☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第63話☆

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1納豆生誕10周年記念
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。

『注意情報・臨時』(暫定)
 書き込みが反映されないトラブルが発生しています。
 特に、1行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えることがあるそうです。
 投下時はなるべく1レスごとにリロードし、ちゃんと書き込めているかどうか確認をしましょう。

リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 10:34:16 ID:r303TgmQ
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第62話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206111026/

【クロスものはこちらに】
 リリカルなのはクロスSS倉庫
 http://www38.atwiki.jp/nanohass/
 (ここからクロススレの現行スレッドに飛べます)

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  ttp://nanoha.julynet.jp/
 ・アリサだもんっ!
  ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
 ・R&R
  ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 11:13:25 ID:q2O2SwIR
>>1
4名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 11:38:38 ID:xvF76jmS
乙なの
5名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 12:58:13 ID:L47uECAx
おっぱいおっぱい
6名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 13:28:21 ID:8cCZcT9J
シグナムシグナム
7名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 13:43:48 ID:yWHj6f4D
なのはS×シグナムMお願いします
8名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 14:05:08 ID:Ln4cgivu
尻尻尻
9名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:18:07 ID:W5rLzxoB
はやては俺の主
10名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:33:05 ID:i2BJqQOB
Sなのは×Mユーノの続きはまだですか
11名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:36:34 ID:L47uECAx
埋めの流れを持ってくんなwww
12名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:37:32 ID:ltWgdTL9
俺の股にある金棒型デバイスがクロノ×エリオに反応してしまうんだがなんかのウイルスか?
13名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:50:54 ID:L47uECAx
誤字発見。
×金棒 ○粗挽きポークソーセージ
14名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:54:26 ID:a5iiueiE
>>13
いやそれも誤字だ
×金棒○ごぼう
15名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:15:42 ID:zr+9nhyB
誰だこんなところに納豆についてくる『えのき』を落としたやつは。
16 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:19:50 ID:cdSfDhZv
こんな時間ですけど久し振りに書きます。
ってか、以前になのはが女王様になってユーノをペットにする話を書いた際に
「近い内にユーノが下克上起こす続編書きます」って予告してたんですけど
それがやっと最近になって出来たんですよ〜マジスマソセン

・『なのはは僕の女王様』の続編
・なのはのペットとして飼われる事になったユーノだが、なのはによって
抑圧された性欲がついに爆発して下克上を起こす
・ユーノtueee要素(性的な意味で)あります。注意。
・エロ
17ユーノ=スクライアの下克上 1 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:21:03 ID:cdSfDhZv
                   前回のあらすじ

なのはが女王様になってユーノをペットにしてしまった。
その上、ユーノの余りにも絶倫すぎる性欲を恐れたなのはは
ユーノのモノをバインドで強く縛り付けて射精出来なくさせ、あろう事か
丈夫な貞操帯を穿かせて勃起さえ出来なくさせてしまった。

こうして…ユーノがなのはのペットとして飼われる様になって一週間が経過した。

今日もまた、ユーノはなのはのペットとしてなのはの家にいた。
確かに朝昼はそれぞれの仕事をしているのだが、夜になるとユーノは強制的に
なのはから首輪をはめられ、ペットとして扱われる。また、その時のなのはは
SM女王様的に男の性欲を刺激する様なきわどい格好をしており、
さらに故意にユーノの顔に乳房を当てたりと、ユーノの性欲を挑発して来るのである。
そうなればユーノは勃起してしまうのだが、既に説明された通りユーノのモノは
折りたたまれた状態で硬い貞操帯の内側に納められている。その状態で勃起しよう物ならば
ユーノは想像を絶する激痛に襲われるのである。勃ちたくても貞操帯がそうさせてくれない。
下手をすればモノが折れてしまうかもしれない。その上、射精したくともモノ自体を
バインドによって強く縛られている為に出来ない。この状態が既に一週間も続いている。

だが、これからなのはとユーノの二人にある変化が起こっていたのである。

「君! もっと素早く出来ないのかな!? ええ!?」
「す…すみません!」
無限書庫での仕事中に、ユーノは部下の司書の一人を激しく叱り付けていた。
「最近の司書長って随分荒れてるな…。」
「一体何があったんだ?」
他の司書も小声でそう言う等、ユーノは最初に比べて随分と怒りっぽくなっていた。
確かに元々から失敗した部下を叱る程度の事はあったのだが、今は異常すぎる。
これで怒る事自体が理不尽な程の些細な事でも烈火の様に怒る様になっていたのである。
その理由はユーノが貞操帯によって性欲を抑制された事によってストレスを
蓄積させて行っている事が原因だった。単刀直入に言うと、ユーノはセックスしたかったのである。
18ユーノ=スクライアの下克上 2 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:22:07 ID:cdSfDhZv
「ちょっとそこ! もう少し素早く動けない!?」
「す…すみません!」
教導中に、なのはは教え子の若手魔導師を叱り付けていた。
「最近の教導官…何か変わったな…。」
「うんうん。以前は口であれこれ言うより行動で示してたのに…。」
他の若手魔導師達も小声でそう言う等、なのはもまた最初の頃に比べて随分怒りっぽくなっていた。
本来の彼女は、口であれこれ言うのでは無く、行動で示す教え方をするタイプなのだが、
この様に些細な事で叱り付ける様になっていたのである。
「(あ〜イライラする…。何で…? 何でこんなにイライラするの?)」
なのはもまたストレスが溜まっていた。しかし、そのストレスの原因がなのはには分からないのである。

ついにユーノはもう我慢が出来なくなった。性欲は発散されず、ストレスが溜まって
挙句には部下に当り散らす様になってしまった。このままでは無限書庫全体の士気にまで
影響が及ぶ。このままではいけない。ユーノは勇気を振り絞って…なのはへ訴えた。
「なの……女王様!」
「な〜に…? ユーノ君…。」
なのはもストレスが溜まっている事をユーノに悟られない様に必死に作り笑いしながら返事をする。
「もう我慢が出来ません! セックスさせて下さい! いや…せめてオナニーだけでも…。」
ユーノは目から涙をボロボロ流しながら必死に訴えた。しかし…なのははニッコリ微笑みながら…
「ダ〜メ!」
「!!」

                   プ チ ン

必死の訴えをなのはに否定された直後、ユーノの中で何かが切れた。
「う…うあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何とユーノは叫び出したでは無いか。怒りと悲しみが混じった様な悲痛な叫びが部屋中に響き渡る。
だがそれだけでは無い。何とユーノの全身から緑色のオーラが迸り、しかも股間のモノを
封印していた頑丈な貞操帯を突き破って、怒張したモノが姿を現したのである!
そして今までずっと射精も出来ずに抑圧されていた反動なのか、普段より一回りも二回りも
巨大化したモノをほぼ垂直に近い角度にまで怒張させながらなのはを睨み付け…
19ユーノ=スクライアの下克上 3 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:22:49 ID:cdSfDhZv
「僕は怒ったぞぉぉぉぉぉぉぉ!! なぁのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「キャァ!」
その叫び声と共に発せられたユーノの緑色のオーラに思わずなのはは後ずさってしまう。
しかし直ぐに体勢を立て直し、ムチを手に取って振り上げようとするが
次の瞬間今度はなのはの手が逆にユーノのバインドに縛られてしまっていた。
「!」
「いい加減にするんだなのは。罪も無いモノを次から次へと押さえ込んで…。」
そこに先程までのなのはのペットとしてのユーノの姿は無い。この豹変ぶりになのはも驚愕する。
「い…一体何が起こったと言うの? ユーノ君はフェレットさんにしか変わらないはずなのに…。」
「とっくにご存知なんでしょう? 穏やかな心を持ちながら激しい性欲によって目覚めた伝説の司書長…
ミッドチルダ育ちのスーパースクライア人…ユーノ=スクライアだぁ!!」
「………………………!!」
ユーノの言ってる意味は理解出来なかったが、なのはは蛇に睨まれた蛙の様に動けなくなった。

スーパースクライア人。それは伝説の中でのみ語られていた。
しかし放浪の民族であるスクライア一族が少数民族でありながら、他の部族に滅ぼされる事無く
現在まで存続していた所以でもあった。その理由は…これから順を追って説明するとしよう。

「何を馬鹿な事を言っているのユーノ君…ユーノ君が誰も押さえ込まなかったとでも言うの?」
「だからなのはにペットにされた。」
「私がペットにしたんだよ。ユーノ君はエッチになると止まらないからね。やっぱり
最低限押さえ込む必要はあったんだよ。」
なのははかすかにユーノに対して笑って見せた。そうやってあくまでも主導権を
握っているのは自分なんだと見せつけようとしていたのだが…次の瞬間
ユーノが思い切りなのはをベッドへ押し倒したでは無いか!
「キャァ!」
「今度は僕がなのはを押さえ込む…。そして…………犯す! 孕ませる!」
「ええ!?」
なのはの頬が赤くなった。そしてなのはの両腕をそれぞれ手で押さえながらユーノは言うのだ。
「所で僕の金玉を見て欲しい。これを見てどう思う?」
「す…凄く大きいよ…。」
なのはは頬を赤くしながらそう素直に答えるしか無かった。そうする以外の方法が
考え付かなかったのである。素直に答えるしか無い程にまで…今のユーノのモノは巨大だった。
20ユーノ=スクライアの下克上 4 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:23:45 ID:cdSfDhZv
これがスーパースクライア人が伝説たる所以の一つ。
スクライア一族は今までも他の部族の侵攻によって滅びの危機に瀕した事も度々あった。
しかし、その度にスクライア一族の奥に眠る生存本能が種の保存の為に目を覚まして来たのである。
それこそがスーパースクライア人。スーパースクライア人はその強い性力によって
他の部族の異性を強制的に自分の物とし、子孫を増やして来たのだ。
決して無秩序に増やすような事はしないが…確実に子供を作る。量より質の思想。
そして…今、スーパースクライア人として覚醒したユーノもまた、それまで自分が
溜めに溜めた性欲とストレスを一気になのはへぶつけ、孕ませようとしていた。

「ハァ…ハァ……ハァ……(どうしたと言うの…身体が言う事を聞かない…。)」
ユーノに押さえ込まれた中でも、なのはは必死で抵抗しようとした。
しかし、身体が動かない。それどころか自然に息が荒くなると共に胸が熱くなり、
その上子宮が疼き、股間から愛液が漏れ出していたのだ。
「やっぱりね…思った通りだ。なのは…君のカラダは僕を求めていたんだよ。」
「え!?」
なのはの顔は赤くなった。しかしユーノは笑みを浮かべながら言う。
「君は僕の性欲を抑えようとした様だけど……でも君のカラダはそれに
賛成していなかったって事だよ。」
「そんな事は無い! 私はもうこれ以上ユーノ君にイかされるなんて嫌!
もうセックスなんてせずに…お互い清い関係のままいても良いじゃない!」
なのはは必死にユーノの主張を否定した。しかし………
「じゃあこれは一体何だと言うんだい!?」
「アッ!」
ユーノはなのはの左乳房を掴み、グイッと持ち上げると共にその左乳房を包んでいた
白いバリアジャケットを脱がし、露としていた。
「こんなに乳首を勃たせて清い関係なんて…無理があり過ぎるよ。」
「やっ! ああ!」
ユーノは笑みを浮かべながらなのはの左乳首を指で押し、続けて摘み上げる。
元々敏感な乳首の事。なのはだって思わず反応し、震えてしまう。
「けど、それだけじゃないよ。」
ユーノは右手でなのはの左乳房を揉み解しながら、今度は左手をなのはの股間へ手を伸ばした。
「や…。」
またもなのははピクンと震える。ユーノはなのはの股間のソレを弄くったのだ。
そして一時してから左手の指をなのはの顔の前にまで持って来る。
その時の指は…大量の愛液によってベットリと濡れていた。
21ユーノ=スクライアの下克上 5 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:24:39 ID:cdSfDhZv
「ほら、見てよこの濡れっぷり。これはなのはのオマ○コから出た物だよ。
これを見ても分かるよね? 君自身は嫌がっていても、君のカラダは
僕とのセックスを望んでいるんだよ。」
「嫌々! そんなの違う! 私はユーノ君とセックスなんてしたくない!!
もうこれ以上イかされるなんて嫌! 嫌! 嫌! 嫌ぁぁぁぁぁ!!」
なのはは首を左右に振り、涙を飛び散らせながら必死に叫んだ。
しかし否定すれば否定する程、なのはのカラダは熱くなり、なのはの意思とは無関係に
ユーノを求めて行く。それでもなおなのはは必死になってユーノを否定するしか無いのだ。
「もう嫌! 誰がユーノ君の子供なんか! 私はこれ以上子供なんていらない!
ヴィヴィオ一人で十分! 淫獣の子供なんて誰が産むもんかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ついに本性を現したね…なのは……。」
「!」
ユーノはニッコリと微笑み、それを見たなのはは思わず凍り付いた。
確かに今のユーノの表情は優しい。しかし、それが逆に恐ろしかったのである。
「なのは…君が僕の事を何と思っていても別に僕は構いはしないよ。
君が何をしようとも…何を言おうとも僕の子を産む以外の選択肢は無いんだ。」
「…………………!!」

スーパースクライア人に狙われた異性は如何なる方法を使おうとも逃げる事は出来ない。
これもまた伝説の一つ。そうやって歴代のスーパースクライア人もまた、絶体絶命ならぬ
絶対絶滅の危機を乗り越え、子孫を増やして来たのである。

ユーノは恐怖の余り凍り付いたなのはの唇を奪った。
「んぶ!」
なのはの目が思わず見開くが抵抗出来ない。それ所か逆に全身の力が抜けて行く。
まるでなのはのカラダ自身がユーノに味方して行くかの様に………
そしてユーノの唇が離れた時には、二人の舌から唾液の架け橋が渡されていた。
「これでもうなのはは完全に女王様じゃ無くなった。僕の下克上は成功確実だね。
それじゃあ…早速僕の子産んでもらおうか?」
「………………………。」
ユーノはなのはの服を一枚一枚脱がし始めた。それに対しなのはは観念したのか、
はたまたやはりカラダが言う事を聞かないのか、抵抗する素振りさえ見せない。
「大人しく僕を受け入れる気になったんだね。嬉しいよ。」
「!」
そこでなのはは我を取り戻し、再び叫んだ。
22ユーノ=スクライアの下克上 6 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:25:26 ID:cdSfDhZv
「嫌! あの黒衣の提督みたいな人生の墓場になんか行きたくないよ!」
「あの黒衣の提督…? クロノの事か………クロノの事かぁぁぁぁぁ!!」
なのはの一言がユーノを激怒させた。そしてユーノは思い切りなのはの太股を掴んで
グイッと勢い良くM字に開脚させたのだ。
「嫌ぁ! 嫌だよぉ! ユーノ君止めてよぉ!」
「止めないよ。さっきも言ったよね? なのはにはもう僕の子供産む以外の選択肢は無いんだよ。」
そう有無を言わせずにユーノは己の怒張したモノをなのはの股間へ押し当て……
「う…………………!!」
貫かれる! なのははそう覚悟して歯を食いしばった。が…貫かれなかった。
「(な…何故…?)」
なのはは不思議でならなかった。ユーノは怒張したモノをなのはの股間へ
当てただけで、貫く素振りさえ見せなかったのだ。
「ど…どうして?」
「何? なのは…もしかしてそんなに挿れて欲しかった?」
ユーノは嫌味を含めている様にも見える表情でなのはを見つめていた。
「そんな事無いよ! ユーノ君とセックスなんてしたくない!」
なのはは貫かれなかった事に安心しながら表面上は強がって見せるが、
やはりユーノの表情は変わらない。
「そっか…じゃあこのまま挿れないでおこうか…。だって嫌なんでしょ?」
「(え…。)」
なのははユーノの行動が解せなかった。ここまでやっておいて…無理矢理に
なのはを犯すのかと思わせておいて…最後の最後でこの様な行動を始める。
だがまあいずれにせよなのはにとって、貫かれないに越した事は無い事なのだが……

ユーノが怒張したモノをなのはの股間へ押し当てたまま十分が経過した。
この時になってもなおユーノはなのはを貫く素振りさえ見せない。
しかし、ここでなのは自身に新たな変化が起こっていたのである。
「(う…な…何……これ……凄く……カラダが……ムズムズする………。)」
なのは自身は嫌がっていても、なのはのカラダはユーノとのセックスを望んでいると
言うのは既に説明した通りだ。その状態でここまで来ておきながらお預けが
続けば、なのはのカラダがユーノを求めて熱くなるのも当然の事だった。
その結果カラダの欲求は脳へと逆に命令を送り、なのは自身にもユーノへの
欲求を抱く様になる。無論最初は理性を持ってそれに耐えようとしていたが、
耐えれば耐える程カラダは熱くなり、股間からは愛液が絶え間無く流れ出すのだ。
そして……
23ユーノ=スクライアの下克上 7 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:26:14 ID:cdSfDhZv
「……いて……。」
「ん?」
なのはは目から涙を流しながら口を開けて……ユーノへ訴えた。
「貫いて下さい!! 私のオマ○コ貫いて…グチャグチャにして……孕ませて下さい!!」
なのははついに自分からユーノとのセックスを哀願してしまった。
嫌なのに…本当は嫌だと言うのに…言わずにはいられない。なのはは自分のカラダの
欲求に負けてしまったのだ。だがこのまま耐え続けていれば、なのはの精神は
ボロボロになり…狂っていたかもしれない。そう言う意味では…この選択は間違っていなかった…。
「そっか…じゃあなのはのお望み通りに…。」
「や………………………!!」
ついになのはは貫かれた。なのははユーノに敗北した。スーパースクライア人が
狙った獲物は逃がさないと言う伝説を破る事は出来なかった。
「(熱!)」
なのはのカラダは一瞬硬直した。既に過去に何度もやってはいたが、今回は今までとは違っていた。
スーパースクライア人に覚醒した影響なのか、はたまた長い間性欲を抑圧された反動が来たのか、
ユーノのモノがなのはの膣へ沈み込んだ直後、なのははまるで熱い鉄を押し込まれたかの
様な…硬く熱く重い感触を受けていたのだった。
「う! うああぁぁぁ………。」
ユーノのモノが奥へ沈めば沈む程なのはの身体はビクビクと振るえ、身体がピンと伸びて行く。
しかし、同時に解せない所もあった。この様な凄まじいモノを押し込まれてしまえば
なのはにかかる苦痛は想像を絶するはず。だと言うのに、むしろ快感を感じていたのである。
「凄い…何で…嫌なのに……何でこんなに気持ちが良いのぉぉぉぉ!!」
なのはは目から涙を流しながら叫んだ。

これもまたスーパースクライア人の伝説の一つ。スーパースクライア人の性技は凄まじく、
最初はどんなに嫌がり抵抗していた者もあっという間に虜へ堕とす程の快感を与えてしまう。
こうしてスーパースクライア人へ覚醒したスクライア一族の者は、確実に子孫を残して来たのである。

だが、今なのはが快感を受けていたのはスーパースクライア人の力による性技だけでは無かった。
なのは自身が、かつてはユーノと何度も交わっていたのにも関わらず、それを止めてしまった事により
なのはの知らない間に、カラダは禁断症状を起こしていたのである。それ故になのはのカラダは
主であるなのはに逆らってまでユーノとのセックスを求めた結果だった。
24ユーノ=スクライアの下克上 8 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:27:16 ID:cdSfDhZv
「んは! んは! んはぁぁぁぁ!!」
なのはが気付いた時には時既に遅し。なのはは自分からユーノに抱かれて腰を動かす雌犬と化していた。
そこにかつて女王様となってユーノをペットにしたなのはの姿は無かった………。
なのはは完全に堕ちてしまった。しかし、なのははそれが間違いだとは考えなかった。
むしろ、ユーノの性欲を無理矢理押さえ込み、ペットにする事の方がよっぽど間違いだと悟っていた。
そしてユーノとのセックスを通じて、真の愛に目覚めたのだ。
「ごめんなさい! ごめんなさいユーノ君! ユーノ君をペットなんかにしちゃって…ごめんなさぁい!」
目から大粒の涙を流し、快感とも苦痛ともつかぬ顔でなのはは何度もユーノに謝った。
しかし、ユーノの表情は優しい。
「大丈夫。気にはしていないよ。これからはペットとか女王様とかそんな関係じゃなくて、
お互い対等の関係を作って行きたいんだ。」
「う…うん…。ごめんなさい…そしてありがとう…。」
スーパースクライア人に覚醒しながらもユーノは優しかった。これが穏やかな心を持ちながらも
性欲によって目覚めた所以なのだ。

それから…二人は獣の様に激しく交わり合い…
「アッ! イクッ! イクッ! イクゥゥゥゥゥゥッッッ!!」
なのははイッた。既にこれで三度目だった。まあユーノが射精するまでになのはが
何度もイく事自体はもはや当たり前だったので特に問題は無いのだが、今のなのはの
感情は今までとは全然違う物だった。
「(どうしてだろう…凄くキツイのに…カラダはもうクタクタなのに…何でこんなに心地良いの?)」
かつてユーノと交わった時は、もう嫌になる程イかされ続けたと言う嫌な思い出しか無かった。
それがユーノの性欲を封じ、ペットにしようとした大きな理由なのだが、今は違う。
確かに何度もイかされ、カラダも疲れてクタクタだと言うのに、不思議と心地良いのである。
これがスーパースクライア人の凄まじい性技による物なのか、セックスを断っていたが故に
禁断症状を起こしていたなのはのカラダが再びセックスした事によってそれまで以上の
快感を感じたのかはなのはにも分からない。ただ…とてつも無い程の快感だと言う事は理解出来た。
「それじゃあ…そろそろ出すよ。」
ユーノがふと優しそう言い、なのはは頬を赤くしながらゆっくり頷いた。
「うん…出して…私産むから…ユーノ君の赤ちゃん産むから…。」
直後、なのはの膣内に深く潜り込んでいるユーノのモノの中を何かが凄い勢いで流れている
感触をなのはは感じ……………
25ユーノ=スクライアの下克上 9 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:28:27 ID:cdSfDhZv
「熱!!」
思わずなのはは叫んだ。なのはの膣内にユーノの精液をぶちまけられた瞬間に
なのはが第一に感じた感触がそれ。スーパースクライア人に覚醒した影響なのか、
精液がまるで熱湯の様に熱く感じられたのである。しかし…それがまた心地良い。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…。」
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…。」
ユーノのスーパースクライア人は解かれ、元のユーノ=スクライアへと戻った状態で
なのはと共に息も絶え絶えの状態で抱き合っていた。そして、なのははユーノの首に
はめられていた首輪をゆっくりと外す。
「ユーノ君はもうペットじゃない…ペットじゃないよ………。」
「そしてなのはも…女王様じゃない……。」
「うん…。」
二人は互いに優しい笑みを向けていた。

翌日から二人は変わった。まるで憑き物が落ちたかの様に気の短さが消え、
元通り穏やかになった。ユーノは些細な事で怒る事は無くなり、なのはも
元の行動で示す教え方へと戻っていた。そして何よりも…二人は以前よりも
少しだけ仲良くなっていた。自分の性欲を無理に押さえ込もうとせず、
正直にセックスした事が二人のストレスを発散させていたのである。
やはり何事も我慢しすぎるのは良くないと言う事である。

それから二人が出来ちゃった婚するのは間も無くの事であった。

                   おわり
26 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/26(水) 16:29:12 ID:cdSfDhZv
最後の結末の所があっさりしすぎてるかな〜とか思ったりしましたが…
それよりも…………

              ご め ん な さ い 
27名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:35:35 ID:JNouYcAM
久しぶりだな
28名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:38:03 ID:L47uECAx
スーパーユーノwww
クロノとフュージョンすんのか?www
性的な意味でwww
29名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 16:45:01 ID:Lihma2YQ
>>26
「僕は怒ったぞぉぉぉぉぉぉぉ!! なぁのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
超スクライア人にフイター!!
コイツの場合目は赤く、髪は青くなるのか?
30名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:32:23 ID:Ln4cgivu
GJじゃああぁぁっ!!!!

あまりの超展開にすげえ吹いたwwwなんだスーパースクライア人って? あれか戦闘民族じゃなくて性交民族ってヤツか?
そのうえくそみそネタまで入っていたり、本当に氏のSSはカオスだな。
毎回ほんとうに面白いっすよ。
31名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:38:36 ID:tL1HbKxt
>>26
あぁ、やっぱりカオスか(褒め言葉
3257:2008/03/26(水) 17:42:04 ID:fE1e2DcE
>>26
エローノ・スクライアGJwwwwwwwwww
クソ、投稿しようと思ったら読み耽って『実用』しちまった、クソ、クソ(褒め言葉)

あとクロノ提督に引き合いの出し方噴いたw


ところで投稿してもいいですかね?



題名 『刃舞う爆撃手の逆指名』 ソープ・ナンバーズ物語異聞録

お題はゼスト×チンクの甘々でエロエロなやつ
比較的穏便なラヴラヴな内容に仕上げました

NGワード『逆指名』

使用スレ数……21 orz
33名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:47:28 ID:zr+9nhyB
21スレ・・・・・・だと?
3457:2008/03/26(水) 17:50:15 ID:fE1e2DcE
すみません!
素で間違えました!! 21レスです。
テキスト形式で30kちょいです

なんつうミスをorz
35名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 17:57:16 ID:Ln4cgivu
ロリエロス待ちきれねえぜ、さあ早く投下をっ!!!
36刃舞う爆撃手の逆指名 (1):2008/03/26(水) 17:59:38 ID:fE1e2DcE
サンキュ、投下す!



『刃舞う爆撃手の逆指名』 ソープ・ナンバーズ物語異聞録

 いまやその道の者には知らないものはいないソープランドがクラナガンに存在する。
【ソープ・ナンバーズ】
この話は、それが開店する直前の出来事である。

「さあ、みんな。いよいよ開店が明日となりました。ドゥーエからの性技データはインプットしたわよね?」

 薄紫のロングヘアが美しい女性が、前に並ぶ妹たちに言う。
 彼女は戦闘機人・ナンバーズの長姉ウーノ。
 彼女の前に並んでいるのは妹の戦闘機人の面々。
 事の発端はナニを思ったか、彼女たちの創造主ジェイル・スカリエッティが「事を起こす前に借金を返済しよう」などと言い出したからである。
 確かに戦闘機人研究やガジェット・ドローン生産に金はかかった……が、これから管理局を潰そうとするのにそんな事をするひつようがあるのか?
 生みの親をハイヒールで踏みつけながら問うウーノに対して、彼が言った言葉は
「だってやってみたいって、『欲望』が出ちゃったんだもん!しょーがないじゃん!?それにさ〜考えてみたら別に今すぐやる必要なんて無いわけだし……」
聖王の器はどうなった!?
とりあえず、こんなしょーもない事を思いついた夫を蹴り飛ばして壁にめり込ませたあと、後ろ回し蹴りをして完全に埋没させた嫁であった。
(……いや、だったら全部止めさせろよ)

 妹たちから「はい」とか「うぃ〜ッス」とか「………了解」とか各々返答が挙がったが、そのなんとも言えない健気さに涙を流すウーノ。
皆の手を取り合って、
「ホントに嫌だったら言ってね!!?おねーさんは幾らでも代わりになってあげるからッッ!!」と訴えた。
……しかし、それだったら『クローンの種子』を胎内に埋め込まれる予定の方が女性としてショックなような気がするが、これは考えても仕方が無い。
創られた彼女たち全員、創造主に(一応)絶対服従なのだ。
 (世の人類の半分が真相を知ったら、その更に万分の一ぐらいがドクターを殺しにかかるだろう……)
しかしこの世界のウーノさん、じつに感情豊かだこと……。
37刃舞う爆撃手の逆指名 (2):2008/03/26(水) 18:00:40 ID:fE1e2DcE
 その夜、接客ガジェットの最終チェックをやっていたウーノの元にチンクがやってきた。
 みんな明日に備えての早期就寝。
 チンクも桃色の生地に花柄がついたパジャマを着ていた。
 室内灯に輝く銀髪の前髪に隠れがちになる隻眼の瞳が、憂いで満ちている。
 いますぐ泣き出しそうな眼だ。
 幼児体型と言っていいその幼い身体……たぶん、その手の嗜好の者たちにはたまらないだろう……。
 長姉は妹を手招きし。優しく抱きしめる。
 その仕草には姉妹の姉というより、母親の慈母が感じられた。
 体格差のせいもあって、はたから見れば、本当に母娘のように見えただろう……。
 いや、実際そうなのかもしれない。チンク以下のナンバーズが作成されたとき、ウーノは助手としてだが発生段階で関わっているのだ。
 そんな彼女だからこそ、何かを耐えるように自分をギュッと抱くナンバーズ五女の心を察する。
 その面倒見の良さから後発組の妹たちに慕われているチンクだったが、ウーノはその『妹に対する思いやり』がナニから生じているのかを知っている。
 外見年齢11歳の少女は、恋をしているのだから……。
 その相手は、自分の右眼を奪った騎士ゼスト・グランガイツ。

「……怖いのよね?他の殿方に体を触られるのが」

 ウーノの豊かな胸の間に顔を埋めたままの少女がコク、と頷く。
 そんな妹の頭を、ウーノは優しく撫でてあげた。
 透き通ったような銀色の、サラサラした柔らかく長い髪を、丁寧に梳くように撫でてあげる。
 ウーノは思う。
 他の妹たちはどうなのだろうか?
 ウェンディはいつもの笑顔で明るかったが、それ故、その境遇と重ねると見ていて辛いものがある……。
 見ず知らずの男性に体を預け、ともすると快楽のためとはいえ異常なプレイ(嘔吐とか)をさせられる。
 普通の女の子だったら抵抗があるはずだ。
 私たちは戦闘機人。創られた存在。普通の女としての幸せは掴めない…………でも、妹の一人ぐらいだったら許されてもいいだろう。
 せめて一晩なら……。

「私が許可します。お会いになりなさい。貴方の想い人へ。ドクターには私から言っておくわ」

 チンクが顔を上げ、金色の瞳を潤わせて感謝した。
38刃舞う爆撃手の逆指名 (3):2008/03/26(水) 18:01:17 ID:fE1e2DcE
「ね、姉さん……」
「それにね、私とドクターとの回線は常にオープンだから、今の話は全部聞かれてるわ」
『騎士ゼストには私が既に呼び出しておいた。ハハハッ!我が娘よ。遠慮せずに最上階の最高の部屋を思う存分使いたまえ!!時間は無制限でドリンクは(ブツ

 突然開かれた空間モニターに現れるドクター、もといオーナー・スカリエッティ。
 客寄せ用のハッピをもう着用していたドクターの言葉を最後まで言わせないうちにウーノが回線を切る。

「………ほんの少しだけですが……姉さんとドクターを嫌いになりました……」
「ウフフ、それでいいわよ。チンクは好きな方と最初に行う権利ぐらいはあるんだから。今夜はルーテシアお嬢様は私が見てあげますから、伝えなさい……貴方の思い」
「はい!」



「すまん!突然呼び出してしまって……」
「いや、いい。そんなことよりも良いのか?己の純潔を捧げるというのは……」
「いろいろあったが、私はもうお前に右眼を捧げた。だから……その、全てを捧げたいのだ。ええい!な、なにを言ってるのか私にもよくわからん!!」
「……互いに、あの男に苦労させられているというのはよくわかった」

 指定された部屋の扉を開けた途端、縁も浅からぬ銀髪の少女が自分にしがみ付いてきたのには、正直とまどった。
 ヤツが自分の娘を利用してこれから行うことは聴いていた。
 地上の秩序を護る者として戦ってきた男は正直怒りを覚える。
 確かに己も春を買ったことがあった。
 しかしそれは、相手も了承しての、糧を得るための『職業』だった。いわば身を張った商売と言っていい……。
 確かに、幼子を無理強いさせて稼がせてる不逞の輩もいた。そういう者らはレジアスたちが容赦なく縄に掛け、その子たちを保護することも少なくなかった。
 ……時には、遊ぶ金ほしさに身を売るという親知らずな子も補導した。
 それをキッチリ区別するために、俗に言う『風俗業界における年齢制限厳罰法』というのを設けた。
 おかげでレジアス・ゲイズは、幾度となく風俗から収入を得ていた暴力組織から身を狙われたものだ。

「今ここ、クラナガンでなら……お前たちを助けられるかもしれん………」
39刃舞う爆撃手の逆指名 (4):2008/03/26(水) 18:02:11 ID:fE1e2DcE
 静かに……しかし、明確な怒りと熱を帯びた声。
 まず全生命力をかけて全力全速でヤツと4番を潰した直後に機動六課に保護を………。
 眼帯をかけた少女はハッとなって気づいて顔を上げ、ゼストを見上げながら必死に訴えた。
 残った瞳に涙を溜めていた。
 もし……もし、そんなことをしたら、姉妹も……私もこの人と戦ってしまう。
 いや、それだけではない。

「そ、それはヤめてくれ!ドクターは私たちの父なのだ!私たちはドクターに造られた戦闘機人なのだ!
 それに………お前が反抗の兆しを見せただけで、ルーテシアお嬢様の母上のお身体がどうなるか……」
「……すまん」

 うろたえた戦闘機人の少女に、膝を屈して抱きしめ謝罪する騎士。
 ……今もなお、全てはヤツの手中なのだ。
 少女の気遣いから、改めて思い知らされずにはいられない。
 研究所に仮死状態となり囚われているルーテシアの母親、メガーヌ・アルピーノ。それどころかルーテシア自身も命も……。
 その気になれば、一切の躊躇なく止めることのできる者がドクター以外にもナンバーズに居た。
 ひょっとしたらチンクには知らされず、この部屋も監視されているかもしれない。
 ここもまた、ジェイル・スカリエッティの牙城なのだ。
 それ故に、この少女の心遣いが愛おしくなる。
 ゼストには、この幼き身の中に、家族と良心との呵責に葛藤する心が感じられた。
 そしてそれを安らげる者もが誰なのかも……。

「草の匂いがする。だが……とても良い香りだ」
「最近はずっと野営だったからな……。いかん、お前の寝巻に移ってしまう!」

 慌てて少女を引き離す。
 どこか瞳を潤わせた表情でゼストを見つめる。自分の身を心配してくれたのと、もう一つ。

「なあ……私のこの姿、どう思う?」
40刃舞う爆撃手の逆指名 (5):2008/03/26(水) 18:03:08 ID:fE1e2DcE
 ゼストの前でクルっと体をまわし、パジャマの全身を見せ付けるチンク。
 少女の頬は朱に染まっていたが、どこか嬉しそうだった。

「むぅ……………俺にその様な答えを求めるのか?」
「どんな言葉でもいいぞ」
「ルーテシアに着せてやりたい。ああ、別に子供っぽいとかそういうのではなくな……ヌゥ……」

 不器用な男……。
 良い言葉が見つからず、米神に手を当て、真剣にかんがえだしてしまったゼスト。
 それを見て微笑まずにはいられない美少女である。

「……………ぃ」
「ん、よく言ってくれ」
「"美しい"と言ったのだ。それ以上の言葉が見つからん」

 そうゼストが視線を合わせないように言ったのが嬉しかったのか、チンクは微笑みながら、またゼストしがみつく。
 今度はジャンプして相手の目線まで……そして。

   チュ

 ゼストの時間が止まった。
 ややしてチンクが唇を離す。

「はぁ……は、はじめての接吻というやつだ。案外できてしまうのなのだな」

 自分からしておいて耳まで真っ赤にする。そしてその「ニッ」とした笑みは子供のような無邪気な笑顔だった。
 薄暗いと言ってもいい部屋の中では「太陽のような笑顔」と言ってもいい。
 ゼストがはじめて見たチンクの本当の笑い顔だった。
 だが声は緊張で震えきっていた。
 それがたまらなく愛おしいと感じた。
 恋路とは無縁に、ただひたすら己がチカラを人々のために……。
 そう思いただひたすら修練を積み重ね、管理局地上本部最強の騎士となった。
 才能は万民に平等ではない故に……。
41刃舞う爆撃手の逆指名 (6):2008/03/26(水) 18:03:48 ID:fE1e2DcE
「あ……ぜ、ゼスト……」

 騎士は、小さき白銀の姫君に触れ……あっという間にお姫様抱っこしていた。
 彼女は部下を殺めた仇と言える。
 それに恋をすることがどれほど後ろ指さされることか……。
 いや、既に下された命令に逆らい、独自に部隊を動かし、全滅させたのもまた『指揮官としてあるまじき罪』。
 もし、あの時動ず耐えていれば、ひょっとしたら……いつか真相を掴む機会が訪れたのかもしれない。
 ナカジマなど家族を持っていた部下達を死なせるより、そのほうが絶対に良かったはずだ!
 息子を、娘を、夫を、妻を、父親を、母親を亡くした遺族達の哀しむ姿を夢に見て、一人苦しむ日々……。
 部下の家族も護るべきだったのだ!
 自分が掴んだ真実と、その『犠牲』は余りにも釣り合わない……否、釣り合う筈がない!
 ならばこの短い命尽きて、土に還ったとき、俺は喜んで地獄に行こう。
 その前に救える者が居れば救いたい。
 ……それがゼストの偽ざる思い。
 明日から偽りの感情で他者へ身体を売る少女を救う、その第一歩。

「んッ……」

 お姫様抱っこで持ち上げた少女にゼストが少し顔を寄せると、少女もわかったのか顔を寄せ……再び互いの唇が重なる。
 今度はさっきよりも深く、長く……。
 舌を絡ませようとしたのはどちらからだろうか?
  クチャ……クチュ……チュ……
 少女が両手を男の首に回し、離れたくないという意思を表す。
  チュ……ニチャ、ヌチュ、ピチャ、チュル、チュウ……
 音が響く。
 ゼストとチンクは互いの愛おしさの確かめるように舌を絡めあう。
  
「ン……コクン」

 溢れた唾液を、愛の証と言わんばかりに可愛く飲み込む少女。
 やがて口付けだけでは満足できなくなり顔を離そうとしたが、お互いの舌を名残惜しむかのように最後まで触れあい、透明な糸をひかせた。
42刃舞う爆撃手の逆指名 (7):2008/03/26(水) 18:04:30 ID:fE1e2DcE
「ぁ…ふぁ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァッッッ!? ―――ハアぁあァッッ!!」

 ゼストと顔を離した後、荒い息をしてチンクは突然身体をビクンビクンと震わし、左右の足の太ももをキュウゥと閉めた。
 ピンクの可愛らしいパジャマのズボン越しに、股間にじんわりとシミができる。
 少女にとって夢のようなシチュエーションのキスは、"気を遣った"どころでは済まさず潮まで吹かしてしまった。
 ひょっとしたら尿も少し漏れてしまったのかもしれない。
 白銀の美少女はイってしまったのだ……。
 涙を滲ませた瞳が、気持ちよさで蕩けた表情を倍加させゼストの脳を刺激する。
 
「――ッッッ!」

 押し殺したような声を出して、キツめに戦闘機人の少女を抱きしめてしまう男。
 もうそのまま夜を明かしたかったが、チンクの眼帯を外してやり、外見はもうほとんど傷がわからない右目の瞼にキスをしてあげて耐える。
 ゼストとの絆ともいえる右目にキスをされて、またピクンと可愛く仰け反るチンク。
 だが、まだこれからだ。
 騎士は姫君の捧げ物を貰い受けるために、身を清めなければならない。
 
「ゼスト、私にまかせろ」
「ん、頼む」

 高級プレイルームだけあって浴室も、とうぜん最高級の贅を凝らしている。
 某機動六課の隊長が見たら「うッ、このボディソープ、一個ぐらいもらっててもええよな?ええよな?」と言ったあとにユニゾンデバイスから「そんなこと言いながらもう懐に入れないでください!ハズカシイです〜!」と言って突っ込まれそうだ。
 まずは、威風堂々とドッシリとスケベ椅子に座ったゼスト(この男何度も経験済みである)の体を、程よい温かさのシャワーで流してあげるチンク。
 シャワーでお湯をかけつつ、空いた手の平でさすってあげる。
 悲しいかな。
 ソープ嬢として御奉仕してしまう手順はインプット済みだ。
 こういうことで戦闘機人としての機能が役立ってしまった。
 『動作データ継承機能』と『データ蓄積機能』は姉のナンバーズ二女、ドゥーエの"特殊な活動"で得たデータを見事この場で活用されてしまったのだ。
 もし齟齬が起きるとしたら心理的なものだろう。
 歴戦の戦士であること物語る、鍛え上げられた逞しいゼストの肉体。
 筋肉が盛り上がった四肢。
 そして過去の無くならない痕……彼女がつけたのもある。
 それらをマッサージを兼ねるように、チンクの白く細く、そして美しい指が撫でる。 
43刃舞う爆撃手の逆指名 (8):2008/03/26(水) 18:05:39 ID:fE1e2DcE
「あ、あの、気持ちいいですか?」
「……最高だ。耐えるのが辛いくらいに、な」

 初めての異性、それも好きな人への背流しを、震える声で訪ねるチンク。
 それにゼストは眼を瞑ったまま満足げに応える。
 眼を閉じているのは、チンクの裸を見てしまったら、あるまじきことだが理性が飛んで襲ってしまうのではないかと思ってしまっているからだ。
 あと、チンクの一挙一動を感じたいために……。
 ゼストという男は、どこまでも生真面目な漢だった。
 チンク自身も、実はそれでだいぶ助かっている。
 自分が服を脱いでから心臓が飛び出るくらい鼓動が鳴る。ゼストの裸体を見てさらに高まり、奉仕することで倒れそうなくらい動悸が続いている。
 それでも正確に体が動くのがスカリエッティ印の戦闘機人の性能か?
 はたまた恋人(キスした時点で決定)を気持ちよくさせたいという少女の願いからか?
 シャンプーとリンスをしてあげ、いよいよ体を洗う段階に入る。
 チンクはボディソープを自分の体に塗りつけ、泡立てる。

「そ、そ、そそ、それじゃ、行きます!!」
「う、うむ……」

 彼女が緊張しきっているのが良くわかってしまい、かえって心配になってしまう彼氏であった。
 まずは背中から……。
 広い、とあらためて男の背中を実感する少女。
 ニュルニュルニュルニュルニュル……

「あ、ふあ、ぁああ……」

 少女は思わず声が漏れてしまう。
 本人もコンプレックスな薄い胸だが、乳首が彼の背中を擦る刺激が大きすぎる。
 いったんゼストの肩に手をかけ、はぁはぁと息を荒げながら小休止。

「チンク、焦らなくていいぞ。俺を自由に扱ってくれ」
「は、はい……」
44刃舞う爆撃手の逆指名 (9):2008/03/26(水) 18:06:23 ID:fE1e2DcE
 本当に広くて逞しい背中だと思う少女。
 ……一度で良い、一度でいいから、デートとか行った時に彼に背負わされたいと思った瞬間、ジュンッと股間からぬるぬるしたものが溢れ、「ぁ……」と小さく呻いてしまった。
 いわゆる乙女回路というやつだ。
 トロリとした透明な液が太股の内側を伝うのが恥ずかしかった。
 こんなことを外見年齢11歳の美少女に思わさせるゼストという漢は本当に罪深いやつだ。そうは思わないか!(血涙)
 
「つ、次、腕行きます」

 気を取り直して次の段階へ進む。
 腕は胸があれば、間に挟んでいわゆるパイズリというので洗えるが、それが無いチンクはどうすべきか迷う。
 なんてたって動作データ元はドゥーエしかないのだ。
 オットーが経験を積めば、それを継承・蓄積できるが、それが無い以上独力で頑張るしかない!
 
(あ、焦るんじゃあない!戦闘機人は焦らない!!)

 ゴゴゴゴゴ……とか効果音が背後でなっているような気がするが気のせいだ。
 パイズリ……挟んで揉む……パイズリ……揉む……挟む……はさむ!?
 そうか!わかった、これだぁッッ!!
 
(姉は理解した!)

 ニュルンと、チンクは自分の両腕でゼストの豪腕を包み込んだ。
 ピク、とゼストが反応するのが良くわかった。
 これは言わば、パイズリならぬ腕ズリ!
 胸と両腕をくまなく使い、彼の腕を擦り洗ってあげる。
 腕だけで、時には抱きしめるように……。
 右腕を洗い終え左腕に移ったとき、身長差があるがゆえ左肩に腕を伸ばしたら、ゼストの腕に跨るかたちになってしまった。
 とたんに真っ赤になるチンク。
 ゼストの手の平が、指が、チンクの股間に……。
45刃舞う爆撃手の逆指名 (10):2008/03/26(水) 18:07:16 ID:fE1e2DcE
「ひゃあああああ〜〜〜……ッッ!!」

 ど、どうしよう!?
 頬どころか顔全体真っ赤になり、しまいには頭からボンッと湯気がでるほど恥ずかしくなってしまった。
 明らかにボディソープ以外の液体でぬるぬるに濡れてるのが知られてしまった。
 体で洗う行為自体がもう普通に恥ずかしいはずなのだが、頭が混乱してそれどころではなくなってしまう。
 そんな時、硬直した体を解したのは、彼の指の動き……。
 チュニュ……。

「ふぅああッ!?」

 少女の無毛の秘めたる裂け目。そこを男の人差し指が下から上へとサッとなぞっただけだ。
 くったりと男の腕に寄り添うように脱力してしまう。

「ぜぇ、ゼストォ……」

 潤んだ目、そしてその甘く切ない少女の声が……限界が来てしまったことを物語る。
 なぞるだけだった指の動きが早くなる。
 ニュッ、ニュッ、ニュゥ………クリッ。
 そして、裂け目の上にある充血して、ほんのちょっぴり見えたクリトリスを刺激した途端。

「あっ。はぁ、はあぁ、はああぁ、ふああぁん!んああああッッ!?」

 少女は人差し指だけで達してしまった。
 別に悪いわけではない。
 感じやすいことは、その手のお客様に大いに喜ばれるだろう。
 気づいたらゼストの腰の上に、背面座位という形で座ってしまっていた。
 コレではまるでどっちがソープで奉仕するのかわからなくなる。
 まだ前半と下半身が洗い終わっていない。
 胸のあたりで荒い息をするチンクにゼストが語りかけた。
46刃舞う爆撃手の逆指名 (11):2008/03/26(水) 18:08:05 ID:fE1e2DcE
「初めてだからしかたあるまい。それよりも、チンクが感じてくれて嬉しいのは俺のほうだ」

 ローション代わりのように泡で滑らせ、ゼストのゴツゴツした手のひらがチンクの起伏の乏しい体を満遍なく洗う。

「うぁあああァっ!?ゼストォオ、気持ちいいよぉお!私、気持ちいいよおおお!!」
「チンク、手伝わせてくれ」
「ッッ!」

 ボディソープを多めに取ったゼストが、チンクの背中に塗って泡立てる。
 チンク自身は自分を洗い終えているから、これは背面座位を利用して、己の前面を洗う準備である。
 
「動けるかチンク?」
「はァ、ふぅ、ふぁい……」

 さっきの絶頂の余韻で、もう呂律も上手く回らない。
 戦闘機人、ナンバーズ五女としての威厳も何もない。
 彼女は、恋人に抱かれてただの少女に戻ってしまった。
 涎を垂らして蕩けた眼をしているのがその証拠。
 ツゥ……とチンクの左頬を涙が流れる。気持ちよさの証明だ……。
 もはやソープにおける"奉仕"ではない。
 コレは恋人同士の前戯……。
 本番に至る前の、愛の確認である。
 チンクが体全体を擦り動かし、背中を使ってゼストの体を洗ってあげようとする。
 厚い胸板、六つに分かれた腹筋、張り詰めた脇腹……。
 背中越しでさえも、背後の騎士の、鍛え上げられた肉体が解ってしまう。
 「ハァッ、ハアッ」と動かしているチンクの息は、疲れではなく気持ち良さから……。
  ニチュウ、ヌチュウ、ンチュウ
 良く泡が立ち、確かに洗われるが、チンクが平常を保っていられない理由がもう一つ。
 チンクの秘所、股間の下から己の存在を主張する、逞しき剛槍の存在!
 少女が動かすたびに、股間に男のそれが彼女のに擦られる。
 男の証しは、ボディソープではない、気持ちよさかで少女の秘密の場所から滲み出る透明な液でコーティングされてしまった。
 ゼストの両腕は、チンクが前倒れになり落ちないよう、しっかり支えてやる。
 やがて少女の背中を使った、ゼストの上半身前面の洗浄が済んだと思ったら、いよいよ自分の股間の下から自己の主張する勃起に手をかざす。
 いよいよ、体洗いのメインがやってきた。
47刃舞う爆撃手の逆指名 (12):2008/03/26(水) 18:08:49 ID:fE1e2DcE
「うぁッ……おっきい……ハあぁ。すッごく男らしくって……ゼストの怖いけど、とっても逞しい……」

 顔を真っ赤にしたままのチンクは、銀色の髪をシットリと湿らせて、後ろのゼストの顔を窺おうとする。
 パラリとこぼれた銀のロングヘアが数本、汗と湿気で濡れた少女の顔にまとわり、そこから覗く顔はえもいわれぬ艶やかさをゼストに感じさせる。
 そのため、堪らず騎士ゼストは、羞恥心と快楽でおかしくなってしまった姫君チンクの顎を掴んで唇を奪う。

「んぅンンぁ!チュぷ……ピチャア。ん〜〜、ぷはぁ〜〜?」
「ハァ、ハァ、ハァ、はぁ、はぁ……―――ッッッ!チンク、好きだぁ!!愛してるッ!!」 

 もう、二人ともよくわからなくなってきてしまった。
 普通なら絶対に口に出せない台詞を言ってしまうのは、浴室に漂う一種独特の雰囲気ゆえか?
 ちなみにゼスト189センチ、チンクは127センチのエリオよりもちょい上だから……二人の身長差は60p近く。
 キスをするのも一苦労だが、男の腰の上に座っている形は、その差を僅かながら埋めることが出来た。
 
「気持ちよかった?私のこんな洗い方で、気持ちよかった?」
「ああ!もう出してしまいそうだ!」
「ま、まっててゼスト。スグに洗い終わらせるから」

 最初は私の中に出して欲しい……。
 そう思うチンク。
 しかし、ソープの技法はもともと本番前にお客様を気持ちよくさせて射精させるもの。
 ゼストにとっては歯を食いしばって堪えるのみ。ある意味生き地獄だ。
 いったん男性から離れ、床に膝をついてチンクは、ゼストに向かい合う。
 目の前に聳える槍……。
 ソープを手に平に出し、それを泡だてる。
 そして、ゼストの長大な"竿"をシゴクように洗う。
 
「うううッッ!!」
「痛かった!?」
「いいや、こんな感覚は今までに無いのだ。だが……絶対に耐えてみせよう。チンクの中に出すまでそう簡単には放さん」
「うッ……ゼスト、ありがとう……」
48刃舞う爆撃手の逆指名 (13):2008/03/26(水) 18:09:45 ID:fE1e2DcE
 彼氏の決意を聞き、嬉しさで泣き出しそうになりながら行動を再開する。
 ……この二人、絶対にソープであることを勘違いしている。
 シュッ、シュッ、シュッ……
 まるで男性の自慰の如く、血管浮き出る大木の幹を摩る。
 ゆっくりとした動きが、次第に早く、力強く、性感帯を的確に刺激!
 美しい白魚の如き指の。可愛らしい少女の手つき。
 そして男のそれを真剣に見つめている少女の目線。
 どちらも男性にとって耐え切れない要素だ。『嗜好』がプラスされれば、我慢できずあっという間に射精して整った少女の顔面を白く汚してしまうだろう。
 後に『手淫の爆撃手』と言われ、美少女との"本番"を目指すほとんどの強者たちが尽き果てるという所以であるが、今はそんなの関係ない。
 ただドゥーエのデータ通りに性器を洗浄してあげる。
 あらかた竿を洗い終わったと思った彼女は、左手でなおも幹を扱きつつ男の鬼頭へ……。
 充血し、張り詰めたソレを掌や指先の腹で力を加えずに優しく。
 鬼頭の根元、僅かに残った包皮の恥垢がたまりやすい裏側も抜かりなく洗ってあげる。
 キモチよさよりもキレイにしてあげたいというのが少女の願いだったが……。

「ッ!―――――ッッッ!!!」

 ゼストはゼストで、ギリギリと歯を食いしばり、男の威信を掛けた戦いを懸命な少女に気づかれぬよう、かなり必死に続ける。
(素数を数えてるかは不明)
 だから、別に出しても構わないんだがな〜〜。
 ワシャワシャと陰茎の根元、陰毛の茂みと袋も、これまた神経を使い優しく丁寧に泡立てながら洗ってあげる。
 ドゥーエからのデータによると、男性自身は存外洗うのを手を抜いてしまう場所らしい。
 臀部や菊門もしっかり洗ってやる。
 汚さは感じなかった。それよりも清潔にしてやりたいという思いがあった。

「ふぅ……」

 ゼストが静かに息を吐く。
 地獄、終了のお報せ。
 下肢に移る前に、いったんシャワーで泡を洗い流しながら、チンクが上目遣いでゼストに尋ねる。
49刃舞う爆撃手の逆指名 (14):2008/03/26(水) 18:10:43 ID:fE1e2DcE
「ど、どうだった?痛いとかそういうのは無かったか?」
「合格だ、としか俺からは言えん。だが誇らしく思う。別に命を賭して戦わずにコレで食べてゆけると思うと安心もする」
「な、ば、バカかお前は!恋人が明日から見ず知らずの男に身を捧げようとするのだぞ!?」
「うむ。そいつらは正直妬ましいと思うが、そうしたらこの行為で生活の糧とする全ての女性が卑しき存在ということになる。
 確かに別の職業で生計を立てて欲しいと思うが、それによって救われる男も居るのだ。だから俺は全てがダメだとはそうは思わない。
 まあ、これは個々人の主張はあるがな」
「…………なにか……何かあったのか?」

 彼の背中にシャワーを流しながら、少女が問う。
 チンクは男に何かあると感じ、悲しそうな表情になる。
 知りたいと思った。過去なにがあったのかを……。

「……昔、災害救助で派遣された時、その現場で凄まじく悲惨な光景を見た。思い出そうとすれば、今でも鮮明に思い出せる。多くの人が死んだ場所だったからな。
 暫く夢で見てうなされ、先人の助言で安らぎを求められるという風俗の門を初めて開いた。
 相手は当時の俺よりもかなり年上で、美しさよりも柔らかさや温かさを感じさせてくれる人だった。
 その人は話を最後まで聴いてくれて一緒に寝てくれた。それからだ。そのことで悪夢でうなされることは無くなった……」

 シャワーを出しっぱなしにしながら少女は、苦を背負った騎士の背中に抱きついていた。
 ほんの少しの時間……。
 おそらく私はこの男の罪を和らげることはできない。なぜなら私もまた人殺しの罪を背負っているのだから……。
 この人の部下を殺した罪。
 胸を締め付けるような罪悪感に囚われる。
 だが戦闘機人であるが故、命令には従わなければならない。
 だから、また殺せと言われれば、納得はしまいが殺してしまうだろう……。
 ……おそらく、私も彼も、最後まで自由になれることはない。
 だからせめて……。
 彼女は涙を流しながら思った。
 この一時だけでも赦してください……どうか……。
 気を取り直し、再開する。
 足は、腕を洗ったときの要領で思ったよりも簡単に終えれた。
50刃舞う爆撃手の逆指名 (15):2008/03/26(水) 18:12:42 ID:fE1e2DcE
「湯加減はどうだ?傷とか響かないか?」
「いや、大丈夫だ。それにしても……久しぶりに肩まで浸かる風呂はよいものだ……」

 少女と騎士は肩を合わせて湯に浸かっている。
 大理石で出来た円形浴槽は広々としている。
 マナーの悪い妹たちだったら泳いでしまいそうだ。
 そう思うと自然に笑みがこぼれてしまう。
 温泉に入る紳士のように眼を瞑ったままだったゼストが口を開いた。

「妹たちの様子はどうだ」
「みんな元気一杯だぞ。おかげで手間が掛かりっ放しだ。もし機会があったら稽古でもしてやってくれ」
「……そうだな。お前に頼まれるならそれも良い。前あの男が勝手に送りつけてきたデータでは、一人一人の能力はすばらしいが、いかせんコンビネーションが単調になる節がある。
その隙を突かれたら危ないな」
「そ、そうなのか?」
「おおかた、局から盗んだ訓練データで演習をしているんだろう?」
「うっ……わかるか?」
「これでも私は昔、部隊を率いていたからな。バリエーションをつけるのに一番よい方法がある」
「それはなんだ?」
「外部の人間と交流を持つことだ……。戦闘以外の視野を広げれば必然的に、自分で考える力が生まれる。どうすればもっと良くなるか、とかな」
「………無理だな」

 しばらく戦闘訓練や作戦指揮について会話が弾む。
 二人とも不器用な人間だった。
 いや、二人が過ごした状況が状況だったのだから仕方がないとも言える。
 二人の手は、互いの指が絡まりあっていた。

「……なあゼスト。お前は私たちの指揮官になってくれないか?実はトーレも、お前になら作戦指示に従っても良いと言っているんだ」
「それこそ無理だろう」

 あの男、ジェイル・スカリエッティの元に長居するつもりは無いという事だ。
 過去の経緯ゆえに。
 もし、ゼストがトーレに代わりナンバーズ戦闘部隊の長を務めたらどうなったであろうか……。
 それは誰にもわからない。だが、間違いなく精鋭部隊となるのは間違いないが。
 この二人、状況が違えばもっと別の会話で盛り上がっただろう……。
 いや、そしたら二人は出会わないことを意味する。
 ああ、なんとままならない運命か。
 ルーテシアのことについてのことをいくつか話し、ついに話題が途絶える。
 ゼストの昔話などチンクは聞けるはずもない。ゼストを殺し、過去を決裂させたのはチンク自身なのだから……。
 会話が無くなり、チンクは隣のおとこの体にさらに密着させて言う。
51刃舞う爆撃手の逆指名 (16):2008/03/26(水) 18:14:12 ID:fE1e2DcE
「そろそろ……あ、上がらないか?」

 タオルで体を拭こうとするゼストを止める。

「私、髪を乾かすのに時間がかかるから、もしよかったら……」

 広いスペースを取る洗い場を指差す。
 しきりに太ももをすり合わせているチンクにゼストは気づいた。
 はやくしたいのと、それにデータではない経験もしてみたかったのだろう。
 そして彼に尽くしたいという少女の心がベッドルームではなく、ここに向かわせた。
 ゼストの了解を得ると、チンクはエアマットを膨らませる。
 スイッチを押した途端、一瞬で展開するかなり大き目のエアマットだ。
 手の込んでいると言うべきか。
 一回シャワーで温水をかけて温かくしたところでゼストを横にさせる。

「ええと、それでは、最初は、お、お口でいきます」
「ああ……」

 銀髪の少女は、また顔を耳まで朱に染めて、ヘソに向かってやや倒れる形で起立する太くて長いものの先っぽに、ドキドキしながらチュとキスをする。
 ビグンッ!

「ッッ!?」
「くッ」

 ゼストの大きな反応に驚くチンク。
 鼓動を高めながらも、嬉しい感じがした。
 感じてくれていることに。
 ハァ……ンッ
 充血しきって赤く張り詰めた鬼頭を、美味しそうに頬張る、
52刃舞う爆撃手の逆指名 (17):2008/03/26(水) 18:15:04 ID:fE1e2DcE
「うゥッッ!」

 モグモゴ……
 外見年齢11歳という幼すぎる少女の口では、鬼頭から先は苦しくて進めない。
 彼の全部を愛したかった。
 しかし現実にはままならない。
 チュル、チュバ、ジュルジュル、ジュウゥ……
 鈴口に舌先をもぐりこませ、鬼頭の傘の裏を、薄い唇で刺激する。
 つたないフェラチオだったが、少女にされているという現実が屈強な騎士を急速に高ぶらせた!

「―――ッッ!ち、チンク!!もう無理だ!頼む……お前の中へ……」

 チュポッ、と抜いたチンクの頬に濡れた銀色髪がへばりついている。
 上目遣いでゼストを見て。クスと色毛のある笑みを浮かべる。
 顔にかかる銀髪を掻き分けて後ろに流す。
 嬉しかった。経験の浅い自分の口で感じてくれて……。
 ポロリと涙が零れ落ちる。
 やっと、やっと捧げることができる。
 そう思った。
 騎乗位でいこうとした、その時、ゼストに両肩を掴まれ一瞬で上下が逆になる。
 
「ッ? ゼスト??」

 何が起こったかわからなかった。
 ただ次の瞬間にはキスされていた。

「んんン……!?」
 
 粗いが、苦しくなく。どこか気持ち良い。
 さっきまで自分のモノをフェラしていたチンクの口を奪うゼスト。少女の口内を蹂躙する大人の舌。
 その後顔を離したゼストは少女の頬を舐めながら、次第に移動を開始。
53刃舞う爆撃手の逆指名 (18):2008/03/26(水) 18:16:02 ID:fE1e2DcE
「〜〜ッ!ンン!!ッひゃっ……ぁあア?」

 右の耳を舐められて、耳たぶを軽く噛まれた少女の声は、素っ頓狂なものだった。
 それだけ初めての刺激であることを物語る。
 では、最初のお姫様キスで達してしまった少女のその他の部分は?

「ふぁ、やあッああ、やあああッ!ふぁああん!!」

 首筋に……鎖骨に……オーバーSランク騎士の舌攻が一方的に小さきお姫様になされる。
 涙を湛えていた眼から一筋の流れとなって涙が、少女を浮かばせるマットに落ちる。

「ふんンンッ!―――ッッ!!」

 滑らかな……しかし、確実に女であることを主張する丘。その頂にあるものに男の舌が舐め上げ、そして口に含んだ……。
  ペチャァ……、チュク……
 誰もが吸い付きたくなるような可愛らしいピンク色の乳首。
 それを独占する。
 片方を攻めるとき、残った片方は無骨な指が弄ぶ。

「ンンンんッッ!はあああ!ふああああ!!吸っちゃやああ!!うああああああああああ!?」

 ビクンッッ!!
 銀白の少女は達してしまった。幼い胸で。
 チョロロロロ……………。
 その証しが今、股間から……。

「や、ヤダぁ、ゼスト見ないでぇ……」

 口の端から涎を零し、ボーとした蕩けきった表情で力なく恋人に訴えた。
 それが聞かされるはずも無い。
 ガバァッ!

「ッッふぇ!?な、なにを……」

 両足を持ち上げられて戸惑う少女。その軽い足は、男の手によって簡単に開かれ手しまった。
 「う、あ」と言いながら、これでもないくらい顔を真っ赤にするチンク。
 まだ尿は溢れ続けているのだ!
54刃舞う爆撃手の逆指名 (19):2008/03/26(水) 18:16:58 ID:fE1e2DcE
 ジュルッ、ゴクンッ!ジュゥ……ゥゥ!!

(あそこにキスされて、の、飲まれちゃってる!!)

 ポロポロ涙を流し続けて、想い人が自分のはしたないものを音を立てて啜り、飲み込む音を聞いて感じてしまった。
 戦闘機人として生まれた自分の物が、全て彼のようになる感覚に陥る。
 目の前が真っ白になる。そしてそれは……。

「んうあああああアアアアアッッァアアアアーーー!!」

 快感。
 
 ヌチュ、ヌチュ、ニチュ、ヌチ、ヌチュ、チュル、クチュ……

「あ、あん、あ、はあ、あん、あん、そこだめ、っやん、や、だ、だめ、んあ、く、クリトリス、クリトリスやあァ、ッッ!ふウああァーー!!」

 尿飲から続く、少女の割れ目へのクンニが、再度達させた。
 割れ目の両サイドに親指をかけて、「くぱぁ」と開かせる。
 雪のように白く美しい少女の皮膚と違い、強制的に開かれたソレは、まさしく肉の色だった。
 伊達に、それなりに春は買っていないのだ。
 ただ、初めての少女には衝撃が大きすぎる。
 尿飲と、舌による淫核攻めは、無垢なる少女を何度も何度もイカせた。
 それもこれも、全ては少女の身に、己を刻み込ませるため……。

「チンク、いくぞ……」
「ハァ……ハァ……ふぁ、はい。来て、ゼスト……」

 透明な先走りのドームを作った鈴口がある勃起の先端が、少女の秘密の入り口に軽いキスをして……。
  ズッ、ジリュゥゥ、ブチ……

「〜〜〜ッッ!! カッハアアアァァーーー!!」
55刃舞う爆撃手の逆指名 (20):2008/03/26(水) 18:18:05 ID:fE1e2DcE
 破瓜の痛み……。
 しかも外見年齢11歳という幼い身で、190はあろうかという騎士の男根を受け入れるのだ。
 戦闘機人として戦いの場におき続けた身だったが、この激痛は全く体験したことの無いものだった。
 処女膜を破った所でゼストの侵攻が停まる。
 まだ数センチも入っていないが、チンクの苦しみぶりが見ていて辛かった。
 しばらく痛みが引くまで……そう思った時、傷だらけの体に覆いかぶさられた少女が声を発した。

「フッ……フンッ、ど、どうしたァ?まだ私の奥にはまだ届いていないぞ!こんな痛み………く、比べれば、どうということもない!!」

 チンクは思わず言ってしまいそうになってしまった。
 自分が殺めた人たち、その残された家族。
 きっとその人たちにも、自分にとっての姉妹のような者がいたはず……。
 ………こんな……こんな、不埒なことで『痛みの例え』にした私を絶対に許さないで下さい…………。
 せめて死した後は、独りで地獄に行きますから……。
 痛みと罪悪感でギュっと眼を閉じる。
 痛みの涙と違った悲しみの涙が、少女の残った左目から溢れてこぼれる。
  ピチャ……

「ンんッッ!?」

 その涙が舐め取られ、飲み込まれる。
 目の前に、かなり窮屈そうに身を屈めた、彼女の騎士の真剣な顔があった。
 ジワ、と溢れ出た涙が、また彼の舌で舐められた。
 ああ、なんで、こんなに……この人は優しいのだ?
 この男のようになりたい……。
 そして、もしできるなら……、一緒に生きて生きたい……。
 戦闘機人のチンクは、痛さで眉を少し歪めつつも、相手の暖かな思いやりを感じ、微笑みながら思う。

 ミチ……ミリ……ジュチュウゥゥ……
56名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 18:19:36 ID:fE1e2DcE
 性交とは本来、子を創る行為。
 ……できるなら……この人の赤ちゃんが………ほしい………。

 トン……。

「ッッ! ハッ……アハッ……貴方のが、と、届いた……奥の、子宮口ッッ!!わ、私の"ゆりかご"の入り口に……!」
「そうかァッ!な、ならもう、遠慮なくイかせてもらうぞ!!」
「ああ、来い!私の中に来てくれ!!ゼスト、私で全力でイってくれッッ!!」
「フウゥッッ、ううおおぉッッッーーーーー!!!」
 
 ドバッ、ドバァッ、ドク、ドク、ドク……
 溜めに溜まっていたのが吐き出された。
 今まで全ての行動で射精してもおかしくなかったのに、この男は耐え続けたのだ。

「熱、熱いよ!熱いよぉ〜〜……んぅあああああああああーーーーーーッッッ!!」
「うううッ……チンク、チンクゥ……!!」

 ドビュッ! ビュッ! ビュゥッ……!
 少女の膣。その最奥の子宮口と男の鈴口がキスした。
 そのまま、信じられない勢いで射精させられ続ける精液は、少女がイクことで口を開いた子宮口の隙間から……

「イク、イクゥッ!と、蕩けちゃうふあああアアアアアァァァッッーーーーー……………」
「チンク……愛してる………」

 トクン、トクン、トクン、トクン、トクン……………
 チンクの膣も子宮口も開発されていないので挿入は苦痛だったが、ゼストに射精される快感で脳が溶かされてしまった。

「ゼスト!温かいよ!温かいのが奥の、もっともっと奥に溜まるのがわかる!う、うわああああぁァァーーー!!ゼスト!!ゼストォ……」
「チ、ンク……ッッ」

 イッたのに……今度は精液が少女の誰にも汚されたこと無き聖域に流れ届き……その精液の感触で短い間に何度も達した。
 新たな命を育む子宮に溜まっていく子種……。
 一度で限界まで出し切ったゼストはチンクにのしかからないよう、最後の力で彼女の隣に転がるように落ちる。
 ダブルベット並みの特大エアマットのおかげで、そのまま少女の横で気絶するようにグッタリした。
 浴室は一定の室温に保たれ、裸でも大丈夫だ。
57刃舞う爆撃手の逆指名 (21):2008/03/26(水) 18:20:50 ID:fE1e2DcE
 少女のお腹は、おへそから下あたりから、盛り上がってしまっていた。
 子宮に入りきれず、あふれた精液が、処女膜喪失の証しの赤い液体に混じり、コポリと少女のヴァギナから垂れる。
 少女の幼い子宮に溜まりまくった濃厚な精子は、すでに卵管を通って卵巣に到達し、命の芽吹きはないかどうか刺激を与えている。
 その感覚がたまらず少女には嬉しかった。優しく子宮があるあたりを撫でてあげる。
 普通ならありえないが、ゼストはチンクに一度殺され人造魔導師として甦らせられたのだ。
 普通と違っていても良いと少女は考える。それに……愛する人の確かな証を手に入れた。
 これで父が気まぐれで思いついた戦闘機人によるソープランドとかいうのもなんとかやって行けるだろう。
 なにより、地上本部襲撃とかケガ人が出るようなことは後送りになったのだ。
 まずはそれでいいと考えよう。

 ゼストは思う。
 もし、彼女に一言「一緒に来ないか」と言えればどんなに楽なのだろうかと……。
 だがそれは無理だ。
 彼女には残された姉妹がいて、その中にはルーテシアとその母親の命を握っている者がいる。
 だから今は耐えるべきだ。
 チャンスを、姉妹全員を一度に救えるチャンスを。
 それがいつになるかわからないし、この身もいつまで持つかわからない。
 あの男の気まぐれは腹立たしいが、そのおかげで愛するチンクに証を立てさせることが出来た。
 まずはそれでいいと考えよう。
 それに、外部の人間との接触は彼女たちに必ずなんらかしらの影響を与えるはずだ。
 その不確定要素にかけるしかない。
 願わくば、それが姉妹たちに幸せを与えるものであらんことを……


    《END》
5857:2008/03/26(水) 18:25:08 ID:fE1e2DcE
以上であります!

