ちゃんとSSが保管庫に行くんであれば、問題ないが
テスト
ドラクエ9クリアしたので、さわりだけですが投下
5レスほどお借りします。
モグネットの正しい使い方
「家書万金に抵る」という言葉を残したのは誰だったか。
家族や友人といった自身に近しい者からの便りは何にも増して嬉しいものだ。
たとえ、内容が簡素なものであったとしても、そこに込められた想いに受け手は涙を流して
喜ぶことだってあるかもしれない。
ましてそれが苦難の旅の最中に届いた、心から慕う人からの手紙であったなら……
「サラ姫様からの手紙か?顔がニヤケてんぞ」
「む……」
飛空挺インビンシブル内の休憩室。本日一日の活動を終えた光の戦士一行は、就寝前のひと時を
それぞれ思い思いに過ごしていた。そんな中、暇を持て余した様子のルーネスが、珍しく相好を
崩しながら手紙を読んでいるイングズに冷やかしの声をかけた。
「いいよねー。ナイトにお姫様にドレスからはちきれんばかりの巨乳!女の子の憧れよねー」
「男の子の憧れでもあるねー」
「ちょっ、お前らいつの間に! こら!勝手に読むな!」
ルーネスの冷やかしに気を取られている隙に、レフィアとアルクゥがまとわりつくように手紙を覗きこんでいた。
イングズはあわてて手紙をそらしながら怒鳴りつけるが、二人は怯む様子を見せるどころか、ルーネスを加えて、
さながらオプションのごとく手紙にホーミングしてくる始末である。
追いすがる三人から距離をとりながら、イングズは手紙を懐にしまいこむ。そして、大切な手紙を覗き見し、
幸せな時間をぶち壊した不埒者に怒りをぶつけるべく向き直った。
「人の手紙を盗み見するなど… お前らには良識というものはないのか?」
「いやいや、何といっても俺ら思春期まっただ中の少年少女だし」
「男女の関係が一番の関心事だよねー」
「ねえねえ、もうサラ姫様とチューした?チュー。それとももうおっぱいモミモミした?」
「やだー!何言ってるのよ!アルクゥったらぁ!」
「ハハハ! こやつめ!」
「はははははは!」
(こ、このクソガキ共……)
馬鹿丸出しの三人の言葉に、心の中で呪詛を吐く。しかし、そこは一行のまとめ役であり、常日頃から
平静を心がけているイングズである。
(とにかく、適当に流して……いや、こいつらのことだ。しつこく食い下がってくるだけだろうから、ここでしっかりと
誤解を解いておくべきか)
一つ咳払いをいれて威儀を正し、興味津々と言った様子の三人を真っすぐ見据える。
そして有無を言わさぬといった態のしっかりとした口調で宣言した。
「まず、姫様と私はそういった関係にはない。姫様は光の戦士としての使命に従事している私を気づかい、
ご多忙な身でありながら、便りをくださる心優しい御方。しかし、私ごときにそういった感情を持たれる
ことなど決してない。また、私もお前達が言うような不埒な思いなど、一切抱いていない」
イングズの至極真面目な回答とそれに続くしばしの沈黙。
それを遠慮なく破ったのは、三人の阿呆丸出しの大笑いであった。
「だっははははは!誰がそんな戯言真に受けると思ってんだよ?」
「あははは!色々と余計なこと考えすぎなのよー。もっとストレートに行こうよ、ストレートに」
「サラ姫様のおっぱいまっしぐらーってこと?」
「やだー!何言ってるのよ!アルクゥったらぁ!」
「ハハハ! こやつめ!」
「はははははは!」
(こ、このクソガキ共マジブチ殺してぇ……)
こみ上げる怒りに身を震わせるイングズを見て、さすがに茶化し過ぎたかと一斉に押し黙る三人。
その後、気まずいとしか言いようがない再度の沈黙が続いたが、それを破ったのはどこか疲れたような
イングズの声だった。
「……とにかく、姫様と私は主と従者の関係であって、それ以外の何物でもない。また、お前達が期待する
ような事が起こることもない。話はこれまでだ。私は手紙の返事を書く。お前達はもう寝ろ」
