【軍服】軍人や傭兵でエロ【階級】

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1名無しさん@ピンキー
ファンタジー世界や現代過去を問わず、
軍人や傭兵を主人公としたエロSSのスレです。

「アタシのケツばっか見てないでちゃんと見張ってろよ」
なんて姉御から、
「上官殿! 弾が出ません!」
「セーフティーを外せ! 訓練でなにをならってきたんだ!」
なんてどじっこまで。

空で。海で。陸で。森で。街で。城で。
会議室で。オフィスで。ジムで。シャワールームで。
ありとあらゆる『戦場』で行われるエロSSのスレです。

強姦陵辱輪姦純愛なんでもありですが、
投下前には一応注意書きを書いておきましょう。
説明は以上だファッキンニューガイ。
ではどうぞ。
2名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 03:16:58 ID:5oJSjVG+
実はこの手のスレを立てようと思った事のある俺だ
伸びるといいな
3名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 03:30:32 ID:wrfTbDsr
物凄い新しいなwwwww
4名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 03:34:06 ID:1qUOakr2
【何をする】戦火の中犯される娘達【不埒物!!】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1184343584/

◆◆ファンタジー世界総合:女兵士スレpart5◆◆
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1192717229/
5名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 03:35:51 ID:iZJQKFwT
【中国】少林サッカー主演女優などスター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://search.idol-photo.com/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
6名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 15:11:21 ID:m+q2DJN0
「なんだその腕立ては!蛆が跳ね回っているのか!」
「マム!イエス、マム!」
「蛆なら蛆らしく地べたを這いずり回れ!貴様が兵士だというのなら気合いを入れろ!」
金髪の大人びた女が、一人の新米兵士を叱っている。
新米兵士の方は額に汗を光らせながら、泣きそうな顔で腕立てを続けている。
「イエス、マム!」
「掛け声だけは一人前か!だったらそのイカ臭いもやしのような体をさっさと筋肉まみれにしろ!」
「マム!イエス、マム!」
「返事をする間にも手を休めるな、クズ!」
女は靴で、男の背を強く踏み付ける。
「マム!イエス、マム!」
男はそういいながら文句も言わず、懸命に腕たてを続けた。

さて、その日の夜。
「なんだその尺八は!それでも俺の上官か!」
「サー、イエス、サー!」
「気合いを入れろ!する気がないなら少尉のものでもぶちこんでもらえ!」
昼間には踏み付けられても文句も言わなかった男が今、上官の髪を引っ掴んで叱っている。
昼間の迷彩色の服装はすでに洗濯機の中。女は素っ裸になって、うわずった声で男に答える。
「掛け声だけは娼婦だな、だったらその筋肉だらけの体をもっと柔らかくしてみろ、おい!」
「サー!イエス、サー!」
「返事をする間にも手を休めるな、この腐れ売女!」

って感じで上官と兵士がリバースするのを所望してみますか
7名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 02:26:33 ID:Dhy9tZwH
すばらしい。素晴らしいぞ>>6
実に感動した。今後も励みたまえ。
GJ!

個人的にはこんなのが萌えだ。
作戦に失敗して敵の捕虜になる上官(女)と部下(男)。
部下の目の前でまわされる上官と無力な部下。
そして打ちひしがれてる部下を小突いて上官を犯させようとする敵。
そんなこと出来るものかと抵抗する部下に「構わないから犯せ」と命じる上官。

「無理です! おれ、おれ……勃ちません……!」
 湧き上がる爆笑と罵声の数々。
 そんな部下のイチモツを優しくしゃぶって勃たせてくれる上官。
 最終的には助け出されてハッピーエンドでも、二人の関係は上官と部下のまま。

 こんなの所望してみる。
8名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 03:05:56 ID:TA4IYJJA
女ばかりの仮想軍隊でも妄想してみるか
9名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 03:29:54 ID:0AufoT2H
戦場では
「休んでる暇など無いぞ我が部下!さぁ出撃だ!」
「お願いだから休ませてくださいよ!?」
な関係の上官と部下。

ベッドの中では
「休んでる暇は無いぞ! さぁ突き上げろ!」
「も、もう出ません……」
な関係の上官と部下。

……あれ、変わってなくね?
10名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 10:35:13 ID:Dhy9tZwH
フルメタル的なエロコメもいいよね。
不器用な軍人と天然の一般市民とか。
がさつな傭兵が清楚なお嬢様に恋して傭兵仲間がからかいつつ応援する話とか。
11名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 13:18:15 ID:rzEVsctX
仮想戦記スレでいいんじゃないのか?
軍豚隔離スレなんて。
12名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 15:05:09 ID:TA4IYJJA
仮想戦記なら末期戦的なのがいいな
RAITAとか鋼鉄の少女たちみたいなのが
13名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 23:18:47 ID:Dhy9tZwH
戦争してる必要はないんじゃないか?
平時で四六時中書類整理ばっかしてていろいろと欲求不満な管理職とか。
14名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 22:47:07 ID:sJKCeazE
書類整理ばかりで欲求不満の小尉(27才♀)と、問題児で転任してきた中尉(24才♂)
のラブコメなんてどうよ?

年上だが階級が下でツンケンしてるが、ある時ふとした事で…

で悶々としてると
後輩小尉(24才♀)がちょっかいかけて…
とかさ。
15名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 22:54:07 ID:qf68znI3
よし!今から我々住民は全裸で待機だッ!
>>14はそのネタで速やかに投下準備に入れッ!以上!
16名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 23:08:23 ID:+h935zsd
>>14
お早い帰還を! 上官殿!
全裸でお待ち申し上げております!

ブラックラグーンのバラライカみたいな上官もいいよね。
あと教官と訓練生みたいなのも萌える。
性格はハートマン軍曹みたいな女教官と不良な訓練生みたいな。
17名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 11:16:03 ID:fv+4n3Vk
>>16
それどこのガンダム00の大佐とコーラだよ
18名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 14:09:25 ID:SeQDmgGy
 一ヶ月間のストーキングでようやくわかった事がある。
 あの人は見た目によらず子供が好きで、動物や花も愛してる。
 ああなんて素敵な人なのかしら。そろそろ隠密行動をやめて過激に突撃する頃合。
 私の愛を受け止めて!

「どうしたエンリケ。顔色が悪いぞ」
「ここ一ヶ月ほど誰かに監視されてるんだ……だが全く尻尾をだしやがらねえ」
「恐ろしい手練れだな」
「くそったれ! 俺が一体何をしたってんだ!」

こんな二人のラブコメどうよ。
19名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 14:26:44 ID:PDVynepH
新ジャンル スナイパーデレの誕生である
20名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 21:39:19 ID:/hqKJ851
やはり軍人と言えば傷跡舐めじゃないか
21名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 21:46:30 ID:ckS0Yv/1
妄想戦記で検索汁!
22名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 21:57:12 ID:RYh0m2Tr
若い女性兵士が厳重処分代わりに
男の上官たちから陵辱されるor強制奉仕をさせられる

自分の場合、そういう話が思いつくな
23名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 23:38:43 ID:2B8rY07u
敵の捕虜はありがちか?
24名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 23:52:33 ID:a6YYljUK
混乱を極める戦場の中で、ひょんな事から孤立してしまった傭兵と敵軍の女士官。
初めはいがみ合っていたが、様々な困難を二人で乗り越えていく過程で二人とも恋に落ちる。
やがて二人に別れの時が訪れ、その後終戦。
それから数年後、とある場所で二人は再会。そしてHAPPY ENDへ……。

……なんてメジャーな話を考えたのは私だけじゃないはず。


25名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 23:59:47 ID:4T7PH7b+
>>24
うげぇ
ベタすぎてうげぇ
ドラマっぽくてうげぇ
26名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 00:20:16 ID:VlzFkLNP
よし!>>18 >>24もそのネタで速やかに投下準備に入れッ!
引き続き我々住民は全裸で待機だッ!以上ッ!
27名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 00:47:34 ID:kM50WPY3
>>26
た、隊長!包囲されています!
撤退の許可を!!
28名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 08:17:28 ID:y+PQMxb3
>>27
戦って死ね
29名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 08:47:42 ID:qNi/UN6h
>>24
某スレで似たようなの書いてる件
まあ、傭兵じゃないけど
30名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 17:38:28 ID:hYw1+Txf
第二次大戦の末期なら雰囲気満点だと思うけどな。
特にドイツ。
31名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 23:31:17 ID:WN5nSsfJ
ベテランの傭兵隊と、傭兵隊の隊長の娘。
可愛くておてんばでむちむちぷりんで傭兵の仕事に興味津々の娘さんと、
その娘さんをなんとか自分の嫁にしようと画策する男たちと、
そいつらを軒並み排除しようとするパパ隊長のエロコメ。

「親父! ほら見て! フレデリックが弾丸をペンダントにしてくれたんだ。かっこいいだろ!」
「ああよく似合うよ。で、フレデリックが今何処にいるかわかるか? うん? そうかそうか。
それじゃあ、お礼を言ってこないとなあ」
 その後、フレデリックの姿を見たものはない。
32名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 02:22:25 ID:UMBefa50
>>30
雰囲気満点というと「治療中アカ共を倒せないのが悔しいのだ!」と片脚失いながら咽び泣くってことか?

……いや、実在の人物の発言だから困るんですが、これw
33名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 02:25:51 ID:tXkD7mIs
>>32
そこからどうやってエロに持って行くかが作品の分かれ目だな
34名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 22:29:40 ID:MQLFMXV/
>>32-33
エロに持って行けても、設定で頭抱えるのは必至ですなw
いやまぁ、その実在の誰かさんそのままにする必要はないけど。
35名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 21:40:59 ID:Bpq3bStd
>>32
それ最近よく見る文なんだが元ネタってなんなん?
36名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 21:49:22 ID:hfbn2cPg
>>32
赤玉・・・いや、なんでもないw
37名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 23:17:04 ID:Du9wtz2s
>>35
ドイツが世界に誇るべき化け物、ルーデル…だっけ?
38名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 00:56:13 ID:+Qd2MJ9o
>>37
YES。実在の人物だがネタのような、ドイツの爆撃機乗り。
ちなみに、治療中云々発言は困ったことに実話(笑)。

他にも
・片脚失った後、義足で飛び続けた
・しかし、バレて大目玉。ちなみにバレた理由は「破壊者不明の戦車が余りに多かった」から
・公式戦果は戦車五百台撃破、戦闘車両八百台撃破等。しかし、過少報告や戦友へのスコア譲渡の常習犯だったため実際の数はさらに跳ね上がる
・そのあまりの戦果のせいか、指導者でなく一兵士にもかかわらずスターリンに演説中「名指しで」非難された

等々の凄まじい逸話を持つ。
繰り返すようだが、以上の逸話は全て「実話」。事実は小説よりも奇なりを地で行きすぎです、ルーデル(笑)
39名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 01:14:53 ID:Y4834NQr
二十歳年下の嫁もらってるんだなw
どうするんだよこの燃えキャラ。燃えるよ。そして萌えるよw
しかも病院抜け出して軍医に怒られたとかw
40名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 02:11:49 ID:eRhPxe0c
ちなみに爆撃機の後席に乗っている同乗者にはいい迷惑だったとかw
41名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 07:41:13 ID:siclQQbY
>>40
ヘンシェルさんとかロースマン准尉とかガーデルマンさんの事かー!
42名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 13:08:42 ID:5Y2C6VGD
どうでもいいがそんな事ここで話すことかそれ?
このスレタイ見て来るようなやつなら
大体知ってる様なことを延々話すくらいなら
軍板に帰ってもらえんかね?

43名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 18:49:08 ID:Y4834NQr
>>42
俺ここではじめてその名前見てぐぐったんだけど……
不快にさせたんならごめんな。なんか燃えるやつだったからつい……
44名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 04:40:59 ID:UEAlvZb0
>>42
別に軍ネタ好きだからって詳しいとは限らねんじゃね?
というか雑談に噛み付くなw
45名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 05:26:57 ID:88JaDmUe
だがだな
職人が一人もいない状況なら仕方あるまい
捕虜凌辱の話よりよほど明るかろうよ
46名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 08:33:06 ID:Ciy40Ei3
この板って意外と軍人モノ多いし、その作者さんたちを誘導できないかな?
47名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 22:16:25 ID:GHnZd/As
軍隊の厳しい階級っていろいろと妄想できるよな
上官の命令で無理やり奉仕やら・・・・
士官と一般兵の階級差の関係。それをみてニヤニヤの下士官やら
48名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 08:43:02 ID:egaLLuZh
「貴様…あのシナの娘と私のどちらが美人か!言ってみろ!」
「はっ、上官殿であります!」
「だったら貴様!私だけを見ろ!」
「は?」
「もっとも恐ろしいのは色仕掛けだ!その予防策だ!わかるな!」
「いや、その…はい」
49名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:16:03 ID:F+ZADJnQ
>>48からいんすぱいあ

「……」
「上官殿?何か?」
「…昨日、非番なのを良いことにA曹長(♀)と街に出てた様だな!?」
「はっ!!私用品の買い出しに同行……」
「只の買い出しに五時間は掛りすぎだ!!
この馬鹿者!!」
「はっ!!申し訳ありません!!上官殿!!」
「そんな馬鹿者には性的な拷問に耐える特訓だ!!付いて来い!!」
「…は?」

次の朝、憔悴した>>48と上機嫌な上官殿が目撃されたかは定かではない…
50名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 23:10:49 ID:0lRAE9n/
>>48-49の流れに乗って小ネタ投下。

「はぁ……」
「何、そんなにため息ついてるの?」
「いや、上官殿のことで……って何で私の部屋にB少佐、あなたが!?」
「もちろん、貴方に会いに」
「いくら貴女でも、勝手に部屋に……って服脱がさないでー!!」
「あの子に大変な目に遭わされたのね……。私が慰めてあげる」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

次の朝、更に憔悴しきった>>48が不機嫌な上官殿に特訓を受けている姿が
目撃されたとかされないとか……
51名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 13:37:03 ID:kOg1UgM3
おまえら俺を萌え殺して楽しいか?
いいぞもっとやれ
52某>>48少尉の日記より:2008/03/20(木) 15:29:56 ID:hyijxwfR
○月△日

今日も上官殿にみっちりとしごかれた。
勿論例の特訓だ……

体力に自信があるとはいえ、連日の三回戦はかなりきつい…実際体重が5kg落ちた。

明日は非番だ。ゆっくりと休むとしよう。


○月▲日

非番なので昼近くまで休むつもりでいたがA曹長に叩き起こされ、街へ買い出しに出た。

途中で気分が悪くなったと言うので、ホテルの部屋を取ったのだが……

不覚。絞り取られた。

上官殿には絶対内緒にしなければ。


○月▽日

(記入なし)


○月×日
今日は驚きの連続だった。
まず、気が付くと情報部のB少佐が部屋にいた。一体いつの間に部屋へ侵入したのか?
そして流されるままに関係を持ってしまった…

五回出して半ば意識朦朧の状態で上官殿の昔話に仰天。

B少佐曰く、「あの子も新兵の頃はおとなしい内気な子だったのにね…」

まさに驚き。もっとも「上官殿の新兵時代を知ってるB少佐って一体幾つ…」

口に出してしまい、余分に二発絞られた…


○月◇日

明日は同期の>>51と久しぶりに飲む約束だ。
奴も苦労しているようだ、お互いに傷でも舐めあうか。昔の様に。

…上官殿から呼び出しがかかった。
出来れば明日に差し支えない程度に済むのを祈ろう…
53名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 22:25:52 ID:B8eqGAn5
「Kiss My Ass!(私のケツを舐めろ!)」
「良いんですか、軍曹?」
(軍曹赤面)
「……恥ずかしがるくらいなら言わんでください……」
54名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 22:49:04 ID:UtY8MHYp
>>53
ハァハァ
55名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 01:37:33 ID:ov/+Vn/t
「……ふう、何とか振り切ったか」
「何がですかぁ?」
「うおっ! C曹長! 何でこんなところに!?」
「こんなところって、ここは研究棟ですからぁ」
「研究棟? そんなところまで逃げてきてたのか……」
「何かお疲れのご様子ですが、もしかして上官殿……姉さん絡みですかぁ?」
「……ノーコメントだ」
「ふふっ、少尉殿。愛されていますねぇ」
「………」
「ところで少尉殿。走ってきたのなら喉乾いてませんか?」
「そうだな……、何か飲み物あるか?」
「(ゴソゴソ)はい。技術部特製栄養ドリンク、どうぞ」
「ありがとう。………うっ!!」
「うふふふふ……」
56名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 01:38:23 ID:ov/+Vn/t
「小……。…尉殿」
「う、んぅ……。……ってなんだこれはぁぁぁ!!(ギシッ! ギシッ!)」
「あ、やっと起きてくださったんですねぇ」
「C曹長、これは一体何のまねだ!?」
「何のまねって、もちろん逃げられない様にする為ですよぉ」
「私に何する気だぁぁぁぁぁ!?」
「もちろんナニする気ですよぉ」
「待て待て待て待て!!」
「駄目です。これ以上、ライバル達に先を越されたくありません。
 ……という訳で少尉殿。お覚悟を」
「お覚悟……って、おい!!」
「少尉殿、好きです。愛しています」
「!??!!?!?!??!」

早朝、研究棟に乗り込んできた上官殿が、妹=C軍曹と少尉の絡みを目撃。
壮絶な姉妹喧嘩の果てに何故か3Pにもつれこみ、少尉が極限まで絞り取られた……と、
部隊内で噂になったとかならなかったとか。

57名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 02:02:02 ID:drZ8CQ/w
上官殿の階級は大佐あたりでしょうかw
上のほうの話題見て適当に思いついただけですが。

あと、>>55-56はGJなんだが、軍曹と曹長が混ざってる混ざってるw
しかしあれだ。

少尉殿の 凄い ハレム展開
5855-56:2008/03/21(金) 02:08:31 ID:ov/+Vn/t
あ、ホントだ……OTL
>>56の軍曹=曹長で各自脳内補完よろしく。
今度投下する時は凡ミスしないようにします。
59名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 02:28:26 ID:0TKOBkKj
49=52だが

階級的には

B少佐≧上官殿>少尉のイメージなんで、少佐か大尉かなと。

あと名前がAとかBじゃ味気無い気も。
60名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 02:50:30 ID:f2CiI4UI
階級社会で男がハーレムしてるとそれほど悲惨じゃないんだけど、
女が逆ハーレムしてると途端に陵辱ものの香りがして来る不思議。

「上官なんて言っても所詮は女だよなぁ! よがりくるいやがってみっともねぇ!」
「よせ! やめろ! 貴様私にこんなことをしてどうなるか……あぁあぁ!」

「あの若造相手にケツをふったんだろう? 同じようにやってみせろ」
「やめてください上官殿! わ、わたしは……や、やだ……やぁ!」

「階級社会とは辛い物だな。助けてほしいか? だったらどうすればいいかわかるな?」
「貴官が何を仰っているのか……」
「おいおい、おとぼけは無しにしないか。この基地に着たばかりでまだ定期的に抱ける女がいないんだ。
悪い話じゃないだろう? 断ればどうなるかわかってるな?」

「おまえ、上官や部下を食いマクってるって噂になってるぞ?」
「……え?」
「本当なのか?」
「う、うそだ……わたしはそんな女じゃない! わたしは、わたしはただ……」
「じゃあこのキスマークは誰につけてもらったんだよ。え?」
「そんな……! ちがうんだ、これは……これは……!」
「おまえがそんな女だったなんてな。オレもお世話してもらおうかな」

酷い話だorz
61名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 09:45:33 ID:WLrAaT4o
>>60
悲壮感と貞操概念を取ってみたらそうでもないっぽい

「私が貴様の教官を務める専任軍曹だ。」
「イエス・マム!」
「ところで、貴様は筆おろしを済ませてきたのかな?」
「ノー・マム!」
「よろしい。ならば私が面倒を見てやろう。本日2200時に私の部屋に来い。」
「イエス・マム!!!!!」

「軍曹。今日は時間、空いているかな?」
「イエス・サー!…ですが上官殿。これがご命令とあらば、奥様にバレても当方は一切関知いたしませんよ?」
「フッ。情報部をなめないでもらいたい。」

「よぉ!久しいぶり!戦術学校以来じゃねぇか!?」
「後任が来る事は聞いていたが貴様だったか。…久しぶりだな。」
「まぁお互い息災でなにより。…でだ、積もる話もあるから、久しぶりに飲まないか?」
「異存はない。ただし、今はピルは飲んでいない。ヤリたいならゴムを調達しておけ。」
「了解。…でもさ、こうなんつーかムードってヤツを。」
62名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 17:19:31 ID:NA/EhQel
このスレ的に中国っぽいのはおk?
63名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:33:24 ID:HA9P/IUf
漢民族×チベット族は欝入るので、それ以外なら
64名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:49:22 ID:jbvx0Jq7
「軍に入った時よりこの命、国に捧げる覚悟です」
「なら貴様…貞操は?」
「上官殿に捧げる覚悟です」
65名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 20:20:18 ID:cSe5a9Yj
>>61
自分の好みのど真ん中にきたわけだが
66名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 20:35:25 ID:vp1pIHE7
「なあ、俺たちもうお友達だろ? そろそろ一発ぐらいさ……な?」
「一回五十ドルだ。アメリカドルで用意出来るなら相手してやる」
「な、か、金取るのかよ!」
「上官は一回七十ドル出してくれるぞ。まあそうだな。オタメシ価格で四十ドルで手を打とう」
「こ、この淫売!」
「なんとでも言ってくれてかまわんよ。そろそろ車を買い替えたいんだ。お前が買わないなら
部下でも三十ドルで引っ掛けるさ」
「ちょ、ちょちょ、ちょっとまて! まてまて! さ、三十五ドル。な! 同僚のよしみで! 頼む!」
「そんなに溜まってるのか? 口だけだったら二十ドルでやってならんこともないぞ」
「そりゃ魅力的だな……いやでもやっぱり本物の穴が……うおぉおお!」
「仕方のないやつだな。三十五ドル。今夜だけだぞ。これで下手だったり貧相だったりしたら去勢するぞ」
「あ、ありがてぇ!」
「おい軍曹! 今夜の予定はどうなってる!」
「大尉殿! 申し訳ありませんが、たった今このぼんくらと約束を――」
「八十ドル出す。それと美味い店を予約してあるんだが」
「お供いたします大尉!」
「ちょま! ちょ! 俺先約だろ!」
「黙れ三十五ドル。出世して出直せ」

こんな守銭奴軍曹。
67名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:01:14 ID:apbIw0z2
最高だ!w
68名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:37:31 ID:CEOO4yyD
強気な女大佐が従卒のショタロリを調教するって電波を受信した。
ただ、書く気はないんだ。重営倉にぶち込まれても・・・てーか書けないお・・・orz
69名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 00:27:05 ID:ABlOJijw
奇遇だな。

ただ俺の場合
「いつもしごかれている従卒が夜は逆に上官を調教」
と逆なんだが。
70名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:51:12 ID:DM8y3+6b
>>62
あくまで構想段階なんだけど

ベトナム戦争時、北ベトナム援護の名目で
北ベトナムへの攻撃、及び、中国本国への併合という
毛沢東からの至上命令を受けた人民解放軍の一部隊
(↑所謂、仮想戦記に近いヤツ)
その部隊内で督戦隊の属する若い女性兵士が
一部兵士脱走(後につかまって銃殺)を防げなかった罰で
上官によって強制奉仕を強いられる

……という話を考えているんだが。
問題ないなら、遅くてもこのスレが生きている内にうpしようかと
思うんだが……
71名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:51:20 ID:LVRA1q48
>>70
すごく良いのだが、史実に当たりすぎるのは反発が多そうだ。
72名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:26:41 ID:89MN4+3y
面白ければなんでも!
73名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:52:37 ID:3Am/OfIn
>>70
問題ないと思うよ
ちなみに北越攻撃じゃなく南越攻撃でない?
まあ、最終的には北越もやっちゃうんだろうか、エロと直接関係ないからまあいいや
74名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 04:08:46 ID:U9G0DZWL
熱烈歓迎!
75名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:38:47 ID:W+tesPMf
戦車兵…いい?
76名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:57:52 ID:s0pIsFUE
えーよ
臭いきつそうだけど
77名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:36:50 ID:R6vejW2b
パイズリ
ショタ
戦車兵



「あ…はッ…た、シュルツーナ大尉…ダ、ダメですよ…こんな事」
 暗い戦車の中で少年兵の声が弱々しく鳴いた。
「ここをこんなにさせておいて…知ってるよハンス。戦闘中に僕の胸ばかり見ているんだろ?」
「そ、そんな…砲弾を込めるのにそんな暇は…はあっ…ふ!」
 今、この重戦車の中には二人だけ。本来そこに座るはずの大尉が固い鉄の床に膝をつけ、
 少年兵が座ることのないシートに腰を掛けている。
「ふふ…僕の胸がいい?それとも口?手?」
「あ…ああ…そ、そんな…」
「この前は舐めてもらったからね…今回は僕がシテあげる」
 黒い制服に身を包んだ戦車長がネクタイを抜き取り、ボタンを外した。
 白いシャツの胸元が開け、下着に覆われた白い大きな乳房が覗いた。
「ん…君くらいのなら挟めると思うけど…ひょっとして期待してる?」
「え…は、挟むって…?」
少年兵の顕わにされた初々しいペニスがピンと天を向いている。
「あはっ、僕の胸を見て興奮しているの?固さが増してるみたいだけど?」
「あ…さ、触らないで…はっ…な、何か来る、来ちゃいます…大尉」
「ふふ、可愛いね君は…」
 大尉は少年兵のペニスを口に含むと口を窄め、勢いよく吸った。
「あ、あああっ!何か出る、出ちゃう!あ、ああっ出るううう!」
 ピュッと先走り汁が出たあと続けて濃厚なゼリー状の白い塊が口の中に吐き出された。
 少年兵が初めて体験する射精に震えながら、戦車長の頭を掴む。
「ふッ…ふうう…こ、これ…す、すご…ああ…」
 魂ごと吐き出されるのではないかという程の快感の後にくる疲労感に少年兵はシートに腰を預けた。
「た…大尉…」
「ケホッケホッ…凄く濃いね…ん…まだ喉に絡みついてる。」
「あ…ああッ、す、すいませ…」
「初めての射精は気持ちよかったかい?今度はもっとすごいよ」
 大尉は胸を覆う下着を外し、その豊満な乳房を少年兵の前にさらした。真っ白な乳房の先端に
申し訳程度の桜色の突起がついている。揉みし抱けば乳が搾れそうなほどの肌の張りは
初めての射精を終えたばかりの少年兵には刺激が強すぎるようだ。
「今度は…この胸で、ね?」
78名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:41:54 ID:R6vejW2b
 大尉はクスッと笑うと乳房を左右に開き、少年兵のペニスを挟んだ。
「はっ…うう…た、大尉…」
「あはっ…熱い…ピクピクしてるよ。気持ちいいの?」
「はっ…話しかけな…い、息が僕のオチンチンに――」
 はぁはぁと荒い息をつき、必死に堪える少年兵の顔は何とも言えない程、愛くるしい。
 己の嗜虐心を十二分に満たしてくれる…と大尉は満足気に頷くと言った。
「それじゃ…ん」
そう言うと大尉は両手で己の乳房を持ち、圧迫感を強めるとゆっくりと上下に乳房を動かし
始めた
「あぅ・・・・」
 大尉の豊満な乳房に少年の眼は釘付けだ。自慰すら知らなかった少年兵のペニスは痛々しい
くらい反り返り、早くも二度目の射精感が下腹部にわだかまり始めた。
「ん…ん…もう出そうだね…今度も口?それとも僕の顔に掛けてみる?」
「あ…ああっ、く、口で…大尉!大尉!出る、ま、また出ちゃいます!」
「ああっ…可愛い君の顔見てると僕も濡れちゃった…じゃ、口で…ね?」
 先走り汁でてらてらと光る胸の谷間。にちゅ、にちゅ、にちゅ、にちゅ・・・っと卑猥な音が
砲塔内で響く中、少年の影がビクンと反り返った。
「あ…ああっ!だ、ダメ!出る、出るっ!ふっ、ああんんん!」
少年の亀頭が現われた谷間から出た瞬間を狙って
大尉は唇を亀頭に覆い被せた。途端に爆ぜる少年のペニス。
ぶりゅる!ぶびるるるるると怒濤の如く射精されるペニスは勢い余って大尉の唇から外れてしまった。
「あっ!」
 なおも止まらない射精は大尉の顔と髪を白く汚していく。
「はあ…はあああっ…んっんっ…」
 少年はペニスを握りしめ、下をむくと同時に眼を開いた。
「あっああっ!大尉、大尉、そ、そんな顔に」
「はぁはぁ…僕の顔汚されちゃった…髪もガビガビ…酷いなぁ」
「そ、そんなつもりじゃ…ああっど、どうしたら―――」
 今にも泣き出しそうな少年兵を砲塔の中に寝かしつけると大尉は言った。
「簡単だよ。責任取ってくれればいい。」
「え……」
「僕の顔に付いてる君の精液…舐め取ってくれる?」
「え…そ、そんな…自分の…」
 少年は己を組み伏せる大尉に微かな畏怖を感じた。
「全部舐め取れたらご褒美に、僕のアソコ…使わせて上げるよ…どうする?」

某スレに投下したモノの完成版。
本番と戦車兵の臭い描写がなくてすみません。
79名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 00:49:54 ID:BslpI0N5
GJ!シュルツーナ大尉、僕っ子で巨乳とは…エロ過ぎるぞッ!!
もっとやりたまえ!!
80名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 15:42:41 ID:vd3XfJt9
やはりきたかw
そして言おう。よく来た、と。
81名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:42:50 ID:35IMy+aO
 娯楽なのだろうと思う。
 酒を飲むことや、煙草を吸うことや、女を抱くのと同様に、自分にとっては男と寝る事が娯
楽なのだとブランシェは思っていた。
 男は金で娼婦を買うが、体を売る男は多くない。ブランシェは自身の美しい顔立ちを、両親
に感謝していた。男に抱かれる快楽を得ようにも、美しくなければその方法は極めて限られて
くるし、懐も激しく痛む事になる。
 だが美しいブランシェがふらりと夜の街に繰り出せば簡単に好みの男を得られたし、そんな
事をしなくても、そっけない言葉を綴ったメモ用紙の切れ端を部下や上官に握らせれば、ブラ
ンシェに振り返らない男はいなかった。
 はしたない、ふしだらな女だと陰口を言う物も少なくは無いが、ブランシェは処女を崇拝す
ることも、童貞を蔑むことも実に馬鹿らしいことだと思っていた。
 かといって、女遊びが派手な男が素晴らしいと考えているわけでもなく、快楽を得るための
セックスで女をはらませ、あまつさえ堕胎を迫る男などはグズにも劣ると考えていた。
 セックスは信頼関係に基づき、お互いが最高の快楽を得るように努力しなければならない。
だというのに、女に妊娠の苦痛を与え、あまつえ殺人の罪を背負わせるなど、セックスに興じ
る資格のない種馬だとブランシェは公言してはばからなかった。
「あんたってほんとに冷めてるよな」
 ベッドの上で逞しい男に体を任せながら、ブランシェはそんな言葉を何度も聞いた。
「あんたにとって男なんて、マスターベーションの道具と同じなんだろ?」
 まさにその通りだ、と思う。
 だが、それはお互いさまではないか。お互いはお互いにとって、快楽を得るための道具でし
かない。ブランシェはそれこそが、最高のセックスの形だと思っていた。

 汗をかいたブランデーグラスの中で、氷が崩れて軽くすんだ音を立てる。
 ふと、ブランシェは手の中のグラスから顔を上げて、時計を見た。夜八時。馴染んだバーの
静かなカウンター席である。
 酒を飲み干し。ブランシェは静かに立ち上がった。
 待ち合わせは七時半。もう十分待っただろう。
 おかえりですか、と問われてカウンターに紙幣を置き、ブランシェは地下の薄暗いバーを後
にした。
 全く、不誠実な男だ。
 自分から誘っておいてすっぽかすなど、礼儀知らずにも程がある。
 そう思いはしたが、しかしブランシェは待っていた男の顔をよく覚えてはいなかった。名前
も実は覚えていない。ただブランシェは、彼の事を軍曹と呼んでいた。曹長であるブランシェ
の部下である。
 ブランシェのセックスに対する考え方を知った軍曹は、若干のナルシズムにひたった表情で
ブランシェの夜のお供に志願し、そして無事に合格を果たした。
 若く鍛え上げられた肉体はブランシェの想像以上で、セックスの手腕も素晴らしかったが、
しかし軍曹は軽薄で、時々こうしてブランシェとの待ち合わせをすっぽかす。
 だったら最初から誘うなと思うのが本心だったが、しかしブランシェも三十分しか待たない
冷酷な人間なので、さして腹を立てることもしなかった。
 三十分、静かに酒が飲めた。ただそれだけである。
 このまま街で男を探してもいいのだが、しかしそれも面倒に感じ、ブランシェは真っ直ぐに
馴染みの射撃場へ向かった。
 この民間の射撃場は深夜まで営業しており、実に多様な人間が訪れる。
 軍人、傭兵、警察や猟師。どれもブランシェが好む逞しい男たちだ。ここを時折狩場にして
いるブランシェだったが、しかし今回の目的はその射撃場を運営している男だった。
 身長百九十八センチの熱心なガンマニアで、その風体から狼男とあだ名される男である。実
際の名前はクロードという実にスマートな名前だが、ブランシェはガルーというあだ名の方が
好きだった。
「よう、久々じぁねえかこの毒婦!」
 店のドアをくぐるなり、カウンターで退屈そうに銃を弄っていた店主が無精ひげの奥でぱっ
と表情を輝かせた。
「相変わらずむさくるしいな。客いりはどうだ?」
 笑いながらカウンターに歩み寄ると、ガルーは指を四本開いて見せた。
「最後の客が入ったのがほんの五分まえだ。だがまあ、長くても三十分で全員追い出せる」
「そうか。上で待たせてもらっても?」
「かまわねぇよ。むしろ大歓迎だ。ピザ注文しといてくれよ」
 三階建ての建物は、一階が射撃場で、二階がガルーの城である。三階は誰かに貸していると
いうが、その住人を見た事はまだ一度もない。
82名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:43:24 ID:35IMy+aO
 部屋の鍵を受け取っていったん店を出て、ブランシェは階段を上って二階のガルーの城へと
脚を踏み入れた。
 そして、二月前に見たときと全く同じ惨状にやれやれと肩をすくめる。
 銃の類が置かれたテーブルの周りは実に几帳面に片付けられているが、それ以外の場所はこ
れでもかと言うほど散らかっていた。
 脱ぎ捨てられたシャツを拾い上げ、わずかに鼻を近づけて見る。途端に思い切り顔をしかめ、
ブランシェはその他の脱ぎ捨てられた服を拾い集め始めた。
 今夜はここで楽しい一時を過ごすのに、部屋がこれでは楽しみも半減だ。
 てきぱきと部屋を片付けながら、ブランシェはガルーに言われたとおりピザ屋に電話をかけた。
 ガルーは外見どおりに大食いで、一人でLサイズを平気でぺろりとたいらげる。たった二人
の夕食に二枚ものLサイズピザを注文し、ブランシェは一番酷い荒れ方をしているベッドに着
手した。
 食べ物のかすが大量に散らばったシーツを剥がしてばたばたとはらい、再び皺一つなくなる
ようにぴしっと伸ばしてシーツをかける。
 とりあえず夜を楽しむには申し分ない環境をつくりあげ、ブランシェは広々としたベッドに
横たわって積み上げてあった成人向けの写真集を手に取った。
 その三十分後、ピザの箱を二つ抱えたガルーが、実に騒々しい鼻歌混じりにこざっぱりと片
付いた部屋に上がってきた。
 外でピザ屋と鉢合わせしたらしい。
「それで? 曹長殿。今日はどんな風の吹き回しだ。格好からして最初から俺んとこにくるつ
もりだったわけじゃねぇんだろ?」
 片付けてくれたブランシェに礼を言うでもなくどっかとベッドにあぐらをかき、早速ピザを
ガツガツと食っているガルーの言葉にブランシェはまあな、と頷いた。
「部下と待ち合わせていたんだが、ふられたんだ」
「そりゃもったいねえな」
「そうだろ? 慰めてくれるか?」
「もちろんだ。でもピザ食ったらな」
「私はピザより格下か」
 やれやれと溜息を吐き、既に半分ガルーの胃の中に消えたピザに手を伸ばす。
 とろりととけて糸を引くチーズを舌を出して掬い取り、ブランシェは口紅などひいてくるん
じゃなかったと後悔しながらもくもくとピザを味わった。

「結局よ、こんなふうに色んな男と遊びあるくから、そんなふうに軽く扱われるんだよ」
 赤黒くいきりたった、生々しい肉の塊にねっとりと舌を這わせ、ブランシェはちらとガルー
を見上げてのどの奥までくわえこんだ。
 ぞくぞくと肩を震わせ、ガルーが満足そうに息を吐き出す。
「性格は変だが顔はいいんだからよ……そろそろ身を固めるとか……考えた方、が……いいん
じゃねえか?」
 唇をすぼめてびくびくと脈打つ竿をこすりあげ、鈴口に舌をねじ込んでちゅうちゅうと吸い
上げる。
 ガルーは歯を食いしばってブランシェの髪をつかみ、苦しげに低く呻いた。
 瞬間、苦くどろりとした液体が口の中に吐き出される。躊躇なく飲み下し、ブランシェはに
やりと口角を持ち上げた。
「そんな事を言いながら、こっちの方は相変わらず節操がないじゃないか。いいのか? 私が
身を固めたらこんなこともしてもらえないんだぞ」
 言いながら、ブランシェはたっぷりとした柔らかな乳房で、射精してなお硬さを保っている
“節操のない”陰茎を挟み込んだ。
「まさかおまえの専属になれなんてつまらん事を言うんじゃあるまいな。私は伴侶となる男に
は金も人格も顔も要求するぞ。残念ながらおまえは金と人格で落第だ」
「顔は合格なのかよ」
「私は犬が好きなんだ」
 笑って、ブランシェはすっかりとできあがったガルーのものを見て満足そうに舌なめずりした。
 先ほどからもう、体は欲しくてうずうずしている。
 情緒も何もなくさっそくまたがり、ブランシェは一気に最後まで腰を落として仰け反った。
 仰向けに寝転がったまま、ガルーがブランシェの乳房に手を伸ばす。大きく毛深い手が繊細
に動いて白い乳房を丹念にもみしだき、ブランシェはその逞しい腕に指を這わせてうっとりと
瞳を潤ませた。
「俺は犬って程従順じゃねぇぞ?」
83名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:43:59 ID:35IMy+aO
 意地悪く笑って、ガルーが激しく腰を突き上げる。ごつごつと奥まで届き抉るように擦り上
げてくるガルーの動きに、ブランシェは腰をくねらせて嬌声を上げた。
「はは……! こんな……に、あ……従順、じゃ……ない……か、あ……ッ!」
「あーちくしょう。性格変だけど顔と体はほんと最高だな。あれ? 俺ゴムしてねぇや」
「うあぁあ! あ、ひぁ、あ……は、おく、あたる……あた、あ、あたって……!」
 浅く息を吐き出して、仰向けに寝転がっていたガルーが急にブランシェの腰をつかみ、半身
を起き上がらせた。
 今までと違う角度でぐいぐいと敏感な肉壁を刺激され、たまらず日焼けした太い首に腕を回
して吐息を漏らす。
「あーやべぇ。出そうだ」
「いい、ぞ……あ、あぁ! きょう、は、な、なか……なか、に……あぁあぁ!」
 ガルーの腰が大きくふるえ、奥にたっぷりと注ぎ込まれる。
 暫くそのまま快楽の余韻に無言で浸り、ブランシェはほっと溜息を付いてそろそろとガルー
の物を自分の中から引き抜いた。
 どろりと奥から愛液と白濁の混じった液体が垂れ、糸を引いてガルーの下腹部辺りに落ちる。ふと視線が絡まり、ガルーが唇を寄せてきたがブランシェは顔を顰めてそれを圧し戻した。
「キスは無しだ。なんど言ったらわかる」
「何度言われてもわかんねぇな。なんでキスがセックスより重要なんだ」
「馬鹿か。無機物だろうと挿れて動かせば快楽は得られるが、無機物にキスしたところで虚し
いだけじゃないか。それと同じだ」
「無機物あつかいかよ」
「ペットと言い換えようか? シャワーを借りるぞ」
 言って、一人でさっさとバスルームへと向かう。
「相変わらずの鉄女だな。頼むから俺のガキなんざはらまないでくれよ」
「その時はまあ、理想を捨てて大人しくおまえの専属にでもなるさ」
 そっけなく言ってバスルームのドアを開けると、ガルーが煙草を吸おうとした状態のまま凝
固して愕然と顎を落とした。
 おもしろい顔だな、と笑ってバスルームに滑りこむ。
 本気か、ほんとか、信じるぞと大声を上げるガルーを無視して、ブランシェはシャワーの蛇
口を捻った。


                             終わり。
84名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 01:31:25 ID:AoTcconX
GJ!
男よりも男前な曹長がかっこよかったです!
85名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 13:11:53 ID:mfVajnNe
age
86名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 15:48:33 ID:AlLC01rk
チクショウ
アバズレのクセに伊達っぽくてカッコイイな!

GJ
87名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 19:15:20 ID:AX2PnEVC
ベルばらのオスカルをすれっからしにしたようだな。
格好良かった。
88名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 15:29:00 ID:V75sF/wx
喋る戦車と女整備士の恋物g……いやなんでもない。
89名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 17:39:31 ID:AcqM8Pc9
整備兵「今日も君の巨砲は太くて固くて素敵だよ♪」
戦車『整備兵さんの膣内にボクの152mmぶっぱなしたい…』
90名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 20:38:39 ID:pklcGLWV
車のマフラーにチソコつっこんだおっさんの写真を思い出してしまった。
91名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 20:44:49 ID:V75sF/wx
戦車「あの、いつも綺麗にしてくれてありがとうございます……」
整備兵「なにいってんの。私は君を完璧にしておくのが仕事なんだから、
    お礼なんていいって」
戦車「でも、俺みたいな旧式……そろそろ新型が配備されるって噂もあるし……」
整備兵「そんなことになっても、私は君といっしょにいるよ」
戦車「整備兵さん……! おれ、おれ……!」
92名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 00:43:35 ID:kwQRyqX3
だが迫りくるスツーカの爆音
93名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 04:19:59 ID:96aje92t
>>89
KV-2を選ぶ渋さに乾杯。
94名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 09:43:36 ID:t2ijHMv2
>>93
すまん、JSU152の設定で書いた。



整備兵「いやっ、そんなおっきいカノン砲なんて…私、壊れちゃう!」
戦車『整備のお姉ちゃん、僕、もう我慢できないよ!』
整備兵「ああっや、やめてぇ」
戦車『ああ…気持ちいい、お姉ちゃんの膣内…気持ちいいよォ!』

整備兵A(♀)「……ってゆー事にならないかな?」
整備兵B(♀)「そう言いながら砲をアレに見立ててフェラすんのやめて。
唾液で錆びる!だからって装甲に乳首押し当てんな!覆帯の角でオナニーすんな!
あと戦車兵から『エンジンレバーがベトベトする』って抗議がきてんだよ!」
整A「……あれ、ちゃんと拭ったんだけど…おかしーなぁ?」
整B「…末期ね」
95名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 21:52:30 ID:TELgSKFJ
蒼海の○女みたいな定員50人なUボート潜水艦の方が戦車より臭いはすごいはず。
96名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 00:03:22 ID:9mjZOvGW
ho
97名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 20:42:47 ID:GhdxV8Hq
>>95
定員50人が全員女性なら問題なかろう。
一人でも男がいたら残りの女はSになるおwww
98名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 16:45:34 ID:IHgCJ87u
>>97
艦長だけ男
定員43人
42対1、艦長死ぬな
99名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 17:02:42 ID:f7bUYt61
艦長だけ女

「その日一日もっとも頑張った男に私の船室への入室を許可する!
定員は一晩で三人までだ! 各自仕事に励むように!」
 鬼神のごとき働きを見せる艦の誕生である。
100名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 04:25:15 ID:WVDh5Y66
戦果はヘイヘ並の化け物なのに、中身は朴訥で純情な田舎娘さんとかはダメですかそうですか
101名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 10:36:05 ID:tH/RJOHZ
>>100
貴様がやらねば誰がやる
後ろには督戦隊が控えているんだぞ
102名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 19:16:52 ID:k7fPBrG1
ホシュであります。上官殿。
103名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 11:57:20 ID:ExYVY69g
スホーイ30
104名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 01:12:26 ID:dBSzhQmM
従軍看護婦だ!
105名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 00:43:04 ID:+KUqnsm5
このスレの人は戦場のヴァルキュリア買ったかな?
106名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 00:51:25 ID:eo1ZicT0
死ぬほど欲しいけどPS3という罠
107名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 17:18:49 ID:FBkEQDYB
セガの大作はスチームパンクで懲りた
108名無しさん@ピンキー:2008/05/08(木) 17:41:10 ID:F+RQD/PB
保守ついでに聞くが、ここのスレは百合無しなのか?
109名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 02:31:25 ID:NYlc2UUf
正直ショタまでならアリだと思ってる俺はなんなんだろう。
男所帯だし。

ところで老兵と幼女とか萌えるんだが。
「おじいちゃんは兵隊さんなの?」
「そうだよ」
「でも、あたしが知ってるお洋服と違うね」
「ああ、俺はあっちの国の兵隊だからね」
「お母さんね、兵隊さんがやってきたら、助けてもらいなさいって言ってたの。
おじいちゃんは助けてくれる?」
「お嬢ちゃん。おまえのお母さんが言ったのは、俺みたいな兵隊さんのことじゃない。
俺みたいな制服を着てる兵隊さんを見たら、お嬢ちゃんは隠れないといけないんだよ」
「どうして?」
「殺されてしまうからさ」
「どうして?」
「敵同士だからだよ」
「でもおじいちゃん、こんなに優しいよ?」
「そうだね。どうしてだろうね」
「おじいちゃん、泣いてるの?」
「ああ。少しね。孫の事を思い出していたんだ」
「死んじゃったの?」
「ああ。生きてたら、お前より少し小さいくらいだっただろうね」
「大佐! 制圧を完了いたしました! 生き残りは全員――そのガキは?」
「枯れ井戸に隠れていた。探し損ねていたな」
「申し訳ありません! すぐに連れて行きます!」
「いや、いい」
「は?」
「私のテントに連れて行く。――これは私の孫だ」

エロは全くないけど萌えるんです。

110名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 13:39:25 ID:RvVckwE5
>>109 その子の将来は最強の軍人だな。
111名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 23:07:09 ID:bLyCFDVM
惚れたよ大佐
112名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 10:25:37 ID:gpJ+/h+Y
その子の両親を殺したのは実は大佐なのですね、判ります。

幼女は、母国への愛と、義父&育ちの国への愛と憎しみの間でどろどろに悩みながら
順調に出世をしていくのですね。

…続きが読みたい。
113名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 10:57:17 ID:Bj4MEXKh
114名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 14:41:26 ID:FSETSzJ+
>>113
なんという萌え!
無駄に無表情なのがたまらん!
115名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 22:42:52 ID:omMGY9Lt
>112
「お子さん…いや、お孫さんですか?」
「あの子の母親は俺が撃ち殺した。あの子の目の前でな」
「…!」
「ミャンマーでだ。ジャングルの掘っ立て小屋に逃げ込んだらあの親子がいた。
母親は銃を構えていた。一瞬遅かったら俺が殺されていた。
それで俺があの子を連れてきたってわけさ。
私と暮らして以来、あの子は一度も笑ったことがない。一生俺を恨んで生きるだろう」
「…」
「銃を持つとそういうことになる。それがいやなら…銃なんか持たないことだ」

116名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 01:32:36 ID:1FjI3GI2
「僕を見て!僕を見て!僕の中の怪物がこんなに大きくなったよ!」
「コート広げてないで早く出て行きなさい」
117名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 11:42:10 ID:bD5FV9DJ
MONSTER厨自重www
118クルトの捕虜生活:2008/05/17(土) 19:28:27 ID:cQ/EZr6h
「自衛軍東部方面隊第二機動大隊第三小隊で合っているな。」
俺は今、穴の開いた戦車から引きずり出されて立たされている。
「ああ。」
「次、クルト=ラインハルト二等陸曹」
「ああ、さっさと連れてけ。」
「来なさい。」俺は大人しく手錠をかけられると、ボロアパートに連れ込まれた。
「施設が無いのでここが臨時捕虜収容所よ。」女は何故か無駄に張り切っている。
明日にでも移送部隊が着くんだろうか?
「に、しても日用品だらけの部屋に捕虜置きっぱなしで良いのか?」
「私も一緒にいるよ。私の名前はハンナ=エリツィン。ハンナで良いよ。」
「お前なあ、嫁入り前のお嬢さんが捕虜と一夜を過ごしましたって親が泣くぞ」
貞操観念が緩いのか?このお嬢は。
こうして俺は普通は緊張すべき捕虜生活が始まった。    
119クルトの捕虜生活:2008/05/17(土) 20:01:35 ID:cQ/EZr6h
住人の置いていったベットに寝転がり、違和感の謎を探る。
ゲルマニアとガーランド帝国が戦争を始めて二年。
これまで劣勢だったゲルマニア自衛軍はガーランド領土に逆撃を開始。
その手始めがここサンタナシティーだった。
しかし、いたのは、民兵とコイツ等の様な二線級学生兵部隊だけ。
奴等初の防衛戦なのにどうしてこんなにショボいのだろうか?
「クールト、退屈だからお話しましょ。」
「お前軍人の仮面完全に剥げてるし、警戒感ねーな。」
「えーっ、だって疲れるしー。それより…」なに、この友達口調!捕虜だったよな俺!
「その後ね、エルザがね…」あれから三時間、何の因果か知らないが、故郷の話を聞かされ続けていた。
そして八時になった。明かりは、ハンナが作った俺の3号戦車のガソリンと土を混ぜた火皿だけだ。
窓の前に家具を置き光が漏れないようにした。
に、しても仲間はどうしたんだろうなコイツ。
「仲間はどうしたんだ?」
「私を残して全滅した。」まさか、あのロケット砲陣地の面々か?
「今晩は、一緒にいて。」「泣くなよオイ、後関係忘れて無いか?アンタ。」
泣きやませるのに30分を要しました。           
120名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 00:01:24 ID:S6zQNg8C
いいねいいね!
121クルトの捕虜生活:2008/05/18(日) 06:30:49 ID:DjMtgkHW
朝が来た。俺はそろそろコイツと別れて、収容所行きだ。
何故か胸が熱い。目を覚ました時目の前にいきなり金髪が現れた。
昨晩、慰めたまま寝てしまったのか。後ろ手に手錠が掛かっている為、ベッドから起き上がれない。
「ハンナさーん起きてくれ!と言うか、捕虜の胸に顔埋めて寝ないでくれ。」
「うーん。おふぁようクルト」ハンナは目を擦りながら起きた。
「アンタ、そういうのは彼氏にやってやれよ。全く、何処の世界に捕虜とっ捕まえて一緒に朝迎える女性兵が居るんだ?」
ま、逆パターンなら多そうだがな。
30分後、二人で携帯糧食を食べた後、友軍地域まで歩かされた。
俺は直ちに軽装甲トラックの荷台に乗せられた。
ハンナと共に、サガンの収容所に向かう事が決まった。
基地から発車する一時間前に戦闘が始まった。
独房で爆音と恐怖に耐えた。
その頃、ガーランド軍は使えない学兵もろとも特殊焼夷弾で焼く作戦を開始していた。
見張りのハンナに声を掛けた。「ヤバい!此処から出してくれ、逃げるぞ!」
「クルト…分かった。」ハンナは独房と手錠を外してくれた。
俺達二人は、ジープで自衛軍陣地の方へ逃げた。
途中、ガーランド偵察機に見つかりそうになりながら
122クルトの捕虜生活:2008/05/18(日) 11:19:16 ID:DjMtgkHW
地上攻撃機AC-130がガーランドのT-80Uに向かって40mm機関砲をぶっ放している横をくぐり抜けて、
帝国正規師団 対 自衛軍学兵連隊の戦いを抜け、国境近くまで来た。
今、ガーランドに戻れば、俺はもちろん、ハンナも脱走援助、敵前逃亡で銃殺されるだろう。
ゲルマニアに行けば、俺は部隊再編成、ハンナは収容施設行きだ。
不意に離れたく無いと思ってしまった。昨晩の内に情が移ったかな?
「あなたと、離れたくない…もう誰も私の前からいなくならないで。」
ハンナは泣いていた。すでに何回も二人で危機を乗り越えていたが、泣き顔は始めて見た。
「サイスに亡命しよう。そうすれば二人で暮らせる。」
俺は彼女に惚れてしまったのか。
中立国サイスとゲルマニア
の国境に辿り付いた。
今日は近くの村の廃墟で泊まる。
「一緒に寝ても良いですか?」しおらしいハンナが二階で寝ようとしていた俺の前にやってきた。  
123タイタニック:2008/05/18(日) 17:00:22 ID:3Wba9clz
124名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:30:31 ID:3LhdtpcI
イイヨイイヨー
125クルトの捕虜生活:2008/05/19(月) 14:16:22 ID:f4rWGujZ
ここへの道中、戦死した帝国兵からポケットラジオを貰っておいた。
そのラジオでゲルマニアのラジオに合わせた。
…ただ今入ったニュースです。サンタナシティーに於いてガーランドによる無差別焦土作戦が実行され、
敵味方53000人以上が死亡したものと思われます。
……やっぱり。道理で戦力が不正規兵と学兵ばかりだったのか。
最初からハンナ達は使い捨ての囮だったのか。
そうして悩んでいる中に、ハンナがドラム缶風呂から出てきて、就寝時間に。
俺はこれからどうするべきなんだろう。
なんて、とりとめの無い事を考えながらベットに入った。
コンコン、とノック音がした。すぐさま返事をする。
「どうかしたか?」ドアが開き、ハンナが入ってきた。
ハンナの格好は濃緑の学兵戦闘服では無く、ここの家のネグリジェだった。
ハンナは顔を紅潮させ小刻みに震えながら、口を開いた。
「一緒に寝ても良いですか?」
俺は陸戦二色迷彩の戦闘服からここの家のシャツとズボンに着替えた後、「良いぞ」と言った。
 
126クルトの捕虜生活:2008/05/20(火) 22:54:55 ID:xkOlxG35
ベッドの中でハンナと今後の話をした時、いきなり彼女はこう言った。
「私、クルトの事が好き。」
顔を真っ赤にし呼吸は荒い。
「ああ、俺も君の事が気になる」
吊り橋効果と言う言葉を今は考えないようにしよう。
次に気づいた時、俺はハンナの唇を奪っていた。
俺は左手でハンナの乳首を愛撫する。
ハンナが動いたため右手で腰を押さえた。
そこからは無我夢中でよく覚えていない。
次に気づいた時には、ハンナに挿入していた。
結局、雰囲気に飲まれて自我を失った一発と翌朝の三発で計四回やってしまった。
俺はなんてクソ野郎なんだ…
血のついたシーツを見て自己嫌悪に陥っていると、後ろからハンナが抱きしめてくれた。
「痛かったけど、嬉しかった。これでずっと一緒だね。」
俺は恨まれる事はあっても喜ばれる事は無いだろうと思っていたから驚いた。
俺達はぎこちない動きで荷物と戦利品をジープに詰め込んだ。
腰の痛みに耐えながら有刺鉄線のバリケードを見る。
ジープでの突破は第一層には有効だが本命の壁には効かない。
サイスに行くには二つの手がある。
一つは国境出入口強行突破。もう一つは壁の破壊だ
どうしたものか…
  
127名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 20:53:33 ID:hvDvA1s1
gj
128武装警察624:2008/05/24(土) 08:39:59 ID:dcPV9NPz
勢いで書いて勢いで投下。あんまりエロくない短編です。
武装警察官がすれ違いだったらスンマセン。

武装警察624

空気を突き破るような、火薬の爆発音。銃口の先から、直線に白いガスが噴き出る。
橙混じりの白色の閃光が破裂した。
黒い装甲車の後ろ、並列した4名の武装警官達が、ライフルを平行に保持したまま一気に走り出す。
濃紺の戦闘服に、黒のつや消しのヘルメット。黒光りするショートタイプのライフルを構え、引き金には指を掛けている。
来い煙幕の中を駆け抜けていく、俊敏な人影。巧みに装甲車の陰を利用し、追従して前進していく。
砂煙を巻き上げ、機械音を上げながら進む装甲車の裏、隊員は互いに連携し、左右の前方・側面をカバーする。
覆面ににじんだ汗。目標の敵を補足し、正確に射撃する鷹のような目。
力まず、しかし緩まず銃のグリップを握った姿は、確実な「障害の排除」のための意志を体現していた。
装甲車の進む目前、素早く左右に動く、人間型の標的の頭部に次々と穴が穿たれる。
警視庁、第6特殊警備部。
その活動実態、訓練内容などは一切非公開。閉鎖された山間に、独自の訓練施設を持ち、対武装組織の戦闘を行う。
里山と有刺鉄線、無骨な建造物に囲まれた某県山中の施設では、日夜屋外・屋内でそれぞれの訓練が行われている。

「ねー、莞爾!何やってんの」
空調の利いた部屋に、少年のような元気な声が響いた。
斎藤莞爾(かんじ)巡査部長は、ノートパソコンの液晶に向けていた目を上げ、神経質そうに眉をひそめた。銀縁の眼鏡に、モニターが映る。
清潔にそり上げたうなじに、まだ若さのみなぎる風貌。知的でいて少し傲慢さもある、精悍な顔立ち。
きちんとプレスされた戦闘服には、焦げやほつれはない。
「村光巡査長、何しに来た」
誰もいない会議室に飛び込んできた、村光美命(みこと)を斎藤は睨む。
少年のように伸びやかな体。目のパッチリした、子供みたいな顔は浅黒い。
黒髪のショートヘアーがよく似合っていて、山猫に、所属を表す624の数字があしらわれたパッチの付いた、特殊警備部の戦闘服さえ着ていなければ高校生のようだ。
猫のように優れた反射神経と、運動神経を持った長身の女性警察官は、斎藤よりもおおらかで逞しい。
二人は同じ第6特殊警備隊、2小隊4班のチームの一員だった。
「莞爾また会議の資料?昨日もだよね、いつまで作ってんの?」
ブラインドに寸断された西日が差し込み、美命の恵まれた肉体を照らし出す。
頭よりも体で考える美命だが、なぜかいつも理論ありきの斎藤と一緒に行動することが多かった。
斎藤の後ろに回りこみ、パソコンの液晶を美命は覗き込む。興味なさそうに字を追うと、ふぅんと一言唸った。
「ねぇ莞爾。あたしヤりたくなっちゃった」
美命はこともなげに放言する。
「は?」
強引に斎藤の椅子を引き抜き、その前に回りこんだ美命。長い脚で斎藤の上を跨ぐ。
美命はいつも、欲情さえ隠そうとはしない。斎藤の股間に、指先を伸ばした美命を斎藤は叱る。
「バカいうな。こんな場所で」
斎藤など無視し、勝手にベルトのバックルを外し始める。作戦班のオペレーターである斎藤も、任務以外では美命を従えられなかった。
129武装警察624:2008/05/24(土) 08:41:40 ID:dcPV9NPz
「だって莞爾、最近仕事仕事で相手してくれないんだもん」
斎藤は下腹部を圧迫している、溜まっているものを意識する。恐らく、拒否がポーズに過ぎないことを美命は知っている。
妙に力のある、漆黒の目でまっすぐに斎藤を見る彼女の表情はもうわずかに赤らみ、とろんとしていた。
ぐいと力をこめた腕に、近づく顔。整った造形と、野生的な魅力のある美命の顔を見るたび、斎藤はひそかに嫉妬してしまう。
野生の生命力は、優等生タイプの斎藤が欲してやまない、しかし手に入れることのないものだったから。
毛先のはねたショートがさらりと揺れる。
漲ってきた股間に、わざと体を乗せて美命は耳元で囁いた。生暖かい息が耳たぶからぞくぞくと入り込む。
柔らかく引き締まった尻の感触が、布越しに大腿に感じられた。
「まじめなふりして、ヤらしいことばっか考えてんでしょ・・・」
開いた斎藤の脚の間に、膝を付いて美命は滑り落ちる。もう斎藤は何も言わない。
斎藤のベルトのバックルをカチャカチャと外しながら、美命は卑猥に笑った。慣れた手つきでチャックを下ろした。
引き締まった腹部の下に、すでに硬さと熱を持ち始めた肉が、下着を持ち上げている。
「ああもう、こんなになってる」
優しい手つきで下着を降ろすと、痛むまでに屹立した赤茶の男根がぶるんとはじける。燃えるような茂みと、身体に見合った睾丸が顔を出した。
美命は迷わず、嬉しそうにその逞しい男根を頬張った。唾液をたっぷりと絡ませ、舌でねっとりと嬲る。
「う」
自身が、すぐに膨張したのが分かった。美命の頭を掴む。じゅぶっといやらしい音を立て、口からそれを抜く美命。
右手で男根を掴んで、頂点を一心に舌先で刺激し始める。ちろちろとした舌使いで、敏感な部分を攻め立てる。
細い舌先で、細かくつつくその刺激に、モノが脈打つほど張り詰め始めた。
無意識に、途切れ途切れな唸り声が漏れる。身体を重ねるずっと前から、頭の中でよがらせ汚してきた美命。
早くもせり上がる射精感をこらえながら、自分に跪く彼女を見おろした。尻を突き出しながら、奉仕する姿がたまらなくいやらしい。
「ほか、の男にも、や、ってんのか」
ぐいと頭を押し付け、喉まで犯す。苦しそうに唸って、美命は頭を横に振ろうとした。
口内にピストン運動を始める。抽出するたび、水気を含んだじゅぼっという音が響く。
血管を浮かせた男根を、必死に抜き差しさせる美命のけなげな顔。ぐいぐい張りを持っていくそれから、腰の辺りにまで快感が走った。
「あふ、ううっ」
暴れるそれを美命の口中に突き立て、何度も腰を振った。額にいつの間にか汗が浮く。
「うぉ、お、っ」
涙目の美命の口に、乱暴に漂う。犯しているような感覚に、罪悪感と背徳の悦楽が脳を突き抜ける。
やや顎を上げて、突き上げる自身の感覚に堕ちていく。息が荒くなる。
じゅうう、と唾液まみれの肉を美命は吸い上げた。刹那、溜まり溜まって圧迫した快感が堪えきれずに暴発する。
硝煙のように、勢いよく飛び散った白濁を、唸りながら美命は受け止めた――
130武装警察624:2008/05/24(土) 08:42:59 ID:dcPV9NPz

ずり降ろした戦闘服のズボンの合間から、小さくて、でもぷるんとした尻が覗く。
黒っぽいレースプリントの下着がアンバランスで、でもたまらなく挑発的だ。一目見ただけで、股には潤いの染みができているのがわかる。
精を吐き出した肉の茎が、勢いを取り戻していく。目の前に立たせた、自分の身体を撫で回すように服を脱いでいく美命。
手を伸ばして、染みの中心を指先で突き上げると、美命はビクンと反応して身体を反らせた。
「座れ」
いきり立った自らの男根の上に、後ろ向きで細い身体を座らせる。下着一枚ごしに、泉からあふれ出す蜜の粘り気を感じた。
薄布を無理やり捩ってずらし、ひくひくした秘所の襞に先端を押し付ける。
よく肌になじんだ、斎藤が開発した身体だった。人一倍の独占欲は、爛れた性生活でも遺憾なく発揮されている。
何度も交わったその秘部は抵抗もせず、ずぶずぶと斎藤を飲み込んでいく。
「あ、ああああぁ」
獣のような唸り声を美命は挙げた。この声が聞きたくて、いつも斎藤は激しく美命をしごく。
ひざの裏側を両手で掴み、かぱっと両脚を持ち上げて開かせた。
「仕事の邪魔しやがって、しょうがないな」
後ろから耳朶を尼咬みする。奥へと滑り込んでいく自身に、きつい圧がかかった。
「こんな姿見られたら、それこそ隊中から犯されるぞ」
こりこりと弾力のある粘膜を男根でゆっくり擦りながら、眼鏡の奥の目を少し細めた。
今度ヤる時は後ろ手で縛ってみるか。腰をしならせた美命の痴態に、そんなことを考える。有名大卒の秀才であり、理知的な警察官である斎藤でさえ、今一時は獣でしかない。
露出した下腹部から手を入れ、探るように這いながら戦闘服の上衣を捲り上げていく。
下着もTシャツも、器用なその指先ですり抜けていく。大きくはないが張りのある膨らみを、円をなぞるように指先でまさぐった。
支えを失い落ちた踵がびくんと震え、コンバットブーツ同士がぶつかって音を立てる。
「・・・っあっ」
斎藤を銜え込んだ秘所が、ぎゅっと締まって粘液を垂らす。
わざと蕾の周りを撫で回した。冷たい指先が、濃いピンク色の暈に時折爪を立てる。
服をずりあげたおかげで、締まった腹筋と括れた腰までもがよく見えた。この体の中に入っているのだと思うと、一層自身が硬くなる。
手のひら全体で、乳の重さを揉みしだくと、そのたびに美命があえぎ声を上げる。
いやいやするように傾けた頭、滑らかな首筋が目の前に伸びた。唇でそっと口付けたあと、舌の全面でねっとりと舐める。
何度も何度も、執拗に。
「今日の、莞、爾、すごい、スケベだよぉっ!」
唇で首筋を挟む。舌先で細かく擦る。その度に美命は悦びの声を上げた。
じらすようにゆっくりと出し入れする斎藤を、膣口がぎゅっと締め上げる。耐え切れず美命は、自分からぐりぐりと腰を押し付けてくる。
美命のそれは、ヘアの薄い、きれいな秘所だった。以前、ペンライトをもって鼻が触れるほどに近づき、観察したことがある。
――下着が邪魔だ。
一度、ぬめぬめになった男根を引き抜き、ぐちゃぐちゃの下着を完全に下ろした。
もう一度あてがい、ゆっくりと割り込む。
「ねぇ、早くもっとぉお」
貪り足りぬ、とばかりに哀願する声がした。
斎藤は指に、乳の頂点、固く結ばれた蕾を挟んだ。瞬く間にそれは硬く屹立する。
電気に打たれたように、鋭い快感に身をよじらせる美命。片手で胸をまさぐったまま、斎藤はもう片手を降ろす。
あられもなく開いて、液まみれでぬらぬらと光る肉ひだをかき回した。徐々に早くなる抽出に、ぴくぴくと蠢いている。
小さなしこりのような突起を摘むと、今までとは違う掠れた鋭い悲鳴が漏れた。
体中の敏感な場所をいたぶられ、子宮を突き上げられながら美命は乱れる。愛欲の懲罰に、絡めとられたかのように。
会議室に、すえた体液の匂いと、ひどくいやらしい音楽だけが広がる。
131武装警察624:2008/05/24(土) 08:44:19 ID:dcPV9NPz
腰のストロークが徐々に強くなっていくにつれ、湿った布を叩くような音と、尻のぶつかる音が激しくなっていく。
「ああぁん、奥に、か、感じるぅ」
自らも腰を動かし、体全体で美命は波打った。
貪欲に斎藤を飲み込み、精液を搾り出すかのように、激しく中が収縮する。
「手を、付け」
犬のように激しく喘ぎながら、斎藤は命じた。長机に美命が手を付く。
そのまま、斎藤は腰を上げて美命の尻を持ち上げる。腰をつかみ、野生動物の交尾に似た姿勢で、激しい抽出を始めた。
陵辱しているようで、言葉を失うほどに斎藤は昂ぶる。淫らなリズムを奏でる、二匹の獣。
自分のほかにも、何人かは頭の中で汚しているのであろう、美しく引き締まった身体を現実に抱いている。性欲に溺れ、堕ちていくのは果てしない快感だった。
「あふうっ、ああっ、ああぁ」
言葉を失い、ただ捩れてよがる美命のすすり泣き。狂ったように斎藤が出し入れするたびに、自身は絞り上げられる。
幼い外観からは想像も付かない淫乱さで、美命は斎藤を攻め立てた。
互いに身体全体が性器になってしまったかのような感覚。脈と血潮がやけに煩い。
バックから激しく突く斎藤に、襞からは淫靡な涎が垂れる。男根の先走り液が、中で漏れていた。
赤黒く怒張した肉が、小さく締まった尻を叩くように出入りする。
高まりの限界を迎える寸前の、悲鳴のような声が上がり始めた。机に美命は爪を立て、涎をたらしている。
「あ、あ――き、て・・・!きてぇ!」
声に誘われ、理性の吹き飛んだ頭で、何度も斎藤は美命の子宮を突き刺した。
掴んだ腰に爪が食い込む。キューっと熱く、絞られるような感覚に、低くグロテスクなうめき声をもらした。
導火線のように、神経が真っ白く染まっていく。間欠泉が吹き出るのを遠くに感じながら、斎藤は顎を突き上げた――

          ***
「この程度の腕立ても出来ないのか!それでも特殊警備部か」
殺風景な斎藤の部屋に、くちゅ、と湿った音が響く。
腕立ての姿勢をとったまま停止した、美命の腕はぷるぷると震えていた。
いつもの訓練と違うのは、下半身裸で、その露出した肉の割れ目を斎藤が足の指でかき回していることである。
すでに床には、何滴もの粘液の雫が落ちていた。必死に喘ぎ声をこらえる美命の顔は切羽詰って切ない。
細いスクエアの眼鏡の下、斎藤の目と股間は獣のようにギラギラしている。
もう、崩壊しかけのすらりとした手足。
「あひぃ、んぁぁぁあ」
肉襞を弾かれ、耐え切れず声が漏れる。がくりと美命がひざを付いた瞬間、斎藤はワイヤータイプの手錠を取り出した――

(完)
132名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 12:39:45 ID:Fx9kTo83
GJ
133名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 14:09:49 ID:tBpDgEVI
スレ的に警察がどうなのかは分からんが、とりあえずgj

正直、ラストの「腕立て中、足指でマン責め」が一番キタわw
134名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 16:10:31 ID:Fx9kTo83
警察系特殊部隊、軍警察、憲兵、警務隊は良いんじゃないか?
機動隊は多分アウト
SAT・SITはグレー
海保のSST・特警隊はOKかも?
自衛隊の警務隊はOK
135名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 16:40:48 ID:zroJqprX
SS警察師団は……ちょっと違うかな?
136名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 01:32:06 ID:DvsEruR2
これは個人的にはげしくアリだよGJ!
137名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 17:55:14 ID:ePFR0lRC
女性兵五人、男性兵四人の乗ったUH-1 イロコイがゲリラに撃ち落とされ、生き残った男性兵と女性兵三人の話を考えた。
映画「エネミーライン」の影響を受けた。    
138名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 18:38:43 ID:MMxK/EM9
>>137
むしろ戦火の勇気を思い出す
139名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 06:14:39 ID:Bj+CGI/w
>>134
海保とかSS警察とかカタギに馴染みのないぽいのは
ここでやったほうがいいと思うよ?
いくら違うったってここに来ないような人には
差異なんか興味ないしここに出入りしてる様な人が書いたのは
描写が軍板っぽいノリになるんだろうし。
140名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 16:36:23 ID:U4g5Q2bt
曖昧だけど、コンバットマガジンとかアームズマガジンとか丸に載ってればおkってどう?
141名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 18:25:12 ID:tujUXeFJ
>>140 それ採用!

