑執行人が鎌を研磨する姿に見えなくもない。俺は生唾を飲み下した。
「すみませんでした。マジすまねえ。心より陳謝いたします。今後は一切このようなことがないように」
「謝罪は一言にまとめなさい。そうすれば三十から二十九連発にオマケしてあげてもいいわ。あたしはこれでも物の解ってる団長だから。談合には一切応じないけどね」
 二十九も三十も大差ないわけだが。そんなことを口にしたら即刻ダブルアップで罰則数を倍にされかねない。俺は口のファスナーを厳重に閉じて、不思議そうな顔の朝比奈さんに今際の笑顔を向けた。

 数日後の夜。自宅。
『それは難儀だったね。申し訳ないが傍目には傑作だ』
 電話越しに佐々木のクスクス笑いが漏れる。
「おかげで破産しそうだし、間違いなく身体のどっかがイカレる気がする。何か対応策はないか、友よ」
『そうだねえ。……僕が同行して涼宮さんを説得するくらいしか思い浮かばないな』
 受話器の向こうで、佐々木が悪戯っぽい笑みを浮かべている光景を幻視しつつ、俺は溜飲を下げた。どうやら俺は生まれつきイジり倒される宿命にあるらしい。
 ハルヒや佐々木の他に神的存在がいるんだとしたら、それこそそいつに談合したい心境だ。
 俺と佐々木はしばらくの間、電話越しにあれやこれやと他愛ない話をした。
 やがて、
『さてと、そろそろ切るよ。また今度』
「ん。そうか。それじゃな。次に無事五体満足で会えることを願うぜ」
 佐々木の小さな笑い声を聞き届けつつ、俺は受話器を置いた。
 閉鎖空間から帰ってきて以来、こうしてたまに佐々木と電話するのが習慣になりつつある。
 佐々木のほうは「あの時」の主張を話題に上げないものの、俺も佐々木もあれ以来何か共通の認識を持ちつつあるらしいことは、漠然と感じている変化のひとつだ。
 それがまた今後何かしらのトラブルを生むんだとして、仮に俺がまるっきり対処できないような事態に陥ったんだとしても――俺は最後の最後までもがき続けてやるつもりだ。
 SOS団も、佐々木との友人関係も、橘京子ら「敵」役とのムードもひっくるめてな。問題を起こしたければいつでもかかってくればいい。何度でも相手になってやる。
「…………」
 ああ、そうだ。
 そういや今回朝比奈さんがまったくといっていいほど危機の警報を発していなかったな。
222名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:01:43 ID:TXRQRm/u
 などと思っていたら、先日下駄箱にこんな手紙が入っていた。

  ごめんなさい。うかつでした。
  そこにいるあたしも、ここにいるわたしも、色々と立て込んでいて、あなたを助けに行くことができませんでした。本当にごめんなさい。
  また今度、ちゃんと会ってお話ししましょう。
   朝比奈みくる

「……」
 俺は、「会ってお話しする日」とやらが、ハルヒの罰ゲーム執行日や、佐々木と出かける日、長門と図書館に行く日、ひいては古泉が連珠十連敗記念に俺に奢ってくれる日、
その他臨時で入りそうな諸々の予定と被らないことを祈りつつ、手紙を封筒に戻し、鞄にしまった。
 例の決まり文句を言いながら、な。

 (了)
223名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:02:28 ID:TXRQRm/u
以上です。
224名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:07:00 ID:F8IsZsT0
乙。

キャラも良く立ってるし、佐々木が独白するクライマックスはなかなか盛り上がってる。
個人的にはきょこたんをMVPに推したい。
かなり面白かったと思うんだが、要所要所で展開を端折ってる感じがするのが難だったかな。
特にラストの端折りっぷりはちょっとヒドい。
225名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:11:21 ID:Fx5nEqYx
リアルタイムで読めた。

橘と佐々木好きな俺にはたまらんわ。
GJ
226名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:25:45 ID:LKDc2Xjn
これはイイな。
端折りぶりは俺的にはアリだな。
しかし驚愕をすっ飛ばしたあとの話のハズなのに違和感が少ない。
面白かった。それだけに長門有紀の誤字が痛い。
GJでした。
227名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 23:57:40 ID:qBoPWmRy
この作品はGJなんだが、みくるのやつはどうなった。エロが読みたくてここに来ているのに
228名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 00:21:13 ID:wCFdrQz8
ながるん仕事しろwwww
229名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 06:15:13 ID:o95z49n7
最後酷すぎてなんかすげえ悔しいのだが
途中まで悪くなかっただけに「金返せ!」みたいな気分になったというか
230名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 08:22:05 ID:DiYyjCrZ
>>222
快作乙!!
231名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 09:38:11 ID:PBwbe2iM
ながるんはやく驚愕し上げろよwwww
232名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 10:56:47 ID:Xwq0j4Ju
最後はこう、もうちょっとなんとかして欲しかったなw
締めの部分というよりかは、新川さんが再登場するあたりからやばいことになってる。
佐々木のフォローとかもほとんど無いし、どうも台無しになっちゃってるぜ
233名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 13:14:41 ID:3jxB0i2Z
>>229
ただで読ませてもらってるんだから
そこは「金返せ!」より「もったいない」だろw
234キャン ◆7m8Z7r1tVo :2008/04/13(日) 21:31:08 ID:AmVxwBqh
続きは製品版で(笑)
ウソです、他の方々の作品をみてやる気消失しますた
続きはあなたたちのご想像にお任せします 続きを書きたい方はどうぞご自由に
235名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:02:52 ID:mPYApAdg
>>234
ふざけるな!驚愕出せ谷川
236名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 22:05:38 ID:MAGUf0ua
>>235
…糞コテ相手に何言ってんだ?
君、頭大丈夫?

パパとママの愛情が足りなかったのかい?
237名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 00:16:06 ID:EEW5LqGw
キョン子話どなたかお願いします><
238名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 05:55:15 ID:AdEevUqa
マジレスするとここは相当厳しいから辞めておいた方が良いよ
フルボッコにされるから
239名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 10:12:40 ID:VmFLHw7f
続きって、続き書けるようなモノ何か一つでも書いたか?
240名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 15:45:49 ID:/lHvnCV5
そのコピペ飽きた
過去ログ読め
241名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 21:19:48 ID:9PogJH7F
>>239
ながるん仕事しろ(笑)
242名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 00:21:31 ID:pY38kn6e
谷川ナガルの逆切
243名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 00:29:39 ID:GmHw+zYS
某所でキョンの本名が「貴洋」って推測されててすげー納得した
244名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 00:47:51 ID:uZRcUxPL
>>243
貴洋→きよう→キョンか。
俺は京(けい)→キョウ→キョンってのが一番納得した。

どうでもいいか。
245名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 00:48:00 ID:UB/qxRPb
文字面から考えつくようなモンじゃないらしいから、十中八九違うと思うが。
246名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 00:52:26 ID:wrLUSdUe
>>244
京だと燃えたろ?の人しか思い浮かばねえw
247名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 01:13:15 ID:uZRcUxPL
そういえばこんなことも聞いたことあるな。

朝→朝比奈みくる
倉→?
涼→涼宮ハルヒ
子(古)→古泉一樹

だから倉には新キャラが入るんじゃないかと思うんだ。
248名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 03:05:19 ID:AI2wQ6Tg
キョンの本名は「慧」って説も聞いた事ある。
漢字をばらして縦読みして

キキ

ん(心)

だったか。
249名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 07:34:19 ID:RRe7ssrX
すげー昔だな、その名前予想の話。
250名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 10:52:49 ID:Y6I0C+86
>>247
倉はキョンの名前に入ってるのでは?
251名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 16:04:45 ID:uPFZRlE2
>>250
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、驚愕でそれを言い出さなくても9年後あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
252名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 16:09:15 ID:FdwcDEVU
そのコピペ飽きた
過去ログ読め
253名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 17:43:46 ID:npEKZRTv
>>252
…糞コテ相手に何言ってんだ?
君、頭大丈夫?

パパとママの愛情が足りなかったのかい?
254名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 17:45:02 ID:TDZ3y2hN
極少数が不毛な荒らしをしてるように見えるな。
255名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 18:01:52 ID:Y6I0C+86
定番のコピペが急に増えたなー
256名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 21:53:08 ID:KofgSXCB
>>109
学校の二次作品て他にもあるの? あまり頻繁に見てるわけじゃないけど見かけた記憶がない…orz
257名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 22:10:06 ID:rBQSSgCf
>>256
極少数が不毛な荒らしをしてるように見えるな。
258名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 22:42:05 ID:Y6I0C+86
>>256
保管庫のSSの題名の右に(学校を出よう)と書いているのが学校SS、(電撃イージス)と書いているのはイージスSS
259名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 22:51:26 ID:TDZ3y2hN
保管庫の番号見たら18あるな。クロス含めればもすこしいくはず。
260名無しさん@ピンキー:2008/04/15(火) 23:11:38 ID:WqE6ksyb
なんか最近のコピペを張りまくる流れを見てるとさ。


脳かどっかに障害のある子供がアリアハンの周りで延々スライムを狩り続けてレベル99にする
みたいなコピペを思い出すわ。
はたから見たらつまらんことでもコピペ厨にとっては唯一楽しいことなのかも?
とか思うと、なんか可哀相に思えてきた。
261名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 00:21:46 ID:tuoGS6wb
わざわざコピペネタを増やすようなことを
262名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 04:26:14 ID:rfZZhfgV
なんか最近のコピペを張りまくる流れを見てるとさ。


脳かどっかに障害のある子供がアリアハンの周りで延々スライムを狩り続けてレベル99にする
みたいなコピペを思い出すわ。
はたから見たらつまらんことでもコピペ厨にとっては唯一楽しいことなのかも?
とか思うと、なんか可哀相に思えてきた。
263名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 14:41:20 ID:msf+qEwS
つスルー
264名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 15:40:47 ID:30sTI6E0
極少数が不毛な荒らしをしてるように見えるな。
265名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 16:12:44 ID:MAIjcSlM
コピペネタを増やしてやれば、逆に焦点がボヤけて存在感が薄れるかも知れないな。
266名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 17:10:16 ID:kJ0YXi7G
>>265
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
267名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 20:57:26 ID:CdZHa0xo
持ってくるコピペが上手いよな。
268名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 21:39:00 ID:t5PMXZTP
100%釣りだな…
どうしようもねえ
269名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:15:31 ID:1B7WCS9d
荒れているな……
270名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:17:14 ID:lATxgeSU
書き込みテスト
271一期一会:2008/04/16(水) 22:21:35 ID:lATxgeSU
投下します。
272一期一会:2008/04/16(水) 22:25:41 ID:lATxgeSU
 季節は新春。といってもまだまだ冬と言った方がちょうど良い季候であり、シャミセンも夜中に俺の布団に
潜り込んでくるのを辞めない時期である。学校生活的な表現をすれば、ちょうど三学期に突入したばかりだ。
 一年の入学式、ハルヒの奇っ怪な自己紹介から始まった非現実的な日常生活も二年に進級してからも延々と続きつつ、
それをいつの間にやら満喫していた俺ではあったわけだが、さてさて、そんな非日常生活も二学期中に
文化大革命を赤ん坊に理解させるほどに困難で面倒で複雑な事件で大きな山場を迎えたようで、
冬休みから三学期は現在のところぼちぼち落ち着いた生活が続いている。
 もちろん俺たちSOS団は今日も変わらずに通常運営中であり、ハルヒはぼけーっとネットの海にダイブ中、
朝比奈さんは買ってきた新しいお茶をいかに美味しく作るかポットに温度計を突っ込んだりして熱心に研究中、
長門は相変わらず読書していて、俺と古泉はコンピ研からゲットしたノートPCでこれまたコンピ研制作のゲームの
ネット対戦で暇を潰している。
 しかし。
 宇宙的・未来的・超能力的ではないが、俺たちSOS団に重要な変化をもたらす日が近づきつつあった。
 
 ……それは朝比奈さんの卒業である。
 
◇◇◇◇
 
「みんな集まっているわね。今日はコロンブスの西インド諸島到達よりも重要なことの発表する予定だったから、
いなかったら一週間空気椅子で活動参加強制の刑に処するところだったのよ」
 三学期に入って数日経ったある日。SOS団のミーティングにハルヒがまた何やら思いついたらしい。
俺たちを集めて腕を組み、あの実に純粋で100Wの笑顔を振りまいていた。それはさておき、そういう重要な発表があるなら
事前に言っておいてほしいものだと常々思うぞ。
 そんな俺の心の中の不満を知ることもなく、ハルヒは続ける。
「SOS団にとって絶対に外せないイベントがあることがわかったのよ。これをやらない手はないわ」
「何だ、朝比奈さんの卒業か? それは確かにパーティーの一つもやりたい気分だが」
 俺の言葉に、ハルヒはあごに手を当てて、
「そっちじゃないわよ。それについては今じっくりと準備中だから。今はそれよりも重要なことができたの。
ほら、これを見なさい」
 ハルヒが一枚のチラシっぽい紙を差し出してきた。机の上に置かれたそれは一枚しかないので、逆さまの状態で
その内容を何とか読んでみたところ、
「……卒業式の歌を募集? by生徒会」
 端的に言うとそんな内容だった。なんだこりゃ、卒業式と言ったら蛍の光とか校歌の合唱とかだろ。
それをまさか生徒たちが作った歌に置き換えようってのか。
「生徒会長の置きみやげですよ。今年の二学期からこの計画を立てて教師側へのアプローチをかけていましたからね」
「何だ、またお前らの差し金か」
 古泉の話に、俺はやれやれと肩をすくめる。大方ハルヒが退屈しないように、生徒会選挙で交代する前に、
卒業式に向けたイベントを仕込んでおいたってことだろう。朝比奈さんの卒業とも関係しているのか?
 ハルヒは胸を張って、
「これはチャンスよ! この卒業式の歌をSOS団が作ったとなれば、学校中に与える印象は最大。その影響は計り知れないわ。
というわけで、やるわよ! この卒業歌作りを!」
「……本気か?」
「もちのろんよ」
 どうやらハルヒは本気らしい。ん、だがこの歌は卒業生が作ることになっていないか? お前まだ二年だから参加資格無いだろ。
内容を見る限り、卒業生の歌って感じで行くようだし。
 ちっちっちとハルヒは指を振って、
「だからこそみくるちゃんが必要なのよ。卒業生だし、資格は大丈夫でしょ? もちろんSOS団全面協力ってことで行けば、
万事問題なし。障害も何もなく、卒業歌が作れるってモンだわ」
 偽造かよ。確かに朝比奈さんは卒業生だが、実態は絶対にお前が99%作った物になるじゃねえか。
そんな名義貸しみたいなマネを朝比奈さんもOKするわけが――朝比奈さん、聞いていますか?
「……え、あ、はい」
 朝比奈さんはどこか憂鬱そうな表情でハルヒの話を聞いていた。俺の呼びかけにも上の空で答えている。
昨日までと比べて今日の彼女はどうも様子がおかしい。
 当然、これにハルヒが気がつかないわけがない。
「ちょっとみくるちゃんどうしたのよ。体調が悪いなら保健室行く?」
「……いえ、大丈夫です」
 朝比奈さんの答えからはどうみても大丈夫そうには見えない。本当に気分でも悪いのだろうか。しかし、ぱっとみたところ、
顔色など変調を示すサインは見えないが……
273名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:31:35 ID:vdXA3mnS
 ハルヒはさらにぐっと朝比奈さんに顔を近づけると、
「ダメよ。キョンみたいなぼけっとしたタイプならそれでごまかされるかも知れないけど、あたしは納得しないわ。
いい? 悩み事とかがあるなら相談に乗るわよ。団長なんだから団員の悩みを解決するのは当然。みくるちゃんの悩みは
あたしの悩みだと思って欲しいんだからね」
「…………」
 その言葉に朝比奈さんはすっと落としていた視線をさらに下に落とした。
 ――しばらく気まずい沈黙が流れる。
 やがて、朝比奈さんは意を決したようにゆっくりと立ち上がり、
「実はみなさんに言わなければならないことがあります……」
 ただならぬ雰囲気にハルヒも一歩身を引いて耳を傾けた。俺と古泉はもちろん、長門も読書を止めてじっと朝比奈さんを見つめている。
 しばらく彼女は喉元につっかえている言葉をひねり出そうと首を数度振ってから、
「あの……もうすぐ卒業式です。あたしはそれで卒業になります」
「知っているわよ。でも、別に永遠の別れじゃないでしょ? 安心しなさい。平日は難しくても休日の不思議探索にはきちんと――」
「そうじゃないんです」
 朝比奈さんはハルヒの言葉を静止して、少し強い口調で言った。
「あたし、卒業したら……その遠くに行くことになっているんです。きっと二度とみなさんとお会いすることが
出来なくなると思っています。大学にも行けないから受験もしません。卒業したらそれっきりになると……」
 その言葉にハルヒは愕然と絶望に染まった顔を浮かべた。同時に俺は驚きと同時に何で気がつかなかったと後悔の念がわき出る。
 朝比奈さんは未来人でハルヒの監視係だ。卒業してしまえば、常にハルヒのそばにいることは物理的に難しくなる。
落第すれば同学年になることも可能だろうが、それでは周囲から奇異の目で見られてしまうだろう。
 そう考えれば自ずと結論が出る。朝比奈さんは卒業とと同時に任務終了。となると朝比奈さんがこの時代に行く必要が無くなるため、
未来に帰ると言うことになる。ハルヒの監視係については、ひょっとしたら後任が俺たちが三年になったら
転校してきたりするかも知れない。
 周りを見れば、古泉は悲しげな瞳でうつむき、長門はただじっと朝比奈さんを見ていた。
 ハルヒは即座に納得できないと朝比奈さんの肩をつかむと、
「何で!? おかしいじゃない! 例え外国に行っても会うことは可能のはずよ。二度と会えない場所なんてあるわけがない!
ひょっとして誰かにSOS団に会うことを禁じられようとしているの? それなら即座にそいつを教えて!
今から行ってバッキバキにしてやるんだから!」
 事情を知らないハルヒの反応は自然だろう。外国でも電話や手紙でやり取りが続けられるし、インターネットが発達した現代なら
ビデオチャットでその姿を伝えることだって容易だ。
 しかし、朝比奈さんが行ってしまうのは未来だ。おまけに朝比奈さんの意思ではこの時代との行き来も出来ない。
未来側が許可を出せば可能だが、SOS団に参加したいからなんていう理由で通る可能性は皆無だ。
「みくるちゃん! 答えてみくるちゃん!」
「…………」
 納得しようのないハルヒは肩を揺さぶって問い詰めるが、朝比奈さんは視線を落としたまま沈黙を続けていた。
言いたくても言えないのだろう。禁則事項ってやつか。
 見かねた俺はハルヒのセーラ服の襟首をつかんで強引に朝比奈さんから引き離し、
「いい加減にしろ。朝比奈さんをあまり困らせるな」
「何よっ、あんたみくるちゃんがどっかに行っちゃって会えなくなっても良いの!?」
 ハルヒはそうつばを飛ばして抗議してくる。当然ながら朝比奈さんがいなくなるのは嫌だ。断固却下であり、言語道断。
絶対阻止してやりたいというのが本音になる。
 だが。
 朝比奈さんの立場を考えれば、やむえない。いつか来るとわかっていたという気持ちも俺の中にはあった。
いつか帰ることになるっていうのは朝比奈さん(大)と会っている俺からしてみれば、まさに既定事項だ。
 くそっ……やりきれねえ。
 俺はいらだつ自分の感情を抑えつつ、
「とにかくだ。朝比奈さんの事情も考えてやれ。人には言えないことは誰にでもあるだろ? それを無理やりほじくり返すのは
お前らしくないぞ」
「…………っ」
274一期一会:2008/04/16(水) 22:32:08 ID:vdXA3mnS
 ハルヒは苦渋のうめきを吐くと、自分の団長席に腕を組んで座ってしまった。その顔は納得したいがどうしてもできないという
自己矛盾から来る苛立ちからか、口をへの字に曲げて眉をひそめている。ついでに何かぼそぼそと不満を口にしているようだったが、
誰かに聞かせるつもりはないようでその内容を聞き取ることは出来なかった。
 一方の朝比奈さんは暗い表情のままじっとうつむいていたが、ハルヒが座ったのと同時に椅子に腰掛けた。顔はそのままの状態だったが。
 
 結局、その日の団活はふてくされたハルヒと暗い朝比奈さんという二つのダウナー要素を抱え、陰気な状態のまま終了した。
 
◇◇◇◇
 
 その日の放課後、とっとと帰ってしまったハルヒ、それに古泉と長門から隠れて、俺はこっそりと朝比奈さんを昇降口で待ち伏せていた。
大体の事情は推測できていたが、念のため確認しておく必要があると思ったからだ。
 着替えで遅れてきた朝比奈さんが昇降口にやって来たタイミングで、
「朝比奈さん」
 そう呼び止める。彼女は浮かない顔のままだった。
「……キョンくん」
「帰り、一緒にいいですか?」
 俺の言葉に朝比奈さんは黙ったまま頷いた。
 そのまま二人で校門から出て下校コースを歩き出す。冬至から二ヶ月近くたつというのに、まだまだ日が落ちるのは早く
SOS団活動が終わった頃には地平の境界にオレンジ色の帯を残すのみで、頭の上は深い青と星々の光が瞬いている。
 朝比奈さんは俺から切り出すのを待っているのだろうか、顔をうつむけたまま黙って足を進めていた。
 さて……そうなるとこっちから動くしかないか。
「朝比奈さん。質問いいですか? さっきの卒業後いなくなるっていう件についてです」
「あ……はい」
 こくりと朝比奈さん。俺は続ける。
「やっぱり未来からの指示なんですか? 卒業したらハルヒのそばにいられなくなるから、帰ってくるように命令が出ているとか」
「そうです。あたしの役目は涼宮さんの監視。でも、それももう終わり。だからこの時間平面にいる理由はなくなるから……」
 やっぱり俺の推測通りか。いつか来る日だとはわかっていたが、実際に来てしまうとこうも切なくなるものか。
俺の中ではそんな日は永遠に来なければいい――いや意図的にそのことを頭の中から排除していたのだろう。
 しかし、朝比奈さんに背負わされた責務はまだあった。
「あと、もう一つ未来からの命令があるんです。それは涼宮さんにあたしがいなくなることを納得させろということ。
詳しくは禁則事項で話せないし、あたしも全部は聞いていないからわからないけど、涼宮さんがあたしにこだわり続けると
何か問題が起きるみたい」
 朝比奈さんの口調はどこまでもダウナーだった。
 なんてことを朝比奈さんに命令しやがるんだ、未来人の連中ってのは。あの傍若無人ハルヒを納得させろなんて無茶にもほどがある。
朝比奈さん(大)の仕業か? いや、彼女ならハルヒがどんな人物だろうか理解しているはずだから、
もっと偉いところからの指令かもしれん。
 しかし、ハルヒが朝比奈さんを引き留めると困るっていうのはなんだ? そりゃ、確かに任務引き上げを妨害されたくはないだろうが、
未来に帰ることをハルヒが阻止できるとは思えない。朝比奈さんが未来人であるという認識はハルヒにはないんだから。
 いや――待てよ? ハルヒが未来に帰らせないと考えることはなくても、ずっとそばにいろと願う可能性はあるな。
そうなると、あの変態パワーとやらが発動してやっぱり阻止できてしまうんだろうか。ううむ、その辺りはよくわからん。
古泉がいたら解説してほしい気分だぜ。
 朝比奈さんは頷きつつ、
「きっとそうだと思います。涼宮さんが時間平面に悪影響を及ぼすかもしれないことを恐れている。だから、あたしは涼宮さんに
納得してもらうように努力するしか……」
 そこで言葉が詰まってしまったのか、それ以上口を開くことはなかった。
 言葉は淡々としているように見えたが、やはりどこか無理しているように感じた。朝比奈さんもやっぱり帰るのには
抵抗があるのかもしれない。一時帰省とかなら何のわだかまりもないんだろうが、永久に会えないとかでは、
死んでしまったのと同じだからな。
 ――もっとも朝比奈さん(大)がこの時代にたびたび出現していることを考えると、永久に会えないっていうのはちょっと違うが。
 
275一期一会:2008/04/16(水) 22:32:48 ID:vdXA3mnS
 その後、俺たちはそれぞれの帰路につくために別れた。結局最後まで朝比奈さんはうつむいたままだった。
 一人ですっかり薄暗くなった歩道を歩きながら、俺は夜空を見上げる。いつもと同じように星々が輝き、月明かりが俺を照らす。
俺にとってのSOS団は変わらない夜空みたいなものだった。それがある日突然ひときわ大きい星が一つ消えてしまおうとしている。
それが俺にとってどれだけの変化をもたらすのか。はっきり言って考えたくもなかった。
 
 しかし。
 事態はそれだけではすまなかった……
 
◇◇◇◇
 
 翌日。登校した俺を教室で待ちかまえていたのは、決意の表情を浮かべたハルヒだった。
「昨日一晩考えたんだけどさ、とりあえずみくるちゃんと会えなくなるってのは保留にしておくことにしたわ。
理由を聞くのも野暮ったいし、なんかやらしい気もするし。けどどのみちみくるちゃんが卒業しちゃうっていうのと、
遠くに行っちゃうっていうのは事実。あたしたちはそれをふまえた上で行動しなきゃならないと思うのよ」
 俺が席に着くなり、ハルヒは一方的に捲し立て始める。やれやれ、この様子じゃ諦めるなんてほど遠いようだ。
 そんなことを考えつつ、
「で、いったい今度は何をやらかそうってんだ?」
「まずはみくるちゃんを見送る会を開催するつもりよ。もちろん、全校生徒に告知した上でね。でもみくるちゃん引っ込み思案だから、
せいぜいコスプレ握手会ぐらいが限界か。まあそれでも一人500円はかっさらえそうね」
「また金取るつもりかよ。悪徳プロデューサーか、お前は」
 ハルヒはちっちっちと指を振り、
「何言ってんのよ。みくるちゃんはSOS団団員であり、本来はあの萌の固まりを拝めるのは団員だけの特権なのよ。
それを関わりも何にもない一般人に開放するって言うんだから、その視聴代の徴収は当たり前だわ。
キョン、あんただって普段は鼻の下のばしてぼけーっとみくるちゃんを見ているけど、SOS団に入っていなかったら
今頃数十万ぐらいの代金を請求しているところなんだからね」
 つばを飛ばして力説しまくるハルヒ。わかったわかった。とりあえず、朝比奈さんを泣かせない程度にやってくれ。
ついでに公的権力(教師)に連行されないようにな。恐らく――これは俺の推測だが、朝比奈さんはそれを拒むことはないだろう。
ハルヒに自分がこの時代から去ることを納得させるためには好き放題やらせておいた方がいいだろうから。
まあ、今までもなんだかんだでいろんなことをハルヒに引っ張られてやらされてしまっていたんだけどな。
「で、それはいつやるつもりなんだ?」
「詳しくは放課後のミーティングで内容を詰めるつもりだけど、善は急げよ。できるだけ早くやるわ。あまり日も残っていないから
ちゃっちゃと進めないとね。イベントの内容、衣装の選定・試着……やることは山積みなんだから、あんたもせっせと働いてもらうわよ」
 俺はここで昨日の話をふと思い出し、
「昨日話していた卒業歌の制作はどうするんだよ? そっちはやめにするのか? 募集の終了は卒業式の練習を考えて、
確かバレンタインデーぐらいじゃなかったか?」
「そっちも進めるわよ。もちろんみくるちゃん主導でね。たぶん不器用なところがあるから作曲は無理でしょうけど、
作詞ぐらいなら何とかなるはずだわ。曲の方はあたしが軽音楽部に行って作るつもり。歌詞を作ってからになるでしょうけどね」
 こりゃ年末進行ならぬ、年度末進行でえらい忙しい三学期になりそうだ。
 
 そんなわけで数日後の放課後。ハルヒは中庭に無断特設ブースを開設し、そこで朝比奈さんのコスプレ握手会を開いていた。
ビラや伝聞で集まった暇人男子生徒たちが、生者に群がるバタリアンのようにわらわらと群がって朝比奈さんを見つめていた。
 その中、朝比奈さんは困った顔をしつつも、一心不乱に握手を続け、ハルヒは無断撮影を厳しく取り締まったり、
衣装チェンジのタイミングを計ったりと進行役に徹していた。一方、俺は観客誘導をやらされ、手を振って列を先導している。
長門と古泉は朝比奈さんグッズと称したものの販売をやらされていた。
 やれやれ、本当にこの数日でイベントを立案・企画・運営・実施までやっちまうんだからハルヒの能力もたいしたモンだ。
「よっ、キョン」
「やあ大盛況だね」
 ふと声をかけられ振り返れば、そこには谷口と国木田の姿が。なんだお前らまで来たのかよ。
276一期一会:2008/04/16(水) 22:33:25 ID:vdXA3mnS
「当たり前じゃねーか。涼宮の懐に金を投げ込むって言うのはいささか気が引けるところはあるがよぉ、あの美貌の女神、
朝比奈さんともうすぐお別れなんだぜ? 最後に握手ぐらいしておいていたいじゃねーか」
「僕もせっかくだし、これが最後のチャンスだと思ったから」
 そう谷口と国木田。全くどいつもこいつも朝比奈さんに鼻を伸ばしたみっともない下心丸出しの顔を見せやがって。
まあ、思わず顔がゆるんでしまう気持ちはわからんでもないが。
 二人を列に並ばせると、俺は再び列の誘導を始めた。ふと、イベントの人だかりが視界に入ったときに――何とも言い表せない
違和感を覚えた。何だ? なんかが引っかかる……
 その違和感の正体を突き止めたのは、握手を求める男子生徒の半分ぐらいを裁けた辺りだったときにやってきたハルヒだった。
新しい衣装チェンジをすませてしばらくブースから離れられる余裕ができたらしい。監視係は古泉が変わって実施している。
「ちょっとキョン」
「何だよ?」
「あんた、ちゃんの事前のビラ配りやったんでしょうね? まさか途中でめんどくさくなって焼却炉に放り込んだりしたなら、
今すぐ白状しなさい。ええ、今ならみくるちゃんの握手会が終わったら、あんたの公開火あぶりショーをするぐらいですませてあげるから」
 なにが火あぶりぐらいだ。そんな中世の魔女狩り裁判みたいなイベントをやる気なら、俺は今すぐここから逃走させてもらうぞ。
それはさておき、ビラ配りならお前の貸したむちゃくちゃなノルマをきっかりとこなしたから、そんなことはやってない。
そもそも朝比奈さんの写真が載っているものを、破いたりくしゃくしゃにしたり折りたたむだけでも心が痛むというのに、
煉獄の炎の中に放り込むなんていう残虐きわまりない行為ができてたまるか。それをしたくがない故に必死扱いて、
全部のビラを手渡しで巻いてきたんだから。
 俺の反論に、ハルヒはうーむとあごに手を当てて不審な表情を続けている。
「何だよ、なんかおかしなことでもあったのか?」
「あんた気がついていないの? 古泉くんも有希もみくるちゃんも気がついていたわよ」
 そうハルヒは朝比奈さんに群がる連中を指さす。
 いや確かに違和感なら感じているさ。その正体がつかめないだけだ。せっかくだから教えてくれ。
 ハルヒは心底あきれた表情を浮かべつつ、
「少ないのよ。明らかに人が」
「なに?」
 俺は頭の上にクエスチョンマークを浮かべ、もう一度群衆を眺めてみた。同時に記憶上過去の同様のイベントの光景と重ねてみる。
 …………
 確かにハルヒの言うとおり少ない。いつもはこんなモンじゃなかったはずだ。この2〜3倍の人を動員できるだけの魅力を
朝比奈さんは持っているし、実際にそれだけの人を集めていた。
 それが今回のイベントに限っては明らかに人が少ない。違和感の正体はそれか。
 ハルヒは怪訝な顔で、
「いるのは熱狂的なファンばかりよ。今までも真っ先にこういったイベントに駆けつけるような連中ばっかり。
普段はみくるちゃんのことを忘れていて、ビラを見て思い出してきたようなニワカはまるっきりいないわ。
あんたがきちんと宣伝していなかったと疑いたくなるってモンよ」
 しかし、異常事態とまでは言えないんじゃないか? 三年は受験を控えているからな。今日はまだまだ北風が身に厳しいことも考え、
興味本位の人間の集まりが悪かっただけかもしれん。
「だといいんだけど……なんかね」
 ハルヒの第六感はどうも俺のように楽観的な推測を導き出していないようだ。こいつの勘は恐ろしいものがあるからな。
俺には感じられないような臭いをかぎつけているんだろうか。
 ――結局、そのまま違和感がとれることなくイベントは終了した。
 
◇◇◇◇
 
 イベントが終わってからは卒業歌制作が本格的に始まった。予定通り朝比奈さんが作詞(ただしハルヒの監修付き)で
作曲はハルヒ(軽音楽部の協力は了承済み)で事を進めていく。
 そんな感じの日が数日続いたわけだが、いきなり作詞をやれと言われても朝比奈さんには酷すぎる話で、
「ダメよダメダメ。こんなんじゃ入選どころじゃないわ。歌詞も平凡で、どうみても仰げば尊しのパクリじゃない。
こないだは蛍の光だったし、もっとちゃんと考えないとダメなんだからね。そんなわけでこれは没。やり直しよ」
「ふえー」
277一期一会:2008/04/16(水) 22:33:40 ID:vdXA3mnS
 いつぞやの文芸部機関誌制作の時の状態になってしまっている。しかも、適当な話を書けばいいわけではなく、
なんというかこう歌詞って言うのはもっといろいろな要素が詰まっていないといけないだろうから、
昨日始めて今日できるようになりました〜ってことはまず不可能だろう。
 結局プロデューサーハルヒにだめ出しを食らってしまった朝比奈さんは鉛筆片手にルーズリーフと涙目でにらめっこを再開した。
あまりの痛々しさに、同情心を超えて抱きしめて差し上げたくなるよ、全く。
 しかし、苦労はしているものの朝比奈さんは卒業歌制作の主導的役割を担うことに対して、ほとんど否定的な反応を示さなかった。
恐らく卒業までに二度と会えなくなるということをハルヒに受け入れさせるために、できるだけ言うことを聞いておこうと
考えているんだろう。全く考えれば考えるほど、朝比奈さんには酷な仕事だ。
 と、ここでハルヒが席を立ち上がり、
「あたし、ちょっと用事があるから外に出てくる」
「なんだ。また軽音楽部との打ち合わせか? あんまり押しかけて向こうの活動の邪魔をするのはよくないと思うが」
 最近ハルヒは頻繁に軽音楽部に出入りしている。朝比奈さんの歌詞がなかなかできないために、その間にある程度作曲のノウハウを
つかんでおこうという魂胆らしい。
 しかし、ハルヒは首を振ると、
「違うわよ。そっちに関してはもう大体やることはわかったし、今はみくるちゃんの歌詞ができるのを待つだけの状態。
別件でちょっと気になることがあってね……」
 そう意味深なことを言うと、部室から出て行ってしまった。別件? また俺たちに内緒で得体のことを企んでいるんじゃないだろうな?
 ここで古泉が俺の表情から内心を読み取ったのか、
「涼宮さんのことでしたらご心配なく。特にイベントなどを企画している予兆はありません。なにやら学校中の生徒に
朝比奈さんのことを聞いて回っているみたいですが、詳細はいずれ本人の口から語られるのではないでしょうか」
「……何事もなければいいんだがな」
 俺は見送る会から続いている違和感も重なり、妙なもやもや感が抜けきらない状態だった。
 
 翌日の昼休み、今日もあの別件とやらだろうか昼飯を食い終えるととっとと教室から出て行ってしまったハルヒを尻目に、
谷口・国木田コンビと弁当を食っていた。
「最近昼休みに涼宮の姿をあまり見かけないが、お前らまたなんか企んでいるのか?」
「知らん。俺はあいつのSPでも何でもないんだから逐一行動を把握している訳じゃないからな。そもそも縄をくくりつけておいても、
それをくぐり抜けて突っ走るよう奴の行動なんて把握しようがない。鈴をつけてもすぐにはぎ取るだろうよ」
 谷口の指摘に、俺の反論。どうもハルヒと行動をともにしている機会が多いせいか、何でもかんでもハルヒの行動について
俺に聞いてくる奴が多くて困る。直接本人に聞けよと言いたい。一方で聞かれてもどうせあいつは答えないだろうがとも考えてしまうが。
 ここで国木田が、
「でも、涼宮さんも以前に比べると大人しくなったんじゃない? 入学した早々バニーガールになったりといろいろやらかしてきたけど、
最近はそういったこともあまり見かけなくなったよね」
 まあハルヒはSOS団内での活動で満足することが多くなったからな。古泉が退屈しないようにサプライズイベントも
たまに仕掛けたりしているし、無差別大暴れは以前ほどなりを潜めているかもしれん――って、
「こないだ朝比奈さんを見送る会っていうイベントを起こしたばっかりだったじゃないか。結局あいつの行動力は変わっていないんだから、
気分次第ってことだろうな」
「見送る会? なんだそりゃ。知らん間にそんなばかげたことをまたやっていたのかよー」
 谷口は別に深い意味で言った訳ではなかっただろう。しかし、即座に――そして、自然に返されたその言葉は、
まるでボクシングの伝説のカウンターのように俺の脳天を激しく揺さぶった。全身から音を立てて血の気が引き、
ぞっとするとはまさにこのことだろうと思うほどに冷や汗が吹き出る。
 俺はしばらく弁当箱のエビフライを箸でつかんだまま思考停止したのちに、谷口へ確認する。
「何言ってんだよ。お前と国木田も来ていただろ? ほらにやけ面で朝比奈さんと握手していたじゃないか」
「……あ? いやそんなことをした憶えはねーんだけど。なあ国木田」
「うん、僕もそんな催しに参加した記憶はないね」
278一期一会:2008/04/16(水) 22:34:29 ID:vdXA3mnS
 ……二人とも何言っていやがるんだ? なんだ、俺を驚かせるためにタッグを組んでからかっているのか?
だとしたら、朝比奈さんの今後を知っている俺には少々冗談の域を超えているぞ、そのボケは。
 しかし、谷口の次の言葉はさらなる追い打ち――いや、急所をえぐるクリティカルヒットだった。
「大体、朝比奈って誰だよ。そんな名前聞いたこともないぞ」
 谷口の言葉。国木田もうんうんと頷く。
 ……おいちょっと待てよ。
 朝比奈さんだぞ? お前ら二人がみっともない下心満載なツラで見ていた女性だぞ?
 こないだの見送る会だって握手していたじゃないか。
 その前の文化祭だって焼きそば食ったりしただろ?
 映画だって撮ったりしたじゃないか。谷口なんて池に一緒に落ちているし。
 さすがにその冗談は笑えねえ。
 俺は思わず机を軽くたたくと、
「おい、お前ら何を企んでいるのか知らないが、さすがに冗談が過ぎるぞ。朝比奈さんはもうすぐ卒業するんだ。
そんな日が近づいているのに、何のことだかわからないとかいたずらにしては悪質すぎる」
 少々きつめの口調で言ったものの、二人は俺の言っていることが全く理解できないらしい。不思議そうな顔でお互い確認しあっている。
 だが、二人の出した結論は、
「いやしらねーな。朝比奈だっけ? 名前も聞いたことねえし」
「僕も知らないや。涼宮さんの団体にいたのかい?」
 俺の心臓が激しく動作し始める。
 思わず俺は立ち上がり、
「何言っているんだ。朝比奈さんだよ! ずっと一緒にSOS団として活動してきたし、お前たちも何回も会っているんだ!
いい加減、目を覚ませ! 訳のわからないことを言っているんじゃねえ!」
「ちょ、ちょっとキョン落ち着いて……」
 頭に血が上った俺を国木田が制止してきた。何言ってやがる。やめるのはお前らの悪ふざけの方だ。さあ、早く言ってくれ。
冗談だった、ちょっとからかうだけだったってな。
 ――しかし、谷口の続けた言葉は俺にさらなる追い打ちをかけた。
「SOS団って、お前と涼宮と長門有希、あといけ好かない9組のイケメン野郎の4人でやっているはずじゃなかったのか?
俺の知らない間に新入部員でもいたのかよ」
 …………
 ……俺はもう何も言えなくなっていた。
 同時に弁当を放り出して教室から飛び出す。
 訳がわからねえ。まるで谷口と国木田から朝比奈さんの記憶がばっさりと切り捨てられてしまったみたいだ。
いや、記憶だけじゃない。ひょっとしたら何か状況や未来からの指令が急遽変更となって朝比奈さんはすでに未来へ――
 階段を駆け下り、三年の朝比奈さんの教室の前に立つ。
 そこで俺は一瞬ためらった。中をのぞいたとき、朝比奈さんがいなかったら? その時、俺はどうすればいいのか……
 …………
 …………
 …………
 ええい、こんなところでぼーっと突っ立っているのでは何も始まらん。
 俺は意を決して教室内をのぞき込む。内部を一通り見回すと――
「いた……」
 そこには弁当を食べている朝比奈さんの姿があった。俺はそれに心底安心し、大きなため息をついてしまう。
 よかった。いきなり予定繰り上げとかでいなくなったってわけじゃなさそうだ。
 しかし、だったらあの二人の頭の中から朝比奈さんのことがさっぱり消え失せているのはどういうことだ? 俺の知らないところで
また何かが始まっているということなのだろうか。
 ふと、教室内で弁当を食べている朝比奈さんにも違和感を憶えた。いつもは友達と和気藹々と食べているはずなのに、
今は教室の自席でぽつんと一人で寂しげに箸を進めているその姿に。
 
 その日の放課後、俺はその話をするべきか迷いつつ文芸部室に足を運んだわけだが、それはあっさりと解消された。
「みんなに話しておきたいことがあるの。まだ可能性だけで確定事項じゃないけど」
 掃除当番のため朝比奈さんがまだ来ていない部室でハルヒが話を始めた。ただならぬ剣幕に団員一同の空気が引き締まる。
ひょっとして……
279一期一会:2008/04/16(水) 22:34:58 ID:vdXA3mnS
 ハルヒが話し始めたのは、ここ数日走り回っていた別件についてだった。そして、それは俺の予想通り朝比奈さんについてのことだ。
「こないだの見送る会でちょっと気になっていたから独自に調査していたんだけどね、信じられないけどみくるちゃんの存在が
学校内から消えようとしているのよ。あたしの知る限り、みくるちゃんは学校内でもすごく人気があったから、
一年でも男子生徒は大半はその存在を知っていたはずよ。でも、ここ二日あちこちで全校生徒ランダムに聞いて回ってみたけど、
ほとんどが知らないって答える。あ、知っているって答えている奴もいたわ。昔からみくるちゃんの熱狂的なファンで、
SOS団主催イベントに真っ先に駆けつけるような連中ばっかりだけど。でも、そんな中でも問い詰めてやっと思い出す奴もいた。
これは絶対に何かおかしなことが起きているとあたしは考えている」
 やっぱりハルヒもそのことにとっくに気がついていたのか。まあ、見送る会の時にはすでに察知していたからな。
相変わらず恐ろしい勘と行動力だよ。
 これに古泉は目を丸くして、
「それは……ちょっと興味深い――いえ、別に好奇心をそそられるという意味ではなくネガティブな意味合いで
調査の必要を感じますね。あれだけの人気を誇っていたのに、ここしばらくでそれがあっという間にそれがなくなった。
考えられる理由としましては、その人気に嫉妬した者がデマを流して人気が低下したか、それ以上に興味を引かれる存在が
僕たちの知らない間に学校内で誕生していたのか――」
 その古泉の言葉の端々に俺は意図を感じ取っていた。朝比奈さんのことが忘れられつつあるという話だというのに、
いつの間にか人気がなくなっているというものにすり替えていたからだ。ハルヒの話を意図的に別の方向に持って行こうとしている。
どうやら古泉もそれについては知っていたか――あるいはハルヒにあまり悟られたくないことであると考えているのかもしれないな。
 だが、ポジティブ思考が基本のハルヒでも今回は相当深刻に受け止めているらしく、そんな誘導には引っかからず、
「古泉くん、それは違うわよ。まず悪い噂が流れているって言うなら、知らないとは答えないわ。そういうのは、良くも悪くも
記憶の中にきっちりと書き込まれているからね。あたしに聞かれたから意図的に知らないと答えているとも思えない。
直にあって聞いている時のそぶりからは、そんなものは感じられず本当にただ知らないだけっていう反応が多かった。
後者のみくるちゃん以上の人気者がいるっていうのも却下。そんな奴がいるならとっくにあたしたちの耳にも届いていなければ
おかしいじゃない。それとも古泉くんは何か心当たりのある人でもいるの?」
 ハルヒの反論に、古泉はしばし目をそらして考えてから、
「いえ……特に聞いたことはありませんね」
 ひょっとしたら、うまい具合にハルヒを誘導できていたら人気者をでっち上げるつもりだったのだろうか。
だが、鋭いハルヒの思考にどうやら白旗を揚げたらしい。
「有希はある?」
 念のためにという感じで、ハルヒは長門にも尋ねてみるが、首を数ミリ傾ける仕草を見せただけだった。
 それを知らないという意味でとったハルヒは、
「ね、これじゃ古泉くんのいう人気者の出現は考えられない。例えそんなのが現れても全校生徒からみくるちゃんの記憶が
さっぱり消えるわけでもないしね」
 ここで俺は谷口・国木田からも同様に朝比奈さんに関する記憶が消えていることをハルヒに告げようとして――古泉の視線に制止される。
それから読み止めるのは余計なことは言わないでください、だった。
 俺は一瞬口ごもり、古泉の進言を受け入れるか迷ったが、結局そのことを伝えるのはやめにする。これが偶然ではなく、
誰かが意図的にやっているというならそれはどう考えても未来人たちの仕業であり、これ以上ハルヒに詮索されると
面倒なことになることは確実だと判断したからだ。
 代わりに俺は、
「で、どうするつもりなんだ? 仮に本当に朝比奈さんのことがみんなから忘れられつつあるからといって、
どうすればいいのか皆目見当もつかないんだが」
「わかっているわよそんなこと。まだ確定だと思っていないから今日も調査してみるつもり。みくるちゃんにはあたしから話すから、
それまでみんなは黙っていてね。それで、本当に忘れ去られようとしているなら――」
 ハルヒはしばらく考えた後、
「……みくるちゃんに話した上で今後どうするのか決めるつもりよ」
 
◇◇◇◇
 
280一期一会:2008/04/16(水) 22:35:25 ID:vdXA3mnS
 その日の夜、俺はある一つやらなければならないことがあった。それは朝比奈さんに事の真相を問いただすこと。
とは言っても、いつも部室にいる愛らしい朝比奈さんではなく、朝比奈さん(大)の方にだ。
 卒業後、未来に帰る。二度と会えない。ここまでは今まで聞かされていたことから納得せざるを得なかった。
だが、朝比奈さんに関わる人間から彼女に関する記憶を消しているというのはどういうことだ? 何でそこまでする必要がある。
もっともそれが本当に未来人の仕業かどうかわからないから、それを確認しなければならない。
 俺は自室のベッドで寝っ転がりながら考えていた。さて、朝比奈さん(大)にどう接触――いや、呼び出そうか。
今までは向こうから一方的に指令書を渡してきたり、突然現れたりと一方通行状態だったからな。俺の方から会いたいといって
会えるようものなんだろうか。
 …………
 だが、考えていても始まらない。何か行動をしなければ。いっそここから未来の秘密を大声で叫んでみるか?
びっくりして止めにはいるかもしれない。あるいはハルヒに――
 ここでふと俺の部屋の扉を外側からひっかくような音が聞こえてきた。俺が扉を開けると、すぐにシャミセンが俺の部屋に入り、
ベッドの上に寝っ転がる。やれやれ、すっかり暖をとる場所になっちまっているな。
 ――とここで気がついた。シャミセンが何かを口にくわえている。それは名刺大ぐらいの小さな封筒だった。
 俺はシャミセンの背中をさすってやり、それを口から話させると、封筒を開けてみた。
「……さすが朝比奈さんといったところか」
 その中に入っていた手紙の内容に思わず言葉がこぼれた。
 
