true tearsのエロ小説スレ エロい涙 1滴目

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1名無し募集中。。。
1月5日から放送が始まったtrue tearsの
エロ小説を書くスレです。
ストーリーは日本海側の北陸の富山県を舞台に
過去に受けた心の傷が原因でトラウマを抱えて
涙を流せなくなった一人の少女と主人公の少年との心の交流を描いた
恋愛アニメです。
作品のテーマは監督によると「涙」 「裏切り」だそうです。
あとストーリーは「泣ける」そうです。
2名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 17:14:34 ID:+0vdT23e
また鬱アニか・・・

しかもまた何でそんな影の薄い県が舞台・・・と、隣の県民が言ってみる。
3名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 18:08:38 ID:1Oj/D3W7
登場キャラクター

仲上 眞一郎:本編の主人公、絵本作家を目指している。
石動 乃絵 :心に傷を持っていて涙を流せなくなった少女。
       通称ニワトリ女。
湯浅 比呂美:主人公の幼なじみで主人公の家に同居している。
       容姿端麗で運動神経も抜群の優等生で学校では
       明るい少女、だが主人公の家では肩身が狭い
       らしくて暗く小さくなって口数も少なくまるで
       別人みたくなってしまう。
       彼女も心にトラウマを持っていて周囲にそれを
       隠して生活している。
安藤 愛子 :主人公の一つ年上の女友達。
野伏 三代吉:主人公の男友達。
4名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 18:19:40 ID:jSZJJo5a
5名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 19:33:17 ID:NbGx2dSx
朝食のシーンで比呂美の制服が
透けていくのがエロかった。
6名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 19:40:51 ID:I517BSz6
3人のヒロインのなかで主人公のことを
好きなのは比呂美?
7名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:58:47 ID:lOAYfJ4o
>>6
1話だけで判断すると

乃絵→しんちゃんを気に入りはじめてる?
比呂美→負い目を感じてる?
愛子→実は好き

では。
8名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 00:22:20 ID:g5K8oH+s
2話のタイトル「私、何がしたいの」を言うキャラは
予告では比呂美ぽいね。
9名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 00:30:11 ID:xbqdLdPV
比呂美のキャラが学校と家で変わりすぎw
最初の体育の走るシーンでは別人だと思った。
10名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 08:29:18 ID:mnImNl5i
このアニメからはいいエロスを感じる…書くか
11名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 18:46:21 ID:D/1Bj8lq
>>10
期待して待ってるぜ!
12名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 03:10:55 ID:cMFvW5xe
>>10
心眼を開眼する勢いで待ってる
13名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 10:14:12 ID:h1Wql3b/
ばっちこーい
14名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 15:04:45 ID:NVh0a904
>>3
おもいが比呂美のこと好きなのはよく分かった。
15名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 18:41:17 ID:6wYpYecQ
比呂美は主人公にむりやりエッチなことされても
「ごめんなさい!」とか言いそう。
なんかあるのかね?
16名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 01:12:30 ID:xzno/Lj2
公式の2話あらすじによると
「そんな乃絵と眞一郎の関係を比呂美は気になってしまう」
という部分がある。
17名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 18:35:52 ID:njWAuQlL
保守
18名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 18:57:34 ID:S7JyJwPI
乃絵に見せ付けるように眞一郎の世話を焼く比呂美が見たい


保守
19名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 00:19:45 ID:pIimIgvg
立てるの早すぎたんじゃね?
せめて4-5話ぐらいまでいかないと関係やら何やらを把握できないと思うぞw
20名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 00:31:03 ID:MNDaasmc
あれ? でも原作のゲームがあったのでは
自分はアニメ見て初めて知ったのでやったことはないですが
21名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 00:49:52 ID:lJoCfAGy
>>20
原作とアニメはまったく別
22名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 23:41:15 ID:iVY0dyjH
この作品、エロなくても面白そうね
三人の女の子の微妙な関係が

というわけで保守
23名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 15:01:06 ID:fIZbW1se
肩身の狭い思いをしている境遇も手伝って、比呂美は毎晩栗尾奈してるという設定で、そろそろ一本たのむ
24名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 23:11:39 ID:ba6snHOp
ポニテ
バスケ

…乙女?
25名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 02:46:17 ID:Z8PII+PM
今週は比呂美がキターーーーーーーーーーーーーーーーー!
微妙に黒かったね。
26名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 12:00:11 ID:p1XrEmM3
保守
27名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 21:45:22 ID:poObtX/1
そろそろなんか投下されねーかなぁ
28名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 22:28:08 ID:GLR5Y+ym
「ごめんなさい・・・」
比呂美は眞一郎に頭を下げる。
「何で比呂美が謝るんだ?
 俺は比呂美に頼まれたから、石動乃絵に話しつけただけで・・・」
「あの子に、「貴女、私のこと好きじゃないでしょ?」って見抜かれちゃった」
比呂美は今日石動乃絵との会話の事を眞一郎に伝える。
「あいつ・・・失礼なヤツだよな。比呂美とは初対面なのに。
 今度そういう事は言うなって言っとくよ」
「優しいね・・・眞一郎君」
比呂美は一瞬何かをためらったようだが、言葉を続ける
「私、ホントの事言うと、あの子好きじゃないの・・・」
「はぁ?」
眞一郎は言葉の真意を理解できなかった。
「眞一郎君が、あの子と仲良くするのがイヤなの」
「お前それ・・・どういう」
眞一郎の言葉の続きは、比呂美によって遮られた。
比呂美から眞一郎へのキスによって・・・

二人がキスを交わした時間はほんの一瞬だった。
けれど、眞一郎にはとても長い時間のように感じた。

「こういう意味だから・・・」
そう言うと比呂美は小走りに自分の部屋へと入っていった。

「比呂美・・・」

眞一郎は突然の出来事に頭の中で理解できないままその場に立ち尽くしていた。




とりあえず、2話まで見た中で、エロ導入部だけ考えてみた。
続くかもしれないし続かないかもしれない。
29名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 23:14:35 ID:iuWvmJXk
>>28
超GJ!!!
眞一郎×比呂美派な俺にとって満足すぐる
無理には言わんが続きを期待して待っている
30名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 23:28:17 ID:C3W2lvzi
やれやれ……真夜中の今から全裸で待機しろというのか

望むところだ>>28
31名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 00:21:39 ID:KostuWNF
この情報量が少ない時点でSS書くとはなかなかの勇者だな>>28

とりあえず乙なんだぜ
がんばってくれ
32名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 00:54:05 ID:vsJQqugW
ハーフ勃起した
33私・・・ナニがしたいの・・・:2008/01/15(火) 01:14:29 ID:RM4lTt2a
「ただいま」
仲上眞一郎は玄関の鍵を開け家人に声をかけたが返事はない。
この時間父は仕事で家を空けており、居候の湯浅比呂美も部活のため帰宅部の眞一郎より遅く帰ってくるのが常であった。
だが今日は母もいないらしい。
買い物が長引いているのか、あるいは町内会の会合にでも出ているのか。
それは眞一郎にとってどうでもよいことだった。
思春期を迎え母親の過度な愛情が煩わしく感じられている彼にしてみれば、むしろ好都合だ。
「ふぅ―――」
小さく息を吐く。
季節は春だというのに今日はやけに暑い。
ふと、シャワーでも浴びようかと思い立った。


誰もいない脱衣所に入る。
ワイシャツを脱ぎ捨てそれをカゴの中に入れようとして、眞一郎の動きが止まった。
脱衣カゴの中には家族の昨日の洗濯物が入っていた。
昨日最後に入浴したのは湯浅比呂美だった。
居候の身の少女の入浴はいつも一番後で、他の人の垢の浮いた湯船に浸かっていた。
別に強要されたわけではないが、それはいつの間にか決められていた暗黙のルールであった。
そのため今一番上にあるのは比呂美が昨晩脱ぎ捨てた衣類であった。
「ごくっ・・・」
喉が鳴った。
その誘惑に勝てる者が果たしているであろうか?
眞一郎は小さく呻くとすぐに目当てのものを探り出した。
白地に青のストライプの入った、同級生の美少女の下着である。
それは童貞少年の理性をたやすく焼き切ったのだった。
34私・・・ナニがしたいの・・・:2008/01/15(火) 01:15:34 ID:RM4lTt2a
ベルトを外すのももどかしい。
眞一郎はズボンのチャックを降ろして、そこから既にこれ以上ないほどにいきり勃っていた己の性器を取り出した。
それから両手で比呂美の下着を広げてみる。
するとクロッチのところにべっとりと汚れがこべり付いているのが見て取れた。
その汚れはやや黒ずんだ黄色で、クロッチの白地によく映えていた。
顔を近づけて臭いを嗅いでみる。
鼻に、ツーンと来る刺激臭は薄いアンモニアの臭いなのであろうか。
いや、それだけではない。
間近でよくみると明らかに尿とは違う排泄物によって付いたであろう茶色い染みもあった。
(信じられない・・・コレ、これ、あの湯浅比呂美の・・・・・・)
いくら容姿端麗、運動神経抜群の優等生といえども人間である。
決して女神ではない。
食事だって取るし排泄だってするであろう。
それくらい頭では理解出来ているが、その臭いはただただ生々しかった。
再び鼻から息を吸い込む。
(あんなにキレイな顔してるのに、こんなにクサイのしてるのか・・・!)
それはある種の感動ですらあった。
そこで眞一郎はその臭いが尿と便以外にも構成要素を持っていることに気がついた。
うっすらと匂い立つ男を悦ばせる匂い。
湯浅比呂美の汗のにおいであった。
この連日の暑さに加えて比呂美はバスケ部である。
通気性のよくないブルマの中はサウナ状態で、少女が滝のように分泌した健康的な汗をその下着は余すことなく吸い込んでいたのだった。
もはや臭いを嗅ぐだけでは満足の出来ない眞一郎は汚れたクロッチに舌を這わせその味を確かめてみる。
わずかに舌先に感じるザラザラとした感触と苦味。
その味をオカズに少年は夢中で右手を動かしていた。
35私・・・ナニがしたいの・・・:2008/01/15(火) 01:16:19 ID:RM4lTt2a
「ただいま」
玄関を開けて湯浅比呂美は家人に声をかけたが返事はない。
今日は所属するバスケ部がミーティングだけだったのでいつもより大分早く帰って来たのだが、帰宅部の仲上眞一郎は自分よりも先に帰ってきているはずである。
鍵も開いているし靴もある。
「眞一郎くん・・・?」
風呂場のほうで人の気配がした。
不審に思った比呂美は風呂場に赴き、その扉を開けた。

その時の驚きはどちらが上であったか。
目の前の眞一郎は今まさに射精する瞬間であった。
口元に布切れが当てられている。
その縞模様からそれが自分の使用済みかつ洗濯前の下着であると聡い少女はすぐに気が付いてしまった。
眞一郎は驚きのあまり眼を大きく見開きながら、よほど動転していたのか突然の闖入者のほうへと向き直ってしまったのであった。
その瞬間射精が始まった。
結果、鈴口から発射された大量の白濁粘液は立ち尽くす比呂美に降り注いだのであった。

深く、重い沈黙が場を支配する。
比呂美は男性経験こそないが、今の眞一郎の行為の意味がわかるくらいには大人であった。
その沈黙を破ったのは眞一郎の方であった。
「あ、あのっ、その、ゴメン・・・!!」
やっとの思いでそれだけ言うと眞一郎は比呂美の脇を通り過ぎ、脱衣所を後にする。
後には制服を精液で汚され呆然と立ち尽くす比呂美が残された。

「・・・・・・眞一郎くん、あんなことしてたんだ」
年頃の少年が皆自慰行為に耽るという事は知っていた。
だから眞一郎もまたそういうことをしているのではないかとは思っていた。
だがそれはあくまで本やビデオなどを用いてのことであり、まさか自分の下着を使ってなど慮外千万であった。
しかし自分がそういった対象になったことをおぞましく思う反面、誇らしくもあった。
それは眞一郎が自分を異性として魅力的に感じているが故の行為であるのだから。
そう思うと比呂美の背筋に熱い震えが走った。
色白の頬が朱に染まる。
制服に飛ばされたばかりで生暖かい精液を左手の人差し指で拭い、その匂いを嗅いでみる。
「・・・・・・・すぅ――――」
よく栗の花の匂いに例えられるが、そもそもそんな匂いを知らない比呂美にはそんな例えは思いつかない。
「なんか、不思議な匂い・・・」
青臭いような、生臭いような、少なくてもいい匂いではないであろう
しかしそれは少女の子宮を疼かせる匂いであった。
――――――――ドクン――――――――
下腹部が熱く脈打った。
その疼きを抑えるために、本能の赴くままに比呂美の右手は下腹部へと伸びていくのだった。
36私・・・ナニがしたいの・・・:2008/01/15(火) 01:17:07 ID:RM4lTt2a
少女の指が下着の上から肉の割れ目をなぞった。
「んっ・・・」
それだけで思わず声が漏れる。
比呂美にとってそれは未知の感覚だったのである。
多感な時期に両親を失い、その後複雑な家庭環境で強いストレスに晒されていた彼女は、そういった行為をするだけの心理的余裕を失っていたのだった。
鼻の穴を広げ精液の匂いを胸いっぱいに吸い込みながら、指の上下運動を激しくしていく。
(眞一郎くんも、さっきまで、ここで、こんな風に、してたのかな・・・?)
早くも股間からくちゅくちゅと音が立ち始める。
(私の下着の、臭い嗅いで・・・全部知られ、ちゃったのかな、汚いのとか・・・)
そう考えると羞恥に全身が熱くなる。
(嫌われ、ないかな、眞一郎くんに・・・)
ぴったりと閉じていた秘裂ははしたなく綻び始め、肉穴は開閉を繰り返し、そこは生まれて初めて男を受け入れることが出来る状態になりつつある。
(ああ、でも、こんなに精液、出してたって、ことは・・・)
右手はそのままに左手で再び制服にかけられた精液を拭いとる。
(興奮、してくれてたの、かしら・・・?)
もしそうならそれは比呂美にとって恥ずかしくも悦ばしいことであった。
自分の最も汚いモノまで愛されているというのであるから。
若い雄が比呂美の制服に飛ばした精液の量は尋常ではない。
そしてそれは既に制服に染み込みはじめていた。
(明日、これ着て、学校行かなくちゃ、いけないのに・・・)
そう、彼女は制服を汚してしまったからといってすぐにクリーニングに出したり出来る環境にない。
明日もこの精液の染み込んだ制服に身を包んで登校しなくてはならないのだ。
そう考えるとますます少女の官能の炎は燃え上がっていく。
(みんなに、気付かれちゃうかも、この匂い・・・!)
精液の匂いを撒き散らして晒し者にされる自分の姿を想像して、比呂美はゾクゾクと背筋を震わせた。
それは比呂美が優等生の仮面の下に隠し持っている破滅願望からくるカタルシス。
(そうなったら、眞一郎くん、どんな顔、するんだろう・・・?)
呆れるのか、軽蔑するのか、罪の意識を感じるのか・・・・・・はたまた悦ぶのか。
(見てみたい・・・かも!)
37私・・・ナニがしたいの・・・:2008/01/15(火) 01:17:59 ID:RM4lTt2a
激しく動いていた比呂美の指がクリトリスを掠めた。
「あううっ!!」
今まで以上の快感に少女は戸惑った。
(何今の・・・)
恐る恐る指をちょこんと勃起した肉真珠にあてがう。
「ひゃああ!」
スポーツで引き締まった尻肉がきゅっとさらに引き締まる。
(なにこれ・・・こんなのが、私の身体にあったんだ)
自分の身体に新たに発見した極上の性感帯いじりに耽溺していく比呂美。
「あああ、んは、き、きもちいい・・・!!」
唇を噛み締めて声を抑えようとするが、それでも快感にあえぐ声は漏れ出し脱衣所に響き渡る。
はしたない女性器からこぼれだした淫液は下着では吸収しきれずに、比呂美の引き締まった太股に幾筋もの輝く道を描く。
「ふぅん、んちゅ、ちゅる・・・!」
左手についていた精液、それを唇を窄めて啜ってみる。
(に、苦い・・・?変な味、でも・・・うれしい・・・!!)
自分の体内に眞一郎の精液を取り込むという行為は彼との擬似的な性行為であり、比呂美の心をときめかせた。
「眞一郎くん、あああ、なんか、くる、あああああん!!」
なおも執拗なクリトリスいじりを続けていた比呂美の身体がガクガクと痙攣し始める。
背筋をピンと反らし、腰を激しく脈打たせ、下着をつけたまま尿道から大量の蜜を迸らせる。
暴力的なほど快感がクリトリスから背骨を昇りあがって比呂美の脳内で炸裂する。
(すごい・・・きもちいい・・・しらなかった・・・眞一郎くん・・・)
生まれて始めての絶頂はあまりに鮮烈で、それは優等生だった少女の脳髄に刻み込まれ、精神の一部をも塗り替えた。
(こんな気持ちいいことなら、眞一郎くんがしちゃうのも、無理ないわね・・・)
比呂美の下着の臭いを嗅ぎながら必死に性器をしごいていた眞一郎の姿を思い出す。
それは滑稽でありながらも愛らしい姿だった。
(このパンツあげたら、喜んでくれるのかな・・・?)
激しいオナニーの結果淫蜜でぐちょぐちょになった下着を指で弄びながらそんなことを考える。
それはそれで自分も嬉しいかもしれない。でも・・・
(でも・・・できることなら私と)
そこで比呂美はようやく自分の気持ちに気が付いた。
(そっか・・・私・・・ナニがしたいんだ・・・眞一郎くんと)
比呂美の顔に笑みが浮かぶ。そして一筋の涙が頬を濡らした。
それは少女から女になろうという、晴れやかな涙だった。
38私・・・ナニがしたいの・・・:2008/01/15(火) 01:18:55 ID:RM4lTt2a
一方、自室に逃げ帰った眞一郎は頭から布団をかぶり、泣いた。
泣いた。
ただただ泣いた。
自分など消えてしまえ、こんな愚かな自分など消えてしまえと、心の底から涙した。
それもまた少年の真実の涙であった。
39あとがき:2008/01/15(火) 01:19:41 ID:RM4lTt2a
まだアニメも始まったばかりですが、比呂美があまりにも可愛かったので短いですが書いてみました。
監督曰く「一つ屋根の下のお約束は守る」「涙がテーマ」らしいので今後こんな展開もあるんじゃないかなと思います。
比呂美が眞一郎の使用済みティシュを使っているところを本人に見られてしまう、という逆の展開もありだと思いますが。

それでは失礼いたします。
40名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 01:25:41 ID:4KKrJHxI
おお、一発目GJ!
これを皮切りにどんどん投稿されればいいなぁ
確かにまだアニメ始まったばかりだけど
41名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 01:28:55 ID:gC1I9t+d
GJ
是非また書いてくれ
42名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 01:29:07 ID:6eKRx3fD
乃絵が持ってた小ビンは涙を集めるためのものではなく
女の子の愛液集めるためのものみたいな話じゃないの
43名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 01:47:50 ID:8iDkgWFE
それなんてエロゲ
44名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 02:43:36 ID:4IYIlYOV
GJ!
勃起したw
45名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 15:59:10 ID:nqJ08g9B
比呂美が家で小さくなってるのは、
毎夜のように親父や使用人の性欲処理させられて居る。





と妄想したw
46名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 21:16:36 ID:Gp7ZtjHP
ちょwwwwwwwもうエロゲ化するしかない
47>>28続き:2008/01/15(火) 22:45:53 ID:EHBn3rS+
その夜、比呂美は夕飯の席に姿を見せなかった。
さっきのキスが気がかりではあったが、両親の前で比呂美に真意を聞くわけにはいかない。
正直なところ、夕飯を食べる気すら起きていない。
自分でも頭の中が半ばパニック状態になっていて食事自体喉を通るのにも一苦労だった。
そんな中、父親が眞一郎に声をかけた。

「眞一郎、明日なんだが父さん達組合の旅行で温泉に行って来る」
「へ?」
「眞ちゃん・・・言ってあったでしょ?今度の土日組合の旅行だって」
「日曜日の夜には帰ってくるから、家の事よろしく頼むわね」

母も父の言葉に続いた。
二人の言葉が、眞一郎に重くのしかかる。
旅行自体が問題なのではない。両親は日々忙しく仕事をしているので、たまには温泉で
のんびりしてきて欲しいと思う。
ただ、今の自分と比呂美の関係で土日の二日間を二人きりで過ごすとなると話は別だ。
第一、自分でもどう接していいか分からない。

何とか、夕飯を胃の中に流し込むと、眞一郎は席を立った。

「ごちそうさま」
「眞ちゃん、部屋に戻る前に、あの子にもご飯食べるように伝えて頂戴」
「分かった」

正直、今、比呂美と顔を合わせたくは無かったが、部屋のドア越しなら大丈夫だろうと、
眞一郎は、比呂美の部屋の前に立ちノックをしようとした。
48>>47続き:2008/01/15(火) 22:46:56 ID:EHBn3rS+
「んっ・・・あっ」
ノックをしようとした比呂美の部屋から、声が漏れてきた。
眞一郎は慌てて息を潜める。
仲上の家は古い旧家と言ってもいいくらい家の老朽化が進んでいて立て付けも悪くなっている。
その為、部屋のドアも若干ではあるが隙間がある。
その隙間から比呂美の部屋をそっと覗き見る。
すると部屋のベッドで比呂美が自慰をしていた。
「し・・ん・・・いち・・・ろうくぅん・・・」
お世辞にも大きいとは言えないが、十分に張りのある胸を晒け出し、
バスケで鍛えられた魅力的な肢体を自分の指で弄っていた。

真面目な比呂美が行っている光景に眞一郎は驚いた。
「まさか・・・比呂美が・・・オ○ニーを?」
眞一郎が驚いている間にも、比呂美の指は的確に快感のツボを捕らえ続ける。
もう下着越しとは言えども比呂美の蜜液によって下着はぐしょぐしょに濡れ
下着としての機能を果たしていない。
隙間越しとは言え眞一郎の目にうっすらと比呂美のあそこの形がわかるくらい透けている。
「あっ・・・んっ・・・すきぃ・・・好きなのぉ・・・」
左手はピンク色の乳首に、右手は下着越しにクリ○リスを弄る。
「あっ・・あんっ・・くぅ・・・」
眞一郎は、決して比呂美に気づかれないよう、息をのみながら比呂美の行為の一部始終を
見続ける。
「あっあっあんっ・・・あっ・・・」
比呂美の喘ぎ声の間隔が短くなる。絶頂が近いんだろう。
「あっ・・・んぅ・・・あっ・・・・あぁぁぁぁぁぁっ!!」
「はぁ・・・はぁ・・・」

荒い息をしながら余韻に浸る比呂美を眞一郎はただ呆然とドアの隙間から見つめていた。
49名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 00:41:54 ID:eWMZhfN3
>>47-48
GJ!
やっぱ比呂美は居候っていうポジション上エロネタが作りやすいのかな
50名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 00:49:52 ID:zOshuUfV
>>48
GJ!
続きを期待して待ってる。
51名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 02:08:29 ID:Wp1lCkH3
>>49
2話まで見た分じゃ、乃絵よりもしっかりしたベースがあるからな。

幼馴染み、眞一郎と同居。しかも、眞一郎の事が好きだけど自分でもお世話になってる手前、
遠慮がちになってるって感じかな?

今の段階で眞一郎×乃絵を比呂美を絡ませないで書けるヤツが居たらすげーと思う
52名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 11:22:42 ID:rPPr72lP
>>51
乃絵もあのままだと思うよ
感性がちがったり、ちがう世界をもってる子みたいな感じだからエロにはしづらいよな

愛子は眞一郎に気にかけながらも三代吉にやられちゃうとか
三代吉と付き合ってるのに眞一郎にやられちゃうとかいけそうだけど
まあ愛子の描写は三話が多そうだけど
53名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 12:20:07 ID:agmv3F+w
乃絵は芸術家タイプの人間なんだろう。
感性が他の人と違ってて、人を見抜く眼力のようなモノがあるように見える。
ただ、その分一般常識に欠けるところがあるのかな?と思う。

だから学校でも平気で眞一郎とやっちゃうなんて事も出来そうだな。
それを比呂美が目撃してデバガメオナとかw
54名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 20:56:31 ID:h7VxM0Rr
乃絵で書こうにもちいと情報が少ないな
うちの地方は2話これからなので見て書いてみるとするか
55名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 19:26:28 ID:JTzeBEyU
黒比呂美×眞一郎が読みたい。
56名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 21:53:26 ID:ra+PsL3C
比呂美に眞一郎が逆レイプされるのが読みたいなw
57名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 10:06:59 ID:unZQBz7f
富山県民の俺が来たんだが
海にゴミが少ないってことは黒部じゃなくて氷見?
58名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 12:37:38 ID:Bv74vMfZ
日本では成人と同時に飲酒も喫煙も可能になるけど、国によってはまちまちなんだっけ?
59名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 12:38:44 ID:Bv74vMfZ
ごめん、誤爆
60名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 04:35:59 ID:Bfqh/reb
保守
61名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 21:11:15 ID:8GrRmtfP
愛ちゃんお当番回であろう今夜以降に、神降臨を期待
62名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 00:53:42 ID:SNJbc/KZ
もうすぐ開始。
63名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 01:48:10 ID:qoSGBHV3
愛子は眞一郎に近づくために
とりあえず友人の彼女になったぽいね。
あと比呂美は最後のシーンは
「うそ? 聞かれちゃった?」みたいな表情してたから
あれは友人をごまかすための発言ぽいね。
64名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 03:19:01 ID:7sOMl6rb
5話のタイトルからして
今回の発言を聞いた眞一郎が野絵兄と比呂美を
くっつかせようといろいろおっせかいして
それにたいして怒った比呂美がタイトルのセリフを
言いそうだ。
65名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 09:56:57 ID:AZIITUcr
比呂美が誰とくっつくのかはわからんが
三代吉とくっつくのは絶対に許さん!

これだけはガチw
66名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 11:37:49 ID:hTI6NKSE
愛ちゃんはずっと内に溜め込んでるな。登場時間が少ないし、まだSSにはしにくいか・・・
67名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 11:41:02 ID:NOX7P1Eu
三代吉はいいやつなはず
愛ちゃんは最後には三代吉にいくんだろうな
SSでは眞一郎との絡みを希望するけどなw
68名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 12:54:40 ID:58rzH50X
今回の3話は小説書くためのネタがいろいろと
豊富だね。
次回予告で眞一郎は比呂美を避けていくみたいだし
あと乃絵兄から妹とつき合ってくれとか言われるし。
69名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 13:37:20 ID:ne2j0q8K
比呂美のあの発言でとうぶん眞一郎×比呂美は
なくなったな。
逆に比呂美は眞一郎への思いを諦めようとして
乃絵兄と付き合いはじめてそれで処女を奪われて
その時になって自分のやってきたことに後悔して絶望する
という話はありそう。
70名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 19:35:33 ID:2aosOji3
>>37
>(そっか・・・私・・・ナニがしたいんだ・・・眞一郎くんと)

これはなんか色々駄目だろwwwwww
71名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 21:36:07 ID:N6Yy5awT
愛ちゃんは強気で迫れば簡単におちそうな気はする、いろんな意味で
72名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 02:09:03 ID:iLu5WVad
>>63
いや初めはそこまで意識してないと思うんだけどな
普通に三代吉はいいやつっぽいし
眞一郎を諦めるためとかそんなんじゃね?
であの瞬間に無意識に眞一郎に近づくために付き合ってるんじゃないかって気付いたって感じ
ってまあ俺の解釈なんだけどw
73名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 18:38:55 ID:Chy6OsLu
保守
74名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 01:19:00 ID:EUCiSDpi
期待age
75名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 02:02:57 ID:UP+kPKT5
>>69
さすがに本編でそこまでやらないだろ
むしろあの展開で最後にくっつく可能性が上がったと思う
76名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 02:30:50 ID:g8H7VKle
本編では不可能でもエロパロなら出来る
というわけで


「嘘だろ」
「え、嘘って…ひゃあああん!」
「お前仲上眞一郎に嘘ついただろ」
「ど、どうして、そんなことっ、はっあはあっ」
「だってお前俺のこと好きじゃない」
「あっあっあっ、…んっ、はぁぁいやっ」
「安心しろよ、俺怒ってないから」

みたいなのキボン
77名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 07:50:11 ID:PruAw2UG
個人としては、純愛好き
78名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 09:58:16 ID:j031XyXp
シンイチロウ×ヒロミの純愛系がみたい
79名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 10:28:12 ID:EOH9GML2
>>39
GJ!!
逆バージョンも期待してます
80名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 10:44:23 ID:9m7yRcxB
エロパロ板 過去ログ倉庫
http://ninjax.dreamhosters.com/eroparo/
81名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 06:10:39 ID:o3q2eDzM
保守
82名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 09:48:28 ID:k4G6WsEy
保守
83名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 17:47:58 ID:zm7VCFqp
4話wktk
84名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 00:27:08 ID:uqHoIuhr
エロパロ板 過去ログ倉庫
http://ninjax.dreamhosters.com/ascii2d/
85名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 06:07:53 ID:L7oHolLN
保守
86名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 11:01:43 ID:8gMiv/Td
比呂美が母親に援交を強要される妄想で抜きました
縞ぱんの中にちんこ突っ込まれて射精されるとか
精液の染み付いた下着越しにマンコ弄られるとかたまらないよね
87名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 12:25:19 ID:XKV2Ol6C
確かに比呂美が性的虐待をうけるのはいいな
88名無しさん@ピンキー :2008/01/25(金) 12:39:50 ID:dHLvkvDw
むしろ逆がいい。

毎夜毎夜、ドSの本性むき出しにした比呂美はママンに
「実の息子に色目使うこの変態色ボケババア!
使い古されたてめえの腐れマンコなんざ、これで慰めてろ。」
と、徳利を出し入れする。そしてママンの顔面に騎乗し
「しっかりご奉仕しな。私をちゃんと満足させないとお前の
大事な息子も一緒に調教するからな。」と言い放ち、クンニ
を強要する。ママンは顔じゅうが比呂美の愛液まみれになり
ながら乱暴な徳利の律動で強制的にイカされてしまう。

日中は、比呂美をつい熱い眼差し見つめてしまいそうになる
ので、ママンはそれを隠すために冷たく接している。
89名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:23:06 ID:8gMiv/Td
「世話してやってるんだから生活費ぐらい稼ぎなさいよ」
みたいな感じで援交強要されて最初は少し反抗するんだけど
怒鳴られたり弱み握られてたりでずるずる

処女のままいろいろ仕込まれて
後戻りできない変態になってから開通

で最後は眞一郎にバレて錯乱
母親と援交相手殺した後、眞一郎に抱きしめられたまま心中END
90名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 23:04:52 ID:oN1nNafp
保守
91名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 07:39:36 ID:8kWD8/Nc
暗いなぁ、、、
92名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 14:24:02 ID:axVDseHM
俺は後半あの小坊主がブレイクするのではないかとにらんでいる(無論誠的な意味で)
あの「主人公の真似をする」ってキャラ付けが鍵だな
キャラ付けでいえば親友?の「拾い食い」もあいちゃんを拾い食いしたって風に考えられる
お口あ〜んにも応じてたから「付き合ってるんだからいいだろ」とばかりに迫ればカラダを許しちゃいそうだな。

エロパロ的には父親のひろみんへの態度も気になるな。ひろみんにカラダで懐柔されてそうな予感w
93名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 00:38:51 ID:nkbHzljf
慎一郎涙目w
94名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 00:40:42 ID:nkbHzljf
×慎
○眞
95名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 02:06:14 ID:6F4iKW2r
次回予告で比呂美が部屋に来た眞一郎にたいして
「そんなこと言うためにこの部屋に入ったの?」と言って
少しニヤと薄笑いしてたみたいだから
比呂美は次回から黒化していきそうな予感。
96名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 02:18:30 ID:kipmM4GY
愛ちゃんのあれほどのえちぃ体型と悩める乙女な気持ちが生きるSSの投下に期待
97名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 13:31:36 ID:2GJxFXHb
ヤンデレ黒化した比呂美が眞一郎を
逆レイプする黒比呂美×眞一郎の小説投下を希望。
98名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 14:13:31 ID:23Jo7ogX
でも実際ひろみに対してあいちゃんにしたことと同じ失敗を繰り返そうとしてるわけだしな
主人公が失敗だと気付いてないのが問題 来週指摘されて、あいちゃんのことにさかのぼって後悔するのかも
99名無しさん@ピンキー :2008/01/27(日) 15:29:43 ID:csVHT//I
ボタンをかけちがえたのは比呂美なのだから
比呂美が一度ほどくしかないんだと思うけど
100名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 18:35:51 ID:biaZah+Y
考察は本スレでやった方が…
101名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 18:37:05 ID:jUk4p02a
本スレでは真面目に考察してるが
裏でエロネタ考えてる俺w
102名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 18:43:56 ID:R78LM0XT
乃絵ちゃん病気や異母兄妹の話題がうざくて本スレはもう行かない事にしたよw
103名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 20:37:21 ID:biaZah+Y
じゃあアニサロのバレスレでやれ
104名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 23:19:08 ID:9/JeLQhc
愛ちゃんオナヌーSSマダー(AAry
105名無しさん@ピンキー :2008/01/27(日) 23:46:00 ID:csVHT//I
>>102
そんなこと言わずに一緒に軌道修正してくれよ。
106名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 00:32:06 ID:5C7ZpluJ
眞一郎みたいな立場になってみたいものだ
107名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 00:41:25 ID:cWWNVRiQ
最終話が終わったら書けるんだけどな〜
主人公×比呂美を書きたいけど、本編で悲しいことにならんきゃいいのにな
108名無しさん@ピンキー :2008/01/28(月) 01:18:14 ID:C7EfIMTt
・眞一郎の部屋に夜這いをかける比呂美
・その逆

は今の時点で書けるだろう。
109名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 06:08:31 ID:JR9XvnFl
陵辱物でもいいですか
110名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 07:01:28 ID:RISeaAwH
>>109
何でもいいと思う
そもそも、ちーともエロ小説スレになっていないし
いまのところ
111名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 18:57:11 ID:BD6NEzGZ
>>109
OK!
112名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 06:22:02 ID:UjhMUtnR
期待!
113名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 18:56:00 ID:gNenjfDr
保守
114名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 19:17:57 ID:Y7SoL0c8
>>76
いいなぁー
石動兄と比呂美の読んでみたい

本編は眞一郎とくっついて欲しいけどさ
115名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:08:12 ID:OlYDnE+P
やっぱり眞一郎×比呂美がいいな…
116名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 02:53:33 ID:ejUlfAGP
気持ちが抑えきれなくなった愛ちゃんがコーラに睡眠薬を入れて・・・
って夢を見た
117名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 05:50:30 ID:flhssbQQ
あいちゃんが一番エロイな見た目は
118名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 09:53:45 ID:FaeyA7nE
比呂美だろ 一番エロイのは
119名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 14:54:36 ID:Bs0dsdPx
ここはあえて石動兄×乃絵で。
120名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 15:29:34 ID:0WniGa7J
仲上ママ×眞一郎でお願い
121名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 23:40:55 ID:fjreuSNt
保守
122名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 17:45:48 ID:EFffMzum
眞一郎×愛ちゃんの濃厚なやつを頼む
123名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 14:06:02 ID:DAnLNnM9
エロ小説はいずこに?
124名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 19:41:26 ID:SPzxojtn
保守
125名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 11:44:22 ID:f/7ClKqt
本編は人気あるのに
ここは過疎ってんな〜。
126名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 11:52:45 ID:9YSzlf4H
すげえ書きにくいんだよな…
それぞれのキャラがどこか表に出してない部分があって、しかもそれがコアな部分だからな
127名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 11:55:44 ID:aSYpi/RG
逆にコアな部分が暴露された時、滝を切ったようにえちSSが溢れてくるんじゃないか
128名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 12:04:08 ID:1vQOM99c
>>127
堰を切ったじゃなくて?
129名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 12:52:48 ID:p78STttJ
滝は切れんよな…
130名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 12:53:41 ID:OTcP7kgi
もうすぐ職人さんが大量のSSを投稿してくれるはず・・・・・
131名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 15:26:32 ID:24jYPL9N
真っ暗な道。昼間より大きく聞こえる波の音。
比呂美は一人、人通りの気配が消えた海岸沿いの道を歩いていた。
眞一郎の母に言われ、知り合いの家へ酒を持っていった帰りである。
(やっぱりこの道は慣れないなぁ……)
子供の頃、この暗い道で眞一郎に置いて行かれた時の記憶がフラッシュバックする。
が、そんな恐怖の記憶がトラウマにならなかったのは眞一郎と手を繋いで帰ったからだろうか。
いつしかそれは思い出せば顔が火照ってしまう嬉しい記憶へと昇華していた。
(眞一郎君……)
自然に足が速くなる。早く帰りたい、眞一郎に会いたい。
と、
「嬢ちゃん」
不意に背後から声をかけられビクッと足を止めてしまった。
恐る恐る振り返ると白のタンクトップに作業用のズボンを履いた中年の男が立っていた。
服は泥の汚れか何かのせいで所々黒く、無精髭を生やした顔はどことなく不衛生な印象を与えた。
「道に迷っちまってなぁ。悪ィんだけどコンビニあたりまで案内してくんねぇか?」
132名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 15:28:16 ID:24jYPL9N
そう言うと男は一歩比呂美に近づいた。
「あっ、あの……私その……急いでるんで……」
早くこの場を離れたかった。
別に何をされたわけではないが、比呂美はこの男から言いようのない不快感を感じた。
とりあえず一礼をし走りだそうとしたその刹那、ガシッと腕を掴まれた。
「オィ待てよクソガキィ!」
いつの間にか間合いを詰めていた男は比呂美よりも早く反応し、その動きを封じた。
「困った人を助けましょう、ってガッコで教わンなかったのか!? 何シカトこいてんだよテメェ!!」
比呂美を睨みつけながら唾を飛ばして啖呵を切る男を見て比呂美はあることに気づいた。
(この人……酔ってる?)
口から放つアルコールの匂い、虚ろな目、赤くなった顔。どう見ても酔っ払いだ。
(面倒くさいのに捕まっちゃったなぁ……)
この状況をどう切り抜けるか考えていると
「ちょっとこっち来い!」
グイッと腕を引っ張られた。
「え? あ、あのっ……」

男はズンズンと力任せに比呂美を引っ張りながら竹林の中腹あたりで足を止めた。
(ここって……)
そう、比呂美は覚えていた。眞一郎と手を繋いで歩いたあの竹林。
比呂美にとって大切な場所。
「フン。ま、ここらでいいか」
133名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 15:29:57 ID:24jYPL9N
ごめんもう無理。
134名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 17:04:48 ID:nn4cLcqZ
力尽きるの早すぎだろw
135名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 02:15:29 ID:lsicMVqi
見たけど比呂美は黒すぎ。
次回から予告見ると修羅場になりそうな予感。
というわけで自分の気持ちとはうらはらに大暴走した
比呂美が4番を誘ってヤッテしまう
比呂美×4番の小説の投下を期待。
そして愛子×眞一郎の小説も期待する。
136名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 06:05:16 ID:iTYccfVU
今の時点で違和感無くやれるのは比呂美、愛子、眞一郎のオナニーネタくらいだな
137名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 11:00:55 ID:Dqiqadv6
今回一番黒かったのは愛ちゃんじゃね?
なんかナチュラルな黒さというか真の邪悪というか

つうか四番にNTRフラグがビンビンに立っててワロタw
丁稚の存在が救いだわ
138名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 12:42:41 ID:R2mVgwON
比呂美はこのあとだんだんダークになっていくと
ラジオで言っていたから比呂美は最終回は
バットENDだろ。
139名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 16:54:12 ID:7Ujxpfqn
比呂美は逆走可愛い
愛子はビッチ可愛い
乃絵は電波可愛い
ママンは鬼畜可愛い

みんな大好きだ――――――!!!!!
140名無しさん@ピンキー :2008/02/03(日) 18:01:07 ID:pkIckRgK
朋与はウザ可愛い
141名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 19:23:34 ID:OiYCvA3J
眞一郎と結ばれるときは非処女か>比呂美
142名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 20:58:16 ID:zP6z6V6U
>>141
たぶんね。
次回で4番といったんつき合うことになってキス。
そのあとにSEX。
143名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 21:23:12 ID:OwzFiFu8
保守
144名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 21:23:40 ID:OwzFiFu8
保守
145名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 21:24:17 ID:OwzFiFu8
ごめん、誤爆した
146名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 00:17:41 ID:ClNAegFo
>>136
どんな展開でも丁稚の妄想だったことにしちゃえば問題なし
147名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 01:56:02 ID:SPbf85kG
>>135
別に黒くはないだろ
眞一郎が好きだからこそはじめて部屋に入ってくれたときに
乃絵兄の話をしてほしくなかったというだけだし
148名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 12:37:39 ID:JKWxpVRJ
この地にたどり着いて幾年月
いまだ、エロ小説をみず

黒いって…なんでも単純に記号化するのはよくないよ
日本語の語彙が少なすぎるんじゃないの
149名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 17:47:36 ID:MDMfoqjN
比呂美は身体の方も嘘吐きだな
150名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 18:33:31 ID:WNk7n5db
比呂美の体はエロすぎて
そのうえあの可愛さだからもう処女ではない。
151名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 01:31:09 ID:jYbGECv8
気が向いたのでついでに保守
152名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 11:41:23 ID:DJKzc5X1
保守
153名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 17:46:29 ID:eXMz4ysV
誰かttのエロ小説書いて
154名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 18:45:25 ID:ppJnGuHB
愛ちゃんネタです
エロのみなのに、エロ小説っぽくないヘタな文体は我慢
尚、擬音部分はセリフを読みながら脳内再生ヨロ
それではどうぞ↓

鋼鉄の自制心(1/3)
誰もいない静かな店内から、僅かに淫らな声と音が聞こえてくる。
「んっ、んふっ、んあっ、くぅ」
 …くちゅ…くちゃ…くちゅ…くちゃ
愛ちゃんは相変わらず積極的だ。
目の前で上下左右に揺れる薄手のセーターに包まれた大きな胸。
可愛らしい顔を快感に歪め、小さな口からは抑えようとする懸命な
努力をあざ笑うかのように淫らなあえぎ声が漏れている。
「ああっ、ん…んくっ、あっああっ、んぱっ」
 …くちゅ…くちゅ…くちゃ…くちゃ
この店の薄い扉ではいつもの声を出すと外まで聞こえてしまうので、
愛ちゃんは可憐な下唇を噛んで声を殺している。
子供用サイズの目の粗いセーターは、上半身のラインを少しも隠していない。
特に胸の部分は網目が大きく開いてしまい、乳首なんて飛び出すから丸見えだ。
このセーターの糸が最近お気に入りらしく「いい具合に擦れるんだぁ」とのこと。
挿入された性器が見えるようにM字型になっている下半身には、
オーバーニーソックスだけ。こだわりがあるらしい。
「ん?んふふっ♪」
視線に気付いた愛ちゃんは、体の芯からくる快感に蕩けたままの顔で笑った。
いつもの元気一杯な瞳ではなく、少し焦点が合っていない様に見える。
頬もそうだが、桜色に染まった肌はしっとりと汗が浮かんで、とても綺麗だ。
「なぁーにぃ、しーんいーちーろーお?」
名前を呼びながらちょっと首を傾けてキスをおねだりする、いつもの仕草。
「ダメだよ、腰を振るのを止めちゃ」
今の今まで愛ちゃんはひと時も腰を止めていなかった。
小さな体を目一杯使っての騎上位。
胸を強調して見せつける為に腰の動きが制限されるが、快感を貪るような動き、
でもその快感に腰の動きが支配されている。
罰として、ちょっと強めに乳首を絞り上げると、腰の動きが再開される。
「あひぃっ。ご…ごめ、んあっ、な…んあっ、さ…いぃっ」
 …くちゅ…くちゅ…くちゅ…くちゅ
いつもの声を出せないので、こちらの興奮を煽ることができない。
腰を動かし続けるしかないのだ。それを咎められたことを謝る愛ちゃん。
今度はこちらの番とばかりに腰を突き上げて、快感を、性器を翻弄する。
「ああああっ!、だ…だめっ、いぃ…んんんっ!」
 …くちゅっ…くちゅっ…くちゅっ…くちゅっ
愛ちゃんは、早くも息が途切れ途切れだ。でも顔と性器は喜んでいる。
さらに表情が蕩けていき、膣は与えられる快感の大きさを示すように締め付け
てくる。
下から突き上げられているのに、何としてもキスをしようと体を傾けてきた。
腰の動きをさらに大きく強くすると、せっかく傾けた体が快感で跳ねてしまう。
「んひっ、あひっ、ひっ、ひっ」
 …くちゃっ…くちゃっ…くちゅっ…くちゅっ
155名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 18:45:51 ID:ppJnGuHB
鋼鉄の自制心(2/3)
「ひっ、ひっ、ひっ、ひっ」
 …くちゅっ…くちゃっ…くちゅっ…くちゃっ
息つく暇ない突き上げに、愛ちゃんは満足に声も出せない。
子宮が刺激される度に、口の端からよだれが垂れるようになってきた。
そろそろかな?と思っていると、ドアを叩く音が聞こえてくる。
<どん、どん、どん>「おーい、愛ちゃーん、いないのかー?」
ミヨキチだ。もうそんな時間か、と考えながらも腰の動きは止めない、止まらない。
「ひっ、ひっ、ひっ、ひっ」
 …くちゅっ…くちゃっ…くちゅっ…くちゃっ
ちょっと可哀想になるくらい、愛ちゃんは追い詰められている。
ま、仕方がないかな、何度かイク寸前まで高めてから10分以上焦らしに焦らして、
愛ちゃんの腰を捕まえて、気持ちいいところをわざと擦らないようにしてたんだから。
感じやすい肢体と性器は、一刻も早い絶頂を待ち望んでいるかのごとく、淫らに蠢く。
しかも、ミヨキチが近くにいるのがわかると愛ちゃんの快感は増すようだ。
「ちぇーっ、まだ来てないんだ」ミヨキチの声が遠ざかる。
「んひっ、んひっ、あんっ、んんあっ」
 …くちゅっ…くちゅっ…くちゅっ…くちゅっ
ちょっと突き上げを緩めて余裕を与える。
「やあぁ、やめっ…ない…でぇ?いや…ぁん、ああんっ」
 …くちゃ…くちゃ…くちゅ…くちゅ…
懸命に腰を動かして角度を調整することで、先ほどの快感を維持しようとする愛ちゃん。
でも、それを許さないようにこちらも動かす。
「いいの?もう時間だよ?」
 …くちゅ…くちゃ…くちゃ…くちゅ
わかっていても焦らしてしまう。
「だ…だって、んあっ、だって、あっんああっ、イ…イキたいっ、のぉ」
 …くちゅ…くちゅ…くちゃ…くちゃ
追いかける腰と逃げる腰。
「おねだりできる?」
 …くちゃ…くちゅ…くちゅ…くちゅ
「あああっ、も…もっ、ぅんっ、が…がま…んっ、でき…、んんあっ、にぁいいぃっ!」
 …くちゅっ…くちゃっ…くちゃっ…くちゅっ
とっくに限界をこえていたみたいだから、許してあげるか。こっちもやばいけど。
腰の動きを早め、愛ちゃんの弱点である子宮を激しく執拗に突き上げる。
「ひぃっ、ひっ、ひぃっ、ひぃぃっ」
 …くちゃっ…くちゃっ…くちゅっ…くちゅっ
<ガチャ、ガチャ>裏口のドアノブを回す音が聞こえる。ミヨキチが空いていないか、調べているようだ。
「出るよ!」
「き…きたっ、イっ…イクぅ、イクイクぅっ!」
 …ぐぢゅっっ…
膣がさらに締まり、搾り取るような動きを見せた瞬間に射精を開始すると、
どこにも逃げ場のない精液は膣の奥深くへと進むしかない。
「あ…あっ………」
ビクンビクンと腰が跳ねる度にドクドクと精液が子宮に注ぎ込まれ、
愛ちゃんは言葉も出ない、呼吸すらあやしい。
<ガチャ…>ミヨキチもとうとうあきらめて帰ったようだ。
156名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 18:46:18 ID:ppJnGuHB
鋼鉄の自制心(3/3)
「ぁっ…………」
上半身を震わせながら、ぐーっと大きく反らしていく、乳首が天井を指す、まるで
「このぐらい気持ちいい」ということを示すように。
反らした体を支えるのはこちらの役目。腰はビクビクと小刻みに痙攣し、膣はす
ごい締め具合だ。待望の絶頂を全身で喜び、表している。
「はぁっ、はぁっ、はぁ、はぁ」
徐々に反らした上半身を戻しながら、酸素を貪るような呼吸をして愛ちゃんが微笑む、
呼気とともに大きな胸が揺れている。こちらも息を整える。
ちょっと涙目になっているから、かなり気持ちよかったようだ。
「もぉー、ん、お姉ちゃんを、んくっ、い…じめちゃダメで、しょう?」
 …くちゃ…くちゅ…くちゅ…くちゅ
体をビクッと痙攣させる度に股間から淫らな音を出し、言葉につまりながらも
いつものお姉ちゃん口調が戻ってきた。
「ごめんね。許してくれる?」
この場合は生意気口調でなく、甘えた声を出すと喜ぶことを知っている。
「しょーがないなぁ、んくっ、じゃ、キスしよっ?」
 …くちゃ
抜けないようにして、がんばって体を伸ばしてキスの体制に入る愛ちゃん。
お姉ちゃん口調なのに甘える仕草。かわいいなぁ。思い切り抱きしめてあげる。
「ちゅっ…ちゅぱ…んっ…ちゅ…」
お互いを確認するにはちょっと淫らなキスの音だけが、静かな店内に響く。
乳首を擦りつけ、膣をきゅっ、きゅっと締め付けて、うれしいことを表現している。
「ちゅっ…ちゅぱっ…」
 …くちゅ…くちゅ
舌の動きと腰を同調させると、絶頂の余韻に浸る膣をピクピクさせ、股間を押し
付けることで更なる快感を催促してくる。
「んあっ、ふぁ、はあぁ。気持ちいいぃ、もっと欲しいぃよぉ」
名残惜しそうに口を離してから、とても幸せそうな表情で話す愛ちゃん。
キスがとてもよかったのか、きゅっ、きゅっと膣の締め付けることを止めない。
「うん」
 …くちゃ
声と一緒に腰の動きで愛ちゃんに答えてあげる。
「アイツとは、んふっ、んあっ、何でもないんだし、んんっ、ああっ」
 …くちゃ…くちゅ…くちゃ…くちゃ…くちゃ
「いつでも別れるよ?、あっああっ、はぁっ、だから、ね?、あっ、あっ」
 …くちゃ…くちゃ…くちゅ…くちゅ
抱きついた姿勢のまま、愛ちゃんも腰を動かして、すっかり性欲に支配された瞳で、
何かを訴えてくる。

(ガバッ)
「ひどいよ愛ちゃん、ミヨキチは親友なんだよ…」
「………」
「正夢になるなんてないよなぁ。さっ、絵本の続きだ」
157名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 18:56:53 ID:INCjpPbf
三代吉…
158名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 22:01:37 ID:jYbGECv8
159名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 22:03:25 ID:uCN4/D+Y
GJと言わざるを得ない。
機会があったらまたよろしくです。
160名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 05:38:15 ID:61mlNLp/
>>156
一つアドバイス
作品のタイトルは名前欄に書くと良いよ
161名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 11:27:29 ID:MdmurJpe

三代吉(´;ω;`)ブワワッ
162名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 03:20:34 ID:VZGzMfnn
さすが愛ちゃんはエロいな
163名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 10:51:53 ID:4M0KkWtQ
みよきちカワイソス…
だがなんだかんだいって本編では幸せになりそうな希ガス
164名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 10:53:19 ID:cbLBKQj4
最後の3行で冷や水を浴びた気分ww
165名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 19:23:11 ID:7tT3KMRr
保守
166名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 19:44:17 ID:iq7ZkfXS
保守
167名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 06:50:30 ID:AabbCizi
保守
168名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 12:52:21 ID:aMF4Jx34
本編で逆走してる二人をくっつけてくれる神はいませんかね…
あとモブが絡む話も見たい
169名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 13:07:25 ID:eYWO4XcQ
>>168
よう。154-156書いたものだ
大幅に設定(エロの流れ)変えるくらいでいいならできるぞ
描写に何か注文orリクエストがあったら言ってくれ、改善を試みる
自分で書いたものにはエロスを感じないので、わからんのだ
誰と誰を組み合わせればよいか?それでもいいぞ。時間があれば書く
170名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 13:23:37 ID:eYWO4XcQ
>>168
ああ、なんか偉そうに書いてごめんよ
どういう文体を使っていいか、わからなくてさ
簡単なコメントがあるとありがたい、上でも書
いたけど自分はよくわからない、困ってる
171名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 15:18:00 ID:aMF4Jx34
>>169
おお、まじっすか
描写のほうは極甘でもエロエロでも
初々しいやつでも切ないやつでも比呂美攻めでも
全然オッケーです
172さて、どこでしょう?(1/3):2008/02/08(金) 15:37:46 ID:eYWO4XcQ
「えっ、こんなとこで?」
戸惑いの言葉が出てしまう比呂美。
「だって…、あんっ」
ちょっと強めに胸を揉んだのに、気持ちいいみたいだ。
「ちょ、ちょっと、んっ、んんっ!」
右手は胸を少し力を緩めて揉みながら、左手で頭を引き寄せてキスする。
いつもより大きく舌を動かして口の中を愛撫していく。
「ちゅっ…ちゅぱっ…ぴちゃっ」
比呂美は強く胸を揉まれたことでスイッチが入りかけていて、
加えてのキスの攻撃に翻弄されてしまい困っている。
その反応を感じて、眞一郎は少し大きくなりかけた股間を押し付ける為に、
左手を比呂美のお尻に持っていき、一気に引き寄せた。
「んっ!?んんんっ」
股間を押し付けられても、比呂美は抗議したくてもできない。
眞一郎は、くいくいと押し付けるのをやめない、ついでにお尻も揉む。
「んんっ、んんっ、んっ」
胸を揉まれ、キスされ、股間に大きくなりかけた眞一郎を感じると、スイッチが入ってしまう。
「んぁ、ちゅぱ」
比呂美の体から力が抜けてきた、どうやらOKらしい。
「今日はどうする?したい?」
「はぁ、はぁ、うん、したい」
それでは、と眞一郎が体を開放すると、息を整えながら比呂美が跪く。
「じゃあ、するね」
「うん」
ささっと取り出してキスを始める比呂美。
「ちゅ…ちゅっ、ちゅ…ちゅ…」
最初は抵抗していたのに、どうやら気に入ったみたいでうれしそうにしている。
173さて、どこでしょう?(2/3):2008/02/08(金) 15:38:17 ID:eYWO4XcQ
あっという間に大きくなっていくペ○スに比呂美はさらなる愛撫を行う。
「ちゅぅ…くちゅぅ…ちゅぅ…」
ペ○スのあらゆる場所にちょっと吸い付きながら、舌を使う。
「おお、なんかいいかも」
「ん?そお?じゃあ、今度はずばっといくね」
「うん、お願い」
眞一郎が喜んでくれたことに気を良くして、ペ○スを口いっぱいに頬張っていく。
「じゅぶ…」
「おおおー」
比呂美の口の中は、暖かくてとても気持ちいい。
「じゅぶ…じゅぶ…じゅぶ…じゅぶ…じゅぶ…」
ゆっくりと頭を前後する比呂美、ペ○スの味と眞一郎の反応を楽しんでいるかのよう。
「じゅぶっ…じゅぶっ…じゅぶっ…じゅぶっ…じゅぶっ…」
少し速度を上げて、さらに愛撫を続けていくと、ペ○スがぴくっと反応する。
比呂美はフ○ラチオを続けながら、自分で服を脱ぎ始める。
「じゅぶっ…じゅぶっ…じゅぶっ…じゅぶっ…」
胸を出してから、スカートを捲り上げてパンツの中に手を入れる。
どうやら自分で触りたいらしい。
「じゅぶっ…んぐっ…んぐっ…」
既に愛液が染み出している性器は、ちょっと触っただけでかなりの気持ちよさのようだ。
ペ○スを咥えたまま、没頭してしまう比呂美。
「…」
比呂美はもう夢中になって、快感を得る動きになってしまっている。
「んぐぅ…んぐぅ…んぐぅ……ん」
クリ○リスを入念に擦ることに夢中な比呂美、眞一郎は面白そうに見ている。
「んぐっ?」
見られていたことに気付くと、比呂美の顔が赤く染まっていく。
「じゅぱっ」
ペ○スを口から出し、ちょっと抗議してみる。
「あー、見てたでしょう?」
「なんかイヤラシかった」
「もう」
「どお?」
「うん、準備おっけー♪」
すっと立ち上がった比呂美を壁際に連れて行って、手をつかせ、お尻を向けさせる。
スカートを落とし、パンツを剥ぎ取る。
「あっ、ちょっ。ああっ」
腰を捕まえられ、ペ○スをあてがわれたことで、期待する声が出てしまう。
「入れて、って言ってごらん?」
「イヤ」
174さて、どこでしょう?(3/3):2008/02/08(金) 15:38:54 ID:eYWO4XcQ
その瞬間にペ○スを一気に奥まで、挿入する。
「ああああっ!」
ぐちゅっと音を立てて挿入された比呂美は声を抑えられなかった。
「はぁ、どお?」
「んんん、気持ちいい」
自分で刺激しておいたおかげで、スムーズに入ったペ○スを喰い締める比呂美。
「んっ、動かして?」
ちょっとおねだりする比呂美。
「どうしようかなー」
「じゃあ、自分でするもん」
比呂美は腰を動かし始めた。
「んっ…んっ…んっ…」
くいくいと腰が動くたびに、ペ○スに刺激が加わる。
「もっと気持ちよくする?」
「んっ、してぇ」
少し腰を左右に動かして、いつものおねだり。
「よし、動かすよ」
「うんっ、あっ…ああっ…」
いきなり大きく出し入れされて、快感があっという間に比呂美に広がっていく。
「あっ…あっ…あっ…ああっ…あくっ…ああっ…ああっ…あああっ…」
膣を締めて眞一郎の動きを何とか抑制させようとしたが、快感が大きくなってしまう。
「ああっっ…あっっ…あっ…あっあっ……ああっあっ…ああっ…あああっ…」
眞一郎は射精したくなってきた、今は時間がないので我慢しないことにする。
「出すよ」
「ああっ…」
比呂美の返答を待たずに、出してしまう。
どくっどくっ、と膣内に射精する。
「あっ…ああああっ」
びくっびくっと腰が動き、精液が注ぎ込まれて子宮を満たしていく。
「ふう」
「はぁ、はぁぁ、え?出しちゃったの?」
「え?うん、だって時間ないだろ?」
「そうじゃなくて、今日は大丈夫かわかんないんだけどな…」
「…」
「まだ、イッてないし」
「あ、いや、ごめん」
「もう、後でちゃんとしてね」
「もちろん」
服を整えてから、目を合わせる二人。
「でも、まあまあ気持ちよかったよ、イッってないけどね」
「だから謝るって、後でいっぱいするしさ」
「うーん、それはいいけど。大丈夫かなぁ、中で出しちゃって?」
「ううぅ」
「んふふふっ♪」
なぜか微妙にうれしような比呂美と、ちょっと元気のない眞一郎は、寄り添って出ていった。

さて、どこで二人はしていたのでしょう?
175名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 15:39:35 ID:eYWO4XcQ
>>171
こんなんでいいかな?
レスを見て、ちらっと書いたんだけど
176名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 17:08:31 ID:gX2dLY4u
GJ!
比呂美可愛いよ比呂美