142名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 23:47:58 ID:nkK6c6cT
「部隊……全滅しましたね」
「そうね、皆死んだわ」
「また、死ねませんでしたね」
「アンタに限っては、その丸々と太った体は最強の防弾チョッキなのかもしれないわね」
「ハハハ、今回は5発も食らっちゃいましたよ」
「内三発は私の分でしょ? 全く、狙撃以外は無能の馬鹿の癖に、私なんかを庇って余計な弾を受けなくてもいいのに……」
「俺なら准尉より死ぬ確率低いですから。それに、准尉のほうが俺より有能で、生きる価値がある」
「……馬鹿。アンタのその脂肪の鎧と狙撃の腕は十分に価値があるわよ」
「そうですかね? ……そうだといいなぁ」
「伍長? どうしたの、伍長?」
「安心したら疲れました。このまま、背中を貸してて下さい。すこし、眠ります……」
「お前、まさか――! ……ええ。少しだけよ。アンタ、重いんだから。保守して、次の作品が投下されるまでの間だけだからね?」
「はい、スミマセン……。おやすみ、なさい……」
「……伍長」
「――――」
「伍長、返事をしなさい。伍長!」
「――――」
「……馬鹿ぁ、返事をしなさいよぉ、伍長……。お願いだから、返事を……してよぉ」
143名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 23:59:36 ID:cfPhMPI8
どうしてエレクチオンしないのーーッ!?

ですね、わかります。
144北極星(前編) ◆jBZrxQDruc :2008/06/09(月) 00:09:50 ID:tAErn3OC
カテゴリー微妙だけど保守投下

北極星

遠い 夢を みた

ぱこぉん
夕暮れの熱気に、乾いた音が響く。アスファルトの臭い。紫色の薄い闇。
ひどく耳障りで、神経が針で突かれたようにぎしぎしと痛む音。
・・・やめてくれよ
斎藤莞爾巡査部長は、孤独のうちに暮れていく黄昏に歯軋りした。
ぱこぉん
それは心の内側を抉る音。遠い記憶に繋がる、痛みの電気信号。
知らずに耳を塞いだ。激しく揺れる心の内の振り子は、斉藤を動揺させ、苦しめる。
どんなに遠く小さくても、その音は必ず斎藤の鼓膜を突き抜ける。そして、心の奥に共振する。
パイプベッドに寝転がったまま、胎児のようにうずくまった。
気が狂いそうだ。
ぱこーーん
乾いた音。不快な湿度に、残照の消えた後の青い闇。机と椅子の黒い影。
――やめてくれ。やめてくれよ!
一人ぼっちの夕暮れ。みんな帰ってしまった後の公園の静寂。むっと匂い立つ、夕方の花の香り。
道の板塀。漂ってくる夕餉の匂いと、だんだん濃くなっていく闇の濃度。
家々の窓から漏れてくる、黄色く温かい灯り。
足許にぽっかりと口を広げた、黒々した影に、揺らぐような不安を感じる。
ぱこぉん
苦しかった。胸の奥からせり上がってくる切迫した寂しさ。
眼鏡に映った自分の目が、子供のように怯えているのに気付く。幼い頃から、抑圧してきた不安の累積に彩られた瞳。
呼吸器を圧迫する不安と、頑として立ちはだかる思い込みの壁。
板ばさみになって、押しつぶされそうだ。
何でこんなに痛いんだろう。総てが自分を苦しめるようだ。
強く。何にも負けないように。
そう生きてきた25年間、そして特殊な任務を負う警察の特殊部隊で積んできたキャリアは、元をただせばその思いに突き動かされていた。
今が盛りの、精悍でいてすこし傲慢な風貌の裏に潜んだ陰は濃い。
大学時代に恋人がいなかったわけではないし、数は少ないが友人だっていた。
関わってきた人間は、それこそ人並みに多い。
でも、こんな思いをさせる人間はただの一人もいなかった。
肩幅のしっかりした、長身の後姿。紺色の戦闘服を着た、バランスのいい体つき。
俊敏でいて正確な、拳銃を照準する動作。
山猫のようによく光る大きな目と、いかにも気の強そうな眉。きゅっと結ばれた紅い唇。
浅黒い、褐色の顔は屈託なくよく笑う。飄々としている。
ぱこぉん。
癖っ毛の、短く整えられた黒髪を掻く仕草。
開放的な、そして怖いもの知らずの瞳。見つめられるたび、自分が築いてきた防塁と、臆病さを笑われている気がした。
「斎藤巡査部長は、本当頭が良いですよね!自分なんか、いっつも冷蔵庫開けた瞬間に何出そうとしたか忘れちゃうんですよ」
何の他意もない言葉なのに、その言葉は心の奥にひっかかった。自ら築いた城の下らなさと、笑い話さえできない、幼稚な頑なさを笑われた気がして。
村光美命は、彼の管制する巡査は、そんなに明るくて、開けっぴろげなのに、一人ぼっちだ。
街の中、車で追い越した、傘を差した姿。ショートパンツから伸びたすらりとした肢体。
グラフィカルな青の同心円のデザインに、「Electronic glowfly」と書かれたプリントのTシャツ。
アウトドア用のサンダルを引っ掛けて、雨中を歩く一人ぼっちの姿。
踏み切りで隣に立っていたのに、声もかけられなかった。雨の音が、煩かった。
145北極星(前編) ◆jBZrxQDruc :2008/06/09(月) 00:12:41 ID:tAErn3OC
あなたみたいに、独りでいるのが寂しいわけじゃないですから。

そう言われる気がして。
――本当は、それは自分が作り出した声だと分かっていた。
孤独を寂しいと感じたことは、年齢が十を越した頃からなくなった筈なのに、村光はそれをかき乱す。
ぱこぉん
暮れなずむ訓練所に、響く音。一人ぼっちの村光が、壁に向かってボールを投げる音。
子供の頃の自分のように、夕方遅くまで。
母親が迎えに来るのを待って、公園で寂しさを堪えて待っていたあのとき。
だから、耳障りだった。村光の壁打ちの音が。

そんな何年か昔の、夢を見た。


「おい、起きろ」
気持ちよさそうな顔をして、ベッドで眠る村光美命の頬を抓る。
本当に、戦闘服がよく似合う。のびのびと脚を投げ出して、固く瞼を閉じている。
戦闘服を上下着たまま、人の部屋で、人のベッドの上で遠慮なしに寝るのがこいつだ。
斎藤が机に突っ伏したまま寝てしまった間に、勝手に入ってきたのだろう。腕で押しつぶした彼の頬には、多分まだ跡が残っている。
知らぬ間に、机に置かれた缶コーヒーは、ぬるくなってたっぷりと汗を落としていた。
「腹出てる。・・・風邪引くぞ」
裾からはみ出た戦闘服。よく締まった腹。出会った頃と変わらない、無防備な表情。
蛍光灯に照らされた、それでも少しずつ大人びていく顔立ち。そして斉藤が女にした伸びやかな身体。
日夜の訓練で、銃を握りすぎて固くなった掌でシーツを掴んでいる。
何度も体液で汚し、二人の激しい動きに皺だらけになったシーツだった。
抱き合い、溺れあい、溶け合ったこの場所。
いつも、失わぬように強く掴んだ。
いつの間に、変わっていったのだろう。
この閉ざされた鋼鉄の世界で、唯一つ斉藤にとって輝くものへと。
――かつて、闇の奥にいた斎藤にとって目障りだったその光。
ベッドの縁に座り込む。家猫のように伸びて眠る美命は、死んだように動かない。
開いたまま投げ出されたメタリックシルバーの携帯が、不意にバイブレーションした。
ぱっと待ちうけが光る。どこかの枯れた松林だった。なぜそんな写真なのか、まだ聞いたことがない。
その上に、「新着メール 1件」の文字がディスプレイに映る。
苦しそうに唸りながら、目をこじ開ける美命。
手足を伸ばし、斎藤を見上げると、「あ、起きた?」と、何事も無く美命は聞く。
「朝子だー・・・」
メールにさっと目を通すと、美命は携帯をパキッと折りたたむ。
北島朝子巡査長は、この機動隊のシステム部に1年前、配属された。
「ね、自販機で当たりが出たんだよ。でももう温くなっちゃったかな」
それでわざわざ持ってきたのか。全く美命はバカみたいにお人好しだと斎藤は思う。
後ろから腕が伸びてきて、座った斎藤の首に巻きつく。鍛えられてはいるが、やっぱり男とは違う身体の感触。
頭を傾げて、斎藤の首筋に唇で触れる。時々、美命は母親みたいに温かい。
146北極星(前編) ◆jBZrxQDruc :2008/06/09(月) 00:14:04 ID:tAErn3OC
「莞爾、うなされてた。大丈夫?」
眼鏡を押し戻すと、斎藤は表情を繕った。
「・・・別に」
「うそつき。莞爾は強がりばっかなんだから」
肩越しに顔を出してきた美命から、顔を背ける。無意識にもう一度、眼鏡を上げた。
「嘘じゃない」
「嘘だよ。強がり言う前に、いっつも眼鏡直すし」
美命が笑った気配がする。無意識の癖を言い当てられて、斎藤はやり返せない。
「・・・うるさい」
毎日、気が狂うほどあの音を聞いていた時期の夢を見たことを、斎藤は話さなかった。
今でも時々夢に見る。うなされる。
「強がりな振りして、莞爾は寂しいんだもんねー」
子供をあやすように、美命は斎藤の耳元で囁く。耳がカッと赤くなったのを感じた。
時々、美命は心の奥を見透かしたかのようなことを言う。
取り繕った、継ぎ接ぎだらけの仮面なんか、いつの間にか美命には通用しなくなっていた。
「だって、うなされてる時爪齧ってたよ?」
口唇の欲求は、母性への執着。満たされなかった甘えの顕現。
大学時代に、何かの講義で受けたことを思い出した。爪齧りは、乳児が母親の母乳を求める行為が変形したうちの一種である。
――要するに、乳離れできていないということか。
そう思うと恥ずかしくて、頬まで熱が篭ってくる。
ふっと力を抜き、美命に体重を預けた。応えるように、美命はしっかりと斎藤を抱きとめる。
「でも」
包むように抱きしめた美命の腕。強かで、しなやかで、逞しい。
「あたしも、莞爾がいなくなったら寂しいよ。きっと戦えない」
斎藤は目を閉じる。
一瞬、夕暮れの匂いがした気がした。湿った生温い空気に漂う、庭の名も知らぬ花木の香り。
鮮やかな幻が、ふっと鼻腔を掠めて、なぜか泣きたくなる。
美命はいつだって、感情を隠さない。愛情表現も、欲情も、恐れずに伝える。
臆病な自分には出来ないことだった。
美命が耳朶をちゅう、と口に含む。温かい口腔の湿り気と、舌先の感触。
斎藤の額を抱く指先の優しさに、薄く目を開ける。
「――美命」
無線越しの、美命が聞く張りのある冷静な声は出ない。出たのは疲れた青年の、呟き、祈るような声だった。
美命はもう片手で、しっかりと斎藤の胸板を抱いた。
斎藤の、薄い耳の縁を尖った舌先でなぞる。ふっ、と息む声が聞こえた。
「・・・きだよ。・・・あたし、莞爾のことすごく」
だから、寂しかったら甘えてもいいよ。
心地よく、甘美なささやきが、とろりと耳に流れ込む。
隊内の自販機には、ルーレット機能がついていないことに不意に斎藤は気付いた。
わざわざ買って持ってきて、会いに来たのだろうか。
胸板の上をまさぐる美命の手に、掌を重ねた。
147北極星(前編) ◆jBZrxQDruc :2008/06/09(月) 00:15:59 ID:tAErn3OC

孤独に触れる壁打ちの音が憎くて、でも触れることが怖かった頃は、一方通行の思いだけが心の奥で暴走していた。。
だから自分が、あの音を止めるという選択肢に気付いていながら、それをしようとしなかった。
男の影はないが、この環境では彼氏の一人もできないということはないだろう。
そして、ただ単に作戦の管制要員である自分を意識している可能性は無きに等しい。
他の男と同じように、一方的に意識し、時には無意識に頭の中で剥いているに過ぎないのだから。
腫れ物のように痛む胸の奥のしこりに、毎日夕方の音が共振する。
いつも、感情と思考を切り離し、斎藤は管制に逃げ込んでいた。

「3番、降下準備良し!」
ヘッドフォンに響く、ヘリのローターの爆音と、「村光隊員」の声。
指揮車のディスプレイには、隊員のヘッドカムと、ヘリカメラ、それに複数の装甲車両からのリアルタイム映像が映っている。
着地地点を見下ろした村光巡査のヘッドカム映像。
ダウンウォッシュに、竜巻のような砂埃が巻き起こっているのが見える。重りの土嚢をくくったロープがうねる。
陸自からこの機動隊に譲渡されたヘリ、UH-1の開け放したドア。
向かい側の隊員も、降下準備を終え、号令を待っている。搭乗した補助要員が、隊員とアイコンタクトをした。
「降下!!」
マイクに吹き込むと、降下する隊員が一斉に復唱する。同時に、切り離されたように隊員がリペリングを始めた。
片手を上に、片手を下にロープを掴み、一糸乱れぬ姿勢で滑り落ちていく。
紺色のUH-1は、空中で静止している。ヘリパイの腕は確かだ。
電光石火で落ちていく隊員たち。山と塀に閉ざされた世界で、繰り返される訓練。
後ろに控える班長は、薄暗い指揮車の中で腕組みしてディスプレイを見ている。
「着地!」
図ったように、精確な速度で着地する隊員の報告がノイズ交じりにヘッドホンに飛び込んだ。
何も異常はない。いつものヘリ降下だ。
それでもディスプレイを睨んだまま、いつの間にか斎藤は眉をしかめる。
「着地ぃ――」
一瞬乱れた村光の声が飛び込んできた。反射的に、「3」とナンバリングされた画面を見る。
着地の衝撃以上に大きく揺れた、ヘッドカム映像。だがしかし、慌てたようにカメラは持ち直す。
走る衝撃に激しく揺れ、その後投げ出したように、地面に落ちるカメラ。カメラいっぱいに映る土嚢。
訓練場に散らばった障害用の土嚢だった。構えられたライフルが、ディスプレイの下半分に入る。
100メートル先の、人型を模した動く標的を捕らえて、カメラが少し持ち上がった。
「1、3番掩護、2、4番前進!」
飛び去っていくヘリの、叩きつけるような突風に視界が曇った。
火薬の弾ける音が響く。1、3番のディスプレイが一瞬オレンジの光に染まった。
左右上下に突き抜ける硝煙までも、高性能カメラは捉える。
パパパパっ、と断続して光るディスプレイに、掩護下、駆け抜ける隊員の揺れるヘッドカム。
恐るべき速さで状況は推移していく。
埃と錆びの無いよく整備された銃の作動音は精緻な音楽のようだ。
「1、3番前進!」
命令すると同時に、1、3番は片手でぐいと身体を起こす。
ふと、斎藤は装甲車から送られる映像を注視した。
黒いつや消しのヘルメットが、立ち上がろうと足を引き付けたほんの一瞬、よろめいた。
すぐに立ち上がって、挙銃の姿勢のまま走り出す。肩の付け根に銃の床尾にしっかりとつけて、いつでも射撃できる姿勢を保ったままだ。
あっという間に次の土嚢に飛び込み、踵までしっかりと前進を地面に密着する。そのまま脚を開いて、俊敏に伏せ撃ちの姿勢をとった。
そのまま3番を注視した。さりげなく、左の足首を前後に曲げている。
――捻ったか。
射撃の反動に小刻みに揺れる肩。斜め前方に飛んでいく薬莢。円形に瞬時に拡がっていくガス。
繰り返される日々のように、今日も同じように訓練は終わる。
最後の目標、端に置かれた車両を目指して突入していく隊員の姿。
彼らを動かしているのは身体に叩き込まれている制圧のリズムだった。
「状況終了」
いつものように、マイクに吹き込む。いつもと違うのは、3番の負傷だけだ。
148北極星(前編) ◆jBZrxQDruc :2008/06/09(月) 00:17:27 ID:tAErn3OC
「村光巡査」
廊下の自販機コーナーで、ジュースを買って飲む村光巡査に声をかけた。
「は」
端正な敬礼の動作で、村光は真っ直ぐに斎藤を見る。目深に被った帽子の奥の、よく光る目。
斎藤の前で見せるきりっとした顔は、少年のようにも見える。
「怪我の報告がなかったな」
意識的に威圧するような声で、斎藤は村光に畳み掛ける。
驚いたような表情をした後、村光は目をそらした。
「・・・少し、バランスを崩しただけです」
取り繕うように、言葉を選んで喋っているのが分かる。この分では、まだ少し痛むのだろう。
斎藤の眼鏡の奥の目がきらりと光った。
「響いていた様じゃないか?捻挫にしろ、放置して訓練すれば他の怪我の元になる」
「・・・・」
気をつけの姿勢をしたまま、村光は視線を泳がせた。斎藤は逃げ道を与えない。
「出動になって、いつものようにやれません、じゃ済まされんぞ巡査」
「はい」
紺色の野球帽に刻まれた、所属を示す「6-2-4」の刺繍。村光の頭には、少しサイズが大きい。
帽子のつばの影で、俯いた村光は唇を咬んだ。
「お前は巡査だ。なんでも報告しろ。勝手に怪我を隠して作戦中に故障されたら迷惑だ」
言い訳をさせない口調で叱る。
それは巡査部長としての職務だった。
「・・・すみませんでした」
どれだけ嫌われても、これだけは彼が為さねばならぬことだ。
顎を掻いてから、ふいっと斎藤はそっぽを向いた。
「まだ痛むか」
遠慮がちに、村光は返事する。
「――少しだけ」
「湿布やるから来い。明日になっても痛むなら、医務室に行け」
村光は、大きな目をさらに見開いて斎藤を見る。
「はっ、はいっ」
心なしか、村光の耳が赤く染まった。窺うように、上目遣いで斎藤を見る。
怯えているのか、少し肩幅を縮こまらせている。
踵を返した斎藤に、早足で村光は追いついてきた。
――こいつ、捻挫してるもんな。
少し、歩調を緩めた。10cmは身長が違う、斎藤と村光では歩幅も違う。
こうして話すのなら、何も困ることはないのに、とふっと斎藤は思う。
できるのは仕事の話だけ。――本当に、俺はつまらない男みたいだ。
一瞬、斎藤は独りで苦笑いした。ふっと寂しさがこみ上げる。
休憩時間に、若い隊員と談笑する村光の顔。趣味の話でもしていたのだろう。
黙って後ろについてくる村光の足音を聞きながら、斎藤はため息をつく。
149 ◆jBZrxQDruc :2008/06/09(月) 00:20:47 ID:6jLYaY4g
ここまでです。
150名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 02:14:53 ID:zK4j+gmx
ぐぐぐぐぐ、GJ!
しかし名前のよみかたがほとんどわからん俺ゆとり
151 ◆jBZrxQDruc :2008/06/09(月) 09:33:57 ID:6jLYaY4g
>>150
すみません、常用外なので読みをつけるべきでした。

斎藤莞爾(さいとう かんじ)
村光美命(むらみつ みこと)
です。
152名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 20:50:30 ID:RF03uV/Z
GJ!!!
153名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 09:55:01 ID:Ob5fW0As
154戦車兵モノ:2008/06/12(木) 10:02:26 ID:flzMGvNX
戦車兵モノ 
※話の冒頭部はマニアックなので
苦手な方は『戦車兵モノ』NGでお願いします。



「ど、同志少尉、頭蹴らないで下さい!」
「うるさい!このド下手クソ!何発外せば気が済むんだよ!」
 俺の名前はシャリナ=ツェッファ。
親父は戦車を造る技術者で俺のガキの頃から家の中には戦車に関する本やら
戦術書があった。俺が16になる頃、帝国の奴らが攻めてきて、ワケもわからず
親父達と一緒に東へと逃げた。
帝国軍は強力で、国産のオンボロ戦車やかき集めた大砲では太刀打ちできる
はずもなく、瞬く間に首都や重工業地帯まで迫られた。
工場で作った塗装もしていない新型戦車、旧型、果ては自動車まで残らず戦闘にかり出され、
自転車以上の機械を作っている工場は全て戦車、武器生産に強制参加。
その甲斐あってか、何とか進撃を止めることができた。一進一退の攻防戦は冬まで続いた。
帝国軍は冬になるとノロノロと動きが遅くなり、勢いがなくなったところを包囲して
コテンパンにしてやった。
今度は俺達の反撃だ、絶対、ぶっ飛ばしてやる!
そう思って戦車兵に志願したら人数不足で経験もなしに、戦車長にされた。
戦車の定員は5人なのに俺を含めて4人しかいない。
戦車砲に弾込める奴がエルカ(♂)、15だがマッチョで無口な奴。
狙いを付けて戦車砲をぶっ放すけどよく外すバカがマーシェンカ(♂)、
17歳でもやたら童顔の野郎だ。ヘタレだ。アホだ。
そんな俺達のおふくろ役でもある操縦手のアンジェさん(♀)35歳。元教師。
「まだ動いてる!2時方向!」
「装填完了…」
「今度こそ食うぞ!85oの拳、ケツの穴にぶち込んでやる!」
155戦車兵モノ:2008/06/12(木) 10:03:26 ID:flzMGvNX
「はいはい、お疲れ様ぁ〜今日は大戦果ね。大漁、大漁♪3両よ3両」
 上機嫌でウォッカを持ってきたアンジェさんが言った。
ここは俺達の補給基地。まだ雪景色が残る森の中だ。
「……5両食えた。絶対。あそこで外さなけりゃ絶対食えた。」
 俺はムシャムシャと固いパンを囓りながら言った。
「言わないで下さいよ、同志シャリナ少尉…僕だって」
「ド下手クソ」
「う……」
 グッと言葉をつまらせるマーシェンカ。
「弾を込める身にもなって…欲しい」
 とこれはエルカ。
「うう……」
「まーまー、マーシー君も15発中8発命中したんだから大したもんだよ。
シャリナちゃんもそんな怒んないでやって」
「先生に言われちゃしょうがないけどさー」
アンジェさんの通称は“先生”で通っている。
「それはそう帝国本土より西の方から連合軍が上陸するらしいわよ。」
「いつ頃…?」
 ズズーと豆スープを飲みながらエルカが呟いた。
「うーん…そこまではわからないけど…さっき司令部の前で小耳にはさんだの。」
「関係ないって。金持ちの国の野郎共が領土欲しさに後から参戦なんて
……ふざけてる。はじっめからまともに戦ってるの俺らの国だけじゃないか。」
「でもシャリナちゃん…そうしてもらった方が東と西から帝国を挟めるワケで戦争は早く終わるわ。」
「うー…そうだけどォ…何かせこいというか…」
「僕は先生の豊満なおっぱいに挟まれたいなぁ〜なんて…ハハ」
 このド阿呆はそんな事をぬかした。もちろんマーシェンカだ。
「やだぁ、マーシー君それセクハラよ♪」
「先生…俺も、俺も」
「……あのね、マーシェンカ君、エルカ君…そう言った話題はやめてくれるかなぁ?」
「どうしてですか?同志少尉」
「……なぜ?」
「俺も、女なんですけど?」
  ……わかりやすい奴らだ、『意味がわからない』という顔をしていやがる。
「俺も女なんだよ!ボケナス共!セクハラだろうが、ああ!?」
「はっ、はい!も、申し訳ありません。」
「す、すみま……せん…少尉殿」
二人はバッと立ちあがり、直立不動で敬礼した。
くっそ、俺だって後4年もすりゃあ、おっぱいなんてでかくならぁ!
い、今は…まだ……その……ねぇけど……ふん。
まぁ、そんなヘタレマーシェンカだが、実はコイツと俺しかしらない秘密がある。
156戦車兵モノ:2008/06/12(木) 10:04:22 ID:flzMGvNX
「はぁ…はぁ…はぁ…ん、少尉…ん」
腰を震わせ、俯せになる俺に挿入したまま、マーシェンカはうなじに小さなキスを繰り返した。
そして俺の膣中からぬるりと引き抜くと、俺の膣液でぬめったゴムを捨てた。
  ここは戦車の外、薄暗い中、装甲に手をついてセックスに興じている俺達。
「あ…は…マーシェンカ…少尉じゃねぇだろ…名前で」
顔を向け、マーシェンカのキスを受ける俺。
両親は帝国の奴らに殺されて、こいつの両親と親友だった俺の親父が面倒みてた事もあり
ガキの時からの馴染みだ。
俺が志願するっていうんであわてて着いてきたヘタレだ。
  親父には最後まで反対されてたけど、コイツは妙なところで頑固で、許したらしい。
  が、いかんせん心配だったのだろう。コネを使って俺とコイツは一緒の部隊に配属された。
「少…じゃなくてシャリナ…その…試してみたい事があるんだけど…いいか?」
おずおずとマーシェンカが言った。
「生出しは金出してもやんねぇーぞ。」
ジト目で睨む俺にマーシェンカはあわてて言った。
「い、いや、それじゃなくって…そのさ、Hする時の…体位なんだけど」
「なんだ……それか」
ふぅと息をつく俺。
「いっつも後ろからだよね。」
「お、おう……」
「たまには……そのシャリナのイク顔を見ながらしたいなぁ…と思ってさ」
俺の背中に軽いキスをしてマーシェンカは言った。
「え…せ、正常位…ふ、ふざけんな……第一、雪がまだあるじゃねぇか…」
「いや?」
小動物…例えるなら子犬が『お腹すいたよぅ』というような眼でコイツは訴えた。
「イ…イヤじゃねぇ、イヤじゃねぇけど…で、でも……そ、そんな眼で見るなよ!」
「どうしても?毛布引いてもイヤ?先生とエルカは戦車の中でぐっすり寝てるから起きないよ。」
もしマーシェンカが子犬ならクゥ〜ンクゥ〜ンと甘い鳴き声を発しているだろう。
「うー……わ、わかったよ。す、少しだけな…す、少しだけだぞ!」
俺は顔を赤らめながら言った。

「…シャリナ、いいか…」
マーシェンカが新たなゴムを付け、俺の股を開いた。
「お…おう、来い…さ、さぁ、き、来やがれ」
俺は自分の上に覆い被さってくるマーシェンカをドキドキしながら受け入れた。
いつもは重力に引かれていた貧相なおっぱいが、俺の引き締まった筋肉に
支えられてツンと上を向いている。
畜生、なんで16にもなってノーブラなんだよ。
「ん……はっ…うっ…前…入って…」
マーシェンカの分身が中に押し入ってくる感覚に俺は震えた。
157戦車兵モノ:2008/06/12(木) 10:06:56 ID:flzMGvNX
「これが前からした時の感覚か…何か新鮮…胸が揉みほぐせて…」
マーシェンカは俺の貧相な乳房をむにゅむにゅと荒々しい手つきで
揉みほぐしながら、腰を押し進める。
「あ…や、やめ…そんなに揉むな。」
俺が眉を潜め、マーシェンカの両手を掴んだ。それでもマーシェンカの両手は止まることはない。
「あ、ああ…でも…柔らかすぎ…ん、僕が大きくしてあげるよ。」
腰をゆっくりと推し進めながら、マーシェンカは俺の胸にむしゃぶりつき、力強く吸った。
「やっ…はっ、す、吸うな―んんん」
俺は喉を仰け反らせて喘いだ。小振りなおっぱいがぷるっと弾み、背中がピンと反り返る。
それでもマーシェンカは執拗に俺のおっぱいを交互に吸い、舐め回した。
「はっ俺、俺…うう…はっ」
マーシェンカが俺の尻を掴み、腰を激しく突き動かした。
「あっ!いい、いい…マーシェンカああ」
パンパンパンとマーシェンカの剣突を受けるたびにじゅぶじゅぶと結合部から
粘った音が響く。
「ご、ゴメン、き、気持ち良すぎて…止まらない」
「マーシー!そんな激しくしな…く、くうう…」
マーシェンカは眉間に皺をよせ、俺の腰を掴みこんで突きまくった。
  しかも…ガキの時の愛称で呼んじまった。ああ…なんでヤッてる時って言葉が
幼稚になるんだろ。
俺は歯を食いしばった、けど、喘ぎ声は止まらない。
「シャリナの顔、可愛いよ。もっと、もっと見せてくれ、シャリナの顔」
マーシェンカは突き入れるたびに眉を潜める俺の頬にキスを繰り返した。
「は、恥ずかしい…マ、マーシー、俺の顔を見るな、見るなぁ!」
涙目で俺は訴えたがその声は甘い、甘い甘美な響きがマーシェンカの
興奮をさらに高めた。
「ああッ、出る…出るよシャリナ!」
マーシェンカの突きが最高潮に達し、俺は叫ぶように言った。
「んんんっ…み、見るな…俺の…私のイッちゃう顔見ないでぇぇ!」
身体がビクンと引きつり、途端にどっと押し寄せてくる疲労感。
うっううっ…と俺の尻に指を食い込ませて呻いているマーシェンカは何回か腰を震わせ、
俺に抱きついてきた。
158戦車兵モノ:2008/06/12(木) 10:22:17 ID:flzMGvNX
「はっ…はぁ……ん、この戦争が終わったら…シャリナ」
「あん?」
「結婚してくれないか?」
「………!?」
「僕は本気なんだ。絶対、絶対生き残って、二人で親父さんのトコに言って
『お嬢さんを僕に下さい』って言うんだ。約束してくれ。」
「…………ヤダ」
  ガビーンとなるマーシェンカ。
「な、何で……僕のこと嫌い?」
「バカ、そういうこと言ってんじゃねぇよ。
生きて帰れる保証はないだろ?約束なんてできねぇって言ってんだ。」
「え…それって」
「まぁ、生きて帰れれば……何だ、考えてやっても……いい。」
「ほ、本当!?本当だね!?」
「ああ、お前が帝国軍のあのくそったれ総統がいやがる総統府に赤旗立てたら
掛け値なし。そん時は結婚してやるよ!」
「わかった。僕、頑張る、頑張って戦車長になって帝国の戦車を倒すよ!それで
総統府に赤旗立てる!!」
「その前にちゃんと敵の戦車に砲弾当てろ。このバカ!」
  ま、生き残れたらの話だけどねー…とその時は聞き流していた。
  工場から出た戦車の寿命は1週間。帝国軍の戦車が規格外に強くてこちらは
数で押してやっと勝っているのが現状だ。
  事実、部隊の顔ぶれの入れ替わりは激しすぎる。
俺達もその中の一人になるんだろう…と思っていた。
  
  だが、しかし俺達は2年、3年、4年と月日が流れても生きていた。
昇進して、部隊長になって、帝国の本土に侵攻して、
首都に攻め入って、最後に総統府に赤い旗が立っても生きていた。
  生き残れた…という安堵感と共に、どっと疲れが出た。
ハッチを開けて外の空気を目一杯吸い込む。無線通信よると、その旗を立てたのは歩兵でなく。
何故か、戦車兵らしい。
  ご苦労な戦車兵さんだねぇ……と思っていたら、マーシェンカの乗った戦車が
横付け駐車された。3日前からの首都攻略戦で行方不明になってたから心配して
いたが、生きていやがった……ジンと目頭が熱くなる。
  すると砲塔ハッチが開き、煤まみれの幼馴染みの顔が出てきた。
「し、心配してたぞ……このバカッ!」
  マーシェンカは開口一番こう言った。
「ごめんごめん。でもシャリナ、約束をね?」
「約束?」
  そしてマーシェンカが見せたのは撮ったばかりの写真。
従軍記者が撮ったのだろう。
 勝利の瞬間、総統府に赤旗を立てている戦車兵の姿だった。
「シャリナ、僕と結婚しよう!」

END
159名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 10:51:15 ID:SDo9Rh5d
GJ!!
160名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 18:10:04 ID:9KNA1QgK
GJ!!!!!!
161名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 20:30:34 ID:I3lMaI1H
ゴッドジョブ!

戦場のヴァルキュリアとかあるし戦車兵の需要?は高いな〜

砲弾の自動装填装置が出てくると
多少ロマンが減るジャンルw
162名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 20:34:05 ID:9KNA1QgK
AC-130の乗員で話が作れないものか…
163名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 22:56:55 ID:u2Zzr9uq
大丈夫だ。全然マニアックじゃない。
このスレに来るような奴ならみんな知ってる。
だから気兼ねせずにどんどん書いてくれ。
164戦車兵モノ:2008/06/12(木) 23:39:19 ID:RgdLT50y
皆さんありがとうございます。
この戦車兵モノ、今回の共産圏サイドのシャリナ、前に投下した帝国サイドのシュルツーナ、投下予定の連合国のキャラと話がリンクしてますんで人気あったやつの続編書きますね。
連合国のは知ってる人がいると思いますがネタバレ禁止でお願いします。
165戦車兵モノ:2008/06/14(土) 13:28:47 ID:jURbEB+b
戦車兵モノ 
ボクっ娘
臭い
連合軍サイド

※話の冒頭部は引き続きマニアックなので
苦手な方は『戦車兵モノ』NGでお願いします。


「目標、800m。徹甲弾!」
 暗闇の中、車内無線を通してボクは装填手のツカサへ告げた。
『弾込め良し!』
「ぶっ飛ばしてやる、射(て)ぇ!」
 ペリスコープ越しに爆発する最後の敵戦車を見ながらボクは息をついた。
「お手柄、ヘムン」
『へへへ〜それほどでも…」
 射撃手のヘムンが声を出す。
『ざまァみやがれ!見たか帝国のクソ野郎共!』
 操縦手のジョンが声を上げる。
「油断するな、引き上げる。歩兵部隊に連絡――――」
 
ボクの名前はハル、連合国第5戦車師団第2大隊第―――面倒だから省略。
帝国が隣国へ資源を求めて侵攻したために、各国が連合軍として反撃に出た。
最初は優勢だった帝国軍も連合軍の物量には敵わず、今やその勢力圏は
帝国本土にまで縮小されている。
このままいけばクリスマスまでには家に帰れるだろうと大隊長は言っていたが…。
 連合軍もそれなりに被害を被っているワケで…この第二級の前線(第一級は最前線)
でもヘムンやジョンのような少女や少年兵が駆り出されている。
二人ともまだ17歳だ。かく言うボクもまだ21歳…しかも女だてらに戦車長を務めている。
166戦車兵モノ:2008/06/14(土) 13:31:21 ID:jURbEB+b
『…尉…中尉』
「ん、あ…何?」
 車内無線を通して装填手のツカサの声が聞こえる。ちなみにこいつは18歳。
『何だじゃないですよ。入りますよ、小便』
「こぼすなよ、以上。」
『はいはい…』
戦車に詳しい人は知っていると思うけど移動中は当然、車外などに出て用を足している暇はない。
当然、車内で用足ししなければならない。そこで問題、何に用を足すのか?
それは戦闘中に撃った戦車砲弾の空薬莢にだ。ウチの戦車は76o砲なのでそこそこ入る。
帝国のバカみたいにデカイ大砲はどれくらい入るんだか…。
ちなみにボクやヘムンもソレに用を足す。耐え難い事この上ない。
誤解の無いように言っておくけど、薬莢の中に出すのはもちろん小の方。
大の方は我慢するか、夜に1人ずつ外に行って足すしかない。
それともう一つ耐え難いのが……臭いだ。
移動中、戦闘中、何時間もこの密閉された空間に新陳代謝の激しい10代が3人もいて、
トイレも車内、食事も車内、身体は下手したら1ヶ月も洗えない。想像を絶する臭いになる。
 歩兵隊の奴らは合同作戦の時に鼻栓をして打ち合わせに来るから、なおさらむかつく。
戦闘中は戦車に頼りっきりのクセに。
帝国の自走砲にさえビビって対戦車バズーカーも撃てないクセに。
『少尉、前線司令部からです。帝国軍はこの辺りから撤退し始めたそうなんで、
引き継ぎを第4中隊に任せて、補給を受けろ。との事です』
 最年長者の無線手リック(27歳♂)の声がヘッドホン越しに聞こえた。
「了解。よかった、少し休めるよ」
『ホーント、少佐と久々にセックス出来ますね。中尉』
 ヘムンがキャハハと笑った。
「はァ?」
『よせよヘムン、中尉はまだ処女―――痛い痛い』
 ボクはツカサの頭を思いきり蹴りつけてやった。
「伍長!軍曹!黙れ、これは命令だ!」
『あっ、あ…ん、少佐、少佐の…下さいボクに〜って…痛い痛い』
 ヘムンの甘い声。こっちも問答無用に蹴りつけてやる。
『ホントですか、中尉!?』
 ジョンの声。
「何が!?」
『俺の童貞貰ってくれるって』
「死ね。百回、死ね。」
 そんなこんなでボク達は前線基地に戻った。
167戦車兵モノ:2008/06/14(土) 13:32:47 ID:jURbEB+b
「道をあけろ!邪魔だ引いちまうぞ!」
「第17歩兵中隊は1430時に集合せよ」
「最前線への物資だ。搬入作業を―――」
前線基地はいつものようにごった返していた。
何台ものトラックやら兵員輸送車両があわただしく行きかっている。
何時にもまして多いのは近々、連合軍の帝国本土侵攻作戦があるからだろう。
東の『赤いオトモダチ』も侵攻作戦を始めているらしい。
何にしてもこんな旧型戦車を転がしてるボク達にはあまり関係ない話だ。
さっき撃破した戦車だって帝国が併合した小国の旧式だし。
本物の帝国産戦車だったら撃破されていたのはこっちだろう。
「ボク達には関係ないって顔ですね、中尉」
道端で缶詰と代用コーヒーで昼食をとっていたツカサが言った。
「うるさいな。ソレ食べたら砲弾と機銃の弾薬、食糧と水の積み込みしといて。」
「え〜少しは休みましょうよォ〜戦車点検、整備は48時間掛かるって整備班長
が言ってたし。身体も洗いたいです。」
と露骨に嫌な顔をしながらヘムンが口を尖らせた。
「……そう。どっかの誰かのアレをそのまましゃぶってた口がそんな事言うんだ?」
「ななななに言ってるんですかちちちち中尉?」
ボクは軍曹の秘め事を密かに呟いてやった。
「え、マジ軍曹。俺の童貞あげ―――」
学習能力のない操縦手が勇んで言った。
「うるさい、死ね。千回くらい死ね。アンタなんかとヤるなら死んだ方がマシ。」
「そんなに嫌がらなくても……」
落ち込むジョンをツカサとリックが慰めている。
「わかった?ヘムンさっき言った事やっとくように。司令部に出頭命令が出てるから行ってくる」
「りょーかいです。」 
軽く敬礼をかわすヘムンに敬礼を返し、ボクは司令部に向かった。
168戦車兵モノ:2008/06/14(土) 13:34:52 ID:jURbEB+b

「新型……ですか?」
帝国貴族の屋敷を接収して司令部に置き換えた張本人――ジャン=ローエン少佐が
やけにあっさりと言った。ここは少佐の執務室。ボク以外の人はいない。
「そうだ。厳密には新型ではないがね。名前くらいは知ってるだろう?
連合軍で唯一、純帝国戦車を撃破出来るあの長っ鼻を。」
「……ああ…あんまり我が軍に回してくれない長砲身のアレですか…それでいて
帝国戦車の最優先撃破目標にされてる戦車ですよね?」
あはははははっと二人して笑う。
「お断りします。つーかヤダ。」
「不服かい?」
「当たり前だよ。何であんな戦車に乗らなきゃならないんだよ?
ウチの装填手アレの砲弾持てませんよ。それに他にもっと優秀な戦車兵はいるだろ、ジャン」
「皆、本土侵攻作戦にとられてしまってね……アレに見合った技量をもつ兵は君しかいないんだ。
それに今の車両よりは攻守共に比較に成らんよ。」
「帝国の戦車の前じゃあ、コッチの戦車の装甲は全部抜かれるよ。戦車の概念から違うんだから
…て、ねぇ、聞いてるボクのはな―――」
 少佐が後ろからボクの身体を抱いた。
「ちょ…ちょっといくら他の人がいないからって…そ、それにボクの身体…」
「酒に酔った男が豚小屋にまき散らした吐瀉物を七日ほど熟成させた様な臭いでも私は気にしないよ。くんくん……すごい臭いだね。これは私ほどの熟達者でないと卒倒級のモノだな。」
「少佐、1万回くらい死んで下さい。いや、死ね。マジで死ね。今すぐ――――んっ」
ヘムンのデマはあながち間違いではない。ボクと少佐は開戦前は恋人同士だったのだ。
ジャンの家は由緒正しい軍人の家でボクは従軍記者の娘だった。ひょんな事から知り合い、
付き合うようになったのだが……開戦と同時にジャンの配属が決まり、別れてしまったのだ。
そして再び出会ったのが、開戦2年目。再燃焼するのに時間は掛からなかった。
唇を離して、ジャンはボクの両肩に手を置き、真面目な顔をして言った。
「この戦争は終局に向かいつつある、それも連合側の勝利で。君には生き残ってもらわないと」
「わ…わかってるよ……だ、大丈夫…心配しないで」
もう一回、唇を交わすとジャンは囁いた。
「…いいかい?今、ここで…」
「そ、そんな……ん、や…やだよ…はっ」
ジャンの手がボクのアソコをズボンの上からクッと触った。
「ちゃんと48時間の休暇を与えたハズだが?整備班に上等の酒5本、安いモノだ。」
「や、やっぱり…」
整備班長がやけに上機嫌だったのはコイツの手回しか…。
「身体は後で洗えばいい。こういった君を抱くのも悪くない、いや……クセになりそうだ。」
「へ、変態…臭いフェチ!いっとくけど『しゃぶる、吸う、嗅ぐ』は禁止だからな。特に下半身」
「キスは?」
「く…口だけなら…いいよ。」
169戦車兵モノ:2008/06/14(土) 13:35:34 ID:jURbEB+b

「うーん…じゃあ、キスしてもいい?」
「……そ、そう改まって言われると…は、恥ずかしいんだけど……ん」
 ボクは目を閉じて、唇を差し出しました。1秒…2秒…3秒…いつまでたってもジャンの
 唇と重ならない。おかしいな…と思い眼を開けてみると、そこにはきょとんとしたジャンが
 さっきのままでこちらを見ている。
「どうした?」
「それはコッチの台詞だよ。キスしてって言うから…その――」
 ボクが恥ずかしそうにモジモジしているとジャンは『ああ』と言って何かに気付いたようだった。
「あ、すまん。キスはキスでもコッチにキスしてくれないか…」
「……はぁ…最低ですね、少佐。」
 ジャンが指す先には既にパンパンに膨れ、ズボンを押し上げているアレだった。

「ん…ちゅ…あ…」
「はぁ…う……久々だ…君の口でシテもらえるのは。予習復習は欠かさなかったようだね。」
執務室の椅子に腰掛け、その足元に踞るボクは少佐のアレを口に含み、舌で鈴口を突いていた。
「おお…ソレ…ん、効く……やけに激しいな。あんまりがっつく―――おうっ!」
ボクはむかついたのでジャンのアレを強く握ってやった。
「悪かったね。あんな狭い所じゃ―――」
手で扱きながら、ボクは口を尖らせた。
「オナニーもできない?」
「うっ……」
返答のかわりにジーと睨んでやる。
「図星か…ハルのトコの装填手やら操縦手は若い少年兵だったね。
彼らを使えばいいのに。他のトコはそうしてるみたいだけど?」
「そんなの容認してたら、軍の士気に関わるし、それ以前に常識が問われますよ!?」
「欲求不満で民間人を暴行するよりマシだよ。………しないでね。
民間人の美少年とか食べるの。色々と面倒事になって。私がクビになるから。」
「誰がするか!」
クイと歯を立てて、噛みつくように言ってやった。
「痛たたたたたたた。私にはそっちの趣向はないんだ、やめてくれ」
「ふんっ……だ。」
本当に痛がっているので、気を取り直して口を窄めて、アレを舐めるのを再開させる。
さっきよりも太く熱くなっている
少佐のアレは大きくなるとボクの口にはおさまりきらない。
袋を手で揉みほぐしながら、裏筋に舌を這わせた時、頭をくっと掴まれた。
「1回は抜いとかないと…私も欲求不満でね…口でいいかい?」
「飲まないよ。」
「ならぶっかけ。もちろんこれ、命令で。」
笑顔でこれ以上ない残酷な命令を告げる少佐。
「わかったよ、飲めばいいんでしょ!飲めば!」
ボクは諦めた顔で爆発寸前のソレを手で扱きながら、唇を覆い被せた。
「ご褒美は君の好きな粉末オレンジジュースとレモンジュース各10パックで。
ゴムもおまけで、君んトコの若いコ用に」
「ひ、ひらひゃいよ!」
「くっ―――で、出る。受け止め――うっ」
少佐がボクの頭を抱え、股間に押しつけたと同時に口の中に特濃の白濁液が
射精された。
相当溜まってたらしく、液と言うよりはゼリー状の塊がとんでもない量で口の中に吐き出された。
飲みにくいったらありゃしない。やっとのおもいで喉に絡みつくソレをボクは飲み下していく。
「はーはー…う、ううっ…ん」
が、ボクが眼を閉じて、必死で飲み込んでいる姿に興奮しているのかまだ吐き出し続けている。
精液特有の臭いと苦みが口の中に広がって舌が痺れてくる。ああ…最悪だ。
「はぁ…はぁ……ああ、最高だ…ハル。今度はお尻を出して」
「ゲホゲホ…ォオエッ…これじゃ身が保たないよ…ホント」
170戦車兵モノ:2008/06/14(土) 13:36:53 ID:jURbEB+b

「ん…はぁ…し…少佐…」
今のボクはとんでもなく恥ずかしい格好をしている。
煤や排莢煙で汚れた戦闘服を来たまま、胸をはだけさせて、ズボンを足元までおろして。
ショーツは太股まで…
「コッチも随分ご無沙汰してたからね。それに、『少佐』でなくちゃんと『ジャン』と言ってくれないか?」
既に反り返りガチガチになっているアレをボクのお尻に擦りつけながら、ジャンはボクに言った。
「ジャン…ゴム付け…ボクまだ―――」
「妊娠してもお腹の大きくなる頃には戦争は終わってるよ」
「そ、そういう問題じゃないよォ!」
ジャンの両手がボクの腰を鷲掴んだ。
「そう………ゴムつけて欲しい?」
ジャンがボクの背に乗っかり、オッパイを揉みながら耳元で囁いてくる。
「あ……つ、付けてよ。…ん…ボク、怒るよ。」
「ん〜ここはそう言ってないみたいだけど?」
 そう言って手をボクのアソコに回し、濡れている割れ目を指でなぞった。
「ひゃ…あッ…や、やだ。そ、そこは反則―――」
実を言うとボクもかなり欲求は溜まっていた。
何ヶ月もセックスしてないうえにオナ禁ってある意味拷問だ。ヘムンのように適度に
ヤれる立場にもないのでなおさらキツイ。セックス嫌いな人はいいんだろうけど
生憎とボクはそういった都合のいい身体にできていないワケで…
「ん、じゃあ『ボクのマンコにジャンの2ヶ月分の精液を下さい。チンポ、ハメまくって』
と言ってくれたら付けよう。じゃなければそのまま突っ込んで、中出し。」
「……………」
「そんな鬼のような顔はしないでくれよ。問題はないだろ、付き合ってた頃は
もっとスゴイ事ことを言ってたじゃないか。『ご主人様のチンポミルクおいしいです』とか
『ああ!すごいっ、すごい!隊長のカノン砲、最高だよ!』って」
「あ、あれはお前が言わせたんだろーが!」
がお!とライオンのようにボクは吼えたが
「すまなかった。じゃあ、ナマの中出しコースで…」
「ちょっと待て!意味わかんないよ!何がすまなくて中出しなんだよ!?
ああ、もう―――わかった、わかったから!」
「ホント?」
「オッパイ揉みながら言わないで下さい…」
「気持ちいい?一回りくらい成長したね」
「知りませんよ。測れませんし測りません……ん、…だ、だから触らな…」
後ろからむにゅむにゅと揉みほぐされるボクのオッパイ。
少し大きいにも悩みの種だ。
思春期真っ盛りの少年兵の視線がボクの胸に注がれるのはかなり恥ずかしいし、
最近では支給される下着もサイズがきつくなってきた。
彼らのオカズにされてるかと思うと何とも複雑な気持ちになる。
「今度はその胸でパイズリ―――」
「いやです。」
「100ドルでどう?」
「ボクは娼婦じゃありません〜!!」
171戦車兵モノ:2008/06/14(土) 13:37:25 ID:jURbEB+b
「つれないなぁ…じゃあ、ハル…言って」
「……ん、一回だけだからな!!」
ジャンの甘い声がうなじにかかるとボクはビクッと背を震わせた。
いつもこのまま流されるボクは胸中で溜息をついた。
「ボ…ボクの…ア、アソコ…に…し、ジャン…の…2ヶ月分……せ…精…液を下さ…い……」
「え、どこに?」
君のお尻?っと、とぼけるジャンにボクは涙目になりながら言った。
「ううう〜…ボ、ボクの…マ…マンコ…に」
「はい続き、続き。チンポ、ハメまくって〜」
「チンポ……ハ…ハメ…まく…って」
は、恥ずかしすぎて死にそうだ。
「よく言えました。素晴らしい中尉、愛してるよ。」
そして間髪入れずにアレをぶち込まれた。
「ちょ…ちょっとゴム!約束がちが―――くううっ」
「ちゃんと計算してました。今日は安全日だろ?」
「な、なッ!?どうしてソレを!」
「付き合ってた時に君の生理周期を暗記したんだよ。計算、ずれてないと思うけど…
妊娠したら責任は取るから、大丈夫」
といいつつ、ガンガンと激しく突っ込まれるボクには反論する余裕はない。
「大丈夫なワケないだろ!!や、やだっ!やめっ…ああっ…こ、これ…くううう」
久しぶりの異物感にボクの意志とは逆に身体が歓喜しているみたいだ。お腹が熱く、
アソコはもう洪水のように濡れそぼっている。頬を机の上にすりつけながらボクは喘いだ。
「あっあっ…は、はげし…しょ…佐、ふっ…あ…」
「く…絡みついて痛いくらいだ…それに…まだキツ…う」
ジャンはボクの腰を掴み込み、腰をお尻に擦りつけるように突き上げた。膣壁が熱いアレで
擦られる快感は何物にも代え難く、抗えない。欲求不満なボク……最低だ。
机に押しつけられたオッパイがぐにゅううっと淫らに潰れる。
逆にジャンがボクの腰を引くとオッパイがぷるんと重力に引かれてこぼれ落ちた。
「ハル、ハル…ん、は…気持ちいい?気持ちいい?」
そのオッパイを揉みくちゃにされながらボクは呂律の回らない口で答える。
「う…う…はぁ……ジャン…ジャンンッ」
「すまない、もうイキそう…あ、ああ…くう…」
「えッ!?や、やだっ、膣内だけには…ダメダメダメェェッ」
とボクは言いつつも腰をくねらせ、ジャンのアレに刺激を与えてしまった。
「イ、イク…ハル……く…ふ…うッ」
最奥にアレを叩きつけたのと同時にジャンは短い悲鳴を上げた。
びゅるるるるると熱い白濁の塊が体内に凄まじい勢いで射精されているのが
ヤケにはっきりとわかった。熱い塊がボクの下腹部に広がる感覚に快感を感じてしまう。
「あ…んんんん〜…で、出てる…ボクの中に…ジャンのが…出てるよ……」
172戦車兵モノ:2008/06/14(土) 13:37:48 ID:jURbEB+b

「?」
一連の行為が終わり、机に俯せになったままボクはジャンが離れるとふらふらと起きあがった。
だけど、ボクの歩き方が微妙に違っていることにジャンは気付いたみたいだ。
「歩き方…変えたの?」
「あのねぇ…」
ボクは苦笑いを浮かべた。若干、頬が引きつっている。
「ジャン…戦場って危険だよね。」
「?」
「単刀直入に言うと、量が多い上に濃すぎる!」
「私の精液濃度と量に戦場が関係あるのかい?」
「士官学校では教わらなかっただろうけど…人の本能!
人は常に死と隣り合わせにいれば、子孫を残そうとする力が大きくなるんだよ!
出る量が多くなって、アレの中に含まれるオタマジャクシの数が多ければ多いほど粘度が高いの!」
「ははは、君は性について学殖が深いな。中学校の性教育の時間に興味津々で聞いて、
帰ってオナニーしてたタイプだね?」
ボクは問答無用で殴りました。グーで。
「すみませんでした。」
「さらに2ヶ月もオナ禁してたって事は……量なんかもう半端じゃなくて
…しかも凄く濃いから少しずつ漏れてくるの。薄ければ一気に外に出て
こんなふうにはならないのに!妊娠したらどうするんだよ!……ん、んん…」
 やばっ…少し流れてきた…ボクの太股を伝ってアレが…。
「どうかした、ハル?」
「だ、だから…その…漏れて」
「見る。これ命令」
「いやだいやだいやだあああっ!」
じたばたするボクを机上に座らせ、ズボンとショーツをはぎ取ると、そのままアソコを凝視するジャン…最悪だ、なんでこんな時だけ力が倍になるんだコイツは。
ドロっとアレが流れ出てきたところを見られるなんて。もう死ぬほど恥ずかしい。
「おお、これこそ絶対領域…人体の神秘…」
「ちょっと…もういいだろ?やめ――――」
その時だった。遠慮なしに執務室のドアが開けられ、目を輝かせたボクの部下達が入ってきた。
「中尉、私達の戦車、新しくなったんですよ!」
「これで純帝国産の戦車をやっつけれます!」
「さっき整備班長が俺達の所に来て――――」
「中尉のおかげです。ありがとうござい―――」
ボクは半裸のまま脚を開いて、ジャンはその股間に頭を埋めて。止まる時間と空間と皆の思考。
『……………失礼すますた。』
何事もなかったかのようにそそくさと出て行く4人の隊員。しかもすごい噛んでました。
「ふぅ……」
 このクソバカ野郎は汗を拭った。そして噛みまくってる口調で
「あぶないところだつたハルのだいじなアソコはわたすのあたまでぎそうしてらからもんだいない」
ボクはベルトにつってる自動拳銃を引き抜きました。弾は既に装填済みなので
安全装置を外すだけで発射可能です。ボクの銃はコルトガバメントM1911A1です。
バカ少佐をぶっ殺します。
「ははははははちよつときゆうようをおもいだしたのでそとにでてくるね」
ゴキブリ並の速度でドアまで移動する大バカ野郎にボクは照準を合わせた。
「逃がさない…殺す!絶対殺す!お前のせいだあああああ!」
 司令部にボクの鬼のような絶叫が響き、続く銃声。それを聞きつけて駆けつけてくる衛兵。
 逃げるジャン、追いかけるボク。もう最悪だ…誰かボクを殺して。

END

173名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 21:33:00 ID:S0qizHaz
GJ!
174名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 11:24:16 ID:33SrU4X6
これは良いものだ。GJ。続編はあるのだろうか……
175名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 23:56:07 ID:IxC+TQ62
保守
176名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 19:56:16 ID:VeuGrYlz
えーと、すいません。
スレ住人の方に聞きたいんですけど

素直クールでエロパロPART9
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212939321/146-152

シルヴァリア 屠殺戦争2020 を投下したんですが
やはり素直クールスレには微妙にスレ違いのような気がします。

さりとて、こっちもなんかスレ違いっぽいのすが、一応未来軍事ものではあるので、
続き投下して良いものでしょうか?
177名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 22:36:07 ID:M+IbGght
主人公が民間人っぽいけど注意書きしとけばいいんじゃない?
178名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 23:47:02 ID:SM0xiATm
okok
179名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 15:35:53 ID:C5QJ8D0d
そもそも、一回投下しただけで撤退って
何で素直クールスレに投下したのかってのが分からない
スレタイ読めない人はどこでもお断りだよ
ここでもなんかやらかしそうだし
180名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 21:13:19 ID:Zo+T5auT
了解です。引っ込みます。
181名無し@ピンキー:2008/06/30(月) 08:49:38 ID:iFWFVRw8
保守
182戦車兵モノ:2008/07/04(金) 21:40:27 ID:PJjBO8ch
>>173、174
サンクス。続きはどのパートで書くか思案中。
シャリナ………ロ○ア
シュルツーナ…ド○ツ
ハル……………ア○リカ……思いつかん
183名無しさん@ピンキー:2008/07/11(金) 00:56:24 ID:72zX6lvL
hosu
184名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 08:57:43 ID:Qxq3JcgC
保守政策実行中
美人政治委員にシゴかれたいやつ挙手!!
今なら対独戦線に放り込んでやる! 
185名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 19:57:37 ID:VXlHbyS1

べ、別に美人に釣られた訳じゃないんだからね!!
ただお国の為に(ry
186名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 21:34:28 ID:+o5WvxZG
どちらかというと しごきたい
187名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 05:20:18 ID:F+N3ueSt
そこでソ連人民最大の敵の登場ですよ
188名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 01:56:01 ID:MsLtE9Rn
士官学校を卒業したばかり、新人士官の女性が辺境の部隊に配属される。
聞けば貴族出身の娘と言う話。
金持ちの娘が酔狂で士官を目指したのか。軍もスポンサーの娘を
ないがしろにするわけに行かず、この辺境の舞台に擦り付けざるを得なかったのだろう。
誰もがそう考えていた。
彼女がこの部隊にやってくるまでは。

女だとなめて掛かってからかってきた下士官をフルボッコにする新人士官。
かと思えば兵卒の人間に心を開いてもらえないと悩んだり凹んだり、
でもピンチの時初めてチームワークが発揮できて自信を取り戻していったり。

なんか女の子が「上司だけど年下で後輩」ってシチュエーションが萌える・・・。
189名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 15:37:03 ID:WqI+bBKw
それは もえる
とても もえる

「なんだ……やっぱり、あれか。私が子供で、女だから……信頼、されないんだろうか……」
 とか、ぽつりと零す鬼上司とか。
「へぇ。あんたでもそんなこと考えたりするんだな」
 とかからかう部下とか。
「ま、真面目にやってる部下に股の一つも開いてやりゃあ、みんな尻尾ふってくると思うぜ?
手始めに俺とかな」
「き、きさま! なんという破廉恥な! 恥をしれ! わ、私を愚弄するものたいがいにしろ!」
「おいおい! そういきり立つなよ冗談だ! あんたの強さはわかってる! わかってるから!」

 そんなやりとりのあと、朝礼かなんかで、

「こ、今月最も真面目にやった人間には……わ……わ……私がほっぺにちゅーしてやる!!」
 とか叫んでみたり。
190名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 20:39:42 ID:qVd+sE9b
>189 GJ
191名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 00:42:05 ID:QaOOWt2a
>>189GJ

一同「ほけ〜〜」
上司「コ、コラッ!お前ら、ちゃんと聞いてるのか!?ほ、ほっぺにちゅーだぞ!嬉しくないのか!?」
一同「……だってさ」
「ちゅーだけ?」
「良い乳してんだからせめて…」
「い、一発とか?」
「バカ、死にたいのかよ」

一同「隊員殿!」
上司「な、何だ!?」
一同「ほっぺにちゅーより隊員のおっぱいを揉ませていただければ、一同、手榴弾一つで戦車に立ち向かう様に働きます」 上司「お、おっぱいを!?」
一同「じーーー」
上司「わ、わかった…一番、働いたヤツにお、おっぱい…も、揉ませてやる!」
192名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 01:20:36 ID:VtJoFiHy
で、先輩下士官がこの時ばかりは鬼神のごとき働きを見せて美味しい所をとってくと。

「さて、じゃあ頂くとしますかね」
 にやにやといやらしく笑う男の指が、ゆっくりと彼女の胸に迫る。
 彼女は少女の恥じらいと上官としてのけじめの板ばさみに苦しみながらも、
きつく唇を噛み締めて逃げ出したくなるのを必死に耐えた。
 男の指がそっと鎖骨に触れ、なだらかな胸のラインをなぞる。彼女は真っ赤になって大声を上げた。
「ばか者! ぐずぐずしてないでとっとと揉まんか!」
「それ、事情が知らないやつが聞くと確実に痴女扱いだぜ?」
「な、ば……ば、ばか者! 痴女とはなんだ! 痴女とは! わ、私は上官として、
部下との約束を……!」
「わーってるわーってる! それを俺に主張したってしょうがねぇだろう! 勘違いするのは
俺じゃなくて事情をしらねぇだれかだよ」
「貴様がぐずぐずしてるのがいかんのだ! ほら、とっとと揉まんか!」
 叫んで、少女は男の無骨な手をむんずと掴むと、無理やり自らの胸に押し当てた。
「ふ、ふん! なんだ……た、大した事ないじゃないか! まったく下らん!
お、男と言う物は、まったくなんだってこんな脂肪の塊がいいんだか!」
「……へぇ。こいつはなかなか。弾力といい柔らかさといい……」
「ば、ばか者! 揉むな! く、くすぐった……!」
「揉むなもくそも。約束は揉むことであって、触るだけじゃあ契約不履行だぜ?」
「ひぐ……! で、では早く……お、終らせ……あ……ぁ……!」
「服の上からじゃ、イマイチ気分がのらねぇなあ。直接触ってもいいだろ?」
「な、なにを馬鹿な――!」
「服の上からなんて制限はつけなかっただろ? それとも、たかが脂肪の塊を、
直接揉まれるとなにか問題でもあるのか?」
「ぬぐ……ぐ、ぐぐぐ……よし、いいだろう……」
「さすが! そうこなくっちゃな!」
「だが待て! 制限をつけなければそうして付け入ってくるならば、私も制限を設けさせてもらう。
三揉みだ! いいか! 三揉みだぞ!」
「いや、十だな」
「馬鹿をいうな! たったいま十回くらい揉んだだろう! 譲歩はせんぞ! 三だ!
これ以上もみたければ今月も馬車馬のように働くんだな!」
 
193名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 14:36:17 ID:QaOOWt2a
そして初めて感じた
先輩下士官の指使いを忘れれず、月イチの乳揉みの日まで自慰ですごす上司。

「あ…あのバカ…ん…何で私が…あふ」

自ら乳房を揉みしだき、乳首を指先でこねくり回す。
胸だけでは足りない…こ、今度はお尻も付け加え…
「な、何を考えているんだ私は!そ、そんな事したら…お、犯されるだけだ…」
194名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 13:34:29 ID:G6KdFh2F
そして腰に輝く蒼いランタン
195名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 15:31:21 ID:bj5Rainw
>>192のいう鬼神のごとき働きぶり

演習の日
上司「ふん、相手は国防軍の最新戦車部隊だそ?こんな辺境守備隊が
勝てるわけなかろう。大方、国内への宣伝だろうさ。」
先輩下士官「そりゃ、よかった。アンタのご立派な『おっぱい』も揉まれる
心配はないワケだ。見たところ……82センチの乳首は小粒くらいで希望」
上「ば、ばか者!どこを見ている!!演習が始まるぞ!」
下「へいへい……あーこちら、おっぱい1より全軍、対戦車戦闘用意。」
皆「おっぱい2より20まで準備良し。」
上「な、な、な…何だそのコードネームは!?」
下「は!士気高揚の為に皆で考えたのであります。隊長殿!」
上「ふざけ−−−−」
どうんっ!!
陣地内に進んできた最新鋭の国産戦車の主砲から発射された模擬弾が
二人がいるたこつぼ付近に着弾した。
下「へー、あれか……おっぱい4、そっちに行くぞ。」
4「ヤー。あの方法でいいですか、副長殿」
下「任せる。」
上「な、バカ。手を出させるな!相手が相手だぞ、敵うわけが−−」
あわてて無線機に跳びかかろうとする上司をまーまーとなだめ、
先輩下士官は言った。
下「おっぱい4は、西部戦線で火炎瓶と急造の対戦車地雷で敵戦車を3両
破壊した強者であります、隊長殿。お手並み拝見と行きましょう」
間をおかず車輪ごと復帯が吹き飛ぶ国産戦車。
『な、なんだ!?どうなっている!対戦車地雷は効かんハズだぞ!?』
戦車内の通信がこちら陣地の無線機に流れてくる。
上「…な、何だと…これは相手の」
下「あーこれはおっぱい2の仕業です。やるなと言ったんですが、
まァ…あいつの手に掛かれば、暗号なんて無意味なモンです。」
上「お…お前達…一体、一体、何者だ!」
下「あー…そいつは……命令違反の懲罰者が集う辺境警備隊って
トコでどうでしょう?」
4「隊長殿、おっぱい4です。敵戦車破壊。これでポイントリードです」
下「おお。ちゃんとマーカーでつけてるぞ」
3「くっそ。おい、コッチは迫撃砲で砲塔破壊してやるぞ」
6「なら俺は狙撃銃で覗き窓越しに操縦手の頭を」
7「バカ、実弾禁止だ。せめてペリスコの防弾ガラスにペイント弾
当てるだけにしとけ」
8「こちら対戦車砲、おっぱい詰めて、おっぱいをぶっ飛ばします」
9「落ち着け、おっさん。」
10「だげ熱意は充分伝わってくるぜ」
19「おっぱい、おっぱい、おっぱい」
次々と破壊されていく戦車。脱出する戦車兵に浴びせられるペイント弾。
宣伝省の撮影隊も、お偉方の顔を皆、唖然としている。
上「あ…ああ…な、何で…そんな、勝てるワケないのに…」
下「わかりますか、隊長殿。皆、隊長殿のおっぱいを揉みほぐしたいワケですよ、もちろん俺もね」
そうして先輩下士官が取りだしたのは、手榴弾。
上「お、お前、それで何を」
下「戦車を破壊するんですよ。ああ、ちなみにおっぱい揉む権限のあるのは、
もっとも省エネで敵戦車を多く破壊したヤツですから。おっぱいもとより、身体洗って待ってて下さい。」
上「ば、ば、ばか者おおお!!」
そして先輩下士官は戦車4両を手榴弾4つで破壊しましたとさ。
196名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 15:36:03 ID:+h4n+Arw
おっぱい揉みくちゃww
197名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 21:19:53 ID:O2VXp3TY
後はどうやって挿入、膣内射精orぶっかけまで持って行くかだ。
襲うと軍法会議だし。
198名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 02:23:23 ID:dDIIqz1/
おっぱいTUEEEEEEEEEEEEEE
199名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 13:09:51 ID:TCJs8865
ここまで士気のあがるおっぱいSUGEEEEEEEEEE
200名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 16:18:59 ID:NonkA+Uz
つーか…下士官含めてみんな強すぎ…。
201名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 18:36:12 ID:fFtiHwK2
尻1「隊員殿、自分はおっぱいよりもお尻を揉みたいであります。」
脇2「自分は脇を舐め舐めしたいであります」
太股1「自分は足をしゃぶりたいであります。」

隊長「…き、貴様ら、おっぱい含めて全員ブタ箱にぶち込んでやる!」

豚1「ぶ、豚ですううう!隊長殿、自分は自分は隊長殿の豚でありますううも、もっと罵って下さいはあはあ」

先輩下士官「あー…こいつらが戦車破壊率2位から4位までであります」
隊長「もうイヤ…お家帰たい…しくしく」
202名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 00:48:01 ID:+8dob4vP
あえてここで、
「私を抱きたいならば、私以上に出世しろ!!」
と言って立身伝がはじまるのですね
203名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 01:41:35 ID:Y5U84anX
戦功を見て、大佐あたりが
「よし、私が直々に」
と来るんですね。
204名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 17:55:15 ID:NUK7v2mv
そして将官クラスの親戚によって激戦区に飛ばされるんですね
205名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 03:51:10 ID:Kb7nRqMj
初めて書いてみたSSです。
最初の部分しか出来てないのですが何分初めて書くSSなのでどんなものなのかと・・・
このまま書き進めるべきかどうかとりあえず皆さんに評価していただければと思い勇気を出して投下してみます。


宇宙標準時1600,艦内一斉放送にてアナウンスが流れる
「本日は艦内慰安所開設日になります、1900より第三甲板慰安エリアにて開設いたします。
尚、本日の慰安任務担当の女性乗組員は1730までに慰安要員控え室に集合するようにしてください。」
連邦宇宙軍1級宇宙戦艦エピメテウス。
アナウンスが流れた頃艦橋において現在艦の指揮をとっていたのは副長のテレサ・イワノバ中佐であった。
この日イワノバ中佐は慰安担当要員の一人になっていた。
慰安担当要員とは連邦宇宙軍艦艇において艦艇に乗り組む全女性乗組員(士官、兵士を問わず)に課せられた任務の一つである。
その任務の内容は軍内部において女性が珍しくなくなった今もその大部分を占める男性隊員の慰安。
つまり性処理を行う任務である。
宇宙軍発足当初より長期間宇宙空間において任務遂行中の艦艇内における乗組員の性処理の問題は切実であった。
いかに規律の厳正さと士気の高さをもって知られる宇宙軍兵士といえども生物いや牡としての本来持って生まれた本能の呪縛からは無縁ではいられなかった。
短期間の航海であれば個々の忍耐と自己処理によって解消可能であっても時として作戦期間が1年以上にもなることのある宇宙軍艦艇においてはそれだけでは乗組員の忍耐力にも限界があった。
航海が長期間に及ぶにつれて男だけの艦内での士気の低下は著しくなり、時として幾多の暴行や任務のサボータジュなどの事件を生んだ。
この問題の対策として宇宙軍上層部が当初取った手段は睡眠学習などを応用した性欲抑制処置や性処理用セクサロイドの艦艇への配備であった。
しかしこの睡眠学習による性欲抑制処置は事実上の洗脳でありこれは連邦基本法に抵触する可能性が大であるとの指摘を受けることになると共に、性欲を抑制されたことにより同時に兵士の闘争本能、戦闘能力を著しく低下させるとの報告が数多く上がってきたのだ。
もう一つの策であったセクサロイドの配備に至っては肝心のセクサロイドの出来、この時代のロボット技術を以てしてもその出来はあまりにもお粗末な物であり実用には耐えがたい物であった。
どれほどお粗末な物であったかについては本論とは外れるので敢えてここで記さないでおくこととする。
これ以後もその他、数多くの艦艇乗組員の性処理に関する対策が試みてはこられたがいずれも何らかの重大な問題を含み断念されて来たのであった。
その間にも宇宙軍艦艇内における事件は頻発し遂には戦闘任務中の戦艦において反乱未遂事件が発生すると言う事態にまで陥ってしまった。