 すぐさま俺はコートを羽織って家の外に出た。そして、自転車をこぎ目的地である長門のマンションの近くにある公園に向かった。
あの手紙には朝比奈さん(大)から真相が知りたければ、すぐにそこに来るように書いてあったのだ。
全くこっちの行動はお見通しって訳か。さすが未来人。俺にとっては予知能力者とかわらん。
 数十分後、俺は公園にたどり着き適当なところに自転車を止める。みれば、薄暗い無人の公園で外灯により浮き上がったベンチに
一人の女性の姿があった。今日は寒いせいか、いつもより厚着の冬着の朝比奈さん(大)だ。
 俺がそこに近づくと、彼女は優雅な仕草で立ち上がり、
「こんばんわ、キョンくん」
 そう挨拶してきた。俺は適当にお辞儀して返し、
「……説明してくれるんですよね?」
「ええ……できることとできないことはあるけれど」
 朝比奈さん(大)の言葉を確認した後、俺は冷たくなっていたベンチに腰掛ける。朝比奈さん(大)もそれに続いて隣に座った。
 さて、何から聞いていくか。
「今日の呼び出しは、朝比奈さんが未来に帰るっていうことについてですよね?」
「そうです。そのことについてキョンくんにお願いがあったので」
 俺は確認をとった後、質問を続ける。
「大体の事情はSOS団にいる朝比奈さんから確認をとっています。卒業後に未来へ帰ること、そしてその後会えなくなるなること、
これについてはわかっていますし、納得はできませんがいつか来る日だと覚悟も――少しはありました」
「でも他にも聞きたいことがある。そうなんでしょう?」
「そうです。学校――いや、ひょっとしたら学校だけじゃなく朝比奈さんに関わったすべての人たちからその記憶が消えようとしています。
それはやっぱり未来が仕組んでいることなんですか?」
 単刀直入の俺の問いかけに、朝比奈さんはあっさりと頷いた。
「その通りです。未来から過去へやってきた人間がその時間平面を去る時、それに関わる情報すべてを消去する取り決めになっているから。
これはわたしの時に関わらず介入を実施する際には必ず行われることなんです」
「……なんでですか?」
 沸々としてきたいらだちに対して、朝比奈さんは淡々と続ける。
「最初にあったとき――あ、ちっちゃい方のわたしですが、自分はぱらぱら漫画に書かれた落書きみたいなものだと
言っていたでしょ? だから未来には影響はないって。でも、だからといってそれをほったらかしにはできないんです。
前にも言ったとおり過去はとても不安定。その落書きがどんな影響を及ぼすのか。それを検証するより、そのものを消しゴムで
消してしまった方が確実なんです。そのために、この時間平面上のあの子に関わる全ての情報を抹消しなければなりません」
「…………」
281名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:35:44 ID:vMALG0cT
そもそも、どうにかする必要が無い。
見なかったことにしとけ
282一期一会:2008/04/16(水) 22:35:50 ID:vdXA3mnS
 俺は足りない脳みそながら、必死にその内容の理解に努めていた。ようは未来に帰ってしまう人間の影響は、
この時代に残しておけない。置きみやげどころか、思い出すら残すことは許されないってことですか?
「ええ」
 朝比奈さん(大)の口調は冷たい空気に染まったようにひんやりとしていた。それが任務だから、未来人たる使命だからというような
確固たる意志すら感じた。やはり朝比奈さん(小)に比べて、立場も役割もずっと上になっているのだろう。
今の彼女からはそれをひしひしと感じている。SOS団のマスコットキャラではなく、未来人組織の一員。そんな臭いがぷんぷんだ。
 しかし、だからといってはいそうですかと、俺が納得できる訳もない。今まで朝比奈さんには限りないほどの癒しをもらってきたし、
その恩返しなんて俺のもらったものが地球と同じ大きさなら、返せたものなんて砂粒一つ程度だろう。
 そんな状態だというのに、別れたあげく全部忘れろ? 無茶にもほどがある。
「……何とかなりませんかね。朝比奈さんはこの二年間よく頑張ってきたと思います。特例措置の一つや二つあげてもいいと思いますが」
「それはあの子に対してではなく、あなたたちに対してでしょう? 残念ながらそれは無理です」
 その朝比奈さん(大)の返答に、俺ははっと、
「じゃあ何ですか? 朝比奈さんはそのことをわかった上で拒否をするつもりはないって言うんですか?」
 ますます俺の頭に血が上ってくる。朝比奈さんは、そりゃまあハルヒにさんざんいじられて大変だっただろうが、
SOS団に思い入れはあるはずだ。たびたび見せるあの心底幸せで見ているこっちまで癒される笑顔に嘘偽りなど感じない。
 しかし、朝比奈さん(大)は首を振ると、
「わかるとか拒否するとかそういう話ではないの。あの子は未来人である以上、好む好まざるに関わらずそれを受け入れなければなりません。
これは自分のいた未来を守る上で絶対に必要なことだから」
 朝比奈さん(小)にとって自分の世界はここではなく、未来にある。SOS団と未来を天秤にかければ、未来を選ぶしかないのだ。
未来を否定してしまえば、自分の存在も消えることになりそれでは本末転倒だからな。
 だが……やりきれないのも事実だ。
 ふとここで一つの疑問に当たり、
「ひょっとしてハルヒを納得させるって言うのはそれについても関係しているんですか? 朝比奈さんなら、あいつがそんなことを
そう簡単に受け入れないというはわかっていると思いますが」
「それについて何だけどね……ううん、ちょっと完全には話せないけど……」
 朝比奈さん(大)は適切で禁則事項に引っかからない言葉を探してから、
「本来であれば、痕跡の消去――STCデータの改ざんは一度に行われます。ある日のある時間を境に、誰もあの子のことを忘れてしまう。
今回もそうするつもりでした。でも、それができないの。涼宮さんが作り出した次元断層のように、STCデータの書き換えが
できない部分がある。原因ははっきりとはわからないけど、そんなことができるのは長門さん――でも、そんな必要もないことを考えれば、
残っているのは涼宮さんだけ。きっとあの子との別れを惜しんでSTCデータに強力なロックをかけているんだわ。
例え別れることになっても、絶対に忘れない――忘れなくないって、無意識下でそう強く願っているために」
 ――と、ここで一拍ため息をついて、
「あと改善すべきSTCデータの範囲が大きいのも問題の一つです。本来、過去に駐留している人間はできるだけその時代の人間と
関わりが少ないように生活することが義務づけられています。昔言ったかもしれないけど、元々あの子は涼宮さんに
直接接触する予定はありませんでした。でも、ものの見事に彼女に発見されて――それからはもう落書きし放題。
いったいどれだけの影響をこの時間平面に与えたのか、具体的なデータ量を見ただけで頭が痛くなっちゃう。
さらにそれの大半に涼宮さんが関わっているからなお大変なことになっていて……」
 そう頭を抱える仕草を見せる朝比奈さん(大)。そうは言っても連れ回したのはハルヒであって、朝比奈さん(小)ではない。
またハルヒは未来人であることなんて知らないんだから、責任なんぞこれっぽっちもない。
 不信感を強める俺に気がついたのか、朝比奈さん(大)はぱたぱたと両手を振って、
283一期一会:2008/04/16(水) 22:36:19 ID:vdXA3mnS
「ああっ、えっと別に非難しているんじゃないんですよ? ただ大変なことになっていることを伝えたかっただけですから」
 俺はその言葉を聞き流しつつ、夜空を眺めて白い息を空に向かって飛ばし、
「つまり、朝比奈さんたち未来人は、ハルヒに朝比奈さんのことを忘れることを受け入れるように努力しろっていうんですか?」
「……そういうことになってしまいます」
 朝比奈さん(大)は申し訳なさそうにうつむく。
 なんてこった。朝比奈さんと別れるだけでもつらいというのに、さらに忘れろというのか。さらに、ハルヒにも忘れてもらうために
なんとかしなきゃならない。無茶苦茶だ。できる訳のない相談と言っていい。
 ここで朝比奈さん(大)はすっと顔を寄せてくると、
「わたしたちはキョンくんに強制はできません。だから、どうするのか判断はあなたに任せます。ただ――」
 さらに口を俺の耳元に近づけて言った。
 
「……あまりあの子を苦しめないであげて」
 
◇◇◇◇
 
 翌日の放課後、俺たちは朝比奈さんを交えた上でミーティングを実施していた。どうやらハルヒは結論を出したらしい。
 結局あの後朝比奈さん(大)はそそくさと立ち去ってしまい、やりきれない気持ちだけが俺に残っていた。
朝比奈さんとの別れ。考えるだけでも嫌だし、忘れるなんてもってのほか。しかし、朝比奈さんは意志に関わらずそれを受け入れなければ
ならない。だから、俺やハルヒが執拗にこだわればこだわるほど苦しめるだけなのかもしれない。
 ええい――どうすりゃいいんだ。
 頭を抱える俺の気持ちも知らずに、ハルヒは話を始める。
「みくるちゃん以外には昨日のうちに話しておいたけど、調査の結果あたしなりの結論を出したわ。確実にみくるちゃんは
誰もから忘れられつつある。北高生徒だけじゃない。映画撮影の時に会った電気屋さんとかに聞いてみたけど完全に忘れていた。
まるでそんな憶えは全くないという感じにね」
「…………」
 そのハルヒの言葉に、朝比奈さんはうつむいたまま特に反応を示さなかった。やっぱり本人も知っているんだろう。
それなら、最初に教えてくれたとき、それについても言ってくれれば――
 ここで俺ははっと気がつく。そうか。あのとき言わなかったということは、それが朝比奈さんの意志なんだ。誰に知られることもなく、
気がついたらいなくなっていた……そんな状態を彼女は望んでいる。そういうことなんだ。
 しかし、状況は変わった。そんな大きな変化をハルヒが察知しないわけがない。朝比奈さんを指さすと、
「驚いたかもしれないけど、これが事実よみくるちゃん」
「……はい」
 朝比奈さんの声はどこまでも鬱々真っ盛りだ。
 ハルヒは続ける。
「本当は原因追及でも何でもして、そんなふざけた悪行をしでかす輩を成敗してやりたいところだけど、時間がないわ。
調査した限りだと、朝比奈さんと関わりの薄い人の記憶から消されていっているみたい。だから、最終的にはあたしたちも
記憶を消される可能性がある。そう考えるのが自然ってものだわ」
 確かにな。朝比奈さん(大)たちの最終目標は俺たちだろう。何せこの二年間もっとも関わりを持っていたんだから。
さらにはそれを妨害しているハルヒの存在もある。
「だが、具体的にどうするつもりだ?」
 俺の問いかけに、ハルヒは腕を組んで、
「対抗手段は一つしかないわ。それは絶対にみくるちゃんのことを忘れられないようにする。それもあたしたちだけじゃなくて、
最低でも北高生の頭の中に焼き印を押すぐらいにね」
「方法は?」
「今もやっているけど、卒業歌よ。これを完成させて、さらに何が何でも採用させる。そうすれば、今年の卒業の歌として
みくるちゃんの名前はでかでかと残るし、歌を歌えばその存在を認識できるようになるはずよ。この学校にいた生徒の一人としてね。
忘れなんてさせない――絶対によ!」
 まるで未来人に対する宣戦布告のようにハルヒは声を張り上げた。
 歌か。確かに卒業の時歌ったものは強く印象に残るだろうし、卒業式では――その前の練習も含めて全生徒が歌うから
記憶には強く、鮮明に残るはずだ。記録や歌詞も残る。この学校に朝比奈みくるという人物がいたと言うことを確実の作れるだろう。
 ハルヒはすぐに朝比奈さんの元に駆け寄って、憂鬱状態の朝比奈さんに檄を入れつつ作詞作業を再開した。
 古泉と長門はそれをじっと見ているだけ。二人はどう思っているんだろうか。朝比奈さんがいなくなる――さらにいなかったことに
されてしまうことについて。
284一期一会:2008/04/16(水) 22:37:19 ID:vdXA3mnS
 一方の俺は、困惑していた。ハルヒの言う方法なら朝比奈さんがいた痕跡は残せるかもしれない。だが、それで本当にいいのか?
いたずらに朝比奈さんを傷つけているだけじゃないのか?
 俺はもやもやしたまま二人の作詞作業を見つめていた。
 
 やがて下校時刻を迎え、解散となろうとしたときだった。
「ちょっとキョン。話があるから、あんたは残りなさい」
 そうハルヒから残業通告を受ける。何だ、俺はそんな気分じゃないんだが……
 抵抗したい気持ちになるが、言ってもハルヒが聞くわけもなく俺は大人しく長門・朝比奈さん・古泉が部室から出て行くのを見ていた。
 ほどなくして、ハルヒは俺以外いなくなったことを確認すると、俺の前に立ち、
「ちょっとあんた! さっきからぼーっとしてみくるちゃんがいなくなっていいわけ? もっと協力しなさいよ!」
 どうやら俺の憂鬱モードはあっさりと見破られていたらしい。
 俺は後頭部をかきながら、
「……すまん。どうも朝比奈さんとの別れが近いと考えると気が沈んでしまってな」
「気持ちはわかるけど、今はそれどころじゃないのよ!」
 ハルヒはつばを飛ばして言ってくる。ああ、わかっているさ。そんな場合じゃないってな。でもな、朝比奈さんが
あまりことを大げさにしたくないと思っている以上、俺もどうすればいいのかわからないんだよ。別れるのも嫌だし、忘れなくもない。
しかし、朝比奈さんの意思は尊重してやりたい……ああ、まさに思考の袋小路に陥ってしまった。
 そんな俺の気持ちを察したのだろうか、ハルヒはすっと背を向けて、
「あんたの気持ちもわからない訳じゃない。でも、あたしは決めたのよ。絶対に例え別れてもみくるちゃんのことを忘れることだけは
絶対にしないって。最後まで抵抗を続けてやるわ」
「ハルヒ、お前……」
「みくるちゃんが普通じゃないのは知っている。人のプライバシーに鑑賞するほど落ちぶれちゃいないからほじくり返すようなことは
しなかったけどね。だから、卒業後会えなくなるっていうのも、みんなから忘れられつつあるっていうのも、問い詰めたりしない」
 気がついていたのか。いや未来人とか突拍子もない正体まではたどり着いていないだろうが、どこか他の人と違うということぐらいは
ハルヒの勘がかぎつけていたのだろう。
「みくるちゃんはもう会えないって言っていたけど、生きていれば絶対に機会はできるはずよ。あたしはそれに賭けることにしたわ。
そのためにも忘れることだけは絶対にできない――できないのよ! 万一、あたしの中から記憶が消されても、
何かの痕跡が残っていれば思い出せるかもしれない。あたしはそれが欲しい。残したい!」
 ……ハルヒは朝比奈さんとの別れを完全に受け入れたんだ。その上で、いつか再会できることを願っている。
 俺はこのハルヒの考え方に救われた気分になった。そうだ。生きていれば必ず会える。それどころか、俺は朝比奈さん(大)と
何度も会っているじゃないか。そう考えれば、今重要なのは忘れないことだ。それだけはなんとしてでも阻止しなければならない。
穏便に済ませたいという朝比奈さんの意志もあるだろうが、きっと彼女だって俺たちが忘れてほしいなんて思っていないはずだ。
 仮に忘れてしまっても、卒業歌という形で残っていれば、それを歌うたびに思い出すだろう。このSOS団に朝比奈みくるという
愛らしい少女がいて、ずっと癒しを提供し続けてくれたことを。
 すっと俺の心の中が晴れていく気がした。俺の腹は決まったな。
「……すまんハルヒ。お前のおかげですっきりしたよ」
「全く、しっかりしてよね。これからが大変なんだから。どうもやる気のないみくるちゃんを奮い立たせて、
さらに採用までされなきゃならないんだし」
「ああ、そうだな。及ばずながら俺も尽力させてもらうぞ」
 ……朝比奈さん(大)。どうやらあなたの申し出は拒否させてもらうことになりそうだ。
 
 俺がハルヒと別れて一人で帰路についていると、待ち伏せしていた人物に出くわす。長門と古泉だった。
「やあどうも。涼宮さんとの話は無事に終わりましたか?」
「ああ、あいつの決意を聞かされて俺も気分が晴れたよ」
 それはよかったと古泉はいつものスマイルを浮かべる。長門は無表情のままだったが。
 俺たちは三人で下り坂を下り始めた。おっと今のうちに聞いておくか。
「長門、お前のパトロンは今回の件について何か言っているのか?」
「何も。特別な指示は来ていない」
「古泉。お前の機関の方はどうなんだ?」
「指示としましては、平穏無事に終わらせることというものだけですね」
 そのどうとでもとれる内容に俺は眉をひそめて、
285一期一会:2008/04/16(水) 22:37:50 ID:vdXA3mnS
「なんだ、それだと卒業歌の制作をやめさせて、あっさりと朝比奈さんのことを忘れてしまえともとれるぞ」
「解釈の問題ではなく、きっと機関のお偉方はそういう意味で言ったんだと思いますよ」
「何だと?」
 少し俺はぴきぴきと額に神経を浮かべる。機関ってのはハルヒのやることを邪魔するつもりなのか?
「どうでしょうか? 実のところ、どうするかは僕に一任されている状態でして」
「ならお前はどうするつもりだ?」
 俺の追求に、古泉は目を細めて、
「……以前もいいましたが、僕は機関の超能力者であり、一方でSOS団の副団長でもあります。機関の方からは
事実上好きにやれといわれたようなものですからね。ならばあとは副団長としてその責務を果たすだけです。
もちろん――やりますよ、涼宮さんの卒業歌作りの手伝いを」
「そうか……」
 その言葉を聞いて俺はほっと胸をなで下ろす。ただ古泉は付け加えるように、
「ですが、今回の一件では僕は裏方に回ろうと思っています。積極的に卒業歌制作に携わるのではなく、それを邪魔させないという形でね。
妨害を仕掛けてきたり、SOS団に不利益な行動を仕掛けてくるものがいれば、容赦なく排除するつもりです。
それこそ、機関の全組織能力を使ってでも」
「よろしく頼むぜ、副団長殿」
 そう古泉の胸に一発とんと拳を当てる。
 ここで長門もそれに乗るように、
「わたしも古泉一樹と同様の立場をとるつもり。涼宮ハルヒの望んでいる作業への介入を阻止する。誰の邪魔もさせない」
 そう頼もしいことをいってくれた。
 よっし、これでSOS団の意志は決まったも同然。あとは目標に向けて突っ走るだけだな。
 
 ……しかし、たった一人意識がずれていた人がいた。朝比奈さん本人である……
 
◇◇◇◇
 
 翌日から決意も新たに卒業歌制作が続けられていたわけだが、その作業は難航を極めていた。最大の障害は朝比奈さん自身である。
「ちがーう! ダメよ、こんなんじゃ! 全然何も感じられないわ。まるで無理矢理書かされた読書感想文みたいじゃない。
いい? これはみくるちゃんの卒業を歌ったものになるのよ? それが全く感じられなくてどうするのよ」
「で、でもぉ……」
 もう何日も同じやりとりが続いている。歌詞については俺もチラ見させてもらったが、確かにハルヒのいうとおり、
なんつーかやる気が全く感じられなかった。大体何度かこなしていけば要領もつかめてくると思うんだが、
まるっきり進歩がないのはどういうことだろうか。朝比奈さんにそこまで学習能力がないとは思えない。
 一つ考えられる可能性は――
「ねえみくるちゃん。まさかと思うけど、わざと落選しようとか思っていないわよね?」
 ハルヒの言葉に、朝比奈さんがびくっと反応する。そして、すぐさま両手を振って、
「そ、そんなことはないですっ……そんな……ことは……」
 次第にトーンダウンしていく声に、俺はある程度の確信を得ていた。朝比奈さんは落選することを望んでいる。
それが一番確実で自分の任務をこなせるからだろう。
 これは参った。俺たちがいくら忘れたくないといっても肝心の朝比奈さんがこんな調子ではどうにもならない。
やはり朝比奈さんにとってはSOS団よりも未来を選ばなければならないという縛りが大きすぎるのだろうか。
だが、忘れられたくないという気持ちは必ずあるはずだ。それをうまく引き出せれば、きっと両者の隙間をつくようなことだって
できるんじゃないだろうか。
 席に戻り、またうつむき加減で考え込む朝比奈さんのそばに俺は座り、
「元気出してください、朝比奈さん。俺も及ばずながら手伝いますから」
「いえ……いいんです。あたしがやらなきゃ……」
 以前にも何度か手伝いを申し出たが、やっぱり今回も同じように断られてしまった。
 そんな様子の朝比奈さんに、ハルヒはたまらなくなったのか飛び出し、
「いい? このままだとみんなみくるちゃんのことを忘れちゃうのよ。そんなの嫌でしょ? だから歌を完成させて、
全校生徒にみくるちゃんの存在を焼き付けなければならないのよ。わかる? 全ての人から忘れられるなんて
そんなのは死んだも同然よ。だからお願い。がんばってきっちりやって」
 その言葉を朝比奈さんは黙って聞いていたが、やがてぽつりと言った。
「……いいじゃないですか……」
「え?」
 よく聞き取れなかったのか、ハルヒが聞き返す。朝比奈さんはもう一度口を開く。
286一期一会:2008/04/16(水) 22:38:21 ID:vdXA3mnS
「……卒業したら誰とも会えなくなっちゃうんです。憶えてもらっている必要なんてないじゃないですか。
会えないのに憶えてもらっていてもお互い辛くなるだけで――」
 俺は朝比奈さんが言い終える前に気がついた。ハルヒの顔がみるみる紅潮していっている。いかん。こりゃ導火線に火がついて
大爆発寸前だ。このままだとハルヒは何をしでかすかわからんぞ。
 あわてて朝比奈さんとハルヒの間に俺は割っては入り、
「おいハルヒ。落ち着け。いいか落ち着いて冷静になれよ?」
 しかし、俺の呼びかけぐらいでは一度火のついた導火線は消せなかった。ほどなくして引火して大爆発が起きる。
「なんでっ……何でなのよ! どうしてそんなに簡単にあきらめちゃうのよ! 例えみくるちゃんが宇宙の果てだろうが、
ブラックホールの中心だろうが、どこに行っても生きていれば――お互い憶えていれば会えるチャンスはあるのよ!?
忘れちゃったら、たとえ何十年後に会ってもお互いがわからないまま素通りしちゃうじゃない!」
 ハルヒは朝比奈さんに飛びかかろうとするもんだから、俺は必死にその身体を押さえつけて阻止する。
「落ち着けハルヒ!」
「答えて! 答えなさい、みくるちゃん!」
 そんな絶叫に近いハルヒの言葉に、朝比奈さんはうつむいたままじっとしていたが、やがてすっと立ち上がると、
「……いいんです。もう絶対に会うことなんてなくなるんですから。忘れてくれちゃっていいです!」
 そう言い放つと、自分の鞄を持って部室から走って出て行ってしまった。
 その光景にハルヒは目を見開いて唖然としてしまう。俺も同様だ。
 ……朝比奈さん、いくらなんでも酷すぎます。俺たちはただあなたのことを忘れたくないだけなんです。
どうしてわかってくれないんですか?
 ハルヒはしばらく俺に押さえつけられたまま目を伏せて何もできないでいたが、やがてどんと俺を突き飛ばすように離れると
自分の席に勢いよく座り、
「もう――知らないっ!」
 やけくそ気味に言い放った。
 ……最悪な状況になってしまった。
 
◇◇◇◇
 
 結局その日、朝比奈さんは戻ってくることはなく、嫌な空気のまま解散となった。ハルヒはまだ怒り心頭なのか、
口をふくらませたままとっとと帰ってしまう。残りの団員たちもそそくさと帰っていった。
 夜になってから。
 俺がどうしたものかとベッドに寝っ転がり考えていた時、携帯電話が鳴り響く。発信相手を見れば――朝比奈さんの名前が。
即座に俺は通話ボタンを押す。
『……こんばんわ、キョンくんですか?』
「ええ」
 まだ今日のことを引きずっているのだろう、どこか声が陰気に聞こえる。
 朝比奈さんは続けて、
『今日はごめんなさい……そんなつもりじゃなかったんです。でも、つい……』
「大丈夫ですよ。ハルヒの奴はだいぶおかんむりのようですが、明日にでもなれば元通りになっているんじゃないですか?
あいつは切り替えが早いですからね」
『それからあたしに関する記憶の消去についても、こないだ黙っていてごめんなさい。伝えたら、逆に別れが辛くなりそうだったから、
言いたくても言えなかったんです』
 だろうな。結局は朝比奈さんの口から聞く前にハルヒがそれに気がついてしまったために起きたのが、今日のいざこざだ。
黙っておきたくもなるさ。別にそれに気がついたハルヒが悪いってことはないが。
『あの……それでですね……』
 何か言いづらそうに朝比奈さんが口ごもる。
 しばらくその状態を続けていたが、やがて、
『いえ、やっぱりなんでもないです。今日はごめんなさい……』
 と、いきなり電話を切られそうになったので、俺はあわてて呼び止め、
「朝比奈さん! 一つだけ聞いていいですか?」
『……あ、はい。なんですか?』
「朝比奈さんは俺たちに忘れられてもいいと本気で思っているんですか?」
 この問いかけに朝比奈さんはしばらく沈黙は続けていたが、ほどなくして、
『あたしは未来人でいつか未来に帰らなければならないんです。そして、その日がついに来た。それだけなんです。
自分の意志とかそんなのはどうでも……』
 やっぱり朝比奈さんは未来人としての立場に自ら縛りついてしまっている。俺が聞きたかったのは立場の話なんかじゃない。
彼女がそういったものを考慮しなかったらどうなのかと聞きたかった。
 ――だが、俺はさらに落ち込んでいく朝比奈さんの声に押され、それ以上尋ねることはできなかった。そんなことを言っても
朝比奈さんをただいたずらに困らせるだけじゃないかと思ったからだ。だから、代わりに、
287一期一会:2008/04/16(水) 22:38:50 ID:vdXA3mnS
「朝比奈さん、俺は諦めませんから。絶対に朝比奈さんのことを忘れたりはしません。それが未来の意志だろうが何だろうが、
知ったこっちゃありませんから」
 そう宣言した。それを聞いた朝比奈さんは少しだけ声のトーンをあげて、
『ありがとう……キョンくん』
 それだけ言うと電話を切った。
 やはり朝比奈さんは自分の立場に縛られている。いや自ら縛っていると言ってもいいだろう。何とかその重荷を外す方法はないだろうか?
そうすれば、朝比奈さんの本当の気持ちが聞けるはずだ。
 俺はしばらくツーツーツーと通話終了後も携帯電話をつけっぱなしで考えていた。
 
◇◇◇◇
 
 翌日、俺が教室に入ると真っ先にむっつり顔のハルヒに遭遇した。この調子じゃ機嫌はまだ直っていないみたいだな。
「全く……みくるちゃんは何を考えているのよ……」
 背後で終始そんなことをぶつくさ言ってくるモンだから授業中もろくに集中できやしない。まあ、とりあえず、放課後までの辛抱だと
我慢していたんだが――
「来ないですね、朝比奈さん」
 すっかり夕日でオレンジ色に染まった部室内で古泉がつぶやく。もうあと10分で下校時刻になってしまうが、
朝比奈さんは一向に部室に姿を現さなかった。ハルヒ曰く、昼休みにちらっと見かけたから来ているはずとのことだったが、
なんで来ないんだ? 昨日のケンカ寸前が原因で来たくないのだろうか?
 その原因の片翼だったハルヒは、ぶすーっとしたまま特に朝比奈さんに連絡を取る様子もない。かけづらいのだろう。
意地っ張りな性格が災いしているんだろうな。
 その日、朝比奈さんは部室に姿を現さなかった。
 しかし、それだけではすまない。その翌日もそのまた翌日も朝比奈さんは部室へやって来なかった。
 ハルヒもやっぱり不機嫌モードのまま。他の団員も朝比奈さんのことを口に出しづらい雰囲気が蔓延し、
全く話題にも上がらなくなっていた。
 
 そんな状態が土日を通して一週間ほど続いた――
 ………
 ……
 …
◇◇◇◇
 外も陽気も少々変化し、暖かさを取り戻しつつ新春の日、いつものようにSOS団の根城である文芸部室で
俺は古泉と暇つぶしにコンピ研からせしめたノートPCでマインスイーパー上級をどっちが先にクリアできるかなんていう
遊びに興じていた。長門はいつもの席で春の光を背に読書に没頭し、ハルヒは週末の予定を立てるために、
出かける場所の検索作業を続けていた。
「最近は便利になったわよね。うちの周辺でも飲食店やイベント会場なんかすぐにネットで検索できるし。
おかげで不思議なことも探しやすくなったってものよ。ふふん、これなら隠れている連中を捜し出すのは時間の問題かもね」
 そんなことを言いながらGoogleMAPとGoogleEarthの地球儀をぐりぐりといじくり回している。
確かに情報共有っていう面ならかなり便利になったわけだが、それで見つけやすくなったならとっくに俺たち以外の誰かが
探し出しているだろうよ。世界中にはトレジャーハンターやら行動的なUFOオタクも数百万人ぐらいはいそうだからな。
 ふと、ハルヒは湯飲みを差し出して、
「キョン、お茶入れてよ」
「何で俺が。自分でやればいいだろ? 俺の入れた茶なんてうまくないぞ」
「いつも入れてくれていたじゃん。いいから雑用係は与えられた仕事をこなしなさい」
「へいへい――って、いつもやっていたか?」
 そんな違和感を憶えつつも、俺はちゃっちゃとお茶をついでハルヒに手渡す。
 が、湯飲みに口をつけたとたんハルヒは、
「熱っ! 苦っ! 何よこれ! ちゃんと入れなさいよ!」
「だから俺の入れた茶なんてうまくないぞと言っておいただろうが。せっかく注いだんだからちゃんと全部飲めよ」
「むー」
 ハルヒはうなりつつふーふーとさましながらお茶をすすり始める。
 ふと何かに気がついたのようなそぶりを見せて、
「あんたってお茶入れるのこんなにへたくそだったっけ? 何というか普段はもっとおいしいやつを飲んでいたような気がするんだけど」
「へたくそも何もお茶なんて滅多に入れねえよ」
「そうだっけ? あれ? じゃあ誰がいつも入れてくれていたんだっけ?」
 そう言ってハルヒは団員たちを見回す。
 ここで長門が本に視線を向けたまま、
「それは彼でもわたしでも古泉一樹でもない」
 そう言ってきた。ん、おかしいな。俺もいつもうまいお茶を出してもらっていた憶えがあるんだが、ハルヒでもないなら
いったい誰に出してもらっていたんだっけ?
288一期一会:2008/04/16(水) 22:39:14 ID:vdXA3mnS
 古泉に確認するように視線を向けるが、返ってきたのはさあ?という肩をすくめたポーズだけだった。
何だよ、部室もおかしな異界とかしていると聞いていたが、まさか今まで俺は座敷童にでもお茶を出してもらっていたのか?
うまいと思って飲んでいたのが、掃除用具入れに入っているバケツにくまれた水道水だったなんていうのは勘弁だぞ。
 と、そんな会話を続けていたときだった。何の前触れもなく、部室の扉が少しだけ開く。座敷童なんていう想像をした直後だったため、
俺は一瞬悲鳴を上げてしまいそうになったがあわててそれを飲み込んだ。
 しばらく少しだけ開いた状態のままで何も起きなかったが、ほどなくしてすっと髪の長い少女の顔が部室内をのぞき込むように
少しだけ現れて――すぐにまた引っ込んでしまった。何なんだ、本当に座敷童の出現じゃないだろうな?
 扉の窓越しにおろおろとしている人影が見るところから、なんかSOS団に用事があるようだが入りづらい様子だな。
まあこんな異様な連中が集う場所に入りたくないっていうのもわからんでもないが、お客さんを放っておく訳にもいかん。
 俺は椅子から立ち上がり、部室の扉を開けてみた。
 そこには――何というかまさにエンジェル降臨!と讃えたくなるほどのものすごい美少女の姿が。歳は俺よりも低そうだ。
というか中学生ぐらいに見える。一年か? しかし、こんなスーパー美少女がいるなんてこの一年間聞いた憶えもないが……
 少女はびくびくした表情でこちらを見ている。俺はとりあえず、
「あ、ええっとなんかご用でしょうか? ここは文芸部室とは名ばかりのSOS団という変人涼宮ハルヒが作った団が
占拠している部室なんですが」
「え……?」
 俺の言葉に少女はいったん驚きの表情を見せたかと思うと、みるみるうちにその顔を青ざめていった。
なんだなんだ? どうしたっていうんだ。なんかまずいことでも言っちまったか?
「何よ、お客さん?」
 そんなことをやっているうちにハルヒもやって来て――その少女を見るや否やいきなり抱きついた。
「うわっ! 何よこれかわいすぎ! あーもう、抱きしめないと気が済まないわ! ねっ、うちのSOS団に入らない?
今なら特別待遇で入団を許可するわよ!」
 じゃれ合うようにその少女への頬ずりまで始める。
 さすがに初対面の相手に失礼すぎると、俺はハルヒの襟首をつかんで強制的に引き離すと、
「おいお客さんかもしれないのに、勧誘してどうするんだ。すいません、こいつあなたのような人には目がなくて――あのちょっと?」
 その少女の様子がますますおかしくなっていることに気がつく。失望に染まりきった表情に、身体を小刻みに震わせてまでいた。
 まずい。驚かせてしまったのだろうか。早めに謝っておかないと教師沙汰に……
 しかし、次に少女の口から出た言葉は全く意味不明なものだった。
「いえっ……何でもないんですっ、これでいいんですっ、あ、あたしは行かないと行けない場所があるので……!」
 そんなことを言うと、一目散に部室棟の出口に向かって走って行ってしまった。
「何だったの、今の?」
「さあ……?」
 俺とハルヒはそう顔を見合わせて――すぐに顔をしかめた。
 何だ? 今すごい違和感を感じたぞ。どの部分だ。あの少女について……
 ハルヒも同様に何か頭に引っかかるものを感じているのか、壁に手をついて頭を抱えている。
 明らかに俺たちは重要なことを忘れている。しかも、絶対に忘れてはならないとんでもなく大切なことだ。
くそっ、もう一歩のところまで出かかっているのに、もどかしいったらありゃしねぇ。
 ふと、そんな俺たちの背後に長門が立っていた。そして、交互に俺たちを見渡すと、一言だけ、
「朝比奈みくる」
 その言葉の意味するところを、最初は俺たちは理解できなかった。
 だが、すぐに気がつく。
「みくる……ちゃん」
 ハルヒは目を見開き、愕然とした表情を浮かべた。そして、力なく床にへたりと座り込むと、自分の頭を抱えて苦しむように、
「あ、あたし――あたしあんなに忘れないって誓っていたのに――それなのに、どうして忘れて……!」
 あまりのショックに錯乱気味になってしまっていた。
 一方の俺もはっきりと思い出した。さっきまで俺の目の前にいたのは、正真正銘のSOS団団員で俺の癒しであり、
ずっと二年間極上のお茶を注いでくれていた人、朝比奈さんだった。何でだ? なぜ忘れていた……
 古泉も唖然と口を開き、その現実にただただ驚愕していた。憶えていたのは長門だけか。
289一期一会:2008/04/16(水) 22:39:37 ID:vdXA3mnS
 俺は慌てて部室内に戻ると、壁に掛けられているカレンダーを日付を見始める。いつだ。いつから俺たちは忘れていた。
 ハルヒと朝比奈さんがケンカ寸前まで行ってから数日は憶えていた。そして、週末を超えて――そうだ。週明けから
俺たちは完全に朝比奈さんの存在を忘れていた。一瞬でも疎遠になったせいだろうか。まるでその隙を突かれたかのように
未来人どもは俺たちから貴重で欠かせないものを盗み取ろうとしていきやがったんだ。
 近くに来ていた長門に気がつき、まるで怒りをぶつけるようにその肩をつかむと、
「どうして教えてくれなかったんだよっ! 長門は憶えていたんだろっ! だったら教えてくれればよかったじゃないか!」
 だが、長門はあくまでも冷静な口調で、
「あなたたちが朝比奈みくるの情報を欠落させられていたことには把握していた。しかし、例えわたしがその名前を告げても、
その意味をあなたたちが理解することはなかっただろう。朝比奈みくる本人と直接接触した瞬間にそうしなければ
あなたたちの記憶情報の欠落は修復されなかった」
「……っく」
 その指摘に俺は苦渋のうめきをあげる。確かのその通りだ。週明けからの俺とハルヒの様子を振り返ってみれば、
朝比奈みくる?誰だそれ、とか平然に言っていただろう。長門の言うとおり、思い出すなら今しかチャンスはなかった。
「すまない長門。お前は最善を尽くしてくれたのに、八つ当たりみたいなことを言っちまって……」
「それは別に問題ない。だが、あなたは今すぐやるべきことがある」
 ああその通りだ、長門。
「ごめん……みくるちゃんごめん! あたし――あたしはあんなに……!」
 床に伏せたまま錯乱状態で謝り続けるハルヒ。あれだけ決意していたのに、してやられてしまった現実に耐えられなくなっているのだろう。
しかし、ハルヒも心配だがそれ以上に問題なのが朝比奈さんだ。今すぐ追いかけないと。
「古泉! ハルヒのことを頼む! 俺は朝比奈さんを追うから!」
「は、はい!」
 俺は古泉にそう告げると、一目散に外に飛び出した。
 朝比奈さんに言わなければならない。俺たちはまだ憶えていると。さっきまで忘れていたが、今でははっきりと二年間のSOS団の
思い出を憶えていると。
 すでに鞄を持っていたところを考えれば、そのまま帰宅の道についたと考えるべきか。
 俺は校門と飛び出て下り坂を走って下り始める。
 その間、俺の脳裏に朝比奈さん(大)の言葉が蘇っていた。ハルヒが何とかデータとやらをロックしているせいで
その書き換えができない状態だと。恐らく週末かその辺りに一瞬ハルヒに隙ができたのだろう。あのケンカ寸前の後、
二人は全く顔を合わせていなかったし、ハルヒも相当怒っていたから無理もない。朝比奈さん(大)たちはその隙を
決して逃さず、いっきに俺たちから朝比奈さん(小)の記憶を奪い去っていった。だが、不手際かそれともハルヒの執着心が
まだ残っていたのか完全にはできなかった。そのおかげで長門の一言で俺たちは全てを思い出すことができたんだ。
 息も絶え絶えになりつつ、長い坂道もちょうど半分ぐらいに差し掛かったところで――いた。肩を落とし、うつむいた状態で
坂をゆっくりと下る朝比奈さんの後ろ姿が。
 俺は暴走トラックのように全速力でその元に駆け寄り、
「朝比奈さんっ!」
「えっ……あ、キョンくん……」
 俺の呼びかけに、朝比奈さんは喜びとも失望ともとれる複雑な表情を浮かべる。
 すぐに彼女の前に俺は立つと、切れる息も放ってその肩をつかむと、
「俺、絶対に忘れませんから!」
「…………」
「さっきまで忘れていましたけど、全部思い出しました。もう二度と同じミスはしない! 絶対に朝比奈さんのことは忘れない!」
 その俺の言葉に、朝比奈さんは落胆したようにうつむくと、
「やっぱり、思い出しちゃったんですね……」
「当たり前です! SOS団には朝比奈さんがいたんです。この北高にもいたんです。それは絶対に変えようのない事実なんです!」
 俺は思わず朝比奈さんにさらに顔を近づけて、続ける。
「聞かせてください。朝比奈さんは本当に自分の存在がなかったことにされてもいいんですか? 
未来人とかそんなことはどうでもいいんです。朝比奈さん個人の考えを聞かせてください!」
 俺の絶叫じみた呼びかけに、朝比奈さんは決して俺とは目を合わせようとしない。そして言う。
「あたし個人の考えなんてどうでもいいんです。あたしのいるべき場所は未来であって、そこを守るためにこの時間平面にいます。
その役目が終わり、あたしの存在の痕跡が未来に有害というなら消すしかないんですっ……!」
290一期一会:2008/04/16(水) 22:40:00 ID:vdXA3mnS
「そんな……」
「いいんですっ……それでいいんです。だから、あたしのことはもう忘れて……」
「嫌です! そんな未来人の一方的都合に、俺もハルヒも長門も古泉も翻弄されたくありません。朝比奈さんだってそうだ。
未来の都合どうこうで考え方まで左右されている。そんなの納得できない!」
「でもっ……でもっ……!」
 ――そんなやりとりをしているときだった。
「やっぽー! キョンくんにみくるっ! 何をやっているんだいっ? 何かめがっさ大変そうだけどっ」
「鶴屋さん!?」
 仰天の声を上げたのは朝比奈さんだった。まさか鶴屋さんも?
 鶴屋さんはいつものハイテンションモードで後頭部をかきながら、
「いやー、ここ数日なんかとんでもなく重要なことを忘れているような気がしていたんだけどねっ、ついさっきそれが
みくるのことだって思い出したのっさ。何で忘れていたのかさっぱりだよっ。ひょっとしてこの歳で健忘症になっちゃったかなっ」
 そう自虐的なんだろうけど、豪快で笑い声を上げる。
 さっきというとハルヒが思い出した時か? 確かにハルヒが思い出したと同時に俺も思い出せた。そう考えれば、
ハルヒの能力の影響により朝比奈さんに関する記憶が一斉に復活したのかもしれない。
「そんな……せっかく、せっかく忘れてくれたと思っていたのに……」
 朝比奈さんは絶望的な声を上げて、ふらふらと地面に倒れ込んでしまいそうになり、俺は慌ててそれをキャッチした。
顔面蒼白で失望の色に染まった彼女の顔は痛々しくすら感じる。
 俺はそんな彼女を抱きしめると、
「みんな忘れたくないんです、朝比奈さんのことを。だから、俺たちの思いを受け入れてください。お願いです……」
「…………」
 その呼びかけに朝比奈さんは何も答えない。代わりに身体を小刻みに震わせていた。
 と、ここで鶴屋さんがすっと朝比奈さんに顔を急接近させ、
「いいんだよっ、みくる。我慢なんてしなくてさ」
「え……」
「つらいなら――泣いちゃえ」
 この鶴屋さんの一言に朝比奈さんはしばらく首を振り、何かを耐えようとしていたが、やがて目に涙が浮かび始め、
最後には大声で泣き叫びながら俺から離れ、鶴屋さんに抱きついた。どうやらその一言で心の堰を切らせてしまったらしい。
「誰だって忘れられたらつらいよ――立場とか使命とかそんなことは関係なくさ。それが一度忘れられて、再度思い出されれば
つらさも倍増するってものさ」
 鶴屋さんは朝比奈さんの背中を優しくなでていた。
 一度忘れられて寂しさを味わい、そしてその後に思い出されて、さらに忘れられたときの恐怖が蘇る。これはどんな人間でもきつい。
まるで拷問されているような気分だろう。当然だ。朝比奈さんはつらかった。それでもやっていた。俺やハルヒは鶴屋さんと違い、
自分の思いを伝えることで精一杯で、そこをきちんと理解できていなかったんだ……
 ふと鶴屋さんは俺の方を振り向き、
「キョンくん、今日のところはみくるはあたしに預からせてもらえないかな? 大丈夫、悪いようにはしないよ。
この子には今は考える時間が必要だと思うからね」
「……お願いします」
 俺は鶴屋さんに一礼すると、北高へ戻り始めた。
 
 部室に戻ってみれば、ハルヒは何とか錯乱状態は収まったようで、団長席で顔を伏せていた。ショックはまだ抜けきっていないのだろう。
近くでは古泉もいつものスマイルを消失させてじっと難しい表情を浮かべている。長門も読書をやめて俺の方をじっと見つめていた。
「……みくるちゃんは?」
 ハルヒは顔を上げずに、俺に言ってくる。とりあえず、俺は椅子に腰掛けながら、
「鶴屋さんにいったん預かってもらうことにした。今後どうなるかは――朝比奈さん次第だ」
「そう……」
 ハルヒは力なくつぶやいた。そして続ける。
「あたし、最低よ……あんなに忘れないって心に誓っていたのに、あっさりと忘れちゃうなんて最低も最低だわ……。
こんなんじゃみくるちゃんに説教する資格なんてないわよ……」
 自分を責め続けるハルヒ。
 そんなハルヒに俺はそばによって肩に手を置いてやり、
「まだだ。まだ終わってねえぞ。俺たちは長門のおかげで思い出せたんだ。まだチャンスはある。朝比奈さんを信じよう」
 俺の言葉にハルヒは顔を少しだけ上げて、こくりと頷いた。
 その目にはうっすらと涙が浮かんでいた……
 
 翌日の放課後。
 一週間ぶりに朝比奈さんが文芸部室に姿を現した。
291一期一会:2008/04/16(水) 22:40:28 ID:vdXA3mnS
「あの……」
「みくるちゃんっ!」
 朝比奈さんが言葉を発する前にハルヒが飛びつき、
「ごめん――本当にごめんね! あれだけ忘れないっていっていたのに……あたし、あたし……!」
 そう言ってハルヒは泣きじゃくる。
 それに朝比奈さんも呼応するかのごとく、目に涙を浮かべ、
「いいえ、いいんです。思い出してくれただけでも感謝しています。あたし、本当は忘れられても仕方がないとずっと思っていました。
会えなくなるんだから憶えていられても仕方がないって。でも、実際に――本当に忘れられて初めてその寂しさがわかりました。
あたしは嫌です。あんな思いなんて引きづったまま、みんなとお別れなんてしたくありません。そして、またいつか会える日が
来ることのために誰にも忘れて欲しくない……」
 しばらくハルヒは抱きついたままだったが、やがてすっと朝比奈さんの方から離れて、
「一週間も来なくてごめんなさい。でも、またSOS団にあたしいてもいいですか……?」
 そう恐る恐る言ってきた。
 それに対してハルヒは、ぐっと親指をあげて、
「――あったり前じゃない! みくるちゃんは大切な団員なんだからね!」
 ハルヒの黄色い歓喜の声が部室内に響いた。そして、続けて、
「さあやるわよ! 卒業歌作り! もう時間がないから突貫作業・総動員で行くんだからね! みんな一致団結してやりきるわよ!」
「はいっ!」
 
 ――遠回りや空回り、トラブルがあったが、ようやくここに来てSOS団は卒業歌制作に向けてようやく一つになった。
 
◇◇◇◇
 
 それから数日間は濃密で怒濤の日々が続いた。何せごたごたのせいで来週初めには卒業歌募集の締め切りが迫っている。
歌詞は完全なやり直し状態だし、作曲は未着手状態だ。文化祭の映画作りのように徹夜も辞さない覚悟で進める必要があるだろう。
 歌詞の方は一人ではもう間に合わないと言うことで、ハルヒがつきっきりで作製している。今までのような不和は全くなく、
二人とも笑顔で、また真剣にどんどん進めて行っていた。
 この様子に古泉も満足げな笑みを浮かべていた。
「よかったですね。二人とも仲直りできて」
「そうだな……この調子ならぎりぎりながら何とかなりそうだ」
 俺も頷いてそれに同意する。
 と、古泉は興味津々な顔に変形させると、
「しかし、どうして朝比奈さんは考え方を翻したのでしょうね? 未来に対する悪影響は自分の存在自体を
危うくするかもしれないというのに」
「簡単な話だ。朝比奈さんにとってもこの二年間はあっさり切り捨てられるようなものじゃなかったってことさ」
 だが、この朝比奈さんの行動に朝比奈さん(大)――あるいはもっと上にいる連中はどう思うんだろうか。
もっと強硬な姿勢で朝比奈さんを無理やり帰還させたり、卒業歌を作ってもそれを無かったことにしないだろうか。
 そんな疑問を読み取ったかのように、長門がこちらを向き、
「それなら問題ない。彼らはこれ以上の介入を行うつもりはないと判断している。理由は不明。それに――」
「それに?」
 ――少しだけ長門の表情が引き締まったに見えた――
「例えそうしてきても、わたしがさせない」
 
 そして翌日――
「できたわっ!」
 ハルヒの歓喜の声。一同の視線が集まる中、ハルヒは歌詞のかかれた紙を高々と掲げていた。隣では朝比奈さんが
柔らかい笑顔でそれを見つめていた。
 俺はハルヒからそれを受け取ると、一通り眺めてみる。脇からは古泉と長門がのぞき込んでいた。
 …………
 何となくもう一度それを読んでいく。
 …………
 もう一度。
 …………
 もう一度――いかん、なんだこの歌詞。俺のハートにクリティカルヒット過ぎて目頭が熱くなってきた。それは歌詞がいいというより、
朝比奈さんの卒業と別れに重ねてしまうからかもしれないが。
 古泉も相当堪えているようで、目頭を押さえてしまっているほどだ。
 長門は無表情だが、全身から発せられるオーラが激しい変化を示しているのを俺のレーダはキャッチしていた。
 これに曲がついたらどうなるんだ? 俺の涙腺は阻止限界突破確実だろう。そんなに外れたものをハルヒが作るとも思えないからな。
 そんな感慨に浸っていると、ハルヒは歌詞の紙を回収し、
292一期一会:2008/04/16(水) 22:40:56 ID:vdXA3mnS
「よっし、時間がないから今すぐ軽音楽部に行ってくるわ。楽器を借りて、とっとと作曲しないとね。
さっ、みくるちゃんも共同制作者なんだから一緒に来て」
「は、はいっ!」
 そう言って二人は小走りに部室から出て行った。やれやれ、これで第一段階は終わりか。何とか期限まで間に合いそうだな。
 
◇◇◇◇
 
 週明け、締め切り日ぎりぎりに卒業歌のサンプルを作り上げた俺たちは、生徒会室へ足を運び、それを録音したCDを手渡した。
 俺は直前にハルヒが歌っているそれを聞いてみたが――もう気分は卒業式になり、ハンカチ片手に聞くことはできない代物だった。
朝比奈さんの思いが詰まった歌詞に、その効果を何百倍に引き上げるハルヒの歌声と曲。J−POPとか今時の歌とは違い、
思いの外合唱曲っぽい渋めのものだったが、それが余計に別れというキーワードを際だてていた。あまり歌は聴かない方だが、
恐らく一生の間でもこれほどのものは早々巡り会えないと断言できるね。
「あー、終わった!」
「さ、さすがに疲れましたぁ〜」
 部室に戻ってから、ハルヒと朝比奈さんは机に突っ伏した。何でも土日も出ずっぱりで作業に明け暮れていたらしい。
しかも、朝早くから夜中までずっとだ。
 しかし、口にしている言葉と裏腹に二人の表情は満足げで心地よさそうである。
 ここで古泉が最近お茶くみ代理と化していた役割に従い、
「お疲れ様でした。どうぞ」
 そう言ってお茶を二人に差し出した。
 ハルヒはビールを一気飲みするように、あっという間にそれを飲み干し、朝比奈さんはさましながら少しずつ味わうように飲んでいった。
 
 そして、数日後運命の選考結果が出る。発表の予定時刻は昼休みだった。
 俺は採用の確信はしていたが、はらはらしつつ結果を記された紙が掲示板に貼られるのを見つめていた。
もちろんハルヒは授業を途中で脱走して掲示板の前で仁王立ち状態で、厳しい視線を向けていた。
 そこには――
「あった――あったあった!」
 ハルヒの歓喜の声が廊下中に響く。
 そう、そこの採用結果には、俺たちSOS団が作った歌の名前が記されていた。
 遅れて駆けつけた朝比奈さんもそれを見て、歓喜の笑みを浮かべる。同時にハルヒがすぐに彼女に抱きついて、
互いに祝いと感謝の言葉を語り合い始めた。
「やはり採用ですか。予想通りですね」
 気がつけば、俺の隣には古泉と長門の姿もあった。
 予想通りって何だ。まさか、またお前が余計な茶々を入れて裏口入学みたいな手を使ったんじゃあるまいな?
 俺の疑惑の視線に気がついたのか、古泉はすぐに首を振って、
「いえいえ。そう言う意味ではありません。はっきりと断言しておきますが、今回の企画こそ、機関の働きかけで
生徒会長が残した置きみやげでしたが、選考そのものには全く干渉していません。純粋に採用されても全く不思議はないという
出来だったという意味ですよ」
 長門は? なんかインチキしたりしていないだろうな?
「それはない。わたしはその必要は全く感じなかったし、それを行えば意味そのものを失うと判断していた」
「……そうか」
 俺はほっと胸をなで下ろす。ここで不正があったと言われたら興ざめもいいところだし、他の応募者に酷いことをしたことに
なっちまうからな。
 唯一、ハルヒがあの変態パワーを使って採用させてしまったという可能性があるが――いや、考えるまい。
ハルヒ自身は採用されることを確信していただろうし、それだけの出来だと俺も思っている。それにいくら傍若無人のあいつといっても、
正々堂々・本気勝負が信条みたいな性格を考えれば、不正行為なんて望まないさ。きっとな。
 と、ここで興味があったんだろうか、谷口と国木田が結果を見にやってきた。
「よっ、キョン。お前も見に来たのか?」
「ああ、うちの団員が絡んでいるんでな。きっちり確認しておきたかったんだ」
 俺の言葉に、国木田が結果をのぞき込んで、
「朝比奈……みくる? そんな人、涼宮さんの団体にいたっけ? 谷口、聞いたことある?」
「いんや、俺はしらねーな。知らない間に新入部員がいたのかよー。しかも、三年が」
 不思議そうな顔を見せる二人に、俺は朝比奈さんの姿を指さし、
「ちゃんと憶えておいてくれよ。俺たちSOS団の癒しにしてマスコットキャラ、なくてはならない団員朝比奈みくるさんだ」
 そう俺は誇らしげに言った。
 
