らき☆すたの女の子でエロパロ39

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1名無しさん@ピンキー
アニメも好評のうちに終了し原作も大好評連載中、PS2版も絶賛発売中の「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。


☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること

※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。

■みゆきさんの一言メモ
・投稿の際に、メール欄に半角英数でsageと入力すると、スレッドを上げずに書き込めます
 『sage』では有効になりませんので、全角・半角を確認してください

・スレッドの閲覧・書き込みは、絶対ではありませんが専用ブラウザの使用を推奨します
 これにより『人大杉』のエラーが回避できます

・SS投下は、一度メモ帳やワードパッドなどで書き上げてからまとめて投下してください
 投下間隔があくと、他の方がレスできなくなってしまいます


マターリはぁはぁしましょうか。

☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)(避難所の行方はここ参照)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html
☆派生サイト:てけてけかなたさん伺か化計画
ttp://neo-experiment.hp.infoseek.co.jp/index.html
☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ38
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203232643/
2名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:08:31 ID:dKMrt/h9
前スレにまだ余裕がございますので、議論等ありましたらそちらをご利用ください
3名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:09:46 ID:w2WD0Scn
さあ、>>1乙ざますよ!
4名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:12:43 ID:c5fqjTCi
>>1乙ンガー
5名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:13:26 ID:vL8l0ig7
まともに>>1乙じめなさいよ!
6名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:19:34 ID:nFmzt6Mq
あーいまーい >>1乙♪


※保管庫議論は前スレの埋め話題or避難所でしましょう
7名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:24:45 ID:sGVcMxGS
>>1乙ってことかい♪ちょっ
8名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:40:59 ID:+gEkZA82
>>1乙39だだだだだーーー!

9名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:54:23 ID:t9hthQ41
>>1
次で40になるのか・・・凄いな
10名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:55:27 ID:o39HvvkM
1乙だってヴァ。
11名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:56:51 ID:gqe8pEBW
>>1乙です。
このスレの進行の速度は凄まじいものがあるな。
喜ばしい限りだが。
12名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:59:17 ID:c5fqjTCi
>>1乙ガンスを入れ忘れちまったのかい、ぷん
13名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:01:05 ID:xFmAU5eX
>>1
乙なのです。もうすぐ4万レスかあ。
14名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:02:51 ID:RPDCZjJs
>>1
乙かれー

>>13
容量のこと忘れてない?
15名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:18:06 ID:YusuisHQ
このスレはゴッドかなたさんによって見守られています



かなたさま「もうすぐ3月ですね、3月はホワイトデイSSで盛り上がってくれますよね。あの子も返し返されて、いつも以上に鼻血が飛び交うのかしら」

「え? 3月までに40スレ行くからまだ先? ……私のチョコのお供えも、まだまだ募集してますから!!」
16名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:18:59 ID:U3VLC2IJ
>>1乙はステータスだ!
17名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:24:56 ID:xFmAU5eX
>14
わすれてたw 基本1000いかないんだな。
18名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:34:53 ID:yUiH7qZQ
>>13
もうすぐ「ログが計20MB」というのがふさわしいかも。

……datが入ってるフォルダからこのスレのログだけを引っ張り出して、総容量を見たら爆笑しちまったい。
19名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 01:53:54 ID:0en1jR2m
このスレはボットかなたさんによって見守られています

こなた「おかーさん、またPCの中に戻ってきてくれたのは嬉しいんだけどさ、何やってるの?」
20名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 02:34:13 ID:+gEkZA82
このスレはレッドトかなたさんによって見守られています

かなた「だばだば」
こなた「ちょwww」
21名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 03:32:47 ID:/3pN6OEN
まさにベルリンの赤い雨
22名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 09:31:28 ID:m8EO/fsT
桜藤祭のみさおで誰か書いてくれないもんか・・・。
23kt:2008/02/26(火) 11:52:39 ID:XBQwp2K7
ゲームネタじゃな(ry
ktです

それでは
「鼻血)ry会3☆人工少女の興味」
投下してもよろしいでしょうか?

○前々作「鼻血みゆきの今後を考える会」と前作「鼻血)ry会2☆いつもと違う1日」の続きです
○12レス
○オリキャラ視点注意、あとオリキャラ沢山です
○エロ(自慰)あり
○妄想屋(仮名)氏に感謝です!
ネタ多めです。ではどうぞ
24鼻血)ry会3☆人工少女の興味1:2008/02/26(火) 11:54:25 ID:XBQwp2K7
『大大姉さん、時間です、起きてください』
『う〜ん、、あと5時間〜』
『5時間はさすがにちょっと…大大姉さん、オイルの飲みすぎです』
『…その大大姉さんってのやめてくんない?、、あたしにはあきつーって名前があるんだけど?』
紹介しましょう、この人の名前は<T-R0 あきつー>
高良家で最初に造られたヒューマノイドで、私達は大大姉さんと呼んでいます
造られたきっかけは寂しかった幼いみゆきお姉さまの気を紛らわすためにテレビのアイドルを模して造られたとか
『そもそも“おおおおねえさん”って何なのよ?ったく…流行らしたのあんたでしょ?』
大大姉さんが私の横に目をやる
そこには黒い毛並みの犬がいた…いやこの方は―
『そう言わんでもええやん、おいらは早く新入りに馴染んでもらおうとなぁ…』
この方は<TR-A1 ブロッサム>
大大姉さんの次に作られたので私達は一応、大兄さんと呼んでいます
…でも性別がはっきりしないとか何とかで、、造られたきっかけは向かいの家の岩崎さんのチェリーの友達を造ってくれ
と頼まれたからだそうです

大大姉さんと大兄さんはまだ喧嘩している…一方的ですが
止めた方がいいのだろうか
《やほ〜!面白くなってきたんだってVA!》
部屋のスピーカーから音声が聞こえる…これは―
『ちょっとV:A!あたしの部屋覗くなってんでしょ!』
《いや〜ゴメンね、、面白くなってきてついね》
この音声の主は<TR-OSV V:A>
高良家を警備するOSで詳しくは知りませんが日下部みさおさんを…
《ねぇねぇ?、うぃきつー?何か忘れてるんだってVA》

私が?…えと…何を―
『ああ、確かそうだったわね…』
『ああ、今日やったんか!、、しんぱてぃはもう行ったらしいな』
…あ、、
『その間 わずか2秒!!』


25鼻血)ry会3☆人工少女の興味2:2008/02/26(火) 11:55:59 ID:XBQwp2K7
私は走る!全力で走る!!時々飛ぶ!!!
失礼しました…私はうぃきつーと申します
なぜこんなに急いでいるのかというと―…私は今日から陵桜学園に入学するのです

鼻血)ry会3☆人工少女の興味

いえ、正確に言うと入学ではなく、転校扱いなのですが…
…それはともかく、みなさんと集まった後色々ありまして、、、ゆかりお母様の薦めで陵桜学園に―
「おはよ〜うーちゃん!」
「おっはよ〜ぉ!うーたん!」
『おはようございます、泉こなたさん・柊つかささん』
「まさかうーちゃんがこの学園に入るなんて思わなかったよ〜!これから楽しくなるねぇ〜!」

…みゆきお姉さまは最後まで反対していたのですが…ゆかりお母様がどんな方法かしりませんが説得したとかで
『はい…自分でもびっくりです、、あと3年生じゃありませんので…すいません』
…“うーちゃん”というあだ名にはもう慣れた、、まぁ…柊つかささんには悪気はないのだし…
「え〜…そうなんだ…」
「そいえばつかさぁ〜かがみは?」
「今日はゆきちゃんと一緒に委員会の仕事があるとかで先に行ったよ」
「ふぅん…いゃ〜それにしても今日もうーたん、萌えだネ!」
…このあだ名にはまだ慣れない
『…うーたんは…その…ちょっと…』
「そういえば今日のうーちゃん眼鏡かけてないね、、どうしたの?」
『ええ、みゆきお姉さまが「学園に同じ顔が2人いたら困るでしょう?」と言ったので…』
今の私はTR毛髪を操作してショートヘアに・眼鏡無し・そして…なぜか胸ランクも少々下げられている
「そういえばうーちゃんって好きな人いるの?」


26鼻血)ry会3☆人工少女の興味3:2008/02/26(火) 11:57:28 ID:XBQwp2K7
好きな人?
…柊つかささんが言う好きな人とは、、おそらく異性のことだ、愛ではないのならみゆき
お姉さまやゆかりお母様等々いますが…
『いえ、、今は…』
「そうなんだ〜…って私もいないんだけどね、、、えへへ」
柊つかささんが申し訳なさそうに笑う
「うーたんって性欲処理どうしてるの?」
泉こなたさんが…って

………え?
今何と言った!?
れれれ冷静にな)ry
…じゃなくて!うーたんはちょっと…の後です!性欲?お前はな)ry…じゃなくて!、、って
さっきから何なんだこのネタは!?データベースに勝手に登録されて―…って性欲処理?…
それって、、、あれですよね?、、、オ…ナニー…とか男女の営み…とかやらないかとか阿部さ
ん…ってだからちょっと待て!え〜とえ〜と、、ぶつぶつ…
『その間 わずか2秒!!』
「おー!久々の25秒越え〜」
「こなちゃん…それはちょっと…」
「いや〜毎回うーたんの反応を見るのが楽しくてねぇ〜」
『…人をおもちゃにしないでください!』

まぁ、そんなことをしてる内に学園に着いた
「あやの〜?どーしたんだ?」
「うん…」
「…やっぱり兄貴に会えねーから、、なのか?」
「それもあるんだけど、ね」
「そっか…最近仕事忙しくて会えてないとか言ってたもんな…
分かった!夜会ったときにちゃんと言っとくから!」
昇降口では日下部みさおさんと峰岸あやのさんが話している

「それじゃ、私達もう行くね〜」
『あ、はい』
あ、そうだった
『泉こなたさん!柊つかささん!私学校では名前が変わるんです〜!』
「え?そうなんだ!」
「おお!詳しく聞かせてくれたまへ〜」
『はい、私の名前は―…』


27鼻血)ry会3☆人工少女の興味4:2008/02/26(火) 11:58:46 ID:XBQwp2K7
「―…という都合で転校してきた2人の生徒だ、それじゃ自己紹介してくれ」
『初めまして、高良ゆうきといいます、皆さんよろしくお願いします』
『はぁ〜い!初めまして私はパシリツ=シンティーンでぇす!よろしくでぇす!気軽にしんぱてぃと呼んでくださぁい!』
「う〜ん、、そうだな、、、じゃあ小早川と岩崎の辺りに座ってくれ…それじゃ朝のHR終了だ」
「きりーつ!れい!」

キーンコーンカーンコーン、、とチャイムが鳴る
「え…と、うーちゃんさんなの?」
『はい、小早川ゆたかさん』
「名前が違うよねぇ…?」
『ええ、うぃきつーやしんぱてぃという名前では何かと問題があるだろうということで学園ではこの名で通します』
もっともこの名前はみゆきお姉さまが前日に思い付きで決めたのですが…
「で、そっちがしんぱてぃっスか?」
『うぃ!そうどす。うちがしんぱてぃや!』
「…さっきと口調が違わないっスか?」
「エえ、<TRMS-031 しんぱてぃ>ハ最後まで性格ガ決まらなかっタノデしんぱてぃ自身ガ納得すル性格
にナルまで性格変換機能で性格というカ口調を変えているのでス」
「…それ自分で言ってて悲しくならないスか」
「…番号が031ということは…」
岩崎みなみさんが気付く
『高良製ヒューマノイドのTRシリーズは9体います』
「でもそれじゃ形式番号が合わないじゃないスか?」
「えエ、ホトンどが冷蔵庫や洗濯機などの家電ロボットやメイドヒューマノイドなノです」

「私のヒューマノイドもいるのかなぁ?」
『ええ…確か小早川ゆたかさんのヒューマノイドもいましたよ、、まだ会っていませんが、、、』
「…ねぇうーちゃんさん?」
『何でしょう? 小早川ゆt』
「あ〜また!私たちもう友達なんだよね? フルネームじゃなくて名前で呼び合おうよ!」


28鼻血)ry会3☆人工少女の興味5:2008/02/26(火) 12:00:01 ID:XBQwp2K7
「ね?」
小早k…じゃなかった、、ゆたかさんはとびきりの笑顔で私を見つめる…―確かにそうだ、、ひ…つかささん
やこなたさんは私のことをあだ名で呼んでいるのに……―私も、、、変わらなきゃ
『そうですね、、、ゆ…ゆたかさん』
慣れないことをするとなんだか恥ずかしい、、、でも、なんだか…―心地いい

「それじゃあ私たちってどうなんでスかね…」
「ひよりん、ここハ耐えるシカナイのデス」
『そんなもんなんかいなァ?』
という声をTRマイクが拾ってしまったが、、、どうすればいいんだろう…
「でも、、、ゆたかも「さん」が付いてるよ?…」
「あ!、、、、私も頑張らないと…ね、、うーちゃん!」
『はい、、』
2人とは、、仲良くなれそうだ…

ふと、何やらガガガっという音がする
ひよりさんとパティさんが何やら話しているのをTRマイクが拾ってしまったらしい、、、2人の会話が
聞こえる…どうやらさっきの話の続きらしいけど、、
「…〜人工少女が性欲をもてあまして逆レイプとかありじゃないっスか?、、、ってそもそも性欲ってあるんスかねぇ…?」
「うぃきつーにハ新型OSガ搭載れていますノデ、、OSをそういう方向ニ育てればビっチ化も可能ナハズでス、、、」
「…なるほど、、、教育しだいと――ってあぁあぁああああ…また私は友達でなんという妄想をををををを〜」
『お譲ちゃん…人はそうやって強くなるンや…!』
「それ何のキャラっスか…」
「田村さ〜ん!何を話してたの?教えて〜」
「いいいいいいいや!何も話してないっスよ!?」
『その間 わずか2秒!!』
「うーちゃん、、どうしたの?」
『な、なんでもないです…』


29鼻血)ry会3☆人工少女の興味6:2008/02/26(火) 12:01:42 ID:XBQwp2K7
昼休み
…私は息抜きの為に屋上で休んでいた
『ふぅ、、、』
私はため息をついた、、、その原因は分かっている…
「…何だろう、、今日は何かおかしい…」
つきさっきの言葉や朝の言葉が繰り返し脳内で再生される
“そういえばうーちゃんって好きな人いるの?”
“うーたんって性欲処理どうしてるの?”
“、、、ってそもそも性欲ってあるんスかねぇ…?”
“OSをそういう方向ニ育てればビっチ化も可能ナハズでス、、、”
皆に悪気は―…って3つは悪気ありすぎですが…何でだ―…何で音声自動再生と同時に
アダルトフォルダが開くんだ!?というかそんなの作った覚えがまっっったくないんだ
けどどうなってるんだ?!?

………ふと
―触ったら、、、どうなるんだろう
と思った

『ま、周りに人は…いませんよね…』
私は辺りを見廻す
どくんっ どくんっ どくんっ
…やけにTR心臓の音が響く
ちょっとだけだ、、、ほんのちょっとだけ、、、触るだけ…
私はスカートをたくしあげ…下半身のくぼみに手を伸ばす
どくんッ どくんッ どくんッ
、、、このフォルダに入っているムービーの通りにやればいいだけなんだ、、、簡単だ
手が下着越しに下半身に触れた時、、、私に電撃がはしった

びくっ!
『〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!』
…なに?今一瞬変な快感が―
あ、感度センサーが最大になってる、、、…この状態のまま続けたら―
どくんッ!! どくんッ!! どくんッ!!
…続けたら、、、どうなるんだろう…
私は下着越しにくぼみに触れ くちゅ…くちゅ… と愛撫した
『っ…はぁ、、はぁ、、』
自然に息があがる
指使いが止まらなくなる
くちゅぅ…くちゅぅ…くちゅぅ…
音が立ち始め、指に冷たさを感じ始めた


30鼻血)ry会3☆人工少女の興味7:2008/02/26(火) 12:02:49 ID:XBQwp2K7
、、、これが…濡れるってやつなのかな…
くちゅっ…くちゅぅ…くちょっ…くっちょぉ…
次第に音がいやらしく…なる
ドクンっ! ドクンっ! ドクンっ! ドクンっ!
『あっ、、はぁ、、んっ…ぁっ』
私は力が抜けるのを感じ後ろのフェンスにもたれかかり、、、
そしてより激しく指を掻き立てる
ドクンっ!! ドクンっ!! ドクンっ!! ドクンっ!!
TR心臓が激しく脈動する
『ハァ、、、、ぁあ…はぁあっ、、ん』

こんなときに、、人が入ってきたら…―なんて思われるんだろ
気持ちいい、、、止めたくない…もっと…もっ―


がさっ


横の方から音がした


31鼻血)ry会3☆人工少女の興味8:2008/02/26(火) 12:04:27 ID:XBQwp2K7
!!!1!!?
『…誰!?』
見られたっ?!?聞き間違い?!
いや、気配は…ある、、、
そうだ、、
思えば…この気配、、、最初から―
止めないと…手を止めなくては、、
止まって!…止まってよ…
『止まれぇっ!!』
やっと、、止まった

『はぁ…はぁ…』
ドクンっ…ドクンっ…ドクンっ
TR心臓が脈動している、、、でもさっきと違う
…何が違うの?
違うのは恐れているからだ
…何を?
私がここでオナニーしていたのがバレるのを、だ
…どこにいる?、どこに―
、、、ふと前―…屋上に通じる扉の方に目を向けると、そこには…

「マサかこんなところデ自慰にフケッテいるとハ♪…あ 続ケて続けテ」
…パティさんがいた、、、よりにもよってこの人、、なのか?


32鼻血)ry会3☆人工少女の興味9:2008/02/26(火) 12:06:07 ID:XBQwp2K7
『あ、あの…どこから?』
「途中かラです♪、タップリ堪能させてイタダキましタ♪」
『いや、、あの、、』
『フゥム…しかしコレはれっきとシタOSの進歩デスよ!、、早速みゆき様に報告ヲ―…」
『え、、、ちょっと…』
「ふんふぅ〜ン♪」
待って!…待ってっ!!、、、待って下さいっっ!
私は…!私は―

―それは

―本能による

―…一瞬の

―奇襲だった

エンジン50%開放! ブースト開放!! 両人差し指変形!!!
「むぅ、、みゆき様なかなか出ませn」
記   憶   削   除   !   !
ぷちっ
「アh」
、、、やってしまった…

説明しよう!
記憶削除という技は高速で対象物に近付き変形した両人差し指で対象物を刺激しk)ryする技である
よい子は真似しちゃ駄目だよ!

『ぱ、、パティさん大丈夫ですかっ?!?大丈夫ですかっ!!』
「…う、、ン、、ココは?…あなたハいったい…?」
『私は高良ゆうき、あなたと同じクラスのうーちゃんです』
「アー、、あ…?そうダ、、クラスに戻らないト…今日ハ何日でスカ?…ミユキの家に行ッテからの
記憶ガ、、、どウもアイマイで…」
え、、と…助かった、、のか?


33鼻血)ry会3☆人工少女の興味10:2008/02/26(火) 12:07:42 ID:XBQwp2K7
夜、高良家にて
『すいません、みゆきお姉さま、、謝ってパティさんの記憶を削除してしまいました…』
「…そうですか、それでは次の解説要員の方をつく―…」
『それは、、、もういいです』
相手の方にかなりの迷惑がかかるし、、、それに昼のような事になったら…困る
「そうですか…でも何故そんなことに?」
『コレを観れば分かります』
私は自分の中からディスクを取り出した、、、、もちろん改ざん済みのモノですが…
『今日はなんだか疲れました、、、お風呂に入っても?』
「ええ、ごゆっくり」

〜〜〜〜
『ふぅ、、』
高良家のお風呂は広い、
縦に長く・上の方には窓があり・もちろんシャワーやデカい鏡もある
つまり、、いわゆる開放感のあるお風呂だ
『完全防水処理とは、、さすが高良家の科学力は世界一です…』
…今日は朝から疲れた、、、というかヒューマノイドにも疲れって出るものなんですね、、、
鏡の方を見ると、私は裸だった
…いやお風呂だから当たり前か

ふと思う
………昼は―
昼は…途中で止めたんだよ、、ね

私は湯船からあがり鏡の前に立つ
『…そうだドアにロックを掛けないと、、』
これなら最後まd―
…なんですること前提になって…いや、まぁその昼はなんだか消化不良みたいな感じだったし
、、、その…ってなんで自分に言い訳しているんだろう…
私は鏡の前に立つ、縦長の鏡には私の全体が映っている
『今まで自分の身体をあまり観てなかったけど…こんなトコロまで造ってあるんだ…フォルダ
にある資料と同じだ、、』
ドクンっ!! ドクンっ!! ドクンっ!! ドクンっ!!
早くもTR心臓が昼の、、最後の方と同じ脈動をしている
私は下半身のくぼみに触れる
そこからは早くも透明な液が出ていた
『…もう濡れてる、、の?』

―…もう、、興奮しているんだ…
私は興味本位で…鏡の前で…しはじめた


34鼻血)ry会3☆人工少女の興味11:2008/02/26(火) 12:09:04 ID:XBQwp2K7
くちゅっ…くちゅうっ…くちゅ…
いやらしい音がお風呂にこだまする
私はその音でよりいっそう指使いが激しくなる
『ハァ、、あぁ…んぅ…っあ』
…鏡に、、映っているんだ、、、私は…こんな顔でオナニーをして……
ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ!
『ん、、ひっ…ぁ…はぁ、、』
…駄目だ
声を出したら…―お姉さま達に見つかるっ…
私はそう思い消音モードにする
しかし
くちゅぅっ…くちゅっ…くちょっ…
くぼみは余計にいやらしい音をたて、お風呂全体に響き
その音で私はさらに―…

がくんっ

私は耐え切れなくなり腰がくだけ
近くにあった万能いすに座りこむ
はぁ…、はぁ〜…はぁ…
鏡にはいすに座った私が映っている
ドクンッ!! ドクンッ!! ドクンッ!! ドクンッ!!
私は鏡に見えるように股を広げ…割れ目を…指で開いてみる
あぁ、、中はこんな風になっているんだ…凄いなぁ、、精巧に造られてるや
私は中を指や親指が変形したバイブで攻め刺激していたとき

不意に私の身体に強烈な―…しかし心地いい刺激がはしった
びくっ びくっ びくぅっっ!
『っあぁ〜っ〜〜〜〜〜〜〜っっ!1!!』

〜〜〜〜
私の肌は水分を失い乾燥していた
『はぁ、、、はぁ…んっぁ』
…終わった、、これが…オナニー……やって、、しまった、、、
でも…あぁ、、、寒い…シャワーを、、浴びないと…
コトが終わりシャワーを浴びて、、
あと…流していたとき、急に寒くなったように感じた
疑問に思って上の方を見あげると窓には―…


35鼻血)ry会3☆人工少女の興味12:2008/02/26(火) 12:10:37 ID:XBQwp2K7
『けけけけ!見ちまったんだぜ!』
『…しんぱてぃ』
窓の外からしんぱてぃが出歯亀していた
『いやぁ〜エロいんだぜ!うぃきつー!』
…私のココロは逆に静まっていた
『どこから観てました?』
『最初からだぜ!』
『そうですか…』
―TRエンジン完全開放 ブースト完全開放 両人差し指変形
『いや〜!いいモン見、、? 消…』
私は光速で後ろに回りこむ

記 録 削 除 

バチっ
『ぐf』
説明しよう!
記録削除とは記憶削除の応用でk)ry する技である、よい子は真似を(ry

ドサっ
しんぱてぃは窓から落下し地面に落ちる
…どうやら気絶しているだけで損傷はないようだ
『…ふぅ、、、どうしようか…』


―…とりあえず
とりあえず私の自慰シーンをプライベートフォルダに入れておこう


36kt:2008/02/26(火) 12:12:10 ID:XBQwp2K7
ありがとうございました
次回からは新展開です(予定)

正直、記憶削除と記録削除をやりたかっただけですw
書いてるうちにどんどん淫乱な方向にいっちゃいました……
しかし需要無い方に進んでるなコレ…

あと (ry は直すのも今更なのでタイトルの )ry はこのままという感じで…
37みゆつか愛してる:2008/02/26(火) 14:22:26 ID:vK/xXJ8y
新スレおめでとうございます。
みゆきさんだけは死んでも仲間はずれにできないみゆつか愛してるです。
立て続けの投下になってしまいますが、他に投下宣言がなければ投下したいと思います。
24日の00時に投下宣言しようとして結局間に合わなかったこう×やまとです。

・こう×やまと
・ゲームのネタバレ、ゲームネタ注意
・非エロ
・8レス拝借

ではいきます。
38願い事ひとつだけ1:2008/02/26(火) 14:24:15 ID:vK/xXJ8y
季節は冬の真中で、ここ数日はこの一年でもっと気温が低いとされていた。
私は待っていた……もう何回待たされたかわからない相手を、今日もまた。
(はあ……)
空に向けて吐かれた白い息が舞い上がっていく。そういえば天気予報は近いうちに雪が降るって言っていた。
寒さに包まれた街に少しでも明るさを見せる為に照らし出されたイルミネーションがちかちかと眩しかった。
(はあ……)
私は待っていた……手を繋ぐ恋人、家族連れが行き交う人並みの中でただひとり。
(別にいいけど。慣れてるから)
それでも、すでに待ち始めて二十分が経とうとしていて、手袋のされていない手は芯まで冷えていた。
ダッフルコートのポケットに手を入れて、少しだけ寒さなんかをしのいでみる。
待ち合わせ時間から三十分経過しようとしたころに、人並みを掻き分けながら走ってくるロングコートが見えた。
私の顔が思わず少しだけほころぶ。でもそんなところを見せるわけにはいかない。すぐに表情を戻す。
「ごめん、やまと! 待った? 待ったよね?」
「……こう、また遅刻」
私はこうと視線を合わせないように、ぷいっと顔を背けてみせた。
「本当にごめん! 出掛けに色々と用事が重なって……!」
「こうの用事って、いつも出掛けに生まれるものなのね」
「やまと、怒ってる? 怒ってるよね、いっぱい待ったよね!?」
「別に待ってないわ……」
必死に謝罪の言葉を並べるこう。私は依然、顔を背けたままだった。かといって、本当に怒っているわけじゃない。
私はどんなにこうを待っても、こうの前から逃げたりしない。こうは私を待たせても、私を残して消えたりしない。
お互いにそれをわかっている。だからこそ怒っているような素振りをして、こうにもっと謝ってもらってみたりする。
「機嫌直してよ、やまと。今日はなんでもおごるからさ!」
「そういう調子のいいこと言って……誘ったのはこうのほうでしょ」
「そうなんだけどさ〜……」
「そもそも、今日はなんの用事なの? また即売会?」
「まさか! こんな夜に即売会なんかやんないよ」
「じゃあ、なんなの?」
「なんなのって、デートだよ?」
ガツンとした衝撃が、私の頭に走る。それでも表情と言動の平静だけは保っていた。
でも内心は心臓がバクバク。こうの口からデートという言葉が、しかも私に向けて出てくるなんて。
……いや、こうの性格を考えたらありえた話だった。だったら私の心臓がこんなに必要以上に高鳴っているのは……。
「……デートって、こう、ふざけてるの」
「ふざけてなんかないよ! 久しぶりに二人きりでがっつり遊びたいと思ってさ。こないだの即売会のお礼もあるし、それに」
「それに?」
「やまとと二人きりになる時間、欲しかったんだ」
こうが先程までの表情を忘れて満面の笑顔で答えると、私の胸の奥がきゅんと疼いた。
「やまととこうして遊ぶのも久しぶりだからさ……ずっとやまとと落ち着いて女の子っぽい遊びができる日を待ってたんだ」
「こう……」
その言葉に安易に心を許してしまいそうになったけれど、私はすぐに気を引き締めた。
39願い事ひとつだけ2:2008/02/26(火) 14:25:12 ID:vK/xXJ8y
「色々あって離れ離れだったけど、今は目の前にやまとがいる。会えなかった分、しっかり取り戻さなくちゃね」
「……そうね」
私はつっけんどんに答える。もちろん意識してのことだけど、人並み以上に簡単に内面の表情を見せたりなんかはしない。
……それが私の好きな相手でも。その胸のうちが、恋へのときめきでも。
「……デートって言い方はやめてね」
変な期待しちゃうから。

******

「近いうちに雪が降るみたいだよ〜」
「天気予報で言ってたわね」
「なんかさ、雪ってテンションあがらない?」
「そんなに子供じゃないわ」
そんなことを話しながら、私達はメインストリートを並んで歩いていく。
こうはこれをデートと呼んていた。まあ冗談のつもりなんだろうけど、これもこうなりの友情の証なんだ。
高校に上がる前までは、私達は毎日のように二人きりで遊んでいた。全く飽きなかったし、いつだって面白かった。
でもそれがほんの1、2年ぶりになったくらいで、私はいつもよりも少し緊張してしまうなんて。
きっと私の中に、こうへの感情の変化が生まれたから。そのせいもあるんだろうケド。
「やまと、ご飯食べた?」
「まだよ」
「じゃあファミレスいこうよ、ファミレス! 私もうお腹減って倒れそうでさ! おごってあげるから!」
「それもそうね、あったまるし」
「それに、やまとに渡したいものがあるからね」
「渡したいもの?」
こうは振りかえると、にこにこと不敵な笑みを私に見せていた。何かを隠しているような顔。
「ヒントはやまとが欲しがっていたもの」
こう? なんて答えられるはずがない。色々考えてみたけど、正解はひとつしかなかった。
「写真?」
「そう、写真! 実は写真探すのにすごい時間掛かってさ」
「わざわざ探してくれたの?」
「当たり前じゃん。二人の約束だったでしょ?」
そういった理由の遅刻なら、全く怒る気がしない。まあ普通の寝坊でも相手がこうならさほど怒らないけれど。
「ありがとう……でも、だったら今渡した方がいいんじゃない?」
「いや、暖かい場所で二人で落ちついてみようよ。やまとの顔、いっぱい写ってるよ」
「ていうか、私達しか撮らなかったからでしょう」
「まま、いいじゃん」
たしかにいいかもしれない。こうと二人で、一緒に写真を見るということ。こうはあれからどう変わったかな?
そんなことを二人で語り合う幸せ。こうは私のささやかな変化に気付いてくれるかしら。まあ、無理でしょうね。
「それに……もう二度と渡せないかもしれないなんて思いはしたくないからね」
こうがそう呟いた。私の中に、少しだけ憂いが生まれる。こうだって、本当はいつだって時期を待っていたんだ。
40願い事ひとつだけ3:2008/02/26(火) 14:26:01 ID:vK/xXJ8y
一際強い光を放つ店の前を通ると、こうがぴたりと足を止めた。
「どうしたの、こう」
「……いいこと考えたっ!」
私の腕がこうによって強く引っ張られて、私は強引にその店の中へと入れられてしまう。
シャッターが開くと、ガヤガヤとした騒音が耳に響いてきた。すぐに気付く。そこはゲーセンだった。
「ひっぱらないでよ、こう」
「まあ、いいからいいから」
「いいから、とかじゃなくて。ゲームでもしたいの?」
「そうじゃないよ。いいからついてきて!」
「ついてきてって、引っ張ってるんじゃないの……」
こうに引きずられるようにして、ゲーセンの一角へと向かうと、煌びやかな装飾がされた大きな筐体が並んでいた。
「プリクラ……?」
「そう! 親友といえばプリクラ! デートといえばプリクラ! ゲーセンといえば格ゲー!」
「プリクラは?」
「これなら確実にやまとの元にもできあがりの写真が届くじゃんか」
「それはそうだけど」
「それにやまとは知ってるでしょ? 私はやまとと二人で写真を撮るのが好きなんだ」
それはたしかに知っていたけど、しっかりとしたカメラとプリクラじゃ別物だと思うんだけれど……。
そんな私の考えを知らないこうは、私をまたも強引に筐体の中にいれると、手馴れた動きてフレームなんかを選んでいく。
実の事をいうと、この手のプリクラなんていうものはあまり撮ったことがない。こうに撮られる以外の写真は苦手だから。
「こういうの、よく撮るの? 私は撮らないけど」
「私もあんまり撮らないかな? イベントの帰りに部員達と撮るくらいで。ゲーセンにはしょっちゅう足を運んでるけどね」
「でも……誰か他の人と二人で撮ったりしてるんじゃない?」
かまをかけてみたつもりだった。今思うと、しょうもないことだけれど。
「まさか。私はやまと以外の誰かと二人きりで写真なんて、絶対撮らないよ」
「……えっ?」
「あ、そろそろ撮影だよ。ポーズ作って。六回撮影できるから」
ポーズを作れといわれても……私はいつもの無愛想な表情で、カメラから目を背けてしまった。
「ほら、やまと! カメラ見ないと!」
「よくわかんないわよ……」
「そんなこと言わないで、あっ、そうだ!」
「きゃっ!」
こうが私の背後に周ると同時に、私の身体をふわりと包む感覚。
気がつけば私の身体は、こうが着ていたロングコートの中にあった。後ろからこうがロングコートを着たまま抱きついていた。
「ちょっ、こう! 何してるの!?」
「何してるって、抱き締めてるんだよ」
「恥ずかしいからやめて!」
「何も恥ずかしがる事ないじゃん、親友なんだし……って、あれ?」
「……どうしたの?」
私の身体を抱き締めるこうの動きが止まった。私の背中に伝わるこうの胸。私の胸とお腹に回されたこうの両腕。
このまま今の心臓の高鳴りがこうに伝わってしまっても、抱き締められた事の混乱のせいにできますように。
41願い事ひとつだけ4:2008/02/26(火) 14:27:19 ID:vK/xXJ8y
「やまとの身体、冷たい」
「……そうかしら」
「ごめんね。やっぱり、いっぱい待ったんだね」
今度は私を労る様に、こうの身体が更に私を強く抱き締めてくる。私の身体冷たいんだから、そんなことをしたらこうが寒いよ。
まるでその冷たさを自分の身体で引きうけようとしているみたいだった。確かに外は寒かったけど、こうが来たから別によかったのに。
今の自分の身体の冷たさがどれほどのものかなんてわからない。でも心の底冷えだけは、こうの優しさで少しづつ温まっている。
「……そう思うなら、今度からはもうちょっと早くきてよ」
「うん、気をつける」
でもきっと、時間を守る事はないし、守らなかったとしても、私は本気で怒ったりなんかしないんだろう。
こうのおかげで少しづつ身体が温まってきた。撮影はすでに四回目に入ろうとしているところだった。
「くすぐっていい?」
「帰るわよ」
「冗談だって……おや」
「なに?」
「ほうほう……やまとってば、なかなか胸のほうがおありですかな?」
「……!」
こうの両手が私の胸を、そっと包むように触れてきた。私の身体が大きく跳ねたけど、こうの手は離れない。
「や、やめて! 怒るわよ、こう!」
「うーん、これはCかDの微妙なラインくらいだねー?」
「本当にやめっ、あっ……ちょっ、こ、こうっ……!」
コートの中でバタバタともみ合う私達。こうの両手は腫れ物を扱うような優しさがあったけど、けして離そうとはしなかった。
私の焦りがピークに達する。心臓の鼓動が伝わりやしないか、何よりもこうに触られるとこっちの抑制が効かなくなる。
「ちょ。そんなに暴れないでよ、やまと!」
「だったら離しなさいよ……!」
「だってやまとの身体、すごい良い匂いがするんだもん」
だめだ。これ以上こうに触られ続けたらおかしくなってしまう。イヤなんじゃなくて、耐えきれなくなる。
それにこうの言葉はいちいち私の悦びを昂ぶらせる。必死に振りほどこうと、私は必死に暴れまわった。
「こう、お願いだから」
「やまとの身体って本当にいい触り心地だよね〜」
「……あっ!」
こうの手がそっと私の太ももに触れた。私の身体が大きく動いて、首だけが衝動的にこうのほうへと向いたとき、
……私とこうの唇が、たしかに触れ合った。さすがのこうも手の動きを止めて、私達は呆けたように唇を重ねたままだった。
「……あ」
唇が離れると、こうはそれまでとは打って変わってしおらしい態度を見せていた。頬が少しだけ、ピンクに染まっている。
「あ、あはは……やまととキス、しちゃったね……」
「……」
「私のせい、かな?」
「……だから言ったじゃないの。こうが調子に乗るからよ」
「……ごめん」
「別にいいわよ。事故なんだし」
私はまた、こうから視線を逸らすようにしてぷいっと顔を背ける。こうは何度も謝罪の言葉を述べていた。
そんなに謝らないでほしい。たしかにこうが調子に乗った結果だけど、あれはほとんど勢いのような夢のないものだった。
……それに、もみ合っているうちにキスしたんじゃなくて、私がたまらず自分からキスをしただなんて、言えない。
42願い事ひとつだけ5:2008/02/26(火) 14:28:21 ID:vK/xXJ8y
「写真に落書きできるよ!」
「こうが好きに書いていいわよ」
「えーと、どうしようかな……あっ、この写真見てよ。やまとの顔、真っ赤だよ!」
わざわざ言わないでほしい。誰のせいでこんな顔をしちゃったと思っているんだろう。
写真の中の私はトマトみたいに顔を真っ赤にしていた。……こうは何故赤いのかまでは考えないのかしら。
「あっ、この写真……」
「どうしたの?」
「キス……」
こうが指差した写真では、しっかりと私とこうが唇を重ねていた。私は目を閉じて、こうは目を見開いて。
一枚のコートにお互いの身体を入れて、キスをするところ撮るだなんて、これじゃ単なるバカップルだった。
自分から仕掛けたとはいえ、キスの気恥ずかしさが今ごろになって湧いてくる。こんな風に形に残ってしまうなんて。
「これっていわゆるキスプリだよね」
「……知らないわ」
「やまととのキスプリか〜……これは大事にしないとね」
だから、そういうことをあまり言わないでほしい。……でも多分、私もずっと大事に持っている。
私は自分の唇にそっと触れてみる。あまり感触を思い出せなかったけれど、そこにたしかにこうの温もりがあるようだった。
携帯に写真を転送して、出てきた写真をハサミで切りとって、二人で分け合う。こうは写真を見て逡巡していた。
「これ、携帯に貼っちゃおうかなあ。キスプリはバッテリーのところとか」
「誰かに見られたら疑われるわよ」
「いいよ、やまとなら」
ていうか、見られて恥ずかしいのは私も一緒なんだから。私はなんだか貼るのがもったいない気がするんだけど。
ゲーセンを出ると、外はやっぱり底冷えするような冷気。こうがぶるぶると身体を震わせる。
「じゃあ今度こそファミレスに行こうよ。お腹ペコペコだよ〜」
「……まあ、プリクラも悪くなかったわね」
私達は近場のファミレスに入って、こうはハンバーグセット、私はペペロンチーノを頼んだ。
「でさ、これ写真なんだけど」
こうの差し出した茶色い封筒が、札束でも入ってるんじゃないかというくらいに厚くて……。
「私達、こんなに撮ったかしら」
「撮った撮った。やまとの手元には写真がなかったから、実感はわかなかっただろうけどさ」
「こうが渡さなかったからじゃないの」
「だから、それはごめん!」
こうは今日だけで何回謝っているんだろう。そして何回謝られても、それを許す私。
封筒から写真を取り出すと、私達はそれをテーブルに並べてひとつずつ、思い出を確かめるように覗いていく。
「このときのやまと、気持ちちょっと若いね〜」
「これは……中学二年のとき?」
「そうそう。あ、これは中学の体育祭のときだね」
「そういえばこんな体操着だったわね」
「こっちは部活帰りだね」
「この頃のこう、髪が長かったわね」
「でもこの後すぐだよ。面倒くさくなって切っちゃうの」
話がはずんだ。と一緒に、一回一回の撮影ごとの思い出が、写真を見るたびに頭の中でフラッシュバックしていく。
案外覚えてるものだった。本当はこうとの思い出が、私の中でひとつ残さず忘れ難いものだったんだけれど。
43願い事ひとつだけ6:2008/02/26(火) 14:29:16 ID:vK/xXJ8y
「焼き増し、本当にしてくれていたのね」
「あ、疑ってたの? ひどいよ、やまと」
「冗談よ。 ……でも、ありがとう」
「ううん。お礼を言わないといけないのは私のほう」
私達はすでに注文したメニューを食べ終えていて……こうはデザートのティラミスを口に運んでいた。
「なんでこうがお礼を言うの?」
「写真のこと、忘れずにずっと待ってていてくれて。もう、いらないって言われるかと思った」
「なんでそう思ったの?」
「やまとはあんまり写真撮るの好きじゃなかったみたいだし、私は私ですぐ約束破っちゃうし」
……鈍感。たしかにそう見られるような態度を見せた私がいけないんだろうケド、別に撮る事は嫌いじゃない。
むしろ、こうと二人きりでいられていることを形に残せるということが、私にどれほどの価値があると思っているんだろう。
「……撮るのがイヤだったら、こんなに何度も付き合ってないわよ」
「そう? やまとは一度だって撮影を拒んだことがなかったから、私もつい調子に乗っちゃうんだよね」
「こうはなんで、写真を撮るのが好きなの?」
それは常々疑問に感じていたところだった。こうは首をかしげて頭の上にクエスチョンマークを浮かべている。
「なんで好きかって、うーん。難しいね」
「友情を形に残すのが好き、とか?」
「その割には友達とあまりプリクラとか撮らないんだよね。こういうカメラを使ったきちんとした写真も、やまととだけだし」
それがわからなかった。こうにとって写真っていうのは、友情の深度を計る目安みたいなものなのかな。
「やまとが可愛いから! ……なんちゃって」
「……茶化さないで」
「だって、本当によくわかんないんだよ。ただ」
「ただ?」
「やまとと一緒に写真を撮っているってことがすごく楽しくて、出来た写真を見るとすごく嬉しくて、ただそれだけなんだよね。ダメ?」
ううん。それだけでも私には十分。それ以上の特別な理由なんて、今はいらないかもしれない。
あってないようなシンプルな理由だったけど、かえって私は安心した。深い詮索は必要なかったんだ、最初から。

******

ファミレスを出て私達は、夜の街でショッピングに勤しんだ。
こうの誘いでこないだ言った即売会で売っていたような本がたくさん置かれているような書店にも行った。
正直空気が全くわからないアウェーな場所で肩身が狭かったケド、こうが喜ぶ姿を見ればそれはどうでもいい。」
「いやー、今日はありがとう、やまと! お礼のつもりがついつい付き合わせちゃって」
「別に……私も欲しかった服が買えたし、それなりに楽しんだからね」
「やっぱりたまにはこうして遊ぶのもいいよね。やまとさえよかったら、来週も行こうよ」
「……別にいいけど」
別にいいけど、なんてものじゃない。来週も再来週も、こうと一緒にいられるならそれでいい。それがいい。
「今日はもうお別れだけど、やまとは最後になにかある?」
「なにかって?」
「お礼。私、たいしたことできてないからさ」
44願い事ひとつだけ7:2008/02/26(火) 14:30:22 ID:vK/xXJ8y
お礼……こうにしてもらいたいこと。なにかあったっけ。たくさんあるようで、なにもないようで。
どこまでこうが許してくれるかもわからないし、
ふと、してもらいたいことがひとつ、頭の中に浮かんだ。でもそれを口にしていいものか、悩んでしまう。
「こう、なんでもいいの?」
「常識的な範疇ならね」
「じゃあ……」
私はこうの前に近付いて、振りかえって背中を向けると、そのまま軽くこうの胸に背中をあずけた。
「やまと?」
「あのね……」
「うん?」
「プリクラのときみたいにね……コートで私を包んでほしいの」
こんなお願い、こうにはどう思われたかな。おかしなやつだって、思われているかもね。
でもそれは、私が今一番求めているもの。好きな人の温もり。今から離れるなら、せめて身体に残しておきたい。
「寒いの?」
「……うん」
そんなわけじゃない。こうと一緒にいれば、寒さなんてあってないようなものだった。
「これは常識的な範疇、よね?」
「プリクラの中で暴れてたから、イヤなんだと思ってたよ」
「あれは……こうが変な場所さわるから」
すると、私の身体は軽く引き寄せられて、すぐに身体をコートが私の身体を包み込んだ。こうの体温が残る生地。
今度はプリクラのときとは違って、心まで包み込んでしまうような、後ろからの優しいハグ。
「こんなお願いなら、何度でも」
「でも、いいの? 人がいるのよ?」
「関係ないよ。やまとのお願いだもん。それに私もこうしていたい」
こうの温もりが私の身体に、生地を超えて伝わる。36.5度の体温よりもずっと熱い、こうの優しさ。
なんだか今、少しでも二人が離れてしまったら、この温もりの分だけ、遠くに離れて二度と会えなくなるような気分。
「ね、こう」
「なに?」
「……ギュッてして」
こうの両腕に力が込められる。もっと強くしないと、二人がひとつになれない……口には出せない寂しさがあった。
「もっとして」
「でも、やまとが苦しいよ」
「イヤ。もっと強くして」
「やまとってこんなに甘えん坊だったっけ」
「別に甘えてるわけじゃないわ」
欲望が口から止まらない。もっとこうに多くの事を求めたい。強がってはいるけど、気恥ずかしさは込み上げてこなかった。
「……でも、ギュッてして」
更に込められる力。いくら親友からとはいえ、こんな気持ちの悪いわがまま、よくもこうは何の疑いもなくしてくれる。
「変なところ触ったら、イヤだからね」
「わかってるよ。ごめんね、やまと」
「……どうして謝るの」
「私もこうしてるだけで、気持ち良いかも」
45願い事ひとつだけ8:2008/02/26(火) 14:32:11 ID:vK/xXJ8y
それ以上言われると、私は不器用だから、調子に乗ってしまう。写真を撮るときのこうの気持ちみたいに。
底無しの欲望。私はこうしてるだけでも足りなくなっていて、悪魔が囁いたように、私の頭は次の願いで満たされていた。
「こう……」
「なに?」
「あのね……最後のお願い」
「うん。なんでも言って」
お願い、こう。私のこと、嫌いにならないで。そう思うなら、こんな願望は胸の中に殺しておけばよかったのに。
でも私の中の、自分でも認めたくない甘えん坊の虫が、それを口にしろと呪詛のように繰り返している。
二人の関係、壊れちゃうかな。でももう、この衝動を押さえる事は、不器用な私にはできなかった。
「……キス、したいの」
……しばらく沈黙が続いた。ほら、嫌われちゃったかな。こうに包まれた私の身体が小さく震えているのは、寒さのせいじゃない。
「私でいいの? そういうのは、恋人としないといけないんじゃない?」
「……こうは、イヤ?」
首だけ振り向いて、こうの表情を確認する。困っているような顔はしていたけど、そこに嫌悪の色は全く含まれていない。
でもすぐに穏やかな笑みが戻って、こうは首を横に振った。
「イヤなことなんてない。やまとと一緒にできることで、やまとがしたいことで、イヤなことなんてないよ」
私の心に、小さな炎が燃える。拒絶されなかった安心よりも先に、受け入れてくれたこうへの情熱のほうが強かった。
いやらしい女の子だと思われたかもしれない。こうの胸のうちはわからない。でも、こうのそんな言葉に甘えたくなる。
「……どうしてそんなに、優しいの」
「やまとが優しいからだよ。私、ずっと迷惑かけてるからね」
「別に優しくなんかないわ」
それを最後まで口にするかしないかのところで、私の口は塞がれてしまった。それが私の最後の理性の枷だった。
同じコートに入ったまま私は振りかえると、こうに抱きついて、唇を吸い尽くすそうとするように貪りついた。
「む……ふぅ……」
「ん……ふぁ……むぅ……」
もう自分を抑えきれる自信がなかった。二人の唇が腫れるくらいに、もっと濃厚なキスをしたかった。
全身が蕩けて、こうの中に流れていきそうだった。むしろそうなれば、こうのひとつになれば、いつでもこうを感じられるのに。
道ゆく人は奇異な目で私を見ているかもしれない。それでもこうは、今みたいなことでも関係ないと言ってくれるかな。
何分、何十分キスしていたかわからない。顎が辛くなったころに、ようやく二人の唇が離れた。
「おかしいね。私達、恋人同士でもないのに」
「そう……ね……」
こうは照れる事もしないで、いつもの笑顔でいた。きっと今、今顔が赤いのは私だけなんだ。
キスのあとだからか、私の気持ちは幾分穏やかだった。それでも、こうへの想いは今のキスでさらに膨らんで、私の中から溢れ出そうなほど。
「今度は恋人に、唇を許したいね」
「……うん」
「でも、やまとがしたくなったら、いつでも言ってね」
私が学園に転校してからも、こうは私を待ちつづけていたらしい。私は自分に何が起こっていたのかわからないけれど、こうが私を待っていた。
いつもは私がこうを待っていた立場なのに。待たされることはイヤじゃないけど、待つ身の不安はよくわかっているつもりだった。
「会えなかった分、しっかり取り戻さなくちゃね」とこうは言っていた。待っていた時間なんて、帳消しにしちゃえというくらいに。
私はこうを待ちつづける。でも私はもう、今度は待たせない。こうして二人の距離がゼロになっている瞬間に、私の想いを伝えなくちゃ。
「こう、あのね……」
46みゆつか愛してる:2008/02/26(火) 14:34:04 ID:vK/xXJ8y
投下は以上です。読んでくださった方、ありがとうございました。
誤字脱字等ありましたら申し訳ありません。
やまとの甘えん坊属性って 最 高 で す よ ね。

では、読み手に戻りたいと思います。
47みゆつか愛してる:2008/02/26(火) 14:50:32 ID:vK/xXJ8y
あ、すみません
願い事ひとつだけというタイトルの割には
やまとが二回お願いしているのはスルーしてください
48名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 15:20:02 ID:TX1mWPRX
こ、これは俺の脳内をそのまま具現化したような作品……GJ!
やまとの甘えん坊属性についてはゲーム内でほとんど触れられていなくて、
折角ナイスな設定が付いているのにもったいないなーとか思っていたのですが、
やはりここから先はこっち側の人間(?)の仕事というわけですよね。
49名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 15:40:35 ID:Vne087wA
み な ぎ っ て ま い り ま し た !
なんですかこの甘えん坊属性。最高じゃないですか。
50名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:45:28 ID:RNAMfZYN
前スレ>>695
グッジョブですだ。
そうじろうにワロタwww

「お父さんが冤罪なのは判明したから、次からはこういう事するときにはちゃんと鍵を掛けないとダメだよ」
「あうあうあうあうあう…あい…きをつけます…」
無実なのが、ゆーちゃんの証言により確定したが、すでにフルボッコにされてしまったそうじろうであった。
「あ、あの…こなたお姉ちゃんも…その…えっちなゲームするときには…その…」
ゆーちゃんがおずおずと真っ赤になりながらこなたに訴える。
「ちょっっっおおおおおおぅ!?こ、これは予想外のところから攻撃が!?」
先日、ゲームキャラを落とすのに夢中になり過ぎて、呼びかけるゆーちゃんに気がつかずエッチシーンを見られて
しまったのを思い出し、慌ててゆーちゃんを部屋の外に連れ出すこなたであった。


なんか、こんな続きのデムパを受信してしまった。
51名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:21:06 ID:B6fXdhL3
前スレ>>695
そうじろう、あんたってやつは……
SS自体はGJだけどそうじろうがあまりにも哀れだw
52名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 19:25:50 ID:23LrAMJi
いやっほおおおおおおおおおおおおおおう!>>46GJ!
かがみのツンデレも良いけどやまとのツン甘も最高だ、まさにやまとはこうの嫁!

そういやゲームではやまとの趣味は「カラオケ、サイクリング」と
物静かな言動、性格に反して意外にノリノリな趣味があったりするのもポイント
こうと一緒にカラオケいって二人きりなのをいいことに甘えまくって
歌も歌わずにネチョ(ry
53名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 21:33:06 ID:mrlpddIO
>>ID:vK/xXJ8yID:vK/xXJ8y
くはぁ!(吐血)
これは何とも素敵な二人の関係、甘々なのにちょっと切なくて、割り込めない絆を感じますわ〜
もうひたすらにGJ!!

ところでこのタイトルはやっぱり小松未歩の歌ですか?
54名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 21:35:31 ID:E9SMPdS8
みゆつか氏には安打製造機って言葉が似合うな
ああ機械扱いしてるわけじゃないぜ
55名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 21:54:25 ID:w2WD0Scn
言いえて妙だな。
どんなカプでも的確にミートして読者を萌やす、まさに職人芸か。


嗚呼、桜藤祭ヌルーしようと決めてたのに決心が揺らぎそう。ぐっじょぶ。
56名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:14:04 ID:23LrAMJi
>>55
もしあなたが男主人公だという事で悩んでいるのなら
女の子の名前でプレイして、俺女だという設定にすれば万事解決
ていうか、らきすた好きなら絶対買いだぜ?もろちん強制はしないけど
57名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:23:16 ID:mrlpddIO
>>56
さらに一歩進めて男装少女に、あれは良い物だ……

こういうのって実は百合の手法としてはむしろ古典なのかな?
58名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:27:11 ID:/CG4AG6b
ゲームやった後に原作読んだりアニメ見たりするとゲーム主人公がいないことに違和感を覚えるようになってしまった俺はもう末期。
恋愛要素の有る無しはともかくやっぱりメインで話に絡む男キャラは居た方がいいと思うのですよ。

ただ全体的な話はいいんだけど随所でライターの趣味丸出しなのが気になったな。
59名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:32:02 ID:7Cb2Q/L6
趣味に走りすぎてキャラ壊してるのは気になったな。みなみとかひかるとか。
とりあえず主人公続投で続編希望だな。デフォ名も決めて欲しい。

>>57
男装キャラに百合はNGだろ常考・・・
一見アッー!な状況だからこそ男×男装少女はいいもんなんだぜ。
60名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:33:15 ID:zyk2AIf+
いやでも男一人あの仲良しグループにの中に投げ込まれるのはきついぞ、実際w
61名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:38:27 ID:rf2I30J9
ゲームにパラレル的に存在するのはいいけど原作にもゲーム男が出てくるのはなんか違うなぁ
62名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:54:22 ID:/CG4AG6b
ぶっちゃけ男女だろうが女同士男同士だろうが何にしろらきすたに恋愛はいらないと思ってるからねぇ。
そういう展開にならなけりゃ男がいても全く問題は無いと思う、って感じ。割と違和感無く溶け込んでたしな。

あぁあと主人公もだけどやまとも原作に登場希望。
63名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:56:17 ID:B6fXdhL3
そもそもらき☆すたは「女の子の」「ゆるゆる日常」ストーリーでしょ。
男が絡んで恋愛要素が発生するのはあくまでゲームや二次創作の範疇じゃないかな。
64名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:57:52 ID:B4b2b1+x
お前ら前スレみてないのか?
こういう話題すればずれていくってのが前スレでわかってるのになんで話題に出すかな
そんなに議論したいんだったらゲームの攻略スレにでも行ってこい
65名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 22:59:52 ID:+BKbnBf9
男以前にあれだけキャラの性格違うのに肯定されてるってのが・・・
かがみなんて姿と名前が同じだけの別キャラだったぞ
66名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:03:18 ID:RNAMfZYN
ゲームもある意味2次創作だから。
67名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:12:07 ID:E9SMPdS8
かがみの性格はあんまり変わりない
性格改変が酷いのはみゆきとひなた
あとこう×やまとの素晴らしさは二次創作じゃない
68名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:13:02 ID:+DO1pazv
 この流れの中ですが、ひとつ投下させてもらいます。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                           CAUTION!!

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 注意書きです。

・鬱モノ
・死人表現あり

 です。苦手な方は飛ばしてください。
 ちなみに、ある曲を元にした話(替え歌ではない)です。
 わかる人いるかな?

69名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:13:39 ID:+BKbnBf9
>>67
どこがだ
完全に別物だ
70名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:14:24 ID:W/bp6m0V
ゲームやってないおれは勝ち組?


71鬱・死人注意!! 〜星屑の世界〜:2008/02/26(火) 23:14:26 ID:+DO1pazv

 今晩和──

 らき☆すたの世界を旅する地平線の旅人よ…
 様々な世界を流離う内に…この地平に辿り着いしまったようだね…
 残念ながら此処は少女たちの悲しみの世界…あるのは彼女たちの狂気のみだ…

 少女たちが描いた幻想…
 狂気の内に紡がれし物語…

 嗚呼…其の檻の中彼女たちの笑い声は支配する…



 〜星屑の世界〜


72鬱・死人注意!! 〜星屑の世界〜:2008/02/26(火) 23:17:04 ID:+DO1pazv
 1.双子のArk[→ side:T →]

(崩壊 其れは孕み続けた季節 『妹』の記憶)

 
 私は『それ』を手にし、お姉ちゃんの部屋へと向かう。
 私の手にしているものは、きっと私に救いを与えてくれる。
 私の手にある『それ』は、月光を受けて銀色に煌めいていた…

 お姉ちゃんの言った冷たい言葉の雨は、私たちの思い出までも裏切るった。
 このままだと、お姉ちゃんから離れてしまう。
 なんとかしなきゃ。
 幸せだった私たちが、永遠に届かなくなる前に…

 私は『それ』を持った手を後ろに隠しながら、お姉ちゃんの部屋に入る。
 お姉ちゃんはまだ起きていた。
 しかし、お姉ちゃんの表情はどこか脅えているようなものだった。
「ねぇ…何故変わってしまったの? あんなにも愛し合っていたのに」
 お姉ちゃんは、私の手にあるものを見て、とても怖がった。
 どうしてそんな顔をするの?
 これで、ずっと一緒にいられるんだよ。
 涙を微笑みに換えて、私はお姉ちゃんに詰め寄った。
 ナイフを握って。
 ――愛憎を込めた、ナイフを。
73鬱・死人注意!! 〜星屑の世界〜:2008/02/26(火) 23:18:08 ID:+DO1pazv
 双子のArk[→ side:K →]

(因果 其れは手繰り寄せた糸 『姉』の記憶)

 つかさが私に詰め寄る。
 私の最期の瞬間に廻ったのは、歪な愛の記憶。
 つかさはまっすぐに私だけを見つめていた。
 私もそんなつかさを愛してしまった。
 そして、赦されぬ想いに灼かれながらも、求める儘に唇を奪い合った。
 女の子同士なのに。姉妹なのに。
 しかし、そう自分を律すれば律する程、私は深く堕ちていった。
 それが怖かった。
 そして、その背徳に私の脆弱な精神はついに堪えきれず、あの日嘘を吐いた…
 
 つかさは、信じていたその人に裏切られてしまった。
 裏切ったのは私。
 つかさの逃げ込んだ先は、新しい世界へと羽ばたけるという自己暗示。
 限りなく同一に近づけるという、狂気にも似た幻想。
 つかさの手に握られたナイフが体に突きささる。
 ――嗚呼、私の体に突きささるナイフはきっと、私の中の背徳そのものなのだろう。
74鬱・死人注意!! 〜星屑の世界〜:2008/02/26(火) 23:21:38 ID:+DO1pazv
 
 Baroqueのみなみ


 私は人間を殺めてしまった。
 私は、この手で大切な友人を殺めまたのだ。

 思えば私は、幼い時分より酷く臆病な性格だった。
 他人とのつきあいというものが、私には何だかとても恐ろしく思えたのだ。
 私は自分をうまく表現することができなかった。
 それ故に私と親しくなる人もあまりいなかった。
 そして、私も自然と人を避けるようになってしまった。
 楽しそうな会話の輪にさえ、加わることは恐ろしく思えたのだ。
 私には判らなかった。他人に合わせる為の笑い方が。
 いっそ空気になれたら素敵なのにと、いつも口を閉ざしていた。
 そんな私に声を掛けてくれたのが、彼女だった。

 可愛らしい少女だった。明るい少女だった。
 太陽のように明るい微笑みが、印象的な少女だった。
 最初こそ途惑いはしたが、私はすぐに彼女が好きになった。
 彼女は、自分をうまく表現できない私を理解してくれた。
 私とは正反対ともいえる性格の彼女。
 私と彼女の間の様々な『違い』も、全て認めてくれた。
 しかし、ある一点において、私と彼女は『違い過ぎて』いたのだ。

 狂おしい愛欲の焔が、身を灼く苦しみを知った。
 もう自分ではどうする事も出来ない程、私は『彼女を愛してしまっていた』のだ。

 私は勇気を振り絞り、想いの全てを告白した。
 しかし、私の想いは彼女に『拒絶』されてしまった。
 その時の彼女の言葉は、とても哀しいものだった。
 その決定的な『違い』は、到底『解り合えない』と知った。

 そこから先の記憶は、不思議と客観的なものだった。
 逃げてゆく彼女を、私が追い駆けていた。
 そして、縺れ合うように階段を転がる、私たち。
 愛を呪いながら、階段を転がり落ちていった……。

 誰も赦しが欲しいわけではない。
 この罪こそが、私と彼女を繋ぐ絆なのだから。
 この罪だけは、神にさえも赦させはしない……。

75名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:22:25 ID:+DO1pazv
 お目汚しすみませんでした。
 あと、元ネタ知らないとわかりにくいところとか多いかも。
 以上です。
76名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:32:59 ID:B6fXdhL3
ちゃんと歌の解釈をしたうえでの創作だけど、
あまりにも元ネタのまますぎたかなって気がしました。
Arkの方はいいとしてもBaroqueは元ネタが懺悔だから最後の
「この罪は神にも赦させはしない」に繋がるのに
みなみがやったら唐突な感じがします。
77名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:33:42 ID:7Cb2Q/L6
まぁ原作もアニメもゲームもそれぞれ違った意味で良いとこあると思うけどね。
ぶっちゃけ原作以外は二次創作なんだし。
78名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:47:48 ID:23LrAMJi
同意
原作には原作の、アニメにはアニメの、ゲームにはゲームの良い部分がある
悪い部分、自分にとって嫌な部分は愚痴らずに個人でケリをつけて、良い部分を出していこうぜ
自分が気に入らなかった部分をグチってもしゃーないし空気も悪くなりがちになる

>>75
サンホラ(だよね?)って語りは置いておいて、曲がすごい良い
79名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:00:35 ID:/CG4AG6b
まぁ結局はそうなんだよね。原作にゃパロも百合も男主人公もやまとも無いわけだし。
80名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:25:27 ID:YdxzvkfN
パティだって正確には原作にいないキャラだしね。
だけどアニメ、ゲームでは準メインキャラとして活躍してるのはもちろん
このスレでもパティは出てるしメインSSもある。

たぶん原作ではパティもやまとも出てこないけど
このスレならSSやら絵なんかでエロパロすることが出来る。
二次創作だからこそ出来ることがあるってわけさ。
81名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:41:56 ID:xo2xZoaR
少なくともやまとは一回原作に出てるんだがなぁ……(1コマだけだけど)

設定の逆輸入が良いか悪いかは別として、原作者の美水さんは
(若干本編と絡ませることもあるものの)基本的に王国や宮河家みたいに
派生した作品は分けてるからこちらもそれに従って
「これはこれ、それはそれ」と分けて考えるべきじゃないかな
「原作は友里要素なんてない」「原作は恋愛要素なんてない」と
一括りにして考えるんじゃなく
82名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:46:23 ID:Pq9IQRnl
>>81
いや…分けて考えてるでしょ、みんな。
だから、ある意味らきすた好きならなんでもござれな今があるわけだし。
83名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:47:55 ID:/aokYItW
なんか30スレ越えた頃から風が変わった感じがするのは自分だけかな…
84名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:49:40 ID:c4dO5kz0
百合天国でも自己投影ハーレムでも好きに妄想すればいいと思うが
らき☆すたは本来そういう作品じゃないってのは忘れちゃ駄目だろう
原作に男出せとか百合にしろとか正直見ててうっとおしい
85名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:51:50 ID:jgkYJbEw
原作はあのゆるゆるたまにオタク的要素がいいんじゃないか
86名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:54:36 ID:IpsbayrY
>83
確かに変わったけど。致し方ないことであり、むしろ必然。
アニメ放映時の高度成長期とその余韻が終わって、スレの方向性に迷いがでる時期だ。
今後、1日あたりのレス数は、ゆるやかに落ちていくが、
スレの雰囲気を良好に保つことができるか否かは住人しだい。

87名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:59:57 ID:yIdAj5yU
おかしいな
エロパロスレなのに大学生活板の臭いがする
88名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:06:55 ID:Pq9IQRnl
正直、なのはスレのようにはしたくない。
89名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:16:40 ID:DJijcYpq
スレが荒れるだけの雑談をするより建設的な意見出したりSSに感想書いたりしろよ
90名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:17:46 ID:HXLXLPzX
いや、実にまったくそのとおりな意見ですね。ではどうぞ。
91名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:17:48 ID:jgkYJbEw
よし、キャラのおぱーいのカップについて話そうぜ
92名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:19:25 ID:HXLXLPzX
>>91
やまとはつかさ以上かがみ以下。こればっかりは譲れねぇ
93名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:23:08 ID:YdxzvkfN
見えない敵と戦って自らスレの空気を悪くしようとするのはやめようぜ
スレのあり方とか議論は避難所でやろう


ところで、今はスレの勢いは80レス/日くらいだけど
アニメ放映時は大体どのくらい盛り上がってたんだろう?
てかアニメ終わって半年たってもこの勢いは結構すごいと思う
94名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:25:57 ID:nfDrQUMo
小ぶりったんガールズ
95名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:30:02 ID:YdxzvkfN
やべ、全然リロードしてなかった

>>91
公式のランクを俺の中でさらに細かくすると

巨:みゆき
大:パティ>こう
中:かがみ>あやの>やまと>みさお>つかさ
小:ひより>こなた>ゆたか
無:みなみ

これが俺のジャスティス
異論は認める
96名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:32:06 ID:YdxzvkfN
あ、つかさって小だったっけか?

修正
小:つかさ>ひより
極小:こなた>ゆたか
97名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:33:26 ID:LUDzogL/
まぁゲームが出た時点でこんな流れになるのは分かりきってたことじゃない?