「ええー」と不満の声を上げる三人を一睨みで黙らせ、これ以上の問答は無用とばかりにテーブルの上に
便箋を広げる。三人はぶつぶつと文句を垂れつつも、艦内の消灯に回りだした。
消灯後、彼らが各々の寝床に着くのをしっかりと見届けて、イングズはペンを取り出した。
先程までの喧しさとは打って変わり、静けさと薄闇が辺りを包む。
テーブルの上のランプが白紙の便箋を穏やかに照らしている。
(さて……)
息を吐き、ペンを握り便箋に真正面から向かい合う。そして、いざ、と気合いを入れ、文を綴りだす。
……が、「拝啓」の2文字を書き出したところで、そこから一向にペンが進まない。あろうことか、
時候の挨拶すら思い浮かばない。頭を抱えて唸るが、便箋は真っ白のままだ。
そうして一刻ほど悩むイングズの脳裏に、ふと何かが浮かんだ。
それは文章ではなく、件の姫の表情。旅立ちの際、泣きながら憎まれ口をつくも、最後は悲しみを押し隠して、
笑って送り出してくれた美しい女性。
思わずペンを落としてしまう。だが、イングズはそれにかまわず、両手で自慢の長持ちサラサラヘアを
ぐしゃぐしゃとかき乱した。
(馬鹿者が。何故、いつも姫様と私を結び付けようとするのだ……)
迷いを断ち切るように左右に頭を強く振る。ペンを拾い、イングズは強引ともいえるような勢いで型通りの
文章を綴りはじめた。
「拝啓、偉大なるサスーン王の御息女にして我等がサスーン国民の光、サラ様。風薫る新緑の候、
いかがお過ごしでしょうか――」
◇
三人にああは言ったが、イングズは自分がサラ姫に対し恋慕の情を抱いていることを既に自覚している。
頻度は低いものの、人知れず自身を慰める時は必ずサラ姫を想像してしまう。そして、事後においては
未だ見ぬ賢者の衣装をなぜか身に纏い、想像上のサラ姫に許しを請う始末である。
しかし、そんなイングズもサスーン王家に対してはサラ姫への想い以上の絶対的な忠誠を誓っている。
戦国シミュレーションゲームで例えるならば、忠誠度100固定の関羽、張飛もしくは血縁武将といった
ところだろうか。外の世界の身無し子にすぎない自分を引き取り、王国の兵士にまで引き立ててくれた
サスーン王はイングズにとって生涯をかけて、命を賭して仕えるべき存在である。
だからこそ、王の大事な息女であるサラ姫を娶る資格など自分には無いと考えていた。
所詮は出自不明の一兵卒である。たとえこの旅を終えて、英雄として帰還したとしても、王族や高位の貴族が
良い顔をする訳がない。イングズを気にかけているサスーン王は認めるかもしれないが、それでも王家に
無用な混乱を招くのは間違いない。
敬愛する王や姫の苦しみなどはもっての他。イングズは極めて現実的な思考の持ち主であった。
(……なにより、姫様が私ごときに、その、そういった感情を持つはずがない。うむ、そもそもの前提が
成り立っていないのだから、このようなことを妄想して悩むだけ無駄だ)
――現実的過ぎるがあまりに、どこか卑屈になりつつもあった。
心の中で自身に言い聞かせながら、したためた手紙を封書の中に丁寧に差し入れる。モーグリに頼み、
サラ姫の元へ手紙を送信した後、今日はこのまま休もうと、イングズはベッドへと倒れこんだ。
3人に散々弄られた揚句、手紙が中々書けずに煩悶したせいか、心が疲れきっている。
だが、深い疲労に反して眠気は一向に湧いてこない。
何とか眠ろうと目を閉じる。しかし、瞼の裏に浮かぶサラ姫の表情は中々消えなかった。
続きます。
次回は来週末頃投下します
お目汚し失礼
>>542 イヤッホウ!禁欲主義者の解放の時を期待しております。
おおお!久し振りの投下!
ワッフルして待ってます
わっふるわっふる
いいね、ストイックなイングズだとギャップがあって萌える
まだ職人さんがいてよかった
最近ここ来たばかりだから過疎って落ちちゃうのかと思った
※ 同性愛ネタです!!