◇◇◇◇
 
293一期一会:2008/04/16(水) 22:41:28 ID:vdXA3mnS
 それから、本格的に卒業式の練習が始まる。最初はクラス内で合唱の練習をしていたが、生徒たちの反応が
なかなかよかったことに俺は安堵した。ハルヒの歌がかなりうまいと言うことも話題作りの一環となり、自然と歌詞についても
生徒たちの間で話されるようになる。
 卒業式の合同練習が始まる時期には朝比奈さんが廊下を歩けば、すぐに声をかけられるほどなっていた。
一度は誰の記憶からも消されていた朝比奈さんの存在が、再び認知され始めたのだ。元々容姿は女神に等しいんだから、
ひとたび注目を浴びればそうなるのは必然だな。
 ただ寂しさがあるのも事実。今注目を浴びている朝比奈さんは歌を作ったという点についてであって、この二年間の朝比奈さんに
ついてではないから。
 いやもう贅沢は言うまい。ひょっとしたら一度忘れた俺たちが思い出せたように、朝比奈さんのことを強く意識したために、
記憶を蘇らせられる人間もいるかもしれないからな。今はこれが精一杯だ。
 卒業式を控えるまでの間、SOS団の活動は今まで以上に活発になった。週末は必ず出かけるようになったし、
昼休みも文芸部室に集合して一緒に弁当を食べる日々になった。たまに朝比奈さんが大量の重箱入り手作り弁当を持ってきたりして
みんなでそれを堪能したりもした。
 SOS団はみな楽しそうにしていた。特にハルヒは残された短い間で徹底的にやりたいことをやりきると決めているのか、
徹底的に分刻みのスケジュールでみんなをあちこちへと連れ回した。俺も楽しかったし、朝比奈さんも満面の笑顔でそれを受け入れた。
古泉や長門も楽しそうだった。
 
 いつまでもこんな日が続けばいい。
 別れなんて来て欲しくない。
 俺はずっとそう願っていた。
 しかし、時間の刻みは冷酷だ。
 止まることなく針は進み続け――
 
 ついに卒業式当日を迎えていた。
 
◇◇◇◇
 
 卒業式当日、学校の敷地内の桜は満開になり、少し強い風が桜吹雪を舞わせていた。
 俺たち二年は卒業式の見送る側の席に座っている。
 卒業式のパンフレットをのぞいてみたが、やはり卒業生の名前の中に朝比奈さんの名前は載っていなかった。
やはり未来はどうあっても朝比奈さんがこの北高で二年間を過ごしたことを抹消するつもりらしい。
 しかし、どういう訳だか、パンフレットに載っている卒業生が作った創作卒業歌の欄にはきっちりとかかれていた。
 作詞・作曲朝比奈みくると。
 
 ほどなくして、卒業生たちが会場である体育館内に入ってきた。吹奏楽部の壮大な音楽とともに、次々と席に着いていく。
事前に確認した限りでは卒業式にはまだ帰還しないと朝比奈さんは言っていた。ただ参加できるとまでは言っていなかったが。
 卒業生の一団の中には鶴屋さんの姿はあった。しかし、やはり朝比奈さんの姿はない。まさかもう帰還させられてしまったのだろうか……
 
 その後卒業式は粛々と進んでいく。
 はっきり言って校長の長い話とかには興味ない。俺の注目点はラストの卒業歌だけだ。
 
 そしてついにやってくる。朝比奈さんの――俺たちSOS団が作った歌が。
 吹奏楽部の演奏が始まる――
 
 ♪初めて見た水 変わらない空
 ♪見たこともない世界で どこか見たことのある景色
 ♪知らない人が道を行く その色は様々に異なる
 
 ――朝比奈さんは未来から来た。その時この世界はどう映ったんだろうか。
 ――この歌のように知らない世界なのに、どこか見たことあるものがあるというぐらいだったのだろうか。
 
 ♪わたしは忘れない 側にいた人たちを
 ♪わたしを忘れないで 身を寄せたぬくもりそのままに
 
 ――ここを歌ったとたん、唐突に俺の目から涙があふれた。朝比奈さんの思いそのまま。忘れたくない。忘れられたくない。
 
 ♪旅を続けて来た場所 知らない月に知らない森
 ♪その下でわたしの手を引く人がいる わたしを知らない場所連れて行く
 ♪不安なわたし その気持ちを笑顔で振り払う そんな人たち
294一期一会:2008/04/16(水) 22:42:04 ID:vdXA3mnS
 
 ――手を引いたのはハルヒだろう。いやSOS団か。知らない世界でひたすらあちこち連れて行ったしな。
 
 ♪わたしは忘れない 見せてくれた笑顔の数々
 ♪わたしを忘れないで そこにいた姿と足跡を

 ♪一人でいることのはかなさ 誰もわたしを知らないことのつらさ
 ♪ただ募らせる 人の恋しさばかりを
 
 ――そうだ。一人は辛い。誰も自分のことを知らないのはもっと辛い。朝比奈さんはそれに気がついて未来という枷を外せた。
 
 ♪わたしは忘れない 側にいた人たちを
 ♪わたしを忘れないで 身を寄せたぬくもりそのままに
 ♪わたしは忘れない 見せてくれた笑顔の数々
 ♪わたしを忘れないで そこにいた姿と足跡を
 
 
 …………
 …………
 吹奏楽部の演奏が終わる。保護者席からは賞賛の意味があるのか、拍手がまばらに起きていた。
 
 俺はそれを聞きながら、ぼろぼろの涙をハンカチで拭うので必死だった。
 
◇◇◇◇
 
 卒業式も無事に終わり、俺とハルヒはすぐさま中庭に飛び出す。
 そこは卒業生と在校生でごった返していた。二人で必死に朝比奈さんの姿を探し続ける。
「すいません遅れました」
「…………」
 その間に、古泉と長門も駆けつけてきた。4人がかりでその姿を探すが、どうしても見つからない。
ちくしょう、本当に一足先にかえっちまったんじゃないだろうな……?
「キョンくんっ。ハルにゃん」
 その声に振り返ってみれば、そこには鶴屋さんの姿が。朝比奈さんのことでどたばたしてしまったが、鶴屋さんも卒業なんだよな。
あとでお別れの一言もかけておかない。
 と、鶴屋さんはいつもの笑みで中庭の隅の方を指さす。そこには――
「みくるちゃん!」
 すぐさまハルヒが駆けだした。俺とその他もそれに続く。
 そこにはいつものセーラ服姿の朝比奈さんがいた。他の卒業生が持っている卒業証書の入った筒は持っていない。
やっぱり卒業式には参加できなかったみたいだ。無理もない。一覧にも載っていないんだから。
「みくるちゃん――みくるちゃんっみくるちゃん!」
 ハルヒは叫びながら朝比奈さんに抱きつき、止めどなく涙を流し始めた。朝比奈さんも涙を浮かべつつ、それを抱き返している。
 一歩遅れて、俺たちも朝比奈さんの周りを取り囲んだ。よかったっ……まだ間に合った……!
 朝比奈さんは俺たちを見回すと、
「本当は卒業式の前に行かないといけなかったんですけど……ちょっと無理を言って待ってもらいました。
卒業式には出られなかったけど、ここからでも十分に歌は聞こえたから……」
 そうか。聞いてくれたんだ。俺たちの呼びかけが朝比奈さんにきちんと届いてくれたんだ。
 ハルヒはしゃくり上げながらしばらく抱きついたままだったが、ほどなくして何か思い出したようにポケットから一枚の紙を取り出し、
「卒業証書なんて下らないわ! 代わりにこれをみくるちゃんに授与します!」
 名刺二枚分ぐらいのそれは、ハルヒが作った手書きのSOS団の卒団証明だった。
 朝比奈さんは涙をぬぐいながら、それを受け取り、
「はい。ありがとうございます!」
 そうはっきりとにこやかな笑みを浮かべた。
 ふと、鶴屋さんが遠巻きにいつもの笑顔でこっちを見ていることに気がつく。すぐに彼女も呼ぼうと思ったが、
朝比奈さんが制止してきて、
「鶴屋さんとはさっきお別れしました。あとはキョンくんたちと一緒にいてあげてと」
「そうですか……」
 そう言えば、鶴屋さんはいつも一歩引いた場所にいるのがいいって言っていたな。だから、先にお別れを済ませて、
後は俺たちの別れを見ている。らしいといえば、そうかもしれない。
 ここで朝比奈さんは俺に胸に頭を当ててきた。次にハルヒ、古泉、長門と続けていく。
295一期一会:2008/04/16(水) 22:42:54 ID:vdXA3mnS
 俺はこの行為を唖然としてみていたが、
「最後です。あたしのぬくもりを忘れないでください」
 この言葉と同時に、さっき朝比奈さんの額が当てられた胸のところをさすった。ええ、忘れません。この感触、絶対に忘れません!
 この時点で俺も気がつかないうちに、涙がだらだらとたれていることに気がつき、慌ててそれをぬぐった。
もうすぐお別れだって言うのに、涙で朝比奈さんの姿がぼやけさせてたまるか。二度と忘れないぐらいにしっかりと視界に焼き付けてやる。
 と、ここで朝比奈さんが少し寂しげな表情になると、
「そろそろ……お別れの時間です」
 そう言ってきた。
 ハルヒは自然とその手を握る。
 俺も開いている方の手を握った。
 長門と古泉は肩を掴む。
 最後まで一緒。これが俺たちの共通の意志だという現れだった。
『みなさん、憶えていますか? 今までSOS団としての活動のこと』
『あたしが一人でいると涼宮さんが現れて、手を引いて行きました。こんなところで何をやっているのよ、ついてきなさいって』
『それからキョンくん、長門さん、古泉くんと出会ってから、ずっと手を引かれ続けていました。行く先々がすごく楽しくて
明日はどこに行くんだろう、どこに行けるんだろうってそんなことを考えている毎日でした』
 ――次第にハルヒがしゃくり上げ始める。
『海に行ったり』
『山に行ったり』
『宝探しもしましたよね』
『孤島でたくさん遊びました』
『雪山でスキーもしました――遭難したのはちょっと驚きましたけど』
『バレンタインデーにチョコを作ったのもいい思い出です』
 ――ここまでで俺の涙腺はもはや制御を失っていた。止めたくても涙が止まらない。
 ――隣では古泉も目に浮かんだ涙を手でぬぐいつつ、鼻をすすっていた。
 ――長門も表情こそ変わらなかったが、悲しいという別れを惜しむ思いはひしひしと伝わってくる。
『毎日がまるでお祭りみたいでした。涼宮さんたちにはすごく感謝しています』
『あたし、この二年間のこと絶対に忘れません』
『今まで本当にありがとうございました。あたし、すごく楽しかったです』
 ――――
 ――――
 ――――
 一際強い風が吹いたと同時に、俺が握っていた暖かい感触が消えてなくなった。代わりに飛び散った桜の花びらが全身に降りかかる。
 ハルヒは崩れ落ちるように地面に座り込み、顔を手で覆って激しく鳴き始めた。俺も周囲も気にせず涙をひたすら流す。
 
 こうして朝比奈さんは未来へと帰っていった……
 
◇◇◇◇
 
 卒業式が終わり、俺たちは三年の進級を待っている状態になっていた。
 期末テストも無事終わり――いや俺の成績は無事じゃなかったが――、あとは終業式・春休みだけである。
 
 朝比奈さんがいなくなってから数日、SOS団は決定的なものが欠けてしまいにぽかんと空白ができてしまっていた。
その影響は大きくハルヒはダウナーで憂鬱な状態を維持しているし、古泉もボードゲームもやらずにぼけーとしていることが
多くなった。長門もいつもは猛烈な勢いでページをめくっていた読書の勢いが50%ダウン状態だ。
 この状態はしばらく続くだろう。こればかりは仕方がない。時が経ち、慣れることを待つしかない。
 
 ……ただ一つ大きな問題が起きていた。
 SOS団で撮った写真から全て朝比奈さんが消え去っていた。まるでそこにいなかったようにされてしまったかのようにだ。
それだけではない。俺がパソコンに密かに隠していたはずのmikuruフォルダもきれいさっぱり消えてなくなり、
その他SOS団にあった朝比奈さんの痕跡が一つ残らず消え去ってしまっていたのだ。
 さらに、俺やハルヒ、古泉から朝比奈さんに関わる記憶の大半が消え去ってしまっていた。孤島に行ったときのことも、
メイド服でお茶を入れてくれたことも、エンドレスサマーで遊び呆けたことも、俺の記憶上に朝比奈さんがその場にいなかったことに
されてしまっている。
 恐らく朝比奈さんの別れ後に、ハルヒの隙を見て未来側が懲りずに何とかデータの改ざんを行ったのだろう。
そのせいでこんなことになってしまっているのだ。
 
 では、なぜ今俺たちは朝比奈さんのことでダウナーになったりしているのか。
 忘れているなら、そんな気分にもならないんじゃないかと言われるかもしれない。
 
296一期一会:2008/04/16(水) 22:43:25 ID:vdXA3mnS
 その答えは……
 
 ♪初めて見た水 変わらない空
 
 唐突にハルヒの歌声が響く。今までの思い出を振り返り、別れを惜しみ、例え離ればなれになっても忘れないという強い思い。
その歌からはそれらがひしひしと伝わってきた。
 そう。あの歌に関することだけは消されなかった。今でもこれを作るために奔走した日々のことは憶えている。
卒業式のパンフレットの歌詞には、はっきりと朝比奈みくるの名前がある。さらに、朝比奈さんとの別れの時の記憶も残っていた。
 だから俺たちは例え忘れていても、すぐに思い出せるのだ。
 ひとたびこの歌を歌えばいい。それだけで、写真やものから痕跡が消えてしまっていても、彼女が確かにそこにいたという確証が得られる。
いつもここで笑顔でお茶を入れてくれて優しい癒しを提供してくれた。それは例え記憶を消されても、間違いなくあったSOS団の日常だ。
誰にもそれは否定できないし、させるつもりもない。この歌が証明さ。
 どうして未来側が消さなかったのかはわからん。知りようもないだろう。長門が守ってくれたからかもしれない。
あるいは卒業式で堂々と発表してしまい、多数の人に強い影響を及ぼした上、ハルヒの神的パワーがそれを阻止しているのかもしれない。
 
 ♪見たこともない世界で どこか見たことのある景色
 
 何となくハルヒに続いて、俺も歌い出した。
 それに気がついたハルヒは、ふふっと笑みを浮かべると、さらに音量を上げて歌う。
 長門と古泉もそれにつられるように歌い出した。
 
 ♪知らない人が道を行く その色は様々に異なる
 
 ♪わたしは忘れない 側にいた人たちを
 ♪わたしを忘れないで 身を寄せたぬくもりそのままに
 
 ♪旅を続けて来た場所 知らない月に知らない森
 ♪その下でわたしの手を引く人がいる わたしを知らない場所連れて行く
 ♪不安なわたし その気持ちを笑顔で振り払う そんな人たち
 ♪わたしは忘れない 見せてくれた笑顔の数々
 ♪わたしを忘れないで そこにいた姿と足跡を
 
 ♪一人でいることのはかなさ 誰もわたしを知らないことのつらさ
 ♪ただ募らせる 人の恋しさばかりを
 ♪わたしは忘れない 側にいた人たちを
 ♪わたしを忘れないで 身を寄せたぬくもりそのままに
 ♪わたしは忘れない 見せてくれた笑顔の数々
 ♪わたしを忘れないで そこにいた姿と足跡を
 
 寂しくなったり、忘れそうになったらこの歌を歌えばいい。
 そうすれば、あの朝比奈さんの姿が蘇り、俺たちは癒される――
 
 〜終わり〜


297一期一会:2008/04/16(水) 22:43:49 ID:vdXA3mnS
終わりです。
298 ◆LeyXT4003g :2008/04/16(水) 22:48:18 ID:PD0YT77D
今回は投下終了まで耐えたぞ。
ttp://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4032.html
299 ◆LeyXT4003g :2008/04/16(水) 22:49:11 ID:PD0YT77D
300 ◆LeyXT4003g :2008/04/16(水) 22:52:46 ID:PD0YT77D
300げと。
……てへっ。
301名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:01:44 ID:6IEoFlPc
>>298
同じ歌か?
302名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:02:04 ID:WphNARQJ
しばらく泳がせておけばいいものを。
いきなり指摘したらとっとと立ち去るに決まっているじゃないか。

それはさておき普通のSSをスルーして、コピペに反応する方が興味深いね。
303名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:16:35 ID:ZjOXuPZU
ひょっとして本人だったりしてな。
前に長編貼った作品と同じ書き手の作品だし。
304名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:22:14 ID:wy9PbbO3
本人がコピペする理由なんてないだろ。
単純に前回あーだこーだで盛り上がったから、同じ作者のを使っただけだと思われ。
305名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:48:18 ID:iSkpcgR6
全然一期一会(笑)じゃねーなw
306名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 00:15:59 ID:LP/lgozn
スルースルー
307名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 02:32:25 ID:ad+5bUrf
コピペネタを増やしてやれば、逆に焦点がボヤけて存在感が薄れるかも知れないな。

     ↓

大作かっぱらいコピペ
308名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 03:24:45 ID:EnN0w00k
というか朝比奈さん、前もすぐに転載元貼ってたし、今回も早いな。
やっぱりVIPの方もかなりしっかりと見てるのか。
ここの書き手さんもしていて、VIPにもどっぷり浸かってて、批評というか解説っぽいことが得意っつたら…

いや、やめとこう
309名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 04:37:13 ID:ad+5bUrf
長編の投下が始まったら文章の一部をグーグルに突っ込めば読んでないサルでもすぐわかりますって
310名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 07:24:40 ID:MjVnaO3f
「モテ男の〜」シリーズの人こないかな?次にキョンが何に変身させられてしまうのか楽しみだったんだけどな……。
311名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 07:42:31 ID:5dtGxZVV
今度はライダーマンとか
312名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 09:00:05 ID:xs6DxPZ6
涼宮ハルヒのSSの人気投票開催中。
ttp://vote2.ziyu.net/html/punpking.html
313名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 09:02:08 ID:eZBELjc5
ニアピンです…
314名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 10:49:29 ID:XTVgJMBb
>一期一会
詳しい状況は知らんが、マサルさんの絵で脳内再生されて
最後の場面で吹いてしまったのは俺だけですか?
315名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 10:54:42 ID:03h47Fo2
>>308
自称作家の可能性が99%だと思うわけだが
316名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 14:48:08 ID:R0nEYWir
>>310
マジレスするとここは相当厳しいから辞めておいた方が良いよ
フルボッコにされるから
317一期一会:2008/04/17(木) 16:17:51 ID:ECMKeYxx
終わりです。
318名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 20:39:20 ID:9uDA/wER
このスレの読み手は態度がでか過ぎ、書き手は神な筈
319 ◆LeyXT4003g :2008/04/17(木) 20:47:18 ID:Z5FZ77k1
え、俺が?
320名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 20:47:29 ID:HaPzsNeF
書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈

書き手は神な筈
321名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 21:08:34 ID:qdP668/N
322名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 21:21:02 ID:8Ehu2x7x
そうか俺は神だったのか……ひれ伏せ愚民共
323名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 21:54:16 ID:IMR6tmmZ
ははーー!
     -ーー ,,_        -ーー ,,_        -ーー ,,_
   r'"      `ヽ,__    "      `ヽ,__    "      `ヽ,__
   ヽ       ∩/ ̄ ̄ ヽつ     ∩/ ̄ ̄ ヽつ     ∩/ ̄ ̄ ヽつ
  ノ ̄ヽ  "ヽ/ "   ノ   ヽi  "ヽ/ "   ノ   ヽi  "ヽ/ "   ノ   ヽi
 |  \_)\ .\  lll ●   ●|\\ .\  lll ●   ●|\\ .\  lll ●   ●|\
 \ ~ )     \ .\_  ( _●_)\_つ\ .\_  ( _●_)\_つ\ .\_  ( _●_)\_つ
    ̄       \_つ-ー''''      .\_つ-ー''''      .\_つ-ー''''
324名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 22:14:45 ID:5MHtx5QY
>>322
貴方が神か。
325名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 22:47:21 ID:6pIl5m/6
VIP臭ぇな
VIPでやれよ
326名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 00:12:31 ID:2wCIjkg9
>>319
もしかしてVIPで暴れているみるくさんですか?
327名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 03:11:53 ID:ZZIkKtMD
このスレの読み手はやっぱ圧倒的な態度のでかさを感じてしまう。
書き手はもう如何とも神な筈……
328名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 07:56:09 ID:MVcf3yCt
ところでちょっと聞きたいんだけど、51-294氏の作品『佐々木が妹にパンツを履かした日』で
佐々木はどうやって妹を説得したんだろう?文中で”なにやら頻りに俺を見る妹を察するに”と
書いてあるから、キョンに関する事だろうけど。「キョンは風呂上りに裸で歩きまわる女の子は嫌いなんだよ」
とでも言ったのかな?
329名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 08:25:25 ID:3HfyCpoQ
>>328
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、佐々木がそれを言い出さなくても来年あたりに長門が言い出すのは確実だけどな
330名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 09:45:33 ID:MPlpmEsM
原作での佐々木は、ハルヒとは違ってキョンやキョンの家族とそれほど仲の良いという設定じゃない。恋人どうしというのもただの周囲の勘違いだし。
二次創作ならではの改変。
面白いから良いけど。
331名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 10:23:13 ID:4DfdZvEZ
むしろ「キョンは履いてるパンツを脱がすのが好きなんだ。その証拠に私とする時はいつも・・・」とか行ってそう
332名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 13:38:06 ID:7WYKLn9t
朝比奈さんってどっかでトリバレでもしたんじゃないか?同一人物とは思えん。
最近は荒らしにしか構ってないしな。
>>223も含め華麗にスルーしてるし。
333名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 13:48:51 ID:iiyamvdN
>>223にどう構えと
釣り作品にしか思えなかったぞ実際
クソすぎっだろ、なにあの後半
334名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 14:23:41 ID:MPlpmEsM
かませキャラを無理に主役にしたのが間違っているのだろうね(笑)
335名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 15:17:38 ID:Jhbm+JRj
>>333
釣りとかクソとか書くと読み手にそのままはねかえってきますよ
>>334
それSSの感想じゃなくてただのキャラアンチじゃん
336名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 15:27:12 ID:7WYKLn9t
ソレは佐々木厨だからスルー。
なぜか余所のスレでは佐々木叩くんだよね。
337名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 15:31:15 ID:IgyyLDz7
読み手にクソしかいないんだから、投下される作品もクソになって当然だな。
338名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 16:20:37 ID:iQ5YeUr+
>>318
原稿用紙数枚から数十枚、場合によっては数百枚、全体のストーリーから細部の一語一句にまで気を配る書き手と
一行かせいぜい数行の読み手とはレベルが違うだろ。
だから長文感想で細部を指摘する昔のあの人はうっとうしがられながらも名物だったわけで。
小ネタも短い枚数でさまざまなシチュエーションを切り取る鮮やかさは読み手を楽しませてくれるし。
339名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 17:14:14 ID:FWb4OGSK
最近このスレの存在意義が見出せない。
340名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 20:09:12 ID:jVZGnI4i
うわ…
佐々木厨厨のこと言っただけでなに佐々木スキー扱いしてるんだよ…
佐々木みたいな男口調の女なんか好きじゃないし
341名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 20:09:36 ID:jVZGnI4i
うわ…
佐々木厨厨のこと言っただけでなに佐々木スキー扱いしてるんだよ…
佐々木みたいな男口調の女なんか好きじゃないし
342名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 20:09:56 ID:jVZGnI4i
連レスしてた
スマソ
自重するわ
343名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 22:53:31 ID:nEIb3++n
俺は朝比奈さんが誰なのかけっこう気になるけどな
やっぱ昔の批評のイメージあるから、個人的にはわりとしっかりしたSS書きそうだと思ってる
でもここの古参の書き手さんは、ことごとく自分じゃないって言ってるからなあ
344名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 23:39:05 ID:4D4I3gRP
>>343
彼は3代目
345名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:15:07 ID:FVRLoVGH
すると初代は誰なのか
346名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:32:16 ID:ii2slv0Q
初代は朝比奈みくる。
2代目はみくる(大)。
今いるのは8時間後のみくる。
347名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:48:01 ID:Bc9TQKKE
ただの偉そうなクレーマー。
348名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:48:04 ID:hXjbmPpa
つーか朝比奈さんて、もともとは名無しだったけど他の住人にウザがられて鳥つけたんだろ?
嫌いならNGにでもしとけよ。
349名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 00:52:41 ID:t4AjmqZx
今やスレの亡霊みたいになってる気もする。
350名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 01:25:47 ID:Bc9TQKKE
もともとはただウザいだけの存在として扱われてたような。
今は何故か実は偉い人扱い。

自作自演としか思えねーw
351名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 01:50:03 ID:fpBO5LCQ
批評自体は言い方きついが割とまともなこと言ってるような
ってか、そんなに嫌ならNGつっこめと
352名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 02:02:22 ID:p4g7JwTB
>>351
最近批評とかしてなくねw
ただ改行に文句付けてるだけじゃね?
353名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 03:40:46 ID:ysjbUNgA
三代目どころか十代目だったりして
354名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 05:20:41 ID:4OweVdk/
すげーいい話だったけど、一期一会氏ってコピペだったのか。

ただ一つだけ難点を言えば、問題の歌詞が
ある程度はいいかもしれないけど
書かれてるほどめちゃくちゃいいわけじゃないこと。
こういうものは万人を叩き伏せられるよっぽどの自信作でない限り
現物は出さず読者に価値判断をさせないのが得策ではないだろうか。
キョン=谷川氏のみくる描写のインフレがのいじ絵出されて
ある程度いいけど文章に書かれてるほどいいか?
って感じてしまうのと同じで。
355名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 05:22:43 ID:p4g7JwTB
>>354
原作のライブアライブみたいにするのが一番ってことだな。
356名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 05:26:07 ID:4OweVdk/
ああ、後者はどうしても避けられないから
のいぢ(だね、間違った)に精進してもらうしかないという絶望的な袋小路で
ちょっと比較対照として適切じゃなかったか。
357名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 05:31:25 ID:4OweVdk/
>>355
そうそう。
あと、そういう音ものが映像化された時に曲部分まで律儀に作られて凡作が当てられて
なんだよこれとがっかりする場合があるよね。
その点アニメのライブアライブはかなりよかったと思うよ。
358名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 08:47:46 ID:62HTKMbx
>>351
まともなことを言っていないから叩かれているんじゃないか。
批評もせずにキリ番ゲットや煽りに終始。良作は完全スルー。

これのどこがまともなんだと。
359名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 17:03:24 ID:nc4/Yjhc
批評自体は言い方きついが割とまともなこと言ってるような
ってか、そんなに嫌ならNGつっこめと
360名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 17:41:10 ID:Wj0fVncc
>>354
いうことはよくわかるし314みたいにマサルさんみたいとも思ったけど
まさにそのみくる描写のインフレがあるから
ある程度いいけど文章に書かれてるほどいいか?というのも作品に組み込まれてる気がする。
>あまり歌は聴かない方だが、恐らく一生の間でもこれほどのものは早々巡り会えないと断言できるね。
わたしは忘れないとわたしを忘れないでの両方入れるセンスを含めてみくるとハルヒっぽいというのは甘いですかね。
感傷的な場面だと陳腐でもストレートな歌詞が泣けるんじゃないかな。冷める人がいるのもわかるけど。
あとハルヒが錯乱するところで風子思い出した。
みくる描写のインフレについてキョンの人間性を考えるけどのいぢの作画力は考えなかったな。

>>100
「透明な」「一緒ならどこでもいい」「霞のような」「謡うように」「桜の木で舞っている」
と若菜が春奈っぽくなってる描写が興味深いです。

>>222
都合の悪いことはスルーして話をきれいに終わらせればいいのに
わざわざ最後に朝比奈さんの手紙を出してくるところに作者の誠実さを感じました。
ハルヒに教わればキョンの成績アップなファンタジーな勉強世界に佐々木のシビアな勉強生活をぶつけてきたのが好みです。
キョンだけが不思議な世界を楽しんでるという原作の根底にも流れる問題点も読み応えがあります。
そこから動機が佐々木の逆恨みで世界の作り変えが記憶のリセットになっちゃう時点で勝敗が見えちゃうのがアレですが。
べったべたな映画で橘が泣いてるのでクライマックスで橘が泣いても橘だからしょうがないになってるのがうまいです。
ハルヒの扱いは難しいですね。
361名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 19:52:53 ID:shhyvdVc
そのコピペ飽きた
過去ログ読め
362名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 20:02:44 ID:Y8O4zXCb
ちょっと良い作品がハルヒ能力で生徒全員が神作品と思うのは良くあること
363名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 23:28:33 ID:Cd8u3eOm
日本語でおk
364名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 01:32:30 ID:Ye24XYPk
谷川スレで見たんだがどうやら驚愕は6月にも出ないらしいな。

だれかTPDD貸してくれ。とりあえず5年ほど未来に行ってくる。
365名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 01:33:27 ID:LbWYKY21
今年中に出れば御の字くらいに思っとく。
366名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 03:39:54 ID:QnJd3OwA
だれかTPDD貸してくれ。とりあえず5年ほど未来に行ってくる。
367名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 03:49:20 ID:WaWlQKs8
だれか長門の部屋どこにあるか教えてくれ。とりあえず3年ほど寝てくる。
368名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 04:18:15 ID:7q3Er2uX
>>364
”グンゼ TPDD”でぐぐれ
for Windowsならver 2.00か3.000,、for linuxなら4.00がダウンロードできる
369名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 06:50:07 ID:34FL+TIX
TPDDってコリン・ウィルソンの言うX機能、人間の精神能力でしょ。
サイコメトリーとかのあれ系の。
ただ、なんで肉体を含む物質を持っていけるのか激しく謎なんだけど。
370名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 12:13:32 ID:OlS5lHM5
原作スレでやれ
371名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 16:59:08 ID:qDxfaNrh



だれかTPDD貸してくれ。とりあえず原作スレに行ってくる。







372名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:13:08 ID:l2r3HNWh
 >>312の投票、先に票が集まって除外された上位8作品中、半分がこの板のSSとかw
ランキングは無意味かもしれないが、知名度もふくめて、なんだかんだで、ここのSSはいいのがそろってる。

 非単調ラブロマンスは微睡まない
 ループ・タイム
 少年オンザグラウンドゼロ
 喜緑江美里の憂鬱 〜the melancholy of fake star〜

 さすがというべきだろうか。
 それにしてもノドアメさん強いw
373名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:15:43 ID:LbWYKY21
2ch以外でも宣伝したのかな?
もししてなかったら個人サイトのものとかほとんど集まらん気もするが。
374名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:17:28 ID:vhUuIw1a
>>372
残った4つのうち、3つはVIPだな。上位1,2はVIPだったけど。
375名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:20:47 ID:ZW14P70O
ハルヒのSSって、取り沙汰されるのは大抵掲示板発祥のものばかりな印象だけど、他のジャンルはどうなんだろう
やっぱ普通は個人サイトとかの方が主流なのかな?
376名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:22:39 ID:LbWYKY21
最近のレスにハルヒSSの書き手は2chでやってる人が多く感じるみたいなカキコあったな。
俺も他のは読みも書きもしないからよく解らん。
377名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:33:29 ID:UX0UnxIl
型月とかEVAは個人サイト主流
あとでっかい投稿掲示板とか
GSは超大手投稿サイトが二つあってほとんどそこだったな
俺はEVA→GS→型月→ハルヒときたんだが型月全盛期は凄かった、駄作もとてつもなく多かったけど
EVAは全盛期経験してないけどもっと凄かったんだろうな。
378名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:36:34 ID:LbWYKY21
そういやここってそんなにレベル高いのか?
俺がSS全体を見てるとはとても言えないからどのへんが平均なのかさっぱり解らん。
379名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:37:12 ID:BIWK0ZuV
SS最盛期の葉鍵飛ばしていきなり型月が出てきて笑ったw
型月なんてEVAや葉鍵の半分も総量ないだろう

ハルヒSSの書き手は2ch絡みが多いってのは時期的に必然なんじゃないの
今までのジャンルよりも若い人多いんだろうし
380名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:40:52 ID:l2r3HNWh
評判がいいSSは、個人サイトのものでもブログで紹介されたりもしてると思うけど。
なんとも言えないか。
あそこで名前があがってるのは2chのものだけなのかな。
381名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:47:27 ID:pfa/XoBu
評価が良いSS書きは、個人ブログを持ってるって事じゃないのか。
382名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 22:56:37 ID:UX0UnxIl
ごめんね、葉鍵やってないしSS読み始めたのエヴァ末期あたりなんだ。
いわゆる型月房だね!

2ch以外で有名どころだとヒロインズの多視点型書いてる人のとこぐらいしか知らない
383名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 23:15:58 ID:esfkmd4+
GSと聞くとゴーストスイーパーに変換されてしまう。
次にガールズサイド、グランセイザー。

でGSって何なんだ?
384名無しさん@ピンキー:2008/04/20(日) 23:35:28 ID:EV/JAzg4
ガソリンスタンドに決まってんだろう
385名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 00:15:07 ID:DXY+znoE
ジャイアントスラロームと答える俺はスキー部員
386名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 00:19:25 ID:raU1f2Cg
グループサウンズが最初に思い浮かぶ俺は間違いなくオッサン
387名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 00:22:04 ID:SczfG7Qo
ジャイアントサラバに決まってるじゃないか
388名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 00:49:25 ID:0TUjqC+C
>>312の投票、わりと始めの方から見てたけど、最初はあそこの管理人が勝手にチョイスしたのをリストに入れてたっぽいよ
最初は項目を追加出来なかったような気がす
ttp://www.d9.dion.ne.jp/~hky123/
↑ここから見てた感じ、最初の方は管理人の一押しがなんか上位に来てたような印象を受けた
他の人がオススメしてたSSでリストに入ってなかったのもあった…かな?このへん記憶曖昧だけど
389名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 02:05:18 ID:An3wqPqd
>>383
ゴールドマンサックス
390名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 02:55:57 ID:oUFHCeuX
>>388
で、いい加減ここの住人にうざがられながらスルー体勢に入られてることにまだ気付けないのか?
391名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 06:22:36 ID:1yigCT0P
GSはグローバルスタンダードだよ
392名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 08:52:08 ID:qUSTGshE
巨人VSヤクルトと答える俺はやき豚
393名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 14:01:33 ID:NkulWaDX
ジャイアンとスネ夫だろう
394名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 14:56:39 ID:MOUkF26X
何をいう、general secretary(総書記)だろうjk
395名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 16:40:16 ID:NM0w1yum
もちろん【ジーパン裂けた】だろ?
396名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 17:15:19 ID:Uou9Xck4
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
397名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 23:47:49 ID:cFmPDT7V
ゴーストスイパ〜
398名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 04:19:16 ID:cwwP7oDt
…明らかにツリとわかってるとはいえ、
>GSと聞くとゴーストスイーパーに変換されてしまう
に誰一人「正解」って書かないここの住人って…
え〜い、このツンデレさんめ!w
399名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 07:16:34 ID:TzumZjyP
>>398
恥ずかしくないのか、お前
俺はお前のレスを読んでしまった今、無性に恥ずかしい
400名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 07:30:40 ID:lf0pyDUG
え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w

え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w  え〜い、このツンデレさんめ!w
401名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 09:38:29 ID:tZuEjb74
えぇ〜い、こぉのツンデレさんめぇ〜♪
402名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:28:47 ID:YTgnWVsf
…また一つアレなコピペ文が生まれたな
403名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:50:23 ID:Wet69VNP
この内いくつが流行語大賞にノミネートされるだろうか
404名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 21:55:31 ID:FUUoknTn
>>402
え〜い、このツンデレさんめ!w
405名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 23:31:33 ID:pMDrvQnE
ツンデレのツンって嫌悪? それとも照れ隠し?
406名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:10:08 ID:RA3Ch61S
このスレの>>405は態度がでか過ぎ、書き手は神な筈
407名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:20:44 ID:cRVJv5+3
がんばっても半年持たないと思うよ。「原作が圧倒的」云々でさえ。。。
408名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 00:26:29 ID:fj9RmNrH
何でコピペの寿命なんか気にしてるんですか
409名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 09:27:34 ID:G225MwV+
つまらねーから、さっさとやめろってことだろ
410名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 10:19:03 ID:1GLttq2G
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
411名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 16:26:16 ID:wKFxkpmm
…明らかにコピペとわかってるとはいえ、
>え〜い、このツンデレさんめ!w
に誰一人「うぜえ」って書かないここの住人って…

え〜い、このツンデレさんめ!w
412名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 18:47:12 ID:dLSK098v
一つ確認するが、谷川流原案漫画のパロはここで良いよな?
413名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 18:54:47 ID:YMcwPAYw
蜻蛉迷宮すかwいいと思うよ。
414名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 20:10:15 ID:sTUtjFeM
投下します。
エロなし。小ネタ。
3レス予定
415中辛口な夜はあなたと:2008/04/23(水) 20:12:19 ID:sTUtjFeM
 とある夜、自分の存在領域から5メートルも離れていない場所で異常な情報展開が行われた事を察知し、スリープモードにあった有機体部位を強制的に活動可能領域まで引き上げた。
「ようするに、わたしの颯爽とした登場に驚いて目が覚めたって事ですね」
 いつの間にやら全開の窓、よく見ると鍵穴周囲に円型の穴が開いている。………さて、不法侵入は何番だったか?
「ふふふふふ、ダメダメさんなご意見ですね、長門さん。わたし達インターフェイスに人間の法律が通用するわけないじゃないですか」
 いけしゃあしゃあとのたまう不法侵入者もとい喜緑江美里に、努めて冷静な態度で問う。
「では、何なら通用する?」
「そう。わたし達は人に近いけれども人ではない、人にはなりえない、そんな存在」
 大げさな身振り手振りで謎ベクトルへ突き進む喜緑江美里。
「そんな人外に通じるものとは何か! 法律? 小さい小さい! 道徳? ナニソレオイシイノ? 言葉? ワッカリマッセーン!」
 ………なんというか、その、どうしよう?
 とりあえず使用するだけ情報処理能力の無駄である内容である事だけは理解できたのだが………。
「結局のところ、最後に残るのは一つだけ!」
 理解はもう途中から放棄しているけれど、明らかに方向性が間違っている事だけはそれでも理解できてしまうダメナー系なノリのまま、喜緑江美里は言葉を続ける。
「そう! それが、愛」
 ………まあでも、そろそろ彼女を黙らせる方法を深慮した方がいいだろう。自爆するのは構わないけれど、わたしに被弾されると困る。
「と、いうわけで長門さん。さあ、お姉ちゃんと愛を語り合いましょう」
 ………被弾した。
 笑顔でこちらに手を差し伸べる、宇宙から来た物体W。
 ………うん、さあ、素敵に愉快にコレを黙らせよう。………もう手遅れだという事後報告はなしの方向で。
「了解した。とりあえず目をつむって欲しい」
「いやですねえ、有希っち、だ・い・た・ん」
 身の毛がよだつような体動を見せながらも、こちらの言うとおりに目をつむるコレを、
「大丈夫。痛いのは一瞬だから」
 愛を込めて、全力で殴り飛ばした。


――――――――――
中辛口な夜はあなたと
――――――――――


「あうううー、痛いですよー。あっ、コブになっちゃってるじゃないですかー」
 涙目の喜緑江美里に絶対零度の視線をもって『カ・エ・レ』と、暗に伝えてみる。
 人と情報体の繋ぎ役である我等インターフェイスならば、この程度の情報など軽く読み取ってくれるに違いない。
 はたして、喜緑江美里はわたしに向かって自信満々の笑顔で親指を立ててきたではないか。
 明らかに情報不足なのに『あ、ダメだこりゃ』と確信できてしまうのは何故なのだろう?
 ………時間と能力の無駄なので考えないようにする、ダメだこりゃ。
「確かに受け取りましたよ。あなたからのラブボンバー!」
 表情を変えずに、対象の顎を全力で蹴り上げた。

 ///

416中辛口な夜はあなたと:2008/04/23(水) 20:14:10 ID:sTUtjFeM
「はっ! 世界がいきなり真っ暗くろすけにっ!」
 隣の部屋からそんなダメ臭漂う声が聞こえてきたのは、わたしが関係各所に通報を終え、軽めの夜食をとっている時であった。
 ドアを開けると同時に『ポテリ』という擬音つきで喜緑江美里が天井から落ちてきた。
「え、あれ、何で? 天井? 穴? ………カレー?」
 不幸な事故により天井に突き刺さっていたせいか、彼女の情報処理能力には一部混乱が見うけられるようだ。
 ちなみにカレーは夜食である。反論は許さない。
 とりあえず、もの凄く何か言いたそうにしている喜緑江美里を無視して話を進める事にする。
「喜緑江美里。あなたがここに来た用件は何?」
 それだけでも聞いておかないと話が先に進まない。どっちに進むか分からないのは………仕様だ、多分。
「えっとぉ、用件っていうかぁ、ちょーしょーじきに言わせてもらうんだけどぉー」
 キャラが違う。修正修正。
「はっ! 本官といたしましては今回の事件にはまことに遺憾の意をでありましてですねえ」
 月まで飛びたい?
「ごめんなさい」
 わたしの本気が伝わったらしく素早く素直に謝る喜緑江美里。
 その後で少しだけ気まずそうにわたしの方を見上げながら、彼女はこう言った。
「えっと、今日って『あの日』じゃないですか」
 彼女にしては珍しくわたしの予想通りだったその答えを聞いて、わたしは少しの間だけ両目を閉じて感傷とも言えない何かに浸る。
 そう。今日は『あの日』。
 『彼女』が消えた日。
 わたしが『彼女』を消してしまった日だ。
「だから、お姉ちゃんとしてはいろいろと心配なわけで、………違いますね」
 喜緑江美里は、彼女にしては珍しくいたずらっ気を含まない真摯な表情で、こう続けた。
「お姉ちゃんは今日一人になるのがイヤでイヤで、だから『妹と一緒に居たいなぁ』なんて思ってしまうわけなのですよ」
 ………確かに、一人がイヤだという事に反論する気はない。今日を一人で過ごす事がイヤで、それで部屋に戻ってすぐにスリープモードに入ったわたしに、それをどうこう言う資格はない。
 だけど、………だけど、だ。
 あなたが本当に今日一緒に居たいと思っているのは、わたしじゃないはずだ。
 それくらいは言葉に出さなくても分かる。
 イヤでイヤで仕方ないけれど、わたしはあなたの妹なのだから。
 チャイムの音が鳴る。先程電話した時間から逆算すると、通話を終えてすぐ全速力で飛んで来た計算になる。
 うん、それでいい。
「喜緑江美里。宅配業者が来た。代わりに出て」
 わたしはカレーを煮込むのに忙しいから、と無理矢理彼女を玄関へと押し出す。
 扉を開くと同時に固まる喜緑江美里。
 うん、これでいい。
「………会、長」
「やあ」
 そんな二人の声を聞きながら、味見をほんの少しだけ。
 少し辛めのその味は、あまり美味しく感じられない。
 でも、きっと、これでいい。

 今夜はこんなにもどうしようもなく、中辛口な夜だから、
   ――― 一人になるのは、ひとりぼっちになってしまうのは、わたしだけで十分だ。

 ///

417中辛口な夜はあなたと:2008/04/23(水) 20:17:46 ID:sTUtjFeM
「じゃあ長門さん、わたし達は行きますね」
「失礼するよ」
 わたしはカレーを煮込みながら、振り向く事無く二人を送り出す。
 今の顔を見せるわけにはいけない。
 別にひどい顔をしているわけじゃなくいつも通りの無表情なのだけど、見せたら多分気付かれる。
 涙を流さず、それでも泣いているのに気付かれる。
 まあ、見せても見せなくても喜緑江美里はとっくに気付いているのだろうけれど、これはもうわたしの意地の問題だ。
「大丈夫ですよ」
 そんなわたしの事情をおそらく全て理解した上で彼女は言う。
「荷物を届けない宅配業者なんているわけないでしょう」
 意味の分からない言葉に首を傾け、そしてそこで急停止。
 扉の向こう側から聞こえてくる足音。
 全速力でわたしの部屋へと向かっている、わたしが今夜、一緒に居たい人の足音。

 ///

「長門、こんな時間に一体どうしたんだ? ………カレー?」
「………」
 困った。
 確かに『彼と一緒に居たい』とは思うのだけれど、それをどう伝えたらいいのかが分からない。
 『カレー、カレーなあ』と、目の前の彼が首をひねる。
 まあ、夜中にいきなりカレー作成中の部屋に呼び出されたら誰だって混乱するだろう。
 しかも呼び出した当人達は『後は若い者に任せて』と説明放棄、即逃亡。
 ………さて、どうしよう。

 1.そばにいて欲しい。
   :そんな素直に言えたらこんなに苦労しない。

 2.カレーを食べて欲しかった。
   :………こんな夜中に?

 3.カレーの材料が切れたので買ってきて。
   :わたしが相手なら絶対殴る。

 4.なんとなく?
   :ぶん殴る。

 ………ダメだこりゃ。
 『どこか行くなら行くで、ちゃんと説明してからにして欲しかった』と、自分の口下手を棚に上げつつ責任転嫁。
 そんなわたしの混乱を知ってか知らずか、彼は立ち上がりながらこう言った。
「まあ、何もないみたいだな。とりあえず安心したよ。じゃ、帰るな」
 ………それは、………ダメだ。
「んあ、どうした、長門」
 彼の服の袖を掴んで引き止める。
「長門?」
 『どうした?』なんて聞かないで欲しい。
 そんなの、わたしが一番分からない。
 どうしようもなくなって、ただ彼を見上げる。
 1分ほど見つめあった後で、彼は優しい笑顔でわたしの頭を撫でながらこう言った。
「とりあえず、だ。腹減ったからそのカレー、食わせてくれないか?」
 そのとき感じたものは何だろう? 安堵? 喜び? 感謝?
 やっぱり、上手く言語化できない。多分わたしは出来損ないのインターフェイスなのだろう。
 でも、それを、少しでも彼に伝えたいから。
 だからわたしは彼に、せめてはっきりと頷いた後で、こんな不十分で出来損ないの言葉を告げるのだ。

「分かった。………ありがとう」

 今夜はこんなにもどうしようもなく、中辛口な夜だから、
   ―――やっぱりひとりぼっちより、あなたと二人の方がいい。
418名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 20:19:01 ID:sTUtjFeM
以上です。
では、また。
419名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 20:44:43 ID:Zz9xe5pf
GJ

ちょっと『彼女』を再構成しに行って来ます。
420名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 21:55:25 ID:wKFxkpmm
エロパロ板なのにエロくないの多いよな
421名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:10:08 ID:+wvxA1hK
>>418
GJ
優しい気持ちになれた
422名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:13:56 ID:q4q9D7Nn
某所で聞いた変体佐々木シリーズを一気読みしたら、しばらくおなかいっぱいの気分になった。
吐いた後にまだ詰め込まれ続けるような気分。それでも読んでる俺はあほ。

しかし、エロ抜きにしても、あの佐々木の言い回しと会話文は完璧だな。
本人乙って感じだよ。
423名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:18:03 ID:gHup3P33
そういう持ち上げ方とか「ながるん仕事しろw」とか素で引く
424名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:43:54 ID:4/OG7dbY
>>418
GJ!
長門スレに投下してもおかしくない話をよくこのスレに投下してくれたなあ
喜緑さんが琥珀さんみたいでしたw
425名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:55:44 ID:nue5hMoH
>>418 GJ!
自由過ぎる喜緑さんに吹いたと思ったら、この短さでしんみりまとめるとは!
姉妹二人のお互いを気遣う描写も良いし、
鈍感なキョンですら気付く位の長門の寂しそうな顔が浮かんできて泣けてきました。

>>422
変態佐々木の一気読みは、ある種の拷問だろw
用法容量を守って正しくお使いください(性的な意味で
426名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 23:17:26 ID:ZunVmvrm
>>418 GJ!!かわいい感じの長門をみれてよかったよ。
427名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 23:22:15 ID:dLSK098v
418乙
428名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 00:01:49 ID:JZzJWuXy
GJ!!(笑)
429名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 08:32:17 ID:OqV2dyQi
>>418
ビターなようでいて甘い。ある意味このカップリングでは欠かせない要素なのかも知れないな。GJです。
430名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 13:54:02 ID:drdpTC83
ビターなようでいて甘い
431名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 16:40:22 ID:3f5u5GQJ
最近保管庫更新されないな。管理者様忙しいんだろか。
432名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 17:06:52 ID:G9/oIxVM
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
433名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 22:17:18 ID:b0G4PF42
>>431
気長に待とうよ。ちゃんと更新してくれるんだしさ。
434名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 17:10:50 ID:tZC4Alct
GJ
優しい気持ちになれた
435名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:05:06 ID:WIxwmbCB
ちょっと聞きたいんだが……

TSっておkか?
もちろん投下前に厳重に注意書きをするという条件で
436名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:13:56 ID:iskGE5+u
TSに何の問題があるってんだ?
保管庫にもそーゆーの割とあるから
問題なし
437名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 01:20:42 ID:+bjOgj1l
>>435
注意書きさえあれば、基本的にはどんなものでもオッケイ
438名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 02:39:39 ID:24vStEbD
そうそう、注意書きあればカモーン
というか投下お願いします
439名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 03:29:42 ID:dJ7vymO/
マジレスするとここは相当厳しいから辞めておいた方が良いよ
フルボッコにされるから
440 ◆LeyXT4003g :2008/04/26(土) 06:21:44 ID:YKEMBGE1
>>435
TSもネタの一つさ。バンバン書いたらいいよ。
けど、原作あってのSSだってことを覚えといてほしいのさ。
原作だけを材料に、原作とどーにか同じ世界にして、ちゃんと自分で舞台設定を作っとくれ!

んじゃTSのパターンを挙げとこう。
書き手くんにはとっくとんま解ってるはずだからいいけど、
読み手さんに、この3つの違いを予め理解しといてほしいんだな。

1,後天性
  ある朝、頭を銃でぶち抜きたくなる夢から覚めた俺は、ベッドの中で自分がやたらに髪の長い女子に変わっているのに気づいた。
(TSものでいちばん多いパターン。心と体で性別が違うっていうのは本人にとってはとびきり気色悪悪ってこと、忘れちゃいけないよ!)

2,先天性
  えーっと自己紹介! あたし通称キョン子、本名……、
 うわゴメン、今めっちゃテンパってっから、落ち着いたときにでも!
(生まれたときからその性別ってパターン。世界を原作と整合すんのが大変だ。けど、心も体がオンナジだから、エロエロしてもあんまり気持ち悪さが無いのさ!)