原作とアニメは共通点多いけど、ゲームは完全に別物。
ゲームやってない人からしたら、いきなり知らないキャラが大量に出てきたわけだし。

この辺りの取り決めを今のうちに出しとかないと、いつまでも後に響きそうなんだけどなー。
98名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:33:27 ID:xo2xZoaR
>>93
15→16スレへの移行が4日弱なので(使い切るまではもうちょっとあるが)
675レスを4日で割って168.75(res/d)

容量の関係を無視すれば、今の約2倍の速度だったと考えればいいかと
99名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:35:13 ID:Pq9IQRnl
>>95
ななこせんせーーーー(涙
100名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:39:33 ID:vZ4ol7MJ
>>99
ひかる先生やふゆき先生、ゆいお姉さんも無視されてるところを見るととしまーずは語るに及ばずみたいだ
101名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:41:21 ID:uNKIgDF3
そういえばかなたさんもかなりの年増なんj
102名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:43:31 ID:HXLXLPzX
それは言っちゃだめだーッ!
103名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:45:11 ID:DJijcYpq
ゆかりさんが大じゃないのが一番ショック
104名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:45:58 ID:jgkYJbEw
>>101
次元を越えて現れるゴッドかなたさんにヤられるぞ!
105名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:48:39 ID:Pq9IQRnl
>>101
かなたさんは18年前に時間が停止しましたから…
106名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:48:43 ID:H9CY7btD
みゆきさんは突然変異なんだろうかね

どうでもいいけどゆかりさんの旧スクはいくらなんでもまずいと思います・・・
としまーずもかなりアレだけど。かなたさんは・・・違和感無(ry
107名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:49:34 ID:lQ0D+nBh
>>101
お前さんのPCから今すぐLANケーブルを引っこ抜くんだ!
108名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:00:38 ID:1WOUc9sq
ひぃぃポイント棒引きされるぅぅぅ
101が生き返れる日は果たしてくるのか
109名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:03:47 ID:YdxzvkfN
>>98
そ、それはすごいな…まあ今の速度が一番ちょうどいいかも

>>99-100
スマン…俺、ロリコンなんだ…女子高生以下しか受け付けないんだ…

改め

巨:みゆき
大:パティ>ゆい>ななこ>こう
中:ゆかり>みき>いのり>ひなた>かがみ>あやの>ふゆき>やまと>みさお
小:まつり>つかさ>ひより
極小:かなた>ひかる>あきら>こなた>ゆたか
無:ひかげ>みなみ
unknown:くじら

異論は受け付ける
110名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:13:37 ID:H9CY7btD
みなみ小学生以下かよw
あとかなたとこなたは殆んど変わらないんじゃね?
111名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:15:57 ID:1WOUc9sq
ゴッドかなたさんはぶーわ氏とかのイラストだと大分豊満だよな

もしかしてパッ(ここから先は神の力により読む事ができない
112名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:27:54 ID:76hIixi9
たぶん神の力で光を捩曲げてるから、あるように見えるんじゃね?w
113名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:57:24 ID:ChaR0ucf
10分後辺りから、他の人と被ならければ、1本投下させて頂きます。
114かなたさま:2008/02/27(水) 03:06:54 ID:OyAqQh0p
>>109
とりあえずエスカリボルg・・・
115名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 03:09:44 ID:ChaR0ucf
こんばんわ。
35-335です。

エロ有り(こなた&つかさ&みゆき×かがみ)
捏造勿論ってくらい有り
作品内、ギャグだったり、パロだったり、凌辱ちっくだったりと、
かなり、カオスな事になってます。
それでもいい!投下された作品は取り敢えず読む!!と言う方のみ、お読み下さい。
5レス程、お借りします。
116ある日行われた麻雀の風景:2008/02/27(水) 03:10:59 ID:ChaR0ucf
「あ!それ!ロン!!」
そう言って、かがみが、パタパタと手牌を倒す。
「タンヤオ、ピンフ、……で、いいのかな?」
「んと、それに、ドラドラだね。やられちゃったねー。はい。点棒」
こなたが、言いながら白い棒を何本か、かがみに渡す。
それを、見ていたつかさが、笑いながら、口を開いた。
「ダメだよ。こなちゃん。それだけじゃ無いでしょ?」
こなたは、小さく苦笑い。
「解ってるよー。それじゃ、よいしょっと」
そういって、ジャンバーを脱ぎ捨てる。
「はぁ!!?ちょっと、あんた何で服脱いでるのよ!!!」
慌てるのは、かがみだ。
そう、この、ある意味、誰もが知る特殊ルールが、今日の麻雀にはある事を、かがみだけが知らなかった。
「あら?おかしな、かがみさん。今日の麻雀が脱衣麻雀なのは、最初から決まってた事じゃ無いですか?」
落ち着き払ってる、みゆきに、当然、かがみは噛み付く。
「いや!そんなの聞いて無いって!!」
「困りましたねぇ?始める前にちゃんと、言いましたよね?泉さん?つかささん??」
うんうんと、大きく頷く二人。
ここにきて、かがみは、ようやく気付く。すなわち、
『嵌められた!』
と。
そうやって睨んだ、視線の先。
3人の眼が『ギラリ』と、光った。………気がした。


そう、考えればおかしな事ばかりだったのだ。
今朝、こなたが、いきなり、今日、麻雀をしようと言い出したのも。
麻雀を全く知らない筈の妹が、喜んで参加表明したのも。
そして、自分を覗く全員が、妙に、厚着なのも。

だが、逃げる事は許されない。
ここまでの準備をしてるのだ。途中退場は、全衣服没収くらいの罰を、必ず用意してる筈。
つまり、かがみが、無事に帰宅するには、この圧倒的アウェーの中で、勝利するしか無いのだ。
覚悟を決める。そうと決まれば、勝つ為に前進あるのみ。

「解ったわよ。皆が、そう言うんだから、前もって、説明されてたんでしょうね。
ただ、私は、ど忘れしちゃったから、改めて、ルールを説明してくれる?」
かがみの言葉に、全員が小さく笑う。
「ええ。解りました。では、僭越ながら私が」
みゆきが、話したルールを簡単にすると、以下の通りである。

クイタン、後付け有り。
赤ドラ有り。
ロン当たりされた場合、着衣を1枚失う。
誰かがツモあがりした場合は、それ以外の者が、全員、着衣を1枚失う。
点棒は25000スタート。
点棒を全て失った者は、着衣の全てを失う。
117ある日行われた麻雀の風景:2008/02/27(水) 03:11:59 ID:ChaR0ucf
ルールを聞いた、かがみは即座に考える。
『つまり、点棒を全て失うのは論外で……
私が着てるのは、トレーナーに、シャツ、ズボン、靴下、ブラ、パンティーな、訳だから……
6回。6回直撃されるか、誰かにあがられるとアウト。
こうなると、始める前に脱いだジャンバーが痛いわね』

かがみが、考えてる間にも場は進む。
皆が、牌を掻き混ぜ、そして積む。
賽を振るのは、こなただ。
出た目は7。
かがみが、積んだ山から順に、皆が牌をとっていく。
全員に牌が行き渡り、全員の視線が、こなたに集まる。
皆が親である、こなたの最初の捨て牌を待っているのである。
だが、こなたは、牌を切らずにニヤリと笑う。
「へー………こんなことってあるんだね。ごめんね?皆。和了ってるよ」
そう言って、自分の牌を倒す。
「そんな!!?」
「『天和』ですか。私、初めて見ました」
「凄いね。こなちゃん」
天和。親の時、配牌の時点で私了っている事。(ちなみに、まず出ない)
麻雀において、最高の点数を貰える役の一つでもある。
「親の役満だね。16000オールだよ」
こなたの言葉に、他の二人は、さっさと点棒を払い、着ていた服を1枚脱ぐ。
「かがみー?」
「わ………解ってるわよ!!!」
点棒を払い、トレーナーを脱いだ、かがみに全員の視線が集まり、再びニヤリと笑う。
『ふざけないでよ!天和なんて、そう簡単にでるわけ無いじゃない。
絶対に、こなたがなにかやったんだ!!』
そう。実際に、こなたは何かやっていた。
玄人が、使うその技の中で、高度な技の一つ。『燕返し』を。
この技は、洗牌時に、自分に必要な牌を全て、自分の山に集め、
更に配牌終了後、手牌13枚全てを、自分の山の牌とすり替える。
玄人芸(イカサマ)のウルトラCと言ってもいい技である。
実は、こなたはこの日の為に、この技を3ヶ月がかりでマスターしていたのである。

『負けられない!負けられないのよ!!この私はー!!!』
いくら、かがみが、そう思った所で劣勢は変わらない。
何せ、実質、3対1。
何より、こなた達は、かがみに気付かれない所で、玄人技を駆使しているのだ。
「私には、運が無いからね。不要牌ばかり集まっちゃうんだ。
でも、そんな牌でも、全部集まれば、役満だよ。ツモ!『国士無双』」
つかさが和了ば、みゆきも続く。
「あらあら。凄いですね。暗カンしていた分に、ドラが3つ重なりました。
立直一発ツモ、ドラ12。数え役満です」
「く!!」
かがみの、靴下がシャツが脱がされていく。
だが、それよりも問題として、点棒がもう残り少ない。手元には、後1000点だけ。
これを失えば、有無を言わさず、服を全て失う。
118ある日行われた麻雀の風景:2008/02/27(水) 03:13:31 ID:ChaR0ucf
東4局。親はかがみ。
「これは!いい!!」
この局、神はかがみに味方する。
ドラであり、かがみの風牌でもある、東が3枚、既に手牌にある。
ダブ東、ドラ3。最悪でも、マンガンに届く手である。
『こうなれば、鳴きまくってでも、速和了で!!』
そして、始まる、東4局。
「ポン!チー!!」
かがみは、開始早々、2鳴き。
即座にテンパイ。(後1牌で、あがれる状態の事)
だが、
「かがみ。背中が透けてるよ」
「な……なによ!!」
ざわざわ………ざわざわ………
「怯えているから……」
かがみ、打7蔓。
「ロン!七対子!!」
かがみが、きった瞬間、こなたが牌を倒した。
「ちょ!!今の無し!!」
「どっちでもいいけど、お姉ちゃん。その場合、罰符でマンガン払いだから、どの道一緒だよ?」
いいながら、つかさが、かがみのシャツに手をかける。
「ちょ!つかさ!!待って!!」
それにされ気に参加しながら、こなたが爆弾投下。
「あ!そうそう!!言い忘れてたけど、最下位の人は、全員に襲われるってルールがあるから!!」
「な!そんなの聞いてな………ちょ!!!!」

気がつけば、みゆきまで参戦してて、淡い青のブラを外しにかかってる。
「あらあら。いけませんね。かがみさん。ルールは守らなくてわ。
ルール無視をしようとした、かがみさんには、『おしおき』が、必要ですね?泉さん?」
みゆきの提案に、こなたは嬉しそうに頷く。
「そだねー。なにがいいかな?」
「視姦等はいかがでしょう?」
視姦も何も、かがみとしては、今のようなあられもない格好を、3人に見られてる時点で、
恥ずかしくてたまらない訳なのだが。
どうやら、こなた達の言う、視姦には、まだ別の意味があるらしい。
「でも、誰がやる?私は、かがみを責めてたいし」
「えー………私も嫌だよ。その為に麻雀頑張ったんだもん!!」
こなたと、つかさの視線が、みゆきに集まるが、
「却下です!」
聖母の様な笑顔の、しかし、その実、全く笑ってない、みゆきの一言で諦める事になった。
「ちょっと!ちょっと!!なんなのよ!!」
会話の内容は、全く解らないものの、凄まじく嫌な予感のする、かがみは、
何とか、3人を振りほどこうとするが、びくともしない。
つかさや、こなたのどこに、そんな力が?と、驚く程だ。

「しょうがないなー………」
こなたが、指を『パチン!!』と鳴らすと、黒い影が、室内に走る。
こなたの前にひざまずくのは、舞台等に出てくる、黒子の格好をした人だ。
「お呼びですか?お嬢様」
「セバスチャン。かがみを視姦するの手伝って」
「畏まりました」
119ある日行われた麻雀の風景:2008/02/27(水) 03:14:26 ID:ChaR0ucf
黒子の格好をした人物が、一瞬姿を消し、再び戻って来た時、その手にもっていたのは、
「デジカメ?………てまさか!!?」
「さすが、かがみん。察しがいいね。今からする事を全部、録画するんだよ」
黒子の格好をした人物は、既にカメラを、かがみ達に向けている。
つまり、撮られているのだ。今の自分の、姿を。
「ちょ!やめて。撮らないで」
何とか身体を隠そうとするも、押さえ付けられ、身体をよじる事さえ出来ない。
そして、胸に甘い感触がはしる。
小さな手が、かがみの、柔らかなバストを、優しく揉みしだいていた。
「かがみって、意外と胸あるよね?服の上とかからだと、わからないけど」
「ばか。こなた。やめなさいって。こんなの………ん!?」
口のじゆうは、つかさの唇で奪われた。
「んちゅ………お姉ちゃんの口の中。暖かくて甘くて………ん……」
つかさの舌が、かがみの舌に絡み合う。顔を逸らして、拒もうとしても、
頭をつかさが、両手でがっちりと固定して、それを許さない。
「んんーー!!……つかさ!だ……」
残されてしまったのは、みゆきだ。
しばらくは、様子を見ていたみゆきだが、あることに気がつくと、ゆっくりと、かがみに近づいた。
「かがみさん。濡れてますよ?感じていらっしゃるんですね?」
『そ、そんな事無い!!!』
反論さえ出来ない、かがみだったが、頭の中だけであっても、それを否定する。
「解りますよ。3人がかりで奉仕されて、しかも記録までされてる。
まるで、お姫様みたいですものね」
そんな筈は無い。この状況は、どちらかと言えば、レ○プ現場等に近い。
事実、かがみが訴えてしまえば、成立してしまう、恐れさえある。
もっとも、かがみは、そうはしないだろうが。
無論、みゆきだって、そんな事は解ってる。解った上で言っているのだ。
そして、みゆきの手が、かがみの下半身に伸びる。
ブラと同じ、淡い青色のパンティーの中へ手が入れられ、『チュプ』と、やらしい音が響いた。
「だから、濡れちゃうんですよね?妹さんと、友達に見られて、録画までされてるのに感じちゃうんですよね?」
みゆきは、わざと音がたつように、かがみを責める。
「へー。そうなんだ。じゃあ、頑張って、お姉ちゃんにもっと、感じて貰わないと」
「この状況で感じるって、実は、かがみは、Mで露出願望があるとか?」
『違う!違う!!私は!!!』
必死で否定する、かがみの想いも虚しく、身体は昇り詰めていく。
こなたの指が、つかさの唇が、みゆきの声が、カメラの視線が、かがみの身体を逃がさない。
「ーーーーーーー!!!?」
かがみの身体が、弓なりに、大きく反り返り、ビク!ビク!!と、痙攣を繰り返す。
「かがみ!かがみ?」
こなたが、何度か、かがみの身体を揺するが、かがみは、反応を示さない。
「ちょっと、やりすぎちゃったかな?」
「確かに、初めての方には刺激が、強すぎたかも知れませんね」
つかさと、みゆきは、どこか落ち着いた様子で、かがみを見つめる。
「ダメだね。今日の所はこれでおしまいかな?」
こなたが、二人に近づきそう告げた。
「そうですね」
「そだね。また今度だね」
みゆき、つかさが頷く。
そして、こなたが、今は眠る、かがみに告げる。
「かがみ。また一緒に遊ぼうね」
120名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 03:15:18 ID:ChaR0ucf
以上です。
とりあえず、ごめんなさい。
やっちゃいました。
どーしても!どーしても!!かがみエロが、書きたくなって、
書いてみたらこんなんになりました。

前作に、感想をくれた方、補完作業をして下さった方、
そして、この作品を読んで下さった方、本当にありがとうございます。
121名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 04:46:03 ID:KhOCRIG9
みゆきさん麻雀強そうだな…
GJ面白かったです!
122名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 06:31:32 ID:1xz7wVa0
>>111
実はこんな設定画が
ttp://www.geocities.jp/je104049/god12.jpg
あったりなかったり
123名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 06:58:37 ID:1WOUc9sq
>>122
ゴッドさん!ゴッドさん!
相変わらず設定が細かいなぁw
124名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 08:13:29 ID:UnW+eXhv
>>120さん
かがみはやっぱり受けだよねぇ
ところで「、」がちょっと多いような気がしました
125名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 09:25:27 ID:AwQa6/vB
元ネタは幕張かw
126名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 12:47:32 ID:1NE+uNGF
>>122
ゴッドさん可愛ええええええ
この衣装がまたなんともいえないです
12738-472:2008/02/27(水) 15:40:35 ID:vZ4ol7MJ
こうやまSSいきます。

注意
前スレ473-474の「君色に染まる」の続きです。
ぬるいですが一応エロありです。
12838-472:2008/02/27(水) 15:41:36 ID:vZ4ol7MJ
「終わった…」
 突然こうから泊りがけで来ないかと誘われ、行ってみたら同人誌作るの手伝わされてと。
 まぁそんな感じで一日は瞬く間に過ぎ、終わったのは次の日の午後だった。
「いやほんとありがと。助かったよ。」
「…いいけどね。」
 やってる最中は終わったらどう罵倒しようかと考えていたが、終わってみればそんな考えはどこかに吹き飛んでしまった。
「こう、イベントの前とかいつもこんななの?」
 だとしたら尊敬できるかもしれない。いくら好きなもののためだってここまで出来るのは一つの才能だ。絶対に真似したいとは思わないが。
「うーん…いつもはひよりんいるからね。まぁでももう少しすると修羅場になるんだけど。」
「へぇ…」
 と、そのとき自分の体が少し汗臭いことに気付いた。この真夏に一日半風呂にも入らず部屋に籠もって貼ったり塗ったりしてたのだから当然といえば当然だ。
「こう、お風呂借りていい?」
 気付いたからにはとりあえずシャワーだけでも浴びないと落ち着かない。
「いいよ。場所わかるよね?」
「うん。」
 勝手知ったる他人の家。もう何度もこうの家に遊びに来たことのある私は大体どこに何があるか把握していた。お風呂も何度か借りたことがある。
 と、そこであることを思い出した。
「こう、覗いたり乱入したりしてきたら縁切るからね?」
 もうずいぶん昔の話、こうの家でお風呂を借りたとき、何の前触れもなくこうが乱入してきたのだ。あの時は本当に心臓が止まるかと思った。
「う…了解。」
 こうがしょんぼりとうなだれるあの様子だとどうやら乱入してくる気があったらしい。危ないところだった。別に一緒に入るのは嫌じゃないのだが突然入ってこられると本当に心臓に悪い。


「あがった。」
 体を流し終わり、こうの部屋に戻るとそこは私が風呂に入る前とは別世界のようだった。乱雑に散っていたトーンの切りくずとかが全て片付けられている。
「了解。それじゃ私入ってくるから、少しゆっくりしててよ。」
 そういうとこうは部屋を出て行く。やっぱりこうも女の子、汗臭いのはNGなのだ。
「それにしても…」
 一人残され特にすることもない。どうしようかと考え、自分が眠たいことに気がついた。
(ベッド、借りてもいいかな…?)
 まぁこうのことだ。駄目とは言うまい。そう思って私はこうのベッドを借りて少し休むことにした。のだが。
(眠れない…)
 眠たいには眠たいのだが、ここでこうが毎晩寝ていることを想像すると何でか体が疼いて眠れない。
(そんな、あの漫画の中の話じゃあるまいし…)
 というかああいう漫画を見たのが原因かもしれない。自分を抑えられそうにない。こうの匂いに包まれて、私の感覚がおかしくなる。
「んうっ……!」
 自分でも無意識のうちに秘所に手を伸ばす。違う。これは私の手じゃなくてこうの手。そのこうの手が私を弄り、蹂躙していく。
「ふぁ…………や……ぁっ…………」
 こんなことしていてはいけない、と頭の冷静な部分が訴えかける。こんなことをしていてこうに見つかったらどうするつもりだと。でも止まらない。私の体がこうを求めている。
幻想でもいいからと、こうを欲している。
「や……あ……はっ……ぅうん!
 …………く…………こうっ!!」
12938-472:2008/02/27(水) 15:41:57 ID:vZ4ol7MJ
「呼んだ?」
「……え?」
 ちょっと待って。今返事をしたのは誰?否、そんなことは聞かなくても判る。私はこうの名前を呼んだ。ならそれに返事をするのは一人しかいない。
「なんで…こう、ここに?」
「お風呂からあがったから戻ってきたんだけど。やまとこそ、何やってたの?
 …って聞くのは野暮か。」
「…あ、こう…その……」
 正直終わったと思った。あんなところを見られて、きっとこうはもう以前のようには私を見てくれない。
「でもさ、ちょうどよかった。」
「……え?」
 私が聞き返すより早く、こうは私を押し倒した。
「ちょ……こう?」
「私もさ、ずっとこうしたかったんだ。」
「それ…………ひゃっ!」
 こうが私の胸をなでる。先ほどの自慰で敏感になっていた体はそれだけで反応した。
「感じるんだね。」
「あ、いや……言わないで
 …………!!」
 撫でていた手が急に動きを変え、私の乳首を抓り上げる。急な衝撃に、私は声も出ず悶える。その間にこうは右手で私の胸を弄りながら、左手を私の秘所に伸ばした。
「濡れてる。こんなことされても感じるんだ。」
「そ、それは……」
「やまと、かわいい。」
 そういうとこうは乳首を吸い、同時に指を私のナカに突き入れる。
「あ……!
 いやぁぁぁあ!!」
 頭の中がかすんで、真っ白になる。それと同時に秘所から大量の液体が出てきた。


「ほんっとうに、すいませんっしたぁ!!」
 こうが摩擦でカーペットを擦りきらんばかりの勢いで土下座する。でも今回ばかりは許す気にはなれない。なんたってはじめてを奪われたのだ。
「こうのバカっ!」
「うう…言い返す言葉もございません……」
 さらに頭を低くするするこう。このままほうっておけば人間掘削機として井戸掘りに重宝するかもしれない。
「バカバカバカっ!
 私、はじめてだったんだよ?はじめては、もっとこうと一緒に感じていたかった。それをあんなムリヤリ……」
「ごめんなさ……
 って……え?」
 こうが人間掘削機をやめて顔を上げる。
「それって……」
 こうが聞き返してくるが答えてやらない。というかあんな恥ずかしいこと二度はいえない。だからその代わりに、
「私は、こうとするのは別にかまわない。けど、あんなムリヤリだと嫌いになる。」
 とまぁなんとも先ほどよりも恥ずかしい台詞を言ってやった。

 これが私とこうの新しい始まり。これから続くこうとの日常の、最初の一ページ。

fin
 
 
13038-472:2008/02/27(水) 15:42:52 ID:vZ4ol7MJ
すいませんタイトル忘れてました。タイトルは「君とここから始まる」でお願いします
131名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 16:01:32 ID:xjf1C1Yr
>>130
にやにやが止まらなくなったじゃないですか、貴方って人は!w
クールを装ってても内心ではベタ惚れなやまとが可愛くてもう。あと人間掘削機(こら)も。
ぐっじょぶでございました。
132名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:18:40 ID:ClYMeeBC
GJ!
やまとかわいいよやまと
133みゆつか愛してる:2008/02/27(水) 17:25:15 ID:yBdJcUp/
>>53
はい、小松未歩です
私の作品のタイトルは基本的に小松未歩からとっています

>>54-55
あじゅじゅした!

>>130
う わ や ま と エ ロ い
自慰ネタ浮かばなかった……激しくGJでした!
13420-612 ◆xdkSnUtymI :2008/02/27(水) 18:45:29 ID:dsqxmV2X
前に投下した小ネタ二つをまとめてひとつのSSに仕上げました。

ちなみに、その小ネタというのはこれ。↓
http://www.sonokawa28.net/bbs/test/read.cgi/luckystar_log/1195834942/631
http://www.sonokawa28.net/bbs/test/read.cgi/luckystar_log/1197350192/114-115

よろしければ投下したいと思います。
13520-612 ◆xdkSnUtymI :2008/02/27(水) 18:52:31 ID:dsqxmV2X
では投下します。

・8レス
・微量ですがエロあり
・壊れネタ
・ぶーわさん、7-896さん、妄想屋(仮名)さん、のネタとキャラを拝借しております。
136思いもかけない狂騒曲(1/8):2008/02/27(水) 18:53:31 ID:dsqxmV2X
青くすみわたった空がまぶしい、ある日曜日のこと。
私はひとりでゲーマーズにむかっていた。

なんでかって、珍しく誰とも約束してなかったというか誘い忘れたというか。
まあ、かがみたちもみゆきさんも用事があるみたいだったしね。
ムリは言えなかったんだよ。

ちなみに、ゆうちゃんはみなみんの家で勉強会。
もっとも、パティやひよりんもいっしょだっていうから、どこまでマジメにやることやら。

ま、みゆきさんが面倒見てくれるんだから、大丈夫だとは思うけどね。

ええっと……私も帰ったらやりますよ、宿題。
きのうも帰り際にかがみに注意されたしさ、やらないわけにはいかないでしょ。
しかも今朝もメールで念押しされちゃったしね。

 − 悪いけど、きょうは協力できないわよ。
   うちの神社の神事で抜けられないんだから。
   たまには自力でやりなさいよね。 −

だから、きょうくらいは自力で頑張ります!

でもその前に、狩り場に行かなくっちゃね。
どんな掘り出し物があるかわからないし。



「くふふ、大漁、大漁」

そこそこグッズを買い込み、ホクホク顔でゲーマーズを出る。
自動ドアが開いた瞬間、やたらまぶしくって驚いたけど、なんだったんだろうね?
一瞬だったけどめまいみたいな感じもしたし。

ま、気にしないでおこうっと。

大量のグッズの入った紙袋を両手に家路につく。
荷物は重いけど、その重さが心地よくって足取りは軽いんだよね。
思わず鼻歌なんかが出そうになるほどに。
まあ、さすがに変な人に思われてしまうだろうから、やめたけどね。

え?
女子高生がそんなに大量のアニメグッズを持っているだけで変だって?
ほっといて。

でもやっぱり変なのかな?
なんだかみんなが私のことに注目している気が。
それに、あちこちで私の名前を呼ぶ小さな声が聞こえる気もするし。

気のせい気のせい、たぶん気のせい。

ちょっと自意識過剰になってしまったよ。
気を取り直して、私は駅まで進むことに。

でもなんだか変だなあ。
この時間、この道かなり混雑している筈なんだけど。
そりゃ、いつも人通りは変わらないんだけどさ。
その割りにはなんだかいつもより通りやすくなっているんだよ。
137思いもかけない狂騒曲(2/8):2008/02/27(水) 18:54:34 ID:dsqxmV2X
変な気持ちを抱いたまま駅への道を歩いていると、反対側を歩くかがみを見つけた。

年上の女の人と一緒だ。
あの人には見覚えがある。
たしか、すぐ上のお姉さんのまつりさん、だったかな?

あれ?
ふたりともなんだかキョロキョロと落ち着かない様子であちこち見ている。
誰か探しているのかな?

ふむ、このままいくと次の交差点で顔をあわせることになりそうだね。
ならばちょっと、からかってやることにしますか!

うーん、なんだろう?
さっきからずっと周りの人たちが必要以上によけてくれているような気がする。
ま、私にとっては都合がいいけどね。

とりあえずそのことは置いとく。



ふたりが横断歩道をわたってくることを確認して、私は交差点から少し離れた目立ちにくい場所で立ち止まる。
で、背後へと回り込んでから、かがみの名前を呼んだ。

「かーがみん」

驚いた顔で振り返ったあと、急に笑顔になるかがみ。
おや、珍しくデレモードですかい?
めったに見れないけどいい笑顔だよなあって、ちょっと見とれてしまう。

あれ、かがみの顔がだんだんと大きく見えてくるよ。
私、どうしちゃったんだろう?

……と思っていたら、すぐに理由がわかった。
ああ、かがみの方から近づいてきたんだ、なるほどなるほど。
たいした距離もないし、かがみはすぐに目の前に。

そしていきなり抱きついてきた……って、ちょっと!

「うぉっ! かがみ、どしたのいったい?」

返事もすることなく、そのままキスをしてくる。

とうなってるんですか、かがみ様!
お願いだから、落ち着いて!

抱きしめる力がやたらに強く、とっても痛い。
もう、なにがなんだか、さっぱりだよ。
ともかく、誰か助けを呼ばなくちゃ。
そうだ、かがみはまつりさんと一緒だったんだ。

「ま、まつりさん。た、す……」

助けを求めようとまつりさんを見ると、なんだか顔が赤い。
しかも目が潤んでるし。

「ああ、こなたちゃんだあ」

ちょっと、なんか息が荒いよ、まつりさん!
138思いもかけない狂騒曲(3/8):2008/02/27(水) 18:55:46 ID:dsqxmV2X
かがみはやたらと私の名前を呼びながら頬ずりしてくる。
それに、だんだん力が強くなってくるせいで息が……

もう、勘弁して!

あれ、私たちを見ている町の人たちの様子もなんか変だ。
なんだかジリジリと私たちに近づいてきてるような気が。
いや、気のせいじゃない。
かがみやまつりさんみたいに上気した顔がだんだん迫ってくるよ!

ぞくり。

私の背筋に冷たいものが走る。
私、このままもみくちゃにされてしまうのかな。

お父さんごめんなさい、私はいけない体験をしちゃいそうです。
天国のお母さん、もしかしたらもうすぐ会いに行くことになるかもしれません。
ゆうちゃん、ゆい姉さん、ゆきおばさん、お父さんのこと宜しく御願いします。

……と思っていたら、まつりさんがかがみに声をかけた。

「かがみ、こんなとこじゃダメよ。
さ、こなたちゃん。ちょっと、うちに寄ってってくれないかしら?」

ようやくかがみは力をゆるめてくれた。
けど、やっと見ることのできた顔は、まつりさん以上に上気していた。
口元が湿っているのは……気のせい?

片腕で私の片腕を取り、反対側の手で私の荷物を持ったかがみが、まつりさんに言う。

「そうね、まつり姉さん。じゃ、こなた。行くわよ」

「ちょ、かがみ、やめ……」

自由だったはずの私の残りの片腕をとり、まつりさんはにっこりと微笑む。
それはまるで、欲しかったおもちゃを手に入れた子どものような笑顔。
そして首を大きく横に振ってイヤイヤをする私を、無理矢理に連れ帰ろうとするふたりだった。

「か、かがみかがみ、引きずってる引きずってる。引きずってるようっ!」

ええ、文字通り引きずられてます。
かかとがアスファルトに擦れてますもん。

「ちゃんと歩くから、話してってば! ねえかがみ、お願いだから!」

かがみはまったく聞く耳を持ってくれない。

「こなた、うちに着いたら……うふふふふ」

ああ、横目に見える表情が怖い。
なんだか、ひよりんの同人で見たことのある表情ですよ、かがみさん。
あの、その、落ち着いてもらえ……ないよなあ、この様子だと。

もはや捕まった狩りの獲物状態だね、こりゃ。
139思いもかけない狂騒曲(4/8):2008/02/27(水) 18:56:59 ID:dsqxmV2X
「こなたちゃんといっしょ、こなたちゃんといっしょ」

まつりさんはまつりさんで、変な歌を口ずさんでいる。
ええっと、舌なめずりしたように見えたのは、気のせいですよね?

楽しげなふたりとは対照的に、私の口からは言葉が出なくなってきた。
もはや、あきらめの境地に達しつつあるよ、実際。
もう何を言ってもムダだしね。

ふと、引きずられていく先を見ると、みんなが道をあけてくれている。
なんだか口々に「いいなあ」とか言っているように聞こえるんですけど。
見てないで助けてもらえたら、うれしいんだけどなあ。

ムリでしょうけどね。

やがて私たちは駅に着く。
相変わらず引きずられたままでね。
階段を上る時、かかとがバウンドして痛い。
だけどふたりとも、そのことを気にも留めてくれなかった。

階段を上りきると改札口に向かう。
でも近づいていくのは、駅員のいるところ。

あれ?

たしかSuica持ってたよね、かがみ。
自動改札も空いているのになんで?

何事もないかのように駅員さんの脇を通り過ぎる。
その時、かがみは手帳のようなものを駅員さんに見せた。

ちょっと駅員さん!

何で私たちに敬礼してるんです?
しかも、奥からもう一人駅員さんが出てきてますよ?
ホームまで案内するって、どういうこと?

駅員さんとかがみの会話の中に「高良……」とか聞こえたけど、気のせい?
まさか、みゆきさんが関係してるわけないよね?

ね?

「ね、かがみ。この状況を説明してもらえるとうれしいんだけどな」

おそるおそる出した私のお願いは無視された。
というか、なんだかふたりとも目が危ないよ。
私を見るたび、目つきが獲物を狙う獣のようになる。

ははは、もうダメだねこりゃ。

駅員さんの案内でホームへ向かう。
混雑しているはずなのに、私たちの周りにはなぜか空間が。

夢だ、きっとこれは夢なんだ。
そう思いたいけど、引きずられた足の痛みがそれを否定する。
140思いもかけない狂騒曲(5/8):2008/02/27(水) 18:58:19 ID:dsqxmV2X
やがてホームに電車が入ってくる。
足元に車椅子の人が乗車するとき用の板が敷かれ、その上を引きずられる。
車内に入るとなぜか席まで空けてくれ、私たちは3人とも座ることができた。

ああ、ここでもなんだかみんなの目が熱いよ。

両脇を抱えたまま、私の体を触ろうとするかがみとまつりさん。
人前だからなのか、そろそろと手を出しかけては引っ込めている。
しっとりと熱っぽい目で私を横目で見られていると、だんだん変な気持ちになってくる。

おなかの下あたりがジュン、と熱くなる。
みんなの視線に当てられちゃったかな。

それにしても私はいったい……どうなるのだろう。



捕えられた宇宙人よろしく、両脇を抱えられた私はかがみの家に。
玄関のドアの前に立つころには気力も尽きたよ、もう。

カチャ……

いつものように軽快な音で開く扉。
だけど今の私には地獄の扉が開いたような音に聞こえてしまう。
ここでいったい何が待ち受けているのだろうか。

私の中には不安しかなかった。

薄暗い家の中には人の気配が感じられなかった。
でも、いつもと何か空気が違う。
それだけはハッキリしていたよ。

パタン

かがみが扉を閉めると、まつりさんが大きな声で言う。

「ただいまあ、こなたちゃん連れてきたよう」

けっこう大きな声だったにもかかわらず、誰も答えない。
あれ、もしかしてみんな出かけてるのかな?
そう思ったとき、いきなり地面が揺れだす。

ドドドドド……

地震かと思った次の瞬間、奥から爆音と共にみんながやってきた!

ひい、ふう、みい……

あれ?

なんだかやたらと多くない?
ていうか、私が何人もいるんだけど!

「いりゃっしゃいましぇ、いじゅみこにゃたれしゅぅ」

みきおばさんのそばでニコニコしている、舌っ足らずな私がいた。
ゆうちゃんを思い出させるような笑顔と服装がとっても可愛い。

それにしても、まさか自分に萌えることになるとは思わなかったよ。
141思いもかけない狂騒曲(6/8):2008/02/27(水) 18:59:25 ID:dsqxmV2X
他にも、いろんなフンイキの私がいるのにはまいった。
かがみみたいな私やら、みゆきさんみたいな私、みさきちみたいな私までいる!

「いらっしゃあい。
私の名はこなつーって言うんだ、よろしくね。
あなたとは別の世界で作られた泉こなたのクローン・アンドロイドだよ。

もちろん、モデルは"私の世界の泉こなた"なんだけどね。
これからあなたは私たちと暮らすことになるんだよ。
できれば仲良くして欲しいなあ。

そうそう、ひとつ言い忘れてたことがあるんだ。
あなたも、私と同じように異世界からここに呼ばれたんだよ。
つまりここはあなたの世界じゃないってわけ。

んじゃよろしく!」

ゆうちゃんみたいな私に続いて話しかけてきたこの子は、特に違和感が強かった。
泣き黒子は右についてるし、頭の上には2本の触角まであるよ。
それによく見ると、黒子だと思ったのはちっちゃなランプだ。

もしかして、かわいそうなものを見る目で私を見ているこの子は、ひょっとしてロボット?
だとするとあのランプは、動力が動いていることを示すインジケーターみたいなものかな?

その後ろからは真っ赤な服をきたみゆきさんが現れた。
みゆきさんはいつもの笑顔で私に話しかけてくれた。
やっと、まともな人に会えた気がする。

「びずびざん、びばっじゃびばぜ」
(泉さん、いらっしゃいませ)

でも、そう思ったのもつかの間だったけどね。
よく見ると、服が赤いのは止まらずに出続ける鼻血のせいだよ。
貧血で倒れないか、ちょっと心配。

というか、いったい何がどうなってるの?

ロボットな私は、私は異世界から呼ばれたって言ってたけれど、それと関係あるのかな?
わけのわからない状況で、目が回りそう。
たしかにマンガやアニメではありがちだけど……



「みゆきの言ったとおりの場所にいたわ。
この子も別の世界のこなたなのね?」

私とこなつーを交互に見ながら、かがみは言った。
ていうか、かがみ、さっきからずっと危ない顔してるけど、なんで?
ホント、怖いよ。

思わず後ずさり、しようとしたら何かブヨブヨしたものを踏んづけた感触が。
見ると、うしろにはなんだかスライムみたいになのが。
赤い液体をまき散らしながら私に近づいてくる。
気持ち悪。

「ぞべばびょがっだでず。びずびざん、よぐぎでぐでまじだ」
(それはよかったです。泉さん、よく来てくれました)

やたらくぐもってはいるけど、ひょっとしてその声は……みゆきさん?
142思いもかけない狂騒曲(7/8):2008/02/27(水) 19:00:24 ID:dsqxmV2X
え? あれ?
あっちにもいるよね、みゆきさん?
なんでみゆきさんもふたりになってるの?

……ああ、どっちかが私と同じように異世界から来たみゆきさんなわけね。
なるほど。

「ぜびごぼでず。
ごべでびぼびひぼばぜがびがばびずびざぶぼばづべべば……」
(成功です。
これでいろいろな世界から泉さんを集め続ければ……)

スライムなみゆきさんが赤い液体をまき散らしながら話してる。
ああ、もう…… 何を言ってるんだかさっぱりだよ。
おかげで、混乱してクラクラしている私の頭の中に、サッパリ妖精が飛んじゃった。

ハァ〜 サッパリサッパリ♪

さっきからあたりに漂う血の匂い。
スライムなみゆきさんがまき散らしている液体、たぶんこれも鼻血なんだよね?
あっちのみゆきさんの服を赤く染めているのと同じやつ。
足元がだんだんヌルヌルしてきたよ。

その上、こんな監察をしている間に、私はみんなに取り囲まれていく。
まわりの空間は徐々になくなり、みんなが私の体に触れられるほどの距離に。
あっちこっち触られ、なでられ、においをかがれ、しゃぶられ…… あっ…… そ、そこは!

「ひゃうっ!」

いつの間にかスカートの中に入ってきた誰かの手が、下着越しに私の敏感なところを触った。
思わず出た声を聞いたかがみがニヤリと笑う。

「お願い、もうやめて……」

だけど私の願いは聞き届けられなかった。
それからすぐに一枚一枚服が脱がされていく。
だけどもう、私に抵抗する気力は残っていなかった。

「まずは歓迎の儀式……ね」

かがみの顔が妖しくほほえむ。
みんなの荒い息が私の周りを暖めている。
おかげで裸にされても寒くはないんだけど、なんか息苦しい。

ぷちゅっ

私を見つめていたかがみがいきなりキスしてきた。
私のファーストキス、かがみに奪われちゃったよ。

「こなちゃんのおしり、とってもかわいい」

背後からはつかさの声が。

撫で回されるおしりが、ちょっと気持ちいい。
つかさに気をとられているうちに、肩を抑えていたかがみの手は胸へと移る。
かすかな痕跡があるだけの盛り上がりを優しくなでられ、からだが熱くなってくる。
まるで風邪を引いた時みたいに。
143思いもかけない狂騒曲(8/8):2008/02/27(水) 19:01:21 ID:dsqxmV2X
反対側の手はじょじょに下がり、下着越しに触られた場所をじかに触られる。
酸欠気味になってきたところへ敏感なところを触られ、頭がぼうっとなってくる。
も、もうダメ……意識が……

消え行く意識の片隅でひとつだけ気になったことが。
廊下の隅の暗い所で、のの字を書いてるは、誰?

「ううう…… だれも敬ってくれない。
『そんなことやめて』って言っても聞いてくれないし」

そ、そんなこといいから、だれ、か、た… す……

【終わる】
14420-612 ◆xdkSnUtymI :2008/02/27(水) 19:03:01 ID:dsqxmV2X
以上です。

 to ぶーわさん、7-896さん、妄想屋(仮名)さん
すいません、また使わせていただきました。

ちなみに、ここから先の展開は一切考えてませんw


それから、私は37スレ目の141で下がる男とのコラボネタを書いていると言った者でもあるんですが、
キャラクターシートを作ったり、戦闘シミュレーションをしたりしてNWらしさを出そうと奮闘中なので、
もうしばらくお待ちくださいませ。

同じコラボネタで書き上がっている方がおられましたら、先に投下していただければうれしいです。
145名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 19:28:58 ID:kdMQ/9Al
カオスwwwwwwwww
全ての世界を混ぜたらこんなになるのか
なんというか…混ぜるな危険という言葉が真っ先に思い浮かんだ
146名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:24:36 ID:DLUVul0/
>>145
いいカオスの例だ。
つ【MUGEN】

もしかしたらこのスレの全作者さんのキャラクターを集めたゲームを作ったら、
それこそカオスだろう。
147名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:56:15 ID:g/BdghmI
>>144
ごちゃごちゃでワラタw
GJ !
148名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:56:17 ID:UilqK1NV
ゴッドかなたさんの出現条件が厳しいだろうね。

でも強くないw
149名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:07:43 ID:H9CY7btD
桜藤祭やって以降みなみはオナニー狂いのエロい子なイメージが・・・
SS書きたいけど主人公のデフォ名無いから名前どうするか困る。
150未定のこなた:2008/02/27(水) 21:22:52 ID:OyAqQh0p
みなみちゃんたちオナニーやるんだっけ?
151名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:25:23 ID:DJijcYpq
もちろん
みんなするよ
152名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:46:32 ID:KzJ80c8a
>>149
そんな感じだっけ?w
ゆたか依存のイメージしかなかったが。。。
153名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:57:07 ID:H9CY7btD
らきメモみなみルートのラストのとこな。

でも桜藤祭のみなみって原作からのキャラ改変がアレなんだよなぁ。
専用ルートだと可愛いんだけどそれ以外だとゆたか依存症が酷すぎてぶっちゃけ引く。
154名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:27:15 ID:9R2r/qsV
>>149
対象を主人公じゃなくてゆたかにすればいい
155名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:44:38 ID:fniC+UMt
>>149
EDのスタッフロールから適当に名前拾ってきたら?
156名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:52:49 ID:6XXUaGm/
ところでパティ受けのSSが男とやってる1作品しかないのは
外人さんの喘ぎ声を文字で再現するのが難しいからなんだろうか
157名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:56:33 ID:lwiYwQoa
単にパティが人気ないだkうわなにをするやm
158名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 22:58:35 ID:OyAqQh0p
No!ワタシOh!とかAh!とかYes!とか
そんなガイジンアクメボイスなんてやりまセン!

やっぱりアエギゴエといえばこれでショウ!
「ラメ!ラメ!ラメエエエエエエエエッ!」











ひより「パティ・・・ラにアクセントつけちゃだめっしょ・・・」
159名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:05:12 ID:xjf1C1Yr
>>158
ラメラメ言うな。パティの金粉ショー想像しちまったじゃないかw
160名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:09:56 ID:DLUVul0/
>>148
でもCPUだとゲームバランスが崩壊するほど強い。
161名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:11:09 ID:9R2r/qsV
>>156
人気はともかく、どうみても攻めなタイプだからなあ
パティは脇で登場することはあってもメインは少ないのが…パティ好きなんだが
あと、体はエロイけどあの性格だからエロより友情とかギャグ系の話になりがちな気が
まあ出てさえすれば喜んで読むんだけどね
16226-485:2008/02/27(水) 23:19:04 ID:e35iJDSW
誰も予定されていないなら投下します

・ゆたか→←みなみ
・「惑う虚空の中で」の続編
・5レス使用
・ゆたか視点
・非エロ
・シリアス気味

数分後を目処にいきます
163私の選ぶ道(1/5):2008/02/27(水) 23:22:04 ID:e35iJDSW
 この世に神様はいるのだろうか。
 私の病弱さも、度重なる迷いも。
 全て神様が決めたのだろうか。





 私の選ぶ道





 目覚し時計が鳴り響く。
 その音に私の意識は夢の国から連れ戻され、身体だけ残されていた現実を認識する。
 瞼を開けば見えてくる天井や電灯、次第に減っていく暗部。
 寝惚け眼を擦りながら周囲を見渡せば当然私の部屋、自分でレイアウトした学習机やら人形やらが目の前に広がる。
 手を伸ばしてカーテンを開くと、朝早くから大変そうな太陽が柔らかな光を室内に提供してくれた。
 差し込む朝の日差しに気持ち良さを感じて、思いっきり伸びをする。
「ん〜……」
 この束縛が解けたような解放感こそが健康の証なのだろう。そんな事を思いながら息を吐いて元の体勢に戻る。
 休日の間中ずっと私を悩ませていた風邪はすっかり治っていた。
 これも皆が親切に看病をしてくれたおかげなのだろう。私はいつもお世話になっている身近な人を思い浮かべては心の中でお礼を言う。
 私は体調が回復した朝の爽快感が堪らなく好きだった。
 それを得るまでに調子が優れない事が前提にあるという要因が一番なのだろうけど、それよりも他の人と一緒にいられる事が何より嬉しいのだ。
 私は自分の虚弱な体質が嫌いだった。
 どんな時だって手間を掛けさせてしまう存在だったから。
 頻繁に様態が変動する私は常に家族や友達から気配りが絶えなかった。いつだって何処でだって誰といたって気遣いの言葉や親切心が降り掛かる。
 だから私は幼い頃、元気な時は皆の為になる事をしようと誓った。
 日頃世話を焼かせている分、何か自分に出来る事を一生懸命やろうと決めたのだ。
 完治してから身近な人に感謝するのも、面倒を見てくれる事を当たり前だと思わないようすると習慣になった。
 そういった気持ちを今でも忘れていないから、私はこの感覚が好きなのだろう。
 新たな一週間は私が別次元の世界に旅立って暫く経ってから幕開けを終え、時の流れという不変の理法に準じて着々と駒を進めている。
 有限の期間の中、なるべく壮健な状態でいられるよう祈りを捧ぐ。
 普段と変わらぬ月曜の朝は、清々しく私を迎えてくれていた。
 外界の朝方は急激な冷え込みを見せ氷点下を思わせる。
 澄みきって晴れ渡る空は何処までも続いている。
 寒空を駆ける鳥は雲間を縫って曲線を織り成している。
 私と同じように部屋の窓を開け放ち、外の様子を眺めている人が世界中の何処かにいるのだろう。
 何の異変もない起床直後の風景に、病気から復帰したばかりの私は親近感を覚える。
「やっぱり、健康が一番だよね」
 この景色みたいに、健康が続いていれば良かったのに―――
 先日、病床についていた私を訪ねてくれた友人を、眼前に広がる青色に描いて切実に願った。
164私の選ぶ道(2/5):2008/02/27(水) 23:22:27 ID:e35iJDSW
 うなされて寝たきりになっていた所為か、かなり朧げな記憶。
 私の脳内で結晶化して形を得たそれらは、追憶の海へと散りばめられ浅海や深部で眠っている。
 すぐに手が届くものもあれば、どれだけ欲しても掴めないものもある。
 海面から断片への距離は、思い出すのに要する時間なのだ。
 自分でも気づけないくらい大事なものほど、深い海底に鳴りを潜めているのだ。
 頭の中の世界に作られた私は、浅瀬にある知覚を司る欠片を掬い上げる。
 眩いがしかし、何故か目を開けたままでいられる爆発的な閃光が辺り一帯に広がり、脳髄を刺激していった。
 過去の情報を宿すパズルピースが組み立てられていき、僅かだが十数時間前の出来事や風景が断続的に頭を過る。
 金曜日の電話の後、多様な感情が複雑に絡み合い高熱を出してしまった私は、お姉ちゃんやおじさんの言われるがままに休養を取った。
 後日になっても熱が引く気配は一向になく、やはり栄養と睡眠の摂取を繰り返した。
 そして日曜日、みなみちゃんと田村さんがお見舞いに来てくれた。
 この日が特に曖昧なのだ。
 痛む頭部と歪む視界の中、はっきりと覚えているのは部屋に入ってきて間もなくと帰り際に交わした簡単な挨拶のみ。
 相当具合が悪かったからであろう、友達がいるにもかかわらずに睡眠の誘惑に抗えなかった。それで途切れ途切れの状態で記憶されているのだろう。
 だが眠りと目覚めの狭間を彷徨っていた時もある。
 その部分が不明確なのだろうか。起き抜けで割程度思考力が低下した頭で必死に考える。
 みなみちゃんと田村さんが家にいた昼下がりを構成する内容。
 大半ははっきりとしていないものだった。
 何か、冷たく突き刺さるもの。
 何か、温かく染み渡るもの。
 曖昧模糊とした、実体が不明な感情。
 前者はきっと、みなみちゃんの態度なのだろう。
 私を心配して駆けつけてくれたみなみちゃんは、何処か本当の心情を隠しきれていなかったように思えた。
 恐らくみなみちゃんは、お姉ちゃんか田村さんに誘われて断れなかったのだろう。
 そんな事でもなければ、散々手を煩わせた私を見に来るなんてあり得ないから。
 分からないのは後者の感覚だ。
 一瞬の内に去来した理由が理解出来ない。
 私はこれに似た感じを良く知っていた。
 間違えようもない、みなみちゃんの温もり。
 それも普段よりも更に深みを帯びた、ひたすらに浸透するものだった。
 明らかな矛盾が生じている。共存は不可能に近い二つの対極の感情が、短く同じ時空の中でお互いを相容れ合っている。
 不完全ではあるけれど、決して妄想や思い違いなどではない。
 それらは確かに、共に同じ頃の記憶を形成する物質なのだ。
「ゆーちゃーん!」
 一階からお姉ちゃんの声が聞こえて、私はようやく思考の迷路からの突破口を見出した。強制的に中断させたに過ぎないのだけれど、今はそれで構わないと意識を戻す。
「朝ご飯出来たよー!」
 再び耳へと入り込んできた言葉に命じられたかのように時刻を確認すれば、起きてから約十分が経とうとしていた。
 どうやら時間の経過を忘却の辺境へと追いやっていたようだ。何かに真剣に取り組んでいると本当に忘れるものなのだと改めて実感する。
「早くしないと遅れちゃうよー!」
「はーい!今行くよー!」
 負けないくらいの大声で返事をして、私は自室を後にした。
 本質が見抜けないなら、あれこれ当て推量をしていても仕方がない。
 万物も到達しえぬ未知の領域に、真実を知る手がかりがあると。
 それをこの手に掴む為に、きっかけが舞い降りてくると信じて―――
165私の選ぶ道(3/5):2008/02/27(水) 23:22:54 ID:e35iJDSW
 階段を下って別の階層に移動する。まだ少し眠たさを下がり具合で訴えている瞼を擦りながら、私は一日の始まりに最初に行くべき場所に続く扉を引いた。
 何も言わないでも家族が集まるリビング。一番身近にいる人達に、今日という日を過ごす為に色々なものを貰ったりあげたりする所。
 温かい家庭を築いていくには必須となるであろう。
「お早う御座います、お姉ちゃん、おじさん」
 私より先に居間に来ていた二人の家族に挨拶をする。
「おはよー」
「おう、お早う」
 お姉ちゃんはエプロンを脱衣する手を止めて、おじさんは目を通していた新聞紙を少しずらして、私の方を向いて返事をくれた。
「さて、朝ご飯にしようか」
 お姉ちゃんの一声におじさんは手に持っていた新聞を畳み始めた。
 暗黙の了解でほぼ指定席となった自分の席に向かう中途二人とも私を待っててくれたのだという事を読み取って、私は全然お早くないなと心中苦笑する。
 目の前のお皿には半熟の目玉焼きとハムトーストが乗っている。その傍らには、湯気を立てて自身は寒い朝には適任だと誇示しているかのような、ホットココアが注がれたマグカップ。
「いただきまーす」
 三人で揃えた唱和の後、香ばしくこんがりと焼けた食パンを一口齧る。
 出来立てだという事を暗示させる芳しい香りが鼻腔を擽り、しっかりと中まで火の通った食材の温かさが口内に広がる。
 用意されていたフォークを取り目玉に見立てられた卵の黄身に突き入れると、留まる手段を奪われた黄色の奔流がほんの僅かな焦げ目をつけた白い部分に浸透していった。程なくして器にも及ぼす範囲を拡大させていく。
 一度で口に入る大きさに切り分けてそれを食べる。固まっていない卵黄が白身と絶妙にマッチしていて、食がどんどん進む。
「良かった」
 ふと、お姉ちゃんが微笑んで呟いたのが聞こえた。
「もうすっかり元気になったみたいだね」
「そ、そうかな?」
「うんうん、昨日まであんなに食欲なかったのになぁ」
 二人が顔を合わせて笑う。
 言われてみればそうだった。
 部屋から出るに出れなかった休日は、折角作って持ってきてくれたお粥や饂飩を殆ど残してしまい続けていた。
 その都度私の健康状態に悩んでいてくれたのだろう。今の二人の心から安堵したような表情に、私はそう思った。
「ありがとう、お姉ちゃん、おじさん」
 口に出した方が断然この胸に募る思いを伝える事が出来るから、私は今一度、今度は言葉を紡いで感謝の意を告げた。
「いやいや、一番良くやってくれたのはみなみちゃんだよ」
「!」
 みなみちゃん―――
 その名前がお姉ちゃんの口から出てきて、私の心臓は跳ね上がる。
「わざわざ来てくれてね」
「へぇ、そうだったのか」
 お姉ちゃんの目には、私とみなみちゃんは今まで通りに映ったのだろうか。話し込む二人の近くで考える。
 そんな事は、ない、はず―――
 仲睦まじく見える事を否定している私の心の中の声はしかし、断定の語尾を選ばなかった。
 どうやら私は、自分が思っている以上にみなみちゃんの事が好きらしい。
 どんなに冷たくされても、拒絶されても、諦めきれないらしい。
 可能性なんて零に限りなく等しいって、とっくの昔に悟ったはずなのに。
 ここにきて、想いが増幅を止めない。
 あの時感じた不思議な感じが、未練がましい私を後押しする。
 一体、その正体は何なのか。
 そこに辿り着くまでの記憶を秘めた、私の中の海に沈む欠片を引き上げる事は出来るのか。
 ありとあらゆる不安や期待が、渦巻いている。
 そんな心中を汲み取られないように、私は食事の手を変えず休めなかった。
 味は少しだけ、色褪せたような気がした。
166名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:23:13 ID:H9CY7btD
まぁどうしてもエロにせにゃいけんわけでもないし(エロパロでこう言うのもなんだが)友情やギャグものでもいいんじゃない?
第一受けだの攻めだのそんなに考えて書くべきもんでもないでしょ。

>>154
ごめん百合はともかくレズはダメなんだ・・・
167私の選ぶ道(4/5):2008/02/27(水) 23:23:19 ID:e35iJDSW
 家を出る間際、荷物の最終確認をしている時も。
 早く春の陽気にならないかなと、寒い通学路を歩いている時も。
 常時浮かんでくる映像はみなみちゃん。
 笑っている顔も、落ち込んでいる顔も、楽しんでいる顔も、照れている顔も。
 私の脳裏に焼きついている様々な表情は、目まぐるしく脳内を駆け回っている。
 これでも大分前向きになれたと思う。
 少し前の、みなみちゃんに拒まれた時の私には、そんな多種多様の様相をイメージする事は無理だったから。
 前方に顔を上げたその先に見える希望は、虚偽かもしれない。
 都合の良いように解釈して生み出された、虚仮かもしれない。
 それでも、やっと分かったから。
 このまま距離が離れてしまうのは嫌だって、分かったから。
 何もしないで悔やむのは嫌だって、分かったから。
 どんなに茨の道でも、確立が低くても、私が望む未来にはみなみちゃんがいてくれないといけないって。
 やっと、分かったから。
 諦めるなんて以ての外だ。
 意地でもへこたれるものか。
 みなみちゃんと正面から向き合うんだ。
 そして私の気持ちを伝えて、現実を受け止めるんだ。
 校門の目前、自分とみなみちゃんが共に過ごす教室を見上げて誓った。

 数人のクラスメートと言葉を交わしながら、自分の席を目指す。
 持参した鞄を自席の備え付けのフックに掛け、みなみちゃんを探すべく視線を巡らす。
 改めて辺りを見回したが、鮮やかな浅緑のショートの友人は見当たらなかった。
「ゆーちゃん」
 背後から降り掛かった声に身体の向きを変えれば、田村さんが軽く手を上げて私の方に歩み寄ってきていた。
「お早う田村さん」
「お早う。もう良くなった?」
「うん、もうばっちりだよ」
 元気になった事を示すように笑って答える。つられたのか田村さんも顔が綻んだ。
 会話の花が一時的に枯れて、私は再び咲かそうと新しい話の種を探す。
「まだみなみちゃん来てないのかな?」
 先程疑問に思った事も相俟って、私は迷いなく話題を振る。
「ん?ああ、今日はまだ来てないみたいね」
 室内を見渡しつつ田村さんが応答する。
「いつもはこの時間には来てるのにね」
 違和感を覚えたところをそっくりそのまま言われて、私は頷くしかなかった。
「二人トモ、何の話デスカー?」
 今し方登校を終えたのか、スクールバッグを利き手に持ったままパティちゃんが私達の話の輪の中に入ってきた。
「いやー、みなりんが今日は遅いなって話」
 田村さんの口からこれまでに談話していた事と白い吐息が出る。
「そう言えば遅いデスネ」
 パティちゃんも手を顎に当てて考え込む。
 一方の私は、膨大する不安感に押しつぶされそうになっていた。
「レイトしないと良いのデスガ……」
「ゆーちゃん、どうかしたの?」
「えっ?」
 不意に顔を覗き込まれ、私は声を漏らす。
「顔、真っ青だよ」
「ううん、何でもないよ」
 私は降り積もる気掛かりな気持ちを払拭するように首を振った。

 その日、みなみちゃんは欠席した。
168私の選ぶ道(5/5):2008/02/27(水) 23:23:40 ID:e35iJDSW
 やはり、避けられているのだろうか。
 半ば上の空でぼんやりと考え事をしていた。
 黒板にチョーク走り大昔の人名を記す音も、それについての説明を加える年配の教師の声も、全てが耳に入るがしかしもう片方から何の情報も残さずに通り抜けていく。
 私に備わる器官が機能しなくなったかのような、だが脳内では一つの事に延々と思考を張り巡らせている、摩訶不思議な感覚。
 はっきりとしているようで、何処かぼんやりとしているような。
 意識があるようで、無意識さも思わせるような。
 表現がとても困難な、初体験の感じ。
 避けられて、いるのだろうか。
 一度思い始めてしまうと、しつこく付き纏って離れない。
 負のしがらみが刺々しさを増し、私を執拗に締めつける。
 心の虚空に浮かび上がる数々の画像は精度をあからさまに欠き、信ずるべき将来と苦難の現在を繋ぐ通路に失墜の暗闇が差す。
 何気なく窓に目を向ける。
 透明なガラスが張られた開口部は採光、通風、観賞等実に種々の用途を秘めている。
 風景を賞翫するつもりはなかったが、私は僅かに顔を傾けるだけで別の面を見せる外観に見入っていた。
 体操着に着替えた生徒が活発に動き回る運動場。
 見知らぬ社会人が忙しなく駆け回る街並。
 曇る素振りの細片も見えない碧空。
 私の部屋から眺めたそれと何ら変わりはないはずなのに、丸っきり違うものに見えた。
 ―――ああ、変わったのは私の方か。
 不明瞭な認識ながらも見定まった答え。
 あの時の私は晴天の空に通ずるものを感じたけれど、今の私は正反対の存在になっているのだと気づく。
 避けられて、いるのだろう。
 三度目は自身への問い掛けにはならなかった。

 鬱積する感情に俯いた、その時を見計らったかのように先生の声が聞こえた。
「では最後に宿題のプリントを提出」
 思わず時計に目をやれば、授業は終了直前という時間だった。
 薄く霞んだ意識のまま受けてしまっていた。理解した頃には時既に遅し、塗板は開始前と同じ何も書かれてなく、私の机に広げられたノートもまた同様だった。
 しまったと思いながらも、課題は出さないといけないと鞄の中からクリアファイルを取り出す。
 目的物を探していると、はらりと紙切れが舞い落ちた。
 以前休学した時にみなみちゃんが書いてくれた手紙。
 綺麗な文字に目が留まれば、泉のように湧き出してくる想い。
 勝手に関係するのを嫌われていると決めつけて良いのか。
 このまま何も変化しないまま時間が流れても良いのか。
 私の身体に次々と流れ込んでくる、素直な気持ちは今まで私を支配していた情動を再び揺るがそうと働きかける。
 幾つもの心のあり方が入り混じる。
 関し合うそれらに自分の気持ちを伝えるんじゃなかったのかと問われては、拒否されてもなお近づくのかと問われ。
 後悔先に立たずと諭されては、熱願冷諦と諭される。
 私は宿題を出すのも忘れて、振れる情緒の行く末に戸惑っていた。
16926-485:2008/02/27(水) 23:25:45 ID:e35iJDSW
久しぶりに来ましたがやはりこのスレの
速度にはいつも驚かされます
物語はここからハッピーエンドと
バッドエンドに枝分かれします
先にどちらを書くかは思いつき次第で^^;

読んでくださった方、有り難う御座いました
170名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:31:54 ID:H9CY7btD
げ、割り込んでしまった。失礼。
171名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:44:14 ID:OyAqQh0p
>>169
お願い、ハッピーエンドにしてあげて!
みなみちゃんたら、最近あまりにもいじめられ過ぎてて、
涙流したりうわごと言ったり突然卒倒したりで、
最近は保健室に連れて行く立場が逆転してるの!
172名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:02:00 ID:vzD8Qbzo
「皆さんGJなのであります」
「良スレ評価」

読んでいない作品が山ほどある+自分の作品の続きを書いているので、
後でゆっくり読まさせて貰います。
173名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:18:08 ID:7aHBTnoA
>>169
グッジョブであります。
両方かいて、両方同時投下がいいな、と思ってたり。
バットエンドのみだったら、おいらが凹んでしまいそうだ…
174妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/02/28(木) 00:30:10 ID:fg7l2UPl
今日もまた、カオスありシリアスありでみなさんGJ!
引き続きですいませんが、行きます。

[まえがき]
タイトルは『えす☆えふ3 〜かさ☆ぶた〜』。3ですが外伝も入れると4作目。
タイトルの通り、バンチキのあの歌(てか、それを元にしたらき☆すたMAD)にインスピレーションを受けてます。
非エロ、CPとしてはこな×かが?。
人によってはオリキャラ?(こなつー)注意、人死に?あり注意。
ダメな人はスルーでお願いします。


――――――――――――――――――――――――――
[本編]
例によって例のごとく、うpろだにtxtでうpしています。
40KB、1058行。

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0030.txt


――――――――――――――――――――――――――
[あとがき]
推敲も含めたら、えらく時間がかかった一作になりました。
やっと「こなつーがこなつーたる所以」を書くことができました。我が生涯に一片の意味なし。

次は原作準拠の予定……ネタのタネも見つかったので。
175名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 01:02:35 ID:zJeMZyjT
>169
ゆたか→(越えられなくはない壁。頑張れ)←みなみ
て感じでもどかしいぜ

越えられた2人と越えられない人、どこで道が分かれるのかドキドキだぐっじょぶ
176名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 01:20:55 ID:X4ndl3oe
>>174
GJなんて軽い言葉でいいのかな、感動です。
ん、こなつーとかがりができちゃったら、
みつきとつかさは?
みつつか?
あーどんだけ世界が広がるか…期待しています。

wikiのほうにres付けさせていただきました。
27-243
177妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/02/28(木) 01:55:29 ID:fg7l2UPl
……すいません、細かいとこあちこち間違ってましたorz
差し替えさせてください。

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0031.txt
178名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:12:15 ID:ASJ9Dyha
>>166
まあ俺も友情、ギャグものは好きなんだ
エロでも、友情でも、ギャグでも、らきすたのSSを読むのが俺の幸せ
…受け攻めの話はまあイメージってだけでただの戯言だから気にせんでくれ


>ごめん百合はともかくレズはダメなんだ・・・
いや、俺も的外れな答えだったから謝らんでくれ。てか俺がごめん
で、主人公の名前なんだけど、個人的には決まった名前付けられると
「そんなキャラいないのに誰だこいつは!」って思ってしまうんで
「○○君」とかの方がかえって違和感を覚えないなー
もしくは名前出さずに「君」とか「あなた」とか「あの人」でいいと思う
179名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:16:58 ID:ASJ9Dyha
しまった、連レス
>>169
GJです。あぁ、歯がゆすぎる…
ってハッピーとバッドの両方あるのか!お得だなー
でもバッド読んでしまったら俺は鬱で死んでしまう気がする
ゆたかとみなみ(特にみなみ)には幸せになって欲しい…
180名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 02:21:46 ID:aY3Icpxr
>>177
これはすばらしいかさ☆ぶた!GJ!
もうこのさいだから、レギュラー10名全員分の
レプリカントをそろえてしまうんだ!(゚∀゚)

そして、彼女らが入学する学校は陵桜学園ならぬ、
陵j(ここから先、数多の攻撃音によりかき消されている
181名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 03:57:33 ID:YwUjjLDU
>>166
名前出さずに「先輩」でまとめる手段もあるぞ。もしくは「主人」で「かずと」みたいに捩ってつけるか。
182名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 07:58:50 ID:rk4lmF1r
昔とある作品の漫画版に

主人(ぬしびと)
公丸(きみまる)

と言う名の主人公がいたことを、ふと思い出したw
183名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 08:11:57 ID:H3rscSg0
>>169
もどかしすぎて死にそうです。嗚呼。
ハッピーエンドを熱烈に希望したいとこですが、バッドはバッドで見てみたいような。ともかくぐっじょぶです。

>>177
これはなんという山崎春のロボ祭り!
冒頭からのこなつーの様子で一瞬青ざめましたが、最後はハッピーエンドでよかったよかった。
鋼鉄のキューピッドに、限りないぐっじょぶを。


しかし……かなたさんWとか読んでたらこなつーはみつきさんとくっつくものと思ってたのに。予想外でした(こら
184名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 11:43:52 ID:VINEmj/Z
>>177
やはりらき☆すたワールドはこういうエンドでなくちゃいけませんね。・゚・(ノд`)こなつーよかった
こなつーがこなつーである所以に、そして二つのこな×かがにGJ!!
185名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:48:35 ID:QSLKRIwn
名前に悩んでるなら説明書にあった名前(角川 コンプ)から取るのも手

角川 昆布とか
186名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 15:15:14 ID:1+HiGxzZ
>>177これなんてロボ☆すた(良い意味で)GJした
ちなみにみさおがかがりを呼ぶ場合…
みさお「お〜いロボらぎぃ〜」なんて呼んじゃったりして
187名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 15:47:45 ID:hLDVkZ0v
二次SSで名無し主人公の名前といえば
主人 公(ぬしびと・こう)ってのも二次SSでわりと見るな。後は作品名から取るとか
ラッキー☆スターから星幸太郎とか

それはそれとして、そうじろう×こう とか こう×かがみ な電波を受信したんだがどうしよう
188名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 15:55:38 ID:QSLKRIwn
構わん、投下しろ。いやむしろしてください
189名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:31:58 ID:JIBWt1Xa
今更だけど、ぶーわ氏の「0から始めよう」って、ととねみぎ氏の『0からはじめましょう』がコンセプトの元だよね。
ずっとどこかで見たような題名だよなと思いつつ、漸く最近思い出したorz
…まあ、今更だけど。
190名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:48:14 ID:gXBx6Y20
確か一話の時にぶーわ氏自身が言ってなかったっけ

でも次が最終話かぁ・・・感慨深い
最終話は相変わらずの超設定を期待してる自分がいるぜ
191名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:49:58 ID:gXBx6Y20
違った
超設定→超展開でした

吊ってきます
192名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 16:52:23 ID:zdcuBsvJ
>>176

つかさは「うにょーん」さえできたら幸せそうだし、かがりも許しそう。



みつきさんはセフr(ガガーピー
193名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 19:50:04 ID:VBXeMoCE
デフォ名くらいあればよかったんだけどなー>桜藤祭主人公
らきすたっぽくひらがな三文字の名前でなかなか語感がいいのが思い浮かばないから困る。

ふゆき先生の「もう少し休んでく?」であらぬ妄想をしたのは俺だけでいい
194名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:11:16 ID:QSLKRIwn
いっそ各々がつけてるのを晒していったりしてみるか?

で、良いのがあったらソレを採用とか
195名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:14:39 ID:gDqiB0wt
俺いつも「藤田浩之」だわ
196名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:18:34 ID:nDII0s86
>>195
どこの東鳩だよ
197リボンうにょーん:2008/02/28(木) 20:24:29 ID:aY3Icpxr
神岸じゃないです・・・柊です・・・
198名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:29:43 ID:QSLKRIwn
これで河本貴明ってつけた奴がいれば完璧だな
199名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:40:04 ID:44YAzlBh
加藤鷹ってつけた
200名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:43:44 ID:gXBx6Y20
遊佐浩二ってつけた
201名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:48:10 ID:skCe7oa1
自分は桜庭りおんってつけました。主人公名前決まってないと志って三秒で付けました。



…その後三時間ぐらいしてひかる先生の姓が桜庭だと気づきました。
20235-215:2008/02/28(木) 21:02:06 ID:MpMaEyy+
伊藤まこ・・・いや、何でもないです

知り合いがネトゲで使ってるキャラ名を許可して使ったのと弟の名前そのまんまの2つを使ってる人です
203名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:19:14 ID:bCTZ+FCP
ゲームやってないから知らないけど「小神あきら」とかつけらんないのかな
204名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:24:31 ID:QSLKRIwn
神乃木準(かみのぎじゅん)て付けた
205名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:31:50 ID:AD2ufx0x
正直、ゲームの話になると流れが迷走して嫌だ
しかもゲーム版はノリからして同人レベル
俺はアレを公式と認めることに抵抗がある

ゲーム版専用のSSスレとかないのか? あるならそっちでやって欲しい
206名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:40:26 ID:VBXeMoCE
そんなん言ってたらアニメだって原作とはまるで別物の同人作品だぞ。
まぁただのアンチに言っても無駄なんだろうが。

>>203
なりすましモードになる
207名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:41:32 ID:tq00KmEg
迷走してるようには思えないが
同人レベルとか二次創作の場でいうことじゃないとは思うけど
208名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:42:07 ID:H76qTUIF
このスレ自体が同人レベルじゃないか
209名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:53:59 ID:VZIyy4WQ
でも確かにゲームの会話控えて欲しいかも・・・
ゲームやってない人からしたらさっぱりわからん。
210名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:54:18 ID:YwUjjLDU
同人「レベル」っつーか完膚なきまでの同人だわなwこのスレは。

>>202
「あきら」ってつけたかったんだが既にあきら様がいるので「まこと」にした俺ガイル。苗字は伊藤じゃないけどな。
ひらかな三文字でしっくりくる男の名前ってのもなかなか難しいもんだ。
211名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:56:28 ID:Jsdo8yUi
他のSSスレ貼っておくわ
最近のエロパロは空気が合わないってなら移住してみるのも一興だ
ここで争うよりはマシだろう
俺はSS読めるならどこでもいい

らき☆すた SS 絵に描いたバルサミコ酢
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=part4vip&key=1203944166
保管庫あり VIPスレ

【らき☆すた】こなた×かがみPart15【こなかが】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1203870274/
保管庫、絵板、避難所あり 条件付きでエロOK??