場所は……体育倉庫と予想
177名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 07:10:18 ID:bCJLjpdq
GJ!!!!!
と、保守
178名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 21:17:30 ID:pCOG34PY
超GJ
性描写だけなのが逆に印象的だ
かなりエロい
179名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 02:01:13 ID:uXB7wKU4
比呂美の涙キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
180名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 15:59:47 ID:2lOyrP77
保守
181名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 19:25:25 ID:sh1ZuIfI
次回は、
182名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 00:08:42 ID:3yzg8K8Z
悲しくなるぐらい修羅場が多いよ・・・。
でも昼ドラの魅力に食いつかれたぜ。
魅力の魅!
183ある日の朋与 1:2008/02/11(月) 02:58:54 ID:9InKuOD8
授業が終わり、黒部朋与は親友の湯浅比呂美と校門へ向かって歩いていた。
「じゃあ朋与、お先」
比呂美が歩く速度を速め、自分の横をから離れた。
「何?石動さんと待ち合わせ?」
比呂美は振り向きもせず、手を振って去っていく。
その先にある公園では、蛍川高校・男バスの4番、石動純が待っている。
二人が付き合いだしてから、バスケ部の練習が無い日はいつもこうだ。
授業が終わると、4番が比呂美をバイクで迎えに来る。
やれやれ、という気分でその様子を見ていた朋与は、
もう一人、比呂美の後姿を見つめている人間がいる事に気づいた。
(あ、おんぶ野郎)
道の端に仲上眞一郎が棒立ちになっている。
朋与は眞一郎の情けない姿を見てしみじみ思った。
(あ〜あ、ざまぁないわね)
仲上眞一郎と比呂美は、家庭の事情で同居している。
一時、朋与は比呂美が眞一郎の事を想っていると考えていた。
しかし、実際に比呂美が好きなのは蛍川の4番だった。
で、今は念願かなってその人と付き合っている。
完全に朋与の勘違いだったわけだ。
(あの様子だと、仲上くんの方は比呂美に未練タラタラって感じだけど)
朋与は思う。
そんなに好きなら、なぜ早く自分の物にしなかったのかと。
自業自得だよ、おんぶ男くん。
石動乃絵みたいな電波女に目移りしているから、こんなことになるのさ。
「フフ……」
思わず声を出して笑ってしまった。眞一郎がこちらに気づいく。
朋与は眼を細め、哀れむような視線を送ってやった。
『ざまぁみろ』という気持ちを込めて。
だが眞一郎は怒るでもなく、顔を背けて歩き出した。
(なによ、無視?!)
頭に血が上る。
眞一郎にとって、朋与は比呂美の付属品でしかないということか。
比呂美がいなければ空気以下、気に留めるまでも無いということか。
腹の立つ奴……。
仲上酒造だか地元名士のお坊ちゃんだか知らないけど、いい気になるな!
「……よーし……」
朋与は眞一郎の後について歩き始めた。
どうせ練習のない日はヒマなのだ。
(今まで比呂美と私を振り回してくれた分、たっぷりお返ししてあげる)
そう、精神的にネチネチと。
そしてキッパリ、比呂美を諦めさせてやる。
ヒヒヒと心の中で笑うと、朋与は眞一郎に合わせて歩く速度を上げた。
184ある日の朋与 1:2008/02/11(月) 03:02:04 ID:9InKuOD8
授業が終わり、黒部朋与は親友の湯浅比呂美と校門へ向かって歩いていた。
「じゃあ朋与、お先」
比呂美が歩く速度を速め、自分の横をから離れた。
「何?石動さんと待ち合わせ?」
比呂美は振り向きもせず、手を振って去っていく。
その先にある公園では、蛍川高校・男バスの4番、石動純が待っている。
二人が付き合いだしてから、バスケ部の練習が無い日はいつもこうだ。
授業が終わると、4番が比呂美をバイクで迎えに来る。
やれやれ、という気分でその様子を見ていた朋与は、
もう一人、比呂美の後姿を見つめている人間がいる事に気づいた。
(あ、おんぶ野郎)
道の端に仲上眞一郎が棒立ちになっている。
朋与は眞一郎の情けない姿を見てしみじみ思った。
(あ〜あ、ざまぁないわね)
仲上眞一郎と比呂美は、家庭の事情で同居している。
一時、朋与は比呂美が眞一郎の事を想っていると考えていた。
しかし、実際に比呂美が好きなのは蛍川の4番だった。
で、今は念願かなってその人と付き合っている。
完全に朋与の勘違いだったわけだ。
(あの様子だと、仲上くんの方は比呂美に未練タラタラって感じだけど)
朋与は思う。
そんなに好きなら、なぜ早く自分の物にしなかったのかと。
自業自得だよ、おんぶ男くん。
石動乃絵みたいな電波女に目移りしているから、こんなことになるのさ。
「フフ……」
思わず声を出して笑ってしまった。眞一郎がこちらに気づいく。
朋与は眼を細め、哀れむような視線を送ってやった。
『ざまぁみろ』という気持ちを込めて。
だが眞一郎は怒るでもなく、顔を背けて歩き出した。
(なによ、無視?!)
頭に血が上る。
眞一郎にとって、朋与は比呂美の付属品でしかないということか。
比呂美がいなければ空気以下、気に留めるまでも無いということか。
腹の立つ奴……。
仲上酒造だか地元名士のお坊ちゃんだか知らないけど、いい気になるな!
「……よーし……」
朋与は眞一郎の後について歩き始めた。
どうせ練習のない日はヒマなのだ。
(今まで比呂美と私を振り回してくれた分、たっぷりお返ししてあげる)
そう、精神的にネチネチと。
そしてキッパリ、比呂美を諦めさせてやる。
ヒヒヒと心の中で笑うと、朋与は眞一郎に合わせて歩く速度を上げた。
185ある日の朋与 2:2008/02/11(月) 03:04:41 ID:9InKuOD8
眞一郎は意外にも歩くのが早かった。
何度か「仲上くん」と声を掛けてみたが、
速度を緩める気はまるで無いらしい。
(帰宅部のくせに!)
毎日まじめにトレーニングしている自分より脚力があるなんて……
ますます許せない存在だ。
「ちょっと待ちなさいよ!!」
声を張り上げた。眞一郎の脚が止まる。
「何か用か」
振り向いた眞一郎の声は、当たり前だが不機嫌だった。
「別に。クラスメイトだもん、ちょっと話したいな〜ってだけ」
自然に横に並ぶと、間髪入れずに一番嫌がる話題を切り出す。
「比呂美がね……」

  ※  ※  ※  ※
186ある日の朋与 3:2008/02/11(月) 03:05:32 ID:9InKuOD8
海岸通りに着くまでの間、朋与は延々『比呂美』という単語を繰り返した。
比呂美から4番との事で相談を受けた。
4番はどんな服が好きだろう、と比呂美が言っていた。
4番にもっと好かれるために髪型を変えようかと比呂美は悩んでいる等々。
全て口からでまかせだったが、眞一郎への効果は絶大だった。
眞一郎がダメージを受けているのが手に取るように分かる。
(そろそろいいかな。これ以上はさすがに良心が痛むわ)
最後の『〆』はちゃんと用意してある。
朋与の知っている『仲上くん』なら、この一言で比呂美には近づけなくなるはずだ。

「仲上くんもさぁ、比呂美のこと応援してあげて。家族じゃん」

よし、キマッた!と朋与が思った瞬間、眞一郎が信じられない様な大声で叫んだ。
「……家族じゃねぇよ!!!」
朋与の全身が凍りつくほどの凄まじい怒声……いや、殺気が言葉になったような感じだった。
恐る恐る振り向く朋与。眞一郎の身体は怒りに震えていた。
「俺と比呂美は家族じゃない!!」
比呂美の現状を知る朋与にとって、その一言は無視できなかった。
「ちょっと仲上くん…それ酷くない?一緒に暮らしてるんだから家族同然でしょ?!」
比呂美と自分が『血縁』を示す単語で括られる事が、
今の眞一郎にどれ程の苦しみを与えるか、朋与は知らない。
眞一郎の怒りは限界を越え激発する。
「お前に……何が分かるってんだ!!」
両手が朋与の肩に襲い掛かり、激しく揺さぶる。
指が食い込んで朋与のしなやかな筋肉を抉った。
男に力で自由を奪われるのは、初めての体験だった。
恐怖と同時に、何か理解不能な感情が朋与の中に沸き起こる。
(な、なに……この感じ……私……何を……)
状況にそぐわない甘美な感情……。
…………
だが、それも一瞬だった。すぐに正気を取り戻す朋与。
そう、今は比呂美の為に……この『おんぶ野郎』を追い払わなければ。
「は、離して!」
拘束を振り解いて距離をとると、朋与は眞一郎に負けない声で叫ぶ。
「家族じゃないって何よ!今更好きだとでも言うつもり!!」
気圧されないよう、矢継ぎ早にまくし立てる。
「比呂美が好きなのは蛍川の4番なの!石動さんなのよ!!」
その言葉を聞いて、今度は眞一郎が硬直する。
「あんたにはあの電波女がいるでしょ!おんぶでも何でもしてりゃ……」
……?……
様子がおかしい。さっきまでの怒気が欠片も見当たらない。
眞一郎だけが時間から切り離されたように固まっていた。
すぐに、朋与は眞一郎のもうひとつの異常に気づいた。
(……泣いて……る)
すぐに顔を伏せてしまったので良く分からなかったが、
確かに眞一郎の目元に何か光る物があるのを朋与は見た。
……泣かせてしまった……男の子を泣かせてしまった。
口を手で押さえてみたが、発した言葉を引き戻せるはずも無い。
眞一郎は顔を伏せたまま、放り出した鞄を拾うと、朋与の横をすり抜けていく。
すれ違う時に小声で…
「そんなこと分かってる」
と言った気がするが、朋与には良く聞き取れなかった。
187ある日の朋与 4:2008/02/11(月) 03:06:37 ID:9InKuOD8
モヤモヤした気分のまま、朋与は家に帰ってきた。
「ただいま〜……って言っても誰もいないけど〜」
扉を閉め、中から施錠する。
朋与の両親は共働きで、平日は夜まで帰らない。
部活の無い日の夕方は、朋与にとって自由を満喫する貴重な時間だった。
(くだらない事に時間使っちゃたな〜)
制服を脱ぎながら、心の中で呟く。
いつもならスナック菓子を片手にテレビでも観るところだが、
今日はとてもそんな気分にはなれなかった。
髪留めを外し、机に放り投げると、
パジャマも着ずにベッドへ潜り込む。
(……一眠りして忘れよう……)
掛け布団を被り、きつく眼を閉じてみる。
…………
(あぁ……ダメ、眠れない……)
眞一郎の泣き顔が頭から離れなかった。
(まさか泣くなんてね……そんなに比呂美が好きなら…どうして……)
黙って見ているのか……。4番との仲を取り持ったりしたのか……。
『石動乃絵』なんかと仲良くしているのか……。
眞一郎と比呂美の隠された事情を知らない朋与は、
二人の微妙な関係が全く理解できなかった。
自分だったら渡さない。好きになったら奪っちゃう。
そんなことを考えるうちに、朋与は何やら妙な気分になってきた。
眞一郎に掴まれた肩が、少しだけ痛む。
(仲上くん、結構力が強かったな……)
両肩を押さえつけられ、自由を奪われたあの時、恐怖とは別の何かが朋与の心に生じた。
(男の子にあんな事されたのって……そういえば初めてかも)
思い出すと心臓の運動量が上がっていく。顔が火照って熱い。
……『マゾヒスト』、『被虐の悦び』、『変質者』……
いやらしい単語が脳みその中を跳ね回る。
(ち、違うわよ!わたしはノーマルなんだから!)
内心で否定してみたものの、眞一郎の手の感触を思い出すたび、
どうしようもなく興奮してくる自分がいる。

…………
……ダメだ……しちゃおう……

布団の中で下着を脱ぎ去ると、朋与は身体を弄り始めた。
188ある日の朋与 5:2008/02/11(月) 03:08:08 ID:9InKuOD8
なんという事だろう。
こんな簡単なことが、これほど快感を増幅するとは。
「な……仲上くん……や、やめて……」
今、朋与は頭の中で、自分に襲い掛かる仲上眞一郎を想像していた。
両手の動きは普段の自慰と変わらない。
だが、その手が自分の物ではなく、眞一郎の物だと思い込むだけで、
朋与の興奮はいつもの何倍にも拡大されていた。
空想の眞一郎が朋与を後ろから羽交い絞めにし、乳房に手を伸ばす。
「いやっ…恥ずかしい……」
脳裏に浮かぶ像に合わせ、小ぶりだが十分に張りのある胸を自分で蹂躙する朋与。
全体を揉み解し、乳首を指で摘み上げて刺激する。
「んあああっ!!……だ、ダメっ!!」
四肢が緊張と興奮で痙攣を始める。
同時にへその下辺りに電流が走るような感覚が生じ、
秘所が刺激を求め、疼き始めていた。
(こんな感じ……初めて……し、子宮が……何か欲しがってる……)
身体の要求に素直に応じ、片方の手を下腹部へ差し向ける朋与。
まずは秘所全体をゆっくり擦り上げていく。
「仲……上……くん……」
花びらが開花するように、ゆっくりと左右に広がり始める大陰唇。
その中に隠れていた朋与の陰部は、
すでに内側から湧き出る液体で、しっとりと光沢に塗装されていた。
(はぁ……はぁ……も、もっと……もっと!!)
朋与の、いや『眞一郎』の指は、更なる快楽を掘り起こす為、行動を開始する。
人差し指と薬指が小陰唇を割り広げると、中指がその中心を目指して進攻を始めた。
尿道口と膣口の間を往復し、快美感を引き出す絶妙な動作。
「んんんっ!!」
連続する刺激に反応し、収縮した腹筋と括約筋が膣を絞り上げ、
朋与の胎内で精製された愛液を外へと噴出させる。
潤滑油を得た事で、更に激しくなる『眞一郎』の手の動き。
「んん……はぁ、はぁ、はぁ……」
もう少しだ、もう少しでイける……。
あと一息……、朋与は強烈な『とどめ』を欲していた。
(あぁ……仲上くんの…………欲しい!!!)
往復運動に専念していた中指が動きを止める。
そして一瞬の躊躇いの後、愛液でふやけた膣口に、その三分の一が突き入れられた。
「!!!!」
痛みと快感と痺れが、朋与の脳髄に連続攻撃を仕掛け、心の防壁を破壊した。
(イ……イクッ!!!!)
背中を海老のように反らせ、身体全体で悦びを表現する朋与。
空想の中の眞一郎が白い霧に消えていくのと同時に、
朋与の意識もまた、その中へと飲み込まれていった。
189ある日の朋与 6:2008/02/11(月) 03:09:40 ID:9InKuOD8
気を失っていたのは一分にも満たない時間だろう。
朋与はすぐに眼を覚ました。
自分の現状を確認する。
全身がしっとりと汗ばみ、その蒸発が体温が奪って寒い。
掛け布団はいつの間にかフローリングの床へと蹴落とされていた。
気だるい身体に心で鞭を打ち、ベッドから立ち上がる。
股間をティッシュで丹念に拭ってから、朋与は鏡の前に立ってみた。
(いやらしい顔……)
悦楽を存分に与えられ、満足しきった『牝』がそこにいた。
(私……こんな女だったんだ……)
本当に……なんて女なのだろう。
ほんの数時間前、責め立て、追い詰め、涙まで流させた男の子を『オカズ』にしたのだ。
打ち明けられない想いを抱えたあの男の子を……汚してしまった。
朋与は、自分が決して許される事のない罪を背負ったような気がした。
身体が震える。だがそれは、寒さのせいではなかった。
掛け布団を拾い上げるとベッドに戻り、頭からそれを被る。
「ごめんなさい、仲上くん……ごめんなさい……」
布団の中で呪文のように眞一郎の名を唱えながら、
朋与は何時間も泣き続けた。

                   [つづく]
190名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 03:45:52 ID:kTxMQNZp
朋与ルートとはなかなかコアだねえw
GJ
191名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 04:29:11 ID:87kOWK/0
GJ
しかし意外すぎる組み合わせだw
しかも続くとはw
続きwktk
192名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 04:35:39 ID:R4oHXRx0
乙〜
予想外の展開だなww
眞一郎はナチュラルにハーレムつくりすぎだw
193名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 06:46:32 ID:dGBtXk+1
いくつかネタが浮かんだんで聞きたいんだが、
1眞一郎と比呂美
2三代吉と愛ちゃん
3ママンによる比呂美弄り
どれがいい。
全部書くつもりだがどれからやればと思ってな。
194名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 08:16:39 ID:47PGkqb8
>>189
グッジョブ!

>>193
やはり1番かな
2番ならぶち切れた三代吉の愛ちゃん陵辱ルートか
石動兄の比呂美陵辱も良いのう
195名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 08:28:56 ID:C6ZG47SC
>>193
断然3だな
196名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 08:33:32 ID:R4oHXRx0
まず1かな…本編キツいから救いが欲しい
3もいいね
197名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 10:42:56 ID:87kOWK/0
1がいい
198遅筆屋(Lv.7) ◆3mclWd6jX. :2008/02/11(月) 13:53:14 ID:BzYp75PC
流れ切って申し訳ないが、比呂美×4番書きました。
寝取られものに耐性がない方はスルーしてください。
誤字脱字、日本語がおかしいところあるかもしれないけど、
指摘してもらえれば今後の参考になりますのでよろしくです。
199「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:54:06 ID:BzYp75PC
「乃絵と付き合ってやってくれ」
「俺が石動乃絵と付き合う代わりにあんたに比呂美と付き合ってくれって言ったらどうする?」
「かわいいよな。あの子。……じゃ、そうゆうことで」

 売り言葉に買い言葉。というつもりでもなかったが、眞一郎は石動純の言動に納得がいかず、勢いに任せてそんなことを言ってしまった。
 比呂美は石動純のことが好きだと言っていたし、自分も比呂美を諦めるためには必要なことのようにも思える。
 けど、胸の奥の蟠りが気持ち悪かった。
200「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:54:43 ID:BzYp75PC
 眞一郎と純とのやりとりからほぼ二月が過ぎた。
 あれから純とは何もなかったが、比呂美と接する機会が減ったように眞一郎は感じていた。
 もともと学校でも家でも会話することが少なかったが、早くに登校したり帰宅が遅かったり姿を見ることも少なくなった気がした。
 部活が忙しいんだろうと眞一郎は推測していたが、実際はどうも違うらしい。
「最近 比呂美どうしたのかな? 部活休みがちだよね」
「ん〜なんか家の方の用事でいろいろ忙しいみたいだよ」
 昼休みに偶然 比呂美と同じバスケ部の子がそんな話をしているのを聞いてしまったのだ。
 確かに彼女は酒屋である家の手伝いをしてくれてはいるが、部活を休んでまですることではないし、
部活のしてない自分が、早くに帰宅して手伝いをしている比呂美の姿を見たことはなかった。
 ……比呂美のやつどうしたんだ……?
201「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:55:15 ID:BzYp75PC
 放課後。眞一郎は視線で比呂美を追っていた。
 部活仲間の朋与と申し訳なさそうな表情をして会話をしている。
 どうやら今日も部活を休むようだ。
「眞一郎ー。あいちゃん寄ってこうぜ」
「悪い。今日ちょっと用があるんだ」
 比呂美が教室を出たのを確認して、三代吉の誘いを断り席を立つ。
 なんだよつれないなーとつまらなそうな顔で非難する三代吉に、悪いなともう一度告げて教室をあとにした。
 探偵よろしく付かず離れずの距離で比呂美の後を追う眞一郎。
 いや、これはむしろストーカーだろ…
 馬鹿なことをしていると自分を蔑みながらも、比呂美が何をしているのか真相が知りたかった。
202「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:55:47 ID:BzYp75PC
 他の生徒と同様に学校を後にしていく比呂美。案の定自宅とは違う方に向かってゆく。
 長く綺麗な髪がさらさら揺れる様は遠目に見ても目立つので見失うことはなさそうだ。
 しかしどこに向かって歩いているのか見当がつかない。
 気付けば知らない路地を進んでいて、うっかりすると帰り道に迷いそうだった。
 そうして数十分歩き続けた結果、辿り付いたのは住宅街の見知らぬ一軒屋だった。
 ……誰の家だ?
 比呂美がインターホンを押し少しすると引き戸のドアが開いた。
 眞一郎の場所からは死角になって誰が出迎えたか見えない。
 誰かを確認する前に比呂美はそのまま家の中へ招かれていってしまった。
 行ってみるか。物陰から出て眞一郎はその家に向かう。真っ先に目にしたのは、
 ……このバイク……石動乃絵の兄貴の……!
 紛れもなく純のバイクがそこに止めてあった。
 なら、この家は石動家と思って間違いない。
 だとすれば比呂美を出迎えたのは──……
 嫌な胸騒ぎがした。眞一郎は思わず戸口に手をかけた。
203「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:56:18 ID:BzYp75PC
 !?……開いてる……
 鍵をかけ忘れたのか、日中在宅時は鍵をかけないのか?
 勢いで手をかけたものの、まさか鍵がかかってないとは思わなかった。
 ただ、鍵が開いてるとはいえ、自分は何をしようというのか?
 勝手に上がってしまえば明らかな不法侵入だし、石動家に自分がいることに理由がない。
 比呂美のことが気になるからなんて、私情も甚だしい。
 ただ……それでも比呂美の事が気になって仕方がない。
 彼女は純のことが好きで、もし二人がいつの間にかそういう関係になっていたのなら……
 それでも……それでも俺は…… 
 常識的なことなど全てふっとばして、感情的な思考のまま眞一郎はドアを静かに開けた。
 ゆっくりと音を立てないように、足音、衣擦れ、息さえも押し殺して玄関の中へ。
「……ん……あっ………」
 静かな空間からわずかに聞こえた女性のくぐもった声…
 嘘……だろ……
 玄関からすぐ近くの部屋…リビングだろうか? そこから漏れる声に吸い寄せられるように、
眞一郎は激しく打ち付ける自分の鼓動の音を聞きながらふらふらと近づく。
 閉まりきっていない扉から覗き込んだ瞳に映ったのは……
「んっ……っ……」
 抱き合い、唇を重ねる比呂美と純の姿だった。
204「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:56:43 ID:BzYp75PC
 …………そんな……
 眞一郎は愕然として身体から力が抜けてしまい、壁に寄りかかるようにその場に崩れこんでしまった。
 二人はもうそんな関係だったのかと、やっぱりこんなことやめておけばよかったと、後悔の念が一気に押し寄せてきて、自分が愚かで哀れで情けなさで消えてしまいたくなってしまった。
 二人に気付かれる前に早くこの場を立ち去りたい。そう思うのに、
 ……比呂美…………
 二人がこれから何をするのか──それはわかりきってはいるのだけど──気がかりでその場を動けない。
 事実、
「ん……純さん……んんっ……」
 比呂美の声に下半身が反応してしまっていていた。
205「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:57:13 ID:BzYp75PC
 互いに制服姿のまま、二人は唇をゆっくりと重ねあう優しいキスを繰り返していた。
 それは純が主導で彼が上唇や下唇をはむのを比呂美が受けとめているといった感じだった。
「……はぁ……んっ……」
 互いの唇を潤しあい、時折唇が離れれば短く銀の糸が引く。
 そんな恋人同時の甘いひと時を、眞一郎は胸が締め付けられる思いで見つめていた。
 いつか比呂美と──そんな夢を見なかったといったら嘘になる。
 比呂美と結ばれることを夢想して、自慰をしたことだってある。
 それでも、現実は甘くも優しくもなく……ただ残酷だった。
「……んっ……!?…」
 純が比呂美の右手を取ると自分の股間に引き寄せてきたので、比呂美は驚いて唇を離してしまった。
「触って…」
 短く告げて純は再び彼女の唇を奪う。
「んっ!……っ……んっ……」
 比呂美は恥ずかしさに頬を真赤に染めながらも、観念したのか膨らむ純の股間をおずおずと撫で擦る。
 ……あいつ比呂美にあんなこと……
 眞一郎は悔しさに拳を握り締める。
 自分が同じ立場だったらさせているかもしれないことでも、他人にされていれば怒りがこみ上げる。
 ただそれも比呂美が望んだ関係ならばどうすることもできない。
206「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:57:38 ID:BzYp75PC
「口でしてくれるか?」
 長いキスを終えてぼんやりしている比呂美に純は問いかける。
 口でって……比呂美断ってくれよ……!
 祈るような思いで比呂美を見つめる眞一郎だったが、
「……うん」
 ……そんな……
 無常にも比呂美はそれを受け入れた。
 三人がけのソファに純が座ると、比呂美がその前にかがみ込む。
 純のベルトに手をかけ外すと、ジッパーを開けズボンを降ろすとトランクスに手をかける。
 そこで戸惑うように純を見上げる比呂美だったが、
純が何も言わず見つめ返すのを受けて、目を逸らしがちにしながらも慎重に脱がせた。
「……っ……」
 すでに十分勃起したペニスが比呂美の目の前に現れ、存在を主張する。
 眞一郎は知らないことだが、比呂美は数度 純のペニスを見ている。
 それでもやはりこうはっきりと視界に入れられるのは恥ずかしくてたまらなかった。
「それじゃ……するから……」
「あぁ…」
 決心しておずおずと純のペニスに手を伸ばし、利き手で優しく根元を握った。
 ……くそっ!
 見ていられなくて眞一郎は顔を背けた。 
 なのに、二人の息遣いや、かすかな動作音がはっきりと耳に張ってきて、ますます股間が刺激されるばかりだった。
207「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:58:07 ID:BzYp75PC
 熱くて、硬い……
 純のモノをゆっくりと撫でながら比呂美は思った。
 誰かと結ばれ深い仲になればこういうことをする日がくるかもと考えたこともあるが、
実際にするとなるとこんなにも恥ずかしくてドキドキするものだとは思わなかった。
「……んっ……」
 ペニスを両手で支えるようにすると、先端に優しくキスをするように唇をつけた。
 ……………………
 目をそむけたい。目を背けられない。
 二律背半な思いのまま、眞一郎はその光景を見てしまいまたひとつ大切な何かを失ったような気がした。
「んっ………っちゅ……ん……はぁっ……んっ……」
 小さな猫のように短く舌を出し先端に濡らすようになめてゆく。
 亀頭の部分が乾いていると、触ったときに痛みがあるということは純に教えられていたので、
まずは全体を湿らせることから始めた。
 亀頭を舐め、カリ首周りにも舌を這わせる。
 これでいいの?というように比呂美が純を見上げると、彼は比呂美の髪を優しく撫でた。
 肯定と受け取った比呂美はさらに全体的にペニスを舐め上げていく。
 ゆっくりと腫れ物を扱うようにして、性感を呼び起こす努力をする。
「咥えて」
「うん……」
 十分にペニスが湿ったところで純の次の要求を受け入れる。
「んっ……んんっ……」
 ゆっくりと口内へ迎え入れ、唇で優しく締め付け舌も這わせた。

 もう眞一郎は完全に視線を落としていた。
 その場に座り込んで動こうにも動く気力すらなくなってしまっていた。
 ただただ、漏れてくる音を受け入れるしかなかった。
208「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:58:28 ID:BzYp75PC
 どうすれば男が気持ちよくなるかはだいたいわかっていたので、
比呂美は唇で締め付けながら頭を動かし、ペニスをゆっくりと擦ってゆく。
 純のモノがどの程度大きいものなのか他の男を知らない比呂美には分からないが、
喉奥付近まで飲み込んでもまだいくらか余裕があるサイズだった。
「んっ…っぢゅっ……んんっ……んっ……」
 時折自分の唾液がこぼれそうになりそれをすする音や、空気が漏れてしまう音が大きく聞こえて、
大胆ではしたないことをしているような気になってますます頬を朱に染めて恥ずかしさでいっぱいになってしまう。
 そんなことに気を取られたからか、ほんのわずかだが比呂美の歯が純の先端に当たってしまった。
「痛っ……!」
「!…ごめんなさい……!」
 比呂美は慌てて口を離し申し訳なさそうに純を見上げた。
「……大丈夫だから続けて」
 微かに顔を歪めたが、何事なかったように純は続きを促した。
「ごめんなさい……」
 もう一度謝って、比呂美は歯を当てたところを癒すように何度も優しく舐めた。
 そしてもう一度咥え直し、今度はもっと優しく慎重に出し入れする。
 技術はないが奉仕する心遣いが十分に伝わってくるフェラチオに純の性感は確実に高まっていた。
「……このまま出していいか?」
「…………うん」
 少し逡巡したが比呂美は了承すると、自分なりに精一杯唇を舌を頭を動かしペニスを刺激した。
209「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 13:58:52 ID:BzYp75PC
「っ……出すぞっ……!」
 純は宣言と同時に深く咥えた比呂美に喉奥に思い切り射精した。
「んんっ!…んっ!…っはっ!…けほっ………んん……」
 あっという間に喉奥を満たされ息ができなくなってしまった比呂美はペニスを外してしまい、
行き場のなくした精液を顔に浴びることになってしまった。
「大丈夫か?」
 喉に絡む精液を処理しようと何度も噎せる比呂美に純は心配そうに声をかける。
「んふっ……んっ……大丈夫…」
「待ってろ」
 純はその場を離れると台所へ向かい、コップへ水を汲んで戻ってきた。
 眞一郎は一瞬気付かれたかと焦ったがそうではなく息を吐いた。
「ほら、これ」
「…ありがとう」
 純の汲んできた水で口内をすすぐ様にしてゆっくり飲んでゆく。
 ホントは吐き出したいような気もしたが、純の手前そういうことはしたくなかった。
「悪い。無理させたな」
 言いながら近くから取ったティッシュで比呂美の顔についた精液をぬぐってゆく。
「ううん……気持ちよかったならそれでいいから…」
 健気な比呂美の言葉に純より眞一郎の方が反応する。
 ……ホントにアイツのことが好きなんだな……
210「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:00:58 ID:BzYp75PC
「今度は俺が良くしてやるよ」
「えっ?…きゃっ!」
 純が比呂美の手を取り立ち上がらせると、そのままソファに座らせ肩を抱き唇を奪う。
「んっ!…んんっ……ぷはっ…んっ、んんっ…」
 さっきのとは違う舌を入れた濃厚なキスをする純。
 空いた右手で比呂美の胸を制服の上から弄る。
「んふっ、んっ…んんっ……」
 進入してくる舌を受けとめるので精一杯な比呂美は、自分の身体に触れられるのをされるがまま受け入れた。
 そのまま純は器用に上着を脱がしてゆき、ブラウスのボタンも外して、清純そうな比呂美らしい白のブラジャーに包まれた胸を露にする。
「外して」
 さすがに背中に手を回すのは難しいのか最後は比呂美に任せる。
「……………………」
 戸惑いながらも比呂美はあまりはっきり見られないよう身をかがめながら背中に手を回してブラを外した。
 ……あれが比呂美の……
 思わず眞一郎は息を呑んだ。
 どちらかといえば大きい部類に入る比呂美の乳房は離れて見ても綺麗だった。
 形も良くて頂の桃色の乳首は小さくて可愛らしかった。
「んっ…」
 その憧れすら覚える乳房に、純はあっさりと触れ優しく撫で回す。
 眞一郎は嫉妬心に身を焦がされる思いだった。
211「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:01:29 ID:BzYp75PC
 キスをしながら胸を愛撫されると、これからセックスをするんだと嫌でも意識しまう。
 嫌……ではないのだが、恥ずかしさに思考が鈍ってゆく。
「んっ……あっ……んっ!…そっちはっ」
 純は手馴れていて愛撫がとても上手だった。
 だからいつも間にか性感を高められていて、スカートの中に手が進入してきたことに気付かなかった。
「もう十分濡れてる感じだな」
 ショーツの上から触れられただけでも、自分で濡れてしまっていることが分かるくらい愛液を滲ませていた。
「言わないで…」
 恥ずかしさに顔を覆ってしまう比呂美。それが逆に無防備になってしまい、純はショーツをするすると脱がせてしまう。
「あっ……」
「もっと良くしてやるから」
 言って純は半分比呂美に覆いかぶさるようにして、キスをし、左手で胸を弄り、膣内に指を挿れた。
「んっ!んふっ…んっ、んっ!」
 くちくちと純はわざと音を立てるようにして比呂美の羞恥を煽りながら、膣壁を引っかくように擦ってゆく。
 加えて親指で器用にクリトリスも刺激すると、比呂美は目に見えて身体をびくびくと反応させて喘いだ。
「ダメっ…純さっ……もうっ」
「イッていいよ」
 純に耳元で囁かれ比呂美の全身にゾクゾクとした何かが走り抜けた。
 そして止めとばかりにGスポットを強く擦り上げられた。
「やっ!ダメっ…んっ、んんっっ─! ああっ、んっ…あはぁ…」
 ビクビクと身をこわばらせて比呂美は絶頂に達する。
 ……もういいだろ……
 もうここにはいられない。想い人が他の男に抱かれる様は見たくない。なのに、
「んっ……はぁ……はぁ……」
 比呂美の漏らす喘ぎ、吐息が足を絡める鎖のように巻きついて足が動かなかった。
212「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:01:58 ID:BzYp75PC
 ぎしっと音が鳴って眞一郎ははっとした。
 リビングを見れば横たえた比呂美と向き合うようにソファに上がる純の姿が見えた。
「あっ……」
 達して力の抜けていた比呂美はその様を眺めることしかできず、これから何をするかは一目瞭然だった。
 ……やめてくれ!
 声を上げて部屋に突入したい思いだった。だが、そんなことできるはずがなかった。
『私が好きなのは蛍川の4番』
 それが呪いの言葉のように眞一郎を押しとどめていた。
 これは比呂美が望んだ状況で、自分が後押しした状況なのだと。
「挿れるぞ」
 再び勃起したモノを比呂美の膣口に宛がう純。
 わかっている……わかっているんだ……
 これが比呂美にとって一番幸せなことなんだと。
 けど、けど──!
「んっ…あっ!…んんっ……!」
 俺はそれでも比呂美が好きなんだよっ……!

 眞一郎の想いは報われることなく、比呂美の膣内は純のペニスで満たされていった。
213「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:02:28 ID:BzYp75PC
「大丈夫か?」
 体勢的に密着できる限界まで腰を沈めて、純は息を吐いた。
「んっ……大丈夫…」
 初めの数回は破瓜の痛みが残っていたが、もうほとんど痛みはなくなっていた。
 が、異物を膣内に収めることにはまだ慣れず、純の大きなサイズもあって苦しさはまだ残っていた。
「そっか、ならよかった」
 比呂美の膣内は処女を失って間のないきつさが残っていて、締りもとても良かった。
 その上膣襞がペニスを歓迎するように生き物のごとく絡み付いてきて、挿入するだけで十分気持ちよかった。
 初めて比呂美としたとき“名器”だなと感じたが、数回こなした今間違いないと確信していた。
「動くぞ」
 比呂美の返答を待たず、純はゆっくりと動き出した。
「んっ…あっ…!んっ……んんっ……」
 実は達したばかりで少し敏感になっていた比呂美には少しの動きでも感じすぎるくらいだった。
 それを見抜いていた純はもっと比呂美を煽るように語り掛ける。
「比呂美の膣内はいいな。今までした中で一番良いよ」
「やだっ……比べないでっ……」
「比べるのが馬鹿らしくなるくらいだって」
 比呂美は羞恥心が高まるほど感じてしまうタイプだというのはこれまでの経験でわかっていた。
 大きなストロークで膣内を擦りながら、彼女が恥ずかしくなるよなことをたくさん囁いてやる。
「絡み付いて吸い付いて…たまらないな」
「んっ…そんなことっ…!んんっ…んっ、あっ…ああっ……!」
 言葉からの恥ずかしさと、身体からの快感であっさりと高められていやいやと比呂美は首を振る。
214「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:02:58 ID:BzYp75PC
「気持ち良いか?」
 純はストロークを続けながら、覆いかぶさり両胸を揉みながら比呂美に尋ねる。
「んんっ、ふぁっ…あんっ……ん、んんっ……」
 素直に気持ち良いと答えることもできず、視線を逸らすことでごまかそうとするが、
そうすることでより快楽が内に溜まっていってますます我慢できなくなってゆく。
「顔見せて」
「あっ…!」
 背けている比呂美の顔を両手で正面を向かせる。
 汗ばむ肌に前髪が張り付き、瞳は泣きそうなくらい潤み、頬はこの上なく紅潮していた。
 その表情は年不相応の色気があって純もどきりとさせられた。
「やっ……」
 感じている自分の姿をまじまじと見られるのが恥ずかしくて比呂美は目を伏せる。
 同時に身をこわばらせ、膣内もきゅっと締まった。
「あっ!やぁっ、んんっ…純さんっ、激しっ…!」
 強く擦れるこの瞬間を狙って純は身を起こして、激しく腰を動かした。
「んんっ、もぅっ!んっ、ああっ…イクッ…!んっ!あっ!ああっっー!」
 身体を突っ張らせて比呂美は達した。
「くっ……」
 膣内が思い切り締め付けられ、一気に射精感が高まるのをなんとかやりすごす。
「あっ…ああっ……はぁ……はぁ……んっ…んんっ」
 絶頂の余韻が冷めぬまに、純は比呂美と唇を重ねた。
215「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:03:29 ID:BzYp75PC
 達してふわふわとした気持ちのまま、優しくキスをされ少しだけ幸せな気分にさせられた。
 唇が離れ純の顔を確認するとその気持ちはすぐに霧散した。
 それが何故なのか。比呂美には分かっていたが、今は分かりたくなかった。
「純さんまだ……」
 純が射精しなかったのは感覚的に分かっていた。
「次こっち乗って」
 純は比呂美の膣内から抜き去ると、ソファに座り込む。
 比呂美は気だるげに身を起こして、付けたままのスカートを外した。
 彼の肩を支えに足を跨ぐ。そそり立つペニスめがけてゆっくりと腰を下ろしてゆく。
「んっ……」
 先端が触れたところで、純の方で膣口にペニスを宛がう。
 二度イカされたっぷりと愛液を湛えた膣内は、先端が少し入り込んだだけでちゅぷりと淫らな音を上げた。
「あっ……んんっ……!」
 ぬるぬると柔襞を切り裂く感触に膝が振るえ、身体を支えきれなくなり比呂美は純にもたれる様に一気に挿入した。
「んんっ!…ああっ…んふっ……」
 自分の体重が思い切り膣奥を押し上げることになり、比呂美はそれだけで軽く達した。
「子宮降りてきるな…奥当たってるのわかるだろ?」
 比呂美は純に抱きつきながら、こくんと頷く。
「奥までいっぱい……あんっ、んっ……んんっ……」
 そのまま比呂美は自分で子宮口を擦るようにゆっくりと腰をくねらせ始めた。
216「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:03:54 ID:BzYp75PC
「んんっ!…あっ、あっ…んふっ、んんっ…んっ!あんっ…」
「やらしいな…男に跨って腰ふるタイプには見えないんだけどな…」
 比呂美の柔らかなお尻を支えるように掴んで純は言う。
 子宮口を擦られるのはゆっくりでも感じすぎるくらいだったが、比呂美はその動きを止めることはしなった。
「だって……こうしてるとっ、んんっ…凄く感じて…今だけは……忘れられるから……」
 途切れ途切れに、比呂美は切なげに呟いた。
「……そうだな……こうしてるときが一番忘れられる」
 ……忘れる……?……何を?……
 二人の言葉は俯く眞一郎にも届いたが、その意味を理解することはできなかった。
 共有する想いがあって、二人はそれで惹かれあったのだと眞一郎は知る由もない。
「もっと忘れさせてやるから」
 言って、純はソファの弾力を利用して比呂美の奥を突き上げ始める。
「ああっ!あんっ、んっ、んんっ!凄いっ…あんっ…いいっ…!」
 奥を突かれれば突かれる程、思考が弾け頭の中が真っ白になってゆく。
 膣内は締まり、愛液をまとった肉襞が絡みつき、純にも多大な性感を与えた。
「もうっ、もう、私っ!」
「俺もイクから…」
 絶頂を訴える比呂美に応えるように、純もスパートをかけた。
「ああっ!あんっ!イクっ…もうっ…!イクぅっ……!」
「イクぞ」
「うんっ、来てっ、来てっ!…んっ!あんっ!イクっ、あっ、ああっっ──!!」
 比呂美と純、二人が同時に絶頂に達する。

 その瞬間、眞一郎の瞳から一粒の涙がこぼれた。
217「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:04:25 ID:BzYp75PC
 比呂美の腰を抱き寄せ、ペニスの先端を子宮口に擦りながら純はびゅくびゅくと勢い良く射精した。
 我慢したせいか、フェラでの射精時より多くの精液を膣内へと解き放った。
「あっ…ああっ……んんっ……んはぁ……」
 ビクビクと暴れるペニスをしっかりと締め付けながら、注ぎ込まれる熱い精液の感触に陶酔する比呂美。
 本当に何も考えられなくなり、ただただ快楽の海を漂う。
 間違いなく幸せだった。満たされていた。この瞬間だけは──
「……抜くぞ」
 一足先に落ち着いた純が比呂美をソファに座らせるように身体を入れ替える。
「あっ、待って……もう少しだけ……」
 まだこの感覚を失いたくない。その思いで比呂美は離れようとした純の腕を掴む。
「もう…時間だろ」
 言われて辺りが暗くなりかけているのに気付いた。
 居候の身分でいつまでも外にいられない。
「シャワー浴びてくんだろ?」
「……ん」
 比呂美が納得したのを確認して膣内からペニスを抜き去る。
「んふっ……」
 同時に綻んだ膣口から純の放った濃厚な精液がこぽりと溢れた。
 それを純はティッシュと取って拭ってやる。
 他人に拭かれるのは恥ずかしかったが力の入らない比呂美はされるがままにするしかなった。
218「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:04:49 ID:BzYp75PC
「でも……もう少しだけこうしてたかった」
 俯き加減に比呂美は呟く。
「なら一緒にシャワー浴びるか? それならまだしてやれるぞ」
「そんな……一緒になんて恥ずかしい……」
 意地悪く問う純の視線から顔を背けて比呂美は頬を染めた。
「今さら恥ずかしいもないだろ?」
 純は拭くのを止めて、膣内に指を差し込んで膣壁を引っかきながらまた抜いた。
「んんっ!」
「こんなに男の精液受けとめてるんだから」
 まだ残っていた精液がかき出されてそれを見せ付けられる。
 淫らな女だと言わんばかりに。
「………わかった…………だから、もっとして……」
 淫らでも構わなかった。
 はしたなくても構わなかった。
 純がこうして忘れさせてくれるなら。
 いつか本当に忘れられるときがくるなら。
219「今だけは……忘れられるから……」:2008/02/11(月) 14:05:18 ID:BzYp75PC
 陽の沈みかける町の中を眞一郎は一人歩いていた。
 見たくなった。見なければ良かった。
 そうすればこんな思いをしなくてすんだのに……
 後悔だけが身体に巻きついて、他には何も考えられなかった。
「……眞一郎?」
 誰かが自分の名を呼んで、ふと前を見ると、きょとんとした顔の乃絵がいた。
「どうしたのこんなところで?」
「いや……そのちょっと…」
 いつもいつもタイミングが悪いな。と眞一郎は思った。
 こんなときは誰にも会いたくないのに。
「……眞一郎……泣いてるわ……」
「えっ……?」
 言われて初めて気付いた。乃絵が背を伸ばして頬を伝う涙を指で拭った。
「あっ……俺……」
 ヘボ涙と言われたあの時を思い出した。
「ま、またヘボ涙とか言うんじゃないだろうなっ」
 恥ずかしくなってごしごしと袖で涙を拭う。
「そんなこと言わないわ」
 予想に反して乃絵は眞一郎を抱きとめた。
「それは眞一郎を強くする涙。だから、もっと流したほうがいい」
「あっ……うっ……っ!…っ……!」
 押しとどめていたものがその一言で堰を切ったようにあふれ出して止まらなくなってしまった。
 眞一郎は逆に乃絵を抱きしめるようにしてその肩口で声を押し殺して泣いた。
 時間が許す限り、いつまでも。
220遅筆屋(Lv.7) ◆3mclWd6jX. :2008/02/11(月) 14:06:16 ID:BzYp75PC
以上です。なんか無駄に長くなって申し訳ないっす。
絶望した! エロくなくて絶望した! 三人称ってむずかいしいすね…
つーか、書いてて鬱になったので次は眞一郎と比呂美のラヴいの書いてやろうと思いました。
では。
221名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 14:16:01 ID:dGBtXk+1
GJ!
すごいよ長編。

じゃあ俺は1→3→2で書きやす。
すまんが誰かトリのつけ方教えてくれw
222名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 14:33:56 ID:Bg3tTd/5
>>220
素晴らしい!
眞一郎と比呂美ももの凄く楽しみです
223名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 14:38:10 ID:9InKuOD8
「ある日の朋与」を書いてる者です。
「今だけは……忘れるから……」凄いです!GJです!
私のに比べたら、全然エロくて完成度高いですよ!!
次も期待します!!
224名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 14:51:08 ID:rJ/lGLbM
GJ!眞一郎が悲しすぎる・・・
なんか良い感じにスレが活性化してきたな
職人の方々、期待してるよ〜
225名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 15:48:45 ID:vQ6W9gSc
いっかん、GJだが切ねえ
まじでラヴいの頼むわ…

>>221
名前欄の後に#をつけてその後に任意の文字列を何文字でも入れれば自動で生成されるよ
期待してる
226名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 16:51:41 ID:yu2p9kaI
何か一気に増えたな
素晴らしい

∧_∧
( ;´∀`)      
人 Y /
( ヽ )ノ
(_)_)
227名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 17:04:25 ID:47PGkqb8
ttにふさわしい欝展開で大変にGJですわ
堪能させてもらいました
228名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 17:52:26 ID:TDb8MZGn
                   ∧∧∩
                   ( ゚∀゚ )/
             ハ_ハ   ⊂   ノ    ハ_ハ
           ('(゚∀゚ ∩   (つ ノ   ∩ ゚∀゚)')
       ハ_ハ   ヽ  〈    (ノ    〉  /     ハ_ハ
     ('(゚∀゚∩   ヽヽ_)        (_ノ ノ    .∩ ゚∀゚)')
     O,_  〈                       〉  ,_O
       `ヽ_)                     (_/ ´
   ハ_ハ       キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!       ハ_ハ
⊂(゚∀゚⊂⌒`⊃                       ⊂´⌒⊃゚∀゚)⊃
229 ◆M0UC1NVLFA :2008/02/11(月) 19:30:17 ID:dGBtXk+1
投下GO
眞一郎×比呂美
一行目からのネタバレ注意
230 ◆M0UC1NVLFA :2008/02/11(月) 19:31:18 ID:dGBtXk+1
――「私の方が誕生日遅いから……眞一郎くんがお兄さん……」


心の中で何かが渦巻いている。
それは僕の胸を、体を苛んでいって。


信じられるはずがない。幼馴染みだった比呂美と、俺が兄妹かもしれないだなんて。
俺は……どうしたらいいんだ……っ!

「眞一郎?」
ハッとして顔を上げると、三代吉がやる気なさそうな顔で覗きこんできていた。
「どーした? テストで失敗したか?」
何も知らない三代吉は俺の気持ちを気にもせずに検討外れのことをいう。
何も知らないから責められないけど。
「違うよ。お前には関係ない」
「そうかよ。あーあ、今日は愛ちゃんも用があるっていうし、やることないなぁ」
勉強しろよと言ってやりたいがやる気が起きない。
……三代吉は、どう思うんだろうか。俺みたいな状況になったら。
「なあ三代吉」
「んあ?」
「お前さ、もし今まで気になってた人が……例えば愛ちゃんが実はきょうだいかもしれないって言われたら、どうする?」
はあ?とでも言いそうな表情だった。でも三代吉は乗ってくれた。親友やっててよかった。
「別に。どうでもいいんじゃねえ? 愛ちゃんがきょうだいだーなんて言われても、愛ちゃんは愛ちゃんだし。というかむしろ姉ちゃんだよーとか言われたら思い切り甘えたいし」
231 ◆M0UC1NVLFA :2008/02/11(月) 19:32:37 ID:dGBtXk+1
頬を緩めてニヤニヤする三代吉。
「……ふぅん」
「なんだよ突然。せっかく真面目に答えてやったのによ」
あれは真面目な対応だったのか。まったくそうは見えない。
でも。
愛ちゃんは愛ちゃん、か。三代吉なんかに教えられたか……。
そうか。そうだよな。
比呂美が例え妹なんだとしても――比呂美は、比呂美なんだ。


家に戻って部屋に入った。比呂美は部活で戻ってきていない。
もうだいたいの決心はしていた。でも、やっぱり悩んでしまう。
俺がよくても、比呂美は拒むかもしれない。
母さんがまた何か言うかもしれない。
…………。
「俺のっ、バカヤロウ!」
自分の胸を力強く叩いた。痛い。
でも比呂美が負った心の傷は、もっと痛いはずだ。
悩むな。俺は、飛べるんだろ!


比呂美が帰ってきた。俺は比呂美の部屋の前で立ち止まる。
深呼吸して、扉を叩いた。
「ちょっと、いいか?」
「……うん」
比呂美の部屋へ入る。今回はすんなりと入ることができた。
「何?」
「……比呂美!」
ガシッと比呂美の肩を掴んだ。比呂美は驚いて硬直する。焦るな俺。
「比呂美……俺は……」
「眞一郎、くん……」
胸が高鳴る。
「俺は! お前のことが好きだ!」
――比呂美の表情が凍り付いた。瞳が揺れ、動揺している。
「そんな……嘘……」
「嘘じゃない!」
「でも……兄妹かも、しれないし……」
俺は比呂美を見据え、説得するように声を絞り出した。
「関係ない! 比呂美が何であっても、俺は比呂美が好きだ!」
ムリヤリに、噛み付くようにキスをした。
比呂美は驚いて俺から離れようとする。
「いや、眞一郎くん……っ!」
「比呂美っ!」
もう止まらない。再びキスをし、今度は舌を入れた。
232 ◆M0UC1NVLFA :2008/02/11(月) 19:35:11 ID:dGBtXk+1
絡めとるように、深いキスをする。
「比呂美……っ、比呂美ッ」
比呂美からの抵抗がなくなった。抗えないと諦めたのか、それとも気持ちが通じたのだろうか。
服を捲りあげ、胸を揉みしだく。
「んっ」
唇を離し、比呂美の胸の突起を吸い上げる。
「ふっ、ぅあぁぁ……っ!」
「綺麗だよ、比呂美……!」
「眞一郎くん……っ!」
比呂美のスカートをたくしあげ、股間を撫で上げる。
「ぁん!」
ぐりぐりと秘部を押し、豆を強く擦り上げた。
「濡れてる……。もう、こんなに……」
「ふぅ……だめぇ……」
パンツを下ろし、直接秘部に触れた。指を挿し入れ、刺激する。
「あぁっ! ダメッ、いやっ、イッ、く、ぅぅぅん!」
ビクリ、と比呂美の体が揺れた。絶頂を迎え、比呂美の息が荒くなる。
「挿入れるよ」
ズブリ、と、俺のアレが比呂美の中に入っていく。締め付けられる感覚にすぐにでも出してしまいそうになった。
「あぁぁぁ……っ! 眞、一郎く、ん……!」
腰が勝手に動き始めた。スピードが上がっていく。比呂美の中の感触と熱さに、俺は耐えきれなくなりそうだった。限界が近付く。
「比呂美っ、比呂美っ、比呂美!」
「ぅんっ、ぅあぁっ!」
「出すよ、中に!」
「中は、んぅっ、いや……っ! だ、めぇぇっ」
止められない。本能が告げる通りに、俺は比呂美の中に思い切り出してしまっていた。

「眞一郎、くん……」
「比呂美……」
二人の熱い息を交わす中、比呂美からキスを求めてきた。俺はそれに応える。
「好きだ……比呂美……」
例え禁断の愛なのだとしても。それでも、俺は。
俺は、比呂美と共に。
233 ◆M0UC1NVLFA :2008/02/11(月) 19:37:05 ID:dGBtXk+1
終わり。
短くてサーセン

次はママンによる比呂美弄りの予定。
いつになるかはわからないけどできる限り早めに書きます
234名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 23:36:51 ID:fGBJJw1B
>>233
とてもGJでした。
次の作品も期待しています。
235名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 23:52:15 ID:UJE/Ccw6
誰か比呂美×眞一郎の小説投下を頼む!m(_ _)m
236名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 00:06:48 ID:rFXsU7JC
>>233 GJ!&乙〜

>>255 今投下されたじゃねーかw
237名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 00:08:43 ID:rFXsU7JC
安価間違えた。
下の文は>>235ね。
238名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 00:14:57 ID:9ANWkfd1
もうちょっと情報が出たら修羅場書きたいな・・・出来れば乃絵と比呂美を戦わせたい
嫉妬・修羅場総合に帰れ? サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
239名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 00:19:57 ID:znGoNkVB
みんなGJだ!
240名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 07:45:57 ID:ZmFlCRVD
いっきにふえた!!!
241名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 20:41:27 ID:uhpYAAP6
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
242名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 06:22:57 ID:w6MSSlo/
ここで保守
243名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 14:41:42 ID:sHjMi+oY
ほっしゅっしゅ
244名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 21:47:20 ID:CGZ/k5nd
愛ちゃん×眞一郎見たい
245ある日の朋与 7:2008/02/13(水) 23:00:56 ID:Q1Auuj0f
バスケットシューズが立てる高めの音が、体育館中に響いている。
今日は実戦形式での紅白戦。
朋与と比呂美は別々のチームとなり、コート上で戦っていた。
……だが……
向かってくる比呂美の顔が視界に入るたび、連鎖的に眞一郎のことが思い出され、朋与の集中力を削ぐ。
慎重に出したつもりのパスを簡単に比呂美にカットされ、さらに朋与のリズムは狂った。
「朋与!なにしてる!ポイントガードが試合を組み立てられなくてどうするの!!」
高岡キャプテンの激が飛ぶ。
(……そんなこと言われたって……)
比呂美との実力差は歴然としている。それに加えて今は……。
点差はどんどん開き、結局試合は朋与チームの惨敗に終わった。

壁にもたれて休んでいると、比呂美がスポーツドリンクを持って来てくれた。
二人でそれを飲み干し、失った水分を補給する。
「なんか、調子悪そうね」
朋与が比呂美を気遣う事はよくあるが、その逆は珍しかった。
「そんなことないってば、私の実力なんてこんなもんよ〜」
ニハハと笑って誤魔化す。
比呂美に知られるわけにはいかない。悩んでいる事を、その内容を。
(話を切り替えなきゃ)
朋与は話題を比呂美自身のことへ振った。
「比呂美はいいわね〜、絶好調って感じで」
最近の彼女は、女の自分が見ても眩しいくらいに輝いている。
比呂美は元々、何でもこなす優等生であったが、ここのところは実力以上の物を発揮している気がした。
「やっぱ石動さんかな〜元気の素は、ヒヒヒ」
人差し指で比呂美の肩を突付く。こうした時に比呂美がどんな反応を返してくるか、朋与には分かっている。
……そんなんじゃないわよ……
そう言うに違いない。口だけでも否定して欲しかった。彼の為に。
…………
黒部朋与はあの日から変わった。
眞一郎を『おんぶ野郎』と罵った朋与はどこかへ消え去り、今その身体を操っているのは、全く別の朋与だった。
眞一郎の希望を摘み取らないで欲しい。心底から、朋与はそう願った。
しかし…………
「ん〜そうかもね」
比呂美はあっさりと肯定する。しかも、聞いてもいない4番の話を延々と喋りだした。
楽しそうに4番の事を語る比呂美の横顔に、数日前に見た眞一郎の泣き顔が重なる。
朋与は心に生まれた黒い何かを押し留めることが出来なかった。
近くにいるだけで楽しかった親友に、今は明確な殺意を抱く自分を自覚する。
(なに楽しそうにしてんのよ……仲上くんはあんなに……あんなに苦しんでるのに!!)
この女を消してしまいたい。そうすれば……そうすれば……!!!…刹那、朋与はそう思った。
「朋与?」
比呂美が顔を覗き込んでくる。
「どうかしたの?」
我に返る。今……自分はとんでもない事を考えていた!?
「な、なんでもない!……やっぱ疲れてんのかな」
高岡キャプテンが叫んでいる。集合だ、戻らなければ。
一瞬早く反応した比呂美が駆け出す。
その背中を見送る形となった朋与は、比呂美に聞こえないように呟いた。

「比呂美……仲上くんのこと、ホントに何とも思ってないの?」
246ある日の朋与 8:2008/02/13(水) 23:02:08 ID:Q1Auuj0f
紅白戦の次の日は、部活の練習が無い。
その日、日直だった朋与は六時間目の授業が終了すると、日誌を届けに職員室に向かった。
担任に日誌を渡して挨拶を済ませると、鞄を取りに教室へ戻る。
職員室と朋与たちの教室の間には結構な距離があった。
往復するにはそれなりの時間が掛かる。
戻っても誰も残っていないだろう。朋与はそう思っていた。

