ポケモン系のエロパロSSスレです。皆で楽しくマターリ行きましょう。
前スレ
ポケモン その11ブイ
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1194609742/ ※諸注意
・人×人もしくは人×ポケモン専用スレです
・ポケモン同士及び801は、各専用スレ/他板がありますのでそちらへどうぞ
・題材は基本的に職人さんの自由です(陵辱/強姦/獣姦おk)
・荒らし&アンチへの反応は無用&スルー
・ポケモン板の話題を持ち込まない
・ここの話題を他板に持ち込むことも厳禁
※職人さんへのお願い
・台本形式(フグリ「おはよう」アレッド「よぉ、フグリ」)
は嫌われるので止めたほうがいいです
・投稿する際には、名前欄に扱うカプ名を記入し、
冒頭にどのようなシチュのエロなのかをお書き下さい
女体化/スカトロ/特定カップリング等が苦手な住人もいます
SSの特徴を示す言葉を入れ、苦手の人に対してそれらのNG化を促しましょう
※読者さんへのお願い
・SSを読んだ場合、感想を書くと喜ばれるかも
・作品叩きは荒れるので止めましょう
*苦手なカプ&シチュであってもSSに文句を言わず、
名前欄の語句をNGワードに設定してスルーしましょう*
・本人の許可なく投稿SSの続編及び改造は行わないでください
*SSは書いた職人さんの汗の結晶です…大切に扱ってください*
3 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 23:48:19 ID:9m6udqCv
乙まみでもどうぞ
1さん乙です
乙
さあ、存分に投下してくれ
おつんつん
なんとか間違いなくスレを立てられてよかったです
どうも、前スレで投下したコウキ×ヒカリものの後半部分を投下します
大分時間が空いてしまい申し訳ありませんでした
容量が微妙なので、申し訳ないですがこちらに投下します
その頃のハードマウンテン入り口の広場―――
噴火がひどくなり、既に警備の人間以外が離れている。
「ご、ご覧ください、長年噴火をしていなかったハードマウンテンが、激しい地震を伴い
巨大なマグマの柱を吹き上げています!
このままでは……周囲一帯にマグマが流れ、ポケモン達や住人の生活圏に甚大な被害が
及ぶことも考えられます!しかし、大自然相手に手立ては―――」
顔色を青くして、カメラに向かって叫ぶように喋るレポーター達。が、その騒ぎを他所
に、三名がハードマウンテンへと駆け出していく。
「チッキショー!ここには居ないのかよ!?」
「くそっ、コウキの奴、居ないとなると……やっぱり……」
「彼のことだから―――もしかしたら、封鎖されてても中に居るのかもしれないわね。
第一……ギンガ団?それがどうこうって途中のトレーナーやレンジャー達が話してたし。
彼、あの人たちと因縁があるんでしょう?だったら、頭に血が上っても不思議じゃない。
やさしそうだけど、それだけに怒ったら怖そうだし……かなり思い切った行動に出てる
のかも」
「ああ、その通りだよ……ええい、だけど一人じゃよ……」
その声の主は、ジュンとバクと、もう一人―――俗に言うゴスロリ姿の少女。静水のご
とき落ち着いた雰囲気を漂わせている。
少女もまた、コウキと面識があるトレーナーで、名前をマイと言う。口数が少ないもの
の、ポケモンに対しては人一倍情が深く、また、その腕も確かだ。今も、彼女のよきパー
トナーであるウインディを連れている。
ちなみに、コウキがハードマウンテンに向かったため、それをサポートしようと一日遅
れで出発したバクとジュンを、マイがサバイバルエリアで捕まえて行動を共にしているの
だ。もっとも、ジュンとバクがコウキの名前を出したのを耳ざとく聞きつけたマイが、半
ば強引にチームに入ったのだが。
マイの言葉に、焦ったような声を出すジュン。彼らも、ハードマウンテン麓でギンガ団
が騒ぎを起こして、その結果ハードマウンテンが封鎖されたという情報は得ている。だが、
コウキがギンガ団を発見したことや、その後内部へ潜り込み、今まさに今回の騒動の元凶
となった者達と対峙していることは知らない。加えて言えば、ヒカリと共に行動している
ことも。
「あいつなら心配ない……とも言い切れねえよな……何せ一人なんだしよ。中に居るとし
たら、この噴火の状況じゃやばいことになってるかも知れねえし。
しかし、ギンガ団がどうしていまだにのさばってやがる!?」
「首領のアカギが槍の柱から消えて、何も言っていないからよ。
カントーのロケット団は、首領のサカキが解散宣言を出してから姿を消しているけど、
こっちは本当に幹部ごと一言もなしに消えてるから。
だから、残党が変な気を起こして暴走したって何もおかしくないわ」
ジュンが怪訝そうに声を出すが、それに対してマイが自分の考えを述べる。彼女の見解
に対して、バクもジュンも納得の表情を示した。
「それはとにかく、コウキの姿が見えないってことは多分ハードマウンテンの中に居ると
思うし―――それに」
「それ……火山の置石?もしかして」
「ああ。俺がほうっておいたことも原因の一端かもしれないし、何とかしてこれを元の場
所にもどさねえと」
バクがリュックから取り出した、一抱えもある石に、マイが反応を示す。
白い一見何の変哲も無い岩だが、時折中に赤い輝きが見える石―――火山の置石だ。
バクは置石とハードマウンテンを見比べながら、焦った様子で呟く。そうしている間に
も、数度火口部からマグマが吹き上がっている。しかも、徐々に吹き上がる量が増えてい
るのだ。
「そうね……多分このままだと、大噴火が来ると思う。
何かするんだったら、それまでに」
「でも、潜りこむったって……」
「入り口もだいぶ混乱してるから、チャンスはあると思うぜ。
隙を見て潜り込むしかない。崩落してるったって、入り口は人が通れるぐらいの隙間は
ありそうだしな」
三者共に頷き、入り口の隙をうかがう。
混乱の状況にあるからこそ、ガードは固そうであり、もぐりこむのは難しそうだ。が、
少し経過すると、ジュン達の背後が大きくざわめき始めた。
「何だ?」
ジュンはそう思いながら、騒いでいる声の方向を向き―――
「ムクホーク、ツバメ返しでクロバットを叩き落とせ!」
「こちらのほうが速い!クロバット―――あやしいひかりをムクホークへ放て!」
ハードマウンテン中心部、戦いの口火を切ったのは、ギンガ団残党リーダー。
高速で飛び回るクロバットの瞳が輝き、螺旋を描く光がムクホークの眼前を飛び回る。
ムクホークは攻撃をクロバットへ仕掛けようとしたが、光に意識を混乱させられ、己の
顔を翼で打ってしまう。
「く……!?」
「悪いが、このクロバット、伊達ではないぞ。
メタグロス、コメットパンチでムクホークを攻撃しろ!!」
ふらつくムクホークへ向けて、メタグロスが動く―――ムウマージよりも早く。見ると、
脚部の一本に、こだわりスカーフが巻いてある。
そして、無防備なムクホークへと、メタグロスの鉄爪が勢いよく振り下ろされ、まとも
にムクホークが吹き飛ぶ。
「く……ムクホーク、戻れ!ムウマージ、クロバットへ10万ボルトだ!」
予想外に鍛えられている男のポケモンの力に出鼻をくじかれ、コウキが焦る。
ムウマージが電撃をクロバットへと放つものの、クロバットは耐える。かろうじて。ム
ウマージも信じがたいと言うような顔をする。クロバットの予想外のしぶとさに。
コウキは頭の中で戦法を組みなおすと、次のポケモンを出す。
「ドダイトス、出て来い!」
コウキの声と共に、巨体を震わせてドダイトスが姿を現した。雄たけびと共に背中の葉
が舞い落ちる。
「ふん、その鈍重なやつで何をすると?まあいい―――メタグロス、今度はムウマージに
コメットパンチを叩き込め!クロバット、お前はドダイトスを眠らせろ!!」
だが、男の言うとおり、すばやさはコウキ側のポケモンが負けている。鈍重なドダイト
スの相手をクロバットに任せ、無傷のムウマージを今度は沈める腹積もりだ。
こだわりスカーフを巻いている所為でメタグロスは同じ技しか出せないが、破壊力で押
せば十二分にムウマージをしとめられるとふんだのだろう。一気に勝負を決めに動く。
再びメタグロスの鉄爪がうなり、鋼の一撃がムウマージを打ち据える。が―――ムウマ
ージは耐える。
「ぬ!?」
男の表情がわずかに動く。ムウマージが巻いていた気合の鉢巻が発動し、かろうじて倒
れることを防いだのだ。同時に、クロバットの攻撃も、ミスしていた。双方の視線が交わ
りあったことで催眠術が決まったのだが、眠りに落ちる瞬間、口の中にためていたラムの
実をドダイトスが噛み砕き、意識を覚醒させた。
「ムウマージ!もう一度、クロバットに十万ボルト!!」
力を振り絞り、ムウマージは電撃を放つ。電撃がクロバットを絡めとり、今度はクロバ
ットは地面に落下し、ひくひくと動くだけになる。
次に、ドダイトスが地震を放つ。ムウマージはふわふわふと浮いているゆえに攻撃を受
けないが、メタグロスはまともに受ける。しかも―――当たり所が悪かったか、一撃で動
きを止め、その場に崩れ落ちる。
立て続けに二匹を失い、男の表情が一瞬歪む。だが、すぐに平静を取り戻し、コウキと
彼のポケモンを威嚇するような視線を向ける。
「……!!いいだろう―――戻れ!そして出て来い、マンムー、カイリュー!!」
男も表情を厳しくし、懐から取り出したモンスターボールを放り投げると、新しいポケ
モンを出す。
そして、ヒカリも戦いの真っ最中であった。2VS3というかなり変則的、そしてヒカ
リとっては単純に数の上で不利な戦いだったが、彼女もうまく立ち回る。
エンペルトがフライゴンの放った地震をかろうじて耐え、冷凍ビームを叩き込んで一撃
でフライゴンを沈める。そのお返しとばかりにギャラドスとドラピオンが集中攻撃でエン
ペルトを叩き伏せるものの、サーナイトが10万ボルトを放ちギャラドスをも沈める。
ギンガ団側は、沈んだポケモンの代わりに、今度はドサイドンとジバコイルを出してく
る。やはり例に漏れず双方ともかなり鍛えられているようである。
が、ヒカリも決して弱いわけでもなく、経験も少なくは無い。冷静に呼吸を整えると、
エンペルトを引っ込めてピクシーを呼び出す。
ギンガ団の一人がドサイドンへと指示を下す。
「ドサイドン、砂嵐を起こしてしまうのです!」
「そしてジバコイル、ピクシーへラスターカノンです!!」
砂嵐にも平然としながら、今度はジバコイルが動く、三つのユニットを回転させながら
エネルギーを溜め、銀色の閃光をピクシーに向けて放つ。が―――ピクシーはジバコイル
の一撃をしのぎ、ジバコイルをにらみつける。
「ピクシー、大文字をジバコイルへ!サーナイト、きあいだまでドラピオンを!!」
ピクシーは大分ダメージは大きいものの、両手にエネルギーをため、巨大な炎を放つ。
同時に、ピクシーの身に着けているいのちのたまが光り輝き、その炎は勢いを増した。
まともに炎に包まれ、ジバコイルが苦しげにユニットを動かす。が、ジバコイルもその
一撃で沈むほどやわではなかった。何とか耐える。
しかし―――サーナイトのきあいだまがドラピオンを直撃し、背中からひっくり返って
そのまま意識を失う。これで、ヒカリは手札を一枚、ギンガ団三名は手札を三枚失った。
「ぬ、ぬうっ!?こいつ強いぞ!」
「なぜだ!?マーズ様の足元にも及ばなかった奴が!」
「コウキの背中を守るには―――あたしだって強くならなくちゃいけないんだから!
あんたたちにやられて泣きべそかいてる暇は無いのよ!」
「やかましい!ワレワレの崇高なる目的を理解できぬ奴め!これからが本番です!」
ヒカリの思いがけない強さに戸惑う残党達。それに対し、シンジ湖で足手まといとなっ
たつらい思い出をばねとして今此処に立っているヒカリが啖呵を切る。が、三名も気迫は
衰えておらず、次の作戦を練りはじめる。
が―――その時、今までを越える揺れがハードマウンテン全体を襲い始める。
場の人間とポケモン全員が動きを止め、中央部のこの部屋にも亀裂が走る。
(不味い……この揺れのひどさじゃ、僕達全員が出られなくなる可能性が―――)
コウキの危惧を示すように激しさを増す揺れ。そして大空洞には、各所から溶岩が噴出
し始めている。このままでは、傍目にもその場の全員が崩落に巻き込まれるなり、マグマ
に飲み込まれるなり、出られなくなる可能性が高い。
コウキはポケモン達への指示を考えながら周囲を見渡し……一点を見て、動きが止まる。
彼の向いている視線は、火口部へとつながっているであろう天井近くの横穴。そこに、
いつの間にか、何かが張り付いており、コウキ達を鋭い目で睨んでいる。
4つ足の、マグマのような肌に、4本の手足。トカゲのような体つき。体表表面は高熱
なのか、周りの空気が陽炎のようににじんでいるようにも見える。
ハードマウンテンの主、そして炎と煉獄の王、ヒードランだ。見かけによらぬ器用な動
きで壁を降りてくる。四肢の爪が岩に食い込むような形で、垂直に近い壁でも平然と動け
るのだろう。
ある程度まで近づくと、突如ヒードランが壁を蹴り、落下してくる。
重い音を響かせて、コウキたちの前に降り立つと、低いうなり声を上げて全員を威嚇す
る。ヒードランが呼吸をするたびに熱気が部屋の中に渦巻き、肌がちりちりと焼けるよう
な熱気に襲われる。
が、ギンガ団残党達は、ここで出てくることは想定の範囲内だったらしい。リーダー格
の長髪は、不敵な笑みを浮かべてヒードランを見つめる。彼やコウキのポケモンは、ヒー
ドランの出現に驚き茫然自失といった状況であり、一時休戦となっている。無論、ヒカリ
達もだ。
長髪男は懐から不気味な色のボールを取り出す。モンスターボールではないらしい。大
きさはハンドボールほどもあり、突起部分をつかんでいる。
「さあ、炎の王よ!我等が力となれ!!」
男はボールをかざすと、ヒードランの頭上に投げる。ボールが割れ、中から電磁ネット
が飛び出し、ヒードランを電気の檻で拘束する。
全身を電撃が這い回り、ヒードランが怒りの声を上げる。
「ふん、そう簡単に戒めは解かれはしない!我等ギンガ団の科学力を甘く見ては―――」
が、ヒードランを拘束するネットはそう簡単には外れない。その様子に、男が勝ち誇っ
た声を出し―――
一同の頭上から、冷たい風がいきなり吹き付けてくる。
「え……!?」
風にヒカリは頭上に視線を転じて―――言葉を失った。
悠然と降り立つ、青き冷たき翼―――そう、カントーからシンオウへと向かった、伝説
の三匹の鳥ポケモンの一匹、フリーザーだ。
冷たく澄んだ鳴き声を響かせ、ヒードランとコウキたちに視線を交互に向けると、その
まま手近な岩場に降り立つ。
「リ、リーダー!!あれは……」
「カントーの氷の支配者……なぜそれが此処に!?」
ギンガ団もこれには肝を冷やしたらしく、長髪男も目を丸くする。しかし、その間に更
に事態が動く。フリーザーに続き、この部屋に更に二つの翼が降り立つ。
無論、カントーからフリーザーと共に飛び立った、サンダーとファイヤーだ。それぞれ
力漲る視線を一同に向けている。
ヒードランが咆哮し、全身を真紅に染める。体内を駆け巡るマグマの熱を、勢いよく放
射し始めたのだ。その結果、ヒードランを拘束する機械が熱で機能を停止し、あっさりと
拘束を打ち砕く。
予想よりも遥かに容易く拘束を解かれたことに、ギンガ団全員が混乱する。
「こ、こうもあっさり!?」
「く……伝説を制するには、やはり同様に伝説より生まれたものでなければ無理と言う事
なのか……いや、単純に我等だけの設備で作れるものでは限界があったか……
お前達、撤退するぞ!」
が、リーダー格の男はすばやい決断を下し、すぐさま己のポケモンを戻し、他の三名に
も指示を出す。彼の声に他三名もすぐに冷静さを取り戻したか、ポケモンを戻すと長髪男
同様にその場から逃げていく。
「待て!!」
「―――今回は我等の敗北だ、だが次はこうは行かぬ!
伝説に生きる者達の強さも見ることができた……今度は同じ轍は踏まぬ。
覚えておくがいい、怨敵よ!我々はまだ、牙を失ってはいない!」
コウキが鋭い叫び声をあげて制止しようとするが、長髪男は言葉と共に懐から複数の煙
玉を取り出すと、勢いよく地面に叩きつける。
不快な臭いと煙が勢いよく噴出し、コウキとヒカリ、そして彼らのポケモン達が苦しげ
に咳き込む。
「げほげほっ……く、苦し……何これ……!?」
「煙玉に何か化学物質でも仕込んでたのか……畜生……!
だが、今はヒードラン達の方を……」
コウキはヒカリに声をかけつつ、ヒードランの方に向き直る。
拘束具であった破片が、ヒードランの足元で焼け焦げ、あるいは煮沸したようにどろど
ろに溶解している。おそらくは、ヒードランの放射した高熱だ。部屋の温度もすさまじく
上昇しており、ギンガ団との対峙やファイヤー達の出現による極度の緊張状態で今まで意
識していなかったが、気を抜くと意識を失いそうなまでの高熱が部屋に渦巻いていること
にコウキは気づく。
汗が滝のように流れ、顔の端の汗が蒸発して塩の欠片が肌に張り付いている。
コウキは自分達の生命の危険を感じ、すぐさま外に出ようとするが―――その時、ヒー
ドランが徐々にコウキ達へと近づいていくる。強烈なプレッシャーを発しており、比喩な
しに一歩ヒードランがコウキへ近づくたびに、身体に感じる熱が高まる。
息をするのも苦しいほどに温度が上昇し、視界がぼやけ始める。が、コウキはヒードラ
ンが敵意や殺気を発していないことにその時初めて気づく。また、ファイヤー達の視線も、
コウキに向けられていた。まるで―――何かを推し量るかのような、そんな視線だ。
(……まさか、試されているのか……?)
根拠も何も無いが、コウキはそう感じ、同時に己の直感を信じ、力を抜いてヒードラン
に顔を向けると、そのまま近づいてくるヒードランの視線を受け止める。
「コウキ……!?な、何やってるの、逃げないと―――」
「……大丈夫だよ」
「だ、大丈夫、って……」
「解らない。けど、なんだか―――あの時に似ているんだ。
パルキアと向かいあった、あの時の感じと……
そして、最後にパルキアは納得してくれた。だから今度も―――大丈夫なはずだ」
「でも!」
「僕を信じてくれ―――ヒカリ」
コウキの言葉に、ヒカリも確かに槍の柱の時と同じ気持ちを味わっていた。
何かを求め、試すようなパルキアの、コウキを見ていた視線―――それを、ヒードラン
やファイヤー達から感じていた。しかし、コウキはこうしている間にも、ヒードランの熱
を至近距離で浴びて、肌が赤くなってきている。肌が露出した部分が炎症を起こし、産毛
の焼ける嫌なにおいが鼻に絡み付いてくる。だから、コウキを大切に思うがゆえに、ヒカ
リは苦しげな声を出す。
が、それでもコウキは、ヒカリに軽く微笑みかけると、再びヒードランを見つめる。
そして、一分ほど視線が絡み合い―――突如、ヒードランが踵を返し、ゆっくりとコウ
キから遠ざかる。
ヒードランの視線から解放されたコウキが、緊張が抜けたことで一気に疲労が出たのか、
後ろに倒れ掛かる。それをヒカリと彼らのポケモン達が抱きかかえる。
「コウキ!」
「あ……ごめん、ちょっと力が抜けて……」
「もう……心配させないでよ……」
とりあえず命には別状は無いが、相当体が熱くなっており、塩分でざらついた肌のコウ
キを、涙目で睨むヒカリ。信じてはいたが、やはり心配な気持ちのほうが強かったのだろ
う。コウキもヒカリの気持ちを感じ素直に謝り―――
その時、急激に部屋の温度が低下し、コウキとヒカリの熱と汗が引いていく。フリーザ
ーが突如羽ばたき、冷気で部屋を満たし始めたのだ。
同時に、フリーザーの羽が、鈴のような音色を発し始め―――コウキの火傷が治ってい
く。癒しの鈴の音色だ。
ただし、カントーに住まうというフリーザーは、この力は手にしていないはずだ。遥か
離れたオーレ地方にも存在すると言うフリーザーが使う特別な力であると。
コウキもヒカリも驚き―――だが、動いているのはフリーザーだけではない。サンダー
とファイヤーも突如羽ばたき、ファイヤーは大空洞へ、そしてサンダーはハードマウンテ
ン上空に向かう。
ファイヤーが大声で鳴き、マグマの溢れる大空洞を一瞥する。すると、みるみるうちに
マグマが勢いを弱めていく。
上空のサンダーは、ハードマウンテン上空を旋回しながら、低い声で長い鳴き声を発す
る。声が響くたびに、上空に雷雲が導かれ、すぐさまスコールのように激しい雨がハード
マウンテン一帯を襲い、火山灰で覆われた大地を洗い流す。
そして、ヒードランも動く。火山の置石があった場所に陣取ると、全身を真紅に染め上
げ、地面に四肢をめり込ませると、腹の底からの雄たけびを上げる。
すさまじい迫力と力の脈動に、コウキもヒカリも思わず縮み上がる。そこに、別の人間
の声が響く。
「コウキ、大丈夫か……って、あれ、ヒカリ」
「ジュンくんにバクくん!?それに……」
部屋に入り込んできたジュンとバク、そしてマイにヒカリが声をあげる。ただ、ヒカリ
はマイのことは知らなかったので、戸惑いの色を見せる。そこに、コウキが今度は声を出
し、ジュン達とマイを交互に見やる。
「マイ―――どうしてここに!?」
「……この二人があなたのことを話してたから気になったの。
でも……ヒードランが居るとは思わなかったわ。それに……フリーザーも。
表でこっちに来たのは解ったけど、まさか対面するとは思わなかったわ」
「それに、大空洞でマグマに阻まれてどうしようと思ったら、いきなり飛んできて火口に
入ったファイヤーが出てきてマグマを鎮めちまったからな……びっくりしたよ。加えて、
亀裂からマグマが染み出てきて、亀裂をふさいで行くし……」
マイとバクの説明に、コウキもヒカリも顔を見合わせて、改めてヒードランとフリーザ
ーを見つめる。
ちなみに、彼らはファイヤー達にレンジャーが驚いた隙を突いて入り込んでしまってい
る。多分後で怒られるだろう。
「まさか……ファイヤー達って……」
「ハードマウンテンの異変を察知して、此処に来たってことなのか?」
コウキとヒカリの問いかけには、ヒードランもフリーザーも無反応だ。だが、否定する
ような気配を漂わせては居ない。
そして、彼らの発言を、マイが肯定する。
「……おそらくは、ね。
ヒードランのあの行動も、おそらくはハードマウンテンを修復するために、己の力を山
に注いでいる故……多分だけど。
でも、もう終わったみたい」
「え……」
マイの言葉に、他がヒードランの方向を見て―――既に元通りの金属とマグマの部分が
混じり合ったような体表に戻っている事に気づく。そして、サンダーとファイヤーも、フ
リーザーと共に手ごろな岩の上に陣取ると、一同を見据える。
「う、す、すげえ……伝説が4匹並んでるなんて、早々見れるモンじゃねえぜ……」
「全てが荒ぶる自然を体現する伝説達だからねー……なんかかしこまっちゃうって言うか、
圧倒されるって言うか……
で、どうするの?コウキ―――ゲットに挑戦する?」
バクが熱に浮かされたような目つきで4匹を見つめる。無論、他も同様だ。冷静なマイ
ですら、頬がわずかに紅潮し、目を潤ませている。その時、当初の予定を思い出したヒカ
リが、おもむろに聞いてくる。だが―――コウキは首を横に振る。そしてヒカリもそう思
って居たのか、「やっぱり」と言いながら肩をすくめて苦笑する。他三名もそれで納得し
たのか、短く頷いた。
「まあ、正直僕にはまだ……無理だろうからね。目の前のポケモンと共に戦うには、未熟
だよ。それに、今回は迷惑もかけたし。
だから―――今度また出会うような時があったら、そのときは挑ませてもらうよ、ヒー
ドラン」
コウキのその言葉に満足したか、ヒードランは彼らに背を向けて、ゆっくりと壁を登り、
横穴に入っていく。
ファイヤー、サンダー、フリーザーも一度だけ互いに視線を交わし、そして悠々とハー
ドマウンテンを飛び立ち、空の彼方へと消えていった。その姿を、全員呆然としながら見
つめ―――
「そういやヒカリ、コウキと一緒に行動してたのか?」
が、最初に我に返ったらしいジュンが、ヒカリのことを口に出し―――不意を突かれて
コウキとヒカリが共々顔を赤くする。が、ジュンもバクも、フリーザーが冷やしたとはい
えまだまだ熱気が篭るこの部屋の温度ゆえと思っており、気にしては居なかった。
ただ、マイは意味深な視線をコウキとヒカリ双方に向け―――
「……ふうん」
「な、何?」
ヒカリに向けて小さく呟くマイに、ヒカリはちょっとだけ鼻白むが―――
「……コウキが好きなの、なんとなく解るわ。彼も優しい人だけど、あなたも」
「え……?」
「ポケモンは、その人の映し鏡。
あなたのポケモンは、嫉妬するほど―――素敵だもの」
マイに思いもよらない形で褒められ、ヒカリはまた頬を紅潮させる。
「そ、そう……あ、ありがと。そういえば自己紹介がまだだったよね、ゴメン。
あたしヒカリ―――そ、その、今はコウキとチーム組んでる」
「私はマイ。チャンピオンロードで助けてもらったことがあったの、彼に。
……別に、彼は変なことしていないから、安心して」
「あ、い、いやその……うん、解ってる。ちょっとだけびっくりしたけど、コウキはそん
な人じゃないよね……」
「そうね」
それと共に緊張がほぐれたか、ヒカリはマイへ改めて自己紹介をし、マイも自分とコウ
キの関係を説明し―――僅かに微笑む。
ヒカリも話し方や表情に最初こそ気圧されたものの、目の前の少女もまた、コウキやジ
ュン、バク同様に強く深い愛情を有するトレーナーと言うことを理解し、マイに好感を抱
き始めていた。
その様子に、コウキもほっとするが―――とりあえずハードマウンテンから出ようと提
案し、一同は入り口に戻る。
案の定、入り口もきちんと修復されており、中をレンジャー達が何が起こったのかわか
らず、こわごわと覗いている姿が、一同の目に映った。
そして、一同が中で起こったことを報告し―――ついでに一同も絞られたとまでは言わ
ないが無茶をしすぎと注意は受け―――その上で、ギンガ団への手配などが行われた。
一通りレンジャーや警官に説明を終えてから、待っていましたとばかりに入れ替わりに
テレビクルーが一同を取材を求めに来たが、それには短く断りを入れると、さっさとバト
ルゾーンへ向けて飛び立ってしまう。何よりも疲れたから、とにかく休みたいという気持
ちがあったのだ。ジュンはムクホーク、バクはエアームドに、マイはプテラで空を舞って
いる。
「でも、よかったのか?逃げてさ」
「……目立つの嫌いだから」
「僕達も、疲れてるのになんやかや言われるのも面倒だし」
「それに、博士にも報告しなくちゃ」
「だよなあ。俺もコウキ達が無事ってわかったら途端に疲れちまったしさ……
今日は早く眠りたいぜ」
「ははっ、まーそうだよなー。
なんにせよ、これでめでたしめでたしってことだぜ」
「……でも、あなたが置石を持ち帰ったのがそもそも……」
ポケモンの背に乗りながら話す一同だったが、最後にのうのうとそう言ってのけたバク
を、ジュンとマイが冷たい視線を送り、ヒカリとコウキも呆れ顔になる。ついでに言えば、
もちろんバクは置石を戻していない。そこまで言って置石を置いてくることをしていない
のに気づいたぐらいである。
言ってからしまったと思った後には遅かった。バクはごまかし笑いをするが、マイにじ
ーっと睨まれる。かなり怖い。ゆえに最後はバクが降参する。
「わかったよ!今度こそ戻してくるよ!!一人で!!
ちくしょー、こんなことならあれを持ち出すんじゃ無かったよ」
「……僕まで頼って、手に入れたら僕を差し置いて帰ったのはどこの誰だよ」
「あきれたわ」
「ったく、どーしよーもねえ奴だぜ」
「今回だけはジュン君に同意せざるを得ないわ……」
が、またもバクは最後に墓穴を掘ってしまい、バクの乗るエアームドも心なしかあきれ
たような顔をしている。
こうして、一連のハードマウンテンの騒動は、ギンガ団残党は行方知れずではあるが、
それ以外は元通りに戻り、とりあえずは大円団と言うべきだろうか。
で、その夜。
バトルゾーンのポケモンセンターにて―――
『そうか……ハードマウンテンを、ヒードランとファイヤー、サンダー、フリーザーが修
復したというのか』
「ええ。少なくとも、僕もヒカリも、あの場に居合わせたジュン達も同様に感じていまし
たから」
『荒ぶる自然の化身である存在が……いや、自然はすべてそういうものだな。
豊穣と破壊……ううむ、興味深い話だ、さっそく今回の話は論文にさせて提出するつも
りだ。そのときは、場合によってはお前達にも手伝ってもらうかもしれんから、その時は
都合が付いたら頼みたい』
「それはもう、こちらこそ」
『うむ、すまない。では、ヒカリにもよろしく言っておいてくれ。こちらは大丈夫だから、
これからも旅を続けて欲しい、とな。
それでは、疲れているのにすまなかった、またな』
「はい、博士」
コウキはそう言って、画面のスイッチを切り、ナナカマドの顔が消える。
ハードマウンテンの出来事を早速ナナカマドに報告していたのだ。そして、報告が終わ
ると、大きく伸びをする。
ヒカリは今はコウキの傍には居ない。あの後、ジュン達と別れ、まず二人は宿泊施設で
部屋を取り、荷物を置き、食事を取り―――で、ヒカリは先に戻り、コウキが報告という
形なのだ。
報告も終わり、ヒカリの待つ部屋に向かおうとする……はずだったが、何かを思いつい
て、そそくさとポケモンセンターを出て、バトルゾーンの町を歩く。バトルタワーに集う
つわもの達同士の試合を見ようと、多くの観光客が訪れている。加えて、ヒードランがお
目当てであったと思しき人も。その人ごみを掻き分けて、コウキはバトルゾーンの裏路地
をきょろきょろと辺りをうかがいながら進む。
そして―――目当てのものを見つけ、周囲に人が居ないことを確認すると、すばやい動
きでお金を入れ、品物を自動販売機から取り出し―――
「なんだ、ずいぶんと色気づいたものだなあ」
が、コウキが安堵した瞬間、後ろから間延びした声が掛かり、思わずコウキは前のめり
に倒れる。そして、混乱した表情で声のしたほうを見ると―――そこには、クロツグの姿。
バトルゾーンタワータイクーンにして、ジュンの父親であり、コウキもかろうじてバト
ルタワーで勝ちを拾えた一度しかまだ彼には勝ったことが無い。
それほどの凄腕のトレーナーなのだ。
「クロツグさん!?な、なんで!?」
「何でも何も、私は今はタイクーンなんだからこの島のこの街にいることはおかしくない
だろうに。しかしまあなんだ、コンドームか……ついに色気づく年になったか」
混乱するコウキに、クロツグはしみじみと呟く。
コウキが買っていたのは、コンドームであった。それも、自動販売機の。
バトルゾーンに何故こんなものがと思う人も少なくないだろうが、ここは前述どおり、
多くの凄腕のトレーナー達が集い腕を競い合う場所だ。そして、それらを見に来る者も
少なくない。その中には、もちろん若い男女も少なくないのだ。
また、戦いに赴く中には、恋人同士でチームを組んだりしてバトルタワーに挑む者と
て少なくないのだ。
そういった人間の集う宿泊施設に、こういうものを取り扱う自販機は、表立っては置
けないが、ちょっと人目に付きづらい場所であれば決して少なくないのだ。
まあ、その辺りの事情をクロツグは理解しているらしく、別段変に騒ぎ立てたりする
こともなく、普通にコウキに接する。
「まあなんだ、チャンピオンを破ったと言うことで顔も売れているが、こういうことに
気を配るんならば、まあ君は女性を大切にする性格ということだな、うむ」
「え、ええ、その……」
「ま、野暮な詮索はしないさ。私も気晴らしの暇つぶしとはいえここをうろついている
時点であんまり大きなことも言えないしな。ここで猛者どもを相手に毎日を送ってると、
時折女房の顔が見たくなってしまったりするよ。
それはいいとして、とりあえず、相手が誰かは知らないが、相手を悲しませないよう
にな」
そして、戸惑うコウキに、クロツグは朗らかに笑いながら、再びバトルタワーへと戻
っていった。コウキは呆然としつつも、決して少なくない量を買い込んでいるので、そ
れを別の人間に見咎められないうちにリュックに入れると、一目散にポケモンセンター
の宿泊施設へと戻る。
「お帰りなさい、コウキ」
「うん、待たせてゴメン」
「いいよ。私もちょっと散歩したり買い物しながらゆっくり帰ってきたんだし」
部屋に戻ったコウキを、既に先に戻ったヒカリが出迎える。
コウキもリュックを手近な場所に置くと、疲れ切ったように溜息を吐く。
「しかし、ハードな一日だったねえ……」
「まさかギンガ団が出てくるとは思わなかったなあ……でも、ヒードラン以外の伝説の
ポケモンを見ることができたし、新しい友達もできたしね。
もっとも、あんな可愛い子と知り合いだったってのは、ちょっと気になるけどね〜」
ちょっと意地悪な視線と共に呟くヒカリに、コウキが苦笑いを見せる。
「ま、まあその……」
「ふふ、冗談。コウキがいろんな人に好かれてるのは、あたし嬉しいから気にしてない」
が、ヒカリはすぐに表情を戻すと、朗らかに笑う。ちょっとしたコウキへの意地悪を
してみたかっただけのようだ。コウキは胸を撫で下ろし―――
「それにしても、ホント今日は疲れた……だけじゃなくて、汗だらけでさすがに辛かっ
たわ……。蒸し風呂かサウナに強制的に放り込まれるんだから……」
「火山灰と汗と熱まみれだったしねー……
ヒカリ、シャワー先に使う?僕は荷物の整理とかするから後でいいよ」
が、ヒカリの言葉に、コウキも同意する。何せ火山灰の降り積もるハードマウンテン
を歩き回り、その後は結果的にとはいえヒードランの熱攻めだ。しかもコウキの場合は
フリーザーに火傷は治してもらったとはいえ、高熱を浴びせられている。蒸発した汗や
焼けた産毛の嫌なにおいが全身に漂っている。
ただそれでも、ヒカリも相当苦しいゆえ、コウキはレディファーストと言うことで先
に汗を流すように薦めるが―――ヒカリはちらりとコウキを見て不満げな顔になる。
「……一緒にって言わないの?」
「え?あ、い、その……さすがにそれは厚かましいかなって」
「そういうものなのかなあ……まあ、そこら辺もコウキのいいところかもしれないけど。
じゃあ……一緒に入ろ、コウキ」
ヒカリの言葉にコウキが顔を赤らめ首をぶんぶんと振る。
その様子にヒカリは微笑みつつ―――頬を紅潮させ、そう切り出した。
狭いシャワールーム、水垢だらけの姿見に、ひび割れたタイル。
排水溝にシャンプーの泡と、出しっぱなしのシャワーの水が吸い込まれていく。
「ん……く、うん……」
シャワーの音に混じり、ヒカリの切なそうな、くぐもった声が狭いシャワールームに
反響する。
コウキとヒカリは抱き合ったまま唇を重ね、その上でコウキの右手がヒカリの秘部を
指で愛撫する。
流石にヒカリが触れて欲しい部分が感覚でわかってきたか、コウキは迷い無く指を動
かす。肉襞を優しく撫で、クリトリスを指の先で摘むと、ヒカリの身体ががくがくと震
え、コウキの背中に回した手に痛いほどの力が入る。
「あひ……コ、コウキ……激しっ……!」
「……ハードマウンテンでのお返し」
「で、でもこんな―――」
前二回よりも速いペースでの攻めに、ヒカリが意識を白濁させながらうめくが、コウ
キは短く意地悪く呟くと、再びキスで口をふさぐ。舌を伸ばし、喉に近い部分や奥歯の
辺りを舌でなぞり、人差し指と中指を割れ目に差し込んで軽くかき回す。
口と性器を蹂躙され、激しい快感が襲い、思考が停止する。
コウキが唇を離すと、苦しげにヒカリが息をしながら、そのまま床にへたり込んでし
まう。達した時のショックで腰が抜けたのだろう。
「う……ふぇ……」
そして、コウキにちょっと怒ったような視線を涙目になりながら向けるヒカリに、流
石に意地悪をしすぎたとコウキが謝る。
「も、もう……いきなり……コウキの馬鹿ぁ……!」
「あ、ご、ごめん……」
「……むー……謝るだけじゃ許さない。誠意で示してよ」
「え?で、でも……どうやって」
ヒカリの言葉にコウキが困った顔になり―――ようやくそこでヒカリが視線を和らげ
る。もっとも、今度はかなり顔を赤くした上で、何かを期待しているような瞳だ。
「……そりゃもちろん、今日はあたしがその……満足するまで……」
恥ずかしそうに呟くヒカリに、コウキも顔を赤くし―――
「う、うん……がんばってみる」
戸惑いながらそう呟くと、二人ともそそくさとシャワーを済ませる。
身体を拭いてから、ヒカリもコウキもそのままベッドに向かう。既にシャワールーム
で一度達しているため、ヒカリは熱っぽい視線をコウキに送りながら、ベッドに仰向け
に寝転がると、恥じらいながらゆっくりと足を開き、自分の愛液で濡れそぼった秘部を
我慢できないように愛撫し始める。
コウキはコウキで、その様子に我慢できなくなりそうになるが、自分のリュックから
コンドームを取り出して、ヒカリの傍に来る。
「……いつの間に買ってたの?」
「さ、さっき……。その……なんか下手すると、我慢できそうも無いから……
前だって正直限界だったし」
「ふぅん……わかった、このまま待ってるから、準備できたら言ってね……」
そう呟いて微笑むと、ヒカリはコウキのペニスを横目で見つめながら、早く始めたい
という気持ちを抑えるために、自分を慰めながら我慢する。
コウキもその様子を理性を抑えつつ何とか自分のペニスに装着する。
無論、どっちが表か裏かを間違えて、一つ無駄にしてしまったのはご愛嬌だが。それ
でも割とすんなりと装着すると、ヒカリの傍に改めて近づく。
「ご、ゴメン、待たせちゃって」
「う、ううん……大丈夫。それよりも、今日は一度じゃ許してあげないからね……」
恐縮しながらコウキが呟くと、ヒカリは首を振り、そして妖艶に微笑む。コウキは見
たことが無いヒカリの表情に理性をかき乱され、そのままヒカリと繋がる。
潤滑剤と愛液ですんなりと進入し、そのままコウキはゆっくりと腰を動かす。ヒカリ
も入るときは多少構えてはいたが、感触に違和感は無く、すぐに快感が身体を支配し、
息を荒くする。
「大丈夫そう?」
「ん……変な感じはしないよ……大丈夫。
それよりもコウキ……動いて……我慢できないよぉ……」
ヒカリの言葉と表情に、我慢をしている様子は見られない。コウキはそう感じて安堵
し、同時に自分もいい加減理性がどうにもならなくなっていたので、遠慮なくヒカリを
攻め立てる。
コウキが腰を使い、時折膨らんだクリトリスに指を這わせる。コウキが身体を貫き、
性器を愛撫するたびに、ヒカリの口から声が漏れる。
「ん……ううっ……くあぁっ……!」
ヒカリの手に力が入り、掴んだシーツに爪を立て、乾いた音が響く。
コウキはヒカリの動作や声を聞くたびに下腹部が熱くなるが、できるだけ長くヒカリ
を悦ばせようと、自分の唇を噛み締めて達するのをこらえる。
そうしているうちにヒカリが達し、声を出す暇も無く脱力する。結合部から愛液が迸
り、シーツに粘ついた染みを作る。が、コウキのペニスに膣内をかき回され、そのまま
快楽の中に引き戻される。
「ぐぅっ……ああっ!!コ、コウひぃ……熱いよぉ……!
や、ああ、激しい……駄目ぇ……!」
「満足するまで、じゃ無かったの?」
「そ、そうだけ―――んんっ!」
苦しそうなあえぎ声を出すヒカリに、コウキは意地悪く呟く。
ヒカリはそれに何か言おうとするが、すぐに鳴き声に変わる。硬くなった乳首を弄り、
うっすらと熱で赤みがかった乳房を揉み解すたびに、ヒカリの声が大きくなる。
「んぐぅっ!!あああ……コウキ、コウキぃっ……!!」
「そろそろ―――僕も……ぐ、ぐぁっ……!」
ヒカリの声が大きくなり、そのままベッドの上での二度目の絶頂を迎える。コウキも
その声が引き金になり、下腹部に溜まった重いものを解き放つ。コンドームを付けてい
るとはいえど、ヒカリの中で解き放つという行為に強烈な征服感と興奮を覚え、何度も
中で射精する。
出し切ったと判断してからコウキがペニスを引き抜くと、思っていたよりも遥かに重
たいコンドームが出てくる。愛液でべっとりと濡れており、とりあえず外して自分のも
のをティッシュで拭き、更にティッシュで包んで使用済みのコンドームをゴミ箱に捨て、
そしてヒカリの方を見る。
胸を上下させながら、ぼんやりとした瞳でヒカリはコウキを見つめている。
「……どうする?満足した?」
「う……うん。コウキは……?」
「ん……まあ、ヒカリと一緒に気持ちよくなれたし、我慢しなくても良かったから、満
足できたけどね」
「そっかぁ……よかった。……ねえ、コウキ」
二人とも満足しているのか、惚けたような表情で呟き―――その時、不意にヒカリは
コウキを真剣な目で見据える。
「ん?」
「……大好きだよ」
「僕も―――ヒカリのこと、大好きだよ」
お互い見つめあいながらそう呟くと、唇を重ね―――
「流石に疲れちゃった……眠ろう」
「うん。……お休み、ヒカリ」
「お休み……コウキ」
そして、明かりを消して、二人とも寄り添って眠りに付く。
コウキとヒカリ、二人の手が、しっかりと触れ合い、絡まったままに。
そして再び目を覚ました後には、また―――二人の旅路は始まるのだろう。大切な者
の手を、互いに握り締めながら……
どうも、これで後半部終わりです。
間が開いてしまい申し訳ございませんでした。
また機会があれば続きなり別のキャラなり書いてみたいと思います。
では、失礼いたします。
乙
これはGJとしかいいようがない
GJGJGJ!!!
物語構成等がリアルで読んでるこっちも興奮しました(もちろん、全ての面で)
ぜひともまた書いてください!!
神
お久しぶりです。以前2度ほど投下した者です。
今回はツツジを彼女の視点で書いていますが
独自解釈が強いので、イメージが異なるという方は申し訳ないです。
ちょっと判りづらいところがあるので先に説明すると、
ゲーム内にて、カナズミシティでの「デボンの荷物がひったくられる」イベントが発生するときに
(何故か)主人公がツツジと一緒にいた……というシーンから始まっています
ゲームのイベントとは異なるシーンですが、上記を前提にしたSSであることをご了承ください
ジムリーダーとは何でしょう?
ジムリーダーの素質とは何か、ジムリーダーの務めとは何か……それを私は考えるようになっていました。
私はポケモントレーナーズスクールを……自分で言うのは恥ずかしいのですが……首席で卒業いたしました。
その成果を、ポケモンバトルに活かしたい。その為に私はジムの門を叩き、いつしかリーダーになっていました。
ジム生やスクールの皆さんは、皆私のことを慕ってくださいます。
とても立派なジムリーダーだと。
ですが……私は本当に立派なリーダーなのでしょうか?
バトルの腕はそれ相応にはあると自負しております。岩タイプポケモンへのこだわりにも、自信があります。
ですが……私が自信を持てるのはポケモンの育成とバトルだけ。
それだけで、私は人に慕われるだけの資質と資格があると言えるのでしょうか?
人に慕われる、人の上に立つ……ジムリーダーとしての責任。
私はもっと何か、何かをしなければならないのではないか……
そんなことを考えるようになっていた、矢先でした。
「その荷物を返してぇぇぇぇぇぇ!」
挑戦者とのバトルを終え、私はその方に誘われるまま食事をご一緒することになりました。
二人でジムを出たところ、男の方が走り去る人影に向かって叫んでいます。
あれは……アクア団!?
何が目的なのか……どうやらアクア団が男性の荷物を強奪し逃げているよう……ああ、なんということでしょう!
こんな時、まず何を……大変な状況であることはキチンと理解しているのですが、考えがまとまらない……
「おいオッサン、ひったくられたのか?」
オロオロするばかりの私に代わり、同伴していた挑戦者の方が声を掛けている
「ああ、君は! そうなんだ、荷物をいきなりアクア団に! お願い、取り返してきて!」
懇願する男性に、その方は眉をひそめながらも頷いた。
「ったくこんな時に……ええい、仕方ない。ツツジさん、すまないが食事はまた後で」
「あっ、はい……」
私はといえば、ただ返事を返すのが精一杯。この状況に立ちすくんで何も出来ない……
彼はさっそうと逃げるアクア団を追いかけていく……ただただ、私はそれを見送っていた。
「ああ困った……おっと、これはツツジさん。いやはや、お見苦しいところをお見せしてしまって……」
「いえ……災難でしたね」
どうにか声を掛けるのが精一杯。
私は結局何も出来なかった事に後悔するばかりで、男性の顔をまともに見ることも出来ないでいる。
「ええ、本当に困りました……ですが、あの人なら取り返してくれる……そんな気がします」
妙な確信。何故そのようなことが言えるのか……
気になる私の視線に気付いたのか、それとも単にこの方がおしゃべりなのか、彼はその確信の核を話してくださった。
「いや実はね、先ほどもトウカの森で大切な書類を奪われそうになったんですよ。それをさっきの人が助けてくれましてね」
なるほど……この方は既に一度助けられていたのですね。だからこそ、彼に期待しているようです。
「いやぁ、あの人は強かったですよ! アクア団の繰り出すポチエナを、それはもう凄い勢いで……」
興奮気味にバトルの模様を語り出す男性。彼の強さは……私も先ほど身をもって知ったばかり。
男性の話す状況は、手に取るように伝わり感じることが出来ます。
ですから……尚更感じるのです。バトルに強い事はすなわち、その強さに期待することも大きいのだと。
なのに私は……先ほど何も出来なかった。
ジムリーダーとして慕われている私は、それだけ期待されている……なのに私は……
男性が一度社に戻ると立ち去られた後も、私はその場で……どうすべきだったのか、その事ばかりを考えていました。
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「すまなかったね。俺からデートに誘ったくせにほったらかしたりして」
意気揚々と戻られた彼は、立ちつくしていた私に声を掛けてくださった。
「いえそんな……私こそ、何も出来なくて」
実際、私は何もしていない。彼は私が「待っていてくれた」と思っているようですが
実際は……立ちつくしていただけ。どうすべきだったのか、その事ばかりをうじうじと考えていた、それだけで……
「はは、女性を危険なことに巻き込むわけにはいかないからね」
「でも、私はジムリーダーなのに……街の為に何も出来なかったなんて……」
口にしてしまってから、私は自分の言葉に驚いた。
初めて……私は自分の悩みを口にした。それを口にした事にも、それに気づいた事にも、驚いている。
何故こんな事を……彼がこの街の人ではないから、どこか安心しているのでしょうか?
「いや、ジムリーダーってのはあくまでポケモンのジムをまかなうリーダーであって、街の治安は本来警察が担うべきだからな。君が無理矢理危険なところへ飛び込む必要はない」
「でも……」
彼の言うことは正論です。ですが……街の皆さんはそれだけではない何かを期待しているはずです。
その期待に、私は答えることが出来ない……それを痛感してしまったばかり。
そんな私に、正論はただの飾り言葉でしかなかった。
「適材適所ってことさ。俺はどうも、こーいう事に慣れちまってるからな。君はこんな危ない目にいつも合う訳じゃないだろう? すぐ対処しろって方が無理な話さ」
適材適所……だとしたら、やはり私はジムリーダー失格なのでしょうか?
リーダーとしての適材に至らない私は、リーダーという地位は適所ではない……そういうことなのでしょうか。
悲しかった。悔しかった。私はただ、俯いて黙って、それに耐えるしかなかった。
もしかしたら、涙があふれ出すかも……そんな矢先、不意に俯いていた私の顔は上へと引き上げられた。
彼が私の顎を軽く引き上げ、そして彼は私に顔を近づけてくる……えっ? なっ、何を彼はしようと……
「あっ、あの……」
もしかして、彼は私の唇を……えっ、でもどうして? こんな時に?
私の思考は、またパニックを引き起こしている。
こんな状況、多少のあこがれはあったかも知れませんが、しかしそんな急に……慣れないこの状況に、私はただ流されていくだけ……
「……ね。こんな事経験もないでしょ? いきなり訳のわからないことをされると、人は固まってしまうものさ。だからさっきのことは気にすること無いの。君がそうやって落ち込むのは似合わないな」
……どうやら彼は、「こんな事」も場慣れしているようです。
頬が火傷したかのように熱い。さぞ私の顔は真っ赤になっているのでしょうね……。
「あの……はっ、はい……」
彼の言わんとしていることは判ります。それが正しいことも。
ですが……それでも私は期待されている。期待される以上、慕われる以上、私はそれに応える義務が……
また繰り返そうとしていた、私のネガティブな悩みは、不意に、強引に、止められた。
「んっ!」
唇に、彼の唇が……触れた。
キス……これ、キス……ですよね?
異性の方の唇が、私に……えっ、どうして……
「これはジムリーダーに代わって事件を解決した俺への、君からのご褒美。これで、君は君の役割を果たした……って事に、しないか?」
微笑む彼を、私は直視できない。火傷所ではなく、火が出てもおかしくはないだろう、私の頬……
それを隠すように、うつむき、そして頷くことしかできなかった。
「この荷物、デボン社に届けてくるから。デートはまた今度ね」
立ち去ろうとする彼。私は顔を上げ、彼の背中に向け声を掛けていた。半ば無意識に。
「あの、後でまた……立ち寄ってくださいね」
彼は軽く後ろを振り返り、手をヒラヒラと振ってそのままデボン社へと向かっていった。
私はといえば、いそいそとジムへと戻っていく。
彼がまた来る。
後で……と約束はしましたが、すぐにとは言っていません。
ですが……何故か私は、彼がすぐに立ち寄ってくれると期待しています。
胸躍らせながら。
小走りで帰っているからでしょうか……胸の鼓動がとても速いのを実感しております。
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気付けば、私は二人分の食事を用意していました。
食事の約束をしていたから……という言い訳は、彼が再び訪れてくれた直前に思いつきました。
「うわ、これツツジさんが全部?」
「ええ……お口に合えばよろしいのですが」
私の心配をよそに、彼は私の料理を美味しい美味しいと食べてくださいます。
なんでしょう……人のために料理を作り、それを褒められるのは先ほどの事件と違い何度も経験しておりますが
これほど私まで嬉しくなったのは……初めてです。
「いや美味しかったよ。ご馳走様」
「お粗末様でした」
食事を済ませた後は、他愛もない会話。ポケモンの育成やバトルに関する話が中心でしたが……
その内容がどれほど頭に入っていたのかは、正直疑わしいです。
そんな上の空で続けられる会話では、不意に話が途切れてしまうもの。
意図しない沈黙が、二人の間に漂ってしまう。
何か話題を……焦ったのでしょうか、私はとんでもないことを口にしていました。
「あの……私、あれがその……ファースト、キス……だったんです」
自分で切り出しておきながら、私はまたうつむき頬を赤く染める。
何でこんな事を今……
「あー、やっぱりそうだったか……いや、すまなかったね」
罰悪そうに、眉を寄せ頭を掻く彼。
ファーストキス……誰もが憧れる、初めてのキス。
その相手や場所、シチュエーションには色々と憧れ思うことは多かったけれども……
経験したそれは、思っていた物とは全く違う、それでいて……
「いえ、いいんです。というか、その……あなたで、良かった……って、いえ、あの、なんでもありません……から」
私の中で、とても素敵なものになっていた。
彼とは、今日出会ったばかり。そんな彼と、初めてのキスを……あんな形で……
自分でも本当に驚いています。自分の恋愛観を自分で揺るがしている。
でもそれは、彼あっての揺らぎ……その彼は、うつむき恥ずかしがっている私の方へ、席を立ち近づいてきた。
まともに顔を上げられない。彼が何故私の方へ近づいてきたのか……その理由、それを予感しながらも、私は自分から顔を上げられない。
「俺で本当に良かった? そう言って貰えて嬉しいよ。良ければもう少し、その「良かった」を共有したいな……」
あの時のように、私の顔を強引に上げる彼。顎に触れる彼の手が優しい……
「えっ!? あの……んっ……」
驚きながら、でも期待していた……セカンドキス。
唇はすぐに離れ……でもまた、彼の方から近づいてくる。
まるで小鳥が餌をついばむように、軽く触れては離れる唇。何度も繰り返す唇。
彼から近づく唇。そしていつの間にか、私も唇を積極的に寄せていく。
何度も何度も繰り返され……その感覚は、徐々に長くなる。
触れあう時間が、長くなっていく。
「あの……こんな事、私初めてだから……」
この先どうなるか……初めてでも、予感はある。そして期待している。
「全部任せて。君の初めて、全部俺に」
彼は私の期待に、応えてくれる人……私と違って、期待に応えられる人。
彼が私を抱きしめる。私もそれに応えるよう、彼の背に腕を回す。
触れた唇から、するりと舌が伸びてきた。驚きながらも、私はそれを受け入れる。
初めてのに……何をすればいいのか、私は理解しているよう。私も舌を伸ばし、彼の舌に絡みつく。
「んっ……クチュ、チュ……チュパ……んっ、ん……チュク……」
湿った音がする。互いの唾液が絡まり、それを舌がかき混ぜる。
唇や舌の感触はもちろん、その音が耳に届くことが、心地好い。
とてもいやらしい……でも素敵な事。私は今日知ったばかりのキスに、夢中になっていた。
「あの……続きは……」
夢中になっていたからこそ、続きを期待し……私は、「それ」を行うべく場所へと彼を誘った。
今日ほど、自分の几帳面さに感謝した事はないかも知れない。
初めて男の人を迎え入れた私のベッドルームは、ちゃんと清掃が行き届いていた。
シーツも洗ったばかり。おろしたてのような白さを保っている。
彼は私をそのシーツが敷かれたベッドへ誘導し、二人は腰掛ける。
そしてまたキス……でも彼は、先ほどのような甘く濃厚なキスをしてくれない。
代わりに……彼は私のネクタイに手を掛け、するりとほどいてしまう。
そしてワンピースの裾に手を掛け持ち上げる……申し合わせたかのように、私は腰を上げ腕を上へ伸ばす。
初めてなのに……こんなことに手慣れていると思われていないだろうか?
私は自分が今下着姿である恥ずかしさより、その事の心配が上回っていた。
「綺麗だ……」
魔法の言葉が投げかけられ、私の心配が消え去る。
同時に気恥ずかしさが心を占め、白く飾り気のない下着を選んでいる自分の生真面目さを少し恨んだ。
「あまり見ないで……恥ずかしいの」
「綺麗なものに魅せられてしまうのは、男の性なんでね」
再び近づく唇。彼の手は私の背に回り、ホックへと。キスをしながら器用に、彼は私の下着を脱がせていった。
「小さい……ですよね」
「胸は大きさじゃないさ。君の胸が、俺を感じてくれるかどうか……重要なのはそこさ」
彼の手が私の胸に触れる、さわる。
「んっ……」
優しく私の胸を、彼の指が、掌が、優しく撫で回す。こそばゆい感触に、私は思わず声を上げてしまう。
異性が私の胸に触れている……それだけでその胸は息と共に上下する。
「あっ、股……そこはふっ、太いから、恥ずかしくて……」
「締まっているのに弾力があって……素敵じゃないか。魅力的だよ、君の太股は」
ストッキングの上から触れられる内股……胸同様、さわさわとこそばゆさが伝わり、そして触れられているという実感が心を満たす。
「そん……あっ! 舐めない……で、んっ!」
彼は腰掛けていた私をベッドに倒すと、太股に顔を埋めて来た。
そして彼は手で、舌で、太股を撫で回す、嘗め回す。
「君は……胸よりこっちの方が感じるのかな?」
「そんな、わからな……んっ! そこ、くすぐっ、あっ!」
判るのは、自分の手で触れるよりも敏感に感じ、そして心地好くなっている事。
彼の舌は徐々に上へと上がってくる。その舌が目指すところを察し、私は彼の頭を手で押さえてしまう。
それ以上は恥ずかしすぎる……でも、力が入らない。本気で抵抗は、出来ない。
「やっ、ダメ!」
とうとう、彼の舌は私の淫唇に触れた。下着の上からでも、舌の感触が深く伝わってくる。
「いやぁ……んっ、ダメ、そんなところ……いやぁあ!」
下着をずらされ、とうとう彼の舌が直に……
敏感な部分を突かれ、大切な部分を嘗め回され、私は拒絶の言葉を吐き出し、心で彼を求め続けた。
「嬉しいよ……感じてくれているんだね?」
ビチャビチャと湿った音が私の耳にまで伝わってくる。
それは彼の唾液だけではなく……私の、下の唾液までもが入り交じっているのを、私は実感していた。
それはつまり、彼の言うとおり……私は感じているとう、証。
「恥ずかしいです……もう、これ以上は……」
言葉とは裏腹な、期待。彼はその期待を、キチンとくみ取ってくれる方。
「怖がらないで……俺を信じて」
彼は顔を上げ、ベッドの上で半身を起こしている。いよいよ、いよいよなのね……
期待と同時に、抱える不安。その不安を、彼は笑顔と言葉で取り除こうとしている。
それでも私の不安は、彼の腰が私に近づくにつれ増すばかり。引けてしまう腰を、彼は力ずくで押さえてしまう。
強引な……でもそれが、頼もしい。
「あっ!……いぎっ!……んっ、あっ……いた……い……」
話には聞いていたけど……こんなにも痛いものだったなんて。堪えるつもりだったけど、私は悲鳴を上げてしまった。
でも私は……こうして彼を自分の中へと迎えられた。それがとても、嬉しい。
「ありがとう……君は俺の「期待」に応えてくれたんだね」
えっ? 彼の言っている意味が判らない……彼が寄せてくれた期待って? 痛みを堪えながら、私は彼の真意を探っていた。
「君とこうして、一つになりたかった。素敵な君と……その「期待」に応えてくれて、ありがとう」
そんな……それは私の……言い返そうとする私の言葉を、痛みが塞ぐ。彼が腰をゆっくりと動かし始めたから。
「辛いだろうけど……我慢してくれ」
そう、これで終わった訳じゃない……彼の期待は、まだこの先……男の人の期待は、もっと先にあるはず。
期待……されているんだ。私はそれに応えようと、痛みと闘った。
「いっ、あ……んっ、んっ! あ……」
耐えかねて、声が出てしまう。でも出てしまう声は……痛みによるものばかりではない。
痛みはまだある。でもそれは徐々に薄まりつつある。
痛みに覆い被さるのは、彼の期待に応えようとする私の心と、私の期待に応えてくれる彼の心意気。
漏れ出る声は、その結果を示し始めていた。
「あっ、なんだ、か……いっ、あ、ん……」
「もう少し、もう少しだから……」
早まる彼の腰。速度が上がれば上がるほどに痛みも増すが、それ以上に痺れるような感触……快楽が、私を包んでいく。
「くっ!」
不意に彼の腰が引け、彼が私の中から出て行ってしまった。
程なくして、私の腹部に熱いものが降り注がれる……彼が放った、「期待」の結果が。
私は、彼の期待に応えられたんだ……それが嬉しくて、嬉しくて……
「ゴメンね、痛かったろ?」
彼の指が、私の目元に触れる。私は涙ぐんでいたようだ。
「いえ……嬉しかったんです」
「え?」
「私……あなたの期待に応えられたんですよね」
思わず「期待」という言葉を口にしてしまった……
普通、こんな状況で使う言葉ではない事くらい、初めてだった私にだって……
ちょっと驚いた顔をした彼は、しかしすぐ笑顔を取り戻して私に語りかける。
「でも、俺は君の期待にまだ応えていないよな」
え?
「まだ、君を満足させてないからね……」
そんな……私は満足しています。あなたとこうして一つに慣れた事を……
「えっ? やっ、まだそこは……んっ!」
「敏感になってるね……怖がらないで、逝ってごらん」
彼の指が、先ほどまで彼がいた場所を……そしてその近くにある敏感な突起にも、触れてくる。
「ダメ、私そん、やぁあ!」
恥ずかしい……背筋に電気が走るような、そんな感触に身体を震わせる。
私今どんな顔をしているだろう……その顔をじっと見つめられるのは、とても恥ずかしい。
「ダメだか……んっ、ん……クチュ、チュ……」
恥ずかしいから、私は彼に抱きついて唇を重ねた。
何で私、こんなに積極的になっているのでしょうか……はしたない女だと、思われてるでしょうね。
それでも……私は自分を止められなかった。
キスの甘い交わりと、刺激的な感触が全身を包み、私は身も心も溶かされていく。
「ん、チュ……チュパ、チュク……んっ、やっ、あっ! も、んあっ、あぁああ!」
大きく身体が震える……私は心も身体も、彼に満たされていた……。
*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
彼の腕に抱かれながら、私は自分の悩みを全て明かしていた。
彼なら、彼だから、私は全てを話し、託せると思って。
初めて会って、初めてのキスをして……初めて、好きになった人だから。
「慕うっていうのはさ、期待だけじゃなくて憧れだってあるだろ? ジムリーダーとか四天王とか、チャンピオンとか……君だって憧れていた頃があったろ」
そう……言われてみればそう。私はかつてのジムリーダーに、あこがれを抱いていた。私はそのあこがれの存在となり、そんな自分に……戸惑っている。
「君が慕ったり憧れたりしていたジムリーダーや先輩達に、君は何かを期待していたかい?」
……言われてみればそう、そんなに難しい話ではなかったはず。
私は偉大な先輩方に、何かをして欲しいと思って慕っていたわけでも憧れていたわけでもない……そう、確かにその通り。
でも……
「私は……いつも周囲に、期待され続けていました。スクールきっての優等生だって……」
それはプレッシャーであると同時に、私の支えだった。
期待されているからこそ、がんばれた。そうして私は、ジムリーダーになれたのだと思う。
でも今は……どうだろう。ジムリーダーになった事で、周囲の期待には応えられた。次に私は……何をすれば良いの?
