true tearsのエロ小説スレ エロい涙 1滴目

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728名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:22:13 ID:gC3T2UYk
このスレや本スレのSSのほうが正史に思えてきたよ…
監督と脚本家は腹を切るべし
10話が最終回と思い込むことで納得するしかない
729名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:32:35 ID:qwuOtwD1
18歳過ぎた大人なら自分の望んだ展開じゃないからと安易に死ねだ何だといわないほうが。
我慢できないならせめてアンチスレでやるぐらいの分別はみせてくれ
730あさみの願い 8:2008/03/23(日) 21:37:54 ID:w8WsPguY
「そうだ!仲上君!今日家来ない?」
あさみは思い出したように突然眞一郎を家に誘った。
「はぁ?何でだよ・・・別に行かなくても」
眞一郎の言い分はもっともである。
「うち、今日誰も居ないし、一人でご飯食べるのって何か寂しくない?そう思うでしょ?」
「そりゃあ・・・まぁな・・・」
「それにうち昨日カレーだったから一晩経って美味しくなってるし!うちのカレー美味しいんだよ!」
「ほら、仲上君、私の用事に付き合ってくれるって言ったじゃん!」

あさみが強引に眞一郎を誘う。
意外に眞一郎は女の子の押しに弱い事をさっきのキスであさみは見抜いた。
だから多少強引にでも誘えば眞一郎は断らないとふんだ。
「はぁ・・・しょうがないな・・・でも今日だけだぜ?」
「うん!今日だけ!」
そう言うと二人は薄暗くなった教室を後にした。

学校からあさみの家に向かう途中、二人は色々他愛のない事を話した。
そんな中で、あさみは石動乃絵の事、比呂美の事にだけは極力触れないように気をつけた。
眞一郎の心の中にはきっと比呂美が住んでいて、そこに石動乃絵も住もうとしていると言う事は
女の勘で分かった。自分が眞一郎の心の中に住むことは絶対に無いという事も・・・

それでも、あさみは眞一郎に気づいて欲しくてキスをせがんだ。
それがあさみにもたらしたモノは、眞一郎に自分の初めてを捧げたいという、淡く儚い願い・・・
もしかすると眞一郎は拒むかもしれない・・・そう思いながら二人はあさみの家へ向かって歩き続けた。
手が触れそうで触れない距離を保ちながら・・・
それでもあさみはその自分と眞一郎との間にある見えない壁を乗り越えて
眞一郎の手を握る。

眞一郎は一瞬驚いた表情を見せたが、あさみの手を優しく握り返す。
そんなささやかな幸せをあさみは充分に感じていた。
731あさみの願い 9:2008/03/23(日) 21:39:03 ID:w8WsPguY
「ここが私の家。今日誰も居ないから気兼ねしないで入って!」
「へぇ・・・綺麗な家だな」
「仲上くんの家より狭いかもしれないけど・・・」
「そんな事無いよ。うちなんてボロだしな・・・」
「えーっ古い格式のある家って感じでいいじゃん」
「そうかな?」
「そうだよ」

「ちょっと待っててね。すぐ温まるから」
そういうとあさみはガスコンロに火をつけカレーを温めはじめる。
リビングにあるソファーに腰掛ける。
「女の子の家って緊張するなぁ」
「そんな事ないよ〜仲上くん意識しすぎ〜」
「緊張するもんなんだって!」

「出来たよー」
そういうとあさみはカレー皿に二人分のご飯を盛りつけ、カレーをかける。
そのカレーの横にはシチューもあった。
「シチューもあるのかよ・・・」
「うん・・・うちカレーの時にはシチューも作るんだ。ルーが違うだけだから簡単だよ?」
「そっか・・・でもシチューとカレーって合わないんじゃ?」
「そんな事無いよ!食べてみればわかるって!」
あさみは自分の家の食生活を眞一郎に強要する。
「わかったよ・・・食べるって」
「なら良い」
二人は向かい合わせでカレーとシチューを食べ始めた。
「ん?結構合うな・・・カレーとシチューって」
「でしょ?」
そんな他愛の無い会話でもあさみは擬似夫婦みたいで楽しかった。
732名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:05:24 ID:QB2n1Qh3
あさみの人キテター! 続きもwktkして待ちますぜい。
733名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:26:25 ID:ysVUCun7
あいちゃんのお話少ないね(´・ω・`)
734名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:55:02 ID:Yq2eBpsn
乃絵・・・
735名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:08:03 ID:KJU02sPn
>>731
続きwktk待ち
736名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:49:15 ID:qwuOtwD1
>>733
男「祭りにあいちゃんが出店しているとはな…ひとつ貰おうか」
ミヨキチ「はい、ありがとうございます!」
男「何だこれは! 皮は生焼け(中略)貴様に今川焼きを作る資格はないわ!」
ミヨキチ「申し訳ありません……」
男「先代が引退して孫が後を継いだと聞いていたがこの程度とはな」
眞一郎「ちょっと待てよ、おっさん!」
みよきち「お、おい。眞一郎止めてくれよ」
眞一郎「あいちゃんの後継者はここにいるミヨキチじゃねえよ」
男「ならばその後継者とやらを呼んでみろ。味見してやろう」