「すみません、もうすぐ出ますから、ハイ、ハイ……」

教室から声がする。
(比呂美?)
携帯で誰かと話しているようだった。会話の内容から察するに……。
(4番と待ち合わせ、か)
例の公園で4番が待っているのだろう。
比呂美が電話を切る。……まずい……。このまま教室に入れば、立ち聞きした事がバレるではないか。
朋与は一旦廊下の端まで戻り、偶然に入り口で鉢合わせという状況を装おうとした。
(そろそろ出てくる頃……って、あれ?)
なぜか比呂美は外に出てこない。
教室の中を覗くと、比呂美は窓際に立ち、外に視線を巡らせていた。
(4番待たせて……何してんの?あの娘)
窓の外に見えるものといえば、この時間、下校中の生徒の集団くらいである。
入るタイミングを逸した朋与は、そのまま比呂美の観察を続けた。
左右に動いていた比呂美の首がピタリと止まる。
次の瞬間、比呂美は鞄を手に取ると、朋与が陣取るのとは反対の入り口から教室を出て行った。
朋与には気づかず、去っていく比呂美。
朋与も比呂美が発する妙な雰囲気に、なぜか声を掛けることが出来なかった。
(比呂美、なんか捜してたのかな)
入れ替わりに教室に入り、比呂美の居たところから外を覗く。
瞬間、心臓が早鐘を鳴らし始めた。
(仲上くん……)
見下ろした視線の先に、眞一郎の後姿があった。
あれ以来、眞一郎との間に会話はない。
(当然といえば……当然だけど……)
ずっとこのままなのだろうか。そんなことを考えて、ひとり暗い気分になる朋与。
眞一郎は苦しみ続け、朋与は彼を傷つけた女として、近寄ることも許されず見ているだけ……。
(キツなぁ、ホント)
泣きたい気分で眞一郎の背中を見ていると、視界の隅に比呂美が飛び込んできた。
(?!……比呂美?)
全力で眞一郎に追い付くと、そのすぐ後ろにピタリと張り付く。
(??…なに……何のまね??)
比呂美は眞一郎に気づかれないように呼吸を整えている。
そしておもむろに携帯を取り出して電話を始めると、そのまま眞一郎を無視して横を通り過ぎていった……。
(!!!!!)
呆然と立ち尽くす眞一郎の様子から、朋与は比呂美が何をしたのか瞬時に理解した。
教室でひとり、何をしていたのかも。
(仲上くんに見せ付けるタイミングを計っていたんだ、比呂美の奴!!)
おそらく先週も、先々週も、その前の週も!
(酷い、酷すぎるよ、比呂美!)
許せないと思った。仲上家で比呂美がどんな扱いを受けているかは知らないが、
少なくとも、眞一郎だけは味方をしてくれているはずだ。……それを……。
どうして……そこまでしなければいけない?
4番が好きならばそれでもいい。
でも、自分に好意を寄せてくれる男の子に、そんな仕打ちをしていいはずがない。
…………
眞一郎が歩き出す。それを見た朋与は一瞬、追い掛けようとしたが直ぐに思い止まった。
私が行っても、また喧嘩になるかも……。
そう考えると怖くて堪らなかった。眞一郎の泣き顔を見たら、と想像するだけで脚が震えてくる。
朋与はその場から一歩も動けず、眞一郎の姿が見えなくなるまで窓際に立ち尽くしていた。
247名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:02:51 ID:33gQeDoR
寝取られ見ると立つには立つけど
すごい胸が痛い…
特に忘れようともがいてる系は特に
248ある日の朋与 9:2008/02/13(水) 23:04:14 ID:Q1Auuj0f
眞一郎と物理的に『距離』を取るため、朋与は学校で時間を潰してから帰路についた。
(……あぁ、今日も寝れないかも)
家路を急ぎながら、先ほどの比呂美の行状を思い出してみる。
一週間前の朋与なら、比呂美の行動には理由があると考えていただろう。
だが、今の朋与の中では、物事の優先順位が完全に逆転している。
もはや朋与にとって、比呂美の事などはどうでもよかった。
それよりも心配なのは……。
(仲上くん、かなり参っていたみたいだけど……)
遠目に見ても、眞一郎の落胆振りはハッキリと見て取れた。
それはそうだ。好きな相手にあんな仕打ちを受けたら……。
(普通は……耐えられないよね……)
あれこれと考えながら歩いているうちに、一週間前から避けていた海岸通りに出てしまう朋与。
(あちゃ〜、ここには来たくなかっ……!!!)
驚いた。本当に心臓が壊れるのではないかと思った。
目の前の防波堤の上で眞一郎が寝転がっていたのだ。
(嘘、な……なんで……どうしよう…)
朋与がボンヤリと歩いていたせいで、二人の距離はかなり接近してしまっている。
気づかれずに通り過ぎる事は不可能に思われた。
…………
恐る恐る近づく。仰向けになって眠っているようだった。
チョットだけ顔を覗き込んでみる。朋与の頭が日除けになって、眞一郎の顔に影が差した。
「愛ちゃん、今日は放っておいてくれよ、頼むから」
????アイ…ちゃん??
どうやら寝てはいないようだが、朋与を誰か別人と間違えているみたいだった。
そのまま素通りしたかったが、存在を感づかれた以上、声を掛けないわけにはいかない。
朋与は意を決して話しかけてみた。
「……アイちゃんって……誰?」
パチッと目を開けた眞一郎が、「うわああああ」と奇声を上げて飛び起きた。
相当驚いたのだろう。胸を押さえて荒々しく息をしている。
「あ……ゴメン、驚かして……」
朋与の顔を見て、眞一郎の瞳が少しだけ曇った。
「……黒部……」
当然の反応だった。でも……分かっていてもちょっと悲しい。
「なにしてんの?」
先週のことなど、何もなかったかのように平静を装って話しかける朋与。
「え?……あ……いや、その……昼寝……」
喧嘩を売られると思っていたのだろう。普通に接してくる朋与に安堵し、眞一郎も警戒を解く。
「ふ〜ん」
朋与はバスケで鍛えたバネを活かして、ヒョイと防波堤に飛び乗ると、眞一郎の横に陣取った。
(良かった。もっと落ち込んでるかと思った)
自然に笑みがこぼれる。素直に嬉しかった。
眞一郎がなんとか自分を保っている事も、こうして喧嘩せずに話せる事も……。
「なんだよ、ニヤニヤしてさ」
「別に、なんでもないわ」
まだ空は蒼かったが、この季節だ、日が暮れるのは早いだろう。
この至福の時は、あまり長くはない。
朋与は舞い込んだ幸せに感謝しつつ、一体何から話そうかと考えを巡らせていた。
249ある日の朋与 10:2008/02/13(水) 23:08:06 ID:Q1Auuj0f
朋与と眞一郎は砂浜に降りていた。
最初、朋与はショッピングモールに行こうと誘ったのだが、眞一郎はのってこなかった。
『女ってさぁ、落ち込んでる奴を見つけると買い物に連れて行きたくなるのか?』
と、意味不明な事をいう。
『アイちゃん』とやらが関係しているのだろうか?
眞一郎の場合、何が地雷になるか分からないので、朋与は深く追求しないことにした。
「風、冷たくなってきてるね」
「あぁ、冬だしな」
二人で意味の無い会話を続ける。
朋与も眞一郎も、互いが相手に謝りたがっていることを感じていた。
でも、話を切り出せば先週の話題を蒸し返すことになる。
…………
世間話のネタも尽きてきた頃、眞一郎が何気なく朋与に訊いた。
「黒部はさ……好きな奴いないの?」
朋与の身体が硬直する。
眞一郎の予想では、朋与の『好きな人』は今回の問題とは無関係な人物らしい。
恋愛相談でお茶を濁す……眞一郎らしい逃げ方だった。
(鈍感なんだね……仲上くん)
さぞ、沢山の女の子を『気づかずに』泣かせてきたことだろう。
『アイちゃん』も犠牲者のひとりかも知れないな、と朋与は思った。
「訊いちゃまずかった……か?」
朋与は的外れな問い掛けを続ける眞一郎に、ゆっくりと向き直る。
その表情は優しく、どこか寂しい……そして何かを決意した顔だった。
250ある日の朋与 11:2008/02/13(水) 23:09:40 ID:Q1Auuj0f
「仲上くんは?好きな人、いるんでしょ?」
「………」
そう切り返されるとは思わなかったのだろう。
「知っているのに訊くのか」と言いたげに、眞一郎は顔を背けた。
「フラれるのが分かっているからって、それは告白しない言い訳にはならないよ」
「そうじゃな……」
眞一郎が『言い訳』しようとするのを遮って、朋与は言った。
「私は仲上くんが好き」
「……え……」
呆気に取られている眞一郎の頬に手を添え、顔を引き寄せると、強引に唇を奪う。
「!!!」
朋与はあえて、眞一郎の意思を無視した。
この後の話を分からせる為には、朋与自身の気持ちに偽りが無い事を、まず証明しなければならなかったから。
唇が離れても光の糸がふたりを一瞬繋いでいたが、すぐに切れた。
「……ごめんね、無理矢理で……。でも本気だって信じて欲しかったから……」
「……俺……俺は……」
眞一郎は、必死に朋与を傷つけない言葉を捜している。
でも、そんなことは朋与にはどうでもよかった。
どう転んでも、朋与の想いが叶うことは……ない。重要なのは眞一郎の方……。
…………
「比呂美にちゃんと言って」
眞一郎が絶句して固まる。一週間前と同じ『男の子』が、朋与の目の前にいた。
「なにか事情があるのも知ってる。4番が手強いのも知ってる。……でもね……言わなきゃだめ」
朋与は続けた。
「私は…ダメなのわかってたけど……仲上くんならきっと…」
比呂美を取り戻せる……そう言いかけた時……

   ドサッ

眞一郎が砂地に膝から崩れ落ちる。
朋与はそれ以上話せなくなった。
「……仲上くん……」
「…違うんだ…黒部……そうじゃないんだ……俺と……俺と比呂美は……!!」
『何か』を言いおうとするが、溢れてきた大粒の涙に邪魔され、眞一郎も話すことが出来ない。
というより、自ら嗚咽の海に沈むことで、秘密をせき止めている様に朋与には見えた。
(……しん……いちろう……くん……)
女としての本能だろうか。朋与は反射的に眞一郎を抱きしめていた。
頭を優しく抱え込み、顔を自分の胸に埋めさせる。
ほんの少しでも、眞一郎の涙を吸い取ってやりたかった。
(……また……泣かせてしまった……)
声を掛けるんじゃなかった……。砂浜になんか誘うんじゃなかった……。
(私……また余計な事をしてしまったんだ……)
一週間前の比ではない、激しい後悔の念が朋与を襲う。
日暮れと共に風が強まり、容赦なく二人を鞭打った。
251ある日の朋与 12:2008/02/13(水) 23:11:33 ID:Q1Auuj0f
「入って」
朋与は泣き疲れ、憔悴しきった眞一郎を自宅に連れ込んだ。
「……家の人は?」
「貧乏だから共働きなの。夜の九時まで私ひとり」
眞一郎が動揺していのが分かる。
「こっちよ」
制服の袖を引いて二階へ、自分の部屋へと連れて行く。
扉を閉め、念のため鍵をかける。暖房のスイッチは入れたが、照明は点けなかった。
所在無げに立つ眞一郎に背を向けながら、朋与は制服を脱ぎ捨て始める。
「!!……黒部!よせよ!!」
「わかってて来たんでしょ?……仲上くんも脱いで……」
眞一郎は動かない。朋与は構わず淡々と服を脱ぎ、ついに下着だけになった。
最後に髪留めを外し、テーブルの上に置く。
普段は左側に上げている前髪が顔に掛かり、朋与を大人びた印象にしていた。
「く、黒部……俺はお前の気持ちには……」
赤面して目を泳がせる眞一郎だったが、逃げ出そうとはしなかった。
静かに眞一郎に近づき、身体を寄せる朋与。
「好きになって欲しいんじゃないの……ただ……ただね……」
落ち着きのなかった眞一郎の視線が、朋与の真剣な眼差しに捕らえられる。
「ほんの少しの間でも……忘れさせてあげたいの……」
何を言っても救えないなら、何をしても傷つけるなら、せめて忘れさせてあげたい……。
「もう…なにも訊かないから……だから……」
「黒部……」
眞一郎の腕が、戸惑いながらも朋与の背中を包んでいく。
(私の身体……使って……)
二人は二度目のキスを交わした。朋与の指が眞一郎の制服のボタンを外していく。
少しでも早く、朋与は眞一郎の肌に触れたかった……。
252ある日の朋与 13:2008/02/13(水) 23:12:55 ID:Q1Auuj0f
身に着けていた物を全て脱ぎ去った朋与と眞一郎は、
ベッドの中で身体を密着させ、互いの唇を貪り合っていた。
声にならない声が、室内に響く。
「ふん……ふ…はぁっ……」
先に相手の口腔に舌を侵入させたのは朋与の方だった。
緊張でガチガチと震える眞一郎の前歯をすり抜け、その奥にいる同類に挨拶する朋与の舌。
朋与に先手を取られた事に発奮したのか、眞一郎の舌もすぐに丁寧な挨拶を返しに掛かる。
渦を巻くような動きで逆に朋与の口腔に滑り込み、舌のみならず、歯茎や上顎の裏まで刺激する。
(ッッ!)
痺れるような快感を感じた朋与は身を引こうとするが、眞一郎の腕がそれを許さない。
お返しとばかりに、徹底的に朋与の『なか』を蹂躙する眞一郎。
両腕に力を込め、胸板で朋与の乳房を押し潰し、勃起した陰茎を下腹部に押し付ける!
(やぁ……い、イクッ!!!)
朋与の首から上が桜色に染まり、指先が眞一郎の肩と鎖骨に食い込む。
身体全体がブルブルと震えだし、朋与は最初の絶頂に達した。
…………
「……ぷはぁぁ……」
ようやく唇を離し、新鮮な空気を補給する二人。
朋与は眞一郎に組み敷かれる形で、軽い虚脱状態に陥っていた。
「悪い…はぁ、はぁ、やり方良く分からないから……無茶苦茶したかも…」
息も絶え絶えに眞一郎が言う。
(嘘……適当だったの?……もしかして、天才!?)
リードするつもりだった相手に、まさかキスだけでイカされるとは朋与も思っていなかった。
どうやら眞一郎には、誰も気づいていない隠れた才能があるらしい。
「黒部……」
「え……ちょっと待…」
タガの外れた眞一郎は貪欲だ。遠慮なく朋与の全てを求めてくる。
今この瞬間、確かに眞一郎はあらゆる『しがらみ』から開放されていた。
それは朋与が望んだことではあったが、このまま攻め続けられては、朋与の体力が持ちそうもなかった。
(そうだ、アレ試してみよう)
…………
「待って、仲上くん」
朋与の弱点を探り当てようと伸ばしてきた眞一郎の手を押し留める。
「?」
身体の位置を入れ替え、眞一郎の『上』を取る朋与。
教室では絶対に見せない妖艶な笑みを浮かべ、眞一郎の耳元で囁く。
「先に……私がしてあげる……」
そのまま身体をズラし、朋与は眞一郎の下半身に顔を近づけていった。
253ある日の朋与 14:2008/02/13(水) 23:14:56 ID:Q1Auuj0f
身体を下に移動させると同時に、掛け布団を足元へと追いやる。
ふたりの体温が上昇している今、それはもう邪魔物でしかなかった。
「黒部……」
眞一郎が半身を起こして覗き込む。
「口でしてあげる。じっとしてて」
眞一郎の両脚の間に身体を納める形になる朋与。
目の前には、限界まで血液を充填された眞一郎の男性器がそそり立っていた。
初めて目にする勃起した陰茎は、なんだか不思議な臭いがする。
普段なら拒絶反応を起こす類の臭気だったのに、なぜか「臭い」とは思わなかった。
(ええっと、まずは……)
ティーンズ雑誌で仕入れた知識を、脳内で検索にかける。
…………ペロリ…………
舌先で亀頭の裏側、『縫い目』のようになっている部分を舐め上げた。
「うぅっ」と呻いた眞一郎の声が、自分の行為に意味があると知らせてくれる。
躊躇うことなく茎を握り、上下にスライドさせる。
そして先端を、カリ首を、全体を……
アイスバーを溶かす様に、自らの唾液をまぶしながら朋与は愛撫し続けた。
「うっ……うっ……く、黒部……」
眞一郎が情けない声を上げるたび、胸の奥が熱くなる。
(もっと……もっと気持ち良くしてあげるよ、仲上くん……)
陰茎を絞り上げる圧力を強めると、鈴口から一気に透明な雫が溢れてきた。
先端に吸い付き、その蜜を吸い上げる。
内側から押し出されてくるのを待ちきれず、朋与は亀頭を口腔で包むと、
陰茎裏の『管』のようになっている部分をしごき上げた。
「うわあっ!……ま、待ってくれ……それ…キツ過ぎる……」
与えられる刺激の強烈さに、おもわず眞一郎の手が朋与の頭髪にかかる。
空いている方の手でそれを払い除けると、朋与は蜜の吸引を続行した。
絶えることなく湧き出してくる眞一郎の淫水……。
(……おいしい……)
舌の上に溜まった蜜を、唾液と混ぜ合わせてコクコクと嚥下していく。
カウパー氏腺液に味らしきものは殆どない。
だが今の朋与にとってそれは、聖杯に注がれた酒にも勝る美味だった。
首を左右にくねらせ、更なる愛撫を加える。陰茎を握る指にも力が篭る。
突然、悶絶する眞一郎に限界が訪れた。
「あ、あぁっ!で、出るッッ!!!」
何が?と思った瞬間、朋与の後頭部に眞一郎の手が伸び、動きが固定される。
「!!!!」
眞一郎の尻の筋肉が緊張して、腰全体が朋与の顔へ突入するように突き出された。
陰茎が一回り大きく膨らみ、輸精管を駆け抜けた白いゲル状の液体が、
鈴口を内側から広げて飛び出し、朋与の喉奥に撃ち付けられる。

ドピュ!ドピュ!ドピュ!…………

「んんんっ!んんんんっっ!!」
口の中に吐き出されるドロリとした暖かい液体。青臭さが喉から鼻腔に広がり、息が出来ない。
(……シャセイ……射精……してるっ!!)
カウパー氏腺液とはまるで違う『牡』そのものを体現する物質……。
(仲上くんの精液……赤ちゃんの素……)
……身体の中に受け入れたい……。朋与はそう思った。
…………
……ゴクリ……
喉奥に溜まったものを飲み込む。精液が食道を抜けて内臓へと落ちていく感覚に、朋与はうっとりした。
(仲上くんが私のナカにいる……仲上くんの子供たちが……)
そう思うと、身体の中心に注がれた『熱』が全身に拡散していく気がして、心まで温まってくる様だった。
254ある日の朋与 15:2008/02/13(水) 23:17:03 ID:Q1Auuj0f
「……飲んじゃったのか……」
脱力していた眞一郎が、目線だけを動かして様子を伺う。
朋与はティッシュで自分の口元と眞一郎の陰茎を拭っていた。
「うん……まぁね」
吸血鬼に襲われた被害者のように、身動きできないほど疲れ果てた眞一郎の陰部を、甲斐甲斐しく清掃する朋与。
「ごめん……口に出すなんて……最悪だよな…」
眞一郎はまだ呼吸が整わないようだった。それほど激しい射精だったのだろう。
「ううん、平気。仲上くんの…だもん」
そう言うと朋与はベッドから降りて、扉へと向かう。
「少し休んでて、うがいしてくる」
「……え……」
一人にされるのが怖いのか、眞一郎はすがりつく様な視線を送ってくる。朋与はそれが無性に嬉しかった。
顔を近づけ、悪戯な微笑を浮かべながら囁く。
「なに?自分の精子の味、知りたいの?」
真っ赤になった顔を背ける眞一郎を、朋与はとても可愛いと思った。
「待ってて。すぐ続きしよ」
鍵を開けると、朋与は裸のままで一階の洗面所に降りていった。

                    [つづく]
255名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:21:26 ID:Q1Auuj0f
「ある日の朋与」を書いている者です。
全然途中ですが、なんとかエロパートまで書き進めましたので、投稿させていただきます。
非エロ部分が長くてスミマセン。
あと先に白状しますと、11の朋与のキメ台詞は、仮面ライダー電王のパクリです。
重ね重ねスミマセン。
スレ汚し、ご勘弁のほどを。
256名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:22:45 ID:RddYDY4/
GJ!
面白いよマジで
257名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:30:34 ID:hg+hNprz
GJ!
乃絵×眞一郎も頼んます
258名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:43:59 ID:zoC5I29u
朋与さんおつかれさまです

勢いで書いちゃった非エロ完結のがあるんですが、どこに落とせばいいでしょう?
ちなみに、四話までしか見てない時点で書いたもので、今さっき五話みて、
書いたのが完全にパラレルワールド化してて涙目なんですが……
259名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:46:25 ID:ikZj1epc
>>258
そういう注意書き書けばここで構わないと思うけど・・・
260名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:47:30 ID:dgzSdN3W
GJGJGJGJ!!うっひょーまさかこの組み合わせくるとは思わなかったwまぢでGJ
261名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 23:59:41 ID:zoC5I29u
>259
うーん、やっぱりあまり推奨されないですよね。
262名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 00:03:37 ID:rKr/6BZN
俺が推奨するから投下しちゃえ
最初にパラレルワールド注意とでも書いておけば大丈夫でしょ
263名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 00:14:42 ID:AWH4SDSJ
>>255 GJ! 続き楽しみ!

このスレクオリティ高くね?
264 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:20:53 ID:lldjdHWx
それでは、せっかく書いてしまったので、お言葉に甘えまして。
パラレルワールドっていうより、もともとファンタジーなんですが。

当方原作を5話までしかみていません。(ていうか、今何話まできてるんでしょう?)
以下の作品は私が4話を見終わった時点で書き始めたものです。
ですので、5話以降の放送内容と若干(?)ずれている部分があります。

・非エロなんて作者のオナニーいらん!
・おい、原作と設定が違うじゃないか!
・そもそも設定破綻してるじゃねーかよ!
・おい、下手な文章だな!

以上いずれかに該当する方には不愉快な内容である可能性が極めて高いです。
そのような方は
◆NffVvYdjh6
でNG入れてくださいますようよろしくお願いいたします。

265 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:23:09 ID:lldjdHWx
ごめんなさい、トリップいきなり間違えました。
というか、janeにプレビューさせたのと違うトリップが出てるんですけど……
◆l5uYUz79nM
かもしれません。同じキーで書き込みます。表示されてるトリップでNGしてください。
266 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:23:36 ID:lldjdHWx
朝。他の生徒が通学してくる時間より、少しだけ前。
乃絵はいつもの木に登って、眞一郎の餌を収穫していた。
今日はどこに置いておこうかな、机の中?それともロッカーの中?
それが眞一郎の迷惑かもしれないなんて、乃絵はまったく考えていない。

朝。他の生徒が通学してくる時間より、ずいぶん前。
比呂美は朋与と一緒にバスケ部の朝練に汗を流していた。
朝練がある日はいいなって比呂美は思う。だってあの家にいなくて済むから。
あの家ではいろいろよくしてもらっているけど、なんだか息苦しく感じるときがあって、
そんなときに朝練があるのは助かる。

朝。他の生徒が通学してくる、まさにその時間。
あいちゃんは他の制服に混じって学校へ向かう坂を上っていた。
心持ち早足で。二度寝した割には余裕があるな、だなんて、思っているかどうかは知らない。

そして、物語は紡がれる。
それは、偶然が運んだ小さな物語。
いたずら好きの天使様が、誰かのために用意した物語。
最後の登場人物、眞一郎の知らないところではじまった、それは喜劇?それとも……
267 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:24:17 ID:lldjdHWx
「っっぃったぁぁぁい!!」
ごつんと大きな音と、目の前に浮かんだ大きな星。
わたしは廊下の角を曲がったところで、向こうから突進してきたなにかとぶつかった。
その勢いで私は突き飛ばされ、尻餅をついてしまう。
「ちょっと、ちゃんと前を見て歩きなさいよ!」
わたしが文句を言おうと思っていたら目の前からわたしの声がした。
だれかがわたしのかわりにわたしの気持ちを代弁してくれたみたい。
わたしの声で。
わたしの声……
「えっ!?」
わたしがびっくりして目を開けると、そこには尻餅をついているわたしがいた。
わたしはわたしの方をみて、やっぱりとってもびっくりしていて、
それはもちろんわたしだって同じで、えっと、こういうときは……
転んでるわたしを見たわたしは、どう反応すればいいのかなって……

「「えええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」

大きな声が、廊下に響きわたった。

268 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:24:39 ID:lldjdHWx
眞一郎がいつも通りに教室に向かう途中、廊下を歩く乃絵の姿を見かけた。
元気にぴょこんと跳ねた短めの髪は、彼女の普段を表しているかのようだ。
しかし今日の乃絵は、ふだんのぴょんぴょんした感じがなくて、なんだか落ち着いて見える。
「よう、乃絵。おはよう!」
眞一郎がそういって、あいさつ代わりに乃絵の頭をくしゃくしゃする。
すると乃絵の口から「きゃ」っとかわいらしい声が漏れ出た。
「きゃ、ってお前、似合わねー」
眞一郎はそういって腹を抱えて笑う。
乃絵はしばらく、それをぼーっと眺めていた。
その視線はそんなにおかしいことだろうか、とでもいいたげで、
「おい、どうしたんだ、元気ないけど、なんかあったのか?」
バカみたいに笑っていた眞一郎も、さすがに乃絵の様子がおかしいことに気づいた。
「悪いもんでも食ったんじゃねーか? なあ、保健室行くか?」
それにようやく乃絵の目が正気に戻る。
「ごめん、そうじゃなくて、ちょっといろいろあって……」
「いろいろって、なんだよ?」
「えっとね、あまりにばかばかしいから信じてもらえないかもしれないんだけど」
「何だよ言ってみろよ」
眞一郎がせかすのに押されて、乃絵がようやく口を開く。

「えっとね、わたし、比呂美なの」
「……は?」
乃絵の非常識な言葉に、眞一郎はただただ絶句するしかなかった。

269 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:25:02 ID:lldjdHWx
「えっと、つまりお前は乃絵に見えるけど実は中身は比呂美で、
その原因として考えられるのは廊下でぶつかったこと。
その時に中身が入れ替わったに違いない、と?」
「うん、そうなの。わたしも信じられないけど」
乃絵は、(いや比呂美は、というべきだろうか)そう言って自嘲気味にほほえむ。
そんなの、もちろん眞一郎だって信じられない。
廊下でぶつかって、中身が入れ替わるだなんて、漫画の中じゃ無いんだから。
「で、その乃絵が比呂美だとして、じゃあ比呂美は乃絵なのか? って、ん?」
眞一郎も言っていて訳がわからなくなってきた。
「わからないけど、たぶんそうじゃないかと思う」
乃絵がそう言う。その口調や仕草は、確かに言われてみると比呂美のもののようだった。
「ふーん、じゃあ俺は今日一日、比呂美と乃絵みたいに接してやんなきゃいけないわけか」
「そうね。あんまりべたべたしたらいやだよ」
乃絵の口が、比呂美の気持ちを告げてくる。
「わかってるよ。でもそういうことはむしろあいつに言ってやってくれ」
やっぱり自分の体で好きでもない奴にべたべたされるのは
いやだよなぁ、と眞一郎が心の中でため息をつく。
そんな気持ちを知ってか知らずか、
乃絵の中の比呂美はにっこりわらって、「それもそうか」と言った。
270 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:25:34 ID:lldjdHWx
教室に入ると、比呂美の姿をした乃絵は、もう自分の席に着いていた。
「ようおはよう乃絵、聞いたぞ、お前ら入れ替わってるんだってな」
眞一郎はできるだけ気さくに、比呂美に声を掛ける。
「え、ああおはよう。その、聞いたんだ……」
比呂美の中の乃絵は、すこしおどおどと答えた。
「あの、あんまり教室の中でその話はやめよう。放課後なら、いいから」
「ん? ああ、そうだよな、気づかなくてごめん」
眞一郎が頭をかく。
それを見た比呂美の姿をした乃絵は、にっこりほほえんで
「じゃあ、放課後ね」
と言った。
それを見た眞一郎は、胸が締め付けられるような、何とも言えない気持ちになった。
比呂美の、笑顔……

「よう、湯浅比呂美に教室で声かけるなんて、めずらしいじゃん、どうしちゃったのさ?」
眞一郎が席に着くと、ミヨ吉が声を掛けてきた。
「べつに、どうもしてないよ。たいしたことじゃない」
「そうか? それより聞いてくれよ、さいきん愛ちゃんがつれなくてさ、
今朝だって……」
ミヨ吉のノロケ話にいちいちつきあってられない眞一郎は、
適当に聞き流しながら、一限目の準備を始める。
準備をしながらも、放課後のことに気持ちは飛んでいた。

――比呂美の恰好をした、乃絵と一緒に、か。

比呂美の背中に目をやる。
やはり複雑な気分だった。
271 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:25:56 ID:lldjdHWx
「ねえねえ、次どこ行く?」
放課後、比呂美と一緒に眞一郎はいろんなところに遊びに行った。
繁華街に行って服を見たり、露天でアクセサリーを見たり、カラオケ屋に行ったり。
まさか比呂美の財布を使うわけにはいかないので、そのお金は全部眞一郎が出した。
今目の前には、二人分のラーメンどんぶり。
自分はともかく、乃絵の奴、比呂美の体だってことわかってるんだろうか。眞一郎がそんな心配をする。

眞一郎は今日一日、比呂美っぽくない比呂美と、ずっとデートのまねごとをした。
もちろんずっと好きな女の子のそばにいられるから、眞一郎もそのことはうれしかった。
でもそれ以上に、微妙な気分になっていることは間違いない。
「べつに、行きたいとこなんて、特にねえよ。それよりそろそろうちに帰らないと」
だんだんどういう風に反応すればいいのかわからなくなっていた眞一郎は、ぶっきらぼうに返事をする。
それを見て、比呂美の顔にすこしだけ寂しそうな顔が浮かぶ。

そう、今日一日、ずっとこれだった。
眞一郎が乃絵を傷つけるようなことをすると、比呂美が悲しそうな顔をする。
――乃絵のやつ、わざとやってるんじゃないだろうな
一瞬そんな疑いが頭によぎるが、すぐにあいつにそんな器用なことが出来るわけがないと否定する。
眞一郎は、しかたないなぁと頭をかきながら、言った。
「わかったよ、じゃあ次で最後だ。お前の好きなとこ、どこでもついて行ってやるよ」
それを聞いた比呂美の顔は、うれしそうでもなく、悲しそうでもなく、
何というか、何かを決心したような表情だった。

「じゃあ、海を見に行きたいな」
しばらくして、比呂美がつぶやく。
そうして今日の、へんてこりんなデートの終着点は、海の見える堤防に決まった。

272 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:26:20 ID:lldjdHWx
夕日が沈む海。橙色の波が、橙色のテトラポットと戯れている。
眞一郎と比呂美は堤防に腰掛け、その橙色の世界を眺めていた。
「わたしね、眞一郎のこと、好きだよ。本当に」
不意に比呂美の口から、そんな言葉が漏れる。
比呂美の口から、もう一生聞くことができない言葉。
だって、彼女が本当に好きなのは、螢川の四番だから。
胸が痛い。眞一郎は肩を軽くすくめて、それでもなんとか、「そうか」と返した。
「えっとね、わたし、実は感謝してるんだ。今の、この状況」
「比呂美とお前が入れ替わってるってことか?」
眞一郎のその問いかけに、こんどは比呂美の体が、肩をすくめて返した。
「こんなことでもなかったら、自分の気持ちはっきり眞一郎に言えなかったと思うから。
そりゃ、廊下でぶつかったときは痛かったよ。
このやろーって思って、相手をなぐりとばしちゃおうって思って、
それで目開けたら、目の前にわたしがいるの。おかしいでしょ。
あ、この顔にそんなこと言われても困るよね」
堤防の上で、比呂美の笑顔からころころとした笑い声が転がってくる。
ああ、やっぱり比呂美はかわいいんだなって、眞一郎は思う。
思いながら、この中に乃絵が入っていると思うと、
乃絵が比呂美にこんなことを言わせてると思うと、無性に腹が立ってきた。
「そうだな、俺だって感謝してるぜ。
なんてったってそのおかげで俺は比呂美とデートみたいなことができてるんだから」
だから、これは眞一郎なりの乃絵への嫌がらせ。
「好きだ」って言ってくれた相手への、子供じみた仕返し。
比呂美の顔が一瞬悲しそうな寂しそうな、そんな色に染まる。
眞一郎の心に生まれる、小さな達成感と少しの後悔。
そう、今日一日の比呂美の顔は、全部乃絵が作ったもの。
だから、今の悲しそうな顔も、比呂美が悲しんだわけじゃない。
わかっては、いるけど……
眞一郎の胸が、また小さく痛んだ。
今日だけで、どれだけ胸を痛めただろう。

天使のいたずらか、それとも悪魔の遊び心か。
どちらにせよ眞一郎にとって地獄のような一日が、ようやく終わった


273 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:26:51 ID:lldjdHWx
どんなからくりかはわからないけど、
眞一郎の気持ちをもてあそんだ喜劇の幕は、一日経ってあっさり下りてしまっていた。

次の日の朝。
眞一郎が見かけた学校に向かう石動乃絵は、すっかりいつも通りの彼女だった。
しんいちろー、おはよー、と手を振ってくる彼女は、間違っても比呂美ではないだろう。

「おはよう。おれは昨日のお前のいたずらのせいで寝不足だよ」
「昨日? なんのこと?」
「だって、昨日お前、俺のこと放課後あちこち連れ回しただろ」
しかし、乃絵のその次の発言は、眞一郎にとってにわかには信じられないものだった。
「え、昨日? わたしはずっと保健室で寝てたよ」
昨日一日、比呂美の中には乃絵が入っていた。
眞一郎は少なくとも、そう信じていた。
「なんか、廊下走ってたらがつんって誰かにぶつかっちゃって、
で、気づいたらお昼過ぎで保健室だったの。
それでね、とりあえず顔洗おうって洗面台まで行ったら、
鏡に湯浅比呂美の友達の顔が映ってたんだ。びっくりしちゃった」
なのに、乃絵は今、比呂美の中にはいなかったと言った。
乃絵が楽しそうに話している言葉は、眞一郎には現実離れしたこと。

――乃絵じゃ、なかった?

昨日、少なくとも乃絵の中には比呂美が入っていた筈だ。
だから比呂美の中には乃絵が入ってるって、ずっと思ってたんだ。
でも、乃絵は自分は黒部(のことだろう)の中に入っていたと言う。
そういえば、たしかに昨日黒部は教室に来てなかった。
だとすると、昨日比呂美に入っていたのは、黒部だったってことになるのか?

――わたしね、眞一郎のこと、本当に好きだよ
――こんなことでもなかったら、自分の気持ちをはっきり眞一郎に言えなかったと思うから

あれは、じゃあ乃絵じゃなくて……
「だから昨日はごめんね。赤い実、取ってこれなくて。
おなかすいてたでしょ、って、しんいちろー!」

気づいたら俺は駆けだしていた。
いま教室に戻ったら、まだ黒部はいるかもしれない。
会って、どうしてもたしかめないといけないことがあった。

――そうだな、俺だって感謝してるぜ。

乃絵だと思ってた。
小さな仕返しのつもりだった。
乃絵の子供じみたいたずらへの、子供じみた仕返しのつもりだった。

――なんてったってそのおかげで俺は比呂美とデートみたいなことができてるんだから

でも、それを聞いていたのは乃絵じゃなくって……
274 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:27:13 ID:lldjdHWx
「黒部、いるか!」
教室に入るなり、眞一郎は叫んでいた。
教室にはまだちらほら人影があって、
その全員分の視線が教室の入り口に向けられる。
息を切らせながら教室に飛び込んできた男子生徒に、
なにごとだという無言を投げかける。
「いるけど、どうしたの仲上君?」
それを聞いた眞一郎はほっとした表情で、
息を整えながら黒部朋与のところまで歩いていく。
「ちょっと、聞きたいことがあるんだ。その、昨日のことで……」
眞一郎は、ずっと比呂美の中には乃絵が入っていると信じていた。
でも、それは違った。なぜなら、乃絵は黒部朋与の中に入っていたから。
「ああ、昨日はわたしもびっくりしたわ。
でも普段あんまりできない経験が出来て楽しかった」
黒部朋与が笑う。
昨日の比呂美の笑顔とはまたちがった、屈託のない、楽しそうな笑顔。

聞くのには、勇気がいった。
聞いてはいけないことじゃないかとも思った。
朋与が、自分にそんな気持ちを抱いてるだなんて、とても信じられなかった。
それでもやっぱり、たしかめなきゃいけないことだった。
だから眞一郎は、目の前のショートカットの女の子に尋ねる。
なけなしの勇気を、拾い集めて……
「あの……」
「知ってるんだ? 誰に聞いたの?」
眞一郎が言うより、ほんの少し速く、黒部朋与が口を開いていた。
さっきと同じ、無邪気な笑顔。
とても、昨日あんな告白をした後の女の子の顔ではなくて、
それはむしろ、遊園地のアトラクションを楽しんでいる子供のような……

眞一郎の頭に、小さな疑問が浮かんでくる。
昨日夕焼けを見ながら話した相手だとすると、どうしても違和感がある。
そもそも、昨日一日の過剰なまでのスキンシップだって、
あまり彼女の雰囲気に似つかわしくない気がしてくる。
考えれば考えるほど、違和感はどんどんふくらんでいく。
「……黒部、昨日お前、誰の中にいた?」
だからこれは、違和感の原因を確かめる、本質的な質問。
「あれ、知らないんだ?」
そう言って、黒部朋与が口を開く。

その答えは、眞一郎にとって驚くべきものだった。
275 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:27:39 ID:lldjdHWx
昨日と同じ、夕焼けの堤防。
昨日と同じところに、昨日とは違う姿で、昨日の彼女は腰掛けていた。
昨日より短いその赤みがかった髪の毛は、
夕日に染められていつもよりちょっとだけ黒く見える。
そして、昨日よりもちょっとだけ低いところから、
昨日と同じ橙色、遠くの赤い水平線を眺めていた。
「えっと……」
眞一郎が声を掛ける。彼女は振り向いて、小さな声で「来てたんだ」と言った。
眞一郎は、だまって彼女の隣りに腰掛ける。
昨日より低い肩、昨日より元気のない背中、昨日よりずっと悲しそうな瞳。

「知ってるんだよね、ここに来たってことは」
しばらく二人が静かに海を眺めていたあと、女の子が口を開く。
眞一郎はただ、「ああ」とだけ答える。
そして訪れる、ふたたびの静寂。
波の音をカモメの鳴き声だけが、橙色の世界を彩る音となった。

「……ごめんね」
静寂を破ったのは、また女の子。
「謝るようなことじゃ、ないって。たぶん。
ほら、こんなことになるなんて、誰も思ってなかったわけだし、それに」
「ううん、でも私はやっちゃいけないことをしちゃったの」
眞一郎のとってつけたような言葉に「やさしいんだね」って返した後、女の子は言った。
「こんなどさくさに紛れて、告白なんかしちゃったの」
眞一郎は言葉に詰まる。
やっぱり、昨日比呂美の中に入っていたのは、
今目の前で小さく肩をふるわせている女の子だった。
276 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:28:13 ID:lldjdHWx
女の子は、うつむいていた。
女の子は、泣きそうだった。
女の子は、きっととても後悔していた。

「ほんとは、ずっと言うつもりなんか無かったんだ。知られたくもなかった。でもね、」
顔を上げた女の子の目には、もう涙が浮かんでいた。
女の子は、泣きそうだったんじゃなくて、実際に泣いていた。
眞一郎は思う。誰が、こいつをこんなに追い詰めちゃったんだろう、って。
「昨日一日眞一郎とデートみたいなことして、眞一郎の目がずっとわたしの方見てくれてて、
うれしくて、うれしくて、でもその目が見てるのはわたしじゃなくて、
あんたの瞳に映ってる姿はわたしのものじゃなくて……」
そこまで一気にまくした後、女の子は一度息をつく。
そして、いたずらが見つかって怒られる前の子供みたいな顔をした。
「なんか夕日見て、ノスタルジックになっちゃったら、気づいたら言っちゃってた」
こんな形で、知られたくなかったな、って、寂しそうに夕焼けを見ている女の子。
いつも元気で、小さくてもビールケースに乗って家の手伝いをして、
眞一郎が失恋したときは慰めてもくれた、眞一郎にとって本当の姉弟みたいな、
そんな幼なじみの女の子。

――なんてったってそのおかげで俺は比呂美とデートみたいなことができてるんだから

どう考えても、この子をここまで追い詰めていたのは、眞一郎自身だった。
あのとき、眞一郎が乃絵に言ったつもりだった言葉。
それを、この女の子は、安藤愛子は、どんな気持ちで聞いていたんだろう。
277 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:28:39 ID:lldjdHWx
「最初ね、あんたわたしのこと石動乃絵と勘違いしたでしょ。
それで、すぐ言おうとおもったんだけど、
でもこのまま勘違いさせておけば今日一日一緒にいられるなって思ったら、
言えなくなっちゃった」
堤防の上に立ち上がり、それでも視線は遠く水平線のままで、あいちゃんは話し始める。
「そうしたらあんたがどれだけ比呂美ちゃんのこと好きなのか、
昨日一日で思い知らされちゃって、それでもわたしの気持ちも知らないで
一人浮かれてるあんたに、無性に腹が立ったから、
困らせちゃえって、そんな軽い気持ちだったの」
「でも、おまえはミヨ吉のことが……」
「いつだったかな、言わなかったっけ。好きな人の近くにいられないなら……」

――わかる気がする。どうしてそんなこと言ったのか
――でも教えない

眞一郎は思い出す。
比呂美が乃絵を紹介してほしいって言った時のこと。
それが実は友達になりたいからじゃなくって、それを見抜かれちゃったって、そう言ってた時のこと。
そして、そのことをあいちゃんに相談したときのこと。
昼下がりの、神社での出来事。

――人って、だれかを好きになるとその人にもっと近寄りたいっておもうよね。もっともっとその人に。
――でもそれがかなわないとき、その人のちかくにいるだれかのそばに……

だれかの、近く。
ミヨ吉の近くには、いつも誰がいた?
そういう、ことなのか?なあ、あいちゃん。
眞一郎はそのことに気づき、愕然とする。

――あんたみたいなやつを好きになった女の子、大変だよ

あの言葉も、実はそんな思いが込められていたって?
そんなこと、そんなこと、気づくわけ無いじゃないか。

278 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:29:06 ID:lldjdHWx
「それで、あんたのこと困らせようって思って、
比呂美ちゃんの顔に告白されたら、やっぱり困るだろうなって思って、だから……」
ごめんなさい、とあいちゃんは続けた。
「傷ついたよね、あのとき以上に。ほんとにごめん、こんどこそ、わたしのせいだ」
あいちゃんの目から、どんどん涙がこぼれ落ちていく。
自分ばかりを責め続けて。でも、その涙は彼女も同じくらい傷ついたって意味で。
呆然とその涙を見送りながら、眞一郎はようやく言葉を返す。
「……ミヨ吉はそのこと」
「……知らないと思う。わたし、ミヨ吉にもほんとにひどいことしてるよね」
あふれ出る涙を、あいちゃんはぬぐおうともしない。
眞一郎は、こんなときどうすればいいのかわからずとまどうしかなかった。
「わかってるんだ、ひどい女だって。
あんなにわたしのこと好きだって言ってくれてるミヨ吉に、こんな秘密持ってたり。
今度のことだって、きっと神様がわたしにくれたチャンスだったんだはずなのに、
眞一郎のことはやくあきらめろって、そういうことだったと思うのに。
あんたとデートして、そこですっきり諦めればよかったのに、なのに……」
そうしてようやく、涙をいっぱいにためた二つの瞳を眞一郎に向けて、あいちゃんは言った。
「あんなこと言って、眞一郎にまで迷惑かけちゃった」
肩の少し上で切りそろえられた髪の毛と、私服のデニムスカートが海風にのせられてひらりと流れる。
眞一郎が見上げたその小さな体は、どこかで見たことのあるセーターにつつまれていた。
「お前、そのセーター……」
「やっぱり、気づくよね。そう、あのとき、買ったんだよ。あんたがトイレ行ってる間に」
それはきっと、眞一郎の取った何気ない行動の結果。
目の前の女の子の普段着に比べて、ちょっと地味すぎる服装。
そのとき眞一郎が誰のことを考えていたのか、そんなことは関係なく、
そのとき隣にいた女の子は誰かのためにその服を買った。
眞一郎が思っているより、そしてミヨ吉が思っているより、
それよりずっとずっと、安藤愛子は女の子だった。
普通に男の子を好きになって、それでも素直に気持ちをあらわせない、
ちょっと内気な女の子だった。

279 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:29:29 ID:lldjdHWx
夕日は、しばらく前に沈んでしまった。
堤防にいる二人を残して、太陽は一足先に海に帰っていった。
「このセーターのこと、ほんとは気づいてほしくなかった。
気づかれたらばれるかもって、そう思ったから。
でも、でもね、わたし、あんたの前でもこのセーター着続けてた。
せっかく買っちゃったから着ないともったいないよね、とか、
寒いけど他に着る服もないし、金欠だし、とか、自分への言い訳はいっぱいあったけど、でもね、
心の底では、気づいてもらえたらって、思ってたんだと、そう思う」
ずるいんだ、わたしって。
そういってうつむくあいちゃんの表情は、どんどん暗くなっていく海辺の空気に隠されてはっきりとはわからない。
それでも、きっと涙でくちゃくちゃになってるんだろうってことくらいは、眞一郎にも想像できた。
何か言わなきゃ、この、目の前でいつも以上に小さく背中を丸めている女の子に。
そんな眞一郎の気持ちとは裏腹に、のどからはどんなに絞っても一言もこぼれてこなかった。

「あのね、お願いがあるんだ」
すっかり暗くなった堤防の上で、あいちゃんが言った。
「ああ、なんだよ」
それを聞いて、眞一郎が言葉を発する。
「えっとね、三つあるんだけど」
「三つか、多いな」
「ごめんね、わたしってばこんな時までわがままだから」
あいちゃんが自嘲する。
そうしてしゃがみ込んで眞一郎と同じ高さに目をおろしてきて、あいちゃんは言った。
280 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:30:04 ID:lldjdHWx
「まず、一つ目。えっと、ミヨ吉には、ナイショにしててくれないかな。
わたしはひどい女だし、そのことはよくわかってるけど、
そのせいであいつに悲しい思いさせたくないから」
「お前……」
暗闇の中遠くの街灯に照らされて、この距離だとようやくあいちゃんの表情がわかる。
その顔は、やはり後悔と悲しみと、涙でしわくちゃにされていた。
「お願い。ちゃんとあんたのこと諦めるから、だから、お願い。
ミヨ吉、あいついい奴だから、わたしの都合で悲しんでほしくない」
わたしがひどい女だってのは変わりないけど、でもちゃんと諦めるから、
あいちゃんは必死になって頼み込んできた。
「わかったよ。お前がそれでいいなら」
だから、眞一郎は、そう答えるしかなかった。
そうだよな、いいんだよな、お前はそれで。
あいちゃんは一言、ありがとうと言った。
小さな声だった。
281 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:30:57 ID:lldjdHWx
「次、二つ目。ちょっと、目を閉じてて」
「え、うん、わかった」
言われるままに、眞一郎は目を閉じる。
暗闇に染まった海の景色が、本当に真っ黒になる。
「ちゃんと閉じてるでしょうね、暗いからばれないだろって、目開けてたりしない?」
「するわけないだろ、そんなこと」
「そう、ありがとう。じゃあ、三つ目」

目を閉じさせた上で、なにかあるんだと思っていた。
でも何もなくて眞一郎が拍子抜けしていた、矢先だった。
282 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:31:50 ID:lldjdHWx
頬に触れる小さくて、あたたかくて、冷たい手のひら。
そして、

    唇に触れる、やわらかい感触。


いままで、ずっと、好きだったよ。
ありがとう、眞一郎。約束は、ちゃんと守るから。
これで、ちゃんと守れるから……

そう言ったあいちゃんの声はとてもちいさくて、
だからきっと、隣にいた男の子にしか聞こえなかっただろう。



それは、ちいさな女の子の、ながいながいかたおもいの、終わりを知らせる音。
いたずら好きの天使様が、彼女のために用意した、ちいさなおせっかいの物語が、幕を閉じた音。
波がしずかに、そしてやさしく、その音を包み込んで、消えていった。
283 ◆l5uYUz79nM :2008/02/14(木) 00:32:47 ID:lldjdHWx
以上です。
特に最初の方ぐだぐだでごめんなさい。
284名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 01:04:09 ID:azn3RJqK
いやあ、なんかよく投下されるようになってきたなぁ
285名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 01:31:34 ID:rKr/6BZN
>>283
GJ!
珍しいものが読めたな
286名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 02:15:49 ID:u6A/+zg3
本編盛り上がってきたしキャラもつかめてきたし職人もやる気になってるみたいだな
もっと盛り上がってほしい
287名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 03:52:28 ID:GrUGwfqY
>>283
めちゃ切なくなった
テラGJ
288名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 11:42:46 ID:VxM/ugdq
(・∀・)イイ!!
289名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 12:44:32 ID:+p2Z+/dG
スレ伸びすぎwwww
290名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 13:23:15 ID:F4Pc+scA
このスレでは朋与大活躍だなオイ
291名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 20:12:13 ID:9VGvr+au
朋×純の構想練ってたw
292名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 00:13:59 ID:1IARGiSe
>>291
すぐ投下するんだ
293名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 00:56:39 ID:JNxiBbFA
ttキャラで朋与が一番好き
ええこのスレの影響です
294名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 01:24:27 ID:NJblPxZ3
このスレの朋与SS面白いよな
しんいちろは可哀想だが続きが気になる
295名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 01:36:29 ID:NmKJbC63
眞一郎は比呂美が誰にバレンタインのチョコを渡すのか気になって仕方ない。
やっぱ4番にだろうなと凹む眞一郎。
しかし誰にも渡す気配のない比呂美。
なんだ誰にも渡さないのかと、ほっとしたような残念なような気持ちの眞一郎。
しかし、日付も変わろうかという深夜、比呂美が部屋に来て眞一郎に
「お世話になってるから」と義理チョコを渡してくれる。
でもそれは義理というには手が込んでいて……

そんなバレンタインネタ考えてたらもうバレンタイン\(^o^)/オワタ
296○気が付けば:2008/02/15(金) 06:55:50 ID:Du9KjFnr
○気が付けば、後ろから比呂美を抱きしめていた。
無防備な比呂美の背中から両手を回して抱きしめていた。
瞬間、比呂美がビクンと体を堅くした。
「あ、ごめん。」
あわてて慎一郎は比呂美から離れようとした。
比呂美は振り向きながら、慎一郎の腕の中から逃れようとする。
普段の比呂美なら腕を払って呪縛から逃れるのはたやすかっただろう。
不意打ちに驚いた比呂美が足をもつれさせ、二人はベットに倒れ込んだ。

倒れた拍子に慎一郎の頬と比呂美の唇が触れ合う。
「ご、ごめん。」
ちょうど、顔を寄せ合い抱き合うような格好のまま見つめ合っていた。互いの唇まで数センチ。
慎一郎の目の前に蠱惑的な美少女の唇がある。思わずつばを飲み込む。
「重いわ、早くどいて。」
比呂美は直ぐに顔をそむけ視線をはずした。口調も素っ気ない。
慎一郎は起きあがろうとして、つまづき、また転んだ。

「きゃっ。」
右手が比呂美の左胸をつかんでいた。予想外の事態に咄嗟に謝罪の言葉が出ない。
(気のせいか比呂美の雰囲気が普段と違う?)
比呂美は顔をそむけたままだが、横目でチラリと慎一郎の様子をうかがっている。
心なしか比呂美の頬が朱に染まっている。
(色っぽくて・・・綺麗だ。)
「あんっ!あんっ!」
慎一郎は無意識の内に比呂美の胸をもみしだいていた。
頭の中で何かがはじけた。

吸い寄せられるように唇を重ねていた。ほんの一時我を忘れて比呂美の唇をむさぼった。
一瞬の間、比呂美は激しく首を振り、口づけを拒んだ。
「やめて、慎一郎くん。・・・わたしたち・・・兄妹かもしれないのよ。」

(いまさら、後には引けない。おまえを他人に渡したくない。)
抵抗する比呂美を押さえつけ裸にした。白い肌が艶めかしい。
「おまえは義妹じゃない。義妹であるはずがない!!」
慎一郎は比呂美の乳房に吸い付くと、愛撫を続けた。
徐々に比呂美の抵抗が弱まってくる。
タイミングをみて挿入をはかるが、うまくいかない。
先端を陰唇にあてがうのさえ思いの外時間がかかった。
「いくよ!」
一気に刺し貫く。
その瞬間、比呂美はのけぞり声にならない悲鳴を上げた。
痛みに耐えるためか、比呂美の両手は慎一郎の背中に回されていた。
慎一郎は本能の命じるまま腰を振り続けていく。
慎一郎end・・・比呂美編へつづく
297○振り向いた:2008/02/15(金) 07:00:21 ID:Du9KjFnr
○振り向いた比呂美の唇を強引に奪おうとして・・・
転んだ拍子に机の角で頭を打った。
君の冒険はここでおわる・・・。
地べたend
298○散歩に行く:2008/02/15(金) 07:02:57 ID:Du9KjFnr
○散歩に行く。
海に行ってみるか。
階段を下りたところで、自室に入る比呂美と目があった。
慎一郎は声をかけようとしたが、玄関で人の気配がする。(今はまずい。暫く待とう。)
自室に引き返した。

30分後、比呂美の部屋の前で屈伸する事数回。思い切って扉をノックした。
比呂美は着替え中だったようで、あたふたとあわてた様子で扉を開けてくれた。
いつもと同じセーター、いつもと同じジーンズ。
「話があるんだ。出来れば・・・2人だけで。」
この数日、言い出せなかった一言を、慎一郎は精一杯声を振り絞って言った。
比呂美は小さくうなずいた。
「入って。」

(この部屋に入るのは二度目か。)
(何て話せばいいんだ?どう話せばおまえを傷つけずにすむんだろう?)
(義妹である確証があるなら・・・きっぱり、あきらめよう・・・。)
比呂美の後についてドアを閉めながらそんなことを考えていた。

比呂美はゆっくりと同じ足取りで机に向かっていく。
途中で振り向いてこのまえと同じように机を背もたれにする?
この前と同じように「何?」って聞いてくるのか?
いつもと同じ口調、いつもと同じポーカーフェイスで。

○振り向いた比呂美の唇を強引に奪う・・・>>297
○気が付けば、後ろから比呂美を抱きしめていた。>>296
299○<あいちゃん>:2008/02/15(金) 07:18:52 ID:Du9KjFnr
○<あいちゃん>に行ってみる。
途中で、34吉と合った。
「こんなんじゃだめだ。もっと強力な武器が必要・・・ブツブツ。」
34吉の様子がいつもと違った。顔中あざだらけで痛々しい。
手には稲刈り用の鎌(刃先は折れて無くなっている)を持っている。
と、腹を押さえて道端でしゃがみ込んだ。
「何があったんだ?」
声をかけても反応がない。目の前の慎一郎に気付いてすらいない。
「そうだ、あれをつかえばきっと・・・。」
突然走り出す34吉を慎一郎は止められなかった。

数日後、34吉は失踪した。失恋の痛手を乗り越えて、いつか帰ってくることを慎一郎は願っている。
比呂美は2年後卒業と同時に仲上の家を出た。ギスギスした人間関係は、慎一郎には修復出来なかった。
慎一郎は、比呂美に笑顔を取り戻せないと知った時から絵本を書くことは止めてしまった。
乃絵は、飛べなくなった慎一郎に興味を失ったようだ。石動家は引っ越していった。
結局、愛ちゃんだけが慎一郎の側にいた。そして、愛ちゃんはいつも慎一郎にやさしかった。

愛子と結婚して1年後、両親が事故死した。
(俺がしっかり造り酒屋を盛り立てていかないと。愛子に楽をさせてやりたい。)
慎一郎は体調を崩して寝込みがちになった。過労のせいだろう。
(寝込むようになって、夢で34吉に合うことが多くなった気がする。)
「なあ、愛子はどうして何の取り柄もない俺なんかを選んだんだ?」
「あら、あなたの持っている物はとっても魅力的だわ。」
(夢で合う34吉の顔はいつも真っ赤だ。泣いているのか?)
「そういえば、前から気になっていたんだ。昔の店<あいちゃん>はどうやって手に入れ・・・。」
「さあ、お薬の時間よ。話はあとでゆっくりとね・・・。」
薬の後は決まって強烈な睡魔が襲ってくる。
愛子はいつも優しい。前向きに生きていけばきっと良いことがあるだろう。

(虫の知らせだろうか、そう遠くない日、34吉と再会出来るような気がする。)
34吉end
300○もう一度比呂美と話そう:2008/02/15(金) 07:20:36 ID:Du9KjFnr
○もう一度比呂美と話そう。
比呂美の部屋に向かう途中、廊下で丁稚と会った。
「最近、坊ちゃん元気ないですね。何か悩んでます?俺で良ければ相談乗りますよ。」
丁稚は心配そうに慎一郎を見つめている。

この際、相談相手は誰でも良かったのかもしれない。
「俺の・・・友達のはなしなんだけどさ・・・。」
慎一郎はこれまであったことをかいつまんで丁稚に話した。あくまでも友人の相談話だと強調して。
丁稚は真剣に慎一郎の話を聞いてくれている。時に涙を浮かべながら・・・。
自然、場所を慎一郎の部屋に移して長い長い話し合いが始まった。

翌朝、慎一郎は眠い眼をこすりながらベットから起きあがり・・・振り返る。
ベットのとなりで裸の丁稚が微笑んでいた。
「坊ちゃんのこと、これからは・・・兄貴って呼んでいいですか?」
慎一郎の答えは決まっていた。>>13
丁稚end
301○パパンに相談:2008/02/15(金) 07:22:10 ID:Du9KjFnr
○パパンに相談してみる。
酒蔵に行って父さんを捜すが見つからない。
(そういえば今日は商工会の会議があったかもしれない。夜まで待つか。)
仕方なく、時間つぶしに<あいちゃん>に向かう。

店に入るなり、愛ちゃんに告白された。
「34吉とは別れたから・・・わたしとつきあって!」
親友を傷つけるようなまねはしたくない。愛ちゃんには悪いけど断って店を出ようとした。
と、背後から延髄に手刀をたたき込まれ、慎一郎は意識を失った。
「私を振ったらただじゃすまないわ。」
阿鼻叫喚。

「酷いよ、愛ちゃん!」
青ざめた表情の慎一郎は、よろめきながら外に出た。(今川焼き・・・怖い。)
尻を押さえ泣きながら家路についた。
もはや、ヒロシに相談するどころではなかった。
愛子end
302○ママンを問いつめる:2008/02/15(金) 07:24:13 ID:Du9KjFnr
○ママンを問いつめる。
思い切って居間にいた母さんを問いつめた。
慎一郎は感情が高ぶってうまく話せない。
比呂美のこととなると険しい表情になる母さんが、今日に限って穏やかだ。
落ち着いて慎一郎の話を聞いてくれていた。

「そう・・・しんちゃんにも、話しておいた方が良さそうね。」
母さんは、捨てたはずの写真をとりだした。
94年に湯浅夫妻と撮った、比呂美の母親の顔が切り抜かれた、例の写真だ。
「比呂美の母さんとの間に何があったか知らないけど・・・。」
「違うの、違うのしんちゃん。この写真・・・見たんでしょ?
・・・この切り抜きに写っていたの・・・父さんなの。」
(何を言ってるんだ、母さん?父さんなら右端に写っているじゃ・・・)
「しんちゃんの本当のお父さんは、あなたが小さい頃に亡くなってね。
母さん、仲上の家のために弟のヒロシさんと再婚したのよ。」
(へ?)
「その頃のヒロシさん、茶髪のロングヘアーで、こうゆう格好が趣味だったの。
湯浅さん、あの子のお父さんとヒロシさんは・・・つまり・・・そういう関係だったのね。
安心なさい。あの子、戸籍上は湯浅さんの養子で、当然、仲上家の血は引いてないわ。」
「じゃあ、どうして比呂美は妹だなんて・・・。」
「あれは、あの子が勝手に誤解しただけよ。」

『あなた、よくこの家にこれたわね。・・・教えて上げましょうか。
・・・あなたのお母さんは、しんちゃんのお父さんと同じ人なのよ。』

父さんを見る目が変わった。(もう、父さんって呼べないかも。)
昨年まで十数年間二重生活をおくっていた父さんも父さんだけど、
父さんの女装に気付かなかった比呂美も比呂美だよなあ。←【お前もな!】

それにしても、比呂美への誤解が解けたことが何よりうれしい。
妹じゃなかった!義妹じゃなかったんだ!!
比呂美はあのとき泣いていたんだ。(もしかして、比呂美も俺のこと好きなんじゃないのか?)
不思議と今なら飛べるような気がする。

だが、ここで一つの疑問がわき上がる。
(湯浅のおじさん、どうして養子は女の子にしたのだろう?男の子の方が好きそうだけど!?)
『私の方が誕生日遅いから・・・慎一郎君がお兄さん・・・。』
(そういえば、比呂美は自分のことを妹とは一言も言ってないよな・・・。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・orz
慎一郎の眠れぬ日々は続く。
兄弟end
303比呂美(6話後):2008/02/15(金) 07:27:02 ID:Du9KjFnr
湯浅比呂美(6話その後)

「それ・・・何の冗談?」
(比呂美が義妹!?)
慎一郎には、比呂美の言葉がにわかには信じられない。

「それにしても・・・。」
(中庭にたたずむ比呂美の泣き顔・・・きれいだったな。)
こんな状況で不謹慎かもしれない。でも、この数日慎一郎の頭の中は比呂美のことで一杯だった。
「俺、こんなんで比呂美のことあきらめられるのか?」
いくら一人で悩んでも答えはでそうにもない。