「立派なジムリーダーで居続ければいいのさ。今の君は、そんな素敵なお姉さんなんじゃないか? 慕われているのがその証拠だろ」
そう……なんでしょうか? 私には実感がありません。
「焦らなくて良いんじゃないかな。とりあえず、無理してされてもいない期待に応えようとしなくったっていいさ」
されてもいない……なんでしょう、私は今、一抹の寂しさを感じています。
「期待される事に慣れすぎて、それが当然になっちゃってたんだな……」
ああ、そういう事ですか……彼の言葉は私の悩みを少しずつ解きほぐしてくれます。
ですが……頭で判っていても、私の不安はなかなか晴れてくれません。
「私は……どうすれば良いのでしょうか?」
「君のままであり続ければいい。後は人生の経験を積む度にそんな自分に馴染んでいくさ……って、なんか年寄り臭いな俺」
笑う彼に釣られ、私も笑みをこぼしてしまう。
ああ……そうか。この人の笑顔。初めて会った、あのバトルの時から、この人は笑っていたっけ。
強くてたくましくて、頼れる人……そしてこの、安心させてくれる笑顔。
私がこの人に惹かれた理由が今、判った。
この人は私の……
「とりあえず……目標は出来ました」
私が私に、期待してみる。その目標に到達できるようにと。
「なに?」
「……ふふ、秘密です」
まずはそう……素敵な笑顔を作れるように。私は満面の笑みを、彼に向けた。
以上です。
長い割にエロ度がかなり薄めで申し訳ない。
以前投下したときには「アザミを書くかも」と言っていましたが
全く違う人を書いてしまいましたw
こうなったら順番通りに……と、模索しておりますが
今回のように、言っていることと書いていることが違う可能性は充分にありますのでw
久々にGJ
また抜いてしまった
向こうは埋めますか?
立てるタイミングが早いかと
>>34 むーん、どうするかね
投下を待ってた人も居たから立てたみたいだが
まあ埋めますか
確かに微妙に残ってるし
お久しぶりです。
ジュンヒカの途中ですが、ポケモンと人間のSSを考え中です。
ダークライとアリスを脳内で考えてしまった私って…
37 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 02:00:17 ID:hCms/+J/
>>36 大丈夫だ!
アリス×ダークライは俺も考えたぜ!!
なんか一気に過疎ったな
荒らしが沸くよりいいけどさ
連続で投下があっても反応が薄いだけでなく
無視して埋め相談とか、作者に厳しいね
エロパロなんかこれが普通だろと
書いている身としては気にしませんですー
こちらとしても発表場があるだけでうれしいのです
42 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 23:57:06 ID:TyYVa7jX
やっぱ立てるタイミングが早杉
>>1は責任持って埋めてきなさい
前スレ埋まった?
埋まったけど、こっちも過疎ってるからあまり関係ないな
まあ文章書く人もそれぞれペースがあるだろうし、とりあえず待っておくか
48 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 17:09:38 ID:E/4ByAT2
保守
保守
見たことないけどコジムサ需要あるんかな
ちょっと書いてみたけど、どうやっても日常ギャグにしかならんw
俺が飽きるまで頑張ってみる
>>50 需要ある。すごくある。
日常ギャグでも良いじゃないか。wktkして待ってるぜ。
ちょっと思うんだがピカチュウの10万ボルトって普通に考えて即死電流
一発もらって失禁というシチュを妄想したのは病気?
53 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 00:39:49 ID:R2YUzc9N
アニメのスモモに萌えた俺
ツンデレなルカリオも良かった
携帯から書き込めんのは なぜ?
携帯で規制されたら・・・残念ながら・・・
(一応)主人公×アスナです
正直、アスナらしさは微塵もないです。エロくもないです。話も中途半端です
次世代のジムリーダー……そんなことを誰かが言っていた。
ホウエン地方のジムでは、今リーダーの入れ替えが進んでいます。
トウカシティでは最近センリさんが新たなジムリーダーとして活動を始められ、
ルネシティではミクリさんが抜けたところへ以前ジムリーダーだったアダンさんが戻られた。
そしてジムリーダーだったミクリさんは新しいチャンピオンとしてリーグの頂点にいる。
カナズミシティはトレーナースクールを首席で卒業したツツジさんがリーダーを務めているけど
彼女がリーダーになったのも、そんなに昔の話ではない。
そしてあたし……フエンタウンのジムリーダーになったあたしも、リーダーとしてはまだ新米。
トレーナーの挑戦を受けた回数は、もう両の手で数えるには指が足りないほどにはなったけど
それでも……私はまだ自信が持てなかった。
みんなはあたしのことを慕ってくれている……と、思う。
けれども、あたしは今のままで良いのか、いつも迷っている。
ある人は言った。可愛いジムリーダーさんだねって。
可愛いと言われるのは、もちろん嬉しい。だけど、ジムリーダーとしてはそれでいいのかな?
おじいちゃんは強い人だった。威厳ある人で、あたしの憧れ。
おじいちゃんみたいなリーダーにならなくちゃ……
だけど新米リーダーのあたしに、おじいちゃんみたいな威厳は保てないよ
才能はおじいちゃん譲りだって褒めてくれるけど……最近はその才能にも自信が持てない
今日も挑戦者に負けちゃったしね……相手が苦手なヌマクローだったとはいえ
そのヌマクロー一人にあたしの手持ち四人がみんなやられちゃうんだもん。
なんか……空回りしてる。無理してる。それは自分でも判っているんだけど
でもどうすればいいのか……その答えが見つからない。
「……はぁ」
溜息が漏れる。最近悩んでばかりだ。
「温泉にでも入ろうかな」
言葉が漏れる。頭をスッキリさせるなら、温泉に入るのが一番。
子供の頃から身に染みついた習慣からなのか、あたしの足は自然と露天風呂へ向かっていった。
*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
「……あっ」
露天風呂は混浴だし誰でも入れるから、そこに先客がいる事なんて珍しい事じゃあない。
だけど……もうだいぶ夜も更けてきたこんな時間に、先客がいるとは思っても見なかった
しかも先客は地元の、馴染みのある人達ではなく……あたしが今日負かされた、挑戦者だ。
「ああ、俺はもう上がるところだから、ゆっくりしていってくれ」
腰を上げ湯船から出ようとする挑戦者。引き締まった身体が湯気の隙間からチラチラと見える。
男の人の裸を見るのは、初めてじゃない。温泉町で暮らしてるから、こんな事もしょっちゅうだし……
なのに、私は自分の頬が赤くなっていくのを実感していた。
相手が若いから? とてもたくましい身体だったから? 理由は……よく判らない。
「あっ、待って……」
そして、思わず彼を引き留めてしまった理由も、よく判らない……
「ん?」
どうしよう、考え無しに引き留めちゃった……なにか、なにか口実……
「あの……ちょっと話、聞いて貰って良いですか?」
あたしの言葉に、再び腰を下ろす彼。どうしよう……話って、何を話せばいいの?
あたしはタオルで身体を隠しながら湯船に足を入れ、彼の側に腰を下ろした。
本当はタオルを湯船の中に入れるのはマナー違反だけど……今は仕方ないよね。
「あたし……ジムリーダーに成り立てで、こう、おじいちゃんみたいに威厳がなくて……」
頭では軽くパニックを起こしていたのに、何故かあたしの口はすんなりと「聞いて欲しいこと」が口をついた。
確かに、これはあたしが誰かに聞いて欲しかったこと。
けれども、その相手が彼で良かったの? 今日会ったばかりの彼で……。
戸惑いながら、でもあたしは彼に自分の悩みを全て吐き出していた。
彼はといえば、あたしの話を真剣に聞いてくれている……やだ、じっとあたしのこと見つめて……
あたしはまともに彼を見ることもままならず、俯いたまま相談を続けていた。
「威厳なんてのは、口調や態度で変えられる物じゃないからね。こればかりは経験だよ」
経験……彼からのアドバイスは、今のあたしではどうすることも出来ないもの。
でも、たぶん彼の言うことは正しい。
「肩に力を入れて無理するより、もっと自然に、君らしくやればいいさ。焦ることはないよ」
焦り……そうね、あたし焦ってる。
自分でも気付いていたことだけど、人から指摘されると自分で気付くより深く自分に言い聞かせられる気がする。
「自分らしく……ですか。そうですよね、そうじゃないと、みんな戸惑っちゃいますもんね」
実際、戸惑っていたと思う。特にあたしのポケモン達は……指示を良く聞いてくれてるけど、あたしが迷ったままではうまく戦えないもんね。
「そーいうこと。ま、君の場合威厳なんか無くったって、充分人を惹き付けられるから心配ない」
「え?」
ふと顔を上げれば、彼があたしの側までにじり寄っている。
「女性として魅力的だからね、君は。そんな君に惹かれてるジム生も多かったみたいだけど?」
マジマジと、彼があたしを……顔から、その下へ……湯船につかっているあたしの身体を見つめている。
「そっ、そんな事は……やだ、そんなに見ないで……」
恥ずかしい。言われた言葉も、見られていることも……今になって、あたしは異性が裸同士でいるという事実を思い知った。
「俺も君に惹き付けられそうだよ……」
そう言いながら、彼の手があたしの肩に触れる……と思ったその刹那には、ぐっと彼の方に引き寄せられていた。
「ちょっ、止めてください……」
肩から手をふりほどこうと、あたしは身体を揺すり抵抗する。けれど彼の手は力強くあたしを掴み放さない。むしろもっと彼の方へと引き寄せられていく。
「ダメだよ、肩の力を抜いて……あるがままを受け入れるんだろ?」
「これはそれとは、あの……あたしそんなつもりで……」
……でも、どんなつもりだった?
ただ悩みを聞いて欲しかっただけ? だったらなにも、こんな場所でこんな状況でなくても……もっと言えば、彼でなくても……
けれども、あたしは何故か、今この時この場所、そして彼を選んでいた。
何故?
先ほどまでの戸惑いとは違う、新たな戸惑いがあたしの思考を鈍くする。
「これも人生の経験。悪いようにはしないよ」
ドラマなんかでよく見る、男の人の口説き文句。そして十中八九、その場限りの言い訳……ドラマでは。
判ってる、判っているのに……何故? あたしは……ドキドキしてる。怖くは……ない。
でもこれは……こんな事は……あたしの小さな抵抗は、まだ続いている。
「あの、やだ、ダメ……んっ!」
彼の顔がゆっくりと近づき、あたしの唇を塞いでしまった。
これって……キス? あたし、この人とキスしてる?
あたしは彼にギュッと抱きしめられながら、長い長いキスを、ファーストキスを、続けている。
気付けば、あたしはもう抵抗するのを止めていた。
「どう? 良い経験だっただろ?」
判らないよ、そんなこと……良かったのかどうかなんて……ただ、悪くは……無かったと、思う……。
頬が熱い。あたしの顔は煙突山の溶岩みたいに赤くなっているんだろうな……恥ずかしくて、言葉が出ないよ。
「それじゃあレッスン2。もっと大人のキスを楽しもうか」
「え? やっ、まだそ……ん……」
また重ねられた唇。そればかりか、今度は違う何かが……これって、舌? 彼の舌があたしの口の中へ……
クチュクチュと、湿った音が聞こえる。あたしは瞳を閉じてされるがまま、彼にされるまま「大人のキス」のレクチャーを受けている。
気がついたときには、あたしの腕が彼の腰にまわされている。やだ、あたし自分から彼に抱きついてる……。
「流石、飲み込みが早いね」
何が「流石」なんだろう……あたしはただされるがままにキスをしているだけで……
のぼせたわけではないけれど、あたしはただぼーっと彼を見つめている。
そんなあたしに、彼が微笑んで……あたしは自分から、彼の唇を求めていた。
「んっ……チュ、クチュ……」
自分で言うのも何だけど、あたしは何事にも積極的な方だと思う。何事にも熱くなる性格だと。
けれど、こと恋愛となると……今まで興味がなかったから、自分がこんな大胆になれるだなんて、考えても見なかった。
これからたぶん、もっと凄いことになっていく。あたしはそれに、期待し始めて、積極的になってる……
「んっ!」
いつの間にか彼の抱擁は解かれ、彼の手はあたしのお尻に。キスしながら、されながら、あたしはお尻を撫で回される。
昔、不埒な男性にさわられてしまったことはあったけど、あの時はただ不快で、その人を思わず蹴り飛ばしちゃったっけ
だけど今は、彼の手がこそばゆく、それでいて……なんか心地良い。
「引き締まった、良い身体してるよね……ホント、君は魅力的だ」
あたしから離れた唇が、そう囁く。あたしはただ、照れるだけ。
「このウエストも細くて綺麗だし……」
お尻を触っていた手が、あたしに触れたまま上へと動いてくる。腰に到達したその手はお腹の方へと移動し……
「胸も綺麗な形をしている。弾力もあって、ほら、俺の手によく馴染んでるよ」
彼の指が、あたしの胸の形を僅かに歪ませる。
「んっ……」
思わず声が出てしまう。けれど不快感はもちろん無く……今まで感じたことのない、奇妙な高揚が全身を駆けめぐる。
「ここの色も綺麗だ……」
彼の指が、あたしの、その……乳輪を……なぞるようにくるくると動く。
「ふふ、軽く起ってきたね。気持ちいい?」
彼があたしの……乳頭を……チョンチョンと軽く突きながら尋ねてきた。
「そんなの……判らないよ……」
恥ずかしくて、なにがなんだか……
判るのは、されていることを不快に感じることがないのと、それをしているのが彼だって事と……あたしの息が、ちょっと荒くなってきていること。
「じゃあ、もっと判るようにしてあげる」
彼は強引にあたしを後ろ向きにして、後ろからあたしに抱きついた。
そして彼は両手で、あたしの胸を揉み出している。
「ん、なんか……くすぐったいよぉ」
「それをそのまま感じて。気持ち良くなってくるから」
何が「気持ち良い」という感じなのか、あたしにはまだ判らない。
だけど、あたしはだんだん……彼が胸を揉んでいる、というこの現実自体が……心に染みこんでいくようで……それが心地好かった。
「あっ、ん……なんか……んっ!」
彼があたしの胸を揉んでいるんだ……その心地よさが、次第に身体を熱くさせて、あたしの胸が……切ないほど彼の手をどんどん求めていく。
「やっぱり……アスナは可愛いな」
ただ息を荒げるだけのあたし。されるがままのあたしに、彼が囁く。やだ、あたしもっと……熱くなってる。
「やっ! そこは……あんっ!」
片方の手が胸を離れ、お腹を伝い、あたしの……あそこ、に……触れた。
流石これには、あたしは驚きの声を上げ、身をよじって逃れようとしてしまう。
けれど、彼はそれを予期していたのかぐっとあたしを抱き寄せそれを許してくれない。
「大丈夫、任せて……ね。素直に、肩の力を抜いて受け入れればいい……」
そんなこと言われても……慣れない感触に、あたしは戸惑うしかない。
けれど……彼の指は巧みに、あたしの敏感な部分を刺激し続けて……あっ、そこはあたしが熱くなっちゃうところ……
「アスナは、ここ、自分でいじったことは、ある?」
顔から火が出るって、たぶん今のあたしのことを言うんだ……唇を噛みしめ、あたしは俯いてしまう。けれど……
「ね、教えてよ」
「やんっ! そんな、いっ、いじっちゃ……んっ!」
敏感なあたしのそこに、彼の指が容赦なく迫る。
軽く触れてみたり、撫でてみたり、時には押しつけたりこね回したり……強弱緩急入り乱れた彼の指が、あたしに早く応えてと急かしている。
「たま……に、あの、よっ、夜と……か……」
「そっか、アスナはここをいじってオナニーするんだ」
「やっ、そんな言いか……んっ!」
恥ずかしい、とても恥ずかしい……あたし、彼にはしたない女って、思われたかな……
「本当に可愛いよ、アスナ……」
彼は後ろから、あたしのうなじにキスをする。可愛いだなんて、こんな時にまた……
「ここも乳首も、随分起って敏感になってきたかな」
「やっ、もう、ダメ……そん、な……いっ、いじめ、ないで……」
「虐めてないよ。ほら、君だってこんなに悦んでるじゃないか」
彼があたしのあそこから指を放して、それをあたしの目の前にまで持ってきた。
指先が濡れている。それはたぶんお湯なんかじゃなくて……
「アスナ、君が欲しいよ」
欲しいって……そういうこと……だよね?
あたし、あたしは……
「あたし、その、はっ、初めて……だから……」
あたし……彼と、その、しちゃうんだ……あたし、彼に初めて、あげちゃうんだ……
それをあたし……喜んでる? 今日会ったばかりの挑戦者に、あたし捧げちゃうんだ……
どうして? あたし……熱くなってる。
「全部任せて。痛いだろうけど、君なら大丈夫だよ」
根拠なんか、たぶんない。彼にもあたしにも。けれど、彼の言葉は……何故か信じられる。
あたしは彼に片足を持ち上げられながら、彼の首に腕を回し全てを彼にゆだねた。
こんなところで、こんな姿勢であたし……しちゃうんだ。彼に、あたしを女にして貰うんだ
なんか凄く……変。変だけど、それが……あたしを妙に熱くさせているのが、自分でも判る。
「……んっ、くあぁあ!」
ゆっくりと彼のが入ってきた。あたしは反射的に片足でつま先立ちをして腰を上げてしまうけど、もう逃れられない。
そして彼は一気に、腰を上げた。あたしは痛さに、上げた腰を落としてしまう。
「……ありがとう、君の、確かに貰ったよ」
ありがとうって、こんな時に言う言葉?
「それじゃ、動くからね」
「待って、あたし……んっ、いっ、くう……」
彼のものが、あたしの中で動き出す。あたし、今彼にされちゃってるんだ……痛みがそれを実感し、気持ちがそれを受け止める。
「大丈夫?」
「へい……き……ん、だい、じょう、ぶ……」
痛い。けど、なんだろう……この高揚感。気持ち良くはまだないけど……熱い。あたしの心が、熱い。
「アスナ……可愛いよ。とっても綺麗だ……」
「こん、な、とき……んっ、いわ、ないで……よ……」
痛みに耐えるだけのあたし。でも彼は、そんなあたしの全てを支えている。身体も、行為も、気持ちも……。
「アスナ……好きだよ」
「あっ……ん、んっ!」
好き? あたしを? それって……でもそうだよね、好きじゃないと、こんな事……
ああ……そうか。あたしは今更、気がついた。何であたしが、こんな事になったのか。こんな時に、熱くなっているのかを。
「あたしも……すき、すっ、んっ! すき……すきぃ!」
あたし……一目惚れしてたんだ。たぶん、初対面の時から。
バトルが強くて、どこか優しそうで、でも頼りがいがありそうで、体つきも男らしくて……
そうよ、彼はあたしの、理想のタイプ……あたしが目指す、ジムリーダーの理想そのもの
ううん、ジムリーダーとしてだけでなく……理想の男性、そのもの。
だからあたし、こんなに熱くなれたんだ……おかしい。今更こんな事に気付いて、そして、気付いたから尚更、あたしもっと熱くなってる。
「ごめん、そろそろ……」
「あ、あの……あたし、あたしの、なか、なかに、んっ! だし、て、いい、から……」
流石の彼も、あたしの言葉に驚いたみたい。そうよね……初めてなのに、こんな事言い出すんだから。
でもあたしは……彼の全てが欲しくなった。初めてだからこそ、彼のが、欲しい……。
「行くよ、アスナ……」
「きて、きて、あたしの、なか、に、だして、だし……いっ! ぐっ……だし、て、ね……」
まだ痛い。まだ気持ち良くはない。けれど……心地良い。あたし、彼のを受け止められるんだ。その思いが熱く、心地良い。
「アスナ、アスナ……くっ!」
「あ、これ……あは、でてる……ん、だ……んっ……あはは、嬉しい……」
熱い、熱いよ……彼のが、とても熱い。そしてあたしの心も、とっても熱くなってる。
「ありがとう……あなたの言うとおり、良い経験だったよ」
でも……これで終わりなんて、ちょっと寂しい。そんな事を思っていたら……
「まだだよ。君がまだ逝ってないからね。続きを……そうだね、まずはここを出ようか」
彼の誘いが嬉しくて、あたしは思わず、彼の唇に飛びついてしまった。
*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
自分の部屋に男性を招いたのは、初めてじゃない。というか、その手のことに疎い私は気にもしなかったことだったから。
でもあたしは彼を自分の部屋に招いて……ちょっとだけ、後悔した。
あまり女の子らしい部屋じゃないから。
けれど彼は……あたしもだけど……そんな事を気に掛けてる余裕なんて無い。
熱くて、心も体も熱くて、あたし達は着たばかりの服をすぐに脱ぎ捨て、ベッドに飛び込んでいた。
「や、そんなとこ……舐めるなんて……ゆっ、指、そこ……んっ!」
彼はあたしをベットに寝かせると、あたしの胸を揉みながら乳首を嘗め回してきた。そして空いた手で、あたしの敏感なあっちをいじり始める。
既に熱くなっていたあたしの身体は、更に更に、熱さを増していく。
「もうこんなになって……アスナって、いやらしい娘なんだ」
「そんなこと、言わないでよ……あなたが、もっといやらしいから……でしょ?」
「ふふ、そうだね……二人とも、いやらしいんだ……」
彼の慣れた手つきが、あたしをどんどん熱くさせ、あたしはそんな彼の指に、もう馴染んできている。
彼が触れるところは何処でも、あたしを熱くさせる。
胸も、腰も、お尻も、そして……敏感なところや、その下にある、開通した大事なところも……
「ねえ、もうあたし……」
自分から彼を強請ってしまう。本当に、あたしはいやらしい娘になっちゃったんだ……
「ああ、俺も我慢できないよ……いくよ、アスナ」
二度目に迎え入れる彼……熱くいきり起ったそれが、あたしをもっと熱くする。
「いっ……ん、あっ! んっ……ん!」
「まだ痛い?」
「いたい……けど、へいき……さっき、より、いたく、ない、から……もっと、うごいて、いい、よ……」
彼はあたしの言葉を受け、腰を更に深く、更に早く、動かし始める。
パンパンと、二人の肌がぶつかる音が部屋に響く度、あたしの身体は熱さを増していく。
「あっ、ん……なんか、へっ、へんな……んっ、あぁ!」
痛みの奥で、何か、何か別の……これって、まさか……これが、「気持ちいい」なの?
「それ、それをもっと感じて……アスナ、気持ち良くなって……」
「これ、これが……きも、きもち……いい? いっ、ん! これ、これ、あ、あつい、あついのぉ……んっ、ん!」
熱い身体の内側から、別の暖かみ……心地好い感情がどんどん溢れてくる。これが、気持ちいいってことなんだ……。
「アスナ、アスナ……」
「あっ、ん、きも、ち、いい……ん、あっ、あん! これ、これが、んっ! あた、あたし……もう……」
溢れる気持ちよさが止まらない。これ、もしかして……
「あた、し、いっ、いく……いっちゃ、いっちゃう、の?」
「逝って、アスナ……俺もそろそろ……」
「いっ、いく、の、あたし……いっ、いく、いくん、だ、あた、し、いっ、いっ! ん、い……あん、あっ! い、いく、いく、いく……いっ、ん、い、あ、ん、んん!」
身体が勝手に跳ねる。熱くて熱くて、とても心地好くて気持ち良くて……あたし……逝った、の?
あたしは背を弓のように伸ばしながら、彼がまたあたしの中に彼の熱い思いが注がれていくのを感じて……あたしは、今とっても幸せな気分に浸っている。
「逝けたね……アスナ、二回目で逝くなんて本当にいやらしいな」
「もう……あなたが任せろって言うから……あたしをこんなにしたの、あなたのせいでしょ?」
ちょっと怒ってみせるあたし。彼はそんなあたしを見て、豪快に笑ってる。
そんな彼を見て、膨らませたあたしの頬はすぐにほどけ、声を上げ笑っていた。
以上です。お粗末様でした
GJ
久々の良作
GJ!!
アスナをチョイスするあたりもネ申
とっておき ふくつのこころ もって高いテンガ山 越えてイこう
だれをゲットかな? どこで出会うかな?ワクワク気分 まるで ひみつきちさ
新しい町僕らは進む輝く時の中でイエイ・イエイ・イエイ・イエ!!
甘くないさ ○○○はいつだって辛い? 苦い? 渋い? 酸っぱいね?
生きてるんだ だから感じよう いっしょにイエイ・イエイ・イエイ・イエ!!
アクメジェットで吹っ飛ばしてけモヤモヤ気分 きりばらいしてロッククライム
ほら、乗り越えたらGOOD GOOD SMILE!!みんな GOOD GOOD SMILE
テス
過疎だな
不意に思ったんだが、タケシとムサシって案外萌えないか?
悪くないなw
見てみたい
保守
雑魚トレーナー関連はどうだろうか
ポケ姦小説のみを置いてあるサイト誰か知らない?
スピアーに逆レイプされる男とかが載ってたと思うんだが
いくら検索しても引っ掛からん…
コウキ×ディアルガ♀とか思いついたんだが…さすがに無理…?
シンヒカを書いてくれ
お断りします(AA略)
76 :
71:2008/02/25(月) 17:22:48 ID:HCC6mUtU
78 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 14:36:47 ID:HXzsKSG1
保守
サトカスプリーズ
お断りします(AA略)
〜第1話〜
ここはホウエン地方にある世界有数のポケモンバトル施設であるバトルフロンティア。
ポケトピアに並ぶとも言われているこの施設は、その入島条件の厳しさにも関わらずオープン以来大盛況。
連日、凄腕トレーナー達の高レベルなバトルが繰り広げられている。
「ふう、今日も疲れた……」
フロンティアの中央にそびえるバトルタワーから、一人の少年が出てくる。
いや、よく見るとそれは少年ではなく、端正な顔立ちの少女だ。
彼女の名前はリラ。
このバトルタワーのタワータイクーンを努めるフロンティアブレーンの一人である。
彼女はエニシダという男にスカウトされ、ここにやってきた。
『実力派トレーナー達が集まる夢のバトルアトラクションを作りたい』
そう熱弁するエニシダの熱意に心を打たれ、リラはフロンティアブレーンになることを了承したのだ。
現にここでの生活はとても充実している。
ポケモンリーグの成績優秀者達が「挑戦者」として自分に挑んでくるのだ。
1戦1戦が本気で戦える緊迫したバトルであり、その高みに登りつめた者同士にしか分からない新たな戦術にも出会うことができる。
今日もそんな戦いを終えたリラは、フロンティア内にある宿舎に戻って疲れを癒そうとしていた。
「ん、あれは……」
日も落ち、すっかり暗くなった会場の外れ。
電灯の明かりも届かないその場所に人影があった。
『あれは、エニシダさん?』
あの特徴的なアロハシャツの中年は確かにエニシダだ。
彼は注意深く周囲を見回す。
「!!」
そのサングラスに隠れた視線に、リラは思わず身を隠してしまう。
人がいないことを確認してから暗がりに消えていった。
リラはエニシダがいなくなった後、おずおずと彼が消えた場所に向かう。
そこには階段があり、小型艇が止まれる程度のスペースがあった。
だが、その場にある立て看板が先に行くことを妨害している。
「確かここは……」
リラは記憶を辿り、そして思い出した。
ここはフロンティアの外れにあるアトリエの穴へと向かうための船着き場だ。
確かアトリエの穴は落盤が起こって、今は行くことができないはず……
目の前の立て看板にも、その理由と共に通行禁止と書かれている。
「エニシダさんは一体何をしに行ったんだろう?」
『もしかしたら、落盤の様子を確認しに行ったのかも』
彼はこのバトルフロンティアの仕掛人である。
アトリエの穴の修復をするための下調べにでも行ったのかもしれない。
「……様子を見に行こう」
リラは懐のモンスターボールを投げ、ラプラスを呼び出した。
こんな時間に一人で落盤のあった洞窟に向かったのであれば、それはかなり危険な事だ。
自分の手持ちにはメタグロスもいるし、何かあった時には役に立つかもしれない。
「行くよ、ラプラス」
リラはその背中に乗ると、アトリエの穴へと進路を取った。
数分ほど波に揺られると、目的地であるアトリエの穴が見えてきた。
穴の入口は、好奇心にかられたトレーナーが入らないように鉄扉が新たに設置されている。
だがその扉の鍵は開けられ、両開きの扉は開けられている。
「やっぱりエニシダさんはあの中に……」
ラプラスから降りたリラはポケモンをボールへと戻し、鉄扉へと足を運ぶ。
その扉の隙間からは生暖かい風が吹いてくる。
「……?」
リラもフロンティアブレーンになる前は各地を旅するトレーナーだった。
その時の経験では、洞窟の中からは冷えきった風が吹いてくるはずなのだが……
『もしかしたら、もう修復作業を始めているのだろうか?』
洞窟の奥に熱源でもあるのだろうか?
とりあえず、入ってみないことには何も分からない。
リラはその鉄扉を開け、洞窟の奥へと入っていった。
洞窟に入って少し歩くと、天井にある白熱灯が点灯していた。
洞窟内が暖かいのは白熱灯の発する熱のせいなのだろうか。
その明かりは洞窟の奥へと続いている。
「エニシダさん、かなり奥まで行っているみたいだ……」
リラは明かりに誘導されながら奥へと向かう。
そして、曲がり角を曲がったリラの目に飛び込んできたものは……
「な、なに……これ……」
洞窟内の最奥は広いホール状に拡張され、そこには大きな建物が立っていたのだ。
紫やピンクのケバケバしいネオンが点滅し、ホール全体を怪しい色に染め上げている。
その建物の入口の上に掲げられたネオン看板に書かれた文字を、リラは思わず声に出していた。
「バトル……フロンティア……?」
「チッチッチッ、少し違うよリラくん」
「きゃっ!」
背後から不意に声をかけられ、リラは思わず悲鳴を上げてしまう。
恐る恐る後ろを振り向くと、そこにはサングラスを光らせたエニシダが立っていた。
「エニシダさん、これは一体なんですか……?」
リラの問いに、エニシダはニヤリと笑みを浮かべる。
「ここは、『夜のバトルフロンティア』さ」
「夜、の?」
その言葉にリラは建物を見返す。
リラが読んだ看板のバトルフロンティアというネオン文字の左上に、申し訳程度に「夜の」と付け加えられている。
「エニシダさん、これは……っっ痛ッ!!」
建物に気を取られ隙だらけだったリラは、背後のエニシダに対し全く無反応のまま、後ろ手に両腕を極められてしまった。
「痛いっ、エニシダ…さんっ……」
ギリギリとリラの腕を固めたまま、エニシダが口を開く。
「バトルフロンティアはポケモンリーグと同じく、基本的にトレーナーは無料で使える施設だというのは知ってるね」
「な、なにを……」
「けど維持費は消えてなくなるものではない。スポンサーやポケモンリーグからの出資程度じゃ足が出るんだよ」
エニシダが何を言おうとしているのかが分からない。
リラは必死で拘束から逃れようとするが、エニシダはその温厚そうな顔つきからは想像できないような力でリラの手首を掴んで離さない。
「バトルフロンティアの収入を上げるために、私はこの「夜のバトルフロンティア」を作ったんだよ」
リラの背後から聞こえるエニシダの声はいつもと同じ陽気な印象を受ける。
だが、何かおかしい。
「ぼくには、よくわかりません……」
かろうじてそう言ったリラに、エニシダが口を開く。
「つまりね、この施設はポケモントレーナー達に有料でHなサービスを受けてもらう場所なのさ」
「なっ…!?」
このバトルフロンティアにまで到達したトレーナー達は、子供とは思えないような金額を所持している。
9800円もするドーピングアイテムを大人買いするような子供達を見て、エニシダはこのビジネスを思い立ったのだという。
「金持ちで性に興味のあるトレーナー達からバトルフロンティアの維持費を回収するための施設、それがこの夜のバトルフロンティアなのさ」
「なんて……ひどい……」
リラはエニシダの口から吐き出される言葉を聞いて、その汚さに絶望する。
だが、エニシダが次に吐いた言葉はリラをさらに絶望のどん底に叩き落とすものだった。
「ひどいって言わないでくれよ。君たちにも手伝ってもらうんだからさ」
「……??」
混乱するリラに、エニシダは追い打ちをかける。
「ここの目玉は「憧れのポケモントレーナー達がお相手します」ってことなんだよ?君もここでお客様の相手をするんだ」
お客様の、相手?
リラはエニシダの言葉を繰り返し、とてつもなく気持ち悪い感覚に襲われる。
「い、いや……いやっ……」
「本当はもう少し後に打ち明けるつもりだったんだが……」
背後のエニシダの手がリラの服を掴み、乱暴に引き裂いた。
ビリビリィィッ!
「いやああああぁぁぁっっ!!」
上半身が丸裸にされ、リラの未発達の胸があらわになる。
「お客様の失礼にならないように、リラくんには色々としっかり覚えてもらわないとね」
「や…やめて……ああッ!」
リラは背後のエニシダに押し出され、床に倒れこんだ。
その拍子に、腰に付けたモンスターボールが溢れおちる。
『た、助けて…メタグロス!』
リラはよつんばいのまま、目の前のモンスターボールに手をのばそうとする。
「っああっ!」
だが、ボールに手が届こうかという寸前に腰が宙に引っ張られ、引き戻される。
「惜しかったねえ」
エニシダがよつんばいのリラの腰のベルトを掴み、引っ張り戻したのだ。
「は、離してっ!」
リラはよつんばいのままでジタバタと抵抗するが、こんな体勢では力が入らない。
そんなリラの抵抗をあしらいながら、エニシダは考え込む。
「さて、まずは何から教えるべきか……何が知りたい?」
「何も知りたくない!ぼくを離してっっ!」
リラは自らの胸を隠そうともせず、ベルトを捕まれたままジタバタと暴れている。
その未成熟な胸を見られることを恥じていないのだろう、自らを「ぼく」と呼ぶ少年的な性格がそうさせているのか。
「ちょっと痛い目を見る必要があるかな……少しはしおらしくなるかも」
エニシダはそう呟くと、リラの腰を床に押さえ付ける。
「きゃっ!」
すさまじい力にリラは否応なくうつ伏せにされた。
腰を上から押さえ付けられているので、どうにも動きが取れない。
それでも懸命にリラは腕の力だけで上体を起こそうとする。
リラの体勢が腕立て伏せのような状態になった瞬間、不意に腰を押さえていた力が抜けた。
『チャンスだ!!』
リラはとっさに眼前のモンスターボールへと手を伸ばそうとする。
だが……
「あああああっっっ!」
リラの下半身が勢いよく引っ張りあげられていく。
「あああっ、やああっ!」
リラはボールに手が届こうかという寸前に、エニシダの両手で腰を左右から押さえられてしまったのだ。
「や、やめてっ!離してえっ!」
他人が見れば、今にもバックで犯されそうに見える体勢。
リラがどんなに抵抗しても、後ろから腰を掴んだエニシダの両手は離れない。
「じゃあリラくん、君には前戯の大切さを教えてあげよう」
「ぜ、ぜん……何……」
苦しそうなリラの返事を聞かないまま、エニシダは説明を続ける。
「お客様をお相手する際に、しっかりと前戯でおもてなししないと後で君が痛い目を見ることになるんだよ」
エニシダが何を言っているのかさっぱりわからない。
だが、それがいやらしい事を意味しているというのはリラにも理解できる。
「ぼく…そんなこと、知りたくないっ、早く離してっ!」
「やれやれ、やっぱり一度体験してみないと分からないか……」
エニシダは腰を掴んでいた両手のうち、左手をリラのズボンにかける。
「さて、少女の秘密をチェックしてみるかな」
エニシダ自身もこんな少女の性器を間近に見るのは初めてなのだ。
エニシダは左手ゆっくりとリラのズボンをパンツごと下ろしていく。
白くて小さな尻が顔を出し、続けてその一番敏感な部分が見えてくる。。
「い、いやっ、見ないでっ!」
さすがのリラも尻を見られるのは恥ずかしいらしく、そう懇願してくる。
だが、それはエニシダの興奮を煽るだけの結果となっていた。
そしてリラのズボンはあえなくひきずり下ろされ、エニシダの目の前には少女のまだ毛も生えていない秘所が見え隠れしている。
「は……んっ!」
外気に晒された敏感な部分に、リラはブルッと体を震わせる。
「リラくんは男の子みたいだけど、やっぱり女の子だねえ」
「み、見ないで……ぼくを、見ないで……」
リラは思わず両手を自分の股に滑らせ、それを隠した。
頭が床に付いてしまうが、そんなことより自分の股間を見られるほうが恥ずかしい。
だが、エニシダの興味はすでにリラの股間を見物することではなくなっていた。
股間を隠すリラの手に、何か熱いものが押し付けられる。
「ひっっ!」
「さて、さっそくいただくとしようかね」
リラの角度からは何が押し付けられているのかさっぱりわからない。
だが、その直感が「それを拒絶しろ」と伝えていた。
続きは昼くらいに。
需要はなさげっぽいが…
>>91 GJ!
是非とも続きを投下してください職人様。
腰をエニシダの両手に掴まれ固定されたまま、リラの股間で繰り返される攻防。
股間を隠すリラの手の甲がその熱い異物の侵入を必死で阻止する。
「なかなか頑張るねえ……じゃあ、これならどうかな?」
背後から聞こえるエニシダの声と共に、その熱いものが上へと移動していく。
リラはとっさにその意図を理解した。
『まさか、おしりに入ってくるの?』
手の甲に押し付けられた感触から、その熱棒の太さは想像できる。
あんなものがお尻に入ってきたら……
『ぼく、こわれちゃうッ!』
「だ、だめえーっっ!」
恐怖にかられたリラは思わず股間を隠していた手を尻穴に伸ばそうとする。
「ざんねんだったね」
勝ち誇るエニシダの声が聞こえた。
次の瞬間、無防備になったリラの膣口に熱いものが当てられた。
「それっ」
ブチブチッギチギチギチィィィッッ!!
「やあああああああああーーーーーーッッ!!!」
リラの絶叫がこだまする。
熱い棒……エニシダのペニスはリラの幼く小さな膣を容赦なく拡げ、裂きながら侵入していく。
「イダアアアイイイイイッッ!!」
鮮血に染まったリラの股間は、エニシダの肉棒を半分ほど飲み込んでしまった。
許容量を超える異物の侵入にリラの身体はビクビクと小刻みに震える。
「ガ…ハッ、アッ…」
たまらず、涙にまみれたリラの口から息が吐き出された。
激痛で涙と汗が滝のように溢れてくる。
腹の中は熱く、体の内側からリラを破裂させるかのようだ。
全身を襲う痛みの中でかろうじて首を傾けたリラが見たものは、自分の腰に自らの下半身を当ててうっとりしているエニシダの姿だった。
『じゃあ、今ぼくに刺さっているのは……』
エニシダの下半身、あの位置にあるものはひとつしかない。
エニシダが腰を押し入れてくる。
「お、お、おお……」
リラの少女の膣はすぐ奥まで到達してしまったが、さらに腰に体重をかけると、リラの胎内の何かが押されていくのだ。
「こ、これが……子宮を持ち上げるってやつか……」
エニシダ自身も初めての体験だ。
少女の女性器がそれを体験させてくれている。
「おぢんぢん、おぢんぢんぬいでええええっ!」
下半身を襲う激痛、そして内蔵が押されるような圧迫感にリラは恐怖で絶叫する。
バージンを奪われたばかりの少女の体験とはとても思えない。
そして、リラは感じた。
腹にねじ込まれたエニシダの肉棒が大きく膨れ上がるのを……
「おっ、イックっ!」
その言葉と共に、エニシダがビクンと体を震わせた。
エニシダが体を止めた瞬間、リラの中で爆発のような衝撃が起こった。
ドブュルルルルルルルルゥゥーーー!!
「アアアアアアアアアーーーッッッ!!」
エニシダの肉棒が幼いリラの胎内にゲル状の液体をぶちまける。
まだ生理も来ていないリラの子宮は瞬く間に精液で溢れ、満たされていく。
「なにか、なにか出てるっ、あついいいいっ!!」
「これがセックスだ、よく覚えておきなよ」
そう言い放つエニシダのペニスはまだリラの中に欲望を吐き出している。
「少女に……バージン少女の中に……中出ししてるんだ……」
目の前には自分との交尾を終えたばかりのリラがぐったりしている。
エニシダ自身も、こんなに幼い少女をレイプしたのは初めてだ。
それはあまりにも甘美で、結局ピストンの一回も出来ないまま、リラの中に射精してしまっている。
その事実に若干の悔しさを感じたエニシダは、痙攣を起こしているリラの腰に再び手を当てた。
「これで終わりじゃないよ、リラくん」
エニシダはゆっくりと腰を振り始めた。
ギチギチ、ギチギチ
エニシダが腰を動かすたび、リラの肉が悲鳴を上げる。
リラは先ほどの行為で気絶してしまっているが、興奮状態のエニシダは全く気付かない。
その幼い性器を蹂躙し、腰を叩き付ける。
「おほっ!」
ビューッ、ビュルーーッッ!
再び絶頂に達し、その子種を意識のない少女の膣内に流し込む。
抜かずの2射目を食らい、リラの子宮はエニシダの精子ではち切れんばかりになってしまった。
「ん、気絶してるのか?」
欲望をぶちまけたエニシダが、リラの様子にようやく気づく。
力の抜けたリラの膣は、その小ささから多少の抵抗は見せつつも、エニシダのペニスを精液ごとズルリと吐き出した。
鮮血まじりの精液がゴポリ、ゴポリと泡を立てながら流れ出してくる。
「っふう……少女とのセックス、こりゃ病み付きになるな」
今後もリラくらいの少女をスカウトする事は十分にあり得る。
そのためにも、まずはリラを存分に犯して耐性を付けなければならないだろう。
「となると……」
もう一度くらいやっておきたいが、気絶したリラを犯し続けても何の進展もない。
そして、リラにも自分の立場を教えておく必要があるのだ。
「……っ……」
目を覚ましたリラは、下半身を襲う焼けるような痛みを感じた。
膝まで下げられたズボン、血と白い液体でまみれた股。
そして鼻を突く生臭い匂い。
ゆっくりと自らの指を股間に這わせていく。
ニチャニチャと、粘り気のある液体を流している自分の女性器には、以前触った時とはまるで違う感触が返ってきた。
「こんなところに……おっきな穴……」
リラ自身も、こんなところに穴が開いているとは知らなかった。
「そこは女の人が赤ちゃんを産む穴さ」
リラは体に力が入らないので、かろうじて声の方向に首を回す。
そこには、エニシダが床にあぐらをかいて座っていた。
「そして、私がコイツで赤ちゃんの種を流し込んだのさ。これがセックス」
エニシダは自身の赤黒い肉棒を指差しながら答える。
リラは旅に出たのが早かったので、この手の性教育を受けていないのは調査済みだ。
リラは再び自身の股間に指を這わせた。
「ん……」
裂傷の痛みを感じながら自らの膣に指を差し入れ、その凌辱された穴を実感する。
「ぼく……子どもなんてうみたくない、うみたくない……」
リラはそう呟きながら、すすり泣いた。
「じゃあ、子どもを産みたくないなら黙って私の言うことを聞くんだよ」
エニシダはパンパンと自分の太ももを叩く。
それをエニシダが呼んでいると解釈したリラは、ヨロヨロと立ち上がる。
ボタ、ボタタッとリラの股間から凌辱の証が落ちてくる。
膝に引っかかったズボンもそのままに、ゆらゆらと近づいてくるリラ。
股間を襲う痛みに、その歩き方はがに股になってしまっていた。
「全部終わったら子どもができないようにしてやる、だから……」
エニシダはあぐらをかいたまま、反り返る自分のペニスを指差した。
「私がいいというまで、セックスをするんだ」
子どもを産みたくないリラの取れる選択はひとつしかない。
『子どもをうみたくないのに、セックス……するなんて……なんか、おかしいな』
しかし、どうしようもない。
リラはエニシダの前に立つと、ゆっくりとしゃがんでいく。
「リラくん、その穴の名前は「オマンコ」っていうんだ。さあ、自分が今からやることを言ってみな」
「はい、ぼくは……今から、オマンコを使ってセックス…します」
リラは自らの腰を下ろして、エニシダのペニスに刺し貫かれていった。
「アアアアアアアアアーーーッッ!!」
あれから数日がたつ。
リラは相変わらずタワータイクーンとしての仕事をこなしている。
エニシダはそんなリラを仕事の合間にも犯し続けた。
今も次の挑戦者の待ち時間の間に控室でリラの体を貪り続けている。
彼女には行為が終わる度に「子どもができなくなる薬」と適当なビタミン剤を与えている。
服用を止めるとすぐ妊娠するぞと言い聞かせているので、リラは島から離れることもできずにエニシダの相手をするしかなくなっていた。
「さて、そろそろ次のメンバーをスカウトしてくるか」
エニシダは自分の持つトレーナーデータをチェックする。
その机の下ではエニシダの肉棒が、犬のような格好のリラを貫いている。
驚きだったのは、リラの小さな性器が思っていたよりずっと優秀だったことだ。
何十回という挿入にも、その締め付けはまるで衰えがない。
多少拡張されてしまった感はあるが、ボクっ娘属性含め十分に需要は満たしてくれるだろう。
「よし、次はコイツをスカウトするか……んっ、出すぞっ!」
ターゲットが決まった瞬間、エニシダはリラの膣内にもう何度目になるか分からない射精を開始した。
つづく(かも)
最初だから説明が多くなってしまった。
そして次のターゲットが誰かとか全く考えてなかったり。
/\___/\
/ ⌒ ⌒ ::\
| ( ゚ ), 、 (。 )、 ::| 163:名無しさん、君に決めた! :2008/02/28(木) 10:56:40 ID:??? [sage]
| ,,ノ(、_, )ヽ、, :::| だから荒らしじゃないって
| ト‐=‐ァ' .:::| 基地外の巣窟(板違いスレ)を埋めるのは正当行為
\ / ノ=´ ::/
/`ーヽノ--一''´\
102 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:41:36 ID:PqiycS0C
鬼畜過ぎてキモい
いや、凌辱モノが好みの俺にとっては最高の作品だった!GJ!
次誰か考えてないってことは、リクエストOK?
ホウエンだから・・・ナギやフヨウやアスナなら嬉しい
>>100 GJ!
やばいぐらいツボだった。
他のフロンティアブレーンも是非!
姑息なアフィブログに鉄槌を!!!
奇蹟のカーニバル
24:00 開 幕 だ
久 々 の ,r'"⌒ヽ 祭 だ お !
/ ^ω^ \
, .-‐- くJ( ゝ-rr- 、、
/Y ,r 、 `ー r'"^〃 、 つヒヽ
,ノ '^` i! =テミ i' 天ニ ミ、 ='"^ヾ }
,/ ''=''" ノ-‐'ヾ-人,,__ノnm、''::;;,, イ
i! ,∠-―-、、 `ー'フヾ、 j
f'´ ノし `丶、 ー=ミ-JE=- /
ヾ=ニ- 彡^ 〃 ,,>、、`''ー-::,,_,,ノ
■VIP軍本スレ
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1204463459/ ■ν速軍本スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/news/1204462019/ ■嫌儲軍本スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/poverty/1204445907/ ■まとめ
http://www6.atwiki.jp/kenmo/
106 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 18:31:20 ID:T3BzpPOf
そうだね、プロテインだね
いいえ、ケフィアです
ほしゅ
110 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 00:27:23 ID:jpQGALtr
ほしゅあげ
主人公×ハルカです
ハルカの設定はゲームに準じている……つもりです
(語尾はアニメ版を意識しましたが)
いつものことですが、エロ短め+ハルカである必然性ゼロです
何時からだろう? 彼のことを好きになったのは。
ミシロタウンで彼と初めて会ったときには、まだ私にそんな感情はなかった……と、思う。
あの頃はまだ越してきたばかりの彼に対し、ある種の「優越感」に浸っていたと思う。
ただ単純に、彼がホウエン地方へやって来た「新参者」だというだけで。
でもそれは、ポケモンバトルにおける優劣や才能は全く関係ないこと……普通に考えれば、誰にでも判ることなのに。
それでも私は彼より強いと思っていた……思いこもうとしていた。
そうしないと、そうでないと、私が私を保てないから。
「思っていたより広いね、ここ」
仲居さんに通された部屋は、彼が言うように二人が泊まるにはちょっと広かった。
私達は今、二人でいる。二人で……ミナモシティの民宿にいる。
「予約したときには、もう二人部屋がいっぱいだったの」
私は広めの部屋になったことの言い訳を始めていた。
そう、この部屋は私が予約を入れて、そして……私から、彼を誘った。
「まあいいんだけど……いや、なんかさ、こう……さ。妙に照れるな」
普段は男らしい彼が、自身が言うように照れながら白い歯をのぞかせている。
そんな彼が、なんか可愛い。私は彼に釣られ、はにかむように笑った。
「……それにしても意外だな。ハルカがこんなに大胆だったなんて」
「うん……それは自分でも驚いてる……カモ」
本当に驚いてる。まさか私がここまで積極的になるなんて。
たぶん……鬱積していた気持ちが、一気に流れ出してしまったせいだろう。
まるでそれは、ダムが決壊したかのような勢い。
私の中のダムを壊したのは、彼の強さ。
彼に何度もポケモンバトルを挑み、私は連敗した。
圧倒的な強さを前に、私は彼への想いをどんどん募らせていった。つまり、私は彼に惚れ始めたのはバトルをし始めた頃から……って事かな?
それだと……一目惚れとさして変わりないのかな、やっぱり。
ただ……私が彼に惹かれたのは、それだけじゃない。なにもポケモンバトルの腕だけで彼に惚れたわけではない。
「とりあえず先にシャワー……って、民宿は部屋別にシャワーとか普通無いか」
頭を掻きながら、彼はちょっと困ったという顔。たぶん、この「場」の雰囲気がちょっといたたまれないのかな。
最後の一線を越えようとする、ギリギリの所に踏みとどまっているこの雰囲気に。
「いいよ別に……私、もう待てないカモ」
彼の袖を引き、私は彼を急かしてしまう。
大胆だなと、自分でも思う。大胆なだけなら良いけど……淫乱だって思われたらちょっといやかな。
「ずっとこの時を待ってたから……もう待ちきれないカモ」
この時のために、私は部屋まで予約して待っていたんだから。
今日が最後……私は彼にバトルを申し出るのを、最後にしようと思っていた。
本気でバトルして、気持ち良く負けて……彼に告白しようと、決めていたから。
でも負けることを前提にしていたら、本気だって事にはならないかな?
それでも……バトルの最中は、本気だった。本気じゃなければ、楽しくないから。
彼とポケモンバトルするのは、本当に楽しかった。
それは彼が強いから……彼のポケモンに対する気持ちが、とても強いから。
彼と彼のポケモン達は、強い絆で結ばれている。それはバトルを通じて強く感じてた……その絆に、嫉妬してしまうくらいに。
これだけポケモンに熱くなれる。そんな彼の強さに、惹かれていた。
この人とバトルすると楽しい。この人とポケモンのことを話していると楽しい。この人と一緒にいると楽しい。
この人と……この人と、ずっと一緒にいたい。
「待たせてたんだな……ならもう、待つこともないよ。これからはずっと、一緒だ」
彼からの返答に、私は頬を火傷したのかと錯覚するほどに熱くさせていた。
「うん……うん……」
堪えていたのは、彼への熱い気持ちばかりではなかったみたい。
ポロポロと、私はいつの間にか大粒の涙を流していた。
嬉しくて嬉しくて……今やっと、私達は大きな一線を一緒に越えることが出来たんだ。
「んっ……ん、ちゅ、ん……」
そっと寄せられた唇。そして重ねられる唇。触れた瞬間に全身を駆けめぐる痺れ。気付いたら、私は彼の首に両腕を回し抱きついていた。
「ん……くちゅ、ちゅ、んっ……ふふ、んっ、ん……ちゅ」
押しつけられる唇に隠れ、互いの舌が激しく絡み合う。
きゅっと息を吸われ舌が彼の中へ誘われたかと思えば、その舌を裏側から彼の舌が嬲るよう刺激してくる。
負けじと私も彼の舌を裏側から舐めようとすれば、彼の舌はくっと伸びて私の口、上あごを中から愛撫してくる。
凄い……キスがこんなに上手だなんて……私これだけで、軽く逝ってしまいそう。すこし膝も震えてきちゃった。
「んっ、ね……続きはちゃんとお布団を敷いてから……」
「なに言ってんだよ。待ちきれなかったんだろ?」
私の提案を無視して、彼はまた唇を重ねてきた。私はそれに抵抗する気も起きず、されるがままに彼の舌に溺れた。
ふと気付けば、彼はキスをしながら私の腰に手を当ててきて……スパッツの上から私のお尻を触ってきた。
「ちょっ、もう……ん、こんな……くちゅ、ん、ちゅ……」
抗議は唇と舌によって防がれる。そして抗議する気持ちは、彼の手つきで防がれた。
さわさわと探るような手つきは、次第に力が込められ、やわやわと私のお尻を揉み始める。
絶妙な力加減。まるでマッサージ……そう、「性感」マッサージとはこれのことね。
私の抵抗はすぐに萎え、次第にもっとしてと求める心にすり替えられる。
思わず私の方から彼の方に密着してしまった……ら、私の股間に、大きな「出っ張り」が当たってる……
「んっ……ふふ。もうこんなにしてるんだ」
嬉しかった。私ばかりが気持ち良くさせられてると思っていたけど、彼も充分興奮しているのが判って。
それが本当に嬉しかったからか……私はまた、ちょっと大胆な行動に出てしまう。
「ちゅ……ん、くちゅ……ふふ、どう?」
キスしながら、私は彼に密着して……腰を自ら動かし始めた。
服を着たままで、私達は互いの「中」を、外から刺激し合っている。
「なんか……すごくエロいな」
「ふふ……幻滅した?」
うん、ちょっとこれはあまりに痴女っぽいよね、流石に。でも押さえられなくて……
「まさか。むしろ嬉しいよ……エロいハルカは可愛いよ」
本当に嬉しいって、そんな笑顔を私に見せてくれる。良かった……それが嬉しくて、私達はまた唇を重ね激しく舌を絡める。
互いの腰も、相手に押しつけながらグリグリと動く。服の上からでも判るほど、彼のは激しく膨張してきた。
そして私は……
「ねえ……もう無理。お願い……」
私の言葉を待っていたのか、彼も限界が近かったようで……私の言葉を聞いてすぐ、彼はまず私のスパッツを一気に脱がせてきた
「おいおい……凄いな。こんなになってたのか」
「恥ずかしいこと言わないでよ……」
見て判るほど、私の股間はずぶ濡れ。スパッツと一緒に下ろされた下着からは、ほんのりと湯気が立っているのではと思えるほど。
「私ばっかりじゃなくて……えいっ! ほら……あなたのだってこんなになってるじゃない」
お腹に張り付くんじゃないかと思えるくらい、彼のはいきり立っていた。それを見るだけで、私の中が凄く熱くなるのが判ってしまう。
「ね……」
「ああ……」
彼は私の片足を持ち上げ、そして……
「んっ! く、おっき……い、んっ、あ、んっ……んあっ!」
待ちこがれていた、彼自身。私はそれを、一気に迎え入れた。
それだけで、軽く逝っちゃった。
「締め付けが……すごいな」
「だって……ずっと待ったのが、やっと……」
身体も充分刺激されていたけど、軽く逝けたのは、たぶん気持ちの方が大きかったと思う。
だからかな……私また、泣き出してた。
「……ありがとな。俺も凄く嬉しいよ」
ペロリと、私の頬から涙を舐め取る彼。そしてキス。ギュッと彼に抱きつく私。そして……激しく動く、互いの腰。
「んっ、ん……くちゅ、ちゅ、ん、んあっ! あ、い、ん、すご、すごいよ……ふぁあ、これ、い、きも、ち、い、あっ、ん!」
ギチギチと私を中から圧迫する彼。何度も何度も、彼は私の奥を激しく突き続ける。私はそんな彼のものを、ギュッと絡まるように締め付ける。
これだけ互いのものがキツイくらいに密着しているのに、互い動きは激しさを増していく。
私の愛液が潤滑油になっているのは当然だけど、その量が凄いことになっているから……カモ。
「ハルカ……いいよ、お前の中……すごい……気持ちいいぜ」
「ほ、ほん、と? うれしい……んっ! わたし、も、あなた、の、すごい、すごくいいの、きもち、い、いい、んあっ! すご、い、の、い、い、いいっ! ふぁ!」
気持ち良くしていること。気持ち良くして貰っていること。感じあっている事。繋がっている今。心も体も、私は今最高潮に達しようとしている。
「い、いく、このま、ま、いく、いくの、いっちゃ、う……」
「ああ、逝け、逝けよ。俺も……」
「いっしょ、いく、なら、いっしょ、いっしょが、い、いい、いくから、いっ、て、いって、いく、いく、いくか、んっ! わ、もう、いく、いくから、いく、いっ、い、ん、んあ、ん、んんぁああ!!」
痛いほどに、私は彼のものをぐっと締め付ける。と同時に、私の奥に熱い熱いものが勢いよく吹き付けられていく。
「あぁあ……ふふ……すごぉい、垂れてるよ……」
下を向けば、私達を繋いでいるところから白濁液が漏れ出ているのが見えた
「ホント淫乱だなぁハルカ……でも、そんなハルカが好きだぜ」
「ふふ……嬉しい」
ぎゅっと、私は彼に抱きついた。淫乱って思われるのは恥ずかしいはずなのに……それも含めて好きといってくれたことの方が、嬉しくて。
なんか……淫乱でも好きなんて言われたら、私もっと淫乱になっちゃいそう。
*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
「ん、もっと、もっとぉ……ん、い、おく、おくにぃ、とど、く、んっ!」
事実、私はもっと淫乱になっていた。
布団を敷く間も惜しむくらい、私達はずっと絡み合っていたかった。
それでもこのまま立ってするのは……と、とりあえず手早く敷き布団だけを敷き、私達はすぐにまた抱き合っていた。
私も淫乱だけど、彼も凄くエッチで……もうこれで、何度目だろう? と忘れるくらい抱き合っている。
今は……後ろから、激しく突き入れられているところ。
私は四つんばいになり、後ろから彼にのしかかられ胸を揉まれながら、激しく責め立てられている。
「なんか、ん、すご、あっ! ど、どうぶ、つ、みた……いっ、あぁあ!」
「動物っていうか……くっ、ポケモンか? バトルだな、まるで……」
野獣、という方がしっくり来るかも。それほど私達は激しく求め合っていた。
声もまるで獣……喘ぐ声を抑える気は、二人ともまるでない。
今更ながら……広めの部屋で良かったカモ。
「ハルカ……お前、こっちは?」
「ちょっ、そこ……ん、おし、おしりぃ、ゆび、いじら、なっ、んあぁ!」
「クク……感じてるな?」
彼が腰を振りながら私のお尻……菊門をいじりだした。彼の指使いが巧みで、思わず声を上げてしまったけど……
「ハルカは本当にエロいな……ここも開発済みか?」
「ちが、そこ、は……んぁあ!」
「誰に開発して貰ったんだ?」
「ちがう、の、じっ……じぶんで、んっ! そん、な、いじっちゃ……」
そう……好奇心でちょっといじってみたら……気持ち良くって、なんとなく……ね。
「なら……俺がもっと感じられるようにしてやるよ」
言うやいなや、彼は指を僅かに、菊門に入れて……
「う、ご……んっ! うごかさ、ない……いやっ! かっ、こんな、かんじちゃ……んっ、いやぁあ!」
入り口をグリグリといじられながら、腰は激しく動いたまま。
膣の快楽と菊門の新しい感覚が入り交じって、私の獣が暴れ回る
「こんな、よ、よすぎ、いやっ! かんじちゃ、う、なん、んぁあ! これ、じゃ、へんた……いっ!ああ!」
「なっちゃえよ、変態に。感じてくれよ……喘いでるハルカ、俺もっと見たいよ」
「そんな、こと、いわれた……んっ! わた、し、と、とまらな……くっ、んぁ! かんじ、ちゃ、いっ! ふぁ、い、いい、のぉ……」
彼の言葉は、まるで魔法だ。見たいといわれれば……全てを見せてしまいたくなる。
淫乱な獣。野生のポケモンよりも手が付けられないくらいいやらしくなった私を、もっと見て欲しくなっちゃう……。
「尻いじられながらいっちゃえよ……俺も、逝くから……」
「うん、うん……わたし、おしり、いじられて、いっちゃ……いっちゃ、う、ん! いっ、きもち、よすぎ、て、いっちゃ、い、いく、いく、いく、いっちゃ……ん、んあぁあああ!」
膣も、そして菊門も、ぎゅっと彼を締め付けて放さない。ビクビクと私は激しく身体を振るわせ、何度目かの頂点を味わっている。
もちろん、膣の中は彼がくれた白い愛情で満たされている。
「ふあ……ん……ねえ、ちゃんと責任、とってよね?」
「ん?」
「私を変態にした……責任」
彼の手で、私がどんどんいやらしくなる。それが……こんなにも心地好いなんて。
まるで私が彼のポケモンになったみたい。私は彼によって、いやらしく、エロく、育てられちゃうんだ……
それが、幸せ。トレーナーに育てられるポケモン達もこんな気持ちなのかな?
「俺のトレーニングは厳しいぞ?」
「うん……それでも、ついてくよ……大好き」
唇がふやけるくらいに、もう何度も交わした口づけ。彼のトレーニングは、まだまだ続いていく……。
以上です。本当に短くてすまないorz
乙。
読んでないけど
116 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 02:16:20 ID:/f70IxeY
乙
読んでないけど
乙
俺も読んでないけど
>>115-
>>117 こういうことやると書き手が減るぞ、もっと書き手のこと考えてやれ。気に入らないならスルーすればいいだけの話だろ
うむ。だから厨臭いと言われるんよね
乙!心理描写とか良かった!
乙!
あっちの方も見てるんで頑張ってくれ
あっちの方?
作品にケチつけたり読んでないとかわざわざ言うやつって何なの?
苦手だと思ったら何も言わずスルーすれば良い。
頑張って書いた作品を嫌いとか読んでないとか
言われたらそりゃ書き手は書く気無くすよ。
頼むからそういうこと止めてくれ。
ミニスカートのエリの更なる続編マダー
表現の自由を侵害するマイクロソフトに徹底的に抗議しよう!
[email protected] ファミ通へのお問い合わせメールアドレス
内容例
今回、子供の人権保護を盾に表現の自由を侵害しようという忌むべきキャンペーンに、
マイクロソフトが協賛されたことについて、まことに遺憾であります。
もはやこのような企業はゲーム業界にとって害悪でしかなく、
ファミ通編集部の皆様には即刻、
マイクロソフト製のハードに関する記事を削減していただけることを願っております。
https://support.microsoft.com/contactus2/emailcontact.aspx?scid=sw;ja;1238&ws=japan Contact Us マイクロソフトへのご意見・ご要望
内容例
このたび「なくそう!子どもポルノキャンペーンのネット署名受け付け」に
貴社が賛同されたことについて遺憾の意を表明いたします。
児童ポルノ法を改正することにより
アニメやゲームなどのキャラクターへの性描写までもを禁止しようという主張ですが、
アニメやゲームを規制対象にしてしまえば表現の自由を著しく侵害することとなります。
そもそも架空のキャラクターに年齢が存在するとは限らず、
18歳未満かどうかを確認する方法は皆無と言っていいでしょう。
貴社がこれ以上、表現の自由に対する弾圧を続けるのであれば、
わたくしが貴社の製品を購入することは二度とございません。
今回のことについて謝罪をしていただけないのであれば、
知人にも貴社の製品の購入を控えるよう呼びかけてゆく所存であります。
貴社の良識のある判断をお待ちしております。
あんまりやり過ぎると反感しか起きないぞ
ま、気持ちは分かるけどね。実際情報規制されててネットしてない人には情報回らないから
ナタネ×サトシまだー
某所のマゾゲーに感化されて原作設定のポケモンを基準にeramakerを改変したりしてみてるんですが、
こういうのってここでうpしてもよろしいもんなんでしょうか
神の光臨をお待ちしております
わかりました、ありがとうございます
がんばって見ます
>>136 トンクス。かなりありがたいです。
最初のキャラを助手にしたいのですが、どうしたらレズッ気はあがりますか??
ぬぁ、しまった…現状助手がいないとレズっ気うpできないので、
ちょっとその辺条件変更してみます…申し訳ない
>>138 やっぱそうか。
売れる条件+従順4以上とかでいいんじゃないか?