3,交互交替
  ……キョン子の話は、俺にとってかなり気の重いことだ。未だに心の整理がついてねえ。
 もうあいつは俺の内にはいないのだが、そのことでほっとしているのかどうかも、よく解らねえんだ。
(何かのキッカケで同じ人の性別がコロコロ変わっちゃうパターン。服や下着はどうすんだろ? 話にするのはなかなか難しいかな)

あっ、もちろんパクリは絶対ダメだぞ〜!
441名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 09:39:10 ID:UtHCZxsZ

  が   と 
   かわ い


まで読んだ
442名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 10:56:36 ID:dGkO2gsC
俺は

  が   る 
   かわ い

までだ
443名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 13:10:29 ID:aUQGmEQS
ネタにマジレス
ここはSSスレの中でも屈指のSS職人が集い投稿する場所
このスレの読み手は文法や心理描写などの書き方を書き手が各自習得済みであるということを前提として作品を読む
なのできちんとした書き方を習得できてない奴が叩かれるのは当然のことなのだ
また「〜〜って酷評してるけどじゃあどんな文章ならいいの?」なんて質問はそもそもNG
なぜならそんなこと質問しなきゃ面白い話が書けないような奴はそもそも投稿資格がないのだから
ここは「SS職人を育てる」場所じゃない「SS職人が挑戦する」場所なのだから

ここで酷評を受けた奴はまだ挑戦するには早すぎたということ
自分のレベルを上げてからまた挑戦すればいい
444名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 13:13:38 ID:TERLz9OD
>>ここはSSスレの中でも屈指のSS職人が集い投稿する場所

乞食のプライドだけが高い事がわかった
445名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 13:24:18 ID:Xm8RFWr+
コピペにmjrs
446名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 14:09:46 ID:tUe8ZxYo
ここまででSS三作だけとは。
やっぱりどこもかしこも過疎だな。
447名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 16:32:15 ID:EtKmQ4uj
住人いることはいるんだけど、みんなたまーに来てる感じ。
448名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 17:46:40 ID:rtRcRLTe
今日涼宮ハルヒシリーズ全部買った
449名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 18:30:16 ID:VFGlL77n
>>443
4月1日に投稿された奴じゃん
コピペした奴も釣られてるようなものだなwww
450名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 22:37:39 ID:Bd4bOFEZ
と、コピペされて恥ずかしい思いをし続けている災いの根元が申しておりますが……
451名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 02:34:20 ID:0BCF+Dnq
一番最初に過疎になったのが、ここなんだよな。多分
452名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 08:33:27 ID:+WA2yPbW
なんか上でやってたような煽り合いを見てると
「自分は他人よりえらい、分かっている」「俺はお前らとは違うんだ」的な
アホみたいなプライド持ってるんだろうな。本人たち以外から見るとすごく浅はかで滑稽だ
こういうのって次の日冷静になってみると、なんであんなこと書いたんだって後悔してそう

…この流れで誰がSSなんて書けるんだ?
453名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 10:12:51 ID:6Iz5GKrW
ここはSSを書く板だよね。一応にしても。
なんで、SSの投下を妨害しているようなことばかりしているのかさっぱり分からん。
454名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 12:32:33 ID:acH9JSXR
ここの人は皆「自分が他人よりエロい」「自分は他人と違う」と思っているんだね。
455名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 17:45:09 ID:N8/11qAI
エロパロ板なのにエロくないの多いよな
なんで、SSの投下を妨害しているようなことばかりしているのかさっぱり分からん
456名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 18:34:01 ID:2s/E2fx0
ここはずっとこのままだろうし、それは別にいい。
単に過疎になっただけだ。公式側で新作が出ない限り、書き手は減ってくだろう。
457名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 18:36:48 ID:In9ECmQt
コピペばっかだな。
458名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 19:40:30 ID:x2ITvFoJ
ここはずっとこのままだろうし、それは別にいい
ここは「SS職人を育てる」場所じゃない「SS職人が挑戦する」場所なのだから


ここはSSスレの中でも屈指のSS職人が集い投稿する場所
459名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 19:50:57 ID:/+2WUvrb
しかしこんだけコピペしまくってるんだし、削除対象にならないもんかね。
460名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 19:58:28 ID:QQyj0wPo
スレがつぶれるほど連投されているわけでもないし、スルーしろと言われるのがオチだろ。
転載に関しては、別に禁止じゃないと一蹴されし、
461名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 21:47:14 ID:f+mGdvkK
GL4-全く情報価値の無いもの・真面目な議論や話し合いを目的としないもの
GL6-連続投稿で利用者の会話を害しているもの・全く変更されていない・不快感を与えるのが目的なもの

一応お膳立てはあるから、削除申請自体は通るぞ。
462名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 22:03:02 ID:1UhzQGoD
ヘタにレスするとコピペにマジレスになっちまうし、
ヘタに書き込むとコピペのネタにされるかもしれない。
書き込み自体をためらわせるような行為だな。
ただのコピペとはいえ案外やっかいだよ。
大容量転載→スレ流しの前科もあるし
十分削除対象の範疇だと思う。
463名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 22:07:24 ID:MZ0UPeKe
粘着の期間も相当だぞ。
>>462の通りで、結構悪質だと思う。
464名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 22:23:09 ID:+QEkmJLU
やめろと言われてやめるような感じじゃないし、
致し方ないか?
465名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 22:44:30 ID:bqlCMmZm
新作情報がないのが痛手だな。月末発売のザスニで何らかのアクションがなきゃ、「驚愕」は確実に秋頃にずれる事になりそうだし。
ツガノ版はおそらくびっくりするくらいのスローペースで「消失」を描く気配だから、漫画オリジナルをネタにするのも厳しそう。
「ちゃん」はギャグ一辺倒でなんでもありだが、故に妄想の燃料には弱い印象がある。二次創作は「本物」の世界があってナンボだしな。
とりあえず、自助努力をしつつ希望を信じて待つしかないのかな。
466名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 23:35:34 ID:kvcdTg6L
>>462
転載してるのとはまた別っぽいしなあ…
面白がってコピペしてる人もいる気もするし
俺も一回マジレス返して吊りたくなったことあったわ
467名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 23:48:16 ID:2s/E2fx0
わざわざこんな辺境の地に来てまでコピペやってくってどんな人なんだかな。
468名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 23:52:06 ID:MZ0UPeKe
ラノベの、それも二次創作のスレで延々粘着してるってのも不気味ではある。
実際に投下しているところを想像すると……怖いw
469名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 23:58:19 ID:2s/E2fx0
よっぽどこの作品が嫌いか、二次創作が嫌いか。
考えるほど不気味ですな。
470名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 00:45:52 ID:QrS48hTp
そろそろ不毛な雑談は切り上げようじゃないかおまいら


さて、胸尻談義でも(ry
471名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 01:00:41 ID:EwxACOeX
SSと雑談がなくなると、必然的にコピペばかりになるんだよな。
今まではその二つに埋もれていたから目立たなかっただけで。

読み手専門の住人はいるんだから、この際小ネタでもいいからどんどんSSをかいてみれば?
少しはマシな状況になるかもよ?
472名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 07:46:22 ID:i/KIzlOJ


長門「ちくわぶ」
473名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 12:48:24 ID:qZk/pI5+
まあ作品を投下するでもないのにこうやってスルーもしないでギャースカうるさいだけの人間が多すぎるから荒廃するんだろうな
書こうぜ
474名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 16:02:59 ID:Q68aP44C
朝倉「キョンくんの子供が欲しいの。一人ちょうだい。お礼にSMでも何でもしてあげるから。奥さんは情報操作でバレないようにするから大丈夫」
最初断っていた俺だが、朝倉に何度も何度も頼まれる中に色っぽいしぐさにクラクラしてきて、結局OKしてしまった。

朝倉「ありがとう。キョンくんならお願い聞いてくれると思っていたわ」
朝倉との一晩は、この世の出来事とは思えないほど気持ち良かった。

朝倉「じゃあ、約束通りキョンくんの子供貰っていくね」
こうして朝倉は、俺とハルヒ(妻)の間に生まれた最も年下の子供を攫って行った。ご丁寧にも最初からその子が朝倉の娘であるかのように情報操作されて。
っておいこら。返せ
朝倉「あれだけじゃ足りないの?もう何晩か付き合ってあげようか?何晩でも付き合ってあげるけど」
子供「お母さーん。お父さんは今度いつ来るのー?」
娘よ、お前の母親は朝倉涼子でなく、ハルヒだろうが
475名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 21:39:41 ID:CPLqH1eY
>>474
 投下ありがとうございます。
 ただ、今回のように1レスで終了するような話の場合、感想を書くという行為は、どうやら僕の力では難しいようです。
 自分も短編、小ネタを書く事が多いというのにお恥ずかしい限りです。
 申し訳ありませんが、今回はGJという定型句でお茶を濁してしまう事を許して頂きたく存じます。



 では、


 投下します。
 エロなし。10レス予定。
476SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 21:42:06 ID:CPLqH1eY
――――――
SOS式夢十夜
――――――


第一夜

 こんな夢を見た。
 腕組をして枕元に座っていると、仰向きに寝た長門が、静かな声で「もう死ぬ」と言う。
 確かに『温かい血の色がほどよく差して』と言えるほど顔色が良いわけではないが、それはいつもの事であり、自分から見ると、とうてい死ぬような状態には見えない。
 しかし長門は静かな声で再度、「もう死ぬ」と言う。
「そうか、もう死ぬのか」と上から覗き込むようにして聞いてみた。長門は瞼を開き、その感情の表れにくいただ一面の真黒な瞳に、自分の姿を鮮やかに浮かべながら「死ぬ」と答えた。
 『ならばやはり死ぬのであろうよ』と思いながらも、口からは「まさか死ぬんじゃないだろうな」と言葉が出た。
 それに対し「でも死ぬ。仕方がない」と眼を閉じながら長門は答え、自分は『仕方がないのか』と思い、元の場所に座り、腕組をしながら黙る事にした。
 しばらくして長門はその吸い込まれそうなほどの黒い瞳に、再度自分の姿を映しながら言った。
「死んだら、埋めて欲しい。特別な事はしなくていい。待つ必要もない。ただ、覚えていて欲しい」
 自分はただ頷いた。それだけしか出来ないのだと悟った。
 頷く自分を見て長門は目を閉じる。睫の間から頬へこぼれ行く一滴。
 『これは涙なのだろうか?』などと詮無い事を考える。
 ―――長門はもう死んで「大却下!」
 声と同時に障子が開かれ、夜の匂いと共に、月の光を背景に、ここに居るはずのない、来るはずのない神様がやってきた。
「何だ?」というこちらの問いに「死ぬのを却下」などと返しながら、長門の枕元に神様は立つ。
 座り込み、沈黙。神様は動かない長門の髪を愛しむように撫でるだけで、他には何もしようとしない。そして何も起こらない。
 開け放たれた障子から月の光と土の匂いが入り込んでくる。それでも何も起こらない。
 それで自分は『やはり、どうしようもないのだな』と納得してしまった。泣きそうになった。
 涙を堪えるために、星の破片でも探そうかと外を見る。
 そこに一輪だけ、ふらふらと頼りなく揺れながらも、しっかりと咲く百合の花があった。
 遥の上からぽたりと露が落ち、花が揺れる。
 視線を上げると、暁の星がたった一つ瞬いていた。
 『ああ、また会えたんだな』と、何故かこの時思い、一滴の水が自分から零れ落ちた。


477SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 21:45:00 ID:CPLqH1eY
第二夜

 こんな夢を見た。
 ある寺の一室で、自分は朝倉と正座で向合っていた。
 灯りは行灯だけである。そもこの部屋には行灯しかない。床も壁も天井も、硬くもなく柔かくもない何かに覆われているようだ。
 『はて、何故自分はこんな何もない部屋を寺の一室であると判断したのだろうか?』と疑問に思ったが、『今はそれよりも朝倉を何とかしなきゃならん』と思いなおした。
 そこでまず自分は、「お前はインターフェイスだろう。だったらアレくらい簡単に理解できないとおかしいぞ」と朝倉に問うた。
 自分の言葉に苦い表情を浮かべる朝倉。おそらくはアレについて考えているのだろう。
「アレが理解できないのであればお前はインターフェイスではない。ただのインターフォンだ」と挑発する。
 顔を真っ赤にしてぷいと向こうをむく朝倉。どうやら怒ったらしい。
「ははっ、怒ったな。口惜しければアレが何だか言ってみせろ」と自分は言った。
 アレを理解したうえで自分を斬るか、理解できないままインターフォンとなるか。
 インターフォンとなれば自分の勝ちであるが、怪しからん事に朝倉がアレを理解してしまったら自分の負けである。
 いささか分の悪い賭けではあるが、得られるものは多いであろう。
 朝倉は急に立膝になり、座布団の下をごそごそと撫で回したあとで満足したように座り込む。
 きっと床下のナイフを確認したのであろう。怪しからん。ものに頼る限りアレからは遠ざかって行くばかりだというのに。
 そんなこちらの思いも知らず、朝倉は自分を見て言う。
「12時」
 時間指定。愚かな事だ。時間に縛られる限り、アレからは遠ざかって行くばかりだというのに。
 それから朝倉は正座をしながら息を止めてみたり、荒い呼吸を繰り返したり、自傷行為に及んだりしていた。
 自分はその間、『アレって何だったかなあ?』とぼんやりと考えていた。
 いつの間にかは分らないが、気付くと朝倉は、静かな笑みを浮かべたままじっとこちらを見つめていた。
 アレに辿り着いたかどうかを聞こうとしたところで12時の鐘が鳴る。
 次の瞬間床を突き破って飛び出してきたナイフが、自分の首と胴体を永久の別れに誘った。
 くるくると宙を舞う首で『アレとは何か?』と問うと、朝倉は変らぬ笑顔でこう言った。
「先手必勝」
 自分自身に合掌しながら『はて、どうやって自分はこんな扉も窓も無い部屋に入ったのであろうか?』と考えた。


478SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 21:48:02 ID:CPLqH1eY
第三夜

 こんな夢を見た。
 もういい年になるWAWAWAを何故か背負っている。たしかに同級生のWAWAWAである。
 ただ不思議な事に、いつの間にかWが一個無くなってAWAWAになっている。
「いつAWAWAになったんだ?」などと聞いても、「い、いいい、いいだろ、べ、べ、べべべべ」などと背中で慌てているだけである。
 正直、同級生ながらかなりうっとおしく感じる、というか普通に重い。
「いいい、今にもっと重くなるぜ」
 捨てたい。うむ、捨てよう。そう決めた。
 進行方向に良い感じの森がある。野生のWAWAWAを帰すのにはちょうど良い場所だろう。
「分るのか?」と問うと「当然」と返ってくる。
 道順が分るのなら後が面倒になるかもしれないが、まあ今はAWAWAだから大丈夫であろう。
「そ、そういや、ちょうどこんな晩だったな、な?」
「何が?」と問うと、「し、知ってるくせに」などと嘲るように答えた。すると何だか知っているような気がし出した。確かにこんな晩で、もう少し行けば分るように思える。
 別に分っても分らなくても何の問題もない事のように思えるが、雨も降ってきた事だし、体が冷える前に早くこれをどこかに捨ててしまいたいので先を急ぐ事にした。
 雨はさっきから降っている。曖昧模糊な自分の過去、現在、未来の中で唯一確かな事は、背中にWAWAWAがくっついている事だけである。
 そうして今はAWAWAである。自分はたまらなくなった。
「こ、こここ、ここだ。ちょうどその杉の根の所だ」
 雨の中にAWAWAの声が響き、自分は覚えず留まった。森という闇の中、一間ばかり先にあるそれは、自分には何故だか信号機のように見えた。
「そ、その杉の根の所だったよな?」
「ああ、そうだな」と適当に返す。
「ぶ、文化五年の辰年って、何年前だっけ?」
 知らないし、どうでもいい事であると思われた。
「お、御前がおれを殺したんだろう?」
「いや、そんな記憶はないぞ」と言うと同時に背中のAWAWAが急に石地蔵のように重くなった。
 『ああ、これで正当防衛が成立するな』と思い、信号機らしき物の根元にAWAWAを投捨て、家に帰って風呂に入り、寝ようとしたところで布団の中にWを見つけたので捨てた。
 そして自分は、窓から放り捨てたWが無事にAWAWAと再会する事を祈りながら眠りについた。


479SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 21:52:25 ID:CPLqH1eY
第四夜

 広い部屋の真中、机の上に碁盤を置いて、古泉が一人碁をうっている。
 右手で黒石を、左手で白石をうちながら、たまに両手でお茶を飲んだりする。
 『何をしているんだろうか?』と自分が思ったところで、お茶を持ってきたメイドが空になった湯飲みに御代わりを注ぎながら、
「何をしているのですか?」と聞いた。古泉は御代わりのお茶を一気に飲干して、
「何をしているように見えます?」と逆に聞いた。メイドはそれだけで全てを理解したらしく、ただ笑顔を浮かべるだけであった。
 黒石がかろうじて勝利を収めたところで、メイドはまた、
「何がしたいのですか?」と、古泉に聞いた。古泉は碁石を黒白一緒くたに片付けながら、
「あそこへ行こうと思います」と外の湖を指差した。
 古泉が茶の礼を言い、表に出た後で、メイドは碁石をちゃんと黒白に分けなおした。一部の碁石は黒白混ざって灰色になっていた。それでもメイドは笑顔だった。
 古泉は池に向ってゆっくりと歩く。荷物は何もなく、笑顔のままで。ただ自分には、その瞳の奥には確かに何かがあるように思えた。
 池の近くの柳の木の下に子供が三・四人いた。古泉は笑顔のままでポケットから御菓子を出して子供達に配りながら言った。
「これから僕は赤い玉になりますから、見ていてくださいね」
 そして古泉は呪文を唱えるわけでもなく、儀式を行うわけでもなく、ただ真直ぐに湖の中心へと歩を進めた。
「今になる、玉になる、きっとなる、世界になる」
 唄いながらざぶざぶと湖へと入っていく古泉。子供達は皆、次の遊び場所へと行ってしまい、それを見守る者はいない。それでも古泉は、
「深くなる、夜になる、僕になる、僕でいる」と唄いながら、どこまでも真直ぐに歩いて行った。
 そうしてついに、頭まで水につかり見えなくなってしまった。
 自分が覗きこんだ時、古泉は湖の中で赤い光となって巨人と戦っていた。一人だけだった。
 絶望的に見える戦いを一人で行っている古泉を、自分はそうして何もせずに、ただじっと見ていた。
 ぼちゃん、という音がしたので顔を上げると、ちょうどメイドが湖に飛込んだところであった。
 湖全体に波紋が広がったが、やがて消えた。自分は結局、ただじっと見ているだけだった。
 そうして二人共、とうとう上がって来なかった。


480SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 21:56:25 ID:CPLqH1eY
第五夜

 何でもよほど古い事で、神代に近い未来と思われるが、どこかの馬鹿が戦をして当然のように負けかけた時に、運悪く生捕となり、敵の大将の前に引き据えられた。
 西洋の礼服に革の帯を締めて、それへ棒のような剣をつるしている髭軍団の中心で、制服で丸腰のまま高笑いをしている、腰をゆうに越えるほどに長い黒髪の女性、鶴屋さんがいた。
 鶴屋さんを取囲み、守るかのように立並ぶ黒服達。なるほど、どうやら彼女が敵方の大将のようである。
 自分は虜だから、腰をかけるわけにはいかない。草の上に胡坐をかく。履いているのは市販のどこにでもある運動靴であった。
 鶴屋さんは篝火で自分の顔を見て、「死ぬにょろ? 生きるにょろ?」と聞いた。処刑か屈服かという事であろうと判断し、自分は一言「死ぬ」と答えた。
「敵である自分は死んで、あたしのために生きるってこったねっ!」と鶴屋さんは言い、自分はそこでようやくどちらを選んでも間違いであった事に気付いた。
 自分は右の手を楓のように開いて、掌を鶴屋さんのほうへ向けて、眼の上へ差上げた。『待て』という合図である。
 その頃でも恋はあった、のかどうか自分は知らないが少なくとも友情はあった。なので、「自分は味方に持つ友情を裏切れない」と言う事が出来た。
 鶴屋さんは「んじゃっ、夜が明けて鶏が鳴くまでに味方が迎えに来たら解放だねっ!」と言った。『それで良いのだろうか?』と疑問に思ったが口には出さなかった。
 鶴屋さんは腰をかけたまま、篝火を眺めている。自分は草の上で仲間を待っている。夜はだんだん更けていく。
 篝火が崩れ、焔が揺れ動く度に、黒服が来て新しい枝をたくさん火の中へ投込んでいく。あたりで動くものはそれくらいだ。
 この時味方の少女は、裏の楢の木に繋いである、白いシャミセンを引出した。鞍も鐙もつける余地のない裸シャミセンであったが、少女は構わずに飛乗り、白い足で太腹を蹴った。
 篝火で赤く染まった空めがけてシャミセンが物理法則を無視して文字通り飛んでくる。
 少女は細い足でしきりなしにシャミセンの腹を蹴っている。シャミセンの足音は本当に宙で鳴っている。それでもまだ、篝火のある所まで来られない。
 すると真暗な道の傍で、たちまち「こけっこう」という鶏の声がした。御腹がへっていた少女は鶏を探して食べようと方向転換した。
「こけっこう」と鳴いたのは鶏ではなく鳴真似をしたWAWAWAであった。それを煮て食べるうちに少女は自分の事を忘れた。
 今日は自分と鶴屋さんの祝言である。WAWAWAが敵かどうかは、今の自分にはもう分らない。


481SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 21:59:54 ID:CPLqH1eY
第六夜

 運慶が我校の校門で朝比奈さんを刻んでいるという評判だから、登校がてら行ってみると、自分より先にもう大勢集まって、しきりに下馬評をやっていた。
 校門の前六間より始まる人込みが目障りだったので、斜に斬捨てながら中央に向かう。いつから集っていたのかは分らないが、鎌倉時代でないのは確かだ。
 見ている者は、みんな自分と同じく、我校の関係者である。その中でも三年生が一番多い。進路が決って退屈だから立っているに相違ない。
「大きなもんだねっ」と一部を指して言っている。
「人工的に拵えようとしたら、よっぽど骨が折れると思うのね」とも言っている。
 そうかと思うと「へえ、朝比奈さんですね。今でも朝比奈さんを彫るんですね。へえそうですか。わたしはまた朝比奈さんはみんな未来のばかりかと思ってましたよ」と言ったWAKAMEがある。
 運慶は見物人の評判には委細頓着なく鑿と槌を動かしている。いっこう振向く事はないが、よく見ると運慶は朝比奈さんであった。
 自分は『どうして朝比奈さんがこんな事をしているのだろうか?』と思った。『どうも不思議な事があるものだな』と考えながら、やはり立って見ていた。
 しかし朝比奈さんの方では、不思議とも奇体ともとんと感じ得ない様子で一生懸命に彫っている。その態度を眺めていた友人が、自分の方を振向いて、
「さすが朝比奈さんです。眼中に僕達はいませんよ。天使はただ自分のみという態度です。天晴れですね」と褒めているのかどうか微妙な事を言出した。
 疑問に思い、友人の方を見ると、友人は、すかさず、「あの鑿と槌の使い方を見てください。いつ彼女自身を彫ってしまわないか心配でなりません」と言った。
 見ると、朝比奈さんの指には何枚も絆創膏が貼られている。それでも彼女は腕を止めない。
 堅い木を削り、厚い木屑が飛ぶ度に、小ぶりな鼻が、くりっとした瞳ができあがっていく。
「よくああ無造作に鑿を使って、思うような鼻や瞳ができるもんだな」と、自分はあんまり感心したから独言のように言った。すると友人が、
「いえ、あれは鑿槌で鼻や瞳を作るのではありません。あの通りの鼻や瞳が木の中に埋っているのを掘出しているだけなんですよ」と言った。
 『はたしてそうなら誰にでも出来る事だな』と思い、急に自分も朝比奈さんを彫ってみたくなったから見物を止めてさっそく部室へと向った。
 部室には鑿と金槌しかなく、手頃な木が無かったので、とりあえず机を彫ってみる事にした。
 自分は一番大きいのを選んで、勢いよく彫り始めてみたが、不幸にしてそこにはシャミセンしかいなかった。その次のにはルソーしかいなかった。三番目のはWAWAWAだった。焼いた。
 机だけでなく床や天井、壁も彫ってみたがどれもこれも朝比奈さんを隠しているものは無かった。何故かWAWAWAが一番多かった。焼いた。
 そうしてついに、今の時代の木には到底朝比奈さんは埋っていないものだ、と悟った。
 それで朝比奈さんがこの時代に来た理由もほぼ分った。


482SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 22:03:04 ID:CPLqH1eY
第七夜

 何でも大きな船に乗っている。
 この船が毎日毎夜少しの絶間なく黒い煙を吐いて波を切って進んで行く。けれどもどこへ行くんだか分らない。そして凄まじい音である。WAWAWAと音を立てる。自分はたまらなくなった。
 どうやら船は太陽を目指して進んでいるようである。しかしこの太陽は西から昇ったり北に沈んだりするので、その度に方向転換が必要となるようである。
 その理由が知りたくなったので、あるとき自分は船の男を捕まえ聞いてみた。
「この船は何故太陽を目指すのですか?」
 船の男は怪訝な顔をして、しばらく自分を見ていたが、やがて、
「何を言っているのですか?」と問返した。
「だって、ほら、太陽を追いかけているじゃないか」
 船の男はにこやかな笑顔を浮かべたまま向うの方へ行ってしまった。よく考えると、船の男の後にはWAKAMEが立っていたように思えた。
「あれが太陽だなんて、人間ごときが決められるわけないでしょう」と、水夫が大勢声を揃えて言った。よく見ると水夫達の後にWAKAMEがいた。自分はたまらなくなった。
 自分は大変心細くなった。いつ陸へ上がれるか分らない。そうしてどこへ行くのだか知れない。ただWAWAWAと音を立てて波を切って行く事だけは確かである。
 そして水夫は全てWAKAMEに操られている。自分は大変心細かった。『こんな船にいるよりいっそ身を投げて死んでしまおうか』と思った。
 乗合はたくさんいた。たいていは異人のようであった。
 手すりに寄りかかって泣真似をしている者がいた。自分に「アナタハ、カミヲ、シンジマスカー?」と尋ねてきた者もいた。ピアノを弾きながら歌を唄いつつ、観客から御代を徴収している者もいた。
 けれども結局、それらの後には全てWAKAMEがいた。自分はますますつまらなくなった。とうとう死ぬ事を決心した。
 それである晩、あたりに人のいない時分、思い切って海の中へ飛込もうとした。そこで急に命が惜しくなった。心の底からよそうと思った。
 けれどもそこで背中を押され、自分の足は甲板を離れ、厭でも応でも海の中へ入らなければならなくなった。
 既に自分がいない甲板で、WAKAMEがにこやかに手を振っていた。
 そのうち船は例の通り、WAWAWAと音を立てて通り過ぎていった。
 自分が『どこへ行くんだか分らない船でも、やっぱり乗っている方が良かった』と悟りそうになったところで、船がWAKAMEと音を立てだした。
 目を逸らす。水の色は黒かった。
 黒い波の方へ静かに落ちて行きながら、自分は最初から間違いであった事をようやく悟った。自分はたまらなくなった。


483SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 22:07:48 ID:CPLqH1eY
第八夜

 床屋の敷居を跨いだら、白い学生服を着て固まっていた数人のキョンが、一度にいらっしゃいと言った。
 真中に立って見回すと、いつもの部室のようである。自分がいつも座っている椅子の前に、鏡が六つ立てられていた。
 腰をおろす。ここは部室であるが、鏡が六つあるせいで、たいていの場所は見る事が出来るようであった。
 キョンが神様キョンに連れられて通る。双方とも得意のようであった。神様キョンの事はよく知っていたので、自分は見ないふりをした。
 キョンが喇叭を吹いて通った。喇叭を口にあてがっているので、頬ぺたが蜂に刺されたように膨れていた。あるいは蜂に刺されたのをああやって誤魔化しているのかもしれぬ。確認しようとしたが、もう通り過ぎた後だった。
 まだ御化粧をしていないキョンが出たところで、白い着物を着た大きなキョンが自分の後へ来て、鋏と櫛を持って自分の頭を眺め出した。
 自分はこり気味の肩を竦めながら、「どうだろう、物になるだろうか?」と尋ねた。白いキョンは、何も言わずに、手に持った琥珀色の櫛で軽く自分の頭を叩いた。『頭は関係ないだろ』と思ったが言わずにおいた。
 鏡に映る影を一つ残らず見るつもりで目をみはっていたが、鋏が鳴る度に黒い毛が鏡の見たい場所に飛んで貼付くので、面倒くさくなってやがて眼を閉じた。黒い毛は、自分の瞼目掛けて飛んでくるようになった。
 眼の奥に髪の毛が入らないようにぎゅっと瞼を瞑っていると、白いキョンが「あんたは表のキョン売りを見たかい?」と話掛けてきた。
 自分は見ていないと言うと、急に白いキョンが「危ねえ!」と言った。
 はっと眼を開けると、白いキョンの袖の下に自転車の輪が見えた。人力の梶棒が見えた。白いキョンは慌てる事なく鋏をちゃきちゃきと鳴らした。
 そのとたん黒い毛が鏡に付き、自転車も人力車もまるで見えなくなった。見えないという事はいないという事である。鋏の音がちゃきちゃきする。
「餅屋ー、餅屋ー」と言う声が聞こえてきたので眼を向ける。鏡はもうほとんどが黒髪に覆われていて見えない。
 唯一見えそうな部分を覗き込むと、キョンが息を切らしながら餅を買い漁るところであった。不思議な事に買っても買っても餅が無くなる気配はない。
 餅屋が持っているのはたかだか15498個くらいだが、その15498個がいつまで勘定しても15498個である。
 自分は呆然として、餅を買うキョンの顔と餅を見つめていた。すると耳の元で白いキョンが大きな声で「洗いましょう」と言い、返事を待たずに洗い出した。水が目に入り、自分は何も見えなくなった。
 代を払って表へ出たところで、自分は自分がキョンである事を思い出した。とたん、周囲のキョンは皆キョンではなくなった。
「やはり髪を切ると清々しい気分になるもんだな」と歩き出す。と、門口の左側に、小判なりの桶が五つばかり並べてあるのを見つけた。
 その中には赤いキョンや、斑入りのキョンや、痩せたキョンや、太ったキョンがたくさん入れてあった。そうしてキョン売りのキョンがその後にいた。
 いつの間にか往来のキョンでない者は皆キョンに戻っていた。自分は振返り、再度床屋の敷居を跨ぐ事にした。
 自分がそうしている間、キョン売りはちっとも動かなかった。


484SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 22:11:49 ID:CPLqH1eY
第九夜

 世の中はいつも通りにざわついている。戦が起こるわけではないが、裸シャミセンが夜昼となく家の周りを暴れ廻り、それを夜昼となくWAWAWA共が犇きながら追いかけているような心持がする。
 家の内はいつの間にか静かであった。どうやら妹と自分しかいないようである。両親はこんな夜なのに出掛けたようである。WAWAWAやシャミセンなら良いが、WAKAMEにだけは出くわさないようにと祈った。
 一応妹に「親は?」と聞いてみた。今年小六になる妹はしばらく考えた後で、「あっちー!」と答えた。「何時帰るんだ?」と聞いてもやはり、「あっちー!」と答えた。将来が心配になった。
 夜になって、辺りが静まったので、親でも捜そうかと表に出る。妹が「あたしもー!」と言いながら背中に負ぶさってきた。そしてそのまま寝てしまった。怪しからん。
 どうやら雨が降っていたようで、湿った地面が自分の靴と擦れ合ってびちゃびちゃと不快な音を立てる。その音を聞きつつ妹を背負ったまま歩く。
 二十間ばかり道沿いに進んだところで古い拝殿の階段の下に出た。WAKAME色に洗い出された賽銭箱の上に、大きなシャミセンがぶら下っている。昼間見ると、そのシャミセンの傍に『え、俺?』という額が懸っている。
 鳥居を潜ると杉の梢で何故だかWAWAWAが鳴いている。自分はおもわずたまらなくなりそうであったが、妹が背中にいたので自重する事にした。
 拝殿の前でシャミセンを鳴かせ、すぐに目を閉じ拍手を打つ。この時、何故かWAWAWAが急に鳴かなくなった。
 どうやらシャミセンがカメレオンのように舌を伸ばしてWAWAWAを食べてしまったらしいのだが、自分はこの時目を閉じていたので、正確なところは分らない。
 妹はシャミセンの鳴き声で目を覚まし、「『しゃーっ』でね、『グルグル』で、『ぱっくんちょ』なのー!」と、食べられるWAWAWAを見たらしく大喜びである。将来が心配になった。
 妹を背中から降ろし、少しの間シャミセンに任せる。「好い子だから、少しの間待ってろな」と言うが、「シャミだ、シャミだー!」と聞く耳を持たない。怪しからん。
 仕方ないのでシャミセンに「頼んだ」と言うと、妹に頬を擦り付けられながらも「にゃあ」と返事をした。それで自分は安心した。
 それから自分は段々を下りて来て、二十間の敷石を往ったり来たり御百度を踏んだ。
 踏み終わったところで、特に願いが無い事に気付いた。仕方ないので、拝殿でシャミセンと一緒に熟睡している妹の、健やかな成長を願う事にした。
 満天の星空の下、月光に照らされた妹を見ながら、自分は心よりそう祈った。
 ところで、こういう風に最後の方は完全に忘れ去られていた両親は、どうやらWAKAMEの家で持成されていたらしい。
 妹を寝かしつけて部屋に戻るとWAKAMEがいた。「お土産はわたしです」と言われた。
 いろいろと台無しであった。


485SOS式夢十夜:2008/04/29(火) 22:16:15 ID:CPLqH1eY
第十夜

 自分は絶壁の天辺に立っている。ハルヒが腕を組んだままこちらを見つめている。
 はて、自分はどうしてこんな所にいるのであろうか? 確か自分は仲間の少女が倒れたので見舞に行こうとしただけである。
 そこへ「見舞物を買いに行くわよっ!」とハルヒが言出したのが全ての始まりであったと思う。その後、何故か電車に乗り、何故か原を歩き、何故か急に絶壁の天辺に辿り着いたというわけである。
 そも電車に乗った時点でおかしいと気付くべきであったが、今更後の祭りであろう。
「やれやれ」と言いながら肩を竦めようとしたところで、「あんた、ここから飛込みなさいよ」とハルヒが言った。底を覗いて見ると、切岸は見えるが底は見えない。
「意味の分らない事を言うな」と辞退すると、ハルヒは「思い切って飛込まないなら、WAWAWAにWAWAWAせるわよ」と、自分を脅迫した。
 WAWAWAれるのは嫌だったが『けれども命には代えられない』と思って、やっぱり飛込むのを見合せていた。
 ところへWAWAWAが一人WAWAWAと唄いながら来た。自分は仕方ないので、持っていたホーミングモードと書かれた金属バットで、WAWAWAの鼻面を打った。
 WAWAWAは「ごゆっくりー!」と言いながら、ころりと引っ繰り返って、絶壁の下へ落ちて行った。ほっと一息ついていると、また一人のWAWAWAが自分にWAWAWAりにやって来た。
 やむをえず自分はまた金属バットを振上げ、WAWAWAがまた一人穴の底へ転げ込んだ。するとまた一人現れた。
 ふと気が付いて向うを見ると、遥の青草原の尽きる辺りから幾万人の数え切れぬWAWAWAが、群をなして一直線に、この絶壁の上に立っている自分を目掛けてWAWAWAしてくる。自分は心から恐怖した。
 けれども仕方ないから、近寄ってくるWAWAWAの鼻頭を、一人一人丁寧に金属バットで打っていた。
 不思議な事に金属バットが体に触れさえすれば、WAWAWAはころりと谷の底へと落ちて行く。底の見えない絶壁を、逆さになったWAWAWAが行列して落ちて行く。
 それを見て我慢できなくなったらしく、「もういいわ! あたしが行くわよっ!」とハルヒがこちらに突進してきた。
 『こんなに多くのWAWAWAを谷へ落したかと思うと我ながら怖いもんだな』と別の事を考えていた自分は、それに気付くのが遅れてしまった。
 気付いた時は既に、自分のバットがハルヒを谷の底へ突落すように動き出しているところであった。
 『ああ、このままだと、ハルヒを谷の底へころりと落してしまうよな』と思ったので、バットの軌道を変えるために、自ら谷へと飛込む事にした。
 絶壁の上で呆然とするハルヒを尻目に、逆さになった自分が谷底へと落ちて行く。
 自分は『どうしてそんな、ハルヒのために自分から飛込むような真似をしたのだろうか?』と不思議に思ったが、考えるのが面倒くさかったので、「やれやれ」と言いながら肩を竦めて、目を閉じて、そしてバットから手を放した。
 その手をしかと掴む者がいたので目を開ける。ハルヒであった。自分を追って飛降りたようであった。そうして二人、逆さになって落ちて行った。
 『どこで間違えたのだろうか?』と考えるが、どうも自分とハルヒが出会った事自体が間違いであるようであった。
 『なら、何も間違いはないな』と分ったので、そのまま二人、抱締め合ったまま、谷の底へと落ちて行った。
 自分もハルヒも笑顔であった。幸せであった。
486名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:17:15 ID:CPLqH1eY
以上です。
では、また。
487名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 22:44:54 ID:VY630Luo
8 名前: 夏目蒼星石 [sage] 投稿日: 1908/07/25(火) 09:39:41 ID:Lapislazuri
 こんな夢を見た。
 腕組をして枕元に坐っていると、仰向けに寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。
 女は長い髪を枕に敷いて、輪郭の柔らかな瓜実顔をその中に横たえている。
 真白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、唇の色は無論赤い。
 とうてい死にそうには見えない。
488名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:25:49 ID:yCZvtLpW
マジレスするとWAWAWAとか寒すぎて辞めて欲しいと思った
フルボッコにされても文句言えまい
489名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:05:03 ID:bB9wphfI
>>486
うん、おつかれ。
とりあえず一言だけ言わせてくれ。

長い、あと読み辛い。
490名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:09:44 ID:4JHiibvJ
>>486
近代文学とのミックスか。面白い取り合わせだとは思う。元ネタの方の話はほとんど忘れたけど。
惜しむらくは、シュールではあるが原作らしさが薄い事かな。やや読みにくいのは元ネタ重視故、ってとこかな。
上手い具合に煮込めれば面白くなりそう。今後に期待してます。
491名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:13:47 ID:fyNVUDIY
高校卒業してキョンとハルヒがくっ付いてなくてお互い別々の道を歩んでるようなSS(鬱でも可)のあるとこ教えてくれ
492名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:17:56 ID:4JHiibvJ
>>491
このスレでも色々あるが、多分ここではないどこかの方が多いと思う。Vで始まるところでも探してみればいいのではないかな。
493名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:20:29 ID:LliNmjMo
SSはカプが基本だから、そういう展開はVIPでも見たことがないんだが。
494名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:33:19 ID:OKhSPLF5
>>486 GJ
そして、すまん。俺にはあんたのセンスを理解するには、まだまだ修行が足りないようだorz
原作らしい冗長なキョン語りも萌的要素もほとんどないのに、原作の根底に流れる重厚なエッセンスを散りばめる才能に嫉妬。
でもひとつだけ言わせてくれ。ここはエロパロなんだから、もっとお気楽に読めるエロを頼む・・・
495名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 01:02:08 ID:coeV0dJ4
そういや、エロの定義ってなんなんだろうな
496名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 01:59:28 ID:TctckOC8
夢十夜は元からカオスだからなあ。
原文読んでも>>494みたいな反応するのは当然だし、かくいう俺もさっぱりだ。
497名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 02:09:50 ID:sQHkWpXK
正直に「つまらん」「全然面白くない」「意味不明」って言ってあげるのが作者の為だと思うんだが…

一人だけぶっ飛んでても面白い書き手さん、このスレにいたけどね
あの人は異色すぎ
498名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 02:15:42 ID:a+E1czI1
>>490
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/799_14972.html
青空文庫

原作と読み比べるとどこを改変したかわかって楽しい。
個人的に第三夜のWAWAWAとAWAWAがよかった。
パスティーシュものは村上ハルキョンが春樹に対する悪意が感じられて
元ネタがわからなくても面白い。
過疎だとか泣き言言わずに漱石ネタを投下するのが素敵。
499名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 03:51:46 ID:FZ1KOvu1
と、作者が必死のフォローに奔走しておりますが
500名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 04:18:03 ID:D/THdbvs
228 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2008/04/29(火) 18:14:58 ID:ecEruNjq
可能性高そうな予想だな。30%ぐらいか まあ、それを今年言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな

ひぐらしスレに誤爆したバカ発見
501名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 05:41:42 ID:mos7k/Bf
なに沸騰してんのか知らないけど誤爆じゃなくてネタとして使いたかったんじゃねーの?
ネタになるかは別として
改行しなおしてるあたりそのままのコピペじゃないみたいだから

つーかひぐらしなんてくっだらねえ物のスレなんかよく見てんなw
住人層本当に若いんだな、ここw
502名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 06:57:40 ID:ihBPmKvx
と、誤爆した張本人が云々……
503名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 09:31:10 ID:E6lzITnV
ここの同じものがない感想は参考になるよな。
504名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 15:35:18 ID:YvFacLYI
投下ありがとうございます。てw
505名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 16:33:02 ID:BjiDFTgD
と、作者が必死のフォローに奔走しておりますが
506名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 17:15:32 ID:Y39AM2iX
>>498
情報ありがと。
しかし、こういう改変する奴がいるとはな・・ 目先が変わって面白いといえば面白いが。
507名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:52:00 ID:2Epd4bXh
発想の面白さに内容がまったく付いてきていないのがなんともな…
508名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:59:33 ID:RrZE37Or
なんか他のスレでも夢十夜改変ネタ見た記憶ある。
どこか忘れたがw
509名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 19:23:10 ID:hzR8GImB
注文の多い料理店の改変ネタがどっかにあったような気がするが、夢十夜は知らん
510名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 19:59:16 ID:CwmgxVck
どっちも佐々木スレ
511名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 20:11:09 ID:LDuhlt6G
また佐々木スレか
512名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 21:51:54 ID:J+PQH4Uf
素でうぜえな…
513名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 12:05:28 ID:Txo03goK
最近変なのしか来てない
514名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 14:54:11 ID:rRJiFA8y
元々変なのしかいない
515名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 16:12:15 ID:6KSgXaCf
え〜い、このツンデレさんめ!w
516名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 21:07:52 ID:LXoH6SHi
>>514 それは今までに神作品を投下してきてくれた職人に失礼だよ
517名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 21:35:56 ID:KE9Zna2a
>>516
そんなあなたにはこの一文をプレゼント


このスレの読み手は態度がでか過ぎ、書き手は神な筈(笑)
518名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 04:56:27 ID:fFxsPFxU
投下。エロあり ハルキョン 女性上位 皮 罵り 孕ませ 家族
キーワードにピンときた人はスルーで。
519セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 04:57:32 ID:fFxsPFxU
 学生時代の思い出はどこまでも甘美で、いつも眩しかった、とは言い難い。SOS団団長をめぐっ
ての小競り合いが起きるたびに、しかたなしに力の限り走り回ったが、どうしてなのか無報酬労働は
ざらだったのである。
 肝を冷やすような体験の果てに得るものが栄光や金銭でなく、ごくごく普通の日常生活なのである。
 危ういバランスの上に成り立つ世界を守り抜いたはずなのに、結果、それはスタートラインであり借
金の清算に過ぎない。俺の理想とするダラダラ青春を謳歌しているようでいて、その実、疲労困憊の
毎日だった。
 皆想像してほしい、自分がいつのまにやら延々と続くボランティア・マラソン・レースに参加させられ
ている状況を。気分はいかがだろうか。
 怠惰の証とされる授業中の睡眠も疲労回復に充てられたものであって、消して怠惰によるもので
はなかった。これはもう割に合わないと、ことあるごとに思っていた。
 だが社会人となった今、どうにもならない事態に直面した時に支えとなってくれるのは、そんな高校
時代に培った経験であり人脈だった。馬鹿な話に花を咲かせるのはいつだって旧友とであり、慶事
弔事の際、真っ先に駆けつけてくれるのは昔から見知った顔ばかりだった。
 嫌なニュースを右から左に流してしまうような芸当も、「少しだけ」を気が遠くなるほど積み重ねて
「ずっと」にするなんていう、危機感一つなくダラダラしているだけじゃ身につかない技術もそうだろう。
 不条理な状況におかれて寝付けない夜も、SOS団活動の思い出を反芻するうちに不安は解きほ
ぐされて、いつしかおやすみなさいだった。
 俺が身につけた知恵や処世術はどれも、あの奇想天外な集団からの贈りものであり、いつしかゆる
ぎないものとなって根付いていた。

 ついぞ感謝なんてしたことなかったが、そんな事実に気付いてしまえば馬鹿騒ぎ集団がずいぶん愛し
く思えるのだった。今日は朝から何かにつけ学生時代と今の状況を比較していたし、仕事から開放さ
れた就業後には思い出を拾い集め、普段は居眠りしているか携帯をいじっている帰宅途中の電車内
では、そいつを端から順になぞっていた。
 あの頃、放課後はたいてい毎日文芸部部室に赴き、ボードゲームに興じていた。茶で舌先を湿らせ
て、盤面を見つめて牌をどこに置くか思案しているうちにドアが勢いよく開いてハルヒが飛び込んでくる。
 自信に満ち溢れた口調でぶちまけられる案件に、俺は毎回心底呆れ、椅子からずり落ちそうになっ
ていた。
 意識は十年と少し前の高校時代に立ち返り、浮かび上がって部室全てを見渡している。
 入ってすぐに置かれた長机とパイプ椅子、壁際の本棚やホワイトボード。ハンガーにかけられた衣装、
丸机にはパソコンとケーブル類があった。
 一つ瞬きするたびにアングルが切り替わって、見たこともないような角度から部室を次々映し出した。
最初はいちいち珍しがっていたが、映像が流れるうちに、それは自分でも気付かないうちに拾い集め
ていた風景なのだという結論に行き当たり、どれだけあの場所で長く濃い時間を過ごしていたのか思い
知った。
520セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 04:58:34 ID:fFxsPFxU
 ハルヒがビラを団員に手渡して、演説を始めた。目を通すや一掃苦々しい表情になる当時の自分
とは違い、観客としての俺はひどく落ち着いた気持ちだった。ビジョンに映る憤った自分は、暴走する
団長をあの手この手で言いくるめようと必死だった。わずかな余裕もないものだから、もうちょっと気楽に
やれよ雑用係、なんて適当な言葉をかけてやりたくなった。
 ある意味俺の人生はここから始まったんだろうな。
 自分はどんな人間なのか、そしてどうやって歩いていけばいいのか。自覚こそなかったが、「俺」という
嗜好思考が作られたのはこの時期だったんだろう。
 文芸部部室の匂いまで鮮明に思い出されるほど浸った時に、最寄り駅だと告げるアナウンスが聞こえ
て、一度回想を打ち切り、俺は席を立った。