206205:2008/07/30(水) 03:55:50 ID:Kb7nRqMj
事ここに至り宇宙軍上層部は大英断を下す決意を固めることになったのであった。
その英断とは実に基本的なものであった。
つまりそのまま女性を艦艇に乗り込ませればよいということであったのだ。
但し、ただ女性を艦艇に乗り込ませて自然の流れに任せるだけでは全ての解決にはならない。
如何に軍への女性の進出を進めたとしても全艦艇の男性乗組員と同数の女性を乗り込ませることは叶わないからであった。
当然、艦内における男と女の比率は女性の方が少なくならざるえない。
そこで自然の成り行きに任せれば当然あぶれる者も数多く出てくるのである。
そうなるとむしろこの策は逆効果になってしまう。
207205:2008/07/30(水) 04:03:52 ID:Kb7nRqMj
そこで軍が考え出した策は女性乗組員の任務の一つとして男性隊員の性処理を加えたのであった。
当然この案は人類の宇宙進出以前であれば大きな反発を招いていたであろうが、この時代の社会においては宇宙開拓時代において女性の社会における役割が大きくなりそれに伴い女性の性に対する意識も大きな変化を遂げていた。
旧時代に比べ女性が性に対してより積極的になると同時に開拓時代、多くの植民惑星においてアメリカの西部開拓時代と同じように女性が少なく数多くの入植者の男たちを慰める売春やフリーセックスも行われるようになりそれ以後も
売春やフリーセックスが社会に一般的な物として認知され女性もそれらに対して抵抗を持たないようになっていたのであった。
この制度の導入後、これまでの問題は嘘のように激減した。
女性乗り組み員による慰安任務は男性乗組員にとって女性乗組員を長い航海中におけるアイドルや女神のような存在として認識するようになりそれに伴い艦艇の航行中において女性乗組員はは全員の共有物であるとの不文律ができるようになり、
その彼女らを全力で守るために士気が向上するという副産物も生み出したのであった。
この制度は大きな効果を収め宇宙軍ではそれ以後、一層この制度が推し進められるようになり定着していったのであった。
208205:2008/07/30(水) 04:07:09 ID:Kb7nRqMj
とりあえずここまでです。
自分で設定にかなり強引なところがあるかなあとも思っていますが・・・
まあ、未来のSF物ということでそういうのが許される社会になったのだと
理解していただければと思います^^;
209名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 15:09:17 ID:OVhRKv8v
改行をもうちょっとこまめに…
文字がバーっと連なっていると圧倒されて敬遠されてしまいます。

中身はワリと好きですよ。
210名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 19:39:05 ID:1v0n/Hsu
女が混ざると部隊の機能が低下し、男の死傷率も上がる、という調査結果があるから、
そもそも女軍人の増加ってのは考えにくいし、男女混合部隊の編成なんかも
有り得ないんじゃないかなあ。

あと、性処理なんかに兵員を使うのは勿体ない、というか、
副長みたいな○○長級の連中は本来の仕事だけで手一杯だろうから、
個人の趣味と志願で、とかならまだしも全員義務化は無理だろう。
つーか、それくらいなら、従軍慰安婦が中世の時点で
既に軍隊組織に組み込まれていたこともあるし、性処理専任の兵科を新設して
兵員十人当たりに一人くらいの割合で配属した方がまだ現実味があるように思える。

軍事的に見て、ちと無理があり過ぎやせんか。
211名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 20:09:21 ID:v5pMkrd8
軍事的なことなどどうでもいいが、文末で「〜であった」が
何度も繰り返すのは見苦しいのでもう少し工夫しよう
212名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 02:43:42 ID:9deu8/6s
リアリティよりエロが重要。
軍事的に見て無理でも、エロがあればよい。おもしろければよい。

ここはそういうところじゃないのか?
213名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 14:40:48 ID:cw1/gBUx
そういうところだと思うよ!
214名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 19:32:42 ID:o5D4hcFC
仮想戦記でエロパロスレが落ちちまった!
せっかく書きためたSSをどうしてくれる! いっそ立てるか?立てちゃうか('A`)
215名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 20:25:27 ID:arSjR4Cy
>>214
ここではあかんのん?
216名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 20:58:58 ID:o5D4hcFC
軍板の人間しか分からないようなパロ・軍ネタな上にエロなんてチハタンの装甲ぐらいしかなくても良いのなら…
217名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 21:06:29 ID:1bOqoo08
節子
これSSやない
設定や
218名無しさん@ピンキー:2008/07/31(木) 21:06:43 ID:7Nw2cUDs
あんまりスレ細分化させてもアレだしな……。
いいんでない? とにかく試しにやってみれば……
219名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 03:13:23 ID:pmHN15eu
「やつら、もうこのスレを落とせる気でいるらしいな」
「そうらしいな。では、教育してやるか」
220名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 00:42:10 ID:MHi3wF7P
誘い受けなんかいらん。
書き溜めてるなら好きにするべき。
221名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 18:01:49 ID:drPvLXnn
アラァァァァッム!
222名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 19:31:56 ID:n27yb005
戦車ネタは今までも何作か投下されているが、機械化歩兵ものも面白そうだな。
APCでもIFVでも、兵員室を舞台にしていろんな話が作れそう。
NBC防護に必要って事で、シャワー室内蔵車両なんかでっち上げるのもうまいがや
223名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 20:27:59 ID:MQCtiNgC
>>221
遅レスながらUボート乙

ていうかミリ系がダメなのって、結局ただの仮想戦記になるからじゃね。
だってお前ら女の子よりも戦車の方がs(ry
224名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 09:55:43 ID:rCc7H30U
エロがどうより、兵器とか階級とか、考証が不完全だと叩きそうなイメージがあるな。ミリ系。
女ゲリラや上官など、シチュは好きでもマニアな知識がないので自重してる書き手も多そう。
オレはアッサリしてる方が読みやすくて好きだが。
225名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 21:07:10 ID:Vt30g4lR
いいのかい?俺は戦闘処女でも食っちまう(ry
まぁシチュエーション優先なら考証がなってなくても良いと思うけどなー
226名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 12:58:36 ID:INiMyvsi
今考えると軍板出張所になってた架空戦記スレとは
そこら辺で住み分けできてたんだよなー
住民がスレ立てしてないとこ見るともう飽きたのか
軍板に帰ったのか
227名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 19:21:16 ID:o0VW9mQ+
>>226
敗残兵なら此処に一人…。保守しようと覗いたらいつの間にか落ちてた
まぁ今更立て直したところでネタが続くとも思えないけどね
228名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 01:07:37 ID:LYC/Whef
ところで非エロスレの48氏って思いっきりこっち向きだと思うのだが、
やっぱ本人移る気ないのかね?それとも知らないだけ?
229名無しさん@ピンキー:2008/08/14(木) 14:00:02 ID:57k+rTtD
>>228
非エロスレってのは何処のこと?
230名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 09:35:47 ID:dJSxawgT
総火演の時期が来たな。ネタにならないだろうか?
今日は終戦記念日。かつての戦いを振り返る日
231名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 01:51:59 ID:skEQ0ZvJ
>>228
よそのスレのことなんぞ報告せんでよろしい
これで向こうにここから来たとか言うアホが勧誘やら
空気読めない軍バナなどやらかした日には
架空戦記スレにいた煽り野郎みたいなのががやってきかねん

エロパロ板ってのは軍板と違って違う嗜好もった人らの
集まりってってことを忘れるな



232名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 12:46:21 ID:Ser6xn5q
あんまり荒れるようなら仮想戦記スレ立て直すかい?
233名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 02:06:35 ID:Iqyy8ZnW
>>232
その方が良いね。
234名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 21:53:04 ID:TaeQLrRl
>>228
見てきた。面白かった。あんなの書ける人がいるんだな。
呼んでくると荒れそうなので、こっそり観察し続けることにする。
紹介してくれてありがとう。
235名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 17:03:57 ID:w5FbkdGp
保守
236名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 03:42:33 ID:wr4LNEyT
「中央から西部第八防衛基地に配属になりましたユキナ=イースターです!」
よるしくお願いします!と、かみながらもびしっと敬礼をきめたその姿は
むさい男達が集う基地の中で輝いて見えた。
そんな子が風呂に入る。もちろん服も下着も付けちゃいない。
これって神様が日頃頑張ってる俺達にくれたチャンスじゃね?
そう思ったのは俺だけじゃなかったようで、高い位置に設置された小窓から
どうやって覗くべきかと思案していた俺のもとに同志達がちらほらと現れた。
畜生、先こされたー とか な、やっぱり居たろ? とか聞こえてくるあたり
奴らにとって俺が一番乗りなのは想定の範囲内だったらしい。
そんなキャラだと自認してるから怒りはしないけど。
「よし、お前ら土台になれ。まずは俺から、その後は交代で覗くぞ。」
順番についてブーイングがあったけどそんなのは気にしない。
が、土台共を踏んづけて上ってみたものの、窓まで手が届かない。
えー…マジかよ。こんなとこでお預けなんて冗談じゃねぇぞ。
仕方無しに少し離れた草むらを振り返って声を掛ける。
「高さが足んねぇ。お前らも土台に入れ。」
おぉ、いるいる。ガサガサと草むらから出てくるのは隠れて様子見していた連中。
わんさかと居る中から適当に土台(追加)を足して再び上る。
お、指先が窓の淵に届いた。シャワーの音もすぐそこに聞こえる。
標視認まであと数センチ…
ってな所で邪魔が入るのはお約束ってもんだ。
「貴様等ー!覗きする暇があるなら訓練でもせんかっ!」
響き渡る怒声の中、普段の三倍速で逃げる土台(余り)達。
クソ真面目な曹長のゴム弾に打たれながら俺達の作戦(覗き)は失敗に終わった。
237名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 03:44:09 ID:wr4LNEyT
あぁもう、こいつはなんでこうも血の気が多いのかね。
逃げた土台(余り)共も含めた覗き組が食堂に集められて怒鳴り散らされている。
その筆頭である俺の頭を銃の先端でコツコツ叩きながら
「お前はその無駄な統率力を実戦で活かせ!」
なんて真面目ぶって言ってるこいつだって、本当は覗きたいくせに。
「もー、分かったって。今度はちゃんと曹長殿も誘いますから。」
「返事が違うわっ!人の話をちゃんと聞けっ!」
こいつのあだ名は赤だるま。ちょっとからかうとすぐ怒る。
幼年舎からずっと一緒の腐れ縁で、俺が子供心に付けたあだ名は今や基地内に広く浸透していた。
頭蓋骨にヒビが入りそうな一撃をお見舞いされながらも、あだ名のフィット感に内心大笑い。
「あれー?皆さん集まってどうしたんですか?」
曹長の説教に生気を抜かれていた野郎共の表情に花が咲く。
何事かと声の主に目をやると、湯上りほかほか卵肌の新入りさんがパジャマで立っていた。
ピンク主体で胸元の小さな花柄模様がアクセントのパジャマ。体にフィットして可愛らしいじゃないの。
ん?つか、何でパジャマで食堂?まぁじっくり胸元から足にかけてのラインを堪能できたからいいか。
思わず口元が緩むが、曹長の手前だということを思い出して真面目な顔を作る。
「じゃ、曹長殿、今日はこれでお開きということ…で…?」
反応がないのをいいことに、とっとと解散してしまおうという魂胆をかくしながら
言った言葉はちゃんと聞こえていたのか疑問だ。
少佐殿に惚れてるくせに女慣れしていないこいつには
体のラインがはっきり分かる、愛らしい新入りさんのパジャマ姿は刺激が強かったらしい。
頭から湯気を噴出して顔を真っ赤に染めたその姿はまるで
「赤だるま…」
プッと笑いをかみ殺すものの、考えていたことはしっかり聞かれてしまった。
「だっ誰が赤だるまだー!」
影で囁かれる自分のあだ名を自覚していた曹長が銃口を俺に向ける。
おっとこれはまずい。
「さぁ避難訓練だぞ、新入りちゃん。」
事態が飲み込めずに棒立ちだった新入りの腰を抱えてカウンターの裏に飛び込む。
クソ真面目なあいつにゃ覗きに無関係な新入りは撃てない。
「避難訓練ってなにするんですか?」
不穏な空気を感じ取ったのか不安気に問いかけてくる。
あ、やっべ。腰細っせーなこの子。胸もそこそこあるし目もくりくりしてて可愛い。うーん俺好み。
黒い下心を隠しながら「すぐ分かるよ」と言いつつ腰にまわした手の力を込めた。
クソ真面目なあいつにゃ覗きに無関係な新入りは撃てない。
その新入りを抱えて死角に隠れた俺も必然的に撃たれない。
行き場をなくした曹長の怒りはその場に居た覗き組に向けられた。
「貴様等ー!笑いをかみ殺してるんじゃない、言いたい事があるんなら正々堂々と言えやコラー!」
赤い顔をさらに真っ赤にしてゴム弾入りの銃を乱射しまくる。
逃げる覗き組。飛び交うゴム弾。怒声に悲鳴が折り重なって一つの音が出来上がる。
うーん、今回の音はなかなかいんじゃない?
機嫌よくカウンター越しの光景を眺めていると、うぁーと小さな声が聞こえた。
そうだ、新入りさんを抱えたままだったっけ。
腰にまわした手を惜しみながら話してやると「すごいですねー」なんて暢気な感想を聞かせてくれた。
俺も暢気に、すごいでしょー。なんて返してやりながら
阿鼻叫喚の空気を醸し出してきた向こう側を眺める。
そこでふと気になっていた事を思い出して、二人っきりだし丁度いいやと聞いてみた。
「そういやさー、新入りちゃんはなんでこの基地にきたの?」
自分の意思ではないだろう。ここの噂は中央まで届いていたから。
すると、質問された新入りはぽりぽりと頬をかきながら
「えっと…そのぉ、実はですね。中央に居るとき新薬開発に失敗しちゃって…」
研究室のあった一層に居た人達をまるっと病院送りにしちゃったんですよね。
そう言って照れくさそうに笑った。
あー…そういえば化学班所属だっていってたっけ。
238名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 03:46:12 ID:wr4LNEyT
「へー…それってお前さんもその時そこにいたんだろ?大丈夫だった?」
「あ、はい。私はその時マスク付けてて無事でした。病院の人達は…ま、まぁ今は元気ですしね。」
えへへー、と天使のように愛らしい笑顔を浮かべながら
何かとんでもないことを言いかけて止めた気がする。
成る程。それが問題児ならぬ問題のある兵が集まるここに飛ばされた理由か。
いいねいいねー、可愛い見た目に関わらず危なっかしい子じゃないの。
これからの毎日がもっと楽しくなりそうだ。
にやにやと笑う俺がよっぽど怪しく見えたのか。
「何か怪しいこと考えてません?」なんて問いかけてくる。
「いんや、別になぁんも考えてないよー」
爽やかスマイルで返しながらも、明日からどうやってこのトラブルメーカーも含めて遊ぼうか策を練る。
お、そういえば。
「悪いけどさ、もっぺん名前教えてくんない?最初の挨拶の時聞き逃しちゃったんだ。」
君に見惚れて。そう付け加えてキリッと格好良く決めた。
…つもりだったんだけどなぁ。
「あっはは、少尉って面白いんですね。」
思いっきり笑われてしまったのは心外だ。まぁ笑った顔も可愛いから許すけど。
「あ、すいません。名前でしたね。」
笑いが収まると、聞かれた事を思い出したんだろうな。
こちらもビシッときめて言ってくれた。
「ユキナ=イースター伍長です。よるしくお願いしますね、少尉殿。」
やっぱり少し噛んでたけれど、その笑顔とトラブルメーカー体質っぽいのがまさに俺好み。
赤だるまに少佐殿、それから新入りのトラブルメーカーちゃん。
ぱっと思い浮かぶだけでも楽しくなる面子に新しいスパイスが加わった。
どんな料理が出来るのかすごく楽しみにしている自分がいる。
「あぁ、よろしくな。ユキナちゃん。」
屍を増やしながらもカウンター越しにまだ続いている乱戦を余所に、俺は満面の笑みで答えた。



隊長殿、保守であります。
239名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 08:22:08 ID:dvnjlsly
文体はともかく話自体はあかほりさとるなのな
240名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 22:00:18 ID:er8dQNon
保守しておこう
241名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:33:01 ID:wIBD6IrU
保守する
242名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 20:58:23 ID:RnXhjbtK
別のスレの作品だけど、このスレに合うかと

http://www21.atwiki.jp/brutalanimal/pages/189.html

書いた人は現役の陸自隊員だとさ
243名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 08:41:30 ID:3HP5PwWL
そのスレ一度軍板系の雑談厨に占領されて
今は軍ネタ自体歓迎されなくなってたな
一時期は投下があっても軍ネタじゃないと
近所の自衛隊基地の桜が咲いてて綺麗だったとか
完スルーで雑談してるくらい酷かった
244終焉の時に:2008/09/23(火) 23:48:32 ID:xARLGQHg
「反乱軍に通告する!2時間後に総攻撃を開始する!繰り返す!2時間後に…」
街の大通りに展開する軍の部隊。そこからスピーカーで叫ばれる通告はこの街の治安を預かる首都警察本部の庁舎に向けてであった。
その首都警察本部は警官では無く、武装した将兵が支配していた。警官達は食堂などに集められ閉じこめていた。
その首都警察本部を占拠している部隊の指揮官達はこの通告が行われた直後に首都警本部長室に集合していた。
「たった今バダイ准将から全部隊への連絡があった。本日正午に投降する事が決まった」
首都警察本部占拠の指揮官であるカイト中尉は部下の小隊長達に告げた。
その反応は悔しさと悲しさが入り交じりどれも重い表情だ。
カイトは前日にバダイ准将の指揮下でクーデターに参加し、配下の歩兵中隊を率いて首都警察本部を襲撃し占拠した。
だが、大統領官邸に向かった部隊が大統領を逃した事ですぐに鎮圧部隊が出動し、クーデター軍を包囲した。首謀者であるバダイは命運が尽きたと判断したのであった。
「残念な結果だが、もはや致し方ない。ここまで皆ご苦労だった」
小隊長達から反対の意見は無かったただ黙って終焉を受け止め今度は自分達の部下である兵士達にも同じ事を告げるべく持ち場へと戻った。
「中隊長。持って来ました」
小隊長達が去った後で一人の女性士官が入る。カイトの副官であるネリス少尉だ。
ネリスはトレイにウイスキーの瓶とガラスのコップ1個を乗せてカイトの前にある机に置いた。
「さすがは警察本部長の持ち物だ。良い物を飲んでいる」
ネリスが持って来たウイスキーは北方の山脈に流れる天然水を蒸留したと言う高級品だ。
「良い物を見つけてくれた。本当にお前は気が利くから助かるよ」
カイトがネリスに礼を言う。
「少尉。部隊の状況を見て来てくれないか、投降の決定で動揺しているかどうか」
カイトはネリスに次に命令を下す。
「その命令は聞けません」
ネリスの抵抗にカイトが眉をひそめた。
245終焉の時に:2008/09/23(火) 23:49:19 ID:xARLGQHg
「中隊長。私がここを出たら自決するつもりですね?」
「ああ、そうだ。責任を取らねばならん」
カイトは末期の水とばかりにあのウイスキーを所望してネリスに探させたのだ。ネリスはそうとは言われてないまでも気付いていた。
「…生きて下さい」
「?」
絞り出すような声でネリスは言った。
「どうか、自決しないで下さい!生き続けて欲しいんです!」
堰を切ったように感情を露わにしてネリスは己の上官に懇願した。
「それは…出来ない」
思いがけないネリスの態度にカイトは驚きつつも考えは変わらない。
「ここで自決しなくても鎮圧部隊に捕まればクーデターの主要人物として軍事法廷で銃殺刑の判決が出るだろう。ならばここで自分の意志で責任を果たす」
頑なに言うカイトにネリスは落涙する。
「だったら逃げましょう!私と一緒に!そして再起を…」
ネリスが泣きながらの訴えをカイトは右手の人差し指を立ててネリスの唇を押さえた。
「もう、それ以上言わないでくれ」
カイトのネリスを見る目は苦しげであった。
「すみません中隊長。無理な事を言ってしまって…」
ネリスは謝るとカイトに抱きついた。
「少尉…」
すがるように抱きつく部下にカイトは戸惑った。背中に回されたネリスの両手が力一杯にカイトの身体を抱き留める。
「中隊長。好きでした…この中隊に着任してからずっと…」
カイトの胸に顔を埋めるネリスはずっと秘めた思いを伝えた。
「これから死ぬ俺に言ってどうする。そんな事を」
「だって、死んでしまったら言えないじゃないですか」
ネリスは抱き締めたまま顔を上げてカイトと向き合う。
朱に染まる顔。涙で潤む瞳。ここまでになって思いをぶつける部下と目を合わせてカイトは何も考えずにネリスを抱き締めた。
ネリスは嬉しさに更に抱き締める腕の力を込めた。
246終焉の時に:2008/09/23(火) 23:50:07 ID:xARLGQHg
互いを抱き締め合う事が二人の一線を越えた。
何も言わないが欲しいものは同じだと分かっている。
抱き締め合いながら顔を合わせると貪るように唇を合わせた。カイトから舌をからめネリスの唇と舌を攻めた。
「んん…んう…」
口の中も外も激しく啄むカイト。カイトの右手はネリスの栗色の短い髪や淡く火照る頬を撫でた。ネリスの感触を味わうように。
カイトは唇を離してネリスを机にゆっくりと押し倒した。
ネリスはキスでうっとりと濡れた瞳でカイトを見た。カイトもネリスを見下ろす。
(こいつも女だったんだよなあ)
カイトは改めてネリスを見た。いつもは意識しなかったがネリスも色気のある女だったんだなと知った。カイトにとってネリスは部下でもあるし妹みたいなものであまり女として見なかったからだ。
カイトは沸く感情のままにネリスの胸を軍服の上から掴むように揉んだ。
「あ…」
ネリスは切ない声を上げた。
「前を開けますね」
ネリスはカイトの欲望を満たさせようと軍服のボタンを外し上着を開く。緑のシャツを捲り白い肌の首筋やお腹の間に黒いタンクトップのブラジャーが露わになった。
カイトはタンクトップを上にずらして乳房を剥き出した。
あまり大きくないが形の良い胸にカイトはネリスに覆い被さり口で貪る。
「ん…んん…」
乳首を吸い、手で揉み胸を味わうカイト。ネリスは胸を弄られる感触に悶えながらも腕を自分の腰へ伸ばした。カイトの身体に押さえられながらもズボンのベルトを外してズボンを急いで脱いだ。
本当はじっくりとカイトに身を任せたいが今の状況は情事にずっと浸れるものでは無いからだ。
ズボンがネリスの身体から抜かれ床に落ちた。
ブラジャーとは違い白のショーツに訓練で鍛えたしなやかな白い足が伸びている。
カイトは新たに開かれた柔肌に手を伸ばす。太ももを軽く撫でるとショーツに手をかけて引きずり下ろしネリスの右足に引っかけた。
「あん」
上下にネリスの秘部をなぞると一際大きな反応をした。びくんと身体全体を震わせたのだ。
胸をカイトが弄んだせいかネリスの秘部は濡れていた。カイトが指で触れた時には既に湿っており指で愛撫するとたちまち水気のある音が響く。
「もう、良いな」
カイトは濡れて愛液にまみれた秘部を見て自分のズボンを脱いだ。ネリスは期待した瞳で足を広げたまま待っている。
ズボンとトランクスを脱いだカイトの男根はその先が濡れている程にいきり立っていた。
感情は昂ぶっていたが、ゆっくりとネリスに突き刺す。
「ん…あ…はあ…」
蜜に溢れるネリスの中はカイトの物を全て包み込んだ。
「中隊長と繋がったあ…」
ネリスは嬉しそうにカイトに向かって言った。カイトはその台詞に少しこそばゆい様な気恥ずかしさを感じた。
247終焉の時に:2008/09/23(火) 23:50:44 ID:xARLGQHg
「動くぞ」
「はい、来てください」
カイトの腰が動いた。机の上に仰向けで寝ているネリスを突く。
「あ、あん、ああ、あん!」
切ないそれまでの喘ぎから乱れたものへと変わる。
二人の肉体がぶつかる音。興奮の吐息。結合部からの粘った音が室内に響く。
「あう!んん!あん、あああ、あん!」
カイトが激しく腰をネリスに打つ。机がガタガタと揺れてネリスの横に置いてあるウイスキーの瓶がバランスを崩して落ちた。
固い床に落ちた瓶は割れてウイスキーのアルコールの臭いが広がる。
そのむせるような臭いは二人を情事に酔わせた。
カイトは更に腰を早めた。ネリスは上半身を起こしてカイトの唇をねだる。
「んっんっうんっんんっ」
隙間が無い程に重ねた唇では二人の舌も乱れる。
カイトは半身を起こしたネリスに背中を回して抱き締め駅弁に近い体位になったが、ぐるりと身体の向きを変えてカイトが机に座り座位の態勢にする。
「あっ!ああ!あん、あん、あん!」
ネリスもカイトの身体を抱き締め顔をカイトの右肩に乗せて喘ぐ。
カイトが突き上げるとネリスもカイトの身体にしがみ付きながら受け止める。
「そろそろ出そうだ…」
カイトが限界を伝える。
「こ、このまま出して」
ネリスがこう返事を言ったがカイトは焦る事が無かった。
カイトはラストスパートの為か向きをまた変えて再びネリスを机に仰向けに寝かせて猛烈に突き上げる。
「あああ!あう!はん!あん!あん!」
カイトはネリスに被さり密着した。ネリスはカイトの背中に腕を回し抱き留め、両足をカイトの尻の後ろで組んだ。
ネリスに固定されながらもカイトはネリスへ突き進む。突く度にネリスの身体が揺れるのが伝わる。
そして汗に混じる女の臭いを感じた。
「出すぞ!」
「来てえ!」
カイトは両腕でネリスの背中を抱き締めながら放った。長い射精をネリスに抱き締められながら。
「はあ…はあ…はあ…」
二人はしばし繋がったまま態勢を変えないまま抱き合っていた。
ネリスは自分で抱き留めているこの男とずっとまだこうしていたいと思った。時間が止まってくれないか。この場所だけが切り取られないかとも夢想した。
だが、どんなに考えて願っても二人の時間を延ばしてはくれない。
ネリスは少しでもカイトの温もりを感じようと抱き締める腕に力が入る。
「少尉…」
カイトは低い声で言った。それは悲しげにネリスは聞こえ腕を解いた。
248終焉の時に:2008/09/23(火) 23:52:12 ID:xARLGQHg
ようやく身体を離した二人。乱れた着衣を整えた。
時間は投降予定時刻の正午まであと20分前だ。
「中隊長。私は貴方の部下であった事が幸せでした」
ネリスは泣きそうな思いを堪えて軍人である自分で言った。
「少尉も優秀な副官だった。今までよくやってくれた」
軍人の形式的な言葉。それが二人の感情を押さえる。
ネリスは無言で敬礼をしてドアのノブに手をかけた。その時。
「それに、お前は良い女だった。ネリス」
カイトは背中を向けたネリスに優しく言った。ネリスは返事をせずドアを開けた。もしも振り返ればまた感情のままにカイトに生き延びて欲しいと懇願するだろう。それは彼を否定する事になる。
肌を合わせて尚分かった自らの責任を果たそうとするカイトの意志。それを否定するのはネリスには出来ない。いや、出来ない。
固い音を立てて閉めた木製のドア。その音が引き返せない事を示した。
廊下に出たネリスはゆっくりと歩く。後ろ髪が引かれるがもう戻ってはならない。
そのネリスの重い葛藤はすぐに終わった。
1発の銃声が響いた。
最愛の人が命を絶った音。そしてカイトが責務を果たした証。
「中隊長。いや、カイト……」
ネリスは声を押し込んで泣いた。壁に寄りかかり涙を溢す。
だが感情にばかり没してはならないと軍人である自分が言い出す。
悲しみを心の隅に押し込みネリスは向かう。
投降の準備をする各小隊長に中隊長が自決されたと伝えなければならない。
それが彼女の責務であるからだ。
249終焉の時に:2008/09/23(火) 23:52:53 ID:xARLGQHg
以上で投下終わり
250名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 20:03:13 ID:zsZm2YOv
ちとあっさりしすぎのような
SSなんだからもうちっと感情移入させてほしかったな
二人の説明が階級と立場だけなんで
長編小説の一部分だけ切り取ったように見える
251名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 14:15:48 ID:3fdLCjUo
ジュール・ブリュネ 1838年フランス生まれ 元フランス陸軍参謀総長   

エコール・ポリテクニーク卒業

「ラスト・サムライ」のモデル

1862(文久2)年からメキシコ戦役に従軍し、プエブラ攻城戦での功で24歳という若さで、レジョン・ド・ヌール勲章
・シュバリエ章を授与される。画技において抜群な才能をもち、戦地において描かれた、
そのデッサンはフランス国内中に公表された。

幕府からの要請によって創設されたフランス軍事顧問団の一員として、慶応3年(1867年)来日を果たす。

しかし、軍事伝習開始後一年たらずで鳥羽伏見の戦いが勃発。ブリュネらはフランス本国の命令により中立の立場を
とることとなる。新政府から使節団の国外退去の旨を伝える書簡を受けとったフランス公使ウトレイは帰国を決定する。
しかしブリュネはそれに賛同できず、横浜のイタリア大使館での仮面舞踏会にカズヌーフ伍長とともに出席し、
舞踏会を抜け出して東北へと向う。その後「開陽丸」に乗り込み榎本武揚の旧幕府脱走軍とともに箱館に入り、
軍事顧問として従軍する。この時、ブリュネは上司であるシャノワンヌ大尉の机の上に、フランス皇帝ナポレオン3世に当てた手紙を残してきた。
ウトレイ公使やシャノワンヌ大尉、延いてはフランス本国に迷惑のかからないように辞表を出していた。

箱館で旧幕府の海軍副総裁・榎本武揚の行動を支援し、軍事的防衛の援助も行う。

五稜郭に立て籠もる旧幕府脱走軍を新政府軍が攻撃し、五稜郭は陥落、榎本武揚らは投降した。
ブリュネらは陥落前に箱館港に停泊中のフランス軍艦「コエトローゴン」で箱館港から脱出し、
フランスへ連れ戻されるが本国においてはブリュネの心情を理解するフランス国民の後押しにより軍事裁判に
かけられることはなかった。

1869年、普仏戦争が勃発して軍に復帰することを許され、セダンの戦いでプロイセン軍に包囲された仏軍は
ナポレオン3世以下全軍降伏し、ブリュネも捕虜になる。
1871年パリ・コミューンでの鎮圧に参加する。
1898年フランス陸軍参謀総長に就任する。
252戦車兵モノ:2008/10/09(木) 09:53:40 ID:WxPcVK+L
戦車兵モノ
帝国軍末期
におい
ぱんほー



『…全く、冗談じゃねぇ。あの髭総統め…本土を瓦礫の山にするつもりなのかよ』
気の強そうなベリーショートの兵が黒パンかじりながらブツブツと愚痴を言っていた。
『ツーメリカ、総統の悪口は禁止だよ。』
砲塔のハッチから双眼鏡で周囲を見ているショートカットの士官が落ち着いた声で言った。
『ですが、大尉…おい、ハンスも何か言って―――』
ツーメリカと呼ばれた兵の声が途中で止まった。
視線はある一点を凝視している、否、ガン垂れている。
その睨みは双眼鏡を覗いている士官の
豊かに盛り上がった胸部をじーと見つめている少年兵に向けられていた。
『シュルツーナ大尉、大尉のオッパイをスケベハンスが見つめています』
『え…へ?な、ななメリカさん!僕はそんな―――』
ハンスはビクッと飛び上がり、顔を真っ赤にして口をパクパクした。
『知ってる。2分前からずーと見ていたみたいだね。ボク、視姦されちゃった。』
『た…大尉』
ハンスは情けない声を上げた。
『ハンス二等兵、この際はっきり言わせてもらいますが、あなたみたいな不潔な兵は
この戦車には不要なんです。その事を理解していますか?それに大尉、自重して下さい。
士官が性的快楽を得るために下士官に性交を強要した事は問題です。』
とコレは無線手の席から聞こえた。
253戦車兵モノ:2008/10/09(木) 09:54:33 ID:WxPcVK+L
『カリナ、あなたも自慰ばっかはあかん。たまにはハンスの使わせてもらい。』
  酷いなまりのある声が操縦手の席から上がる。
『なっ、何を言っているんです、エルリカ曹長。私は自慰など…』
『嘘はいけないね、軍曹。君は昨夜の2時頃、確か外にお手洗いに行った時―――』
『た、大尉、な、何を―――!?』
ワイワイガヤガガヤと騒がしくなる車内。
『あ、あの…僕は皆さんにとってどういう存在なんでしょう?』
その声に車内が静まりかえる。そして
間髪おかずにカリナ軍曹の声が聞こえた。
『装填手です。装填手以外に何かあるとでも言うのですか、ハンス二等兵。』
『いいえ、ありません。』
凛とした声にハンスは律義にも背を伸ばし、声を上げた。
続いて大尉の笑いを含んだ声が車内に響く。
『そうだね、装填手には違いない…ボクの下の砲に太くて固い砲弾をしっかり
装填してくれるんだからね。』

『戦車兵と戦車長』

東部戦線での敗北から、軍を立て直す時間を与えず攻勢をしかけてくる敵軍に
帝国軍は後退に後退を重ねた。
そして翌年には西部の合併吸収した都市の沿岸地帯から連合軍の上陸。
帝国軍の戦線は今や本土を防衛するまでに縮小されていた。
制空権は連合軍に完全に掌握されつつあり、東西の両戦線においても
物量で圧倒されており、補給物資が乏しい帝国軍は弱体化する一方だ。
しかし、それを理解しているのか、いないのか帝国の総統は開戦当初の破竹快進撃が
未だに健在であるという事を連合軍に知らしめるべく、悪天候をつき帝国軍の
西部戦線の予備兵力を総動員して、連合軍へ反撃したのだが……結果は惨憺たるモノであった。
目標の半分にも満たないところで進撃はストップ。今度は空から陸から物量に任せた
連合軍の猛反撃が始まり、結局押し戻されてしまった。
燃料切れの重戦車は自爆破棄され、歩兵師団も半分以上が壊滅状態に追い込まれた。
結局のところ、今回の作戦は帝国の寿命を縮めただけであった。
そして残存している戦車部隊は、ここ、ネシの森に集結するよう命じられた。
本土へ続く街道を進撃してくる連合軍の戦車大隊を叩くためだ。
ここで負ければ西部戦線が完全に崩壊し、帝都はクリスマスまでに陥落だ。
『……僕達だけなんでしょうか?』
森の木々をつけ、偽装している戦車は僕達の1両だけ。僕達の戦車は重戦車ではなく、
傾斜装甲と75o砲を持つ帝国の主力戦車だ。
『全滅したか、本土に逃げ込んだか…装甲車両の斥候だけで終わればいいけど、
この状況だと直接戦車部隊を送り込んでくるかもしれない。来たらボク達だけでやるしかないな』
『………むしろここらで連合軍に降参しとかん?』
とエルリカ曹長が言った。
『問題発言ですよ、曹長。貴女は敗北主義者ですか?』
カリナ軍曹のドスのきいた声。
『でもなぁ…東部の敵軍は見境無しやからな。あっちの捕虜になって輪姦(まわされ)て、
極寒の収容所行きは御免やで。連合の方がまだ幾分マシちゃうの?』
現実めいた曹長の声に車内のムードが暗くなる。
確かにこの戦車には僕を除いて全員が女性なのである。
前に乗っていた男だけの戦車に比べるとむさ苦しくないし、臭いも酷くはない。
火薬や鉄のニオイはかわらないが、ほのかな甘いニオイがする。
これがいわゆる『女』のニオイなんだろうか…と思うことさえある。
『そう状況になったら、捕まる前に自決ですね曹長。まぁ…
東部戦線で、それだけの事を帝国軍はしてきたしなぁ。』
ため息と共にツーメリカ伍長が言った。
254戦車兵モノ:2008/10/09(木) 09:55:14 ID:WxPcVK+L
『ご、伍長!貴女まで!』
『はいはいはい、落ち着いて、落ち着いて。今はそれを議論する時じゃないし、
そんな時間もない。この意味、わかるよね?』
大尉の声が車内に響く。
『…た、大尉それって』
ハンスが言いかけた時、大尉の凛とした声がヘッドホンを通して聞こえた。
『戦車警報。二時方向に敵先遣隊と思われる車両郡、距離2000。数は……
戦車だけでも10はいる。徹甲弾装填、最後尾の戦車が射程に入ってから射撃開始。
第一目標は旗を立てた指揮官。続いて航空統制官、あのアンテナの長い奴。伍長、見える?』
『はい、バッチリ。最後尾の奴が射程内って事は……約600mってトコです。
長っ鼻(ながっぱな)はこの部隊にはいないみたいですね』
『長鼻が先遣隊に入る事はまずないからね、ハンス、砲弾は?』
『はい。今回の分だけなら何とか。』
『よし……じゃあ、行くぞ。ぱんほー!』
『大尉、何ですか。そのぱんほーって?』
『かけ声、可愛いでしょ?』

*   *   *   *

そして、僕達は連合軍の先遣隊を相手に獅子奮迅の戦いを見せ、何とか撃退してみせた。
その後、友軍の重戦車が駆けつけ、砲弾が尽き、装甲、覆帯ともガタガタな
僕達の戦車は後方へと下がり、補給所で整備・修復・補給を受けることとなった。
もっとも物資が乏しい為、応急修理と間に合わせの補給だ。
しかし、それでも丸三日はかかるらしく僕達は束の間の休息を取る事ができた。

「はぁ……」
ここは補給所がある森の中、少し開けた場所で僕はチーズと
サラミの切れ端をのせただけの黒パンを星を眺めながら囓っていた。
お酒を飲めない僕の飲み物は水のみ。代用コーヒーも粉末ジュースも尽きたらしい。
大尉や曹長や軍曹、伍長はお酒を飲めるからいいなぁ…と思っていると
「どうしたんだい、二等兵。そんなところで考えごと?」
「は…た、大尉。」
僕は姿勢をただし、敬礼をした。
「はい、どうも。水を貰ってきた帰りでね……隣、空いてる?」
「ど、どうぞ」
敬礼を返した大尉はありがとうと言って、隊員分の水筒を置き僕の隣に座った。
「その……昼間の事を…曹長の……言葉を考えてまして……」
「ああ、だろうな…と思ったよ。ハンスにはちょっとキツイ話だったかな?」
「……………」
僕は何も言えなかった。
「実際、そうなると思うよ。東に投降すればね。」
「そ、そんな……」
「伍長が言ってただろ?帝国軍もそれだけの事はしてきたって。
君は東部戦線を知らないだろうけど、ボク達はそんな光景をイヤという程、見てきた。
何人もの女性が……軍人、民間人関係なく滅茶苦茶に犯される様をね」
「て、帝国軍が?そんな、軍の規律は、厳しくて、そんな事をすれば――」
「君がそう思うという事は軍の情報隠蔽がうまくいってるようだね。
もちろん、公にそんな事は言えないさ。」
大尉は僕を諭すように言った。
「いいかい帝国軍と東の敵軍との違いはね、その事実を隠すか否かという点だけで、
やってることは同じなんだよ。」
大尉の口からそんな事がでてくるとは思わなかった。
「そんな事に慣れちゃったボクは壊れてるんだろう………ねぇ、ハンス?」
大尉の声には妖艶な香りが含まれていた。僕の脳裏に反撃作戦前の
重戦車での情事が映った。
「あ…た、大尉?」
「ボクとセックスしてくれる?この前の続きと………市街戦での
光景を思い出したらボク…もう濡れちゃった…」
大尉はそう言って、僕の頬に手を掛け、唇を重ねてきた。
255戦車兵モノ:2008/10/09(木) 09:56:08 ID:WxPcVK+L
「ん…ちゅ……はん…そういえば、東部戦線では君みたいな
顔立ちの良い少年も犯されていたよ。帝国軍の女性兵士の玩具にされてた。
手を縛られて、何度も何度も…強要されてた。」
「そ、その…ん……ふッ…あ、な、中…たい…んん…いも」
大尉の甘い唇に嬲られながら、僕は大尉に問いたかった。
「ボクがその少年をレイプしたかって?さぁ、どうだろう…ハンスはどう思う?」
「僕は…ん…僕は…」
「あはっ、ハンスのココ…すごく固くなってる……君があそこにいたらどうしてたかな?
この固い包茎チンポで敵の女性兵士を犯したかもね?丁度、君ぐらいの少女の
兵士がいたし……もちろん、レイプされて死んじゃったけど。」
僕は抵抗できない、抵抗しても大尉の力に敵うハズがない。
犯されるとは、こういう事なのかもしれない。
「想像してますます固くなっちゃった?……ふふ、まだおっぱいもふくらんでない少女の
アソコやお尻にチンポを無理矢理ねじこまれるんだよ…何人もの男に囲まれてね。
始めの内は泣き叫ぶ声が聞こえるさ…でもね、最後にはそれも聞こえなくなる。」
「あ……た、大尉…も、もう…」
大尉の手が僕のズボンの前を開き、反り返ったペニスを露出させた。
「ふふ…男も溜まるけど、女も溜まるんだよね……んしょ」
大尉は黒いジャケットに手を掛け、タイを荒々しくとき、ウールシャツの前を開いた。
ブラジャーに覆われた豊満な胸がぷるっと揺れた。
「今回はおっぱいで挟んで射精するのは無しだよ?洗えないからね。」
大尉はそう言うとブラを一気に捲り上げた。白い乳房がぷるんっとこぼれ落ちてくる。
「ここのところ急がしかったから……吸っても良いけど、匂いは我慢してね、ハンス。
あ、そうだ、後で一緒にサウナに行―――あ、きゃっ」
僕は大尉の言葉を聞く前にそのおっぱいにしゃぶりついた。さっきの話のせいかも
しれないけど、もう我慢の限界だった。
反攻作戦前にした時、以来何週間も性処理はしていない。そんな時に誘われたら……
「あはっ、んっ獣みたいっん…そんなに必死にしなくてもボクは逃げないよ?」
256戦車兵モノ:2008/10/09(木) 09:57:41 ID:WxPcVK+L
「んっ…大尉、大尉、大尉。す、好きです、好きです」
僕は呪文のようにその台詞を繰り返しながら大尉のおっぱいに指を食い込ませ、
その先端を交互にしゃぶり尽くす。僕のペニスは痛いくらいに反り返り、
その先端から粘り気のある透明な体液が溢れている。
「大尉の匂い…んっ…甘い…大尉の匂い…」
大尉の肌に鼻を押しつけ、その匂いを吸い込む。
熟れた果実のような甘ったるい匂いが僕の脳を刺激する。実際は火薬や排莢煙、
汗や汚れの匂いも混ざっているんだろうけど、それよりも女の甘い香りが僕の鼻をくすぐった。
「あはっ、もっと吸って…ミルクは出ないけど…んっ…くんくん…
あははっ君も酷い臭いだね、ハンス。後でちゃんとサウナに行こうね?」
 おっぱいに吸い付く僕の頭部をかき抱き、大尉は鼻を髪につけ、笑って言った。
「はー、はー…た、大尉…僕、僕…もう…お、お願いです…大尉の中に…」
おっぱいを涎まみれにした僕はペニスを握って、ねだった。下士官としてあるまじき行為だけど
このまま放って置かれたらそれこそ気が狂うかもしれない。
「ん?……ボクのアソコに入れたいの?」
「は、はい…お願い…ゴ、ゴムは持って…来てますから…大尉」
「なら、今から言う言葉を復唱してくれる、二等兵くん。」
「は、はいっ」
大尉はよろしいと言うと、前屈みになり挑発するような眼で言った。
「『僕のはしたない包茎チンポを大尉のマンコで剥きながら入れさせて下さい。』って。
あ、あと何ヶ月オナニーしてないかも言ってくれると嬉しいな」
「な、え…そんな…ぼ、僕…」
「ん?そう…なら、僕のショーツでも嗅ぎながら射精する?久しぶりのオナニーで?」
大尉はズボンを脱ぎ、白い下着の脇に指をかけたまま言った。
「い、イヤです。た、大尉の中に…ぼ、僕…」
「なら、ちゃんと言ってくれないとダメ。」
「ぼ僕、……の…はしたない……ほ、包茎…チンポ……を大尉の……マンコ…で剥き…ながら
……入れさせて……く、下さい…も、もう…に、一ヶ月も…お、オナニー…してないんです…」
射精したくて今にも爆発しそうなペニスを握り、僕はその言葉を口にした。男としては
情けない限りだけど、そんなちっぽけなプライドより今はオスとしての本能しかなかった。
「はい、よく言えました。じゃ、そのままそこで僕のショーツ嗅ぎながら射精して?」
笑顔で大尉は僕に言った。
「えっ…そ、そんな…た、大尉…」
「あははっ、ウソ、ウソ。そんな絶望した顔しないで。ちゃぁんと使わせてあげるから……」
大尉はショーツを抜き取り、僕の前でアソコをひろげた。僕と同じように粘りのある体液が女性の
割れ目を淫靡に濡らしている。大尉の銀髪と同じ色の毛が体液に濡れ、ぴったりと肌にくっついている。
「はい、ハンスの固くて太い砲弾をボクに装填してくれる?」
 
257名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 01:56:20 ID:90nYeFje
gj
またひとつ新たな属性に目覚めそうだぜ

所でここって軍人と民間人の絡みはあり?
258名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 18:19:08 ID:4QYQJ22q
軍人が主人公、なんだから
極端な話自衛官の合コン話でもスレ違いじゃないよ
259名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:39:00 ID:gNQ7E2oD
自衛官の合コン相手は看護士さんとかが多い
オレは3回中2回がそうだった
まぁ全部失敗したがなorz

おかげで30超えて未だに独身…
260名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 22:53:43 ID:4QYQJ22q
エロパロ板でリアル非モテ自慢なんかする奴だから魔法使いなんだろ
その調子で聞かれてもないのに武器とか歴史とか語ったりでもしたのか
261名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 09:49:56 ID:p3h9drzu
まーまー
262名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 04:04:30 ID:/LhpQ8pj
>>256
遅くなったけど超GJ!!

生殺しとは…orz
続きが投下されるまで全裸で待機してます
263名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 14:46:27 ID:ABbAoaBw
>>258
亀だけどレスd
なんかちょっと書いてみようかな
264名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 13:45:47 ID:B7FTYWAP
なんという乙
265名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 18:51:50 ID:ezZBtkTS
>>260
俺30過ぎた時にこんなこと言われたら
自殺してしまうかも知れん…
心当たりがありすぎる
266名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 01:25:34 ID:5dr5fy0D
軍服でエロ…
ブカブカの鉄帽被って、カーキ色のボロい男物の上衣を着ていて
ズボンは女性物のを履いていて靴はタイヤで出来たサンダル。
顔は緑と黒に彩られていて、黒髪はとても短い。
そんな女の子を妄想した…
267名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 08:27:44 ID:S3vNMUnZ
>>266
タイヤのゴムサンダル辺りでヴェトコンを想像した。
268名無しさん@ピンキー:2008/10/20(月) 21:40:05 ID:r7MXOt8D
戦車兵の黒服想像してた。
女の軍服が見たいなら、「ヒトラー最後の12日間」を見るといい。
まぁ、正確には軍属?だけど。
269名無しさん@ピンキー:2008/10/22(水) 21:57:00 ID:E/dcwALB
ありゃあユーゲントの女の子じゃなかったかしら
270名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 08:29:07 ID:ro+GAcsT
感想ありがとうございます。大尉は変態です。

申し訳ないんですがベルリン防衛についていた戦車を知っている人、教えて下さい。

>>269
あの娘もあの後、犯されるんかな…想像したらハアハア
つか、その話は別スレか
271名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 21:13:57 ID:9Uf1lSOg
ベルリン防衛についていた戦車といえばWW1の鹵獲兵器であるブリテン製菱型戦車でしょう
272名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 22:06:13 ID:luob1AUc
ナチスの軍服女と聞いてまず、
「ナチ女収容所 悪魔の生体実験」のイルザを思い出した俺は…
とりあえず…介錯を頼んでいいか?戦友(とも)よ。

せめて「残虐ナチ女収容所」とか「ナチ女親衛隊 全裸大作戦」とかだったなら…。

>>270
まあ普通にあるとして、パンサーか3号、4号戦車。
本土防衛用にとっておきのキングタイガーとかでもいいんだし。
幻のマウスとか…。
273名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 22:46:23 ID:rWMIhuGQ
>>270
残念、三つ編みのあの子は犯されるでもなくピストル自殺だ。
「ハイル!マインフューラー!」
274名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 23:16:15 ID:UL/0Dzmm
>>270
軍板の質問スレで聞くわけにはいかん理由でもあんの?
275名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 02:07:25 ID:XUthXIZS
>>270
ティーガー重戦車(TとU両方あったようだ)にV号突撃砲かな主なのは
パンターやW号戦車の砲塔をトーチカにしたのもあったりパンツァーシュルック
を6連装装備した小型自走砲なんてのもあった。
また、相当官邸防衛に増強警察小隊の装甲車部隊もあった
276名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 02:08:24 ID:XUthXIZS
>>275
訂正
×相当官邸
○総統官邸
277名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 10:02:02 ID:6PEqxzf/
砲塔トーチカは文字通りフルボッコだったみたいね。

ベルリン攻防戦はなんでもかんでも投入したみたい、ヒンデンバンブルグ門?にはティーガーT(訓練用?)が奮闘してた模様。
278名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 10:32:29 ID:DX6+Jz6o
超重戦車マウスも思い出して下さい。



>>270
あのユーゲント役の娘って実はロシア人なんだよな
279名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 11:42:51 ID:YiMv/8Al
>>274
感覚的にあそこは怖いんだろ
280名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 12:02:42 ID:XUthXIZS
>>277
確かに調べたら何でも投入してた。
ミュンヘベルク戦車師団は1945年4月7日で持っていた戦車戦力は
V号戦車1両・W号戦車3両・パンター戦車24両・W号駆逐戦車2両
ティーガーU重戦車13両
第18装甲擲弾兵師団はW号戦車26両・ヘッツァー駆逐戦車19両
(またオストゼー戦車教育兵団のパンターとW号駆逐戦車各2両もあった)
第20装甲擲弾兵師団は3月14日でW号戦車19両・W号駆逐戦車21両

大日本絵画の「1945年のドイツ国防軍戦車部隊」より

ブランデンブルク門のティーガーTは高橋慶史著の「続ラスト・オブ・カンプグルッペ」
324ページに撃破された写真が載っていました。写真の説明ではミュンヘベルク
戦車師団の車輌となっていますね。
(「ドイツ国防軍戦車部隊」ではティーガーU。「続ラスト・オブ・カンプグルッペ」
だとティーガーTだとミュンヘンベルク戦車師団のティーガーがどっちか分からん事に
なってる)
281270:2008/10/26(日) 21:06:07 ID:CQ8shbOo
皆さん、ありがとうございます。とても参考になりました。
エロな戦車兵の後編書きます。

不快に思った方、
すいませんでした。
282名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:18:07 ID:pONDvUWP
というか、ベルリン戦には何が出てきてもおかしくないくらいカオスだからな…w
283名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 00:28:02 ID:Kf82tl5k
>>281
がんばれよ〜
284名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 11:09:10 ID:FA7yaA7o
>>282
聖遺物のバイクを駆る眼帯の超人とかな
285名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 15:05:54 ID:wmfQRi2O
>>210
その手の話は、所謂イスラエルの戦訓絡みで言ってる人を見たことあるが、WW2のソ連ではどうだったんだろうね
ソ連絡みではあんまり聞かないのが不思議
286名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 15:41:26 ID:Sm62YKkm
>>285
ソ連の女性兵士は女性だけの編成じゃなかったか?
つうか第一次大戦のロシア軍でも前線に投入されとるみたいね。
287名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:30:04 ID:BuY9nutc
>>252
二等兵は、下士官なの?

> 士官が性的快楽を得るために下士官に性交を強要した事は問題です。

> 下士官としてあるまじき行為だけど

詳しくないから知らないけど、
兵とか兵卒になるような気がする。
288252:2008/10/30(木) 21:51:36 ID:7qzp8uyK
下士官×
兵卒

全然、気付かなかった、指摘ありがとう。
後編は修正しておきます。
289名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 16:10:24 ID:ZZKcU8Ri
ほしゅ
290名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 18:59:30 ID:Qew+jm3x
アラート待機の間にヤッちゃう男性パイロットと女性パイロットと言うシチュを妄想したが…
スクランブルの電話等の都合により行為中断がありそうな罠。 
291名無しさん@ピンキー:2008/11/09(日) 19:05:01 ID:ic8aKLCQ
ちょうど盛り上がってきたところで鳴るスクランブル警報ですね…。

ちなみにやった後の出撃は男女どっちか死亡フラグという罠…。
292スクランブル:2008/11/09(日) 22:51:50 ID:Qew+jm3x
男性パイロット「うっ…出るっ…」
女性パイロット「あううううう…いくぅ…」
……トウルルルルル……トウルルルルル…
男P「ハイ、仮眠室…」
上官「日本海上空にアンノウン確認、ホットスクランブル」
女P「えっ…どうしよう…保命服とGスーツ汚しちゃった…」
ジイイイイイイイイイイ…
男P「RIN急げ!どうせよく見る奴なんて居ない!」
女P「分かったよ!下着気持ち悪い…」
0302/領空侵犯機確認
053「タリホー…あれは…Tu-16か…RIN右翼に回り込め。」
056「了解…写真撮影始めてください、警告します。」
053「アイツ、灯火切りやがった!やっと増援が来たな…」
097「こちらDAN、TOMO、RIN、エスコートのお手伝いに来てやったぞ!」
056「先輩!…貴機は日本国の領空を侵犯している。ただちに右旋回されたし…」
097「TOMO、声殺し切れて無かったぞ…」 
293名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 00:26:46 ID:jEPXjSwl
アラート待機の状態だとすぐに出れるようにあんまり脱げないような

男P(TACネーム ウルフ)「おい、どこ触ってるんだよ!」
女P(TACネーム マリア)「ふふふ〜んマッサージよマッサージ」
ウルフ「そんなマッサージがある・・・か。お!」
マリアは隣に座るウルフの股間を耐Gスーツの上から手の平で上下に撫でる。その表情
は悪戯を楽しむ嬉々としたものだ。
ウルフの本能はマリアのマッサージを素直に受け入れた。
マリア「おお、固くなってきたよお〜」
ウルフ「そりゃ、お前。そんな事されたら」
マリア「そんあ事ってなあに?」
マリアはウルフにそう聞き返しながらもウルフの固い肉棒をスーツ越しに
手の平で撫でるのを早めて弄ぶ。
ウルフ「意地悪だなお前」
マリア「ん〜ふふふ。で、どうします?」
マリアに弱い部分を押さえられたウルフは部下であるマリアに屈しようとする
のに躊躇したが二人だけの室内が本能にウルフを従わせた。
ウルフ「抜いてくれ」
マリア「了解です」
部下にそんな事を頼むウルフは恥ずかしがる。それに満足したマリアは耐Gスー
ツの前のチャックを空けて熱膨張したウルフの肉棒を取り出した。
マリア「じゃあ、口でしますね」
こう言うとマリアはウルフの股間に顔を埋めて口で咥えた。
じゅる・・・じゅる・・・
マリア「んん・・・ん・・・」
基地の中である事を忘れさせる悦楽にウルフは身を任せた。マリアは頭を上下させ舌でも
舐めながら上官に奉仕をする。ウルフは欲求からマリアの胸を服越しに揉んだ。
幾重かに阻まれつつもやや大きいマリアの胸を弄び感じる。
ウルフ「そろそろ出すぞマリア」
マリア「んう(うん)」
マリアは肉棒を咥えながら了解した。
じゅる、じゅるり、じゅるう
「ん、ん、ん」
ラストスパートとばかりにマリアは頭を激しく動かす。それにウルフは高みの感情へと誘われる。
ビー!ビー!ビー!
ウルフ「こっこんな時に!」
スクランブルの警報が鳴り響く。ウルフはマリアの口から発車寸前の肉棒を引き抜く。
マリアの口からは唾液の糸が延びた。
マリア「良いんですか?」
またマリアが悪戯ぽい顔をする。
ウルフ「仕方ないだろ」
がっかりした様にウルフは言いながらまだ衰えない肉棒をトランクスの中に
押し込んだ。
マリア「では行きますか」
二人は乱れた格好を整えると愛機に向かおうとした。その時にマリアの右手は
ウルフの股間を耐Gスーツ越しに下から上に滑るように一気に撫でた。
ウルフ「う・・・」
臨界点寸前のウルフの股間はその僅かな愛撫で放たれた。
ウルフはそれによってトランクスがドロドロに濡れたまま戦闘機に乗って
出撃せねばならなかった。
294名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 01:19:26 ID:7bgirFil
マヌケすぎるわ…湿ってる所冷たそうwwwww
295名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 23:39:51 ID:yN1GIri0
戦車兵
におい
ショーツ嗅ぎ



「た、大尉っ…大尉」
僕は大尉の両脚の間、今にも射精しそうなペニスを握りしめ腰を沈めた。
ぬるぬるした粘液が湧き出るアソコにペニスの先が触れた。
「ふふふ…どうしたの…早くぶち込みたいんだよね?」
大尉はくすくす笑いながら言った。
「あっ…で、でも僕…その…コレは…そのま、まだ二回目で…この前は
戦車の中で…大尉が上から…してくれたので…じ、自分では」
何度も押し込もうとするけど、ぬめった粘液でうまくできない。
このままでは挿入するまえに射精してしまいそうだ。
「あはは…じゃあ、ボクが誘導してあげる」
大尉は僕のペニスの先端を指で挟み、ゆっくりと女性器の下から
なぞるようにして、上部にあるコリコリした小さな豆のような突起にあてた。
「ん…このお豆がボクが一番気持ちイイところ、そこからぴらぴらしたのがあって
ぴらぴらの終わりにある穴が男のコと女のコが一緒に気持ちよくなれるところ。
ちゃんと見てて…ハンス、これが女だよ。」
大尉はそう言うと、女性器の穴を指で広げた。
「そう…さきっちょを当てて…ん、ん…あ…はぁ…ハンス、ゆっくり…あ、あふ…ふっ」
大尉は軽く喉を仰け反らせ、眼を閉じて甘く鳴いた。
「ん、んんん…ああっ、ぼ…僕…む、剥けながら入って…ペニス…剥けながら…ああ」
腰に体重を掛けるとペニスを覆う皮が大尉の穴のぬめるヒダヒダによって
捲られていく。ピリピリとした痛みと共に皮に覆われていた先端が
絡め取られるようにして、大尉の穴にぬぷぷっと沈んでいく。
「あは…ん、いいよ。ちょっと物足りないケド…か、可愛いから許してあげる…ん」
大尉がよしよしと僕の頭を撫でながら、ふるるっと震えた。
僕は剥き出しのお尻に指を食い込ませ、ズプッ…と最奥まで達した。
熱くて…ぬめったヒダヒダが僕のペニスを搾るように絡みついてくる。
自分の手でするオナニーなど問題にならないくらい気持ちいい。
敵軍が占領下の女性をレイプするのも不本意ながら理解できそうな気がした。
296名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 23:40:35 ID:yN1GIri0
「はあ…大尉…大尉…」
僕はあまりの快感に大尉の胸の谷間に顔を埋め、しばらく動けないでいた。
「ん〜、こういう時は名前で呼んでくれると嬉しいなぁ、ツーナさんって」
  大尉のはにかんだような笑顔を見た瞬間、僕の下半身に電流が走った。
「た、大尉…シュルツーナさ…ツーナさん!あ、ああっ…あああっ…で、出る、出るうう!」
まだゴムも付けていないのに挿入したせいか、無意識に
枷が外れ、溜めに溜め込んだ濃い精子が鈴口から勢いよく射精してしまった。
びゅるどぶぶばどばどぶびゅるるるどぶりゅううううッ
搾り取られるような射精の絶頂感が一瞬遅れて、ゾゾゾゾッと背筋を昇ってくる。
「え、ハ、ハンス?ちょ…あっ…や…んうううっ」
大尉も膣内で射精を感じたのか、眉を潜め、唇を噛みしめた。
「ああっな、中は…まっ――んんんっはあああっ、熱っ…熱い」
大尉はピクンッピクンッと下腹部を震わせ、色っぽい声を上げた。
僕は大尉のお尻に手を食い込ませ、揉みこねた。
柔らかくてほどよく盛り上がった丸い尻肉をむにゅむにゅと揉みしだく。
時折見る大尉の後ろ姿のお尻も僕の自慰のオカズだった。
左右に振られる形の良いお尻、引き締まった腰のラインから綺麗に弧を
描く盛り上がったお尻はたまらなく魅力的だった。
大尉が眉を潜め、その耐えるような表情が僕の興奮を高ぶらせ、
残りを全て吐き出すまで腰を振り、密着する。
「んんんっ…んっう…ううう…」
小刻みに腰を振り、一滴も漏らすまいとペニスを膣口に押し込む。
ウールの黒シャツだけ着た大尉を抱きしめ、組み敷いたまま僕は果てた。
「はぁ…はぁ……はぁ…」
荒い息をつきながら僕はまだ大尉のお尻に指を食い込ませ、揉みこねて
いた。餅をこね回すようなおっぱいとはまた違った柔らかさに指にますます力がはいる。
その手を尻たぶから下にずらすとんねっとりとしたアソコに―――……!?
そこで僕の思考は中断された。大尉がコツンと額を僕の額に当てたからだ。
「あ…んんっ…もう…中で出すなんて…ボクは許可した覚えはないよ?」
大尉がふんッと口を尖らせながらいった。
「あっ…ご、ごめ…」
その言葉に僕はとんでもない事をしたんだという自責の念が身体の真からこみ上げてきた。
大尉のアソコに埋まった僕のペニスが急速に萎えた。
「今日は危ない日じゃないけど…安全な日でも赤ちゃんが出来ちゃうんだからね。
特に君のはオナニーしないで溜め込んでたんだから、精液って言ってもすごく
濃いし液状じゃなくてゼラチン状の塊なんだよ?そんなのを中で出すなんて…」
大尉がんっと少し眉を潜めて、起き上がった。ぷるっぷるんと揺れるオッパイに僕も身体を起こし、
大尉のおっぱいに手を伸ばした。
「ダーメ、中で出したんだから懲罰」
ぺしっと軽く手をはたかれ、大尉はさっき脱ぎ捨てたシューツを拾い上げた。
「あ…え…罰?」
きょとんとする僕の目の前で大尉はショーツの両端に手を入れ、パッとひろげた。
白い支給品のショーツだ。
「…ボクのショーツを嗅ぎながら射精してよ」
297名無しさん@ピンキー:2008/11/18(火) 23:42:05 ID:yN1GIri0
「え……あ?」
「え?じゃないよ。僕の脱ぎ立てのショーツを
嗅ぎながらオナニーしてくれないともうさせてあげない。」
「え…え…え?」
「君のは濃すぎるし、セーブがきかないみたいだから予め搾り捲らなきゃ、
中ですぐイッちゃうでしょ?懲罰も兼ねて一石二鳥なんだから。
はやく扱いて。ここで見ててあげる。」
大尉が発した言葉と共に僕は右手でペニスを扱きだした。
「こ、こんなぁ…あっ…ああっ…ふっ」
右手の親指と人差し指、それに中指でペニスを摘み、シュッシュッシュッと自慰
を強いられている僕。それに眼の前にはYシャツだけ着た半裸の大尉がショーツを
広げて、僕を見ている。
「た、大尉…の…はっ、んあっ…んんっ」
「ふーん、ハンスってそんな風にオナニーするんだ。オカズは何?ボクの
オッパイ?それともお尻?」
「そんな…んん―――――」
シュッシュシュと擦る度に言いようのない快感がビリビリと下腹部から昇ってくる。
すると大尉は僕の鼻にショーツを押しつけた。
「どう?ボクのショーツ、アソコの臭いがする?ほら、ちゃんと嗅いでくれなきゃ」
僕のオナニーに魅入られたのか大尉は艶のある声でますますショーツを押しつけてくる。
何とも言えない甘美なニオイが僕の脳を直撃した。
「今朝履いたばっかりのショーツだから心配しないでね。あ、それともシミ付きの方が
ハンスの好みだった?」
「ふあっ…んあっ…あっ!」
射精して萎えたハズの僕のペニスの内部でググッと精子が迫り上がってくるのがわかった。
ビリビリと突き刺すような快感に僕は我を忘れ、フィニッシュに向けて扱きまくった。
「はッはっ…はった、大尉…も、もう…もう僕っ!」
「あはは、犬みたいだね。このショーツ、君にあげるよ。」
大尉は僕のペニスにショーツを被せ、その上からに手を添えて、猛烈な速さで扱いてきた。
「え…あ、や、やめ―――ん、んんんあああああっ!」
  精子が一気にペニスを駆け昇ってくる快感に僕は声を震わせた。
「で、出る!た、大尉の…大尉のショーツ…ふ、うっ!」
ピュ…と先端から透明な体液が飛び出し、続けてゼリーみたいな白濁の塊がショーツ越しに
あふれ出た。ガクガクと痙攣しながら僕は必死でその噴出を止めようと鈴口に手を当て、
ペニスを握りしめた。しかし、内にわだかまる精を解き放った放出感に腰は振るえ手に力が入らない。
「はっあああっ!と、止まって…ダメ止まっ――あああ」
自然と空腰を振り、のたうち回る僕はさながら陸にあげられた魚のようだ。
 小さく震える度にピュッと先端から残った白濁をブリュ、ブリュ…と吐き出し続ける僕の姿に
大尉は満足したのかぷるるっと軽く身悶えた後、僕に歩み寄ってきた。
「ちょっといじめ過ぎたかな…ごめんね」

切らせていただきます。次回でラスト。
少し戦闘がある予定。
298名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 00:49:54 ID:D2bELwAW
GJ!!!! 熱々すぎる…だがそれがイイ!!!!!
299名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 01:10:07 ID:EWoIOjrc
これはいつもながらGJ
しかし次回でラストなのか……複雑だけど待ちます
300名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 16:34:38 ID:uUBC4Gly
保守
301名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 23:35:20 ID:YIJdY5h8
保守
302名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 14:48:33 ID:6frfqlXN
保守
303名無しさん@ピンキー:2008/12/03(水) 00:20:32 ID:3tOnVzb3
死守せんとす
304戦車兵モノ:2008/12/04(木) 16:49:04 ID:5qcQwk5l
戦車兵 
ラスト






「ん…あ…君は本当におっぱいが好きなんだ…はっ…い…さっきからもうベトベト」
僕は強制自慰から解かれると再び大尉の上に被さり、おっぱいにしゃぶりついた。
射精を終えてもなおそそり勃っている僕のペニスの先からは既に
透明な液が漏れだしていた。
「た、大尉…お、お尻をこっちに向けて…そ、その四つん這いになってくれますか?」
「へぇ…後ろからするのが好きなの?ケダモノだね」
「あ、す…すいません…やっぱり…大尉の好きな体位で―――」
「ボクを後ろから犬みたいに犯したいクセに。そうだなぁ〜ボクの言うこと
何でも聞いてくれる?」
 極めつけの台詞、もう限界だった。
「た、大尉…お、お願いします。な、何でも、何でも言うこと聞きますから!」
「はははっ、さっすがハンス。はい、おいで…ボク、犬みたいにキャンキャンって鳴いてあげる」
 その言葉に僕は覚醒した。
「た、大尉!…も、もう我慢できません!」
「え――あっ、ちょ!?」
言うが早いか、僕は大尉の腰を掴むと、ふるんと揺れる大尉のお尻に
爆発寸前のペニスを膣口にあてがった。
「ちょっと待って、まだ心のじゅん――あ、んうううううっ!」
ずにゅぶちゅうううう―――っと十分に濡れそぼっていた秘所にペニスが飲み込まれていく。
中のヒダヒダに再度、皮を剥かれながら、そのまま大尉の最奥まで到達した。
「はっはっ…犬みたいに…ハンスの…ん奥に…中で大きく…」
「き…気持ち…気持ちよすぎま……大尉」
「んっ…あん…ツーナさんって呼んで?ね、ハンス…」
そう言って淫らに微笑む大尉が僕のペニスをキュッと締めつけた。
その心地よさには僕は悲鳴のような声を上げた。
「ああ、ツ…ツーナさん!ツーナさん!!」
 好意を持った異性が初めての相手。大尉の肌、腰を突き出すたびに下腹部に当たる尻肉。
僕は自分のモノが大尉のお尻に出入りする光景に釘付けになり、がむしゃらに腰を突き出した。
「あっあ…あ、あゆ…ふっ…き、気持ちいい?ハンス、ボクの中、気持ちいい?」
草を握りしめ、僕の剣突を受ける大尉は問い続ける。
「ん、んん〜…はは、さっき言ってた少女もこんな感じで後ろからされてた。
押さえつけられても、泣き叫びながら、抵抗して…はッ…んっ!」
「そ、そんな…ツーナさん」
「特に酷かったのはあの村だったかな…村には…ん、君と同じくらいの女の子しか
いなくてね…はッ…そ、それも10人く、くらいしか…んん」
 僕は大尉の背に覆い被さり、背後から揺れ踊るおっぱいに指を食い込ませた。
「そこら中で女の子が犯されてるんだよ?そう、こんな風に……
こっちは中隊だったからね、女の子1人に対して10人くらいでレイプしてた。
まだ初潮もきてないような女の子も当然のように…」
 そんな光景が大尉の眼には映っているんだろうか。甘い吐息を漏らしながら大尉の眼は
どこか遠い所を見ているような気がした。
305戦車兵モノ:2008/12/04(木) 16:49:44 ID:5qcQwk5l
「さ、さんざんレイプした後は殺すのも…ん…面倒だからって…
そのままに…な、何人かは事切れていたし…まだ足りないって奴は
口やお尻まで犯して…何度も、何度も……はッ…ああッ」
「あっ…僕、僕…もう」
ぐちゅという挿入音と共に飛び散る愛液が大尉の陰毛をベトベトにさせ、
 弾け飛ぶ先走り汁が溶け合って潤滑油となりペニスのピストンを加速させる。
「あ…ツーナ…さ…もう、もう…で、出る…出ちゃう…ああっ」
「はっ、いいよ…ハンス…だ、出して……ボクの中に…出して。
あの村の女の子達も…ん…産みたくもない子供を産んでるかもね…あっ」
 僕は大尉の言った通り、犬のように、腰を今までにない速さでお尻に打ちつけた。
「あっ…あっあっあっ…だ、ダメ、出る出る出るっ!ツ、ツーナさん!」
 ―――どぴゅ…びゅるるるるるるる――― 
僕が吼えると同時に大尉の膣内でペニスが爆発した。これまでの自慰で
射精した量とは比較にならない程の精が子宮の中に叩き込まれる。
「あっ、い、し、痺れ…ボクも…ボクも…ハンスので…わ、私もイクッ!」
 キュウウと締め付ける膣口に僕は眉を潜め、歯を食いしばった。
「は…はぁ…はぁ…ん…はあ…た、大尉…」
「ん…ふ…は……はあ…ハ、ハンス…」
 僕は大尉の白い背中に折り重なるようにして果てた。

そしてしばらく大尉のお尻に腰を押しつけ、断続的に射精した僕は
大尉の『ハンスの変態……』の言葉と共に萎えてしまった。
そして先にサウナに行くようにと促され、やってきた簡易サウナ。
今の時間は男のはずだ。
むさ苦しいだろうな…と中に入ってみると
「おっ、ハンスじゃねぇーか?」
 ツーメリカ伍長が
「今の時間は戦車兵の女の時間やで〜」
 エルリカ曹長が
「め、め、眼を閉じて出て行って下さい!射殺しますよ!」
 カリナ軍曹が入っていた。しかも当然の事ながら全員、全裸だ。
僕は照準をつけるよりも早く、伍長は82のE、曹長は80のD、軍曹は76のBと
全員のバストを把握し、そして逃げようとした。
306戦車兵モノ:2008/12/04(木) 16:50:54 ID:5qcQwk5l
「なーに逃げてんだよ、お前の短小みてもなんとも思わねーよ」
 ぐいと後ろから髪を掴まれ、息が詰まり、ぐえとカエルのような声を
出して僕は倒れた。
「ハンス、けっこうデカない?」
 まじまじと見る曹長。そして本当に自動拳銃を取りだした軍曹。
「ここここれは命令です!早くその汚いモノを隠しなさい!射殺しますよ!」
「とかいいつつ軍曹、指の隙間からバッチリ見てる」
 ツーメリカ伍長が冷やかした。
「うっ!!ご、伍長!」
「しゃぶらせてもらえば?」
 とエルリカ曹長の言葉。
「結構です!」

そんなこんなで結局、僕は三人に挟まれる形で座った。
「なぁ、ハンス、なんで大尉に親衛隊から声が掛からないと思う?」
「え?」
 唐突に伍長が言った。
「……戦車や対戦車砲撃破数だけみてもエース級の大尉が。
総統の親衛隊から声が掛からない。不思議だと思わねぇか?」
「そ…そういえば」
「なっ―――伍長、その話は!」
「軍曹、ええやろ。ハンスもウチらの身内や。知っとってもらった方がええ」
 カリナ軍曹が伍長の話を止めようと声を上げたが、それを曹長が諌めた。
「すいません、曹長。軍曹も…………」
伍長が頭を下げ、そして僕に向かって言った。
「味方を射殺したんだ。大尉がまだ中尉の頃…」
「えっ…た、大尉が?」
「誤射やない目の前で子供強姦してた友軍を丸ごと撃ち殺したんや。
東部戦線で小さい村に立ち寄った時にな…囚人部隊の連中が村の女を
襲ったんや。女ゆーてもほとんどが成人もしてへん子供ばっかやったけど。
そこに先遣隊として派遣された戦車がたまたまウチらでな。
一応、憲兵が来て事情聴取とかもされたんやけど、軍法会議には掛けられん
かった。もともと使い捨ての囚人部隊や、面倒な部隊の処分の件と
味方殺しの件で帳消しになったんや。」
「そんな……」
307戦車兵モノ:2008/12/04(木) 16:51:27 ID:5qcQwk5l
「そういった話があるから親衛隊から声が掛からないのさ。本来なら
国防軍の大尉なんかに留まってる人じゃないんだよ。」
「許せんかったんやろな……ホンマあんなん見せられたら女として許せんって」
「やられてた子が生き別れの妹に似てたって事も言ってたな……」
「生き別れというより…養子に出した妹さんでは?」
 その話を聞いて僕はさっきの情事の時の話を思い出した。
 大尉が言っていたのは―――――
「まぁ、これでこの話は終わり…なぁハンス、お前ゴムもってるよな?」
「は、はい。で、でも何に使うんですか?」
「はぁ?何に言ってんだ?ガキができねぇためにしか使わねぇだろ?」
「え……あ、あのそれってもしかして?」
「そのもしかして……ウチらも溜まっとるんよ、ハンスのココかしてくれへん?」
「えええええええっ!?」
「そーゆーことォ……お、もう勃起してやがる。やる気満々じゃねぇの。」
 ぐりっと伍長が僕のペニスを握った。
「いっ、痛いです!ツーメリカさん!ぐ、軍曹、カリナ軍曹、た、助けて下さい!」
 こういった時には頼りになるカリナ軍曹に向かって僕は必死に助けを求めた。
 しかし、軍曹の目は吊り上げっておらず、なぜかトロンと潤んでいる。
「い、いけない事とは理解しています……で、ですが…その…私も自慰だけでは
限界というものが……で、ですから決してその…貴方が好きではない…のですが」
「な、何なんですか!その無茶苦茶な言い訳は!しかも自慰って―――!?」
 そうこう言うウチにも僕は床に押し倒された。
「ふっふ〜ん、サウナの中だから手早く済ましてやるよ。なぁ、ハンス?」
「そうそう、はよはよォ♪ウチもうたまらんって」
「………順番は最後でもいいので…その……いただきます」
「にゃああああっ!!」

……2ヶ月後……
東部戦線で敵が全軍をあげて前進を開始し、
多大な犠牲を払いながらも、帝都まで辿り着き、壮絶な市街戦が始まった。
僕達、残存している全部隊は帝都防衛作戦に参加し、
市街戦が始まって5日。
今日この日、総統の自決をもって、帝国の独裁政権は滅んだ。
そして総統司令部より発せられた最期の命令があった。

【残存の全部隊は民間人を保護し西へ脱出せよ】
308戦車兵モノ:2008/12/04(木) 16:52:59 ID:5qcQwk5l
「はぁはあっは…はぁ……ユリナお姉ちゃん、わ、私もう」
「は、早く!頑張ってルリナッ!早くしないと」
 瓦礫と化した首都。灰色の空に立ち上る黒煙、東の方から響く爆音の中、
 煤にまみれた二人の少女が手を取り合いながら走っている。
「いたぞ、逃がすな!捕まえろ!」
「女だ、帝国のメスガキだ!」
 その後ろから戦車に跨乗し、血に飢えた兵士達が迫る。
「い、いやッ!あッ!」
 瓦礫に足を取られ、少女が地に転ぶ。
「ルリナッ!!」
ユリナと呼ばれた姉が必死に駆け寄り、その身体を抱き起こす。
しかし、戦車は目前まで迫っていた。 
恐怖に身がすくみ、ユリナは泣きだす妹を庇うように抱いた。
『伏せろ!』
ふいに帝国の言葉が聞こえた。
その言葉に姉は妹と共に地面に伏した。
続いて爆発する敵の戦車。
「あ……」
「うう…ひっく…お、お姉ちゃん…」
 砲塔が吹き飛び、黒焦げの戦車を前に二人は呆然とした。
「そこのお嬢さん達」
瓦礫の影から白煙ののぼる砲を持った戦車が覆帯音を上げながら、姉妹の
前に現れた。砲塔にはペンキで白い帯が引かれている。
「は…はい!」
 その砲塔のハッチが開き、銀髪をショートにした女性が現れた。
 そして西に指を指した。
「この先の橋を渡って、郊外に出たらとにかく西に。
郊外の森に行ったら友軍がいるからそこまで逃げて、急いで。」
「あ、ありがとうございます。」
「………妹さん?」
 その女性は双眼鏡で燃える街の方を見ながら言った。
「あ…そ、そうです。妹のルリナです。」
「可愛い妹さんだね。絶対に守らなきゃだめだよ?」
「は、はい!」
「ん、よろしい。じゃあ、またね」
 お辞儀をして走っていく姉妹を見つめながら銀髪の女性は車内無線
で装填手に言った。
『ハンス、砲弾は?』
『徹甲弾が残り7、高速徹甲弾はさっきので最後で榴弾は5です』
『大尉、燃料もそろそろ。』
『大尉、救出部隊の到着まで後、30分です』
『……仕方ないな、了解。森の救出部隊が到着するまで
可能な限りこの橋を渡る友軍及び民間人を援護する。異論がある人は?』
『た、大尉…僕、頑張ります』
『ありません』
『やりましょうぜ、大尉』
『ま、ボチボチいこか』
隊員達のそれぞれの返答。
『皆大好き!じゃ、みんな、せ〜の―――』
『「ぱんほー!!!」』

END

一応、これで戦車兵は終わりです。また後日に
パンサーでGな大尉さんが敵に捕まって輪姦な話
ファイアーでフライな中尉さんが発情して少年兵食べる話
スターでリン2な貧乳少尉さんが男子生徒寄宿舎で
逆レイプな話を投下するかもです。
309名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 17:24:36 ID:YeK/VcPh
GJ!!!!! 良かった。 次回のも楽しみにしてる。
310名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 19:03:54 ID:kNrs7BrJ
ふう・・・
311名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 16:04:12 ID:CcfpynG4
今回もGJでした!
次回作も期待してます!!
312名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 23:11:12 ID:WiB7bZO3
GJです!
それにしても大尉が可愛いな
313名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 18:21:20 ID:mY5IoAGL
遅ればせながら乙
314名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 06:54:13 ID:Z8xhAWsC
GJ
315名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 23:03:29 ID:dO3kndOW
保守
316名無しさん@ピンキー:2008/12/25(木) 20:19:34 ID:6/WwNa3W
保守
317名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 16:01:54 ID:jLxWUkW7
越年歩哨ネタ
ある国の自衛軍の警衛所の話
「ヤマグチ一士、年越しの日は早めに上番して私の所に来い」
ヤマグチ・タケル一士は警衛所前でシマダ・ミコト士長に呼び止められた。
「シマダ士長の所にでありますか?意見具申します。服務規則では…」
「零時までか…あのな…ありゃ原則だ…杓子定規に遵守するこたぁない」
タケルは何時も規則に厳しいシマダ士長の発言が理解できなかった。
「原則は大事だが杓子定規に遵守しておったら前に進めん。これは風習だ、暗黙の了解である。」
「ヤマグチ二士!二三四○に上番した後シマダ士長の所へ参ります!」
こうしてとある国の警衛所は年を越す。翌年一月、シマダ士長は寿除隊した。
  
318名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 11:58:49 ID:/e61JJWC
保守
319名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 06:56:04 ID:yfctzr0E
ネタにもなってない・・・
320名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 21:02:25 ID:kWfWyi/j
そいつは言っちゃあイカンよチミぃ…
たぶん保守だけっーのも芸がないから何か書いて見たんだろ?
 