○ママンを問いつめる。>>302
○パパンに相談してみる。>>301
○もう一度比呂美と話そう。>>300
○<あいちゃん>に行ってみる。>>299
○散歩に行く。>>298
304名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 20:52:14 ID:2XlRSEcM
うお、ゲームブック風だ、なつかしいw
ママを見つめる選択肢がおもしろかった。あの写真はそういう意味だったなんてw
305名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 21:08:54 ID:t5INhnAo
これ>>303からスタートかw
ずっと上から読んでた俺涙目ww
306ある日の朋与 16:2008/02/16(土) 03:02:33 ID:vfDKQcsq
洗面所に入った朋与は、まず流水で口をすすぎ、軽く歯を磨いた。
精液が不快だったのではない。できることなら、いつまでも味わっていたかった。
しかし、この後の事を考えると、眞一郎への配慮を欠くわけにはいかない。
タオルで顔を拭ってから、口を手で覆い息を吐き出してみる。
口臭に異常は無い。生臭さは残っていなかった。
(よし、大丈夫)
タオルを片付けようとした時、鏡に映る自分と目が合った。
一週間前に自室で出会った淫乱な女が、再び朋与の前で薄笑いを浮かべている。
(本当に……いやらしい顔……)
期待している顔……眞一郎とこれから『する』ことに期待している淫乱な牝の顔。
(……違うわ。これは仲上くんのために……彼のためにしている事……)
そう、これはあの『石動乃絵』にも出来ない……自分にしか出来ない事なのだ……。
…………
…………
寒気を感じた。屋内とはいっても、全裸でウロウロ出来る気温ではない。
(……戻らなきゃ)
照明を切って洗面所を出る。
廊下から居間の時計を見ると、まだ六時を少し回ったところだった。
時間は……十分過ぎるほど残っている。
307ある日の朋与 17:2008/02/16(土) 03:03:49 ID:vfDKQcsq
部屋に戻ると、眞一郎はベッドの縁に腰掛けていた。
「あ、お帰……」
言い終わるのを待たずに、朋与は眞一郎に飛びついて、その唇を味わった。
冷気に晒されていた身体に、眞一郎の体温が伝播して気持ちいい。
上唇、下唇と交互に甘噛みし、仕上げに全体を吸い上げてから、わざと「チュッ」と音を立てて離れる。
(気持ち良くしてあげなきゃ。もっともっと気持ち良く……)
体重をかけて眞一郎を押し倒し、股間の硬直へと手を伸ばす。
「してあげる。仲上くんのして欲しい事、全部してあげる」
再び硬度を取り戻した陰茎に摩擦を加えながら、朋与は眞一郎に問い掛けた。
「ねぇ、言って。して欲しい事……」
「……く、黒部……」
朋与は眞一郎の要求を全て受け入れるつもりだった。
今の朋与なら、眞一郎に「尻を舐めろ」と言われれば、躊躇する事無く菊座に舌を這わせるだろう。
答えが待ちきれず、朋与は眞一郎の乳首へと狙いを定める。
唇が上下に開き、その間から現れたサーモンピンクの物体が攻撃を始めようとしたその時……。
…………
「待てよ」
眞一郎の両手が朋与の肩を強い力で掴んで、その動きを止めた。
(……あ……)
その瞬間、朋与は身体に強烈な電流が駆け抜けるのを感じた。
一週間前と同じ、あの全身を蕩けさせる電気の流れを。
「今度は俺がしたい」
そう告げると、眞一郎は力任せに体勢を入れ替え、朋与の身体をベッドに押し付けた。
「俺が……と、朋与のこと、気持ち良くしたい……」
眞一郎の手から加えられる圧迫感。拘束される快感が全身を貫く。
そしてなによりも、眞一郎が自分の事を名前で呼んでくれたことが、
朋与の神経を痺れさせ、麻酔を打ち込まれた様に身体を弛緩させた。
…………
(あぁ……どうしよう……でも……)
眞一郎が『したい』のなら、させてあげた方がいいのかもしれない……朋与そうは思った。
身体を開いて……全てを任せて……眞一郎の望むままに……蹂躙…される……。
…………
(……それ…………いいかも……)
下腹部の奥にある『女の器官』が、ゆっくりとその位置を変えていく。
これから起こることを想像して、朋与は堪らなく興奮した。
沈黙を了承と解釈した眞一郎は、片方の手を朋与の肩から胸に移動させた。
手の平で半ば硬化していた乳首を円を描くように愛撫したあと、指先に力を込めて全体をグッと鷲掴みにする。
「ッ!!」
発生した痛みが朋与の脳に伝わる。だがそれは『快感』として身体の主には認識された。
「…痛い……か?」
朋与は口元に悦楽の笑みを浮かべながら、首を左右に振った。
「……ううん……凄く……凄くいいッ!!」
自分の膣が、与えられる刺激に反応して収縮するのをハッキリと知覚する。
そこから眞一郎の怒張を受け入れる為の潤滑油が湧き出し始めているのが分かる。
「してっ!もっとしてっ!眞一郎っっ!!」
被虐の悦びの中、朋与は初めて『仲上』という苗字ではなく、眞一郎の名を大声で叫んでいた。
308ある日の朋与 18:2008/02/16(土) 03:11:38 ID:vfDKQcsq
朋与はベッドの上に座り込む形で、眞一郎に後ろから抱きかかえられていた。
眞一郎の両手は、朋与の胸にある二つの膨らみに伸ばされ蠢いている。
眞一郎の才能は本物だった。まさに『性技』の天才と言っていい。
本能的に女の弱点を嗅ぎ取り、そこに相手の最も好む刺激を加える。
「んぁっ……はぁ……眞一郎……眞一郎……」
乳房を強い握力で揉まれながら、朋与が甘い声をあげる。
朋与の胸は大き過ぎず、小さ過ぎず、高校生としては標準的なサイズだった。
眞一郎の直感が、その大きさに合った最適な力を判断し加虐する。
「!!……くぅぅ……」
肋骨に影響が出ないギリギリの圧迫を受けた朋与は、誰にも見せたことのない嬌態を晒した。
(自分でする時よりいいっ……全然気持ちいいっっ!!)
身体をくねらせ、身悶えする朋与。だが、眞一郎の手がポイントを外れることは決して無い。
全体を解す動きから、乳腺を揉む形に動作を移行すると、首筋に顔を埋め込む。
「……朋与……」
深く息を吸うと、朋与から発せられる甘い匂いが眞一郎の肺を満たした。
甘さの源を味わいたいという思いが、眞一郎の舌先に朋与の『うなじ』を襲わせる。
「はうぅぅっ!!」
堪らず首を折って眞一郎の頭を追い立てる朋与。だが、それは無駄な抵抗だった。
眞一郎は変幻自在に左右の首筋、うなじ、耳たぶを舐め上げ、時に噛み付き、
存分に朋与という甘味を味わっていく。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
まるで短距離疾走の直後のように、呼吸が激しくなる朋与。が、変調はそれだけではない。
子宮が訴える疼きに耐えられず、両脚をモゾモゾと擦り合わせ始めたのだ。
「下も……触っていいよな……」
目ざとく変化を観察していた眞一郎は、乳房を弄っていた手を片方、朋与の脚の付け根へと向かわせる。
309ある日の朋与 19:2008/02/16(土) 03:12:44 ID:vfDKQcsq
「…いや……恥ずかしい……」
生まれて初めて、男の子が自分の性器に手を触れようとしている……。
(だめ……今…眞一郎に触られたら……それだけで狂う、狂っちゃう!!)
緊張の連続で普段の力の半分も残っていない筋肉に必死に命令し、太腿を閉じ合わせる朋与。
しかし、性に目覚め掛けている牡の突進力は、少女の予想を遙かに越えていた。
眞一郎の「女の子の性器に触れたい」という願いの方が、朋与の防御本能より、数段強力だったのだ。
「い……いやぁ…」
両腕も援軍に加えて抵抗する朋与だったが、眞一郎の欲望の前に、壁は脆くも崩壊する。

…………くちゅ…………

朋与は恥ずかしさで死んでしまうのではないかと思った。
眞一郎の指が触れたその場所は、すでに朋与の胎内から湧き出た淫水で、ビショビショに潤っていたのだ。
暖かな粘液が、眞一郎の指先を濡らす。
「……朋与……これ……」
「…………」
なにも言えずに俯いてしまう朋与。身体が勝手に「私は淫乱です」と宣伝しているようで、本当に気が狂いそうだった。
そんな朋与をよそに、眞一郎は予想もしない行動に出る。
…………ペロッ…………
眞一郎が朋与の愛液に濡れた指を、自分の口に運んだのだ。
「!!!……や、やだ!なにしてるの!?」
水飴でも舐めるように、指を咥えている眞一郎。朋与は咄嗟にその手を口から引き剥がした。
「……き……汚いよ……シャワーだって……浴びてないし……」
朋与はつい先刻、自分が汗にまみれた眞一郎の陰部に、夢中でしゃぶりついていた事を棚に上げて言った。
「朋与もさっきしてくれたじゃないか。…それに、朋与に汚いとこなんかない」
「…………」
声がでなかった。嬉しくて……嬉しくて……嬉しくて……。
朋与の上半身を優しく抱きかかえ、ベッドへ寝かせる眞一郎。
「もっと…呑みたいよ……朋与…」
軽く立てられていた朋与の膝に、眞一郎の手が掛けられ大きく割り拡げられる。
「……いいよ……眞一郎のしたいだけ……して……」
枕に顔を埋め、瞳を閉じる朋与。ささやかな抵抗は完全に止んでいた。
310ある日の朋与 20:2008/02/16(土) 03:13:51 ID:vfDKQcsq
朋与が顔を伏せて大人しくしていられたのは、ほんの数秒だった。
眞一郎の執拗な舌攻めに屈服した外陰部が、すぐに花開き始める。
敏感な粘膜への直接攻撃が始まると、もう声を抑えることは出来なかった。
「つあああっっ!…………だ……いや……くっ!!」
眞一郎の舌先が、八の字を描いて朋与の内陰部を動き回る。
(やっぱり天才だ……眞一郎って天才だ……)
普段の生活態度から推して、眞一郎が女慣れしているとは到底思えない。
間違いなく、眞一郎もこれが『初体験』のはずなのだ。それなのに……
(……くっ……でも……ホントに上手……気持ちいい……)
大陰唇に親指が掛けられ、朋与の女性器が限界まで解放される。
膣口から染み出てくる愛液を舌の上に掬い取り、性器全体に塗り込めて行く眞一郎。
使い切れなかった淫水を飲み込むと、陰核に口付けて「チュゥゥゥ」と吸引する。
「はあああああっっ!!!」
最も敏感な部分を攻められ、朋与の身体が仰け反った。
咄嗟に朋与の手が、眞一郎の髪に伸びる。先ほどとは真逆の構図だ。
「だめぇぇっっ!!……くぁぁっ……そこ…だめぇぇぇぇ!!!!」
朋与の鋭い拒絶の声を聞いても、眞一郎は吸引を止めない。
それどころか、朋与の太腿を腕で抱え込み、逃げられないように固定してしまった。
さらに強さを増す眞一郎の吸い込み。包皮がめくれてクリトリスが強制的に勃起させられる。
剥き出しとなった弱点に眞一郎の舌先があてがわれ、細かな振動を送り込む。
……そしてそれが『とどめ』となった。
「あああああ!!!…い……いっちゃう……い、イクぅぅっっ!!!!」
眞一郎の頭髪に指先が食い込み、全身の筋肉が極限まで緊張する。
……そして性器とその周辺の筋肉が、朋与の制御を離れて暴走を始めた。

…………ぴゅ!ぴゅ!ぴゅ!…………

悦楽に支配されながら、朋与は自分の股間が、何か得体の知れない液体を吐き出しているのを感じた。
……そう……眞一郎の顔めがけて……何度も……何度も……。
311ある日の朋与 21:2008/02/16(土) 03:15:01 ID:vfDKQcsq
眞一郎がティッシュで口元を拭っている横で、朋与は顔を手で覆い泣いていた。
「うぅ……ぐすっ……ぐすっ……ごめんなさい……ごめんなさい……」
幼い子供のように泣きながら、朋与は何度も眞一郎に詫びた。
実際、朋与の射出した『潮』は微量で、眞一郎の顎を僅かに濡らした程度だったのだが、
女の自分が男性に排泄物を吐き出したという事実は、決して容認できるものではなかった。
「朋与」
眞一郎が朋与の顔から両の手を引き剥がし、そのまま全身を抱きしめる。
恥ずかしくて眞一郎の顔をまともに見られない。朋与は視線を逸らした。
「ごめん、俺が悪かった。……少し強引な方が好きかと思って……ホントにゴメン」
快楽の追求という点では眞一郎は何も間違ってはいないのだが、
乙女心はそれとは別の次元に存在するものなのだ。
「…………」
眞一郎の肩に額を付けてもたれていると、不思議と愚図りが収まっていた。
顔を上げると眞一郎と目が合う。朋与は目を瞑りキスを求めた。
…………
「あの……俺、口すすいでないんだけど……いいの?」
…………
「ぷっ」と吹き出してしまった。なんだか凄く可笑しい。
…………
「気にしてくれたんだ」
「だってさ……嫌だろ?」
なんだか凄く間抜けだ。愛撫は一級品なのに、会話の仕方は三級品。……でも……
朋与は眞一郎を押し倒し、唇を重ねた。
性的な意味のない、愛情表現としての軽めのキス。……そして改めて告げる……。
「好きよ……眞一郎……大好き……」
組み敷かれた眞一郎が、一瞬の躊躇いの後、口を開こうとする。
「…………俺も…」
その先を言わせるわけにはいかなかった。もう一度、キスで唇を塞ぐ。
今度は舌を絡ませるディープキス。『アレ』をする前の挨拶のキス……。
…………
「……セックス……しよ……」
「…………うん……」
朋与の腕が眞一郎に、眞一郎の腕が朋与にかかる。
ふたりは徐々に四肢を絡ませあて、剥き出しの身体を密着させていった。

              [つづく]
312名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 03:17:01 ID:vfDKQcsq
「ある日の朋与」を書いている者です。
ちょっとできましたので、また投稿させていただきます。
合体への道のりは遠いです……。
313 ◆l5uYUz79nM :2008/02/16(土) 03:36:39 ID:twB1IzIN
お疲れ様です。

>合体への道のりは遠いです……。
え、次で合体なんじゃないんですか……(´・ω・`)
314名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 04:31:20 ID:wt/qZudl
>>312
GJ
なんという寸止め
つうか朋与をこんなエロく感じるとは思わなかったw
315名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 05:50:11 ID:Yt8Yst1B
>>312
なんだ、ただの神か

いや、ホントGJです
朋与ってこんなに魅力的だったんですね…
316名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 07:41:22 ID:Taz1F7YY
>>312
いつもお疲れさんです

SSがよすぎて
本編で朋与が出てきても普通の視線で見れそうにないな^^;
317名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 07:45:39 ID:KJmAjnH5
>>312
イイネ!(*´∀`)
318名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 10:02:03 ID:br5u5Rfm
どんだけ朋与好きやねんw
319名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 10:22:53 ID:I8wjUkKI
早く続きを…はぁはぁ
320名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 12:50:32 ID:VC8M6RWB
ここのスレのおかげで朋与好きになれましたww
321名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 00:48:39 ID:Nti56Dnv
やばいな朋与が凄く好きになってしまったw
322名無しさん@ピンキー :2008/02/17(日) 01:43:49 ID:M6HA4vjk
本編が納得いかないので俺脳内バージョン第7話をうpします。
いまから反省はしておくが後悔はしない。
323「言っちゃった…」1 :2008/02/17(日) 01:45:16 ID:M6HA4vjk
「ほんと、冗談みたいだよね…。おばさんに言われたの。
眞一郎君のお父さんが、私の本当のお父さんかもしれないって。」
誰にも顔を合わせたくなく、自分の部屋のベッドの中で布団を頭からかぶっている
のに、比呂美の言葉が頭の中で繰り返し、逃れることはできない。

なぜ、こんなことを母さんが比呂美に? 父さんはみんなを裏切ったのか?
比呂美はこんな思いをずっと一人で抱えていたのか?
もし、比呂美が妹だったら…。俺は、まずどんな顔をしたらいいんだろう。
あの言葉を放った比呂美の顔は…。すべてを弾き返すかのようで、月明かりの下とは
思えない輝きをたたえていた。

比呂美と一緒に住むようになってから一年、俺たちはまだぎこちなく生活していた。
比呂美の境遇は、その一つの理由だ。しかし、それだけではないことを明確に悟った。
時として比呂美が放つ、はっとする美しさの中に隠れていた、俺を寄せつけないもの。
それは、比呂美が内に秘めていた苦悩だった。俺は、それを共有できるだろうか。

こんこん、と戸を叩く音がする。母さんが、夕食に呼んでいるんだろう。こんな時に
怒らせたくはない。重々しい身体を起こして、引き戸まで近づいて控えめに言う。
「悪いけど、いらないんだ。一人にしておいてよ。」
「眞一郎君、ごめんね。私のせいで…。」比呂美の声だった。
「えっ…。」なぜか、子供の頃にお祭りで比呂美が言った「置いてかないで」の言葉
を突然思い出す。かき消すように俺は引き戸を開ける。そこには俯いた比呂美がいた。
「入って…いいかな。」
「えっ、…うん。明かり付けるよ。」
「付けないで。きっと、みっともない顔をしてるから。」
暗い部屋の中に差す月あかりの中で、辛うじて座りよい場所と判別できるのはベッド
だけだった。比呂美は、そこにまっすぐ向かって、腰をかけた。俺はあっけにとられ
ながら、比呂美の表情を伺うべく、比呂美の向かいに中腰に座ろうとした。
「顔…覗き込まないで。勝手に座っちゃってごめんね。隣同士に座らない?」
「あ、ああ。」
324「言っちゃった…」2 :2008/02/17(日) 01:45:56 ID:M6HA4vjk
比呂美のどちら側に座ろうかと逡巡したが、どちらに座ってもベッドの縁にあまり余地
はない。できるだけ平静を装って、比呂美の左となりに腰掛ける。これまでに近づいた
ことのない距離だ。横目でちらりと見ると、目元が少し涙で濡れているように見えた。

「私ね、あの話を聞く前からもずっと、眞一郎君のことを本当のお兄さんだと思えた
らな、って思ってた。だから、あの話を聞いて、これで本当に兄妹だと思わないと、
て思ったけど。でも眞一郎君には出来ない話だから、本当のお兄さんになってなんて
言えないし。それで、眞一郎君にどんな顔をしていいのか、ずっと判らなくて。
きっと、暗い子だと思ってたよね。」
「そんな…、ことはないよ。俺は、比呂美と一緒に暮らせる、それだけで嬉しいこと
だと思ってた。比呂美のつらさとか、悩みとか、わかってあげられないんじゃ、とて
も兄妹なんて言えない。比呂美には、楽しく笑える場所が外にあるんだから、俺はこの
家で比呂美が辛い時間を出来るだけ減らしてあげたいと思うよ。」
「…やっぱり、わかってくれてないのね。」
「え?」
「私の、楽しく笑える場所は、ここよ。お兄ちゃん。」
恐らく、物凄く間抜けに口を開いて呆気に取られた瞬間の俺に、比呂美は頬への口づけ
をしてきた。唇が離れてから、比呂美の顔を見ると、清楚な唇が魅惑を帯びて動いた。
「…言っちゃった。」

堰を切った俺の衝動は比呂美を抱き寄せ、唇を奪う。
「比呂美、悪い。俺はずっとこうしたかったんだ。」
「知ってた。」
「いつから?」
「この家に来た時から。」
「じゃあ、どうして…。」
「私も、してほしかったの。お兄ちゃんに。」
比呂美は俺の首に手を回すと、唇を近づけてきた。もう止められなくなる、と思った
けれど、俺にはもはや抗う理由はなかった。
325「言っちゃった…」3:2008/02/17(日) 01:46:46 ID:M6HA4vjk
夢中で比呂美の服をはだけ、ブラを上にずらしてから、フロントホックであることに
気づいた。胸に顔を埋めながら、手さぐりでフロントホックを外す。抑えるものの
なくなった比呂美の胸は、雪のように白いのにあたたかく、つややかでありながら柔
らかかった。冷えた部屋の空気の中で比呂美の乳首は苺色に小さく縮んでいた。
俺は一方の乳房をぎこちなく揉みしだきながら、もう一方の乳房の頂を愛しくキスし、
口で含み、舌で転がしてみた。
「ん…。」
比呂美が反応を表す。両の乳首を順番に愛撫すると、乳房の頂に桃色の花が咲いたよう
になる。
スカートに手をかけると、比呂美の手が俺の手をホックに導く。比呂美の目は、意を
決したように俺の目を見据えていた。
覚悟を決めてスカートを脱がせると、いきなり下着に手を入れてしまった。そしてそこ
が、予想だにしなかった熱さを持った、みずみずしい果実であることを知った。あふれ
んばかりの蜜が指に容易に絡みつき、既に濡れそぼった陰唇らしい部分、その中に隠れ
ているはずの陰核を探るのを助ける。比呂美は腰を浮かせ、指を自分の性感帯に導くか
のように微妙に腰を蠢かせている。
ここまでの反応を見せるとは…。ひょっとして…。
「比呂美、お兄ちゃんはお前を奪うぞ。」
耳元で囁くと、比呂美は電気が走ったようにびくっと身体を震わせる。
「…、だめよ、お兄ちゃん、私たち、兄妹なのよ。そこを超えちゃったら、私もう、
戻れなくなる…。」
「俺が、ずっとお前と一緒にいるよ。」
「お兄ちゃん…。」比呂美の瞳から涙があふれた。

下着をはぎ取ると、もうそこに抗うものはなにもなかった。陰茎を比呂美の果実の中心
にあてがうと、溢れ出る蜜が包み込み、比呂美の芯に導いていく。一瞬、抵抗を感じる
が、比呂美は俺の腰に手を回し、軽くうなずいて合図する。俺はできるだけ優しく確実
に力をこめていく。比呂美は歯を食いしばっている。ゆっくりと抵抗を押し返し、
やがて、先端が貫通する。
326「言っちゃった…」4:2008/02/17(日) 01:47:12 ID:M6HA4vjk
「大丈夫か?」
「うん…泣いてないよ。嬉しいだけ。」
俺は動きを止めて、比呂美に口づけする。
しかし、口づけに反応して、比呂美の内部は蠕動を始め、陰茎に快感を与え始める。
どうしてこんなに気持ちいいんだろう。俺は無意識のうちに、腰をわずかに動かし始め
ていた。
「あっ…。」
「ごめん。」
「ううん、いいよ。なんか、気持ちいいみたい。」
「じゃあ、ゆっくり動くよ。」
俺はさらに腰を進め、まず比呂美の中にすべて納めることにした。ゆっくり、ゆっくり
比呂美を押し開いていき、そして、とうとう、比呂美の奥の器官に触れるところまで
陰茎を沈めきった。比呂美の膣全体が陰茎を包み込み、徐々に力がこもってくる。」
「なんか、これ、安心するみたい。幸せな気持ち。」
「俺もだ。ずっとこうしていたい。」
「うん。でも、これからいつでも、していいからね。今日は、早く…。」
「わかった。」
腰を動かし始めると、まだ少し痛みがあるようで、比呂美は必死に耐えているようだ。
しかし、比呂美の内部は陰茎の感覚に確実に目覚め、蠢き、俺を昂める。
「比呂美、俺、もう…。」
「お兄ちゃん、いいよ、来て。」
比呂美は腰に手を回す。
「おい、駄目だよ。もう我慢できない。」
「いいの、このままで…。」
比呂美の手に力がこもり、最奥に引き込まれたところで、俺は爆発してしまった。
比呂美の腰が一瞬硬直し、全身がわななき、そして、比呂美は唇を求めてきた。

「比呂美、完全に兄妹の線を超えちゃったな。」
「そうね。私たち、誰よりも深く深く、繋がってるよね…。嬉しい。」
「今まで、ごめんな。もう、誰にも俺たちの邪魔させない。」
「ううん、ありがとうお兄ちゃん。これからもこう呼ばせてね。あの人達の前でも。」
「お、おい…。」
比呂美は、今まで俺に見せなかった悪戯っぽい笑顔を見せた。ただ一時、洗顔料で
歯磨きした時を除いて。
327名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 03:28:53 ID:wKmaeZWk
>>322
脳内バージョンGJ!!

今回、アニメの眞一郎の行動は今ひとつ納得いかんかったなぁ…
なんで急に乃絵√に突き進んだやら。
兄妹だからと自分を納得させたのか、乃絵兄に言われたからなのか…
328名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 03:34:15 ID:xcwvR8b0
>>322
おつつ
気持ちはわかるぜ…
329名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 03:50:42 ID:WENcQVQV

比呂美派の俺は今週の展開はいやだった
まあ、最後は比呂美とくっつきそうだけど。
今はssでこのもやもやを吹き飛ばすぜ
330名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 04:00:10 ID:WENcQVQV
後、予告で思ったんだが、前誰かが予想してた4番が比呂美寝取る可能性あるな。
もし、そうだったらマジへこむ・・orz

このレスのせい(おかげ?)で朋世ばっかしに目がいったww
331名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 07:07:25 ID:syJTe+mb
やばい、乃絵に心移りしてきた
332名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 10:24:38 ID:bLKlF2M/
>>327
全部だろ
乃絵は俺が好き
自分は乃絵が好きなのか?
比呂美は四番が好き
で比呂美と血縁があるということでテンパり、
さらに石動純の言葉でそういうのを引っくるめて納得させたんだろうね
乃絵にたいしてはとくによろしくないね
333名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 11:39:00 ID:646AVzWY
本編はもう怖い。
ここだけが俺の癒し・・・
334名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 12:20:06 ID:uTE5oDt1
保守
335名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:09:24 ID:s6ZbfrZT
愛ちゃんはナチュラルに眞一郎を押し倒しそうな件
336名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:24:12 ID:Gvz5XJLE
とりあえず今週の7話は愛ちゃんも乃絵ちゃんもパンツ濡れまくりだな。ってことで職人さんよろしくたのむ
337名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:26:02 ID:Ht3a34Jg
7話まだ見れてない(´・ω・`)
338超エロエロ:2008/02/18(月) 03:57:48 ID:qF23zbl9
「慎一郎の中あったかいナリ〜。」
339名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 03:58:46 ID:qF23zbl9
↑我ながら力作だったぜ!
340名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 04:45:21 ID:Y+0injvA
Oノ
ノ\_・'ヽO.←>>339
  └ _ノヽ
341名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 15:56:11 ID:1pW7/xwl
初期の過疎っぷりがウソの様なスレの伸びだな
342名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 17:17:29 ID:VVqRZC3Y
朋与のおかげ

もあるけど、SS書いてくれる作者さんのおかげ
343天使のような:2008/02/18(月) 19:52:35 ID:iLGtjjlK
「わたし、眞一郎のこともっと知りたいの」
乃絵はそう言っておもむろに眞一郎のズボンのベルトを外し、チャックを下げて性器を露出させた。
「すごい…これが眞一郎のなのね…」
乃絵は眞一郎の性器を見て、大きな眼を輝かせる
「ば、ばか!なにするんだよ」
「なにって、眞一郎の全部を知るにはここも知っておく必要があるでしょ?」乃絵が触れると眞一郎の性器はビクっと反応した
「わ、おっきくなるのね…」
「やめ…っ」
眞一郎は制止しようとするが、柔らかい感触。
乃絵の唇で塞がれた。
「んっ…ちゅ…」
キスをしながらも眼は開いていて、まるで乃絵は眞一郎の瞳に映る自分をみているようだ。
「眞一郎のこと、わかりたいの」

乃絵は小さな舌を出して、性器をペロペロと舐めはじめた。
「れろっ…んちゅっ…また大きくなった…アイスを舐めるのとは、全然ちがうのね。熱いし、ビクビクするし」
「あたりまえ…んっ」
「食べちゃったらどうなるのかしら…はむっ」
性器を口に含んで、上下にゆっくり顔を動かす。ほんの少しだけ当たる前歯が眞一郎を刺激する。
「んっ…はぁ…」
思わず吐息が漏れる
「眞一郎、気持ちいい?」乃絵は口に含んだまま
眞一郎の顔をみる
あどけない少女が、自分のものを口でしているという事が眞一郎を興奮させた
ぬるぬるとした温かい粘膜に包まれて、性器はさらに膨張する
「じゅぷっ…ちゅ…ん…なんかでてきた」
乃絵が口を離すと、つうっと乃絵の唾液と我慢汁が混ざり、糸を引く。
「眞一郎、感じてるのね」乃絵はぺろっと舌なめずりをして、ふたたび性器をほおばる。
「んっ…はぅ…」
性器に乃絵の舌が絡みつく。ゆっくりとした口の動きながらも眞一郎は徐々に高められていく。
「乃絵…もうっ」
「はやいわ、眞一郎。でも大丈夫。あなたは飛べるわ、わたしが飛ばしてあげる」
れろれろと裏筋を舌で何度も舐めあげる。鮮やかな赤い舌は淫靡で、乃絵の愛らしい容貌とのギャップにゾクゾクさせられる。
びゅるびゅる…っ
「んッ……!!」
口内に大量の精液が放出される。
乃絵が驚いて口を離しても射精は止まらない。
乃絵の髪に顔にと、粘りの強い白濁がかかる。
「悪いっ乃絵…」
「すごい…真っ白」
乃絵は呆然とした様子で射精をみていたが、ふと顔にかかった精液を口に運び味わう。
「やめろっそんなもの…」
「おいしいわ。眞一郎からでたものだもの…」
「乃絵…」
そうして2人は再び唇を重ねる。瞳は開いたままで。
乃絵の瞳は澄んでいて、そのまま沈んでいけるような深い色だった。

「やっぱりわたしの見込んだ通りね。眞一郎、あなたちゃんと飛べたじゃない」
そういって笑う乃絵の
笑顔を、天使のような笑顔を、この先ずっと眺めていたいと思った。

糸冬
344 ◆l5uYUz79nM :2008/02/18(月) 21:24:35 ID:Ht3a34Jg
七話見た。


なにこれ(´・ω・`)
345名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 21:59:16 ID:bf4U0x25
これはまたなんという
346名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 00:10:58 ID:M+m6jnN8
>>343
GJ!!
何気に乃絵のSSは初じゃないか?
347 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 04:44:38 ID:VG/Nk0Ko
前にぐだぐだのオナニー文投下した者です。
七話見て勢いでかいちゃったので落とします。
肝心の絡み部分をはしょり気味ですが、想像力で補っていただく方向で(ぉ

注意点ですが、あいちゃんが「かな〜り」黒くなってます。
っていうか、真っ黒です。
あいちゃんは可愛くないとだめ!って人は、読まない方がいいかもしれません。
コテは前と同じなので、嫌な人は適当に処理してください。

書き始めた時はこんな黒い人になる予定じゃなかったんですが……(´・ω・`)

348 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 04:45:16 ID:VG/Nk0Ko
「うわぁ、こりゃ積もりそう……」
 今川焼き「あいちゃん」の開店準備で、私はお店の扉を開く。
暖かいお店の空気が少し、お店のほこりをつれて外にあふれていく。
そしてかわりに、綺麗にすきとおって冷たい外の空気を連れてくる。
私の声は、白く形を変えて、ゆらりと空に消えていった。
「……あれ?」
 外は雪が降って、とても寒い。準備に戻ろうとした私は、
お店の前にいる人影に気づき、驚いた。
――眞一郎……
 眞一郎は傘も差していない。肩が、そして頭が、真っ白な雪で化粧
されてしまっている。
「やだ、どうしたの? 何やってんのよ!」
 私は眞一郎のところに駆け寄る。どうしたんだろう、傘も差さない
で。そんな疑問と、そして、ちょっとした幸せの気持ちと一緒に。

「もう、ホントに風邪ひくよ!」
 とりあえずお店に入ってもらい、タオルを準備しながら私は眞一郎
に声を掛ける。こうやって二人っきりになれる時間が、ちゃんとある
のは嬉しい。そう思う。
 最近眞一郎のそばに、あの石動乃絵とかいう女がいる時間が増えて
るみたいだけど、でも、眞一郎のそばにいる時間だったら、私だって
負けてない。そりゃ、湯浅比呂美には最近は負けてるかもしれないけ
ど……
「ねえ、こないだのこと……」
 カウンターに腰掛けてる眞一郎は、よく見なくても本当に寒そうで、
だから私は、いい機会だと思って切り出すことにした。
 眞一郎に、手編みのセーターを……
 そう。いい機会だと、思ったんだよ?ねえ、眞一郎。
 なのに、なのに――

   乃絵とつきあうって、どういうこと?
349 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 04:45:38 ID:VG/Nk0Ko
 眞一郎のことが好き。
 眞一郎のことが好き。
 眞一郎のことが、大好き。
 わたしは、わたしは……
 なのに、なのに、あんたはどうしていつもいつも……

 自分でも、よくわからない?そんなの、そんなの、こっちの方が
わかんないわよ!なんで、乃絵とつきあうって、どうしてよ!
 私はずっとあんたを見てた。あんたのそばにいられるだけで幸せ
感じちゃうくらい。なのに!

 あんたの背中を追いかけるのが楽しかった。
 あんたがお店に遊びに来てくれるのがうれしかった。
 あんたが私の焼いた今川焼きを食べるその右手を、眺めているの
が幸せだった。
 あんたを街で偶然見かけるたびに、いつも心臓が壊れそうだった。
 あんたは知らなかったでしょ? でもそうなんだよ。ねぇ?

 何も、考えたくなかった。何か考えたら、きっと今も、何も出来
なくなっちゃうから。いままでいっぱい臆病してきたけど、今日が、
最後のチャンスだって、きっとそうだって、頭の奥でおせっかいな
天使がささやいてるから。だから、私は。
これが、眞一郎の唇……

 柔らかくて、冷たくて、かさかさして、ちょっぴりしょっぱくて、
柔らかい向こうで歯がぶつかって、だからちょっぴり失敗で。
 背伸びして、精一杯首を伸ばして。どんなに遠くたって、絶対、
逃がさない。やっとつかまえた、この暖かさ。
 私の、初めての相手。大切な、男。
 ねえ、だからお願い。私のことも見てよ。
 お願いだよ、眞一郎……
350 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 04:45:59 ID:VG/Nk0Ko
 目の前には、眞一郎の驚いた顔。私の、大好きな人。
 びっくりして、半開きになった口。あれは、もう私のもの。誰にも
渡したりしない。私の、大切なはじめて思い出。あんたはどうなの?
まさかもう石動乃絵に……
 そう思うと、いてもたってもいられなかった。
 私は、はじめてをあげたよ。あんたが望むなら、もっともっと、して
あげられる。石動乃絵なんかに、負けない。後からやってきた変な女に、
あんたを取られるなんて、我慢できない。ねえ、眞一郎? どれだけ
してあげたら、あんたは私のことを見てくれるようになるの?
 セーターなら、百着でも二百着でも編んであげる。今川焼きなら、
毎日ただで焼いてあげる。お弁当だって、毎日作ってあげる。踊りの
練習に、毎日公民館に差し入れ言語道断に行ってあげる。どれだけ尽くせば、
あんたは私を……
 私はね、もう限界なの。

 毎日あんたのことを思い続けて。お店で今川焼き焼きながら、お客
さんが来るたびに眞一郎かなって気になって。夜寝る前は、今日眞一
郎とあんまりお話できなかったなとか思って。それで、眞一郎のこと
思って、寝る前に毎日……
 ねえ、あんたのために、私がどれだけ下着を汚してきたと思う?

 ただの幼なじみじゃ嫌だった。お姉ちゃんぶったことしても、つらい
だけだった。でも、一歩踏み出してその関係すら壊れるのは、もっと嫌
だった。そんな勇気出すくらいなら、隣りにいるだけでも我慢出来た。
でも、今日は、もう。
 私は、あんたにはじめてをあげちゃった。このままお別れなんて、
もっと嫌。だから、だからね……

 ごめんね。嫌な女の子だけど、許してもらうから。
 今まで、こんなに私を苦しめた、罰なんだよ……
351 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 04:46:23 ID:VG/Nk0Ko
 眞一郎のコートをゆっくり脱がせていく。眞一郎はびっくりして、
だからぜんぜん抵抗しない。それを良いことに、私はどんどん眞一郎
を剥いていく。コートを脱がせて、シャツをゆっくりまくり上げて。
「ちょっと、あいちゃん。何やってるんだよ。それに、寒いよ」
 眞一郎が、ちょっとだけ我に返る。
「そっか、そうだよね。寒いよね。奥、暖房効いてるから」
「そういう事じゃなくて……」
「いこ。誰か来るかもしれないし」
 誰か……
 それが、誰とは言わないけど。
「ちょっと、あいちゃん」
「先、行ってて。店、閉めとくから」
「そうだよ、店開けないと」
「ううん、いいの。今日はもう閉店。理由は、そうだ、店員の体調が
悪くなったから」
 実際体中が火照って、きっと血圧も心拍数も正常じゃない。
 そう、だから嘘じゃない。
「だから、今日は閉店。眞一郎? 看病、してよ」
 絶対離さない。そう決めた。
 だから、今日は……
「あいちゃん、本当にどこか……」
「先、行ってて。すぐ行くから」
 さっき開けた入り口の鍵を、内側からしっかり閉める。外は、ずっと
降り続く雪。結構、積もった。その外の景色と、店の中を区切るカーテン
を、私は両手で勢いよく閉めた。店の中が、真っ暗になる。
 私と眞一郎だけを包む、静かな闇が生まれる。
352 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 04:46:44 ID:VG/Nk0Ko
「眞一郎、着替えさせて」
 店の奥の、階段を上ったところにある私の部屋。畳に敷かれた布団の上
に女の子座りして、私は眞一郎にお願いする。
「やっぱり、俺帰るよ」
「お願い、待って。今日は、お願い。私、今日逃したらもうがんばれない
気がするから」

 嘘。だって、絶対逃さないって決めた。

「でも、そんな。こんな事って……。俺には」
「石動乃絵? 眞一郎、ホントに彼女のことが好き?」
「それは……好きだよ。当たり前じゃないか」

 嘘。そんなわけない。だってあんた、この前まであんなに湯浅比呂美の
事が好きだったじゃない。私は、あんたのことなら、何だって知ってる。

「私、こんなこと他の誰にも頼めない。眞一郎だけ。ずっと、あんただけ
見てた。嘘じゃないよ、これは」
「あいちゃん、なんで? だって、あいちゃんは」
「言わないで。お願い……。こんな時に、聞きたくない」

 本当。あいつには悪いけど、今あいつのこと思い出したくない。

「あい、ちゃん……」
 眞一郎の、泣きそうな声。もっと、聞かせて、あんたの声。もっと、ずっと
もっと近くで。誰よりも、あんたの近くにいたい。
「脱がせて。お願い」
 私は、眞一郎のためならなんだって出来る。だからお願い。拒絶しないで。
「それくらい、自分で……」
 臆病者。
 あ、臆病だったのは私も、か。
「眞一郎も脱いでよ。風邪、ひいちゃうよ」
「あいちゃん、だめだって、ちょっと!」
 聞こえない。
 聞きたくない。
 私の、男。
353 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 04:47:13 ID:VG/Nk0Ko
 抵抗する眞一郎を押さえつけて、シャツとズボンを脱がせる。ちょっと
頼りない胸板。顔を埋めてみると、暖かいにおいがして、大きな心臓の音
が聞こえた。可愛い。だって、私の心臓より速いんだもん。
「ねえ、脱がせてよ。ここまで来て、女の子に恥かかせちゃだめだって」
 自分勝手な言い分? 知らない、そんなの。
 眞一郎の為なら、いくらでも自分勝手になってみせる。
「……本当に、いいんだよな?」
 やった! そうだよ、私はずっとそれを待ってたんだよ。ねえ、はやく
して。女の子を待たせちゃ、だめなんだから。
「……やさしく、してね」
 今更、何言ってるんだろう。ま、いいや。
「わかってる」
 知ってる。眞一郎は、とっても優しい奴だって。だから、好きになった
んだよ?

 眞一郎の手が、私の服を脱がせていく。シャツが脱がされて、下から
小振りな胸と、それを覆うブラが現れる。今日のはあんまり、可愛くない。
失敗したな。でも別にいいや。どうせ脱ぐんだし。
「小さくて、ごめん。私体も小さくて、だから」
「気にしない。小さいかもしれないけど、それを含めてあいちゃんだろ?」
「ひどい。こんな時までそうやってバカにする」
「あ、いや、ごめん」
 そこで謝らないで。もう、デリカシーが無いんだから。
「スカート、脱がせるよ」
 眞一郎の手。私の腰を抱く、大好きな手。
 腰を這うその感触で、私は軽くイッてしまう。気持ちいい。
 今川焼きを握ってた、指先。ずっと見てた、指先。ずっとほしかった、
指先。やっと手に入れた、指先。
 今日はこの指、今川焼きにもあげない。
 私だけの、もの。
「うん、これミニだから脱がせにくいかも」
「え、ホントだ。なかなか、これは。あいちゃんのお尻にひっかかって」
「またそういうことを言う。もう……」
 ふくれてみせる。きっと今の私、外から見たらものすごく可愛い。自信
あるよ。
「ごめ、って、謝っちゃいけないんだっけ。じゃあどうすれば」
「聞かないでよ、そんなこと。私だって、その、恥ずかしいし……」
 嘘。もうつっこむのも馬鹿らしい。
「わかった。って、やっととれた」
 スカートが脱がされる。眞一郎はトランクス一枚。私は、ブラとショーツ
だけ。畳の部屋の真ん中で、男と女。布団の、上。
 私は、だまって電気を消した。

354 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 04:47:40 ID:VG/Nk0Ko
 朝。窓から差し込み朝日がまぶしくて、私は目を覚ます。
 枕元の目覚まし時計を見る。七時の、二、三分前。ちょっとだけ、寝坊。
隣を見る。眞一郎の寝顔。ずっとほしかった、眞一郎の……

 急に、胸が痛み出した。
 どうしてだろう、なんだか悲しくて、寂しくて。

 嬉しい筈なのに。やっと手に入れた、大切な宝物なのに。昨日だって、
あんなにやさしくしてもらったのに。たくさんたくさん、膣を突かれて、
痛くて、血だって出て、もちろん初めてで、眞一郎はぎこちない動きだけ
どとっても優しくて、それで、いっぱいいっぱい、愛してもらって。何度
も何度も、子宮の奥まで熱いものを注いでもらって。こんなにも、幸せに
なったはずなのに。
 なのになんで、寂しいなんて思うんだろう。

 もう、眞一郎は私のもの。昨日一日で、さんざん刻みつけられて、だから
さんざん刻みつけた。周期とか詳しくないからちゃんと当たったかは自信な
いけど、それなら当たるまで何度だって注いでもらうだけ。
 私は幸せだ。こんなにも愛してる人に、こんなにも愛してもらったんだ
から。たくさん眞一郎のものがたまっている子宮のあたりを左手でさすり
ながら、私は思う。右手は、そっと、眞一郎の髪を撫でて。
 私は幸せだ。ずっとほしかったものを、ようやく手に入れられたんだから。
 私は、幸せなんだ。

「あい、ちゃん?」
 眞一郎が目を覚ました。
 まだ寝ぼけた目をこすりながら、私の方を見てくれる。
 優しい、目。眞一郎の寝起きって、こんななんだ。
「しん、いちろう……」
「あいちゃん? 泣い、てるの?」
 泣いてない。泣いてなんか無い。だって、私はこんなに幸せなんだから。
「あいちゃん、なんで?」
 だから、泣いてないってば。大切な人と、大切な絆を作って、なのにどう
して、泣かなきゃいけないの?

    ねえ、どうして私は泣いてるの?


355名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 04:59:35 ID:jX1K2CaB
愛子に関するかぎり、そんなに黒くないと思うよ。己は、こういうの好きだな。GJ!
眞一郎が応じるのは説得力に欠けるけど、エロパロてのはそういうもんだしな。
356 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 05:01:21 ID:VG/Nk0Ko
「ねえ、しんいちろう」
「なに? あいちゃん」
「しんいちろう、どこにも行かないでね」
「……わかってるよ。俺はあいちゃんを一人にさせたりしない。これ以上、
こんな寂しがり屋の女の子を放っておいて、悲しませたりしない」
「……ありがとう」
 嬉しかった。眞一郎の優しさが。こんな私でも包んでくれる、大きな暖
かさが。
 知らなかった。自分がこんなに寂しがり屋だったなんて。男の子が一人、
どこかに行ってしまいそうになるだけで、こんなにも取り乱す、かっこわ
るい女だったなんて。
 ありがとう、眞一郎。ごめんね、ミヨ吉。
 本当に、ごめんね。
 私は、こんなにひどい女だった。
 幸せになる資格なんかないかもしれないけど、地獄に堕ちるかもしれな
いけど、それでも私は幸せになってみせるから。眞一郎と一緒に。
 眞一郎と一緒なら、地獄に行っても、きっと幸せだから。
357 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 05:02:46 ID:VG/Nk0Ko
以上です。
アクセス規制って奴に、気づかずに引っかかってしまいました。連続は8回までなんて、聞いてないよママン(´・ω・`)
>355氏、助けてくれてありがとうございます。
応じるの説得力欠けるのは、あいちゃん相手ならしょうがない、と、自分の力不足を言い訳……精進します。

あいちゃん好きな人、気を悪くしたらごめんなさい。
途中で、とあるエロゲーからの名セリフを一回パクってます。ごめんなさい。
ちなみに、お気づきとは思いますが、私はこういうの大好きです(`・ω・´)
358名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 05:10:13 ID:jX1K2CaB
>>357
こっちこそ、投下途中に割り込んで申し訳なかった…と言おうと
思ってたら、そういうことだったか。意図的な支援ではなかったのだが、
結果的にお役に立ったのなら光栄の至り。
エロのシチュ作りには、己も毎回悩んでいる。お互い、頑張ろう。
359 ◆l5uYUz79nM :2008/02/19(火) 05:24:36 ID:VG/Nk0Ko
>358
いえ、大変助かりました。
電池切れかけの携帯いじいじしておったところに、リロードしたら、神が!ってなかんじで。
次がいつになるか(そもそも次を書くのかすらあやしい?!)不明ですが、
今後とも規制に注意してがんばりますのでよろしくお願いします。
360名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 09:55:15 ID:hty58T8E
>>359
自重しない愛ちゃんキター
テラGJ
愛ちゃん可愛いよ愛ちゃん

しかしあえて言うなら愛ちゃんの胸は小さくないぞ
むしろヒロインの中で1番でかいぐらい
あとやっばりHシーンが欲しかったな

まあでもいい感じの黒さとエロさが伝わってきてとてもよかったよ
361名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 12:44:20 ID:7dIU5vJt
>>346

乃絵分が不足していたので自分用にと書いてみました。
なにぶん初めてなので、表現の間違いやツマンネーなどアドバイスくださると嬉しいです。
362名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 17:09:00 ID:St1x4Aup
乃絵は書くの難しい。
363名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 17:29:11 ID:o04MT1SD
乃絵は性的なイメージ全然ないもんなぁ…
しかも電波だから扱いもむずい…
364ある日の朋与 22:2008/02/19(火) 22:33:32 ID:76E72P8C
体勢を入れ替え、再び朋与が下になる。
平静を装っていたが、朋与は胸の高鳴りを抑えられずにいた。
もうすぐ自分は眞一郎と『ひとつ』になる……。
破瓜の痛みに対する恐怖は拭いきれなかったが、それよりも眞一郎と繋がる悦びの方が勝った。
脚を大きく開き、性器を眞一郎に開放する。もう恥ずかしいとは思わなかった。
「……きて……眞一郎……」
「……朋与……」
…………
圧し掛かってきた眞一郎の表情が変わる。何か大事なことを思い出したようだった。
「ちょっと待って」と短く言うと、枕の下を探り始める。
(……?……なによ……もう……)
眞一郎が何か小さな袋のようなものを摘み出す。朋与は一目で、それが何なのか分かった。
(……スキン……なんで私の枕の下に?)
もちろん、それは朋与の持ち物ではない。……ということは……
(……眞一郎……の?)
朋与に背を向けて、なにやら悪戦苦闘している眞一郎。
少し『醒めて』しまった朋与は、嫌味のひとつも言ってやりたい気分になった。
「そんなの、いつ用意したの?」
「え!?……あぁ……え〜っと……さっき朋与が下に降りてる時に……」
装着に手間取っている様子からして、使用するのは初めてと見て間違いない。
「持ち歩いてるんだ」
「三代吉…………の、野伏がさ、くれたんだ。……男の嗜みだから持ってろって……」
「…………」
情交の相手が避妊に気を使ってくれるのは、女としては喜ぶべき事だったが、朋与はとても不満だった。
理屈ではない。眞一郎と自分を隔てようとするモノに、激しい怒りを覚える。
「お待たせ」と振り向いた眞一郎の陰茎を乱暴に掴む朋与。
先端部分を摘んで思い切り引っ張ると、パチンと音を立ててゴムの皮膜は眞一郎から離れた。
朋与は伸びきったスキンを床に投げ捨て、眞一郎に抱きつき訴える。
「こんなの要らない。そのままして」
真剣な朋与の眼差しに、眞一郎は困惑しているようだった。
当然だろう。女に「避妊するな」と言われれば、大抵の男は慌てる。
「俺……自信無いんだ……。初めてだしさ……入れたら途端に出しちゃうかもしれない……」
フェラチオでの失敗が、眞一郎を少々弱気にさせている様だった。
(……もう……優しすぎるんだよ、眞一郎は……)
これは眞一郎を癒す為にしている事なのだ。眞一郎は何も心配しなくていい。
……ただ……好きなようにすればいい……。……今この瞬間、全てを忘れるために……。
「……眞一郎は……したくないの?……その…ナマで……」
「…………」
したいに決まっている。何の障害も無い『膣内射精』は男の遺伝子に刻み込まれた本能だ。
「心配ないよ……その…私、今日……安全日…………だから……」
「!!」
瞬間、眞一郎の手が朋与の上腕を掴み、興奮の極みに達した瞳が朋与の顔を覗き込んでくる。
鼻息が荒い。二つの眼が「本当にいいのか」と真摯に問うていた。
朋与は言葉ではなく、キスと態度で気持ちを表す。
身体を横たえ、両腕を大きく広げて眞一郎を待つ。膣から再び『潤み』が湧き出すのを感じる。
心も身体も、眞一郎を迎える準備は、とっくの昔に出来ていた。
365ある日の朋与 23:2008/02/19(火) 22:34:31 ID:76E72P8C
お互いの肌と肌を摺り合わせると、下降気味だった性感はすぐ上昇に転じた。
朋与の全身を薄い汗のベールが包み込み、半開きの唇からは吐息が漏れる。
「はぁ……はぁ、はぁ、はぁ……はぅっ!……」
眞一郎が剥き出しの陰茎を朋与の『溝』に合わせて滑らせる。
それは意図的に調節される『手』の力とは異なり、ごく自然な圧力で朋与の性器を愛撫した。
「うっ……はぁ、はぁ……き、気持ちいいっ……眞一郎ぉ……」
花弁は完全に濡れ開き、牡の侵入を待ち焦がれていた。
「と……朋…与……」
眞一郎の肉茎も自らの淫水と朋与の愛液に濡れ、限界まで張り詰めている。

……ふたりとも、もう限界だった……

「……朋与…挿れるよ……」
眞一郎が茎の根元を握り締め、狙いを定める。
朋与は荒い呼吸のまま黙って頷くと、両脚の開きをM字に変えて性器を上向かせた。
そして眞一郎が迷わぬように、陰茎の先端に手を添えて胎内への入口に導く。
亀頭の先端が膣口に触れ、互いの淫水が混ざり合った。
…………
「……痛がっても止めないで…………最後までして」
さすがに『無理矢理されるのが好き』とまでは白状できなかった。
「…………いくよ……」
眞一郎は朋与の背中と肩に腕を回して逃げられないようにすると、一気に朋与の『ナカ』に押し入る。
「ッッ!!!!!……あ……あ……痛……」
ブツッと何かが千切れる感覚と異物感。閉じられていた空洞がこじ開けられていく。
(……痛い……身体が裂けちゃう……)
充分に愛撫を加えられ解きほぐされていても、やはり処女膜が破れる時の痛みは避けられない。
眞一郎の侵入は続き、裂傷を負った膜が竿の部分に擦られてさらに傷つく。
「うっ…痛……っぅぅっ!!」
額に汗が滲む。眞一郎の背に爪を食い込ませて耐える朋与。……そして……
「朋与っ!!」
渾身の力を込めて、眞一郎が最後の一突きを送り込むと、陰茎は完全に朋与の膣内へと埋没した。
「かはぁっ!!」
『とどめ』を打ち込まれた瞬間、苦しみとも悦びともつかない声を上げ、仰け反る朋与。
亀頭が内側から子宮を押し上げ、茎の部分が膣の内壁を限界まで拡張する。
…………
(……は……入った……)
舌と口腔で散々味わった眞一郎の分身が今、自分の胎内に埋め込まれている。
入口付近の鈍痛を無視して膣に意識を集中すると、その形が良く分かった。
「朋与、大丈夫か?」
目を開けると眞一郎の顔がある。苦痛の為に歪んだ朋与の眉間を、眞一郎の指がスッと撫ぜた。
不思議と痛みが引いていく気がする。額に浮かんだ険が自然と消えていった。
「……平気よ……痛いけど…気持ちいい。眞一郎は?」
「俺も。朋与の膣(なか)、暖かくてヌルヌルしてて……動いたら出ちゃいそうだ……」
平凡な表現だったが、褒められるのは気分が良い。
朋与としては、すぐに射精されても構わなかったが、この時間を少しでも長く続けたいという想いもあった。
「ちょっと……こうしていようか……」
意外に広い眞一郎の背中に腕を回し、両脚で腰を引き付けて身体を密着させる。
隙間を作りたくなかった。このまま溶けて、本当にひとつになりたかった。
「朋与……」
眞一郎が体重を預けてくる。その重さが心地いい。
(セックスしてる……私……眞一郎とセックスしてる……)
『女』になった充足感と眞一郎のしなやかな腕に包まれて、朋与はこの上なく幸福だった。
366ある日の朋与 24:2008/02/19(火) 22:35:49 ID:76E72P8C
どのくらい静止していただろうか。
朋与の息遣いが落ち着いてきた頃、眞一郎の腰が、もどかしげに動き始めた。
「……したくなったの?」
摺り寄せていた頬を離して聞いてみる。
「……うん……したいよ……」
恥ずかしげに視線を逸らす眞一郎。その仕草は子供みたいで可愛いかった。
「……このままじっとしてても…………出そう……うっ!」
眞一郎がうめき声を上げる。
朋与には自覚が無かったが、朋与の膣は高まる性衝動の影響を受け、自然に蠕動していたのだ。
静止したままでも、眞一郎の陰茎を処女特有の膣圧力と『ひだ』の微振動で無自覚に攻め立てる。
快楽から注意を逸らすためか、大きく息を吐き出す眞一郎。
朋与は眞一郎の言葉を待った。
「でも……朋与、まだ痛いんだろ?」
呼吸が安定してきた朋与とは逆に、眞一郎は興奮で息切れしそうだった。
(眞一郎、苦しそう……私が…我慢しなくちゃ)
朋与はそう思った。
「もう大丈夫よ、落ち着いた。……ねぇ、ちょと動いてみて」
生殖行為の開始を促す朋与。眞一郎は指示に従った。
陰茎が半分ほどゆっくりと引き抜かれ、同じ速度で再び埋め込まれる。
「…うっ……」
やはり痛みは残っている。だが、耐えられない程ではなかった。
それに膣奥を……子宮の入口を柔らかな亀頭で刺激されるのは、やはり気持ちがいい。
「つ…つづけて……」
「…………わかった……」
朋与の反応を観察しつつ、二度目、三度目の挿入を施す眞一郎。
肉竿を鞘に収めきったところで、ふたりの目と目が合う。
どちらからともなく唇を求め、舌を絡めた。
「平気、痛くないわ。……して……眞一郎」
「……いいのか?……」
朋与が頷くと、眞一郎の顔が喜びで輝いた。
「優しくするから……」
眞一郎としては精一杯の言葉のつもりだった。だが、朋与は首を横に振る。
「いいの、私の事は考えなくていい。眞一郎がしたいようにして……」
「……朋与……」
少し寂しげに翳った表情とは裏腹に、眞一郎の下半身はゆっくりと連続した前後運動を始めていた。
陰茎の抜き差しが段々と激しさを増していく。
徐々に上昇していく性感と眞一郎のとろけた顔が、朋与に痛みの存在を忘れさせてくれた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、……と、朋与……」
ピストン運動の速度が更に上がり、眞一郎が興奮の高みに昇り詰めて行くのが分かる。
「んん……っふう……はぁ、はぁ……し、眞一郎……眞一郎……」
いつ射精してもおかしくない状態に追い詰められながらも、天性の技を発揮する眞一郎。
無意識のうちに朋与の最も好むリズムを掴み取り、恥丘の裏側にある敏感な部分を刺激する。
浅く、浅く、深く。引き抜く時は膣天井を擦りあげる肉茎。
最深部に到達しては、鈴口から出る分泌液を子宮口に塗りつけ、圧迫する。
「はあああっっ!!!」
注挿の開始から僅か数分で、朋与は自分自身を見失い始めていた。
367名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 22:36:04 ID:nHUNOKiz
支援
368ある日の朋与 25:2008/02/19(火) 22:36:56 ID:76E72P8C
膣口から僅かに流れていた出血は既に止まり、そこから愛液とは違う白濁した液体が溢れ出す。
(……くっ……眞一郎っ……ホント……凄い……)
注挿運動以外の愛撫は完全に停止していたのだが、それが全く気にならない。
それほどまでに、朋与は眞一郎との結合部に集中していた。
(処女なのに……さっきまで処女だったのに……)
朋与は薄々気づいていた己の淫乱さに呆れながらも、
眞一郎という最良の相手に『初めて』を捧げる事が出来た幸運に感謝した。
(……イける……初めてだけど…………イける……かも……)
喪失による痛みはほとんど無くなって、快感だけが朋与の脳髄を犯し始める。
眞一郎の気持ちを気遣う余裕は消し飛び、己の悦楽だけを追及する利己的な朋与が顔を出す。
「と、朋与っ……はぁ、はぁ……朋与ぉっっ!!」
朋与の名を連呼して悦びを表現する眞一郎に、我慢の限界が近づいていた。
そして牝としての本能的欲求が朋与の精神をを完全に侵食する。
「出してっ眞一郎!……私の中に……精子……いっぱい出してぇぇっ!!」
ふたりの四肢に最大の力が込められ、お互いの身体を抱きしめ合う。
眞一郎の恥骨が朋与の陰核を押し潰し、肉茎が根元まで膣内に突きこまれて痙攣を始める。
「と、朋与っ…出るっっ!!!」
朋与の両脚が眞一郎の腰裏で交差し、ガッチリと食い込む。
肉茎の先端が朋与の子宮を限界まで押し上げた状態で、それは始まった。

ドピュッ!!ドピュッ!!ドピュッ!!ドピュッ!!