「こんなことサラ姫に知れたら・・・」
アルクゥの口から出てくる言葉を塞ぐように、イングズはアルクゥにキスした。
イングズの舌がいやらしくアルクゥの中に侵入する。
飲み下せない唾液がアルクゥの顎を伝い床に垂れた。
「私はアルクゥが好きだよ。とっても」
イングズはアルクゥの口を強い力で吸った。アルクゥの舌が痺れるくらいに。
「キスだけで感じたことはある?こんな風に激しいのは初めて?」
「・・・こんなキス、初めて。。。」
甘い吐息と共に、アルクゥは震える唇で答えた。アルクゥの顔は紅く火照っていた。「アルクゥは可愛いな(笑)やっぱり好きだ」
イングズは美しいアルクゥの体を貪るように抱きしめた。二人の体は密着した。
アルクゥの太ももに硬くなったイングズのぺニスが触れる。 息もできないほどの激しいキスはアルクゥには刺激が強すぎる。
アルクゥはイングズのキスに陶酔した。
「もっと、僕を愛してほしい・・・・。。」
イングズの瞳を見つめそう言った。アルクゥは一線を越える覚悟ができていた。
「こうすると気持ちいいんだよ」
イングズはアルクゥのぺニスを口に含み、鈴口をチロチロと優しく愛撫した。
ぺニスをくわえこむと舌を裏筋に這わせた。
「イングズ、駄目・・・。おかしくなりそう・・・。。」
アルクゥは頬を紅く染めて嫌がった。しかしアルクゥのペニスからはとめどなく我慢汁が溢れ出してきた。
「我慢なんかしなくてもいい。もっと素直になって。もっと感じてごらん」
イングズは一気にアルクゥのぺニスを根元までくわえた。アルクゥの甘い吐息が洩れる。アルクゥのぺニスはアルクゥの意識とは裏腹に硬く真っ白に勃起した。
イングズはさらに激しくアルクゥのぺニスを上下に扱いた。
「駄目!!・・あっあ、、!!」
イングズの唾液とアルクゥの我慢汁がぐちょぐちょに交わってアルクゥのぺニスから滴り落ちる。
「こんなに先走りを出すなんて・・Hな奴はだな(笑)もっと良くしてあげる」 嬉々としてイングズはアルクゥの肉棒をむちゃぶりついた。アルクゥはあえぎ声を出し、つま先から髪の毛の先まで全身で感じていた。堪えきれずアルクゥは自ら腰を振った。
イングズはアルクゥの亀頭を上顎に擦り付け、裏筋を丁寧に舌で吸いついてやる。アルクゥのぺニスは我慢汁でぐちょぐちょだ。イングズはアルクゥの陰毛に顔を埋め、喉奥深くで激しく肉棒を吸いた。
「イングズ!!あっあ!イッちゃう。イッちゃうよ」
イングズの絶妙な舌の動きは滑らかに加速した。
「あっ・・・イぐ〜!!」イングズの口の中でアルクゥのペニスから勢いよく大量の精子を放出した。イングズの口から精液が溢れる。
「アルクゥのならいくらでも飲めるぞ」イングズはアルクゥの精子を飲み干した。
「そろそろ私も・・・。。」
体勢を整え直したイングズは両手でアルクゥの頭を掴み己の肉棒を快感の限り、アルクゥの喉奥に擦りつけた。
アルクゥは喉奥まで咥えこみ
涙目になったが、イングズは一向に気にする様子も見せず、激しく腰を動かした
アルクゥの口から唾液とイングズの先走りとが溢れている。一度うなるような声を上げ、イングズはアルクゥの口の中で一気に果てた。アルクゥは目から大粒の涙を流しながら、イングズの白濁した濃い精子を飲み干した。
「癖になりそうか?」
「・・・うん(笑)」
アルクゥはほほ笑んだ
男二人、満たされた表情である。
おしまいっ!
4年前に音楽板で投下された書き込みを参考に作りました。
パクリですが、このスレを盛り上げたくて思い切って投下しました。
すみません
そもそも板違い 氏ね
553 :
542:2009/08/08(土) 02:39:25 ID:K2cuyiQ1
続き投下します。
554 :
542:2009/08/08(土) 02:41:28 ID:K2cuyiQ1
翌朝、いつもと同じ時間にイングズは目を覚ました。
結局、明け方近くまで寝付けなかったせいか、気持の良い目覚めとは言い難い。
それでも軍人として培ってきた規則正しい生活はそう簡単に乱れるものではないようだ。
シャワーを浴び、思う存分に髪形を整えた後、悪童共の朝食を作るいつもの一日の始まり。
しかし、今朝はどこかが、いつもの朝とは何かが違う。
漠とした嫌な予感に襲われたイングズは辺りを見回して、違和感の原因に気付いた。
いつもはまだ寝ているはずの連中の姿がベッドにない。
何事かと艦内を見回るが、人の気配が全く感じられない。
持ち前の通信能力で何やらゲームを楽しんでいるモーグリや、姿は見えないがデブチョコボの
存在が確認できるだけだ。
(あいつら…… 一体どこに?)