 _,,,,....-----、-‐‐‐-、
 =ニ_...,,__,..-‐'´‐‐--、 ヽ
    〈ェ  _,,ェェ,,冫/\ 冫
    /(・|,,  /・)> ヽ___ /
    /〈~、 '。゚, ̄i  `,r`i
    |::rニ、   /  ( /   <とぅるるるるー
    |::`こ'  /  /入|
    \__,,,.....,,,,_//|| |
     〕;;;;;;;;='´/|| || \
   _,..|| || || ||/||  \

愛子電話「あ、眞一郎……」
眞一郎「愛ちゃん、今」
愛子電話「ごめん、私まだ眞一郎と話す心構えが出来ていないの」
プツッツーツーツー
眞一郎「あ、あいちゃん もしもし、もしもし!」
男「どうした、早く後継者とやらを呼んでみんか」
眞一郎&ミヨキチ「…………」

続く?
737名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 01:17:14 ID:WV3iqZSR
>>724
俺も呪いをかけておく
頼むからヒマになっておくれ
738名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:33:56 ID:d0LRA7WY
みんな荒れまくってるけど、冷静になって見返すと見えてくるものがあるぞ
スレ違いだが、俺の見解は
眞一郎がちゃんとするってのは乃絵の件も含まれていてそれをまず優先させようと決めてしまった
比呂美はその眞一郎の行動に眞一郎はやっぱり乃絵のことが好きなんじゃないかと思ってしまうわけだ
眞一郎の心理描写を作劇上意図的にぼかしてるからそれを視聴者が見ると比呂美を蔑ろにして乃絵ばかり構ってる感じになって眞一郎は乃絵に心変わりしたんじゃね?という風に見える
どっちっくっつくかわからないようにするために意図的にやってる感じ
眞一郎が比呂美に踊り見る必要ないって言ったのはもしかすると約束を守って乃絵の為に踊る自分を比呂美に見せたくなかったんじゃと思ってる
もしそうだとしても眞一郎は不器用通り越してやっぱり少なからず駄目ではあるしスタッフは描写力不足かなとは思うが
もしかするとその辺は13話と合わせて見て初めて12話の眞一郎の心情が見えてくるといった演出じゃないかなと思った
口元だけ固定で映す描写とかで残酷さを強調する意味あんのか、と突っ込みたいが
これもミスリードだろう
739名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:34:46 ID:d0LRA7WY
眞一郎は眞一郎なりに比呂美を傷つけたくなくて嘘をついたけど、それは確かに視聴者にも比呂美にも酷く映ったよな
740名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:38:26 ID:d0LRA7WY
あと、眞一郎が乃絵に惹かれてると感じてる人は踊りの場面だけでなく「お前に見て欲しくてさあ」の嬉しそうな声調とかからそう思ってるところもあると思う
あれは乃絵が好きだからとかじゃなくて、眞一郎の純粋無垢な一面の現れだなーと俺は思った
眞一郎の、乃絵と共通する部分というか、よく言えばロマンチック、悪く言えば夢見がちで少し幼い面かな絵本を見て欲しい、喜んで貰いたいっていう純粋な気持ちから乃絵に対しては行動してるように見える
普通は喜んで貰いたいっていうのは恋愛感情なんだろうけど、眞一郎の場合は何か違う気がするんだよな
741名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:48:48 ID:uaAiiKUs
>>738-740
最終回見るまでは結論出すのは早いってのはみんな分かってきてる。
とりあえず本スレ行こうぜ。