321名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 14:14:25 ID:K17EoIoZ
新年一番乗り保守!
322名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 17:18:43 ID:flEUecj/
軍服+美少女の組み合わせは正義
323名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 12:46:53 ID:gIVai+zE
324名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 05:21:50 ID:gIhNBdy9
325名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 23:53:09 ID:3iJm0a3E
死守

と言えば総統。
美女総統の死守命令。成功のご褒美に燃える男性将兵。
果たして戦線は維持できるのか…  
326名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 20:41:27 ID:5O4yTfly
帝国第6軍は極寒の地に包囲され、脱出が困難になっていた。

将:総統閣下、脱出の許可を!
総統(♀):ダーメ。救出部隊送るから、それまで死守してよ。
将:し、しかし!
総統:頑張ってくれたら君には私が直々にナースコスで十発、各兵には本土の美少女看護学校を貸し切りで給与。やりたい放題ってのでどう?
将:じーくはいるあああ!さむくねぇああああ!野郎ども!
兵:じーくはいるじーくはいるじーくはああ!
総:みんな、大好きよ。頑張って守ってね♪
327名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 22:23:25 ID:V2gVg4oJ
救出部隊到着を待つまでもなく、重工業地帯を占領した第6軍
はご褒美を受けるべく、本土に後送された。

総:あん、ん…先生、私の膣に注射して下さい。
将:じーくはいるじーくはいるじーくはいる!!
総:あん、あん、そんなに私に注射しないで!ん、ん、んん〜!

看護学校
生徒A:兵隊さん、注射の時間ですよ
兵士:は、は、はいいいっ!
生徒B:いっぱい、注射してね。ここにはお姉さんも妹も、人妻もあらゆる
ジャンルがいるから…今日はどんなプレイがいいですか?
生徒C:可愛がってくださいね♪
兵士:じーくはいるじーくはいるじーくはいる!!!

兵士一人につき、三人の美少女看護生徒。
戦意高揚した全軍は極寒の大国を占領し、一度失敗した島国を占領し、
大帝国を誕生させた。

大尉:………って事になったらいいなぁと思ってさ。どう?
ボクだったら、そこの女医師になってさ、眼鏡かけて、似合うと思う?
ハンス:は、はいい!似合いますよ大尉!絶対、似合います!
軍曹:……溜まってるんですか?あと、二等兵、不潔です。
曹長:あかんなぁ…ハンス、舐めたれば?一回、イケば戻るやろ
伍長:溜めすぎは身体に毒ってね……あ〜はやく救出部隊来ねぇかなぁ…
瓦礫と化した建物の影に隠れ、友軍、避難民を援護する砲塔に白帯を
塗った主力戦車でのお話でした。
328名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 17:34:36 ID:FlL0C0Th
死守
329名無しさん@ピンキー:2009/02/03(火) 17:54:52 ID:zhkuh5Nu
我らは帝国最後の防衛線、ゼーロウ〜トルゲリン線を
国民突撃兵と共に死守する。各車戦闘配置へ!
330名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 15:45:25 ID:TjXLbER5
>>329
パンツァーフロント乙
楽しかったよな、あれ。
331名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 00:50:29 ID:T8xvazWs
他スレで拙い作品を書いてた者ですが、
明らかにここが自分の戦場です。よろしくお願いします。
頑張って書こう。
332名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 16:05:40 ID:/weELcw6
仮想戦記でエロパロ
333名無しさん@ピンキー:2009/02/14(土) 23:51:56 ID:9kYrzDeT
>>331
よろしく!新たな戦友よ
334331:2009/02/17(火) 17:20:37 ID:YXG6lrOU
こんなのでいいんだろうかと悩みつつ初投下です。
エロ薄めというか、ほとんどないですが……とりあえず3レスほどお借りします。
335鉛の兵隊 1/3:2009/02/17(火) 17:21:38 ID:YXG6lrOU
 目を開けると、景色がぐるぐる回っていた。キンキンと耳鳴りがする。何が起きたんだろう。
 あたしは起き上がろうとして、自分の身体が動かないのに気がつく。
 どろり、と、生暖かいねばねばが、首筋のあたりを伝った。あは、やっちゃったみたい、これは。
 どこか遠くから、自分が呼吸する音が聞こえてくる。


     ◆


 ユーリ、初めてあんたと会ったのは、たしかタシケントの空港だ。
 あんたは3度目のアフガニスタン行きで、あたしは夢と希望と使命感を胸いっぱいにつめこんだ看護兵だった。国際主義英雄。いい言葉よね。

 あたしのお婆ちゃんは大祖国戦争でいくつも勲章を貰った英雄で、その代わりといっちゃなんだけど、左手首から先がなかった。
 あたしは毎晩のようにお婆ちゃんに昔話をせがんでは、自分がもっと早く生まれなかったことを悔しく思ったものだ。
 祖国は米帝との戦いを続けていたけれど、この戦争は、お婆ちゃんに聞いた戦争とは全然違っていて、
 要するに、アフリカの同志にもう1丁のAKを渡すためにバターを我慢して、
 アジアの同志にもう一台の野砲を送るために砂糖を我慢する、そういう我慢比べでしかないような気がしていた。そんなの戦争じゃない。
 だからあたしは、南部国境に英雄が求められていると聞いて、すかさずそれに飛びついた。
 父と母は空港行きのバスの前でわんわん泣いたけど、お婆ちゃんはあたしに敬礼してくれたっけ。

 ユーリ、次にあんたと会ったのは、野戦病院だった。
 19世紀製のおんぼろ鉄砲で撃たれたあんたが担ぎ込まれてきたとき、あたしはもう40時間くらい働きっぱなしだった。
 ようやく交代だと思った矢先に入ってきた急患に、怒りさえ覚えたもんだ。
 見かけよりもあんたの傷は深くなくて、3週間ほどで動けるようになった。面倒のかからない、いい患者だったよ。
 でもあたしは、あんたが気になっていた。あんたの体は元気でピンピンしてるのに、なぜかいまにも死んでしまいそうに見えた。

 あんたに初めて声をかけられたのは、あの夜のことだ。あたしはいつもの用事で、しぶしぶ書記官のところに行くところだった。

 あそこじゃあ、いろんなものが足りなかった。モルヒネも、包帯も、血清も、何もかもが足りなかった。
 なかでも一番あたしたちが欲しかったのが、日本製の注射器だ。でも、何枚申請書を書いても、補給は届かなかった。
 だからあたしは、書記官に直接頼み込んだ。あたしは何も知らなかったんだ。窮状を訴えれば、書記官さまは聞いてくださると思ってた。
 書記官はあたしの訴えを聞くと、しばらくあたしを値踏みするように睨んだ。そしてあたしに、支給するから奥の部屋に来るように言った。
 あとは説明するまでもない。日本製の注射器なんてなかった。あったのは日本製の避妊具さ。あたしは、何も知らなかった。
 ことが終わったあと、書記官は、来週も来るようにとあたしに命令した。泣きじゃくっていたあたしは拒否しようと思ったが、拒否できるはずがない。
 次の週も、あたしは書記官の私室に連れ込まれた。そしてその帰り道、あたしの手には1ケースぶんの注射器があった。

 夜道を忍び足で歩いていたあたしを、あんたは呼び止めた。手にAKを持ってたから、あたしを敵の斥候か何かと勘違いしたんだろう。
 あんたはあたしを不審げに見ると、こんな時間にコソコソとどこに行くんだと詰問してきた。教えられるもんか。
 でもあんたは、しつこく食い下がった。あたしは根負けして、書記官のところに、支給品を受け取りに行くのだと答えることにした。嘘はついてない。
 あんたは一発で、あたしが何をしているのか見抜いた。
「そんなことをしちゃいけない」。怒ったようにあんたは言うと、「俺も一緒にその書記官のとこに行こう」と言ってあたしを狼狽させた。

 正直言えば、あたしは困り果てていた。でもあんたの階級章を見せられて、命令だと言われたら、それに従わないこともできなかった。少佐様じゃない、この人。
 あたしたちは書記官の執務室に行って、そこであんたらはだいぶ長いこと話し合ってた。あたしは居間の暖炉の前で、ドキドキしてたのを覚えてる。
 しばらくして、新品の注射器を1ケース持って、書記官が出てきた。「これをもって、とっとと失せろ」。
 あたしはうろたえたけど、ひったくるように注射器の束を奪って、夜道を走って帰った。

336鉛の兵隊 1/3:2009/02/17(火) 17:23:04 ID:YXG6lrOU
 それから、あたしたちの野戦病院には、定期的にしっかりした補給が届くようになった。あんたの手配なのは、間違いなかった。
 だからあたしは、あんたがもうすぐ退院という日の夜、こっそりとあんたの病室代わりのテントに向かった。佐官だから、専用のテントだ。
 あんたは、AKを分解して、掃除してた。そんなことしなくたって、ちゃんと撃てるのに。
 突然の来客にあんたは困惑したようだったけど、あたしは単刀直入に切り出した。
「少佐さまのおかげで、ここは随分ちゃんと動くようになりました。お礼をさせてください」
 あんたは険しい表情をして、「その言葉だけで十分な礼だ、もう夜も遅いのだから、ガキはとっとと寝ろ」とか言ったよね。あたしはカチンときた。
「あたしは、貸しを作ったままにしたくないんです」
「寝ろ」
「それとも少佐さまは、あたしみたいな野良犬を抱くのは嫌ですか。あたしでは不足でしたら、百戦錬磨の、もっと女らしいのも連れてきます」
「いいから寝ろ。命令だ」
「イヤです」
 あんたは立ち上がって、あたしの前に立った。
「いいか、俺は必要なことをしただけだ。俺の軍務を、お前らの思い込みで勝手に汚さんでくれ。わかったら帰れ」。あたしは完全に頭に血が上った。
 あたしは、あんたの頬を、全力で平手うちした。あんたはびっくりしてあたしを見てた。
「訂正してください。汚すですって? あたしが、好きでこんなことをしてるとでも? 金が欲しくてこんなことをしてるとでも?
 あたしは、ここに、日本製のラジカセだのビデオデッキだのをちょろまかしにきたんじゃありません。自分の口座のルーブルを増やしにきたんじゃありません。
 戦争に来たんです。
 勝利のためには、あらゆることに耐えなくてはいけない。あたしはそう習いました。あたしは、ここに、戦争に来たんです。戦いに来たんです
 訂正してください。あたしの戦いが、汚れてるだなんて、たとえあなたが少佐様でも、絶対に許せません」

 あんたの目が怒りに燃えたのを、あたしは忘れない。それはあたしが見た、初めての、生きてるあんたの目だった。
「……ふざけるなよ。戦争に来た、戦争に、来た、だと? ハッ、言わせれば言いたいだけ言ってくれる。
 俺たちは、ここで、何のために、何と戦っているんだ! 答えてみろ、ラリサ上等兵!
 汚れてるのが侮辱だと? この泥沼の、どこに汚れてないものがあるっていうんだ! 答えろ、ラリサ上等兵!
 答えろ、俺たちがカブールにペンキで書いた落書きみたいなスローガンなんかじゃなく、
 プラウダだのイズベスチヤだのが書き立てる文学者センセイどもの作り話なんかじゃなく、
 お前の言葉で、答えてみせろ、この国の、どこに『戦争』がある! 言ってみろ、ラリサ上等兵!」

 しばらくのあいだ、二人とも、荒い息呼吸をしながら、黙っていた。あたしは、意を決して、沈黙を踏み破った。
「あたしの戦争は、ここにあります」
 あたしは右手で握りこぶしを作って、あたしの心臓の上に置いた。あたしのお婆ちゃんが、あたしに何度も教えてくれた言葉だ。

 思い切り殴られた。目の奥がチカチカして、一拍遅れて顎が猛烈に痛んだ。
 あたしは反射的に立ち上がると、もう一度あんたの頬を全力で張った。キエフじゃあ同年代との喧嘩には負け知らずだったんだ。舐めるな。
 でも次の瞬間、あたしはあんたにしっかりと抱きしめられてた。つい、抵抗してしまう。
 あんたは、あたしを抱きしめながら、泣いていた。それに気がついて、あたしの体からも力が抜けた。
 言葉は必要じゃなかった。あたしたちは切羽詰ったように互いの服を脱がせあい、けだものみたいに愛し合った。

 ユーリ、あんたは退院してからも、休暇のたびにあたしの働いている病院に顔を出しに来た。
 はじめはあたしも同僚にバレないようにと思っていたけど、同僚たちは、ドクターも含めて、あの夜のうちにあたしたちのことを知ったらしい。
「馬鹿ねえ、ラリサ。あんだけ大声出しといて、バレてないと本気で思ってたの?」。そういってみんなに笑われた。
337鉛の兵隊 3/3:2009/02/17(火) 17:23:57 ID:YXG6lrOU
 そうして半年ほどたって、あたしは自分が妊娠しているのを知った。そんなつもりじゃなかったのに。
 正直、かなり動揺した。きっと配給のコンドームに裂け目があったのだろう。
 あんたはあたしの報告を聞いて、最初はびっくりしたけど、すぐに大喜びして、あたしに正式に結婚を申し込んだよね。
 あたしはどもりながら、あんたのプロポーズを受け入れた。
 あんたは、たくさんの話をしてくれた。故郷のこと。家族のこと。
 あたしは幸せだった。本当に、幸せだった。
 でも、何か、どこかに、違和感があった。それが何なのか、あたしには分からなかった。

 婚約を交わして2週間後、あんたは死んだ。カブールで、爆弾テロの犠牲になった。ユーリと呼べるものは、奥歯1本しか、見つからなかった。


     ◆


 何もかもが、ゆっくりと崩れていった。

 軍務を続けるのが難しい体になっていたあたしは、カブールからタシケントに空輸され、キエフへと送り返された。
 あたしたちの婚約には、法的な根拠はなかったけれど、あたしは国際主義英雄の寡婦として、丁寧に扱われた。

 あたしはあんたの故郷、ミンスクに向かった。母親に挨拶したかったのだ。
 でもあんたの母親は、あたしに会おうとしなかった。
 父親は、冬空の下で立ち尽くすあたしに、一言だけ言った。「お前のようなあばずれを、息子の嫁とは認めん」

 キエフに戻って、子供を産んだ。女の子だった。家族はみなあたしを腫れ物のように扱ったが、お婆ちゃんだけは優しくしてくれた。

 3年後の寒い冬、おばあちゃんが死んだ。肺炎だった。引きずられるように、娘が死んだ。
 娘は、あたしよりも、大お婆ちゃんが好きだった。「きっと大お婆ちゃんが連れて行ったんだよ」。みんながそう囁くのを、あたしはぼんやりと聞いた。

 あたしは、もう一度、軍務に応募した。あたしは休暇扱いで、軍籍は抜けていなかった。
 家族はもう、何も言わなかった。あたしが出て行くほうが、きっと彼らも幸せだろう。
 アフガニスタンに従軍した女なんかがいる家だってことで、あたしの兄や弟はなかなかお嫁さんを貰えずにいたから。

 あたしは中南米の某国に派遣されることになって、そこにはあたしが望んでいた戦争があった。


     ◆


 いま、あたしはゆっくりと自分が死にかけていることを理解する。たぶん、助からないだろう。
 死人候補生と向かい合い続けた、長年のカンみたいなものだ。
 あたしは血の味がする口のなかで、あんたの名を呼ぶ。不思議と、寂しさはなかった。悲しくもなかった。

 消えていこうとする意識のなかで、やっとあたしは、あのときの違和感の正体を知った。

 あんたは、あたしを愛してなんていなかった。愛しているふりをしたかっただけだ。
 あたしも、あんたを愛してなんていなかった。愛しているふりをしたかっただけだ。

 あたしたちは、戦争に恋してた。戦争を愛してた。

 呼吸が続かなくなってきた。急激な眠気が押し寄せる。あたしは右手を握ると、自分の胸にあて、目を閉じた。
338鉛の兵隊:2009/02/17(火) 17:24:46 ID:YXG6lrOU
投下終了です。2レスめが2/3になってないんだぜ……。
お目汚し失礼しました。
339名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 21:59:26 ID:zLuTVg7l
GJ!!久々の良い弾薬(良作)さあ、このスレはまだ戦える!
340名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 14:19:20 ID:QVmU01Zu
悲しいな。
戦場を離れても居場所はなく、再び戦場戻り戦死した主人公に冥福を
341名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 14:44:12 ID:n0fMnIvy
切ねえよ、でもgj
342名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 11:27:31 ID:b8vdkprz
無知な者の質問

ア○ガニスタン従軍者の扱いって、例えばアメ○カでのベトナム帰還兵みたいな感じだったの?
少し気になったから…

知識がないとせっかくの作品の微妙なニュアンスが理解しきれなくて残念だ
343名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 11:32:05 ID:j2V+XpzU
>342
ベトナム失敗当時のアメ○カは、「ちょっと衰退した」程度で「世界最大の経済超大国」は
当時も(つーか今も)揺ぎ無かったわけですが(当時世界のGDPの三分の一だったかな?)、

アフガン介入失敗時のソビ○ト連邦は既に経済破綻寸前でした。(実際その後数年持たずに崩壊している)

+共産主義って事で察してくれ。比べる方が間違ってる状態
344名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 11:55:45 ID:tNuP0wg1
>>342
最初は「国際主義英雄」って奉られたけど、だんだん地位が低下して、
指導部が南部国境への介入は間違いだったと認めたとたんに完全にオワタ。「赤子殺し」って言葉は、彼らに対しても使われたらしいね。
酷くなると「なんであの役立たず(手足を無くしていることが多い)の人殺しどものために、俺たちの金が使われるんだ」とまで。

しかもあの国は伝統的に女性兵士を大量に採用するんだけど、
いざ彼女たちが田舎に帰ると「軍隊帰りのあばずれ」扱い。大祖国戦争でもそうだったらしい。
345名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 21:49:35 ID:b8vdkprz
ありがとう
理解できた
346335:2009/02/19(木) 23:15:12 ID:QyyyNb5D
こんな自己満足物件を読んでいただけて深謝であります。

微妙にミリオタな補足をすると、ロシアでは「手の綺麗な女性」っていうのにすごく価値が置かれています。
なので従軍して、片手を吹っ飛ばされたおばあちゃんは(ry、というトリビア。

こんな風情でよろしければ、また週末にでも投下します。
「もっとエロく!」「もっと欝に!」など、ご要望を書いていただければ参考にさせていただきます。

……「もっと明るく楽しく!」だけはご容赦っ。それはきっと他の職人さまが……。
347名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 15:04:03 ID:WwNvxLAo
戦車兵書いてた者ですがベルリン防衛戦後、めちゃくちゃに犯される民間人とか女軍人とか希望したいんですが構いませんか?
348名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 17:53:43 ID:WwNvxLAo
連続して書きこみすみません。
民間人だと別スレになっちゃうので女軍人がめちゃくちゃに犯されるのを…是非、ウチの女戦車兵をめちゃくちゃにして下さい。お願いします。

自分が書くとどうしても明るく楽しくにしかならないので。
349名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:27:19 ID:7lmpA8ky
僕にその手を汚せと言うのか(*゚∀゚)=3
350335:2009/02/20(金) 19:16:20 ID:dgH3WElO
>>347
唐突にプロットを思いついたので、週末にはUPします。
主人公の視点は微妙にズレますがご容赦を。がんばってエロくします。

>>349
横たわるのは(ry
351名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 19:19:39 ID:Nxdwb/3z
猫耳で吸血鬼のユーゲント少年兵がベルリンでイワンにレイプとか…
いいや、黙っておこう
352335:2009/02/20(金) 19:22:23 ID:dgH3WElO
>>351
ちょwwwなんで脳内メモが見えるのwwwww
猫耳以外はだいたいあってるwwwww
353名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 20:29:37 ID:Nxdwb/3z
ごめんなさいシュレ准尉レイプ物が見たかっただけなんですごめんなさい
354名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 20:50:48 ID:QDVM+VC1
>>349 >>350
手をとりあって、第4章
某神竜騎士団も一応軍属の話だが・・・専用スレ行けになっちゃうか

鬱でも明るくても良いよ、週末を楽しみに待ってるよ
355335:2009/02/22(日) 16:24:08 ID:8rQnoKYD
規制中にて週明け中頃の恐れが。携帯が古い機種なんで、データ移動は無理ぽです。
356戦車兵:2009/02/22(日) 17:05:29 ID:eKyl7cdj
>>335
何たる緊急事態!
しかしここは持ちこたえてみせる。
大まかな内容だけでも聞かせてくれないか?
357335:2009/02/22(日) 19:49:44 ID:8rQnoKYD
粗筋は351でだいたいあってます。12SSの娘たちの身代りになって…的展開。基本我慢大会です。しかし携帯から投稿できる人は神だ。よくこれに耐えられる…
358名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:02:56 ID:Qdl0SJcf
335さんでは無いですが>>347に刺激されて書いてみました。
359西への脱出:2009/02/23(月) 00:06:05 ID:Qdl0SJcf
帝都から脱出し、奇跡的に友軍のよる救援の手が差し伸べられて追いすがる赤軍より逃れたシュルツーナ大尉 の戦車。
地獄からの生還に安堵する間もなく次の作戦を命じられる事となった。
「エルベ河へ向けて後退する。そこで連合軍に降伏するのだ」
帝国の終焉で組織としてのまとまりを唯一持つこの軍団は残る力で捕虜になるならまだマシな連合軍の元へ向かうべく最後の作戦を実行しようとしていた。
帝国が東部戦線で行った事の報復にと赤軍は帝国本土で軍民問わず略奪や暴行を繰り広げていた。
見ようによっては因果応報な事ではあってもただ黙って報復に身を任せる訳にはいかない。
「大尉!弾薬と燃料を持って来ました」
カリナ軍曹が砲弾と機銃弾を積んだトラックの助手席から降りて来た。運転手の一等兵も降りて荷台の弾薬を下ろそうとしていた。
「ハンス!弾薬の積み込みを手伝え!」
「はい!」
大尉に命じられてキャタピラを整備する為に外そうとしていたハンスがトラックの方へ走る。
帝都より西にあるこの森ではハンス達などの脱出部隊がエルベ河へ移動すべく再編成と補給を行っていた。
ハンス達は弾薬を撃ち尽くし、燃料もほとんど無い我が愛車にまた動いて貰うべくカリナが補給部隊から調達した弾薬と燃料を積み込む。
重い75ミリ砲弾や機銃弾の詰った弾薬箱を往復して運ぶハンス。息を切らせながらもその視線は戦車の傍で受け取る大尉を中心に向けられていた。
それは軍服に隠れながらも形が分かる豊かな胸に。
大尉の胸を運びながら見ていたハンスは情事での事が脳裏に蘇り顔はにやけてしまう。
「ハンス、急いで!燃料もまだある!」
「はっはい、すみません!」
つい大尉に見惚れて動きが少し鈍くなったハンスに大尉からの叱る声が飛んだ。
友軍に合流したとはいえ、赤軍の猛攻に遭えばここもすぐに後退せねばならないだろう。
いつ来るか分からない次の戦いをするにはこの愛車である75ミリ砲を備えたこの戦車をいつでも動かせるようにしなければならない。
大尉もその為に気が気でない。補給と整備を早く終わらせなければならないと思い口調も普段より厳しい。
また理由はもう一つある。それは近くを列を成して歩く人々。10万とも言われる民間人達を守る為でもある。
軍と共にエルベ河へ向かうこの民を赤軍より守る。それが総統という最高司令官を失ったこの軍団、いや軍が成さねばならない最後の義務なのだ。
360西への脱出:2009/02/23(月) 00:06:42 ID:Qdl0SJcf
軍団は多くの民間人を抱えながら西への前進を開始した。
赤軍は残る帝国の残党を逃すまいと西への進撃を続ける。
まさに生死を分ける競争だ。この競争に勝つには軍団の行く手を阻む敵を排除しなければならない。
その尖兵にハンス達の戦車があった。
「敵だ。どうやらT34ばかりのようだ」
大尉は戦車を森に隠しキューポラから頭を少し出して双眼鏡を使い前方を観察する。
敵は十字路のある村の前面にT34戦車を配置している。
「こちらシルト1。我が先行して敵を引き寄せよう」
無線に指揮下の戦車長より意見具申が来た。
大尉の指揮下には他に3両の戦車が入った。どれも原隊がバラバラな寄せ集め部隊である。
「シルト1へ。その必要は無い。支援攻撃が無いから一気に強襲で片付ける」
落ち着いた声で大尉は命じる。この即席戦車隊以外には歩兵中隊しかいない。砲兵は移動中であり期待は出来ない。まして空軍なんて存在すら無い。
「カッツェ(雌猫)より全車へ。5分後に攻撃する以上」
無線で決定を伝えると、今度は戦車長としての指示に入る。
「ハンス。徹甲弾装填」
短い命令にハンスは機械の様に瞬時に動いた。弾庫より徹甲弾を取り出し砲へ押し込む。
「ツーメリカ 。11時のT34を狙え」
砲手のツーメリカ伍長は大尉からの命令を聞くと笑みを見せた。
「敵は油断している。これなら一気に片付くぜ」
「それは見えている範囲の事だ。村の中にPAK(対戦車砲)でもあるかもしれない」
大尉がツーメリカにそう釘を刺す。強襲を選んだが敵が弱いと過信してもならない。
ハンスは5分後の攻撃開始に向けて調整をする大尉を眺めていた。
ここまで何とか生きて五体満足に来れた。これなら連合軍の所まで行けるに違いない。
シュルツーナ大尉、この人が居る限りは自分を含めた皆が赤軍より逃れる事が出来るだろうと。
(それから…捕虜生活が終わったら、俺は大尉に…)
ハンスは連合軍の捕虜収容所から釈放された後の事を想像した。軍人では無くなった二人。
その時に二人で新たな生活を大尉もといツーナさんと過ごすのだと。
361西への脱出:2009/02/23(月) 00:07:08 ID:Qdl0SJcf
ハンスのそんな妄想を断ち切ったのは戦車のエンジンが車体を揺らす程に馬力を上げた時だ。
「 カッツェより全車へ。攻撃開始!」
4両の戦車が森から射撃する。狙いを定めていた4両のT34がたちまち撃破される。
「よし!行くぞパンツァーフォー(戦車前進)!」
本当なら独自の「ぱんほー」という掛け声を使いたいが寄せ集め部隊では混乱してしまうので少し残念に思いながらも大尉は従来の掛け声で前進を命じた。
森から飛び出し、燃えるスクラップに変えたT34の脇を抜けて戦車隊は進む。その後ろを歩兵が駆けて追従する。
「ハンス!弾種徹甲弾!」
「ツーメリカ!2時のT34!」
「カリナ!機銃を撃ちまくれ!」
大尉の指示が無線に乗って皆に伝わる。
今まで何度も繰り返した戦闘での経験から命じられた事は即座に身体から動くように出来た。
また命じられた事以外もだ。それは彼ら彼女らが戦い慣れたからもあるが、大尉という最も信頼できる指揮官の存在が大きい。
だからこそこの戦車は全力を発揮して敵を蹂躙している。
素早く装填された砲弾。それを撃つ正確な射撃。敵兵を追い散らす機銃。縦横に走り回る機動力。
(この子達が部下で良かった)
大尉は戦闘が一段落すると、この絶望的な戦況の中でこの優れた部下を持てる事に感謝した。
(何としてでも私が赤軍から逃してあげるわ)
東部戦線を戦った大尉はもしも捕虜になろうものなら赤軍がどんな事を部下にするか一番分かっていた。
自らが手を下して制裁した友軍の囚人部隊が行ったあの蛮行と同じ事をするだとうと。
362名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 00:10:16 ID:Qdl0SJcf
今回は以上です
エロシーンが無くてゴメン。
それになんか固い文章にもなったような…
またツーメリカを勝手に砲手として書いたけど良いかな?
続きは今週中。週末までにはアップします。
363戦車兵:2009/02/23(月) 09:02:06 ID:MXvQIAYO
>>362
ありがとう戦友よ!
文体が格好いいよ!
パンツァーフロントみたいで好きです。
大尉の戦車の呼び名が『カッツェ(雌猫)』ってのが最高に合ってる。カッツェと言う言葉は某覇王体系のキャラにいたから知ってたけど、意味が『雌猫』だったとは!
大尉と僚車の会話もいいね、フロントbisのゼーロウ戦の

シールト:各車へ、後がない。健闘祈る。
シュペール1:了解。そちらも武運を

この通信に萌える。
続きが楽しみ。赤軍にハンスの目の前でめちゃくちゃにされる大尉でも
戦後、仲良く夫婦な大尉でも大歓迎です。

参考までに載せときます。

シュルツーナ大尉
一人称:ボク・私
ポジション:戦車長

ハンス二等兵
一人称:僕
ポジション:装填手

ツーメリカ伍長
一人称:あたし
ポジション:砲手

カリナ軍曹
一人称:私
ポジション:無線手

エルリカ曹長
一人称:私
ポジション:操縦手
364名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:42:34 ID:BTH+qkN5
朝起きたらなんかいろいろ投稿されてるっ。しかもネタがモロかぶりじゃねぇか('A`)
もういいや投稿しますん。 >>335,>>359のカメラーデンとは別人よ
365名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:43:14 ID:BTH+qkN5
4月27日、ソ連軍はベルリン中央を流れるラントヴェーア運河の強行渡河を開始。
今や総統官邸からですら東、北、南、そして西からも砲撃の音が聞こえる。
もはや帝国は消えた、後は生き延びる戦いあるのみ!


ヘッドセットを付けていても外界の音が完全に聞こえなくなる訳ではない。
低く唸るエンジン音。きしむキャタピラ。砲撃銃撃爆撃音。
ただ、ここ数週間の内に、叫び声が混じるようになった。屈強な兵士のそれではない。明らかに女子供の声だった。
開戦から幾度と無く言われ続けてきたせいで、半ば都市伝説だと思っていたその行為が現実の物として降りかかってきた。
夜中。戦車やトラックの雑音も、敵軍の砲撃の音も止むその一瞬を狙うかのように、風に混じって悲鳴が聞こえてくる。
鋼鉄の箱に放り込まれては聞こえないだろう、というはかない希望はすぐさま絶望に取って代わった。
かの国の詩人イリア・エレンブルグはこう言ったらしい「パンにはパンを、血には血を!」
ソ連兵は知ってか知らずか、その言葉を忠実に守っているらしい。
「ハンス、敵だ」
ヘッドホンから耳に飛び込んでくる声で、ようやく彼――ハンス二等兵は集中力を取り戻した。
「バカ! 何やってる!」
彼から見て左側、主砲と防危板を挟んで反対側から罵声が飛んでくる。この騒音の中でも
砲撃手、ツーメリカ伍長の声は十分聞こえる音量だった。
「ハンス、いちど深呼吸してから装填してね。徹甲榴弾39」
再びヘッドホンから静かな声。戦車長、シュルツーナ大尉のそれだ。急ぎ深呼吸し、砲弾ラックから巨大な鉄塊を引き抜いた。
そのまま主砲へ押し込み、体制を整えてから目の前のスイッチを押す。装填手が安全な姿勢になった事を示すランプが砲撃手側に点灯し、
これで主砲は射撃準備を完了したことになる。瞬きするまもなく彼らの乗る戦車は発砲した。
366名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:43:48 ID:BTH+qkN5
「T−34撃破。良くできました」
平原での戦闘に比べれば、「目の前」と言って差し支えない距離に表れたその戦車は無防備な側面を貫かれ、その上砲弾に誘爆したのか派手に炎上した。
このくらいの花火など大したものではない。ここしばらく帝都では巨大なたき火をしたせいで、雨が黒くなってしまっているのだから。
「ここはもうダメだね。ティアガルテンまで戻ろう」
そう告げる大尉の声は優しいが表情は険しい。戻ったところで敵はやって来るのだ。どうしようもない。
万が一、億が一ソ連の捕虜になるとどうなるか。一番よく知っているのは彼女だ。最も一番恐れているか、という話には疑問符が付く。
ハンスが伺う限りでは恐怖心と言うより諦観が感ぜられた。まさか生への執着を諦めたのではあるまいな、と彼が車長席を振り向くと、
ツーナ大尉はにっこりとした笑みをくれた。頭脳明晰、人格穏和、ついでにスリムなボディ。ベテランとして戦線に立ち、
今まで撃破した敵戦車は両の手では数えられまい。要するに、彼女はそう言う人だった。
「エルリカ、次の角までバックで下がって。止まる時は合図するから」
「はいな」
「カリナ、無線は何か言ってる?」
「いえ、聞こえてくるのはロシア語ばかりです」
てきぱき指示を出しつつ、彼らのパンター242号車は国会議事堂のすぐ隣、ティアガルテンと呼ばれる公園へと後退を開始した。
木々が生い茂っていた公園内も砲爆撃と陣地構築のため、今や目を覆いたくなるような風景になっている。
が、ツーナは思う。ベルリンの惨状だって十分目を覆いたくなるよ、と。
また砲撃が始まった。周囲が轟音に包まれる。目の前のビルに着弾しガレキが音を立てて崩れ落ちた。小は親指くらいから大は人の頭くらいまで、
様々な残骸が装甲板を叩く。ソ連軍の野砲のしつこさは身に染みていたが、慣れることは生涯無いだろう……。
建物が崩れたせいで大量の砂埃が舞い、視界が悪くなる。こう言う時が一番危ない。しかしツーナの視線は車体の後方、道路の真ん中に置かれた市電に注がれていた。
電車の車輌をバリケード代わりにしようと言うのだ。エルリカに停止を命令する。パンターの車体はゆっくりと静止し、左へ曲がり始めた。
彼女がふと視線を戻した時には遅すぎた。砂埃の向こうからずんぐりとした車体と不気味な丸い防盾を持つ戦闘車両が表れた。
「SU−85!!」
叫んだ時には被弾していた。45tもあるパンターがほんの一瞬浮き上がったような気がした。装甲が貫かれていない!
歩兵支援のため、あのSU−85は榴弾を装填していたのだ。とはいえ砲弾自体の重さと破片効果でパンターの砲塔にはクラックが入り、旋回リングを歪ませた。
「砲塔、旋回不能!」
ツーメリカの悲痛な叫びが飛び込む。車体を曲げて照準する暇はない。逃げる暇はもっと無い。
「脱出! 散開してティアガルテンまで戻って!」
ツーナが叫ぶのと、パンターが徹甲弾とフレンチキスしたのは同時だった。
367名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:44:12 ID:BTH+qkN5
シュルツーナが意識をさますと、右足に激痛が走った。痛みは生きている証拠だと言うが冗談じゃないね。顔を歪めつつ眼球だけを動かして周囲を確かめる。
砲撃だか爆撃だかで半分吹き飛んだ建物らしい、という事は分かる。ガレキが上手い具合に積み重なって外からでは見えにくい。
これで食事と毛布があれば戦争が終わるまでゆっくり出来そうだ。そう意識したためか猛烈に喉が渇いた。迂闊なことに水筒を車内に置き忘れてしまった。
水筒。車内。戦車。自分の状況を思い出したが、右足が言うことを聞いてくれない。起きあがるのにも難儀した。時計を見ると午後2時過ぎを指している。
そんなに長い時間気を失っていた訳ではないようだ。
「大尉! 大丈夫ですか!」
声のした方向へ目をやると、拳銃を構えたカリナがガレキの間から姿を見せた。顔はすすけ、乗員5人の中で一番奇麗だった軍服も黒く汚れている。
「おや、モーニングコールかな」
「冗談が言えるのならまだ大丈夫そうですね。お体は?」
「右足が裂けそうなほど痛むのと、あとは喉が渇いたかな」
「折れてはいないと思います。2発目を喰らった後みんな散り散りになってしまいました。道路のど真ん中で倒れた大尉を引っ張って、というか友軍のトラックに
 途中まで乗せて貰って、なんとかここまで連れてきたんですけど、これ以上は砲撃が酷くて」
そう言いながらも周囲を警戒するカリナ。場所を聞くに、ここはウンターデンリンデンの近くだそうだ。
ティアガルテンまでは、西に行ってブランデンブルク門を超えればすぐだ。せいぜい2kmと言ったところ。
もっとも至るところにバリケードとガレキと爆撃跡だらけのこの状況では、いったい何分かかるか見当もつかない。
市民は逃げるか地下壕に避難してしまったし、友軍は何処へ行ったのか皆目見当もつかない。
「そんなことより! 南の方からソ連軍が来てるそうです! すぐにここから逃げないと」
「それは素晴らしい相談だね」
「大尉!」
顔を青くしたカリナがツーナを見る。ふたりとも分かってはいるのだ。カリナが負傷したツーナを背負ってイワン共から逃げおおせるほどタフでもないし、
捕虜、しかも女性に手厚い保護とジュネーブ条約に則った待遇をソ連軍に期待することも出来ないと言うことを。
368名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:45:16 ID:BTH+qkN5

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

数人の男がボクの周りを取り囲んでいる。全員が全員、二十歳かそこらの青年だ。ガキと呼べるほどボクは年を取っていない。
丸い弾倉を付けた短機関銃をそばに置いて、一人が顔をのぞき込んできた。息がかかるほど近い。
蛇のようにねめつけいた視線が顔から胸、そして左腕へと移った。背後の連中になにやら呟いてからボクの左手首に巻き付けていた腕時計を召し上げる。
(結構気に入ってたんだけどな、それ)
頑丈だけが取り柄の軍用腕時計だが悪くなかった。そのソ連兵は自分の腕に巻き、誇らしく構えた。
「欲しいならあげるから、帰ってくれないかな」
言ったところで理解できるはずもなく。次に服のバッジをもぎ取られる。この状況で発狂しないボクはおかしいのかな。
一通り物色を済ませた彼らはいよいよお楽しみに取りかかるみたいで、誰とも無く装備を放り出し始めた。
一人が何かを言うと、周りがそれに釣られてげらげらと笑った。なんだろう? と思った瞬間両腕を押さえつけられた。
乱暴に胸を揉みしだかれる。無論抵抗するものの、多勢に無勢。むりやり制服を脱がされる。
「や、だぁっ!」
強引にブラを外され乳房が外気と触れ合う。既にその先端は硬度を増しつつあった。桜色をした乳首を引っ張られる。
「んあっ……痛っ!」
必死の抵抗も虚しいまま2人がかりで押さえつけられ、残りの4本だか6本だかの腕でズボンを脱がされ始めた。
身をよじり、呻き、体を揺すったが、本能のまま動くソ連兵は止められない。
靴を履いていたせいで上手く脱げず、足首の所にまとめられたズボンのせいで足が変な方向で維持され余計に痛む。
とうとう後はショーツ一つと言うところにされてしまったところで、短髪で眼鏡を掛けたソ連兵が体を撫で回してきた。
肩から始まり、胸の感触を確かめるかのように押し込み、へそから腰へと手が動く。思わず全身の毛が逆立ち、鳥肌が立った。
背中と頭がむき出しのコンクリートとくっついた。酷く冷たい。
「はっ……はぁっ……」
息が荒くなっていることを実感する。痛みのせい? それとも恐怖だろうか?
体を押さえていた一人がやおら立ち上がりかちゃかちゃとベルトを外し始めた。
369名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:45:41 ID:BTH+qkN5
(ああ、犯されるんだ……)
幾度と無く見てきた光景だった。もっともされる側じゃなくする側だったという絶望的な差があったけれど。
オクチャブリスキで、ペトロフカで、シンヤヴィノで、オリホワトカで、ヴィテプスクで、それはあったろう。
男が女を、女が男を、あるいは同性同士も。一度は激情して友軍を撃ち殺したこともあった。
参加したこと? それは……
「あがぁっ……!」
まだ濡れてもいない秘所に無理矢理ソ連兵の銃剣が突き立てられた。ギチギチと音を立てつつ肉の装甲を貫いてゆく。
「いやぁっ! ひっ……いぎっ……」
とうとう根本まで押し込まれてしまったそれを今のボクはどんな眼差しで見ているだろう?
異物を押しだそうと肉壁は動くものの、がっしりと体を押さえつけられては抵抗も出来ず。
そうこうする内にソ連兵は猛烈なピストン運動を始めた。
「ふああぁぁっ……あぁぁっ……んんっ……がああっ!!」
肉をえぐられるあの感覚が襲う。気持ち良くなんて無い。体が揺さぶられ、一挙動おいてふたつの乳房が続く。
周りの男達が生唾を飲む音が聞こえ、次に肉どうしがぶつかりあう音がした。
「そんなの、だめ……なのにい……やだ、よ……こんなこと、しないで……はっあっ」
370名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:46:04 ID:BTH+qkN5
がっちりと腰を捕まれ、奥深くまで突き上げられる。
「ひゃあああぁっっ!! 奥にっ! 奥に当たってっ!」
腰を振る速さが次第に高まっていく。うつろな目で男を見ると歯を食いしばっていた。
ガンと押し込まれたバヨネットがひときわ深く押し込まれ、白濁液を胎内にまき散らした。
「ひぎいいいっ!! あ! あつっ! いいいいいいいっっ!」
どくんどくんと勢いよく唸ったそれはなまくらとなり、するりと抜け落ちた。
同時にふたが無くなったことで、ゼラチン状の白濁はあふれ出し、コンクリートの地面に白い染みを作った。
「はぁっ……はぁ……あぐっ!」
すぐさま次の男が槍を押し立てる。と、あごを押し上げられ突然口に肉の砲弾を押し込まれた。
「んん! んんんっー!! ぶっ! むうううう!」
渇ききった口に押し込まれたそれのせいで息が出来ない。むせ返りそうになるのをボクは必死でこらえた。
「んはっ!! やむっ!! んぐがああっ!」
秘所に押し込まれたそれとタイミングを合わせるかのように規則的に動き始める。
痛みとも快感ともしれない得体の知れない感情がこみ上げてきた。いつの間にか溢れていた涙で前がかすみ、体が木の葉のようにゆらめく。
371名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:46:27 ID:BTH+qkN5
(犯されている……おもちゃにされている……)
はるか東、ロシアでの事を思い出す。あの少女達も今のボクと同じ事を考え、同じ顔をしていたんだろう。
一方的に辱められる痛さと怖さ。理性が吹き飛びそうな感触。蝕まれていく肉体。犬には犬の死を?
膣肉の動きを確かめるかのように押し込み、戻す。また押し込み、戻す。
「ちょ……やぁっ……ボク……かきまわしたら! かきまわされたらぁあああぁっ!」
意識が下半身に集中していたことを警告するかのように、口の中でうごめく物体の速度が増した。
髪ごと頭を捕まれ前後に揺さぶられる。世界がぐるぐると回り、口内にびりびりとした湿り気を感じた。
喉の奥に熱いものが撃ち出されあっという間に口いっぱいに広がった。
「うぷっ! んんっ! げほっ! げほっはぁああぁっ!」
余韻をもったいぶるかのように味わってから、ボクから腕時計を召し上げたソ連兵が砲弾を抜き取った。
大量に押し込まれた液体を地面に吐き出す。喉の奥がヒリヒリと痛む。ようやく肺いっぱい息を吸うことを許されたボクは、ひゅうひゅう音を立てながら
空気を送り込もうとしたけれど、未だ槍を胎内に押し込み前後させているソ連兵のせいでおぼつかない。
372名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:51:32 ID:xpcZBv2j
連投規制だシャイセ!
373名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:51:46 ID:BTH+qkN5
「かはっ……はぁ……がぁああっ……こんな、こんなの」
こんな姿を見たらあの子はどう思うだろう。ボクを恋人のように慕ってくれるあの子は。
スケベでヘンタイで頼りないしドジだけど、優しい事に関しては右に出るもののいないあの二等兵。
「ぁ……ああ……やだ、とまっ……ひぐっ! い、イッてるううううぅうっっ!!」
再び白濁が胎内に放出される。びゅく! びゅく! と熱いものを下腹部に感じた。
脳髄に電撃が走ったかのように体がびくびくと震える。未だにポンプを終えない槍をボクのへそに押し当て、白い柔肌をそれ以上に白い液体が覆った。
彼らの欲望は汲めども汲めども尽きない。次のソ連兵が主砲を秘唇に押し当てる。
今までに垂れ流された白濁が円滑油となり、なめらかな刺激を余さず陰肉に伝える。
「ひあぁぁっ! いっ! まああっぁ! いっちゃうううっっ! んあああああぁあぁあ!!」
いつの間にか痛みは快感へと変換されつつある。ああ、もうすぐボクは壊れるんだ。
ぬちゅ! ぬちゅ! と性器と性器がぶつかる湿った音がひろがる。それはきたなくおぼろげで? おちつかないふんいき?
ぬちゅぬちゅのほかにべつのおとがまじる。どどどどというかたいおと。
ぬちゅどどのほかにさらにべつのおとがまじる。きゅらきゅらというすすむおと。
ぬちゅ、どど、ぬちゅ、きゅら、ぬちゅ。ボクはこれをどこかできいたことがある。
そう、このおとは――マイバッハのエンジン音!?
飛びそうになっていた意識が戻るのと、三度胎内に白濁が流し込まれるのと、ソ連兵の胸に赤い花が咲いたのは同時だった。
374名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:52:40 ID:BTH+qkN5
時間は少し遡る。ティアガルテンでなんとか合流できた4人はカリナ軍曹から話を聞くと、ツーナを助けるべく急いで引き返そうとした。
万が一のために合流地点を決めておいたのが功を奏し集合自体は上手くいった。しかしアシがない。いや正確には無いこともない。
ティアガルテンに設けられた整備デポには半壊したW号戦車から鹵獲したT-34、砲塔のないパンターから無線も機銃もついてないV号突撃砲まで何でもあった。
物わかりの悪い整備部隊と衝突寸前になってから、見かねた歩兵部隊の中尉がウーラント通りの修理所に行けというので、たまたま通りかかった
ハーフトラックに乗せて貰うことにした。2kmも無い距離を移動するのには10数分を要した。橋が至るところで爆破、もしくは閉鎖されているので
遠回りをしなくてはならないのだ。ようやく修理所についたと思うと、ツーメリカ伍長がどこかに消えていた。
仕方がないのでとりあえず放っておいて整備部隊と交渉に掛かる。油まみれのツナギを来た班長は切削クズを指でつまみながら答えた。
「ここの戦車はもうすぐノルトラントの連中が持っていく予定なんだ。そうそう渡せるか!」
ノルトラントとはSSの義勇兵師団の事だ。エルリカが訛りのあるドイツ語で食い下がった。
「せやかてまだ取りに来とらんのやろ? 一両くらいええやん、な?」
それでも髭を生やした整備班長は首を縦に振らない。どのみち無理は承知だったのだ。整備の順番は決まっている。
戦車を持ち込んで修理してくれ、と掛け合ったところで丸一日待たされるのが当然だった。
再び怒鳴り合いになる中ハンスは卒倒しそうになる。ツーナが今にもソ連兵に強姦されているのではないかと思うと気が気でない。
375名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:53:10 ID:BTH+qkN5
「何やってんだ、おい!!」
「伍長!」
カリナとハンスが振り返ると、肩から小さなカバンと短機関銃をひっさげたツーメリカ伍長がやって来た。
やって来るなり銃口を整備班長に突き付け、ドスの効いた声で雄叫びをあげる。
「てんめぇ!! あたし等の大尉に何かあったら脳天に鉛弾ぶち込んで犬の餌にすっぞ!! ゴルァ!!」
それを見たカリナも頭に血が上ったのか、懐から拳銃を取り出し同じように突き付け、「敗北主義者で無いのなら国防に貢献すべきです!」とか
訳の分からないことを言い出した。結局これで勝負合ったとなり、平和的交渉の結果、現場の判断で国防戦力の増強を計ると言うことで合理的議論の一致を見た。
燃料と弾薬が積み込み済みの車輌を割り当てられ、急ぎウンターデンリンデンへ戻る。
「なんやぁこら、戦車やないやん」
思わずエルリカが声を上げる。その戦車には砲塔がなかった。正面から見ると、ピラミッドの上半分を切り取り真ん中に大砲を生やしたような形をしている。
ハンスが口を挟む。
「いえ、これはヤークトパンター。駆逐戦車ですよ」
「使えるンなら何でも良い。さっさと行こうぜ!」
伍長の声に弾かれたように乗車を開始する。エルリカ曹長とカリナ軍曹だけが車内に入り、ハンス二等兵とツーメリカ伍長は危険を承知で
車外、エンジングリル上面に張り付いた。いち早くツーナを発見するためだが、未だ戦闘は続いているのだ。危ないことこの上ない。
爆音の中ハンスは問いかける。
「伍長。さっきは何処へ行っていたんですか!?」
「包帯所だ! あそこなら負傷兵の武器も医薬品もある。今度石頭な整備兵にあったら銃弾をプレゼントしてやろうと思ってな!」
そう言って肩から提げたカバンの中身を見せてくれた。僅かばかりの包帯とモルヒネ、消毒薬と水筒が入っていた。
「もうすぐです! 準備を!」
車長用ハッチから身を乗り出したカリナが叫ぶ。誘導するため車長席に座っているのだ。
ハンスは手元の拳銃を握りしめる。カリナからの借り物だ。もう一度弾倉と安全装置のチェックをする。今まで戦車の中にいたのだ。
鉄砲での撃ち合いなど経験したこともない。再び叫び声。
「あそこ! あのガレキの向こう側!」
「よしっ! エルリカ止めろっ! ハンス来いっ!」
そう車内に怒鳴ると止まるか止まらないかの内にツーメリカは飛び降りた。空挺部隊もかくやと言う見事な受け身を取る。
覚悟を決めたハンスはホルスターが閉まっていることを確認してからジャンプした。着地に失敗し派手に転がるが、痛みを感じている暇など無い!
いた。ぐったりと倒れ込んではいるが、その銀髪は間違いなく彼女のものだ。そしてその周りを囲んでいるのはソ連兵……。
「シェルツーナ大尉……大尉……ツーナさああぁんっ!!」
ホルスターからルガーを抜き出し、安全装置を解除しつつハンスは叫んだ。
376名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:53:34 ID:BTH+qkN5
幕切れはあっけなかった。一人目が撃ち倒され二人目に照準された時ようやくソ連兵たちは奇襲に気がついたが、彼らの武器は手の届かないところにあった。
無抵抗なままもんどり打ち聞き慣れない言葉で命乞いをする彼らに、ツーメリカとハンスは容赦せず9mm弾を撃ち込んだ。
先ほどまでツーナを陵辱していた髭伍長がいうところの「野蛮人」は、物も言わない肉塊とその姿を変えていた。
「ここは頼む。周りを見てくる」
そう言うとツーメリカはカバンをハンスに放り投げ弾倉を交換し、ガレキの奥へと姿を消した。
「ツーナ大尉、ツーナさぁんっ!」
ハンスはスライドが下がりきったルガーを投げ捨て、微動だにしない彼女に駆け寄った。
「!!」
興奮して全然気がつかなかったが、周囲には異臭が立ちこめている。血肉と硝煙の匂いだけではなく、水くさい体液の匂いが。
「やぁハンス、迎えに来てくれたんだね」
返事が出来なかった。服を脱がされ、体は汗ばみ、口元と秘所から樹液を垂れ流しているツーナがそこにいた。
銀髪の女傑、憧憬する上官、愛しの美女がかような姿にされているのを見て、言いようのない感情がわき上がってきた。目尻がカッと熱くなる。
「大尉……」
「喉が渇いたな。飲み物はあるかい?」
震える手でカバンの留め金を外し、水筒のコップに水を注いでから渡した。ツーナは一口飲むと、口の中全体に行き渡らせてからペッと吐き出した。
透明な水の他に、白い物が混じっている。それは地面に広がると、既に彼女自身から垂れていたそれと混じり合い、いいようのない物を形作った。
コップの残りを飲み干す。ハンスは気が狂いそうなのを必死で押さえつつ、差し出されたコップになみなみと水を入れた。
ツーナは陰毛の上からそれを流し、秘唇から樹液を取り除いた。我慢の限界だった、目元から熱いものがこぼれる。
「どうしてこんな……」
人差し指で彼の涙を拭いつつ、いつもの笑みでシェルツーナは言うのだ。
「ごめんねハンス。ボク、汚されちゃった……」
「そんなことありません!」
自分でも驚くぐらい大声を上げていた。それだけは否定したい。
「ほんとに?」
「ハイっ……はいっ!」
「じゃあ、ちゅーして。キスして」
こんな時に何を、と脳が疑問符を付ける前に体が動いていた。ほんの数秒だけ、唇が合わさるだけのキス。
口づけの後、何を言うべきか分からず口ごもっていると背後から大声がした。振り返ると、カリナがよろめきながらやって来るのが見えた。
「大尉!!」
377名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:53:55 ID:BTH+qkN5
事態はいよいよ風雲急を告げる。カリナがツーナに服を着せ足を手当てし、一方でボロボロと泣きわめくハンスをツーメリカが鉄拳で黙らせ、
全員がヤークトパンターに乗り込んでさあどうしようとなったところで、無線が飛び込んできた。
「なんやて!? ホンマかそれは!」
「間違いありません! 『女子装甲戦闘団の任務を解除。各自で行動せよ』との命令が……」
撤退に次ぐ撤退と消耗に次ぐ消耗で再編成を余儀なくされた女性兵部隊は、ベルリン攻防戦の前に戦闘団として再編成された。
彼ら彼女らも無論属しているが、その部隊がもう好きにしろと言うのだ。せめて女子供はという心遣いか、はたまたレイプされても知らぬ存ぜぬの
ための方便かは判断が付きかねる。車内は騒然となった。
「ふざけるんじゃねぇっ! まだ戦車も弾薬もあるってのに!」
「正気ですか伍長!? これ以上の戦闘行為にもはや意味は……」
「ふたりとも落ち着きぃや。どうしなはります大尉?」
エルリカがツーナに話を振った瞬間、水を打ったように車内は静まりかえった。簡易な砲手席に座ったツーナはしばし考え込む。
ヤークトパンターは見かけより狭く、車長は戦闘中立ったまま指示を出さなければならないため、足を負傷したシェルツーナには荷が重い。
しかも8.8cm砲弾は巨大でハンスですら持て余す代物だった。代わりにツーナが砲手を、ツーメリカが装填手をすることになり、
ツーメリカと比べれば比較的小柄なハンスが車長をすることと相成った。
「……脱出しよう。西に」
西。連合軍が迫ってきている西。どちらがマシかという議論にしかならない時点で終わっているが、それでもソ連軍の捕虜になるより百倍マシだと思う。
捕虜にされた、正しくはされかけつつあったその本人が言っているのだから、説得力は巨大だった。
「おっと、車長。ティアガルテンからは脱出できまへんで」
エルリカが場の雰囲気を打ち砕くため、出来るだけ明るい声で言う。
「工兵の連中が片っ端から橋を落としとりますんや。モルトケ橋も落とすの落とさないのでSSの連中と喧嘩しとりましたわ」
「そうなんだ? ケンカするほど仲が良いのかな?」
いつもの調子で答えるツーナ。その様子がハンスにとっては有り難くもあり同時に空恐ろしくもなった。
「フリードリヒ通りから北に回りましょう。ラントヴェーア運河はもう敵の手にあります」
カリナが答える。そういえばこの辺の出身だったか。ツーメリカが続く。
「決まりだな。ハンス、とっとと命令出しな!」
「はっ、はい! 戦車、前進!」
378名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:55:04 ID:BTH+qkN5

ttp://windyakin.if.land.to/src/up38_0799.jpg
読者プレゼント!ヒヨコでも分かる作戦図もどき!

それは随伴歩兵も僚車もいない、孤独な戦争だった。市街地における戦闘はロシアの大地でのそれとは異なり、超絶的接近戦闘をまま伴う。
正面の交差点から突如JSU−152が表れた。戦車の車体にまさしく大砲と呼ぶべき榴弾砲を備え付けた重突撃砲だ。
「正面、突撃砲! 600m! 徹甲榴弾39装填!」
すぐさま命令を下す。まだこちらに気付いていない敵は、ずるずると左へと進んでいった。
車体を旋回させ砲を左へと回す。砲塔がない駆逐戦車はおおよその「あたり」を車体側でつけ、微調整を僅かに動く主砲で行う。
つまり操縦手と砲手が息を合わせないと照準もままならないのだが、歴戦の勇士であるエルリカとシェルツーナにかかれば朝飯前だ。
発射の衝撃波で砂埃が舞い、硝煙とあいまってキューポラから見える視界がゼロになる。着弾のオレンジをした光がパッと広がった。
「命中! 撃破!」
側面をケーニヒスティーガーと同じ主砲で撃たれてはひとたまりもない。感慨にふけった次の瞬間。目の前にT−34が表れた。
敵は車列を成していたのだ。目の前の僚車が撃破されたT−34はブレーキをかけつつ砲塔を旋回させていた。
「うわっ!? 1時、戦車! 600めーと……」
ハンスはそこまでしか言えなかった。被弾の猛烈な衝撃で目から火花が飛ぶ。至近距離にもかかわらず、ヤークトパンターの
良好な避弾経始のおかげで砲弾は逸れてくれた。両戦車の装填手は急ぎ次弾を送り込む。
「次弾急いで!」
「おらっしゃああ!!」
狭い装填手席でツーメリカが叫ぶ。
衝撃、轟音。コンマ何秒か速く撃ち出された8.8cm砲弾は砲塔に直撃。そのまま砲弾を誘爆させてT−34の砲塔を吹き飛ばした。
十数トンはある砲塔は空を舞い、周囲のガレキの仲間入りを果たした。
フリードリヒ通りを全速力で前進する。途中の橋は未だ健在で、完全に封鎖される前になんとか通り抜けることが出来た。
後はショセー通りを抜け、燃料が続く限り西へと進むのみ。
目の前の変形十字路からソ連兵の集団が表れる。何名の手には何と、我が軍のパンツァーファウストが握られていた。
「歩兵! 榴弾! カリナさん機銃を!」
ボンッとくぐもった音と共に榴弾が撃ち込まれる。高性能爆薬を詰め込んだそれはソ連兵を文字通り木っ端微塵にし、道路に大穴を開けた。
驚き逃げようとする彼らの背中を車体前面に取り付けられたMG34の火線が舐める。敵はまだ来ている!
ハッチから頭を出したハンスは周囲を伺う。戦車長は危険を冒してでも索敵しなければならないと常日頃シェルツーナは言っていた。
ヤークトパンターのエンジン音、野砲が命中する爆音、どこかで撃ち合っている銃撃音の他に雑音が混じっている。
この鈍い低音は重戦車に違いない。
「徹甲榴弾40装填、戦車が来ます!」
2発しか用意されていない切り札、タングステン弾芯を持つ高速徹甲弾を装填させる。
(さあ来い、相手になってやる)
唇を舐め敵の出現に備える。そしてそれは来た!
砲塔に白帯を書き込んだそれは、T−34を一回り大きくしたような車体に、まんじゅうを押しつぶしたような砲塔を乗せていた。
JS−2重戦車。独裁者の名前を持つ悪魔だった。この戦車の前では、かのティーガーですら無力だともっぱらの噂だった。
しかも噂に聞く、より装甲を増したとか言われる新型だ。
「こちらを向く前に仕留めないと!」
砲撃、側面に当たったはずなのに砲弾は砕け散ってしまった。2発目、再び弾かれる。
そうこうしている内に相手の砲がこちらを向いた。衝撃、手前の道路に舗装されたコンクリートが吹き飛び、乾いた音を立てる。外したのだ。
いまや敵は正面を向いた。脆弱な側面を、高速徹甲弾で撃ったのにもかかわらず貫けない。その上正面を向かれたらどうすればいいのだ!?
「うわっ……大尉、たあいい!」
思わず砲手席を見る。彼女ならなんとかしてくれる。シェルツーナ大尉なら……。いままでだってそうだったし。
これからだってそうに違いない。ツーナは照準機に額を押しつけ、表情は見えない。
「装填良しッ!」
ツーメリカの叫び。
「大丈夫だよ。ハンス」
相変わらず照準機を除いたままのツーナが、子供をあやすような声色で言う。
「キミはボクが守る」
ヤークトパンターとJS−2、二つの砲は同時に咆吼した。
379名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:56:01 ID:BTH+qkN5
翌日、4月30日。
長きに渡る戦争を始めた張本人である髭伍長は自害し、国会議事堂には赤旗が翻った。ベルリン攻防戦は最終コーナーを曲がり終えつつある。
ドイツ軍の演習場に設けられた整備区画の隅に、ヤークトパンターは停車していた。その周りには数両の戦車と、その乗組員が議論しあい、
あるいは整備に取り組んでいる。戦闘室の天井、つまり車体の上にどっかり座り、ビタミン入りビスケットを
カフェイン入りのレモネードで流し込みつつ、ハンス二等兵は傍らの女性に尋ねた。
運が良いことに日頃ふたり仲をからかってくる3人組は砲弾と燃料、ついでに食糧を調達しに行っている。
「あの……ツーナさん。僕を守るっていうのは……その」
「うん?」
代用コーヒーを美味そうにに飲んでいる彼女はカップをパンターの上に置き、いつもの笑みで答える。
「ああ、あれ。あれはね……」
「ちゅーのお礼、だよ」
その言葉と同時にツーナはハンスを押し倒し、大衆の前にもかかわらず唇を重ねた。不潔ですとかやりよるなぁとか、変なところだけ一人前になりやがったな!
とかいう背後からの声を無視するよう努めつつ、ハンスはツーナの暖かみを体いっぱいに感じていた。
380名無しさん@ピンキー:2009/02/23(月) 10:58:01 ID:BTH+qkN5
これで終わりです。えーといろいろとゴメンなさい。
参考(?)資料
・アハトゥンクパンツァーVol4
・ベルリン1945ラストブリッツ
・パンツァーフロントbis

ロケハンと称してヤークトパンターでパンフロのベルリンをプレイしてみましたが
余裕でフルボッコにされましたとさ。JS-2固すぎ/(^o^)\
381335:2009/02/23(月) 14:54:58 ID:j28YIEFZ
思ったより規制解除早かった……それにしてもなんという物量。まるで連合軍のようだ。

>>358
ハンス! その旗振っちゃだめええ! それ師団旗じゃなくて死亡フラグだからあああ!
(でも実際、「あと2週間で休暇」「もうすぐ兵役期間満了」っていう人の死傷率は結構高いらしいですね)

>>364
GJ。ロケハンの成果が……w
是非Red Orchestraでも戦ってみませんか。乞う戦友。


拙作ですが、358氏の連載が完結したら投下しようと思います。
その頃にまた規制がきてたら、笑うしかないってことで。
382戦車兵:2009/02/23(月) 16:22:46 ID:MXvQIAYO
>>380
大尉がめちゃくちゃに
されてる様GJでした
ヤクトパンターになって西に脱出ですね。
大尉…妊娠してなければいいけど。
ハンスがまた犬のようにヤってあげるしかないか。
自分の戦車兵を使って
もらえるなんて感無量
です。本当にありがとうございました。
物量が多い関連で連合のボクっ子、赤の俺っ子、また考えてみます。
383364:2009/02/23(月) 19:34:42 ID:rlI9Uylz
話が抜けてた! >>367>>368の間に以下の文章が入ります。今更過ぎるけどな!