ふと、昨夜手紙をしたためていたテーブルを見ると、何やらピンク色の封書が置いてあることに気付いた。
手に取ってみるとハートマークのシールで封がされており、「グズ先輩へ(はぁと)」などと宛名書きがされている。
(………………)
もはや言葉もなくなったイングズは、この上なく嫌な予感を覚えつつも封書を開き、手紙に目を通した。
「グズ先輩へ
今日一日、ノーチラスで家族三人水入らずの旅行に行ってきます。明日の朝には戻りますので、
心配しないでね。
朝昼夕の三食とおやつは冷蔵庫の中にあるので、チンして食べること。
それと、オナニーはほどほどにね♪ (レフィアママ)
今日はお前にとっても水入らずだ。
こないだみたいに、『姫様……そのような淫猥な技を、一体どちらで?』とか声に出しても
誰も聞き耳たててないから、思う存分扱いてくれ! (ルーネスパパ)
100パーセント想像のみの自慰行為もなかなか趣深いけど、視覚情報による補完は相手をより鮮明に
想像できる点でやっぱり必須だと思うんだ。というわけで、サラ姫のブロマイドを置いていくね〜
姫様の恥ずかしげな上目づかいの表情と、ドレスからはみ出してる豊乳の谷間による奇跡の調和が
至高の自慰を約束してくれるファン垂涎の一品だよ。ゆっくり楽しんでね〜 (アルクゥ) 」
555 :
542:2009/08/08(土) 02:45:03 ID:K2cuyiQ1
「………………がああああああああああああああ!!!」
切れた。イングズの中の大事な何かが切れた。
手紙を徹底的に千切り尽くした後、菊一文字を抜き払い、込み上げる衝動のままにテーブルを叩き潰す。
血走った眼は狂気に彩られ、左右に裂けんばかりの口からは艦全体を揺るがさんばかりの咆哮が響く。
そこにはもはや冷静なお兄さんキャラの姿はどこにもなく、一匹の狂った鬼がいるだけだった。
「あのガキ共…… 今すぐ悲と惨と苦を絡めて地獄に叩き落としてぇ……」
極めて物騒な言葉を並べるイングズだが、矛先の三人は外出中のため、当たる対象が物しかない。
怒りに任せてテーブルをぶち壊したとはいえ、そこは一行のまとめ役であり、常日頃から平静を心がけて
いるイングズである。一つ息をつき、怒りを抑えるべく穏やかな気持ちで思考を整える。
(まあいい……帰ってきてからのお楽しみだ。特に男二人は尻にひかりのぼうをねじ込んで、
向こう一カ月は排便のたびに地獄の苦しみが伴うように……ん?あれは……)
割と不穏当なことを考えつつ、破損したテーブルを片付けようとしたイングズの目に、
テーブルの破片に紛れた写真が止まった。
(これは、姫様の……)
拾い上げ、しばし写真に見入る。
王家の正装に身を包んだサラ姫がカメラ目線でどこか恥ずかしそうに微笑んでいる。
アルクゥの言う通り、かなり大胆に開いた胸元からは明らかにそれと判る双丘が作りだす谷間が窺える。
あいつは一体どこからこんなものを、いやいやそもそも誰がこんな写真を撮りやがった、などと呟きつつ、
写真に没頭するイングズ。そこに一匹の草食動物が声をかけてきた。
556 :
542:2009/08/08(土) 02:49:47 ID:K2cuyiQ1
「手紙だクポよー」
「けしからん、まったくけしか…………む、貴様!一体いつからそこに?」
「今来たばかりだクポ。通信プレイ中断して、わざわざ手紙持ってきてやったのに、失礼だクポ。
さっきもいきなり大声出されたおかげで、びっくりしてG級クエスト失敗したクポ」
「そ、そうか。それはすまない」
クポクポうるせえよ。そもそもお前がそのゲームで遊ぶのは色々と間違っているだろ、と思いつつも、
とりあえず謝罪し、イングズはモーグリから手紙を受け取った。
持ち場に戻っていくモーグリを見送り、手紙の差出人を確認する。
(姫様からの返事…… 妙だな。昨夜遅くに手紙をお届けしたばかりなのに)
早すぎると言っていい返事にいささかの戸惑いを感じながらも、封書を丁寧に開き、手紙を取り出す。
封書の刻印はサスーン王国のもので、手紙の筆跡も間違いなくサラ姫のものであることが確認できる。
遥か遠いサスーン王国から、一晩で封書が転送されてきたという事実に驚いた訳ではもちろんない。
――世界各地の町や村に存在するモーグリ。
彼らは生来備わった不思議な力を使い、言葉を交わさずとも仲間同士で通じ合うことができる。