向こうに書こうかと思ったが、こっちに要望かきます。
胸責めが1つしかないのが個人的に嫌なんで、乳首責めや搾乳が欲しいです。
後無理だとは思いますが、売れる条件を満たす前からでも
出かける時にバイブ入れたままや、下着なし超ミニスカ等で出かけるとかでも調教させれると楽しいです。
140 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 13:22:11 ID:D2PfZ/7U
やらないか
ポケモンと?(´・ω・`)
夜のバトルフロンティアの続きまだかな…いい加減服を来た生活が恋しくなってきた
なすびさんの気持ちがわかったかい?
電波少年の懸賞生活
146 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 21:06:37 ID:t0BBLoQY
保守
147 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 23:22:07 ID:ENPjA0Oa
age
148 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 10:58:39 ID:zucXCvNt
ここってGC作品のSSはないの?
大道芸人とか大道芸人とか大道芸人とか。
149 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 10:52:20 ID:8nYARLEh
シンシロが読みたい。
年上に弄ばれるシンジで。
亜空切断
151 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 23:36:12 ID:AGNgZQEP
ほしゅ
ポケモンハンターJ「くっ…!この縄をほどけ!!」
シロナ「アナタがポケモンの生態系を乱すのを見過ごせないわ」
J「くそっ、お前如きに捕まるとは」
シロナ「‥どうやら教育が必要みたいね」
J「な‥貴様、何をする気だ!?」
シロナ「こうするのよ」
J「んんっ!?んんんーーーっ!!」
シロナの突然のディープキスに戸惑うJ
J「ぷはっ!‥な、何を…!?」
シロナ「言ったじゃない?アナタへの教育よ」
J「貴様、正気か!?女同士でキスするなんて…!」
シロナ「あら?これぐらいで狼狽えちゃうなんて意外とウブねぇ。こんな男好きしそうなカラダをしてるのに」
シロナがおもむろにJの巨乳を揉みしだく
J「ああっ!んっんっんっ…やめ…あふん」
シロナ「へぇ〜感度いいわね。でも、この顔を赤らめた過剰な反応…。もしかしてアナタ、処女かしら?」
J「……!くっ…」
思わず顔を背けるJを見て、舌なめずりをするシロナ
シロナ「‥久々に初物を食べれそうね」
(続き)
シロナ「やっぱり処女膜が残ってるわね」
J「や…やめろ!見るな…!」
後ろ手に縄で拘束され、うつ伏せの状態で服を脱がされ一糸纏わぬ姿のJに、シロナが指で小陰唇を開いて覗きこんでいる
シロナ「綺麗な色してるわ…」
J「‥そんなところみる…ああああっ!!やめ…っ!!」
べろんべろんと、処女マン裂全体を剥き出しにされ舐められたJは、たまらず矯声を上げてしまう
J「はうううう〜!!」
シロナ「Jのココ、気持ち良さそうにじゅんじゅんいってるわ」
ふぅーっ、息を吹き付けただけで、キュンキュンさらに激しくH収縮する秘唇
更に繊細な指先がJを掻き回し、出し入れされると異様なほど密液が垂れ落ちた
J「ああ…はあはあ…」
シロナ「ふふふ…じゃあ、私も気持ちよくしてもらおうかしら?」
レズアクメ痙攣により朦朧としているJの目の前に、異物が差し出された
J「……。えっ!?そんな馬鹿な…!!」
Jが驚くのは無理もなかった
何故なら、Jの眼前に突き付けられたモノはまごうことなく男性器そのものであったからだ
J「き‥貴様、男だったのか!?」
シロナ「失礼ね。ほら、正真正銘、女よ」
シロナがガバッと両腿を開くと、確かに女性器が愛おしそうにわなないていた
シロナ「ただ違うのは興奮すると、クリトリスが男みたいに大きくなるのよ」
言い終わらないうちにシロナの女ちんぽがJの口内に捻じ込まれた
J「んんんーー!!うぐっうぐっうぐっ!」
シロナ「どう?これからアナタの処女マンコに、このぶっといモノが挿入っていくのよ?」
J「んぐぐぐっーー!!」
蹂躙放題の咽喉にこみ上げる嘔吐感と同時に、膣穴に得体の知れない脳乱戦慄を覚えたJには、もはやシロナに抗うことが出来なかった…
(続き)
J「はんあんあんんんんんんぅーー!!」
まんぐり返しにされ、秘唇を舐めじゃくられながら、シロナ自身をしゃぶらされるJは、襲いくる快楽の衝動にうち震えていた
き…気持ちいいっ!!
普段、冷静沈着な姿とは裏腹に、初めて知ってしまった性の快感に流されるJは既に理性を失った、ただの牝と化していた
駄目だ…このままでは…私は…
その時、Jの口からシロナ自身が引き抜かれ、クンニを止めたシロナがJに声をかけた
シロナ「‥これくらいで赦してあげてもいいわよ?」
J「えっ!?」
シロナ「さすがに初めてなのに私が奪ってしまうのも可哀想だし…」
そんな…!ここまで私を弄んでおいて、今更やめてしまうなんて!!
シロナ「どうする?」
Jの全てを見透かしたシロナの妖艶な笑みに屈辱を覚えつつも、心地よい敗北感に打ちのめされたJの答えはひとつだった
J「お願い!私をめちゃくちゃにしてーー!!そのおちんぽで子宮の奥の奥まで掻き回してーーーーーー!!!」
ぐぐぐぐぐっ!!
めり込むほどに強まる反発力を押しのけて、限界的に張り詰めた薄壁ヴェールをシロナはバックから更に突き立てネジ込んだ
(続き)
J「あっ、うあああああーー…い、痛ぁーーいぃ〜っ!!」
ブチブチッと肉切れの音がしたと思うと、途端につんのめり、根元まで繋がり合った
J「ああああああああっーー!!」
ザクザクザクザクザクザクッーー!!
激しい陵辱ピストンに、メッタ刺しにされた処女膣穴から破瓜血とマン汁がシーツ中に飛散する
シロナ「いいっ!いいわ!アナタ、最高よ!!」
J「もう、イカせて!はやくぶちまけてくれないと、私、死んじゃうぅ〜!!」
さらなる肉刻ストロークに、はらわた全体が揺さぶられ、Jは淫らに弾けた
J「うああああああああっーー!!イクッーー!!」
シロナ「イキなさい!J!!」
びゅるびゅるびゅるーー!!
Jの胎内から迸る灼熱が溢れ返った瞬間、二人は果てた
シロナ「はあはあ…」
J「ああああ…」
絶頂にうち震えるカラダを気だるく動かしたシロナは、Jの耳元でそっと囁いた
シロナ「まだまだ教育はこれからよ」
J「はい…。もっと教えて下さい、シロナお姉様…」
(完)
GJ!
自演?
>>157 なんでも自演っていうのは良くないよ
世の中にはさ、投下されたものには全てGJって言わないといけないと思ってる人もいるし
ミニスカートの太ももズリってどけにある?ってか、覚えてる人いる?
間違えた
どこにありますか?
ここは携帯からの投下も有りですか?
ヒカリ×ハルカとか需要ある?
アニメ基準ではなくゲーム基準の。
ない
>>163 俺は見てみたい、ゲーム版の性格というのも興味有るし。
最近質が落ち始めたな
ふたなりや百合もののせいで
そんな事を言うから過疎るんだぜ
>>163 需要の有無を聞くよりもまずはうpをするんだ
俺が美味しく頂くから
久々にダイパやり直したけど、思った以上に主人公と関わる女キャラ多いな
ハーレムものでも書きたいが構想が思いつかん/(^o^)\
(作者の)みんな何処へ行った〜♪
投下してもケチを付けられるか、わざわざ読んでないと書き込まれるだけなのに
それでもまだ作者がいてくれてると本気で思ってる?
とりあえず作者の一人は、もう投下しないって某所で書いてたな
餓鬼共が
少し前は賑わってたのにな
なんでこんな寂れたんだろ
まあ原因は火を見るよりも明らかだろうけど
感謝の気持ちがないもんなぁ
それでもシェイミなら…シェイミならなんとかしてくれる
作者に感謝するでしゅ
みんないやになって、半端なとこでやめちゃったもんなぁ
せめて契りを結ぶ者は最後まで読みたかった…
誰かがエロパロ向きじゃない的なことを言い出したからやめたんだったっけか?
俺はエロくなくてもあれは好きだったのになぁ…
>>181 あれは板違いだったんだから仕方ないだろ…
サトカス・シュウハル・シンヒカ公式!
184 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 17:11:06 ID:jrDjwDvN
>>182 まあそうなんだけどな…
そういえばあの作者(かるび氏だったかな?)は続きをどこで書くか決まったら連絡くれるみたいなこと言ってなかったっけか?
まだ連絡来てないな…
上げちまった。すまん
>>184 数ヶ月間放置していたにも関わらず、楽しみに待っていて下さる方がいらっしゃったことに、
思わず目頭が熱くなりました。ありがとうございます。
現在、ホームページビルダーを購入して自分のサイトを作成中ですので、もうしばらくお待ちください。
>>186 自分用のホームページ作るの作るのってそんなに大変なのか…急かすようなこと言ってごめんな
>>186 気長に待っています
機会があればエロ盛りバージョンも是非w
>>186 いつまでも待つんでじっくりやってくだせぇ
近いうちに投下したいのですが、携帯だと、1レスに全角何文字くらい書き込めるのでしょうか。
度々の教えてちゃんですみません
>>191 ありがとうございます。やっぱり携帯だと少ないみたいですね
>>192 ごめん質問の意味を間違ってた。俺も分からないorz
>>193さん何度もすみません。
とりあえず、適当な間隔で書き込んでみますね。
需要があるかはわかりませんが、多分一週間以内に、バトラー×ダイアンを投下しに来ます。
195 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 10:53:54 ID:lS34ywc5
シロナ程の実力なら相手がルールを守らない反則技や違反行為(10体以上を一度に繰り出す)をしても、
『普通のポケモンを使ったポケモン同士のバトル』なら並みのトレーナーなら足元にも及ばない筈だった。
しかし、相手がポケモンバトルのタブーの一つ。トレーナーにポケモンの技を浴びせると言う暴挙を行い。普通のポケモンバトルと思っていたシロナは眠り粉+風を操る技のコンボを不意打ち同然で故意にマトモに浴びて深い眠りに落ち倒れてしまい
気が付いた時には地獄の宴が始まるとも知らずに、すーすーと寝息をたてながら熟睡していた。
ってのを考えた事がある
この前eraをうpしたものなんですが、
近いうちに新バージョンをうpしてもよろしいでしょうか…?
色々要素とかキャラとか追加したのでー
うp頼みます
>>195 寝息をたてながら熟睡していたんなら気が付いてないような
>>198 だから目が覚めた時には地獄、なんて知る訳も無く今は寝てるって事だろ
なるほど、読解力もないのにしたり顔でレスするような奴が
読まないとかレスをするのか。
読まないんじゃなくて読めないんだろうが
皆さんの応援のおかげで、このたび、個人サイトを立ち上げることができました。ありがとうございます。
以前、お約束したとおり、私の小説、「契り結ぶ者」の全年齢バージョンと、その続きを展示しています。
前スレ ポケモン その11ブイまでに投下していたものが、1〜18話なので、
その続きは、19話ということになります。
数ヶ月もの間、お待たせしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
これからも、私の小説を、よろしくお願いします。
ttp://www14.ocn.ne.jp/~snow2003/index.html
おめでとう&乙
これからはそこにお邪魔させてもらうぜ
乙。待ってました。
大好きな作品だったからこれからも頑張ってくれな。
結局ヒカハルの人は投下しないのか……しないよな、あれじゃ
相応の板でやらん奴は叩かれる
百合って何にも反してなくね?
>>194です。
投下しに参りました。
シチュは、始めのほうはダイアンがいじめられてますが、最後はいちゃついてます。
あと、携帯からの投下なので、読みづらいかと思います。
初めて書くので、そんなにエロくないかもしれませんが、暇潰し程度になって頂ければ幸いです。
ぐちゅり、ぴちゃり
ぶうううぅぅん…
秘境の闇からきこえてくるのは、妖しい水音と、嬌声。そして羽音の様な振動音。
行われているのは、男と女の、卑猥な遊戯。
ふたりっきりの、狂わしき、宴。
―狂宴―
「あっ、ああん…、もう、だめっ…許してぇ…」
「…まだだよ、ダイアン。入れてから10分くらいしか経ってないじゃないか」
「そんな、バトラー…ああぁんっ!!」
びくん、と、ダイアンと呼ばれた女性の身体が跳ねあがり、がくりと地面にくずおれた。
彼女は一糸纏わぬ姿で、秘所には少し短目の、手品で使われるようなステッキが挿し込まれている。
一方男の方は、きちんと服を着ており、女があえぐのを、そばで眺めていた。
「もうイッてしまったのかい?ココがもうグショグショだ」
「はぁ…そ、そんなこと…いわないでぇ…」
バトラーと呼ばれた男は、ステッキについた愛液を指で掬い取ると、ダイアンの目の前で、ぺろりと舐めて見せた。
もとから赤みがさしていたダイアンの頬が、羞恥で更に紅潮する。
「イッた顔も凄く素敵だったよ。だが君は我慢ができなかったね。そんないやらしいダイアンには、お仕置きが必要だな」
バトラーは、彼女を仰向けにし、おもむろにステッキに手を伸ばすと、スイッチに触れた。
これから起こる事を予想したダイアンの背中に、ぞくり、と冷たい嫌な汗が流れる。
「お願い、もうやめて…」
カチッ、ブウウウウウウウゥゥゥンン!!
「いぁあああああああん!!」
涙混じりの懇願も届かず、ステッキの振動が強くなり、ダイアンは悲鳴ともつかない嬌声をあげた。
強い快楽に身体が震え、蜜壺からは甘くいやらしい蜜が溢れて、ステッキ伝いに地面を濡らす。
そんな扇情的な姿に、バトラーは薄く、しかし満足げに笑みを浮かべている。
「それがそんなにいいのか?自分で胸を触るくらいに」
「え…?ぁ、ふあぁっ」
彼女は言われて始めて気が付いた。無意識の内に快楽を求め、自らの胸を揉みしだいていたのだった。
恥ずかしさに慌てて手を引っ込めるが、
「何故途中で止めてしまうんだい?素敵なショーだったのに」
遠回しに「続けろ」と言われ、再び胸を弄び始めた。
ダイアンの華奢な手が、やわらかく豊かな胸に食い込み、滑らかに表面を滑っていく。
「…はぁ…あっ」
手に少し力を入れて触れるだけで、丸く大きなマシュマロの様に、変幻自在に形を変えた。
「あん、やぁっ」
時折、ピンク色の小さな突起に手が触れると甘い声が大きくなる。
「あぅん!」
「ふふふ…ダイアンは本当にいやらしいな」「いやっ、みないでぇ…」
「そうだ、片手はこうした方が気持ちイイだろう?もっと足を開いて…そう、いい子だ」
半泣きになりながら訴えるダイアンを無視し、バトラーの要求は更にエスカレートする。
片方の手を胸、もう片方の手で陰核をまさぐらせ、両足もM字に開かせた。
「素敵だ、素晴らしいよダイアン。恥ずかしいところも丸見えだ。…ここもさっきより濡れているね。どうやら気に入って貰えたようでよかったよ」
「………」
「どうしたんだい、もっと声も聞かせてくれ」
「…んっ、あっ…はん…」
「本当に君は淫乱だな。わたしがいないときは、いつもこうやって、ひとりで慰めているのか?」
「そ、そんなこと…」
「ないことはないだろう。わたしとのセックスを想像しながら、そこをビショビショにしていたんだろう?」
「………」
ダイアンを意地悪く言葉攻めにしながらも、この時点でバトラーはかなり欲情しており、彼の足の付け根には、大きな膨らみができていた。
すぐにでもダイアンを組み敷いてしまいたかったが、辛うじて抑え込み、快楽と羞恥にあえぎ苦しむ彼女の前で、下着ごとズボンを脱ぎ捨てる。
案の定、彼の分身は雄々しく勃ち上がり、びくびくと波打っていた。
「君を見ていたら、わたしがこんなになってしまったよ。君の口で、これを鎮めてはくれないか…」
バトラーは、少し怯えた様子のダイアンの前に膝立ちになると、己の分身を突き出した。
ダイアンは、振動であまり力が入らない身体を重たげに起こし、おずおずとバトラー自身に両手を添え、口付けた。
ぺろ…ちゅうっ、ちゅっ
始めは周りをちろちろと舐めたり、先端をついばむようにキスをしていたが、徐々に口全体で包み込むように、バトラーの分身をくわえ込んだ。
歯を立てないように注意しながら、全体を丁寧に舐め上げる。
ステッキから与えられる快感に耐えながら、ゆっくりと、まるでニャルマーの毛並を撫でるように、ぐるぐる、そしてねっとりと舌を動かす。
時々、先端が喉の奥に当たったりもしたが、咳き込みそうになるのを抑えて、愛撫を続けた。
「くっ、イイっ。気持ちいいよ…ダイアン。もっと、もっとだ…」
彼は恍惚とした表情で、自身へと与えられる快感に身を任せている。
バトラーに促され、ダイアンは更に強く、口の中で締め付ける様な舌使いで彼を吸い続けた。
その時。
びくん!
一瞬、バトラーの身体がのけぞった。
「く…出る!」
その言葉と同時に、口に含まれたままのソレが膨れあがり、爆発した。
びゅる、びゅくびゅくっ!びしゃっ
「うぐっ…げほっ、ごほぉっ」
欲望を口中にぶちまけられたダイアンは、生臭さと息苦しさに耐えられず、口を離して咳き込んだ。
それでもかなりの量を飲み込んでしまったようだ。
喉の奥に苦味を感じる。
一方のバトラーは、射精が止まらず、咳き込むダイアンの顔や髪、身体にもぶちまけた。
びゅく、びしゃ、べしゃ…
べとべととした白濁液を全身に浴びせられ、それがもともとの色っぽい容姿とあいまって、ダイアンを更にエロティックな姿へと変えていく。
そしてようやく射精がおさまり、隣でまだ咳き込んでいるダイアンのほうに向き直ったバトラーは、その瞬間目が釘付けになった。
ほてって桜色に染まった身体に、まんべんなくかかった白い液体。
まるでコンデンスミルクをたっぷりとかけた苺のように、ダイアンの身体が艶やかに輝いている。
すでに我慢の限界を越えていたバトラーの中で、何かがぷつりと音を立てて切れた。
こちらもやっと咳がおさまったダイアンがバトラーを見ると、何故か服を乱暴に脱ぎ捨てながら、こちらへと迫って来ている。
「ば、バトラー。…今度は、何を…?」
しかし彼はダイアンの問いには何も答えず、いや、この行動こそが答えだったのだろう。
たった今口の中に出したにも関わらず、ダイアンの腕を掴み、深く口付け、そのまま地面に押し倒した。
「ん、んむぅ…ぁん」
乱暴で無理矢理だが、深く濃厚で、とろけるような甘いキス。
ダイアンも始めこそ少し抵抗したが、だんだんとされるがままになり、やがて自分からも、ねだるように舌を絡め合う。
掴まれた腕が離れると、引き寄せるように、バトラーの首に手を回した。
離れた手は胸へと移り、膨らみを揉みしだいている。
どれだけの間こうしていただろうか、しばらく経ってようやく、ふたりの唇が、惜しむように糸を引いて離れた。
「…バトラー?」
「どうやら、本当に我慢ができなかったのは、わたしの方だったようだ。君を食べてしまいたくて、たまらないんだ」
「ふふ、そんなに欲しかったなら、すぐに食べてくれても良かったのに」
「一番好きなものは、最後まで取って置きたいじゃないか」
「何だか子供みたい」
「そうかな?それに、君のエッチな姿も、ゆっくり見ていたかったし」
「もう…バカ!!」
ダイアンが少し膨れて、怒ったような仕草をして見せると、バトラーも愛おしげに微笑んだ。
「そろそろメインディッシュの時間だな。…これももう、外すよ」
言いながら、ダイアンに打ち込まれたステッキに手をかける。
「お願い、そうして。わたしもこんなオモチャよりも…その…あなたが…欲しいの…」
恥ずかしいのか、ダイアンは赤面し、うつ向き加減で口ごもる。
そんな彼女の頬をそっと撫で、バトラーが囁いた。
「優しくは、できないぞ?」
「ええ…激しく、して?」
バトラーは、ダイアンの片足を持ち上げると、秘部からステッキを引き抜いて投げ捨てた。
「ひゃあん!」
そして間髪入れずに、今度ははち切れんばかりに猛った分身をそこにあてがい、そのまま勢いよく貫いた。
ズブブブッ
「ああっ、ひあああああぁぁぁぁああん!!」
「…くっ、ううっ」
襲ってきた快楽に女は叫び、男は顔をしかめた。
やわらかいはずの膣内が、肉棒をきつく、強く締め上げ、二人を更に高めていく。
我慢していた分のタガが外れたのか、バトラーは一心不乱に腰を振り続けている。
本当に、優しくはできなそうだ。
「はっ、バトラぁっ、やっぱり、あなたが…ぁっ、いちば…ああんっ、イイっ…ぁ…」
「わたしもだ、ダイアン…くっ、…君の中は…すごく熱くて…はぁ、溶けてしまいそうだ…うぅっ」
「もっと…奥まで来て…。わたしをめちゃくちゃにして、壊して…ひぁんっ」
バトラーが腰を打ち付ける度に、ジュプジュプと水音が響き、ダイアンもそれに応えるように、律動に合わせてなまめかしく身体をくねらせ、美しい声で鳴いた。
まるで獣が体を交えるように、お互いに身体を求め、激しく漁り合っている。
絶頂は、もうすぐそこだ。
「わたし…あ…もう、ダメ…イくっ、あぁん、イっちゃううぅ!」
「わたしももう、限界だ…。一緒に、イこう。…ダイアン、愛している…」
「ば、バトラぁあああああぁぁぁぁあんんっ」
「くぁああっ」
ドプッ、びゅくびゅくっ…
ダイアンの中に大量の精液が注ぎ込まれ、ふたりは同時に果てると、その場に力無く崩れ落ちた。
自然と、肉棒がずるりと引き抜かれ、おびただしい量の白濁液が、蜜壺からドロドロと滴っている。
ふたりとも、すでに起き上がるだけの体力を失い、生まれたままの姿で眠りに落ちていった。
『…ダイアン、愛している…』
幸福感に包まれ、ぼんやりと霞んでいく意識の中で、ダイアンは、果てる時のバトラーの言葉を思い出し、心の中で微笑み、呟いた。
「バトラー、あなたを本当に…愛しているわ…」
Fin
翌朝
「くしゅん!」
「へっくし!…うぅっ、何だか寒気が…。風邪ひいたかな?」
「ひいてると思うわ。こんな外で一晩中、裸で寝てればね。くしゅん!」
「何だかお腹の調子も悪いみたいだし、今夜もエッチできるかな」
「やめときなさい」
「いや、風邪をひいているからこそ、激しく汗をかいて…」
「呆れた。わたしはイヤよ」
「でも今度はダイアンが、わたしを攻める番だし…」
「今日でなくても、別の日にすればいいでしょう!」
「そうだ、夜がダメなら、今やろう!」
「え?…ちょ、まっ…やだっ、バトラー…きゃ、あぁんっ」
かくして、朝っぱらから第2ラウンドが始ま……
バチーン!!
「痛ぁっ!」
…らなかった。
おまけ 終わり
バトラーとダイアンは萌えるよな
GJ!!
ギラティナによるダイパ女主人公陵辱ってシチュが見てみたい
下手したら1000年ぶりくらいのポケモン以外のメスの動物との遭遇。そして幼くまだ男を知らない未成熟な身体から発するメス独特の匂い。
それはギラティナを狂わせるには条件が揃いすぎていた故の惨劇
ディアルガやパルキアじゃダメなのか
ここってポケモン×ポケモンは駄目なの?
>>201 乙!
もし良かったら携帯からも見られるようにして欲しい…orz
おこがましい
携帯なんてサイトが見れなくて当然
PCも扱えない化石頭かPCも買えない貧乏人かは知らんが諦めろ
なるほどな…募金もしない奴の心境がわかった気がする…
ジュン×ヒカリを書いていた者です。
只今アリスとダークライを書いていますが、何か擬人化入りそうです。
すみません。
そう言えば続きが…
ここの連中はダークライのどんなイメージがあるんだろう?
原型・擬人化問わず
映画見てないからダークライと言われるとかるび氏の甘党娘しか思い浮かばない…orz
・老人(声)
・足の形が自在(触手にもなるんじゃね?)
ゴースみたいに、実体が無い闇そのもののポケモン
アリシアじゃなくてアリス?どっちも萌えるからいいけど
ダークライはとりあえずいい男って感じするな。安部さんじゃなくてな
229 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 18:12:39 ID:UG1TwxvT
ポケモンは金銀までしか認めてないのは俺だけ?
今のポケモンはデザインが駄目だ
お前だけじゃない
懐古厨はみんなそういってるから安心しな、懐古厨
231 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 23:01:13 ID:UG1TwxvT
いきなり厨呼ばわりとか^^;
これだからゆとりは嫌いなんだよ^^;;;
俺の中ではポケモンは金銀で完結してるから
そうかーよかったなあ
>>231 だからなんだ?お前はなんて返事して欲しいんだ?
>>229 同意
俺も金銀までしかやってないけど、金銀が最高傑作だと思ってる
今のポケモンはなんというか生き物感がある奴がいないし、みんなロボットみたいで気持ち悪いわ
そこで擬人化ですよと突っ込んでみる
ポッチャマやらミミロルがロボットに見えるとしたら相当病気だな
たしかにロボットみたいのはいるけど、それがすべてみたいに言われるとなんだかなー
なんか今のポケモンってさ、現実にいたらおかしいようなきもいのばっかじゃん
金銀まであった現実にいてもおかしくないリアルさがない
批判の理由が
現実にいたらおかしい(笑)
懐古厨は帰れよ。
初代ビリリダマとかコイルとかポリゴンとか居るんですけど
重ねて言うが、嫌なら来るな
別にどのシリーズが好きかなんて自由だし構わないんだけど
他のシリーズを悪くいうのはどうかと思うぞ
ていうか新しく出るたびに年をとっていくから感じ方が変わっただけじゃないのか
全部好きな人もいるんだからそういう人に失礼だよ
サトハルキボンって書きに来たのに書きにくいふいんき(なぜかry
今のポケモンは俺の知っているポケモンじゃない
俺の思い出の中にあるポケモンじゃないといけないのに糞任天堂が・・・
244 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 16:47:12 ID:qwwqH07Y
age
もう一度言う
嫌 な ら 来 る な
246 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 17:42:15 ID:qwwqH07Y
いや、ポケモンは好きなんだよ俺は
でもルビーとかいうのからシステムとかデザインとか酷い劣化になったじゃん
金銀が最高傑作だって分かりきってるのになんでルビーとかダイヤとかのゆとりポケモンも含めてるのか意味わからないだけ
初代・金銀限定でやって欲しいっていうのは俺だけじゃないはず
これはひどいワガママ
>>246 戦闘が面白くなったのはルビサファからだ。
いいから帰れよ懐古厨。
我侭が聞き入れられなくて暴れてるゆとりのいるスレはここですか?
嵐はかまうな
かまうからつけあがるんだ
空気と思ってスルーしろ
251 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 19:13:07 ID:qwwqH07Y
俺の正論を論破できないからって厨だのゆとりだの嵐だの叩いて勝ったつもりになってるのか?
下らん
女主人公って絶対発育よすぎ
何度見てもそう思うよあのカラダ
253 :
242:2008/05/11(日) 19:42:40 ID:7Eh2sd0t
だからサトハルキボン
ID:qwwqH07Yは(RSEやDP)が嫌いなら 来 る な
かまわないほうが良いだろ
サトハルじゃなくてハルカオナニーでいいからキボン
あまりにもあからさま過ぎる
釣りだな
ポケモン好きとか言いながらDPRSは認めないと
ポケモン嫌いって事じゃん
釣り乙
ま た ポ ケ 板 の 厨 房 の 突 撃 か !
チラ裏
ポケ板の基地外振りは異常
ポケ板は基地外ばかりのスレか過疎スレばっかだからな
プラチナとやらが出るらしいね
>>213 乙です!
おまけの部分で2人の立場が逆転しているあたり、
バトラーが尻に敷かれている未来を想像できて、クスリとさせられました。
>>225 ダークライと聞いて、私の小説のイメージを浮かべていただけるなんて作者冥利に尽きます。
これからも、私の小説サイトをよろしくお願いします。
今回の投下内容は、以前連載されていた漫画、「ポケモンゲットだぜ!」を元ネタにした、
第3巻143ページ直後の設定で、リン&ラン×シュウとなります。
少し前の漫画ですので、読んだことが無いという方もいらっしゃるかもしれませんが、
これを機会に興味を持っていただけると嬉しいです。
「さてと……。金縛りも解けたことだし、どうしてくれようかしら」
スパッツを履いた、ボーイッシュな妹のほう――ランが、
地面に転がるオレを見下ろしながら含みを込めて呟いた。
――マズイことになったぞ……。
――先ほど行われた、リン&ラン姉妹とのイトマル争奪戦で、
パラセクトの痺れ粉を浴びたオレ。
だが、用意周到なオレは、モンスターボールに潜ませていたヤドンに金縛りを命じ、
なんとか姉妹の動きを封じることに成功した。
それにより、一度は危機を脱したかに思えたのだが――
「ざーんねんだったわね! シュウくん!
パラセクトちゃんの痺れ粉の効果は、とぉっても長く持続するの!」
妹とは対照的に、お嬢様のようなメルヘンチックな服に身を包んだ姉――リンが、
明るい笑顔を振り撒きながら言い放った。
――そう――。予想以上に痺れ粉の効き目が強かったため、
オレだけ、いまだに身動きが取れない状態なのだ。
「ぐ……」
この状況を打開するためには、もう1度、双子の動きを封じるしかない。
オレは、少し離れた場所で見守るピカチュウとヤドンに、チラリと目配せをした。
「シュウ……?」
ピカチュウが、オレの名前をポツリと呟く。
親父が開発した特製インカムのおかげで、
オレの耳にはピカチュウの言葉が人語として聞こえてくるのだ。
長年のツレであるピカチュウは、いち早くオレの意図に気付いたらしく、
間髪入れず、こちらに向かって走り出そうとしてきた……が――
「おっと! そうはさせないわ! パラセクト!」
「い……!?」
ランが指示を飛ばすと、
いつの間にかピカチュウたちの背後に回りこんでいたパラセクトが、
体を震わせながら勢いよく胞子を撒き散らした。
ピカチュウとヤドンは咄嗟に振り返ったものの、時すでに遅し。
胞子を浴びた2匹は、その場にバタリと倒れ込み、
しばらくの間を置いたのち、大きな、いびきをかきながら眠り始めた。
「せっかく、あたしたちを倒すチャンスだったのにね! 本日2回目の、ざーんねーん!」
愉快とばかりに、リンが笑う。
「こ、この性悪双子め……」
オレは、痺れで感覚の無い体を必死に動かしながら2人を睨みつける。
「フン。なんとでも言いな。イトマルは貰ってくよ」
先ほどオレがゲットしたイトマルを奪おうと、ランが体をまさぐってきた。
「――ん……。見つからないわね……」
ランの手によってオレの体は引っくり返され、うつ伏せの状態から仰向けの状態になる。
――いくら探してもムダムダ。
イトマルの入ったモンスターボールは、別の場所でディグダが土の中に隠している。
おまえたちが、いくら探そうと見つかるものか。オレは心の内で、ほくそ笑む。
「ちょっと、シュウ!」
――なかなか見つからないことに業を煮やしたらしく、ランがオレの胸ぐらを掴んできた。
「イトマルはどこ!? 白状なさい!」
「――さぁ……。どこでしょうねぇ……」
怒鳴りつけてくるランに対し、オレはワザと慇懃無礼な返答をする。
そのことが、よほど気に障ったらしい。
ランは眉間にシワを寄せつつ、オレを突き飛ばしながら立ち上がった。
「もう、いいわ! リン姉さん! 他を探すわよ!」
「なんでぇ? まだ探してないところがあるじゃない?」
「――探してないところ……?」
ランは疑問符を浮かべながら、姉の言葉を復唱する。
「そ! シュウくんの服の中!」
リンの一言で、一瞬、その場の時間が停まる。
――服の中……?
ちょっと待て。そんなところに隠しているハズが無いことくらい、
先ほどの、ヤドン入りモンスターボールでの囮作戦を考えれば簡単に判ることだろう?
双子の姉は、そこまで、お花畑なのだろうか?
「ふ、服の中って、姉さん。あたしが探したけど、もうここには――」
「でもでもぉ。もっと詳しく調べてみないと、わからないわよね〜」
言いながら、リンがトコトコと近づいてくる。
そのままオレの正面で腰を下ろすと、笑顔のまま両手を前にかざしてきた。
「さぁてと。シュウくんのイトマルは、どっこかな〜?」
楽しそうに両手をわきわきと動かすリンの様子を見て、オレは悟った。
コイツは気付いている。オレがイトマルを別の場所に隠していることを。
それにも関わらず、こうしてオレの体を調べようとしているのは、
単にオレを、からかいたいだけだ。――オレの顔から、サーッと血の気が引く。
「ちょ、ちょっと姉さん。調べるってまさか――」
「ランちゃんも、お手伝いしてね。シュウくんの、お洋服を脱がしちゃうの!」
あっけらかんと言い放つリン。それを聞いたランが、1歩あとずさった。
「脱ぎ脱ぎしましょうねぇ、シュウくん!」
呆気に取られるランを尻目に、リンは、いそいそとオレのベルトを外し始めた。
オレもしばらく呆然としていたが、すぐさま我に帰り、慌ててリンに説明する。
「ま、待てよリン! じつはイトマル入りのモンスターボールは別のところにあって、
今のオレは持ってないんだ! ディグダに預けてある! 信じてくれ!」
恐怖のあまり、オレは洗いざらい白状する。
だが、1度調子に乗ったリンを、そう簡単に停められるハズが無い。
「そんなこと言って、あたしたちを騙すつもりかしら? その手には乗らないわよ〜」
こ、この女……。気付いてるクセにィ……。
両手でリンを引き離そうとするものの、痺れ粉のせいで体に力が入らない。
オレはついに、無抵抗のまま、ズボンを下ろされてしまった。
「あはっ! シュウくんの下着、白だぁ!」
オレのブリーフを見たリンが、悪びれる様子も無く笑う。
頬が、かぁっと、熱くなった。女子の前でこんな格好を晒すなんて、この上ない屈辱だ。
「リ、リン姉さん。もう、その辺で――」
ソッポを向いたまま、こちらをチラチラと窺うランが、おずおずと制止を求める。
その表情は、ほんのりと赤みを帯びていた。
「まだまだ! これからが本番よ!」
そう言ってなんと、リンはオレのブリーフにまで手をかけてきた。
――え……? お、おい! 冗談だろ!? オレは激しく狼狽する。
これにはランも驚いたらしく、オレたちのほうに体の向きを変え、慌ててリンの肩を掴む。
「ね、姉さん!? いくらなんでも、それは――」
「えーいっ!!」
「わーっ!! やめろ、バカ女ーッ!!」
オレの絶叫と共に、スポーンという景気のいい音を立てながら、
白いブリーフが宙に舞った。そのまま地べたに、パサリと落下する。
「きゃーっ!! シュウくんのオチンチン、かわいー!!」
熱の籠もった黄色い声が耳を貫いた。
気が付けばオレは、両足を広げながら、双子の前に下肢を曝け出している状態。
包皮がまったく剥けていないソレは、本来、人前に出せるようなモノじゃない。
しかし、それを見たリンは、両手で頬を押さえながら歓喜の声を上げている。
物珍しさのためか、その瞳はキラキラと輝き、好奇心に満ちていた。
おぉ、リアル投下に遭遇できたか
今はあの作者「ポケモン7」だかなんだか書いてたね
あっちも面白いな
「こ、これがシュウの……」
一方ランは、意外にも真剣な眼差しでオレの股間を覗き込んでいた。
男勝りでオレより腕っ節があるため、今まで意識していなかったが、
頬を紅潮させながら瞳を潤ませる、その姿は、まさに女そのもの。
普段は見せることの無い、ランの艶っぽい姿に、オレの心臓は思わず跳ねてしまった。
「あっ! シュウくんのオチンチン、動いたぁ!」
いや。跳ねてしまったのは、オレのコイキングだったか。
「つんつーん」
「はうッ!」
なんの前触れもなく、リンが人差し指で股間のコイキングをつついてきたため、
オレは思わず、間の抜けた声を上げる。
「やーん! シュウくんのオチンチン、びんかぁん!」
オレの反応が面白かったのだろうか。
調子付いたリンは、追い討ちを掛けるかのごとく、幾度も同じ部分を責めてくる。
裏筋を下から上へ向かってなぞり、先端のあたりで力を込められた。
程よい圧迫感が刺激となって、身悶えせずにはいられない。
「あっ! リン! やめ……、ああっ!」
おかげでオレのコイキングは、すでに半勃ち状態。
中心へと向かい、血液が徐々に集束していくのが手に取るように分かった。
悔しさと快感の入り混じった、なんとも言えない複雑な感情が波のように押し寄せる。
「――ん……くゥ……」
唐突にオレは、リンの背後に居るランから、ある異変を感じた。
先ほどからオレたちの姿を静観していたようだが、何時からか、小さく声を漏らしている。
リンも、そのことには気が付いたらしく、
オレのコイキングに手を添えたまま、ゆっくりと後ろを振り返った。
「あ……ふ……」
「ラン……?」
そこには、立ち膝で太股をこすり合わせながら、
自分の指で、スパッツの上から恥部をさすり続けるランの姿。
その唇から漏れ出るのは、抑え気味に発せられる静かな嬌声。
このような状況に出くわしたことは、今までの人生を振り返っても記憶に無いが、
オレは本能で察知する。これが、女特有の鎮め方なのだと。
「リン姉さん……。なんだかあたし――」
「うふふ! やっぱりランちゃんも、気持ちよくなりたいわよね!」
そう言ってリンは、意気揚々とランの手を取り、オレの目の前に連れて来た。
「――ラン……」
官能的なランの姿を目前にしたからだろうか?
オレの股間は激しく熱を帯び、ビクビクと自己主張を繰り返すほど出来上がっていた。
自分のモノが、ここまで猛るだなんて、今まで想像したことも無い。
ランの下半身に目を落とすと、黒いスパッツに、うっすらと染みが浮かんでいた。
それを目撃したオレは、さらなる興奮を覚える。
「ほらほらぁ! もっとシュウくんに近づいて!」
「あっ……!」
おそらく、リンに背中を押されたのだろう。
突然、バランスを崩したランが、オレに覆い被さるように四つん這いになった。
瞬間、ランの髪が頬に触れ、オレは思わず目を見開く。
それはまるで、絹糸で編み上げられた衣のような肌触りをしており、
オレの触覚を、これでもかというほど研ぎ澄まさせた。
「シュウ……」
ランの口から、オレの名前が零れ出た。
すぐ真上にあるランの顔は、切なげにオレを見下ろしており、何かを訴えている。
考えるほどに胸が締め付けられる。そんな表情だった。
今回はここまでになります。続きは、もうしばらくお待ちください。
>>266 「怪盗ポケモン7」ですね。私も購入しました。
あんなに面白いポケモン漫画を発見したのは久しぶりだったもので、
電車の中だというのに、思わず食い入るように読んでしまいました。
270 :
暴走ボート:2008/05/14(水) 20:44:17 ID:ejEEhATV
元ネタを知らないので、想像ができないのが惜しい。
さあて、次はいつかな。
このスレッドの上のほうにある
「コウキ×ヒカリ」の続きをぜひ書きたいんだけど、
いいのかな?
書いた人に許可をもらいたいけど、来てるかどうか…
もう4か月も前の話だし。
>>270 あー、そういえばもうそのくらいになりますか……リアルが忙しすぎてまったく筆が進まないorz
とりあえずおkですー、光栄です!
こちらはまだ暫くは完成しそうもないので……
272 :
暴走ボート:2008/05/15(木) 00:03:28 ID:ejEEhATV
気づいてくれたよ、俺のレスに。
がんばって書き方をそっちに合わせてみるので。
実は許可ない内から作成を進めている罠(ぇ
そのうち完成すると思います。とんでもない大長編ですが…
延べ24時間かけている気がする。
ハンドルネームも題として書くことにしますね。
「ヒカリ、あとどれくらいだ?」
「えっとねえ…うん、もうすぐつくよ!」
「やっぱポケッチは便利だな、ハードマウンテンでアプリの一部が壊れたから、早く直さないと…」
それぞれムクホーク、トゲキッスに乗って、空の旅を満喫している。
ヒードランとの一件以来、さらに仲睦まじくなったこのカップル。
お互いに、特にヒカリは、一段と強くなったコウキに、ますます惚れていた。
知らない人のためにカップルの紹介をしておくと、男の子の名前はコウキ。
ポケモンリーグのチャンピオンに勝った、シンオウ最強クラスのポケモントレーナー。
女の子の名前はヒカリ。シンオウでは誰一人知らない人はいない、ナナカマド博士の助手。
その身分とコーディネイターとしてのポケモンコンテストの実績から、こちらもなかなかの有名人。
この2人、実は一線を越えた仲である。
もちろんこの事実を知っている人はほぼ皆無(0ではない)であり、
単にこのカップルは周知ではシンオウ最強クラスのトレーナーチームとして知られているだけである。
225番道路で初体験をした後、しばらくしてハードマウンテンでチームを組んで、その時また夜を楽しみ、
ハードマウンテンでの騒動を収束させた後は、ずっと2人は一緒に行動している。
ヒードランの騒動の後は、特にシンオウで事件や伝説ポケモンの目撃情報はなく、
ナナカマド博士も『いろいろ疲れただろうから』と、とりあえず現時点では調査指令は出さないから、
ゆっくり休暇をとるなり、遊ぶなりなんなりしてくれ、とのことである。
とはいえ、そう言われるとやることがない。ポケモンリーグは制覇したし、
ほかの地方に行くことも考えたがいつまたナナカマド博士の指令が飛ぶかもしれない。
となるとあとはバトルタワーだが、クロツグにコンドーム購入現場を見られて、そこにも行き辛い。
ある意味軽いスランプ状態だったが、それならばと、ヒカリが自分が行きたい場所がある、と言い出した。
いままで(まあヒードランの一件だけだが)俺の都合に合わせてきてくれたし、暇なので快く了承。
「ついたー!ヨスガシティ!」
「しかし、ヨスガで何をするんだ?僕はレリックバッジはもうとっくにゲットしたけど。」
「ああ、そろそろ教えていいよね。…いや、実際に行った方が早いか。いざ、ポケモンセンター!」
ごつごつしたハードマウンテンから一転、バリアフリーを重視したヨスガシティ。
ヒカリはここにきたかったわけである。着くや否や、ジョーイさんが出てきた。
「ヒカリさん、お待ちしてました。お届けものです。」
「ありがとうございます!楽しみだな〜!」
「…何が入ってるんだ?…なるほど、そういうことか。」
中にはドレスが入っている。もうこれで何をしたいかは分かるだろう。
ピンク色の真新しいドレス。試着してくる、といい、走って更衣室に向かっていった。
あとで聞いた話だが、ヒカリがヨスガに行くと決めた時に、母親に電話したところ、これを送ってもらったらしい。
「あ、そうだ。一つ伝言を言付かってたんだっけ。」
「はい?なんですか、ジョーイさん?」
「ナナカマド博士が、ヨスガに着いたら、連絡がほしいって言ってたの。」
「博士が?なにかあったのかな?」
大急ぎで電話ボックスに向かう。
研究所の電話番号を押すと、画面の向こうにはおなじみのナナカマド博士が映る。
「博士、どうしました?新しい情報が入ってきたんですか?」
「いや、のんびりと休暇中なのに、もうそれを潰す、なんてことはしない。
1つ預かってほしいものがあるだけだ。この前、近所からタマゴが届いてな。」
「ポケモンのタマゴですか?確か、元気に走り回るトレーナーのそばで生まれるって…」
「うむ。のんびりと休暇を楽しんでほしいが、このタマゴの孵化だけは頼みたいんだ。」
「はい、わかりました。」
実はタマゴの孵化はまだやったことがない。うわさでいろいろ聞いていただけである。
と思っている間に、パソコン通信でタマゴが送られてきた。
「では頼む。タマゴについてはある程度調べたから、生まれたポケモンが何かだけ報告してくれ。
生まれてきたポケモンは、コウキに譲ってかまわない。」
「あ、どうも。」
「それでは、コンテスト頑張るのだぞ。
ヒカリとともに、存分に実力を発揮してくれ。」
「はい!…ん?ヒカリとともに?」
どういうことですか、という前に電話が切れてしまった。
まあいいか、と思いつつ、手持ちポケモンが7体になってしまったからだれを預けようか思案する。
とりあえず、ガブリアスを預けることにした。転送を終えると、漸くあの声が聞こえて来た。
「ごめん、遅くなった。結構複雑でさ、このドレス。」
「ヒ、ヒカリ…」
出会ったときから、コウキはすでに「信じられないくらい可愛い」その容姿に一目惚れした。
そのヒカリが、ピンクの生地に、かわいい装飾品がくっついていたかわいいドレスを着ているのだ。
コウキの顔は真っ赤になった。あまりにもその変化は一目瞭然、ヒカリもすぐにわかってしまう始末。
「ん?はっはーん…そんなに私が可愛く見える?」
「うん…やられた…」
「ちょ、ちょっと、大丈夫?」
意識が飛びかけている、まともな返事が出来ていない。
コウキに似合うと言ってもらえるかどうか心配だったが、まさかここまでの反応とは思っていなかった。
ただ、ナナカマド博士の言った一言が気になり、何とか意識を戻して尋ねる。
「なあ、博士が言ってたんだけど。
ヒカリとともにコンテスト頑張れって、どういうことだ?」
「ん?ああ、それはねー…」
お届けものから、もう一着服が出てくる。黒い服。
広げてみると、どうやらタキシードである。
「こ、これ…まさか、僕の?」
「うん。あなたのお母さんからよ。」
「母さんから!?…あ。」
実は、コウキはコンテストに出たことがない。ヨスガで母親に会ってコンテストに出ないか、と尋ねられたが、
当時コウキはジム戦のことで頭がいっぱいで、母親からタキシードももらわずズイタウンに向かっていった。
それをようやく渡されたのである。
「とにもかくにも、コンテストに向けて練習よ!」
「あ、ああ。…僕も出るの?」
「大丈夫だって!さ、準備準備!」
コウキの場合、二次審査のトーナメントはともかく一次審査は突破は相当困難であろう。
そして迎えたコンテストの日、コウキはチャンピオンということで優勝候補筆頭だったのだが。
…練習はしたのだが、いかんせん経験が足りなさすぎた。
「…。」
「そ、そんな顔しないで!初めてだから、一次審査で負けたってしょうがないよ!」
「ヒカリ、なんで俺を誘った?」
「え?あ、えっと、その…ごめんなさい…」
不機嫌になるコウキ、気まずい空気を感じるヒカリ。
しかし、それはあくまで作られたものに気付かなかった。
「楽しかったよ。」
「…え?」
「ははは、ひっかかってやんの。僕がヒカリに対して、怒ったりするわけないだろ?」
「え?ううう…こ、このー!」
控室でじゃれあう2人。
まわりはこの有名人2人の行動を呆れながら見ていた。
「それじゃあ、僕は観客席の方へ行くね。僕の分まで、頑張ってくれ。」
「うん!…あのさあ、もし優勝したら…」
耳を貸すように言ってくるヒカリ。そこで聞いた言葉は、
(あのさ…優勝したら…その…エッチしてよ。)
周りに聞こえないように注意を払うヒカリ。だが、思えばまだ3回しか体を重ねていないこの2人。
コウキは必要以上の反応を示してしまった。
「な、なあっ!?ヒカリ!?」
その大声は、周りの注目を浴びることに。
「ちょ、コウキ!?」
「あわわわわ、ごめん。ぼ、僕、観客席に言ってるよ!」
タキシードのまま、ダッシュでその場を立ち去った。
残されたヒカリには、恥ずかしさだけが残ってしまった。
第2審査コンテストバトル決勝。
ヒカリは決勝まで勝ち進み、そして決勝戦の相手は、
「お待たせしました決勝戦!ヒカリさんvs…ミカンさん!」
一部の読者は知っているかもしれない。アサギシティのジムリーダーである。
もっとも、ここはシンオウ。会場のほぼ全員がその事実を知らない。
「それでは…バトル、スタート!」
「おねがいします…ハガネール。」
「頑張って、トゲキッス!」
ヒカリがトゲキッス、ミカンはハガネール、2体が対峙し、5分のタイマーが動き始めた。
「(相性はあまり良くないけど…でも、トゲキッスは大文字を覚えている!)
トゲキッス!エアスラッシュ!」
大文字が使えるのは5回。そのうち1回は当てないと、間違いなく負ける。
ほかの技で動きを封じるのが、一番早いのだが…
「ストーンエッジです。」
ハガネールはストーンエッジで対抗。空気の波動と岩の刃、
勝敗は明らかで、エアスラッシュを粉砕しなおもトゲキッスを襲う。
「かわして!」
何とかかわすが、その隙に後ろを取られた。
「アイアンテール。」
「ト、トゲキッス、かわし」
だが、遅かった。アイアンテールが直撃。叩きつけられ地面に落ちていく。
「だ、大文字!」
振り向いて大文字をするように指令。トゲキッスが大文字を打つ。
だが、あえなくかわされる。
「と、トゲキッス!」
そして地面にたたきつけられる。
さらに、叩きつけられてから体勢を立て直す前に、ハガネールは容赦なく攻撃を加える。
「アイアンヘッドです。」
「(だめ、間に合わない!)大文字!」
大文字で迎え撃つ。ハガネールがそれをかわす間に、なんとか体勢を立て直し再び飛ぶ。
しかし、大文字はあと3回しか使えない。
そして一方的にやられており、ポイントも半分近くまで減らされた。
「(まずい、ポイントが!早めに何とかしないと…)トゲキッス!大文字!」
もう一発大文字を発射。
「何っ!焦るな、ヒカリ!」
コウキが思わず声を出すが、その声は早々届くことはない。
一方のミカンは落ち着いていた。
「かわして下さい。」
ハガネールがかわす。だが、その隙に今度はトゲキッスが後ろに回る。
「よし今よ!大文字!」
(いや、だめだヒカリ!)
「ハガネール、守るを。」
水色のバリアがハガネールを覆う。大文字によるダメージは、0にされる。
「そんな…あと1回しか大文字が使えないのに…」
その事実により、バトルの流れが大きく変わる。
技を出しづらくなり、防戦一方。2分を切ったころには、ポイントが2割に満たなかった。
もちろん、ハガネールのポイントはまだ無傷。
大勢が決し、盛り上がりに欠ける展開に、静けさが増す会場。
(どうしよう…どうしよう…コウキも見てるのに…)
体にしびれを感じる、自分は何をやっているんだ、その焦燥感、からであろう。
立つのも精一杯、トゲキッスのまともな指示が出来ない。
「か、かわして、かわして!」
なんとかトゲキッスもかわすが、その消極的なバトルからポイントがじわじわ減っていく。
(どうすれば…どうすれば…)
完全に冷静さを失っていた。残り1分半、もう勝負は決まった…
「あきらめるな!最後まで戦え!」
大声が聞こえた。会場が静かだったため、ヒカリの耳にも届いた。
「全力でやらなきゃ、道は開けないよ!」
コウキも何を言おうかと考える余裕もなく、思いついた言葉を適当に叫んだだけ。
だが、その思いは通じるはずである。
「…コウキ…」
「ハガネール、すてみタックルでとどめです。」
ハガネールがトゲキッスめがけて突進する。
だが、ヒカリの闘志も、ここでようやく戻った。
「トゲキッス!草結び!」
猛突するハガネールの体に、草がからみつく。
そして、大きな音と揺れとともに、ハガネールが倒れこんだ。
「やった!ポイントが激減した!」
ポイントが3割ほど減った。400kgのハガネールには、草結びは大ダメージになる。
ミカンも、流石に動揺を隠せない。
笑顔のヒカリを見て、トゲキッスも闘志を取り戻した。
(そうよ、何勝ち負けで自分にプレッシャーかけてるのよ!コンテストは、思いっきり楽しまなきゃ!)
「は、ハガネール、ストーンエッジ!」
またストーンエッジが飛んでくる。
しかし、ヒカリはまたかわすように指示。
(同じ轍を2度踏むつもりか?…いや、違うな。)
だが、ヒカリの眼はさっきとまったく違っていた。
ハガネールがそのすきに後ろに回り、
「アイアンテールです。」
尻尾でたたきつける。
だが、すべてヒカリの思うつぼだった。
「神速!」
トゲキッスの姿が一瞬にして消えた。
そして、ハガネールのすぐ後ろをとる。時間は、残り30秒。
「(もう時間がない!)ここで決めるよ、トゲキッス!
最大パワーで…」
(ま、まずい!今大文字を使ったら、それくらい相手は読んでる、守るで防がれるぞ!)
トゲキッスが大きく息を吸ったその瞬間、ヒカリが指示を出すその瞬間に同時に、最高のタイミングで、
「ハガネール、守るです。」
「フェイント!」
時が、止まった。
完全にバトルに集中していたヒカリの、渾身の指示。
しかもそれは、トゲキッスが覚えられるはずのない、技だった。
「え?」
「うまい!」
トゲキッスもヒカリと心を1つにしていた。流石にフェイントは出せないが、何もせずに宙を浮いたまま。
そして、ハガネールはそのバトルの突然の異変についていけず、守るを発動した。
「しまった!」
「ナイス、トゲキッス!」
力をためるトゲキッス。守るを発動したポケモンは、どんな技も防ぐ代わりに、
自らもそのバリアによってその場を動くことができない。
そして守るは決定的な弱点がある。連続して使えない。
相当のダメージを受けていたトゲキッスも、もうほとんど体力がない。
おまけに、時間はわずかで残りポイントには大きな差がある。
勝つには、戦闘不能にしてバトルオフをさせるしかない。この一撃にすべてをかける。
「よーしトゲキッス!ありったけのパワーをハガネールにぶつけるのよ!」
大きく息を吸い込む。
そして、すべての力を体内のどこか一点に集め、発射準備完了。
ハガネールを包んでいた水色のバリアが、消える。
「今よトゲキッス!最大パワーで、大文字!」
残された最後の1回の攻撃。炎技最強の技を、効果抜群のハガネールにたたきこむ。
フルパワーなだけあり、普通の大文字と比べても威力が尋常じゃない。
そして、ハガネールの後頭部に、直撃する。
「ウガッ、ガネエエエエエエル!」
「は、ハガネール!」
必死に抵抗するが、あまりに威力の大きさについに地面にたたきつけられる。
そして、爆発した。
「わ、わあああああああっ!」
「くっ!」
「ヒカリ、大丈夫か!」
ヒカリとミカンにも、強風が当たる。観客席にまで強力な風が襲う。とんでもない威力の爆発。
その瞬間、タイムアップ。
ポイントは大幅に削るものの、やはりハガネールのポイントには届いていない。
仮に時間無制限だったとしても、もうトゲキッスはすべての力を使いきり、立っているのがやっとの状態である。
立ち込めていた煙が消えかかり、ハガネールの姿が見え始めた。
「なにっ!」
「そんな!」
ハガネールが、苦しそうな顔で立ち上がり始めていた。
だが、相当のダメージで、一瞬倒れかかる。が、それに耐え、また立ち上がり始める。
会場は歓声に包まれる。ハガネールは立ち上がるのか、その一点に集中していた。
そして、
「ガネエエエエエエエル!」
立ち上がった。この瞬間、ミカンの優勝が決まった。
ヒカリは立ち尽くす。トゲキッスはよたよたとヒカリのもとへ行く。
「ううん、あなたのせいじゃない、あたしが、最初から、ちゃんとやってれば…」
トゲキッスは首を振るが、ヒカリはぼうぜんと立ち尽くし、それに気づいていない。
目の前の様子も、完全にぼやけていた。ただ、口だけは、うれしそうに笑っていた。
コンテストの優勝セレモニーが始まるころ、ヒカリはステージから離れ廊下を歩いていた。
ステージから歓声が聞こえる。ため息をつきながら、更衣室に向かって歩く。
目の前に人が立っている。タキシードを身にまとった、コウキである。
「ヒカリ…」
最高のバトルだったとか、気にするなとか言っても、ヒカリは笑いはしないだろう。
そう思うと、何を言おうか戸惑う。ヒカリの所に来た事を、今更ながら後悔する。
「…ごめんね。あんなにはしたないバトルして…」
「そんな事…」
といったところでコウキはまた後悔。言うべき言葉じゃないと自分に言い聞かせたばかりなのに。
「でも、負けちゃったよ。…勝ちたかったのに、絶対。」
「ヒカリ…」
「コウキはポケモンリーグのチャンピオンになって、
コウキに追いつこうとしてエムリットを追っかけてたら怪我して助けてもらって、
それでも追いつこうと、優勝して喜んでもらおうと思ったのに、優勝できなくて!」
大粒の涙をぼろぼろ流す。
コウキも必死になって慰める。
「で、でも、僕に持ってないものをヒカリはたくさん…」
「でも、でも!これじゃあたしは納得できない!一緒に並んで、歩いていけない!
こんな女の子が、ポケモンリーグのチャンピオンと一緒に肩を並べて歩いてなんて…
いつも劣等感をコウキに対して持つことになって…」
「そ、そんなもの持つ必要は…」
「持ってしまうよ!
何も出来ないんだよ、あたしは!コウキのパートナーなのに、何のとりえもない女の子なんだよ!」
いきなりコウキがうつむくヒカリの元に寄っていき、優しく抱く。
「それでも僕は、ヒカリが好きだ。」
「!」
「ずっと前から、そしてこれからもずっと、可愛くて、明るくて、大好きな女の子。
僕には、ヒカリしか、いないんだ。」
涙は止まないが、悲しみやいら立ちを含んでいた瞳は、コウキの優しさに触れ徐々に落ち着いていった。
そして涙もようやく止まりかけ、
「とりあえず、ポケモンセンターに、戻ろ?」
「…ありがと。」
コウキの左腕にしがみつき、まだ優勝のセレモニーが終わってないゆえにがら空きのロビーを通って外に出た。
急いで出るのを見るところ、人ごみにつかまったらいろんな意味で厄介なのはわかっているらしい。
ようやくヒカリも1人で歩けるようになり、ポケモンセンターに到着したときには泣きやんでいた。
ポケモンセンターに入ろうとする直前、ヒカリは笑ってこう言った。
「ありがと」
その言葉に照れつつ、中に入ると、ジョーイさんがこっちに向かってきた。
「あのー、お母さんから電話ですよ、ヒカリさん。」
「…ママから、ですか?」
正直、あまり乗り気ではなかった。
ただ、コウキの慰めで何とか立ち直った今なら、母親ともなんとか話せる気はした。
傷ついたトゲキッスを預けた後、家の電話番号を押す。普通の顔の母親が画面に映った。
「二人とも、お疲れさま。」
「…うん。」
「そっか、元気ないか。
ま、あえて元気出してとか、次頑張れとか、準優勝でもいいじゃない、とは言わないわ。」
「!」
「これからも、コウキくんの力になれる様にね。
二人は、想い想われる仲なんでしょ?」
「なっ!?」
2人同時にそう叫んだ。
おもわずコウキがヒカリの肩を掴んで、一度画面から離れる。
「ちょ、ヒカリ!シロナさん以外には話してないって…」
「あ、あたし、ママにも何も話していないよ!
…でも、そういえば、本当に一番最初にコウキと行動、って事を言ってたのは…」
「え!?ナナカマド博士やお父さんじゃなかったの!?」
確かにハードマウンテンに出かける前にヒカリと再会した時には、
博士やヒカリの父親と相談して決めた、と言っていた。
「あの、実はね、ママがさり気無く言ったその言葉が気にかかって、
私から博士やパパに、コウキとタッグを組むという話を持ち込んで、いろいろ相談したの。」
「それじゃあ…」
画面に戻ると、さっきよりヒカリの母親は笑っていた。
2人は起こりつつも顔が赤くなる。
「…。」
「な、なんで黙ってるのよ!?ちょっと、ママ!?」
「もしまだ告白していないのなら、拒否して電話を切ってる。
コウキくんがああいう行動をとるってことは…」
「で、でもママ、じゃあ、なんで想い想われる仲だなんて…」
「少なくとも、ヒカリはコウキくんの事がずっと好きだったからね。
2人が今どれだけ進展しているのか、カマかけてみたの。」
「な…ちょっと、ヒカリ…ちゃんのお母さん!?」
「その様子だと、誰にも言ってはいないみたいだけど、相当お互いが好きみたいね。」
2人の顔がますます赤くなる。
完全にあたってる。さすがヒカリを母親として育てた人間だ。何も言えなくなる。
が、さらに2人に爆弾発言が追い打ちをかける。
「このままコウキくんがヒカリと結婚してくれたら、あたしも安心できるんだけどな〜。」
2人が一瞬固まった。そして、
「け、けっこんん!?」
「ちょっとママ!あたしたちまだ…」
「あら、シンオウでは15才になればもう結婚できるのよ?
もうあと2,3年で」
「か、かん…冗談はよして下さい!」
あやうく、勘弁してくれ、と言いかけた。
が、ヒカリにひっぱたかれる未来を高速の速さで察知し、別の言葉に言い換えた。
なお、シンオウでは少子化に伴い男女ともに15歳で結婚できる事になっている。
「そうよママ、も、もう切るねママ!じゃあね!」
プチン、と通信が切れる。
何も映っていない画面をヒカリのママがやれやれといった表情で見る。
「ま、これでコンテストのショックから立ち直るでしょ。
…やっとヒカリはコウキくんに打ち明けたのね。いつまでかかるやらと思ってたけど。
いっつも私と電話するときは、コウキくんの話ばっかり。」
ソファーに寄り掛かり、そして、こうつぶやいた。
「でも、ヒカリとコウキくんの結婚は、決して冗談じゃなかったんだけどな。」
くすくすと笑いながら、紅茶をすする。
「…なんか、疲れたね。」
「…そうだね。とりあえず、部屋に戻って着替えよう。」
そう言って部屋に戻る。2人はまだタキシードにドレスのままである。
「ん?」
「どうしたの?…ってあれ、荷物が光ってるよ。」
「なんだろう…ってあああああああっ!」
「な、なに?急に…」
「博士から、タマゴ貰ったの、完全に忘れてた!