【らき☆すた】かがみ×つかさに萌えるスレ
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1202864356/

【らき☆すた】つかさ×こなたに萌えるスレ 2
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1203763431/
避難所、保管庫あり

【らき☆すた】みゆき×つかさに萌えるスレ
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1202802773/

【らき☆すた】俺×つかさに萌えるスレ
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1202826886/
荒らしが立てたっぽいけど一応

らき☆すた 陵桜学園 桜藤祭 IF SS 
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gal/1201370191/
ゲーム設定なら何でもOK
212名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:19:33 ID:2ThmcEdO
いっそ避難所にゲーム用の雑談・投稿スレとか建ててもらうか?
あそこは管理人しかスレが建てられないようになってるけど、申請してみるのも手だ。
213名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:34:52 ID:Z7NH+WyF
なぜそこまでしてゲームのSSを追い出したがるかがわからん
ゲームの内容知らないならyoutubeなりニコニコ動画なりで見てくればいいし
SSそのものを見たくないならNGにすればいいのに
214名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:40:00 ID:pZrVcSTd
SSは良いけどやってない人もいるから雑談は避けたほうがいいのかもね
かといって主人公の名前決めたりするのに
場所は必要だろうからゲーム雑談は避難所ってのはいいんじゃないですか
ゲームに対する非難については内容はともかくループしまくってるのでスルーが良いかと
215名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:41:17 ID:u2MyVP6+
「ゲームは知らないor興味ないからよそでやって欲しい」とか、どんだけ自己厨だよww
216名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:44:39 ID:NrtrKE2/
どうもです
ええと、なんかまた話し合いの途中っぽいですけど、投下させていただいていいですか?
モノは「メドレーリレー・バースデー」、第三話です
問題ないようでしたら、十一時ぐらいから行かせてください


・複数視点(前半みさお、後半ひより)
・エロ無し
・6レス使用
217メドレーリレー・バースデー (3) 1/6:2008/02/28(木) 22:57:39 ID:NrtrKE2/
【track 3 : わんこと卵とゴゴゴゴ時空】


「ちぇり〜〜〜〜っ!!」
「ワウッ!」

 ――ひしっ!

 およそ一ヶ月ぶりの抱擁を交わす。
 うっわー、ふわふわのもふもふのもこもこの、ぽっかぽかだ。あちぃ。
 まだまだ東京の残暑は厳しくて、けどこの感触は捨てがたい。どーしたモンか。
「へえー、ホントに懐いてるネ。チェリーってこんな子だっけ?」
「日下部先輩オンリーっスよ。コレは明らかな差別っス」
「そーなんだ。まー、ひよりんとみさきちとじゃイロイロと正反対だしねぇ」
「全否定と全肯定っスか、チェリー的に」
「病まない病まない。野生同士で分かり合うトコロがあるだけかも知んないし」
「そーいやなにげに犬語が分かるみたいっスよ、あの人」
 ちびっ子と田村が後ろで何か言ってる。
 無視して、さらに後ろにいる幼馴染の親友を振り返って呼びかけた。
「なー、あやのも来いってー。すっげー大人しいから」
「わ、私はいいわよ」
 しかしあやのは、なぜか小早川の背中に小さくなって隠れちまってる。
 言っちゃアレだけど、なんでわざわざ一番盾になりそうにないの選ぶんだ?
「大丈夫ですよ、センパイ」
「う、うん。みさちゃんを見ればそれは、分かるんだけどね……」
 ダメかー。
 あやのは、別に犬が苦手ってわけでもないんだけど基本的に怖がりだからなー。
 チェリーのこのでっかさは、さすがにいきなりハードルが高すぎたか。
 絶対に逃げらんねぇって状況にでもなればまたキモも座るんだけど。もったいない。
「それよりも、みさちゃん、みんな。早く準備に取り掛かった方がいいんじゃない?」
「おお」
 そーだったそーだった。チェリーと遊びに来たわけじゃなかったんだ。
 今日は、チェリーの飼い主にして陸上部のホープ(予定)である岩崎みなみの誕生日を祝うのと、
 その準備のために来たんだった。
 岩崎本人は今は高良がどっか外に連れ出してて、その間に準備を整えて出迎えるっていう、
 いわゆるサプライズパーティー。だから実は意外と慌しかったりする。
 名残惜しいけど、チェリーと愛を確かめ合うのはまたあとだ。

 ちなみに、私が今日のことを聞かされたのは、なんと昨日。
 ちびっ子からだったんだけど、図書室で私に会ってる間は忘れてて、そのあと、
 学校に忘れ物をして私と入れ違いになったあやのに偶然会えなかったら危ないところだったらしい。
 信じらんねぇ。
 図書室で岩崎の名前も出したってのに、忘れるかフツー。
 けどまあ、おかげで柊がアイツに構いたがる気持ちが、ちょっとだけ分かったかな。
 うん、こりゃ危なっかしくて見てらんねぇや。

「それじゃあ皆さん、どうぞ、上がってくださいな」
 チェリーとじゃれてる間、優しく見守ってくれていた岩崎のおばさんに促されて中へと入る。
 てぇか前も思ったけど、若っかいなーこの人。お姉さんの間違いなんじゃねぇの?
「かがみとつかさは、もう来てるんですか?」
「柊さんたちね。ええ、台所にいますよ」
 ちびっ子が訊くと、歩きながら少し振り返って丁寧に答える。声も若い。
218メドレーリレー・バースデー (3) 2/6:2008/02/28(木) 22:58:40 ID:NrtrKE2/
「それにしても……あの子のためにこんなにたくさんのお友だちが来てくれるなんてねぇ……」
 だけど、ふと。
 感慨深げってゆーのかな。しみじみと言って、足を止めて振り返った顔は、上手く言えないけど、
 確かに“母親”の顔だった。
「皆さん、本当にありがとうね? 無愛想な子だけど、これからもよろしくお願いします」
「は、はいっ! ここちらこそ、よろしくお願いしますっ」
 代表する形で小早川が答える。
 田村とパトリシアもうんウンとうなずいた。
 みんなタイプばらばらなのに、仲いーよな。なんかこちまで嬉しくなるぜ。
「でも、なんで教えてくれなかったんだろーなぁ。そしたらこんなメンドクサイことしないですんだのに」
 反面、そんなことを思ってしまう。
「……ごめんなさい」
 だけどぼやくと、再び歩きかけていたおばさんが足を止め、悲しそうな顔になってしまった。
「あ、い、いや、いえ、そ、そんなじゃ」
「みさちゃん……」
「空気読もうよ、みさきち……」
 あうあうあう。
「いいえ。私たちのせいでもあるの」
「え……」
「昔ね……あの子の誕生日が台無しになっちゃったことがあって……仕方のないことだったんだけど、
あのときは、私も主人もろくに構ってあげることもできなくて……」
「そ、それ、は、えっと……」
 うおおおお。
 なんだ? こんなときって、なに言やいーんだ?
「……だから、あの子のこと、恨まないでやって欲しいの」
「や、別に恨むとか、その――」
 泡食ってると、不意に肩に優しい感触が降りてきた。

「――みさちゃん」

 そして世界で一番柔らかく、私が一番安心できる声。
 あやのが手を添えてくれている。
 それだけで、なんかヘンな方向に引っ張られまくっていたココロが、すうっと平らになった。
「……ごめんなさい」
 おばさんに向かって頭を下げる。
「恨んでなんかないです。ただちょっと、もったいないって思っただけです。本人には言いません」
「まぁ、そんな……いいのよ。私の方こそおかしなこと言っちゃってごめんなさい。それと、あの子の
ことは、むしろちゃんと叱ってやって?」
「……はい」
 頭を上げたときには、もうあやのの手は離れていた。てか下げた時点で離れてたのかな。
 ――うしっ!
 気合入った。最初から入ってたけど、入りなおした。
「「おおおお〜〜」」
 そこにちびっ子と田村がヘンな声を上げる。なんだよ。
「すごいネ。見事なもんだ」
「よく仕込んでるっスねえ」
 むう。コイツら、人をサーカスの猛獣みたいに……
「かっこいい……」
 小早川まで!
 ちくしょう。大人しいのはパトリシアだけかよ。
 ん? そーいや電車で田村に引っ張られてってから急に静かになったような。
 そんなマズイことだったのか? あのエヌなんとかって。柊が関係してるらしいけど……ま、いーや。
 そんなことよりも、っと。
 準備だ準備! 早くしねーとな!
219メドレーリレー・バースデー (3) 3/6:2008/02/28(木) 22:59:41 ID:NrtrKE2/
「おーっす、柊!」
 おばさんに連れられて台所に入ると、真っ先にその姿が目に入った。
 何畳ぐらいだ? フローリングだからよくわかんねーけど、私の四畳半の子ども部屋よりは広い。
 入り口から向かって左に流し台やらコンロやらがあって、奥の壁には冷蔵庫と食器棚。
 右側も何かの棚になっていて、それに面して大きな机――作業台? が置いてある。
「く、日下部……?」
 そこに座って、何に使うんだか大量のゆで卵の皮を剥いてるのが、我が親友こと柊かがみ。
「おはよう、柊ちゃん。妹ちゃんも、おはよう」
「あ……おはようございます」
「峰岸も……なんで」
 茫然としてる。
 あと、まだちょっと顔色が悪い。……気付かねーフリ、しねーとな。
 だってあやのと約束したから。
 柊が抱えてる問題には、本人が何か言ってくれるまで、こっちから口出しはしないって。
「んー? なんでじゃねーだろ。そっちこそなんで教えてくんなかったんだよー」
「ご、ごめん……え? でも、なんで?」
「私が誘ったのだよ」
 答えたのは、ちびっ子だ。
 私の隣に並んで出て、無駄に偉そうに胸を張ってやがる。
 ……その姿を、見た瞬間、

「――ぁ」

 柊は目をさらに見開かせて、完全に動きを止めた。
 こなた、と、震えるように唇が動いた気がする。声自体は聞こえなかった。
 そしてすぐに顔を伏せ、手の動きを再開。
「おはようございます。かがみさん、つかささん、おばさん」
「おはようございまーす」
「Good morning! Oh、ヤってマスネー」
「……おはよう」
 後ろからぞろぞろ入ってきた一年組にも一応反応したけど、見るからに上の空だ。
 卵剥くのに集中してるフリなんかしても、バレバレだぜ。
「? どったのかがみ?」
 どったのじゃねーよちびっ子。
「なんでもない」
 柊も、なくねーだろ。言ってやれよ。なんだか知んねーけど。
「……これ、難しいの。邪魔しないで」
 卵じゃん!
 私にだってできんよ!
 あー……もぉ!
 嫌いなんだよこーゆーの!
(……おいっ、ちびっ子っ。やっぱお前なんかやっただろっ)
 我慢できなくなって、体をかがめて耳打ち。
 ちびっ子が驚いた顔になる。
(えぇっ? 知らないよ。何もしてないよ)
 同じように囁きで返してくる。
 そんぐらいの空気は読めんだな。
(ウソつけっ。お前じゃなかったらなんなんだよっ)
(知らないってばっ。……みさきちじゃないの?)
(心当たりないから訊いてんだろっ)
(だって知らないものは知らないもん)
 小声同士で言い合う。
「……」
 柊が余計イラつき始めてる感じだけど、うわぁどーしよ。止まんねえ。
220メドレーリレー・バースデー (3) 4/6:2008/02/28(木) 23:00:42 ID:NrtrKE2/
(柊をこんなにさせるヤツがお前意外にいんのかよ。一昨日ぐらいからずっとこんななんだぞっ)
(そなの? え? でも、だったらなおさら知らないよ)
(ないはずねーだろっ。思い出せよっ)
(知らないってっ。無関係だよ私はっ。言いがかり――)

 ―― べ  し ゃ あ 。

「「……っ!」」
 私と、ちびっ子。
 同時に固まる。
 柊が卵を握りつぶした。白身の破片と黄身の欠片がぼたぼたと作業台に落ちる。
 俯いてて、前髪に隠れて顔は見えないけど、怒ってる!
 なんか知んないけどめっちゃくちゃ怒ってる!
(お、おいちびっ子っ。いぃから謝れっ。とにかく謝っとけっ!)
(だから私じゃないってっ! みさきちこそ謝りなよっ!)
 さらに言い合うけど、その間にも柊の怒りのオーラはどんどん黒くなっていく。
 どーする? どーするよ私!
 ――はっ!
 そーだあやのっ! 助けてくれ……って!
「――じゃあ、手作りなんだ、そのケーキ」
「は、はい。つかささんの方が上手なんですけど、どうしてもわたしがやりたくて……」
「うんうん。小早川ちゃんは岩崎ちゃんが大好きだもんね」
「えぇっ? ……えぇと、それは……」
「みなみもねぇ、家ではゆたかちゃんの話ばっかりなのよ」
「あらあらまあまあ」
「はうううぅ……」
 おいおいおい、あやのぉ!
 小早川と岩崎のおばさんと……あと、ダレだそれ。
 高良……じゃないよな。高良のねーちゃんか? それともまさかこっちも母親か?
 お金持ちのおくさまってのはみんなこんなに若いのか?
 ――ってそんな場合じゃなくてっ!
 なんだよその超平和空間! なんで似たような顔みっつも並べて小早川イジってんだよ!
 約束破ったから怒ってんのか?
「‥‥‥」
 あああああちくしょー。とか言ってる間にも柊がどんどんヤバいことになってるし。
(ちょ、みさきちっ。どーすんのコレっ)
 ちびっ子はこんなだし。あやのはあんなだし。高良は、いねーし。他に誰か頼れる人は――

「――ふやあぁっ!?」

 と、
 悲鳴が上がった。切羽詰ってるわりには、妙に間の抜けた感じの。
 驚いて振り返ると……何やってんだ、パトリシア?
「Wmm …… good taste!」
 いや、見りゃ分かるけど。ソースか何かの味見だよな?
「ぱ、パティちゃん、自分の指でやってよぉ……」
 でもなんで妹さんの指をしゃぶってんだ?
「ダッテ、ワタシまだ手を洗ってマセン」
「だ、だからってぇ〜」
 妙に嬉しそうに身を寄せるパトリシアと、赤くなって「やんやん」と首を振る妹さん。なんかエロい。
 てぇかイヤなら振りほどきゃいいのに。
「お、お姉ちゃん助けてぇ〜」
「……何やってんのよ、あんたは」
「だ、だってぇ〜」
「だってじゃないでしょ……パトリシアさんも、ふざけてないで手伝ってよ」
「Yes、Mom」
「誰がマムか」
221メドレーリレー・バースデー (3) 5/6:2008/02/28(木) 23:01:43 ID:NrtrKE2/
 ……。
 あ、あれ?
 助かった……のか?
「……あんたたちもよ」
 どうやら、そうらしい。
 まだ不機嫌は不機嫌だけど、さっきまでの噴火直前の火山みたいな怒気は、収まっていた。
 あー。
 怖かった。


     ☆


 やれやれ、危なかったっス。
 グッジョブ、パティ!
 峰岸先輩も、偶然でしょうけどナイスフォローっス!
 いや、でもパティ、指を舐める必要はなかったんじゃないっスかね?
 確かに一刻を争う事態ではあったけど、他にもやりようはあったんじゃないっスか?
 なんか妙に嬉しそうにしてるのも、なんて言うか、なんか……
「えっと……かがみ?」
 っと。
 そんなこと言ってる場合じゃないっスね。
「はいはいはいはい」
 パンパンと手を打ちつつ、泉、日下部、両先輩の間に割り入る。
「かがみ先輩の言うとおり。ケンカはそこまでっスよお二人とも。時間ないんスから、テキパキ行くっス」
「お、おう」
「ケンカって、ひよりん……」
 素直にうなずく日下部先輩に対して、どこか納得行かない様子の泉先輩。
 ここまで無自覚とは……まったく、いつの間にそんなヘタレ主人公属性開花させたんスか。
「ああ、スイマセンっス。――さて」
 半分無視して、ぐるりと周囲を見渡す。
「じゃあ、つかさ先輩とおばさんたちは引き続き料理の方をお願いするっス。泉先輩と峰岸先輩も
こっち担当で、残りは会場の設営ってことでいいっスね? ――あ、かがみ先輩は、それが一段落
したら私たちの方に来てもらえるっスか? 指揮をお願いしたいんスけど」
「……わかった。終わったら行くわ」
 はーいと適当に応えるみんなに続いて、かがみ先輩もうなずいた。
「……指揮ならひよりんが取りゃいーじゃん。てか取ってるじゃん」
「いやー、作業しながらの指揮は、私じゃさすがに」
 一人不満げな泉先輩を照れ笑いでなだめる。
 申し訳ないっスけど、今のお二人をこれ以上同じ空間に置いておくのはあまりにも危険っスからね。


 違和感は昨日からあったんス。
 昨日の放課後、今日の段取りの最終確認をするために先輩たちのクラスに足を伸ばして、
 そこに高良先輩しかいないのを見たときから。
 かがみ先輩が『体調を崩して』帰り、つかさ先輩は『それを送っていった』。
 高良先輩はそう説明してくれたんスけど、それもどこか歯切れが悪い感じだったんス。
 てゆーかぶっちゃけウソっスね。
 この間のインタビューの一件で、先輩の話し方のクセはだいたい把握したから分かるっス。
 そして今朝、泉先輩が日下部先輩たちといきなり仲良くなっているのを見せられて、
 違和感は疑念に変わったっス。
 普通逆じゃないっスか?
 日下部先輩はかがみ先輩目当てなんスから、『体調を崩す』のは泉先輩の方のはず。
 何かがこじれている――そんな感じがしたっス。
 しかし、「何が」なのかまでは分からない。
 決定的に情報不足で、パティと話し合っても「とりあえず様子見」って結論しか出せなかったっス。
222メドレーリレー・バースデー (3) 6/6:2008/02/28(木) 23:02:44 ID:NrtrKE2/
 泉先輩に直接訊くのはNG。日下部先輩と峰岸先輩と、何より小早川さんがそばにいたっスからね。
 彼女は本日のMVPっスから、下手なことを耳に入れて余計な心配をさせるわけには。
 もちろんただ眺めてただけじゃないっスよ。
 まず私が、すぐ隣から泉先輩にいろいろと話しかけて反応を引き出しつつ、その一挙手一投足を
 一歩離れた位置からパティに観察してもらったんス。
 逆でも良かったんスけどね、『観る』能力としてはパティの方が格段に上っスから。
 世に反乱するオタ文化の数々を日々リアルタイムで取捨選択し続けているパティの分析力は
 ハンパじゃないっスよ。
 で、その見立てによると、しかし泉先輩はやっぱり完全に普通。
 ハイテンション気味なのも単にお祭モードに入っているだけで、別に不安の裏返しとかではない、と。
 今にして思えば、この時点で多少の危険は冒してでも何か言っておくべきだったっス。
 今の、かがみ先輩の、あの態度。
 単純に怒ってるとか気まずいとか、そんなチャチなもんじゃ断じてないっス。
 もっと深い、暗い、絶望の片鱗を味わったっス。
 そしてそれを目にしてなお、ただただ不思議そうな顔をするだけの泉先輩。
 エプロンに「朴念仁」て書いて着せてやりたくなるっスね。
 さておき――確信したっス。

 この二人は、危険だと。

 このまま放置すれば衝突は免れず、十中八九ケンカ、下手したら破局まで一直線。
 けど今からじゃ修復はもちろん満足な情報収集も不可能。完全に後手に回ってしまったっス。
 まったく……どうしてよりによってこんな大事な日に。


「あの――田村さん」
「……なに?」
 ぞろぞろとリビングに向かいかける中、小早川さんに呼び止められる。
「私も、こっちでお料理しちゃダメかな?」
「……。あぁ、そっか――」
 どうする?
 素早く計算する。
 キッチンかリビングか――泉先輩とかがみ先輩、どちらと一緒にいてもらうのが安全か。
 かがみ先輩もまだヤバげっスけど、泉先輩も違和感を覚え始めてるし……いや。 
「――小早川さんも料理できるんだったよね」
「う、うん。お姉ちゃんに教えてもらってるから、いちおう。まだまだ全然なんだけど……」
「大丈夫だって。その方が岩崎さんも喜ぶよ、きっと」
 うん、それは本末転倒っス。
 ここで「駄目」なんて言ったら、先輩たち関係無しに私自身がぶち壊すことになっちまうっス。
「頑張ってね、小早川さん」
「うんっ。ありがとう田村さんっ」

 げふぉ。

 ふ、ふふふ……鼻血モンの笑顔っス。
 やはり彼女の前で言わないで正解だったっスね。今度は選択肢間違えなかったっス。
 そして、今ので覚悟も決まったっス。
 泉先輩、かがみ先輩。
 申し訳ないっス。あとでいくらでも詫びるっスし、どんな協力も惜しまないっス。
 でも今は、今日だけは大人しくしていてもらうっス。このまますれ違い続けていただくっスよ。
 小早川さんのこの笑顔を、曇らせることなく岩崎さんに届けるために。
 そのためには、この田村ひより、たとえお二人といえども容赦はしない! っス!




22323-49:2008/02/28(木) 23:03:51 ID:NrtrKE2/
以上です
ありがとうございました


パティの味見したソースは乳白色の方向で
224名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:09:54 ID:H3rscSg0
>>223
にゅ、乳白……!


ちょっとあっちの方向に心が飛んじゃったけど、それはそれとして。
各人各様の思惑が渦巻いてますねー。
あの人からこの人へと渡されるバトンの行方、引き続き見守りたいと思います。ぐっじょぶ。
225名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:20:07 ID:VBXeMoCE
乙〜
226名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:30:32 ID:diuMLDIk
※握り潰された卵はチェリーがおいしくいただきました※



GJ!
227名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:50:14 ID:+G7POdhK
ゲームネタが分からない自分は、保管庫の作品を楽しんでいます

で、7-896氏の
元気で小柄な先輩×無口で長身の後輩
http://www33.atwiki.jp/kairakunoza?cmd=upload&act=open&pageid=885&file=momoiro03812.jpg



無⇒極小?
http://www33.atwiki.jp/kairakunoza?cmd=upload&act=open&pageid=885&file=momoiro03860.jpg

から

こなたの胸がみなみに吸収され、極小から微小になりましたと頭の中で3枚めの絵を想像してしまいました
228名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:29:05 ID:PaM9tgeN
ゲームの話が主流のようだがラジオの話をしてもいいか?

あきら様の中の人が、役とは正反対でドMの不思議ちゃんなのがウケたw
白石に全フォローされてるのね。
229名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:32:47 ID:gbUHkVH3
あのラジオは白石がいなければ成り立たん。

そしてギャルゲ板は全年齢板なのでそこんとこよろしく
230名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:45:09 ID:IJCR2pAw
あきら様の中の人の手帳には
「白石くん、全フォロー」
231名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:09:51 ID:PaM9tgeN
中の人が三十路にも関わらず余りにも可愛いんだが、中の人っぽいあきら様はありか?どうよ?
232名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:33:21 ID:IJCR2pAw
個人的にはありだと
なんか可愛いんだよなぁ……
233名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:47:17 ID:tjwLFxN4
なんせ合法ロリだからな
234名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 03:07:11 ID:G2y4HpwP
>>223
かがみん・・・ドミノ倒しに無援になっちゃってるのがすげー胃痛い
ハラハラで続き待ってます、GJ!!
235名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 03:27:14 ID:l6UsMVhg
むしろ黒あきらよりも中の人あきらのほうが
ずっといいと思ってる俺は異端か?異端なのか?
236名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 04:09:52 ID:DjaXBSLu
中の人あきらのほうが
実はある意味原作あきらに近いような気がしなくも無い
237名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 04:55:39 ID:APGhEIAb
http://banaga.axisz.jp/cgi-bin/hakagi/img-box/img20080228222916.jpg
コレをネタに誰か1本書いてくれ。
238名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 06:44:50 ID:vmYNGe2J
>237
姉妹にしか見えない件w
239名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 10:59:59 ID:yyInuDnx
誰もいないみたいなので、五分後くらいから投下しますね
24028-538:2008/02/29(金) 11:04:59 ID:yyInuDnx
アニメとコミックしか知らないです
でも、ゲームネタでも何でも楽しく読んでます
なんか、やまとが可愛い気がしてきてる
で、ゲーム買おうかなと思わされています

タイトルは「こなたの地雷」
こなた&かがみ
エロなし
2レス(短くてすんません
ちょい壊れてるかも

では、投下します
241こなたの地雷(1/2):2008/02/29(金) 11:05:51 ID:yyInuDnx
「またあんたは、何冊同じもの買ってるのよ」
 こなたが手にするかごには、同じ雑誌が大量に入れられている。
 ちなみに、私が持っているかごの中に結構な量の漫画が入っているが、殆どがこなたのだ。
「んー、取り敢えずお金が許す範囲内だよ」
 こともなげに答えるこなた。
 ま、今に始まったことじゃないけど、その熱意を勉強に向けられないものかしらね。
「で、今回も懸賞のためなのか」
「良くぞ聞いてくれた、かがみんよ。今回はね、すっごく欲しい物があるんだよ――」
 失敗した、と思ったけど、もう後の祭り。
 みゆきのうんちく話も長いけど、こなたも語りだすと止まらないのよね。
 その後、精算が終わり帰路に着いても、こなたは懸賞のことを熱く語り続けてる。
 私は電車に揺られながら、隣に座るこなたの熱弁を聞き流してた。
 このままだと、私が降りても気付かずに、喋り続けそうな感じだ。
「こなた、私次の駅だからね」
 声を掛けると、こなたは目をぱちくりさせ外を眺める。
「ふぇ、もうこんな所なんだ」
「そ、もうこんな所なのよ」
「そだ、かがみ。明日遊びに行ってもいいかな」
 つかさは出かけるって言ってたし、特に予定も無いのよね。
「ん、良いわよ」
 駅に着き、電車から降りてこなたを振り返ると、今日の戦利品を読み始めていた。
 読むのに夢中になって、乗り過ごさなきゃいいけど。
 みゆきじゃないから、そんなことは無いとは思うけど……
 いや、乗り過ごして日光まで行った経験の持ち主だったな。


「やふー。遊びに来たよー」
 遊びに来たこなたは、昨日買った漫画を持ってきていた。
「なんだ、漫画を読むために家に来たのか?」
「そだよ。かがみも読むかな、と思ってさ」
 そんなわけで、私の部屋で二人して漫画を読んでると、呼び鈴の音が聞こえた。
 お母さんの声が聞こえたから、出てくれたんだろう。
 少しして、下からお母さんの声が響く。
「かがみ、何か荷物が届いてるわよ」
「ん、ありがと」
 一階に降りて、玄関に置いてあった小さな箱を手に取ると、差出人を確認する。
 よく買うラノベの出版社からだけど、なんか送ってたっけ?
 思い出せないけど、取り敢えず部屋に持っていこう。
242こなたの地雷(2/2):2008/02/29(金) 11:06:33 ID:yyInuDnx
 部屋に戻ると、ニヨニヨしてるこなたが目に入る。
「なんだったの? もしかして、見られたらまずいものを通販で買ったとか」
「んなわけあるかっ」
 こなたの脇を抜け、ベッドに腰掛けてから開けてみると、キャラクターの描かれたパスケースが入っていた。
「あー、これ当たったんだ。応募したのって三ヶ月以上前だから忘れてたわ」
 以前応募した懸賞の品だ。
 残念ながら、私のお気に入りのキャラクターではなかったけど。
 ま、お気に入りのキャラでも使うことは無いんだけどね。
 それを見ながら、ふと気になったことをこなたに聞いてみる。
「ね、こなた。懸賞とか結構応募してるみたいだけど、何回くらい当たった事あるの?」
 返事が無い、ただの屍のようだ。
 いや、冗談はさておき、こなたのことだから嬉々として、自慢話を始めると思ったんだけど。
「ちょっと、聞いて――」
 こなたを見ると、石化したみたいにピクリとも動かなくなっていた。
 何か異様な雰囲気を感じて、口の動きが止まってしまった。
 こなたの肩に手を掛けると、僅かに震えてるのに気が付いた。
「どうしたのよ、こなた」
 顔を覗き込むと、目を開いたまま大粒の涙を流している。
「ちょっ、どうしたの。どっか痛いの?」
 こなたは首を横に振ると、俯いてしまった。
「じゃあ、どうしたのよ」
 部屋に戻ってきたときは普通だったわよね。
 その後のやり取りも、いつもと同じだったと思う。
 じゃあ、何が原因なんだろう。
 理由が分からないまま泣かれても、私も困るわよ。
「か、かがみが…… かがみが私をいじめるー」
 は?
 私がいつこなたをいじめたのよ。
 心当たりなんて、まったく無い…… いや、ちょっと待て。
 私は何をこなたに聞いた。
「こなた。もしかして、懸賞に当たった事、無いの……」
「うぅっ。そだよ、どうせ私はくじ運悪いんだ。おみくじでも凶ちゃん引いちゃうし」
「ちょっ、凶ちゃんってなんだ。大体、字が違うだろっ」
 いや、このつっこみはなんか違う気がするが、それどころじゃない。
 もしかして、地雷踏んだのか、私。
 いや、これは地雷なんてもんじゃないかもしれない。
 こんなこなたは、今まで一度も見たこと無いわよ。
 こなたがすこし顔を上げたから、表情が見えたんだけど、目が据わってるのよ。
 そして、なんかぶつぶつと変なことを言ってる。
「そか、私、凶ちゃん引いてたんだ。だから、凶ちゃんは私のものだよね」
 だから、なんで私がこなたのものなのよ。
 っていうか、私は凶ちゃんじゃないっ。
 そんなことを考えてる間にも、こなたは私の方へにじり寄ってくる。
「ちょっ、こなた、どうしたのよ。何する気なのよっ」
「もちろん、凶ちゃんを美味しく頂くんだよっ」
 いや、待って。お願いだから、ってもう服脱がされてるしっ。
 いやああああああぁっ――
24328-538:2008/02/29(金) 11:08:39 ID:yyInuDnx
以上です

いや、もうね……
言い訳はしません、はい
では(・ω・`)ノシ
244名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 11:30:06 ID:yErKZtyO
>>243

「えええええええええええいっ
ぬるい、ぬるいぞ少女A───っ!
人が当たったのを見てへこんでるたとぉ───っ!
そんな根性で懸賞が当たるか───っ!!
今、君がそのツインテールの少女Bにぶつけている愛情と同じぐらいの情熱と景品への愛を応募はがきに込めるんだぁ───!!」
「おおっ!ワタシには、愛と情熱が足りなかったのか!!」
「わかってくれたか少女A、さあ早速に○○○の応募はがきにすべてをぶつけるんだぁ───!
今、俺の中で全米が泣いている!」

「それはそれとして…」

「わたし「俺の嫁のセミヌードを見た罪は重いぜヨ」わよ」
「あああぁぁぁぁ───−−−-- -- - - - -    ☆(キラッ)」

なにがいいたいかといえば
一発ネタGJだ
そして投下タイミングも!
 
245名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 11:41:18 ID:Wyz774yu
乙〜ゲームも面白いよ。原作至上主義者にはお勧めしないけど。やまとも可愛いし。
男と絡むらきすたキャラというのはなかなか新鮮。

>>238
むしろみwikiさんのほうが年う(ry
でもゆかりさんってそこまで大きくは無いんだよね。
246名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 11:45:27 ID:ON+HnU69
>>243
そういう発想はなかった!
凶ちゃんを美味しくいただくということは……。
悪い運気が好転するように木に結んだりしますか。木に、結んだりしますか。(2回言うな)
ともかくぐっじょぶでした。
247名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 12:39:15 ID:nKoT4juf
>>243

みゆき
「災い転じて福となす、ということわざがありましてだばだば」
248名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 12:59:20 ID:yErKZtyO
じゃ、私もミニSSを
用心の為2レス使います
リロードして空いてたら投下します
249風邪にご用心:2008/02/29(金) 13:01:02 ID:yErKZtyO
ある日こなたは寝坊した

ぎりぎりの時間だったのでつかさもかがみもみゆきもバス乗り場にいなかった
遅刻せずに済む最終の朝のこのバスは主に男子生徒ですし詰め
列の終わり近くに並んだこなたが座れるはずもなく
こんな時いつも楯になって庇ってくれるみゆきやかがみもいない状態で
背の高い男子生徒に囲まれて埋もれて息苦しくなった

勿論明け方までのネトゲの寝坊なので、
朝からもともと少ない体力気力を使い果たし、
へとへとでなんとか学校へ着いたこなた

「やふ〜みゆきさん、つかさ、他一名」

いつものように挨拶をしたのだが…
『略すな、ってか余計長いだろ!』
といういつものツッコミは返ってこなかった

「あら、泉ちゃんおはよう」
「こなたちゃん、オッス」
「こなたちゃん、おはよう」

振り向いた三人を見て…
「マジっすか、皆さん!」
250名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:02:03 ID:yErKZtyO
 
「娘が風邪を引きまして、いえ、本人が皆勤嘗のため絶対出ると無茶を言いましたので…
ベッドに縛り付けて代わりに来ました(ニコッ)」

「風邪のつかさの代わり、大学が休みだからたまにはこういうのも面白そうだから
かがみのベッドに甘えてもぐりこまないよう縛り付けておいたって」

「かがみも風邪なの、こなたちゃんも気をつけてね
つかさを心配して見に来ないようベッドに縛り付けきたけど、どう、永遠の17歳、まだまだいけるでしょ?」

お察しのとおり、ゆかり、まつり、みきさん扮する三人だ
こなたが思考停止しそうになった時…

ガラガラガラ

「ほーい、席につけ〜HR始めるぞ〜
!!
…っ、あ、あのな〜、ひ、柊、あ〜姉のほうな、もう予鈴なってるやろ、はよ自分の教室戻らんかい」
「はい、娘がいつも…いえ、失礼します黒井先生」

『アノ…突っ込みなし?マジで先生気付かないの、クラスのみんなも????』
こなたは心の中で絶叫した

もちろんそんな筈はない
『あ〜いちいち突っ込むのめんどくさいわ、職員室戻ったら他の先生にも根回ししとこ』
『ふっ、あきら様の理不尽さに比べりゃ、あの4人の不条理さなんて、平気何でもないWAWAWA』
『「「「「「「あの4人が何か変なこと始めてもかかわるな、これは『3−Bの掟』だ」」」」」」』

その日
みゆきはゆかりのおかげで皆勤賞を守ることが出来、
みきは、かがみに三日間口を利いてもらえず
まつりは、つかさのキャラを壊しまり
そのフォローに疲れ果てたこなたは翌日学校を休んだ

熱が引いたつかさが翌日見舞いに来て看病してくれたのが
こなたにとってせめての救いだった


風邪にご用心
251名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 13:04:02 ID:yErKZtyO
えっと、
かなたさん、ゆかりさんが娘の代わりに投稿という話がありましたので
単純にカオスさを増した状態を考えてみました
次はまともな長さのを書きたいと思います
失礼します
252名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:09:14 ID:tgIR/i83
>>250

翌日。
「いや〜、昨日はいきなり休んでゴメンね〜みんな」
「何言ってんのよこなた、あんたちゃんと学校来てたじゃない」
「へ?」
「昨日のこなちゃん、なんだかやさしい感じだったよね」
「そういえば、先生に当てられてもすらすらと答えてらっしゃいましたね」
「まったく、マリ○てにハマるのもたいがいにしときなさいよ、気味悪いから」

「……え? えっ??」
253名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:32:34 ID:f2dSGY8T
>>252
翌日(こなたが休んだ日)の翌日ってことだな。

オカルトでもなんでもありかwww
254名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:36:31 ID:NHKcz57n
「そういや昨日の泉は、なんやおかしかったなあ…
 えろうまじめでわいの質問にもようけ答えとったし、
 で、ようみたらアホ毛もほくろもあらへんような気ぃしたな
 …よくよくみてみたら、なんや体が透けてたような…」
255名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:40:59 ID:0OwhwraG
「しかも移動するときホバリングしとったなあ・・・最近ああいうのが流行っとんのか?」
256名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:47:36 ID:yitfGqon
「そういえば、ドアを開けてなかったようなするんやけどなぁ…」
257名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:48:51 ID:6AITB3Mi
そっちか
てっきり親父がやったのかと
258名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:51:14 ID:yyInuDnx
(久しぶりの学校、楽しかったですよ。こなたと瓜二つでよかったわ)

「でもさ、つかさ。昨日、お見舞いに来てくれたじゃん」
「えっ? 私、昨日はおねえちゃんと一緒に帰ったよ。まだ、ちょっと具合悪かったし」
「そうよ。こなた、まだ熱があるんじゃないの?」
「泉さん、顔色が悪いですよ。保健室に行ったほうがよくないですか」
「いや、大丈夫だよ。そっか、夢でも見たんだねきっと……」

(誰もお見舞いに来ないと、こなたが寂しいと思ったんだけど、やりすぎだったかしら?)
259名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 15:52:55 ID:f2dSGY8T
>>257
絵的にはむしろそっちのが見てみたいな。
260名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:08:42 ID:0OwhwraG
「そういえば昨日のこなちゃん、古いアニメの話ばっかしてたよね」
「そうそう、ナウ○カとかカリ○ストロとかめ○んとか」
「新ル○ンの最終回がどうとか・・・私良くわかりませんでしたので・・・」
261名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:54:44 ID:yErKZtyO
>>257
そこまでカオスに壊せなかったヘタレです、すみません

27-243
262名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 17:57:57 ID:75BX4J1e
>>260

こなた
(……染まってる!染まってるよおかーさん!!)
263名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 18:33:18 ID:6AITB3Mi
>>261
いやいや、そんな娘の制服着てノリノリなそうじろうなんて見たくな・・・いよ!
264名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:39:52 ID:APGhEIAb
多分それをやると娘に口を聞いてもらえなくなるだろうからやらないと思う。
265名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:45:25 ID:ror3sl9L
いきなりで申し訳ないけど、Wikiにのってる過去の作品で探してるのが
あったりするんですけど質問いいでしょうか?
このスレ来たての頃たまたま検索に引っかかって読んだんだけど、アドレスや題名
記憶してなくて、あの話萌えたからもっと読みたいって思っても膨大な作品から
絞りきれない…

内容はふとしたことで男になってしまったかがみが、
いままでどおり無防備に寄り添ってくるつかさを意識してしまうものです。
パラレルで最初からかがみが男の「おす☆かが」とはまた別作品です
266名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:53:13 ID:i2vUo+tM
ああ、それはこな☆フェチだな
267名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:09:23 ID:yErKZtyO
かがみが男性化する話でそういう内容なら
違ってたら申し訳ないけれど
これだと思いますよ

気まぐれで、いたずらな神様- 柊かがみの受難 > 始まり
http://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1611.html
268267:2008/02/29(金) 20:19:40 ID:yErKZtyO
失礼しました、
URLを指して「これ」と書きましたが
作者の34-101氏様、作品を「これ」と書いたも同然です。
------------------------------------
こちらの作品

気まぐれで、いたずらな神様- 柊かがみの受難 > 始まり
http://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1611.html
------------------------------------
と訂正します、すみません。
27-243
269名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:43:00 ID:rPtLOU5Y
こんばんわ。
他の方が投下なさらないようでしたら、数分後投下したいと思います。
27018-490:2008/02/29(金) 20:47:48 ID:rPtLOU5Y
誰も投下なさらないようなので投下させて頂きます。

タイトル『向日葵の向くほうへ』
こな×かが
エロ有
5スレほどお借りします。
271向日葵の向くほうへ:2008/02/29(金) 20:49:32 ID:rPtLOU5Y
ジリジリと耳に残る蝉の鳴き声を聞きながら、さっきまで溢れんばかりの氷が入れられていたはず麦茶を一瞥してみる。
この身を焼き付けるような熱さは思ったよりも深刻で、扇風機なんかでは太刀打できるわけもなく、じんわりと背中を這う汗にますます不快感は募っていく。
そう季節はすっかり夏。
数日前にバレンタインを迎えたばかりな気もするけど…
そんな事は今の私には関係ない。
「あーつーいー」
涼もうと縁側で寝転がっているこなたの声に返す元気すらない状況なのだ。
「あ"ーづーい"ー」
ゴロゴロと転がりながら私に視線を向けてくるこなたに、溜め息を付きながら何?という意味を込めて首を曲げてみる。
「水まきしよーよ、かがみん」
「……なんの為に?」
「涼むために」
はぁ、と息をはき終える前に目の前にある机に倒れ込む。
ついさっきも同じやりとりしたような気がする。
確か「縁側出よーよ、かがみん」とか言ってたな。理由は勿論、涼むために。
その結果は…言うまでもないわね。
「これホース?」
「勝手に人の家の物置きを物色すんな」
「んで、水道に…合体っ!!」
話を聞けとか合体じゃなくて装着だ、なんてつっこみを入れる事さえコイツには無意味んだろうな、なんて考えながらホースを振り回すこなたを見つめる。
てゆーか、なんでコイツはこんなに元気なんだ。
まぁ小さい頃、合気道をやっていたらしいし、足も早いから基礎体力はある方なのだろうけど…
そんなどうでもいいことを思いながら、今日何回目かの溜め息を吐こうと生温い空気を吸った瞬間。
「ほら、かがみも水まきー!…あ」
「ちょっ…」
バシャという水音と冷たい感触が体全体を襲った。
ポタポタと前髪から垂れる水滴が、熱をもった皮膚に触れて、少し涼しい。
って、そうじゃなくて…張り付いてくる前髪をどかすと、やっちまったゼという顔をしたこなたが見えた。
うん、やっちまったわね。こなた。
272向日葵の向くほうへ:2008/02/29(金) 20:50:35 ID:rPtLOU5Y
「え、えーと…涼しくなった?」
「うん、かなり涼しくなったわ」
自分でも褒めたくなるくらいの満面の笑みを浮かべながらこなたに近付く。
「あの、えっと…かがみサン、顔が怖いデス」
「ねぇ、こなた」
「な、なに?」
「さっき熱いー、って言ってたじゃない?」
ゆっくりと、でも確実にこなたを追い詰める私。
水をぶっかけられたんだもん、きちんと仕返し…じゃなかったお返ししなきゃ、ねぇ?
「どりゃぁぁぁぁぁっ」
「ひでぶっ!!!」
こなたから奪ったホースの先を握り、ターゲット・オン。
目標は勿論、こなたである。


「うぅ…ずぶ濡れぇ」
「元はと言えばアンタのせいでしょうが」
たっぷりと仕返しをした後、濡れた服を乾かそうと縁側に寝転ぶこなたと私。
夏の日差しに温められた服がぬるくて気持ち悪い。
結構動いたから汗もかいたし…
「ねぇ、かがみ」
「ん〜」
横で転がっていたこなたが上半身を上げて私を見つめてくる。
額に乗せていた左腕を退けてこなたの方へ顔を向けると、いつも私をからかうようなニヤニヤした顔をしたこなたがいた。
うっ、嫌な予感…。
「な、なによ」
「服、気持ち悪くない?」
「へ…?う、うん」
予想外の事を聞かれて焦る私にニマーと口を更に猫口にしてこなたが続ける。

「じゃあ、私が乾かしてあげるよ」

え?という声を発する前にこなたが私に覆い被さってくる。
「え…ちょ、なにやって…んんっ?!」
言い終える前に唇に触れてきたのは柔らかい感触。
目の前には目を瞑ったこなたが見えて、キスをされたのだと気付くのに数秒かかってしまった。
「こな、んっ…ちょ、…っ」
角度を変えて啄むようなキスをする刺激がもどかしくてこなたのタンクトップの袖をクイッと引っ張ると、チュと音を立ててこなたが唇を離した。
「かがみ」
耳元で囁かれるこなたの声がくすぐったい。
「…こな、た」
つっかえながらもこなたの名前を呼ぶと、こなたは嬉しいそうに頬を緩ませた。
こいつ…
体も中身も私より全然子どもみたいなのに。
なんでコイツの笑顔には勝てないのだろう。
ペチャ、と粘着質の音がしたと思うと首筋に熱い感触が広がった。
「あぅ…こ、なた…誰かに見られ…んぁっ」
首筋から鎖骨へと降りてくるこなたの舌に翻弄されながら、理性の私がここは私の家なのだと脳に訴えてくる。
つかさだっているのに…
273向日葵の向くほうへ:2008/02/29(金) 20:51:23 ID:rPtLOU5Y
「ふふ〜ん♪」
ペロッと自分の唇を舐めるその舌がとても妖艶で、高鳴る胸の鼓動がうるさい。
「それは誰も見てなかったらおkてことカナ?」
「なっ、ちが…はぅっ!」
こなたの右手が私のシャツを捲り、つつっとおへそを指でなぞる。
「んっ、こな…あっ、口で…んくっ…外すなぁ」
プチプチと器用に口でボタンを外していくこなたに反抗の声も上げてみるけど、お腹をなぞっていた手が私の胸のてっぺんに触れてくる度、切なさが襲ってくる。
「んはぁ、あぅ…んんっ」
「かがみ、気持ちい?」
囁くようなこなたの声に聴覚まで犯されている感覚になってくる。
こなたが触れるところから伝わる熱さは、きっと夏のせいじゃない。
声を我慢しようと唇を噛むけど、すぐにこなたのそれに覆われる。
「かがみ…」
少し息の上がったこなたの口から漏れる吐息が、私の皮膚から心臓の方へ伝わり、かぁと顔に熱を帯びてゆく。
「ひゃぁ…、あぅ、んっ、こ、なたぁ…」
こなたの手が胸の中心を弄る度、ゾクゾクとした電気が背中を這って下半身がジン…と疼くのが分かる。
びしょ濡れだった服が脱がされ、熱いこなたの舌が皮膚についた水滴を舐めとる。
―ペチャ、ピチャ…
あんなに激しく鳴いていた蝉の声すらどこか遠く感じる。
―んっ、ペロッ…
聞こえるのはこなたの吐息と私の体を舐める粘着性の音だけだった。
お腹を舐めるこなたの舌がくすぐったくて、制止しようとこなたの方を見ると…
「クチュ…んはっ、ん、ちゅ…」
「…………っ!!」
上目遣いをしながら音をたたて私の体に舌を這わすこなたが見えた。
それが私の大事なところを舐めているようで、かぁと熱くなる頬を見られたくなくて思わず強く目を瞑る。
「ん、…」
目を瞑ったせいか、こなたの息遣いがさっきよりも聞こえてきて、トロリと溢れてくる下半身の疼きが止められない。
「…っ、こな…も、もぉ…んぁ…わた、し…っ!」
「かが、み…」
目を潤ませて、頬を蒸気させるこなたを見て、私の中で何かが音をたてて崩れ落ちていく。
274向日葵の向くほうへ:2008/02/29(金) 20:52:32 ID:rPtLOU5Y
首を少し傾げて「いい?」と言っているように私に視線を向けるこなた。
そんなこと聞かなくったって、答えは一つしかないのに。
いいよ、の意味を込めて自分から軽いキスをすると、くぃと頭を支えられ深く求められる。
「んくっ、はっ…」
「っ…んんっ、…はぁ、ん」
頭が痺れていく。
感じているのは舌だけのはずなのに背筋がゾクゾクして、もっと…もっとこなたが欲しくなってしまう。
「こな…ひゃうっ!!」
唇が離されるのと同時にビリビリとした電撃が私を襲った。
「あっ、んぁっ、ちょ…こな…んはぁっ」
「ビショビショだねぇ、かがみん」
「んなっ、言う…あぅ、なぁ」
自分のアソコからトロリと出てくる粘着性の液体がこなたの指を汚していく。
その事実が、感触が気持ちよくて…
「こ、なたぁ…」
「ん」
私の意図に気付いてくれたのか、こなたがゆっくりと私の下半身に顔を埋める。

クチュ…

「ふぁっ…!んぁ、くっ、あぁっ、やっ…」
アソコから背中を伝って脳にまで甘い刺激が押し寄せてくる。
「こなっ…んはぁ、あっ」
その刺激が気持ちよくて、切なくて、無意識に伸ばした手がこなたの髪を絡めていた。深い青色。
細い髪の毛。
その一本一本が恋しくて、私なんかが触っていいのだろうかなんて考えてしまうほど綺麗で。
そっと絡めていた手を離すと、すっとこなたが左手を絡めてきた。
「…えっ?」
「触っていいよ」
「なっ…?!」
私、声に出してたっ?!
思わず握っていない手で口を抑えるけど、時すでに遅し。
恥かしさで顔が真っ赤になっていくのが分かる。
無意識に声に出してるなんて私はバカかっ…!!
「かがみ…」
後悔に苛まれているとこなたが優しく私を呼んだ。
「私はかがみ好きだよ」
「……わ、わたしだって、その…す、好き」
あぁもうっ!なにテンパってるのよ、私。
「だからかがみに触りたいし、かがみも私に触ってほしい」
ドキンと胸の奥が鷲掴みにされたような感覚がした。
こいつは…なんでこう嬉しいコトをサラッと言ってくれるんだろう。
ピークを迎えてるはずの心臓の鼓動が更に加速していく。
「私も…」
そう言って再度こなたの髪に手を絡め、首筋にキスをおとす。
275向日葵の向くほうへ:2008/02/29(金) 20:53:19 ID:rPtLOU5Y
「ンっ…かがみん、余裕ですな♪」
「え…ひゃぅっ!」
ニヤリと効果音がするほど口角をあげるこなたが見えたと思うと、こなたの指が私の熱をもった敏感なトコロに触れた。
「んくっ、ゃぁ、あぁっ…こ、な…」
ゆっくりと侵入してくるこなたの指が気持ちよくて、私の体がこなたで埋め尽くされていく。
「かがみ」
「んんっ、んふぁ…ぁん、くっ」
だらしがなく嬌声を上げる私の口をこなたの唇で塞がれる。
くちゅくちゅと口内からの唾液の音と、私から溢れる愛液の音が混ざり合って、聴覚まで犯されている感覚に襲われた。
「あぅ、あっ、こな…こな、たぁ…」
愛しくて、大好きな人の名前を呼ぶしかできなくて…
不定期に動くこなたの指から与えられる快感に、体が支配されていく。
「かがみ」
「んっ、ふぁ…こ、こなた…あっ」
いつもの私をからかうような顔じゃなくて、真剣な、でも妖艶な顔で私を呼ぶこなた。
こなた以外考えられない、それが心地よくて、切なくて、次々と湧き上がる熱が私の頭を溶かしていく…
「大好き、だよ」
噛み締めるように優しく愛の言葉を私に囁く。
それと同時に私の中に入れられている指の速度が上がった。
「ふぇっ…?!っあ、こな…んぁっ、んんっ、ゃぁ…」
こなたの指の形が、動きが半端なく気持ちよくて…
「あっ、んぁ、こな…も、もぅ…っ」
「ん。イって、かがみ」
「くぅ、ひゃっ、あっ…」
隠核を親指でグニグニと潰される。
―もぅ、何も考えられない。
そんな私を知ってか知らずかこなたが耳を甘噛みした瞬間。
「…ふぁぁぁぁっ!」
私は果てた。



276向日葵の向くほうへ:2008/02/29(金) 20:53:59 ID:rPtLOU5Y
「ベタベタする」
汚れてしまった衣服を着替えながら、その原因のこなたに嫌味を言うけど、コイツには馬に念仏なんだろうな。
「今日は熱いからねぇ〜」
ほらね。
はぁ、と溜め息をついて透き通った空を見上げる。
そういえば今夜近所で花火大会があるっていってたわね。
この天気なら間違いなく、夜空に綺麗な炎の花が咲くだろう。
「今夜さ」
その言葉にこなたの方を向くと、いつの間にか私と同じ様に空を見上げていた。
「ここらへんで花火大会あるんだよね?」
わざとなのか疑問形で聞いてくるこなた。
ニヤニヤと目を細めて、私をからかうように伺うこなたを見て、はぁと二度目の溜め息がでる。
『かがみから誘ってよ』
その顔はきっとこういう意味なんだろう。
なんで私の考えてること、コイツには全部分かってしまうんだろう。
「…あるわね」
だけど、負けず嫌いな私が、コイツの思惑通りに素直に誘えるはずがない。
「見たいなぁ、花火」
足をバタバタを動かしながら意味深な顔で私を見るこなた。
全く…
こうなったら意地でも引かないコトは私が一番よく知っている。
でも、素直に花火大会一緒に行きたい、なんて死んでも言えるはずがない。
だから…
「太陽の方、向いたら…」
「へ?」
「い、一緒に行ってあげても、いいわよ」
フっとこなたから視線を外し、庭先に植えられた黄色い花を見つめた。
「…………なにが?」
ニヤニヤと口を猫にしながら100%分かっている答えをこなたが尋ねる。
そこまで言わす気か、コイツは。
溜め息とは反対に今度は息を吸って、半ば自棄に言ってやる。


「向日葵がっ!!」


私達を照らす太陽よりも明るい笑顔を向けるこなたを目の端で捕らえながら。
私は庭先に植えられた向日葵の向く先を見つめていた。
27718-490:2008/02/29(金) 20:57:31 ID:rPtLOU5Y
以上です。
季節違いすいませんorz
俺の中で、この二人は万年夏のイメージがしてるので。

それでは…
読んで下さった皆さんありがとうございました!!!
278名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:53:11 ID:t5ddv34D
>>277
GJなんだぜ
軽妙なやり取りからエロス、そして締めの向日葵まで一気に読めた
季節なんて関係ない ! いいものはいいんだぜ !
279名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 21:56:13 ID:DoTptZOy
いいよいいよーGJ
280265:2008/02/29(金) 22:07:45 ID:ror3sl9L
>>267
おお!まさにそれだ!本当にありがとうございました!
>>277
GJ!
トラブルで濡れてしまったのに怒ってしまって
こなたにぶっかける子供っぽいかがみん萌えw
281名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:50:30 ID:hJnG/JdF
GJなんだけど・・・・・なんだろ? 特に前半部分に既視観が。
全年齢向けバージョンを以前にどこか他で書いてたりします?
勘違いならごめんなさい。
282名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:56:17 ID:T9JBP7yL
今日の流れにこのスレの底力を見ました
ペンで闘う職人さんたちにGJ
283名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 22:58:15 ID:rUSWffwf
GJ!
>>281
かがみんの足の裏だっけ?同人誌で見た気がする。
28418-490:2008/02/29(金) 23:12:01 ID:rPtLOU5Y
皆さんGJ&感想ありがとうございます。

>>281さんへの回答をば。
いや、俺は書いてないですね。
ただ>>283のおっしゃる同人誌をググってみたんスが、マジで酷似してて笑いましたorz
285名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:21:36 ID:TbVBbfoZ
これだけSSが増えると、あちこちでダブりが発生してもおかしくないもんなぁ……
286名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:28:39 ID:BgVvxh0Y
1300作品オーバーでダブりが無いなんて、普通はありえないからな。
287名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:31:38 ID:DoTptZOy
1300もあるのか…知らなかった
288名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 00:04:33 ID:hJnG/JdF
他のスレとか板とか、同人とかニコニコMADとか合わせるとさらに膨大になるしね。

>>283
あー、たぶんそれだ。漫画だったか、盲点。
失礼しやした。
28912-512:2008/03/01(土) 00:57:56 ID:aaQ6/q7J
誰もいらっしゃらなければ投下します。
「ティル・ナ・ノーグの縁で(中編)」です
5レス予定。一応ななこ&みゆきですが、ななこ先生メインです。
そもそも存在を覚えてる人がいるんでしょうか、前編は驚きの25スレ目です
多分続き物の間隔としては最長……そのくせ繋がりは強いですorz
お暇でしたら前編から見てくださると嬉しいです。
では
29012-512:2008/03/01(土) 00:59:31 ID:aaQ6/q7J
ななこはみゆきと初めて言葉を交わした所まで語ると、一息ついてカップに指をかけた。
鼻孔に広がる豊かな香りと温もりに、満足げに目を閉じる。
「ほんまめちゃめちゃ可愛くてなぁ、あん時はドキッとしたわあ」
ななこの瞼の裏にあの日と変わらぬ笑顔のみゆきがいた。
その美しい姿を、自分が最近まですっかり忘れていたことが不思議でならない。
「ふーん、黒井先生にもそういう純情な所があったんですねえ」
「……なんや、棘のある言い方やなあ」
ガラス戸の前に立って校庭を眺めていたふゆきが、振り向きもせず言った。
みゆきの名前を聞いてから、なぜかふゆきの態度はつれないものになっていた。
その素っ気ない横顔を見続けるのもためらわれて、仕方なくふゆきの視線を追った。
そこではジャージ姿の三年生がサッカーに興じていたが、時期が時期だけに参加者は少ない。
とっくに冬休みも終わり、二人が最初にお茶の約束をしてから一月近くが経過していた。
ななこは何度か休み時間に保健室を訪れていたのだが、その度にタイミング悪く病人がいたせいで随分先延ばしされてしまった。
澄み渡った空と校庭、書き割りのように天地が明瞭な風景は、そこで戯れる生徒達にまで非現実的な印象を与えていた。
「いーえ、別にそんなつもりはありませんよ。ただ思い入れっていう割には、なんか物足りないかなぁって」
盛り上がりに欠ける試合展開に飽きたのか、ふゆきは隣の私物を入れてある棚に手を伸ばした。
その中にはふゆきの趣味に使うらしい、怪しげな洋書や用途不明の骨董品が並んでいる。
白で統一された保健室の中で、その戸棚だけが異次元への門のようにその存在を主張していた。
ふゆき曰く、こういう知識もカウンセリングの上では役に立つ……らしい。
ふゆきはその棚から艶やかな光を放つ磁器のカップを取り出すと、ななこの向かいに座った。
「まだ始まったばっかりやないか、せっかちやなー。幾らなんでもこれだけやあらへんて」
ななこは自信ありげに笑うと、少し興奮した面持ちで続きを語り出した。


四時を過ぎると授業を終えた教師達が職員室に帰ってくる。
勿論デスクワークは幾らでもあるのだが、生徒達を返した後は気が緩むものだ。
次の仕事に手をつける前に一休みする教師達で、そこは穏やかな空気に包まれていた。
「きゃっ!」
その弛緩した空間に、女の子の悲鳴とそれに一瞬遅れて大量の紙が床にぶちまけれる音がした。
職員室中の人の目が一斉にそちらを向く。
そこには散乱したプリントを前に立ちつくすみゆきがいた。
近くにいた若い男性教師が席を立ったのを見て、他の教師が視線を戻す中、ななこはみゆきに駆け寄っていった。
「おい、大丈夫かいな」
「すいません。なんだかぼおっとしてて……」
「それはええから、邪魔になってるさかい早う拾いや」
「あ…はいっ」
みゆきは寝起きのような返事をすると、慌ててしゃがみ込んでプリントを拾いだした。
手書きの数式が並んでいる所を見ると、数学の宿題だろうか。
みゆきは焦って手を動かしていたが、スカートが気になるのかその姿勢はずいぶんと窮屈そうだった。
そんなみゆきのために、ななこは膝をついて机の下に入り込んだ書類を手早く集めていった。
「ふう、こんなもんかいな。高良、ちゃんと全部集まったか?」
「……30、31。はい、どうもお手数掛けてすいませんでした」
みゆきは萎れたような礼をすると、小走りで数学教師の所にプリントの束を置きに行った。
どことなく散漫で危なっかしいその足取りに、ななこは訝しげに目を細めた。
そのまま職員室を出て行こうとしたみゆきを、手招きして呼び寄せる。
自分の顔を指さして戸惑うみゆきに、ななこは大きく頷いた。
291ティル・ナ・ノーグの縁で(中編)2/5:2008/03/01(土) 01:02:57 ID:aaQ6/q7J
何でしょうか、先生?」
「いや、別に用っちゅうこともないんやけど……その、高良がちょっと疲れてるように見えてな」
ななこはなるべく気軽な調子で聞いた。
「自分ではよくわからないんですけど、やっぱりそう見えますか」
「ああ、見える。やっぱりってことは誰か他の人にも言われたんやな」
「近所に住んでる年下の子に。
 普段無口な子なのに、随分心配されてしまってびっくりしました」
みゆきは他人事のように、くすっと笑った。
「そら心配するわ、さっきだってあんな何もない所で躓きよってからに」
「でも私そういうこと良くあるんですよ」
みゆきは自分のドジをななこに話して聞かせた。
考えごとをしていてドアにぶつかったこと、レンジに入れたものを取り忘れて何度も暖め直したこと。
それはななこが抱いていたみゆきのイメージをうち壊すのに充分だった。
「あははは、そんなことあるんかいな!
 いや高良ってなんとなくツッコミかと思ってたんやけど、ボケやったんやなぁ」
「お恥ずかしながらそうなんです。私も直したいと思ってるんですがなかなか……」
「いやー、もうそれは直さんでええよ。美人でボケってのはかなりおいしいで」
「そ、そんな風に褒められても困ります。
私すごくうっかりしてるから、学校ではそうならないように気を張ってるだけなんです」
 さっきは放課後になったから、ついぼおっとしてしまっていて」
お腹を抱えて笑っていたななこは、実際のみゆきの立場を思い出して押し黙った。
「……学校では気を抜けないんか?」
「あ……その、みなさんが私のことをしっかりした人だと言いますから……」
「なあ高良、ちょっと答えづらいかもしれへんけど正直に言いや。
 誰か仲の良うなった奴はおらへんのか?」
プライドを傷つけかねない質問であることは承知の上。
みゆきなら冷静に受け止めてくれると信じて、ななこは率直に聞いた。
「……ちょっとした話をすることはあっても、いつも一緒にいるような友達はいません。
 違うクラスでしたら一人、委員会で結構話すようになった人がいるんですけど」
一瞬悔しそうな表情をしたが、それでもみゆきは現実を取り繕うことなく語った。
同級生達とは授業や行事のことで話すばかりで、他愛のないおしゃべりをすることはない。
そしてみゆきが同級生相手にも敬語を使っているということに、ななこは驚かされた。
「なんでや、同い年なんやしそんな堅いしゃべり方してたらあかんやろ」
「もう、癖になってしまっていて。本ばかり読んでいたのがいけないのかもしれません。
 それに私、普通の高校生が好きそうなことって良くわからないんです」
申し訳程度に上がった唇は笑顔のつもりなのだろうか。
寂しげなその表情がななこの胸を締め付ける。
292ティル・ナ・ノーグの縁で(中編)3/6:2008/03/01(土) 01:04:45 ID:aaQ6/q7J
「……でも、委員会でやっけ?仲良うなった奴もいるんやろ。そいつはどんなこと話してるん?」
「なにか特別話題があったわけではないんですよ、気が合ったと言うんでしょうか?
 そうそう、その人かがみさんって言うんですけど、柊つかささんの双子の姉なんです」
受け持ちの生徒の双子の姉ということで、ななこは資料を見せてもらったことがある。
添付されていた写真に、挑み掛かるような目つきで写っていた子だ。
不器用そうな二人の組み合わせは、なんとなくななこを納得させた。
「つかさとはどうなん?」
「つかささんの方は私のことを近づきづらく思ってるみたいです。
かがみさんから話は聞いてるみたいなんですけど……」
予想通りの答えだった。控えめな印象を受けるつかさには確かに荷が重いかもしれない。
「でも高良ももっと肩の力を抜いたほうがいいで。美人やし、頭も良いし、運動もかなりイケるんやろ。
 少しボケてるくらいのほうが親しみがあってええよ」
「気楽にしようって意識してるんですけど、かえって普段みたいなドジも引っ込んでしまいまして……」
ななこは背もたれに大きく寄りかかると天井を仰いだ。
「でもすぐに変えられなくてもしょうがあらへん。こつこつ努力するしかないわな」
いじめでもない以上、本来教師が出る幕ではない。出来るのはせいぜい舞台裏で励ましてやることぐらいだ。
「できるだけ頑張ってみます。折角同じクラスになって皆さんと仲良くなれないのは寂しいですから……。
 あの、今日は色々話を聞いてくれてありがとうございます。」
そういってお辞儀した頭越しに見える窓の外には、初夏の白く散漫な夕暮れが広がっていた。
手元の時計を確認して、みゆきを1時間以上も立たせていたことに気付いてななこは慌てた。
「いや、ウチこそ引き留めてしもうて悪かったな。
 ……人と話さないと表情が貧しくなるさかい、何か話したいことがあったらいつでもくるんやで」
その言葉に幾ばくかの期待が込もっていることを、ななこは否定できなかった。
まだこんなに日は高いのに、学生だったら別れがたい気持ちに流されることもできるのに。
ななこはみゆきの背中が廊下に消えるのを見届けると、はじめて自分のスラックスが埃まみれなことに気が付いた。


「それが切っ掛けになって、結構しゃべるようになったんや。
 一週間に一回くらいは、職員室やら教室やらで会ってた気がするなぁ」
不思議と今日のカフェインはななこによく効いた。
まるでヤケ酒のように、次の一杯を一口で飲み干す。
その行儀の悪い態度に呆れて、ふゆきがポッドを自分の方に引き寄せた。
「夜眠れなくなっちゃいますから、もうやめといた方がいいですよ。
 ……それで、その後はどうなったんですか?なんか話がちょっと危ない方に進んでる気がするんですけど」
ふゆきの口調はどこか問いつめるようだった。
「そんな変な関係にはなっとらんて。会うのも学校の中だけやったし。
やっとることも、みゆきが喋ってるのを聞いてるばっかりやったし」
話相手のいない寂しさがそうさせたのだろうか。
思い返してみれば、あの頃のみゆきは不思議と饒舌だった。
それもありきたりな日常のことばかり、まるで遊びから帰った幼子のように話すのだ。
「そうですか……あの、高良さんはどんなことを話してたんですか?」
二人の間に何もなかったと聞いて、ふゆきは安堵のため息をついた。 
さっきより少しリラックスした調子でななこに先を促す。
「どんなっちゅうてもなぁ……えーと、ああジューンブライドの話とかしたな」
293ティル・ナ・ノーグの縁で(中編)4/6:2008/03/01(土) 01:07:18 ID:aaQ6/q7J
しとしとと雨の降り続く梅雨のある日のことだった。
こんな日は道行く人々の顔がみな暗く見えるものだが、その中でもななこの陰鬱さは際立っていた。
朝の通勤途中、ななこは転んでクリーニングに出したばかりのスーツを汚してしまったのだ。
怪我こそなかったが、スーツは泥水に濡れて真っ黒く変色してしまった。
そのおかげでななこはジャージで一日を過ごすハメになった。
着心地は楽だったが、授業で違うクラスに行くたび生徒達に笑われるのは癪だった。
そんなこともあって放課後に訪れたみゆきが、ななこには重い雲の合間から差し込む一筋の光のように感じられた。
「先生、今日は大変でしたね」
みゆきは隣の教師の椅子を拝借して、ちょこんと座っていた。
その席の教師は部活の指導に熱心らしく放課後はいつも空席だった。
最初は遠慮していたみゆきも、今ではすっかりそこが定位置になっていた。
「クリーニング代を不意にしてしもうた。先生達にも生徒共にも笑われるし最悪や」
「先生は背も高いですし、ジャージ姿もスポーティで似合ってますよ。
 ……ふふ、でもその格好だと学生みたいに見えますね」
「そんなすべすべした肌で言わんといてな。ウチかて若くないの解ってるさかい」
こんな風に、みゆきは恥ずかしげもなく褒め言葉を口にすることがよくあった。
直球すぎる物言いが効いているのか、自嘲しつつもななこの声には照れ隠しの色が見えた。
「そんなことありませんよ。先生を初めて見た時、クラスの人達みんなびっくりしてましたよ。
 そうそう、男子も喜んでましたけど、むしろ女子の方がすごかったですね。」
「うあ、またいつもと同じパターンや……」
ななこは鼻で笑うと、がっくりと肩を落とした。
さばさばした性格と高い身長のおかげか、ななこは昔から女によくもてた。
バレンタインデーには、こっそり小さなビニール袋を一枚用意していたものだ。
突然告白されたこともあったし、ラブレターを貰ったことも一度や二度ではない。
みゆきはその話を聞ききながら、何度も頷いた。
「私、先生は女性にもてそうだなって思ってたんですよ。
 あの……ところで、先生は女性の方と付き合ったことはあるんでしょうか?」
「いや、あらへんよ。まだあの頃はなんだかんだ言って男に期待してたし」
「今は違うんですか?」
「そうやなぁ……でも女同士じゃ結婚できへんしなぁ。
 そうそう……最近昔の友達から幾つか結婚報告が送られてきてなぁ。
 それがどいつもこいつも、私幸せ一杯ですぅ、みたいなのばっかで見てられへんのや。
 何がじゅーんぶらいどや、そういう恥ずかしいこと自分で言うなって思わへん?」
別に彼女たちが羨ましいわけでも、ねたましいわけでもない。
ただ同じ時間を共有していた友人達と疎遠になっていくのが寂しい。
けれど時の流れに文句を言うことはできないから、その矛先はどうしても人に向かってしまうのだ。
「一番幸せな時期ですからつい浮かれてしまうんでしょうね。
 それにしてもジューンブライドとは、今日の先生にはまた不愉快な言葉ですね」
みゆきはななこに向けた視線を上から下まで動かして微笑んだ。
「ったくこんなじめじめした季節に結婚して何が嬉しいんだかわからへんわ」
「それは……」