今478Kまで行ってるみたいだけど、スレって500Kまでだっけ?
そろそろ次スレ必要か?
742名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 12:26:31 ID:WZrIuVfa
通例は480kb超えてから立てるね
次の投下後でいいんじゃない?
743名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 17:38:24 ID:y4CWbIm+
>>736の続きに期待、てゆーか続けてくれ
744涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:23:23 ID:jWhTG+Fp
「雷轟丸とじべたの物語、できた…」
「ありがとう、眞一郎」
乃絵はしっかりと目を見て、絵本を受け取る。
「俺は飛ぶことを決めた」
「…」
黙って眞一郎の言葉を待つ。
「誰からも逃げない、どんなに困難でも…。だから、言うぞ…。
 俺はこれ以上お前とは付き合えない」
「…」
それは自分でもわかっていた。
しかし、改めて眞一郎から言われた言葉は、深く心に突き刺さった。
絵本を抱く手に力が入る、指先が痺れていても気付かないくらいに。
足元がぐらつくような錯覚を覚えるが、何とかその場に踏みとどまった。
「俺にはずっと昔から好きだったやつがいる。
 今まで、逃げてきた。ちゃんと向き合わなかった。
 でも、もうそんな事はしたくない。だから、お前とは付き合えない」
「…」
それも分かっていた。
あの事故の時に"あれ"を見てから、不安に押しつぶされそうになった。
祭りでは直接その相手からも聞いた。何も言い返せなかった。
「乃絵を騙していたつもりは無いけど、結果的にそうなったかもしれない。
 だから、その絵本を描いた。踊りも本気だった。俺が飛ぶところを見せたいと思った。
 乃絵が信じてくれたから俺は飛べたんだと思う。
 それは俺からのお詫びと感謝だと思ってくれていい…」
それきり、眞一郎が黙った。
乃絵の手に、ぐぐぐっとさらに力が入る。震える口を開く。
「眞一郎、私も飛びたいと思ったわ…。眞一郎の気持ちが分かったから…。
 踊りを見て、眞一郎が飛んでるのを見て、私も飛びたいと思った…。
 でも、できなかったわ…。私、まだ、飛べないんだわ…。
 高いところなら、少しでも天空に近い所なら、
 眞一郎が見ているものが見えると思った…。
 見えないわ…、私には見えない…。私、飛べないんだわ…」
悲痛なまでの、叫びに似た細い声。
眞一郎が答える。
「俺は、乃絵が飛べないとは思わない」
「っ!」
その言葉に衝撃を受け、乃絵は目を見開いていた。
「乃絵は、誰の為に飛びたいんだ?」
「…」
「誰かの為に飛ぶのか? 自分の為、大切な人の為に飛ぶんじゃないのか?
 俺は…」
「待って!」
眞一郎の言葉を遮った。
745涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:23:46 ID:jWhTG+Fp
「私…、飛びたくない…。そんなことなら、飛びたくない…」
想いが溢れ出そうになる。祖母の顔が目に浮かんできた。
「だめだ!」
眞一郎が押し留めた。
「それじゃあ、飛べない。飛べないんだ…。
 怖がっていたら、何もできない。俺は自分の事を認めなかった。
 自分の力が足りないと思うのが怖かった。だから、一度雷轟丸は飛べなかった。
 でも、分かったんだ。力が無くても、届きそうになくても、飛ばなきゃだめなんだ。
 俺は…、俺と比呂美の為に飛ぶ。決めたんだ」
「ぐっ」
とうとう眞一郎はその言葉を声に出した。現実が乃絵の心に突き刺さる。
「乃絵は、自分と誰の為に飛ぶんだ?」
非情な言葉が乃絵を襲う。
「今、乃絵にとって大切な人は誰だ?」
 俺が飛ぶというのは、こういうことだったんだ。
 自分が何を言っているのか、分かっている。分かっていても言わなくてはならないんだ。
 乃絵…、涙って何だ?」
「…」
かつて、眞一郎に聞いた問いが、乃絵に返って来た。
「答えるんだ。涙って…何だ?」
「瞳の…洗浄と…保湿…」
聞き取ることが困難な程に小さい声が、乃絵の口から発せられた。
「乃絵…、自分に嘘はついちゃだめだ。それでは、飛べないんだ。
 本当に大切な人、いるはずなんだ…」
その時、眞一郎の目から一滴の涙が流れた。
「っ!」
乃絵はその美しい涙を見て衝撃を受けた。
「俺は…、俺が自分に嘘をついて、大切な人を泣かせたんだ…。
 何度も、何度も…。だから、もう嘘はつかない。自分の為にも、大切な人の為にも」
そう言った時、眞一郎の目から涙がもう一滴流れた。
「乃絵の大切な人、いるはずだ…」
「…」
言葉が出なかった、
「乃絵…、自分に嘘をつかないで大切な人のことを想うんだ…」
「もう、いいわ…。眞一郎…」
乃絵には、それ以上耐えられそうになかった。逃げたい、逃げたい。
「おばあちゃん…」
「いや!」
咄嗟に否定の言葉が出た。だが、眞一郎はその嘘を見抜いた。
「おばあちゃん、だろ?」
「いや!」
否定の言葉が全身を駆け抜ける。心が拒む。
746涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:24:06 ID:jWhTG+Fp
「認めなきゃだめだ」
「いや!」
乃絵の心が張り裂けそうになり、眞一郎へ怒りとして向けられた。
「そんなことを言う眞一郎なんて嫌い! さよならだわ!」
「乃絵っ!」
絵本を抱いたまま、乃絵は眞一郎に背中を向けて歩き出す。
「さよなら! 眞一郎! 湯浅比呂美と仲良くすればいいじゃない!」
自分を追い詰めるような言葉を発して、歩く速度を上げていった。