ていうか、何!?もらったの数時間前なのに、もう生まれるのか!?」
鞄を急いで開けると、タマゴが入ったカプセルが出てくる。
そしてタマゴは、白く光り輝いている。幸いここはポケモンセンター。
「ちょ、ちょっと!どうするの!?」
「と、とりあえず、ジョーイさんのところへ急ごう!」
あわててジョーイさんのところへ行く。
「ジョ、ジョーイさん!ポ、ポケモンのタマゴが!」
「ええ?さっき届いたばかりじゃ…
至急、新生児室へ!ラッキー!タマゴ用のストレッチャーを!」
「ラッキー。」
新生児室にタマゴが送り込まれると、まずは心電図を作るために聴診器を当てる。
「大丈夫ですか?もしかしたら、タマゴが光るまで相当放っておいたかも…」
「大丈夫、脈拍は異常ないわ。」
ほっと一安心。生命にかかわることの大切さを知った。
そういう意味では、こういう心持ちになるのはヒカリを225番道路で助けた時以来だろう。
「ラッキー。」
産湯とタオル、そしてコンデスクミルクを持ってくるラッキー。
「ごくろうさま。
…あ、そろそろ生まれるわよ。」
「ええ?」
「も、もうすぐなの!?」
タマゴがますます激しく光る。2人がその様子を見つめる。
…その様子は、父親と母親にどこか被るものがあった。
そして、卵の丸い形から、徐々にポケモンの形へと変わっていく。
丸っこく、頭のあたりには3つの何かが付いている。
「…チャモ?」
「あっ!アチャモよ!」
アチャモが生まれた瞬間、アチャモの目の前にはヒカリとコウキがいた。
ヒカリがうれしそうに笑い、抱きかかえた。
「チャモ!チャモチャモ!」
「アチャモか!かわいいな、ヒカリ!」
「うん!」
「チャモ、チャモチャモ!」
生まれたばかりで、まだ体長はは普通のアチャモの半分、20cmくらいである。
ヒカリとコウキの顔を見て、うれしそうに笑っている。
ちょうどいい感じの産湯につけてやると、アチャモは気持ちよさそうにする。
「それじゃ、体洗うから、ちょっと貸して。」
「はい、お願いします。」
「…チャモー!チャモチャモー!」
「え?あれ?」
「そういや、ポケモンって生まれた瞬間に見た生き物を親と思いこむ習性が…」
あわててヒカリに交代すると、泣きやんだ。
「あの、わたしじゃ無理見たいだから、代わりにお願いできるかしら?」
「はい、わかりました。」
幸いドレスは半袖なので、濡れる心配はない。
丁寧に洗ってあげると、アチャモは気持ちよさそうにする。
「こちょこちょこちょ…」
「チャモ!チャモチャモチャモ!チャモー!」
いたずらでくすぐってみると、アチャモには効果抜群のようである。
一通り洗い終わり、体をふいたとき、ふと疑問が浮かぶ。
「ねえ、このアチャモ、…どっちのポケモンにする?」
「へ?ああ、ヒカリが育てるか、俺が育てるか…」
シンオウ本土には炎タイプのポケモンは少なく、実は2人とも炎タイプを持っていない。
ハードマウンテンの頃に遡れば、見た目明らかに炎タイプを持っていそうなバクも持っていない。
2人の知っている中で炎タイプを持つ知り合いといえば、ゴウカザルを所持するジュンくらいである。
しかも、アチャモ自体非常に珍しいポケモンで、進化すればあのバシャーモになるのだ。
とはいえ、2人ともお互いの事が大好きだから、あまり我を張るわけにはいかない。
だが、念願の炎タイプ、ということで、譲ろうにも譲ることができない。
「うーん、できればあたし、炎タイプ持ってないから欲しいんだけど…」
「えっと、実は僕も持ってないんだ。どうしようか…」
火花が散る、なんてことは無いが、譲り合いの精神と欲望の精神が2人の中を交錯する。
「と、とりあえずさ、どっちのポケモンになってもいいように、ポケモンを1体パソコンに預けたら?
僕さっきさ、タマゴを手に入れたから、ガブリアス預けたんだよね。」
「う、うん、わかった。」
とりあえずロビーにもどり、コンテストが終わったということでミミロップを預けることに。
同時にジョーイさんから体力回復を済ませたトゲキッスが届けられた。
「アチャモもすっかりなついてるわね。」
とりあえず、女の子であるヒカリの方が抱き心地がいいだろうということで、ヒカリが抱くことに。
「そうね、せっかくなら、ふれあい広場で散歩してきたら?
まだ3時40分だし、外は明るいわよ。」
「そうだな…よし、いくか!」
「うん!」
実は前にもふれあい広場に行こうとしたが、手持ちポケモンがどれもダメ、と言われたこの2人。
アチャモはふれあい広場で遊べるポケモンなので、今回は何の問題もなく入れる。
「チャモチャモチャモー!」
広場につくと、アチャモが勢いよく走り出す。
それをあわてて追いかけるヒカリ。その様子を優しく見守るコウキ。
しばらく遊んでいると、何かアチャモが拾ってきた。
「…あ、これかわいい!ポケモンコンテストで、ポケモンのおめかしに使えるかも!」
「へえ…やるなあ、アチャモ。」
「チャモ、チャモチャモ!」
しかし、遊びすぎたか、少々疲れた様子で、草むらに座った。
地面をくちばしで突っついている。
「なんか、ポッチャマを博士からもらった時のことを思い出すなあ…」
「今は立派なエンペルトになってるじゃないか。こいつもじきに立派なバシャーモになるさ。」
「へへ、なんかこうしていると、あたし達本物のパパとママみたい。」
確かにその通りである。
…が、その言葉で、再びヒカリの母親の爆弾発言が脳裏によみがえる。
「ああ、いや、そのさ!
あくまで、母親『みたい』っていうだけでさ!」
「う、うんうん、わかるよ、心配しなくていいさ!」
ふう、とため息をつく。
…するとどこかから腹の虫が鳴る。
「チャモー…」
「…アチャモ?お腹すいたの?」
「えっと、…あ、ミルクポケモンセンターに荷物と一緒に置いてきたんだった。」
「それじゃあさ、レストラン行かない?
ポケモンも入れるレストランは、ヨスガにたくさんあるからさ!」
ヒカリの発案でレストランに行くことに。
幸い財布は持っており、ハードマウンテンで大量に資金を投入した後も、
数々とのトレーナーとの戦いで得た賞金はまだまだ底を突く様子はない。
ちょっぴり高級感のあるレストラン。アチャモがテーブルの上にちょこんと乗り、料理を待つ。
遊び疲れたのか、お腹がすいても泣く様子はない。割とおとなしいアチャモである。
「お待たせしました。」
料理がくる。と言っても小皿なので、これはアチャモの料理である。
「かなりトロトロになった料理だな。」
「市販の赤ちゃん用ポケモンフーズは水に溶かして作るけど、こんな感じの出来上がりだよ。
レストランも基本的に同じだと思う、市販のよりおいしく、手作りってことくらいかな、違いは。」
アチャモは夢中で皿を突っついている、相当気に入っているようだ。
そうしているうちに、ヒカリの前にはオムライス、コウキの前にはステーキが運ばれてきた。
とある記憶が脳裏をかすめる。
「どうしたの?」
「いや、ステーキを食い損ねたことがあったなって。マニューラに取られてさ。」
「一瞬のすきを突かれて辻斬りにでもあったの?」
「いや、明らかにずっと隙だらけだったな。
ヒカリがファイトエリアの港に到着したとき、僕たちにディスクを届けたことがあったよね?」
ずいぶん昔の話になるが、覚えている人は覚えているかもしれない。
ディスクを届けた後、コウキはヒカリを食事にでも誘おうとしたのだが、
ヒカリはエムリットを捕まえるため…いや、コウキのために、逃げるように225番道路に去っていったのだ。
まあ、あのまま食事に行ってたら、仮に告白できたとしても今ほどは仲良くはなってないだろう。
「ああ、あの時は、ごめんなさい。」
「ううん、言ったろ?ケガの功名だって。
あの時断ってくれたから、225番道路で、ヒカリを助けることができ、2人で小屋の中で…
本当に、あの時、あんな形で恋人同士になれるなんて、夢みたいだった。本当に、嬉しかった…」
「うん、本当に、今でも思い出したら涙が出そう…」
「お、おいおい、料理が冷めるよ、早く食べよ。」
ようやく料理があることを思い出したようで、2人は料理に口を運んだ。
なかなかおいしい。2人で食べる携帯食料も2人で一緒に食べたからおいしかったが、
やはりレストランの料理は携帯食料と一緒にすべきではない。
とまあ、こんなこっぱずかしい話をしていた2人だが、話の途中隣にアチャモがいることを完全に忘れていた。
とはいえ、アチャモは生まれたてでそんな話に興味を持つこともなく、そもそも料理に夢中で聞いていなかった。
料理を食べ終わると、アチャモはヒカリの腕でぐっすり眠っていた。
「なあ、ヒカリ。いつまでも外に出すわけにもいかないから、モンスターボールに入れたいんだけど…」
「あ、そういや、まだどっちのポケモンか決まってなかったね…」
「うん。ヒカリがもらってくれない?」
「え?あ、あたしが?」
「ああ。やっぱり、アチャモはヒカリになついているし。」
「そ、そんな事は…博士はいいって言ってたの?」
「ああ、うん。譲ってかまわないって。」
実際はヒカリに譲ってもいい、とは言っていないが、
まあコウキに所有権があるのだから別に構わないだろう。
さっきは遠回しながらも悪いけど自分に譲ってくれと言っていたが、
いざ譲るといわれると、今度は逆にもらいにくくなる。
「…。」
「…シンオウには、炎タイプは少ないからね。」
(うっ。)
その一言が、決定打になった。
「ううう…いい、のかな。本当に。」
ゆっくりとうなずくコウキ。そしてタマゴを覆っていたカプセルに付属したモンスターボールを渡す。
「…ごめんね、わがまま言って。」
「また別の炎ポケモンを探すよ。いざとなったらアチャモの力も借りるかもしれないけど。」
「もちろん!必要な時は、いつでも言って!」
そして、アチャモにモンスターボールを向ける。
ゆっくりとアチャモに当てると、ボールの中に吸い込まれていった。
「アチャモ、ゲット。」
モンスターボールをスタンバイモードからキャリーモードにし、ベルトに装着する。
「ありがとう」
「どういたしまして」
感謝の言葉を交わして、レストランを後にし、ポケモンセンターへ向かった。
すっかり日が暮れる。
途中、ヨスガで一度も目にしたことがない建物を目にした。
「あれ?こんな建物がヨスガにあったの?」
「僕も見たことがないな…」
周辺に人通りは殆どない。静かな場所である。
コウキが建てられた看板に目を通す。
「何かの教会かしら」
「ええっと、なになに…
『異文化の建物 異なる文化が行きかう場所』だってさ。」
「とりあえず、入ってみない?どうやらあいてるみたいよ。」
ちなみにこの建物、受付とかはなく、24時間いつでも入れる。
とはいえ入る人はほんのわずか。石造りの建物で時々ボランティアが掃除するおかげで中はいたって綺麗。
ヨスガ…縁を象徴する建物なのだが、この2人は建物の存在すら知らなかった。
「わあ…きれいなステンドグラス…」
「椅子や机を見ても、やっぱり教会なんじゃないか、これ。」
月の光に照らされて、なんともいえない美しさを醸し出すステンドグラス。
椅子や机などを見回ると、ステンドグラスに見とれるヒカリを横にたった。
「ただ、ステンドグラスの美しさも、ヒカリの前では霞むね。」
嘘は言っていないが、かっこをつけるためのお約束の冗談で言ったつもりのコウキ。
「もう、急に変なこと言わないでよ!」
くるっと向きを変え、コウキの方を見るヒカリ。
そのとき、からかい半分だったコウキの顔が、急に真顔になった。
「…。」
「…ど、どうしたの?」
ゆっくりと近づく。そして、ゆっくりと口を開く。
「ヒカリ…ちゃん。」
「え?え?ちょっと、どうしたの、コウキ?」
225番道路の小屋の中で告白して以来、距離を近づけるためお互いを呼び捨てするようになった2人。
それをコウキは、いきなりちゃん付けした。ゆっくりと、小さなかすれるような声で。
「よ、様子が、おかしいよ。どうしたの?」
「か、かわいい…ヒカリちゃん。」
「こ、コウキくん?…あ。」
つられてヒカリまで君付け。すぐに修正する。
なおもコウキは小さな声でつづける。
「ど、どうしたの、コウキ。」
「ステンドグラスなんかより、ずっと、ずっと、かわいい…」
「ちょ、ちょっと!なに同じ冗談を2度も…繰り…かえし…て…」
さっきはカッコをつけるために言った。
だが、今度は、本当に、心から、そう言っているのである。
もちろん普段からステンドグラスよりかわいいと思っているのだが、意味合いが全然違う。
「僕…き、君の事が…えっと、その…うわあああああっ!」
「こ、コウキ!?」
頭を抱えてうずくまるコウキ。
「し、しっかりして、どうしたの!?」
「はあ…はあ…う、ううう…ヒ、ヒカリ…」
ちゃん付けが抜けた。とりあえず元に戻ったらしい。
とりあえずは一安心と、ひとつため息をつく。
「どうしたの?何があったか、覚えてる?」
「ああ…記憶は、あるよ。その…ごめん。
なんか、ヒカリに、好きだって言ってほしかった、僕が…いるんだ。」
「え…。」
「僕、告白したとき言ったよね。始めて出会った時から、信じられないくらい可愛くて、ずっと気になってたって。
…さっきの、ヒカリがこっちを振り向いたときに、初めてであった時の僕が…戻った気がしたんだ。
初めて会った時の、あの時が、場所が違うけど、また戻ってきた感じが…」
ステンドグラスを通した月の光をあびたヒカリ。
それはコウキにとって、初めてであったときと同じような感覚を受けた姿だった。
「…そんなに、あたしは、可愛かったの?」
こくりとうなづく。
「…。」
「も、もちろん、可愛いだけで好きになったわけじゃないけど、
その、最初に受けた印象が…シンジこで君と会ったときの、ヒカリの可愛さが…
こんな子にもし好きだって言ってもらえたら…」
瞳にはまだ完全に輝きが残っていない。叶わない筈の願望、そんな感じにとらえている眼である。
ヒカリにはコウキの身になにが起こっているかまだ完全には分からなかったが、
それでもヒカリは、コウキの想いにこたえたかった。
「大好きだよ…コウキくん。」
穏やかな瞳で、静かにそう語りかけた。
ヒカリは何となく、君付けしたほうが喜ぶ気がした。それは正しかった。
「え…?ヒカリちゃん…」
「大好き、だよ。コウキくん。」
お互いの距離を縮めるために呼び捨てすることにした過去を持つ2人。
だが今回は、ちゃん付けしたほうが、距離がぐっと近付いた。
コウキは、信じられないような顔をしている。
「コウキくん…キス」
「え…え!?」
コウキがうんという前に、初恋の相手がキスしてきた。
唇だけが触れた、優しいキス。それが数十秒続いた後、ゆっくりと唇を離した。
コウキの瞳の色は、元に戻っていた。
「ヒカリ…」
「初恋の相手に、大好きと言われて、キスまでした気分は?」
「…!」
「それとも、シンジこでしてあげた方が良かったかな?」
「…あ、そうかも。」
「欲張り。」
二人が静かに笑いあう。
「マサゴに帰ってきたら、シンジこでまたやってあげよっか?
あ、でも、二番煎じであんまり感動しないかな。」
「ううん。
出会って、一目惚れして、叶わぬ願いを抱いて、それがすぐに叶って…」
コウキの息が荒くなる。
仕方ないなあという顔で、もう一度キスをするヒカリ。
ようやくコウキの意識も落ち着いた。
二人は椅子に座って、ステンドグラスを眺めている。
「なあ、ヒカリ。」
「どうしたの?コウキ。」
「…えっとさ、ここ、教会にも…見えるよね。」
「え?うん。」
「でさ、僕たち…タキシードにドレス、着てるよね。」
「そうだね。」
「そして、今…いや、これからも、僕にとって、君以外考えられない。」
「…?」
「出会ったときから、そしてこれからも、ずっと、ずっと、大好きだ。」
「あたしも。ありがと。」
「だから、その…」
言おうかどうしようか迷う。
だが、彼の中では、今の、このシュチュエーションでしか、言えない気がした。
「今から言うこと、冗談と思わないでほしい。
そして、真面目に、本気で、ヒカリの想いを答えてほしい。…今しか、言えないから。」
「…!」
「…。」
目が真剣だった。ここまで真剣に話しかけてきたのは、初めてだった。
コウキが自分の全てを賭けて話してきている、そんな気がした。
そして、コウキは、本当にヒカリと出会ってから今までの、そしてこれからの人生すべてを、ヒカリにぶつけた。
「僕と…結婚してほしい。」
「!!??
で、でも、ママとの電話の時とかは」
「あの時は冗談と感じた。でも、僕の中で、どうしてもあの言葉が離れなかった。
今は、本気だ。決して、ヒカリのお母さんに流されたわけじゃない、あの人はきっかけに過ぎない。
ヒカリのお母さんの言葉でふっとそんな考えが浮かんで、アチャモが自分の心に気付かせてくれた。」
流石に焦った。まさか本気で言ってくるとは思わなかった。
まだ二人とも15才にはなっていないし、本当に人生が懸かった事である。
母親に冗談として言われからかわれたこともあり、簡単には受け入れられなかった。
「結婚なんて…そんな、無茶苦茶だよ!
まだ子供なのに、そりゃエッチはしたけどさ、そんな大事なこと、決められないよ!」
「でも…でも!僕にもう、ヒカリのことしか考えられないんだ!
ヒカリと結婚できたらどれだけいいか、僕には、ヒカリしかいないんだ!」
「あたしだって…コウキが好き!コウキのことしか考えられない!」
「じゃあ…なんで?
…数年後に、僕かヒカリが、他の人に取られていくかもしれないという不安?」
「そんなんじゃない!あたしにはコウキ以外の人はありえない!
コウキだって、あたし以外の人の所に行くなんて、絶対にない!」
「…だったら、どうして?」
ヒカリが、涙ぐむ。
そして、口をひらいだ。
「なんて…なんて答えればいいのか、わからないの!頭の中が、真っ白なの!」
「!」
「うれしいのに、すごくうれしいのに、
…素直に受け止められない悲しさ!コウキの期待に応えられない悔しさ!
なんで?本当に、本当にコウキのことが大好きなのに!ねえ、なんで…」
すがるような目で見るヒカリ。
コウキは、軽はずみで『結婚したい』とは言っていない。数年後を想像し、言った言葉である。
だからこそ、ヒカリはどうすればいいのか、わからない。
素直に『ありがとう』と言えばいいのに、それが出来ない。
「ごめん…あたし、ひどいよね。何で言えないんだろ。」
「気にしないで…僕が、悪いんだ。
酷いよね、僕って…だから、無理して僕なんかと」
「絶対に断りたくない、絶対に、断らない!
コウキだけ、コウキだけを、あたしは…考えて…いたい…うわあああああああん!」
大声で泣き付くヒカリ。
石造りの静かな建物なだけに、その鳴き声は余計に響く。
ヒカリは泣き続けた。
自分が、ヒカリを傷つけてしまった、その罪悪感が、コウキから離れない。
だから、精一杯泣き続けるヒカリを受け止めて、抱き続けた。
結婚したいよ、一緒に結ばれないよ、そう叫びながら、ヒカリは泣き続けた。
どれくらいの時がたっただろか。漸くヒカリが落ち着き始めた。
「…ねえ。」
「…え、えっと…なあに?」
「1つ、1つだけでいいから、質問に答えてほしいの。」
「あ、ああ、100でも、200でも、いくらでも聞いてくれ。」
「さっき言ってた。今しか言えないからって。…どうして?」
ヒカリはまだ涙をこぼしていた。
コウキはゆっくりと口を開いて、そして言った。
「その前に、僕は、ここが教会みたいなところで、
…そして僕らはドレスに、タキシードを着てるって言ったよね。」
「う…うん。」
「今しか言えないって言ったのはね。
…それが理由なんだ。」
「それが理由って…教会にドレスに、タキシードが?」
「うん。」
「…どうして?」
不思議そうな眼で見る。その眼には悲しみとか、怒りとかといった感情はない。純粋にただ答えを求める瞳。
ヒカリのその可愛らしい表情に少し安心し、
そして、笑顔で答えた。
「ここで、結婚式を挙げたいんだ。」
すべての理由が、ここにあった。
コウキがタキシードを着て、ヒカリがドレスを着て、ステンドグラスの前で永遠の愛を誓う。
結婚という言葉が脳裏に焼きつき、偶然にも舞台も整っていた。
そして、初恋の相手、ヒカリとのキスで、その想いがあふれだしたのだ。
「コウキ…」
「ごめんね、黙ってたつもりじゃなかったんだけど…」
「コウキ…コウキ!」
「わわっ!」
抱きしめが緩くなっていたが、再びヒカリが強く抱きしめる。
女の子があこがれる、結婚式の花嫁。大好きな人の前で、その憧れの人になれる。
もうヒカリには、何の迷いもなくなった。
「ありがとう!ありがとう、コウキ!
け…あ、えーっと、その…」
「ヒカリ、君からその言葉、聞きたいな。」
「う、うん、…頑張る。」
流石に恥ずかしくて言う勇気がすぐには出なかった。
一呼吸おいて、そして口を開いた。
「あたし、コウキと、結婚したい!」
「ヒカリ…やったあ!僕も…僕も、結婚したい!」
また二人が抱きつく。タキシードもドレスも、ずいぶんしわができていた。
2人が入口から入ってくる。腕を組み、一歩ずつ、足を踏み入れる。
いろいろぎこちないが、2人はまだ結婚式を見たことがない。イメージだけで、懸命に頑張っている。
ヨスガに知り合いはおらず、そもそも教会の周りには人すらいない。だが、招待客はいた。
ポケモンたちである。ドダイトスも、ユキメノコも、エンペルトも。
そして2人が歩くすぐ後ろを、アチャモがヒカリのドレスをついばみながら懸命についてくる。
何か違う気がするけど、でも、最高の結婚式であることに、変わりはない。
「できれば、パソコン通信でみんなを呼びたかったけど…」
「あはは、まあ、即興だからね。15才になったら、また結婚式、しよ。」
教会からポケモンセンターまで結構ある。
いったん戻って、なんてことをやっていたら、いつになるかわかったものじゃない。
ジョーイさんに怒られることも考え、仕方なくあきらめた。
そして、奥で待っているのは、しゅくふくポケモン・トゲキッス。
神父の役割を任せることにしたが、確かに、これ以上の適任はない。
とはいえ人間の言葉は喋れないので、『永遠の愛を誓いますか?』といったやり取りは省くことに。
トゲキッスの目の前で、その愛を誓う印として、キスをする。
ウェディングドレスではないので、無論ヒカリの顔をおおうレースはない。
ので、代わりにヒカリの長い髪を両手で救い上げた。そして誓いのキス。
ポケモンたちが拍手をする。
もっとも、ドダイトスだけは巨体故何が起こるか分かったものではないので、あらかじめ何もせぬよう指示していた。
仕方なく、背中の木をゆさゆさと揺らす。
こうして、2人で考えた、2人らしい、2人なりの結婚式は、幕を閉じた。
ポケモンたちをすべてボールに戻す。ポケッチを見ると、ちょうど9時を指していた。
一応ポケモンセンターには12時までに戻ればいいが、肝心の事はしたので、もう帰ろう。
…と思っていた。
「ねえ、…結婚式の後、えっと、2人はホテルで…その…」
「うん。じゃあ、ポケモンセンターの部屋で…する?」
「…えっとさ、さっきさ、様子がおかしくなった時あったよね。」
「え。あはは…はあ。あれは自分でも情けない。」
「そ、そんな風に言わないでよ!そ、その…うれしかったし。」
「あ、ありがとう。」
お互いの言葉が口ごもる。
「でさ、たぶん、よくわからないけど、いつもコウキはあたしを見てるからさ。
だから、さっきあんな状態になったのは、いつもよりもっとあたしに惚れてたのはさ、
…このステンドグラス越しの月明かりにあたってただからじゃない?」
「…多分、そうだと思う。なんで月明かりであそこまで変わったかは、自分でもよくわからないけど。
いつもとのヒカリの姿との決定的な違いは、月の光だったからね。」
「それに加えて、最初見た時に見惚れてたこのドレス姿、ってのもあったのかも。」
くすくすと笑うヒカリに対して、
顔を赤くし何も言えないのはコウキ。
ふと、ヒカリが立ち上がり、2,3歩コウキから離れた。
「だからさ…
この月明かりに照らされたあたしの裸見たら、すごくうれしいんじゃない?」
「え…ま、まさか!」
コウキが止めようとする前に、ヒカリがドレスを脱ぎ始めた。
まずはドレスの上半身を脱ぐ。
その脱ぎ姿に見惚れていたが、上半身が脱ぎ終わったところで我に返る。
「い、いくらなんでもここは…だ、だれか来たりしたら…」
「こんな場所、こんな時間にだれも来ないよ。」
優しい口調でコウキに語りかけ、今度はスカートを脱ぐ。
「い、いや、でも…」
「いいの。あたしのこと、もっと好きになってくれれば。」
次にブラウスに手をかける。
1つ1つ、ゆっくりとボタンをはずし、するりと脱ぐ。
「で、でもそんな、僕のためにそんな…」
「コウキのために、それだけで十分。」
ブラのホックに手をかけ、それがするりと脱げる。
思わず目をそらす。もはやコウキが静止できる状態ではなくなっていた。
またさっきの様に自分が保てなくなってしまいかねない。いや、間違いなくそうなる。
さっきはヒカリと初めて会った時の『コウキ』だからよかったが、
「だ、だめだ!」
「どうして?」
月明かりを浴びたヒカリでさえ気がおかしくなりかけた。
月明かりを浴びた、裸のヒカリを見たら、間違いなくとんでもないことを起こすに決まっている。
想像するだけで、理性が吹っ飛びそうなコウキ。
「ヒ、ヒカリを、悲しませるような事は…したく…ない…」
「今までエッチするときは、本当にやさしくしてくれた。あたしの事を懸命に考えてくれた。
だから、今日はコウキが、気持ち良くなることだけを、考えて。」
それでもコウキは目をそらす。ヒカリは一呼吸を置いて、間をとった。
「見て。」
見ての言葉に、反射的に顔を向けるコウキ。
そこには、想像をはるかに超えた、ヒカリの姿があった。
瑠璃色の夜の月明かり。それがステンドグラスを通って、数色の光に変化する。
その、淡いぼんやりとした、それでいて鮮やかな光が教会の中に差し込む。
そしてその光を浴びているのは、初恋の相手、ヒカリの一糸まとわぬ姿だった。
発育途上の小ぶりな胸、きゅっと引き締まった括れ、バランス良く、大胆に膨らむ下半身。
下腹部には薄く生えている陰毛、そしてくっきりと見える割れ目。
そして、コウキが一目惚れした、優しく微笑む、信じられないくらいに可愛い顔。
とどめは、ヒカリの魅力を最大限に引き立てる、月の光。ヒカリのすべてが、コウキの視界に収まっている、
だが、それでもコウキは理性を保ち、こらえていた。
別に一線を越えた仲、襲ったって構いやしなのだが、再びコウキはヒカリと初めて会った時のコウキになっていた。
いくら裸でも、どれだけ可愛くても、初対面の女の子を襲うなんて、犯罪である。
…しかし、とどめの一言で、ついに完全にコウキの理性は吹っ飛んだ。
「して、いいよ。」
コウキがすっと立ち上がり、早足でヒカリに迫り、抱き倒した。
「いてっ!ちょっと、下は石なんだよ!」
ヒカリはうまいこと倒れたため、ダメージは最小限で済んだ。
だが、コウキはヒカリの心配をすることはなく、胸を触り出した。
目つきが違う。ヒカリは一瞬おびえた。
(いつもと違う…さっきだって、いつものコウキなら、あたしに一言心配の声をかけるはず…)
だが、あれだけ魅力的なものを見せられたら、そうなってもおかしくない。
しかし、ヒカリはそうなる事態を予想していなかった。
「は、激しい…あっ!」
それでも、いつもは優しく控えめにヒカリを抱くコウキ。
心のどこかで、大胆にせめるようになったコウキをうれしく思った。
コウキもこれで4度目、最初と比べればかなり上達していた。
「…チュ、チュパッ、チュパ、チュッ!」
「んあ、ああうっ、ああん、んあああああああっ!」
乳首やその周辺に激しくキスを続けるコウキ。実はヒカリに見つからないようにこっそり勉強していた。
理性が吹き飛んでも、そのあたりの記憶はしっかりと残っている。
「んんんんんんんんんんっ!」
そして、今度は深い、深いキス。
舌を激しく動かすコウキ。ヒカリはなんとかその動きについていく。
しかし、あまりにも激しく、長い。ヒカリはなんとか唇を離そうとするが、コウキはキスに夢中で離れない。
「んんん!んっ…」
息が続かない。だがようやくコウキが唇を離す。
新鮮な空気を取り入れようと肩で大きく息をするヒカリだったが、一息つく暇なく彼は陰部に手を伸ばす。
「んっ!」
コウキが陰唇にしゃぶりつく。あまりにも激しく、下半身にしびれが来始めた。
そして今度は指を入れ始める。だが、コウキの理性はなくなっている。
いきなり3本の指を突っこんだ。
「つうっ!」
いつもゆっくり愛撫していることになれており、またまだ幼いことから、苦痛を感じる。
それでも、いままで自分の体や心を大事にし、自分の事を考えながら愛撫してくれたコウキ。
今回は、コウキに、思う存分楽しんでもらおう。コウキが楽しんでくれれば、それでいい。
唇をかみしめ、コウキに気付かれないように堪え続ける。
そう思ってはいたが、それでも苦痛はだんだん大きくなって行く。
続けているうちに快楽の方が大きくなるだろうと思っていたが、それは間違っていた。
痛みが激しくなる。コウキの手の動きもますます激しくなる。
そしてコウキは、4本目の指を入れた。その無茶に、ヒカリは遂に耐えられなくなった。
「つうううううううっ!」
明らかに悲痛ととれる叫び声。思わず陰部をコウキの指から移動させてしまった。
ヒカリは無意識にしてしまったその行動を、後悔した。
自分は何をやってるんだ。コウキはいつも自分のためによくしてくれている。
そのコウキに、応えられなかった。コウキの好きなように好きなだけ、自分を楽しんでもらおうと思ったのに。
だが、その瞬間、コウキに理性が戻った。
大好きなヒカリの、悲痛の叫びが、彼をよみがえらせた。
目の前で、ヒカリが泣いている。痛みに耐えられなくて泣いている、そう思った。
もっともヒカリは、コウキに応えられなかった自分の浅ましさ、情けなさで泣いていたのだが。
(僕は…僕は…何をやってるんだ。
自分を好きでいてくれる、ヒカリを、傷つけて、泣かせて、…こんなに悲しませて。
あれだけ僕によくしてくれる、可愛くて、優しい、大好きな、ヒカリを…)
震えが止まらなかった。また、2人の関係が225番道路の一件の時と同じ…
いや、もう口をきいてもらえないかもしれない。
怖くなった。自分を嫌うヒカリと、同じ空間に、コウキはもういられなかった。
あわてて走り出した。教会の出入り口に向かって。幸い、彼は服を脱いでいなかったので、何の支障もなかった。
「待って!」
ヒカリが、コウキをとめるため、力がほとんど残ってない中で懸命に叫ぶ。
コウキはそれに気付き、走るのをやめた。心のどこかで、そう言ってもらうのを期待していたのかもしれない。
ヒカリの声は、心の底からの怒りを抱えた声ではない、コウキはそう感じた。
もしかしたら、必死に謝ったら許してもらえるかもしれない。そう期待していた、が。
「ご…ごめんなさい!」
「……え?なんで…」
「コウキの好きなように、あたしの体で遊んでもらいたかった…
なのに…それを拒否して…コウキは優しいから…あたしのせいでその優しい心を傷つけて…」
コウキはゆっくりとヒカリのところに向かう。
コウキには、わけがわからなかった。なんで誤っているのが、自分じゃないのか。
「だから…コウキはもう、あたしに嫌気がさして…
そんなのいや!お願い、ごめんなさい!コウキ、コウキィ…」
泣きすがるような顔で見るヒカリ。こんなことになったのも自分のせいだ。たまらなくなった。
全力で駆けよる、ヒカリの心を救い、安心させるために。
「ヒカリっ!」
ヒカリが泣いている理由が、ようやく分かった。
ヒカリは、優しい女の子だから。だから泣いているんだ。
「ヒカリっ!」
2度と手放さない、そんな意志を感じられるほどに、強く、強く、抱きしめた。
「誰が、誰が…君を見捨てたりするもんか!」
「コウキっ!コウキっ!」
ヒカリは大泣きした。
戻ってきたうれしさ、自分への情けなさ。コウキへの感謝。すべてを涙にかえて、コウキにぶつけた。
だいぶ落ち着くと、今度はコウキが誤った。
「ヒカリ…本当にごめん。」
「え?」
「ヒカリの裸を見て…僕がヒカリを好きになった理由、すべてが見えた気がして…
それで、なんだか変な気持ちになって、おかしくなって…」
「…コウキ…」
「それで、ヒカリのすべてを欲しくなって、自分のことしか考えてなくって、
無理矢理に、ヒカリを滅茶苦茶にしてしまって、そして、ヒカリを傷つけて…
ずっと痛みに耐えてたはずなのに、それに気付かなくって…」
ヒカリも、コウキが逃げ出した本当の理由にようやく気付いた。
コウキが逃げ出した理由もまた、コウキが優しい男の子だから。
いつも自分を傷つけないよう、愛撫する。その優しさが、完全にコウキに戻っていた。
「…もう、大丈夫だよ。痛くないよ。」
「え…」
「平気だよ。なんともないよ。…いつでも、いいよ。」
ヒカリもまた、優しくそう語りかける。
ただ、ヒカリに痛みを与えてしまったのは事実。さすがにコウキは躊躇していた。
「いや、でも…」
それでも、ヒカリの優しさは、コウキに再び勇気を与えた。
「コウキが、欲しいな。」
「ヒ、ヒカリ…」
涙ぐみながらキスを交わす。そして、ゆっくりとヒカリの体を倒した。
そして、いつも以上に、ゆっくりと、陰唇を舐めはじめる。さっきの苦痛を、忘れさせるように。
さっきの分を取り返そうと、必死に、だが傷つけないよう、ゆっくりと。
「き、気持ちいいよ、コウキ。」
「ほ、本当に?」
「優しいね。本当に、優しいね、コウキは。」
ヒカリがまた涙を流す。
「…痛かったら、言ってね?」
ヒカリの、禁断の世界に、小指を入れる。
まずは細い小指から、ゆっくりと。
「…んっ」
「い、痛かった!?」
思わず小指を抜く。ヒカリが、クスクスとあわてた表情のコウキを見て笑う。
「優しいね、コウキは。すごく気持ちいいよ。
…痛かったら言うから。何も気にしないで、ね?」
「うん、わかった。
でも、少しでも、ほんの少しでも痛かったら、言ってね、ね!?」
コウキが必死になってそう言った。
「うん、ありがとう。あたしのために、そこまで気を遣って…
…本当にコウキは、優しいね。」
ここまで相手のことを気遣う人間は、そうはいないだろう。
それだけヒカリが好きで、大事にしようとする。その優しさが、ヒカリは一番好きだった。
入れる指を太くしていく。もう片方の手でその周りを愛撫する。
225番道路でやったやり方と同じ…いや、それ以上に優しく、ゆっくりかもしれない。
ヒカリは今まで、コウキは自分の性欲の、快感のために、エッチをしていると思った。
だが、あくまでヒカリのために、ヒカリのために気持ち良く。愛する初恋の女の子のために。
ヒカリは、コウキのために体をコウキに預けた行為を、深く悔やんでいた。
だからこそ、コウキの思いに応えるために、思い切り気持ち良くなろう。
それが、コウキにとっての喜びである、ということに、ようやく気付いた。
恥ずかしくなった。それが彼女をさらに敏感にする。
「んああっ、あんっ!」
「ヒカリ?」
「き、気持ち、い…はあんっ!」
ゆっくりと入れる指の数を増やしていき、三本が楽々入るようになった。
(もっとヒカリを気持ちよくさせたいな…でも…)
「どうしたの?」
コウキが迷っている。ヒカリはいち早くそれを察知した。
「あ、いや、えーと…」
「…お願い。」
「え…」
「お願い、して欲しいな。」
ヒカリはコウキが何をしようとしてるかはわかってはいない。
それでも、コウキは自分を気持ちよくするために考えてることには間違いない。それに応えたい。
「…うん、わかった。」
そしてコウキは、入れる指をさらに一本。
合計四本の指が、ヒカリの中を蹂躙する。
「!?…ひゃあああんっ!」
未知の世界と未知の快感に、ヒカリが喘ぐ。
「い、痛かった?」
「いい、すごくいい!お願い!もっと、もっとお!」
意識が飛び始めた。
ヒカリはコウキに対しする性欲だけしか、考えられなくなっていた。
「うん…わかった!」
ゆっくりと、それでいて激しく。
感じそうなところを擦っては喘ぎ、つついては叫ぶ。絶頂に近付いてゆく。
「ヒカリ、いくよ!」
指の出し入れのスピードをフルにする。
ヒカリの意識は飛ぶ寸前。それでも少しでも長く、コウキからの快感を得ようとする。
意識を保つために力を入れると、ますます内部が敏感になる。
それでもコウキはスピードを緩めない。ヒカリについに限界が訪れる。
「コ、コウキ、コウキ、コウキいいいいっ!」
潮を大量に噴射する。コウキに飛び散った後、ヒカリの意識は飛んで行った。
「ヒカリ?」
「…ふ…あう…」
「…ちょっと、やりすぎたかな。」
「そんなこと…ない…」
だが、ヒカリは懸命に意識を回復させようとしていた。
まだ、やることが残っている。それを終えるまでは、コウキと一つになれるまでは…
「大丈夫?もう体力は残ってないはずじゃ…
下手すると、当分動けなくなるよ?」
「それでも、いい…コウキにも、気持ち良くなってほしい…」
ヒカリのその言葉に、胸を打たれた。
「あたしも、気持ち良くなりたい。
それに何より、1つになりたい…」
「…わかった!」
ヒカリとのやり取りで、コウキは、初めての生をしたくなった。
だが、一時の感情で、一生の後悔をするわけにはいかない。
そこもやはり彼の根幹を成す優しさである。コンドームを取り付け、先端を当てる。
「いくよ?」
「うん…あっ、あっ、あっ…」
ゆっくりと侵入させていく。ゆっくり、少しずつ、少しずつ。
「…一気に入れて。」
「え…でも、そんなことしたら…」
「絶対に、痛くない。一気に、来て欲しいの、お願い…」
「…わかった!」
意を決し、一気に貫いた。
「あああっ!あん、あん、あん!」
一気に貫いた瞬間、ヒカリは快楽で喘いだ。
そのまま腰を強く振ってきて、その度に喘ぐ。
「くっ!うあ…」
コウキも腰を強く振る。
「コウキ!コウキ!もっと!」
「ヒカリ!大好きだ!ヒカリ!」
互いを求めあう。お互いの名前を呼び合う。
そして、コウキの下半身を射精感が一気に襲う。
「ふあ、ああああああん!」
「くっ、出る!」
コンドーム内を大量の精液が駆け巡る。溜まっていた数日分の精子は、想像以上に多かった。
コンドームを介しても、ヒカリは精液が勢いよく出るのを、感じ取る。
そして、再び絶頂が訪れたヒカリは、コウキと1つになれたことに満足し、
再び、今度こそ完全に気を失った…
「…あれ、ここは?」
「あ、きがついた!」
大きなベッドが1つ。横を向くと、コウキも同じように横になり、こちらを見つめていた。
「ごめん、重かったでしょ。
あ、そっか。ポケモンに頼んだんだね。」
「…何があったか感じ取れる状態だから、ポケモンには頼めないよ。
ヒカリはすごくスレンダーだから、お姫様だっこでもすごく軽かったよ。」
「…もっと胸がほしいな。」
「あ、いや、そういう意味じゃなくって…」
スレンダーは失言だったか、そう感じた。
「ふふ、冗談…って、ヨスガの街をお姫様だっこで!?」
「周りにはあまり人はいなかったし…それに、その、道端には俺たち以外のカップルも沢山…」
「…。」
顔が赤くなる2人。
「え、えっとさ、えーっと…」
「ど、どうしたの?」
何か話題を振ろうとするが、急には思いつかない。
「と、とりあえず、シャワー浴びる?
僕はもう浴びたけど…」
「あ、うん、そうだね。じゃあ、浴びる…あうっ。」
体力を相当消耗しているヒカリ。1人で立つこともままならない。
「ごめん、1人じゃ無理っぽい。」
「1人で立てないなら…2人で立とう。
1人で歩けないなら、二人で歩こう。…これからも、ずっと。」
「う、うん。……ひゃっ!」
すごく恥ずかしい言葉を言うコウキ。恥ずかしくなるヒカリ。
照れるコウキ。だが気にせず、ヒカリの左脇を右肩で抱え、右腕でもう片方の脇を支える。
「ね、ねえ。シャワーを浴び終わったら、その…」
「…うん、いいよ。」
「ほ、本当に?」
「…うん。お願い。」
「やった!じゃあ、さっそくシャワーを浴びよう!」
「わわっ!」
急激に動いたので、バランスを崩すヒカリ。
それをあわてて支えるコウキ。お互いの目線が合う。お互いがほほ笑む。キスをする。
「行こうか」
「うん」
きゅっとコウキの右手を握るヒカリ。優しく握り返すコウキ。
これからの、シャワーを浴びた後の事を想像して、嬉しくなるコウキ。
そんなコウキを見て、クスクスと微笑むヒカリ。
2人は、手を握る力を、そっと、ほんの少しだけ強くした。
これからも一緒に同じ旅路を歩むであろう2人の姿を、窓からそっとエムリットが見守っていた。
やっと…全部貼り付けた…
ちょっといくらなんでも多すぎました…
どこかでコピペで手違いが起こってるかも…
どうですかね、原作者の方?
>>299 ありがとうございます!
いやあ、うれしい……そして面白かったです!
加えて、見てみたかったシチュエーションの上、描写が丁寧で素敵です……
本当に感謝してもしきれないです!
さあて、自分もきちんと続きがんばらないと……
301 :
暴走ボート:2008/05/16(金) 00:52:27 ID:/VYUd2mA
ありがとうございます。
あと、またお願いをしにあがりました。
第2弾(通算シリーズ4作目)のアイデアが思いつき、
それを書きたいと思うのですが。いいですかね?
ていうか今後もいくつか書くと思うので、
できれば半永久的な許可をもらいたいのですが。
今回はゲームに沿いましたが、次のはかなりオリジナルが濃くなりそうです。
小説は書くのが楽しい。
(もっとも、エロを書いたのは今回が初めてですがね。)
>>301 私自身は大丈夫ですー
ただ私も続きを書きたいとは思っておりますので、書き続けるとは思いますので、その
辺りはご容赦いただければ
でも、その辺りは他のスレの方々が気にしないのであれば続けてぜんぜん大丈夫と
思います
他の方々との折り合いをうまくしていただければ大丈夫かな、と身勝手ながら考えて
おりますので
303 :
暴走ボート:2008/05/16(金) 01:56:46 ID:/VYUd2mA
まあ、同じ世界観を別の職人が描くわけですからね;
そこら辺は融通を利かせていきましょう。
コウキ、ヒカリ、そしてその関係者の設定は
絶対にぶち壊さないので。
…といいながら2人を結婚させてるわけだけど。
まああくまでそれは2りの将来における願望なので、
2人に年をとらせなければ大丈夫かな。
>>299 乙です!
>譲り合いの精神と欲望の精神が2人の中を交錯する。
この部分の心理描写がリアルで秀逸ですね。
>>302 楽しみに待ってます!
それでは、
>>268の続きから「リン&ラン×シュウ」を投下します。
「シュウ……。あたし……、――ひぁッ!?」
言葉が紡がれようとした刹那、ランが歯を食いしばりながら、のけぞった。
「ランちゃんのココ、すっごく濡れてるぅ!」
「あ……、ふぁぁっ! リン姉さん!」
視線を落とすと、少々見えにくいがリンの姿を確認できた。
どうやら、ランの秘部を指で責めているらしい。
カラナクシの粘液を思わせる卑猥な水音が、静かな森の中で一層大きく聞こえる。
リンの傍らには、スパッツと縞模様のショーツが転がっていた。
「かわいい声……。こんどは口でしてあげるわね」
「え……? ちょっと姉さ――ああァッ!!」
先ほどにも増して、ランは大きく体をよじらせた。
水音がだんだんと大きくなり、ランの羞恥心を煽るように淫靡なメロディーを奏でる。
これも狙ってやっていることなのだろう。
ランの秘部に口を付けているので顔は見えないが、
悦楽に染まっているリンの表情を想像するのは容易いことだった。
「ん……ぷはぁ……。
――お口のまわり、ベトベトになっちゃった。そんなに気持ちよかったの?」
リンがクスリと忍び笑いを漏らした。
オレに覆い被さりながら荒い息をつくランの頬は、うっすらと蒸気しており、
額には珠のような汗が浮かんでいる。
「もう我慢出来ないわよね? シュウくんもでしょ?」
「え……?」
不意に名前を呼ばれたため、思わず聞き返す。
――リンの言う、『我慢が出来ない』という言葉の意味を、
正しく認識するために必要な情報が、オレの脳内には足りていない。そういうことだ。
――しかし、人間にプログラミングされた情報というのは、
必要に応じて姿を現すものらしい。
――ハッキリと理解しているわけではない。
だが、股間の昂りが示す確かな疼き。これは生物としての生理的欲求だと、オレは悟る。
原因が目の前に居るランだということにも、すでに気付いている。
――ただ、この感覚を鎮める方法が判らないのだ。
手で刺激を与えるとか、そういう単純なことでは無いハズ。もっと別の何か――
「入れたいんだよね? ランちゃんの中に」
「っ……!?」
どくん……と、鼓動が聞こえた。他の誰でもない。オレの心臓の音だ。
そう――。やり場の無い衝動を持て余し、それをぶつける対象が存在しないことに、
さっきまでのオレは焦燥を感じていたんだ。
しかし、リンの一言で、漠然とではあるが解決方法を見つけ出した。
――たぶん、これが答えだ。
「ラン……」
オレは、わずかに痺れの感覚が残る上体を起こし、
右手を掲げ、そっとランの頬に触れてみた。
「シュウ……」
それに気付いたランが、薄く閉じていたまぶたを開き、小さく呟く。
――ランの顔を、こんなに間近で見たのは初めてだ。
つい、粗野な性格のほうばかりに気を取られがちだったが、
潤んだ大きな瞳や長いまつげは女を感じさせるには十分過ぎるものだった。
頭の後ろで適当に束ねられた髪の毛からは、草むらの香りがする。
――オレは直感に導かれるまま、ランの腰を両手で掴む。
抵抗されるんじゃないか、という危惧もあったが、
ランは変わらぬ様子でオレのことを見詰めていた。
きっと、こいつもオレと同じ気持ちなんだ。
「リン。このまま、ランの中に?」
いまだに行為の具体的な方法が判らないオレは、念のため、リンに確認を取る。
「そうそう! パパが隠してたビデオで、やり方を覚えたの!
そのままゆっくりランちゃんのお尻を落としてあげて!」
言われるまま、少しづつランのヒップを下げてゆく。
程なくしてオレの肉棒の先端に、ぬるっ、とした粘膜が触れた。
――あとは、このまま――
「シュウ!」
「え!?」
オレが、一呼吸置いてからランの中に挿入しようとしていた、その矢先。
予想外にも、ラン自ら、勢いよく腰を落としてきた。
気を抜いていたオレは、突然、肉棒を飲み込まれ、
強引に与えられた未知の圧迫感に思わず顔をしかめる。
中は信じられないほど熱く、ドロドロとした感触の膣壁が、
マグマッグの体に触れたかのような錯覚を呼び起こす。
だが、初めて味わう、その感覚の余韻に浸る間も無く、
オレは黄色い声に耳をつんざかれた。
「いったぁぁッ!!」
いきなり顔を歪ませながら大きな悲鳴を上げるラン。
――な、何が起こった?
「言い忘れてたけどぉ。初めてのときって、すっごく痛いらしいわよ!」
あっけらかんとした態度で説明するリン。今さら教えられたって無意味だろ……。
――いや……。これが自然な状況であることが判明しただけでも、よしとするか。
オレは、苦痛に身悶えるランの手を、ぎゅっ、と握り締めてやる。
「大丈夫だ。オレが付いてるぞ。ラン!」
「シュウ!」
ランが、目に涙を溜めながらオレの背中に両手を回してきた。
こちらも、それに応えるべく、ランのことを抱きしめる。
彼女の身体は予想以上に肉感的だった。
衣服越しに伝わってくる温もりが、それを、まざまざと感じさせてくれる。
「く……。ラン……」
ゆっくりと、上下に腰を動かしてみた。
その瞬間、今までに感じたことも無いような快感が根本に伝わってくる。
自分が何をすれば気持ちよくなれるか――。生物としての本能がオレに教えてくれた。
その本能に従うように、オレは腰を動かすスピードを速めてゆく。
「ひっ! ぐ……、はぁんっ!」
動かし始めてからしばらくのあいだは、痛みに耐えようと歯を食い縛っていたランだが、
どうやら、少しづつ快感に変わってきたらしい。
喘ぎ声には先ほどよりも余裕が感じられ、表情は和らいでいる。
気が付けばランのほうも、オレの上で一心不乱に腰を振っていた。
もはや、ここが野外だということも忘れているのだろう。
彼女は何のためらいも無く歓喜の声を上げ、輝く汗をほとばしらせている。
「あ! あぐっ! ラ、ラン!」
体を動かすたびに襲いくる嵐のような激情に気圧され、
オレのほうも欲望に身を委ねながら力を込めて、下方から幾度も突き上げる。
うっそうと生い茂る木々たちに見守られながら、
オレたちはケダモノと成り果て、互いを激しく求め合った。
「うっ……! なんか……来る!」
怒張の疼きが途端に強烈なものとなり、
何かを知らせるかのごとく、尿道に痺れをもたらした。
――おそらく、行為の終結が近いことを知らせるためのものなのだろう。
「ラン!」
体面も恥もかなぐり捨てて、ランの唇にむしゃぶりついた。
モモンを連想させる柔らかい感触が口元を包み、
同時に、タポルのような、ほどよい甘酸っぱさが、鼻孔を刺激した。
一瞬、驚いたように身を引いたランだったが、
すぐさま、オレの求めていることを理解してくれたらしい。
ランのほうから進んで舌を絡ませてきた。
「ん……ちゅぷ……ふぁっ!」
すべてを貪り尽くすかのような濃厚な口付け。
ねち、という秘めやかな音がリズムを刻み、激しい腰の動きと一体になった。
それと同時に、下半身の痺れが今までとは比べ物にならないほど大きくなる。
その疼きがついに限界を迎え、理性の欠片を押し流すかのように決壊した。
「うぐッ! 出るっ! 何か! 何か出――うわァアぁァぁッ!!」
下肢が痙攣したと思った次の瞬間、尿道の中を熱い何かが走り抜け、
結合していたランの膣内で爆発した。
「ひ……ああァあぁぁァァッ!!」
それとほぼ同時に、ランが身体を反り返らせ、甘美な嬌声を空高く放った。
ランの身体は、ビクッ、ビクッ、と痙攣し、根本が在り得ないほどキツく締め上げられる。
それでもなお、オレの、みなぎったモノから噴き出す何かは止まらない。
ランの中に注ぎ込まれているものの正体が何なのか、という疑問が、
少しだけ頭をかすめたが、それ以上に、この瞬間が大切だと、素直にそう感じた。
「――はぁ……はぁ……」
どれだけの時が経ったのだろうか。吹き飛んだ理性の前では時間の感覚もおかしくなる。
ゆっくりまぶたを開くと、眼前には変わらぬランの姿。
快感の余韻が抜け切っていないのか、口を開け放ったまま、肩を大きく上下させている。
なんのことは無い。絶頂の終結から、まだ1分も経っていないようだ。
「シュ……シュウ……」
ろれつの回らぬ口調で、ランがオレの名前を呼ぶ。
たったそれだけのことなのに、不思議と嬉しかった。
「ラン……」
こちらからも名前を呼んでみる。
とても小さなことなのに、とても大切なこと。
互いに名前を呼び合う行為から、オレは、言葉では言い表せないほどの重要性を感じ――
「あ〜ん! ランちゃんってば、すっごく、えっち〜!」
突如として、この場のムードに似つかわしくない、舌ったらずな歓声が響き渡った。
咄嗟に顔を横に向けると、
瞳をキラキラと輝かせながら、ランの表情を眺めているリンの姿が視界に入る。
そういえば、こいつも居たんだったな。すっかり忘れてたぜ。
「うふふ! 今度は、あたしがランちゃんを食べちゃおっかな!」
そう言って、ランの両肩を、がしっ、と掴むリン。
「え? え? ちょっと、リン姉さん?」
突然行われた不可解な宣言に、ランは目を丸くしながら動揺する。
だが、リンは、それを気にも留めようとしない。
「あ、あたし、イッたばかりだし、これ以上は――」
「せーの! いっただっきま〜す!」
「ね、姉さん! 待っ――ひゃぁあああぁぁッ!!」
たくさんのポケモンたちが暮らす、深緑に満ちた森の中で、
ランの悲鳴が、ひと際高く響き渡った。
END
「リン&ラン×シュウ」投下終了&完結しました。ありがとうございます。
カラナクシやタポルの実が存在しているのは、大目に見ていただけると嬉しいです。
>>309 乙です!
やっぱりこの二人は可愛くてよいですなー
無邪気さゆえのエロさってのは無敵ですなある意味
GJ!ところで次回作の予定は?決まってないならリクしていいですか?
ヒナタかミライの凌辱モノを書いて欲しいのですが…
>>311 まだリクOKもされてないだろ
リクは消えろ 死ね
315 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 18:25:16 ID:nOTBdEMY
誰か知ってる人居ないかな…
数年前とあるサイト見つけたんだけどお気に入りに入れるの忘れて今の今になって気になってきたんだ
内容は確か映画登場ポケモンがその時はレックウザまで擬人化してたやつなんだ
覚えてるのはミュウツーが性欲解消の仕事してて順番に回って商売してた事しか覚えてないんだ
いやリクは増やすべきだろ
サトカス・シュウハル・シンヒカのどれかの小説を書いていただきたい!公式!
名無しの主人公>ナツメで鬼畜属性入った名無し×ナツメを受信したんだが需要ある?
鬼畜入ってるから聞いといた方がいいかなぁ〜・・・て
ナツメなら大歓迎
亀ですが、かるびさん、暴走ボートさん、GJです。
ふたつとも美味しく頂きました。
>>322 是非ともお願いします
>>322 とりあえず需要あるとか聞かないでうpしてくれ
ちゃんと需要あるから
そういえば例のナツメジンクスってどうなったっけな
ナツメは男共を念力で操って性奴隷にしてると良いな
同志はおらんか
ムチを忘れるなよ
俺はナツメみたいな強きな女やSな女が堕ちていくところがいい
>>330 あれ・・・オレいつの間に書き込んだんだっけ?
サトカス・シュウハル・シンヒカのどれかの小説を書いていただきたい!公式!
普通に王道なサトヒカがいい
さて、12kbばかり頂きますよ
もちっと針で刺したり蹴ったり殴ったり─な鬼畜属性入れるつもりがなんか結構普通になっちまったい
鬼畜を期待してた人、ごめんなさい
とある町の元ポケモンジム、現カラテ道場
いつもは荒々しい掛け声と共に、修行に励む街の名物
しかし今は、鎮痛な声と、すすり泣くような物音がかろうじて聞こえるのみ
〜〜〜上腕大腿骨粉砕骨折、右足複雑骨折、今も意識不明、このカイリキーが完治する事はまず無い」
「オレの・・・カイリキーが・・・グズッ」
「うっうぅ・・・オコリザル・・・」
カレテ道場師範代は、自らの感情を押し殺すように、ただ淡々と現状を話し続ける
「以上、門下生139名のポケモン、計213名が再起不能となった
そして再起不能でない僅かなポケモンも、全て重症、危篤状態、無傷な者はただの一人もおらん」
「アノヤロォ・・・よくも・・・」
「絶対に思い知らせて・・・」
「確かジム巡りしてるとか・・・」
「やめんか」
師範代が重々しく口を開き、静かに事実を告げていく
「ヤツに適う人間はこの道場にはおらん、そして己を鍛えて立ち向かえる相手でもないのは確かだ
今回の事は嵐か何かが過ぎ去ったものと思え、彼奴に復讐などというのは・・・諦めろ
今、最優先でやるべきは各々のパートナーの傍らに付き添っていてやる事だろうが」
「 分 か っ た かァ!!! 」
最後の一喝で、まだ不服そうな顔をしていた者もいなくなった
『ヤツ』についての被害者の証言:
人を甚振る事が唯一の楽しみ
関われば関わるだけ人生が不幸に染まる
危険思想の持ち主につき立ち寄り禁止
人畜有害近寄るべからず
ガキの見た目に惑わされるな、コ○ンの強化版だと思え
などなど、冒頭から引っ張ってきた『ヤツ』は今・・・
「腹減った・・・誰か助けて・・・オネガイシマス・・・」
行き倒れていた
「うぅ、やべぇ・・・目の前が霞んできた・・・
いよいよ幻覚まで見えてきたか・・・?目の前にジムが見える・・・
ってアレ?ホントにジム?・・・・・・助かった・・・のか?」
フラフラと吸い込まれるように建物の中に姿を消す
その数分後、建物内には必死に食事を施してもらおうとする子供の姿があった
「お願いします!!何でもいいんです!!食べれるものを分けてください!!」
頭を床にこすり付けて必死に頼み込む姿が哀愁を誘う
「いや・・・そう言われてもねぇ・・・」
「挑戦者だからって食事の都合までは・・・」
しかしそこはさすがに都会の風潮
十代前半の子供が地べたに張り付いて頭をこすり付けた所で、事態は全く好転しない
「アレ?ちょ、警備員さん?どしたの、動けないんですケド・・・」
公共施設に不審者が現れれば当然の処置が待っている
警備員に摘み出されるだけで済んだのは不幸中の幸いか
結局ジムに入る前、振り出しに戻ったわけだが、腹の方は悪化していくばかり
「あぁ・・・オレもここまでか・・・」
そのやり取りを見ていた一人の青年が、おずおずと小さな箱を差し出す
「あの〜・・・コレ、食べます?」
「・・・・・・・!!」
その言葉を聞くが早いか、ひったくるように箱を奪い、包装紙を剥がし弁当にかぶり付く
あっという間に弁当は容器のみになった、その間僅か30秒強
「はは・・・余程お腹空いてたんだね」
「プッハァ〜・・・生き返ったぁ〜、ありがとうございます、恩に着ます、一生忘れません!!」
「大袈裟だね・・・元々食べないで捨てる予定の弁当だから気にしないで」
「捨てる!?勿体無い・・・」
「いや食が細いからね、一日2食で十分なんだ」
「ほぅ」
「だから昼食に出される職員用の弁当はいつも食べないんだ・・・
これから暫くは普通に食べるだけで一苦労だろうけどね」
・・・・・・この生気の薄れた目、トボトボと歩く背中、この言動!!
行き倒れトレーナーが結論に達するのに時間はかからなかった
「あんたこのジムクビになったの?」
「うん、色々あってね・・・でもよく分かったね」
『そりゃそうだよアンタ不幸オーラが立ち上ってるモン』
「仕方ない、さっきはオレが助けてもらったし、今度はオレが助けちゃろ」
「え、いいよいいよ、自分で何とかしてみるから・・・」
嫌がる恩人を(無理矢理)引き連れ、先程のジム内に入る
瞬く間に警備員が召還され、にじり寄ってくる
「ちょ、ストーップ、今回は普通に挑戦しに来ただけ!!」
一瞬警備員の動きが止まる
「だから普通にジム挑戦しに来ただけだって!!
は、な、っ、せ、よ、コンニャ・・・ロ・・・!!!」
怪力自慢の警備員達を引き剥がそうとするがそれは無駄な努力に他ならない
「うー・・・頭に来たぞ・・・!!」
警備員達の体が段々宙に浮かび上がる
「ん?オレ何もしてないよ・・・?」
押さえつけられていた怪しさNo.1の子供も不思議そうな表情をしている
「私のポケモンが念力で動かせる最大積載量はケンタロス4頭、私にだってそのくらいはできるわ」
地面から20cm程浮きながら、ロングヘアーの女性がロビーに入ってくる
「さ、挑戦は受け付けるわ、料金も払わなくていいから、闘技場へいらっしゃい」
そのまま元のドアをくぐろうとするナツメの視界にある物が入る
「あら、貴方・・・誰だったかしら、クビにした筈なのに何でまだここにいるの?」
「うっ・・・」
ヘビに睨まれたカエルのように青年の体が硬直する
「貴方のような輩はここには必要無いの、警備員、大きい方は摘み出しなさい」
警備員が青年の体を固定し、外へ連れ出そうとする
「待った待ったストーップ!!」
子供の声と共に、再度警備員の体が浮かび上がる
(え、ちょ・・・ナツメ様!?)
「このジムは一般人の見学は許可してないの?