 ぬるくなってきた夜風になぶられながら歩き、駅から2LDK月8万円の我が城へと戻ってくる。ドアの
前で一度深呼吸してからくぐり抜けた。
 ただいまと言うよりも早く、パジャマ姿の我が子たちが駆けよってきた。ちっこい女の子とさらにちっこい
女の子の二人組みが、毎日大歓迎してくれる。そのたびに得も言えない震えが背筋を駆け上るものだっ
た。
 ついさっき風呂から上がったばかりなのか、飛び跳ねるたびに二人の髪の毛から滴が飛んで床を濡らす。
舌っ足らずな口調で「おかえり」と言ってくれたあと「うひぃ」だか「むふぅ」だか奇声を発しながら、うがい
手洗いをしている俺の周りをぐるぐる回っていたが、遊んでて欲しいのかそのうちよじ登ってきた。
 シャツに皺できようとお構いなしだ。一人が首にぶら下がると、もう一人が空き地を探して背中へと動く。
こら。パパをフィールドに鬼ごっこを始めるんじゃありません。おまけに仕事明けのパパには過積載だ。
 元気の塊のような幼児は俺の手を避けて――それが逆に勢いづかせているのか――あちこち素早く
動き回るものだから一向に捕まらない。
「いいかげんにしなさい、ほら、な、そのアレだ。パパは疲れているうえにばっちくて、お前たちはキレイキレ
イで。それに、あまり激しくぐるぐる動き回ると溶けてバターになっちまうぞ」
「バター?」 くりくりと目を動かして、疑問の念を向けてきた。
「いや、重要なのはそこじゃないんだ」
 簡単な言葉を選んで喋ろうと思うと、上手く口が回らない。おまけに余計なところへ食いつかれた。一体
どの角度から切り出せばいいのか。しかし読んでいないのか。この年の子供なら理解してもらえるとも考
えたが、厳しいね。
「ともかくすぐに降りなさい。パパだって怒る時は怒りますよ」
「いやぁ!」
「む、むずかられたって困るぞ。なあ頼むよ」
「いやぁー!」
 割れ鐘のような声で反抗された。お手上げだ。色々言ってみたもののことごとく通じない上に、いつのま
にか俺が下手に出ている始末。終いには好きなようにしてくれと、されるがままになっていると怖いママが
寄って来た。
521セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 04:59:56 ID:fFxsPFxU
「ほらもう九時よ。夜更かし禁止。歯磨きした? 明日の時間割り済ませた? じゃあおやすみなさい」
俺の身体を縦横無尽に行き来する二人組みの首根っこをすばやく掴んで、べりっと引き剥がす。ブラン
ブラン揺れる我が子を降ろすと、ハルヒは腰に両手を当てて、ママとの約束とやらを復唱させている。
そう、ママだ。娘のママとはつまり俺の伴侶。過去と未来は地続きなんだと痛感する。
 しかしたいしたものだった。日頃の教育の賜物なのか、ハルヒに言われれば二人は抵抗するでもなく、
はぁいと返事して仲良く寝室に向かっていく。
 何度かこっちを振り返りながら消えていく背中の、聞き分けの良さに感心するがきっと今のうちだけ
だろうね。二三年もすれば深夜番組とドラマの虜になって、学校の友達は皆観ているとか仲間はずれに
されちゃうとか、嘘も交えてさんざん駄々をこねるんだろうな。昔の俺や妹がそうだった。
 歴史は繰り返してその年輪を増やすのだから、そうなった時には父としての威厳を発揮しなければな
らない。
「おかえりなさい、はい、さっさとお風呂入っちゃって。その間にご飯温めておくから」
 生涯教育について考えを張り巡らせているのに、団長兼妻に背中を押されて風呂場へと追いやられ
ていく俺。が、思いのほかハルヒの力が強かったのか、俺がへたっていたのか、はたまたその両方か。まずい、
と思ったときにはすでにバランスを崩していた。
 バスマットに足を滑らせて勢いに流されるまま、向こうの側の壁に頭から突っ込んでいた。
「……ひょっとしてお疲れモード?」
「つまりはそういうことになるかな」
 謝らないのか。赤くなった鼻を撫でながら返事をする。
「頑張りすぎなんじゃないの」 ハルヒの指が俺の頬に触れた。
「むしろ精神的なものだと思うんだがな。春からの入った新入社員の教育を任されているんだが、そいつ
らに一から教えているとずっと気を張ってなきゃならんから、神経を磨り減らしてしかたがない。ミスすれ
ば俺の責任でもあるし。厳しく接しすぎてもいけないし甘すぎるのも問題だ。いつまで立っても馴れん。
上に立つっていうのは難しいな」
 入社してすぐのフレッシュマンに、この俺があれやこれやと指示するわけだ。SOS団雑用係の俺が小さ
くも一つの集団でリーダーを務める、か。楽しくもあるが中間管理職への一歩目は中々骨の折れる仕事
だった。
「ようやく気付いた? 雑用係でいられることの気楽さ、そして団長という称号を背負ってきたあたしの
有能っぷりに。褒め称えなさい」
 論点がすり替えられている気がする。取りあわないようにしよう。
「お前のように鈍感力の塊になりたい。繊細な俺にはちょっと堪えられん」
「アンタの場合、繊細というよりも心配性と言ったほうが似合うけどね」
 湯船の中で寝ないでよ、と言ってハルヒはキッチンに戻っていく。
522セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:01:06 ID:fFxsPFxU
 擦りガラスの向こうに湯気が立ち込め、プラスティック製の脱衣籠からは脱ぎ散らかした服が
はみ出していた。
 洗面台の曇った鏡には、娘たちが描いたであろう絵が残されていたが、垂れた雫によって上書きされ
てしまい、一体何であるのかさっぱり理解できなかった。元から理解不能だったのかもしれないが。
 リーダーなんて向いていないかな、と自問自答するが今更放り出すわけにもいかない。そんなことして
誰が得するんだって話だ。
 一つ書類を提出する時、食事する時でさえ縮こまり「これでいいのか」と視線をよこしてくる新入りは
可愛くもあったがずいぶん手のかかる存在で、しょっちゅうこっちの胸まで締め付けられた。必死ですがりつ
かれるとこっちの足場まで崩れてしまいそうになる……なんてそいつらの前じゃ口が裂けても言えない
立場に俺はいる。
 不安を悟られてさえならないのかもしれない。ハルヒだったら「ミスしてから言いなさい!」なんて怒鳴
りそうだな。だが、リーダーかくあるべきか。
 新入り連中だって一日でも早く新しい環境に適応しようと足掻いているんだから、俺がまず音を上
げてどうする。見守ってやらないとな。教育係が一抜けして士気が下がるようなことがあってはならん。
すぐに慣れるさ。
 今日も一日お疲れ様だ。熱い風呂に入ってさっさと澱みを溶かしてしまおう。思いっきり寝てしまおう。
もう体は休息を欲しがっているのかあくびまで出てきた。最近めっきり夜更かしができなくなってきた自分
に驚きながら、タオルを棚から出し、ネクタイを緩めると同時にボタンを外そうとしたところで、ノックなし
にドアが引かれた。
「俺が入ろうとしているんだがな」
 肩にハンドタオルを引っ掛けたハルヒがやってきた。
「疲れた。今日はもうお風呂入って寝る。背中流して」とタオルを投げて寄越してくる。
 当然とばかりに言いのけやがった。頭の中で過去と現在が正面衝突してごちゃごちゃしている。
団活動で培われた突っ込みを今こそ発揮するべきだろう。
 ついさっきお前から風呂に入ってくれって言われたんですがね。呆気にとられていると、
「……臭い」
 鼻をくんくんさせて非難の目つきでハルヒが言う。いい年した男なんだから仕方ないだろう。今から
風呂に入ってる清めるつもりだったんだ。
「って言うかアンタ本当に臭い! 汗かいてどれだけほったらかしなのよ、馬鹿!」
 指を眉間すぐに突きつけてきた。
 人が一番傷つく指摘とは体臭を否定されることなんだぞ。それは獣が体液によるマーキングで縄
張りを主張そして察知する事実や、煙草や不摂生によってもたらされる口臭を控えることが恋人間に
おける最低限のエチケットだという事実からも解ってもらえるだろう。
 お前が臭いといった汗は朝から晩まで働いてきた俺の、言わば労働の結晶だぞ。
 それを嫁から面と向かって臭いと言われた。
 コイツは本当、俺の都合を考えない奴だな。いや、自分の都合を最優先させるといったほうが良いか。
邪魔する奴は誰であろうと障害物にしかすぎないんだ。
523セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:02:31 ID:fFxsPFxU
「知ったこっちゃないわ……そうね、まず」
 怪しい笑みをたずさえたハルヒが、真っ直ぐ手を伸ばしてきて、俺の股間の一物を遠慮なく握った。
 突然の痴女行為に頭がフットーしそうだよ。反射的にその手を取り押さえようと動いた瞬間、無防
備になった首元からネクタイを引き抜かれた。
 あっ、と寂しくなった首元を気遣うように手をやれば、先ほどと同じ要領で、がら空きになった下半身に
狙いをつけたハルヒはズボンのベルトを引き抜きジッパーをおろす。勿論ズボンは間抜けにずり下がった。
 三回連続ではめられはしないぞと、その体勢のまま動かず警戒していれば、獲物が逃げようとしないのは
好都合だと丁寧にシャツを脱がされた。
 ハルヒはそのシャツに顔を近づけ匂いをかぐと、すぐに顔をしかめて「うわっ最悪、下水道みたい!」と
シャツを脱衣籠へ放り投げる。
 わずか数秒でパンツ一丁にされてしまい、俺が唖然としている間もその動きは止まらない。
 奪ったネクタイで輪っか作ると俺の首に掛けて、力任せに引っ張ってきた。額がぶつかりそうな距離ま
で顔を近づけてハルヒは言う。
「あんた今疲労困憊もいいとこでしょう? おまけに明日からのことを考えてすっかりナーバスになっている」
「お察しの通りだ。そこまでわかっているならそっとしておいて欲しいんだが」
 ハルヒは、じゃあなおさらと言ってから、
「アンタのストレス解消手段は、あたしに思いっきり振り回されることでしょう? 疲れている夫にはたっぷ
りサービスしてあげないとねぇ。先に背中を流してあげる」
 とんでもない事をぶちまけた。誰が何だって。
「ハルヒ、お前は今おかしなことを言ってるぞ、少しばかり落ち着くんだ」
「高校の時だったかしら。あたしも知った時にはビックリしたけど、事実なら仕方ないって受け入れたわ。
思い当たる部分も多々あったしね。あたしの命令を受けて、身も心もヘトヘトのフラフラになるまで言い
なりになって付き従わないと、満足できない体になっちゃったなら。責任をとってあげる」
 ついには額をぶつけてきた。
「耳の不自由な奴だな。突撃あるのみか。ひょっとして一杯煽っているのか」
「そんなはずないでしょう。今ここで自分の性癖と真正面から向き合いなさい」
「ポニーテール好き以外は思い当たらんね。さあUターンして出て行け。すぐ出て行きなさい」
「血色のいい生き生きした表情で否定されても説得力ゼロね。あたしが言っているのは表面の好みじゃ
なくてもっと深いドロドロした、欲望に直結している部分よ。アンタの本性を引きずり出してあげる。
 とっくに自分でも気付いてるでしょう。自分は人の上に立つようなタイプじゃなくて、走り回ることに悦びを
覚えるドM雑用タイプなんだって」
「そこの鏡に映っている俺は、これでもかというくらい嫌そうな顔してるぜ」
「瞳だけはさっきまでのゾンビみたいな瞳とは大違いでギラギラ輝いているわよ。何が待ち受けているのか
期待で興奮が隠し切れないのね。中学生みたい」
「違う。一方的な決めつけだ。断じて認めん」
「いつまで隠していられるかしら。さっさと堕ちちゃった方が楽よぉ」
 ハルヒの真っ赤な舌が首筋を這って耳元までやってくる。頬を二度三度優しく舐め回し、耳穴に
舌を挿し入れてくる。
「違うっ、て、の」
「図星のくせにムキになっちゃって、まぁ。ほら楽にしなさい」
 にひひっ、と笑う。さすがパートナーの首を締め上げて無理矢理起床させる妻だ。たまらんよ。
 もちろん歓喜の意味はこれっぽっちも含まれていない。
524セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:03:37 ID:fFxsPFxU
 パンツまでハルヒの手によって脱がされる屈辱を経て、シャワーで軽く汚れを流されると、納得の
いかないまま風呂椅子に座った。
 ハルヒは下着だけの姿になり、ボディソープを手のひらで泡立てながら俺の顔を覗き込んでくる。
「恥ずかしがってんじゃないわよ。期待しているのが丸わかりよ」
「俺は紛れもなくノーマルだ。ごく普通に洗ってくれ」
「くどいわね。アンタはとことんだらしないから、放って置くと爆発するまで貯めこんじゃう。自分のこと
なのに気付かない。あたしは三国一よくできた妻だから見過ごしたりしないの。今から息をつく暇も
ないくらい振り回してあげる」
 ハルヒの艶やかな黒髪から雫が滴り落ちて肌を潤していく。華奢な鎖骨の下には、白く豊かに実った
乳房がブラジャーの奥にみっしりと詰まっていた。呼吸に合わせて上下する果実を過ぎるとうっすら浮かん
だ腹筋と小さなへそが見えてくる。
 片手で抱き寄せられそうなウエストからヒップまでなだらかなラインが続き、締めくくるように、雄の
本能をかき立てる二つの白桃が鎮座している。白くしなやかかな太腿と、流れるようなラインの美
脚もつけ加えておこうか。
 背面における女性特有のくぼみがまたなまめかしい。少しだけの汗を身にまとう姿は、劣情を
誘わずにいられなかった。
 純粋なモンゴロイドらしからぬほどバランスの取れたプロポーションをハルヒは惜しげも無くさらしている。
 真夏の太陽を想起させるオレンジ色の下着が華を添えていた。
「あ、勃った」
 無視だ。ここで「お前の乳首もビンビンに立っている。おあいこだ」なんて言おうものなら、不毛な口喧
嘩が朝まで展開されることは十年来の付き合いでわかりきっている。俺の妻なんだよな、もう何年前から。
手を繋いで歩き、肌を重ね、子供を孕ませて、一緒に歩んできた。対等な関係を築き上げたつもりだ
が正直その肢体にはいつだってノックアウト寸前だ。
 あくまでその体だけであり、本人の主義主張は小学生の戯言レベルだが。
 うりゃ、と言ってハルヒが向きだしの性器に触れてきた。隅々まで泡立たせると、長く白い指を使って
思うが侭に弄ぶ。できるだけ細く長く息を吐き出して呼吸を整えなける。動悸がやかましくて仕方がない。
間抜けなにらめっこが続くがこの状況で男に勝ち目なんてない。
 早々に俺は手で顔を覆い隠して呆れるふりをして、その実、動揺を悟られないようにしていた。
「包茎ち○ぽが無茶苦茶になるまでいじくってあげるからね」
 んふふ、と笑うハルヒは底なしに魅力的だ。
「勃ちまくっているじゃない。まぁ頑張らないとすぐ子供ち○ぽに戻っちゃうもんねー、やらしい」
 擦り上げる指の一つ一つが淫らで悩ましい。
525セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:04:37 ID:fFxsPFxU
 言い訳させてもらおうか。俺の愚息は数年前までズル剥けだった。神に誓って事実である。ちんけな見
栄をはりたいがために嘘をついているわけじゃない。
 そいつが失われたのはハルヒとぎこちない行為を重ね続けて、互いに少しだけ恥じらいをなくした頃だ。
 ちっぽけな欲望と飽きが生まれる頃になって、俺のことをもっといじめてやりたい、と願ったんだろうさ。
弱みを握ってやろうと思案したんだ。ハルヒが願うことはそれつまり実現である。世界をまるごと描き換える
ほどの力を全開にさせた結果がこの様である。
 それから俺の股間は猫の眼のようにくるくる変化することになる。

 自分の分身に振り回されることしきりだった。股間に異変を感じて一日の幕があがる、なんて日常
茶飯事だった。その日は下っ腹から股間にかけてが妙に重苦しくて、普段よりずいぶん早く目が覚めた。
 違和感だけは一人前に伝えてくるが、ちくちく痛みを訴えかけるでもない。四六時中ぶら下げているとは
いえいつもコイツの動向を見守っているわけじゃない。だが、明らかに変だ。
 ベッドを抜け出し用足しがてらにトイレで恐る恐るチェックしてみれば、何事にかけても平々凡々の俺が、
長身の外人さん顔負けサイズのブツを装備していたんだから驚愕だ。果てしない脱力後に興味本位で
計測してみれば実測20cm。口径も凶悪極まりない。
 包み隠さす言うならば、俺は幾ばくかの優越感とともに、この件に関しちゃそのままでもいいんじゃないかと
思っていた。が、宇宙人に「将来的に重要な歪みもたらす可能性がある」と言われたなら、頑張って
歪みを修正するしかあるまい。
 ハルヒにサイズを気付かれないように、真っ暗闇の中で予断を許さずに行われる営みはやけにスリリング
だった。こんな日に限って、滅多に点火する事のないハルヒの奉仕精神に火がついていたのは偶然だろう
か。
 逸物への愛撫を交わしながらの行為はハルヒが腰を痛めることで決着がついた。当たり前だ。何事も
身の丈にあったものを選ぶべきなんだ。
 ……さすがに愚息が双頭になっていた時には、我が目だけじゃなくハルヒの脳まで疑ってしまったが。
ありえないだろう。
 不思議な世界を求めるあまり常識を片っ端から疑ってかかるような奴だと承知していたとしても、そいつが
心の奥底じゃ二穴同時責めを望んでいたなんて、どんな完璧旦那でも知りようがない。
 驚愕の事実を胸に秘めて、起床した俺を出迎えたのは、子供を膝上にのせて絵本を読み聞かせている
ハルヒだった。平坦でなく且つわざとらしくない絶妙な抑揚をつけて語りかける声は、眠りを誘うほど心地よく、
覚醒しきっていない俺さえ聞き入ってしまうほど見事だった。
 読み終えれば、慈しむままに我が子にほっぺたをすり寄せる。そのハルヒが、夜な夜な爛れた欲望に
身を焦がし蹂躙されることを夢見ているという二律背反。朝っぱらからとてつもないエロスだ。
 昼食後、娘が午後の昼寝タイムに突入したと同時に痺れを切らせ襲い掛かってしまったが、やはり
ハルヒが腰を痛めることで決着がついた。
526セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:06:05 ID:fFxsPFxU
 ただし、ようやくありのままの姿の息子を取り返しても、皮かぶり問題だけが何故か最後まで解決しなかった。
 ハルヒはどうしてもこの点を譲ろうとせず、毎日のように繰り返し上書きされる世界に疲れ果て、関係者
一同最後は匙を投げてしまった。
 ずっとかまっていられないと批判の声もあったんだろうな、根本な解決を図る手段が見つからないため
しばらく様子を見る、という名目の上で「いいじゃん、このままで」と相成ってしまった。「問題ない。この程度
なら無視できるレベル」とも。
 そもそもこんなことが議題にのぼること自体恥辱の極みだった俺も、仕方なく諦めざるをえなかった。
 ハルヒお前、初めての時に食い入るように見ていたじゃねえか。なら色ツヤ形までしっかり記憶しておけ。
 聞いてくださいウチの家内の頭がひどいんです、と吠えようども、最早誰も相手をしてくれないわけだ。
超能力者によると「長期にわたって腰を痛めつけられたことを根に持っているんじゃないですか? その
復讐として、なんて線はいかがでしょう」とのことだが勘弁してくれ。
 思わぬ負債をしょいこむ事となった果てが、サディストしての涼宮ハルヒの誕生だった。今まで暗くて
よく見えなかったけど実は皮をかぶってた。冴えないドーテー男が見栄を張っていた、と穴だらけのくせに
何故か揺るがない理屈が成り立つことで一件落着。
 やっぱりね。凉宮のSはサディストのSだ。

「大丈夫よ、火星人だって誰にも言ったりしないから。多分。それにキョンは優しいから、娘たちと話の
最中、何かのはずみでちょっと口が滑っちゃうことがあっても許してくれるでしょ?」
 その表情は悪巧みをする小学生そのものだった。世界をひっくり返してまで精神的な優位に立ちたいのか。
頭の中の辞書を何冊引いても反論が見当たらず、耳が熱くなる。皮をかぶっていることではなく、こんな状
況に置かれて好き勝手にされているから、だ。
 椅子に座った俺の前でひざまずくハルヒは、その構図とは対照的に支配者の笑みを浮かべている。俺とい
えば堂々とサービスを受ければいいものを、仮性であることにとらわれて真っ赤になっている。あぁいかん、
ハッタリだけでもと思うが、嬉しそうに反り返る局部を晒しておきながら自信満々でいられるほど俺は
豪胆じゃない。
 ふぅと余計な泡を吹き飛ばすハルヒの息にさえ、まいってしまいそうだった。
 血管の浮き出た陰茎にたまった垢をハルヒは指の腹で丁寧にこすり落とす。毛穴一つ一つにたまった汚
れを落とそうと、何度もハンドソープを足してチェックしてやわやわ擦りあげた。竿の洗浄に満足すると
玉袋をもちあげて通り道を作り、今度は会陰部を汚れを拭いていく。
「洗い辛いでしょ、ちょっと腰上げて。それとも無理やり指を突っ込んでほしい? そういうのがお好み?」
 サービスとはいえ、この行動の本質は奉仕活動どでないことは誰の眼にも明らかだった。安全な場所から
俺のことをいたぶっているのである。

 嬉しそうな顔のハルヒを直視できず避けていると、自然と体の一部に眼が引き寄せられていた。
 前かがみになって、より迫力を増した釣鐘型の乳が妖しく揺れ動く。学生時代よりさらに立派に実った
完熟の双球。ハルヒの動きにあわせて谷間がむちっと深くなるたびに、立ち眩みに似た衝動に襲われる。
窮屈な布地に押さえつけられながらも、乳肉がたぷたぷぽよんぽよんと揺れて自己主張を絶やさない。
527セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:08:58 ID:fFxsPFxU
 本人の性格とは正反対でおおらかさを存分に秘めている。墓の中まで持っていく秘密であるが。
その、まん丸な膨らみを思い出して自慰に耽ったことだってあった。
 先端の突起の甘み具合を思い出してのどがごくりと鳴る。
 飽きるまでいっぱい触ってください、と大きくて柔らかな果実がすぐそこで手招きしている。
「何、おっぱいガン見してんの」
「ガン見はしていない。これ、本当」
「気づいてないと思っているの? 全部お見通しなのよ。スケベな親父のくせに。子供たちにバラしちゃ
おうかしら。パパはおっぱいが大好きでママがブラジャーを買う時はいつも一緒にお店へ行くんだよって。
色からカップの型までパパの好みに合わせないと、不機嫌になって口もきいてもらえなくなっちゃうの。
 困ったパパだね。そんな話聞いたら幻滅しちゃうかも?」
 さも変態野郎みたいな言い方はよしてほしい。そもそも一番最初はお前からのお誘いだっただろうが。
習慣化しただけである。
「パパの好みなのよねえ。オレンジや黄色みたいな明るい色がお気に入りだもんね。そのくせ時々黒とか
紫の透け透けをつけてあげると、大喜びで三四回戦へ突入しちゃうんだから」
 似合っていると思うんだがな。落差が肝心なんだよ。
「試着室でベロチューして唾液の交換、おっぱいをはむはむちゅっちゅっして、そのまま最低一回はヌか
ないと試着もさせてくれない甘えん坊なの。店員さんにバレそうになると嬉しくてガチガチに硬くしちゃうの。
絶対言おうっと」
「い、いいだろ、アレくらい」
「よくないわよ。最低……んしょっと、はい完了」
 シャワーで泡をしっかり洗い流してお終い。綺麗にはなったものの、おい、これじゃあ暴動が起こるぞ。
「お前はひどい奴だな」
 洗い流して本当にフィニッシュかよ、大人の付き合い、夫婦の契りというものがあってだな。
「冗談よ、冗談。そんなにがっかりしないで欲しいわ、だって、臭い包茎ち○ぽなんてしゃぶりたくないもの。
わかるでしょ」
 ハルヒが両手を前に広げる。何かを期待されていることは明白だが、それが一体何を指しているのか
わからずにしばらく考えていると、ぼかっ、と頭をはたかれる。
「だからアンタは駄目なの。命令されるまで説明されるまで、のほほんとしている。馬鹿。飛びっきりの馬鹿」
 だったら命令してあげるわ、と付け加えて、
「抱き抱えなさい。ベッドまで連れて行って全身全霊かけてあたしを満足させなさい」
 冷酷なまでの視線に居抜かれればゾクゾクと背筋を快感が駆け昇る。息子はこれ異常ないほど硬く
いきり勃っていた。
528セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:10:17 ID:fFxsPFxU
 布団の上にハルヒをなるべく優しくおろす。
 熟れた果実を隠す薄絹が全て外され、ブラジャーが床に投げ捨てられた。拘束を解かれた生の乳が
一回り大きくなって飛び出す。
 続いて長い美脚から片足づつ下着がひき下ろされ、淡い茂みが露出する。天然物のハルヒ乳が、
万有引力の法則に従って恥ずかしく形を変えて、下半身では形のいい尻の丸みが浮かび上がっている。
腰がきゅっと見事にくびれて、柔らかくも張りをもったバストや一晩中撫で回しても飽き足りないヒップの
豊かさを強調している。
 我慢できずに電気を消すのも忘れてむしゃぶりついた。桜色の突起を口に含んで、本能の命じるままに舌で
転がす。
「キョンの入れ込み具合から、んっ、見ても間違いないようね。よ、ようやく理想のエロ乳に近づいてきたわ、
ふゎっ、あっ」
 垣間あえぎ声を混じらせながらもハルヒが満足げに漏らす。瞳は研いだ刃物のようにギラついて
俺を捕らえている。既に詳細を聞かなきゃなじられんばかりの雰囲気だ。お伺いしますが何ですかね、
その、えろちち、とやらは……。
「きっかけはテレビの女優だったのよ。映画の番宣でお昼のバラエティに出演してたの。映画にも女優にも
興味なかったからチャンネルを替えようと思った瞬間、あたしは釘付けになったわ。ボリュームが特別凄い
わけでも、谷間を強調した衣装を着ているでもないのに、女優の胸が一瞬、光輝いたのよ!」
 とっくに演説モードだ。誰かが唱えた、女性の胸とは金粉を撒き散らしながら飛翔する聖なる翼説は、
まんざら嘘じゃないらしい。愛撫を中断するしかなかった。
「あたしが求めていたのはコレだって立ち上がったわ。ボリュームで劣る時どうやって対抗すればいいのか。
黄金比に代表される価値観つまりバランスよ。一日足りとも自助努力を欠かした事のないあたしは
早速トレーニングを開始したわ。
 あの様子じゃ女優も気付いていないだろうから、アドバイスももらえないだろうし、一からのスタート。
全部手探りよ。でもさすがあたし! 早くも、モノにし始めているみたい。このおっぱいを五十才まで
維持してあげるから期待していなさい。
 ただしアンタも腹の出た中年ハゲ親父になっちゃ駄目よ。はったおすから……あーあ、歯形がついちゃたし
涎でベトベトじゃない。子供たちに聞かれちゃったらどうしてくれるの」
 そらすいませんね。我慢できないんだよ。
「とにかく約束しな、さっ、い、ふぁん、きゃっ……!」
 子を成し、齢を重ねてもハルヒの乳房は完璧だった。真っ白な柔肌の上で育ったプリンは重量感たっ
ぷりにゆれ動く。ばんと張り出したバストは揉みしだいても形崩れせず、すぐに指を押し返してきた。
 少しも黒ずんでいない乳首がいやらしく、十代には出すことのできない香りをまとった乳は天然の芳香
剤だった。そんな女を独り占めできるという欲求が一層気持ちを高ぶらせる。谷間に顔を埋めてかぐわし
い香りを目一杯に吸い込むと、幸せな気持ちで肺が一杯に満たされてたまらなく心地よい。だが、
「はい、おっきな赤ちゃん一名樣ご来店でーす、熟れ熟れおっぱいちゅっちゅコースですね、んっ、んきゃっ」
 その視線が少しばかり不満だ。
529セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:14:30 ID:fFxsPFxU
「長い付き合いだもの。アンタの考えなんていつだって全部お見通しなの」
 ハルヒは一度頬にキスしてから、仰向けに寝転がる俺の両足の付け根に顔を寄せてくる。
「せっかく洗ってあげたのにもう涎たらしてる。最低、ホントに最低」
 理不尽なまでの謗りだった。
 じっとりとした視線に犯されていると、すぐにハルヒは粘着質な音を鳴り響かせる。べとべとになるまで
唾液を垂らしてカリ裏を丹念になぶった。蛍光灯の明かりを受けて肉の棒がてらてらと光ったなら、唇を
はわせて鈴口から生まれる先走り汁を存分にすする。断続的に聞こえる吐息が、ハルヒも興奮しているん
だとサインを送ってくる。
「んっ、何回最低って言わせたら、ちゅっ、はむっ、気が済むの、いい加減にしなさい」
 唾液にまみれた竿と格闘しながら、どろりと濁った瞳で睨んでくる。ぼやくほどにハルヒはねちっこい舌使いを
より激しくする。情熱的な愛撫は体だけじゃなく理性も蕩けさせる。
「……ここね、ここが悪いんだから。馬鹿みたいに大っきくさせているのも、もっともっと欲しくなるのも、
いとも簡単にあたしを孕ませちゃうのも、全部」
 すぐに玉袋がまるごと暖かい口の中に含まれていた。温い粘膜が袋を包み込んで、頬の内側で
優しく玉を転がされる。これ以上ないほど天を向いていた息子がさらに角度を増して、悦びの声を
上げる。
 悲鳴を上げそうなほどの快感に引けそうになる腰を、がっしり掴んでハルヒはより肉の塔に唇を寄せてくる。
何かにとりつかれたようにしゃぶるハルヒの瞳は、狂気じみてさえいた。
 ハルヒから送られる情報すべてが俺にとっての性感帯で、肌があわ立っていく。
 執拗なまでの愛撫によって早くも我慢の限界だった。下半身を襲う快感に負けて、ビクビクと振るわせ射精を
はじめる情けない竿。
 我慢を続けた末に吐き出された、粘っこい液が尿道を通過していく。押し出された欲望の固まりは、
これまでにないくらい濃いくせしていくらでも飛び出てきそうだった。口内を徹底的に汚しつくして直接妊娠
させてしまいそうな熱い男汁が一気に溢れ出す。精巣から湧き上がる感覚に身を任せた。
 ただ、相当な量だったそいつらは一滴たりとも外の世界を知ることなく、ハルヒに飲み干されてしまった。
苦労して狩った獲物を逃さない肉食動物のそれのように。
 最後の一滴まで口に含み、長い時間をかけて味わい飲み込むとハルヒはふぅと一息つく。
530セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:16:51 ID:fFxsPFxU
「……よく考えたらさっきからあたしばかりがサービスしているじゃない。雑用のクセにふんぞりかえってさぁ。
これはもうお仕置きしないといけないわね。はい決定、罰ゲームよ」
 唇の端っこに付着していた唾液をなめとりながら、ハルヒは俺の上に覆い被さる。危機を感じて逃げようと
するも、射精後の虚脱状態の隙を疲れて馬鹿力で押さえつけられる。万歳の状態でがっちり固められた
両腕はウンともスンとも言わなかった。
「逃げたら余計罪が重くなるわよ。何年SOS団の雑用係やってんのよ。頭の回転が鈍い人にはペナルティーが
課せられます……そうね、こういうのはどうかしら」
 眼前のある、色気のつまった大盛りのバスト。
 重力に従って垂れるだけの贅肉でなく、理想的な食事制限と運動量に支えられたハルヒの胸は、
これでもかというほど見事な円錐形を保っている。左隣からやって来た温かなふくらみが、火照った
頬を押した。

 ぷにゃりとひしゃげた媚肉が停止してハルヒの体温が伝わってくる。ぽかぽかと温かく、ちっとも押し付けがま
しくない優しさの象徴を使っての罰ゲームとは一体どうするつもりだろうか。
 もう少しだけ力を込めて体を動かすと、親離れできない幼児みたいに淫肉がハルヒと共に動いて行く。
体が左右するのとワンテンポ遅れて第二波がやってくれば、また俺の顔を通り過ぎていく。今度は右から、
それも少しだけ勢いを増していた。再度左からやってきたそいつは痛みを感じさせるほどの衝撃を持っていた。
 次第に威力を増していくが、苦痛よりも恥ずかしくてじっとしていられない。ふつふつと沸きあがる羞恥心は、
鋭い痛みなんかよりもずっとリアルで耐えがたかった。
「おっぱいビンタでーす。あははははっ!」
 屈辱にもほどがあるだろう。
「さて反省の言葉をまだ聞いてなかったわね。懺悔しなさい、海より深く空より高く。さぁさぁさぁ!」
「なんのこった」
「言わなきゃいけないことは一つでしょう。もちろんふんぞり返っていてすいませんでした、なんてチープな
言葉じゃないわよ。それさえ理解できないんならあんたもう手遅れね」
 思い当たる節はあるが言わなきゃいけないのか。どうしても。渇いた咽喉を振り絞って、ささやくよりももっと
小さな音量で謝罪の言葉を紡いだ。
「雑用係のことじゃ」
「ないわね」
「薄給のことでも」
「でもないわね」
 やっぱりアレですか。
「……皮、被っててすいません」
「いいえ、どういたしましてぇ」
 小さく鼻を鳴らして認めやがった。のせられて口に出したことをすぐに後悔する。一発で言い当てたのにこれ
っぽちも嬉しくないうえ、なけなしのプライドが音を立てて崩れていく音が聞こえやがった。明日の朝に思いだし
て身悶えすること間違い無しだ。
 絶対的な優位を携えて、ハルヒはにっこりと微笑む。
531セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:18:47 ID:fFxsPFxU
「今度はママごめんなさいよ。ほら言ってみなさい。マ・マよマ・マ」
「……ママ」
 ああ、くそ。のせられるなっての。世界中の恥という恥をかき集めてもまだ足りないだろうな。
 ハルヒがこっちを見やっている。乳房全てを頬張るつもりで口を広げ、力一杯吸いつくとハルヒの体が
大きく震えた。眉間にしわを作って快感を噛みしめるように仰け反る。どれだけの間そうしていただろうか。
 愛しい気持ちが込み上げてきて、目線で合図するとハルヒは顔を寄せてきた。そうしてできるだけ優しく
口づけた。
「ハルヒ、そろそろ」
「ん、シたい? シたくてたまらない?」
 仕方ないなあと微笑んでハルヒは腕の拘束を解いてきた。ひりひりと痛む手首を振って感覚を取り戻す。
 竿は涎を垂らしてヒクヒクうごめき、第二の射精を今か今かと待ちわびていた。そう、この瞬間にでも
肉棒の先端からたっぷりとドロドロの白濁液をプレゼントしてやるつもりだった。はしたない嬌声の一つでも
あげさせなきゃ気がすまなかった。
「痛かった? ごめんごめん、ちょっと張り切りすぎちゃった」
「驚くくらい心がこもってないな……」
 仰向けのまま枕元に隠してあるはずのスキンの箱に手を伸ばして探る。結婚していようとも計画時
以外は男としての責任である。ようやく指を引っかけ、持ってきたところで急に手の甲をつねられた。
痛みを覚えた俺がその意図を理解するより早く、ハルヒは明るい家族計画をひっ掴むと、部屋の隅に
置かれたごみ箱に向けて放り投げていた。
 ごみ箱の中は空っぽだったのだろう、硬質な音がした。

 嫌な予感がする頃には、とっくにハルヒはのしかかり中腰となって、んしょ、と狙いを定めていた。
「ちょっ、お前っ!」
 俺が制するよりも早く滑らかな動作で腰を降ろし、きゅうっ、と締め上げる。ヌルヌルとした膣壁が
息子をねっとり包み込んだ。ドロドロに溶けたハルヒの中に深く深く沈みこむと、一番奥にこつんと当たった。
 込み上げる射精感にプライドを総動員して抵抗する。シーツを力一杯に握り締めて目を閉じ、
ハルヒという目の前の情報を追い払った。
 強制脱衣と強制懺悔と強制挿入おまけに乳ビンタ。俺のプライドはとっくにズタボロだった。これに
強制おめでたが加わった日には、二度と立ち直れない気がする。
「もう一人、欲しいの」
 言葉の意味を理解して脳の奥が痺れる。
「どうして、そんな大事なことを、いきなり言うんだっ」
 気持ちは解らんでもないんだが、色々と厳しい。
 ハルヒは言葉を紡ぐよりも俺の背中へと腕を回し、足を絡ませて、直接的な同意を求めてくる。
甘い誘惑に身を任せ、よし任せろと首肯したいのは山々であるが。我が家の人口は既に定員オ
ーバー気味なのだから仕方ない。これ以上はちょっとばかり多すぎる。
 隣室では来年小学校入学を迎える長女、幼稚園児となる次女、そして――半年前に我が家へと
やって来たばかりの――三女がすやすやと眠っているのだから。
 親としての責任を果たすためにもここが潮時だろう。無計画にもほどがある。家計と俺の個人的な
財布情勢をさらに圧迫するつもりか。
532セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:22:01 ID:fFxsPFxU
「だって皆天使みたいに可愛いんだもの。いたずらしても周りの人が皆笑顔になっちゃうような魅力に
満ち溢れている。頭の回転とルックスを持ち合わせていないと出来ることじゃないわ。だから今度産まれ
てくる子も多分、ううん絶対そうに決まっている」
 夢を語る時のように、饒舌なまでにハルヒは喋る。お前の腹の中じゃ――本当に腹の中だな――早くも
妊娠出産が規定事項かよ。
 無計画ぶりに呆れていると、
「どうなっても知らないぞ、なんて絶対言わせないからね。アンタには可愛い子供たち共々、一っっっ生、面倒みてもらうから」
 犬歯をむき出しにして本気だと教えてくる。

 引き剥がそうとするが、再び両手首を馬鹿力で固定されて動きたくとも動けない。腰をグラインドさせる
たびに歓喜の洪水が押し寄せるが、ここで堪えきれなくては男でない。はふはふとハルヒが喘ぎ悶えるたびに
理性がとろけていく。永遠に思えるほどの挿入作業に、ヘソから下の感覚が薄れてきた。
 いつ射精してもおかしくない状況ではある。だがしかし、男の一文字にかじりついて意地でも耐えてやる。
阿呆な団活動のおかげで根性には自信があるんだ。
 ハルヒはさまざまな動きで膣をくねらせて、俺の精を搾り取ろうとする。結合部から愛液が音を立ててあふ
れだし、白い太腿をつたわり布団に染みを作る。お互い一歩も譲らない獣の交わりように激しい動きだった。
乾いた音はとっくに消えて、ぬちゃぬちゃ粘度を伴った水音だけがしている。
 ハルヒは数秒で決着がつくと思っていたんだろうか。予想外にてこずるのか、ハルヒは目つきこそ鋭い
もののしだいに眉毛が八の字になってきた。
「は、早く孕ませなさいよぉ、アンタの赤ちゃんもっと産んであげるって言っているでしょ!?」
「だからって、はいそうですねと出せるか馬鹿」
「雄として本望でしょうが、それを拒否する意味がわかんない! 可愛い奥さんに毎日毎日中出し
し放題で、駄目な期間中も手と口とおっぱいでサービス三昧! アフターケアも完璧だっていうのにどこに
文句があるの!?」
「人の、話を、聞けっ、ての」
 全く噛み合わない不毛な会話がなされる。これでもコイツは大マジなんだろうな。

 理性と本能のせめぎあいが延々続いて視界がぐるぐると回りはじめる。
 下唇を噛み締めて力の限り抵抗するが、腹の上で壮絶な踊りをこれだけ続けられればもう駄目かもし
れん、と諦めの念が俺の中を支配し始めた頃、ハルヒが、きゃうん、と甲高い声をあげ停止した。
 突如発生したエアーポケットに戸惑えば、壁にかけられた時計の音がやけに聞こえた。今のは何かの
見間違いかと息子を奥のほうで一捻りしてみるとハルヒは、らめぇ、と一層高い声で鳴いた。
 口に手を当てて防ぐがもう遅い。そんなに良かったのかよ。押し殺せずに飛び出した声は俺の鼓膜を
震わせて、バッチリと脳の記憶領域に刻み付けられていた。腰の動きが完全停止して、完全停止する
ハルヒは見ているこちらが恥ずかしかった。
533セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:24:29 ID:fFxsPFxU
 おい大丈夫かと心配してみれば、怒りを伴いながら徐々にハルヒは復活してきた。一層強く俺を
睨み付けて、
「勘違いしないでよね! アンタのち○ぽなんて、ちっとも気持ちよくないんだから!」
 と今日一番のツンデレを見せつけられたところで限界だった。どうしてこんな恥ずかしいタイミングで
出るんだよ、あぁ、くそ。
「えっ嘘っ、やっ、出てるっ。あっ、ふわぁ、凄っ! ひゃっ、お腹の中でビクビク言ってる! ひゃっ、
やっ、いやぁん!」
 避妊用具なしの生セックス。性器が爆ぜたかと錯覚するほどの量が吐き出される。膣内に吐き出
された体液はそのまま直接、一番奥深い器官まで突き進み、我先にと卵子を目指す。子宮が許容量
一杯まで性器を吸いあげて、とろとろとあふれだすマグマを無尽蔵に吸い取る。
 肉の壺に収まりきらない精液がごぽごぽとこぼれてきた。男子の本懐を遂げた。人間も理性の檻で
自分を縛り付けていても、所詮は動物なんだと実感する。一匹の雄としてこれ以上ない幸福に包まれて、
同時に、ハルヒを責める気にもならないほど満たされていた。
「ひゃっ、はふぅ、あぁ、腰ぬけちゃうかも」
 しなだれかかるハルヒが玉袋を柔わ柔やと揉んできた。「よく頑張ったね、偉い偉い」と玉を撫でさする。
「お、お前なぁ」
「お膣一杯。んんっ、ごちそうさま」
 恥ずかしいから話しかけないで欲しい。愚息は今もまだ断続的に吐き出している上、刺激にされ限界
以上の量を放出したせいか、腰に鈍痛が。
「子種ゲットー、今から楽しみね。今度の子供は男の子かなー、女の子かなー」
 へその下辺りに手を置いて、小さな宇宙を撫でる。
「でもさ、ドMって行き着くところまでいっちゃったらどうなるの。頭のネジが一本残さず飛んじゃったら、
ハルヒ様、哀れな下僕の矮小なち○ぽを痛めつけてください! とか叫ぶのかしら。白眼剥きながら
イっちゃうとか、ねえ、どうなの」
「ない、絶対にない。世界が百回書き換えられても」
 狂人じゃないのか、それは最早。
「そこまで言われたら、なおさら一度見たいんだけど」
「見たいか、本当の本当に見たいのか?」
「イマイチ見たくないわね」
「じゃあいいだろうが」
「ちっ。まぁ、その時が来たら来たでいいわよ。ほら、口開けなさい」
 乳房を含まされる。授乳のポーズはハルヒのお気に入りだった。俺の髪を手櫛ですきながら
「……しんどい時は、たまになら会社ズル休みしてもいいからね」
 背中を撫でてくる。意識がもう限界だと閉じようとしていた。俺はベッドの上でハルヒに優しく抱きとめられ、
やわやわと締まる膣内に肉棒を受け止められながら眠りにつき、一日を終えた。
534セックス・アンド・ザ・死刑:2008/05/02(金) 05:30:32 ID:fFxsPFxU
 ああ言われたとはいえ翌日も、月曜日朝の仮病小学生じゃあるまいし、しっかりお勤めを果たして
帰宅した俺を出迎えたのは。
「やけに買ったんだな。外れたら大損だ」
「いいのよ、夢を買ったんだから。よく考えたらずいぶん上手いこと言ってるわね」
 家族と、ちゃぶ台の上を占領する当せん金付証票。ただの紙っぺらが数ヵ月後には数百数千倍の
価値を持つかもしれないと、誰もが期待に胸を躍らせ購入する魅惑の紙っぺらだ。
 娘を体にぶらさげながら、一枚手にとって眺めてみる。
 TVでも好感度ランキング上位に位置するタレントが出演してしょっちゅうCMがうたれている、日本一
有名な宝くじだった。
 ハルヒは下腹をさすりながら言う。
「一億よ一億。何買いましょっか。一億円あればたいていのものは手に入るわね。ううん、すぐに使い切らず
それを元手に事業を始めてさらに増やす手もありね」
 その妄想はとどまるところを知らない。いや、誰でも考えるかな。
「ねぇママ、一億円当ったらお菓子いっぱい買っていい?」
「もちろん。どうせだから記念にお店のお菓子全部買いしめましょうか」
 我が子達は奇声をあげて、ちゃぶ台の上に上って宝くじを中心に妙ちくりんな踊りを始めた。
そんな簡単に当たったなら世の中大金持ちだらけだ。おめでたい。
 だがはたと気付く。今こそ例のとんでもパワーの出番じゃなかろうか。強く願えば願うほど実現するのだ。子供
一人を大学卒業まで育て上げれば一千万かかると言われている時代。百万円いや十万円でも当たるなら
御の字である。これほど心強い味方もいまい。そうとなれば早速ハルヒをおだてて……
「パパは何が欲しいのぉ?」
 娘に尋ねられて硬直する。長女次女だけでなく、ハルヒや、抱きかかえられてあぷあぷ言っている三女まで
こっちを見ていた。
 阿呆か、俺は。インチキ宝くじの力になんか頼らなくても上手く稼いでやるっての。一家の大黒柱だぞ、俺は。
 ああ、そうさ認めてやるよ。昨日の晩たっぷり振り回してもらったおかげで今日は絶好調だ。体はどこまでも軽く、
頭は新鮮な酸素が行き渡ったようにクリアーだった。本当にコレを高校のときに見抜いていたっていうなら、ハル
ヒ恐るべしだ。
 働きづめだったってのに体は悲鳴一つ上げず、今も休息よりも仕事を寄越せとさえ言っている。好調振りの
反動がやってこないか怖いくらいだった。明日にでも、このままの勢いでリーダーの風格さえ手に入れてやりた
いね。いや、手に入れるしかないな。
「パパは何もいらないな。働いて手に入れるよ」
 腕まくりして力こぶを見せながら決めてみせる。どうだ。
 お前たちのために、家長として頼りになるところを見せたつもりだが、娘はおかんむりだ。えぇーパパKY! と
まで言われた。いいだろう別に。
 しかしひどくないか、パパだって傷つくんだぞ。
 娘たちはアレがほしいコレが欲しいとさんざん盛り上がっている。さて、と、
「ちゃぶ台にのぼっちゃいけません。めっ!」
 子供たちの脇の下に手を差し入れて持ち上げると、そのまま床の上に降ろしてやる。ぽかんとした顔が
痛快だった。毅然とした態度と流れるような動作、昨晩のハルヒの動作を真似てみせる。子ども相手って
のがちょっとばかし情けないが、どうだと本家に問いかけた。
「30点ね、もう呆れるわ」と言ってから、ハルヒはまた下腹を撫でた。
535名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 05:33:06 ID:fFxsPFxU
お終い。読んでくれた人に感謝。あと、仮タイトルは「君が団長で俺が雑用で」でした。あ痛ー。
536名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 11:56:03 ID:XmQIwD0F
久々の大ヒットだ。
こういうの大好き。好き好き大好き超愛してる。
537名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 13:05:04 ID:fqdygIbB
……キョン死ぬぞw
だがまぁ今回は双子だといいな
538名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 14:00:42 ID:n3YRalA2
すっげぇ良かった! GJ!!
キョン愛されすぎだなw

なんか久々にSなキョンとMなハルヒも読みたくなってた
539名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 16:40:24 ID:Q9RJqplj
反応薄いなあ…なんか萎える
せっかく神作品来てるのにもっと盛り上げろよ
540名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 16:44:48 ID:kFbirISo
と神評論家〔自称〕がお嘆きです
541名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 16:56:50 ID:XmQIwD0F
そうやって反応をさせないようにしてるんですね、わかります。
542名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 17:11:48 ID:YEcIRKBC
自宅警備員は気づいてないのかもしれんが、GW中は人少ないんだよ
543名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 17:40:50 ID:eruLAh/p
超GJ!!
いや〜何ともハルヒらしい作品でした!
他キャラでも書いて欲しいものです。
…佐々木とかね。
544名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 18:33:54 ID:97LcVCFz
馬鹿言うな。普通他キャラで書けるわけないだろ。常考
545名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 18:38:18 ID:Am/MleLK
愛がある割には微妙に特殊な感じがしていいなw
546名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 19:01:18 ID:HXHtjzIV
変態佐々木あたりの影響でSキョンのイメージが強かったんで、
Mのキョンはなんか新鮮だったわGJ!
547名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 19:05:06 ID:y40IMbkp
超GJ!!(笑)
548名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 21:07:29 ID:Z1VkhklB
最高だった。
ハルキョンのイチャイチャ大好き。
おまけに女性上位ときたらもうたまらん。
549名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 21:52:52 ID:uL+plUfp
素晴らしい……GJ!
なんというか、雰囲気が実に二人らしくて、和んでいいやらおっ勃てちまえばいいやら…
語彙の足りない自分が恥ずかしい。GJでした!
550名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 22:06:17 ID:vbS2ZP1g
素晴らしい…………………………………………………GJ!


なにこの溜めw
ほんと恥ずかしいなw
551名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 23:38:23 ID:ryFe+qhu
なんか久し振りにエロ読んで興奮してしまったw
良いなぁこういう家族。
GJ!
552名無しさん@ピンキー:2008/05/02(金) 23:45:00 ID:dOuUVba1
GJ!!!
エロな話のはずなのに、すっげー和んだww
これぞエロパロですな!
553名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 00:48:08 ID:85iCZzjJ
家族計画台無しwwwだけど幸せそうでいいなあ
GJ!
554名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 01:50:58 ID:xofCPuMN
孕ませ乙
555名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 12:36:22 ID:BEAZzHky
感想大杉
556名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 13:45:26 ID:gRixtYo2
GJ!
GJ!
GJ!
GJ!
557名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 22:01:06 ID:5V8zSF1U
ここまで朝比奈さんのレスなし……っと。
コピペには反応する割には、普通のSSを無視するとはいったい何しにここにきているんだか。
558名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 22:09:18 ID:69EabQ5i
>>557
改行に文句付けにきてるんじゃね?
559名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 22:14:29 ID:0jtyiVCi
この作品の改行には何も言わないのか。
560名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 23:03:10 ID:O5DTu8CE
>>557
包茎もしくは書き手なんじゃね?
561名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 23:12:54 ID:13LI3a78
>>557
カいてる最中なんじゃね?
562名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 23:26:27 ID:hzo1M4nb
おもしろかった!GJ!!!
キョン愛されすぎw
ハルヒ愛しすぎ
だがそれがいい
563名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 02:07:36 ID:ngc9VWo2
>>557
脳内芸術家なんてそんなもんだ。
褒めることはしないで、叩きたい物をひたすら叩いて、
都合の悪いときには知らんぷり。
564名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 03:31:20 ID:wIg7RVzZ
ところで、学校はまだですか?
565名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 08:02:40 ID:BrYe4fsb
カレンダーも見ないようなニート乙。
566名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 09:34:17 ID:MV6Xjeur
学校を出ようのことかと思った。
567名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 10:28:59 ID:Owc/8Hmv
おまえやさしいな
568名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 17:21:20 ID:Z06pDl2S
ピザ女w

ルル体力ないwwwwwwwwwww
569名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 17:21:44 ID:Z06pDl2S
誤爆orz
570名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 20:52:21 ID:No8vjIHn
これは痛い…
571名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 00:01:55 ID:sFbQNVKm
キョン×九曜って需要ある?
572名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 00:09:19 ID:SZteNA+2
キャラスレじゃないんだから、おもしろけりゃなんでもいいよ。
573名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 00:09:23 ID:Gaf5P4GK
>>571
是非たのむ!
574名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 01:02:18 ID:jxVcEWyL
マジレスするとここは相当厳しいから辞めておいた方が良いよ
フルボッコにされるから
575名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 01:20:13 ID:Ig3+HY3d
>>571
やめとけ
真面目に〜〜需要ある?みたいな書き方した後に投稿された奴は批評が辛口になる
日を改めて投下したほうがいい
576名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 02:55:39 ID:Ggm3S/ob
>>571
エロじゃないんなら素直に九曜スレに行ったほうがいい
577名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 09:03:48 ID:SyaXWAKN
>>535
・先端の突起の甘み具合
・半年前に誕生したばかりの三女
もしかしなくても母乳プレイをエンジョイしてるような・・・

かなりレベルの高い良SSと思ったけど、
特にキョンのおっぱい星人ぶりをよく捉えてる辺りが凄いのか。
God Jobです!
578名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 13:20:45 ID:7OkvXZdt
そういや結構前にあったキョン×女国木田って完結したのか?
579名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 13:33:27 ID:RMIkm/me
>>578 自分的には完結してないと思っているんだけど、作者的にはどうなんだろう?
580名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 13:54:21 ID:Tn2hdiFs
乱交セクロスしたし、ハーレムエンドで終了じゃないの?エロ的には今後いくらでも続けられるけど
581名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 20:21:10 ID:s9URO+na
久々に濃いのをよませていただきました。
ツヤツヤ
582名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 20:38:48 ID:SZmUVF9q
キョンフィルターのおかげで一見Sだけど、夫の疲れを察して夜の生活を頑張ってくれる良妻ハルヒの姿がメチャ健気。
誰の為にエロ乳を目指してるのだろうと考えると萌える。
583名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 23:04:36 ID:IvFuRSeI
突然でスマンが、正直ハルヒのNTR物が読みたくてしょうがなかったりするわけだが…

改変世界で女性陣が全員キョン以外とカップルになってるとか、
本編の数年後 産婦人科医になったキョンの処にかつてのSOS団員+αが診察を受けに来るとか、

誰か書いてくれないもんだろうか…
584名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 23:25:01 ID:jLuognPh
なかなか難しいな…つか後者はどっかで見た記憶がwwwwいやハルヒじゃないけどw
585名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 18:02:31 ID:6gjVc2Rc
NTR物が出るとスレが荒れるからなあ
NTR物で修復不可能になるまでに荒れたスレを知っているので
書く人がいればここ以外に投下してほしい
586名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 18:45:49 ID:wGi/sBYZ
>>585
なにいってんだ?お前のわがままでこのスレにルール作ってんじゃねえよ
587小ネタ/エクセル次回予告:2008/05/06(火) 18:55:46 ID:VoNEEEeU
ウィッス!ハルヒっす。1話みて呆れけえっているそこのチミ!
もう観るの辞めようかと思っている原作ファンにビッグなニュース。
出るっすよ!次回からあの男が!!ヒントは「キョ」あと「凡」。
とにかく花咲き乱れ鳥が舞う美少女アニメの中で、
花は花でもあだ花咲かして、鳥は鳥でも閑古鳥を飛ばす、
新世紀へっぽこ実験 涼宮ハルヒの憂鬱!
早くも始末書が飛びそうな内容の次回は「前の席にいる男」
宇宙人、未来人、超能力者を集めて遊ぼっ♪
588名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 19:17:58 ID:wPnsQn4e
>>586
実際に藍蘭島スレの職人はそういった作品は別の専用スレに投下してたな。
それ以外の作品は藍蘭島スレに普通に平行して投下するという気配りさんだった。
自分の作品で空気が悪くなるのは書き手として本位では無いからね。
589名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 19:19:23 ID:wPnsQn4e
リロってなかった…連レススマソ。
>>587
ネタが古いw
590名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 19:41:55 ID:C08eDmLN
注意書きさえしてありゃなんでもいいよ。
それでもスルーできないやつぁ頭がおかしい。
591名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 19:45:17 ID:wGi/sBYZ
空気が悪いのはつまらない作品を面白いと思い込んでる作者が
話の進まない作品をぐだぐだと複数回にわたって投稿し続けてるからじゃないの?