ふ〜ッ、なんかいろいろやっちゃったような気がするな〜。

あ、あとオレ、この投稿が終わったら。基地で待ってる保管庫管理人さんに、
じつはオレ『224  ◆Nw9Ad1NFAI』だってことを言おうとおもうんだ。
エリキャロの続き(途中)も書いてある。


でも、「Nw9Ad1NFAI」にした英単語ド忘れしちゃって困ってるんだ……orz

それでは長いの、失礼しました
59ザ・シガー:2008/03/26(水) 19:03:52 ID:Ln4cgivu
ロリ姉エロスGJウウウウウウゥゥッ!!!!!

あんさん‥‥あんてモンを書いてくれたんや‥‥これに比べたら俺の書いたソープ第一作なんてクズや‥‥お話にもならへんわ。
なんか無性にチンク姉をメチャクチャに陵辱してやりたくなったな。

ともかく、次回のソープのユーノ編にご期待あれ。
少なくとも今週中には投下します。
60名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 20:19:42 ID:9tJzTIaH
GJ!
ところどころ筆者の念がちらほら載ってて笑いも混ざって程良いね。
>> こんなことを外見年齢11歳の美少女に思わさせるゼストという漢は本当に罪深いやつだ。そうは思わないか!(血涙)
まったくです、サー!!
61名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:16:56 ID:bX/P9713
このスレにいしては珍しく書き込みが途絶えてるなw
62B・A:2008/03/26(水) 23:30:02 ID:LPeqnWk4
12時15分ごろに投下できると思います。
半端なのは遅刻するかもしれないから。
63名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:39:06 ID:L0PBm/OZ
>>61
きっとみんな右手を動かすのに忙しいのさ!

>>58
超GJ! 俺の息子が泣いて喜びました!
64B・A:2008/03/27(木) 00:29:28 ID:IekWuC1B
だいぶ遅刻してしまった、すみません。


注意事項
・セッテ×エリオ
・時間軸はstsから5年後、エリオ16歳。そのため、捏造が多々あり。
・2人の回想という形で現在と過去が入り乱れる少々わかり辛い造りになっています。
・と言いつつ、またしても過去編オンリー。
・セッテの性格は少しアレンジ入っています。
・アニメ17話でエリオはフェイトと共に空へ上がり、セッテに撃墜されたという捏造の元にこの話は成り立っています。
・バトル嫌いな人はスルーの方向で。
・セッテはまだ病んでます。
65セッテ −その心の在り処− 第10話@:2008/03/27(木) 00:33:04 ID:IekWuC1B
【5 years ago】

夢を見ていた。
争いも諍いもない、平和で穏やかな夢を。
夢の中のエリオ・モンディアルには優しい両親がおり、その2人は何があっても自分を手放さずに守ってくれた。
フェイトには小さな姉がおり、優しい母親や家庭教師と共に穏やかな生活を送っていた。
なのははお腹を痛めて産んだ娘と一緒に喫茶店を営んでいた。その娘の名前はヴィヴィオといって、
当然ながら聖王なんて重い宿命は持っていなかった。
八神家にはリィンフォースTという銀色の髪の女性がおり、最後の夜天の王は戦うことなく、暖かな家族に囲まれて幸せそうに笑っていた。
スバルの母親やティアナの兄も生きており、キャロも故郷を追い出されてなどいない。ヴァイスは誤射事件など起こしておらず、
ルーテシアは優しい母親と共に笑っていた。
クロノの父親も存命しており、レジアスとゼストは互いに手を取り合って平和な世界を守っていた。
スカリエッティも犯罪者などではなく、世間から評価される真っ当な科学者で、12人の娘たちはそれぞれ自分たちの夢や希望を持って生きていた。
そして、自分はその中の1人と恋に落ちるのだ。その人の名前はセッテといって、凛とした表情がとても印象的な美しい女性だった。
抑揚のない喋り方をするけど性格は激しく、からかうとすぐに顔を赤くする可愛い人だ。
真面目だけど感性に富み、朗らかに笑う綺麗な人だ。
だから、これは夢だ。
本当のセッテはそんな風に笑わない。激しい性格だけどどこか機械的で、感情に乏しい人形みたいな人だ。
屈託なく笑うセッテはエリオ・モンディアルが生み出した幻想でしかない。こうあって欲しいという理想でしかない。
それでも、敗北した者にとってこの夢は心地良いものだった。
ここには争いも何もない。誰も傷つかず、穏やかに暮らしている。ここならば、自分はセッテを傷つけずに済む。

《諦めるな!》

なのに、どこからか聞こえる声が戦えと急き立てる。
でも良いんだ。もう疲れた。これ以上は戦えない。

《それで良いのか! ここで諦めてしまえば、今日までの努力がそれこそ無駄に終わるのだぞ!》

「良いんだ・・・・僕は負けたんだ。勝てなかったんだ」

だから放っておいて欲しい。せめてセッテに殺されるまでの数分間くらい、心地良い夢を見たって良いじゃないか。
66セッテ −その心の在り処− 第10話A:2008/03/27(木) 00:35:51 ID:IekWuC1B
《見損なったぞ、エリオ・モンディアル》

聞こえてきたのはさっきとは別の声。
この声には聞き覚えがある。低く、抑揚のないバリトンは、自分が敬愛する女性の相棒のものだ。

「バルディッシュ!?」

ストラーダを介して念話を飛ばしているのか? 高性能なインテリジェントデバイスは機体間でも会話ができるとは聞いていたが、
まさか他人の夢の中にまで介入してくるなんて。

《お前はサー・フェイトに何を学んできた? 高町なのはに何を学んできた?》

「多くのものを学んだよ。魔法の制御方法、大きな力の使い方、決して諦めない不屈の心。
けどね、無理なものは無理なんだ。勝てない相手にいくら挑んだって、結果は変わらないんだ!」

その叫びに答えたのは、更に別の声だった。

《確かにその通りだ。けどよ、お前の師匠はその程度で諦めるほど柔な女じゃないぜ》

「レヴァンティン、君もか!?」

《確かに今のお前は弱いかもしれねぇ。けどよ、さっきお前はそれでも良いって言ったんだぜ。
だったら責任持てよ。最後まであの嬢ちゃんをきっちり守ってやれよ》

《結果よりも、その過程が大切だ・・・・・などと偽善的なことは言わぬ。だが、それ以上に大切なものがお前にはあるはずだ。
そのような理屈など抜きにして、絶対に譲ることのできない理想があったはずだ》

「僕の・・・・・・理想・・・・戦う理由」

大切な人を守る、傷つけたくない人を守る、愛おしい人を守る、セッテを守る、この手で救える全てを守る。
その根底にある思いは1つ。こんなはずじゃなかった世界の中でも、せめて自分の目に見える人たちには笑顔でいて欲しい。
ただそれだけの純粋な願い。どこまでも独善的な、子どもじみた願い。

《まだお前は守れるじゃねぇか。気張れば手足くらい動くだろ? 死力を尽くせば魔力くらいいくらでも絞りだせるだろ?》

《今諦めれば、二度と救える機会はないぞ。このようにな》
67セッテ −その心の在り処− 第10話B:2008/03/27(木) 00:39:17 ID:IekWuC1B
不意に風景が変わる。
バルディッシュが見せたのは二度と取り戻せぬ時間。稼働してから10年の間、自身に蓄積した無念の思いであった。
そこには母親を救えなかった少女がいた。
そこには家族を救えなかった少女がいた。
妄執に囚われた母を救えなかった、虚数空間へ堕ちる母を救えなかった、世間の非難から母を弁護できなかった。
意地を張ったが故に家族に苦渋を強いた、仮初の幸せに縋ったが故に家族を傷つけた、過ちを繰り返さぬために家族を救えなかった。
それはフェイトたちが取り零してきた大切な命。決して犠牲にして良いわけではなかった大事な人たち。
ひょっとしたら救えたかもしれない、こんなはずじゃなかったと嘆く無念の思い。

《そして、お前が諦めたらあの嬢ちゃんはこうなるぜ》

風景が変わる。
レヴァンティンが見せたのは過ぎ去った主の過去。闇の書と共に長い年月を渡り歩いてきた自身が蓄積した悲痛な叫びであった。
そこには感情を持たぬ騎士たちがいた。
そこには温もりを知らぬ騎士たちがいた。
主君に命じられて隣国を焼き払った、主君に命じられて武器を持たぬ平民を虐殺した、主君に命じられて善良な人々を辱めた。
闇の書の蒐集のために無関係な魔導師を襲った、感情など持たずに無慈悲に人を殺した、機械のように無感動に日々を送っていた。
それはシグナムたちが通過してきた過去。望みを持たず、幸せを知らず、感情を持たず、他者に命ぜられるまま全てを無に帰してきた光なき闇の記憶。
決して許されることのない十字架。

《今、お前が諦めればセッテはこうなるのだ。寝ても覚めてもお前のことだけを考え、お前のことを殺したいほどに憎み、
殺したいほどに愛している女性はまた暗闇の底に戻ってしまうのだぞ》

ストラーダの叫びが折れかけたエリオの闘志を揺さぶる。
脳裏に浮かぶのはセッテとの記憶。
この半年間、彼女と共に語り合った大切な時間。
自分が死ねば、セッテはそれを失うことになる。自分が死ねば、彼女は心を失ってしまう。
自分という愛でるべき対象がいなくなれば、彼女が生きる理由がなくなってしまう。
自分が側にいないと、彼女は笑わなくなる。
そんなことは許容できない、できるはずがない。

《それでも諦めるのか! そんなに自分が信じられないのか!?》

当たり前だ。
自分は弱い。エリオ・モンディアルはどうしようもなく弱い。どこまでもちっぽけで無力で弱い存在だ。
けれど、それでも譲れないものが自分には確かにあった。この手で救える人を、目の前で苦しむ人を、
自分の後ろにいる守りたい人を、その生命を脅かす全ての敵から守る。
ならばどうする?
答えは1つだ。
駆け抜ける。
誰よりも速く駆け抜ける。
ほんの一瞬でも傷つく人の前に立つことができれば、自分は彼らを守ることができる。
68セッテ −その心の在り処− 第10話C:2008/03/27(木) 00:42:27 ID:IekWuC1B
《そんなに自分が信じられないのなら、信じなくて良い! だが、私は知っている。お前が今日という日まで、
彼女に勝つためにどれほどの修練を積んできたのかを知っている。私はお前の意地と矜持を知っている。
ならばこそ私はお前を信じている。だからお前も私を信じろ。エリオ・モンディアルを信頼する、私を信じろ! 
進むべき道がないなら、私がお前の道になる。私がお前の進む道を切り開く!》

その一言が決定打だった。
空手だったはずの手に一本の蒼い槍が握られる。
それは鋼の相棒。苦楽を共にした最も信頼できる真の友。
その名は・・・・・・・・・。

「ストラーダ!」

《Jawohl》

風景が一変する。
そこは何もない真っ暗闇の世界。先程まで広がっていた穏やかな世界はどこにもなく、どこまでも深い闇だけが広がる不気味な世界。
その中心にいるのは、1人の女性だった。
桃色の髪に170cmを超える長身。凛とした佇まいはどこか人形めいていて、その目からは感情が読み取れない。
戦闘機人ナンバーズbVセッテ。
エリオ・モンディアルが憧れ、目標とした人物。
絶対に、負けることが許されない幻想。

「やっと会えた・・・・・セッテさん」

言葉とは裏腹に、右手が淀みなく動く。
ガジェット相手に何度もそうしてきたように、最愛の人の胸に手にしたストラーダの穂先を突き立てた。

「けど、さようなら。僕が守らなきゃいけないのは、あなたじゃない」

「気にするな。所詮私はお前が造りだした幻想、お前の糧になれるなら本望だ。
だが、最後に1つだけ聞かせろ。お前は、何故戦える?」

それは、いつかと同じ問い。
こんなにも苦しい思いをして、何故戦えるのか?
答えは、あまりにも単純だった。

「セッテに笑って欲しいからですよ」

「そうか。私のことをよろしく頼む」

そうして、幻想の強者であった女性はエリオの中から完全に消滅した。
残るはその先。幻想の向こうにいる現実の女性。その人の中にいる、幻想の自分。
そして、再び風景が一変した。





69セッテ −その心の在り処− 第10話D:2008/03/27(木) 00:45:30 ID:IekWuC1B
砲撃に吹き飛ばされ、倒れるはずだった。
無慈悲ともいえる三連攻撃を捌き、疲弊したところに砲撃を撃ち込まれた。
完膚無きまでに叩きのめされた体はそのまま地面に転がり、息を引き取るはずだった。

「・・!」

仰け反った頭を強引に戻し、勢いに任せて地面を踏みしめる。
立っている。
あれだけの攻撃を受けて、致命傷ともいえる傷を負って、まだエリオは立っている。
その事実はセッテのみならず、戦いの行く末を見守っていたフェイトたちをも驚愕させた。
そんな中、ただ1人冷静だったエリオは即座に術式を練り上げ、左手に拳を作る。

「紫電一閃!」

繰り出されたのは何の変哲もない正拳。だが、必殺の意思が込められた正拳だ。
何らかの属性に変換した魔力を高密度に武器に付与し、打撃として打ち込む。ベルカ式術者の基礎にして奥義ともいえる技法。
その一撃がセッテの体を捉える。
強烈なストレートを鳩尾に食らい、セッテの体が大きく後退する。だが、ダメージを受けた形跡はない。衝撃も防護服に吸収されてしまい、大した効果は上げられなかったようだ。
それでも後退するだけの隙は作れたので、エリオは一足飛びでセッテから距離を取った。

「ありがとう、ストラーダ。君がいてくれたおかげで、まだ戦えそうだ」

《気にするな。我らは一心同体、一蓮托生。お前が彼女を守るというなら、私はその思いに応えるだけだ》

「なら、僕とストラーダの絆と覚悟をセッテに見せつけよう。付き合ってくれるね?」

《Jawohl》

萎えていた闘志が一気に燃え上がる。
その手には鋼の相棒。信頼できる友を手にして、諦める道理などない。
自分たちは2人で1つ。どちらか片方の心が折れなければ、何度だって立ち上がれる。

《ストラーダ、例のアレは使えるのだな?》

前置きを排したバルディッシュからの念話をストラーダが受信する。

《一応は。しかし、出力制御が甘く、技としても未完成ではありますが》

《制御に関してはレイジングハートのデータをそちらに送ろう。レヴァンティン!》

《転送準備完了。技の面は俺様のデータをくれてやるぜ!》
70名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 00:49:56 ID:0HcqRiSa
支援
71名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 00:52:28 ID:GV1ymp5o
ああ
こっちは平和でいいな
支援
72セッテ −その心の在り処− 第10話E:2008/03/27(木) 00:52:33 ID:IekWuC1B
瞬間、ストラーダを介してバルディッシュとレヴァンティンから膨大な量の情報が流れ込んでくる。
その苛烈さは先程の悪夢の比ではなく、あまりの情報量の多さにエリオの視界がうっ血して赤く染まる。
頭がパンクしそうになるまで流れ込んでくるのは戦いの記録だ。バルディッシュが見つめ続けた友の戦いの記録。
レヴァンティンがその身に刻んだ戦いの記録。今日という日まで2人が蓄積し続けた戦いの理念、技術、経験、
その全てを己のものへと変換し、模倣し、最適化する。
綻びそうになる意識を強引に纏め、意地という紐で縛りつける。
情報の洪水は止まらない。汲み上げられた戦いの記憶は楔となって未熟なエリオの体に打ち込まれ、刻印として刻まれていく。

―――――その一撃、迫りくる軍勢を焼き払い、暗雲を引き裂いて天を赤く染める―――――

意識が飛び、耳鳴りで音が消え、真っ赤な視界は何も映さない。
そこにあるのは記憶だけ。己に刻まれた記憶だけを頼りに、エリオはストラーダに術式を走らせる。

「何をする気だ・・・・・・」

異変を感じ取ったのか、セッテは両手にブーメランブレードを転送して油断なく身構える。
そんな彼女を前にして、エリオは低く、だがはっきりとした声で言う。

「セッテ、さっきの攻撃は全力ですか?」

有無を言わせぬその調子に、セッテもただならぬ気配を感じたのか、表情を険しく歪ませながら一言だけ漏らした。

「ああ」

掛け値なしの、正真正銘全力の攻撃だった。
セッテはエリオとの模擬戦は苛烈極まりないものになると思っていた。だが、戦闘機人である自分は追加兵装を取りつけない限り
新しい能力や武器を得ることはできない。日々精進することで己を高めるエリオを前にして、現状の武装のみではあまりに心許なかった。
だから、勝てる術を模索したのだ。力に頼らず、己の能力と武器を最大限に利用し、敵を殲滅しうる技を考案した。それが先程の連携だ。

「良かった・・・・・・今度は、僕の全力を受け止めてください」

その一言に、セッテの唇が歪につり上がる。
エリオの目はまだ死んでいなかった。
あれだけ痛めつけ、実力差を見せつけたというのに、彼はまだ諦めていないのだ。

「それでこそ、エリオ・モンディアルだ」

その言葉を無視してエリオは相棒に命じる。
力強く、雄々しく、気高く、どんな時も己を裏切らない鋼の相棒に向けて、切り札の発動を宣言する。

「ストラーダ、フォルムドライ!」

《Unwetterform》

カートリッジの炸裂と共にストラーダの穂先に魔力刃が生まれ、周辺部が電流を纏う。
ストラーダの第三形態。エリオの持つ魔力変換資質「電気」を極限まで強化する、魔力戦に特化した形態だ。
だが、どれだけ魔力を強化しようと、エリオの電撃ではセッテの対電撃コートを抜くことはできない。
73セッテ −その心の在り処− 第10話F:2008/03/27(木) 00:56:58 ID:IekWuC1B
「良いのか? 電撃が利かないことはお前も承知しているはずだ」

「ええ。確かに電撃は利きません。ですが、打撃は通る」

《A.C.S Driver》

残る2発のカートリッジが炸裂し、ストラーダの穂先に4枚の光の翼が現れる。
アクセルチャージシステム(Accelerate Charge System)。射撃魔法とは別に、なのはから与えられた卒業課題であるチャージドライブ。
それを最大限に生かすためにエリオがストラーダに搭載した、瞬間的に突撃力を強化するための機構だ。そして、今日という日のために用意した奥の手でもある。

「そして、これがあなたの幻想を打ち砕き、暗闇を光で照らす一撃です」

「できるか? 私の闇は深いぞ」

「できます。僕が誰の子どもで、誰の弟子かお忘れですか?」

金の閃光フェイト・T・ハラオウン。
烈火の将シグナム。
雷も炎も、全て暗闇を照らす光を持っている。絶望を打ち砕く希望を持っている。

「だから、受け止めてください。僕の全力全開、僕のセッテへの思いの全てです!」

光が集う。A.C.Sの翼から迸る魔力が呼び水となり、大気中の魔力素が渦を巻く。
それはさながら光の螺旋運動であり、その中心に立つエリオは淀みのない思考でリンカーコアを活性化させる。
全身を駆け巡る魔力で毛細血管が破裂し、四肢がどす黒く染まっていく。激痛の余り脳は沸騰寸前だ。
それでもエリオは手にした鋼の相棒を手放さず、逆に力を込める。そして、まるで短距離走のクラウチングスタートのように姿勢を低くした。
今より体現するは1つの奇跡。
レヴァンティンに登録されている魔法を抽出し、それをバルディッシュがエリオでも扱えるように術式を組み直してストラーダへと継承させた、
いつかエリオが辿り着くであろう結果の先にある技法。

「翔けよ、隼―――――」

掛け声と共に体が弾ける。神速を超え、光速を凌駕し、魔速をも従える虚無の領域へとエリオは足を踏み入れる。
そこから繰り出されるは全てを貫く一突き。
その名の如く、隼となりて戦場を駆ける。
剋目せよ。
これぞ数多の軍勢を焼き払い、天地を引き裂く魂の槍撃。
その名も高き烈風の隼。

「――――――シュツルムファルケン!」

今、最大にして最強の、そして最後となるであろう一撃が解き放たれた。

                                                 to be continued
74B・A:2008/03/27(木) 01:00:44 ID:IekWuC1B
以上です。
どんだけ長いんだよこの模擬戦。書いても書いても終わらない。
B・A版シュツルムファルケンは投槍ではなくチャージ(突撃)です。さすがにまんま使うのは芸がないだろうと思ってアレンジしたのですが、
ここまで誇張した演出は我ながらやり過ぎたかなぁと。いえ、後悔はしていません。ファルケンの使用を承諾してくださったアルカディア氏に改めて感謝します。
あと、最初の夢にギンガとアルフとユーノの名前がないですけど、単に入れる余地がなかっただけでちゃんと幸せに暮らしてます。
というか、ユーノは幸せにしなきゃいけないくらい悲しい目にあってないので最初から演出する気なかったです。
次回は、次回こそはきっと・・・・終わる、はず。
支援ありがとうございました。
75名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 01:26:54 ID:Yv3SPLz+
30分以上あってだれからのGJもないとは
ならば私が一番乗りGJ!!
あなたの文章はいつも私を熱くさせてくれるなw
76名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 01:39:39 ID:lStqaATx
GJ!!
なんとなく天翔龍閃思い出した
77名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 01:58:00 ID:K5On6Yd/
どうやら規制は解除されたな。。。
司書長の異常な生活、ギン姉ぇのターンは待っていていいのか?
78名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 01:59:50 ID:1S3Lnj05
>>74
GJ。男気溢れまくってるデバイス達がかっこよすぎますよ。
戦闘シーンのかっこよさはマジで憧れます。
GJで足りるのかしら?でも言う。GJ!!

で、俺も投下していいっすか?
79名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 02:10:35 ID:Ta6pGZWv
>>78
何を迷う必要がある、GOGO!
80名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 02:16:00 ID:EtQKwzu9
>>78
恐れず、迷わず、先手を取る。これが勝負の基本なの!
81蒼青:2008/03/27(木) 02:20:42 ID:1S3Lnj05
あざっす。それではいくです。

覚えておいででしょうか。かつてこんなバカがいたことを。
「ヴォルテールがおにゃのこしたっていいじゃないっ!!」
覚えてもらってたらうれしいなぁ(遠い目

ちゅー訳で、ヴォルテールの初恋物語の第2幕、投下します。

・狂気のヴォルテール→エリオ。
・タイトル「Spring Love」。NGワードも左に同じでお願いします。
・エロなし鬱なし戦闘なし。エロとかどうしろと…orz
・前回は言い忘れましたが羽が生えた巨大な捏造設定が主人公ですので、嫌いな方はスルーでお願いします。

という訳で、それでもおkといってくださる方はどうぞ、お楽しみください。
それではどうぞ。
82Spring Love No_1:2008/03/27(木) 02:22:00 ID:1S3Lnj05
たゆたう体躯をそっと揺らし、彼女は夢を見る。
その中は、何もかもが叶う世界。理想。夢想?

笑顔の娘であり、母さんの、キャロ。
穏やかな、和やかな、家族の姿。

自分が想う相手との永遠。

そこで、ふと目が開き、小さな震えは大きな脈動に。

夢は醒めれば儚いモノ、という人もいる。
だがしかし、彼女はそうは思わない。

それは、私が彼を想う証。
心という、存在すら危ういものの、証明。

だって、夢は心が見せるものだから。
自分の奥の奥、真ん中のまんなかが魅せる、世界。
素直な自分。

そう思えたなら、それはしあわせに。

だから、彼女は目を醒ます。
醒まして、再び目を閉じて。
彼との世界を、エリオの夢を想い返すのだ。

その身体をきゅっと抱きしめ。自ら抱きしめ。
それを彼との抱擁と、ありえないことと重ねる。
心臓が、またはねた。どっごん。


本日の目ざめ、震度4。




〜The Biggest Love〜
Step 2 Spring Love



83Spring Love No_2:2008/03/27(木) 02:23:01 ID:1S3Lnj05
件の模擬戦から約2週間が経った。
その間、ヴォルテールが召喚されるような事態もなく、機動六課は
平穏無事な次元世界に、ミットチルダに、ひとまずの安堵を感じていた。
でも、そんな空気の中だからだろうか。

あいも変わらず多忙な執務官、フェイト・T・ハラオウンも。
フォワード陣の訓練の準備に余念が無い教官、ヴィータも。
どんないきさつがあったのか、最近紅茶に興味を持ち始めた、シグナムも。
スターダストフォールの使用を頑なに拒むようになった戦技教導官、高町なのはも。

六課の中で起こった規模的には小さく、しかし特大の変化に、気づけなかった。

でもこの場合、隊長陣を責めるのも筋違いといえば筋違いだ。
何しろこの事態、人の予想の範疇を軽く飛び越えているのだから。

真竜ヴォルテール、色気づく。

この事実を知るものは、現在世界にただ二人。
湖の騎士、シャマル。
夜天の王、八神はやて。

でも、そんなことは関係なく世界は廻り、巡り。
朝の訓練から、今日が始まる。
今日も、始まる。



84Spring Love No_3:2008/03/27(木) 02:23:58 ID:1S3Lnj05
太陽がスタートラインを越えたちょうどその頃、眠い目をこすり、起床。
まずはあいさつ。いつもの風景。彼女の、キャロの、日常。

『おはようございます』
「おはよう、ヴォルテール」
「キュク〜…」
「フリードも、おはよう」

もうすっかり、しっくり来るようになった、私とのあいさつも、日常。
キャロが笑う。私も笑い、光る。きゅくる〜。
さあ、まずは身だしなみ。一番大事な、武器を磨こう。

歯を磨いて、顔を洗って。
一度戻って服を、いつもの訓練着に着替えて。
そして、訓練場へと向かう。
朝の廊下。彼へと続くみち。

寮の出入り口には、見慣れた背中。
小さな背中だけど、大きくやさしい。
そう見えるのは、私だけなのかな?
そうじゃないといいな。でも、そうだったらうれしい、かもしれない。
…あれれ?どっちだろう?


訓練中は、私の出番は基本的に、無い。
前回の模擬戦の印象が、隊長さんたちにあまり良くなかったのかもしれない。
まあ、手伝ってあげようと思えば敵のサーチくらいはできるけど。
でもキャロはそれを断ってるし、私も無理にしようとは思わない。

それは、キャロの願いだから。
強くなる。強くなって、みんなを守る。
そのための力。そのための訓練。

だから、私はそのためにいる。
そのための力で、いたいんだ。
それに……

そうすれば、訓練中はずっと、彼を見ていられるでしょ?

最近のエリオは、ずっとあの剣士と訓練してる。
突いては捌かれ、薙いでは流され、鍔迫り合い。
彼の黄色い魔力と、電気と。剣士の緋色の魔力と、炎と。
お互いの武器がぶつかり合うたび、飛ぶ火花が彼を彩って。
なんか、すごくキレイだなと思った。

あの剣士は、まあ訓練だから、本気でかかってはいないだろう。
少なくとも、私と戦った時の動きではない。
それでも、その剣先は鈍ることを知らない。

それに、彼もとても真剣で、まっすぐで、その顔がとても、とても、
かっこいい。かっこよすぎるんだ。
またどっごん。心臓が騒ぎ出す。

だってしょうがないじゃない。あんなにかっこいいんだもん。
そして、訓練が終われば、あんなにやさしいんだもん。
やさしく笑うんだもん。

彼と剣士が舞い踊る、舞踏のダンス。
きんかん、くるくる、ぎゅーん。
85Spring Love No_4:2008/03/27(木) 02:24:38 ID:1S3Lnj05
その相手が、もしも私だったなら、なんて考えてみたり。
もしそうなら、そうだったなら。彼のあの顔が、目の前にあるんだ。
あの表情が一瞬だけでも、私のものになる。
…もうきっと、訓練どころじゃないね。
彼といっしょに、くるくる、ぎゅーん。
あ、墜とされちゃった…。


訓練が終わって、真っ先にキャロがエリオに駆け寄る。

「お疲れさま、エリオくん」
『お疲れさま、エリオ』
ハモった。
一瞬呆けるエリオだけど、すぐに笑って。

「うん、キャロもお疲れさま」

え、私には?

「ヴォルテールも、ありがとう」

そういって、ケリュケイオンを撫でてくれる。
これが最近の私の、お気に入り。だってあったかいんだもん。
私はケリュケイオンじゃないのに、でもあったかい。
だからこれは、きっとココロのあったかさ。

「えー、わたしもわたしもー」

キャロがいって、エリオの手が離れる。
急に冷たく、寂しくなるココロ。
見上げれば、頭を撫でてもらって満足そうなキャロの顔。
………キャロ、なんか頬っぺた赤くない?

『エリオ、私にももう一回…』
「え?」

気がついたら、そんなことを言ってる自分が。
ああもう、何でこんなこと言ったんだろう…
ほら、エリオだって困っちゃってるし…

「はいはい、りょーかい」

え?

もう一回、エリオの手が伸びて。
帰ってきたあったかさ。お気に入りのぬくもり。
……もう、これだから彼は。

どこまで、やさしいのだろうか、このちいさな騎士さんは。

「む−、わたしもー!!わたしもー!!」

キャロのむくれた顔。ちょっと困った顔のエリオ。
また手が離れて、キャロの顔が幸せそうに緩む。
……なんだか、少し気に入らない。

『エリオ、─』

結局このエリオの手の取り合いは、ヴィータ副隊長に怒鳴られるまで続いた。
86Spring Love No_4:2008/03/27(木) 02:25:39 ID:1S3Lnj05
                 ・
                 ・
                 ・



「毎度毎度言うてる気もするけど、何やねんなこれは…」

はやては、ディスプレイから目を離すと同時に、部隊長室の立派な机に立派に轟沈して、うめきと共に今日も呟いた。
何で私が休憩時間削ってまでこんなもん読まなあかんねん。責任者出てこんかーい!!…あぁ、私か。


─約半月前、医務室のシャマルから入った、1通のメール。
それは機動六課の部隊長にして、特別捜査官として名を馳せた八神はやて二等陸佐の状況予測能力を持ってしても、
到底予測できるものではなかった。
だってこんなこと、カリムの予言にも露ほども出ていなかったではないか。今度文句を言いに行こう。
そして補償として揉ませてもらおう。何を?聞くだけ野暮っちゅーもんやろ?

それはそれとして、この話題ははやての興味を大いに刺激するものだった。
なにしろ、ヴォルテールである。なんと言ってもヴォルテールで、しかもヴォルテールなのだ。
まさかあの大怪獣に、恋愛に身悶える日々が訪れようとは。
これはイジリ倒さねば、もとい、応援せねばなるまい。部隊長として、夜天の王として、春を迎えた乙女には
盛大な祝福を与えなくては。

そこまではよかったはずだ。まったく問題ない。

その後、医務室にやってきたキャロにお茶を勧め、健やかな眠りの世界に旅立っていただいた後。
部隊長の尋問が始まった。

「で、ヴォルテール。誰が好きなん?」
『え?エリオですが』

ん?おや?
おかしい。何かがおかしい。

「そ、そか。
 まあ、私らはヴォルテールの味方やからな。困ったことがあったらなんでも相談してな」
『あっ、はいっ、ありがとうございます!!』
「で、エリオのどんなところに惚れたん?」
『え?だってかっこいいじゃないですか!!』

私は、私らは、何を望んでたんやっけ?リインフォース?

「そっ、そうやな。かっこええかもしれんな。」
『かっこいいんですっ!!それでいて戦闘の時以外はすごくやさしいんですよ。もう私にもすっごく気を使ってくれるし、
 例えば…』

そう言って惚け(?)始める真竜をある程度視線から消しながら、はやては思考を猛スピードでぶん回した。

おかしい。
本来年頃の初恋の女の子と言えば、このテの話の時には顔を真っ赤にして恥ずかしがるものじゃないのか。
それをつっつきながらも生暖かい目で見守るのが周囲の取るべき行動と言うものではないのかだがしかし、
目の前にいるこの恋する乙女はそんなこと意にも介しちゃいないといった様子やしーというかそもそもこの
場合乙女と言った表現は適切なんやろかなんたって相手は竜の中でも最強クラスの真竜その強大な力ゆえに
地域によっては現地の人々から神として祀られとるといった事例も報告されとるっちゅーか、確か
フェイトちゃんの話だと目の前におるヴォルテールは正にそんな感じで、しかしこうやって自分の世界を
突っ走っとる様はどう見ても神サマには──

『─ですよねっ!!…部隊長?』
「っ、ああ!!そうやねっ!!その通りや!!」
87Spring Love No_6:2008/03/27(木) 02:26:29 ID:1S3Lnj05
なんとかギリギリで反応する事が出来たようだ。
しっかし、ここまでヴォルテールがからかい甲斐がないとは思わんかったわ。真竜ってこんなんばっかなんか?
…まあ、そうとわかれば撤退あるのみ。
ごめんな、シャマル。後は任せたで。ちゃんと骨は拾ったるからな。

「お、もうそろそろ休憩時間も終わりや。ごめんな、ヴォルテール」
『そうですか。…あの、部隊長』
「ん?」
『なんか、他の人にしゃべったらすっごく気が楽になりました』

あの様子で思い悩んでたつもりなんか、この真竜サマは…
まあ、でもまだ当分は片思いっぽいしなぁ。

『ですから、これからもたまにお話聞いてもらってもいいでしょうか?』

げ。

「あ、あ〜。まあ、私も仕事とか結構あるし、そんなに時間はとれへんけど…」
『そうですか、そうですね…』

その声音に少し罪悪感を感じた。

「でっ、でもな?メールやったら後でも読めるから。
 なんでも言ってきてな」
『は、はいっ!!』

そう言って別れて、押し付けて、逃れたはず。

…だった。


そして現在に話を戻せば。
はやては、ヴォルテールから隔日の間隔で送られてくる、近況報告メールという名の精神攻撃にさらされていた。
先程の文面がまさしくソレである。丸一日分あるので、あれでもまだほんの触り程度なのだが。

…イヤ、だってしゃーないやん。
読まなきゃ泣きだすんよ、あの真竜サマ…。

とはいえ、こないな中身なんかまるでないようなメールを1日置きに読まされるのは、正直たまったモンやない。
他人の恋愛ほどからかい甲斐のあるものはないが、からかい甲斐のない恋愛ほどつまらんモンはない、ちゅーことなんか。
はい、八神はやてちゃん、また一つお利口さんになりましたー。……はぁ。

それにしてもまぁ、竜からメールが届く、いうんも何やけったいな話やなぁ。
そもそもドラゴンといえば、昔っから生ける伝説、あらゆる生の頂点。いうなればファンタジーの代名詞やないか。
いやまあ、ケリュケイオン使うてメール作成しとるんはわかってるけど、ソレにしたって、いや、だからこそか、
夢も情緒もさっぱり感じられへん。まったく、こんな社会に誰がしたんやろうねぇ…。
しっかし冗談交じりで言ったつもりだったが、ホントにメール送ってくるとは。
まさかここまでヴォルテールが順応性高いと思わんかったわ。意外と真竜も器用なのかもしれん。さすがファンタジーの権化や。
他にも何か使わせたら面白いんと違うか?ほら、D○とか、P○Pとか、納○とか○豆とかNAT○とか─


─こうして必死に現実逃避に耽る夜天の王が、同時にチェックしていた新着メールの送り主の名前によって再び机に轟沈するのは、
 それから約5分後の事。ちなみに、だれも骨は拾ってくれなかった。


88Spring Love No_7:2008/03/27(木) 02:27:23 ID:1S3Lnj05
─実は、部隊長とは綺麗に1日ずれたペースで某医務官も轟沈していたりするのだが、こちらは綺麗さっぱり割愛する。





その噂の歩く天災、とはいっても超局所的な、というか現実には歩いてすらいないのだけれど。
ともかくそんなヴォルテールは、今ちょっとだけ不機嫌さんだった。

彼女の事なのだから、原因はもちろん、彼にある。
あの後からいつだって、想いは彼に向いてるから。
とはいっても、今回に関してはたぶん、彼は悪くない。………たぶん。

場所は六課の分隊長たちの自室。時間はエリオとキャロの休憩時間。
午後の日差しが窓枠を乗り越え、『眠気はいかが?』と全身で訴えてくる。

JS事件がなんとか終結し、なのはとヴィヴィオが正式に親子となった後も、エリオとキャロは空き時間を見つけては
ちょくちょく、というかかなりのペースでこの部屋を─ヴィヴィオを─訪ねていた。


それは、みんなが望んだこと。
ヴィヴィオにとっては、事件の影響で大分精神的に成熟したとはいえ、やっぱり遊び相手は欲しくて。
なのはもそんなヴィヴィオの気持ちを、自らの過去から痛いほど理解していながらも、こればかりはどうしようもない問題で。
そこへ、六課の最年少コンビからの申し出があった。『自分たちでよければ』と。
保護された当初から相手をしていたエリオとキャロも、ヴィヴィオの様子は気になっていたようだ。
ヴィヴィオのほうも2人にはよく懐いていたし、なのはにとっては渡りに船な話だった。

ちなみにヴィヴィオが寝付いた後でこの部屋のもう一人の主であるフェイトにその話を申し訳なさげに切り出したところ、
「エリオとキャロにももっと子どもらしく遊ぶ時間を作ってあげたかった」
とのことで、あっさりとお許しがいただけた。むしろ感謝までされた。

あと、物はついでとばかりに自身の子ども時代を軽く話に絡めてみたら思いのほか好感触で、次の日以降エリオとキャロの
休憩時間が大幅に増やされたり、それと反比例するかのように烈火の将の残業時間が増え、頭から狼煙を上げ始めて火災報知機に
引っかかった結果ずぶ濡れにされたり、それを偶然通りかかったヘリパイロットと蒼い犬が目撃して全身大火傷で再び病院に
カムバックしたり、そんな家族の様子を見過ごせなかった部隊長が訓戒に向かったところ何やら焦げ臭い、もとい、香ばしい
香りが向かった先から漂ってきたりとかなり色々あったことはあったのだが、当の一等空尉はその後の取調べの際、
「一切関知していません」
と答えているとの事。



いっ以上、経過説明終了っ。


そんな空気的にも状況の背景的にも和やかさにケチの付けようもない中で、それでもヴォルテールは不機嫌さん。
その理由は有り体に言えば、軽い嫉妬。というか、嫉妬。あんまり軽くないかもしんない。
対象は、目の前。要するに、エリオ・モンディアル。

とゆうか、詳細にはその膝元ってゆうか。

陽光の誘惑に身を委ねて静かに眠る、4つの姿。
ひとつは、ソファに座って紅い頭を深く垂れる槍騎士、エリオ。
ひとつは、その腿を枕に、ぬいぐるみを抱えて熟睡中の聖王、ヴィヴィオ。
ひとつは、もう片方の腿に頭を乗せ、浅い寝息を立てる召喚士、キャロ。

そこまではいい。見ているだけで自然に笑みがこぼれてくる素晴らしい光景だ。
それはまさに遊び疲れて互いに寄り添いあい、眠りについた幼い兄妹たち。逆光の中のその姿は、まるで名画そのもの。
どんなに心が腐りきって毒の沼状態(粘度が高そうでボコボコ泡が立ってるアレ)になっていそうな三つ編みメガネでも
魂の一かけらまで残らず清め尽くしてくれそうなほどの、無垢さと神聖さを醸し出している。
これは管理局の犯罪者更生プログラムにもぜひ取り入れるべきだろう。
89Spring Love No_8:2008/03/27(木) 02:28:13 ID:1S3Lnj05
問題は、最後のひとつ。
エリオの二本の腿の間で、身体を丸めて眠りについている白い飛竜、フリードリヒ。

確かに絵としては成立している。むしろかなりの追加ポイントをもらえるだろう。
その人と竜の種族を超えた友愛の姿とその場に静かに流れるお互いを想い合う慈愛の空気は、紫色を通り越して原油のような
色をしていた毒沼を、ミッドの名水150選にも選ばれるほどの透明度を誇る屈指の清流へと瞬時に昇華させる。
これならば麓の料理人がポリタンク抱えてその水を毎日汲みに来るだろう。近隣に住む方々の癒しと憩いの場になるかもしれない。

だが、しかし。
この場にいらっしゃるのは素材にこだわる料理の鉄人でもなければ、子どもを自然の中で遊ばせたいとかほざくセレブ気取りの
バカ親、もとい、母親でもない。
槍騎士に恋する真竜、エリオに一途な巨大怪獣、我らがヴォルテール様(嫉妬モード中)である。
それでは彼女の心の声をお聞きください。

─キャロはまだいいでしょう。エリオの家族ですからね。
 お互いに兄妹という関係にもしっくりきているみたいですし。

─ヴィヴィオもまあ、許しましょう。
 この娘はせいぜい『よく遊んでくれる近所のやさしいお兄ちゃん』くらいにしか見ていませんから。
 それが初恋に発展する可能性もなくもないですが、まあ、初恋は破れるものと相場が決まってますからね(笑)。

─さて、残るは一匹。
 フリードリヒ、何エリオといっしょに寝てるんですか貴方は。
 貴方もキャロに使役されてる竜なら、主が寝ている間は周りを警戒するとか、やることがあるでしょう。立場を弁えなさい立場を。
 ってそういえば、良く考えてみたら貴方の主はエリオじゃなくてキャロじゃないですか。なんでエリオの膝元で居心地よさそうに
 丸まってるんですか。ほら、貴方のお義母さんが少し寒そうにしてますよ。こういうシチュでは魔法少女のマスコットには、
 抱きかかえられていっしょに眠るという大事な使命があるんです。貴方はこの代々続く伝統を放棄するのですか。貴方の代で
 途絶えさせる気ですか。ほら、わかったら早くそのベストポジションから離れなさい。というか、とっとと私に明け渡しなさい。

どうやらようやく本音が出た模様。と思ったら急に沈むテンション。

─とは言ったものの、本当に私がそこに収まるわけにもいかないんですよね…
 ケリュケイオンを移動させれば当然キャロが目を覚ますでしょうし、よしんば移動できたとしても、そうなればキャロの手が少々
 危険な位置に…
 あ、それならむしろ私も実体化すれば……………無理ですね。

当たり前です。この名画を一面の血のスタンプに挿しかえる気でいらっしゃるかあなたは。

─でも、そもそもこの姿だとなかなかこちらからアクションを起こすことも出来ないんですよね。
 受け身なだけじゃ、恋って発展しないと思うんです。現に私も、毎日もどかしいだけですし。
 とはいっても、本来の姿だと俗に言われる『悲しい事故』とか『大惨事』しか巻き起こせないという妙な自信が…

そうでしょうね。たぶん軽く抱きしめただけでも幼い命が一つ、確実に散るでしょうね。すごい音立てて。

最近のヴォルテールの一番の悩みはそこにあった。
自分から行動するという点で、今の状態は不便極まりない。何しろ出来ることといえば、声をかけることくらいなのだ。
かといってキャロにいちいち召喚してもらう訳にもいかない。まず部隊長が許しはしないだろう。
仮に許されたとしても、出来ることといったらせいぜい手の上に乗せるくらい。間違いなく恋愛チックな雰囲気は皆無だ。

─そうするとやはり、この姿のままで攻めていくしかないんでしょうね。
 …うん、やっぱりその位置は魅力的です。頭が下がってる分、いつもよりエリオの顔も近いですからねっ。
 しばらくこの部屋に誰も来ないことを祈りましょう。

テンションは回復したようですが、何やらきわどいトコロへ思考が到着したようで。
ついでにその手が別の意味できわどいところを目指して少しづつ移動中。
いったいキャロは、エリオはどうなってしまうのかっっ!!
…いや、どうなってもらっても困るのですが。てゆーかまだフリードがどいてないし。
90Spring Love No_9:2008/03/27(木) 02:29:04 ID:1S3Lnj05
そんな時、何かが抜けるような音と共に、急に扉が開いた。

『ひきゃっ!!』

変な声が出た。慌ててそちらを覗けば、こちらへ歩いてくる人がいる。あれは、以前模擬戦を行ったうちの一人だ。

「ああ、ヴィヴィオはお昼寝中かな?」

ただ、ずいぶん印象が違う。模擬戦の時にはそれこそ悪鬼羅刹のような表情を浮かべていたものだが、今の顔は、
慈愛に満ちた母のソレだ。感情の振れ幅の大きい人なのだろうか。

「う〜ん、とりあえずもうそろそろエリオ達の休憩時間も終わりなんだけどねー」

そういって苦笑する。しながらもベットへと向かって、戻ってきたときに腕の中には大きめの毛布があった。
それを皆にかけようとして、目線をヴィヴィオに移した時。

「あ、相変わらずこのぬいぐるみがお気に入りだね。
 どことなくユーノ君に似てるからかな?」

そんなことを呟いた。
うん?

『ユーノくん?』
「っ!!誰?!!」
『ッ!!シィーッ!!シィーッ!!子どもたちが起きちゃいますからっ!!』

つい声が出てしまった。
毛布を床に落とし、デバイスに手を伸ばしかけたその人を小声であわてて宥める。

「え?誰なの?」
『ココです、ココ。』

声から鋭さが少し消えたところで、宝珠部分を点滅させながら慎重に小声で呼びかける。
そして、いつもの少し面倒くさい自己紹介を行った。すると。

「へぇ、ヴォルテールさんなんだ…」

1オクターブとは言わないまでも、声のトーンが少なくとも4音くらい下がったような気がする。
私は何かこの人の気に障るようなことでもしたのだろうか。過去に遡ってみてもまったく覚えが─そもそもろくに接点すら─
なかったのだが。

『あの、私何かしましたっけ…?』
「ううん、別に…?何もしてないよ?何もね…」

すいません、なんか黒いもやみたいなのが出てきてるんですが。
何もしてないとか絶対嘘だと思うが、この話題にはこれ以上触れないほうがよさそうだ。
転換転換っ。

『そ、そうですか。
 それじゃあ、ええっと、さっきの話なんですけど。
 ユーノくんって、このぬいぐるみの名前ですか?』
「え?ユーノ君?」

その名前を出した瞬間、声のトーンが最初に戻った。なんなんだろうこの人は。

「違う違う。ユーノ君は、わたしたちの幼馴染だよ」
91Spring Love No_10:2008/03/27(木) 02:29:46 ID:1S3Lnj05
え?なに?おさななじみ?
だって、このぬいぐるみ─黄色いイタチのような姿─を見る限り…

『イタチの幼なじみ、ですか………??』

そういうことになってしまうのではないか。

「違うよ〜。ユーノ君はちゃんとした人間さん、だよ。
 変身魔法が使えてね。初めて逢ったときも、その姿だったの」

ああ、なるほど。どういうことだったのか。
一瞬ペットとリアル友人の区別も出来ないかわいそうな人なのかと────ん?

「ヴィヴィオにも優しくしてくれるし、無限書庫の司書長さんだし、他にもいいところがたくさんあって、
 とにかくいい人だよ〜」

何かがひっかかった。違和感とかじゃないんだけど、さっきの会話の中で、琴線に触れたっていうか、網にかかったっていうか、
とにかくそんな感じ。
ユーノ君…
人間さん……
変身魔法…………!!

そうかそれだ!!
その手があった!!

『すいません!!そのユーノさんの話、もっと聞かせてもらってもいいですか!?』
「へ?あ、うん。いいけど…例えばどんなことがいい?」
『例えば─変身前と後の話とか』
「え?」

若干呆けた感じの返事を返してしまうなのは。
だが、そんなものはもはやヴォルテールの眼中になかった。
今はただ、降って湧いたような一筋の希望の光の中で、その心を目いっぱいに躍らせていた。


92Spring Love No_11:2008/03/27(木) 02:30:27 ID:1S3Lnj05
詳細な話を聞いて、確信した。恐らく理論上は実現可能なはずだ。そうと解れば行動あるのみ。
八神部隊長とDr.シャマル宛のメールを作成しながら、なのはに謝辞を述べる。

『どうもありがとうございました。とても参考になりました!!』
「あ、うん。そう…」

そもそも目の前の教導官は、何故私がこんな話を聞きたがったのかわかっていないのだろう。その返答には、感情が着いて
来てないように見受けられる。
だけどこの際、そんなことはどうでもいい。
エリオに触れられるかもしれないという可能性をくれた、彼女に感謝を─。

あ。そうだ。

『すいません。もう一ついいですか』
「え?なに?」
『カメラ。持ってません?』
「…はい?」

今日だけで何度彼女のその声を聞いただろうか。でも今回は、その意図が確実に伝わる自信がある。

『だって、ほら。』
「え?あ…」
『遺したくなりませんか?』

ほらね?
目の前の光景に魅せられない親なんて、絶対にいない。
幸せそうに眠る我が子の顔に、見惚れない母親なんて、いるはずがないもの。


─後で送ってくださいね─、─うん、わかった─
母の会話が傾きかけた日差しに乗って、室内に緩く響く。
そうしてファインダー越しに覗かれた名画は、シャッター音に区切られて。
刹那を、永遠へと変えた。





その後、医務室と部隊長室に同時に届いたメール。
中身は短く、簡潔。
『お願いがあります』

『私に、リミッターをかけてください。』





つづく。




93Spring Love おまけ_1:2008/03/27(木) 02:31:16 ID:1S3Lnj05
おまけ

警備員である男は、その部屋に漂う空気の異質さに吐き気すら覚えていた。
数分前までは、こんなことにはなっていなかったのに。
密かに憧れていた高町一等空尉が間近で見られてラッキー、なんて浮かれていた自分を恨めしく思って、
その後この職を「給料よさそう」なんてふざけた理由で選んだ自分を実際に恨んで。
そして、思考が眼下に見える惑星を3周したところで、

強化ガラス越しにメガネの少女に縋った。

─何とかしてよこの空気!!!


そんな警備員の正に目の前で
管理局のエース・オブ・エース、高町なのはと、幻惑の使い手、クアットロが、面会室の板越しに相対していた。


「で、今日は何しにこんなところに来やがったんですのぉ?」

持参した小型のジュラルミンケースを目の前に置く。

「ああ、自分が逮捕した犯罪者を笑いにでも?」

蓋を跳ね上げる。内容物は2つ。

「これまたずいぶん悪趣味なんですねぇ」

そのうちの一つ、特注品のゴーグルを装着し、もう一つに手を伸ばす。

「エース・オブ・エースというのも、そんなにお暇なのかしら」

薄い金属性の板。というより、板状のケース。中身を慎重に取り出して─

「…ちっ。ねぇ、何とか言ったらどうなのよっ」

目の前に、突きつける。


少女の挑発を無視して、一等空尉は何やら手荷物をゴソゴソいじっていた。
そして一等空尉がなにか紙切れのようなものを見せた瞬間、少女の動きが数秒止まった。
そして。

「非や嗚呼あぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!」

突然、尋常ではない叫び声を上げ始めた。椅子から転げ落ちたその顔には、明確な恐怖が。

「怖い?!苦しい?!!それはね、あなたの心が、黒く、冷たく、歪んでしまっているからよっ!!!」

喉元を掻き毟り始める少女。しかしそれでもなお、視線はソレに囚われたかのように空尉の手元から離れない。

「でもね、それは何も、あなただけのせいではないの。だからっ!!!」

目を凝らす。良く見るとあれは…

「この子から、出ていきなさいっ!!!」

何かの、写真のようだ。

94Spring Love おまけ_2:2008/03/27(木) 02:31:53 ID:1S3Lnj05
突如として少女の上半身が跳ね上がり、背骨を鉄心に変えられたかのように背筋がピンッと伸びた。
目は白目が面積の8割を占め、瞳孔が完全に開いてしまったかのような瞳はただ天井を見つめる。
そして、何の前触れもなく…

『フフフ、ワシの存在に気付いておったか』

少女の口から、黒いもやのようなモノがあふれ出していたっ!!!

「やっぱりあなたがクアットロを…いいえ、JS事件の全てを裏で操っていたのねっ!?」

あふれ出たもやは何もない中空で集まり、巨大な雲のようなものを形作るっ!!!

「古より次元世界に伝えられてきた存在である悪魔…」

そしてその雲の一部が裂け、血よりも紅い目と口が現れたっ!!!

「大魔王・ド○クダー!!!」(注:この文章はリリカルなのはの2次創作を目的として書かれたものであり、既存の魔神英雄伝とは一切無関係です。
『フハハハッ!!!小娘風情がよくぞ見破ったっ!!!褒めてやろうっ!!!
 そうだ、ワシの名はドア○ダー!!!全次元世界の王にして最強の存在だ!!!』
「( ゚д゚)←警備員」

ド○クダーのその言葉に、椅子から勢い良く立ち上がりながら一等空尉は叫ぶっ!!!

「違うっ!!!全ての次元世界はそこに住む人々のものっ!!!
 あなたの様な王は必要とされていないのよっ!!!」
『ハハハッ!!!何を言うかっ!!!この世は力こそが全てっ!!!
 力無きものはただ、ワシの前に膝をついて許しを請うておればよいのだ!!!』
「そんなあなたを、そんな力を、私は認めるわけにはいかないっ!!!
 あなたは、いてはいけない存在なのよっ!!!」(注:この文章はリリカルなのはの2次創作を目的として書かれたもので(ry

一等空尉は、手にした写真を再び掲げる!!
するとその写真から桃色の光の帯が発せられ、その全てがドア○ダーに殺到したっ!!!
しかしそれらは、漆黒の体に触れると同時に力を失って霧散してしまう!!!

「( ゚д゚)」
「そんなっ!!!私の攻撃が効かないなんてっ!!!」
『フハハハッ!!!残念だったな!!!
 ワシにダメージを与えることができるのは竜王の剣だけよ!!!』(注:この文章はリリカルなのはの2次創作を(ry

漆黒の体から邪悪な光が発せられる!!!
その光は一等空尉の頭上に黒い雲を発生させ、次の瞬間暗黒のいかずちが空尉を襲うっ!!!

「キャアアアアアアアアッ!!!」
『フハハハッ!!!』
「( ゚д゚)」
95Spring Love おまけ_3:2008/03/27(木) 02:33:01 ID:1S3Lnj05
煙を上げ膝をつく空尉!!!部屋にド○クダーの笑い声が響く!!!

『フハハハハハハッ!!!
 力こそ全てっ!!!
 全ての次元世界は、ワシの力の前にひれ伏すのだハハハハハハ!!!』
「……ない」
『ムッ?!』
「認めない…力しか見ない、見ようとしないあなたを。
 私の家族を、大切な人の平穏を脅かす悪魔を。」

ゆっくりと立ち上がる空尉!!!その手にはいつの間にか、1本の杖が握られていたっ!!!

「そして何より…っ!!!」
『バ、バカなっ!!!なぜ立てるっ!!?』

左手で持っていた写真を、呪譜のように放り投げるっ!!そしてっ!!!

『おのれぇっ!!小娘があっ!!!』
「私は認めない!!!」

宙を舞う写真を杖の先で思い切り突くと、杖の先から圧倒的な桜色の洪水が溢れ出した!!!

「私以外の『魔王』を、私は認めないっ!!!」
『グアアアアァァァァァ!!!』

鮮やかな桜色が漆黒の雲を飲み込み、それが消え去ったときには。
部屋には、魔王は一人しか残っていなかった。
杖を戻した空尉は、何もいない、残っていない空間にただ、話しかける。

「もう少し出会い方が違えば、あなたともいい友達になれたのでしょうね…」(注:こ(ry
「( ゚д゚)」

そして、空尉はそのままきびすを返し、部屋を出て行った。


一人残された部屋で、警備員は壁をじっと見た。
目の前のではない。ガラス越しの─空尉が放った攻撃の跡だ。
そこには、まだちゃんと壁が残っていた。

馬鹿でかい、焦げあと着きで。
しかもなんだろう。どうやら写真の絵が転写されたようだ。いや、原理なんて知ったこっちゃないんだけど。
窓際で仲良く眠る兄妹の絵のようだ。真ん中になにやらペットのような物がいるが、むしろ和みポイント的には
プラスだ。カメラマングッジョブ。
96Spring Love おまけ_4:2008/03/27(木) 02:33:24 ID:1S3Lnj05
しかし、そうだな。
とりあえず、今から俺がすべきことは決まってる。
この絵をじっくり鑑賞することでも、上にこのことを報告することでもない。

ドアを開け、部屋を出る。もうこの部屋にいる意味がない。道理も義理も、いる気もない。

今日という日を、とっとと夢に変えてやることだ。
どんなに非常識でバカげていても、夢オチなら許されると信じてる。

いつもよりも少し早足で、警備員は仮眠室へと向かった。
頭の中には眠りに着くことと、『転職情報』という単語しか浮かんでこなかった。



─3日後に例の部屋にいったら、絵が微細なタイル画のようになっていた。
 どうやら桃色の髪の戦闘機人が拳を突き入れたせいらしい。
 その時部屋の担当だった後輩の話によれば、絵を見つめる機人の目線は、完全に恋敵を見るときのソレだったそうな。
 まあ、俺にとっちゃただの悪い夢の続きなんだがな。




終われ


97蒼青:2008/03/27(木) 02:39:54 ID:1S3Lnj05
あとがきです。ここまで読んでいただいてありがとうございました。

今回は山場もへったくれもない話です。
そしてそういう退屈さが鼻についてくるとネタを仕込みたくなる俺。
結果重くなる容量。ダレカトメテ。orz

さて、今回は一つ謝罪せねばなりません。
第1話の際に数々のネタを提供してくださったB・A氏並びに読み手の皆様。
ごめん、なんも思い浮かばなかった。orz
特にトラウマルームに関しては何か書きたいと思っていたのですが…
文才の無さが恨めしいですちくせうorz。

それでは、今回はここまでです。
読んで下さった全ての方へ。
ありがとう。

あ…おまけは華麗にスルーしてもらえるとうれしダメですかそうですか。orz
98名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 02:46:48 ID:LQqrvwYz
もうなんか色々とカオスw(褒め言葉)
99名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 02:52:02 ID:vwvy/bqC
>>74
GJ!!

熱い。熱すぎる。
熱いデバイスたちに感動。
ほとんどデバイス分の話で模擬戦忘れるとこでした。
100名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 02:57:12 ID:0HcqRiSa
>>97
ワロタw

魔王を倒したなのはさんは、『大魔王』にランクアップしたんですねw

101名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 03:04:24 ID:IekWuC1B
>>97
笑った。後半にいくに連れて腹がどんどん捩れていった。

>どうやら桃色の髪の戦闘機人が拳を突き入れたせいらしい。

はっは、こっちの時空でもか、エリオよ。このラブルジョワめ。
102名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 03:16:13 ID:I+wGTum8
>>97
よし、じゃああとは別次元の魔王ユーノと魔王ティアナを倒すんだ。
そして名実ともに魔王神となるんだ。

某蝶やりこみRPGネタサーセンw
103名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 03:21:04 ID:EtQKwzu9
>>97
恋する乙女なヴォルテールがかなりいい味を出してますw正しくGJ!!
まさかヴィヴィオの兎がその複線になるとは・・・・・・・やるな!?

そして、写真。ルーが入っていないのが悔やまれる。ちびっ子オールスターとはいかないか・・・・
個人的にポジションはエリオ、フリードの前で二つとも枕にしている形で・・・・

ついでにまたおまけに笑ったw凄くネタが満載だ・・・・ネタ元のネタとか・・・・・・
>>「私以外の『魔王』を、私は認めないっ!!!」
それが本音か!?
104103 :2008/03/27(木) 03:25:54 ID:EtQKwzu9
しまった、読み直したらイタチの縫い包みになっていた・・・・・・・
勘違いしてすみません・・・・

連レス申し訳ありません・・・・;;;;
105名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 03:41:54 ID:lStqaATx
ガンダムVSなのは
106名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 04:08:04 ID:BeqGhWZw
>>74
GJ!
あいかわらず戦闘シーンが熱い!
個人的に前前作のエリオVSシグナムに次ぐ熱さでした。
次が待ちきれん!!