それは例えどれだけ距離をおこうとも変わるものではない。
さらに、この能力は大魔導士ドーガにより応用発展され、いかなる物質であっても、一瞬で
遠隔地にいる仲間へと転送することが可能となっている。
とある夜の明けない星に存在していれば、こころの配達人の存在意義を確実に吹っ飛ばして
くれるほど有用な能力である。
書き上げた手紙をモーグリを介して送信したのが昨夜遅く。
そして、その返事が今朝早くに届いている事実。
何かただならぬ事態がサスーンに起こったのではないかと、不安にかられたイングズは真剣な
面持ちでサラ姫からの手紙を読み始めた。
557 :
542:2009/08/08(土) 02:52:20 ID:K2cuyiQ1
「イングズへ
いつも素敵なお手紙をありがとうございます。
相変わらず、楽しい旅を送ることができているようで何よりです。
手紙に綴られているあなたの旅は本当に楽しそうで、読んでいるこちらまで思わず楽しくなってきます。
それにしても、あなたは変わりましたね。
旅立つ前はあまり感情を表に出さなかった貴方が、今では喜怒哀楽をはっきり出せるようになった
ことが、文面からもよくわかります。
これもあの素敵なお友達のおかげかしら?
彼らのことに触れているお話は特に面白くて、この前も思わず声を出して笑ってしまいました。
本当に彼らのことが好きなのですね。そして、彼らもあなたのことを心から慕っているようです。
同年代の気の置けない友人と笑い合えるあなたが少し羨ましく思います。
そして、あなたが何の衒いもなく感情をぶつけられる彼らに対しても」
(よかった…… ただの取り越し苦労だったか)
流れるような綺麗な文字で綴られた文の内容に、イングズは安堵の息をついた。
少し砕けた文体に姫の自分に対する気安さのようなものを感じ取ることができ、嬉しくなる。
そして、サラ姫が自分へ向けてくれた気遣いに、この上ない喜びを噛みしめる。
(私はそれほど変わったのでしょうか…… それはともかく、私があの畜生共を好きだということについては
少々遺憾です、姫様)
姫の推察に対しては引っかかるものを感じつつ、満更でもない様子で苦笑する。
(しかし、姫様は私やあの者達を羨ましいなどと…… いや、お立場を考えれば心を許せる臣はおれど、
同年代の友人など簡単に作れるものではないということか。なんと、おいたわしい……)
558 :
542:2009/08/08(土) 02:54:48 ID:K2cuyiQ1
笑ったと思いきや、突然沈痛な面持ちになるなど、せわしなく表情を変えるイングズ。
その脳内にふと、例の3人に囲まれ、彼らとの会話を楽しんでいるサラ姫の図が浮かんだ。
……絶対にあってはならない、無垢な姫様が汚される、と頭を強く振り、浮かんだ想像を追い払おうと
するが、姫君と気兼ねなく友人として接することのできる厚顔な若者など他にはいない。
(しかし、仮にあの3人が姫様の友人たり得た場合、私の姫様に対する立ち位置はどうなるのだろう……)
書き手の意図するポイントからずれた所で無駄に頭を悩ませながら、イングズは手紙を読み進めていく。
「先日の手紙でも書きましたが、サスーンは何事もなく、相変わらず平和そのものです。
私もいつもと同じ時間に起床し、いつものように公務をこなし、いつもと変わらない一日を終えます。
決して公務を軽く見ているわけではないのですが……また、いつ絶えるとも知れない平和を享受できる
喜びを忘れてはならないことも分かっています。
ただ、私が本当に必要としているもの、求めているものがここには無い。そう感じるのです。
今、私にとって一番大事なもの…… 最近、特に就寝前はそればかりを夢想しています」
(姫様の一番大事なもの……)
文章から感じる雰囲気のどことない変化に戸惑いつつも、「大事なもの」が何か気になるイングズは、逸る気持ちに任せて続きをさらに読み進める。
559 :
542:2009/08/08(土) 02:56:09 ID:K2cuyiQ1
「大事なもの。いえ、私にとって最も大事な人。
もし、彼が就寝中の私の部屋に忍んで来てくれたら……
物音で目を覚ました私の視覚が最初に捉えたものは、騎士鎧に身を包んだ少年。
しばらくは薄闇で顔が判らず、すごく怖かった。けれど、目が慣れてきて彼だと判った途端、