覚悟していたことではあったが、一人残された眞一郎は苦痛に満ちた表情で、
しばらくその場に立ち尽くしていた。

乃絵は、こんな時でも泣けない自分を責めながら歩いていた。
鶏小屋の前から逃げ出し、堤防にきた。
しばらく空を見上げた後、手に眞一郎から渡された絵本があることに気付いた。
ついさっき言われた言葉を思い出して、それを海へ投げそうになった。
「ぅ…」
投げることはできなかった。眞一郎が自分の為に書いた絵本。
大切にしたい気持ちと、それを忘れたい気持ちが乃絵の心で渦巻く。
眞一郎の言葉がよみがえる。
『嘘はつかない。自分の為にも、大切な人の為にも』
嘘だと思った。それは今の乃絵にはわからない言葉だった。
しかし、眞一郎の飛ぶ姿を見た後では、嘘だと思い続けることができない。
飛べない私に理解できない何かがあるの?
そんな言葉が浮かぶ。より一層胸が苦しくなる。
「ふふっ。でも、涙は出ないわ…」
泣けない自分をあざ笑うかのように呟いた。空を見上げる。
空には多くの雲が浮かんでいるが、青空も覗いていた。
眞一郎のことは今でも嫌いではない。そんな簡単に消えるような想いではなかった。

そして、あの涙を思い出す。
「眞一郎の涙は、やっぱり綺麗だったわ…」
自分の大切な人を想って流された涙。
それは乃絵にとって、まぶしくもあり、辛いものだった。

『そっとしておいて、私達…』
湯浅比呂美の涙を思い出す。

『お前の側にいることが、もう辛いんだ…』
兄の涙を思い出す。
747涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:24:31 ID:jWhTG+Fp
自分には流せない涙。それをあんなにも綺麗に流す眞一郎、湯浅比呂美、兄。
「私の大切な人…」
分からなかった。自分の大切な人は、眞一郎だと思っていた。
でも、泣けなかった。本当に大切だと思っていなかったのか?否定の言葉がよぎる。
「私の大切な人…」
乃絵の体から力が抜けていく。その場に崩れるようにして座り込んだ。
ごぉっ…、風が力の緩んだ手から、絵本を奪い取りそうになる。
「あっ!」
慌てて絵本を押さえる。風でページがめくれて、ある一枚の絵が目に飛び込んできた。
「雷轟丸が…飛んでる…」
それは、天空へ向って力強く飛び立っている絵だった。乃絵の心が震えた。