「それはですね、ローマ神話の女神ユノに由来しているんですよ」
「なんや知ってるんか、ってかふゆき先生はそういうの詳しいな」
ふゆきの口から台本を読むかのようにスラっと先が続けられた。
「まあ神話は基礎知識ですし、それに高良さんにその話教えたの私なんですよ」
「はあっ!?え、ふゆき先生、そんな前から高良のこと知ってたんか?」
ななこが驚いて身を乗り出した拍子に、カップの紅茶に波紋が広がった。
露骨な動揺に、ふゆきは眉をひそめた。
「高良さん、その頃何度か私の所にも来てたんですよ。何を話したかは生徒のプライバシーに関わりますから秘密です。
 でも、別に黒井先生程仲良くおしゃべりしてたわけじゃないですよ」
294ティル・ナ・ノーグの縁で(中編)5/6:2008/03/01(土) 01:08:14 ID:aaQ6/q7J
「それはですね、ローマ神話の女神ユノに由来しているんですよ」
「なんや知ってるんか、ってかふゆき先生はそういうの詳しいな」
ふゆきの口から台本を読むかのようにスラっと先が続けられた。
「まあ神話は基礎知識ですし、それに高良さんにその話教えたの私なんですよ」
「はあっ!?え、ふゆき先生、そんな前から高良のこと知ってたんか?」
ななこが驚いて身を乗り出した拍子に、カップの紅茶に波紋が広がった。
露骨な動揺に、ふゆきは眉をひそめた。
「高良さん、その頃何度か私の所にも来てたんですよ。何を話したかは生徒のプライバシーに関わりますから秘密です。
 でも、別に黒井先生程仲良くおしゃべりしてたわけじゃないですよ」
「あ……いやちょっとびっくりしてしもうて。あはは、まあウチみたいなガサツな女には言えない悩みもあるわな。
 ふゆき先生から見て高良ははどんな感じやった?」
ななこは何でもないように振る舞ったが、その指が神経質に机を叩いているのをふゆきは目の端に捉えていた。
「ふぅん……まあ、なんていうか生真面目な子でしたね」
「そう、そうなんよ。そもそも委員長になったのもその性格のせいでな。
本当はやりたくなかったらしいんやけど、知らんぷりできなかったんやな」
「やりたくなかったのってやっぱり、キャラ的な問題?っていうやつなんでしょうか?」 
「中学の時から委員長って呼ばれてたらしんやけど、高良自身はその呼び方されるの嫌やったんやろうな。
 本当は名前で呼んで欲しいんですけどね、ってこぼしとった」
「それは確かに嫌かもしれませんね。それにしても。ななこ先生は随分と信頼されてたんですね」
「まああの高良が一番親しくしてたんはウチやったからなぁ」
ふゆきがちょっと水を向けてやると、再びななこの声は色めきたった。
「日が沈むまでずうっと世界史の個人授業したりな、中間テストの前だったかみゆきが質問に来たんや。
まあ実際は出題範囲外のとこのほうが多かったんやけど」
「高良さん知識欲強いですもんね」
「お弁当のおかずを交換したこともあったな。でもそれがウチの好物ばっかやったんよ。なかなか奥ゆかしくて可愛いやろ?
「ちゃんと食べてもらえるように考えたんでしょうね。交換ってことならお腹の負担にならないから」
こなたのテスト用紙を解読するのを手伝ってもらったこと。
委員会の後、かがみと一緒に帰るようになったこと。
ソリティアで最高得点を更新したこと。
延々と続く惚けにふゆきは目眩を覚えた。
春風に踊るみゆきの髪、新緑の匂いに小さくひくつく鼻、初夏の日差しに輝く肌。
みゆきを取り巻く世界はあくまで麗しく、ふゆきの慣れ親しんだ職場とは似て非なるものだった。
「あの……黒井先生が昔高良さんと仲が良かったのは充分解りました。
でも高良さんって、ずうっとお友達がいなかったわけじゃないですよね?」
295ティル・ナ・ノーグの縁で(中編)6/6:2008/03/01(土) 01:09:06 ID:aaQ6/q7J
「文化祭で随分変わったんよ。確か泉やつかさと仲良くなったのもその頃やったな。
「高良さんはそれからも黒井先生の所によく来たんですか?」
「いや、その辺りで来なくなったな。元々能力は人並み以上にあるわけやから、一回軌道に乗ってからは早かったわ」 
「それで寂しくはならなかったんですか?」
「なんでウチが寂しがらなきゃ……え?あ?」
記憶の中では友達ができて自分から離れていったみゆきに安心していたはずなのに。
なぜか今のななこにはそれが不思議と寂しく感じられた。
記憶と感情の齟齬は途端にノイズとなってななこの頭を軋ませる。
「二年生の時は他の生徒も一緒に三浦海岸まで行ったんですよね、その時はどうだったんですか?」
「別にふつーっていうか、何もあらへんかったけど……っていうか何が言いたいんや、先生は」
「ちょっと黒井先生がお疲れなんじゃないかと思いまして」
「んなことっ……」
反射的に否定したが言葉は続かず、ななこの口は閉じるタイミングを失ってしまった。
無機質な保健室に沈黙が淀んで溜まっていく。
ななこは何かのまじないのように、殆ど空になったカップに唇をつけた。
「ウチは…」
「すんませーん!ちょっと足くじいちゃたんすけど、ってあれ……なんかお取り込み中でした?」
友人に肩を支えられた男子生徒が校庭側のガラス戸を開けた。開いたドアから砂混じりの風が二人の間に吹き込んでくる。
その冷気に打たれたななこは、はっとして席を立った。
「これ以上ここにいてもお邪魔やな、ウチはそろそろ帰るわ」
怪我人や病人が来たらすぐにお開き、それがこの臨時のお茶室のルールだった。
非常なタイミングの悪さに歯噛みしつつも、ふゆきは保健室のルールを遵守してななこを止めるようなことはしなかった。
ふゆきはななこの背中がドアの向こうに消えるまで見送ると、笑顔で生徒に向き直った。
「えっと、付き添いの人はもう戻っていいわよ。あなたはこっちに座ってくれる?」
不穏な空気の残り香を感じ取っているのだろうか、生徒は満員電車の椅子に座っているように肩を縮こまらせていた。
「なんか黒井先生怖かったけど、何かあったんすか?」
「まあ、大人にも色々あるんですよ」
生徒の少し赤くなった足首を観察しながら、ふゆきは独り言のようにそう呟いた。
29612-512:2008/03/01(土) 01:11:51 ID:aaQ6/q7J
すんません、ちょっとレス数の計算ミスりました。
ところで最近卒業式が来るのが、アニメの最終回以上に悲しくてしょうがないです
春日部共栄は3月3日でもう卒業式らしいですね
297名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:18:59 ID:mSpZ72nv
>>280
萌えてくれた人がいるのか…続き書かなきゃな。
298名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 02:18:44 ID:bGqOBd+C
>>296
うーん、すごい。この文章力の高さと語り口の巧みさはただごとじゃないよ。
ふゆき先生になにやら異様な緊張感がみなぎっていて、
これからどうなっていくのか予測もつかないです。
タイトルといい、ローマ神話といい、超常的な方向にいったりするのでしょうか。
構成にもなにか仕掛けがありそうな予感が。なんにせよ続きを待ってます。
29938-360:2008/03/01(土) 05:12:41 ID:o70MCVfc
早朝とも未明ともいいがたい時間から失礼します。
どなたもいらっしゃらないようでしたら投下したいと思います。

前スレ「鏡面界」の続きになります。

・かがみ視点
・非エロ
・カップリングなし
・シリアス
・後日談(未来話)
・目下のところ鬱展開気味

6レスいただきます。
300鏡面界 - 2 (1/6):2008/03/01(土) 05:16:10 ID:o70MCVfc
 息苦しかったのは、狭い部屋にはじめて自分以外の人間を入れたからではない。

 きっと、春の匂いのせいだ。

 三年ぶりに顔を合わせた妹が運んできたのは、両手いっぱいの荷物だけではなかった。
 開いたドアの隙間から流れ込む風は、少しだけ肌寒かったけれど、シャワーのあとの肌には心地よ
かった。穏やかな風の薫り。やわらかな光。菫色の頭のその向こうには、抜けるような青空が広がっ
ている。こんな青一色の空は、水彩画の授業だったら減点ものだ。高らかに鳴く、名も知らぬ鳥の声
は、どこか間が抜けていた。
 一晩のうちに季節が変わってしまったのだろうか。
 スプリングコートから覗く首筋は、じんわりと汗ばんでいた。鎖骨のすぐ下では、薄紅色のワンピ
ースが、たおやかにギャザーを寄せている。目のまえに立つ妹からは、一片さえ冬を見つけることは
できなかった。
 なにより満開の桜のような笑顔。
 この子が華やいで見えるのは、上手になったお化粧のせいでも、ちょっとだけ大人びたファッショ
ンのせいでもないのだと思う。そういう星の下に生まれたのだ。

「前もって連絡したら、きっと断られると思ったから……ごめんね。日曜日なのに」
 笑顔を崩さぬまま、けれど眉を八の字にして、丁寧に言葉を紡ぐようにつかさはそう言った。
 かつて見慣れた、あの顔だ。大した失敗をしでかしたわけでもないのに、さも重大な悪事を働いて
しまったかのような、申しわけなさでいっぱいのあの顔。そんなに謙る必要もないのに、相手の機嫌
を伺うようなあの顔。怯えたように揺れる瞳は、潤んでいるようにも見える。

 大嫌いだった。
 違う、つかさを嫌いなわけではない。大切な大切な、血を分けた双子の妹だ。時にその煮え切らぬ
態度に苛立つことはあっても、嫌いと断じてしまえるような部分は一つもない。
 嫌いだったのは、それを見るとついつい面倒を見てやらなければ気が済まなくなってしまう、そん
な自分だ。
 私は躊躇うことなく、つかさを部屋に招き入れていた。
301鏡面界 - 2 (2/6):2008/03/01(土) 05:17:25 ID:o70MCVfc
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 鏡面界 - 2


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「ちょっと片付けるから、待ってて」
 この狭い部屋ではどうせ玄関からすべて見渡せてしまう。それはわかっていたが、それでも一応そ
う言ってみたのは、昔の名残のようなものかもしれない。几帳面でなんでもそれなりにこなせる姉。
今さらそんな虚像に縋るつもりもなかったけれど、頭も体も自然とそれをなぞっているようだった。
習性とはおそろしいものだ。
 つかさもつかさで、言われたとおり素直に、靴も脱がずに待っていた。きょろきょろと部屋じゅう
を見回していたが、それが悪趣味な好奇心によるものでなく、ただ目が泳いでいるだけなのだと私に
はわかる。あまり待たせても悪いので、片付けを急いだ。
 床に落ちているリモコンを棚に戻す。マグカップはシンクに放り込んだ。無色透明のプラスチック
で溢れかえったゴミ箱は、近くにあった紙袋で無理矢理押し込んで蓋をしてしまう。バリバリと音が
響き渡ったとき、つかさが驚いて跳ね上がるのが見えた。
 投げ出したままの筆記用具は机の端に揃えて寄せた。参考書類は本棚に戻そうかとも思ったが、す
ぐに考え直して、その場で裏返すだけにした。表紙も背表紙も隠してしまうには、これがいちばん自
然に思えた。
 
 ……私はいったいなにをしているのだろう?
 私たちのあいだに、隠さなければいけないものなんていつから生まれたのだろうか?

 時計を見ると、まだ八時にもなっていない。今日のアルバイトは昼からだから、午前中は勉強をし
ようと思っていた。本来なら、三時間は勉強に充てられたはずだ。無性に腹が立った。けれど、なに
に腹を立てているのかはわからなかった。
 不思議と笑みがこぼれた。呆れているのか、嘲っているのか。ともかく私は私が情けなかった。大
丈夫、背を向けているからつかさには見えないはずだ。だけれど、それを喜んでいいのかどうかさえ、
今の私にはわからない。
 大体つかさも、よくもこんな早くからはるばる電車を乗り継いでやって来たものだ。
 振り返ると、つかさはちょうどあくびをしていた。どれだけきれいに化粧をしても、気の抜けた顔
は幼いままだった。あくびの拍子に荷物を落としそうになって、慌てて抱きかかえる。ぱんぱんに膨
らんだ布製のトートバッグは、どこからどう見てもバランスが悪かった。どうにか持ち直すと、途端
に今度は反対の手の荷物がずり落ちそうになり、膝と顎を駆使してどうにか持ちこたえる。
 なんて間抜けなんだろう。ああもう、そんなに足を上げたら下着が見えるし、とりあえず落ち着け。
 私の視線に気づくと、つかさはばつが悪そうに笑った。
302鏡面界 - 2 (3/6):2008/03/01(土) 05:18:40 ID:o70MCVfc
 ああ、腹が立つ。

 その、わけのわからない苛立ちをぶつけるように、ちょっとぶっきらぼうに言ってみた。
「で、今日はなんの用なの?」
 するとつかさは急に話しかけられて慌てたのか、言葉を用意していなかったのか、両手をばたばた
と動かしながら、
「えっとね、あのね、しししし新メニューの試食をしてもらいたくて、今日は来たんだけど」
 と言った。荷物がまた落ちそうになって、「あうぅぅ」とつかさは声を出す。
 なんにも変わっていないな、と私は思う。
「新メニュー?」
「えっと、うん。うちのお店ね、季節のメニューっていうのがあってね、それで、その、今度の春の
メニューを私が任されたのね」
 その声が上ずっていたのを私は見逃さない。この子はまったくもって本当になんにも変わっていな
いのだ。呆れるほどに。
 でも、それが嬉しいのか残念なのか、自分にもわからなかった。
「嘘ね。それだけならこんな朝から来ることないじゃない。朝から甘いものなんて食べたくないわよ!」

 言ってから、自分がいちばん驚いた。思いのほか自分の言葉に抑揚がなかったことに。思いのほか
刺々しかったことに。
 つかさは目を丸くして私を見ていた。手から今度こそ荷物が落ちてしまう。ごろごろと床を転がっ
たのは、玉ネギとニンジンだった。
 違うのだ、こんなことを言いたかったわけではない。
 なにか気の利いたフォローでもしなきゃ、と焦って言葉を探した。脳内をフルスキャンして、この
場に最適な返答を検索する。どれだろう、どれだろう、どこにあるのだろう?
 しかし相応しいフレーズはひとつも浮かんでこなかった。
 そんな自分にまた驚いて、私は咄嗟に愛想笑いをしていた。
 無理に吊り上げた口角が、ひくひくと動く。
 私は嫌な女だ。
 つかさが慌てふためいていてくれてよかった、と心底思う。あの場で落ち込まれでもしたら、私は
自己嫌悪の無限スパイラルのなかへ永遠に落ちていったことだろう。
「はわわわわわ、お姉ちゃんごめんなさいっ!! そうじゃなくて、あの、その、」
「そうじゃなくて、なに?」
 ゆっくり喋ろうと心がけた。穏やかに、落ち着いて喋れば、あんなに尖った物言いにはならない。
「ええとええとええとね、その、新メニューっていうのはでも本当で、でも、さっきもゴミ箱があん
なだったし、ええと、」
 あたふたとするつかさはおかしかった。
「あんなって、どんな?」
「ええええええ!? そういう意味じゃないの、そうじゃないの! そうじゃなくてぇ、」
 いちいち予想通りの反応を返してくれるつかさを見ていると、自然と口もとが弛むのがわかる。懐
かしい感覚。にやけそうになるのを誤魔化すために、私は一つ大きな息を吐いた。肩が軽くなった気
がした。
「あーーはいはい、わかったわよ。どうせ、私がろくに料理もしてないだろうからたまにはまともな
ものを食べさせてくれようって言うんでしょ?」
 つかさはぶんぶんと首を縦に振ると、照れたように笑った。
303鏡面界 - 2 (4/6):2008/03/01(土) 05:20:24 ID:o70MCVfc
 この笑顔。
 ああ、私はこの笑顔に弱いのだ。
 こんな日ぐらい勉強をしなくてもいいじゃないの、と私のなかのもう一人の自分が囁きかける。
 そうかもしれない。だって、そのつもりがなかったら、最初から部屋に上げなければよかったのだ。
 心が揺らぐ。頼ってしまいたくなる。藁をも掴む溺れる者を、誰に批難することができようか。

 それで、またしても選択を誤ってしまうのだ。


 ……とはいったものの、なにが正しくてなにが間違っているかなんて、本当はわからない。

 多くの人が望むものは正しいのだろうか?
 正しければ人は幸福なのだろうか?
 多くの人が幸福になれば、少数の犠牲はやむを得ないのだろうか?

 私には、法律というものがよくわからない。
 こんなありさまで弁護士を志していただなんて、片腹痛いとはこのことだ。
 百人いれば百通りの正義や幸福がある。そんなことは思春期を過ぎるころには誰にでも理解できる
ことだけれど、そのうえであえて一つの正義を厳正に設定するのが法なのだ。世の中は矛盾だらけな
のに、法律は矛盾を許してくれない。
 それを私は許すことができるだろうか?
 それでも今なお、その仕事への憧れを捨てられない私は、なにがしたいのだろう?

 つかさは、つかさを知るすべての人が想像したとおりの、そして望んでいたとおりの職に就いた。
 それは、寝ても覚めてもケーキ作りのことばかり考えていればいい職業。私からすると拷問のよう
な生活だけれど、料理好きのつかさにとっては、きっとそれは楽しくて楽しくて仕方のない日々なの
だろう。
 もちろん仕事だから、楽しいことばかりではないに決まっている。
 でも、つかさは前向きな子だ。どんなに辛く苦しい目に遭っても、そのなかから一片の幸せを見出
すことのできる子だ。幸福になる才能があるのだ。
 私とは違う。
 だから、いつでもあんな輝いた笑顔を見せていられる。その笑顔で幸せを掴むことができる。
 だから、私はつかさに会いたくなかった。

 でも、いざ会ってしまうと、その眩しくて暖かで穏やかな光を拒むことなんてできない。
 なぜって、その光の届く距離にいれば、私まで輝いてるように錯覚できるのだ。ちょうど、太陽の
光を浴びて輝く月のように。
304鏡面界 - 2 (5/6):2008/03/01(土) 05:21:37 ID:o70MCVfc
「お姉ちゃん、朝ご飯まだでしょ?」
 言うやいなや、つかさは早速キッチンに立った。その後ろ姿に、私ははっとする。見慣れぬ背中だ。
独特の雰囲気というか、オーラというか、そういうものが感じられた。プロとしてのプライドがそう
させたのだろうか、あるいは、大人の女としての凛とした振る舞いを身につけたということだろうか。
いずれにせよ、纏ったエプロンが見覚えのある子どもっぽいものでなければ、別人かと思ってしまうほどだっ

た。
 けれど、口を開くと昔のままのつかさで――
「なに作ってくれるの?」
「えへへ、内緒!」
「でも、材料が丸見えだからだいたいわかるぞ」
「はうぅぅぅぅぅぅ!!」
 ――そのギャップに頭がくらくらした。
 この三年という月日が、三日とは言わないまでも、せいぜい三か月程度だったように思えてくる。
それが、ずっと一緒に育ってきた家族というものなのだろうか。
 つかさと話をするのは楽しかった。久々に交わしたまともな会話だということを差し引いても、凝
り固まった心がほぐれていくような心地は、きっとつかさとの会話でなければ得られなかったろう。
軽快な包丁のリズムも手伝ってくれたのかもしれない、いつのまにか私は昔のように自然に言葉が出
るようになっていた。自然な笑顔は、顔の筋肉が痛くならないのだと思い出した。声がいつもより少
し高くなっていることに気づいて、恥ずかしくなる。些細な話を共感し合うだけで楽しい。

 ……今なら、すべてをつかさに話してもいいのだろうか?

 そうこうしているうちにいい香りが立ちはじめ、素材でしかなかった食品たちは見る見るうちに料
理という美しいアンサンブルに姿を変えた。魔法のようだと思う。同じ材料を与えられたって、絶対
に私にはああはできない。
「ケーキだけじゃなくて、ちょっとした小料理屋なんかもできるんじゃないの?」
 素直に褒めると、またしてもつかさはぶるぶると小動物のように首を振った。
「全然だよ! 全然まだまだだよ! ケーキだってまだ半人前だもん!」
「私のまえでそんなことを言うとはいい度胸ね」
「あうぅぅ、そういうつもりじゃないのぉ」
 つかさをからかうのはやっぱり面白い。同じDNAという素材から生まれた双子なのに、どうしてこう
も違うのだろうかと不思議になる。いつまで見ていても飽きない。できることなら、ずっとこうして
いたい。
 けれどあんまりからかいすぎるのも悪いかなと思って、私は食器の準備をすることにした。これぐ
らいは自分でやらなければ申し訳ない。つかさの料理の様子から、必要な皿の大きさと深さを推測す
る。自慢にもならないが、食器並べに関しては私のほうがずっと慣れているのだ。なにせ、実家にい
たころから、私に手伝えるのはこれしかなかったのだから。箸とフォークがプラスチックの使い捨て
なのは勘弁してもらうことにしよう。ここには何人分もの食器は存在しない。
 二人で食事するには我が家の机は小さすぎるが、そこに所狭しと食器を並べていくと、なんだかお
ままごとセットで遊んでいるような気になってくる。私のしていることはおままごとのようなものな
のだろうか? ひとりぼっちのおままごと。
 ぐつぐつと煮立つ鍋の音がつかさの背中に重なると、つい実家にいたころを思い出してしまう。
305鏡面界 - 2 (6/6):2008/03/01(土) 05:23:19 ID:o70MCVfc
 私は、帰りたいのだろうか?
 ……帰るって、どこに?
 わかっていた。たぶん、私の帰りたい場所はもうどこにも存在しないことを。あの場所へは、どん
な最新鋭の音速旅客機を使ったって、永遠に辿り着くことはできないのだ。
 それなら、どうして私は今さら勉強しようとしているのだろう? 過ぎた時間は取り戻せないのに。

 気を紛らすために見飽きたはずの部屋を見回した。こちこちと冷徹に時を刻んでいく時計が、なぜ
だか頼もしく思えた。
 そうだ。時は止まらないから勉強をしているのだった。戻りたい場所が存在しないなら、また未来
に新しい自分の場所を作ればいい。そう決めたじゃないか。それで会社も辞めたし、ゼロから出発し
ようと決めた。考えなしに生きているわけではない。前へ進んでいるのだ。

 でも……とまた考えが巡ってしまう。
 でも、そうやってポジティブで立派なことばかり考えているけれど、私には実態が伴っていない。
全然勉強が足りていない。これで自分を変えられるだなんて、人生をなめているにもほどがある。
 時間がないなんていうのは言い訳だ。時間は誰しもに平等に与えられている。頭の出来が違うなん
ていうのも言い訳だ。それならその分たくさん努力すればいい。
 ただの理想主義者じゃないか。努力が足りないくせに夢ばかり見ているんだ。おまけにその理想ま
でぶれているときた。
 思わず笑いがこぼれてしまって、鼻唄で誤魔化した。

 やっぱり、つかさには話すことはできない。
 夢を、理想を、希望を、すべて描いたうえですべて叶えたつかさには、私なんて口先だけの人間に
映るだろう。
 手を伸ばせば触れる距離にある、あの背中が、今の私には果てしなく遠いものに見えた。
30638-360:2008/03/01(土) 05:26:39 ID:o70MCVfc
以上です。

最初の投下作からいきなり長期シリーズにするのもなー、
と思って数回で終わる予定だったんですが、

……ごめんなさい、どう考えてももう3,4回は続きそうですorz


最後には救われる結末にしたいと思っておりますので、
もうしばらくお付き合いいただけると幸いです。

読んでくださった方、ありがとうございました。
307名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 05:45:40 ID:T8j9j63o
>>306GJ!
留年→ニート目前な私には身に積まされる話です。私も何がしたかったのか…

ちょっと樹海を散策してきます。
308名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 08:05:12 ID:uE479vbP
どなたも準備される方がいらっしゃらなければ、投下させていただきます。
30923-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/03/01(土) 08:09:55 ID:uE479vbP
「ゆーちゃん対策委員会 第3日」

・ゆたか&ななこ、+こなた(他、全般)

注意事項

・エロあり
・ややダーク
・チャット部分は台本形式
・ゆーちゃん注意





310ゆーちゃん対策委員会♪ 第3日 1/6:2008/03/01(土) 08:11:23 ID:uE479vbP
 みゆきは、全員を見渡してから軽く頭を下げた。
「みなさんお疲れ様です。第3日目の『小早川ゆたか対策委員会』を始めます」
 一息おいてから、舞台袖をちらりとみて言葉を紡ぐ。
「本日は特別ゲストとして、黒井先生をお迎えしました」
 場内がどよめく中、ななこは壇上に進んだ。
「先生、よろしくお願いします」
「高良ごくろうさん。そんならさっそく話すで」


 〜報告5 始め〜

 ふう、疲れた。
 私は、一週間分の疲れをシャワーでゆっくりと洗い落とした後、吸い込まれるように
PCの電源を入れた。
 きりりと冷えたビールを飲み、茹でた枝豆をつまみながら、いつものようにネトゲにログインする。
「今日は、がっつりやれるでー 」
 仮想世界にログインをしてから間もなく、お目当てのプレイヤーが見つかり、
専用チャットルームに引き込む。

nanakon >泉。久しぶりにやるで〜
konakona >分かりましたよ。先生

 教え子の泉とは、チャットエッチの常連だ。
 所詮チャットと侮るなかれ。
 キーボードに入力する文字だけで、全ての性行為を表現する為、会話はとんでもなく
エロく卑猥なものになるのだ。

(変やな? )
 チャットエッチを始めて5分としない内に、小さな違和感が生まれた。
 えっちの時の仕草や癖がいつもと違う。
 まるで別人とエッチをしている感じだ。
311ゆーちゃん対策委員会♪ 第3日 2/6:2008/03/01(土) 08:12:18 ID:uE479vbP
nanakon >泉、今日、何かあったんか?
 高まる違和感に耐えられず、私は、画面の向こうにいる相手に問いかけた。

konakona >クスッ。黒井先生…… やっと気づいたんですか。意外と鈍いんですね
nanakon >泉、ふざけとったらあかんで!
konakona >先生の仰る意味ではふざけてなんかいません。
konakona >でも違う意味では『ふざけている』かもしれませんね
nanakon >どういうことや! 
 言っている意味が全然分からない。それに、馬鹿にされているようで腹が立つ。

konakona >先生のえっちのお相手は本当に『泉こなた』なのでしょうか? 
nanakon >泉、何…… いっとるんや? 
 まさか声をかける相手を間違えた?いや、間違いなく泉が使っているキャラだ。
 私の疑問に答えるように、彼女は教えてくれた。

konakona >ゲームのキャラクターは合っていますよ。
nanakon >そしたら、お前一体誰や! 
 私は頭に血が上ってしまい、画面の向こう側に向かって叫んでいた。
 暫く不気味な沈黙が続いてから、画面に表示された文字は衝撃的だった。

konakona >先生に世界史の授業を受けていますから、私も教え子の一人ですよ。
konakona >こなたお姉ちゃんを奪おうとする、悪い泥棒猫さん
 あからさまな敵意をみせられて、私はたじろいた。
312ゆーちゃん対策委員会♪ 第3日 3/6:2008/03/01(土) 08:12:58 ID:uE479vbP
nanakon >まさか自分、小早川か? 
konakona >正解です
nanakon >何がしたいんや? 

 小早川ゆたかは1年の生徒だ。泉とは従姉妹で、彼女の家に下宿している。
 小早川は泉のように何かと目立つ存在ではない。
 素直で真面目だけど、身体が弱くて、授業中に気分を悪くして保健室に行くことがよくある。
 体格は小柄な泉よりも更に小さく、大人しい生徒という印象しかなかったが……

konakona >こなたお姉ちゃんが、黒井先生とネットゲームで遊んでいることは知っていましたけど
konakona >まさかこんなエッチな事をしているなんて、思ってもいませんでした
nanakon >何が言いたいんや?
 小早川の話し方には、毒が含まれている。

konakona >先生、せっかくだから、エッチの続きをしませんか? 
nanakon >教師と生徒ができるわけないやろ 
konakona >こなたお姉ちゃんとは、とっても楽しくしていたじゃないですか? 
nanakon >そ、それは……
 痛いところを思いっきり突かれて、言葉につまる。

nanakon >あかん。いきなりエッチなんかできるわけないやろ!
konakona >どうしてもダメですか?
nanakon >駄目に決まっているやろ!
konakona >ふうん。仕方ありませんね
nanakon >何するつもりなんや!
konakona >ふふ。すぐに分かりますよ。黒井先生
 小早川の言葉の直後、机の端におかれた携帯電話が唐突に鳴り響いた。

「もしもし、黒井やけど。泉か? 」
『せんせい…… お願いですから、ゆーちゃんの言うとおりに…… してください』
「泉、おまえ、何ゆーてんのや! 」
『ゆーちゃんには、逆らえないんです…… 駄目、ゆーちゃん、だめっ』
 泉の嬌声ともとれる悲鳴が聞こえて、私は焦って受話器に向かって叫んだ。
「泉、しっかりせい、もしもし、もしもしっ 」
 しかし、私の呼びかけに答えることはなく、通話は途切れた。
313ゆーちゃん対策委員会♪ 第3日 4/6:2008/03/01(土) 08:13:38 ID:uE479vbP
nanakon >小早川。泉に何をしたんや!
konakona >黒井先生。こなたお姉ちゃんの『お願い』を聞いてくれませんか?

「このガキっ 普段は思いっきり猫かぶっとったんかいっ!」 
 沸騰する怒りを覚えるが、泉の悲鳴を聞いてしまったからには、無視することはできない。
「しゃーない…… か」
 私は深いため息をついてから、キーボードを叩き始めた。

nanakon >小早川、お前の言うとおりにしたる。そやから泉には手を出すな
konakona >ご心配には及びません。先生とエッチをしたいだけですから
nanakon >エッチなら、さっきまでしてたやないか? 
konakona >私の言ったことをして欲しいんです
nanakon >どういうことや? 
 小早川が話した意味が理解できなくて、私は尋ねた。

konakona >私が脱ぐように指示したら、『本当に』服を脱いでください
nanakon >お前、何考えとるんや? 
nanakon >それに、脱ぐとこなんか見えてへんから、本当に脱いでいるかなんて分からへんやろ
 半ば嘲るように言ったが、小早川は平然としている。

konakona >嘘をついてもかまいませんよ。なにしろ『性職』ですから
nanakon >嘘なんかつくわけないやろ! そこまで言うんならホンマに脱いだるわ!
 音は一緒でも、文字にすると卑猥きわまりない二文字に、理性が吹き飛ぶ。
 あまりにも安っぽい挑発に、私はまんまと乗せられてしまっていた。
konakona >それでは、早速パジャマを脱いでくださいね

nanakon >言われなくても、すぐに脱いだるわ
 売り言葉に買い言葉―― 私は、パジャマのボタンを一つずつ外していく。

konakona >先生のブラ、何色ですか?
nanakon >白…… って何で答えなあかんねん
konakona >これもエッチの一部ですよ。先生、自分の胸を撫でて頂けませんか?
konakona >それから、乳首から円を描くように愛撫を加えてくださいね

 小早川の言われた通りに胸を触っていく。最初はあまり感じなかったが、
乳首を丹念に愛撫していくと、少しずつ身体が火照ってくる。
314ゆーちゃん対策委員会♪ 第3日 5/6:2008/03/01(土) 08:14:26 ID:uE479vbP
konakona >黒井先生。下も脱ぎ脱ぎしましょうね 
 小早川に言われるままに下半分を脱ぐ。太腿に冷気が忍び寄り、私はぶるっと震える。
(こんな格好、泉にみせられへんな)

konakona >アソコの割れ目に指を乗せてくださいね
nanakon >小早川、教師になんちゅーことをさせるんや
 それでも言われるままに、ショーツに指先をあてると、既に湿り気を帯びている。

konakona >黒井先生、濡れていますね
nanakon >なんで分かるんや! 
konakona >やっぱり濡れているんですね。
nanakon >う、うるさい
 カマをかけられたことに気がついて、顔が真っ赤になる。
 悔しいことに、高校一年の生徒に主導権を握られっぱなしだ。
 
konakona >黒井先生、右の机の引き出しの2段目から桃色のローターを持ってきてください
nanakon >なんで、そんなことを知っとるんや!
konakona >こなたお姉ちゃんが、先生の自宅を訪問したことがありますから
nanakon >泉から聞いたんかい!
konakona >ええ。ローターは、黒井先生の膣にいれてくださいね
 私は、言われるままにショーツを横にずらして、膣にローターを潜り込ませる。

nanakon >中に入ったで
 私は大きく息を吐いた。
 膣中に潜り込ませたローターによって、刺激された膣壁から愛液が漏れ出して
白い下着にはしたない染みを作っている。

konakona >準備が出来たらローターのスイッチを入れてくださいね
nanakon >わ、分かったわ
 私は、ローターから伸びた紐のたどってスイッチを探り当て、ONにする。
315ゆーちゃん対策委員会♪ 第3日 6/6:2008/03/01(土) 08:16:34 ID:uE479vbP
ブイイイイイ――
 無機質な音を出しながらローターが膣の中で暴れて、私はのけぞった。
(あ、あかん、ちょっと強すぎや…… )
 普段は『弱』の設定でひとりエッチをするけど、今は『強』になっている。
 慌ててスイッチを止めようと手を伸ばす。しかし――

konakona >スイッチは止めないでくださいね
nanakon >そんな無茶な!
 けたたましい音を絶えず鳴らしながら、ローターは生き物のように震えて、
快楽と苦痛を交互に与え続ける。

「あ、あかん。ダメ…… んあっ」
 震えながら少しでも気を紛らわそうと、キーボードを叩こうとするけど
まともに文字を打つことができない。

konakona >先生、空いている手でクリを愛撫してください
nanakon >わ、わかった
 私は右手を伸ばして、大きく膨らんだ突起部を人差し指と親指を使って揉み始める。
「んあ…… あかん、あかんって」
 膣の中で暴れるローターと、クリへの愛撫による刺激が二重になって快楽に蕩けそうになる。
「もう、あかん、んあっ…… くああっ」

konakona >先生、イッてください。
「だめ、もう、あかん、あかんて」
 急激に快感が高まり、私は身体を捩りながら震える手で文字を打ち込む。
「もう、いく、いくぅ! 」
 私は、身体を震わせながら絶頂に達した。

〜 報告5 終わり 〜


「まあ、こんなもんやな」
 ななこは居並ぶ生徒達に向かって、ふくよかな胸を張った。
 岩崎みなみは、教師の胸を見つめながら、ひたすら「吸収、吸収」と呟いている。
「黒井センセ、私も浮かばれていない気がするんですが」
「泉、細かいことは気にしたらあかんで」
 黒井ななこは、ぱたぱたと手を振って舞台を下りていった。
 
「黒井先生。お話を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
それでは、そろそろ時間となりました。第3回『小早川ゆたか対策委員会』をこれにて
終了させていただきます。本日は散会いたします」
31623-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/03/01(土) 08:20:59 ID:uE479vbP
読んでいただいた方、えっとごめんなさい。
出来心です。はい。
たぶん、ゆたか×ななこのエロSSは初かと思います。
(もしかしたら、誰か先駆者?がおられるかもしれませんが)

それでは。
317名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 09:33:08 ID:HIACxnOP
だから対策考えろよwwwwwww
GJっした!
318名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 09:37:27 ID:e16XRCrt
柊みき17歳にティルナノーグに鏡面界ときて、ゆーちゃんで駄目押しされました。
まとめてで恐縮ですが、皆さまぐっじょぶ!
319名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 11:25:18 ID:tceR6bC5
キタコレ!
>>316GJ

>>317
まあまあ、
「委員会と言うのは、一人分の仕事をしている12人のことである」とかいうジョークもありますし

大抵の特撮物よろしく
対策本部は、ヒーローが現れるまでの進行役で何もしないのが定石なのかな……

しかし、登場キャラはよくもこれだけ恥ずかしい経験を話す気になれる
…もしかしたら、みゆきさんが宝研究所の特別なお薬が出される飲み物に混入してるとか?
320名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 11:28:04 ID:4ap3XMch
>>316
ついに黒井先生がwwwwwこれは新しい(気がする)GJ!
次あたりゆい姉さんの出番か?
32116-187 ◆Del8eQRZLk :2008/03/01(土) 12:55:49 ID:bGqOBd+C
ごきげんよう、投下させていただきます。
『4seasons』の続きです。

■かがみ→こなた
■捏造設定が沢山あります
■オリキャラでひしめき合っています
■エロなしです

6レスになります。
322秋/静かの海(第四話)1/6:2008/03/01(土) 12:56:27 ID:bGqOBd+C
§6

「親父、まだ漁に出てるんだって。身体は大丈夫なのか?」
「ああ。なに、海じゃ七十くらいじゃまだまだ現役だ。お前みたいな町のもんと一緒にするな」
 くにおさんは、そうじろうさんの問いかけを鼻で笑って、ぐいっとお酒をあおった。
「危ないから止めてって、云ってはいるんだけどね」
 なつこさんが、お酌をしながら苦笑する。
「はっ! 嫁にそんな心配されるほど俺はもうろくしてないぞ。大体うちの息子どもは揃って
銀行員だとか小説家だとか軟派な職業に就きおってからに。だから船を譲って引退することも
できんのじゃないか!」
 タン、と少し強めに湯飲みをテーブルにおいて、そうじろうさんとそうたろうさん、息子二人を
にらみつけた。
 くにおさんは、人の良さそうな見た目に反して、意外なほど男気溢れる人だった。地方の
旧家には、きっとこういう昔ながらの家父長めいた人が今も沢山いるのかもしれない。
 場の雰囲気は全体的に和やかな様子だったから、これも一種の愛情表現で、殊更に激昂
しているわけではないのだろう。
 私たちがいるのは、畳敷きの二間続きの部屋だった。
 普段はふすまを閉めて別の部屋として使っているのだろうけれど、今は開け放されて、
そこに大きなテーブルが置かれている。
 お刺身やたたき、酒蒸ししたあわびの肝醤油和えや、細かく切って三つ葉や椎茸と一緒に
詰め直したさざえの壺焼きなど、海の幸が豊富な食卓だった。
 大人達はさっそくお酒を酌み交わしていて、私はそうじろうさんの隣で借りてきた猫みたいに
ちょこんと座り、話について行こうと必死だった。
 ――そして肝心のこなたはというと。
 軽く食べ終わったあと、板張りの廊下で白熱電球のオレンジ色の灯りを浴びながら、私を
放ってすぐる君とひたすらモンスターハンターにいそしんでいるのだった。
 こんなところまで連れてきた張本人のくせに、私を完全に放置。
 こなたがそういう奴だというのはわかっていたけれど。わかっていて惚れた私が悪いの
だけれど、でもちょっとだけ泣きそうだった。
「まあ、兄貴はともかく、俺は反論のしようもないからな。小説家なんて、やくざな商売だよ」
「何を云うかなこいつは。この町で、僕のことは知らなくとも、お前のことを知っている人は
多いよ。三島賞作家様」
 微笑むそうたろうさんの言葉に、苦虫をかみつぶしたような表情をするそうじろうさんだった。
「うへぇ、やめてくれよ兄貴、あれはそんな賞じゃないぞ。だいたい作家っていうだけで
皆何か期待するけど、俺はただぐちゃぐちゃ絵空事を書いてるだけだからな。昔の、知識人と
一体になった文豪のイメージで見られると、いたたまれないよ俺」
「大丈夫だよ、お父さん! お父さんのこと知ってる私の友達は、みんな小説家にそんな
まともなイメージもってないから〜」
「そうよね、確かにそうじろうさんを見てると、やくざな商売っていうのもわかる気がするわ、
って何を云わせるんだ何を!」
 思わず突っ込んでから、しまったと思った。
 やっとこなたが話に入ってくれて、それが明らかに私に振った言葉だったから、つい
いつも通りに突っ込んでしまったのだけれど。
 場の空気を無視するにもほどがある。
 こなたの親族に少しでもいい印象を与えたいという私の努力は、ことごとく空回りして
いくのだった。
 幸い、場は爆笑に包まれたのだけれど。それはそれで忸怩たるものがあるのだった。
 顔が熱くなっていくのを感じながらこなたの方を眺めると、いつもの猫口になって
ニヤニヤしていた。それが憎たらしくて、小さく拳を握ってこづく振りをすると、ぺろりと
舌を出した。
323秋/静かの海(第四話)2/6:2008/03/01(土) 12:56:58 ID:bGqOBd+C
「お姉ちゃん、クエスト出発するよー」
「あ、ごめんごめん」
 すぐる君の言葉に、慌ててPSPに視線を落とすこなただった。
 ちらり、と。
 すぐる君が私を上目遣いでみる。
 視線が合ったら慌てて目をそらしたけれど、なんだか余り良い感情をもたれていない
ように感じた。
 なんだろう。特に何か会話を交わしたわけでもないのに。最初は照れているのかなと
思ったけれど、どうもそういう様子でもなく、なんだかよくわからなかった。あの年頃の
男の子のことなんて何も知らないから、なんとも判断のしようがないのだ。
 それにくらべたら、ゆみちゃんは凄くわかりやすい。
 最初はこなたたちと一緒にモンスターハンターをやっていたのだけれど、「おまえすぐ
死ぬんだもん」というすぐる君の身も蓋もない発言によって追い出されてしまい、いまは
そうたろうさんにべたべたとひっついている。
 その甘え方とへその曲げ方は、幼い頃のつかさのようだった。
 ふと、見つめている私と目があって、ゆみちゃんはちょっとだけ照れくさそうな顔をした。
そこで私は隔意をもたれないように、とっておきの笑顔を浮かべて話しかける。
「ね、そのリボン、凄く可愛いね。お母さんに結んでもらったの?」
「……あ。えと、これは自分で……」
 少し頬を染めてもじもじと頭をなでつけるゆみちゃんだった。
「わあ、凄いじゃない。私なんて、ゆみちゃんくらいの時は毎日お母さんに結んでもらってたよ?」
「え、えへへ……。でも本当は三つ編みが好きなの。それは自分一人じゃできないから、
お母さんにやってもらうんだけど」
「あ、それじゃ私編んであげようか?」
「え、ほんとー? わーい」
 ゆみちゃんは、とてとてと歩いてきて私の前にちょこんと座った。
 どことなくこなたの髪質に似ていると思った。癖はなくてさらさらとしているけれど、
触ってみると強さも併せ持っている。そんな、こなたみたいな髪質だった。
 ゆみちゃんが楽しそうに身体を揺すっているから、私もそれがなんだか嬉しくって、
一緒にうきうきしながら髪の毛を編み込んでいった。
 そんな私たちを、なつこさんはにこにこしながら見つめていて、目が合うとウィンクして
笑いかけてくれる。
 少しだけ名誉挽回できたかなと思う。
 将を射んと欲すればまず馬を射よ、なんて。昔の人は良い諺を作ったと思う。
 馬も将も手に入って、一石二鳥で幸せなのだった。
 こなたの方をみると、なんだか今にもとろけそうな顔でこちらを眺めていた。
 いいからあんたはゲームにでも集中してろよ。
 そんな思いを込めてぷいと視線を逸らす。
 そのときPSPからなにやら陰惨な音楽が流れてきた。それと同時にこなたの「あー!
ちんだー!」という叫び声と、すぐる君の「何やってんの姉ちゃん。そんな攻撃当たるなよぉ」
という呆れ声。
 いい気味だ。心の中でニシシと笑った。
324秋/静かの海(第四話)3/6:2008/03/01(土) 12:57:32 ID:bGqOBd+C
 大人たちの会話を聞くともなしに聞いていた。
 そうじろうさんのお父さん、くにおさんは漁師をしていて、お兄さんのそうたろうさんは銀行に
勤めているらしい。すぐる君は十一歳の五年生で、ゆみちゃんは八歳の二年生。くにおさんの
奥さんだったしずえさんが亡くなってから、なつこさんが専業主婦としてこの家をきりもりして
いるようだった。
 時々、網元のお嬢さんという単語が、くにおさんの口から飛び出すことがある。誰のこと
だろうと思っていたけれど、問いかけるようにそうじろうさんに顔を向けたら「かなたのことだよ」
と教えてくれた。
 そうか、幼なじみなんだっけ。そんな基本的な情報を思い出す。
 それにしても網元のお嬢さんとはまたなんと古式ゆかしい単語なのだろう。昔の庄屋と
小作農のような制度が、まだ地方の町では息づいているのだろうか。気にはなったけれど、
それは少し聞きづらかった。みゆきに聞けばきっとすぐさま答えてくれたのだろうけれど、
生憎ここには私一人しかいない。学校ではいつも一緒のみゆきもつかさも、あやのやみさおも
いないのだ。
 こなたも、すぐる君に連れられてどこか別の部屋に行ってしまった。
「WiiやろうよWii!」
 そう云ってせがむすぐる君をこなたは断ることができず、引っ張られるままについていった。
 わかっている、こなたはそういう奴なのだ。
 ――自分を頼ってきてくれる人を、好意を寄せてくれる人を、近寄ってきてくれる人を、
邪険に扱うことができない。
 自分のことにはどこまでもずぼらなのに、こと他人に対しては途端に細やかな配慮を
してしまう、そんな奴だ。自分を慕ってくれる従兄弟の頼みを無碍に断ることができるような
子じゃない。
 わかっていた。わかっていて惚れた私が悪いのだけれど、それは少しだけ寂しかった。
 でも、去り際に私に心からすまなそうな顔をしてみせてくれただけで、惚れた弱みか、
そんなことでもすぐに許してしまえるのだ。
「それにしても、すぐる君、すっごくこなたになついてますよね」
 ふと会話がとぎれたところで、気に掛かっていた話題を振ってみた。
「ああ、最近はこなたが来る度にべったりだ。なんだか俺にはわからん外国語でぺちゃくちゃ
話してるが、最近の若者のするこたあ、とんとわからんな」
 くにおさんは首を傾げている。
「お父さんは僕やそうじろうがパソコン弄っていたときから同じこと云ってたじゃないか」
 そう云ってそうたろうさんがカラカラと笑う。
「でも、かがみちゃんだって、随分ゆみちゃんになつかれてるだろう?」
 そうじろうさんの言葉に、私の膝の上に乗っていたゆみちゃんが、少し恥ずかしそうにする。
「え、えへへ……。なんかかがみお姉ちゃんって、本当のお姉ちゃんみたいな気がするんだもん…」
「ふふ、よかったねゆみ、お姉ちゃんができて」
 鼻の頭をちょこんと小突いて、なつこさんが云う。
「でもこの子結構人見知りするのよ。初対面の人にこんなになつくの、珍しいんだから」
「……あ、あー。その、私にも妹がいまして。ゆみちゃんって、その子のちっちゃいころに
そっくりなんです」
「え。お姉ちゃん、妹いるんだー。いいなー。私もかがみお姉ちゃんの妹になりたい!」
「まあ、それもいいわね。でもゆみ、それって私の娘じゃなくなるってことよ?」
「……え。そ、それも困るぅー!」
 あたふたと手を振るゆみちゃんをみて、私となつこさんは笑った。
325秋/静かの海(第四話)4/6:2008/03/01(土) 12:58:01 ID:bGqOBd+C
 そのなつこさんもくにおさんの所にいってしまって、私とゆみちゃんで取り残された感じになった。
 大人達はなんだかいつのまにか真面目な話に突入しているようで、息を潜めて真剣な口調で
喋っていた。
「ねぇ、東京って、いいところ?」
 腕のなか、私の顔を見上げてゆみちゃんが云う。
「うーん、どうかなぁ。賑やかで色々なものがあるわね」
「たんぼも畑も山もなくって、明るくて綺麗なところなんだよね?」
「そうねぇ。でもうるさくて人が沢山いて、危ないこともあるわよ。行ってみたいの?」
「うん。東京行きたい。ここ嫌い」
 ゆみちゃんは、前を向いてきっぱりと云う。
「……そっか」
 ここにも良いところは沢山あると思うけれど。潮の香りや穏やかな空気や、暖かい人たちや。
 でもそんなものは多分、首都圏に住んでいる私たちのおごりなのかもしれないとも思う。
文明社会にいつでも戻れることを前提として、素朴な原始的社会を懐かしむような、そんな傲慢さ。
 私は何も云えなくなってしまって、ゆみちゃんを抱きかかえて頭にこつんとあごを乗せた。
ふと視線を上にあげると、鴨居の欄干に飾ってある何葉かの写真が目についた。古色を帯びた
白黒写真で、それぞれちゃんと額に入れられている。写っているのは私が今までみたことがない
人たちばかりだった。
「ね、ゆみちゃん、あの人たちって誰かな?」
「あ、あれはね。えっと、一番左のがお祖母ちゃん。私は会ったことないんだけど……」
 和装でにこやかに微笑む老婦人は、あまりこなたには似ていなかった。きっとあの子は
母方の血筋を強くひいているのだろう。こなたの部屋でみたかなたさんの写真は、本人と
間違えるほどよく似ていたから。
「その右は?」
「あれはね、お祖父ちゃんのお父さんとお母さん。戦争に行く前に撮ったんだって。でも
お父さんは帰ってこなかったってお祖父ちゃんは云ってた」
 軍服姿できりりと正面を見つめる男の人は、そうじろうさんによく似ていた。隣で貞淑そうに
微笑むモンペ姿の女性のその後の生涯は、どういうものだったのだろう。
「その右はね……うーんと、うーんと、わかんない」
 古ぼけた銀塩写真は写像の輪郭もあやふやで、少しセピアがかった色味をしている。どこともしれぬ
鉄道の駅の前でフロックコート姿の紳士が佇んでいた。
 誰だかわからない。でもきっとこなたに繋がる誰か。
 そんな一連の写真をみて、今ここにこなたがいることの不思議さについて考えた。
 こなたのお父さんにお母さん、そのお父さんにお母さん、そのまたお父さんにお母さん。
そしてそのもっと先の祖先。名も知らぬ誰か。
 連綿と続いてきたその歴史の中で、誰か一人でも欠けたらこなたが産まれることはなかった。
明治を、大正を、そして戦争の中を、懸命に生きてきた誰かのおかげで、私はこなたと
出会うことができたのだ。
 それがなんだか奇跡みたいに思えて、馬鹿みたいに私は涙ぐんでしまった。
「……お姉ちゃん?」
 きょとんとした顔で私を見上げるゆみちゃんに返事をしようとしたとき、テーブルを強く叩く
ドンという音が聞こえてきた。
 はっとしてそちらをむくと、激昂したように見えるくにおさんが、そうじろうさんを睨みつけていた。
 どういう話をしていたのだろう。
 それはわからなかったけれど、その後くにおさんが云った言葉は忘れがたいものだった。
「俺は、お前が網元のお嬢さん――かたなさんにしたことを忘れたことはないぞ。お前は
あの子が出産に耐えられないかもしれないと知っていたはずだ!」
 一瞬にして場が凍りつく。私の背筋も氷柱を突っ込まれたようにぞわりとした。
 凍った海のような静寂。
 そんな中、そうじろうさんは淡々と云った。
「ああ。俺も親父に忘れて欲しくはないよ。死ぬまで忘れずに俺に云い続けてくれ」
 そうじろうさんは。
 まるで今し方極寒の日本海から引き上げられた人のように。
 青ざめて凍りついた、死人の表情をしていた。

326秋/静かの海(第四話)5/6:2008/03/01(土) 12:58:34 ID:bGqOBd+C
§7

「またいつでも来てね、かがみちゃん。云っておくけど、社交辞令じゃないからね」
 そう云ってなつこさんは微笑んだ。それが本当に本心から云っているように感じられて、
嬉しかった。
「はい。いつかまた来ます」
「絶対だからね! 待ってるからね!」
 涙ぐんでいるゆみちゃんは、さっきまで私にひっついて離れなかった。そんなに私を好きに
なってくれたことは凄く嬉しかったし、私もゆみちゃんとは離れがたく感じていた。こなたからは
「いやー、ほんとかがみは生まれついてのお姉ちゃんだねぇ」なんて冷やかされたけれど、
それを満更でもなく感じていた。
 本当に、また来たいと思った。
 またここに来ることができたとして、そのときには私は何になっているのだろう。こなたにとって、
私は誰になっているのだろう。今の親友という関係を維持できているだろうか。それとももっと別の
何かになっているのだろうか。
 それはまるでわからない。
 未来のことは相変わらず茫漠とした海原のように曖昧で、私はそこにどんなビジョンも持つことが
出来ていなかった。
 ゆみちゃんとなつこさんに手をふって、そうたろうさんの後についてガレージに向かう。
お酒を飲んでいなかったそうたろうさんは、ホテルに戻るときも送ってくれるようだった。
 くにおさんは見送りにこなかった。最後に見たくにおさんの姿は、他に誰もいない座敷で
一人お酒をあおる光景だった。
 それはやはり、少し寂しい。
 その光景は寂しいし、そんな姿がくにおさんの最後の姿だというのは、とても寂しい。
「あれ、そういえばすぐる君もいないわね。見送りにこないのかしら?」
 ふと気になってこなたに訊ねる。
「あー。うん、そだねー……」
 棒読みで云ったこなたは視線を逸らして頬を掻いている。
 その反応は見覚えがある。なんだか酷く見覚えがある。
 宿題を忘れてきたときとか、部屋に見覚えのないオタクグッズが大量に増えていることを
突っ込まれたときとか、貸したラノベの感想を聞いてみたときとか、そんなときに見せる反応だ。
 私になにか後ろ暗いところがある時の顔だ。
「……おい。あんたまさか、なんかしでかしたんじゃないだろうな」
「いやいや、私がしでかしたわけじゃないのだよ。どっちかっていうと――おっと」
 言葉をとぎれさせたこなたの視線の先に、すぐる君がいた。裏口から出てきたのだろうか、
ガレージ脇の杉の木にもたれかかって、こちらを見ている。
 なんだか親の敵に向けるような、険しい顔をしている。
 その視線は一直線に私に向かっているから、きっとその親の敵とは私のことなのだろう。
してみると私はなつこさんかそうたろうさんに何かをしたのだろうか、なんて支離滅裂なことを
考えていた。そんな私の方にすぐる君はずんずんと歩いてきて、凄むようにぐいと睨みつけると、
大声でこう云った。
「お姉ちゃんは渡さないからな!!」
「――は?」
 その発言の意味がわからなくて、しばし呆然とする。すぐる君は私から視線を外してこなたの
方を向いたかと思うと、一瞬照れたような表情を浮かべて、脱兎のごとく走り去っていった。
「……なによあれ」
「さ、さあ?」
 ゆっくりとこなたの方を向いて睨みつけた。
「い・い・な・さ・い!」
「うおっ、かがみ顔近いって。……べ、別に私のせいじゃないんだってば。ただなんかね」
「なによ?」
「……結婚を申し込まれました……」
 ――なるほど。
 どこまで本気かはわからないけれど、すぐる君がやたらとこなたに執着するのは、そういう理由か。
「ほう。それはよかったじゃない、モテモテでうらやましいな!……それで、なんて答えたのよ。
想像はつくけど」
「いや、ね。私にはもう嫁がいるから、結婚はできないよって」
「……はぁ。それでその嫁が私なわけね」
327秋/静かの海(第四話)6/6:2008/03/01(土) 12:59:10 ID:bGqOBd+C
「そうそう。だから実家に連れてきたんだっていう設定にしたら、つじつま合うじゃん?」
「合ってねぇよ! なんで嫁なのよ! おかしいだろそれ!」
 ――その設定通りだったら、どんなにかいいだろう。
 色々といいわけをするこなたに突っ込みながら、私の心の中はどこまでも冷たく荒れ狂っていた。
 それはまるで極寒の海の逆巻く波濤にも似ていて、思わずその中に飛び込んで死んでしまいたくなる。

 従兄弟であるすぐる君は、こなたと結婚することもできる。

 でも、私はそうじゃない。どれだけ好きでも、どれだけ求めたとしても、たとえ億万が
一両思いになっていたとしても。

 私がこなたと結ばれることは永劫にあり得ない。

 日本では全ての同性カップルが、今も後ろ指を指されながら生きている。笑われて、陰口を
叩かれて、変態だと罵られて、そんな関係は本物じゃないと云われて、男女関係の紛い物
なのだと決めつけられて。こなたが見ているネット界隈でも、ゲイを平然と笑いものにする
ネタがまかり通っている。それが哀しかった。こなたがそれを当たり前に受け止めていることが
なにより哀しかった。

 帰りの車中で私は、まるでここが海の底なのかと思うほどの息苦しさを覚えていた。
 でも、それでも構わないと思った。
 ここにこなたがいるから。
 父と子の長い物語の果てに、今こなたがここにいるのだから。
 それだけで、私は構わないと思った。
 たとえ冷たい海の底に沈んで二度と浮かび上がれなくなったとしても。
 けれどきっと、私が海の底に沈んでしまったら、こなたは我が身も厭わずに飛び込んできて
しまうだろう。うぬぼれでもなんでもなく、こいつはそういう奴なのだ。
 だから私は、足を絡めようとまとわりつく藻を振り切って、懸命に泳ぎ続けなければいけない。
 たとえ海の水が、身を切るほど冷たかったとしても。
 たとえ見渡す限り何もない海で、星すら探せなくなったとしても。
 沈まないためには泳ぎ続けなければいけないのだ。

 いつのまにか、あれほど耳について離れなかった潮騒の音は、まるで気にならなくなっていた。
 泉家に向かうまで、この町は私にとって異郷だった。でも今はもう違う。こなたのことをもっと
知って、泉家の過去と現在に触れて、私はどうしようもなくこの町の中に組み込まれてしまった。
 海に潜り込んでしまえば、もう波音など聞こえない。
 自分の家に漂う匂いに、自分で気づけないように。常に聞こえてくる潮騒の音を聞き取る
ことは難しい。
 今にも日本海に滑り落ちて消えてしまいそうなこの町は、そしてこの海は、私にとっても
故郷のような存在になってしまっていた。
 初夏の頃。まだなんの覚悟もできてなくて、ただ恋情に翻弄されるだけだったあの頃。
私はどうしてこんなにこなたと関わってしまったのかと後悔していたけれど。
 あれから半年が過ぎて、気がつけばその絆はもはや簡単に断ち切ることは不可能なほど
強くなってしまっていた。
 恋心を隠しきったままで。
 私は深く深くこなたと結びついてしまっていた。
 ――私が、そう望んだのだ。

 ふと、助手席に座るそうじろうさんの横顔を見て思う。
 その眼差しの向こう、静謐にたゆたう静かな海を見て思う。
 この人も、一度この海に沈んでいるはずだ。かなたさんを亡くして、しかもそれを周りから
責められて。
 もしこなたが私を残して死んでしまったとしたら。それを想像しただけで、心臓をわしづかみに
されたような恐怖を覚えるというのに。
 一体この人は、どうやってそこから浮かび上がってくることができたのか。
 それが、無性に訊きたくなっていた。

(つづく)
32816-187 ◆Del8eQRZLk :2008/03/01(土) 12:59:59 ID:bGqOBd+C
以上です。ありがとうございました。

なんというか、中途半端にオリキャラを出してはいけないな、
と思いました。本編のキャラクタは性格説明が必要ないのですが、
オリキャラには必要なので、書き方が全然違ってしまうのだな、と。

でもごめんなさい、書いてて楽しかったです。

これでオリキャラ登場もひとまず終わりです。っていうかいつに
なったらお墓参りにいけるのだろう……。
まさかこんなに長くなるとは思わず、終わりの遠さに眩暈を感じています。

それではごきげんよう。
329名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 13:28:14 ID:cOJNlg3I
>>328
GJ
相変わらず、心情の描写が巧いですね
続きを楽しみに待ってます
330名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 13:45:38 ID:QFr2UO3o
>>328
相変わらずGJです!
オリキャラは確かに使い勝手が難しいですよね
でもそんなのも気にせず読めるから不思議!続きに期待です
331名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 14:49:20 ID:ZFQyyBx5
>>328
GJ!
もしかしてそうじろうのオヤジさんは、こなたを産むことに反対だったのだろうか…
そういうわけじゃないとは思うけど…
こなたがかがみを連れてきたのは、すぐる君のことを断るためなのかな。

…いつかちゃんと気持ちを伝えられたらなぁ…かがみ…
332名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 16:17:13 ID:uhCuH6EE
>>328
GJ
このオリキャラは物語上必要な人たちであって、上手いなあと思います。
それにしてもすぐる君、今は憧れのこなたお姉ちゃんだが、
その所有エロゲーを発見してしまったときの衝撃といったらないんだろうなw
333名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 17:00:23 ID:cOJNlg3I
誰も予定してなければ、五分後くらいから投下したいと思います
よろしいでしょうか
33428-538:2008/03/01(土) 17:05:47 ID:cOJNlg3I
今日浮かんだネタを勢いで書いちゃいました

タイトルは「人形遊び」
また、2レス…orz
ふゆき×ゆたか
ゆたか視点
エロあり

では、投下します
335人形遊び(1/2):2008/03/01(土) 17:07:57 ID:cOJNlg3I
「先生、小早川さんが具合悪いみたいなので、保健室に連れて行きます」
 三限目の授業が始まってすぐに、私の異常に気付いたみなみちゃんが、先生に声を掛けてくれた。
 いつものことなので、先生も「分かった」と一言言っただけで、授業に戻る。
 そして、みなみちゃんに肩を抱かれ保健室へと向かった。
 時折ふらつく私を支えながら、不安そうな顔をしているみなみちゃん。
 本当のことを知ったら、なんて思うだろう?