心から安堵し、何か例えようのない喜びが湧きあがってきた。
私は微笑み、彼に手を差し出す。
彼はその手を取り、寝床に腰かけている私を優しく立ち上がらせてくれる。
立ち上がった私は、流れに任せるまま彼の胸に体を納める。
夢にまで見た彼の胸元。頬を摺りよせると同時に私の胸を押し当てる。
身長差からお腹の上辺りにしか当てられないのは少し残念だけど。
鎧越しでも感触が判ったのか、彼はビクッと体を強張らせる。
――可愛い。
彼の腕が私を包む。最初はおそるおそると、次第にしっかりと。
私は顔を上げ、彼に微笑みかける。
彼はそれに応えるように、背中と腰に回していた手をゆっくりと撫で上げる。腕から肩、肩からうなじへ。
そして、両サイドの髪に優しく指を通す。
流れる髪が耳をくすぐる。こそばゆさに細めた目で彼を見つめる。
彼は少し戸惑いながらも、熱を帯びた目で見つめ返してくれる。
彼の背中に腕をまわしながら、つま先立つ。
瞳をそっと閉じる。いつの間にかずいぶんと潤んでいたらしく、涙が私の頬を伝う。
彼の顔がゆっくりと近づいてくるのがわかる。
この上なく柔らかいものが唇に触れた。
――唇は、重なり合うためにできている。
経験したことのない幸せな感触に、思わずそんな言葉が浮かんできた…… 」
560 :
542:2009/08/08(土) 02:58:01 ID:K2cuyiQ1
「……な、なっ……え!? ち、ちょっと、こ、これは、一体?…………」
『姫からの手紙を読んでいたと思ったら、いつの間にかハーレクインを読んでいた』
頭がどうにかなってしまいそうな超展開に、イングズはいっそ気を失うほどの目眩を覚える。
想い人が自分に宛てた手紙に、キスシーンの描写を書き連ねてくるなど、予想の斜め上にも程がある。
平静を旨とするイングズとはいえ、思考が全く回らなくなるほど動揺してしまっていた。
しかし、文章はまだ残っている。
頭が回らないまま、目がふらふらと無意識に文を追いはじめる。
「永遠にも感じた至福の時間。やがて唇と唇が離れ、間にかかった銀糸が名残惜しそうに糸を引く。
頭がぼうっとして何も考えられない。彼の顔をうつろに見上げる。
私の視線に気付き、微笑みを返してくれる彼。
まだ思考がまとまらない。夢か現かもわからない。
だから彼の名前を呼ぶ。彼に微笑みを返しながら。
イングズ…… 」
止めを刺され、イングズは両手で手紙を持ったまま、真後ろにひっくり返った。
561 :
542:2009/08/08(土) 03:00:25 ID:K2cuyiQ1
続きます。
改行かなり失敗しました。
読み辛いかもしれませんが、ご容赦を
3人が最低すぎるwww
軽妙さがたまらん
わっふるわっふる
GJ。
まってたよ、まってたよ!!
つづいてくれよ、つづいてくれよ。
565 :
名無しさん@ピンキー:2009/08/14(金) 17:38:04 ID:ByLrJAF1
これからどうなるのかが気になるなw
この時点じゃイングズしかいないし
そっと保守
567 :
561:2009/08/23(日) 00:20:27 ID:5KqHng3R
すこし間があきましたが、投下します。
568 :
561:2009/08/23(日) 00:21:01 ID:5KqHng3R
手紙のいいところとは何だろうか。
相手に面と向かった場合と違い、伝えるべきことを冷静に伝えることができること。
文章にすることにより、自身を取り巻く現状や自分の気持ちを確認できること。
相手の反応や言葉にとらわれず一方的にでも気持ちを伝えられることなどは、まさに手紙ならではと言えるだろう。
しかし何より良いところは、手書きで心を込めて書くことにより、自分の気持ちが相手に伝わることではないだろうか。
569 :
561:2009/08/23(日) 00:21:56 ID:5KqHng3R
インビンシブルの休憩室。
無残に破壊され、散らばったテーブルの破片にまぎれ、一人の少年が仰向けに倒れている。
窓からは朝の光が差し込み、少年の精悍な顔を眩しく照らしている。
手紙を持ったまま全く身動きをしないため、何やらきな臭い事件に巻き込まれたようにも見えるが、そうではない。
その眼ははっきりと見開かれており、そこにはまぎれもない意志の光がある。