「お…ばあ…ちゃん…」

乃絵の口から呟くような声が出た。

「おばあ…ちゃん…」

今度は空を見上げて呟いた。

「おばあちゃん」

しっかりと声に力をこめた。

「おばあちゃん、会いたいわ…」

乃絵はまだ気付いていない、流れ始めた涙に。

「大好きな、大好きなおばあちゃん。私、寂しいんだわ…」

寂しい、その言葉を祖母の死以来で始めて声に出した。
自分を理解してくれた祖母の笑顔が浮かんでくる。

『乃絵は、泣き虫さんだからねぇ』

「おばあちゃん」
748涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:24:52 ID:jWhTG+Fp
乃絵はまだ空を見上げている。風が止んだ時、ある音が聞こえてきた。

  ぽっ…ぽっ…。

何の音かわからなかったが、襟の辺りから聞こえている。

  ぽっ…ぽっ…。

下を向いてその音の元を確認しようとした。

  ぽっ…ぽっ…。

コートに水滴が落ちていく。

  ぼっ…ぼっ…。

気が付くと、視界が歪んでいた。

「なみ…だ…」
749涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:25:12 ID:jWhTG+Fp
乃絵は自分が涙を流していることを初めて認識した。風が少し強くなった。
「ありがとう、眞一郎…」
涙を流しながら感謝の言葉。空を見上げる。
「おばあちゃん、私、大丈夫だから。今まで、ありがとう…」
自分を見守る祖母の姿が遠ざかる。最後にもう一度笑顔を見た気がした。
呪いなんて自分でも信じていないことを言った。
眞一郎の心に湯浅比呂美がいることに気付いても、自分に嘘をついた。
その度に祖母の写真に謝ってきた。
『乃絵、嘘ばかりついていると、本当の嘘つきになっちゃうよ?』
祖母の言葉がよみがえってきた。祖母がいないのに、いると思いたかった。
眞一郎に嘘をつかせようとした。
嘘が大嫌いだった自分が、一番嘘をついていた。だから、人の嘘を聞きたくなかったのだ。
「おばあちゃん、もう私嘘つかないわ。だから、大丈夫…」
涙が止まらない。
「私が嘘をついていたから、何も見えなかったんだわ…
 だから、前を向いただけでは飛べなかったんだわ…」
乃絵は呟く。やっと自分の心に向き合うことが出来た。
大切に思っている祖母、眞一郎、失いたくないと思った。それが嘘を呼んだのだ。
「私、眞一郎にいっぱい嘘をついたわ…。
 それなのに、私が飛べるはずだって言ってくれたんだわ…」
自分を理解してくれた祖母と眞一郎の顔が目に浮かぶ。
「おばあちゃん、眞一郎、大好き…」
言葉が風にかき消された。
「眞一郎ー!」
風に負けないように叫ぶ。
「ありがとーう!」
心から叫ぶ。涙は止まっていた。

嘘は必要無くなったが、祖母と眞一郎が失われたことは事実だ。
それを受け止め、しっかりと両足で立ち上がる。
前を見据えた瞳には確かな力が宿っていた。

「私、飛べたわ! 見た? おばあちゃん! おばぁ…」
今度は自分でも涙が溢れてくるのが分かった。
「あ…嬉しくて、涙が…」
乃絵の笑顔が陽の光に照らされた。手には絵本がある。
頭を振ると、風に流されて飛び散った涙の滴がきらきら光った。
「ふふふっ、とても綺麗な涙だわ…」
涙が止まった。ごしごしと子供の様な仕草で拭う。
「あははっ」
踊るようにステップを踏みながら、乃絵が歩いていく。
750涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:25:59 ID:jWhTG+Fp
       ・
       ・
       ・