>>97
GJ!!
これまたひそかに待っておりました。
乙女ヴォルのかわいさにやられた前作・・・
今回も見事にやってくれました
エロとかどうしろと→この世界に人間形体になれる人以外の生物がいたっておかしくありませんぜ旦那!
107名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 04:37:05 ID:Fl95b/Qe
>>97
ヴォルテールがあの巨体で乙女のように悶えてるのを想像するだけで
口元のにやけが止まりませんw
ってか「どっごん」って、心臓の鼓動を表す効果音じゃねぇぞ!
一回ときめく毎に地震なみか……
108名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 05:55:55 ID:e+3YiI2l
起きたらまさかのヴォル子の続きがwww
これはGJせざるおえない
変身魔法でどうなるかwktkで待ってます!
109名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 07:40:20 ID:Yc1uWeyP
>>107
名作ゲーム『ANUBIS』の前作のアニメとして、『Z.O.E.』ってのがあってね……
TV放送版の主人公が
・身長20mの宇宙戦闘可能なメカメカしいロボット
・思考は乙女回路全開ぶりっ子
・嗜好は40歳以上のマッチョ親父
・自分より大型の振動破砕兵器の攻撃を受けて「やあぁん、くすぐったぁい」
110名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 07:40:55 ID:Yc1uWeyP
さげ損ねた orz
111名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 09:11:22 ID:lynXmNlw
だから、ヴォルテールと白天王の絡みを書けとあれほど
112名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 09:22:49 ID:or57iMfo
>>109
後のスバルである
113名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 09:23:32 ID:Z+pKJmxp
ヴォ『今コノ時、目前ニ我ガ‥‥汝ガ存在スル』
ハク『どうして抑えられようか』
114名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 09:28:11 ID:m9V835ES
だからエリオとガリューの純愛長編を書けと
115名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 09:55:53 ID:8z1gIVh5
これはいい「どっごん」ですね。
地味に昼寝を誘う日差しの描写が好きです。

あ、んで、おまけを読んでSTSの真の悪役が分かった。
魔王じゃ仕方ないよな、魔王じゃ。
116名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 10:28:46 ID:zyP3JWFN
>>113
ヴォルテールはエリオにぞっこんだから・・・・・・
つまるところ、シャマルはハクテンオーにぞっこんになるわけだな。
117名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 11:06:35 ID:T2yZ0Vzq
>>97
GJ
ヴォルテール美少女モード登場に期待w
118節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2008/03/27(木) 11:52:24 ID:Z0BAa9eF
…………(じったんばったんとのたうつ)…………

いいからうろすにてんさいしなさい。
119名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 11:53:13 ID:yWgbWEIi
ある管理世界の地球式で言うキャバクラみたいなお店でヤバい取引や商談が行われていてバックに次元犯罪者が居るのは確実で
なのはがフェイトの依頼で共に潜入捜査する事になるが

夜の世界の闇と情報網は想像以上で店に入った時点で二人の正体と身分は割れてい
魔王殺しと呼ばれる人によっては一口飲んだだけでマトモな思考が奪われ足腰がガクガクし立てなくなる
超強力なお酒を知らず知らずの内に飲まされ気が付いた時には
何十人という屈強な男に周りを囲まれ乱暴されて抗う事も抵抗する事もできずに犯されるフェイトとなのは

って言うのを作ろうとして挫折した
120名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 11:58:20 ID:GV1ymp5o
>>118
住み分けはきちんとしないとな

ぶっちゃけ、あんな所と関わりたくないんだが
121名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 12:06:16 ID:Z0BAa9eF
>120
いや、なんというかあまあまなあとにすごいものがきたもんで、よくわからないことをかいてしまいました。
ごめんなさい。ざれごとはむししてください。
122名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 12:33:09 ID:FQZ2NPh5
>>74
待ってました!GJ!です。
ところで、>桃色の髪に170cmを超える長身
ってあるけど、セッテ・トーレの身長って180位だったと思うんだけど違ったっけ?
123名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 12:39:01 ID:0tBUtxJA
>>109
ドロレス懐かしいww
124B・A:2008/03/27(木) 13:57:01 ID:IekWuC1B
>>122
正確な身長がわからないので、対比表と睨めっこして、アホ毛抜いて175〜180未満くらいかなぁと。
○○以上なら170も180もコミだって感じで書きました。
125名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 15:11:01 ID:lynXmNlw
アホ毛がトーレの本体
126名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 15:24:20 ID:91BL7v8B
あほ毛抜いたらどうなるん?
しおれるん?
127名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 15:54:26 ID:lynXmNlw
ウルトラマンっぽく、しおれる。
128名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 16:05:34 ID:I+wGTum8
ひょろひょろーんと空気が抜けて、つくキャラっぽくなる
129名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 16:07:26 ID:7BKpi+RR
つくトレ「セッテは悪。可愛過ぎ」
結局は姉馬鹿。
130名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 16:25:24 ID:or57iMfo
(アホ毛が無くなると)某セイバーさんが如く黒化、と思ったが
元々の性格が清楚と言うわけでなし…
131名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 16:47:10 ID:YWE/DYGx
>>130
某セイバーさんの黒化についてはよくわからんが、とりあえずアホ毛が消えると
元の性格と逆転するって事か?
132名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 17:17:12 ID:IekWuC1B
>>131
つまり、苛烈で激しい性格から大人しくて貞淑な性格になるのか。
あれ、それって黒くなるというより白くなっ(r

【飛来しら何かによって首を両断された】
133名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 17:23:14 ID:SUbuU2RO
>>109
あのアニメの最萌は自我に目覚めたラプターだがな。

>>131
容姿と纏う雰囲気が悪者っぽくなって食べ物の嗜好が反転する。アホ毛も無くなる。
134名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 17:41:16 ID:YWE/DYGx
>>133
なるほど。しかしこのスレのせいで『食べ物』という字を見た瞬間納豆が
頭に浮かんでしまったw 俺やべえw
135名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 17:47:01 ID:xPnxB9Lz
>>97
またなんというもんを投下してくれたんだあんさんwwww
腹筋いてえよぉおw

・トーレ反転
フリフリのお嬢様ドレス(スカートはゆったり長め)着て、ベッドの上でお嬢様座り
そしてクマのぬいぐるみをギュウっと……

やべぇ……精神的破壊力な意味でやべえって!!
確実にインパルスブレードで斬られそうだけ、ハァハァ

>>133
ラプターの最後は全俺が泣いたし、いまでも泣ける。・゚・(ノД`)・゚・。
136名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:03:11 ID:DPuV4ShF
>>135
>>クマのぬいぐるみをギュウっと

トーレは反転というか、それが素だったりして。
137名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:09:58 ID:yWgbWEIi
博士から特命任務を受けたドゥーエが
六課に侵入しアイナさんを陵辱陥落させ入れ替わり
なのは・フェイト・はやての三人を調教しろと言う作戦を実行
三人の運命はいかに
って言うドゥーエお姉さま大活躍のを考えたけど挫折しかけてる
138名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:14:02 ID:YWE/DYGx
>>137
そんな事言わずに頑張ってください

実は鬼畜なカルタス(ギンガ、はやて陥落済み)が出向先の六課で
やりたい放題という話を考えたけどどう考えてもフルボッコエンドしか思いつかない
139名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:29:39 ID:DPuV4ShF
>>138
何故にはやてが? カルタスならばナカジマ姉妹とナンバーズっしょ。
140名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:30:23 ID:XhSLc4Zv
>>139
一応面識はあるんだぜ?
141名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:36:53 ID:IekWuC1B
カルタス、はやてとコネクション持っていることもみんなから忘れられているのか・・・・・。
142名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:38:45 ID:DPuV4ShF
>>140
それ本当か? まったく記憶に無い、と言うよりもここで話題になるまでカルタスなんてキャラが存在する事自体知らなかったしな。

最初はどっかのSSで派生したオリキャラかと思ったんだぜ?
143名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:44:09 ID:GV1ymp5o
>>141
いちおう覚えてるが、キャラが掴めなくて半オリキャラになっちゃうかた使いづらいんだよな
144名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:53:54 ID:K5wGPqDO
>>143
逆に陵辱要員としちゃ、こういうキャラは使い易いぞw
145名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:09:38 ID:I+wGTum8
一期から存在するはずなのに実は半オリキャラ化してるのもいるがな

淫獣とか。
146名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:18:25 ID:aaKeQlzj
ランディやアレックスの忘れられっぷりも相当
147名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:20:26 ID:XhSLc4Zv
名前と背景のみの登場で台詞の全くないギャレットなんてのもいるがな。
148名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:20:35 ID:IekWuC1B
後ギャレットとかな。
ああ、愛すべき背景たち。
149名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:25:06 ID:GV1ymp5o
背景ですらないカンセル
150名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:33:04 ID:I+wGTum8
そして、3人娘と言われてるわりに変身シーンのないはやて
151名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:34:37 ID:xPnxB9Lz
ドクターも気づけば半オリキャラ化。

ソープの客寄せとかご家庭の面白発明家とか
そういう意味ではカルタスって人格改造すれば使いどころが出てきそうだ。
ナンバーズ更正組の調教担当とかナンとか(短距離エロパロ的思考)

だけど同僚の戦闘機人に全く相手にされなくて
ザ・シガー氏でソープに通う悲しい後姿とか描かれそうで大いに期待w
しかし、ほんッと男手が少ないな〜〜
おかげでオリキャラでも出さないとナンバーズのカップル成立難しいときている

>ギャレット
うはwwww記憶ねえええ orz
152名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:37:25 ID:mnaMDPvS
>ギャレット
名前だけなら…
愛車のカタツムリがギャレット製なもんで
153名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:50:24 ID:FQZ2NPh5
一期の武装隊の隊長だっけ?
>ギャレット

六課に陸上本部から顧問として誰か(実在の将校?)が送り込まれてくる…
ていう設定のSSってどうかな?
154名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:50:55 ID:ibrs4T+d
名前だけならStsのSS04でターレスとかいうやつもいた気がする
ヴィータに報告だか面会だかしにきたとかなんとか
そいつとヴィータの恋愛ものを書こうとしていた時期もありました
155名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 19:58:58 ID:XhSLc4Zv
>>153
A'sでアースラに乗ってる捜査スタッフ。
ちなみに武装局員。
156名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 20:05:04 ID:xcNpIpL8
そこまで背景な奴らなら別にオリキャラでもいい気がしてきた
157名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 20:05:52 ID:HcKJea2I
>>154
何その悟空のそっくりさん
158名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 20:16:08 ID:I+wGTum8
>>157
不覚にも吹いた。
159名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 21:04:53 ID:61OGWEai
それを言うならターセルだ。スターレット・コルサ・カローラIIの姉妹車。
160サイヒ:2008/03/27(木) 21:07:37 ID:vUYBDGsA
なんかソープ機動六課が期待されてるみたいなんで、さらっと書いてみました。

ソープナンバーズのノリでクロフェ。
クロノはエイミィさんと結婚してますが、不倫話じゃありません。でもたぶん浮気の範疇には入る。
ソーププレイの練習なんで軽め。
161五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:08:40 ID:vUYBDGsA
 その日クロノが全ての仕事を終えたのは、日付が変わって間もない頃だった。
 いつもならどれだけ遅かろうと帰宅し、翌朝妻の手料理を食べてまた出勤している。しかし本日は五時
間後に長期航海任務が開始される。家に帰っても寝るだけとなるので、今晩はこのままクラウディアの艦
長室に泊り込む予定だった。
 だがクロノはベッドに横たわろうとせず、頭の後ろで手を組んで物思いに耽っていた。
「さてどうしたものか」
 考えてるのは仕事のことでも家庭のことでもなく、しょうもないが野郎にとっては重大な事柄、三大欲
求の一つである性欲の問題であった。
 クロノの性欲は強い。長期航海が近づくと、必ずエイミィと徹夜で抱き合って発散させてから航海に出
る。今回それをしたのは三日前。まだそこまで溜まってはいない。
 しかしこれから一ヶ月以上ご無沙汰になると思えば、あと一回ぐらいはと思ってしまうのが悲しい男の
性だった。
「……あそこ行くか」
 呟いたクロノは、提督服を脱いで普通のスーツ姿になると、部屋を出た。



「いらっしゃいませ〜、クロノ提督」
「あ、久しぶりやねクロノ君」
 クロノ行きつけの風俗店「ソープ機動六課」。入るとオーナーのはやてが店員のシャマルと受付嬢のリィ
ンフォースの三人で、受付の中でなにやらしゃべっていた。
「悪い人やなぁ。嫁さんいるのにこんな店来るなんて、離婚の危機やで?」
「夜中に叩き起こして一発やらせてくれと言う方が問題だと思うが。それで、今誰が手空きだい?」
「えっと、フェイトさんとティアとキャロです。誰にしますか?」
「シャマルは?」
「もうちょっとしたら予約のお客さんが来るので」
「だったらそうだな……」
 キャロはまず真っ先に候補から脱落した。
 以前一度指名したことはあるが、どうもクロノはその幼い肢体に馴染めなかった。自分の太い肉棒を小
さすぎる秘裂に突っ込むのは痛々しさを覚え、快楽に溺れられない。
 このことをソープ仲間の司書長に言ったら「それは君が筋金入りのマザコンだからだよ」「黙れ、サド
マゾロリペド飲尿フェレット」といつもの殴り合いになったが。
 次にフェイトだが、長い馴染みなのでほくろの数から細かい性感帯まで熟知している。安定感はあるが、
目新しさに欠ける。
 最後に残ったティアナは指名したことが無い。ただフェイト経由で多少の情報はある。房事のいろはを
なのはに習い、現在は応用編をフェイトに教わっているところだという。あの二人が仕込んだのなら、申
し分ない技量の持ち主になっているだろう。
162名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 21:09:29 ID:lynXmNlw
wktk wktk
163五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:09:43 ID:vUYBDGsA
 勝手知ったるフェイトか、未知のティアナか。クロノが悩んでいると、受付に置いた手をはやてがつつっ
と人差し指で撫でてきた。
「なんやったら……久しぶりに私とかどう? クロノ君とはこれからも長い付き合いしたいから、張り切っ
てサービスするで?」
「じゃあフェイトで頼む」
「ガン無視!? い、今なら名誉会員にしかやれないリィンとの3Pも……」
「一時間コースで。部屋は五番かな?」
「二段スルー!? この近親相姦提督ーーー!!」
「ああっ、どこ行くですかはやてちゃーん!?」
 泣きながら走り去るはやてと、それを追いかけるリィン。
「……あんまりはやてちゃんいじめないであげてください」
「無理やり焦らしプレイにつき合わす癖をやめたら指名してもいい、と伝えておいてくれ」
 一人残ったシャマルの前に料金を置くと、クロノは部屋へ向った。



        五m四方の恋愛



「いらっしゃいクロノお兄ちゃん」
 フェイトがバスルームに入って挨拶すると、全裸になって腰掛けていたクロノは複雑そうな顔をした。
「…………こんなところまで兄妹関係を持ち込まないでくれ」
「でもクロノは、お兄ちゃんって呼ばれるの好きだよね」
 フェイトの格好は、バスタオル一枚巻いただけ。入ってきた瞬間から、クロノの陰茎はタオルの下で徐々
に大きくなりつつあった。それをフェイトは軽く握る。
「ク・ロ・ノ・お・に・い・ち・ゃ・ん」
「…………!」
 一言ずつ区切って艶やかに囁けば、手の中で一気に大きくなった。
「血は繋がってないけど、妹にこんなことしてもらえる機会なんて普通はめったにないんだよ?」
 性急にしごいたりはせず、握ったままでクロノの温度を感じる。
「どっちにする?」
「…………お兄ちゃんで」
「ふふっ、素直なクロノ、好きだよ」
 手を離しバスタオルをはらりと脱ぎ捨てたフェイトは、クロノの背後に回った。
164五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:10:47 ID:vUYBDGsA
 ボディソープを手に出し、泡立て身体に塗りこめていく。特に重点的に塗りたくるのは、肉感的な二つ
の白い膨らみ。
 いい感じに泡まみれになったところで手を止め、クロノの背中を一回流して滑りやすくする。
「それじゃあ、始めるね」
 クロノの身体を背中から、フェイトはぎゅっと抱きしめた。
 豊かな乳房が、身体と背中の間でふよんと潰れる。押しつけ具合を調整すると、大きく身体を上下に動
かした。
 クロノの広い背中を満遍なく擦っていく。前に回した手でクロノの胸をなぞったり、うなじの辺りを舐
めたりするのも忘れない。
「本当に、君の洗い方は最高だな……」
 感に堪えないクロノの賛辞。横から覗けば、腰に巻いたタオルがみるみる盛り上がって行く。すぐに染
みも浮かび上がってくるだろう。
 義兄の陰茎が大きくなるにつれ、フェイトの乳首も硬く尖りだす。大きさ、形、柔らかさだけでなく感
度も最高な胸が、大きく形を変えながら激しく動いているのだから当然だった。
 押しつけすぎて乳首が痛くならないようちょっとだけ身体を引きながら、クロノの胸にあった手を動か
し腰のタオルを取り去った。
 露になるのは、赤黒い肉の槍。先端はすでに汁気が滲み、光を反射して輝くのはまるで本物の槍のよう
だ。
 しかしまだ完全な状態でないことが、付き合いの長いフェイトには分かる。
「もっと大きくしてあげる」
 慈愛と色欲の混じった声で囁き、フェイトはきゅっと先端付近を握った。びくんと陰茎が跳ねようとす
るが、力を強めて固定する。それでも、どくどくと脈動しているのが伝わってきた。
「……クロノお兄ちゃんの、火傷しそうなぐらい熱いね」
 フェイトはうっとりと目を細め、おもむろにしごき出した。手にはまだ泡がついている。先走りの助け
を借りなくとも、擦るのになんの支障も無い。
 袋の垂れ下がる根元まで来れば、また先端まで。時には手を止めて、亀頭をくにくにと弄くる。
「ふ……あ……っ」
 耐えるクロノの小さな声。手触りと声色だけでなく、眼でも表情を窺い快楽の度合いを測りながらフェ
イトは訊ねる。
「このままでいい? 胸とか股でしようか?」
 乳肉で肉棒の硬さを感じながら顔に熱い飛沫を浴びるのも、性器同士を擦りつけ合った果てに腹から胸
に白い線を描かれるのも、どっちもフェイトは大好きだった。彼も好きだろう。
 だがクロノは特に考えた風もなく、即答する。
「今日は、出すまでやらなくていい。すぐにフェイトを感じたいから」
「そうなんだ……」
 それはそれで嬉しい言葉だが、同時に滞在できる時間が少ないことも表していた。ちょっとフェイトは
がっかりする。
165五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:11:47 ID:vUYBDGsA
「……まあ、代わりといったらなんだけど」
 雰囲気を察したのか、クロノが優しく囁いてくる。
「フェイトもいっぱい感じさせてあげるよ」
「んっ……!?」
 言葉と共に、クロノの指が秘裂に滑り込んだ。
 まだほとんどフェイトの性感は高まっていない。しかしクロノは、いつの間にか指に泡をまぶして滑り
をよくしていた。準備の整っていないフェイトの膣でも、難なく受け入れる。
 そのまま指の腹で、フェイトの感じやすい場所を優しく撫でてきた。
「はぅん……!」
 濡れてなくても本番をしたがる客もいる。だがこの段階で挿入れられ、かつ快感を与えられるのは初め
てだった。
 急速に肢体が熟れ出し、女の香りを発散する。
「あ、んっ……は、ぁ……」
 身体から力が抜けて、フェイトはクロノによりかかる。空いた左手が、何かを求めて虚空でわなないた。
 フェイトの感じ具合で大丈夫と判断したのか、指がさらに一本増えた。こちらの指は根元まで差し込ま
れ、子宮口付近を軽く小突く。
「ひんっ、くぅんっ! 私が……してるのにぃ」
 ぞわぞわと上ってくる背筋の寒気を振り払うように、フェイトも肉棒をしごく速度を上げる。
「くっ……! うう……」
 今度はクロノが呻く番だった。
 お互いに指だけで高め合う行為は気持ちよく、放っておけば際限なくエスカレートしそうだった。
 このまま白濁液で手を汚すまでしごき上げ、同時に絶頂を迎えて果てたかったが、クロノの言葉を思い
出しフェイトはぐっと我慢して指を解く。
「クロノお兄ちゃん、そろそろ……ね」
 フェイトの言葉にクロノも頷き指を抜こうとし、くすりと笑った。フェイトの膣が未練がましくクロノ
の指を締めつけて離さなかったのだ。
「しょうがない子だな、フェイトは」
「きゃん!」
 淫核を強く弾かれた。膣がさらに収縮し、次いで緩む。その一瞬で、義兄はするりと指を引き抜いてい
た。
166五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:12:41 ID:vUYBDGsA
 軽く脱力しているフェイトを寝かせると、クロノが覆いかぶさってくる。手に握られたるは、そそり立
つ肉棒。
「指よりこっちの方が……君も僕も気持ちいいだろ?」
 クロノの問いに、フェイトはただただ頷くばかりだった。



 フェイトは時々思う。
 自分と義兄の関係はなんなのか、と。
 クロノを迎えた時はどんな相手よりも念入りに愛撫しており、そしてクロノの精を受け絶頂に導かれる
のは、何者にも替え難い至福の瞬間だった。
 だが別にエイミィから寝取ろうなどという気はさらさらない。
 店以外でクロノに抱かれたことは皆無で、食事や買い物に連れて行ってもらったことはあるが、あくま
で兄と妹としてである。手も繋いでいない。
 そしてそんな関係にフェイトは身体も心も満たされている。
 兄妹としては生臭い。恋人同士と呼ぶのも程遠い。ただの客というには深すぎる。
 すこぶる難題なはずの問いだが、フェイトは単純に女性の直感で答えを見つけていた。

 この特殊な空間にある時のみ、フェイトは妹から女になってクロノに恋しているのだ。



「んぁっ! あぁぅっ!……そこっ、そこ気持ちいい……!」
 どんな下手糞な相手でも感じたふりをする演技力はあるが、今のフェイトは本気で喘いでいた。
「あはっ、ふあぁぁ……!」
 クロノはフェイトの身体をマットに押し倒し、太い肉棒を早いテンポで突いてくる。決して力強いだけ
でなく、少しずつ位置をずらしてフェイトの感じるポイントを的確に刺激する。一見の客では不可能な抱
き方。
(やっぱりクロノがいい……!)
 身体に圧し掛かられる重みですら、心地よい。
167五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:14:00 ID:vUYBDGsA
「お兄ちゃん出して! 私の中にいっぱい出してぇ!!」
 膝が高く上がる。両腕両足を絡みつけ、さらに限界まで肉棒を締めつけフェイトは精液を求めれば、あ
えなくクロノは限界を突破してしまった。
「くぅあっっ!!」
 白濁液が勢いよく、フェイトの中でほとばしる。
「やぁぁあああん!!!」
 尻上がりな絶叫で、フェイトも達した。
「はあぁ…………よかったよ、クロノお兄ちゃん」
 酔ったような瞳で義兄を見つめるフェイトだが、心の中では反省していた。
 ついついなにもかも忘れて全身で求めてしまった。次はきっちりあるだけの技量を駆使して、もっと高
い場所で果てたい。
「ふぅっ……お兄ちゃん、もう一回身体洗ってあげる。…………今度は、前をね」
 さっき背面でやっていたことを、クロノと抱き合いながらする。そんなことすればどうなるかなど、一
定年齢以上になれば誰でも分かる。
 異論は無いらしく、結合を解いたクロノは仰向けに寝転がり、フェイトがその上に乗る。さっきの逆。
まるで自分が犯す番になったようだが、フェイトにクロノを搾り取るつもりはない。
 身体の泡はほとんど流れてしまったので、新しくボディソープを塗り直す。
「……いくよ」
 言葉を発してから二拍置いて、フェイトは腰を高く上げ、ずるんと一気に飲み込んだ。
 さっき以上に奥深くまで、クロノが入ってきた。つい腰に力を入れてその雄雄しさと熱さをもっと感じ
たくなるが、自重する。
 亀頭と子宮口をキスさせたまま腰を回転させる。四十五度捻ったら、逆側へ。速度はゆっくりとしたも
のだが、捻る一瞬腰をやや突き出し膣圧も微妙に変化させている。
 フェイトの腰のうねりで、大きさはともかく少しだけ柔らかくなっていたクロノの陰茎がみるみる力を
取り戻す。
「じゃあ……洗うね」
 完全に復調したところで、フェイトは上体を倒しクロノと密着する。乳房の重みだけ感じる位置で身体
を止めて、今度は上半身で円を描き出した。
 宣言どおり、クロノの胸の垢を擦り落とす動き。腰は動かせないので、内部の襞だけ蠢かせて快感を送
る。
「はぅっ……! 奥を締めながら入り口緩めるなんて、どうやってるんだ……?」
「ふふふ、ひみつ……クロノお兄ちゃんも、動きたかったら動いていいんだよ?」
 だがクロノは腰を動かそうとせず、フェイトの身体を持ち上げた。
 なにをするんだろうと思う暇も無く、乳房が力強く鷲掴みにされた。
「あはっ…………今度は、揉みたいんだ」
 乳首が強く抓られると、快感よりも痛みが走った。だがフェイトは苦痛を漏らさず、逆に前屈みになっ
てクロノが触りやすいようにする。
 同時にフェイトも、本格的な騎乗位運動に入った。蕩けた肉で陰茎をみっちりと包み込みながら一気に
腰を上げ、そのままの締めつけで落とす。
168五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:15:19 ID:vUYBDGsA
「あくっ……! くぅんん!!」
 当然その行動は、クロノと同等の快感をフェイトに与える。
 余裕ぶってはいたが、絶頂直後の敏感な時に体内に太い肉棒を収めていたのだ。一度弾みがついたら、
ブレーキが利かなくなった。
「ふぁっ……くあぅん!! はぁん!!」
 早く果てたい。もっとクロノを感じていたい。
 相反する感情は制御不可だが、どちらにせよ腰の動きは加速していった。
 連動するように、クロノも手だけでなく腰を突き上げ始める。快感が飛躍的に増した。
「クロノおにいちゃんの……私のおなかの中ごりごりってしてるよぅ!」
「君のだって、こんなにきつく……かふっ!!」
「あっ! だめ、だめっ、きちゃうぅ!!」
 抗うことなど不可能な熱が、子宮から脳髄まで一直線に駆け上がった。
「ふあっ!……ああああん!!」
「ぐぅっ! フェイトっ!!」
 フェイトがクロノの上に倒れこんだ直後、射精が始まった。一瞬で終わることはなく、断続的に何発も
子宮に叩きつけてくる。
 始動のタイミングこそずれたが、二人は同じリズムで痙攣し、停止し、弛緩した。
「くろの……すきだよ。……………んん」
 最後だけ名前を呼ぶと、飛沫が終わるまでフェイトは口づけ続けた。



 絶頂の波が引きかけた時、リィンが念話を繋いできた。
『フェイトさん、そろそろ時間です』
『……待ってるお客さんいる?』
『今はいませんよ』
『だったら、三十分延長してもいいかな。料金は私のお給料から引いといてくれればいいし』
『わかりました。ごゆっくり〜』
 念話を切ると、フェイトはクロノの上からどいた。
「航海に行くんでしょ? その前に、きれいに洗ってあげる。普通の洗い方でね」
「じゃあ、僕も久しぶりに君の髪の毛洗ってあげようか?」
「うん、してほしい。髪の毛洗ってくれるなんて、小学生以来だね」
「普通はそれ以上になったら、一緒に風呂に入ったりしないからな」
 顔を見合わせ、二人は照れくさそうにくすくすと笑い合う。
 そのまま同じ姓を持つ二人の男女は、行為後のまったりとした時間を過ごすのだった。



        終わり
169五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:16:07 ID:vUYBDGsA
        おまけ



「うくっ……あうん!…………ユーノ君、この縛り方、きついよ……!」
「なのはのここは嫌がってないみたいだけど? ほら、こんなにどろどろ」
「でも……バインドが食い込んで痛い……!」
「もうちょっと我慢して。一回終わったら、今度は僕を縛らせてあげるから。…………本当に分かりやす
いなぁ。また濡れてきたよ?」


「エリオ君、店員同士はしちゃいけないってなのはさんが……」
「けどはやてさんが今日は僕休日だし、お金さえ払ってくれたらお客さんと見なすって」
「じゃ、じゃあいいかな。…………そ、それで、えっと、ど、どれぐらいの時間してくれるのかな?」
「…………朝まで」


「うおお……! 夢にまで見たシグナム姐さんとティアナとアルトの朝まで4P! ボーナス全額はたい
た甲斐があったぜ!」
(…………なぜ私はこんな奴を好きになったのだろうな)
(…………なんで私こんな人のこと)
(…………なんでだろ)


「ルキノ、身請け話の件、考えてくれた?」
「でも、私こんな商売の女だし……。それにあなたにはシャーリーさんという大事な人が……」
「違う! シャーリーは勝手に親が決めた許婚なんだ。僕にはもう君しかいない。反対されるというなら、
ロウランの家を捨てたっていい!」
「グリフィス……」


「……ほんとグリフィスったらなりきりプレイ好きね。でも私の名前使うなんて…………今夜は目一杯お
仕置きしてやらないと、フフフ」
「じゃあ盗聴なんてしてるシャーリーはどれぐらい頭冷やせばいいのかな?」
「げぇっ、なのはさん!!」
「こっちも朝までコースで大決定なの」
170五m四方の恋愛:2008/03/27(木) 21:17:03 ID:vUYBDGsA
「そういや、あたし以外にあんたを指名するやつっているのかい?」
「いない。エリオやヴァイスと違って、私は基本的に用心棒だからな」
「だったらあたし専用ってわけだ。…………えへへ」


「…………お客様、義姉や養育係の持ち込みは禁止してますんで、とっととお帰りになってもらえねーで
すか」


「シャマル、どうしてオムツにガラガラなんて必要ですか? あのお客さん子連れじゃなかったですよ」
「分からなくていいの。そのままのリィンちゃんで…………いるのは無理ね、絶対」


「ううっ、どうせ私はみんな貰い手が見つかっていく中、このまま寂しく帳面付けしながらお婆さんにな
るんや……!」
「そ、そんなに気にしないでくださいはやて店長」
「私達だって、クロノ提督に3P断られたことありますから」
「ええ娘やな二人とも。ギンガもスバルも一緒に独り者でいような。…………ん? 着メロ?」
「あ、私のです。もしもし…………うん、ちょっと待って。……店長、三日後に私とスバルお休みもらっ
ていいですか? 父さんとカルタスさんからダブルデートのお誘いがあったので」
「この裏切り者ーーーーーー!!!!」



        今度こそ終わり
171サイヒ:2008/03/27(木) 21:18:36 ID:vUYBDGsA
以上です。
明日のソープネタのためにその2。「ソーププレイ一回書いてみよう」
3は無しで、クロフェとカリム一本ずつ書いたらソープナンバーズに取りかかります。

「ソープ機動六課」ですが、特にこれ以上書く気はありません。
ナンバーズはソープなら相手不足やシチュの問題が解消されるという利点がありますが、
クロフェやユーなのはわざわざソープにしなくても普通に恋人設定でやれますから。
つうか、俺の書くクロフェはソープ以上のことをざらにやってるからなぁ……。
172名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 21:27:51 ID:7BKpi+RR
>>171
すげえ! GJ!
ホント読みやすい良い文章書くよなあ……。クロフェも楽しみにしてます。



……流石の淫獣もショタには手を出してないか。ちっ。
173名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 21:39:52 ID:m9V835ES
GJ はやてがかわいそうです

>>172
それは淫獣に対する嫌悪の念なのか
鬼畜な淫獣がエリオをいてこます話が見たいのか
俺は後者だ
174名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 21:49:30 ID:XMa4+6Vz
ユーノとクロノに性的な意味で鬼畜な攻めを受けるエリオキュンにみんな萌え萌え
175名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 21:50:42 ID:xcNpIpL8
はやて不憫や…
176名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:02:41 ID:JmhLNJbR
GJ!
エリオがお姉さんの指名で必死に働いてる姿(主に腰)を
見たいと思ったのはオレだけ?
3Pとか4Pも見たい
177名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:04:44 ID:DPuV4ShF
GJですねえ。
相変わらずエロ素晴らしいSSだ、俺も見習いたい。

ところでソープ・ナンバーズの対になる存在としての機動六課ならば“ヘルス機動六課”というのはいかがかな?
178名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:11:45 ID:7BKpi+RR
ソープとヘルスの違いとは何ぞや? 教えてエロい人!
179名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:16:13 ID:2nFMrM9I
ソープナンバーズを見てソープに興味を持ってしまった俺が居る

相場幾らぐらいなん?
180名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:16:18 ID:or57iMfo
遊廓「翠屋」なんて妄想
人員は海鳴メンバーで…
181名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:21:20 ID:m9V835ES
サッカー部のマネージャーの子を指名したい
182名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:22:29 ID:hskykNPT
>>180
桃子さん、石田先生、槙原院長、みゆきち……

おうふっ!!これじゃとらハに先祖返りだぜ!!
183名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:31:30 ID:IekWuC1B
>>178
基本的には性的サービスをする店というので同じです。大きな違いと言えば、ヘルスには風呂がなくて個室も少し狭い。
ソープが風呂やマッサージをメインにしているのに対して、ヘルスは性的な行為をメインにしている感がありますね。
シチュエーションを楽しむよりもとりあえず一発抜くか、といった感じでしょうか?
184名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:32:27 ID:DPuV4ShF
ソープは本番あり、他はなし。

かな?
185名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:39:36 ID:9+2txiJ5
ヴィータちゃんになら3時間30万払ってもいいと思う俺ガイル
186名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:42:13 ID:9M2vqkXH
日本は一応本番禁止なんだぜ
187名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:43:54 ID:fOiKCZFm
>>186の言うとおり建前としては本番禁止

あと相場は大衆店と高級店で違うし時間も60分やら100分やらあるからそこは調べた方が早い
kで1000円を表したはず多分
10kで一万円と思う
188名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:44:16 ID:DPuV4ShF
>>186
まあ他の国もそうだけど、対面上はってケースが多いですね。

つまり男の本能はどこの国でも同じく抑えられないって訳だ、ミッドもきっと同じ筈。
189名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 22:49:33 ID:ZGXl/gM4
デバイスの発展=情報技術の発展にはそういう裏があったということでw
偉大だな男の本能。され竜でもネタにしてたが。
190名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:13:24 ID:0HcqRiSa
あとソープは入浴料と総額の2種類の料金体制がある。
総額はそれ以上料金はかからない(延長や指名料除く)
入浴料としか記載されてないところは
+サービス料が必要。
191ザ・シガー:2008/03/27(木) 23:23:34 ID:DPuV4ShF
ちょっと試しにヘルス機動六課を書いたんだが投下良いかい?

エロなしでギャグの短い短編なんだが。
192名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:27:01 ID:fOiKCZFm
何をためらう事がありましょう
193ザ・シガー:2008/03/27(木) 23:28:35 ID:DPuV4ShF
んじゃ投下、20分で書いたので本当に短いです。

ソープナンバーズの番外編の機動六課編、まだ思案中にネタにつきタイトルとアイディアは仮です。
194高級ソープ ナンバーズ 番外編:2008/03/27(木) 23:29:37 ID:DPuV4ShF
ソープ ナンバーズ 番外編 「ヘルス 機動六課(仮)」


「リイン、これを見るんや‥‥これをどう思う?」
「凄く‥‥‥凄惨ですぅ」


そう言いながらはやてとリインが見ているのは性風俗店“ヘルス機動六課”の今週の売り上げだ。
中身は無論赤字を示す数字だらけ‥‥そう、機動六課は閑古鳥が鳴いている状態なのである。

まあこれは無理も無い事だろう、なんせ起動六課は本番なしの一時間200ミッドというとんでもない設定なのだ(ちなみに1ミッドは日本円に現在の紙幣価値に換算して120円前後)。
これでは普通の客は他店(某、機人のたくさんいる素敵なソープ)に流れるのも通りである。
だが彼氏いない暦19年の耳年増処女にはこれが理解できなかった。


「なんでやあああぁぁ!? なんで客が来おへんのやああああああぁぁっ!!!」
「はやてちゃん、あんまり叫ぶとまた近所の人に通報されますぅ」
「うっさいわっ!! そもそもなんで今週の一位が“また”エリオってどないなっとんねん!?」


はやてはそう叫びながら店のヘルス嬢の人気ランキング表を指差した。
そこにはこう表記されている‥‥

指名率

エリオ一位 月間指名数46
ヴィータ二位 月間指名20
フェイト三位 月間指名数3

以下略‥‥


「なんやねんコレはっ!? なんでエリオとヴィータがぶっちぎりでワンツーやねん!? あれか、ミッドの男は皆ショタ・ロリ万歳党に所属しとるんか? なあ、そうなんか!?」


魂の底から慟哭しながらはやて絶叫。
リインはひたすらオロオロとして彼女を宥めようとするが、もはやそれは不可能の領域になっていた。


「あれか? やっぱオッパイ要員の不足なんか!? こんなんやったら無理言ってでもシグナムかなのはちゃんを入れとくんやった‥‥」


ちなみにシグナムは“恋人(某狙撃手)以外の男に肌を許すことは死んでも‥‥いや死んでからも永遠に出来ない”と言って断固拒否。
なのはも“それ以上ふざけた事をその汚い口から吐いたら、八神の名前を持つ人間が一人この世から消え去る事になるの‥‥”という最高に物騒なセリフで大却下された。

そんな中、店内には虚しい残響が響く。


『アーッ!!』
「なんや、また声が漏れとるなぁ」
「エリオ君の断末魔ですぅ〜」
「やっぱ工事費けちって壁薄くしたんが痛かったんかなぁ〜、こうなったらギンガでも勧誘してみよか?」


数週間後、ヘルス起動六課は短い営業帰還を終えて閉店の憂き目と相成った。


終幕。
195ザ・シガー:2008/03/27(木) 23:33:21 ID:DPuV4ShF
投下終了です。

なんか本当に思いつきのアイディア、まあお遊びで書いたネタなのでソープシリーズに話は絡まないっすね。

そして言っておくが俺はノーマルです。
196名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:33:38 ID:4YKuN335
>>194
>ヘルス起動六課は短い営業帰還を終えて閉店の憂き目と相成った。

これはひどい漢字変換ですな。
197名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:35:50 ID:GV1ymp5o
なんて的確な誤字w
198ザ・シガー:2008/03/27(木) 23:36:18 ID:DPuV4ShF
>>196
誤植通報サンクス
“帰還”じゃなくて“期間”です。

やっぱ高速書きなぐりはいけませんね。
199名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:43:31 ID:fOiKCZFm
ホントに短ぇ!?(ガビーン!)
しかしエリオの苦痛と、エリオの苦痛を少しでも和らげようとしながら全然和らげてあげられないフェイトママの苦痛がこれで終わるなら僕も安心です。

はやての処女は僕が貫くとして、GJ
200名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:48:31 ID:9+2txiJ5
本当はあまりやりたくないけどはやての為にと頑張るヴィータちゃんを妄想するだけで萌え死ねる
201名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:57:49 ID:1yKZ4mbp
はやてが望むなら…と健気にご奉仕するヴィータのあれそれも薄壁の向こうから聞こえてくるわけですね
202名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:09:58 ID:OQiIYsm9
本番がないはずのヘルス機動六課でエリオの身に何が起こったw
203名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:12:43 ID:Ifh7wRyG
>>202
AFは本番行為ではありません><
204名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:13:41 ID:c00PP0Rh
てか、やっぱり本番無しじゃアレだな。やっぱり「ソープ機動六課」でいいんじゃない?
205名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:15:36 ID:FxTOJHGR
AFはオプションです。
だいたい一番高い。
ついでに嬢によっては選べない。


つまりエリオとヴィータはオプションAFできるんですね。
206名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:16:07 ID:UK00y+Rc
>>203
AMFが卑猥な言葉に思えてきた
207名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:19:46 ID:T+EpwJnD
>>206
A ア○ルと
M ま○こを
F ファック

こりゃあエロいぜ!!
208名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:20:46 ID:gYr1p6BP
ちょっと質問なんだが、一人称の地の文の場合はメートルやキロっていう単位は控えた方がいいのかな?
209名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:21:25 ID:oLS7USPZ
A アナルを
M ミッド式で
F ファッ〇
こうですか?わかry
210名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:31:32 ID:Ydrzxf0b
>>209
ベルカ式がどんななのか気になる
211ザ・シガー:2008/03/28(金) 00:31:40 ID:wtXCRX6+
>>202
男性同士の場合は勝手が違う、それがミッドチルダ。

ちなみに俺の脳内でAMFとはアナルを(A)メチャクチャ(M)ファック(F)するという意味です。
212B・A:2008/03/28(金) 00:35:32 ID:JfKFWW/m
>>211
それはつまり書けということですか?
もしくは追々書くということですか?


投下に来ましたが良いですか?
213名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:36:19 ID:2hsBqDYq
Aアナルは
Mモンディアルので
Fファイナルアンサー
214名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:37:06 ID:Ydrzxf0b
仕事速ぇよwww
どうぞどうぞ
215ザ・シガー:2008/03/28(金) 00:38:09 ID:wtXCRX6+
>>212
いや、普通のセックスで良いと思います。
むしろ普通に子作りしてくださいwww

そして貴方様の投下を心よりお待ちしておりました、どうか投下してくださいませ。
216名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:40:51 ID:VhL81FlA
>>171
わろたwwwww
でもなんか凹んでくるのは何故ぇ orz

機動六課の皆様には、やっぱ普通にラヴラヴしてほしいぜ!
でもこの一文だけがスゲエエエ気になる!
>「そういや、あたし以外にあんたを指名するやつっているのかい?」
>「いない。エリオやヴァイスと違って、私は基本的に用心棒だからな」
>「だったらあたし専用ってわけだ。…………えへへ」

この二人(2匹?)はやっぱこうでないとな〜 
ハァハァ

あとソープ・ナンバーズ2話目といい、ヴァイス自重しろw

>>195
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwww

>>212
よっしゃあああ!
頼むぜ!!
217B・A:2008/03/28(金) 00:41:50 ID:JfKFWW/m
>>214
今日は休みだったので、引き籠って書き上げたんですよ。


注意事項
・セッテ×エリオ
・時間軸はstsから5年後、エリオ16歳。そのため、捏造が多々あり。
・2人の回想という形で現在と過去が入り乱れる少々わかり辛い造りになっています。
・セッテの性格は少しアレンジ入っています。
・アニメ17話でエリオはフェイトと共に空へ上がり、セッテに撃墜されたという捏造の元にこの話は成り立っています。
・バトル嫌いな人はスルーの方向で。
・セッテの病み、遂に完治。
・最終回です。
218セッテ −その心の在り処− 第11話@:2008/03/28(金) 00:46:32 ID:JfKFWW/m
【5 years ago】

閃光が戦場を駆け抜ける。
エリオが手にしているのは光の槍。4枚の翼の羽ばたきは黄金色の魔力残滓をまき散らし、圧縮された魔力の渦が空間を捻じ曲げ、世界が悲鳴を上げる。
その一撃に、最も驚いたのはやはりシグナムであった。
エリオが放ったのはシグナムの奥の手。本来はレヴァンティの弓状形態ボーゲンフォルムから放たれる一矢であり、到達速度、破壊力の2点は
彼女が持つ魔法の中でも一線を画した正しく鬼札といえる魔法だ。それをエリオは魔力付与攻撃としてアレンジし、A.C.Sと組み合わせることで近接攻撃として再現してみせたのだ。
体に走るのは歓喜か畏怖か。どちらにしても、最初に浮かんだのは疑問だった。
シュツルムファルケンはシグナムにとって奥の手であり、滅多な事で披露することはない。半年もの間エリオに稽古をつけてきたが、当然のことながら伝授した覚えは一度としてなかった。
加えて言うならば、仮に教えたとしても今のエリオの技量では扱いきれる魔法ではない。ベルカ式の基礎ともいえる紫電一閃とは訳が違うのだ。

「まさか・・・・レヴァンティン!?」

《申し訳ありません、主》

《ですが、お2人がエリオの身をを我が子のように案じているように、我らもストラーダを実の弟のように思っています。
ですので、あのまま放ってはおけませんでした》

「バルディッシュ、お前もなの?」

《ご容赦を、サー・フェイト》

《騎士の決闘に介入した罰は後ほど受けます》

「そんなことはどうでもいい! レヴァンティン、貴様は自分がしたことの意味をわかっているのか!?」
219セッテ −その心の在り処− 第11話A:2008/03/28(金) 00:50:01 ID:JfKFWW/m
分相応の魔法は術者の負担となる。エリオの魔力量はシグナムに遠く及ばない上、今は戦闘で体力も魔力もかなり消耗している。
そんな状態でオーバーランクの魔法を使えば、体内の魔力を根こそぎ奪われて昏倒するか、制御を仕損じて自滅するかのどちらかだ。

《我らはただ、彼を失ってはならぬと感じたが故にあれを授けました。セッテ嬢が抱える闇は我らと似ております。
彼女にとっての騎士エリオは、我々にとっての夜天の王と同じなのです》

《サー、私もレヴァンティンと同意見です。高町なのはがあなたの名を呼んでくれたように、エリオもまた彼女の名を呼んでいます》

孤独に囚われ、感情を殺しあるいは感情を知らず、盲目的に命じられたことをこなすだけだった過去の主たち。セッテにその姿を重ねたが故に、
両者はエリオにシュツルムファルケンを授けたのだ。
勝とうが負けようが、それは些末な問題だ。重要なのは、思いが届くかどうか。エリオが戦っているのはセッテではなく彼女が思い描いた幻想の自分。
それを打ち破れるだけの力がエリオには必要だった。
己の目的、真の理想。自分が成すべきことに気づいた今のエリオならば、その力を正しく使いこなすことができると信じての賭けだった。

「だが、あの魔法はエリオにはまだ早すぎる! 元々あれは矢の魔法だ。A.C.Sとの併用など想定していないのだぞ! 下手をすれば命の危険すらある!」

《わかっています。ですが、命には賭け時というものがある》

《ここで命を惜しんでは、救える者も救えません》

それは逆転の発想にして前提を覆すちゃぶ台返しだ。
命を惜しんで全力を出せず、救える命を救えなければ意味がない。だが、全力を出して相手を打倒しても、そこで力尽きてしまえばやはり意味がない。
どちらも結果は同じであり、最後に生き残るのが自分か救いたいと思った相手かのどちらかだ。否、2つめの選択肢は状況次第では
全ての命を取り零すことにもなりかねない。だが、逆に言えば状況次第で全ての命を取り零さずに掬うこともできる。
要するに、どこに前提を置くのかの違いである。確実に2つの命を救うことができるかもしれない勝ち目のない戦いか、
下手をすれば2つの命を失うかもしれない代わりに勝算のある戦いか。
どちらが正しい選択なのかその是非を問うことはできないが、言えることは1つである。
男には、死んでもしてはいけないことと、死んでも成さねばならないことがある。
故に2人は託したのだ。真にストライカーとして完成したエリオが掴むであろう切り札を。
未熟なエリオを未来の彼が踏み込むであろう境地へと押し上げたのだ。





220名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:51:43 ID:OLTfXE2S
支援
221名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:55:15 ID:eVxZWCnZ
支援
そして最近ディードとタマちゃんが被ってしょうがない
222セッテ −その心の在り処− 第11話B:2008/03/28(金) 00:58:49 ID:JfKFWW/m
駆ける。
翔ける。
疾走る。
突撃る。
光の槍が凄まじい勢いでこちらに迫ってくる。
あまりの輝きに担い手であるエリオの姿が見えず、セッテには一本の光の槍がまるで意思を持っているかのように
こちらに向かってきているかのような錯覚を覚えた。
その光を目にして、セッテの頬を涙が伝う。
悲しいのか? 否、嬉しいのだ。
エリオは自分の間違いを正すために来てくれたのだ。自分を否定するために全身全霊を以て奇跡を成したのだ。
自分の幻想が造りだした偽りのエリオは、絶対にそんなことをしてくれない。幻想のエリオはただ尊く、気高いままにそこにいるだけだ。
これで認められる。目の前にいるエリオこそ、真のエリオ・モンディアルだ。自分が愛し、側にいたいと思ったエリオ・モンディアルだ。

(ああ、やっと・・・・)

セッテの心に焼き付いていた幻想のエリオが音を立てて崩れ去り、消えていく。だが、空虚さなど微塵も感じない。
あるのはただ、眼前の敵を迎え撃つという本能のみ。これで何の憂いもなく、ただ純粋にぶつかり合うことができる。
紆余曲折、半年もの時間をかけて、自分たちは随分とすれ違ったものだ。だが、今ここに全ての幻想は潰え、セッテの心は完全な無に帰すことができた。
エリオの思いが、絆が、強さが、自分の中の最後の闇を払ってくれた。
報酬は彼の一撃を受け止めることだ。非情なる戦闘機人ナンバーズbVとして、その誇りと意地に賭けてエリオの最大の一撃を受け止めることだ。
その一撃で以て自分たちは終わることができる。
その一撃で以て自分たちは始めることができる。
自分は自身の心の存在を証明する。
エリオは守りたいものを守る。
蛇行しまくった旅路の果てがようやく見えた。
だが、そこに辿り着くのは容易なことではない。騎士エリオが相対しているのは12人のナンバーズの中でも最強のパワーを誇る空の殲滅者。
そうそう簡単に打ち破れる相手ではない。
223名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:59:21 ID:gYr1p6BP
支援
224セッテ −その心の在り処− 第11話C:2008/03/28(金) 01:00:44 ID:JfKFWW/m
「IS発動、スローターアームズ」

セッテは2本のブーメランブレードを投擲し、残る2本を手元に転送する。
エリオの必殺を、自身の必殺で以て迎撃する。その意図で以て放たれた初撃であった。だが、それは何かの冗談であろうか? 
セッテの殺意を乗せた2本の投擲剣は、エリオの体に触れることなく消滅してしまったのだ。
バリアブレイク機能を持ち、如何なる防御をも粉砕するブーメランブレードが、あの光の翼に触れた瞬間に跡形もなく砕け散った。
恐らく、あの翼は攻性の魔力の帯なのだろう。その桁違いな魔力の羽ばたきはブーメランブレードのみならず、通り過ぎた空間すらも捻じ曲げ、蹂躙し、破壊している。
そうとわかった瞬間、セッテは追撃のために投擲しようとしていたブーメランブレードを投げ捨て、右手にテンプレートを展開した。
間髪入れずに桜色の砲撃が放射される。
この戦いで何度もエリオの体を焼いてきた灼熱の咆哮。だが、それすらも光の翼には通じなかった。
真っ向からぶつかった砲撃は中心から2つに裂け、翼の羽ばたきによって弾かれてしまう。セッテの砲撃は光の翼から僅かに数本の羽根を毟り取っただけに終わり、
依然エリオは真っすぐにこちらを目指して疾走している。
激突まで残り3秒。
砲撃が残滓を残して消えていき、右手から白い蒸気が漏れる。
迎撃は不可能と判断。現状における自分の武装では、あの疾走を止めることはできない。
残り2秒。
瓦礫を蹴散らしながらエリオが迫る。
空間が唸りを上げ、魔力の渦は更に苛烈さを増していく。吹き荒れるは暴風、鳴り響くは雷鳴。
最早、天災の権化とも言うべき地獄を前にして、セッテは左手を伸ばして滞空させておいたブーメランブレードを掴んだ。
残り1秒。
伸ばした腕を引き戻し、ブーメランブレードを構える。
エネルギーの残量は後僅か。仮にこの一撃を受け切ったとしても、反撃できるかどうかは神のみぞ知る。
そもそもこの規格外の一撃を真っ向から迎え撃つなど愚行でしかなく、確実な勝利をモノにしたいのなら全力で回避するべきであると自身に蓄積されたデータが告げていた。
だが、これは理屈ではないのだ。敢えて言うならば意地の張り合い。男と女の真っ向勝負。それを逃げ出したとあっては、ナンバーズの名折れだ。

「さあ来い。お前の全てを受け止めてやる」

余力を振り絞り、バリアを起動させる。
光の槍が激突したのは、正にその瞬間であった。





225セッテ −その心の在り処− 第11話D:2008/03/28(金) 01:03:26 ID:JfKFWW/m
【Present】

「!」

映像が途切れると共に意識が覚醒する。
体に纏わりつく嫌悪感を振り払うように飛び起き、顔にかかる髪をかき上げる。

「今のは・・・・・夢か・・・・・」

呟いた声はまるで老人のように擦れていた。
震えを堪えるようにセッテは自身の体を抱き締める。そこで初めて、彼女は自分が裸であることに気づいた。

(そうだ、私はエリオと・・・・・・・)

先程までの情熱的で獣のような交わりを思い出す。
横を見れば、疲れ果てたエリオがスヤスヤと寝息を立てていた。首にはまだ行為の最中に締め上げた跡がくっきりと残っていたが、
その顔はどこか満ち足りたような笑みを浮かべており、幸せそのものであった。
その安らかな寝顔を眺めていると、自然と目頭が熱くなってきた。

「良かった・・・・・お前がいてくれて・・・・・・」

5年間、耐えに耐え抜いてきた恐怖が堰を切ったように溢れてくる。
自分は1人だった。父親がいて、姉妹がいて、共に語らい暮らしていながらも、セッテという戦闘機人はいつも1人であった。
命令を聞くだけの機械。戦うだけの兵器。自分をそのように定義付け、温もりから遠ざかっていたのだから当然と言えた。
自分はあの温かな家族の温もりを知ろうともせず、自らの意思で冷たい機械に成り下がっていたのだから。
その固く閉ざされた心をこじ開けたのはエリオだった。エリオの生き方が、思いが、笑顔が、その全てが自分を変えた。
彼と共に生き、彼と共に死にたいという願望を自分に抱かせた。その過程に幾つもの寄り道はあったが、それも今となっては良い思い出だ。
今の自分は幸せなのだろう。本人がそれを幸せなのかどうか実感できているのかは別にして、言葉的な意味で言うならばこれを幸せと言うのだろう。
だからこそ、セッテは不安だった。この幸せが仮初のもので、いつかまた孤独な機械としての日々に逆戻りしてしまうのではないかと恐れていた。
保証なんてどこにもない。この身は機械。年を取らず、劣化を知らず、壊れても修復可能な造り物の体だ。これから先、何年経とうともその事実は変わらず、
多くの死を見つめることになるだろう。その中には、当然ながら最愛の恋人の死も含まれている。
その時、自我を保っていられる自信はなかった。
自身の感情は、心と呼べるものは全てがエリオ・モンディアルに起因し、エリオ・モンディアルに帰結する。その対象がいなくなれば、恐らく自己は崩壊するだろう。
壊れるのが先か狂うのが先か。いずれにしろ、ロクな結末にはならない。
226セッテ −その心の在り処− 第11話E:2008/03/28(金) 01:05:49 ID:JfKFWW/m
「泣いているの、セッテ?」

不意に温かな手がセッテの頬を流れる涙を遮った。

「起きていたのか?」

「女性が泣いているのに、その横でいびきがかけるほど僕は図太くないよ」

そう言って、エリオは半身を起こす。
月明かりに照らされたエリオの体は傷だらけだった。弛まない鍛練の傷跡、戦いで負った名誉の負傷、力及ばずに被った恥の跡。
この5年間、セッテが外の世界で生きるための術を学んできたように、エリオはひたすら己を磨いてきたのだ。全ては、5年前の約束を果たすために。

「夢を見たのだ。5年前の、お前との模擬戦」

「ああ・・・・あの時は本当に死ぬかと思った」

「実際、殺す気だったからな。それを思い出した途端、何だか怖くなった。あの時お前は、私の全てを受け止めてくれた。
そして確信したのだ、私の愛憎の全てを受け止められるのはお前だけだと。もしお前がいなくなったらと思うと、私は・・・・・・・・」

それ以上は怖くて言葉が続かなかった。
孤独で空虚な日々を知っているが故にそのイメージは鮮明だ。感情を得たが故にセッテは脆く、弱くなった。
そこにいるのは非情なる戦闘機人ではなく、セッテという名の1人のか弱き女性でしかなかった。

「安心して、僕はずっと一緒だ。忘れたのかい? 僕を殺すのは君なんだよ。君が僕を殺さない限り、僕はずっと生き続ける。生き足掻いて、君と添い遂げる」

『約束しろ。いつか、お前は私に殺されろ』

そう、5年前に確かにそう約束した。そして、その時エリオはこう言ったのだ。セッテの余りにも情熱的な告白に対して、エリオは目に涙を浮かべながら誓ったのだ。

『僕はあなたを守る。あなたが僕を殺すその日まで、僕がセッテを守る』





227名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 01:09:19 ID:FxTOJHGR
支援
228セッテ −その心の在り処− 第11話F:2008/03/28(金) 01:10:25 ID:JfKFWW/m
【5 years ago】

ぶつかりあったバリアと魔力刃が火花を散らす。
重い。
受け止めたその一撃は、この戦いの中で最も重かった。そこに込められた思いの強さが半端ではない。
迸る魔力の渦は恐怖を掻き立てるというのに、その熱さにセッテは心を奪われていた。

(見える。エリオだけではない、その後ろに彼を支える絆が見える!)

それは親友と共に明日を生きることを誓った少女であったり、悲劇を繰り返さぬために戦う王であったり、贖罪のために未来を築こうとする
騎士であったりと様々な姿を浮かべていた。共通しているのはただ1つ、全員がその胸に眩しくも輝かしい希望を抱いているということだ。
だからこそ退けぬ。
エリオが絆を束ねるのなら、こちらは誇りを背負う。
12人の姉妹。ジェイル・スカリエッティが造りだした最強の兵器。戦いを宿命づけられた生まれながらの兵士。
戦闘機人ナンバーズとしての誇りで以てその一撃を受け止める。
ぶつかり合う閃光。混じり合い、霧散していく桜色と金色。軋みを上げているのはストラーダかブーメランブレードか、
どちらにしても、この鬩ぎ合いがそう長くないことは明白だった。
故に布石を打った。
セッテの手には、ブーメランブレードが1本しか握られていない。砲撃を放つ際に投げ捨てたもう1本は、
大きく弧を描きながらエリオの背後に回り込んでいる。

「!?」

「スローターアームズ!」

前方のみに意識が集中していたエリオがそれに気づいた時、既に投擲剣は致命的な距離にまで迫っていた。
如何にA.C.Sの翼が強力でも、背面にまでその守りは届かない。
卑怯と罵りたければ罵れば良い。戦闘機人は騎士ではなく兵器。勝つためならば不意打ちも闇討ちも平然とやってのける。
それこそが彼女の全力であり、真っ向勝負を挑んだエリオへの返礼であった。

「・・・!?」

エリオの背中に深々とブーメランブレードが突き刺さる。回転が弱まっていたせいか、致命傷にまでは達していない。
だが、攻撃の威力を削ぐには十分な一撃だ。現に光の翼は大きく揺らいでおり、消滅しかかっている。
こちらが残りのエネルギーを振り絞れば圧倒することができる。
そう思った瞬間、バリアにかかる負荷が更に強くなった。

「なっ!?」

「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」

雄叫びが聞こえる。
削がれるはずだった威力は更に増していっている。先程の翼の揺らぎは消滅の前兆ではなく、より大きく羽ばたくための予備動作だったのだ。
消えるはずだった翼の光は更に苛烈さを増し、千切れ飛んだ魔力残滓の羽根が2人の体を包み込んでいく。
満身創痍のその体のどこに、それほどの余力が残っているというのだろうか?
見ると、エリオは全身から出血していた。目はうっ血して赤く染まり、毛穴という毛穴から赤い飛沫が漏れている。
それはまるで荷重に耐えられずに自壊していく石柱のようであった。行使した魔法の負荷に体がついていけず、内部から崩壊していっているのだ。
急いで魔法を解除し、応急処置をしなければ生命の危険もありうる。
それでもエリオは魔法を解除しない。全力全開、自身に残った生命力の一滴までもを絞りだし、魔力に変換してストラーダの魔力回路に注ぎ込む。
やっとここまで辿り着いたのだ。やっとセッテが立つ頂に手が届いたのだ。今ここで諦めることは、騎士としても男としてもやってはいけない非道だ。
だから、例え愚行と嘲笑われようと、この魔法だけは絶対に解除しない。
229名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 01:14:25 ID:FxTOJHGR
もっかい支援
230セッテ −その心の在り処− 第11話G:2008/03/28(金) 01:14:36 ID:JfKFWW/m
「ぶちぬけぇぇっ、ストラーダぁっ!!」

《Jawohl》

そして、拮抗していた戦況が大きく傾いた。
まるで散華するかのようにブーメランブレードが砕け散り、光の槍を受け止めていたバリアが消滅する。
妨げるものがなくなった光の槍はそのまま眩しい軌跡を描き、エリオは力強く床を踏みしめた。

「セッテェェッ!!!」

驚愕する暇すらなく、セッテは反射的に砕けたブーメランブレードの柄を手放して、左手でストラーダの穂先を受け止めた。
咄嗟にそこまで動けたのは正に奇跡としか言いようがなかった。だが、そこまでだ。セッテが如何に怪力といえど、
全てを葬り去る光の槍と拮抗するなど不可能。光の侵食によって受け止めた先から消滅していき、砕けた機械の破片が飛び散っていく。

(そうだな、個人が軍隊に勝てる道理など、あるわけがないか)

どれだけ重く尊い誇りを背負おうと、所詮1人であることに違いはない。無数の思いを束ねた絆に打ち勝てる道理など、最初からなかったのだ。
壊れていく左腕を目にしながら、セッテは自分を打ち破ったエリオに何と言って労ってやろうかと思考を巡らせた。
その瞬間、何の前触れもなく光が消滅した。

「!」

その隙に反応できたのは、兵器としての彼女の本能が成した業であった。光の翼が消え、エリオの歩みが止まった隙に
無事なままの右手が手刀を作り、呆然と立ち尽くしているエリオの首筋に突き立てられる。
身に余る奇跡の代償は、彼の敗北であった。

「私の勝ちだ」

「はい・・・・・僕の負けです」

エリオの手からストラーダが零れ落ちる。
体が痛い。全身の至る所から出血しており、指先1つまともに動かすことができなかった。BJも維持できずに消滅していっている。
痛みに耐え切れず、バランスの崩れた体をセッテはその大きな体で受け止めた。そして、いつかとは逆に、
今度はセッテがエリオの小さな体を優しく抱き締める。

「お前は弱いな」

「はい・・・・僕は、よわ・・い・・・です」

エリオの目には涙が浮かんでいる。
届かなかった。幻想を打ち破り、奇跡を起こしながらもセッテの強さまで辿り着けなかった。
全力で駆け上がった階段は、思わぬところで途切れてしまっていた。
それでもエリオは目を背けない。全力全開の戦いの結果が敗北であるのなら、潔くそれを受け止めることを選んだ。
その無様な泣き顔を見て、セッテは思わずにはいられなかった。
反則だ。
そんな顔を見せられては、放っておけないではないか。そんな情けない姿を見せられては、何とかしてあげたいと思うじゃないか。
だから、気付けばその言葉を口にしていた。
231名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 01:16:40 ID:Ifh7wRyG
sienn?
232セッテ −その心の在り処− 第11話H:2008/03/28(金) 01:17:56 ID:JfKFWW/m
「守ってやる」

言った本人すら意外な言葉。
壊すことしか知らなかった戦闘機人が初めて口にした、優しい言葉。

「お前を守ってやる。お前は小さくて弱くて、放っておいたらすぐに死んでしまいそうだ。だから、お前の敵は全て私が殺してやる。
お前を脅かす全ての害悪を私が殲滅する・・・・・・・・だから約束しろ。いつか、お前は私に殺されろ」

そうだ、他の誰にも渡さない。エリオ・モンディアルを殺して良いのは自分だけだ。
自分の全力を受け止め、全力で応えてくれるのはエリオ・モンディアルだけだ。
心を掻き立て、狂おしいまでに求めてしまうのはエリオ・モンディアルただ1人だ。
だから、他の誰にも殺させない。この命に代えても、全力でこの男を守る。

「だったら僕は・・・・・・・」

嗚咽で擦れながら、エリオは言葉を紡ぐ。誓いの言葉を。狂おしいまでに自分を愛してくれている女性に応えるために。

「僕はあなたを守る・・・・・僕を殺してくれるあなたを、僕の全てを賭けて守る・・・・あなただけを見て、あなたのためだけに生きる。
強くなって・・・・今度こそあなたの側に立つ・・・・・そして、僕はあなたを守る。あなたが僕を殺すその日まで、僕がセッテを守る」

目に涙を浮かべ、みっともなく鼻水を垂らしながら、それでもエリオは宣言する。
男として余りに情けない姿で、騎士として余りに恥ずかしい姿で、心の底からの誓いを告げる。
これは盟約だ。
これから先、共に生きていくという盟約。
苦痛も悲しみも後悔も、喜びも楽しみも幸福も、その全てを分かち合って生きていこうという誓い。
その誓いを前にして、セッテは不器用ながらも微笑んだ。戦いの最中に見せた狂った笑みではない。
誰かを慈しみ、愛おしいと思うが故に浮かべることのできる穏やかな笑みだった

「ああ、約束だ」

「はい、約束です」

最愛の人が微笑んでいるのを見て、エリオもまた笑みを浮かべる。
それを最後に、エリオの意識は急速に遠のいていった。心が充足感に満たされながら、
やがて訪れるであろうセッテとの幸せな生活を夢見て、深い眠りへと落ちていった。





233セッテ −その心の在り処− 第11話I:2008/03/28(金) 01:20:53 ID:JfKFWW/m
【Present】

「あの時の誓いは、ちゃんと胸に刻まれている」

穏やかなエリオの言葉は、頼もしいまでに力強かった。
大きくなった。
体ではなく心が強くなった。
その逞しい腕に抱かれながら、セッテは静かに瞼を閉じる。耳をすませば、エリオの心音が聞こえてきた。
緊張しているのか、その感覚は僅かに早い。それでも、力強い響きは変わらなかった。
そう、エリオは最初から強い男だった。危なっかしくて思い込んだら一直線なところはいったい誰に似たのか知らないが、
いざ顔を上げれば息継ぎもせずに全力で走りだすような男だった。ただ、ほんの少し道を間違えやすいところが彼の弱さだった。
迷って、苦しんで、挙句に出した答えはいつも彼を苦しめる。正解に辿り着くまで何度でも絶望に打ちのめされる。
それでもエリオは諦めない。めげずに立ち上がり、倒れても立ち上がり、歯を食いしばって歩き続け、奇跡にまで手を伸ばす。
その不屈の心こそ、エリオ・モンディアルの本当の強さだった。
その魂の輝きに自分は惚れ込んだのだ。
その輝きに憧れて、彼の全てが欲しいと思ったのだ。
だから誓った。彼を脅かす全てと戦おうと。彼にこれからの人生を捧げようと。

「エリオ」

「なんだい、セッテ?」

「ちゃんと守ってくれないと、殺してしまうからな」

それは最早、形骸化してしまった言葉。
殺せるわけがない。殺したくなっても殺せない。憎いのは愛情の裏返し。彼を愛するが故に心はざわめき、胸はジンと熱くなる。
狂おしいまでに劣情を掻き立てるエリオの魅力が憎たらしいのだ。彼を前にして、恋する乙女にならざるをえない現実が許せないだけなのだ。
だから、自分にはエリオを殺せない。これは単なる誤魔化しだ。
それを知っているからこそ、エリオは微笑む。
好きなだけ憎んでくれて良いと。その代わり、自分はもっと君を愛すると。

「それじゃ、精々殺されないようにご機嫌取りでもしようかな。お姫様」

菩薩のような笑みは、殺意を掻き立てるのに十分な威力を有していた。だから、心の底から愛を込めて言い返してやるのだ。私はもっとお前を愛すると。

「やっぱり、私はお前が嫌いだ」

5年もの時が経とうと、このやり取りだけは変わらないらしい。

                                                            fin
234B・A:2008/03/28(金) 01:24:34 ID:JfKFWW/m
以上です。
あんだけど派手な演出しておいてオチはそれか! というお叱りは慎んで受け止めさせていただきます。
いや、どっちかっていうとこのお話の主人公はセッテの方なので勝敗があれでも良いと思いまして。
これにてセッテ×エリオSSは終了ですが、折角同棲させたんだから、折を見てまた書こうと思ってます。
お花見とか海水浴とか行かせたいし、街でデートもさせたいし、新妻と間違えられて井戸端会議に連れ込まれるセッテとか
何かツボに入りそうで。

とりあえず、シリアス脳を休ませるためにエロエロ脳を起動させようと思うのですが、書こうと思っていたなのフェがチイとも思い浮かばん。
なのはが学校でフェイトに肛門プレイ、というところまで決まっていているのに・・・・・・・・やっぱりナニがついていないとイメージの描写が難しいなぁ。
235B・A:2008/03/28(金) 01:25:19 ID:JfKFWW/m
とと、これを言わなきゃ終われない。
支援ありがとうございました。
236ザ・シガー:2008/03/28(金) 01:29:25 ID:wtXCRX6+
GJううううううぅぅっ!!!!!

まさか本当にセッテの純愛(?)SSを書き上げてしまうなんて‥‥‥あなたはどんだけ凄いんだ。

しかし“殺す”の意味が完全に逆転してる奇妙な関係が見ていて可愛い。
個人的にはこの二人の話をもっと見たいっす、是非ともエピローグを書いてくださいませ。


よし、俺もB・A氏に習ってソープシリーズでセッテを書くぞ。
なんとか明日中には投下できるようにしよう。
237名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 01:32:48 ID:AlFJG0tU
>>235
GJ!!すげえかっこいいんですがこのカップル!!
ラストシーンで『ずいぶんかあいい女の子になったなぁ』と
しみじみしてしまいました!!おつかれさまでした。
238名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 02:50:34 ID:2hsBqDYq
ユーノ×はやてっぽいかも
リインが酷い目にあいます

若干グロいかもしれまん。ぶちゅっとかぐちゅっとかいうのが苦手な人はスルー推奨
239名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 02:51:13 ID:2hsBqDYq
っと、投下させていただきますというのを忘れてた。これから投下させていただきます
注意書きは上ので
240名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 02:52:06 ID:2hsBqDYq
「ユーノ君、資料もらいにきたよー。」

無限書庫に教導に用いる資料を取りに来た高町なのはは、内心思いをよせている
ユーノ・スクライアに会えるという思いから、幾分高くなっていたテンションは
しかし、無限書庫司書長室から聞こえてくる、親友にして元六課部隊長とそのデバイスの
声のせいで、一気にレッドゾーンへと突入してしまった。

『あぁ・・・・・・こんな立派なモン初めて見たわ・・・・・・」

まるで、大好物を前にした猫のようなとろけた女のような親友の声

『り・・・・・・リインは良く知らないけど、やっぱりこれって大きいんですか?』
『リインフォースは、これを見るのは初めてなの?』

はじめて見る『何か』に怯えるようなリインフォースUの声と、あくまでも優しげなユーノの声。

『大きいどころやないよ、リイン・・・・・・ほら、リイン。せっかくやし触らしてもらい。』
『うわ・・・・・・ぷにぷにしてます。きゃっ、動いた・・・・・・』
『じゃあユーノ君、今日は私がさせてもらってええかな?』
『いいよ。じゃあやってみて。』

そんな会話を、まるで某コトノ○様のような目をして扉の前にたたずんだまま聞き続けるなのは。
そんななのはの事などつゆ知らず、中で行われている『ナニカ』は進行していく。
241名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 02:53:12 ID:2hsBqDYq
『うわぁ・・・・・・ぱんぱんになってきました・・・・・・』
『ん・・・・・・そろそろええ頃やなぁ。あんましすぎると中のが出てもうてもったいないからなぁ。』
『リイン、無理はしなくていいんだよ?』
『大丈夫やて、ユーノ君。リインもきっと夢中になるて。ほらリイン。お口あけてみ。』
『は・・・・・・はい。はむ・・・・・・うぁ!?し、白いのが中からいっぱい・・・・・・』
『あー、ちゃんと奥まで口にいれんから・・・・・・顔中べたべたやん。じゃあ、私ももらうで。』
『んぅ・・・・・・やっぱユーノ君のは最高やぁ・・・・・・こんなに凄いの、ユーノ君以外くれへんもん。』
『そういってくれると、ご馳走のしがいがあるよ。』

そこまで聞いて、高町なのはの理性はこれ以上ないほどに、完璧に消し飛んだ。

「ちょっとまったぁぁぁぁぁぁぁ!なの!」

司書長室の扉を蹴破り司書長室に飛び込んだ高町なのは。

その時、高町教導官が見たものは!



「あむ?なのはちゃんどしたん?」
「あれ、もしかしてなのはも食べたかった?」

巨大な芋虫を、持ち込まれた七輪とフライパンの上で焼きながら食べていたユーノとはやての姿だった。
それも、なんというか日本ではみたこともないような巨大な芋虫が箱の中で蠢き、その中のいくらかを
ちょこちょこと焼きながら、皮がパンパンになった、食べごろになった物を食べていたようなのだが・・・・・・
聞きたいことはそんなことではない。

Q:何を食べているんですか?
A:ガリューではありません。ミッドのある地方にすむ大いもむしなので無害です

Q:何でそんなものをたべてるんですか。
A:放浪の民族の貴重なタンパク源です。フェレトなら生でいけます。 
  ちなみに私の方は昔からざざむしとか納豆とか蜂の子も余裕でオッケーや。でも生はカンベンな

Q:お二人はいつからこういった関係に?
A:海鳴にいた頃から、ちょくちょくとこっそりこうやって一緒に。

Q:他の人に内緒にしていた理由は?
A:普通の日本人は流石に引くだろ、jk

Q:こちらから質問です。なのはさんは何故RHを構えているんですか。
A:何かむかついたからです。少し頭冷やそうか。

END
242名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 02:53:48 ID:2hsBqDYq
以上です。

いいか、ガリューだけは食うなよ、いいな、ガリューだけは食うんじゃないぞ!
いいな、絶対だぞ!キシャー!
243名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 03:15:06 ID:pGRbOUao
>>234
GJ!!