(……現状を整理してみようか)
何事もなかったかのようにすっと起き上がり、無事な椅子にゆったりと腰をかける。
常日頃から平静を旨とするイングズである。先程は想定外の出来事に慌てふためいた末、醜態を晒してしまったが、
もう完全に立ち直ったようだ。
たった1時間程で平静を取り戻した自身の精神力を誇りながら、サラ姫からの手紙に再度目を通す。
今朝方モーグリを介して受信した、姫君の願望が綴られた手紙である。
(まず前提として、この手紙が真に姫様の筆によるものかどうかについてだが……)
あの3人の手によるものではないかという推測が浮かぶ。
自分のサラ姫への想いを弄ぶため、このような内容の手紙を捏造したのではないかと。
筆跡や刻印の捏造も彼らなら一晩どころか一刻でやってのけそうである。
しかし、
(あいつらに限ってそれは無い、間違いなく)
イングズを弄ることに無上の喜びを見出しつつある3人だが、他人の心を土足で踏み荒らすような真似など決してすることはない。
長い間、生死を共にしてきて、彼らがどのような人間かは誰よりもイングズ自身が知っている。
心から信頼して背中を預けることができるのは彼らだけだ。
(では、この手紙が姫様自身の筆によるものだとして、姫様は何を思い、このような文を綴られたのか)
サラ姫に見初められ、比較的近くで仕える機会が多かったイングズである。
姫の見目麗しい容姿だけでなく、その聡明さにも触れる機会は多い。
それだけに、あの手紙の文章、特に後半のキスのくだりはあまりにも唐突に過ぎる。
他者に向けた手紙にあのような内容を綴るなど、イングズが抱く聡明な姫のイメージとは結びつかない。
570 :
561:2009/08/23(日) 00:22:55 ID:5KqHng3R
(ならば、姫様は戯れにこのような文を? 私をからかうために?)
それこそありえない。サラ姫が国民から慕われているのはその美貌よりも、むしろ他者に対する分け隔てない優しさによるものだ。
そんな慈愛に富んだ姫君が「プギャー」と笑いながら自分に後ろ指をさすなど、イングズに想像できる訳がない。
(では、なぜこのような文章を綴られたのか……姫様の大事な人との接吻。そしてその人とは、あろうことかこの私……そんな、まさか……)
情報を整理すればするほど、頭の中が混乱する。
――夜の妄想のお相手が、自分を相手に同じ妄想をふくらませていた。
――さらに、その妄想を文章に起こし、手紙にして伝えてきた。
言葉で整理すれば非常に単純で、答えはすぐに出るのだが、心はそう単純ではない。
(姫様が私ごときを好いておられるなど……!)
命を賭して使えるべき対象であり、決して手が届かないと思っていた存在。
その当人からのカミングアウトである。
本来ならば狂喜乱舞するべきところなのかもしれないが、未だに実感は湧いてこない。
しかし、手にしている手紙の内容と整理した情報から出せる結論はそれしかない。
それでも未だ半信半疑のイングズは、自身がもう一つの問題に直面していることに気付いた。
(返事は、どうするべきか……?)
サラ姫からの手紙は姫がイングズの名前を呟いたくだりで唐突に終わっている。追伸も無い。
返事の要求はないが、姫君からの手紙である。当然書かなければならない。
では何を書けばいいのか?
(姫様は御自身の……願望を綴られてきた。望まれている相手は、恐縮ながら……私、だろう……)
サラ姫が期待している返答。イングズが先程出した結論が正しければ、それも自ずと解る。
――自身のサラ姫への想い。
当然、心の中に留めておくべきものだ。
立場を考えれば、伝えるなど出来る訳がない。
571 :
561:2009/08/23(日) 00:23:56 ID:5KqHng3R
葛藤の最中、手紙に再び目を向けると、手紙と一緒に持っていたサラ姫の写真が目に止まる。
写真の中の姫はイングズの煩悶などどこ吹く風で、変わらぬ微笑みをたたえている。
その微笑みが誰に向けられたものかは、写真からは読み取れない。
一方でこの手紙。
ここに綴られている姫の想いは、紛れもなく自分に対してのものだ。
それがストレートではない、遠回しな告白であってもだ。
(ストライクゾーンを大きく外したすっぽ抜けの変化球だが、姫様は私に想いを伝えてくれたのだ……)
ならば、その想いにどう応えるか?