一話完結で話を終わらせれば空気は悪くならないから
592名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 19:54:23 ID:REX4vtNX
>>591
なるほど。みんな古泉一樹のある種の罠のようにすればいいってことですね。
593名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:11:54 ID:zYfF7ke+
ハルヒとキョンが高校卒業後一緒の大学行って同じところで暮らすって
SSだれか知ってる人いませんか?
昔まとめで見てた気がするけど最近探してみたら見つけれなかった
594名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:26:40 ID:wmF2KZDY
ハルヒで病院ネタはまだ見たこと無い気がする。
595名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:27:11 ID:C08eDmLN
つ神様のパズル
596名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:29:29 ID:J41oZWYf
>>593
『涼宮ハルヒの策略』のこと?
597名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:43:02 ID:zYfF7ke+
>>596
それってまとめにあります?今ちょっと探したけど
谷川流作品の部屋では、見つけれませんでした。

内容は2部あって、部屋探しをして一緒に住むまでと、同棲を始めてからの話がありました
598名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:46:57 ID:XYUR361f
ここはお前の読みたいSS探すスレじゃないんだが
599名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:49:59 ID:J41oZWYf
>>597
今確認したら、リンク消えてるっぽいね。
ファイルは残ってるから↓で
http://eroparo.s13.dxbeat.com/sslibrary/h/haruhi/haruhi648.html
600名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 21:52:46 ID:zYfF7ke+
>>599
これです!!
ありがとうございます。

>>598
スイマセン
消えます
601名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 00:01:29 ID:chAnyQ5M
>>598
なにいってんだ?お前のわがままでこのスレにルール作ってんじゃねえよ
602名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 00:08:46 ID:oMb2lKa5
>>601
いや、それはもともとのルールだから
603名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 00:17:44 ID:+VpIIvMZ
kopipe
604名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 02:55:36 ID:BjsgvXnz
wiki見たら掲示板があったから、過去の作品はそこで聞けばいいんじゃない?

>>600も「ありがとうございます」「スイマセン消えます」とか言うぐらいだったらwiki手伝ってやれば?
605名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 03:08:16 ID:oaUyNWt+
>>604
なにいってんだ?お前のわがままでこのスレにルール作ってんじゃねえよ
606名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 08:08:24 ID:sgiCbkfX
>>605
なにいってんだ?お前のわがままでこのスレにルール作ってんじゃねえよ
607名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 08:51:14 ID:aAOSv7Jt
某氏の漫画で、最後にキョンがカレー狂いになるやつ。あれは、背筋が凍ったよ。
それに長門がヤンデレの域を超えている。そんなヤンデレ系の、ここで投下された事があったけ?
608名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 13:37:08 ID:oqzIEH15
魔界都市日記でも行って管理人と馴れ合ってればぁ?
609名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 14:09:43 ID:imtLc9pa
>>607
ここはお前の読みたいSS探すスレじゃないんだが
610名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 14:37:41 ID:h1X+ze0A
>>609
なにいってんだ?お前のわがままでこのスレにルール作ってんじゃねえよ
611名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 16:38:50 ID:x7lCJA5o
>>610
いや、それはもともとのルールだから
612名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 17:42:38 ID:vAhvDMip
コピペ厨にマジレs(ry
613名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 17:45:14 ID:wzQfnnxW
不毛だからやめろ



おっと谷川先生失礼しました。
614585:2008/05/07(水) 19:46:56 ID:9LPzcNUP
俺が原因でえらい流れになってるな
正直すまんかった
615名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 20:51:09 ID:4sdJu7PI
コピペの人って毎回違うIDだけどすごいな
書き込むたびに回線切ってるのかな?
616名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 20:53:21 ID:YADuGi3H
夏休みどころかGWでもやり残しがあるとハルヒの能力は発動するようだな。
ここ20レスくらいでもう何度かの既視感を覚えたぞ。
617名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 23:40:09 ID:iHtUxsJC
>>615
何人か面白がってやってるのが居そう
618名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 01:01:19 ID:3/G9wG+2
>>617
可能性高そうな予想だな。30%くらいか
まあ、今年それを言い出さなくても来年あたりにそれを言い出すのは確実だけどな
619名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 07:20:11 ID:JiLKcEIu
そのコピペ見飽きた
620名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 17:00:46 ID:+yuRQCMm
なにいってんだ?お前のわがままでこのスレにルール作ってんじゃねえよ
621名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 19:50:07 ID:JiLKcEIu
そうかい
622名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 20:42:20 ID:art2J6S8
日本語喋れ
623名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 21:25:28 ID:+yuRQCMm
え〜い、このツンデレさんめ!w
624名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 22:40:20 ID:Am+GfdwG
この流れ見てると、青少年ネット規制法案に賛成したくなるな
625名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 23:17:43 ID:9caNjCzq
コピペでID青くした奴初めて見た。
626名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 05:11:22 ID:zD32Ul1b
ここはお前の色の着いたID探すスレじゃないんだが
627名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 06:35:15 ID:TmdvWtdy
コピペ荒らしうざくてまともにスレ覗く気がしないし、削除依頼マジメに出すかね。
削除依頼の話しして、いきなりコピペが減ったチキンっぷりには笑わせてもらったが。
628名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 14:05:04 ID:RGgjAwAW
GW入って巡回する人が減ってただけな気もするが
板全体がそうだったから
629名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 17:48:04 ID:nI0FpLpR
>>583>>594
病院ネタは保管庫にあったと思う。
ただ、産婦人科ではないが。

いっそSOS団が全員産婦人科医(みくるのみ看護師)でもいいな。
んで誰かをモルモットに・・・。
630名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 18:00:36 ID:HmUlysZs
コンピ研部長「やめろ僕はお…アッー」
631名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 18:39:30 ID:QUwL0ODO
そろそろ普通にエロいの読みたいんだけど…
エッチな話、って言うか
632名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 19:35:40 ID:awcRWRik
先日良作投下されたばかりだろ。
遅くなったが作者GJ
633名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 19:49:28 ID:r1Vvnk4a
ここって学校を出ようのSSってある?
634名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 20:00:03 ID:H5WbJjRs
あるよ
635名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 23:24:33 ID:9A/N76L0
>>633
>>100とか
636名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 09:08:43 ID:E+KZYgKS
>>1のまとめに行けない…
404でるんだがみんなは見れんの??
637名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 11:09:33 ID:6BTLSMyr
>>636
俺もなんかPINKTOWERとかいう変なところに繋がる。
638名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 11:26:20 ID:tYirqIw3
>>637
ヒントをあげよう 
Your request is
639名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 11:37:46 ID:VHWSX/hT
>>629-630
コンピ研部長が被害者になるのかよ。
640名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 16:04:49 ID:/HCvbIj4
投下します。
ややエロ。ちょいイジメ。8レス予定。
641朝倉さんがネコになったようです:2008/05/10(土) 16:07:52 ID:/HCvbIj4
Prologue.

 瞼で防ぎきれない光刺激に網膜を焼かれるような感触を覚え、朝倉涼子は目を覚ました。
「ふにゃぁ、朝?」
 日光という暴力に強制起床させられた涼子は、寝起きで上手く働かない頭を持ち上げようとして、ものの見事に失敗した。
 枕に頭をぶつけるように、夢の世界へ再度轟沈。
 ポフンという間抜けな音とともに、ピンと立ってた耳がつぶれて擦れる。頭をふにふにと動かして日光から逃げつつ、もっとも気持ちいい箇所を見つけ、そこで丸くなった、ふにふにぬくぬく。
 『あたしくらいの高性能なインターフェイスになると寝起きの悪さまで表現できちゃうのよね』と、パタパタ耳を動かしながらのぼんやり思考。
「えっと、確か今日って日曜日、よね」
 ポツリと呟く。何となく違和感。
 何故だろう? 何か余計なものがこびり付いているような体のだるさがある。
「有機体部位が感冒にでもかかったのかしら?」
 今日は日曜日である。単なる風邪なら情報操作を行なってまで無理矢理に治す必要性はないだろう。
 そう考えた涼子は、とりあえず体を休めるために二度寝しようと思い、ちょっと寒気を覚えたので、寝ている間に蹴り飛ばしていた布団を尻尾を使って自分にかけなおした。
「………ええっと」
 そこで自分の体に少しだけ疑問点。
 とはいえ、涼子は目が見えなくなってるわけでも耳が聞こえなくなってるわけでもない。手足もちゃんとある。こんなに立派な尻尾だってある。ピコピコ。
「………」
 無言で顔の前にソレを持ってくる。ブンブンと動かしてみる。ある程度涼子の意志で動くソレは、どうやら彼女のお尻から生えているようである。
「そっか、尻尾が生えてるんだ」
 疑問点が明らかになって晴れ晴れしい気持ちになった涼子は、ゆっくりと眠りにつこうとしたところで、
「あれ?」
 『………尻尾、尻尾、………尻尾?』と、今更ながらにそれの意味に気付き、
「って、にゃによそれー!」
 自分が異常事態におかれている事を手遅れぎみに理解して、猫尻尾をピコピコブンブン動かしつつ慌てて飛び起きた。
「え、え、え、待って。ちょっとま、………え?」
 反射的に頭に手をやったところで、ふにゅん、という感覚が涼子を襲う。
「………」
 ぱたぱた、と手が押しつぶしたものを動かしてみる。これもどうやらある程度、彼女の自由に動くものらしい。
「………ネコミミ」
 呟きながら目を閉じ、深呼吸を繰り返す涼子。
 とりあえず落ち着いて、自分が置かれた状況を冷静に分析しようとしているようである。
 やがて彼女はおずおずと目を開けながら、自分の目の前で揺れている尻尾を見つつ、ぽつりと呟いた。
「………朝倉さんがネコになったようです?」
 そのまんまであった。
 そして彼女は自分に付いている異物(尻尾、ネコミミ)の情報結合を解除しようとして、それらの構造が読み取り不能となっている事に気付き、
「にゃーーーーー!!!」
 自分の置かれた状況の、あまりの意味不明さにとりあえず叫んでみる事にした。
 これは彼女が最近覚えた技だ。
 その名を現実逃避と言う、………ダメじゃん。


―――――――――――――
朝倉さんがネコになったようです
―――――――――――――


642朝倉さんがネコになったようです:2008/05/10(土) 16:10:51 ID:/HCvbIj4
1.

「と、いうわけで『何とかしてもらえないかなあ?』なんて思って長門さんを呼んだわけなんだけど………、えっと、………起きてる?」
「………オキテル………ヨ?」
「何で疑問系なのよー」
 いつもほとんど変わらぬ無表情で通しているから分かりにくいが、実は長門有希は涼子よりもっと寝起きが悪い。
 現状、有希の情報処理機構は1割も働いていない。実際、猫まっしぐらなこの現状だってほとんど理解できてないのだ。
 まあ、そんな状態でも本気で『助けて』と言われたらこうして飛んでくるくらいには、二人の関係は良好という事であろう。
 涼子もそれは分かっているようで、有希の寝起きでぼさぼさの髪を濡れタオルと櫛で整えながら、彼女がちゃんと起きるまで待つ事にしたようである。
「あ、長門さん」
「………ナニカ?」
 その前に、彼女がちゃんと目覚める前に、伝えるべき事がある。
 『照れくさいなぁ』と思いながらも、涼子はそれを口にした。
「来てくれて、ありがとう」
「………ドウイタシマシタ?」

 ///

「情報改竄の痕跡はある。でも痕跡だけ。実際にどのような改竄が行われたかは分からない」
「………あふん」
 ネコミミと尻尾を散々いじり倒して有希が出した結論は、涼子にとってあまり芳しいものではなかった。
 ぐったりと床に倒れこんでいる自分を見て、心配そうに「………大丈夫?」、と聞く有希に対して、ときたまビクビクと痙攣しながら涼子は答える。
「や、心配してくれるのは嬉しいんだけど、もう少し手加減というものを、………ね」
 どうやら涼子にとってネコミミと尻尾は、………弱点に当たるらしい。
「性感帯?」
「女の子がそんな言葉使っちゃいけません!」
 全くである。
 『よいしょっ』と、抜けかけの腰を気合で伸ばしながら涼子は起き上がった。有希は何故自分が怒られたのか分からないらしく、かすかに首を傾けたところで停止している。
「えっと、で、ね」
 『ああ、可愛いなぁ、もう』と、明らかに間違った方向へ走り出しそうになった思考を軌道修正しつつ続ける。
「とりあえず、この頭とお尻を何とかしないと外にも出られないわよね。ニート型ネコミミインターフェイス、………一体全体、どの層を狙うつもりなのかしら?」
 『いっそ消しちゃおっかなー』と、自棄気味に続ける涼子に、有希はいつもと変わらない平坦な口調で言葉を返す。
「因果関係が分からない状態で、構造物のみ消滅させてしまうのはリスクが大きい。わたしは推奨しない」
 ようするに、それは大きさが分からない木を引っこ抜くようなものなのである。引っこ抜いた人が潰されるだけなら自業自得ですむだろうが、地盤沈下とか引き起こしてしまったら目も当てられない。
 理解していたが認めたくなかった事実を友人の口から直接突きつけられたせいか、涼子は溜息をつきながら、「ねえ、長門さん。何かいい方法ない?」とグチ半分の答えを期待しないダメ元質問を行なった。
「わたしが聞いた話によると、」
 期待していない答えが、あった。興奮のあまりネコミミ尻尾をピコブンピコブン意味不明に動かしながら身を乗り出す。
「おお、即答! さすが長門さんね。だてに物知り文学少女っぽいなりはしてないわ。で、続きは?」
「こういうものは性的絶頂を経験すると満足して成仏するものらしい」
「読んでる本はエロ小説だった!」
 涼子は明らかに間違えている答えに脱力しつつも、『これ以上長門さんをダメダメな世界に引き込むわけにはいかないわ』と、委員長属性という名の妙な責任感をガソリンにして聞いた。
643朝倉さんがネコになったようです:2008/05/10(土) 16:12:23 ID:/HCvbIj4
「それ、情報ソースは某ワカメの人よね?」
「ええ、わたしが長門さんに教えたのですが、何か」
 答えは別方向からあった。しかし、それが指し示す意味に、委員長ロードを驀進している涼子は気付いていないようである。
「やっぱりそうなのね。いい、長門さん。あんな海に浸かってふやけきった脳の人とまともに会話しちゃいけませんよ」
「あら、塩水に浸けた方が美味しくなる事だってあるでしょう?」
「ダメダメ、あの腹黒は塩水に浸けたケーキを客に出すタイプのインターフェイスよ」
「新しい発見ですよね」
「明らかな失敗じゃないの。浸けたいんなら自分のお腹を浸ければいいのに。そしたらちょっとは黒さも薄まるでしょ」
 ピキピキ、という音が隣から聞こえてくる。気付かずに続ける。
「あんな人としての常識に欠けてる人が何でインターフェイスなんてしてるのかしら? ていうか、あたしより彼女のほうが『ネコミミ生えてニートくん』になってくれれば良かったのに。ネコミミニートワカメ、あらおかしい」
 プチン、という音がした。命綱が切れるような致命的な音であったが、それでも涼子は気付かない。
 まあ、こんな状態になるまで気付けないのは涼子の悪癖の一つではあるが、今回も御多分に漏れず致命傷である、………合掌。
「ところで朝倉さん」
「あら、何かしら」
「ふふふ、『俺の名前を言ってみろ』」
「………」
「うふふふふ、どうしました、朝倉さん?」
 一気に顔中の血液を逆流させて絶句する涼子。
 ようやっと、自分の隣で鬼人のごとき笑顔を浮かべている、ワカメこと腹黒こと喜緑江美里に気付いたようである。
「あー、確かにさっきから長門さんと喋ってるわりにはレスポンス多いなー、って思ってたんだけど、えっと、お約束っていうかー、………あれ、もしかしてこれ、あたし、………死ぬ」
 いろいろと手遅れなこの状況を理解するのを拒むように混乱する涼子に、満面の笑顔で純然たる殺気を放ちつつ、江美里は告げた。
「イヤですねえ、朝倉さん。殺すなんて生ぬる、………ひどい事をこのわたしがすると思いますか?」
「すみませんごめんなさい謝ります自分マジ調子乗って、ふにゃあっ! し、尻尾掴まないでー!」
「うふふふふ」
 江美里は右手で涼子の先端を揉みこみながら、左手を使ってその先端から根元までを一気に擦り上げた。
「やあっ、そんなに激しくっ、も、まないでよおっ! ふ、やあっ!」
 尻尾の付け根から脳髄へと電気が走ってくるような感覚に襲われ、散発的に意識が飛びかける。
「や、だぁ、ちょ、長門さん! お茶飲んでないで助けてよぉ」
 涼子はたまらず、さっきから我関せずと人の家の茶葉を無断使用している有希に助けを求めた。
 その求めに対し、有希はコクリと一つ頷いてから二人の近くにとてとてと寄ってきて、
 ぱくり、はむはむ。
「って、どうしてネコミミを噛むのぉ。ダメ、ダメぇ、甘噛みダメぇ」
 思わぬ裏切りを受けて一瞬頭が真っ白になる涼子。それを逃がさないように、
「いっちゃえ」と、江美里がその尻尾に痛みを感じるくらいにきつく歯を立てた。
「ふ、みぃ、うぅー」
 今まで感じた事ないくらいのビリビリが全身を突き抜けたせいで、完全に腰を抜かした涼子はその場に倒れんだ。
「う、みぅー」などと呻き、ときたまピクピクと痙攣しているが、その瞳が開く気配は全くない。どうやら完全に意識が飛んでしまったようである。


644朝倉さんがネコになったようです:2008/05/10(土) 16:15:57 ID:/HCvbIj4
2.

 快楽という情報のオーバーフローにより一時的に機能を停止させている涼子を、いろいろいじってから元の布団に寝かせた後で、江美里と有希は現状を整理する事にした。
「分かる?」
「いえ、思念体も調査しているようですが、残念ながら」
「思念体が我々を欺いている可能性は?」
「低いでしょうね。『朝倉さんが、朝倉さんがー!』とのみ伝えた時のあの急進派のうろたえっぷりは笑えるほどに本物でしたし、………これはやはり彼女、『涼宮ハルヒ』関係の何かだとわたしは推測します」
 日付が日曜である事を確認し、有希は少しだけ落胆した。今日は市街探索も休みであり、彼女には明日までハルヒと会う機会はない。SOS団団員ではない江美里にとってはなおさらであろう。
 もちろん、無理矢理に会いに行く事も可能ではあるだろうが、『涼宮ハルヒ』が本当に今回の件に関わっている場合、下手な刺激は今以上の悪化を引き起こす可能性がある。安易な行動は控えるべきであろう。
 とにかく与えられている情報が少なすぎる。現状できる事といえば、自然な情報収集が可能となる月曜まで、涼子がこれ以上ネコ化しない事を祈りながら待つだけである。
「そうですね。わたしもその『月曜日に情報収集』というのが一番現実的な方針だと思いますよ」
 そう話をまとめてから、江美里は立ち上がり玄関に向けて歩き出した。
「帰るの?」
「ええ、もともとわたしは呼ばれてきたわけじゃありませんから」
 そう冷たく言う江美里であったが、その口調には冷たさとは別のとある感情が含まれていた。
 そういったものをスルーする気遣いは、生きていく上で必要なスキルである。しかし、人生経験が足りないせいか元のキャラがそうであるせいなのかは分からないが、有希はついそれをそのまま指摘してしまった。
「拗ねてる?」
 有希のその疑問という形をとった指摘に対し「ふがっ!」と、奇声を発しつつ、顔を真っ赤にして固まる江美里。どうやら自分が拗ねているという事に言われて初めて気付いたようである。
「そ、そんなわけないでしょう。こ、このわたしが、朝倉さんが心配で呼ばれてないけど様子を見にきたら、いきなりワカメとか腹黒とか言われてて、ちょっとショックだったとか、そんな事っ!」
「ツンデレ?」
「ふぐおっ!」と、また奇声。そしてさらに赤面。
 誤魔化そうとして墓穴を掘るという、典型的な泥沼状態である。
 ちなみに、涼子が江美里を呼ばなかったのは今日江美里に生徒会の仕事が入ってるのを知っていたからである。
 まあ何というか、思いやりというやつは本当に、正しく伝わってくれないものである。
「それはそれとして、お願いがある」
「いや、………いえ、いいです。何でもどうぞ」
 悪意なき言葉の暴力に完全敗北する江美里に、有希は自分がそれを行っている事に終ぞ気付かないまま、江美里からすると命令に近い、そんなお願いを告げた。
「やってみたい事がある」


645朝倉さんがネコになったようです:2008/05/10(土) 16:17:51 ID:/HCvbIj4
3.

「ん、………うう」
 爽やかとはかけ離れた感覚を覚えつつ涼子は目を覚ました。尻尾とネコミミを動かしてまだそれらがある事を確認し、憂鬱な気分のまま布団をめくって起きあがる。
「………」
 真っ裸だった。ニート型ネコミミインターフェイスVer.MAPPAの爆誕であった。
「あ、やば、泣きそう」と布団に顔をうずめようとしたところで、「あらあら」と言いながら江美里が部屋に入ってきた。
「朝倉さん、ようやく起きたんですね、うふふ」
「ひゃうっ!」と、特に何もされてないのに何故だか体が勝手にビクビクと反応してしまう。
 そんな自分の状態に首を傾げる涼子に対し、さすがに殺気は消えたものの、まだ底の読めない笑顔を続けながら江美里は言う。
「ああ、それはですね。おそらくですけど、朝倉さんの内部であなた特有の被虐嗜好因子が、わたしが今からしようとしている事を感じ取って活性化しているせいじゃないでしょうか」
 少し考え、その言葉の意味をゆっくりと理解した上で、涼子はおそるおそる言った。
「………もしかしてあたし、これからひどい事されちゃいますか?」
「うふふ、しちゃいます!」
「あふん」
 めがっさいい笑顔で即答する悪魔。それに対してビクビクッと明らかに性的に反応する涼子ズボデー。
(いや、待ってって、おかしいって。あたしにはこんなMを頭文字とするような性癖は無かったはずよ。喜緑さんに苛められるのだっていつもの事だし、どうしていきなりこんな、………あ)
 そこまで考えて涼子は自分の付属品と化している尻尾とネコミミに思い当たり、叫んだ。
「ちょ、待ってよ、喜緑さん! これはこの尻尾とネコミミのせいで」
「朝倉さん」と、涼子の言葉をピシャリと遮ってから、江美里は真剣な顔でこう言った。
「わたしはそんな事気にしません!」
「すごくいい台詞なのに場面選択が最悪だ!」
 ツッコミむなしく、結局そのまま押し倒される涼子であった。
 さて、押し倒したとはいえ、江美里はそんなに強い力で涼子を押さえ込んでいるわけではないし、情報操作を行っているわけでもない。
 今の状況は、涼子が本気を出せばすぐにでも抜け出せるものである。しかし、
「はうぅぅ、やめ、てぇ」
(ああ、あたし、ひどい事されちゃうんだー)と思っているせいか、江美里に触れられた部位から全身にしびれが走るように力が抜けていき、結果涼子は江美里のなすがままに弄ばれてしまう。くやしいっ、と思ったかどうかは定かではないが。
 江美里は動けない涼子を自分の膝にうつぶせになるように固定する。
「え、え、な、何されるの、あたし!」 
「レッツお仕置きターイム!」
「えっと、体勢的には………お尻ペンペンとか、かなぁ」
「お、なかなかに鋭いですね。では、レッツお尻ゴッゴッ、ターイム!」
「何か鈍い音がしてるっ! それ躾じゃなくて虐待!」
「レッツ粉砕骨折ー、かっこはあとかっことじ」
「違った! 虐待じゃなく殺人だった」
「違いますよ、朝倉さん。これは殺インターフェイスです」
「前半を否定して欲しかっ、ひやぁん!」
 パシン、と涼子に全てを言わせず、江美里は自分の平手と涼子のお尻を使って音を立てる。
646朝倉さんがネコになったようです:2008/05/10(土) 16:20:02 ID:/HCvbIj4
「や、そんな、いきな、ひにゃっ、あや、うやぁん」
 パシン! パシン!
 逃げようともがく涼子なぞお構いなしに、乾いた音が二度三度と響き渡る。
「や、やだよう、あっ! あゃ、うんっ! やめ、てぇ」
 パシン! パシン! パシン!
 涼子の懇願を綺麗さっぱりシカトしつつ、江美里は涼子の耳元で囁いた。
「うふふふふ、そんな可愛い声出しちゃって。ほら、長門さんが見ていますよ」
 その言葉の意味を理解するのに5秒ほど費やした後で、「………え?」と間抜けな声をあげながら、顔を前方に跳ね上げる。
「………なが、と、さん?」
「………」
 いつの間にか涼子の目の前に、その痴態を絶対零度の瞳で見つめている有希がいた。
「や、やだ! やだ、やぁだぁ! 見ないでー! 見ないでよぉ!」
 一瞬にして叩かれている臀部の痛みを忘れるほどのショックを受け、泣き叫び暴れる涼子。
「うふふふ、む・だ・な・の」
 そんな涼子を江美里は体重移動と右手一本だけで巧みに自分の膝上に固定しながら、休まずに左手を振るう。敵に回したくないと痛感させられるほどの満面の笑顔である。
 パシィン! パシィーン!
「ああ、や、だぁっ! やぁんっ!」
 有希に見られているせいかスパンキングがじわじわと聞いてきたせいか、原因は分からないが、部屋に響き渡る音に湿ったものが混ざり始めていた。
 もちろん緑色の悪魔がそれを見逃すはずがない。
「あらあら、朝倉さん」と、江美里はスパンキングに使っていた左手を「見ないで、長門さぁん」と祈るように懇願している涼子の目の前に持ってきて、言った。
「わたしの手、濡れちゃってますよ」
「いや、ちがう、ちがうのぉ」と、涼子は目の前でニチャニチャと音を立てる江美里の左手を呆然と見つめながら呟く。
 その瞳から光がなくなりかけているのを確認しながら江美里は続けた。
「うふふふふ、可愛そうに。パニックに陥ってらっしゃるんですね。では、わたしが優しく教えてさしあげましょう」
 江美里は聖母のような笑みで涼子の耳元に唇を寄せながら、やさしい口調で囁いた。
「朝倉涼子は、叩かれて感じちゃう、痛いの大好きな『変態さん』なんですよ」
「あ………」と、江美里の言葉に絶句する涼子。そしてその両目からぽろぽろと涙が溢れ出す。
「やだぁ、うえっ、ちがう、ちがうのぉ。あたしは、ひぐっ、こんなじゃ、ああうう、なあいぃ」
 そのまま1分ほど泣くに任せた後で、江美里は再度涼子の耳元で囁く。
「大丈夫ですよ、朝倉さん」
「ちがうぅ、ちがうのぉ」と泣き続ける涼子に言い聞かせるように、優しく伝える。
「わたしは、受け入れますよ」
「ふぇ」と、その言葉にすがりつくように江美里を見上げる涼子。
 その視線をしっかり受け止めながら江美里は言った。
「だってわたし達、姉妹じゃないですか」
「喜緑さぁん」と泣きつこうとする涼子を「だ・か・ら・ぁ」と押し止める江美里。
 涼子は江美里の笑顔の質がイニシャルS方向へと変わった事に気付き、手遅れである事を理解しながらも「ひっ」と声をあげて逃げようとする。
 その腰をがっちりと固定しながら江美里は、
「イっちゃいなさい、変態さん」
 と言いながら涼子のむき出しの乳首を千切れろとばかりにひねり上げた。
「や、いた、あっ!」
 乳首からの痛み、裏切られたという悲しみ、そしてそれらが快感になってしまう自分への絶望。それら全てが涼子に快楽の波として襲い掛かり、
「や、あ、あ、あ、あああぁーーー!」
 そのまま、涼子の意識をどことも知れないはるか彼方へと押しやった。


647朝倉さんがネコになったようです:2008/05/10(土) 16:22:43 ID:/HCvbIj4
4.

 またも意識を手放した涼子を布団に押し込んでから、有希と江美里は再度、先程の件も含めた『現在得られている情報』を整理していた。
「どうですか?」
「やはり完全な解析は不能。ただ、原因と思われる情報が一部だけ見つかった」
「ふう、『朝倉涼子』というノイズがない状態でもそれが限界なんですね」
 これが先程までの行為の意味である。
 睡眠時でさえ働いている『朝倉涼子』という個体の意思、有機体部位を調べる上でノイズにしかならないそれを、『ある一つの事象』に集中させてそれごとカットした上で再度スキャンを行う。
 有希が提案し、江美里が実行したその案は、涼子の心にトラウマを植えつけながらも、ある程度の成功は得たようである。
(ああ、また嫌われたんだろうなぁ)と思いながらも、江美里は『有希が気にしてはいけない』と落胆を表情に出さないように注意していた。それでも結局、涼子のうなされている顔を見て、恨み言がポロリと口から転がり出る。
「結局わたし、貧乏くじですよね」
「そんな事はない。あんな風に笑顔で人を傷つけるような真似、わたしには多分一生できない。感動した」
「止めてー! ヨゴレのお姉ちゃんをそんなキラキラした瞳で見つめないでー!」
 針の穴を通す時くらいに注意して見ないと分からないが、確かに尊敬の目でこちらを見ている有希に対して本気混じりの冗談でそう答えつつ、江美里は原因となったと考えられる情報を自己領域内に展開した。
 そこにあったのは生徒会会長と涼宮ハルヒが言い争う姿。
「ふふふふふ、そうですか。あのパープー男が全ての現況ですか」
 音声データは得られなかったので何を喋っているかまでは分からないのだが、どうやら江美里は『会長が全ての元凶である』という結論に達したようである。ストレスの発散場所を見つけた、とも言う。
「では、ちゃくっと殴っ、………蹴り飛ば、………生まれてきた事を後悔させてきますね」
「それは困る」
 いつもと変わらないように見えて、実は取り繕いの言葉も出てこなくなるほど暴走直前の江美里を、あくまで冷静に有希は引き止めた。
 どうやらとある仮面不良系高校生は生き長らえる事が、
「消すのは必要な情報を全て引き出してからにして」
 ………やはり出来なかったようである、アーメン。
「それでは」と生徒会室という名の戦場と見せかけた虐殺予定地へ旅立つ江美里。
 最後に振り返り、「ちが、うぅぅ」と、まだうなされている涼子を少しだけ悲しそうに見つめながら呟いた。
「わたしが、わたし達が何とかします。だから、」
 それはきっと、あの時の言葉の中で、本気で告げた言葉の一つ。
「大丈夫ですよ、朝倉さん」


648朝倉さんがネコになったようです:2008/05/10(土) 16:37:18 ID:/HCvbIj4
Epilogue.

 江美里が学校へ向かって少したったお昼過ぎ、本を読んでいる有希の膝に寝ぼけながら乗り掛かってくる未確認ネコミミ尻尾物体があった。
 子猫ならまだいいが膝の上にある物体は一応高校生女子という設定である。重さと大きさが段違いだ。
 有希が『コレは本を読むのに邪魔になる』と判断し、押しのけようと頭に手をやったところで、未確認ネコミミ尻尾物体こと涼子が「にゃふふふ」と気持ちよさそうに膝に頬擦してきた。
「………」
(猫化しているから仕方ない)と思い直し、有希は結局涼子をそのままにしておく事にした。
 『涼子の温かさが心地よかったから』という甘えたいお年頃的な理由には気付かなかったようである。
 それから30分ほどして、それまでページをめくる音以外は何も聞こえなかった空間に「ふに、やあぁぁー」と大口を隠そうともしない大欠伸を響かせながら、涼子が目を覚ました。
 顔をかすかに下に向けて涼子の歯並びのいい口を視界に入れながら「………起きた?」と聞いた有希はそこで、彼女の瞳が妙に濡れている事に気が付いた。
「………?」
 何かおかしいと思った瞬間、
「うなー!」と鳴き声をあげながら飛び掛ってきた涼子に、有希はそのまま押し倒された。
 思わず情報結合の解除を申請しそうになる自分を懸命に抑えながら涼子の状態を観察する。
「はっ、はっ、あふぅ、あん」
 そこには、嬌声を上げながら有希の足に自分の陰唇、陰核を擦りつける涼子の姿があった。
「ふ、ああんん、あっ、うん」
「………」
 たっぷり1分間思考停止した後で、有希は今の現状をポツリと呟いた。
「………朝倉さんが発情したようです?」
「はあっ、んんっ、やっああんっ」
 よがりながら唇を求めてくる涼子の頭を手で押さえつけながら、とりあえずとっとと機能停止させようと尻尾に手を伸ばしつつ、有希は一言だけ口にした。
「にゃー」
 これはただの現実逃避用の言葉で、別に有希までネコになってしまったというわけではない。まあどちらにせよ、事態が好転していないのは確かであるが。
 そうして、発情したネコと冷静な文学少女はしばらくの間、先程まで静寂そのものであった部屋の中でドタバタと騒がしく揉み合う羽目になった。
 窓から差し込んでくる暖かな日差しがそんな二人を優しく包み込んでいた、と綺麗にまとめてみる。
「や、はあっ、そ、こぉ」
「早く………イって」
 ………ダメじゃん。
 
649名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 16:43:50 ID:/HCvbIj4
以上です。
では、また。
650名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 16:44:32 ID:E2gFllAB
>>648
あなたとは同じサイトを見てる気がするww
次は喜緑さんでお願いしますw
651名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 19:21:28 ID:4460eeBM
>>650
あなたとは同じサイトを見てる気がするww
652名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 19:39:40 ID:hQOkgHo4
孤島の荒川さんじゃないおっさんとSOSの娘が絡むSSはまだですか
653名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 20:16:37 ID:lKbWKIB/
百合なら百合と書いてくれ……
654名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 21:17:36 ID:9r/953vX
まぁそのくらいゆるしてやれよ。
お前はそんなペットボトルのキャップほどしかない狭量な心の持ち主ではないだろ?
655名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 22:02:32 ID:7Le+WJDh
>>648
良いねー
もっと朝倉さんと喜緑さんを出してくれ
656名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 22:40:22 ID:C9W2xTdX
喜緑さん大暴走だな。
だがそれが良い!
GJ!
657名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 11:46:33 ID:imJvdj2N
>>653
一応百合板もあるけど、百合としては中途半端だな
658名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 13:05:58 ID:FdAfSCfM
>>640
ちょいイジメというので警戒してたらとてもいい女の子たちのなかよしものでした
照れくさいと思いながらありがとうという涼子や
呼ばれなかったので拗ねてると指摘されて赤面する江美里や
涼子猫に甘えたいから膝枕をつづける有希がとてもいい子で
ああ、可愛いなぁ、もう
659名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 13:28:04 ID:WJtaneWi
ああ、可愛いなぁ、もう
660名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:27:52 ID:aldqvwaK
多分わからない方が多いと思いますが
小ネタ『朝倉涼子の心臓』
661名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:39:32 ID:aldqvwaK
ーー私は ほぼ一カ月のあいだずっと考え続けていた
私の生と死と それからひとりのクラスメイトについてーー

その朝朝倉涼子は下駄箱に一通の手紙を出した

まぢかに夏

私は ほぼ一カ月のあいだずっと考え続けていた
私の生と死と それからひとりのクラスメイトについて

私は成熟しただけの端末だ ということはじゅうぶんわかっているし
だから こね少女の時としての愛が
性もなく正体もわからないなにか透明なものへと向かって
投げだされるものだということも知っている

これは単純なカケなぞじゃない
それから 私が彼を愛したことが問題なのじゃない
彼が私を愛さねばならないのだ
どうしても

今 彼は死んでいるのも同然だ
そして彼を生かすために
私は私のからだが打ちくずれるのなんか なんとも思わない

人は二度死ぬという まず自己の死 そしてのち 友人に忘れ去られることの死

それなら永遠に
私は二度めの死はないのだ(彼は死んでも私を忘れまい)
そうして
私はずっと生きている
彼の目の上に
662名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:41:16 ID:OKCPIhYp
萩尾望都乙
663名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:43:16 ID:aldqvwaK
>>661
間違えた

>だから こね少女の時としての愛が
ではなく
だから この少女の時としての愛が
664名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 19:44:36 ID:s/krvHax
ああいいよそんな細かいところ気にしなくても
もう来なくていいからな
665名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 21:26:58 ID:naK6AqoJ
>>664
何でキミはそんなに偉そうなのかな
元ネタは知らないけど>>661
666名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 21:32:03 ID:kgwWUDSS
気にする所は「ーー」の方だと思うが……
最初から間違えられたら、ねぇ。
667名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 21:35:13 ID:PLQ4Sup1
態度でかくて哂えるなw
668名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 21:39:57 ID:SJHHa6kr
>>664はいつものコピペだろ……
669名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 01:43:53 ID:YmLXWg5l
俺は長門のどこに皆が魅かれるのか考えていた。
長門は俺の嫁、と誰しもがネタか本気かは扨置いて書き込みしたことがあるだろう。
日本人の成人男子ならまず間違いなく書き込みしただろうからざっと考えて2chの書き込みのうち3000万回ほど、年に直せば銀河がアンドロメダ星雲に飲み込まれて光に包まれるほどの回数だ。
まず考えられるのは眼鏡フェチ大量書き込み説。
いやまて、長門の眼鏡期間は一巻の一時期だけだ。それに眼鏡キャラはおわクロのページ数より狐の余白より多くてたっぷりとしメモ帳にして千切っては投げ千切っては投げするほどいるはずだ。
よってこの線は無いな。
ではメカ萌え説。
これは有力な説だ。
長門は情報統合思念体のヒューマノイドインターフェースという舌を乗っとられたナランチャに言わせてあげればナイフを使わずとも舌を切り取れそうな長ったらしい設定が付いている。
谷川先生はSF嗜好がとても強いらしい。なにせ高校一年の学生の語彙にカエアン製の服なんてものが普通に含まれているからな。
そんな早川文庫版も絶版であるワイドスクリーンバロックなんてよくわからんジャンルのSFを高校一年までの人生で読む機会のある奴はそういないだろうね。
作者の名前など朝比奈さんに言わせれば、禁則事項です、なんてことを口走るのだろうが俺はごく普通に谷川先生とよばせてもらう。
長門と似ている設定といえば、先日無くなった偉大な作家の作の2001年や幼年期の終わりなんかが有名だろう。
朝比奈さんはなんだろうね、夏への扉?バックトゥザフューチャー?
古泉は人間以上か幻魔大戦にでも参加してればいい。
ハルヒはサルガッ荘。
話がズレた。今は長門についてだったな。
長門はロボ萌え。
ファイナルアンサー?
「僕は綾波萌えから派生したんだと思うな」と突如現れた国木田。
「だって長門さん、マルチとかと似てるわけじゃないし。ロボロボしてないし」
…お前、どこから聞いていた。
「アンドロメダ星雲のあたりから」
ふむ、ほぼしょっぱなからだな。あとで旧館の文芸部に来てくれ。もう立ち聞きすんなよ。
…ふう、思わぬ奴に聞かれてしまったが、長門に任せておいたから大丈夫だろう。
メンインブラックのピカッとする記憶消去光みたいなものも長門ならだせるだろうし。
670名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 03:35:55 ID:YmLXWg5l
僕はキョンに言われたとおりにした。
「こんにちは。キョンに文芸部部室に行けって言われてきたんだけど」
雑多な物が溢れる部室は、涼宮さんの不思議っぷりを如実に表しているようだった。
「…入って」と数拍遅れて返事をしたのは谷口的Aマイナーの長門さん。
「…」
「あ、どうも」
僕は無言で差し出されたパイプイスに腰掛けた。
キョン遅いな、僕長門さんと接点ないから何話したらいいか分かんないよ。
じぃぃー
「!」
何やらチャックを開けるような音がしたと思ったら、長門さんが僕の社会の窓を部屋の空気を入替えるために開けたのだと言わんばかりの無感動な表情で開けていた。
「情報操作にはそれなりのカムフラージュが必要。あなたには記憶を失う理由となりえる衝撃的体験をしてもらう」
へっ?いやあの意味分かりません。なんで体が動かなくて声も出ないんでしょう。
「大丈夫…すぐ、済む」
いやあのまじで、ちょっと!やめてよ!ねぇ長門さん?!やめて、僕の愚息を晒さないで!
「…予想外」
長門さんは僕の過剰な質量を誇るシンボルを掴み、少しだけ眉をあげた。
だからやめてっていったのに…。
うひゃ、だからやめてってば!そ、そんなにこすらないで!
「直接は不可能と判断した。が、手でなら可能」
あ、あ〜やばいよ!やめて、そんな冷たい目でみないで!興奮しちゃう!あ、あ、で、でる…
「早く。SOS団のメンバーが来てしまうと、修正が難しくなる」
671名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 12:53:00 ID:M+7KctFg
>>661
ヤンデレ?

>>670
これで終わりなの?
672名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 21:11:04 ID:XHVk+LNl
なんという生殺し
673名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 23:49:07 ID:OrQ9lc8Q
まとめサイトの最新3作品のリンクが変だ。
エロサイトへ誘導されちまう。
674名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:02:03 ID:M+7KctFg
本当だ、なにこれ
675名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:06:45 ID:wNbbUk6k
http://x102.peps%2ejp/ura2ttachan

涼宮ハルヒのアニメが全部見れる所を見つけたであります!!
676SS保管人:2008/05/13(火) 00:28:03 ID:2zFAPK+W
>>673
現在サーバーのトラブルか何かでFTP接続だけが繋がらず、ファイルのアップロードが出来ない状態です。
目次ページは別のサーバーにアップしているのでややこしい状態になってます。

サーバーの中の人が気付いて直してくれるまで不便をお掛けします。
677名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:46:21 ID:3Ofr/Lnk
>>676
いえいえ、お疲れ様です。そしていつもありがとうございます
678名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:50:00 ID:X3uievXh
いつも乙です。
679名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 00:57:19 ID:Ub051pvx
いつもお世話になっとります。
680名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 02:48:09 ID:RgXgqZQ9
同じくお疲れさんです
ありがとー
681名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 03:39:42 ID:Y1Q112gw
お礼を言える機会ってあんまりなさそうなので便乗で…

毎度毎度ご苦労様です、すっごく感謝しておりますっ
682名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 08:00:48 ID:sGKGSnC3
どのリンク開いてもエロサイトに誘導される俺もいるんだが
もう一か月だ
683名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 21:14:32 ID:MMYq5/8a
串でも刺してみたら
684名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 20:24:14 ID:n3OmqJOI
久しぶりに見たらエロサイトに飛ばされてびびったw
685名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 21:36:05 ID:kwYaEveh
アフィ
最低
686名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 00:07:26 ID:9iIfQI0c
新作が更新される度嬉しくなる俺がいる
687名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 20:04:47 ID:61aFf+pn
そういやアニメでキャラデザやってた人が産休で休むから二期は別の人がキャラデザだって
688名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 21:01:55 ID:ftrppTRS
>>687
そうなのか。公式サイトでイメージ画像がアップされたけど、確かに前作とは雰囲気が違うな。
あれを出したからには新アニメには「消失」が確約されたといって良さそうだな。つか、やらないと話が進まないから避けようないけど。
個人的には、キョンが自らを「最低野郎」とまで貶めたあのシーンがどうなるかが気になるところだ。
689名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 23:27:04 ID:qAeuZQho
前は池田さんだっけ
結構感じ変わるのかな?
690名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 05:09:00 ID:kY5lurlA
かなりマシになった、と思うよ
691名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 12:10:22 ID:cWZnCo8k
いつ頃からだろうか、サタンの存在を信じなくなったのは。
マジレスすると、初めからだ。
サタンがお袋とキスしているのを目撃したわけでもないが、賢しい俺は、サタンなどこの世にいないと早い頃から知っていた。
サタンだけでなく、世界を滅ぼす敵も、宇宙人もタイムトラベラーも現れなかった。超能力者には少し期待したが、それも現れなかった。
世紀の変わり目には一抹の期待と不安を持っていたが、結局サタンらしき者がいたという噂すら聞かなかった。
日常の些細な出来事を繰り返すうちに、俺のつまらない人生などすぐ終わると思って暮らしていると、あっという間に高校生になり…

そして、涼宮ハルヒに会った。
692名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 15:01:32 ID:9/EtijAT
 いつ頃からでしょうか、神の存在を信じなくなったのは。
 正直にお話しするならば、はじめからですね。
 ミッション系幼稚園に在籍していた頃、保育士を兼任する牧師さんと園児の濃厚なカラミを拝見したわけですが、賢しい僕は『神は死んだ』と早い頃から知っていました。もしくは『やっぱり地球は青かった、しかし神は居なかった』、と。
 神だけでなく、救済者たる神の子も、聖母も聖者も現れませんでした。超能力者には、まあ、ご存知のとおり僕自身が成ってしまったんですがね。
 世紀の変わり目には一抹の期待と不安を持っていたのですが、僕の心の隙間を埋めてくれるような人物は、老若男女問わずしても現れませんでした。ええ、試してみましたから。いろいろと。
 引き締まったガチムチさんたちや、灯に群がる蛾のような女性どもを相手に、日常的に些細なコトをいたしてるうちに、僕のつまらない人生などすぐに終焉を迎える、と諦念を胸にすごしていると、淫行、いえ、荒淫、いや失礼、光陰矢の如しで高校生となり……

 そして、彼に、めぐりあえたのです。
693名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 20:23:21 ID:CkLUrpFe
お、保管庫直ってる
694名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 22:25:44 ID:NGnXb69/
>>691は保管庫に入らなくて
>>692は保管庫に入るんでしょうか?
695名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 02:38:39 ID:tzWWnsa2
サタンか…1文字入れ替えるだけでw
696名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 04:30:54 ID:WrduuZF3
キョン「うぃーっす…って、おいハルヒ!何やってんだ!」
ハルヒ「ああ、キョン。今日みくるちゃんが休みでしょ、かわりに有希で遊んでんのよ。あんたも触ってみる?」
キョン「ちょっとまて、やめろよハルヒ」
ハルヒ「前、なんかの本で読んだんだけど、小さいほど感度が良いって言うじゃない。あれ、本当みたいよ、ほら、有希のもうこんなに」
長門「っく…あ…」
キョン「朝比奈さんに続いて、長門まで毒牙にかける気か!もうやめろ!バカ!」
ハルヒ「痛っ…。バカとは何よ!アホキョン!」
キョン「ごめん、力を入れすぎた。…でも、お前が悪いんだぞ、ハルヒ。朝比奈さんも長門もお前のおもちゃなんかじゃ無いんだからな」
ハルヒ「ふーん、じゃあ、本当のおもちゃの方で試してみようじゃないの」
キョン「うわ!なにすんだハルヒ!」
ハルヒ「男でも乳首で感じるかどうか、試してみるのよ」
キョン「脱がすなよ、バカ!そんなに調べたきゃ、自分のでやれよ!」
ハルヒ「あ!ちょっとキョン!何考えてんのよ!」
キョン「長門、ちょっとハルヒの腕を押さえててくれ」
長門「わかった…(高速言語)」
ハルヒ「やめなさいよ、エロキョン!あたしは団長なんだからね!団長に、こんな…あ…」
キョン「どうだ、やられる側の気持ちが解ったか?」
ハルヒ「全然解んないわよ!早く離しなさい!」
キョン「まだお仕置きが必要みたいだな」
ハルヒ「あ!…バカ…もうっ…あ…」
長門「私も参加する」
ハルヒ「ひうっ!…ちょっと…有希…ああっ!」
キョン「長門、舌まで使うのはやり過ぎだぞ」
長門「構わない、涼宮ハルヒは心の中では嫌がっていない」
ハルヒ「嘘っ!」
キョン「そうか、じゃあ俺も」
ハルヒ「うああっ!…やめて…あああっ!」
697名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 04:31:23 ID:WrduuZF3
キョン「おかしい…俺は、何で、こんな、ことを…」
長門「(高速言語)」
キョン「っく…頭が…」
ハルヒ「キョン…」
キョン「まだまだこんなもんじゃ足りないな。長門、ハルヒを団長専用椅子に縛り付けてやれ」
長門「了解した」
ハルヒ「嫌!変だよ、キョン。いつもの、キョンじゃないよ…」
キョン「足の方は俺が縛ってやるよ」
ハルヒ「あ…ああ…」
キョン「なかなか見ごたえのあるM字開脚だな、丸見えだぜ、ハルヒ」
ハルヒ「キョン、もう、やめようよ…」
キョン「それじゃあ、おまちかねの続きだ、ハルヒ」
長門「私も参加する」
ハルヒ「やめて!あああっ!ああああ……」

ハルヒ「くう…あ…」
キョン「いい逝きっぷりだったな、ハルヒ」
ハルヒ「キョン…」
長門「圧迫を開放する」
ハルヒ「!?」
キョン「長門、俺のジッパーを…」
長門「…平均値以上の大きさ…あむ」
キョン「うあっ。…長門、お前の、舌が…」
長門「かぷ」
キョン「っく!」
長門「ナノマシンを注入した。強壮モード」
キョン「はあ、はあ。ハルヒ、俺はもう我慢できそうに無い」
ハルヒ「!…待ってよ、キョン。あたしは、こんな形であんたとは…」
キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「うあっ!痛っ!っく…」
キョン「ハルヒ、ハルヒ…俺は、お前の事が…」
ハルヒ「キョン!うあああ、ああああ、ああ」
698名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 04:31:55 ID:WrduuZF3
ハルヒ「はあ、あ……あ……くっ……」
キョン「ハルヒ!」
ハルヒ「あああああ、あああああああ!」
長門「行為開始から2時間17分32秒経過。4回目の射精を確認」
ハルヒ「はあ、はあ、もう…無理だよ…キョン…」
キョン「はあ、はあ、全然、治まらないんだ…っく!」
ハルヒ「ひう!」
キョン「長門!」
長門「!?イレギュラー発生!」
キョン「長門、頼む、もう終わらせてくれ」
長門「却下、す…」
ハルヒ「キョン!」
キョン「だめだ。もう、だめなんだ」
長門「抵抗…できない…なぜ?」
キョン「長門、いくぜ」
長門「!…くあっ!ああああああ!」

長門「ノイズ…情報が…行動の…障害に…」
キョン「長門!」
長門「あああああ、あああああ!」
キョン「長門、もう、止めてくれ…」
長門「駄目」
キョン「…。」
長門「私にも…4回、欲しい…」
キョン「長門…」

ハルヒ「有希、あたしも手伝ってあげるね」
キョン「ハルヒ…」
長門「ああああ、あああああっ!」
キョン「…くうっ!…3回目…」
ハルヒ「ほら、あと1回!」
キョン「く…」
長門「あっ…ああ、あ…」
ハルヒ「ふふふ、明日からの部活が楽しみだわ」
キョン「ハルヒ?」
ハルヒ「いい?キョン。あたしと有希とをおもちゃにしていいのは、あんただけなんだからね?」
長門「あああ、あ、想定値を…超える、値を確認…あ…」
キョン「はあ、はあっ」
ハルヒ「もう、離さないんだから…キョン…」
キョン「ハルヒ…」
長門「あああ、あああああああっ!」

                          おわり
699名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 05:06:57 ID:+8W5wMcY
このスレもう
                          おわり
700名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 05:09:23 ID:oqwVvYKy
うわぁー…
701名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 13:22:27 ID:wrCdU68/
790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/17(土) 07:51:57 ID:Gt1NxvFV
朝倉「・・・(ため息)」
喜緑「どうしたんですか?」
朝倉「いや、今ネットで私の性別逆転ネタを見たんだけど、私がレイパーでキモい男になってるのよ」
長門「・・・ユニーク」
喜緑「まあ、あれはどちらかというと男性陣の女性化がメインですからね。女性陣の男性化はどうしてもクオリティーが落ちてしまう感があります」
朝倉「それでも、あんな擬男化されてるって事は、みんなからそういう風に見られているんじゃないかって少し不安になるわ」
喜緑「あなたを犯して涼宮ハルヒの云々っていうのも、元々は同人ネタなんですけどね」










喜緑「さて、レイパー朝倉さん(♂)画像をZIPでうpする作業に戻りますか」
702名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 16:17:00 ID:7FDr9jR7
いかにもエロ同人にありそうでエロパロ的ではあるが、どうにも肉付けが足りないな。
703名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 16:29:49 ID:DSLQxvxz
つまり、長門の乳が足りないということ
704名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 18:00:58 ID:W8Fa6qQc
長門「米国防省のシステムをジャックした。
    照準――>>703頭上。誤差――0.002%以下。
    システムオールグリーン。IBCM発射可能。
    ……許可を」
705名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 18:24:45 ID:sKW2SrS+
>>703
バカ!!
足りないのが良いんじゃないか
706名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 18:31:36 ID:xL8Xpwxr
>>704
だれが許可すっかwwwば〜かwwwwww
707名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 18:47:22 ID:xiClzmGv
なんだか香ばしい流れだな
708名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 19:05:31 ID:2e+4bMjE
だれが許可すっかwwwば〜かwwwwww
709名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 19:38:11 ID:wx1mBbp0
>>708
改行はどうした?
目立つからひかえてるのか?
710名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 21:54:52 ID:zNrQEw4c
>>704キョン「よし、やっちまえ」
711名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 00:23:09 ID:pxu5tG5/
みんな傷口を埋めるのに必死なんだ。
712名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 02:09:04 ID:Dydwa3lc
ハルヒ「あたし3すくみってピンとこないのよね。強い者に弱い者が勝つわけないと思うけど」
喜緑「では、具体例を挙げて説明しましょう」
長門→朝倉:(いろんな意味で)いじめる。いじめられたあちゃくらさんは実はうれしい。
朝倉→キョン:(ナイフやペニバンを使って)いじめる。最初嫌がっていたキョンくんも今はけっこう病み付きに。
キョン→長門:(性的な意味で)いじめる。そのおかげで長門さんのお腹には新しい生命が……。長門さん幸せ。
喜緑「というわけなの。わかったかな?」
会長「うん。喜緑くんの説明はいつも判りやすい……って、おい」
みくる「キョンくん。何てハレンチな」
ハルヒ「……」
古泉「バイトがあるので失礼します」
713名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 02:42:38 ID:X3cbXx0a
三竦みを辞書で引いてこい
714名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 10:42:36 ID:me6EuRj9
このスレになってからまともに読める作品は一つだけかよ。二期を待たずに、昔の勢いを取り戻して欲しいね。
715名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 10:48:51 ID:8YyjEFqs
1ハルヒ世界が学校世界の上位世界
2ハルヒ世界と学校世界が同じ世界
3ハルヒ世界と学校世界が平行世界
なクロスオーバーSSがあると聞いて探したけど、3のが見つからない。あるかどうか知ってる?
716名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 11:54:02 ID:2JAFoBuw
41-100th『古泉一樹のある種の罠』の10かな?
『古泉一樹のある種の罠』の設定が読んでもわかんないんで間違ってたらごめん。
717名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 12:40:02 ID:pW1qFLhj
>>715
37-426様: 『○さんとハルヒ』が表記されてないけど2のクロスオーバー
718名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 20:00:39 ID:8YyjEFqs
>>716-717
d読んでみる
719名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 20:21:26 ID:q1KQwv9Q
誰か朝倉さんのエロいのを書いてください
720名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 21:26:58 ID:X3cbXx0a
>>719
>>2を読もうか、あとここは18歳以上だよ
721名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 00:08:09 ID:qoNE/ZdA
>>719
保管庫読んでみな
そんなのもあったと思うぜ
722名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:21:18 ID:J6lo7nXb
「丸一日書き込みがなかったらハルヒは俺の嫁」とでも書いておけば良かった。
723名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 00:44:43 ID:acVXD96M
じゃ、俺が代わりに。
「丸一日書き込みがなかったらちゅるやさんは俺の嫁」
724名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:00:38 ID:kEQTCgll
はいはい阻止阻止
725名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:25:12 ID:YxZAhcyS
丸一日レスがなかったら喜緑さんは俺の部下
726名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:59:24 ID:vbpqtixz
ss
727名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 02:28:36 ID:znR6DmHI
丸一日レスが無かったら山根は一生童貞。
728名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 03:23:30 ID:BbS+uv3J
>>720
つーか>>2もちょっと変だろ

>Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
>A無ければ自分で作ればいいのよ!