この人はオレの恩人だからオレの戦いを見ていて欲しいんだよ、ダメなの!?」
ナツメは多少面食らったような顔の後、
「まぁいいだろう、禁則事項に見学の規制は載っていない、だったら早くきなさい!!」
「じゃ、オニーサン行こうか、見てるだけでいいからもう少し付き合ってよ」
その恩人の『オニーサン』に選択権は残されていなかった
やたら濃い光の中、ジム戦が始まろうとしていた
「ルールはこれだけ、分かったかしら?」
「分かった、もう始めて大丈夫だよ♪」
「OK、スタートよ」
その言葉と同時にボールの突起物から赤い光が走り、フーディンの形状を成していく
「アナタの事は聞いてるわよ、道場じゃ随分ハデにやったらしいわね・・・
あの師範がこっちに連絡をくれたのよ、お前が来たらジム戦を受けるな─ってね」
クスッ、と小さく笑う
「こんな子供一人に何を言ってるのかしら
私が負けるはずがないじゃないの
フフ、早くポケモンを出しなさい、全て叩き潰してあげるわ!」
それまで大人しく、不気味なまでに大人しく話を聞いていた挑戦者は、やっと口を開いて一言
「どうでもいいけど、早くポケモン入れ替えたら?」
「えっ!!?」
事態に気付いたのは、フーディンが倒れる音がしてからだった
「ふ、フーディン・・・?」
小さな体付きの挑戦者は、小さく笑みを浮かべ、
「ねぇ・・・オネーサン・・・一つ、賭けてみない?」
何が起きたか分からず、慌ててフーディンを戻しているナツメに、淡々と語りかける
「負けたらさ・・・一つだけ・・・何でも相手の言う事聞くってのはどうかな・・・?」
「いやホラ・・・負けるのが怖かったら約束しなくてもいいよ・・・負けると思ってるんだったら、ね・・・」
「う、うるさいっ、行けっ、ユンゲラー!!」
「ミーちゃん・・・金縛り」
二番手のユンゲラーの動きが止まる
「ねぇ・・・どうかな?この賭け・・・乗る?」
「お前・・・・・・!!」
「モンスターボールに入れたまま技を出してたの!?」
「アンタのモンスター程度ならそれで十分だよ、ミーちゃんにはね・・・」
『自分の何十倍も大きいポケモンを一瞬で倒『いつもこうやって戦ってい『ボールを突き抜けて攻撃『相手もエスパータイプ!?』
様々な考えが脳内に浮かび上がる
この計算高い女は、圧倒的な格の違いを見せ付けられ
数秒のタイムラグと共に、完全に負けを認めた
「か・・・勝てないわね、ジムバッジは・・・あげるわ・・・」
侮蔑、嘲笑、当たり前のように受け取る、その先の事を何パターンか予想する
しかし、答えは予想を大きく外れるものだった
「何言ってるの?まだ勝負は付いてないじゃないか」
「え、ちょ・・・」
『ここまで格の違いを見せ付けておいて何を・・・』
「HPが0になるまでやろうよ・・・ねっ」
その言葉を聞いたとき、やっと意図が分かった
『終わらせないつもり!?この子・・・』
「ミーちゃん、次は・・・ボソボソ」
「降参よ、降参!!キミの勝・・・・・・きゃッ」
挑戦者がモンスターボールをかざした途端、不自然に声が途切れる
「何言ってるの・・・このジムに負けを認めたら戦闘終了なんてルールは無かったでしょ」
一部のジムでは『不利な状況でも諦めない』精神を養う為、と言う名目で降参不可となっている
「うぅ・・・く・・・カハッ」
必死に手足をバタつかせ、見えない腕から逃れようとするナツメ
その姿にいつもの余裕は全く見て取れない
「ミーちゃん、気絶しても面白くないし、ちょっと弱めて・・・手足を動かせないくらいにしといて」
「プハァッ・・・うぅ、離しなさい!!」
手足は先程のもがき苦しむような姿勢で固定され、ビクともしない
かろうじて顔や腰くらいなら動かせるが、
ポケモンも倒れ、無防備な状況という事の慰めにはならない
「ここってポケモンがトレーナーに攻撃するのは『アリ』なんでしょ?」
手足が先程の姿勢から手を上方でくっつけ、あしを伸ばして開く、
丁度Y字を逆にしたような形になっていく
「できるだけ実戦に近付ける為─とか言ってるけどさコレって要するにアンタもオレと似たような事やる為でしょ?」
ナツメの顔が少しだけ強張る
「ここまで露骨じゃなくてもさ・・・トレーナー攻撃して遊んだりとかしてるんでしょ?」
この辺りでは圧倒的な強さを誇るナツメが、そのサド気質を以ってジムを運営している内に
段々とルールはこういう事になってきたのだ、
今までは何の問題も無かった、ちゃんと全ての戦いに勝ち、勝てない戦いでもそれなりに僅差まで追い詰めた
この状況は、圧倒的捕食者側だったナツメに、このルールの本質を思い知らせるには十分だった
「た・・・・・・助けて・・・」
今まで口にしなかったキーワード、プライドをすり潰してやっと声に出せた
並のトレーナーならその色気と独特の、強者が弱気になって助けを求める雰囲気に押されていたかもしれない
しかし今回のトレーナーは、その免疫は十分にあった
「まぁまぁ、その内気持ちよくなってくるから、さ」
そんな事を言いながらポケモンに指示を出し、腰を体感で50°程曲げ、腰の高さより肩が少し下にくるようにする
腰を突き出し両手は上でくっつけて大股を開き、これではどう見ても男を誘うようなポーズになる、本人の意思とは無関係に
「ちょっとマテ!!待ってくれ!!このポーズはやめてくれ!!」
「さ、次はポケモンでも出すか」
手に持っていたボールとはまた別のボールを取り出す、無論ナツメの言葉は虚しく響くのみ
「ん、どうしたの?別にオレはまだポケモン出してないんだし、ポケモンを出すのは自然な事でしょ?」
ボールから出てきたエビワラーは不自然なまでに興奮しているようだ
「くぷぷっ・・・このコねー・・・格闘道場からもらっ(強奪し)てきたんだー♪」
「覚えてる?エビくん、あの女がキミらの格闘道場を潰したんだヨ♪」
そんな事を言う挑戦者側はもっと惨事を起こしている、
無論エビワラーにもそんな事は分かるが、
『コイツに逆らってはいけない』という野性の本能がエビワラーの闘志を削ぐ
「さて、エビくん、おーいで」
体を固定されたナツメの後ろ側、突き出された腰の方に回る
「な、何をする気だ!!やめろぉ────!!!!!」
この場で自分の念力を使えば更に状況は悪化するだけかもしれない、
そう思ってナツメは念力を使わなかった、いや使えなかった
しかしここまで来ると流石に黙って傍観していられない、
これはイチかバチか、窮鼠がネコに噛み付いたような状況
「ミーちゃん、ちょっと彼女落ち着かせて」
しかし、いくら彼女がエスパーで、この場を惨状に変えられようと
所詮彼女はネズミ、ライオンに噛み付いて生き延びられる訳がない
「ぐっ・・・あ・・・ぐ、が ァァァァあああァァァっっ!!!」
悲痛な叫び声と共に、体がぐったりとし、力が抜ける
「ちょっとアタマの中いじくりまわしただけで大袈裟だなぁ
それよりオニーサン、ちょっとこっち来てー」
それまでそのやり取りを、この世の出来事とは思えず、その場にいながら傍観していた青年
「え、オ、オレ!?」
「確かオニーサンいーい具合にカメラ持ってたよね?」
「持ってるけど・・・コレは・・・」
「コレでさ・・・ボソボソボソ」
「えぇっっ」
「いいじゃないか、ジムリーダー処女喪失事件、このビデオなら数百万はカタいって」
「な・・・何ッッ!!・・・・ぐ、アァ」
「何も考えない方がいいよー、ウチのミーちゃんの念波攻撃は非常に苦しいって話だから」
「アンタさ、今まで人イジメるのが大好きなアンダー系のオネーサンなのに
実はSEXはおろかオナニーやキスの一つもした事無いんだろ、
まぁこれはアタマの中を掻き回したミーちゃんに教えてもらったんだけど」
「ぐっ・・・」
超図星、このジムリーダー、20代前半も終わりに近づいて、未だそんな乙女のような純潔さを保っているのだ
「さーてそんなジムリーダーの純潔が、今ポケモンによって奪われようとしています
しかもそのポケモンとは、近所の潰された格闘道場、その師範のポケモン、エビワラーだー!!」
ヘンに芝居がかった口調になったと思ったら・・・やっている、既にビデオは回っている
「待って、ちょっと待って、お願い、止めて・・・」
そんな言葉に構うことなく作業を進めていく
「ハイ、じゃあこの男を誘ってるとしか思えないスカート降ろして・・・と
ああ、そうだ、ここ完全防音らしいけどあんまりうるさくするんだったらさっきのアレまたやるからね♪」
「ひッ・・・・・・」
「パンツは・・・処女のクセして黒のレース!!
そんなにケツ突き出して、もう早くツッコんで欲しいのかな」
「・・・・・・・ッッ!!これはアナタが・・・」
「しかし全然濡れてないみたいだな」
パンツを少しずつ引き摺り下ろしていく
「やっ、やめ・・・」
「面倒くさい、サイコキネシス!!」
その言葉で、上半身以外の衣類、手袋から靴からスカート、パンツまで・・・全て引きちぎられるように剥ぎ取られる
かろうじて残ったのは上半身の白いスーツのみ、中から着ていた服はバラバラになった
「んー・・・とりあえず濡れてないのにいきなりツッコむってのも面白いんだけど・・・」
エビワラーの下半身の逸物を取り出す
「流石にこの大きさじゃあシャレにならんなぁ、はは・・・;;」
既にギンギンに反りたったソレは、軽く人間のサイズを凌駕していた
直径軽く30cm強・・・か、しかし近くで見るとより生々しく凶悪で、より巨大にも見えた
「仕方ない、ミーちゃん、催眠術!!」
「ん・・・?」
『何ともない・・・不発か?』
「エビくん、ちょっと軽めにこのお尻ぶったたいて〜」
エビワラーはそれきた!!とばかりに、軽くジャブを見舞う
「ッッ!!!」
格闘ポケモンに、しかもその頂点に立つ男のポケモンに、軽くとはいえ殴られるのだ
人間が受けるダメージは計り知れない
しかしその激痛と共に、訳の分からない快感が広がる
「気持ちいい?オネーサン」
「何を・・・」
「いや催眠術でさ、アンタマゾにしてみたから」
「は・・・イ?」
「さーあと2〜3発いってみよー」
続けざまに殴られる、その痛みと共に、確かな快感が押し寄せてくる
「なんで・・・こんな・・・」
ペチペチと尻を叩きながら、子供の純真な笑顔で語りかけてくる
「アンタはもうやられる事に快感を感じるんだよ
こんなカッコしてるのも、ガキにこんなコト言われるのも気持ちよくて仕方ないんでしょ」
「・・・ッッ!!そんなワケ・・・!!」
「でもホラ、コレは何なの?」
スーツのスキマから乳首を詰り、無防備な秘所を軽く一撫でする
「チクビはこんなに硬くして、アソコからはダラダラこんないやらしい液垂らしてさ
コレで興奮してないワケないでしょ」
「うぅ・・・何でこんな目に・・・」
「ン〜・・・そだな・・・エビちゃーん、そろそろ出番なんだけど・・・やっぱコッチに入れてもらえる?」
その言葉と共に、菊門を小さな指が這う
「ソ、そこは・・・違ッッ・・・」
「いいじゃんか、ハジメテ〜がコーモンから〜だってさ」
「よくない!!やめっっ・・・お願い・・・や、」
「じゃ、やっちゃって〜」
その言葉と共に、エビワラーが剛直を突き立てる
「くァっ・・・つゥゥゥゥ────ッッン・・・」
出来る限りの力を込めていたらしいが、そんな制止はカンタンに振り切られ
ずぶずぶと侵入者を迎え入れる
「やっ・・・やめ、これ以上入らな・・・ッッ!!あ、ンあぁぁァあァァぁアぁ!!!」
「お〜スゴいスゴい、ちゃんと全部入ってら、しっかり撮ってるー?」
「う、うん・・・」
撮られていた、今まで忘れていたその事実に驚愕する
「や、やめっっ・・・撮るな・・・ッッ!!撮らないでッッ・・・」
「あー、気にしないキニシナイ、エビくんそろそろ動いてー」
「え、アァっっ!!ンなっっ・・・や、コラ・・・あゃッん、ひァッ!」
「楽しそうだねー・・・」
ナツメには念力も使えなければ、格闘ポケモンに抗う力も無い
出来ることといえばただ喘ぐことのみ、その声には段々と快楽の色が混じっていた
「ふァっ・・・ン・・・はぅっ・・・アッ・・・」
「いやいや流石だね〜、初めてで、しかも尻でこんなに感じるなんて、どんなスキモノだか」
「はンっ・・・アナタが・・・何か・・・ンッ・・・したからで・・・あグぅっ」
「まーいいや、それよりエビくん、忘れたの?この女はキミの大好きな格闘道場を潰したんだよ?」
もっと本気で犯さなきゃ、という悪魔のささやきを残し、隣で撮っている青年に向き直る
『アンタさー・・・このヒトのバッグに淫具入れたり・・・ってイタズラやってたんでしょ?』
そのささやき声で、興奮気味だった青年の顔が青ざめる
『まぁソレでクビになった─とかいうのは置いといて、多分バッグの中にまだ似たようなのがかるでしょ?』
青ざめた顔のまま、コクンと頷く
『いやソレをとやかく言うつもりは無いの、むしろソレを使ってくんないかな』
青年の顔が「?」から微妙に下卑た笑顔に変わる
『じゃ、このカメラでオレが撮ってるから、バッグから好きなの取ってきなよ』
その間にも、エビワラーの、相手を全く省みない挿入は続いていた
数分後、仰向けにされ、ローターで乳首を刺激され、処女をバイブに奪われ、
現在進行形でバイブとアナルビーズに犯されるナツメの姿があった(エビワラーはボールに戻った)
「どうしたんでしょう、やっぱりアナルビーズが気持ちいいんですか?」
「や・・・ぁっ、抜いて、コレ抜いてぇ・・・」
「何を抜いてと言われてるか分からないんですけど」
「うぅ、お尻と、ま・・・まんこの・・・抜いて・・・ください」
性格を催眠術でさらにいじくられ、無抵抗と化したナツメに普段の面影はない
「抜く・・・これかな?」
アナルビーズを早い感覚で、相手を気遣う様子も無く抜き始める
「あひゃっっ、やめ、て!!やっ・・・ンぁぁっっ、やめてェっ!!」
「なんだ、こっちじゃなかったか」
最後の一つ、まで抜いたアナルビーズをまた挿入していく
「やめ、折角抜いたのに・・・!!ンぅっ、くァっ」
「あ、じゃあこっちかな?」
バイブで緩急を付けて抜き差しする
「ひァっ・・・あっ・・・ンくっ・・・ぅあ、クゥゥゥゥ!!・・・、・・・・・・え!?」
絶頂を迎える寸前でローターが止まり、バイブの動きも止まる
「オイオイ、イク時は言えって言ってるだろ、」
「すみま・・・せんっっ・・・」
「イキたいか?」
言葉で聞きながら軽く秘所を弄ぶ
「イジワル・・・言わないで・・・」
「イカせて欲しいんだったらさっさと言え」
「い・・・イキたいです、イカせてください・・・」
よくいえました・・・と言い、ローターを振動させ、アナルビーズを抜き始める
「ひァァっっ!!イク、、、イキます!!」
限界寸前のナツメの秘所で、さらにバイブが暴れ始める
「ンっっァァ!!?イっっ・・・クゥゥゥウゥゥッッッッ!!!!!! 」
「またイッたか・・・ったく、ホラ起きろ、次はコレ使うぞ」
アレから3ヶ月後・・・ナツメは青年を雇いなおした
青年はナツメに対し、今まで以上に堂々とナツメに性的なイタズラをするようになった
今ではナツメが挑戦者の相手をする時はバイブとローターは必ず付けさせられているらしい
余談だが、途中、ポケモントレーナーが撮っていた方が写りがよかった
そのポケモントレーナーはというと・・・
「誰かァ・・・ゴハンを分けてください・・・」
行き倒れていた
以上、最後まで読んでくれた人、ありがとう
GJ!
なんというかこれは……奇抜だな
だがそれが良い
なんでゲーム主人公は大抵鬼畜なんだwwwww
とにかく乙
ミーちゃんにエビくん…付ける名前が微妙に可愛いな
つーか青年 良い人→変態 何この流れ
そりゃあ本性でしょ
とにかくGJ&乙
サトカス・シュウハル・シンヒカのどれかの小説を書いていただきたい!公式!
こういうの見るといつも疑問なんだが、シンヒカって公式!とか言わせるような描写あったか?
嫌とかサトカスシュウハルしか認めない!とかそういうのではなくて、純粋に気になる
なんかそういう萌える描写があったなら知りたい
ダイパの初期見てないから、俺が知らないだけか
ありまくりだろう、クロガネジムの16話を見れば一目瞭然、そしてノゾミとケンゴは黒歴史
シンヒカ公式を確実にするためにノゾミとケンゴを抹消しなくてはいけない
歪曲イクナイ
勝手に公式って決め付けたいだけの奴はほっとけよ
公式厨はカプが好きというより荒らしたいだけだろ
公式厨の単純な脳内
サトカスが公式だと仮定すれば、ヒカリにはシンジかケンゴしか残っていない
この両名で選ぶなら、シンジしかいない
ってことだろ。原作の展開なんか関係なく
なんにしても公式を叫べば叫ぶほど
誰も書きたくなくなるという事実に気づけないのが厨
厨を装っている奴も厨
スルー出来なかった俺も厨
こういうレス読むと逆にサトヒカ書きたくなってくるww
やべー、書きてーわwwww
357 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 22:28:23 ID:esluzjqH
ドラーモン死ね
358 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:31:08 ID:ypKbMco7
ポケスペで赤青とか・・・書いても良いんだろうか?
>>355 まぁ本編ではノゾミがいる時点でシンヒカもケンヒカもないんだろうがね。
361 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 23:41:37 ID:ypKbMco7
≫360
どうも有り難う御座います。
363 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 12:37:52 ID:lIh8pSc5
ドラーモン死ねばいいと思うよ
>>363 お前が死ねばいいと思うよ
さっさとあの肥溜めに帰れよw
よーし、今度サトヒカ書いちゃうぞ
366 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:40:04 ID:93D80qL9
個人的にビーボタン同盟のハツネとオトネ陵辱が見たい
進化させないトレーナーなんて雑魚なんだよとか散々、傷つくような言葉を浴びせられながらレイプされるって感じに
うっかりよそで酉バレしてしまったので今後はこれで。
フエンタウン。
火山と温泉で知られるこの町だが、ポケモントレーナー達には別の意味で有名な町だ。
ポケモンリーグへ至るための8つのバッジを入手するために挑戦するジムのひとつがここにあるのだ。
「くっ…」
「コータス、よくやったわね」
たった今、そのジムでの戦いが終わった。
悔しそうに膝をつく少年と、勝利を決めたコータスを褒める女性。
彼女はアスナ、このフエンジムのジムリーダーである。
「ありがとうございました……」
ジム戦に敗北した少年がアスナに挨拶にくる。
そんな少年に対し、アスナは気さくな笑顔で握手を求めた。
「惜しかったわね。またの挑戦を待ってるわ」
アスナと握手した少年は、その姿を見て思わず赤面した。
フエンジム内は高温の蒸気でまるでサウナのような状態。
その中に長時間いたアスナの服は汗と蒸気でピッタリと張り付き、何ともいえない色気をかもし出している。
アスナの紅潮した肌は、彼女が扱う炎ポケモンよりもずっと綺麗だ。
そんな少年の様子を知ってか知らずか、アスナは胸元をパタパタとさせながら口を開く。
「アタシも君もすっかり汗かいちゃったわね。君、温泉入って汗を流してきなよ」
「は、はい……」
「ジム戦をやったといえば、入湯料タダになるからね」
少年はこれ以上アスナと目を合わせられず、いそいそとジムを後にした。
「はあ……疲れた」
少年は肩まで湯に浸りながら天を仰いだ。
受付でフエンジムの紹介だというと、すぐに屋上の露天風呂に通された。
一般浴場と違い、ここはジム生達が使う特別な露天風呂らしい。
今は昼なのでジム生達もここを使うことはなく、少年は一人で広い露天風呂を占有することになった。
「どうして勝てなかったんだろう」
アスナが使うポケモンは全部分かっていたし、水ポケモン主体の万全なパーティー構成で挑戦したのに、だ。
「もう少しポケモン達を鍛えるべきだったのかなあ……」
「いいえ、違うわね」
「はあ、違いますか……って……!」
自分の独り言に答えが返ってきたことに驚き、思わず声の方向に首を捻る。
そこには一糸纏わぬ姿で立っているアスナの姿があった。
「あ、あああアスナさん!」
思わず顔を背ける少年を尻目に、アスナは桶を使って湯をすくい、それを体に浴びせた。
「あたしもジム戦で汗かいちゃったからね」
「は、はい……そうですか……」
湯浴みをすませたアスナは少年の横に浸かると「ん〜」と声をあげながら背を伸ばし、両手を上げる。
水面から豊かな双丘が顔を出し、ふるんと揺れた。
『お、おっぱい……』
少年は顔を正面に向けたまま、目だけはアスナの胸から離れない。
「で、さっきの話」
「……は、ハイッ?」
「負けた理由」
アスナは少年の正面に回り、口を開く。
「負けた理由は、あなたが暑さに弱かったからよ」
「暑さに……弱い……」
「暑さはトレーナーから判断力や集中力を奪うわ。だからポケモンへ的確な指示ができなかった」
少年は先の戦いを振り返る。
確かに、ジム内の暑さで頭がぼーっとして指示が遅れた場面が何度かあった。
思い返してみれば、それが勝負の分かれ目だったかもしれない。
「そうか、そうだったのか……」
自分の未熟さを棚にあげて、ポケモン達のせいにしようとしていた自分が恥ずかしい。
自分はまだまだ未熟なポケモントレーナーだ。
落ち込んでいる少年の目の前に、不意にアスナの顔が現れた。
「……んっ……んっ!」
アスナは少年の頭を押さえると、いきなり自分の唇を少年の唇に合わせる。
『な、なにをするんですかアスナさん!』
そう声をあげようとした少年の口に、アスナの舌がヌルリと侵入してきた。
その舌は少年の口の中でゆっくりと動き、もう一つの舌と絡み合う。
ちゅ、ぶちゅる、じゅる……
『あ、あ……』
混ざり合う唾液が淫猥な音を出し、少年の思考能力を奪っていく。
たっぷりと少年の口内を蹂躙したアスナの舌が、唾液の糸を引きながらゆっくりと離れていく。
「どう?」
「どうって……どう…して、こんな……」
アスナは少年に覆いかぶさったまま、その胸の谷間に少年の顔をはさみこむ。
「頭がぼーっとなるでしょ?さっきの戦いのときみたいに……」
やわらかな胸の間に顔を埋め、少年の思考回路は完全にオーバーヒート寸前だ。
「これは特訓。あなたが冷静でバトルできるように我慢する特訓なのよ」
だがそんなアスナの声も、少年には届いていないようだ。
「ふふふ、可愛い男の子。名前はなんていうのかな?」
「み、ミツル…です……」
「特訓開始よ、ミツル……」
アスナはミツルの顔を胸の谷間に埋めたまま、その手でミツルの股間をまさぐりはじめる。
「そ、そこ触っちゃ…」
案の定ミツルのそれは水中で反り返り、ピクンピクンと可愛く震えていた。
「こすってあげる」
アスナはミツルの未成熟なペニスを三本の指でつまむと、上下にしごき始める。
「あああ、あっ!!」
ミツルが胸から顔を出し、小さく声を上げた。
そんなミツルの反応を楽しむかのように、アスナの指はミツルの肉棒を刺激する。
「ほらほら、このままじゃアレが出ちゃうわよ」
ミツルも思春期に入った男の子だ。
病弱で引き込もり気味だった彼は、暇にまかせてオナニーという行為をすでに何回か体験している。
『けど、このままじゃ……』
もし絶頂に達してしまったら、湯船の中に射精してしまう。
そんな事になってしまったら……
「冷静に考えるの、ミツル」
ミツルの考えを見透かしたようにアスナが囁きかける。
「冷静、って言っても……ハアッ!」
射精を抑えようと耐えながら、ミツルは必死で朦朧とした頭を回転させる。
どうすれば
どうすれば
その時、不意に頭の片隅にある映像がよぎった。
『そ、そうか!』
バシャァッ!
ミツルは渾身の力を込めてアスナの拘束をふりほどき、立ち上がる。
そして、アスナの頭を掴むと自らの股間へと引き寄せた。
ビュルウウウーーッ!
「あっあ、アアアっーー!!」
ミツルの絶叫にアスナが目を見開く。
ミツルのペニスはアスナの口内に挿入され、その瞬間に勢いよくザーメンをぶちまけたのだ。
それはアスナにもある程度は予測できた事である。
小学生とはいえ、エロ本の一冊や二冊で口内射精の知識は得ている事もあるからだ。
『だ、だけど……これはっ!』
「ん゛ん゛ん゛ん゛ッ!!」
アスナの頬が膨らむ。
ミツルの射精は止まらず、その凄まじい量はアスナの口の容量をオーバーしようとしていた。
『子供……いや大人でもこんなに出ないわ、多すぎるッッ!』
ついに耐えきれなくなったアスナは、ミツルの股間から頭を離そうとする。
だが、後頭部を両手で押さえられて身動きが取れない。
ブバババッ!
許容量を超えたアスナの口から白い液体がリバースしていく。
ミツルの小さなペニスではアスナの唇を完全には密閉できない。
口の両端から勢いよく精液が溢れだしてきた。
『な、なんて量なの、この子……』
ちと所用ができましたので一旦投下終わり。
明日あたりに続き投下します。
次はエニシダもでるよ!
ふぅ…
なんだよタイトルと内容関係無いじゃねえか
乙、続き楽しみにしてます!
379 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 08:32:37 ID:f+Z0wojv
またクソーモンのヲナニーか
文章力も何もかもトキワに抜かれちまったな
シンヒカを書いてくれ!
381 :
暴走ボート:2008/06/04(水) 20:40:57 ID:wiM9YQfb
>>273から
>>297までコウヒカを書き込んだものなんだが。
またあのつづきを書いたんだが、
…5万字って何KBだ?
夢中になって書いて、長くなりすぎた;
383 :
暴走ボート:2008/06/05(木) 03:00:16 ID:1R13QrS8
考えてもらちが明かないので載せます。
スレッドオーバーすらあり得るかもしれませんが…
予想では50レスくらいは行くな。
原作者の方がどういう顔をするだろうか…
「あ、あ、あ、あ……」
「ヒ、ヒカリ…出る!」
コンドームの中を駆け回る精子。
息を荒くして、お互いを見つめあう2人。
「えへへ…満足?」
「…ヒカリは?」
「気持ち良かったよ…コウキ。」
コンドームを注意深く外し、ゴミ箱に捨てるこの少年の名前はコウキ。
何度も絶頂を迎え、しばらく動けそうにないこの少女の名前はヒカリ。
初めて会ったときは、ナナカマド博士の研究を手伝う仲間として別々に旅をしていたが、
そのころから既にお互いのことが気になっていた様で。
225番道路で告白し結ばれ、ハードマウンテンでヒードランの怒りを鎮めるという大仕事をやってのけた後は、
多忙ゆえに2人の身を案じたナナカマド博士から休暇をもらい、ヨスガに滞在している。
「…。ふう。」
「ん?どうしたの?ヒカリ。」
「ううん、なんでもないよ。」
コンテストに出たり、プロポーズして簡単な結婚式をあげたりと、充実している。
今はナナカマド博士から連絡が来るまでは、のんびりと静養している。
タマゴから生まれたヒカリのポケモン、アチャモの子育てを楽しみながら。
今日も2人はふれあい広場に来ていた。
(ZZZ………)
「寝ちゃったね。」
「あれだけ走り回ったら、当然だろうね。
そろそろポケモンバトルか、コンテストバトルをやらせてみたいけど。」
「うーん、まだ早いような気もするけど…」
「ま、アチャモのトレーナーはヒカリだから、僕がとやかく言うわけにはいかないか。」
「あはは、やっぱり今でもアチャモが名残惜しいんでしょ?」
「くそう、言い返せないな。」
広場のベンチでのんびりと話をしていた。
近いうちにまた博士から要請が出て、また各地を旅することになるのだろうけれど、
それまでは、めったに無いこういう時間を、大切にしよう。そう感じている。
この充実した時間は、2人にとってとても幸せである。
将来の、数年後の結婚も約束している。アチャモという子供のような存在もある。
何一つ違和感を感じることはない。…事はないのかもしれない。
「ふう…」
「ヒカリ?」
「…え?」
「どうしたんだ?最近、結構ため息をついてるように見えるけど…」
「え、そう?」
唯一の悩み事は、ヒカリが時々ため息をついているということ。
ただ、当のヒカリは無意識にため息をしているようで、そこまで深刻ではないだろうが、
…それでも、すべてがうまくいっている。今の生活に、不満は点はないはず。
コウキはそう考えているが、だからこそこの些細な疑問が頭に残る。
「ヒカリは、今の生活、どう?」
「え?」
「僕は、本当に最高だと思ってる。
可愛くて、大好きな女の子が隣にいて、その女の子と誰にも邪魔されず一緒にのんびりできる。
違和感を感じることは全くない。…僕はそう思ってるんだけど。…えっと、ヒカリは…その…」
やれやれとため息をつきながら微笑み、寄り添うヒカリ。
「ヒカリ?」
「何を言うかと思ったら。
コウキと一緒にいられるなら、どこにいようと関係ないよ。
それだけで、100%幸せ。」
「ヒカリ…ありがと。
…ごめん、バカバカしいこと聞いちゃったね。」
「ううん、コウキは優しいから、あたしのこと心配してくれたんだよね。
だから大好き。だから幸せなんだ!」
ヒカリは、コウキの優しいところが好きだった。
体重をコウキに傾けると、目を閉じて、コウキの腕に抱きつく。
(…優しいから、か。それ故の…)
無意識にまたため息をつこうとしていた自分がいた。
危うくまたコウキに心配をかけさせるところだった。出かかったため息を押し留める。
(ピロピロピロ…ピロピロピロ…)
「ん?ポケギア?」
ヒカリのポケギアが鳴る。
元はジョウトで作られたこの腕時計型の機械。いまではシンオウの常套通信手段となっている。
ヒカリが体を起こし、ボタンを押す。
「俺も欲しいなあ…」
「買えばいいのに…もしもし…あれ、博士?」
違和感を感じた。
いつもナナカマド博士は、連絡の際はポケモンセンターの公衆電話を使っている。
「どうしたんですか?ポケギアに連絡を入れるなんて。」
「悪いが、至急ポケモンセンターに戻ってほしい。迎えを置いておくから。」
「へ?わ…わかりました。」
電話が切れる。肝心の用事を、結局聞けなかった。
普段の博士なら、必ず用事を言い漏らすことはない。
「…だってさ。」
「…どうやら、また忙しくなりそうだね。」
「うん!楽しみ!また、コウキと冒険が出来るんだもの!」
アチャモをボールに戻し、ポケモンセンターへと急いだ。
長いことのんびりしていたおかげで、体が冒険を求め、飢えていたのである。
ポケモンセンターにつくと、そこには1台の車があった。
「あのリムジンかな?迎えって。」
「…あ、来た来た。ヒカリちゃーん!コウキくーん!二人とも、早く乗って!」
車の中から声が聞こえてきた。
バックミラーから2人の姿を確認して声をかけたのだろう。どこかで聞いた声である。
「やっほー、元気にしてた?」
「…シ…シロナさん…」
「うふふ、元気そうね、コウキくん。ヒカリちゃん、私のアドバ」
「は、早く乗ろう、コウキ!」
その女性は、ある意味、今一番会いたくない人、シロナだった。
このポケモンチャンピオン経験者は、ヒカリとコウキの本当の関係を知っている唯一の人物なのである。
ドアを開けてみると、違和感満載の車内になっていた。
シロナの運転席の窓とフロントガラス以外は、カーテンで閉められている。
そして、普通の車にあるべきイスが、ない。代わりに、布団が敷かれている。
さらに良く見ると、運転席と後部座席―もとい布団は、壁でで区切られいる。
もはやツッコミどころ満載の車内である。
「あのー、シロナさん?」
「ん?」
コウキがシロナに話しかける。明らかに怒り口調を感じる。
ヒカリは恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にしてうつむいている。
「どーいうことですか、これ!?」
「え?車だけど?」
何事もない様な返答をするシロナ。思わず、
「僕、助手席に乗ります!」
といって助手席のドアを開けると、ドアの陰で見えなかったが、いろんなものが大量に置いてある。
…不自然なほどに。
「あー、ごめんね。荷物が多くって。
ちなみに大事な荷物だから手元にないと安心できなくて。後部座席に置けないのよ。」
「…。」
何と言えばいいのやら。
シロナは何事もない様に返事をしてくる。これでは何を言っても、暖簾に腕押し、糠に釘。
「も、もう乗ろう、コウキ!
ナナカマド博士が待ってるんだし。」
「そうそう。
急がないと約束の時間に遅れちゃう。」
真顔で時計を見ながらシロナは言った。
もはや何を言っても、どう怒っても事態は好転しないことをコウキは悟った。
「ああ、そうだな…じゃあ、最後にシロナさん、1つだけ。」
「なあに?」
「今度ポケモンリーグに行った時は、完膚なきまでにたたきつぶしてあげますから!」
コウキは名義上はポケモンリーグのチャンピオンなのだが、
ポケモン図鑑の完成やナナカマド博士の研究の手伝いの関係で、まだまだ旅を続けなければならない。
なので、チャンピオンの実務は引き続きシロナが執り行っている。
もっとも、コウキがチャンピオンになって以降、四天王4人を制覇したトレーナーは未だいないのだが。
リムジンが走る。
2人はカーテンを少し開ける。テンガン山が見える。
「2人ともどう?車の旅は。」
「ええ、快適ですよ!あと何時間この旅を楽しむことになるんでしょうねえ!」
「そうねえ、4,5時間くらいかな。約束の時間は午後9時だから、それまでには着かないと。」
コウキの皮肉は、あっさり受け流される。ちなみの時計の針は4時を回った。
…この空間にそんなにもいなければならないのか。そう感じて、落胆の色を隠せないコウキ。
ヒカリはというと、2人きりの空間ということに冷静になれずにいた。
(こ、コウキ…)
(ば、馬鹿!シロナさんの思うつぼだ!)
(でも…)
体を摺り寄せてくる。思えば、毎晩ヒカリは、体の疼きに我慢できずにコウキに擦り寄ってコウキを求めてくる。
コウキは毎晩それを喜んで受け入れるが、今回は話は別である。
(我慢しろ!今夜向こうに着いたら、博士が俺たちの部屋を用意してくれるはずだから、
そこで思う存分やってやるから!)
ヒカリが泣きそうな顔でコウキを見る。だが、流石にコウキの言っていることが正しい。
仕方なくコウキから離れ、体育座りでしゅんと落ち込むヒカリ。
…そのまま30分ほど揺られ続ける。
「…ヒカリ?」
「…はあ…はあ…」
ヒカリの様子がおかしくなり始めた。
「お、おい、どうした、ヒカリ?」
「…か、体が熱い…
もう…我慢できないよ、コウキ…」
「我慢って…わあっ!」
コウキの大事な場所めがけて飛び込んできた。
チャックを開けようとする手を、必死に拒んでいると。
「あ、そういえばさ、車の長旅を快適に過ごしてもらうために前もって車内に芳香消臭剤かけといたんだけど。
ひょっとして気体の媚薬と間違えちゃったかな〜?」
「な、何い!?」
シロナのこのとんでもない言葉。
さっきの車の構造はからかいなんかじゃない。この人、本気だ。
(ふふふ、若い子っていいわね。
男の子には効かないコウキくんは当然防ぎにかかるだろうけど、果たしてどうするのやら?)
コウキを試している反面、、シロナは防ぐことは不可能だろうと考えていた。
事実、ヒカリはさらに激しくコウキを求めてくる。
「あ、こんなところに耳栓が!これつけておくから大丈夫だって!」
(絶対にする気無いだろ!)
「コウキ…お願い、ちょうだい…」
「く…やめろ、ヒカリ!…こうなったら…出て来い、ムウマージ!」
モンスターボールからムウマージを繰り出す。
ムウマを捕まえて以来、最初に貰ったナエトル以上にコウキはこのポケモンを使っている。
「ムウマ、催眠術だ!」
ムウマがこくりとうなずくと、ヒカリ目がけて赤い光を発射。
ヒカリに見事命中し、ヒカリはぐっすり眠ってしまった。
「…ヒカリ?ふう、よかった。
戻ってくれ、ありがとうムウマージ。」
ムウマージをボールに収納。
すると運転席の方に体を向け、壁を挟んでシロナに言い放った。
「ムウマージは、人を眠らせてムウマージが操る夢を見させることができるポケモン。
同時に、ムウマージの催眠術で眠った者は、ムウマージにその意識がなくても必ず夢を見る。
あんな状態だったんだ、間違いなく僕とヤッている夢を見ているでしょうね。」
「…。」
勝ち誇ったように言い放つコウキ。
すると、車のスピードが遅くなってきた。そして完全に止まる。
(…ん?)
「…コウキくん、助手席に乗りなさい。」
「怒るつもりですか?僕は何一つ間違ったことはしてないと思いますよ。」
「いいから、来なさい。」
(…なんだ?こんな真剣な声をしたシロナさんは、初めてだ…)
車を降りて、助手席の方に向かう。
さきほどまで助手席の方にあった大量の荷物は、綺麗に片付いている。どこに行ったのだろうか。
「乗りなさい。」
「はい…。」
プライドを気づつけてしまったか。
少し言いすぎたかもしれない、と思ってるうちに、車は再び走り出した。
そのまま数十分の沈黙が続く。
ヒカリはまだコウキと情事している夢から覚めず、未だ小さな喘ぎ声を出している。
「コウキくん。」
「…なんですか?」
「なんで彼女を不幸にするの?」
「な、なんでって…シロナさんのからかいの方が度を過ぎているでしょう!」
正論である。
いくらヒカリがその気でも、そうなるように仕向けたのがシロナであることに変わりはない。が、
「その話じゃないわよ。」
「…え?」
「コウキくん、しばらくヨスガに滞在していたみたいね。休暇をもらって。」
「彼女との生活は最高ですよ。2人っきりで、のんびり出来て。言うことはないです。
…その事は博士に聞いたんですか?」
「ううん、博士には休暇を与えていると聞いただけ。
詳しいことは、すべてヒカリちゃんからきいているわ。」
「…まあ、そう考えるのが妥当でしょうね。おそらく、僕のいないところで…」
「そういうこと。」
ヒカリとコウキは、お互いが恋人同士であることや、当たり前だが一線を越えた仲であることは言っていない。
2人の中がかなり仲良くなっているのは博士も気づいており、ジュンも何となくそんな気がしていた。
だが、この2人が一線を越えた仲であることは、前述したとおりシロナただ一人。
以前ハードマウンテンにおいてのテントの中での情事の際は、ヒカリはシロナにいろいろ教えてもらったと言っていた。
「で、おそらく今もいろいろ電話で教えているんでしょうね。」
「ええ。向こうから電話を掛けてくるのに、電話に出たとたんに毎度毎度口籠るの。
まあ、何を話したいかは感付いてるから、いろいろ教えてあげてるの。その時の恥ずかしそうな顔といったら♪」
(感づくなよ…)
「何か言った?」
「いえ…別に。」
楽しそうに話すシロナ。
恥ずかしさより情けなさが勝り、顔を赤くすることはなく呆れ顔で、ふてくされた顔になるコウキ。
…だが、シロナの表情が、また一変した。
「そう。…でも、あなたのそういうところが、一番嫌い、だいっきらい!」
「!?」
真剣な、どころではない。コウキに対して、怒りをむき出しにしている。
かつてギンガ団の行動に対して言及していた時もそんな表情をしていたが、それを超えている。
「身近にいて気付かないの!?
ヒカリちゃんが、どれだけ苦しい思いをしているか、わからないの!?」
冷静さを欠いた、シロナの激しい口調。
普段のシロナには想像しにくい、いや、絶対にありえない口調。
「そ、そんな馬鹿な。
ヒカリだって今の生活は最高だと思ってるはずだし、事実そう言ってましたよ。」
「馬鹿っ!
あなたがここまで酷いなんて…思わなかった!」
車のスピードがぐんと上がる。
幸い道は広く、周りに車はないので事故ることはないだろうが。
だが、コウキにはシロナの言っている意味がまったく理解できなかった。
今の生活のどこにヒカリが不満な点があるのだろうか。そのくらい、今の生活は幸せだと感じている。
シロナの言っている言葉がまったく理解できないほど、その事実に確信と自信を持っている。
客観的に見ても、コウキの考えは明らかに間違っていない。…のだが、
(…そういえば、ヒカリ、最近ため息が多い気はするけど…
何か関係しているのか?)
「何かに気付いたようね…思い当たる節でもあった?」
「…ヒカリ、最近、よく溜息を吐いてるんです。
本人はなんでもない、と言ってるんですけど…」
「それはそうね。あの子は、そう言うしかない。」
「なんでですか!?僕はまだ、彼女の信頼を得ていないんですか!?
なにかあったら、遠慮なく言っていいのに、なんで言わないんだ…」
コウキは今ようやく分かった。
あのため息は気のせいだと思っていたが、やはり何か原因があるのだと。
だが、その原因が思い当たらない。自分はできる限りのことはしている、と思っているからだ。
「なんでですか、なんで、ヒカリは…」
「…言うわけにはいかないからよ。…絶大な信頼を置いているコウキくんだからこそ、言うわけには、ね。」
「いったい俺が何をしたんですか!?
思い当たることはあるんでしょ!?教えて下さい!」
「…無駄よ。」
突き放すように言われた。
彼女は片手でハンドルを操りながら、もう片方の手でモンスターボールを突き出す。
「ミカルゲ、催眠術。」
ボールからポケモンが出るや否や、いきなり催眠術にかけられた。
見事命中し、彼の意識は遠のいていく。
そして、彼が意識が途切れる前に聞いた、シロナの最後の言葉。
「今のあなたに教えても、絶対にわかるはずがないから。」
(…ぼ、僕には、わからない…だと?)
目を覚ます。
車が止まっている。どうやら目的地に着いているらしい。
「おはよう、コウキくん。今着いたのよ、ちょうどいいタイミングで起きたわね。」
横、すなわち運転席にはシロナが座っている。
いつもと変わらない、美しい容姿の中に、子供っぽさ全開の笑顔。
(…?)
いつものシロナからは想像できない表情を見せられていたコウキ。当然違和感を感じる。
とはいえ、いつものシロナに対しても、やはり逆らう気は起らなかった。
「とりあえず、降りて。
あなたに会いたいと言っている人がいるから。」
「はあ…」
車を降りると、もうあたりは真っ暗になっていた。後部座席のドアを開けると、ヒカリがぐっすり寝ていた。
シロナの表情が一変したから先ほどの言い争いの事は夢かもしれないと思っていたが、
ヒカリがぐっすり寝ていて、しかもショーツがぐっしょりと濡れに濡れているのを見て、現実だったと確信した。
その寝顔があまりにも可愛かったので、起こすのは申し訳なく感じ、
ヒカリを背負ってシロナについていく。
3分ほど歩くと、目の前に巨大な建物が建っていた。見た感じ、何かの研究施設である。
「なんだ…山の中に、こんな巨大な建物が…」
「すでに認証は済ませているから、入りましょ。」
シロナに連れられ、入口に入る。
目の前にさっそくセキュリティの為の扉があったが、認証が済んでいるので勝手にあいてくれた。
いくつかの扉を抜けると、広い場所に出た。
土が敷かれ、白線が引いてある。まぎれもなく、ポケモンバトルのフィールドである。
「…どうしろと?」
とりあえず手持ちにはドダイトス、ムウマージ、ユキメノコ、ムクホーク、エルレイド、ランターンがいる。
全員万全の体調なので、とりあえずシロナと戦うことになっても問題はない。
だが、要件はまったく違った。
「…博士!」
「おお、コウキ、来てくれたか、すまないな。
タマゴの件もご苦労。元気のいいアチャモらしいな。」
ナナカマド博士が、バトルフィールドの別の入口から入ってきた。
なんだかんだで、直接会うのは久しぶりである。ポケモンリーグでシロナに勝って以来だ。
「で、今度はどんな調査なんですか?」
「…いや、調査、ではないのだが、…その、ポケモンの研究とは何ら関係がないのだ。」
「…へ?」
「だから、非常に頼みにくいのだが、コウキに頼むのが一番間違いないと思うのだ。
…引き受けてくれるか?」
「えっと、内容にもよりますけど…」
ナナカマド博士の妙な言い方が、コウキを不安にさせる。
流石に内容を聞かないと辛いものがある…が、世の中飴と鞭である。
「一応今回の仕事が成功すれば、…ヒノアラシをコウキにあげることができるのだが…」
シンオウには炎タイプが少ない。
ナナカマド博士はコウキがヒカリにアチャモをあげたことを知っている。だからまだ炎タイプを持っていない。
しかもかなり珍しいポケモン、ヒノアラシ。進化すればあのバクフーンになるのだ。
「えっと、どんな仕事内容ですか?」
内容を聞く、という意味では先ほどと変わらない。
だが、明らかに今の方が積極性のある返事である。それに一安心した博士は、仕事の内容を話し始めた。
「ポケモンハンター・Jを知っているか?」
「ジェイ?…どこかで聞いたことがあるな。
確か、ポケモンを盗んで売りさばく…ポケモンの利用方法以外はギンガ団と同じ感じですね。」
ヒカリは今だにすやすやとコウキの背中で眠っている。とても気持ちよさそう。
コウキも少し眠気を感じていたが、ここでもし眠ったら大変なことになる。
「まあ、連中は金、ギンガ団はポケモンそのものを利用した世界征服だったがな。
で、そのJが、明日この近辺に現れるのだ。」
「それはまたどうして。」
「無線を傍聴して得られた情報だ。だから極秘に連絡できるようにポケギアに連絡したし、今は山奥の施設にいる。
そしてやつらは、明日取引相手にポケモンを渡す予定なのだ。」
「…そいつを取り返せ、と。」
「いや、そいつらは警察とわしらでとらえる。
Jは、取引が終われば、取引相手がどうなろうと関係なく、その場から素早く撤収する。」
「…そのJの撤収を足止めしろ、と。」
「まあ、それができればそうしてほしいが、向こうは精鋭だが軍隊並みの重装備だ。
ハッキリ言って、警察が突撃してもどうしようもない。大部隊だと身動きが取れない。
だから、小回りがきいて1人でも最強クラスの実力を持つコウキに頼みたい。」
「あの…でも、いくら僕でも重装備を食い止めるなんて…」
一応部隊を壊滅せばいいのだろうが、
どんな部隊か想像できない以上、それが出来るとは限らないと思った方がいい。
返り討ちにあい自分がとらえられて連れ去られました、じゃ話にならない。
「だからJを狙って人質にとれ。
やつを捕えれば、部下は抵抗することもない。」
「はあ…」
そのうちに、向こう側から研究員がやってきた。
「あなたがコウキさんですね、こちらへどうぞ。
あなたに渡したいものがあります。ついてきてください。」
研究員とナナカマド博士に連れられて付いた場所は、またバトルフィールドだった。
「で、これはなんですか?」
「これはね、言ってしまえば、ポケモンになれる機械さ。こうやって取り付けるんだ。」
研究員はおもむろに自分の右腕に機械を取り付けた。
右腕すべてを覆う機械。どうやら、片腕部分に限定された鎧のようだ。
「そして、これが何か分かるかな?」
「…あの、馬鹿にしないでください。技マシンだということくらい、誰が見たってわかります。」
ディスク状の物体。
ポケモントレーナーにとっての必須アイテム、技マシンである。
今研究員が持っているのは、「24」と書かれたラベルが貼られた、黄色い技マシンである。
「で、技マシンをこの差し込み口にセッティングして、腕にぐっと力を込めれば…」
電撃が発射される。
10万ボルトが炸裂し、バトルフィールドの壁を爆破した。
「す、すごい…」
「ちなみに、この機械はある程度までならポケモンの技を防げる。
ロコン、火炎放射!」
モンスターボールからロコンを出すと、ロコンは研究員に向かって炎を吐いた。
研究員は機械の付いた右腕を差し出す。ロコンの火炎放射は、機械にあたって四方に飛び散った。
「へえ…」
「君にこれを2つプレゼントしよう。
今は寝てるみたいだけど、ヒカリちゃんは君のパートナーらしいから、
ヒカリちゃんも君と一緒にJと戦うことを考えて、2つあげるよ。」
「はあ。本人とよく相談します。
…えっと、で、これからどうすればいいんですか?」
ナナカマド博士の方を見る。そういえば今回は博士の影が薄い。
「うむ。とりあえずJが着くのは午後2時だ。
だから明日の午前中にその機械になれるための調整に入ってくれ。
部屋を用意したから、今日はヒカリとゆっくり休んでくれ。」
「わかりました。明日はいつ起きていつ頃にどこに行けばいいですか?」
「部屋に連絡を入れるから、その通りに行動してくれ。
不自由な事があれば、備え付けの電話で連絡してくれればいい。部屋はシロナに案内してもらう。」
「それじゃあ、行きましょう。」
そういって、シロナがコウキに部屋を案内するため、歩き出した。
少し、いやな予感はした。しかもその予感は見事的中。
やはり用意された部屋は1つ、ベッドも1つ。
シャワールームは、適度に狭い。…人間2人が密着できる空間である。
(謀ったな…)
「それじゃ、ごゆっくり〜♪」
「はいはい。どうも、シロナさん。」
シロナをさっさと部屋から追い出そうとした。
…だが、部屋から出る寸前の最後の一瞬、ふたたびあの表情が戻った。背筋が、凍りついた。
「ヒカリちゃんをこれ以上苦しめ続けたら、絶対に許さない。」
ドアを閉め、足音を残しどこかへ行ってしまったコウキ。
コウキは再び思いつめる。いったい、どうすればいいのだろうかと。
ベッドの方を見ると、すやすやと眠るヒカリの姿。
(いくらなんでも寝すぎじゃないのか?
…てか、まだ俺とヤッている夢を見てるのか?)
そう思いつつ、起こさないようにヒカリのそばにそっと寄り添う。
「…ん?」
「うーん、うーん…」
注意深く観察すると、うなっているのが分かる。
ムウマージはヒカリに対してたちの悪いいたずらをするはずがないので、すこし気になった。
もう少し観察してみると、
「こ、コウキ…コウキ…」
(やれやれ、まだ夢の中に俺がいるのか。)
嬉しさと呆れが半々。
そんな愛しのヒカリの姿をのんびりと眺めていた。
が、
「う、うーん…コウキ…」
顔色が悪くなってきた。
うなっていた時に感じた不安が、急にコウキの頭に浮上した。
「?…ヒカリ?」
「お、お願い、コウキ…いか…ないで…」
「おい…ヒカリ…」
ゆさゆさと体を揺らす。
だが、ヒカリの眼は覚めない。
「お願い…だから…」
ヒカリの目に涙。あきらかにヒカリに異変が生じている。
「おい、ヒカリ?大丈夫か!?」
「コウキ…行かないで…すがた…消えていく…」
(なんだと!?)
原因は分からない。
だが、シロナが言っていたことと無関係でないことには、気づいていた。
「ヒカリ!目を覚ませ!おい!」
「コ…コウキ!」
ヒカリの目が開く。
コウキが少しほっとした…のも束の間だった。
「コウキ!行かないで!お願いだから!ねえ!」
瞳の色が消えていた。
眼を覚ましても、心はまだ闇の中にあった。
「お、おい、ヒカリ!」
「コウキ!コウキ!行っちゃだめ!」
目の前にいるコウキが見えず、コウキの存在が自分の心から消えていく。
コウキが、闇に包まれ、姿を消す。
…コウキに依存しているヒカリにとって、その精神的ショックは異常に大きかった。
しかも、そんな夢に何時間もうなされている。目を覚ましても、その呪縛から自らを解放することができない。
「くそ、どうすれば…下手したら、ヒカリの心は壊れてしまう!」
「コウキ…コウキ…」
ヒカリの悲しみはさらに増していくように聞こえる。
ついには涙を出さなくなった。心が、麻痺して、何も感じなくなりかけていた。
(ヒカリの…ヒカリの心を救うためには!)
自らの顔をヒカリと正面で向き合わせる。
そして、コウキがヒカリの唇と自らの唇を合わせた。
深く、より深く、舌を絡ませ、決して唇を離さないように。
「んん!?ん…ん…」
突然唇に何か触れる。最初は何が起こったか分からずパニックになったヒカリ。
…だが、ヒカリの体は、ちゃんと覚えていた。この感触を。自分の唇を奪う恋人の感触を。
次第に落ち着いていき、そしてまた涙を流した。
(コウキ…いかないで…コウ…キ?)
瞳の色も元に戻り始めた。目の前にいるコウキが見えてきた。
様子が変わったことを悟ると、コウキは唇を離し、自分がよく見えるようにすこし顔をあげた。
「コウキ…コウキ…」
なんどもコウキの名前をつぶやく。
ヒカリの視界が段々とはっきりしてくる。コウキの姿が鮮明になってくる。
そして、いつも見ている、大好きなコウキが目の前に現れた。
「コウキ…コウキだよね?」
「うん。」
「戻ってきてくれたんだね。」
「うん。」
「あたしのこと、好きでいてくれる…の?」
「うん!!」
「コウキ…うわああああああっ!」
ヒカリが思い切り抱きついた。
ヨスガの時も、自分は捨てられかけた。今回もそうだった。
でも、戻ってきてくれた。本当にうれしくなった。ヨスガの時より、さらに強く、泣きながら抱きしめた。
好きと言ってくれた、自分の大好きな人に。
「…ごめんな。」
「え?」
「シロナさんが言ってた。僕は、ヒカリを苦しめてるって。
さっきの悪夢も、最近よく溜息をするようになったのも、それが原因…」
「…。」
ヒカリは否定できなかった。
今のヒカリに、嘘を演じるだけの体力はもう残っていない。
「…いったい、どうしてだ?
ヒカリは、僕の何に苦しんでいるんだ?」
「…いえない。」
ある程度そう言われるのは予測できていた。
なので、コウキはとにかく理由を言うように説得する。
「…でも、もう2度とヒカリが苦しむのを見たくないんだ。お願いだ、言ってくれ。」
「…ごめん、無理。」
「なんで!?…僕をまだ信頼…できない?」
きつく言うわけにはいかない。
可能な限り柔らかい口調で言う。
「そんなんじゃない!」
「…じゃあ、言ってくれないか?」
「…。どうしても、無理。」
「そんな…僕は、ヒカリが苦しむのを放ってはおけない。」
「…それでも、言うわけにはいかない。」
コウキは愕然とした。
思い当たる理由はない、しかし、ヒカリが言いたがらない。これでは、手が打てない。
ヒカリの心のガードは、相当固く感じた。
しかし、何か手がかりをつかみたい。
「…じゃあ、なんで理由が言えないか、それを教えてくれないか?」
「…コウキが、優しいから。」
「ああ、なるほ…え?」
言ってる意味がさっぱりわからない。
コウキはどういうこと、と聞こうとしたが、いまのヒカリの精神状態を考えそれを押し留める。
「僕が優しいから、君を苦しめてるってこと?」
「…。」
「…いいんだよ、それでも僕は、かまわない。」
「…ご、ごめん…」
涙を流しながらうなずくヒカリ。
優しさと苦しみで板挟みになっているヒカリの頭をなでて、もうこれ以上の詮索はしまいと心に誓った。
大分ヒカリの様子も落ち着いたので、明日のことについて話した。
Jのこと、そして、腕につける機械のこと。
「へえ…なるほど、バトル・アーマーか。」
「知ってたのか?」
「いや、名前は今考えたものよ。」
「…まあ、名前はつけた方が何かとやりやすいか。
で、ヒカリは今回はどうする?結構危険な仕事だけど、待機しとく?」
「…。」
「そこまで膨れなくても…」
頬を膨らませる。
やはりコウキ1人だけ、というのに不満な様子である。
「とりあえず、使う技マシンを考えよう。」
「え?あるだけ持っていけばいいんじゃないの?」
「92種類のマシン、全部持っていくつもりか?
いざってときに使いたいマシンをすぐに取り出せないと困るし、そもそもどのマシンを使うかで迷う。
5個くらいに絞っても、いろんな状況に対応できると思うし、僕たちにはポケモンがいる。」
「あ…そだね。
あたし、自分で戦うことだけを考えてたよ。」
強力であろう武器を手にすると、やはり使いたくなるものである。
コウキもヒカリも、92種類すべてのマシンを持っているわけではないが、
やはりかなりの種類のマシンを持っている。
「えっと、どれにしようかな。…。」
「あたしは、これとこれと…うーん。」
2人で一緒にシャワーを浴びた後、(その時にはもちろん体を触れ合ったわけだが)
ベッドで体をならべて寝る。
情事をしたい、という気持ちに駆られるが、明日はどれだけハードな任務になるか分からない。
明日のお楽しみにして、今日は寝ることにした。
「…なあ、ヒカリ。」
「どうしたの?」
「…苦しませて、済まない。」
「!
…でも、矛盾してるようだけど、あたしは、コウキの優しいところが一番好きなんだよ。」
「もちろん、ヒカリには、今まで以上に優しくしたい。
だが、その優しさが苦しみの元でもあるなら、僕は放ってはおけない。」
「…あたしが苦しむから、…優しくしないってこと?
優しくないコウキの姿を見るのは、あたしは耐えられない!」
ヒカリが泣きかける。
苦しみから逃れるために、コウキの一番好きなところを失いたくはないからだ。
苦しみから逃げずに、耐えなければならないとも感じていた。
考えるより先に、体が動いていた。
ヒカリをぎゅっと抱きしめ、強く誓った。
「ヒカリ、僕が絶対にその苦しみから救ってあげる。ヒカリを救う事が出来るのは、僕だけだ。」
「!」
「絶対に忘れるな、僕はヒカリから離れない!それだけは絶対に忘れるな!」
「…ありがと!」
ヒカリの心を潰しかけた悪夢。ヒカリが受けた苦しみ。
それらを心の中で謝りつつ、それらをすべて受け止める。ヒカリは静かに、涙を流し続けた。
翌朝。
6時半に先に起きたのはコウキ。目の前には、ぐっすりと眠っているヒカリ。
コウキから離れまいと、寝ているにもかかわらずかなり強く抱いてきている。
(やれやれ。博士からの連絡が来るまでは一緒にいてやるか。)
ヒカリを抱き直し、頬にそっとキスをする。
ヒカリが無意識のうちに可愛らしい寝顔を作り、くすぐったそうに身を悶えさせた。
こういう可愛い表情を見るために、コウキは過去のことを思い出す。
(…またヒカリに恋をしたかな。)
初めてでシンジ湖でヒカリに出会って一目惚れした時の、コウキの初恋。
そして、毛布1枚だけをくるんで隣り合わせに火を囲んだ時の、225番道路の告白。
アチャモという子供を授かり、ヒカリにプロポーズした時の、ヨスガの結婚式。
ほかにもいろいろ思いではあるが、コウキにとってのヒカリとの思い出で一番心に残ったのはこの3つの思い出。
ヒカリの可愛らしいところを見るたびに、それらを思い出してはヒカリへの想いを再確認する。
いっそのこと、このままこの部屋で永遠にヒカリの眠りを守り続けようか、
そしてヒカリの寝姿から感じるヒカリの愛を永遠にこの部屋で誰にも邪魔されず独り占めしようか。
そう思ってたら無意識のうちに抱く力を強くしてしまった。
ヒカリが目を覚ます。
「…うん?」
「あ、ごめん、目を覚ました?少し強く抱いちゃったか…」
「ううん、そんなこと、ないよ。
…おはよ。」
「…ああ。なあ、ヒカリ。起きて早々悪いが、頼みがあるんだ。」
「なあに?」
「…甘えて、いい?」
「…え?」
いいよ、という返事を待たずに、コウキがヒカリにそっと抱きつく。
腕を脇腹の辺りにやり、右耳はヒカリの首筋に触れる。
ヒカリはブラとショーツしか着用しておらず、コウキもトランクス1枚だったので、気持ちが高ぶる。
「…もう、エッチ。
胸にも…その、下の方も、いつでも、いいよ。
昨日の夜だって、やりたいなら言えばよかったのに…」
コウキは、体を少しづつ下の方にずらす。
腕で後ろから器用にブラを外し、外したブラは適当な場所に置いた。そして胸に顔をうずめる。
背中に回っていた掌は太ももの辺りに移動する。
…だが、そのあと、何も起こらなかった。
コウキは胸に顔をうずめた後は、顔で胸の谷間をさするだけ。
手のひらも、太ももやヒップをゆっくり大きくなでるものの、陰部の方には回らない。
「ど、どうしたの?…えっと、まだ、なの?その、えっと、エッチなことは。」
「…甘えさせて。頼む。」
「……。」
ヒカリは、自分の胸元が少し濡れるような感じがした。
…それで、ヒカリはようやくコウキのやりたいことがわかった。
「甘えんぼさん。」
「…。」
さみしさから解放された安心感から、自然と涙が出てくるのだろう。
別にいつもヒカリがそばにいるのでさみしい目にあっているはずはないのだが、
「…。」
「…コウキくんの甘えんぼ。」
ヒカリが苦しんでいるのに気付かされた時、コウキの中にぽっかり穴が開いた。
昨日の夜は救ってみせる、と言っていたが、やはり心に限界が来ていたのである。
やはり、ヒカリの柔らかい肌に包まれるのが一番いいのである。
「大変よ!」
永遠とも思われた2人の世界を、突然壊された。
ドアを開けて入ってきたその声の主は、ポケモンリーグチャンピオン、シロナ。
「大変よ………えーと…」
「「シ、シロナさん!?」」
とりあえずシロナは2人の本当の関係を知っていたので、見られても一番マシな人物ではあったのだが。
「ご、ごめんね、お取り込み中…
え、えっと、とりあえずすぐ来て!」
そそくさと走って去って行った。
緊急事態の様だが、それに似合う緊張感はどこにもなかった。
代わりに、別の緊迫感というか、気まずさというか…
「ああ、ええと、……。」
「コ、コウキ!?」
気絶寸前。
いくら知っていたとはいえ、本当の関係をその眼で見られたのである。
「…。」
「コウキ、来てくれたか…大丈夫か?顔色が優れないようだが。」
「あはは、まあ、いろいろありまして。」
「そうなのか?ヒカリ。まあいい、それより大変だ。
先ほどやつらの通信を傍受したら、9時の待ち合わせに変更になった。」
コウキが驚く。
予定より5時間も早いのである。
「な…」
「そんな、2時って言ってたのに!」
「落ち着け、まだ2時間ある。現場からここまでは15分で行けるから、まだ時間はある。
そこに朝食を用意しておいた。
急がなくていいからゆっくりしっかり食べて、昨日もらった機械の調整に入ってくれ。」
横を見ると、バイキング形式の豪華な朝食が並んでいる。
2人のために、どうやらかなり頑張ってくれたようだ。
「わーっ、おいしそう!早く食べよ、コウキくん!」
(くんづけ?あ、そうか。博士は俺たちのカレカノ関係を博士には言ってなかったっけ。
…というより、シロナさんとヒカリの母さん以外は言ってないんだよね。)
「どうしたの?」
「いや、食べよう食べよう!」
目の前の置かれる料理を皿にとり、2人仲良く朝食をとっている。
ナナカマド博士はやれやれといった様子で、
(これが、本当に2時間後にJを倒そうとする者の様子か?)
あまり食べると動けなくなるので、ほどほどにお腹いっぱいに栄養補給。
そのあとポケモンバトルフィールドで、2人きりでバトルアーマーの調整に入る。
「コウキはどのマシンにしたの?」
「まず、絶対的に炎ポケモンが不足しているから、技マシン35、すなわち火炎放射は必須だ。
そして鋼以外のすべてのポケモンに対抗できる、技マシン59、龍の波動。
万が一の場合や、戦略の組み立てがやりやすい、技マシン17、守る。
接近戦に強くするために多少のリスクは付くが、技マシン1、気合いパンチ。」
攻撃技が3つ。
一応守るは入れているが、男の子らしい攻撃的なチョイスである。
「あと1つは?」
「え?ああ、えっと、その、まだ決めてない…」
「そうなの?ちゃんと間に合わせてよ。」
「う、うん。もちろん。」
「?」
コウキの様子が少し変である。
しかし、疑問に思うヒカリを紛らわせるかのように、コウキが聞き返す。
「ヒ、ヒカリは?どのマシンにしたんだ?」
「え?あたし?あたしは…」
ヒカリがマシンを取り出す。その中に、1つ紙袋に入れられたマシンがあった。
「たくさんの相手を一度に攻撃することができる、技マシン14、吹雪。
相手が特殊な技を使ってきても防ぐ事ができる、技マシン20、神秘の守り。
動きを鈍らせる事ができ、追撃や逃走に使える、技マシン73、電磁波。
技の命中率を下げたり、ひるませる事もできる、技マシン70、フラッシュ。
そして、半分のポケモンの技を出させなくする、技マシン45、メロメロ!」
防御的な技が多く、唯一の攻撃技、吹雪も華麗で美しいイメージのある氷技。
女の子らしい技マシンが多く立ち並ぶ。
「うん、悪くはないと思うよ。
メロメロを選ぶあたりは、ヒカリらしいというか…」
流石にメロメロを選ぶとは思ってなかったらしく、なんともいえないような顔をするコウキ。
その表情を見て、顔がふくれるヒカリ。
「ふーん、あたしがせっかく頑張って選んだのに。
そんな悪い子に育ったコウキには、おしおきをしなくちゃね!」
「へ?」
「イクイップショットフォーティーファイブ!」
「いつの間に決めゼリフ作った…ってヒカリまさか!」
「メロメロ!」
コウキに向かってメロメロを発動。
腕をコウキに向け適当に力をこめると、赤い光がコウキに向かって照らされる。
「…あれ、これだけ?
一応コウキは光を浴びたけど…これだけ?失敗かな?」
だが、次の瞬間。
コウキの瞳の色が変色した。ゆっくりヒカリの元に寄ってくる。
「え…な、何?」
「ヒカリ…可愛いよ…」
「え…ちょっ!」
コウキがいきなり押し倒した。そして顔を限界まで近付ける。
(目、目がハートに…
マ、マズイ、やりすぎたか…)
本来、ポケモンの技はポケモンに使うもの。
人間に使ったとして、それで安全面が保証できるとは限らない。
「んー!」
唇を奪う、ディープキス。
必死に逃れようとするが、コウキが覆いかぶさっている状態、逃れることは出来ない。
…しかも、最悪の事態が追い打ちをかける。
「おーい、ヒカリー。」
(ナナカマド博士!?)
どこかから博士の声が聞こえてくる。しかも、その声はだんだん大きくなる。
すなわち、近づいてくる。このバトルフィールドに。
まだ見られてはいないが、早くしないと、この状況を見られてまずいことになる。
(ど、どうしよ!?
メロメロ状態はボールに戻せば元に戻るけど、コウキはポケモンじゃないよー!)
そうこうしているうちに、博士がもうそこまで来ている。
(なんでもなおし…でもきかないし、そ、そうだ!)