「あああああああぁぁっっ!!!」
第一撃を感じ取った朋与の口から、甲高い悲鳴が上がり、絶頂へと押し上げられる!
「い、イクぅっ!!!!」
二撃目、三撃目が膣奥に命中すると、朋与は悦楽の言葉を吐き出して、身体を海老反らせた。
眞一郎の二度目の射精は、口腔で行われたそれとは比較にならない激しさであった。
短時間で再蓄積されたとは思えぬ『量』と『濃さ』のスペルマが、
次々と鈴口から射出され、我先にと朋与の子宮口に襲い掛かる。
(……あぁ……あぁ……出てる…………暖かい……)
朋与は恍惚とする意識の中で、膣奥に生暖かい精液のプールが形成されるのを知覚した。
眞一郎のヌルヌルとした命のスープで、胎内が白く満たされるのをハッキリと感じる。
眞一郎の腰は本人の意思とは関係なく、射出した精液を奥へ奥へと送り込む動きを続けていた。
膣内をいっぱいに満たし終え、行き場を無くしていた精液が、
そのピストンの力を借りて、開きかけた子宮口から胎内深くへ侵入していく。
子宮内の感覚までは明確ではなかったが、朋与には眞一郎の精虫がどこを目指しているか分かっていた。
(……はぁ……きて……眞一郎の…赤ちゃんたち……私のお胎に……きて……)
『眞一郎』そのものの暖かさが子宮を中心に全身へと拡散していく……そう朋与は感じていた。
それは麻薬のように、朋与の身体を弛緩させていく効果があった。
(…………しん…い……ちろ……う…………)
意識が霞んでいく。
あの自慰の時と同じ白い霧が朋与を包み、どこか違う世界へと魂を連れ去っていった。

                 [つづく]
369名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 22:40:05 ID:kSMymzIU
リアルタイムGJ!
本編の空気っぷりが嘘のようだ
370名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 22:44:07 ID:76E72P8C
「ある日の朋与」を書いている者です。
今回でエロパートは大体終了です。
後はなるべく短く風呂敷を畳んで、
スレにご迷惑をかけぬよう終息させますので、
何とぞご容赦のほどを。

「25」の射精の瞬間、
眞一郎に「比呂美!」って言わせようかと思ったのですが、結局止めました。
あまりにも朋与が惨めなので……
371名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:18:47 ID:HuO+UBpU
乙&GJです。
あなたのおかげで朋与を好きになっていく俺がいる
本編でも目がどうしても朋与にいってしまいます。
372名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 11:15:57 ID:/Ehbr2ZR
グッジョブ!
あらら、もう終わりですか
朋与と眞一郎の関係に気がついた比呂美が参戦して泥沼になるのを期待してたのに
残念
373名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 11:27:58 ID:fycjXa+h
>>370
おつかれGJ!
もっと続けて欲しいんだぜ?
374名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 13:17:13 ID:T4iflpkn
兄妹疑惑にたいし、むしろそっちの方がOKで心置きなく比呂美を
襲いにいくという変態眞一郎の電波を受信した
375名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 14:59:57 ID:EFXNgi9F
え?続けてください
376名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 18:57:34 ID:svKJRqMg
GJ
全然迷惑じゃないから話を広げてくださいなw
377名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 19:45:40 ID:aW5YvOpr
事実を知った比呂美の反応を考えただけでwktk
378名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 01:01:59 ID:uOeIIM/u
朋与エロすぎだろJK
379名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 12:09:47 ID:mnjuevN9
ママ×眞ちゃん希望
380名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 13:37:15 ID:ZOSctqKj
乃絵 「はい、さつまいも」
比呂美「………」モグモグ
乃絵 「このからあげも」
比呂美「まださつまいもが喉に……」
乃絵 「じゃあ謝って」グリグリ
比呂美「え?っていうかからあげ……」
乃絵 「眞一郎に謝って」グリグリ
比呂美「まださつまいもが」
乃絵 「眞一郎が空を見てないの。本当は飛べるのに」グリグリ
比呂美「からあげ押し付けるの、やめ……」
乃絵 「わたし、あなたのせいだと思う」グリグリグリ
比呂美「ちょ、やめ………やめろ!!」


そんなトゥルーティアーズ
381名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 15:15:18 ID:Bdd6wgFg
>>380
日和とかジャガーさんとか
なんかそういうネタ合いそうだよな
382名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 23:40:36 ID:JIkuHVLD
age
383名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 06:44:41 ID:72pNI4Zu
保守
384名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 21:48:43 ID:72pNI4Zu
保守
385名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 01:47:31 ID:FIscSnWU
書いてた一部が、8話の1シーンとかぶってしまったorz
386ある日の朋与 26:2008/02/24(日) 01:49:49 ID:4Eq53k02
耳元に聞こえる眞一郎の息遣い、圧し掛かってくる重さが朋与を目覚めさせる。
(……また……気を失ってた……)
一体何度目だろうか、眞一郎にイカされるのは。『妄想』も入れると結構な数になる。
(……その度に失神するんだから…嫌になっちゃう……)
眞一郎の細くてしなやかな指が、短く切り揃えられた朋与の髪を掻きむしってきた。
目の前に、満足しきった眞一郎の顔がある。何を求めているのか、朋与はすぐに分かった。
同じ様に眞一郎の髪をクシャクシャにしてやると、顔を引き寄せて口づける。
舌を絡ませ合い、唾液を交換するふたり。
(やっぱり眞一郎の……おいしいな……)
眞一郎の口内を貪りながら、朋与はそんなことを考えていた。
…………
…………
「……抜くよ」
朋与は返事をしなかった。出来ることなら、ずっと繋がっていたかったから。
……ズルッ……
萎えかかった陰茎が膣から引き出され、眞一郎の身体が離れていく。
(……拭いてあげなきゃ……)
眞一郎を……眞一郎を綺麗にしなければならない。だが、脳からの信号を朋与の身体は拒絶した。
腰の辺りが痺れて腹筋に力が入らない。腕の力で無理矢理起き上がろうとする朋与を眞一郎が制した。
「いいよ、今度は俺が拭く」
眞一郎はティッシュを数枚取って自らの陰部を簡単に拭うと、朋与の膝に手を掛けた。
「や、やぁ!!」
身体の全てを見せ合った仲なのに、事後の性器を見られるのはやはり恥ずかしかった。
「い、いいよ!落ち着いたら自分で拭くから!」
「俺がしてやりたいんだよ」
ただでさえ男女の腕力差があるのに、絶頂の余韻が残る朋与に勝ち目があるはずもない。
抵抗らしい抵抗も出来ず、朋与は眞一郎に股を開くしかなかった。
横を向いて大人しくなってしまった朋与をよそに、花弁へと眞一郎の手が伸びる。
「……かなり出た気がしたんだけど……そうでもなかったのかな……」
陰茎を抜去した直後は眞一郎の『直径』を保っていた朋与の膣だったが、今はすっかりその口を窄めていた。
血液や精液の逆流もほとんど無く、眞一郎による清掃はすぐに終わった。
「……そんな事ないと思う……なんか……奥の方に吸い込んでる感じ……するし……」
朋与のその感覚は間違いではない。
興奮の衰退期に入った子宮が位置を変え、その口を精液溜りに沈めて吸引していたのだ。
眞一郎の精液が高い粘度で放出されたことも、逆流を防ぐ手助けをしていた。
…………
…………
痙攣の治まりを待って、朋与は身体をゆっくりと起こす。
時計に目をやると、母が帰宅する時刻までには、まだ少し余裕があった。
「……時間……まだ大丈夫だけど……もう一度する?」
傍で眞一郎が首を横に振る。一発の密度は濃いが、何回も連続で出来るタイプではないらしい。
「少し話したいな……朋与と……」
「…………眞一郎……」
足元に追いやっていた布団を引き寄せて、裸のまま二人でそれに包まる。
肌を寄せ合って互いの体温を分け合いながら、朋与は眞一郎が口を開くのを待っていた。
387ある日の朋与 27:2008/02/24(日) 01:50:48 ID:4Eq53k02
同級生が教室で見せる姿というのは、その人のほんの一面でしかないのだな、と朋与は思った。
朋与の肌を軽く愛撫しながら、眞一郎は朋与の知らない話を色々してくれる。
絵本作家を目指していること。幼馴染のアイちゃんのこと。
最近、母親とうまく行っていないこと。麦端祭の花形を勤めること。
だが、その中に『比呂美』という言葉は一度も出てこない。
…………
「俺はさ……何だか知らないけど『飛べる』らしいんだ」
「飛べる?」
石動乃絵がそう言ったらしい。彼女の話をされるのは愉快ではなかったが、今の朋与には分かる気がした。
身体を重ねたからではない。確かに眞一郎には、そんな印象がある……。
(…そうね……翼がある……そんな感じがする……)
漠然としたイメージだが、眞一郎にはいつも空を見ているようなところがあった。
……思い出してみれば、朋与はこの一見平凡だが、不思議な雰囲気を持つ少年をずっと見ていた気がする。
比呂美の横でずっと……。
……比呂美の為だと思っていた……。でもそうではなかったのだ……。

(……私……信一郎のこと……ずっと前から好きだったんだ……)

朋与は今、自分の気持ちが突然沸き起こったものではないと知った。
だから自信を持って言える気がする。私は眞一郎の気持ちが誰よりも分かるのだと……。
…………
…………
「……比呂美…今、4番と何してるかしら……」
「…………」
話が途切れる。避けてきた話題を持ち出され、眞一郎は少し苛立っているようだった。
「私たちみたいに……してる……かな……」
「知らないよ。比呂美の事はもうどうでもいい」
眞一郎が身体を寄せてくる。右脚が朋与の股に捻じ込まれ、薄い陰毛がシャリッと音を立てた。
「俺にはもう朋与がいる」
甘えてくる眞一郎を無視して朋与は続けた。
「…………ねぇ……想像してみて……比呂美たちがしてる事……」
「…………」
眞一郎の顔が見る見る険しくなっていく。それは興味の無い女の情事を想像している顔ではない。
大事なもの……自分の一番大切なものを奪われる瞬間を思い浮かべている顔だった。
…………
「…………それが眞一郎の本当の気持ちよ……」
「……朋与……」
朋与は合わせていた視線を外し、眞一郎の胸に顔を埋めた。
「苦しみなさい……そして強くなるの……大切な人を受け止められるくらい強く……」
「…………」
朋与の言いたい事がわかったのだろうか。朋与を抱きしめる眞一郎の腕に力が込められる。
「……厳しいんだな…朋与は……」
「……そうよ…………私も……好きな人には飛んで欲しいからね……」
眞一郎が好きだから……本当に好きだから……嘘の気持ちに逃げて欲しくはなかった。
空を見続けることを止めて欲しくなかった。
…………
…………
会話が途切れ、朋与と眞一郎は互いの体温を感じることだけに集中していた。
もうすぐ母が帰ってくる時間だ。
……あと少し……もう少しだけ……眞一郎とこうしていたい……。
薄暗い部屋の中で、朋与は生まれて初めて、時間が止まればいいと本気で願っていた。
388ある日の朋与 28:2008/02/24(日) 01:51:50 ID:4Eq53k02
私服に着替えて玄関の外まで眞一郎を見送りに出る。一番のお気に入りを着た事は、眞一郎には黙っていた。
「じゃあ…明日また学校で」
「……あぁ」
話すことなど残っていないのに、二人はなかなか離れられずにいた。
無言のまま玄関に立ち尽くす二人に、いきなり声が掛けられる。
「朋与、お友達?」
振り向くとスーツを着こなした中年の女性が立っていた。
「ま、ママ」
「……え……」
母親と聞いて、眞一郎の身体が条件反射で強張る。表情も幾分引きつっている様だ。
朋与の母はシャープな外見の朋与とは違い、どこか柔らかさを感じさせる女性だった。
「あら……あらあら……お邪魔だったかしら?」
「ち、違う!そ、そんなんじゃないんだから!!」
朋与は眞一郎を簡単に紹介すると、母を家の中に押し込もうとする。
娘が男の子を連れて来たのが嬉しいのか、朋与の母は終始ご機嫌だった。
「ホホホ、ごゆっくり〜」
浮かれた様子の朋与の母が扉の向こうに消える。
…………
「ごめん……変でしょ、うちの母親」
「そんな事ないさ。優しそうな人じゃないか……美人だし」
朋与の顔が急に不機嫌になり、指が眞一郎の手の甲を抓り上げた。
「痛ってぇ!…な、なんだよ……」
「『なんだよ』じゃない!……どうせ私は一重瞼でデコっぱちよ!」
朋与はどちらかというと父親似で、昔から目鼻立ちのはっきりした母に似なかった事を気にしていた。
(……してる時だって、一言も可愛いとか言わないし……)
プイと横を向いて拗ねる朋与を、眞一郎は不意打ちで抱きしめた。
朋与の口から「…あ…」と声が漏れる。
「……朋与は綺麗だよ…………綺麗だ……」
「…………眞一郎……」
朋与の手が眞一郎の背中に回りかけて止まる。
刹那の時、迷いを見せた朋与の手の平は、優しく眞一郎の胸板に添えられて、その身体を押し返した。
…………
「…………もう……しないって約束したでしょ……『仲上くん』……」
「…………」
眞一郎は視線を伏せて答えなかった。
僅かな沈黙の後、鞄を手にして門の外へと出る眞一郎。朋与もその後に続く。
「……『黒部』……」
苗字で呼ばれた瞬間、夢の終わりを知って、朋与は泣き出しそうだった。
部屋を出る時に二人で約束をした。もう名前では呼ばない。ただのクラスメイトに戻るのだと。
朋与に背を向けたまま眞一郎は続ける。
「…俺さ……ホントに飛べんのかな……」
きっと今、眞一郎は色々な不安に押し潰されそうなのだろう。
顔を見たら抱きしめてしまう……そう思った朋与は、その場から動かなかった。
…………
「……さあね……でも、そんなに慌てて飛ばなくてもいいんじゃない?……」
わざと素っ気無く言う。
「やっぱ厳しいな」と呟き、眞一郎は歩き出す。
その足取りを、朋与は姿が見えなくなるまで見送った。
……力強くはない……でも……進む方向は見失っていないと朋与には感じられた。
389ある日の朋与 29:2008/02/24(日) 01:53:11 ID:4Eq53k02
そろそろ父も帰宅する時間なので、朋与は玄関の鍵をかけずに室内に戻った。
「ちょっと朋与。ご飯炊けてないじゃない」
台所から母の声が聞こえる。両親の帰りが遅い時の炊事は朋与の仕事だった。
「ごめ〜ん。気分悪くて寝てたの」
「仕方ないわね。先にお風呂入りなさい。買い置きで何か作るから」
「は〜い」と空返事をしてから、階段を登って自室へと戻る。
照明を点けて部屋を見渡した。
(……今、ママに踏み込まれたら言い訳できないな……)
散乱したティッシュ、投げ捨てられた未使用のスキン、部屋に篭った生臭い臭気……。
朋与は情事の痕跡を片付けに掛かった。窓を開けて空気を入れ替える。
ティッシュは両親が寝静まったあとでトイレに流せばいいが、問題はスキンだ。
ゴミ箱にそのまま放り込む訳にもいかず、結局小さめのポリ袋に入れて通学の途中で捨てることにした。
…………
着替えを用意し終えた時、朋与は机の上に置いた携帯のランプが点滅しているのに気づいた。
「……比呂美のメールか……」
確認せずに、そのまま部屋を出る。返信するつもりはなかった。
(そうか……こっちも確かめなきゃ……)
……眞一郎の為に……。今それが出来るのは自分だけだと、朋与は階段を降りながら考えていた。

    ※    ※    ※    ※

入浴を済ませて浴室を出ると、食卓から良い香りがしてくる。
(……この匂いはスパゲティね)
所要時間と冷蔵庫の中身を吟味して、このメニューとなったのだろう。
テーブルに着くと、母は先に食事を始めていた。余程お腹が空いていたと見える。
「さっきの子、仲上くんだっけ?格好いいじゃない」
「そう?普通だと思うけど」
頂きます、と手を合わせてから、朋与はスパゲティを口に運び始める。
「ねぇ、付き合ってるわけ?ねぇ、朋与」
何が嬉しいのか、母は浮かれ気分でしつこく眞一郎の話を聞きたがる。
(うるさいなぁ、もう……ほっといてよ……)
否定しないと延々この話題が続きそうだと思った朋与は、キッパリと言った。
「仲上くんには他に好きな人がいるの。変なこと言わないで、ママ」
「あらそう……残念ねぇ…………?」
朋与の異常に気づいた母の手が止まる。
「……朋与……あんた泣いてんの?」
両の眼に大粒の涙を浮かべて、朋与は全身を震わせていた。
「……な…泣いて……うぐっ……泣いてなんか……ぐすっ……」
自分自身で事実を口にする事で、我慢して来たものが溢れ出してきた様だった。
手が震えてフォークが持てない。耐えきれずに手で顔を覆い、朋与はうずくまった。
「…うぅ……うわああああぁぁぁぁ!!」
眞一郎の前では隠していた『悲しみの涙』が、後から後から湧き出てくる。
(……私の好きな人が好きなのは……私じゃ……ない……)
残酷な事実が、朋与の心を何度も打ちのめす。
「……朋与……」
もう誰も包んでくれないと思った身体を、母が黙って抱きしめてくれた。
「仲上くんが好きなのね……」
愚図りながらコクリと頷くと、母は頭を優しく撫でてくれた。
「泣きなさい……ママにも経験あるけど……泣くしかないのよ、こんな時は……」
母の胸の中で朋与は大声で泣いた。泣き続けた。
泣いてしまおう。今、全部の涙を流してしまおう。
明日の朝、教室で眞一郎の顔を見るには、そうするしかないと朋与には思えた。

       [つづく]
390名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 01:56:19 ID:4Eq53k02
「ある日の朋与」を書いている者です。
一応、次で朋与のお話はおしまいです。
次は誰をメインに書こうか迷っています。
391名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 02:00:09 ID:N7IDTLor
(ノД`)ウワァァァン
ともよちゃん泣いちゃってかわいそうだよう。

お疲れ様です。こういうの結構好きです。
392名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 02:06:56 ID:cwB7ZGSO
>>390
GJ! カワイソス… セツナス…
次で終わりかぁ… 残念でもあり、また他の話が読めてうれしくもあり。

あとアニメのスタッフはDVD特典で朋与エピソードを追加すべきだなw
393名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 02:10:17 ID:I1sTutM2
次回で比呂美の服脱ぎキターーーーーーーーーーーー!
比呂美のエロキターーーーーーーーーーーーーーーー!
比呂美が自暴自棄になって
「私もう疲れちゃった、もうどうでもいいから
 私のこと抱いていいよ、好きにして。   」
となって比呂美×4番のSEXキターーーーーーーーーーー!
誰か書いて。
394名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 03:03:20 ID:BHCbxZOC
数百レス前を見ろアホ

>>390
乙です
あなたのおかげで朋与の魅力を再発見できた
次も割とマイナーなキャラで描くと面白いかもしれませんね
ママン×パパンとか…いや流石にねえな…
なんにせよあと一回、期待してます
395名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 03:03:32 ID:cwB7ZGSO
>>393
少し落ち着けw


まぁ、同じ事思ったがwww
396名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 04:15:19 ID:0PJn+p3Z
まあぶっちゃけないだろw
つうかこのスレであるならいいけど本編ではあんまりきてほしくないなw
397名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 10:17:39 ID:j0f2Xywu
>>390
毎回楽しみにしてます。
次作は比呂美を希望。
398名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 12:09:19 ID:gw7JX1pp
今回の比呂美の嫉妬っぷりはすごかった
これなら夜這いプロットもそのままで良かった気がする
399名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 17:06:55 ID:c7WrCCmq
誰か純×乃絵を書いてくれ・・・
と思ったが、クレクレはよくないのでとりあえず書いてみた。
でも即力尽きたorz
職人の純乃絵が読みたいよ。゜(゚´Д`゚)゜。ウァァァン



「ごめん」
何度同じ言葉を繰り返したかなんて、もう忘れてしまった。
乃絵はもう俺の目を見ない。
あんなにいつも真っ直ぐに向けられた瞳が、今は固く閉じられて背けられていた。
こんなこと、一生するつもりなかったのに。
これでもう一生お前の目を見れないかもしれない。
ふとそう思って、目の前が真っ暗になった。



お前が他の男のことを口にするようになったのは、つい最近のことだった。
いつかそんな日が来るんだろうな、とずっと分かっていたはずなのに、
それでもやっぱり、俺は分かっていなかったんだ。
乃絵がその男のことを嬉しそうに話す一言一言に、胸を焦がされる想いがした。
それまで俺はお前が幸せになるのをただ見ることができるだけでいいって、
ただ妹の幸せを願うごくごくありふれた兄貴のつもりだったのに、
その時はっきり違うと分かってしまった。



気付いたときには、キスをしていた。
乃絵は言葉が出ない様子で、目を見開いたまま口を開けていた。
「お兄ちゃ・・・」
「ごめん」
乃絵が言葉を紡ぐ前に、もう一度唇を塞いだ。
流石の乃絵も今度は両腕で俺の胸を押し返してきたので、
俺はその両手首を掴んで頭の上で押さえつけた。


「・・・や、ああ・・・っ」
涙の出ない乃絵が鳴咽の合間に上げる甘い声に体温が上がる。
乃絵の中へと指を進めると、熱く絡み付く感触に目眩にも似た感覚を覚えた。
まるで自分が受け入られている様な。
「・・・っ」
指を増やした所で、乃絵の顔が苦痛に歪んだ。
噛み締めた唇が赤くなっているのが痛々しい。
その頬を撫でて大丈夫だと言ってやりたいけれど、俺にそんな資格は無かった。
俺は痛みを訴える乃絵を尻目に指を引き抜き、両足を持ち上げた。
「・・・い、いや」
乃絵の怯えた瞳に胸を刺される。
だけど、今更止められるはずなんてなかった。
ごめん、ともう一度呟いて乃絵の中へと侵入した。
「・・・いた・・・っ!!」
無理矢理押し込んだ所から、血が滴ったのが分かった。
真っ白なシーツに出来た赤い染みが眼の端に映る。
「お兄、ちゃん・・・やだっ」
鳴咽と悲鳴に近い声で喘ぐ唇を塞ぐ。
挿入したそこのきつさに眉を顰めて、腰を動かした。
こんな時にも、涙、出ないんだな
場違いに、そんなことを思った。
400名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 17:36:38 ID:RCwk/jXt
心は眞一郎に
体は四番に
そんな比呂美がみたい
401名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 21:12:49 ID:4Eq53k02
>>399
もうあなたも職人です。GJ!
402名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:56:27 ID:nXkkf/g+
>>400
テラビッチwww
403名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 23:12:34 ID:nT5nhZl5
でもそういうビッチはだいすきだ
404名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 23:47:12 ID:0PJn+p3Z
こういう展開だからこそ
眞一郎×比呂美の純愛が読みたい
405ある日の朋与 30:2008/02/25(月) 00:21:03 ID:F8vR+N/c
翌日の昼休み、朋与は比呂美をグラウンド階段に呼び出した。
購買で買ったサンドイッチを頬張りながら比呂美を待つ。
曇っているせいか、朋与以外の生徒は誰もいない。
やがて昼練を終えた比呂美が現れた。今日も昼食を取る気はないらしい。
「ごめん、待った……」
何故か挑戦的な視線を向けてくる朋与に、比呂美は一瞬たじろいだ。
「座れば」
「……う……うん……」
朋与の隣に腰を下ろす比呂美。
比呂美の空腹を気遣う事もなく、朋与は一人で食事を続けながら話を始めた。
「見たよ、昨日。帰るときのアレ。やるね〜比呂美」
何を指摘されたのか、すぐに分かったようだ。
比呂美の顔が『見られた』事への驚きと後ろめたさで曇る。まるで現行犯逮捕された軽犯罪者だ。
「……なんの話?」
「あれ?私の勘違いかぁ」
シラを切る比呂美に対して、話し方にわざと悪意込める朋与。
「そんな話なら……」と、立ち去ろうとする比呂美を「本題はこれから」と呼び止める。
「私ね『男』が出来たのよ。で、恋愛の先輩である比呂美に色々訊きたいわけ」
「…………」
朋与は意図的に『男』という生々しい表現を用いた。
昨日までと全く違う親友の態度に戸惑う比呂美。朋与の真意が掴めない。
「石動さんとは……もう『して』るんでしょ?」
「…え!」
比呂美の顔が真っ赤になる。その反応だけで、朋与は比呂美がまだ処女であることを見破った。
「教えてくんないかなぁ、参考のために」
「…………い、いいわよ……」
比呂美が次々と『嘘』を並べ立てる。夢のように美しい物語が比呂美の口から紡がれていく。
だが朋与には、それが雑誌やネットで得た知識を継ぎ接ぎにしているだけなのが、手に取るように分かった。
(……男を受け入れるって…………そんなんじゃないよ、比呂美……)
そう……本当のセックスはもっと熱くて……獣みたいで……濃厚なもの……。
自分の話に酔い始めた比呂美は見ていて滑稽だったが、朋与は安心もしていた。
(やっぱり、比呂美は4番なんか好きじゃない……比呂美が好きなのは……)
……眞一郎……彼以外には考えられない。
『特別な理由』が心に強固な施錠をしているが、比呂美の想い人はやはり眞一郎に違いなかった。
でも今、比呂美は逃げようとしている。全力で眞一郎から逃げ出そうとしている。
(……そんなの許さない……絶対に……)
破れる恋だと分かっていても、朋与は逃げなかった。眞一郎も逃げるのを止めた。
どんな訳があったって、自分の気持ちから逃げ出してはダメなのだ。
……比呂美もちゃんと苦しんで欲しい。比呂美自身の為ではなく、本当に好きな人の為に……
…………
…………
「石動さんって凄いんだぁ」
「ま…まぁね……私も自分があんなに乱れちゃうなんてビックリ……」
ありもしない4番との淫事を語り終えた比呂美に、朋与は強烈な一言を浴びせた。
「私も今度、眞一郎と試そう」
比呂美の瞳孔が見開かれ、瞬時に身体が固まる。
「…………え…………今……なんて…………」
朋与は笑っている。それは今まで比呂美が目にしたことのない、悪魔のような笑顔だった。
406ある日の朋与 31:2008/02/25(月) 00:22:02 ID:F8vR+N/c
「なんで……眞一郎くんが出てくるのよ……」
比呂美の唇がワナワナと震える。
怒り……嫉妬……。普段の比呂美が絶対に見せない感情が、表に染み出してくる。
「なに怒ってるの……眞一郎と私が付き合ったら変?……」
「呼び捨てにしないで!!!!」
立ち上がり、大声で感情を撒き散らした比呂美の瞳は、怒気を孕んで赤く燃え上がっていた。
朋与もゆっくりと腰を上げ、真剣な表情で比呂美に対峙する。
「……昨日……眞一郎と寝たわ……」
「!!!」
今度は絶望と殺意。比呂美の身体が真っ黒な何かに覆われていくのが、朋与には分かった。
「……う、嘘よ……眞一郎くんが……そんなこと……」
「教えてあげる。眞一郎がどうやって私を抱いたか……」
朋与は昨日の出来事を、包み隠さず語って聞かせた。
実体験に基づいたその話は、当然ながら比呂美の作り話とは比較にならないリアルさだ。
眞一郎がどうやって朋与を愛し、朋与がどうやって眞一郎を愛したかを微細に説明する朋与の唇。
「……やめてっ!!もうやめてぇっ!!!」
耳を塞ごうとする比呂美の手を、朋与は無理矢理引き剥がした。
「聞きなさいよ!眞一郎のこと…関係ないって言うなら聞きなさいよ!!!」

    パシッ!

比呂美の手の平が、朋与の頬を打つ。それは朋与が体勢を崩すほど、強烈な一撃だった。
…………
息切れするほど興奮している比呂美の両眼を見据え、冷静に朋与は言った。
「……嘘よ……全部デタラメ……『仲上くん』が私とそんなことする訳ないでしょ……」
「……え……」
比呂美の身体から黒い気が抜けていく。
『経験』の無い比呂美は朋与の話の真偽が判断できず、結局は彼女の『嘘』を信じた。
「……本当は『仲上くん』が好き……違う?」
「…………」
比呂美は何も言い返せなかった。
眞一郎が他の女を抱いたと聞いただけで激昂してしまったのだ。もう本心を隠してはおけなかった。
「あんたたちに何か特別な事情があるのは知ってるわ」
「!!……まさか話したの!?……眞一郎くん…朋与に!!」
朋与は首を横に振る。肝心な事は何も訊いていない。これは本当だった。
「昨日、帰りに少し話しただけよ。……落ち込んでたから……」
「…………」
比呂美は秘密が守られている事に安堵したようだった。構わず朋与は続ける。
「素直になれとか言う気はないわ。ただね……ヤケを起こすのは止めて。彼の為に」
だが、朋与の気持ちはまだ比呂美に届かない。
「…………余計なお世話よ……お節介はもうたくさん」
比呂美がふて腐れて減らず口を叩いたその時……

    パンッ!

朋与の手の平が勢い良く宙を舞い、比呂美の頬を張り飛ばした。
407ある日の朋与 32:2008/02/25(月) 00:24:57 ID:F8vR+N/c
朋与の痛烈な平手打ちは、比呂美の身体を地面に打ち据えた。
すぐに立ち上がり、「このっ」と毒づきながら朋与に掴みかかる比呂美。
「何も知らないくせにっ!私がどんなに辛いかっ!知りもしないくせにっ!!」
激しい揉み合いとなる二人。だがバスケとは違い、腕力と気力では朋与の方が勝っていた。
「あんたの気持ちなんかっ…………知るかぁっ!!」
突き飛ばされ、仰向けにひっくり返される比呂美。朋与は馬乗りになってジャージの襟を締め上げた。
「あんたは『仲上くん』に想われてるじゃない!!……それ以上……何を望むっていうのよ!!!」
「!!!」
比呂美の抵抗がピタリと止む。朋与の眼からは涙が零れ、比呂美の顔を濡らした。
「……いらないなら私に頂戴!……『眞一郎』の心を……私に頂戴!!!」
朋与の本当の気持ちに、比呂美は気がついた。
お節介ではない……。お節介などではなく、こんな事をしているのは……。
「……朋与……眞一郎くんのこと……」
…………
朋与は比呂美から離れ、階段の隅で膝を抱えてしまう。
起き上がって土埃を払うと、比呂美も朋与の隣でそれに習った。
比呂美の方を見ないようにしながら、朋与が口を開く。
「…………頂戴よ……眞一郎…………」
朋与はあさっての方向を向いたまま、ぶっきら棒に言う。
葛藤と逡巡……。比呂美の苦しみが朋与には良く分かった。
…………
「…………嫌……それだけは…………朋与でも……絶対に嫌……」
長い長い沈黙のあと、絞りだすような声で『想い』を吐き出す比呂美。
顔を伏せて泣き出してしまった比呂美を、朋与はそのままにしておいた。
(……今はそれで許してあげる……比呂美……)
肩を抱いたりはしない。
愛する人を奪っていく女に、そこまで優しくしてやる必要は無い。そう朋与は思った。
408ある日の朋与 33:2008/02/25(月) 00:25:43 ID:F8vR+N/c
「!!どうしたんだよ、お前ら!」
教室に戻る途中で、朋与と比呂美は廊下で眞一郎と野伏に鉢合わせた。
眞一郎が驚くのは当然だ。二人とも土埃にまみれ、頬を赤く腫らしているのだから。
咄嗟に比呂美の方に駆け寄る眞一郎の姿に、朋与の胸がチクリと痛む。
それは眞一郎にとって、ごく自然な事なのだろう……
それでも……やはり胸の痛みは抑えようがなかった。
…………
「私、早退するわ。」
野伏三代吉に担任への伝言を頼むと、教室から自分の鞄を取ってくる朋与。
廊下に戻ると、野伏は雰囲気を察してくれたのか、その場から消えてくれていた。
「……俺のせい……なのか?」
眞一郎の後ろで立ち尽くしている比呂美。
朋与に訊いてくるという事は、比呂美は何も話さなかったのだろう。
無視して帰ろうとする朋与の腕を、眞一郎が掴む。いつもの甘美な電流は流れなかった。
「……と…」
「離して!」
眞一郎が誓いを忘れて名前で呼ぼうとするのを、朋与は腕を振り解くことで防ぐ。
それが全てだ。朋与と眞一郎はクラスメイト。ただ、それだけだった。
「比呂美のこと、ヨロシクね仲上くん」
弱々しい声で「朋与」と呼びかける比呂美に、振り向かずに手を振ると、朋与は下駄箱へと降りていった。

409ある日の朋与 34 (最終回):2008/02/25(月) 00:27:11 ID:F8vR+N/c
あの海岸通りの防波堤に朋与はいた。
今日は母が在宅しているので、理由も無く早く帰ることは出来ない。
何をするでもなく、誰を待つわけでもなく、無為に時が過ぎるのを待つ朋与。
空を見上げてボンヤリしていると、無警戒な海鳥が二羽、朋与のすぐ横に舞い降りて来た。
名前は知らない。朋与は鳥の種類には全く興味が無かった。
身を寄せ合って風を凌ぐ鳥。『つがい』なのだろうか、と朋与が考えていると、
そこに場違いな泣き声が聞こえてきた。
「にゃあ」
どうやって防波堤の上に登ったのか分からない小柄な猫が、トコトコとこちらに向かってくる。
その様子から、海鳥を捕食する気がまるでないのが朋与には分かった。
(遊んで欲しいのかな?)
黙って様子を見守る朋与。猫は海鳥たちに近づいていく。
……しかし……
あと少しで触れ合える、というところで、鳥たちは猫を残して空へと羽ばたいた。
目で軌跡を追うと、上空で付いては離れ、離れては付きを繰り返している。
そして暫くすると、結局は並んで同じ方向へと速度を上げて飛び去っていった。
…………
…………
置いて行かれた猫が、空に向かって「にゃあ」と悲しげに鳴く。
鳥と友達になり損ねた猫と、朋与だけが、その場に残された。
…………
(……あぁ、そうか……)
朋与には分かった。自分はこの猫なんだ……そして眞一郎と比呂美はあの鳥たちなんだと。
眞一郎は『飛べない』と言っていたが、心配する必要はない。
眞一郎には翼がある。力が蓄えられれば、いつか飛んで行ける。
そして比呂美にも、その力が分け与えられ、飛ぶことが出来るはずだ。
眞一郎がそう望む限り……きっと同じ方向へ……。
…………
…………
「おいで」
手を差し伸べると猫は朋与に擦り寄ってきた。仲間が分かるらしい。
抱き上げて自分の胸に収める。朋与に抱きしめられながら、猫はまた何もいない空に向かって鳴いていた。
毛並みのいい背中に頬を寄せる。一筋、朋与の頬に流れた雫が、猫の肌に吸い込まれて消えた。
悲しくはない。ただ少し……ほんの少しだけ寂しかった。
ふっと気が付くと、猫はもう空を見ておらず、首を回して朋与の顔を覗き込んでいた。
「…………」

    ペロッ

猫が涙の跡を舐め取ってくれる。優しくされることが、今はとても心地いい。
「……平気よ…………翼が無くても生きていけるから……」
朋与は猫を抱いたまま防波堤から降りた。
この子は連れて帰ろう。母はきっと飼う事を許してくれる。朋与はそう思った。

 
                 [おわり]
410名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:29:46 ID:F8vR+N/c
「ある日の朋与」お終いでございます。
自己陶酔型の駄文にお付き合い頂きましてありがとうございました。

次は……やっぱ比呂美ですかね。
411名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:31:09 ID:Ei+kxq2z
>410
ともよさんかわいいです。
かわいくて、切ないです。
こういうの、大好きです。
お疲れ様でした、ありがとうございます。
412名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:34:23 ID:1r4LuJmg
>>410
長編乙でした。
次回作も期待しております。
しかし、あなたの作品読んでから
どうしても、アニメでも朋与が気になってしまう・・・
413名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:40:01 ID:7V2tSHQX
GJ
文章力高いなー
エロも良かったが話が普通に面白かったよ
是非また書いて欲しい
414名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:41:56 ID:M7hbYJ0Z
これが昔は普通だった2クールとか4クールものだったら、最終回への山場の前に
サブキャラの朋与メイン回とかあったんだろうけどここで補完できてよかったぜ
415名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 00:52:03 ID:NdjLHjXu
>>410
GJ!切ない感じがとても良かった。
ので純と比呂美の話も書いて欲しいです。
あの二人結構合いそう。
416名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 01:38:21 ID:jb1NkwL9
たまには愛ちゃんのこと思い出してください
417名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 05:04:56 ID:1cfK7R6E
>>410
とても面白かったです!GJ!!

次は……TOMOYOアフター…いやなんでもない
418名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 07:31:44 ID:BIYVEOq7
>>410
面白かったです、乙
サブキャラにも色んなエピソードがあると思うと見方が変わりますね
次は眞一郎と比呂美の「その後」を書いて欲しかったり…
419名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 13:13:45 ID:d7h8eAMe
>>410 乙かれです


やべぇ…ちょっと泣いたorz
420名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 14:12:59 ID:4/dB+0Ld
8話(だっけ)放送で朋与が「仲上君が好きな子って〜(略」と言ってる場面を
色眼鏡で見てしまったw
421名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 20:47:42 ID:KP4T55ha
朋与いい!gj!!つーかヒロミがいらなくなってきたな・・・
これからの流行は朋与ですな
422名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 21:47:25 ID:YWX0U94d
たまには愛ちゃんも思い出してください
423名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 02:32:12 ID:oLNsRfhF
>>410
乙&GJでした!! 朋与… 。・゚・(ノД`)・゚・。
アニメスタッフは今すぐ朋与の出番を増やす作業に入るんだ!w

>>417
ちょwww                          …ソレダ!!!
424名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:12:23 ID:h2Wr4jFe
最近の展開見てるとリフレクティアを聞くだけで欝になる。
誰か愛が溢れたものを書いてくれ・・・
425名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:32:08 ID:yClj/6Tj
>>410
GJ 最高だ!
是非新作もお願いします。

>>417
それ違う作品じゃんw
426名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 18:19:28 ID:AGYnSqVE
>>425
> >>417
> それ違う作品じゃんw
いやいや、別作品なのはそうなんだけど、
TOMOYOアフター
  ↓
朋与アフター
  ↓
朋与のその後
  ↓
「ある日の朋与」の続編希望 って意味じゃね?
427名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 00:43:43 ID:VfycmPGI
ずいぶん前に本スレで見たような…
428名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 01:37:06 ID:reYGZZSG
朋与の職人さんだけじゃなくて他の職人さんもどんどん書いてほしい
429:名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 18:20:10 ID:UyR7/23J
>>410
比呂美の話、楽しみに待っています^^
430truetearsVSプレデター:2008/03/01(土) 01:52:52 ID:ix31v/FI
それは銀河系の彼方、深く冷たい闇から来た。
それは誇り高く、使命と伝統のためなら躊躇なく殉ずる覚悟を持つ戦士であり───残虐無比であった。

富山県某市。夜道を長い髪をした清楚な少女が歩いている。
日はとっくに落ち、いくらかの人はもう寝ているであろう遅くに、年若い少女がたった一人でいるのは理由がる。
彼女の母親─住まい先の─に命じられ、取引先の家庭に届け物があったのだ。送るという相手の誘いを断り、今は帰宅の途であった。
名を湯浅 比呂美という。

怪物の目的は砺波市にある自衛隊駐屯地であった。
強襲を受けた防人は寸前まで勇敢に抗ったが、凄惨な最期を迎え、心ならずも自らの髑髏を怪物に明け渡した。
とはいえ決死の反撃に怪物も手傷を受け、邪魔をされずに傷を癒すためにそこから遠くへ足を運んだ。

「やめてっ・・・!くぅうっ!はな・・・して・・・!ゲッホ!」
道脇に停車してある黒いバンの中からくぐもった悲鳴が漏れる。しかし、近隣の住宅に届くには小さすぎる。
比呂美が車のエンジン音に気付いたときには手遅れだった。
ヘッドライトを消して猛スピードで比呂美の行く手を塞いだかと思うと、中から無数の手が伸び彼女を引きずり込んだのだ。

「おら手ぇ押さえろ!そっちそっち」
「足開けボケ!殺すぞアマ!」
「かわいいねーきみー。高校生?ビデオで全部撮ってあげるからねー♪」
「あれ、ケンジやんねーの?めっちゃおまえの好みじゃん」
「ジョジョの新刊読むからパス」

彼らは県外から来た一流大学のサークル仲間だった。平静は品行方正で通り、金にも女性にも不自由しないエリートにも関わらず、
月に何度か周囲には男だけの親睦合宿と称して、地方の娘をレイプして回る凶行を何年も繰り返していた。
比呂美を選んだのもたまたまという、それだけであった。

「おねがいします・・・云うこと全部聞きますからホテルでしてください」
恐怖で気が狂いそうになりながらも、必死で冷静を保つ比呂美は抵抗を止め、痛みを最小限に留めることにする。
「えーマジー!!超淫乱じゃねオマエ。どーする?」
「たまにはいっか。あ、逃げらんねぇように服全部脱がしとけよ」
「・・・自分で脱ぎますから、破かないでください」
抵抗しないならレイプの醍醐味は半減である。それに落ち着いて見るとTVでもそう見かけない稀な美少女といっていい。
彼女が進んで奉仕してくれるのならそれはそれで大いに楽しみようがある。

比呂美は自ら進んで裸体になっていく様を鑑賞される恥辱を必死に耐える。
(眞一郎くん・・・助けて!)
全身を嘗め回すような視線を感じる。視姦されているのだ。己の内面が汚れていくのを感じる。
いっそ必死で抵抗すれば尊厳は守れる。そう、愛しい人に対する心は。
しかし、そうすれば身体に残った爪痕によって、彼に愛してもらう、ほんの微かな希望さえ失せてしまうのではないか。
彼はそんな人物ではない。それは確信できる。
しかしそれでも肉体に証拠が残らないよう努力する行動を選んでしまう。
431名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 01:53:57 ID:ix31v/FI
歯磨いてたらひらめいたのでやってみただけである
432名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 03:21:37 ID:bwZ6GK5n
よし、もっと磨いてみろw
ちゅうか、エロ以前にせめてプレデターがちゃんと登場するとこまでやれw
433truetearsVSプレデター(2:2008/03/01(土) 10:30:33 ID:ix31v/FI
>>432エロくなくて御免。では続き


胸が膨らんできてサイズの合わなくなってきたシャツを窮屈そうに脱ぐと、豊潤な乳房がたゆんと弾む。
その間も比呂美は歯が鳴るのを堪え、膝が震えるのを我慢していた。
指がジーンズのジッパーにかかり、淡い縞のショーツを露にして、わざと臀部を見せ付けるようにするのも、
両目にたたえる殺意を悟られないためである。
しかし被虐心を起こさせまいとする比呂美の過剰な演出は裏目に出る。
一同はホテルについてから事を行う、という了解がなんとはなしにできていたが、
男子ばかりの臭いが充満した車内にあって、若く健康な少女の放つ芳香はたちまち場を狂わせてゆく。
汗の染み付いたスポーツブラを外し、薄桃色の乳首が現れたところで遂に一人が暴走する。

「おぉぉぉ!マジたまんねぇわ!一発抜かせろよ」
盛りのついた雄が比呂美の柔肌に覆いかぶさり、滾った肉竿が太ももに擦れると全身に悪寒が走る。
「やっ!ホ、ホテルで・・・待って・・・」
願いも空しく首筋を舌が這い回り、乱暴に胸を揉みしだかれ乳頭を捻られる。
「あっ!・・・くっうぅう・・・んっ〜!」
尻をこねこねと弄繰り回され、唾液を頬に垂らされると比呂美の精神は限界に達した。
今の瞬間まで心を殺して、現在の悲劇を他人事のように思おうとしていたが、
女子の尊厳を踏みにじられる汚辱を実感するに至ると、彼女の怒りがそれを許さなかった。

「あっ、初めてだから、キ・・・キスしてください」
比呂美は男の腰に太ももを絡ませ、首に手をかけると強請るように舌を伸ばす。
「へっ、度スケベが」
比呂美はむしゃぶりつくように口腔をぶつけ、舌を絡ませながら、男のズボンの中で窮屈にテントを張ったペニスを探り出す。
周囲も漫画でしかありえないと思っていた和姦の様に、手を出さず鑑賞を決める。
狭い車内で体勢を入れ替え、比呂美が男の上になると自らの秘所も慰めつつ、フェラチオの体勢に入る。
「おねがい、じっとして・・・」
運転していた男もとうとう溜まらずに、ブレーキを踏んでして後ろをを振り返る。

「ぎゃあああーーーーーーーーーーっっっっ!!!」
急停車による慣性で一同が傾いた刹那、比呂美は先ほどまで肌を合せていた男の睾丸を渾身の力で握りつぶしたのだ!
甘い淫欲の空気を一変させる断末魔で一瞬、男たちは思考を停止する。
その隙をついて比呂美は一番傍に男の鼻に向かって掌を打ち込む。鼻骨が陥没し脳まで刺さり、意識を失う。
残るは運転手を含め4人。友人を破壊された怒りで男が無理やり掴みかかるが、狭い車内と転がる男たちのせいでうまくゆかない。
比呂美は小柄なフットワークを活かして、2人がかりにならないよう体勢を入れ替えながら、
その男の小指を捻りあげると流れるような一連の動作で肘と肩を極め、その行動を完全に支配し、他の男たちの盾にする。
「いでええええええ!!!やめろやめろやめろぉ!」
「全員車から降りて!」
捕まった男は幼児のように顔中から液体を滴らせ、許しを懇願する。
一方、他の男たちは友人を助けようか算段したものの、このままでは全員の将来が危ういと思うや、見捨てることを無言で決めた。

怪物は純粋な興味からその様を観察していた。
強制繁殖は珍しくもないし、特にこの惑星の知生体間ではその傾向が顕著である。
しかし、大概においてひたすら蹂躙されるばかりの片方が、
たった今、圧倒的不利から逆転の兆しを見せたことに戦士として関心を覚えたのだ。

434名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 12:13:59 ID:+8znGWF3
ちょwww比呂美テラツヨスwww
435truetearsVSプレデター(3:2008/03/01(土) 12:16:15 ID:ix31v/FI
エロパロでもなんでもないので保守レス程度と思ってください

ザグッ
「げぼっ」

比呂美に拘束された男は無条件に仲間が助けてくれるとばかり信じ込んでいたが、別にそんなことはなかった。
男の一人が椅子の下に隠していた大型のアーミーナイフで彼の肝臓を抉りこむように突き刺し、暴れないよう絶命させる。
彼らが殺人をしたのは初めてではない。時折、頑なに抵抗する女子や、その彼氏などは配慮無用とばかりに
暴力を楽しんだあと、海なり山なりに捨ててきた。そして刺した男は特にそれをばかり楽しんでいた。
「おまえ死姦してやるよ」
死体となってしまえば盾となる体は重い肉袋である。

だが比呂美は偽装の淫行に興じる間、この展開も予想していた。
ナイフ男が刺したのと合わせて、死体を足で突き飛ばす。ナイフ男の体勢が崩れたと同時に、挟んだ死体の隙間から
パンッ!
と手の甲で相手の眼に叩き、顔を背けた刹那、耳に中指を突き刺した。
「うをわああああ!」
「てめぇ!」
「外に引きすりだせ!」
運転席と助手席の男たちも懐から武器を出すと、一旦車から降りる。
ナイフ男は痛みでガムシャラに暴れるが死体がぐったりと突き刺さり、蛇口のように垂れ流れる血も
手をヌルヌルにして一向に凶器を引っこ抜けない。比呂美も水溜りのように辺りを濡らす血にずっこけながらも、
まるでナイフ男に抱きつくようにタックルをかけ、重心をずらし、必死に腕力で圧倒されないようぶつかってゆく。
「うおおおおおおおおおおおおおっっ!!!」
比呂美の心の深く暗い奥底、あらゆる不幸や忍耐によって生まれた醜い真っ黒い獣。
残虐な本来の彼女、その猛獣が理性という鎖を無理やりに引きちぎり、産声を上げた。

「がっ!げぼぼぼぼ・・・げむ」
時計の針にすればほんの一振り。1秒に満たない時であったが、その間に比呂美は必死に抵抗する相手の腕の間を水のように縫い、
果実を摘むようにして喉を細い指で潰した。ナイフ男は陸に上がった魚のように痙攣しながら血が喉に詰まって息絶えた。

後部座席のドアが左右から勢いよく開かれる。が、男たちは仰天する。
ほんの一瞬、外に出て回ったら、車内は塗装したように真っ赤になり、先ほどまで少女を殺そうと暴れていた男はゼンマイ人形の
ようにバッタンバッタンとのたうつばかりであったのだから。
「おいっ、そこっ!」
「へ」
シュッ
ドアの隅に身を寄せていた比呂美は隠れるというにはお粗末だったが、凄惨な光景にショックを受けた男たちには精神的に死角だった。
あれだけナイフ男が抜こうとして出来なかった、死体に抉りこんだナイフをあっさりと抜き取っていた彼女は
力むでもなく、撫でるようにして左側のドアから来た男の頚動脈を裂いた。
噴水のように鮮血が比呂美の全身を彩っていくが、それを気にも止めず、もう一方に向き合う。

「狂ってやがる・・・」
とうとう残り一人となったレイプ集団だが、これまでのようにはいかない。
腹が据わった相手となれば、体格で劣り、疲労も困憊している比呂美が正面から当たっては勝ち目はない。
「ここらでお終いにしようや。俺は出て行く。おまえは帰る。な、もう会うこともないだろ?」
「悪くないけど・・・やっぱりあなたには死んでもらうわ。刺し違えてでも」

比呂美は血でドロドロに汚れたアーミーナイフを、今さっき屠った男の服で拭うと、
その男が使うはずだったチェーンを片腕に巻いて車から降りる。
全裸に人の血で真っ赤に染まったその姿はさながら血化粧をしたネイティブ・アメリカンの歴戦の戦士のようである。
怒り、悲しみ、憎しみ・・・あらゆる感情が顔面に沸き起こり、それらが殺意という意思でひとつにまとまったとき、
彼女の口には知らず笑みが浮かんでいた。
「・・・傀儡めっ!」
436名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 14:35:44 ID:vLxkzsaO
この展開は予想外w
437名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:46:33 ID:Bn+lJRvB
なんぞこれwwめっちゃwktkなんですけどwww
438truetearsVSプレデター(4:2008/03/01(土) 16:27:09 ID:ix31v/FI
                            先を読む前に言っておくッ! 
                    おれはturuetearsのエロパロをほんのちょっぴりだが書きたかった
                  い…いや…エロというには描写が全く稚拙だったのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは輪姦された比呂美がプレデターに犯されるパロを書こうと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにか比呂美がプレデターのように闘っていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を書いてるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何を書いたのかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        EDの半透明率が増えそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    真実の涙だとかヤンデレだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと比呂美の魅力の片鱗を味わったぜ…


出会ってから10分と経たない男女が始めた狂気が佳境に入るなか、
その空気を日常とする怪物は彼らの息遣いが感じられるほど傍まで近づいていた。
月明かりと遠くからの外灯のみが頼りではあるが、
2人がよく注意すれば、すぐ傍らの闇に光る眼と、擬態によって歪んだシルエットを見たはずである。

怪物は2人の─特にまだ成人にも至らぬ少女の─感情を、精緻な観測機能によって細部まで味わい楽しんでいた。
数分前までは地球上の至るところにいる凡庸な少女が、尊厳(この理由も誇りを重んじる怪物の好奇を誘った)を守るため、
先ほどとは全く別の生物へ‘変身‘を遂げたことを、発汗、体温、血圧などが如実に示している。

とはいえ相手の男との体格差は依然圧倒的であり、それは心気の変化だけで埋められるほど容易くはない。
それに先ほどまでの死闘は彼女の敏速な奇襲であり、対等な勝負ではない。
故にこの一戦こそ少女が単にキレただけか、それとも稀有なる真の戦士に覚醒したかを決定するのだ。

ガギンッ!
最後の男が放った金属バットのから一戦が空を切り、ガードレールに火花をたてる。
比呂美も隙を突いて間を詰めるが、男の膝が余力を溜めていると感じるや、後ろに跳んで安全を保つ。
男も体勢を立て直すとバットを腰を沈めて構えなおし、再びジリジリと距離を詰める。

男は値の張る運動靴を履き、バットも使い慣れている。高校時代は野球部で汗を流し甲子園まで行った。
結局、スポーツでは一流になれず、流されるまま爛れた大学生活を送って輝いていた栄光は、今や苦痛でしかなく、
旧友とも顔をあわさず思い出すことも今ではなくなっていた。

しかしとうに忘れた筈の‘負けることは死ぬに等しい‘と思っていた緊張感がフツフツと蘇ってくる。
泣きたいほど逃げ出したい困難に全力で踏み出す快感。
思えば惨い最期を迎えた友人は、行いからすれば当然といえる。というより、所詮法の器だったわけだ。
罪に対する罰、世の定法を破るものこそ世を動かすに相応しい器。そう、彼女はその試練なのだ。
彼もまた比呂美の殺意に中てられて、雄の野心が目覚めていた。

今宵、闇には獣が3匹現れた。果たして最後に立っているのは誰だろうか。
439名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 16:53:02 ID:OLoSlrKk
クソ吹いたw 比呂美って運動神経はいいもんなw
440名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 17:54:31 ID:w6dk0Qha
この勢いだと眞一郎は逆レイプされそうだなw
441truetearsVSプレデター(5:2008/03/01(土) 19:02:42 ID:ix31v/FI
ttパロ増えてるなと思ってもらえればいい。


(眞一郎くん、会いたいな)
今、踵を返し、この場から逃げたら追いつかれるか。だが大声で助けを呼びながら逃げればうまくゆくかも。
男も人が来れば当然‘逃げる‘。いや、可能性さえ示せばいい。実際に助けがこなくても。
それだけで自分は家に帰り、命を拾える。

「あっ、お巡りさん!助けて!」
小学生のようなフェイクだが、比呂美の鬼気迫る演技、女の仮面によって男は刹那、注意が反れた。
瞬間、比呂美が左腕に巻いたチェーンがムチのように唸る。
ヴオンッ!ギーーーン!
男も咄嗟にバットでガードするとステップを踏んで豪腕なスイングをかける。
殴ることに特化した鈍器はガードしても、そのまま比呂美の身体は叩き潰せるのだから。

が、男の身体の外側に比呂美は入っていたので、バットは腕の力のみのスイングになる。
なんなく比呂美は交わすと、男の膝を横から踵で蹴りを入れた。
「がうぁっ!」
男が下からバットを切り上げたときには比呂美は既に安全な距離まで退いていた。
ナイフという古来の凶器に注視していた男は読み抜かれ、膝の健に傷を負う。
「っのゲロくせぇガキがああああ!!!」
か勝利を確信していた男はこの手傷で怒り、痛みを消して襲い掛かる。

今の瞬間こそ比呂美がこの狂気から離脱する最後のチャンスだった。しかし自分は‘人間‘として彼らに侮辱を受けたのだ。

比呂美はチェーンを巻いた左腕を前に伸ばし、ナイフを取る右腕を顔の傍に構え、相手にとって身体を横に向け構える。
腕で体までの空間を作り、男の横に回りながら豪風のような振りを紙一重、しかし確かにかわす。
日々の練習の積み重ねが結実し、一撃で死に至る恐怖を前にしても、相手の動きを読むことに比呂美を集中させていた。

法という手の上で庇護と裁きを」受けることは誇りさえ他者に保障してもらうことで成り立つと比呂美自身が認めてしまうことだ。
それだけは許せない。

全ての権利や自由が奪われてるのは我慢できても、自分が心を持っていることだけは放棄できない。
だから自分を玩具のように扱った彼らは比呂美自ら殺さなくてはならないのだ。
「(今!)」
防戦一方だった比呂美が針の穴を刺す正確さで腕から蛇のようにチェーンを飛ばし男の親指を砕いた。
「だがぁっ!」
しかし比呂美の注意がバットにのみ傾いた刹那、男は肩を向けて体当たりで駆けてきた!
迷いなくナイフを伸ばす比呂美だが、
男の動きが先立ったため、凶器は男の腕を掠っただけで、比呂美はその力をもろに受けて弾き飛ばされる。
「ひやっっ!」

受身もとれず派手にすっころんだ彼女はそれでも間髪置かず立とうとするが、
「遅ぇんだよっ!」
ドグァ!!!
それより速く彼女の腹に男の分厚いシューズがめり込んだ。
「ゲッおあ!」
少女の体は宙に浮き、腹が万力で捻られたような痛みが脳髄を焼き、溜まらず吐しゃ物を撒き散らす。
「ゲェエええええええおおおあっ・・・」
「どうしたアマァ!」
しかし男は容赦なく比呂美のわき腹にも蹴りを叩き込む。
「〜〜〜〜っがぶぃ!」
今度は体を捻って直撃は避けたが、それでも体を内側から燃やされたような痛みで失神しそうになった。
息も絶え絶えになり、武器も投げ出して体を縮める。

「ハァ・・・お、おね・・・がい、もう・・・許してぇっ」
「許すかバカ」
とうにやめたとはいえ、指を砕かれては2度と野球はできない。その怒りはおよそ形容できるものではない。
もはやべったりと地に張り付き、鈍くのたうつしかできない痣だらけの少女に唾を吐き捨てると、
その顔面に向け80キロはあるその体重をのせた高速の踵蹴りを落とした。
442名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 20:54:28 ID:0ixXTA40
比呂美が死んじゃう(´;ω;`)
443名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 21:27:43 ID:hVYFzKjC
面白いしちょっとエロいし俺はどうしたらいいんだ
444名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 22:11:05 ID:+8pUoTIe
バイクで現れた4番が仮面ライダーに変身しそうな気がしてならない
445名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 22:18:25 ID:fO0nz1zw
だが仮面ライダーで4番というとプルトンロケットで自爆する人だぞ
446truetearsVSプレデター(6:2008/03/01(土) 23:26:24 ID:ix31v/FI
     ,. - 、   〈〉
    彡`壬ミ   ||  >>442メ、味ナレスヲ・・・
   用ノ哭ヾ二=G    >>443俺ハノンケデモ喰ッチマウンダゼ・・・
   〈_〉〉=={   ||    >>444最初ニイッテオク!コノパロハ、カーナーリ、EROクナイ!
   {{{.《_甘.》   ||
    {_} {_}   ||
   ム' ム

比呂美は顔に風を感じた。淡い夜風でなく、突き刺さるような猛風だ。
瞳を開いたとき、有名メーカーのスポーツシューズの底デザインがゆっくりと視界を占めてくるのが目に入った。
成人男性の体重の乗った蹴りをアスファルトを背に頭部で受ければ頭蓋骨陥没か、腕で防いでも骨折は避けられない。
しかしかわすには体勢が悪すぎる。比呂美は思う。

死んじゃうんだ・・・私。どこにも行けず、何も伝えられず、ずっとずっと一人ぼっちで・・・。


ガゴォ!