「簡単な足し算なんだけどね。1と0、どっちが大きいかな?」
「そんな……そんなっ」
怒声と銃声が彼方から聞こえ始めた、援軍に行ったところで無駄だ。この地区を守っているのは国民突撃隊だ。
15の子供と60の老人が銃を持ったところでどうなるわけでもない。
「ボクを怒らせないで欲しいな」
カリナは覚悟を決め、せめてもと両手に抱えた拳銃を渡そうとした。ツーナは受け取らない。
「それはボクより軍曹が持つべきだね」
「……! 絶対、絶対に戻ってきますから! 生きていて下さい!」
「努力はするよ」
目を赤くした充血させたカリナはガレキを飛び越え駆けだした。その背中はすぐに見えなくなる。ほんの少しばかり不安になった。
ツーナはポケットから紙袋を取り出す。ペルヴィテン――軍用覚醒剤の錠剤だ。中身はメタンフェタミン。日本人に分かり易く言うならヒロポン、だ。
事ここに至ってはやむを得ないと自分を言い聞かせ、まじまじと眺める。ドイツ軍には食糧も燃料も砲弾も余っていないくせに
ペルヴィテンだけは在庫があるのか、いつでも支給されていた。今まで服用したことはほとんどないし部下にも出来るだけさせてこなかった。
副作用について詳しくは知らないけれど、いわゆる中毒者の噂は軍民問わずささやかれていたし、第一パッケージに大きく注意を促す文章が
書かれているじゃないか。シェルツーナは被虐的な笑みを浮かべる。禁酒と喫煙を促してきたこの国が覚醒剤は放置するとは!
袋を破り中身を取り出してから気がついた。飲み込む水がない。渇いた喉はあらゆる異物を飲み込むことを拒絶していた。
袋と錠剤を放り投げるとツーナはぐったりとガレキに身を任せた。いつの間にか銃声は止み、聞き慣れない異国の言葉がどんどん近づいてくる。
「お迎えするには殺風景だね」
それが精一杯の軽口だった。
384358:2009/02/23(月) 22:25:34 ID:Qdl0SJcf
>>363
好評を頂きありがたいです。
それと、各キャラについての設定もありがとう
これでまた書きやすいです
>>380
戦闘シーンもエロシーンも良いですなあ
俺も頑張らねば
385名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 15:11:34 ID:3VRX6Yzx
ちょっと質問なんですが、カッツェとかシルトとかそういった
戦車のコールネームって史実だとどうやって決めてるんですか?
ブリーフィングの時に決めてるのか、その戦車長が勝手につけて呼んでる
だけなのか…パンツァーフロントのストーリーモードでもラストは
コールネーム違うし…。
386名無しさん@ピンキー:2009/02/25(水) 16:59:59 ID:BouwVJNb
割と適当に決めてるみたい。動物の名前だ植物の名前だ、頭文字がアルファベット順だとか緩い規則性はあるけど。
雰囲気優先でいいのでは。ちなみに一番簡単なのはロシア、「団結」とか「労働」とか「鎌とハンマー」とかそれっぽくすれば(ry
387名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 01:06:13 ID:akcsx3mP
露助の場合は都市・古戦場(もちろんロシアが勝った戦いのw)もありだな。
388名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 15:48:05 ID:ebFTQEpF
スナイパーが主役の
スターリングラードで
女とやってたから
イケそうだね。
389358:2009/03/01(日) 03:09:35 ID:MQfA7NN9
どうも、週末には間に合わないみたいだ。
また最初から書いて、戦闘シーンとか付け足したらどうも終わりがなかなかな…
すみません
335さん。遠慮なく投下して下さい。
390335:2009/03/01(日) 10:41:25 ID:7clbVgwH
お言葉に甘えて投下します。

輪姦・欝・グロ描写あり
NG指定は「戦争の貌」でお願いします。
391戦争の貌 1/10:2009/03/01(日) 10:44:04 ID:7clbVgwH
 あのとき、私はどうやって死のうか、それだけを考えていた。偶然拾ったル
ガー拳銃には、弾が2発。おびえた小鳥のように震えているイレナを撃ち殺し
て、それから自分の頭に1発。何度計算しても、その答えしかでてこない。

 でも、私は、死にたくなかった。死んではいけなかった。

 あの頃、帝都はただの瓦礫の塊だった。総統は自殺し、イワンどもが我が物
顔で街を闊歩している。散発的な抵抗は続いているが、それは例えば誇りを持
って死ぬためであり、あるいは敬虔なキリスト者が選びうる範囲での自決を勝
ち取るためだ。

 私とイレナは、第12SS装甲師団の生き残りだ。
 ……本当のことを言うと、私たちはあの有名な第12SS装甲師団の正式な一員
ではない。わたしたちはブダペストに住んでいた民間人で、難民だった。たま
たま第12SS装甲師団の人たちの手伝いをする機会があって、そのとき私たちは、
彼らが私たちの家と日常を取り戻してくれると、本気で信じていた。だから、
寝る間も惜しんで働いた。
 明日には出発という頃には、師団長様も私たちの顔を覚えてくれていた。名
前は聞けなかったけど、あの人は私たちに鉄十字章をこっそり渡して、「フロ
イライン、君たちは立派な戦友だ。残念ながら部隊章に余裕がないから、かわ
りといっちゃなんだが、君たちにこいつをあげよう」と言った。私たちはびっ
くりして、オドオドしながら十字章を受け取った。
「さて、晴れて我が師団の一員となった君たちに、重要な使命を与える」。わ
たしたちは反射的にきをつけの姿勢になった。
「何があろうと、生き延びるのだ。この戦争は、もう終わりだ。諸君らは、生
きねばならない。俺は、年端もいかんガキどもを死地に連れて行く仕事がある。
天国にはいけんだろう。俺のためでなく、ましてや総統のためでなく、ただ奴
らのために、どうか、諸君らは生き延びてくれ」
 次の日の朝、師団は東に旅立った。見送る私たちの手に、同い年くらいの男
の子が、無言でチョコレートを一掴み、握らせていった。
392戦争の貌 2/10:2009/03/01(日) 10:46:33 ID:7clbVgwH
 ゆっくりと、夜の帳が落ちてきた。体の芯を凍らせるような寒さが忍び寄っ
てくる。火が欲しい。でも焚き火なんてしたらイワンを呼び寄せるも同然だし、
そもそも火をつける方法がない。
 そのとき背後で、ガタン、と物音がした。
 反射的にルガー拳銃を構え、物音の方向に撃つ。2発撃って、自分がとんで
もないことをしたことに気がついたが、もう遅い。イレナは頭を押さえてうず
くまり、私は真っ青な顔でルガーを握り締めていた。
 ガサリ。
 当たらなかったのか。絶望が一気に押し寄せてくる。
 突然、闇の中から影が飛び出してきた。拳銃を構えなおす暇もなく、突き倒
される。落ちていく夕日の最後のひとかけらが、ナイフの刃に鈍くきらめく。
私はパニックに陥った。
 でも、次の瞬間、私を押さえ込んでいた力が弱まった。
「なあんだ、やっぱり民間人か。ルガーの発砲音だから、そうかな、とは思っ
たんだけど。弱ったね」
 そこには、戦車兵の制服を着た軍人さんが立っていた。帝国軍にしてはとて
も珍しい、女性兵士だ。ちょっと野暮ったいツナギを着ていても、スタイルの
良さは隠し切れない。
 彼女は私の手をとって立ち上がらせると、埃まみれになっていたブラウスを
ぱたぱたとはたいた。
「……さて、自己紹介といきたいところだけど、その余裕はないんだ。ボクは、
君ら民間人を帝都から安全に避難させろと命令されてる。ただ、残念だけど、
現状ではちょっとそれは難しい。この周囲にはイワンが1個大隊くらい展開し
てて、すぐそこまで1個小隊が来てる」
 その銀髪の戦車兵の淡々とした言葉は、私たちの希望を打ち砕くのに十分だ
った。
「いいかい、覚悟を決めて。連中と殺しあうのも手だけど、そんなことをすれ
ば確実にボクたちは死ぬだろう。最悪の場合、怪我をしたまま連中の性欲処理
の対象にされる。時間のかかる、辛い死に方だ。
 選択肢は2つだ。ひとつめは、とっととこの世からおさらばする。もうひと
つは、この世で思いつく限り最低で最悪な時間を過ごしてでも、生き延びる。
どうする?」
 私たちは顔を見合わせた。
 今なら、わかる。私たちがいなかったら、あのひとは逃げ延びていただろう。
あるいはごく普通の責任感の持ち主なら、私たちを見捨てて一人で逃げること
もできたに違いない。でもあのときの私たちはあまりにも戦争に夢を見すぎて
いて、そしてあのひとは馬鹿馬鹿しいくらい責任感が強かった。
 イレナが、ぼそりと呟くように口を開いた。
「わたしたちは、死ぬな、と、命令されています。生き延びろ、と」
「命令? ふーん。誰から?」
「名前は存じ上げていません。第12SS装甲師団の指揮官だった方です」
「第12SSかあ。マイヤーかな。いや、違うか。まあ、いいよ。でもそれがどう
いう意味か、わかってるね? 君たちと、ボクは、シベリアの農場に生えてた
野蛮人に、好き放題に犯されるだろう。恐ろしく辛い時間になる。それでも、
生きのびたい? 犯されたあげく殺される可能性があったとしても、それでも?」
 頭の中がぐるぐるとして、何も考えられなかった。走馬灯のように、いろい
ろな風景を思い出す。勇壮なマーチ。轟音をあげる戦車の行進。党大会の熱気。
『この戦争は終わりだ』。悲鳴を上げながらゲシュタポに連行される人たち。
手の中に残されたチョコレート。
「……それでも、生きたいです。僅かでも生き残る可能性があるなら、そちら
を選びたいです」
 私は喉の奥から声を絞り出した。
393戦争の貌 3/10:2009/03/01(日) 10:47:50 ID:7clbVgwH
 私たちは、瓦礫のなかをできるだけ静かに歩いて、隣の建物に滑り込んだ。
なぜそんなことをするのかわからないが、あのひとの命令だから仕方ない。
「確かね、ここの二階にあったはずなんだ。さっきちらりと見た」。呟きなが
ら、足早に階段を駆け上がる。遠くで、たくさんの人がロシア語の歌を歌って
いるのが聞こえる。心臓が早鐘のように鳴り始めた。
 二階は地獄だった。何発かの手榴弾が中で爆発したのか、あちこち焼け焦げ
ていて――あちこちに人間の体の一部分が散乱している。イレナが吐きそうな
顔になり、私も惨状から目をそむけた。ちぎれた手や足、首などには慣れたけ
れど、上半分しかない顔といった類のものに、慣れられるとは思えない。
 でもあのひとは、明らかにそういった地獄に慣れ親しんでいた。部屋のあち
こちを探すと、「あったあった」と死体を掘り起こす。武装SSの制服を着たそ
の死体には、頭頂部がなかった。あのひとは、躊躇なく死体からコートを剥ぎ
取り、次々に制服を剥がしていく。制服のポケットから札入れを取り出して中
身を改め、高価そうな腕時計をむしりとると左手にはめた。イレナは、もごも
ごと抗議っぽい言葉を呟いている。
 倫理的な単語を並べるイレナを完璧に無視して死体を裸にすると、あのひと
は戦車兵のツナギを脱いだ。そして素早く、死体から剥ぎ取ったばかりの制服
を身に着けていく。私もさすがに我慢できなくなって、抗議した。戦友の遺体
を辱めた挙句、制服を奪うなんて、それじゃイワンと一緒じゃないですか、と。
 あのひとは、何も言わなかった。奇跡的に生き残っていた鏡の前で自分の姿
を確認すると、仕上げとばかりに穴の開いた帽子をかぶる。SS女性士官ができ
あがった。
「さて。さっき、SSの指揮官からの命令って言ってたね。念のために聞くけど、
何かお土産を貰ったりした? 勲章とか、部隊章とか、その手のもの」
 私たちは、もう一度顔を見合わせた。このひとは、何がしたいんだろう。
「その様子だと、貰ってるんだね。出して。今すぐ。時間に余裕がない。少し
でもマシな形で生き残りたかったら、出して」
 イレナはもじもじしていた。あの十字章は、私たちの宝物だ。それを……。

 あのひとは、拳銃を抜いて、私たちに突きつけた。「出しなさい。命令だ」。
 カッっと、頭に血が上るのを感じた。悔しかった。私たちは、騙されたのだ。
この女は、金目のものを盗んだ挙句、それを――それに加えて私たちも――代
金にして、自分の安全を買おうとしているのだ。

 どうせなら、戦って死んでやる。
 こんな敗北主義者の売国奴に利用されてたまるもんか。

 次の瞬間、私の眉間に銃口が突きつけられた。直前まで盛り上がっていた士
気が、一発で崩れ落ちる。無理だ。無理なんだ。こいつとは、場数から何から、
違いすぎる。
 泣きながら、イレナが騎士十字章を取り出す。女は私の眉間に銃口を押し当
てたまま、イレナの手から十字章をひったくった。
「他には?」
 イレナが激しく横に首を振る。
「他にはあるのかと聞いている!」
 僅かに残った勇気を振り絞って、私は声を上げた。「持ってない。あれだけ
よ。この売国奴。敗北主義者」
「ならばよろしい」
 女は拳銃を床に捨てると、大きくため息をついた。「怖がらせちゃって、ご
めんね。説明してあげるだけの時間があればよかったんだけど」
「でも、どうやらタイムアップみたいだね。最後の命令だよ。ここから先、君
たちは、何があっても喋っちゃいけない。わかった?
 そうそう、最後に自己紹介だ。ボクは、ええっと」
 あのひとはもういちど札入れを取り出して、よく見分してから、それをコー
トの内ポケットにしまった。「第33SS武装擲弾兵師団のドミニク大尉だ。よろ
しく」

 ロシア語の歌声が近づいてくる。あのひとは深呼吸すると、部屋にあったボ
ロボロのテーブルクロスを手に取った。かろうじて、白いといえる布。私は混
乱したまま、破滅の時が近づいてくるのを感じていた。
394戦争の貌 4/10:2009/03/01(日) 10:50:50 ID:7clbVgwH
 白旗を掲げるあのひとの姿を認めたイワンたちは、短機関銃を構えて私たち
の周囲をとりかこんだ。野卑な顔が、下卑た期待に緩んでいる。
「誰か、ドイツ語ができる人は?」
「少し。だが、喋る、何を? これから、喋ること、必要である、ない」。隊
長らしき男が、カタコトのドイツ語を喋った。単語の活用が無茶苦茶で、何が
言いたいのかほとんど分からない。
「取引をしたい」
「そこの、娘、2つ、お前の、体、安全か?」
「違う。ボ……私が、君たちの、相手を、する。だから、あの娘たちに、触っ
ては、いけない」
 隊長はうろんな目であのひとを見た。
「俺たちに、少なすぎる儲け」
「私は、兵士だ。今でも、一人は、殺せる。殺せなくても、大怪我は、させる。
だが、取引すれば、私は、抵抗しない」
 くく、っと隊長が笑い、短機関銃を彼女につきつけた。
「ファシストの豚め!」
「取引だ。ダーか、ニエットか」
 隊長は油断なく周囲を見渡す。若干の沈黙のあと、彼は銃口を下げた。
「ヤー。気に入った。だが、俺たちも、ある、条件。俺たち、楽しませろ、最
高に。バテたら、あの娘2つ、楽しむ」
「イワンめ!」
「ヤーか、ナインか、選ぶ」
「いいだろう。好きにしろ」
 隊長がロシア語で何かをわめいた。部下たちは微妙に不満げだが、それでも
その顔は期待に満ちている。私たちはガタガタと震えながら、成り行きを見て
いた。見ていることしか、できなかった。
 隊長が、私たちのところにやってくる。イレナは「ひっ」と小さな悲鳴をあ
げ、私はおどおどとそいつの顔を見上げた。
「お前ら、ここ、いろ。逃げる、撃つ。逃げる、赤軍、もっと。お前ら、死ぬ」
 頭は恐怖に麻痺していたが、何を言われているのかは分かった。そして今頃
になって、あのひとが何をしようとしていたのか、すべてが分かった。SSの尉
官を捕虜にしたとなれば、イワンとしてはそれだけで大きな功績だ。しかも、
そのファシストが女性で、好き放題できるとなれば――
 でも、彼女はSSではない。だから、SSに変装したのだ。できるかぎり、私た
ちから彼らの注意を逸らすために。

 目の前で、あのひとが裸にされていく。乱暴にコートがむしりとられ、ジャ
ケットを剥ぎ取られ、ベルトがナイフで切られた。ついでといわんばかりに、
腕時計が奪われる。隊長の腕には、腕時計が5本も6本も巻きつけられていた。
 シャツと下着が裂かれて、豊かな胸があらわになると、男たちが一斉に歓声
をあげる。男たちの興奮が限界に達したのか、制服の残骸を体にまとわりつか
せたまま、あのひとは地面に押し倒された。四つんばいの姿勢をとらされる。
 隊長が、性急に彼女の体のなかに侵入した。苦痛の声が漏れる。部下たちは、
よってたかって胸をなでまわし、乳首をもてあそんだ。やがて一人がズボンを
脱ぎ捨てると、あのひとの口にいきりたったイチモツをねじこむ。

 隣では、イレナが私の腕をぎゅっと握って、小刻みに体を震わせていた。あ
んなことをされたら、私たちは壊れてしまう。

 男たちは、容赦をしなかった。痛みのあまり痙攣すら起こしているあのひと
の体を、彼らの器官で刺し貫き、押し広げ、打ちすえた。やがて隊長がひとき
わ激しく動くと、「おお」と叫んで、その体を硬直させる。そうやってしばら
くガクガクと腰を打ちつけていたが、やがて荒い息をつくて、彼自身をあの人
の体から引き抜いた。白い粘液が滴っている。
 間髪いれず、次の男が侵入を始めた。同じ頃、口の中に含ませていた男が、
低い声を漏らす。あのひとのくぐもった呻きが漏れ、何かを飲み下すように喉
が動いた。満足げに、男が離れる。口の端から、だらりと体液がこぼれた。笑
い声があがり、すぐさま次の男が口の中に怒張を挿入する。
395戦争の貌 5/10:2009/03/01(日) 10:52:51 ID:7clbVgwH
 1時間ほどして、男たちは一通りあのひとの中を味わった。溜まりに溜まっ
た欲求不満を解消し、かつ憎いという言葉では表しきれない憎悪の一端を晴ら
した彼らは、タバコに火をつけ、カップにウォトカを注いで飲み始めた。
 ずっと前後を襲われていたあのひとも、いまでは後ろから一人にねちっこく
犯されているだけだ。やがてその一人も限界に達したようで、精を吐き出した
イチモツを引き抜く。ドロリと、大量の体液があふれ出た。がっくりとあの人
の腰が落ちる。
 タバコをくゆらせていた男が一人、わたしたちのところにやってくる。男性
の器官をむき出しにしたそいつは、天を向いてそそりたったそれを指差し、私
たちに何かを言った。ロシア語はわからない。

 だがそのとき、荒い息をついていたあの人が、きっと隊長のほうを睨んだ。
「イワン、ボクは、まだ、満足してないぞ、このインポ野郎」。ウォトカを飲
んでいた隊長は、始めは低く、やがて大声で笑うと、ロシア語で何かをまくし
たてた。部下の雰囲気ががらりと変わる。
 隊長はあのひとの腹を思い切り蹴飛ばすと、仰向けにして両足を肩にかけ、
再び激しく挿入を始めた。ぐじゃっ、ぐじゃっと粘った音が響き、「あうっ」
と、低いうめき声が上がる。周囲を取り囲んでいた男たちが、一斉に歓声をあ
げた。
 その口に、ウォトカのボトルが押し込まれた。突然のことにあのひとは頭を
振ったが、男たちに押さえつけられ、大量のウォトカが流し込まれる。あのひ
とが激しくむせかえった。
 隊長が残忍な笑みを浮かべる。「咳をする、よく締まる」。
 男の体液とアルコールでぐしゃぐしゃになった顔が、自分を犯す男をきっと
睨みつけた。でもそこを再び激しく突き上げられ、顎がのけぞる。隊長がロシ
ア語で何かを叫んだ。部下が火のついたタバコを彼に差し出す。隊長はタバコ
をくゆらしながら、さらにピストンを続けた。
「締まる、強くする、方法は多い」
 彼はタバコを手に取ると、あのひとのお腹の上で灰を落とした。あのひとは
無言で体をのけぞらせ、痛みに耐える。隊長はゆっくりと脇腹にタバコを近づ
け、その白い肌にぎゅっと押し付けた。もう一度、あのひとの体が跳ねる。男
たちはやんやの喝采を送った。この蛆虫どもは、他人の痛みや苦しみを食って
生きているのだ。吐き気がした。
「帝国、軍人を、舐めるなッ」。切れ切れの息のなか、あのひとの声が聞こえ
る。
「痛み、耐えられる。だが、体、素直だ。よく締まった」。ぷい、とあのひと
が顔を背ける。「まだ、壊さない。部下、言っている、男、示したい、ファシ
ストに」。
396戦争の貌 6/10:2009/03/01(日) 10:55:22 ID:7clbVgwH
 男は、あのひとから一度自身を引き抜くと、倒れていたカウンターテーブル
を置きなおし、そこに手をつくように言った。あのひとはのろのろとそれに従
う。地面にしゃがみこんで震えている私たちと、目が合った。立ち上がった彼
女の股間からは、信じられないくらいの量の白い体液が零れ落ちている。
「股、開け。もっとだ」
 言われるがままに両足を開いたあのひとを、隊長はもういちど背後から貫い
た。テーブルがガタガタッと振動する。手が、小刻みに震えていた。
「お前ら、嫌っている。俺たち、憎んでいる」
 腰をゆっくりとグラインドさせながら、男は私たちに声をかけた。
「この女、犯す、俺たち、憎んでいる。しかし、忘れるな。これは、お前たち
ファシスト、やったこと、俺たちの国で。お前たち、自分の国、壊されたと考
える。馬鹿め。この瓦礫の街、俺たち、宝の山、見える。こんないい机、ひと
つ、俺たちの故郷、ない。
 お前たち、言う、伍長悪い。馬鹿め。お前たち、伍長を、ボスに選んだ。戦
争は、伍長のもの、違う。お前たちファシストのもの、この戦争。
 なぜだ? なぜ、戦争した? なぜ、殺した? なぜ、犯した? なぜ、奪
った? お前たちファシスト、すべて、持っている。なぜだ? なぜ、俺の妹、
殺した? お前たち、言った、妹、パルチザン。嘘だ。犯した。殺した。なぜ
だ? 何が、望み、だった?」
 何を言われているのか、半分もわからなかった。でも、何が言いたいのかは、
わかった。
 それは、あのころの私たちには、とても答えられない問いだった。戦争は、
気がつけば始まっていたのだ。賛成するとか、反対するとか、そんな余地はな
かった。偉大な政治家さん、かっこいい軍人さん、ピカピカの戦車と飛行機、
盛大なオリンピック。

 そして、気がついたら、そこに戦争があった。

 隊長はあのひとを激しく突きたてると、中で果てた。あのひとは歯を食いし
ばって屈辱と痛みに耐えている。その口が、「見るな、頑張れ」と動いたよう
に思う。イレナは私の胸に頭をうずめて、両手で耳をふさいだ。私は泥と灰で
汚れた床に目を落として、それでもやっぱり目を上げてあのひとを見た。
 何が正しいかなんて、わからない。だから、せめて、見なくてはいけない。
本当のことを。戦争の、本当の顔を。
 目の前で、あのひとをまた別の男が刺し貫いた。あのひとの肘が、テーブル
に落ちる。体力の限界に近づいているのだ。
「ファシスト、頑張れ。俺たちを、満足させる、言ったな?」
 あのひとは、全身を痙攣させながら、もういちど両手だけで体を支えた。い
ったい、何があのひとに、ここまでのことをさせるのだろう? 意地? 誇り?
 責任?
「よく聞け。お前が、膝を地面につく、俺たち、あの娘2つ、犯す。さあ、フ
ァシスト、守れ、祖国を」

 5人目が行為を終えたとき、あのひとの肘がまた机に落ちた。もう、立て直
せなかった。顔を机につっぷしたまま、ゼイゼイと喘いでいる。
 でもあいつらは容赦しなかった。ニヤニヤしながら6人目が挿入し、ビクン
とあのひとの背中が震える。激しいピストンを受けて、ゆっくりと、肘がテー
ブルを滑っていく。大きくて綺麗な形をした胸が、テーブルの上で押しつぶさ
れた。膝が笑っているのが見える。
 私たちの近くに、男が集まり始めた。イレナが私のブラウスをぎゅっと握り
締める。
 でも、あのひとは崩れなかった。6人目が果て、7人目を受け入れてもなお、
ひたすらに続く苦痛を肩で受け止めていた。テーブルの端をぎゅっと握る指か
らは、すっかり血の気が引いている。あらん限りの力で、踏みとどまろうとし
ているのだ。
397戦争の貌 7/10:2009/03/01(日) 10:58:07 ID:7clbVgwH
 10人目が行為を終えて、もういちど隊長があのひとの後ろに立った。隊長
はあのひとの体のなかに指を突きたて、溜まった精液を掻きだすと、挿入を開
始する。太ももを滴る体液に、僅かだが鮮血が混じった。こんな無茶をされ続
けたのだ、どこかに裂傷ができていても不思議ではない。

 でも、あいつは2、3回ピストンをしたところで、体を離した。精も根も尽
きたのは、あいつらも同じなのだろうか?
 あまやかな期待は、一瞬で裏切られた。男の巨大な器官は、ギンギンに膨張
している。あいつはもういちど、ゆっくりとあのひとの中に侵入を始めた。
「痛いッ!」あの人が、はじめて弱音らしい言葉を漏らした。何をされている
のだろう。
「痛いッ、そ、そこは、ダメだッ、痛いッ、痛い、やめ、やめろッ」
 ゆっくりと、でも確実に、男は侵入を続けた。あのひとは引きつった声で
「痛い」を繰り返している。やがて、男の腰が、あのひとのおしりにぶつかっ
た。彼女はもう声も出ないようで、ただ大きく目を見開いていた。整った口の
端からよだれが垂れている。
 隊長は、はじめは慎重に、やがて激しく、ピストン運動を開始した。貫かれ
るたびに、小さな悲鳴があがる。白い太ももの上を、血が滴っていった。量が
多い。殺すつもりなんだろうか。あのひとの目が、虚ろになっていく。
 しばらくして、隊長が体を離した。あのひとが地面に膝をつかなかったのは、
奇跡といっていいだろう。

 人間らしい感覚を失い始めている彼女に、男たちは次々と襲い掛かった。あ
の膝が崩れれば、私たちも味見できるという思いが、男たちを野蛮なけだもの
に変える。遠慮も同情も、そこには欠片もなかった。むしろ、あのひとは「攻
略対象」でしかなかったのだ。
 さらに7人を受け入れて、あのひとの片膝がゆっくりと崩れはじめた。男た
ちが歓声をあげる。でも、あと少しで倒れるというところで、姿勢を立て直し
た。下卑た笑いと、拍手があがる。
 思わず、私は叫んでいた。「もう、いいです、やめてください、大尉どの!
 死んでしまいます! それ以上は、死んでしまいます!」
 19人目が侵入を開始する。息を詰まらせながら、あのひとは私を見て、そ
して、にやりと不敵に微笑んだ。どこにもそんな余裕はないはずなのに。
 それからさらに10人以上を、あのひとは受け入れ続けた。もう体は痙攣す
らしていない。たぶん、意識もほとんどないのだろう。それでもときおり、目
の焦点が戻ってきて、私たちの姿を確認し、そして苦痛に打ちのめされる。そ
れが繰り返された。
 でも、人間には、限界がある。超人的な精神力も、尽きる瞬間は、来る。
 東の空が白み始める頃、突然、あのひとは両手を机につき、上体を起こした。
男たちがざわめく。でも、私にはわかった。もう、その目は何も見ていない。
 蝋燭が燃え尽きる最後の一瞬のように、あのひとは大きく体をのけぞらせ―
―ゆっくりと机に倒れこんだ。それでも、その手が必死で机の端をつかもうと
する。細い指先が、虚空を引っかくように伸び、そして、ずるりと滑った。
 かすかに、あのひとの唇が動いた。声にはならない。でも、わかった。「ご
めん」。あのひとは、そう言ったのだ。
 どさり、と、両膝が地面に落ちた。机を押し倒すように、地面に倒れる。完
全に意識を失っていた。

 男たちは喝采をあげ、そして、待ちわびたと言わんばかりにわたしたちに掴
みかかった。あっというまに服が破かれ、まだ何も知らない体を肉の塊が引き
裂いていった。イレナの悲鳴を聞きながら、私の意識は闇に沈んだ。
398戦争の貌 8/10:2009/03/01(日) 11:00:03 ID:7clbVgwH
 目が覚めると、私は素っ裸に剥かれたまま、床に投げ出されていた。体が全
部痛い。でも、想像していたよりは全然マシだ。痛みは、私の心を挫くよりも、
むしろ私の怒りをかきたてる材料になった。大丈夫、この怒りがあれば、私は
立てる。
 おそらく、あのひとを屈服させるために体力のほとんどを使った男たちは、
私たちを味見する程度で満足したのだ。私はイレナとあのひとの姿を探した。
 二人は、足の間から血を流しながら、気を失って床に倒れていた。呼吸は
しっかりしている。ならば、いまは無理をさせず、眠らせておいたほうがいい
だろう。

 私が床を這いずり始めたのに気がついたのか、男たちが私のほうに近寄って
きた。今度は、わたしがあのひとを守る番だ。わたしは気力を振り絞って立ち
上がると、男たちを睨みつけた。

 でもそのとき、唐突に甲高い銃声が響いた。男たちは一斉に地面に伏せる。

 銃声がした先には、赤軍の制服を着た将校らしい人間が立っていた。武装し
た何人かの兵士とともに、赤十字マークの入ったバッグを持った女性兵士も連
れている。彼はロシア語で何かを叫び、今頃になってのそのそと起き出してき
た隊長は将校に敬礼すると、さかんにジェスチャーをしながら何かを訴えた。

 将校は、もういいとばかりに手をふると、女性兵士を連れて私たちのところ
に来た。彼は流暢なドイツ語を喋った。
「私は赤軍第1機械化軍団の、キェシロフスキー中佐だ。申し訳ない、フロイ
ライン、赤軍の面汚しどもが、貴女がたに酷いことをした。彼らには厳罰をも
って処する。だが、まずは私たちに貴女方の傷を手当てさせてはくれまいか。
衣服も提供したい。受け入れてくれるだろうか?」
 私はあまりに紳士的な態度に戸惑い、勢いに飲まれるように頷いた。女性兵
士たちは、私たちの裂傷を消毒し、私は痛みに呻いたけれど、敵に弱みを見せ
まいと必死に堪えた。
 中佐は、私たちを輪姦した小隊長と、ロシア語で激しく言い争っていた。そ
れを聞いて、私たちを治療していた女性兵士が、露骨な嫌悪感をあらわにする。
やがて、中佐は小隊長を殴りつけると、もう一度わたしたちのところに戻って
きた。
「フロイライン――。貴女方の尊厳をもう一度踏みにじるようなことを頼んで
しまうことは大変に心苦しいのだが……あの蛆虫は、貴女方はただここに全裸
で倒れていただけで、自分たちは貴女方を救助しようと今ここに来たばかりだ
と言っている。
 私は、そんないい加減な嘘を信じるつもりは、一切ない。しかし、申し立て
は申し立てとして、聞かねばならん。あいつらに正しい処分を下すには、君た
ちの証言が必要だ。証言してくれるか?」
 そのころには、私たちは新しい服を着て、暖かいミルクを飲んでいた。女性
兵士が、ぽん、と私の肩に手を添える。わたしは証言しようと思ったが、でも、
その権利を最も大きく持っているのは、あのひとだ。わたしは復讐の剣を譲る
ことにした。
 でも、彼女は一瞬口を開きかけ、そして、黙った。わたしには、わけが分か
らない。気まずい沈黙が落ちた。私は我慢しきれなくなって、立ち上がる。
399戦争の貌 9/10:2009/03/01(日) 11:05:40 ID:7clbVgwH
 でもそのとき、イレナが立ち上がった。彼女は泣きながら、私の知らない言
葉で中佐に向かって何かを訴えた。中佐も、似たような言葉で彼女に何事かを
語りかける。イレナは首を横に振り、中佐は深いため息をついた。
「こちらのお嬢さんは、事実はあったかもしれないが、告発はしない、と言っ
ている。もうこれ以上、血が流れるのを見たくない、これ以上、人が死ぬとこ
ろを見たくない、と。
 いいのか、本当に。君たちが告発しないなら、この犯罪は裁かれない。それ
で本当にいいのか」
 私は、強い衝撃を受けていた。
 そして、あのひとが告発を躊躇った理由を、唐突に悟った。
 もう、戦争は終わったのだ。あまりにもたくさんの人が死んだ。敵も、味方
も。私が告発すれば、あいつらは死ぬ。そしてそれはきっと、次の戦争の、小
さな、小さな、でも確実な種火になるだろう。私は、誇りある敗者でなくては
ならない。次の敗者を生み出さない、ちゃんとした敗者でなくてはならない。
そしてどんな犠牲を払ってでも、どれほどの時間をかけてでも、この敗北の意
味を知るまでは、敗北をちゃんと抱きしめなくてはならない。

 私は、イレナをみくびっていた自分が、恥ずかしくなった。世間知らずでお
嬢様育ちのイレナのことは、ずっと私が守ってきたと思っていた。でも、世の
中のことをもっとちゃんと分かっていたのは、彼女だった。

 中佐は、私がゆっくりと座りなおすのを見て、もう一度大きなため息をつい
た。そして、何かを諦めたかのように、「わかった」と呟く。
「では、あまり気の進まない仕事をさせてもらう。貴女は、軍人ですね?」
 中佐は、あのひとに呼びかけた。
「そうだ」「所属と階級を」
「ボクは、第33SS武装擲弾兵師団のドミニク大尉」
「SSか。身分証は?」
「そこらへんに落ちているコートに入っていると思う。あいつらが着服したの
でなければ」
 私は、びっくりして、もう一度立ち上がった。このひとはSSじゃない。たぶ
ん、ドミニクっていう名前でもない。そのことを、慌てて中佐に訴えた。
「さてさて! 身分詐称は困ります。正しい所属と階級を言ってくれませんか」
「第33SS武装擲弾兵師団のドミニク大尉だ。身分証が見つからないなら、あい
つが持っている腕時計を調べてくれ。わたしの名前が入っている」
「婚約者なり配偶者なりの名前が刻印された、誰のものとも知れぬ腕時計を証
拠にされるおつもりですか。私に対して自分が武装SSであると言うことが、ど
ういう意味をもつか、おわかりの上なんですね?」
「もちろん。お土産に騎士十字章をつけてあげてもいい。それもたぶん、彼ら
が持っているか、コートのどこかにあるはずだ」
「もう一度だけ、伺います。所属と階級は? 第36SS武装擲弾兵師団でしたか?」
「Drei。第33SS武装擲弾兵師団のドミニク大尉だ」
 中佐は天を仰いだ。
「わかりました。私としては、大手柄だ。占領地義勇兵によって編成されたと
喧伝されている部隊が、実際には帝国軍によって構成されていたという証拠を
持ち帰れば、指導部は大喜びだろう。
 ……このお嬢さんたちの安全は、私の全力を持って保証します。彼女たちが
いずれかの故郷に帰るまで、部下を同行させましょう。それでよろしいですか」
「ありがとう」
「では、第33SS武装擲弾兵師団のドミニク大尉、あなたを拘束します」
 そうして、私たちは中佐の部下に手をひかれ、彼らの司令部に向かった。
『ドミニク大尉』は手錠をかけられ、司令部の奥に連れて行かれた。私は、命
の恩人の本当の名前すら、知ることができなかった。
400戦争の貌 10/10:2009/03/01(日) 11:09:08 ID:7clbVgwH
 イレナは、帝国軍が最初に武力で併合した国に帰った。彼女はもともとそち
らの出身で、たくさんの紆余曲折があった末に、私と行動を共にしていたのだ。
 わたしは、母方の親戚が住む、カルパチア山脈に抱かれた国に帰ることにな
った。大戦中は帝国軍にとって重要な原油供給国だったので、必然的に激戦地
にもなったが、親戚はなんとか無事に生き延びていた。
 平和になってからも、イレナと私は文通を続けた。私たちの国は、忌々しく
もコミュニズムに飲み込まれ、イワンの手先になった。貴族の血を引くイレナ
はとても苦労をしたらしいけれど、同郷のよしみかキェシロフスキー中佐がな
にくれと手をかしてくれたらしく、しまいには隣国に移住して中佐と結婚した。
数年後に娘が生まれ、その子にはドミニクと名づけたという手紙をもらった。

 私は、軍人の道を選んだ。戦争と戦うならペンか剣かと考えたとき、この国
ではペンはあまりにも弱すぎた。だから剣を取って、偉い軍人になり、無駄な
戦争を抑止できる立場を得ようと考えた。
 私は努力を積み重ね、異例の速度で昇進を果たした。最近になって政府高官
と結婚し、これによって私の政治的基盤はかなり強化されている。この閨閥に
入り込まないことには、たぶん今後、この国ではやっていけない。愛情などま
ったく感じられない、形ばかりの夫だが、相手が私に求めているのは一夜の快
楽と軍における影響力だけだ。悪くない取引。

 今でも、帝都のあの夜のことを、ときどき思い出す。100%確実な死から生
還したあの小隊長が、なぜ自分が助かったのかを知った瞬間に浮かべた表情を、
思い出す。生き延びたという喜びではなく、純粋な自己嫌悪に歪んだあの顔は、
人間の顔だった。そこに、戦争の顔はなかった。

 そしていま、名も知らぬ『ドミニク大尉』の――いや、気の遠くなるほど無
数の『ドミニク大尉』たちの――献身によって生きている自分は(それは同時
に彼ら無数の『ドミニク大尉』が私たちのために殺した『あちら側のドミニク
大尉』の、広大な墓所の上で生きているということでもある)、その命の意味
をちゃんと成し遂げねばならない。
 私の戦いは、困難なものになるだろう。それでも私は、負けてはいけない。
 あの夜を、もう一度繰り返さないために。

  ――1965年6月14日、イオネラ・フロレスクが記す



(終わり)
401名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 11:11:03 ID:7clbVgwH
以上、投下終了です。
長い話を読んでくださった方、どうもありがとうございました。
402名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 12:18:48 ID:/g2x4WTv
読ませるね・・・
403名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 17:57:16 ID:GgxnYEKv
素晴らしかった!
エロパロ板をなめていたよ…
敬礼!(`・ω・´)\
404名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 18:58:19 ID:edVd5U44
もしかしたらどこかのスレでお会いした神
かもしれないし、そうでないかもしれない。
だがそんなことはどうでもいい、
本当にエロい。最高(;´Д`)
405名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 21:18:43 ID:PNoFbyzq
エロい…んだが、おかしいな?ティンコたたないお(;ω;)
406名無しさん@ピンキー:2009/03/01(日) 23:06:42 ID:kPdHHGuL
どちらかというと戦火の中犯される娘達スレ向きかもね
407名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 01:29:03 ID:w/x/yJmc
重いなあ。まさかエロパロスレでこんな気持ちになるとは思わなかったよ・・・
408名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 01:59:41 ID:+A5KYUZr
GJ…まるで戦争の体験記読んでる様な生々しさだった。
409戦車兵:2009/03/02(月) 18:14:40 ID:6bImM5p2
>>401さん
戦車に乗っている大尉
ばかり書いていたので
この発想はなかった!
斬新かつ描写が超GJ
本当にありがとうございました。
依頼してよかったぁ。
満腹です。
410名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 22:23:43 ID:dVS8zAls
にわかに活性化してきたなw
411335:2009/03/02(月) 23:44:57 ID:R1ADsi//
感想、どうもありがとうございます。とてつもなく欝な話で申し訳ないですが、ご満足いただけたのでしたら幸いです。

>>406
実はそのスレも見てるんですが、
・過去ログを見たところこちらのほうがミリオタ成分が高め
・あちらのスレで書くと調子に乗って30年戦争だとかレコンキスタだとか
 趣味に走りまくった自分しか楽しくないSSを書くに違いないという確信(今回UPしたSSも十分に怪しいですがw)
というあたりを勘案した結果こちらで書かせていただいております。メインはあくまで軍人さんということで。
412名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 23:12:22 ID:dbYmwcG5
軽めのを投下します。突発的に書き上げたので続きません。
女だらけの軍隊注意
戦車兵注意
変な軍服注意
スカ?注意


「こちら雷鳴1、100号車はこれより行進間射撃を行う。砲撃を一時中止せよ、以上。」
「ヴァイトリンク中尉!私はそんな話聞いてません!」
いきなりの命令に砲手のエーリカは車長のヴァイトリングに反発した。
いくら軍隊とはいえ、今まで訓練を受けてないものをやれというのだから・・・
「操縦手へ、中速前進、砲塔は九時の方へ!」
「中尉!」
しかしヴァイトリングは抗議を無視した。これ以上抗議しても無理と悟ったエーリカは
しぶしぶ砲塔を九時の方向へ回し、射撃姿勢と取った。
別に新兵たちの前でエーリカを辱めようという意図ではない。
むしろ、彼女の能力を評価しているからこそ、こうやって強硬な態度で行えるのである。
いやちょっと強引すぎたか?
(別にいいさ・・・エーリカが悪いのだから)
・・・完全に私恨も入っている。だいたいなんで軍から女ばかりの親衛隊に転属しなければ
ならなかったのか?しかも軍と違い平然と命令に反発する、貴族の出だか知らないが
挙句の果ては食事マナーまで文句を付けてくる・・・そうゆう類の人間の筆頭角がこのエーリカ親衛曹長である。
それに一番気に入らないのが・・・
(今は考えるのは止そう)
「目標Gの1番!」
思考の袋小路に入りそうなのを振り切り、目標の指示を下す。
いつも訓練通りにエーリカは指示された目標に照準を定めた。が、ここからは勝手が違う。
いつもなら停止してくれるはず6号中戦車はスピードを落とさないので間も無く照準からハズレそうになる。
(そうか、こうすればいいのね)
偏差射撃というものをどうゆうものか感じたエーリカは一か八かいつもより「横にズラして」トリガーを引いた。

DOKOOM----!

6号中戦車から放たれた砲弾が一瞬うちにG−1番目標に吸い込まれていく!。
「操縦手、停止」
キューポラから身を乗り出しG-1番を確認する。
「命中だな、すごいぞ」
双眼鏡で目標確認したヴァイトリングは思わず歓声を上げた。エーリカは気に入らないが実力は本物だ。
「・・・曹長、どうしたのだ?」
車内の様子がおかしい。
いつもなら「こんなの朝飯前よ」とでも言ってくるエーリカからなんの返答もないのである。
「どうしたのだ曹長?」
「いえ、実はこの子が・・・」
車内に潜り込み直接エーリカに問う。すると困惑した表情で装填手を指差した。
「あちゃー」
・・・思わず口に出てしまった。
メソメソと泣く装填手の足元を見ると大きな水たまりが出来ていのだ。
どうやら砲撃の衝撃で失禁してしまったようである。
ミニスカートだから軍衣に被害はないのが幸いである。
ヴァイトリングが親衛隊で一番気に入らない要素であるミニスカートも役に立つのだな、とこのとき素直に思った
413335:2009/03/07(土) 01:08:05 ID:m8uPvTq/
>>335
遅レスながら1965年6月14日に絶望。これはきつい。

>>412
続か・・ない?
414名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 01:09:12 ID:m8uPvTq/
失礼、なんか変なところにアンカー打った。自演って言われるよねー。まっこと申し訳ない。
415358:2009/03/08(日) 23:45:20 ID:eXlXcnFh
前半できました。
>>359-361
を加えての修正版にしました。
416西への脱出 1:2009/03/08(日) 23:47:49 ID:eXlXcnFh
帝都ベルリン。そこは今や戦火による嵐で瓦礫の山と崩れかけた建物が並ぶ廃墟になりかけていた。
かつてはヨーロッパを席巻した帝国の中枢であった面影は無い。
総統と呼ばれた男の野望がもたらした末路がそこにあるだけだ。
野望が叶わず自ら命を絶った総統であったが、残された者達は崩壊する祖国の渦中で生存する事を自力で模索せねばならなかった。
その一つの答えがベルリンより西へ向かう集団がやろうとしていた脱出劇である。

「9時からT34。ツーメリカ砲塔回して」
シュルツーナ大尉もといツーナは自分の愛車であるパンターG型戦車で指揮を執っていた。
場所はベルリンの西にある橋の手前。包囲下にあるこの街から脱出できる唯一の道だ。
ここを歩兵達と守り、将兵や民間人の脱出を助けるそれがこの戦車が行う務めだ。
車長用のキューポラから上半身を出して敵を探っていた。
本来なら狙撃の危険から戦場では頭を少し出すだけにするべきだが今は深夜でもあるし、何よりもツーナが愛車に付けたFG1250赤外線暗視装置を操作する為に上半身を車体より出している。
「大尉。よく見えません」
砲塔を旋回させた砲手のツーメリカ伍長は照準器を覗き込むが暗闇で迫っているというT34を見つけられない。
「同軸機銃で狙いを定めて」
ツーナの命令でツーメリカはパンターの砲塔に装備されているMG34で射撃する。赤外線で敵を見ているツーナはツーメリカに弾道を修正させてT34の位置を教える。
T34は機銃弾を受けるとこちらの発砲炎を狙って撃つが衝動的に放つその砲弾はパンターの真上を飛び超えてビルに命中した。
その命中で崩れた破片が橋を目指して歩く避難民や将兵に降り注ぎ悲鳴と怒号が沸き起こる。
「これは早く始末しないと」
災難に遭っている現場を一瞬見たツーナは焦りは少しあるが冷静だった。
それは長年の戦場経験がもたらした非日常への慣れかもしれない。
赤外線暗視装置に視線を戻した。T34の車体前部が雨を弾くように見えた。ツーメリカがT34の車体に機銃弾を命中させていた。
「ツーメリカ!そこだ!」
これを聞くとツーメリカは装填手のハンス二等兵が既に準備していた徹甲弾を75ミリ砲より放つ。
「よし!」
ツーメリカが車体を貫通されて爆発炎上するT34を見て手ごたえを感じた歓声を上げる。
だが、これで周囲の赤軍は戦闘が起こった事が分かった。
ツーナの周囲より銃弾がまず飛んで来た。次いで砲弾がアスファルトを耕し避難民や兵士達を更なる危険な状態にした。
「やはり、こっそりと脱出なんて無理か」
ツーナは身をかがめながら思った。
417西への脱出 2:2009/03/08(日) 23:48:50 ID:eXlXcnFh
我らが指導者である総統が自決した直後。このベルリンの戦いも司令官からの停戦命令によって表向きは終結した。
しかし、それまで戦っていた相手であるソ連軍が敗者に慈悲を与えるような者たちでは無い事は誰もが知っていた。逆にそれは帝国側にも言える事であるが。
そうした報復から逃れる為に軍の組織も指揮系統もなくなりつつある今、自分の意志で脱出への戦いをツーナ達はしているのだ。
ツーナは停戦命令を聞いた後で部下のハンス達にベルリンを脱出する決意を語った。
誰もがそれに賛同した。これに小隊や分隊単位にバラバラになった擲弾兵や降下猟兵も加わり深夜の脱出が決まる。
またこの脱出を口伝えで市民達にも伝えられた。
深夜になって動き出すとツーナ達や避難民達の集団を見た市民や敗残達が後に続いた。
1000人を超える集団になっていたが誰も口を開かず黙々と進む。
途中で勝利に浮かれたソ連兵が戦車に乗って少女を追い回す現場に出くわして、実力で助ける場面があったが何故かそこでは周囲のソ連軍は気づかなかったようで橋まで来れた。
だが、今現在はようやくツーナ達の存在を知ったソ連軍が蜂の巣を突いた様な勢いの銃砲火を浴びせてくる。
「大尉!第20軍団より通信!」
無線手のカリナ軍曹が叫んだ。
「ベルリンより脱出する者達へ。我が軍団は最後の救出作戦を遂行中なり、最後の努力を求める」
あの総統が最後の望みとしていたベルリン救援作戦。それを実行していた部隊が第20軍団である。
ソ連軍の包囲を崩せる力は無いものの、ベルリンから脱出する者達へ手を差し伸べようとしていた。
「友軍が来る…」
ツーナは戦場で希望の光が西から差し込むような錯覚を感じた。
アテにしていなかった救援の手がすぐそばで伸ばされようとしている。
「みんな。カリナの言った通りに友軍が助けに来る。それまでの辛抱よ」
ツーナは車内の無線で部下を激励した。目に見える目標は士気を高める。
「ですが大尉。砲弾が少ないです」
ハンスが不安な声で言った。高速徹甲弾はもう無い、徹甲弾に榴弾も5発づつしか無いからだ。
「燃料はもう少しで無くなります」
操縦手のエルリカ曹長もこの戦車の力が僅かだと伝えた。
「それでも…やるしかない」
ツーナは重い表情だが決意は揺らがない。それはハンス達も同じだ。
すぐ隣で弾雨の下を行く避難民を少しでも援護するのだ。力は少しでも逃げはしない。
「12時に戦車…もしかしてIS2か!」
ツーナは再び赤外線暗視装置で周囲を見る。それはソ連の書記長であるスターリンの名前を冠したスターリン戦車ことIS2重戦車だ。
まるで橋へと向かって走る群集の背後から追うように2両の重戦車がツーナの戦車より見て正面の通りを進む。
IS2は並んで進む歩兵と共に銃撃を避難民や敗残兵の背後に撃ち込む。
ツーナと行動を共にしている雑多な歩兵達が応戦を始めた。
418西への脱出 3:2009/03/08(日) 23:50:23 ID:eXlXcnFh
「ハンス!徹甲弾!」
ハンスはすぐさま徹甲弾を込める。
「ツーメリカ、見える?」
「機銃の発射炎で分かる」
バラバラに撃つ歩兵の銃火とは違い、ある一定の場所から連続で放たれる機関銃弾の弾道をツーメリカは確認した。
「照準よし!」
「撃て!」
ツーメリカが砲塔と砲口を向け、ツーナの号令で徹甲弾は放たれた。
しかし、IS2重戦車の丸い砲塔前面に命中して火花を散らしただけであった。
「もう少し下を狙え!」
ツーナはツーメリカをせかした。IS2はティーガー重戦車も撃破出来る122ミリ砲を持っている。
このパンターも一撃で仕留められる恐るべき敵だからだ。
だが、そのIS2は今が深夜であるという状況にはいささか不利なようだ。
反撃で放たれたIS2の122ミリ砲弾はパンターの周囲で瓦礫を吹き上げるだけだった。
これはツーナとは違い赤外線暗視装置なんていう先進技術がソ連には無いからだ。敵の位置を正確に分かっていると言う点ではツーナが有利だ。
「今度こそ!」
ツーメリカはIS2の車体にある前方機関銃の位置に狙いを定めて撃った。
75ミリ徹甲弾がIS2の前方機関銃へ飛び込むように貫通した。IS2は車体から爆発して燃え上がる。
「良いよ!その調子!」
ツーメリカを褒めるツーナだったが、すぐに窮地だと分かった。
燃えるIS2が松明になってパンターを照らしたからだ。それを待っていたかのようにもう1両のIS2が狙いを定める。
「ツーメリカ!早く!」
ツーナが砲塔の旋回を急がせるが鋼鉄の塊はそうそう早く動かない。
「エルリカ!敵の戦車に車体を向けて!」
砲塔を回すよりも車体ごと向きを変える決断をした。これなら防御もある程度期待出来る。
車体正面がIS2を向く時にIS2から放たれた122ミリ砲弾がパンターのかまぼこ型の砲塔防盾上部に当たり少し装甲をえぐられたが弾き返した。
「ふう…」
ツーナはキューポラの影に身を伏せていたとはいえ、目の前で砲弾が飛んで来るのは生きた心地がしない。
「ツーメリカ。一撃で仕留めて後が無い」
目の前で車体の向きを変えようとするIS2。また砲弾も装填されている事だろう。
もしもツーメリカが外してしまったらその次に射撃するIS2がツーナ達を正確な狙いで撃破するだろう。
外せない1弾を撃とうとしたその時。
あのIS2が爆発し、燃え上がった。
「何が起きた?」
ツーナは状況が呑み込めない。
419西への脱出 4:2009/03/08(日) 23:51:05 ID:eXlXcnFh
周囲で奮戦しているであろう歩兵達がパンツァーファウスト撃破してくれたのだろうか?
そんな疑問に答える通信がすぐにカリナを経由してツーナに届く。
「こちらは第249突撃砲旅団のヤシュケ大尉だ。パンターの友軍へ応答願う」
「ヤシュケ大尉へ。私はシュルツーナ大尉だ。あのスターリン戦車を撃破したのは貴官か?」
「そうだ。丁度横腹をこっちに見せていたのでな」
「感謝するヤシュケ大尉」
新たな友軍は通信を終えるとその愛馬であるV号突撃砲G型5両と装甲兵員輸送車にトラックが数両に大勢の避難民達が燃えるIS2の間を抜けてツーナ達と合流する。
「シュルツーナ大尉。私が指揮する2両の突撃砲がこの橋を守る。そちらへ3両の突撃砲を貸す。それで脱出路を切り開いてくれ」
「了解した。貴官の部下を一時借りる」
ヤシュケ大尉との合流で脱出作戦もより成功の可能性が見えてきた。
ツーナはエルリカに方向転換を命じた。難民達と敗残兵達を轢かないように慎重に進み橋をヤシュケから借りた突撃砲3両と共に渡る。
相変わらず周囲からの銃砲火は激しい。
けれども牽制であっても無駄に撃てない。砲撃の振動に銃弾が装甲に跳ねる音を車内で聞きながら活路を開く。
ツーナは赤外線暗視装置を見たり、キューポラの陰に隠れたりを繰り返した。
(最新兵器とはいえ、車内にあれば楽なんだけどね)
帝国が敗北する前に完成させた連合国もソ連も配備していない希少な装置であっても上半身を外に出して操作するのは危険なものだ。だが、この闇夜の進軍にはこの科学の目を使わねば無駄弾を使う事になってしまう。
「12時に800mにT34!」
ビルの陰からT34が1両左折してツーナ達の前に立ちはだかる。ソ連軍歩兵も瓦礫を踏み越える。
また他の戦車や歩兵がツーナ達を阻む壁を厚くするように集まりつつある。
「行くぞ!突っ切る!」
ツーナは背筋が凍りながらも前へ向かう意志を引き出す。それはハンスやツーメリカ達も同じだ。
「まずは面前の戦車だ!突撃砲は敵歩兵を撃て!」
命令と同時に突破の為の力が働く。パンターの75ミリ砲がT34を爆砕し、V号突撃砲の75ミリ砲が群れのように固まるソ連軍歩兵を吹き飛ばす。
だが、新手のソ連軍戦車に歩兵が新たな壁となる。
「止まるな!行け!ぱんほー!」
ツーナは思わずこの戦車内だけで使う掛け声を叫んだ。
突撃砲の面々は聞き流したかもしれないが、ハンス達は不思議と活力を得る。
自分達らしさを感じる言葉だからだろうか。それが地獄のベルリンより脱出する力へと昇華される。
「…聞こ…か…こち…クラウ…装甲師団…」
戦場騒音に紛れて途切れ途切れに通信が流れる。
カリナはそれが何なのか分かるのに少しの間を要した。
「…ベルリンの残存部隊に告ぐ。我は第20軍団所属のクラウゼウィッツ装甲師団である。脱出の為のルートを確保している」
カリナはそれをはっきりと聞き取るとツーナに急いで伝えた。
420西への脱出 5:2009/03/08(日) 23:52:09 ID:eXlXcnFh
第20軍団が差し伸べた手をツーナ達は掴む事が出来た。
ツーナの戦車が砲弾を使い果たした時にクラウゼウィッツ装甲師団の戦闘団と合流できたのだ。
ヤシュケは最後の脱出者としてV号突撃砲に避難民と兵士を乗せて合流した。
地獄からの生還に安堵する間もなく次の作戦を命じられる事となった。
「エルベ河へ向けて後退する。そこで連合軍に降伏するのだ」
帝国の終焉で組織としてのまとまりを唯一持つこの第20軍団が所属する第12軍は残る力で捕虜になるならまだマシな連合軍の元へ向かうべく最後の作戦を実行しようとしていた。
帝国が東部戦線で行った事の報復にとソ連軍は帝国本土で軍民問わず略奪や暴行を繰り広げていた。
見ようによっては因果応報な事ではあってもただ黙って報復に身を任せる訳にはいかない。
「大尉!弾薬と燃料を持って来ました」
カリナが砲弾と機銃弾を積んだトラックの助手席から降りて来た。運転手の一等兵も降りて荷台の弾薬を下ろそうとしていた。
「ハンス!弾薬の積み込みを手伝え!」
「はい!」
ツーナに命じられてキャタピラを整備する為に外そうとしていたハンスがトラックの方へ走る。
帝都より西にあるこの森ではハンス達などの脱出部隊がエルベ河へ移動すべく再編成と補給を行っていた。
ハンス達は弾薬を撃ち尽くし、燃料もほとんど無い我が愛車にまた動いて貰うべくカリナが補給部隊から調達した弾薬と燃料を積み込む。
重い75ミリ砲弾や機銃弾の詰った弾薬箱を往復して運ぶハンス。息を切らせながらもその視線は戦車の傍で受け取るツーナを中心に向けられていた。
それは軍服に隠れながらも形が分かる豊かな胸へと。
ツーナの胸を運びながら見ていたハンスは情事での事が脳裏に蘇り顔はにやけてしまう。
「ハンス、急いで!燃料もまだある!」
「はっはい、すみません!」
ついツーナに見惚れて動きが少し鈍くなったハンスに大尉からの叱る声が飛んだ。
友軍に合流したとはいえ、赤軍の猛攻に遭えばここもすぐに後退せねばならないだろう。
いつ来るか分からない次の戦いをするにはこの愛車である75ミリ砲を備えたこの戦車をいつでも動かせるようにしなければならない。
大尉もその為に気が気でない。補給と整備を早く終わらせなければならないと思い口調も普段より厳しい。
また理由はもう一つある。それは近くを列を成して歩く人々。10万とも言われる民間人達を守る為でもある。
軍と共にエルベ河へ向かうこの民をソ連軍より守る。それが総統という最高司令官を失ったこの軍団、いや軍が成さねばならない最後の義務なのだ。
421西への脱出 6:2009/03/08(日) 23:53:13 ID:eXlXcnFh
第12軍は多くの民間人を抱えながら西への前進を開始した。
赤軍は残る帝国の残党を逃すまいと西への進撃を続ける。
まさに生死を分ける競争だ。この競争に勝つには第12軍の行く手を阻む敵を排除しなければならない。
その尖兵にハンス達の戦車があった。
「敵だ。どうやらT34ばかりのようだ」
ツーナは戦車を森に隠しキューポラから頭を少し出して双眼鏡を使い前方を観察する。
敵は十字路のある村の前面にT34戦車を配置している。
「こちらシルト1。我が先行して敵を引き寄せよう」
無線に指揮下の戦車長より意見具申が来た。
ツーナの指揮下には他に3両の戦車が入った。パンターG型1両にW号戦車H型1両・W号駆逐戦車1両どれも原隊がバラバラな寄せ集め部隊である。
「シルト1へ。その必要は無い。支援攻撃が無いから一気に強襲で片付ける」
落ち着いた声でツーナは命じる。この即席戦車隊以外には歩兵中隊しかいない。砲兵は移動中であり期待は出来ない。まして空軍なんて存在すら無い。
「カッツェ(雌猫)より全車へ。5分後に攻撃する以上」
無線で決定を伝えると、今度は戦車長としての指示に入る。
「ハンス。徹甲弾装填」
短い命令にハンスは機械の様に瞬時に動いた。弾庫より徹甲弾を取り出し砲へ押し込む。
「ツーメリカ 。11時のT34を狙え」
砲手のツーメリカ伍長は大尉からの命令を聞くと笑みを見せた。
「敵は油断している。これなら一気に片付くぜ」
「それは見えている範囲の事だ。村の中にPAK(対戦車砲)でもあるかもしれない」
ツーナがツーメリカにそう釘を刺す。強襲を選んだが敵が弱いと過信してもならない。
ハンスは5分後の攻撃開始に向けて調整をするツーナを眺めていた。
ここまで何とか生きて五体満足に来れた。これなら連合軍の所まで行けるに違いない。
シュルツーナ大尉、この人が居る限りは自分を含めた皆がソ連軍より逃れる事が出来るだろうと。
(それから…捕虜生活が終わったら、俺はツーナさんに…)
ハンスは連合軍の捕虜収容所から釈放された後の事を想像した。軍人では無くなった二人。
その時に二人で新たな生活を大尉もといツーナさんと過ごすのだと。
ハンスのそんな妄想を断ち切ったのは戦車のエンジンが車体を揺らす程に馬力を上げた時だ。
422西への脱出 7:2009/03/08(日) 23:55:08 ID:eXlXcnFh
「 カッツェより全車へ。攻撃開始!」
4両の戦車が森から射撃する。狙いを定めていた4両のT34がたちまち撃破される。
「よし!行くぞパンツァーフォー(戦車前進)!」
本当なら独自の「ぱんほー」という掛け声を使いたいが寄せ集め部隊では混乱してしまうので少し残念に思いながらもツーナは従来の掛け声で前進を命じた。
森から飛び出し、燃えるスクラップに変えたT34の脇を抜けて戦車隊は進む。その後ろを歩兵が駆けて追従する。
ツーナともう1両のパンターが先陣を切り、W号のコンビがそれを支援する。
たった4両のパンツァーカイルが混乱するT34の中隊を引き裂く。
「ハンス!弾種徹甲弾!」
「ツーメリカ!2時のT34!」
「カリナ!機銃を撃ちまくれ!」
大尉の指示が無線に乗って皆に伝わる。
今まで何度も繰り返した戦闘での経験から命じられた事は即座に身体から動くように出来た。
また命じられた事以外もだ。それは彼ら彼女らが戦い慣れたからもあるが、大尉という最も信頼できる指揮官の存在が大きい。
だからこそこの戦車は全力を発揮して敵を蹂躙している。
素早く装填された砲弾。それを撃つ正確な射撃。敵兵を追い散らす機銃。縦横に走り回る機動力。
(この子達が部下で良かった)
大尉は戦闘が一段落すると、この絶望的な戦況の中でこの優れた部下を持てる事に感謝した。
(何としてでも私が赤軍から逃してあげるわ)
東部戦線を戦った大尉はもしも捕虜になろうものなら赤軍がどんな事を部下にするか一番分かっていた。
自らが手を下して制裁した友軍の囚人部隊が行ったあの蛮行と同じ事をするだとうと。
「敵戦車部隊は壊滅だ!」
シルト1は笑い出しそうな喜んだ声である。
彼の言う通りにT34中隊は瞬時に言って良いほどにツーナの戦車隊によって壊滅させられた。2両が戦場より脱出したが10両以上も撃破出来たのは笑いが出るほどの僥倖なのだ。
一方村ではW号戦車のシルト2の支援を受けながら歩兵達がソ連兵を追い立てる。ソ連兵は蜘蛛の子が散るように逃げる。
ツーナは周囲を警戒しながら戦車を村へと向かわせた。
村の中にツーナの戦車が入ると戦闘はもう終わっていたが、歩兵達はやるせない表情であった。
「くそ!イワンの豚野郎が!」
「畜生!俺達が早く来ていれば…」
歩兵達は無残な姿となった村の住人達を見て憤激の言葉を言わずにおれなかった。
男は少年も老人も殺されていた。中にはリンチをされたような血だらけの遺体もある。
女は10代になったばかりの少女から40代の母親までもが服を千切られ半ば脱がされた形で穢されていた。
両足に破瓜の血と白い精液を流しながら呆然と立つ半裸の少女がツーナを見つめていた。
ツーナは東部戦線でのあの記憶が蘇る。
あの囚人部隊の欲望に穢されたあの少女たちの姿と重なる。
「…ごめんなさい…」
ツーナは思わず小声で謝る。
それはあの時の少女達にも向けたものか、それともこうなるまで負けてしまった軍人としての情けなさか。
どちらもツーナの中に入り混じって感情を掻き乱していた。
423西への脱出 8:2009/03/08(日) 23:56:15 ID:eXlXcnFh
この脱出行は電撃戦とは違う。いくら敵より先にエルベ河の東岸に着かなくてはならないとはいえ後方を気にせず進めない。何故なら徒歩で進む10万人の民間人達をも守りつつ進まねばならない。
何処かで隙間が生じればソ連軍はすぐにそこを突くだろう。
そうなれば抵抗の手段を持たない人々には惨劇が襲い掛かる。
だから前進も全体を調整したものとなる。
その調整に先頭を行く我がシュルツーナの戦車隊は何度か停止を余儀なくされた。
しかし、その停止の間に補給を受け戦車の整備を行う事が出来た。
「大尉。この戦車のエンジンは寿命が近いですよ」
トラックで駆け付けた整備部隊のベテラン軍曹が大尉に忠告した。
700馬力の12気筒液冷ガソリンエンジンはベルリンの戦いの直前から酷使していた。
戦車は故障するのが当たり前な代物だからここまで問題なく動いたのは奇跡に近い。
「なんとかもう少しだけ持たせて。エルベ河に行くまでを」
ツーナは出来ればエンジンを交換するなり、別の戦車に乗るなりしたいが我が国防軍最後の軍団にそんな余分は無い。だからエンジンを騙しなだめつつエルベ河までの道を行こうとしていた。
「しかし、本当にこのエンジンはいつ壊れてもおかしくない」
軍曹は技術者として忠告を重ねる。
「そこを何とかして。今は1両の戦車が欠けてはいけないんだ」
ツーナは軍人としての責務を全うする道具を手放したくなかった。
「分かりました。何とかしましょう」
軍曹は技術者として納得しかねるが、同じ軍人としての情からこの戦車の心臓を延命させる事に決めてエンジンの整備に入った。
ツーナはエンジンの件は片付いたとしてパンターの車体から降りて周囲を見渡す。
まず認識をしたのは鼻だった。
香辛料の香るスープの匂いだ。ツーナの目は思わずそちらに向く。
ハンスが大きな飯盒のような食糧運搬缶から皆の飯盒にスープを分けて入れている。入れ終わったハンスは忙しく周囲で補給や整備をしている者達へ飯盒を渡す。
ツーナはそれを見てどいつボクの所に運んで来てくれるだろうかと期待しながら待つ。
「大尉。食事です」
ハンスは最後にツーナの所に持って来た。その手に下げる飯盒は2個である。
「ご苦労。ハンスも食事にしなさい」
ツーナはわざと事務的に答えた。ハンスがどうしたいか分かるからだ。
「あの、大尉。ご一緒しても良いですか?」
恥ずかしげにハンスはツーナに尋ねた。予想通りだと思ってツーナは口元だけで僅かに笑った。
「良いよ。ディナーに誘われたのなら断れないからね」
ツーナが冗談でハンスの願いを受け入れた。
「本日のメニューはキャベツのスープに御座います」
ツーナの隣に座ったハンスがレストランのボーイみたいな口調で洒落を言う。
二人は戦車のクルーや整備兵と離れて草地の上に体育座りで食事を始めた。スープはハンスの言う通りにキャベツのスープだった。そのキャベツだけのスープは調味料によって胡椒の味が強いコンソメスープみたいな味だ。
「あの、ツーナさん」
ハンスは二人の時だけの呼び方を使った。
「何?」
キャベツのスープを平らげたツーナ。
「あの…エルベ河まで行けたら俺と。俺とけっ」
ハンスが頭が沸騰しそうに言おうとしていたがツーナが右手を広げてハンスの口を封じるような形にして止めた。
「それは今は聞けない」
ツーナは重い表情で言った。ハンスは身体に砲弾が直撃したような思いをした。
「で、ですよね。俺みたいな子供じゃ…」
ハンスが悲しげに言う。
「違うんだよハンス」
「違うって?…」
重い表情から慈しむ表情でツーナは言った。
「告白するなら戦場じゃない所でしてほしいな」
ツーナのその言葉にハンスは塹壕から救援部隊が来るのを見るような救われた思いをした。
「では、エルベ河を渡った後にまた言います!約束ですよ」
気分が高まっているハンスは「約束ですよ」とまで言いのけた。
「約束だ」
ツーナも力強く優しい笑顔で答えた。
424358:2009/03/08(日) 23:57:44 ID:eXlXcnFh
ここで前半終了です。
エロシーンはこの後になります。

エロを期待していた方すみません。
425名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 17:23:41 ID:dmFr6gQb
>>424
GJです!戦闘シーンもその後も末期的な感じですねw
しかし、ハンスくんは死亡フラグを立てすぎじゃあ…
426戦車兵:2009/03/09(月) 22:24:48 ID:i4hxS448
赤外線暗視装置なんてコアなモノを!GJ!
ハンスに種付けされて
お腹が膨らんだ大尉が
見てみたい!
仮にハンスがヴァルハラに召されても大尉は既にハンスの特濃精液で妊娠してるはず!
……もし、ハンス→ヴァルハラ、妊娠してないコースなら大尉は車名をタナトスに変えて、赤い特殊戦車に乗る!
「エネジィが集中する移動しろ」とか「鉄の拳を送り込め」とかちょっとイき気味な大尉になる!
…以上、妄想でした。
427名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 22:26:03 ID:i4hxS448
W号駆逐戦車って別名はラングだっけ?
428名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 10:09:30 ID:Z4Nn0asj
おまいら本当に戦車と女の子と末期戦が大好きだなw

俺もだがなっ!
429名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 16:31:46 ID:Udrhk8ia
>>427
そう
430358:2009/03/20(金) 01:28:52 ID:z7mt7saG
規制中だった…
PCからの書き込みができないorz
431名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 23:33:53 ID:lv3D7ARM
ドンマイ
432名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 01:51:06 ID:agZ4TFFc
他のスレにも軍ネタはないかな?
433保守:2009/03/26(木) 04:09:50 ID:fS9bzUFb
軍事関連用語を使ってエロシーン会話してみた。