コウキがヒカリに夢中になっている中、何とか鞄に手を伸ばす。
そして、手探りであるものを探す。
(…あった、これかな?)
ヒカリが取り出したものはハーブ。そう、ヒカリが探していたのは、メンタルハーブ。
メロメロ状態を直す唯一の道具である。
(どうかしろいハーブじゃありませんように!)
そう願いつつ、むりやりコウキの口に押し込む。すると、
「…ん?んんん?んんんんん?
(あれ?なんだ?僕は何を?)」
キスで口がふさがっているので、言葉になっていない。
ヒカリがとっさに唇を離し、言い放つ。
「コウキ、早く体をどけて!早く!」
「え?ええ!?」
「いいから、早くして!」
「う、うん!」
あわててコウキがヒカリから離れる。
と同時に、ナナカマド博士が姿を現した。
「…どうした?2人とも倒れこんで。」
「え?」
「あ、あはは…い、いや、なんでもないですよ!ね、コウキくん!」
「?」
(ふう…この様子なら、なんとか博士に見られる前に間に合ったみたいね…)
「まあ、とりあえず、コウキ。」
「なんですか?」
「シロナが呼んでいる。なんでも急ぎの用事らしい。すぐに行ってくれ。」
「え、あ、はい。」
「じゃあ、私も…」
「ああ、ヒカリにはちょっと別の用事がある、ここに残って、少し待っててくれ。」
「?…わかりました。
じゃあコウキくん、先にいってて。」
「うん、わかったよ、ヒカリ…ちゃん。」
コウキが先にその場を後にする。
「で、何ですか博士?
…なんですか、そのケースは。」
透明のCDケース。中には技マシンが入っている。
「いざという時は…コウキと一緒に使ってくれ。」
「…これは、なんですか?」
「…本当にいざという時のためだ。わかったな?」
「?」
一方。
「呼びました?シロナさん。…こちらの方は?」
「シンオウの治安を守る保安機関の職員、ジュンサーさんよ。」
「…はあ。こんにちは。」
あいさつすると、いきなりジュンサーは敬礼し出した。
「ポケモンリーグチャンピオンのコウキさんですね!
本日はJ捕獲にご協力いただき、ありがとうございます。」
「はあ…」
「われわれはJと取引する輩をとらえるので、任せて下さい。
コウキさん、そしてヒカリさんには、Jの捕獲をお願いします!」
「はい…」
あまりに礼儀正しすぎて、帰って戸惑ってしまった。
一行を乗せた車は、取引の現場へと急行。
現場から少し離れた場所に到着すると、こっそりと現場から一番近い岩陰に身をひそめる。
「…すでにJとの取引相手は到着しているみたいじゃな。」
サングラスをかけた数人の男が現場にいる。
「では、Jの方は任せます。」
「はい。
…なんだ?この音は。」
空気を切り裂くような音。
「どうやら来たようね。
それじゃ、取引先の相手は、任せたよ、コウキくん。」
「はい、シロナさん。
…もう一度確認しますが、Jは取引が終わった瞬間にその相手とはかかわりをもたないんですよね?」
「ええ。」
「なら、やつらをここで足止めしようと、
シロナさんたちには迷惑はかからない、と。」
「たぶんね。」
「…よし。
ディスクセット、サーティーファイブ。」
赤い技マシンをセットする。
Jたちの乗った飛行機…というより戦闘機が、地上に垂直に降りてきた。
「なるほど…
飛行機なのに、どこでも離着陸可能…これは確かに警察では厄介だな。ヒカリ、行くぞ。」
「え?どこへ?」
「それじゃあ行ってきます。」
「向こうが取引を終えるまでは、感づかれちゃだめよ。
Jはともかく、片方は逮捕できなくなっちゃう。万一Jに加勢される恐れもある。」
「わかってますって、シロナさん!
行くぞヒカリ!目的地は機体の後ろ、狙いはプロペラ及びエンジン部分だ!」
「…OK!」
何をするのかわかったらしい。
ヒカリも技マシンを装着し、コウキについていった。
「これが今回のブツだ。
すでに金の振り込みは確認した。」
カプセルの中にはワニノコが入っている。ぴくりとも動かない。
「よーし、よくやった。
さて、あとは逃げるだけ…」
取引成立。その瞬間を見逃すことはない。
「こらー、待ちなさーい!」
ジュンサーがバイクに乗って向かってきた。
「何…くそ、お前たち、車に戻るぞ!」
「はい…なっ!」
「あら、あなたたち。どこへ逃げるつもり?」
取引相手の車の前に、シロナが回りこんでいた。挟み撃ちである。
「くそ、お前たち、迎え撃て!J、お前も加勢しろ!」
取引相手のリーダーの一言で、部下がモンスターを出す。
だが、Jの方は、
「J様、われわれも加勢しましょうか?」
「取引は済んだ、撤収だ!」
「はっ!」
Jは速やかに機体の方に戻る。
「なに!?
おい、J!…くそ、お前ら、あの黄色い髪の女をやれ!」
警察と見知らぬ女性。
しかもその見知らぬ女性の向こうに自分たちの車があると分かれば、
ジュンサーに捕まる前に見知らぬ女性を倒して車で逃走する、と考えるだろう。
部下たちが出したゴローニャ、ボスゴドラ、サイドンが一斉に襲い掛かる。
「ふふ、お願いね、ルカリオ。」
対するシロナはルカリオ1体のみ。
だが、相性は抜群、そのうえ、チャンピオンのポケモンである。
「ルカリオ、波動弾。」
シロナの指令の下、ルカリオが波動弾を打つ。
効果も抜群、レベルにも明らかに差がある。3体揃って一発KO。
「な、何!?」
「さあて、次は何かしらね。」
「う…うわああああっ!」
「ルカリオ、真空波で全員気絶させちゃって?」
ルカリオが拳に力を込める、次の瞬間、空気に向かってパンチを放つ。
…そして、そのパンチが生み出した波動は、取引相手全員に命中。
「ふう、これで全員逮捕ね、ありがとう、シロナさん。」
「いえいえ、さて、あとはコウキくんね。」
一方、バギーに乗って急いで機体に戻るJ。
「どうなさいました?」
(妙だ…
あのジュンサー、今回は我々には目もくれず、取引相手ばかり…どういうことだ?)
Jは妙な状況であることには気づいていた。
だが、今は一刻も早くこの場を離れることが先決である。
バギーが機体の中に入り、そのあとJたちはコックピットに座る。
そしてエンジンを温め、離陸の態勢に入る。
…そのころ。
「そろそろだと思うけど。」
「もうすぐ、このバトルアーマーの出番ってわけね。」
プロペラの見える場所にひそかに移動していたコウキとヒカリ。
機体そのものがJたちの死角となる場所にうまいことかくれていた。
「…あ、エンジンから音がしはじめたよ。」
「連中、操縦室に全員入ったな。いい具合にエンジンが温まってきた、こっちにも熱を感じる。
よし、今だ!行くぞヒカリ!」
「うん!」
「吹雪!」「火炎放射!」
バトルアーマーから技が放たれる。
エンジンが止まっている時はエンジンに大したダメージを与えられず、プロペラが動く風で戻され技が届かない。
エンジンがいい具合に温まる、この瞬間を待っていた。
「大変です、第3、第4エンジンに異常発生!」
「な、なんだと!?」
十分に温まったエンジンに火炎放射を当てれば、オーバーヒートが起こり機能停止状態に陥る。
温まり続ける金属を急激に冷やし続けると、もろくなり、エンジンそのものがぶっ壊れる。
そう考えて生まれたコウキの作戦は、ものの見事に的中した。
「モニターに映せ!」
「はっ!
…な、何者かがエンジンに攻撃を…ああっ!」
2つのエンジンが同時に爆発を起こす。
「くそ…油断したか!エンジンの状態は!」
「完全に機能停止状態!」
「外部からも損傷が確認できます。両方とも、ボロボロの丸焦げです!」
「あの連中を始末せよ!行け!」
「はっ!」
だが、ほぼ全員が操縦室に集まっている。機体から下りるまでに、時間がかかる。
コウキの読み通り、J達は機敏な行動を取れなくなっていた。
「あははっ!爆発した!面白れえ!」
「さすがだね、コウキ!このタイミングなら、連中しばらく来ないよ。」
「ああ、しかし、そうなると少し暇だな…よし、俺たちの事はばれてるんだ。もう隠す必要はない。
こうなりゃついでだ、もういっそのこと、もう1つエンジンぶっ壊そう!」
「うん!」
機体には前方に2つ、後方に2つ、4つのプロペラ及びそれに付属しているエンジンがある。
2人で2つを1つずつぶっ壊したということで、ついでにもう1つずつ破壊することにした。
「吹雪!」「火炎放射!」
だが、流石にエンジンの稼働が止まった状態では、そう簡単には爆発は起こらない。
もちろんエンジンに異常が発生はしているだろうが、コウキは破壊しなければ気が済まなかった。
「ったく、面白くないなあ。
よーし、出て来い、ドダイトス!」
「エンペルト、あなたもお願い!」
2体のポケモンがモンスターボールから出てくる。そして、
「「破壊光線!」」
ポケモンの技の中でも最強といわれる技、破壊光線。
その光線が、育てあげられた2体のポケモンによって放たれ、プロペラ内部のエンジンに命中。
「だ、第一エンジン、第二エンジンも爆発!
壊滅状態です!」
「おのれ…」
コックピットには、まだJと2,3人の部下が残っていた。
内部から外の状況を把握し指示を出さなければならないため、動けない。
「き、貴様ら!」
ようやくJの部下がコウキとヒカリの前に現れた。
破壊光線の反動で動けないドダイトすとエンペルトを戻す。
「いけ、ムウマージ!」「頼むわよ、ピクシー!」
Jの部下もポケモンたちを繰り出す。
だが、もはやこの2人に勝てるトレーナーはそうはいない。
「10万ボルト!」「捨て身タックル!」
Jの部下のポケモンたちは、ことごとく戦闘不能になっていった。
「うわあ、逃げろー!」
逃げ出すJの部下、機体に戻ろうとしたが、遅かった。
「あなたたちを、ポケモン保護法違反で現行犯逮捕します!」
後ろにはジュンサーが待ち構えていた。
10数人のJの部下はお縄にかかる。
「それじゃあ、行ってきます、ジュンサーさん。あとは任せて下さい。」
「ええ、おねがいね。こっちは任せてちょうだい。」
「はい!よし、行くぞヒカリ!」
「うん!」
作戦は順調。あとは操縦室にいるJをとらえるだけ、
内部にあるかもしれないトラップさえ切り抜ければ、あとはJが少々強くても
ポケモンリーグを制覇したその腕でJをポケモンバトルでたたきのめせばいい。
そのはずだった。
その計画には、先ほど言った、とある前提のもとに成り立っていた。
内部に潜入する。
内部に敵がどのくらいいるか分からないが、とりあえず行くべき場所は、
「早めに操縦室か、もしくはポケモンの入ったカプセルのある格納庫か、どちらかだな。」
「どこにあるの?」
「それはわからない。だが、探せば見つかるはずだ。
ポケモンたちにも手伝ってもらおう、出て来い、マニューラ!」
ボールを上に放る。
ボールが開いて中から光を放ちながらマニューラが出て…来なかった。
「…あれ?」
「ボール投げたのに、無反応だね。」
「ええい、もう一度だ、出て来い、マニューラ!」
もう一度投げる。
今度こそモンスターボールは…開かなかった。
「あ、あれ!?なんで!?」
「ど、どうするの、コウキ!」
「マ、マニューラはこの間ポケモンフーズをあげ損ねてしまったのを恨んでるのかもしれない。
で、出て来い、ムウマージ!」
ムウマージも、ムクホークも、ドダイトスも試した。…だが、結果は一緒だった。
「な、なんでだ…」
Jの元まで行ってポケモン勝負を挑んで勝てばいい、自分はチャンピオンだから、そう思っていた。
だが、その考えは、ポケモンがいる、という前提の下で成り立っている。
そのポケモンが使えない今、彼はほとんど手足をもがれた蟹同然の状態だった。
「あ、入口も閉まる!」
「何!?くそ、まずいな…」
「ふん、侵入者に備えて、特殊処理を施したモンスターボール以外は使えなくなっているのさ。」
「J様、いかがいたしましょう。」
「入口は封鎖したし、警察官1人だけならそう簡単には入っては来れまい。
おまえは内部からエンジンを修理しろ、お前は…あいつらを始末して来い!」
「「はっ!」」
残った2人の部下に指令を出す。
(エンジンが直るのには時間がかかるだろう。ただ、それまでに警察の大部隊が来ることはない。
出発までにあいつらを始末してしまえば…)
完全に作戦が裏目に出た。
機体内部の罠に注意していたつもりだったが、コウキもヒカリも、すでにその罠にはまっていた。
「ど、どうするの?」
「とりあえず、連中に見つかるとまずい。ポケモンを出されるとかなり不利だ。
ひとまずは見つからないように逃げよう。ただ…」
「ただ?」
「幸いなことに、僕たちにはバトルアーマーがある。
ポケモンが使えないのはかなり苦しいが、まったく戦えないわけじゃない。」
「あ、そうか!」
「いつもの僕たちにはない、新しい武器だ。
とにかく、無駄な戦いは避け、戦わざるを得ないときはこれに頼ろう。」
そう言って、2人は動き出した。
内部の通路を、注意深く歩き続ける。
「くそ、たしかJ様はこのあたりにやつらがいると…」
途中何度か追手の部下に見つかりそうになったが、
見つかる前にその存在に察知して見つからない場所に移動する。
もはや強力ポケモンを擁しているであろうJを捕獲するのは相当無理がある。
なので、ポケモンたちの格納庫を探し、見つからない様にカプセルを取り返し、
隙を見て機体から脱出することにした。
もっとも、機体が飛び立ってしまえば脱出は危険。
なんとかそれまでに脱出方法探さなければ、おしまいである。
「…!?あれは、グラエナ…」
グラエナが向こう側から歩いてくる。
どうやらまだこちらには気づいていないようだが。
「…どうする?」
「おそらく、やつらはポケモンを使って手分けして僕たちを探しているんだろう。
やつらは内部でもポケモンを使えるよう、特殊なモンスターボールを使っている可能性が高い。」
コウキの予想は、当たっていた。
「ポケモンが使えない以上、僕たちの始末はポケモン1匹でも十分、そういうことだろう。
…まあ、部下はそう考えたんだろうな。」
「え?」
「Jならそんなことはさせない。俺たちがポケモンの技を使うことはすでにバレているはず。
なのにポケモンと手分けして探すいうことは、
上官の命令に従ううちにそれしかできなくなってしまう、部下のアホな所業、ということだ。」
「じゃあ!」
「ポケモン1体だけなら、僕たち2人でも何とか倒せる。
手分けして別行動で探しているやつらのポケモンを、1体ずつ、仕留めていこう!」
「うん!」
毛利元就の教訓である「三本の矢の訓」の、逆の発想である。
1度では大量で処理しきれない物事を、少しずつ分けて処理するのである。
「あのグラエナは任せてくれ。ディスクセット、ナンバーワン!」
曲がり角の陰で、グラエナが来るのを待つ。
そして、グラエナが曲がり角に差し掛かった瞬間。
「気合いパーンチ!」
「ガウッ!?」
曲がり角に差し掛かった直後、グラエナもコウキたちの存在に気付いた。
だが、遅かった。
「ガウウウウウウッ!」
顔面に直撃。
効果抜群で、高威力の気合いパンチ。即刻戦闘不能。完全に気絶した。
「やったあ、コウキ!」
「よし、まず1体!さあ次はどこだ!」
普段指示を出すだけだったポケモンバトルで戦える喜びを、コウキとヒカリは感じていた。
もはや、脱出どころかJ捕獲という本来の目的すら忘れかけた状態になっていた。
まあ、ポケモンを倒すことがそれに繋がる以上別に構いはしないのだが。
「火炎放射!」
「ドックケエエエエイル!」
「吹雪!」
「チェリイイイイイイッ!」
次々と倒していく。
追手の部下が来ないうちにその場を離れる。
部下は、自分の手持ちモンスターが既に戦闘不能になっているのを見ることしかできない。
「な、なぜだ!
やつらはポケモンが使えないはずなのに、なぜ倒せる!
J様が指示した場所に行っても、いるのは倒れてるポケモンだけ…」
一方、その様子をモニターで見ていたJは、
「あの馬鹿どもめ…なにをしている!
やつらが武器を使うことは分かっているのに、バラバラに行動してたら片っぱしから…」
リーダーゆえ、指示を出すためにそうそう操縦室を離れるわけにはいかない。
操縦室から機体内部全体をモニターしているため、コウキの行動も把握できるし、
司令塔がいなくなると、組織が一気に混乱するからである。
だが、もう堪忍袋の緒が切れた。
「おい、直ちに操縦室に戻るのだ!」
「え?」
「早く戻れ!いいな!」
「は、はっ!」
ついにJが動くことに。
操縦室にだれもいないのはまずいので、代わりに部下が配置される。
「そろそろポケモンも全滅したかな?」
「ねえ、コウキ。
…本来の目的、忘れてない?」
「しょうがないじゃん、見つからないんだから。脱出方法もポケモンの居場所も。」
「…。」
呆れつつもついていく。
機内もだいぶ歩いた。そろそろ何か見つけてもいいだろう。
「…ここにもドアが。」
「とにかく片っぱしから開けよう。…あ、これだ!」
正面には木のテーブル、そして、右側のガラスケースには、お目当てのポケモンのカプセル。
「ここだ!ついに見つけたぞ!」
正面の木のテーブルに、ポツンとヒノアラシが入ったカプセルが置いてある。
他のカプセルはすべてショーケースの中。とりあえずコウキがヒノアラシのカプセルを手に取る。
「これか…
まってろ、いま出してやるからな。」
レバーを下げると、金色の像の状態だったヒノアラシが元の姿に戻る。
ヒノアラシの周りを覆っていた強化ガラスも同時に消えた。
「…ヒノ?」
「今助けに来てやったぞ!
すぐに、君を故郷…ご主人様かな?のところに連れていくからね。」
「…ヒ、ヒノ…」
おびえている。
目の前の少年が嘘をついているんじゃないか、とか、別の悪の組織が来たんじゃないか、とか。
しかも、まだ体長がヒカリのアチャモくらいしかない、赤ちゃんのヒノアラシである。
(まずいな、おびえている…
まあ、炎を吐いて抵抗するよりはマシか。)
とりあえずヒノアラシを左腕で抱きかかえる。
「とりあえず、他のポケモンたちもショーケースから出そう。
…あれ、開かない…鍵がかかってる…」
「どれどれ…あ、ほんとだ。」
「火炎放射で溶かしてみる?」
「いや、こいつは強化ガラスだ。高圧バーナーならともかく、バトルアーマーの火炎放射じゃ難しい。
よし、壊そう。ちょっとどいてて。」
「…え、まさか気合いパンチで!?危ないよ、コウキ!」
「強化ガラスは、割れても普通のガラスより安全なんだ。
強化ガラスの破片は、数ミリ角のサイコロのような感じで、全然危なくないんだよ。」
「その通りだ。」
突然、ヒカリとコウキ以外の声が聞こえてきた。
その違和感に気付いて振り向くと、銀髪の女がいた。
(そこにいましたか?)
「ああ、ごくろう。引き続きなにかあれば連絡しろ。」
通信用のマイクでしゃべっている。
連絡が切れると、再びこちらを向いた。
「あなたもJの部下!?女の部下もいたのね…」
「いや、違うヒカリ。おそらくこいつがJ本人だ。」
「え?」
「ほう…根拠は?」
「部下と服が違う、今とっていた連絡では連絡の相手がお前に対して敬語を使っていた。
…そして、目が今までのやつらと全然違う。」
「出て来い、ボーマンダ、ドラピオン!」
ボーマンダとドラピオンが出てくる。
今までの部下のポケモンより、はるかにレベルが上だということをコウキは見破った。
「ほう、こんな状況に置かれても、目は死んでいないな。」
「…ヒノアラシがこんなにおびえている。
こんな目にあわせるやつは、やっぱり許すことができなくってさ。」
ヒノアラシが、コウキの左腕でおびえている。
「ヒカリ、ヒノアラシを頼む。」
「え?まさか、戦う気!?」
「どっち道それしかないだろ。ほら、頼むぞ。」
ヒカリにヒノアラシを渡す。ヒカリはそれを抱きかかえ、コウキは再びJの方を向く。
すると、Jがこんなことを言い出した。
「そのヒノアラシだけは、テーブルの上に置いてあっただろう。
そいつは、取引相手が土壇場でドタキャンしてな、用済みだ。」
「…。」
「おまえは、警察にでも頼まれて、私の身柄か奪われたポケモン全部を奪いに来たんだろう。
とはいえ、ポケモンを使えない状況ではもはや勝ち目はあるまい。」
「何が言いたい。」
「そのヒノアラシをお前に返す。これで警察の連中にもメンツは立つだろう。
その代わり、即刻ここから出て行け。出口は用意する。」
「……。」
「悪い取引じゃないだろう。
お前も顔は立つ。ポケモンが使えないことを言い訳にすれば、わかってくれるだろう。」
コウキが少し考え込む。
即答で断るんじゃないんかい、と思い、すぐさまコウキの元によるヒカリ。
(ちょっと、なんで断らないのよ、コウキ!)
(いや、悪い話じゃないし。
てか、断ってドラピオンとボーマンダにやられたら、話にならないよ?)
(やってみなきゃ分からないよ、そんなの!)
(でも、失敗した時のリスク大きいし…
ほら、命あっての物種って言うじゃないか。)
(お、臆病者!)
ヒカリが呆れた。コウキが弱気な言葉を平然と述べるからだ。
だが、そんなコウキの目が変わった。
(…それに、僕には、ヒカリを一生守り続ける義務がある。
助かる道があるのにそれを選ばずに、僕もヒカリも死んでしまったら、それを果たせない。)
(!)
(仮にヒカリだけでも助かったとしても、僕はヒカリの前からいなくなってしまう。
…ヒカリのおびえる悪夢が、現実になってしまう。)
(!!)
昨日の夜も、コウキが目の前からいなくなる、その悪夢におびえていた。
ヨスガの教会でも、勘違いとはいえコウキはヒカリから逃げ出した。
実は、ヒカリはここ最近、コウキが自分の下からいなくなるという悪夢を何度も見ているのである。
トラウマになって甦る。ヒカリが震えだした。
(…お、おいヒカリ?なんで泣いている…)
(コウキが…いなくなる…)
(お、おい!)
Jもその様子に気づく。
(どういうことだ?何を泣いているんだ?)
足に力が入らなくなり、地面にへたり込むヒカリ。
(…まさか、シロナさんが言ってた、ヒカリを不幸にしていた原因ってのは…)
ヒカリが小さくうなずく。
ヨスガでのコウキの逃走の一件が無意識にトラウマを作り出して引き金となり、
それが何かによって明確な幻覚となりフィードバックしていたのである。
…その何かをコウキ自身で探し当てなければ、シロナにあわせる顔は、ない。
(もしかしたら、最近やけに夜苦しんでいる事が多いと思ったら…
昨日の夜の悪夢と、それと、まったく同じもの…)
(怖いよ…)
だが、ヒカリは、Jの言う通りにしろ、とは言えない。
一人のポケモントレーナーとして、ポケモンたちを裏切ることは、できない。
ポケモンもまた、ヒカリにとって、コウキと同じくらいに大切な、宝物。
コウキが閉じていた眼を開いて、決断した。
「おい、何を相談している。いつまでも待たせるな!」
「そう焦らすな、J。
…ヒカリ、行ってくる。さっきのは軽い、冗談だ。」
「え…コウキ、その目…」
コウキの瞳の色が、変色していた。いつもの黒い瞳が、赤く変わった。
以前ヨスガで見たヒカリと初めてであったときのコウキの瞳とは、違った瞳。
怒りと闘志にあふれた、戦いの目。
「俺はいつも、ヒカリを死ぬ気で守る覚悟をしている。今回も、さっきまでは死ぬ覚悟だった。
…だが、今は違う。」
「ふん!
プライトにこだわらず、賢い選択をするという覚悟か?」
「悪いな、J。そこまで俺は賢くないんでね。
俺は死なない。俺と、ヒカリ、両方を守る覚悟だ!」
(コウキ…)
「それなら文句はないな、ヒカリ。
…俺を疑ってるか?…負けるかもしれないと。」
「そ…そんなこと、ないよ。」
普段はおとなしいコウキが、すべてを圧倒する闘志を見せる。
ギンガ団と戦った時の怒りとは、比べ物にならない。
その姿に、ヒカリは、コウキは勝つ、という信頼感を覚えた。
だが、ヒカリは1つ気になっていた。その疑問を、かわりにJが尋ねる。
「なぜ私と戦う道を選ぶ。
悪は懲らしめなければならないからか?」
「…自身を悪と言ってるようじゃ、世話ないな。
そんなんじゃねえ、悪を懲らしめるなんざ、ほとんど理由になってねえよ。」
口調も先ほどから様変わりしている。
一人称が俺に、普段のおとなしい口調は完全に消えていた。
「全部のポケモンを救うためか?」
「その通りだ。…結果的にはな。」
誰が考えてもコウキならそれが理由だと思っていた。だが、違う。
「本当の理由はな、ヒカリにいいところを見せたいからだ。」
「…は?この期に及んでふざけてるのか?」
「コウキ…どういう事?」
「別に、俺は引き下がったっていいと考えた。負けるかもしれないと思っていたからな。
正直、さっき弱気になっていたのも、意地にとらわれてヒカリを不幸にしたくなかったからだ。
俺は、ヒカリのためにも、死ぬわけにはいかないからな。…例えポケモンを犠牲にしても、ってな。」
「なら、それでいいじゃないか。」
「…違うんだよ。
ヒカリのために、俺はJ、おまえを倒さなければならねえ。」
「コウキ…どうして?」
ヒカリが尋ねる。コウキはヒカリの方を向いていった。
「ヒカリ、言ってたよな。俺のことが好きだと言ってた理由。
優しいだけじゃない、俺のポケモンたちが俺と一緒で嬉しそうにしている、それが素敵だと。」
「あ…」
「俺は、ポケモンを絶対に裏切れない。
今ここでポケモンを裏切ったら、俺の大好きな、ヒカリも裏切ってしまう。
ヒカリの中の、大好きな俺という存在が、消え去ってしまう。…悪夢の様にな。」
ヒカリにポケモン達を守れない姿を見せてしまったら、それは悪夢が現実になるとき。
「そして、ヒカリがたった今、また悪夢にうなされかけていた。
悪夢に襲われ、足には力が入らず、怯え、泣くしかなかった。
その時、俺は覚醒した。絶対に負けないという自信、闘志がな!」
「なんだと…?」
「さっきのように、負ける、なんてマイナスファクターはもうねえ!
その自信さえ付けば、俺が選ぶ道は1つしかねえ。」
「コウキ…」
コウキがJをにらみ、言い放った。
「例え何度攻撃されようが、俺が勝つ!」
(くっ…)
その闘志に、Jも怯んだ。
その一瞬を、見逃さなかった。
「どるあああああっ!」
「何っ!」
一瞬でドラピオンに飛びかかった。気合いパンチを放つ。
「ク、クロスポイズン!」
「コウキ危ない!」
「喰らう前に喰らわせりゃいいんだよお!」
一瞬早く気合いパンチが命中。
しかも両目の間に命中。完全に急所である。
「グギャアアアアアア!」
「なぜだ!?気合いパンチは発動に時間が…」
「さっきショーケースを壊すために、力をためていたのさ、そんなときにお前が来たから、
すでにエネルギーはたまっていた。」
「くそ、ボーマンダ、龍の波動!」
ボーマンダが銀色の波動を放つ。コウキが素早く察知してかわしつつ、ヒカリの元による。
「コウキ、怪我は?」
「は?今の俺は、痛みなんざ感じねえよ!」
「ドラピオン、あいつらに毒毒だ!」
ドラピオンが猛毒の液を吐き出す。
「あ、危ない!」
コウキが素早く技マシンをセットし直す。
「守る!」
水色のバリアが、毒毒をはじき返す。
「ちっ、厄介な!」
「俺はこっちだ!」
ヒカリの身が危ないと感じ、ヒカリの元から移動する。
…その時、コウキは守るの技マシンをヒカリに渡していた。
「もう一度毒毒だ!」
「くっ!」
なんとかバトル・アーマーではじき返す。
だが、ダメージ技は1度喰らえばそこまでだが、状態異常技は一度でも食らうと苦しみ続ける。
「あれをどうにかしないと…」
「ボーマンダ!ドラゴンダイブ!」
突進してコウキに襲い掛かる。
何とかかわすが、すきを突かれて後ろをドラピオンに取られてしまった。
「しまった!」
「ドラピオン、毒毒!」
猛毒の液を吐き出す。
「ぐあっ、しまった!」
コウキに命中してしまった。
毒毒の液は皮膚に付着すれば、一瞬で体に浸透して毒がまわる。
「く……あ、あれ?苦しく…ない。」
「な、何!?」
だが、コウキは無傷だった。毒に侵されていない。
体を不思議な輝きを放つベールに覆われている。
「確かに命中したはずだ、いったい、どうして…」
「…ヒ、ヒカリ!」
ふと見ると、ヒカリが技マシンを発動していた。
「技マシン20、神秘の守り、これを発動してたのよ。これで状態異常にはかからない。
あたしだって、戦うんだから、コウキを守るんだから!」
「サンキュー、ヒカリ!」
コウキが再びヒカリのそばに寄った。
2人が出会ってから、かなりの月日がたっていた。息をぴったり合わせる、自信があった。
「ドラピオン、クロスポイズン!ボーマンダ、ドラゴンダイブ!同時攻撃だ!」
2体が襲い掛かる。
かかった、コウキはそう感じた。
「頼むぜヒカリ!」
「ええ!イクイップショットセブンティースリー!」
黄色い波動が発射される。
それがドラピオン、ボーマンダの2体に命中。
「…何、動きが鈍った!?」
とたんに動きが鈍くなる。
「電磁波にかけたのよ、
これで2体とも技が出しにくくなったわ。」
「ええい、いけえ!ひるむな!」
それでもドラピオンもボーマンダも攻撃を仕掛ける。
「ヒカリ、もう一度頼む!」
「ええ!イクイップショットフォーティーン!吹雪!」
2体同時攻撃。ボーマンダとドラピオンに直撃する。
効果抜群ゆえボーマンダは吹っ飛ばされるが、なおもドラピオンは突っ込んでくる。
「よし、あとは任せておけ。時間は稼げた。」
だが、その間にコウキは気合いパンチのエネルギーをためこんでいた。
「喰らえ!」
吹雪の追い風に乗る。またもやドラピオンの急所に命中。
ドラピオンは気絶し、どうやらボーマンダも氷漬けになったようだ。
「…ちっ!」
「さあ、次のポケモンを出すんだな。」
「…。」
「もしかして、もう終わりか?
それじゃ、てめえの身柄を…」
「…毒毒の牙。」
「え?…ぐあっ!」
クロバットの毒毒の牙が、コウキの背後を直撃。不意を突かれた。
「くそ、いつの間に…ぐっ!」
「コ、コウキ!?」
「ほほう、どうやら、猛毒状態に侵されたようだな。」
「し、神秘の守りの効果が…」
「ぐ…この…」
クロバットが猛攻をかける。
それをかわしたり、火炎放射で迎撃したり、バトルアーマーで技を受け止めてしのぎ続けるが、
時間とともに猛毒がコウキの体力を奪っていく。
ヒカリもコウキから離れた場所から吹雪や電磁波で援護するが、いずれもかわされる。
「くそ…目がかすんできやがった…」
「心配するな、ポケモンの技で死ぬことはない。
…ただ、戦闘不能だけで済ますことはないがな…とどめだ、燕返し!」
絶対にかわせない、必中の技。
ヒカリが吹雪を発射するが、かわされる。クロバットは、猛スピードでコウキに突っ込む。
「コ、コウキー!」
クロバットに火炎放射が命中。だが、火炎放射を放ったはずのコウキは、
「え?」
驚いている。コウキが発射したわけではない。
「何!?だ、誰だ!」
「…ヒ、ヒノアラシ、あなたまさか!」
「ヒノー!」
自分の敵と命がけで戦う姿に、感化された。
ヒノアラシがフルパワーで火炎放射を放ち続ける。
「クロバット、そんなもの、弾き飛ばせ!」
だが、クロバットも鍛え抜かれたポケモンである。
このヒノアラシは、まだ幼い。あえなく火炎放射は弾き飛ばされ、逆に燕返しで弾き飛ばされる。
ヒカリがあわててヒノアラシに駆け寄る。
「だ、大丈夫!?」
「ヒ、ヒノー…」
とりあえず大丈夫だが、もう戦う力は残っていない。
「クロバット、今度こそ燕返しだ!」
コウキにもうかわす力は残っていない。燕返しをまともに受け、ヒカリの目の前まで飛ばされる。
「コウキ!」
「やべえ、勝てる、と思ったのにな…」
赤い瞳はそのままだが、もうほとんど瀕死状態で、闘志がほとんど失われていた。
「惜しかったな、私のポケモンは残りはこのクロバットのみ。
こいつを倒せれば勝ちだったがな、だがこれで終わりだ!」
「…ヒカリ。」
「え?」
「フラッシュを頼む、時間を…稼いでくれ。」
「うん!」
ヒカリが技マシンを差し替え、フラッシュを発動。
まばゆい光が、クロバットの視界を奪い、怯ませる。
コウキが小さくつぶやく。
「守るを使うんだ。ヒカリと、ヒノアラシを対象にな。」
「え?コ、コウキは?」
「言うとおりに…しろ…勝つ、ためだ…」
「う、うん…」
ヒカリが再度技マシンを差し替え、守るを発動。
バリヤがヒカリとヒノアラシを包む。
「…ヒカリ、俺、言ってたよな、最後の1つのマシンが、まだ決まってないって。」
「え?」
「あれは、嘘さ。言ったら、絶対に止められたからな。」
「…いったい、何のマシンを…」
「…これだ。」
白いマシン、ノーマル技のようである。
ラベルには、「64」と書かれている。
「64…まさか!や、やめて!」
クロバットの視界が戻り始める。
再び体勢を戻して、再び燕返しをコウキに向かって放つ。
「どうせ、もう体力はほとんどない。…普通の技を出しても、ほとんど威力がない。
…だったら、」
「や、やめて、お願い!」
「もうクロバットがそこまで来ている。
俺自身を守れても、ポケモンを守れないんじゃ、ヒカリを守ってることにはならない。
だから精いっぱい戦ったけど、やっぱだめだった。
…すべてを守ることなんて、できやしないんだ。」
「コウキー!」
コウキの体全体が光る。
…技マシン64、技名は、大爆発。
「コウキ、コウキー!」
「…じゃあな。」
部屋全体を、爆風が襲う。
クロバットもJも、巻き込まれる。ヒカリとヒノアラシは、守るのバリアに守られている。
「ぐああああっ!」
「コウキー!」
コウキにも当然大ダメージ。
最初から戦闘不能になる技とは言え、猛毒に侵され体力をほぼ奪われた状態で発動。
もはや戦闘不能だけでは、済まされない。
爆風がやむ。クロバットは戦闘不能で、Jも大ダメージをくらって完全に動けない。
だが、コウキは戦闘不能で済む問題ではなかった。
「コウキ!コウキ!しっかりして!」
ヒカリがコウキに向かって叫ぶ。
コウキが目を覚ますまで何度も呼び続け、…そして、コウキの眼はわずかに開いた。
「う…ヒカリ…?」
「コウキ!」
「…ヒカリ…だけ…ここ…脱出…」
とぎれとぎれだったが、意味はわかった。だが、ヒカリは首を横に振る。
コウキが笑う。瞳の色は元に戻っていた。
とりあえず、すぐに死ぬ、なんてことはない。その顔を見てそう感じ、少し安心する。
「逃げるのも、死ぬのも、一緒だよ、コウキ。
…全員倒したんだから、あとはゆっくり逃げればいいの。そんなこと言わないで。」
「ヒカリ…優し…僕…幸せ…奴だ…」
コウキを失いたくない、その一心だった。
コウキなしで生きていくくらいなら、もう死んだ方がましだった。
それに、Jは倒した。とりあえず敵はもういない、時間はたっぷりある…はずだった。
「J様、大変です!」
「な、なんだ…」
Jの通信機から、部下の声が聞こえてきた。
「壊れたエンジン部分が発火し、燃料タンクに燃え広がっています!」
「な、なに…」
「もう、炎の進みをとめることは、できません!
燃料タンクに引火したら、おしまいです、爆発します!」
「なん…だと…」
ヒカリも、コウキも、その通信を聞いていた。
…自分たちが壊したエンジンが、因果応報、今度は自分たちに襲いかかった。
「そんな…」
「ヒカリ…逃げて…!」
「嫌だ!そんなの…」
「ヒノー!」
ヒノアラシもおびえている。それを必死になって抱きかかえるヒカリ。
「大丈夫だよ、大丈夫だから!ね、ヒノアラシ!」
しかし、脱出方法は、思いつかない。
もはや、ほかのポケモンたちが入ったカプセルはおろか、コウキだけでなく、
ヒカリ自身すら助かる道が思いつかない。
「どう…すれば…いいの…?」
「…ごめんね…ヒカリ…
僕が、変にカッコつけようとするから…」
「そんなことない!ポケモンを大事にする、優しいコウキがあたしは好きなの!
…あ!」
万事休すの中、ヒカリが何かを思いついた。
ポケットから、CDのディスクケースを出す。
「…それは?」
「博士が出発前に、あたしに技マシンをくれたの。
本当にいざって時に、コウキと一緒に使えって!」
中身をとりだす。ラベルには「30」と書かれている。
「…30?
…シャドーボール…なんて使って…どうしろと…」
「まって!シャドーボールはゴースト技、
なのに技マシンの色は黒じゃなくて、ピンク色よ!」
通常、ゴーストタイプの技マシンは黒色である(悪タイプも黒なので見分けはつきにくいが)
だが、この技マシンは、エスパータイプの色のはずである、ピンク色。
「どういう…事だ…」
「もう、これに賭けるしかないよ!博士が一緒に使えって言ってたから、集まって!」
ヒカリがコウキに寄り添う。
ヒノアラシも2人に寄り添う。
そして、技マシンをセットする。
「…お願い!コウキを…コウキを助けて!」
右腕に力を込める。
技マシン30をセットしたバトルアーマーが、発動した。バトルアーマーが、ヒカリを放つ。
その瞬間、コウキは力尽き、気絶した。
「コ、コウキ!しっかりしてー!」
気絶したコウキをゆさゆさと揺らす。その直後、ヒカリとコウキに、何かが起こった。
…その後のことは、ヒカリは何も覚えていない。
…目の前に、天井が見える。白い、白い天井。
「…ここは…」
体を、ゆっくり起こす。
「…僕は…」
そして、コウキは清潔感のある部屋でふかふかのベッドで寝ていることを確認する。
「…。
確か、僕は…」
思い出した。そうだ、大爆発を自らに発動した。確かにそのはずだ。
…その時に喰らったはずのダメージは、感じない。
それより、なぜ自分がここにいるのか、ここがどこなのか、その理由を知りたかった。
ドアが開く。可愛らしいナース姿の女性が近付いてくる。
「あ!起きられましたか?」
「…あなたは?」
「ナナです。
私はナース、ここは病院です。」
「ここは、病院…なぜ僕はここに?」
「…なぜって…
あれだけ、体に負荷がかかってダメージを負ってて、あのままだったら死んでたんですよ?」
わかってはいたが、
いざその現実を知らされると、やはり平常心ではいられない。
「でも、もう大丈夫です。
数週間安静にしていれば、元通り歩けるようになりますよ。」
「数週間!?」
「ええ。お忙しいとは思いますが、ナナカマド博士からも、ゆっくり休め、と。」
「…はあ。数週間か…
だれか遊びに来ないかなあ…」
「まあ、面会が可能になるのも一週間は先になりますけどね…」
「そ、そんなあ…どうにかならないんですか?」
看護婦が困った顔をする。
コウキも、面会をさせる権限のないナースに言っても困らせるだけ、ということには気づいたので
これ以上は何も言うことはなかった。
「では、点滴をしますね。
…あのー…」
「は、はい?」
今度は何かを頼むような目で見る。
「あの、サイン下さい!」
「は?」
「ポ、ポケモンリーグのチャンピオンの担当になれるなんて、めったにないチャンスですから!
さ、サイン下さい!あと、写真も!」
コウキはしばらく自分の立場を忘れていた。
チャンピオンになってからポケモンリーグには一度も足を運んでないが、自分はチャンピオンなのである。
「えへへ、ありがとうございます!」
とりあえず、サインとツーショットに快く応じ、点滴を打ってもらった。
そして、今後の予定と、また何かあったら読んで下さいと言い残し、部屋を出て行った。
ふう、とため息をつく。
暇だな、と感じつつ、点滴の残量がゆっくりと減っていくのを目に移す。
ふと、コウキの眼から涙が出てきた。
「一週間、か…」
ヒカリに会えない。そんな寂しさが募り、涙が流れる。
コウキは、強い心を持っている半面、寂しがりで、人恋しい性格でもある。
Jと戦う日の朝にも、ヒカリに甘えていたのは、優しいゆえの副産物であるこの性格がそうさせたのだ。
「はあ…」
ため息が自然と出る、が、そのため息で気付いた。
(ヒカリのため息も、こういう寂しさから来たんじゃないのか…?)
ヒカリがため息をしていた原因は、まだはっきりとは分かっていない。
ヒカリがおびえる悪夢は、あくまでそれを具現化させたものにすぎないからだ。
だが、その原因が、ようやく分かった気がした。
(何かが原因で、ヒカリをさびしがらせている…
でも、僕は努めてヒカリのそばにいるように意識してたし、
そもそも、そんなこと意識しなくたって離れて行動することがなかった。)
コウキが考えを巡らせている間に、部屋のドアが開いた。
「あれ?今ナースの人に来てもらったばかりなんですけど…」
後ろ姿のまま、後ろ歩きで入ってくる青く長い髪のナース。
「…。」
「あの、ナースコールも別に押してないんですけど…」
「コウキくんの心が、ナースコールを押してましたよ?」
「え?」
後ろ歩きのままコウキに近づいてくるナース。
その青く長いきれいな髪、そして、コウキのよく知るはずの雰囲気をたたえていた。
「…まさか…」
くるっと体を半回転させ、腰を九の字に負けて顔をコウキに向けた。
ナース姿のその女の子は、まぎれもない、コウキの愛しの女の子、ヒカリだった。
「ヒ、ヒカリ!」
確かにコウキはヒカリに会いたかった。ヒカリの言う通り、心の中でナースコールを押していた。
…ただ、ヒカリは、こんなことを言い出した。
「いいえ、あたしは、ヒカナースです。この病院で働く清純ナースの、ヒカナース、です。」
「…ひ、ひかなーす?」
ヒカリとナースを適当にくっつけただけの、ネーミングセンスゼロの異名である。
とりあえず、いつものヒカリじゃありません、ということを言いたいのだろう。
コウキもあっけにとられて、会いたい女の子に会えた喜びが、なんかうやむやになってしまった。
「はあ、で、そのヒカナースが僕に何の用ですか?」
「ナースのお仕事は、患者の世話をしたり、治療したりすることです。」
「後者は医者の仕事だと思うんだが。」
何気に突っ込んでみる。
ヒカリのナース姿は非常に可愛く、コウキの頬も自然と赤くなるが、どこかリズムを狂わされる。
「で、僕のどこを治療するんですか?ヒカナースさん。」
「いいえ、治療するのはあなたです、コウキくん。」
「…はあ?」
なんかもうわけがわからない。漫才をしている気分だ。ツッコむ事しかできない。
ヒカリはこんな子じゃなかったはずだ。誰だこいつは?本当にヒカリか?
…ヒカリだ。
自分の看護服のボタンを、1つ1つ取り始めた。
そして、成長期に入った膨らみかけの胸をあらわにする。
「最近、心臓が苦しいんです。どんな病気か分からないので、脈拍を見て下さい。」
もう何をさせたいかはコウキにもわかった。
だが、なぜがボケずにはいられない。
「えっと、聴診器を貸して下さいな。
もしくは、手首で脈を図りたいのですが。」
「いいえ、あなたの手であたしの心臓のドキドキを見て下さい。」
やっぱり。
案の定だ、やれやれとそう思っていると、ヒカリからコウキの手を持って乳房に運んだ。
「!!」
わかっていても、わかってはいたんだけど。
それでもドキドキする。心臓が高鳴る。
なあ、ヒカナースさん。心臓がおかしくなってるのは、君じゃなくて僕の方なんだけど。
…ヒカリ、おっぱいが大きくなった気がする。だからドキドキしてるのかな。
ヒカリも、女、なんだよな、女になりつつ、あるんだよな…
ヒカリも目を閉じて、コウキの手の感触を感じている。
コウキの手のぬくもりを、少しでも多く感じ取れる様に、自分の胸に触れるコウキの手を意識する。
「…。」
「…ヒカリ?」
さっきから何も動かない。
ボケることも忘れて、コウキがヒカリに呼び掛けると、口を開いた。
だが、ヒカリはヒカナースのままだった。
「あれ?コウキくん、様子が変ですよ?病気かもしれませんね。ちょっと見てみましょう。」
「見るってどこを…わわっ!」
ヒカリは布団をガバッと剥がすや否や、ズボンとトランクスをいっぺんにずらす。
そして狭い空間から解放されたようにぴょこんと顔を出すコウキの陰茎。
無論、ヒカリのおっぱいの影響により、カチカチに膨れ上がっている。
コウキは声も出せず、ただただ固まっていた。
「ふあ…」
ヒカリが驚きつつコウキのそれを眺めているが、すぐさまこんなことを言い出した。
「いけません!」
「…へ?」
「こんなに腫れ上がっています!これは病気ですよ、コウキくん!
今すぐに治さないといけません!」
「…はい?ほっといても治るけど…」
ヒカリが慌てるように、真面目そうにそう言う。コウキもつられてボケを忘れて真面目に答えた。
だが、ヒカリはさらに続ける。
「だめです!これは病気です!今すぐヒカナースが治してあげます!」
「な、何を…ま、まて!止めて!
ここは病院だよ!」
何とヒカリは、コウキの陰茎を口にくわえた。
それだけならいつも夜にはヒカリがやってくれることではあるが、今は昼で、なんといってもここは病院である。
そしてヒカリが、モノを咥えながら言い放つ。
「病院は、病気を治すところです!」
「そりゃそうだけど!ヒカリ!何か違うぞ!」
「違います!ヒカリじゃありません!ヒカナースです!」
「違うのはそこじゃなーい!」
最初は反論していたが、次第に反論する余裕がなくなってきた。
その快楽に、体がしびれてきた。
「どうですか?楽になりましたか?」
「ヒ、ヒカリ…」
ヒカリはエッチが本当にうまくなった。
ハードマウンテンではかなりぎこちなかったが、今ではプロのような手つき、舌の扱いで、
コウキを快楽の絶頂へと運んで行く。
「それじゃ…これはどうですか?」
「ヒ、ヒカリ!?」
陰茎をしゃぶっていた口を離し、胸の真ん中に陰茎を押し当てる。
そして、まだパイズリをするには十分ではない発達途上の胸を、必死になって寄せて陰茎を挟む。
挟むというよりは、擦り付けると言った感じだが、
コウキはヒカリの懸命な姿を見てまた感じた。
「き、気持ちいいよ、ヒ、ヒカリ…」
「あ、あたしは、ヒカナース…です…」
「いいや、君は、僕の大好きな女の子、ヒカリだよ!」
ヒカリが十分にパイズリを行った後、また陰茎を口に戻す。
そろそろコウキの陰茎に限界が来ていた。
「だ、出すよ、いい?」
「い、いふれも、いいれふよ!」
口にモノをくわえており、うまくしゃべれない。
だがコウキは何を言ったかちゃんとわかっていた。それに安心して、気がゆるんで、
一気に出た。
コウキが何日間眠り続けていたかは分からないが、相当溜まっていたのは間違いない。
ヒカリも何とかすべて飲み込もうとするが、あまりの量に口からあふれだした。
「んんっ!んんんん!」
「うあ、ヒカリ…」
長い間縛られていたものが、すべて解き放たれた。
そのあまりに強い解放感と反動による体のしびれで、ベッドにあおむけに倒れこむ。
ただ、陰茎はまだまだ元気にびくびくと脈を打っている。
口からあふれた精液を指で口に運び、ようやくすべての精液を飲み干す。
…すると、まだまだ元気な陰茎に眼前まで顔を寄せ、息を吹きかける。
「うふ、まだまだ元気ね。」
「うるさいな。」
「とりあえず、患部のはれはおさまりましたね。
病気の元だった毒も、ある程度吸い取りましたから。」
「毒って言うな。その毒を、ヒカナースが全部飲みこんだだろ。」
「ええ、だから、今度は…あたしが病気になっちゃいました…」
「へ?」
「性欲を追い求める…病気です…」
「…はあ!?」
「私の病気を治すには、コウキくんに注射をしてもらわないといけません…」
とろんとなったヒカリの目。そんな目でコウキを見つめる。
そして、何を思ったか、立ち上がる。そして、
「…わっ、ま、まさか!」
「うん、…そのまさかだよ、コウキ!」
「コ、コンドームなんてないぞ、今は!ていうか、口調が元に戻った!」
「そんなものいらないよ、コウキ!」
スカートを脱ぎ、そしてゆっくりとショーツも脱ぎ始めた。
まだまだ子供っぽいその股間は濡れていて、あきらかにコウキのモノを求めていた。
注射の意味を、コウキはしっかりと理解した。
だから、コウキはかたくなに拒否する。
確かにプロポーズはした。だが本当に結婚するのは最低でも15才になってから。
それまでにもし何かあれば、2人とも不幸になり、周りにも迷惑をかけ、大変なことになる。
だから、ヒカリの中には絶対に出さない、そう決めていた。
現に、225番道路でもハードマウンテンでも、コウキは射精寸前で陰茎を抜いていた。
コンドームを手に入れてからは、必ずそれを着用していた。
ヒカリもコウキの思いは重々承知していた。だが、それでも彼女は行動を止めない。
「やめろ!絶対にダメだ!」
「…あたしが…いや?」
「そ…そんなんじゃないけど…」
といったところで後悔。嘘をついてでも嫌だと言えば、ヒカリもあきらめたかもしれなかった。
「…ヒカリ?」
ヒカリがすすり泣いている。コウキが慌てる。
「ごめん、きつく言いすぎた…」
だが、ヒカリは首を横に振る。
「そんなので泣いてるんじゃない、あたしは、怖かった…
だって、1週間、コウキはずっと目を覚まさなかったんだよ!?」
「え…」
「あんなにダメージを受けて、死にかけて、あたしが!どれだけ心配したか!」
「ヒカリ…」
「…あ、ごめん、絶対に、心配かけたって、言わないつもりだったのに…
あたしね、コウキが目を覚ましたってナナさんから聞いた時、飛び上がって喜んで、すぐに駆けつけて…
でもね、あたしがそこで泣きついたら、コウキ、優しいから、反省するに決まってる…」
「だから、あんな風に…」
ヒカリがあっけにとられるようなセリフを言ったのは、そのためだった。
ヒカリに会えた嬉しさが、どこかうやむやになってしまったが、
ヒカリがコウキに会えた喜びをうやむやにしなければ、心が持たなかった。
「ごめん、泣いちゃった。大丈夫、もう泣かない。」
涙を拭うヒカリ、コウキに向かって笑顔を見せる。
…が、また涙が頬を伝って流れてきた。
「…。…寂しかったんだよ!あたしは、ずっとさ!」
コウキに泣きついてくる。やはり、涙は止められない。
「ごめん、やっぱり、あんな無茶するんじゃなかった。
覚醒した僕が、戦うことを止めようとはしなかった…」
「ちがう!
コウキは、あたしのために戦ってくれた!
それで死んだとしても、あたしのためだもの、…それでも耐えられはしなかっただろうけど。」
「じゃあ、寂しいって…なんで…」
「…。
今なら、言えるかな。」
「え?」
ヒカリはコウキに抱きついていたその腕を離し、少し距離をとってゆっくり口を開く。
「以前聞いたよね、あたしが苦しんでいる、理由。
どうしても言えなかったけど、今なら、言えると思う。…でも…」
「でも?」
「コウキ、あたしを、蔑んだりしない?怒ったりしない?
…あたしの想いを、受け止めて、くれる?」
「…。」
ヒカリの懇願の目。
コウキは大きくうなずき、そして、ヒカリの想いを受け止める覚悟をした。
…たとえそれが、自分の意思を挫くものであろうとも。
「…あたしは、コウキがほしいの。」
「僕が…欲しい?」
「コウキが、欲しい。そして、あたしのすべてをコウキの物にして欲しい。」
「それって、まさか…」
「コウキの…その…えっと、あの…」
急に顔を赤くし、どぎまぎさせる。ただ、コウキには何を言いたいかはわかった。
「中に、出してほしいって事?」
「…。」
「それで理由が言えないって言ってたんだね。
僕のことを優しい人間だと思っているからこそ、ヒカリの事を考えて100%拒絶すると決まってると。」
「…。」
ヒカリが中に出してほしいと言ったことは1度もない。
出してもいい、とは言ったことはあったが、コウキがかたくなに拒否をした。
それ以来、ヒカリはその願望を口にすることはなかった。だが…
「ずっと、そう願ってた。
最初は、しょうがない、って思ってたんだけどね。」
「…どう言う事?」
「でも、不安だったの。あたしの一番悪い癖、悪い方に、悪い方に考える癖。
そんなことはあり得ないのに、想像してしまったの。」
「何を?」
「コウキが、あたしと本当の意味でつながらない理由。
…コウキは、あたしを大切に思っているから。それはわかってる。だけど…」
ヒカリが言葉を詰まらせる。
正直、口にすべきではないと思っていた。
だが、コウキの真剣なまなざしを見て、言うべき時だと覚悟を決めた。
「それでもコウキは、私の前からいなくなろうと思ってるんじゃないかって…」
「なっ!?」
「だから、あたしとつながろうとしないんじゃないかって。
もっと別の人に、コウキののものをあげたいんじゃないのかって!
コウキは多分、人生でコウキのものをあげるべき人間はただ1人って決めてる気がするから…」
「ヒカリ…」
「だから、あたしじゃない、別の女の人を選ぶんじゃないかって!」
人生はまだまだ長い。いくらヒカリが好きだと言っても、2人ともまだ子供。
大人になってそういう人を決めるものだから、今の2人の関係は一時的ではないのか、そう感じでいた。
コウキはそんな人じゃない、と分かっていながら、それでもヒカリは怖かった。
「…。」
「あたし、酷いよね。あたしのために、プロポースまでしてくれたコウキに、
一方的にありもしない疑いを掛けて…」
「でも、ちゃんとあり得ないって思ってくれてるんだろ?」
「それでも!心の片隅でそんな想像をすること自体が!コウキの彼女として失格なの!
あたしのために、あれだけ優しくしてくれるコウキに、そんなひどいことを考えてたのよ?あたしは!」
ヒカリが泣き叫ぶ。
コウキは、何も言えなかった。
「すべてあたしが悪いの!コウキは何も悪くないのに!
中に出してほしいなんて言った願望も、全部あたしがそんな酷い事を考えていたから!
叱ってよ!殴ってよ!こんな酷い人間を、軽蔑してよ!」
沈黙が流れた。
聞こえるのは、ヒカリがすすり泣く音だけ。
すべてを言ってしまい、ヒカリは後悔した。黙っておけばよかったのに。
これですべてがおしまいになった。この後コウキは、別れようというか、二度と口をきかなくなるだろう。
本当にコウキは、自分から離れていってしまう。
…悪夢が、現実に、なる。
「あれだけ言わないと言ってた理由、話してくれたね。」
「…。」
「ありがとう。」
「…。」
これでありがとう、と聞くのも、最後になるのかな。
コウキも、これであたしと離れることに何の未練もないだろう。そう、感じた。
「そこまで僕を信頼してくれてる女の子を、僕は一生手放しはしない。」
「…え?」
コウキが笑いをこらえられず、笑い出す。
「だって、めちゃめちゃひどいこと言ってるじゃん。
そんな酷い事、ふつう誰だって言えないよ?」
笑いながら言う。
わざとじゃないのか、自分の罪悪感を紛らわせるためか、ヒカリはそう思っていた。
だが、長い事コウキと見て来たヒカリ。この笑いはわざとじゃない、そう感じた。
「なんで…あたしは、こんなに酷い事…」
「だからこそさ。
普通に適当に付き合ってたら、理由なんて言わずにセックスレスだといって普通に分かれると言ってる。
ていうか、そんな事言ったらぶん殴られると思って、言おうにも言えないよ。」
「だから、殴っていいって、言った…」
「違うね。逆だ。
殴らないと信じたからこそ、殴れと言ったんだ。」
「え…」
「僕が優しいと信じているからこそ、酷いとわかってても本当の事を言えたんだ。
本当のことを言うべきだと思ったんだ。…信じているから。」
ヒカリははっとなった。
そうだ。確かに酷い事を言いはしたが、嘘は言っていない。本当の事をまっさらに話した。
別れたいから嘘を言ったとか、そんなんじゃない。コウキに、本当のことを言いたかった、それだけだった。
「違うか?
確かにそんな風にヒカリは思ってはいなかったと思う。
でも、心の中をのぞいてごらん。…どこかに、そう思っているヒカリがいるはずだよ。」
「…。」
ヒカリが黙り込む。唇をかむ。
しだいに、また涙が流れだした。
「…どうして?」
「ん?」
「どうして、どうしてコウキはそんなに優しいの?
そんな風に言われたら、何も言い返せないよ…」
「どうしてって?そんなの、きまってるじゃないか。」
コウキは笑顔で、ヒカリに語りかけた。
「ヒカリと、つながりたい。ヒカリの中で、僕を解き放ちたい。」
あれだけ中に出さないように、気を配り続けたコウキ。満たされなかったヒカリの想い。
すべての違和感が、今すべて消えた。
「…おいで。」
「…ううん、あたしは、抱きついたりは、しない。」
「え?」
コウキが怪訝な顔をする。
今度はヒカリが、涙を流しながらも笑顔で言った。
「あたしはコウキくんの病気を治す、コウキくんだけのナース、ヒカナースです。
ナースは、取り乱しては、いけないのです。」
「…あれ。
でも、今回治療してもらうのは、君じゃなかったかい?ヒカナースくん。」
「あ、そうでしたね。
その前に、治療に際してこれを飲まないといけません。」
と言って取り出したのは小さな紙箱。
その中にある錠剤を取り出して飲むのだが、
「それ…まさか…」
「うん、とりあえずこれで、赤ちゃんは大丈夫…」
ヒカリが取り出したのは避妊薬、通称「ピル」だった。
それを水と一緒に飲みこんだ後、コウキが恐る恐るたずねる。
「えっと、僕がもし拒否しなかったら、それを飲まずに、中に出してたって事?」
「うん、なんか、コウキが目を覚ました喜びで、思わず赤ちゃんが欲しくなっちゃってさ…
もう、飲まなくてもいいやって…」
とんでもないことを言い出すヒカリ。
コウキは優しいからこそヒカリを怒ろうかと思ったが、
それ以上にそんな事を考えるヒカリが愛しく見え、そんな気もなくなってしまった。
「やれやれ、まったくお前ってやつは。
完敗だ。」
「えへへ…ごめんなさい。」
「…だけど、やっぱりちゃんとけじめをつけないといけない。
いい?今日だけだよ?」
「えー?これからも、もっと中に…」
ヒカリは笑って言い返したが、コウキの顔は真面目そのもの。
今日のことに気を良くして調子に乗ってたら、今後万が一、ということもあり得る。
「うん、わかった。今日は、特別、だね?」
「ありがと。ヒカリのそんな素直なところが、僕はすっごく大好きだよ。」
「うん…」
「そんなヒカリには、ご褒美。
さっき結構口の中に出しちゃったけど、今日だけは、たくさん、何度でもヒカリの中に出してあげるからね?」
「うん!」
中出しは今日だけ。だから、満足するまで思い切り出してやろうと思った。
終わったころには、僕はもう精根尽き果ててるだろうな。
「それじゃ、お注射開始ィ!」
コウキは仰向けに寝たまま動くことはできないので、そのままの体勢、すなわち騎乗位でつながる。
ヒカリはすでにさきほどのフェラチオで感じたせいか、濡れていた。前戯がなくてもスムーズに入る。
もっとも、コウキはJとの戦いでのダメージからまた回復していない病み上がり状態のため、
体を激しく動かす体力はないため自分から前戯をする体力はない。
今回は、ヒカリにすべてを任せることにし、腰を打ちつけるヒカリをただ見つめる。
「気持ちいい?」
「んあ!久しぶりの、生だよお!」
コウキはまだ幼いため、自動販売機という販売手段を知るまではコンドームを売ってもらえなかった。
なので、生で限界ぎりぎりまで行為をし続け、出る直前にヒカリから引き抜く、という形をとっていた。
コンドームを買ってからは、1度も着用を忘れたことはない。
コウキは、できるだけヒカリを気持ち良くするために、我慢する。
幸いヒカリが動いてくれるためにコウキは動く必要はない。持ってる力すべてを我慢に使う。
「んあ!ああん!いい、いいよお!」
「ヒ…ヒカリ…」
我慢は、2ターン何もせずに、食らったダメージを倍返しにする技。
コウキの陰茎からも、我慢をしたら2倍の精子が出るのだろう。ふと、思った。
(中だししていいとは言ったが…本当にいいのか?
薬を飲んだとはいえ、もし、本当に…)
今更ながら戸惑う。
そうだ、今ならまだ間に合う。今なら引き抜いてもいい。
しかし、今日を逃せば、またずっとヒカリに中だしすることを拒否し続けるだろう。
そんな事をすれば、ヒカリをまた絶望の淵に陥れる。二度とヒカリを悪夢から救えない。
中出しをすることが、ヒカリを苦しみから解放することになる。ヒカリを救うことになる。
そう、つまり、ヒカリを守ることになる。
覚悟を決めた。そんなとき、コウキの眼が変色した。あの、赤い瞳に。
「…ちょ!?コウキ!?」
ヒカリが腰を動かしつつも、驚く。
「ヒカリ!俺はヒカリを守る!ヒカリのために!ヒカリを救う!」
「いや、そうじゃくて!今覚醒する必要ないでしょ!?」
「ヒカリ…!…あ、あれ?」
コウキの全身から、一瞬力が抜けた。
コウキの眼も、いつもの優しい目に戻る。ヒカリは腰を動かし続けつつ、
「だ、大丈夫?」
「な、なんか、覚悟を決めたとたん、強い意志に意識が支配されて…
一応意識はあったけど、…前にもこんなことがあったような…うあっ!」
「そ、そろそろ限界?」
「う、うん!出しても、いいよね!」
「うん!お願い!コウキのすべてをちょうだい!そして、あたしのすべてをあげる!」
「ああ!ヒカリは、僕だけの、もの…うあああっ!」
解き放たれた。
コウキの陰茎を覆う薄いゴム状の膜は、無い。
コウキとヒカリの、正真正銘、完全につながった部分から、コウキのモノがどっと流れ出る。
コウキのモノが、ヒカリの中に、たくさん、たくさん、入っていった。
「…はあ…はあ…騎乗位って、シロナさんからきいていたけど、本当に、すごいね…
…コウキ?」
(すう…すう…)
「…んもう、何度でも出してあげるって、言ってたのに…」
コウキが眠っている。
行為の前から体力がほとんどなく、1回の行為ですべて使い切ってしまった。
そもそも、大ダメージを受けて入院して、先ほど起きたばかりの患者にすることではない。
ヒカリはコウキの横に寝転がり、微笑む。
「でも、大満足だよ。このお腹の中に、コウキのモノが、入ってる。
…あたしの、一番の、宝物。」
クスクスと笑う。その笑顔にはもう迷いはない。これで悪夢に苦しめられることはもうないだろう。
「コウキは、あたしから、離れない。あたしを、一生、守ってくれる。
あたしは一生、コウキに甘えるね。そして一生、コウキを甘えさせて、あげるね。」
ヒカリはふと時計を見る。
時間は12時57分を指していた。
「いけない!1時にナースターミナルに戻らないといけないんだった!