 みなみちゃんが保健室の扉を開け、天原先生に声を掛ける。
「天原先生、ゆたかが気分が悪くなって……」
「小早川さんね。それじゃあ、こちらのベッドにしばらく寝ておきましょうか」
 私は小さな声で「はい」と返事をして、指示されたベッドに潜りこむ。
 保健室の一番奥にあるベッドで、最近では私の指定席になっている。
 心配そうに私の顔を見ている、みなみちゃんに声を掛ける。
「ごめんね、みなみちゃん……」
「気にしないで、ゆたか」
 みなみちゃんは、私の謝罪の言葉をどう捉えているのかな。
 私が思っていることと、みなみちゃんが思っていることは、きっと違う。
「さ、岩崎さんは授業に戻って。後は、私が看ておきますから」
 天原先生に言われて、私を気にしつつ保健室を出て行くみなみちゃんに、心の中でもう一度謝った。
 天原先生が、入口の所までみなみちゃんを見送り、扉を閉める。
 そして、扉の鍵をかける音が響いた。

 戻ってきた天原先生は、ベッドに腰掛けると、私の頬に手を添える。
「ゆたかちゃん、頑張ったわね」
 そういって顔を近付けてくると、触れるだけのキスをされる。
 そして、掛け布団を取り去り、私の制服に手を掛ける。
 スカートも脱がされ、すぐに下着だけの格好にさせられた。
 そして、膝に手を添えられ、少しだけ足を開かされる。
「すごく濡れてますよ。こんな状態で授業を受けてたんですね」
 楽しそうに声を弾ませる天原先生は、普段と違い無邪気な子供みたいに見える。
 左手で秘所を触られ、右手で太ももに固定してあったローターのリモコンを取り外される。
 もちろん、ローターは私のなかに入っている。
 私は家を出るときから、ローターを入れ僅かな振動をなかで感じていた。
 そして、先ほど我慢できなくなったとき、みなみちゃんに気付かれた。
 ただ、みなみちゃんは俯いていた私を見て、本当に具合が悪くなったと思ったみたいだった。
336人形遊び(2/2):2008/03/01(土) 17:09:54 ID:cOJNlg3I
 先生が私のブラを外し、胸を愛撫してくる。
 不意に私のなかの振動が強くなり、腰が跳ねるように反応する。
 ローターのリモコンを、先生が操作したのだ。
 そして、先生は右手で自分のスカートをまくり、自らの秘所に指を這わせる。
 部屋に響く、ローターの駆動音と先生の水音。
 私は、ローターの刺激と胸への愛撫で絶頂を迎える。
 私の体の反応と秘所から溢れ出す愛液を見て、満足そうに笑顔を浮かべる先生。
 それから先生は、私の中からローターを取り出すと、自らの陰核に持っていき快感を求めている。
 水音がいっそう大きくなると、先生も絶頂に達し、私の上に倒れこんできた。


 生来の体の弱さのせいで、保健室で休ませてもらうことが多かった。
 何度目かの時、天原先生に体を触れられていることに気が付いた。
 最初のうちは恥ずかしく、怖かった。
 でも、何回も繰り返されていると、気持ちよさが芽生えてきた。
 あるとき、私の体を触っている先生が声を掛けてきた。
「起きてるんでしょう」
 私は恥ずかしくて、どうしたら良いか分からなかった。
 先生は混乱している私に、いくつかの質問をしてきた。
 そのなかで、私は自分の気持ちに気付いた。
 先生に触られるのが好きなことに。
 恥ずかしさのなかに、快感が得られることに。

 私は先生の人形。
 私は声を出さない。
 自分から何もしない。
 それが先生との約束。
 それでも構わないと思っている。
 快楽が得られるのなら。
33728-538:2008/03/01(土) 17:12:38 ID:cOJNlg3I
以上です

えと、今回は言い訳をちょっとばかし
ゆたか視点なのに、途中からゆたかっぽくないのは
ゆたかは人形として、感情を出さないようにしている
と、見ていただきたいです
338名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 17:39:21 ID:ORh/7Bgj
>>328
毎度楽しみにさせていただいている身として、
文章の旨さ、背景設定の絶妙さ、ディテールの細やかさ等は
とりあえず語らず、今回コレだけは言わせてくれ。

かなたについて激昂した親父に対して言ったそうじろうの台詞が、
深く、重く、そして不謹慎ながら格好いいと感じてしまった。

さあ、不安定に心揺れ動くかがみの明日はどっちだ?
33928-538:2008/03/01(土) 17:47:06 ID:cOJNlg3I
忘れてた
335-336 は、保管しないようお願いします
340名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 19:00:25 ID:TAIcXylR
>>337
GJ
面白いシチュエーションだと思いました
341名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 19:23:33 ID:R9eBAUni
>>328
GJ !
細かい描写を読んでいて、父の田舎の旧家を思い出しました
比喩が相変わらず上手い

続きも超期待してます

>>337
面白いカップリングですなw
342名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 21:29:01 ID:GXZAixmP
>>337
これを ほかんしないなんて もったいない!
それはともかく変わったカプ+シチュですね。とりあえずGJ!
343名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 21:51:52 ID:e16XRCrt
>>328
うーむ。深いなあ……。
言葉が出ません。敗北感すら感じています。GJ。
344名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 22:47:08 ID:86fr5eKS
最近カケラの人見てないな
別に間が空きすぎと言うわけではないが、このスレに慣れると不安に思う
待ってますよー
345名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 22:51:57 ID:KT7ZyqoN
こなた×かがみ投下します。
346ぬくぬくにしてやんよ(1/3):2008/03/01(土) 22:52:39 ID:KT7ZyqoN
「人肌恋しい季節だねぇ……」
 かがみの部屋で、遊びに来ていたこなたが、不意にそんなことを呟いた。
「……寒いと言いたいのか?」
「いやいや。私は人肌恋しいと言っているのだよ」
「分かったから。エアコンつけるから。……手をワキワキさせて近寄るなぁ!」
 聞く耳持たずにじり寄るこなた。腰を浮かせて牽制するかがみ。
「地球温暖化を阻止するためにも、ここはエアコンや石油ヒーターより、もっとクリーンかつ経済的な手段で暖を取るべきだよ」
「言ってることは立派だけど、やろうとしていることに賛同できん!」
「そういうわけで是非ともかがみと押しくらまんじゅうを希望する次第で……」
「押しくらまんじゅうって……子供じゃないんだから」
「童心に帰るのも大切だよ。かがみは人肌恋しいと思わない?」
「あんたは人肌というか、小動物みたいに体温高くて暑苦しいんだっつの」
「確かにサイズが小さいと体温は高めかもね。ゆーちゃんも体あったかいし」
「分かったら、大人しくエアコンで我慢しなさい」
 エアコンのスイッチを入れようと、かがみが立ち上がりかけた瞬間、
「すき焼きっ!」
「それを言うなら隙あり――うわしまった!」
 一瞬の油断。こなたはすかさずかがみの背後へ回り込み、背中から引っ付いた。
「んふふ〜♪ かがみんあったか〜い」
 嬉しそうにかがみの肩へ頬ずりするこなた。
「ああもう、暑っ苦しい……」
 お子様体温なこなたに引っ付かれながら、かがみはげんなりと肩を落とす。
「あー、生き返る……」
「適当に温もったら離れなさいよ」
「いやもうこのまま離れたくないよ。かがみと同化して新しい生命体になるよ」
「ふざけんなこのエイリアンが。もう離れろ暑苦しい」
「んぎー、横暴だー」
 押し離そうとするかがみと、離れまいと踏ん張るこなた。
「こうなったら……うりゃ」
「ひぁっ……!?」
 不意にこなたは手をかがみの胸に移し、二つの膨らみを鷲づかみする。
「な、何すんのよ!?」
「エロいことだ!」
「なっ……!?」
「エロいことだ!」
「二回言うな! ……って、何かこのやり取り前にもした気がするぞ!」
「使い勝手が良いネタだからねー。あとあの4コマ漫画かなり好きなんで」
「何の話だ!?」
「まあ細かいことは気にせずに」
 こなたは遠慮会釈なくかがみの体をまさぐり、服の下まで手を入れてくる。
「ちょっ、やめ……やめなさいよ、もうっ」
「だが断る。この泉こなたが最も好きなことのひとつは、口ではやめろと言いつつ本気で拒もうとしないかがみにやらしいことをしまくることだ」
「変態かおのれは!」
「変態に失礼な。私のこれはいわゆる一つの発情期だよ」
「あんた前もそんなこと言ってただろ! 年に何回発情期があるんだよ!」
「かがみに会った数だけに決まってるでしょうが!!」
「純粋にキモイ!!」
 アホな会話をしている間にも、こなたは忙しなく手を動かし、かがみの衣服を剥いでいく。
「ちょっと、やめてってば……脱いだら、その、寒いし……」
「すぐあったかくなるから」
「そういう問題じゃ――っ!?」
 そろそろうるさいと思ったか、かがみの口をこなたの唇が塞いでいた。
「んっ……っ」
 抵抗しようとしたかがみだが、たちまち四肢から力が抜け、顔を真っ赤にして目を閉じる。
 こなたは最初、軽く触れるように、しかしすぐ舌まで潜り込ませる。暖かい口の中、かがみの縮こまった舌を、こなたの舌先が捕らえ、解きほぐすように絡ませ合う。
「ん……んっ、ちゅ……」
 こなたは何度もかがみに口付け、じらすようにやわやわと淡く舌を絡ませる。決して強く求めようとせず、また奪おうともしない。
 じれったく思うのはかがみの方だ。意識はだんだんと、こなたの愛撫を求める方に傾きはじめている。
 とうとうかがみから舌を絡ませてきた。肌寒い気温の中、触れあう口と舌は火がついたように熱い。
347ぬくぬくにしてやんよ(2/3):2008/03/01(土) 22:53:14 ID:KT7ZyqoN
「ぷはぁ……」
 こなたが唇を離した。興奮のせいか、肌が火照ってきている。
「ふふ……かがみも良い具合に暖機できたみたいだね」
「ぁ……はぁ……はぁ」
 たっぷり時間をかけてキスされたかがみは、こなたの何倍も赤くなっていた。呼吸を弾ませ、肌全体を桜色に上気させている。
 引っかかる程度に残っていた下着をかがみから取り払うと、こなたは自分も素早く着衣を脱いで素裸になった。
 抵抗の意志を失ったかのようなかがみを見つめ、こなたはにんまりと微笑む。
「火遊び、始めようか」
 ベッドの上に、押し倒した。
 年相応なかがみ、幼さを残すこなた。二つの肢体がぴたりと重ねられる。
 こなたの体はかがみに比べて固さが残るが、野生獣を思わせるしなやかさに満ちていた。直に肌を合わせているだけで、ため息が出るほど心地よい。かがみは無意識に腕を回し、こなたの体を抱きしめていた。
 こなたはかがみと頬を合わせると、耳元に息を吹きかけた。かがみはその感触に体を震わせる。間を置かず、こなたは耳たぶに優しく歯を立てた。
「ぁ……」
「ん……かがみのお耳、美味しいよ」
「ば、馬鹿なこと、言ってない、で……」
「早くもっとしてほしい?」
「――っ!」
 かがみは赤くなった顔をますます紅潮させた。
「はしたないねぇ、かがみは。これじゃどっちが発情期か分からないよ」
「そ、そんなこと――」
「リクエストがあるなら言ってごらん? かがみのしてほしいことをしてあげるから。もっとキスしてほしい? それともおっぱいを弄って欲しい? かがみが私にしてくれてもいいんだよ」
「……」
 唇が触れ合いそうなほど近くから、こなたが誘いの言葉をかける。かがみは目をそらし、口をつぐんだ。
「リクエスト無し……ってことは私の好き放題やってもいいってことだね? 答えは聞いてない」
「だ、誰がそんな……!」
 何か言おうとしたかがみの口を、問答無用とこなたの唇が塞いだ。軽く口付けただけですぐに離した。
「覚悟しなよ。のぼせるまで熱くしてあげるから」
 熱い吐息と共に、こなたは囁いた。そのまま吸血鬼よろしく首筋に口を押し当て、吸い付く。
「ん〜……」 
「あっ、んっ……こ、こなた……そんなにしたら、跡が……」
「別にいいじゃん。私との思い出の跡が、かがみの体にはっきり残るんだよ」
「……っ」
「簡単に消えたりしないよう、たっぷり馴染ませておかないとね」
 悪戯っぽくそう言うと、こなたは首筋から始まって、肩、乳房、お腹、とかがみの上半身にキスの嵐を降らせていく。
「ひ、んっ……ふぁ、ぁ、ぁ……っ」
 こなたの唇が触れると、そこの肌は切ない熱を帯びる。こなたが何度も何度も口付けるたび、かがみの肌は冷めない熱に覆われていく。
 数え切れないほどキスマークを付けられた頃、かがみは全身を汗ばませ、燃えたように真っ赤だった。
348ぬくぬくにしてやんよ(3/3):2008/03/01(土) 22:54:21 ID:KT7ZyqoN
「だいぶ参ってるねー」
「はぁ……はぁ……」
 かがみは荒く呼吸しながら、眠ったように目を閉じている。こなたが唇を重ね舌を入れると、辿々しく舌を動かして応えた。
「ん……疲れた?」
「……少し」
「やめにしとく?」
「……」
 微かに、だがはっきりと、かがみは首を横に振った。
 こなたは目元に笑みを浮かべると、ためらいなくかがみの股間に指を伸ばした。
「うわ。すっごく濡れてるね」
「あ、っ……!」
 敏感なところを触られ、かがみはビクリと体を震わせ声を漏らした。
「へえ……すっごく濡れてる」
 薄めの陰毛に覆われた割れ目を軽くこすったこなたは、楽しそうに呟いて指を離した。仰向けになったかがみの下半身に、顔を近付ける。
「脚開いて」
「い、いや……」
「開くの」
 強引に両膝を開かせると、こなたは存分に潤んだそこへ口付けた。
「やっ、んっ……こ、こなたぁ……そんな、とこ……汚い、から……」
「全然そんなことないよ。綺麗だし、かがみの味と匂いを一等感じられる」
「――っ!」
 羞恥に目を背けるかがみに構わず、こなたは割れ目にもう一度キス。それから舌を伸ばして這わせ始めた。
「あっ、あっ、んっ、ふぁ、あ……」
 こなたの舌先が、陰唇の内側からクリトリスまで丹念に舐め回す。僅かなくすぐったさと痺れるような快感に、かがみは声を上げる。
 そのうちに、こなたの方も体が疼いてきた。
「ねえ……かがみも、して……」
 こなたの言わんとするところを、かがみはぼやけてきた頭で何となく理解する。どちらともなく横向きになって、互いの下半身を目の前に引き寄せる。シックスナインだ。
 かがみはためらいがちに、こなたのそこへ舌先を伸ばした。
 性器を舐め合うことに、かがみの抵抗感が全くゼロということはない。しかしそれよりも、背徳感を伴う快感の方が遙かに大きかった。
 かがみは蜜に潤んだこなたのそこへ舌先を潜らせる。同じことをこなたからも。
 触れあう舌と肌が快感を生み、その快感が互いを熱くし、その熱がさらに快感を倍加していく。
「んっ、あ……か、がみぃ……んんっ」
「こなたぁ……あ、あっ、あっ……!」
 クリトリスを舐め合いながら、二人は昂ぶっていく。やがて強い快感が全身を貫き、二人は互いを抱きしめながら、激しく体を痙攣させた。


「あったまったー。……と思ったんだけどねー」
 エアコンをつけた部屋の中で、元通り服を着たこなたが頭をかく。首に汗ふき用のタオルをかけていた。
「たっぷり汗かいたらその分、後で冷えるんだよね」
「当たり前でしょうが……」
 耳まで真っ赤にしたかがみは、こなたに背を向けて胡座をかいている。
「かがみ……怒った?」
「……」
 かがみはだんまりを決め込む。表情だけ見れば怒っているようだが、実際にはああいうことの直後だと恥ずかしくて顔を合わせ辛いのだ。
「おーい、かがみーん」
「……」
「うりゃ」
「あぅっ……」
 不意に背中から抱きつかれたかがみは、拒むタイミングを逃してしまう。
「エアコン効いてくるまでまだ寒いから、こうやってあったまらせてね」
 耳元で無邪気に囁くこなたの言葉に、
「か……勝手にしなさい」
 ぶっきらぼうに返すかがみだった。


おわり
349名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 22:54:43 ID:KT7ZyqoN
読んで下さった方、ありがとうございました。
350名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 22:58:57 ID:e16XRCrt
>>349
はぁー……やはりこなかがは良いですねえ。
二人のいちゃいちゃっぷりに癒されました。ビバ新しい生命体。
何よりの暖房、ありがとうございました!
351名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:06:19 ID:TAIcXylR
読んでるこっちも温かくなりますよ、はい。
「同じやりとり」をやったのはひよりの漫画の中でのことなのに
しっかり魂に刻まれているようでw
352名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:15:27 ID:ZFQyyBx5
>>349
GJ!ニヤニヤが止まらないしなんか自分もほてってきたし。
やっぱりこの二人はいいねぇ…こなたとかがみが融合したら…
ツンデレオタクでアホ毛装備のツインテールな子になるのかな。
さらに成績優秀で運動神経もいいと・・・。
353名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:27:52 ID:uhCuH6EE
>>349
最近は受けこなたに傾いていたが
やっぱりあなたの攻めこなたはイイ!
もうどっちも好きだ
354名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:46:02 ID:ORh/7Bgj
>>349
こな×かが最高!
そしてこのこな×かがは素晴らしい!GJ!

それにしても、新しい生命体か。
おおかた、コナミとか小神とか、はたまたかなたとか・・・










ずっと前に、小ネタでやられてたような(゚∀゚)
355名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:03:14 ID:A5CDTHxw
こなたとかがみの合体か…

その場合まず、頭脳明晰で高い運動能力を有する才色兼備になり
さらにアニメ知識からその他までの雑学に富んでるだろう
ただ髪の色や髪型が二人とかぶっていると不公平だしな
きっと突然変異で色はピンクなウェーブヘアになるだろう
それに二人には胸が大きくなりたいっていう願望があるし、スタイルもよくなるんだろう
あとは個性を出すためにメガネだ
これでかつてない新キャラの完成だな、うん
356名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:15:48 ID:xRKvKlDm
>>355
それみゆきさんそのまんまじゃ…
357名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:23:47 ID:7yitMjzg
投下したいんですが
20レスぐらいになっちゃったんですけど、いいですかね?
358名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:25:53 ID:GVWDnCqN
>>355
ということは、みゆきさんって実はこなたとかがみの融合体だったんだ。
何故その場にこなたとかがみが一緒にいるのかは考えてはいけない。
359名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:28:11 ID:ecFvR7QT
>357
全然OKですよ。
360名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:30:06 ID:O0N2xUfB
>>357
注意書きをしっかりとしていれば、このスレは基本的にどんな作品でも受け入れてるから大丈夫
数行書いて1レスとか細切れじゃなければどんなにレス数多くても文句は言われない
スレッドの容量も200KB以上あるので気にせずどうぞ
361名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:41:35 ID:uFy9v628
>>357
遠慮なさらずにどうぞ
362ぶーわ:2008/03/02(日) 00:41:39 ID:7yitMjzg
了解も出たので『0から始めよう!』の続き 行かせて貰いますね
ちょっと長いというか二話いかせてもらいます
超ブーイングな内容なのでもう、一気に投下して逃げようかなと
そんな感じで毎度ながら最終回は死の香り、あまりのぶっとび設定に自分で引いてます
*パラレル注意 オリキャラ注意
*28話:17レス 最終話:10レス 合計27レス拝借します
3630から始めよう! 28.選ぼう!(1/17):2008/03/02(日) 00:43:13 ID:7yitMjzg
「お疲れ様」
 何処かで聞き覚えのある声がした。
 天使と同じ言葉なのに、何処か違和感。
 その天使も……今はもう居ないから。
 そう、消えた。
 今まで、私を抱きしめてくれていたはずなのに。
 私の目の前に……すぐ傍に、居たはずなのに。
「みっともないわね。ほら、拭きなさいよ」
 目の前に現れた光景の中には、天使の代わりに『居た』。
 その女性が、私にハンカチを差し出す。
「あ……ぅ」
 それを受け取る事も出来ずに、ただ戸惑う。
 ここは、何処だろう。
 私はさっきまで、青空の下に居た。
 みなみちゃんの家の、屋根の上。
 そこで真実を知り……天使の腕の中で泣いていたはずなのに。
 いや、今はそんな問題じゃない。
 目の前に居る『女性』。
 その見覚えのある姿に、体を冷たいものが走る。
 ……『ありえない』。
 彼女が、『居るはずがない』。
「ふふっ、オバケでも出たって顔してるわよ」
「な、何で……あんたがっ」
「一応、初めましてになるわね……『かがみ』」
 妙にすました笑顔で、彼女が私の名前を言った。
 その顔は……何処かで見た、なんてものじゃない。
 そこにあったのは――
 
「『柊かがみ』よ、お見知りおきを、なんて……言うまでもないわね」
 そう言って笑う表情。
 その仕草。
 その声……その全てが、私を惑わせる。
 だってそれは、ずっと……私のものだったのだから。
「あんたが……かがみ?」
「そう」
「だ、だってあんたは……自殺したんでしょ!?」
 声が思わず荒くなる。
 天使は言った。
『柊かがみは自ら死を選んだ』、と。
 それなら、つかさと同じだ。
 彼女に残るのは、自由を奪われた体。
 その体がもう、目覚めることはないはずだった。
 つまり……『死』だ。
 でも彼女は今……こうやって、目の前に居る。
 動いてる、喋ってる……笑ってる!
「まぁ、時間はたっぷりあるわ」
 こっちに、と私を誘導する。
 ここは……建物。
 ううん、そんな呼び方は似つかわしくない。
 私は良く知ってる……この場所を。
3640から始めよう! 28.選ぼう!(2/17):2008/03/02(日) 00:44:29 ID:7yitMjzg
 でもそんなはずがない、と心が揺れる。
 だって私が居たのは、こんな場所じゃなかった。
 空には青空が広がっているはずだった。
「そう、混乱しなくていいわよ」
 動揺しているのをまるで分かっているような口調で、私を先導する。
 私はそれを追いかけることしか出来ない。
 恐怖は……なかったわけじゃない。
 でも、彼女に危険は感じなかった。
 ううん……感じるわけなかった。
 そんな事をするような人間じゃないのは、私が一番分かっているつもりだ。
「まぁ、ここでいいわよね」
 ついたのは、個室。
 というより……教室だ。
 ここは『学校』。
 だけど違和感を感じるのは、『音』の所為。
 耳を劈く無音は、私の知ってる学校のそれとはかけ離れている。
「改めてお疲れ様……よく頑張ったわね」
「……どういう、意味?」
「まだ分からない?」
 教室の窓を彼女が『開ける』。
 そこから身を乗り出し、空を眺める。
 私もそこから視界を空に向けるが……やっぱり違和感。
 そこから漏れたのも、また無音だからだ。
「終わったのよ……あんたは見事、一万溜めたって事」
 一万。
 その単語には、聞き覚えがある。
 それは、いつだっけ……。
 あれはそう、あの間の抜けた天使の言葉。
『貴方がもう一度生き続けるためには、10000TPが必要です』
 私の前に現れた、間の抜けた天使。
 その口から出た電波な言葉。
 それを達成する日の事なんて……考えたこともなかった。
「『こなた』はあんたのおかげで母親の死に、他人に向き合えた……見事な社会復帰ね。+5000」
 ああ、そういえばそんな事を言ってた気がする。
 もうすっかりそんな事忘れてた。
「峰岸はこなたの言葉で、日下部のお兄さんに想いを伝える事を決めた。恋の成就、+3000ね」
『宿主の行動も加算されますよ』
 ……そうだった。
 そのこなたの所為で、さんざんポイントを引かれたっけ。
「そ、それでもまだ8000……最初のマイナス分も合わせても、届かないじゃない」
 確かゆたかちゃんの分まで肩代わりして、−500ぐらいあったかな。
 それ以外に稼ぐような事なんて……。
「馬鹿ね、忘れたの? 『あんたも』したはずよ……最後の最後に」
 最後の最後。
 その瞬間を思い出す。
 それと同時だった……声が蘇ったのは。
 私の顔が、熱を持ったのは。
『泉こなたの事が、好きですか?』
 天使の声。
 その言葉の返答を、思い出す。
3650から始めよう! 28.選ぼう!(3/17):2008/03/02(日) 00:45:49 ID:7yitMjzg
「恋の成就、+3000ね」
 振り返った彼女がニヤニヤと笑う。
 そうだ、私は言った……『好き』って。
「あんたとこなたは『共有』してた……その胸の、想いもね」
 最後に聞こえた声。
 あれは確かに……こなたの声だった。
 じゃああれは、幻聴じゃなかった。
 私たちは想いを……伝え合ったんだ。
「想いを伝え合う、それが条件……随分面倒でしょ?」
 そういえばそんな事を天使が言ってたっけ。
 凄い面倒だ、って。
「それじゃあ、本当に……」
「ええ、おめでとう」
 軽く拍手が彼女から飛ぶ。
 私はでもそれに……どういう顔をすればいいのか、分からない。
「私……生き返るの?」
「……」
 拍手が止まる。
 私はずっと、自分を『柊かがみ』だと思い込んでいた。
 じゃあ本当は?
 本当は私は……誰なの?
「少し、違うわ」
 彼女の表情が曇る。
 その沈んだ声に、私の心臓が少し揺れる。
「あの馬鹿が言ったはずよ、『生き続けるチャンスが与えられる』」
 馬鹿、という単語が少し癪に障る。
 誰の事を指すのかは明白だ。
 そんな馬鹿は、あの馬鹿しかいない。
 そりゃ私だって言ってきた。
 だけど人に言われるのは……何だか腹が立つ。
「そう、よ。だから私は善行だとか言って、色々やらされて……」
「……違うのよ」
 彼女の言葉が、私のそれを遮る。
「それは、今から……一万を溜めて、初めて生き続けるチャンスが与えられる」
「なっ……」
 思わず戸惑う。
 天使の言った順番はこうだ。
『私には生き続けるチャンスがある』
『私がもう一度生き続けるためには、一万TPが必要』
 ちょ、ちょっと待って……。
 これじゃあ言葉遊びだ。
 ……倒置法? ちげーよ順番が逆なんだよ!
 あいつ……またしでかしやがった!!!
「ふふっ、怒らないであげて……あの馬鹿、あれで素なのよ」
 知ってるわよそれくらい!
 さんざん振り回されてきたんだから……つーかまた言ったし!
「あ、あんまり馬鹿馬鹿言わないで……あれでも、天使。なんだから」
「何よ、あんたもそう思ってるんでしょ?」
「うっ……」
 と言葉がつまる。
3660から始めよう! 28.選ぼう!(4/17):2008/03/02(日) 00:48:15 ID:7yitMjzg
 彼女の笑い顔が妙に癪だ。
「わ、私はいいの!」
「あら、どうして?」
「わ……私は」
 うう、いいやどうせあいつが聞いてるわけないし!
 いいや、言っちゃえ!
「私は敬ってるからいいの!」
「……ぷっ、あははははっ!」
 笑われた。
 ツボに入ったのか、大声で。
 それもあってか、顔がまた火を噴く。
「わ、悪い!?」
「いえ、そうね……あんたも、そうよね」
 あいつは、馬鹿だけど。
 馬鹿すぎる……馬鹿だけど。
 それでもいつも私を、助けてくれた。
 私を……見守ってくれた。
「でもね」
「?」
 少し彼女の言葉が、沈んだ。
 その眼の光にも、影が混じる。
「あいつが馬鹿なのは……本当。あいつは馬鹿でお節介な……救いようのない、馬鹿」
「なっ……」
 思わず叫ぼうとした時だった。
 その言葉が止まる。
 彼女の眼の涙に、息を呑んだから。
「それにあんたは勘違いしてる……あいつは、『天使なんかじゃない』」
 涙を軽く拭くと、また挑戦的な眼で私を見る。
「どういう……意味?」
「『あいつは一言も自分が天使だなんて言ってない』、ってこと」
 ……。
 少し頭の中で思考が巡る。
 一番最初……私はなんて言ったっけ。
 いきなり電波な事を言い出したあいつに向かって、そう。
『じゃあもしかして……天使とか?』
「それもあんたが勝手に定義しただけって事、理解できた?」
「で、でもっ!」
 確かにあいつはそんな事言わなかった。
 それでも……そうよ、あれがあったじゃない!
「じゃあ、あの本は!?」
 なんか分厚い、絵付きのハゥトゥー本が!
 あれには一杯出てきたわ。
 天使だのTPだの……そういうのも、全部乗ってた!
「ああ、あれ? あんなの信じてたの?」
 その言葉に、拍子が抜ける。
 あまりにもあっけなく返ってきたから。
「し……信じてって、そりゃ、あいつが持ってて」
「あれはあの馬鹿が勝手に作ったの、あんたに分かりやすくってね」
 また彼女の顔に笑みが漏れる。
 でもその奥には、さっきの涙が逡巡していた。
「TP、で気付くべきだったわね……あの馬鹿いつまでたっても覚えやしない。天使の頭文字はAよ」
「ま、待って。ちょっと待って」
 頭の中が混乱してきた。
3670から始めよう! 28.選ぼう!(5/17):2008/03/02(日) 00:50:30 ID:7yitMjzg
 あいつが天使じゃない?
 な、何よそれ。
 訳が分からない!
「お、おかしいじゃない! 私が勝手に天使って呼んだのに……なんで、そんな本なんか!」
 そうよ、その本が存在するには条件がある。
『私が天使と定義しなければ、その本は存在しない』!
 そんなの、分かるわけない!
「そうね……こう考えれば簡単よ。『天使なんて本当に居ると思う』?」
「あっ……」
 人差し指を空に向ける。
 その言葉で、口から出かけた言葉が止められる。
 これは少し意地悪な問題だ。
 答えはそう難しくない……天使の言葉を思い出せば、答えは簡単に出てくる。
「……『居ない』」
「そう、そんなの本当は存在しない。なぜなら」
「『天使』という定義も……人間の言葉だから」
 答えを先に言われ、空に突き刺した指を私に。
「そう、確かにそんな存在……そんな概念がないなんて誰も証明出来ない」
 所謂『悪魔の証明』だ。
 それが『存在しない事を証明する事は不可能』なんだ。
「もし居てもそれは『天使』じゃない。それは、人間が勝手につけた定義でしかない」
 だから、居ない。
 それが本当は何かなんて……『人間』には分からない。
 ただそれに近い偶像を思い浮かべ、そう呼んでるにすぎない。
 そう……『本当の天使なんて、存在しない』んだ。
「まぁ、分からないでもないわ。『あんな状況』で出てきたら、誰でもそう思うわよ」
 その言葉に思い出す。
 彼女との、初めての出会いを。
 狭い病室で……誰も見えない私に、声をかけた。
 そうよ、あんなタイミングで話しかければ誰だってお迎えだと思うわよ!!
「「はぁ……あの馬鹿」」
 溜息のタイミングが重なった。
 それが少し可笑しくて、笑ってしまった。
 彼女も、笑う。
 無音の教室に私たちの笑い声が反射して、少し心地よかった。
 それで緊張がほぐれたのかもしれない、
「ねぇ」
「うん?」
 彼女に聞いてしまった。
 私の中でひっかかってる、疑問を。
 だって、そう。
 彼女が……『知ってるはずがない』。
「どうして天使の事……知ってるの?」
 あいつは天使じゃない。
 それでも、他に呼び名が思いつかなかった。
「天使だけじゃない……こなたの事も」
『柊かがみ』がこなたを知る事は『ありえない』。
 私の中の彼女の記憶が、それを裏付ける。
 彼女の中にこなたは……居ないはずなんだ。
「……簡単よ」
 何処かで聞いた返事だ。
 この難解なパズルにもどうやら、それを解く答えがあるらしい。
 ……それも、簡単に。
3680から始めよう! 28.選ぼう!(6/17):2008/03/02(日) 00:51:46 ID:7yitMjzg
「私もあんたと同じ……あの馬鹿に命を掬い上げられて、『こなた』と出会った」
「えっ……」
 その答えを、彼女が口にした。
 不思議な、矛盾に溢れる答え。
「そして……『ここ』に辿り着いた」
 だからあの天使を知っている?
 だから、こなたを知っている?
 それで……答えになるの?
「で、でもそんなの……おかしい。そう、そうよ……あいつは言ってた。あんたは自分で、自殺したって」
 そう天使は言った。
 それが全ての真実だって。
 その人間を、天使が掬い上げるはずがない。
 だけど彼女が……首を振る。
「いいえ、正確にはこう……『柊かがみは自らの意思で死を選んだ』」
 天使の言葉を、彼女が繰り返す。
 それが何?
 何処が違うの?
「あんたも、覚えてるはずよ……『私』の記憶があるなら」
 その言葉に、心臓が跳ねた。
 私の中には『柊かがみ』の記憶しか、ない。
 その曖昧の世界で、私が唯一覚えているもの。
 それは……。
「あの、『手』を」
 私……ううん、『柊かがみ』を突き飛ばした手。
 その偶像は、消えたはずだった。
 でもその手はもう一度……私の肩を叩いた。
 あの感触。あの意思。
 それは……本物だったんだ。
「あれは『私』。私は自分の意思で……自分の手で、『私自身を突き飛ばした』」
「ば、馬鹿言わないで!!」
 思わず声を張る。
 そんな事不可能に決まってる。
 自分自身を突き飛ばした?
 みゆきだって、そんなもの見てなんか……。
「あ……」
「あんたは辿り着いたはずよ……その『答え』に」
 ソレハマルデミエナイナニカニツキトバサレタカノヨウダッタッテ
『そういう事なんでしょ? 私を殺そうとしたのは……』
『あの馬鹿に命を掬い上げられた』
 スベテノハンニン
 ワタシヲコロソウトシタダレカ
 ソレハツマリ――
「私と同じ……『ありえない』存在」
 もう訳が分からない。
 矛と盾が頭の中で激しくぶつかり合う。
 その音ばかりが脳に反響して、酷く気分が悪い。
「あの日……私とつかさとみゆきが、並んで帰っていた。そこにはもう一人……私が居たの」
「そんなの馬鹿げてる! だって、あいつが言った……そんな人、居ないって言った!」
 真実だけを話すって、あいつは言った。
 それさえも嘘なら……もう私は、何を信じていいのか分からない。
3690から始めよう! 28.選ぼう!(7/17):2008/03/02(日) 00:54:27 ID:7yitMjzg
「……あの馬鹿はね、変な癖があるの」
「な、何よ……それ」
 そりゃあ、誰にだって癖くらいある。
 ……でもあの天使のそれは、想定外だ。
「言いたくない事や隠したい事がある時はね、妙に遠い言い回しをする……あいつが言ったのは、そういう事」
 その言葉の意味を反芻し、頭に叩き込む。
 それを必死に、天使の言葉と照らし合わせる。
「私を殺した『他の』人間は、存在しない」
 答えを彼女が、先に言う。
 そうだ……私が聞いたのは、そういう意味だった。
 だからその答えは、当然だったのかもしれない。
「どう? 信じる気になった?」
 信じられるわけ、ない。
 みゆきの証言。
 ゆたかちゃんの証言。
 そして……『柊かがみ』本人の証言。
 その全部が、『柊かがみの自殺』を証明している。
 だけど、まただ。
『彼女の存在が、彼女が自殺でないことを証明している』。
 その矛盾に……答えが、あるの?
「……」
 何時の間にか沈黙した私を、彼女の眼が見る。
 貫くようなその眼の奥には……悲しみが揺らいでいた。
「『この世界』はね、『最悪』なの」
「えっ……?」
 私の狼狽を感じたのか、話が逸れた。
「この世界で私は、あの日……死ぬはずだった」
 彼女が『この』という単語を使った意味が、私には分かる。
 言ったはずよ……世界には無限の枝があるってね。
「あの馬鹿はそれに『逆らった』……それが、『最初』」
「……逆らった?」
「そう、『掬い上げた』の」
 彼女が、少し笑う。
 でもそれは、さっきの様な笑いじゃない。
 自分を嘲笑するような、乾いた笑い。
「『死ぬはずだった』私の命を、あの馬鹿は助けた。それは……本当は『ありえない』事だった」
 天使は私にこう言った。
『零れ落ちるはずのない命を掬い上げる』、と。
 死ぬはずのない命。
 その命にもう一度、生きる機会を与えてくれる。
 でも彼女が言うそれは……天使の言葉に矛盾する。
「それが……『あんた』の始まり」
「私、の?」
 その時、鼓動が速くなった。
 私を彼女が……名指したから。
 彼女は、柊かがみ。
 それが今、私と繋がった。
「あんたは確かに、『柊かがみ』じゃない」
 天使に言われた言葉を、彼女が繰り返す。
「だからって……『他の誰でもない』」
 そしてその、続きを。
 その言葉が辛くなかったわけじゃない。
3700から始めよう! 28.選ぼう!(8/17):2008/03/02(日) 00:56:13 ID:7yitMjzg
 でも少し……分かってた。
 私の中には『柊かがみ』のものしかない、と天使は言った。
 そして、その他のものなんて……何処にも見つからない。
「あんたは『0』……だから自分を、好きに定義できる」
「……」
 私を定義してきたのは、いつだって私だけだった。
 だからそれは、当然だ。
「そして私は『1』……最初にあの馬鹿に命を掬い上げられた存在」
 少し不思議な言葉だ。
 最初。
 それがあるなら……『次』があるはずだから。
「そろそろ良い時間ね……行きましょ」
「ど、何処に?」
 説明も適当に、彼女がそこで話を切り上げる。
 まだ私には、ここが何処かすら分かっていない。
 いや、学校なのは分かってる……でもどうして?
 どうして、私はここに居るの?
「すぐに分かるわ……ここが何処か、ぐらい」
 そう言って彼女は開いていた扉を『閉めた』。
 ……そうだ。
 これがずっと私が感じてる違和感。
 彼女は『触れている』んだ……物に。
 ううん、彼女だけじゃない。
 どうして気がつかなかったんだろう。
 私の足の裏にある地面の固さ……それは、懐かしいような不思議な感覚。
 私も、『触れている』。
「……っ!」
 廊下から階段へと足を進める彼女の後をついていく。
 その途中だった。
 そこにあった光景に、言葉を失ったのは。
「分かったでしょ? ここは、『こういう場所』なの」
 そこには、『居た』。
 ここは学校のはずだ。
 だけど、学校にこんな光景が広がっているはずがない。
「確か、先生だっけ……つかさのクラスの」
 そう言って彼女がそこに居た女性の肩に手を置く。
 だけどその女性が反応する事はない。
 ただ前を見て、何もしようとはしない。
 本当に、そこに『居る』というだけ。
 動くことも、まばたきすらも……息すらも、していない。
「ここは時間の外、私はずっとここに居る……誰もが居て、誰も居ないこの世界に」
 廊下を抜ける。
 玄関を抜ける。
 校庭を抜ける。
 そこには、私の知る人たちが居た。
 だけどその誰もが……居なかった。
「生き続けるチャンスがある……あの馬鹿は、そう言ったはず」
 そしてその足が、正門から敷地の外へ。
 その時少し、吐気にも似た感覚が私を貫く。
3710から始めよう! 28.選ぼう!(9/17):2008/03/02(日) 00:57:50 ID:7yitMjzg
 気を失いそうな眩暈。
 脳天を抜ける激痛。
 この道は……覚えてる。
 それは、私がじゃない。
 私の中の……『柊かがみ』の記憶。
「『これ』がそう……もう分かったでしょ?」
 そう言って、彼女が指差す。
 そこに広がる光景は……私の良く知る、それだった。
 赤い斑点が大地のキャンパスを汚していく。
 その地面の上で、不自然に折れ曲がったのはなんだろう。
 その傍に居るのは他の誰でもない……つかさだ。
 ううん、つかさだけじゃない、みゆきだって居る。
 辺りには人だかりだってある。
 その喧騒が聞こえるはずもないのに耳の奥に蘇り、強烈な吐気に襲われる。
「ここは私が事故にあった日、その日で……『止まってる』の」
「止まっ……てる?」
 その姿を見る彼女は、どんな気持ちだろう。
 血の海で溺れる自分を、それに必死でしがみ付く妹を見て……どんな気持ちだろう。
「そう……でもあんたのおかげでまた、『戻る』」
「っ!」
 その時、その情景が動いた。
 それも……不自然に。
 誰もが進行方向を逆に動き出し、世界が逆に回っていく。
 その『ありえない』光景に私はただ……息を呑んだ。
「『生き続ける』チャンス、そう……あの馬鹿は言ったはずよ」
 天使が言ったのはその一言だけ。
 彼女は一度だって言わなかった。
 ……生き返ると、その一言を。
「そのチャンスが……これ」
 ゆっくりと逆に動き出した世界が、次第に速度を上げていく。
 そしてまた……『止まった』。
 血のキャンパスは何処に消えたんだろう。
 不自然に折れ曲がった私は何処だろう。
 泣きじゃくるつかさは何処だろう。
 立ち尽くすみゆきは何処だろう。
「一万を溜めることで世界は逆に回る。その、『ありえない分岐点の日まで』」
 そこにあったのはもう、『悲劇』なんかじゃなかった。
 私が欲していたはずの……ううん、『柊かがみ』が欲したはずの『日常』。
 彼女に、つかさに、みゆき。
 その三人が仲良く笑って歩く、そんな光景。
 でもここから分岐する。
 ありえない……『事故』に。
「『事故に遭う自分を助ける』……それが、あの馬鹿がくれるチャンス。『生き続ける』……最後のチャンス」
 彼女の冷たい言葉に、次第に麻痺していた頭が解れてくる。
 今私は……『居る』。
 この、止まった世界に。
 あの……事故の日に。
 そんなのありえない?
 ……そんな言葉、私が口にしていいの?
 だって、彼女が言った。
 私もまた……『ありえない』と。
3720から始めよう! 28.選ぼう!(10/17):2008/03/02(日) 00:59:48 ID:7yitMjzg
「この日、よ」
 そして彼女は言った。
 私は『0』……彼女は、『1』。
 全ての、始まりの数字。
「この日が全部の始まり……永遠の輪廻の、出発点」
 それは何処かで聞いた単語。
 そう……いつかの病院で、あの天使から。
「私はこれから、『事故で死ぬ』」
 言葉が、ゆっくりと私を通り過ぎていく。
 彼女の言葉の意味が、少しずつ私の思考回路に侵入してくる。
 それの意味を理解する度に……何故だろう。
 足元から上がってくる恐怖という言葉に、自分が支えられなくなる。
「それをあの馬鹿が助けた……もう一度、生き続けるチャンスをくれた」
 そして彼女はこうも言った。
 ここに、辿り着いたと。
「だけど私は……あの馬鹿を、『裏切った』」
 声と共に漏れたのは、涙。
 私にも伝わってくる。
 その言葉の……意味が。
「貴方は自分を……『助けなかった』?」
「……そうよ」
 彼女は『自分自身を突き飛ばした』。
 それが、事実だと……天使も言った。
 自らの意思で、死を選んだと。
「本当の馬鹿は私……最後の最後、あそこで笑ってる私を止めるだけだった」
 そうすれば、全ては『なかった』事になる。
 誰も、死ななかった。
 つかさだって。
 自己嫌悪と疑心暗鬼に壊れ、自ら死を選ぶこともなかった。
 みゆきだって、ゆたかちゃんだって。
 誰もが、当たり前の日常を謳歌するはずだった。
『生き続ける』はずだった。
 ……。
 だけどその未来を、彼女は『選ばなかった』。
 その理由。
 それが私には……分かる。
 まだ私の中に残る……唯一の私の部分が、それを教えてくれる。
「……こなたの、所為?」
 私の中にある……たった一つ。
 その気持ちを、彼女が持って居ないはずがない。
 だって私は……彼女だったんだから。
「……そうよ」
 少し沈黙した後に、彼女が肯定した。
 その気持ちが、私には分かる。
「その未来に……『こなたは居ない』」
「だから、『自分自身』を殺した……」
「……」
 彼女の言葉が詰まる。
 それが肯定の意味だと、受け取るしかない。
3730から始めよう! 28.選ぼう!(11/17):2008/03/02(日) 01:02:27 ID:7yitMjzg
「なんで……そんな事」
 分からないわけじゃない。
 こなたへの愛情は、私が一番よく知ってる。
 だからって、『こなたは居る』。
 いつか……そう、いつか出会える日が、きっと――
「……言ったでしょ? この世界は、『最悪』だって」
「えっ……」
 私の言葉を、彼女が止める。
 言葉で……視線で。
「この世界の私は、死ぬはずだった」
 それを天使が、助けた。
 それは本来、ありえない事。
 それがどうして起きたのかは……あの、天使にしか分からない。
「そして……『こなたも』」
「……っ」
 その言葉が私に突き刺さった。
「こなたは母親の死に向き合えないまま……全てに絶望して、自ら死を選ぶ」
 彼女が生き続ける未来。
 そこに、こなたは居ない。
 その意味が……少しずつ私にも理解出来てくる。
「教えてくれたわ、あの馬鹿が……この先の未来。それはもう、遠くない未来に必ず起こる」
 最悪の世界。
 それは本当に……何も残らない世界。
 柊かがみは、事故で死ぬ。
 そして……こなたも。
「こなたは、自分で死を選ぶ……だからあいつには、助けられない」
 その愚行を、天使は救えない。
 それは罪。
 それは……大罪だから。
 そう言って彼女は……つかさを見捨てた。
「救えるのはもう……私しか居ないの」
 こなたが柊かがみと出会う。
 それが、唯一の道。
 こなたが自ら死を選ばない未来……でもそれは、『ありえない』。
 だってその二人が出会う事は、ないのだから。
 だから彼女は、自分の死を選んだ。
 でもそれは……おかしい。
 分かるでしょ? 彼女の言う意味と、行動が何を生むのか。
「矛盾してる、って顔してるわね……」
 だって、そう。
 自分を殺すことは……罪。
 こなたのそれに等しく、彼女のそれも同じ。
 ……これだ。
 これが、最大の矛盾。
 だって彼女はその答えに、自分を殺した。
 だから……生き続けるチャンスは与えられない。
 そのまま、死を迎えるはずだ。
 こなたも同じ、『柊かがみ』と出会わず……現実から逃げ続けるはずだ。
3740から始めよう! 28.選ぼう!(12/17):2008/03/02(日) 01:03:45 ID:7yitMjzg
「その矛盾の答えが……『あんた』よ」
「わ……たし?」
 彼女が私を見る。
 他に、誰が居るわけじゃない。
 私が……答え。
 それがつまり……私の居る、『意味』だ。
「私はあいつに命を掬い上げられた。それでこなたに出会い……ここまでやってきた」
 それはきっと、私と似たような情景だったんだ。
 こなたに出会って、喧嘩して、仲良くなって……好きになって。
 そして世界を、逆に回した。
 事故の、その直前まで。
 後はその手を……掴むだけだった。
「私は自分の手を、掴んだ。本当はそのまま信号を突っ切るはずだった、私の手を」
 みゆきは言った。
 私は、横断歩道の手前で止まったと。
「だけどその瞬間私の中で……こなたが溢れたの」
 その時彼女はどんな気持ちだったんだろう。
 助かるはずの命。
 だけどそれを救う事は……こなたの命を、奪う。
「そして気がついたら私は……私を突き飛ばしていた」
 彼女は選んだんだ。
 自分の命とこなたの命。
 それを天秤にかけ……こなたを選んだ。
 ……ううん、選ぶつもりだった。
「その時私の世界が……『止まった』」
 彼女は願ったはずだ。
 もう一度事故に遭う。
 そしてもう一度……天使に命を掬い上げられる。
 そしてまた、こなたと出会う。
 それを繰り返せば、こなたは死なない。
 ううん、死なないどころじゃない……それは『永遠』だ。
 ずっとこなたと一緒。
 同じ事を繰り返せば……こなたは死ぬことはない。
 ……そんな夢物語が、実現するはずはないのに。
「血まみれの私、泣くつかさ、立ち尽くすみゆき……そこで私の世界は、終わったの」
 さっき見た情景。
 そこで彼女の世界は……全部だったんだ。
「戸惑う私の前に、あの馬鹿が現れた……止まった世界の中で、あいつの声だけが響いてた」
 あの馬鹿。
 それは……天使のことしかない。
 天使を裏切ったと、彼女は言った。
 掬い上げてくれた天使の手……それを、彼女は振り解いたんだ。
「そして言ったわ……私にはもう、死ぬことすら許されないって」
「どういう……意味?」
「この誰も居ない世界の『永遠』……それが、私の受ける罰。自ら死を選んだ者の、禊」
 彼女には生き続けるチャンスは与えられない。
 もう、世界に関わる事を許されない。
 それが……自ら死を選んだものの、罰。
 誰もが居て、誰もが居ない世界に……取り残される。
 汗が伝う。
3750から始めよう! 28.選ぼう!(13/17):2008/03/02(日) 01:05:36 ID:7yitMjzg
 この無音の世界。
 誰もが居て……誰もが居ない世界。
 それが、ずっと続くの?
 そんなのに……人が、耐えられるの?
「そしてこう続けた……だけどまだ、希望はあるって」
「……」
 その言葉の後に、私を見る。
 どうして?
 そんなの……決まってる。
 この世界に来て、世界が戻って……今、分かった。
 その『希望』……それが、何か。
「私が私を突き飛ばした瞬間ね……奇跡が起きた、ってあいつが言った」
 私には、何もなかった。
 何もない……『0』の私。
 彼女も言った。
 私は『柊かがみ』じゃない。
 そして『他の誰でもない』。
「何がどうなったのか分からない……『あんた』が私の命を、繋ぎとめた」
 私は『0』。
 だから、自分を好きに定義できると……彼女は言った。
 私はあの日……自分を『柊かがみ』だと定義した。
 ……それが、彼女の命を繋ぎとめた。
「あんたは『他の誰でもない』存在……だからこそ、『他の誰にでもなれる』存在」
 私は請け負ったんだ。
 彼女がすべき事。
 それを全て自分のものだと定義した。
 それは……どうしてなんだろう。
「もう分かったはずよ……あんたがここで、『何を』すべきなのか」
 私は『柊かがみ』だった。
 そして彼女の代わりに、世界を戻した。
 じゃあどうするの?
 彼女の代わりに、彼女自身を助けるの?
 ……ううん、そんなの違う。
 私には分かる。
 彼女が……何を望んでいるのか。
「……お願い」
 彼女が頭を下げた。
 心臓が、揺れる。
 まるでその先の言葉を、必死に耳から遠ざけるように……激しく。
「私を……『殺して』」
 彼女が望んだもの。
 それは……私の中に唯一ある、それだった。
 彼女の中にもまた……それしか、残っていなかったんだ。
「それでまた、同じ。また全てが……『繰り返す』」
「繰り……返す」
 心臓が、ゆっくりと静まっていく。
 私の胸の奥で引っかかっていた棘が、ゆっくりと抜けていく。
「あんたならもう、気がつくでしょ? 世界は『繰り返してる』……あんたは何度もここに辿り着き、何度も私を殺してきた」
 その始まりが……彼女。
 全ての、始まり。
 永遠の輪廻の、始まり。
376名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:08:01 ID:Dh160V3k
投下支援ってこれでいいですか?
3770から始めよう! 28.選ぼう!(14/17):2008/03/02(日) 01:08:17 ID:7yitMjzg
「じゃあ……」
 その言葉が、私に突きつけられる。
 だけど私の中に最初に浮かんだのは……一人の女性だった。
「じゃあ、あいつは?」
「……」
 それは、こなたのことじゃない。
 もう一人。
 私の……ううん、柊かがみのためだけに世界を変えたあいつ。
 ……あの、馬鹿。
「やっぱり……あんたはそうね」
「えっ……」
 その時、彼女が笑った。
 涙で濡れた顔に少し、笑みが戻る。
「何千……ううん、何万回繰り返してもあんたはここで同じ事を聞く」
 だって。
 だってだって!
 あいつはきっと……付き合ってくれてるんだ。
 この、永遠の時間を。
 ただ彼女のために……彼女の我侭のためだけに、私に。
 だから私を必死に助けてくれた。
 精一杯励ましてくれた。
 ずっと……何百年、何千年も。
 毎回同じ事を……彼女のためだけに。
「言ったでしょ、あいつは馬鹿よ……私の愚行に永遠に付き合う、救いようのない馬鹿」
 天使の事をずっと、嘲笑う彼女。
 でもそれは、違った。
 彼女を笑い……彼女は自嘲しているんだ。
 自分の行いの、愚かさを。
「なん……で」
 私の頬から、涙が零れた。
 その涙を、彼女が拭いてくれた。
 まるで、あの天使みたいに。
「あんたが泣くのも、全部同じ……あんたはこれから私を殺して、全てを忘れる。そしてまた、こなたと出会う」
「じゃあ、じゃあ……つかさは?」
 止まらない涙と共に、思い出が溢れる。
 それは私が柊かがみとしての記憶。
 その全部が、繰り返されてきたんだ。
 それじゃあ……。
「……同じよ、つかさは現実を受け入れられずに死を選ぶ」
 柊かがみを殺す未来。
 それは……つかさを殺す未来でも、ある。
「もう分かったでしょ? 世界が繰り返してきたのは事実……つまり」
 私には選ぶ権利がある。
 つかさを殺す未来。
 こなたを殺す未来。
 だけど、その結論はいつも……同じなんだ。
「あんたはずっと、つかさと私を殺し続けてきたの」
 私は、こなたを選ぶ。
 つかさを……殺すんだ。
3780から始めよう! 28.選ぼう!(15/17):2008/03/02(日) 01:09:48 ID:7yitMjzg
「これは全部『決まってる事』……あんたがここに来て、私を殺す。それはもう何万回と繰り返されてきた決定事項」
 そんな、と声が漏れるはずだった。
 でも、分かる。
 心の奥で、叫んでる。
 こなたを……殺したく、ない。
 だって、こなたは私の最後。
 何もない、私の……たった一つの、私。
 それしか私には、ないのに。
「で、でも!」
 それに必死に抵抗するように、言葉が漏れた。
 そんなの、無駄に決まってるのに。
「あんたはまた、ここに閉じ込められる! 天使もまた……同じ事を繰り返す!」
「……」
 私の選ぶ道は、破滅の道。
 誰も居ない世界に柊かがみは閉じ込められる。
 なぜなら私は、『柊かがみ』なのだから。
 そう自分で、定義したんだから。
 だから同じだ……私が殺す事で、『柊かがみは自ら死を選ぶ』。
 そして私はまた全てを忘れ……自分を『柊かがみ』だと定義する。
 天使はまた私の前に現れ……私のために、尽くしてくれる。
 それの……繰り返し。
「言ったでしょ……これはもう、決まってる事」
「だって、会えないのよ? ……他の、誰にも!」
 彼女の世界は、ここで終わる。
 私がまた彼女を殺せば、彼女の世界は止まる。
 そこから先は……彼女にはもう、不可侵の世界。
「じゃあ、こなたを殺すの?」
「……っ」
 彼女が唇を噛む。
 私には分かる。
 彼女だったから、分かる。
 柊かがみは全部を捨てたんだ……ただ一人が、生きるためだけに。
「もう時間なんて……そんな言葉を忘れるぐらい過ごしたわ」
 誰も居ない世界。
 止まったままの……孤独な世界。
 その中で、彼女は何を思ったんだろう。
 ……それも私には、分かる。
「それでも、忘れられないの……こなたの事だけは」
 彼女がこなたと重ねてきた時間は、私とは比べ物にならないくらい少ない。
 何千、何万回と繰り返してきた私に比べれば……それは刹那。
 それでも彼女は……それを、守りたかった。
 その気持ちが、私に分からないはずがない。
「これが、私の生の定義。こなたを守ることが……私の、生きる意味よ」
 それは彼女にしか出来ない。
 天使にだって、こなたは救えない。
 それが出来るのは……彼女しか、居ないんだ。
「……もうそろそろ、時間よ」
 彼女の言葉と一緒に、耳に雑音が混じっていく。
 そのゆっくりとした低周波の音が次第に高くなり、鼓膜を叩きつける。
 そのまま世界がゆっくりと……動き出した。
3790から始めよう! 28.選ぼう!(16/17):2008/03/02(日) 01:10:47 ID:7yitMjzg
「迷わなくていいわ……体が、覚えてるはずだから」
 私の目の前には、三人の姿がある。
 柊かがみ、みゆき、つかさ……。
 その中のつかさが三人の輪から先にはずれ、横断歩道に向かって駆け出す。
 それを追うのは、柊かがみ。
 その姿を見て、自然に体が動いた。
「……本当はこのまま、転んでね。そのまま跳ねられるはずだった」
 いつのまにか、私の手は彼女を止めていた。
 彼女の手首を……『掴んでいた』。
「それで、死ぬ。でもそれじゃ駄目なの……」
 触れた部分から暖かさが伝わる。
 体がまるで機械人形のように、勝手に動く。
「その死は、自然。それを救う事はもう出来ないって……あの馬鹿が言ってたわ」
 自然の死。
 それを一度……天使は拒んだと、彼女は言った。
 その理由。
 それは、あの天使にしか……分からない。
「……このままだと、どうなるの?」
 スローモーションの世界で、私が掴んだ相手がゆっくりとこちらを振り返ろうとする。
 その動作の間。
 視線が合うはずのない彼女と……眼が合った気がした。
「きっと私は……『生き続ける』。全てはなかった事になるの……『私の自殺』という事実も、ね」
 体が覚えていると、彼女は言った。
 その意味が少し理解できた。
 まだだ。
 あと……少し。
 あと少しで……私は彼女を、突き飛ばさなくてはいけない。
 ……。
 本当に、それでいいの?
 このまま手を掴み続ければ、彼女は救える。
 天使だって……これ以上苦しまなくて済む。
 それで、それだって……!
「だけどこなたは死ぬ。多分……あんたもよ」
「……っ」
 その非情な言葉が……ゆっくりと私に突き刺さった。
 そうだ。
 私は、『ありえない』存在。
 本来なら、居ないはず……『0』の存在。
 ただ『柊かがみ』という存在に、『こなた』に依存し続けてきた存在。
「私が生き続けるなら貴方の存在は矛盾する。その瞬間に消えてしまうかもしれない、それは誰にも分からない」
 消える?
 私が?
 何……それ。
 私の中に、唯一あるもの。
 それさえも……消えてしまうの?
3800から始めよう! 28.選ぼう!(17/17):2008/03/02(日) 01:11:29 ID:7yitMjzg
 ……そうか、一緒なんだ。
 ここで突き飛ばさない限り、こなたは死ぬ。
 私の中の、こなたも。
 ……私という、存在さえも。
 そうだ……いいんだ。
 誰もが、言ってる。
 死を選べと、柊かがみが……天使が。
「時間よ、お願い」
「……」
 私の手。
 その手がゆっくりと、柊かがみの肩を掴む。
 これで、いい。
 また繰り返そう。
 こなたと、出会おう。
 そして、また始まる。
 私とこなた……二人の関係が、0から。
 それで……いい。
 誰も、悲しまない。
 つかさは、死ぬ。
 でも大丈夫だよ……また私、世界を戻すから。
 そしたらほら、永遠だよ?
 ずっとずっと……永遠。
 繰り返す、有限。
 それは……無限と一緒。
 誰かがそう……言ってたから。

 ねぇ、こなた。
 また好きになっても……いいよね?
 繰り返しても……いい、よね?
 
 こなたの笑顔。
 天使の笑顔。
 柊かがみの……笑顔。
 その全部が混じって、世界が歪んだ。
 
 それと同時に私は、その手に力を込めた。
 
(続)
381ぶーわ:2008/03/02(日) 01:12:34 ID:7yitMjzg
それで最終話 10レス拝借します
分かりにくくてごめんなさい! ぶっちゃけ前回までが最高潮だったんで
それほど動きの ない話です!!! オマケもまた 頑張りました! 半分モノクロ、テヘヘ☆
「?」
 突然だった。
 手を誰かに掴まれた。
 みゆきかな? と、不思議に思い振り向いた。
 ……だけどまだ慌てて走り出す動作にも入ってないみゆきが目に入った。
 じゃあ、これはなんだろう。
 私の手を誰かが掴んでる気がする。
 ……でも、何もない。
 気のせいかと視線を戻すと、点滅する青い表示が眼に入った。
 うわ、ギリギリじゃない!
 だ、大丈夫っ。まだ間に合うわ。
 ここから一気に走れば……ん?
『……を』
 肩を、誰かが掴んだ気がした。
 また……気がしただけ。
 そんなの、居るはずがないのに。
『――たを……がいっ』
「?」
 耳に混じったノイズに、首を傾げる。
 そんな事をしてる間に、信号の色が青から赤に。
 その刹那だったかな?
 妙に馬力のあるトラックが、そこを通り過ぎていったのは。
 まったく、信号見てないわけ? 危ないじゃない。
「ま、待ってください。かがみさんっ」
 声に振り向くと、ようやくみゆきが追いついたところだった。
 運動神経はいいくせに、どっか抜けてるのよね。
「お姉ちゃーん、早くぅー」
 と、横断歩道の向かい側からも声。
 どうやら一人先に歩道を渡ったらしい。
 まさかつかさに反射神経で負けるとは……ショックだわ。
 信号が変わるのを待ってから、歩道を渡る。
 ……。
 それだけのはずなのに、いやに長く感じたのはどうしてだろう。
 ようやく辿り着いた先で迎えてくれたつかさの笑顔も、妙に眩しく感じた。
 涙が、出るくらいに。
「あ、あれ? どうかしたの? お姉ちゃん」
「へ? ……あれ?」
 どうやら、本当に出てたみたい。
 何でだろ……なかなか止まんないや。
「ん、ゴミでも入ったみたい……ごめんね、つかさ」
「?」
 すると首を傾げられた。
「何で謝るの? お姉ちゃん」
「? 私謝った?」
 はて、そんな記憶ないんだけどな。
 ……なんかおかしいなぁ。
 さっきの変な感触からよ、妙な感じがするのは。
「ま、行きましょ。バス来ちゃうわ」
 気のせいの多い日って事にしとけばいいわよ、そんなもんなんだから。
 そう適当に解釈した後に、三人で歩き出す。
 バスの時間までにはまだ余裕があった。
 先程走ったのが効いたのかもしれない……まぁおかげでのんびり歩けるわ。
 それで二人の天然な会話を聞き流してるぐらいだったかな。
 不意に、さっきのノイズが蘇ったのは。
『――たを、お願いっ!』
 妙に、耳に残る雑音。
 それに少し集中して、音を鮮明に抽出する。
「……こなた」
「?」
 その言葉に反応して、二人が私に視線を集める。
「って、なんだっけ」
 此方? あんまり使わない単語よね。
 こちら、とかって意味だっけ。
「指示代名詞ですね、あとは……」
 指示代名詞……なんか分かりにくい。
 なんかそういう辞書的な意味じゃなくてなんていうかこう……。
「あ、泉さんの事じゃないかな?」
「ええ、ですがかがみさんはお会いしたことはなかったかと……」
 そこで何故か人の名前が出てくる。
 まさか此方って名前なわけ?
 変な名前ね……まぁ、人の事言えないか。
「何、誰なのそれ」
「泉こなたさん、私たちのクラスメイトです」
「あのね、凄いちっちゃくて可愛い子だよ」
 本当に本名だったし。
 私も何回かクラスには行くけど、そんな子居たっけ?
 可愛い子って言うくらいなら女子か。
 つかさの手で表現してるくらいの子なら、目立ちそうなもんだけど。
「実は去年お母様が亡くなったらしく……それから学校にも来ていないんです」
「辛いよね……私も同じ事あったら、そうなっちゃうかも」
 ……そりゃあ、大切な人が居なくなったら誰でもそうよね。
 私も何だかそれを、知ってる気がする。
 変だなぁ……親戚だって最近亡くなった覚えはないんだけど。
「でも、去年でしょ? 長すぎるわよ」
 確かにそれは辛い事。
 だけどじゃあ、いつまでも悲しんでるわけ?
「それはやっぱり……人それぞれなんじゃないかな」
「ええ、私も何度か黒井先生と家を訪ねたりしましたが……顔も見せてくれなくて」
「……ただのひきこもりなんじゃない」
 どうせ内弁慶で父親にゲームとか買いに行かせてるのよ。
 いやいや、それ以上に父親名義でエロゲーとか買ってるに違いない。
 ……ん? 女の子なのに?
「まぁここで話しててもらちが明かないわ……みゆきはその子の家、行ったのよね?」
「え? ええ、まぁ」
 何だろう。
 妙に気になるというか……うん、よく分かんない。
「今から……行ってみよっか」
「い、今からっ?」
 ええ、思い立ったらきび団子よ!
 どうせこのまま帰ってお菓子食べるぐらいしか今日は予定なかったしね。
 暇つぶしってわけじゃないわ、本気も本気よ!
「……そう、ですね。私も今日は用事がないので、お付き合いします」
 どうやらみゆきもやる気になったらしい。
 思い付きだったけど賛同してくれて助かったわ、家が分かんないし。
「そ、そだね……やっぱいつまでも悲しんでるのは良くないもんね」
 私たちに感化され、つかさも奮起する。
 そうよ、そんなの死んだ人だって思ってないわ。
 悲しみってのは、誰だって平等よ。
 誰だって受け入れて……立ち向かうしかないの。
 それを、叩き込んでやろうかな。
 そうね……まずは、グーで一発殴ってやろうかしら!
 ふふ、何か楽しくなってきた。
 楽しく? ……なんか違うなぁ。
 興奮というか高揚、というか……ああもう、だから良く分かんないって!
「よぅし、ひきこもりを社会復帰……+5000よ!」
 おーっと三人で奮起する。
 が、すぐに何それと冷たい顔をされた……何だっけ。
 まぁいいわ、気にしない気にしない。
「あ、バス来たよ」
「とりあえず駅まで行きましょうか」
 空気の排出音と一緒にバスの扉が開き、つかさがまず乗る。
 そしてみゆきも。
 それに続いて、私も乗り込もう。
 耳に響くのはまた、空気音。
 それと同時に背後で扉がゆっくりと閉まっていく。
 その最後。
 締まる最後に……聞こえた気がした。
 また、気がしただけ。
『頑張ってね』
 その一言だけ。
 だけどその声がずっと……耳に、残っていた。
 誰かの歩く音が聞こえる。
 誰かの喋る声が聞こえる。
 誰かの声が、聞こえる。
 世界が……回っている。
 それは止まることもなくて、繰り返されることもなくて。
 私の泣き声は、私の耳にしか届かなくて。
 行き交う人々は、それに気がつくこともない。
 誰にも気がつかない。
 誰にも、何も伝えられない。
「……かがみ」
 その雑踏と喧騒の中で……声が聞こえた。
 他の誰でもない。
 あいつの……あの、馬鹿の声。
 ゆっくりと視線をあげる。
 そこに居た彼女に……私は縋り付くしか、出来なかった。
「私……私、っ」
「……」
 天使の暖かい両手が、包んでくれた。
 それに身を任せる快楽はきっと、他の誰も味わえない。
 私しか味わえない……幸福。
「選んでくれたんですね……かがみ、全てを断ち切る道を」
 最後の最後。
 私は『柊かがみ』の手を、掴んだ。
 そのまま突き飛ばす……それだけだった。
 だけど私はそれをしなかった。
 出来たのはただ、叫ぶことだけ。
 声なんか、届くわけないのに。
 気持ちなんか、伝わるわけないのに。
 こなたを、お願い。
 そう叫んだ後にはもう……『彼女』は消えていた。
 ただ、私だけがそこに残されていた。
 私もまた……『柊かがみ』を裏切ったんだ。
「これで……良かったの? 私は壊してしまった……彼女がずっと積み重ねてきたものを」
 繰り返される時間を選ぶ事で、彼女は自分の一生を捨てた。
 ただ、こなたが生きるためだけに。
 でもそんなの……間違ってる。
 誰かを犠牲にして手に入れたものなんて……正しいはずがないんだ。
「柊かがみは『永遠』を求めました。破滅の道……大切な人が幸せに過ごすためだけの世界を」
 それは、孤独な世界。
 誰も居ない世界にただ一人……私という存在を、待つだけの世界。
 それしかなかった、と彼女は言った。
 でも、違う。
 本当は、選べたんだ。
 それは僅かな可能性。
 もう一度こなたと、出会う世界。
 その可能性を私は……選んだ。
 彼女の意思とは、無関係に。
「ですが、人の身に『永遠』は重すぎる……いつかはその心が、壊れてしまう」
 永遠。
 その言葉ほど重く……羨ましく、辛いものはない。
 終わりがない、それ。
 そんなもの……人の身が、耐えられるはずがない。
「じゃあ、何で……あいつを助けたの?」
 それが始まりだと、柊かがみは言った。
 それが、輪廻の出発点。
 終わらない……永遠の始まり。
「この世界は、特別……彼女達は出会う事もなく、一生を終える。それが私には、耐えられなかった」
「だから……あの二人を、出会わせた?」
 本当は、終わるはずだった。
 柊かがみの一生は、ここで終わり。
 その先は……なかったはずだった。
 二人が出会うはずが、なかったんだ。
「ええ……覚えていて欲しかった。自らが本当に出会うべき、大切な人を……心に刻み付けて欲しかった」
 天使は言う。
 それならば、出会わなくても一緒だって。
 覚えていなくても……お互いの事を、心に刻み付けておける。
「でもあいつは……あんたを裏切った」
「……」
 その行為の慈悲を忘れ、ただ私欲のためだけに……自分を殺した。
 それがどんな矛盾を生むのかも、忘れて。
「そうです……それは私が産みだしてしまった輪廻。本来は『ありえない』事」
 彼女の行為が、全てを狂わせた。
 世界は繰り返し……柊かがみは自分を殺し続けた。
「だから……付き合ってたんだ、ずっと」
 何百年、何千年。
 その間をずっと……繰り返してきた。
 ただ、彼女のために。
 私の……ために。
「それが私に出来る償い……世界を変えた、禊です」
 そう言って、笑う。
 その笑顔に私は今まで、どれだけ救われてきたんだろう。
 どれだけ支えられてきたんだろう。
「……あんた、なんでしょ?」
 その笑顔が優しくて。
 暖かくて……包んでくれて。
 私の口が勝手に、言葉を紡いだ。
「私みたいな存在が、居るはずがない……居るなんて、『ありえない』」
 私が居る理由。
 それが今なら分かる……この、暖かい腕に包まれている今なら。
「あんたが今日……この日、私を存在させた」
「……そうです」
 言葉が体を通して溢れてくる。
 その暖かさは私がよく知ってるそれと、同じだ。
「貴方に繋いで欲しかった……あの二人を」
 もう、出会う事のなかった二人。
 その希望の架け橋。
 それが……私だった。
「何万、何億という世界を繰り返して貴方は少しずつ心に刻んでいきました。生きることの意味、自分という存在の意味を」
 その記憶は、私にはない。
 どんなに世界を繰り返しても、また私は全てを忘れて自分を定義する。
 自分を柊かがみだと……勝手に。
「そして貴方はとうとう、選んだ……僅かな可能性に賭ける道、引き返す事の出来ない有限の未来を」
 もう世界は繰り返すことはない。
 それぞれの道が終わりを告げるまで、有限の限られた世界に誰もが生きる。
 それが、『1』。
 上から書き始めた線は、いつか止まる。
 それが、人が定義した『死』。
 人は生を定義する。
 そして同時に……死を定義する。
 だから人は、幸せなんだ。
 限られた時間を精一杯生きること。
 その中で立ち向かって、戦って……抗う事。
 でも、忘れたら駄目。
 そのためには、受け入れなければいけない。
 眼を、逸らしたらいけないんだ。
 今ある現実を受け入れて初めて……生きることが出来るんだから。
「……よく、頑張りましたね」
 彼女の手が、私の頭を撫でた。
 その暖かさが何処か歯痒くて、照れくさくて……私は思わず彼女から離れた。
「貴方はまるで星。明日に……未来に希望という光を届ける、星」
 それが、彼女が私を産んだ意味。
 あの二人に、明日を届けるための……希望。
「貴方は彼女達を救い、自らの運命を受け入れた……私はそれを、誇りに思います」
 ああ、そうだ。
 彼女のこの、包み込むような笑顔。
 それがどうして、こんなに愛しいのか……ようやく理解出来た。
 彼女の前では……私も、普通の人のそれと同じなんだ。
「これから……どうしますか?」
 天使が声をかけてくれる。
 ……ううん、天使じゃないんだっけ。
 そうね、もっと格上なのかも……いやいや、まさかよね。
 こんなやつ敬うやつなんて……居たんだった。
 うわ……自分の言葉に顔が熱くなってきた。
「そうね、どうしようかしら」
 そう口では勿体つけて言ってみた。
 答えはもう……決まってた癖に。
 それが口に出しづらくて、ちょっと口ごもる。
「あ……あんたは?」
 うう、言えばいいじゃない。
 どうせこいつ馬鹿だから、気にしないって。
「私はまた、いつもと同じです」
 と、笑顔を返される。
 むぅ……だからその笑顔はずるい。
 その前だと、何も言えなくなる。
「じゃあ……さ、えと」
「?」
 くぅ、少しは人の気持ちぐらい考えてくれてもいいのに……。
 ああそうだった、こいつ空気詠み人知らずだったんだ。
 ええい、勢いよ。
 勢いで言え、私!
「わっ私も……一緒に居て、いい?」
「ふぇ?」
 顔が火を噴いた。
 わ、悪い? それぐらいしか、私には思いつかなかったの!
「私は『柊かがみ』じゃないけど……お礼がしたい。ずっと、付き合わせてたお礼」
「かがみ……」
 ずっと、私を助けてくれたお礼。
 どうすればそんな事出来るのかも分からないけど……いつか、してみせるから。
「その呼び方も、もういいわ……どうせ私は、かがみじゃない」
 勝手に自分で定義して……その気で居ただけ。
 私は誰にでもなれる。
 だから……誰でもない。
 それだけが少し……寂しいかな。
「……そんな事、ありませんよ」
 言葉に反応して、顔を上げた。
 彼女と、眼があった。
 それはやっぱり……笑顔だった。
「貴方は『かがみ』……例え『柊かがみ』でなくても、『かがみ』として生きてきた」
 その笑顔に包まれて、また涙が零れそうだった。
 だけど――留める。
 そう、約束したんだ……目の前の、こいつと。
「貴方もそれを誇ってください……自分を定義することを、どうか恐れないで」
 ……それで、いいのかな。
 かがみでいて、いいのかな。
 この気持ちを持ったままで……いいのかな。
「それで、いいんです」
 彼女がもう一度、笑った。
 それに私は、笑い返そう。
 それが彼女との、約束。
 私は立ち向かう事を決めた。
 受け入れる事を、決めた。
 だからもう一度……笑おう。
 精一杯の、笑顔で。
「……では行きましょうか、かがみ」
 その笑顔が嬉しかったらしい。
 私の腕に絡みつき、また笑顔。
 そうね、と笑いあいながら歩を進める。
 ……。
「って、何処に行く気よ」
「そうですね……何処か行きたい所がありますか?」
 いきなり人任せて!
 行きましょうか、って言ったのは何だったんだ!
「じゃ、じゃあそうね……何処かオススメとかないの?」
 というかそもそも何処に行けるのかすら知らないんだけど。
「うぅん、平安時代とか江戸時代。あとはそう……地獄とか」
「……んなとこ行かないわよ」
「ええー、なかなか面白い所ですよ? 美人の裁判官とかー、可愛い門番とかー」
 はしゃいで指折り数えだしやがった。
 はぁ……ちょっと気を抜くとこれなんだから。
 まぁいいわ、今日は殴らないでおいてあげよう。
 そうね……次に殴るのはそう――。
 私が天使になってから、かな。
 ああ、違ったわ……天使なんて居ないんだったわね。
 天使なんて居ない。
 神様なんて居ない。
 永遠なんてない。
 無限なんてない。
 だってそんなもの……人が作った、言葉でしかないから。
 それでもいつか、こいつみたいになりたいと思うのは……馬鹿げてるのかな。
 こいつに言ったら……笑うかな。
 ふふっ、まぁいいわよね。
 私が馬鹿げてないと思ってるから、それでいい。
 その時、笑われた分だけ精一杯殴ってやろう。
 まぁ多分我慢出来ないから……たびたび殴るだろうけどね。
 それで……いいんだ。
 



 見上げればもう、夜空が広がっていた。
 遠く、広く……深く。
 その先の銀河まで包みそうな黒。
 そこに点在するのは、煌く星。瞬く星。
 でもこの光は、もうずっと前の光。
 淡く光る……何万年も昔に放った光。
 ただこの一瞬を輝くためだけの、高貴な光。
 私はこの星だと、彼女は言った。
 その光は希望だと、笑顔を見せてくれた。
 私という希望は……皆に届いたのかな。
 一度足を止めて、振り返とうとする。
 ……でも、やめた。
 もう途切れたはずの、こなたとの絆。
 だけど、伝わってきたから。
 こなたの気持ち。
 柊かがみ……彼女の気持ち。
 あの二人なら、きっと大丈夫。
 ……ううん、二人じゃない。
 つかさだって居る。
 みゆきだって居る。
 他の皆……誰もが居る。
 そんな、誰もが居る世界。
 当たり前の世界。
 そこから始めればいい。
 二人の関係を、最初から。
 そこに私が居なくたっていい。
 だって……私は『かがみ』。
 そこに柊かがみが居るのなら……同じ事だから。
 それを私は……受け入れよう。

 だから、こなた。
 精一杯……大切な人と、時間を重ねてね。
 だから、かがみ。
 精一杯……こなたを守ってあげてね。

 それが生きるという物語。
 0から……ううん。
 1から始まって、いつかは終わる……二人の物語なんだから。
 
(了)
392ぶーわ:2008/03/02(日) 01:30:28 ID:7yitMjzg
というわけで、完結です
テーマは『依存』
誰かに依存する事は悪い事ではないけれど、それを言い訳に逃げたらいけないとか
なんかそんな難しい事は良く分かりません!!!!!!
毎度毎度、パラレルだとかオリキャラだとか 付き合わせて本当、下げる頭もありません!
あとあいかわらずもうらき☆すたじゃなくて ごめんなさい!!!性癖です!!
EDも……なんとか用意。半分モノクロです
今回は秘ゲストまで! 曲も前回に比べ、有名なのにしました

というかかるーくネタバレで見ちゃったんだけどゲームと……かぶt
どどんまい! 俺、涙目!!