書き手にリクするのが悪いみたいじゃん

>Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
>Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?

これも手っ取り早くが悪いんであってシチュを希望するのは悪くないだろ

>Q保管庫のどれがオススメ?
>Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。

オススメを聞かれたときって過去のSSを再評価できるいい機会だと思うんだけどね

ちょっと>>2にひっかかった人に対して柔軟な対応をせずに
お前は>>2も読めないのかとだけいうのはちょっと余裕がないと思う
729 ◆LeyXT4003g :2008/05/20(火) 05:37:57 ID:XESaLf4F
>>728
>書き手にリクするのが悪いみたいじゃん
悪くないとでもお考えなのでしょうか?書き手に対しても、他の住人に対してもです。
どうしてもリクを出したいのでしたら、複数の住人さん共同でお願いします。
物乞の分際で図々しく書き手側に直接頼むなんて、やめてくださいね。疲れる。

>これも手っ取り早くが悪いんであってシチュを希望するのは悪くないだろ
悪いです。
書き手が数週間かけてSSを書き、投稿したとしますよ。
その時、リクしたあなたが、このスレにまだいる保証は、どこにあるのですか?
その間、リクしたあなたの中で、そのリクネタへの萌えが生きている保証は、誰がしてくれるのですか?
これで「手っ取り早く」の意味がおわかりでしょ。
それから。具体的なシチュまでリクするなんて、仲良し馴れ合いスレか、そういうサイトでやってほしいのです。
書き手は、リクすればその通りに書いてくれる、ご親切なお友達でもなければ、便利な道具でもないです。
他の書き手さんはわかりませんが、俺は、原作からすべて自分の手だけによる作品を作り上げたいの!
シチュリクを見て、こういうシチュって誰でも思いついちゃうんですか、と悟って書き途中のSSを没に……なんて俺だけかな。
とにかくですね。
住人の、キャラやシチュを含む何気ない萌え雑談を読んでいるうちにアイディアは思いつくものですから、
直接リクなんてされて頼まれなくても、書き手は書きますよ。ご心配なく。
あっ、ネタをくださいと書き手から頼んできた場合もリクしちゃ駄目です。控え室スレを紹介したげましょう。

>オススメを聞かれたときって過去のSSを再評価できるいい機会だと思うんだけどね
オススメSSの話題って1スレに1回は出るけどね、
その再評価ってやつ、何回やってくれた?
いつも好きなSS並べてるだけじゃないの?
それとも、今度からやりますってことかしら?

>お前は>>2も読めないのかとだけいうのはちょっと余裕がないと思う
いやいや余裕があるほうだぜ。
チョイ昔なら、「半年ROMれ」の一言しか返ってこなかったはずだからな。

>>676
遅ればせながら、いつもお疲れさまです。
あなた様あっての書き手、読み手。これからもお願いいたします。
730名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 05:46:01 ID:SgKaiweU
お、なんか久しぶりだなw
731名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 05:48:29 ID:K+xGt+dq
◆LeyXT4003gをNG登録っと
732名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 06:26:01 ID:x7ZB3StY
>>728
そいつすっげー自分勝手な独善野郎で、今まで新スレ立つ度に何十回と文句言われてるんだけど
「嫌なら自分で書け」から始まって、「俺の書いたテンプレに難癖付けるのは荒らしだからだ!」と暴れ回るようになった
あんまり酷いからみんなスルーして、>>2なんか実質だれも読んでない

そういうわけだから、とにかく触るな
また「>>2は最高!」「>>2に文句言う奴は頭おかしい」「>>2の文才に嫉妬してる臭い奴しかいない」などと、
ID変えるのも忘れたままに、凄い勢いで自作自演してきてスレが滅茶苦茶になるぞ
733 ◆LeyXT4003g :2008/05/20(火) 07:00:07 ID:XESaLf4F
>>732
えと、これ、またコピペじゃないんだよね、一応。
「すっげー自分勝手な独善野郎」を批判したいのなら、
君も、「みんな」「実質だれも」などという言葉は避けるべきだと思うよ?
それと、せっかく過去ログを保管していただいているのだから、
ただ個人的な感情をぶつけたようにも思える文句を書き並べるより、
何スレ目の何レスにこういう発言が、と具体的に挙げていけば、説得力が増す。
相手がスレ初心者だと思っているのなら、
きちんと自ら確認できるような配慮、できるだけしたほうがいいんじゃないかなあ。
734名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 07:35:28 ID:gkC/hJeN
嫌味でも何でもなく、◆LeyXT4003gの作品がすごく読んでみたいんだけど
他所のジャンルの小ネタとかでいいから一つぐらい教えてもらえないもんかな
735名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 07:55:39 ID:2x8liMZ/
>>734近場ではこんなトコ(一部のみ)

371 名前: ◆LeyXT4003g 投稿日:2008/02/29(金) 00:14:24 ID:0NQTeioZ

>「こ・・・こんなに大きいの?」
>決定。こいつは間違いなく初体験だ。
>確かに俺のモノは女性からすれば大きく見えるのかもしれないが、どちらかといえば小さい方である。
無茶苦茶な点が3つほど。自覚して書いたならよし(だとしても良くない気もするが)。そうでなきゃペケ。
一つの例、
「き、キョンのって、こんなに大きいの?」
「お、男のって、こんなに大きいの?」
「い、生きてる人間のって、こんなに大きいの?」
等。
736名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 09:05:01 ID:RJJDEVy1
朝比奈さんが一人だけ、とは思えないのは俺だけか?
737名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 10:39:49 ID:hrUuvtOq
たしか朝比奈さんって5人居て曜日ごとに担当決めてるって昔自分で言ってたよね。
土日はどうしてるんだろ?
738名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 11:22:08 ID:cfAW5Kuo
つーか荒らしやコピペにしかレスしないんだから、この機会に再評価しろよ。
739名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 11:30:53 ID:kEQTCgll
普通のこと言ってる
ただ>>728がキチガイなだけ
740名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 16:19:26 ID:lYZPdM5R
>>733
なに言ってんの?
それがコピペじゃないことくらいみんな知ってる

毎回勝手にそこを書き換えて「実は俺が2だから俺の感想や意見に反論するな」って延々住民に喧嘩売り続けてたんだよ
あんたが忘れてるのか見てなかったのか、それは結構だが頓珍漢なレスしてこないでくれ
恥ずかしくなる
741名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 18:15:07 ID:iiOZ+fmE
そんなことあったっけ?
てか今のスレの流れがよくわからん
742名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 19:14:10 ID:v6MtRmC3
>>719 「朝倉キボンヌ」

>>720 「>>2嫁。そして自分で書け」

>>728 「うるちゃい! 俺は悪くない! >>2の存在そのものが悪いんだファビョォォン!」


こんな流れ
743 ◆LeyXT4003g :2008/05/20(火) 19:36:03 ID:XESaLf4F
――過去ログ検索結果――
>>732「に文句言う」:the 6章に1箇所。テンプレと無関係。
>>732「嫌なら自分で」:the 9章に1箇所。テンプレと無関係。
>>740「実は俺が」:the 35章に1箇所。テンプレと無関係。
>>732「俺の書いたテンプレ」>>732「文才に嫉妬してる」>>732「2は最高」「2は最高」:虚無。
――>>2のテンプレ――初登場…… the 15章。
まとめサイト様で――確認を。
744名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:24:59 ID:3K/eo+dF
>>729
お前にとっては読み手は物乞いなのかw

というかぶっちゃけた話、
リク一個でそこまでファビョるようじゃ
2ちゃんはムリだろう。

仲良しサークルでも作って引きこもっていたらどうだ?
745名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 20:34:26 ID:kEQTCgll
>>744
帰れ
746名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:24:22 ID:YxZAhcyS
743のIDワロたw
747名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:35:07 ID:RJJDEVy1
乳は朝比奈さんの方がでかいのに
朝倉さんの方が圧倒的にエロいのはなぜだろうか?
748名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:44:50 ID:KaN2Ihs1
>>747
あの眉毛と太ももそして真面目な委員長と思いきや……
という点がなんかエロい
749名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:29:31 ID:i4I66V1j
もういいから糞コテは消えてくれ。
自称SS書きのくせにコテ付けてる状態じゃ何もしないとか、
逃げ口上カマしまくりの空気コテじゃねーか
750名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:05:48 ID:gMnD0puj
>>749
逆だから。
せっかくコテ付けてくれてるんだから、嫌だったらNGにすればいいでしょ。
751名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:09:57 ID:kwU3kVRV
>>750
アンカーがつくとNGしていても意味がない場合がある。専ブラのバージョンと設定次第だが。
752名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 23:43:01 ID:pdIhXJgM
じゃあバージョン上げて設定し直せよ
753名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 00:40:45 ID:dYEAq4Oq
NGしてても、空気コテっていう存在自体がウザイ。
754名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 00:45:38 ID:K+pryYum
>>753
そこまでいくと後はお前の人格云々の問題になるな
スルー能力の無い奴だな
755名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 01:56:24 ID:A5+tICqu
まあ、むしろ空気になるためのコテだからな。
756名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 17:40:18 ID:Bt0C9zZ/
こんな流れなら過疎ってるスレの方がまだましだな
757名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 22:56:11 ID:cJu6iobP
>>756同意
雑談は多少は良いとは思ってるけど、喧嘩や煽りは本当にやめて欲しい
758名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:02:12 ID:bNtzTqbK
暇だからエロパロらしく、エロさランキングでもするか?
759名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:22:53 ID:foCkgiQm
>>747
朝倉涼子は、というか有機端末3人娘は全員だが
個人的には
「きっとマグロに違いない」というイメージがあるなあ。

胴体貫通されてもへいきな顔してられる彼女らが
膜の一枚や二枚でどうこうなるとも思えん。


行きずりのオトコにラブホとかに連れ込まれて
一方的に押し倒されても多分抵抗とか刺殺とかもしなくて

ベッドの上でガックンガックン揺さぶられながら
(今日のお夕飯、なににしようかな……)とか平然と考えてそうというか。
760名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:50:57 ID:EIoJ8OKc
そこまで「どうでもいい」とか考えてる端末が「晩御飯の事」なんて考えないだろ。
それこそ飯も食わないって。
761名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 23:55:11 ID:PkDCAYb+
>>759
マグロな娘がちょっとだけでも反応してくれたら余計萌えないか?
それこそツン比率が99対1の娘がデレてくれた時に匹敵するぐらいにw
762名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:00:17 ID:BWjkZhAH
こういうときこそエロ的ご都合主義を活用するべきじゃないのか?
いくらグロい目にあっても顔色一つ変えないTEFI達だが、
エロい目に会うととたんにエロい顔になったりエロい声になったり。
そういう風にプログラムされているとかな。
763名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:26:02 ID:9gJfTxj0
基本構造は人間と同じ体で、食欲もあれば性欲もある、痛みや疲労も感じる
しかし、人間と違って戦闘時は痛みや欲望をコントロールできる
俺はそう思っている

だが、性欲があると考えたとして、文化的な差があるからどうなんだろうか?
「恥じらい」の大部分は文化から来るもの
リアルでも裸同然で暮らしている民族と、女性は家族以外には顔すら見せない民族では、裸に関する恥じらい度が違っていたりする
764名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:44:22 ID:e40OW1uU
>>763
肉体そのものは人間ベースだけど肉体とは別に内在する自己情報を連結解除とか
改組とかされない限り肉体的には不死身そう。パワーソースが尽きなければ。
肉体的欲求も自在にコントロールできそうではあるけど、人体というハードウェアで
稼動してる以上はある程度の近似的人間性も持ち合わせてると思う。
感情も人間というハードの生理作用である訳だしエンドルフィン分泌による性的刺激も
不能なこたないと思うが…
765名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:55:22 ID:/j/x+Ql6
>>763
「データ」はあっても「感情」をエラー扱いしている以上、適切なバランスを情報統合思念体が設定するのは無理だろうな。
「溜息」にあった古泉式「朝比奈さんの役目」をインターフェイスに負わせる事を思いついても、そこで致命的なミスをやらかすのが関の山だな。

しかし、原作はテクニカルタームを出しても詳細を小出しにしてきてSSに組み込もうと思うとストレスたまるな。
機関が用いている呼称「TFEI」の正式名称はおそらくキョンが許容できない侮蔑的な言い回しな気がしているから絶対使わせないようにする、とか妄想すると筆が止まる。
ぶっちゃけ、藤原がいうところの「人形」と大同小異なんだろうが、いつ誰が示してくれるか、とにかく原作の続きが待ち遠しいよ。
766名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:32:42 ID:BnyVMbZ+
原作の続きとか都市伝説だろ
767名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:35:34 ID:g7leGB3Z
執筆の難しさを知ってる書き手は読み専より延期にやさしい気がする
768名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:43:13 ID:n9Vx1aUl
しかし書き手ほど続編を望むのも確か
769名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:57:25 ID:hwd+vSOr
でも原作に困ってしまうのも書き手
考えてた設定とか飛ぶからね
770名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 01:57:35 ID:e40OW1uU
>>765
テクニカルターム自体はそんな重要じゃないというか、ハルヒシリーズのそれはSFフレーバー
程度の扱いだと思うけど。
例えばTPDDだって時間平面の何をどうデストロイして時間移動するのか不明だし、判明
したからって話がどうなりそうもないし、「そういうもんだ」と思うしか。
ハルヒ自体ラノベSFのごった煮パロディ的な作風だし今の展開はキャラクター主体だから
これ以上SF的理屈こね路線にシフトしてもSF拒否反応により読者が離れそう。
771名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 03:39:18 ID:CR+VjsX3
基本構造は人間と同じ体で、食欲もあれば性欲もある、痛みや疲労も感じる
しかし、人間と違って戦闘時は痛みや欲望をコントロールできる
俺はそう思っている
772名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 06:03:18 ID:vLl1QxTf
出来るけど欲求としてもっていない、というのが自分の憶測
欲求に基づいた行動には意志がついてくると思うし、意思があるなら感情が発生し、エラーが起こるんじゃないかと
だから任務遂行に必要であればするしするべきだと判断すると思うけど、したい、とは思わない、と思ってるw

けど話に反映出来てはいないw
773名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 08:43:50 ID:Fo8Vo26V
>>771
なんかダブルブリッドの片倉優樹を思い出したんだが。
774名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 12:47:11 ID:y9rH4Ss6
>>769
飛んでしまった考えてた設定でのSSが読んでみたい
原作を読んでいる&待っている途中の間違った妄想やワクワク感が出てると思うから
775名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 17:30:03 ID:2qA9/vSX
この流れを見てるとすっかり寂れたこのスレにも書き手が結構潜んでるもんだなって思うわw
776名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 18:33:15 ID:ogrDwo7b
ネタにマジレス
ここはSSスレの中でも屈指のSS職人が集い投稿する場所
777名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:10:53 ID:tO4N0g6y
この程度の延期でとやかく言うのもどうだろう……。
778名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:13:12 ID:eyFvKbgv
この程度!
779名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:47:39 ID:lwqGhZNa
>>777
まあなあ。

順番から言ったらEGコンバットの最終巻の方が先に出るはずだし。
780名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:19:11 ID:d3fsuMeN
>>765
永久に登場しないから、そういうモンだと受け入れるか自分で設定を作ってしまうか、
どうしても納得が行かないなら作中で突っ込みを入れるとよし。
781名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:23:05 ID:d3fsuMeN
連投スマン。ちなみに自分の感覚でいうと

受け入れる…ベストチョイス
突っ込み…難しいかも
作る…ん、まあ・・・・
という感触かな。
782名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:46:07 ID:ppyOw7xO
>>777
ラノベ界にはハルヒより新刊が出ないのなんてざらにあるしなw
まあ今月はあのダブルブリッドの新刊も出たことだし気長に待とうや
783名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 04:57:54 ID:y7BMz8WN
>782
それだとあと3年半待たないといけなくなるよ?w
まあサーラの冒険を待てたオイラにゃ全然楽勝だg…すみませんやっぱり
早めに読みたいですw
784名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 05:44:57 ID:LdUQlJ4o
他にもっと長い間放置している作家がいるからといって、この作者が発売延期して良いという理由にはならんだろう
ガキじゃないんだから……
785名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 18:27:13 ID:TWL/e9Y3
一気にわっと盛り上がるタイプの作品だから、やっぱ早く出てほしい。
786名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 20:52:44 ID:smXoKpA1
確実にファンは大分減ったよな
787名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 21:13:03 ID:zc3PeFWJ
この際だからアニメ2期に合わせて出そうと思っているのかも。
788名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 21:22:41 ID:CRYnYq9I
1回だけでいいから消失の日付に合わせて放送してほしいな…
それでなおかつ驚愕も出てくれればな…
789名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 02:24:02 ID:/xCc17PL
>1回だけでいいから消失の日付に合わせて放送してほしいな…

こーゆーの痛いというか、キモいというか
790名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 10:37:18 ID:/mzpmuoE
>>789
望むだけなら罪はないし、いいんじゃないかと思うけど。
日付で思い出したが、キョンは何度か時間旅行を経験しているが、体感時間として「重複する余分な時間」を経験した事はないんだっけ。
「笹の葉ラプソディ」や「消失」の時系列を整理すると、うまい事眠ったり気絶したりして、1日が25時間になるような事態を回避しているような気がする。
なんか妄想のネタに出来そうな気がしてきたな。
791名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 14:48:30 ID:0XETq46K
なるほど、確かにそうなっている。
792名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 14:49:24 ID:UWiORhIr
望むだけなら罪はないが、こんなところに垂れ流すこともないだろう

糞尿と同じでな
793名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 16:17:19 ID:w5EGVUGc
てかキョンは若干、歳くってるハメになってるよね
妹とか少し伸びた髪とかに突っ込まないんだろうか
794名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 17:38:48 ID:o98e90V+
そういやここではハルヒちゃんの憂鬱はどういう扱いになるんだ?
ツガノ版もみずの版のssなんて全く見たことないけどやっぱりスレタイ通り谷川作品のみなのかな
795名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 17:41:53 ID:1jI8biRD
あれをここに持ってくる必要性を感じないけどな。
VIP行けばいんじゃね?
796名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 17:57:12 ID:bxMTnhwN
>>794
どういう扱いかというとたぶんだが、
それをネタにSSを書いたら
ハルヒちゃんの作者ではなくおまえさん自身のオリジナリティだと
受け取る人間が何人か居るだろうと思う。

たとえば俺がそうだ。
今初めてそのタイトルを知ったからな。
797 ◆ka5BrNUzcE :2008/05/24(土) 18:17:18 ID:y9vWOBv5
突然ですが谷川スレ初投稿です。お手柔らかにお願いします。

内容はハルヒ達のありがちな日常の一幕ですが、時系列的にはシリーズの直後みたいな感じでお願いします。
多少やらかした感はありますが、季節への突っ込みは無しという事で。
完璧に偽装したので、一応エロは無しという事になってます。

喋りすぎても問題ですので、それでは投下します。
798誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:18:03 ID:y9vWOBv5
目の前に現れたモノの存在を、俺は信じていなかった訳じゃない。むしろ昔からよく知っていた。
サンタクロースや悪の組織や宇宙的未来的超能力者的ヒーローといった、世間では空想の産物として扱われる

モノではなく、それは間違いなく現実に存在していて然るべきモノだった。
名前は子供でも知っている。漢字で表記すれば小学生でも――我が家の妹は残念ながら例外に加える必要はあ

るにせよ――それが何を意味しているのか分かるだろう。日用雑貨や慣用句にも頻繁に登場し、十二年に一度

はデフォルメされた絵柄のそいつを飽きるほど眺める羽目にもなる。
それぐらい人口に膾炙した存在であるにも関わらず、実際に目の当たりにした途端、身体がその場に凍り付き

指先一つ動かせなくなってしまったのはどうした事だろうね。これでも一応世界がひっくり返るような体験を

何度も経て、それなりに危険な目にも遭って来たと自負している筈なんだが、もしかしたら目の前のそいつが

危険な匂いを放っていたからだろうか。
そう、匂いだ。
荒い鼻息を鳴らして俺を真っ直ぐに睨め付けるそいつの強烈な匂いと敵意は、俺が立ち尽くす夕暮れの住宅街

とは非道く不釣合いなものだった。
何でこんな目に遭っちまったんだよ――
金縛りを食らったように身体の自由が利かない分、心臓の鼓動と頭の回転が通常では想像もできないレベルで

速くなっているのが自分でも分かる。十分過ぎる位のカロリーと酸素が脳の活動を活性化させたんだろうか。

だとしたら試験の最中にシャーペン一つ動かさなければ、頭の中で百点満点の答案を作り上げる事も可能だろ

うね。ただし答案用紙の採点欄にデカデカとゼロの文字が刻み付けられるのは確実だろうが――
などと余計な事に考えを巡らせつつも、俺の意識はほんの数十分前から今現在までに起こった出来事を、最高

画素の鮮明さと秒間三十フレームの緻密さという、ギャグみたいな無意味に高いクォリティでもって再生し始

めた。
799誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:18:48 ID:y9vWOBv5
普段通りの怠惰な、贔屓目に見ても部活動とは決して呼べないだろう非生産的な時間を潰し、分厚い文庫本を

畳む物音を合図に全員が普段通り帰宅の準備を始める。全員一緒に帰宅する事もあれば、それぞれ勝手に帰る

日もある。対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースの長門も、未来人の朝比奈さんも、今

日は何か用があるらしく、俺とハルヒを残して先に帰宅してしまった。
古泉?忘れてた訳じゃない、あいつも用事だとよ。機関の仕事かプライベートで女子と宜しくやってるのかは

知らん。
どっちにせよ団長サマを俺一人に押し付けて、全く薄情な野郎だ。大体仕事というのなら、あいつの本業は神

様の子守だろう。その神様を放ったらかしにするような用事って何なんだろうね。
しかも当の団長は部室で唯一のデスクトップのモニターを凝視したまま、
「まだやる事があるから先に帰ってて」
とか抜かしやがった。何見てるのかは知らんが、あんまり帰りが遅くなったら危険だぞ。自分勝手で唯我独尊

だが、お前だって一応女なんだから、夜道で変質者に狙われても俺は知らないぞ。もっともお前の場合、たと

え路上で痴漢に遭っても逆に払い腰で容赦なくアスファルトに叩き付けるんだろうがな。そのままマウントポ

ジションを取って、バカ力に任せて哀れな痴漢を滅多打ちにするお前の姿まで瞼に浮かぶようだ。
「そこまで分かってるんなら放っといてよ。それよりキョン、あんたこそ余計なトラブルに遭うんじゃないわ

よ。あんたが何かの事件に巻き込まれて、SOS団の名前が不名誉な形で世間に広まったらどうすんのよ。 

例えばあのいけ好かない生徒会長なんか、それこそ鬼の首でも取ったかのような勢いであたしたちを 潰しに

かかったりするはずよ。そうでなくとも敵が多いんだから、脇の甘い奴は団員として――」
自覚が足りない、だろう。その言葉は聞き飽きて耳にタコ焼きと明石焼きとラジオ焼きができちまったよ。
それにあの会長さんなら、敵か味方かで言うと間違いなく後者だ。必要以上に仲良くすると骨の髄までしゃぶ

り尽くされそうな雰囲気があるから、深いお付き合いはできるだけ遠慮したいがな。
大体敵を作るのはいつだってお前からだろうが。生徒会に限らずコンピ研との因縁然り教師連中然り。SOS

団を設立して以来、俺がどれだけお前のワガママに振り回されてその尻拭いに苦労して来たのか、お前は全然

知らないだろう。
「何それ愚痴のつもり?そんな下らない事を言う為にわざわざ残ってくれたって訳?バカじゃないの?子供じ

ゃあるまいし、あたしに言われた通りさっさと帰りなさいよ。そんでご飯食べてお風呂入ってさっさと寝たら

いいでしょ。大体あんたいっつも遅刻ぎりぎりの時間に登校するわ、授業中は寝てるわ――」
授業中に寝るのが悪いと言うなら、お前だって人の事は言えないだろう。珍しく俺が授業に専念しようと黒板

を凝視した瞬間、無邪気な愛らしい寝息が――愛らしさは寝息だけだったが――耳に届いた事を、俺は絶対に

忘れないだろう。
そもそも何で話が俺の生活態度に関する内容に摩り替えられているんだ。己を指して非の打ち所の一点もない

模範生だと言い張るような厚かましさは持ち合わせていないが、それでもお前に俺の生活リズムを干渉される

道理はないと思うんだがな。使い古されて黴の生えた陳腐な言い回しなのは承知してるが言いたい。声を大に

して言いたい。
お前は俺の母親か、と。
800誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:19:24 ID:y9vWOBv5
だが執拗く言えばその分臍を曲げるのが、涼宮ハルヒという捻くれ女だった。おまけにあいつの弁舌の程は、

三回くらい転生を遂げても俺じゃ到底勝てないな、と認めざるを得ない程に立つ女だ。これ以上反論した所で

時間の無駄なのは判り切った事じゃないか。
正直付き合い切れん。大体にして俺がこいつと一緒に下校する義理も義務も最初から無いのだ。
去年の型式とはとても思えない、いまだに真新しさを誇る薄型液晶ディスプレイ越しに、なぜか潤んだように

も見える瞳で俺を睨み付けたハルヒを残し、俺は部室を後にして閉門間近の校門を潜り抜けた。
一人で下校するなんて何日振りだろうか。最近は団員全員で帰宅するのが半ば習慣と化していたし、そうでな

い日も気が付いたら何故かハルヒと二人肩を並べて下校していた、なんて脳の病気を疑いたくなるような事も

珍しくはなくなった。
授業中はシャーペンの先で始終背中を突付かれるし、休み時間だってハルヒの奴が何をしでかすか不安で心休

まる暇もない。俺が学校で安息を貪れるのは、放課後に朝比奈さんの淹れてくれた最高に美味い茶を啜りなが

ら、長門が本のページを捲るペースで時の流れを計る束の間の平穏な空間だけだ。それも部室のドアが乱暴に

開かれたと思う間もなく、ハルヒの奴がズカズカと足音を響かせて台風よろしくやって来て終わる。そんなハ

ルヒはいつも眩く輝く百ワットの笑顔でもって、俺を困らせる案件ばっかり持ち込んで来るのだ。
あいつと離れるだけで、精神的にも精神的にもかなり落ち着くのがわかる。下校途中の見慣れた道に人影は見

当たらない。こんな時間に帰宅する暇な高校生と云えば、ハルヒという例外を除いて俺一人だった。
明日の気温は夜半過ぎまで平年を上回ります、なんて昨夜の天気予報ではそう言ってたが、森田さんでも時に

は予想を外す事もあるもんだね。街の方から吹き上げる風が妙に肌寒いじゃないかよ。
道端の茂みが不意に揺れたのは、風の所為でも俺が偶々蹴り込んだ石ころの所為でもなかった。がさがさ、と

物音を立ててその中から飛び出して来たのは、子犬くらいの大きさの動物だった。それも二匹だ。
当然と言えば当然だが、そいつらに首輪あるいはその痕跡は見当たらなかった。見ているだけで荒んだ心も癒

してくれる可愛い小動物が、トコトコと短い足を忙しなく動かして俺の眼前を往復する。
だがそいつらの特徴である背中の縦縞を確かめた途端、高校に進学して以来磨き抜かれて来た俺の勘は、駅か

らすぐ近くにある踏み切りの警報機よりもけたたましい音量で警鐘を鳴らした。
801誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:20:08 ID:y9vWOBv5
こいつらは明らかに親離れもできていない子供だ。それが何を指すのかと云うと、すぐ近くにこいつらの親が

居るという事になる。
子を思う母親の情というのは、恐らく本能に根差しているんだろうな。小鳥ですら人間に雛を狙われたら、激

しい攻撃で人間に手傷を負わせて撃退してしまう位なんだから。
ましてや相手はか弱い小鳥ではない。人間に匹敵する体格を持ち、恐るべき突撃力で時には野犬をも殺してし

まう、考えようによっては充分猛獣に分類されて然るべき危険動物だ。
そいつが自分の子供を敵に狙われていると判断すれば、しかも俺をその敵に認定したとしたら、どんな事態が

引き起こされるのか。想像するのは簡単だが、できれば断固拒否したい。
もう指示代名詞で誤魔化している場合じゃない。そんな事をしていたら対応が遅れてしまう。今こそ現実と向

き合わないと――
どこだ、どこに居る――
わざわざ自分から探し出す必要もなかった。触れただけで死ぬんじゃないか、とさえ思わせる殺気立った視線

を後頭部に受け、滝のように流れ出る冷や汗を感じながらゆっくりと振り返れば。
野生動物特有の強烈な匂いを発しながら、怒りに狂ったハルヒのさらに数倍凶悪な目付きで、母イノシシが俺

を睨み付けていた。

毎日の強制ハイキングコースが習慣となってから、いつかこういう目に遭遇するんじゃないかという微かな予

感は俺にだってあった。何しろ北高は山の中に建っているし、その山は全国区の知名度を誇るおいしい水の産

地と地続きだ。自慢じゃないが、人の手が入っていない自然もまだ多く残っている。地元のローカルニュース

では殺人事件や交通事故に続いて多く放送されるし、何より強制ハイキングコースの途中にはこいつに注意す

るよう呼びかける看板だって立て掛けてある。市内での目撃談だって、痴漢事件の噂よりも多く耳にする程だ


けれども俺の中では、自分の知らない海外の芸能人が誰と付き合っているのかというニュースよりも優先順位

の低い事だった。ある一人の少女が手にした超人的な能力を巡って、俺の与り知らぬ場所で宇宙的未来的超能

力者的な陰謀が渦巻くというシリアスともギャグとも付かない生活の中、当の我侭な団長サマの戯言に毎日振

り回され、疲労困憊して帰宅するんだから、そいつの存在を頭の片隅に留め置くにもかなりの努力が必要なの

は理解して欲しい。
ターレスの故事を引き合いに出すまでもなく、要は足元を掬われた形になる。
802誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:20:48 ID:y9vWOBv5
何が痴漢だ。痴漢だってハルヒなんかを相手にする筈がないだろう。痴漢よりも出没頻度の高い、かつ男女の

性別に関係なく危険な動物を何故警戒対象に含めなかったのか、真に遺憾ながら不覚だったと認めざるを得な

い。
猪突猛進なんて諺があるぐらいだから、真っ直ぐ突撃してきた所を横にかわせば問題無いだろう。なんて思っ

ている奴がいたら俺の前に来い。泣き喚いて許しを乞うまで殴ってやる。自然を舐め切った貴様の根性を修正

してやる。
生憎だが俺は、マドリッドで拍手喝采を浴びるトレロカモミロじゃないんだ。そんな才能も運動神経も俺には

無いし、こいつとの鉢合わせさえ体験しなければ手に入れたいとも夢想しなかっただろう。仮に俺が闘牛士並

みの回避能力を持ち合わせていたとしても、イノシシは諺とは違って横へも素早く移動できるのだ。だいいち

野生動物が本気になったら、文明に囲まれた暮らしの末に弱体化した人間の反射神経で対応し切れるものじゃ

ない。
母イノシシが俺の一挙一動を絶対に見逃すまいと真っ直ぐ見つめて来る。遠からず俺に生じるであろう僅かな

隙を見つけ、そこを容赦なく突撃する腹積もりのようだ。無駄な努力とは知りつつも指一本動かす訳には行か

ない。そんな風に全身硬直した俺の視界を横切り、トコトコと嬉しそうに母親の元へ駆け寄るウリボウ二匹の

可愛いこと。そいつらの無邪気な動作の、何とも憎たらしいこと。
畜生め。文字通りの畜生めが。このいきもの。どうぶつ。アニモー。英語で言うとアニモー。

心の中でイノシシの親子を罵倒した所で、俺の置かれた状況は決して好転なんかしないのは解っている。明日

の朝刊の地方欄を開けば、その片隅にひっそりと目立たない記事になって掲載された俺の本名が見つかるんだ

ろうな。俺はその記事をどこで目にする事になるんだろうか。
自宅ならまだマシな方だろう。入院先のベッドの上で、なんて事態に陥るのは真っ平御免蒙りたい。あんな退

屈で真っ白な空間で寝起きしたら、精神衛生上非常によろしくないからな。
――あんたが何かの事件に巻き込まれて、SOS団の名前が不名誉な形で世間に広まったらどうすんのよ――
確かハルヒはそう言ってたな。今頃になって、さっきハルヒの瞳が三十ワットに翳っていた事を思い出すなん

てどうかしてるぜ俺も。
ハルヒよスマン、どうやらお前の予感は最悪の形で的中するようだ。動物に襲われて怪我だなんて、ハルヒの

言う通り恥ずかしくて人様に顔向けできる話じゃない。
それにしてもなんでハルヒなのかね。長門ならイノシシなんて苦も無く退けるだろうし、古泉なら本人だけじ

ゃなく組織の力を借りる事もできるだろう。どちらも動物相手に振るう力としては過分だがな。蟻一匹潰そう

として核ミサイルを持ち出すバカと同レベルだ。却下。朝比奈さんだったら――我が命に代えてもお護り致し

ましょう。イノシシ相手に怯って動けない俺じゃ、役不足なのは目に見えているが。
ならば消去法で残った選択肢があいつだって事か。馬鹿な。あいつの力こそ長門や古泉よりも大袈裟な代物だ

。核ミサイルどころか、太陽レベルのエネルギーと質量を伴った持った恒星を地球に衝突させるぐらい無駄に

危険な選択肢だろうが。どう人生を間違えても、どんなに人の道に外れても、たとえ誰を人質に取られても頼

っちゃいけない力だと、無意識の最深部まで徹底的に浸透させている筈だ。ならば本当に、何故ハルヒなんだ


不思議を探し歩いては俺を心配させる当の団長サマは――
803誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:21:31 ID:y9vWOBv5
居た。夕闇の中でも見紛いようもない黄色いカチューシャを揺らし、大股でのしのしと母イノシシの背後の坂

道を下りて来る。ああそうだとも、お前の力強い足音はイノシシにだって負けちゃいねえ。
「ちょっとバカキョン!あんたこんな所で何遊んでるのよ?!雑用係の下っ端のクセに、団長の早く帰れって

簡単な命令一つ守れないの?!」
よく通る甲高い声が住宅街に響き渡り、母イノシシがびくりと大きく震えて振り返った。ウリボウ二匹が母親

を見倣って回れ右をする。ハルヒお前近所迷惑だろうが、今何時だと思ってるんだ。いや違う、俺の間抜けな

仇名と情けない待遇とを、全校生徒だけでは飽き足らず学校の周辺住民にまで知らしめるつもりか。ええい違

うだろアホか俺は、今俺があいつに掛けるべき言葉は――
な――
「何やってんだハルヒ、危ないから近付くんじゃない!」
「あんたこそ大声出してんじゃないわよ!何が危険なのよ!いい歳こいてライダーごっこか戦隊ごっこのつも

りなの?!天下の往来で高校生がする事じゃないわよ!――って」
ハルヒが異変に気付いた様子で坂道の途中に急停止した。そうだハルヒ、お前にもそいつが見えるだろう。俺

が何とかするからお前は逃げろ――って
くんくんと鼻をヒクつかせてハルヒは顔を顰めた。改めて訊くが、何やってんだお前。
「うわ臭っ!臭いわよキョン、あんた本当に臭い!何よこの匂い、キョンあんた何時からお風呂に入ってない

のよ!SOS団の構成員として、いやそれ以前に人間として、あんたの常識を疑うわね!ああ臭い!」
大声で臭い臭いと連呼するんじゃない。ここは住宅街だぞ。百歩譲ってこの場の匂いに同意するとしても、俺

の仇名と一緒に大声で叫ぶな。お前はどこまで俺の恥と悪名を広めたら気が済むんだ。ここを通らなきゃ学校

にも行けないんだよ俺は。俺明日からどんな顔をしてここを通ればいいんだよ。マジで泣けて来るぞ。
だいたい人体がこんな獣臭を発生させる事がありうると本気で思ってるのか。お前には匂いの発生源が目に入

らないのか。前々からアホだアホだとは思っていたが、可哀相にお前とうとう脳味噌が芯まで腐り果ててしま

ったんだな。
804誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:22:06 ID:y9vWOBv5
それとも何か、お前わざとやってるのか。そうだな、そうであってくれ。だとしたらお前のボケセンスは間違

いなく第一級のお笑い芸人をも凌駕してるぞ。よし決まった。お前の進路はお笑い芸人だ。今すぐ北口駅から

東行きの特急に乗って、終点の大都市にあるお笑い養成学校の門を叩いて来い。抜群の美貌とスタイルと、そ

れすら霞ませるボケの才能を持ったお前なら、一躍スターダムに伸し上がるのは確実だ。全国のお茶の間に涼

宮ハルヒの名を轟かせる日は近い。SOS団の悪名を広めるよりずっと簡単だし、その方がお前の人生の為に

もずっと生産的だ。
「抜群の美貌とスタイルって何よ、エロキョン?!もしかして、あんた、まさか、いややっぱり、そーゆー目

で団長であるあたしを視姦してた訳!前々からエロいエロいとは思ってたけど、可哀相にあんたとうとうあた

しを妄想の中で獣欲の限り汚して犯して嬲り倒すような性欲魔人になり果てたのね!ヘンタイ!ケダモノ!こ

のいきもの!どうぶつ!アニモー!英語で言うとアニモー!」
食い付くのは美貌とスタイルって部分だけかよ。何だよエロキョンって。しかもお前は無駄に滑舌が良くて声

もよく通るから、大声張り上げたら山中どころか駅前まで響くんだよ。バカでヒーローごっこが好きで殺人的

に臭くて性欲魔人で間抜けな仇名を持った男子高校生、って俺は人間としてどこまで堕ちた存在になれば許し

て貰えるんだ。
頼むからもう勘弁してくれ。お前のボケが天から与えられた素晴らしい才能なのはイヤという程解ったから。

もうお腹一杯だ。というかお前何で顔を真っ赤にして、自分の身体を抱き締めて「いや」とか「ダメ」とか呟

いてんだ。お前のキャラには死ぬ程似合わないんだよその表情とポーズは。だいたいお前は何から身を守って

るつもりなんだ。
イノシシか。イノシシからなのか。だったらそんな防御の構えは紙より役に立たないぞ。
「――イノシシ?ついに狼と化したあんたが、あたしを襲おうとしたんじゃないの?」
お前の目は今の今まで何を映して来たんだ。俺か。俺だけか。俺だけしか目に入らないだなんて、今時の少女

漫画にも登場しない、ベタで巫山戯けた事抜かすつもりじゃないだろうな。
「あんたこそ男のクセに少女漫画に影響されて、気持ち悪い妄想を思い浮かべて毎晩あたしでオナってんじゃ

ないわよ。このエロキョン。で、何なの?」
だからエロキョン言うな。女の子がオナるとか下品な言葉を口にするんじゃない。というかお前ん中じゃ俺が

お前に欲情してるのは確定事項か。坂の上に立ってるんだから上目遣いは止めろ。そうだイノシシだ。もう少

し視線を下げれば、節穴にさえ劣るお前の目にも、喋り続ける俺たちを交互に見比べていたイノシシ親子が見

えるだろう。
って――
本日二度目の嫌な予感を覚えてハルヒの顔を凝視する。それは銀河を満載して輝く瞳と百ワットの笑顔、とい

う最悪の取り合わせで的中した。
805誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:22:38 ID:y9vWOBv5
「うわ本物のイノシシだ、珍しいわね。こうして見ると中々可愛いじゃない」
やっぱりハルヒも実物を見るのは初めてなんだろうね。常にあいつの中で充満して出口を求め続ける好奇心が

、全身の毛穴から溢れ返っているのが俺にも見て取れるぞ。まあ傲岸不遜なお前の口から、可愛いだなんて乙

女チックな言葉が飛び出して来る方が珍しいと俺は思うがな。
それよりもだハルヒ。
母イノシシが今、お前の一言に合わせて警戒の度合いを強めたのがわかるか。ウリボウが母親との距離を詰め

たのが見えただろ。お前がウリボウを攫おうとする敵だと認識したんだよ。だから俺はお前に近付くなって言

ったのに、お前と来たら俺の話をまるで聞かないから――
「うるさいわねキョン、それぐらいあたしにも判るわよ。だってこのお母さん、今あたしを睨んでものすごく

鼻息荒くしてるもの」
だったら話は早い。お前は逃げろ。後は俺が何とかする。こう見えてもお前のフォローには慣れてるんでね。
「何がフォローよ。どうせあんたの事だから、イノシシ相手にビビって身動きが取れなかったんでしょうに。

情けないったらありゃしない」
大嫌いだ。勘の鋭すぎる女なんて大嫌いだ。勘の鋭すぎる当のハルヒが、母イノシシに視線を固定してに言う


「あんたは逃げていいのよ。ちょうど良い機会なんだから、か弱い女の子を置いてスタコラサッサと負け犬み

たいに尻尾巻いて逃げればいいじゃない」
その物言いからして俺をこの場から逃がすつもりなんて毛頭ないだろう、と反論を試みた俺は、ハルヒの声に

僅かな違和感を感じた。どこに出しても恥ずかしいボケ女の声が、いつになく重みを増した低音に切り替わっ

ていたのだ。
ハルヒの足元によく目を凝らせば、両足を軽く開いて重量感たっぷりに立っている。両足が地面から生えてい

るような、格闘技の素人にも力強さの伝わって来るいい構えだ。
そして更に力強いのはハルヒの瞳だった。視線だけで人間を殺せるんじゃないだろうか、と思われる程の凶悪

な目付きで、母イノシシを睨み下ろしている。俺に尻を向けた母イノシシの目付きは判らないが、しかしハル

ヒと同じ目をしてるんだろうと容易に想像が付いた。
母イノシシの足元で、ウリボウ二匹が落ち着き無くトコトコと走り回り出した。母親の対峙する相手はどうや

ら只者ではない、と動物の子供ながら鋭敏に感じ取っているようだ。
ハルヒお前まさか――
806誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:23:19 ID:y9vWOBv5
本気でこの母イノシシと戦うつもりじゃないだろうな。それだけは止めろ。危ないから絶対に止めろ。
確かにお前は猪突猛進、諺通りなら突撃力でイノシシと互角以上に渡り合えるかもしれない。しかしだなハル

ヒ、それはあくまで諺だレトリックと云う物だ。お前は自然の恐ろしさを知らん。本質的に人間は大自然の前

に無力な生き物なんだ。野生動物が本気になったら、文明に囲まれた暮らしの末に弱体化した人間の反射神経

で対抗し切れるものじゃ――
「あんたは黙ってて」
ハルヒは殺人視線を保ったまま、俺を一瞥してピシャリと言った。はい済みません黙ります。
母イノシシはとっくの昔に俺への興味を失っているようだった。そればかりかハルヒが自分から目を離したの

を好機と見るや、前足でアスファルトを掻く始末。ウリボウ二匹は相変わらず忙しなく走り回っている。
ハルヒが母イノシシに視線を戻し、両者再び不動の構えを取る。野獣対野生児の闘いにあって、俺は蚊帳の外

ですかそうですか。しかし何だねウリボウたち。俺一人の時はどこまでも油断して愛嬌を振り撒いていた癖に

、ハルヒがいる時は怯えまくりますか。
生物レベルで俺はハルヒの下に位置する動物なんですね。ええ解りますとも。ハルヒに逆らう事が、生命体と

してどこまでも愚かな行為であると俺に教えてくれてるんですね。厳しい生存競争を生き延びる為にも、俺も

古泉のイエスマンっぷりを見習わんといけないのですね。
というか俺は君たちのさらに下層生物として位置付けられた存在なのですね。今まで畜生などと汚い言葉で罵

って本当に申し訳ありませんでした――

「何泣いてるのよキョン。やっぱり怖いのね。だから言ったでしょ、あたしを置いて逃げてもいいって」
うるさい。この涙はイノシシが怖くて流れ出るんじゃない。お前に虐げられ、動物にも舐められる情けない身

の上を思って泣いてるんだよ俺は。
「意味わかんない。強がりならもう少しマシな言葉を選んで欲しいものだわ。でもあたしなら大丈夫、あんた

が情けないのは今に始まった事じゃないから」
何が大丈夫なんだ全然フォローになってないんだよ、という涙を交えた俺の反論をハルヒは掌で制した。再び

アスファルトを前足で掻き出した母イノシシに視線を戻す。鋭い視線をずっと保ったまま母イノシシへと静か

に語る。
「あなたにとって本当に大事なのよね、その子たち。そうよね、お母さんなんだもんね」
おいおいお前はいつから風の谷のなんとかになったんだ。なりきりか。だったら今のお前、世界一そいつに似

ているって俺がお墨付きを与えてやる。俺の保証じゃ世間でどこまで通用するか知らないが、母イノシシがお

前の一言に合わせて小さく唸ったのを俺は聞き逃さなかったぞ。動物レベルじゃマジで通じてるぞハルヒ。
「でもあたしにも大事なものはあるの。あなたにとってのその子たちと同じくらいに」
そんなの俺には初耳だぞ。と言うかだな、俺の思い過ごしかも知れんが、お前凄い事をサラっと言ってないか


ああ糞っ垂れが、こんな所で幸せ回路炸裂か。マジな話何やってるんだ俺は。仮にも生物学上女に分類される

ハルヒを生命の危険に晒しておいて、自分はのうのうと高みの見物かよ。誰か俺に弾を込めた拳銃をくれ。母

イノシシを撃ち殺した後で、俺も頭ブチ抜いて死んでやる。情けない俺の脳味噌を、下らない事を考えるしか

能のない脳味噌を、この世から跡形も無く消し去ってやる。
807誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:24:23 ID:y9vWOBv5
「アホゥ。あんたが死んでどーすんの。あんたの脳味噌なんて道路にブチ撒けたら人様に迷惑じゃない。何も