ご、ごめんね、コウキ!」
自分の仕事場に戻るため、眠っているコウキにさよならを言うヒカリ。
とおもったが、さすがに大事なところを丸出しのまま行くのはまずい。
「…コウキは、あたしだけのもの!」
大急ぎでズボンを元通りにし、掛け布団を元に戻して、猛スピードで部屋を出て行った。
コウキに起きて見送ってほしかったが、そこまでのわがままを言う時間はなかった。
しかし、なぜこの少女はナースの服を着てナースの仕事をしているのだろうか。
結論から言うと、コスプレではない。
午後7時。
コウキがようやく目を覚ます。白い天井が見える。
その1秒後、おなじみの顔がいきなり視界に入ってきた。
「どわっ!」
「お・は・よ!コウキ!」
「は・い・よ、ヒカリ…」
「まったく、いつになったら起きるのか、心配してたよ!」
「まったく、いつになったら成長するか、心配してるよ…」
やれやれと言った様子で、体を起こす。
よくみると、ヒカリが何か持っている。
「…晩ごはん、たくさん食べて、体力つけて、早く元気になってね!
食う寝る子供は、よく育つ!たくさん食べたら、元気になれるよ!」
「…ヒカリはもうちょっと内面をなんとか…
体は女になりつつあるけど…てか、女にしただろ!昼に!」
「ヒカリは大人の階段を上りつつあります!」
「…。」
ついていけない。もうそんな事はほっといて、ヒカリの晩御飯をありがたく頂くことに。
大きめのコガネ風お好み焼きを、ヒカリが食べさせてくれる。幸せ。
しかし、いつまでも何も聞かないわけにはいかない。
Jとの戦いで気絶した後、いったい何があったのか、聞いてみた。
「なあ、ヒカリ。
…あのあと、Jと戦った後、何があったか、聞かせてほしいんだ。
…僕が今日起きるまでの、すべてを。」
「うん。ちゃんと全部話すよ。
それじゃ、ちょっと長くなるけど…」
ヒカリが一呼吸を置き、話し始めた。
「まず、あたしが発動した技マシン30。あれは、直前にナナカマド博士から渡されたの。
コウキがシロナさんに呼ばれてる間にね。」
「なんで博士はマシンの事を僕には言わなかったんだろ。」
「技マシンの正体を知ったら、きっとあたしだけを脱出させようとしたからじゃないかな。
危険なJとの戦いに、あたしを巻き込まないために。」
「で!あの技マシン30、あれは一体何だったんだ?
技マシン30はシャドーボールのはず、なのになぜ、あんな不思議な事が?」
コウキは技マシン30の発動直後に気絶したが、自分とヒカリの体が光ったことは覚えていた。
「あの技マシン30はね…テレポートなの。」
「…は!?」
「昔の技マシンは、今の技マシンで覚えられる技とまったく違っていたの。
種類も、92種類じゃなくて50種類だったの。知らなかったでしょ。
時代の流れで、次第に作られる技マシンの中身が2度3度変わっていったの。例外もあるけど。」
「へえ…」
「昔ナナカマド博士がタマムシ大学にいた時に、持っていたものだったんだって。
今となっては絶版マシンだけど、ちゃんと使えるの。」
これで合点が行った。
つまり、テレポートで機内を脱出し、外に出ることに成功したのだ。
「そういえば、Jの乗ってた機体は…」
「あのときJの部下が言っていた通り、爆発したわ。機体は粉々、瓦礫の山。
ただ、爆発の前に安全圏に逃げ込んだから、あたしもコウキも、無事だった。」
「じゃあ、ポケモン達は…」
「それが、遺体も、ポケモンも発見されなかったの。
いまもJの行方は分かっていないわ。」
ちなみに真相はというと、ポケモンのカプセルが入っていた、そしてJと戦っていたあの部屋。
あの部屋そのものに機体とは別に動力が付いており、脱出ポッドになっていた。
爆発直前にロケットのようにその部屋そのものがジェット噴射で飛んで行ったが、
ヒカリ達にそれを知る術はない。
「とりあえず近くの岩場に逃げ込んで爆発をやり過ごして、
幸いすぐそこにジュンサーさんがいたから来てもらったんだけど、コウキは本当にぼろぼろだった。」
「頼むから泣くなよ。」
「うん…」
涙が出そうになったが、泣いたらコウキに迷惑がかかる。何とかこらえた。
「ヘリを使って大急ぎで病院に急行したの。
…本当に、もう少し遅かったら、危なかったんだって。」
「そうか、…無茶しすぎたかな。」
「うん、無茶苦茶し過ぎたよね。」
「フォローは?」
「ないよ。」
「…ごめんなさい…」
漫才のようなやり取りが続いた。
「それで、とりあえずは容体は安定したんだけど、コウキは目を覚まさなかった。
だから、当分は面会謝絶。少なくともコウキが目を覚まして、しばらくはね。
目を覚ませばもう安心だったらしいんだけど、それまでは予断を許さない状況だったの。
だれも部屋にいない時も、心電図を常にナースターミナルでモニターしてたの。」
「え?心電図を?…あ。」
そう言われた瞬間、胸のあたりに違和感を感じた。
そういえば、下は脱がされたが上はまだ脱がされていない。
パジャマのボタンを1つ外して下着のシャツの襟を広げると、何かが貼られていた。
ついでにそこからなにか白い線がつながっている、おそらくこれが心電図につながっているのだろう。
「でも!あたしはね、コウキに会えないのがいやだったの。
だから何度も病院側に掛け合ったんだけど、病院関係者以外はダメだって。」
「…まさか…」
「そう!だったら、病院関係者になればいい!」
「はあ!?んな無茶が通るか!」
「へっへ〜、実はね、この病院のオーナー、シロナさんなの!」
「シロナさんが!?」
「実はね、ここは病院であり、孤児院でもあるの。子供たちのために、シロナさんが建てたんだって。
そしてそのシロナさんが、院長にお願いして、あたしの要望を通してくれたの!
シロナさんに、あたしのためにコウキ自身がJと戦ったことを話したら、力を貸してくれたんだ!」
「でも、ヒカリはそんな資格や免許は持ってないはず…」
「うん、だから、仕事内容はもっぱら掃除とかの雑用。
医療、食事面には一切携わらないという条件で、働かせてもらうことになったんだ!」
驚いた。
そんな事が、自分がのんきに寝ている間に起こっていたのかと。
「院長も、誰かがコウキのそばにいた方が安心できるって言ってたし、
普通のナースにはない長所、コウキに付き添い続けるのを苦にしない、
むしろ楽しむことができるあたしの存在には、すごく助かったらしいの。
他人のそばに居続けるのは、ハッキリ言って大変らしいからね。」
「ハハハ、そりゃそうだ。」
「とはいえ、あたしだってずっとコウキと一緒に入れるわけじゃなかった。
病院関係者である以上、最低限の仕事はしてもらう!ってさ。
各部屋の掃除、蒲団の架け替え、慣れない仕事でくたくただったよ〜。」
「…。
僕のために、そこまで?」
「もう、そんな顔しないで!コウキに会えない苦しみと比べたら、全然大したことないんだから!
それに、やってたのはだれもいない部屋や、コミュニティルーム、廊下とかの掃除。
患者さんと直接携わる仕事はなかったし、精神的には楽だったよ。
人とかかわるのは、大変らしいから。」
「へえ…」
いろいろ貴重な事を聞く。病院とは、そういう場所なのである。
病気に対するストレスを受ける患者に、対応しなければならないからである。
「で、コウキのへやの担当もあたし!」
「…あれ?でも確か、ナナさんって人が担当じゃなかったっけ?
病院って、1部屋に2人担当が付くの?」
「他の病院がどうか知らないけど、ここは1部屋に担当は1人だよ。
コウキの場合はあたしの存在に考慮して、特例にしてもらったんだ!
医療、食事面はナナさん、掃除とか雑用は、あたしがやってたんだ!」
「そういえば、確かに俺が起きた時にナナさんは点滴用具を扱ってたな…」
…ふと、思った。
「…なあ、清拭はどうしたんだ?」
ふと気になった。
もしヒカリ以外に大事な部分を見られたら、ヒカリに申し訳ないというか、自分の心がなんかこう…
「大丈夫!
清拭もぜーんぶあたしがやったよ!」
「ホント?よかった…」
安心する。
自分は、ヒカリだけのもの、そして、ヒカリは自分だけのもの。
ヒカリは患者と直接かかわってはいないと言ってたし、他人の清拭もしていないだろう。
これで、どこぞの馬の骨に、ヒカリを、自分を奪われずに済んだ…
「いやー、本当によかったよ。
あたし、思ったんだ。もしこのままほっといたら、他の人にコウキの裸を見られちゃうって!
そのことをシロナさんに言ったら、大急ぎで院長に頼んで…あ。」
「…なあ、ヒカリ。
さっきシロナさんは僕がJと戦う話に感動したって言ってなかったっけ?」
「あ、うう…」
「はあ…あの人らしいや。」
よくよく考えれば、シロナがそんな話で心を打たれるとは考えにくい。
かよわい少女の清純な願いに、心がくすぐられたのだろう。
ヒカリの前で、くすくす笑ったに違いない。
ヒカリも、自分のためにナースになったことは間違いないだろうが、
(そっちの意味かい!)
そう、強く感じた。
…まあ、それだけならよかったのだが。
「…ん?メールだ。」
「病院内でポケギアを扱っていいのか?」
「このポケギア、ペースメーカーに影響しないタイプだから。」
最近は科学の進歩で、バリアフリーの一環でそういうポケギアも売られている。
ちなみに、メール機能を持たないポケギアは時代遅れといわれている時代でもある。
「…!」
「どうした?ヒカリ?」
「な、なんでもないよ!
…まったくもう、こんな時にメールを送らないでよ!」
「なんだ?気になるな、見せろよ!」
「ちょっ、コウキ!女の子のプライバシーを…」
コウキが素早くヒカリのポケギアに手を伸ばす、
奪い合いになったが、コウキがヒカリのポケギアを奪取し、メールの内容を見る。
…驚愕の内容が書かれていた。
『今日の課題・眠れるコウキくんに30分の授乳プレイ♪』
…。
んなんじゃこりゃあ!?
心の中でそう叫び、表情にもそんな風に出ていた。
「もう、だから見ないでって…」
「…ここ一週間の受信リスト、同じくらいの時間に同一人物から…」
「わーっ!わーっ!」
『今日の課題:眠れるコウキくんにおま○こをしゃぶらせてあげよう♪』
『今日の課題:眠れるコウキくんを責め立てて口内射精!』
『今日の課題:眠れるコウキくんの前でいやらしい声と音を立てながらM字開脚オナニー♪』
『今日の課題:眠れるコウキくんの亀頭をヒカリちゃんの秘裂に擦りつけよう♪』
…。
そして、極めつけは、もう想像に難くないが、送り主。
『ヒカリちゃんの性のティーチャー・シロナ』
「…なあ、一応聞くが、全部その通りにやったわけじゃないよな、な!?」
「ううん…Jと戦う日の朝にあたしたち2人でやってた行為をその目で見てそそられたらしくって…
言う通りにするなら、ナースにしてもらえるよう働きかけるって…」
「…表面上だけ、やると言っといて、何もしなければよかったんじゃないのか?」
「そ、それが…それもちゃんと念を押されて…
ちゃんと指定された時間分ビデオカメラで撮影して中身を届けろって…」
「…はああ!?
じゃ、じゃあ、僕たちのす、全てが…」
「シロナさんの手中にあるって言うこと…」
…その後、仕方なく、授乳プレイに励む2人であった。コウキは仕方なく寝るふりをして。
面会が可能になる1週間後まで、毎日メールが着続けたのであった。
「よりによって、よくまあこんな毎日いろいろアイデアが浮かぶよな…」
「うん…」
まあ、これを脅迫材料にされることは、ないだろうが。
1週間後、容体が完全に安定し、面会、外出許可が下りた。
まあ外出と言っても、病院の周りの庭をゆっくり歩くだけだが。
車いすをヒカリが押しながら、ポケモンたちがのんびりしているのを楽しむ。
四方を山に囲まれた静かな場所なので、マスコミが押しかけることもなかった。
退院は1ヵ月後。その間にいろんな人と面会した。
ナナカマド博士に無事を報告し、ジュンサーさんはコウキに陳謝した。
コウキとヒカリのママも来てくれた。そして、この人も。
「あら、元気そうね。」
「そう見えるとしたら、だいぶボケが来てますよ、シロナさん。」
「ふふふ、そういうセリフが言えるのなら、元気な証拠。」
「はいはい、そうでしょうね。」
「それじゃあ、…私がここに来た理由は、分かってるわね?
一応聞いてるけど、あなたの口から、もう一度報告をお願い。」
「ヒカリの苦しみを解放するため、きっちりと精子を送り込みました。」
はっきりと報告。
かなり恥ずかしかったが、ヒカリを救うのに力を貸してくれたのは、なんだかんだ言ってこの人だった。
「よし、合格!
…それじゃ、私は行くわ。もう当分会うことはないでしょう。」
「二度と会いたくもないですがね。まあ、また会うはめになるか。」
「それじゃあね。
あのアダルトビデオでのオナニーは、気持ちよかったわよー。」
「な!?」
ドアのしまる音。
入れ替わりにヒカリが入ってきた。
「どうしたのコウキ?
…今シロナさんが出て行くのが見えたから、何となく何があったかは…」
「な、なにもねえよっ!」
「…。
(うん、何かあったんだね。あたし、見つからなくてよかった、シロナさんに。)」
そして、退院の日。
約束通り(だったらしく)ヒカリも同時に病院の仕事から退職した。
ありがとうございましたという感謝の言葉を残し、ムクホーク、トゲキッスに乗って2人は飛び立った。
「トゲキッス、例の場所にお願い!コウキ、ちょっとついてきて!」
「う、うん。ムクホーク、2人についていってくれ!」
空の旅を快適に楽しむ2人。そしてついた場所は、
…普通の家だった。
「ヒカリとコウキでーす!おじゃましまーす!」
「お、おじゃまします…博士?」
「おお、よくきたな、待っておったぞ。」
玄関を入ると、家の中で博士が立っていた。
「一体、何の用で…あ、お前は!」
ナナカマド博士の足元に、背中を丸めた1匹のポケモンがいた。
あの時の、Jの乗ってた機体にいた、ヒノアラシだった。ヒノアラシが駆け寄り、抱きついてくる。
「ヒノ、ヒノヒノヒノー!」
「わわっ、お、おまえ、どうしてここに…」
「うむ。実はな…」
どうやら、このヒノアラシはここの家の主人のポケモンだったらしい。
1人暮らしで身内や親せきの人もおらず、ヒノアラシが唯一にして最高の友達だったらしい。
その主人がつい最近、死んだのである。
「そうだったんですか…」
「でも、ご主人さん、喜んでたよ。
ご主人さん、ヒノアラシがいなくなってから、体調を崩して、
そして、もう死ぬ寸前までいったんだけど、最後の最後に、コウキくんがヒノアラシを救ったんだよ!」
「ぼ、僕が…?」
「うん!ヒノアラシの持ち主をすぐに割り出して、危篤状態の男性と分かって、病院に急行。
死ぬ直前、意識が途絶える寸前、最後の最後に間に合ったんだよ!」
「そうなのか…」
おもず顔がほころぶ。
人の役に立てたのかと、実感した。
「でね、その人、言ってたの。
『その勇敢な少年によろしく。一目会いたいが、それはわがままというもの。
ヒノアラシに最後の最後に会えて、もう思い残すことはない。
私が死んだ後のヒノアラシの身も案じていたが、これでもう心配ない。
その少年さえよければ、このヒノアラシを、その少年に託したい。』って。」
「僕が…」
「ヒノ!ヒノヒノ!」
ヒノアラシが笑っている。
「いいんですかね、博士。
…そういえば、ヒノアラシを僕に渡すって言ってたけど。」
「ああ、いや。そのヒノアラシとは別。人のヒノアラシをアテにするわけがなかろう。
ジョウト地方のウツギくんという人が、ジョウトの初心者用ポケモン3匹を私にくれてな。
コウキが炎タイプを欲しがっているというのをヒカリから聞いたから、お前にあげようと思ったのだ。」
「そうだったんですか。」
「だが、ウツギ君がくれた、まだ会ったことのないヒノアラシより、
コウキとそのヒノアラシの方が、深い深い絆で結ばれているだろう。
ヒノアラシはいいパートナーに巡り合えたな。」
「…はい!僕、このヒノアラシとともに、これから頑張っていきたいです!」
「ヒノー!」
「…あちっ!」
背中の炎がいきなり燃えあがる。
危うくやけどしそうになり、ヒノアラシを抱えていた両手をいっぱいに前に伸ばす。
「ヒノー…」
「あはは、大丈夫、大丈夫…」
「うむ、じゃあ、これがヒノアラシのモンスターボールだ。」
「はい!
よし、戻れ、ヒノアラシ!」
ヒノアラシをボールに戻す。
手持ちポケモンはなぜか5体しかいなかったので、6体目としてベルトに装着した。
「やったね、コウキくん!」
「ああ、よしヒカリ!僕のヒノアラシとヒカリ…ちゃんのアチャモ、勝負するか?」
「うん、やろうやろう!」
「それでは、この家の主人にささげるポケモンバトルだ、
この家の裏庭を使って、思いっきりやるがよい!」
「はい!博士、審判を頼みます!」
「うむ!」
裏庭に向かって駆け出すヒカリとコウキ。
ヒカリがコウキに追いついて並んだのを見ると、コウキは手を差し出した。
もちろん、ヒカリも手を差し出し、ギュッとその手を握る。
博士は、その二人のあとを、歩きながらゆっくりと追う。
「シンオウは、あの2人のような有望な若者の時代に突入していくのだろうな。」
ギュッと手を握り締めた2人を待つ明るい未来。
どこかで、その姿をエムリットも見守っていることだろう。
合計113KB、59レス。
とんでもなく長くなってしまった…
これをはじめから一通りすべてに目を通してくれる人なんているのか…?
特に原作の方の感想を…聞きたいけど、なんて言うだろうか…
長編乙
実はクリア前の奴を作ってるんですがなかなか…
........orz........スマン・・・読み切れなかった・・・
久々に見る長編だと言うのに飛ばし飛ばしでしか読めないオレの集中力の無さに泣きたくなる
個人的にはシロナさんに萌えられたのでもう何も言う事は無い
>>310 ありがとうございます。
こんなに可愛いキャラクターを生み出せるあさだ先生は本当に凄いですよね。
>>311 書きたいシチュエーションがたくさんあり、自分のサイトの更新もあるため、
リクエストに答えられず本当に申し訳ありません。
>>325 美味しく食べて頂けて幸いです。
>>343 乙です。
この主人公を見ていたら、
ご飯を貰ったあと急に暴れ出す、ワンピースのクリークを思い出しました。
>>376 乙です。
いくつかのジム戦を経て、それなりに体力がついた感じのミツルですね。
口から溢れ出すほどの射精量から考えて。
>>443 長編乙です。
技マシン30なのに中身はエスパータイプという謎めいた伏線。
それが赤緑時代の技マシン30だったことを知ったときの驚き。
ポケモンの歴史を、しっかりと理解しているからこそ作れる設定ですね。
目からウロコです。
それでは投下を開始します。
今回はポケモンレンジャーバトナージの「ミラカド先生×ヒトミ(女主人公)」です。
陵辱モノですので苦手な方はご注意下さい。
「さて、ヒトミくん。
キミが廊下を走ったことを注意されるのは、これで何回目でしょうか?」
レンジャースクールの地下にある自身の研究室。
そこで俺は、椅子に座らせた女子生徒――ヒトミに向かって、
怒鳴りつけたい気持ちを必死に抑えながら質問する。
――そう……。教師たるもの常に冷静でいなくてはならない。
怒りに身を任せ、生徒たちからの信頼を失うことなどあってはならないのだ。
それゆえに俺は、相手に対する思いやりを忘れずに接する。
「ええとぉ……。22回くらいカナ〜?」
「25回目だッ!」
やたら短いツインテールを揺らしながら、人差し指を口元に当てつつ、
あっけらかんと答えたヒトミを、全力で怒鳴りつけた。
――いかん! 怒りのあまり冷静さを欠いてるぞ、俺!
すぐさま自分の行いを悔い改め、1つ咳払いをした。
「し、失礼。とにかくキミは入学以来、25回も廊下を走ったワケです。何か言うことは?」
「わぁ〜。ダズルの記録を超えちゃいましたね。あたしってばスゴイ!」
「ブン殴るぞッ!」
両手のひらを合わせつつ、満面の笑みで答えるヒトミに対し、再び暴言を吐き捨てる。
――だから落ち着くんだ俺! 今はまだ、生徒たちからの信頼が必要だ。
少なくとも、ドカリモが完成するまでは……。
「せ〜んせ〜い。そろそろ帰して下さいよぉ。もうすぐ就寝時間ですよ?」
両足をパタパタと動かしながらあくびをするヒトミ。コイツ、全然反省してねーな。
「そういうワケにはいきません。
これだけ注意しても廊下を走り続けるアナタには、何かしらの処罰を――」
「そんなこと言っちゃっていいんですかぁ?
あたし、知ってるんですよ。ミラカド先生の秘密」
瞬間、俺の心臓が、ドクン、と跳ねた。
――お、俺の秘密だと……? もしかして、このガキ、ドカリモのことを!?
うっすらと笑いを浮かべるヒトミを前にして、俺の鼓動は激しくなるばかり。
――バカな……。
ここで秘密裏に開発しているドカリモ――ポケモンを意のままに操るマシンのことは、
俺とイオリ以外ではアンヘルコーポレーションの者しか知らないハズ……。
まさかイオリが漏らしたか!? ――いや。優秀なアイツが口を滑らせることなど有り得ない。
だとすれば、いったい誰が……。
「あたし、見ちゃったんですよぉ……。
このあいだの肝試しのとき、ミラカド先生とイオリくんが、
この研究室で何かやっているのを……」
その言葉を聞いて、もはや俺は動揺の色を隠せなくなる。
間違いない……。このガキはドカリモの開発について知っている!
喉が渇く。足が震える。汗が流れる……。マズイ……。マズイぞ!
俺が、このレンジャースクールに教師として潜り込んだのも、
すべてはイオリの優秀な頭脳が狙いだった。
この時点で計画がおおやけになれば俺の努力は水の泡だ。
「消して……しまうか……?」
机の上に置いてあった鈍器に、ふと目が留まる。
幸いここは地下室。このガキを殴りつけたところで誰も気付くまい。
計画がバレるくらいなら、いっそのこと、このガキを……。しかし――
「ミラカド先生とイオリくんは、この部屋で――」
ええい! ためらっている場合じゃない!
ここまで来て計画が破綻するなどあってはならんのだ!
俺は脱兎のごとく、鈍器に向かって手を伸ばす。
「禁断の愛を育んでいるんですね!」
「ぶべらッ!!」
突然、ヒトミの口から発せられた予想外の台詞に、俺は足を滑らせ機械に額を打ち付けた。
ア、アンヘルコーポレーションからの頂き物だから大切に扱わねば……。
「ヒ、ヒトミくん……? いま、何と……?」
ズキズキと痛む額を押さえながらヒトミに尋ねる。
コイツ今、物凄いことを言わなかったか?
「教師と生徒……。さらに男性同士という障害を持つ2人は、
この閉ざされた研究室でしか愛を語らえない……。わかります! その気持ち!」
わかってねーだろ! 人を勝手にホモにすんな!
「あの……。ヒトミくん。ちょっと――」
「でも、安心して下さい!
お2人の関係は、あたしとリズミだけの秘密にしておきますから!」
あたしとリズミ……って、あのオペレータ志望にも話したのか、コイツ!
女の噂話しというものは瞬く間に広まるというのに……。
――だが、ドカリモの件がバレていないことが判って少し安心した。
とりあえず、ホモ疑惑のほうをどうにかしよう。
「あー。ヒトミくん。何か勘違いしているようですけど、
ワタシとイオリくんは、そういった関係ではありません」
「ええッ!?」
俺の弁解に対し、ヒトミは大げさとも取れる動作で驚く。
ご丁寧なことに、両手を口元に当てながら。
「そ……そんな……。――ウソですよね! ミラカド先生! ウソだと言って下さい!」
ヒトミはこちらに、グッ、と身を乗り出し、懇願するように訴えてくる。
な、何でコイツは俺をホモに捏造したがるのだ。
「ヒ、ヒトミくん……。何故、そこまで必死になるのですか?」
「同人誌を作ってるんです……。リズミが……」
「ど、どうじんし……?」
「はい……。『イオリくんは絶対に小悪魔受け!』って張り切ってました!」
聞き慣れない単語の羅列に、俺はいささか目眩を覚える。
何なんだ、この学校……。もう疲れた。早くヒトミを説得して、帰ってもらおう。
「と、とにかく、ワタシとイオリくんは至ってノーマルであると、
リズミくんに伝えておいてもらえませんか? これ以上、誤解が広まるのは――」
「嫌です!」
「つッ……!?」
差し出された俺の手を跳ね除けて、ヒトミが勢いよく立ち上がる。
「ここで諦めたら、身を粉にしてきたリズミの努力はどうなるんですか!
お願いです! お2人はホモっていうことにしておいて下さい!
金髪のタレ目はホモだって、勇者ハーメルも言ってました!」
ふざんけんなクソガキ! つーか、勇者ハーメルって誰だよ!?
「ワケのわからないことを……。早く帰ってください! ムリなものはムリです!」
「いいえ! 帰りません!」
ヒトミを研究室から追い出そうと試みるが、俺の腕を掴んで一向に離そうとしない。
その強情さに耐えかねた俺は、空いているほうの手でヒトミの腕を掴み返す。
「ええい! 鬱陶しい!」
「きゃっ!」
そのまま机に向かって叩き付けた。
「――いったぁ……」
床に座り込み、顔をしかめながら腰をさするヒトミ。
俺はヒトミに歩み寄り、目の前で仁王立ちをする。
「やはりアナタには罰を与えたほうが良さそうですね」
ヒトミを見下ろしながら冷ややかな態度で言い放つ。
そんな俺の変化に、ヒトミはすぐさま気付いたらしい。
その場に座り込んだままこちらを見上げ、身をすくめた。
「ミ……ミラカド先生?」
「立ち上がって後ろを向き、机に両手を着きなさい」
引きつった笑いを浮かべながら俺の様子を窺うヒトミに向かって、低い声で命令する。
「あ……あの――」
「早くする!」
「は、はいぃ!」
俺が一喝すると、ヒトミは裏返った声で返事をし、素直に命令に従った。
「――ミ、ミラカド先生……。いったい何を……――ひゃあっ!?」
机に両手を着いているため、こちらにヒップを突き出す体勢になっていたヒトミ。
そのヒトミのヒップを、ショートパンツの上からゆっくりと撫で回してやった。
当然、驚いたヒトミは机から手を離し、体をのけぞらせる。
「な、何するんですか、ミラカド先生!」
「黙りなさい! これは罰なのです。ワタシとて好きでやっているワケではありません!」
「でも――」
「いいから、もう1度机に手を着きなさい! 逆らえば罪が重くなりますよ!」
「うう……。――はい……」
体を小刻みに震わせながら、しぶしぶ従うヒトミ。
その声色から明らかに怯えていることがわかる。
この程度の脅しに屈するとは、やはりガキはガキということか。――しかし……。
俺は、カタカタと震えるヒトミの後姿を舐めるように見回す。
――少々キツめと思われるショートパンツから、クッキリと浮き出たヒップライン。
その下から伸びる、若さゆえのみずみずしい太もも。ふくらはぎ……。
「ふむ……。発育途上というのも悪くないな」
俺は前に手を回し、ヒトミのベルトを右手だけを使って器用に外した。
続けて左手を用い、ショートパンツを引き下げる。
もちろんヒトミの羞恥心を煽るため、ゆっくりとだ。
「――ほう……。白と水色の縞模様ですか。なかなか趣味がいいですね。ヒトミくん」
「うう……」
あらわになったショーツを眺めながら、ヒトミに対し言葉で責める。
顔は見えずとも、ヒトミがこの状況を恥ずかしく思っていることは、
真っ赤に染まった耳から一目瞭然だ。
気がつけば俺自身も昂りが停められない状態になっていた。
ズボンの中で蠢く俺の分身が、外の空気を吸わせろと急かしてくる。
こうなったら最後まで行くとするか。
俺はズボンのチャックを下ろし、猛るギャラドスのようなソレを引っ張り出した。
「せ、先生!? まさか――」
これから自分の身に起きるであろう出来事を、音で察知したのだろう。
ヒトミは自身の肩越しに俺の顔を流し見る。
「いいですか? 先生はキミのことが憎くてやっているワケではありません。
これは愛のムチなのです」
心にも無い台詞を言いながら、ヒトミのショーツを指でずらしてやる。
その瞬間、触られた形跡などまったくない、小振りな果実と対面した。
男を知らない少女の、閉ざされた淡いピンク色の秘部。
俺は心の中で感嘆する。――これが若さか……。
「――おや……?」
ヒトミの秘所をまじまじと観察していたところ、俺はあることに気付いた。
「おやおやぁ? これはいけませんねぇ、ヒトミくん」
ヒクヒクと動く二枚貝の中心からは、わずかではあるが蜜が滴っている。
それを俺は目ざとく見つけたのだ。
「こんなに濡らしているなんて……。
アナタは自分が罰を受けている最中だと理解しているのですか?」
「ち、ちが――! これは――」
目にうっすらと涙を溜めながら、上擦った声で否定しようとするヒトミ。
そんな彼女の様子を見て、俺はサディスティックな気分に包まれる。
この女を、もっと責め立ててやりたくなった。
「何が違うのですか! 本当に反省しているのなら、こんなに濡らさないハズ!
アナタみたいな悪い生徒には、もっとキツいお仕置きが必要です!」
俺は自分の怒張をヒトミのワレメに、グイッ、と押し付ける。
「先生! 待っ――」
「待ちません!」
俺はヒトミの制止を気にも留めず、体重を掛けて一気に貫いた。
「ひ……!? ぎぃイィィぃいィィィッ!!」
刹那、肉がみちみちと押し広げられる感覚が俺の下半身を襲い、
それと同時にヒトミが、仕留められたコラッタのごとき壮絶な悲鳴を上げた。
聞き慣れない鳴き声に俺は一瞬戸惑ったが、すぐさま我に帰り、激しく腰を動かし始める。
「あ! ひぐっ! あぁあッ!」
机に突っ伏すヒトミは、ひと突きされるごとに、
チルットのさえずりのような可愛らしい音色で苦悶の声を上げる。
だが、俺はそれに構わず、幾度も幾度も自身の肉棒をヒトミに出し入れする。
「お、おお……。これは……」
破瓜したばかりの少女の体内は、アーボックの締め付け攻撃を上回るほどの圧迫感。
おまけに膣内のヒダはしっかりと俺の分身を絡め取ってくる。
素晴らしいキャプチャスタイラー。俺のポケモンは完全に逃走不可能だ。
「お、お見事ですよヒトミくん……。コッチのほうは文句なしの優等生です……。あっ!」
あまりの快感に、俺も、ろれつが回らなくなってきた。
「ヒ、ヒトミくんが……うッ! こんなに優秀な生徒だったなん……て……。
ぐッ! せ……せんせい……、びっくり……です……よ、あぁぁッ!」
「あぐッ! せんせ……。痛いよォ……。ふあぁッ! 抜い……て……」
ヒトミの上に覆い被さりながら、俺は一心不乱に腰を振り続ける。
「大丈夫……。もうすぐッ……! 終わりますから……ね。あぁっ!」
もうしばらく、この名器を楽しんでいたかったが、そうもいかないらしい。
大滝を上りゆくコイキングのごとき力強さで射精の欲求が押し寄せてきた。
「ぐぅ……! ヒトミくんッ! 出しますよ! おおお……!
たっぷり注いで……はぁッ! あげますからねッ!」
擦られ続けて敏感になった俺の亀頭が、カッ、と膨張する。
続けざま、込み上がってくる濁流のうねり。
「ひぁッ! せ、せんせぇッ! なかは! なかはらめぇぇッ!」
ヒトミは体外射精を望んでいるらしいが、そんなこと構うものか。俺は本能に従うぞ!
「出すぞッ! ヒトミッ! ぐぅ……あアぁあァァアァァァァッ!!」
「ひあぁぁッ!! ミ、ミラカドせんせぇえぇぇええぇぇぇッ!!」
大きく咆哮しながら、俺はヒトミの中にすべてをブチまけた。
出しても、出しても、断続的に襲いくる快感が射精の勢いを後押しし、
俺はヒトミの膣に子種を塗り込むかのごとく注ぎ続ける。
それに反応するかのように机に爪を立て、何度も身体を痙攣させるヒトミ。
俺たちは、いつ終わるともしれない至上の喜びに打ち震えつつ、
1つになったまま情欲を貪り続けた――。
◆
「――うーん! いい天気だ!」
早朝。俺は、朝の日差しが眩しく照りつける校庭へと足を踏み入れ、大きく伸びをした。
昨夜はヒトミの足腰が立たなくなるまで合体と解除を繰り返したため、
俺は明け方になってからヒトミを女子のベッドルームに送り届けたのだ。
最初は嫌がっていたヒトミも、次第に快楽が苦痛を上回り始めたらしく、
最終的には自分から求めてくるようになった。
おかげで楽しい一夜を過ごすことができ、俺は大満足だ。
心も満たされ心機一転! 今日もドカリモ完成に向けて頑張るぞ!
「せんせ〜い! ミラカドせんせ〜い!」
校庭で体を動かしていると、校舎の中から駆け寄ってくるヒトミの姿が見えた。
手を大きく振りながら笑顔で走ってくるヒトミに向かって、俺も手を振り返す。
昨夜はムリさせすぎたし、ここらで労をねぎらっておくか。
幸い、周囲に他の人間は居ない。
「ヒトミくん! 昨日の夜は――」
「リズミの出す本のタイトルが、『僕と先生のイケナイ関係』に決まりました〜!」
その報告はいらねーよ。
END
投下終了しました。読んで下さった方々、ありがとうございます。
全編に渡り学園が舞台のポケモンとか出たら面白そうだなー、と思う今日このごろです
454 :
暴走ボート:2008/06/05(木) 22:19:22 ID:VFBHbDAJ
>>453 原作を知らないのが惜しまれる。
…すまん、想像できない…
>>444 クリア前ですか。
…どのあたりを書くつもりなんだろう。
>>445 いや、それが正常。ここまで長いと1冊の本を読むようなもの。
それでも全部読んで欲しかったかな。
たんにエロだけを書かない、というか他の部分が大部分を占める、
シリアス小説なので大人だからこそ楽しめるはず
>>446 テレポートは割と自信作でした。
このゲームを始めたのが小学2年生。
それが10年たって、いまやもう18ですよ、俺。
…ヒカリの心情模写を見てほしかったが、わかりにくかったか。
現在いったんシリーズを離れて別のを製作中。
俺の住んでるところでは日曜日に放映されますが、
ポケモンコンテストミクリカップのやつで、
ハルカが出てくる最後の話のやつを書きます。
…途中まではアニメと全く一緒で、
ほぼアニメに準拠していますが、
そこにサブストーリーを組み込んでみました…
エロにしようかエロ無しにしようか迷ってますが、
どっちがいいですか?
荒らしが突撃したのかと思ったwwwww
457 :
暴走ボート:2008/06/06(金) 01:26:12 ID:ckx+zFPj
おk
がんばってやってみる。
コテハンするなら名前の後ろにシャープから適当に英数文字列・・・
例:『暴走ポート#aaa123』
こんなんやっとけば?
かるび氏乙&GJ
最初からオチまで楽しめました
>>458 こんな感じか。
どーもエロだけなのは苦手だが、
そうなるとどーしても長くなるな…
現在せっせと書いているわけですが、
やっぱどーしても長くなる。
でも、他の皆さんはアニメのキャラクターそのものを取り入れてる。
だから、そんなに何も書かなくてもエロ部分を書けばいい。
そのキャラの設定はちょっとだけかじればいい。
なので短く、読みやすい。
対して俺の場合、キャラの個性や設定、取り巻く環境を重視する。
ので、どーしても長くなる、読みにくい…
とりあえず長くなる代わりに、
今回は徹底的にアニメで出てきたハルカやサトシの性格や設定を重視。
アニメのハルカが、実際に起こしてもおかしくない行動を書いています。
…アニメのハルカはサトシに確実に恋愛感情を抱いているので、
そこをうまく利用して何とかエロ部分につなげてます。
…するとどーしても長くなるのだが、いいのだろうか。
>>461 覆水盆に返らずだが、
>>…アニメのハルカはサトシに確実に恋愛感情を抱いているので、
はまずい
別に俺は特定カプのアンチではないが、ここを見ている人の中には
この手の話題に過敏で、さらに過激な反応を示す人もいるから
この手の意見について述べるときは、自分はこんな風に思う、ぐらいにしておいたほうがいい
たとえ、貴方の中では絶対的な事実だったとしても
どのように恋愛感情になったのかその経緯を
簡潔に述べることも一つの方法
粗筋とかね
>>462 …おっしゃる通り。完全にうかつだった。
ヒカリはかなりこういうのに鈍感で、
サトシを男として見ていなさすぎなので、
逆にハルカをそういう風に見すぎていた。すまん。
>>463 ただ、いつかは忘れたけど、
ハルカはサトシのことをきかれて、「気になっている」と
答えたのは事実。
それを根拠に書いたのは事実。
だー、変なことにこだわりすぎる、俺は!
ヒカリも一緒に3Pとか
サトシがフラグ立てた(立てかけたも含む)女全員と同時に…
サトシ死ぬかもしれんな
>>464 折角のミクリカップなのでヒカリも絡ませてみたら面白そうです。
期待しています、頑張って下さい。
ヒカリを出してほしいとか、3Pがいいとおっしゃってるようですが。
ちょっと無理です。
現時点でヒカリがサトシを意識するような模写は
アニメで一度も出てきてないと思うので。
すなわち、ヒカリがサトシに体を許すことはないと思います。
アニメで設定されてる現在のヒカリから考えて。
ただ、ハルカならあり得るとおもうわけで。
とりあえず完成は明日以降は間違いない。
なるほろ、とにかく応援してる
期待してるよー
うわ、スレすっげぇ進んでる…
こないだポケモン調教eraをうpするとかいいつついろいろあってうpできませんでしたー
前回から比べるとキャラやセリフ、あとSSに近いログとか大量に追加しております
近いうちにうpしますゆえ…申し訳ない
>>471 俺が100KB以上使ったからそりゃ進むわな。
そちらの小説にも期待するとして、
ある程度できた上、やっぱり長くなるので少し載せます。
ちなみに前後半に分けるのではなく、
まだ完成していないから途中までしか乗せないだけなので。
「タイムアーップ!
まさにファイナルステージにふさわしい、熱く、激しく、
そして華麗なるバトルでございました!
さあそして、このステージを制し、ポケモンコンテスト、ミクリカップの頂点に立ったのはー!?」
サトシ達が目を凝らして残りポイントを見る。
(これは同点か!?)
(いや、ほんの、ほんのわずかにヒカリが上回ってる!)
「ヒカリさんです!」
観客から歓声が沸き起こる。
「……っ。」
「……っ。」
ハルカもヒカリも、まともに声が出ない。グレイシアは悔しそうにしている。
「…グレイ…」
「ヒカリがあのハルカに勝った!」
「ピカピカ!」
「2人とも、いいバトルだった。」
「ポケモンたちも、輝いてたね!」
サトシもタケシもノゾミも、2人に最大級の賛辞を贈る。
「ありがとうグレイシア、よく頑張ってくれたわ。」
「グレイ…」
(…ヒカリ、おめでと。)
「…!…か…勝った…。…勝っちゃった…!」
「ポチャー!ポチャ!」
ポッチャマがヒカリに抱きついてくる。
ヒカリがポッチャマを、強く、そして優しく抱く。
「ありがとうポッチャマ、ホントにありがとう!」
泣きながらポッチャマと喜びを分かち合うヒカリ。
「高度な技と、ポケモンたちの美しさが、一体となったバトルでした。」
「いやー、実に好きですねえ。」
「ポッチャマもグレイシアも、コーディネイターとの息がぴったり、
どちらが勝ってもおかしくなかったですねー!」
ヒカリの故郷、フタバタウンでも、ヒカリの母親、アヤコがテレビで観戦していた。
「…おめでとう、ヒカリ。」
「ニャアールル。」
「それでは、見事優勝したヒカリさんに、ミクリ様からお言葉を!」
「なんとワンダフォー!憎らしいほどエレガント!だけどとってもグロリアス。
ヒカリ。君は本当に素晴らしいポケモンコーディネイターだ!
…そしてこれが、ミクリカップ優勝の証し、アクアリボン。」
ミロカロスの神秘的な技がリボンを宙に浮かせ、ヒカリの手元へ届ける。
「さ、受け取ってくれたまえ!」
「あ…っ!ありがとうございます!」
ミミロルも、エテボースも、パチリスも、そしてポッチャマも、みんな大喜び。
「やったなヒカリ!」
「完全復活だぜ!」
「ピカピカーーー!」
観客席から、総立ちで拍手を送るサトシたち観客。
「よーし、アクアリボンゲットで、ダーイジョーブ!」
「今回も素晴らしいポケモンたちに出会えて、私は幸せだった。
また次回、感動の出会いがあることを祈って、ポケモンコンテストミクリカップ、ここに閉幕!
ミロカロスが水鉄砲で噴水を打ち上げる。
ヒカリは、全国の強豪が集まるこの大会で、優勝という最高の形で、完全復活を遂げたのだった。
…だが、ここに心にモヤモヤを抱えている少女がいた。
人呼んでホウエンの舞姫、ハルカである。別にヒカリを妬んだりしているわけではない。
コーディネイターとして、本当に心の底から、おめでとうと思っていた。
だが、ハルカは、まだし終えていないことがあった。
ハルカがシンオウに来た目的は、イーブイの進化、そしてミクリカップの出場。
ついでに、同時にミクリカップにサトシたちも向かっているということも知っていたのだが。
実はそれを知ったのはシンオウについてからではなく、ジョウトにいる時にすでに知っていた。
ときどきウツギ博士と連絡をとっているハルカなのだが、たまにサトシの情報が入ってきたりする。
(サトシと別れミシロに戻った時、オダマキ博士にジョウトに着いたらウツギ博士を頼るように言われたハルカだが、
そのウツギ博士がサトシと知り合いだったのにハルカはずいぶん驚いていた。)
そしてアサギシティについた時にウツギ博士と連絡を取った時、
ミクリカップの事と、その会場のリッシ湖にサトシが近付いていることを知らされた。
(サトシがナナカマド博士と連絡を取った時、ナナカマド博士→オーキド博士→ウツギ博士と
情報が渡っていったことで知ることができたわけである。)
ジョウトでも通用するリボンをゲットでき、何よりあのミクリ様に会える。
…コーディネイターであるハルカが長い船旅を経てシンオウにまで行く理由。
先ほどもそう書いたが、当然誰だってそう思うだろう。もちろん、それは間違いなんかではない。
だが、ハルカがシンオウに行くことにした決め手は、それではなかった。
(サトシに…会えるかもしれないかも!)
サトシに久し振りに会えるのは確かにうれしいだろう、だがそれはあくまで副次的なもの…のはずだった。
だが、この女の子は、その期待を大きく胸に膨らませシンオウに行くことを決断した。
…なぜなら、カントーで、やるべきことをやり残したまま、サトシとサヨナラしたからである。
それを、ずっと後悔していた。
だから、コンテストとか、リボンとか、ミクリとか。サトシの前ではすべて二の次のような感覚だった。
話を元に戻す。
ヒカリの表彰式を終えると、ノゾミを除いて全員会場の玄関前に集合。
途中変なインタビュアーにあったが、あまり気にしないことにしよう。
「ノゾミは?」
「今日の事が悔しいから、特訓だって。
ハルカがジョウトへ帰る明日の夕方には、ちゃんとお別れを言いに港に来るから大丈夫、だって。」
「やっぱノゾミらしいな。」
「そうか、ハルカといられるのもあと1日ちょっとか…」
サトシが少し残念そうに言う。
ハルカがそれを聞いて、少し頬が赤く染まる。
「ありがと…」
「え、なにがだ?」
「え?あ、な、なんでもないかも!」
自分との別れを惜しんでくれるのが、嬉しかった。
…でも、それは同時に、特にハルカにとって残念なことに変わりはなかった。
サトシと別れることになるのはしょうがない。
だが、その「1日ちょっと」が経つ前に、あと1つ、やることがあった。
(サトシがそう思ってくれるのは嬉しいけど…
でも、もし時間というものがなかったら、そう思う必要もないのに…!)
サトシとずっと旅をしてきた。
どれだけ時間がたってもずっとサトシといられた。ものすごく長く、一緒にいられた。
やるべき事は、今日じゃなくていいや、と毎日思っていたら、別れの時が来てしまったのである。
だから、サトシといられるこの5日間は、あまりにも短く感じた。
(時間が…ないかも…!
最後の、最後のチャンスなのに…)
「さあ、…どこに行く?ハルカ。」
「…え、わ、わたし?」
焦りから周りが見えておらず、いきなり話しかけられまた焦るハルカ。
「今日はシンオウで暮らす最後の夜でしょ?
ハルカが行きたい場所に、行こうよ!」
「ヒカリ…」
「そうだぜ、な、ピカチュウ!」
「ピッカ!」
「あ、ありがと…
え、えっとね…」
サトシの事ばかり考えていて、他の事は考えていなかった。
いきなりそんな事を言われて焦るハルカ。適当に自分の好きな場所を言った。
…で、ついた場所。
いかにもハルカらしい、…本当にハルカらしい場所だった。
「ハ…ハルカ…」
「ん?」
「いくらなんでも、…えっと、その…」
「タケシのおごりだし、値段は固定でしょ?
だいじょうぶだいじょーぶ、でしょ?ヒカリ!」
「えっと、流石にそれは、だ、ダイジョバない…よ。」
「ピーカ…」
ハルカは適当にバイキング形式ののレストラン、と言ったが、正直乗り気ではなかった。
他の事ばかり考えていて、正直、レストランはどうでもいい…はずだった。
だが、いざレストランに入ったら、やっぱり体中が疼き、わくわくして、目を輝かせて。
「パクパクパクパクパクパクパクパク…」
「…。」
「…。」
「…。」
「…ピーカ。」
食べ姿は普通である。むしろ綺麗。
自身でも「イーブイは食べ姿は優雅だけど、わたしはその次に華麗」…と言ってたことがあった。
…だが、食べる量が尋常ではない。
読者もハルカがラーメンにがっついて(本人いわくラーメンはがっつくものらしい)いるのを
毎週のように見たことがあるだろう。
そのときもどんぶりが彼女の姿を隠すくらい大量に積み重なっていた。
彼女はそのどんぶりの山の上から顔を見せて笑っていたが、脚色と感じた人も少なくないはず。
だが、まったくそんな事はなかった。
皿がどんどん積み重なっても、食べるスピードは減るどころか増すばかり。ついには、
「サトシ、今度はあれとあれ持ってきて!」
「タケシ、あれとあれをお願い!」
「ヒカリー!それもついでにお願い!」
「ピカチュウ、ケチャップ舐めてるだけで暇でしょ、あれ持ってきて!」
3人と1匹がウェイター状態。
自分で動くのもめんどくさくなって、お腹いっぱいになって何も食べられずに暇な4人に頼んでいる。
もはやサトシの事など完全に頭に離れ、目の前の料理に完全に頭がいっぱいになっている。
「サトシもタケシもだらし無いわねー、
わたしとヒカリはまだまだ食べれるわよ!」
「いや、あたしはデザートばかりだから…」
ヒカリの席にも、デザート用の小皿がかなり積み重なっている。
まあ、デザートは1つ1つの量が少ないので1人の人間が食べる量としては十分納得はいく。
…ただ、ヒカリの食べた料理がすべてデザートというのもかなり問題があると思う。
「ヒカリ…なんか、デザートばっかりかも…」
「だって、おいしいじゃん♪甘いもの、だーい好き!」
頬を手に当て、表情を崩す。猫のような口元になっている。
ハルカは内心、糖尿病になるんじゃないか、という意見も内心なったが、
…そうこう言っている間にハルカのテーブルの大皿はさらに積み重なっている。
アンタのその食べる量、人の事どうこう言える量じゃねーよ。てめーこそメタボになるよ。
量の少ないデザートばかりとはいえ、十数個食べれば甘いことも手伝ってお腹いっぱいになる。
ついにヒカリはフォークを置いたが、
「ウェイトレスさん、それお願いかも!」
(ハルカ…全然ダイジョバないよ、その量…)
泣きそうな声で心の中で言った。
ハルカのおかげで完全復活できたので料理を運ぶのハルカのためなのだからむしろ嬉しい。
構わない…のだが、うず高く積まれる皿の山を見ると、…本当にハルカのためなのか、と思う。
「こ、これ、全部食べるのか?ハルカ…」
サトシが重たそうに料理を運んでくる。もはや周りの客の視線まで注目が集まる。
しかもそれがコンテスト準優勝者であり、料理を運ぶのが優勝者と分かれば、なおさらだ。
「うん、おいしいじゃない、それ!」
「そういう問題じゃなーい!」
「…きゃっ!」
突然ハルカが悲鳴を上げる。ウエストに両手が触れられたのだ。
「な、なに、突然…ヒカリ。」
「…細いよね、ウエスト…どうしてこんな細いウエストを保てるのかしら…」
「ヒカリだって、相当ウエスト細いじゃない。」
(あたしの場合、それ以上に下半身がおっきいんだけどな…)
ヒカリの下半身は確かに相当太い。ウエストより太もも一本の方が太いのである。
それでもウエストはかなり細く、モデルも務まるような体である。
だが、これだけの量を食べてもヒカリのような綺麗なボディバランスを維持しているハルカは、
…その積み重なっている大皿と見比べれば、どー考えても異常である。
「うーん、満足満足!
…でも、まだ8時なのに、あの店閉まるの速いね。閉店時間だからって、追い出されちゃったかも。」
(当たり前だ!))))
4人とも心の中で声をそろえる。
閉店時間なんて嘘であることはハルカ以外全員気づいている。いろんな意味で店に迷惑である。
「うーん、でも、まだ食べ足りないなあ…
まあ、ダイエットもしなきゃいけないし、腹八分って言うしね!」
「…。」
まだ10歳。それに、ここまで見事なプロポーションなら、ダイエットも必要ないとは思うんだ。
でもさ、思うんだよ。頼むから、腹八分という言葉は使わないでくれ!
「ま、まあ、バイキングに行きたいって言ったのは、ハルカらしいからな。」
(…あ。)
ここにきて思い出した。バイキングなんて、適当に言った言葉に過ぎない。
それなのに、サトシと過ごせる貴重な時間を、こんなことに使ってしまった。
は、早くしないと、早くしないと…タイムリミットが…
「さ、サトシ!」
「な、なんだよ、大声で…」
「ちょ、ちょっと行きたいところがあるの!一緒についてきてくれない?」
「え?別にいいけど。」
「よし、せっかくハルカがシンオウに来たんだ。今日はとことんハルカに付き合うとするか!」
「あ、い、いいのタケシ!
あんまりわたしのわがままに振り回されるのもあれだし…」
「…へ?(俺は振り回してもいいのか?)」
「あ、ごめん、サトシには迷惑掛けてもいいとか、そんなんじゃなくって…」
「ん?ああ、気にするなよ。」
サトシはそう思ったが、細かい事を気にする性格ではなかったのでスルーする。
「タ、タケシはブリーダーになるんだから、早く寝ないと!
ヒカリもコーディネーターなんだからさ!ピカチュウもバトルで大変だしね!」
もはや言っていることが滅茶苦茶である。
別にサトシは怒ることは無いが、流石に戸惑ってしまう。
「あああ、サ、サトシ、そ、そういう意味じゃないかも…」
「と、とりあえず、俺ハルカと一緒に行くから、先ポケモンセンターに帰っててくれ。」
「あ、ああ。」
鈍感なサトシだが、
おそらくハルカはコンテストに負けた悔しさを同い年の自分にぶちまけたいのだろう、と思った。
もちろんハルカはそんなつもりはないが、サトシのこの判断自体は正しかった。
「ふう、とりあえずタケシもヒカリも行ったぜ。」
「あ、ありがと、サトシ。
ごめんね、変なことばかり言って。怒ってるでしょ。」
「んなことはいいからさ。ハルカ、どこに行きたいんだ?」
「え?あ、あれ、何のこと…?」
「おいおい、自分て言ってたじゃないか!」
頭の中が混乱状態。
そういえばそうだったと思いだすのに、数秒もかかってしまった。
「あ、そうだったね、ごめん…」
「まあ、しょうがないよな。
コンテストで負けたのが悔しくて、俺にその悔しさをぶちまけたいんだろ?」
「…へ?」
思ってもいない事を言われて、驚いた。
同時に、ごちゃごちゃになっていた頭の中が、少し落ち着いた。
「…違うのか?」
「ち、違うかも!そりゃ悔しいけど、ヒカリが優勝したのはすごくうれしいよ!」
「じゃあ、どうして俺だけを誘ったんだ?」
「あ…。」
今がチャンス。向こうからハルカが言うべき事を聞いてきてくれた。おまけに人通りはまばら。今は夜。
チャンスは今しかない。今を逃せば、もう永遠に言うことはできないかもしれない。
でも…勇気が、ない。
「…う…うっ…」
「ハ、ハルカ?」
「ご、ごめん、なんでもないの…」
ハルカが涙をこぼす。それを見て、サトシが心配そうに、
「ハルカ、その涙は…」
「う、ううん、なんでもないの。」
「…目にゴミでも入ったのか?」
頭からずっこけた。
このサトシという少年、以前ミルタンクの牧場で涙を見せていたヒカリにも同じことを言ったことがある。
「う、うんうん、そうそう!」
「あ、わかった、ハルカ、まだ食べ足りないんだろ!」
「…へ?」
「タケシもヒカリも呆れてたからな…
でも泣くほど腹減ってるなら、満足いくまで俺は付き合うぜ!
そうか、腹減ってるから泣いてるんだ!よし、別のバイキングに行こう!」
「…う、うん!」
この少年の頭脳も滅茶苦茶である。
ただ、それでもその方が都合はいい。…勇気の出ない、今のハルカには。
「パクパクパクパク…」
レストランにつくまでは、正直自分は何をやっているんだ、と思っていた。
だが、やっぱりレストランについたら、目の前に並んでいるごちそうに目を奪われる。
サトシはお腹いっぱいで食べる必要がないので、1人分だけのお金を払った。(=サトシのおごり)
「パクパクパクパク…」
そして、ハルカは夢中で食べている。
ここでも結局サトシはウェイター。
まあ、腹八分と言っていたしそんなに時間はかからないだろう、と思っていたが。
「…。」
先ほどの量に迫る量を食べている。
「な、なあ、さっき、腹八分って言わなかったか?」
「モグ…だって…モグ…さっきのレストランでてから、…結構歩いたじゃない…」
「それでもあのレストランを出て15分ほどしかたってないぞ!」
そんなサトシの突っ込みを尻目に、黙々と食べている。
やれやれ、大皿の料理がもうなくなってきた。次を運ばないと。
幸い、ずっとハルカと旅をしてきたので、ハルカが食べたいであろう料理はなんとなくわかる。
「ふーっ!お腹いっぱい!」
「…。」
結局、さっきのレストランよりたくさん食べている。
こんなカビゴンのような胃袋を持った女の子を連れて、よく旅をしてこれたな、とサトシは思った。
「さて、帰るか!」
「…え!」
再びハルカが思い出す。結局、やることができていない。
ヒカリもタケシもいない、今が一番のチャンスなのに。
…でも、言えない。
「どうした?帰ろうぜ。」
「あ、うん…」
「?」
元気のない声。
サトシはまだ食い足りないのかと思ったが、流石にもうそれはないだろうと思った。
しかし、だったらなんで元気がないのか。まったく理由が思い浮かばなかった。
ポケモンセンターにつくと、ロビーのソファーでタケシとヒカリがくつろいでいた。
「あ、お帰りー、二人とも。」
「ハルカ、やりたいことはやったか?」
「う、うん…」
「ああ、済んだぜ。ハルカも大満足だってさ。
お腹すいてたらしくってさ、また別のバイキングに連れて行ったら、さっきの店よりたくさん食べてさ!」
「ちょっ、サトシ!」
恥ずかしくなる。
自分でもあの量は多いと思ったが、それでもハルカは自分のお腹に正直な女の子。
レストラン七つ星でも、食べ物への異常な執念を見せていた。
…だが、そんな事はどうでもよかった。
「…ごめん、みんな。」
ハルカが、涙を流し始める。
「お、おい、どうしたハルカ?」
「…ごめんね、なんでも、ない…」
「ちょっとサトシ、ハルカをなかしたような事したんじゃない?
それってぜんぜんダイジョバないよ!」
「お、俺はそんな事は…」
ハルカが首を横に大きく振る。
「ち、違うのヒカリ!サトシは何もしてないし、悪くないよ!
ありがとねサトシ、たのしかったよ!わ、わたし、先に部屋に帰って寝てるね!」
そう言って走り出した。
サトシとヒカリは追おうとするが、タケシが二人の肩を両手に乗せ、首を横に振って制した。
「ハルカ…」
サトシの心配が、募る。
「ハルカー?」
ヒカリが部屋に入る。女の子の事を任せられるのは、ノゾミがいなくなった今、ヒカリしかいない。
部屋は暗かったので、明かりをつけた。
シャワールームに目をやると、擦りガラスが白くなっている。シャワーを浴び終わった後のようだ。
ベッドを見ると、ハルカのベッドの掛け布団が大きく膨らんでいる。
ハルカが布団の中に閉じこもっているのは間違いない。
「ハルカー。」
布団の外から呼びかける。しかし返事はない。
「ハルカー。」
もう一度呼びかける。やはり返事はない、が、すすり泣く音が聞こえる。
(クスン…)
「ハルカ…ねえ、どうしたの?」
「あなたなんかに関係ない!」
ヒカリがびくっとする。普段ハルカは優しい性格ゆえに、驚いた。
だが、感情が左右されやすく、短気であることもこの女の子の特徴である。
「ハルカ…」
(あ…)
すぐに自分の過ちに気付く。布団から出てきて、申し訳なさそうな顔でヒカリの前に顔を出す。
「ごめん…ヒカリ…」
「ハルカ…」
ボロボロと涙がこぼれる。
ヒカリは、黙ってみていることしかできなかった。
しばらくして、ようやく落ち着くハルカ。ベッドに並んで座る。
「ごめんね…さっきは。」
「きにしないで、ダイジョブ、ダイジョブ。」
ヒカリは笑っているが、どーみても苦笑いである。
「…どうかしたの?」
「…。」
「ほら、ね?何も言わなきゃ分からないよ。」
「…ヒカリってさ、サトシに似てるね。この4日間で、そう思った。」
「へ?」
確かにそうかもしれない。二人とも明るい性格だが、それ以外は真反対である。
ハルカは確かに感情の起伏は激しいとはいえ、普段は割とおとなしく、優しい性格。
声にもどこか包容感のある優しい感じがする。
『かも』が口癖になっているのは、自己主張をしない控えめな性格から来ているのだろう。
一方ヒカリは、時々悩みを抱えると必要以上に思いつめる癖
(コンテストで負け続け、落ち込み続けたスランプがいい例である。)はあるが、
普段はかなり声が大きくハイテンションで、おとなしくなるなんてことは全くないと言っていい。
言いたいことをハッキリ言い、事あるごとに意見が合わずにサトシと口喧嘩。
『だいじょうぶ!』が口癖なのは、前向きかつ意地っ張りな性格から来ているのだろう。
サトシはこの2人のどちらに似ているか、と言われれば、間違いなく後者、ヒカリの方であろう。
極端に言ってしまえば強引、無茶苦茶、無鉄砲、乱暴な性格。
ヒカリと口げんかが絶えないことからやっぱりサトシも意地っ張りな性格。
時々挫ける事があるサトシ励ますができたり、ヒカリお得意の回転技をサトシもマスターしたのは、
やはりヒカリが性格的にサトシに近いという何よりの証拠である。
ちなみに、恋とかに鈍感、というのもやはり似ている。
そのまっすぐな性格が女の子に好意をもたれることがよくあり、ひきつける力を持っているサトシだが、
まったくそれに気付かない、多少赤面しても結局ほとんど意識することはない。
ヒカリもミミロルがピカチュウに惚れているのにサトシと一緒で全く気付かなかった。
一方、ハルカは、恋の話になると割と恥ずかしがる性格である。
…そして、以前サトシの事を気にしている、ととれる発言もしたことがある。
マナフィの神殿でかわしたやり取りはまるで恋人の様。
恋に関してはこの少女は2人より敏感であることは間違いない。
「…いいよね、ヒカリは。
これからも、ずっと、サトシと一緒に、旅を続けられるんだもの。」
「え?
ハルカも、ずっとサトシと一緒に旅をしてきたんじゃないの?」
「…ヒカリは、サトシに似てるのね、やっぱり。
ずっとサトシと旅をしてたらね、気付くことがあるの。
あなたなら、ヒカリなら、絶対に気付く。…あなたのような性格なら、それがいい方に出る。」
「ど、どう言う事?」
「…言わなくたって、いずれ気付く。サトシに近いあなたなら、なおさら。
わたしは、一緒に旅をして気付いた事を、…サトシに言わなきゃいけないの。」
「ハルカ…」
ヒカリがハルカを見つめる。
ハルカは、また静かに涙を流す。
「でも、うっ…あたし、意気地無しだから、…言えそうにない!言えそうにないよ!
言いたいことをハッキリ言える、あなたがうらやましい!」
「ハルカ…」
ハルカが涙をぬぐい、再び笑顔になる。
「…ごめん、しんみりしちゃったね。
さ、もう寝よ!今日はあなたは久しぶりにいい夢を見られそうでしょ、ヒカリ!」
「う、うん…」
ヒカリは最近、コンテストで恥ずかしい目に会ったり、あえなく負ける夢ばかり見ていた。
今夜はいい夢を見ながら寝られそうだが、
…ハルカの事が気にかかった状態で、果たしていい夢を見られるだろうか。
ハルカはあたしがうらやましいと言っていた。どういうことだろう。
「…なあ、タケシ、ハルカのやつ、どうしたんだろうな。」
「俺にもよくわからないが…
あの時、サトシ以外はみんなポケモンセンターに帰ってくれって言ってたよな。
…おそらく、サトシ、お前が関係していることだけは間違いない。」
「でも、なんで俺?」
隣り合う2つのベッドにサトシとタケシが寝ている。
部屋は月明かりが照らすのみ。
だんだん眠たくなってくタケシ、先にすーすーと寝息をたてはじめた。
(うーん…お姉さーん…)
「タケシらしい夢見てやがるぜ。さて、俺も寝るかな。
…でも、ハルカのやつ、どうしちまったんだろうな…」
せっかく久しぶりに会えたのに。このままだと何か引っかかったまま別れることになる。
そうなれば、そのあとの旅路でも、お互いがお互いに対する違和感を残すことになる。
間違いなく、今後のポケモン修行でも悪い影響を与えるだろう。
このまま何も出来ないのは嫌だった。でも、いい方法が思いつかない。
(…どうすればいいんだろうな。)
そのまま考えていたら眠れなくなってしまうので、とりあえず目を閉じる。
目を閉じて、どうすればいいか、サトシは考え続けた。
(全然、眠れない…かも…)
ヒカリはすやすやと寝ているが、ハルカは全然眠れない。
明日になれば、タケシもヒカリも、またサトシと一緒に行動するだろう。
そうなれば、もうサトシに言いたい事を言う事は出来ない。
…どうしても、言わなきゃいけない。サトシを叩き起してでも、今しか、ない。
ハルカは立ち上がって、部屋を出て行った。
(…ポッチャマ…グランドフェスティバル…優勝したよ…)
ヒカリはなんだかんだ言って、いい夢を見ているようだ。
ゆっくりとサトシの部屋のドアが開く。
ゆっくりとドアを閉める。まったく音をさせないように、慎重に。
タケシのベッドの向こう側に、サトシのベッド。そこにゆっくりと向かう。
(…。)
目の前に、目を閉じて寝ているサトシがいる。
手を出して、肩を叩きかけた。
…でも、肩を叩いてサトシが起きて、そのあとどうする?