やはりアニキ達(デバイスたち)が熱かった。

泣いているエリオを抱きしめているセッテ。(身長差約50cm?)
むう・・・・・いや、これはこれで絵になるか。

これの後書きで、もう「肛門プレイ」とかいっているのに、
今日一番笑ってしまった。

取りあえず、連載お疲れさまでした。
外伝をのんびりお待ちしております。
244名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 03:15:54 ID:Ifh7wRyG
はやてさんはすっかりそっち側の人間になってしまったなあ(遠い目
245名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 03:17:28 ID:FxTOJHGR
>>242
ついにガリューが食べられたのかと思ったぞw
あとフェレトはフェレットの間違いだよな?
生の芋虫を頬張るフェイトさんじゃないよな。

246名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 03:20:53 ID:2hsBqDYq
>>245
答えはアナタの胸の中にあるんです>フェレト
247名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 03:32:04 ID:FxTOJHGR
>>246
そうですか…

プレシアママンに虐待されて食事もままならないフェイトさんが、
アルフの捕ってきた芋虫を一緒にかじって飢えを凌いでいる風景が頭に浮かんだヲレはもうだめだorz。
248名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 04:32:43 ID:JfKFWW/m
いやぁ、少なくともリニスがいたからその辺は大丈夫でしょう。
その後はわからないけど、97管理外世界に来てからは軍資金たんまり貰ってたみたいだし(小説版)。
249名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 05:28:40 ID:wZx/DL/p
>>234
GJ!!!!!!!
セッテのかわいさは異常だ
多分、生涯エリオがセッテをからかう(褒める?)→セッテお前のことなんて〜を続けていくんだろうなあ
この二人にも幸あれ
エリセッテの番外編も見てみたいですが、エリルーの方も番外編考えていただけると嬉しいです!
250タピオカ:2008/03/28(金) 05:56:17 ID:DqTXO/WY
よし、こんな時間だ、誰もいまい。
今のうちに……

注意書き
・お久しぶりです
・え? 覚えてない? ですよねー……orz
・もはや覚えられているはずがない話の続きです
・猫娘と11の話
・エロなし
・それどころか無謀にも戦闘
・驚くほど歴史を改造
・キャラが不自然なのは力量不足です
・オリジナルの魔法とか出しちゃう
・ポロリもあるよ!(落下、墜落的な意味で)
・リアルで忙しかったので久しぶりに書いて違和感が凄い
・323氏のwhite motherが鬼のように面白すぎて「あれ? 俺の話面白くない」と自信をなくしまくってたので違和感が凄い
251タピオカ:2008/03/28(金) 05:57:26 ID:DqTXO/WY
「優しい夢を見れるよう」 転の話 後編


「ドクター!」

ホログラム・コンソール見ていた顔を回せば、スカリエッティの視界いっぱいにウェンディの顔。キス寸前の近さである。
作業の手を止めて、何やら剣幕ただならぬウェンディへと小首をかしげた。

「なにかね?」
「リニスについて、教えて欲しい事があるっス」
「……」

一寸、考える素振りをして、スカリエッティは再びコンソールへと向き直る。
先ほどよりも手早く中空に結像したキーボードを叩くその様子に、ウェンディがムッとならないはずがない。

「ドクター!」

スカリエッティの片腕を掴み、プラプラ揺らしながら創造主に再度の呼びかけ。
まるまま子供である。ゆっくりと、スカリエッティが口を開く。

「ウェンディ、リニスにはね、会いたい人がいるんだ」
「?」
「フェイト・T・ハラオウン」
「それって……」
「そう、我々を追っている管理局員の一人さ」
「……リニスが苦しそうなの、その人のせいっスか?」
「おや……」

またもキーを叩く手を止めて、スカリエッティはとても意外そうにウェンディを見つめた。
きょとんとした楽天娘は、スカリエッティの腕をプラプラするのを止めてハテナ顔。

「分かるのかい、リニスが苦しい事が」
「え、うん」
「………これは、予想以上だ」

低い笑い声を噛み殺しながら、スカリエッティがキーボードをひときわ軽やかに叩いた。
展開されていたウィンドウから一筋、細い光線がウェンディの瞳に注がれる。
すぐにウェンディの脳裏にデータが走る。いわゆる個人データ。
名はフェイト・T・ハラオウン。他、いくらかの詳細や資格、経歴、そして所在。
転送されたデータに目を瞬かせるウェンディへと、スカリエッティは機嫌よさげな声調になっている。

「リニスはフェイト・T・ハラオウンに会うまでずっとつらいんだよ」
「ど、どうして?」
「会いたいからさ」
「……? 会いに行けばいいじゃないっスか」
「だが、彼女は監禁中だ」
「あ、ホントだ! ドクターひどい!」
「ククク、そうだね、まったく酷い事だよ」

プリプリ怒るウェンディの頭にスカリエッティが片手を乗せた時分にもなれば、ホログラムで出来たコンソールの類いはすでに消え。

「だが、君ももう恐怖症を克服した事だ。そろそろリニスを自由にしてあげてもいいと思ってる」
「ホントっスか?」
「もちろんだとも。最初はね、ディエチにいろいろと経験を積んでもらいたかったんだが、まさか君が先に殻を一つ破るとはね。そして、それは十分に価値がある。それなりの、報酬をリニスへ支払わないと」
「じゃあ」
「ああ、フェイト・T・ハラオウンの所へ、リニスを送り出そうじゃないか」

ウェンディが驚きに口を開けて数秒。瞳が輝いて笑顔。その明るさたるや、太陽のようだ。
252タピオカ:2008/03/28(金) 05:58:52 ID:DqTXO/WY
「じゃあ、もうリニス苦しくなくなるっスね!」
「ああ、そうだとも。早速リニスにアジトから出ても構わない旨と、フェイト・T・ハラオウンの所在を教えてあげなさい。そうだね、文字通り飛びだしてしまうかもしれないな、リニスは」
「あ……」

ウェンディの笑顔が曇った。簡単に、一つの未来が描けたからだ。

「どうしたんだい?」
「……じゃあリニス、もう帰ってこないっスか?」
「さて、どうだろうね? 確かに、もう帰ってこないかもしれない」
「…………」
「もっとリニスと一緒にいたいかい?」
「うん……でも」
「でも?」
「でもリニスは、心の奥の方じゃあたしよりその、フェイトって人と一緒にいたいっス……だから、伝えたい」
「いいのかい?」
「…………」

コクリと、ウェディは頷いた。恩返しに、似た気持ち。
きっとリニスと一緒に飛ぶ事の喜びがウェンディにあるように、リニスはフェイトという人物と一緒に在る事に喜びがあるはずだ。
ならば、

「そっちの方が、いいっス」
「優しい子だ」

いっておいで、とウェンディが肩を叩かれれば、弾かれたように動き出す。早く、今のこの気持ちよりもリニスをこのアジトに縛っておきたい気持ちが膨れる前に、伝えようと。
そんなウェンディの後ろ姿見やりながらスカリエッティは通信を開く。虚空に浮かぶ小型のウィンドウの中には、ウーノが映った。

「トーレたちの訓練を切り上げさせて、すぐに呼び戻して欲しい」
『何かあったのですか?』
「何かあるのは、これからさ。それと、ここから転移魔法に適した一番近いポイントをすぐに割り出して、そこにトーレたちを待機させてくれ」
『分かりました。リニス様ですね』
「ご名答。航空戦力のナンバーズだけじゃ、難しいかもしれない。ガジェットドローンも出せるだけ出しておくれ」
『出せるだけ、ですか?』
「そうだ。それとライディングボードの予備はいくつあるかな?」
『ひとつ、組みあがっていますが?』
「緊急事態になってから、ディエチにその事を伝えてあげなさい」
『はぁ…?』

ウーノの剃刀じみた鋭さがディエチの名で曇る。何故ですか、と言わんばかりだが口にせずに通信が切れた。
秘書の顔が消えて即座、スカリエッティはこのアジトを破棄する準備にかかる。



「リニス!!」

いつも以上に元気の良い声調と声量で部屋に転がりこんできたのはウェンディだった。
その表情は破顔。嬉しそうなものだ。
嬉しそうなものなのに、リニスは複雑な感情ないまぜになっているように見えた。そこに淋しさが微かに見て取れたのは勘違いだろうか。

「ど、どうしたんです、そんなに慌てて」
「リニス! ドクターから許可が下りたっスよ、ここから出ても、いいんス!!」
「……え?」
「もう監禁終わりっス! フェイトって人にも、会えるようになるっス!!」

興奮と高揚ばかりに染まったウェンディにあてられたように、その名一つでリニスの心も昂ってくる。
会える。
フェイトに会える。
瞬間、
253タピオカ:2008/03/28(金) 06:00:22 ID:DqTXO/WY
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>

九つの声がリニスの脳裏に響いた。
自我吹き飛びそうなくらいに強い声。震えながら必死で溢れる灼熱の想いを鎮ようとするリニスだが、その横でウェンディは端末を操作、とある人物の情報をディスプレイに表示させた。

「ほら、もう居る場所も分かっちゃってるんス!」
「あ」

ちらりと、リニスの視界にその顔が写る。
優しい顔だち。
長くて綺麗な金髪。
宝石のような赤い瞳。
めまいがしたのは一瞬。幼かった頃の特徴を全て昇華させたフェイトの映像に、リニスの魂は鷲掴まれ、心が蝕まれていく。

「ああ」

身も心も凍えたようにリニスが微動だにしなくなってしまう。ただ、視線の先には表示されたフェイト・T・ハラオウンの画像。熱い熱い視線。
そんなリニスの様子に、ウェンディはこれで別れが確定したのだと強く胸を締め付けられる心地になってしまう。それを飲み込んで、笑顔を続け。

「それで、まだみんなには話してないっスから……」
「あああ」
「これからリニスの事……リニス?」
「ああああ」
「リニス…?」
「あああああ」

ようやく、感動や喜びでリニスが止まったのではないとウェンディが悟る。
凍結していたリニスは泣きそうな顔で、寒さに耐えるように震えて吠えていた。

「ああああああああああああああああああああ!!!」
「リ、リニス? リニス!?」

その肩を抱き、ウェンディが瞳を覗きこむがリニスは反応しない。眼が合っているはずなのに、リニスが見ているのはウェンディではない。

「フェイト……フェイト……」
「リニス? だ、大丈夫っスか? リニス!!」

肩ゆさぶり、明らかに異常なリニスの思考を取り戻そうとするが無意味だ。
堰を切ったように溢れだすリニスの愛情。理性と知性を飲み込んで、会いたい気持ちは会う決心となる。
それは今の今まで拒絶していたジュエルシードの声への同意。ジュエルシードは願いを叶えるため、その身に秘めた魔力を惜しげもなくリニスへ供給していく。魔力を受けるリニスといえば、全てのしがらみを振りほどいて、ただフェイトを望もう。
ただフェイトのみを。
だから、眼前で自分の名を呼ぶ赤毛の娘は邪魔にしか映らない。

「フェイト……どこ…フェイト……フェイト!!」
「落ち着いて、リニス! リニスってば!!」
254タピオカ:2008/03/28(金) 06:01:15 ID:DqTXO/WY
ウェンディの手を払いのけ、ここにいない誰かを幻視しながらリニスが力のない足取りでディスプレイまで近づいた。
表示されたデータの数々を虚ろに読み上げる声の合間に、パチ、パチと空気が爆ぜるような音をウェンディは聞いた。
ウェンディに背を向けるリニスの周囲、のたうつ様に紫電が煌めいていく。
それが変換された魔力であると気づいて思わずAMF濃度を確認してしまう。
確かに、高密度で展開されている。アジト内は正常にAMFは機能しているのだ。
だのにリニスから生まれる魔力の稲妻は膨れ上がっていき、触れている端末が異常を起こすだけではなく縁の材質がとろけて奇妙な匂いと煙まで立てている。
デバイスの補助なしだ。
なしで、現状のリニスはAMFのペナルティ下で落雷に匹敵するエネルギーを纏わせている。

「リニ…」

再度、ウェンディが声掛けようとした時、リニスが纏っていた紫電纏め、収束し始めた。
依然背を向けて、電気にあてられてもはや何も写さぬディスプレイ眺めたままのリニスだが、ふと上をむいた。天井だ。その壁隔てた先の先には、空がある。
何をするつもりか悟ったウェンディは即座、リニスの部屋を飛び出て走りに走った。
いつもは淡い灯に照らされる廊下だが、リニスのせいか明滅を繰り返している。
ウェンディが走っている最中、背後で空気の爆裂音が聞こえ、地響きがアジト全体に伝わる。ゴロゴロと言うその音は、雷の音だ。

正直、訳が分からなかった。
きっとリニスが喜んでくれると思えば、リニスがリニスでなくなった。
困惑と混乱と不安で泣きそうになるが、ただ体は動く。リニスが出て行こうとしているのが理解できるからだ。
そして、そんなままで別れてしまうのは納得できない。
ならば行動だ。飛べるリニスに、飛べない自分では話にならない。
訓練室のライディングボード引っ掴んで、アジトの被害状況を確認しようとした時、再び地響き。
ライディングボードをアジトのメインシステムに接続しながら来た道戻れば、ぽっかりとアジトに穴が開いた被害だと応答。
戦闘機人が暴れても安心の設計を、たった2発でぶち抜くとは恐れ入る。
オヤツがイチゴムースだった日のセッテよりも早くリニスの部屋へと帰りつけば、扉が砕け散っていた。

数万度の稲妻暴れ狂い加熱された部屋は、黒煙と異臭漂う残骸しか残っていない。
ただ、天井。リニスが見上げた天井の先には、ぽっかりと、穴。視界は有害な煙一色で見えやしないが、流れる空気がウェンディにその穴の存在を教えてくれる。

「リニス……」

へばりつくようにライディングボードに乗っかかり、垂直に発進。
粉塵で汚れた空気を突っ切れば、10秒と経たずに外へ出る。郊外の断崖にアジトはあった。
そもそも文明レベルの高い世界ではないのに加え、郊外である事から建築物の類は影も形もない。森と山の緑生い茂る大地から飛び出れば、よく晴れた空。澄んだ空だ。だから飛ぶ、誰かの姿もよく見える。

「リニス!!」

飛翔の軌道に雷電まき散らしながら空駆ける姿があった。その手には、プレシアの杖。
速い。
速いが、

「追いつくっス……!!」

全速全開。
一切の思慮思考を押しのけて、今この瞬間、ウェンディはライディングボードと一つになる。
ただ、追いつく。

何のために?
追いつけるのか?
追いついた後は?

そんな考えも湧いてこない。ただ、ただ追いつくために、飛ぶ。
そう、飛ぶだけ。この時だけは、リニスへの想いも何もかも置き去りにしてただ飛ぶ事だけに専念する。追いついた後、どんな声をかけるか考えるのは、追いついた時の自分に押しつける。

リニスの進行方向には、海。
そこに何かあると言うわけではなく、転移魔法を使うためのポイントを確保する気だ。
最高速度をひねり出すウェンディの眼下はすぐに緑から青になる。しかし、まだ距離は詰まらない。
詰められる手ごたえはある。が、出遅れたスタートを取り戻せるか微妙な所だ。
もうすでに大地は遥か後方。上方は空の蒼、下方は海の青。潮の香りに、リニスの紫電で焦げた空気のイオン臭が混じる。
255タピオカ:2008/03/28(金) 06:04:06 ID:DqTXO/WY
「リニス………リニス……リニス……!!?」

呟きが届いたわけではないだろう。
が、リニスが止まる。
四方八方は海。流れる雲速く、爽やかな空だった。
中空に止まったリニスを不可解に思ったが、その先を見て納得できた。トーレ、セッテ、ディードの空戦組が向かって来ている。
リニスをはさみ撃つ位置関係。
まずウェンディがリニスへ追いつけそうだったが、ライディングボードの速度が鈍った。
リニスの纏う紫電が量も質も増していくのを見たからだ。
それだけではない。リスニの前後に展開される紫色の魔法陣。つまり、トーレたちと、ウェンディに向けられた陣。

「!!!」

遠くでトーレが退避と叫ぶ声が届く。それよりも先にウェンディはボードを大きく捻って進路を変えていた。口開いて両耳塞いだのはほぼ反射。本能的な回避の後、二呼吸前まで自分のいた位置を稲妻が駆け抜けた。
戦闘機人さえ蒸発させ得る熱量を追うように、近場でゴロゴロゴロと雷鳴。
トーレたちも、無事だ。

だが、

「リ…リニス……?」

違えようのない殺意の雷撃にウェンディは呆然ともう一度名前を呼んだ。
振りむいたリニスの瞳は、情を削ぎ落とされた冷たい色。母なる優しさも温もりも夢幻だったような狂った双眸は、お前たちが邪魔だと語る。
プレシアの杖構え、ゆるぎない敵意と殺意込めて油断なく戦闘機人の出方をうかがっていた。

『ウェンディ』
『ト、トーレ姉……』

まだ、リニスをはさんでトーレたちとの距離は離れている。思念での通信に入ってくるトーレの言葉に、少しだけウェンディが自分を取り戻す。

『何故リニス殿が外にいる?』
『ド、ドクターがもうリニスを自由にしてあげるって言ったっス……だから、フェイトって人の事を教えたら……リニスが変になって…』
『フェイトお嬢様の事を?』

苦い舌うちがトーレから漏れる。虚数空間からプレシアの杖を引き上げ、一等最初に出現と同時に暴走したリニスを見ているトーレなら分かる。
スカリエッティもリニスがこうなる事理解してウェンディを動かし、トーレに声かけたのも把握した。リニスにとってフェイトは起爆剤だ。想い爆ぜればAMF下でもこうなる事はトーレも薄々感づけていた。
ただ、トーレは最初のリニスの顕現を見ているからこそ対処にも一応目処がつく。
狙いはリニス各部に埋まっているジュエルシード。
これがリニスと言う意思とかりそめの肉の基盤だ。連動を断ち切っていけば、リニスが希薄になるだろうが、暴走も抑えられる。
が、

『……ウェンディ、ディード、セッテ、良く聞け。これからリニス殿を傷つける』
『!』
『肩、手の甲、足の甲、丹田、左胸、額に計9つのジュエルシードと言うロストロギアが埋まっている。それを、切り離す。出来れば半分』
『腕や足を断つと言う事ですか?』
『そうだ。リニス殿は魔法生物と定義できるゆえ、四肢を切断しても代えが利く。しかし、お前たちの心情が問題だ。できるか?』

苛烈な訓練は、やってきた。しかし、親しい者相手の四肢に手をかけるまでは、これが初めてである。
重い空気をまず破ったのはセッテだ。

『やります』
『……できます』

次に、ディード。

『そ、そこまでしなきゃ、ダメっスか……?』
『リニス殿があんな状態のままで、お前はいいのか?』
『………………やるっス』
256タピオカ:2008/03/28(金) 06:05:39 ID:DqTXO/WY
そして、ウェンディ。
全員の表情から人間味がごっそりと掻き消える。特に常日頃天真爛漫なウェンディは、先ほどまでの沈鬱な表情から打って変ってまるで真冬のような。
ただ、そんな強張った顔なのに、なぜか泣きそうな眼差しで――

「!!!」

トーレたちの雰囲気が変化したのを皮切りに、リニスが動く。その場からリニスが動くのではなく、周囲にフォトンスフィアが浮かび始めるのだ。
その数10、20、30、50、100、150……
愕然としながら、200を超える辺りでもう眼の感覚を数字にするのをやめた。
まだ増え続ける。もう、紫の雷電纏う金色のフォトンスフィアに隠れてリニスの姿も見えない。
訓練中に話していたファランクスシフトなどとレベルが違う。
1000という数を余裕で凌ぐフォトンスフィアの森林からトーレたちが大きく距離を取れば、途端、全てのフォトンスフィアが明滅。

「来るぞ!!」

爆ぜるようにフォトンランサーを発射し始めた。
リニスを中心に360度、全方位へと降り注ぐ雷の槍はもはや暴風雨。
視界を埋め尽くす金色。避けられるはずがないが、それはリニスと言う中心からまだ近いからだ。
全速力でリニスから距離を取れば、フォトンランサーが直線の軌道しかあり得ない特性から、いくらかのスキマが出来る。
行動の大半を回避に費やし、いくらかの防御を含めた戦闘機人全員が、捌き切れるか怪しいと感じ始めた頃、フォトンランサーの嵐が止んだ。
プスプスと焦げ跡残すスーツに目もくれず、まずトーレとディードが肩並べてリニスへ飛ぶ。
まだいくらかのフォトンスフィアが残っている。総数1000を超える先ほどの一つ一つが拳大だったのに比べて、今周囲に残っている総数100以下の一つ一つは頭より大きい。
どう見ても、先ほどのフォトンランサーよりも大きな威力が発射されるのが簡単に予測できる。

「                」

トーレたちと意識的に一拍遅れて動くセッテ。もはや躊躇わない。
トーレたちと無意識に一拍遅れて動くウェンディ。まだどこか躊躇っていた。

プレシアの杖構え、明らかに大きな魔力扱う呪文が風に乗って聞こえてくる。杖の先端に備えられた宝珠が強く眩しい煌めきを灯した。
そんなリニスを護衛するように、一斉にトーレとディードへとフォトンランサーが掃射される。

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

ディードを背に隠し、トーレが三か所から発生するインパルスブレードを大きく展開。
まるで翼がトーレを包むように、フォトンランサーを阻む盾と化す。だがしかし、先程よりも密なエネルギーを有するフォトンランサーの猛攻に、1分と持たずにインパルスブレードの障壁が砕け散っていった。
光の本流に飲み込まれるトーレが「行け」と瞳で語るのを心で受け止め、曲線の軌道を辿ったディードが双剣を手にリニスに鋭く切り込む。
遅れてセッテも違う角度からブーメランブレードを投げた。ブーメランブレードと正反対の角度からウェンディも突撃してくる。

「                     」

間違いなく、大魔法の類の詠唱だ。
間に合う、合わない以前にそもそも唱える局面を間違っているとディードは考えていた。

が、

「!?」

リニスを間合いにとらえて、ようやくそれが間違いだと気付く。
タイプは収束。先の360度へ無暗に乱射したフォトンランサーは、魔力濃度上げるだけの前準備だ。
両腕を切り落とすつもりだった踏み込みが、届かないと悟るが、遅い。

『Providence』
257タピオカ:2008/03/28(金) 06:09:02 ID:DqTXO/WY
抱きしめるようにディードをさらい、リニスから遠ざかろうとするウェンディの背中に灼熱感。
大気圏内で扱っていいような威力ではないリニスの砲撃の余波だ。
戦闘スーツの背が溶け、肌の奥にまで痺れるような痛みが走る。
光速で遠い海に着弾したのだろうか、彼方から爆音が聞こえ、空にまで届く煙が立ち上っている。

「ウェンディ!?」
「大丈夫っス!」

セッテが操るブーメランブレードとすれ違いながら、フォトンランサーの照準がトーレから自分たちになるのを感じながら、ウェンディは大きく旋回。
フォトンランサーにブーメランブレードが撃ち落とされているのと、フォトンランサーの乱舞でズタズタにされてなお力強いトーレがリニスへ疾ったのと、トーレと呼吸を合わせて動くセッテが目に映る。
即座にディードもウェンディから離れて自分で飛ぶ。
冷静に各戦闘機人へとフォトンランサーを照準するリニスに、トーレが再度インパルスブレードの盾を展開するがやはり破砕された。
セッテを背に隠して少しでも妹の負担を軽くするトーレが、またフォトンランサーの暴雨にさらされる。そんなトーレの盾の後ろから、二つのブーメランブレードが飛び出した。即座、セッテがトーレの背中支えてフォトンランサーの火線から抜け出す。
リニスが回避に動けども、微妙に軌道を修正するブーメラン。その追撃に混じってウェンディも突っ込んでくる。

『Photon Burst』

瞬間、リニスを中心に強烈な爆裂。
ブーメランブレードが粉々になり、高速でボードを盾にしたウェンディも大きく吹っ飛んだ。
そのウェンディの背中を超え、爆煙を一息に通り抜けたディードがリニスへ踏み込んだ。
続いてセッテが突っ込む。

さらに、トーレが切り込もうとして、一人、彼女の軌道だけが大きくズレる。ダメージを受けすぎた。フォトンランサーの豪雨に2度さらされて良く動いた方である。
そのまま、海の方へと落ちるトーレをウェンディが救い上げる。フォトンバーストによる損傷がひどいボードに、2人の荷重は無理がある。あやふやな蛇行を繰り返しながら、腕の中でまぶた閉じた姉の名をウェンディは叫び続けた。

「トーレ姉! トーレ姉ってば!!」

カッ、と勢いよく双眸を開くトーレは、意外なほど機敏に自ら宙へ踊ってリニスへと再度突貫。
ウェンディもそれに続くが、その最中に彼女は見た。
リニスの右肩に剣の片方を突き立てたディードが閃光に貫かれて叩き落とされるのを。
ブーメランブレードの一撃でリニスの左腕を骨まで裂いたセッテが雷撃浴びせられて崩れ落ちるのを。
ディードはダメージが大きいだけだが、セッテは痙攣を繰り返して意識を失っている。どうにか、立て直したディードがセッテを抱きしめてリニスから離れていけば、入れ違いでトーレがリニスに辿り着く。
腕のインパルスブレード閃かせ、リニスの四肢狙うが1対1ではキッチリと対応されてしまう。
だから、壊れかけのボードを酷使して、

「リニス!!」

ウェンディは大きく加速した。後方のジェットが小さな爆発を伴って機能を停止。しかし、慣性は十分ついている。ボードを腕に装備する格好を中空で整えれば、ストレートの要領でその先端を突き出した。
ぶつかったのは防御魔法陣。阻まれるが、

「エリアルキャノン!!!」

ゼロ距離射撃。ここで完全にライディングボードが壊れきるが、その防御魔法陣に大きな大きな負荷を残す。
そこへ、トーレが切り込んだ。足のインパルスブレード。蹴りの形で放たれたその一刀は、綺麗にリニスの防御魔法陣を斬り砕く。
そして、グゥルリと、トーレが自転した。もう片方の足で回し蹴りをするようなその動作だが、片方の足には掴まる手があった。
ウェンディ。トーレの足を掴んで落下を防いでいる所を、

「行け! ウェンディ!」
「オッス!!」
258タピオカ:2008/03/28(金) 06:10:13 ID:DqTXO/WY
トーレがシュート。その蹴りの勢いに、ウェンディが飛んだ。
狙いは右肩。ディードの剣。
掴んだ。
右肩を切断し、ジュエルシード2つを一気に切り離そうと力込めて、

「あ」

出来なかった。
柄を掴んだ瞬間、腕が震える。殺意の視線で睨みつけてくるリニスの向こうに、昨日までの笑顔がちらつく。
相手は、リニスである。恩人。まるで母のような、リニス。

――リニス殿は魔法生物と定義できるゆえ、四肢を切断しても代えが利く。しかし、お前たちの心情が問題だ。できるか?
――………………やるっス

結局、出来なかった。
刹那だけ、リニスと見つめ合う時間があった。やはり、ウェンディを敵としか見ていない眼差し。でも、それでもウェンディには出来ない。
リニスは、リニスなのだから。
単純な、しかし威力高い魔力光弾が腹部を貫く感覚。ディードの剣の柄握る手の力が抜けて、ウェンディも落ちていく。
すれ違いざまに、トーレが苦々しい顔で再度剣の柄へ手を伸ばすが、鞭へ変じたプレシアの杖の威力にたたらを踏んだ。
ウェンディを助けるべきか、と落下の方向へと横目を配れば、さらにその先にある海から異変。
何か、来る。
そう感じた直後に、海を割って大きな砲撃が現れた。伸びる方向はリニス。
Sランク以上に相当する砲撃だが、リニスには防がれてしまう。その隙、慣れないライディングボードを駆って海から飛び出たディエチがウェンディを拾って上昇してくる。

「ディ……エチ……」
「……しっかりして。リニスを任せるから」

そして、ウェンディと自分の位置を交換。
ウェンディにライディングボードの主導権を渡せば、即座に大きく跳躍。
飛行能力のないディエチである。リニスからすれば的同然だ。即座、フォトンスフィアを展開、ディエチへと一斉に照射した。
方や、ディエチもイノーメスカノン構え、連射。目標はフォトンランサーにである。連射速度と精密な射撃に加えて、大きな威力持つディエチの弾丸は、かなりの数のフォトンランサーを相殺して見せるが、リニスのフォトンランサーの方が質も量も上だ。
相殺した数の倍近くをその身に受けてディエチがフォトンランサーに撃たれながら海へと落ちていく。

そんな、ディエチの稼いだ時間を使って。
トーレがリニスの接近に成功する。わざとプレシアの鞭をその身に絡ませて、インパルスブレードで切り裂けばよろめくのはリニス。
さらに深く踏み込めば、トーレの刃がついにリニスの額を捉えた。
甲高い音。
肉の抉れる嫌な音が立てば、リニスから青い煌めきが一つ離れていく。

「ぐううううううあああああああああああああああああ!!!」

途端、リニスから苦悶の悲鳴。激痛にさいなむように、らめちゃめちゃに暴れ狂い始めた。
四方八方へと乱射されるフォトンランサーは、ジュエルシード一つ切り離したと言うのに威力が上がっている。
モロにその乱射を受けてしまうトーレが、ついに落下してしまう。

「                  」

そんなトーレへ向けて、再び不吉な呪文がリニスから漏れ始める。
プロヴィデンスと唱えた、雷撃の収束砲だ。動けないトーレでは簡単に蒸発させられておかしくない。さらに余波でディエチも砕かれかねない。

だから、その間にウェンディが割り込んだ。
259タピオカ:2008/03/28(金) 06:11:06 ID:DqTXO/WY
「                     」
「リニス……!!」
「                     」
「リニス、お願い止めて!!」

止まらない。スムーズな魔力運営、練りに練られた収束。プレシアの杖に備えられた宝珠が鈍く煌めいた。
殺す気だ。この自分たちを。
涙は、流れなかった。
ただ、真っ直ぐを向いて強い意思を以て、願う。
リニスを助けたい。でも、それよりも、トーレ姉たちを失いたくない。
だから、ウェンディの手の中の蒼い煌めきは応えるように輝いた。
ジュエルシードが正常に起動する瞬間。ウェンディの願いを、叶える為に。

『Providence』

瞬間、強く強い雷撃がプレシアの杖から放たれた。ウェンディ、トーレ、ディエチを消滅させて有り余る暴虐のエネルギー。
そして、それを防ぐのは、

「これを止るっス!!! ジュエルシード!!」

燦然たる蒼い障壁。
ぶつかる。
拮抗は、一瞬。
気づけば、障壁も雷撃も霧散していた。防がれた、とリニスが信じられない思いに打ちのめされていれば、最高速度のウェンディがライディングボードを駆って疾ってくる。
稲妻よりも速く自分に辿り着くようにリニスは感じられてしまうほどに、綺麗で真っ直ぐな飛翔。
見惚れていたように動き止めていたリニスの右肩に、ウェンディの手が伸びた。
一瞬だけ、ウェンディが強張った。
けど、

――……しっかりして。リニスを任せるから

「ゴメンっス!! リニス!!」

血を吐くような謝罪。姉の声を強く脳裏に響かせながら、ディードの剣を振るった。今度は、しっかりと。迷いながら、後悔しながら、懺悔をしながら。しかし、しっかりと。
リニスの右腕が、落ちる。同時に、かりそめの肉が消滅し、肩と手甲にあったジュエルシードが自然落下し始める。

「あああああああああああああああ!!! うあああああああああああああああ!!!」

地獄のようなリニスの咆哮にウェンディが目をつぶってしまう。
痛い、つらい、と聞こえてくる。
そしてそれ以上に「なぜわたしがふぇいとにあうのをじゃまするの」と言っているように聞こえてしまう。その想いの声聞くだけでウェンディは胸が痛い。
めちゃくちゃにフォトンランサー撒き散らそうとするリニスから離れ、そこで海からまた何かが出現する気配を感じた。
ガジェットドローン。
有に100体を超える機械兵器は海からその姿を現すと同時にAMFを展開。複雑に高め合うAMFに捕えられ、フォトンスフィアは掻き消え、リニスがさらに苦しみ始める。あまつさえ、その体が希薄になっていく。

「待って! 待つっス! このままじゃリニスが!!」

その様子に慌てるウェンディだが、まるでその声を聞き届けたかのようにガジェットドローンがAMFの濃度を調整。
リニスが現界していられるギリギリのAMF濃度で、落ち着いた。同時、リニスの意識が途切れる。自然、その体が落ちてくる。

「リニス!! リニス!!」

急いでその体を抱きとめるウェンディだが、眠るように瞼を閉じたリニスからの返事はなかった。






260名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 06:24:57 ID:DqTXO/WY
書き込みすぎと怒られました。
タピオカですが、終りです。
261名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 06:34:38 ID:c00PP0Rh
GJです。待ってました。
リニスが大変なことになってる……。前回まではほのぼの感が漂ってたのにw

ところで、「杖構え」とか「雷撃浴びせられて」の様に、「を」が抜かれてある文が多々あったのですが、仕様でしょうか?
ちょっと読みにくかったかもしれないです。
262名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 10:15:58 ID:W4ZRynpB
>>242
良い意味で裏切られたw
GJ
あとQAの最後のお約束でワロタww
263名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 10:20:33 ID:nxgVPP55
誰か>>208に答えてやれよw
俺は知らんけど
264名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 10:37:23 ID:g2kfIowK
>>260
GJ!密かに待ってた甲斐がありました
ウェンディいいこや……
ここのナンバーズとリニスには幸せになって欲しいな

>>242
ちくしょう!エロだと思ってwktkしてたのに裏切られた(いい意味で)
確かに俺も蜂の子とかイナゴとか良く食べるけどそれを話すとひかれるなぁ
GJでした

>>263具体的な例がないとわからないかも
265名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 10:53:05 ID:DwAk/X9C
>>260
GJ!&お帰りなさいタピオカ氏
半ば諦めかけていたので続きが読めて嬉しい限りです!
次回も半裸にニーソで待ってます!
266208:2008/03/28(金) 11:01:29 ID:gYr1p6BP
分かりづらかったらすいません
たとえば、スバルやティアナみたいなミッドチルダの人間の視点で書く時には地球固有の名詞を使うのは控えるべきかという事です
267名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 11:50:02 ID:rchLFWpn
ゼロ魔のメイルみたいに?
確認してないけど、たぶんそこまで考えてないと思うよ原作者は
268名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 11:55:49 ID:H/z0zvI4
カイゼル・ファーデン、って知ってる人居るんだろうか。

確かに、メートルもグラムも地球が基準なんだよな。光速度が基準だとしたら微妙にずれるし。
浅井ラボはメルトルとグラムルで、物理定数は全く変わりませんってサイトで注釈付けたな。
269名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 12:05:58 ID:NJddQbu4
それどころか時間単位(年・月・日・時間・分・秒)も地球基準だな。
地球の自転公転から決まるから。

いちおう原作のミッドには異世界感を出すためにベクサ(およそ30分)って
時間単位がリンディさんとのファーストコンタクトの1回限りで登場してるけど、
実質的には特に考えてないんだと思う。
270名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 12:06:10 ID:3xu89Thd
っ【このSSは翻訳済です】
271名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 12:13:05 ID:H/z0zvI4
>>269
年と日に関しては、あんまり問題ないぞ?
その惑星の公転・自転周期が地球にほど近ければ。

年を十二分割する月、七日な週、日を二十四分割する時、時を六十分割する分、分を六十分割する秒
これらはフォローしようがないが。特に月。
月の満ち欠けの周期を暦に使ったのなら、二つ月がある世界で三十日になるのは奇跡的過ぎる。

まあ、>>270でFAなんだろうけど。
272名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 12:24:00 ID:gYr1p6BP
なるほど
やっぱり>>270に落ち着きますね

早い回答ありがとうございました
273名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 12:43:48 ID:9Eo8I+T5
屁理屈を書かせてもらうと、

外部からテラフォーミングされていない限り、地球と同じ生命進化系をしている時点で、
自転速度や公転軌道まで含めて、地球に極めて近い条件のはずだから、
時間の単位は単純な倍数計算で対応出来たとしてもおかしくはない。

ただ、問題は季節感。
四季が出るには地球と同じように地軸が20〜25度傾いている必要があるし、
たとえそうだとしても、日本のような極端な季節の変化の仕方をするのは、かなり条件的に厳しい、
と思われ。
274名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:00:07 ID:2hsBqDYq
日本に生まれた人は気付かないけど、日本の四季の変化ってのは凄いからねぇ。
275名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:03:18 ID:DAvELz6T
ミッドって位相が違う空間に存在する地球の同位体的惑星っぽいから単位は同じなんだと思う
つか技術的な疑問ではあるんだけど次元間移動は出来ても恒星間移動は出来ないっぽい感じがする
まあする必要が無いというか
別次元の同位惑星の方が移民とかし易いわな
276名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:04:37 ID:gYr1p6BP
最終回で桜が咲いてた気がするが

まあ、桜に似たなにか、だろうが
277名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:07:23 ID:H/z0zvI4
>>275
『次元』ってしてるけど、その名称以外は同一宇宙内の別惑星にしか思えんぞ?
都築氏の設定ミスじゃないかね。次元航行で使うのがスターウェイみたいなもんらしいし。

というか、同位惑星なら何故月が二つに……
278名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:09:28 ID:GBdolXBp
ちょい待ち。
ミッドって月ふたつだけだっけ?
うっすら見えてるたくさんの昼間の月みたいのはなんなの?
279名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:11:05 ID:NJddQbu4
厳密な平行世界じゃなくて平行世界”みたいなもの”じゃないっけ?

つか、次元間航行が出来るなら恒星間航行くらい出来ると思うけどなあ。
スカが入った刑務所もどこか宇宙の彼方っぽい感じだったし。
280名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:13:04 ID:gYr1p6BP
>>278
OPとか見る限りかなり大きい(近い)星があるな

やっぱ1年の周期とか違ってくるよな
281名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:16:31 ID:H/z0zvI4
万有引力定数その他まで違ったら何とかなるんだろうけど、そうなると人間のサイズまで違ってくるしなあ。
生物は素材が違うって話だと原子、分子の結合まで違うってことになるし。
282名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:18:08 ID:k1VLncht
結論

深く考えたら負け

で、ファイナルアンサーだろう
283名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:20:31 ID:3xu89Thd
ホームワールドじゃなくて入植後メインになった世界なんじゃない?
環境の良い場所に首都機能を移住するのは良くあることだと思う

【Ogameでコロニーを爆破しながら】
284名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:21:47 ID:xf0yQnfe
2つの月と聞いて枯井戸に落ちたスバルとエリオが(ryという素敵な展開を妄想した
285名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:27:22 ID:DAvELz6T
>>279
恒星系の外れとかじゃない
地球の太陽系でいうなら海王星や冥王星くらいの
もしくは内側で水星みたいな場所
286名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:33:43 ID:X2Nymot4
書き手の一人だが、自分の場合は。

・地の文章では普通に使う。
・会話文では「時間・分・秒」「○月○日」は使う。
・メートルとかは極力台詞で使わない。
・季節は四季あり。

>>276
あれ訓練施設のホログラム映像らしい。
287名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:39:32 ID:c00PP0Rh
>>286
あれホログラムだったのか!? 隊長&部隊長悪ノリし過ぎだろw
288名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:42:58 ID:gYr1p6BP
新人4人は(このピンクの樹木なに? なんでホログラムで出してるんだろう)とか思ってたんだろうか

桜=卒業とか、そういうイメージあるのって日本くらいだよな
289名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 13:47:04 ID:GBdolXBp
>>284
それなんてARI(ry
290名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 14:01:22 ID:eXU8KJIW
個人的には日本の四季の変化よりも
スカンジナビアやシベリアの四季のほうが激しいと思う
291名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 14:37:54 ID:JfKFWW/m
書き手としては四季によって寒暖の差があって、冬は雪が降ってくれた方が色々と話題が膨らんで書きやすいんだけどな。
雪を初めて見た後発組とか。
292名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 15:02:57 ID:VhL81FlA
>>289
ok元ネタを把握したw

>>260
都築には大いに期待せざるを得ない
293名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 15:15:16 ID:X2Nymot4
本日発売のなのはアンソロに納豆出てたwwwwwwww
294名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 15:17:32 ID:gYr1p6BP
なんてこったw
俺達の力が新ジャンルを呼び覚ましちまったんだw
295名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 15:19:54 ID:JfKFWW/m
そのうち、Wikiの俗語に“納豆”の項目が追加されるかもな。
296名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 16:08:37 ID:2hsBqDYq
じゃあ次はキシャーなのか
297 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/28(金) 16:14:41 ID:8x1cGH2Z
>>293
マジで!? マジで納豆ネタあったとですか!?
納豆好きとしては買わずにはいられない!
けど地方に棲む身としてはニ・三日待たねば
店に本が並ばないと言う生き地獄にも耐えなければならない…orz

と言う事でちょいと投下さしてもらいます。

・お馬鹿フェイトネタ
・フェイトがなのは×ユーノの邪魔をするのはあくまでも自分がなのはを手に入れると言う目的の
為の手段に過ぎないはずなのに、それに必死になる余り目的と手段がすっかり入れ替わってしまって、
なのはとユーノを結ばせない為ならば自分が代わりにユーノの子供産む事さえ厭わない
無茶苦茶な事になってる。
・逆レイプ寝取り描写(とりあえず未遂に終わるけど)とかあります注意
・そして衝撃の結末
・エロ
・オリキャラも出るよ
・なのは世界のとある法則に対する風刺も入ってます注意
なのはとユーノが結婚を前提に付き合い始めて一時したある日の事。
夜のベッドの上でなのはとユーノは全裸のまま抱き合っていた。
「じゃ…今夜も…。」
「うん…。でも明日に疲れを残したくないから優しくしてね…。」
「努力するよ…。」
なのはとユーノは寝る前のセックスをしようとしていた。元々結婚を前提にした
付き合いをしている故、別にセックスをしても問題は無いだろうと言う事で
もはや二人にとっては当たり前のコミュニケーションの一つとなっていた。
そしてセックスの前奏としてなのはとユーノの唇が触れ合おうとした時…それは起こった。

「ちょっと待った待ったぁぁぁぁぁ!!」
「え!?」
「フェイトちゃん!?」
突然フェイトが乱入して来たでは無いか! しかも新・ソニックフォームの姿であり、
ベッドの上で抱き合っていたなのはとユーノをそれぞれ引き離したのである。
「ユーノ! お前になのはは渡さない!」
「フェイトちゃんまだそんな事言ってたの!?」

フェイトはなのはを愛していた。だからこそ、なのはとユーノの付き合いを認める事が出来ず、
この様に以前からちょくちょく二人を妨害していたのだ。しかし…今日の彼女は今までとは少し違った。
「ユーノ! お願いだからもうなのはとは付き合わないで! 代わりに私がユーノのお嫁さんになるから!」
「エエ―――――――――――――――!?」
フェイトの主張になのはとユーノは同時に叫んだ。だがフェイトは構わず二人の前で堂々と
バリアジャケットを脱ぎ捨て、その美しい全裸体を晒してユーノへ抱きつくのである。
「私が代わりにユーノと結婚してあげるから。ユーノの赤ちゃん沢山産んであげるから。
だからもうなのはとは別れてよ。お願い!」
「フェイトちゃん何馬鹿な事言ってるの!?」
なのはは顔を真っ赤にしながらフェイトの肩を掴むが、直後に振り払われてしまった。
「私はなのはとユーノを結ばせない為なら手段は選ばないよ! だから私が代わりに
ユーノと結婚して子供を産む事さえ厭わない!」
「エエ―――――――――――――――!?」
なのはとユーノはまたも同時に叫んだ。
フェイトは目的と手段が完全に入れ替わっていた。確かにフェイトがなのはとユーノの付き合いを
邪魔していたのは、自分がなのはを手に入れる為の手段に過ぎなかったはずだ。
しかし、寝ても覚めてもなのはとユーノを邪魔する事ばかりを考え続けた結果…
すっかり目的と手段が入れ替わり、この様な行動に走らせていたに違いない。

「だからユーノ! もうなのはの事は忘れて! 私がいるから!
私が代わりに赤ちゃん沢山産んであげるから!」
「うわぁぁぁぁ! フェイト落ち着いてぇぇぇ!!」
フェイトは無理矢理ユーノに抱き付き、その胸板へ頬擦りを始める。
男としては、これはこれで幸せなシチュエーションかもしれないが、なのはを愛するユーノに
とっては迷惑でしか無い。そしてまた、ユーノを愛するなのはにとってもフェイトは邪魔でしか無かった。
「ユーノ君待ってて! 今助けるからね!」
なのははフェイトを引き離そうとした。が、それより早くフェイトがなのはへバインドを
仕掛けて、忽ち動きを封じていたのである。
「フェイトちゃん!」
なのははバインドで全身を縛られ、芋虫の様にもがくがフェイトは聞く耳を持たない。
そして本来なのはとセックスする為に勃起していたが、フェイトの乱入によって
萎えてしまったユーノのモノに優しく手を添えて持ち上げた。
「ユーノのオチ○チン…凄いね…それじゃあいただきまぁす…。」
「うわ! やめ! フェイトやめ! んあぁぁ!!」
「ああああああ!! ユーノくぅぅぅぅぅん!!」
何と言う事か、フェイトはユーノの怒張したモノを口で頬張ったでは無いか。
「ん! んん! んんん!」
「やめて! フェイトやめてよぉ!」
「うああああ! ユーノくんぅぅぅぅん!!」
フェイトはユーノのモノを口で頬張ったまま、舌で嘗め転がしていく。
するとどうだろうか。先程まで萎えていたユーノのモノが勃起して行くのである。
悲しい男の性にはユーノも敵わなかった…
「んあぁ………うわぁ…まるで鉄みたいに硬くなっちゃったね…それじゃ……。」
「あ! やめ!」
「フェイトちゃん止めて! お願い止めてぇ!」
なのはとユーノの悲痛の叫びも空しく、フェイトは高々と勃起したユーノのモノの上へ
ゆっくりと跨り………己の膣を持ってユーノのモノを包み込んで行った……
「痛ぁ!! で…でも凄いぃぃぃぃ!!」
ユーノのモノで破瓜したフェイトは苦痛とも快感とも付かぬ顔で天上を見上げていた。
そして間髪入れずに腰を振り始めるのだ。
「ユーノ! ユーノ! ユーノォォォ! 凄いでしょ!? なのはのよりずっと気持ち良いでしょ!?」
「うあああああ!! フェイトやめてくれぇぇぇ!!」
「ユーノ君! ユーノくぅぅぅぅん!! フェイトちゃんやめてぇぇぇぇ!!」
なのはとユーノはなおも悲痛な叫び声を上げるが、今のフェイトには意味を成さない。
なのはとユーノを結ばせない為ならば、代わりに自分がユーノと結ばれる事さえ厭わない
覚悟を持った彼女に対しては…何者をも無意味なのかもしれない。

その後もフェイトは豊満な乳房をバインバイン! ボインボイン! とユーノの
眼前で激しく揺らしながら己の膣でユーノのモノを激しく扱き続け………
「うっ!!」

               ど び ゅ っ っ 

「んあぁ!」
嫌なのに…なのは以外の相手にはしたく無いと言うのに…ユーノは
フェイトの膣内へ射精してしまっていた………
「ごめんなのは! なのはごめん!」
「うあああああ………ユーノ君……うあああ……。」
忽ち絶望に暮れる二人。それに対しフェイトは満足げな表情で己の膣からユーノのモノを
ゆっくり引き抜き、ユーノの出した大量の精液がこぼれない様に手で股間を押さえながら
立ち上がっていた。
「ユーノありがとう…。私…絶対に産んであげるからね…ユーノの素敵な子供を……。」
そうして意気揚々とその場から立ち去り…絶望に暮れる二人が空しく残された。

だが、幸いにもフェイトはユーノの子を孕む事は無かった。その日は安全日だったのである。
「はぁ〜…良かった〜…。」
「全くだよね〜。おかげで今夜はグッスリ眠れそう…。」
なのはとユーノの二人は安心して一息付きながら、お互い向かい合って付いていたテーブルに
グッタリと寄りかかっていた。フェイトがユーノを逆レイプして以来、二人はまともに
眠れなかった。もしフェイトがユーノの子供を妊娠してしまっていたら、それこそ
ユーノはフェイトと出来ちゃった結婚しなきゃならなくなる。それは二人にとって嫌だ。
だから、フェイトがユーノの子を孕まなかった事はまさに天の助けであった。

しかし、これでめでたしめでたしとは行かなかった。
「ユーノ! 実は今日お弁当を作って来たんだ!」
「ええ!?」
ユーノが無限書庫での仕事中に突然フェイトが押しかけて来て…手作り弁当を
プレゼントするなど、フェイトは白昼堂々とユーノにアプローチをかけてくる様になった。
だがそれだけでは無い。

「ねぇなのは…いい加減ユーノと付き合うのは止めてくれないかな? ユーノには私がいるんだから…。」
「な…何を言うの? フェイトちゃん…。」
と、フェイトはなのはに対しては冷たく当たる様になっていたのだ。
確かに以前にもなのはにユーノと付き合うのを止める様に言う事は度々あった。
だが、その時はユーノを馬鹿にした意味を込めての事。ユーノになのはの夫になる資格は無いと
考えていたかつてのフェイトなりになのはの事を思っての行動だった。しかし今は違う。
なのはとユーノの邪魔をするのに必死な余り、目的と手段が完全に入れ替わってしまった
彼女は…なのはにユーノの妻となる資格は無く、むしろ自分こそユーノに相応しい女性と言う
滅茶苦茶な考えを持つに至っていたのだ。だからこそ、ユーノは私の婿とばかりに
フェイトはなのはに冷たく当たる様になった。

「いい加減にしてよフェイトちゃん! ユーノ君と結婚するのは私なんだよ!」
「いい加減にするのはなのはの方! なのはなんかにユーノは渡さない!」
挙句の果てにはなのはとフェイトがユーノを巡って争う様になってしまった。
まあ争うと言っても精々キャットファイトまがいなレベルだが。
「ちょっと止めてよ二人とも! 落ち着いて!」
慌ててやって来たユーノが二人を止めようとするが、二人は一斉にユーノを睨み付けながら叫んだ。
「じゃあユーノ君は私とフェイトちゃんのどっちが良いの?」
「勿論私だよね。だって私達…契りを交わした仲だもんね!」
二人は必死になってユーノを見つめるが…………
「そりゃなのはに決まってるじゃないか!」
と、ユーノは普通に正直になのはを選んだ。まあ元々フェイトが無理矢理押しかけて来た
形なのだから、ユーノの返答はむしろ正論なのだが………
「う…酷い…ユーノ…酷いよ…。」
「フェイトちゃん?」
フェイトはその場で目から涙を浮かばせながら泣き出してしまった。
「酷い! ユーノ酷いよ! この間あんなに愛し合ったのにぃ! この鬼! 悪魔!」
「フェイト…。」
泣きながらその場から走り去ってしまうフェイトだが、それにはユーノも
思わず罪悪感を感じてしまわずにはいられ無い。しかしなのはは今のユーノに危機感を感じていた。
「(フェイトちゃんやるじゃない…。これは早く何とかしないと…。)」
なのはは先のフェイトの行動がユーノを同情させ、ユーノの心をなのはからフェイトへ
傾けさせる為の策略だと気付いていた。しかしそんな事はさせない。なのははユーノを
寝取られまいと改めて気を引き締めた。

それからもフェイトはあの手この手でユーノを寝取ろうと積極的にアプローチをかけた。
ユーノが風呂場で入浴中に堂々と全裸で入って来たりなどさえ当たり前になる程にまで…。
だがそれは同時になのはに対抗意識を持たせ、より積極的にさせる結果にもなった。
「なのはいい加減にして! ユーノは私のなんだよ!」
「ダメ! フェイトちゃんこそ良い加減にして! ユーノ君は私のだもん!」
「僕としては両方ともいい加減にして欲しいよ…。」
寝室で、ベッドの上で眠ろうと布団を被ったユーノの左右にくっ付いたなのはとフェイトに
ユーノもほとほと呆れてしまう程だった。

こうして思い切りユーノ巡ったなのはとフェイトの三角関係が出来上がったワケだが、
ここでユーノは十年前に経験したある事を思い出していた。当時の彼はフェレットとして
97管理外世界の海鳴にあるなのはの実家である高町家でお世話になっていたのだが、
そこで生まれて初めて97管理外世界日本国名物のアニメと言う物に触れるのである。
そのアニメは男女の恋愛を描いた内容だったのだが、主人公の男の子が女の子に
持てはするのだがこれまた優柔不断で、何と思い切り二股をかけてしまう。
とりあえずは最終的に二人のヒロインの内の一人を選択するのだが、選ばれなかった方の
ヒロインが何と主人公を刺し殺してしまうと言う凄惨なラストだったのだ!
「はっ! まさか……………。」
ユーノは真っ青になった。今の自分はまさにそのアニメの主人公にそっくりでは無いか。
嫌がおうにも、なのはとフェイトのどちらかを選ぶ必要があるのだが、今のままでは
どっちを選ぼうとも、選ばれなかった方に殺される結末が待っているのは必至。
そう考えると…ユーノは身体の振るえが止まらなくなった…………。
303名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 16:21:32 ID:5eYGniCZ
今更くさいんだが、忍&すずか的な視点で考えてみる


ミッドチルダ級の文明なら時間に対しても基準となる原器がある仮定出来る
そうなってくれば基準としている原器の違いで時間の流れ方の違いとかを説明出来るんじゃないかと思ってみたり
地球基準ならセシウム原子時計だけど、ミッドチルダはルビジウム原子時計とか
このまま事態は泥沼化していくのではと思われていたが、ここで転機が訪れる。
それはミッドチルダ政府でのある一幕から始まる。
「見て下さい! これが現在のミッドにおける男女人口比率を現したグラフです!」
「おお何と言う事だ! 男性人口が女性人口のさ…三分の一以下では無いか!」
政府のお偉いさん達は現在におけるミッドの男女の比率に驚愕していた。
「こうまで女性の比率が多いとぶっちゃけ後々少子高齢化が起こるのでは無いか?」
「はい! ですが既にその兆しは現れています! 何しろ近頃は結婚しても
子供を作らずに養子で済ます輩も多くなっているんです!」
「なんと! それはいかん! いかんぞ! このままではミッドは少子高齢化によって
崩壊してしまう! 何とかしなければ…………。」
この惨状に政府のお偉いさん方は頭を抱えた。そして…
「こうなったら思い切った法改正が必要だ! いっその事男性の重婚を許可しようでは無いか!」

『男性の重婚を許可』
この法改正について、当初は
「男尊女卑の悪法だ!」
と周囲から叩かれたが…現在のミッドにおける女性に比べ男性人口が余りにも少なすぎる
実情を説明された後では…
「それなら仕方が無いね。」
と誰もがあっさり納得し、こうして実際に男性の重婚が許可される事となった。

法改正によって男性の重婚が許可された後で最初に重婚したのは言うまでも無くユーノだった。
「もう仕方が無いよ! 僕が両方とも面倒見てあげるから! もう喧嘩は止めてよ!」
「本当!? 本当なんだね!?」
「だってこの状況じゃ…こうする以外に何があると言うんだい!?」
どっちを選ぼうとも、選ばれなかったもう片方に殺されるのであるのならば
両方ともを選ぶしかない。そう言う意味では男性の重婚を許可する法改正は
絵に描いた様なグッドタイミングだった。だからこそ…ユーノはなのはとフェイトの
両方の面倒を見て行く事に決めた。

三人の結婚式はまさに『両手に花』と言う言葉が相応しい式になった。
ユーノを中心に、左右にウェディングドレスを身に纏ったなのはとフェイトが付くと
言う形なのだが、やはりユーノがこう言う事をすると…
「やってくれたなこの淫獣!」
と、周囲からヤジが飛んで来るのである。しかしそれは普通のヤジとは少し違う。
「流石は淫獣! 俺達の出来ない事を平気でやってのける!」
「そこに痺れる憧れる! 凄いぜ淫獣!」
そこでユーノは気付く。この淫獣コールは褒め言葉も兼ねているのだと…。
305名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 16:22:46 ID:gYr1p6BP
nice 淫獣 支援
元々ユーノと結婚する事が前提で付き合っていたなのははともかく、
なのは×ユーノを引き裂くのに必死な余り、自分がユーノと結婚する事も
厭わない程の目的と手段の入れ替わりっぷりを見せていたフェイトだが
実際にユーノと結婚してもその愛が冷める事は無かった。
なのはとユーノを結ばせない為に自分がユーノを手に入れると言う事に
必死になりすぎた余り、本当にユーノを愛する様になっていたのである。
と言うか、今では当初の目的だったなのはを手に入れるとか、なのはとユーノを
結ばせないとかそう言った事さえすっかり忘れてしまっていた。

こうしてなのは・ユーノ・フェイトの三人による同居生活が始まったのだが、
結婚初夜なんかは…………
「最初にユーノとセックスするのは私だから、なのははもう寝ても良いよ!」
「ダメダメ! フェイトちゃんこそもう寝てよ! ユーノ君とセックスするのは私!」
と、結局なのはとフェイトでユーノの取り合いが起こってしまい、
結ばれた夫婦がこれからの生活に対する意気込みを込めて愛し合うと言う
和やかな儀式も兼ねた大切な初夜は、半ば乱交パーティーの様になっていたと言う…

結局、重婚してもなおなのはとフェイトはユーノを巡っての争いは耐えなかった。
まあ元々親友だったのだから、そこまでドロドロしたりする事は無く
喧嘩になっても軽いキャットファイト程度だったのだが…
「私はなのはよりユーノの子供沢山産めるんだよ!」
「そんな事無いよ! 私の方がフェイトちゃんより沢山ユーノ君の赤ちゃん産めるもん!」
「二人ともいい加減にしてよ! 後々育てる事も考えて計画的に作ろうよ!」
と、二人とも積極的にユーノと交わって子供を産みまくったりもしていた。
元々なのはとユーノを結ばせない為には代わりにフェイトがユーノの子を産む事も
厭わなかった事が影響し、ユーノと積極的に子作りをしようとした事が始まりなのだが
それになのはも触発され、ユーノを巡った二人の子作り合戦が勃発するに至っていたのだ。
こうして、スクライア家は十人以上の子供を抱える大所帯となった。
まあ一家の大黒柱であるユーノは無限書庫司書長と言う高給取りな仕事してるから
資金面は問題無かったが、やはりここまで沢山の子供達を育てるのは大変だったと言う。
しかし、これはこれで賑やかで楽しい家庭でもあったらしい。

そして、なのはとフェイトがそれぞれ産んだユーノの子供達は後に
それぞれの相手を見つけ、これまた子供を沢山作って、そこで生まれた者達がさらに…
と言った具合に、世代を重ねながらかつてミッド政府が危惧した少子高齢化を
微妙に防ぐと言った貢献をする事になるのだが…ぶっちゃけそれは別のお話。

                    おしまい
307 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/28(金) 16:24:49 ID:8x1cGH2Z
ミッドチルダの政府に関しての細かい突っ込みは却下せざるを得ないorz

でもマジでアンソロで納豆ネタがあるとするなら…
うああああ納豆喰いたくなって来ましたorz
どっちにせよニ、三日待たねばならないのですけど
308名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 16:26:20 ID:ae2LK4Wp
>>307
なんと言うお馬鹿フェイトwww
まぁ本人が幸せならそれで良いのかなぁ……なにはともあれGJ
後、淫獣俺と変われ
309303:2008/03/28(金) 16:32:53 ID:5eYGniCZ
ごめん、割り込んでしまったorz

>>307
GJ!第2弾はエリオか某狙撃手かww
310名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 16:41:36 ID:Xi9V/+Te
GJ!
確かに男少なすぎるよな・・・しかし実際重婚ありにしたらヴァイスやエリオが奥さん多くなりそうww
それより淫獣、九歳でスクールデイズ見るなww
311名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 16:44:41 ID:gYr1p6BP
そこに痺れる、でも(境遇を考えると)あんまり憧れねえ!
312名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 17:03:27 ID:5XQr6Jba
エリオで年上ハーレムを…
313名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 17:39:29 ID:rXKP792x
>>309
エリオが両手に召喚師になったり、八神家と守護騎士達(犬除く)が夫婦(?)になって百合の世界になるんですね?わかります!
314名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 17:43:51 ID:7rDX7t5p
◆6BmcNJgox2という酉を見ただけでにやついてしまう俺は一体
まさしく大人向けの作品
315名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 17:45:48 ID:2hsBqDYq
流石淫獣!俺達にできないことをあっさりとやってのける!


そこにしびれる憧れるゥ!
316名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 17:48:52 ID:wtXCRX6+
◆6BmcNJgox2 氏GJううううぅぅっ!!!

相変わらずのカオスっぷり、面白おかしく暴走しまっくてるフェイトが素晴らしい。
氏の書くフェイトのおばかっぷりはどこか微笑ましいですね。
317名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 18:52:52 ID:JVkPYFiE
アンソロを読んだら電波受信した。これからはヴィヴィヴィの時代!

ヴィヴィオと遊んであげるヴィータ
子供らしいおままごとに付き合ってあげるヴィータだが、
家庭を忠実に再現するヴィヴィオのおままごとは夜の性活編に突入
ヴィータはヴィヴィオ相手に強く出ることもできず、なんだかよく分からないうちに手込めに(ry

無邪気ゆえに加減を知らない鬼畜攻めってよくない?
318名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:06:05 ID:gYr1p6BP
教会騎士団ってさ、甲冑やデバイスの設定がなかったと思うが、登場させるならどんな感じがいいかな?

やっぱ、某第九次十字軍みたいな三角頭巾は必須かな
319名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:10:08 ID:I2tGj9Ok
ヘルシングの6巻辺りを参考にするといいかもしれない
320名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:15:06 ID:nxgVPP55
騎士なんだからやっぱ剣や槍……
でもベルカじゃ魔導師は全員騎士だしな……
地球でいう騎士のイメージを当て嵌めるのは危険だな
321名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:16:56 ID:p5bPh3DP
>>318
20話でカリムの側にいたり26話でシャッハにセインを引き渡されてたりした連中が教会騎士団。
男女共にデバイスは槍型。
322名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:23:02 ID:c00PP0Rh
実は地味〜に設定画とかがあったりするんだよな、教会騎士団。
メガマガの付録冊子だったっけ?
323名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:26:03 ID:7rDX7t5p
要約するとエリオの肉槍をなでなでしたいと言いたいのかよお前ら変態だな本当に
324名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:30:23 ID:gYr1p6BP
>>321
そうだったのか
結構忘れてるな

TUTAYAで借りて見直さないとな
325名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:33:14 ID:fIGLfBjL
>>307
乙です!いやぁ〜〜、たまに読む◆6BmcNJgox2 氏が書かれる
直球ド真ん中のバカ話は、やっぱし最高ですわwもう一回乙です!!
326名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:58:15 ID:nxgVPP55
俺もちょっと質問というか確認なんだが、SS04に出てきた奴ってターセルでいいんだっけ?
327名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 20:05:57 ID:+7M8zHsL
>>326
ふー、ターセル様々やわ

悟空のそっくりさんと同じ名前じゃなかったっけ?
328名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 20:08:20 ID:p5bPh3DP
>>326
名前だけだけどね。
港湾特別救助隊の主任だからスバルの後の上司だな。
329名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 20:13:15 ID:nxgVPP55
サンクス
前に見たコピペと名前が違ってて焦ったぜ
330名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 20:15:39 ID:gYr1p6BP
>>327
あっちはターレスだな
レタスだから

つーか、そんなマイナーなキャラを調べてどうする気だよw
331名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 20:18:26 ID:7+ahnBfe
そりゃSS書いた時に登場させるんじゃね?
完全なオリキャラと、マイナー(空気)とはいえ作品に出てるキャラじゃ印象が違うから。
オリは作風と名前があってなかったりする弊害も多いしな。
332名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 20:26:25 ID:wsmn9M5r
2度あることは3度ある――4期クルー?!
ところでリリカルヴィヴィオの中の人はまだ仕事が忙しいのかしらん?
333名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:17:53 ID:1Wv926wQ
21:30ころから行きます
334名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:19:30 ID:g2kfIowK
バッチコーイ!
335名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:26:35 ID:9Eo8I+T5
>>290
マジレスすると、

シベリアは寒さは厳しいが、夏の暑さは、日本ほど厳しいとは言えない。

で、その寒さにしても、北極海近くのエリアを除けば、札幌と10℃変わらなかったりする。
ところが、札幌も旭川も稚内ですら夏季の温度は熱帯並みの30℃台後半に達する。
という理不尽。
336名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:27:31 ID:awAsCBZX
>>333
おk、脱いで待ってる
337名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:28:48 ID:ae2LK4Wp
>>333
風邪引いてる俺が全裸で待ってる
338名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:31:48 ID:wtXCRX6+
>>333
早くキテくれ
339CRR:2008/03/28(金) 21:31:52 ID:1Wv926wQ
どうも数スレぶりです。
>>336-337
ぜひ使ってね!