俺の機関砲弾を彼女に装填した。
もう何度目かの装填作業が実施されてなお、装弾不良が起こる。
「相変わらずキツイな、油断していると暴発しそうだ。」
彼女は喘いでいる。言葉は意味を成さず、ハッキリしない。
エロゲの様な喘ぎ声なんてありはしない。教育隊で助教にボコられる奴の呻きに近い。
俺の遅延信管はもう耐えられそうにない。
しかし俺は持ちこたえ、地下壕攻略作戦を実施する。
そして…炸裂した。
434名無しさん@ピンキー:2009/03/26(木) 18:25:20 ID:QUIbOs8T
435名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 20:06:25 ID:qbNd3TeP
>>433
何かワロタw
436名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 22:55:14 ID:zSk2NoXj
ちゅっちゅ
437名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 16:50:10 ID:LNHkVlLQ
普段はえげつないネタを書いているのですが、
ちょっと純愛っぽいものが書きたくなったので、
こちらに投下させていただきますね。

かなり長めで、総量34k。全部で20分割です。
ご容赦ください。
438プライベートは名前で呼んで(1):2009/04/05(日) 16:51:42 ID:LNHkVlLQ
 最悪だ。
 将校斥候に参加した僕は、少尉殿のミスのおかげで酷い目にあっていた。
 競合地域で、優勢な敵に追われてる。
 どう考えても、最悪だ。

 複雑に入り組んだワジ(涸れ谷)にそって移動しながら、競合地帯を抜けて敵の支配
地域に入ろうとしたときだった。
 かつて水が流れていた頃に侵食されてできたゆるやかな崖を、手がかりを掴みながら
登っている最中に、三番手として登っていた少尉殿が、足を滑らせた。
 それくらいなら、よくある話だ。だが、少尉殿はやらかした。銃の引き金に、指をかけて
いたのだ。
 三発の銃声が、ワジに響いた。
 二発は前を行く軍曹が背負った無線機に。一発は、軍曹殿の右腕の一部をもぎとった。
 倒れる軍曹。

 ワジの崖を滑り落ちていく少尉殿を無視して、僕は軍曹のもとに駆け寄った。こんな
状況で、一番頼れる人を失うわけにはいかない。
 強引に無線機を外して、背中の様子を見る。
 出血した様子は見られないし、服に損傷もない。多分、背中は大丈夫。
 腕を見ると、こちらは酷くやられていた。上腕部を打ち抜かれていて、骨には到達して
いないと思うが、出血している。ひとまず、応急処置を行わなければ。
 救急医療キットを背負い鞄から外す。中から取り出した止血パッドを、傷口の上から
圧迫するようにあてて、包帯できつくぐるぐる巻きにする。じわりじわりと出血は続くが、
何もしないよりはマシだ。

「軍曹、大丈夫ですか!?」
 応急処置の手を休めることなく、呼びかける。
「ああ、畜生。小隊最初の負傷者があたしで、しかも味方撃ちかい……」
 苦痛に顔を歪めながらも、しっかりとした言葉をつむぎだしている。まあ、内容は
少しアレだが、意識混濁は見られない。多分、大丈夫だ。
「背中の無線機はやられました。捨てますよ」
「背中は?」
「痛みますか?見たところ、負傷しているようには見えませんけど」
「なら、いい」
 崖の上にいるポイントマンが、心配そうに見下ろしている。
 僕は、握りこぶしをつくり、親指をまっすぐ上に立てて、ポイントマンに見える
ように差し出す。
 ポイントマンは、崖の上でうなずいた。
439プライベートは名前で呼んで(2):2009/04/05(日) 16:53:44 ID:LNHkVlLQ
 滑り落ちていったはずの少尉が、ゆっくりと登ってきた。
 顔には笑みが張り付いている。
「いや、驚いたよ。軍曹、大丈夫かね?」
 この人は。自分が何をしたのか、理解しているのだろうか。
「大丈夫です、少尉殿。応急処置は終わりました。すぐに戻りましょう」
「戻る?」
 軍曹の言葉に、少尉は心外という表情を見せる。
「まだ、偵察を終えてないんだぞ。何もしないで逃げ帰るのか?バカな!」
 だが、軍曹はあくまでも冷静だ。
「お言葉ですが、少尉殿。今の銃声で、敵が集まってきます。この人数で何ができると
言うのですか?」
 わずか4人で、敵の支配地域目前にいる。ここで、パトロール中の小隊にでも出会えば、
多勢に無勢。間違いなく殲滅されるだろう。

「前方に砂煙が多数」
 崖の上から前方を注視しているポイントマンから、偵察班全員が持つ携帯無線に報告が入る。
電波を発信しないように、緊急時以外はなるべく使わないようにしているのに。
 これが使われるということは、よほどの事態。ということだ。
「少尉殿。包囲される前に後退すべきです。事は一刻を争います」
 軍曹は口調こそ穏やかだが、今、後退を決断しないと間に合わなくなる。という意味を
強く込めた視線で少尉を睨みながら言う。
 だが、少尉は決断できない。
「しかし……」
 逡巡するこの時間が、僕たちをより危険に導いているのに。
 最悪、偵察は失敗しました。でも、全員が五体満足に帰れれば、また次の機会がある。
だが、ここで包囲殲滅され、冷たい骸を大地に晒すことになれば、当然、次はない。
 ならば、どうすればいいかは、簡単に判断できそうなのだが。

「かなりまずいですよ、少尉殿。軍曹。射程内に着実に近づかれてます。一撃喰らわして、
ケツまくった方がいいんじゃないですか?」
 ポイントマンからの無線に、少尉が考え込み。軍曹が、どうすれば少尉の決意を固める
ことができるか、その方法を考えているとき。僕の視界に、何かが入った。
 考えるよりも、体が動いていた。
 その方角に向けて、迷わず三連射。
 そして、軍曹の身体を崖に押し付けるようにして倒れこむ。
 すぐに、反撃が何倍にもなってかえってきた。
「後退!」
 そう命じたのは軍曹。こうなっては、少尉と談判している状況じゃない。
440プライベートは名前で呼んで(3):2009/04/05(日) 16:55:39 ID:LNHkVlLQ
 僕と軍曹は、地べたに這いつくばりながら、側面から現れた敵に銃弾を打ち込む。
 崖の上から転がるようにして降りてきたポイントマンが、可能な限り姿勢を低くして、
全力で味方支配地域の方角へと走り出す。
 あれだけの銃弾が飛び交ったのに、奇跡的に負傷していなかった少尉は、ポイントマンの
後に続いて走り出す。
 25mほど先で、二人が伏せて反撃を始めたのを確認し、軍曹と視線を交わしてうなずきあう。
「行け!」
 可能な限り、姿勢は低く。それでいて、まっすぐ走るようなバカな真似はしないように。
少尉とポイントマンを追い越し、そこからさらに先にある掩蔽物を視界に入れると、
その背後に隠れるようにしてから、射撃を始める。

 僕たちの援護射撃を確認した少尉とポイントマンが、全力でこちらに向かって走ってくる。
 それを敵の弾が追うが、ありがたいことに、二人とも被弾はしなかった。
 僕と軍曹の後方で、ポイントマンが地面に伏せて、射撃を始めるのがちらりと見えた。
 そして。
 少尉は、伏せることなく、そのまま走り去って行く。
 驚愕のあまり、目が見開く。
 あいつ、逃げやがった。
 こんな苦境に立たされる原因を作った奴が。
 戦う仲間を見捨てて。
 怒りのあまり、走り去る背中に一連射してやろうかと思ったそのとき、無線を通して、
軍曹の冷静な声が聞こえてきた。
「行くぞ、上等兵!」
 その言葉を受けて、僕は飛び起きた。

 そのまま、逃げるように走り去る少尉の背中を見ながら、ポイントマンの後方に全力で
走る。その少尉の背中で、小さな煙がいくつかあがって。少尉は走っていたときの勢いの
まま、地面に激突する。
 撃たれた?
 だが、対応する余裕はない。こちらもいつ撃たれるかわからないからだ。
 走りながら弾倉を交換し、手ごろな遮蔽物を見つけて、そこに転がり込む。
 軍曹はもう少し走ると、少尉の側に隠れて射撃を開始した。あのバカを、助けるつもり
だろうか。
 それ以上の疑問を抱く間もなく、僕は発砲炎に向けて発砲する。とにかく、敵の足を
鈍らせねば。
441プライベートは名前で呼んで(4):2009/04/05(日) 16:57:06 ID:LNHkVlLQ
 ポイントマンが僕の横を通り抜け、軍曹と少尉の横を走り去り、その後方で射撃するのが
見えた。
 無線から、力ない少尉の声が聞こえてくる。
「畜生。撃たれた。畜生……」
 軍曹は、少尉を仰向けに寝かせながら、ポケットを探っている。
 ポケットを?
 疑問はすぐに解消された。軍曹が探っているのは、僕たちが指導教範や地図といった、
軍事上の機密を書いた書類を入れるように定められていたポケットだったからだ。
 敵に情報は渡さない。というわけだ。

 ということは。
 僕は、少尉と軍曹の側に這いながら近づくと、少尉の弾帯から予備の弾倉を失敬する。
 軍曹は、少尉の弾帯にぶら下がる手榴弾を一つ手に取り、ピンを引き抜くと、少尉の
背中に押し込んだ。
「何をする、お前たち」
 弱々しい声で制止しようとする少尉だが、軍曹はその行動を止めない。
 機密書類を回収し、手早くブービートラップを仕掛けた軍曹は、僕と共に駆け出した。

「肺と肝臓だった」
 無線にのせて、たったそれだけ。それで、軍曹が何を言いたいかはすぐにわかった。
「この状況じゃ、助けられませんね。残念ですが」
 ポイントマンの側に弾倉をひとつ投げて、後方に走ると、伏せて撃つ。
 そろそろ、弾薬を節約することを考えなければならない。連発はもとより使わないが、
連発よりは経済的とされる三点射すらもやめて、単発での射撃に切り替える。
 少尉から弾倉を失敬したとはいえ、その数はわずか4本。120発にすぎない。1本を軍曹の
手元に投げて、分配する。これから、この追撃を振り切るまで、どれだけ時間がかかるか
わからないからだ。

「いやな状況だよ」
 左手で弾倉を交換し、左手で射撃しなければならない軍曹がつぶやく。
「無事、帰れるように努力しましょうや」
 ポイントマンがきり返す。
「これより酷い状況なんて、そうありませんよ!」
 そんな軽口を叩いたことを、後で僕は激しく後悔することになる。

 少尉が倒れたあたりで小さな爆発が起きて、敵の追撃ペースが、少し遅れ始める。
 これなら逃げ切れる。
 そう思ったのに。
442プライベートは名前で呼んで(5):2009/04/05(日) 16:58:51 ID:LNHkVlLQ
 軽い破裂音が、はるか後方から聞こえてきて。
「迫撃砲だ!」
 ポイントマンのその声に、遮蔽物に逃げ込むのをやめて、その場に伏せる。
 周囲で爆発が発生した。
 全部で三つ。
「畜生、迫だぞ!逃げろ!」
 軍曹の言葉に、疑問を持つ必要はない。

 迫撃砲に対抗する方法は簡単だ。
 迫撃砲でやり返す。爆発の規模と砲弾の落下角がわかれば、相手の位置が大体わかる。
後は、こちらからプレゼントを送り返せばいい。
 遮二無二突っ込む。迫撃砲の射撃特性上、近くの敵を撃つ事はできない。小火器の
有効射程に入ることになるが、迫撃砲の掃射を受け続けるよりはマシだ。

 それができないなら。
 逃げるしかない。

 迫撃砲はその口径にもよるが、軽迫なら最長でも5〜6kmほど。重迫だとロケット推進の
補助付きなら、最大で十数kmも飛ばすやつがある。
 砲弾の爆発規模から、軽迫のようだ。となれば、数kmの辛抱だ。発射音が聞こえるから、
1kmは離れていないだろう。
 逆算すると、あと5kmくらいは迫による嫌がらせを受ける可能性があるが、着弾観測が
できなければ、精度はゆるむ。
 要するに、敵の視界から逃げ去ってしまえば、迫の効果的な攻撃を受ける可能性は
無くなる。ということだ。

 弾倉一本分の銃弾を景気よく撃ち込んで。後退を開始する。
 敵は、おそらくワジの対岸から観測しつつ、砲撃をしているのだろう。となれば、
対岸から見えなくなる位置に、早急に移動しなければならない。
 そして、敵の追っ手を引き離せれば、迫を恐れる必要は無くなる。

 とにかく、遠くへ。
 そう願う僕たちを、あまりにも的確な砲撃が襲った。
 前方に、爆炎が三つ、見えた。
 そのうちの一つは、先頭を行くポイントマンの至近距離で発生して。
 気がつけば、つい先ほどまでポイントマンだったものがバラバラに飛び散っていた。
443プライベートは名前で呼んで(6):2009/04/05(日) 17:00:07 ID:LNHkVlLQ
 左の大腿を殴られたような感覚に襲われ、足元をすくわれて転ぶ。
 素早く立ち上がって、走ろうとした僕の左足を、激痛が襲った。
 見れば、太腿に、大きな金属の欠片が刺さっている。

 こういう場合、下手に引き抜くと出血する恐れがある。だから、あえて引き抜かずに
歩こうとした。
 無茶だった。
 刺さった欠片が、僕の足の中をかきまわし、再び激痛が走る。
 少しためらった後、その欠片を引き抜いて投げ捨てる。
 熱い!
 手袋越しなのに、火傷をするかと思うくらい熱かった。
 思ったよりも、出血は無い。どうやら、欠片が持っていた熱で、僕の傷口は焼き
固められたらしい。
 痛みはあるが、歩けないわけじゃない。だが、間違いなく走れない。

「大丈夫か?」
 駆け寄ってきた軍曹が、僕に問いかける。
「走れませんが、歩けます!」
 軍曹の視線をまっすぐに受け止めて答えると、軍曹の表情が曇る。
「とにかく、行くぞ、上等兵。逃げるんだ!」
 ワジがすぐ先で、右に曲がっている。あそこを通過すれば、迫撃砲の陣地から見通す
ことはできなくなるだろう。距離はまだ遠いが、追っ手に追いつかれる前に逃げ込める
可能性は、ある。

 痛む足を引きずり、軍曹の肩を借りたりしながら、僕たちは必死に屈曲部を目指していた。
背後から追いかけてくる銃弾は、少しずつ数が増えてきたが、まだ僕たちを捕らえてはいない。
 ポイントマンを吹き飛ばし、僕の足を痛めつけた迫撃砲は、あまり降らなくなってきた。
 理由は?
 考えもせずに撃ちまくったために、弾薬が尽きてしまった。
 あるいは、僕たちが彼らから見通せない位置にたどり着いた。
 それとも、敵の追跡班が、迫撃砲の使用がためらわれるくらい、近づいているか。
 まことに残念だが、おそらく、最後だろう。
 その証拠に、銃弾がひっきりなしに、僕たちの頭上を飛び越えていく。
 いつ敵弾が命中してもおかしくない。そんなとき。隣から、つぶやく声が聞こえる。
「も、もう。ダメ……逃げられない……」
444プライベートは名前で呼んで(7):2009/04/05(日) 17:01:33 ID:LNHkVlLQ
 信じられない。
 軍曹が、パニックを起こしかけている。
 訓練大隊の頃から知っている、あの、いつでも隙を見せなかった下士官の鑑である軍曹が。
 僕たちと同じ訓練メニューをこなしながら、少しも疲れた様子を見せず。僕たち兵隊の
タマゴが、訓練を休んでいるときですら、自分達をより高みにのぼらせようと、訓練を
欠かさない。その姿を見たとき。僕は、軍曹に純粋な尊敬と、無条件での信頼をよせたのだ。
 その軍曹が。
 頭をかかえ、イヤイヤと子供のように首を振る。
 その姿を見て。僕は逆に冷静になった。

 パニックを起こした軍曹を置いていけば、逃走は可能になるか?
 否。
 敵に追跡を諦めさせるだけの、手痛い一撃を加える必要がある。そのためには、僕一人
では足りない。
 どうしても、軍曹の手を借りなければならない。
 となれば。
 非常な手段を取らざるを得ない。

 視認されることを避けるために、地面に倒れてから。正気を失いかけた軍曹の頬に、
平手打ちを見舞う。
 営内でやれば、上官への暴力ということで、確実に軍法会議モノ。死刑になっても
おかしくない。それに、軍曹が戻って報告すれば、やはりこれも軍法会議は免れないだろう。
 でも。
 軽いパニック状態だった軍曹が、呆然と僕を見つめている。その隙に。
 強引に、唇を重ねる。
 驚きのせいか、目を見開く軍曹。
 舌を口腔内に侵入させ、軍曹の舌に絡める。
 軍曹の舌は、驚きで硬直していたが。次第に、探るようにゆっくりと動き出して。
僕の舌と絡み合う。
 手のひらで軍曹の引き締まった胸に触れ、全体をマッサージするかのように、ゆっくりと揉む。
 口を塞がれているので、鼻で息をするしかない軍曹が、普段の軍曹からは想像もできない
艶のある吐息を漏らす。
 名残惜しいが、そこで唇を離して。
「必ず生きて帰って、続きをしましょうね。軍曹。絶対ですよ!」
 かなり無茶な言い方だ。軍曹に続きをする気が無ければ、まったくもって意味が無い。
 でも。
 軍曹の頬が、こっちが恥ずかしくなるくらい朱に染まって。
 こくん。と、うなずいた。
445プライベートは名前で呼んで(8):2009/04/05(日) 17:03:38 ID:LNHkVlLQ
 考える。
 何か、方法がないか。
 記憶の糸を必死にたぐり寄せて、この状況を打開できるようなものがないか、探す。

 ひとつ、思い当たるものがある。
 出発前に、背嚢に荷物をつめていたときに。軍曹から「そんな重いものを余分に持つ
必要は無いぞ」とからかわれたものがあった。
 指向性散弾。
 僕たちが使うこれは、一般的な鉄球ではなく、鉄片を飛ばすもので。事情があって
このような形態になっているようだが、まあ、本家と原理や効果に大きな違いはない。
 これなら、広範囲の敵を巻き込んでくれる。この隘路を満遍なく掃射できる位置に
設置して爆発させれば、十分な効果を得ることができそうだ。

 背嚢から指向性散弾のパックを取り出して、軍曹の目の前に突きつける。
「左手だけでも、指向性散弾は使えますよね?」
「あ、ああ」
 驚く表情のまま、
「ここは、周囲に比べて少し狭くなってます。ここで、待ち伏せ攻撃をしかけましょう」
 敵がじわじわと近づく背後を指差しながら。
「ありったけの指向性散弾を使って、敵にキツい一撃を喰らわせるんです。うまくいけば、
追撃をあきらめるかもしれません」
「そ、そうだな。いい方法だ」
 軍曹の目に、いつもの冷静さが戻ってくる。
「グズグズしてはいられませんよ。素早く片付けてしまいましょう」

 僕たちは、敵の銃弾が周囲の空気を切り裂く中を、這いつくばって指向性散弾を仕掛けた。
そして、ケーブルを延ばしながら、遮蔽物の陰に隠れる。
 伏せて敵を待つ僕たちの前に、分隊規模の敵が近づいてくる。後方には敵影なし。
 これなら。この分隊を吹き飛ばしてしまえば、追跡は止まる。
 そのまま遮蔽物に隠れて、敵の接近を息を殺してじっと待つ。

 その時が来た。
 軍曹を見ると、しっかりとうなずいてくれた。
 迷わずに指向性散弾のスイッチを入れると、爆発とともに大量の鉄片が扇状に飛散する。
 もう一発は、軍曹が操作した。
 二つの轟音がワジに響いた後、僕たちはそっと遮蔽物から顔を出して、後ろをのぞく。
 合計二発の指向性散弾は、追っ手を完全に吹き飛ばしたようだ。
 これで、逃げられる。
446プライベートは名前で呼んで(9):2009/04/05(日) 17:05:29 ID:LNHkVlLQ
 そう喜んだのもつかの間だった。
 吹き飛ばした追っ手の後に、中隊規模の敵が集まっているのが見えた。
 また、逃走劇の始まりだ。
 ただ、先ほどの指向性散弾が彼らを十分に脅かしたらしく、追撃の手は遅れがちだ。
 もしかして。ひょっとすると。大丈夫かもしれない。
 痛む足を引きずり、軍曹に励まされて、軍曹を励ましながら。一歩一歩、味方の支配
地域を目指して進む。

 軍曹の足取りが重くなった。表情が、かなり辛そうだ。
「大丈夫ですか!?」
 返事が戻るのに、かなりの間があいて。
「あ、うん。大丈夫……」
 軍曹を見ると、だらりと下げた右腕の指先から、ぽたぽたと血が滴っているのが見える。
 軍服の袖に触れて、自分の指先を見てみると、真っ赤に染まっていた。
 止血が足りなかったのかもしれない。
 懸命に前進するが、僕たちの歩みは遅々として進まない。
 意識が朦朧としてきた軍曹と。
 足を負傷している僕。
 相手の足も遅くなっているとはいえ、これは、かなり厳しい。

 そんなときだった。
 僕の個人無線機に、誰かが割り込んできた。
「聞こえるか?聞こえたら返事をしろ、戦友!」
 喉元のスイッチを入れる。
「聞こえます。誰ですか!?」
「所属と姓名、軍籍番号を名乗れ!」
 少なくとも、僕より遥かに高い地位にいる人のようだ。それに、無線の主がたとえ
敵であっても、その情報は、問われれば答えなければならない義務がある。
「第7降下猟兵連隊。シュウィル軍曹殿と、ジュベール上等兵です。自分の認識番号は、
A007C2001689!」
 返答したが、しばらく沈黙が続く。
 その沈黙がやたらと長く感じて、恐ろしく不安になる。
 せっかく味方かもしれない人と接触できたと思ったのに、また、絶たれるのか?
 そんな僕の不安を、無線の主はあっさりと吹き飛ばしてくれた。
「よし、上等兵。あと200mがんばれ。後は俺たちが引き受ける」

 このときの200mほど、長く感じたものはない。
 その声に励まされて。痛む足を無理矢理進ませ、出血で意識が混濁しつつある軍曹を
引っ張りながら、必死に進む。
447プライベートは名前で呼んで(10):2009/04/05(日) 17:06:43 ID:LNHkVlLQ
 無線から飛び込んだ「伏せろ!」の一言に、僕と軍曹は倒れるように伏せた。
 激しい射撃音と爆発音が、僕たちの後方から聞こえる。恐る恐る振り返ると、そこには
幻想的な光景があった。

 気がつけば、時刻は夜に近く。太陽は西にほぼ沈みかけていた。
 曳光弾の赤い雨が、ワジの谷底に降り注ぐ。
 その赤い雨に彩りを添えるように、爆炎が咲いていく。

 その光景が、どれだけ続いていたのかはわからない。
 ただ、僕たちの隣に、片ひざをついて座っている男の姿が見えた。
「災難だったな、戦友!」
 その声が、無線の主であることは、すぐにわかった。
 迫る闇の中、じっと目をこらすと。襟元には、細線が二本に星が三つ。
 大尉。
 あわてて立ち上がり、敬礼しようとする僕を、大尉殿は笑って止めた。
「楽にしてろよ、戦友。衛生兵を呼んである。すぐに後送するから、少し待て」

 大尉殿の言葉通り、衛生兵はすぐに来た。僕と軍曹を見比べると、瞬時に判断を下して、
軍曹の手当てを始める。
 よかった。
 衛生兵が、僕の方を先に手当てしようとしたら、僕は、間違いなく怒鳴ってしまって
いただろうから。

「君たちはツイているようだな」
 大尉殿のその言葉に、思わず反論しかける。
 だが、それを見越したかのように、大尉殿は言葉を続けた。
「パトロール中に、物騒な音がしてね。斥候を出してみたら、味方が追われていると
言うじゃないか。慌てて包囲する体制を整えながら前進していると、君たちが見えてきた。
というわけさ」
 衛生兵は、軍曹の手当てを終えると、僕の様子を見にきてくれた。
「連中、君たちしか見えていなかったようだからね。包囲するのは楽だったよ」
 大尉殿は、そう言いながら、片目をつぶっておどけてみせる。
「今回の勝利の立役者は君たちだ。きっちり後送させてもらうから、安心して休むといい。
よくやった」
448プライベートは名前で呼んで(11):2009/04/05(日) 17:10:34 ID:LNHkVlLQ
 もともと、パトロールが後退するときに呼ぶ予定だったらしく、後送用のヘリはすぐに来た。
 失血して容態が不安定な軍曹が先。比較的安定している僕が後。他に、パトロール中
だった兵士たちが乗り込んでくる。
 ヘリが離陸して。僕は、ようやく助かったのだと実感することができた。
 ローターが風を切る音が響く中、隣の担架に乗せられた軍曹の顔は、落ち着きを
見せていた。点滴液を2パック同時に使って、文字通り血液を水増ししたのがよかったの
かもしれない。
 僕の施した応急処置は、衛生兵による的確な処置にかわったので、酷かった出血も
きちんと止まっているようだ。

 基地に降ろされて。中隊長への報告が一番きつい仕事になった。
 どこまで言えばいいのかがわからない。
 頼りになるはずの軍曹は、まだ意識がはっきりしていないので、報告は全部僕が述べる
ことになった。
 交信記録を調べたりすれば、いずれわかることだと思い、すべて正直に報告した。

 少尉のミス。軍曹の怪我の原因。敵との遭遇。吹き飛んだポイントマン。助けられないと
判断し、置き去りにした少尉。咄嗟の反撃。そして、救援。
 嘘は言わなかった。
 ただ、自分の抱いた感想は、すべて飲み込んで。事実だけを述べた。

 僕の話をすべて聞き終えた中隊長は、満足そうだった。
 事前に集めていた様々な情報と、僕の報告に、ほとんど食い違いがなかったそうだ。
 そして、僕たちの行動については、賞賛こそすれ批難される筋合いは無い。とまで
言い切ってくれた。

「とにかく、今は傷を治すのが先決だ。後送してやるから、そこでじっくり傷を治せ」
 軍医殿の診断では、僕も、軍曹も、治療に必要な日数は概ね一ヶ月程度かかる。という
ことだった。
 中隊長は、それに追加して、特別休暇を二日もくれた。

「原隊復帰を楽しみに待ってるぞ!」
 そう、肩を叩いて、病院へと送り出された。
449プライベートは名前で呼んで(12):2009/04/05(日) 17:16:52 ID:LNHkVlLQ
 僕と軍曹は、治療と体力の回復に努めた。
 治療中に、中隊長からプレゼントが届いた。
 名誉負傷章が二人分。
 軍曹のは味方の誤射で、後ろ傷だったが、その部分はバッサリ切り捨ててあった。
 敵の不意打ちを喰らいながら、味方支配圏内まで敵を引きずり込み、敵に痛撃を
喰らわした後、別の中隊と協力して敵を殲滅した。この功績と、そのときの負傷に
報いるために、名誉負傷章を叙勲する。と、叙勲理由に書いてある。
 軍曹は、その勲章をしぶしぶ付けた。自分の中では、不名誉な負傷と思っているみたいだ。
 迫撃砲弾に切り裂かれたポイントマンは二階級特進。あの少尉殿も、一階級昇進したそうだ。

 もともと、あまり酷い負傷ではなかったので、一ヶ月もすれば、軍曹は片手腕立ては
無理でも、普通に右手を使えるようになっていたし、僕も全力疾走はともかく、普通に
走るくらいなら大丈夫になっていた。

 退院し、原隊復帰をする前々日。僕と軍曹は病院の側にある酒場に足を運んだ。
二階よりも上の部分が宿も兼ねてる、小さなホテルのようなところだ。
 そこで、飲んで飲んで飲みまくった。
 それまでの入院生活で、節制を強いられていたのもある。これまでに体内に取り込み
損ねたアルコールを、体内に一気に流す勢いで飲んだ。

 あの日の戦闘を、忘れたかったのかもしれない。
 追われに追われ、逃げまくった恐怖を。
 迫撃砲の不幸な一弾で、バラバラに吹き飛んだ仲間を。
 あの日の戦闘のきっかけで、助けることが難しかったとはいえ、まだ息のあるうちに、
予備の弾薬を奪い取り、ブービートラップを仕掛けて置き去りにした少尉を。

 制服姿で、名誉負傷章をぶらさげた兵士に、注意する人間はそういないようだ。
 浴びるように飲む僕たちに、酒場の主人は申し訳なさそうに「もう閉店ですよ」と
数回言ってきた。そこで、僕と軍曹は、ようやく飲むのを止めた。
 軍曹の足はふらふらで。僕の足も、それほど変わらない。
 軍曹を酒場の二階に予約した一室のベッドに放り込み、僕の部屋に行こうとする。
 だが。
 腕を引かれて、止められた。

 軍曹が、僕を少し潤んだ瞳で見上げている。
450プライベートは名前で呼んで(13):2009/04/05(日) 17:18:08 ID:LNHkVlLQ
 軍曹は危なっかしく立ち上がると、上着を放り投げ、Yシャツも放り捨てる。
 それを拾った僕は、ひとつひとつシワにならないように注意しながらハンガーにかけて、
軍曹を見る。
 軍曹は、タンクトップ一枚。
 そのまま、スカートに手をかけると、フックを外してするりと床に落とす。
 流石に、下着だけのその姿を見るのは失礼だろう。と思うのに。僕の視線は、軍曹から
離せなかった。

 身につけた下着は軍支給のもので、それ自体には色気も何もあったものではないのだが。
 それが逆に、軍曹の魅力を増しているように見える。
 髪は軽いウェーブがかかった赤胴色で、一般的な女性のショートカットよりも少し短め。
でも、軍人として見ると、十分に長い髪。
 顔は、普段の自分を律した実直なものではなく、酒のせいか、少し柔和な表情で。
 人によって好みは別れるかもしれないが、かわいいよりはかっこいいに近い、整った
目鼻立ちは、僕にはとても魅力的に見える。
 傷口は塞がっているが、新しい皮膚を保護するために、右上腕に包帯を巻いている。
その白さが、ほどよく日焼けした肌に浮き出ている。

 その姿に見とれていた僕に。
 軍曹は、両手を広げて。
「ジャン」
 とても優しい声で、僕の名前を呼んだ。
 階級ではなく、僕の名前を。

 逆らいがたい誘惑に、ふらふらと近寄る。
 お互いに抱きしめあうと、身体中に言いようのない感覚が走った。
「ハンナ……」
 僕も、階級ではなく、彼女の名前を呼ぶ。

 それが、合図となった。
 狂ったように唇を重ねる。唇を重ねるだけでは満足できずに、そのまま舌を絡めあう。
 ただそれだけで、脳天まで突き抜けるような喜びが襲う。
 抱きしめあいながら、もどかしく服を脱ぐ。上着を脱ぎ、シャツを投げ捨て、ベルトを
外し、スラックスを脱ぎ捨てる。スラックスのポケットから財布を取り出して。避妊具を
枕元に投げる。
451プライベートは名前で呼んで(14):2009/04/05(日) 17:19:29 ID:LNHkVlLQ
 お互いに下着姿になった状態で。僕は、僕より拳ひとつ分背が高く、体格もいいハンナを、
ベッドに押し倒す。
 約束していた、生きて帰ったら続きを。が。今、始まった。

 タンクトップの上から、胸に手を這わせる。ハンナの胸が普段より大きい気がするのは、
間違いじゃなかった。タンクトップのすぐ下は、ハンナの肌そのもの。つまり、普段は
激しい運動で暴れないように、締め付けるようなスポーツブラをしているのに、今は、
それがない。
 触れただけで、敏感な先端がどこにあるのかがすぐにわかった。胸全体と、その部分に
刺激をあたえると、すぐに硬く、隆起してくる。

「ん……」
 唇は互いの唇でふさいでいるので、甘い吐息は鼻から抜けるしかない。
 その甘い吐息を、幾度か吐き出させてから。僕は、ハンナのタンクトップをめくる。
 艶やかな肌があらわれた。触れると、しっとりと汗をかき始めていて、わずかに湿った
感触がある。
 露出した先端を口に含むと、ハンナの喉から声が漏れ出す。
「う……ん」
 どこか、声を出さないようにしている雰囲気を感じて。僕は、ハンナの胸を愛する傍ら、
空いた手を下腹部へと這わせる。
 アンダーショーツの上から、ハンナの一番敏感な部分にそっと触れる。それは、効果
覿面だった。
「あッ!……ふ、うんッ!」
 これまでに聞いたことが無いその声は、まさしく、行為中の女の声だった。

 そのまま、舌をはわせながら、へそのあたりを経由して下腹部へと到る。
 その間に、両手でアンダーショーツを脱がせると、控えめな茂みの奥に隠れている
ハンナの部分を、舌で探る。
「だ、ダメ。ジャン……恥ずか、しい……」
 そんな言葉をささやかれたら。
 余計に、昂ってしまう。

 茂みの奥。肉襞をかきわけて、入り口を探してそこに舌を侵入させる。
「ひゃ、うんッ!」
 そのまま、入り口からあふれてくる愛の証を存分に味わった後、その液体を舌の上に
のせたまま、襞の奥に隠された蕾を探す。
 蕾にたどり着いた瞬間、ハンナは今日一番大きな喜びの声で答えた。
452プライベートは名前で呼んで(15):2009/04/05(日) 17:20:39 ID:LNHkVlLQ
「ジャン。あたしも……」
 ハンナの目は、とろんと溶けそうで。
 僕がベッドに身体を横たえると、その上にハンナが跨る。そして。
 僕の下着を引きずり下ろすと、いきり立ったモノを、口に含んだ。
 先端全体を口に含み吸い上げながら、舌で先端を万遍なく愛しつつ。鈴口のあたりを
舌先でノックしては、喉の奥まで飲み込む。という行為を繰り返す。
 これは、すごい。
「うッ!……はァッ!」
 嫌でも、声が出る。
 それが、ハンナをさらに刺激して。僕を口で一心不乱に愛してくれている。
 僕も負けてはいられない。

 目の前にあるハンナの場所に、指で触れる。
 ハンナのそこは十分に濡れているので、入り口のあたりから愛液をすくい取り、それで
蕾をやさしく撫でる。
 ハンナの口の動きが、少し鈍る。
 そのまま、蕾をなでながら、舌で入り口周囲を丹念にほぐし、僕の唾液とハンナの愛液を
混ぜ合わせる。ハンナの奥からあふれでるその液の香りに、自分のモノが限界に近いくらい
膨張する。

 ハンナは、先端を口で愛しながら、竿の部分と袋の部分を、両手でそっと愛し始めた。
竿の部分の力がわずかに増して、激しく上下に動く。

 まずい。すぐに達してしまいそうだ。
 そう考えた僕は、ハンナに警告する。
「ハ、ハンナ。そんなに、激しくした、らッ!」
 僕の言葉に、ここを勝負どころと見たのか、ハンナからの刺激がさらに増した。
 もう、限界。
「あッ……く、はあッ!」
 たまらずに、ハンナの口の中に吐き出してしまう。
 激しく吐き出されるそれを、ハンナは喉の奥ですべて受け止める。
 すべて出しつくし、息があがる僕の先端から、ハンナは口をすぼめたまま離れると。
 こくん。
 と、飲み込む姿を僕に見せた。
453プライベートは名前で呼んで(16):2009/04/05(日) 17:21:51 ID:LNHkVlLQ
「の、飲んじゃったの?」
 そこまでされるとは思っていなかったので。ハンナに声をかけると、ハンナはちょっと
崩れた笑顔を僕に見せる。
「あまり、美味しいものじゃ、ないね」
 やっぱり。
 どこで仕入れた知識かはわからないけど。思わず飲んじゃったんだろうな。男はそれで
喜ぶと思って。

 そんなハンナを起き上がって抱き寄せながら、唇を奪う。
 嗅ぎなれた、男の香りと。
 ハンナの女の香りが、そこで混ざる。

 一度放った僕だけど、そこはもう、再戦可能な状態になっていた。
「ジャン……」
「ハンナ」
 互いの名前を呼び合って、腕をからめて抱き合う。

 ハンナをそっと横たえると。その上にかぶさるようにしてのしかかり、唇を奪う。
 舌を絡め、ハンナの口腔内を散々に蹂躙する。
 その間に、軍支給の避妊具を取り出して、自分に装着する。
 準備万端。
 装着具合を確認してから。僕の先端を、ハンナの入り口にあてた。
 ハンナをじっと見下ろすと、彼女はうなずいた。
 少しずつ、彼女の中に侵入していく。
「ふあッ!」
 ハンナの背中が反り、僕と触れ合う部分が増す。

 ハンナの一番奥深くに先端が到達する頃には、僕のモノは根元まで埋まっていた。
 そこで、一呼吸。
 僕の下に組み敷かれているハンナを見つめると、ハンナは喜びの表情で僕を見上げている。
 とても、綺麗だ。
 たまらない。
 その表情を見ているだけで、果てそうになる。
454プライベートは名前で呼んで(17):2009/04/05(日) 17:23:12 ID:LNHkVlLQ
「ハンナ」
 彼女の名を呼び、唇を重ねる。
「ジャン」
 僕の名を呼んだハンナは、僕の背中に両腕を回して、僕をしっかり抱きしめる。
 ただ、名前を呼び合っただけなのに、なぜ、これほどまでに嬉しいのだろう。

 ゆっくりと。ゆっくりと、動き始める。
 僕の右腕は、ハンナの首の下を通ってハンナの右肩をつかみ。左腕は、結合部付近で
ハンナに悪戯している。僕のあまり厚くない胸板は、ハンナの豊満な胸を押し潰して。
僕の動きに合わせて、ハンナの胸に刺激を与えている。
 僕が動くたびに。深く突き入れるときに、ハンナは一際大きな喜びの声をあげる。
 抜き去ろうとすると、ハンナは息を吸い。
 深く突き入れると、ハンナが甘い声とともに息を吐く。
 僕の動きで、ハンナの呼吸すらも左右される事実に、密かな喜びを感じた。

 結合部からは、水分を大量に含んだいやらしい音が響き、ハンナと僕の肌に浮かび
上がった汗が、肌と肌が触れ合っているという実感をさらに高める。
 ハンナの吐く息は、その声と同じくらい甘く、艶のあるもので。ハンナの髪から漂う
香りが、僕の鼻腔をくすぐる。

 彼女が、愛しい。
 失いたくない。

 僕は、この愛を交わす行為の中で、彼女へ向けた自分の気持ちに気がついてしまった。
 でも。
 彼女は。ハンナは、この行為が終わったら。僕から逃げようとするだろう。
 そんな気がする。
 だから。
 この行為を、終わらせたくない。
 いつまでも、ハンナと愛しあっていたい。

 そんな思いとは別に、身体はまるで獣のように、ハンナを求めていた。
 ハンナも、そんな僕と同じ思いなのか、僕の動きにあわせて、自分でも動く。
 身体中を駆けめぐる快楽に酔いしれながら、お互いを貪るように求め合う。
455プライベートは名前で呼んで(18):2009/04/05(日) 17:25:32 ID:LNHkVlLQ
 いつまでも、こうしていたいのに。
 限界は、すぐそこまで近づいてくる。
 それを避けようと思う気持ちと、このままハンナと昇りつめたいと思う気持ちとが争い、
結局、ハンナと昇りつめたいと思う気持ちが勝ってしまった。
 理性よりも、本能が勝ったのだ。

 抜かんばかりに後退し、奥へ届けと突き入れる。それを、悦楽に導かれるままに激しく
動かして。
 僕の手はハンナの肩をそれぞれ掴み。ハンナの手は、僕の背中と後頭部にあった。
 激しく、舌を絡める。ハンナの舌のほのかな甘味が僕の脳髄を焼き、彼女を失いたくない。
と思う気持ちが、一層、強くなる。
 その思いを僕の分身にのせて、ハンナの奥に届ける。ハンナの呼吸は乱れに乱れて、
僕の呼吸も、とても荒い。

「ジャン!」
「ハンナ!」
 互いの名前を叫ぶと、深々と突き入れた僕に限界が来た。
 ハンナの奥深くで、僕の分身から欲望の証明が吐き出されていく。
 ぴくん、ぴくん、と脈打つたびに、大量の精が放たれて。
 ハンナは、ぐったりと体を横たえていた。

 ハンナから引き抜くと、そのままハンナを引き寄せて、抱きしめる。
 素直に従うハンナ。
 寄り添ったハンナの肌と触れ合う部分が、暖かくて気持ちいい。

 僕の胸に頬を寄せるハンナ。その髪が、僕の頬をくすぐって。
 口づけしながら、髪の香りを嗅ぐ。
 いい香りだ。
 髪への口づけがくすぐったかったのか。ハンナは、僕を見上げた。
「ねえ、ジャン?」
 その言葉と微笑みには、恐ろしいほどに艶があって。
 僕は、再びハンナに愛を伝え始めた。
 今はまだ、この関係を続けられるのだ。
456プライベートは名前で呼んで(19):2009/04/05(日) 17:26:30 ID:LNHkVlLQ
 朝。
 乱れに乱れたベッドの上で。軍曹はとても申し訳なさそうな表情をしていた。
 そして。
「き、昨日のことは。その……忘れて、くれ」
 頬を真っ赤に染めながら、途切れ途切れに言う。
 やっぱり、そうなっちゃうのか。
 だから、僕は、精一杯の抵抗をすることにした。
「ねえ、軍曹?」
「ん?」
 わざと、名前ではなく階級で呼ぶ。
「僕、軍曹のことを、本当に尊敬してました。あなたは、下士官として、賞賛すべき人だと」
 あくまでも、真剣な表情を崩さずに。
「でも、今は違います」
 その言葉に、軍曹の表情がさらに曇る。
 だから、この思いを、はっきりと伝えたかった。
「僕は、あなたが好きだ」
「なッ!!」
 僕の言葉に、ハンナは頬のほかにも、耳まで真っ赤に染まりだして。
 視線をあちこちに移動させ、そわそわと指でシーツをいじりながら。
「わ、わたしなんか。その、魅力、無いぞ……」
 そう言いながら、視線を背ける。
 それが。
 僕の心に火をつけていることに、気づいているのだろうか?
「ねえ、軍曹?」
「な、なんだ?上等兵」
 階級で呼びかけられて、階級で返事したハンナは、視線を僕と重ねてから。再び、背ける。
「プライベート(私用)のときは、プライベート(兵卒)と呼ばずに、名前で呼んでもらえると、
僕としては、とても嬉しいんですけど」
「うう……」
 悩みに悩んだ表情を浮かべ、唸りに唸った後で。
 こくり。と、小さな承諾のサイン。
 それを確認してから。
「ハンナ」
 僕は名前で呼びかけながら、ハンナを抱きしめて、頬にキスをする。
 ハンナは首をひねると、僕の唇に自分の唇を重ねてくれた。
 そして。
「ジャン……」
 彼女は、階級ではなく、僕の名前を呼んでくれた。
457プライベートは名前で呼んで(20):2009/04/05(日) 17:27:56 ID:LNHkVlLQ
 中隊に戻ると、中隊長殿は待っていましたとばかりに、僕たちを快く迎え入れてくれた。
「よく戻ってきたな、一等軍曹。それに、伍長も」
「「え?」」
 僕と軍曹は、思わず聞き返した。
 驚くのも無理はない。
 軍曹は、正しく言えば二等軍曹。曹の階級で言えば、下から二番目。下士官全体から
言うと、三番目だ。
 僕は単なる上等兵。兵士の中では一番階級が高いけど、あくまでも兵卒に過ぎない。
 それに比べて。
 軍曹は一階級昇進。僕の伍長も、最下級とはいえ立派な下士官だ。
「お前たちの休暇中に、いろいろあってな。とにかく、人が足りん。使える人間は、
少しでも上に立って働いてもらわねばならんのでな。階級に見合う努力をしてくれると
確信している」
「「はい、中隊長殿!」」
 僕たちは、ほぼ同時に、きっちりと気をつけの姿勢のままで返答した。
「これが新しい階級章だ。これに恥じぬよう、精勤せよ」
 新しい階級章を中隊長に手渡され、握手までされた僕たちは、中隊長の幕舎を後にした。

 兵から下士官というのは、本来ならあまり見られる昇進ではない。それが、僕の身に
おこるなんて。
「おめでとう、伍長」
 軍曹が、心底嬉しい。という笑顔を見せてくれた。
「ありがとうございます。一等軍曹殿!」
 そう言い交わすと、互いに笑いあった。

 これで、プライベート(私用)のときに、プライベート(兵卒)と呼ばれることは無くなる
かもしれないけど。
 今度は、プライベートのときに、コーポラル(伍長)と呼ばれるかもしれない。
 とりあえず、そうならないように、下士官同士、親睦を深めることにしよう。
 僕は、そう、心に誓った。
458名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 17:31:25 ID:LNHkVlLQ
以上です。


彼らがなぜ戦っているのか。などの背景説明をバッサリ切り捨てたので、
スッキリしないお話かもしれません。ごめんなさい。


それでは、失礼しました。
459名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 20:11:56 ID:vNvYTU10
>>458
GJ!

>背景説明バッサリ
余計なこと考えなくて済むからむしろこれがいい

二人の今後にも期待。行け、伍長!
460名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 20:14:37 ID:lV2qeuEG
GJと言わせてください、サー
461名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 20:56:02 ID:I9rQ7bKU
こいつぁGJだぜ!
現代戦風って最近少なかったよね……
462名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 22:49:54 ID:u8j1lO4O
GJ!舞台背景は脳内で補完するから大丈夫だ
アフリカ軍団+ベトナムな感じだな〜w
463名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 23:36:30 ID:6F+tyXde
GJ!!
464名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 01:23:45 ID:kQzPbQl+
軍人・・・真面目な未来ある青年が女に誘惑されて自分の未来を破戒しちゃう系はスレチかね
465名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 12:26:30 ID:q8Q1yVYW
読みたいぞ!
466名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 13:59:18 ID:G/JPNuer
>>464
愛と青春の旅立ち乙
467名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 15:23:31 ID:T8aL5epJ
>464
ハニートラップですね。わかります。

ワシも聞きたい。
このスレ的には、カップルのどちらか一方が軍人ならギリギリセーフかな?
468名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 17:56:17 ID:FFdu+5qu
むしろ一般人と退役軍人でもおk
469名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 16:40:30 ID:f96vleCn
自衛官と娑婆の女の話でもいけると思うぞ?


>>464 海自幹部が中国人妻を娶って、イージスのデータを流出させたりとかか?
有りじゃないか?
470名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 21:11:23 ID:TkckLaLX
>>458

ワジってのと兵長(ランスコーポラル)飛ばし伍長なあたりからアルジェの仏外人部隊と脳内設定しといた。



いや、ジブチの仏軍のおネェさま達はマジで可愛かったっすよ。
471名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 22:17:15 ID:A18zNUA2
普通上級士官になるにはそれなりに年齢を重ねなきゃならんわけだが、
このスレ的にはどの位の年齢までセーフなんだろうか。
472名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 01:35:53 ID:WGMJ5rVI
セクシーなら何歳でもかまわない
男でも女でも

むしろ少し年とったくらいが好きだ
473名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 22:45:43 ID:QVY/eIW0
>>471
三十路そこそこで将軍閣下になれる軍隊だってあったんだぜ。
……俺が何を言おうとしているかわかったな、二等兵?
474名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 22:47:46 ID:qzmo1aj8
カスター将軍閣下のスレはここですか?
475名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 23:55:17 ID:zee+foJG
ここってナチや戦車が賑わってるけど、現代(湾岸以降)の歩兵ネタって大丈夫?
476名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 23:59:02 ID:qt/uu3Ai
>>475
アフリカの内戦に巻き込まれたカトリック教会の修道女とか大好きです><

senkase、おっと紳士的に紳士的に・・・
477 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:29:58 ID:4B117Sd/
投下開始。

>>471-474までのレスに着想を得た。

師団副官と三十路女師団長の話。
タイトルはなし。

用語や慣習に時間的地域的な統一性がなく、
いくつもの時代や地域が入り乱れた軍隊になっているのは仕様なので気にしないこと。
478 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:30:17 ID:4B117Sd/
 空になったウィスキーグラス片手に師団長が粘着質な視線を向けてきた。
「貴様、少佐のくせに少将の話を無視するとはいい度胸だな!」
「滅相もありません、聞いております、師団長。
それより、もうそろそろやめておかれた方がよろしいのではありませんか?」
「何だ? 私を酔っ払い扱いする気か!?」
「いいえ、師団長。しかし、将官、それも大戦の英雄ともあろう御方が、
実際に泥酔するまで酒を飲むというのはいかがなものかと……」
 将校クラブではなく俺の行き着けの酒場を選んだのは正解だった。
もし将校クラブで飲んでいたとしたら、
〈現時点における唯一の現役女性将官にして最年少将官である大戦の英雄〉の
評判はがた落ちとなっていたに違いない。上官を補佐すべき副官が
上官の面目を打ち砕くなどというのはあってはならないことである。
 それにしても、まさか師団長が酒乱だったとは!
 師団長はウィスキーグラス片手に自信満々に言い放った。
「それならばまだ大丈夫だ。私はまだ少しも酔ってなどいないぞ。
この顔を見ればわかるだろう。顔色はいつもと全く変わらない。
一杯や二杯で酔うはずがないだろう」
 顔を見ればわかる。この人はもう駄目だ。白磁の肌が茹で蛸のように
なっている。おまけに普段は仏頂面のくせに、今は満面の笑みを浮かべている。
まるでもっと陽気な双子の姉なり妹なりと入れ替わりでもしたかのようだ。
 師団長は更にもう一杯を注文しようとしたところでふと欠伸を漏らし、
「何だか眠くなってきた」と言って、テーブルに突っ伏してしまった。
まだ意識はあるようだが、それを手放してしまうのも時間の問題に違いなかった。
 こうなってしまっては起こすのは難しい。仮に起こすことに成功したとしても、
一人で家に帰るのは無理だろう。結局、俺が送っていくしかないのだろう。
 どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
 軍人とは思えないほどに軽く細い身体に肩を貸して歩きながら、
俺は一時間ほど前のことを思い返した。

      *     *     *

 二〇三〇、本日の課業が終了した。課業終了時刻はとうに過ぎているが、
軍人というのは原則として二十四時間勤務であり、その点への配慮として元々俸給が
高めに設定されているという建前があるから、残業代だの超過勤務手当だのは当然出ない。
 勿論、見方によっては、定時で仕事を終えても残業代が出るという解釈も成り立ち得る。
 しかし、そんな風に笑っていられるのは、要領を覚えた下士官や古年兵連中と、
後は退役する日を待つだけの悠々自適の日々を送る老いぼれ将軍達くらいのものだ。
むしろ連中は駐屯地に遊びに来ているのだ。
 半ば下士官や古年兵の召使である初年兵や二年兵連中や、士官学校を卒業したてで
勉強することが山積みの新米将校、軍の背骨である各部隊長やその幕僚
といった人々からすれば、連日連夜のサービス残業を強いられているだけである。
 ちなみに俺はこの中では部隊長の幕僚に当たる。俺は師団副官だ。
 今日は師団長が朝から何やら物憂げな表情を浮かべ、四六時中溜息ばかりをついていた。
上官の心身の健康状態を把握しておくことも副官の職務の内であるため、
課業時間中にそれとなく訊いてみたが、誤魔化されるばかりであった。
 他人には言いたくないことなのだろうと思い、一旦は引き下がったものの、
俺は一日の大半を彼女の顔を見ながら過ごす身である。
仏頂面ならばまだしも、憎からず思っている女性の辛気臭い顔を
一日中見せつけられるのは流石につらい。
 遂に堪え切れなくなり、課業終了後、一層落ち込んだ表情を浮かべる師団長に、
僭越を承知で事情を訊くことにした。
「やはり何か悩んでおられるのではありませんか?」
「いや、いや、いや、何でもない。何でもないんだ。気にしないでくれ」
 そう言う師団長はやはり浮かない顔をしていた。
「師団長、何でもないと仰るのでしたら、本当に何でもない風に振る舞ってください。
率直に申し上げますと、そのように誤魔化されるだけではむしろ心配になります。
我々のためにもお話し願えませんでしょうか?」
479 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:30:38 ID:4B117Sd/
 俺はやや強い調子で食い下がった。
 普通の部隊であれば叱責物の振る舞いかもしれない。
 だがこの部隊の場合は――俺と師団長の場合はそうはならない。
 俺と師団長の付き合いはかれこれ三年ほどになる。
 師団長がまだ大佐だった頃、彼女がまだ連隊長だった頃からである。
大尉に進級したての俺が、中隊長として前線に赴任するという希望に反して
新編の歩兵連隊の副官に補職されるという形で我々は出会った。
 中隊長どころか、新編された連隊の前代未聞の女性連隊長の副官に補職されるという、
左遷としか思えない人事に俺は憤慨せずにはいられなかった。
士官学校での俺の成績は確かに褒められたものではないが、
こんな懲罰人事を受ける必要があるほど酷い将校だったことは一度もない、
と夢の中で人事担当将校に何度も喚き散らしたものである。
 しかし、俺は腐らなかった。与えられた境遇の中で最高の成果を上げ、
俺を左遷してくれた連中の鼻を明かしてやる。上層部の誰もがお飾りのお人形だと
認識している女連隊長に手柄を立てさせ、奴らの度肝を抜いてやる。
 そう考えて職務に精励し、よく連隊長を補佐したつもりである。
 そしてその甲斐あって、新任の女性連隊長は終戦直後、少将に進級し、
新編された師団の初代師団長という名誉ある地位に就任する運びとなった。
 無論、俺の力だけで女性将官が誕生したとまでは言わない。
連隊長が戦術家としても戦略家としても非常に優秀な人物であり、
その指揮能力も申し分のないものであったことは事実である。
また、神憑り的な作戦指導で戦闘の勝敗分岐点を制し、
多くの功績を上げてきたのは俺ではなく彼女である。
時代の要請も多分にあったことだろう。
 だが、それでもそこには俺の力もいくらか関係していると思いたいし、
現に〈連隊長殿〉は〈師団長閣下〉になる際、俺の貢献を認めて、
継続して俺を副官として使いたいと上層部に訴えたばかりか、
俺の少佐進級に口添えしてくれさえしたのである。
 それだけの繋がりが我々の間には存在しているのである。
「一切合財を胸の内に秘めるか、一切合財を吐き出すか、お選びください、師団長」
 俺が駄目押しに言うと、師団長は怒声を浴びせる代わりに、
気まずそうに視線を逸らしながらぼそぼそと答えた。
「す、すまない、少佐……その、隠し通すのは無理だと思う」
「ではお話しください、師団長。大丈夫です。私は口の堅い男です。
ご存知の通り、私は今までに一度たりとも情報を漏らしたことがありません」
「わ、笑わないか?」
「勿論です。笑ったりなどしません。安心してください」
「本当に?」
「はい」
「本当に本当か?」
「本当に本当です」
 普段の大胆不敵な作戦指導が嘘のように思えてくるほど慎重な態度である。
余程の重大事なのだろう。俺は襟を正して話を聞くことにした。
「ですからお話しください」
「……では話すぞ」
 探るように俺の顔を見た後、師団長は躊躇いがちに話し出した。
「昨日は……私の誕生日だっただろう」
 昨日は師団長の三十二回目の誕生日だった。
480 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:31:01 ID:4B117Sd/
 俺ははっとした。
「もしかして、昨日のパーティで何かお気に障るようなことでもありましたか?」
 昨日の課業終了後、我々は将校クラブで師団長の誕生パーティを開いた。
企画したのは俺と副師団長に参謀達、それと戦車連隊長だった。
「いや、そうではない、そういうことではないんだ」
「ではどういうことなのですか?」
「それはだな……」
 師団長らしくもなく、どうにも歯切れが悪い。相当話しにくいことなのだろう。
 ここは攻め方を変えるべきだろう。
もう少し話しやすい雰囲気を作ることから始めるとしよう。
「師団長」
「何だ?」
「一杯やりながら話しませんか? 酒が入れば気も楽になりますよ。
それに明日は久しぶりの休暇ですから、多少酔いが残っても平気ですよ」
「酒か……」
「すみません、お嫌いでしたか」
 そういえば師団長が進んで飲酒をしている姿を見たことがない。
酒の席でも最初の一杯に申し訳程度に口をつけるくらいで、積極的に
何杯も飲むようなことはなかった。
 これは早まったかもしれない。そう思って撤回しようとしたところ、
意外にも師団長は俺の誘いを受けてくれた。
「いや、大丈夫だ。エスコートを頼むとしよう」
「お任せください、師団長。いい店を知っています。内緒話をするのに向いた、
静かで落ち着いた雰囲気の店です」
「そ、そうか。それは楽しみだな」
 師団長はぎこちない笑みを浮かべた。

      *     *     *

 それから我々は俺の行き着けの店に移動し――現在の状況に到る。
 最初の一杯を飲み干した時点で師団長が泥酔してしまったのだ。
自信満々に強い酒を注文した時点で止めておけばよかった、と今は後悔している。
あれは酒豪であるとの自負からくる自信ではなく、己の酒量への無知からくる自信
だったのだ。
 そうこうする内、我々は師団長の官舎に到着した。
 この頃には師団長がすっかり潰れてしまっていたため、
俺が家の中まで彼女を送ることを余儀なくされた。
 一人暮らしである彼女を介抱する人間は、この場においては俺以外に存在しない。
少なくとも運転手に任せる気にはなれない。俺は運転手に帰るように命令し、
師団長を連れて彼女の官舎の玄関に向かった。
俺は後で歩くなりタクシーを呼ぶなりすればいい。どうせ私の官舎はこの近くだ。
「師団長、師団長、官舎に到着しましたよ」
 駄目で元々、と呼びかけてみるが、案の定、返事らしい返事はない。
「鍵を開けるので、失礼します」
 仕方なく、師団長の服を探り、鍵を取り出し、玄関を開けた。
 師団長の家に上がるのは初めてだったが、灯りを点けて部屋の中を見た途端、
思わず笑いそうになってしまった。
几帳面で真面目な師団長の性格がそのまま形になったような部屋だったのだ。
実に整理整頓の行き届いた部屋である。最も厳格な練兵係軍曹ですら、
この部屋に台風を吹かせることは不可能だろう。
悔しげに舌打ちして部屋を出ていかざるを得ないに違いない。
「師団長、ほら、ここに横になってください」
 俺は師団長をソファに寝かせた。
 師団長は悩ましげな吐息を洩らしながらソファに横になり、
寝苦しそうに身を捩った。
 苦しげに寄せられた眉と言い、火照った肌と言い、熱っぽい吐息と言い、
仰向けになって強調された大きめの胸と言い、何とも悩ましいことこの上ない姿である。
憎からず思っている女性のこの姿は色々ときつい。理性がぐらつく音が聞こえる。
「で、では、只今水をお持ちしますので……」
 俺は慌てて目を逸らし、早口に告げ、逃げるように台所に向かった。
481 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:31:47 ID:4B117Sd/

      *     *     *

 コップによく冷えた水を入れて持ってきたはいいが、
どれだけ声をかけても師団長が起き上がる様子はなかった。
 しつこく呼びかけ続ける内に、鬱陶しげな呻き声を上げながら目を開けはしたものの、
それだけであり、やはり起き上がる様子はなかった。
「少佐か……」
「はい、師団長。官舎までお送りしました。
失礼ながら勝手に上がらせていただきました。」
「そうか……世話をかけたな」
「いいえ。それより、水をお持ちしました。よろしければ、酔い醒ましにお飲みください」
「……水? ……すまないが、飲ませてくれ。自力では少し難しい」
「はい、では失礼します」
 仰向けになった師団長の背中に手を差し入れ、上体を抱き起こした。
「ゆっくりとお飲みください」
 形の整った薄い唇にコップを当てると、冷たさに驚いたのかぴくりと震えたが、
やがて僅かに開き、コップの中身を少しずつ啜り始めた。
 数分ほどかけ、師団長はコップの中身を飲み干した。
「……ありがとう。大分さっぱりしたよ」
「それは何よりです。ところで、もうお一人でも大丈夫ですか?」
「……そう、だな。まだ少し身体が重いが、もう一人でも大丈夫だ」
「左様ですか。では私はこれにて失礼します」
 俺は師団長から離れ、敬礼を送った。
「良い夜を。師団長閣下」
「ああ。手間をかけてしまってすまなかったな」
 そう言いつつ、師団長が頼りない手つきで答礼した。
「いえ。これも職務ですから。では」
 俺は背を向け、玄関に向かおうとした。
「待て、少佐!」
 その直後、師団長の鋭い声が聞こえた。
「師団長、何か――うっ!?」
 慌てて振り向こうとした瞬間、何かが背中に勢い良くぶつかってきた。
その何かは俺に絡みつき、身体に纏わりついてきた。
 勢いに押され、俺は倒れ込んでしまった。咄嗟に受身を取ることには成功したが、
このところ格闘錬成を怠けていたせいか、腕がひりひりして痛い。
 痛みを堪え、半ば反射的に手を伸ばし、襲い掛かってきた〈脅威〉の排除に
かかろうとした瞬間、俺は〈脅威〉の正体に気づき、思わず声を上げた。
「し、師団長!?」
 襲い掛かってきたのは師団長だった。危うく首を圧し折るところだった。
「一体どうなさったというんですか!」
 俺の叫びには応えず、師団長は匍匐前進の要領で俺の上を這い上がり、
覆い被さってきた。俺は俺よりも小柄な師団長に組み敷かれる格好となった。
 いつでも撥ね退けられる。そう思い、俺は混乱しそうになるのを必死に抑え、
努めて冷静に問い続けた。
「師団長、これはどういうことでしょうか?」
「少佐、待て! まだ帰らないでくれ!」
 酔いが回っているのだろう。興奮しているらしい。まずは落ち着かせねばならない。
「師団長、大丈夫です。私はここにいます。帰りませんから、落ち着いて」
「……すまない、取り乱した。急いで追わないと貴様が帰ってしまうような気がした」
「師団長が帰るなと仰るのであれば帰りませんよ。急にどうなさったんですか?」
「……少佐」
「はい」
「私を抱いてくれ」
「え? ……抱く?」
 どういう意味だろうか。言われていることの意味がわからない。
取り敢えず抱き締めてみる。
「ええと、これでよろしいでしょうか、師団長」
「馬鹿者! 貴様、それでも男か!」
 怒鳴られた。何か間違ってしまったようだ。
482 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:32:14 ID:4B117Sd/
 しかし、これで間違いとなると、正解はあれしかない。
 だがあれはどう考えても正解では有り得ない。それとも本当にそうなのだろうか。
「……しかしですね、師団長。抱けと言われましても……」
「……ああ、もう!」
 師団長がいくつもの感情が炸裂したような叫びを上げた。
「単刀直入に言わないとわからないのか! だから、私が言っているのはだな、
私とその……セ、セックスを……して欲しいというかだな、その、えー……」
 言わんとしているところは理解できた。
「師団長」
 俺が呼びかけると、ぶつぶつと小声で何事かを呟いていた師団長の身体が
びくりと震え、何か恐ろしいものを見るような目で俺を見返してきた。
「師団長、大分酔っておられるようですね。冷たいシャワーでも浴びて
来られた方がよろしいのではありませ――」
「ああ、酔っ払っているとも! 素面でこんなことが言えるか!」
 私は最後まで言わせて貰えなかった。師団長が癇癪を起こした子供のように
怒鳴り散らした。
「酔っ払っているから言えるんだ! 私は貴様が好きなんだ!
女として貴様のことを愛している! そうだとも、酔っ払っているとも!
大体、何のために飲み慣れない、美味くもない酒なんかを飲んだと思っている!?
このためだ! 貴様に好きだと、愛していると、そう伝えるためだ!」
「師団長……」
 状況の激変についていけなかった。この状況の困難さと来たら、
かつて配属されていた大隊が軍団規模の敵軍に包囲されて孤立した時の比ではない。
「……少佐、これだけ言っても駄目なのか? 私を抱いてはくれないのか?
私を女として扱ってはくれないのか? 何だ? 何が必要なんだ?」
 常に他者を従わせるだけの権威に満ち溢れた師団長の凛とした声が、
今は非常に弱々しい、哀願するようなものに変貌していた。
「お願いだ、少佐、抱いてくれ。責任を取れなどとは言わない。
恋人にしろとも、愛人にしろとも言わない。ただ私のことを抱いてくれるだけでいい。
ただ、一晩、一晩だけ、一回だけでいいんだ。それだけでいいんだ。
それだけで、その一回の想い出だけで私は生きていける。諦められる。
キスなんかしてくれなくてもいい。
優しい愛撫もしてくれなくていい。抱きしめてくれなくてもいい。
ただ突っ込んで、性欲処理の道具に使ってくれるだけでいいんだ」
 哀願は次第に弱々しくなり、涙声に変わっていった。
「一回抱いてくれたら、もうそれで私は大人しく引き下がるから……
しつこく付き纏ったりしないから……貴様がそれを許してくれるのなら、
ただの上官と部下に戻るから……もしそれが鬱陶しければ、
望みの任地に異動できるように取り計らうから――勿論、私が去るのでもいい。
だから、だから、こんな年増女で申し訳ないが――」
「師団長!」
 聞くに堪えなかった。俺は師団長の身体を抱く腕に力を籠めた。
「少佐……?」
「師団長、師団長がそれほどまで私のことを想ってくださっているとは
露知らず、失礼なことを申し上げました。お詫び申し上げます」
「少佐が謝る必要など……!」
「師団長、実は他にもお詫びしなければならないことがあるのです」
「……そうか、やはり抱いてはくれないのだな」
 師団長がこの世の終わりを目にしたような絶望を顔に宿して呟いた。
「いいえ、違います、師団長! そうではありません!」
「……では、何を詫びると?」
「……私の臆病さをです」
483 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:32:37 ID:4B117Sd/
「何を言っている? 少佐、貴様は臆病者などではない。
貴様は私が知る限り、最も勇敢な将校だ。
前に求婚してきた十字章の英雄様とやらがいたが、
あんな奴よりも貴様の方が何百倍も何千倍も何万倍も勇敢だ」
「いいえ、違います、師団長。私は臆病者でした。怯懦の大罪を犯し続けてきました。
師団長、貴方にあんなことを言わせてしまった直後にこんなことを言うのは、
いかにも話が出来過ぎのように感じられるかもしれません。
ですが、これは紛れもない事実です。信じてください」
「私が貴様を疑うわけがないだろう」
「ありがとうございます。師団長、実は私も貴方のことを愛しています」
「何……も、もう一度! もう一度言ってくれ!」
「貴方を愛しています。貴方が連隊長であられた頃から――」
「そ、それなら、それならどうしてもっと早く言ってくれなかった!」
 愕然としたように師団長が叫んだ。
「……言えるものですか。私では貴方に釣り合いません。方や女性でありながら
将軍への道をひた走るエリート、方や退役間際のお情けで大佐に進級できるか
どうかも怪しい平凡な将校。到底釣り合いません」
「少佐、貴様はそんなくだらないことを気にして……」
「くだらなくなどありません、師団長。くだらなくなどないのです。
私には将来などろくなものではありません。しかし貴方には輝かしい将来があります。
私が貴方を得るということは、貴方の将来を潰すことと同義です」
「少佐、やはりくだらない理由ではないか」
 師団長はいかにも不満気に、仏頂面で言った。これは幕僚や隷属部隊の指揮官から
ろくでもない案を提出された時の表情だ。
「私がその程度の損得の計算もできない馬鹿女に見えるのか?
諸々、承知の上だ。貴様のいない未来など何の価値もないということくらい、
私には一瞬で理解できる」
 既に師団長の声と態度には自信と沈着さが戻っていた。
いつもの権威ある凛々しい女将軍が復活していた。これこそが俺の愛する人だ。
「いいか、もうこの際だから隠さずに言うぞ。
私は連隊長だった頃から貴様に惚れていたのだ。
正確な時期は知らない。気づいたら貴様を愛していたのだ」
 今、聞き捨てならないことを聞いた。
「し、師団長……それならば、それならば、貴方こそ言ってくださればよかったのに!」
「私が言っていたとしたら、私を受け容れてくれたのか?」
「当たり前です!」
「……あー、少佐、私の将来がどうとかいう話はどうなったのだ?」
「師団長、私は決して聖人君子ではありません。むしろ卑劣な男です。
貴方の方から将来を捨ててくださるのであれば、これ幸いとばかりに貴方を手に入れます」
 師団長は一瞬、目を丸くしたが、やがて気が抜けたように嘆息した。
「それならば、本当に、もっと早くに言っておけばよかった」
「そう、それです、師団長。師団長はなぜもっと早く言ってくださらなかったんです?」
「……それは、やはり我々は直属の上官と部下だから、上の者から言い出すのでは、
下の者が拒否しづらかろうと思ってだな……それに、歳の差のこともある。
やはり男というのは若い女の方が好みなのは言うまでもないだろうし、
自分よりも年上の女は恋愛の対象にならないとも聞いてな……」
「師団長、上下関係の件はごもっともですが……年齢の問題に関しては同意しかねます。
男が常に若い女を好むかと言えばそうとは限りませんし、
第一、歳の差と言っても、たかが三歳ではありませんか」
「その三歳が重要に思えたのだ、私には!」
 恥ずかしそうに師団長が俺の胸に顔を埋めた。表情を隠しているのだろうか。
484 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:33:25 ID:4B117Sd/
 俺は衝動に逆らえず、師団長の後頭部に手を添え、柔らかい髪を撫でた。
 驚いたように身体を硬直させる師団長に、俺はしみじみと述べた。
「しかし、本当に私達はくだらないことに拘っていたものですな。
しかも臆病でもありました。将校の資質として大胆さや勇敢さ、沈着さを挙げた
クラウゼヴィッツやモルトケが我々を見たら、将校としての良心があるのなら、
さっさと退役してしまえとお怒りになることでしょうね」
 俺の胸に頬を預けながら師団長が薄く微笑むのが見えた。美しい笑みだ。
「そうだな、少佐。私達は将校失格だった。
だが、もう大丈夫だ。私達は私達の臆病さを乗り越えた。そうだろう、少佐」
「はい、その通りです、師団長」
「それで、その、だな、少佐、ほら……」
 俺の胸に顔を埋めながら、師団長が何かを言い出そうとしている。
 しばらくぶつぶつと意味を為さない言葉の羅列を呟いていたが、
遂に諦めたようだった。
「少佐、わかるだろう、この状況に、あの状況だ」
 最後は消え入るような声だった。
「……女に、あまり恥を掻かせないでくれ」
「……師団長」
 俺は師団長の身体を引き離そうとした。
 師団長は駄々っ子のように抵抗し、しがみついてきた。
「嫌だ嫌だ! 離れたくない! 私を愛しているというのが嘘でないなら、
今すぐ抱いてくれ!」
「駄目です、師団長、それは駄目です」
「なぜ!?」
「率直に申し上げます。貴方は酔っ払いです。
そして私は酔っ払いの言葉は信用しないことにしています。
ですから、酔いが醒めて冷静になった貴方から、もう一度気持ちをお聞きしたいのです。
貴方を抱くのはそれからです」
「酔いならもう醒めた!」
「酔っ払いは皆そう言うのです」
「あっ……」
 俺は師団長を押しのけて立ち上がった。俺はこれでもかつては格闘徽章の取得を
目指したこともある身だ。小柄な女性から逃れるくらいはお手のものだ。
「酔いが醒めた頃……幸いにも明日は揃って休日ですから、
明日の朝にでも改めてお伺いすることにします」
 言うべきか言わざるべきか迷った挙句、付け加えた。
「その折には一日や二日では使い切れそうもないほど沢山ゴムを持参します」
「そ、そうか……それは、それは楽しみだ」
 師団長の表情が輝いた。どうやら失敗ではなかったようだ。
「では師団長、ヨハン・バウアー少佐はこれにて退出します」
 俺は俺にできる最も美しい敬礼を送った。
485 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:33:47 ID:4B117Sd/