怪物が嗤う。勝者が選ばれたのだ。

比呂美は避けようと身を捩る努力を捨て、打ち落とされた踵を真っ直ぐに見つめると、
その先が鼻に触れた瞬間、顎の下から伸ばした右手で踵を上に弾き、左手で脛を打ち切って、男の足を掬い上げた。
無意識の動作に比呂美自身驚いたが、生きたいという想いが思考を突破して、反射神経を呼び覚ましたのだ。
「のわっ!」
バランスを崩された男は宙に手を仰ぎながら後ろ向きに倒れる。
その隙を逃さない比呂美は腰を軸に、足で地を蹴りCD盤のようにアスファルト上を回転しながら、
蹴られたとき投げ出したチェーンを掴むと倒れるしかできない男の足を引っ掴み、目にも止まらぬ速さで縛り上げた。

「このゾンビがぁああああッ!」
男が悲鳴とも怒号ともつかない叫びであがくが、
両足に無理やり巻きつけられたチェーンはズボンの中で皮を破り、肉を裂き、骨まで食い込んでいた。
すぐさま比呂美は男をうつ伏せにして、両足を抱え上げ、海老反りの体勢にさせて体に圧し掛かる。
これでは如何な筋力差でも押し返せない。
「おぐう、やめろぉ、降参だ、です!すいませんごめんなさいごめんながぁがががが、げけこかかかかか」

ビキッッ
「ッッッッッッ!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
比呂美はそのまま限界まで男の足を抱え上げた。虫のように暴れ、泣き、許しを懇願する男の声もどこか遠いまま、
脊髄を折り曲げ、渾身の力で男の背骨を砕いたき、糞尿をズボンの内で垂れ流し、蟹のように泡を吐きながら男は白目を剥いて失神した。
怒りも悲しみも焦りもなく、ただ終わらせたのだと思った。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
緊張が途切れると、マラソンを終えたように呼吸が荒げ、全身がチクチクと痛みで疼き、筋肉は鉛のように重くなる。
立つこともままならず、比呂美はなんとか倒れないようよろけながら、その場に腰を下ろすだけで精一杯だった。
実際のところ、バスケの試合に比べれば微々たる時間だったが、
比呂美にとってはこれまでの人生の全てをその間に圧縮したように思えた。
「は、早く、帰らないと・・・叱られちゃう、なぁ」
こんな真夜中に全裸で空の下にいれば凍死してしまう。生存の幸福を味わうのは帰ってからでも遅くない。

ふとそのとき、前方の空間に違和感を覚える。眼鏡越しにみるような奇妙な歪み・・・。
カルルルル・・・
比呂美の全身に氷の刃を当てられたような悪寒が奔り、再び脳が沸き返る。
先ほどまでの死闘がぬるま湯のように思える絶望と理解。狩猟者と獲物の圧倒的差異を皮膚で感じた。

(い、いつから・・・・・・!?いた!ずっと、ずっとそこにいたんだ!!!)
野犬や幽霊などではない。確かに脈動して知性を持つ生き物!
しかし人間の放つそれとは明らかに異質の空気。比呂美の目と鼻の先に2mをゆうに体躯は武器そのものだ。
獣とも機械ともつかない巨大な何かがそこに立ちながら見る・・・そう、比呂美の眼差しをじっと見つめていた。
447名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:12:53 ID:2fUDnzUx
プレデたんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
448名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:23:18 ID:5wUEAYN0
なんだこりゃあw
話の方向性がわかんねえw
449名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 01:44:41 ID:A1U5ilgH
兄弟疑惑も解消で
次回から比呂美が4番をふって
比呂美×眞一郎がクルーーーーーーー?
450名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:17:25 ID:9A9j+qaw
遂にプレデター参戦の時が!
451名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 07:35:22 ID:FHjqbBoE
>>449
ばっか!ママン×比呂美のレズものだろwwwwwwww
452名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 08:55:19 ID:KnNa3Btj
これからは比呂美×眞一郎の時代か………望むところだ
453名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 10:04:19 ID:EiKzjypo
>>451
比呂美着替え
ママン「若いっていいわね…」
比呂美「え?」
ママン「きれいな肌……私とは大違い」

比呂美「そんな事ありません!!!!」
ママン「え?」
比呂美「おばさん……ううん、○○さんもとてもキレイです!」
ママン「え、あ、う、うん、ありがとう」
比呂美「実は私○○さんが好きなんです、性的な意味で!!」
ママン「え、ええええええ……アッアッー」


    |                   \
    |  ('A`)           ギシギシ
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄        アンアン/
      眞一郎
454名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 20:20:06 ID:6yTDhDQ7


    |                   \
    |  ('A`)        ナカニダシチャ
   / ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄        ダメー /
      眞一郎
455名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:13:13 ID:6zTTjEN1
何を?
456名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 21:18:18 ID:QvgwRFmA
説明しよう!↓
457truetearsVSプレデター(7:2008/03/02(日) 23:08:57 ID:Cr2vccaj
     ,. - 、   〈〉
    彡`壬ミ   || 
   用ノ哭ヾ二=G    <こんなに可愛い子が女の子なわけないじゃないか
   〈_〉〉=={   ||   
   {{{.《_甘.》   ||
    {_} {_}   ||
   ム' ム

おわり
458名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:17:55 ID:VNOETDHQ
「ある日の朋与」を書いていた者です。
そんなこと言わないで続けましょうよ、VSプレデター。
比呂美なら勝てます!
459名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:11:07 ID:ul/3tobz
>>457
どんなオチだよww
オチてねえよwww
460遅筆屋(@8) ◆3mclWd6jX. :2008/03/03(月) 00:19:37 ID:DdZpch2i
プレデターが面白いので続けて欲しいと願いつつ──
前回>>199では皆さんどうもでした。
特に朋与の方乙でした!その後の眞一郎×比呂美が見たいっす。

で、前回の予告通り眞一郎×比呂美できました。
6話以降2人が結ばれるまでを書いてみました。
だが、申し訳ない…非エロですorz 展開上どうしてもエロ入れられなくて……
非エロでも構わないよという方は↓どうぞ。
http://www7.axfc.net/uploader/93/so/File_4352.txt.html
今回容量が前回の倍になってしまったので、うpロダの方に上げました。
本当に長いので暇なときにどうぞ。

次は眞一郎×比呂美でエロ分を挽回できるようにしたいと思います。
いつになるかはわかりませんが。では。
461名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:22:25 ID:Pjs5ilco
>>460
「ある日の朋与」を書いていた者です。
拝見しました。す、素晴らしい……!!
本編とリンクするセリフと描写の数々……
すべてのTTキャラを破綻なく登場させる構成力……もう脱帽です。
やはり眞一郎視点だと、アニメに雰囲気が近くて良いですね。
私もがんばらねば!
462:名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 03:08:56 ID:ER+NnsOa
>>460
眞一郎と比呂美の小説最高です!
夢中で読んでしまいました。
本編のセリフが見事マッチしていて良かったです。

463名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 18:29:37 ID:OtYpBGpr
>>460 のssが見れないんだが、俺だけ?
464遅筆屋(@8) ◆3mclWd6jX. :2008/03/03(月) 18:33:41 ID:DdZpch2i
すみません。自分で読み返して余りの誤字の多さに絶望していろいろ直しました。
↓修正版です。今後読む方はこちらをどうぞ。
http://www7.axfc.net/uploader/93/so/File_4359.txt.html

>>461-462 楽しんでいただけたら幸いです。
>>463 ↑こっちでお願いします。
465名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 18:43:12 ID:UGrFMLJR
>>460
GJ! 超GJ!!!
うまいなぁ。 途中挟まる詩っぽいのもアニメの絵本のシーンを彷彿とさせるし。
眞一郎は飛べる→でも飛ぶには翼が必要 って流れも自然すぎる。
エロ無しは気にしなくても良いと思うぜ。

次も期待してます。
466truetearsVSプレデター(8:2008/03/03(月) 19:06:10 ID:PyZHRjv5
     ,. - 、   〈〉
    彡`壬ミ   || 
   用ノ哭ヾ二=G    <いい加減自重どきかなと思ってたのに>>458>>460と、真打ちからエールが・・・!
   〈_〉〉=={   ||      恐縮ですが、お言葉に甘えて続けさせていただきます。カルルル・・・
   {{{.《_甘.》   ||
    {_} {_}   ||
   ム' ム

「・・・お、女ですよ?」
比呂美はその異形と発せられた言葉のギャップに面食らい、素っ頓狂な声を出してしまった。
もし彼(?)が宇宙人で自分がファーストコンタクトを果たした地球人だったら、歴史に自分の間抜けを残してしまう。
幸い、その予想は半分しか当たっていないので杞憂だったわけだが。
どうでもいいことだが、プレデターの台詞は音声レコーダーから大雑把に出されたもので、もちろんそんな意図はない。
狩猟者として現地の観察を厳密に行うプレデターが偶然三代吉の家の前を通りかかったとき、聞こえたフレーズを録ったものだ。
可愛らしい子に対して賛辞だと思っているが、いろいろ誤解がある。

賛辞、そう─プレデターは比呂美の持つ芸術的なまでの残虐、生存本能の個性に感動を覚えていた。
もちろん死の危機に全力で助かろうとするのは、生命の原則といえる。
しかし多くは、現実を直視せずに盲目、無策で奇跡にすがる恐怖の奴隷だ。
死は法や幻想の枠に定まらない現実そのものであり、それに打ち勝つにはそれを観察し、理解し、想像して、動くしかない。
絶望のどん底でそれが出来る者こそ戦士なのだ。

キュゥゥゥゥン・・・・
比呂美の眼前で空間の歪んだシルエットが青白い火花をちらせながら消えていく。
「・・・・・っっっ!!!」
そこから現れたのは紛れもない異種─体型こそ人に近いが明らかに違う。
葉虫類のような肌と爪、大型動物のように強靭な筋肉、不気味な装飾品、重甲な武器の数々。
それら全てが知性と凶暴性を併せ持つ生物の生き様を物語っている。
「オ、オンナデスヨ」
つい吹き出しそうになる比呂美だった。その面はないだろう。

「傷ついてる・・・深く」
比呂美は最初、プレデターの薄汚れた体表と異臭に若干胃もたれを起こしたが、よくよく思えば汚さでは今の自分もいい勝負だ。
慣れるとそこかしこに大胆な擦過傷や銃創が作られ、それを応急措置したのがよく分かる。
「あなたも・・・?」
スケールこそ違えど、ついさっき死線を越えたもののみ味わえる、息をすることへの安堵。
比呂美はいつの間にか目の前の怪物に奇妙な共感を覚え、その胸に手を添え傷跡をなぞっていた。
プレデターの着込む網タイツ型のウォーマーは吹雪の中でも体温を保てるのでとても暖かい。
寒かったのもあって、比呂美は温もりを味わうようにプレデターに肌を寄せる。

「あなたも生き残ったんだ・・・」
腰に下げた人骨─美術で使うような模型とは質感の違う明らかに本物─のアクセサリーに気付いたが、
今の比呂美は常人が抱く流血への生理的な嫌悪もなく、ただそこに至る歴史のみに関心している。
(さっきの男たちとは違う・・・覚悟と、高い誇りを持ってる)
おそらくこの怪物は相当な数の人間を殺してきた。ヒーローとも思えないので大半は罪なきひとたちをだ。
しかし、それでもプレデターの強さそのものに比呂美の感情は憧れを抑えられなかった。

カルルルルゥゥ・・・カチッカチッ
マスクの下で牙を打ち鳴らすプレデター。別にお喋りが目的ではない。
ただ、ふとした奇縁で見つけた誇り高い戦士に尊敬の証を示そうと思って姿を現したのだ。
この広大な宇宙、遠大な時間のなかで巡り合った逢瀬に微かな未練もあるが、そう暇でもないので切り上げることにする。
「これは・・・弾、ですか?」
懐からライフル弾を取り出し、比呂美の前に差し出すプレデター。
先日の戦闘で自分に深手を負わせた大事な一発だ。持ち帰って装飾品の一つにするつもりだったが、ふと彼女に貰って欲しくなった。

「あ・・・ありがとうございます」
一瞬、おまえの頭にコレをぶち込むぞ、という物騒な(この場ではまんざらシャレと思えない)ジェスチャーかと思ったが、
どうやら素直に贈呈品らしいし、断るのも怖いので頂いておく。
弾丸なんて持ってるだけでいろいろ面倒な気もするが、怪物の不気味なアクセサリーの数々を見ると一番まともに思えるし、
巨大な掌が繊細に扱って差し出す様を見ると、大切なもののようで少しばかり嬉しかった気もする。
467名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 19:26:48 ID:da7GtO4c
ミヨキチ家でなにしてんだw
468名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:19:53 ID:DdQ0jgYJ
期待age
469名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:37:13 ID:bnnUOLsu
9話があまりに拍子抜けだったので4番と比呂美の
エッチが読みたい。あのままこけずにホテルへ、とか。
下着もエロかったし。だれか書いて〜。
470名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 00:57:51 ID:pUhxUgxm
>>469
つ[言いだしっぺ実行の法則]
471名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 01:33:58 ID:RsJ1S+cH
6話時点ではそういう妄想もあったんだが
現在ではすっかりヘタレてしまったからなぁ…
472名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 07:46:29 ID:hILOr5gE
むしろ4番が乃絵を襲うSSのがよさげだわw
473名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:39:28 ID:BP6nLM+e
age
474ある日の比呂美 1:2008/03/06(木) 01:50:48 ID:aRaHWbhV
「眞ちゃん!いい加減に起きないと遅刻するわよ!」
仲上家の長い廊下の端から、甲高い声がする。
何度か眞一郎に呼びかけていた『おばさん』だったが、結局諦めて居間に戻ってきた。
「まったく……」
『おばさん』は食卓について『おじさん』に愚痴り始める。
「春から3年だっていうのに……毎晩遅くまで何してるんだか」
「前にも言っただろ。眞一郎は眞一郎。好きにさせるさ」
それじゃ困るんです、と『おばさん』は声を荒らげる。
一年前なら萎縮して身体を震わせるところだが、今はそのようなこともない。
それどころか、比呂美は心の中で『おばさん』に賛同していた。
(そうそう、私の人生設計にも関わります)
内心で茶々を入れた事など欠片も感じさせず、涼しい顔で黙々と食事を続ける比呂美。
自分も神経が太くなったものだと、しみじみ思う。
「ごちそうさまでした」と手を合わせ、席を立とうとしたその時、
『おばさん』の口から意外な言葉が飛び出した。
「比呂美、出掛ける前に眞一郎を起こしてきてちょうだい」
「…え…私がですか?」
かつてのように憎悪をぶつけられる事は無くなったが、
やはり『おばさん』との関係は、まだまだぎこちない。
眞一郎と登下校を共にすることは黙認されていたが、
廊下で立ち話などしていると、どこからか咳払いが聞こえてきたりする。
てっきりまだ、自分と眞一郎の接近を警戒していると思っていたのだが……。
「……いいんですか?」
「仕方ないじゃない。私が部屋に入ろうとすると怒るのよ、最近」
あなたなら怒鳴り散らす事もないでしょう、と『おばさん』は言う。
どうしたんだろう、と思わないでもないが、『おばさん』が自分に悪意ある罠を仕掛けるとも思えない。
考えを巡らせても無意味だと思った比呂美は、「わかりました」と素直に答え、通学鞄を手にした。
「ニヤニヤしないの。はしたない」
比呂美は気づいていなかったが、先程から顔の筋肉は緩みっぱなしだった。
新聞に見入っていた『おじさん』にもフフッと笑われる。
(……やだ……)
急に恥ずかしくなった比呂美は、逃げるように二階に続く階段へと向かった。
475ある日の比呂美 2:2008/03/06(木) 01:52:18 ID:aRaHWbhV
屋内の暖気が上方に溜まるからだろうか。一階の居間より、眞一郎の部屋の前は暖かい気がする。
顔の火照りはそのせいだと比呂美は思いたかった。
でも、そうではないことを、誰よりも自分自身が一番良く分かっている。
(『幼馴染を起こしに来る女の子』か……)
漫画では良くある状況だが、自分が体験する……いや、体験できるとは思っていなかった。
『あの頃』に比べたら、夢のような展開だ。しかも『おばさん』公認である。
シチュエーションに酔っているな、と自覚しないでもないが、やはり嬉しいものは嬉しい。
意を決して、比呂美は中の眞一郎に声を掛けた。
「眞一郎くん、学校遅れるよ」
…………
返事はない。この時間に熟睡できるとは「いい根性している」と比呂美は思った。
障子をゆっくりと開けると、まだベッドに埋もれている眞一郎が目に入る。
入室自体は初めてではないので、中へ踏み入る比呂美の足取りに躊躇いはない。
比呂美が傍に近づいても全く起きる気配を見せない眞一郎。
(布団、引き剥がしちゃおうかな)
そうも考えたが止める。もし、漫画みたいに眞一郎の下半身が変化していたら……ちょっと対応に困る。
「眞一郎くん、本当に間に合わなくなるよ」
肩口の辺りに手をかけて身体を揺する。
すると短い唸り声のあとに、安眠を妨害する敵を捕捉しようと眞一郎の瞼が開いた。
目に映る人物が何者か理解すると、苛立ちと不満にまみれていた顔が、驚愕に染まる。
「ひ、比呂美!!」
冷水でも浴びたかのように飛び起きる眞一郎。幸か不幸か、下半身は布団に隠れて見えなかった。
「な、なんだよ。なんで比呂美が起こしに来るんだよ…」
「その……『おばさん』に……いわれたから……」
……気まずい沈黙が流れる……。
もっと元気のいい幼馴染を演じるつもりだったのに、いざとなると言葉が出てこない。
『漫画ではよくある状況』というものは、実際に経験すると恥ずかしいものなのだ、と比呂美は知った。
緊張に耐えられず逃げ出そうとする比呂美を、眞一郎が咄嗟に手を掴んで止めた。
476ある日の比呂美 3:2008/03/06(木) 01:53:21 ID:aRaHWbhV
「……もうちょっと……ここにいろよ……」
「…………うん……」
……考えてみれば、ふたりきりの時間は久しぶりだった。
比呂美は3年の高岡たちが引退したあと、女子バスケ部の副主将になっており、
新キャプテンの黒部朋与と共に、チームを統率しなければならない立場は日々多忙を極める。
一方の眞一郎は眞一郎で、次の絵本コンクールの締切が近いらしく、
余暇の殆どを原稿の製作に使わねばならない状態だった。
考えてみれば、『あの頃』よりも今のほうが眞一郎との時間は少ないかもしれない。
そんなすれ違いからくる『寂しさ』もあるのか、
最近の眞一郎は、比呂美に肉体的接触を求めてくる回数が増えている。
たまに二人で過ごしていると、頻繁に手を触れてきたり、唇を重ねてくることが多い。
そして……眞一郎が『その先』を望んでいることも、比呂美には分かっていた。
(……でも……それは…………)
眞一郎と一線を越えることを、比呂美はまだ躊躇っている。
比呂美も成熟を始めた肉体を持つ『女』である以上、そういうことに興味がないわけではない。
しかし……身体を重ねるのは、まだ怖かった。
それに、寂しさがそれで埋められるという考え方も、安直すぎる気がして受け入れられなかった。
…………
…………
比呂美を身体ごと引き寄せようとする眞一郎に邪念を感じ、思わず腕を振り解く比呂美。
先程までの甘い雰囲気が瞬時に消し飛ぶ。
「……比呂美?」
「……やめて……朝から……」
つい悪態をついてしまう。
もっと気持ちから繋がりたい……そう伝えたいだけなのに、素直に口に出せない自分……。
これでは何も解決しないと分かっているが、生まれ持った性格は簡単には直せなかった。
少し乱暴に障子を閉め、部屋を出る。眞一郎が何か言った気がするが、比呂美は無視して階段を降りた。


『おばさん』に報告を済ませてから、ひとりで家を出る。
外の景色はすっかり彩度を失い、冬の深まりを比呂美に知らせていた。
…………
(……一年も経つのに……何か上手くいかない……)
……あの冬から一年……
眞一郎と比呂美を隔てていた厚い氷が溶けて、再び手を繋ぐことができた……あの冬。
そう……すべてが終わり、そして始まったはずなのに……。
比呂美と眞一郎の関係は、あの頃からあまり進展してはいなかった。
477名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:53:50 ID:gkK3H59u
【中国】スター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
478ある日の比呂美 4:2008/03/06(木) 01:55:10 ID:aRaHWbhV
放課後の体育館にドリブルの音が響く。だが試合をしているわけではない。
新キャプテン・黒部朋与の発案で、一年生は練習の前に基礎を徹底的に叩き込まれる事になったのだ。
「バスケの偉い人は言ったわ。『基礎ができてねぇ奴は、試合でも何もできねぇ』ってね!」
激を飛ばす朋与を横目に、「それ漫画でしょ」と呆れ顔の比呂美。
一年たちも、この時期になって基礎練習が増えるとは思わなかったのか、少し不満気だ。
しかし、そのあとの模擬戦を見て、比呂美は朋与の『リーダーとしての資質』を思い知った。
(みんなの動きが良くなってる気がする……)
本人たちは気づいていないが、繰り返された基礎練習の成果が彼女たちの動きに現れていた。
筋肉そのものに刷り込まれた動作が、全身を軽くしている。
考えるよりも先に身体が動いている感じ……そう比呂美には見えた。
「去年、比呂美が昼練でやってた事をやらせているだけよ」と、朋与は言う。
比呂美は先代の高岡キャプテンが、なぜ自分ではなく朋与を主将に指名したのか分かった気がした。
選手としての実力は自分が上だという自負が比呂美にはあったが、それだけではダメなのだ。
朋与の持つバランス感覚とでも言うべきモノ……
全体を見通す力こそが、チームをまとめるには不可欠な要素なのかもしれない、と比呂美は思った。
…………
「は〜い、そこまで!休憩入るよ〜」
練習がひと段落し、朋与の号令で部員たちの動きが止まる。
張り詰めた空気が緩み、そこかしこで皆が談笑する声が聞こえ始めた。
比呂美もタオルで汗を拭いながら、自分の分と朋与の分、二本のスポーツドリンクを用意する。
……が、振り返ると、その朋与の姿が見当たらなかった。
「朋与は?」
「キャプテンなら携帯持って出てっちゃいましたけど」
緊急連絡用に、主将の朋与だけは練習に携帯電話を持ち込んでいる。
(先生から連絡でもあったのかな?)
後輩の指差した出口から外を覗いてみると、朋与の姿はすぐに見つかった。
誰かと話しているようだが、会話の様子がおかしい。
(??……先生じゃない……誰と話してるの?)
朋与は公私の区別をきっちりする人間だ。部活中の私用電話などしたことがない。
比呂美は朋与の話している相手が気になり、つい聞き耳を立ててしまう。
「……だからって……なんで私なのよ……」
迷惑そう?……違う、あの様子は喜んでる。相手は男だ、と比呂美は直感的に悟った。
「……そりゃ、そう言われればそうだけど……うん…うん……分かった、ちょっとだけなら」
朋与は明らかに『浮かれて』いる……。
彼女をそんな気持ちにさせる男……比呂美には一人だけ思い当たる人間がいた。
「うん、大丈夫よ。比呂美には分からないように行くから。じゃ、あとで」
電話を切る朋与の姿に反応し、素早く体育館内に戻る比呂美。
間違いない。電話の相手は眞一郎だ。朋与が自分に隠れて眞一郎と逢おうとしている!!
一年前の記憶が比呂美の脳裏をよぎる。朋与と殴り合いの喧嘩をしたあの日の記憶。
あの時……朋与は確かに身を引くと言ってくれた。なのに……なんで……。
…………
「休憩終了〜!始めるぞ〜!」
戻ってきた朋与が開始の号令をかけると、皆がワラワラと動き出す。
「ん?どうしたの比呂美、怖い顔して」
比呂美の様子がおかしいことに気づき、朋与が声を掛けてくる。
「別に…何でもない……」
自分では平静を保っているつもりの比呂美だったが、その声色は刺々しい。
後輩数人を呼びつけると、自分との実力差など無視して『シゴキ』とも取れる特訓を始める。
比呂美はやり場のない苛立ちをコート内で吐き出し続け、その日の練習後半は荒れに荒れた。
479truetearsVSプレデター(9:2008/03/06(木) 02:42:49 ID:qd6HbFW1
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   用ノ哭ヾ二=G    < >>474->>478新作、待ってました!続編挙がったけどしばし待ちますね
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480名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 02:49:54 ID:eEZx7/dZ
「・・・やめて・・・朝から・・・」

素晴らしい台詞は呼吸困難を引き起こす
初見ですが、うまい空気を吸うべく
続きを密かに期待させていただきます、これにてROM
481名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 04:35:58 ID:5vxTeyac
>>474 GJ
>「ニヤニヤしないの。はしたない」
に萌えたwまさかの続編とは。
千葉組だから今日9話視聴、キタ−−−−−−−−−!って感じ。
482名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 04:58:43 ID:JhU858Q3
>>438
>いつのまにか比呂美がプレデターのように闘っていた
オナニーするためにこのスレを読んでたけど、すげー笑った。
今年で一番笑ったよ。ありがとう。
483名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 06:48:07 ID:Cqo1THVq
朋与の人、続編乙
比呂美もの、楽しみにしてました。
頑張ってください
484名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 12:45:25 ID:T3KTCMud
朋与の人 GJ
相変わらず面倒な女だな比呂美は
だがそれがいい
485truetearsVSプレデター(10:2008/03/06(木) 15:10:25 ID:qd6HbFW1
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   用ノ哭ヾ二=G    < >>482タノシンデイタダケタラコーエイダ
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ドシュッ
「・・・?」
プレデターの備える警戒装置が危険を発したときには、比呂美の顔は蛍光塗料に似た黄緑色の体液で濡れていた。
怪物の肩からそれは吹き出ていた。狙撃されたのだ。

「ヴオオオオオオオ!!」
プレデターの怒声が闇に木霊する。眠っていた動物たちは慄いて一斉に逃げ出す。
瞬時に迷彩装置が働き、虚空に溶け込むと、赤いレーザーが付近一帯をスキャンする。
熱源こそ感じなかったが、遥か彼方で微かに人影が身じろいだのを逃さない。
シュバァッ!!
肩に備えたプラズマキャノンが吼えると、そこから数百メートルを離れた茂みが青白く光った。
比呂美の目には届かなかったが、茂みにいた兵士にバスケットボール大の穴が開くのをプレデターは確認する。
「・・・何なの?」

一瞬のタメの後、離脱のためプレデターが鳥のように跳躍した。象も沈黙させる強力な麻酔弾を食らっていたが意に介さない。
その美しさにしばし比呂美は口を開けたまま呆ける。
が、突如プレデターは空中でもがくと、真っ逆さまに地上に激突して転がる。
ドグァッ!!ゴロゴロゴロ・・・
「クアアアアアッ?」
見ればプレデターの全身を時価数億にも上る強靭なアラミド繊維の網が捕らえ、無数の鉤針が刺して、囚人のようにガッチリと逃さない。
バリバリバリバリ!
すぐさま網に仕掛けられたバッテリーが黄色い高圧電流を放出し、プレデターの厚い肌から火が噴出す。
ステーキのような焦げた匂いと、熱気が立ち込め、されるがままプレデターは目覚まし時計のように震えていたが、やがて動かなくなる。
「ひどい・・・・・・、!!?」
それを待っていたかのように、カッと真夏の太陽のような閃光が比呂美の網膜に降り注ぎ、目を潜めた。

「軍隊!?」
どこから現れたのか、明らかに近所では買えない装甲車や、分厚い黒塗りのトラック、轟音と疾風を散らすヘリコプター、
そしてテレビかゲームでしかみたことのない黒尽くめに重武装の男たちが蟲のように遠くから現れ、ワラワラと集まってくる。
比呂美には知る由もないが彼らは日系企業、ユタニ社の非公式部門、
異星人の捕獲に何十年も費やしているプロジェクトの実行部隊だった。
世界中の軍事関連施設、地域に網を張り、富山駐屯地が急襲された数分後には動き出し、そこいら中を張っていたのだ。

地面に転がったプレデターは水をかけた炭のようにシューシューと煙を立てながら、マネキンのように転がってた。
さきほどまでの生命力は微塵もなく、もはや息をしているかさえ怪しい。
「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ!」
一方、比呂美は過呼吸にないそうなほどだった。
全身の血が逆流し、冷や汗が滝のように吹き出て止まらない。しかし腰をぬかし、尻餅をつきながらもなんとか状況を読み解く。

分かったのは‘関係ない‘である。
物騒な怪物と、物騒な集団。全く縁のない世界ではないか。
映画や漫画で夢想するだけのこの世の底の底、自分のいる周囲には生涯関わりのない世界の裏の裏に迷い込んでしまったのだ。
何故怪物が現れたとき、女の子らしく逃げ出さなかったのか。
朋世ならそうしたに違いない。こんな真似はどうせ石動乃絵の専売特許だった筈なのに、いつから同じワゴンに並んだのやら。
いや、不覚ながら現在は一馬身ほど自分がリードしてる始末だ。

気がついたら比呂美は自分から両手を上げ、地面に膝と頭をついて無抵抗をアピールする。
最悪の想像が総集編のようにオンパレードで頭を駆け巡るなか、震えながら目を閉じてとにかく次の事態をじっと待つしかない。
(眞一郎くん!眞一郎くん!眞一郎くん!眞一郎くん!眞一郎くん!)
意味も忘れたままに、愛しいらしい単語を呪文のように念じていた。
眼前の丸焦げ怪獣ステーキの仲間いりなど絶対にごめんである。いっそあのままホテルでレイプされていればどれほどマシだったか。
自分で作った散乱する死体たちが立ち上がってはくれまいかなどと、考えてしまう。
486名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 15:44:21 ID:3hUihcis
ちょっおいおいプレデターさんやられちまったじゃねーか!
487truetearsVSプレデター(11:2008/03/06(木) 15:48:25 ID:qd6HbFW1
意外にも、怯える比呂美にかけられたのは暖かい厚手のコートだった。こんなにいい生地はみたことがない。
「目標と一次接触を持ったと思われる民間人を発見。処理を問いたい」
「詳しい情報を聞きたい。慎重に保護した後、厳重に監視せよ。しかし抵抗したら射殺も許可する」
全身をプレデターの通常視野に移らないようコーティングされたスーツで包んだ兵士がマスクの下で無線通話する。
大金のかかった任務中とはいえ、成功が確定した今、全裸の美少女をうまく料理する方法はないものか思案する。
もっともそんな会話も思惑も比呂美には伝わらないし、考えも及ばない。
「さぁ、立って。もう安全だから」

「・・・あ、ありがと・・・」
グチャッ。
比呂美が安堵した顔を上げると、すぐ眼前にその男の顔があった。
より正確には、マンホールから上半身だけ出したように胴体があったのだ。下半身とは別々に。
空気が凍ったのち、一瞬で氷解する。
「ぎゃあああああああっ!!!」
完全に焼け死んだと思われたプレデターが懐から円盤上のレイザー・ディスクを飛ばし、身を縛っていた網もろとも周囲の兵隊を、
バターのようにスライスした。屈んでいた比呂美はまさに幸運の一言。
「撃て撃てぇ!」
地面にトランポリンでも仕込んだようにプレデターが跳ね起きると、一番近くにいた兵士にダンプカーのように体当たりをかけ折り曲げる。
あっけにとられた左右の兵士に両腕から生えたリスト・ブレイドをぶち込むと、まだ息のある彼らを前後に掲げる。
「構わん!攻撃しろぉ!」
100キロはある兵士の楯が味方の放火で雑巾のようになる間にはプレデターが覚醒していた。
ブレイドを収納すると肉片をボールのようにブン投げて、運悪くブチ当たった兵士の肋骨をグチャグチャにする。

「ヴオオオオオンンンッッッ!!!」
プラズマキャノンを照準もあわせず前後左右に降り注いだ。武装チームが結集していたのが不幸、
そこいら中で灼熱の花火があがり、鉄は溶け、人が弾ける。車両は次々に爆発してアスファルトは剥がれる。
ガガガガガガガガガガ!
プレデターに戦車も貫く鉄鋼弾が雨のように降り注ぐ。当然その傍にいる味方にも。
黄緑の体液が全身を染めるが、大木のような巨体からは想像もつかない俊敏さで兵士を積み木のように薙ぎ倒し、
縮めていたスピアを解放すると団子のように人体を貫いては、あたりに撒き散らし死体の山を築いていく。
「グゥオゥオアアアアッ・・・!」
一瞬で混戦と化し、ミキサーの中のように肉と銃弾、液体と炎、悲鳴と金属音がぶつかり合って弾き飛ぶ。
その中心にいる刃は宇宙の狩人だ。しかし重症を負った肉体の疲労は蓄積され、地上と空からの包囲網を突破できずにいた。

一方、比呂美は戦場が奏でる轟音のハンマーで鼓膜が割れそうになりながらも、火の海、血の海、死体の山の戦場を
トカゲのように這いずり回っていた。全身は擦り傷と火傷でボロボロだが、手足が?がれても今は気付かなかっただろう。
燃え、砕け、ドロドロに溶けた屍に怖がる暇もない。とにかく安全な場所を探していると、レイプ集団の乗ってきたバンが目に留まった。
(あれだ!)
死体と瓦礫の丘を超えるのに四苦八苦していると、最後に闘った男が使っていた金属バットが手の届くところにあったので、
それを使って邪魔な肉塊や鉄くずを壊して進んでいく。
(車を運転できる?大砲で吹き飛ばされるかも?そもそも壊れてない?)
不安に限りはないが、といって選択肢があるわけもなく、
たかだか10数メートルを万里の長城でも渡った気持ちで(行ったことはないが)ようやくバンまで辿りついた。

頭上を銃弾が行き来しているのに、立ち上がるのはギロチンの振り子の間から首を出す心境だったが、
思い切ってジャンプするように運転席に飛び込んだ。ドアを開けたまま車から降りたレイプ犯に比呂美は心中で礼をいった。
ギアを直し、キーを回してエンジンを始動させる。ホラー映画だと直ぐにはかからないものだが、幸い心配はなかった。
運転席からこっそりと覗くように周囲を伺い、アクセルに足をかける。
(おねがい・・・うまくいって!)
488truetearsVSプレデター(12:2008/03/06(木) 18:15:11 ID:qd6HbFW1
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    彡`壬ミ   || 
   用ノ哭ヾ二=G    < >>486マダマダイクヨー
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ギュッウゥゥ!!!
当然比呂美は世界中から押し潰されたような圧力を感じた!脳に血液が回らず、肺に酸素が届かない。
目を一杯に見開いてあちこち泳がせると、バックミラーが事態を教えてくれた。
助手席に置いた筈の金属バットが自分の首に添えられ、それを座席の後ろから伸びた太い腕が両端から後ろにひぱって、
全力で比呂美を絞殺しようとしていたのだ。
「ひひひひひひひひいひひい」
レイプ集団の中で唯一比呂美と直接肌を合わせ、睾丸を潰されて失神していた男だった。
病院で治療を受けるべき損傷を負った筈だが、周囲の喧騒に半分起こされた形で、運転席にいた比呂美を見つけ、
狂乱したままに襲い掛かってきた。まともな思考だったら、一旦水に流して共に逃走を図っただろうがそんな希望はなかった。
「がっ・・・はっ・・・こっかっ、・・・っっ!」
比呂美の手が虚空を引っかき、下半身が浮きあってフロントガラスをがむしゃらに蹴り上げる。
座席を挟んだ後方から締め上げられては、百年経っても手は届かない。

ガチャンッ
眞一郎の母が受話器を置く。比呂美を使い先に出した顧客から、彼女の対応を褒める電話を受けたのだ。
途中で急に切れてしまったが、何か急ぎの用事でも入ったのだろう。かけ直す気もない。
しかし連絡どおりなら比呂美はもうとっくに戻っていい時間である。
(馬鹿な子・・・。車で送ってもらえばいいのに)
そしたらそうで何かしら野次るのだが、そんな省みる真似はしない。
まさか眞一郎と逢引でもと勘繰ったが、息子は部屋でウンウンと唸って何か励んでいるらしい。思春期はいろいろだ。

「全く・・・世話のかかる・・・」
自分では気付かぬほど焦りながら上着を羽織ると、こっそりと戸口を開け、車を出す。
夫は酒蔵で熱心に作業中で気付く気配もない。言っておくべきだと思ったが、
(どうせ私を困らせようとしてるのよ)
刻限を破るような子ではないと分かっているが、不審が先立って正常な判断を妨げていた。
「あ、ちょっとあなた。少し付き合ってくれない?」
仕事の上がった酒蔵の少年の坊主頭が目についたので声をかける。男手ならこの程度で十分だろう。
「え、あの、ダメですよご主人の前でそんな」
「バカね、いいから乗りなさい」

「不味いな・・・。あと3分で片付けろ。でなきゃ撤退だ、人生からもな」
プレデターの射程範囲外から状況を観測しているユタニ実働部隊の指揮官は毒づいた。
既に物質的にも人的にも被害は数百億を下らない損害を出している。
無論目標さえ捕らえてしまえば、その損失は帳消しにして余りある、生涯使い切れない報酬が約束されるが、
さもなきゃクビでは到底済まない。この世の地獄で朽ちて果てようというものだ。
行くも地獄、戻るも地獄。潜った先にある極楽には未だ届かない。
「化け物が・・・っ何故死なん?」

付近一帯にジャミングと停電、交通規制、周到な情報操作をかけて人手を払っているが時期限界になる。
だが宇宙ハンターをここまで追い詰めたのは初めてだ。この機を逃せば余命までにまたチャンスが来るとは思えない。
一方で、追い詰められた獣が大規模な原子爆発を起こすというのは重要な注意事項だった。
まぁこのまま逃げられるくらいならいっそ全て灰になってもらうほうが、事後処理もせずにいいというものだ。
もちろん自分たちは安全圏まで離脱した後だが。
「近隣の住民は災難だな」
489truetearsVSプレデター(13:2008/03/06(木) 22:44:53 ID:qd6HbFW1
あとコンマ数秒で比呂美の脳が走馬灯に入ろうというとき,それでも脱出方法を探ることを諦めなかった。
兵隊から貰った高級コートのポケットを無我夢中で漁り、広げ、かき回して‘それ‘を掴む。
グチュッ
「ずぅうっ!」
プレデターから贈られたライフルの弾丸を見つけると、
バットを握り締めた男の手甲に先端を添えて、その上から手を重ねて握り締め突き刺したのだ。
が、相手もアドレナリンが分泌されてるせいで、苦痛をものともせずに締め上げる。

「ふっ!」
しかし、それで十分。意思とは関係なく、力が弱まった隙に体を前に倒し、僅かに椅子に沈み込む。
強靭な圧迫から逃れるには至らないが、指先がやっと座席の傾斜レバーに届き前後構わず引っ張った。
ガクンッ
急に椅子が倒れたので相手も力のまま後方にのけぞって尻餅をつく。が、それでも男は比呂美の顎にかけたバットを外さない。
その勢いで比呂美は舌を噛みそうになったが、なんとか奥歯をかみ締めて踏みとどまる。
そして相手が上から覆いかぶさって体重をかけようとするより速く、指先を刀のようにピンと伸ばして、
男の手首の付け根の骨を斬るようにして、叩いた。

「っぐ!?」
衝撃で腕から力が抜けバットから指が離れる。その期を逃さず、比呂美は首の下から肘を入れてバットを掴むと一気に奪った。
そして寝転がった状態のままバットを縦に握りなおすと、顔面に拳が落とされるより速く、傘をさすようにバットを真上、
重力からすると横に向かって突き伸ばし、男の鼻と前歯を砕いたまま吹き飛ばす。
「ぷっぶぅっっ!!」
寝転んだ状態の戦闘なら既に経験済みだ。鼻血と唾液が降り注ぐのをかわしひっくり返って膝立ちになると、
男が反撃に出した左フックを薙刀のようにバットで防いで、その柄で顎を抉る。
「ごぁっ!」
続く反撃も矢継ぎ早に防いではその度に金属バットをバトンのように回して、男の急所を次々と痛めつけていった。
狭い車内における戦闘も経験済みであり、比呂美は高度な身体操作で体力差を圧倒していた。

「ごっ、ひゃあっ、げぇ・・・、も、もうゆる、許してぇ、ひいい」
いくら殴りかかろうと比呂美に指一本触れられず、全身を釘で刺されたような激痛で覆われ、
醜い痣で膨れるに至って男は降参する。親に叱られた少年のように丸まって命乞いするがもちろん比呂美は容赦しない。

「げっっっ!!!」
もはや比呂美は因縁などどーだって良くなっていたが、生かしといて+になるとも思えないので、
丸まった背中から突き出た背骨に向かってバットを振り下ろすと、胸椎が肉から見えるほど殴りつけ、
失禁した男を不法投棄でもするように車から蹴落とした。殺す気も起きない。
「ふぅ・・・」

チュンッ
前を向いて一息ついたとき、ビニールが破れるような音がした。
お腹の辺りが急速に温かくなってきたので、咄嗟に手を添えてそこに目を向けると黒いのか赤いのか分からない水が滴っている。
ふと伝説的刑事ドラマの伝説的俳優の伝説的殉職シーンがよぎる。
よもやこの死地に至ってさえ、自分はこの事態を想定していなかった。いや、受け入れていなかったのだ。
「う・・・うぅ、う〜〜っ」
現実に、耐え難い事実に対して比呂美は張り裂けるような怒りと悲しみを抑えきれず唸った。
唇を噛み切らんばかりに閉め、ただ唸るしかなかった。
どこから迷い込んだのか知れぬ一発の弾丸が脇腹を通り抜け、比呂美の血液をトクトクと外に零していた。
490名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 22:46:10 ID:ncIuB2/n
何気にスレを覗いてみたら、富山がとんでもないことになっていて笑ったw
491名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:03:35 ID:OPXCc2pC
比呂美を助けてペルソナ使い!
492名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:05:17 ID:neomD8f9
なんじゃあ、こりゃあああ!!!!
493名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:28:16 ID:KEPr/JQK
さあ盛り上がって参りました

けど降ろしたズボンはどうすればいいですか?
494名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 23:33:45 ID:CcBXSzDu
怪作だな。
495朋与男:2008/03/07(金) 00:28:30 ID:GWI9+ZL2
「ある日の朋与」を書いていた者改め、
「ある日の比呂美」を書いている者です。

VSプレデター、さらに凄いことになってますね。
急げ!ママン&丁稚!比呂美の危機を救えるのは君たちしかいない!!

こちらは見切り発車で始めてしまったもので、まだ中盤のプロットを弄くってます。
次の投下はいつになりますやら……。
496truetearsVSプレデター(14:2008/03/07(金) 02:40:33 ID:lmfUFUKg
           ___
       / ̄ ̄   ̄゛\
      /゛::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
     /゛:::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ゝ    ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
    ハ;::;ルメノリノ゙ヽメ、リ;;;;;;;;;;く    <>>492おれにもよく分からん!
    ル::;;イ-iェェ 、,. ェiェi-リ;;;;;;;;;;;;|.,  <>>493おれのケツを使いな! 
    ゝ;;;;;;|   'i ;;: ι::;タ;;;;;;;;;;;;;;|.   <>>495保守は任せな。じゃあ丁稚とママンの活躍をどうぞ!
    く;;;;;;;;;;|  r,_っ :::;;シ;;;;;;;;;;ノ    ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
     リハ;;;;'l, rー-、.,、::;ハ;;;;;ハ;;ハ
      リル,| ' ̄ ̄ /ハルリハノ
    _,.-ー,ヘ 'ー-‐'´ ハ/ー-...,,,___
  ,r' ̄ ゙.,,∩∩,\;;;;;;;/   ::::::::::;;;;;ハ,
  ハ r/, |.| |.| |  M   :::::::::::;;;;;|::;;;;|


「あぁ、・・・お、奥さん、オ、オレもぉ、・・・もぉ駄目です!」
腰まで捲り上げられたスカートから伸びる白い太股が蛇のように腰を絡めてリズムよく上下に揺れる。
「しっかりなさい!あんっ、そんなことで・・・うちの仕事が、んっ、・・・勤まるとぉ・・・思ってるの!」
彼女の平手が勢いよく少年の頬を叩く。そして紅く腫れ上がった頬に舌をべったり這わせ唾液を塗りたくる。
「だ、だってぇ、・・・もう3回も・・・、あぅっ、枯れちゃいますよぉ」
上着から飛び出した白桃のような乳房の片方をを少年の顔で押し潰すと、その薄黒い先端を舐めるように誘導する。
「そうよ・・・もっと強く吸って、・・・はぁあ・・・千切れるように」
彼女の胎内が若い肉棹にきつく吸い付き、掃除機のようにグイグイと引き込むと、
たまらず少年の手が女性の背中を引っ掻きまわし、暴れるように腰を引いて、喰いつかれるのから逃れようともがく。
「もっと・・・もっと耐えなさいっ!・・・あぁんっ!」
結合部からは肉が擦れ合うが音がパンパンと響き、愛液と精液が交じった水溜りが溢れてグッチョリと太股を汚す。

比呂美を探しに夜の闇に出た眞一郎の母と酒蔵の少年だったが、途中で急な交通規制に遭い、
しばらく揉めたものの、ガードマンが軍人のように筋骨逞しい大男だったこともあってやむなく引き返したのだ。
伺う限りでは比呂美は通らなかったようだし、この人の多さなら何か事件があったということもないだろう。
天候の影響か携帯もカーナビも通じず、付近が都合よく停電だったこともあって、
暗い路肩に停車するとたちまち狭い車内での淫らな交合、はやくいえばカーセックスへなだれ込んだ。
今夜が初めてではない。というより少年は予期していたし、女も暗に期待していた。

「全く・・・んんぅっ、つくづく・・・あっ・・・使えない子ねぇ!眞ちゃんなら・・・きっと・・・あんっ!」
劣勢だった少年が突如、女性の柔らかい尻に指を食い込ませ、ムニムニとこね回しながら、
ロデオのように腰を振り上げ、子宮を突き上げる。技と力の合わさったダイナミックなテクニックだ。
(オレが!オレがあんなフラフラしたフリーター予備軍の七光りエロゲー小僧に負けるかよ!)
決して口には出せぬ叫びを熱き男根に込めて、猥らな口に叩きつける。
「なに?眞ちゃんと・・・あっ、比べられて・・・っ、悔しいの?ほんとに子どんんっっ!」
それ以上は許さぬと唇を重ねて繋ぎとめる。捩る首を押さえつけ、喉奥まで舌を入れると、
唾液をたっぷり流し込んで、吐き出そうと伸びた舌を軽く噛んで飲み込み、ディープキスを強制する。
(覚悟もなく!道理もなく!己の欲望のままに親の金を使い、女の優しさに溺れる!
それが仲上眞一郎の限界!だからこそ、奥さんはオレのものだあああぁぁぁ!!!)
497truetearsVSプレデター(15:2008/03/07(金) 02:41:30 ID:lmfUFUKg
最初に眞一郎の母親から関係を強要されたのは彼が中学に上がる少し前だ。
はじめは性への興味と熟れた美貌の魅力から、やがて事の重大さが分かっても、
奉公先という上下関係に逆らえぬままに、また過ちを重ねた。
しかし、そうして毎日影に隠れ肌を重ねてくうち、彼女の瞳が自分を通して何かを見つめていることに気付く。
ひとつの事実に気付けば、あとは糸を手繰るようにして簡単に真実が浮き上がってきた。
いたいけな少年への肉欲など及ばぬ罪、禁じられた恋心がそこにはあった。

彼女が息子を見つめるときの哀しく、しかし艶かしく濡れた瞳をみたとき、
その情欲が決して適わぬこと、それを年近い自分に重ねていることに気付いたのだ。
そうして初めて彼女を上司でも、母でも、女でもなく、一個の恋に身を焦がす可憐な少女として遠くから見たとき、
感情的で過保護なだけの小うるさいセックスだけの付き合いだった女性の別の側面が見えてきた。
不器用になってしまう優しさ、意固地なばかりのプライド、裏目に出てしまう気遣いの数々がどれも溶けるように可愛いかった。
髪を上げるときの薬指、振り返ったときの首筋、困ったときの眉根に胸が歌うように高鳴った。

ほぼ同時に自分とは別モノとして意識もしなかった坊ちゃん、眞一郎に腹が煮えてきた。
愚鈍にして勘違い、優柔不断で視野狭窄、周囲の愛情に気付かずひたすら恩人を翻弄し、不幸に染める呆れた軟弱。
彼が幾人かの少女からの好意に懊悩していることはなんとなしに知ってはいたが、
少年から言わせれば全て眞一郎の不甲斐がなせる惨状、無能極まる小人の、それすら認められぬ大罪だ。
母の想いに気付けなどという無茶はいわんが、どうせ結果は決まっているのに、矮小な精神をひたすら守らんがために、
自他共に言い訳を重ね、いたいけな少女たちの魂を混迷させ、浪費するなど男子の風上にもおけぬ。

「あんっ・・・!今日は・・・くっ・・・激しいわっ!ねぇ、んっ、んんっっ、んああああああぁぁぁぁ!!!」
少年は女性の胎内に秘めたる滾る愛情と憎しみを解き放った。
498名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 10:37:24 ID:U3C05TMT
なんという迷走ぶり
一体何処へ行こうというのか
499名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 13:18:32 ID:D6t353FX
なぜか叩かれる眞一郎ワロスw
500石動乃絵:2008/03/08(土) 11:02:34 ID:qYRnsBkE
このスレは飛べるわね!私には分かるの。
おばあちゃんが言ってた。
こういうのネ申スレっていうんでしょう?
501名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 12:42:09 ID:yFp3TD6N
>>500
【PINKちゃんねるは18歳未満立ち入り禁止】
18歳未満の方は、エロ妄想を含まない範囲で2ちゃんねる掲示板をご利用ください。

キモいなりきりは止めてくれ。
TTは「この作品の登場人物は18歳以上です」じゃないんだぜよ
502名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 18:14:37 ID:naMXSkCx
ちょっとした好奇心でこのスレ来てみたらトヤマハザードになってて吹いたw
カオス過ぎるぞ
503名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 18:45:53 ID:iR3+A5Fi
本編では比呂美一人暮らしフラグが立ったみたいだぞ。
これで夜這いし放題だ
504名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 19:51:46 ID:1wINSd0L
フラレナオンは独り暮らししなきゃならない法律でもできたのか
505名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 21:13:23 ID:b5m2Vv0g
>>503
「眞一郎くんのお父さんとお母さんに声聞かれちゃう」
とかいいながら抱かれる比呂美もエロいけどな
506名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 22:58:24 ID:qYRnsBkE
>>501
たった一回の書き込みに過剰に反応するなよ。
きみは心が狭いな。
507名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:07:09 ID:4hexSmbl
横レスだが
なりきりで潰されたスレをいくつも見てきたから、あんまり過剰な反応と思えない俺チキン
できれば科白改変とかコピペ改変とかも自重していただけるとありがたいかな……なんて
508名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 01:31:16 ID:udPChLL4
>>507
気持ちは分からんでもないが、なんもかんも禁止にして楽しいか?
スレを潰すほどの書き込みなんて、ほとんど意図的なもんだろ。
潰した奴が悪いんであって、なりきりとかコピペ改変をすること自体が悪いワケじゃないと思うがなぁ。

スレの流れぶった切ってスマソ。まあ、またーり楽しくいこうや。
509朋与男:2008/03/09(日) 01:49:31 ID:/dufYdsz
富山のお酒「銀嶺立山」を頂きながら10話観ました。
黒部『さん』……黒部『さん』ですか……。
比呂美は引越しちゃうし……。
もう腹を括ってパラレル街道を突き進むしかないですね。
プレデターさん、しばらくスレの維持お願いします。
510名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 02:12:26 ID:rrpZ531F
>>508
いやね、軽い気持ちで作品の合間になりきりレスが挟まってたりすると、
それにつられて「じゃあ俺も俺も」となりきりだらけになって作品投下できるような空気じゃなくなったりね
どこぞの草板のテンションのまま書き込んでスレを止めたりね
荒らしを目的としてるわけじゃないんだろうけど、そういうことから過疎ってDAT落ちなんて流れがよくあるんだわ

これから春だしさ、今のうちに細かいこと決めちゃった方がいいんでない?
511名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 02:12:47 ID:eud+NHMP
>>509
それは俺も思った。
「“さん”って付けんのかよー」って思わず声に出してしまったw
SS書きはそういうとこ気になるよね。
朋与の人は朋与の人の展開で頑張って下さい。
512名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 03:11:58 ID:4CTLlSt3
朋与の人気にしないで、俺の中ではあなたの朋与が脳内で出来上がってますから
513名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 06:44:49 ID:wWuNw3YI
ママンいいな
このデレぷりは比呂美と眞一郎とで3Pまでいきそうな気配だw
514名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 06:46:07 ID:zGMxK2EH
【中国】少林サッカー主演女優などスター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://4.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://idol.idol-photo.org/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
515名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 12:43:28 ID:G2uugRAK
比呂美が攻めに転じた!うひょお!こいつは危険な女だぜ!

それはそうとこの人たち何やってるのさ、最後スポ根アニメかと思ったよ
516名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 15:22:56 ID:uMea29LV
>>515
まあ比呂美はスポーツ少女だし
眞一郎も踊りやってるからなw
517名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 16:45:21 ID:9W6mLXIa
意外と眞一郎に死亡フラグが立ってる気がする。

雷轟丸=眞一郎
地べた=比呂美
アパート=鶏小屋

だと考えるなら

1人暮らしの比呂美のとこに暴漢が押し入り
そこへたまたま差し入れを持っていった眞一郎が見つけ暴漢と格闘
格闘の末暴漢の持ってたナイフが眞一郎にグサリ

眞一郎アボーン

暴漢はタヌキ
518名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 16:47:39 ID:9W6mLXIa
誤爆したぜw
519ある日の比呂美 5:2008/03/09(日) 22:24:03 ID:/dufYdsz
朋与は校門をくぐり抜けると、待ち合わせ場所の駅前広場まで走った。
普段の走り込みでは、手を抜いて七割ほどの力しか出していないが、
今は心臓と肺を限界まで酷使し、先を急ぐ。
『周回遅れの女王』と一部で噂されている比呂美には及ばないが、
朋与の脚力もなかなかのもので、目指す駅前広場はすぐに見えてきた。
「仲上くん」
指定された場所に眞一郎の姿を見つけて手を振ると、眞一郎も軽く振り返してくる。
「ご、ごめん……ハァ、ハァ…ちょっと…遅れちゃった」
「いや………そこまで急いでくれなくても……平気か?」
胸を押さえてゼェゼェと息を整えている朋与を見て、さすがに心配になった眞一郎が顔を覗き込む。
「うん……ちょ、ちょっと待って」
片手で眞一郎を制しつつ、朋与は内心、自分の身体が思惑通りに反応してくれた事に安心していた。
朋与が全力疾走してきたのは、約束の時間を気にしたからではない。
(……こうすれば……ドキドキしてても変じゃない……)
『封印』した想いがひょっこり顔を出しては困るのだ。
眞一郎も、比呂美も、そして朋与自身も。
…………
…………
ショッピングモールへと向かう電車内で、少し間を開けて座席に着く朋与と眞一郎。
中途半端な時間帯だったのか、乗り込んだ車両には、ふたりの他に乗客はいなかった。
共通の話題もあまりないので、朋与は電話でされた依頼の内容を確認することにした。
「買い物に付き合うのはいいけどさぁ……野伏じゃダメなの?」
「あぁ。電話でも言ったけど、物が物だから専門家の黒部の方がいいと思って。……やっぱ迷惑か?」
普段、眞一郎は朋与を『黒部さん』と敬称付きで呼ぶのだが、
比呂美がいないせいか、今は自然と『さん』が抜けている。
ほぼ一年ぶりに呼び捨てにされた嬉しさは心の奥に隠し、「そんなことないけど」と普通に応じる。
「バッシュなんて買ってどうすんの?……って決まってるか」
もちろん比呂美へのプレゼントだろう。時期的に見てホワイトデーのお返し…といったところか。
「言っておくけど、比呂美の好きそうなのは高いよ」
「うん、大丈夫だ。金はある……ちょっとだけど……」
なんでも以前に応募した絵本のコンクールで佳作に入選し、僅かだが賞金を貰ったらしい。
「へぇ、凄いじゃん」
眞一郎が夢に向かって確実に歩を進めている。それは『友人』として聞いても嬉しい話だった。
「俺が生まれて初めて『自分で稼いだ金』だからさ……一番大事な人の為に使いたい……」
「……ふ〜ん……」
比呂美のことを思い浮かべているのだろう。嬉しそうに話す眞一郎の横顔は輝いて見えた。
(……焼けちゃうな……)
押し込んでも押し込んでも、心の奥底から顔を出そうとする『想い』。
危険を避けようと、朋与は話の筋道を軌道修正する。
520ある日の比呂美 6:2008/03/09(日) 22:25:26 ID:/dufYdsz
「あたしもさぁ、仲上くんにチョコあげたよね?」
今回の報酬も合わせて、自分にも何か買えと要求する朋与。
「……お前がくれたのって……20円のチロルチョコじゃん……」
だが、買い物につき合わせている以上、不当要求と突っぱねる事も出来ず、眞一郎は朋与の注文を聞いた。
「猫缶買って。一番高級なやつね」
一年前に朋与と防波堤で出会った猫は、『ボー』と名づけられ、黒部家の住人となっていた。
「私も『自分で稼いだ金』を大切な存在の為に使ってみた〜い」
ささやかな悪意を込めた笑顔を見せて、眞一郎をからかう朋与。
困ったように照れ笑いをすると、眞一郎は「わかったよ」と言って報酬の支払いを約束してくれた。
「やった〜!」
交渉成立だ、という風に上体を背もたれに預け、両手を座席に投げ出す朋与。
その時、同じ様に座席の上に置かれていた眞一郎の手に、朋与の指が触れた。
…………
…………
……眞一郎は逃げようとしない。
長い長い逡巡の後、朋与の指が眞一郎の手をきつく握り締める。
僅かに躊躇いをみせながら、眞一郎の手も朋与の手を握り返してくる。
視線を合わせず、無言のまま指と指を絡めあう二人。
固く握り合うだけでなく、何度も位置を組み替え、互いを愛撫するように蠢くふたりの指。
(…………私たち……指で……セックスしてる……)
眞一郎がしてくれる……おそらくこれが最大限の『浮気』……。
忘れられたのではない……。
あの時の想いも、今の眞一郎を形成する一部になっていると確信できて、朋与は満足だった。
(……ごめん比呂美……今だけ…今だけだから…………許して…………)
…………
指先の性交は、やがて静まりを見せ始め、指と指を結び合った状態で止まった。
どちらも俯いたままだったが、手を離そうとはしない。
その後、電車が駅に着くまでの間、朋与と眞一郎は一言も口を利かず、
ただ黙って、互いの指先に神経を集中し続けていた。
521朋与男:2008/03/09(日) 22:29:35 ID:/dufYdsz
話を分かりやすく進める為に、朋与視点も入れることにしました。
いよいよ『朋与アフター』色が強くなってしまうかも。
でも主役(エロ担当)は比呂美です。
活躍はかなり後半になりそうですが……。
522名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:32:23 ID:ziZCo9HQ
>>519
乙っす!
523名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 22:53:32 ID:SuFxV6lu
この軽くドロドロした感じ、いいねえ。
大事なものは壊したくないから一定以上は踏み込まないが、そのぎりぎりのラインをぎりぎりまで攻める。
524名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 23:11:55 ID:GPC9Mq80
いいっすねえ朋与も
この友人との買い物を誤解される?という展開もベタで素晴らしい
比呂美編の続き、楽しみにしてます
525名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 00:05:37 ID:HeXGd6h9
女子バスケ部の連中に拉致されて汗とメンス臭い部室に連行される眞一郎。
下半身を脱がされ拘束された上で、キャプテンに手コキされるが射精寸前でチンポの根元にきつく輪ゴムを〆られる。
その後も女子バスケ部員によってアナルにエネマグラ挿入されたり、TOMOYOによる超絶技巧フェラされたりするが射精できない。
生理中のキャプテンの女性器を顔面に押し付けられている眞一郎の前に全裸の比呂美が現われる。
そして「御免ね、眞一郎くん。眞一郎君の始めて貰うね。」といいながら眞一郎の男根の上に腰を下ろす。
童貞喪失しながらも、射精できない眞一郎に対して、破瓜の血を流しながらぎこちなく腰を振る比呂美が
「言って、信一郎君!あの娘と、石動乃絵と別れるって」
それに続けてキャプテンが笑みを浮かべながら「ちゃんと言えたら輪ゴム外してあげるわよ」と言う。
限界を越えていた眞一郎は「ああ、分かったよ比呂美。乃絵とは別れる、別れるから早く出せてくれ!」
キャプテンが眞一郎の拘束を解き先端が比呂美と繋がったままの男根のゴムに起用に切れ目を入れて外す。
自由になった眞一郎は繋がったまま比呂美を押し倒し全力で腰を叩き付ける。
「比呂美、前から君の事が好きだった、このまま中に出させてくれ、全部、全部ちゃんとするから!」
言い終わると同時に比呂美の膣内にありったけの精液を放出する。
放心状態の眞一郎と比呂美の横でキャプテンが「あらあら、奥手な色男さんの告白のセリフが聞けたわね、感想はどうかしら元彼女さん?」
女子部員によってロッカーが空けられ、中から猿轡と両手足を拘束された乃絵が転がり出る。
顔は殴られた痕があり制服も力任せ破られている、そしてその破れ目から覗く太ももには乾いた血の筋が付いている。
猿轡を外された口からは、しかしなお言葉は発せられない、ただ両目から恐怖と、裏切られたと言う意思が見てとれる。
混乱しながらも、憤りを覚えた眞一郎が立ちあがり激昂しかけるが、比呂美にしがみつかれ感情ごと押さえ込まれてしまう。
それを見て、乃絵の瞳はよりいっそう絶望の色を深くする。
「乃絵ちゃんってばひどいのよ〜、眞一郎くんっていう彼氏が居たのに何人もの男をくわえ込むんだから。」
キャプテンの言葉とともに部室内にあるモニターが点灯する、「止めて!眞一郎見ないで!!」ここで始めて乃絵がことばを発した。
モニターでは男子バスケット部員と思しき男達に集団で陵辱される乃絵が映し出されている。
犯されている乃絵がが、助けを求めて泣き叫ぶ名前は彼女の兄ではなく眞一郎だった。
その場でうずくまり嗚咽漏らす乃絵、比呂美に抱きつかれながら動けないで居る眞一郎。

―そして、僕は流れる彼女の涙をぬぐう事も出来なかった―
526名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 02:15:36 ID:/qnTzxzD
ある日の比呂美、面白いですわあ
まったくおかげで本編の妄想に拍車がかかって大変ですよ
527truetearsVSプレデター(16:2008/03/10(月) 17:54:19 ID:KX3xFIA9
     ,. - 、   〈〉
    彡`壬ミ   || 
   用ノ哭ヾ二=G    < >>525イイヨイイヨー !
   〈_〉〉=={   ||      
   {{{.《_甘.》   ||
    {_} {_}   ||
   ム' ム

「救護班ーっ!救護班ーっ!」
「いでぇえええええ!だずげでぐれええ!」
「ここだぁぁぁ!だれかぁぁぁぁぁ!!!」
硝煙と銃弾の立ち込める闇の中で絶え間なく悲鳴が続き、禍々しい合唱を奏でていた。
皮膚は爛れ、肉は裂け、骨が露出してなお、死ぬこともできず苦痛に苛まれる兵士たち。
かれらの助けを請う呻きを無視して、新たな兵力が突入してくる。
「どこだぁあああ!!このクソッタぐあっ!?」
サクッ
空間を切り裂いたように、なにもない場所からスピアが現れると、怒声を撒き散らす兵士の両眼を削った。
「うわぁああああ!ちくしょおおおお!!!」
光を奪ったプレデターは錯乱した男を味方に向け突進させると、再び瓦礫の隙間に沈む。
シュバァッ
遠くから狙撃の体勢を図っていたスナイパーの胸をプラズマキャノンで風通しよくする。
シュカァッ
空けた場所で待ち伏せていた集団の真ん中にレイザーディスクを送り、背を低くしてやる。
グチャッ
地面に転がる負傷兵を泥のように踏み潰す。
「ぎゃあぁぁああああ!!!」

幅の広い道路にユタニの装甲車両が幾重にもバリケードを築き、整然とした包囲網を敷き詰めてもなお、
プレデターは的確に狩りを進めていた。
高所や遠距離からの攻撃には灼熱のビーム、中距離には鋭利な円盤、傍にくるものは槍で叩き、両椀の剣で刻んでやる。
恐れをなして逃げた者の先には透明なワイヤーと破片を切り出したギロチンの罠が待っている。
激しく炎を絡め、鉄を振り、冷静に血を抜き、肉を分けていく作業はさながら名シェフの調理場のようだ。

大切なのはそこそこに殺すことだ。そこそこに。
半死の兵隊の終わらない悲鳴と傷跡は、これから来るものたちの心に恐怖を撒き散らす。
心理効果だけでなく、泣き声は忍び寄る足音を隠し、腐臭は強い体臭を打ち消す。
地に転がる負傷者そのものも巨体を誇るプレデターにとってはぬかるみ程度だが、
人間には足を滑らせ、車両を躓かせ、行く手を遮る沼となる。

プレデターは逃げ回るように見せて、破壊された車両と人間を捏ね混ぜて壁を建て、深い迷路を作っていた。
迷い込んだ者の光と音を遮り、動きを封じ、痛みを引き伸ばす堅牢で邪悪な要塞だ。

ユタニの特殊兵士たちも紛れないエキスパート、勝ち抜いてきた一流だったが、人間相手の殺し屋である彼らと、
生まれながらの捕食獣、狩人、戦士であるプレデターとでは生物としての格が違う。
脅威の運動能力と人間心理まで計算した巧みな攻防に、兵士たちは翻弄されるしかなかった。

だがそれでも、プレデターの不利は変わらない。
戦闘が続けば体力は消耗し、武器も疲弊し、長引くほどにより蓄積される。
続々と新しい兵力が投入されるなかでは、傷を癒す暇もない。
次第に足腰は衰え、砲の出力は弱まり、刃は零れていく。
「グウオオオオオオオオオオオオッッ!!」
それでも生ある限りは生を奪わんと大気の震えるような咆哮で己を鼓舞し、敵を戦慄させる。
未だ死んではいないのだ。自分も、そして彼女も。
528ある日の比呂美 7:2008/03/10(月) 22:09:39 ID:rcWpd9Ql
「こんばんわ」
仲上家の門前で掃き掃除をする従業員の少年に、比呂美は声を掛けた。
「比呂美さん、『こんばんわ』はおかしいッス」
彼が言うには、ここは比呂美の家なのだから、挨拶するなら『ただいま』だと。
とても嬉しい忠告であったが、比呂美は曖昧に笑って誤魔化した。
……仲上の家を出てから、もう一年が経つ。
眞一郎と自分のぼやけた関係を整理するための旅立ちだったが、
実のところ、比呂美の生活サイクルに、あまり変化は見られない。
『おばさん』の方針もあり、比呂美は朝夕を問わず、殆どの食事を仲上家の食卓で採っていたし、
経理の仕事を勉強がてら手伝う機会も多くなって、この家には、ほぼ毎日出入りしていると言ってよかった。
……でも……
この場所で素直に『ただいま』と言えるのは、もう少し先のような気がしていた。
(まだ言えない……きっと…自然にそう言えるようになるのは……)
自分と眞一郎がもっと大人になってから……。
そんなことを考えながら玄関の引き戸を開くと、珍しく『おばさん』が出迎えてくれた。
「あら、眞一郎と買い物じゃなかったの?」
「……いえ……今日は約束してませんけど……」
『おばさん』の話では、先ほど眞一郎から電話があり、買い物のついでに夕食は外で済ますと連絡してきたらしい。
電話口から微かに女の子の声がしたので、てっきり比呂美と一緒だと思ったようだ。
「まぁいいわ。電話もらった時にはもう、仕度が終わってたのよ」
無駄にならなくて良かった、と呟いて『おばさん』は台所へと戻っていく。
…………
(…………眞一郎くんが、まだ帰ってきてない……)
…………
『おばさん』からの情報を加えて、状況を冷静に考えてみる。
……もう眞一郎が朋与と一緒にいることは疑いようがない。
比呂美は部活を終えた後、一度自分のアパートでくつろいでから、身支度を整えて仲上家に来た。
朋与が眞一郎と合流したとして、相当の時間が経っているはずだ。
こんな時間まで一体何をしているのか……。何を……。買い物?……本当に?……怪しいものだ。
別の『何か』をしているのではないのか?
だって……だって本当は……朋与は眞一郎が好きなのだから……。
…………
(……なにを……しているのよ……)
無意識に下唇を噛み締める比呂美。それは心が嫉妬に狂うと出てしまう癖だ。
…………
「比呂美、なにしてるの。お膳並べるの手伝ってちょうだい」
奥の方から『おばさん』の声がする。
「は、はい」
両胸の間にモヤモヤしたものを抱えたまま、比呂美は台所へと向かった。
529ある日の比呂美 8:2008/03/10(月) 22:11:00 ID:rcWpd9Ql
『おじさん』と『おばさん』、そして自分だけの食卓は、別に珍しくはない。
視線の左側に眞一郎がいない事など、よくある日常にすぎない。
だが、今夜の比呂美は心穏やかではいられなかった。
考え込んで静止したかと思えば、落ち着きなく箸を動かし『おばさん』に注意される。
(…………)
今、眞一郎と共にいるのがアサミや他の女生徒ならば、こんなにも心を乱されることはなかっただろう。
仮に石動乃絵が現れたとしても、比呂美は眞一郎を信じることが出来る。
……しかし……
(……朋与はダメよ……絶対にダメ……)
黒部朋与に自分は勝てない……彼女が本気になったら、絶対に負けてしまう……。
根拠の無い……漠然とした不安……そんな不確かなものでは決してない。直感とも違う。
……自分は朋与に女として、大きく水をあけられている……。
そんな確信めいたものが比呂美にはあった。
あの時の……あの朋与の言葉……。

    《教えてあげる。眞一郎がどうやって私を抱いたか……》

朋与が比呂美の決断を促すためについた『嘘』……。
心に小さな『わだかまり』として残ったそれが、今、大きく黒い疑惑となって比呂美の中に広がる。
胸元がムカつき、頭が熱に犯されたようにクラクラする。
食事も半ばで、比呂美は箸を置き食卓を立った。
二人への挨拶もそこそこに、上着を羽織って居間を出る比呂美。
「待ちなさい」
追い掛けてきた『おばさん』に呼び止められ、比呂美の身体が硬直した。
嫌味か小言が飛んでくる覚悟をしていたが、『おばさん』はそっと風邪薬の瓶を手渡してくれる。
「具合が悪いなら飲んでおきなさい」
素っ気無く言うと、踵を返して居間へと戻る『おばさん』。
病気ではない、と言おうとしたが止める。『おばさん』は全部見抜いている……なんとなく、そんな気がした。


夜道は危ないから送ります、という従業員の少年の申し出を丁寧に断り、ひとりで自室へと向かう比呂美。
比呂美をアパートへ送り届けるのは、いつもは眞一郎の仕事だった。
眞一郎は比呂美の帰宅する時間には必ず家にいて、この役目を疎かにしたことは一度もない。
(……ふたりの大切な時間を朋与が掠め取った……)
そんな思いが脳裏をよぎると同時に、比呂美は一番の親友をそんな風に見ている自分自身に嫌気がさしていた。
(……性格って…なかなか直らないな……)
もうこんな気分を味わうことはないと思っていたのに……。
物事を悪い方へ悪い方へと考えるのは良くないと、理屈ではわかっている。
しかし、『また眞一郎においていかれる』という恐怖感を、比呂美は拭い去ることが出来なかった。
…………
海沿いのT字路を曲がったところで、前から近づいてくる二つの人影に気づく比呂美。
脚がピタリと止まり、表情が強張る。
5メートルほど先の路上に、比呂美の姿を見つけて気まずそうに立ち尽くす眞一郎と朋与がいた。
530名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 23:20:48 ID:VPGGN9pE
プレデターとある日の比呂美が同居している空間・・・
カオスだなwww
531名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 23:28:22 ID:hoPHCRvH
あるひの比呂美がプレデターの様に戦わない事を祈ります
532名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 23:30:47 ID:O+Qj3gi/
みんなGJ!