ゴーイングマイウェイな今回の電波は、
・60スレ「キャロのにっき」の続き
・エリ&ルー×キャロのエロ
・鬼畜エリオと鬼畜ルーな仕様です

ではドゾー
340名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:32:30 ID:ix6rJ1rV
>>337
悪い事は言わん、靴下だけでも履くんだ
341名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:32:36 ID:I2tGj9Ok
裸じゃ寒いだろうからこれを羽織りなさい
つ[トレンチコート]
342名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:34:04 ID:gYr1p6BP
ネクタイもやるよ

支援
343CRR:2008/03/28(金) 21:34:11 ID:1Wv926wQ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新暦7X年 ○月■日

今日は、ルーちゃんが自然保護隊に遊びに来てくれました。
昼の間は、エリオ君と3人で森に入って、動物さん達と遊んだり、
保護隊の仕事をルーちゃんが手伝ってくれたり……

……あれ、どうしたんだろう。
いつの間にか私は寝てしまっていて。
目を覚ますと、手足を縄で縛られた私の裸の体と、
私を見下ろす、裸のエリオ君とルーちゃんが見えました……

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





なかよくしましょ! 〜キャロのにっき2〜





「ひゃああぁっ……ああぁぁぁああっ!!」

四肢を、エリオのベッドの4本の足にそれぞれ縛られているキャロ。
大の字の体勢のまま身動き一つ取れないキャロの秘部には、
ルーテシアの真っ白な指が、乱暴に突っ込まれていた。

「あああぁぁあぁ―――――っ!!」

ルーテシアの手つきは相当に慣れたものだった。
キャロの膣内を、か細い2本の指の腹が擦りあげると、
こじ開けられた花弁の間から、ぴゅぴゅっと勢いよく、尿とは違う液体が飛び出た。

「ひゅー……ひゅー……あ……はぁ……」

すでに潮でシーツをぐしょぐしょに濡らしたキャロ。
縄を引きちぎりかねないほどの痙攣の後、キャロの体から力が抜けた。
汗と涙でぐちょぐちょになった顔と、ひゅーひゅーと息を漏らす唇。

「……どう?キャロ。女の子同士って」

そんなキャロを、紫の長髪を持つ少女・ルーテシアが、
手についた愛液をペロリと舐めながら見下ろしていた。

「そんな……ルーちゃん……っ、どうして……」

「……僕が頼んだんだ」

「……エリオ君?」

それまで、自分はベッド脇でキャロの痴態を眺め、全てをルーテシアに任せていたエリオ。
ベッドに登り、キャロの視界の中へと体を持っていく。
344CRR:2008/03/28(金) 21:36:18 ID:1Wv926wQ
「僕が、ルーに手伝ってもらって、キャロを天国まで連れて行きたいと思って……だから」

「てん……ごく……?」

キャロに寄り添うようにベッドに横たわるエリオ。
片方の手はキャロの顔を撫で、
もう片方の手はキャロの秘部へと滑り込ませた。

「ひゃはあぁっ!?!?やめ、てぇぇっ!!」

またもキャロのウイークポイントを的確に突く手つき。
ルーテシアのそれより立派にごつごつしたエリオの指は、
キャロの体の水分を、全て下の穴から搾り出そうと動いた。

「ああはあぁぁぁぁぁっっ!!やあぁぁああぅっ!!」

ギシギシと、縄が音を立てる。
ちょっとしたバインドならば、キャロでも脱出できるかもしれないが、
縄によって物理的に拘束されていては、少女の力ではどうにもならない。

「やぁぁっ!!イくぅぅぅっ!!」

腰を浮かせるキャロの体が、また大きくバウンドした。
大きな声をエリオの部屋中に響かせた後、
キャロは、また糸が切れたかのようにベッドに体を落とした。

「っは!!……あ……や……そん……な……ルーちゃん……エリオ君……」

潤んだ眼差しを二人に向けるキャロ。
苦しそうな表情が、エリオとルーテシアの加虐心をいっそう煽った。
縄を解いたエリオが、キャロの体をぐるんと丸める。

「やっ……!!」

「行くよ……キャロ」

ちょうど、体育座りのままころんと転がされたような体勢を取らされたキャロの股間に目を移せば、
愛液に濡れたスベスベの太腿と、秘部が見える。
その閉じた秘部に、エリオは躊躇い無く一気に自らの怒張を突っ込んだ。

「あ……はあぁぁあぁ……!!」

乱暴な挿入にもかかわらず、キャロはエリオをすんなりと受け入れた。
数年間、交わりを繰り返してきた結果なのか。
キャロの膣内の形は、エリオのモノの形になっているのではないかと言うくらいだった。

「んああぁっ!!あああっっ!!ああぁんっ!!ああぁっ!!」

ぱちゅぱちゅと水気のある音を立てながら、エリオとキャロの腰がぶつかる。
キャロの腿を押さえ、若干窮屈な体勢をキャロに強いながら、
エリオは自らのモノでキャロの膣を擦りあげる。

「ああっぁっ!!やあぁっ!!はぁぁっ!!」

と、その時。
エリオが不意に、モノを抜き取った。

「あ……」
345CRR:2008/03/28(金) 21:38:29 ID:1Wv926wQ
突然の喪失感に、思わずキャロの口から切なげな声が漏れる。

「ん?どうしたの?」

「え、あっ……!!何でもないよ……」

散々経験しても、未だに恥じらいが抜けないキャロは、
エッチだとは思われたくないのか、そのまま黙ってしまう。

「……エリオ。意地悪してないでそろそろ」

「そうだね。じゃあ……ルー、よろしく」

「うん……」

ルーテシアはキャロの視界から消え、力なくベッドに横たわるキャロの体を起こした。
エリオはベッドに仰向けになり、天を仰ぐモノを指差し、キャロに言い放った。

「キャロ、跨って」

「……う、うん……」

ルーテシアに脇を抱えられながら、キャロがゆっくりと腰を下ろしていく。
まだ足にキているのか、カクカクと足を震わせながら、
キャロの体は再度エリオを受け入れた。

「んっ……く、ううぅっ……!!」

ルーテシアの支えが取れ、キャロがベッドに両手をつく。
キャロがゆっくりと、エリオの上で息を整える。
が、不意にキャロの口から突拍子も無い声が上がった。

「ひゃっ!?!?え、ええぇえっ!?!?」

尻を手で割られる感覚を覚え、キャロがばっと後ろを振り向く。
そこには、股間から無機質な真っ黒い男根を生やしたルーテシアが、
自分の臀部に手をかけている姿が見えた。

「前と後ろ……同時。きっと気に入るから」

「えっ!!そんな、そんな……!」

そんなキャロの哀願空しく、
キャロの窄まった菊座に、ルーテシアのペニスバンドが当てられた。

「あはあぁぁっぁぁぁぁああっぁあぁぁぁ……!!」

エリオの手によって後ろの穴ももちろん経験済みのキャロだが、
前と後ろに同時に入れられると言う感覚は初めてだった。
苦しそうな声が、キャロの口から漏れる。

「どう?ルー」

「……もう少し。あと2センチくらい……」

冷汗を額から滲ませるキャロを尻目に、ルーテシアはペニスバンドを埋めていく。
エリオは腰を動かす事無く、ルーテシアのモノがキャロに全て飲み込まれるのを待っていた。

「あがああっぁあっ!!はあぁぁぁぁぁ……!!」
346CRR:2008/03/28(金) 21:41:35 ID:1Wv926wQ
未だ小さな体に、2本の異物を入れられる違和感。
それらが入れられているのは、どちらもキャロの快感を煽る場所。
苦しさと快楽が混ざった複雑な声を上げながら、キャロはエリオにくたっと体を預けた。

「はー……はー……はー……はー……う……」

「苦しい?」

「あ……う……苦しい……エリオ……くん……ルー……ちゃん……!!」

全身鳥肌を立てたキャロが、エリオとルーテシアの顔を交互に見ながら、声を上げる。
その目は「止めてほしい」という哀願と「もっとしてほしい」と言う期待が混ざり合い、
キャロの中に眠る女らしさを引き出していた。

「ルー、よろしく」

「……うん」

エリオの声に短く反応したルーテシア。
キャロの腰を、両手で掴んだ。

「やあぁぁっ!?!?はあぁぁあっ!!ああぁぁあっ!!」

ルーテシアが腰を使い出す。
差し込まれている擬似男根とは感覚が繋がっていないゆえに、加減が分からない。
ただただ、水気のある音を断続的に、激しく立てる。

「ひぅ!!あん!!いやあぁっ!!うううぅっ!!」

乱暴なルーテシアの腰使いが、キャロの腸内に激しく刺激を与える。
ベッドのクッションを上手く使い、エリオのモノの出し入れも始まる。
二つの棒が与える快感は、ちょうど波状になり、キャロを襲った。

「あはあぁっ!!お腹っ!!えぐれちゃうよぉっ!!」

キャロが天を仰ぎながら、必死に声を上げる。
ギチギチと膣と腸の筋肉が、二本の侵入者を拒む。

「はっ……あっ……っ!!」

「ううっ……キャロ……キツい……っ!!」

ルーテシアは挿入に引っかかりを覚え、
エリオはモノを締め上げられて思わず呻く。

「やっ!!あん!!あんぅぅっっ!!エリオ君!!ルーちゃんっ!!」

自分に爆発的なまでの快感を与えてくれる二人の名を叫ぶキャロ。
愛液が泡立ち、ぐぷぐぷと肛門が淫らな音を立てていた。

「さぁ……キャロ……きっと気持ちいいよ……?」

「キャロ……イくよ……出るよ……っ!!」

キャロの上にルーテシアが圧し掛かり、キャロの耳元で囁く。
その間に、エリオの我慢も限界に達しようとしていた。
347CRR:2008/03/28(金) 21:43:40 ID:1Wv926wQ
「うん……っ!!来て、来て……キてぇぇっっ!!」

エリオとルーテシアが、タイミングを合わせる。
同時に一気に貫かれたキャロの快感は、その衝撃で一気に爆ぜた。



「やああぁぁっ!?!?イくぅぅぅぅぅぅう―――――っ!!」



エリオの精液を直接子宮口で受け止めながら、キャロは意識を手放した。






〜〜〜〜〜〜〜〜〜

―――――その後抜かないままで、私はエリオ君に何回か精液を注がれました。
「何回か」……つまり、えっと、その……
実は、その間気を失っていて、あまり覚えていないんです。
目を覚ますと、あそこから溢れるほどの量の精液が、私の中に注がれていました。

後でルーちゃんに話を聞くと、
エリオ君はけっこう前からルーちゃんともセックスをしていたそうです。
ガリューの手も借りて、先に「二穴」も体験していたそうです。
……私だけだったんだ、知らなかったの。

「今度は、フリードやガリューも入れてやろう。ね?」

力の入らない私の体をタオルで拭きながら、エリオ君がそんな事を私に話しました。
……フリードをどうやって仲間に入れるのか分からないけれど、
きっとエリオ君にはいい案があるんだろうなぁ。



みーんなみんな、もっとなかよく……なろ?



おわり。
348CRR:2008/03/28(金) 21:45:16 ID:1Wv926wQ
以上です。
……きっと俺の頭が、風邪の熱でおかしくなったんだ。
文字通りなのはさんに頭冷やされに行ってきま(ry

では!ノシ
349名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:46:04 ID:uFiqfB1k
ぐふっ
350名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:46:18 ID:ae2LK4Wp
>>348
あぁ待ってくれ俺も行くそれとGJな
351名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:47:30 ID:7rDX7t5p
ロリとショタのまぐわいほどエロいものはないわぁ
352名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 21:51:05 ID:wtXCRX6+
ロリエロスGJです。
しかしエリオなにやってんのwwwっていうかガリューも混ぜてんのかよ!? このままいくとヴォルテールも混ざりそうで恐いなwww
353名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:03:03 ID:ZdiTTd8O
まとめwikiがしばらく更新されてないけど大丈夫なん?
354名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:12:37 ID:AJhs+4cZ
>>353
58スレより
__________________________

700 名前: 26-111 [sage] 投稿日: 2008/03/07(金) 22:35:36 ID:UXpuz2kA
保管庫から業務連絡です
54、55、56、57スレの保管作業が完了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします

・連絡事項
>>お供え氏
短編:「少女の進路」を長編:「ヴィヴィオの進路〜その1」としています。間違い有りませんか?
確認をお願いします

>>先輩司書の皆様、及びスレの兄弟達
“年度末”と戦わなくてはならないので、しばらく保管業務から離れます。執筆もちょっと滞ると思います

___________________________
355名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:12:43 ID:X2Nymot4
>CRR氏
GJ!
来るか!?ついにキャロ×ガリュー×フリードの時代が来るか!?

>>353
高速で保管されてた26−111氏が年度末で忙しいらしいからねぇ。
356名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:23:34 ID:DqTXO/WY
「知人の遺品だ」

死んだのか!!!!!????
357名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:27:14 ID:gYr1p6BP
クロノがあの仮面つけてたんだっけ?

公式なのかそうでないのかはっきりしてもらわないと、プロットが書けないな
358お供え:2008/03/28(金) 22:28:09 ID:hs2rGOQ3
やってしまった。
まさか見てない時に、コメントがあってたとわ。
26-111氏
間違いありません。ご迷惑をおかけした上、返事遅くなって申し訳ありません。
年度末の戦い頑張って下さい。
359名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:31:25 ID:wtXCRX6+
保管乙です
360名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:41:31 ID:7+ahnBfe
>>357
『横たわるのは犬と豚』はギャグテイストだし、公認ではあっても公式ではないと思われ。
書き易いように好きに使っていいんじゃないかな。

仮面はぬこ師匠達以外は一度も付けてなかった筈だし。
361名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:44:35 ID:8VC1hW89
特機が一機あるだけでパワーバランスが崩れるんだぜ……
362361:2008/03/28(金) 22:45:28 ID:8VC1hW89
誤爆
363ザ・シガー:2008/03/28(金) 22:46:40 ID:wtXCRX6+
ところで投下するが準備は良いかい?
少なくとも10分以内に最終確認を終わらせて行きます。

今回はソープで。
364名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:47:12 ID:I2tGj9Ok
喜んでー
365名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 22:54:36 ID:9onO3SHG
>>332さん
未だ仕事に追われていて、執筆がほとんど出来てません。

せっかく楽しみにして頂いているのに、期待に応えられず、本当に申し訳なく思っています。

いっそのこと、誰かに代筆を頼もうか…ああ、考えただけで自動的に執筆してくれるロストロギアが欲しいorz
366ザ・シガー:2008/03/28(金) 22:55:03 ID:wtXCRX6+
では投下行きます。

今回はソープ、メインはセッテでちんこ要員はユーノです。
ユーノが酷い事になっていますからユーノ好きな方は気をつけてください。

そして言わずもがなエロSS、これ必須。
367高級ソープ ナンバーズ:2008/03/28(金) 22:55:42 ID:wtXCRX6+
高級ソープ ナンバーズ8


僕の名前はユーノ・スクライア、無限書庫って所の司書長をやってるごくごく普通の文学青年です。
まあ、あえて特徴を言うとすれば少し補助系魔法が得意で性欲を持て余してるってとこかな?

まあ彼女(某教導官)はいるんだけどさあ、その子ってば仕事が忙しい癖に養子なんて引き取っちゃったもんだから、最近は二人になれる時間もあんまり無いんだよ。
そうなると、男の僕は色々と持て余す訳で‥‥だから今日も今日とてソープ・ナンバーズに来てるんだこれが。

そうして今、僕のチ○ポはしゃぶられてる訳で。


「ああ‥‥そうそう、上手いよチンクちゃん〜♪」
「ちゅぷっ‥‥ふぁい‥ありがとうございます」


僕に髪を撫でられながら一生懸命フェラしているこの子はナンバーズ5番のチンクちゃん、この店で僕のお気に入りの子だ。
チンクちゃんは僕のデカマラ(いや誇張抜きでマジに)を美味しそうに舐めしゃぶりながらも、ちゃんとお礼を言った。
舌遣いも上手で大きなモノが相手でも文句の一つも言わない、まったく○のはとは大違いだ。
それに綺麗な銀髪と超ロリ体系ってのも素晴らしい! なんか犯罪行為臭くてかつ背徳的で凄く良いよ。
なにより僕が注文して着せているスクール水着(もちろん旧型)も最高にマッチしてる、これはもう犯すためにあるようなもんだよね♪
サラサラの銀髪を撫でて極上の触り心地を楽しみながら受けるスク水美幼女のフェラの快感に、僕の股間のフェレット(暗喩)も堪らず我慢の限界を迎えた。


「チンクちゃん、そろそろ出すよ。今度はゴックンしてね?」


僕はチンクちゃんの髪を撫でていた手で頭を押さえると、その口の中に遠慮なくたっぷりと射精した。
チンクちゃんは自分の口内に大量に吐き出された僕の精液を涙目になりながらも残さず飲み干す。
その姿があんまりエロいんで、もう僕は我慢の限界を迎えた。


「さあチンクちゃん、次は本番だよぉ〜♪」





数時間後ユーノは別の会員用特別室にいた。理由は簡単チンクがあまりの激しいセックスに気を失ったからだ。
淫獣なる不本意二つ名に偽り無く、ユーノは鬼でも殺しそうな勢いで以ってチンクをあらゆる体位で様々な穴を白濁染めにした。
ほとんど拷問に近い激烈なセックスの果てに完全に意識を失ったチンクに対し、まだまだ余力を残しているユーノは別室に移って次の指名相手を待つ事となる。


「う〜ん、やっぱり気を失うまでするのはヤりすぎだったかな? でも僕だって色々溜まってるしなぁ。まあ次の子で楽しめるんだから良いか」


ユーノはそう言いながら、チンクを散々責め尽くしてなお滾っている自身の肉棒を眺めていた。
そうしていると部屋のドアがノックされ、待ちに待った色欲の時間がやって来る。


「どうぞぉ〜♪」
「失礼します」


入ってきたのは桃色の髪を揺らす長身の美少女。
368高級ソープ ナンバーズ:2008/03/28(金) 22:57:00 ID:wtXCRX6+
豊かな起伏を持った美しいプロポーション、そのボディラインをより美しく際立たせる高い背丈と長い桃色の髪。
少女の名はセッテ、ナンバーズ7番を冠する機人である。
セッテは静かにユーノの前に歩み寄ると、小さく頭を下げて挨拶する。


「はじめましてお客様。ご指名ありがとうございます、ナンバーズ7番セッテです」


静かで抑揚の無い言葉、表情にもまったく変化がなくセッテはどこまでも無機質で機械的に対応する。
これはなにもユーノに対してだけ特別にこうしている訳ではない、これが彼女の素の姿なのだ。


(初めて指名する子だけど、なんかえらく機械的に話す子だな‥‥下手したらディエチちゃんとかディードちゃんより愛想無いくらいだ。でもまあプロポーション良いから問題なし!!)


1秒にも満たない時間で納得したユーノは思考を即座にエロにスイッチする。
そして驚くべき速さでセッテの腰に手を回すと、唇を奪うと同時に抱き寄せながらベッドに押し倒した。


「んぅぅ‥ちゅぷっ‥‥んむぅぅ‥」


舌が絡まり合い、重なった両者の唇から湿り気を帯びた淫靡な水音が漏れる。
ユーノは何の躊躇も無く舌を口内へと侵入させてセッテの唇を味わいながら、さらに腰に回していた手を彼女が肌に纏っているキャミソールにかけて神速で脱がせていく。
ここが色を買う場所とは言えど、これ程までに素早くかつ正確に女の身体を貪ろうとする男がいようか?
ユーノは早々にセッテの服を剥くと、迷う事無く彼女の豊満な乳房を揉みしだき下腹部をなぞりながら秘所へと指を進める。
下に回されたユーノの指は慣れた手つきで陰唇を撫でじっくりと焦らすような愛撫の後に、湿り気を感じるや、そのすかさず内部を弄る。
情交に慣れた故の素晴らしいとまで言えるコンビネーションである。

しばらく愛撫を続けるとユーノは息継ぎの為に一旦重ねた唇を離す。
そうすると二人の間には透明な唾液の糸が一筋できて、情交を淫らに飾っていた。


「ぷはぁ‥‥あの、お客様。先にシャワーを済ませなくてもよろしいのですか?」
「別に良いよ、もう待ちきれないしね」


ユーノはそう言いながら片手でセッテのたわわな乳房を存分に揉みしだき、もう片方の手で丹念に彼女の秘所を弄りその身体に快楽を刻む。
口が片方の乳頭に吸い付き、もう片方の乳房に伸びた手は先端を摘んで力を込めて捻りあげる。
下腹部では指が盛んに膣を抉り淫核を弾く。
容赦ない愛撫の性刺激にさしものセッテも表情を快楽の喜悦に歪ませていった。


「んぅぅ‥‥はんっ!」


表情に乏しい美少女を手馴れた情交のテクニックで喘がせる、これほど面白い事があるだろうか? ユーノは様々な愛撫を試して、その快楽により甘い声で鳴くセッテの痴態に満足そうな黒い笑みを零す。
そうしていつの間にか自身も衣服を脱ぎ去って(本当にいつの間に脱いだんだこいつは!?)、素早く交合に移行する準備を終えると、セッテの秘所に自分の硬くなったモノを押し当てる。
そして一瞬の逡巡も無く、ユーノの股間のフェレット(暗喩)の先端が蜜に濡れるセッテの膣を貫いた。


「ふあぁぁあっ!」


普段の無表情ぶりが嘘のように、セッテはユーノとの結合がもたらす快感に身体を震わせて一際高い嬌声を上げて悶える。
369高級ソープ ナンバーズ:2008/03/28(金) 22:57:51 ID:wtXCRX6+
ユーノは一片の躊躇無く激しく腰を動かしてセッテの蜜壷を味わいながら、同時に彼女の思考を快楽に溶かそうと性感帯を探り出していく。
奥底まで突き上げ膣壁を擦りあげて、満遍なくその内部を嬲っていけばセッテの反応が最も敏感に現われる箇所が見つかる。
ユーノは彼女の弱点を見つけるや否や、重点的に肉棒で以ってそこを一気呵成に責めていく。


「んぅぅ‥‥あぁぁあっ‥‥はぁっ!」


与えられる快楽によって背筋を駆け巡る甘い電流がセッテの脳髄を焼いていく。
ユーノの腰が動き肉棒がセッテの中を抉れば果汁は愛蜜が溢れて淫蕩な水音と甘い鳴き声が漏れる。
ひたすらなまでに一方的で蹂躙的な交合、美しい少女はただ淫欲に燃える雄に食われていく。

瞳は情欲に潤み口からはだらしなく涎を垂れ流し、セッテの表情は完全に淫らに蕩けていた。
もはや少女は陥落する寸前と踏んで、ユーノは最後の決め手に移る。
口が彼女の右の耳たぶを軽く甘噛みし、片手を左の乳首に這わせて捻り上げる。
これらは今までの情交で学習したセッテの弱点である、彼女はその愛撫に一段と敏感に反応して喘ぐ。


「ひゃんっ!‥‥んぅぅ‥あんっ!」


さらにトドメとして残った手で淫核を潰すように指で押しながら腰を突き上げて肉棒を淫穴の奥深くに差し込む。
抗い難い決定的な快楽の刺激、濁流の如く襲い来る絶頂の高みにセッテの意識は呑み込まれていった。
壮絶な程の快感の波に、セッテの濡れた唇から絶叫にも似た嬌声が吐き出される。


「はあぁぁぁあっっ!!!」


骨の髄まで焼き尽くすような快楽の熱い電流に、セッテはまるで陸に打ち上げられた魚のようにパクパクと口を開き身体を小刻みに震わせる。


「くうっ! 僕も出すよ、全部中に出してあげるからね!!」


膣が絶頂の余韻に強く収縮して埋没した肉棒を締め上げ、その刺激にさしものユーノも溜まらず自分の欲望を吐き出す。
瞬間、セッテの内部を熱く滾った白濁が発射され隅々まで満たしていった。
ユーノの精液はまるでマグマのような粘り気と熱でセッテの秘所の奥底まで到達し、遂に彼女の中の“スイッチ”を押す。

それは決して押してはいけない禁断のスイッチ。
快感に蕩けていたセッテの瞳に獣性を潜めた光が宿り、気迫とでも言うべき気配が立ち込める。
その変化に背筋に寒気を感じるユーノだが時既に遅し、セッテは獲物に目を向けると一気に身体を入れ替えて今度は自分が上になった。


「セ、セッテちゃん?」
「ふぅ‥‥ふぅ‥」


それはまるで、さながら餓えた肉食獣とでも形容すべきか。
もはや機械的で無表情な機人はそこにはいない。

ナンバーズで最も性の技に長けているのは言うまでもなく2番ドゥーエである。
なにせ堅物で有名な聖王教会の司祭を骨抜きにした等、様々な逸話に事欠かない。
だがもしもナンバーズの中で最も性欲の強い性豪は誰かと言えば、それは他ならぬセッテだろう。
一旦彼女の中の性欲のスイッチが入れば、相手の男は冗談抜きで腹上死しかねない。
実際、セッテのスイッチを入れてしまった客が激しい衰弱の果てに何人か病院送りになったのは秘密の話なのだ。
370高級ソープ ナンバーズ:2008/03/28(金) 22:58:54 ID:wtXCRX6+
故にナンバーズの姉妹はセッテの事を影ながら“男根の殲滅者”“最強のセックス・ターミネーター”と呼んでいる。

そして、底なしの欲望を滾らせたターミネーターは今日の獲物を喰らいにかかる。


「あっひぃ〜〜!!」


哀れにして無残、今宵フェレットは無様に散り果てた。





あくる日の朝、ナンバーズの姉妹一同は食卓を皆で囲み仲良く朝食を楽しんでいる。
その中で、ウェンディはふとセッテに目をやって不思議そうな顔をした。


「あれ、セッテ今日はやけに上機嫌っスね、なんか良い事あったんっスか?」


ウェンディの言葉通り、セッテはいつもの無表情の中に見慣れたものならば即座に理解できる喜色を浮かべていた。
普段はまったく無表情で感情の変化を表に出さないセッテらしからぬ様子は誰が見ても不思議に思っておかしくないだろう。
そこで事情を知るセインが口を開いた。


「確かセッテ、昨日はあの司書長がお相手だったんだって」
「ああ‥‥なるほど、絞り尽くしたんっスか‥」
「‥‥」


セッテ、無言のままどこか嬉しそうに親指を立てて喜びをアピール。
その様子にウェンディとセインを含めた姉妹一同は呆れて苦笑した。





やばい死ぬ、いやマジ冗談抜きで。
アレは有り得ないって、いくらチンクちゃんと犯った後だからってこの僕を完全に枯らし尽くすなんて‥‥‥

何回出したかまるで記憶にない、最後の方は血が出るんじゃないかと思った、もう下半身の感覚が無くなりかけてモノが取れたのかとさえ感じるくらいだ。
しばらくセックスはいいや、今の状態でしたら確実に衰弱死するよ。

ああ‥‥‥‥そう言えば今日はデートの約束(言うまでも無く某教導官との)があったな。
うん即断した、断ろう。


僕はそう考えた瞬間、溜まった疲労に身を委ねて眠りの中に落ちた。


終幕。

371ザ・シガー:2008/03/28(金) 23:03:12 ID:wtXCRX6+
投下終了です。
ユーノが酷い、っていうか初めて書くユーノがこんなので良いのだろうか?

そして修正お願いします。
>>369
ユーノの腰が動き肉棒がセッテの中を抉れば果汁は愛蜜が溢れて淫蕩な水音と甘い鳴き声が漏れる。

ユーノの腰が動き肉棒がセッテの中を抉れば果汁のような愛蜜が溢れて淫蕩な水音と甘い鳴き声が漏れる。

保管庫に入れる際はどうかこのようにお願いします。
372名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:04:17 ID:7rDX7t5p
チンコ姉への対応が性犯罪者だな。チンコ姉かわいそうです
俺としては淫獣と性獣の頂上決戦を見たかったがこんな話もイイヨイイヨー
淫獣死ねぇ
373名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:07:17 ID:BqICjajh
これはひどい(褒め言葉) ユーノ好きだけどこういうのもありだw
なのはとも付き合ってて上手いことやってるなー、と思ったけれど
既婚者のエロノ孕マセルンに比べたら何ぼか……いや、同じ穴の狢かw
374名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:12:55 ID:AJhs+4cZ
>>371


>>365
マターリ待ってます。半年ぐらいは余裕。
375名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:16:38 ID:AlFJG0tU
>>371
GJ。これは「淫獣ざまぁw」と言わざるを得ない。ww
376名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:24:57 ID:CLaUflvI
>>372
次はユーノが勝利。そしてそれに対抗するためセッテは…
と、互いに(何か間違った)高みにのぼっていくセッテとユーノであった。
377 ◆bi8/V/6HZA :2008/03/28(金) 23:32:09 ID:BX0ng7nU
投稿します。
ナンバーズ(主にノーヴェ)への陵辱モノです。
かなりヌルイですが。
378棺の中の悦楽 1/3  ◆bi8/V/6HZA :2008/03/28(金) 23:33:07 ID:BX0ng7nU
「あん! ひゃん!」
「あぅん! あっ あっ!!」
「また…またイクぅ!」
芝が茂り、木が植えられ、池には清らかな水が湛えられ、壁と天井で囲われている。
屋外のような屋内で、裸の男女が絡み合っていた。
女の数は7人。どれもタイプの違う美女ぞろいで、その美しい顔を、あるものは快楽に、あるものは恥辱に歪めていた。
男の数はおよそ倍の15人。どれも鍛えられたたくましい肉体で女たちを組み伏せ、おのれの欲望をぶつけていた。
彼女たちは先の地上本部襲撃その他もろもろで逮捕された戦闘機人、ナンバーズ。
男達は時空管理局地上本部の武装局員である。
この状況の首謀者はナンバーズの更生プログラムを担当しているギンガ・ナカジマであった。
彼女は先の事件で彼女たちに半殺しにされ、拉致され、改造され、洗脳された。
だがそれ自体は特にどうとは思ってはいない。
問題は自分の拳を可愛い妹に向けさせられた事、それが彼女の逆鱗に触れていた。
これはその報復のため、彼女たちの言動に難癖をつけ、懲罰と言う名目で度々行われている虐待、
だったのだが…

「んあ! ゃ…やめろっはぅ! よぅ」
赤い短髪の少女、ノーヴェが首根っこを掴まれ顔を地面に押し付けられ、逆に尻を高く上下られた格好で獣の様に犯されていた。
ノーヴェの上げる嬌声、彼女の尻と男の腰のぶつかるパンパンという音と、結合部からのニチャニチャという湿った音が淫靡なハーモニーを奏でている。
「何がやめろだ。美味い美味いってチンポ吸いつきながら何言ってやがる」
「うっ…んぁ! っるせぇ! そんなわけあるかバカ野ろっあぁ!!」
「あぁまたイきそうだ、ぅ…また、中に出してやるからな」
ノーヴェの膣内で男のペニスが膨れ、腰の動きが速くなる。
「やだ! やだぁぁ!!」
しかし彼女の身体は言葉を裏切り、男のペニスを、精を、胎の奥へ導くように蠢き蠕動する。
「っく…うぅう!!」
どくん どくん どくん
「っあ! ぃやあぁぁああぁ!!」
男はノーヴェの一番奥、子宮口へ先端を食い込ませると、その中へ己が精をありったけ注ぎ込んだ。
「……ふぅぅぅ」
しばらくじっとして余韻を楽しむと、耳に挟んであった黒マジックペンを取り、ノーヴェの尻に線を引いた。
見れば彼女の尻たぶには黒ペンで6個の星が書かれている。
いや最後の1つは星になるには線が1本足りなかった。
男は満足すると萎えたペニスを引き抜き、まとわりついた粘液を尻に擦りつけ拭うと、今まで犯していた女へ興味を無くしさっさと立ち去っていった。
379棺の中の悦楽 2/3  ◆bi8/V/6HZA :2008/03/28(金) 23:33:38 ID:BX0ng7nU
「やっほーセイン、調子はどうッスかー?」
人工池のほとりで寝転んで休んでいた若葉色の髪をした女、セインの元へ赤毛を後頭部でまとめたウェンディが寄ってきた。
「おーう、今ちょっと休憩中。流石に疲れた」
「セインは今何回くらいッスか?」
「んー?」
セインは自分の尻を妹へと見せる。
そこには黒い線の星がちょうど3個書かれていた。
「15回! 全員にッスか、ヤッパリ大人気ッスねセインは」
「そういうあんたは?」
「あたしはぁ…」
ウェンディも尻を見せると星が2個と<が書かれている。
「12回、あんたも同じ様なもんじゃん」
「あれ? そんなにいってます? 8回くらいまでは覚えてたッスけど、気を失ってる間も犯やれてたみたいッスね」
とケラケラと笑った。
1回犯され精を注がれるにたびに線が1本引かれ、5回で星が1個を書き上げる。
何時の頃からか始まった習慣である。
「でも、一番人気は…」
セインは立ち上がり、犬の様に犯されているノーヴェへ視線を向けた。
「っあ! ぃやあぁぁああぁ!!」
「あの子もいつまでも嫌がってないで、楽しめば良いのに」
「ッスね」
他の姉妹といえば、小さな身体を組み伏せられ、大きく広げられた脚しか見えなくなっているチンク。
シックスナインでお互いの秘裂と、そこを貫くペニスに舌を這わせる、似てない双子のオットーとディード。
口での奉仕を好み、星を頬に書かれ道化の様になっているディエチ。
皆それぞれこの状況を受け入れ楽しんでいた。
中でもセインとウェンディは積極的に男を漁り、馴染みまで作っている順応振りである。
そんな中、未だに拒絶しているのはノーヴェだけであった。
しかしその抵抗が男達を惹き寄せていた。
ガラも態度も口も悪く、発育と感度の良いノーヴェをねじ伏せ、犯し、よがらせる事に男達は激しい興奮を覚えるらしい。
「あ、終わったみたいッスね」
2人は男が離れたのにそのまま動かないノーヴェの様子を見に近寄る。
「ノーヴェー、だいじょーぶかー?」
セインが声をかけても茫然自失で反応が無い。
尻に記された星を見ると、
「ひのふの…29!?」
今回来た男は15人、単純計算でおおよそ1人2回、彼女を犯していることになる。
その上でセインやウェンディ、計7人の姉妹も犯しているのだから、武装局員たちもなかなかの絶倫振りである。
栓を抜かれたノーヴェの膣口から、30回近くも注がれた白濁液が溢れ、糸を引いて芝生へ流れ落ちてく様を見て二人は思わずつぶやく。
「「いいなぁ…」」
「なにがっ…いいな、っだばかやろうが…」
意識を取り戻した彼女は悪態を吐きながら起き上がろうと萎えた手足に力を込め、
「えい」
「ふぁん!!」
指で軽く突かれただけで再び崩れ落ちた。
「ノーヴェは特にエロい身体してるんッスから、素直に楽しめば良いのに、どっちみち犯られるならそっちの方が得ッスよ」
「ほれほれ」
「ひぁ! はぅ! やめろ! やめろよぅ!!」
二人がかりで突き、撫で回すと、そのたびに激しく反応し悶える。
「これは楽しぃ」
「みんながノーヴェをいじめる気持ち分かるッスねぇ」
「あそ…あそぶなぁ!」
ノーヴェは仰向けに引っくり返され、左右に分かれた姉と妹に、胸をもまれ、ヘソを舐められ、内ももを撫でられ、それなのに乳首や秘裂は弄られない。
それは人一倍敏感な彼女にとって、男に犯されるより辛い拷問だった。
そんなことは口が裂けても言えないが。
380棺の中の悦楽 3/3  ◆bi8/V/6HZA :2008/03/28(金) 23:34:05 ID:BX0ng7nU
痴態を繰り広げる姉妹三人に、ペニスを腫らした男達が寄ってくる。
男達に腰をつかまれると、セインとウェンディはペニスが狙いやすいように自ら腰を上げるが、ノーヴェは往生際悪く腰を振って逃れようとする。
その仕草が男を惹き寄せると言うのに。
ノーヴェはセインとウェンディに、ピンと尖った乳首に歯を立てられ、陰核を抓られると、
「ひぃあぁぁぁああ!!」
足を突っ張らせ、ブリッジをするように腰を持ち上げる。
太ももが開き、陰唇が開き、更に膣口まで開ききり、中から女の蜜と男の精の混じりあった粘液の塊をゴポリと吐き出す。
男はそのもの欲しげにひくつく膣口へペニスを挿し込み、一気に子宮を突き上げた。
「               っ!!」
ノーヴェは白目をむき、声にならない悲鳴を上げ、陸に揚げられた魚のように口をパクつかせる。
「あれ? お前、挿れただけでイっちまったのか?」
絶頂に達したノーヴェの膣は激しく震え、ペニスを締め上げ、男を楽しませた。
男は悶える彼女を無視し、己の欲望を晴らすために腰を振る。
ノーヴェはそれぞれバックで犯されているセインとウェンディに乳首を吸われ、胎の奥を男に突かれるたびに強制的にイかされ続ける。
(ぃゃ…おかしくなる、あたしおかしくなっちゃう…狂っちゃう…)
際限なく押し付けられる快楽でチカチカする視界に影がかかった。
いつの間にかやって来た、眼帯を付け灰色の髪をした姉、チンクがノーヴェの顔を覗き込んでいた。
「チ…チンクねぇ…あっ! あふん!! たす…けてぇ」
いつも優しい、大好きな姉が苦笑いを浮かべた。
「なんだ? 自慢か?」
「ぇ?」
チンクの尻に書かれた印はまだ星の形をしていない。
チンクはこの更生施設にいる姉妹の中では長女になる。
だが身体は最も幼く貧弱で、一部マニアックな男には受けているものの、全他的には一番人気がなかった。
彼女は長女として女として、そちらの方向で凹んでいた。
後から後から男を惹き付けるいやらしい身体の妹が妬ましく、
「チンク姉!? チンクねぇぁああ!!」
彼女もノーヴェへの責めに加わった。

「あー、もうこれじゃぁお仕置きにならないわねー」
ギンガはこの様子を管理室でモニターしていた。
「でもまぁいいか、良い臨時収入になるし」
彼女は裏で男性職員からこの懲罰の参加費の徴収し、映像記録を売り飛ばし小遣い稼ぎをしている。
それは結構な儲けになっていた。
手元に集まった現金を勘定しながら、
「今度スバルに女の子らしい服買ってあげよう」
最愛の妹が可愛らしく着飾っている姿を想像し、うっとりと微笑んだ。
381 ◆bi8/V/6HZA :2008/03/28(金) 23:35:12 ID:BX0ng7nU
終了です。
382名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:45:55 ID:AlFJG0tU
>>381
GJ。いつもおつかれさまです。
てかエロよりもむしろギン姉の暗黒面がこわすぐる。
愛ってこわいなぁw
383名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:05:06 ID:otQ2AJ9W
「トルコ風呂・更生施設」ですか?
384名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:06:37 ID:JQiZSyaq
>>383
留学生から文句の出そうな施設ですね
385名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:17:22 ID:NtCG+PzC
嫌がるノーヴェを無理矢理犯すというシチュエーションの素晴らしさに俺の股間にカートリッジがフルロードされた。
ブラックギン姉GJでっせ!!! このまま店を開いちまいなよ? きっと繁盛するぜ。

しかしナンバーズタイムが続いてるな、このまま誰か書かないか。
386名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:27:07 ID:mNRqj+K6
買ってあげた服を自らひん剥いて妹を犯す黒ギン姉、まで読んだ
387名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:32:45 ID:yIyGT8M4
>>381
GJ エロいとしか言いようが無い
ドリルで直接犯しChinaよギン姉
388名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:50:25 ID:GT1Ih39X
ナンバーズタイムを続けられないが、投下しても良いでしょうか?
389名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:51:07 ID:NtCG+PzC
カモンベイビー、オレノマグナムデカワイガッテヤルゼ。
390名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 00:55:55 ID:GT1Ih39X
初登校させていただきます。

クロノ+なのは

非エロ:なのはが女の計算してます。

ギャグを期待される方はスルー対象、しかしシリアスでもない。
391Catch me, and Catch you:2008/03/29(土) 00:58:45 ID:GT1Ih39X
返事は本当にいいから、と云って、彼女はいつも通りの笑顔を見せた。
 

「別に付き合いたいとかじゃなくって、私の気持ち知っといて欲しかっただけってゆーか・・これからもいつも通りでいいからさ!」

何とも応えられず、はぁとかなんとか口の中で呟く。考える前から、返事はいらないと云われてしまったのでは、次の手を封じられてしまったようなもので。
そのくせ、解放してくれる様子は一向に見せない。
そうこうしている内に、彼女はくるりと踵を返すと、
「じゃ、また明日ね。クロノくん」

言いたい事だけ云って、サッパリした笑顔を残して彼女は去っていった。
「・・・なんだっていうんだ」
揺れて遠ざかっていく、年上の同僚を眺めながら、クロノは手の中の綺麗にラッピングされた箱に向かって呟いた。

Catch me, and Catch you

「クロノくん、14日空けてる?」
後ろからそう声をかけられて、クロノは心の中で(来たか)と呟いた。
・・・つもりだったが、うっかり声に出てしまったらしい。
「にゃはは、そんな嬉しそうに来たかなんて言ってもらえて嬉しいな」
「・・・君の耳は大層都合がいいな」
地獄耳に聞き咎められて仕方なく振り返ると、なのははいつもの如く天使の笑み(あくまで見た目)を浮かべて返事を待っていた。
空いてる?ではなく空けてる、というさも当然の様な質問の仕方。
これは逃げられないな、と諦め半分、悪あがき半分で口を開く。

「お返しなら気にしなくていいぞ」
「気にする、しないじゃなくて、私がしたいの」
ダメ?と小首を傾げられて、もごもごと口の中で云い訳をする。つくづく、反則だと思うこのカオは。
「別にそんな事言ってない」
「じゃ決まりね!ありがとうクロノくん」
せっかくの休暇をなるべくなら平穏に過ごしたいという、ささやかな願いはやはり打ち砕かれる運命にあるらしい。
3月も半ばにさしかかったこの日、いわゆるホワイトデーを明日に控えて、クロノはそう嘆息を洩らした。
392Catch me, and Catch you:2008/03/29(土) 01:03:16 ID:GT1Ih39X
初めてバレンタインにチョコを「渡した」のは16歳。なのはが入院を余儀なくされていた時である。
以来、何となく恒例のようになっているのは、期待のこもった眼差しが怖いからとか、
渡さないとスターライトブレイカーを背後から喰らいそうだから─などといちいち理屈をつけてはいるが、
結局のところ、なのはの喜ぶ顔を見たいから、と云う単純な理由に過ぎない。口が裂けても云わないが。


なのはからの『お返し』も恒例だ。街をぶらついて、疲れたからと休憩出来るところに行き、
ベットの上でなのはの誕生日を迎え、その日はもっと疲れる。
実のところこれも恒例のパターンである。

(僕は流されやすいのか・・・)

ちなみに、そんなクロノの感慨も恒例のものだったりする。

なのはより先に着いたクロノは、待ち合わせ場所であるミッドチルダのとあるデートスポットの入口に陣取った。
もともと、14日は大抵なのはの買い物に付き合うと相場が決まっている。
主な目的は。「デート」なんて看板をしょって歩く必要は無いに越したことはないという思惑からの選択だったが、
なのはは充分嬉しそうにOKし、それを見たクロノのココロがちょっと痛んだのはここだけの話。


3月の風はまだ冷たい。自動ドアの内側に身体を滑り込ませて、腕時計を見ると12時ちょうど。
なのはが遅刻することは滅多にない。珍しい事もあるものだと、壁にもたれ掛かった。

そういえば、ミッドチルダを一緒に歩くのは初めてかもしれない。

普段から仕事漬けのクロノは、ミッドチルダであっても海鳴であっても、デートスポットなる場所を知らない。
毎年なのはの行きたい場所にいくだけである。

今年も例年通りになのはに付き合えば良い。
年上の男としては情けないかもしれないが、クロノは1人そう納得していた。
393Catch me, and Catch you:2008/03/29(土) 01:06:53 ID:GT1Ih39X
辺りを見回すと、流石カップルのデートスポット。海の望めるデッキはいかにも寒そうだったが、
わざわざ風に吹かれて身を寄せ合っているカップルがあちこちにいる。
この寒い季節によくやる、とそんな風景を眺めていると、自動ドアが開いて吹き込んできた風と一緒に、
クロノはドアの向こうに目を向けた。

「え、いいじゃん少し話すくらいさ」

軽薄そうな若い男が、やたらとジェスチャーを交えて喋りながら女性と歩いてくる。
喋りかけられている方の顔はよく見えないが、スタイルの良さはなかなか目立つ。
一見しただけでは連れ立って歩いてきたようにも見えるが、顔を斜めに背けた相手の態度からは、
大きく『迷惑』という文字が読み取れた。

─などと呑気に観察していられたのはそこまでで。
(・・・って!?)
彼女が唐突に足を止めたかと思うと、こちらに方向転換してすごい勢いで歩いてくる。
クロノは思わず周囲を見渡すが、向かってくる先にいるのはどう見ても自分ただ1人。
反射的に、もたれていた壁から上半身を起こすと、その背後にするりと身を潜ませられて目を丸くした。

「お、おいちょっ・・・」
後ろを振り返って息を呑む。
髪はつややかな黒。自分の中の知り合いでこんな鮮やかな黒髪の知り合いは居ない。
しかし上目遣いに覗き込んできた大きな瞳は。

「・・・なのッ・・・」
「えーなになに君、カレシ?」
目を剥いて絶句するクロノなどお構いなしに、へらへらと締まりのない声が降ってきて脱力する。
背後を睨みつけると、すまなさそうに苦笑している。

「・・・何か?」
クロノはため息をつきつつナンパ男に答えた。
394名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 01:10:31 ID:pok+54QM
髪染めた? 支援
395Catch me, and Catch you:2008/03/29(土) 01:12:04 ID:GT1Ih39X
クロノは機嫌と口の端を45度に曲げてファーストフード店でハンバーガーを貪っていた。
そして、その向かいにいるのは。

「えへへ、ごめんね」
エキゾチックな黒髪と赤い瞳が印象的な、空のエース・オブ・エース。

「遅くなったのは本当に悪いって思ってるの」
「ばっ・・・!僕はそんな事でッ」
声を張り上げて中腰になりかけると、途端に周囲の視線が集中する。
好奇な不特定多数の『いじめたら殺す』という言外の非難に、
なぜこんなに大勢の人間から睨まれなければならないのかと理不尽さに舌打ちする。

「・・・どうして今日はそんな格好なんだ」
不本意ながら周囲をはばかりつつ低い声で尋ねると、なのはは
「可愛くない?」
と、けろっとして答えた。
「服とか、いつもとそんな変わんないよ?」

確かにやや大きめのパーカーこそ初めて見る物だが、
それに合わせているミニスカートと茶色いブーツは、いつもとそう変わらない。
─そんな事は解っているが、けどいつもと明らかに違う。

女性の髪形、化粧、服装に関しての貧相な知識では上手く云えず、イライラとジュースのストローを噛んだ。

「その、髪型とかメガネを掛けているとか」
「ああこれ?」
云いながら眼鏡を掛け直し、なのはは悪戯っぽく笑った。
「ちょっと驚かせてみたくって、にゃはは」
無邪気に笑うなのはを見て、クロノはまた憮然とした表情のままストローに口を付ける。
(多分、6割方嘘だな)

普段は特別気を使っている訳ではないだろうに。今日に限って長い髪を三つ編みにして、
髪色だけでなく瞳の色まで変えているのだ。
見慣れない黒髪は確かに似合っているが、メガネは変装の域に近い。
極めつけが、普段と違うの瞳だ。

一見ではカラーコンタクトとは分からない、紅玉じみた透明さ。
─日常の中にひとつだけ、ぽんと放り投げられた異端の色。
無意識に人目を惹くには充分すぎる演出効果と云える。

「・・・目立ち過ぎだろう」
ついそんな悪態が口を突き、自分でも良くわからないままにイライラを募らせる。
そんなクロノを見て、何故かなのはは機嫌よく笑っていた。
396Catch me, and Catch you:2008/03/29(土) 01:16:45 ID:GT1Ih39X
「バレンタインのお返し、もうみんなに渡した?」
「ああ」
元々ミッドチルダにバレンタインという風習はない。しかしバレンタインは、
戦艦アースラの中ではここ数年ですっかり根付いてしまっている。
一年に一度恋人達の愛の誓いの日。少々の無礼講も許される愛の日。
そんな素晴らしい一日を前艦長自らが推奨していたのである。クルーが乗らない訳がない。

リンディやフェイトには昨日のうちに「義理返し」を済ませている。
通年ならば、あとははやて達やエイミィが精々だったのだが。

「エイミィさんには?」

噛ったハンバーガーを危うくノドに詰まらせそうになり、クロノは慌ててジュースで流し込んだ。
エイミィは、クロノがここの所噂になっている相手だ。
と云っても、クロノの立場で云えば、職場の同僚で、
毎年恒例のバレンタインにチョコをもらっただけなのだが、
もらった場所が場所だけにその事実はすぐに知れ渡り、
無責任な野次馬達─主に女性クルー─の間では、既に『公認』化されつつある。

『ブリッジの手前で『今年は少し意味が違うんだ』っていう前置きあってからチョコ貰うなんて、
噂にしてくれって云ってるようなものだね』

と、冷やかしたのは義妹のフェイトだ。
ただの義理チョコならアースラ内でも飛び交っていた。
わざわざ業務が終わったあと呼び出しての手渡しなんて、
本命以外には考えられないシチュエーションだ。
おかげで、その次の日から一日中男性クルーや女性クルーには冷やかされる羽目になった。

「フェイトちゃんが『断らなかったって事はオッケーだよ。』って言ってたよ。ホントに?」
「断るも何も、返事はいいと言われたんだから、断りようがないさ」
クロノはむすっとして、そのかいつまむまでもなくごく短いやり取りを聞かせた。
どう考えても『告白』なんて真剣なものじゃない。

「ふ〜ん。すっかり嵌められちゃったね、クロノくん」
「ハメ・・・」
不穏な言葉に目を丸くするクロノに、畳み掛けるようになのはは続ける。

「えっと、噂でとりあえず外堀固めて、そのまま既成事実にしちゃおうってこと。」
「しかし、エイミィもからかわれて確かに困ってたぞ」
「そこでクロノくんが助けに行くから状況がホンキっぽくなっちゃうんだよ。
からかっていたのはエイミィさんと結構仲の良い人たちじゃなかった?」

いつになく辛辣な口調に、クロノはしばしツッコむ事も忘れて目の前の赤い瞳を見据えた。
「なのは・・・何か、怒ってないか?」
「怒ってるよ」
しかし口とは裏腹になのはは極上の笑みを浮かべると、眼をしばたたかせるクロノにとどめを刺した。


「ホントに内緒にしたいなら、告白するのにそんな場所は、絶対選ぶ訳ないよ」
397Catch me, and Catch you:2008/03/29(土) 01:24:20 ID:GT1Ih39X
「ホントに内緒にしたいなら、告白するのに絶対あんな場所選ばないよ」

─クロノは、文字通り頭を抱えると、腕のすき間から上目遣いになのはを見た。

「よくそんな事を考えるな」
「ふぇ?誰が?私?それともエイミィさん?」
「・・・どちらもだ」

クロノは、大きくため息をつく。姉の様に思っていた女性の感情が、少なからずショックなのだろう。
「クロノくん、これからどうするの?」
訊かれて、顔を上げると、クロノは反り返って天井に呟いた。

「どうもこうも。これがもしもフェイトだったら本当に悩んだが、別に誰も困っていないからな」
特に気負うでもなく云ってのけたクロノに、なのはは内心(うわぁ)と舌を巻いた。

(クロノくんって酷い人だ)

確かに、もしも噂の相手がフェイトで、しかも困った様子を見せたなら、
クロノは何を措いても噂そのものを潰しにかかっただろう。
それをしなかったのは、決して肯定などではなく、人の噂も75日。
単に面倒だったからに違いない。

この分なら、噂は意外に早く自然消滅するかもしれない。

「なんだ、こんなことしなくても良かったんだ」
「?」
意味を計りかねて小首を傾げるクロノに、なのはは笑いかける。
すぐ横の壁に掛かった鏡を見ると、見慣れない黒髪に赤い瞳をした女の子と目があう。

姉に手伝ってもらいながら染めた黒色の髪の、本当にただの、どこにでもいる様な少女。

「ホントはね、そういう小細工って誰だってやる事なの。別にエイミィさんが特別じゃなくって」
「だが君は、怒っているじゃないか」
「ああ、うーんとね」

なのはは眼鏡を外し、上目遣いにクロノを覗き込む。

ほんの一瞬だけ、世界が歪んだような錯覚をクロノは覚えた。
─目の前に居るのは一体誰だ?
黒い髪に、義妹と同じ赤い瞳。普段になく蠱惑的な仕草には、小悪魔的な気配すら漂って。

「自分だけ安全圏内で、手に入れるって思っているのが気に入らなかったの」

顔を近づけて、妖しく囁く。見つめられて、竦んだ体を追いつめるように。
せいぜい、秘密の睦言でも交わしている風に見えるよう角度を計算して。
「なりふり構っていられないよ、本当に欲しいのなら、ね?」

その時、店のどこかからトレイをひっくり返す音が派手に響いて、クロノは我に返ったように体を引きはがした。
動悸がやかましく、鼓膜をつんざくほどに響く。
なのはを見ると、シェイクの残りに口をつけていた。

「君も使うのか?その・・・小細工とか」
クロノは目を逸らすと、鏡に目を遣って云った。

「えへ、知らなかった?」
「・・・いや、知っている」

─鏡の中、足早に店を出ていった後ろ姿を見送りながら、クロノは本日何度目かのため息をついた。
398Catch me, and Catch you:2008/03/29(土) 01:30:41 ID:GT1Ih39X
翌日から、クロノ艦長に関する新しい噂が戦艦アースラを席巻していた。

曰く、『クロノ・ハラオウンはエイミィとは別の黒髪美人とも付き合っているらしい』

英雄でも見るような男性クルーの視線と、冷ややかな一部女性クルーの態度に晒されながらも、
職務を終えたクロノは執務室へ戻ると、今週一杯休暇を取っている筈のなのはが
「おかえりなさい」と迎えてくれた。

「噂には噂以外でしか対抗できないやーって思って。・・・怒った?」
「知ってるって云っただろう」
クロノはやや疲れ気味な声を出しながら、椅子を引いてぐったりと座る。

「ありがとう、でも当分本当のこと云えないね、クロノくん」
今言ったらどこのフラグメイカーなギャルゲー主人公って話になっちゃうから、
と『ホワイトデー』の次の日にクロノから貰った薬指に光る指輪を見つめながら、
なのはは声だけは申し訳無さそうにクロノに話し掛ける。

「私、こんなに早く意思表示してもらえるって思ってなかったの。本当にごめんね」

「僕だってあの日の君の言葉が無かったら確信は掴めなかったぞ」
クロノはそんななのはを正視できず、ぶっきらぼうに呟く。

「クロノくん大好き。私の一番は、ずっとクロノくんだよ」

天使の笑顔を見せながらしかし、となのはは思う。
(クロノくんの中の私ってどんなイメージなんだろ。クロノくん以外の人に、多少の餌しか与えてないのに)
399Catch me, and Catch you:2008/03/29(土) 01:35:24 ID:GT1Ih39X
おしまいです。

なのはさんに「私の一番〜」と言わせてみたかったのです。

ちなみにこのなのはさんは今年でやっと14才です。クロノがロリコンでサーセン
400名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 01:39:16 ID:FSuiY4e5
>>399
ご入学おめでとうございますGJ!!
別ベクトルに『悪魔』ななのはさんがなんか久々でいい感じ。
コレが原作クロなのパワーなのか…!!!
401名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 01:42:28 ID:TNAG1xC8
>>399
GJ。
しかしこれはまた新しいないなのはさんですね。
クロノどころか、ユーノやフェイト辺りまで手玉にとってそう。
402名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 01:50:43 ID:KnRSl1El
タイトルが実にCC。
403名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 02:23:32 ID:MofmCGo/
黒い女が続くなぁw
>>381
犯された回数を自慢したり悔しがったりするナンバーズにおっきした。

>>398
与えてる餌って具体的に何だー!?
404名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 02:29:30 ID:qAIRhZ6j
>>381
乱交パーティー系物が好きな俺にはたまらない話でした。この後の素直になったノーヴェも見てみたい。

>>399
悪魔すぎるよなのはさん
405名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 02:43:03 ID:QSPD5nKw
ふらーり、夜も更けたところで、ちょっと投下させてくださいな

たまには毛色も変わって珍しくバトル物です、殺陣ばっかです、非エロです
16歳ぐらいです、フェなのユ前提です、そんな内容は一文字もありませんが

フェイトさん 対 シャッハです

当初、モンガーだからとロストロギア「ジェットモンガロン」で
轢き逃げアタックを敢行するシャッハだったのは秘密です

対するはザフィーラに跨った、フェイトライダーストロンガーだったのも秘密です
さりげなく空戦S+の攻撃力と、S−ぐらいの防御力を誇るユニットです

全面的に捏造です、お気をつけください
406或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:45:24 ID:QSPD5nKw
彼女のようになりたいと、心から願った。

物心ついた時には、仕える者としての生き方が身の上に在った。
そのような人生に、とりたてて何某かの不満を抱いているわけではない。

仕えるべき主は、心より尊敬できる騎士であったし、
待遇に不満も無く、手間のかかる弟分とともに、日々穏やかに過ごす。

― 音もなく匂いもなく智名もなく勇名もなし。

そのような境遇に通じる所があったせいだろうか。

色々と不躾な対応、不穏な視線の飛び交う教会の只中で、
微塵も臆する事無く凛と立つ、その濃緋の騎士に魅かれたのは。

― 夫れ忍の本は正心也。忍の末は陰謀佯計也。

その人が、幼かった私を見て時折、誰かを思い出すような素振りを見せる事があった。
聞けば、以前より交友の有る若き剣友と、歳が近いせいだなと答える。

音に聞く、不屈の名を冠する若きエースの親友で、その性質は真逆に在ると言う。
幾度折れようと必ず立ち上がる、強く、気高い魂の持ち主であると語る。

フェイト・T・ハラオウン

永きを渡る騎士シグナムをして、生涯唯一振りの刃と言わしめた存在。
知らず覚えた嫉妬という感情に、僅かばかりの驚きを得た。


407或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:46:01 ID:QSPD5nKw
『或る執務官と騎士の系譜』



世界が閃光に満たされて、鼻先を魔力刃が掠めて通り過ぎます。
軽く視界を眩まされ、蹈鞴を踏んで距離をとりました。

物見に集まっていた修道会、騎士団の面々の、畏怖とも、呪詛ともつかぬ感嘆の声が聞こえます。

聖王教会敷地内の野戦場、小さく、四角に区切られた練武の場に立つ姿は二つ。

光刃なる大剣、バルディッシュ・ザンバーを構えるミッドチルダの魔導師に相対するは、
双剣たる旋棍、ヴィンデルシャフトを携えた自分、修道女シャッハ・ヌエラ。

翻る外套、身を包む黒衣、風に流れる金髪、「黒の死神」「金の閃光」などと、数多の異名を持つ、
フェイト・T・ハラオウンと、決闘紛いの模擬戦を行っているのには、些かに理由があるのです。

それは新暦71年、レリックと名付けられた遺失遺産の回収の折、幾つかの穏やかならざる騒動の、
顛末の事後報告を兼ねて本日、騎士シグナムが教会を訪れた事に端を発しました。

端的に言えば、騎士シグナムが面通しを兼ねて伴ってきた金色が、視界に入った瞬間に思わず、
およそ今までの人生に比類なき速さで、その顔面に手袋を叩きつけて、以下略、来ました。

のんびりと考え事をしている隙はありません、間を外したら一息に斬りつけて、剣撃数合。
探りでも入れているのかと、軽く振るわれる剣閃に合わせるように、左棍を回し、刃を鳴らします。

認めません、文鎮を入れた手袋を顔面に受けて、あぅ、とか可愛く言われても認めたくありません。

見れば構えはネーベンフート、刃を後ろに流した下段の脇構えから、
身を引きながら放たれた切り上げの斬撃が、ヴィンデルシャフトの弾撃を弾き、

互いの挟間にある大剣の間合い、須らくを占有されました。

後日談になりますが、

ネーベンフートからの水平、切り上げの斬撃は後に、フェイト葬らんと呼称され、
週に一度のペースで無限書庫司書長を本棚に叩き込むために使用されているそうです。
408或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:46:34 ID:QSPD5nKw
ともあれ振りぬかれた魔力刃の、終になる形は左のオクス。

刀身は眼前、柄を持ち上げる両腕が頭の横で交差され、切っ先が私の顔面を狙ってきます。
たしか、牡牛の角を連想させる剣勢が名の由来です。

一拍、オクスより放たれたは刺突ではなく、外に弧を膨らませた剣閃、逆袈裟の斬撃。
私のヴィンデルシャフトには鍔が無く、ならば受ける事は難しいとの判断でしょうか。

油断が見えました。

受けます、下から右の刃を打ち上げてあわせ、双剣を交差、左の刃を鍔に見立てて、
剣閃に逆らわず、下より横に滑らせるようにして、刃の上をとります。

鍔が無いなら作れば良い、油断につけこむように大剣を絡めとり、一息に踏み込めば、
顔面が触れ合うほどに間合いを詰め、遅ればせながら気が付きました。

受けたはずの刃に、力が無い。

まるで、シーソーの片端に力を入れているように無抵抗に、ザンバーと呼ばれた光刃は、
右手を支点として下げられて、刃の上を取り返され、交差した双剣が鍔元に押し込められて、

刹那、視界に整った顔立ちと金髪が流れ、鼻先を掠めて通り過ぎるとともに、衝撃。
捩じ首に似た、左の柄尻による打撃、握りこんだ拳に首筋を強打されて、吹き飛ばされました。

咄嗟に蹴撃を入れますが、飛ばされながらでは威力は期待出来そうにありません。
それを裏付けるかの如く、即座の追撃は下段、ネーベンフートからの水平撃。

あわてて飛びのいて、間合いを広げました。

峰刃による刺突めいた斬撃に、飛び退いて、刃流れ、刃を返さず主刃による斬撃、さらに飛ぶ、
腕の交差で刃を返し、逆袈裟に曲斬り、飛び退く、そのままに昇撃、飛び退けば後がありません。

流水の如く鮮やかに、構えから構え、連撃を繋げる技量に内心で舌を巻きます。
認めざるを得ません、油断をしていたのは、私でした。
409或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:47:02 ID:QSPD5nKw
切り上げて、交差した腕は頭の横、今度は右のオクス、では無く、
アインホルン ―― その角は牡牛ではなく、切っ先を斜めに天を突く、一角獣の構え。

間を置かず繰り出された一撃は、刃を翻し、軽く外に膨らむ袈裟の斬撃。
考える間もあらばこそ、踏み込み、腕に沿わせた右刃で受けます。

踏み込みとともに刃を滑らし、鍔元の上を取ってカウンターを狙う、までを読まれましたか、
斬撃の弧がやや強く、縦に斬るよりも横に打ち払うかの如くに振り払われる、はずなので、
刃の下にもぐり左でカウンターをとる、のを見透かされ、蹴りつけるような強い踏み込みで、
受けた刃が一息に鍔元まで捻じ込まれ、押し倒されるような形で斜めに吹き飛ばされました。

ベルカの闘士がミッドチルダの魔導師に、近接の読み合いで不覚をとる。
理不尽ではありますが、身を捩って転げまわるほどの屈辱です。

いや、実際に身を捩って転げて逃げまわっている最中なのですがね。
とは言え、屈辱に浸っていては勝機を逃します、冷静に思考しましょう。

これだけ受ければ間違えようはずもありません、あれは確かにベルカの剣です。

斬撃のために振るわれる刃は、時として私の攻撃を打ち返し、弾き、距離を詰める事を許しません。
踏み込みは常に剣閃と軸を違え、回避するがために剣を振るい、剣を振るうがために回避をします。

それは、カートリッジすら無い時代に産声をあげ、その大部分が失伝されて久しい稀有の技法。

アルターリッターリヒクンスト ―― 即ち、古きベルカ騎士の剣技。
察するに、騎士シグナムから手ほどきを受けたのでしょう。
410或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:47:47 ID:QSPD5nKw
嵐の如き連撃が周囲に吹き荒れました。

身も世も無く避け続け、避け続け、時として魔力を帯びた一撃で打ち返せば、
即座に尋常でない速度の斬り返しが襲い掛かってきます。

刃を重ねて上下を取り合えば、容易く押し込まれ、飛び退いて逃げて、逃げます。

良い所無しでこう判断すると、まるで自惚れの如く聞こえてしまうのが悔しいのですが、
近接戦闘での実力は伯仲しています、いや本当です、信じて。

管理局の結界の中に無策で飛び込む、剛毅な性格の騎士様のおかげで誤解されがちですが、
古来、ベルカの戦技は防御と回避を念頭において組まれていますので、逃走も立派な技術です。

ではなく、伯仲しているが故にデバイス、魔力刃による大剣の最大の利点、遠心力の軽減、
軽量故の異常なまでの斬り返しの速さの前に、打つ手が無いという事態が生じています。

ただでさえ大剣と旋棍では間合いが不利だというのに、なんですかあのデバイス、チート?

結論として、近接戦闘では圧倒的に不利と出ました、笑えません。
逃げます、逃げの一手です、せめて考えが纏まるまでは距離を取らなくてはなりません。

雨霰と射撃魔法が降り注いできました。

何か物理法則を勘違いしているような速度で迫る光弾を、足を止め双剣を振るって打ち、砕き、
悉くをなぎ払ってみせた所、呑気な観客たちから拍手と感嘆が、うわぁすごいムカつきますよ。

金色馬鹿も驚いたのか、何か呆れた風味に固まっていて、いや、呆れたいのは私です。

とはいえ中距離、今回は想定外ですが遠距離での魔法戦、考えるまでも無く勝機は皆無です。
ベルカ式の練武場は狭いので何とか凌げていますが、ミッド式ならば瞬殺されかねません。

聞いた話、騎士はやてと二人のコンビで、管理局のトリガーハッピーズとか呼ばれているとか。
F&Hトリガーハッピーコンビネーションは、秒間512発の射撃魔法を実現すると聞きます。

正直、想像も出来ない世界です、無茶にもほどが有ると思いませんか?

ならば残るは、ゼロ距離、近接格闘に勝機を見出す他に無く ――
411或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:48:44 ID:QSPD5nKw
うわ突っ込んできた貴女、本当にミッド式の魔導師ですか!?