――もう考えるまでもない。
ペンと新しい便箋をどこからともなく取り出す。
テーブルがないため、床に膝をつきベッドの上で書くことになるが気にはならない。
余計なことは何も考えず、ただひたすらに筆を動かす。
昨夜と違い、迷いなく筆を進めるイングズの顔に先程までの煩悶の色はどこにもなかった。
「拝復 お手紙有難く拝受いたしました。
恐れながらいただいた文の内容については私の不明ゆえか、若干の戸惑いを感じざるを得ません。
そもそも、私ごときが姫様のお心を全て推し量れるかもわかりません。
ですので、勝手ながら手紙に記された姫様のお気持ちを私が全て理解することができたと仮定した上で、
これより私の想いを記し、返事とさせていただきます。
もし、私の返事が全くの見当違いのもの、あるいは姫様のお心に障るものであれば、即座に私を呼び戻し、
処断ください。
また、この返事に全く心当たりがなかった場合も、同様に願います。」
ここまで書き上げた後、瞑目し、一つ息をつく。
姫の求めているものは解っている。自身の覚悟もできている。
後は己が妄想を書き連ねるのみ――
自分でもよくわからない高揚感に突き動かされてイングズは、再び筆を動かし始めた。
572 :
561:2009/08/23(日) 00:25:17 ID:5KqHng3R
「唇が離れた後、体が密着した状態のまま姫様と見つめ合う。
頭が回らない。視界もはっきりしないように感じる。夢か現かの区別すら付けられそうにない。
そんな状態を知ってか知らずか、姫様がかすれた声で私の名前を呼んだ。
形容しようのない感情が湧き上がる。
同時に先程まで姫様と唇を合わせていたという事実が急に現実感を伴って脳裏に蘇った。
我を取り戻し、改めて間近で自分を見つめてくる姫様の表情を見つめ返す。
彫りが深い目鼻立ちとアイスブルーの瞳。大人びた硬質な美貌の顔立ちだが、繊細な小顔はストレートに伸ばした
ブロンドの髪と相まって、どこか少女じみた印象も伝えてくる。
思わず見惚れてしまう美貌だが、意識は形よい鼻梁の下の唇に注がれる。
先程まで自身の唇と重ね合わせ、私の名前を紡いだこの上なく柔らかそうな唇。
欲しい。
ただそれだけを思い、そっと顔を近づけ、再び唇を奪う。
目を閉じて迎えてくれた姫様は、私の首に腕を回してしがみつく。
それだけで甘い感覚が体中に行きわたり、震えが走る。
唇の甘さと柔らかさを存分に堪能し顔を離すと、姫様は艶めかしく息をもらし、そのまま口を半開きにする。
口の端から唾液の筋が流れる様は、熱に浮かされたような表情と相まって、この上なく蟲惑的だ。
さらに半開きの口の中には鮮やかな色の舌が、何かを求めるように蠢いている。
その求めに誘われるように三度唇を奪い、今度は舌を口腔内に侵入させる。
驚きに目を見開く姫様に構わず、上顎や歯列を隅々まで舐っていく。
一つ一つの刺激に誘われるように差し出されてきた舌に私の舌が絡んだ瞬間、姫様の体が小さく跳ねた。
唇をそっと離し様子を見やると、潤んだ瞳の焦点がぶれている。
どうやら達してしまったということだろうか。
姫様は息も絶え絶えといった様子で、呼吸をどうにか整えようとしている。
回した両腕で姫様の細い体を支えたまま、頭を労わるように優しく撫でる。
そうしてしばらく続けているうちに呼吸が落ち着き、眼にも光が戻ってきた。
赤く上気した顔で夢うつつの視線を向けてくる姫様。
弛緩しきった体を預けられ、心地よい重みを感じながらしばし物思いに耽る。
――この後はどうするか
自分の心はとうに決まっている。姫様はどうだろうか。
お気持ちを確かめるべく姫様の耳元に口を寄せ、そっと囁いた。
『姫様……続けますか?』
」
末文など姫様からの返事を考えれば無粋なだけ。
そう思ったイングズはペンを置き、したためた手紙を封書に差し入れた。
573 :
561:2009/08/23(日) 00:26:11 ID:5KqHng3R
続きます。末文は省いてはいけないそうです。
上は悪い例です。
>>573 そう、くるとですか。
いやぁ、まってましたよ。まってましたよ。
つづきも楽しみにしてまっせぇ!!
なんで誰も保管庫作らないんだ?
2chエロパロ板SS保管庫に依頼すれば?
>>1の過去ログじゃ駄目なのか?
今更作っても仕方ないと思うんだが
うーん・・・
過疎・・・残念だ・・・
元気出して・・・
わhh
uる