…なんだけど、ホントカオスだなw
533名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 00:21:28 ID:9w0P2TNz
>>531
>あるひの比呂美がプレデターの様に
それだっっ!!
534truetearsVSプレデター(17:2008/03/11(火) 00:23:32 ID:A9W7S7iM
ドンドンドンドンッ!
「比呂美ー!比呂美ー!」
石動と書かれた戸を何度も叩き、声も枯れんばかりに叫ぶ。
母が車を出した音に気付いたことがきっかけで、家のどこにも彼女がいないこと、
どれほど待てども彼女が戻らないことに焦った眞一郎は、自転車ひとつで飛び出したのだ。

「・・・今何時だと思ってる」
髪もパジャマも顔もクチャクチャにして、不快感を隠そうともしない石動純が戸を開ける。
誰が来たかは分かっている。こんな近所迷惑甚だしい無礼者は妹を除けば一人しかいない。
「あの女はいない」
「比呂美が来てるんだろ!?どこにいるんだ!」
仲上眞一郎はそんな態度も気付かず、食いつかんばかりに詰め寄って、家のなかに入ってくる。
自転車を玄関に横倒しにし、寝巻きの上からジャケットだけ羽織って、息も絶え絶えで駆けてきたのが伺える。
「出て行け」
額を歪ませて吐き捨てると、感情そのままに眞一郎を押し出して戸を閉める。

「ま、待ってくれ!随分前に出たきり帰ってこないんだ。何か、何か知らないのか?なぁ!」
構わず戸に張り付きながら眞一郎は問う。二度と見失うわけにはいかないのだ。
「・・・こっちは本当に忙しいんだがな、おまえらのおかげで」
これ以上騒がれるならと、ウンザリした表情で純は眞一郎を家に入れる。
ただでさえ肩身の狭い家庭なのだ。夜の夜中に女がらみで大騒ぎなど、近所の恰好の噂だ。
万が一にも学校や世間の心証を損ねないためにも、品行方正な生活が望まれるというのに、
どうしてこう恥知らずな輩ばかり絡んでくるのか。

「乃絵が寝てるから静かにな。それとも・・・本当は夜這いに来たか?俺はその辺を一回りしてくっ!」
玄関口で純が零した悪意の冗談に眞一郎が掴みかかる。
「こっちは本気なんだ!母さんも探しにいったきり戻らないし・・・ぐぁっ?」
純が襟首を掴んでいた眞一郎の手首を捻り上げると、不自然な方向に間接を曲げ押さえつける。
「なんでここに来てるんて考えたんだ?こっちはあのトラブルメーカーのせいで・・・関わりたくもない」
痛みにたまらず眞一郎は膝をつきながらも訴える。
「け、携帯も通じないし・・・、あちこち急に道路封鎖してて、きっと何か・・・トラブルにっ!」
純は憮然としたまま、体を後ろに折り曲げて耐える眞一郎を突き飛ばして解放する。
「どこかで股でも開いてるんだろう。あれは好きモノだからなぁ兄さん?」
胸をつららで刺されたように眞一郎の顔が青ざめる。
「まだ寝てないのか?じゃあ初めてっていうのは・・・本当だったんだな、くくっ」

「おまえぇ!」
怒りで心臓を焼かれた眞一郎が飛び掛る。が、合わせて跳んできた純のつま先が腹にカウンターで突き刺さった。
「ゲェフッ!ぐぅああ!」
夕食の中身を廊下に戻しながら眞一郎がバタバタとのた打ち回る。その頭を踏みつけながら純が嗤う。
「きったないなぁ・・・ほら、ちゃんと綺麗にしてくれよ?坊・っ・ち・ゃ・ん☆」
眞一郎の頬を床にゴシゴシと擦り付けて、無理やりに吐しゃ物を拭わせていく。
「あっちから誘ったのに怒るのは筋違いだな。そういえばスポーツやってる子が締まりがいいって知ってたか?」
足を引き剥がそうと伸ばされた指を踵で踏みつけ、頭を転がすと喉をつま先の指で押さえつけて息をさせない。
「真面目な子ほどなんとやらってな。動物園の猿のようにキーキー啼いて乱れて・・・」

もがく眞一郎のこめかみをサッカーボールのように蹴り上て吹き飛ばし、狭い玄関先にすっ転がす。
「なかでもあれは格別だったけどな、並べて比べたから本当だよ」
固い靴箱の角に眞一郎の額がぶつかって割れ、ドクドクと流れた血が歌舞伎のように顔を染める。
「あーらら・・・やっちゃたか」
蹲る眞一郎を侮蔑すると、純は洗面台から水で濡らしたタオルを持ってきてその顔に落とす。
「ここにいないのは本当だ。手がかりもない。手伝う気もない。分かったら帰ってくれ」
535朋与男:2008/03/11(火) 00:34:03 ID:gNizKXNU
>>533
すみません!それはないッス!!

あ、プレデターさん乙です。
ホントに展開が予想できないですね。凄いです。
こっちも4番出すつもりなんですが、
鬼畜は止めて真人間にしましょうかね。
536名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 04:13:28 ID:2unYqP25
どっちも面白すぎる
537プレデター:2008/03/11(火) 10:24:40 ID:A9W7S7iM
   ,. - 、   〈〉
    彡`壬ミ   || 
   用ノ哭ヾ二=G    < >>535
   〈_〉〉=={   ||       朋世男さんや遅筆屋さんたちが正当なエロパロ欲求を満たしてくれるおかげで
   {{{.《_甘.》   ||       こっちは暴走できる次第で、いつも甘えさせていただいてます。
    {_} {_}   ||      ・・・って、ちょw‘プレデターさん‘って私もプレデターだったのかw成人式行きたくねーぞ!
    ム' ム       
538名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 11:14:13 ID:91PJKehe
朋与が着々と嫁になりつつある
これはキケンダ!
539名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 14:06:21 ID:6G3oSfZZ
もう俺はTOMOYOに心奪われてしまったぜ
540名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 15:12:48 ID:I1uboCR7
早く続きを…
本編とSSの続きが気になって不眠症になりそう
541名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 18:07:55 ID:91PJKehe
>>540
焦ってはいけない
比呂美のように周到に準備を重ね
そして一気に仕留める

今はただ時を待つんだ
542あさみの願い 1:2008/03/11(火) 20:58:04 ID:FGJNcTiN
朋与の部屋で月に何回か女の子だけで集まり
くだらない話を延々と繰り返すだけの夜

多感な少女達はそれが楽しかった。
あさみもそんな1人だった。

「停学明けてから比呂美変わったよねぇ〜」
「なんつーか・・・女らしくなった?とかそういう感じ。よく分からないんだけどさ」

朋与が停学明けの比呂美の事を話す。
「そぉ?いつもとあんま変わんなかったような・・・」
別の少女がそれを否定する。
「いーや!きっと何かあったんだよ!私には分かる!だって比呂美の親友だもん」
「きっと石動さんと・・・したんだよ・・・」
「えー!?マジ?」
「絶対そうだって!二人でデートしてたの見たって言ってる人居たし!」
「比呂美に先越されたかぁ・・・いいなぁ・・・カッコいいもんなぁ・・・石動さん」
「朋与先越されっぱなしじゃん!」
「うるさいなぁ!」

そんな憶測だらけの話をあさみは黙って聞いていた。

「でさ?あさみはそういうの無いの?」

朋与が急にあさみに話を振った。

「え!?私?無い無い!」

驚きながらあさみは否定する。
「あさみ可愛いし、告白されたりとか無いの?言ってみ?この朋与さんが相談に乗ってあげる!」
その自信はどこから来るのだろうか?と思ったが、
「えー何人かは居たけど・・・全部断った」
「何でー?勿体ないじゃん!まさか好きな人が居るとか・・・?誰?ねぇ誰よ?」
朋与を筆頭にみんな興味津々といった目であさみを見つめる。

「言わないよー!絶対言わない!」
「分かった!じゃあこのサイコロ振って「好きばな」出なかったらそれでいいよ!」

バラエティ番組などでよくあるサイコロを振ってその目が出たらその話をするというヤツである。
「えー?やるの?」
「やるの!」
こうなった朋与は止まらない。
仕方なくあさみはサイコロを振った。
543名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 21:51:21 ID:xAKx416D
あっ、サミー?
544名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 21:58:46 ID:QrVJQLbx
良作の予感!
545名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 22:14:33 ID:NLVD8FJC
まとめて投下してくれると嬉しいな
キャラとしては俺も好きだから楽しみだし
546あさみの願い 2:2008/03/11(火) 22:56:07 ID:FGJNcTiN
あさみは「好きばな」が出ない事を祈った。
しかし無常にもサイコロは「好きばな」を上にして止まった。
「えー?」
「やった!」
あさみの思いとは裏腹に朋与も他の少女達も喜ぶ
「えー?言わなきゃダメ?」
「ダメ!ルールだもん!」
「どうしても?」
「どうしても!」
「諦めが悪いぞ!あさみ」

仕方ないと諦めの表情を浮かべながらあさみは

「私は・・・仲上君が好き・・・」
「え!?」
朋与を含めた全員が驚きの表情を表す。
「それマジ?」
「・・・うん」

その場に少し重苦しい雰囲気が漂う。
「仲上君ってたぶん比呂美の事が好きだと思うよ?」
「うん知ってる・・・」

授業中に三代吉を間に挟んで後ろから眞一郎の事を見ると
眞一郎が比呂美の事を気にしているのは明らかだったのをあさみは知っている。
多分眞一郎は比呂美が好きなんだと薄々感じていた。
それと同時に比呂美と自分を比べると比呂美の方が可愛いから、
自分は眞一郎に選ばれないだろうと思っていた。

「そ・・・それにアイツC組の石動乃絵と付き合ってるって噂だよ?」
「そうなの?」

それはあさみも知らなかったが、今度は石動乃絵か・・・とも思った。
少し幼いところもあるが、可愛い子だと思う。
男子の中には乃絵のファンがいるという話を耳にしたことがある。
比呂美は年齢の割りに大人っぽく、乃絵は比呂美とは対象的に逆のタイプだが
可愛い。きっと眞一郎の女の子を選ぶ目は確かなんだとあさみは思った。

「まぁ・・・私が勝手に好きになっただけだし!比呂美だったら良いよ!うん!」
「ほら?初恋って成就しないって言うしさ・・・あはは」

無理に作り笑いをしたあさみと少女達の夜は更けていった。
547あさみの願い 3:2008/03/11(火) 23:26:53 ID:FGJNcTiN
朋与たちに自分の好きな人を告げた以降も
あさみは何事も無かったかのように学校へ通い、普通に授業を受けた。

しかしあさみの目は自然と眞一郎の行動を追う。
眞一郎は廊下側の前の席に座っている比呂美を見ている。
『やっぱり仲上君比呂美の事好きなんだ・・・』
分かっていても、キツイ・・・あさみはそう思った。

放課後あさみは校舎裏の鶏小屋の前で乃絵と楽しそう会話をしている眞一郎を見た。
それを見てあさみは、
『石動さん・・・可愛い・・・けどダメ・・・仲上くんは比呂美の方が絶対似合ってる』
『比呂美とじゃないなら私が・・・けど・・・石動さんと仲上君付き合ってるって朋与が言ってたし・・・』
『比呂美は石動さんのお兄さんと付き合ってるって・・・』

自分でも良く分からない感情に翻弄されている事に気がついた。
結局二人を見なかった事にして足早に立ち去るあさみだった。
548あさみの人:2008/03/11(火) 23:29:36 ID:FGJNcTiN
モブキャラに愛の手を!
という訳で、あさみにスポットを当てて書いてみようと思いました。

基本的に遅筆なので、>>545さんの期待に答えられるよう努力します!!

エロはもうちょっと先になりそうです・・・orz
549名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 23:56:51 ID:06AUhRDd
乙!頑張れ!
550朋与男:2008/03/12(水) 00:03:20 ID:gNizKXNU
期待の新作登場!ですね。
あさみの人さん、乙です。
私が言えた義理ではありませんが……
「眞一郎、あなた全員喰えるんじゃない?」
551名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 00:08:34 ID:/CfW617g
ttのモブキャラはいいよね
期待して待ってるよ
552名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 00:41:42 ID:dNJhwu1a
愛ちゃん・・・
いや何でもないです
553名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 02:00:50 ID:1CU2TkhZ
がんがれ
原作のあさみんの席配置からの視点がいかされてるのがオイシイ
554名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 02:17:20 ID:aNAcXeZS
てっきりマイユアのあさみかと思ったぜ
555名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 04:01:02 ID:MRBDp49R
>>554
あさみ、比呂美をかばって乃絵に刺される
(乃絵はおばあちゃんを生き返らせたくて、比呂美をイケニエにしようとした)
 ↓
あさみ入院。なぜか巻き込まれた三代吉が見舞いに来る
 ↓
比呂美が好きでかつて告白したことをあさみは三代吉に話す
 ↓
断られたが、翌日からも普段通り接してくれた比呂美
 ↓
気遣いは嬉しかったが、反面告白をなかったことにされたようで比呂美を憎む
 ↓
比呂美が眞一郎にしか涙を見せないことに嫉妬
 ↓
比呂美が困るように裏で画策していたのはあさみ
 ↓
比呂美が苦しむ姿にゾクゾクしたりしなかったり
 ↓
でもどうしてあんなに憎んでいた比呂美を乃絵からかばったのかわからない
 ↓
三代吉「それがあさみの本当の気持ちだからだろ」
 ↓
あさみ、見舞いに来た比呂美に裏で画策していたことを告げる。比呂美涙目
 ↓
比呂美、眞一郎とともに駆け落ち
 ↓
鉄橋の下から眞一郎に呼び掛ける三代吉。「ずっと友達だからなーっ!」



こうですか?わかりま(ry
556名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 05:49:11 ID:9/9aTaqj
>>555
だいたいあってる。
557名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 22:53:00 ID:6YtTCVvO
>>555
なんでだかわからんが、なんかチンコが半勃起した。
558名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 23:38:39 ID:gAiOowEy
>>555ワロタwww
完全マイユアだな、しかしミヨキチはなんかいらんなw
しかも、乃絵とおばあちゃんば逆な件
559ある日の比呂美 9:2008/03/13(木) 01:02:15 ID:XqNt9hrj
遠目に比呂美の姿を見つけた時、眞一郎は自分の計画が失敗した事を悟った。
曲がり角のところで鉢合わせれば、手にしたプレゼントを見られるのは避けられない。
(それにしても比呂美のやつ……部屋に帰るの、やけに早いな……)
眞一郎は、比呂美が帰宅する時間を、きちんと把握している。
今日もアパートへ送っていく時刻には、間に合う様に帰ってきたつもりだった。
眞一郎が何かの用事で出掛け、帰宅が遅くなる時は、比呂美がその帰りを必ず待っている。
ひとりで部屋へ戻るなど、今まで一度もなかったことだ。
それに様子もどこかおかしい。今朝の不機嫌さとは、別の違和感を感じる。
緩い坂道をフラフラと下ってきたかと思うと、自分たちを見つけるなり、突然顔を険しくする。
「……お帰りなさい……遅かったのね…」
比呂美の声は穏やかだったが、その中に何か濁りのようなものが混じっている様に思えた。
「比呂美、いつもならまだ食事してる時間だろ。……どっか具合でも悪い……」
話し掛けている途中で眞一郎は気づく。比呂美は自分の声を聞いていない。見てもいない。
彼女の突き刺さる様な視線は、眞一郎の隣に立つ人物へ一直線に向けられていた。
「…………あのさ……仲上くんとそこで会って…」
「嘘ッ!!!」
比呂美の一喝で見え透いた虚言が吹き飛ぶ。朋与の膝が震え出し、手から猫缶を提げた袋が落ちた。
眞一郎も声を失い、身動きが出来なくなってしまう。
「…ち、違うよ……ねぇ聞いて比呂美!私たち、比呂美が考えてるような事してない!」
眞一郎と朋与がふたりで買い物に出掛けていた事を、比呂美が曲解しているのは間違いない。
だが眞一郎には、比呂美がどうしてそんな風に考えるのか理解できない。
(なんで……そう思うんだ……)
朋与と眞一郎だって、一年の時はクラスメイトだったのだ。比呂美を通じてある程度の交流はあった。
友人同士で出掛けることもある……そう考えるのが普通ではないのか?
(…………比呂美……あの日の事を…………)
眞一郎の脳裏に、朋与との一夜を比呂美が知ったのではないかという疑念が浮かぶ。
そんな……ありえない。どうやって知るというのか?比呂美はあの事を知らない……知るはずが無いのだ……。
「か…買い物に行ってたんだよ。ほら、ホワイトデーのお返しをさ……黒部さんに選んでもらって……」
あの日の事はさておき、今日の眞一郎と朋与に後ろ暗いところは何も無い。
まずは比呂美の誤解を解いて落ち着かせようと、眞一郎はプレゼントの入った紙袋を差し出す。
だが比呂美は、包みを眞一郎から引き剥がすように奪うと、そのまま力任せに地面に叩きつけた。
「!!」
雪解け水と泥の混合液が跳ね上がり、綺麗に仕上げられた包装を茶色く染める。
「……いらない…………朋与の選んだ物なんて……欲しくない!!」
眞一郎には信じられなかった。比呂美がこんな、人の気持ちを踏みつけにする様な真似をするなど。
それも一番の親友・黒部朋与を、どうしてここまで拒絶しなければならない……。
……そのわけは……比呂美がそこまで激発する理由は……。
ありえないと否定した可能性が現実味を帯びた時、眞一郎の口が思わず滑った。
「……比呂美……『あの日』のこと知って……」
「仲上くんっ駄目ッッ!!!」
場に充満した冷気を切り裂くように発せられた朋与の悲痛な叫び。
だが、眞一郎の言葉を朋与が打ち消そうとした事が、比呂美に真実を悟らせた。
自分の中で渦を巻いていた黒い妄想が、思い込みなどではなかった事を知り、比呂美の両眼が見開かれる。
「…………あの話…………本当……なのね……」
朋与は何も答えない。ただ、顔を蒼くして全身を震わせていた。
(……俺……俺は……)
……隠し通せばいい……そう考えた自分の愚かさを、眞一郎は今、嫌というほど思い知らされていた。
560ある日の比呂美 10:2008/03/13(木) 01:03:16 ID:XqNt9hrj
違うんだ、と否定すれば簡単だったのかもしれない。
朋与を傷つける事を承知の上で「冗談だよ」と笑えば、比呂美は信じたかもしれない。
……だが、眞一郎は追い詰められて、ようやく気づいた。
朋与との夜を『無かった事』には出来ない。
それは、今ここにいる『仲上眞一郎』を全否定する事になってしまうから。
比呂美が大好きで、比呂美を心から愛している『仲上眞一郎』がここにいられるのは、
『黒部朋与』のおかげなのだと分かっているから。
あの日…ズタズタになった心を朋与が包んでくれなかったら……
身体を捧げて眞一郎の傷を癒し、行くべき道を指し示してくれなかったら……
きっと比呂美とは、何ひとつ繋がらなかった。
周りの人たちを全部傷つけて、ひとりぼっちで生きていたはずなのだ。
……だから……だからこそ、眞一郎は助けを求め、すがり付いてくる比呂美の視線に答えられない。
これ以上口を開けば、もっと比呂美を傷つけることも分かっているから……。
…………
何も返せずにいる眞一郎の瞳を見て、比呂美の眼光が『懇願』から『絶望』に変わる。
怒りの矛先は裏切っていた男ではなく、裏切らせた女に向けられた。
瞬間、比呂美の身体が鞭のようにしなり、眞一郎の隣で震える朋与の頬に、稲妻のような一閃を見舞う。
鍛え上げられた比呂美の筋肉は、憎悪という燃料を得て、凄まじい破壊力を見せた。
朋与の身体はバランスを崩し、除雪された雪塊の上に倒れ込んでしまう。
「比呂美ッ!!」
筋違いな叱責なのは承知している。それでも眞一郎は叫ばずにはいられなかった。
「…………」
表情を隠し、逃げるように走り去る比呂美。
眞一郎の脚は反射的に追いかけようとするが、その資格はない、という思いが脚を止めてしまう。
「馬鹿っ!早く追って!!」
雪塊から身を起こした朋与が、頬を赤く腫らしながら叫ぶ。
だがその時には、もう比呂美の姿は遙か彼方に消え去っていた。
…………
眞一郎はしばらくの間、その場に立ち尽くしていたが、すすり泣く朋与の声を聞いて我に返った。
両脇に腕を差し入れ、朋与を抱き起こす眞一郎。
「……『朋与』……大丈夫か?」
眞一郎はあえて、一年前の誓いを破った。だがそれは比呂美への裏切りや決別では決してない。
朋与にもそれは充分過ぎるほど分かっていて、喜びを見せることはなかった。
「うぅ……ごめん…………ごめんなさい……ぐすっ…うぅぅ…わた、私の……せいで……」
朋与を落ち着かせるように抱きしめ、背中を擦りながら、眞一郎は首を横に振った。
「違う。朋与のせいじゃない。全部、俺のせいなんだ」
そう……全部ちゃんとすると言ったのに……本当の意味で『ちゃんと』してこなかった自分の責任……。
比呂美の涙を拭うと誓ったのに、また悲しみの涙を流させた責任……。
(何やってんだ、俺っ)
眞一郎は、自分と比呂美の間に残っていた、最後の壁……見えないフリをしていたそれに、立ち向かう決意をした。
今度こそ、本当の自分を比呂美に見せなければならない。
たとえ比呂美が許してくれなくても…………。
561名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 01:30:57 ID:4rCfE2Yh
う、うわああああ
562名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 01:35:36 ID:yA/I356r
オラもうDoki×2が止まらねえよ
563名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 02:18:26 ID:/pnvDcL2
た、た、大変なことにいいいい
564名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 02:33:37 ID:J0m0spV1
なんかもう本編よりこっちの方が楽しみになりかけてる俺がいるw
565名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 02:39:49 ID:4rCfE2Yh
ここで4番か…
566名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 03:04:33 ID:scm43p1K
あわわわわわ
そりゃこうなるわな・・・男の見せ所だけど、どうかな
567truetearsVSプレデター(18:2008/03/13(木) 20:56:39 ID:gQsfD3Wc
     ,. - 、   〈〉
    彡`壬ミ   || 
   用ノ哭ヾ二=G    < ttパロ盛り上がってきましたな
   〈_〉〉=={   ||      
   {{{.《_甘.》   ||
    {_} {_}   ||
   ム' ム

竜巻に上げられたように眞一郎は純に投げ飛ばされると、石動邸前の道路を飛び越えて電柱に激突し、
そのまま収集日を守らないゴミ袋の山に落下した。
「ぐぇっ・・・」
生ゴミのクッションで助かったもの、背中には赤紫色の痣が何ヶ月も残るだろう。
しばらくは独特の悪臭と感触にも気付かないまま、腹なり顔なり背中なりの痛みが五体を征服していて、
考えることもままならず丸くなって呻いていた。
(こんな遅くに女がらみで押しかけるのは非常識だったか・・・)
普段の純からおよそ常軌を逸した行動は、まともな暴力に触れたことのない眞一郎に体ばかりでなくショックであった。
(親友ってこともないが、そこそこ繋がりもあったのに・・・どうやらそれも失っちまったらしい)
三代吉や愛子にもそうだが、自分の鈍感は随分ひとを傷つける。となればこれは相応の報いというべきか。
結局、手がかりどころか痛手まで負わされて痛みと後悔の海に浸っていると、頭上から涼やかな声がした。
「そんなとこで寝れるなんて意外と逞しいのね」

「おまえ・・・寝てたんじゃないのか」
石動乃絵。たった今、手酷く自分を痛めつけて追い返した美男子の妹にして、学内きっての変人。
「どこかの常識知らずさんが押しかけるまではね」
人に見られる恥ずかしさから逃れるため、眞一郎は動かすたびに悲鳴を上げる全身を無視してゴミ山から這い出る。
「ぐっ・・・わ、悪かったなぁ・・・ごほっ!」
フラフラとしつつも立ち上がるゴミまみれの少年。皮肉にも純のくれた濡れタオルで汚れた顔や手を拭っていく。
「・・・ごめんなさい」
頭痛と耳鳴りではっきりしない眞一郎にはよく要領を得られない。
「え?あ、あぁ、イツツッ!」

乃絵も別に受け答えは期待してなかったようで話題を切り替える。
「──で、眞一郎はこんな夜更けに湯浅比呂美がいなくなったから探してるのね?」
ゴクリッ
「ん?あ、ああ。母さんも探しに出たみたいだけどずっと戻らないし、携帯も通じないんだ」
「それで、ここにいると思って来たけど、ここにいなかった」
「・・・ごめんな」
「で、どこにいると思う?」
無根拠にここしかないと勝手に決め込んでいたから他に考えもしなかった。
「さぁ・・・えと、友達のとことか?きっとバスケ部の朋与のとこか、もしかして‘あいちゃん‘かも。
ひょっとしたら母さんともう会っててどこかで説教食らってるか・・・」
568truetearsVSプレデター(19:2008/03/13(木) 20:57:09 ID:gQsfD3Wc
実際はレイプ集団と殺し合いを演じた挙句、宇宙ハンターと私設軍隊の抗争に巻き込まれて生死の境を彷徨っていた。
などと知る由もない眞一郎の話をじっと聞いていた乃絵は、少し沈黙したまま暗い夜空の向うに眼を向けた。
遠くの彼方で微かに光が瞬くが、地下の送電線の緊急修理という名目で交通封鎖をしているので誰も疑問は抱かない。
「そうね・・・多分、全部外れ。だから一番ありえない・・・ううん、あってほしくないと思うアテを探せばいい」

振り絞った答えをおざなりに否定されたうえ、不明瞭かつ不快な答えに、なんだか腹が立ってきたが、ふと雷轟丸のことが浮かぶ。
あの無鉄砲な黒い羽の最期にはどういった伏線も予報もなく、ただ結果のみが横たわっていた。
となると、この暗闇で影さえ掴めない比呂美にも同じことが起こっている、ということなのか。
ただの偶然、運のツキ。こちらがいくら注意を払っても拭えない現実の隙間に落ちてしまったのならば、どうすればいい?
「どうすればいい?」
「さぁ、私には分からない。でも眞一郎にはきっと分かる」
なんという謎かけか。自分には出来ないといってどうして俺には出来る!?
「どうして!?」

乃絵の瞳が眞一郎を捉えて、煌くように微笑む。
「あなたが彼女を探しているから。どんなに離れていても、想い続ける限り仲上眞一郎と湯浅比呂美の絆は切れないわ」
澄んだ明快な言葉で、彼女は続ける。
「きっと見つかるわ。あなたの足がそこに向かっているのだから」
不安で曇っていた胸のうちに風が吹きぬけた心地になる。
探すしかないのだ。それはきっと自分にしかできないし、ほかにできることもないのだから。
「わかった!ありがとな!」
一旦気持ちが奮い立つと、これ以上の長居は無用とばかり、自転車を立て、よろめく足を踏ん張って駆け出した。

外灯に導かれるように奔っていく眞一郎を静かな笑顔で見送った乃絵は、その背中が見えなくなるとそっと呟く。
「・・・でも、探すことを諦めたら見つからない。どんなに傍にいても絶対に・・・」
569あさみの願い 4:2008/03/13(木) 21:29:45 ID:k370dD5k
そんな事が何日か続いたいつもの平穏な日々の金曜日
授業も終わろうかというその時、先生の一言で大きく変わった。
「仲上ぃ〜お前課題の提出今日までなんだがお前だけ出てねぇぞ」
「げぇ!忘れてた!!」
教室に笑いが起きる。
「今日の日直誰だ?」
「あ!・・・はいっ!」
あさみが返事をする。
「あさみか・・・仲上が課題提出するまで残って面倒みるように」
「えーっ!?何で・・・私が?」
「日直だし・・・頼んだぞ」
不満げなあさみは周りを見る。
朋与が「頑張れ」とでも言いたげな表情をしている。
眞一郎は手を合わせ「悪い」とあさみにジェスチャーをした。

「眞一郎頑張れよー」
「ちきしょー!三代吉手伝え!」
「お前が悪いんだろ?俺あいちゃん行くわ・・・じゃーな!」
「くっそ・・・三代吉のヤツ・・・」

そんな男同士のやりとりを見つつあさみは愚痴っぽく
「愚痴愚痴言わない!さっさとやる!」
「はいはい・・・」

「じゃーね!あさみ!頑張って」
「ハイハイ・・・」
あさみの友達たちもあさみに一言声をかけて帰っていった。
そうして放課後の教室は二人だけになった。
570あさみの願い 5:2008/03/13(木) 21:30:51 ID:k370dD5k
「お互い冷たい友人を持つと大変だね」
「ああ・・・そうだな・・・」
そう言いながら眞一郎は必死にノートに向かって課題を片付けている。
「あーあ・・・カラオケ行きたかったなぁ・・・」
「・・・悪かったな・・・俺のせいで」
「いいよ・・・この後私の用事にちょっと付き合ってくれたら」
「ああ・・・分かった」

大した用事じゃないんだろうと眞一郎は安請け合いの返事をした。

黙々と眞一郎が課題をやっている。
あさみは携帯をいじりながら
「仲上くんさ・・・比呂美の事好きでしょ?」
「なっ!」

あさみの言葉に眞一郎は驚いた。
「赤くなったー!やっぱりそうなんだ・・・」
「うるさいな!」
分かっていても事実を確認するとショックである。
「じゃあ何で石動さんと付き合ってるの?」
「お前には関係ないよ」
眞一郎の機嫌が少し悪くなったようだと感じた。
きっと触れられたくない問題なんだろう。
「仲上くんさ・・・」

そう言いかけた時
「終わったー!悪かったなあさみ!ちょっと先生のところに課題提出してくる!!」
そういうと足早に眞一郎は職員室に向かった。
571名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 21:31:36 ID:9mHB4hfW
>>569に期待
572朋与男:2008/03/13(木) 22:01:11 ID:XqNt9hrj
プレデターさん、あさみの人さん、乙でございます。

ウチも含めて、眞一郎が積極的に動いてますね。
やはり10話の影響力は尋常ではない!
それと、あさみの人さん……ご苦労お察しいたします。
考えてみれば、あさみには苗字が設定されてない!!
ヒロシ、ママン、丁稚と同様、
表記する時にいろいろ制約を受けて大変でしょうが、
どうか頑張ってください。期待してます。
573名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 23:37:16 ID:7dRqrDpD
しかしプレさんの舞台の富山は凄いところだな…
住んでる一般市民の身体能力や意識も俺たちの知る日本とはまるで別物だ
574名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 23:40:27 ID:64c0bqOa
確かに10話はかなりの・・・。比呂美のキャラが明るくなったり、乃絵が真っ黒くなったり、新しいのが書けそう!?
575truetearsVSプレデター(20:2008/03/14(金) 03:14:50 ID:LJhYqifQ
     ,. - 、   〈〉     毎度ようこそのお運びで厚く御礼申し上げます。
    彡`壬ミ   ||      ttパロ書きプレデターでございます。
   用ノ哭ヾ二=G    <
   〈_〉〉=={   ||      保守及び新作投下し易い空気を作るためだったのに、
   {{{.《_甘.》   ||      現行連載最古にして今スレ最長になってしまった「truetearsVSプレデター」。
    {_} {_}   ||      おかげで記念すべき‘20‘まで到達。今回は総集編です。
   ム' ム         
                スルーしてたあなたもこれだけ読めば安心!

概要・・・truetearsにプレデターがきたら、というお話。の筈が、もはやプレデターの世界にttが来てる。

あらすじ・・・ある晩比呂美はレイプ集団に襲われる。恐怖の中覚醒した比呂美は、彼らを返り討ちにする。
       彼女に敬意をもってプレデターが現れるが、それを追って大企業ユタニの私設軍も登場。
       果たして比呂美とプレデターの出会いは何をもたらすのか。
各話紹介
430 ある晩、お使いに出た比呂美は大学生レイプ集団に路上拉致される。
433 一度は屈した比呂美だが、突如反撃にでる。 
435 瞬く間に5人を葬り、ついに1対1に。
438 敵の男もとうとう本気になってきた。
441 一進一退の攻防が続くが、男のパワーに叩き潰される比呂美。危うし!
446 危機一髪、少女は生き残る。しかしそれもつかの間、プレデターが現れた!
457 おわり
466 やはり続く。プレデターとしばし心を通わせる比呂美。
479 メタネタ。いみはない。
485 プレデターに襲い掛かる大企業ユタニの戦術部隊。
487 富山が戦場となる。
488 逃げようとする比呂美を襲うレイプ集団の生き残り。
489 だが修羅場をぬけてきた比呂美の敵ではなかった。しかしその直後、比呂美の脇腹を銃弾が抜けていった。
                            /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶
                           , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
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                          |:.:.:,.-、:!:i:.::.:.i/ / `ヽ、j |li::!:::.:.j:ハ:.:.:.:!:.:.:.:.i.:.|    <>>492
                          |:.:.ハ ∧!::.:.:K'示ミ、ヽ` 川:::.:/| }:i::.i:.:.:.:.:川
                         l:.:{ r'7  ';::.Uヒゞク `  ノj/ニ¬!|::::.:.:.:.:リ|:!
                         |:.:.い.}  丶:ト、`¨      7圷Y亅/:.:. / リ
                       ,l:.:.:!`ー┐  `      ,  ヒヴ ´ノイ::.:./ /′
                        /j:.:.ハ:.:.:.ぃ        j    /:::/:./l
                         /:.:':./:.::',:.:.:.:',、    - .._ ´   /:::::イ:.イ:.:|
                     . '´_;/.::::ハ:.:.:.:i \   `ー ′ . イ:::::::::::.:.:.l:.:.l
                   //⌒ヽ`ヽ:.:.:.:.:}:.:.:::}  \_,,. ィ爪::!:::l::::::::::::.:.:.:l:.:.l
496-497 カーセックスに励む丁稚とママン。
527 頑張るプレデター。
534 比呂美を探す眞一郎は4番のところに押しかけるが、からかわれて追い返される。
567-568 乃絵は眞一郎を励まし、道を示す。
576名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 04:32:23 ID:vL3ZPXzk
>>572
朋与の職人さん毎度GJなんだけど
なるべくsageるのとコテで変に雑談したり
他の職人にレスするのは避けたほうがよろしいかと
馴れ合いはあんまり好まれないと思います
577名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 17:00:24 ID:Erl+NvYR
>>576
このくらいならいいんじゃないのかな?
俺は一度だけ超へった糞なSSを別のところに投下したんだが、
コメントや色々アドバイスもらえて嬉しかったな。
特に、先輩であるSS職人さんのは有難かったね。
578名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 17:50:05 ID:K01qJwTF
とりあえず三つの続きが早く読みたい
579名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 19:01:30 ID:l16MlWTP
比呂美
プレデター
あさみ?

3人とも頑張って!
580名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 11:35:01 ID:sQDooZQY
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
581truetearsVSプレデター(21:2008/03/15(土) 13:45:33 ID:5PO4z2eI
自転車の遠ざかっていく回転音が、隙間風にのって微かに聞こえる。
「・・・全く、勝手にしてくれ・・・」
純は心底ため息を吐きながら、再び寝床に潜った。しかし、目は冴えてしまう。
時は金なり。こっちは青臭い小僧の恋愛劇に付き合ってる暇などないというに、
愛だ恋だを理由にすれば人殺しもまかり通ると思ってやがる青春野郎の迷惑このうえない。
しかしああいった男子に発情する女子がいるんだから、それもまた始末が悪い。
それが妹ときた日には・・・いやそれは構わんが、そのライバルが湯浅比呂美だったことがまた不幸。

気がつけば過ぎたことにネチネチと執着している浅ましい自分がいる。
「つくづく・・・振り回されるな・・・」
どうにも男の生理ってのは身勝手なもので、たかだか数回(数は忘れたが)体を重ねただけで、傲慢な独占欲が沸いてくるらしい。
別に桃色の思い出などなかった。らしく恋人ごっこをして、お決まりの修羅場でお別れするまで、
せいぜいお互い楽しみましょうってつもりだったんだが・・・あの女め。

「お兄ちゃん・・・起きてる?」
気がつけば乃絵が枕元まで来て、暗闇からそっと見つめていた。表情はよく分からないが、枕を抱えているらしい。
それにしてもよくよく見下ろすのがすきだな。ご褒美は縞パンツ鑑賞券でひとつ。
「ん、あぁ・・・よかったのか?行かせて」
問いに答える代わり、ノソノソと布団に潜り込んでくる。別にいちいち了解もとらないし、こっちも聞かない。
どうせ、聞く子でもないしな。
「眞一郎は大丈夫かな?」
責めるような響きはない。だから、一層バツが悪くなってしまう。
「ごめんな」
クスッ
乃絵が笑ったのが伝わる。そうして、そのまま体温がはっきり分かるほどに身を寄せてきた。

心の奥から温もりが溢れてくるのが分かる。幸せになってほしい誰かが傍でそうなるほど嬉しいこともない。
今それが見つからないアイツの苦しみは察して余りある、か。
「眞一郎もそう言ってた、ごめんなって」
マジかよ・・・前言撤回
「俺のほうが気持ちがこもってる」
また笑った。しかし今度はうれしくないね。ちっともうれしくない。
「お兄ちゃんと眞一郎似てる」
あー勘弁してくれ。
「・・・一番いわれたくないことを一番いわれたくない相手からいわれたんだが」
「うん!」
乃絵がオレを抱き枕のようにギュっと抱え、肩にフニフニと頬をすり寄せてくる。
つくづく乃絵には勝てん。・・・し、しかし、しかしこれは我慢の・・・・・・

「限界だぁ!」
「えっ・・・キャ!」
体を転がして腰に圧し掛かると、馬乗りになって膝で腕を押さえ、上半身をガッチリ拘束してしまう。
「いけない妹にはお兄ちゃんがお仕置きしないとな・・・さ〜て、今夜は何が、い・い・か・な?」
トラウマスイッチが発動した乃絵は、四肢をガクガクと震わせ、目に一杯の涙を溜めながら、
カチカチとカスタネットのように鳴る歯で懸命に許しを懇願する。
「お、おおにいちゃ、んん、や・・や、やめて・・・お、おねがい・・・」
しかし一度怯えた獲物に、容赦する獣はいない。むしろその味を甘美にするだけだ。
「では──そのかわいい悲鳴をたっぷりと・・・」
乃絵は拷問台に運ばれる囚人のように、或いは今にも水に沈まん鳥のように必死でもがくが、現実は逃走をよしとしない。
「聞かせてもらうぞぉぉぉー!!!」
そして勢いよく、乃絵の胸のボタンを引きちぎった。
「やめてぇー!!!」

「キャー!助けてー!H!チカン!キンシンソウカン!オカサレルー!」
乃絵がギャーギャーと泣き喚きながら笑い転げる。それでも逃げようとジッタンバッタン暴れ、わけもわからない呪詛を撒き散らす。
だが、四十八の乃絵拷問技がひとつ「純のくすぐり技・クライマックスバージョン」にかかっては何もかもがただ空しい。
しかし、うっかり人に見られたら通報間違いなしのスキンシップだな。
嗚呼、仲良きことは罪深きかな。
582プレデター:2008/03/15(土) 15:06:21 ID:5PO4z2eI
>>576
朋与男さんは昔から今のように米してて、最近コテしただけなんで、いいんじゃないでしょうか

     ,. - 、   〈〉     それはそうと>>575で今スレ最長とかいってますけど
    彡`壬ミ   ||      最長は>>409の〜ある日の朋与 34〜でしたね・・ごめんなさい
   用ノ哭ヾ二=G    < これは35まで書かねばって、ムリムリ
   〈_〉〉=={   ||      
   {{{.《_甘.》   ||      
    {_} {_}   ||      
   ム' ム
583truetearsVSプレデター(22:2008/03/15(土) 20:36:06 ID:5PO4z2eI
──大気圏軌道上、各国の探査衛星の綿密な監視にもかからず、一機の宇宙船が停泊していた。
怪奇な外装とは裏腹に、船内は広く快適で、地球の文明を遥かに凌駕した科学によって維持されていた。
その中で跋扈し各々の作業に従事する獣たちの模様。
あるものはせはしなく船内の状態をチェックし、あるものは戦利品を丹念に磨き至福のときを過ごす。
頑強な室内で過酷な鍛錬に励むものや、精密な武器のメンテナンスに熱中するものもいる。

そのうちの一体、こと観察を好み、研究に熱心なとある個体が、地上で精を出す仲間の情報に注意を引かれた。
モニターにその地形、敵の数、規模、健康状態などが詳細に映し出される。
情勢はかなり危うく、現地の戦闘部隊に強襲され、その物量作戦に押されつつある。
いや、肉体の消耗と比すれば、いずれ倒れるのは必至というべきか。
だが、たとえ仲間の窮地であろうと彼らの文明には助けたりするという考えはない。

不意の攻撃であれ、一度狩り場に出たものは一個の戦士であり、
その崇高な精神は、与えられた武器と肉体によってのみ守りぬくことこそ誇りとするのだ。
途中で力尽きようと、果敢に闘ったのなら、その勇猛は永久に継がれるだろう。
外から助力を与えることは、彼らの文化、歴史、矜持、何よりその者に対する冒涜だ。
何より予期せぬ試練を超え、勝利を成してこそ地位と栄誉、そこに見合う尊敬と得られる。
敗れたものは己の責任で全てを滅すのが最後の務めであり、
仲間にできるのは完遂できなかったとき、それを代わることだけだ。


「・・・・・・・・・ォォォ」
誰かが呼んでいる。その叫びはずっと遠くからにも聞こえたし、ほんのすぐ近くにも思えた。
ただ確かなのは空耳や幻聴の類ではなく、確かに存在を感じたことだ。
「ォォォォォォォォォオ・・・」
飛行機がずっと遠くから近づくように、何か巨大な圧力がそこいら全体から被さってくる。
と同時に、急速に周囲の感覚が鮮明になり、ぼやけていた輪郭がクッキリと浮かんできた。
「オオオオオオオオオオオオンンンッッッ!!!」
「はっ!」
混濁していた湯浅比呂美の意識が現実に引き戻された。腹に銃弾を受けたあと、ショックで気絶していたのだ。

「んんっ・・・」
手足に力を送り、感覚を確かめる。どこも異常はない。
何時間も眠っていたように思っていたが、気を失っていたのはほんの数秒、いや一瞬だったらしい。
「まだ生きてる・・・」
言い聞かせるように呟くと、辺りを見回す。ここはレイプ男たちの乗ってきたバンの運転席だ。
後部座席は彼女が荒らしたせいで、けっこうな惨事だが、こちらは綺麗に片付いている。
フロントガラスにひびが入っていて、そこから弾が来たのかと思ったが、さっき自分で蹴り上げたものと気付くと可笑しくなった。
「・・・さて、と」
一息ついたのが良かったか、冷静を取り戻した比呂美は、引き出しや鞄を漁り、使えそうなものを探す。
流石というべきか、物騒なものを沢山所持していたようで、手当てに困ることはなかった。
封の開けていないブランデーを傷口にかけ、ホッチキスで周辺の皮を閉じると、ガムテープで腹をグルグル巻きにして、
ロープできつく縛る。学園の才女にしてはお粗末な治療だ。
「ここにいると助からないわね」
自分を巻き込んだ巨大な怪物はきっとあの瓦礫の城の中で、外から来る兵隊をどうにかしているんだろう。

もう一度よく周囲を伺うと、空にはヘリが飛び交い、あちこちの道路にも壁のように建設用の車両が並んで、道を封鎖している。
とはいえ、それらも安全でないようで時折打ちあがるプラズマキャノンが火の玉に変えてしまう。
変幻自在のプレデターは時折、幽霊のように遠くまで現れては、殺戮をたっぷりとして、
警戒網が集まると、盾と罠を込めた塹壕に戻って待ち伏せ追っ手も砕く。
そうしてどうにか、敵の猛攻をやり過ごしていたが、幾重にも敷かれた警戒線を突破するまでには至っていなかった。
しかし、これだけ監視の目が注いでるにも関わらず、比呂美が無視されてるのは幸いだった。
ユタニ軍はプレデターの動きを逃すまいと躍起になっているので、民間人の少女など眼中にないのだ。
584truetearsVSプレデター(23:2008/03/15(土) 20:36:38 ID:5PO4z2eI
「どうしようか」
できればここでやり過ごしたかったが、一刻も早く適切な治療を受けねばいずれ危うい。
とはいえ、この車でユタニの敷いた非常線を突破するのは、映画のヒーローでもなければ無理だ。
彼らに保護してもらう、と以前なら真っ先に考えただろうが、そんな甘い発想はさっきぶっ飛んだ。
彼らは明らかに自衛隊とか、警察とか、一応まともで公な身分のある連中ではない。いってみればワルモノだ。
宇宙人の大捕り者に立ち会ったか弱い目撃者を、親切に生かして帰すとは思えない。
とにかく憶測で悩んでいる暇もないが、こんな時だからこそ、1%でも生存の近い道を探すべきだ。
「・・・助けが必要ね」
しかしさっき脱いだ自分の服から見つけた携帯電話も、圏外の一点張りだった。死体のレイプ犯たちのも同様だ。
「孤立無援・・・四面楚歌・・・」
頭を抱える比呂美。絶望する余裕もないが、途方に暮れて仕舞うのも止められない。

ふと黒い鶏のことを思い出す。雷轟丸と地べた。たしか飛ぼうとして狸喰われたとかで自分が墓を立てたアレだ。
本来、亡くなった両親を想って天に救いを請うのがベタだが、死人が役に立たないことはよく分かっている。
それより、あの2羽のうち、どうして片方だけ助かったのかがヒントになる気がする。
たとえば、狸はきっと今自分を囲んでいる軍隊。雷轟丸が凶暴な怪物で、か弱い少女は真っ白な地べたか。
いや待て、それは安直な置き換えだ。発想はもっと別にある。
狸にとって2匹とも餌だったのになぜ活発な雷轟丸を選んだか、である。
適当に一匹食べて結果的に一方が救われだけか?
黒い羽がおいしく見えたり、暴れたりするのが嗜虐心をそそったからか?
「違う」
人間の発想は捨てろ。狸にとってあれは給食や遊びではなく、狩りなのだ。
鶏にも硬い嘴や爪があり、油断すれば目を抉られる。万一にも負けられぬ真剣勝負であり、油断の入る余地はない。
そういえば自分もついさっき狩りをしたといえる。怪物も今狩りをしているのか。兵隊たちも怪物を狩ろうと必死だ。
ただ今、自分は興味を注がれていないだけで、視野に入ればたちまち引き裂かれるだろう。
「弱いから死んでいく?・・・」
単純な真理、いやそれが本当であるほど、多くが傷つく故、隠された公然の理。
しかし、その優しい幻想に大勢が憑かれ、明白な事実さえ歪んで見ていることに気付かない。

狸は雷轟丸が地べたより容易だと見た。だから喰ったのだ。
平生の振る舞いがどうあれ、どちらが強かったかなど火をみるより明らかだった。
無論ときには臆病も知恵だ。返せば、敢えて死地に向かったほうが助かることもある。
虎に囲まれている今は、虎の穴をくぐるときなのだ。

「私も飛ぶ。飛んだふりも、飛んだ真似も、飛べる理由もいらない。飛ぶだけ」
シートベルトを締め、ハンドルを握る。
生存を勝利とするなら、この場合強さや武器はそれを決定しない。いかにその状況を動かすかだ。
比呂美はキーを回して、今一度勝負に出た。
585名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 03:41:06 ID:TJoff/fe
4番殺したくなってきた
586名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 10:40:02 ID:5Dk54FJ6
今回の比呂美はまるで別人だったな
眞一郎を押し倒さんばかりの勢いだった
乃絵から引き離すために体を使うぐらいやりかねない
石動兄妹への容赦のない敵意にはゾクゾクした
587名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 21:05:31 ID:9dzHZ1N5
なんか今回の流れだと最終的に乃絵ENDな気がした。
12話の祭で本当の自分の姿を見つけた眞一郎が
乃絵が好きなことに気づいて乃絵に告白。
そして最終回で乃絵に告白して乃絵は歓喜のあまり
涙を流す。
そのあと眞一郎は比呂美のアパートに行って比呂美に
「本当は乃絵のことが好きだった、だから乃絵に
告白して乃絵とつき合うことになった。
だから比呂美の気持ちは受け入れられない、ごめん。」
と言って謝る。
それを聞いた比呂美はあまりのショックに黒化して
ヤンデレモードになり眞一郎をむりやり押し倒して
むりやりSEXして処女をささげる。
しかしそれでも眞一郎に拒否された比呂美は絶望のあまり
涙を流しながら部屋にあった包丁で眞一郎を何回も刺して
殺してしまう。

というスクイズEND小説を誰か頼む!
588名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 21:25:24 ID:2lfYWvc9
どんだけ比呂美を突き落としたいんだよ
589名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 21:43:23 ID:bID6+ljJ
比呂美はいい子なんだよ。
ただ素直になれなくて自分のスペックを生かしきれてないだけなんだよ。
そうだな、例えるならば、
ギニューがゴクウの体と入れ替わったときギニューはその15万パワーの力を生かしきれてなかっただろ?
それと同じだ。
590名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 22:46:56 ID:xuVfXedK
>>589
ということはクリリン(丁稚)にもまだチャンスはあるんだな。
591名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 00:18:12 ID:uD7BTBMR
こういうつらい時期だからこそ眞×比の話が読みたいわけです
592名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 01:03:05 ID:05+lwrBp
このスレの比呂美は本放送以上に凄い目に遭ってるよな
4番と肉体関係持ったり親友と修羅場ったり
果ては輪姦されかけた挙げ句、プレデターと遭遇して戦闘に巻き込まれて…

でも比呂美は負けない!比呂美強い子!
幸せになってほしいなぁマジで…
593名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 01:12:46 ID:VsqPepHJ
ここで空気を読まず小ネタ投下


「ねえねえお母さん、この写真ってお父さんだよね?」
「そうよ、たしかお父さんが高校生の時に祭りで花形を務めた時に撮ったものね」
「じゃあ、お父さんと一緒にうつってるこの人だぁれ?」
「判らない?それはお母さんよ」
「えー? うっそだー、いまとぜんぜんちがうよー」
「あらあら、ひどい言われようね」

とは言ったもののそれが若い頃の私と気付けと言うのは無理だろう。
今でこそ髪を長く伸ばしている私も当時は頭皮の病気を患い、
衛生面の問題もあって常に短く刈り揃える事になっていたのだから。

それが長期に及んだ上、私も物事をあまり気にしない性分だったため
特にコンプレックスも覚えず気にもしていなかったので
私が片思いしていた眞一郎さんも含めて皆半ば本気で私が少年だと思い込んでいたらしいのだ。

酷い話とも思わないでもないが病気が完治して髪を伸ばし始めた私の姿に驚き、
それまでのギャップもあってか眞一郎さんは私を女として意識する事となり
結果、両想いになって結婚できたのは喜ばしい事ではあるのだが
594名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 02:48:30 ID:5BWJAhVZ
>>593
それ、酒蔵の少年か?
595名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 03:40:29 ID:05+lwrBp
>>593
えええええええええええええええ
予想外すぎて吹いたわww
596名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 16:55:30 ID:FdWVSeZ9
プレデターの小説は、nowhereを聴きながら読むとええ感じに没入できるな。

プレデターも♀で
「割と良い♂じゃない?良い戦士を生んでね!比呂美ちゃんガンバ☆」(超意訳
な落ちが頭をよぎった、まぁそれは無いだろうけど。
597あさみの願い 6:2008/03/17(月) 20:41:01 ID:xGvIHd4z
あさみが一人教室で待っていると、眞一郎がもどってきた。
「先生okだってさ。ごめん悪かったな。」
「珍しいよね。仲上君が課題忘れるなんて」
「そうか?」
「そうだよ。野伏君と違って真面目にやってる感じだと思ってた」
「そんな事ねーよ」
二人はそんな他愛の無い会話をする。
「あさみ・・・お前の用事ってなんだっけ?待たせた分、俺に出来ることなら何でもするよ」
「その前に質問なんだけど・・・」
「ん?何だよ?質問って・・・」
「じゃあ聞くね・・・」
あさみは顔を赤らめながら眞一郎に聞いた。
「仲上君・・・キスしたことある?」
「はぁ!?いきなり何言い出すんだよ?お前・・・」
「あるの?無いの?その感じだとした事ないのかなぁ?」
あさみは無理に、眞一郎をからかうような素振りをしたが、当の眞一郎はその様子を見抜くだけの
余裕は無かった。
「あるよ!」
眞一郎があさみのからかいをかわすように答えた。
嘘ではない。ただし、自分から自発的に女の子に対してキスをしたわけでもないが・・・
「へぇ・・・どんな感じ?聞きたい聞きたい!誰としたの?」
まるでおもちゃに興味を持った子供のようにあさみが眞一郎を見つめる。
「関係ないだろ。それにそんな思ってるほどのモンじゃないし」
「そうなんだ・・・私・・・した事ないからわかんないよ・・・教えてよ?いいでしょ?」
「あさみ・・・お前なぁ・・・」
「私の用事に付き合ってくれるんでしょ?キスして」
眞一郎はすっかりあさみに主導権を握られてしまった。
598あさみの願い 7:2008/03/17(月) 20:43:47 ID:xGvIHd4z
「分かったよ」
「やった!」
あさみの喜びようは本心だった。
自分が好きな人とキスをする。女の子にとってこれほど嬉しいことは無いだろう。
誰も居ない薄暗くなった教室で二人の唇が重なった。

「んっ・・・」
(私・・・仲上君とキスしてる・・・比呂美ごめん・・・)

心の中であさみは比呂美に謝りつつも眞一郎とのキスに夢中になった。
そうしてお互いいつの間にか舌を絡ませるほどになっていた。
そして眞一郎に堅く抱きしめられていた。
眞一郎に抱きしめられているという事実も心地良いスパイスとなって更にあさみを
夢中にさせた。

ほんの何秒かの時間だったが、あさみにはとても長い時間に感じた。

そして二人の唇が離れる・・・
「な?思ってるほどじゃないだろ?」
(すごい・・・気持ちよかった・・・ウソ?濡れてる・・・)
あさみは自分の生理現象に驚きながらも、眞一郎の言葉にうなずく
「そだね・・・レモンの味とかイチゴの味がするって言うのもウソなんだね」
「当たり前だろ?そんな訳ないじゃん」
髪を触りながらあさみがつぶやく
「でも仲上君の味がした・・・これが仲上君の味なんだね」
「えっ?」