足止めを期待した牽制で旋撃、刹那に握りをゆるめて放つ回転撃で上段に打ち込めば、
王冠、切っ先を下げた刃を掲げるように持ち上げて、弾かれ、即座に反撃が飛んできます。

下げた切っ先を持ち上げるように突き上げる、刺突、過たず顔面を狙い、浮いて、
咄嗟に海老の如く反らせた身体の、鼻先を魔力刃が掠めて過ぎて、そのまま下げられました。

慌てて組んだヴィンデルシャフトで、なんとか受け止める事が間に合ったおかげで、
顔面焼印だけは免れたものの、そこに飛んできたものは、足。

蹴り飛ばされました。

かなり痛かったのを我慢して、眼前で爆煙を作り、さらに距離を取れば、逡巡。

なるほど、先ほどの捩じ首のやりとりでも気になりましたが、近接戦闘にも精通している割に、
打撃から取れず、蹴り足も取れずでは、密着での格闘を避けている節が見受けられます。

他の形態ならばいざ知らず、大剣のようなものを振り回す以上、無理も無い事でしょう。

それなのにデバイスの構造からハーフグリップ、刃を握ることが出来ない点は見逃せません。
そうでなければ先ほどの刺突が、火掻き棒の如く顔面に突き込まれて終わっている所です。

結論として纏めれば、あのミッド式の騎士風味は、柄から身体の間に付け込める隙があります。

とりあえず一足の間合いに五度の切り返しを入れ、刺突の的を絞らせないままに、間合いを維持。

ならば狙いは単純、あの斬撃を掻い潜り、死角から異常な速さで飛んでくる打撃を避け、
蹴りよりも殴打よりもさらに近く、肌を重ねるほどに密着すればって、難易度高すぎます。

そもそも、隙と呼べるほど確固とした穴だとは思えませんし。

それなりに心得があるからこそ理解できますが、容易く振るわれる一太刀も、踏み込みも、
淀みなく繋がる連撃も、どれもこれもが、飽くなき地道な鍛錬に裏打ちされた代物です。

魔力、身体能力、これほどの規格外の才能に恵まれながらも、なお一切に驕る事無く、
異様としか形容し難い執念を持ってして鍛錬を重ねた騎士の剣は、素直に尊敬を覚えます。

油断が無い、ならばこそ密着戦闘にも、何某かの備えがあると見て間違いが無いでしょう。

でもやらざるを得ません、踏み込みながら、考えましょう、考えろ。
考えながらも刺突と上下に狙いを絞らせないよう、慌しく反復横跳び。

古き騎士の剣技は攻防一体、甲冑の上から叩き潰すだけの威力を前提に、
回避と防御に重点を置き、それに速さも加わった今、まさに手のつけようが無い技術。

ならば、剣での仕合に付き合う事自体が間違っているという事ですか。

飛んできたのは横移動の行動を塗りつぶす、横殴りの水平撃、誘いに乗った、わけもなく、
そう、このミッドチルダの騎士が、安易な斬撃など振るうはずもない。

―― 狙うは想定の外、剣での対応に無い攻め方、近代ベルカに有って古代ベルカに無い技術。
古流の太刀筋に存在しない、近代で発達した技術、例えば ――
412或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:49:26 ID:QSPD5nKw
水平撃を外して背を向けられる、これは誘い、本命は次、転身して繰り出される回転斬撃。
信じて半歩、僅かに踏みとどまり、切っ先がバリアジャケットを切り裂き、通り過ぎました。

刹那です、刃を流す斬り返しまでの刹那、この一瞬以外に仕掛ける機会は、ありません。

通り過ぎた刃に重ならないように、右のデバイスを振り抜きます。
仕掛ける技は逮捕術から、即ち ―― ヴィンデルシャフトの投擲。

剣こそが命、そのような古代に於いては、およそ不名誉な奇策としか受け取られませんが、
逃走する犯罪者への警棒、旋棍の活用法として体系づけられた投擲術に、金色の騎士は驚愕し、

足元に飛来した旋棍を飛び越えて、不用意な回避、今こそが千載一遇の好機と見て、

旋迅疾駆、一直線に踏み込み、吼える。

脇腹を魔力刃が掠めても、踏み込む、鍔がめり込む、踏み込む、空中にある身体を掴み、
腕を押さえ、胸倉を引き寄せるかのような形で、頭突き、視界に火花が散ります。

打たれ反り返る身体を離さず、残った双剣の、柄の部分をみしりと、外から脇腹に突き込み、
くの字に折れて硬直した身体の顎先に、真下から肘、拳が乳房を弾き、身体を再び反り返す。

指先が漆黒のバリアジャケットを千切り取る、白い肌が視界に入り、既に棍は回る。
風斬りの音を切り裂いて、放たれた必殺の斬撃は、しかし、何かに弾かれ絡め取られました。

意外です、それは外套。

咄嗟にバリアジャケットの外套を投げつけて、一撃を防いだと理解しました。

なんとまあ、古風な。

我知らず畏敬の念を覚えつつも、腕を引き、外套に生じた死角から膝頭を蹴りつけて、
そのまま足に沿わせながら踵を落とし、つま先を踏み砕きます。

動きを縫い止め、改めて致命の一撃を見舞おうとして、耳朶にデバイスの声を聞きました。

「Blitz Action」

ノーモーションなどと生易しい話ではなく、容易く音の壁を打ち破る、魔法仕掛けの高速拳撃。
外套を投げつけた腕が加速され、刹那に数える事の出来ないほどの連撃を身に受けて。

頭が弾け、呼吸が止まり、視界が狭まる。

踏みしめる両足に力を込める、ごきりと音がして、ごきりと音を聞きました。
足の下、肋骨、顔面、そして打ち込まれる拳に。

正気じゃない、この連撃、自らの腕まで砕いて。
413或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:49:56 ID:QSPD5nKw
しかし効果は致命的、肺が押しつぶされ、呼気の最後の一滴までをも吐き出させられました。
酸素欠乏に苦しみながら、比べれば遅々とした動きで、踏みつけていた足で足元を掬います。

体勢を崩し宙に浮く閃光、重心を落とす、落ちる、視界に地面が映る、腕を振った。
振り回し、弧を描いた左の、ただ一振り残ったヴィンデルシャフトの一撃。

鼻腔に、視界に、火薬が充満して弾けて騒いでいます。

思考は完全に停止して、ただ、身体だけが幾万と繰り返し染み付いた動作を再現し、
見えるものも見えず、聞こえず、勝手に動く肉体の感触に愉悦を感じ、

ほとんど消え去りそうになっている意識の片隅で、思いました。

このまま打ち倒し、押さえつけ、タコ殴る。

けどしかし、叩き付けるように振るった一撃は空を斬り、そこには誰も居ない様でして。

嘘でしょう、呼吸、そして頭を上げます。
僅かに回復した視界の端に、金色が入りました。

跳んで避けたのか、違います、空中を斜めに踏みしめて静止してい、ます。

苦痛を堪えるように顰めた表情は、まだ呼吸をしていないのか、青く染まり、
羅刹の如き表情の、しかし瞳に怒りは無く、全身が表現しているものは

ええ

頭上、凍りついた時間の只中で、確かに視線が交差しました。

 愉しかったですね

既に剣勢は刃を後ろに流す上段、ツォルンフート。

  そういえば、空戦魔導師でしたか

「Jet Zamber」

憤怒の名を冠する構えより放たれた光刃が、過たず私の意識を刈り取りました。


414或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:50:26 ID:QSPD5nKw
(付録:医務室の会話)



そんなこんなで、医務室に横たわる馬鹿二人。

「えーと、鼻血がはなでぃが、えふ、えふっ、いや、騎士フェイト?」
「あれ、ミッドの人だから騎士じゃにゃああぁぁ、指が爪がぁ!」

「貴女が騎士で無ければ誰が騎士ですかああぁぁ、眼が眼がぁ!」
「フェイトでいいよぉ脇腹が脇腹がああぁぁぁ…」

僅かでも身じろぎしようものなら、途端に身体の何処かが激痛に軋む末期の様相。
治療はするが麻酔をケチられるという、聖王教会独自の献身行を強制実践中であった。

「それはあまりにも、あ痛たた、慎みの無いたた、じゃあっ、フェイト執務官で」
「みぎゃぁ、足つった、足つった、うん、じゃ私はシスターシャッハと呼ぶね、ぬぁ」

「はい、内臓が内臓がああぁぁ」
「ぬぎゃあぁぁぁ」

実芭蕉の皮が窓際に置かれ、林檎の皮はシャリシャリと音を立てながら床に落ちる。

「まあなんだ」

怪我人と言うよりはむしろ、包帯の塊と形容した方が近いような有様の二人に対し、
見舞いに持参した果物を威風堂々と捕食しながら、烈火の将が声をかけた。

「貴様らのような大馬鹿どもと知り合えて、私は本当に幸運だよ」

断末魔の悲鳴が響く医務室の寝台脇、ウサギに剥いた林檎が置かれていた。



余談になる。

およそ異名と言うものは、その実情よりも、行為と機会によって付けられるものであろう。

鑑みれば射撃、砲撃に関しては「管理局の白い(まだ)悪魔」高町なのはに劣り、
徒手格闘に関しては「聖王教会のベルカ忍者」シャッハ・ヌエラの後塵を拝し、
その剣技に於いても「おっぱ(飛竜一閃)「剣の騎士」」シグナムには及ばない。

それでもこの一戦を機に、ベルカ自治領で彼女はこう呼称される事になる。

フェヒトマイスター ―― 即ち、「剣の達人」フェイト・T・ハラオウン、と。

(終)
415或る執務官と騎士の系譜:2008/03/29(土) 02:51:17 ID:QSPD5nKw
あとがきー

義経神明流で問答無用に腕一本捨てながらも相手の命をとるフェイトさんとか、
薩摩示現流でザンバーに人生を込めて「おっぱいおっぱい」と叫ぶフェイトさんとか、
柳生新陰流でデヴァインバスターを無刀取りするフェイトさんとかも魅力ですが、

そんな火事場に突っ込む南斗爆殺拳伝承者のような性格のフェイトさんを前に、
シグナム姉さんが執務官候補としての将来に不安を抱き、ベルカ剣術を教えたの話

それだけの思い付きでした

ザンバーの構造上、半剣が出来なくて苦労しました、その分、柄が長いとか妄想
全面的に捏造ですので、ドイツ剣術に詳しいヒトは笑って許して、とか逃げを打つの事

NGワーオは、フェイト流星拳
416名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 04:21:17 ID:mk+QS2MF
GJ
シャッハの脇をこよなく愛する俺はとにかくシャッハが出てきてくれる事自体が嬉しい
いい決闘、楽しませて頂きやした
417名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 05:37:28 ID:WpHhT+rK
>>348
GJ!!!!
前作で幾度となく読み直し興奮した俺が来ましたよ
エロオ!!お前ってやつは・・・・・最高だぜ!!!
つーかルーテシアまで鬼畜になっとるやないか!
行き着く先はハーレムかniceboatか
418名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 05:42:09 ID:fnJcjV9J
>>399
GJ!
黒いなのはさん萌えw


>>415
こちらもGJ!
ガチンコ決闘描写に痺れました。

個人的にはこの流れで飛行魔法使うフェイトさんが少しズルく感じたかなぁ…
419名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 06:25:41 ID:umUf7l5B
>>399
GJ
クロなのモノはなのはがなのちゃん化することが多いので結構新鮮だったw
しかし黒くても雰囲気がド直球なのはさすがクロなの。
420名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 10:34:43 ID:c+oVgAbd
>>415
何というバトルバカw
いいぞもっとやれw
421タピオカ:2008/03/29(土) 12:12:56 ID:mk+QS2MF
ちょっと失礼しますね。


注意書き
・猫娘と11娘の話
・でも11娘は山場で気絶中そっちのけです
・エリオも間に合いませんでした
・エロなし
・驚くほど歴史を改造
・キャラが不自然なのは力量不足です
・今さらですがなのはのサウンドステージ02聞いてないと良く分からないです
422タピオカ:2008/03/29(土) 12:14:32 ID:mk+QS2MF
「優しい夢を見れるよう」 結の話 金髪編


明るい場所ではなかった。延々続く通路の先は暗く、遠くは見えない。
新しいアジトだ。
リニス暴走後、スカリエッティは即座に今まで過ごしていた施設を放棄。
そしてガジェットドローンの介入により戦闘が収束した頃合い、海上のウェンディとディードに連絡を入れた。内容は新しいアジトへの誘導。
その誘導に沿って2人がトーレ、セッテ、ディエチを運んで新たなアジトへとやってきてもう丸1日が経っている。それほど各設備に違いがなかったので、あまり引っ越した感覚がウェンディには感じられなかった。

さて、そんな新たなアジトの一角。とある通路の両サイドだが、施設を保護する強固な壁があるわけではなく、ずらり、ポットが並んでいた。
保存溶液に満たされたその生体ポットの中には、人。多様な人間がナンバーを刻まれたポットに浮いているのだ。
全員が全員、意識なく眠るようにポットの中でたゆたう。
その中の一つをウェンディは見上げていた。
リニスである。
右腕は、斬り落とされたまま。ジュエルシードが宿主を不便なままにすると言う事は、つまり機能が停止しているのだろう。
それほど、今リニスにかかるAMFは強い。だからこそ目覚めて再び暴れる事もないが、これでは死んでいるも同然だ。

「…………リニス…」

呟く声と、足音が重なる。ウェンディが目を配れば、プクリと頬をふくらませてそっぽ向いた。
スカリエッティである。

「おや、嫌われたものだ」
「そうっス。ドクターなんて、嫌いっス……」

低く、スカリエッティの笑った。
その声にウェンディがますます不機嫌そうになっていく。トーレからおおよその事は聞いたのだ。リニスが暴れる事も理解して外に出そうとした、と。

「そうか、それは困ったな。どうすれば、許してくれるのかな?」
「すぐにAMF弱めてリニスを起こして欲しいっス」
「できないね」
「……どうしてっスか? またAMFの中にいるんスから、リニスは正気になるはずっス」
「ククク、そして、その正気の中でフェイト・テスタロッサに想い焦がれて苦しむ事になるのだよ?」
「あ……」

ウェンディがうつむく。リニスと一緒にいたい気持ちと、リニスを苦しめたくない気持ちに板挟まれれば、もう何も言えない。
そんなウェンディの肩へとスカリエッティが優しく手をやる。

「このポットで眠っている者たちがどういう目的で集められているか、知っているね?」
「……? 知ってるっス」
「そこに何故リニスを入れているか、分るかい?」
「リニスを……レリックウェポンにするっスか」
「そうだ」
「………どうしてっスか?」
「彼女の言葉で引っかかる所があってね、そのための保険にレリックを使おうと思っているんだよ」
「引っかかる所……?」
「彼女の、願いさ」
「……?」
「もう一度、フェイトに会いたい」
「?? それが、リニスの願いっスか?」
「そうだ」
「何が、引っかかるんスか?」
「フフフ、自分で考えてみたまえ」

首捻るウェンディをスカリエッティは薄く笑みながら眺めていた。
423タピオカ:2008/03/29(土) 12:15:30 ID:mk+QS2MF
「何、大した事ではないかもしれないよ」
「でも、もしかしたら大した事かもしれないっスか?」
「ククク、その通りだ。だから、レリックを手に入れるのが先だ」
「…………分かったっス。このナンバーのレリックを手に入れれば、リニスの苦しみが、終わるんスね?」
「全てが納得いく形で終わるだろう。リニスと、フェイト・テスタロサッサだけではなく、君も納得がいく形だ」
「あたしも……っスか?」

今しがた、嫌いだと宣言した人物の話を食い入るように聞き遂げれば、ウェンディは意思強く口元を結び、剛く頷いた。

「リニスを、絶対に元に戻すっス」

そして、リニスを今度こそ納得いく形でフェイト・T・ハラオウンの所へ送り出す。
ただ、ただ一つ願わくば、自分もその和に入りたいと、ウェンディは思う。



<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>
<行くぞ>

―――どこへ?

<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>

―――フェイト・T・ハラオウンです。

<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>
<フェイト・テスタロッサの場所へ>

―――頭の固い遺産ですね……

真っ暗だ。明かりが無い、うんぬんの話ではなく何もないのだ。
ただ自分の周囲に蒼い煌めきが六つ。ジュエルシードだ。動けない体、外に向けて力を発揮できない今、リニスはまるで夢見るようにただジュエルシードと問答し続けていた。

フェイトの場所を示したウェンディをきっかけに、暴走してからの事はハッキリと覚えている。見えていた。ずっと、自分がトーレを、セッテを、ディードを、ディエチを、そしてウェンディを傷つけていたのを、リニスはずっと見ていた。
しかし体は思うように動かない。ただ見ているだけ。違う自分に体を乗っ取られた気分だったが、突き詰めればあれはジュエルシードが実現した自分の一途な想いの結果なのだろう。
だから結局、どうしようもなかった。ディードに向けられた殺意の砲撃はリニスの理性が泣き叫んでも止まらず、トーレたちに放った害意の魔法の数々もリニスの知性がいくら願っても終わらなかった。
最終的には誰も逝くことなく終決し、心の底からリニスは安堵して、そしてAMFに拘束されたところで意識が死んだ。

今、魂が震える程に嬉しかった。ウェンディたちが自分を止めてくれた事が、涙が流れるほど嬉しかった。
ただ、自分はやはりいない方が良かったのだとも思う。
フェイト一人を望んだあのままでは、異常な魔力に局員がやって来ていただろう。その時、どれほどの犠牲が出ただろうかの予測はつかない。
現に自分を止める為にトーレたちは多大なダメージを受けた。セッテなど、ほぼ完璧に戦闘機人の弱点を突いた攻撃を加減無しで撃たれたのだ。
424タピオカ:2008/03/29(土) 12:16:24 ID:mk+QS2MF
だから、あのまま、消えていた方が良かったのかもしれない。
いや、そもそも再び世に出るべきではなかった。
まだジュエルシードと向き合っているのならば、自分は生きながらえているのだろう。
虚数空間でジュエルシードが動けなかった時とまったく同じだ。つまり自分は動けないので、外がどうなっているのかは分からないのだが。
次に目覚めるのが1年先か、10年先かも想像つかない。
あの時ウェンディに拾われたのも、ただの運だ。

―――いや

違った。

―――歌の、せいですね……

六つの声全てを無視し続けながら、リニスは夢幻の中で苦笑する。
虚数空間で漂い続けていた頃、ただフェイトを想いを歌い続けて時を流れていた。
正直、時間の感覚があいまいで、感じているよりもずっと速く時が流れたものだ。
もう1年ぐらい、経っていてもおかしくないかな、切ない気持でリニスがうつむく。

―――もう一度、会いたいな。

<フェイト・テスタロッサ>
<フェイト・テスタロッサ>
<フェイト・テスタロッサ>
<フェイト・テスタロッサ>
<フェイト・テスタロッサ>
<フェイト・テスタロッサ>

―――だけじゃ、ありませんよ。

穏やかで優しく、緩やかで温かく、リニスは六つの声へと頭を振る。

―――

何かを言おうとした時だった。
揺れる。意識の海の中、確かに揺れた。
不思議に思っていれば、覚醒する感覚。



瞼を開く。
冷たい地面。違う、これは床。通路だ。AMFは、かかっているが弱い。そして揺れは止まっていない。
ずぶぬれの自分を見下ろしながら、リニスはガラスの破片と方々から転がってくる落石、そして、

「!?」

整列する生体ポットたちを見た。
直後、自分がポットの中にいて、この地響による落盤か何かでガラスが砕けて出てきたのだと悟る。
同じように、砕けたポットから放り出されて転がっている人間もいる。だが、そんな人間へとリニスが歩み寄れば、ほぼ死んでしまっていた。
怖気走る背筋を伸ばしながら、もっと良く周囲を観察しながらリニスが呟く。

「ここは……?」

以前いたスカリエッティのアジトにも見えるが多分違う。
よろめきながら、揺れの収まらない施設を進み始めた。足取りは、おぼつかない。右腕は埋まっていたジュエルシードこそ無くなっているが、存在していた。
バリアジャケットを構成出来るほど調子取り戻せば、油断なく行動できる程度の勘が戻ってくる。
また建物全体が大きく揺れた。
425タピオカ:2008/03/29(土) 12:17:29 ID:mk+QS2MF
「危ない!」

派手に崩れる天井やむき出しの岩壁をプロテクションで無理に固定し、ぐらつく生体ポットにバインドをかけて安定させる。
魔力がほとばしるごとに、フェイトに会いに行くぞ、と六つの蒼いささやきが強くなるが無理やり意志で抑え込んだ。
命がかかっているのだ。それも、かなり多くの。
まだ揺れは収まらない。間違いなくまだまだ被害が出るだろう事を見越して、リニスはここで完全に生体ポットの安全を確保する事に専念し始める。

隙なく生体ポットの近辺を魔法で補強し続けながらリニスが歩を進めていれば、開いた場所に出る。
誰かの後ろ姿。
コンソールを叩くその姿は顔こそ見えないが懸命さが良く伝わる。
自然、リニスの頬を涙が流れていく。

あれほど想い焦がれた娘。
後ろ姿でも分かる。
涙で滲む視界でも分かる。

フェイト。

その名を、呼ぼうとした寸前、また大きく揺れた。
巨大な、落石。金髪の後ろ姿の反応は、遅い。だから、リニスの手はもうすでに動いていた。

「チェーンバインド!」

コンソールから離れた姿が驚愕の眼差しで岩の束縛を認め、そして弾かれたように背後へ首がめぐる。
そして止まる。動きも、思考も。まるで幽霊と対面したように、フェイトの全てが止まった。

「油断大敵ですよ、フェイト」
「リ……ニ…ス……?」

気取ったつもりだったが、涙声になってしまう。はらはらととめどなく流れる涙も、ぬぐわずにリニスは笑った。
呆然と、一歩、リニスへと歩み寄ったフェイトを手で制して厳しいけど優しい声調。

「フェイト、今はやるべき事が、あるのでしょう?」
「!」

夢の中さまっていたフェイトの瞳が引き締まる。
再びコンソールに向きなおったフェイトの動きはよどみがない。
まだ揺れるその場に大きく防衛の魔法陣を敷いて、倒れるセッテやトーレ、スカリエッティの守護。

そう長くかからずに、地響きが治まる。

「よし、これで……」

凛々しい瞳を周囲へ巡らせ、薄く笑んだフェイトの肩の力が抜けた。
そして、

「リニス……」

駆け寄り、その手を取った。とれる。感触。触れられる。オバケじゃない。リニス。リニスだ。

「リニス…本当にリニスだ……リニス……リニス、どこに行ってたの? 母さんとの契約の関係で、もう…消えてしまったと思って……」

落ちていく大粒の涙の量に比例して、フェイトの喉がひくついていく。ついには、言葉にならず、もう身長を抜いてしまったリニスを抱きしめて嗚咽になってしまう。
リニスも溢れる涙のままにフェイトの背を抱き締めた。力いっぱい。
426タピオカ:2008/03/29(土) 12:18:32 ID:mk+QS2MF
「いえ、あなたの言う通りです……私は一度、消えました。それから、ジュエルシードにかりそめの体を与えられたのです」
「ジュエルシード……?」

抱擁が離れた。鼻をすすりながらフェイトが目にしたのは左手の甲に埋まるジュエルシード。

「たった一度だけでいい。もう一度だけでいいから……フェイト、あなたに会いたい、そう、願ったのです」
「え……」

胸一杯に広がる歓喜に暗い影が染み込む。泣き続けているフェイトが、さらに泣きそうな顔になっていく。

「待って…リニス、それじゃ……」
「はい、これで私のお願いは、叶ったと言うわけです」

どちらの涙も止まらない。
ただリニスの気配が弱く、薄くなっていくのを肌で感じたのは涙でぼやける視界のせいではない。

「立派になりましたね、フェイト」
「待って……待ってよリニス! 話したいこと、いっぱいあるんだ!」
「私もです……こんな事なら、もっと欲張った願いをジュエルシードに吹っ掛けるべきでした。本当に……頭の固い遺産です……」
「嫌だ、嫌だよリニス……もっと一緒にいてくれなきゃ! アルフとまた暮らそうよ! 友達がたくさんできたんだ! 家族もできた……いっぱい、いっぱいリニスに会わせたい人がいるんだ! だからお願い……!! リニス!!」

もう一度、精一杯リニスを抱きしめてフェイトは泣いた。ほとんど叫ぶように、泣きながら抱き締めた。消えゆくその身を、放さぬように。
しかし、フェイトは感じる。リニスの存在が希薄になっていくのが。

「フェイト、良く聞いてください。今、私がここにいるのは、ただの夢みたいなものです」
「違う! リニスはいる!! ここにいる!!」
「後悔、してたんです。きちんとお別れを言わないままさよならしてしまった事を」
「もう、別れたくない!! 放れたくない!! ずるいよリニス……また…またこんな急に……」
「はい、お別れするの、つらいからバルディッシュの完成とともに私はさよならも言わずに消えました……スミマセン、確かに、ずるすぎた……」
「お願いだから……お願いだから止めて……行かないでリニス……」
「だからこの瞬間は、私がきちんとさよならを言うための儚い時間……ごめんなさい、フェイト」
「あやまらないで……リニス……お願いだから……」
「……フェイト………一つだけ、一つだけ、お願いしてもいいですか?」
「うん……」

自然に2人が少しだけほどけた。
しっかりと涙に濡れた顔を向き合わせ。

「笑ってください、フェイト」
「……」

無理だよ。
と言う言葉は、飲みこんだ。良く分かる。間違いなく、だだこねていればリニスの時間がなくなる。
だから、静かに表情を綻ばせようとして、失敗した。
唇が歪む。頬がひきつる。眉が上がらない。涙が、止まらない。

「……ゴメン、リニス……」
「いいえ、変な、お願いでした」

リニスの微苦笑がフェイトに痛かった。しかし眼はそらさない。リニスの儚さに、目を離した瞬間に消えてしまうのではないかと言う恐怖がある。

「ねぇ、フェイト。私、実はプレシアに嫉妬していたんですよ」

一層強く、涙が流れた。
リニスの穏やかな様子に、これが最後の話になると悟ったからだ。だから、心に強く今を刻もうと。
427タピオカ:2008/03/29(土) 12:19:30 ID:mk+QS2MF
「フェイトが私の子供だったらよかったな、って。そしたら、この手で抱きしめて、うんと可愛がれたんです」
「私は……リニスの事、ずっともう一人の母さんのように思ってた。ずっと……今も……」
「フフ、本当のお母さんならどれだけ良かったでしょうか……」
「違う……違うよ、リニス。血のつながりは、きっと問題じゃない……今、私にも保護した子がいるんだ。その子たちを抱きしめて、いっぱいに愛して……良く分かる。本当の母親じゃなくても、きっと母さんは、母さんなんだ……」
「……大きく、なったんですね、フェイト」
「リニスのおかげだよ」

笑っていた。
涙は果て無い。
それでも、2人は、くしゃくしゃになって笑顔だった。

「あぁ……もっと、あなたと在りたかった……アルフと、会いたかった……」
「………」
「あなたに会えて、アルフに会えて……そして、またあなたに会えて、良かった」
「うん……私も…私も…」
「おやすみなさい、いとしいフェイト……」

薄れていくリニスの表情は、この上なく穏やかで、優しくて。
ギュッと、瞬いた後。もうそこに、リニスの姿なく。
六つのジュエルシードが転がっているだけ。

「……おやすみ、リニス……」

へたり込み、六つの蒼い煌めきをすくいあげたフェイトは、ただ泣いた。



「あれぇ?」

ベッドの上ではしゃいでいたパジャマのヴィヴィオが、立てかけている写真に不思議そうな顔。
どうしたの、とフェイトが寝巻でヴィヴィオの視線の先を覗きこむ。

「これはだーれ?」

プレシアの写真、ハラオウン家の写真、そして、もう一つ。
増えていたのは、

「これは、フェイトママのもう一人のお母さんの写真だよ」

リニスの笑顔。最終局面、バルディッシュが残した映像を抽出したものだった。
ジェイル・スカリエッティ事件からいくらか経つ頃合い。後始末のゴタゴタがすんで間もない今日だが、なのはが外に泊るのでヴィヴィオとフェイトの2人しか部屋にいなかった。

「もう一人のママ? プレシアママとリンディママは?」
「うん、プレシアママと、リンディママと、もう一人。リニスママ」
「リニスママ……?」

ヴィヴィオを布団でくるんでやりながら、フェイトが柔らかく微笑んだ。

「そうだ、今日は子守唄を歌ってあげるね」
「わぁ! フェイトママの歌、大好き!」
「ふふ、これは、リニスママの歌だよ」

ヴィヴィオの収まる布団を上からポン、ポンと叩いてやりながらフェイトがその詩を紡ぐ。

「優しい夢を見れるよう」



428タピオカ:2008/03/29(土) 12:21:32 ID:mk+QS2MF
終わりです。
フェイト的には疲れてるんだから後にしてよ、と言わんばかりのリニスっぷりですね。再会はTPO考えましょう。

本編で、

ヴィヴィオ「ママが2人〜?」
フェイト「そうだよープレシアママとリンディママだよー」
俺「リニスもママだろ!!」

となっていたので、サウンドステージラストのリニスのさよならポエム思い出し、「実はリニスママもいるんだよー」をはさみたいなと思って出来た方の終わり方です。主人公がそっちのけのエンディングなんて斬新!
もう一個、別の終わり方も用意してますんで、それでは再見。
429名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 12:59:21 ID:eB+Q7XD7
サウンドステージなぁ。
アレ、聞きたいんだけど高いんだよな…
430名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 14:07:00 ID:iRKoGo9f
>>428
GJです。フェイトはお別れを言えたけど今度はナンバーズ達は言えませんでしたね…
スカさんが言う違和感とは願いが叶ったその後がないということなのでしょうか。
なんにせよもう一つの結末に期待です。
431名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 14:16:03 ID:anT9KFA+
>>428
かなりウルってしまった
まだあるみたいなので期待
11かわいいよ11
GJでした
432名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 14:30:49 ID:8sN1t4nx
>>428
うおおおおおお、職場で俺号泣
433名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 14:34:34 ID:ov/u0c95
>>415
ガチンコすぐるうううw!!
あんたの戦闘表現に最大級の嫉妬を送るwwwww
いいな〜某夢枕並みの格闘文体できるの〜〜

>>428
ふ〜……久々に 。・゚・(ノД`)・゚・。
434名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 15:41:59 ID:8sN1t4nx
>最終局面、バルディッシュが残した映像を抽出したものだった。
バルディッシュGJ過ぎるw
435名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 16:25:04 ID:qvS7//A+
そういやバルディッシュにとってもリニスはお母さんか
436名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 17:05:24 ID:yIyGT8M4
yes ma'am.
437 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 17:12:18 ID:wApI/DCX
以前あった『white mother』は私にとって全SSトップレベルの神作だと考えております。
それにリスペクトされて、自分なりのなのは×スカネタ思い付いたのですが良いっすか?
アリなら今日の深夜か明日あたり投下しようかなとか考えたりするのですが…
438名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 17:26:38 ID:V6rSbHTJ
>>437
作者氏への許可を求めてるのか?それとも、住人になの×スカで
『white mother』とCPがかぶるけどいいよねって確認とりたいのか?

つか「リスペクトされて」って・・・・・自分が尊敬されてどーするよw
439名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 17:29:52 ID:yIyGT8M4
きっと自敬表現なんだよ。つまり◆6BmcNJgox2氏の正体は帝
440名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 17:30:09 ID:eB+Q7XD7
>>438は少し興奮しすぎじゃね?www

べつに良いと思うよ。
441 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 17:30:45 ID:wApI/DCX
>>438
>つか「リスペクトされて」って・・・・・自分が尊敬されてどーするよw

あ…すみません。真剣に意味履き違えてましたorz

>住人になの×スカで
>『white mother』とCPがかぶるけどいいよねって確認とりたいのか?

あとそれもありますけど、純粋になのは×スカやって良いかな?
って心配になったのもあります。たまに叩かれる事もありましたから。

とりあえず今から用事なのでここまでと言う事で………
442名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 17:32:54 ID:NtCG+PzC
思うままに書いて良いと思いますよ。
基本的に>>1に反しない限りはどんなSSを書いても問題なしかと。
443名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 17:35:16 ID:V6rSbHTJ
3次創作ってわけじゃないのか。じゃ、いいんでね?
とりあえず◆6BmcNJgox2氏の正体は帝で納豆好きだと。
444名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 17:36:30 ID:VEGbcixv
インスパイアって言いたかったんだよきっと
445名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 17:37:31 ID:iAy+suBy
GJ!
長年待った甲斐がありましたよ!乙です。
446名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:46:41 ID:fKh18p04
>>437
楽しみっす
447名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:50:41 ID:DzdOmx3N
何度もお尋ねして申し訳有りませんが、今スレの残量はどの位でしょうか?
448名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:52:27 ID:NtCG+PzC
338KB
449名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:53:20 ID:xPnQIgMo
>>447
現在338kbだから
大体170kbくらいだな
450名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:53:29 ID:4yVn0v2+
現在約338kb。残り容量161kb。
451名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:54:06 ID:DzdOmx3N
有難う御座いました。まだ沢山有るようで安心しました。
452名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 18:56:55 ID:VWN0prWk
>>448
現在って入れ忘れた、だから残りは約161KBくらいです。
453名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 19:05:59 ID:mYgmJQuX
19:10から以下の内容を投下したいです

・タイトル:司書長の異常な愛情
・ユーノ×ギンガ
・8レス
454名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 19:09:52 ID:8sN1t4nx
ギン姉ktkr!
455司書長の異常な愛情1/8:2008/03/29(土) 19:10:42 ID:mYgmJQuX
 鈴を転がすような笑い声が、三つの影が交わる部屋に響いた。声の主――ギンガ・ナカジマ――は、艶然
とした表情を浮かべている。
「な、なんで笑うのぉ、ギン姉」
 火照った赤い顔で、恥ずかしげにギンガに問いかけるのは、妹のスバル・ナカジマである。無理もないだ
ろう。彼女の純潔を捧げた経緯を、全て話されてしまったのだから。
 ――まるで、先ほどまで姉妹で晒した痴態を、すべて忘れてしまったかのようだった。
 だってぇ、と笑いながらギンガは答える。
「スバルって、凄くエッチな子なんだもん」
 耳まで赤くしたスバルが、抗議の目を、先ほどまで奉仕していた、ユーノ・スクライアに向けた。
「なんで喋っちゃうんですかぁ……」
「あはははは。つい、ね?」
 むくれだしたスバルを宥めるように、頭を撫でつつ、ユーノはこともなげに続ける。

「まぁ、でも。不公平だよね、これじゃ」
 ――空いていた右手が、スバルの秘所に咲く、濡れた花弁へと伸び、弄る。
「ぁ、ひゃぅ……」
「こんな風になっちゃう位、恥ずかしかったよね?」
 じゃあ――と呟き、ユーノは濡れた右手の指をギンガの口へ、薔薇のように紅く潤んだ唇へ、差し込んだ。
「あふ……ん、ちゅふ……はあ……ん」
 最前の、ユーノの肉棒への口愛のように、彼の指を猥らに、淫らに舐め、妹の愛液を嚥下する。ギンガの
表情は、奔放な淫婦のようにも、従順な愛妻のようにも見える。
 ユーノは笑いながら、指を緩慢な動きでギンガの口から抜く。彼女の唾液が怪しく光る己の指を舐めて、
夢見るように語り出す。
「不公平にならないように、ギンガのことを話そうか」

 ※

 妹のスバルの紹介、それとナンバーズが読書に興味を持ちだしてから――紙媒体という存在がもの珍しか
った、というのもあるのだろう――ギンガはよく無限書庫を訪れるようになった。
 司書長にして、実質的な主であるユーノとの出会いも、今から数えれば大分前からになる、『JS事件』
後の祝勝会からであった。

 ギンガもユーノも初対面同士であったが、お互いに共通の友人知人から、人となりや噂だけは聞いていた。
また、ギンガが人見知りしない性格であることも手伝って、すぐに打ち解けた。
「ギンガさんが戦闘機人の更生プログラム担当に?」
「ええ、志願したんです」
 この話題になると、大抵の人は『なぜ?』や『どうして?』と尋ねる。
 当然だ。
 なにせギンガは、その戦闘機人たちに誘拐され、妹であるスバルと戦闘することになったのだ。彼女たち
の人生に協力するというのは、疑問をもたれることである。それでもギンガは更生プログラム担当に志願し
た。

「あの子たちも被害者……とまでは言えませんね。けど、狭い世界しか知らなかったんです」
「正しいことと、悪いことの区別もつかないくらいに、狭い世界で」
「そう、その通りです」
 達観した表情を、本人は知らず浮かべながら、ギンガは言葉を続けた。
「過去の行いは消せませんけど、だからといって未来まで潰えさせたくはありません。それに、私だって、
あの子たちと同じ、戦闘機人です。だから……ですね」
 
ギンガの言葉を聞き終えたユーノは、多少芝居がかった真面目な表情で答えた。

「――なにかお困りのことがあったら、何時でも無限書庫へどうぞ」
「え?」
 志を同じくする者にだけ見せる――そんな笑顔でユーノは言った。
「知識が世界を広げてくれるから、ね」
 それを聞いたギンガは、悪戯っ子のように微笑み答えた。
「はい、遠慮なく利用させていただきますね。……もしかしたら、あの悪名高いハラオウン提督くらい」
456司書長の異常な愛情2/8:2008/03/29(土) 19:11:31 ID:mYgmJQuX
 人に指導を行うならば、広範な知識が必要なである。それだけでなく、正確かつ解り易くなくてはならな
い。
 これがギンガの悩みだった。
 彼女は『JS事件』後、保護観察下に置かれた『戦闘機人』、別称『ナンバーズ』達の更生プログラムに
参加し、指導を行っている。

 最初の内は至極順調であった。

 社会的常識を一から教えていくわけだが、ナンバーズは砂漠が水を吸い込むように、指導内容を理解して
いったし、様々な分野にも興味を示していった。
 ギンガにとっても、姉妹のような彼女達との交流は楽しいものだった。日々、彼女たちは友愛を育んでい
った。

 問題――厳密にいえばそんな大袈裟ではないが――が起きたのは、セインからの質問だった。
「ギンガせんせー、質問でーす」
「はい、どうぞセイン?」
「量子ワープ理論で解んないとこあんだよねー。計算式組んでみたんだけどさ、矛盾ばっかでてくんの」
「……は、い?」
 その後、セインの口から摩訶不思議な単語が、雨や霰のごとく出てくるのであった。
 
 更生プログラムとしては、望外の大成功だった。

 戦闘活動と、それに類する方面にのみ使われていたナンバーズの頭脳――それが各々の興味の赴くままに
知識を求め、突き進んでいった結果――その分野における『天才』と呼べる程になってしまった。
 ナンバーズは、彼女たちの興味をもった分野に没頭していった。戦闘機人であることを忘れるほどに、広
大な知識の海へ、更なる知識を求めていった。

 頭を抱えたのはギンガだった。

 そもそもナンバーズは、保護観察対象者、いわゆる囚人なのである。要するに時間は有り余っているのだ。
だから充実した勉強ができる。一冊の本を、己の体の一部とするほどに読み込める。
 対してギンガには更生プログラム以外にも仕事がある。生活がある。一冊の本を丸暗記するほど、読める
時間はない。
 生まれた知識量の差を埋める、という行為は無謀にもほどがある。しかし、この状態もよろしくはない。
彼女たちから質問がきたら、本なりデータなりを渡して、あとは自分で調べなさい、というのでは、余りに
殺伐としすぎた関係である。というか、ここ最近はそこまでとは行かないが、似たり寄ったりのことばかり
しているのだ。答えられずとも、議論ができなくても、せめて話題を共有する位にはなりたい。
 
 そこまでしなくても双方の信頼関係は強固なものではあるのだが――ギンガは知識と勉学のために。
 それと――少々の作戦のために、無限書庫を訪れた。
 
「ユーノ司書長はいらっしゃいますか?」
 ギンガが訪ねた顔見知りの司書は、手早く連絡をとってくれた。
457司書長の異常な愛情3/8:2008/03/29(土) 19:12:15 ID:mYgmJQuX
 それは正しく、一石二鳥の作戦。

「や、今日はどんな本をご所望かな?」
 涼やかな声とともに現れた青年は、皺一つなく清潔で、春風を想わせる淡い緑のシャツには、見る者に爽
快さまで印象付ける。正確に採寸されたスラックスは、彼の脚の長さを強調させている。月光のような金色
の髪が、女性的な顔立ちを際立たせ、引き立たせる。そして、端麗な容貌の要となる両目には、深遠な知性
を宿らせていた。

 ――以上が、ギンガから見た、ユーノ・スクライアだった。
 
 ユーノの表現としては、決して間違ったものではない、と言えなくもない。だが、シャツには皺はあるし、
脚も長い方だが、とりたてて騒ぐほどではない。美系ではあろうが、端麗な容貌というのも大げさに過ぎる
だろう。
 
 完全に、惚れた弱みの贔屓目である。

「困ってしまったので、お力を借りに来ました」
 ギンガは、それを見た男性を全て虜にしそうなほどの笑顔を浮かべ、悪びれもなく要件を述べた。

 ギンガの望みは、無限書庫の司書権限を与えて欲しいというものだった。
 理由は二つ。
 一つ目はナンバーズ達の知識欲を叶えるためには多くの知識――本がいる。今まではユーノから知恵を拝
借したり、相談していたが、もはやそうも言っていられない。彼女達の要求するレベルの本を調べ出すのに、
ユーノの手を煩わせるわけにはいかないのだ。
「御恩返しも含めて、司書として使って頂いたりもして欲しいのです」
 ふむ、と頷く仕草をしてからユーノは答えた。
「こっちとしては良い事尽くめだね」
「それは何よりです」
 まぁ、と一言置いてから、ユーノは苦笑いして言った。
「ギンガに頼られなくなるのが、少し寂しいかな」
「それならご心配なく」
 疑問を顔に出すユーノに対し、飄々とした声で、ギンガはもう一つの理由を告げた。
「司書になっても、ユーノ先生のそばで色々と頼らせていただきますから」

 ※

 一目惚れ――ではなかった。だが、ユーノの優しい物腰や雰囲気、思慮深い言動や態度が、ギンガに与え
た印象は悪くない、どころか大変に好感をもった。
 普段の行動や言動とは裏腹に、内気な妹とは違い、ギンガは積極的な性格をしている。
 もっとこの人のことを知りたい。そう思ってから、彼女は足繁く無限書庫へと通い出した。
 通い出して。語り合って。別の場所でも逢うようになって。お互いの事を深く広く知るようになって――。
 
 ギンガは、完全にユーノの事を好きになっていた。
 
 今回の申し出も、言ってしまえばナンバーズを出汁にした形である。抜け目ないといえば抜け目ない。
 そういう性格がなせる技であろうか――上手く二人の休日を合わせて、ユーノを食事に誘いだしたのは。
458司書長の異常な愛情4/8:2008/03/29(土) 19:13:01 ID:mYgmJQuX
「なかなか良い所だと思いません?」
「うん、素敵なとこだね……知らなかったなぁ、こんなに良いお店は」
 宝物を見せる子供のように得意げなギンガの問いかけに、ユーノは賛嘆の声で答えた。
 高い格調と、寛ぎ易い雰囲気で満ちたレストランに、ユーノはたちまち心奪われた。
「招いてくれてありがとう、ギンガ」
「ふふ、先生とのためですもの」
 
悪戯な微笑みを浮かべるギンガ――身につけている黒のドレスは、決して華美ではないが、彼女自身の華や
かな美貌と、神秘性を思わせる群青色の長髪を引き立たせる、という点で言うならば、実に優秀である。
 
一方のユーノは、いつも通りのスーツ姿だが、ギンガにとっては『いつも通りの秀麗な姿』である。
「僕のため、かぁ。ははは、光栄だな」
「ええ、私は積極的ですから」
「……というと?」
 ねぇ先生――とユーノの目を真直ぐ見つめながらギンガは尋ねた。
「付き合っていらっしゃる方、います?」
 瞬き程の間、逡巡してからユーノは答えた。
「もし、居たとしたら?」
「うーん……当然、その人からユーノ先生を奪っちゃいます」
 遠まわしでもない、告白である。しかし、じゃあ――とユーノは更にギンガに問いかける。
「二人とも幸せにする――って言ったら、ギンガはどうする?」
「んー……相手の人によりますね」
「そっか」
 それでこの話題は打ち切られたかのように、次の料理が来た。食事と歓談を楽しみながらも、ギンガの胸中
には不安がよぎる。まさか冗談と取られているのだろうか。
 
 しかし、あとはデザートを待つだけ、となってからユーノの手が、ギンガの手に重ねられた。

「え、先生?」
「幸せにするよ」
 言葉も行動も、突然すぎて意味がわからなかった。
「あ、え、え?」
 ただ眼に映るユーノが、真剣な表情であることしかわからなかった
「ギンガを幸せにしたい」
「――あ」
 その言葉が意味するところを全て理解し、ギンガは満面の笑みで答えた。
「……ええ、幸せに、してもらいますからね」
 
 それから、半ば押しかけるような形で、ギンガはユーノと彼の家へ向かった。
459司書長の異常な愛情5/8:2008/03/29(土) 19:13:58 ID:mYgmJQuX
「はい、水だよ……ほら、ギンガ起きて?」
「んー?」
 とろんとした表情を向けるギンガに、ユーノは苦笑いをした。
 嬉しいのはユーノとしても、やはり嬉しい。
だからと言って。

「飲んじゃ駄目だよ、お酒なんて」
「だってぇ……」
 甘える声と、誘う手をユーノに向けながら、ギンガは反論した。
「嬉しいんですから、仕方ないじゃないですかぁ」
 ギンガはベッドに寝転んだまま、ユーノを抱きしめ――口づけを交わした。
「はぁ、んん……」
 舌が絡まり、響くのはただ、交歓の水音――。
「ん、ちゅぅ……ふぁあ……っふぅ、ふふ、先生も積極的じゃないですかぁ……」
「全くもう」
 ユーノのぼやく言葉には、欲情も含まれていた。
「せんせぇ、お水ぅ」
「……口うつし?」
 当然、と言わんばかりに頷くギンガを抱き起こし、ユーノは口に水を含み、恋情と色情との混じったギンガ
の赤い唇へと、己のそれを重ね合わせた。

「あぁ……ん、んぅ、ふぁ……」
 ギンガに送り込まれるのは、水だけではない。嚥下するのは、水だけはない――。
 彼女の頭が、痺れのような感覚を覚えた。それは、愛欲。
「ユーノさん……」
 彼女の顔に浮かんだ表情をみて、ユーノはそれに応えることにした。
「うん、良いよ」
 短い、あっけない言葉、それだけでギンガには十分だった。

 ユーノの舌が犯していない場所は、もうギンガの口の中にはない。
「っ、ふぅあ!あ、あぁ、ひぅ……んぁ、ぁは……」
「ん……ちゅ、んん、ちゅ…ぁ……」
 まるで征服されたようだ。その感慨さえも、淫欲を満たす。熱に浮かされていく思考の中、二人の念話は、
ひたすらに淫蕩に耽っていく。

 ――凄いですねぇ、先生……まるで、私のこと、なんでもわかるみたい……。
 舌の絡まり、唇同士の愛撫、噛むように荒く、舐めるように優しい。
 ――ギンガの喜ぶことをしてるだけだよ?
 ――ふふふ、じゃあ……
 
 その言葉を合図に、ユーノの手がギンガの肩へと伸びてゆく。ドレスの肩紐は外され、雪の様に白い肌と、
扇情的な黒い下着が露わになった。
「綺麗だよ、ギンガ」
「はい、もうユーノさんのものですよ?」
 少し驚いてユーノは苦笑交じりに訪ねた。
「なんだか慣れた人みたいだね」
「まさか。試してくれれば解りますよ」
「はは、つまりギンガは」
 言いながらユーノの手がギンガの下腹部へと伸びていく。今度はドレスの裾をたくし上げた。引き締まった、
それでいて女性的な魅力を損なわない肉付きをした太股と、上と同じ黒の下着が現れる。
「エッチな子、なんだね」
 妖しげな表情を浮かべ、ギンガは答える。
「――先生にだけ、ですよ?」
460司書長の異常な愛情6/8:2008/03/29(土) 19:14:51 ID:mYgmJQuX
 ユーノの表情は淫美と言えるそれだった。口付を再開し、淫らな声にならない音を響かせ、正対していたギ
ンガを、徐々にベッドに横たえる。
「んん、せんせぇ、今度はぁ……何を、う、んん、してくれるんですかぁ……?」
「ちょっと恥ずかしいかもね」
 唇が離れ、ユーノの顔が、自分と離れていき――突然、陰唇から刺激が訪れた。
「あ!?ひゃ、や!あ、ああぁぁ、うぅあ!」
「あれ、ちょっと強すぎた?」
 目の先に居たユーノの口からは、糸が引かれていた。糸の先には、ギンガの秘所があり、それはつまり。
「あ……や」
「嫌、だった?」
 これから行われる事を想い浮かべ、ギンガの淫心は駆り立てられる。だから、答えは――。
「止めないでぇ……」
「……欲しい?」
「はい、ユーノさんに……いっぱい……」
 
自分がどんな表情か、ギンガにはわからないが、今のユーノと余り変わらないだろうと思った。淫蕩へと耽
る者の、その表情と。
 また音が響く。淫蕩な音。聞くたびに情欲は駆り立てられ、情欲がさらに性の交歓を求め出す。
「あ、あああ!いい、です、そこぉ……」
 ユーノの舌がギンガの陰唇を攻める度、ギンガの口からは嬌声が上がる。蜜壺は、ユーノに差し出された貢
ぎ物のように、愛液を垂れ流す。
 ――ギンガの、溢れ出してすごいね。初めてなのに?
「だっ!んん〜!だって、先生とぉ、してっ、あ、あぁ!?ふ、ぅう、先生とエッチ、しふぇ、るからぁ!」
 ――僕もギンガとこうなれて、嬉しいよ。
 ユーノの指が、ギンガの陰核へと伸び、口淫と同じ、激しい淫性の痛痒をギンガに与える。
「くぅ!あぁああ!?や、あぁ、そ、こぉ!すごい、かんじ、る!」
 ギンガの秘所が、摘みあげられ、むき出しにされ、未知の刺激が与えられる。まだ処女である彼女は、また
大きな嬌声を上げなくてはならい。それほどに強く、強く、逃れられない快楽だった。
「ぃ、ひゃぅ!ぅ、あ、ああ、また、すごっ、いい!ああ、すごい、です!ん、はぁっ!」
 それは毒のように痺れ、麻薬のように蝕む。しかし、途方もない幸福を齎し――僅かの害もない。
「あぁ、せ、んせ!わ、わたしぃ、も、もう、イっちゃ、ぅぅう!」 
 ギンガは――初めて、他人によって、絶頂を味わった。
461司書長の異常な愛情7/8:2008/03/29(土) 19:15:50 ID:mYgmJQuX
 息を荒げるギンガを見つめながら、ユーノは微笑む。次は自分の番とばかりに――彼女を後ろから抱きあげ
た。
「あ……ふふ、せんせぇ、次はぁ、何ですかぁ?」
「この体勢だと結構いろいろできるから……」
 ユーノの口がギンガの耳へと近づき、噛み、舐める。嬌声を上げさせるには十分に過ぎた。
「ひゃっ、やぁん!」
「ギンガも満足してくれると思ってさ」
 彼の右手が、ギンガのまだ下着に包まれた乳房を掴み、揉みしだく。器用に左手でブラジャーのホックを外
し、ギンガの美しい真珠色の乳房と鮮やかな色味の乳首が、露わにされた。
「あぁ、はぁ、はぁ……」
「耳と胸をもまれただけじゃ、まだ足りないよね?」
 ギンガに囁くユーノの声には、僅かに嗜虐心が含まれていた。ユーノの声に答えるギンガの声に含まれる被
虐心も、それと同じ程度にあるだろう。

「先生、意地悪はいやですよ?」
「ごめんね、ギンガ」
 好きな娘には、意地悪しちゃうんだよ――そしてユーノはギンガを抱きかかえたまま、座る位置を変え、二
人の、いや、ギンガの半裸の姿が、姿見に映し出された。
「!あ、あのユーノさん」
「だってこれじゃあギンガの顔がよく見れないし」
 言いながらユーノの手は、ギンガの赤く蒸気した乳房を、濡れそぼった陰唇へと這われていく。
 ユーノの指が、ギンガの硬くなった乳首を、蠢き、欲し続ける膣内を愛しげに――。
「あ、ああ!や、やぁん!せんせぇ、もっと、うぅああ!やさしく、ぅふあ!!」
 ギンガの乳首は強く潰されるように弄られ、乳房も同様に犯すような愛撫をされる。膣内を侵す指が、淫水
をかき混ぜ、刺激だけで十分なのに、その淫らに過ぎる音でも絶頂へとやられそうになる。
「僕もそうしたいけどね――良く見てよ、ギンガ」
「――え?」
 
 ギンガの目の前に映っているのは、愉悦の表情を浮かべるユーノと――喜悦の表情をした、自分だった。

 ユーノは、ギンガの長髪を指で梳きあげ、一房束ねて、口づける。
「言ったでしょ?僕はギンガの喜ぶことをしてるだけだよ」
 ――ああ、そうか。
 ギンガの紡ぐ言葉は――。
「……じゃあ、次に私のして欲しいことも、解ります?」
「――もちろん」
 ギンガの体を少し持ち上げ、ユーノは己の、我慢し続けた愛欲を、彼女の中へと――。

「あ、あ……ふぅあぁぁ!」
 純潔だったその身を、白い喉を反らし、ギンガは初めての痛みと、快楽を受け入れた。
「ん、くぅ……ギンガ、痛くない?」
「は、は、あ、はぁ……大丈夫、ですよ……」
 一筋、二筋と血が流れ出ていく。それを忘れたように――二人の結合は、より強く、激しく動かされる。
「あ、ああああ、やああ!あ、あ、あ、くぅあぁぁ!!いい、いいです、ユーノ、さん!!」
「うん、くぅ……!ギンガ、ちょっと、激しい……」
「ダメェ!だっ、ってぇ!気持ちいいのぉ!ああ、好きィ!先生、大好きぃぃ!!」
 愛の告白には似つかわしくない程に、ギンガの表情は淫靡に染まっていた。愛を確かめ合うのには相応しい
程に、ギンガの表情は幸福に満ちていた。
 ユーノもまた同じ様な表情をしていた。違うことと言えば――多少の支配欲があるが、彼の愛情からすれば
微々たるものだった。
462司書長の異常な愛情8/8:2008/03/29(土) 19:16:27 ID:mYgmJQuX
「ぁ、くぅ……ギンガ、初めてなのに、こんなに、乱れるんだね……くぅっ!」
 腰の突きあげを更に強め、ユーノはギンガの内奥を求める。
「んぁ!あ、あ、あ!……ふふふ、先生とぉ、エッチしてるんですから、こんなに、なっちゃうの、当たり前
ですよぉ……あ、ひゃぅぅ!」
 ギンガの膣内を満たす肉棒が、擦りあげるそれが、より硬くなっていく。ユーノを求める膣内の奥、子宮が
精を求めだす。
 二人ともに、限界が来た。まだ味わっていたい快楽の終わり――最も強い、甘美にすぎる快楽の訪れ。
「ギンガ、もう、出すよ!」
「あ、あぁ、来てぇ!私も、いっ、しょにぃ!!」
「くぅ、ああ!!」
「ふ、ぅぅあああああ!!」
 ギンガの膣内に、子宮に、ユーノの精液が解き放たれた。同時に、二人は結合部から脳髄へ、爪先までへと
充ち、満ちる痺れを味わった。

「あ……」
 姿見に映る己を見て、ギンガは――零れてる。そう思った。呼応するように、ユーノが話しかける。誘い出す。
「ギンガ」
「はい……」
 視線を合わせる。それだけで意思の疎通がとれた。
 粘性の淫猥な音をだし、結合は外され、今度は、ギンガとユーノは向かい合い――また繋がり合う。
「ふぅああああ!まだぁ、か、っ!ぅ、硬いぃ……」
「ギンガの中が、良すぎるから……ね」
 それを証明するように、ユーノの腰は、荒々しく動き始めた。蠢くギンガの膣内は、精液を求めるため、ユ
ーノの男根に、極上の愛を齎す。
「締め付けは良いし、形も、もう僕のだけになっちゃったね」
「ふふ、ふあ!う、嬉しい……あぁ!先生、だけのぉ……あああ!!」
 ギンガは、強く、強くユーノを抱きしめた。男根と陰唇は互いに激しく動き続けている。口付もまた、強く
激しい。絶頂は、すぐそこまで来ていた。
「ん、んんんん!!ぷぁ、あ、せんせぇ、わた、わたしぃ、ま、たぁあ!!」  
「く、ふあ、んちゅ……ああ、僕も、もう!」
 ギンガがユーノと指を絡ませるが先だったか。背中に爪痕を残すのが先だったか。
 とにかく、二人はまた同時に、絶頂に達した。違うのは――。
「ぅくぅぅぅ!」
「!?」
「……は、はぁ……ぁふぅ……」
 まだ絶頂の余韻から醒めないギンガには解らなかった事。それは、首筋に強く吸いつかれてから気づいた。
「ユーノ先生……?」 
 にっこりと微笑むユーノの顔は、正に秀麗であり、淫猥だった。
「悪い子だね、ギンガ」
「え?」
 その意味するところは、ユーノの唇から流れる一筋の血。
「さっき、イった時だよ。痛かったなぁ」
「ご、ごめんなさい!」
 余韻もなにもなく、ギンガは謝った。そしてユーノの指が、ギンガの白い白い喉の、紅い痕を撫でた。
「だから、お仕置きしたよ……ナンバーズの子にバレないように、ね?」
「あ……」
「それから」
 それから――?。
「ギンガとスバル。二人とも、幸せにするよ」
「――」

 ギンガは、ユーノの事を完全に理解して、その美しい指で彼の顔を掴み、真直ぐ見つめ、言った。

「――悪い人ですね、ユーノさん」

 そうして二人は、血を流し込み合うように、互いへと、深く深く――埋没していった。
463kogane:2008/03/29(土) 19:19:19 ID:mYgmJQuX
以上で投下終了いたします。前回に感想下さりました方々、アリガトウ御座いました。
続きをお待ちくださいました方々、ご期待に添えれば、なによりです。

チラ裏
次回、世界の合言葉は「・・・三人で仲良くナニすれば?」
ユーノ腹黒化の真相も明らかに。

レティさんエロってないんですね。クマった。

ユーノ「いやだなぁ、異常な性癖や生活じゃ変態じゃないですか、ふふふふふふふ」
464名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 19:25:43 ID:yIyGT8M4
>>463
GJ
ギンガエロいけど可愛いよギンガエロカワだよ
淫獣の本領ここにあらわれり。次回の真相究明編にも期待
しかしここまでいくと俺も組み伏せられたくなってくるな
465名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 20:02:39 ID:1+FewFRe
>>463
ずっとお待ちしておりました! GJ!
エロいねぇ…おたく、まったくエロいぜ……
ギンガって、あんな大和撫子っぽい受けよさそうなキャラなのに、
こういうHされる側で書かれる事って少なかったから、余計に良いっていうか、最高っすwwwwww

次回はクール美熟女レティさんが、乱すのか乱されるのか、お待ちしてますw
466名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 20:37:46 ID:zK3chHOl
>>415
超GJ!!
深く静かに引き込まれ、何処までも掘り下げていくような凄い剣戟でした。
467名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 20:44:04 ID:NtCG+PzC
GJううううぅぅっ!!

なんというギンガエロスだ、ここまで淫らなギンガなんてエロパロ史上初めてじゃなかろうか?
kogane氏、相も変らぬ素晴らしいSSですた続きもお待ちしております。
468名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 21:11:57 ID:8sN1t4nx
うお、ギン姉エロイ!
>>463 GJ過ぎる!
469名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 21:52:33 ID:mhZyQwTB
>>463
待ちわびたギンガのターンが遂に来たGJ!
次回レティさんのターンでユーノのこうなった原因?が解るのか…。
レティさんの前例なしがどうした、元を言えばエロパロ板だって誰かが1から作ったのですよ?
だからwktkして待ってますw
470kogane:2008/03/29(土) 22:01:50 ID:mYgmJQuX
皆様感想アリガトウ御座います。生きる糧となります。
次回はナカジマ姉妹丼、レティさんは次々回です。
紛らわしい書き方ですいません。
471 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:24:35 ID:wApI/DCX
恥ずかしながらただ今帰って参りました。
と言う事で>>437で予告した奴書かせて頂きます。

・なのは×スカリエッティ
・本人も人造生命であるし、またそれまで人造生命研究とかばっかやってた反動で
「今度は自然の摂理によって生命が誕生する様も見てみたい」と考え始めたスカちゃんが、
何とか捕獲に成功したなのはを相手に科学的手法を一切使わず自然な方法で孕ませて…な話
・鬱あり(話としてはそこまで鬱と言うワケでも無いけど、最終的には
なのはが開き直ってスカと一緒に行っちゃう道選ぶから人によっては鬱)なので注意
・エロ(レイプあり注意)
・アニメ本編との矛盾は「ゆでたまごに比べればどうと言う事は無い」と言う魔法の言葉で………ダメ?
472今となってはもう遅い… 1 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:25:51 ID:wApI/DCX
「く……不覚…………。」
レリック事件中の最中、高町なのはは戦闘中に古傷がかすかに痛み出した事が原因で一瞬隙が
出来、その隙を突かれジェイル=スカリエッティ一派によって捕獲されてしまった。
そしてレイジングハートは没収され、腕や足、首等にリング状の小型AMF発生器をはめられ、
魔力を封じられた状態でスカリエッティの前に差し出されるのであった………

「やあ、私がここの最高責任者のジェイル=スカリエッティだ。
君の噂は聞き及んでいるよ。時空管理局のエース・オブ・エース高町なのは君。」
「そんな事はどうだって良い。私を捕らえて何をしようと言うの? 改造や洗脳でもするの?」
例え捕まろうとも時空犯罪者には屈しない。そう強い意志を込めた目で
スカリエッティを睨み付けるなのはであったが、スカリエッティは動じる事は無い。
「改造に洗脳ねぇ…。それも悪くは無いが…今の私はそんな気分では無いのだよ。
君への処遇等詳しい話は追って伝えるとして…とりあえずは丁重に持て成そう。」
「え…。」
スカリエッティの言葉になのはは違う意味で呆然とするしか無かった。
人造生命の研究等、神をも恐れぬ命の弄びっぷりを見せて来たスカリエッティであるから、
彼に捕まってしまった以上、自分も改造されてしまうのだろうと覚悟していたからだ。
しかし、実際にその様な事をする様子は見られなかった。

そしてナンバーズからの監視を受けながらある部屋へと案内されるのだが、
その部屋もやはり手術室や改造室と言った物では無く、ベッドやTV等が置かれた
ごく普通の部屋。それには呆気に取られるばかりのなのはであったが、さらに…
「御用があれが何なりと申し付け下さい。可能な限り協力します。」
「え…。」
と、監視係のナンバーズにその様な事を言われる始末。しかもその日の夜には食事も出たし、
風呂に入る事さえ出来た。
「これは一体どう言う事?」
なのはは解せなかった。今のなのははスカリエッティ一派に捕まった捕虜のはずである。
であるにも関わらず牢獄にも入れず、かと言って管理局の情報を吐かせる為の取調べや
拷問さえ行わない。まるで客人でも持て成すようなこの扱いがなのはには理解出来なかった。
「けどまだ安心は出来ない。こうやって安心させておいて…って言う敵の罠なのかも…。」
それ故なのはは緊張を解く事はしなかった。しかし、そう考えても今のなのはは
レイジングハートが無い上に腕や足、首等にリング状の小型AMF発生器を付けられ、
思念通話さえも使えない。こうなってしまえば例え管理局のエース・オブ・エースと
言えどもタダのオンナ…どうする事も出来なかった。
473今となってはもう遅い… 2 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:27:09 ID:wApI/DCX
夜も遅くなり、なのはもいい加減眠たくなって来た。しかし必死に眠気を払おうと首を左右に振る。
「ダメダメ! 寝た隙に私を改造しようなんて可能性だってあるじゃない!」
そう言い、なおも緊張を解くまいとしていたのだが、そこで突然ドアが開いた。
「こんばんわ…なのは君…。」
「スカリエッティ!」
ドアを開けて現れたのは誰でも無いスカリエッティその人。しかもナンバーズの護衛を付けずに
単身堂々となのはの前へ現れると言う大胆不敵さを見せ付けていた。
「護衛も無しにやって来るなんて余裕があるのね? ジェイル=スカリエッティ…。」
「余裕がある…か…。まあそう言う事にしておいてあげよう。」
表面的には平静を装いながら睨み付けるなのはだが、スカリエッティはやはり動じる事は無い。
そしてスカリエッティは言うのだ。
「私は今まで様々な人造生命研究を行って来た。そして私自身もまた人工的に作り出された生命体だ。」
「いきなり何を言うかと思えば…それがどうかしたと言うの?」
スカリエッティの意図の読めないなのはは、それでも表面的には平静を装うが…
「だからこそその反動が来たのだろうね? 最近私は生命の神秘に付いて興味を持つ様になったのだ。」
「生命の神秘?」
「そうだ。私は今まで様々な細胞同士の融合や、遺伝子操作と言った手法を使い
科学的に新たな生命を作り出して来た。しかし…それは生命本来の姿ではあるまい?
そうだ。人が科学を手に入れる以前から…いやこの世に生命が誕生した瞬間から
行われて来た当たり前の行為。つまり自然の摂理によって生命が誕生する様を
私は見てみたくなったのだよ。そしてタイミング良く君が私の前に現れてくれた。
私は科学者故…神の存在はあまり信じたくは無いのだが…今回は別だ。
これは神のお導きに違いない! 高町なのは君…一切の改造処置を行う事無く
自然のままにエース・オブ・エースと称される程の魔導師となり、かつそこまでの美しさを
併せ持った君は間違い無く大自然が生み出した生命の神秘だ! そして神は私に仰っているのだよ!
科学的手法を一切使う事無く、自然の摂理によって君に我が子を産ませて見せよと…。」 
「ええ!?」
不敵な笑みを浮かべ主張するスカリエッティに忽ちなのはは赤くなった。
しかし、その時には既に遅し。スカリエッティはなのはの目の前で白衣を脱ぎ捨て、
全裸になった状態で一気になのは目掛け飛びかかり、ベッドへ押し倒したのだ。
そして手慣れた手付きでなのはの着ていた服を脱ぎ剥がして裸にして行く…。
「嫌ぁ! やめて!」
「フフフ…私が調べた情報によると君は97管理外世界出身と言うでは無いか。
だからこそ、君の世界でルパンダイブと呼ばれる飛びかかり方をやって見せたが…どうかな?」
なのはは必死に抵抗したが…スカリエッティには意も成さずに押さえ込まれてしまった。
しかしそれはスカリエッティが強いのでは無い。小型AMFによって魔力を封じられた
なのはが弱くなっていたのである。そして、スカリエッティは有無を言わせずになのはの唇を奪った。
474今となってはもう遅い… 3 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:28:30 ID:wApI/DCX
「んぶ!」
それがなのはの初めてのキスだった。確かに頬にキスをされる事は過去にもあった。
しかし…唇を奪われるのは…今日が初めて。それも時空犯罪者相手に……
「んんー! んんんんんー!!」
なのはの目に涙が浮かび、必死に離れようとするがスカリエッティは離さない。
それ所か逆に唇を強く密着させて来るし、挙句には舌同士を絡め合わせてくるのだ。
これもまたなのはにとって初めての経験だった。
「んあぁぁ…。」
十数秒して、やっとスカリエッティの唇が離れた時には、二人の舌の間を唾液の架け橋が
渡されており、なのははまるで力を吸い取られたかの様にグッタリと倒れ込んでいた。
「おっと…まだ寝るのは早いよなのは君。」
「あ…や…。」
スカリエッティは間髪入れる事無くなのはの両脚の太股を掴んだ。そしてグイッと
前へ押し出しながら左右へ広げ、いわゆるM字開脚の体勢にされたのだ。
「フフフ…中々美しいでは無いか。そう考える私もやはりヒトだと言う事か…。」
「い…いや…そんな…。」
なのはの頬は忽ち真っ赤になった。無理も無い。自分の下を男にまじまじと
見られてしまったのだ。それも時空犯罪者相手に。これもやはり初めての経験。
「自然の摂理では、こうやって子供を作るのだろう?」
「え? 嫌!」
スカリエッティはM字開脚されたなのはの股間へと己のモノを押し付け…………
「痛ぁ!!」
なのはは涙を派手に飛び散らせながら一瞬硬直した。スカリエッティのモノが
なのはの膣内へ沈み込み、未だ一切の男を寄せ付け無かった処女膜さえも完全に貫いていたのだ。
そうなれば忽ち接合部から真っ赤な処女血が溢れ出し、ベッドのシーツを真っ赤に染める。
「うお…これは中々キツイな…私の息子が潰れてしまいそうだ。」
「嫌ぁぁぁぁぁ!! 痛い! 痛い! 痛いよぉぉぉぉ!!」
なのははまるで子供の様に泣き叫んだ。確かに彼女は管理局で様々な戦いを経験し、
戦いの痛みにも慣れていたはずなのだが…破瓜の痛みはそれさえ無意味な程の激痛だった。
その上、憎き時空犯罪者ジェイル=スカリエッティに処女を奪われると言う現実が
なのはの精神にこの上ない程の苦痛を与えていた。
「まあ最初は痛いと言うな。だが…直ぐに気持ち良くなるとも言うぞ。」
泣き叫ぶなのはさえ意にする事無く、スカリエッティはなのはを抱いた。
そしてその顔をなのはの豊満な乳房の谷間へと深々と埋めるのである。
「フフフ…これが自然のままの女性のカラダか…悪くは無い物だな。」
「く…………! やめろ………んあ!」
475今となってはもう遅い… 4 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:29:44 ID:wApI/DCX
なのははなおも残る破瓜の痛みに耐えながらスカリエッティを睨み付けるが、
直後に乳首に吸い付かれ思わず身体が震えてしまった。そしてスカリエッティは
一度顔をなのはの乳房から離すと共に腰を振り、突き始めたのだ。
「ん! や! んああ!」
「これが俗にセックスとか交尾と言われている行為か。これも悪くは無いな。」
実はスカリエッティはこう見えて童貞だった。確かに知識の上では性的な行為の
事は頭にはあったが、彼は科学者。人工的に生命を操作する研究に没頭していた為に、
直接女性を抱いた事等一度も無かった。そう、なのはがスカリエッティに処女を
奪われた様に、スカリエッティもまたなのはへ童貞を捨てる結果となっていたのである。
「ハァ! ハァ! ハァ! ハァ! 交尾は…中々…疲れる物だな!」
「嫌ぁぁ! んあああ! はぁぁぁ!!」
なのはの膣へ沈み込んだモノを通して突き続ける中で、次第に二人とも汗だくになっていた。
そして…スカリエッティは今まで感じた事の無い感情を感じていた。
「ハッハッハッ! 気持ち良いぞなのは君! 疲れるが…凄く気持ち良いぞ!」
それは『快感』と言う感情。それは研究を成功させた時の喜びや、時空犯罪を成功させた時の
歓喜とは違う。純粋に一人の雄としての喜び。雄として雌を抱いた時に感じる喜びだった。
その後もスカリエッティは一心不乱になのはを突き続けた挙句、ついには射精意を感じるに至る。
「よし。そろそろ出すぞ。しっかり受け止めたまえ。」
「え!? 嫌! やめて! 中だけはやめて! やめてぇぇぇぇ!!」
なのはの必死の哀願も空しく……………

                    ど び ゅ っ

「んあ………………。」
スカリエッティの精液が勢い良くなのはの膣内へぶちまけられた。
しかも先の一射目で全てを出すに至らず、びゅっ…びゅっ…と二射、三射と
生暖かい液体が小刻みになのはの膣内へ注ぎ込まれていた。
「ふぅ……中々良かったな。自然の摂理と言う物も悪くは無いと実感出来た。」
「……………………………。」
スカリエッティはなのはの膣内へ深々と突き刺さっていたモノをゆっくりと引き抜くが、
そうされてもな粘り気のある精液がモノの先端となのはの膣穴の間に架け橋のごとく繋がっていた。
「それでは私は一度帰らせてもらう。おやすみなさい…。」
「…………………。」
スカリエッティは服を着ながらそう言って、部屋から去って行くのみだったが
なのはは暫し脚をM字に開いたまま、膣穴から愛液と処女血と精液の混じった様な
液体を垂れ流しながら呆然としていた。
「ごめんなさい……ユーノ君…ごめんなさい………。」
476今となってはもう遅い… 5 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:31:04 ID:wApI/DCX
だがそれで終わりでは無かった。次の日にも深夜の寝る前にスカリエッティが
なのはの部屋を訪れ、抱いて行ったのだ。勿論最後は中出し。
それが毎日毎日続いた。決して拷問や乱暴な取調べは行われなかったが、
代わりにスカリエッティ自らに抱かれる。かと言って不必要な性的陵辱が行われるワケでも無く、
ただただ…子供を作ると言う目的の為の最低限のセックスをさせられていたのだ。

しかし慣れとは恐ろしい物。そうして毎日毎日スカリエッティに抱かれて行く中で
なのはもまた…………
「く…悔しい……悔しい…よぉ……こんな時空犯罪者なんかに…時空犯罪者なんかに……
でも………何で…何で気持ち良いの!? 何で気持ち良いのぉぉぉぉぉ!?」
何時しかスカリエッティに抱かれる事が日常と化し、慣れてしまう事も無理な話では無かった。