      *     *     *

 翌〇八〇〇、俺は師団長の官舎を訪ねた。予告通り、極薄ゴムの入った箱を携えて。
 呼び鈴を鳴らすと人間が走るような音が聞こえ、それは急速に近づいてきた。
「少佐、遅かったな!」
 表情は払暁の太陽のように輝いていた。
「少々早いかと思ったのですが……」
「こんな時間では寝坊もいいところだ。私は〇六〇〇にはもう身体を磨いていたぞ!
さあ、早く上がってくれ!」
 師団長はまずリビングに俺を通し、例のソファに座らせた。
「ところで少佐……いや、その、貴様の、ああいや、き、君のことを、
名前で呼んでも構わないだろうか? ほ、ほら、何と言っても、私達は
これからそういう関係になるのだから……ああ、勿論、きさ――君が嫌だと言うのなら、
無理にとは言わないが……」
 俺は少女のようなその初々しい態度に微笑ましさを覚えながら頷いた。
「勿論です、師団長。どうぞ、ヨハンとお呼びください。
あ、ただし、それはプライベート限定でお願いします。公私の別はつけなければいけません」
「わかっている……それで、少――ヨハン、私が君をヨハンと呼ぶのだから、
君も私のことをアンジェリカと……できればアンと呼んではくれないだろうか」
 願ってもない要望である。
「勿論です、アン。ああ、貴方を愛称で呼ぶ日が来るとは夢にも思いませんでした!」
「それだ!」
 師団長――アンがきっと俺を睨みつけた。
「その堅苦しい言葉遣いは今後禁止だ! 私とプライベートな時間を過ごす時は、
ちゃんと相応の言葉を遣ってくれ。そうしてくれないと……寂しい」
「わ、わかりま――わかった、アン。すぐには治せそうにありま――ないが、
努力し――するよ」
「先は長そうだな」
 余程おかしかったのだろう。アンが微笑しながら俺に近寄ってきた。
「ところでヨハン。君はもう朝食を済ませてしまったか?」
「はい――あ、いえ、いや、もう済ませた」
 どうにも対等な言葉遣いというのは慣れない。やはり三年間の習慣というのは変えがたい。
「そうか……それは残念だ。今日は沢山身体を動かす予定だから、
体力のつく物を振る舞おうと思っていたのに」
「もしかして手料理を? それは惜しいことをした」
「平凡な家庭料理でよければ、いくらでも。差し当たり、昼と夜にでも御馳走するよ。明日もお互い休日だから、昼も夜もここで過ごしてくれるんだろう?」
「ああ、そのことなんです――だが、まだアンの気持ちを聞いていない」
 アンの顔に朱が走った。
「そ、そんな恥ずかしいことを言わせる気か! わかっているくせに……
察しろ、この馬鹿!」
 馬鹿と罵られるのがこれほど心地良いとは知らなかった。
「わた――俺はきちんと聞きたいんだ。ちなみに俺は君を愛している。
環境が整い次第、結婚したいと思うくらいに」
「わ、わた、私はだな……ああ、こんなこと、素面で言えるか……!」
「アン、君の気持ちを聞かないと不安で仕方がない」
 俺は笑いを堪えながら促した。
486 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:34:18 ID:4B117Sd/
「私だって……」
 アンは唇を尖らせた。
「私だって君を愛している。結婚したいくらいに……これでいいだろう!」
 苛立たしげに言うなり、アンは俺の胸に飛びついてきた。
顔を埋め、表情を隠してしまった。
「はい――ああ、満足したよ」
 俺は力一杯アンを抱き締めた。硬さと軟らかさを兼ね備えた不思議な感触が返ってきた。
短い髪の毛を撫でながら訊いた。
「君の方はもう朝食を?」
「まだだ。君と食べようと楽しみにしていた」
 作られた恨めしさと共に答えが返ってきた。
「昼と夜にそうすればいいで――いい」
 こんなやり取りすらも堪らなく楽しく愛おしい。
「なら、朝は私だけで食べよう。君はお預けだ……
その、君はシャワーでも浴びてくるといい」
 シャワーという単語がこれからのことをこれ以上ないほど端的に
予告している。否が応でも俺は昂ぶらずにいられなかった――まるで性欲が
有り余っていた中学生の頃に戻ったかのようだ。
「ではそうさせて貰いま――貰うよ。浴室はあちらだね?」
「ああ。ゆっくりしてきて構わない」
 官舎などというのは基本的には同じような構造をしているものだ。
一度でも官舎に住んだ経験があれば他の官舎の間取もある程度想像がつく。
「いや、楽しみで待ちきれないから、すぐに出てくるよ」

      *     *     *

 シャワーを浴びて身を清めた後、俺は腰にタオルを巻いただけでの状態で、
アンが浴室から戻ってくるのを待ち続けた。
彼女はもう一度、直前に身体を綺麗にすると言って聞かなかったのだ。
 血走った目をした半裸の男がベッドに腰掛け、
タオルの前を押し上げる股間の疼きを解放しようと手を伸ばしては、
すぐ後にもっと素晴らしい快楽があることを思って踏み留まる様は、
傍から見れば恐ろしいほど滑稽であったことだろう。
 俺が自慰の衝動と戦っている内に、本物の快楽をもたらしてくれる人が姿を現した。
 細い身体にぴっちりとバスタオルを巻いている。見えてはいけない部分どころか、
見えていても構わない部分まできっちりと覆っている。
キャミソールと同じかそれ以上の防護能力を有しているようだ。
 全身から立ち上る湯気が悩ましい。
 羞恥心か体温かによって紅潮した頬が初々しい。
 剥き出しになった肩や腕の火照りが艶かしい。
 バスタオルの上からでも起伏がわかるほどの胸元が神々しい。
「あ、あまりじろじろ見ないでくれ」
 アンが恥ずかしげに手で顔を覆った。
「これからもっとじろじろ見るんですから――だから、観念してくれ」
 私はゆっくりと近づき、アンの火照った肩を抱いた。
「は、恥ずかしいな、自分から言い出しておいて何だが……」
 照れ隠しだろうか、目を泳がせながら笑い、身を寄せてきた。
 それから、衝撃的な言葉を放った。
「その……この歳でそうなのはみっともないとは思うのだが……
あー、私は初めてなので、色々と配慮してくれると……非常に助かる」
「し、師団長、処女でいらっしゃったのですか!?」
 いけない。思わず二人の間の約束を忘れてしまった。
 しかし幸いにもアンはそのことには気づかなかったか、見逃してくれる気に
なったらしい。そのまま言い返してきた。
487 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:34:53 ID:4B117Sd/
「処女で悪いか! 仕方がないだろう、ずっと勉強と訓練しかしてこなかったのだから!」
 アンは泣きそうな顔で訴えかけてきた。余程鬱憤が溜まっていたのだろう。
「士官学校の数少ない女子枠に入るため!」
 今でこそ〈英雄アンジェリカ・モントゴメリー少将〉のおかげで多少は増えたが、
彼女の入校当時は男子定員二百名に対し女子五名という冗談のような比率だった。
「男子候補生に負けないため!」
 女子が男子に勝つことは難しい。学科と実技の双方で男子に負けまいとした
アンの場合は尚更だ。元々の身体能力で女子は男子に劣るから、それで男子に打ち勝つ
ためには数倍の鍛錬が必要となる。すると当然、学科に割ける時間が減るのだが、
学科で打ち勝つには相応の学習が必要となる。
 相互に削り合う二つの異なる学習を両立させるという矛盾を具現化させることに
成功した女子のみが男子に勝利し得るのであり、それはそれ以外の全てを犠牲にする
修羅道である。
「女だから駄目なのだと言わせないため!」
 少しでも失敗すればそれを口実に攻撃される。だからそれを防ぐためには、
全てにおいて完璧でいなければならなかった。
 そういう意味では、〈英雄モントゴメリー将軍〉とは皮肉な存在である。
周囲の圧力を受け、誰からも望まれなかったからこそ、
誰もが認める英雄に育つことができたのだから。
「私は何もかもを費やしてきた! 男と遊び回る暇などなかった!」
 そう叫ぶと、アンは俺に縋りついてきて、弱々しく語った。
「だから、私は軍務のことしかわからない、つまらない女だ。
流行りの服も化粧のやり方もろくに知らない。
本当に、それでも私のことを愛してくれるだろうか……
いや、君が望むなら全部覚える。だから、見捨てないで欲しい」
「馬鹿なことを言わないでくれ。俺は君が処女でいてくれたのが凄く嬉しい。
口でどれだけ取り繕っても、結局、男は自分の女を独占したがるものだ。
現在や未来どころか、取り返しのつかない過去までも。
それに、遊び回ることや化粧や流行りの服のことしか知らない馬鹿女より、
俺は君みたいな人の方が何千倍も何万倍も好きだ。
変に変わろうとしたりしないで、そのままの君でいて欲しい」
「……ありがとう、ヨハン」
 強く抱きついてきたアンは、そこで何か違和感を覚えたように下を見た。
その視線は私の股間付近に向いている。
「い、今のが……男性器か」
 タオルの突出部を眺め、気圧された風に呟いた。
「こ、こんなに大きいのか……入るのか……?」
「赤ん坊はもっと大きいよ。さあ、行こう」
 俺はアンを抱き上げ、ベッドに運んだ。
「見せてくれ」
 仰向けに寝かせたアンの身体に巻かれたバスタオルの合わせ目に
手を差し込み、彼女が頷くのを確認した上で、ゆっくりと開いた。
 神々しい裸身が露わになった。
 思わず感嘆の溜息を洩らしてしまった。
488 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:35:15 ID:4B117Sd/
「……どうだろう、みっともなくないだろうか」
 手で股間と乳房を隠しながら、潤んだ瞳で不安げに問いかけてきた。
「手をどかしてくれないと何とも言えないな」
「い、意地悪な奴だな、君は!」
 俺を睨みつけてきたが、微笑みながら無言で待ち続けてやると、
根負けしたらしく、躊躇いがちに手をそれぞれの部位から離した。
 胸や股間を隠していた手は、そのまま彼女の顔へと移り、その表情を
覆い隠した。
 女神のような身体だった。それもウェヌスのような軟弱な女神ではない。
ここにいるのはアテナだ。女としての美しさを損なわない形で全身に
筋肉がついており、贅肉と言えるものはその豊かな胸にしかついていない。
むちむちとした腿から臀部にかけてはほとんど筋肉だろう。
 日頃の節制の賜物か、肌は茹で卵を思わせる艶と光沢があった。
 年齢の問題か体質の問題か、桜色の乳首とは流石にいかなかったが、
俺の目にはむしろ程好い色合いに見えるし、妙な厭らしさがあっていい。
乳首と同系統の色をした乳輪はやや大きめだったが、これは胸の大きさに
引き摺られてのことだろう。この方が全体の均整が取れていていい。
 視線を胸から下ろしていくと、微かに割れた腹筋と、形の良い臍が見え、
やがて茂みに到る。茂み自体は体質と手入れの双方に成果だろう、淡い草原が
あるだけだが、脚をぴっちりと閉じてしまっているため、肝心の部分は確認できない。
「……もういいだろう!」
 無言で見惚れていると、遂に耐えかねたのか、アンが胎児のように身体を丸めてしまった。
「ああ、凄くいい身体だ。綺麗だ」
 俺はその上に極力圧迫感を与えないよう注意しながら覆い被さった。
 怯えたように身体を震わせるアンを優しく抱き締め、ゆっくりと肌を触れ合わせた。
 互いの体温を共有するように、ただ身体から力を抜いてお互いの肌を押しつけ合い、
アンの身体の強張りが抜けてきた頃を見計らった上で、軽い愛撫を始めた。
「今日は俺が君の身体を目覚めさせるから、君はただ自分が気持良くなれるように
していればいい」
 緊張がほぐれたら、まずは唇からだ。女はキスを大事にする傾向にある。
気持ちを確認した段階でこうしなかったのはもしかすると失敗だったかもしれない。
 ゆっくりと顔を近づけていくと、意図を悟ってくれたようで、アンはこちらが
何も言わずとも自然に目を閉じ、唇を心持ち突き出してきた。
 始めは唇と唇を軽く触れ合わせただけだが、それを何度も繰り返していき、
少しずつ濃厚なキスへと移行していく。
489 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:35:38 ID:4B117Sd/
 空気を求めるように唇が僅かに開いた瞬間、俺は舌先をそこに潜り込ませた。
 咄嗟に噛み締めたのであろう前歯の壁が俺の舌先を阻むが、その壁を執拗に
舌先でねぶる内、唇に次ぐ第二の防壁も開かれ、その奥に潜む舌への道が現れた。
 口の奥へ奥へと舌を潜り込ませていくと、いよいよ本命の舌に行き当たった。
ぬるぬるとした液にまみれた温かい肉の塊がおずおずとこちらの舌先に触れてきた。
繋がった口の中では湿った音が脳まで反響し合い、唇の隙間からは唾液と共に
鼻にかかったような声が漏れ出る。
 活発に動いたのは口や舌だけではない。並行して、アンは恐らく本能的に、
俺は計画的に、身体を相手に押しつけ、脚を絡め、手で相手を撫で回した。
 手当たり次第に触れてくるアンの身体を、俺は順を追って、段階的に責めた。
 胸や股間、尻といった性的な意味を強く認識させるような部分を極力避け、
頬や首筋、肩や腕、手、脇腹といった一見すると性的な印象の薄い部位を責めていく。
頬を撫で、首筋に指先を走らせ、肩に手を置き、腕を掴み、手を握り、脇腹をつつき、
快感とこそばゆさの境目付近にアンを彷徨わせる。
 それを続けていくと、始めはどこか笑いを含んだ嬌声だったものが、
いつの間にかしっとりと湿った女の声に変わり始めていた。
この時点では既に身体を晒し、触れさせることへの抵抗感は大分薄れてきており、
いよいよ本格的な攻撃を始められるようになった。
 キスを続ける傍ら、まずは確かな筋肉に支えられた形の良い乳房に手を置いた。
熱い肉の塊を掌が覆った瞬間、我に返ったようにアンの身体が強張ったが、
体温を擦り込むような微妙な動きで微弱な刺激を与えていくと、
また元のリラックス状態に戻り、より大きな刺激を受け容れる態勢が整った。
 その状態でもいきなり最先端を責めるようなことはしない。
まずは外堀からじっくりと埋めていく。乳房全体を優しく揉みしだき、徐々に徐々に
刺激の深さと広さを上げていき、全体が満遍なくほぐれたところで、一気に弱点を
急襲する。膨らんだ乳首を摘み、捻り、引っ張り、それと並行しつつ、身体の位置を
下半身へとずらしていく。首筋を舐め、胸元に舌を這わせ、そのまま乳房のやや色素の
沈着した先端部分を唇で刺激し、前歯で挟み、舌先で転がす。
 アンが自ら求めて俺の頭を胸へと押しつけるようになるまで丹念に責めを繰り返し、
胸への刺激が充分なものとなってからは、乳首から臍へと蛞蝓のように舌を滑らせ、
くすぐるように臍を舌先で穿ってから、最後の関門へとゆっくりと責め寄せる。
 両脚は大きく開かれており、そこを隠し、守るものなど最早存在していない。
散々な愛撫が身体から力を奪い、女の最も重要な部位を暴露させた。
 そこは乳首と同程度の色素沈着が見られるが、
白濁した愛液を垂らす未通のそこの形は少女のように綺麗に整っていた。
これからこの端整な門をこじ開け、蹂躙し、歪めるのだと思うと興奮が鎮まらず、
むしろ増していくばかりだった。
490 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:36:00 ID:4B117Sd/
 開脚させた股間に顔を近づけて注視していることに気づいたのか、
アンの腰が逃げようとするかのようにくねり出した。
 押さえつけると泣きそうな声で言った。
「……恥ずかしいからあまり見ないでくれ」
 陰部を男にまじまじと観察されるというのは、処女にとっては苛酷な経験だろう。
本当はここも入念に責めておきたいが、今回はここへの責めは陰茎だけで
済ませることにする。初体験はなるべく負担の少ない形で済ませてやりたいし、
第一、俺自身がそろそろ我慢の限界に近い。まだ腰に巻いたままのタオル生地には既に
先走りの沁みができているし、興奮し過ぎたせいか、陰茎の先の方には
最早感覚らしい感覚がなく、ただ痺れるような灼熱感があるのみだった。
「アン、そろそろ入れるが、心の準備はいいか?」
 もう一度覆い被さり、キスをするその合間に確認を取った。
「やってくれ……」
 心の準備ができたらしい。私は乱暴に股間のタオルを剥ぎ取り、いそいそとゴムを
装着した。
 本当は見せたり触らせたり焦らしたりといったことをしたくて堪らないのだが、
最初の内はとにかくアンにはセックスという行為に慣れて貰うことを優先すべきだ。
そのためにも、まずは身体を繋げることが最優先だ。不安を与えることになりかねない
行為は厳に慎まねばならない。
 物欲しそうに涎を垂らしてひくつく穴に先端を押し当てた。
 その瞬間、異物が侵入を試みていることを察知したようで、アンの腰が跳ね、
身体がびくりと震えた。覆い被さって逃げることも脚を閉じることもできないようにし、
狭い穴を押し拡げるようにして先端を押し込んでいくと、快感を通り越して苦痛を
もたらすほどの強烈な締め付けが襲い掛かってきた。
 これはただの処女ではない。三十余年の歳月を守り通してきたことで凝り固まり、
十代の若々しく柔軟な肉とは比較にならないほどの堅固さを発揮するに到った、
難攻不落の城門だ。
 俺が呻くと同時に、アンの口から苦悶の声が漏れた。
 しかしアンは決して逃れようとも押しのけようともしない。ただ俺の背に腕を、
腰に脚を絡めてしがみつき、引き寄せようとするのみだ。
 腰を沈めていくにつれて苦痛の声が高まり、声が高まるにつれてしがみつき、
引き寄せる手足の力が強まった。
 本当に肉を引き裂いているかのような錯覚すら伴う侵攻を重ねていく内、
遂にアンの門は俺の主力を余さず飲み込むに到った。
「全部入ったぞ」
 アンには答える余裕などなさそうだった。息絶え絶えといった様子で微かに頷くのみだ。
 アンの中は握り潰すように俺を締め付けてきた。
そこには処女を奪ったという精神的快楽以外の快楽は存在しなかった。
陰茎全体が鬱血し、時間が経てば壊死してしまいそうな、鈍い痛みが股間を覆っている。
 落ち着くまでしばらく待つ、などという真似はできそうもない。
多少なりとも動かしていないと冗談ではなく腐って落ちてしまいかねない。
491 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:36:22 ID:4B117Sd/
「ゆっくりと動かすぞ」
 なるべく接触面に摩擦が起こらないよう配慮しつつ、深く押し込んだまま、
腰を少しずつくねらせた。動きが生まれたことで多少は血流も楽になり、
食い千切られそうな締め付けから快楽を得る余裕も生まれた。
 十分ほどもその状態が続き、いい加減に腰が痛くなってきた頃になってようやく、
アンの苦しげな吐息に鼻にかかった濡れた響きが混ざり、締め付けが食い千切る類の
ものから噛み締めて味わう類のものへと変化していった。
 遂に互いに快楽を得る段階に入ったのだ。
 だがその段階は長続きしなかった。散々苦しんだ俺の陰茎は既に限界に達していたからだ。
 相手が処女であることを思えば俺一人だけが達してしまうのも仕方のないことだが、
なるべく大きな快楽を与えてやりたいと思うのが人情である。
 既に限界が近づいているため、手段を選んではいられない。
俺はキスで急き立てる一方、こっそりと陰核へと指を伸ばし、苦痛と快楽の境界線上を
彷徨うやや強めの刺激を与え、絶頂へと追い立てた。
 これらの試みが功を奏し、俺達は奇跡的に、ほぼ同じタイミングで達することができた。
 絶頂の収縮運動によって波打つ肉襞が一際強く陰茎を噛み締め、その刺激に促されて、
俺はほとんど存在しないも同然の薄いゴムの膜の中に溜めに溜めた精液を吐き出した。
 最後の一滴まで絞り取ろうとする肉襞の収縮と、
最後の一滴まで絞り出そうとする陰茎の収縮とが
相乗作用で互いに深くゆったりとした快楽をもたらし、
俺達は半ば夢見心地の状態で互いに互いの身体を委ねたまま、
骨抜きになった身体で抱き締め合った。

      *     *     *

 俺の腕を枕にして寝そべり、身体をくっつけ、アンは満足気な笑みを浮かべている。
 その様子を幸せな気分で眺めながらも、俺にはどうにも心に引っかかることがあった。
「アン、訊きたいことがあるんだ」
「何かな」
「昨日、課業が終わった時、俺が君に何か悩みがあるんじゃないかと訊いただろう?」
「ああ、あの時は困ったが、振り返ってみると、あれがあったから今の幸せがあるんだな」
 うっとりとした表情で私の胸板にキスをしてきた。
「キスマークはつけないでくれよ」
「わかっている。私もその点はわきまえているよ。それで訊きたいことというのは?」
「悩みは結局何だったんだ? 察するに誕生日が絡んでいるようだが……」
「ああ、あれか……笑わないでくれると約束するのなら話す」
「笑わないと言ったよ、あの時も」
「……三十二歳の誕生日を迎えても処女のまま、しかもろくに男と遊んだこともない。
そういう自分に気づいて、憂鬱になっていたんだ。
このまま女としての喜びを味わうこともなく女としての魅力を失くしていくのか、
つまらない女はもっとつまらない女になっていくしかないのか。
そんなことを考えていたら、とてもとても悲しく、情けなくなったんだ」
 寄せられていた肉体が、更に強く押し付けられてきた。
 俺はそのか細い身体を強く抱き寄せた。
「だが、もうその惨めさともお別れだ。何せ、君が何もかも教えてくれるんだから。
女の喜びも、遊びも……それに、女の魅力の方も君好みに磨き上げてくれるんだろう?
……ちゃんと君好みの女になるから、末長く私の傍にいて欲しい」
 アンは恥ずかしげにそう言って、俺の顔に小鳥のようなキスを繰り返した。
492 ◆iQ7ROqrUTo :2009/04/12(日) 10:36:45 ID:4B117Sd/
投下終了。

ノシ
493名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 11:01:19 ID:+Kl9gHOD
GGGGGJ!!!
師団長カワイイよ師団長。
色々冷静すぎるヨハンが見ていて面白かった。

いいカップルだな。末永くお幸せに。
494名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 11:33:08 ID:J/PoGLIK
>492
師団長のめんこさに萌えた。ヨハンがうらやましいな。うん。
歳の差+3歳くらい余裕ですよ。うんうん。

まことにGJでございました。
495名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 12:14:19 ID:j7O5Myz+
おおもう・・・少将かわいいよ少将
496名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 22:07:48 ID:7nR6ohzw
投下来ましたー!うぉぉ良作来た!GJ!!!!!
497名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 22:02:14 ID:QlP/ZPum
軍人、傭兵とくれば、民間軍事会社の社員もOKかな?
…ネタはまったく浮かばないけど。
498名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 22:30:42 ID:0BxDMdsB
ウサギの社員がラクダのテロリストとえっちらおっちらですね、わかります
499名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 00:03:51 ID:nfHgXQW6
PMCの男と雇い主の令嬢
民兵上がりの傭兵と正規兵とか
そういうネタをふってみた。
500名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 10:30:11 ID:8RsR4Ler
読みたい
501名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 02:28:33 ID:LdgNEmen
適正な位置に受け手がいるのを確認し、ブームを伸ばす。
非常に神経を使う作業で、無理な機動を行えばすぐにブームを痛める。
監視任務はまだ続くので給油が不可欠である。
東西冷戦下の戦略パトロールのB-52乗員よりはまだ余裕がある。
白い蛋白燃料が注入される
余暇の給油活動が終わり、ブームを引き抜き、監視活動に戻る。
後はこの受け手が回復するのを待つばかりだ。 
502名無しさん@ピンキー:2009/04/26(日) 21:55:26 ID:azYIGT4S
保守
503名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 01:39:46 ID:uChMGeG5
>>501 ベトナム戦で空中給油口の穴にアソコの絵を描いたノーズアートつきの飛行機あったよな
504名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 00:00:00 ID:4qhMOpbN
女性保護団体に苦情言われそうだな…

給油プローブに色塗ってアレみたいにしてみたら…
ドローグに挿入する様が何ともいえないな。
505名無しさん@ピンキー:2009/05/01(金) 01:56:58 ID:PhJCxUH1
>>504

それを実際にやったりウンコ入り便器をベトコンの頭に降らせるのがアメリカ人くぉりてぃ
506名無しさん@ピンキー:2009/05/02(土) 11:52:41 ID:WatXidxh
ベトコンネタで一つ
フランス植民地→旧日本軍→フランス軍→南ベトナム政府軍・
アメリカ・韓国軍と戦ったホーおじさんはスゴイ。
初期ベトコンの戦士はかなり絶望的な戦況だと実感。
ゲリラだから給料なし、武器は貧弱、捕まったら虫けらみたいに
殺されるし、負傷したら終わりじゃね?って感じだ。
507戦車兵:2009/05/02(土) 13:50:48 ID:fgzsbhlx
短編前編
ファイアーフライ
大尉の妹
エロ少なめ


私の名前はシュルフィーナ=グリンデ。
戦車の砲手を務めている、女性戦車兵だ。
戦争の長期化で人材が不足している為、
今や男も女も関係なく戦地で戦っている。
小さい頃に養子に出された私の故郷は『帝国』。
元々、それなりに大きかった国だけど、一部のおかしな人達が国を牛耳ってから
私の故郷はしだいに狂い始め、気付いた頃には周辺諸国を飲み込み『帝国』と称していた。
それ以来、戦乱という魔の手を大陸全土に広げていった。
それを見過ごしてはいられない。
私の義父さんは軍の高官であり、その娘が戦わないのはおかしな話だ。
お手伝いさんの中には子供達を全員、戦地に送り出した人もいるのに。
義父さんと義母さんには『戦争になんか行かせない』と猛烈な反対を受けたけど
その反対を押し切り、私は志願した。
……本当は小さい頃、微かに記憶に残っている姉さんに会いたい。
姉さんはグリンデ本家の長女として『帝国』にいる。
養子に出されてから会った事はないけど…きっと無事だ。
私はそう信じている。


『………これは酷いですね』
操縦手のメアリー=ポートが言った。私より1つ下の21歳の女性兵士だ。
年が近いせいか何かと話が合う。もともとは紡績工場で働いていたらしいが、
空襲で父親をなくし、母親と姉妹を養う為に軍に入ったらしい。
『…全滅ですか』
これは装填手のトウマ=ロレンス=タナベ。こちらは26歳。
祖先が極東の国から移住してきたらしく私達とは顔つきが少し違う。
黒い瞳に黒い髪。彼の祖先の国は帝国軍と同盟を結んでいる、心境は複雑だろう。
『いくら装甲が紙みたいな戦車でも10両はいたのに…
中尉、ロイヤルでも出てきたんでしょうか?』
無線手のウェンリア=ディードマン。この戦車で一番年下の18歳の女性兵士。
この戦争初期に帝国に併合されてしまった小国の元・貴族令嬢様だ。
私も一応はグリンデ家の分家なワケで貴族…という事になるのかもしれない。
この戦車のコールネームが『ティンカーベル』なことから
ついたあだ名が『ウェンディ』
『ふむロイヤルだったら厄介だな……ウェンディ、司令部を』
『はい……繋がりました、どうぞ』
『こちらティンカーベル、ネバーランド応答せよ』
最後に戦車長のアルフレッド=ダイモン中尉。
元々は灼熱の大陸で帝国軍と戦っていたらしいけど、
帝都侵攻作戦の為に転属させられたらしい。
戦歴は素晴らしく、もっと厳格な人かと思ったけど、
私達に対して気さくに話しかけてくれた。
顎を覆う髭がとってもダンディなナイスミドル。
年齢は不詳、戦地なのに髭の手入れは欠かさない。
508戦車兵:2009/05/02(土) 13:51:51 ID:fgzsbhlx
『こちらネバーランド、先遣隊の状況は?』
『先遣隊の戦車は絶望的。生存者からの情報によると
敵は1両だったと言っている』
先遣隊が敵と交戦し、最後の通信を残して4日が過ぎた。
大隊の移動に手間取り、やっとの事で現地に到着した私達が
見たのは無惨な戦車の残骸。
ハーフトラックに至っては榴弾で引き裂かれたように破壊されている。
たった1両でここまで的確な射撃はできるものなのだろうか?
『1両?』
『森の中に後退する帝国戦車をその兵が目撃したそうだ。』
『了解……第3小隊は明朝0600、歩兵中隊と共に10キロ進出せよ。』
『10キロ……西にか?』
『東だ。』
『他の部隊は?』
『帝国の反撃は潰したが、こちらの損害も多い。その影響で各師団の再編に
手間取っている。大隊も補給が遅れ、他の戦車隊は橋の確保で動かせん。』
『……たった6両で偵察か』
『明日は空軍の定期便が援護につく。以上、交信終了。』
……車内無線に響く中尉のため息。これは悪いニュースがある時だ。
『あー、あまり気の進まん任務だ。我々、第3小隊は明朝0600に歩兵中隊と共に
10qほど進出する。偵察任務だ。』
車内に無言の落胆が広がる。この戦車は偵察任務に適していない。
搭載している戦車砲は連合軍の中で唯一帝国戦車を撃破できる戦車砲だが
車体は同盟国の歩兵支援戦車のモノで、敵戦車の砲の前では装甲は『紙』であり、
なお且つこの目立つ長砲身は『長鼻』と呼ばれ、帝国軍の第一撃破目標とされている。
そのために本来は後方にいて『お呼び』が掛かったら現場に出て行く戦車なのだ。
そうでなければ待ち伏せしかない。現在の連合軍には帝国戦車とのガチの撃ち合いで
勝てる戦車など存在しない。5〜6両やられても数で押し、
空軍の支援やコイツで撃破するというのが常套手段だ。
それでも別の戦場ではたった1両の帝国主力戦車によって
同盟軍の戦車大隊の進撃が遅れたという噂がある。
事実、我が軍でもたった1両の重戦車にコテンパンにやられた部隊もある。
帝国戦車は規格外に強くて、優秀な戦車兵が多いのだ。
509戦車兵:2009/05/02(土) 13:55:27 ID:fgzsbhlx
「あーまず…代用コーヒーってまずい」
「チョコレートも大味で甘すぎです…
こんなの食べてたら味覚がおかしくなりますよ」
夕方、連合軍の救援隊が到着し、救護所が設置された。
この時期は帝国軍もかなり弱体化し、こんな場所に救護所を作っても問題はなかった。
戦闘があったのは4日前、とうの昔に帝国軍は引き払って後退中だろう。
戦車の横で弾薬の空き箱に座り、私達は給与されたレーションと
代用コーヒーで夕食を取っていた。車外で食べる食事は久しぶりだ。
が、総じて不味い。基地で食べる暖かい食事と紅茶が恋しい。
そして私達を見る歩兵連中の視線が痛い。
ウチの戦車の男女比率は男2人に女が3人、むさ苦しくはないが
それでもやはりニオイはつく。シラミが発生しないだけでもよしとしよう。
「一昨日も昨日も今日もランチョンミート……フィーナ先輩、そっち
のソーセージ&ビーンズと代えてくれませんか?」
これはメアリー。階級は共に軍曹なのだが私が年上という事で
彼女は私のことを先輩と呼ぶ。
「それ不味いからイヤよ。くじ引きで決めたんだから、恨むんなら
ツキの無さを恨みなさい。あーソーセージ美味しィ♪」
実際の所は単なる塩辛いソーセージとドロドロの豆煮だが、ランチョンミートよりはマシだ。
「パンじゃなくて米食いてぇなぁ……」
パサパサのパンを囓りながらトウマが言った。
「准尉、オートミールならありますよ」
ウェンディがオートミールの缶詰を勧めた。
「……穀物粥じゃねぇよ…米の事だ。」
トウマの故郷の主食なのだろう。私達の味覚とは若干異なる彼も
連合軍の食事には辟易していた。
「ライス?シラミですか?」
「違う!米だ!つづりはR・I・C・E!お前が言ってるのはL・I・C・Eの方だろ!」
「虫を食べるんですかぁ…極東は文化も違いますからね。」
笑ってニッコリなウェンディ。イヤミでなく純粋にそう思っているだけにトウマも
怒るに怒れない。さすが元・貴族の令嬢様だ。
「もういい。ウェンディ、お前はKレーションでも食ってろ」
プイっとそっぽを向くトウマ。
「同盟軍空挺部隊のKレーションは食べ物ではないですね。
空挺隊の人達はタバコだけ抜き取って中身は川に流してましたから。」
「同盟国産恐怖のKレーション…あんなものまで給与された私達って一体?」
「砂漠でも俺達はお荷物扱いされてたからなぁ……」
とこれは中尉。そんな話をしながら夜は更けていった。
歩哨は歩兵に任せて、テントで眠る私達。もちろん男女は別々だ。
深夜にふと目が覚めた…横に寝てたはずのウェンディがいない。
メアリーは相変わらず毛布を被って何やら寝言を言っている。きっと
国に残してきた家族の夢でも見ているんだろう。
トイレに行きがてら探すか…と思い、メアリーを起こさないように
私は起きあがった。歩兵の歩哨がいるのでまず脱走はないだろう。
きっとウェンディもトイレなんだろうなぁ…
と寝ぼけ眼で私はテントの外に出た。
510戦車兵:2009/05/02(土) 13:56:03 ID:fgzsbhlx
愛車のティンカーヴェルの前を通り、森の中に入り、
適当な茂みの中に屈んだ。小の方でも
薬莢の中にするのは未だに慣れない…女性の比率が
高くても慣れないのはきっと性格なんだろうなぁ…と
そんな事を思って、用を足し終えた私…すると
「は……あ…はぅ…あん…ん…中尉…」
「ああ…ウェンディ……くッ…」
茂みの向こうから声がする。
………え、えーと…こ、これって…ま、まさか?
私はそーっと茂みの向こうを覗いてみた。
中尉とウェンディが薄暗い森でヤっている。
中尉はズボンだけ脱ぎ、背後からウェンディ覆い被さっていた。
ウェンディは木の幹に押しつけられるような格好のまま、
シャツをずらして胸を露出させ、お尻を突き出している。
「ん…もっと、もっと私…つ、んあはっ……」
「ウェンディ……ウェンディ…」
ズンッと背後から力強く、腰を突き出す中尉。
それに呼応しぷるんっと震えるウェンディの色白な胸とお尻。
そして中尉はすぐに腰を引き、直後に力一杯叩きつける。
「んはぁ…中尉…もっと…触っ……ひいん!」
「ああ、あぁ…気持ち…いい締まりだ…くっ……」
中尉の力強い突きの度に身悶え、くぐもった声を上げるウェンディ。
「あはッ!…もっと、もっと突いて、突いて下さい…あう…んん」
引いては突き、引いては突きの繰り返し、中尉はその合間にウェンディの
胸に手をやり揉みこねる。着やせするタイプなのか?
ウェンディの胸は結構、大きい。
あ…ヤ、ヤバイ……目の前で盛られて…私の方も何だか…その
ムズムズしてきた…最近は自分でもシテないからなぁ…。

続くかも。

何となく思いついたネタ。
姉妹を助けた大尉の場面でチラっと触れた大尉の妹話です。

以前に大尉の外伝書いてくれた方々、ありがとうございました
511名無しさん@ピンキー:2009/05/03(日) 13:24:44 ID:PF2AjQtj
GJ!!こういう話大好きだwww
512名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 14:46:56 ID:qHqMBcZz
板違いだけどよさげなやつ見つけたので以下紹介
513名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 14:47:45 ID:qHqMBcZz
  メタルギアオンライン G・Gマップ

ホートン曹長 第75連隊に配属されたPMC SVDと共にG・G防衛にあたっている
ハッツ少尉  第75連隊の正規軍 一応ホートンの上官 訳ありホートンの手足となって働かされている


「レッドリーダーよりレッドチップ1 応答せよ 状況はどうだ」
この日何度かめの定時連絡がヘッドセットから流れた。
「こちらレッドチップ1 異常なし」
SVDのスコープから目を離さず返事を返す。
「レッドリーダー了解 そのまま監視を続けろ」
型どおりのやり取り 再び沈黙するヘッドセット。

乾いた風が通り過ぎる 何も動く物も物音さえしない。

ため息をつきつつ スコープから目を離す 眼下には本当の地名もここで働いていた人達も忘れ去られた工場が広がっていた。
ただそこに工場が在るというだけで 軍上層部は軍を出動し 作戦区域「グロズニィ グラード」 通称G・G占領した。
が、 敵 上層部も考えは同じらしく 軍を派遣 工場をとりつとられつの陣地取りゲームを続けた。

そして何度かめの取り合いをすえ 両軍上層部は正規軍とPMCの混成軍にG・Gの攻略させることに ほぼ同時期に決定した。
つまり 正規軍を投入する余裕がなくなったのだ。正規軍と混成になったのは 単に面子を保ちたいだけなのだろう。
そんなことで PMCの何社かが名乗りを上げ一番安い値段をつけた会社が俺たちを送り込んだ。
安い値段 安い命の取り合い 国を豊かにするためと言い 兵を送り込む
本当に豊かにするのなら技術者 労働者を送り込めばいい 生み出した富は公平に分ければいいのだ 何を争う必要がある。
大学を中退し世界を旅し 傭兵崩れにになった俺が 子供に語る夢物語考えつつ作戦に参加したのが2ヶ月前。
数度の攻撃により占領したが最初の2週間は激しい反撃にさらされた。
何とかしのいで ここ一ヶ月は膠着状態だったのだが 敵が機械化歩兵を投入したと情報が入ったのと時同じくして頻繁に斥候が送り込まれてくる

 このまま黙って殺れるわけにはいかない 有利な状況で敵を迎え撃とうと作戦が練られ、安直に待ち伏せとなった。
俺はタワーの上から正規兵の一人と共に陣取り監視の毎日・・・
514名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 14:48:29 ID:qHqMBcZz
「ふぅ・・・・」
また ため息をつき タワーにもたれて座りSOPリンクする。
離れた場所に各隊員が持ち場に着き 息を殺して監視を続けているのが
体内のナノマシンによって視覚化された情報浮かび上がらせる。
俺は訓練キャンプ時代からの戦友 ワニ男にボイスチャットで呼びかけた。
「おい そっちの様子はどうだ? なにか暇つぶしできる物でもあるか?」
「・・・・・・」
「おい! レッドチップ3 応答せよ どうしたやられたのか!」
おれは 青ざめた まさか敵襲 ふざけたワニの被り物しているとはいえ スタンナイフとMk2のみで戦場を渡ってきた兵士だ
声も立てずに殺されるなんて 伝説の傭兵 スネークでも潜入してきたのか!?
もう一度レッドチップ3を呼び出すため ヘッドセットを耳に押し当てる かすかにワニ男の声が聞こえる
「うひょう おおおお くっくっくっ おおお」

・・・・・こいつエロ本読んでやがる ヘッドセットを投げつけたく気分を抑えながら空を仰ぎ見る。
(まったく、、)
ハイドロレーション システムのストローを口にくわえ水を一口飲む。
タワーの角から正規軍のユニフォームの少尉がひょっこり顔を出す。
「どうしました 曹長」
「いやなんでもない ハッツ少尉」
上官に尊大な言い方だが これにはいろいろ紆余曲折がある それについてはまた語られることもあるだろう。
「はぁ?」
不思議そうな表情を浮かべながら また双眼鏡に目を戻し監視を続ける。

 少尉の後姿を見ながらまた無意味にリンクしてみる。
リンクすると女性特有のすらりとした手足 張り出した胸きゅっとしまった腰と小尻が
シルエットとなって現れた。
女性仕官 しかも上官をたっぷりかわいがってきた事を思い出す。
(いかん 励起してきた)
股間のバレルがインチを着実に伸ばし獲物を求めて存在を誇示しはじめる。
515名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 14:48:55 ID:qHqMBcZz
こうなると収まりがつかん。 少尉のお尻とバレルを交互に見比べ そっと少尉の後ろに忍び寄る
チェスとの間に手を差し入れタクティカルジャケットの上からでもわかる ボリュームある乳房をもみしだく。
「あっ 曹長 ダメっ」
驚いた表情で俺の腕の中でジタバタともがく そんな抵抗などお構いなしに あぐらをかきその上に少尉を
強引に引き込み首筋にキスをする。
「少尉 相手しろ」
「あ ああ あぁ まって まって あん」
びくびくと体を震わせ快楽に抵抗する 乳房も快楽に反応して両手のひらに硬くなった乳首の存在を教える。
「ダっメぇっ ダメですっ、、 今監視任務中です。 あっあっ ひっぱちゃダメ やっ 押すのもだめですっ」
腕の中で呼吸を乱しかすかな抵抗を続ける少尉。それでも双眼鏡を手放さないのは流石だ。
その反応がオレの嗜虐心を刺激して さらに乳房を両手でもてあそぶ。
「わかりました、わかりましたから はんっ ああ でもっ あっ装備外すの大変だし あっ 監視任務中だから
 お口でお相手します それで我慢してください。」
「しょうがないな しっかり奉仕しろよ」
少尉を解放し前に立つ。
奉仕に期待したバレルがズボンを破らんとばかりに持ち上がる。
しかたないといった表情の少尉はヘルメットを脱ぎ俺の前に跪いた。
細い指でベルトを緩めズボンのホックを外しトランクスの中からバレルを取り出す。
日の下に晒され 黒く脈打つバレル そっと手を添え おずおずと顔を近づける。
「では 失礼します・・。」


ふぅと吐息を噴きかけバレルの砲身に舌を這わせる。裏筋アイアンサイトの筋を
掘り出すかのようにチロチロと行き来し くちゅと砲口をくわえた。
舌でバレルを丹念に嘗め回し砲口の入り口を丹念に刺激する。右手でゆっくりとバレルを上下にすりあげ
手の動きにあわせて顔をゆるゆると動かし 喉の奥へ奥へとバレルを導く
口をすぼめ吸い上げる。 グチュグチュと卑猥な音を立てて少尉の口から出入りするバレル。
おれに見せ付けるかのようにゆっくり引き出し下の上で転がす。
「くっいいぞ その調子だ」
甘栗色のまとめた髪をぐっと引き寄せのどの奥をつく
「うぐ うあ ああ むぅ」
むせ返り苦しげな息を吐きバレルから逃れる少尉。
しかし!エネミーエクスポジャー発動!逃げる口をSOP情報として読み取り先回りして ちゅぽんとHSを決める。
(実際の製品のスキルとは若干異なります)
両手でしっかり頭を押さえ腰をふり口内の粘膜を味わう
516名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 14:49:26 ID:qHqMBcZz
逃げることを諦めたのか、なすがままの少尉 口を攻め続けるバレルと砲口からほとばしる先走り汁。
少尉の口の端からよだれと先走り汁がポタポタとこぼれ落ち地面にしみを作る。
舌全体でバレルを包み込み しゃぶり喉の奥で受け止める少尉。
苦しさを紛らわすかのように 両手が何かをつかむように動き空を切る。
「だすぞ 受け止めろよ」
「ん゛っ ん゛っ んん゛ ふぁい曹長 んっ」
涙と恍惚の表情で射撃の的になることを同意する。
「うぉ でる くぅ」
腰のセーフティーが外れ 熱い液体を注ぎ込む。
コクコクと喉を鳴らし飲み込む少尉の髪をなでながら射精の快感を味わう。
ちゅるんと口からこぼれ出たバレルは 残滓がにじみ出て少尉の口から糸を引いた。
少尉も強引に口を犯される快感を味わい 体をビクビクと振るわす。
「銃は使い終わったらちゃんと清掃するんだ 少尉」
やわらかくなったバレルを少尉の頬の押し当て残滓を擦り付ける。
再びバレルを咥え残滓を舐め取る オーバーヒートして敏感になったバレルを少尉の口の中で冷却する

最高の奉仕に満足しているとヘッドセットから無線が流れた。
「レッドリーダーより レッドチップ1 応答せよ」
「こちらレッドチップ1」
「航空騎兵隊が敵 強襲に成功 しばらくは攻撃はないと思われる 警戒レベルをひとつ下げ交代を送る」
「了解 レッドリーダー」
清掃させていたバレルが少尉の口の中で硬さを取り戻すのを感じながら交信を終えると 交代チームから無線が
続けさまに入る。
「こちらレッドフラッグ ヘリが故障した しばらく到着まで時間がかかる すまない」
バレルを咥えたまま少尉が俺を見上げる 潤んだ瞳で俺に期待している。
これは ちょうどいいタイミングだ
マイクを手隠し声が届かないようにしてから少尉に声をかける。
「少尉 用意しろ 楽しませてやる」
「はい 曹長」
口からバレルを離すと ベルトを緩めズボンと下着を下ろし四つんばいになってお尻をこちらに向ける。
「曹長 どうそ 用意できました」
「レッドチップ1 了解した ゆっくり待つことにする 以上」
交信をきり バレルを秘所に押し当て沈める
「あ あん あ あ うん はっ あっ ああ」
ズズズと秘所を広げ飲み込むのを確認すると腰をリズミカルに動かす。
「あん あっ あっ いっ あ はぁ んっ」
きゅっきゅっと締め付ける秘所と動かず度にゆれる尻 心地よいあえぎ声
今夜 大隊本部に帰ったらゆっくり楽しめるな 今はほどほどに切り上げてじらせてやろうと 意地悪なことを考え深く突く。
「あん 曹長 もっと あ あああ うん く ああ」



G・Gに乾いた風が通り過ぎる 激しく動く人影と嬌声が響き渡る。


                    続くかもしれん
517名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 17:45:06 ID:Z0PbhZzs
GJ!! こういうのも有りかもしれないな。
続きを頼む。
518名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 18:31:47 ID:QPlDHaVM
メタギアスレってなかったか?
519名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 18:38:04 ID:hc5K3WIE
戦場ってエロいな……
おばかな戦場あり、泣ける戦場ありでもうたまんねえ。
味方からはぐれた敵同士っていうベタなやつも読んでみたいなあ。
だれか……頼む……!
520名無しさん@ピンキー:2009/05/07(木) 00:59:31 ID:w4x+rE7K
521名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 03:45:50 ID:KocRrX/p
対独戦勝記念日ということで赤軍ものを2レスほど。
戦時急造のためエロなし、分かる人には元ネタがスケスケです。

イワンの話なんて聞きたくないねという方は「カテリーナと愛」でNGしてください。
522カテリーナと愛 1/2:2009/05/09(土) 03:46:33 ID:KocRrX/p
 今になって何を話せというのでしょうか? 戦争は、遠い過去のものです。
あの戦争のなかで私たちが守ろうとした国は、もうこの世にはありません。そ
れを、いまさら……。

 彼の話をするのは、私には苦痛です。まだわたしの祖国が強くて偉大だった
時代には、私は彼の英雄的業績を語るように求められました。国が傾いてから
は、彼の人間的な逸話を聞かせろとせがまれます。私に何を語れというのでし
ょう! 彼は英雄で、彼は人間です。私は彼の話をするだけです。彼の話を。
でも、世間は彼の話ではなく、英雄の話を、あるいは愚かな人間の話を聞こう
とします。

 彼は私のことを、カーチカと呼びました。「カーチカ、パンの焼ける良い匂
いがするね」「カーチカ、君はプーシキンをどう思う?」。なんでもないやり
とりのひとつひとつが、喜びでした。

 覚えているのは 静かで寂しい田舎町
 教会 市場 町のとおり 思い出すのは君の姿
 青いベレーに 青いジャケット
 黒いスカート姿の 君とのつかの間のロマン
 ターニャ ターニャシカ 覚えているかいあの夏の日
 僕は忘れない あの辛い別れを

 若い人はもう知らないかもしれないけれど、当時はこの歌が兵隊たちの間で
流行っていたものです。この歌を歌っていれば敵の弾にあたらないんだと、彼
は真顔で言っていました。私は、そんなことがあるはずがないと思ったけれど、
そう信じることで祖国に尽くせるのであれば、それもいいかもしれないと。

 ――いえ、違います。私は戦場での経験から、敵の弾というものは、一番勇
敢な兵士と、一番臆病な兵士に特によく命中することを知っていました。だか
ら、歌から勇気を得て堂々と振舞えば、もしかしたら死は彼を避けて通るかも
しれない、そう思ったのです。

 私は、彼を愛していました。彼も、私を愛してくれました。私たちは、塹壕
の外れだとか、白樺の林の茂みの影だとか、うまく場所と時間を見繕って愛し
合ったものです。ご存知のとおり彼は士官でしたし、部下はみな彼のことを慕
っていましたから、私たちのことは見て見ぬふりをしてくれていたのです。思
えば、無謀なことをしていたものです。いつ夜襲があるかもしれないのに!

523カテリーナと愛 2/2:2009/05/09(土) 03:50:12 ID:KocRrX/p
 私たちは、国家のために戦う、それ以前に、もっと、もっと大事なもののた
めに戦ったのです。それが何であるのか、うまく説明はできません。その大事
なものを指す言葉は、時代とともにどんどん移り変わっていきましたから。で
も私たちは、英雄と呼ばれたくて戦ったのではない、それだけは間違いありま
せん。

 たくさんの人が死にました。敵も、味方も。たくさんの人が死にました。今
でも思い出します。恐ろしさは、戦争中には感じませんでした。でも戦争が終
わって、電車に乗っていたとき、電車に人が轢かれたのです。そのとき私は周
囲の人々が一斉に恐怖とパニックに襲われるのを見て、無性に苛々しました。
人が一人死んだ程度で、何をそんなにわめきたてているのだ、と。そんなこと
より、予定通り電車を動かすのが労働者の責務だろうに。そこまで思って、私
は初めて怖くなりました。死が、怖くなったのです。死の怖さを思い出したの
です。

 彼が死んだとき、私は悲しくありませんでした。悲しくなかったわけではあ
りません。でも、それよりずっと……そう……諦めていたのです。いつか来る
べきものが来た。それだけ。悲しんでいる余裕はありませんでした。私たちは
突然指揮官を失ったことに狼狽し、それでもその状況に対応することのほうが
大事だったのです。
 私が泣いたのは、ずっと、ずっと後のことです。戦争が終わって、故郷に帰
って、しばらくごく普通に生活して。そうしてある日、パンを焼いていたら、
突然、涙がこみ上げてきました。
 彼の死を理解するのには、それだけの時間が必要でした。私は、彼を愛して
いました。彼は、私を愛してくれました。

 あの戦争は、ほんとうにひどいものでした。私たちは、あの戦争に勝った。
でも、それはむしろ負けなかったと言うべきだったのかもしれません。敵を蹂
躙し、指導者を自殺に追い込んで、奪えるものを奪いつくしてもなお、私たち
はただ単に、負けなかった、それだけだったのかもしれません。勝利に代償が
必要であるからといって、敗北と変わらぬほどの代償を払った勝利のことを、
私たちは何と呼べばいいのでしょう? 勝利? そうです、死んでいった戦友
のために、それは勝利と呼ばれねばなりません。死者を称え、弔うために。

 ああ、それでも私は、もうこれっきりにしたい。悲惨と栄光に満ちた戦争の
ことを、その渦に巻き込まれた未熟な恋人たちの末路を、あらゆる人間の上に
平等に訪れた地獄のような光景のことを、そしてそのすべてに歴史の証人とし
て参加した私のことを、そんなことを話したいのではないのです。
 ただ、私は愛のことを話したい。今はただ、愛のことを話したいのです。



 (了)
524名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 12:39:46 ID:QlEq9pyc
乙、良いじゃない
525名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 01:49:26 ID:Xpll2m11
GJ、いいまとめ方だ!ウォッカと黒パンもってけ。(^β^)つ凸■ 
526名無しさん@ピンキー:2009/05/11(月) 13:11:47 ID:76LIu/pc
527名無しさん@ピンキー:2009/05/12(火) 21:38:52 ID:Km9KOjPD
>>526
ここに投下されたって
事はこの後、上官の部屋で…ハアハア(*´д`*)
何の漫画なんだろ
二次元ドリームのアンソロ女軍人か?
528名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 10:18:09 ID:I9tBve2E
>>522-523
遅くなったがGJ!
このスレは良作がどんどん投下されるな。
529名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 14:26:04 ID:CDwpKXky
私のマスターが、私のフォアエンドを荒々しく前後させる。
「あっ、うああっ!」
チャンバーに勢いよく散弾が装填され、私のファイアリングピンは鋭く勃ち、雷管の前に存在を晒す。
「はぁ・・・はぁ・・・っ」
「まだだM37。まだ我慢」
そういってマスターはトリガーガードの周りを指でゆっくりなぞって私を焦らす。
「どうしたいか、言ってみな・・・?」
「そ、そんなこと・・・っあっ・・・」
「言わないと、このままだ」
「・・・たぃ・・・」
「え?」
私は顔を真っ赤にしながら、しかし大きな声で叫んだ。
「ベトコン共を、私の12番00ゲージでぶっ飛ばしたいですっ!」
「よく言った!」
言うが早いが、主人は茂みの中に潜伏していたベトコンにラピッドファイアで全弾撃ち込んだ。

ズドン!ズドン!ズドン!ズドン!

「はぁ、はぁ・・・ 激しすぎますよ・・・ラピッドファイアなんて、メカに酷です・・・」
「ははは、すまんすまん。だが、まだイケるだろ?」
「え・・っ?うああっ!」
笑いながらマスターはシェルをポートに放り込み、フォアエンドを前に突き出した。

「さて、まだまだ戦場の夜は明けないぜ!」
「ま、また乱暴に扱わないでくださ・・・」
(ガシャコン!)
「ああんっ!」

530名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 19:08:33 ID:gRMwM4hD
謎だ・・・w
531名無しさん@ピンキー:2009/05/21(木) 12:42:04 ID:/tC3HXQz
>>529

NAMは00バックじゃなくて4バックだよ
532名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 23:38:00 ID:dU4wUntR
おっとすまないんだぜ。4バックとはずいぶん散る弾を使ってたんだね。覚えとく。
ショットシェルといえば00なんて、俺もギア厨の影響をうけてきたかな・・・

4バック、で4人でわんわんが浮かんだ俺はブービートラップで死んだ方がいいんだよね。きっと。
533531:2009/05/24(日) 01:07:18 ID:MVI617fl
>>532

4-BUCK+ダックビルチョーク付きチャイナレイク謹製イサカ=32口径弾水平ばら撒きチャーリーキラー
534名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 22:12:34 ID:YLpoPY79
インド軍のPKO部隊って、「全員女性」なんだね。















ハァハァ
535名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 02:49:57 ID:4OLUrdUt
インドか…成人男性の半数近くがおっぱい星人だと聞く
536名無しさん@ピンキー:2009/05/25(月) 04:15:17 ID:rkJzddyo
おっぱいに貴賤無し!!
537名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 16:39:20 ID:TmiMt26z
豆戦車の話を書いてみるべ
538名無しさん@ピンキー:2009/05/28(木) 16:48:30 ID:x3VLIjW6
陸上自衛隊少年工科学校機甲科生徒隊の話となっ?!!
539名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 11:59:36 ID:OPC2wCX2
戦場の貴婦人なし…馬鹿なっ!
つるぺたは正義、ロリっ子は人類の至宝なのに!!
540名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 23:01:44 ID:akawd7u+
よーじょ!よーじょ!つるぺたよーじょ!
541名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 00:27:25 ID:SFrrKFaY
武装SSに襲われるイワンの少年のお話を
542名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 13:45:40 ID:ByGpO3YT
地面に首まで埋めて軍用犬をけしかける話しか思いつかない
というか思い出せない
543名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 17:05:43 ID:4f15PC7J
それはアルゲマイネではあるまいね?
544名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 02:56:28 ID:nBl2WuzQ
またイワンが現れただと。こうしている暇はない、さあ出撃だ!
545名無しさん@ピンキー:2009/06/05(金) 18:27:48 ID:uF07l4x2
ルーデル大佐!たいさーっ!

ああっ、畜生!また病院抜け出して2chのスレにイワンを殺りに行ったらしい!
546名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 00:59:37 ID:/qyWLqKr
このスレ……イイ!!
547名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 12:06:45 ID:Ma0XBgre
あげ
548名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 20:38:49 ID:GOoT0+EY
保守
549名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 22:10:24 ID:T9HN788T
軍装の女性は美しい
550名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 21:46:20 ID:nYzJD/VS
551名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 02:17:24 ID:ND9B7b7I
ソ連の女性スナイパーとか良い素材だと思うが話が思い浮かばない…
552no solution 1/10:2009/06/25(木) 03:35:02 ID:Bq74PZdG
ネタ振りがあった直後ですが、全然違う話を投下します。計算では9レスほどお借りします。

全体についての注意
・NG指定は「no solution」でお願いします。
・作品中に登場する固有名詞は、実在の組織・人物・宗教そのほかと一切の関係がありません。
・擬似的な現代を舞台とした長編になります。全10章、ひたすらに欝話です。
・ずいぶん前に他スレでお伺いを立てた「テロリストと治安維持軍」のお話です。書きあがってみたらこっちのスレ向けでした。
・携帯で読むと改行が見苦しいかと思います。段落構成の都合上、申し訳ございませんがPCでの閲覧を前提とさせていただきます。

この章の傾向
・強姦・輪姦・陵辱ものです。制服成分は低め。


以下本編

553no solution 1/10:2009/06/25(木) 03:36:09 ID:Bq74PZdG
「――昨日N国首都で発生した爆弾テロは、本日現地時間正午すぎ時点での死
者34名、重軽傷者90名以上という、今年に入って以来最悪の事態を招きました。
 N国臨時政府は緊急事態宣言を発令、戒厳令を敷きましたが、首都では今も
ときおり散発的な銃声が響いています。いずれにしても、このテロによってN
国の民主化プログラムは大きな後退を余儀なくされそうです。今のところ、国
際テロ組織からの犯行声明は出ておりません――」



■第1章 ―― カレン

 真っ赤なワンピース・ドレスがトレードマークだったカレンが自爆テロで死
んだと聞いたのは、その日の夜遅くなってからだ。はじめは、「ああ、ついに
来るべきものがきた」と思った。この国で生きているからには、自分とは何の
関係もない、人生最後のパフォーマンスに巻き込まれて死ぬというのは、そん
なに珍しいことではない。
 大きな荷物を持った人が乗っているバスには乗らない、警察署には特別な用
事がない限り近寄らない、持ち主のなさそうなブランドもののバッグを見つけ
ても手に取らない。ちょっとした注意で不幸の確率はわずかに落とせるものの、
根本的には何も変わらない。

 3年前、こんなことになるとは思ってもいなかった。私たちは、ごく普通に
毎日を過ごしていただけだ。けれど外国で旅客機が高層ビルに突っ込んでから、
事情は急に変わった。なんだかよく分からないうちに私たちの国は連合軍に宣
戦布告され、3日もたたないうちに戦争は終わった。
 私たちは、いったい何が起こっているのかまるで理解できないうちに、突然、
何もかもを失ってしまった。大学は「テロリスト養成機関である」とされて閉
鎖、軍の高官だった両親は連合軍に逮捕されたまま帰ってこない。噂では、カ
リブ海の島に連れて行かれて、そこで尋問されるのだという。田舎の名家に嫁
いだ姉とはまったく連絡が取れず、弟が戦死したという知らせが彼女のもとに
も届いているのか、知る術はない。
 幸い、私は大学で英米法を学んでいたので、英語には不自由しなかった。そ
れで、連合軍相手の商売をする人たちの通訳という仕事を得たけれど、その仕
事を失うのもまた早かった。最初の職場は自爆テロで社長が自宅ごと吹き飛び、
次の職場は連合軍側の取引相手が美術品密輸で逮捕され、その次の職場では取
引相手のあまりの横暴ぶりに国際法とイギリス法(彼はイギリス人だった)を
引き合いにだして抗議したらその場で解雇された。
 結局私は行く先を失って、それで流れ着いたのはお決まりの場所――連合軍
相手の売春宿だ。英語が読み書きでき、店の他の誰よりも数字に強かった私は、
半ば娼婦、半ば通訳兼事務として働いている。最初はいろいろと苦しかったし、
今だってとても愉しむどころではないが、それでも人は生きるために働かねば
ならない。

 カレンは、私のルームメイトだった。年齢は私より下だが、この道では先輩
だ。私はこの仕事のイロハどころか、あらゆることをカレンから学んだ。チッ
プなしでも引き受けるべきプレイ、チップなしでは引き受けてはいけないプレ
イ、どんなにうず高くチップを積まれても頷いてはいけないプレイ、それらが
それぞれどのようなものかを、彼女はとても具体的に教えてくれた。そして何
より、私にとってもはや信条とも言える心がけ――「客に惚れるな、オトコを
作るな、貯金は分散して隠しておけ」――は、毎日のように彼女が繰り返して
いた言葉だ。
 そのカレンが、死んだ。遺体の引き取り手はいないだろう。この国では娼婦
は最も恥ずべき職業で、親族に娼婦がいるなどという事実を認めたがる者はい
ない。だからおそらくは街外れの無名墓地に葬られて、それで終わりだ。彼女
の遺品は、私が今日中に掠め取らない限り、店長が根こそぎにするに違いない。

 けれど私には、彼女の死を悼む余裕すら与えられなかった。


554no solution 2/9res:2009/06/25(木) 03:37:59 ID:Bq74PZdG
 ちょうど日付が変わったばかりの頃、私はタバコを仕入れるために店を出た。
ボーイはみな別件でお使いをしていて、そうなると勢いこの手の仕事は一番の
新人である私にお鉢が回る。ちょうどヘルプに入っていただけだったこともあ
って、私は近所の闇屋まで買い物に出た。チップが確約されているだけに、言
うほど悪くない仕事だったりする。
 でも、その夜は違った。
 連合軍から流れたのであろうタバコ1カートンを手に店に戻ろうとしていた
私は、突然何者かに大きなズタ袋をかぶせられる。あっ、と思う余裕すらなか
った。首筋に何かが押し当てられると、バチンという音とともに視界が真っ白
に弾け、私は意識を失った。

 目が覚めると、激しい頭痛がした。視界は真っ暗で、やたらに呼吸が苦しい。
私は泥の中で水泳をするかのようにもがいたが、身体を何かで拘束されている
らしく、ほとんど身動きができない。あっというまにパニックが脳を陵辱し、
私は必死であがき続けた。
 そうするうち、突然こめかみを激しく殴打される。痛みよりも先に、激しい
衝撃で残り少ない理性がシェイクされた。直後に、胸と腹、そして背中を蹴り
つけられる。私は痛みと苦しさで声を出すこともできず、あっというまに身体
は本能的な抵抗を示すことさえ拒絶した。私がぐったりとなったのに満足した
のか、暴行が止まる。
 地面に横たわる私は、耳元に呼吸を感じた。何も考えられなくなっている私
の頭に、男の声が木霊する。
「偉大なる神の道に背く、恥さらしの売女め。夜明けには貴様を処刑する。処
刑の様子はインターネットで中継される。喜べ、これで貴様は世界的な有名人
だ。どうせそれが夢だったのだろう? せいぜい我々に感謝することだな」
 潮が引くように、パニックが終息していく。
 ああ、そうか。
 私は、過激派に拉致されたのだ。この国で、私のような人間がこんな仕事を
していれば、いつかはこの日が来る。私は、運が悪かった。それだけのこと。
 絶望はなかった。絶望を感じるためには、希望がなくてはならない。私の希
望は、この世のどこを探しても、ひとかけらたりと残ってはいなかった。だか
ら、絶望も、ない。

 そんなことよりも、私は別の嫌な予感に捕らわれていた。さっきから、何人
もの足音がバタバタとしはじめている。彼らは私を処刑すると言ったが、「夜
明けには」とも言っている。つまり、今は夜明けではないし、夜明けまでには
まだしばらく時間があるということだ。もし数十分で夜があけるなら、男は
「夜明けには」ではなく「もうすぐ」と言っただろう。
 彼らは彼らで、いろいろと準備もあるに違いない。ネットで中継するからに
は、カメラやマイク、ネットに接続する環境が必要になる。けれど中継の途中
で連合軍の治安維持部隊に突入されたら、元も子もない。機材は必要最低限に
まとめられ、迅速な展開と撤収が可能なようになっているのだろう。
 と、いうことは、彼らはやがて時間をもてあます。男たちが、もてあました
時間をどう消化するかなど、考えるまでもない。



 予感は的中した。突然、私の着ていたドレスが切り裂かれる。布の裂ける甲
高い音が、静かな室内に響き渡った。私は形ばかりの抵抗を示してみせるが、
それが何の意味も成さないのはよく知っている。むしろ、男たちを興奮させる
効果しかないことも。
 胸が曝け出され、下半身から下着が剥ぎ取られたのを感じる。男たちの間か
ら小さな口笛と、下卑た笑い声が聞こえた。目隠しの下で、私はぎゅっと目を
閉じて、覚悟を決める。必死で過去のセックスを思い出し、自分の心を少しで
も昂ぶらせようとするが、まるで無駄だ。
 両足首を掴まれた。思い切り両側に引っ張られ、私は痛みに呻くが、猿轡で
ふさがれた口からはくぐもった声しか漏れない。ほとんど間をおかず、局部に
男の怒張が押し当てられた。まったく潤っていないそこに、男は無理矢理自分
のものをねじ込もうとする。あまりの痛みに涙がこぼれ、私は激しく首を振っ
て呻き続けた。
555no solution 3/9res:2009/06/25(木) 03:39:23 ID:Bq74PZdG
 男は、唾液を私の局部に垂らしたようだ。なま暖かい粘液が秘部にこぼれる。
若干、抵抗が弱くなったところで、彼はぐいっと彼の器官を私の内側に侵入さ
せ始めた。身体を裂くような痛みが、脊髄から脳を直撃する。軽いショック状
態に陥った私は、身体を痙攣させながら、いきり立った男根を体内へと受け入
れていく。
 時間をかけて私の身体の一番深い部分を蹂躙した男は、やや腰を引いてから、
力任せに突き上げた。目の前で赤く、白く、火花が弾ける。数回、乱暴なピス
トンが繰り返されたところで、私は気を失った。

 ――が、鼻のあたりに強い刺激臭のする布を押し当てられた私は、すぐに現
実に引き戻される。処刑直前に気を失う犠牲者を、最後までカメラの前で命乞
いをさせるための準備なのだろう。神経に直接焼き鏝をあてるような激痛に悶
えつつ、ぐったりとした頭がそんなことを考えていた。
 やがて、男のピストンが速さと強さを増す。膣を引き裂くその器官が、くく
っと大きくなった。果てようとしている。私はせめてもの抵抗を示そうと、彼
の男根をぎゅっと締め上げた。ただならぬ痛みが脳を焼いたが、すぐに男はだ
らしない呻き声をあげ、私の中で弾ける。娼婦に身を落とす以前から身体は女
になっていたし、娼婦として何十人もの男を知ってはいるものの、胎内に直接
精を受けるのは初めてだ。痛みと悔しさに、涙がこぼれる。
 男が萎びた男性自身を私の中から引き抜くと、すぐさま次の男が私の秘裂を
貫いた。ジンジンとした痛みが残るそこに、別の痛みが走る。次の男のモノは
かなり大きく、張り裂けそうな苦しさに私は息を詰まらせた。彼はずいぶん若
いのか、最初からハイピッチで私の内側を責めつづける。痛みで頭がぼうっと
し、指先が細かく震えた。首で頭を支えることができず、突き立てられる一撃
ごとにガクガクと頭が揺れる。
 彼はすぐに大声を上げはじめると、やがて喚き散らしながら私の中に精を放
った。荒い息をつく彼が私から離れると、巨大な肉塊で押し広げられた私の秘
所から、どろりと熱い粘液が滴る。
 5人目までは、なんとか数えられた。6人目を受け入れた私は、その直後に
意識を失い、今度は気付け薬でも目覚めなかった。次に意識を取り戻した私は、
また別の誰かの慰みものにされていて、私は朦朧としながら男の器官が私の内
側で蠢くのを感じていた。
 彼が私の胎内に劣情をぶちまけたところで、最初の一周が終わったのか、次
の侵入者が即座に私を蹂躙することはなかった。私は安堵のあまり、またして
も気が遠くなりかける。

 けれど、彼らは満足したのではなく――より大きな満足を求めた。
 ちくりとした感触が、左腕の内側に走る。ほとんど間をおかずに、虹色の光
が真っ暗な視界のなかで瞬き始めた。男たちのざわめきと呼吸音がやけに大き
く聞こえ、自分の心音がディストーションのかかりすぎたエレキギターのよう
に響いた。
 ああ、これは、やばい。
 それが私の理性の、最後の閃きだった。
 気がつくと、私は自分から腰を振っていた。男たちから歓声と嘲笑が上がる。
「見ろよ、これが娼婦だ! 自分から男を欲しがってやがる!」
「あんなにヤられたのに、まだ満足しないのかよ、この蛆虫が」
「おい、覆面の準備だ。カメラまわしとけ」
 なにやら周囲がバタバタするなか、男が一人、近寄ってくるのが聞こえる。
私は期待のあまり、激しく腰をうねらせた。男は私の口から猿轡を外すと、耳
元で囁く。
「言ってみろ、クズめ。何をして欲しいんだ」
「私に……もっと……っ。お願いです、もっと、もっとください……っ」
「もっと、何が欲しい」
 自分がとんでもないことを言おうとしているのは分かったが、躊躇する余裕
などなかった。どこにもなかった。
「も、もっと、おちんちんを、ください、ませ……っ。お願いです……」
 激しく頬をはたかれた。背筋が痺れるような快感が走る。
「糞虫め。いいだろう、望みどおりにしてやる」
556no solution 4/9res:2009/06/25(木) 03:40:46 ID:Bq74PZdG
 やにわに、私の局部が怒張に貫かれた。言葉にできない快楽が脳を焼き、エ
ンドルフィンがどっと放出される。強烈なピストンで力が抜けそうになるが、
私はすぐにそれに合わせて腰を振り始めた。口からは止めようもなく涎が垂れ
続ける。
 と、唇のあたりに、別の男の男性自身が触れる。ほとんど本能的に私はそれ
を咥えると、舌を絡ませ始めた。上下を同時に犯される快感は耐えがたく、別
の手が私の乳房を鷲掴みにすると、私は自分が真っ白な灰になっていくような
気がした。全身どこを触られても、そのたびに絶頂があらゆる神経を駆け巡る。
男たちは入れ替わり立ち代り私の内側を彼らの器官で愛撫し、乳首を締め上げ、
肉芽を刺激し、首筋に舌を這わせ、背中と腹部を犯し、そのすべてが私を狂気
にも近いエクスタシーへと導く。
 私は、まったくもって、ただの穴だった。どこまでも快楽を貪り、どこまで
も劣情を受け止め続ける、底知れない肉の穴。