最後にパラレルありぶっとび設定ありの浮きまくりSSを読んでくれた皆さんに、感謝します!
ありがとうございました!
393名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:37:27 ID:Dh160V3k
>>392
GJ!!!
本当にお疲れ様でした
読み終わったあと、語彙が乏しいからか上手く言葉が出て来ないです
もう何と言ったら良いのやら、こちらこそこんな名作をありがとうございます
394名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:43:42 ID:EYZQCmL0
いやぁ良いモノを読んだ。
完結おめ&GJ!
395名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:45:35 ID:yvsbGjv0
いや、もう圧倒されるばかりですわ。
詳しい感想は落ち着いたらまた。読み込まないと恥ずかしいこと書きそう。
396名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:46:08 ID:SY51Op++
>>392
リアルタイムで見て感想を書いております。
なんかいい意味で裏切られた感があります。
今回投下された28話と最終話+
決断の部分がゲームとダブって見えたのは俺だけでしょうか?

何にしろ凄すぎて語彙が非常に乏しい自分としては言葉が出て来ません。
とりあえずGJと言わせて下さい。そして完結おめでとう+有難うございました。
39743Hev0JB:2008/03/02(日) 01:47:35 ID:TqKW5vOH
我が一生に一片の悔いなし!!
どこまで私にGJ言わすつもりですか?
まさか最後にゴットかがみんとは・・・
永遠の辛さと
大切な人を守るとか言って逃げずに
絶ちきることの大切さ、
定義して貰った気がしますよ。
最後にお疲れ様でした!
398名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:49:48 ID:jSSprObJ
嗚呼ああああ…
グッジョブ…

逃げてばっかな俺……
399名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:50:31 ID:ecFvR7QT
>392
お疲れ様でした。
作品があまりにも壮大な為、多くのトリックや因果関係を把握しきれず、
今は作品の感想を書くことができないのは残念ですが、完結おめでとうございます。
400名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:54:32 ID:GVWDnCqN
>>392
GJすぎる!!!
完結お疲れ様でした!!

大切な人のために自分の命すら投げ出せるっていうのは、凄いことだと思うけど…
一概にいいこととはいえないんだなぁと実感…何千何万と自分を殺すって、気が狂っちゃいそうだ
さらにEDで胸にぐっときました。
特に最後!

「かがみ」が選んだ可能性はきっと、いつもの4人が4人でいられる未来に繋がってるんでしょうね。
そして「かがみ」が着いていった先が…アレに繋がるのかなとも妄想。
というか覚えのある単語がちらほらと。
401名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:55:29 ID:r2pr4aGz
>>392
GJ…と言いたいところだがあまりにも壮大すぎて全てを把握しきれていない俺が居る
読み返してくるからその時こそ真のGJを送ろうと思う
402名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:07:41 ID:t1bWRnoJ
駆け出しSS書きの自分みたいのにとって、
このスレは『古今東西のラスボスが雑魚的のように徘徊している裏ダンジョン』
みたいな人外魔境なのですが……

>>392
これだけの世界観、これだけの伏線、これだけ胸を揺さぶる何かを創生するなんて、
貴方はどこかの団長ですかっ!?もう(最大級の誉め言葉として)余りにも酷過ぎ!
つかさがああなった辺りでは余りの絶望ぶりに真っ青になって、
ハッピーエンドは有り得ないと思っていたのに、これは、これは……!!!!
とにかく衝撃の余り脳がついて行かないですが、
それでも簡単な言葉で悪いですが言わせてくださいっ、 GOD JOB 、です!!!!
そして0から始まったかがみとこなたの二人にGod bless!!

>>349
たったこれだけの長さでこれだけの萌えとエロと可愛さと糖分が!?
というか、それまで自分の中では『Hシーンはかがこな』だったのが、
この一撃で塗り代わりました。
読んでる間中ずっとニヤニヤしっ放し、こなかが大好きな自分には致死的でした。
心も体もぬっくぬくです、いいものを本当にありがとうございますっ!!

……というか、このスレ素でレベル高過ぎ。お陰で自分の文章に自信がもてませんw
どうしてくれるんだっ
403名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:15:14 ID:jSSprObJ
>>402
逃げてちゃ……だめ…だ…

俺がな…
404名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:24:09 ID:48WKa/Eb
>>392
やべえよ・・・なんなんだよ・・・
このキーボードを濡らす鼻水はよ・・・
かがみとこなたとゴッドさんと『かがみ』その他に幸あれとしか言いようないんだぜ・・・
405名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:27:56 ID:r2pr4aGz
>>402
大丈夫、俺も偶に他のスレに投下するけど
とっくの前にこのスレの職人達の作品を見て心折られたから
406名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:34:09 ID:t1p1sOpk
>>392
一発逆転しやがったー!?


いやもう。そうつなげてきましたか。さすが天元突破のぶーわ節、うならせていただきました。
というかそこからmixiのアレにつなげますか、あんたって人はw
ともあれ、完結お疲れ様でした! ぐっじょぶ!!
407名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:46:29 ID:nsZ1ba1i
>>402
いやー、お疲れ様でした。
読んでいるうちに、何だかぶーわさんが影響されている思想が見えたような。
これでとりあえず、一つは完結ですな。
残りの未完ものも頑張ってください。
408407:2008/03/02(日) 02:47:43 ID:nsZ1ba1i
レスアンカーミスったorz
>>392宛てです。
409名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 03:15:54 ID:vySiU14k
「柊一年間」のシナリオを大幅に改稿させてやるぞ!!
ざまあ見ろアハッハッハ
アハハハ……
こなたーっ!!
結婚してくれえ!!」








ぶーわ氏
最高の物語を
ありがとう
ありがとう
410名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 03:59:21 ID:WQRXoQFH
ホントにGJ!!
完結おめでとうございます&お疲れ様です
明日改めて第一話から読んで再びぶーわワールドに浸りたいと思います
次回作にも期待しております!!!
411名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 08:55:32 ID:/MpN2J9R
>>392
色々書きたいけど、一言
GJ&おつかれっした
412名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 09:01:18 ID:9V6bNqjB
>>392
なんてモノを・・・GJ!



あれ、目から汗が・・・
413名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 10:07:46 ID:1RtEJCNX
>>344
俺は「残し物」の続きが気になって気になって……

>>392
まさに圧巻、でした。
ああ……やっぱり、ぶーわさんにはかなわないな……
414名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 10:29:25 ID:hHVIdffP BE:1557047096-2BP(0)
>>392
いや、もう本当に最高としか言いようがない…
自分の語彙の無さが恨めしいっす…


ぶーわさん、GOD JOBっした!
415名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 10:43:38 ID:1j8Azbs5
>>392
完結乙&無限大のGJをあなたに捧げます!
もう、あなたがゴッドぶーわを名乗ってください!そして、ゴッドかなたさん、ゴッドかがみと共に三大神に!www
携帯からじゃEDが見られないからちょっと図書館行ってきます。
416名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 11:30:21 ID:p5wc8BGa
>>413 残し物は、かがみの「かがみの確証を持ったと言う言葉や、鬱展開を予告していたことを考えたら、あのままこなたが衰弱死するとを暗示して終わりとも解釈できる。作者続くって書いてました?
でも自分ももう少し補足してほしい、始めのほうの、鏡の名詞を一枚抜き取ったところとか、伏線かなって思うところもそのまま(単に連絡先を知りたかったのかも知れないけれど)だし
。たとえ死を迎えることになってもそうじろうの前から姿を消した様に、失踪せずかがみに看取られてほしいところ。
417名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 11:40:19 ID:ecFvR7QT
準備をされている方がおられなければ、投下いたします。
41823-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/03/02(日) 11:48:04 ID:ecFvR7QT
「ゆーちゃん対策委員会 第4日」

・ゆたか&つかさ(他、全般)

 注意事項

・続き物
・エロあり
・シリアス
・ゆーちゃん注意
419ゆーちゃん対策委員会♪ 第4日 1/5:2008/03/02(日) 11:49:11 ID:ecFvR7QT
「みなさん。おはようございます。これより『第4回 小早川ゆたか対策委員会』を開催いたします。
本日は柊つかささんです。では、お願いします」
 つかさが壇上にあがって、お辞儀をしてから話し始めた。


〜 報告6 始め 〜

「つかさ先輩。お話って何ですか? 」
 焼いたクッキーと紅茶を出して、ひとごこちがついた頃、小早川ゆたかちゃんが尋ねてきた。
 ちなみに、今日はゆたかちゃんに声をかけて、私の家まで来てもらっているんだ。

「あのね。ゆたかちゃん」
 私は、少し緊張しながら話を切り出した。
「最近、何か嫌なことあったの? 」
 ゆたかちゃんは、瞼を何度か瞬かせた後、私の顔をまじまじと見つめながら言った。

「どうしてそういう事をおっしゃるんですか? 」
 ゆたかちゃんは、首を傾げている。
「あのね、ちょっと言いにくいんだけどね」
 ゆたかちゃんの方が下級生なのに、どうしても緊張してしまう。
 今までに何度も話はしているし、一緒に遊びにいったこともあるけど、
こなちゃんを通してしか、お付き合いをしていないからなのかなあ。

「あの、最近、お姉ちゃんやこなちゃんから話を聞いているんだけど…… 」
 ゆたかちゃんは、当然だけど、秘密で開かれている委員会のことは知らないの。
 みんなの話を聞くまでは、こんな可愛らしくて素直な子がまさか、あんなエッチな事を
するなんてとても信じられなかった。
 今でも、本人を目の前にしていると、ゆたかちゃんが女の子を誘惑しまくるような子には
とても思えないんだけど。

「あの…… どんな話ですか? 」
 ゆたかちゃんは、ティーカップに口をつけてから、真意を探るような表情を浮かべている。
「あのね。とっても話しにくいのだけど」
 私はごくんと喉を鳴らしてから、勇気を振り絞って言葉を紡いだ。

「ゆたかちゃん。どうして、いろんな女の子を誘惑しているの? 」
 ゆたかちゃんの形の良い眉がぴくりと動く。
 暫く、重苦しい沈黙が続いてから、ゆたかちゃんは、全てを拒絶するような表情を垣間見せながら言った。

「つかさ先輩にお話しする義務はないと思うのですけど」
420ゆーちゃん対策委員会♪ 第4日 2/5:2008/03/02(日) 11:49:54 ID:ecFvR7QT
(ううっ…… )
 ゆたかちゃんは心の扉をしっかりと閉めてしまっている。
 鍵を空ける方法を何とか見つけないと。

(どうすればいいの? おねえちゃん? こなちゃん? )
 だめ、だめ、いつまでもお姉ちゃん達に頼っていちゃ駄目なの。
 私がしっかりしなくっちゃ。
 ゆたかちゃんをこのままにしてはいけないんだ。

「あ、あのね。私、ゆたかちゃんを責めているつもりは全然ないの」
 必死で動揺を抑えながら言葉を紡ぐ。 
「ゆたかちゃんのことがとても心配なの。あの、気を悪くしないで聞いて欲しいんだけど、
このままだと、ゆたかちゃんが壊れてしまうような気がして」
 なんどもつっかえながら、何とか言い終わる。
「迷惑だったら、本当にごめんね。ゆたかちゃん」
 両手の人差し指を合わせながら、ゆたかちゃんの可愛らしい顔を覗き見た。

 暫く考えた後、ゆたかちゃんは、紅茶で唇を湿らせてから、少しだけ低い声を出した。
「つかさ先輩。ありがとうございます」
(えっ、納得してくれたの!? )
 安堵と戸惑いの感情が混じる。
 固く心を閉ざしているはずのゆたかちゃんが、あっさりと私の言葉に応じてくれたことに
ちょっと拍子抜けしてしまう。

「先輩はとても優しいんですね」
 ゆたかちゃんは柔らかい、誰もを魅了するような微笑を浮かべたの。
「あ、ありがとう」
 吸い込まれそうな瞳が、私をまじまじと見つめていて、心臓が破裂しそうになる。
421ゆーちゃん対策委員会♪ 第4日 3/5:2008/03/02(日) 11:50:34 ID:ecFvR7QT
 ゆたかちゃんはカップを置くと、一旦、立ち上がってから私の隣に座った。
「ゆたか…… ちゃん!? 」
「私、つかさ先輩のこと…… 」
 ゆっくりと私の首の後ろに手を回して、唇を近づけていく。
「わ、わ、ゆたかちゃん。待って! 」
 私は慌てて首を振った。
 駄目だよ〜 このままだとゆたかちゃんのペースになっちゃう。
「先輩!? 」
「あ、あのね。ゆたかちゃん。私ね」
 何とか言おうとするけど、上手く言葉にでてこない。どうして、肝心な時に駄目駄目なんだろう。
「つかさ先輩、とっても可愛いです」

 至近距離から上目遣いをされて、ぼうっとなってしまう。
 ゆたかちゃんは、小さく微笑んだ。私のうなじをなぞりながら、ゆっくりと顔を近づけてくる。
「先輩。あまり深く考え込まないでくださいね」
「そ、そんなこと…… 」
 ゆたかちゃんの唇が迫って…… うわあ、触れちゃった。
「ん…… 」
 ど、どうしよう。頭がくらくらするよお。
 ゆたかちゃんの唇はとっても柔らかくって、プリンみたいにぷるぷると弾んでいて凄く熱くなってしまうんだ。

「んむぅ」
(だ、だめだよう。ゆたかちゃん、し、舌が入ってきちゃうよ)
 ゆたかちゃんを押し戻そうとするけど、華奢なゆたかちゃんに遠慮をしてしまって、
どうしても力を込めることができない。

(わっ、わっ…… ちょっと! )
 ゆたかちゃんの舌が、わ、わたしの口内の、いろんな所をなめちゃってる。
 えっと、頬の内側の部分とか、歯茎とか歯とか、凄く恥ずかしいよう。
「ん、んむぅ、くちゅ、くぅ…… 」
 舌があふれそうな唾液を掻き回して、とってもイヤラシイ音を出してしまう。
 ゆたかちゃん、駄目だよう。
 このままだと、私、とっても、えっちな子になっちゃう。

「はぅ…… んむっ、んっ、くっ…… 」
 ゆたかちゃんのキスはすっごく熱くって濃いんだ。頭にじんじんと響いて心が蕩けそうになってしまうの。
 でも、それでもね。ゆたかちゃんのキスって……
「ぷはあ…… 」
 私は、渾身の力をこめてゆたかちゃんの唇から放した。
「つかさ先輩? 」
 ゆたかちゃんは呆然とした顔を私に向けている。
 彼女を夢から覚めさせることに躊躇いを覚えたけど、それでも言わなくっちゃならないんだ。
「あのね。ゆたかちゃん…… 」
 何度も深呼吸して、自分の気持ちを落ち着けてから、2歳年下のとても愛くるしい女の子に言った。

「ゆたかちゃん。凄く辛そうにキスしていたよ」
422ゆーちゃん対策委員会♪ 第4日 4/5:2008/03/02(日) 11:51:49 ID:ecFvR7QT
「…… 」
 ゆたかちゃんは何も言わずに、次の言葉を待っている。
「私は、ゆたかちゃんが誰と付き合っても、それはゆたかちゃんと相手の子との問題だから、
干渉するつもりはないの。そこまでは分かってくれるかな? 」
 ゆたかちゃんは、微かに頷いた。
「でもね。ゆたかちゃんが今の事を続けていっても、ゆたかちゃんは絶対に幸せになれないと思うんだ」
「何故、そう思うんですか? 」
 今まで無言を保っていたゆたかちゃんが言葉をはさんだ。

「だって、今のゆたかちゃん。少しも幸せそうじゃないんだもん」

 ゆたかちゃんの顔色が明らかに変わった。
 今まで被っていた仮面が少しだけ崩れたような気がする。
「お願い。ゆたかちゃん。以前のゆたかちゃんに戻って」
 私は、勢いのあまりゆたかちゃんの手を取って訴えかける。
「以前の私、ですか? 」
「うん。ゆたかちゃんはとっても素直でいい子だから」

 でもね……
 ゆたかちゃんは、首を静かに横に振ったんだ。
「人は、与えられた役目を演じなくてはならないのでしょうか? 」
 鈴の音がなるような、透き通った声が部屋に響く。
「そ、そんなこと…… 」
「私は、素直でいい子なんかじゃないですよ」
 ゆたかちゃんは小さく笑った。あどけない顔と似合わない、とっても皮肉な微笑み。

「それに、私の幸せは、私だけが決めるんです。つかさ先輩は私の幸せを定義することはできません。
それとも、幸せをいただけるのでしょうか? 」
 ゆたかちゃんは真剣な眼差しを向けて言った。
423ゆーちゃん対策委員会♪ 第4日 5/5:2008/03/02(日) 11:52:50 ID:ecFvR7QT
「私は、ゆたかちゃんが幸せになってほしいと心から思うよ」
 ひどく胸騒ぎがする。わたし、どこか、間違ってしまったの?
「それなら…… お願いを聞いていただけますか? 」
 ゆたかちゃんの強い瞳に、射抜かれてしまって全く動けない。
 彼女の手が伸びて、ゆっくりと私の背中に回る。
「え…… ええっ!? 」
 だめ、だめだよ。ゆたかちゃん。そんな事をしたら、今までと変わらないよ。
 出口の無い迷路から抜け出せなくなっちゃうよ。
「もし駄目なら、私を思いっきり突き飛ばしてください。つかさ先輩の力なら簡単にできるはずですから」
 たしかに体力の差はあるけど、そんな酷い事できないよ。

 私が戸惑っているうちに、ゆたかちゃんの唇が首筋を捉えてしまう。
 身体中に電流が走ってびくっと跳ねる。
「先輩、身体を楽にしてくださいね」
 ゆたかちゃんの舌先が、首から鎖骨へとゆっくりと這う。
「あぅ……」
 駄目、何か言わなくっちゃ。
 でもね。頭の中が麻のように乱れて、言葉にすることができないよ。
「先輩、気持ちを楽にして、頭を真っ白にしてください」
 ゆたかちゃんの言葉が、私を蕩かしていく。
 うん。そ、そうだよね。
 深く考えても仕方がないんだね。
「そうですよ…… だからつかさ先輩は大好きです」
 私は催眠術をかけられたように、ゆたかちゃんの言葉に頷いた。

〜報告6 終わり〜


「えっと、今日はここまでです」
「つかさ、まだ話が終わっていないわよ? 」
 脚を組んでいたかがみが突っ込みを入れる。
「続きは明日にするね。お姉ちゃん」
 つかさはかがみに言ってから、ぺこりと頭をさげて壇上から降りる。
「ゆーちゃん…… 」
 こなたは難しい顔をして考え込んでいる。いつもはピンとたっているアホ毛がしゅんとなっている。
「ゆたか…… 」
 みなみは俯いたままだ。
 身体を小刻みに震わせながら、取り出したハンカチを折りたたんだり開いたりしている。

 全員を見渡しながら、壇上にあがったみゆきが静かに口を開く。
「さて、そろそろ時間となりました。これでは『第4回 小早川ゆたか対策委員会』
を終了させていただきます。本日はこれにて散会いたします」
424名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 11:56:23 ID:t1p1sOpk
リアルタイムに読了しました。


さてさて。どーも雲行きが怪しくなってきましたねー。コメディと油断していたら足元をすくわれた感じです。
対策委員会っぽくはなってきましたが、果たしてどうなりますやら。ぐっじょぶ。
425名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 11:59:44 ID:xRKvKlDm
ようやく「問題点」が出てきたようで「対策委員会」っぽくなってきたがまだまだ何かありそうですな。
GJ!
42623-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/03/02(日) 12:00:59 ID:ecFvR7QT
続きます。
読んでくれた方、本スレ及びまとめに感想を入れて頂いた方、ありがとうございました。
とても励みになります。
素晴らしい大作の後に投下するのは、やはり、少し緊張してしまいますね。

あと、つかさ視点は、個人的には話が書きやすいのかな、なんて思います。
それでは。

427名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 12:01:10 ID:jbvUBKIm
いや、「対策委員会」なのに何も対策してなかった
今までのほうがおかしいのだと思いますがw

急に続きが気になる展開になってきましたね
428名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 16:09:30 ID:tEc6qkyi
>>392
つまり0かがみんのお母さんはゴッドかなたさんだったわけですか

そしてかがみんはゴッドかがみんになるべく修行をして、今後からこのスレは
ゴッドかなたさんとゴッドかがみん(見習い)によって見守られるわけですね!

とにかくお疲れ様でした!
429名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:04:19 ID:iHj5aoip
>>426
つかさには見えている・・・
逆転裁判のあの鎖だらけの心の錠前が!!
GJです!相変わらず対策しない姿勢が素敵です!
430名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:10:00 ID:siahgwWy
>>428
っていうかさ…いい加減関係ないSSへの感想でゴッドネタとか出すのやめない?
別にそのネタ自体を否定するわけじゃないけど…
さすがに「神」という単語出てきただけで毎回それに結びつけられても。
431名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:14:15 ID:jbvUBKIm
同意。今回はぶーわ氏本人の作品だからいいとして、
他人の全く関係ないSSにまでそのネタを持ち込むのは作者に失礼。
432名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:19:43 ID:tEc6qkyi
>>430
あれ?関係ないというか張本人じゃないのか?

天使ってゴッドかなたさんの事だと思ってたんだけど
人袖の話題もしてたし

違ってたならごめん、読解力つけてくるわ
433名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:30:38 ID:siahgwWy
>>432
…………あれ、そだっけ?

いかん、もしかしたら読解力つけなきゃいかんのは俺かもしれん。
434名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:35:52 ID:yOfYAZlf
>>430
関係ないというか、モロ本人じゃないか?
作者もぶーわ氏だし、描写からしても明言はされてないが同一人物っぽいぞ?

あと、他の人の作品でゴッドさん言われるのは大抵前書きに「ぶーわさんの設定使ってます」と書かれてる奴じゃね?
こな☆フェチみたいなもんだと思ってたが
435名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:43:39 ID:siahgwWy
>>434
あーだったら>>428ごめんなさい。
正直同一人物という発想が全く無いまま最後まで見てたわ…
436名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:55:24 ID:tEc6qkyi
>>435
どどんまい

まぁゴッドかなたさんって名前もぶーわ氏がつけたわくじゃないしね

確か感想で誰かが言いだしたんだっけ
437名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 18:58:50 ID:yOfYAZlf
そういや正式な名前は無かったんだな
まぁそっちのが幻想感漂ってるし、面白いな
438名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 19:03:08 ID:O0N2xUfB
初出は13スレの「GM=ゴッドみゆき」かな?
ゴッドかなたさんは21スレ目だけど
439名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 19:29:34 ID:a6eMcpqR

このスレの住人が彼女をゴッドと定義した
本当のゴッドは存在しない
440名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 19:58:33 ID:vj4Kpo6s
だれがうまいこといえと(ry
441名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:06:09 ID:r2pr4aGz
神って要するに世界を作った存在だろ?
だったら此処の神はこのスレを日々盛り上げる住人全員なんじゃないの
442名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:53:47 ID:FKaM4BAs
伝説によると神は女でありながら無乳らしい
443名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:54:40 ID:X8BMHO4z
なんだみなみんか
444名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:28:01 ID:VeMjuUen
微乳はほとんどのキャラが該当するが、無乳は一人しかいないもんな…(´・ω・`)

でもそんなみなみんが好きだ
445名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:54:34 ID:BZtZqQ21
>>392
これしか言葉が無い

あ ん た 天 才 や


ところでぶーわさん、書きかけの男かがみTSの続きはまだですか? (←催促すんな)
446名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 22:28:28 ID:uB0y4Fso
>>444
小学生のひかげと同ランクだもんなあ…。
みなみん頑張れ!
447緑のブルジョワ:2008/03/02(日) 23:05:31 ID:vySiU14k
また胸の話・・・最近ゆたかと結ばせて・・・もらえないし・・・

みんな・・・みんな・・・

ドッジボール・・・ぶつけてやる・・・;;;;;;;;;
448名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:12:19 ID:ecFvR7QT
>447
一旦は、結ばれる話でいいなら……


449名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:46:36 ID:yOfYAZlf
>>448
一旦、ってなんだ一旦って
450名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:50:19 ID:r2pr4aGz
鬱展開フラグ?
451名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:53:18 ID:O0N2xUfB
きっとどこかのBARで、「そちらのお客さんに」ってな感じで
湯飲みをシュッとカウンターの端に滑らせてるところを現してるんだよ

つ 一旦
452名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:55:33 ID:ecFvR7QT
鬱と言うか、結ばれてから悲劇になるというか…… 需要無いなw

>451
それだ!
453名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:57:30 ID:r2pr4aGz
きっとゲゲゲの鬼太郎のパロなんだよ

え、字が違う?
454名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:21:54 ID:cum3z8KZ
とりあえず、>>447方面からドッジボールの弾g



>7-896氏他『こな☆フェチ』の設定を使っている皆様方
早く全職人さんがこなフェチにかかって作品書くようにお願いします。

そもそも『こな☆フェチ』の定義h
455名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:29:15 ID:FG+3cRXS
何、こなフェチってそんなに需要あるの?
456名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:30:26 ID:ENK82+Bd
SS投下します。4~5レス。
基本・王道・甘党。2番煎じであっても、構わんわん。

タイトル 「大好き」

エロなし。
アニメの後日談。
かがみ視点。
4571:2008/03/03(月) 00:31:50 ID:ENK82+Bd
「やったぁ〜〜!!!」


桜藤祭でのチアダンスは大成功に終わった。今まで頑張った甲斐があったというものだ。
みんなで抱き合って大喜びした。

こうして、桜藤祭は終了し、今は体育館で片付けをしている。私の隣では、こなたが座っている。
二人で今日の出来事をあーだこーだと話していたところだ。


「本番のダンスとってもうまくいったわね!」
「かがみが、みんなをひっぱってくれたおかげだヨ!」
「こなただって…頑張ってたじゃない」
「かがみだって…」
「こなたも…     …うふふっ」
「えへへ…」

お互いを誉め合うなんて滅多にないことだから、ちょっと恥ずかしい。

少しの沈黙。
お互い笑顔のまま見つめ合ってるのも、そろそろ恥ずかしくなってきた頃。


「…かがみん」
こなたが少し下を向きながら、私の名前を呼んだ。今まで聞いたことのない、優しい声で。

「…なあに?」




「大好き」

「ん。 …へ?   …?   え…?  え? え!?」

突然のこなたの言葉を理解した瞬間、私の顔がみるみる真っ赤になったのが分かった。

でも、いつもの(ちょっと過剰な)こなたのスキンシップの一つくらいだと思ったのだが、こなたはそれからじっと私の方を見たまま何も言わない。
…そ、そんな優しい顔で見ないでよ…  恥ずかしいわよ…   …なんか…しゃべってよ…


「な… な…何…?今のって…」
「もちろん告白だヨ。愛のこ・く・は・く」
「…えぇえええ!!!!!」
「む、何でそんな驚いてるかな。今まであんなにたくさんフラグ立ててきたのに、告白にも気付かないの?」
「だ、だって…だって…!あんた、普段から私にすぐくっついたりしてくるから…」


私は、こなたのことは好きだ。
友達とか、女の子同士だということとか、そういうことを越えてしまいそうなくらい…こなたのことが気になっている。
でも、なんで、こいつはいつも突然、突拍子のないことを…   …突然そんなこと言われたって…!
4582:2008/03/03(月) 00:33:03 ID:ENK82+Bd
「…かがみ、もしかして、困ってる?」
「…え」
こなたの顔が少し寂しげになった。

「っ、ううん!!そんなことないわよ!  …そんなこと…」
…これで、私の気持ちも伝わってしまった。私は下を向いた。は、はずかしい…


「…良かった」
こなたはにっこり笑った。


「それじゃあさ…これからかがみとラブラブしたり、デートしたり、いっぱいイチャイチャできるわけだね?」
「…ん…まあ…そうなのかな…」
「くふふ、真っ赤なかがみん、可愛いよ☆」
こなたが私をつついてきた。
「ちょ、ちょっとぉ…」

こなたは私よりひと回り小さな手で、私の両手を握ってきたので、私の心臓がどきっとした。私の手にぬくもりと、手のやわらかさが伝わってくる。
「かがみ、これからもよろしくネ…?」
私をとても愛しそうな目で見つめてくるこなた。私の胸がこなたへの想いで締めつけられる。
「う…うん…」
こなたを困らせるわけにもいかなかったので、どうにか笑顔を作って、なんとか返事を返すことができた。

「…んじゃ、そろそろ片付けに戻りますか」
「…」

こなたの手が離された。その時、私はもっとこうしていたかった、という思いに気付く。
こなたは立ち上がって、少し歩くと、立ち止まって私の方を振り向いた。

「…かがみ。ずーっと一緒にいようね!」
頬を赤く染めたこなたが言った。
私がぽかんとしていると、こなたは背を向けて体育館の外に向かってすたすたと歩いていく。


体育館で、一人になった私は、ようやく思考が戻り始める。
…私は、すごく嬉しくなった。こんなたった数分の間に、私の想いが叶ってしまっていたようだ。
でも、まだ私からは何も言ってあげてない。
だからこなたにも言ってあげよう。私の想いをいっぱいこめて…

私はこなたの方に走って近寄る。



そして、こなたを後ろから思いっきり抱きしめて、満面の笑みで言った。
4593:2008/03/03(月) 00:37:58 ID:ENK82+Bd
  
 
「大好きっ!!」




「か、かがみっ!?」

こなたは、普段は見せない驚きの顔で、真っ赤になっている。
その姿が可愛くて私はもっと笑顔になって、ぎゅうと抱きしめる力を強めた。





…でも、このタイミングは失敗だった。


チアを一緒に踊った皆が目の前にいた。

私は、皆の前で、こなたを抱きしめて告白してしまったのだ。しかも、これ以上ない笑顔で。
どうやっても、ごまかしようがない。


「や…!!あ、これはっ…!その…!!そういうことじゃなくて…!!」
私は慌てて、こなたを離す。体中の熱が顔だけに集中したみたいだ…
頭の回路がショートして、何をどう言っていいのか、まったく分からなくなってしまった。


「お…お姉ちゃん…」
つかさが赤い顔でびっくりしている。もう、今までの姉の威厳とか全部台無しorz
「Oh〜!なんというタイミングなんでショウ☆」
パトリシアさんが、目を輝かせて興味津々な態度を示している。そうよね…そりゃそうなるわよね…
「や〜、まいったなあ…かがみんに告白されちゃったヨ」
(あ、あんたが最初に言ってきたんでしょうがっっ!!!!)と言いたいのだが、頭の中が沸騰していてもう何も言えない。

「うふふ…ほんとにお二人は仲がよろしいのですね」
みゆきが言った。そこはできれば私をフォローしてもらいたかった…

「かがみ先輩すごい良かったっす!!!ツンデレのデレ部分がやはり強力っす!!」
「いきなり後ろから抱きしめて『大好き!』なんて萌えるシチュですネ♪」
「あー!!!やめろぉ〜!!!」
私は真っ赤になりながら、耳を塞ぐ。
4604:2008/03/03(月) 00:40:12 ID:ENK82+Bd
  
ゆたかちゃんが言った。
「…で…でも、良かったよね。おねえちゃん、かがみ先輩ととっても仲良しだから…ねえ、みなみちゃん…?」
「…(コク)」
みなみちゃんがうなづく。
「うん!お姉ちゃん、こなちゃんのこと大切にしてあげてね!あれ…ということはこなちゃんも私のお姉ちゃんになるのかな」
「つかさぁ!!」
「まぁいずれはね(=ω=.)」
「こなたぁ!!!!」

「うふふ、柊ちゃんて普段は委員長の仕事とかでもしっかりしてるのに、泉ちゃんの前だとこうなのよね」
「ひいらぎ熱いぜ☆」
「うぅぅ…」
「それでソレデ!?お二人はキスはしたのですカ〜?」
「し、してないわよ、そんなことっ!!!」
「この後の打ち上げ会でフラグ立ってるだろうね」
「ば、バカっ!!あんた何言ってるのよっ!!!」
私は顔を真っ赤にしてこなたに向かって、叫ぶ。



その時、こなたがイタズラ顔で私を見つめた。
「…きゅふ」
「な…  …なによ」

「かがみん、だ〜い好き!」こなたが私に抱きついてきた。
「「「おお〜〜〜!!!」」」
「…ちょ、ちょっ!!!コラ…!!…ははは恥ずかしいから、やめ、やめっ!やめなさいってぇ〜!!!///」



その日の夜…
みんなで打ち上げ会をやっていたのだが、こなたの言った通り、途中から私たちは二人だけ別の部屋で甘〜い時間を過ごすことになった。

もっとも。私のかん高い叫び声まで聞こえてしまったのはさすがにまずかったが。

orz
完。
461名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:42:14 ID:ENK82+Bd
ちなみにこれと似たシチュのSSは前にも書いたことあるけど、弱冠文章力落ちてるかもしれん。

でも、やっぱ基本カプの純愛が一番好きだ。
こなかが、つかゆき、ゆたみな、みさあや、パテひよ…

というわけで、あやの。彼氏と別れてみさおとくっつry


ラブラブなみさあや、しばらく見てないから見たい(他力本願上等
462名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:43:01 ID:FG+3cRXS
乙、何だかんだでこうゆう王道が一番好きだ
463名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:47:25 ID:2hKJ8ZPO
なぜだろう……

「かがりの中の魂(ひと)=0かがみん」

という妄想が頭をよぎった……
464名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 01:11:29 ID:TKHaLXHy
某00見てからここ読んで、0かがみんを「オーかがみん」と読んでしまった俺がガ○ダムだ。


……すまん。
465名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 01:26:18 ID:2hKJ8ZPO
……もし、運命や境遇に恵まれなかったら……

0120-オーかがみん-オーかがみん
466名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 01:28:27 ID:HRyszoo9
>>461
GJ!
>>462で言われたが、俺もこういう王道が一番好きだ
にやにやしつつどきどきしつつ読ませてもらいますた。
こな×かが最強!(=ω=.)9m
467名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 01:39:27 ID:dEPR41WN
>>461
いちいちみんなの前でやってしまってテンパるのが可愛い
468名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:10:35 ID:lDkVg4zA
>>461
GJ!うん、王道っていいよね

で。
−−−
461「というわけで、あやの。彼氏と別れてみさおとくっつry」

 冗談だろうとはいえ、そんなことを言われてしまったあやのは、思い悩んでしまっていた。
(みさちゃんも、もしかして私がお兄さんと付き合ってることに嫉妬してるのかしら?もしそうなら……
だけど、私はお兄さんのことが好き。みさちゃんのことも友達として好きだけど、それとは意味が違う。
でも……もしどちらか一方だけを選べ、と言われたら、……だめ、私には選べない)
「あやのー、どうかしたのかー?」
 突然、あやのの様子がおかしいのに気付いたみさおが声をかけた。あやのは慌ててなんでもない様に
振舞おうとするが、みさおには通用しなかった。
「さては、さっきの『彼氏と別れてあたしとくっつけ』とかいうの、本気で悩んでたとか?」
「う、うん……」
「だったらさ、どっちか一方を選ぶんじゃなくて、両方あやののものにしちゃえば?ほら、どうせ兄貴
はあたしの兄貴なんだし、なんとかなるって」
「えっ、えぇっ!?」
「別に兄貴と毎日夜通しエロいことしてるとかじゃないんだろ?だから、一晩ごととか時間とかで交代
とか、それか私が兄貴から一時的にあやのを借りていちゃいちゃするとかにすれば、うまくいくって。
―――ま、今日帰ったら兄貴に話してみるから、次からそのつもりでー」
「え?あれ?えっと、……なんで?」

 その時、少し離れたところで、こなたの青いあほ毛がある気配に反応していた。
「ほう、みさ×あや×兄の3Pフラグとな?」
「なんでそうなるのよ」
−−−
469名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:30:22 ID:SASXtFEv
投下予定の方がいないようでしたら、10分後くらいに投下します。
470名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:37:38 ID:Hq1E29OG
王道とは、伝家の宝刀とも申しましてですなw

>>469
どうぞどうぞ。楽しみに待機中でつ。
471名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:37:39 ID:ZCtUftXa
>>461
GJ。
いやぁ・・・ニヤニヤが止まらないよ!
王道ってやっぱりいいね!
この二人大好きだー!
47236‐300:2008/03/03(月) 02:40:16 ID:SASXtFEv
それでは投下します。

・ゆーちゃんがこなた、みなみ、ひよりん、パティに愛されてます
・非エロ
・8レスくらい?使用
・携帯からなので、見づらかったら申し訳ありません
473idol fancy(1/8):2008/03/03(月) 02:42:19 ID:SASXtFEv
「ん……ぅ…」

眩しい光で、閉じた目蓋の裏側が白く染まる。今日もすっごく良い天気みたい。ああ、早く起きなきゃ…。こうして今日も、私の何の変哲もないごく普通の一日が始まる……。


‐‐‐‐‐

「ゆーちゃーん。朝だよ、ゆーちゃーん」

そう言いながら、私はゆーちゃんの部屋に入っていった。え、私がこんな朝早く起きてるなんておかしい?

私がここ最近柄にもなく早起きしているのは…そう、まだ眠っているゆーちゃんを堪能す…あ、いやいや、起こしてあげるためなのだよ。おねえちゃん(いとこだけど)の権限ってヤツだね!

「ゆーちゃ〜ん…」

お、本日も健やかに寝ておりますな。窓から差し込む朝日が顔に降り注いでいても、ゆーちゃんは全く起きる気配がない。私はゆーちゃんの傍にたたずんで頬杖をつき、その寝顔を見つめる。

ピンク色のさらさらの髪の毛に、朝日がきらきらと光を落としている。取れたてのみずみずしい桃みたいなほっぺは、ちいさな呼吸に合わせてわずかに動いているように見えた。


…こんなに可愛い寝顔、見てるだけじゃ物足りないよネ。

「……ぅみゅぅ…」

ゆーちゃんが少しだけ体を捩る。そして少しの沈黙のあと、また規則的な可愛い寝息が聞こえてきた。

…今聞きました?「ぅみゅぅ」って。「ぅみゅぅ」って!!ちょ…んな子ぬこ…もとい子ねこみたいな寝言聞かされたら、もう…ますますどーにかしたくなっちゃうってば……。
474idol fancy(2/8):2008/03/03(月) 02:44:27 ID:SASXtFEv
ぐっすり寝てるみたいだし…か、軽いちゅーぐらいなら…

頬杖をやめて、身を乗り出すみたいにしてゆーちゃんの顔に私の顔を近付けていく。

可愛らしいくちびると私のそれの距離が縮まっていく。

あと10センチ。
あと5センチ。
あと3センチ…

「んにゅ…ふぁ…あ、おねえ、ちゃん…?」
「ほわぁ!!!!!」

ど、どどどど…どーして…どーしてこのタイミングで起きるかなこの子はっ!!!

「あれ、…なんかおねえちゃんの顔が、今すごい近くに…」
「あーーっと!!ほ、ほらほらゆーちゃん、早く準備しないと遅刻だヨっ!?」
「え…ってきゃああもうこんな時間!?急いで準備しなきゃっ!!」
「そうそう早く早くっ!」

……やれやれ。さて、私も自重…いや、学校の準備しないとネー…。



‐‐‐‐‐

学校の昇降口傍の廊下を歩いていると、小走りをしている小さな足音が聞こえた。まだ朝も早いのに走って……いや、もしかして…

「…ゆたか?」
「ふわっ!」

うしろを振り向くと、可愛らしいピンクのツインテールがぴょこぴょこと揺れていた。…やっぱり。
475idol fancy(3/8):2008/03/03(月) 02:47:29 ID:SASXtFEv
「えへへ…やっと追い付いた。みなみちゃん、おはよ!」

登校途中で見つけた私を追い掛けてきてくれたのだろう。ゆたかは息を少しはずませながら、太陽のような笑顔で私に言った。…ゆたかは、今日もすごく可愛い。

「ふふ…おはよう。ゆたか、今日は少し遅かったね。お寝坊さん?」
「はわっ!え、えっと、その…っ………うん…」

はずかしがっているのか、顔がほんのり赤い。ああもう。本当に…本当に可愛いなあ…。

「今日は…寒いね」
「嫌だよね〜。…あ!そうだ、みなみちゃん、これあげる!」

ごそごそとコートのポケットを探ると、ゆたかは私にソレを差し出してきた。

「これ…カイロ、良いの?」

差し出されたのは使い捨てのカイロだった。今日は一段と冷え込んだから、持ってきたのだろう。

「うんっ!みなみちゃん、それ使って?」
「でも…ゆたかが寒くなる」
「私は平気だよ、今急いできてからだいぶあったかくなったもん。それよりも私、みなみちゃんの体が冷えちゃう方が嫌だよ!だから、ね、使って」

笑顔のまま、ゆたかは言う。…本当にもう、この子は。
476idol fancy(4/8):2008/03/03(月) 02:49:28 ID:SASXtFEv
「…ゆたか」
「なあに?」
「……ありがとう」
「…うんっ!」

最高の、とろけるような笑顔を浮かべ、ゆたかは私の手にやさしく触れた。


ゆたか。私は、たくさんゆたかに助けられた。だから…私も、ゆたかを守ってあげたい。お願いゆたか、こんな私じゃ頼りないかもしれないけど…ゆたかのこと、守らせて…ね。

「みなみちゃん、早く教室いこ!」
「…うん」

ゆたか…。



「お!あれって小早川さんじゃん?」
「マジだ…今日も可愛いなあオイ。俺小早川さんタイプなんだよね」
「可愛いよな小早川さん!ちっさくて病弱で…守ってあげたいってカンジ」
「だよなだよな!守ってあげたいよなー!」

――――ギンッ!!


「……何か、今突然強い敵意の視線を感じたような…」
「お、俺も…」


ゆたかを守るのは、私の役目………。
477idol fancy(5/8):2008/03/03(月) 02:51:50 ID:SASXtFEv
‐‐‐‐‐

「おはようっ田村さん!」
「あ、小早川さんに岩崎さん。おはよー」

小早川さん、今日も笑顔が眩しいッスねえ。徹夜明けの五臓六腑に染み渡るッス。しかし朝から岩崎さんとお熱いことで。やっぱり百合カポゥはいつも一緒じゃなきゃあ!

…って朝っぱらから何を考えてんスか自分は!!自重しろ自重!自重自重次長!あ、最後違うか…。

「うう…ふおぉぉおぉ…!」
「た、田村さん?どこか具合悪いの?大丈夫?」

罪の意識に苦しむ(悶える)私を見て、小早川さんが心配してくれてるッス。か、かたじけない…!

「だ、大丈夫っ!どこも全然、ぴんぴんしてるよ!」

…考えが腐っているだけッスよ。

「良かった…でも、具合悪い時は無理しちゃ駄目だよ?」
478idol fancy(6/8):2008/03/03(月) 02:54:22 ID:SASXtFEv
あ、そうか。小早川さんは自分が体が弱くて、体調を崩しやすいから…その苦しさとか、辛さを嫌って程わかってるんスね…。だからこんなに私の心配を…。

心配そうに私を覗き込んでいる小早川さん。その星を湛えたような大きな瞳は、今にも涙が零れ落ちてしまいそうな程に潤んでいる。大丈夫かと言葉をかけるくちびるは、ふっくらと桜色に色付いていてもうなんていうか…


……可愛い。


…ッいや待て待て待て待て!!!!確かに!今何を!私は何を考えたッ!!?

確かに私は百合が好きだ!断言しよう、百合が好きだ!!だけどもだけどっ!それはあくまで読んだり見たり書いたりする側での話ッス! 自分が体験するだなんてもってのほかッスよ!

「ふ…っふおぉぉおぉ…ッッ!!!!」

ゆ、百合なんてっ!百合体験なんてっ!!

「た、田村さんっ!?やっぱり、どこか具合悪いんじゃ…」


星を湛えた瞳。
桜色のくちびる。



……あう。
479idol fancy(7/8):2008/03/03(月) 02:56:44 ID:SASXtFEv
‐‐‐‐‐

Oh!イントルーダーアラート!
…じゃなかッタ、ターゲットをハッケンしマシタ♪ターゲットはゲンザイヒトリ。コイツァ朝からエンギがグッドでス!

ソモソモこのガッコウ…というカ、パティのマワリには「萌キャラ」が多いのでス。ちびオタ・コナタ。クールビューティ・ミナミ。ヤマトナデシコ腐ジョシ・ヒヨリ。

デモデモ、ヤハリナンバワンの萌キャラは…


「グッモーニン、ユタカ!」
「あ、おはようパトリシアさん!」

ソウ、このスズのコロガルようナロリボ…イエ、キューティボイス。クイーン・オブ・萌キャラは、ヤハリユタカデス!

「そうだ、あの…パトリシアさんにちょっとお願いがあるんだけど…」
「Oh!ユタカのためナラ例え火のナカ水のナカあのコのスカートのナカ!なんデモ言ってクダサイ!」
「あの…今日提出の、英語のプリントで…ちょっとわからないところがあってね…」
「ソコを見せれバ良いのデスね。Ok!任せてくだサイ、なんたっテイングリッシュは母国語デス♪」
「ほ、ほんと?ありがとうパトリシアさんっ!」

不安なカオからイッペンして、ユタカがベリィキュートなスマイルになりマス。Ah...とても可愛ラシイデスユタカ…。このパティ、ユタカにダッタらフルボッコにされテモ構わナイデス…!!
480idol fancy(8/8):2008/03/03(月) 02:59:05 ID:SASXtFEv
「…でも、ごめんね…」
「ユタカ?」

さっきのスマイルはドコカに消え失セ、ユタカは今にも泣きそうナ顔をしていマス…。

「私…ただでさえしょっちゅう具合悪くしてパトリシアさんにも迷惑かけてるのに…こんなことでまで迷惑かけちゃって…」

ユタカの眼カラ、ナミダがこぼれソウになっテ。そんナ…そんナ、ユタカは…

「…ごめんね……」
「ユタカ!」
「……っ!?」

ショードウ的に、ユタカを抱き締めテいまシタ。マワリの眼?そんナのカンケーネエ。

「ぱ…っパトリシアさん、ここ教室…!」
「ユタカ。聞いてくだサイ。ユタカのカラダがヨワイのは、ユタカのせいじゃナイデス。そしてユタカ、ワタシは…ユタカにメイワクをかけられたオボエなんテ、今マデ一度もありまセン!」
「パトリシアさん…」
「だかラ、ユタカはあやまってハいけナイのデス!!」

ユタカは、その大きナ眼を一度閉じたアト。

「…うん、ありがとう…パトリシアさん」

マタ、オハヨウって言ってクレタ時のスマイルに戻って言いマシタ。

ソレは、まるデ、ハートがとろけるようナ。そんナ、…ビューティフルスマイル。

「ユタカ……I love you.」
ちゅ。

「……ぱっ、パトリシアさん!!??いいい今…」
「Oh,ユタカ、アメリカではタイセツなヒトにはキッスをプレゼントするモノデスよ?」
「こ…ここは日本だよっ!」


ソウ言って真っ赤になるユタカは、ベリィベリィキュートで。ヤハリユタカは、ナンバワンの…ワタシだけの、オンナノコデス♪



‐‐‐‐‐

学校から帰ってきて、お夕飯を食べてお風呂に入って。また、夜がやってくる。

今日も一日、色んなことがあったなあ…。お父さんお母さん、私のまわりはみんないい人ばっかりです。私はきっと、幸せ者だよね。
だから私は今日もこうして眠りにつく。長い夜の先にある、何の変哲もない、ごく普通の、とても素敵な一日へ向かうために。


END.
48136‐300:2008/03/03(月) 03:01:48 ID:SASXtFEv
以上です。ありそうでなかったゆーちゃん総受けでした。ひよゆたとかパティゆたの様なあまり見かけない組み合わせを書けて楽しかったです。

読んでくださった方々、ありがとうございました。
482名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 03:21:10 ID:2luw17vv
リアルタイム遭遇やふー!!
ゆーちゃん素でモテモテすぎ〜ぃ!!
しかも当人だけまるで分かってないのも素敵ww
GJ!!でごでりますです!!!
483名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 03:21:59 ID:Nhg1IcxP
じ、自分が今書いているやつとちょっとカブってる…!
でもだからこそGJっス!!やっぱりゆーちゃんはみんなに愛される存在なのですよ、うん。
484名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 10:08:15 ID:2dRGb7yT
投下予定がないようでしたら投下させて頂きます
48526-485:2008/03/03(月) 10:13:02 ID:2dRGb7yT
三月三日という事で雛祭りネタ、行きます

・かがみ×こなた
・エロ有り
・こなた以外壊れてます(以前の節分ネタみたいな感じ
・特に髪がピンク色の方は酷いです

8レス拝借します
486お花を食べましょ性の花(1/8):2008/03/03(月) 10:13:40 ID:2dRGb7yT
 三月上旬になると頭の中で自動再生されるワンフレーズ。
 女雛と男雛の人形を飾り女の子の健やかな成長を祈る日。
 そう、今日は楽しい雛祭り。





 お花を食べましょ性の花





「バ、ル、サ、ミ、コ、酢、っと……」
 三月三日の昼下がりの事。我が家の居間には私とつかさの二人のみ。
 メールをしているのだろう、打っている文字を無意識なのかわざわざ口に出しながら携帯を操作するつかさ。
 そんな妹の様子を、私はいつになったら慣れるのだろうかと少し呆れながら、ちらりと横目で覗き見る。
 目的の文字を画面に表示するボタンを探しているしかめっ面。
 それを発見して瞬く間に歓喜に満ちる明るい顔。
 二つの表情を忙しなく繰り返すつかさに、私は何となく微笑ましさを覚える。
「グ、グ、レ、カ、ス、っと……」
 僅か数秒で前言撤回。何を打っているんだ何を誰に送るんだ誰に。
 頭のほんの片隅でも想像出来なかった妹の言動に何も言う気になれず、私はただ眺めていたテレビへと視線を戻す。
 画面には最近知った番組『伊藤誠家の食卓』が放映されていた。
 この番組は全国各地から取り寄せられた日常で役立つ簡易なテクニックや、身の回りのちょっとした工夫で出来る便利な事とかを紹介するものだ。
 毎週火曜日の夜七時から絶賛放送中で、視聴率は毎回フラン○ースの犬の最終回を越える数値を叩き出していると専らの噂。
 ちなみに寄せられるお便りの大半は誠氏ねというものらしい。
「では最初はこのコーナー!君が使っている丸秘テクニックを紹介するぞっ」
 この時間帯だからこれは再放送なのだろうかとか、高視聴率の噂話は本当なのだろうかとか、番組の内容とは掠りもしない事を頭に浮かべながら頬杖をつく。
「まずはこのお便り、高良みゆきさんのじゃんけんの新勢力につい」
 即座にリモコンを取り電源を切ったから、音声が途切れた。
「あれ、何でテレビ消したの?」
「不可解な映像が流れたもんでね」
 それを変に思ってか尋ねてくるつかさに事実のみを伝える。
 そう言えばこの番組度々途中にトラブルが起きて、その時は事態が好転するまで美しい湖を漂う船の映像が流れるんだったなと、自分で静まり返らせた電化製品を見て思い出す。
 まぁそんな事はさっさと脳内から削除するけど。
 っていうかみゆきまだじゃんけんの研究してたんだ。
「あのね、今こなちゃんとメールしてたんだけどね」
 さっきのメールはこなた宛だったのかよ。目まぐるしく変動する状況や思考についていけず溜め息が出る。
「今お雛様飾ってるから家に来ないかだって」
 一体あの内容でどうやってそこまでのやり取りをしたのか甚だ気になったが、世の中には不条理な事はいっぱいあるんだと浮かび上がった疑問を無視する。
 もしかしたらただ手伝いに借り出されるだけかと思ったが、こなたの誘いを断るには至らず私達は早速家を出て行った。
487お花を食べましょ性の花(2/8):2008/03/03(月) 10:14:03 ID:2dRGb7yT
「おー、いらっしゃい」
 泉家のインターホンを押した後、程なくして扉が開かれ歓迎の言葉と共にこなたが姿を現した。
「おっすこなたー」
「お邪魔しまーす」
 軽く挨拶を返して用意された室内履きに履き替える。
「それにしてもあんたの家、まだ雛人形飾ってたのね」
 先導して居慣れた家を案内してくれるこなたの背中に、声を掛ける。
「ゆーちゃんがやりたいって言っててね、まぁ私も反対じゃないからって」
「家も昔はやってたけど、今はやらなくなったよね」
「皆成長したからね」
 つかさの発言に合わせたところで、ふと思う。
 ひな祭りって女児がいる家庭でその子の成長や幸福を祈る行事だ。
 という事は、こなたもまだ身長や胸囲が伸びる可能性に賭けているのだろうか。
 子供っぽいところがあるから、そうなんじゃないかと本気で考えてしまう。
 今のままで十分可愛いのになぁ。あ、でも大人の雰囲気を醸し出すこなたもちょっと見てみたいかも。
 網タイツとか黒ストとかガーターベルトとか、思いつく限りの大人の女性のファッションを脳内のこなた着せ替えツールで試してみる。
 私の中で大切な何かが次々と爆ぜていった。
 仕上げに純白のキャミソールとペティコートを着せて上目遣いプラス赤面で何かを期待しているようなかつ切なげな目線アンド口調で私の名前を呼ばせて、フィニッシュ。
 これは良いフィニッシャー。太陽神に頼らずともワンターンキルも三タテも可能だろう。
「お姉ちゃん、魂が時空の壁を凌駕して未知なる世界に旅立とうとしてるよ」
「あ、ごめんつかさ、呼び戻しといてくれる?」
 数秒後、正常に戻った私は今その事を考えるのは止めておこうと思い立つ。目の前に張本人がいるんだし、帰ってから自室でやろうっと。
 何だかんだしている内に居間に到着。
「古いものを引っ張り出してきたからね、埃とか凄かったんだよ」
 こなたの言ったとおり結構な年代物かと思える雛祭りの用具一式が、箱に入ったまま蓋を外され床に置いてあった。
「灯りをつけましょ燭台に〜、お花をあげましょ蓮の花〜、五人囃子と増えたIKKO〜、今日は楽しい雛祭り〜」
 ゆたかちゃんが歌いながら飾りつけに勤しんでいた。でもそんな雛祭り絶対楽しくないから。
「お稲荷様とお雛様〜、二人並んでスガ○カオ〜、余命の少ない姉様に〜、良く似た患者の白い顔〜」
 正規の歌詞なら非常に素晴らしい光景なんだろうなと思った。
「あ、柊先輩方、いらしてたんですね」
 私達の存在に気づいたゆたかちゃんは、一旦作業の手を止めて振り返る。
「こんにちはゆたかちゃん」
「わざわざ呼んでくれてありがとうね」
「いえいえ、枯木も山の賑わいですから」
 そう言ってゆたかちゃんは笑う。
 その諺意味理解して使っているのかと指摘したくなったが、ゆたかちゃんの満面の笑みが何故か制止を掛けた。
 笑い返しているつかさを見る限り、きっと本当の意味を知らないのだろう。
 私はふと、近くにあった何かの衣装らしきものに目が留まった。
 雛祭りにこんなものを使用する知識は、私の中にはない。
「何だろこれ……」
「雛人形の衣服を再現したコスプレ用品ですよ。泉さんが私達の為に用意したらしいです」
 ああ、なるほど。となると私達はこれの為に呼ばれたのだろうか。
 …………
「みゆき、いつからいた」
「才女には神出鬼没のアビリティがデフォルトで備わってるんですよ」
 聞き覚えがあるようなないような台詞を吐くみゆきは、ソファーに座って自宅のようにくつろいでいた。
「才女って自分で言うか」
「ちなみにじゃんけんの勢力を作り出すアビリティもデフォルトで備えられています」
 聞けよ人の話を。っていうかそのネタはもう良いから。
 何処かおかしい友人に溜め息を一つ。
「かがみさん、溜め息をつくとハッピーがエスケープしますよ」
「みゆき、日本語で喋れ」
「ソーリー」
 取り敢えず数発殴っておいた。
488お花を食べましょ性の花(3/8):2008/03/03(月) 10:14:25 ID:2dRGb7yT
「あ、かがみ見ちゃった?」
 こなたが私と衣装を交互に見ながら聞いてくる。
 その視線の移り変わりで、私はこなたがこの事を内緒にしてて私達を驚かせたかったんだなと理解する。
「ごめん、見ちゃったわ」
 先に隠し事を発見してしまったという事実は変えようがないので、私は正直に謝る。
「いや、良いんだよ。どうせ皆にも見せるしね」
 あっちが終わったら皆で着替えよっかと、こなたはつかさとゆたかちゃんが準備をしている方を向いて付け加える。
「それまで雛霰でも食べてようよ。かがみの為に奮発したんだよ」
 そう言って台所に向かうこなた。すっかり私達が強制的にコスプレさせられるのを反対する機会を逃してしまった。
 でも偶には良いかと、私はみゆきの真向かいに腰を下ろす。
「それにしても人形飾るなんて久し振りね」
「そうですね」
 昔を懐かしみながらみゆきと会話を交わす。
「昔は全て飾り終わった後に人形をどれだけ倒さずに雛壇の赤い毛氈を抜けるかなんて、テーブルクロス引きみたいな事やりましたよね」
「やってねーよ」
 私のパン工場より奇怪だなそれ。そして成功率が異常に低そうだ。
「お待たせしました、お嬢様。雛霰の盛り合わせで御座います」
 執事喫茶の見よう見まねをしながら、小皿に出しただけの砂糖入りの蒸したもち米を持ってくるこなた。
「あのね……そういうのは正装で私と二人っきりの時にやりなさいよ」
 パンダのトレーナーを着用しているこなたに言う。
「ツッコミを入れる箇所が違いますよ」
 まさかみゆきに言われるとは思っていなかった。
「流石みゆきさん、ボケもツッコミもこなせるんだね」
 こなたはこなたで変に感心しながら手に持った容器を机の上に乗せる。
 そして私とみゆきが取るよりも早く一粒摘み、私の方を向いた。
「鬼は外っ」
 叫んで霰を斜め上前方に指で弾く。
 流動的に放物線を描き、私目掛けて飛んでくる菓子を、口を開けて器用にキャッチする。
「節分はもうとっくに終わったわよ」
 口内に入ったものを噛み砕きながら、こなたに告げる。
「だって誰かさんの所為で豆撒き出来なかったんだもん」
 ああ、そう言えばそうだったわね。私は丁度一ヶ月前の出来事を思い返す。
「すみません泉さん。全て私の責任です」
 何故か私の代わりに謝罪をし始めたみゆきにこなたは驚きの色を隠せていなかった。
 私は何だか面倒になってきて、我関せずというオーラを放ちつつ色取り取りの雛霰を食べていた。
「そんな食べると太るよ?」
「良いのよ。こなたと運動するから」
 しれっと返すとこなたの顔が瞬時に沸騰して真っ赤になった。想像力が豊かだな。
「もう、みゆきさんもいるんだからね……」
 そう言って羞恥心に満ちたこなたは唇を尖らせて俯く。
 MK5、マジで恋する5秒前だ。もう恋してるけど。
「ダイエットにはブルーベリーが良いですよ」
 別に良くないと思う。
 ああ、こっちもMK5、みゆきが壊れる五秒前なのか。もう壊れてるけど。
489お花を食べましょ性の花(4/8):2008/03/03(月) 10:14:51 ID:2dRGb7yT
「終わったよー」
 暫く経って、つかさが私達の方に近づきながら教えてくれた。後ろにはゆたかちゃんもくっついて来ている。
「おー、お疲れさん」
 こなたが片手を上げて二人を迎える。
「お手伝い出来ずすみませんでした」
 ソファーでだらけて動こうとしなかった奴が何言ってんだ。
 助力の意志も謝罪の気も微塵も感じられないみゆきを心の中で毒づく。
「いえ、最初から期待してませんでしたから」
 笑顔と毒舌を同時に振り撒くゆたかちゃんは、間違った事は言っていない。
 みゆきは悪たれ口を叩かれても特に動じていないようだった。
 温厚なのか気づいていないのか。
 もしかしたら怒りを溜めていて、みゆきがキレる5秒前なのかもしれない。
「普段は大人しい委員長がキレる姿かぁ、ちょっと見てみたいね」
 何故か私の心の中を読むこなただったが、こなただから別に構わない。
 だってこなただから。
 もしかしたらテレパシーみたいなものがあるのかもしれないと思い、私はそんなものよりもスクール水着を肌蹴させたあんたの妖艶な姿の方が見てみたいわよと念じを送ってみる。
 伝わらなかったようなので実際に耳元で囁くと、こなたは茹蛸みたいに顔を上気させていた。
 相手だけ読心術を取得しているのは卑怯な気がしたが、気にしない。
 だってこなただから。
 こなたの興奮が冷めるまで暇になったから、私は近くにあったリモコンを手に取りテレビの電源をつける。
 『伊藤誠家の食卓』が終了しようかというところだった。
「皆からのお便りどしどし募集します。電話番号は0120 510−427」
 0と5の空白は何なのだろうか。
「覚え方は、誠死にな、誠死になです」
 ああ、空欄、つまり間なのか。意外と考えられてるのね。
 つーか自分で死ねって言ってんのか。
「あ、この番組……」
「みゆき知ってるの?」
「はい、毎週標準録画しながらリアルタイムでも見て寝る前にスロー再生で見返してます」
 どんだけファンなんだよ。これが高視聴率所以の現実か。
「そろそろ皆でコスプレパーチーだね」
 落ち着いたこなたはそう呟いて何着もの衣装を取り出す。頭の上にクエスチョンマークを浮かべているつかさとゆたかちゃんにみゆきが説明をする。
 広げられた衣服は一通り揃っていた。お内裏様やお雛様は勿論、五人囃子や官女とありとあらゆる雛人形のコスチュームが目の前に広がっている。
「あんた、これどうやって手に入れたの?」
「企業秘密です」
 てっきり禁則事項がくるのかと思ってたけど違った。元ネタ分かる人そっちの方が明らかに少ないだろ。
「じゃんけんで勝った人から選んでいこうか」
 こなたの発案にみゆきの目が光ったのは、決して幻覚ではない。
「私のじゃんけんは百八式までありますよ」
「一から百八まで全部言ってみろ」
「では、少し長くなりますが……」
 全て割愛させて頂きますとは作者の弁解と言い訳。
 小一時間後。
「おっけー早速やろうか」
 これ以上時間を引き延ばされては堪ったもんじゃないので、話題を切り上げてとっとと勝負に移る事にする。
490お花を食べましょ性の花(5/8):2008/03/03(月) 10:15:27 ID:2dRGb7yT
 更に小一時間後。
「勝負つきませんね……」
「だ、だね……」
「疲れたぁ……」
「……みゆきいい加減グーかチョキかパー出しなさいよ……」
「い、嫌です……」
 決して最初の三通りを出そうとしない意固地なみゆきに、私達は決着がつかずに疲労困憊といった様子だった。
 ちなみにみゆきは我々のじゃんけんを無効化してあいこにする能力も持っている。
「この際、皆で五人囃子というのはどうでしょうか」
 ゆたかちゃんが提案する。
「お姉ちゃん、五人分ある?」
「うん、あるよ」
「じゃあそうしようよ」
「仕方のない人達ですね」
「主にお前の所為だからな」
 思い思いの事を口に出し、こなたから服を受け取る。
 しかしこれを着るのかと思うと、先程のゆたかちゃんの案が少しだけよろしくないものに思えてきた。それは他の四人も同様らしく、マイフェイバリットコスプレイヤーこなたも例外はなかった。
 やっぱり、お雛様になりたかったのだろうか。
「自分で用意して何だけど、これはちょっと抵抗があるね……」
 やっぱりお雛様が良かったのね。
「ん?何?かがみ」
 私にも読心術あるんじゃないと上機嫌になりながら、こなたに歩み寄る。出動命令がでた私は、右手でこなたの手を引いて左手でまだ残った衣装が入ったままの箱を持つ。
「ちょっとこなたの部屋まで行ってくるわ」
「ちょ、かがみっ!?」
 別にこんな縛りがなくても、私達は着たい服を着られる権利があるのだ。
 そういうわけで、これから泉こなたのファッションショーを開催する。場所はこなたの部屋、私は司会兼解説兼着付け兼観客兼審査員兼ゲスト。
 観客の興奮が高まって乱入や襲い掛かりが発生するかもしれないが、許可する。
 カメラやビデオの撮影もまた、許可する。
「何をされるつもりですか?」
 脳内でおかしな規則を作っていると、みゆきの声がした。
「恋人同士が二人きりになってする事なんて決まっているでしょう?」
「しりとりですね」
 何でだよ。
「つかさ、もし私の精神が崩壊して自我が閉鎖空間で暴れ出した時は頼むわ」
「うん、任せて」
 妹に緊急事態時の対処を一任して、私はこなたと一緒に部屋へ向かう。
「先輩、これをどうぞ」
 ゆたかちゃんが何処からか取り出してきたのは、私が持っていこうとしている箱と形状が全く同じ、やはり箱。英語でいうとボックス。
「これは?」
「中にスク水、ブルマ、ナース服、メイド服、エプロン、パジャマ、巫女服、浴衣、チアガール、セーラー服に団長腕章、サンタ服ミニスカバージョン、ツーピースの鬼の衣装が入ってます」
「ゆーちゃんっ!?」
 分量的にその全てが収容されているのは不思議だったが、特に気に掛からなかった。
「足りないものがあれば言ってください」
「そうね。取り敢えず白のキャミソールとゴスロリの衣装の追加をよろしく」
「分かりました」
 了解の意を示す返事をして、ゆたかちゃんは何処かへ行ってしまう。
「ゆーちゃん!助けてよお姉ちゃん自分で自分が心配だよっ!」
「大丈夫。パジャマはボタン付き、ネグリジェ、スリップと各種揃ってるよ」
「いや!そんな心配これっぽっちもしてないし!」
「キャミソールとペティコートは?」
「入ってますよ」
「ん、了解。さ、行くわよ〜」
「いや待って待って!またこんな展開っ!?何で特別な日に限ってこうなっちゃうのさ〜!」