できないのを悔しがるぐらいなら、あんたはせめて黙って最後まであたしの闘いを見届けなさい」
今度は母イノシシから目線を逸らさずにハルヒは言った。チンピラヤクザ程度なら簡単に追い払ってしまうだ

ろう、ドスの効いた迫力ある喋り方だ。古泉じゃあるまいしハルヒを賛美する結果に繋がるのは正直業腹だが

、しかしあいつが生命体として頼りになる存在なんだと俺が認めざるを得なかったのは事実だ。俺を無視して

ハルヒが続ける。
「お互いにこの場を収めて家に帰りたいの。あなたもお母さんならわかるでしょ」
お前はお母さんじゃないだろうハルヒ――なんてあいつの耳に届く筈もない。仮に聞こえたとして、あいつが

俺の言葉に耳を傾ける訳がないのは解っている。ならばせめてあいつが言った通り黙ってろよ、俺。
「それでも戦うつもりなら――わかるわよね」
その時ハルヒが眉間に力を込めて作った表情を、俺は今後一生忘れる事はできないだろう。あれが俺に向けら

れた物じゃなかったという事実に対し、俺は感謝しなければならない。さもなくば俺は眠りに就こうと瞼を閉

じる度にハルヒの視線を思い出し、その後一睡もできない状態に追い遣られていただろう。早晩精神に回復不

能な変調を来し「ここはどこですか開けて下さいよ」と爽やかにコクピットのキャノピーを叩く自我崩壊した

己の姿なんか思い浮かべるのも御免蒙りたい。
マジだった。明確な意思を瞳でもって宣言していた。
殺す――
そうハルヒは母イノシシに告げているのだ。ここで引かなきゃ、あの愛らしいウリボウ二匹を孤児にしても構

わない。それがイヤなら引け、と威圧しているのだ。さっきハルヒを風の谷のなんとかに喩えたが、あれは俺

の間違いだった。前言撤回。風の谷の姫姉さまと違い、ハルヒは最終的には暴力をも辞さない覚悟を持って事

に臨んでいる。人々を感動させる話とは程遠いが、生命体としては姫姉さまよりずっと逞しい。人間世界じゃ

単なる社会不適合者として片付けられてしまう、使い道のほとんど無い覚悟だが。
そのまま数分が経過した頃だろうか。数秒かもしれないが、俺は正確な時間を把握できなかった。時間に煩い

ハルヒに合わせて、あいつが言うように普段から腕時計はしているものの、そいつを見るのも忘れて固唾を呑

んで静かなる野生の激突の行方を見届けていたからな。
母イノシシもハルヒの両目から放たれる必殺ビームに怯まず、それを増幅して打ち返す。そいつをハルヒがさ

らに増幅反射させて母イノシシに浴びせる。母イノシシがさらに返す――
映画の時に長戸と古泉から説明してもらったっけ。レーザー発振筒の原理って奴を。古泉の描くヘタクソな図

に登場した二枚の鏡と、激突する二者の瞳の位相関係が似てるような気もする。だとしたらいずれ殺意が溢れ

出し、どちらか一方が大出力の殺人レーザーにやられちまうのか。まさかハルヒがハーフミラー役じゃないだ

ろうな。退けるものならもっと早くに退いちまった方がマシだったんだが、もうハルヒは引き返せない所まで

来ている。一部のパーツを除いて然程体格に恵まれている訳でもないのに、よくあの場で立っていられるな。

常人の度胸じゃないぞ。やっぱりお前は普通じゃない。イザとなったらトンデモパワーを発揮して九回裏同点

二死満塁フルカウントから押し出し逆転フォアボール、なんて椿事もこいつなら引き起こしそうだ。
808誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:25:09 ID:y9vWOBv5
って、そっちの方が危険じゃねえかよ。まさか無意識の内にその力を発揮して、長門の言葉を借りれば情報改

変をやらかそうって訳じゃないだろうな。世界を書き換えてしまおうってんじゃないだろうな。それだけは止

めろ、止めるんだハルヒ。
「あたしは負けない――どんな事をしてでも、この場は勝ってやる」
ハルヒがそうぼそりと呟いた瞬間だった。
ハルヒと母イノシシとの間を満たしていた熱気が急速に冷め、同時に超音波よろしく空気の振動を介して俺の

肌をじわじわと焼き続けていた場の緊張感が消える。決着の時は俺が予想したのとは真逆の形で、しかもずっ

と呆気なく訪れた。
母イノシシが睨めっこ勝負の舞台から降りて左向け左のポーズを取った。ウリボウ二匹がすぐに母親の真似を

する。ゆっくりした足取りで道端へと進む母イノシシの目が俺にも見えたが、最早そこからは何の感情も読み

取れなかった。
ただ何と言うか、アスファルトの上をノシノシと歩く足取りは非常に落ち着いていたから、別段ハルヒに怯え

ていた訳でもないのだろう。あるいは徒に時間を浪費する結果しか生まない戦いの無益さを悟り、ハルヒに勝

ちを譲ってやったぐらいの余裕の態度だったのかもしれない。恐るべきは野生動物だ。俺では何をやっても敵

わないハルヒでさえ、野生動物から見れば所詮たかが人間一匹程度の認識でしかないのだろう。
やれやれ。
己の矮小さは理解しているつもりだったが、その事実を大自然とハルヒの両方からこれ見よがしに突き付けら

れたんじゃ、正直切なくて堪らん。なるべく穏便に波風を立てず、という俺の信条は、やっぱり俺みたいに器

の小さい人間が生き延びて行く上で、最良かつ唯一の選択肢なんだと改めて思うね。それでもトラブルに巻き

込まれたら、大人しく諦める他はない。それが人生セラヴィだ。
イノシシ親子の姿が茂みの中に消えたのを見届けて、俺はようやくハルヒに注目した。
睨めっこの勝者となったハルヒは、不動の姿勢を崩してはいなかった。ただその目にはいつもの不敵な笑みを

湛えていて、イノシシ親子の去った方向を見たまま勝ち名乗りを上げる。
「ふん。世界のSOS団団長を相手によく戦ったものだわね。あなたの子供に免じて、今日はこのぐらいで勘

弁しといてあげる」
獣臭い残留ガスが海風に一通り流された頃、ハルヒはようやく俺に目を向けてぼそりと一言、
「――怖かったわ」
盛大にずっこけたよ俺は。眼力だけで危険動物を退けておいて、今更それはないだろう――
809誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:25:52 ID:y9vWOBv5
「全く、あんたは高校生にもなってまともに一人で家に帰る事もできないの?!情けない、ああ情けないった

ら!SOS団の団員として、いや人間としてあんたの将来を心配するわよ。大体あんたいっつも遅刻ぎりぎり

の時間に登校するわ、授業中は寝てるわ――」
一難去ってまた一難。イノシシの恐怖から解放された俺は、今度はイノシシをも退けた世界最凶のSOS団団

長様から、有難いお叱りの言葉を頂く羽目になった。
内容だって?部室でのやり取りと寸分違わない、同じセリフの繰り返しさ。太陽は既に西の山中に姿を隠し、

住宅街からは美味そうなカレーの匂いが漂って来る。何で晩飯の匂いっていうとカレーなんだろうね。他の料

理の匂いに打ち勝ってしまうからだろうか。ああ早く帰りたい。カレーの匂いって、空きっ腹には一番堪える

匂いなんだよ。
「ちょっと聞いてるのキョン?あたしが話してる時は、ちゃんとあたしの目を見て話を聞きなさい!」
うるさい。お前こそ人の話は全然聞かない癖に、人が自分の話を聞かないと怒るのか。自分勝手にも程がある

ぞ。そんなワガママがいつまでも通用すると――
本気でハルヒは思っていた。そしてハルヒはワガママを通す為には実力行使も辞さない女だったのを忘れてい

た。制服のネクタイをバカ力で引っ張られ、ハルヒの顔と真っ直ぐ向き合う形になる。いつものハルヒだ。こ

の暴力女め。お前の言動は何から何まで理不尽だらけだ。目を逸らそうとしたらまた引っ張られた。俺は子牛

か。お前に曳かれて市場で売られてしまう可哀相な子牛か。今は晴れた昼下がりじゃなんだぞ。
「何が子牛よバカキョン!あんたは放っといたら自分に都合のいい話しか聞かないんだから!あたしの有難い

教えから耳を背けて、耳障りのいい言葉ばっかり選んで聞いてたら、それこそ人間として堕落してしまうわ!

あたしだって本当はこんな話したくないんだけど、あんたを見てたら言わずにはいられない!だってあんただ

らしないし、見ていて本当に頼りないんだもの!あんたは甘ったれだから解らないだろうけど、世の中甘くな

いのよ!あんたが困ってても、誰もあんたにちゃんとアドバイスしてくれる人なんていない!あんたの為を思

って説教してあげるような人って、金輪際鐘や太鼓で探しても現れないかもしれないのよ!良薬は口に苦し、

聞くのは辛いかもしれないけど、今は黙ってあたしの話を聞けっ!」
女の子が喋りながら唾を飛ばすな。お説ご尤も、言ってる事は確かに一点の非の打ち所も無い正論だと俺も認

めるが、お前の口から聞いたらギャグにしかならん。人の振り見て我が振り直せ。今お前が言った内容を、そ

っくりそのまま返してやりたいよ。
「だったらあたしを助けてみなさいよ。あたしが命の危険に晒されている時に、少女漫画のヒーローみたく颯

爽と現れてあたしを助けなさいよ。あんたにできる物ならね。いいキョン、あんたが人に話を聞いて貰いたか

ったら、まずはあんたが実績を作りなさい。雑用係のあんたと違って、あたしはこの一年でSOS団の団長と

して輝かしい実績を築いて来たんだからね。それが今のあたしの自信を形作ってるって訳。今年はもっと頑張

って、SOS団の実力を世に余す事なく伝え広めないといけないんだから」
ふふん、とハルヒは勝ち誇った得意満面の笑みを俺に向けた。
810誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:27:20 ID:y9vWOBv5
糞っ垂れ、言えるモンなら言いたいよハルヒ。お前の言う実績とやらが人様の役に立った試しがあると、お前

は本気で思っていやがるのか。脳の構造からしてお前は実にオメデタイ奴だな。毎度毎度ただの思い付きで物

事を引っ掻き回すだけ引っ掻き回して後は知らん顔、そんなお前の思い付きのために、どれだけのヒトモノカ

ネが動いて来たと思ってるんだ。俺がお前の後始末をする為だけに、どれだけ胃を痛めて来たと思ってるんだ

、とな。
だが詳細をハルヒに語るのは憚られる。自分の知らない間に、ほんの些細な自分の言動が全世界を崩壊の危機

に晒して来た事を知ってしまったら、さしものハルヒも自我崩壊を免れないだろう。もしそうなっちまったら

世界の終わりだ。世界云々以前に、俺はそんな風に壊れたハルヒを絶対に見たくはない。自分のちっぽけなプ

ライドの為だけに何の益もない反論を行い、結果ハルヒを廃人に追い込む位なら、まだ好き放題言わせておく

方が道徳的にも俺の気持ちの上でもよっぽどマシだ。
しかしただ言われっ放しなのも癪に障る。だからせめてこんな質問をしよう。
まさかとは思うが、お前も少女漫画なんか読む事があるのか、と。
ようやくネクタイから手を離したハルヒが、何の気無しに平然と答える。
「たまにはね、言っとくけど毎晩じゃないわよ。いくらあたしでも、世の中の事に全然興味ない訳じゃないわ

。モノグサなあんたと違って、あたしは面白い事は自分で探す女なの。前にあたし部活が全然面白くないって

言ったけど、全部の部活に入って自分の目で確かめて、それで初めて面白くないって言ったのよ。誰かから何

か適当なものを与えられて、それに不満を溢してるようじゃ、あんたいつまで経っても雑用係を卒業できない

わよ」
お前らしい返事だよハルヒ。今さらだがお前という女がよく分かった、色んな意味でな。ハルヒがふん、と鼻

を鳴らしてくるりと俺に背を向ける。俺の質問に隠された意図はバレなかったようだ。
「ちょっと目を離すとこれよ。下校途中にイノシシに出食わすわ、去年は階段から落ちて入院するわ――」
それだけ言ってハルヒの肩が硬直しちまった。おいハルヒどうしたんだよ。話し掛けても何も言い返さない。
心当たりは一応あった。あれは俺にとっても、二度と体験したくない出来事だったな。俺の知らない間に三日

間も付き合ってくれたお前がどんな気持ちだったのか、いつかお前の口から聞かせてくれ。それがもしお前に

とって辛い記憶だったとしても、俺にはそれを聞いてやる義務があるような気がしてならないんだ。その時は

全ての真相を伝えられないまでも、俺もお前を探し求めていた事だけは絶対に理解してもらうつもりだ。
811誰にも優しく愛に生きる女:2008/05/24(土) 18:28:10 ID:y9vWOBv5
「――手」
俺に背を向けたまま、ハルヒは俺の方に自分の左手を突き出した。自分の手を握れ、と言いたいらしい。言わ

れて俺は右手を出そうとして、掌に張り付いた冷や汗に気付く。イノシシに出遭ってから緊張の連続だったも

んで、手の汗を拭く余裕も無かったな。ハンカチを胸ポケットから探そうと慌てふためいていると、怖い叱責

が飛んだ。
「早く!」
言われるまま細くて小さなハルヒの手を握ると、あいつはバカ力で握り返して来た。おいおい俺の手はそんな

にキレイじゃないぞ、お前俺の汗なんか付いた手を握っても平気なのかよ。
「下らない事気にしてるんじゃないわよ。さ、行くわよ」
吐き捨てるように言うと、ハルヒは俺の手を引いて坂道を下り始めた。慌てて付いて行く俺の足取りはまるで

さっきのウリボウだ。足の長さは身長に比例するはずだから俺の方が長い筈なのに、ハルヒはノシノシと大股

で歩く分、俺はウリボウみたいに忙しなく足を動かしていなければならない。
駅前までの道程はあっという間だった。黄色いカチューシャの下に揺れる黒髪に隠されて、道中ハルヒの横顔

を確かめることはできなかった。辛うじて髪の下に見える唇が、何かを決意したように真一文字に結ばれてい

た事だけ、最後になったが報告させて貰おう。
それが俺にとって厄介なトラブルを持ち込まないかどうか、今さら心配しても仕方ないんだがな。

――これは、世界をひっくり返すトンデモパワーを手に入れた涼宮ハルヒという爆弾女と、キョンという間抜

けな仇名を持った平凡な俺と、宇宙的未来的超能力者的な仲間たちとが織り成す、突っ込み所満載の関西ギャ

グ物語。
どの辺が関西ギャグだって?よく読めば解るはずさ――
<<終>>
812 ◆ka5BrNUzcE :2008/05/24(土) 18:29:38 ID:y9vWOBv5
改行やっちまった!面倒臭がってエディタ任せにするんじゃなかった!
痛い、痛すぎる十万石饅頭!

以上で終わりです。本当にありがとうございました。
813名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 18:42:48 ID:dSvwIB8J
こ、これは……奴が来るぞ。改行やらなにやらに文句付けに奴がやってくるぞ……!
814名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 18:47:14 ID:7D52NZ+X
総員退避せよ! これは訓練ではない! 繰り返す! これは訓練ではない!
815名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 18:58:12 ID:0XETq46K
モノローグとキョンの発言が混然となっているのは、原作の読み難さの原因になっている。
そこは真似しない方が良いと思うけど。
816名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 19:51:45 ID:huBJAoz0
読みにくいか?あれ。
817名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:11:33 ID:fIlgNWJC
読みにくいというか、最初は戸惑った。
すぐに慣れたけど。
818名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 20:34:37 ID:Rg7Z8sNn
っていうか意味がさっぱりわからん。
イノシシがどうかしたのか?
819名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:31:11 ID:0XETq46K
『キョンが(今明らかになっている段階では)一般人で、女を守る力も勇気も無い情けない奴』というは原作の正しい評価。
しかし、『ハルヒがそれを認識しているか?』というと、多分逆。
何故か知らないが『キョンはイザという時はやる男』とハルヒが思っている節がある。
その証拠に、野球では四番を任され、(長門パワーで)特大ホームランを打ち、押さえ投手として活躍した。
このSSのように『キョンはとことんダメダメな奴』とハルヒが認識していたら、ハルヒがキョンを好きになったか不明。
どちらかと言うと、このSSはハルヒがキョンに愛想つかす流れに思える。
820名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:32:10 ID:/QZ8STTf
エディタ何使ったんだろ
821名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 21:38:35 ID:Rg7Z8sNn
原作のキョンは何もしてなさそうに見えて、実際はSOS団を相当強烈に仕切ってるぞ。
長門もみくるも古泉もほとんど言いなりだし、ハルヒも文句は言うけど、たいてい言う事をきいちゃうからな。
822名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:01:21 ID:gRiaWCLT
>>820
俺もそれが気になってる。
メモ帳なら「右端から折り返す」をオフにした状態でコピペすれば、改行ミスは防げると思う。

あと個人的には一行づつ改行スペースするんじゃなくて、セリフに入るときに一行開けるとかの方が読みやすいかなぁとか。
823名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:29:18 ID:A8ogZcpu
喋りすぎても問題ですので、それでは投下します。









改行やっちまった!面倒臭がってエディタ任せにするんじゃなかった!
824名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:40:33 ID:/mzpmuoE
>>812
改行については確かにあれだけど、慣れればどうという事はないな。
原作に本当にちょろっとしか出てこなかった話を敷延させるネタ作りには感心した。おかげで違和感なく読み進められたし。
今後に大いに期待したい。GJです。

>>819
確かにそういう解釈も出来る、けど「八面六臂な団長」に「微力を尽くしてついていく雑用係」というのも基本認識として成立するよね、原作は。
少なくともこの作品での団長の期待は「キョンが自分を捨てて逃げないこと」に尽きると思うし。
しがらみをもたない本当の意味での「理解者」がいれば百人力な印象なんだ、団長は。
825名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:04:32 ID:s15NNtOd
>>788を見て確かにキモいとは思ったが、今って書き手からしたら燃料不足なのか?
826名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:27:37 ID:HuETgECU
>>812
口は悪いけどキョンを心配して猪と戦う大阪のオカンみたいなハルヒがええわあ。
帰宅中に住宅街からカレーの匂いがするとことかうまいなあ。
理不尽やけど憎めんハルヒとヘたれやけど口が達者なキョンをえがいたケッサク。
827名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:27:37 ID:RJ6060fM
アニメからもう二年だし、原作も延期して一年だ。
ずっと居る人にとってはつらい状況ではある。
828名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:45:37 ID:Rg7Z8sNn
で、何所に何が偽装されてんだ?
くさいくさいしか記憶に残らんが。
829名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 23:55:48 ID:mdU56CVI
>>825
正直言うと、ハルヒという作品に対しての熱が冷めてきたってのが一番大きいかもね。
自分はアニメ後発組だが、それでもこのスレ覗き始めてからもう一年半以上。それだけの間ずっと情熱を保つのは、やっぱ無理だわ。
書き始めの頃の情熱があれば、燃料やネタなんてどうとでもなると思うぜ。

まあでも、今も何か書きたいとは思ってるんだけどね。なかなか手が動かない。
830名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:11:41 ID:/WF0qbMD
どっちかっつうと衝動だよねSSは。
831名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 02:16:49 ID:+fWEGfGH
ここまで谷川が仕事をしないのなら、勝手に続きを書いちゃえば良いのに。
832名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 02:46:35 ID:L9eGXdfd
キモッ
ゆとりは帰れ
833名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 05:10:46 ID:1KRK/skt
キモッ
ゆとりは帰れ
834一応ss書き:2008/05/25(日) 13:08:52 ID:ViQQpQ3E
>今って書き手からしたら燃料不足なのか?
そうだと思う・・・新たな刺激が欲しいところ。

何回目か解らなくなった最初からの原作読み返しをやっても
概視観しかないし、どこに何があるか解ってしまって
目で読んでいるものが、情景で見えるようになっている。
声はアニメのあの声だし・・・

煮詰まっているか、行き詰まっているかになっているのでは?
835名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 13:58:36 ID:W0BF7W9v
書き手で、何度も原作読み返してるのに「概視観」て……
836名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 16:15:28 ID:Y6wdliFY
佐々木サイドのネタを使おうにもまだ設定がほとんどないよな…
837名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 16:27:55 ID:nfNS4Hc5
一応ss書き(笑)
838名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 16:54:56 ID:MwQcE7Ae
>>837
おまえ、今日あちこちで煽ってんな。うぜえから寄ってくんな。
839名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 17:54:00 ID:nW9EvK+M
煽り荒らしはスルーしかない。
840名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 21:58:30 ID:KyhStBaY
朝比奈さん来てるかと思ってwktkしてスクロールしたのに、拍子抜けだぜ。
841名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:36:20 ID:W0BF7W9v
朝比奈さんは>>823みたいな改行にしかケチつけないだろ。
842名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:58:15 ID:7bU004Q6
空気コテとはまさにこのことである。
843名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 02:52:24 ID:haA97h8D
>>842
おまえ、今日あちこちで煽ってんな。うぜえから寄ってくんな。
844名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 06:49:30 ID:6ZSgmMTs
よくわからんが>>843もコピペの一種か?
845名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 12:50:07 ID:ypf8bNcF
一種かな
よく知らないけど
846名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 01:59:28 ID:FBHPHpI6
丸一日レスがなければ
喜緑さんは俺のワカメ
847名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 02:11:28 ID:acSg200c
阻止
848名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 02:24:50 ID:7Y9KIn+c
長編を投下

















しません
849名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 02:42:57 ID:HUVjyDQt
しないのかよっ!(三村風に
850名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 16:10:10 ID:jTSTE51n
三村風に
851名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 18:55:38 ID:oMenVg54
アクションリプレイ乙
852名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 19:23:27 ID:qK9I6MuE
春休み最終日のことである。ある女性高校生が愛犬を散歩していた。
阪中「明日から学校なのね」
九曜「−−−美味しそう−−−」
阪中「この髪の長い女の人誰なのね。恐いのね」
ルソー「ウー」
阪中「何するのね。アーッ」

もし、その光景を目撃していれば、髪の長い女の人が女子高校生と愛犬を丸呑みしているのが観察されたであろう。
次の日、北高校には一人の女子高校生の姿が無かった。しかし、天蓋能力で情報操作されていたため、誰も気が付かなかった。
853名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 21:17:33 ID:fc4/gG+5
そういや長門は熱を出したまんまか
854名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:00:42 ID:ZZ3XjxTY
あれ?じゃあ俺ら看病し放題じゃね?
855名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:14:20 ID:FBHPHpI6
ながるんの意向によって一年もか…
856名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:06:28 ID:E8ks8/a9
長門も大変だな
857名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 23:46:42 ID:tvA2EBmH
でもその間ずっとキョンが見舞いに来ただろうから、そういう点では幸せじゃない?
もしかして一年も発売が延びているのは、長門が情報操









このあとは汚れていて読めなくなっている
858名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 00:24:41 ID:EQvhmABZ
みんな、逆に考えるんだ。
キョンが一年間ずっと長門の家に辿り着けt

ダ…ダニィィィィィッ!!!!
859名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 03:53:24 ID:IAKG5uEb
みんな、逆に考えるんだ。



ダ…ダニィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!! !!!!!
860名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 04:30:54 ID:AMpetiTp
ダニィ川流は焼却炉の中に
861名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:03:03 ID:znpbrCeJ
Keep on fighting, DANNY!
862名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:36:00 ID:fo9rEcpC
sageろよカス
863名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:48:47 ID:XZ0l6xBL
そーいえば>>861もだけど
このスレの作品にどうみてもBUMPの歌混ぜたのがあるけどなんで?
864名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:52:32 ID:SdiN30zh
>>863
作者の趣味としか言い様がない
865名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:53:52 ID:0V2yIxsz
>>863
どの作品?
866名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 00:24:58 ID:tWHMVA4n
保管庫にある
「涼宮ハルヒの唄」:作品全体がBUMPの「車輪の唄」:と
「ハートに巻いた包帯を…」:「アルエ」の歌詞の一部分。冒頭にも歌詞が書いてある。
とか。ちなみに>>861は「DANNY」の歌詞の一部
あと、別の一人の作者も「ナイフ」と「スノースマイル」と作品の中身はあまり曲と関係してないけどタイトルが曲名だったり。
867名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 00:36:33 ID:ldRryVoR
>>866
その昔ssにバンプの歌詞を引用して投下した作者がおってだな、
まあそのssはあんまり覚えてないけど結構良作だったような気がする。
しかしそのssに触発されたのかその当時スレにいたバンプ好きな人達がそれなら俺もss書けるぜ!!
と歌詞そのまんまな引用にもなってないようなssを連続投下して、
バンプなんて興味ねーよそんなくだらんss投下してんじゃねーよと他の住民が叩きだして荒れたことがあった。
それはその頃の名残だと思うよ。
868名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 00:46:42 ID:tWHMVA4n
>>867
なるほど、そんなことがあったのか…
俺もBUMP好きだから気になってたんだ、thx
869名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 04:42:54 ID:9rU4C/Oa
バンプ好きな奴はネット上でもリアルでも痛い子しかいない
870名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 08:57:49 ID:zMDSBIz0
>>869イタタタっ
871名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 09:30:10 ID:CEcTJb0N
>>869 ぐへぇ!
872名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 16:52:19 ID:KI5spm/q
>>869 俺もBUMP好きだから気になってたんだ
873名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 19:20:40 ID:9Wgtij2O
あの人の意見が聞きたいw
874名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:45:35 ID:KF17+zQC
まぁ歌詞を元にSS書いたら楽だろうな。
プロットが殆んど出来てるようなもんだし。
875名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 23:27:30 ID:qw4tU+gT
それは間違いない。
ただ、大抵は独りよがりなつまらんSSなことが大半な気がする。
元ネタ知らん人間からしたら、9割9分はゴミ以外の何物でもないし。
876名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 23:32:06 ID:sv1ErACg
その為の注意書きなんだろ
なんだ?お前はスルーも出来ないのか?
877名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 00:17:06 ID:zyKz2pEZ
>>876
あれ?注意書きなん付いてるのほとんど無くなかった?
878名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 03:51:46 ID:0Xl3thXD
別のスレだが、

俺は○○の歌を、彼女に歌う事にした。



  −−(歌詞まるごと記載)−−



女「へえ、いい歌じゃない」


ってSSを見た事があるぜw
879名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 05:12:59 ID:GJn9PEM3
だからなんだよ?
880名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 06:22:34 ID:QAIeI3S/
クロスオーバーの一種、てことになるのかな。だからウザがられるのかも。
881名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 10:45:39 ID:jVhMO2/q
>>878
俺を作者に、彼女をスレ住人に置き換えが可能だな。
882名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 16:58:41 ID:Y4QjzM9p
「他人の褌を使ってオナニーをしちゃいけない」って
言葉の意味を、寂しそうに夕暮れのブランコに乗りながら
考えてみるといいよ
883名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:52:22 ID:7gUs4SkY
それ敷衍すると二次創作全般にあてはまっちゃうからダメー
884名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 20:43:54 ID:JpGN+qGi
歌詞を元にSS書いた事はあるけど歌詞まんま引用はないなぁ。
つーか引用したら逆に書き辛いと思うのは俺だけ?
885名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 20:50:38 ID:xI3uHPF/
俺だけ?
886名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 22:11:10 ID:Lp6CKhYD
そんなこんなで驚愕の発売日から一年が経過しようとしてる
なんかもうどうでもよくなってきた
887名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 22:14:25 ID:exY8SBHc
発売予定日だよな正確には。いや意味は解るんだけどさ。
分裂読んだのが二年前くらいに感じる。
888涼宮ハルヒの鬱展開:2008/05/31(土) 01:08:01 ID:XXZi/1Zh
最初VIPに投下したんですがスレチといわれこちらを薦められたので最初から投下させてもらいます。
かなり鬱な展開なのでそれが嫌な方は読まないでください。
とりあえず、最初の部分です、ここでもスレチと言われたら諦めます。
889鬱展開注意!:2008/05/31(土) 01:10:39 ID:XXZi/1Zh
 
 涼宮ハルヒの鬱展開
 
つきあい始めた俺とハルヒは北高イチのバカップルとしてその名をほしいままにした。
それにつれてハルヒの不思議な力は徐々になくなりついには完全消滅。機関も解散、古泉は目出度くお役御免となった。
そして卒業、俺とハルヒは一緒に東京の大学へと進学した。俺達は幸せだった、この幸せがいつまでも続くと考えていた。
しかし些細な事がきっかけで入学早々に喧嘩別れ、何が原因だったのかは今では思い出せない。
ハルヒはそのまま大学にも来なくなり音信不通、あいつが今どこで何をしているかはまったくわからない。

一年ぶりに帰省した俺を待っていたのはいつものにやけ顔だった。
「おひさしぶりです、お元気そうでなによりです」
そういえばこいつは機関が無くなってもこの態度は変えないんだったな。
古泉、俺はみての通りだ、それに顔が近いぞ。
「あなたもかわりませんね…、今日は一緒にいっていただきたいところがありまして、さぁ僕の車にどうそ」
古泉一体どこに? またいつぞやの閉鎖空間とかそういう話か? 正直ハルヒがらみの話は御免こうむりたかった。
「いけばわかります、ヨソから耳にされるよりはご自分で確かめられた方がよいでしょうし」
だから何の話なんだ?
「百聞は一見に如かずですよ、おっともう直ぐ着きます」

おい、古泉ここは…。
「えぇいわゆるソープランド、ここはコスプレソープとして有名です。まぁいわば慰労会でしょうか、高校時代お世話になったあなたへの感謝の気持ちです、それに遅かれ早かれここへいらっしゃるでしょうしね」
だから古泉一体……。
「あぁそうここの払いは任せてください。それと相手の方は今日はもう最後まで貴方の貸切です。ここの店長には話しが全部通っていますのであとはごゆっくり…」
いつものにやけ顔に話をかわされ、店長に案内されるまま俺は部屋へと通された。相手の女の子は着替えていてもうすぐ来るという。なるほどコスプレソープというだけあり、風呂に学校の教室もどきな簡単セットが同居しているという不思議な構造だ。

俺はハルヒと別れてから何人かの女子と親しくはなったがどれも長続きしなかった。
ここしばらくはそういったことは御無沙汰だった俺は胸の乾きを覚えながら落ち着かない気分でやってくるであろう女の子をまった。
そして…待つことしばし、聞きなれた声がした。

「初めましてハルにゃんです。初めてなのに団長セットをリクエストだなんてお客さんもしかして北高の人?」

声がする方を振り向くとそこには北高の制服に団長腕章をした笑顔のアイツがいた。
だがその笑顔は教室で当たり前のようにみていた輝かんばかりのものではなく顔に貼り付けたような営業スマイルだった。

嘘だろ……ハルヒ…、おまえ…。
「えっ……キョン…」
みるみる貼り付いたスマイルが落ちていく。
ハルヒ…一体なぜ……。
「……隠してもしょうがないわ、教えてあげる」

 いわゆる良くある話、ハルヒはタチの悪い男に引っかかり莫大な借金を背負った。
 新聞や雑誌で読む分には『そういうこともあるんだな』ですむが身近な話になると全く違う。

なぁハルヒ、…ここを辞めて俺と暮らそう、借金だって学校やめて俺が働くし…それにこうなる前になぜ俺にいってくれなかったんだ。
「そんなの無理よ、アイツが作った借金、利息だけで毎月百万以上だったのよ、今だって毎月何十万も利息だけで払ってるし、アンタが働いたってどうにかなる額じゃないわよ」

それにもう無理、あたしは…普通には戻れないのよ…。
そんなことないよ、ハルヒ。俺は…。
……わかったわ、論より証拠。これを見て頂戴。
ハルヒが備え付けのパネルを操作すると壁に組み込まれたAVセットが起動し、映像が映し出されものものしいテロップが流れる。

『本作は海外某所での撮影のため、作品中の行為はすべて日本国法令の適用を受けません』

そしてタイトルが表示される。

『黒人レイプ−4P乱交。ハルヒ(18才) 三つの穴に同時多発中出し!』

えっ、ハルヒ…これ……。

「キョン、だまって見てお願い」
890名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 01:13:36 ID:sRc7TMy6
保守
891名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 01:15:35 ID:pJM1h3wg
スレチじゃないだろうけど、全部書いてからにしようぜ
892名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 01:30:09 ID:FmKAsb7j
どっちかというとハルヒというより、こなたのコスプレ喫茶っぽいw
投下には期待
893涼宮ハルヒの鬱展開:2008/05/31(土) 01:35:41 ID:MilUpAPP
>>889
テロップの通り海外の風景が映し出される、どこかのリゾート地らしい。
海岸を散歩したり町を散策するハルヒが映し出される。
恋人同士のプライベートショットといった感じだ、撮影者はハルヒがいうアイツだろう。
アイツの問いかけに笑顔でこたえるハルヒ、その笑顔は高校時代の輝きには劣るが今の営業スマイルより遥かに輝いていた。

「海外のリゾートに連れてってくれる、豪華なコテージに一週間っていわれてあたし嬉しかった、アイツにも優しいトコがあるんだなって思ったの…でもお金はあたしがほとんど用意したんだけどね」

コテージに入り恋人同士の他愛ない会話が続く、そんな情景に嫉妬を覚えながら俺は画面を見つづけた。

「ビデオも旅行の記念って言われたの、でもやけに立派な機材でなんだかおかしかった、それにアイツ気味が悪いくらいにすごく優しくて…」

そして画面は急展開する、屈強な黒人三人組が部屋に乱入してくる。続いて別な撮影機材を持った撮影スタッフと思しき連中があとに続く。
三人はタイトル通りハルヒに襲い掛かる。ハルヒはカメラに向かい撮影しているアイツの名を呼び必死に助けを求める。
しかしカメラは動かずに助けを求めるハルヒを映し続ける。カメラが切り替わり必死に助けを求めるハルヒとその姿を撮影するアイツを映す。
再びカメラは戻る、全てを悟り絶望するハルヒの表情をカメラは無情にもクローズアップする。
三人の男達は打ち合わせでもしていたのか、なぶるようにゆっくりとハルヒを追い詰める。二つのカメラは必死に抵抗を続けるハルヒを執拗に追いかける。

「アイツったらあたしが『助けて』っていっても笑いながら見てるだけなの…」

屈強な言葉も通じぬ黒人達に囲まれついに耐え切れなくなったのか勝気だった表情が崩れハルヒは一気に泣き出す、そしてハルヒの体が崩れ落ちる。
カメラはそんなハルヒの有様をさらに追い続ける。

一人、又一人と男達が順番に真っ黒な分身をハルヒの体に打ち込んでは欲望を放って行く。ハルヒは泣きじゃくりながらうわ言のように『…いや…もうやめて…』などと繰り返すだけだ。
時々画面が分割され男がハルヒに打ち込む律動とそれに合わせて反応するハルヒの姿が映し出される。順番を待っている男達は待ちきれなくなったのかハルヒの手や胸などで自分の分身を愛撫させようとする。
既にハルヒに放出しているというのにその猛々しさは衰えていない。始めハルヒの動きは鈍かったが男達から叱咤されると動きが早くなる。
二台のカメラは結合部分と泣きながら男達に奉仕させられるハルヒの状況をアップでさらに追う。

「ちょっとでも三人に逆らうとぶたれて……アイツはそれを見て『言うこと聞かないともっと酷い目に合わす』って……」

シーンがかわり三人の男達は声を掛け合いながらハルヒの前、そして後ろのアヌスと順番に極太の分身をハルヒに打ち込んでいく。
二台のカメラは前と後ろそれぞれの結合の様子とそれに反応するハルヒの姿を同時に映しだす。
中でこすれたのか後ろの結合が完了した瞬間、ハルヒは大きく身をそらした。

さらにだらしなく半開きとなっているハルヒの口に新たな分身がねじ込まれる。
タイトルの三つの穴、その全てが男達の分身でふさがれる。カメラは上下の結合部分それぞれのアップへ移行する。

「あたし…前をお口も後ろのアヌスだって全部キョンがはじめてで、アイツともなんどもしてた…でも同時にっていうのは始めて…すごく…すごく…つらくて……」

その言葉どおり男達にサンドイッチにされたハルヒはとても苦しげだった。
気力も失せ果てたのか時々思い出したかのようにみじろぎするだけだった。ハルヒの口を使っている男はそんな状況に業を煮やしたのか又もハルヒを叱咤する。
思い出したかのように愛撫らしき口の動きをはじめるハルヒだったがその動作は緩慢ですぐ止んでしまう。
男は何度か叱咤を繰り返したが、諦めたのかハルヒの顔を抱え強引に前後に動かしだす。
その間もハルヒの前後に打ち込まれた分身は律動を続け、男達はサンドイッチ状態のハルヒの体を愛撫する。
律動や愛撫に無意識に体が反応するのかハルヒは時々軽く痙攣したような動きを見せる。
二台のカメラは痙攣の原因とその結果を同時に画面に映し出す。 画面の外から合図が送られると男達はラストスパートの体勢に入る。
そしてほぼ同時、一斉に男達はハルヒの三つの穴に己の欲望を解き放った。
894名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 01:38:04 ID:MilUpAPP
>>893
力なく横たわり男達に放出された汁を三箇所から垂れ流し、涙を流し続けるハルヒの姿、その姿を二つのカメラが様々な角度から映す。
指図うけると男達は無抵抗のハルヒの両足を掴み大股開きにする、白濁した前後二つの穴をカメラ執拗に写し続ける。
そして男達に浴びせられた汁と止まらない涙でドロドロになったハルヒの顔のアップでその映像は終わった。

「…キョン、このビデオはここで終わりだけど、このあともあたしはあいつらに一晩中……おまけに撮影のスタッフ達の相手までさせられて……
 あの晩だけで何十回させられたかわからないわ……、しまいには友達っていう黒人が何人も…何人もやってきて……
 疲れて果てて気を失っても『気付けだ』って冷たいシャワーを浴びせられて無理矢理何度も起こされて…アイツはそれを見て『沢山だされて汚れたのが綺麗になって丁度いい』っていうの………」

自分のいった言葉に耐え切れなくなったのか、ハルヒは泣きだした…。俺の頭に浮かんだ励ましの言葉や慰めの言葉…それは…あまりに重過ぎる現実の前にたちまち消え去った。
俺は泣きじゃくるハルヒを抱きしめた。しかしその力はそれほど強くはなかった。

*すいませんパソコン急に落ちてテキストが飛んでしまったので今日はここまでです
895名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 01:45:15 ID:UmDs2tCz
>『黒人レイプ−4P乱交。ハルヒ(18才) 三つの穴に同時多発中出し!』
>*すいませんパソコン急に落ちてテキストが飛んでしまったので今日はここまでです

鬱物なのに笑ってしまった
896名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 02:08:01 ID:j4rSwgZ1
欝だな。
続きに期待
897名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 02:28:54 ID:pJM1h3wg
なんというか実にエロパロらしい、悪くいえばどこでも通じるネタだな。
てか最後の「今日はここまで」って何だよw
898名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 03:35:04 ID:u18TrcO0
つーか、せっかくだし輪姦されてるところはもっと詳しい描写ヨロ!w
899名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 03:35:21 ID:UpM6aVVi
GJ!
続きを座してまってるにょろ
やっぱ負けん気の強い娘が犯されるのって萌えるわ
900名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 05:05:48 ID:x5JACftG
*すいませんパソコン急に落ちてテキストが飛んでしまったので今日はここまでです

こういう馬鹿は内容以前の問題で痛いことやらかしていきそうだから正直ちょっと微妙…
901名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 05:08:51 ID:DIbOA7pv
朝から鬱になった。
責任取れ。
902名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 08:30:19 ID:+gJViKbt
>>888
そりゃVIPには違うっていわれるだろうな。あっちは確か全年齢板のはずだ。
個人的に鬱ネタが苦手なのだが、それ以前に違和感がある話の作りな気がする。説明が難しいんだが、もやっとするんだな、これが。
とりあえずオチまで投下してもらえるかを見させてもらいたいかな。

>>901
警告文くらい読んであげなよ。なんのコメントもなしに投下してきた訳じゃないんだからさ。
903名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 08:51:41 ID:0lHKym0O
この先がわかんないから微妙だけど全然鬱じゃないだろ
ただのエロい話
904名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 11:26:52 ID:dBRFjGlF
これは期待
てか毎度思うんだがエロなのにみんなハルヒに遠慮しすぎでエロっつーかただの純愛なんだよ
905名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 11:28:22 ID:z7F/uZ3d
つーかもうちょっと寝取られる過程とかが欲しいな。
何でキョンと別れたのとか、何で変な男に引っ掛かったのとか。
906名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 11:35:45 ID:dBRFjGlF
へたに分かれる過程あるよりもうどうしようもない感のある今の方が俺はいいけどな
変な男にひっかかるところは確かにあったらふもっふかもしれんけど、これから明らかにされるんじゃないか?
907名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 11:48:43 ID:pJM1h3wg
遠慮なのか、需要の問題なのか。
俺は林間とか陵辱系は好きだが、オリジナルとかで発散してるしな。わざわざ「ハルヒシリーズ」でやりたくない、みたいな。
まあこのジャンルが好きすぎるんだろうな。
あ、単純エロが好き→その作品がそんなに好きじゃない、とか言う気は無いから勘違いしないでくりゃれ。
908名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 11:51:19 ID:z7F/uZ3d
>>906
確かに別れる描写とかはあんまりイランかもな…変な男のせいで別れたとかじゃなけりゃ。
あとキョンとはノーマルなプレイだけ(尻とかナシ)で、その他のエロいことは変な男が始めてとかの方が喪失感とか高くていいと思ったぜ。

まぁ何にせよ欝勃起な展開だが。
909名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 14:48:55 ID:FrbqEGcf
ここはああ探偵事務所の妻木さんと別れさせ屋の森野さんに依頼するしかないな、キョン
910名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 15:30:41 ID:/7gGmwyg
>>907
俺が居るw
911名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 16:21:24 ID:avhAZCVT
>>902
違和感つーか、キャラの原作乖離が激しすぎて既にオリジナルの域って感じだ。
912名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 16:32:53 ID:6WNtx0gf
なんか久しぶりにエロパロらしいものを見た気がする。
引き続き頑張ってくれ。
913名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 17:37:43 ID:wToXfX6F
さてスレ容量が後4kしかないのだが。
914名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 18:32:33 ID:mqRaI2/M
涼宮ハルヒの妊娠はvipだったっけ?
正直あれの方が欝になるよな
915名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 22:49:43 ID:bq1xhW7G
まぁあれだな、アイドルデビュー。プロモビデオの撮影だってハルヒが騙されて海外に連れてかれてやられちゃうってのを妄想してしまった。
キョンと付き合うまえ、勿論ハルヒは処女でイメージ映像の撮影と称して持参した北高のセーラー服きてな。

とられたビデオのタイトルは
『セーラー服レイプ 初めてなのに黒人4P ハルヒ18才 三穴同時多発処女喪失!』
って感じか(w
916名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 00:50:18 ID:AwUom2ct
らき☆すたのハルヒはCMアイドルだったな
南の海で水着で撮影するところスタッフに騙されてハメドリビデオに……

らき☆すたのキョ長
コスプレ喫茶でバイトする長門(仮)と長門に執着するオタク客のキョン(仮)
バイト帰りの長門(仮)をストーキングして襲い掛かるキョン(仮)
「長門、やらしてくれ」「私は長門じゃない」
917名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 01:09:17 ID:4UDVPTt0
次スレ建てました
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 61章【学校を出よう!】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212249853/
918名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 01:54:22 ID:wTymm/z9
>>917

そんじゃ3k分今から梅書くか。
919 ◆LeyXT4003g :2008/06/01(日) 02:07:35 ID:g89S1YOo
>>223
《キャラ設定より、プロットを練り込みたい》
何よりまず、大作乙と言っておこう。
「あれ?」と思うとすぐ語り手が同じ疑問を呈してくれる配慮、
ハルヒシリーズらしく、地味ながら難問を抱え地味ながら緊張感のある展開から、
SF的スケールに膨張するシナリオ、それにより読者の気を散らさず引っ張って行くサスペンス性。
すべてに感嘆を禁じえない。
また、それを生かす土台である安定した筆力もすばらしい。
ただし、良い部分が多いだけに、不満な点も目立ってしまうのだ。
アニメオンリー派への気配りなのか説明過多ではないかと感じる箇所も随所にあったり、
親友に接吻されたことよりも橘京子が新川氏と2親等血族という事実をはるかに驚愕するこの男は、精神的不感症なのかと思ったり、
誰もが一度は思いつくが整合が取れずに断念するハルヒパワーについての考証を、そのままヒネリもなく採用しているのは残念だったり、
佐々木空間に突入して以降、現世界のキョンと佐々木はずっと口吸いしたまま突っ立っていたのかと思ったら、そんな気配はなくガッカリしたり、
てっきり、「親友」を連呼するキョンにブチギレた佐々木が世界改変しようとする寸前に結界を破ってハルヒと神人が登場、
佐々木空間を占拠して無効化するも今度はその神人によって世界は崩壊の危機に瀕してしまい、
2つの閉鎖空間を抑えるためにはトンデモパワーの鍵っ子である語り手はこの2人とは別の誰かにキスしてパワーを与える必要が……
などという展開を期待していたのに、古泉組が活躍しただけで終わってしまい、
世界改変という大仰な展開にしては出だしも結末もおとなしめ過ぎるなとも思ったりと、
いろいろあるものの、俺がここで一番言いたいことはただ1つ。
新川氏と橘京子の祖父孫関係の挿話は、どうしても必要だったのか。
機関サイドが橘京子を助ける理由が欲しかっただけではないか?
その程度の役割なら、こんな無理矢理で小ネタ向きな設定は捨てるべきではなかったか。
例えば橘京子が野望のあまりまたは絶望のあまり暴走する話であれば、この設定は生きてくるのだがな。

ハルヒシリーズは、こちらから余計な設定を加えずとも、魅力のあるキャラクターが揃っている。
だからこそ、二次創作が多く作られ、傑作も多数生まれている。
ならば、ストーリー上よほどの理由がない限り、独自設定を持ち込まずとも、いい話を充分書けるのではないかね?
君のような腕を持つ書き手ならば、特に。

>>418
《独自設定ネタとはいえ、版権世界との整合性を》
一応言っとくと、上で書いた感想は、この作品への当てつけってことじゃ全然ないの。
けど、言いたいことは似てるかな。
こういう、楽しくて壊れてる掛け合い、どうしてハルヒキャラで書かなきゃなんないのかなってこと。
ここまでキャラ違うなら、オリジナルの一次創作として書いて投稿したほうが、
二次創作とするより、小説としての味っていうか、そういうのを感じてもらえるんじゃないかなあ。
どうしてもハルヒシリーズとして書きたいんなら、キョン君や涼宮さんたちの前ではいつものキャラぶってる様子を、ちょっぴりでも入れてほしいんだけどな。
あ、もちろん、これはこれで面白い話だったよ。
ついでってわけじゃないけど、この機会に毎回楽しませてもらってるお礼を言わせて。ありがとう!
920名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 02:11:57 ID:wb5ISy0G
>>919
一つだけ質問させてくれ

ハルヒシリーズを一言でいうと?
921即興梅ネタ
「僕なりに考えた、この世界が成り立った仮説を聞いてもらえますか」
 古泉が額にトランプを掲げた状態で告げてくる。俺もまた似たようなポーズを取っているので格好に関しては特に
突っ込まない。突っ込むべきは古泉の切り出してきた内容についてだろう。
「かつてこの世には様々な世界があった。そう、かつて世界とは一つではなかったと仮定した話です」
 古泉がいつもと違い突然ぶっ飛んだ内容を話し始めたのは果たして何かの悪巧みの前触れなのか。
 それがどうしたと俺は相槌をもって話を促す。古泉は頷くと
「気になっていたんです。何故僕のような超能力者なんて存在がいるのか。長門さんや朝比奈さんといった人たちが
いるのかと」
「ハルヒが望んだから、あるいは見つけ出したから。お前らの意見はそんなじゃなかったか?」
 昨年秋のトンデモ映画を撮影中古泉をはじめ三つの勢力団体は、それぞれの代表を仲介しそれぞれの考えを俺に
暴露してきた事があった。あの話をまとめるならまず世界があり、そこにハルヒが何らかの介入をしているという
事だったはずだ。

「ええ、その通りです。ですからあくまで証拠も裏も無いたんなる仮説を語っているのですよ」
 古泉は朝比奈さん特製の雁音を啜ると一息つく。その表情を俺なりに読み取ってみたがどうも本当に単なる話で
しかないようだった。まぁ年中ハルヒだ世界だ《神人》だと語るよりかは与太話の方がましってもんだ。
 それで何だったっけ、えっと世界が複数あるだったか?

「はい。玉石混淆、世界にはそれぞれ特徴がありました。例えば僕のように身体能力を上昇させる超能力者がいる世界。
または全てを可能にする長門さんやその上の方々のようなロジック集団がいる世界、未来人と言える先を見通せる能力を
持つ者たちの世界。更には神や悪魔の世界などもあるかもしれませんし、今のこの世界のように何の変哲も無い世界も
あったかもしれません」
 ちょっと待て、どこのジュブナリア小説の設定だソレは。胡散臭いを通り越してファンタジーの領域に話が突入したぞ。

「世界は並列に複数存在する……それは昨年僕が嫌と言うほど思い知った現実です。あなたは違いますか?」
 カマドウマに閉鎖空間にハルヒの世界書き換え、万を越えるループタイムにSOSが消失した世界……。
挙げ出したらキリが無いが確かに複数の世界はあると言ってもいいだろう。だったら古泉が言うような世界もあるいは
あるのかも知れん。

「話を進めます。僕が先ほどあげた並列世界、それらの世界は何らかの理由で一つにならねばならなかった。
 生き残りをかけた世界間戦争です。その結果消えていった世界や統合された世界等もある事でしょう。
 今の僕たちのように別世界の要人を守る為に東奔西走した異世界人もいたかもしれません。
 やがて、一つだけ世界が生き残ります。
 その世界は複数の世界の住人を取り込み、かつそれらがおかしくならないように纏め上げられた世界となりました。
 勝者特権として全ての世界を自由に出来る権限を与えられ、世界はこの形に落ち着いたのです。そう、四年前に」

「アホらしい」
 俺はあっさりと古泉の仮説を一蹴するとゲームの掛け金を増額した。仮説とはいえあまりにも内容が幻想過ぎる。
 大体だ、どうやったらそんな異能世界が蠢く中でこの普通の世界が勝利するっていうんだ。
「それは僕が聞きたいぐらいです」
 古泉は掲げたカードを下ろしてゲームを降りる意志を見せつつ、質問に質問を返してきた。


「普通人のあなたが何故こうして今此処にいられるのか。
 まるでアナタというセカイを誰かがまもっているかのような……そんな事は考えた事ありませんか?」
……と。