 たぶん、私は狂っていたのだろう。嵐のように吹きすさぶ快感がふと弱まっ
たとき、私は快楽の波を逃すまいと、膣にぐっと力を込めた。が、そこにある
べきものがないのを知った私は、パニックを起こして腰を振る。
 どこか遠くで、声が聞こえた。懐かしさを感じさせる声。
「――いました。万事、順調です、コマンダンテ」
「そのようだな。録画はしているのか?」
「はい。帝国主義者の飼い犬どもの本性を、あまさず」
「よろしい」
「コマンダンテも、いかがですか?」
「――よかろう」
 そして、私のなかに新しい怒張が突きこまれる。これまでにないあまりにも
深い快感に、私の意識は完全に機能を停止する。私はよつんばいになって、雌
犬のように腰を振った。とめどなく溢れる刺激に嬌声はもはや追いつかず、大
量の精液と愛液でドロドロになった陰部が立てる淫らな音に導かれるように、
私はひたすら未知の頂点へと押し上げ続けられた。ひたすらに呼吸が荒い。
 もう、ダメ。そう思った次の瞬間、私はまだ見ぬ快楽の世界に追い立てられ
る。絶頂の上に絶頂が重なり、限界の先に待ち構える限界が私の人間性を打ち
砕いた。彼が私の中に大量の精液を迸らせた瞬間、私の知覚は完全に闇へと溶
けた。



 それから何が起こったのか、私にはよく分からない。気がつくと、私は病院
のベッドで寝ていた。戦前の大学病院に匹敵する、近代的な施設だ。ふと、天
国も随分と近代化されたものだと思ったが、即座に否定する。私に、天国の門
は開かれないだろう。それに、天国にいるにしては――全身がひどく痛い。
 私の意識が回復したのに気がついたのか、女医と看護士が病室に入ってきた。
事情を聞こうと思ったが、顎を包帯で固められているらしく、口が動かない。
私は必死でドクターのほうを見ようとして、看護士に止められた。
「無理をしないように。あなたは九死に一生どころか、九十九死に一生を取り
とめたんです。それが幸運なのか不運なのかは、これから決めればいいこと。
今はしっかり休みなさい」
 ドクターの口調は、まるで赤ん坊に説教をする親のようだ。私は諦めて目を
閉じ、彼女が私の身体のあちこちをチェックするに任せた。
「うん、若いだけのことはある。快復状態は良好です。このぶんなら、3週間
ほどで起きられるでしょう。ここに運ばれてきたときは、また無名墓地行きか
と思いましたが――努力はしてみるものです」
 素晴らしく他人事な感想を聞いても、腹は立たなかった。彼女は、人間では
なく、病気や怪我と向き合っているタイプの医者なのだろう。それはそれで、
もと研究者の端くれとして、一定の信頼に足る。
「抗生物質と、導眠剤を。痛み止めも。ああ、そうそう。検査をしましたが、
性病への感染は認められません。妊娠もなし。これは確実にラッキーと言って
いいでしょう。では、お大事に」
 ドクターが出て行くと、徐々に睡魔が襲ってきた。ほんのわずか、抵抗をし
てみようと思ったが、そう思ったときには既に私は眠りに落ちていた。
557no solution 5/9res:2009/06/25(木) 03:42:52 ID:Bq74PZdG
 診断どおり、3週間後には、私はベッドから起き上がれるようになっていた。
数箇所の骨にヒビが入っているのと、左手に軽い火傷を負っているが、どちら
も日常生活には大きな支障はない。ドクターは「多分、笑うと痛みますよ」と
言ったが、当面その心配はなさそうだし。
 ようやく多少は人がましい生活が送れるようになったので、改めて鏡の中の
自分を見てみる。病院食のせいですこし太った気がするが、世間的にはまだま
だ痩せすぎというところか。密かに自慢だった長い黒髪はばっさりと切られて
いたが、意外とミディアムショートも悪くない。ちゃんと美容室でケアしても
らえば、いい感じのイメチェンになるだろう。
 さんざん殴られた顔の傷は、ほとんど残っていない。さすがの彼らといえど、
女の顔を本気で殴ることはできなかったのだろう。日本人だった祖父の血を強
く引いた私は、アジア系ではあるものの、どことなく外国人に見えるとよく言
われる。これもまた、商売上は武器のひとつだった。

 4週目が終わろうとする頃になって、来客があった。連合軍の制服を着た男
たち。さすがにその頃には、だいたいの状況に推測はついていたので、私はさ
ほど驚かなかった。来るべきものが来た、という感じ。
 一番偉そうな雰囲気を漂わせた男が椅子に座ると、調書らしきものとICレ
コーダをテーブルの上に広げた。
「はじめまして、ミス・イズミ。私は連合国治安維持軍のギリアム少佐です」
「はじめまして、少佐殿」
 喋るのはまだちょっと辛いが、喋れないほどではない。どうせこれからたっ
ぷり喋る必要もあるのだろうし。
「さて。状況を整理します。まず、あなたは約1ヶ月前に起きた拉致・強姦事
件および殺人未遂事件の被害者であると同時に、その前日昼ごろ発生した市場
での自爆テロに関する第一容疑者です」
「……容疑者?」
 疑問形の言葉を紡ぎつつ、私はだいたいの物語を把握した。いたってたやす
いシュプール。
「まずは前者の経緯説明を。あなたは拉致され、性的暴行を受けた後、処刑さ
れる寸前でしたが、処刑の前に我々の特殊部隊が突入、あなたを救出しました。
あなたに暴行を行ったと推測される過激派テロリストたちは、全員死亡しまし
た」
「なるほど、私は自爆テロの第一容疑者だったから、あなたたちにマークされ
ていて、それで奇跡的に処刑を免れたというわけですね。私の輪姦ショーはい
かがでしたか?」
「――我々は、全力を尽くしました。だが、できるならばもっと早めに突入す
る計画だったということは、ご理解いただきたい。特殊部隊は、私の一存だけ
では動かせないのです」
「命を救って頂いたことには、深く感謝しています。すみません、口が過ぎま
した。それで――カレンが、自爆テロの犯人だったのですね?」
 私がそう切り出すと、男たちの雰囲気ががらりと変わった。少佐の目に、剣
呑な光が宿る。なんとも単純な人たち。QED。
「なぜ、それを知っている? その情報は、今でもA級の機密扱いだ」
「ああ、やはりそれで正解だったのですね。
 カレンが死んだ自爆テロと、私を結びつけるには、それしかありません。自
爆テロ犯のルームメイトの身元を洗ってみたら、国立大学の元学生で、元恋人
は現在指名手配中の学生テロリスト。両親は元国軍の高官で、今は連合軍によ
って絶賛拷問中。弟は戦死。そりゃあ、目の色を変えて追うでしょうね。特殊
部隊の投入だって当然でしょう」
 少佐は困惑した様子で黙り込んだ。
「そして少佐殿は、私がなぜ輪姦され、処刑されかけていたのか、大きく分け
て三つの可能性の間で悩んでいらっしゃいますね?
 ケースA、テロリスト内部での内ゲバ。派閥抗争、イデオロギーの相違、バ
リエーションはいろいろですが内ゲバという言葉で説明可能です。
 ケースB、私を『テロリストによる被害者』に仕立て上げ、連合軍の内部に
送り込む作戦が実行された。この場合、私は哀れな被害者を装い、身体的な対
人交渉術を最大限に利用して連合軍内部の情報を引きだす工作員である、とい
うことになります。テロリスト細胞1つを犠牲にする必要がありますが、十分
に魅力的な作戦として成立しうる。
558no solution 6/9res:2009/06/25(木) 03:44:23 ID:Bq74PZdG
 ケースC、被害者はただの不幸な娼婦。この場合、片田舎の芋娼婦ごとき、
見れば分かるし相手にするまでもない」
 ここまで一気に喋った私は、少し咳き込んだ。肋骨のあたりに鋭い痛みが走
るが、ポーカーフェイスを貫く。実はもう一つ可能性があるのだが、その点に
ついては黙っておく。
「この推測にたった場合、ケースAとBにおける最も合理的な対応策は、容疑
者を闇に葬ってしまうこと。容疑者はテロリストなのですから、これが最善手
になります。
 しかし特殊部隊を動かしてしまったからには、『ただのテロリストだった』
では申し訳が立たない。容疑者がテロリストであるならば、絞れる限りの情報
を絞らなくては。脈があるようなら、本国に輸送して専門家に拷問させてでも。
 そういうわけで、容疑者にどれくらい脈があるのか直感的に探るために、少
佐殿がじきじきにここまでおいでになられた。ああ、もちろん、ケースCであ
るかどうかを直接自分の目で確認するという目的もあります。
 とはいえ、少佐殿が不機嫌なのは、ここまでの過程においてケースCを成立
させるのが難しくなってしまったことにより、今日の尋問の最大の目的が否定
されてしまったからですね?」
 男たちは完全に黙り込んだ。少佐は口ひげをひねりながら、低く唸り――手
に持っていたペンを机に叩きつけると、立ち上がった。
「また、明日」
「お待ちしております、少佐殿」



 次の日、少佐は部下らしき男を一人だけ連れてやってきた。その男は、体格
こそいかにも軍人然としたがっしりした人物だが、どうにも間抜けそうな顔を
している。とはいえ昨日の二の舞にならないために連れてきたのだろうから、
要注意であることには違いない。
「こんにちは、体調はどうかな?」
 にこりともせずに少佐が言う。
「おかげさまで、1ヶ月前にレイプされて殺されかけた後のような感じです」
 部下がくすりと笑う。少佐はぎろりと彼のほうを睨んだ。
「そろそろ、敵対的な態度を改めてはもらえないかね」
「少佐、それは無理ってもんですよ。彼女のご両親と弟さんを奪ったのは我々
だし、彼女から学友・教師・研究の場と生活の基礎を剥奪したのも我々です。
しかも、彼女は法学者です」
 部下が口を挟んだ。やっぱり、こっちはなかなか頭が回るし、よく調べてい
る。大学が過激派に占領され、激しい銃撃戦のなかでほとんどの書類が焼けて
しまったいま、並大抵の努力では私の過去を知ることなどできなかったろうに。
「法学者がどうした。この国の法学者なんぞ、みんなテロリストだ。それにこ
の女は学生じゃないか」
「違いますよ、少佐。まず、彼女は博士号持ちです。学生として大学に在籍し
ていましたが、『ドクター・イズミ』ですよ。英語でも論文を書いてます。こ
の国で発行されたアナログ媒体でのみの発表だったので、アクセスは極めて困
難ですけどね。
 それから、彼女は比較政治学と英米法のエキスパートです。メンタリティは
我々にずっと近い、というか、この国では露骨に敵視されてきました。論文を
読みましたが、さもありなんですね」
「博士号、だと!? 馬鹿をいうな、こんな小娘が――」
「真実です、少佐。我々は運が良かった。彼女が処刑されていたら、治安維持
軍の威信に関わるところでした。だから今回の件は、ファインプレイと言うほ
かないというのが、我々の結論です。少佐と、少佐の指揮したチームに、勲章
が出る可能性は極めて高いですよ」
 少佐は天を仰いだ。信じがたい、という呟きが漏れる。
「では――今回の件は、リベラルな学者の暗殺未遂である、そう考えるべきだ
と貴官は言うのか? それ以外の事象はすべて偶然だと?」
「リベラルかどうかは微妙、というか学術的に言うとドクター・イズミはホッ
ブス派ですからリベラルとは言いがたい気もしますが、ともあれそういった側
面を計算に入れざるを得ない、と申し上げます。少佐の仰るとおり、それです
べてが説明できるものではありませんが」
559no solution 7/9res:2009/06/25(木) 03:46:33 ID:Bq74PZdG
「なぜ先に報告しない! いつも貴様らは――」
「いやその、ご報告しようとしてたんですが、ここに来るまで少佐がずっと怒
りっぱなしだったもので、つい、タイミングが」
「もういい。好きにしろ。私の仕事はここまでだ。クソ、だから連絡将校にな
どならんとあれだけ……。
 いいか、ドクター・イズミが何者であれ、現状における第一容疑者であるこ
とは覆らない。何を企むにせよ、その点は忘れるなよ」
 少佐は荒々しく立ち上がると部屋を出ようとしたが、去り際にふと立ち止ま
って私のほうを向き直った。
「ドクター・イズミ、ひとつだけ言っておきたい。
 我々は、第一容疑者を確保したのでも、法学博士を護衛したのでもない。私
のチームは、処刑されようとしている民間人を救出したかっただけだ。後手を
踏んだ点については、申し開きのしようもない。辛い思いをさせてしまった。
すまない」
 彼はぶっきらぼうに頭を下げると、去っていった。私はあっけにとられて、
去っていく少佐のいかついの背中を見つめる。
 ややあって、もう一人の男が椅子に腰を下ろした。
「間違いなく、いい人なんですよ、少佐は。有能でもある。ただその、いい人
すぎる。いい人すぎるから、他人をなるべく信じないようにしようと、過剰に
努力しちゃってるんです。そうしないと、部下を殺すことになりますから。
 おっと、自己紹介が遅れました。私は連合国情報軍のハント大尉です。よろ
しく、ドクター」
 なんとまあ、情報軍とは。国連事務局をバックに持った世界最大のPMC、そ
れが情報軍だ。「国家ではなく、大義ではなく、ただ情報のために」というス
ローガンを掲げるこの軍隊は、膨大な資金力を背景に世界中から最高の人材を
吸い集めて構築されている。
「ドクターは止めてください、大尉殿。博士というのも。たまたま論文が評価
されましたが、すべては過去のことです」
「過去を消し去ることはできませんよ。それはそうと肩書きがお気に召さない
ようでしたら、ミズ・イズミでよろしいですか?」
 私は肩をすくめる。
「どうぞ。それで、あなたのご用件は何ですか?」
「今日は何も。まだ別件で忙しくて、資料の準備が、ですね」
「つまり、サボり?」
「悪意はありませんでしたが結果論として、ええ、そういうことに」
「では早急にお帰りください。あなたの怠業の共犯にされるのは不愉快です」
「ああ、いや、まあ、そのですね。ただ、ちょっと、ひとつだけ」
「何です?」
 私は徐々にイライラとし始めていた。要領を得ない話しをする男ほど、私の
気に障る者はいない。
「いえね。その――カレンさんの件で、お悔やみを。拉致され乱暴され殺され
かけて、奇跡の救出劇を潜り抜け、病院で無差別テロの第一容疑者として尋問
され、こりゃなんとも人生盛りだくさんの1ヶ月でしたが――親友を失うこと
の辛さに比べれば、そんなものは屁でもない。本当に、残念です」
 私は虚を突かれて、ハント大尉の顔を凝視した。

 ああ。

 そうだ。

 私は、カレンを失ったのだ。

 もう、彼女には会えない。悪戯っぽい笑みを眺め、可愛らしい笑い声を聞く
ことは、もうできない。

 ねえ、カレン、あなたはなぜそんなことをしたの? 何があなたに自爆テロ
への道を歩ませたの? 私たちは、親友だったんじゃなかったの? お互い、
隠し事なんてないはずじゃあなかったの?
560no solution 8/9res:2009/06/25(木) 03:48:17 ID:Bq74PZdG
 急に胸が苦しくなった。熱いものがこみ上げるのを感じ、慌てて目をきつく
閉じる。痛む身体を押して寝返りを打ち、毛布をかぶる。大尉が立ち上がって
部屋を出て行く物音を聞きつつ、必死で嗚咽を堪える。なぜだかわからないが、
彼に泣き声を聞かれたくはなかった。
 軍靴の音が去り、病室は静けさを取り戻す。私は堪えようのない嗚咽となお
も戦っていたが、やがて、忍び寄ってきた睡魔に身を任せた。



 それからしばらく、また退屈な日常が続いた。私は自力で長い距離を歩ける
ようになっていたので、病院の中を歩き回ってみたり、中庭に出て散歩してみ
たりと、気ままな日々を過ごしていた――もっとも、一定区画に閉じ込められ
ているという状況を指して気ままというべきかどうかは微妙だが。
 2週間ほどして、またハント大尉が病室を訪れた。果物を詰め込んだ籠を手
に提げている。
「ごぶさたしました、ミズ・イズミ。ドクターから顎のお加減も良くなってき
たと伺ったので、実用的なお土産を持って来ました。生憎、果物ナイフの持ち
込みは禁止されていますので、看護士の方に頼んでください」
「花が嫌いな女はいませんよ、大尉殿。でも、ありがとうございます」
 黄色い花が生けられた花瓶の置かれたサイドテーブルに果物籠を置くと、ハ
ント大尉はパイプ椅子に腰掛けた。
「花を持ってきたのは、少佐ですか」
「ええ。ついさっき、面会に」
「意外とロマンチストですからねえ、彼は」」
「それで、ご用のほどは? ドクターが嘆いてましたよ、あなた方が来るたび
にこの棟にスタッフが入れなくなるって」
「盗聴対策が欠かせないのでね。盗聴器対策も。ご不便は平にご容赦を。
 連合国治安維持軍の上層部は、あなたの処遇を決めかねています。あなたが
テロリストであるとも、ないとも、断定ができない。
 情報軍としては、あなたは今のところテロリストではないという観測で一致
しています」
「『今のところ』が修飾するのは、テロリストの否定なのか、観測の一致なの
か、どちらです?」
「両方です。あなたが1時間後にテロを決意しないと断言できる材料はないし、
我々が判断を覆す新証拠が出ないという保証もないので。とはいえ我々にとっ
て問題になるのは常に、現状、です」
 私は眉をひそめて、話の続きを促す。
「我々は、ミズ・イズミ、あなたを現地工作員として情報軍に迎えたいと思っ
ています。現地といっても、外でちょっとばかり基礎訓練はしていただきます
が。部分的な整形も。拒否していただいても構いませんが、拒否されるのでし
たら、怪我が完治次第、情報軍の権限により釈放です」
「私に何を期待しているんです。カレンに何度も言われましたが、どんなにイ
キがってみせたところで、所詮はお嬢様育ちの世間知らずです」
「知ってます。ヨーロッパあたりの大学で非常勤の席を探すってアイデアもあ
ったんですが、最低でも1年は監視が必要だと、治安維持軍が煩いので」
「ならば捕虜収容所でも」
「最年少の法学博士を収容所に送るなんて、とんでもない。人権団体のプラ
カードが目に浮かぶようです」
「計画を、もう少し詳しく聞かせてもらえますか」
「表向きは、アメリカで軍の戦略研究機関に所属して頂きます。実際には、こ
の国での対テロ作戦に、情報面で従事を」
「学生テロリストの首実検係に?」
「我々はあなたの頭脳を評価しています。高く。また頭脳に負けず劣らず、こ
の女性差別の厳しい社会において一定の地位を築きえた交渉能力もまた、評価
対象です。ま、ここ最近は不運が続きましたが。
 我々は所詮、異邦人に過ぎません。あらゆるシミュレーションは、シミュ
レーションの範囲を超えないのです。だがインデックス化できなかったパラ
メータを探るために現地人を雇えば雇うほど、情報漏洩のリスクは高まります。
ミズ・イズミ、あなたはコスト・パフォーマンス的に最高なんです」
561no solution 9/9res:2009/06/25(木) 03:49:35 ID:Bq74PZdG
「私がテロリストである可能性を考慮にいれてのこと、ですね?」
「勿論。ですので1点だけ、この提案には付随する案件があります。引き受け
ていただけるならば、マイクロチップを左腕のあたりに埋め込みます。具体的
にこれがどんな仕掛けなのかは、お教えできません。ですがあなたの安全を確
保する上で重要な機能を果たしますし、また、裏切った場合には我々にとって
のフェイルセーフになります、とだけは言っておきます」
「わかりました。引き受けます」

 間髪いれずに即答した私を前に、大尉は驚きの表情を隠し切れなかった。
「――失礼、ちょっと頭が回りきりませんでした。申し訳ないんですが、後学
のためにも博士の思考の過程をご教示いただけると、実に、その」
「条件1、引き受けなかった場合、釈放される。つまり私は治安維持軍の協力
者であることが証明され、ゆえにもう一度最悪の体験をした後、殺されます。
しかし最大の問題はそこではなく、あなたがカレンのルームメイトでしかない
私を疑ったように、過激派はかつての私の同僚を疑うであろうということです。
 実に効果的な脅迫でした。私はあなた方に頭を下げて、『私が逮捕され、送
還されたことにしてくれ』とお願いしなくてはなりません。そのためには、私
は自分に出来る最大の譲歩をしなくてはならない。
 条件2、飼い犬に首輪をつけるのは当然のことです。左腕と場所を明言した
ということは、手術痕が残るということですね。私は首輪の存在を知った状態
で行動できますし、もしどうしても必要となれば左腕を切断すればいい。つま
り私にとってなんら不利益をもたらしません。よって、私はこれを交渉案件と
して利用できます。具体的には、即答してあなたを混乱させるか、返事を引き
延ばしてあなたに罪悪感を抱かせるかですが、あなたは容疑者に対して罪悪感
を抱く人間ではないと判断しました。
 条件3、私はカレンがなぜ自爆テロの道を選んだのかを知りたいと思ってい
ます。そしてこの情緒的な欲求を軸にしてあなたに訴えることで、思考が混乱
したあなたから譲歩を引き出すことが可能であると考えました。以上です」
 彼はぼりぼりと頭をかくと、なんとも不思議な苦笑を漏らした。
「そこまで手の内を開示してしまっては、作戦も何もあったものではありませ
んね」
「生殺与奪を握っている相手に、ゲームを仕掛けるつもりはありません」
「参ったな。いやあ、これは参った。なんだか譲歩しないといけない気分にな
ってきました」
「それはあなたの勝手です。私には関係のないこと」
「わかりました、わかりましたよ。参った。降参です。ああもう、広報室のジ
ェニファーにまたネチネチと嫌味を言われるんだろうなあ。今から憂鬱だ。ど
うです博士、初仕事はスポークスパーソンになって人権団体と大バトルってい
うのは」
「お気の毒に」
「まあ、いいですよ。我慢します。これも仕事ですから。今後ともその辣腕っ
ぷりを、是非。よろしくお願いします、ミズ・イズミ」
 彼は反動をつけて椅子から立ち上がると、私に手を差し伸べた。何の感動も
なく、私はその手を握り返す。これで私は「保身のために国家を裏切った売
女」というわけだ。治安維持軍がこの国での活動を建設的な方向で終えられる
可能性がほぼ皆無である以上、後世の歴史家は私のことをそう評価するだろう。
でも、後世の歴史家など知ったことか。突き詰めれば、歴史家は小説家と変わ
らない。上から目線で評価なさるならご勝手に、だ。
 そんなことより、私にとってはカレンという謎を解くほうが重要だ。この生
きる価値もない世界で生かされてしまった以上、私には生き続ける理由がいる。
カレンは何かにつけ口癖のように、「大丈夫、生きていけるよ」と言っていた
が、私は――あまり、大丈夫ではない。人がまっすぐ立っているためには、た
だ立っていたいと望むだけでは足りないのだ。
 そして私は、カレンが死んだ後も、自分が立ち続けるために彼女にすがり付
こうとしている。まったく。言葉にしがたい自己嫌悪を感じつつ、とりあえず
ハント大尉に最初の要求をしてみることにする。
「ところで大尉、次のお土産はタバコを2カートンほどお願いします。できれ
ばライターも」

(第2章「任務」に続く)
562no solution 1/10:2009/06/25(木) 03:51:57 ID:Bq74PZdG
以上です。

ご連絡
・規制がなければ週1ペースで投下予定です。
 ただ、かなり規制に巻き込まれやすいため、遅れる可能性があります。
 本当は先週末に投下の予定だったのですが、しょっぱなから出遅れました。
・少なくとも10週はかかりますので、投下をお考えの職人様につきましてはお構いなくガンガンかぶせたってください。
・現状35文字で折り返していますが、「○○行で折り返しなら携帯でもそれほど読みにくくない」
 という情報がありましたらご教示いただけますと幸いです。反映できるかどうかはわかりませんが、善処したく思います。
563名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 06:05:26 ID:Ud21yIT+
>>562
乙!
わがまま言わせて貰うと、機械的に文字数で折り返しているとパソコンからは非常に読み難い。
出来ればある程度文の区切りで折り返していただければ助かる。
564名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 21:17:52 ID:RuSEuP67
面白かった。こういうの結構好きだな
565名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 12:47:38 ID:3PzdlC9/
ひさしぶりに来たらすごい面白い話が。
これからちょくちょく来ます。
566名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 14:29:14 ID:JPBwhIz5
良いじゃない。乙よん。
567名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 00:57:20 ID:Ja4Po9Pj
面白かったです。
次話も楽しみにしています。
568no solution 2/10:2009/07/02(木) 00:31:32 ID:buzhO8ZT
投下します。計算では12レスほどお借りします。

全体についての注意
・NG指定は「no solution」でお願いします。
・作品中に登場する固有名詞は、実在の組織・人物・宗教そのほかと一切の関係がありません。
・擬似的な現代を舞台とした長編になります。全10章、ひたすらに欝話です。
・改行方針を変えてみました。

この章の傾向
・純愛ものです。


以下本編
569no solution 1/12res:2009/07/02(木) 00:34:34 ID:buzhO8ZT
■第2章 ―― 任務

 深夜の図書館は暗く、静かだった。
 私たちは閲覧室の薄暗い明かりの下でベンチに腰掛けて、話し合っていた。
周囲には大量の書籍が散乱している。
 特に決まった話題があったわけではない。急いで討議するべき論題があったわけでもない。
ただ、明日になれば私は留学のためカイロへと旅立つ。それだけが普段との違いだ。
 喋っているうちに、彼の言葉にだんだん熱が入ってきた。彼のいつもの癖だ。
彼はいささか自分自身の言葉に酔ってしまう傾向があって、それはそれで
(彼の恵まれた容姿とあいまって)聴衆を魅了するものだが、学術的な精度に欠けるきらいがある。
私はわざと背もたれに深く腰掛け、興味がないようなそぶりを見せることにする。
 彼の熱弁は勢いを増し、そして大胆な推論を導き出すと同時に彼の手が私の膝に乗った。
これも彼の癖だ。彼は自分がやや不道徳なことをしていることにすぐ気がついて、
苦笑まじりにその手を引こうとする。が、私はすばやく彼の手に自分の手を重ねた。
「――イズミ」
「あなたと結婚できないことは理解してる。あなたにふさわしい家柄の女性が、
生まれる前から決められているんだから。だから、第二婦人の可能性もありえない。
あなたの家の富があれば第二婦人を持つことだってできるでしょうけど、
それは相手の家のメンツにかかわる問題になる。
愛人という選択肢は、さすがの私の両親でも許さない、と思う。
もしかしたら両親は苦笑いして許してくれるかもしれないけど、姉は絶対に許してくれない」
「イズミ」
「この問題には、解がないわ。数学の問題みたいだけど、解なしが正解」
「イズミ――」
「意外と難しいのね、人間って。幾何学的合理性を追えば、
私にはこの留学を機会にあなたのことを諦める以外の選択肢があり得ない。
それなのに、そうじゃない何かが、『諦めてはいけない』って言ってる。代案もないのに。
『恋こそは政治学における永遠のテーマ』と教授は仰ったけれど、その通りかもしれない」
「そこが難しいんでなかったら、世に文学は不要になるね」
「文学は嫌いだった。登場人物の行動にあまりにも一貫性が欠けているし、
心理学的な分析理論にもそぐわない言動が多すぎるから。
でもそうね、もっと研究しなくちゃいけない。本当にそう思うわ」
 我ながら無様だなと思いつつ、私はこの1週間くらいずっと練ってきた台詞の、
最後の部分を吐いてみる。膝の上の彼の手が、軽く緊張するのを感じる。
「――もっと、研究するかい?」
「喜んで。経験主義も、嫌いじゃありません」
 彼の顔が近づいてくる。私は目を閉じるべきかどうかやや悩んだが、
彼の唇がわたしの唇を覆うと、彼が先に目を閉じた。生暖かい彼の舌が、私の口の中に入ってくる。
他人の唾液を口内に入れているというのに、不快感はなかった。
それが面白くて、侵入してきた彼の舌を、自分の舌で舐めてみる。
彼は軽く鼻で笑うと、いっそう派手に私の口のなかを舌でまさぐり始めた。
 うーん、何かおかしなことをしたのだろうか。

 やがて、彼が私の唇から離れる。
「ご感想はいかがです、博士」
「悩んでる」
「と、言うと?」
「人間関係が心理に及ぼす影響を論ずるべきか、
それとも今のが初めてのキスであることを告白すべきか」
「ファーストキスだったとは」
「あなたが普段おつきあいされている美しい女性がたに比較して、
抜本的に経験面でのインプットが不足しておりますので?」
「研究意欲が高いようで何より」
 そういうと、彼はもう一度私の唇を奪った。体が密着する。ちょっと重い。
硬いベンチのせいで、背中とお尻が少し痛む。
 彼の右手が、私の着ているサマーセーターの上から、胸をまさぐり始めた。
私は今度こそ目を閉じて、彼の手の動きに意識を集中する。
乳房および乳頭への刺激が性的興奮を喚起するという話は知っているが、正直言って特に何も感じない。
ありていに言えば「くすぐったい」「やや痛い」という表現が最も正確だろうか。
570no solution 2/12res:2009/07/02(木) 00:36:01 ID:buzhO8ZT
 やがて、彼は右手をサマーセーターの裾から中に滑り込ませると、
キャミソールの下に手を這わせた。腹筋の上あたりを撫で回す手が、
次第に乳房に近づいてくる。さすがにちょっと恥ずかしくて、顔が赤らむ。
 そうするうちに彼の無骨な手が、私の胸をじかに愛撫しはじめた
――愛撫という行為のはずだ、これは。乳首を軽くつままれたり、
あまり発育がよろしくない脂肪の塊をふにふにと揉まれたりしているのがわかる。
ううん、やはり性的な興奮が立ち上がってくる感覚はない。
いやそもそも、それがどのような感覚なのかを知らないのだから、検証しようもないのだが。
 困惑しているうち、彼は再び唇を離した。胸をやわらかく揉んでいた手も離すと、
両手でセーターの裾をつかむ。勢いよく、するりとセーターを脱がされる。
実に見事な手際だ。他人の服を脱がすというレアな行為を、ここまで効率化できるとは。
いや、彼にとってはレアな行為でないから最適化されているのかもしれないが。

 彼は私のセーターをベンチの上に広げると、その上に私の体を横たえさせた。
キャミソールがゆっくりとめくりあげられ、双の乳房があらわになる。
彼の目に、私はどのように映っているのだろうか? ただの我侭な小娘? 
十中八・九、そういうところだろう。でも、ほんの僅かでもいいから、
女としての魅力を感じてくれていれば――
 そこまで思って、自分の心の動きに驚く。おやおや、これが性的興奮というものが
顕在化しはじめた兆候なのだろうか?
 またしても検証不能な問題に構っているうち、気がつくとスカートも脱がされていた。
彼の手がショーツにかかる。ちょっと、息を呑む。心臓がドキドキしているのがわかる。
私は深呼吸してから、軽く頷いてみせた。
 じっくりと、じっくりと、少しずつショーツが脱がされていく。
両親と姉弟以外には(彼らについては生活慣習的に不可避だ)見せたことのない部分があらわにされる。
胸の高鳴りが抑えきれず、私は深呼吸を繰り返した。
 そしてついに、ショーツがすべて剥ぎ取られた。
首の辺りにわだかまったキャミソールを除けば、まったくもって生まれたままの姿というやつだ。
ああ、そういえば昨日の夜シャワーを浴びたっきりだけれど、
私の体は臭ったりしていないだろうか。急に不安が鎌首をもたげさせた。
かといっていまさら対策もしようがないので、「仕方ない」のラベルを貼っておくことにする。

 彼がそそくさと服を脱ぐ。最後に弟の入浴を手伝って以来、極めて久しぶりに男性器官の実物を拝む。
生理学的にはあれは腸管の延長であるという記述を読んだことがある、ような気がする。
グロテスクといえばグロテスクだが、自分の器官だって写実的に描けば十分グロテスクだろう。
 彼の大きな体が、私の上にのしかかってくる。体温の暖かさが、自然に緊張をやわらげてくれる。
彼の脈もまた、明らかに平常より速いペースで打っている。
 彼の唇が、私の耳たぶを咥えた。舌がちろりと耳を舐めていく。くすぐったい。
やがてその口は私の喉に降りていき、胸のふくらみをたどり、たっぷりと時間をかけて乳首を吸い、
腹部から臍に降り、そしてついに私の女性自身へとたどり着いた。
 ざらりとした感触が、未知の領域に刺激を与えていく。くすぐったさとはちょっと違う感覚がある。
だが「気持ちがいい」ものかと聞かれると、それともまた違う。
「変な感じ」と言うとやけに文学的だが、そうとしか表現しようがない。
 彼の舌は私の割れ目を執拗に這い回ったあと、隠されていた肉芽を掘り起こす。
そういう器官があることは知っていたが、触ったことはなかった。
軽い痛みのようなものを感じたが、すぐにまたそれとは異なる違和感を感じる。
 相当な時間をかけて、彼は私の肉芽や裂け目周辺を舌で愛撫し続けた。
ときおり、おそらくこれが性的な快感なのだろうと推測される刺激を感じるが、
全体としては戸惑いのほうが大きい。

 10分以上、そうしていたのだろうか? 彼は私の秘所から口を離すと、
もういちど体の上のほうへと舌で愛撫しながら戻っていく。
でも今回は、クリトリスに対して指で小刻みに刺激が与え続けられている。
そうされながら乳首をきゅっと吸われると、「ひゃふっ」とかいう、
我ながら妙としか言いようのない声が漏れた。ああ、これがセックスの快楽というものなのだろうか。
彼が満足げな笑みを浮かべていることから類推するに、たぶんそういうことなのだろう。
571no solution 3/12res:2009/07/02(木) 00:38:00 ID:buzhO8ZT

 彼は舌の先で私の乳首を転がしながら、なおも肉芽をさすり続けた。
私はしゃっくりをするように、断続的にえも知れぬ刺激に体を震わせる。
この刺激に身を任せればよいのだろうけれど、どうも不安が先にたつ。
それに――その、なんというか、声がどうにも恥ずかしい。
さっきから意識して声を殺そうとしているのだが、
どうしても「あふっ」とか「ひっ」とかいう声が漏れてしまう。
悔しいわ恥ずかしいわで、両手で口を押さえてみることにした。
 が、そのとき彼は私の耳元に口を寄せると、ぼそりと一言囁く。
「イズミ、綺麗だ。本当に、綺麗だよ」
 両の手を使って乳房とクリトリスを愛撫しながら、彼は何度も「綺麗だ」を繰り返す。
まったくもって客観性を欠いた見解だが、その言葉を私はなぜだか信じた。
そして一度信じてしまうと、今度は自分の内側で沸きあがってくる未知の感覚への依存心が高まっていく。
なるほどこれが性的興奮のプロセスなのだろう。客観性はまるでお呼びではないというわけだ。

 そう理解すると、いっそう自分がコントロールできなくなってきた。
とにかく声を殺したくて、親指の付け根を噛んで耐えようとする。
と、彼の手がわたしの両手を口から引き剥がした。思わず抗議の呻きが漏れるが、
その呻きごと、彼の唇がわたしの口を覆う。私は必死に彼の口を吸い、両手で彼の背中を抱きかかえた。
絶え間なく与えられる甘い刺激を前に、理性がいっぱいいっぱいになっていく。
 そうするうち、ふと彼が体を起こした。私は大きく喘ぎ、自分を取り戻そうとする。
ああ、そうだ、手順で行けば、たぶんいよいよ、だ。
 彼の手が私の手をとり、彼の器官を握らせた。熱い。それに、かなり大きい。
こんなものが体内に入ってくるのだ――本当にそんなことが可能なのだろうか?
 彼は脱ぎ捨てた上着から財布を取り出すと、そこからコンドームを手に取った。
常備しているというのはどういう心得なのか。それとも、今日は最初からそのつもりだったということか。
「イズミ――カイロで僕以外の経験をするのもいいと思うけれど、避妊は絶対に忘れずにね。
これがコンドーム。知ってるね?」
 私はあいまいに頷く。
「ほら、ちょっと体を起こして。ここを開けて――そう。それで、こっちが上。そうだ」
 薄いゴムのチューブを、彼の器官に装着していく。意外と難しい。
もっとするりと入るものだと思っていたのだが、しかしそんなにスカスカ入るものだったら、
いざ本体を挿入となったときに体の中で外れてしまいかねない。
ふむ。なんのかんので、セックスにも合理性が支配する領域はある。

 ゴムを装着し終えると、彼はもう一度私を押し倒した。さあ、いよいよ本番だ。
 この国――いや、この文化圏では、女にとって未通であるということの意味は大きい。
田舎では花嫁の処女検査をするところだって残っているし、
ある程度以上の格式を備えた家であれば乙女でない花嫁などタテマエとしては存在し得ない。
 でも、そんなことは私にとっては小さなことだ。結婚制度なんてただの慣習に過ぎない。
生物学的な遺伝子の保存という点においては、幸い私にはそれを代行してくれる姉と弟がいる。
私がその義務を履行しなくても、共同体に対して損害を生じさせる可能性は低い。

 カッと、秘所に裂けるような痛みが走った。痛い。痛いなんて言葉では表現できないくらい、
痛い。下唇を噛んで、痛みをこらえる。彼の背中に回した手に、ぐっと力が入った。額に汗が浮かぶ。
 全身が真っ二つに裂けそうな痛みが続く。痛い。とにかく痛い。
喉元まで内臓が押し上げられていくような違和感と、
腹部に詰め込まれた臓器の配置がぐしゃぐしゃになりそうな異物感に襲われる。
 そこにまた、ぐいと激しい、引き裂くような痛み。頭が朦朧とし、両足がひきつる。
痛い。全身から冷や汗が吹き出す。彼の背中を強く抱く。痛い。痛い。
こんなことは言いたくないけど、無理。もう無理。やめて、お願い、痛い。痛い。痛い。
 もう絶対にダメだと思うような衝撃が下腹部に走って、私はついに悲鳴をあげる。
でもその一撃で、私の内側は彼によってすべて満たされていた。
私は荒い息をつきながら、痛みと圧迫感をこらえる。話には聞いていたが、ここまでとは。
いやしかし、歴史的に言えばこの最初の痛みに耐えられなくて、
未通のまま離婚したというケースもあるのだから、私はまだ幸運だったのだろう。
572no solution 4/12res:2009/07/02(木) 00:43:00 ID:buzhO8ZT

 ……ああ、そうだ。少なくとも私は、自分が恋した相手に処女を捧げたのだ。
幾何学的観点に立てば何の意味もなさない行為であるにしても、情緒的な満足感はある。
 私はもう一度、彼の体をぎゅっと抱きしめてみる――と、茫洋とした幸福感が立ち上がってきた。

 うん、これは悪くない。

 なるほど人間は言葉という非常に不完全なコミュニケーション手段しか持っていないと思っていたが、
性交渉というのは言葉よりも伝達率が高いように思える。複雑な思索には向かないが、
彼が私のことを見ていて、私が彼のことを思っている、そのことはほぼ誤解なく伝わっている。

 そしてそのとき、ゆっくりと彼が前後に動き始めた。真新しい痛みが全身を貫く。
大丈夫、我慢できる。今という時間を、彼と共有しているという確信は、何にも代えがたい。
私は痛みに眉を顰めながらも、彼と一緒になってゆるゆると動いた――



 そのとき、飛行機がまもなく着陸態勢に入るというアナウンスが聞こえ、目が覚める。
なんともはや、懐かしい夢だ。あれはカイロ大学に留学する前夜だから、私が14歳で、
イリーヤが21歳の頃か。
 まったく、艶かしい記憶というよりは、若気の至りそのものだ。
あのあと結局イリーヤと私はその段階で思いつく限りの体位を試しながら
6度ほどセックスをして、そこで夜が明けなければ7回目にも突入していただろう。
若さ、だ。まさに。

 ハント大尉の提案を受諾した後、いろいろと面倒な手続きや調書取り、
訓練と旅行に手術があって、ようやく故郷に帰ってきたときには6ヶ月が経過していた。
半年ぶりの故郷は、夕焼けに煙る埃っぽい空気と、交錯するクラクションの音で私を出迎える。
ツンと鼻の奥が痛くなるような暑さが、無性に懐かしく感じた。
 空港ではハント大尉が待っていた。
「ようこそ、カタギリ少尉。情報軍はあなたを歓迎します」
 私たちは握手を交わすと、路駐してあったハマーに乗り込む。
「どうも、落ち着きませんね」
「身分? 立場? 階級? 仕事?」
「全部」
「すぐに慣れます。しかしまあ、すっかり日系に見える」
「そんなに印象が変わりました?」
「十分に。これでTシャツにジーンズ姿になって、でかいカメラにブランドもののボストンバッグでも持ってれば、
明日の朝までには身代金目当てに誘拐されてるでしょう。日本語は?」
「読むのはほぼ問題なく。日常会話はブロークンでよければ。例の案件で何か進展は?」
「ほとんどゼロです。基地に着き次第、報告しますよ」
「基地に着く前に、ふたつお願いが」
「何でしょう」
「敬語をやめてください、大尉。私はあなたの部下です」
「おっと、そうだった。で、もうひとつは?」
「タバコを吸っても? 機内禁煙、構内禁煙で死にそうです」
 ハント大尉はダッシュボードの上にでかでかと書かれた「車内禁煙」の赤文字を指差した。
私はしぶしぶタバコとライターをバッグに戻す。まったく、軍用車のなかまで禁煙だなんて。
一応は平時のくせに、爆発物でも積んでるというのだろうかこの車は。

573no solution 5/12res:2009/07/02(木) 00:46:25 ID:buzhO8ZT
 情報軍の基地に着くと、巡回する兵士たちが次々に敬礼を送ってよこす。
私はうっかりそれに頭を下げてしまい、大尉に笑われる。どうにも慣れない。
 会議室に通されると、3人の男女が待っていた。大尉の姿を認めると、立ち上がって敬礼する。
「うわ、びっくりした。部屋を間違えたかと思ったぞ」
「そりゃ大尉、最初くらいは、ビシっと」
「俺はドッキリまでは要求してないぜ。まあいい、紹介しよう。
こちら、カタギリ少尉。いきなりだが君らの上官だ」
「よろしくお願いします、少尉殿」
 私はめんくらって立ち尽くしていた。いや、ダメだ、どうしたってこれには慣れられない。
「といっても促成栽培尉官どのなので、そのつもりで。最初はお茶汲みからでも。
おっつけ慣れてくれるだろ。とりあえず、情報分析を担当してもらう。
 少尉、彼らを紹介しよう。こっちの大男が、アイク一等軍曹。爆破と運転のスペシャリスト。
 となりのひょろっとしたのが、ニール特技官。コンピューター・ギークだ。
 それから彼女がターニャ一等兵。階級は低いが、見ての通り『諸般の事情』が絡んでる。
接近戦のエキスパートで、入隊の経緯は少尉と一緒だから、
何か困ったことがあったら相談するといい。
 言うまでもないが、彼らは特殊部隊の訓練にパスしてるし、実戦経験も豊富だ。
ターニャ一等兵に至っては特殊部隊記章を2つも持ってる。
護衛が必要なときは迷わず声をかけるように。
 で、カタギリ少尉は君らと違って首から上の価値を買われて入隊しているので、
そのあたりはわきまえるように。必要ならば、死んでも守れ。どうせ君らは殺しても死なん」
「イエス・サー」
「さ、少尉、適当に座って。役者が揃ったところで、半年塩漬けにされてきた案件に取り掛かるぞ」
 私は促されるままに、手近な椅子に腰掛けた。部下たち――ああ、なんという違和感――も一斉に腰を下ろす。
ハント大尉は、ホチキス止めした数枚の書類を全員の手元に配った。
「1436号事件」と書かれたその書類には、しっかりと最重要機密の判子が押されている。
安い機密書類もあったものだ。
「事件自体は、類型的な自爆テロだ。
問題は、事件の背後にこの男が関与していると推測される点と、1439号事件との関連性にある。3枚目を見てくれ」
 私は資料の3ページ目をめくった。そこには写真がプリントアウトしてあって
――その写真を見た途端、眩暈がするのを感じた。テーブルの下できつく拳を握り、
必死で平常心を保とうとする。
「イリーヤ・ダヴィドフ、29歳。関与したと推定される爆弾テロは31件、札付きのテロリストだ。
元国立大学の学生で、プロフェッサー・マクシムの秘蔵っ子と言われている。次のページを」
 震える手で、次のページをめくる。
「自爆したカレン・キリチェンコの部屋から発見された手紙のコピーと、その翻訳だ。
手紙自体はよく見るアジビラの類だが、サインにイリューシャと書かれている。
イリーヤのニックネームだ。筆跡鑑定の結果、これはイリーヤの書いた手紙であると断定された」
 手の震えが止まらない。禁煙だろうがなんだろうが知ったことか。
私はバッグからタバコとライターを取り出し、懸命に火をつけようとするが、
そもライターが点火できない。怪訝そうな顔をしたターニャが、彼女のライターに火を灯してくれた。
感謝する余裕もなく、すがるようにタバコに火をつけ、紫煙を深く吸い込む。
「さて、これだけならばイリーヤの余罪に1件追加されるだけだが、
事情はもう少し違う。10ページを」
 いつのまにかターニャが隣に座って、私の資料を整えてくれていた。
自分でも、顔が真っ青になっているのが分かる。
「1439号事件、イズミ博士の拉致暴行事件だが、
この際、突入の2時間前に、現場にセダンが1台到着している。
暗視装置とサーモグラフィで監視していた特殊部隊の隊員にインタビューしたところ、
セダンから降りた人物は、イリーヤの特徴と一致した」
 そっと、手からタバコがとりあげられた。半分以上が灰になっている。
ターニャは携帯用の灰皿を取り出し、吸殻をしまいこんだ。
「残念ながら、イリーヤと思われる人物は突入の30分前に現場を去っている。
特殊部隊を指揮していたギリアム少佐は、車両の追跡を断念、突入の準備に専念した。
やむをえない判断だ。その場で狙撃してくれていれば話しは早かったんだが、
それは非難すべき点ではない。
574no solution 6/12res:2009/07/02(木) 00:48:32 ID:buzhO8ZT
 1439号事件は実に謎の多い事件だが、ある一点で1436号事件とリンクしている。
自爆したカレンと、イズミ博士の間に、深い交友関係があったという点だ。
彼女たちは住居をシェアしており、生活環境は完全に密着していた。
また、イズミ博士とイリーヤは、戦前、恋愛関係にあったことも確認されている」

「つまり二つの事件には、イリーヤの野郎のプライベートが関係していた可能性がある、と?」。
ニール特技官が口を挟む。
「そういうことになる。どんなテロリストにも、必ずプライベートはある。
そして常にそれは彼らの弱点だ。我々の任務は、この二つの事件を糸口に、
イリーヤを丸裸にし、裏で彼の糸を引いている連中を明るみに出すことだ」
「なんとも気宇壮大ですね」。アイク軍曹が巨体に似合わぬ、囁くような声で呟く。
「でももう6ヶ月も前だよね。糸口、ねえ。
カレンは死んで、イズミ博士はテロ幇助の疑いでグアンタナモに収監中だっけ。いったい、それで――」
 ターニャがブロークンな英語で愚痴を漏らしたが、そこではっとした顔になり、私をまじまじと見る。
「いいか、ここから先は特級の機密だ。カタギリ少尉は、イズミ博士と同一人物だ。
糸口は、俺たちの手の中にある」
「囮にするの? そんなの、いくらなんでもひどい。こんなのひどすぎる」
「いいや、カタギリ少尉は、自分の意思でここに来た。それに、囮にはしない。
彼女は、ただの糸口なんかじゃない。とびっきりの秘密兵器だ。
 この事件には、あまりにも謎が多すぎる。俺たちは、それを解きほぐさなくてはいけない。
それではじめて、イリーヤに接近できる。一本釣りができるなんて思っちゃいないさ」
「秘密兵器は結構。カタギリ少尉、大丈夫? うちの隊長は、人使いは荒いし、
デリカシーはないし、給料は安いし、人間として最低の野郎だから。
忘れちゃだめだよ、いまあたしらがいる軍隊には、本当にイヤなことなら、
イヤと言う権利くらいはあるんだから。どうせやることになったとしても、
イヤならイヤとだけは言うべきだわ」
 私は深呼吸して資料を閉じると、なんとかターニャに微笑んでみせた。
「大丈夫。ありがとう、ターニャ。ちょっと動揺しましたけど、もう、大丈夫。
それより――パーツは増えたけれど、どうも関係が弱いですね。
偶然の一言で片付けられる程度の関係性を超えない」
「そうですか? 男Xがいて、女Aがいて、二人は恋人。
もうひとり女Bがいて、女ABは親友。それで女Bは、どうやら男Xと深い関係にある。
自分には、十分な関係性が感じられますが」。アイク軍曹がぼそぼそと訴える。
「少尉、偶然と言いたい気持ちはわかるけど、これはちょっと」
「僕も二人に同意します。自爆テロの背後には、多くの場合、
個人的な関係があるものです。それが偽りの関係であるのもまた事実ですが」
 私は首を横に振った。
「その仮説は、マクシム師の主張である『自爆は聖なる任務』によって躓きます。
マクシム師が率いる過激派にとって、娼婦は穢れた存在であり、掃討対象です。
ローマ教皇が共産党員を枢機卿に任命する可能性が皆無であるように、
マクシム師の一派が娼婦に聖戦への参加を許すことはあり得ません。
よって、カレンは爆弾を手に入れることすら困難です」
「む、むむ……ではなぜ、そしてどうやって彼女は自爆テロを?」
「不明です。イリューシャ――失礼、イリーヤが師の教えに逆らって彼女に爆弾を用意したのか、
それともまったく別の過激派組織が関与しているのか。
なんとも、不明なパラメータが多すぎます。
 ともあれ現段階で『なぜ』を調べるのは無駄です。確固とした現実から考察を始めなくては。
カレンは、爆弾を爆発させ得た。つまり彼女は爆薬と起爆装置を手に入れることに成功した。
これが暫定的な事実です。
 従って、可能性は皆無とされていますが、
カレンが自爆テロの犯人ではないケースの再検証を行う必要があります。
ここが私たちのスタートラインです。
 その上で、使用された爆薬の種類、また現場の写真から爆発のパターンを割り出し、
何が使われたのかを正確に把握しなくては。既にそのデータが揃っているのでしたら、
それを検証すべきです」
 皆、黙り込んだ。ハント大尉は得意げにニヤニヤしている。
575no solution 7/12res:2009/07/02(木) 00:54:00 ID:buzhO8ZT
「――なるほど、この人の首から上には金貨が詰まってるね。カタギリ少尉、
あなたのことを尊敬するよ。小娘が何しにきたんだと思ったけど、とんでもない。
でもね、少尉。少尉のスタートラインは、そこじゃないよ」
「……と、いうと?」
「大尉、カタギリ少尉の部屋って、とりあえずあたしと同室でよかったよね? 
あたしは少尉の荷物を運ぶから。爆弾がどうこういうのは、大尉とアイクでやってよ。
カレンの身辺調査と検死報告分析はニールが。あたしは荷物運びと基地の案内。
少尉はシャワーを浴びて、飯を食って、荷解きしてから、一眠りして時差ぼけ解消。
いい分担じゃない?」



 私以外の全員がターニャの提案に賛成したため、民主主義的手続きに則って
私は一度荷物を部屋に置き、身支度をすることになった。
正直、食事が喉を通るとは思えなかったが、薦めに促されてシャワールームで汗を流すと、
なんとなく空腹を感じ始めた。食堂で野菜を中心にしたメニューをもらい、
ターニャと二人で食事をする。彼女はがっつりとした肉料理だった。
見ているだけでお腹が一杯になりそうだ。
「少尉、ダメだよ食べなきゃ。この仕事、体力勝負なんだから」
 サラダを半分食べたところでタバコに切り替えた私に、ターニャがお説教する。
私は首を振って、サラダのボウルを彼女の前に押しやった。
「残すくらいなら、あたしが食べるけどさ」
 あっという間にボウルが空になる。
「それでぶっちゃけ、まだ彼のことが好きなの?」
 三杯目のシチューにとりかかっていたターニャが、唐突に聞いてきた。
「――わかりません」
「敬語はよして。あ、でもあたしは難しい言い回しはできないから、これで勘弁。
国の言葉で喋っていいならもうちょっと頑張れるけど、ここではマズイからね。
で、わからない、ねえ。大変だ」
「嫌いかと聞かれたら、たぶん、嫌いじゃない。好きかと聞かれると、もっと困る。そんな感じ」
「難しいねえ。でも、少尉に乱暴したメンツの一人なんじゃないの? それでも許しちゃうわけ?」
「仮に性別と立場が逆だったとしたら、私も同じことをしたと思う。
部下の前でスカして見せるわけにはいかないし、臆病者と思われてもいけないから」
「だから許せる?」
「――わからない。カレンのこともそう。わからない。
カレンとイリューシャが愛し合っていたのかもしれないなんて、想像すらしたことがなかった。
嫉妬は、多分、感じていると思う。でも、なんだか――もやもやする」
「学者先生は難しいねえ。あたしならそんな男とは金輪際縁切りだし、
浮気されたんなら一発ひっぱたかないと気がすまない」
「私はカレンを叩けないもの」
「じゃあ、イリーヤの首に縄かけて引っ張ってこよう。一発殴ればすっきりするって。
経験上、間違いないよ」
「そうね――そうかもしれない」
「単純に生きるってのも悪くないよ、少尉? あたしはそのほうが好き」
 私は黙って頷き、タバコを吹かした。

 食事が終わると、部屋に案内された。
ターニャはお先と言うが否や彼女のベッドで眠ってしまったが、
私はどうにも眠気を感じなかったので、ハント大尉の携帯電話を鳴らしてみて、
今何をしているのか聞くことにする。
彼らはオペレーションルームで資料の検索と検討をしているらしい。
私は足音を忍ばせて部屋を出ると、彼らの仕事場に向かった。
 オペレーションルームは透明なアクリルの壁でいくつものブースに区切られていて、
彼らはそのうちの一つに陣取って大量の資料と格闘していた。ブースの壁をノックすると、
二人がちらりと私を見る。大尉は無言で椅子を滑らせてくれたが、
アイク軍曹はすぐにモニタへと視線を戻した。大きな身体を猫背にして、
巨大な手で敏捷にキーボードを叩く姿は、どことなくユーモラスだ。

「どうです?」。とりとめのない質問をしてみる。
「調査中」。とりとめのない返事をされる。意地悪。
576no solution 8/10res:2009/07/02(木) 00:56:46 ID:buzhO8ZT
「大尉、それはいくらなんでも意地が悪いです」
「じゃ、アイク、君が現状報告を」
「面倒です」
「それみろ」
 言葉とは裏腹に、アイク軍曹は椅子ごと振り返ると、私にプリントアウトの束を手渡した。
なんだ、親切じゃない。パラパラと内容を確認してみる。
爆発物関係の専門用語ばかりでさっぱり理解できない。
前言撤回。私は無言でプリントアウトを軍曹の隣に置く。
「コーヒーが欲しいな、アイク」
「そうですね、隊長」
 私は肩をすくめて、コーヒーサーバに向かう。
3人分のコーヒーをトレイに乗せてブースに戻ると、2人は席を立ってスチロールカップを手に取った。
「お客様、コーヒーをお持ちしました」
「俺は砂糖とミルク派なんだけど」
「チップが見当たりませんけど?」
「ブラックでいいことにする」
 しばらく、無言でコーヒーを飲んだ。やがてアイク軍曹が口を開く。
「爆発物の種類はC4、いわゆるプラスチック爆弾で間違いありません。軍用です。
手に入れようと思えば手に入らないわけではありませんが、爆発の規模と被害から逆算すると、
ちょっと量が多い。相当な資金的余裕がなければ自前での購入は難しいですね」
「爆破シミュレーションを何本か走らせてみたが、旧式の戦車や装甲車なら吹き飛ばせるくらいの量だな。
もしかすると、即席の対戦車地雷をバラして作ったのかもしれない。
隣の国と戦争してた時代には、そういうのを作ってたと聞く。
なんにせよ素人には手が届かないシロモノだ」
「つまり、可能性は3つですね。カレンの背後に支援者がいたか、
カレンは一定の訓練を受けていたか、その両方か。僅かな例外として、偶然入手したという可能性」
「カレンの身元と検死結果の再調査はニールが進めているが、
奴にしては随分と難航中だ。少し時間がかかりそうだな」
「彼女、戸籍上は存在していない人間でしたから、身元の調査は不可能に近いと思います」
「なんてこった。職場で聞き込みをするしかないか」
「彼女と一番親しかった人間はイズミ博士という以上の結果はあまり望めないかも」
「やってみなけりゃわからん。いや、それより先にニールの仕事を手伝いに行こう。
アイク、続きを頼む。カタギリ少尉は俺と一緒に来てくれ」

 ニールは、彼の部屋で大量のPCに埋もれていた。
階級から言えば二人部屋のはずなのだが、特例は常にあるということだろう。
ハント大尉はニールの耳からオーディオテクニカのロゴが入ったヘッドフォンを剥ぎ取り、
「どうだ?」と声をかける。
「調査中です、大尉」
 これって彼ら定番のコントなのだろうか。
「お前、またブースを覗いてたな。基地内のクラッキングは禁止だとあれほど」
「大尉がボイスチャット回線を開けたまま仕事してただけです」
「おっと、それは失敬。で、どうだ?」
「少尉の仰るとおりですね。何度もチェックしましたが、
やはりこの国の古い戸籍データには、カレン・キリチェンコは存在しません。
死んではじめて、戸籍ができた。やりきれない話です」
「ということは、公式報告書にあったカレン・キリチェンコという名前は」
「偽名かも。どうです、少尉?」
「調書にも書いてあると思いますが、私はカレンという名前しか知りません」
「ということで、この報告書はまったくもって紙の束です」
「キリチェンコなんて名前がでてきたソースの記録は?」
「ありません。なにしろ『戸籍どおりのデータ』ですから。この国の役人は、
身元不明の死体に適当な氏名をつけて書類仕事を終わらせることが多いですが、
多分これもそういうことかと」
「クソ、手抜きしやがって」
「もっとも、いくつか興味深いことも分かりました。
まず、カレンの出身地とされているカイナール村なんですが」
「カイナール村?」
 思わず聞き返してしまう。初耳だ。
577no solution 9/10res:2009/07/02(木) 00:58:43 ID:buzhO8ZT
「ああ、これはイズミ博士の調書ではなく、職場での聞き取り調査によるデータです。
 で、そのカイナール村なんですが、2年くらい前、
村をあげての結婚式をやってるところを連合軍の戦闘機が誤爆して、
村民の約半数が死んでます。あのあたりはそもそも武装勢力の実効支配地域ですが、
結婚式につきものの祝砲を対空砲火と勘違いしたらしいです」
「なんてこった」
「本当に興味深いのはそこじゃないんです。
 その村では、彼女の推定生まれ年の10年ほど前に『カレン』という名前の女性が宗教裁判所によって処刑されています。
それでなのか、カイナール村では女の子に『カレン』という名前をつけないようにしているようですね。
戸籍上のデータを見る限り、子供の数は多いですが、カレンはゼロです。名前としちゃ、ありふれてるんですがね」
「裁判のデータはあるか?」
「宗教裁判所は電子データを持ってません、大尉。宗教裁判の件は、
この国の新聞をクロールして見つけた情報です」
 私は記憶の糸を手繰った。宗教裁判は我が国の司法制度における悪弊のひとつではある
(と私は思っている)が、死刑判決が出たケースはそれほど多くない。
カイナール村の、カレン。宗教裁判。たぶん、あの判決だ。
まさかこんなところで結びつくとは思ってもみなかったけれど。
「北部宗教裁判所、判決第1086号。
カイナール村のカレン・バリシニコワ被告を姦淫および聖典侮辱罪により死刑に処す。
被告は姦淫の罪を犯したにも関わらず強姦の被害者を詐称した。
自らの主張が受け入れられないと知るや裁判長に対しベールを投げつけ、
これをもって聖典侮辱罪により死刑が宣告された」
「なんだそれは」
「判例です」
「そりゃわかってる――まさか、覚えてた、のか?」
「ええ。もっとも、実際に起こったのは、
その村の実力者が自分の孫娘の一人であるカレン・バリシニコワを強姦し、
そこを使用人に目撃されたので、彼女を姦淫の罪で訴えたという事件です。
彼女が自分を誘惑したのであると」
「それはひどい。なぜそんな無茶が通ったんです?」
「この国は法治国家だからですよ。当時のあらゆる規範は、
彼女が有罪であることを示しました。多分、現在でも」
「そんな。そんなの、法が間違ってますよ! そんなのどうかしてる!」
「悪法も法なり、です。そんなに簡単な問題ではありません。そもそも――」
「ストップ、そこでストップだ、少尉。俺らは法学のゼミに参加してるんじゃない。
 ニール、カレン・バリシニコワを調べろ。
国際犯罪データベースへのアクセス権を申請しておく。
活動的な人権団体は、なにかしら逮捕歴を持ってるからな。
運がよければ、調書にバリシニコワの件について記述があるかもしれない。
 で、ほかにも何か見つけたか?」
「――はい。検死報告を吟味しましたが、やはりカレンが犯人であると断定できます。
焼け残った骨が前後から大圧力を受けていますから、身体の前後に爆薬を隠し持っていたものと。
 それから、彼女の残留物からは、釘がほとんど発見されませんでした。これも決め手のひとつです」
「釘?」
「彼女は、身体に巻きつけたC4の表面に大量の錆釘を刺していたんですよ。
それが爆発で吹き飛んで、簡易型の対人地雷になった。
死傷者があそこまで増えたのはこれが原因です。
 ただ、これにも興味深い類似点があります。この3年で起こった、
自爆テロを含む爆弾テロのデータをひっくり返してみたんですが、
C4に釘を打ち込んで使ったケースは、24件しかありません。
そういう小細工をする連中は、最近じゃもっと確実に殺傷力の出るもの、
ギザギザの金属片とか高硬度の針金とかをねじこんでるもので。
釘ってのは、今となっちゃあ時代遅れな方法なんです。
 それで、釘を使った24件のケースのうち、自爆テロは8件。
うち3件が、カイナール村出身者およびその縁戚による事件です。
ちなみに錆釘爆弾テロ16件のうち、5件にイリーヤが関わってます」
578no solution 10/10res:2009/07/02(木) 01:01:28 ID:buzhO8ZT
「わかった。よくやった。よくやったついでに、やはりカレン・バリシニコワ事件を最優先で調べてくれ。
自爆したカレンよりそっちが先だ。それが終わったら、イリーヤの親族関係をもう一度徹底的に洗え。
治安維持軍の公式資料なんぞ参考にするなよ。
そこまで終わったら、カレンの元職場にインタビューに行くことを許可する」
「アイ・サー。ああ、あの、少尉」
 私は飛び交う情報の速度にやや圧倒されていたが、ニールの声にふと我に帰った。
「先ほどは、すみません。悪法も法なり。その通りです」
 少し、笑ってしまう。
「悪法も法なり。でも、カエサルのものはカエサルに、神のものは神にとも言います。
法は、カエサルだけが定めるものではありません」
「神の法にも従えと?」
「神は私たちの内側におられます」
「つまり?」
「それが政治というものです」
「うへえ。僕はやっぱりコンピューターのほうが好きです」
 彼は苦笑いすると、またヘッドフォンをかけなおし、ディスプレイに集中しなおした。
マシンガンを撃つようなタイプ音がし始める。私たちは、そっと彼の部屋を出た。



 大尉は夜食を求めて食堂に向かった。私も一緒に来るように命令されたので、
仕方なくついていく。チーズがごっそりと挟まったサンドイッチをぱくつきながら、
ハント大尉は漠然とした問いを投げかけてきた。
「どう思う、少尉」
「考えています」
「そのネタはもう時代遅れだ」
「何の根拠もないですが、ある程度まで合理的な説明があります」
「聞かせてくれ」
「仮説1。もし、カレン――いえ、少女Xにします。
少女Xが、判例1086の原告に強姦された被害者だとしたら」
「カレン・バリシニコワは殺されたのでは?」
「重度のペドフィリアは、嗜好というよりも病気です。適切な治療がなければ何度でも再発します。
裁判沙汰にしたことで一時的に鳴りを潜めたかもしれませんが、
原告がそれ以降も同じ犯罪を犯している可能性は高いと言えます」
「なるほど。そして原告は、二度目の失敗はしなかった」
「しなかったのではなく、失敗しないシステムが用意されていたのかも。
 いずれにせよ、被害者である少女Xは、村での居場所を失ったと感じたでしょう。
急迫時における戦闘訓練を共有するような小さな村でのことですから、
何をどう隠そうがあっという間に噂は村中に広がる。
少女Xの未来は、少女X本人にも分かる形で絶たれました」
「絶望した彼女は街へと逃げ出したが、結局は自分の身体を売る以外に生きる術を持ち得なかった」
「その少女Xが、カレンと名乗る。蓋然性はあります」
「待ってくれ。カレンは、戸籍に登録されていない人間だった。
なのに、村の機密ともいえる戦闘技術は伝えられていたことになる。
『失敗しないシステム』というのは、つまり少女Xは人身売買で買われてきた
スケープゴートということだろう? それでは辻褄が」
「合います。少女Xは村民にとって商品としてやってきた異邦人ではなく、
ゲマインシャフトの一員として認められる存在だったということです」
「それで、失敗しないシステム――クソったれ。こいつは世界ランカー級のクソッタレだ。
カイナール村の調査に行こう。半分はまだ生きてるんだ」
「カイナール村は随分前から武装勢力寄りなんでしょう? 
連合軍の制服を着た人たちに協力などしないかと。
それに、これは仮説というよりは、物語の創作に近いですよ。
それで調査だなんて、ダメモトにもほどがあります」
「制服なんて着せるわけないだろ。さて、少尉、ダメモトなフィールドワークなどいかがですか? 
今ならもれなく助手を1名つけますよ」
「大尉は何をするんです」
「俺は、結婚式への誤爆が、本当に誤爆なのか、裏を取る。戦場にようこそ、博士」    (第3章「偶然」に続く)
579no solution 2/10:2009/07/02(木) 01:03:34 ID:buzhO8ZT
以上です。

ご連絡
・規制がなければ週1ペースで投下予定です。
 ただ、かなり規制に巻き込まれやすいため、遅れる可能性があります。
・少なくとも10週はかかりますので、投下をお考えの職人様につきましてはお構いなくガンガンかぶせたってください。
・計算と現実が食い違っていますがよくあることです。違いすぎな気もしますが。違いすぎますね。そうですね。
580名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 05:58:12 ID:6dfcw1P4
面白いと言わざるを得ない。
なんか連載が楽しみな作品は久しぶりだな〜。
581名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 21:47:34 ID:Vx1Yxoaq
GJ,読み応えがあるなぁ、
582名無しさん@ピンキー:2009/07/02(木) 22:29:00 ID:XWTiCcPY
お疲れ様
GJ!
583名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 02:09:34 ID:i8lpzkLS
連載している者なのですが、次の章が32Kほどあります。
お手数をおかけしますが、次スレのテンプレなど討議していただけますとありがたいです。
584名無しさん@ピンキー:2009/07/03(金) 22:24:30 ID:vB7EjEhF
作者は女性なんだよね?あんまりエロくはないけど
読み応えは十分。楽しみにしてます。
585名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 22:10:26 ID:J8NWylrB
次スレは立てるとしたら>>1の『』の中を誰か弄るという砲口で。
586名無しさん@ピンキー:2009/07/04(土) 22:12:44 ID:bAhQCqUp
スレが進むたびに>>1のセリフがデレていったら面白いな
587名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 07:16:51 ID:g4ZMIPa0
面白そう
588名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 19:58:12 ID:tBSpz9WU
砲口に誰も突っ込まないおまいらの優しさに吹いた。
589名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 12:20:13 ID:4Lftek7x
砲口に突っ込むなんてはしたない!
590名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 12:54:54 ID:Nm0xrXrN
「アタシの大砲に突っ込んでみるかい?」
なんて姉御から、
「俺の大砲を突っ込んでやるぜ!」
なんてどじっこまで。



吊ってきます。
591名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 13:21:10 ID:Nm0xrXrN
縄が見当たらないので恥ずかしながら戻ってまいりました。
「アタシの薬室に装填してみるかい?」のほうがいいですね。



さて縄はどこかな。
592名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 17:55:45 ID:zm4srK6J
>>590
ロープを探すのはとりあえず>>591のネタでSSを書き上げてからにしてくれ。
姉御肌で巨乳でバインバインの改造軍服を纏った戦車長に
美味しく戴かれることになった急動員の装填手。
593名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 22:28:09 ID:xBrxKtMM
中田氏のときは「情け無用ファイヤー!」
Hの後はヒロインに「・・・だからてめえは!これだから学がねえ奴は!」でフルボッコ
594名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 10:27:41 ID:AbRPP50P
潜水艦の場合
「艦長の魚雷があたしの中で爆発しちゃう!あっあっ!水柱ああ!命中んん!」

戦車
「大尉、大尉の中に僕の128o砲をぶちぱなしたいです!」
「え〜嘘はいけないなぁ…君のは30o砲だよ」
…空軍とか思いつかない爆撃機になるのかな?
誰か書いて
595名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 12:58:18 ID:BxN0n0lC
空軍は給油だと思うの。
フライト中につっこむの。
596名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 18:25:32 ID:RPKPCIGX
空中給油か。
597名無しさん@ピンキー:2009/07/08(水) 19:23:18 ID:YrTLVB/v
>>594
なんというドアノッカー…せめて75mm…。

「私の体を貴方の精液で絨毯爆撃してっ
目標はこの二つの山?それともこのなだらかな丘?こっちの塹壕にもいっぱい爆弾お願いっ」
598名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 00:37:24 ID:Mw8xLlrJ
でもHの後でヒロイン上官に、
「・・・お前はよくやった。未来は私と私の腹の中の子に任せて、おまえは心置きなく突撃しろ」
と笑顔で(肩を掴みながら)言われたらw
599名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 23:55:46 ID:m6xBESz9
「左舷、弾幕薄いよっ(精液的な意味で)、何やってんの」
600名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 22:44:43 ID:TEk13+ar
やっぱりウラーな人達の復讐が好き
601名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 02:06:03 ID:/gHwRJ9U
ウラー?
602名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 01:21:22 ID:2WfZx73o
>>593
エロゲデブとえっちとか…
603名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 02:28:29 ID:fMplulEh
砲手
604名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 11:35:55 ID:ZLGuWLY3
>>583の書き込みを忘れてないか。
605名無しさん@ピンキー:2009/07/17(金) 20:19:16 ID:36uO5uez
気付けばもう493もいってるのか。
テンプレって言っても特に思いつかないな。
次スレ誰か頼む。
606名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 00:16:41 ID:lrRtBFWJ
んむ よくよく見たらもう埋まりそうだったのか…
じゃあ俺が編成してくる
607名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 00:24:50 ID:lrRtBFWJ
608名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 02:04:16 ID:FKLuhdYC
>>607
よくやった、お前ウチに帰って妹をファックしていいぞ
609名無しさん@ピンキー
植民地に派遣されて現地の言語をベットの上で学ぶ将官というシチュがいいなあ。