サトシに言うべき事を告げる?でも、私にその勇気がある?
あたふたして、頭が真っ白になって、適当な事を言おうとして、それすら思い浮かば無いんじゃないか。
そんな事をして、サトシを怒らせてしまったら。
ダメ。勇気が出ない。わたしの馬鹿、ハルカの馬鹿ァ!
…やっぱり無理。そうね。こんな意気地無しのわたしには、最初からそんな事言う権利はないのよね。
そんな風に、神様が言ってるのね。
うん、ダメなものはしょうがない。勇気とかそんなんじゃなく、最初からダメだったんだ。
最初から無理だったんだ。最初から、諦める未来しか、私にはなかったんだ。
ごめんね、サトシ。
明日は、夕方までずっと、自然に明るく振る舞うからね。
今日の事をサトシが忘れるくらいに。ホウエンの『舞姫』だから、それくらいはできるよ。
そうすればもう心配は掛けないし、別れた後もサトシは全然尾を引かない。
わたしはずっと尾を引くことになるけど…うん、自業自得!しょうがない!
…でも、最後に、1つだけ、お願い。
ごめんね、サトシ。でも、わたしはいつか、ヒカリに負けちゃう。
だから、せめて。今日、今この瞬間だけは、勝たせて。これだけは勝たせて。ね、いいでしょ?
サトシは頬にキスさえたことは数あれど、唇は無いらしいから…
…サトシのファーストキス。ファーストキスは、一生で一度だけだから。
お願いサトシ、それだけでいい、わたしにちょうだい?それだけでいいから。
サトシのファーストキス。奪ってしまえば、ヒカリは2度とサトシのファーストキスは奪えない。
…だから、今、ファーストキスを奪ってしまえば、
他を奪われても、それだけは絶対にヒカリに勝てるもの。他は全部、ヒカリにあげるからさ。
…ごめんね、大事なファーストキス。勝手に奪っちゃって。ごめんね、ほんとに、ごめんね。
…キスするね、サトシ…
とりあえずここまで。
きる場面としてならちょうどいいだろ。
まあ、まだエロ部分は出ていないが…
普通の純愛小説として受け取ってもらえれば助かる。
GJ、続きも楽しみに待ってます
エロ以外のストーリーが長すぎるんだよ
普通の純愛小説投下なら他所でやれ
これから本番(エロ)にはいるのかな。
期待しているよー
ニコ厨だと言われてもいい、自分には言わなきゃならない事がある。
サトコ萌え!!もしかしたら、いままでの女の子キャラで一番かもしれない。
>>471 期待してます。出来るだけ早いうpをお願いしますww
>>488 乙、続きが気になりますな
ドタバタにならずに結合する予感
どう言う展開になるか楽しみだ。
乙です
完成版も是非見てみたいです、続きがどうなったか気になるので
501 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 15:28:35 ID:Q8qrYBRr
サトシ「ふう、とりあえずタケシ行ったぜ。」
カスミ「あ、ありがと、サトシ。
ごめんね、変なことばかり言って。怒ってるでしょ。」
サトシ「んなことはいいからさ。、どこに行きたいんだ?」
カスミ「え?あ、あれ、何のこと…?」
サトシ「おいおい、自分て言ってたじゃないか!」
カスミ「あ、そうだったね、ごめん…」
サトシ「まあ、しょうがないよな。 コンテストで負けたのが悔しくて、俺にその悔しさをぶちまけたいんだろ?」
カスミ「…へ?」
サトシ「…違うのか?」
カスミ「ち、違うかも!そりゃ悔しいけど、ヒカリが優勝したのはすごくうれしいよ!」
サトシ「じゃあ、どうして俺だけを誘ったんだ?」
カスミ「あ…。」
カスミ「…う…うっ…」
サトシ「カ、カスミ?」
カス……ミ…だ、と………?
503 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 07:31:21 ID:mIY87VFn
ジュンサーレイプネタで
ジュンサーは基本的にバイクで追跡して犯人を逮捕しようとするのでその際に罠にかかり捕まって
犯人『今まで色々な地方でお前みたいなバカなジュンサーを犯して来たがお前はその中でも、一番の名器だぜ締まりも良ければ感度も抜群』
ジュンサー『おね・・・が・い。も・・・う、ゆる・・して』
犯人『お前みたいな名器を簡単に手放すかよ。胸の大きさは他のジュンサーの三割り増しでデカいしよ。これからずっと俺達の奴隷だ逃げられると思うなよハハハハ』
ってのを妄想した事がある
続きを
>暴走ボートさん
細かい所ツッコむようで悪いが
ハルカの一人称は「私」で固定だぞ。所々ヒカリの一人称と同じ「あたし」になってるから統一して欲しい
これからやっと濡れ場なようでwktkしながら待ってるよガンガレ
みんながんがれぇ〜
ジョーイさんは場合によっては1ヶ月で下手したら5人以上、人がセンターに来れば良い方の滅多にトレーナーも通らないような山奥の道にあるポケモンセンターを任させる場合もあり
そんなジョーイさんに仕掛けられた卑劣な策略。モンスターボールに偽装したビリリダマを即席の生きたスタンガンとして利用し電撃を不意打ちで持った瞬間に浴びせジョーイさんを捕らえる
痺れて抵抗できないジョーイさんを人質に取られ何も出来ないラッキー達
別室に監禁され時間だけなら、たっぷりあるんですから楽しみましょうね♪ジョーイさんと後退りするが壁で行き止まりでジョーイさんは悲鳴が木霊し
二週間以上も音信不通はオカシイとの通報でジュンサーさんが駆けつけた時には犯人は既に逃走した後で、完全に心が壊れボロボロになり変わり果てたジョーイさんがラッキー達に治療されてる姿があるだけだった
ラッキーにボコボコにされたビリリダマと
>>508が欲求不満なジョーイさんのエッチな治療を受ける展開希望
かけるかな?
↑失礼。
やっとアク制がとけたー!
というわけで書きます。
ただ、あまりにも長くなりすぎたため1度切りますね。
2回に分けましたが、最初はサトハル。
サトハルはアニメのハルカの設定でもあり得そうな感じですが、
次はヒカリも出てきて、
結局アニメの設定を逸脱したような感じに;
前回までのあらすじ。
ヒカリはミクリカップで優勝し奇跡の完全復活を遂げる。
一方、ジョウトから来たハルカはライバルの優勝を心から祝う一方、
サトシに対し伝えたいことがあったが、言えずにいた。
そして、サトシと一緒に過ごせる最後の夜に意を決してサトシの部屋に忍び込むが、
伝える勇気が出ず、サトシに想いをぶつけることを諦めてその代わりに、
…寝ているサトシにキスをしようと、顔を近づけて……
「…ん?」
「…え?」
「わわっ!ハ、ハルカ!?」
「あ、あわわわわ…」
サトシは考え事をしてて目を閉じていただけで、全く寝てはいなかった。
気配を感じて目を開けてみると、目の前にハルカの顔がいきなり目に映る。
ハルカはすぐに顔をどけなければ、…と思ったが、体が全く動かない。諸々の事情を考えれば、当然である。
驚いたことで大声を出してしまい、危うくタケシを起こしかけた。
とりあえず、このままここにサトシと2人でいるのはまずいとハルカは判断し、
本当はまずいが宿泊客のいない別の部屋に移動することに。
ハルカが部屋の中にいると落ち着かないからと言う事で、ベランダに出ることにした。
テーブルとイスはあったが、2人ともベランダの縁に腕を乗せて寄り掛かった。
「…。」
ハルカがいきなり泣き出した。
「お、おい、ハルカ…」
「ごめんね、全部、わたしが悪いの。最初から、なにも考えなければよかったのに…」
「…え?」
「わたしが、わたしが!」
「ハルカッ!」
ハルカの両肩を両手でぐっと持つサトシ。ハルカを真剣な目つきで睨みつける。
「サ、サトシ…」
「…。」
「サトシ…」
「ハルカ。お前が悪いかどうかを考えるのは、俺だ。」
「!」
サトシが表情を柔らかくして、言った。
「どうしてそんなに悲しんでいるのか、言ってくれ。
大丈夫。ずっと一緒に旅してきたじゃないか!」
「サトシ…」
忘れていた。サトシとわたしは、ずっと一緒に旅をしてきた。
本当に頼れて、信頼できて、弱いわたしをいつも支えてくれた。
そうだ、なに遠慮してるんだろ、わたし。
久しぶりに再会できた。今日くらい、サトシに甘えたって、いいじゃない!
「ごめん、ありがと。…わたしのために、そこまでしてくれて…」
「きにすんなよ。明日でいなくなってしまうんだから、やれることはやってあげたいしさ。」
(…会えなくなる、からか…)
会えなくなるから、だから、自分のためにしてくれる。
ハルカという存在が理由じゃないのか、そう考えて、少し落ち込んだけど。
「どうした?」
「ううん、なんでもない。…聞いてね。」
「ああ。」
でも、それでもいい。サトシが耳を傾けてくれるだけで、わたしは嬉しいんだ!
「…サトシが、ミクリカップの行われるリッシ湖方面に向かっていることを、ウツギ博士から聞いたんだ。」
「ウツギ博士?あの!?」
「やっぱり知り合いなんだ。」
「うん、ワカバタウンで世話になったぜ…って、あの人がロケット団にワニノコとられたドジを
俺が解決したんだっけ…ははは…」
懐かしい話である。ただ、本題はそこではない。
「で、リッシ湖とサトシとの距離を逆算すれば、
ミクリカップが始まる2,3日前にリッシ湖に着くって言われた時、ピンと来てさ。
つまり、リッシ湖に行けばサトシに会う事が出来るってことじゃない?
ミクリカップのリボンはジョウトでも通用するし、だったらシンオウに行こうかなって。
すぐさまアサギの港から出発したんだ。」
「へえ…ん?ちょっとおかしくないか?」
「何が?」
「だって今の言い方だと、わざわざシンオウまで来てミクリカップに出たのは、
ミクリカップに出たいからじゃなくって、俺と会いたいため、てな言い様じゃないか。」
「うん…そう。」
「え!?」
鈍感なサトシにしては、今回の話の流れに対する推理力は素晴らしかった。
ハルカのセリフの違和感を感じ、疑問を投げつけ。
…ハルカも、自分に正直な気持ちで、サトシと会いたいから、と言えた。
「えへへ…言っちゃった。…でも、言えた。」
「な、なんで、俺を…」
「…。ちょっとその話は置いておくね。」
「あ、ああ。」
そのまま言おうとしたが、やはりまだ勇気がなかった。
話を別方面に移し替える。
「さっそくアサギからシンオウに向かったけど、まだ時間的に余裕があった。
だから、進化の岩があるって前々からきいていたから、そこにイーブイを連れていったの。」
「ああ、そうだったな。」
「そして、そろそろ着くころじゃないかなーって思って、
リッシ湖のポケモンセンターに連絡を入れてみたの。」
「ああ、ズバリその通りに、俺たちはそこにいた。」
「…。」
「…ハルカ?」
「…言っても、いいのかな…?」
「ハルカ?…何か言いにくい事情でもあるのか?」
「…うん、ごめん。サトシだからこそ、言わなきゃいけないかも。
今夜は、サトシに甘えさせてもらうって、決めたんだ。」
「…ああ、言ってくれ。何を言おうと、冷静に受け止めるさ。」
ハルカが深呼吸する。そして言った言葉は、サトシが思いがけない言葉だった。
「サトシとテレビ電話で久しぶりに顔を合わせた時…ショックだった。」
「…え!?
お、俺、何かしたか?」
「う、ううん!サトシはわたしのなかのサトシのままだったよ。タケシもそうだった。
でも…」
サトシがだまってハルカを見つめる。
ハルカもかなり言うのをためらっていたが、覚悟を決めて言った。
「ヒカリがサトシの隣にいて…ショックだった。」
「ヒ、ヒカリが?なんで?」
サトシの旅メンバーの紅一点。そういう意味では自分と同じ立場にあるヒカリを見て、ハルカは、
「こんな子が、サトシと旅をしているのかって。
わたし、ウツギ博士からサトシの事ばかり聞いてて、ヒカリの事は何1つ知らなかった。
…こんな可愛くて元気な子が、サトシと一緒に旅をしてるって知って、ショックで…」
「ヒカリが…」
「すっごく生き生きしてた。テレビ電話越しでも伝わってきた。
…カスミも、ヒカリも、わたしも、だれだって、そうなると思う。」
「ど、どういうことだ?だれだってそうなるって…生き生きするって…」
「サトシはね、女の子を惹きつける、まっすぐな心を持ってるの。サトシは気づいていないかもしれないけど。
最初はそうでなくても、サトシとずっと旅をしてれば、どんな女の子だって、絶対にサトシに想いを寄せる。
ヒカリも、サトシがいるから、あんな風に生き生きして見える。
…その生き生きしたヒカリを見て、あたしは、ショックだった。」
「ちょ、ちょっとまってくれ!
やっぱり、ヒカリに負けたことを…」
「違う!そんなんじゃない!
生き生きしてるって事はね、自分では気づかなくても、サトシに想いを寄せているって証拠。
ずっと旅をしていれば必ずそうなるけど、それでもその証拠を見せつけられたらやっぱり…」
「ハルカ…
ヒカリが…俺に?」
「今はまだ気づいてなくても、ヒカリはこれからもずっとサトシと旅をする、
だから、いつか絶対に自分の隠れたサトシへの気持ちに気付くはず!そうなったら…」
ハルカが泣きじゃくる。
「わたしは、2度とサトシと会う事が出来ない!」
「な…
で、でも、…今回の様に、また会える日はあるよ!」
サトシはまだハルカの想いが分かっていない。相当鈍感である。
でも、そんな性格であることは知っていたから、ハルカはちゃんと言い直す。
「会える機会があったって、わたしはサトシをこの目で見れる自信がない!」
「…。」
自分と面と向かって話せない、という意味がようやく分かったサトシ。
だがそれでも、まだその理由が分からない。
「いったい、どうして…」
「ヒカリと両想いになっているサトシを、わたしは見ることが出来ないからよ!」
恥ずかしくて言えなかった。
だが、サトシの鈍感にイライラして、もう埒があかない。恥ずかしいという感情を無視して、言い切った。
「俺が…ヒカリと…?」
「次に会える機会があった時は、絶対に2人とも両想いになってる…
もちろん、明日別れた後は、わたしはサトシに会えないから、その運命を変えることはできない。
…だから、サトシと過ごせるこの5日間で、何とかして運命を変えようとした!
ヒカリの存在を知ったキッサキでそう決意した、今回しか、チャンスがなかったから!
…でも、無理だった…勇気が、ないから。」
「ハルカ…」
サトシは何も言えなかった。
自分がまだハルカの想いをよく分かっていないこと。それに対する自分への情けなさで。
「わたしね、これでもいろいろやってたんだ。
…すごく陰険ないやがらせで、すごく情けないかも。」
「え?」
「…ヒカリの前で、トネリコタウンで…サトシとの最後のバトルでゲットした、分けっこしたリボン。
あれをヒカリの前で見せたのはね。わたしとサトシは、こんなにたくさんの思い出を作った、
すごく仲のいい、絆の深い2人、ってことを…見せつけたかったの。
ヒカリ、あなたなんかより、わたしとサトシの方がずっと、ずっと…って。」
「ハルカ…」
「他にも、いろいろプレッシャーをかける言葉をかけようとしたわたしがいた。
でも、ポケモンコーディネーターとして、それはできなかった…」
「!!」
「だから、実力で、ヒカリを決勝で破って、サトシに…
…だけど、負けた…
ヒカリが優勝して、それはコーディネイターとして、本当にうれしかった!
ねえ、信じて!お願い!」
「そんなの当たり前だろ!
ハルカがヒカリを見る目は、本当にうれしそうだったぜ!?」
「…だけど…だけど…」
ハルカがうつむいて、静かに言った。
「女の子として、ハルカとして、わたしは、心のどこかで…」
「…?」
「ヒカリの優勝を、ねたんでいたのよ!」
「!」
その言葉は、サトシには、信じられなかった。
まっすぐな性格で、ただひたすらに仲間を信じる。サトシはそんな性格。
ずっと一緒に旅してきたハルカの存在を、ポケモントレーナーとして信じていた。
それを信じないという事などサトシにとってはあり得なかった。
そのハルカが、目の前で、大声で。
ポケモントレーナーとしての存在を、サトシの前で裏切った。
「ハ…ハルカ…」
「ごめんね、サトシ、わたしは、こんなはしたない、酷い、女の子なの…」
「どうしてだ!?俺の知ってるハルカは、こんなことは言わない!
ポケモンコーディネーターのハルカは、例えポケモンコーディネーターとして言わなくたって、
そんな事を言うはずがない!」
サトシは、まだ目の前に起こった現実を受け入れられなかった。
「どうして…なあ、ハルカ、答えてくれよ!頼むよ!
なんで、なんで、そんな事…言うんだ…」
悪魔でも住み着いているのか。
ジョウトに言ってから、何か変わったのか。サトシは聞かずにはいられなかった。
…そんな中でもサトシの瞳は、ハルカを信じる瞳のままだった。
「…わたしの想いが!わたしをそうさせたの!
ただ、それをサトシに告げればいいはずなのに、その勇気が出なくて!
だから、こんな醜い存在になり下がってしまったのよ!」
「…ハルカの…想い…?」
「サトシは、そういうことに疎いから、すごく不安で…
もし、わたしの想いが届かなかったら…わたし…」
「ハルカの…想い…」
もう頭がごちゃごちゃだった。何も分からなくなった。
たまらなくなった。そして、抱えていたハルカの想いは、胸に収まり切らなくなって。
心のタンクがいっぱいになって、これ以上耐えられなくなって、
溢れ出した。
「わたしは…サトシが…サトシの事が大好きなの!」
今…何が起こった?
目の前に、ずっと一緒に旅をしてきた女の子がいる。
いつも明るく、優しく、時には泣いたり、怒ったり。そんな性格。
そんな感情豊かなおかげで、いろんな思い出を作ることもできた。
いい思い出ばかりでもなかったけど、そんなのも含めて懐かしい思い出ばかり。
時に元気づけ、時に助けられ、時に応援し、時に励まされ。
ハルカは、そんな大切な『仲間』という存在。それはもちろん今でも変わらない。
だけど、ハルカを、異性としては、見ていなかった。
仲間だと思っていたハルカが、自分を恋愛の対象として、見ていたのである。
一緒に笑い、一緒に走り、一緒に頑張ってきた、目の前のハルカという名の女の子が。
「ごめんね、サトシ。
こんなひねくれた性格の女の子に告白されたって、どうせ嫌なだけ。
わたしは、言いたいことは言えた、それだけで、満足だから…」
ハルカが言いたかったこと。サトシに、自分がサトシを想っていること。
サトシを想う心を伝えれば、それで満足だった。そのはずだった。
…なのになんでだろ。なんだろうこの虚しさは。
いろんなことしゃべり過ぎたからかな。ほんとの事、洗いざらい話したせいかな。
…いや、サトシを裏切るような事を言ってしまったからだ、それに間違いない。
でもいいんだ、言いたいことは言えたんだ。虚しいけど、欲張りはダメ、これで満足かも!
「じゃあ、わたし行くね?」
笑顔とともに、別れを言うハルカ。
「ハルカ!?」
「…いまからなら、港から出る深夜便に間に合うから…
ほんとは明日の夕方のはずだったけど、わたしはもう、サトシに近寄る権利すらないもの。
だから、行くね?
わたしはコンテスト頑張る。サトシはジム戦頑張って!ポケモンリーグ頑張って!
ヒカリと一緒に、いい旅を楽しんでね!」
振り向いて、駆け出す。
ジャージ姿だけど、別にいいや。着替えるのもめんどくさい。
…ううん、サトシのもとから、一刻も早く離れたいのね。
ポケモンセンターという、今サトシと一緒にいる建物から、一刻も早く。
部屋に置いてきた荷物のウエストポーチだけとって、行こう。
さよなら、サト…
「…。」
「さ、サトシ!?」
ハルカの右肩を、右手でつかむ。ハルカの動きが、止められる。
「サトシ、は、離して!」
「…いくなよ。」
「え?」
「どこにも、行くなよ!なんで、こんな自分勝手なんだよ!
ハルカは、勇気を持って言ったじゃねえか!俺はちゃんと、それに対して答えを出さないと!」
「サトシ…」
「大切な、ハルカの為に、その答えを出す必要があるんだ!」
え?
大切な、ハルカ?
大切な『仲間である』ハルカ、じゃなくって?
「サトシ…」
ハルカが体をサトシの方に向ける。
自然と肩を持っていたサトシの手が離れる。
「俺は…」
何を言われるか、ドキドキした。
でも、何を言われても、それを聞き届ける覚悟はできていた。
…サトシは笑顔でハルカの方を向いた。これはさすがに予想外の表情だった。
「…よくわからないや。」
「へ?」
「俺のハルカに対する気持ちは、正直わからないや。」
「え…。」
「俺の今の気持ちは、正直言って分からない。
だから、ハルカの気持ちに、応えることは、出来ない。」
「…そ、そう…
うん、その方が、サトシらしいや、ありがと!」
肝心の答えは聞こえた。
虚しさはまだ心に残っているようだけど、もう思い残したことはない。
さよならを言おうとして、踵を返そうとして、
「でも、受け止めることは、できる。」
「!」
「ハルカのその想いを、俺は受け止めたい!」
「…ど、どどど、どう言う事…」
「正直言って、俺のハルカに対する気持ちは、わからない。俺がハルカの事を好きなのかどうかは。
大切な仲間として見続けてきたせいで、その、いきなり方向転換はできないって言うか…でも!」
「で、でも…?」
「え、えっと、その…」
サトシは、あたしに、どんなふうに言ってくれるのかな?
言葉に詰まってるみたい。数秒しかたってないのに、すごく長く感じる。
それだけ待ち遠しいってことなのかな?
…なんか、嬉しい。サトシに、本当の想いを告げて、さっきは後悔してたけど、
今は、とてもうれしく感じるかも…
「ハ、ハルカが…」
サトシ…顔が赤くなってるかも…
「ハルカが、俺の事を好きって言ってくれたのが、すごくうれしい!
俺の事を好きになってくれたのが、すごくうれしい!」
「サ、サトシ…」
「俺自身がハルカをどう思っているかは分からないけど、すごくうれしいんだ!
だから…」
…なんか、サトシらしいかも。
自分の気持ちがわからないとかじゃない。
サトシは、女の子が好きになる、という事がどういう感覚か分からないのね。
でも、それでいい。恋愛感情に鈍感で、ポケモンに一直線のサトシがわたしは好きなんだから!
「ハルカが俺の事が好きなのなら、ハルカのその想いを、受け止めたい!」
「サ、サトシ…」
恋愛感情とかを抜きにして、サトシはハルカの事を可愛いと思っていた。
可愛くて優しい、サトシがハルカの事をそう思っていれば、…それで何の問題もない。
「…じゃ、じゃあ…
わたしがサトシの事を好きになって、いいって事?」
「ああ、大歓迎さ、すごくうれしいよ、ハルカ!」
サトシはまだ頭の中で整理がついてなかった。
恋愛がどういうものか、人を好きになるという事がどういうことかは分からない。
そんな風に鈍感な反応でも、ハルカは、涙を流すくらいに嬉しかった。
サトシとの距離を縮め、顔をサトシの目の前まで持ってくる。
くりくりとした可愛らしい目、涙を流しながらも、嬉しそうな表情。
「ハルカ?」
「…さっき、ベッドで寝てたサトシの目の前に、突然現れてたでしょ?」
「あ、ああ、そういえば…」
「あれね、サトシの、その、唇を、奪う…
サトシのね、ファーストキスをね、奪うつもりだったん…だ。」
サトシが驚いた。
あのまま目を開けてなかったら、ハルカにキスされていたのか?思わず顔が赤くなる。
「奇襲攻撃で卑怯だけど、わたしには、サトシに堂々とキスをする勇気がなかった。
でも、今なら…」
「…ハルカ。
俺は、ハルカの、その想いを、受け取るよ。」
「…うん。」
サトシは自分の気持ちは分かっていない。だから、ただ喜んでハルカの想いを受け取るだけ。
自分からハルカの唇を奪おうとはせず、ただじっと、ハルカの唇を待っている。
ハルカが照準を合わせ、顔を動かす。サトシがハルカの唇を、受け止める。
唇が触れあう。
唇が触れあうだけの、軽いキス。
ただ、動かずに、お互いに唇の感触を、確かめ合う。
「!」
サトシが両腕をハルカの背中にまわし、体を自分の方に寄せた。反動で一度唇が離れる。
「サ、サトシ…」
「ハルカの想いを受け止めたい。だから、ハルカの体を受け止めてあげたら、
抱きしめてあげたら、その想いを受け止められるんじゃないかって。」
「サトシ…」
ハルカもきゅっと抱きつく。
2人の身長差はほぼ0だが、ハルカにはサトシが大きく感じられた。
「ん…」
ハルカがまた唇を奪う。サトシは静かに受け止め、ハルカの頭を優しくなでてあげる。
しばらくしてまた唇を離すと、サトシにこんな問いを投げかけた。
「サトシは、唇奪われたのは、…初めてだよね?」
ファーストキスと言ってはいたが、それはあくまでハルカの想像の話。少し怖くなったのである。
「頬にキスされたのは…何度か会ったけど、唇はないな。」
「よかったー!」
「わわっ!」
思い切りサトシに抱きつく。勢いで倒れそうになったが持ちこたえるサトシ。
「ん…」
またキスをするハルカ。
サトシの唇の感触に、病みつきになっていた。
とりあえずは高ぶっていた感情は落ち着いたらしく、2人はイスに座っている。
「なあ、ハルカ。
…その、俺の事、いつ好きになったんだ?」
「うーんと…旅をしているうちに、いつの間にか好きになったとは思うんだけど…
やっぱりサトシと同じで、『仲間』と思っている部分が強くて、
なかなか自分の気持ちに気付かなかったところはあるかも。
いつの間にか、その気持ちに気付いてて、サトシがすごく愛しくなってた。ただ…」
「ただ?」
「あえていつ好きになったかと言えば、…やっぱりマナフィの神殿を救ったときかな。
あんな命がけの無茶、わたしは泣きながらサトシの無事を願ってた。
でも、そんなポケモンに一直線のサトシが、わたしは好き。
あのサトシのまっすぐで勇敢な姿を見て、わたしは自分の気持ちに気付いたのかも。」
「…ハルカ…」
マナフィ、か。今も神殿を守り続けてるんだろうな。そうサトシは感じつつ。
…マナフィが、ある意味本当に自分たちを父親と母親という風にしてくれたのかな、と感じる。
恋のキューピットとでもいうべきなのか。
「…うん、これで、明日、私は何の心残りもなく帰れるかも。
サトシが、わたしの気持ちを受け止めてくれて、わたしの愛を受け取って、感じてくれたから。
…ありがと。」
「…本当にもう何もないのか?」
「え?」
サトシがふとそんな事を言い出した。
「ど、どうして?」
「いや、なんとなく、ハルカの顔にまだ違和感がある様な…
なんかこう、何か虚しさを抱えているような…」
ハルカがはっとなる。
そういえば、サトシへの想いは報われたのに、気付かなかったが心の中にほんの少し虚しさが残っている。
もちろん、先ほどよりそのむなしさは、小さくは、なっている。
…だが、まだわずかに、虚しさが残っている。
サトシはまだ私の事が好きじゃないからかな?やっぱり、両想いを渇望しているのかな?
ううん、たぶん違う。そんな事は求めてない。
わたしは、恋愛感情のない、ポケモンの事しかいつも考えてないサトシが好きだから。
だとしたら、なんで…
ひょ、ひょっとして、まさか、わたし、サトシと…
…え?
「何か思い当たることがあったか?」
や、やばいかも、表情に出ちゃったかも!
こ、これは、流石に、な、何とかしないといけないかも!
「な、なんでもないかも!」
「…そうか?それならいいけど。
…でも、遠慮はするんじゃないぜ?」
「え?」
「ハルカの想いや、愛は、全部受け止めたいんだ。
ハルカがどんな事を俺にしたがっているかは分からない。
でも、それが俺を愛しく想っての事なら、…俺はハルカのその想い、喜んで受け止めるよ。」
サトシは、目の前で言った。
聞き間違いじゃなきゃ、わたしは、サトシに何をしたっていいと。
サトシに、何を願ったっていいと。
…サトシに恋するわたしに、そう言ってくれた。のかも。
うん!いわなきゃ!
本当にこれをすれば虚しさが消えるとは限らないけど、
でもサトシとのそれを願うという気持ちだけは、間違いないもん!
「…ん?ハルカ?」
椅子から立ち上がり、座っているサトシに横からそっと寄り添うハルカ。
…そして、サトシのズボンのチャックに手をかける。
「ハ、ハルカ?何してるんだ?」
「じっとしてて。」
「で、でも、そこ開けたらパンツが見える…」
もうハルカが何をしたいかは分かるだろう。
だが、ポケモン一直線のサトシには、そのような知識はなかった。
「…わわっ!俺の…その…ひ、引っ張り出すな!」
一応、言葉にすると恥ずかしい事であることくらいは分かっているらしい。
ハルカは静かに言った。
「好きな人にこれをしゃぶってもらうのは、すごく気持ちいいんだよ。
そして、好きな人のこれをしゃぶるのは、すごく嬉しい事なんだよ!」
「ハルカ…そ、そうなのか?」
「わたしはサトシが好きだから、これをしゃぶって、サトシを気持ちよくさせてあげたい。
…これがわたしの想い。
サトシが、わたしの想いを受け止めてくれるって言ったから…だめかな?」
「えっと、この行為にどういう意味があるのかは分からないけど、
ハ、ハルカが俺を想ってくれての事なら、よ、喜んで…」
「あ、ありがと、サトシ…」
お互いを見て、顔を赤くして恥ずかしがる。
サトシの陰茎はすでに、自身を主張するかのように、大きく固くなっていた。
「でも、恥ずかしいから、部屋の中ででいいか?」
ベッドにサトシを座らせ、ハルカは膝立ちをしてサトシのものを舐めてあげる。
「なんか…気持ちいいな…」
「よかった…わたしも、詳しくは分からないから…」
一方、ハルカはそういう知識はある程度知っていた。
サトシほどポケモン馬鹿ではない、10歳の純情な女の子。
とはいえ、それ系の本やビデオを買ったりはしないので、詳しいテクニックは分からない。
どこかでふと聞いた、うろ覚えの知識を総動員して、舌や口を動かす。
それでも、同い年の、好きと言ってくれた可愛い女の子にやってもらってるという感覚だけで、
サトシには十分すぎるほど効果抜群だった。
「な、なんか…少し感覚がなくなってきたんだけど…」
「ふふ、感じてきたのかも。」
「感じる…って?」
「…そうね、こういうこと、かな。」
くわえていた陰茎を離して、素手で持った。そして、
「…う、一気に、しびれが…」
「えへへ、気持ちいい?これを感じるって言うんだよ。」
「か…感じる…?」
手で素早く扱く。サトシが初めて味わう、感覚。
ハルカがサトシの表情を見て、微笑んでいる。
「ハ、ハルカ、ちょっと!」
「ど、どうしたの?」
「ちょっと、いったんストップ!トイレに行ってくる!」
サトシは限界に近付いていくが、それを尿意を勘違いした。
ハルカがクスクスと笑い、手を動かし続ける。
「ハ、ハルカ!?」
「いいんだよ、それで。そのままわたしに、かけて。」
「ちょ、ちょっと!」
逃げようとするサトシの腰を、片腕で捕まえる。
「つかまえたかも!」
「は、ハルカ!」
「出すまでは、逃がさないかも!」
「だ、だめだって…うあっ!」
出そうになるが、必死にこらえる。ハルカにおしっこをかけるなんて、絶対にやってはいけない。
だが、ハルカはさらに攻勢を強める。
「あ、先っぽから、出てきたよ。」
「え!?わわっ!」
先っぽから透明な液。当然サトシはおしっこと勘違いする。
ハルカは、いったん手を止めてそれを舌先で舐める。
「な、なにやってんだよ、ハルカ!」
「んふふ、これはね、おしっこじゃないの。ガマン汁、っていうのよ。」
「が、ガマン、汁…うあっ!」
再びハルカの手が動き始める。
「ガマン汁ってのは、もうすぐ出るって時にその前触れとして出るの。
…いつでも、出していいからね。」
出していいといわれても、サトシは戸惑う。
でも、体は正直。体がしびれ、おかしな感覚に襲われ、サトシの、初めての射精のときがくる。
「う、うあ、うああああ…!」
(そ、そろそろ出るかも!)
だが、ハルカは口に咥えなかった。
全身でサトシを受け止めた、自分のエッチな姿を、見てもらいたくて。
「な、なんだ、この感覚…ああああっ!!」
サトシが、自らを解放した。
白濁の液が、ハルカの顔や服にかかる。
「はあ…はあ…は、ハルカ!ごめん、おしっこ、かけ…え?」
「んふふ、おしっこじゃないよ、これ。」
「な、なんだ、これ…白いよ、これ。」
「えへへー。これはね、気持ちいい時に出る、精液っていうものなの。」
サトシが目をぱちくりさせる。
自分は、こんなものを持っていたのか、と。
「…ぺろ。」
「な…え?何舐めてるんだ、ハルカ!?」
「…苦くて、しょっぱいかも。でも、すっごく濃い味かも。」
ハルカが何を言っているのか、まったく理解できないサトシ。
「おいしいよ。」
顔が赤くなる。
ハルカの言ってる意味はわからない。
でも、なぜか嬉しい。自分の体の一部だったものを、嬉しそうに味わってくれているからだろうか。
「…えっと、その…」
「ん?何をして欲しいのかな?」
ハルカがサトシの目の前でわざとらしい笑顔を作る。
自分の体を犯したい、そう言うだろうと、ハルカは期待していた。
「このあと、どうすればいいんだ?」
(…あれ。)
期待は見事に裏切られた。
ただ、当然と言えば当然である。サトシはセックスという言葉すら知らないのだ。
しょうがないなあといった顔で、ハルカはジャージを脱ぎ始めた。
「え!?は、ハルカ?」
「…サトシの大事なところも、出してくれたでしょ。今度は私の番。」
肌着とショーツだけの姿になる。
女の子の裸を見ることがエッチな事だとは流石に知っていたから、自然と頬が赤くなる。
…ただ、何をいればいいのか、わからなかったが。
そして、すべてを脱いで、すっぽんぽんになる。
「どうかな、わたしの裸、綺麗かな?」
「…。」
何も言えなかった。
裸に興奮しているわけではない。これからの事を想像してもいない。
ただ、一緒に旅をした目の前の少女が、自分の前で嬉しそうに裸になっている。
サトシは、ただそれだけの理由で、何も言えなくなったのだ。
「…あはは、サトシは鈍感だから、そんなこと聞いてもわからないか。」
「…。」
「サトシ?」
「この裸、ハルカの裸なんだよな…
ずっと一緒に旅をしてきた、あのハルカの、裸、なんだよな…」
「…私のおっぱい、大きいかな?」
「…わからない、わからないけど、でも…
すごく、不思議な感じがする…」
ハルカの胸は、10歳の少女にもかかわらず、普通の大人の女性くらいあった。
だが、サトシはそんな事は考えていなかった。
ハルカのおっぱいが見られたことに、感動を覚えていた。
性的な興奮とかではない。旅の途中も決して見せなかった、ベールを取り去った事に感動していた。
不意に涙がこぼれる。
「さ、サトシ!?」
「もう、今度こそ、当分会えない。
ハルカと過ごせる最後の最後になって、ようやくハルカの事を知ることができた…
そんな気がしたら、なんか、俺…」
さ、サトシは、わたしを、そんな風に見てくれたの…?
わたしは、好きな人と一緒に、性を楽しみたくて、サトシにいろんなことをした…
でも、サトシは…全然違う!
「…うっ…うっ…」
「ハ、ハルカ?」
「なんか、自分が、情けなくなって…
サトシは、そんな風に考えていてくれていたなんて…」
「え?」
「わたしなんか!ただ好きなサトシと性的な関係になろうとしてただけかも!
そんなの、まっすぐでひたむきなサトシに対して、好きになる資格なんてない!」
「ハルカ…」
「ごめんねサトシ、辛い目なんかに合わせて、ごめ…!?」
サトシがハルカをきゅっと抱く。
「俺には、ハルカがいままでやってきた事が、
…その、エッチな事、という意味ではどう言う意味があるかは分からない。
でもさ、俺が好きだから、やってくれた事なんだろ!?」
「そ、それは、…そうだけど、
でも、純粋でまっすぐなサトシに、そんな不純な事をやってはいけなかっ」
「だったら、それでいいよ!
ハルカなりの、俺への愛なんだろ、それが!
だったら、それでいいんだ!」
「サトシ…」
「ハルカがどうして裸になったのかは分からない。
俺はハルカが自分の事をもっと知ってもらいたいからだ、と思ったが、どうやら違うらしい。
でもさ、ハルカが俺を愛して、俺がそれを受け取った、それだけは間違いじゃないだろ!?」
「う、うん…」
サトシの顔が、柔らかい表情に戻る。
微笑んで、ハルカに静かにやさしく言った。
「…ハルカ、俺はどうすればいいんだ?
ハルカは俺に、その裸をどうしてほしいんだ?
…どのように愛を受け取ればいいんだ?…俺は、その方法を知りたいな。」
「サトシ…サトシぃ!」
純粋なサトシが、好きだった。
性に対して無頓着で非常識なサトシが、愛おしく見えた。
こんな純粋なサトシと…ハルカは、身も、心も、繋がりたくなった。
「ん…」
2人はベッドに座り、サトシはハルカに言われたとおりにやる。ハルカの愛をすべて受け取るために。
おっぱいを片手で揉みつつ、乳首に吸いつく。
赤ちゃんがおっぱいを飲むということくらいは知っていたから、
自分と同い年の女の子のおっぱいを飲むというのは、
同い年なのに赤ちゃん扱いされる感じもあったが、人間の本能がおっぱいに夢中にさせている。
「ちゅく…ん…」
母乳が出るのかな、と思いつつ吸い続ける。赤ちゃんのように吸い続ける。
「…ハルカってさ、俺と同い年なのに、おっぱいがおっきい…」
「そう?…嬉しいかも。」
「なんでだろ、俺は子供なのに、ハルカは、もう大人みたい…
「おっぱい、おいしい?」
「うん…ハルカのおっぱい飲めるなんて、…幸せ。」
サトシもさすがにおっぱいを飲むことがどう言う事かくらいは分かっている。
だから、ことこれに限っては、おっぱいを飲めること自体が楽しいと言っているのかもしれない。
何も知らないサトシにとっては、禁断のエッチであり、なにも出なくてもおいしいと感じれる。
…もっとも、これが禁断のエッチなら、(法律的には一応禁断だが)
これから行われる行為はいったいどう表現するつもりなのか。
「…ねえ、サトシ。
そろそろ、…別のところも、しゃぶってみない?」
「え?えっと、…どこをしゃぶればいいんだ?」
「さっきわたしがサトシにしゃぶってあげたのと同じところ、…ほら。」
ハルカがベッドの上に座り、そして股を開く。
「ハルカの…おちんちん?」
「ほんとはもっと別の言い方があるんだけどね…
ま、サトシは知らなくてもいっか♪」
「?」
「ま、いいからいいから、言う方も恥ずかしいかも。
…でね、ここに顔を近づけてみて…」
そう言われるがまま、サトシは姿勢を低くして、ハルカの陰唇を見つめる。
「…あれ、ハルカ、おしっこ漏らしてるんじゃ?」
「ち、ちがうかも!
サトシとエッチな事すると、こうなっちゃうの!サトシで言う、ガマン汁のようなものかも!」
「えっと、ああ、あれか。」
サトシとの行為で感じて愛液でとろとろになったハルカの陰唇。
その愛液に対し、サトシはとんでもない事を言った。
ある意味、いやらしく『濡れてるねえ』と言われるより、恥ずかしい。
「…えっとね、そこ、舐めてほしいかも。」
「え?ハルカの、おちんちんを、な、舐めるのか?」
「さっきサトシのを舐めたでしょ、それと同じこと。
…お願い。」
一瞬戸惑ったが、この濡れてるのはどうやらおしっこではないらしい。
そしてハルカがやってほしいというのだ。意を決して、ハルカのために、口から舌を出す。
「ん…」
サトシがペロペロなめ始める。
愛液をなめとるようにやさしく。ハルカの小さな喘ぎ声が聞こえてくる。
「サ、サトシ、わたしのおちんちんを、開けてみて。」
「え?」
「扉を開ける様に、指を入れて横に動かして…」
「こ、こうかな?」
サトシがハルカの恥丘をあける。
ハルカの恥丘はかなりむちっとして肉厚だったので、恥丘を開けて初めて陰唇が見える。
「お、女の子の…おちんちんって…こんな感じだったんだ…」
サトシはもともとそう言うのに興味がないことも手伝って、
女の子の性器に関しては筋が一本ある、という事しか知らなかった。
なので、もう1枚の扉、すなわち陰唇の存在に驚く。
「そこも…舐めて。ピンク色に染まって、濡れてるでしょ…?」
「あ、ああ。」
サトシが恐る恐る舐めてみる。
「んあ!」
恥丘とは段違いの気持ちよさ。思わず体がビクつく。
「あ、あのね、サトシ!
こんどは、その中に舌を入れてみて!」
「こ、こうか!?」
サトシの舌が、ハルカの中に入る。
舌を動かすと、中が掻きまわされ、ハルカの様子が一気におかしくなる。
「あん、ああ!サトシ、もっと!お願い!ああん!」
サトシも夢中になっている。
サトシは気づいていなかったが、人間の本性が、ハルカをもてあそべと叫んでいた。
…サトシは、ハルカに何も指示を受けていないのに、
唇を陰唇の中にいて、唇も使って中も掻きまわし、中から出てくる愛液を吸い取り続けた。
「あん、サトシ、どこで、そんな事…ああん!」
サトシをエスコートするはずが、完全にサトシが主導権を奪っていた。
理性を失い、ハルカの陰唇をただただしゃぶり続ける。
そして、ハルカは、ついに限界寸前まで。
「サ、サトシ、激しいよ、大好きだよ、も、もう、いっちゃう、かも…!
…ああああああっ!」
サトシに大量の潮がかかる。
行為に夢中になっていた分、突然の事態に驚き、行為をとめる。
それと同時に、サトシは理性を取り戻し、我に返る。
みると、ハルカが息を荒げて、ぐったりしている。
何が起こったか分からず、とにかくサトシはハルカの体を揺らす。
「おい、ハルカ!だいじょうぶか!?し、しっかりしろ!」
「はあ…サ、サトシ…」
「ご、ごめん、やりすぎた!
俺、なんかハルカのおちんちん舐めてて…気が変になって…気が遠くなって、いつの間にか…」
「き、気持ちいいかも…」
「…え?」
ハルカがよれよれになりながら上半身を起こす。
ハルカはいたって普通の事を言っているのだが、サトシにとっては予想外の反応だった。
戸惑っていると、
「サトシ、もう一度、わたしのおちんちんに顔近付けて…」
「え、で、でも…わわっ!」
サトシの頭を両手で持って、精一杯の力で強引に陰部へと持っていく。
そのハルカのいい香りに、思わず頭がクラッとする。
「ここ、ちょっと小さくて見えにくいけど、よく見て。」
ハルカが陰核を包む方皮を指差している。
何が起こるか分からず見ていると、ハルカが、
「この中にね、あるものが入ってるの。
ここに指を掛けて上に向かって剥いたら、あるものが出てくるから。
サトシで言う…えっと、その、おちんちんが。」
「あれ?おちんちんは、この…割れ目じゃないのか?」
「サトシは、エッチな事考えると、ここがおっきくなるでしょ?」
「ていうか、そんな事をさっきされて、実際に大きくなってるけど。」
実際、サトシの陰茎は大きくはれあがっている。
「ま、いいから、ここの皮、めくってみて?
サトシのおちんちんが皮の中から出てくるように、わたしもおんなじだから。」
サトシは首をかしげるが、
それでもハルカの体に興味津々で、言う通りにする。
…だんだん、ハルカの想いを受け止めたい、という気持ちから、
ただ純粋に、ハルカを求めたい、という気持ちに変わり始めた。
「…これは?
ちいさくて、なんか赤い、…豆のような…」
「えへへ、普段はもっと小さいんだよ。小さい様に見えるけど、普段の5倍はあるんだよ、それ。」
「5…5倍ぃ!?」
もちろん適当に言った言葉である。そもそも、自分の陰核はどうあがいても見えない。
それでも、大げさに言った方が、自分がどれだけ感じているか、サトシに伝わると考えたのである。
「…よ、よくはわからないけど…
でも、すごく真っ赤で、恥ずかしそうにしてるね…」
「普段は、もっと薄いピンク…んあ!」
「えへへ…」
サトシがつん、と触る。ここに触ればハルカは喜ぶだろう、と分かっていて。
ハルカが好きなのかどうかは分からないが、ハルカの体を求めていることは間違いない。
別に、ハルカの顔や体が魅力的だから、とかではない。サトシはそんな人間ではない。
ずっと一緒に旅をしてきたから。だからこそ、もっとハルカを知りたいから。
ただ、それだけの理由である。
「そこ、舐めて、お豆さんを、舌で転がして…」
「…わかってる。」
知識はなくとも、何となくわかってきた。
この小さな豆を舌で転がすように舐めて…
「んあ!」
ハルカが嬉しそうにしている。それが俺にも嬉しい。
もっと早く、強く、…それでいて優しく。そうすれば、さっきと同じように…
「ひあああああっ!」
2度目の絶頂。潮が吹き、またサトシの顔にかかる。
「す、すごいかも…」
「ハ、ハルカ、満足…できた?」
不安そうに聞く。
ハルカと一緒に過ごせる夜は今日しかない。
だから、ハルカが最高だったといえる夜を作らなければならない。
「えっとね、その…
最後に、クライマックスが、待ってるの…」
「クライマックス?」
「…ベッドにあおむけになって。」
読者の皆はハルカが何をしようとしているかもうわかるだろう。
とはいえ、サトシは知識がないので何が起こるか分からない。
「…あのね、サトシとわたしが、繋がるの。セックスって言うの。」
「つ、繋がる?えっと、手をつないだりとか?」
(…なんでそんな方向に思考が行っちゃうんだろ)
繋がるの意味が分からないのはしょうがないが、もう少しエッチな考え方をして欲しいものである。
「わたしの中に、サトシのが入り込むの。すっごくエッチなところにね。」
「え、エッチなところ?」
「…わたしのおちんちんと、サトシのおちんちん。」
女の子のおちんちんは、おっぱいより触ってはいけないものだと聞いたことがある。
それだけ世間的にバリアが貼られている場所、ということだ。
そんな場所を舐めているだけでもすごい事なのに、
男の子の、大事な場所で、そこをあてがうというのである。
「……。」
「あれ?どうしたの?恥ずかしいの?」
「あ、えっと、…。」
唖然として、言葉が出なかった。
「んふふ。ね、お願い。
わたしのおちんちん、ちょうどサトシのおちんちんが入りそうな感じでしょ?」
ハルカが自ら陰唇を開く。サトシが生唾を飲み込む。
女の子の一番大事な場所。それを、男の子の一番大事な場所で…
サトシがハルカに飛び付く。
自らの陰茎を手で持って、陰唇の方に亀頭を向けロックオンする。
「…あ、先っぽが入った?」
「ああ…」
「…そうそう、おちんちんの中にね、さらに穴があるのよ。…そこに。」
恥丘の中に陰唇があり、陰唇の中に膣がある。そこにサトシをいざなう。
膣の中に亀頭を少し入れた事により、膣への陰茎のルートが固定された。
それを感触で確認し、そして、一気に入れた。
「んあっ!」
「…き、気持ちいいのか?」
当然ハルカは処女だったので、サトシにそれをささげることになる。
処女の初めては痛いものだが、それを少しでも和らげるためにゆっくりとやるのが優しさ。
だが、サトシは一瞬で一気に奥まで突っ込んだ。
性の意識がないのと、先ほど激しくハルカの性器をしゃぶっていたことにより、
それでハルカが快感をえていたので今回も激しくやるものだと思い込んでいたのである。
「つうっ!」
「ハルカ、気持ちいいのか?」
明らかにサトシの方に問題があるが、サトシを傷つけたくないと、必死にこらえている。
「う、うん、気持ち…ううっ!」
「ハルカ?」
最初は快感のあまり声が出ていないものだと思った。
だが、ハルカが目をぎゅっと閉じ、涙を流すその姿を見て、違和感を感じだ。
ハルカと長いこと一緒に過ごしていたので、何となくわかる。
これは嬉し涙じゃない、悲しい時に出る涙、だと。
そしてそれは確信に変わる。
「…なっ!?血だらけだ!」
(し、しまった、ばれたかも!)
このままでは、いや間違いなくすぐにでもサトシは陰茎を抜いてしまうだろう。
そうなれば、自分への罪悪感、そして自ら受けた恐怖で、二度とセックスしてもらえない。
…という結論にたどり着く前に、先に体が動いていた。
「や!だめ!離れないで!」
サトシは結合部から出るハルカの血を見て、やはりすぐに抜こうとした。
だが、それより早く、ハルカがサトシに抱きつく。
「な!?い、痛いんじゃないのか!」
「そ、それは…」
「苦痛を味わってまで、こんなことする理由は」
「ある!」
サトシが言い終わる前に反論する。
「今抜いたら、サトシはもう、永遠にわたしとセックスしてくれない…」
「あ、当たり前だろ!こ、こんな痛いことしてまで、やる理由はないだろ…」
「ううん、痛いのは、最初だけ。ほんとは、すごく、気持ちいいことなの。
でもいくらサトシに説明しても、今抜いたら、きっと永遠にしてもらえないと思う。」
「…は、ハルカを泣かせたから、当たり前だろ…」
サトシの口調が弱まる。
ハルカはそれを見逃さなかった。
「…うあっ!ハ、ハルカ!?」
ハルカが腰を動かす。サトシに、たとえようのない快感が襲う。
「や、やめろ、痛いんじゃ」
「痛いけど、サトシと一緒になれることが、嬉しいの!」
…思い出した。
俺はいつの間にか、ハルカの体を求めていた。でも、そんなの違う。
そうだ、俺は、ハルカの愛を受け取る義務がある。
例え痛みと引き換えてでも、俺とつながって一緒になることがハルカの想い。
それがハルカの愛の形なのなら、俺は受け止める義務があるんだ。
「ハルカ…一度止まってくれ。」
「え?」
会館で言葉が出にくくなっていたが、何とか絞り出す。
ハルカが動きを止めた。もっとも、サトシを逃がさぬようにしっかり抱きついたままだが。
「どうすれば…ハルカの痛みが和らぐ?」
「え…さ、サトシは気持ちいいんでしょ?だったら…」
「…。」
サトシの真剣な目。
ハルカはびくっとして、そっぽを向いた。
「ある程度痛いのはしょうがないかもしれない。
こんな馬鹿をやった俺がハルカを心配する資格もないかもしれない。
でも、それでも、やっぱりハルカを傷つけたくない、だって、俺は…」
…え?
…俺、今、何を言おうとしていたんだ?
さっきから俺、ハルカに対して、想いを受け取るとかばかり言ってるけど…
…こういう事なのか?もしかして、こういう事なのか?
「腰をゆっくり動かして。」
「え…?」
「わたしが腰を動かした時、すっごく気持ちがよかったでしょ?
セックスって、おちんちんが全部抜けてしまわない程度に抜き入れするものなの。
…激しくする方が本来は気持ちいいけど、最初のうちはまだ激しい方が激痛がするから…」
「ゆ、ゆっくりだったら、少しは和らぐんだな?」
「うん。そのかわり、今度はサトシが中途半端な快楽しか得られず疼くことになるけど…」
「いいんだよ、そんな事。
たとえ中途半端でも、ハルカに気持ち良くしてもらえることが、嬉しいんだ。」
「えっ」
それってどう言う事…と聞く前に、サトシが腰を動かし始めた。
まだ痛みはあるが、先ほどよりだいぶ和らいだ痛みである。
「大丈夫…か?」
「う、うん…まだちょっと痛むけど、大丈夫、かも。」
サトシが腰を動かし続ける。ハルカの体をいたわるように、ゆっくりと。
おかげで、痛みはほとんどなくなり、しびれるような快楽がハルカを襲う。
「サ、サトシ…今度こそ、大丈夫。
…そ、その、もっと激しく、して欲しい、かも。」
「ああ、わかった。だけど、痛かったらちゃんと言ってくれよ?
俺は…」
「…え?どうしたの、サトシ…あんっ!」
サトシがまた何かを言いかけそれをとめた。
ハルカがその続きを聞こうとするが、それを遮るようにサトシは激しく腰をふり始めた。
「んああ!サ、サトシ、き、気持ちいいかも!」
「ハ、ハルカ…」
もうかなり長いこと情事が続いているので、
1回射精しているとはいえサトシの限界はすぐそこまで来ていた。
「な、なんか、さっきの…なんだっけ、え、えーと?」
「言わなくてもいいよ。
サトシがどうなるか、知ってるから。」
「…え?」
ハルカが預言者のように思えた。
まあ、確かにその予言は当たるのだが。
「いつでも、出していいから。」
「わ、わかっ…っっっっっ!」
声が出なかった。
あまりの快楽に、ただただ溺れることだけしか、できなかった。
精液が、サトシが、ハルカの中にたくさん入っていった…
「なあ、ハルカ?」
「えっと、なあに?」
2人はベッドの上でぐったりとしている。ちなみにまだつながったままである。
「俺の事、…えっと、マナフィの神殿の一件で、好きになったって言ったんだよな…」
「う、うん…」
「…あの事件が終わって、ハルカと一緒にいられたのは、ほんのわずかだったよな…」
「…そうだね。」
「時間の神様は、残酷だぜ。」
ハルカは何も言えなかった。
実際、マナフィと別れてから、サトシと別れるまで、本当にその間の時間は無い物に等しかった。
いままでずっと長いこと一緒にいたせいかもしれない。
だから、その想いを伝える覚悟が出来ないまま別れたのは、ある意味当たり前だったのである。
「…この5日間じゃ、…サトシに想いを伝えるのが精いっぱいだったかも。」
「え?」
「…サトシは、まだわたしの事を好きになったわけじゃないもの。わたしの、片思いかも。」
実は、ハルカはひそかにサトシに期待していた。両想いという期待を。
だが、サトシの考えは、変わってはいなかった。
「ああ、ごめん。
…俺はまだ、ハルカの事を、…好きになっては、いない。」
恋愛というものが何か分からない。
それ以前に、仲間として見過ぎていた故、恋愛対象として見るのには時間がなさすぎた。
「…旅が終わる前に言えたらよかったのに。」
「俺も…そう思う。
ハルカの想いに、もっと早く気づいてあげられれば」
「こーゆーのはね、女の子から言うものなの!
わかる?サトシがそーゆーこと言っちゃだめ!」
「あ、ああ…」
そんな事はない、というより、こういう言い方の方がいい、
ずっと一緒にいたハルカは、ちゃんとそう言う事は分かっていた。
「…なあ、ハルカ。
確か、俺とヒカリが、両想いって言ってたよな…」
「う、うん…」
「…明日はハルカといられる最後の時間か…
うん、やっぱりやらなきゃだめだ。」
「え?」
「ハルカ、今から俺が言う事に、絶対に反対しないと、誓えるか…?」
「…。」
真剣なまなざしのサトシ。
何を言うのか分からず、いろいろ想像したが、サトシの言葉は予想外のものだった。
「ハルカと、ヒカリと、俺と、…3人で、デートしないか?」
「…!?」
デート。それだけなら、喜んで賛成していた。
でも、ヒカリも一緒に?どう言う事?サトシ…
「俺たちのこれからのため。そのために、明日は3人で過ごしたいんだ。
…ダメか?」
よくわからないかも。
…でも、サトシは何か考えがある。絶対、わたしを裏切るような事はしない。
サトシはわたしを信じてくれた。何を迷う事があるの、私だって、サトシを信じなきゃ!かも!
「ううん!3人で一緒に、いい思い出を作ろうよ!」
「…ああ!」
ハルカはサトシの唇を奪う。そして、疲れからか、
お互いを抱いて繋がったまま、徐々に深い眠りについていった。
「あれ、サトシは?」
タケシがベッドから起きると、横にサトシがいないことに気付く。
(先にトレーニングのために出かけたか?
いや、今日はハルカと過ごせる最後の日だから今日ぐらいはオフにするはず、
というか、サトシが俺より早く起きるなんてそうはあり得んような…)
とりあえず洗面を済ませいつもの服を着る。
モンスターベルトを装着し、ドアを開け、廊下に出る。ふと、右の方を見る。
「…まさか、なあ。まあ一応…」
ドアをノック。中から聞こえてきた声は、
「はーい、どちらさんですかー?」
「ヒカリー、俺だ。そっちに…まさかとは思うが、サトシはいないか?俺の部屋にいないんだ。」
「実はこっちも、ハルカがいないのよ。」
妙だ。
2人の人間が同時に姿を消した、その時…
ドシン!
「なな、なんだ!?」
「い、今の地響きは何!?タケシ。」
「俺の逆隣りの部屋だ!ちょっと行ってくる!」
一方。
「いてててて…」
「サトシ…痛いよ、もう!どう言う寝像してるのよ、コンテスト前日といい今日といい!」
「わりぃわりぃ、昔からそうじゃないか。
…って、俺とハルカが隣同士で寝たのは初めてか。」
いつも野宿の際サトシとハルカの間には必ずマサトがいた。
ベッドで寝る時もサトシとハルカが隣り合うベッドで寝たことはない。
「んもう、抱きついたまま寝るんじゃなかった!」
抱きついたまま寝ていたので、当然サトシが右に行けばハルカも右に行く。逆も然り。
そして、寝像の悪いサトシならベッドから転落することも十分考えられる。
すなわち、ハルカは巻き添えを食らった形になったのである。
ちなみに繋がったまま寝てもいたのだが、幸い両者の股間にはダメージはなかった。
ただ、もはやそんな事は問題ではなかった。
「だれかいるのか?」
「タ、タケシ!?」
(まずい、声を出すな!本来今日ここにはだれもいないんだ、すぐに去るはずだ!)
「…あれ、確かにここから音がしたような…
でも、今日この部屋に客はいないはず、別の部屋かな?たぶんそうだと思う…」
タケシの独り言が聞こえる。
とりあえず2人とも安心する。
お互い繋がった状態で抱き合ってるところを見られたら、非常にまずい。
なのに、緊張のせいで、金縛りにあいお互い繋がったまま動けない。…が、
「いや、念のためだ、侵入者かもしれない!」
(な!?)
(嘘かも!?)
「とりあえず行こう、念のためだ!」
ドアノブが回る。
2人はドアの正面から見える位置にいた。だが、隠れようにも金縛りにあい動けない。
(あわわわわ…!)
(お、おしまいかもー!)
「…なあっ!?」
タケシの仰天の声。
「こ、これは…これは…」
タケシのあいた口が、ふさがらなくなっている。顎をがくがくさせ、金縛りにあったように動けない。
…当然であろう、こんな事になったら。
つーわけでここまで。
次回が楽しみな人はお楽しみに。
さーて、次回は誰がどうなるのやら?
…あ、台を付けるのを忘れてた。
ついでに、前回の感想を書いてくれた人への返信も。
>>506 よく書き忘れることがあってさ;
まあ、大目に見てほしいところ。
他にもGJと書いてくれた人たちに感謝。
>>536 なんかサトシの性格が違うような気がするけどGJ!次が誰になるか楽しみだよ。
ところで、pixivで18禁解除してから、「サトシ ハルカ ヒカリ」でタブ検索してごらん。すごいぞ。
GJ. 後編も期待して待ってますー
あ、そうだ。
書き方が変になっているが、
この話の続きはまだあるからね。そこ間違えんといて。
>>538 だんだん何書いてるか分からなくなってきた;
長くなると内容も適当になってしまう;
>>539 さあて、タケシやヒカリはどーなるでしょー?
もう出来上がってるけど、次を投下するのはもう少し先にする。
気長に待ってる
>>537 乙
うまくいけばもっと結合場面が増えそうな
そろそろ容量がやばくなってきた
次スレは13だから「その13テ」とか
>>536 長編乙彼、続きもwktk。
>>536 乙。
だが、サトシとハルカは同身長ではなく、身長差はサトシとヒカリよりあるぞ。サトシよりハルカの方が低い。
映画の設定資料集を見れば分かる。
楽しみだ
13もつづいてるのか。
549 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 15:46:52 ID:lHYdW9id
すごく・・・パァオォマァです
eraってなんなんだ
>>553 ポケモンキャラ(トレーナー)調教ゲーム
ロケット団は気球でサトシ達の後を付けてるって事は
ヒカリの放尿とか湖でのお風呂代わりの水浴びとか色々と見ていて攻め方を変えそれらを収めた写真でヒカリを脅し陵辱したり言いなりにさせるなんて簡単な筈なんだよね
>>555 逆にロケット団が野宿しているところにサトシたちが出くわしたりするから
ひょっとしたらタケシあたりがムサシの放尿とか湖でのお風呂代わりの水浴びとかに出くわしてるかも
ヒカリは子供たちのアイドルなので湖で水浴びなんてしません><トイレもしません><
どこが
普通に水着に着替えて泳いでると思えばいい話だと思うのだが
…半端に余ってるよな、このスレッドのスペース。
うむ
>>558 > 普通に水着に着替えて泳いでると思えばいい話だと思うのだが
激同。
わざわざ裸にする事もないと思う。
>>544 だいぶ前のスレッドに今更ながら返信するのもどうかとは思ったが、
大昔のAGを出してみた。
…1話から4話まで見てみて、驚いた。
ハルカが信じられない勢いで縮んでいる。
1話じゃハルカの方が圧倒的に高かったのに、
4話に至ってはハルカの方が圧倒的に低い。
たった2,3話の間に、何があった!?
サトシが成長した
だいぶ前のスレッド(笑)
564 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:16:40 ID:C1A6AOaK
ドラーモン氏ね
>>564 くどい、いい加減にしろ
向こうのスレにいる時とこっちにいる時のメリハリをつけることも出来ないのか
567 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 02:10:17 ID:6NliE3sJ
ドラーモン氏ね
ドラーモンって何?
埋め
>>571 それは違うな
彼はたしかとっくに社会人
まだのこってんのかよw
後夜祭に出来るだけ参加するつもりだが
明日も仕事だから今日はもう寝ることにします。
あしたは仕事の休憩とか通勤時間を利用してスレを読んだり参加するつもり。
じゃ、俺の分も楽しんでくれ。
兄達は大いに語り大いに宴を楽しむ
576 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 16:16:42 ID:XlE6rPg2
梅
このスレまだあるのかよwww
?
このスレ投下しちゃいかんのかな
いいんじゃない?
一発ネタくらいなら投下できそうだし