−後日談−

「ホントかよー?」
「マジだって」
2年生のバッジをつけた男子生徒が、並んで1年生の教室に近づいてく。
「あれだろー?」
「ああ」
「最近も噂聞くけどよー」
「全部否定されたヤツな?」
「否定されて噂になるってのも、変だけどな?」
「まぁな。でもよ、見れば分かるって」
「それがイマイチ信用ならねんだよなー」
「今まで俺がそっちの話で、嘘言ったことねぇだろ?」
「………まぁ…な」
「だろ?」
「でもよー」
「おっ! 来たぜ」
「あ? ぇ…」
丁度教室から出てきた"噂の主"が見えた。どうやら、友達と一緒らしい。
声が近づいてくる。
「あははっ」
「あははっ」
「そうだっ、どうかな? さっきの?」
「止めてって、何回も言ったわ」
「みんなで決めたんだよ? カワイイじゃない?」
「今まで言われたことないわ」
「名前もいいと思うんだけど、そっちの方がそれらしいでしょ?」
「…よく分からない」
「だ・か・ら、決めたんでしょ? あきらめて?」
「ん゛〜ん゛」
「睨んでもダメよ? 怖くないし」
「ん゛っ」
「ぷぷ、面白い顔ぉ」
「あっ! それも失礼だわ!」
「だぁってぇ、自分で見たこと無いでしょ?」
「無い…」
「カワイイけど、面白いのよ〜。ぷぷっ」
「あっ! どうしてまた笑うの?」
「ごめ〜ん、思い出しちゃって―――」
楽しそうに話しながら、その女子生徒二人が遠ざかっていった。
笑ったり、少し怒って見せたり、拗ねたりと表情が豊か。
しかし、その可憐な顔にはあどけなさだけでなく、何か別の雰囲気も漂わせていた。
どうしても目が離せなくなる、何か。
751涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:26:33 ID:jWhTG+Fp
「な?」
「…あ…あぁ」
「納得できたか?」
「…まぁな」
「別の噂、知ってっか?」
「1年で今年の花形だったヤツと、一時期付き合ってた噂だよ」
「知ってる」
「ソイツは今、別の女だぜ?」
「は?」
「しかも、祭りの少し後で入れ替わりだそうだ」
「何だそれ?」
「ま、そっちは本題じゃねぇ。肝心なのはフリーだってことだな」
「そうだな…」
「でもよ、何人かトライしたらしいけどよ。瞬殺らしいぜ?」
「何でだよ?」
「好きな人がいるわ、だと」
「はぁ? フリーじゃねーだろ、それ」
「相手は今年の花形かって聞いたら…」
「ら?」
「ノー、だと」
「当然だわな」
「それが、そうでも無いらしくてな…」
「意味がワカラン」
「でな?―――」
その少女の噂話をしながら、自分達の教室に帰っていった。

「で、ど〜お? 今度の日曜?」
「行く! 絶対に行くわ!」
「そうくると思ったんだ〜」
「とっても楽しみだわ!」
両手を合わせて、笑顔で話す少女。
ある日からそれまでとは別人の様に朗らかな表情で登校し、あっという間に人気者になった。
瞳に宿る光、愛らしい顔と仕草。どれをとっても魅力的で周囲の視線を集めた。
まれに周囲を驚かせる言葉も、今ではその外見的な魅力とは別な地位を占めている。
いつも楽しそうに周りを笑顔にして、自分自身がその輪の中心にいた。
既に過去の噂をする者はいない、というよりも周りが積極的に否定したのだ。
少女が何も言わなくても、自然と悪い噂は消えていった。
その代わり否定されたということも噂になるくらい、注目を集めている。


幸せそうな少女の笑顔が、暖かな春を予感させるように咲いていた。


752名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:27:35 ID:jWhTG+Fp
乃絵主人公で書きました。自分ではこの流れでしか涙を引き出せなかったです。申し訳ない…
本編ではどのような涙を流すのでしょうね。もっと綺麗な話を期待してます

容量制限ですか…。ちゃんとした後の話の続きは次スレにしますね。24kbあるし
753名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:10:30 ID:y4CWbIm+
次スレ建てた

true tearsのエロ小説スレ エロい涙 2滴目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206364135/l50

754名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:26:49 ID:jWhTG+Fp
>>753
乙です
ここにできるだけ貼って、続きを次でいいですか?
それともまとめて次の方がいいですか?
755名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:34:00 ID:VbOMvV2h
さて、いい機会なんでちょっと進言
俺比呂美スレの保管庫wikiいじってる者なんですけど、
このままdat落ちさせて埋もれさせるには惜しい作品が多すぎると思うんです
つーわけで、こっちのスレの保管庫も作りたいんですけど、
如何でしょうか?
756名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:44:11 ID:Ekh/Wwpy
保管庫wktk
757名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:03:27 ID:17dQwNMc
保管庫、素晴らしい
是非お願いします。
758名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:07:24 ID:+UP52acA
>>755
是非ともお願いします!
759名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:11:03 ID:jWhTG+Fp
660-663の後ですが、貼る準備が完了
どうしましょう、次スレに全部でOKですか?
760名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:14:33 ID:dFqTeqmi
あと8kだ
761名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:16:10 ID:MP+Wk0uL
次スレに貼った方がいいよ
762名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:17:32 ID:DJPSv7j4
容量のこってるのを埋めるのはどうするんだ?
AAとか?
763名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:24:04 ID:jWhTG+Fp
貼りました
764名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:24:37 ID:VbOMvV2h
おk、了解しました。順次、保管庫に加えていこうと思います
765名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:18:57 ID:0Fce87Mr
鶏小屋で順と比呂美がセックスする話だれか書いてくださいませんか
766名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:09:52 ID:oMQfQMc7
>>743
続き?