そうしている間に何時の間にか数ヶ月の時が流れていた。
なのはがスカリエッティの研究所で燻っている間にもレリック事件は進展しており、
ついにフェイトがスカリエッティの研究所に押し入り、一度はピンチに陥るものの
エリオとキャロの励ましに勇気付けられた後で新・ソニックフォームを披露して
ナンバーズを撃破し、スカリエッティを取り押さえようとしていたのだが……………
そこで突然フェイト目掛け桃色の魔法光が放たれていたのだ。
「何!?」
ほぼ奇襲に近いそれにフェイトも思わず後方へ回避せざるを得ないが、
魔法光が来た方向を見た時、フェイトは愕然とした。
「なのは!!」
そこにいたのはバリアジャケットに身を包み、レイジングハートを構えたなのはの姿だった。
「なのは…生きていたの!?」
なのはが無事だった事にフェイトは喜ぼうとしたが………
「今の内に逃げてジェイル!」
「なのは君無理はいけない! 君のお腹には!」
「え…。」
スカリエッティを庇おうとしていたなのはの行動にフェイトは愕然とするのである。
「なのは一体どう言う事!? どうしてスカリエッティを庇うの!? それにジェイルって…。」
フェイトは焦りながら問い掛けるが、なのはは冷ややかな目で言うのだ。
「フェイトちゃんが悪いんだよ。どうしてもっと早く助けに来てくれなかったの?
もっともっと…早くフェイトちゃんが私を助けに来てくれれば…私はこんな事にはならなかったんだよ。」
そしてなのはは右手で優しく自分の下腹を摩る。何とその下腹はプックリと膨らんでいるでは無いか。
477今となってはもう遅い… 6 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:32:05 ID:wApI/DCX
「私は悪くない! 悪いのはフェイトちゃん! フェイトちゃんがもっと早く助けに来て
くれさえしてくれれば私はジェイルの子供を妊娠する事なんて無かった!!」
「ええええええ!?」
フェイトは愕然とした。なのはの壮絶な告白。なのははスカリエッティの子を身篭っていたのだ。
確かになのはは毎日スカリエッティに抱かれ、膣出しされていたのだから子供が
出来ない方がむしろ不自然なのだが、どっちにしてもフェイトにとって衝撃が走るのは仕方が無い。
そしてなのははスカリエッティを庇うかのように、前に立ち…言う。
「ジェイルはナンバーズのお腹の中にはクローンを仕込んでいたけど、私は違う。
私のお腹の中にいるのは、紛れも無く私とジェイルの子供。私の卵子と、ジェイルの精子の
融合体が子宮の中で私から栄養を取りながらここまで育って…だからもう今となってはもう遅いの…。
私とジェイルの子供はもう直ぐ生まれちゃうから…。私はもうフェイトちゃん達みんなの
所には帰れない。どうせ管理局の事だから…ジェイルの子と言う理由だけでこの子を殺すかもね。
そんなの私は嫌…。だから………。」
なのははフェイトへレイジングハートを向けるが、それを背後から心配そうな目で
スカリエッティが引っ張る。
「だから無理をしてはいけないなのは君! 今戦えばお腹の子供がどうなるか分からない!」
しかしそんなスカリエッティの顔を、なのははやはり冷ややかな目で見つめるのだ。
「今まで私を散々抱いて…犯しておきながら…貴方らしからぬ優しい言葉だねジェイル…。
でも良いよ。もう貴方との子はここまで育ったんだから…ここで無駄にするワケには行かない。
だからフェイトちゃん……さようなら…。私はこれからジェイルと共に生きていくから。
もう二度と会う事は無いと思うけど……………ユーノ君にごめんって言っておいて…。」
「なのは! うっ!」
なのはが目に涙を浮かばせながらフェイトを見つめた直後、レイジングハートから
強烈な光が発せられ、フェイトが思わず目を背けていた間になのはとスカリエッティの
姿はその場から忽然と消えていた。

エース・オブ・エースが広域時空犯罪者の子を身篭った。
この事実は管理局中を震撼させたが、なのはとスカリエッティの消息は不明であり、
管理局も手を尽くして探したが、その行方は分からなかった。
478今となってはもう遅い… 7 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:33:48 ID:wApI/DCX
一方なのはとスカリエッティの二人は、いざと言う時の脱出用に用意されていた
時空航行船の中にいた。
「なのは君…本当に良かったのかい? 私と一緒に来ても…。これからは君も
お尋ね者になってしまうのだよ?」
「あら…私に無理矢理子供を作らせておいて…貴方らしからぬ優しい言葉をかけてくれるのね。
けど…あの時も言ったけど…今となってはもう遅いよ。」
そして、時空航行船の操縦席に付いて操縦するスカリエッティの隣の席に
座っていたなのはは自分の大きく膨らんだ下腹を優しく摩る。
「ここまで私とジェイルの子供が育ってるんだから…今更戻った所で私は
裏切り者の烙印を押されるだけ。それにこの子もジェイルの子供と言うだけの理由で
何をされるか分かった物では無いし………私はそんなの嫌だよ………。」
その時のなのはは、一見強がって見せてはいても…目はかすかに涙で潤んでいた。
本当はなのはも皆の所に帰りたいのだろう。しかし、今となってはもう遅い。
「す…済まない…なのは君にこんな事をしてしまって……。私は最低の人間だ…。」
ジェイル=スカリエッティは生まれて初めて人に謝った。
今まで様々な悪行に手を染めて来た彼だが、それに罪悪感を抱いた事は無かった。
しかし今は違う。この手でなのはを抱き、子供を妊娠させてしまった挙句に
それがなのはと仲間達を引き離す事になってしまった事にこの上無い程の
罪悪感を抱いてしまっていたのだ。そして頭を下げていたのだが、
それに対しなのはは鋭い目でスカリエッティを睨み付けながら怒鳴りだしたでは無いか。
「ああそうだよ! ジェイル貴方は最低の人間だよ! 私を無理矢理抱いて…
赤ちゃんまで妊娠させて………。そうで無ければ私は皆の所に帰れたのに………。」
なのはの目からは涙がボロボロと流れ落ち、ますますスカリエッティは罪悪感に苛まれる。
「けど…今となってはもう遅いから…ここまで育ってるんじゃ…私は産むしか無いから…
ジェイルの子供産むしか無いから! だからこれからはジェイルと一緒に生きて行くしか無いじゃない!」
「なのは君…。」
スカリエッティもまた目から涙を浮かばせながらなのはを見つめるが、
直後になのはから平手打ちを貰ってしまった。
「でも勘違いしないでね! 私はジェイルを愛するつもりなんて無いから!
ただ一緒に暮らすってだけだからね!」
「わ…分かったよ……本当にごめん…なのは君…。」
やはり目から涙を流しながらも必死に強がるなのはにスカリエッティも
半ば恐れを抱きながらも呆れ、再び正面を向いて時空航行船の操縦に専念した。
479今となってはもう遅い… 8 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:34:54 ID:wApI/DCX
二人が辿り着いた先は管理局の目の届かない管理外世界。科学も魔法も大して発展してはいない
辺境の小さな田舎世界だが…平和な世界でもあった。
「私は色んな世界を見て来たつもりだが…まさかこの様な世界が存在したとは…
やはり世界は広いと言う事か……………。」
いずれにせよ、ここまで来れば管理局も追って来る事はあるまい。
現地の人も割りと穏やかと言うか…大らかな性格をしているのか、あっさりと
二人を受け入れてくれた為、二人はその世界で腰をすえる事にした。
そして小さな教会でひっそりと結婚式を挙げた。

間も無くしてなのはは産気付き、スカリエッティの子供を出産した。
「オギャー! オギャー! オギャー!」
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…。」
生まれたばかりの新たな命が激しく産声を上げ、なのはも苦しそうではあるが
やっと誕生した命にどこか喜びの表情を浮かべていた。
「これが自然の摂理によって誕生した新たな命か…クローンなどとは
全然違うのだな。不思議な物だ。」
タオルに包まれた赤ん坊を優しく抱きながらスカリエッティはそう呟くが…
「しかし……君が産んだ子供にしては……君に似てないな…。」
彼の言った通り、生まれた子供はなのはに似ていなかった。むしろ金色の鋭めな瞳と
紫色の髪等…父親であるスカリエッティに似た男の子だったのである。
「フフ…その子はジェイル…私じゃなくて…貴方に似たんだよ。二人の子供だからって
必ずしも両方の特性を併せ持って生まれて来るワケじゃない。だからどちらか一方に
似た子供が生まれてくる物なんだよ。それが子供ってものなの…。」
「そ…そう言う物なのか…。」
やはりお産の疲労で疲れてはいるが、優しい笑みを浮かべながら言うなのはに
スカリエッティは不思議そうに自分の子を見つめるしか無かったが、
その後でなのははゆっくりとその子を抱き、母乳を飲ませた。
「まあどっちにしても…親として責任を持ってこの子を育てねばならないな。」
「おや、またジェイルらしからぬ事を言うのね。」
やはり慣れとは恐ろしい物。なのはは知らず知らずの間に…スカリエッティと
すっかり打ち解けてしまっていた。
480今となってはもう遅い… 9 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:35:59 ID:wApI/DCX
それから体力がある程度回復した後で、なのはは喫茶店を開く事にした。
「喫茶店か…。」
「何処の世界でもやっぱり働かないと生きていけないしね。
それにナージェの為の生活費だって必要だし…。」
なのはが見つめる先には『ナージェ』と命名された二人の子供が
スカリエッティお手製の妙にハイテク機能付きの揺り篭の上でスヤスヤと眠りに付いている。
「大丈夫なのかい?」
「大丈夫! だって私の実家が喫茶店だったからね! ある程度のノウハウは
頭に入れてるつもりだよ!」
「何と…君は喫茶店出身だったとは…。」
普通の人にとっては別に何と言う事は無い事かもしれない。しかし、人工的に
科学者になるべくして作られた人工生命であるスカリエッティにとって、
管理局のエース・オブ・エースがまさか喫茶店の娘であった事は…余りにも衝撃だった。
「そうか…それもまた自然の摂理によって誕生した子供と言う事か…。勉強になったよ。」
「そうそう。机の上でやる事だけが勉強じゃない。生きる事そのものが勉強なんだよ。」
そうして、元管理局のエース・オブ・エースと広域時空犯罪科学者と言う
不思議な組み合わせのカップルはこの平和な管理外世界でのんびりと
喫茶店を経営しながら子を産み育て…そして死んでいく事になるのかもしれ無い。

後に高度な科学力と魔法力の両方を兼ね備えた若者が時空管理局に反旗を翻したり
翻さなかったりする事となるが…それはまた別のお話である。

                  おしまい
481 ◆6BmcNJgox2 :2008/03/29(土) 23:36:27 ID:wApI/DCX
前半は鬼畜なくせに後半では妙に綺麗なスカでスマソセンorz
話は変わりますが、この話を書き終えた後で私はある問題に気付いたのです。
それは果たして本当にスカちゃんはなのはを孕ませられるか? と言う問題です。
何故その様な疑問を持つのかと言うと、彼が人造生命体であると言う設定があるからです。
確かにフェイトやエリオみたいな普通の人をクローンニングしただけならば
大して問題は無いでしょうが、スカちゃんの場合はアルハザード技術が使われていると
言う設定に問題があります。もしかするならば、彼を作り出した人の手によって
遺伝子の書き換えなんかも行われたりする可能性もあるからです。
もしそうだとするならば、人と猿とで子が出来ない様にいくら自然の摂理に乗っ取った
子作りに興味を持ってなのは捕獲してズコバコやっても子供は出来ないのでは?
とか既に子供作った話を書いた後でそれを全て台無しにする様な事を
考えてしまったワケですよorz
482名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 23:38:29 ID:yIyGT8M4
帝のアホさには痺れるわい
童貞のショタリエッティとか普通に食べたい
483名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 23:42:11 ID:bPTastfi
GJ
後半のほのぼのさに和んだ俺がいる
でも何気に忘れられているナンバーズカワイソス
484名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 00:08:31 ID:iy4iUTSE
相変わらずカオスだなぁ、なのはさん‥‥自分をレイプした奴とよく一緒になれたな。
とりあえず子供の名前の安直さに噴いたwwwなのは+ジェイル=ナージェですか? とんでもねえ直球っぷりだ。
氏は捻るなどと言う小賢しいマネはしないのだな。
485名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 00:08:35 ID:JeiBV7EE
>>481
GJ。さすがは帝だ。今日も絶好調ですな。ww
しかしコレ、なんてクリm(SLB
486名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 00:29:59 ID:XUCW9JkO
何という綺麗なスカwww
487名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 00:54:05 ID:qfy6HQ6A
なんか、帝という渾名が定着しつつある事実に吹いたwwww

それはさておき帝GJwwwwwwwww
488名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 00:57:25 ID:N896Qxj3
納豆帝
489名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 00:59:56 ID:KBzJ2gYH
ひょんな事から愛称が生まれるから油断出来ないなw
帝氏GJw
490名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 01:02:28 ID:qfy6HQ6A
納豆皇帝とかいうわけのわからないものを・・・・・・
491名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 01:31:44 ID:YDbrnYJf
オール・ハイル・NATTO!
という言葉が若本ボイスで脳内連呼。

それはそうとこの板で生まれるオリ赤ちゃんは基本ネーミングが直球なの多いな。
492名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 01:40:06 ID:JeiBV7EE
>>490
見た瞬間に

神さえ (白い)悪魔さえ 俺は超える おまいと共に
納豆皇帝

というテーマが脳内から消えないんだがww
493名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:33:18 ID:p5UJraEp
GJ!しかし、ごめんなさい
ナージェがナージャに見えてしまった・・・・
494名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:38:28 ID:uhvokak0
>>491
厭味でも何でもなく純粋に、それじゃあどんなネーミングがいいか聞かせてほしい。
俺も今度赤ちゃんを話に盛り込もうと思っているから参考にしたいんだ。
やっぱり基本は車から取るのがいいのかな?

なのはとフェイト
はやてとヴィータ
キャロとルー
ユーノとクロノ
チンクとゼスト
シグナムと俺
他、どんなカップリングでもいいからこんなのがいいって名前、あったりする?
495名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:55:23 ID:KhBO4f3F
>>494
>お前とレジアス

源三郎なんてどうだ?
496名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:58:41 ID:h/mVwNjr
スカが綺麗になった理由はわからんでもない気がするなぁ。
497名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 03:04:28 ID:YDbrnYJf
>>494
ごめん、真面目に返されると返答に困るな。
「直球だねぇ」って感じで書きこんだだけなんで。別にそれが悪いとかそういう意味じゃないんだ。
誤解を生むような紛らわしい書き方してごめん。

とりあえず、オリキャラの名前は書き手の自由だと思います。車の名前にするかどうかはこだわり次第ということで。
ただ、赤ん坊は親の名前をもじっていると読んだ時に頬が弛んだりするので私は嫌いじゃないです。
498アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:07:55 ID:9mYKBX/E
こっそりと投下しても良いでしょうか?
499名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 03:10:02 ID:hxb5yx5B
>>498まってました!宜しくお願いします
500名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 03:26:05 ID:qfy6HQ6A
こっそりならしなくていい。

存分に胸をはって投下するんだッ!!!
501名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 03:27:49 ID:uhvokak0
いざ、アルカディア!!
502名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 03:34:55 ID:wJAsHLnN
待ちかねていました!
どうぞー!
503アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:37:39 ID:9mYKBX/E
Little Lancer 十六話。生きとし生ける者達の為に☆編です。
何時も通りの、お約束通りの平凡な展開です。
      
 注意事項
 ・非エロ
 ・原作IFもの
 ・エリオ主人公
 ・軽くとらは3の設定を流用
 ・少々の鬱展開有り。
 ・展開の、原作からの矛盾点などは虚数空間へスルーして下さい。
 ・NGワードは「Little Lancer」でお願いします。  
504名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 03:38:16 ID:CPBJGjMF
YA☆CHA☆E
505名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 03:41:14 ID:YDbrnYJf
GOGO!
506Little Lancer 十六話 01/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:41:44 ID:9mYKBX/E
 鳴り響く爆音は遠雷のようであり、立ち昇る焔の渦は竜巻のようだった。
 北の空では、花火のように魔力の光が瞬いては消えていく。
 ―――それは、全てを賭けて戦う幼い少女の命の煌きだった。
 
 機動六課隊舎の裏庭で、小さな火花が散った。
 空を照らし出す巨大な魔力光に比べれれば、線香花火よりも小さな飛沫の光に過ぎない。
 だが、そのか細い光も二人の少年が命を賭けて戦う、鋼と鋼の煌きだった。

「行くよ、どう受ける? 二代目エリオ・モンディアル」

 エリオの人形が口を三日月のように吊り上げて嗤う。
 数メートル先に在った筈のその笑顔は、刹那の空白の後にはエリオの胸元に迫っていた。
 身を翻すのと同時に、ストラーダを模した槍がエリオの心臓の位置をなぞるように胸を滑っていく。
 カウンター狙いで全身の神経を極限まで尖らせていた筈のエリオが、ただ身をかわして命を拾うしか出来なかった。
 エリオ人形の速度は、文字通りコマ落としのようだ。
 天性の反射速度と鋭敏な知覚能力を持つエリオが対処も出来ないその速度は、神速と呼ぶに相応しい。

「へえ、かわしたんだね。じゃあ、もう一回」

 次撃は、エリオの口中から延髄を貫こうとする悪辣な一刺だった。
 エリオは後ろに仰け反って無様に地面に転がりながら、この一瞬のみの延命を行う。
 安堵を感じる隙すら無く、次の瞬間には頭蓋骨を砕こうとせん刺突が打ち下ろされる。
 その場凌ぎを行いながら転げまわって逃げるしかない無様な姿。しかし、これがエリオの精一杯だった。
 致命に向けて一直線に槍を突き出すだけのエリオ人形の攻撃は、槍術と呼べるようなものでは到底無い。
 だが、それもエリオの反射神経をも凌駕するエリオ人形の速度を以って行われるなら、全てが必殺の粋だ。
 急所を突こうとするだけの単純な攻撃。
 それは、天空から獲物目掛けて舞い降りる鷹のような、なんて無駄の無いシンプルで美しい殺意だっただろう。
 エリオの人形は、宣言通り全身全霊を以ってエリオの命を奪わんと挑み懸かっていた。
 一方のエリオは反撃すら出来ずに逃げ回るしか出来ない。
 エリオ人形の獲物は嘗ての己の武器であるストラーダを模した者だ。
 それが、自らに向けられた際にこれ程の圧迫感が有るとは思わなかった。

“―――相手の動きを見てそれに対応しようとするな。相手が攻撃を始める前に次撃を予測しろ。
 そうすれば、どんな素早い攻撃だろうとかわせない事は無い”

 不意に、恭也の言葉が蘇った。
 エリオ人形の次なる攻撃を読もうとして―――再び対応も出来ずに命辛々逃げ延びた。
 武術に於ける相手の動きの読み合いとは、最終的には呼吸の読み合いである。 
 だが、相手は呼吸の必要も無い自動人形、そんな道理も通用する筈が無い。
 それでも―――
「死ねよ、死んでその名を僕に譲れ、エリオ・モンディアル」

 エリオの人形は殺意と憎悪に爛々と光る瞳でエリオを睨む。
 その眼光には、心無き機械であるガジェットドローンとは違い、確固たる意思が込められていた。
 ならば。
 エリオ人形が槍を構える。次の瞬間には、再び瞬速の一撃が襲い来るだろう。
 ……ふとその刹那、エリオは今正に攻撃に移らんとせんエリオ人形の貌が憎悪に歪むのを見た。
 ―――エリオが反射的に身を沈めると同時に、頭上を槍が通過して行った。
 その背中を、鋼のランスで横薙ぎに殴り倒した。
 
「……恭也さん、ありがとうございます」

 恭也の言葉は、正しかった。敵がどれほどの速度で襲いかかろうと、必ず攻略の糸口は有る。
 そして、今こそ御神流の技を使う時だと直感した。 
 どちらかが斃れなければ決着しないこの戦いは、殺人術である御神流を用いるのに適している。
 エリオ人形は一撃を喰らった屈辱に歯噛みしてエリオを睨む。

「続けよう、もう一人の僕」

 エリオはそう言い切って、鋼のランスを構え直した。
507Little Lancer 十六話 02/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:44:41 ID:9mYKBX/E
「―――矢張り君は優秀な槍手だ。流石は英雄エリオ・モンディアル」
 人形は舐め上げるような視線でエリオを見上げ、皮肉げに頬を歪める。
 エリオに一撃を返されたにも関わらず、その表情は不気味な自信に満ちている。
 人形もまた、己の槍をエリオに突きつける。
 再び壮絶な鬩ぎあいが始まる。高速のエリオ人形の刺突を、エリオが細緻な槍捌きで受け流していく。
 エリオ人形も、あの島の戦いで用いられた自動人形の一体だ。
 空戦機能こそ無いものの、卓越した速度と敏捷性は劣らない
 この人形を打倒する為には、恭也がそうしたように『徹』と呼ばれる内部に衝撃を与える御神流の斬撃を用いるのが最も適している。
 エリオも『徹』を習得しているものの―――恭也とは違い、人形の内部の弱点部分に関する知識を持っていなかった。
「……くっ」
 此処で死ぬ訳には行かない。自分は、六課の望むエリオ・モンディアルで無ければ成らないのだから。
 エリオは真っ直ぐに、綱渡りのような危うさで人形の攻撃を捌き続ける。
 人形は殺意の篭った貌で只管に刺突を繰り返す。
 エリオ人形の使用しているのは、ストラーダを模した槍である。
 エリオは、かつて自分が使用していたデバイスの切っ先を向けられる事の恐ろしさを始めて感じていた。
 エーディリヒ式。より人間に近づける事を目的とした自動人形。
 人形で有りながら人と同じ心すら持つ機体。
 運動機能ではエリオは到底人形には及ばず、本来なら勝負など成立しよう筈も無い。
 だが、憎悪に燃える人形の表情が、挙動が、明確に次の攻撃を予告している。
 
「君はお母さんの敵だ。機動六課はお母さんの仇だ。全てが終わる前に君を殺して貶めてやる」
「機動六課のエリオ・モンディアルは僕一人だ。その名を君のような相手に渡す訳には行かない」

 二人の槍手は槍の穂先で綾目を描いて壮絶にぶつかり合う。
 何時終わるとも知れない鋼と鋼の応酬は、暴風のように益々加速して行く。

 ―――不意に、北の空にかつて無く強烈な白い閃光が迸り、二人の目を奪った。
 彼らはそれがヴィヴィオの放った渾身のスターライトブレイカーである事を知らない。
 続いて、レリックを暴発させた爆発音が響き―――北の空は、沈黙を取り戻した。
 ただじわじわと、アルハザードへの孔だけが拡大していく。
 ……これで、何か大きな戦いが一つ終わった。それだけは、言葉を用いずとも直感で理解出来た。
 恐らく、自分達の決着も近い。
 そんな思いを胸に、再び槍を交えた。


 アースラに本部を移動した機動六課では、点呼の際にエリオが行方不明になっている事が明らかになった。
「エリオは、一体何処に―――?」
 フェイトがその事実に顔色を無くす。
 すぐさま、六課の隊舎の周辺を対象としたエリアサーチが行われた。
 ―――果たして、エリオは拍子抜けする程簡単に見つかった。
 彼は、機動六課隊舎の裏庭で、三年前の己と槍と槍の壮絶な鬩ぎあいを行っていたのだ。
 
「……あれは、」
 キャロの体に震えが走る。それは、かつてエリオの姿を模して自分の腹部を貫いた人形だった。
 だが、不思議と恐怖は感じなかった。あの島で感じたのは、エリオに縋る余り周囲が見えなくなっていた自分の蒙昧さだ。
 ……今なら、きっと自信を持って対峙出来る。
 そんなキャロの表情を見てとったのか、ルーテシアがキャロにこう告げた。
「キャロ、エリオを迎えに行ってあげて。あなたとフリードならすぐに戻って来れるはず」
「―――それは、」

 フェイトが言い難いそうに口篭る。
 それを見て、キャロは安心させるように微笑みかけた。
「フェイトさん、心配はいりません。わたしはもう、大丈夫です。必ず、エリオ君を連れて戻って来ます」
 フェイトはそれでも心配そうな様子は隠せない。
 キャロは安心させるように、大きく頷いた。
 ルーテシアが、そっとキャロに耳打ちをする。
「今回はキャロが適任だから任せるけど……譲った訳じゃ、ないからね」
 キャロは再び大きく頷いて、エリオを向かえに飛び出した。
508Little Lancer 十六話 03/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:46:20 ID:9mYKBX/E
 無限書庫の底では、一人の男が幽鬼の如き表情で資料検索を続けていた。
 言うまでもなく無限書庫の司書長、ユーノ・スクライアである。
 彼も又、なのはとヴィヴィオの戦いを見届けた者の一人だった。
 なのはの恋人でもある彼の胸中は乱れに乱れていた。
 出来ることなら、今直ぐにでも戦いの場に駆けつけたい。だが、今の己の為すべきことはこの無限書庫で有効な資料を発見する事だ。
 今まで戦ってきた者達の思いを無駄にしないためにも、自分は自分の戦いを為さなければならない。
 その鬼気迫る表情に、他の一般司書は寒気を覚える程だった。

 聖王スカリエッティの力の源は、体内の十個のジュエルシードだ。
 それがスカリエッティの強大な欲望に呼応して無限に近い力を生み出している。

「何か、ジュエルシードに対抗に出来るロストロギアは無いものかな?」

 ジュエルシードのレリックと異なる点は、定数の力ではなく契約者の欲望に呼応した力を発揮する所に有る。
 本人が言っていた通り、ジュエルシードは正にスカリエッティに最も適合したロストロギアだったのだ。
 
「残存しているジュエルシードを全てスカリエッティに持って行かれてるのが痛いな……」

 思えば、ユーノの人生はジュエルシードに翻弄されっぱなしだった。
 尤も、こんな時にこれ程の災厄に見舞われるとは思ってもいなかったが。

「ジュエルシード、まだあるよね」
「うわあああ、マリエルさん、いつからそこに!?」

 背後から唐突に声をかけて来たのは、メカニックマイスターのマリエルだった。

「ジュエルシードがまだ有るって?」
「うん。ほら、ゆりかごから虚数空間を伝って逃げた戦闘機人を追った、次元跳躍方程式の算出に使った奴」
「本当だ! あれを使えば何かが判るかもしれない!」 

 ユーノはジュエルシードに関わり有りそうな資料を纏め、マリエルに同伴して実験室に向かった。
 天空の孔は今も拡大を続けている。一刻の猶予も無い。
 実験室に入ろうとした所に、孔の観測員が資料を持って現れた。

「見て下さい。孔の拡大速度に変化が見られます。
 スカリエッティが機動六課の隊長陣や、高町隊長のご息女と戦闘をしている間、孔の拡大速度が大きく落ちています!」

 その報告に、ユーノは涙した。

「……なのは、ヴィヴィオ、はやて、君達の戦いは決して無駄じゃ無かったよ」

 彼らは、最後の一個のジュエルシードの実験を開始した。
 これが、最後の希望だった。

「まずは、単純にエネルギーを引き出す実験からね。上手く行けば、スカリエッティに対抗できる武器になるかもしれない」

 ジュエルシードに通電を開始し、内部に蓄えられたエネルギーを引き出す。
 メーターの針は、忽ち振り切れんばかりの数値を示した。

「凄いエネルギーだ。だが、これでは到底足りない。もっと通電を―――」

 電力値を上げた瞬間―――ジュエルシードが粉砕した。
 予兆一つ存在しせず、木っ端微塵に破砕した。

「虚数空間からの次元跳躍方程式を算出する際に、負荷をかけ過ぎていたのか」

 ユーノはがっくりと膝を着く。
 最後に残された一つの希望は、文字通りに砕け散った。
509Little Lancer 十六話 04/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:47:33 ID:9mYKBX/E
「始まってしまったね」
「……うん」

 海上隔離施設のナンバーズ達も、スカリエッティの動向を心配げに見守っていた。
 前回の戦いでの働きが認められ、多大な恩赦が与えられる事となった彼らだが、スカリエッティが現れた今この海上隔離施設を出る事は許されない。
 勿論、敵に回るにせよ味方として働くにせよ、彼らの動きで大勢が変わるような事は有り得無いのだが、念の為というのが上の意向である。

「ねえチンク姉、ドクターは一体何をやろうとしているの?」
「……それは、姉にも解らない。だが周りの騒ぎようからすると、全てが終わるようなとんでもない事には間違い無いだろうな」
「ドクターは、間違ってたって事なのかな?」

 チンクは小さく頭を振る。
 眼帯に覆われた右目を押さえ、遥か遠く、クラナガンの方角を仰ぎ見た。

「何が正しくて、何が間違っているのかなんて、今生きている者には解らない。
 私達にできることは、ただその時々でベストを尽くす事だけだ。
 ドクターは、確かに世紀の大悪党なのかもしれない。
 だが、ドクターは我々を作って下さった。―――私は、ドクターに作られた事が悪とはどうしても思えない。
 今のドクターの行いが善なのか悪なのか、私達には判断は下せない。
 いや、善だと判断する者もいれば、悪と判断する者もいるだろう。―――どうやら、それが世界というものらしい。
 最近、私にも少しずつそんな事が解るようになってきた。
 ……お前達には、何が善で何が悪か、間違ってても良いから自分で判断を下せる者になって欲しかった。
 その為には、この世界が存続していなければ話にならない。
 今はただ、祈ろう。この世界が、私達の明日へと繋がっているように」

 彼らは、ただ無言で天空の孔を見つめていた。
 海の向こうの空には、尚も絶え間なく咲いては散る花火のような魔法の光が輝いている。


 
 ミッドチルダ中央区画周辺では、今も尚一般市民の避難が続けられている。
 天上の「孔」の影響が及びそうな地域の全域に対する非常事態宣言、並びに避難命令が発令されてから数時間。
 地上本部と教会騎士団の先導の下、大規模な避難が行われるも、交通網は渋滞を起こしその進行は遅々として捗らない。
 
「まじいな、これは……」

 陸上警備隊第108部隊のゲンヤ・ナカジマ二等陸佐は、一人密かに指先を噛んだ。
 彼もまた、アルハザードへの扉が顕現する事の危険性は重々熟知している。
 そして、このままでは本局が最終手段として苦渋の決断の下、ミッドチルダへのアルカンシェルを敢行するだろう事も。
 他に選択肢が残されていないだろう事も、自分が同じ立場でもその選択をするだろう事も理解出来る。
 それでも、今の自分は陸上警備隊第108部隊の二等陸佐だ。
 今の自分に出来る事は、一人でも多くの市民を安全圏に避難させる事。
 そんな思いを抱きながら、ゲンヤ達第108部隊は市民の先導を続ける。
 数少ない空戦魔導師や、ウイングロードなどの特殊能力の持ち主は渋滞で足止めされている道路情報の伝達に駆け回っている。
 ここも又、彼らの命を懸けた戦場だった。

「レールウェイの次便はまだですか? 入院中の患者さんや、介護施設のご老人など、自力で脱出出来ない方がまだ市街地に取り残されています!」
「―――レールウェイの路線がさっきの戦闘の飛び火でやられた。車を使うしかない」
「私がウイングロードで先導します。隊長は最短ルートを誘導して下さい」

 ゲンヤはこの三年間で頼もしく成長した愛娘の姿を目を細めて見つめた。
 ふと思う。ギンガは遠からず自分達の頭上にアルカンシェルが降るだろう事を知っているのだろうか、と。
 ―――いや、知っていようがいまいが、ギンガは変わらず己の務めを果たすだろう。
 ゲンヤは一瞬だけ思案したが、すぐぐに思い直して、再び各所に散った隊員達の誘導を再開した。
 ギンガは戦っている。きっとスバルも。己も自分の全生命を賭けて挑まなければ、クイントに申し訳が立たない。
 空の彼方を見上げる。黒い夜空の向こうには、彼岸への扉が金色に輝いて口を開き―――
510Little Lancer 十六話 05/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:49:52 ID:9mYKBX/E
 エリオとエリオの人形の戦いは、終始人形優勢にて進行していた。
 如何に流麗な槍技をエリオが披露すれども、絶対的速度に大きな隔たりがある以上その槍は人形には届かない。
 加えて、体力限界の有る生身の肉体とバッテリー切れまで疲れを知らない自動人形のボディの差。
 戦いの帰趨は既に決したも同然だった。
 それでもエリオは頑固として負けを認めず、ランスの穂先を己の似姿へと向ける。
 負けられる筈が無い。
 エリオ・モンディアルのクローンとして作られ、死んだ本物の代替品でしか無かった己が、初めて見つけた自分の居場所。
 自分を唯一人のエリオ・モンディアルとして扱ってくれた機動六課。
 その居場所を、エリオという名を、自分と同じ姿をしているだけの人形に譲ってやれる訳が無い。
 世界の行く末を左右する戦いとは何の関わりも無い、意地だけを賭けたエリオの名を持つ少年同士の小さな戦い。
 だが、それは彼らにとっての聖戦だった。

「―――エリオ・モンディアルは、僕一人だ」
「君の前のエリオ・モンディアルもそう思っていたかも知れない。だが、―――死んだ。そして君がエリオ・モンディアルを継いだんだ。
 エリオ・モンディアルと呼ばれた十年余りの人生は悪く無かったんだろう? ならば次は僕に譲ってくれよ」
「なら、君もいつかは誰かにエリオ・モンディアルの名を譲るのかい?」

 エリオの人形はくつくつと陰鬱に笑う。

「ああ、僕が三代目のエリオ・モンディアルになった時にこの世界にまだ猶予が残されていれば、まだ次が現れるかもしれないね。
 だが、それが有り得ない事は君だって解っているんだろう?」

 不敵な人形な笑みに逆上して、エリオは鋼のランスを突き立てた。
 無論、そんな怒りに任せた一撃に傷つけられる人形では無い。
 
「僕のお母さんはね、人間の暗黒面を引きずり出すのが無上の楽しみだったんだよ。
 僕もその嗜好が解ってきたのかな―――僕を敵視して壊そうとする君は、英雄のふりをしている君よりもずっと様になって見えるよ」

 エリオはただ、その口を噤ませたい一心で槍を振るう。
 逆上すればするほど、自分が目指していた騎士の姿から遠ざかっていくのがはっきりと解る。
 それでも、あの人形の言わせる儘にしておく事だけはどうしても出来なかった。
 両親が自分を捨てた日の事は、今もはっきりと覚えている。
 何かを諦めたような顔で目を合わせようとしない両親と、機械のような動きで手を掴んで放さない黒服の局員。
 あれから、沢山の出来事があって。沢山の人々と出会って。
 やっと、みんなの中の一人として迎えられるエリオ・モンディアルになれたのだから。
 此処で負けたら、自分はエリオ・モンディアルで無くなってしまう。
 また、代替可能な沢山の有象無象の一つに落ちてしまうのかと思うと、誰でも無い空虚な存在へ堕ちてしまうのかと思うと、寂しくて堪らなかった。
 
『―――エリオには、ちゃんと未来がある。だから、精一杯生きて』

 不意に、ルーテシアの言葉が蘇った。
 ……未来など、無い。自分だけに限った話では無く、ミッドチルダの全てが、次元世界の全てが滅びに瀕している。
 それでも、みんな戦っている。どれ程強大な相手だろうと膝を屈さず、自分達の未来を勝ち取るために明日を信じて戦っている。
 どうして自分がここで膝を折る事が出来るだろう。
 槍を握って真っ直ぐに構えるエリオを見て、人形は聞こえよがしに舌打ちをした。

「君は、最後の最後までそうだ。君は何時でも正しい本物で、僕は何時でも歪んだ偽者だ。
 ―――本音を言えばね、僕も唯一人のエリオ・モンディアルで在りたかったよ。
 でも、正しい本物の君も、思っていた程楽しそうでは無いね。
 前に君に言ったよね? 君は僕の母さんの正反対の人間だ。正反対でいて―――同じ位狂ってる。
 君の自分の周りの人々を愛しながら恐れている。見捨てられるのを怖がっている。
 その最たるものがあの少女―――」

 天空から、白い翼が舞い降りた。白銀の飛竜フリードリヒ。
 その背から、血相を変えた一人の少女が飛び降りた。

「……キャロ・ル・ルシエだよ」

 エリオはどうしても、キャロの瞳を直視する事が出来なかった。
511Little Lancer 十六話 06/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:51:19 ID:9mYKBX/E
 心配げにエリオの顔を覗き込むキャロと、気まずそうに目を逸らすエリオ。
 そんな二人の様子を見て、エリオの人形は嗜虐的な笑みを浮かべた。
 血の繋がりなど無い人形である筈なのに、母と仰ぐクアットロにそっくりの陰湿な笑みだった。
 人形は弄うように続けた。

「ねえ、キャロ・ル・ルシエ。良い事を教えてあげようか?」
「……やめろよ」
「このエリオ君はね、君の事をね―――」
「止めろって言ってるだろ!!」

 制止しようとランスで突き懸かるも軽くかわして、人形は続ける。

「エリオ君は君の事を、とっても嫉ましく思っていたんだよ」

 キャロの動きが止まった。だが、彼女も以前人形にその腹部を貫かれた経験の持ち主だ。
 言葉を鵜呑みにするような事はせず、心配げな瞳でエリオを見つめた。

「……エリオ君、本当なの?」

 だが、エリオは気まずにキャロと視線を合わそうとせず、その仕草がその言葉の正しさを雄弁に物語っていた。

「そう、だった、んだ……」
「考えてもご覧よ。命を賭してミッドチルダを救い、三年掛けて帰ってきたら自分の居場所は既に無い。
 かつての相棒に、自分のデバイスもガードウイングのポジションも奪われて、ただ微笑んで祝辞を述べる事が出来ると思うかい?
 取り戻そうにも自分は魔力素質を失い、手を繋いで一緒に歩みを進めてきた相棒は別のパートナーと共にAAAランクを取得している。
 こんな状況、君ならどう感じる?」
「あ……」

 エリオの人形が浮かべる笑みは、かつてのクアットロと同じ悪魔の微笑だ。
 クアットロは死んだ。だが、彼女の蒔いた憎悪の種の一粒は、人知れず芽吹き歪に成長を続けてきたのだ。
 キャロは零れ落ちそうになる涙を必死に堪えた。
 エリオの生還以来、自分は狂喜してばかりでエリオの気持ちなんて少しも考えていなかった。
 自分はエリオが傍にいてくれれば満足で、エリオが自分の事をどう思っているかなんて気にも留めなかった。

『キャロは、エリオの家族なんだから、もっと色々エリオの事を知ってあげて』

 ルーテシアの言葉が蘇る。……彼女はきっと、エリオの気持ちを解っていたのだろう。
 周囲から取り残されたエリオの寂しさを汲んで、元気付けていたのだろう。
 やっとルーテシアの言葉の本当の意味が解ったが―――今まで気付けなかった自分の身勝手さに、恥ずかしさと悔しさが募るばかりだった。
 
「それでも、彼は機動六課の英雄、エリオ・モンディアルだからね。
 自分の意志を殺して、周囲の望む儘の、安っぽい雑誌で持て囃されるようなエリオ・モンディアルであろうとしていたんだよ」

 人形の言葉の一つ一つは、キャロの心を深く抉った。
 俯いて震えるキャロの姿は、エリオが二度と見たくないと思っていた光景の一つだった。
 ―――確かに、正義に偏執するエリオの志向は歪んだ精神が齎したものなのだろう。
 それでも、彼の根幹に有る「大切な人達を守りたい」という気持ちだけは偽り無い本心だった。
 たとえ嫉ましく思える相手であったとしても、キャロがエリオにとって掛け替え無い友人である事は変わらない。
 人形の言動を、キャロに対する攻撃と認識したエリオはその口を噤ませんと突き懸かる。

「―――それはっ、僕の事情だっ! どうしてキャロに話すんだよ! キャロには関係無いだろう!」

 その言葉は、今までのどんな人形の言葉よりも深くキャロの胸を抉った。
 エリオは針の穴を通すような精密さで突き懸かり、一撃ごとにその速度を増していく。
 虚実入り混じり幻惑するような穂先の動きに惑わされ、一瞬だけ人形の動きが滞った。
 その首にランスの穂先を引っ掛け、体重差に任せて引きずり倒す。
 初めて手にした、勝機だった。
 そのまま銀色に輝くランスを振り下ろそうとして―――両手を広げて立ちはだかるキャロに穂先を阻まれた。
512Little Lancer 十六話 07/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:53:56 ID:9mYKBX/E
 キャロは大きく両手を広げ、エリオの人形を守るかのように立ちはだかっている。
 その人形は、かつて自分の腹を貫いた怨敵の筈だ。
 だがキャロは、我が子を守ろうとする母親のような威容でエリオの眼前に立ち塞がった。

「……どうして、キャロ? そこを、どいてくれないかな? 僕は、彼を倒さないといけないんだ」
「だめだよ。だって、今のエリオ君、悲しそうだから。凄く、悲しそうだから。
 昔のエリオ君と同じ顔のこの人と戦ってる時のエリオ君、悲しくて寂しくてたまらない、そんな顔してるから。
 ―――ごめんね、エリオ君。今まで何も気付いてあげられなくて」

 エリオは渋々キャロに向けていた槍の穂先を外した。
 初めて得た、絶好の勝機だった。それをエリオは口惜しげに唇を噛んで見逃した。

「キャロ、これはエリオ・モンディアルの名を持つ僕と彼だけの戦いだ。
 英雄なんて持て囃されているけど、僕達がしているのは唯の意地の張り合いだよ。
 ごめんキャロ、僕はシグナム師匠のような騎士でも無ければ君の目標に相応しい英雄でも無い。
 僕は、何時まで経っても臆病で泣き虫のエリオ・モンディアルだ」

 エリオの人形は、その独白を笑みを押し殺しながら聞いていた。
 人形はそっとエリオの言葉の間に悪魔の囁きを挟み込む。

「彼をこんな風にしたのは幼児体験だけじゃない。機動六課もその原因さ。
 エリオ君はね、人を信じられなかったんだよ。愛されているという確証が持てなかったんだ。
 だから、人に愛される人であろうと必死に努力を重ねて来たんだよ。涙ぐましい話だと思わないかい?」

 エリオは再び穂先を人形に突きつけ、キャロは両手を広げて必死に庇う。
 彼女は涙ぐみながら叫んだ。 

「エリオ君、今まで何も気付いてあげられなくてごめんね―――
 わたし、もっといっぱい、もっともっといっぱい、エリオ君の事が知りたいよ。
 英雄エリオ・モンディアルじゃなくてもいい。ありのままのエリオ君の事が知りたいよ。
 わたしじゃ、ダメかな? わたしじゃ、エリオ君の本当のお友達には成れないのかな……?」
「……キャロ、君は僕の本当の友達だ」

 キャロの血を吐くような叫びを受けて、エリオもまたゆっくりと顔を上げた。

「君に本心を打ち明けられないのは、単に僕の心が弱いからだ。君はずっと、僕を追ってくれて、僕のポジションを受け継いでくれた。
 キャロ、君こそ僕の一番の親友だ。―――お願いするよ。いつまでも、僕の友達でいて欲しい」

 エリオはキャロの瞳を見つめ、一言一言を噛み含めるように語り掛けた。

「―――それでも、彼との決着だけは着けさせて欲しい。この勝負の決着が着かないと、僕は先に進め無い……そんな気がするんだ」

 キャロは少し寂しげに頷くと、その身をどけた。
 人形は幽鬼のような表情で槍を構えた。

「命拾いしたね、キャロ・ル・ルシエ。僕じゃあなくてお母さんだったら、君は今頃背中から死に難い急所を刺されてのた打ち回ってたよ。
 ねえ、エリオ。君は彼女が嫉ましいのだろうけど、僕は君が嫉ましい。こんなに想ってくれる親友や仲間が大勢いて、皆に英雄として讃えられている。
 僕は、何処まで行っても君の偽者だ! どうして!? 僕だって、エリオ・モンディアルの名を与えれられて作られたのに!」

 人形は慟哭する。その叫びは、エリオの奥底に根付いた深い煩悶と全く同じだった。
 エリオは槍を構える相手の正中線に穂先を向け、どっしりと重心を低く落とした。完全なカウンター狙いだ。
 この戦いの挑戦者は人形だ。ならば、どんなに戦力に差が有ろうと、どんなに不利になろうと、先手は譲れなければ。
 そう思い、エリオは先手を人形へと譲った。
 人形は猛っている。飛来するのは、またあの不可避の一閃だ。それでも、エリオはカウンター狙いの構えを崩そうとしない。
 エリオの人形もまた、彼の意図を十分に理解していた。
 命をくれるというのなら是非も無い。その心臓を一直線に抉り出して仕舞いにするだけだ。
 人形が地を蹴った。
 甲高い、鋼の音が響いた。
513Little Lancer 十六話 08/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:55:23 ID:9mYKBX/E
 エリオの心臓を抉らんと、エリオの人形が一直線に向かって来る。
 それは一切の無駄を削ぎ落とした美しい突撃だった。
 粘性を帯びる時間の中、エリオは人形は笑っているのをはっきりと見た。
 彼は今再び、御神流の奥義である『神速』と呼ばれる領域へと足を踏み込んだ。
 モノクロの世界の中で、己の心臓を抉らんとするストラーダを模した槍にランスを引っ掛けて、軽捷に払い上げる。
 己の武器で相手の武器を奪い取る「巻き技」と呼ばれる剣や槍の高等技術である。
 人形は憤怒の形相で何かを叫びながら、力任せに槍を地に叩き着けた。
 甲高い、鋼の音が響いた。
 エリオのランスが、ぽっきりと根元からへし折れていた。
 唯の鋼に過ぎないエリオのランスと、スカリエッティ特性の合金によるストラーダ型の槍。
 最後の最後で、材質の違いが明確に出たのだった。
 武器を失った動揺で『神速』が解けた。世界に音と色が戻る。槍を振り上げた人形は、

「死ね―――」

 と叫んでいた。その背後には、心配げに、祈るように見つめるキャロの姿が有った。
 人形の槍が、眼前へと迫る。―――死にたくない。エリオは、強くそう願った。
 光が、溢れた。
「……エリオ、君?」

 キャロがそっと目を開けた時、そこには光の槍で人形の右肩を貫いているエリオの姿があった。
 折れたランスの柄の部分から、魔力刃が形成され、人形との紙一重の勝負に競り勝ったのだ。
 エリオの人形は、何か諦めたようなような顔をして首を振った。

「やっぱりこうなったね。君の魔力が復活した以上、もう僕に勝機は無い。君の、勝ちだよ」

 エリオは目を閉じて首を振る。
「君と僕は真裏の存在だって? 君と僕は少し育った境遇が異なるだけで、あとはそっくり同じ人間だ。
 君も僕も、誰かに認めて欲しくて堪らない、誰かに愛して欲しくて堪らない、ただそれだけの人間だ。
 君も僕は、ただ同姓同名で少し容姿が似ているだけの人間だ。
 君も僕も、どちらが本物でどちらが偽者でもない、共に同じ唯一人のエリオ・モンディアルだ。
 僕達がすべき事はエリオの名を賭けて争う事じゃない。丸のままの自分を愛してくれる人を探す事だ」

 エリオの人形は拗ねたように口を尖らせた。

「―――そんな事、最初から解っていたよ。だが、僕を愛してくれるお母さんはもう居ない。
 だから、仲間や友人に囲まれて生きている君がどうしても許せなかったんだ。
 ……どうせ、君は僕に止めはくれないんだろう? 敗者は勝手に消えるとするよ。どうせ僕もこの世界も、もう長くない」

 エリオの人形が立ち上がると、肩口の傷から歯車や発条らしき小さな部品がポロポロと零れ落ちた。
 その腕を掴み、エリオは真摯な口調で語りかけた。

「この世界は終わらない。沢山の人々がこのミッドで戦っている」
「はっ、どうやって倒すって言うんだよ。あの聖王スカリエッティを? もう、おしまいさ。僕も、君達もね」

 エリオは僅かに煩悶したが、人形に向かって真っ直ぐこう告げた。

「君は死ぬ気らしいけど、僕は優秀なドールマイスターを知ってるんだ。その人ならきっと君を治してくれる。
 約束してしてくれないか。もしこの世界が終わらなかったら、その人の所へ行って修理を受けると」

 エリオの人形は大笑した。余り物のように右腕を揺らし、左腕で腹を抱えて大爆笑をした。

「はははっ、ははははっ、面白い。面白いよそれ。その賭け、乗ったよ。
 約束しよう。もしこの世界が存えたなら、僕は第97管理外世界の月村女史の所を訪ねるよ。
 ―――ありがとう、これでただ世界の終わりを眺めるだけじゃ無くて、最後の最後に楽しみができたよ。
 それじゃあさようなら。もしこの世界が終わらなければまた何処かで―――」

 そう言って、エリオの姿を模した人形はふらふらと去って行った。
 その表情は、心底楽しげな笑顔だった。
514Little Lancer 十六話 09/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:55:56 ID:9mYKBX/E
 転送ポートを経由してアースラへと移動したエリオを出迎えたのは、鬼気迫る表情のユーノだった。

「エリオ、君はジュエルシードを持っていないかい!?」

 懇願するような瞳で、ユーノはエリオに尋ねた。
 エリオは首を捻る。

「……ジュエルシード、ですか? いえ、僕がそんな貴重なロストロギアに触れる機会はあの時しか無かった筈です。
 あれ以降、僕がジュエルシードを手にする機会は一度も無かった筈です」
「さっきの君のリンカーコアが活動再開した瞬間、あの瞬間に確かにジュエルシードの波動が観測されたんだよ。
 スカリエッティを倒す手掛かりになるかもしれないんだ。頼む、ジュエルシードに心当たりがあるなら教えてくれないか―――」

 ユーノに深々と頭を下げされ、エリオは困ったような顔をした。
 
「うーん、僕が持っているものと言えば―――」

 ポケットに入っている幾つかのものを取り出す。財布、ハンカチ、ちり紙、カード、無関係のものばかりだ。
 最後に内ポケットをまさぐり、小さな赤黒く歪んだ石を取り出した。
 
「これ、助けてくれた家の娘がお守りにってくれたんですが―――」
「これだっ!!」

 計測器の針が振り切れんばかりに動いた。
 ユーノはエリオに了解をとり、赤黒く歪んだ石の表面をナイフで擦った。―――青い宝珠が顔を見せた。

「間違い無い、ジュエルシードだよ。さっきの君の戦いで発動したんだ」
「で、でもどうしてお守りの石の中にジュエルシードが―――」
「きっと、この表面の赤黒い汚れは、エリオ君、君の血肉だよ。
 あの時、命懸けでクアットロからジュエルシードを守ろうとした君は、きっと無意識のうちにジュエルシードを握り込んでいたんだと思う。
 そもそも、虚数空間に落ちた君が偶然で助かる筈が無いんだ。
 虚数空間を漂っていた君は、ジュエルシードを使用して逃れたクアットロの次元振動に引き寄せされて、あの場所に辿り着いたんだよ。
 このジュエルシードは君と契約状態にあったのに、今まで一度も発動していない。
 きっと、魔導師である君の血肉によってぴっちりとコーティングされてたからだろうね。
 ほら、三年経って表面が崩れ始めてる。だから今回発動したんだよ」

 エリオはぽかんと口を開けて、掌の中の汚れた石を見つめていた。
 雫がくれたお守りの石は、世界を救うかもしれない石となった。

「で、でもジュエルシード一個であのスカリエッティが倒せるんですか?」
「……倒せるかどうかはまだ解らない。でも、どんな小さな可能性でも、試す価値は有ると思うんだ。
 そうしないと、これまで戦ってくれた皆に申し訳が立たない」

 ユーノは遠くに視線を移す。きっと、なのはやヴィヴィオ達の事を思っているのだろう。

「やらせて下さい!!!」
「あたし達は機動六課のストライカーです! どんな状況でも必ず任務を実行してみせます」
「……これで、やっと空席だったライトニング03にエリオも戻って来て、もう怖いものはありません」

 六課のストライカー達は身を乗り出してユーノに懇願した。
 三年前、ひ弱だった新入りのフォワードメンバー達は、今や六課の誇るストライカーへ成長を遂げた。
 この世界の最後の希望の灯を託せる程に、逞しく。

「戦闘中は、あの孔の拡大速度が落ちるんでしょ。今は少しでも時間が欲しい。私が囮役になって時間を稼ぐわ―――」
「いけません、フェイト隊長―――」
「構わないわ。どの道、あの孔が拡大しきってアルハザードからの浸食が始まってしまえば、全てはお仕舞いになるんだから。
 それに、スカリエッティに挑み続けていれば、貴方達の雄姿を一番間近で見られるわ。―――貴方達の活躍、期待してるわよ」

 フェイトはストライカーの五人に向けて軽くウインクを飛ばした。
 かくして、機動六課の最後の戦いが始まる。生きとし生ける者全ての生命を賭けた戦いが――― 
515Little Lancer 十六話 10/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:57:36 ID:9mYKBX/E
 ライオットザンバー・カラミティを構えたフェイトを見止めたスカリエッティは、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
 親愛の情さえ頬に浮かべて、フェイトに手を伸ばす。

「やあ、君か。一人で退屈していたんだよ。丁度いい。話し相手になってくれないか?」
『Riot Zamber.』
 
 返答の代わりとばかりに、初撃からリミットブレイクの一撃を打ち込んだ。
 斬撃魔術の中では最高純度に位置づけられる一撃だったが、艦載砲撃クラスの攻撃にも耐え得るスカリエッティには当然のように無効だ。
 しかし、自らの限界に挑んだ攻撃は、確実にフェイトの内部を蝕んだだろう。
 そんな事に構いもせず、フェイトは二撃、三撃と斬撃を重ねる。
 スカリエッティからすれば、怒りでは無く憐憫さえ催してしまうような行為だった。

「そうか。君の役目は時間稼ぎだね」
 スカリエッティは忽ちの内に、フェイトに与えられた目的を看破した。
 彼は視線に哀れみを籠めて、繰り返し己の切りつける金色の閃光を見つめた。
 排除するのは容易だったが、彼はあえてフェイトの為すがままにした。
 彼女の体力が尽きるまで攻撃を続けたとしても、扉が開くのを数分遅らす程度の効果しか無いのだ。
 ならば、与えられたその役目を全うさせてやろうと思ったのである。
 
「君達は何故そこまでしてアルハザードとの同化を拒む? きっとそこに待っているのは眩い未来だろうに」
「……与えられるだけの未来なんて御免よ。私達には、自分で自分の選びたい未来を選ぶ権利がある。
 どんなに眩い未来だろうと、ただ与えられるだけの未来になんて、なんの意味も無い」
「未知のものへの怖れかね? アルハザードに在るのは文字通り完全無欠の世界だそれでも、尚もこの世界に固執するのかね?」

 フェイトは息を切らして光輝くザンバーの刃をスカリエッティに叩きつけながら叫んだ。
「ならば、何故アルハザードは滅んだ! 欠けた所の無い理想郷なら、どうして遥か昔にアルハザードは滅んだんだ!」

 スカリエッティは哄笑した。両手を広げて得意の長講釈を開始する。
 
「……簡単な事さ。アルハザードに住む者にとっては、滅びなど何の問題でも無いからだよ。
 アルハザードの文明ならば、死者を蘇らせる事も、時を遡る事も容易な事だ。
 ならば、どうして滅びを怖れる必要が有るだろう? 滅んだのなら、何時でも好きな時に遡ってやり直せばいいのさ!
 古代ベルカにさえその技術の一端は伝わっていたんだ。私を蘇らせたのもその技術の片鱗さ。
 本物のアルハザードならば、一体どれ程素晴らしい技術が残っているのか、考えただけで知識欲が疼かないかね!?」

 フェイトは、背筋に悪寒が走るのをはっきりと感じ取った。
 生きて死んで生きて死んで生きて。生も死も境無くただ永遠に在り続ける世界とは、地獄ではないのか。

「……それは、ヒトが生きる世界ではない」
 辛うじて、それだけを喉から搾り出した。

「ふむ。ならば、君の考える『ヒトの生きる世界』とはどのような物なのかね?」

 彼女は凛とした姿勢を崩さずに、スカリエッティの問いに問い返した。

「―――貴方の説では、古代ベルカの人々はアルハザードからの漂着民なのだろう?
 アルハザードが理想の世界なら、どうして古代ベルカに渡った人々はそこに定住した?
 一個の人間として生きられる場を探していたんじゃないのか? 
 己の意思を以って生きようとすれば、どんな厳しい世界だって『ヒトの生きる世界』となるだろう」

 ふむ、と言ってスカリエッティは顎を撫でた。
「それでは、君はアルハザードを求めないのかな?
 かつてエリオ・モンディアルを蘇らせようとして『プロジェクト「F.A.T.E」』の研究をしていた君が?
 あの時の君なら、アルハザードにエリオ・モンディアルを蘇らせる手段が有れば迷わず虚数空間に飛び込んだだろうにね」

 スカリエッティは冷笑を浮かべる。
 そう、斯く言うフェイトも僅か数ヶ月前には『プロジェクト「F.A.T.E」』の研究に傾向していた。
 あの時の彼女ならば、スカリエッティの言う通りアルハザードへの渡航手段が有れば迷わず身を任せただろう。
 なのはとティアナ、ユーノの助けが無ければ今でもそうだったかもしれない。
 だが、フェイトは―――玲瓏な微笑みを薄く浮かべて、小さく首を振った。
516Little Lancer 十六話 11/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 03:59:31 ID:9mYKBX/E
 フェイトは何かを諦めたような顔で微笑んで、再びスカリエッティにザンバーで斬り付けた。
 彼女の命を削る一撃一撃が、孔の拡大する速度を秒単位で遅らせていく。

「前にも言ったけど、もう、貴方の虚言には惑わされない」
 スカリエッティは不敵に微笑んで、禁断の名を口にした。

「……高町なのは」

 びくり、とフェイトの体が震えた。ザンバーを振るう腕が止まる。

「高町ヴィヴィオ、八神はやてと守護騎士達―――皆、勇敢で優れた戦士だったよ。
 今は皆、この瓦礫の下の埋まっている。
 彼女達が生きているかどうかは解らないが、恐らく持って朝までと言った所だろうね。
 さて、アルハザードの技術ならば生死に関わらず、彼女達を元通りに治療する事が出来る。
 ―――それでも、君はアルハザードを拒むのかい?」

 フェイトは静かに目を閉じると、暫し瞑目した。そしてゆっくりと目を開き、息を吸い込んだ。

「拒む」

 彼女は、鮮やかにそう言い切った。
 その言葉に、どれだけの思いが籠められていたのだろうか。余人には窺い知る事は出来ない。
 
「安易に死者を彼岸から呼び戻す事は、この世界を全力で生きた者に対する最大の侮辱に他ならない。アルハザードの技術の使用は、断固として拒否する」

 スカリエッティは口の端を吊り上げた。

「成る程、良い覚悟だ。だが、人の思いは時としてどんな禁忌を犯してでも愛しい者を蘇らせようとする。
 それは、君の母上や君自身の経験から良く知っているだろう?
 アルハザードの技術を拒んだせいで、生き返らせる事が出来た筈の人物を生き返らせる事が出来なくなったなったなら。
 膨大な量の怨嵯がこの世界に渦巻く事になるだろう。―――その恨みは、一体誰が背負うのかい?」

 スカリエッティのその問いに、フェイトは紆余の逡巡すら無くこう答えた。

「その恨みは、私が背負おう」
 彼女は澄み切った顔で迷い無くこう言った。

「私一人が恨みを背負う事でこの世界が守れるのなら、私は喜んで恨みを背負おう。唾を吐きかけられよう」 

 カートリッジをリロードし、微塵の効果も無いザンバーを尚も打ち込む。
 瓦礫の山と化したクラナガンを睥睨し、真摯な表情でスカリエッティに告げた。

「エリオは、誰もが生存が絶望的と思われた虚数空間から生きて帰った。
 それは奇跡じゃない。エリオの生きようとする意志と、人との絆がエリオを助けたんだ。
 スカリエッティ、お前には解るまい。
 人を助けるのは奇跡じゃない。人を救うのはいつだって人の繋がりと生きようとする強い意志だ。
 なのは達を救えるものはアルハザードの奇跡じゃない。私達機動六課の絆と、なのは達の生きようとする意志だ」

 スカリエッティには理解らない。彼は変わらず泰然としながらザンバーの剣戟をその身に纏った聖王の鎧で受け止めている。
 東の空の端が白み始めている。……暁も近い。
 
「―――君達の最終手段は、アルカンシェルの一斉砲撃といった所だろう?
 今はXV級艦船の集結中、少しでも長く時間が欲しいと言う所かな?」

 フェイトは失笑を漏らす。口元からは、破裂した肺腑からの汚血が滴り落ちた。

「その前に見せて上げる。この世界の魔導師の底力を」

 東の空から、ゆっくりと太陽が昇り始めた。
517Little Lancer 十六話 12/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 04:01:17 ID:9mYKBX/E
 それは、何の前触れも無く現れた。
 廃墟と化した高層ビルの屋上に、二人の少女が立っていたのだ。
 ライトニング04のキャロ・ル・ルシエとライトニング05のルーテシア・アルピーノである。
 彼女達は手と手を繋ぎ、天高く掲げた。
 二つの巨大な召喚魔方陣が桃色と紫紺色の魔力光を伴って回転を始める。
 
「雲海裂く疾風の羽音、広大なる空の究極の王者、我が召喚に応えよ、白き風の天空の守護蟲。蟲王召喚、雲海震撼、来たれ、白天王!」
「天地貫く業火の咆哮、遥けき大地の永遠の護り手、我が元に来よ、黒き炎の大地の守護者。竜騎招来、天地轟鳴、来よ、ヴォルテール!」

 巨大な召喚魔方陣から、白と黒の威容が出現する。
 キャロとルーテシアが機動六課で究極召喚を同時に行うのは、これが始めてである。
 ヴォルテールと白天王もまた、この戦いが単なる主の危急ではなく世界に迫った危機である事を本能的に感じ取っていた。
 砲頭に火が燈る。
 キャロとルーテシアは片手を繋いで掲げながらも、もう片方の手で金色の孔の前に立つ的の姿を指し示した。

「「ツイン―――ギオ・エルガ!!!」」

 ヴォルテールと白天王の同時攻撃。どんな魔導師だろうと容易に蒸発させる砲撃を受けて―――スカリエッティは尚健在だった。
 若干のダメージは受けながらも、機動六課の最強火力の連携を見事耐え切った。
 聖王と化したヴィヴィオの攻撃にも耐え抜いたスカリエッティである。今更驚くには値しない。
 そして、機動六課ストライカーズの猛襲もこれが幕開けに過ぎなかった。
 第二撃は、遥か天空の彼方で出番を待ち構えていた。
 ……ブレイズモード、遠距離狙撃砲形態のクロスミラージュを構えたティアナが、ヴァイスの操縦するJF704式の後部から遥か下方を見下ろしていた。
 
「よし、ここが空の大穴と重ならずにスカリエッティが見えるギリギリのポイントだ。ティアナ、一発デカイの頼むぜ!」
「勿論よ。なのはさん直伝―――」
 クロスミラージュが周囲の魔力を鯨飲し始める。
 幾度も繰り返された規格外の戦闘によって、ここクラナガン上空さえ粘りつく程の魔力が残存している。
 教わった魔力の集束を行うには絶好のポイントだった。

「全、力、全、開、スターライト、ブレイカー!」
 輝く金色の光が放たれる。スカリエッティに向けてスターライトブレイカーが放たれるのはこれで三発目だ。
 ティアナのそれは、なのはやヴィヴィオが放ったものとは比べものにならない程弱々しい。
 だが、これでいいのだ。元より打倒を目的とした一撃ではない。
 0コンマの隙を作るための壮大なフェイントである。言うならば、真打の為の引き立て役だ。
 それでいい。凡人の己は、出来る事をすればいいのだ。ティアナは自分の役割を終えた事に満足して、仲間達の成功を祈った。

「行くよ、準備はいい?」
「はい、大丈夫です!」
「カウントダウン行くよ、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0!!」

 スバルとエリオはデバイスで連絡を取り合い、同時にクラウチングスタートの体勢から飛び出した。
 方や予めJF704式ヘリから伸ばしておいたウイングロード上、方やフリードリヒの背の上からである。
 フリードリヒの背から落下に任せるエリオに向かって、スバルがウイングロード伝いで滑り込む。
 そして、両拳をエリオの靴底に合わせた。

「ディバイン、バスタァァァァ―――!!!」
 エリオはスバルの両拳を蹴るのと同時に、ストラーダのデューゼンフォルムを発動させた。
 スバルという最高の発射台を得たエリオは全てのブースターを後方に向け、獲物に襲い掛かる猛禽のように急降下を開始する。
 エリオはストラーダを再び手にして数時間も経っていなかったが、数年間使い込んだかのように手に馴染んだ。
 雲海が恐ろしい程の速度で後方に流れていく。
 目前には、金色の扉と悠然と立つスカリエッティの姿が有る。
 一瞬前に放たれたティアナのスターライトブレイカーに目が眩んだのか、スカリエッティが僅かに顔を背けた。
 その僅かな隙に、エリオは定められた術式の通りに全身全霊の一刺を叩き込んだ。

「駆けよ隼―――シュツルムファルケン!!!」

 遥か高所から槍を抱いて急降下するその雄姿は、正に獲物を狙う隼そのものだった。
518Little Lancer 十六話 13/13 ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 04:02:46 ID:9mYKBX/E
 暁の赤い太陽に照らされて、スカリエッティの金髪が朱に輝いていた。
 スカリエッティは、不思議そうに己の胸に突き立ったストラーダを見上げた。
 ストラーダを握るエリオは、真っ直ぐにスカリエッティを見下ろしている。
 さらさらと、いままで支えてきた魔力の供給が途絶えたせいだろう。砂のように天上の孔が崩れていく。
 スカリエッティは、すぐにその解答を導き出した。

「連鎖崩壊プログラムを組み込んだジュエルシードを、そのデバイスの先端に組み込んだのか……
 成る程、聖王の鎧と切っ先が衝突した瞬間にごく小規模の次元振動を起こす事が出来れば、聖王の鎧を突破する事も不可能ではない」

 ストラーダの先端には、崩れ行く雫のお守り石が有った。
 
「だが、何故。ジュエルシードの余りは昔ドローンに組み込んで使用した損傷品の一つだけの筈なのだが―――」
「エリオがクアットロから奪い取った一個がまだ残っていたの……言ったでしょう。人を救うのは生きようとする意志だって」
「―――そうか。クアットロ、パーフェクトな娘だと思っていたが、詰まらない所で間が抜けていたものだな」
 
 スカリエッティは遠い瞳で暁の光を眺める。

「次の体は用意してはいない。私の探求の旅もこれでお仕舞いか。
 ……終わりとなると、どうにも名残り惜しいものがあるな」

 エリオはストラーダを握ったままスカリエッティに語りかけた。

「人は、いえ、生きとし生ける者は全て、与えられた一つの命を自分なりに精一杯に生きて命になっていくんです。
 命は都合に合わせてやり直しや取替えなんて出来ない。そんな事を始めてしまえば、それはもう命とは呼べません。
 貴方はこんな、貴方が作った人形でも知っているような簡単な事も知らなかったんですね」

 スカリエッティはけらけらと笑った。

「そうか、そうか、生命操作技術の完成を求めてきたこの私が、生命の本質を誰よりも知らなかったとは。
 成る程、それは随分と皮肉な話だ!!」

 そう言って一頻り笑った後、ストラーダの突き立った胸を押さえて不思議そうに尋ねた。

「だとしても、最後に一つだけ謎が残るな。教えてくれないか?」
「……僕に解る事でしたら」
「私の有していたジュエルシードは十個、対して君の持っていたジュエルシードは一つだけ。
 連鎖崩壊プログラムを仕込んだとしても、たった一つのジュエルシードでどうやって十ものジュエルシードを破壊したんだい?」

 エリオは薄笑みを浮かべて答えた。

「それなら簡単ですよ。幾ら貴方が十個のジュエルシードと無限の欲望を持っていても、所詮はただ一人のもの。
 こっちはジュエルシードは一つだけでしたが、この世界の生きとし生ける者みんなの『生きたい』という願いを乗せていましたから。
 負ける筈がありません」

 スカリエッティは満足げに頷いた。

「成る程、私独りの『無限の欲望(アンリミテッドデザイア)』では、世界全ての『無限の希望(アンリミテッドウィッシュ)』には敵わぬか……
 面白い。矢張り、この世界は神秘に満ちている―――」

 力を使いすぎた反動だろうか。世紀の犯罪者ジェイル・スカリエッティは、爪先から砂になって崩れ落ちて行った。
 最期の表情は、まるで無垢で好奇心旺盛な子供ような笑顔だった。

 かくして、ジェイル・スカリエッティ事件は完全に終結した。
 記録では、クラウディアを旗艦とした連合艦隊のクラナガンへの一斉砲撃まで、残り五分を切っていたという。
 アルハザードへの扉も夢と消えた。それを惜しむ声も少なからずあったが、機動六課の選択を支持する意見が圧倒的多数を占めている。
 理想郷は与えられるものではなく、自ら目指すもの。フェイトは青空を見上げ、時折そんな事を考えている。
519アルカディア ◆vyCuygcBYc :2008/03/30(日) 04:07:00 ID:9mYKBX/E
 遅れに遅れて申し訳ありません、アルカディアです。
 ラスボススカリエッティも、こうして退場となりました。
 クアットロが粘っこいキャラだったので、スカリエッティは強いわりにあっさりやられれるキャラに設定してみました。
 さて、ラスボスまで倒れて大筋はエンディングに近づいてきましたが、まだ最後の戦いが残っています。
 Little Lancer、もう少しだけお付き合い頂ければ幸いです。
                            次回・エピローグ☆編
 
520名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 04:11:57 ID:YDbrnYJf
>>519
GJうううううう!
次元世界の危機に手持ちのカードほぼ使い切り! ダブル究極召喚にブラフのSLB、DBで加速してファルケン!
アドレナリンが出っぱなしですよ。あっさり気味なスカの退場も絵になっていて悪党の癖に「あ、何か格好いい」とか思っちゃったし。
最後の戦い。最早言うまでもないですね。勝手な予想ですが、つまりはあの子とあの子の熾烈な戦いですね。
521名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 04:11:59 ID:iRaQdbcz
GJ!そこでジュエルシードが来たか…完全に盲点だった
522名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 04:17:14 ID:wJAsHLnN
GJすぎて止まらない目から流れる汗をどうしてくれる!
そして次をなおwktkさせてくれるなんてさすがです
まだ残るあれこれをどう決着されるか、一日千秋の思いで待たせていただきます
ありがとうございます

でも無理はしないでくださいね。お願いします
523名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 04:18:25 ID:uhvokak0
GJ
GJ
GJ
ラスボスは潔いかとことん諦め悪いかに限る。さっぱりしたスカの消え方にしみじみした溜息漏れたわ。
524名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 04:29:49 ID:XFCfZKrr
>>519
GJ!!!!!
もうテンションがあがりすぎてバーニング状態です!!
驚くべき展開に見事なラスボスの散りざま・・・・
最後の戦い。そして全ての決着。誰が生き残って誰が助からないのか。
続きが待ちきれNeeeeeeeeee!!!!!
525名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 04:47:47 ID:oWpsO56p
GJ!!!!