 どうなったかは特に述べるまでもないだろう。
491お花を食べましょ性の花(6/8):2008/03/03(月) 10:15:59 ID:2dRGb7yT
 時は五日ほど流れて。
「来たわよー」
 私は再びこなたの家を訪れていた。
「いらっしゃい」
 同じようにまずは居間に通される私。
 私が今日訪問した理由は、ゆたかちゃんからまだ家に雛壇が飾ってあるという有力情報を聞いたからだ。
 私はそれを知った時、とある作戦を思いついたのだった。
 その内容を反芻しつつ、こなたの背後に人形が飾られてある事を確認する。
「こなた、今日ゆたかちゃんとおじさんは?」
 まずは下準備。
「……二人とも出掛けてる」
 私の思惑を汲み取ったのか、ぶっきらぼうに答えるこなた。
 目線を逸らしたから、きっと今こなたの頬は紅潮してこれから起こる事態に期待を寄せているのだろうと身勝手な解釈をする。
「それにしても雛祭りの日はお楽しみでしたね」
 普段のお返しの意味も込めた、作戦の第一段階。
「!……あれ大変だったんだよぉ!終わった後凄く疲れたんだからねっ」
 そんな事、着替えるのを手伝いながら身体を触ったり開幕三秒で襲い掛かったりした私が一番良く分かっている。
「服装が変わる度にあんな事してたんじゃ、そりゃ疲れるに決まってるわよ」
 私の他人事みたいな言い方に、こなたの顔が益々色づく。
 事実私も疲れ果てて何度もつかさの世話になったり、家に帰ってからも脳内のこなた着せ替えツールを起動し忘れたほどだ。次の日起動したけど。
「っていうかあのカメラとビデオ何処から持ってきたのさ」
 始終三台のカメラをスタンバイさせて五台のビデオを回していた風景を思い出したのか、こなたが訝しげな目線を向ける。
「こなたのコスプレ姿を取りたいですって言ったらおじさん、快く貸してくれたわ」
「お父さん……」
 こなたは顔を引き攣らせて失望しているようだった。私が言うのも何だが、確かに親としては間違っていると思う。
 でも人としては間違ってませんよおじさん。また後日約束の写真渡しに伺います。
 一人ぶつぶつとぼやくこなたを目の前に心の中で語り掛ける。
「でも何だかんだ言って、こなたも楽しそうだったじゃない」
 私の言葉にこなたがむくれる。
 そろそろかしらね。私は作戦を第二段階へと進める。
「あれっ……」
「ど、どったの?」
 わざと目を見開いて驚いた様子を見せると、思ったとおりこなたが食いついてきた。
「あんた……まだ雛人形片付けてなかったの……?」
 その事実に震えているかのように先程とは印象をガラッと変えて呟く。
「う、うん。まだ良いかなって……」
「そんなっ」
 私は叫んで泣き崩れる真似をする。
「雛人形は早く片付けないとお嫁に行くのが遅れちゃうのよっ」
「へ?ああ、うん、良く言うね……って」
「あんなに楽しそうだったのに、実は私のところに来たくなかったなんてっ……」
 我ながら上手な演技だと思う。
「か、かがみ!泣かないでよっ!」
 手を目元に宛がうと、こなたは明らかに狼狽し始めた。
「そんな事ないよっ!私、かがみの事大好きだよ!」
 からかわれた所為もあって冷静な判断が出来ないのだろう。すぐに見抜かれてしまいそうな偽りの態度も今のこなたには判別がつかないようだ。
「じゃあ、証拠を見せて」
「しょ、証拠?」
「うん、こなたが私を好きって言える証拠よ」
 こなたは腕を組み考え始める。
「かがみギザカワユス!」
「それは翔子でしょ」
「うう〜……一回だけだからねっ」
 こなたはそう言って、ズボンを脱ぎ始めた。
492お花を食べましょ性の花(7/8):2008/03/03(月) 10:16:25 ID:2dRGb7yT
「んっ……」
 私の眼前で仰向けになって、ショーツ越しに手で快楽を弄っているこなた。
 その淫猥な光景に私は唾を飲み込み喉を鳴らす。
「はっ……かがみぃ……」
 甘い吐息に混じって私の名前が呼ばれる。
 こなたの指が秘所を刺激し悩ましげに身体が揺すられると、それに応じるかのようにちゅぷちゅぷと水音が響く。
 利き手はそのままに、持て余されていた逆の手がボーダーのセーターの中に侵入していった。
 そして器用にそれを捲り上げ、小振りな乳房を包むブラを露出させる。
「んはぁ……」
 少しの間下着の上から胸を触っていたが、すぐに隔たりを排除して直に揉み始めた。
 全体を撫でたり突起を摘んだりをひたすらに繰り返す。
「慣れてるものね……」
 手つきを見て正直な感想を言う。
「もしかして毎日やってたりとか?」
「ま、毎日じゃ……な、いっ……!」
 手を止めずに律儀に事実を述べるこなた。
「じゃあ三日に一回ぐらいかしら?」
 意地の悪さを思わせる微笑みを止めない私の質問に今度は、返答は聞こえなかった。
「んんっ」
 その代理のように鼓膜を振るわせたこなたの嬌声は、確実に今までのものよりもボリュームが上昇していた。
 すっかり余裕がなくなってしまったこなたはたった一つの、快感を得るという事だけに全神経と感覚を使っているのだろう。
 絶え間なく押し寄せる快楽の波に理性が完全にさらわれないように、今にも消えてしまいそうな歯止めを掛けている。
 私に好意を伝える為にしているんだという事を忘れまいと、必死になって自我を失わないようにしている。
 その一生懸命な姿勢はまるで、開花寸前の風に揺られる一輪の花のようだった。

 作戦は少々の誤算を経たものの、無難に成功したと言えるだろう。
 いつも私とこなたが交わる時は、私が強引に済し崩す傾向が多かった。
 そんなシチュエーションに飽きて思いついたのがこなたから誘ってくるというものだった。
 それなら斬新だし私も満足するだろうと考えたのだ。
 しかし、面と向かって私を誘ってとは頼めない。そんなのこちらから誘っているようなものだ。
 そこで思い及んだのがこの計画だった。
 想定ではこなたが私に懇願するはずだったのだが、これはこれで非常に良いので贅沢は言わない事にする。
 随分と自分勝手だと思うかもしれないが、こなただって私の事を想っていなければこんな決断しないはずだ。
 私だってこなたの事を想っているから、こなたの全てを見たいと願うのだ。
「はっ……はぁっ……」
 どうやら私は相当な天邪鬼っぽい性格らしい。
 正面から頼む事が出来ないから、回りくどい手法を取ってしまう。
 だからツンデレって言われるのかもしれないなと軽く嘲笑しながら、私はこなたに覆い被さる形になって顔を接近させる。
「すっごい良いよこなた。頑張ってくれたからご褒美あげようね」
「かがみ……」
 口では素直に言えないから、態度でこなたが好きだって表そう。
 私はそう誓い、こなたの唇に自身の唇を重ねていった。
493お花を食べましょ性の花(8/8):2008/03/03(月) 10:16:45 ID:2dRGb7yT
 余す事なくこなたの柔らかい唇を舐め回す。
「ん……」
 自然と漏れる声に私の気持ちは更なる高ぶりを見せている。
 それに身を任せて口内に舌を差し入れれば、同じ形状のものと絡み合った。
 触れ合う事で引き起こされる淫靡な感覚に、息遣いが徐々に荒くなっていく。
 制御機能が働かなくなっていく。
「んはぁ……」
 銀色の糸が私達を繋いでいる。
 光を複雑に反射する唾液は唇を離すとその細い姿を現し、すぐにまた繋がる事を予知しているかのように煌いていた。
「かがみ……きて」
 頭をショート寸前まで追い込む電撃のような感じにこなたも酔い痴れているのだろうか。私を見る目は何処か焦点が一致しておらず、しかししっかりと私を射抜いていた。
「こなた……」
 私は期待に応えるべく、再び顔を近づける。
「ひゃっ……」
 首筋にキスの雨を降らすと、こなたが不定期に震えた。
 舌を這わせたまま、舐める場所を首から鎖骨、胸へと移していく。
「ふあっ……」
 綺麗な桜色の突起物を口に含めば身体が弓なりに反られる。
 舌で転がせば振られる。
 舌先でつつけば声がする。
 私の愛撫に愛くるしい反応を見せるこなたに、胸から溢れる想いは増加の道を辿る一方だった。
 空いた手でもう片方の乳首を弄べば、より一層過剰に応答する。
「うんっ……」
 私はそれでこなたが股を擦り合わせている事に気づく。ついさっきの自慰行為で私が思っている以上に絶頂に近づいたらしい。
「もう我慢出来なくなった?」
 手を休めずに問い掛ける。
「う、んっ……お願いっ……」
 断る道理はなく、私は人差し指をこなたの秘裂に挿入する。
「んんっ!ああっ!」
 際立って強い電流に耐え切れず、半ば叫ぶように声を出すこなた。
 溢れ出る愛液の量は止め処なく増えて、私の指をあっという間にベトベトにしていく。
 中を掻き回すと、こなたが痙攣を起こしたかのように小刻みに肢体を揺り動かす。
「ひゃうんっ!」
 もっと感じて欲しくて、私は舌を差し込んだ。粘着性のある液体が口の周りに、床につく。
「かがっ、かがみっ……!ああっ!あああああっ!」
 一際長い喘ぎ声が室内に響いたかと思うと、それは一気に泉のように陰唇から湧き出してきた。
 蕾は美しい花を開き、素直じゃない私を受け止めてくれた。

「かがみ……」
 達した後、事後の余韻に浸るような目をしてこなたが私を呼んだ。
「私の気持ち……伝わった?」
 その言葉に私は笑顔が零れるのを自制出来なかった。
 わざわざ堪える必要もないかと思い、中途半端に服を脱いだままのこなたを抱き締める。
「ちゃんと伝わったわよ」
 温かい何かが流れ込んでくるのを感じながら、私はそう告げた。
「お雛様、片付けよっか?」
「……良いのよ、もう」
 伝統的な言い伝えを私欲に利用して、今更ながら後ろめたさが生まれてきたが、今はもう少しだけ欲望を追及したかった。
「お内裏様とお雛様に私達のラブラブなところ、見せつけてやりましょ」
 適当に言い訳を作り、私はまたこなたの唇を奪う。
 こなたはしょうがないなぁと笑い、開花するように両手を開いて私を受け止めてくれた。
49426-485:2008/03/03(月) 10:19:28 ID:2dRGb7yT
ホントはファッションショーからエロに繋げる予定でしたが
それだと節分ネタと同じ流れになるなぁと変更してみました
最初はギャグのみだったのに終わり方は
何だかちょっと違う方向に(汗
今日平日じゃんってツッコミは要らんですよ
前半書き終えてから気付いたorz

読んでくださった方、有難う御座いました
495名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 10:34:26 ID:rUN28ShI
>>494
GJ!
みゆきさんとゆーちゃんにワロタ
496名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 11:23:00 ID:Wo4Ty4ZF
ここって凌辱ものはどれくらいまでOKなのかな
殴られて前歯折られるとかはさすがにNGか
497名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 11:24:06 ID:lDkVg4zA
>>494
これはwww
そしてそうじろうには、かがみから受け取った写真をうpするよう頼まざるをえない
498名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 12:17:29 ID:PeG+Uxv3
>>496
とりあえずはまとめWikiの同系統のSSを読んでみてはどうだろうか。

個人的にはそういった系統は苦手ではあるが、注意書きしてくれさえすればおk。
苦手な人が読み飛ばすことも可能だし。
ただ、自殺スレくらいきついものは勘弁して欲しいところ。
499名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 12:37:29 ID:pGTqrQ7K
>>494
GJだ!
やっぱり壊れモノはいい!
壊れてる中、それでもこなかがしてるところなどは
筆舌に尽くしがたい。
壊れてるノン鼻血みゆきもいい。
さりげなく壊れてるつかさやゆたかもたまらない。

それはそうと、ひな祭りの替え歌に抱腹絶倒wwwww
「明かりをつけましょ爆弾に」以来の名作だwwww
500名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 13:44:06 ID:Nft4XTi2
>>496
基本的には何でもおkk
でも他所でやったほうが無難だろうな
501名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 13:52:49 ID:Cp+ExwuT
>>349
大分亀だが、
>「エロいことだ!」
>「なっ……!?」
>「エロいことだ!」
>「二回言うな! ……って、何かこのやり取り前にもした気がするぞ!」
>「使い勝手が良いネタだからねー。あとあの4コマ漫画かなり好きなんで」

どこの超火力発電所の所長だw
リアルタイムで読めないのが悔しい…
502名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 13:57:10 ID:5x3g687+
今更聞くのも恥ずかしいし、スレ違いも甚だしいんだけど、
「二回言うな」の大本のネタって何に出てきたの?
503名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 13:59:45 ID:Wo4Ty4ZF
>>502
ダウンタウンの浜ちゃん……は違うよね
504名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 14:13:14 ID:wjgFiYH9
>>385
パソからやっとED見れました!
改めて亀ですがGJ!
ウマウマに鼻血みゆきさんに遊戯王にしまいにゃ間奏はゴッドかなたさんソロですかw
相変わらずのネタ尽くしなのに後半がまた泣ける……

というか曲が泣ける……歌詞がまたいいのを選びましたね、何の曲だろ ジャム?
505名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 15:59:32 ID:ZCtUftXa
>>504
あの曲は確かJAMProの「約束の地」かな。
あまり聞かない曲だったけど、あの動画の相乗効果で泣けましたわ・・・
506名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 16:04:03 ID:0PRdZ+X1
>>502
三キャプですぜ奥さん
507名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:22:38 ID:B22FmtaZ
>>505
相乗効果で(´;ω;`)ブーワ
508名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:31:57 ID:ibI73gWO
>>506
秋桜の空にだろ
509名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 18:25:40 ID:SASXtFEv
>>494 GJです!出だしの黒?つかさにウケましたw
「企業秘密です」の元ネタって、もしかしてあの新聞部の部長さんですか?
510名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 20:26:13 ID:RK1kMEce
よくある台詞だと思うぞ>企業秘密です
511名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 20:26:56 ID:FG+3cRXS
これが禁則事項ですだったら…

すまん、作品違うな
512名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 20:37:58 ID:6v4eOvKQ
>>511
あやのが言うべきだよな(かつての中の人的に)
51326-485:2008/03/03(月) 20:41:49 ID:R1FwjhO5
>>509
はい、その通りです
つい最近読み返したので使ってみました
514名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:41:51 ID:iIBG+WJv
ここってプロの作家さんいるよね…
515名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:46:07 ID:WRrfZwdv
>514
それはないと思われる。
516名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:51:34 ID:DIRcqNf1
プロかはともかく文章書き慣れてるんだろうなという人は結構いるね
らき☆すたの二次創作の範囲に止まらず
517名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:52:39 ID:FG+3cRXS
まぁアマチュアにしてはレベル高すぎる人は多いな
518名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:53:29 ID:HRyszoo9
まじでそうじろうがいたりして・・・
519名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 22:58:36 ID:FG+3cRXS
他はともかく、そうじろうが娘の痴態を書いて喜ぶとは思えん
520名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:03:42 ID:FBT7qzc+
鳥でググってみたりすると本当に本業の人とかヒットするけどね
荒れちゃうとアレなんで誰とは言わないが
521名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:09:29 ID:DIRcqNf1
逆にプロ並と思っていた人のサイトが引っ掛かって、
アマチュアだった時の衝撃といったらw
522名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:22:12 ID:B22FmtaZ
本出せばいいのにって人多いよな
絵もいけてたりすると、こっちがなんかヤキモキしてしまうw
ああ、この人はここを見てる人しか出会えないのか、と
523名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:28:31 ID:S/cUAvGv
投稿歴ぐらいならけっこうな人が持ってるかもね

てか、今回は比較的(あくまで比較的)長生きだよね、スレが
一週間経つのにまだ400行ってないなんて
ゲームネタ解禁でもっとペース上がると思ったんだけど
524名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:37:11 ID:ejNWxQU4
でも十分早いw
525名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:40:49 ID:AJjvmmp4
プロがこんな所で暇つぶさないでしょw
上手い人は他のスレでも書いてたり、自サイト持っててSS書くのに慣れてる人なんだと思う
プロってかライター目指そうってくらいの人は1、2人いる気がする、いやいないかさすがに

…書いててひよりん思い出したけど、そういやらきすたキャラの将来とか進路って
設定資料集的なものにも書かれてない?本編でうっすらほのめかし程度に書かれてるけど
原作とアニメとでも微妙に違ってるからなあ
526名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:45:37 ID:ejNWxQU4
プロだと、自分が書きたいことが書けない場合もあるしな。
527名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:48:08 ID:1cr1z0Y/
>>525
かがみとこなたについてはおきらくガイドブックにちょろっと載ってる
が、自分はかがみ編しか買えなかったのでこなた編の内容はちょっとわからん

……今現在も、アニメ系ショップには在庫があるようなので
もし知りたかったら買ってあげてください
528名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:48:12 ID:dEPR41WN
本を出す気がないからここに投稿するんでしょ
出す気があったら初めからその本を出してる

>>525
らきすたじゃないけどプロを目指しているというSS書きが何人かいた。

本編で言ってるのは「進路志望」程度のものだから
それ以上のことは深く追求しなくてもいいのでは?
「こなたが作家になる」っていうSSも大半は「父親が小説家だから」
っていう設定に依ったものだし
529名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:53:08 ID:B22FmtaZ
もしくは途中までここで連載して
途中から本で出すのかもだぜ?


さすがにねーかwwwww
530名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:55:19 ID:FG+3cRXS
あれじゃね?あくまで趣味の範囲に留めたいんじゃね?
531名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:55:24 ID:HHp0rl1i
ないだろうw

上手い人は着眼点がまるっきし違うよな。
そこをついてくるか、という。
532名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:11:29 ID:OL72jU64
いや、趣味を仕事にしたくないっていう人もいるじゃん
533名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:11:56 ID:SrLwhi9S
確かに

人気な人ってなにかとオリジ入ってるよな


人気の秘訣なのかな?

でもオリジナルすぎると敬遠されるんだよな
534名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:13:28 ID:OL72jU64
その代わりに話に深みも出やすいけどな
535名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:15:17 ID:6jdzoriA
>>531
ああ、あるなぁ…
その組み合わせ二度と出てこないだろうとか思うカプで書いてる人とかw
536名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:23:17 ID:/V9Kpsa3
オリジナルってどこからがオリジナルになるんだろう…
ある意味こなxかがもオリジナルな訳だし。
537名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:32:05 ID:SrLwhi9S
ゴッドかなたさんとか、こな☆フェチとかじゃない?
538名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:32:06 ID:62kr/TeZ
>>520
OK、把握そして納得した
539妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2008/03/04(火) 00:35:47 ID:YaLdXmgE
えーと、宴もたけなわなところ、KYでサーセン。
参考資料(何の?)というか、なんというか。

つ【ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0032.jpg

本当は描きなおしたかったんだけど、ちょっと時間取れないんで見切りうp……
落ち着いたら、あらためて別構図でやってみよ。
540名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:37:29 ID:6jdzoriA
>>536
まぁ明確に定義できるわけじゃないけど、
本編の設定準拠なものはこのスレではあまりオリジナルとは呼ばれんだろう。
541名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:40:21 ID:BniQMQUt
投下準備の方がいなければ、投下いたします。
54223-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/03/04(火) 00:45:01 ID:BniQMQUt
「ぱられる☆すたーず」

こなた&かがみ

 注意事項
・1話完結もの
・非エロ

543ぱられる☆すたーず 1/3:2008/03/04(火) 00:46:00 ID:BniQMQUt
「かがみ〜 起きて」
「うーん」
 朝、目が覚めると、微かに味噌汁の匂いが漂ってくる。
「あれ?」
 周囲を見渡すと、自分の部屋ではなくて…… こなたの部屋だ。

 おかしい!
 瞼を擦りながら起き上がり、居間に入ると、こなたがエプロンを着て台所で味噌汁を作っている。
「おはよ。ようやく起きたね。かがみん」
「おっす。こなたっ…… て、なんで私がココにいるのよ! 」
 絶対にありえない。ここは間違いなくこなたの家だ。
 そもそも昨日、こなたの家に遊びに来た記憶は全くない。
 クイズ番組を家族でみて、宿題をやって11時には寝たはずだ。

「土曜日だからって。寝ぼけすぎじゃないカナ。カナ」
 なんで二回繰り返すのか疑問に思わないことはないけど、今はそれどころじゃない!
「なんで私がこなたの家にいるのよ! 昨日アンタん家に遊びに行った覚えはないわよ」
 こなたは、慌てふためく私の様子に肩を竦めてみせてから、ガスのスイッチを止めた。
 湯気をたてているなべを置いてから、こなたが近寄ってくる。

「な、なによ」
「ん―― 」
 こなたは掌を私のおでこに当ててくる。
「熱は無いようだね」
「だから、どうして」
 私が再び噴火しそうになった時、入り口から小柄な女の子が姿をあらわした。
「おはようございます。こなたお姉ちゃん」
「おはよ。ゆーちゃん」
 こなたの従姉妹の小早川ゆたかちゃんだ、こたかと似合わず、とても素直でピュアな女の子だ。
 しかし、最近こなたに染められてしまったような言動が、ちらちら見えている気がするのは
気のせいだろうか。
 ゆたかちゃんは笑顔をみせながら言った。

「おはようございます。かがみお義姉ちゃん」
544ぱられる☆すたーず 2/3:2008/03/04(火) 00:46:34 ID:BniQMQUt
「おはよ…… へ? 」
 私は、あんぐりと口を開けたまま固まった。
 ちょ、ちょっと待って。今、何ていったの?
「どうしたの? かがみお義姉ちゃん」
「な、な、な、何言っているの? ゆたかちゃん? 」
 慌てまくる私に、ゆたかちゃんは首をかしげている。
「私、何か変なこと言ったかな? 」
 思いっきり言っているわよ! どうして私がゆたかちゃんの義姉になるのよ。
 それじゃあ、まるで私がこなたと結婚しているみたいじゃない。

「えっ、かがみお義姉ちゃん。先月、教会で式あげたじゃない」
「かがみん。酷いなあ」
 こなたも肩を竦めている。
 待て、待て、まてい。勝手に婚姻させるな。それにそもそも女同士は結婚できないから。

「かがみん。そんな寝ぼけた事いっていると司法試験落ちちゃうよ。法科大学院の学費が勿体無いよ」
 おかしい。絶対におかしいわよ。私がロースクールに通っているって、まるで未来の事みたい。
それに日本では同性同士は結婚できないって決まっているわ。
「大丈夫? 1年前に同性婚が法律で認められたんだよ。かがみ、法案が成立した時、
狂喜してハルヒダンス踊っていたのに」
 いやいや踊っていないから。

 信じられない言葉の連発に呆然となりながらも、何とか椅子に座って、食卓にならんだ料理を眺めると、
ごはんと味噌汁、玉子焼き、プチトマトサラダ、ベーコンが綺麗に並んでいた。
「いただきます〜 」
 ゆたかちゃんとこなたが仲良く唱和して食べ始めた。
 私は、ショックから立ち直れておらず、あまり箸が進まなかったが……

 ふいに、これは夢なんじゃないか? という考えが思い浮かんだ。
545ぱられる☆すたーず 3/3:2008/03/04(火) 00:47:13 ID:BniQMQUt
「なんだ夢か…… 」
 絶対にあり得ない、ぶっとんだ展開も夢なら納得がいく。
 つまり、こなたが私の嫁になることを、深層心理は望んでいるのだろう。
 とても恥ずかしいけど、所詮夢だ。
 だったら、私の思う通りにしても誰も文句を言わないはずだ。

「こなた。ちょっと来て」
「なに? かがみん」
 私の席に近づいてきたこなたを、強引に抱え上げて膝の上に載せる。
「な、何をする〜 」
 わめきながら、ばたばた暴れるけど気にしない。むしろ暴れてくれた方が可愛い。
「ほら、あーんして」
 箸で玉子焼きを持ち上げ、こなたの柔らかい唇にゆっくりと運んでいく。
「HA☆NA☆SE〜 」
 強引にこなたの口を開かせて、玉子焼きをもぎゅもぎゅと食べさせる。
 しぬほどかわいい。

 ゆたかちゃんは顔を真っ赤にして、ちらり、ちらりと覗いているけど、気にしない。
「かがみ〜 やっぱりおかしいよ」
 じたばたと暴れてなんとか逃れようとするこなたをしっかりと固定して、プチトマトを、
親鳥が雛に餌を与える要領で口移しで食べさせる。
 何度か繰り返していくうちに、こなたの綺麗な瞳が次第にとろんとなって、いい塩梅になってくる。
「そろそろベッドに行こうね。こなた」
「かがみん。まだ朝だよ〜 」
「徹夜明けだから丁度いいでしょ」
 私は、こなたをお姫様だっこして、ゆっくりと寝室に歩いていった。
 …………
 ……

「かがみ〜 起きなさい〜 」
 階下から私を呼ぶ声がする。瞼を開けると、見慣れた自分の部屋に戻っていた。
「なんだ。夢か」
 あまりにも予想通りだけど、やはり落胆してしまい、ため息をつきながら階段を降りていく。
「えっちの時の、こなた可愛かったなあ」
 危ない妄想に浸りながら、不注意に階段を降りた結果、見事に踏み外してしまい……

 どんがらがっしゃーん!

 もの凄い音に驚いて、駆けつけた家族全員の顔を、私は見渡した。
 1、2、3…… 6 ひとり多い!

「寝ぼけてちゃ駄目だよ。かがみん」
「あれ? 」
  
(おしまい)
54623-251 ◆5xcwYYpqtk :2008/03/04(火) 00:48:39 ID:BniQMQUt
読んでくれたひと、ありがとです。

久しぶりのこなた&かがみです。
気楽に書いてみたやつですけど、よろしければどぞ。
ではでは。
547名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:54:18 ID:OL72jU64
ほう…短いながらも読みやすくてしっかり萌えられるな

GJだ
548名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 01:03:42 ID:Kuk7OiIs
シンプル・イズ・ベスト。人は3レスでも萌えを作れるのですね。
ぐっじょぶでした。
549名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 01:14:43 ID:rl2ip7yF
やはりこなたが嫁入りするのかw GJ!
550名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 01:30:42 ID:S7wMPREx
>>539
かがりですね、トリップ付いていても最近画像あけるのが怖いってか、
トリップ見なかったらスルーするところでした

しかしリボンが重そうで硬そうで凶器になりそう…
きっと妄想屋(仮名)しですから、何か意味があると思っていいのでしょうか
551名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 01:43:40 ID:Zh/XfpJi
きっとそのリボンが開いてG○粒子を放出、通信機器をジャミングするんだ!
552名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 02:23:44 ID:OL72jU64
唯一の公式カプであるあやの&みさお兄とゆい&きよたかの作品って意外と少ないんだな
このスレの百合割合を改めて再認識したよ
まぁ単純に脇役だからってのもあるんだろうが
553名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 02:37:02 ID:4nGgUseX
>>552
キャラ的な需要なんだろうな、やっぱり。
男×女の需要がない訳じゃないし。
554名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 02:41:49 ID:ND8hYr9y
流石にほとんど設定だけのキャラと比べるのは無理がある
555名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 06:25:43 ID:l3Jv+gpl
どんなキャラか分からないし、今後出てきて設定画固まった時に
自分が過去に書いたものと矛盾したら嫌だからそういうのは
書かない、って人も多いんじゃないかな。
556まだry:2008/03/04(火) 10:42:23 ID:CeVLKrFK
よし…さすがにこの時間なら誰もいないな…
投下いくです。
557続 ここにある彼方:2008/03/04(火) 10:43:12 ID:CeVLKrFK
「で?2回目に落ちたヤツも、じつは作品としてリサイクルされてるとか?」
止まってしまった時を溶かす為にも、こなたがとりあえず質問してみる。
「んははは…ご名答。つーか、過去に書いた全作品は加藤さんに読まれてるからな。そのまんまじゃ無理でも
手を加えれば十分使える…つまりは、詳細なプロット…という位置づけになってたのかな?」
そうじろうが恥ずかしげに答える。
「へぇ〜…で、新人賞には結局入選したの?」
「したよ。でも、今連載している雑誌のな。有名どころには入選しなかったよ。でも、結果それで良かったんだろうな。
そこで連載もらえたし加藤さんとも知り合えて、いまだにお世話になってるしな」
「へぇへぇ〜〜そういや、加藤さんっていまだにお父さんの担当だけれど、10数年担当だよね?まだ編集部員なの?
ちっさいころよく遊んでもらった記憶が…」
こなたがうーーーむと考え込む。
「あははははは、そうだな。かなたが居た頃からだから、もう20年来の付き合いか。いまじゃ編集長様だぞ?」
そうじろうが感慨深げに語る。
「え?編集長!!なのに自ら原稿取り立てしに来てるの?」
「取り立てっておいおい…まぁ…締め切り前後は取り立て状態になるけど…漫画もひっくるめてこの手の出版物って
担当さんと二人三脚で創っていくものなんだぞ?第三者の目で見てもらえるって大事なんだぞ?後は、まぁ、
編集部の意向とかも関係してきて、プロットを二人でやることもあるけど。それにあくまでお父さんの担当をするのは
編集長自ら出向く必要がある大御所だからっていうよりは10年以上、自分が関係してる作品の担当を、もはや他人に
任せられられないからって言ってたな」
と解説する。
「お父さん、10数年も連載続けててその文庫本もそれなりに売れてるんだから、それなりに有名どこじゃないの?」
こなたが、ちょっと意外だねっと聞いてみる。
「いやいや、10年程度じゃぁまだまだひよっ子よ」
なはははと恥ずかしげに答える。
「き、厳しいんだね…」
と、それなりの成功を収めてきたそうじろうを少し見直す。
「ん?なんだ?」
こなたの熱い視線に気づく。
「んにゃ…ちょっと、かっこいいじゃんって見直してただけ」
すっと視線をずらすこなた。
「あは、にゃへははははははははは…やっべ、めっさうれしはずかしだ」
そうじろうの表情が溶ける。
「でしょ?そう君はかっこいいんだから」
かなたも自分が褒められたかのように嬉しそう。
「ちょっとだよ?ちょっと。なんつっても普段が…ねぇ…」
意地悪げな笑顔をそうじろうに向けるこなた。
「ありゃりゃ、ま、いいさ、さっきの言葉だけでご飯10杯はいける!!」

558続 ここにある彼方:2008/03/04(火) 10:43:35 ID:CeVLKrFK
かなたが、ふっと時計を見る。
そろそろ18時になろうかといったところだった。
「あらま、もうこんな時間に。さてさて、お夕飯でも作りますか」
かなたが、そうじろうから離れて立ち上がる。
「あっ、わたしも手伝うよ」
こなたがかなたの後ろについていく。

「まずは、ご飯を炊いてっと…」
かなたが手早く炊飯器をセットしている間に、冷蔵庫を物色しようとしたこなたが庫内を覗いて固まる。
「しまった…ろくなのが残ってないよ…」
「ん〜…大丈夫よ、こんだけあれば、何かしらはできそうよ」
といいつつ、すでに頭の中で献立が組み立て上がったのか、かなたが色々と物色しだす。
「ここにある非常食というか夜食用なのかしら…インスタント麺もあるし…十分十分…」
集められた食材を見て、こなたもおおよその見当がついてきた。
「こうしてみると、意外になんとかなりそうだね…具が少な…いや、ほとんど無さそうだけど」
「んふふふ、貧乏時代から見れば、これだけあれば十分豪華とも言えますよ?贅沢は敵ですってね」
こなたに大丈夫よ?と笑顔を飛ばす。
「1日2食でありながら一汁一菜すら揃わない時期もあったんだし。それに比べれば…ね?」
「ぅぉ…そ、そりは…また壮絶な…そんなに貧乏だったんだ…」
「まぁね。二人とも定職があった訳でもないしね」
「お母さん、そんな状況でよく耐えられたね」
「えへ…そのね、なんていうか…そう君が小説家でちゃんとやっていけるとは思ってたのよね。ただね、
芽が出るまではどうしても時間がかかるものだから、それまではなんとかわたしが支えてあげなくちゃって思ってて、
だから、当時は苦しいことは確かだったんだけど、貧乏なのも楽しめたというか、嫌じゃなかったのよね。それに、
そう君と一緒に居られればそれだけで十分幸せだったわけだし。今となっては良い想い出ね」
えへっと懐かしげに恥ずかしげに当時を振り返る。
「おぉ…愛の力ってやつですか」
茶化すでも無く、感心する。
「そうね…ふふふ」
軽く顔を赤らめつつニコリと返す。
「そういや、食べ物のストックがほとんど無かったハズなんだが…」
と、そこへそうじろうがやってくる。
「さっき昼飯作っててな、あ〜もう物がないなぁ〜って思ってたんだ。買い出し行ってくるよ」
冷蔵庫やテーブルに出された食材を見てそのまま外に出ようとする。
「ふふ、大丈夫よ、そう君。これだけあれば十分よ。昔の貧乏時代を思い返せばこれでも贅沢な部類に入るわ」
慌てて出て行こうとするそうじろうをクスリッと笑いつつ引き止める。
「そ、そうか?………そう言われれば、それもそうだな…」
ドアにかけた手を引っ込め、かなたのそばに戻ってくる。

559続 ここにある彼方:2008/03/04(火) 10:44:03 ID:CeVLKrFK
「ちょうどね、そんな頃の話をこなたにしてたところだったのよ」
夕飯の作業を開始しながら直前までの流れをそうじろうに話す。
「あぁ〜〜懐かしくも苦しい貧乏時代か…ま、俺たちは恵まれてる方であっという間に貧乏から脱却できちゃったけどな。
それに、貧乏時代っつても、電気ガス水道が全て止められたり、家賃滞納して追い出されたり、塩しか食べ物が無い
とかいう、お笑い芸人なんかのネタにありがちな極貧生活でもなかったんだよな」
「…二人でアルバイトとはいえ働いて生活してたんだし、さすがにそこまで行くのはかえって難しいような…」
かなたが手を休めふーむと首をかしげる。
「んん〜でも学生の頃にいたわね、そんな友達が。真っ先に電気が止まって次いでガス。でも水道だけはなかなか
止まらなかったって言ってたっけ…一歩間違えば二人してそうなってたかもしれなかったのかしら?」
「なきにしもあらずだな。でも、そこまで追い込まれてまで作家にこだわる気はさらさらなかったけどな」
ほおの辺りを恥ずかしげにぽりぽりしつつ、かなたに向き直す。
「そうだったの?ん〜〜わたしは構わなかったんだけどなぁ〜。たまたま早く芽が出たけど、わたしは信じてたから。
いつか必ず…時間がかかってもそう君の作品が認められる時が来るって」
目を輝かせて話す。
「ん〜〜そう言ってもらえると有り難いと言えば有り難いんだが、ある程度でものにならなけりゃ〜俺はあきらめる
つもりだったよ。何年も鳴かず飛ばずでそのまま辞めちゃう人の方が多い世界だしな、さっきも言ったけど、おまえに
そんな苦労は…な」
ぽんぽんっとかなたのあたまに手を置くそうじろう。
「それでもわたしは…そう君が他の仕事しながら…先生なんかをしながらでも小説はあきらめさせなかったと思うわ…
だって、現に今売れっ子作家になってるじゃない」
そうじろうを力強く見つめながらあたまの上に置かれた手を握り、自分の胸元へと持ってくる。
「はははは…かなたにそんな風に見つめられちゃうと…照れるな…」
それでも視線は外さない。
「へへへへ…………あっと、ご飯つくらなきゃ」
しばらく見つめ合っていたが、はっと気づき作業にもどるかなた。
「そういえば当時のことって実は聞いたことがなかったね、やっぱ、そういう過去の下積み時代ってあんまり
話したくはないものなのかな?」
にんまりと二人のやり取りを見ていたこなたが質問する。
「そうだな、過去の苦労話なんか人に話すことじゃないしな…あとは…その…なんだ…かなたの事を…お母さんのことを
話すと、こなたが…寂しがるといけないな〜って思っちまってな、避けてた部分もある。今こうしてかなたが居るから
正直に言っちまうけどな」
バツが悪そうにこなたに話す。
「……お父さんなりにわたしのこと考えてくれてたんだね、ありがと…わたしも別に聞かなかったし、聞く気もなぜか
無かったんだけど、やっぱ無意識にお母さんにつながりそうなことは避けてたんだねぇ〜下手にお母さんの話題を出すと
お父さん、変に気を使かっちゃうし、わたし自身も、お母さん居なくても寂しくないよなんて言ってたけど
…今回お母さんと逢ってわかったんだけど…心の奥の方ではそんなことなくて、お母さん居ないのを再確認しちゃう
のを無意識レベルで避けてたのかなぁ〜って」
寂しげにちょっと下を向きながら。
560続 ここにある彼方:2008/03/04(火) 10:44:22 ID:CeVLKrFK
「こなた…やっぱお母さん居なくて寂しかったのか?」
いつぞやの質問を再び繰り返す。
「……寂しかった…かな?……でも、あのとき、寂しくないって言ったのは嘘じゃないんだよ。ただ、お母さんに
実際に逢っちゃったら、なんだ、ほんとは逢いたくて寂しかったんじゃんっわたしって気づいて…今までは寂しい
なんて言ったら、お父さん困っちゃうだろうし、言ってもしょうがない事くらい判ってるから…だから自分で自分
に寂しくないって言い聞かせてそう思い込んでただけだったのかな〜とも思うんだけど…でも、実際寂しいなんて
思った事は、小さいころはともかくココんとこ全くなかったし…う〜〜ん、うまく言えないなぁ〜
寂しくないけど寂しいが答えか?あれれ?これじゃ答えじゃないな、むーーー」
こなたが難しい顔をして脳みそをフルドライブさせるも、言いたいことが上手く言葉に出てこない。
「あ〜〜いやいや大丈夫。それでわかるよわかる。こなたは優しいからお父さんにも気を使ってたんだな…」
優しい笑顔でこなたの頭をわしゃわしゃとなでる。
「へへ…わかっちゃうんだ…」
微妙に気恥ずかしくなる。
「へへっお父さんだからな」
へへっと笑顔で親指を立ててサムズアップするそうじろう。
「んじゃ、話題を戻して、貧乏脱却ってやっぱり印税が入りはじめたから?」
「んん?ん〜そうだな…」
そうじろうが、目を瞑り過去の記憶を引っ張り出してくる。
「新書の印税が入り出すまでは、やっぱキツかったな。しかし、逆に印税には驚かされたな。当時は今より本が売れた
とはいえ、初版の1万部がきっちり売れて重版がすぐにかかったんだよな。で、すぐに続きをやろうって加藤さんが
言い出してな、続編を連載しだしたら、これまた人気が出てな。で、加筆して続刊を出して…2冊続けて当たって
くれたおかげで、作家としてやっていけるとようやく思ったよ」
顎の辺りに手をやりながら当時を思い返す。
「ほぇ〜〜……そうそう、驚いたって言ってたけど、当時で印税っていくらくらい入ったの?」
素朴な疑問をぶつける。
「ん〜〜?え〜と…しょっぱなに50万位入ってたな、確か。結局その2冊でその年は1000万超えだったけかな?
この家を新築する原動力になったな」
「1000万!?そ、それって何気にすごくない?」
目を丸くする。
「すごいだろ〜?もらった本人が一番驚いたんだけどもな。でも、その翌年の所得税も鬼でな…あれにも驚いた。
加藤さんに言われて対策しといて良かったよ。突然数百万円も納付しろって言われても普通は対処できないって」
「そ、そりも、すごいね…」
「お話中ごめんね。できたわよ」
かなたが振り返り二人に話しかける。
「え?もう?な、なんか、早いね、結局手伝わず終いか」
こなたが驚く。
「大した物は作ってないから、手早くできちゃったってとこかしら。さ、伸びたり冷めたりする前に食べちゃいましょ」
ささっとテーブルに配る。
こなたもそれを手伝う。
「ちゃんと具があるラーメンとチャーハン…あの材料から、どうやったらここまで…すごいよ…魔法だねこりゃ」
「キャベツの芯や大根の葉っぱなんかも使ってるだけなんだけどね。生ゴミなんて基本ほとんど出しませんから。
ただ、お肉が無くてベーコンしかなかったから、すこし味気ないかもね」
「これは勉強になるな…」
こなたが席につきながら、料理をしげしげと見る。
「ん、さて、準備も終わったようだし、いただきますか」
そいじゃっと、そうじろうが音頭を取る。
「「「いただきます」」」
3人とも黙々と食べる。
「……おいしい…あんな残り物っつーか、いつもは思わず取っといてあるけど結局捨ててる物達もこうして
使えて、こんなにおいしくなるとは…意外な食材の使い方もあるし…マジで勉強になるよ、お母さん」
あらためて感心する。
「あらあら、そう?ふふふふ」
真っ赤になり照れまくるかなた。
「おぉ、照れてる照れてる。お母さん可愛いねぇ〜」
「えええ?えへへへ……もう…」
そんな光景を微笑ましく見守るそうじろう。
(あぁ、やっぱ俺って勝ち組だよな?いいなぁ、いいよ、うん、イイ!!愛する嫁と娘の笑顔…最高だぜ!!)

561続 ここにある彼方:2008/03/04(火) 10:44:42 ID:CeVLKrFK
「さっきさ、教員免許もってるって言ってたけど、先生目指してたのほんとだったんだね…嘘だと思ってたよ」
と先に食べ終わっていたこなたが皆が食べ終わったのを見計らって、食器を片付けながらそうじろうに話す。
「おう?!ん〜先生になってな、いじめ問題とかに真剣に取り組むつもりだったんだ」
なぜか、目が輝く。
「…ほんとならなくてよかったよね、先生。いろいろ教師の不祥事がニュース沙汰になってるけど、お父さんも絶対
やらかしちゃって逮捕されちゃったりしてるよね」
にや〜〜と冷ややかな目で見つめる。
「今の状態を見ると、確かに否定できないわね」
あわせてかなたもニヤリとしつつ冷ややかな目でそうじろうを見つめる。
「…わぁーお、二人してすんごい反応…」
軽くブルーが入るそうじろう。
「いやぁ…だって…ねぇ…お母さん」
「そうよねぇ…こなた」
かなたとこなた、二人がニヤニヤしつつ見つめ合う。
「ちょっっっ…おいおい…ひどいなぁ〜もう〜」
苦笑いで頭をかく。
椅子から立ち上がり、そうじろうのそばに立つとデコピンを軽くおみまいしつつ
「ふふふ…そう君てば…」
ニコっと微笑む。
「あぐっ……っていうかさ、かなたは信じてくれてるよな?な?な?」
半ばお願いするかのように聞いてみる。
「さぁ〜て、どうかしらね?」
意地悪げな笑顔を浮かべ敢えてじらしてみる。
「がーーーん……………し、信じて…くだ…ちぃ……」
がくりと下にうなだれ小声で話す。
椅子に腰掛けたままうなだれるそうじろうの下に潜り込むようにしゃがみ込み、下に俯くそうじろうを見上げるような
感じで、椅子の辺りにしゃがみ込むかなたがそうじろうを見上げる。
「じーーーーーーーーー」
そのままそうじろうを見つめる。
「…ばーーーか」
そうじろうのおでこの辺りをつんっと指で突っつく。
「あう……」
しゃがみ込んだ体勢から、するするっと移動して、そうじろうの膝の上にちょこんと座り直す。
「信じるもなにも学生の頃からそう言う風に言ってたものね。それに、先生としては良い先生になれたんじゃない?」
え?とこなたが意外そうな顔をする。
「クスッそんなに驚かなくても……なんでかって言うとね、こなたが良い子に育ってるじゃない?人としてダメなものは
ダメってちゃんと教えれる人なのよ、そう君は。ね?」
そうじろうに背中をあずけ、軽く振り返るような仕草でそうじろうに笑顔で問いかける。
さっきまでのしょげてた顔はどこへやらといったそうじろうが
「はははは……俺はあんまりそう言う自覚はないんだけど、かなたが言うのならそうなんだろうな」
かなたの肩辺りに自身の顎をのせるような形で抱っこし直す。
「ありがとう、かなた」
ぽつりと。
「ん?なにが?」
甘い声で聞き返す。
「いろいろとさ。いろいろと」
「そうなの?」
「ああ、そうさ」
「よくわからないけど、へへへへ…こうして、そう君に抱っこしてもらうのも好き…へへ」
「俺もさ」
なんとはなしにじゃれ始める二人。
562まだry:2008/03/04(火) 10:47:22 ID:CeVLKrFK
とりあえず以上です。

それと以前いただいた、多分、妄想屋氏のだと思うのですが、
お風呂シーンの挿絵とかうpしちゃってもいいでしょうか?
あのまま埋もれていくのは、なんか勿体ない貴ガス。
563名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 11:03:52 ID:eH05kLJT
投下するのは構いませんが、
前置きとして
・主なカップリング
・エロの有無
・注意事項(オリキャラ使用・暴力表現の有無等)
・レス使用数
などは書いてくださいお願いですから。
>>1にも書いてありますから。
564名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 11:13:14 ID:CeVLKrFK
>>563
申し訳ありません…ごめんなさい…
そういや、今までもやってなかったな…
565名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 12:33:53 ID:uR1KH60g
>>562
「へへへ…」とか意外と言葉遣いがこなた寄りなかなたさんも新鮮ですね
でもやっぱりもうすぐ居なくなるんでしょうか…
566名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 12:57:03 ID:tUPH33P1
>>562
ほのぼのして良いですね〜
続きがどんどん楽しみになってきます。

>>563
そんなこと書いてないぞ?
>>1をよく読め
567名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 15:11:17 ID:SgMmb/ac
かがみ×つかさ、投下します

\エロ無し
\3レス

※注意、というよりお願い
 もし電車の中でこのような姉妹や、妹のほうが「あと5分だけー、ほんとにー」と寝言を呟いていてもあまり注目しないであげて下さい。
 お姉さんのほうが照れてしまいます。
568ゆきどけびより (1/3):2008/03/04(火) 15:12:42 ID:SgMmb/ac
 


 ――……かたん。
 ――……かたたん。

 ――……かたん。



 車輪とレール。
 走る車両と揺れ動く機体が、ともすれば心地いいとも思えるリズムを作り出す。
 流れる景色は日陰側。
 後ろから差し込む日差しが、機内と座る二人の背中を暖かく包み込んでいる。

「……ふぁ」

 思いがけずにあくびが出そうになって、かがみは慌てて口元を押さえ込んだ。
 お昼を程よく過ぎた、いつもよりも早い帰り道の電車の中。
 今日は年度末試験の最終日で、それが終わってようやく肩の力が抜けたせいか、昨日もあまり寝ていなかったせいか。それとも、この冬の終わりの、あたたかな木漏れ日のせいか。
 ゆらゆら揺れる列車の振動と、ぽかぽか照らす太陽に、程よい眠気を感じずにはいられなかった。
 背中側の、窓の向こうからは、ちょうどよい温度の日差しが降り注いでいる。
 列車が走って、外で何かが横切るたびに、床の上へとその影が映る。
 オレンジと黄色の中間みたいな暖色が、絶え間なく走る小さな空間を彩っていた。
 冬の終わる一歩手前。
 寒さが去りゆく間際の、春の端っこ。
 こんな絶好のお昼寝日和に、眠くならない人なんてきっとそうはいないに違いない。
 だから今、この隣に座っている人間も……――。

「……はぁ」

 今度はわずかなため息が、かがみの口からこぼれ落ちた。
 呆れたような嘆息だったけれど、その顔には笑みが浮かんでいる。
 顔を動かし、左横を見つめた先には、双子の妹のつかさの姿があった。
 かがみと同じように座席に腰掛け、車両から伝わる振動を身体に受けて、こくりこくりと、聞こえる音と同じリズムを刻んでいる。
 さっきのかがみのように、暖かい陽気に当てられ眠そうにあくびを漏らしていたのは随分と前のことだ。
 ふらふらと揺れている、うつむかせた顔のその両の目は、開かれることなくぴったりと閉じられていた。
 やっぱりというかなんというか。どうやら完全に眠ってしまっているようだ。
 そんな妹の姿を、かがみは数秒間じっと見つめて、仕方ないわねというふうに苦笑を浮かべた。
 寝てしまうのも、無理はない。
 昨日も彼女は、夜遅くまで勉強していたのだ。いつもだったらかがみより何時間も早く寝るのに、昨夜は試験だからと少し長く起きていた自分と同じくらいの時間に眠りについていた。
 そしてようやく試験も終わって、そこにきてこの陽気だ。
 もとから眠気に弱く、電車の揺れにも弱くて。夜更かしするのだって苦手なのに。
 こんなにもお昼寝のための好条件が揃っていたら、寝てしまわないほうが心配になってしまうだろう。
 そう思いながら、振り子のように前後している頭を目で追っていると、曲がり角にでも差し掛かったのか列車がわずかに強く揺れて、つかさの身体がカクンッと前に振れた。
 その衝撃で少し気がついたのか、「……んぅ」と小さく声を喉からもらす。
 起きてしまうかと思ったけれど、つかさは一瞬ぴくりと瞼を震わせただけで、目を覚ますことなくもう一度静かに寝息を立てはじめていた。
 かがみは隣でその姿をそっと眺め続けて、ただなんとも形容しがたい、幸せそうな笑みを顔に浮かべていた。
 やがて電車が次の駅へと近づいて、ゆっくりと速度を緩めていく。
 ホームへと入り、徐々にスピードがなくなって、停止する瞬間。ガクッと、一番強い力が身体に加わる。
 そしてその慣性の力に従って、――つかさの身体が、ふらっと傾いた。
「……ぁっ」
 自分とは逆の方向に、妹の頭が落ちていく。
 まだお昼過ぎで、席はがらがらだったから、その方向には誰もいなかったけれど。だからこそ、そこには鉄製の――。
569ゆきどけびより (2/3):2008/03/04(火) 15:13:48 ID:SgMmb/ac
 
「っ――……。ったく……」
 ドア付近の、手すりの部分につかさの頭が触れる直前に、伸ばしたかがみの手がその肩を抱え込んだ。
 両手に力を込めて支えつつ、危ないところだったとかがみは胸を撫で下ろす。
 大怪我なんかにはならないけれど、もしあのまま倒れこんでいたら、たんこぶぐらいは頭にこさえることになっていただろう。
 それに、それだけじゃなく――……。
「まーだ寝てるし」
 傾いた体を引っぱり上げて、真っ直ぐに座り直させたのに、つかさはいまだにその瞼をしっかりとつぶっていた。
 すーすーと何事も無かったように寝息をたてている妹の姿に、かがみはやっぱり苦笑を浮かべる。
 もし今ので頭をぶつけていたら、きっとつかさは目を覚ましてしまったに違いない。
 それで「痛いよ……」と泣き顔になるのも可愛いかもしれないけれど、それでもやっぱり、今はゆっくりと寝かせておいてあげたかった。
 今日の試験はどうやら頑張ったようだし。
 最寄の駅に着くまでの、ほんの少しの間だけれども。
「今日は特別よ」
 いつもなら、他の人の迷惑になるかもしれないし寝言とか言って恥ずかしい思いをしかねないから、無駄だと判ってても一応起こす努力はするけれど、今日は車内も空いている。
 それになんだか、日差しがすごく心地いいから――……。
 そう思いつつかがみは、やれやれと笑みを浮かべた。
 ぷしゅっと、空気の抜ける音が響いて、電車の扉が閉ざされる。
 また次の駅へと向かって列車が動き出して、つかさの身体にも力が加わる。
 かがみはそのままつかさの肩に軽く手を置いたまま、再度向こうへと倒れこまないように注意を払う。
 案の定、力の抜け切ったつかさの身体は慣性通りに動きだした。
 さっきは進む方向だったから、今度は……。
「……っと」
 肩を支える手のひらに、つかさの体重が伝わってくる。
 自分もまた、電車の動きで力を受けていたから、倒れないようにと踏ん張った。
 しばらくそのまま彼女の身体を支え続けていると、ようやく電車がスピードに乗り始め身体が安定してくる。
 かがみはほっと一息つくと、つかさの身体をもとの位置に戻そうと手に力を込めて、
「………」
 今一度、腕の中で寝息を立てている妹の姿を見つめた。
 だいぶ密着した距離にいるつかさは、ずいぶんと気持ち良さそうに眠っていた。
 規則正しく息を吐き、身体が上下に揺れている。
 ふっくらとしたすべすべな頬が、ちょっと触り心地が良さそうだ。
 華奢な体は力がいっさい入っていなくて、その全ての重みを手のひらに感じることができた。
 昔から変わらない、短く整えた髪の毛が、振動に合わせてふわりと揺れる。
 背後から照らしている、あたたかな太陽のぬくもりを吸った甘いような、脳に直接届くような香りが漂ってきて、思わずドキリとしてしまう。
 なんだか急に、いま自分が腕の中に抱えているのものが、やっぱり生きた人間なんだなと。ぬくもりを持った、自分と同じ存在なんだと。支える指先には服越しの肌と筋肉の感触がして、人形みたいに小さなその体にはしっかりと血が通っていて――……。
「………」
 かがみは顔を上げると、そっと辺りをうかがった。
 さっきの駅で、車内の人影がさらに減っていて、ほどよい人数になっている。
 特に誰も、こちらは見ていない。
「ホントに今日は……、特別だからね」
 小さな小さな声でかがみはそう呟くと、つかさの身体をもとには戻さずに、そのまま自分の身体へと、その体重を寄り添わせた。
 まあるい頭が、自分の肩に乗るようにと、その身体を手で支える。
 わずかばかり座る位置を近づけ、肩をより触れ合わせて、その距離を縮める。
 少し、抱きかかえるような感じにもなったけれど、あくまで自然なふうにはなったかなと思う。
 耳と頬につかさの髪の毛が触れていて、ちょっとくすぐったいような気がした。
 そのままかがみは、特に何かするわけでもなく、妹と電車の揺れに身体を預けて、目の前の流れゆく景色を静かに眺め続けた。
「……ん」
 ふいに、すぐそばで声が聞こえた。
 つかさの身体をあまり揺らさないようにと、その顔を覗き込む。
 まだ目は開けていない。
 でもその眉が、額の中央に寄せられ表情に影を落としていた。
 なにかよくない夢でも見てるのだろうかと、そう思ったら、
「……ね……ちゃん……」
 これだけ近くにいるからようやく聞き取れる言葉を、つかさが呟いた。
「お姉ちゃん……」
 不安そうな顔でそう口を動かすつかさを、かがみもまた心配そうに見つめる。
「……、……て……」
「え?」
570ゆきどけびより (3/3):2008/03/04(火) 15:14:46 ID:SgMmb/ac
 
 かすれていて、よく聞き取れなかった。
 つかさの右手が、かがみのスカートをぎゅっと握りしめる。
「……そこに、……いて……」
「………」
 今にも泣き出してしまいそうな顔で、つかさはそう言っていた。
 ぎゅっと握りしめて、かすかに震える彼女の右手に、そっと自分の左手を重ねる。
「……バカね」
 誰にも聞こえないよう。彼女だけに聞こえるように、かがみは呟く。
「バカね、つかさ」
 そう言いながら、どこか嬉しそうな笑みで。
「ちゃんと……、ここにいるでしょ」
 この言葉が、嘘ではないと教えるように。その不安が、ただの杞憂だとさとすように。優しげな瞳で見つめて、ささやきを口からもらす。
「大丈夫よ、つかさ」
 その寝言が本当に些細なことだと言うように、くすぐったそうに笑顔を浮かべて、もう一度大丈夫と繰り返す。
 それが伝わったのかどうか、本当のところはわからないけれど、でもつかさはゆっくりと表情を崩して、また気持ち良さそうな寝息を立て始めた。
 そんな妹に、かがみは何度目かもわからないため息をもらすと、やっぱり何度目かもわからない苦笑を顔に浮かべた。



 ――……かたん。
 ――……かたたん。

 ――……かたん。



 どこか、いま身体に感じている鼓動にも似た音が、車内の中に響いている。
 ゆったりとしたテンポと、心に染み込むリズム。
 春が近いことを感じさせる陽だまりが、暖かな温度を伝えてくる。

「……ふぁ」

 さっきどこかの誰かがしていたような大きなあくびが、思わずかがみの口からこぼれ落ちた。
 ゆっくりと電車が動き出して、つかさの体重が伝わって来る。
「あーあ……。乗り過ごしちゃったじゃない」
 本来なら降りるはずの駅のホームがゆっくりと遠ざかっていく。
 見慣れた景色が終わり、学校とは反対側のほうへと向かって列車は進んでいく。
「まあでも……」
 相変わらず熟睡している妹の顔を覗き込むと、その表情は安心したように緩みきっていた。そんなねぼすけな妹の姿に、かがみは小さく笑みを浮かべる。
「つかさが起きないと、終点までついちゃうわよ」
 そうぼやいても、彼女は少しも起きる気配は無い。
 ただ口をむにゃむにゃと動かして、小さく寝言を呟いていた。
「………」
 その言葉にかがみはわずかに目を丸くすると、すぐに呆れたように、だけど嬉しそうに微笑んで、妹の肩に体重を預けた。
 今日はやけに日差しがあたたかで。
 眠ったらとても心地良さそうで。
 それに、つかさが今呟いた言葉が、どうしても顔をにやけさせるから。
 このまましばらく電車に揺られるのも悪くないなと、静かに瞳を閉じて、つかさの右手を握りしめた。




 ――ずっとそばにいるよと、そう返事を込めて。




 fin.
5716-774 ◆njAklKyHxQ :2008/03/04(火) 15:16:42 ID:SgMmb/ac
たまにはお姉さんなかがみも

以上。
息抜きに書いたほうがすぐ終わるのはよくあることだと思うんです
572名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 15:23:34 ID:Kuk7OiIs
>>571
ああ、なんというほのぼの姉妹。
二人を起こさないようにそっと下車して、列車が走り去ったのを確認してから力の限り萌え転がろうと思います。
ぐっじょぶ。


そしてかがみんや。姉妹愛大いに結構だが、そのまま乗ってると群馬まで流れ着くよ?
573名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 15:33:54 ID:OghCI3WW
>>571
GJ!
姉妹いいよ姉妹
二人ともかわいいなぁ……。とりあえずにやにやが止まらんのです。
もう一回GJ!
574名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 15:45:22 ID:OL72jU64
これは良い仲良し姉妹

和ませていただいたGJ
575名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 16:10:54 ID:njPfNitH
あああ可愛いい…!!はじめは注意書きに?と思ったけど、そういうことでしたか…!GJ!とてもGJ!

つーかそんな暖かい日が裏山。今窓の外吹雪いてるよ東北。
576名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 17:16:39 ID:QOPsMK1e
>>552
出てこないものをどうやって書けと(ryというのはある。
らきすたに限らず原作には百合なんて無いが男キャラ少ないからそればっかになる、ってのはエロパロでよくあるパターンなのかね。

まぁ俺はノーマルの方が好きだけど。
577名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 18:35:54 ID:gYeTT1V6
>>571
これはいい仕事!
こんな姉妹を見かけたら百合・レズ萌え板の
「あ、百合と呟いた瞬間」に報告させていただきます。


このシチュエーションで

かがみ「ほら、つかさ起きて」
つかさ「ん……お姉ちゃん大好き」
かがみ「な、何大声で言ってのよ!?」

とかやってる姉妹がいたら萌え死ねますね
578名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 18:57:05 ID:QEfjKble
>>571
毎度ながらGJ!!
起こさずにわざわざそのまま寝かしてあげる辺りにかがみの愛を感じた!
というかつかさが羨ましすぐるぞ!!

あなたの作品はほんと姉妹愛に溢れてて癒されるぜ・・・
579名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 20:50:07 ID:gYeTT1V6
これから投下します。

・非エロ
・3レス

タイトルは『もし○○○が男だったら』ですが、
いわゆるTSものではなく、もし男だったらという空想話を
四人がグダグダと話すという内容です。
580もし○○○が男だったら:2008/03/04(火) 20:51:13 ID:gYeTT1V6
「ねえ、もし私が男だったらどんなんだったと思う?」
「またあんたは唐突に……」
 とはいえ、四人で教室に集まればそこで行われるのは文字通り四方山話であって、
いちいち文脈を気にするものでもない。
「一度は考えたことない? もし自分が男だったらとか、そうじゃなくても自分が
自分じゃない何かだったらって」
「まあ、あるにはあるわね」
「変身願望は誰にでもあるものですからね」
「私は、私がお姉ちゃんだったらって考えたことあるよ」
 下らない話であればあるほど、みんな乗ってしまうものである。
「そうね、こなたが男だったら……」

 『限定フィギュア手に入ったよー。このお尻の形がたまらないよねぇ……ハァハァ』

 『かがみとつかさの巫女さん姿かわいいよー。ところで、パンツは穿いてるの?』

 『おはよーみゆきさん。今日も胸おっきいね!』
 『い、泉さん!?』

「……最悪だな」
「ひどっ!」
 冷たい目でこなたを見るかがみと、流石にショックを受けるこなた。
「あんたが男になったらただのオタクでセクハラ親父じゃない。女だから許されてる
部分ってあるわよ」
「なるほど、私が女の子だからみゆきさんの胸を揉んでもいいってことだね」
「よくねーよ」
 なぜかこなたがみゆきの胸に手を伸ばし、それをかがみが掴んで阻止した。
「いくら私でも男だったらこんなことしないって。お父さんだってまだ捕まるような
ことしてないし」
「まだ?」
 かがみは眉を顰めた。
「お父さんだったらいつかやっちゃうと思わない?」
「同意を求めるなよ」
「お姉ちゃん、そこは否定しようよ……」
「私が男だったらゆーちゃんに手を出しちゃうかもしれないね。まんま『それなんて
エロゲ?』な展開だし」
「そろそろこの話、ストップしていいか?」
 強制終了。
581もし○○○が男だったら:2008/03/04(火) 20:52:27 ID:gYeTT1V6
「ゆきちゃんが男の子だったらどんな感じなんだろ?」
「私ですか?」
「ちょっと想像しづらいわね」
 少しの時間、うーんと唸って。
「みゆきさんはお嬢様だから、男の子だったら紳士なんじゃないかな」
「紳士っていうと、レディファーストかしら。バスに乗るときに先を譲ったり」
「毎日アフタヌーンティーは欠かさないよね」
「馬術やフェンシングも嗜んでるよね」
 三人の頭の中では、バスの入り口で手を引いて自分をエスコートしたり、日の当たる
テラスで読書に勤しみながら紅茶を味わったり、爽やかな笑顔で華麗に馬を乗りこなし
たりするみゆき(男)が展開されていた。もちろん掛け値なしの美少年である。
「あの、なぜ英国紳士のイメージなのでしょうか……」
「そんな紳士でも何も無いところで転んだり虫歯があったりするわけだ。うーん……
それって男がやっても萌えないよね」
「あんたはまた萌えとかいう方向に行くのか」
 腕組みして真剣に考え込むこなたに対して、突っ込みを入れるかがみはやや呆れ気味
の表情であった。先ほどの美少年像に、やや傷をつけられた気がしないでもない。
「いや、全てが萌え要素で構成されているみゆきさんがそうじゃなくなるってのは
存在が根本から揺らぐ大問題だよ」
「その存在の根本を否定するところから始まってる話なんだから当たり前じゃない」
「やっぱり女の子女の子してるみゆきさんが男だったらって考えるの難しいよね。
単純に考えれば胸が大きいみゆきさんは男になったらアレが大きいとか」
「やめい!」
 強制終了ふたたび。

「女の子らしいといえばつかささんもそうですが……」
「つかさが男の子だったらショタだよね、やっぱ」
「しょた?」
「こなた、つかさに余計なこと吹き込むな。こなたの言ってるのは『女の子みたいに
可愛い男の子』って意味で捉えといて」
「うん……私は男らしくなれないかも……」
 そう言って落ち込んで見せるつかさには、本人は納得しないだろうが、守ってやり
たいと思わせるような愛らしさがある。
「でも料理が得意な男の子って需要あるよ。年上にモテそう」
「つかさがねぇ……大丈夫かしら?」
「母性本能をくすぐるというタイプではないでしょうか? 複数の姉を持っている末弟の
男子は女性に優しく接する人に育つことが多いみたいですよ」
「女性の扱いに関して英才教育を受けてるようなものだからね。ついでに甘え上手」
 つかさを除く三人の頭の中に現れたのは、顔つきもリボンもそのままで、学ランを着た
つかさの図。そのつかさがかがみに『お姉ちゃん』とか言って甘えている。
「――結構イケるかもね」
「いけるって何よ。こなたはそういうのが好みなの?」
 かがみの声には、少しだけ怒りが混じっていた。
「いや、つかさは(性的な意味で)お姉ちゃんたちに苛められそうだなぁって。ちょうど
苗字が柊だし」
「なんかイヤな予感がするからそこでストップ!」
 強制終了みたび。
582もし○○○が男だったら:2008/03/04(火) 20:53:10 ID:gYeTT1V6
「お姉ちゃんが男の子だったら……」
「多分あんまり変わらないよね」
「それは私が男っぽいって言いたいのか?」
 かがみの声と目線が鋭くなる。
「それだけじゃなくってさ、私やつかさへの対応もあんまり変わらないんじゃないかな
って思うんだよね。つかさの勉強見てやったり、私にはツンデレだったり」
「デレじゃねえよ」
「デレてるじゃん。なんだかんだで私に付き合ってくれるし」
「それは友達としてでしょ!」
 かがみが少し赤くなる。第一段階。それと共に、こなたはニヤニヤと意地の悪い笑みを
浮かべる。
「それでも、傍から見ていて微笑ましいですね。羨ましいです」
「うんうん、さっきからずっとこなちゃんとお姉ちゃんだけで話してるもん」
「五分で済む話を三十分続けられるなら、その二人は恋人として付き合えると言いますね」
「ちょっと、あんたたちまで……」
 もう一段階、赤くなった。こなたの口の端の吊り上り具合も一段階増した。
「もしかがみが男だったら、私かがみと付き合ってるかも」
「なっ、何言ってんのよ!? 私にも選ぶ権利ってものがあるんだからね!」
 さらにもう一段階。
「それに、男だったら萌えないってさっき言ってたじゃない」
「それはドジっ子属性の話だよ。かがみだって可愛いところあるからさ……」

 『かがみ〜ん、一緒にアニ○イト行こーっ』
 『こら、寄るな! 鬱陶しい! 体を摺り寄せるな!』
 『そんなこと言っちゃってるけど、体は正直だよね。ここ、こんなに大きくなってるよ』

「ちょっと待て! あんたは男友達にそんなことするのかっ!?」
「そんなわけないじゃん。かがみだからするんだよ」
「なっ……」
 絶句。
「想像した? 想像した?」
「するわけないでしょ、そんなこと!」
「子供は何人がいいかな? 新婚旅行はどこにする?」
「話が早すぎるわ!」
「じゃあ段階を踏んで、プロポーズの言葉は?」
「まだ付き合ってもいないでしょ!」
「まだってことはこれから付き合うってことだよね」
「言葉の綾よ!」
 かがみがヒートアップしてしまい、会話を強制中断する者がいない。
「やっぱり仲いいよね。どっちかが男の子だったらもしかして……」
「もしかするかもしれませんね」
「そんなに嫌なら、この話、止めればいいのに」
「ですよねぇ」
 そんな二人を、こちらはまったりのんびりと眺めていた。

−おわり−
5833-283:2008/03/04(火) 20:54:44 ID:gYeTT1V6
なんだか四人で会話させようとすると
こなたとかがみの台詞ばかりが多くなってしまいます。

読んでくださった皆様、ありがとうございました。
584名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 21:05:04 ID:OL72jU64
……いろいろな部分に妄想かきたてられてしまった
ゆーちゃん襲うとか甘え上手な男つかさとかこなたと付き合う男かがみとか(ry

色々と考えさせられるSSだな、GJ
585名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 21:20:19 ID:bXGtsksZ
>>583GJ!