眞一郎&ミヨキチ「…………」
眞一郎「……どうしよう」
ミヨキチ「……じゃあ、俺が電話してみるわ」
眞一郎「え、あ、うん、頼む」
愛子「事情は判った。私が本物のあいちゃんの味を魅せてあげるわ」
男「君がジョースターさんの本当の孫か……確かにエリナさんの面影があるな」

    §,; ________§; ,
  || §; /    § ヽ  ||
  |~~~§~     §'~~~~~~~|  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ____§/"""ヽ,§_____  | < ミヨキチ、火力が全然足りてないわ
  |__|///(§  §)ノ////|__|///\________
 ⊆___)///ゝ___§ノ/////(____⊇////
 ///////////////ジュ〜////////////
 /////////////////////////////

男「!?」
ミヨキチ「心配いらない。愛子はいつもああやって鉄板の温度を調べるんだ」
男「まさかアレは鉄板清浄赤音」
眞一郎「知っているのか、男?」
男「うむ、あれは古代中国の料理人劣海王が考え出した温度体感方法。
 長く鉄板料理に接してきたため、熱せられた鉄板を直で触っても平気な手となり、
 これで鉄板の温度を見極めることができると言うがまさかあの技の使い手が現代に居たとはな」

愛子「あいちゃん特製カレー丼風今川焼き。食べてみてよ」
通りすがりの双子料理人「カレー丼?ならウチらのも食べてもらおうか」
男「ふむ。それでは通りすがりから食させてもらおうか」
ttp://jp.youtube.com/watch?v=_MMNnozGxxI&feature=related

男[ご馳走様!」
767名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:28:26 ID:oMQfQMc7
改めて見ると酷いな……
真っ当なあいちゃん小説を書ける人がいたら頼む

出来れば眞一郎が乃絵とくっついてショックを受けたあいちゃんと比呂美が百合っているのを
768名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:35:40 ID:e4bt61zL
>>765

「比呂美ー!ここを開けてくれー!」
眞一郎が金網に指を食い込ませて、泣き叫ぶ。
「あっ・・・だ、ダメ!見ないでぇ・・・!」
比呂美の柔らかい乳房が金網に押し潰され、ひんやりとした鉄の感触で乳首が起ってしまう。
「そこで見届けるんだな・・・俺たちの子ができる瞬間を」
既に純は彼女の穴という穴、菊座、喉、鼻、耳、全身の肌に溢れる体液を注いでいる。
「も、もう・・・許して・・・お、おねがい、あっああ!」
最初は必死で抵抗した比呂美だったが、鍛え上げた純の体躯による、猛獣のような責めを
何時間も受け続けた今、ドーバー海峡を横断したかのようにグッタリとされるがままになっている。

「お、おねがい・・・比呂美だけは・・・助けてあげてぇ」
彼の足に、黒部朋与が息も絶え絶えとすがりつく。
その横には朋与をはじめとしたバスケ部の女子が、鶏の羽にまみれて捨て置かれている。
彼女たちの膣口は、溜めきれないとばかりに、純の精液が溢れ出て、
果敢な責めによって腰も立てずにいる。
「おまえらはラマーズ呼吸の練習でもしているんだな。俺の子種で、将来は石動NBAを作ってやる」
比呂美の菊座から肉棒をドロリ、と音をたてて抜き取ると、
今まで唯一蹂躙されていない場所にその凶器をロックオンする。
「お、お願い・・・お願いします。そこだけは・・・許してぇ」