スカリエッティは割とアッサリ退場したけど、
今回はエリオVSエリオ君人形(10)が目だって大満足。
『エリオ』という人生の闇をここまで深く描ききった氏に脱帽。

ん?最後の戦い?・・・・あー、あれか。エリオ、ファイト。
526名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 05:06:21 ID:k/KAiL6J
>>519
GJGJ
んで退場時のスカにはアラヤの人が混ざってるのかなw
そしてエリオがんばwww最終回楽しみにしてる!
527名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 05:20:05 ID:mmQrymtT
>>494
恭也とフィアッセ → 士郎、ティオ

のように関係性の高い故人が明らかになってる場合は
その名前を使用するってのも手だよ。

なのはとクロノ → アリサ
フェイトとクロノ → アリシア

のような感じで。
528名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 05:35:28 ID:ah5oeO77
>>527
パラレル涙目wwwwwww
529( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/30(日) 05:41:17 ID:h/mVwNjr
>>527
うちとこのクロノとなのはの子供の名前はどうしたら良いでしょうか?
530( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/03/30(日) 05:41:51 ID:h/mVwNjr
ってここでageるかフツーorz。

連投スマソ。
531名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 05:42:06 ID:rbfGvbtC
>>529
適当に車名から選ぶ
532名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 06:25:26 ID:itBlESbG
>>529
クライド、とか…?
あと、そのまんまシリーズですがクロナ、とか
533名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 06:48:01 ID:YTwgo7+I
アリサ…生きてるから除外
534名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 07:06:10 ID:3/K3YsfG
>>529
七瀬とかでいいんじゃね?
535名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 07:09:08 ID:yH0Xb4ge
>>529
クロノ+なのはで語感が近い車名でコロナってのがあるよ。
536名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 07:32:52 ID:mmQrymtT
>>534
なのはの正式な前世(ボツ案)だな。
537名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 09:12:13 ID:7jjwQdK5
>>529
く、か、け、か、カローラ?
538名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 10:01:14 ID:nUzg3H42
そこは家族に引っ掛けてファミリアだろ
539名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 10:10:23 ID:KBzJ2gYH
車ネタでいくとそのうち被っちまいそうだな

かくいう俺も今書いてる作品のオリキャラの名前が既に使われてるんじゃないかと戦々恐々してる
540名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 10:27:01 ID:xuJQ8/7C
アルカディア氏、GJです。

しかし、アルカディア氏のスカは本当にいい味出しているな。
世界全ての無限の欲望とは言い回し上手いな、って思ってしまった。
541名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 11:05:34 ID:iy4iUTSE
GJううううぅぅぅっ!!!!

原作アニメを遥かに超えるラスボスらしいスカリエッティが実に素晴らしい。
全員の波状攻撃で倒すところなんて正に王道的な燃える展開で胸が熱くなりました。
そして様々な葛藤の中で行われたエリオ対エリオが良いっす。

しかし、今のこの胸の想いをどうやって言葉にするべきか‥‥‥ただGJしか出てこない。
エピローグも心の底からお待ちしております。
542名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 12:45:05 ID:rugSjutW
>>539
それはしょうがないんじゃない?
以前なんて、オリキャラに「エリオ」ってつけてたら
StS新キャラ発表でエリオがいて、涙目になってた職人さんいたぞ

…そういや、あの話って完結してたっけ? 好きだったんだけど
543名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 12:49:19 ID:mmQrymtT
>>531
個人的にはクロなのの場合は車名は違和感かなあと思う…。
養子ヴィヴィオとかは別にして、この二人は車名法則からも外れてるしね。
544名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 12:58:01 ID:9D/6A4zs
>>543
言われて見ればそうだな。いっそ関係ない名前を適当につけるとか。
トムとかジョンとかマイクとか…中学英語の教科書に出てきそうなのはどうよ?
54544-256:2008/03/30(日) 13:00:23 ID:uW89AmOG
すみません。投下してよいでしょうか?
546名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:02:47 ID:9D/6A4zs
伺いたてる必要はないんだぜ
ドーンと行ってしまっておk
547名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:03:14 ID:iy4iUTSE
>>544
ジョンは既にいるという罠。

そして>>545
カモンベイビー。
54844-256:2008/03/30(日) 13:04:23 ID:uW89AmOG
それでは投下します。

消費スレは6スレ予定
非エロです
主人公はゲンヤです。
オリキャラが一人出てきます
時系列はJS事件後の10月
魔法戦はありません。というか魔法少女自体出てきません。ごめんなさい。
549クラナガンズ・プロファイル(1/6):2008/03/30(日) 13:06:02 ID:uW89AmOG
ゲンヤ・ナカジマ三等陸佐は地上本部へ部隊長講習へ参加するために歩いていた。
デバイス調整に来てくれたマリエルがついでに送るといってくれたのだが、丁重に断った。

断るに相応する理由が「一応」あった。

というのも、今日地上本部で行われる講習のタイトルが「健康管理・あなたに合ったメタボリック対策」
対象も40代以上の陸士部隊長と限定されている。

よけいなお世話だと思ったが、ギンガやスバルと違って、食べた分だけ腹が出てしまうのが中年オヤジの悲しいところである。
こんな時に戦闘機人がちょっとだけうらやましく思った。

講習を受ける前の最後の悪あがきということで、歩いて行く事にしたのだ。

地上本部までそう遠くない。もう少しで着く。

そんなときだ。通りかかったビルの路地裏が少し騒がしかった。
「おう、さっさと出すもん出しやがれ!!」
「おっ、何大事そうに抱えてるんだよ!?」

そうして悪漢たちはうずくまっている、少年から袋を横取る。
「た、頼むよ。それは・・・」

「おい、てめえら」
「ああ?オッサンはひっこんでろよ」

「見ちまったら、そういうわけにもいかないもんでな、袋をそいつに返してやれよ。それとも警ら隊員を呼んでやろうか?」
「・・・っち、行くぞ」

そうして悪漢たちは路地の奥へ引き上げていった。
550クラナガンズ・プロファイル(2/6):2008/03/30(日) 13:07:25 ID:uW89AmOG
悪漢たちが引き上げ、ゲンヤは少年に寄って話しかけた。

「大丈夫か?」
「ああ、本当に助かった。恩にきるよ」

『ぐぅ〜〜〜』
少年の腹が大きく鳴った。

「お前メシ食ってないのか?」
「ああ、まあ。ついさっきここに着いたばっかで何も食べてなくて。クラナガン、というよりミッドチルダ自体初めてでさ」

「ならいいとこ連れてってやるよ」
「あんた、仕事じゃないのか?」

そしてゲンヤは 空を見上げた。10月の午後。オフィス街のビルから見える太陽がさんさんと輝いていた。
秋にしては少し熱いくらいだ。

ゲンヤはコートと上着を脱いで肩にかけ、ネクタイをゆるめてこういった。
「今日くらいいいだろ、こんな天気の良い日に仕事してるなんて、明らかに犯罪だぜ」

そしてゲンヤは青年を1ブロック先の4thアヴェニューまで連れてきた。
歩道の脇に立ち食いホットドック屋がたっている。その店主にゲンヤは手を振って話しかけた。

「よう!」
「あっ、ゲンヤさん、お久しぶりです!」

「とりあえずホットドックを4つくれ。俺は・・・」
「ケチャップ抜きですよね」

そうしてゲンヤはホットドックを少年にすすめた。そうしてホットドックを口に運ぶ。
「うまい!」
551クラナガンズ・プロファイル(3/6):2008/03/30(日) 13:09:01 ID:uW89AmOG
ゲンヤは店主にこう言った。

「お前にノビ(泥棒)以上にこんな才能があったとは、本当に恐れ入るぜ」
「軌道拘置所にいるとき、模範囚は調理場を担当してたもんで」

拘置所という言葉に少年は少し驚き、ゲンヤは説明した。
「ああ、こいつはホットドック屋やる前は、もともと泥棒だったんだよ」

「ゲンヤさんと出会ってから、シャバに出てこの屋台を立ち上げるまでお世話になりっぱなしです。本当に感謝してます!」
「何言ってんだよ。100%お前さんの実力だ。こんだけ美味しけりゃ俺が口利かなくても、すぐに開業できただろ?」

そうしてゲンヤは青年に聞いた。
「そういや、何でクラナガンなんかに来たんだ?」
「えっ?いや、ちょっと出稼ぎに・・・」

「出稼ぎというと、急に金が入用なのか?」
「ああ、俺には妹がいて・・・あいつ生まれつき眼と足に障害があって、治療するにはたくさんの費用が必要なんだ。
今は遠い北部ベルカにいる。聖王教会の医療院なら、金がない人間でも当分は面倒見てくれるから」

「そいつは、大変だな」
「ああ・・・でも・・・」

そう言って少年は袋を握りしめてこう言った。
「こいつが、こいつがあれば治療費ができる・・・もう離れ離れにならずに一緒に暮らせる・・・」
552クラナガンズ・プロファイル(4/6):2008/03/30(日) 13:10:36 ID:uW89AmOG
そして少年はクラナガンのマップをポケットから出して何かを確認した。
マップには走り書きで『クラナガン中央駅・倉庫区画』にマルがつけられ『20時』と書いてあるのが見えた。

そして少年はゲンヤに振り向きこう言った。
「おっさん、ホットドックごちそう様!本当に美味しかった」
「おう!お前さんもさっきみたいのに絡まれるなよ!!」

そう言ってゲンヤと少年は別れた。

その直後、ゲンヤの元にはやてから通信が入った。
「よう、どうした?」
『どうしたじゃないです、ナカジマ三佐こそ健康管理の講習受けられへんのですか?ギンガから私のところにも、心配で連絡あったんですよ』

「いや、屋内で講習受けるより外をぶらついた方が健康にいいと思ってな」
そんなゲンヤのとぼけた返事にはやてはため息をついた。

『もう、これじゃあまるでどっかのお気楽査察官と思考パターンが一緒や!それより、ナカジマ三佐にお知らせする事があって』
「俺に、何だ?」

『実はロストロギア、それもレリックがクラナガンに密輸されたようなんです』


ゆりかご撃墜後、機動6課は残されたレリックの回収を教会騎士団と合同で行っていた。
ロストロギアなど違法性の高い物の密輸はもともとゲンヤの部隊が担当していた。

『持ち込んだ人間もあてはついてるんです。カムタイ・グエンチャムいう、なんや言いにくい名前で、魔力資質はないようです。
昨日、辺境世界からこっちへ密航してきて・・・今から写真送りますね』


そうしてゲンヤは送られた写真を見て驚いた。さっきの少年であった。
553クラナガンズ・プロファイル(5/6):2008/03/30(日) 13:11:45 ID:uW89AmOG
夜のクラナガン中央駅・倉庫区画。そこに少年はあらわれた。

暖かかった昼間と打って変わり、ホームには冷気と霧がたちこめていた。
少年は警戒しているのか、あたりを見渡した。


『カツコツ、カツコツ・・・』奥から足音が聞こえてくる。


少年は霧の奥から聞こえてくる足音の主に呼びかけた。
「待ってたぜ。約束のものを渡す。金は持ってきたよな!?」

そうすると足音の主はこう答えた。
「・・・残念だが、相手は来ないぜ」

奥から現れたのはゲンヤであった。そして周りが急に明るくなった。少年が周囲を見渡すと
デバイスを持った魔導師や騎士たちに囲まれている。

「あんた、昼間の!?そうか・・・あんた管理局の人間だったのか」
「お前さんとこんな形で再開する事になるとは思わなかったぜ。そいつを、レリックをこっちに渡してくれ。とても危ない代物なんだ」

少年は袋を胸に抱きしめて身構える。
「ダメだ!これは妹の・・・!」

周りを囲んでいた魔導師たちはデバイスを持って身構えたがゲンヤは手を上げてそれを抑えた。

「そいつで多くの人が傷ついてしまう。妹さんが望むと思うか?」
ゲンヤは話を続けた。

「カムタイ、お前みたいに大切な人のために、他人を傷つけようとしようとしたヤツを知ってる。でもそんな犠牲から生み出される解決策なんて
ないんだ。ただ悲しみしか残らないんだよ!!」

「なぁ、それ以上大切な人を悲しませるな。頼む・・・!」
ゲンヤの話に少年は泣き崩れて、袋を床に置いた。そこにティアナとキャロが近づき封印処理に入った。
554クラナガンズ・プロファイル(6/6):2008/03/30(日) 13:12:59 ID:uW89AmOG
北部ベルカ自治領、聖王教会医療院

南側の小部屋に少女が一人いた。
ドアをノックする音が聞こえ、車椅子を押して前に出た。

「誰?カムタイ兄さん?」
「いや、その知り合いだ」

扉を開けて入ってきたのはゲンヤであった。ゲンヤは見舞いの花を置くと、横の椅子に腰掛けた。

「実はな、お前さんの兄さん、当分会えないんだよな。代わりにお前さんの世話を頼まれたんだ」
「どうして?何かあったの?」

ゲンヤが答えずらそうにしていると、少女は顔をうつむかせて言った。
「・・・何かあったかはわかる、捕まったのね・・・」

そうして少女は横の引き出しを空けて手紙を取り出した。

この前手紙が届いたの。もう少しで金が一気に手に入る。兄妹二人でまた暮らせるって。すごく不安だった。
私は兄さんが元気でいればそれで良かった、良かったのに・・・」

光を失った少女の眼から涙がこぼれる。ゲンヤは自分のハンカチを貸し、2人のこれからの処遇を話した。

「それじゃあな」

説明を終えるとゲンヤは席を立った。

別れ際に妹はゲンヤの背中に問いかけた。

「ねえ、兄さんは本当に罪を犯したの?」
「ああ、残念だけど犯罪者として拘束されちまってる・・・」


ゲンヤの言葉に妹はうなだれた。そんな妹にゲンヤは振り向いてこう言った。
「・・・でも犯罪者である前に一人の妹思いのアニキだ。お前さんがよく知ってるようにな」


そう言ってゲンヤは外へ出て行った。
季節は秋、医療院の回廊に吹く風、これから冬になろうとしているのを感じた。

end
555名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:13:11 ID:oWpsO56p
支援
55644-256:2008/03/30(日) 13:15:38 ID:uW89AmOG
以上になります。魔法戦がない燃えない展開のSSでした。
>>519のアルカディア氏みたいに燃える魔法戦のSSを書きたいです。

>>555支援ありがとうございました。でも6スレで終わりなんです。
ごめんなさい。

557名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:20:20 ID:77DYA0Vo
>>556
6「スレ」……だと?
まぁそれはさておき渋いゲンヤさんGJです
558名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:22:10 ID:9D/6A4zs
乙。
ふうむ、ホットドッグってケチャップないと味気なくないか?
559名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:50:50 ID:c+zzFTdw
>>519
GJ!
今回も最高に面白かったです!
ただ欲を言うならなのはさんとヴィヴィオの戦いが終わった直後の
フェイトさん達の描写が見たかったです。
560名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:57:47 ID:MQ8QtSr8
>>556
GJ。ホットドッグ喰いたくなった
ザワークラフトとソーセージの味が良ければ、ケチャップ無しでも十分美味いんだぜ?
個人的には、マスタードだけは欲しいけど
561名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 14:21:33 ID:LTc+X+cj
GJ!
俺は、なんにもかけてないぜ!ケチャップはあんまり好きじゃないんで。
562名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 14:46:42 ID:MTZpNMM1
なんかクロスの避難所で面白そうなことやってるな
こっちの職人さんだとどうなるんだろうな〉二つ名メーカー
563名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 15:20:50 ID:YDbrnYJf
>>562
避難所の方は知らないですけど、それのアドなら知ってますよ。
何かしましょうか?
564名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 15:21:53 ID:iy4iUTSE
◆6BmcNJgox2 氏「轟雷兵器(ライトニングアームズ)」
44-256氏「抽象妄想(アンバランスパラフレイズ)」
( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc 氏「錯誤(パラノイド)」
アルカディア ◆vyCuygcBYc氏「火燐蜂起(ビースティカーニバル)」

とりあえず目に付いた職人諸氏を二つ名メーカーにかけてみました。
565名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 15:27:46 ID:KBzJ2gYH
じゃあ俺も便乗して
◆Ev9yni6HFA 「胎児の憎悪(パラノイドソナチネ)」

……SSにスカクローンを出せという天啓か?
566名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 15:49:54 ID:iy4iUTSE
すまん>>564で空白を入れたまま入力してた。
ちゃんと入力した結果はこちら。

( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc氏 「炎熱電波(ダンシングフレイム)」
◆6BmcNJgox2氏 「円環静脈(エンプティサイクル)」 
44-256氏 「抽象妄想(アンバランスパラフレイズ)」
アルカディア ◆vyCuygcBYc氏 「饒舌蜘蛛(マーダーデプレッション)」

でした。
567名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 15:53:38 ID:9D/6A4zs
若干一名、もう俺の中では、『納豆帝』としてインプットされてるので…
568名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 15:55:12 ID:KBzJ2gYH
なんかスタンドっぽく叫んでみたけど「胎児の憎悪(パラノイドソナチネ)」これだけ言いづらいというか語呂が悪いな
569名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 15:56:15 ID:qfy6HQ6A
納豆皇帝でやってみると
ブロークンエラプション(砕け散る流砂)となってしまったんだが。

砕け散るのは腹筋だと思うんだ。
570名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:00:40 ID:KBzJ2gYH
納豆帝だと
「絶滅暴動(エクストリームライオット)」

なんでこうも攻撃的なんだよw
それにライオットか……
571名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:01:36 ID:YDbrnYJf
そんじゃこっちも

B・A氏「渦状連撃(ガトリングフラクタル)」
サイヒ氏「焦熱廃墟(トータルトラッシュ)」
ザ・シガー氏「三番目の屍毒(アンノウンラビリンス)」

でした。
572名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:07:53 ID:l2dea/Pt
ああ、リロードしてよかった。同じこと書くところだった。>>571

ただ俺がやったら、B・A氏の二つ名が「瞬殺少年(ティーンエイジサイレンス)」だったが。
なんでだろ。
573名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:10:41 ID:KBzJ2gYH
B・Aだと「渦状連撃(ガトリングフラクタル)」
B・Aだと「瞬殺少年(ティーンエイジサイレンス)」になるみたいだな
574名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:11:28 ID:iy4iUTSE
>>572
入力が全角だったりしたのでは?
575名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:13:36 ID:YDbrnYJf
>>574
571です。
こっちは全角で打ち込みました。
576名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:18:02 ID:iy4iUTSE
個人的にはB・A氏の二つ名は「瞬殺少年(ティーンエイジサイレンス)」の方が似合ってる気がするな。
なんかエリオっぽくて。

でもまあ二つ名がいくつもあるってのも良いと思いますよ、帝様のように。
577名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:23:56 ID:9D/6A4zs
おまいら、とりあえず二つ名メーカーに「高町なのは一等空尉」と入れてみろ
578名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:26:14 ID:iy4iUTSE
>>577
それは言ってはいけない“お約束”だというのに‥‥‥見えるぜ、お前さんの後ろに砲撃杖を構えた白き衣の殲滅者の姿が。
579名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:26:29 ID:V5mfuiCa
>>577
吹いたw
580名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:29:40 ID:KBzJ2gYH
>>577
なんてこったw
サイトの制作者はもうこの世の人間じゃないなw
581名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:37:58 ID:dBBVljNA
フェイト・t・ハラオウン
これはゆるせん
582名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:39:02 ID:WP8gnrsk
「八神はやて二等陸佐」は哀れすぎる…
583初心者:2008/03/30(日) 16:40:09 ID:J3mvTMmE
【ゴールデンレス】
  ∩ ・∀・)∩∩ ´∀`)∩  このレスを見た人はコピペでもいいので
   〉     _ノ 〉     _ノ33分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
  ノ ノ  ノ  ノ ノ  ノそうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
  し´(_)   し´(_) 出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です


584名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:47:23 ID:iy4iUTSE
皆これを見てくれ、こいつをどう思う?

レティ・ロウランさんの二つ名は…「禁色貫通(ブラッディダンス)」
グリフィス・ロウランさんの二つ名は…「脳髄没落(インナーメディスン)」

なんかすげえエロそうに見えるのは俺だけか?
585名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:57:03 ID:qfy6HQ6A
>>584
どう考えてもレティさんとグリフィス君が禁断の関係になって
グリフィス君はちょっと脳味噌の螺子が外れるようにしか見えませんがな
586名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:57:16 ID:OP2h4R2H
>>208
めちゃ今更ですがA'sの10話でバルディッシュが『左方向300ヤード、一般市民がいます』
と発言してますよ。参考までに。

>>584
すごく・・・エロそうです・・・
友人のリンディ・ハラオウンさん「屍(デイドリーム)」と凄まじい差がw

そして自分のコテで試したら人形過剰(エレメンタルフェイク)でした
587名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 16:59:09 ID:T7GZB4v/
ラッド・カルタス 「亡霊妄想(アンバランスメビウス)」   うん、基本妄想で作るしかないキャラだよね
シャッハ・ヌエラ 「倒錯神経(アンバランスファクター)」  どう倒錯してるのか詳しく
高町フェイト 「詩的叫喚(ビューティフルワールド)」   百合園剥き出しw
エリオ・ル・ルシエ 「失踪惨劇(ミッシングテンペスト)」  拉致殺人事件があった模様です。被害者はエリオ・モンディアル(10)……
588名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 17:06:51 ID:kjh053vX
高町ヴィヴィオ ・・・・・・「嘲る粛正(ペネトレイトトリック)」
なんてこったい・・・
589名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 17:13:33 ID:OP2h4R2H
クロノ・ハラオウン「氷結惨劇(サイレントテンペスト)」
ヴォルテール「火装微塵(インフェルノゴースト)」
闇の書の闇「死屍累々(リリース)」
ランディ「透明幻影(インビジブルプリズン)」

意外と合ってるのもあるな
ていうかあんまりこれで盛り上がると投下しづらくなりそうだ、自重した方がいいかもしれん
590悪徳の都:2008/03/30(日) 18:09:34 ID:yXr8Y4hE
小雨のパラつく肌寒い夜にチンクは襲われた
老朽化した雑居ビルの三階
ゲイの公認会計士のオフィスの向いにある
スカリエッティ探偵事務所のドアを開けたところで
物陰に隠れていた男がチンクの後頭部に棍棒の一撃を加え
続いて現れた二人目の男がぐったりしたチンクを担いで部屋の中に姿を消し
最後に現れた三人目の男がドアをロックする
男達は5フィートに僅かに足らないチンクの小柄な体をベッドに投げ
ズボンを脱がせるとシャツとブラを引きちぎりながら
パンティをずらし前戯抜きでペニスを捻じ込んだ
通りの向いのストリップ劇場の毒々しいネオンの光がブラインドの隙間から差し込み
騎乗位で犯されるチンクの白い裸身を緑や紫やオレンジに染める
絶対的な質量は小さいものの
身長との対比から言えば意外と豊かとも言える形の良い乳房を乱暴に揉みしだかれ
白い喉を晒し仰け反って喘ぐチンクの唇を二本目のペニスが陵辱する
三本目のペニスがアナルに侵入してきたところでチンクの理性は吹っ飛び
無辜の受難者の快感に飲み込まれていった
チンクが意識を回復したのは男達が立ち去ってから随分立ってからだった
内側からドリルで抉られるような頭痛と
恥骨の辺りで熱を持つ下半身の鈍痛に堪えながら立ち上がると
肌に張り付いて乾燥したスペルマがカサカサと音を立ててひび割れる
室内を見回すと特に家捜しされた形跡は無い
床にはズタズタに切り裂かれたシャツとズボンと下着
金属繊維を織り込んだ防弾・防刃コート(これは無傷)
ショルダーホルスターに納まったスミスの38口径が散らばっている
そして寝室の壁に襲撃者のメッセージが記された紙が
チンクの愛用する短剣で縫い止められていた
“タクシー運転手から預かったものを渡せ”というシンプルな文面に続いて
時間と場所が記されている
チンクは重い溜息を吐いた
チンクを厄介ごとに巻き込むタクシー運転手といえば七人いる妹の中の
セミロングの赤毛を冷凍きしめんのように折り畳んだお調子者しかいない
コッコッ
控え目な音でドアが鳴る
チンクはコートと38口径を拾い上げると
全裸にコート一枚羽織った姿で
右手に持ったリヴォルバーの撃鉄を起こし
引き金に軽く圧力を加えて
僅かにドアを開く
ドアの外では紫の髪の10歳ほどの幼女が無表情に立っていた
「あなたがチンク?」
幼女の問いにチンクが頷くと
「ウエンディがあなたのところに行けって言ってた」
どこまでも無表情に幼女が言う
チンクはもう一つ溜息を吐くとドアを開け幼女を招き入れた
591名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 18:48:08 ID:9mYKBX/E
支援
592名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 18:58:27 ID:9D/6A4zs
>>591
>>1も無視してるし、文章もなんか変だし、荒らしっぽい気がするんだが。

どっかの小説を、名前の部分だけ改変してコピペして引っ張ってきたんじゃないの?
違ったらスマソ。
593名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 19:01:10 ID:MQ8QtSr8
現在のスレ容量462Kb。残り38Kb
次スレ立てに行ってみます
594名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 19:02:36 ID:MQ8QtSr8
スレ立て不可能でした・・・申し訳ない
595名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 19:08:29 ID:mmQrymtT
んじゃ行ってみる。
596名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 19:12:12 ID:mmQrymtT
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第64話☆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206871814/

立った。
597名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 19:14:06 ID:iy4iUTSE
スレ立て乙。

しかしやっぱ>>590は荒らしなんだろうか? 同じ名前のスティーブン・ハンターのハードボイルド小説があった気がするんだが、あれのコピーっぽいな。
598名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 19:53:58 ID:M4bV9ivP
まだ30kb以上あるでよ
599名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:11:35 ID:OFWzhF96
>>590
回文ネタでもない、縦斜め読みもない
これは・・・


改変材料か?
600名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:13:03 ID:KBzJ2gYH
予約があった訳でもないし480kbすぎてからでもよかったな
601名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:27:28 ID:sv3CuBNZ
他の職人さんも入れてみた。


26-111氏「三番目の怨嗟(ノイローゼレプリカ)」
ておあー氏「人形過剰(センチメンタルフェイク)」
y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA氏「笑う立体(キュビズム)」
どっかのゲリラ兵氏「歌う回路(センチメンタルスクリプト)」


もうわけわからんwwww
602名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:38:30 ID:N896Qxj3
エロノ・孕オウン「虐殺六花(イミテーションバタフライ)」
淫獣「呪禁偽装(ウロボロス)」
603名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:12:40 ID:TO9iJiDI
納豆「心臓血球(サテライトギャンブル)」
…なんのこっちゃ
604名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:25:25 ID:qce3Kem0
4の422 ◆h7y.ES/oZI 絶滅(トラッシュ)

必ず帰って来てくださるさ!クロなのの神様!!
605名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:28:43 ID:M4bV9ivP
クロなのってかつては三大主流だったのに今じゃニホンオオカミ並みの希少度
606名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:37:39 ID:XpOwuJkx
>>604-605
笑えないっつーか…笑っちゃいけない流れの筈なのに、声出して笑っちまったwwww
607名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:47:52 ID:gp857TzX
>>604
「4の422氏」さんの二つ名は・・・「幻覚公主(ノイジーカーニバル)」

せめてこっちにしないか?あまりにもその二つ名は不吉すぐるw


608名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 22:05:43 ID:BIP+RBrU
>>542
魔法少女リリカルなのは++ですな。
完結しないまま止まってるはず。
再会することを私は今でも信じてますがね。
609名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 22:19:22 ID:ah5oeO77
お前らいい加減にしろよ
610名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:29:51 ID:Rtbx20PC
なんつーか、最悪の流れじゃねこれ。SS作者各氏をメーカーにぶちこんで
嘲笑ってるようにしか見えないんだけど。そろそろ自重するべきじゃないの
611名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:51:34 ID:JeiBV7EE
名前を出された書き手の皆様は不愉快な思いをなされてるかもしれない。
名前が出なかった書き手はただただヘコむ。
そんな悪い流れ。

え、俺?当然後者ww
612名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:55:31 ID:CRfR7F88
>>611
あるあるwww
613名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:57:09 ID:ckEVhouV
>>611
よう俺ww
614名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:57:27 ID:WRYLHWhr
>>611>>612>>613
ふふ、どうせめっきりペース落ちてるしね…。別に凹んでなんか…。
615名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:59:37 ID:N896Qxj3
コテ教えてくれれば俺が出してやんよ
616ザ・シガー:2008/03/31(月) 00:01:10 ID:iy4iUTSE
さて、容量的にこっちで大丈夫そうなんで新スレで今夜中に書くって言ったヤツを投下します。
前々から書くと言っていたもので、恐らくはエロパロ史上初のレティさんのエロSSです。

では準備は良いですか? あと2分くらい読み返してから投下します。
617名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:02:41 ID:YDbrnYJf
どうぞどうぞ。
618ザ・シガー:2008/03/31(月) 00:06:03 ID:iy4iUTSE
そろそろ投下。

レティさんメインでチンコ要員は予想通りグリフィス、若干俺の他SSの鬼畜性格入ってます。
内容は無論エロ。
619名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:06:09 ID:gueUFxye
レティ ゴー
620部隊長補佐の淫獄な日々:2008/03/31(月) 00:06:45 ID:jsThsAfa
部隊長補佐の淫獄な日々


「んはあっ! らめぇ‥‥こんら‥あんっ!‥所でぇぇ」


湿った肉と肉をぶつけ合う淫らな音が甲高い女の嬌声と混じりあい、凄まじく淫蕩な混合合唱となって部屋の中に響き渡る
真昼の情事、激しく燃え上がる男女の睦事。
だが問題は行われる時間帯よりも場所だろう、ここは時空管理局機動六課の部隊長用執務室。
そして本能的な欲望に任せて身体を重ねているのは部隊長の八神はやて、そして彼女を猛る肉の槍で責め立てているのは部隊長補佐であるグリフィス・ロウランである。

グリフィスは立位後背位、いわゆる立ちバックという体位で後ろから回した手ではやての乳房を揉みしだきながら愛蜜に濡れる彼女の秘所に自身の硬くいきり立った肉棒を突き立てて暴力的な快感を与えている。
乳房への愛撫と同時にリズミカルな律動と共に的確な突き上げで内部の性感帯を刺激され、はやては上ずった甘い声で鳴きながら口元を唾液で濡らして淫らに蕩けた顔を彩っていった。


「あぁぁ‥らめぇ‥‥グリフィスくぅん‥」
「駄目って言う割に“ここ”は大喜びですよ? なんなら言う通りに止めてあげましょうか?」
「ちがっ、違うのぉ‥‥止めちゃ‥あんっ!‥らめぇ‥‥もっとしてぇ‥もっと気持ち良くしてぇぇ」
「はいはい、分かりましたよ。しかし、相変わらずの乱れっぷりですねぇ。いつもの部隊長からはまるで想像できない」
「やらぁ‥‥ふあっ!‥そんな事言わんといてぇ‥」


グリフィスははやての耳元で嬲るようにそう囁きながら腰の動きを一段と激しくして彼女の秘所を抉り出し、乳房に回した指で強く先端の乳首を転がす。
被虐心をくすぐるような言葉の責めと性感帯への熟練した刺激に対にはやての中の絶頂の昂ぶりは臨界点を迎えた。


「今日は中に出しますよはやて」
「ふあぁぁっ!」


はやては背筋を駆け巡る快楽の電流に絶頂を迎え、汗に濡れた身体をビクンと跳ねさせる。
蜜壷は身体の震えに呼応して内部に埋没している肉棒をキュッと締め付け、この刺激にグリフィスも自分の欲望を彼女の中に解き放つ。
吐き出された精ではやての内部は焼き尽くすされるような熱を感じ、脳髄まで伝わった快楽の熱は彼女の全てを蕩かせた。





爛れた情事が終わりを告げ、はやてとグリフィスは再び制服に袖を通して着替える。
はやての瞳はまだ先ほどの行為の余韻に酔っているのか、少しばかり熱を帯びていた。
そうして制服のネクタイを締めているグリフィスの背中に恋慕の想いを込めた視線を送れば、彼はまるで背にも目があるように振り返ってはやてに優しげに微笑む。


「グリフィス君。ネクタイ、私が締めたげるね」
「そうですか? それじゃあよろしくお願いします部隊長」
「もう、二人っきりの時は‥‥」
「すいません、はやて」
「うん、それでええよ♪」


はやてはグリフィスが自分を呼ぶ“はやて”という言葉に咲き誇る花のような笑みを零しながら、彼の首元にそっと手を伸ばして制服のネクタイを締めていく。
愛しい人に失礼の無いように慎重に丁寧に、だがそれ以上に彼に尽くす嬉しさで口元を綻ばせながら。
621部隊長補佐の淫獄な日々:2008/03/31(月) 00:07:27 ID:jsThsAfa
そしてはやてはネクタイをきっちり綺麗に締め終えると、グリフィスに物欲しそうな表情を向ける。


「よし完成や、綺麗に出来たよ」
「ありがとうございます」
「あ、あのなグリフィス君‥‥ちゃんと綺麗に出来たんやから、ちょっと“ご褒美”して欲し‥んぅぅ」


はやてが言葉を全て言い切る前に彼女の要求は満たされた。
瑞々しい艶を持つはやての唇にグリフィスのそれが重なり、どこまでも優しいキスが交わされる。
軽く舌を絡めながら唾液を交換する、舌から脳まで溶けていくようなキスの甘い時間。
しばらく甘い口付けに酔っていると電子音が鳴り響き、そこにタイミングを合わせたように通信が入って二人の蜜月の幕を引いた。


「うわっ!」
『部隊長、お客様がお見えです』
「なんや、ルキノかいな‥‥お客様って誰なん? 今日は来客の予定は無い筈やけど」
『えっと、それが‥‥』
『久しぶりねはやて♪』
「レティ提督! お久しぶりです」


時空管理局提督、レティ・ロウラン。
はやてと十年来の付き合いのある管理局の高官にしてグリフィスの母である。


「今日はどないしたんですか?」
『ちょっと近くまで来たから寄ったのよ、これからお昼休みでしょ? 一緒して良いかしら?』
「はい、喜んで♪」


久方ぶりの再開に嬉しそうに答えるはやて、だが彼女は気付いていない。
レティの瞳の奥には黒く燃える情欲の炎が宿り、その視線の先にはグリフィスの姿があった事に。





機動六課内の来客用応接室、そこで重なる影が二つ。
それは壁にもたれるように立つグリフィスと彼の前に跪き股間に顔を埋めるレティだった。


「んぅぅ!‥じゅぷっ‥‥ぴちゃ、ちゅぷっ‥」
「まったく、息子のザーメン欲しさにわざわざ仕事をほっぽり出して六課に来るなんて‥‥‥相変わらずですねえ母さんは」


レティの口は淫蕩な水音を立ててグリフィスの男根を最高のご馳走にでもするようにむしゃぶりついている。
対するグリフィスは心底呆れたように声を漏らしていた。
まるで道端の野良犬でも見るような蔑みを込めた目で自身の肉棒に口淫奉仕する母を見下ろす。
その視線を浴びるレティは耳まで赤く朱に染めながら、涙で潤ませた瞳で見上げてくる。
彼女の中にあるのは僅かな恥じらいとそれを遥かに上回る大いなる被虐の悦びだった。

実の息子に蔑まれ罵られながらメチャクチャに陵辱される事こそがレティの中の肉の欲望を満たす最高のスパイス。
血の繋がった親子が至る淫らな関係、世に禁忌よ呼ばれる行為だがレティにはもうそれを後ろめたいと考える思考は欠片も残っていない。
彼女が胸に抱くのは息子に嬲り辱められる事に対する期待だけだ。

レティが熟練の娼婦のような慣れた舌使いでグリフィスの肉棒を舐めあげていけば、先ほどはやてを抱いたのが嘘のように彼の中に絶頂の感覚が湧き上がる。
グリフィスは絶頂が近づくのを感じるとレティの髪を乱暴に掴むと、彼女の口から自分の男根を引き抜いた。
すると同時に絶頂を迎え、白く濁った精がレティの顔に降り注ぐ。
622部隊長補佐の淫獄な日々:2008/03/31(月) 00:08:04 ID:LkNPxLDq
まだ二十台でも通用するレティのその美しく整った顔立ちが、メガネを含めてあちこちを青臭い精液で飾らた。


「ああ‥‥もったいない‥んちゅっ」


レティは顔にかかったグリフィスの精液を掬い取ると口に運び、美味しそうに舐め取っていく。
彼女にとってグリフィスの精は、いかなる極上の美酒にも勝るのだ。


「本当に好きなんですねぇ母さん、」
「だって、こんなに濃くって美味しいんだもの‥‥」


微笑を宿し、白濁に濡れる指に舌を這わせて舐めながらレティは悩ましげな視線で息子を見上げる。
それは決して自分の子に向けて見せるモノではない、男に向ける雌(おんな)の媚び。
どこまでも淫蕩で蟲惑的なレティの笑みにはどんな男でも欲情させるような魔性を帯びていた。


「きゃっ!」


グリフィスは母の求めるモノを察して、彼女をその場に押し倒した。
レティは悲鳴こそ上げたものの、その瞳にはこれから始まる淫獄への悦びに満ち溢れている。

彼女は息子が精通して以来ずっとこうして抱かれてきたのだ。
母であると同時に彼の始めての恋人にして奴隷、それがグリフィスとレティの関係。
常人の理性の内では決して許されぬ禁断の関係だがそれすらもこの二人にとっては情事を熱くさせる燃料でしかない。

グリフィスは応接室の床にレティを押し倒すと、力任せに彼女の服を引き剥がす。
ボタンが弾け飛び、縫い目から綺麗に裂かれていく。
そうすれば、まだ生娘とでも信じれそうなレティの肢体が晒される。
たわわに実った美しい乳房、しっかりと締まった腰、ふくよかなラインを描くヒップ、肌は瑞々しく潤いに満ちて艶やかに妖しく輝いている。
とてもグリフィスの母とは思えない程に若々しい、だがレティのその体の中には決して小娘ではだせない成熟された色香が漂っていた。
それこそ、長年に渡って雄(おとこ)に荒々しく喰われそして満たしてきた雌(おんな)のみが出せる魔性だろう。


「さて、今日はどうやって抱きましょうかねぇ」
「ねえグリフィス‥‥‥今日は久しぶりなんだし‥優しく抱いて。お願い」


グリフィスは熱を帯びた潤んだ瞳で哀願してくる母に黒い笑みを一瞬見せると、突如として表情を冷たい無機質なものへと変えた。
そして次の瞬間、千切れた衣服から露になったレティの乳房の先端にある乳首に口に含む。
そして逡巡無くその肉の豆に歯を立てて噛み付いた。


「いつぅっ!‥‥痛い!‥やめて、グリフィス痛いわ‥」


突然の事にレティは止めてくれと哀願するがグリフィスは一切構わず反対の乳房に手を伸ばし、その乳首を力を込めて捻りあげる。
さらにもう一方の手は下着を剥ぎ取って露になった秘所に狙いを定め、淫核を潰すように押しながら僅かに濡れる膣に指をねじ込んだ。


「いたぁっ! くあぁぁっ!!」


強すぎる刺激、強烈な痛みと快感にレティは悲鳴のような嬌声を漏らして身をよじる。
だがグリフィスは一片の容赦もなく暴力的な愛撫を続ける。
口内に含んだ乳首を噛み千切るくらいに歯を立て、もう片方の乳房もたっぷりと力を込めた指で嬲る。
623部隊長補佐の淫獄な日々:2008/03/31(月) 00:08:42 ID:LkNPxLDq
下腹部に這う指の愛撫はさらに激しく、敏感な淫核を何度も指で弾きながら膣内を引っ掻いて掻き乱す。
そして‥‥


「ふあああぁぁっ!!」


蹂躙とでも言える愛撫の果てにレティは達した。
強すぎる刺激のもたらす痛みに近いものですら、長年グリフィスに調教された彼女にとっては快感にしかならない。
絶頂の快感に身体を小刻みに震わせ、目は完全に色欲の甘い陶酔に蕩かせて、口からは唾液すら垂れ流してレティは快楽の余韻に浸った。
グリフィスはそんな彼女を、蔑みを込めた視線で見下ろしながらその耳元で囁く。


「まったく奴隷が“優しくして”なんて笑っちゃいますよ母さん。こうやってメチャクチャにされたって、どうせ感じてまくってだらしなくイっちゃうんだからどっちだって変わらないでしょう?」


グリフィスは優しいまでの残響を持った声でそう囁くと、硬く猛った自身の肉棒をレティの濡れそぼる秘所に押し当て即座に貫いた。
硬く強大な肉の槍はレティの内部を一気に最奥まで貫通し子宮口まで蹂躙する。
これこそ彼女の最も好きな感覚、この慣れ親しんだ肉棒に力の限り嬲られる事にレティは無常の悦びを感じ涙さえ流した。


「んはあぁぁっ!‥‥すごぉい‥グリフィスのチンポ‥あんっ!‥‥やっぱり最高ぅ‥」


レティは身体を悦楽に震わせ、だらしなく蕩けた顔で髪を振り乱しながら実の息子との姦通によがり狂う。
グリフィスも彼女の蜜壷の内部のもたらす快感に顔を歪めていた。
そして淫らに狂った親子は全ての理性を忘れてひたすらに互いの身体を貪り合う。
獣のように激しく腰が動いて男根を突き出し、レティの膣内を貫き抉り擦りあげて彼女を色欲に染める。
この蹂躙的な交合のもたらす圧倒的な肉の悦びに、レティの身体は従順に応える。
愛蜜は熟れた果実の果汁の如く溢れ出し、肉棒の動きに合わせて飛沫となって飛び散って床を汚す。
乳房を揉みしだく指と首筋に這う舌の快感も合わさり、レティに再び快楽の高みが近づいた。


「はぁぁぁっ!‥‥わらひ‥ひゃんっ!‥‥もう‥だめぇ、イく‥息子のチンポでイっちゃうぅぅ」
「まったく、相変わらずの色情狂だ‥‥くうっ! それじゃあ僕も‥」


その言葉と同時にグリフィスは本日何度目かの精を母親の体内に放った。
全ての理性と正常な思考を溶かし尽くす白濁がレティの内部の奥底まで焼いていく。
そして体の芯に受けた熱にレティの背筋を甘い電流が駆け上っていき、最大最高の絶頂が彼女の脳髄に届いた。


「ふああぁぁぁぁぁっ!!」


背を折れんばかりにのけ反らせながらレティは最高の快楽で達した。
身体は陸に打ち上げられた魚のように痙攣し、汗に濡れた肌は凄まじく淫蕩に輝いている。
顔はもう淫婦以外の何者でもない程だらしなく蕩けきり、管理局の提督などとは誰も想像し得ないだろう。
グリフィスは絶頂の余韻に浸りながら、母を征服する悦びに悪魔の如く邪悪な笑みを宿した。





まったく、まさか母さんが今日来るなんて。
今夜はシャーリーとデートで一泊する予定だったのに、これじゃあ朝まで彼女を可愛がれそうもないな。
624部隊長補佐の淫獄な日々:2008/03/31(月) 00:09:27 ID:LkNPxLDq
母さんに付き合うと少し歯止めが利かなくなる、ちゃんと自重しないと。
やっぱり初めて“喰った”雌(おんな)の味は知らずの内に好みになっているらしい。

さて、今日のデートはどうしようかな。
このままシャーリーと出かけても朝までいられないんじゃ、変更した方が良さそうだ。
そういえば今日はギンガが空いてるって言ってたな。
まだあの子は“喰って”ないし、そろそろ勝負にいってみるか。

僕は思考を纏めると、シャーリーへデートをキャンセルする旨を伝えるメールを送りながらギンガに通信を繋いだ。


「ああ、ギンガ? 実は今日‥‥」



まだ淫獄に狂う僕の時間は終わらない。
僕は心の内に燃える黒い炎を自覚しながら、新たな獲物の首に手をかけた。

終幕。

625ザ・シガー:2008/03/31(月) 00:13:35 ID:LkNPxLDq
投下終了です。

グリフィスは最低の鬼畜野郎、これ絶対。
だってメガネで優男風の指揮官補佐なんてエロいに決まってるじゃん!
そして人妻メガネは淫乱ってのは世界の法則じゃん!!!

しかしこのSSは難産だったなぁ‥‥‥最初はショタユーノから書き始めて、クロノ、ユーノ&クロノの3Pときても納得いかなくて。
結局グリフィス君に落ち着いたとです。

ともかく、そろそろ「烈火の将は〜」を進めないといけない。
626名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:15:57 ID:SH3XX1WC
GJっす!
グリフィスが鬼畜過ぎて素敵wwwwwwww

ショタユーノを喰っちゃうレティさんか・・・・・・書いてみようかな?
627名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:16:14 ID:SHhXCS6J
>>625
GJ!
グリフィス自重w次はギンガですか!この鬼☆畜☆野☆郎!!

レティさんエロ……いつか私も……
628名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:20:01 ID:bg7l1OZG
>>625
エロいなぁ。実にエロい(しみじみ
メガネはやっぱかけられてナンボなアイテムですな。
いやー、GJです。
629名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:23:22 ID:XRs3So+L
GJ 淫獣以上に憎々しいぜグリフィス死ねぇ
クロノ・ユーノ・クロノの3Pに見えて驚愕したのは俺だけじゃないはず
630名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:25:31 ID:ICzjMthi
GJ
エロよりも、うしろグリフィスの腹黒さが凄ぇ
631名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:26:46 ID:SHhXCS6J
>>629
それはスレが801化する発言なので俺には良いが、他の人的にオススメできない

あー、レティさんの初(エロ)めて奪われた・・・ちくせう・・・
632名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:30:04 ID:SH3XX1WC
>>631
俺的にもバッチコイなのだが。
633名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 00:55:47 ID:6Gm3l6u/
GJ!!です。
このグリフィス破滅願望でもあるのかw
手を出しすぎだぜwww
634タピオカ:2008/03/31(月) 01:14:23 ID:bBB66fMo
容量あれだけど、行けるでしょうから、行かせてもらいましょう。


注意書き
・猫娘と11娘の話
・エロなし
・驚くほど歴史を改造
・キャラが不自然なのは力量不足です
・今さらですがなのはのサウンドステージ02聞いてないと良く分からないです
・チンクがゼストの子供孕んでますがこのカップリングが好きなんだよ!!!!!!!!
635タピオカ:2008/03/31(月) 01:15:26 ID:bBB66fMo
「優しい夢を見れるよう」 結の話 赤毛編


スカリエッティのアジト崩壊を、エリオの助けを得ながらも止めたフェイトはシャッハ、ヴェロッサにトーレたちを預けて奥へ進んだ。
まだ危ない、と言ってついてこようとするエリオに、残るよう言いつけるが、聞き入れられず。
困った顔のままで、エリオについてくる条件を作った。

「手を握る事」

大好きなフェイトと親子のように手をつなげるのはとても嬉しいのだが、なぜ今ここでそんな条件になるのかエリオには良く分からなかった。
結局、人が見ていない事がエリオにこの条件をのみ込ませる。
それから10分と経たず、エリオはフェイトと手をつないで温もりに触れている事に安心し続けていた。

フェイトとエリオを迎えるのは、ずらりと並ぶ生体ポットの数々。
しかも、その中には人、人、人。知らずうちに、エリオは手を握る力を強くしていた。それをフェイトは自然に受け止める。
ポットに人が浮かんでいるだけでもおぞましさに身の毛もよだつのに、さらには先の振動で壊れているポットまである。
ポットが派手に転がってガラスも割れて、放り出されている人間や落盤に巻き込まれて潰れているものもあった。
調べてみる限り、ポットから放り出されている人間に生存者は誰もいない。呆然と、愕然とするエリオだが、フェイトと手をつないでいたからショックにへたり込むまではいかなかった。
結局、フェイトの尽力にも関わらずかなりの人数が死んでしまった事になる。

怒りに震えるエリオの隣、フェイトは切なさ交えた悲しみに沈んでいた。
それでも、未だ稼働が確認できるポットもいくらか見受けられる。
生きている。
半数以上は、きっとまだ命をつないでいる。
しかし、フェイトはこの人数を生かしたと考えず、あの人数を殺してしまったと考える。

ギュッと、一際強く握られる手。

「エリオ……?」
「自分を、責めないでください。フェイトさんが助けられなかった人たちも、きっとフェイトさんを責めません」
「……うん」

徐々に被害が少なかったエリアに入っていく。
散乱する落石が多いが、ポットは依然整列したままになったようなエリアだ。
この辺りの者たちはおそらく全て生き残っているだろうと考え、エリオは大きく安堵する。
そして、スカリエッティへの義憤が膨れ上がっていくのだった。

(あ、あの女の人ルーに似てる……)
「え」

痛々しい表情でポットに並ぶ人々を見上げながら歩みエリオだったが、ガクンと後ろに引っ張られる。
振りかえるとフェイトが立ち止まっていた。握り合う手が妙に強い。
いつもは凛々しいその瞳を混乱で惑わせ、いつも優しく微笑んでいる口元はポカンと開かれ、ただ、ただ時が止まったように。

「フェ、フェイトさん?」

揺れる赤い双眸の視線を辿る。
その先にはもちろん生体ポットだ。
その中で眠るようにたゆたっているのは、

「リ…ニ…ス…」
636タピオカ:2008/03/31(月) 01:15:55 ID:bBB66fMo


「ドクター!? このレリック! このレリックでリニスが元に戻るっスか!?!」
「………………………」
「…ドクター?」
「あぁ、いや、すまないね。本当に手に入れるとは、思っていなかったものでね」
「!? じゃあ…」
「嘘は言っていないよ。これでリニスを正常に起動させて、問題がなくなる」
「ドクター、その問題なんスけど、あたし考えたっス」
「ほう? それじゃあ、答え合わせをしようか」
「もう一度、フェイトに会いたい。だったら、一回会って終わりっス。終わってリニスが消えちゃわない保険が、レリックっスね」
「正解。ロストロギアの類は頭が固いからねぇ。虚数空間から出られた今、実はリニスを維持する必要がないのだよ」
「制限のプログラムがない、純エネルギーのレリックの方がリニスが依存するには都合がいいわけっスね」
「その通りだよ。クックックッ、きちんと考えてきたじゃないか」
「またリニスのケーキ食べたいっスから!」
「その楽しみはゆりかごが起きるまでとっておきたまえ。なに、もう間もない事だ」
「すぐには無理っスか?」
「聖王の器にレリックを移植しなければいけないし、チンクにもゼストの子供を還してあげなければいけなくてね。存外私も忙しいんだよ」
「……分かったっス。それに、チンク姉の子供も楽しみっスから、あたし我慢できるっスよ」
「いい子だ。きちんと成長した君をリニスに見せてあげるといい」
「あたし、成長してるっスかね?」
「しているとも。将来的に、君にはライディングボードを用いた部隊の指揮をしてもらうつもりなのだよ? むしろ成長してくれなければ困ってしまう」
「あ、あたしがっスか?!」
「そうだ」
「そんなの……あたしなんかよりもっと別の姉妹の方が適任っス」
「……ふむ、君は隊を指揮するにあたって、何が必要かを考えた事はあるかな?」
「冷静さや、視野の広さっス」
「違うね。派手さだ」
「は、派手さ?」
「そう、派手さだ。冷静さも視野の広さも経験を積めば手に入るが、派手さは天性さ。引っ張る力と言っていい。これが要る」
「……あたしにそんなの、あるんスかね?」
「他の姉妹よりもね。チンクやトーレの冷静も必要さ。だが、それよりも君が持っているものを開花させる方を優先させるべきだね」
「………」
「クックックッ、そう、難しい顔をしなくてもいい。リニスと一緒に飛んでいた時、どう思ったかな?」
「一緒に飛ぶの、楽しかったっス。あたしずっと自分が楽しいから飛んでたけど、リニスのために飛んでからすっごくそう思ったっス」
「それが一歩だ。次は、君が他人に共に飛ぶ楽しさを与えてあげるといい」
「あ、あたしに出来るっスかね〜……?」
「そう、難しい顔をしてるうちはまだ無理かもしれないね。なに、将来の話さ、今はまだ自由に、気ままに飛べばいい」
637タピオカ:2008/03/31(月) 01:16:49 ID:bBB66fMo


遠くで泣き声。吹く風乗って耳に届く赤子の疳癪でウェンディが目を覚ました。
葉の間から降る細い日差しに、自分が木にもたれてるのを理解する。眠っていた、ようだ。

遠くにもっとも小さな姉が見えた。優しく抱えた自分の子供をあやすのに四苦八苦している。
いつも涼やかな隻眼は熱心だ。その横で、赤毛の姉も頑張って赤子の機嫌を取っている。

「おや、起きましたか」
「おはよっス」
「それじゃあ一緒にチンクの手伝いをしてあげましょう」

さく、と芝を踏んで、背後から声。
穏やかな、穏やかな、リニス。

ジェイル・スカリエッティ事件終結後、リニスはフェイトとの再会を果たす。
そして、ジュエルシードはリニスと言う人格を放棄、次なる使用者を探すために旅立とうとした所でバルディッシュにより封印をされた。
そのまま消滅してしまうはずだったリニスの意識は、事前にスカリエッティより備えられたレリックにしがみついて現世に残ったのだった。
普通に一回消えて、その場に残ったレリックより再度の顕現と言うプロセスを経ていたので、

「死んじゃやだああ!」

とフェイトがしゃっくり上げまくって泣きじゃくってしまったのはハラオウン家の秘密だ。
わんわん泣き続けて両手で顔覆っていたので、レリックからリニスが咲いてまた出てきた瞬間を収められず、まだいたリニスに悲鳴上げて抱きついたと言う。

そんなリニスについてだが、レリックは封印すべきだと言う外の主張も、「危険物」として海上隔離施設に置いておく事でひとまず落ち着く。
ナンバーズと共に、はやてと同じく歩くロストロギアとなってしまったリニスの扱いについては、これから熟考するわけである。

「いい子だから泣きやんでくれってぇ!!」
「あ、そんな大きな声だと……」
「ゴ、ゴメン、チンク姉…」
「ジールを見て! 頭が!」
「しまった!!」
「だから声は小さく!」

などとノーヴェとチンクでてんやわんやしている後ろから、リニスが赤子をさらりと奪う。
堂に入ったゆすり方でチンクとゼストの子は安らかさを取り戻す。
名は、ジール。母親の銀髪を受け継いだ男の子だ。
638タピオカ:2008/03/31(月) 01:17:25 ID:bBB66fMo
「2人とも、騒ぎすぎです。ジールが落ち着かないじゃないですか」
「面目ない……」
「あ、あたしは壊す方が得意なんだよ……」
「それでもノーヴェはジールをあやしたがるんスよねぇ」
「うるせぇ!」
「ほおら、そうやって大きな声を出さないでください、ノーヴェ」
「はい……」

シュンとなるノーヴェの横でウェンディがジールを覗きこむ。
つぶらな瞳でウェンディを見上げては、小さな口を開きっぱなしである。ふっくら幼い手をいっぱいに使ってウェンディへと伸ばしてくるのだ。
人差し指を握らせて、ちょこちょこと遊んでやる。人差し指を弱いけど懸命に握られて、思わずウェンディの頬が緩む。
ノーヴェも、ウェンディも、ジールに好かれてはいるのだ。

「そろそろ、ジールは寝る時間ではありませんでしたか?」
「ああ、もうそろそろだ」
「まだまだ元気ですねぇ。ワンパクな子に育ちそうです」
「なら、チンク姉に返してやってくれ。チンク姉以外の腕じゃ、ジールは眠らないんだ」
「えー、あたしも抱きたかったっス」
「またジールが起きてからな、ウェンディ」

優しくリニスから我が子を返してもらえば、チンクが緩く笑んだ。それだけでウェンディには空気が暖かくなった気がする。

「じゃあ、あたし、子守歌役、してもいいっスか?」
「ウェンディ、子守歌なんて知ってるんですか?」
「何言ってるんスか、リニスの歌っすよ」

ニッと白い歯を見せてウェンディが悪戯っぽく笑えば、その詩を紡ぐ。

「優しい夢を見れるよう」









639タピオカ:2008/03/31(月) 01:23:54 ID:bBB66fMo
容量気にするほどじゃなかったですな。
終わりです。
「優しい夢を見れるよう」と言う話が、終わりです。他の方の名前欄の横に◆と変な文字いっぱい出てる事の意味を知ったので次からはトリ入れとこうと思います。

「意外するぎる組み合わせの話を作ろう」と思い立ってリニスとウェンディにしたのはいいけど、かなり練り込み足りなかったのは反省です。
起承転結で4話、トゥルーエンド一つ加えて5話で纏めようとか思ってたらなんか多くなりすぎるし。
考えなしに勢いで筆とる駄目さはよくよく身にしみました。発想は上の下ぐらいの評価もらえるだろうとうぬぼれているのですがねぇ……

上で赤ちゃんネーミング、故人にするといいよ! と言われたのですが流石にゼストの名前使うのはどうかと思ったので英語で似た意味の単語で収めました、と言う話。
チンクとゼストの赤ちゃん講座は前作の「外の世界を、見たいと思うか?」をどうぞ!!(宣伝)
エロくもなんともないがな!!!!

再見
640名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 01:29:15 ID:JbuvddaW
>>639
別エンディングなんだよねこれ、うんGJ
いい不意打ちでした、次の作品待ってるぜ
641名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 01:55:36 ID:+/YScCVj
>>639
GJでした!
こういうほんわかした話も大好きです。
将来なのは、フェイト、リニス、チンクで育児相談しそうな雰囲気w
次作も楽しみにしています。
642タピオカ:2008/03/31(月) 02:01:53 ID:bBB66fMo
ヤベ、注意書きにIFと入れ忘れてた。
おっしゃる通り、別エンディングです。
643名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:39:21 ID:vbqxDukr
>>605
でもまあ、供給する人が減っただけで需要はまだ結構ある…っぽい。



それがまた不幸なのだが。
644名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 07:15:29 ID:SH3XX1WC
>>605
一方、当時は珍獣扱いだった淫獣は最近かなり繁殖してるのう・・・・・・
645名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 07:33:25 ID:EwjRmRMa
>>348
今更ですがGJ!!!
なんという鬼畜エリオ。
前作の様子からしたら戸惑うルーテシアをエリオとキャロが調教・・・
というのを予想していたのですが、まさかすでに調教済みだったとは
さすがは俺のエリオきゅんです。
また熱に浮かされたらぜひ続きをお願いしもうす!
646名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 07:44:19 ID:vbqxDukr
そもそもなんか、StSに入ってなのはに求めるもの自体が変化したような感じだな。
少女漫画的ななのはや可愛らしい「なのはちゃん」がもはや殆ど求められていない感じ。
絵板とかだとここ半年で「ふんわり空気のなのはさん」なネタの食いつきが相当に悪くなってる。
都築自身も自分で「なのちゃん」の残り香を払拭しにかかったような感じだったし。

某所ネタだけど、まさに
「あと何回悪魔と呼ばれればいいの?レイジングハートは何も言ってくれないの」
だわ今は、旧ファン的に。
647名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 08:16:27 ID:ZOTYHkEG
>>646
リーヴォさんとこか。>某所ネタ

まあ、同じ事やりたくないってことじゃね? 都築パパン的に。
ただ、好きな人には悪いけど、あんな風にして欲しくはなかったって感じはある。
原作やったことがある人間としては。
648名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 08:16:57 ID:0p/qg3FX
年齢が10も上がっちゃったからなあ。
まあ俺はそれでSSが書きやすくなったんだけどね。
さすがに9歳の恋愛モノや「〜なの」的な言葉回しでSSを書くのは失うものがデカすぎるw
STSで19歳にしたのは英断だったと思うよ、話の出来は別としてね。
649名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 08:25:57 ID:u9hY3KC+
一応言っておくが「〜なの」なんぞは9歳時だろうがまったくもって喋っちゃいねぇ
650名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 08:33:41 ID:6fqJLGpB
星一徹のちゃぶ台がえしと同じにおいを感じるな
651名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 08:38:15 ID:Lst7DyH8
そこまで不満に思う出来だったか?
652名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 09:02:05 ID:PKHYw8RK
不満ってほどではないけど……物足りなく思ってしまうんじゃないかな……
前作までのファンからすれば、だけど

>647 版権絡みで旧作とは一応完全に別物扱いにしなきゃならなかったんだとか
クロエイもそのせいなのかもね
653名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 09:20:50 ID:2Vph05ib
>>651
一期のあの優しい雰囲気が好きだった自分としては不満だな。

なによりなのはが軍人になったのがきつかったorz
654名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 09:49:58 ID:xnIuGh1O
stsは好き、無印とA'sは大好き。
この差が何なのか自分でも分からない。
泣けたし、リリカルだと思うんだけどな。
655名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 10:01:32 ID:wdEx1zKX
埋めに来たんだけど、話が進んでるようだし雑談で埋まるまで放置する方がいいかな?
656名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 10:56:55 ID:bBB66fMo
ギンガのエロさについて、話し合おうか
長い髪がエロイ
657名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 11:29:47 ID:4IUGRO8G
犬っぽいと言うかMっぽいと言うか
いぢめてオーラを感じる娘だよ
658名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 12:47:41 ID:SH3XX1WC
アナルを開発したくなるな。>ギンガ
659名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 13:01:03 ID:0Seg9Ich
だがSもいけると主張。
660名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 13:03:36 ID:3CfGsiy1
>>653
軍人じゃありません。管理局員です。
違いは分からん。
661名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 13:07:07 ID:vbqxDukr
とりあえず、優しいには優しいけど桃子さん的な優しさから
恭也的な優しさに属性がチェンジしたとは思う。

>>652
残り容量少ないからいっそ聞いちゃうけど、それはソースある?
初耳だ。>版権云々
662名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 13:28:12 ID:+PUC/A8x
士郎さんが生きているから性格も影響受けたのでは?
663名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 13:42:05 ID:Sqma8/+N
フィアッセに暴言言っちゃうなのはだからな
664名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 14:25:39 ID:JTQqDWhu
ん?
本編に出てきたっけ?
665名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 15:06:22 ID:uHlYx3l9
ちびなのはの子まんこ舐めたいですwww

まだ捕まりたくはありませんwww
666名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 15:06:52 ID:PKHYw8RK
>661 確かなソースってわけじゃないけど以下某所より引用

[版権の都合。
原作(高町家)の版権を所持するIvoryから許可が降りなかったかららしい..。
無印・A'sのOPにはIvoryのロゴが入っていたのに対し、StSのOPにはソレがなかった。
多分、StSの世界観設定がとらハとまったく異なるものとなったのが要因っぽい。

DVD第5巻、内容がまさに、「子ども育てます!!」だった。(笑 ]

言われてみると、確かにivoryロゴないよなぁと納得したんだけどね。これ以上は知らない、ごめん
667名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 15:15:52 ID:B+RpLiAl
  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^
  // ,ハノノソヽソハ
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__
o=====○===∩====[]コ[i(●==>
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノミ´⌒《ヽ
    /~(_>!(_>~´チャリーン_(((ノハc八
       _| ::|_       | |Θ|( l!)ソ ) )
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|と   ((
  |___|__|_|  |_|  しーJ`


  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^              ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  // ,ハノノソヽソハ             .;;;''''
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__  ,.';;''
o=====○===∩====[]コ[i(●==>
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノミ´⌒《ヽヽ;,,    
    /~(_>!(_>~´    _.__(((ノハc八 ''''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
       _| ::|_       | |Θ|( l!)ソ ) )  
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_| ∪  ((    バシューーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!
  |___|__|_|  |_|  し^J `


  ヽl   ,、 l/
  〃"ナ'⌒ ~´ヘヘ^
  // ,ハノノソヽソハ
 ハ  ヾl.゚ ヮ゚ノ!. ノ   )) 卩__
o=====○===∩====[]コ[i(●==> )
    ./ソ、j、iヾ.   ))  |ノ ̄,'`》⌒`彡
    /~(_>!(_>~´    _.__ ノ,ィ∝ノノ)))
       _| ::|_       | |Θ|.( ( ゞッ(l!ノ  ・・・
  | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_| ノ)| U
  |___|__|_|  |_|  '´ `uu'.

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668名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 15:17:12 ID:vbqxDukr
>>664
小説らしい。
フィアッセとは明言されてないけど、事故の原因になった
少女に恨みごと言ったとか何と書かれてるそうだ。
669名無しさん@ピンキー
「珍しいものが見れるって!?」 "((`へ´))"

((・∀・)x)) 「せや、だからはよかえってきぃ」

     ||\______,'⌒ヽ
     ||ミ┃  ∠† _(†ヽ彡  直帰で帰ったぞ〜はやて〜!
バン!! || ┃  又 !从从))))  
     ||ミ┃ 〈y.リ(l|`(フノ|ly〉   珍しいもんって一体なんだー!
     || ┃〈y ⊂^)!†i!^).y〉
     .\┃¥. 《/、,//,ヘ ¥
         ̄ ̄(/''∪
.                  )『 ̄|
              ,'`》'´⌒八 |
             ノ,ィ∝ノノ(_)⊥ ハア
             ( ( ゝ(l!;´Дノ   ハア
             l⌒O⌒⌒⌒O⌒l ごふっ!げふっ!
             | □囗□囗□ |
             | 囗□囗□囗 |
             | □囗□囗□ |
             | 囗□囗□囗 |


 "((`へ´))"・・・


      __ ,'⌒ヽ
    ∠† _(†ヽ彡    \,,人.∧,,人.∧,,人.∧,,人.∧,,∧/
    又 !从从))))   | |≪ ぶちぬけぇーーー!!!!≫
   〈y.リ(l|`(フノ|ly〉   .| |/"Y'‘W"Y'‘W"Y'‘W"Y'‘W‘W\
   〈y ⊂^)!†i!^).y〉  人               ├─┐
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     .~(//'ノ~´.// V)))))            -=≡(_)
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