やっぱ、男性化するなら

♂かが×こな

もしくは

♂こな×かが

であるべきだと主張する俺こなかが派






「異議あり!ここは両方♂を推奨するッス!」
「ひよりん、>>1読もーね(=ω=.#)」
586名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 21:24:29 ID:Fo8iZK+W
ショタつかさとみゆきさんで見た目にはすごくいやらしいほのぼのエッチが見たいんだけど……
587名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 21:40:16 ID:XFWi09ub
>>583
すばらしい !
萌え狂った
もはやバカップルレベルw
588名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 21:47:34 ID:0zKG5M4z
>>583
男版こなたは犯罪だw
TSが好きというわけじゃないんだけど「もし○○が男だったら〜で雑談」系は萌えるな
なんかこそばゆい感じがするからか?
589名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:09:58 ID:iXCRP3ID
姓が柊で姉に虐められるといえば…アレか。
590名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:47:50 ID:UsDBUt8j
下がる男ですな
591名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:54:47 ID:OL72jU64
百合の需要が圧倒的なここでも男化は受け入れられやすいのか
592名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:59:21 ID:0zKG5M4z
まぁ、でも男性化と「もしの話をする」だとちょっと違くね
593名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:10:42 ID:SHd1Vd7r
たしかにな、でもゲーム主人公やオリジナルキャラの男に比べたら遥かに受け入れられてると思う
現にかがみを男化した作品も結構人気出てるし
…まぁアレは純粋に良作だからなのもあるけど
594名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:15:30 ID:Mkklk88z
やっぱり純粋な男女カップリングで人気なのは、そうじろう×かなたさんなんだろうか。
らき☆すたキャラの中でも年増な夫婦なはずな……

おや、こんな時間に誰かが来たようだ。
595名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:20:42 ID:elfWN/5v
いやいや。そう×かなはかなたさんがあの容姿だから、年増とはちと違うと思う。
むしろ年増って言うならみきママンだろう。なにしろ姉妹の一番上は下手するとゆい姉さん世代だし。


おや、こんなところにアヴァンギャルドな創作パンg
596名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:21:57 ID:lsI2/aBD
そうじろうはともかくかなたさんは年増なんかじゃないよぉ〜
18年前で時が止まってる、永遠の人なんだよぉ〜

597名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:42:22 ID:cFmIhNgR
永遠の17歳♪
598名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:48:20 ID:F9T019bg
それはみきさんの中の人・・・
599名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:50:49 ID:tuCGf6rC
しかし他のらきすた関連スレ回った後でここに来るとやっぱりエロパロって異質なんだなぁと思う
600名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:52:39 ID:SHd1Vd7r
しかも此処はエロパロの中でも異質なほうだと思うぞ
エロなしが極普通に受け入れられてるし
601名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:54:41 ID:lsI2/aBD
エロ無しを投下する場所があまり無いしな。
602名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:01:17 ID:tuCGf6rC
まぁらきすた好きだけどレズ嫌いだとエロ抜きくらいしか書くもの無いし・・・
603名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:02:41 ID:lwEKjWZD
>>583
短く軽やかで萌える
私は何を書いてもシリアスになってしまうんで、こうゆうの書ける人は尊敬してしまいます
604名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:18:30 ID:18dkcnao
しかもさ、ここ、エロパロなのに、エロありってことを注意書きに書くくらいだからなwww
605名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:20:01 ID:jTU8KX5Y
面白ければ何でもいいんだぜ。
エロパロを、エロいパロではなく、エロとパロと考えれば無問題。
606名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:20:24 ID:t0KPG9tc
というかスレの回転率もかなり超速のレベルだぞ
607名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:30:54 ID:L22IJwbF
そしてエロがなくても人気が出るのが、ここの良いところ
608名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:43:58 ID:18dkcnao
しっかし、このスレって黎明期も凄かったんだよなあ
初代スレみてみたら、なんと2年越しなんだよね・・・
後々、これほどの爆発力を生む事になると、誰が予測したであろうや・・・。
さすがに当初は、エロばかりであったけどw
609名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:49:01 ID:SHd1Vd7r
発展してるわりには荒しとかも全然いないしな
610名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 02:16:10 ID:naHKkc44
>>609
時にはそれっぽいのが来ても小ネタにされたりするからなw
611名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 02:23:40 ID:pUhxUgxm
荒らそうとした奴が萌え殺しにされるポルナレフ状態だもんなぁ
612名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 03:37:38 ID:BuMLGGD2
ちょっと♂こなた描いてみた。…無個性になるなあ
ttp://www2.uploda.org/uporg1285512.jpg.html
613名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 03:58:33 ID:v+AZRoff
>>612とセットでどうぞ、♂かがみ(?
【男化注意:ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0033.jpg
614名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 04:10:09 ID:oB9SY9li
>>608
調べてきたけどホントに凄いローペースだったのだな、2005年の12月にスタートして2007年5月にようやく1000到達、それが今では1週間から10日ほどで700も見ずに終了することが普通だもんな。
615名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 04:22:38 ID:18dkcnao
>>612 >>613
いいねいいね!
♂こなたも♂かがみもいいよいいよ!!素敵だよ!!
ただし、カプリングするときはどちらか一方が♂でたのんますorz
>>1での禁則事項だし、俺もウホッは勘弁だ。
ひよりんが何か言ってるが無視だ無視(=ω=.;)

イケイケ押せ押せ♂こな×かが もしくは ♂かが×こな!!
616名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 05:05:30 ID:mOK/gvCy
ああ、なんかTSものも良い気がしてきたGJ!
ここってそんなには見ないよね、なんかオススメある?
617名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 07:41:29 ID:SHd1Vd7r
個人的にはゆたかかみなみを推したい
618名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 08:07:04 ID:3EGSgMTP
>617

「み、みなみちゃん…… 」
 みなみが教室に入ると、もじもじしながら、ゆたかが制服の裾を引っ張った。
「なに、ゆたか」
「お願い、保健室にきてほしいの」
「具合わるいの? 」
 みなみが心配そうに顔を覗きこむと、ゆたかが顔を真っ赤にして俯いた。
「ううん。違うの」
 蚊の泣くような声を出してゆたかは首を振った。
「分かった」
 しかし、ゆたかの表情はかなり辛そうなので、保健室に連れていくことにする。
 保健室に入ると薬品の微かな匂いが鼻腔を刺激する。ベッドに座ったゆたかは、
みなみの顔を見上げて囁いた。
「あのね、みなみちゃん。こんなこと、みなみちゃんしか相談できないんだけど」
「いいよ。言って欲しい」
「口で説明できないから…… みて…… 」
 羞恥に悶えながら、ゆたかは自分のスカートの裾を少しずつめくりあげて――


なんだか、いろいろな意味で危険すぎるな。
619名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 08:15:12 ID:RCrrthXq
>>618
めくりあげて――の所でひよりんが「自重しろー!自重しろ私ー!!」
って言ってる姿が想像できたwwww
620名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 08:16:39 ID:SHd1Vd7r
もうTSじゃねぇwww
621名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 09:49:31 ID:BuMLGGD2
>>613にティンときたので描いてみた
♂かがみ×こなた注意
ttp://www2.uploda.org/uporg1285696.jpg.html

どうしよう、今俺の中で♂かが×こな、♂こな×かがが熱い
622名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 10:06:16 ID:elfWN/5v
>>612
ああ、こなたは男になっても可愛いなあ。
ていうかこんな子がいたら俺はノンケをやめるぞJOJOー!


……ごめん。
623名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 11:25:47 ID:6bGinTpJ
>>621
ではその思いをどんどん絵にするのだ!
♂かが×こなGJ!すばらしいぜ!
この調子で♂こな×かがもぜひ!できればエr(ry
624名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 12:03:19 ID:KvB9yjlU
この流れで言うのはKYかもしれんが、




♂かがみって烏になったり人形を糸無しで動かしたりできない某最高さんに色々被りまく




ゴール
625名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 12:04:30 ID:ZViapFbv
【中国】スター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://page.dreamhosters.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://page.dreamhosters.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://page.dreamhosters.com/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://page.dreamhosters.com/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://page.dreamhosters.com/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
626名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 12:14:28 ID:fG35Htr6
>>624
あきら様「ぴっこっぴっこっ♪」
627名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 13:28:42 ID:ELhvoX5X
この流れのおかげでTS分が不足してきた、どうしてくれる!

新作TSにwktkしながら保管庫に逝ってくるノシ
628名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 13:59:00 ID:4UONBvPw
>>621に触発されて、♂こなた×かがみ描いてみた。
【TS注意:ttp://www.sonokawa28.net/lsssuploader/src/up0034.jpg

資料に落書きしてしまった(`・ω・´)
携帯で撮影ですまそ、ラフなので保管なしでお願いします。
629名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 14:12:32 ID:fG35Htr6
そういえばTSって何作品だ?
630名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 14:31:02 ID:SHd1Vd7r
こなたは男になってもかがみより背低いほうが…
631名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 14:35:31 ID:leNnw+xj
最近TSの意味を知った俺が通りますよ。
632名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 14:46:27 ID:BuMLGGD2
>>628GJ!!こなたのたくましさに全俺がティンときた
ところで♂こなたの一人称って何がいいんだろうか。「俺」か「僕」か…それともそれ以外か
633名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 14:55:15 ID:pUhxUgxm
私 自分 ミー うち わっち あちき オラ 儂 拙者 某 朕
さあ、どれでもお好きなものを!
634名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:05:52 ID:SHd1Vd7r
チビッ子なんだからボクが似合うと思うんだ
635名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:10:32 ID:ctr143yb
>>633
わっちはかがみだろう。前の中の人的に
それと最後のが読めないんだぜ
636名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:11:45 ID:+5l7Pmhf
そういやTS物はあるけど
チェリーと、ひよ…ゴニョゴニョ…なんでもないです
637名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:12:11 ID:F7ExVEyy
一人称は「こなた」で。



自分で言っときながら、想像して幻滅した。
638名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:12:54 ID:CTQ3Sisl
>>635
「ちん」だったはず
639名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:13:59 ID:X4gebnCd
>>633
朕は観鈴専用一人称なんだぜ
640名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 15:20:06 ID:ctr143yb
>>638
理解したぜ
さんくす
641みゆつか愛してる:2008/03/05(水) 15:47:57 ID:+7tnvv75
こんにちは。話の腰を折りますが
差し支えなければ投下させていただきたいと思います。

・特定カップリング無し
・ヤンデレ注意
・6レス拝借

では、他に投下宣言がありませんでしたらいかせていただきます。
642anybody's game1:2008/03/05(水) 15:52:13 ID:+7tnvv75
「ゆたか……」
私は愛しい人の名前を呼んでため息を吐いた。
「みなみさん。たまには一緒にお風呂に入りませんか?」
久しぶりに高良家に泊まりに行った夜、浴室に向かう私にみゆきさんが誘いかけてきた。
「小さい頃みたいに、一緒に背中を流すのもいいと思いますよ。二人きりでしか出来ない話があるんです」
「……はい」
浴室で二人でいると、ふと懐かしさのようなものが込み上げてくる。こういうのもたまにはいいかもしれなかった。
「ところで……二人きりでしかできない話ってなんですか?」
「みなみさん……なにか悩んでいるみたいですね」
「えっ……」
「わかるんですよ、小さい頃から一緒にいる、みなみさんのことですから」
やっぱりこの人はすごい。天然だとかなんとか言われるけれど、やっぱりどこか鋭い人だ。
この人には話してもいいかもしれない。誰よりも信用できて、誰よりも頼り甲斐がある。
「実は……」
私はみゆきさんに『それ』を話した。親友のゆたかに、自分が熱い恋心を抱いていることを。
みゆきさんは真摯に話を聞いてくれて、決して私を否定せず、むしろ応援してあげるという姿勢を見せてくれた。
翌日、保健室のベッドに横たわるゆたかは、小さな寝息を立てていて、桜の花びらのような唇からかすかに可愛い前歯が見える。
その歯の間から零れる吐息は今、私の唇に向けて吐かれていた。二人の唇の距離、あとわずか二センチ。
「ん……みなみちゃん……」
突然に自分の名前が呼ばれて、私は急いで顔を引き離す。
「こな……くぅ……」
よかった。ただの寝言のようだった。てっきりこっそりキスをしようとしていたのが、バレたのかと。
硝子細工のように今にも壊れそうなほど脆く、すぐに消えてしまいそうなほど小さなゆたかの手を、きゅっと握る。
怖い夢でも見ていたのかな。私の名前を呼んで……今すぐゆたかの夢の中に、剣を携えて飛び込みたい気分だった。
「ゆたか……ごめんね。ゆたかを守らないといけないのに、何もできないで、しかも」
ゆたかの唇を強引に奪おうとしていたなんて。ゆたかの手を握る手に力が込もった。
「でも、今はずっとそばにいるから」
できれば今だけではなく、ずっとゆたかのそぱにいたい。そしてこの手の温もりを、ずっと感じていたい。
ゆたかの体温を感じて、その愛くるしい寝顔と、小さな寝息を聞いていると、私の中に邪な気持ちが生まれた。
「あっ……」
気がつけばセーラー服のスカートに手を入れて、私はひとりで耽っていた。保健室で、しかも親友の真横で。
「ふっ……ゆたか……んっ」
もう止まらなかった。私は時も場合も関係なく、無心で快感を貪っていた。ゆたかの名前を心で何度も叫びつつ。
「あっ、ゆ……たかぁ……」
静かな保健室の中に、私のくぐもったいやらしい声だけが響く。
「ごめんね、ゆたかっ……あっ、んっ……!」
ゆたかの手の温もりを感じつつ、私は保健室で達してしまった。
(そういえば今度……みゆきさんがお泊り会を開くって……そのときゆたかもくるんだったっけ……)
そうだ。そのときゆたかに私の気持ちを伝えよう。応援してくれる人もいる。もしダメでも、ゆたかとなら友情は壊れない。

******
643anybody's game2:2008/03/05(水) 15:53:10 ID:+7tnvv75
「こなたお姉ちゃん……」
私は大好きなお姉ちゃんの名前を呼んでため息を吐いた。
今私はこなたお姉ちゃんの部屋の中にいた。こなたお姉ちゃんは今は友達の家にいて留守。
こなたお姉ちゃんが留守の間に部屋に侵入したのはこれで149回目だった。
この部屋からはこなたお姉ちゃんの匂いがする。機械の埃と、本のインクと、フィギュアの塗装料が混じった匂い。
そしてなによりも、こなたお姉ちゃんの体臭が混じったガールズフレグランス。バイトでかいた汗の仄かな香り。
「やっぱりお姉ちゃん、いい匂いだよぅ……」
お姉ちゃんのベッドに倒れ込むと、毛布をぎゅっと抱き締めてその香りを味わう。
私が今の学校を選んだ一番の理由は、こなたお姉ちゃんがいたからだった。レベルの高い高校だった。
もし合格したら、そうじろうさんの家にお世話になるかもねとお姉ちゃんに言われたとき、私は気がつけば机に向かっていた。
体調不良も構わずに必死に勉強をしたから、今みたいに天国にような生活ができていて……。
「あの頃はこなたお姉ちゃんとひとつ屋根の下に住めるなんて思いもしなかったな……」
お姉ちゃんのパソコンを立ち上げる。フォルダ内のデータを見るためにクリックした。
本当はこなたお姉ちゃんがいない間に、ネトゲのキャラのレベルを上げておいてあげたかったけど、さすがに怒られちゃうし。
一番下のアイコンはシークレットフォルダ。こなたお姉ちゃんの秘密がギュウギュウに詰まった、ちょっと過激なフォルダ。
私は手早くパスワードを入力すると、中のデータを拝見する。こなたお姉ちゃんのことは、なんでも知ってるんだよ。
「あ、画像が一枚増えてる〜」
そこには、こなたお姉ちゃんがかがみ先輩と撮った写真が納まっていた。ちょっと嫉妬しちゃうかな……どうしよう、消しちゃった。
私の目下の目的は、こなたお姉ちゃんと結ばれて、このフォルダをお姉ちゃんと私の画像でいっぱいにすること。
二人で色々なことをしてるところを……二人だけの夢のフォルダを作って、それを二人で微笑み合いながら眺めたいんだ。
その為の準備ももちろんしてあるよ? こなたお姉ちゃんのお風呂をこっそりデジカメで撮ったりしてるんだ……。
あとでそれを二人で一緒に見て、こなたお姉ちゃんは『もう〜……ゆーちゃんのエッチ♪』なんて恥ずかしげに微笑んで。
「あとで履歴消しておかなくちゃ……あ、あれの続きしちゃお」
私はこなたお姉ちゃんが今いちばんハマッているパソコンゲームを開いて、その続きをプレイすることにした。
これは、たしか18歳未満はやっちゃいけないタイプの、『えろげー』っていうんだったっけ……。
すごくえっちなシーンがいっぱいあって、こなたお姉ちゃんは私に見せないように頑張っていたみたいだけど……。
こなたお姉ちゃんのパソコンをいじっているうちに、ついプレイしちゃって、それからは部屋に侵入するたびに毎回……。
(お姉ちゃんも、こういうこと、したいのかなあ……)
私の身体にむずむずとした感覚が走って……ゲームをしてるときはいつも、こんな感じになっちゃって……。
でも考えるのは決まって、こなたお姉ちゃんのことで。お姉ちゃんのいやらしい姿を重ね合わせて。
私はいつものように、シャツの上から胸を、ズボンの上から大事な部分を、すりすりと擦っていた。
「おねえ……ちゃんっ……」
このゾクゾクってした感じは、初めて『えろげー』をしたときに覚えたものだけど、今はすっかり虜になっていた。
「気持ちいいよぉ……こなたお姉ちゃん……」
こなたお姉ちゃんのお部屋でこういうことをするっていうことが、もっと私を気持ち良くしてくれる。
「あっ……ふあっ……ん……今日はここまで……」
あんまりやりすぎちゃうと、私はまた倒れちゃう。そうしたらまた迷惑がかかっちゃうし、今ここで倒れられない。
(そういえば今度……高良先輩がお泊り会を開くって……こなたお姉ちゃんももちろん参加するんだよね)
うん。そのときに私の気持ちを伝えよう。こなたお姉ちゃん困るかな? 私、追い出されたりされちゃうかな?

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644anybody's game3:2008/03/05(水) 15:54:19 ID:+7tnvv75
「かがみ……」
私は私の嫁の名前を呼んでため息を吐いた。
今日もかがみんが私におちょくられて、顔を真っ赤にしていた。ナイスツンデレ、やっぱりかがみは可愛いネ。
でも私、本当は知ってるんだヨ? かがみんが、私のことが大好きで仕方ないってこと。
まあ大好きじゃなきゃツンデレとは成立しないんだけどね……。
「かがみんほどいじりがいのある子もいないよネ。明日はどんなふうにおちょくろうかな〜」
でも聞いてよ、今日パソコンのシークレットかがみフォルダを開いたら、この間二人で撮った写真、一枚消えてたんだよ。
これで130度目だよ。酷いよね、ショックだよネ〜。もしかして保存のし忘れ? 私としたことが! 
でも大丈夫、秘密のディスク『真のかがみんデータ』にはかがみのお風呂から寝顔まで色んな画像が保存してあるから!
「しかもかがみん、今日はつかさと一緒に帰っちゃうしさ!」
つかさと私、どっちが大事なのさ! まあ、つかさも大事な親友だし、かがみんの妹だし……。
「今日もネトゲにつなぐ前に、かがみんと遊んじゃおっかな〜」
私は机の上に佇む、一体のフィギュアを手にとって、そのボディを色んな視点から眺めた。
これは私がネトゲで出会ったフィギュア職人を脅して作らせた、特注オーダーメイドかがみんフィギュア。
素晴らしい出来。かがみんがそのまま小さくなったような……これで必ず一日一時間は遊ぶのが私の日課になっていた。
そのスカートをぴらっと開けると、ちょっと幼いけどかがみんに良く似合う下着が姿を見せた。
「むふふ〜、かがみんの今日の下着はピンクですな? でもツンデレといったら、やっぱり水色縞縞だよネ」
私はかがみんの下着をバッと脱がせた。あれ、かがみんちょっと赤くなった? 照れてるんだね、そんなかがみ萌え〜。
『バッ、バカ! いきなり脱がせないでよ、は、恥ずかしいじゃない……』
「かがみんのそんな姿も可愛いヨ」
『そ、そういうこと言わないの! こなたの……ばか……』
そんなに照れなくてもいいよ、かがみん。ま、そんなところがまあ愛らしくて仕方ないんだけどネ。
「かがみん……今日も一緒に気持ち良くなろうネ?」
私はいつものようにかがみんフィギュアを握ると、ズボンを脱いでその顔を自分のあそこにこすりつけた。
「あっ、かがみぃ……いきなりそこからなんて……だめ、だよ……」
かがみんの執拗なクンニリングスに、私のショーツはすぐに湿り気を帯びてくる。
だって大好きなかがみにされてるんだよ……? かがみだって、きっと濡れているに決まってる。
「あっ、かっ、がみぃ……やあっ、ふあっ」
かがみんフィギュアはすでに、私の愛液でべチョべチョになっていた。
「あっ……あああっ!!!!」
ほどなくして私は達した。落ち着いてから濡れたフィギュアを拭いて、汚れた下着を脱ぐ。
「明日はどのかがみんで遊ぼうかな〜?」
私はクローゼットを開けて、その裏の隠し扉を開けた。中には色んなコスプレをしたかがみんのフィギュアが計85体。
「いつ完成するんだろ。ネトゲ友達のゲームデザイナーに頼んだ、世界でひとつだけの『かがみエロゲー』……」
そのためにバイトしてお金貯めたんだからね。まあ、毎日リアルエロゲーみたいなものだけどさ……。
(そういえば今度……みゆきさんがお泊り会を開くって……かがみは参加するっていってたっけ)
よし、そのときに私の気持ちを伝えよう。かがみはツンデレだから、きっとすごく照れるんだろうネ。

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645anybody's game4:2008/03/05(水) 15:55:35 ID:+7tnvv75
「つかさ……」
私は愛しい妹の名前を呼んでため息を吐いた。
生を受けて十八年。私の傍らにはいつもあの子が……つかさがいた。
悲しいときも、嬉しいときも、寂しいときも、楽しいときも、あの子の顔は振り向けばすぐそこに。
「お姉ちゃん……」
「今夜も? しょうがないわね、つかさは」
「えへへ……ごめんね?」
昨日の夜も、つかさはいつものように甘えてきた。寂しくて眠れないなんて、小さい頃からこの子ったら何も変わってない。
でもいい。それで構わない。つかさは何も変わらなくていい。つかさの横で寝るのは、死ぬまで私だけだから。
つかさを守ってきたのは私だから。そしてつかさがそばにいてくれることで、私の心が守られている。
最近はみゆきとおしゃべりする時間が多くなってるみたいだけど、私が一緒のクラスならきっと私のほうが……。
ていうか、みゆきとつかさなんて会話というか単に天然のキャッチボールじゃないの。代わりなさい、みゆき。
夜の十一時。今日はつかさがこない。寂しい。寂しがりやのつかさがこないと寂しいなんて、これじゃどっちが寂しがりやなんだか。
そんな日は私は決まって、家をこっそり抜け出して神社へと向かう。巫女装束に着替えて、お堂の掃除を始めた。
別に私は掃除が大好きだとか、そんなわけじゃない。ただ一巫女として、仏に物を頼む際にはこのくらいの礼儀がいると知っている。
「このくらいやればいいわね……」
僅か気持ちばかりお堂を綺麗にすると、私は箒を片付けてお堂の中心に座った。時刻は夜の十二時。
私は仏像に向かってパンパンと手を合わせると、すでに日常と化していたあのお祈りを、今日も繰り返した。
(つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。)
つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。
つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。
つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。
つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。
つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。
つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。つかさと結ばれますように。
つかさと……パンパンと合わせすぎた手のひらが真っ赤になって、私は痛みを覚えたところでようやくお祈りを終えた。
ああ……またマメが潰れちゃったわ。でもついつい、祈りすぎちゃうのよね。
「やだ……お祈りしてるうちに朝になっちゃったじゃない。まだみんな、起きてないわよね……」
こんなことを、つかさが甘えてこない夜に毎度続けている。それも、つかさに対する愛情ゆえだ。
私のことを誰よりも知っているのはつかさで、つかさのことを誰よりも知っているのは私。
だからつかさを愛していいのは私だけ。つかさに愛されていいのも、私だけ。
私はこれからもつかさを愛し続けるし、つかさは私を愛しつづけるべきなんだ。
でもこんな気持ち、なかなか口に出せない。これがツンデレっていうやつ? わ、私は別にツンデレじゃないわよ……!
(やだ……つかさのこと考えたら、身体が疼いてきちゃった……)
思い立ったら止まらない。私はお堂の真中で、自分を慰め始める。
生粋の受け体質だと自分でもわかっているせいか、私がひとりで始めるときに考える事はいつも、つかさに責められるところ。
『お姉ちゃん、もう感じてるの? ここ、ぐしょぐしょだよ?』
「あんっ……だめよ、つか、さ……阿弥陀如来像が見てる……からぁ……」
『そんなこと言っても、お姉ちゃんの巫女装束こんなにはだけちゃってるもん』
すぐに達した。朝日を浴びながらお堂で身体をくたっと倒れさせている私。なんて罰当たりな巫女なんだろう……。
(そういえば今度……みゆきがお泊り会を開くって……つかさは喜んで参加するって言ってたわね)
よーし、そのときに私の気持ちを伝えよう。姉妹だからって、そんなの関係ない。つかさを守れるのは、私だけなんだから。

******
646anybody's game5:2008/03/05(水) 15:56:56 ID:+7tnvv75
「ゆきちゃん……」
私は大好きな親友の名前を呼んでため息を吐いた。
こんな気持ち、初めてだった。いつかは私も誰かを好きになるとは思ってたケド、まさか同級生の女の子だなんて……。
でも、好きなものは好きだから仕方なくて……同時に、私は自分が結構嫉妬深いことにも気付いちゃって。
今日だってゆきちゃんはこなちゃんと楽しそうに。私も笑っていたケド、内心は気が気じゃなかった。
こなちゃんのくせに、こなちゃんのくせに、こなちゃんのくせに、こなちゃんのくせに、こなちゃんのくせに……!
ゆきちゃん、私寂しいよ? 私寂しがりやだから、ゆきちゃんが他の人とお話してるだけで胸が痛いんだよ?
夜になると時々どうしようもなくなって、そんなときはお姉ちゃんを代わりにガマンしていたりする。
お姉ちゃんは優しいから、私が狸寝入りしているときに時々キスしてくれたりするし、私からゆきちゃんを奪う心配もない。
でもやっぱり私は、本当はゆきちゃんじゃなきゃイヤなんだよ? お姉ちゃんなんかじゃ力不足だよ……。
最近はみなみちゃんとも仲いいよね? 従姉妹だから仕方ないとしても、あの子にはゆたかちゃんがいるんだよ?
(あんまり寂しくさせないで、ゆきちゃん……でないと私、死んじゃうよぉ……)
私はこの日もキッチンでひとり、お料理に励んでいた。これも全部、ゆきちゃんのための修行なんだ。
「できた……ゆきちゃんケーキ♪」
それはゆきちゃんを等身大で模した、大きなケーキ。こっそり作ってたから完成まで一週間かかっちゃった。
胸の部分は特に気を使って……ほとんど不眠不休だったっけ。でも、ケーキでもゆきちゃんの姿は惚れ惚れしそうだよ。
「あ、もうこんな時間。今度はチキンステーキを作らなきゃ……」
私は包丁を手に取った。使い慣れたマイ包丁。毎日毎日遅くまで研いで、いつでも鋭いままで保っているお気に入りの包丁。
種類もたくさんあるんだ。これから鶏肉をさばかなくちゃいけなくて、私は鈍い色を放つ出刃包丁を手に取った。
鶏肉はさばきたての新鮮なものを買ってきたんだよ。それをまな板に並べると、私は包丁を振り下ろした。
「あれ? このお肉、固い……」
どうしよう。さばきたてだからやわらかいと思ったのに。死後硬直……じゃないよね?
「だめだよ、ゆきちゃんのためにお料理するんだから。もっと上手になるんだもん」
私が非力だからなのかな。中々鶏肉は切れてくれない。私は更に力を加えて鶏肉に挑んでみる。
「もう、固いよ〜。どんだけ〜、どんだけ〜……どんだけ〜……どんだけ〜……」
キッチンに、ダン! ダン! っていう音が響いた。私は鶏肉に向かって何度も何度も出刃包丁を振り下ろす。
その度に鶏肉からはたくさんの血が飛び散って、私の服を、顔を、髪を、手を、床を、天井を汚していく。
「わあ。ようやく切れた〜。あとはこれにバルサミコ酢で下味をつけて〜……」
私はたまねぎ丸々1個を手に取ると、一度の瞬きの間にそれを千切りにしてみせた。
私、ゆきちゃんのためにお料理上手になろうって決めて、包丁の扱いも得意になるよう頑張ったんだ。これしか取り柄ないから……。
でも練習の甲斐あって、今なら目を瞑った状態で50メートル先のハエに包丁を投げて真っ二つにできるくらいにはなったんだ。
ゆきちゃん、包丁なら私に任せてね。私が切ると思ったら、切られずに逃げられる獲物なんてないんだよ〜?
いつかはゆきちゃんに美味しいお料理沢山作ってあげるね。ゆきちゃんさえよかったら……毎日だって作ってあげたいな。
美味しいケーキもたくさん……あ、ゆきちゃんは歯が弱いから、糖分は控えめにしてあげる。そのかわり愛情はたっぷり、とか……。
今日はゆきちゃんケーキを食べながら、私はキッチンでひとり、えっちなことをした。ゆきちゃんを好きになってからほぼ毎日。
ゆきちゃん……お料理だけじゃなく、私も食べていいんだよ? そんなこと、恥ずかしくて思ってても言えないかも〜……。
(そういえば今度……ゆきちゃんお泊り会開くって……ゆきちゃんの家でお泊まりかあ……)
だったら……そのときに私の気持ちを伝えよう。ちょっと緊張しちゃうけど、ゆきちゃんのこと、信じてるから。

******
647anybody's game6:2008/03/05(水) 15:58:20 ID:+7tnvv75
「みなみさん……」
私は愛しい従姉妹の名前を呼んでため息を吐きました。
思えば小さなころから、私は彼女の愛くるしさにはいつも参らされていたのです。
私の母もみなみさんの可愛さには敏感に反応していたりしますが、私はそれとはまた違った形で……。
……はい、私はみなみさんを従姉妹以上の関係として、愛してしまっていたのです。
みなみさんは胸が小さいことを大層気にされていました。私のことを時々うらやましそうに見ていたり……。
大きいのも考え物なんですよ? それに私は、みなみさんのその小さな胸がとてもいとおしいのです。
この間はそのみなみさんのお胸を拝見しようと、みなみさんをお風呂にお誘いしました。聞きたいこともあったのです。
案の定、みなみさんはゆたかさんをお慕いしているようでした。私はとりあえず、平然を装っていましたが……。
それにしても、よりによってゆたかさんのようなチビ……ではなくて、小さな女の子に恋心を抱いてしまっているなんて。
ゆたかさんは泉さんのことをお慕いしているんですよ? 調べることに関しては日本一の私の情報収集能力を侮ってはいけません。
泉さんは毎日フィギュア遊びに熱心ですし、かがみさんはお堂で朝方まで何やらぶつぶつ呟いていますし、つかささんは趣味のお料理。
こんな状況でゆたかさんに想いを打ち明けても、みなみさんは傷付くだけなのです。
それだけじゃなくて、せっかく出来た親友を失ってしまう可能性があります。それではあまりにも可哀想です。
万が一、上手くいったとしましょう。それはそれで、私が許せません。
もしもゆたかさんがみなみさんを毒牙にかけようものなら、いつだって高良家の力が爆発します。
最悪、ゆたかさんは骨だって残りません……そんなことになったらきっと、みなみさんは立ち直れなくなるでしょう。
悲しい恋をする前に、私がみなみさんの心の隙間をお埋めしてあげたい……ただそれだけなのです。
それに、私のほうがみなみさんと共有した時間は多いのです。お風呂だって、一緒に入れるのは私ぐらいです。
「それともみなみさんは、ゆたかさんみたいに幼い体型がお好みなのでしょうか……」
だとすれば、私には勝ち目はありません。自慢するつもりはないのですが、私は余計に成長しすぎてしまったので……。
「そうですね……方法があるとすればただひとつ」
私の脳裏に、肉体改造という言葉が浮かびました。とはいっても、ダイエットなどそういった類ではありません。
手術……現代整形外科技術にすがります。身長を低くする手術、胸を小さくする手術、お尻を小さくする手術、声を幼くする手術、
そんな手術が実在するのかなんていうことはまだわかりません。しかし、調べさせていただきますし、無ければ強引にでも。
みなみさんが喜ぶのなら、私はこの身体にいくらでもメスを入れてあげましょう。手足を取れをいうのなら取りましょう。
大丈夫です、予算ならたくさんあります。みなみさんがしてほしいことができれば、私はそれでいいのです。
私は高良家地下にこっそりと造った、『みなみさんルーム』に足を踏み入れました。
壁中に貼られたみなみさんの写真。約40台のモニターに映し出されたみなみさんのライブ中継。
高良家の財力、そして私の情報収集脳能力をフルに活かせるその部屋はまさに、私の要塞。
みなみさんのことで知らない情報はございません。体脂肪率から肌年齢、その日の発言の全てからトイレの回数まで、全て。
「適当なロシア語(ロシア国防省GRUの皆さん。みなみさんの本日の行動はどうなんでしょうか)」
『適当なロシア語(ミユキ・タカラ。本日の対象Aの行動データを転送いたします)』
さすがはロシアの軍を引き連れているだけあって、素晴らしい情報の数々ですね……。
私は壁に貼りつけてある等身大のみなみさんスナップに近付くと、ほお擦りを繰り返しました。
「ああ……愛してますよ、みなみさん」
あなたは私のものにしてみせます。たとえ世界を敵に回しても。まあ、世界は私の味方でしょうけれど……。
(そういえば今度……ここで開くお泊まり会に、みなみさんも参加するって言ってましたね)
でしたら……そのときに私の気持ちを伝えましょう。ゆたかさんとなんてくっつけません。みなみさん……みなみんは私の物です。
なんだかすごく、楽しいお泊まり会になりそうですね。今から楽しみです……。
648みゆつか愛してる:2008/03/05(水) 16:01:00 ID:+7tnvv75
投下は以上です。読んでいただきありがとうございました。
誤字脱字ありましたら申し訳ありません。
いつもほのぼの甘々しか書かないのでヤンデレに挑戦してみたら
なぜかこういったことになってしまいました。

それでは、読み手に戻りたいと思います。
649名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 16:12:42 ID:Qc3yY89p
>>648
GJ!!
お泊り会がどうなるのか、すごく気になるっ
恐ろしいことになりそうだ…

で、みゆきとみなみが従姉妹になってるのが気になった
この二人って、単にご近所さんじゃなかったっけ?
650名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 16:21:13 ID:YUQGXrz7
>>648
何このハニカムループ・・・。
あなたは甘い作品を書いていれば、それd(高良財閥によって消されました・・・
651みゆつか愛してる:2008/03/05(水) 16:23:01 ID:+7tnvv75
>>649
え、本当ですか!
ずっと親族だとばかり……申し訳ありませんでした。
保管の際に修正させていただきたいと思います。ありがとうございました。
652名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 16:38:07 ID:u7ZOtB+0
>>648
だんだん気持ちの強さとそれに伴う暴走がひどくなってるw

>>651
それと神社に仏像があるっていうのも変だと思いますよ
653名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 16:48:29 ID:CTQ3Sisl
なんだこの6人の関係!
残りの4人もプラスしてもっとカオスに……
なんて出来ませんよね…それはそれで楽しそうですけどw

とりあえずGJ!
654名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:02:15 ID:BuMLGGD2
>>648
うおお、なんというヤンデレーズ!思わずゾクッときました。GJ!

そしてちょろちょろ妄想を形にしていたら出来上がってしまったので投下させて頂きます。
・TS注意!
・♂こなた×かがみ
おkでしたらどうぞ。
655弟である前に:2008/03/05(水) 17:03:09 ID:BuMLGGD2
 あいつとの出会いは、良い印象、とは言えなかった。

 ある日、つかさが家で「新しい友達ができた」と嬉しそうに話すものだから、私もそいつに興味が湧いた。
 つかさから聞くには、その友達とやらと知り合った経緯は外人に話しかけられて困っていたつかさを、そいつが暴力的な介入で助けたんだとか。
 それって助けたって言えるのかと思ったけれど、まあつかさが今嬉しそうなんでその辺は突っ込まないことにした。
 そして「お姉ちゃんにも紹介するね」と言われて、早速次の日の放課後つかさにクラスを尋ねると。
「もしかして、つかさのお姉さん?」
「は?」
 不意に、見知らぬ男子に話しかけられた。
 その時まず思ったことは、なんだこいつ、いきなり。しかも人の妹を「つかさ」なんて親しげに。
 けれど内心そんなことを考えていたとはいえ、流石にそれを見知らぬ人に対して顔に出すわけにもいかない。
「……まぁ、そうだけど」
 なので無難に質問に一言肯定の意を表す――と。
「やっぱり! 似てるからそうかなーと思ったんだよねえ。でも似てないとこもあるかな、お姉さんは……んー……」
 若干オーバーな動作つきで頷いたと思ったら、今度は顎に手を宛がって考えこんでしまった。
 その間に、その男子の容姿を少しばかり観察させてもらう。
 男にしては低めの背丈、大きな翠の目。そして妙に艶やかな青い髪と――何よりも目を引く、頭から飛び出ている……これは……アホ毛?
 ともかく、全体的に女っぽい印象を受ける外見。いや……女というよりは、子供か。
 ちょっと落ち着きのないところもまた、それを際立たせている。
 そんな風に私まで考え込んでいると、そいつはぱっと顔を上げて。
「ツンデレだっ!!」
 ……なんのこっちゃ。
 いや、ツンデレという単語自体はどこかで聞いたことはある。確か普段はツンツンしてるのに二人っきりになったらデレるキャラのことで……って今これはどうでもいい!
 突然のことに何も言えずにいる私に構わず、目の前のそいつは爛々と目を輝かせながら語り続けている。
「その気が強そうなツリ目に、ツインテール、おまけに気の弱い双子の姉! くはー、完璧だよお姉さん!」
「いや、なんなんだよお前さっきから!」
 何が言いたいのかはよく解らなかったけれど、とにかく突っ込まないと負けな気がして思わず。
 するとそいつはきょとんと首を傾げた。……ホント、子供みたいな動作だ。
「えっと、つかさから聞いてない?」
「はぁ?」
 また出てきたつかさの名前。
 そんなことを言われても心当たりはない。
「って、なんであんたさっきから人の妹の名前を呼び捨てで――」
「あ、お姉ちゃーん、もう来てたんだ」
 と、ガラガラと教室の扉を開ける音と共に現れたのは当の本人であるつかさ。
「ちょっと、つかさ、こいつ誰なのよ! さっきからあんたのこと呼び捨てで」
「え、あれ、言ってなかったっけっ?」
「え」
 つかさは慌てたように机の間を駆け、その男子の横に立って一言二言交わしている。
 ちょっと待て私。今日ここへは何の目的で来た?
 確か、つかさの新しく出来た友達とやらに会うためで……って、まさか。
 軽く混乱中の私を尻目に、つかさは笑顔で、
「えと、紹介するね。新しく出来た友達の、泉こなたくん。こなくんだよ」
「よろしくね、ツンデレなつかさのお姉さんっ」

 ――ちょっと待て、男だとはお姉ちゃんひっとことも聞いてないぞ。
656弟である前に:2008/03/05(水) 17:03:44 ID:BuMLGGD2
 そんなこんなで初対面の印象はあまりよくなかったけれど、それから行動を共にする中で、そんなのも段々忘れていった。
 一緒にいて疲れる(主に突っ込みで)けど、なんだかんだで楽しいし。
 そのうちメンバーにみゆきも加わって、四人で行動するようになった。
 女子三人に男子一人、なんて特殊な構成ではあったけど……(こなた曰くハーレム、だとか。アホか)
 まあ、とにかくあいつと一緒にいるのは楽しかった。
 女子だからってあいつは私達に変に気を使うこともないし、それは私達も同じで。
 お互いの家にも遊びに行ったりもした。何気に初めて男子の部屋に入ったり、逆に部屋に入られたり。
 でも、この関係。自分でも珍しい関係だなと思うときがある。
 普通男女が集まれば、そこには恋愛とかそんな甘酸っぱいものがついてまわるって言うのに。
 少なくとも私にとってこなたは――……

「……私にとっての、あいつ……かあ」
 そして、とある日の放課後。時刻は夕暮れ、教室内は赤く染まっている。そんな中。
 私は一人学校に残って、教室でぼんやりとしていた。
 何故なら、ちょっと考えたいことがあったから。誰も居ない放課後の教室で、一人思い悩む少女……うん、青春じゃない。
 いや、そんなことのためにここを場所に選んだわけではない。まあ、どうしてと聞かれたらなんとなく、としか答えることは出来ないんだけど。
 いつもの四人組で帰ろうとしていた中、こなたに「今日はちょっと図書室に用があるから」なんて言って、ここに来た。
 そしていつも一緒にいつ面々について思考を巡らす中、よく解らないことが一つ。
 それが先程私が呟いたことだった。
「あいつ、ねぇ……」
 心に思い描いて、あいつについて考える。
 泉こなた。男子だけど背は低くて、インドア派でオタク、そのくせ運動神経はよくて。
 男のくせに綺麗な青の髪で、アホ毛があって。翠の瞳は綺麗だけど、常に半目でもったいない。
 ふと、思う。……結構あいつは容姿が整っているんだなと。
 運動神経もいいんだし、実はもててたりとかするんじゃないだろうか。好きな奴だって……
 ――と、そこまで考えて不意に走った胸の痛みに我に返る。
「違う違う、そんなんじゃなくて……」
 よく寝坊して朝の待ち合わせには遅れてくるし、いっつも昼ごはんはパン一個だし。宿題見せてってよく頼んでくるし、まるで。
「弟……みたいなもんなのかな」
 声に出してみて、そのフレーズが結構的を射ているような気がしてきた。
 そうよね、あいつ小さいし。男のくせに私と同じくらいだし。
 うん、そうだ。弟みたいなもんだ。そうに違いない。
 そう結論が出そうだったところで――
「かがみー?」
「うっひゃあっ!?」
 静かだった教室に響く扉を開ける音。そして私を呼ぶ声。
 ぼんやりとしていた私は思わずそれにビックリして、変な声を上げてしまった。
「……何してんの、かがみ?」
「え、あ、いや、な、なんでもないわよっ!?」
 入ってきたのはさっきまで心に描いていた人物。こなただった。
 それにしてもなんてタイミングで来るかな……って、あれ?
「こなた、何でここに?」
「……それは、こっちの台詞だよ。図書館に用事、って言ってたのに、いないんだもん」
「いや、それは……あれ、こなた、もしかしてわざわざ迎えに来てくれた、の?」
 こなたの言葉は、まるで私を探していたかのような言い方だ。てっきりあのままつかさ達と一緒に帰ったのだと思っていたのだけど、迎えに来てくれたのだろうか。
 ……なんだろう、そう考えると、何故かすごく嬉しいと感じてる自分がいる、ような。
「そだよー、かがみんが寂しがってないかなーと思って」
 にやりと笑って返された言葉に、思わず反論しかける。いつものやり取り。
 でも、違っていた。
「それに、かがみの様子が変だったから」
 私の反論の言葉が出る前に、急にトーンの落ちたこなたの言葉。
657弟である前に:2008/03/05(水) 17:04:14 ID:BuMLGGD2
「……え?」
「かがみ、何かあった?」
 言いながら教室の入り口から段々私の方へと近づいてくるこなた。その雰囲気が、上手く言えないけれど、なんだか。
(いつもと、違う)
 普段の漂々としたこなたじゃない。
 具体的にどこが違うのかと聞かれたら答えられないけれど、なんとなく、としか言えないけれど。
「べ、別に何もないわよ。それより、もう結構遅いし、早く帰りましょ」
 とにかくいつもの雰囲気に戻そうと、私は何でもない風に装った。そして早く帰ろうと席を立った――刹那。
 いつの間にか横まで来ていたこなたに肩を掴まれ。
「っ!?」
 そのまま壁に、押さえつけられた。
「っちょ、な、なにすんの――」
「かがみ」
 いきなりのこなたの行動に異論を唱えようとする、が。こなたの声の止められる。
 なんだろう、いつもだったら気にせずガーッと食ってかかるのに。今は、そうすることが出来なかった。
「本当に、何も、なかったの?」
 落ち着いているかのような、こなたの声。でもどこか焦燥が込められているような気もして。
「……本当よ。何もないわよ」
 それを落ち着かせるかのように、静かに答えた。
 暫しの沈黙。
 解ってくれたのだろうか。なら、早く肩に置いている手を離して欲しい。
 なんだかこの体勢は、心臓に、悪い、ような。
 けれどこなたはその手を離すことなく、その状態のまま、逡巡の後、口を開いた。
「ねえ、かがみ。ボクのこと、どう思ってる?」
「え」
 先程まで考えていたことを尋ねられる。まさかこいつ、心を読んで――ってそんなわけないか。
 そのこなたの質問には、すぐに答えられるはずだった。さっき、「弟」って答えが出てたはずだった。
 なのに――それが私の口から出てきてくれない。
 口だけじゃない、身体も思う通りに動かない。それはこなたに壁に押し付けられているからでもあったけど、それ以上に、なんというか、動こうという意志が抜け落ちたとでも言うべきか。
「……『弟』って、思ってる?」
「っそ、そうそう!」
 暫く間を置いた後のこなたの一言に正気を取り戻して、慌てて言葉を紡ぐ。
 なんか、まるでこなたに助け舟を出されたような、変に悔しい気分。でもそんなこと考えてる余裕はあんまりなくって。
「あんたはよく寝坊するし、宿題はしないし、ホント手のかかる弟みたいで――」
 また沈黙が訪れるのが怖くて、こなたと目を合わせないようにしながら喋る。止まらない。
 なんで沈黙なんかを恐れてるんだろう、私は。
 だって、放課後の教室で二人きりで、向かい合ったままの沈黙だなんて、まるで。
 そう、まるで。
「かがみ」
 こなたの、声。
 私の名前を一言呼んだだけだった。でも、それで私は喋るのを止めてしまった。
「かがみ」
 もう一度。次のそれには、何処か逆らえない力が込められているように感じた。
 恐る恐る正面へと目を向ける。
 案の定、私を真っ直ぐな瞳で見詰めているこなたと、目が合った。
「かがみ、知ってる?」
 そのままの状態で再度の呼びかけ。けれど今度は疑問系で。何を聞きたいのか解らない、否――解りたくない?
 こなたが何かを言おうと口を開く。待って、聞きたくない。まだ――

 けれど時間も、こなたも待ってなんてくれなかった。

「『弟』だって、『男』なんだよ」

 そして――サイは、投げられた。
658弟である前に:2008/03/05(水) 17:04:41 ID:BuMLGGD2
「な、なに言って」
「だから、ボクは、男で」
 それでも抗おうとする私は、なんて卑怯者なんだろうか。それでも言わずにはいられなかった、けど、こなたは……目の前の「男」は許してはくれない。
 さっきからずっと行き場を無くした私の手を、こなたの私のよりも一回り大きな手が掴んで、こなたの胸に押し付ける。
 そこは、当たり前だけど柔らかい胸の感触があるわけもなく。薄いけれど、確かな胸板があった。
 そして感じる、大きな鼓動。
「かがみは」
 手が、強く握られる。
 大きな手。私のそれはこなたのに比べて、こなたのに包まれてしまう程に、小さい。
「女、なんだよ」
 そんなこと、知っていた。
 ――でも、解ってなかった。
 今、私の目の前にいるのは、強い眼差しで私だけを見つめているのは。
 すごく手のかかる、でも憎めない。ちっちゃくて運動神経はよくって、でもオタクな、泉こなた。けれども、弟みたいな奴じゃ決してない。
 一人の、男だ。
「……だから」
 更にこなたは言葉を続けようとした。
 その続きが何なのか。私にはなんとなくだけど、解ってしまった。解ってしまったから――
 ――聞きたくないっ!
「ゃ……っ!!」
「っ!」
 こなたをどんっ、と押し飛ばして、私は走った。鞄がまだ机の横に置いたままだったけれど、そんなのに構う余裕もなくて。
 誰もいない廊下を、全速力で走りぬける。

 怖かった。
 あのこなたは、私の知らないこなたのようで。
 怖かった。
 こなたが私に向けた、感情の正体が。

 でも、何よりも怖かったのは。

 あの瞬間、すぐ側に在った彼の温もりを、言葉を。もっと欲しいと願った、私自身。


 急な自分の存在に驚いて、戸惑って。
 私はひたすら、自分が何処に向かっているのかも解らずに、走り続けた。





「エロゲとかだと、あのままイベントシーン突入、なんだけどな……」
 一人残された教室で、こなたは呟く。
 やってしまった、と思った。ずっと我慢しようと、友達の距離のままでいようと思っていたのに。
「やっぱり、現実はそう上手くは、いかないよね」

 こなたの言葉は誰にも聞かれることなく、夕暮れの教室の中に溶けていった。
659名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:07:01 ID:BuMLGGD2
以上です。誤字脱字あったらすいません…
つい勢いで文まで書いてしまった。今では反省している。
ちなみに続きません。続きは妄想で補完して下さいorz
660名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:09:44 ID:BuMLGGD2
あ、あと♂こなたの一人称は>>634の「ボク」案を採用させて頂きました
ありがとうございました
661名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:30:39 ID:SHd1Vd7r
な!こ、これで終わりだと!?
けしからん、続きが気になってもやもやしてしまうじゃないか!
662名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:33:37 ID:elfWN/5v
>>659
612さん自らこなたきゅんSS! ウヒョー!!

なんと言いますか、恋心を自覚して戸惑う二人に転がりました。
転がりすぎて妄想補完じゃ追いつかないので、続きについても是非に是非に、とお願い申し上げます。
ぐっじょぶでした。
663名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:37:24 ID:pUhxUgxm
みなさん乙です

気付いたら480KB超えていたので、ちょっと次スレ立てチャレンジしてきますね
664名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:41:00 ID:pUhxUgxm
次スレです
らき☆すたの女の子でエロパロ40
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204706400/
665名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:46:16 ID:SHd1Vd7r
>>664


じゃあこっち埋めるか
666名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 18:03:15 ID:elfWN/5v
ついに40スレ目……! 思えば遠くへ来たもんだ、ですね。
俺もアニメから入った人なので、あんまり大きな口は叩けませんが。

職人の皆様と素晴らしきスレ住人に最敬礼! ありがとじゅしたー!!
667名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 18:04:28 ID:SHd1Vd7r
目指せ100スレ
……このスレなら本当にいきそうで怖い
668名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 18:19:47 ID:F9T019bg
入り口はそれぞれだけど中に入れば一緒だしね。って混浴風呂みたいだなw
669名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:08:08 ID:ELhvoX5X
>>659
新作TSを期待した甲斐があった!だがなんという生殺しwww
早く続きを書くんだ!




書いてくださいお願いします
670名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:10:47 ID:LDCRfchH
結局、ゲームネタで鬼加速はしなかったねぇ〜
671名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:50:26 ID:3HEgvWEU
>>668
謎の電波を傍受した

今日は久し振りの家族旅行。
昔は年に一回とかの割合で行ってたんだけど、中学生になる頃以来かなぁ。
お父さんも最近は仕事も忙しそうだししょうがないんだけどね。
今年からゆーちゃんが家族の一員になったし、私も受験勉強の息抜き(私なりに勉強はしてるのだよ、かがみんっ)にどっか家族で遊びに行きたいなー、
なんて思ってたら商店街のくじ引きで一泊二日の温泉旅行券なんて都合の良いのが当たっちゃって。
という訳で私とお父さんとゆーちゃんの三人でとある旅館に来ています。

美味しいご飯も食べて部屋でくつろいでいたらもう午後八時。
「こなたお姉ちゃん、そろそろお風呂行かない?」
「いいね〜ゆーちゃん。んじゃ入りに行こっか♪」
「んじゃお父さんもそろそろ」
「お父さん、くれぐれも覗いたりしないでよ?」
「! の、覗く訳無いだろ、ハハハ…」
明らかに覗く気満々だったよねお父さん…

それぞれ準備して三人で温泉へと向かう。
んじゃお風呂上りに、と言ってお父さんは男湯と書いてある暖簾をくぐっていった。
私たちも更衣室に入り着替え始める。周りからはとても高校生には見られないだろうなー…胸なんかこんなんだし。

ガラガラッ

そこはいかにもな大浴場。露天風呂とかもあるらしいんだけど後で行ってみようかな。
「誰もいないんだね〜」
「この時間なら一杯人いそうなのにね〜」
「まぁでも貸切って事で良いんじゃない?」
最初に浴槽のお湯を桶で体にかける。暖か〜い♪

ガラガラッ

私たちが入ってきた所と違うドアが開いた音がした。思わず振り返る。もしや…
「う〜ん、いかにもなお風呂だなぁ。女湯もこんな感じなのかな。てか誰もいな…い……」


「「「ちょ」」」



初めて書いてみた。反省はしている
672名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:56:21 ID:F9T019bg
だが後悔は不要だ (=ω=.)b
673名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:57:36 ID:elfWN/5v
>>671
これはいけない。俺の脳内京都アニメーションが早速アニメ化を開始してしまったではないですか。
埋めネタGJです。
674名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:08:44 ID:SHd1Vd7r
…何となくwiki見てたら何か変な設定を見つけたんだが

こなた
『特技はアミノ式のCMの運動を全てできること』

…よし、これで誰か何か書いてみる気ないか?
675名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:14:01 ID:CTQ3Sisl
アミノ式のCMか……
どんな内容か忘れてしまった
676名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:31:20 ID:0GAO8rDW
燃焼系、燃焼系、網野式〜♪
677名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:34:02 ID:t0KPG9tc
確か、その場で縦回転と下向きで腕の力だけて棒を昇るってのがあったはず
678名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:36:41 ID:SHd1Vd7r
どんな運動があるのか燃焼系のwikiに一通り書いてあったぜww
679名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:36:42 ID:pUhxUgxm
>>674
「燃焼系〜燃焼系〜アーミノ式」
「アンタよく歌いながらバク宙なんてできるわね……」
「いやあ、これくらい、私にかかれば、どうってこと、ないよ」

「……CM見たときも思ったんだけどさ、スカートが不自然じゃない?」
「ん? 世の中には、大人の事情、ってのが、あるんだよ」
「どこぞのテレビ局の規制みたいだな」
「鉄壁の、スカート、ってね」
680名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:41:18 ID:/QPftUCQ
>>659
いかん
いかんぞ君 ! すぐに続きを書くのだ !!
ようするに GJ
681名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 20:52:01 ID:DbqdVbzF
このスレの職人を別スレで発見した
ちょっと嬉しい
682名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 21:08:32 ID:tpz8gKWP
やったことないから知らないけど、人間には不可能な技があると聞いたような……
683名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 21:15:23 ID:VVsFbV5H
運動能力抜群のこなたも床では負けっぱなしです
684名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 21:20:45 ID:pUhxUgxm
もう一本
>>674
「かがみ、アミノ式のCMのやつ、ちょっとやってみない?」
「流石にあんな中国雑技団みたいなことはできないわよ」
「そう? 案外簡単なんだけどなぁ……」
「私じゃなくて日下部でも誘ってみたら? あいつの方が運動神経はあるでしょ」
「そっか。じゃあそうしてみる」

「みさきちはアミノ式の運動できるよね?」
「なんだよ、藪から捧に」
「いいえ、壁から釘です」
「へ?」
「ごめん、なんでもない。で、CMの運動、できるよね?」
「いや、とっさに言われてもそんなの――」
「――できないの? 運動部に入ってるのに、帰宅部の私がやれることができないんだ?」
「な、んだと……」
「そっかそっか。ごめんね〜。突拍子もないこと言いだして」
「ちょっと待て、誰もできないとは言ってないだろ。やってやろうじゃないか!」
(案外簡単に引っかかったね)
「……なんだよ、その目は」
「別に。じゃあどの運動やる? バク宙か、鯉のぼりか……」
「それだったら、私が前々からやってみたいと思ってた『アレ』を」

「みさちゃん、どこに行っちゃったのかしら」
「ぉーぃ……」
「みさちゃん?」
「おーい」
「なっ……あれは地獄車!?」
「一度やってみたかったんだよね〜『ダブル登校』」
「…………」
「燃焼系〜燃焼系〜……」

- - - - - - - -
>>682
実際にはCGを使わず、中国雑技団がやってたとか、やってないとか
685名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 21:26:49 ID:YpI0mK4t
>>684
柔道一直線かよ!!
686名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 21:35:35 ID:SHd1Vd7r
実は地獄車(?)でこなたがかがみに絡み付こうとするのを期待してた(知らん)
687名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 22:03:38 ID:elfWN/5v
>>683
というとつまり……。

========================

 今日の体育はB組と合同でハードルの授業。一足早くアレが来てしまった私は、妙に張り切る日下部とこなたや
二人の間でおろおろするつかさ、それに困ったような微笑を浮かべる峰岸とみゆきを遠くから眺めていた。

「いち、にの、さん、あれれれ!?」
 例によってタイミングが合わず、盛大に転倒するつかさ。
「つかさ、大丈夫ー!?」
「お怪我はありませんか?」
 とはいえレスキュー隊も万全、保健委員よりも早く救助に駆けつけた。
「ありがと、こなちゃん。ゆきちゃんもありがとね、どこも怪我してないよ」
 いつも通りの柔らかな笑顔に、みゆきとこなたの緊張が解ける。
 この子の笑顔は百万ドル以上だ、って思うのは姉の欲目かな。
「でもひーらぎ妹って、ほんと双子なのに似てないよなー。運動神経全然ないじゃん」
 日下部が思ったことをすぐ口に出す。
「もう、みさちゃん。妹ちゃんに失礼よ?」
 すかさずたしなめる峰岸。こいつら見てると、時々母娘に見えるわね。
「あ、でもね?」
 つかさが笑顔をより一層輝かせた。なぜかしら、姉としては微笑むべきところなのに背筋に冷や汗が。
 いやーな予感がしたので、拍手を打ってお社の神様に祈る。でも私の祈りも空しく、つかさは核爆弾を炸裂させた。


「私、お布団の上の運動だったらこなちゃんにだって負けないよ?」


「――――――っっっっっ!?」
 おお、エクスプロード。
 つかさ爆弾は音もなくみんなを爆風に巻き込み、赤面と硬直の嵐を巻き起こした。
「ま! 枕投げ! 枕投げだよ! つかさってばロックオン兄さんばりの狙い撃ちでねー?」
「そ、そそそそうなんですか! さすがはつかささん、かかか隠れた特技ですよねそうですよね!?」
「な、なななーんだー、枕投げかー! そうだよな、わわわわ私たち高校生だもんな!」
「ええ、そそそうよね? 泉ちゃんも妹ちゃんも女の子同士だものね? ね? ねっ?」
 涙ぐましい消火活動。でもねあんた達。つかさの恐ろしさはこんなもんじゃないのよ。

「ううん、えっちな運動だよ? あのね、こなちゃんって女の子のお豆をちゅーって吸われるとね」
「やーめーてー!? つつ、つかさ、自重してー!」
 こなたの悲鳴が青空に響く。ああもう、ばかつかさ。
 私は親友の平穏を心から祈ると、蜂の巣をつついたような騒ぎになる女子連中を黙らせるべく、血の気の引いた身体に
鞭打ってリボンの付いた爆心地を目指すのだった。

========================

こうですか? わかりません!
688名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 22:06:09 ID:SHd1Vd7r
なんと素晴らしい
つかさスキーの俺には堪らんSSだ
689名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 22:10:15 ID:0GAO8rDW
そして、こなたに目覚めるみさきち。

「ちびっ子みるたびに胸がドキドキする、これって……」
690名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 22:16:15 ID:s9oRkG7g
みゆき「鯉ですね」
みさお「ふおっ!そ、そうか、鯉かあ…!」
みゆき「鯉の病(鯉ヘルペス等)に一度かかると、亡くなってしまうということもあるようですよ」
みさお「Σ死ぬのっ!?どーしよーあやのぉ、このままじゃ死んじゃうよぉ…」

かがみ「話をややこしくするな」
691そうたろう:2008/03/05(水) 22:41:26 ID:lTVu2pe2
お初で〜す、今までここはずっと見てきたんですが
初めて作品を書いてみました!
♂かがみ×こなた です!
かがこな最高です!というかこなた総受け最高です!
と、言うことでこれからもこーいうのを書いていこうと思うんですが
とりあえず、今回ので様子を見てみます
692そうたろう:2008/03/05(水) 22:42:07 ID:lTVu2pe2
「こなた・・・」
「ん〜、なにかがみん?」
「かがみんゆーな!・・・それより、そのゲーム・・」
「うん、新作のエロゲだよ〜、このツンデレっ子がまた可愛くてさ〜」
はぁ・・・こいつはこの状況が分かってんのか?
仮にも、”男”と一緒なんだぞ?

いつもと同じ、“お前”と

俺は今日、こなたの家に来ていた。まあ、いつも通りだな。
何故か弟の司が「一緒に行く!!」とか言っていたが
学校で補習があるらしく、さすがに落ちるわけにも行かず
泣く泣く学校へと行った。
最後に「呪ってやる・・」とか聞こえたがまあ、気にしない
ちなみに今日は男友達の
・・・というかほぼ男の友達しかいないが、御幸も誘っていない。
つまり俺とこなたの二人きりというわけだ。
それで、まあ、こなたの家に行ったり、俺の家にこなたが来たり、
ということは
別にこれが初めてっていう訳じゃないけど、いつも司とか、司とか、司と
かが邪魔してきたから
二人きりになるのは実は初めてなわけで・・・柄にもなく緊張していた。
だけどこなたにその素振りを見せるわけにもいかず、
いつも通りこなたはゲーム、俺はこなたのベッドに腰掛け本を読んでいた
つーか今頃だけどこのベッドっていつも、こなたが寝てるんだよな・・・
・・・うわっ!何か急に恥かしくなってきた!
とりあえずベッドから直接、床に座ることに変更する。
うん、これでよし!
693そうたろう:2008/03/05(水) 22:42:41 ID:lTVu2pe2
「どしたの?鏡?」
一回、ゲームを止め俺のほうを向いてくる。・・・顔が近かった
「い、いや、何でも」
「そ?」
う・・その小首を傾げるのやめい!襲いそうになるだろうが!!
「あ!そだ!」
?新作ゲームの発売日でも思い出したか?
「ポチっとな」
テレビゲームの電源を切り、パソコンのスイッチを付けるこなた。
また、ネトゲか?と聞こうとしたら、まあ、その、何だ
『ぁん!きもちぃ、そこ、あぁぁ』
とかいう音声が流れきたわけでして
今へとなる。

く・・顔が赤いのが分かる。それにこなたを意識しちまう・・
耐えろ、耐えるんだ!俺!!
つーか、何で突然エロゲ始めてんだよ!?
襲うぞ!?襲っていいのか!!?OKサインなのか!!?
ていうか聞くのが一番早いよな・・
「何で突然エロゲ始めてんだよ?」
「いやぁ、最近積みゲーが増えてきちゃってさ、
少しずつでも消化してかないといけないからさ。
それに今日は鏡だけだし、司がいたら何か悪い気がしてさ〜」
「俺はいいのかよ!?」
「ほら、鏡だったらオタクだし理解もあるかな〜って」
おいおい、と反論しようとしたら
「それに私なんか襲う人いるわけないしね〜」
とか言うから
「鏡?」
もう我慢
「ごめん、怒っちゃった?」
できなくなっちまった
「んん!!?」
694そうたろう
「んん!!?」
何で!?何で突然キスされてんの!?それも鏡に!
え、えーっと、とりあえず思考の整理を・・
「んぁ・・!んん!ん・・・!」
と、思ったけど舌まで入ってきてまともな思考ができない
「ん・・・」
最後に啄むようなキスがあり、ようやく口が開放される
「ぷはっ・・・はぁ、はぁ」
「こなた・・・」
「ちょ、鏡!!?」
パソコンのイスに座っていた私を、というか私の膝の裏と
腰に手を回し、そのまま鏡が持ち上げる。
いわゆるお姫様抱っこ・・・
顔に血が集まるのが分かる。
うぅ、アニメとか漫画とかで見てたら、やってんな〜
くらいにしか思わないけど実際にやられると相当恥かしい。
そしてベッドにそっと降ろされ、その上に鏡が・・・って、え!!!?
「ちょっ、まっ、す、すとっぷ!ひとまずストップ!」
もう一回キスしようとしてくる鏡の肩を押し何とか未遂で済ませる。
「・・・何だよ?」
な、何か不機嫌そうなんですが〜
「な、何だよ?じゃなくて!こっちこそ何でさ!?」
「何が?」
「何が?って、その・・」
キスされたことを思い出し再び顔に熱がこもる。
「き、きす」
「ん?」
「キス・・したこと」
うぅ、はずかしい・・・
「・・・・・」
黙っていると思ったら今度は片手で私の手を押さえ
再びキスをふらせてくる。

「ぷふぇ・・・はぁ、はぁ、だからなんで突然キスすんのさ!?」
「今のはお前が悪い」
可愛すぎだし
「そ、そーじゃなくて!き、キスって好きな人にするもんでしょ!」
「お前なぁ・・・」
こんなにお前に好意むけてるやつが一杯いるっつーのに鈍感すぎだっての。
「俺はお前のことが好きだぞ」