眞一郎が骨まで金網を食い込ませながら、激しく揺らす。
「やめろぉおお!!殺す!そこだけは!絶対に!コロシテヤルゥゥゥ!!」
涙と涎でぐちゃぐちゃになって吼える眞一郎を笑う純。
「俺が死んだら、愛する女の子の父親を奪うことになるなぁ?おーひどい、ひどい」
ミチミチと音を立てて、いまだ衰えぬ剛直が比呂美の中に分け入ってくる。
馬のように漲ったそれのサイズに耐え切れず、入り口が裂けてしまう。
「いたいっ・・・い、痛いよぉ・・・・助けてぇ」
「なんだ初めてだったのか。良かったなぁ、俺のに慣れると他じゃ物足りなくなるぞ・・・さて、そぉれ!」

ドリルを打ち込むように、純の変幻自在なピストンが始まる。
「あっ・・・・あぁあっ!・・・・んっんん・・・だ、ダメぇ!」
荒波にさらわれるように、比呂美の腰が跳ね、乳房がブルンブルンと弾む。
それを繰り返すうち、いつしか比呂美から動きだすようになってしまう。
「比呂美・・・比呂美ぃ〜!」
「だ、ダメぇ・・・こんなのぉ、おかしいよぉ・・・。でも、・・・でもっ!」
とうとう純が寝転ぶように仰向けになって動かずとも、比呂美自ら快楽を貪ってしまう。
髪を振り乱し、弾粒の汗を散らせ、喘ぎ狂う様はデスメタルのロックバンドのボーカルより激しい。
「いいっ・・・・いいよぉ・・・オチンポ、キモチィイイイイイイイイ!!!」

カッと純が目を見開き、比呂美の腰をひっつかむと容赦ない突き上げを開始する。
「あ、あぁんっ!そ、そんなに、されたらぁ!絶対!絶対孕んじゃうぅ!妊娠しちゃうううぅぅぅぅ!!」
「いくぞおおおおおおっっ!!」
ドピュルビュププププビュウウウウウッッッ!!!
彼女の胎内で男根が爆発し、閃光のように白濁が注がれていく。
身も心も、未来さえ蹂躙された比呂美は雌としての喜びに打ち震えながら、ぐったりと純の胸板に倒れる。

「・・・ひ、ひろみ・・・・ひろ・・・みひ・・・ひひひ・・・」
愛するものの心も体も、思い出さえも奪われた眞一郎は、魂まで獲られてしまった。
涙も枯れ、悲しむことも忘れて放心する彼の顔に影が差す。
「大丈夫よ眞一郎。眞一郎ならまた飛べる・・・私とならきっと飛べるわ」
「・・・の、のえ・・・」
絶望の底でみた石動乃絵の姿はまさしく天使そのものだった。
769名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:29:44 ID:LOiFWaYF
>>768
結構好きだ
770名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 03:23:26 ID:B1xo00jZ
>>768
こ、これは・・・
4番はついに守護霊を交替したようだ
これで向かうところ敵なしだぜ
771名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 06:57:23 ID:0SVkVOT/
うまった?
772名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 20:03:14 ID:Pd1H2TSE
ある日の朋代 ある日の比呂美 シリーズの作者様
出来ましたら
>>560
以降の ある日の比呂美11〜 是非お願いします。
怒りの炎に身を焦がす比呂美とダメ坊ちゃんがどう向き
合うのか興味津々です。
773名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:06:56 ID:0Fce87Mr
>>768
765です!ありがとうございました!すごくよかったです(*^_^*)
774名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:16:43 ID:0Fce87Mr
>>768
石動NBAに噴いたw
775名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:24:08 ID:TYRBkDNg
まだかける
776朋与男:2008/03/25(火) 23:18:54 ID:K/4itQKM
>>772
ご要望ありがとうございます
申し訳ないのですが、「ある日の比呂美」は…全然すすんでません
今は自分の精神の安定を保つため、睡眠時間を削って「仮想最終回」を書いたりしてます
完全非エロなので、投下していいものか悩みますが
するとしたら「2滴目」の方になると思いますので、どうぞよろしく
777名無しさん@ピンキー
>>776
>>772ではありませんが、俺も期待してますよ
正直釣りのみに命賭けるスタッフよりTTファンのSS作家の人の方がキャラクターを幸せにしてくれそうだし