眞一郎は少女が見せた女の仕草に驚いた。
599名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 22:57:30 ID:d1aFfcna
続きwktk
600アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:44:57 ID:ccfVX9PW
比呂美×眞一郎投下します
本番はなく、キスのみです
601アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:46:51 ID:ccfVX9PW
見上げた空はどんよりと灰色を呈していた。
気候上の理由から、冬に富山の空が晴れ渡ることは滅多にない。
春の訪れの兆しはまだ感じられなかった。
眞一郎は、一人暮らしを始めた比呂美のアパートに向かって、凍った道路を歩いていた。
転ばないようにゆっくり踏みしめながら、同時にそこに行く理由を考えていた。
けれど、都合のいい理由を思いつけず、扉の前まで来てやっぱり帰ろうかと躊躇う。
しかし、そんなことできる訳もなく、結局長い逡巡のあとインターホンを押した。
僅かな間が、我慢できないほど不安に感じられた。
開けられた扉から覗いた比呂美の無表情だった顔が、
一気に明るくなるのを見て、そんな不安も吹き飛んだのだったが。
「入って」
招かれるままに部屋に入り、テーブルの傍に座る。
比呂美はお茶を入れてくれるようで、台所に立って湯を沸かしていた。
この部屋には昨日も来たというのに、比呂美は嫌な顔一つしない。
それが嬉しくもあり、その状況に甘えている自分が情けなくもあった。
曖昧でいる自分は、ここに来るべきではないのだ。
それはきっと乃絵も、比呂美も、侮辱していることになるのだから。
だが、ここに来れば比呂美は笑って許してくれる。
比呂美を笑わせるという、心の底からの望みが叶えられる。
それはどんな高価な物品にも代えがたい誘惑で、我慢することはできなかった。
「はい」
コトリと音をたて、目の前に紅茶の入ったコップが置かれた。
「おお、サン――」
顔を上げて礼を言おうとしたところで、目を見開いた。
眼前には比呂美の長い睫毛が小刻みに揺れていた。
唇に、比呂美の唇が押し当てられている。
それを認識し、感触が伝わろるか否かのところで、比呂美は唇を離した。
「…………全く」
比呂美がおかしくてたまらないかのように笑っているのは、
きっと自分が顔を真っ赤にしているからだろうと思った。
「お菓子切らしてたから、代わりよ」と比呂美は冗談めかして言ったが、
こんなお茶請けあっていいはずがない。
もちろん比呂美とのキスは最高級の菓子にも勝る美味なのだが。
昨日の初めてのキスからこっち、比呂美はこちらの隙をついては、所構わず口づけてきた。
この部屋の中ならともかく、眞一郎の実家や、あまつさえ学校でもしてくるのだ。
誰かに見られたらどうしようと慌てる眞一郎が、余計に比呂美をそんな気にさせているのかもしれない。
それでも、文句の一つも言いたくなる。
「なんでそんなにキスが好きなんだよ」
「眞一郎君は嫌いなの?」
紅茶を啜った比呂美が、いじわるそうな目で見下ろしてくる。
嫌いなはずがないと、眞一郎は無言で応答する。
「じゃあ、いいじゃない」と腰を下ろした比呂美を、やっぱりいじわるだと思った。
眞一郎の抗議の真意に比呂美は気づいているのに、あえて関心を示さない。
本当に嫌だったのはキスではない。
その時間がとても短いことと、不意をつかれていることだ。
まるで、犬の目の前に隠していた肉を見せて、それを認識した瞬間にまた隠しているようだった。
そんなことを何度も繰り返されていては、犬の口から涎が滴り落ち、海ができてしまう。
かといって飼い主に牙を剥けないのは、犬にはない複雑な事情が眞一郎を縛っているからだ。
602アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:49:59 ID:ccfVX9PW
「……はぁ」
それ以上抗議もできず、仕方なく紅茶に口をつけた。
「合い鍵使えばよかったのに」
話をいきなり変えられたため、比呂美が言ったことが理解できなかったが、すぐに理解する。
それは自分もどうしようかとつい先程まで悩んだことだったから。
「ん、ああ」
比呂美には合い鍵を渡されている。
それは数少ない、形に残る比呂美の気持ちの表れだったため、重要なものだった。
それを使って比呂美の部屋に入ることも、とても気分のいいものだと思う。
しかし、やはり後ろめたい気持ちがあって、使うことができなかった。
乃絵のことが一瞬脳裏をかすめ、気分が落ち込む。
それを知ってか知らずか、比呂美はそれ以上そのことについて何も言わなかった。
しかし、眞一郎にはわかっていた。
比呂美は賢者のように泰然としているが、内心はそうでもないことが。
比呂美の内からは、慈愛とは別に、憎悪にも似た激しい焦燥が漏れでているのが感じられた。
何か言わなければ、と思うのだが、一体何を言えばいいのだろうか。
焦る眞一郎の代わりに、言葉を発したのは比呂美だった。
「石動乃絵とは、どうなったの?」
だが、それが望んだ言葉とは限らない。
慈愛より焦燥が大きくなった気がした。
「乃絵とは、間が悪くて、会えていない」
こんなにも酷い言い訳があるのだろうかと自分で思った。
時期が合わないのならば、自分で会いにいけばいいだろうと、
眞一郎が比呂美の立場であったなら責め立てたことだろう。
「そう。大丈夫よ、私待っているから」
字面だけ追えばいじらしく見える。実際その様もそうである。
なのに、半分伏せられた青い瞳の奥に、灼熱の炎が灯っているように見えた。
「比呂美……」
眞一郎はたまらなくなって手を伸ばしたが、比呂美は立ち上がると風のようにそれをすり抜ける。
そして、降ってくる薄い雪を眺めるように、窓際に立った。
その様は、見えた途端に儚く消えてしまう幻のようだった。
「私が、いけないのかな」
ぽつりと呟く。
「……え」
「眞一郎君が、ちゃんとできないのは、私がいけないのかな」
ガツンと、鉄槌で頭を殴りつけられたような衝撃が走った。
そんなことを比呂美に思わせてしまっていたことを知り、自分を引っ叩きたくなった。
眞一郎はすぐ様それを否定した。
「違うよ」
「じゃあ、どうして?」
石動乃絵と別れられないの? と振り返った瞳が続けた。
603アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:52:22 ID:ccfVX9PW
比呂美の言っていることは絶対に間違っている。けれど、その理由を語れない。
実際に乃絵に縛られたままでいる眞一郎が何を言おうと、説得力がない。
無言で俯く眞一郎に絶望してしまったのか、比呂美はまた背を向けた。
「私が、つまらない女だから。眞一郎君にとってその程度の女だから」
止めてほしかった。そんな自分を徒に傷つけるだけの言葉を吐くのは。
しかし、それは自分が言わせているのだという事実が、
眞一郎に肌を突き破るほど強く自身の腿を握りしめさせた。
「どうすれば、いいのかな……」
比呂美はもう一度こちらを向き、俯いた。
泣かせたくなかったのに、他ならぬ眞一郎のせいで、涙が零れ落ちそうになっていた。
「比呂美……」
比呂美は、名前を呟くことしかできない眞一郎に歩み寄り、隣に座った。
磨かれた鏡のような大きな瞳には、眞一郎の顔だけが映り、視線を容赦なく縫い付ける。
瞳に映った像が段々と大きくなり、視界は闇に覆われる。
唇に柔らかな口唇の感触が広がっていく。
いつもより遙かに長いキスだった。
美酒を浴びせられたように、その感触のみに酔いしらされていく。
「石動乃絵とはこういう事した?」
唇を離した比呂美は無機質な鉄のような声でそう訊いてきた。
突然そんなことを言われたせいで驚き、つい乃絵とのキスを思い出してしまった。
それは、頬に軽く口づけるだけの、乃絵からの一方的なものだったが。
どう答えようかと難儀する間もなく、比呂美は不機嫌そうに言った。
「したんだ?」
顔に出てしまっているらしく、肯定も否定も意味を成さない。
「……ふうん。でも、あの子のことだから子供じみだものだったでしょうね」
馬鹿にしたように比呂美は呟いたが、比呂美の行為も子供のいたずらのようなものが多い。
そんなことを言うのが躊躇われたのは、比呂美を怒らせるのが怖かっただけではない。
比呂美の感情を何も映していない眼差しが、こちらを射抜いていたからだ。
蛇に睨まれてしまった蛙のように、眞一郎は身じろぎもできなかった。
「石動乃絵と私、どっちがいい?」
「……!」
磔られそうになったのを感じ、必死に逃げるように目をそらした。
答えが決まっていたとしても、そんな質問に答えられるわけがない。
無茶すぎている。
しかし、比呂美はそれが不満なようだった。
「はっきり答えられないってことは、そういうことよね」
「……違う」
「ううん、いいよ。分かったから」
604アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:53:14 ID:ccfVX9PW
比呂美は得心したようだったが、眞一郎は何も分からない。
その心に暗雲が立ち込めていく。
やはりこの状況は何とかしないといけないと思い始めた。
比呂美に甘えることが、比呂美を余計傷つけていくのだと、今の比呂美を見てよく分かった。
帰ろうと別れを告げようとした瞬間、比呂美に再び唇を塞がれた。
強引なキスに戸惑い、振り払わなければと思ったが、眞一郎にはできない。
眞一郎に比呂美の唇を奪う権利はなく、それを得られるのは、比呂美から与えられる時だけ。
ならば、その限りある瞬間は、例えどんな時であっても甘んじたい。
眞一郎は決意した瞬間、欲望に流されてしまった。
「んっ……ちゅ……はぁ」
ようやく唇を離した比呂美は笑んでいた。機嫌を直したなどと思えるはずがない。
その笑みはどこか冷たく、恐ろしく感じられたのだから。
「比呂美……」
呆けたように呟いている間に、比呂美は胡坐をかいている眞一郎の足の上に乗ってきた。
そのまま両腕を鎌のように眞一郎の首にかけ、後ろで結ぶ。
眞一郎の視界にはもう比呂美しか映っていない。
もう何度も繰り返された光景なのに、何故かそれが恐ろしい。
「分かったの。眞一郎君の心の底に石動乃絵が居座っているのなら」
その声は可憐であるのに、奈落の底から響いてくるようだった。
「追い出しちゃえば、いいんだって」
躊躇いもなく、比呂美は言った。
「……比呂美ッ! 俺は――んぐっ」
比呂美のしていることは無駄なことだと伝えたかった。
なぜなら最初から眞一郎の心には一人しかいないのだから。
しかし、発言は許されなかった。
何も聞きたくないと言うかのように、比呂美はキスをすることで眞一郎の言葉を飲み込んでしまった。
「んっ……ちゅっ……はむっ……あむっ……くちゅっ、ちゅっ」
今までのような軽いキスではない、深いキス。
言葉を発しようと開きかけていた口は、容易く比呂美の舌の侵入を許す。
舌はうねうねと蛇のように口内を這いまわり、あらゆる所を舐め上げていく。
口内だけでは飽き足らず、喉まで届かせようとするかのように、
比呂美は何度も顔を左右に振り、深く口付けし直す。
その度に指で水を挟み伸ばすかのような音と、比呂美の苦しそうな吐息が耳に届く。
605アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:54:15 ID:ccfVX9PW
「はぁ……ちゅっ、ちゅるっ……んっ……はっふ……はむっ」
美食を口にしたかのように、とめどめもなく湧き出た唾液が、口の端から零れ落ちそうになる。
比呂美はそれすら許さないかのように舐めとると、再びキスを続ける。
頭上から激しく攻められていると、自分の存在そのものを犯されているように感じた。
しかし、不快などでは決してなく、一分一秒でもこの瞬間が長く続けばいいと思っていた。
それでも、最後の抵抗だったのか、自分から舌を絡めることはしなかった。
二人の唾液がぐちゃぐちゃに混ざり合い粘度を増したものを、比呂美に流し込まれる。
顎を上げられていたせいで嚥下してしまったが、
そうでなかったとしても、そうしなかったかどうかは自信がない。
長いキスがようやく終わる。
比呂美は未知の洞窟を踏破した冒険者のような、満足げな顔をしていた。
僅かに頬が上気しているが、きっと自分はその比にならないくらい、
赤い顔をしているだろうと思った。
クスクスと笑いながら比呂美は頬をペロリと舐めてくるが、それは慈愛からではない。
これから食べつくす獲物の味を見ているのだ。
「……舌出して」
そして、哀れな獲物の僅かな抵抗は当然看破されていた。
「……比呂美、俺は――」
キスをされる前に言おうとしていたのと同じ台詞。
だが、そこに覇気はなく、続きもない。
比呂美もそれをわかっているからこそ、そこで妨げてきた。
「いいんだよ、気に病まなくて。これは私が勝手にやっていることなんだから。
眞一郎君は仕方なく従っているだけ。……石動乃絵への裏切りにはならない」
耳元で囁く比呂美の声がとても遠くからのように聞こえる。
耳を優しく撫でる言葉に、どんどん思考が支配されていく。
こんなこと間違っていると思いながらも、
これから先に比呂美がしてくれることを想像すると、抗いがたい。
自らそれを願うことは乃絵への裏切りになるだろう。
しかし、裏切りにはならない、という比呂美の言葉が、絶対の真実のように今は思える。
裏切りにならないのならば。
眞一郎はついにおずおずと舌を出してしまった。
良くできました、と子供をあやすかのように比呂美は頭を撫でてくれた。
心に浮かんだ罪悪感は、安らぎとともに急速に薄らぎ、消えていった。
代わりに満たされたは、途方もない快感。
「ちゅっ……じゅるっ、ちゅうっ」
突きだされた舌を、比呂美は思いきり吸いだした。
喉がひっぱりだされるような感覚を覚え、舌は比呂美の中へより深く吸い込まれる。
眞一郎はその中で手厚い奉仕を受けた。
比呂美の舌は、眞一郎のそれより遙かに薄く、
短いものであるにも関わらず、精密な機械のように器用に動く。
眞一郎は絡め捕られたが最後、比呂美の好き放題に愛撫された。
隅々まで舐られ、時折思い切り吸われ、甘噛みされる。
舌を絡めながら、どうして最初からこうしなかったのかと悔やんだ。
与えられる快感と、自分から得ようとする快感は、比べ物にならなかった。
といっても、眞一郎は積極的に動いているわけではなかったのだが。
ただ身を差し出せば、比呂美は十分に快楽を与えてくれたのだ。
「ちゅっ、んちゅ……ちゅちゅっ……あむっ……んはっ」
再び長いキスは終わりを告げた。
606アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:54:55 ID:ccfVX9PW
自分の顔は、その思考と同様、
熱されたチョコレートのようにどろどろに溶けてしまっているに違いないと思った。
比呂美にそれを見せたら何とからかわれるか分からず、
見せたくなかったが、意外にも比呂美は微笑したのだった。
からかうのでもなく、蔑むのでもなく、先程のような妖艶さもなく、
静かな森の中で安らぐように、とても幸せそうに笑っていた。
そんな笑顔を眞一郎は今まで見たことがない。
最初は呆然としてしまった。何故そんな笑みを見せるのかと。
しかしその笑みの真意にすぐに気づくと、愛しさが心の中で爆発を起こし、
何もかも忘れて、その唇に口づけてしまっていた。
「……え」
ぽかんとしたのは、今度は比呂美のほうだった。
何が起きたのかわからず、口を半開きにし、唇に指をあてている。
「……な、んで」
眞一郎からキスをするなどあり得ないことだと思っていたのだろう。
眞一郎も『ちゃんとする』までは、絶対にしてはいけないと思っていた。
明確に交わされた約束ではないが、二人の中でそれは暗黙の了解だった。
もちろん快楽を得ようとしたキスではないことは、比呂美も分かっているだろう。
比呂美の顔がみるみるうちに赤くなり、破顔していくのが分かった。
年相応の少女らしい反応は、妖艶なそれよりも、比呂美にずっと似合っていると思った。
「……どうして?」
さっきしたキスの方がずっと嫌らしく恥ずかしいものであったはずなのに、
それをした少女は軽く触れるだけのキスで零落し、上目遣いで恥ずかしそうに問いかけてきた。
こんな比呂美を弄ぶチャンスなど滅多にないだろうが、流石にそれはやめておく。
「しちゃいけなかったか?」
ふるふると怯えた小動物のように比呂美は首を横に振った。
「じゃあいいだろう」ともう一度比呂美の唇を奪った。
そうするたびに、乃絵の顔が脳裏をよぎり、断頭台にかけられるような感覚に襲われる。
だが、首を斬られたって構わない。自分はこうしていたいのだ。
未だ納得がいかず不思議そうにしている比呂美を、ぎゅっと胸に引き寄せ抱きしめる。
別に、大層な理由などなかった。
ただ、嬉しかったのだ。
比呂美も自分と同じ気持ちでいてくれていたことが。
相手を幸せにすることが、自分の何よりの幸せだと、感じてくれていたことが。
しばらく言もなく抱き合っていると、比呂美が急に肩を押し離れた。
607アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:55:28 ID:ccfVX9PW
ドキリとしてしまった。
比呂美は顔をくしゃくしゃにし、ぼろぼろと大粒の涙を流していた。
涙をセーターでごしごしと無理やり拭うと瞼が真っ赤に腫れあがった。
「ああ、もう、ちょっとまて」
たまらず立ち上がり、少し離れた場所に置かれたティッシュ箱を取って戻ると、
まとめて取り出し比呂美の涙を拭ってやる。
鼻水まで流れだし、涙と混じって、比呂美の顔は滅茶苦茶なことになっている。
折角の美人が台無しだった。
比呂美はぐずぐずと泣いており、何か不明瞭に呟いていたが、
とにかく顔をなんとかするのが先決だった。
ティッシュを鼻にあてて、かませてやる。
ちーんと必死で息を出すその姿は、思いがけず可愛い。
それを何度か繰り返すと、ようやく落ち着いてくれたようだった。
そうしている間、比呂美の涙の理由を考えていた。
嫌な感じはしなかったから、きっと嬉し涙だろうと考えてしまうのは、傲慢だったのだろうか。
比呂美は予想に反して、ぷいと顔を背けてしまった。
「……眞一郎君は」
今度ははっきりと聞こえた。
「眞一郎君は、私のこと、泣かせてばっかりだよね」
その通りだったが、嬉し泣きも少しはあるんじゃないか、と反論したくなった。
「反省しろ」
急に振り返り、鼻の頭に指をつきつけられた。
その口調と顔が余りに可愛くて反論は霧散してしまった。
「ああ」
はっきりと比呂美の目を見ながら答えたのが気に食わなかったのか、
むすとした様子でまたそっぽを向いてしまった。
しかし、これで比呂美も眞一郎の気持ちを理解してくれただろう。
ならば、これ以上は何も必要ない。
眞一郎は弛緩した空気の中、帰るために立ち上がろうとした。
だが、突然その腕が思い切り下に引っ張られたため、態勢を崩し、寝転がってしまう。
608アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 06:56:16 ID:ccfVX9PW
「ってて……な、にっすんだよ……っ!」
腕を引っ張った主は、それでも不満足とでもいうかのように、勢いをつけて眞一郎に馬乗りになってきた。
「どこへいくの?」
垂れ下がる髪に覆われた闇の中に、比呂美の無表情が浮かんでいる。
こういう時、長い髪は怖いと思う。
「ど、どこへって……帰ろうかと」
それを聞いて、闇の主はニコリと笑った。
一瞬ほっとしてしまったが、それが全くの嘘の笑みであることに気づくのに時間はかからなかった。
「私、言ったよね。石動乃絵を追い出すって」
そんなものどこにも居ないことを比呂美はもう分かっているはずだ。
なのにこういう事をするという事は。
比呂美の髪が鼻をくすぐり、もう何度繰り返したか分からないキスが再び交わされる。
目を開いた時、比呂美の表情は既に妖艶なものへと変わっていた。
「それまでは帰さないから」
無いことを証明するには、あると思われる範囲を、全て虱潰しに探さなくてはいけない。
比呂美はそれを行おうとしている。
しかも探索というのは名目で、実際は、眞一郎の心の中を闊歩し、自分色に染めてしまうことだろう。
それこそ、もう誰も立ち入る気が起きなくなるくらいに。
それは拒むところではなかったが、比呂美は夢魔を連想させるように淫らに笑っている。
これから先の眩暈がするような快楽を想像し、眞一郎は思わず頬を引きつらせてしまったのだった。

-終わり-
609アパートでチュッチュ:2008/03/18(火) 07:05:14 ID:ccfVX9PW
終わりです。自分の趣味丸出しですが、本編もスタッフの趣味丸出しだし、反省はしない。
本当はセクロスまで書きたかったがキスを書けたので満足してしまった。反省している。
比呂美が幸せになれますよーに
610名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 08:36:14 ID:65G6z5HB
眞ちゃんの貞操の危機wwww
611名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 10:11:04 ID:B7oKKdkW
やばいw
眞ちゃんのヘタレ度、比呂美のエロさが三割増しだw
比呂美の白いところもちゃんとあるし
満足したと言わずぜひそのまま続きをお願いします
眞ちゃんがしっかりできるようにすべて搾り取ってやってくださいw
612名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 14:08:39 ID:XyFdvJ9q
いかんな、うますぎる
本番なしなのにおっきがとまらんかった
すごくキャラを再現できてるとおもう
613名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 17:41:51 ID:vzdCcThV
ちょっと亀だが>>593で久々に笑ってもうたw
614名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 18:25:48 ID:rogirhRa
>>609
眞一郎からキスされた時のビックリ比呂美がテラカワイス
615名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 19:23:28 ID:U4C7df5C
エロいのうwwwwww
完結なのが残念だwwww
616truetearsVSプレデター(24:2008/03/18(火) 20:39:06 ID:vzdCcThV
ここで失礼して投下

「まだ好きなの?」
普段着に着替え、運動靴の紐を締めなおす純に乃絵が尋ねる。
「・・・いや。心配なだけさ」
眞一郎には毒づいたが、真夜中に比呂美の行方が知れないと聞けば、やはり穏やかでいられないのが
石動純の性質であったし、そうさせてしまうのが湯浅比呂美のトラブルメーカーぶりだった。
「まぁ見つかったらお礼に一発くらいさせてもらってくる。だから待ってないで寝るんだぞ」
若干期待を込めた冗談で、不安にさせないよう気遣う。
妹も一緒に行くと言い出したが、行方不明が二人になっては困ると押し留めたばかりだ。
「うん!眞一郎に先越されないようにね」
乃絵も満面の笑顔で答える。少々手厳しい返しにしばし唖然とする純。
「・・・ま、まぁじゃあそーいうことだから、行ってくる」
これ以上話してると、もっと恥をかきそうなので戸をあけて夜空に向かう。と、鼻先に何か零れてくる。
「うわっ、雨かぁ・・・。乃絵、合羽持ってきてくれ」
たちまち降り注いでくる雨音を背に、一旦玄関に戻って、中を振り返る。その時、
「お兄ちゃんっ!」
「え」
乃絵が純の背後に見たのは透明な影だった。人型にも見える巨大な空間の塊が、
そこに背景を透かしたまま兄に迫ると、振り返った横っ面を丸太のような腕で打ち抜いた。
板切れのように飛んできた純にぶつかったショックで目の前が真っ白になると、乃絵の意識はさっぱり消えた。


眞一郎は‘あいちゃん’の前まで来て自転車を止める。
女ごころと秋の空、不意の気まぐれで比呂美が訪ねてやしまいかと儚い希望をもってきたが、
そんな期待を締め出すようにシャッターは閉まっている。
「・・・まぁ、当然だよな」
こんなことでいちいち落ち込むまい、と覚悟してきたのに、やはり空振りだと落ち込んでしまう。
おまけに追い討ちをかけるように雨まで降ってくる始末。
さっさと気を切り替えようとペダルを踏みしめたとき、なにか耳にひっかかった。
「・・・ぁ、・・・んっ・・・」
(まだ起きてるのか?)
よく見れば、シャッターが完全に閉まりきらず、下からうっすら明かりが漏れている。
雨音でかき消されて、よく分からないが声はそこから聞こえてくる。
「・・・っ!んっ・・・」
隙間が狭いためよく分からないが、多分愛子の声だと思う。
今川焼きの製法を考えたことはないが、ラーメンのように仕込みが必要なのかもしれない。
(比呂美もいるかな?)
邪魔しちゃ悪いなと思ったが、少しでも手がかりがないかという期待が無礼をさせる。
シャッターをノックしようと思って、ついさっき純にのされた記憶が甦る。
近所迷惑になるかと思い、こっそり裏口に回ってみる。幸いか、鍵が開いていたので、こっそりと入ってみた。
(うぅ・・・。やっぱし辞めようかな・・・)
普段よく往来している店なのに、‘無断‘という一字が加わっただけで見知らぬ土地のように思える。
切れ掛かった吊り橋を渡るような慎重さで、おっかなびっくり明かりの出る厨房を目指す。
「もっと・・・頑張って・・・あんっ」
どうやら誰かと一緒のようだ。これは意外と期待してもいいのか。
(お、見つけたぞ)
おっかなびっくりこっそりと厨房にかかるドアの隙間から中を覗く。
「・・・・・・っっ!!!」
愛子と談笑する比呂美を予想していたものの、その光景に眞一郎は固まってしまった。
617名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 20:42:33 ID:P+osKZLp
素晴らしいです
エロ小説ということを差し引いても素晴らしい
流麗な文体である上、二人の心情や性格を非常によく捉えていると思います
眞一郎が今、何に葛藤しているかということの一つの答えを見た気がした
よければまたあなたの作品が見たいです
618名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 20:51:45 ID:P+osKZLp
>>617>>609
619名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 21:09:46 ID:wFy8OPgz
>>609
なにこれ上手すぎなんだけど
その上エロいし

プレデターさんも乙です
620truetearsVSプレデター(25:2008/03/19(水) 00:06:52 ID:sI0u2D55
比呂美を乗せた黒いバンが、プレデターの作った塹壕に走る。
柔らかい塊を潰す感触がハンドルに伝わってきたが、その正体が何かは考えないよう集中する。
「えっと、ウィンカー・・・ウィンカー・・・」
急にバケツをひっくり返したような土砂降りの雨が降ってきて、たちまち視界が溺れてしまう。
ガタガタと車体は跳ねどこに進んでいるかも分からない。
ガツンッ
「キャアァ!!」
一瞬、フロントから目を離した隙に、アスファルトが捲れ上がった段差に乗り上げて、車体が上下し、
その勢いで打ち捨てられた装甲車に側面が弾きかえる。
「〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!」
衝撃が反発してバンはクルクルと回転し、そこいら中の瓦礫を擦って火花を散らした末にヘリの残骸に激突して
ようやく止まった。

「あつつっ・・・あ、あれ?」
ドアがグニャグニャに凹んで動かない。仕方ないので、窓から落ちるようにして這い出た。
「なんだかもう、何が起きても驚かないわ・・・」
車から降りるとシャワーのように水滴が顔を刺す。
道路を剥がして出来た水溜りは膝まで登り、それでもまだ浅瀬にいると思える深さがあった。
「ごほっ、ごほっ!」
腹の傷はなんとか止血したが、長くはもたない。もう少し眩暈が始まっている。
殺された兵隊の上等なズボンやブーツ、ジャケットを重量で動けなくならない程度に、体を冷やさないよう
たっぷりと着込んだ比呂美は、ヨロヨロとプレデターの罠の巣に潜り込んだ。
「鬼が出るか蛇が出るか・・・今はどっちも可愛いわね・・・」
豪雨の反響で、よく分からないが、そこいら中から銃声や断末魔が小躍りしている。
プレデターが侵入してくる兵たちを打ち破っては、半壊したまま打ち捨ててるせいだ。
とにかくゾワゾワと這い登る不安を無視して、暗く冷たい迷路をひたすら彷徨う。
「・・・だ、だす、げ・・・で・・・」
近くから声がしたほうに目を向けると、そこに誰もいない。

「・・・変ね?」
まさか幽霊だろうか、周囲を伺うが人の影も見つからないと思った矢先その正体に気付いた。
「っ!!・・・そ、そんな!」
比呂美がさっきから壁だと思っていた瓦礫のバリケードに、人間が埋め込まれていたのだ。
手足をめちゃくちゃに砕かれ、ワイヤーでグルグルに巻きつけられたまま、呻いている。
「・・・ま、待ってて!今・・・」
比呂美は非常な人間ではない。時としてそう徹することが出来ても、目の前で無残に苦しんでいる声を聞けば
反射的に動かざるを得ないのだ。そして、
「・・・や・・・やめ・・・やめろぉおおお」
「?・・・っ!!」
比呂美の手が拘束された男の体に掛かった瞬間、その同体を突き破って先を削られた鉄鋼を飛び出てきた。
瞬時に危険を察知して身を翻したとき、足元で何かが滑って、急に地面の感覚が消失した。
「わあぁあああああっ!」

プレデターの仕掛けた罠は二段構えで、餌に近づいた獲物を貫くと同時に、
避けたものも落とし穴に飲み込むものだった。底に針の山をたっぷりと蓄えた、だ。
路上の口は、少女を飲み込むと、すっかり閉じ、また静けさを取り戻す。
そこに、雨粒が不自然な反射をして、電光が弾けると、凶暴なハンターが透明な姿で現れた。
また愚かな獲物が掛かったかと確認しに。
621名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 00:11:22 ID:W9zhmQh+
比呂美がぁぁぁぁぁぁ
続きに期待
622名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 00:20:44 ID:44Sn444T
久しぶりに来た。ここはttのエロパロスレで間違いはないかい?なんだか凄い展開になっててワロタww
623名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 01:38:31 ID:1GXYzxEX
>>609
これが後に発売されるOVAの回想シナリオか・・・

こんなところでオフレコを目の当たりにするとは思わなんだ
624truetearsVSプレデター(26:2008/03/19(水) 01:41:23 ID:sI0u2D55
「・・・ん・・・んんっ・・・ん?」
乃絵が目を覚ますと自宅の居間が視野に入ってきた。ただし全てが垂直に反転して、椅子も机も天井に張り付いてる。
ようやく自分が逆さに吊るされていると気付いたのは、意識が覚醒した頃だった。
もっとも、ドレッドヘアにも見える突起を頭から伸ばした爬虫類肌の人型怪物をみたら、また気を失いたくなったが。
「ね、ねぇ。あなた、お兄ちゃんはどこ?」
全身を先住民のような装飾で固めたモンスターは、乃絵を無視して何か作業をしている。
机に機械や薬品、らしき装置をいっぱいに並べてそれらを動かしたり、混ぜたりを繰り返していた。

「ねぇちょっと。聞こえてるの?あなた宇宙人?日本語分かる?私を食べるの?」
無視されたのが腹に据えかねたのか、とにかく問い続ける乃絵。
うるさくなったのか立ち上がった怪物は彼女の眼前まで歩み寄った。
そのときようやく乃絵は、機械のような顔をしたそれが、何かマスクを被っているのだと気付く。
「お兄ちゃんをどうしたの?」
こんな物騒な真似をした輩がまともな対応をするはずがない。
だから、乃絵はまっすぐにその目(と思われる部分)を睨みつけて、問いただした。

キィイイイイイン、ピピピ
怪物が腕に備えた装置を調整すると、マスクに取り付けたライトが点滅する。
「アナタタチ兄妹ハ、協力スル。我々ニ。抵抗ハ、無意味ダ」
レコーダーが不恰好な電子音を奏でた。それでも彼女にはその意味は聞き取れた。
「お兄ちゃんにまず会わせてよ。お願いはそれから」
囚われの少女の毅然とした言葉に首を傾げつつ、頷く怪物。
「それからもー降ろして。もう頭がクラクラ、ってちょっと待っ!」
言い終わる前に輝くリストブレイドを伸ばしたかと思うや、乃絵は床に落ちた。
足を縛るワイヤーは切ってもらったが、頚椎を損傷するとこだったので、ちっとも感謝はしない。
「う〜〜、いったあい〜っ、って待ってよ!」
モンスターは気にする素振りもなく、付いて来いと部屋を移動する。頬を膨らませて追う乃絵。

「・・・クァアアアアッッ・・・・・」
浴槽から蛇が唸るような奇声が轟いている。
あっちにも仲間がいるのか。この怪物はかなり臭うから、人の風呂にでも入ってるに違いない。
「ちょっと!あんたたちのヌードなんて見たく・・・って」
バスタブの前まで来た怪物が乃絵を促すように道を空ける。
その中には、カラスのように真っ黒な‘何か‘が機械に繋がれていた。

参考画像→ http://www.animation.art.br/3dart/venom/venom_midres.jpg

「キシャアアアアッッッ・・・」
自分を縛っていた巨大な獣よりはよっぽど人間らしい体格をしているが、頭のてっぺんからつま先まで
ギラギラと黒光りし、ベットリと張り付きそうな粘液のようなもので覆われている。
一番気味悪いのは、耳まで裂けた巨大な口で、そこだけ真っ赤に染まっている。
悪魔の皮を被った人間が不気味に唸りながら、頭に電極を突き刺されて唸っていた。
それが、ふと乃絵を見つめた途端、猛烈に暴れだした。
外れたように開いた顎から突き出た牙が乃絵に掴みかからんとしたとき、プレデターが腕のスイッチを押す。
「ギッ・・・ギャアアアアアアッッッ」
泣きさけぶように真っ黒い生物が苦しみだすと、その体中から真っ黒い皮膚が粘液のように剥がれかかった。

「お兄ちゃん!」
肌を千切るようにして開いた黒い体の内側から石動純の顔が現れる。
そして、プレデターがスイッチを切ると、固いタイルにむかってバッタリと倒れ伏した。
「ぐぅ・・・ぁあ。っ乃絵・・・だ、大丈夫か・・・」
乃絵は虫の息の兄に駆け寄ると抱きしめる。こんな姿になって尚、自分を案じてくれるのか。
顎から下を真っ黒い粘液で覆われた純は、無事な妹にホッとするとプレデターを力なく睨みつけた。
「言われたことは・・・必ずオレが全部やる。だから・・・妹には、乃絵には何もさせないでくれっ!」
625名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 01:45:11 ID:wzmQQNFB
壮大な風呂敷になってきた
626609:2008/03/19(水) 01:45:40 ID:S7bnBUdK
>>610-612
>>614-615
>>617>>619
書き手にとって嬉しい限りの褒め言葉と感想、痛み入ります^^
続きですが、これとは別に書きかけの眞一郎×比呂美のSS(本番あり)があるので、
そちらの方を、修正加筆してまた今度投下してみようかと思います。
一度はお蔵入りになってしまったもので、クオリティはあれなんですけど…^^;
多分一度は皆(比呂美派w)が望んだ展開だと思うし、投下できるようにクオリティアップに努めます。
ただ、乃絵と四番の近親問題の行く末によっては…………なんとか土曜日までに頑張ります。
627名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 02:08:55 ID:xUF39ZCS
>>608
ちょwww
いいところで生殺しヒドスwwww
628朋与男:2008/03/19(水) 02:29:37 ID:jnavPcpU
>>576さん
ご忠告ありがとうございます。
2ちゃんのルールをよく知らなかったもので……どうかご勘弁ください。
そして大変申し訳ないのですが、忙しくなってきちゃいまして……続きが書けそうにありません。
でもプレデターさんやあさみさん、それに何だか凄い方が参戦されているので、このスレは安泰ですよね。
今後は読者として楽しませていただきます。
もし、何かの間違いで『比呂美』が完成した時に、このスレが残っているようでしたら、
また投稿させていただきますので、その時はどうぞ宜しくお願いいたします。
629名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 02:48:27 ID:FqKGwsPI
630名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 03:05:38 ID:1GXYzxEX
>>628
朋与の話、毎回楽しみにしていました
素敵な作品に感謝しています

気が向いたら、また投下してくださいね
631名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:07:41 ID:JXoyG13x
>>628
あのヒキで・・・w マジか・・・ww
お暇になることを願ってますm(--)m
632名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 07:14:44 ID:Kmnkpyp1
>>628
朋与の話楽しませてもらったよ
比呂美の話が凄い所で終わってるのが残念だけど
帰ってくるのを気長に待ってるよ
633名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 12:41:52 ID:tT690k1f
>>628
いつも楽しみにしてました
まさか本放送終了前に何とも言えない喪失感を味わうとは思わなかったw
何かの間違いでまた投稿してくれるのを待ってます
634名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 13:32:24 ID:VfW4PAnV
>>628
最終回前に打ち切りとは
ナンテ\(^o^)/コッタイ
635truetearsVSプレデター(27:2008/03/19(水) 15:28:45 ID:sI0u2D55
プレデターの闘いはその経過も終わりも各々の生き様であり、
一度それが始まってしまえば如何なる場合も決して介入しない。

「それがどうしてオレを闘わせる?」
石動邸の居間に科学者のプレデターと真っ黒い寄生体に身を包む石動純、妹の乃絵がいた。
純が自分を無理やり改造した怪物─知性に優れるこの個体をプロフェッサー(教授)と称す─に毒づく。
寄生体に埋め込まれた機能で、純は流暢にプレデターと会話ができる。
「我々がもっとも多く動く例外が、不適格な技術漏洩だ」
「なに?」
プレデターが未開の種族に知識を提供するのは珍しくない。
しかし精神や社会が未発達の生物群が、それに見合わない強力な技術を入手すれば、収拾のつかない混乱が起きる。
プレデターの備える高度な武器を渡すことは極力避けたい。
妙な話だが、この残虐で獰猛、他の命を奪うことに躊躇や呵責をまるで感じない彼らだからこそ、
その餌ともいうべき下等生物たちの総体的な保護をもう一つの務めとしていた。

「今、仲間を襲っている地上軍たちだ」
プロフェッサーが腕の機械を操作すると、立体映像で過去、そして現在の情報が示される。
「こりゃあ・・・大したもんだね」
その高度な技術と、そこに映された痛ましい惨状、両方に純は感嘆する。
「仲間の鹵獲が濃厚な今、些か不本意ではあるが、連中の徹底した駆逐を行う」
プロフェッサーが、それほど不本意でもなさそうに語る。
と同時に、彼の背後から幾人もの強靭なプレデターが、迷彩装置を解除して姿を現した。

「ひぅっ!」
黙ってプロフェッサーと純の意味不明なやり取りを眺めていた乃絵だったが、
巨大な武器を構えた彼らが兄妹をグルリと囲むにつけ、半ば怪物と化している兄に身を寄せる。
純の感覚は見ることもなく、当然として彼らを察知していたので、驚くこともない。
「こんなに応援がいて、どうしてオレも手伝わにゃならんのだ」
妹をそっと背に隠して純が問う。彼女の手が触れたとき、脳の奥で何か熱い感情が沸いたが、今は無視する。
プロフェッサーは純を包む寄生体─シンビオートと呼ばれている─が
早くも宿主の感情に同調し、強化する兆しを嗅ぎ取ったが、それはいわない。
「依頼は他にあって、それはずっと容易いことだ。成功すれば武功を称えシンビオートは進呈しよう」
「・・・っ!誰がいるか」
ほんの微かにだが、胸のそこでその提案に魅力を覚えた自分がいることを咄嗟に青年は否定した。

「もっとも、相応に命を懸けて臨んでもらう」
プロフェッサーが純の背後から乃絵を引きずり出すと、その腕に自分たち同様のガントレットを装着させる。
「いっつ!・・・離して!」
「妹は関係ないっ!」
乃絵のか細い悲鳴に激高した兄が咄嗟に掴みかかろうとする。しかし
「ずぅっ!?・・・ぎげげ・・がおっ・・・えぁあ!」
たちまち身を包む暗黒の寄生体が間接を捻じ曲げ、器官を圧迫し、神経を突き刺す。
「お兄ちゃん!?」
公害病にかかったように純の体は自ら骨を折らんばかりに歪んで、壮絶な苦悶の表情を晒す。
「ごむむむむうううっっっ!!!」

プロフェッサーがパンパンと手を鳴らすと、糸が切れたように、戒めはとけ、息も絶え絶えと青年は伏した。
「シンビオートの精神回路に、我々への服従を組んである。それにさっきの続きだが・・・」
プロフェッサーが自らのコンソールを操作すると、乃絵の腕の装置も起動し、赤い記号が点滅を始める。
「ちょっと・・・これ外れない!」
「命を懸けるとは、最も尊い存在を失う覚悟だ。妹が弾けて散るのは死ぬより辛いだろう?」
掲げた掌をグーからパーに広げて、何かが開くジェスチャーをする。彼らの言語は分からない乃絵にも
その意味するところはすぐに察知できた。全く知りたくはなかったが。
「規定までに完遂できなければ彼女はドカン、というわけだ・・・HAHAHAHAHAHAHA!」
プロフェッサーが濁った声で笑うと、仲間のプレデターも続く。不気味な嗤いが闇夜に消えた。
636名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 15:32:13 ID:sI0u2D55
     ,. - 、   〈〉     
    彡`壬ミ   ||       >>628
   用ノ哭ヾ二=G    < いつかといわず今日でもいつでも、気が向いたとき好きなときに数行ずつ
   〈_〉〉=={   ||       書いてくださればいーかな、て思ってます。或いは新作でも。今後もコテで構わんって気もしますよ
   {{{.《_甘.》   ||       ではではお達者で
    {_} {_}   ||      
   ム' ム   
637名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 20:12:43 ID:z7YHWpgg
>>628
何と、あそこで中断とはあまりにもひどいです。
朋与男さんには、ヒマになる呪いをかけておきますね。
638truetearsVSプレデター(28:2008/03/19(水) 20:14:13 ID:sI0u2D55
眞一郎がドアの隙間から最初にみたものは、乱れあい、絡み合う男女の裸体だった。
細部までは分からないが、半裸の女性をバックから男が何度も突き上げている。
(・・・うわっ!三代吉たちもうそこまで!?)
気恥ずかしさと罪の意識から、咄嗟に目を背けようとしたが、絶え間なく続く喘ぎ声につられて、
つい踏みとどまってしまう。
(ま、まぁこれも後学のためだ。一応仲人なんだし、これくらいは・・・って、あれ?)

愛子と三代吉の逢瀬だと思っていたが、よく見ると眞一郎の知らないカップルだ。
いや、記憶を探れば愛子の学校の友人に彼らがいた気もするがよく憶えていない。
(じゃあこいつ等、愛ちゃんの店でこっそりお楽しみかよ。一体何考えてんだ!)
幼馴染みとの思い出を汚された気がして、怒りがこみ上げてきたが、ふとやけに声が多いと思う。
「あぁっ・・・そぉ・・こっちにも頂戴ぃ・・・んんっ」
「んちゅっ・・・ちゅぱっ・・・ちゅっ・・・ごくっ・・・」
「いいよぉ・・・前も、後ろも・・気持ち、イイィ!」
「っく・・・そんなっ・・・5本もなんて・・おかしく、なっちゃうぅぅぅぅ」

(な、なんだよコイツら。乱交ってAVだけの話じゃなかったのか)
若気の性か、目的を忘れて見入ってしまう眞一郎。
恋愛とSEXを分別する大人ならまだしも、同世代はまだプラトニックであるはず、
という学生一般の思考からは想像もつかない痴態の饗宴。
普段よく知る空間で、年端もゆかぬ若者たちが相手も選ばず交合をしていること自体が強いショックだった。
全身が痒いほど熱くなり、股間がどうしようもなく充血する。
彼らに対する軽蔑と、一方で羨望の念が止まらなくなり、気が付けば自ら慰めていた。
(い、今は雨がヒドイからな。雨宿りの間、オレも楽しんだっていいさ。でも愛ちゃんはこのこと・・・ん?)

ふとぶつかり合う肉と零れる嬌声の中、混ざり合う淫らな声のひとつに聞き覚えがある。
いや、状況から誰なのかはほぼ確信していたが、彼の日常からなる常識が頑なにそれを否定していた。
(ち、違う・・・!似てるだけだ・・・そんな、そんなことを考えるオレは最低だ!!)
ほんの数ミリ視線を動かせば、その声の主の正体が分かるのに、針金で宙に縛られたように微動だにできない。
絶対に見てはいけない何か、確実に恐怖と生涯拭えない絶望が待ち受けていると本能が警告を鳴らしている。
(もう帰ろう。オレは比呂美を、大切なひとを探さなきゃいないんだ!動けよ、動けぇ!)
冷や汗が噴出し、血管を締め付けられたように頭痛がする。それでも、凍りついたようにその場から離れられない。

「ああんっ・・・いぃ!いいよぉっ!もっともっとおお!」
(見れば、さっさと確かめれば済むだけだ。それで比呂美を探しにいく、そうしよう!)
真実を知る痛みと知らぬ後悔、割れそうな葛藤に苦しんだ眞一郎はとうとう耐え切れず、視線を移した。
(絶対に!間違っても!断じて!愛ちゃんであるはずが、ないっっ!)

「へへっ・・・ほんっと愛子ん中はよく締まるぜ・・・うくっ!」
「オレももう出るよっ、愛ちゃんいくよっ!」
愛子が自ら男性に跨り、べとべとになった秘所でさらに男根から精液を搾りつくす。
「ちゅっ、んんっ・・・ちゃんと飲むから、そのまま・・・出してぇっ」
眞一郎は頭が白髪になって全部抜け落ちたかと思った。それほどに、過去を、思い出を打ち崩すほど衝撃だった。
そこに可憐で少し小さいけど、いつも気遣ってくれる幼馴染みはいなかった。
ただ一心に男性を求め、白濁に溺れ、腰を揺らす淫乱な女子高生がいただけだった。
639名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 20:21:18 ID:W9zhmQh+
俺の愛ちゃんがぁぁぁぁぁぁorz
640truetearsVSプレデター(29:2008/03/19(水) 23:54:55 ID:sI0u2D55
乱交の宴が終わり、愛子が掃除をして、奥の扉を開くと項垂れている眞一郎を発見した。
「おっ?ど、どうしたのこんなとこで・・・」
眞一郎が赤く腫れた眼で彼女をギラリと見上げる。彼女の肢体に、先ほどの淫欲の影もないが
その膨らんだ胸や、丸い臀部に否応なく発情する自分に腹が立つ。
「あ〜・・・バレちゃったよね〜・・・アハハハ」
悪戯がばれてしまった様に笑って誤魔化す。以前の彼女ならはこんな反応はしなかった。

「いつからこんな・・・いや、それより三代吉は知ってるのか?」
「うぅん。まさかぁ」
不義に胸を痛める素振りもなく、笑顔で答える愛子。それが一層、彼を不愉快にさせた。
「じゃあ、三代吉を裏切ったのか!アイツはずっと・・・ずっとぉ」
しかし彼女は眞一郎の詰まった声にも、その激情にもうろたえず、黙って受け流していた。
「はぁ・・・なんだかなぁ」

愛子がグループ・セックスにのめり込んだのは、眞一郎に振られたことが始まりだった。
三代吉は彼女を懸命に支えたが、罪悪感も手伝ってその好意をありのまま受け入れる、
というのは難しかったし、だからせめてと体も開いたが、
そこは童貞と処女のぎこちない高校生カップル、大失敗に終わった。
互いを傷つける結果にしかならず、別れるでもなく不安定な付き合いのまま煮詰まっていたとき、
「安藤さん、良かったら学園祭一緒にやらない?」
声をかけてきたのは学内のイベントを積極的に盛り上げている、校内で中心の男子グループだった。

元々面倒見もよく、客商売もこなしてる愛子は彼らと創意工夫を共にして、親交を深めていった。
また、女性の扱いに慣れている彼らは愛子に特別な感情を要求することもなく、
楽しむだけの完璧なデートを提供し、はじめて彼女は尽くされるだけの悦びを知った。
「ドキドキしないデートも楽しいかも・・・」
だからそれぞれ彼氏彼女がいることも承知していたし、学園祭大成功の喜びを噛締めた打ち上げで
盛り上がったまま、素肌の付き合いに移行したことも、本人たちには自然な流れであった。

「ねぇ、良かったらさ・・・私のとこでしない?」
店がある愛子にとって、そう自由な時間は手に入らない。
一方、万年金欠に喘ぐ学生にとってホテル代は馬鹿にならない。
両者の利害は一致して、店の売り上げに貢献することや、迷惑にならないことを条件に、夜の‘あいちゃん’ができあがった。
「愛ちゃん、最近元気になったね」
三代吉との仲も回復して、事態は良好に進んでいる。
遊びの付き合いはどうせ卒業までだし、三代吉に話す気もなければ浮気という感情もなかった。
641truetearsVSプレデター(30:2008/03/19(水) 23:55:27 ID:sI0u2D55
「それでいいのかよ」
一応の筋は通ってるかもしれないが、恋愛に対する軽薄な観方が納得できない。
どうしたってそれは、周りの好意を騙しているんじゃないのか?
三代吉はもちろん、件の彼らだって彼女に本気で恋するかもしれないのに、だ。
「そんな・・・大袈裟じゃない?こんなの、やってる子達はみんなやってるんだから」
‘みんな’・・・愛子が何の気なしに混ぜた単語のひとつが眞一郎の胸を突き刺す。
「そんなこと、だと?じゃあ・・・ひ、比呂美も、してるってのかよ!?そんなことだってんなら!」

「比呂美?」
何故湯浅比呂美の名が出てくるか分からないが、清楚な彼女と比較して
まるで自分を貶める表現に憤りを覚えた愛子は、ちょっと意地悪をする。
「ん〜、これは内緒なんだけどぉ・・・噂はぁ、聞くかなぁ」
「!・・・っっう、嘘だ!」
そのあからさまなうろたえ様が可笑しくて、もう少し追い詰めたくなってしまう。
「でも真面目で人気者の子が実は、って多いんだよねぇ。やっぱりモテるんでしょ彼女?」
「それは・・・そうだけど・・・」
モテないわけがない。自分にとってだけでなく、彼女はとても魅力的なのだから。
バスケの選手として他校の生徒からも注目されているのだ。例えば・・・石動純とか。
その瞳に揺らぐ不安を見た愛子は、ますますからかいたくなってしまう。
「こーいっちゃうと可哀相だけど・・・やっぱり女の子的に童貞って頼りないっていうか・・・」
「・・・・・・もういい」
降参を聞こえない振りをして追い討ちをかける。実際は全く根拠に欠けた話だが、思春期の少年にとって
経験豊富な女子、しかもいままで理解していたと思っていた幼馴染みの言葉は、天啓のように突き刺さる。
「正直いっちゃえば、ずるい生き物なんだよ女って。イケメンで勉強やスポーツもできて、人気があって・・・のがいいじゃない?
男子からいっても比呂美はそうなんだしさ。まして彼女だったそれこそ不自由しないっていうか・・・」
「もういいっ!!」
642名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 02:40:13 ID:gL7m3fDx
>>628
俺も、俺も、呪いかけておくよ。
まー、でも、無理なものはしょうがない。
でも、まじでありがとさん。
楽しかったよ。
643名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 02:56:43 ID:ILFbJK6S
プレデター世界のキャラはみんな下半身緩いな・・・一人だけ原作に近い状態の
しんいちろが哀れでならない
陵辱物ゲームの世界に放り込まれたCSの恋愛ゲーの主人公みたいだ
いや、その通りなんだがwwwwwwww
644名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 08:07:25 ID:ATkXIPEZ
ビッチばっかりだ……。

しんちゃんはもう、女を忘れて芸術活動に打ち込んだほうがいいよ。

そのまえに死ぬかもしらんが。
645名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 08:46:52 ID:P4I8x0uw
上田夢人ブログの初期デザイン比呂美とアニメデザイン朋与による
ある日の朋与をイラスト化してくれる絵師はいませんか
646名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 08:58:22 ID:uyWJVc1c
647名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 10:02:48 ID:UNZZEQPb
>>646
TOMOYOはやれば出来る子・・・・
・・・ん?「湯浅比呂美」?
648名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 11:46:09 ID:m31yi3Ga
きれいなTOMOYOwwwwwwwwwwwwwwと思いきや工エエェェ(;´Д`)ェェエエ
ブログのURL教えて
649名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 12:09:04 ID:P4I8x0uw
        ,.-─ ─-、─-、
      , イ)ィ -─ ──- 、ミヽ
      ノ /,.-‐'"´ `ヾj ii /  Λ
    ,イ// ^ヽj(二フ'"´ ̄`ヾ、ノイ{
   ノ/,/ミ三ニヲ´        ゙、ノi!
  {V /ミ三二,イ , -─        Yソ
  レ'/三二彡イ  .:ィこラ   ;:こラ  j{
  V;;;::. ;ヲヾ!V    ー '′ i ー ' ソ
   Vニミ( 入 、      r  j  ,′
   ヾミ、`ゝ  ` ー--‐'ゞニ<‐-イ
     ヽ ヽ     -''ニニ‐  /
        |  `、     ⌒  ,/
       |    > ---- r‐'´
      ヽ_         |
         ヽ _ _ 」

     ググレカス [ gugurecus ]
   (西暦一世紀前半〜没年不明)
650名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 13:29:37 ID:3b3MO5db
>>648
ファイル名を削れば行けるってば。
651名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 14:50:30 ID:1n8hR4Yz
上田夢人でググレばよろしある
652truetearsVSプレデター(31:2008/03/20(木) 23:29:26 ID:jOOGjhey
眞一郎の手が愛子の肩にかかった。
「いっつ!ちょっと・・・」
「五月蝿いっ!!」
そのまま客席のテーブルに強引に押し倒す。
「やっ、だ・・・、離して!」
愛子の手が眞一郎の顔を引っ掻き、がむしゃらに抵抗する。
「誰でもいいんだろっっ!」
許せなかった。思い出を汚され、比呂美まで汚された気がして、本気で憎らしかった。
襟に手をかけると力任せに左右に引き裂く。
その勢いで彼女の乳房が跳ね上がり、薄桃色の乳頭が飛び出した。
ゴクリッ・・・
さっきまで盛んに行われていた乱交のイメージが重なり、股間が沸騰する。
「きゃぁあっ!だめぇ!」
気が付けば夢中で、おっぱいに喰いつきベロンベロンと舐めしゃぶる。
「誰かぁ!助け、・・・んっ!」
五月蝿い口を掌で掴む。愛子の歯が噛み付き、皮を裂き、血が垂れる。
乱暴に体を引き倒すと、机にある調味料や割り箸がこぼれて周囲に散乱した。
足で必死に蹴ってくるので、ジーンズを膝まで引き降ろして下半身を拘束する。
「やだぁああ!誰かぁああ!!」
泣き叫ぶのを無視して、上半身を机にうつ伏せにすると、右腕をねじり上げて動きを封じる。

「別にいいだろう?俺のこと好きだったんだから!」
そうだ。愛子のことを何にも知らないような男たちと淫らに交わる癖に、どうしてオレじゃダメなんだ!
「んんんっんんっうーーー!!」
彼女が被っていたバンダナを口に突っ込んで塞ぐ。
丸い尻に薄く張り付いたショーツを引き降ろすと、自分もベルトに手をかけた。
焦りながらトランクスを下ろすとガチガチに勃起した逸物を引き出す。
「んうっーーー!!!」
頭の片隅で‘今すぐやめるべきだ’と、大切な何かが叫んでいるが、
ここまで来てしまった勢いと、脳を焼きつかんばかりの性欲で前後の見境もつかない。

「・・・あ、あれ?くっ、くっそ・・・」
なかなか入り口にうまく入らない。眞一郎は先走りでドッロドッロなのに対し、
愛子は少しも濡れていないのだから当然だ。
経験の無さを馬鹿にされたような、雄としての自分を否定されたような屈辱で、乱暴に陰部を擦り続ける。
「くっそぉお!くっそぉおお!」
それを繰り返すと、愛子の肉体が防衛反応で膣口に愛液を垂らしはじめた。
「!・・・やっぱり淫乱だったな・・・」
これは無理やりな性交で、性器を傷つけないための、生理的な処理であって、性的興奮とは一切無縁だが、
我侭な彼に察する余裕などない。
「いっくぞお」
653truetearsVSプレデター(32:2008/03/20(木) 23:30:53 ID:jOOGjhey
↑sage忘れた・・・orz


ゴガァアンッ!
入り口に先端が触れた瞬間、眞一郎の頭部に鈍く重い衝撃が走って、視界が暗転した。
「大丈夫!愛ちゃん!?」
そこには全身をずぶ濡れの三代吉が、立っていた。その拳は皮がさけて、真っ赤に染まっている。
「っぶあ!・・・どうして・・・?」
戒めを解かれた愛子が、突然の救援で呆気にとられている。

「オレ・・・知ってたんだ愛ちゃんが、その・・・他の男と・・・してること。
でも、オレはガキで・・・愛ちゃんを満足させられなくて・・・だから、知らないふりして・・・」
三代吉の目には涙が溢れていた。雨でずぶ濡れの顔でもはっきりと分かった。
「だけど・・・だけど心配で!やっぱり辞めてほしくて・・・それでつい来てみたら・・・」
彼の心を今占めているのは、彼女を襲われた憎しみではない。
親友を殴ってしまったこと・・・そして、失ったことを悲しんでいた。
「み、三代吉・・・」
「・・・出てってくれ」
「・・・・・・・・・ごめん」
眞一郎はヨロヨロと立ち上がると、不恰好にズボンを締めながら正面から出て行く。

戸が閉まるまで三代吉は胸からせり上がる嗚咽を噛締めていた。
「・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
愛子も頬を濡らしながら必死で謝罪する。悔やんでも悔やみきれない。
いつも自分の傍にいてくれた、自分をこんなに思ってくれていた彼。
どうして、それに気付かなかったのか、どうして向き合おうとしなかったのか。
「いいんだ・・・いいんだよ愛ちゃん・・・」
二人は抱き合うと、泣いた。赤ん坊のように、恥も外聞もなく、ただただ思いっきり泣いた。
失ったものの大きさの痛みと、今愛する人を抱きしめている幸せで。
654名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 00:06:16 ID:B210PVnz
しんちゃん……(;>_<;)
655名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 00:07:11 ID:+em4iAas
眞一郎情けねえwww
そしてどこへ向かうんだこれw
656名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 00:18:27 ID:b5oA2VvO
三代吉はどこに行ってもかっこいいな
眞一郎目的を見失うなww
657名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 00:25:02 ID:7/Ktn7SJ
もうしんいちろは家に帰った方がいいんじゃないのかwwwwwwwwww
比呂美なら多分自力で生還するから
658名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 00:40:29 ID:oTLOB0sI
なんだか眞一郎の扱いがあまりにも酷すぎてちょっと読んでるのが辛くなってきた・・・
659名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 00:50:37 ID:6HFYky0l
嫌いなキャラの扱いを極度に悪くして自己満足するのは厨ssではよくあること
660全部ちゃんとした後の話?:2008/03/21(金) 01:05:57 ID:EXk2mgqO
眞一郎は腰にバスタオルを巻いた姿で座っている。
エアコンをフル稼働しているため、窓の外側とは違ってまるで春の様に暖かな空気で部屋が満たされていた。
「ん…こくっ…」
一口お茶を飲んだ。そして、落ち着かない様子で視線を巡らす。
「ん…こくっ…」
また、お茶を飲む。明らかに緊張していた。
キッ…、バス・ルームの扉が開いた。ひた…、ひた…。裸足で歩く音。ゆっくりと近づいてくる。
隣に置いてある座布団に誰かが座る気配がした。すとっ…ぱふっ…。

「眞一郎くん…」
声のする方を見ると、そこには長い髪を途中で纏めたバスタオル一枚の比呂美が座っていた。
「「…」」
無言で見詰め合う二人。
電気は消されているが、カーテン越しにわずかに光が差し込んでいる。
比呂美の顔が照らされて、少しだけ表情が見えた。とても幸せそうだが、恥じらいが感じられる。
「あ、あの…。今日、何て言ってきたの?…」
少し震える声で聞いた。一瞬の間をおいて、眞一郎が答える。
「比呂美の部屋に泊まるって、言ってきた」
目を見て、きっぱりと言い切った。誰にも隠すつもりもない、誰に恥じる必要もない。二人の間には既に固い絆があった。
「…うん」
視線を外さないまま、比呂美が答えた。その言葉の意味を誰よりもよく理解している。
そして、嬉しさがこみ上げてきた。
「うん」
何かを噛み締めるような、何かを確認するような、同じ言葉。
「比呂美、好きだ。誰にも渡さない。ずっと俺が側にいる」
自分の覚悟を言葉で伝えた。
「…うん。眞一郎…くん…、嬉しい…、ずっと…、うっ…うっ…、ずっと…」
今日で何回目になるかわからない涙が、比呂美の頬を流れた。眞一郎が手を伸ばし、優しく拭う。
「うっ…くっ…、ずっと…ずっと…」
嗚咽を堪えながら、同じ言葉を繰り返した。今、瞳に映る眞一郎の笑顔。
自分だけを見て、自分だけを愛してくれている。それが指先から頬に伝わり、心に届いていた。
何度も夢で見た、何度もそう願った。
「好き…、ううっ…ううっ…」
比呂美の顔が歪み始めた。見たくない表情だ。そう思った時、自然に体が動いた。肩を抱き寄せ、顔を近づける。
「ん…、ん…」
優しいキスが涙を拭う。ぴくっと比呂美の体が反応した。不思議なことに嗚咽が止まる。
「眞一郎くん…、好き…、ずっと前から…」
改めて告白をした。
「比呂、んっ…」
唇と唇が深く触れ合う。短くて、長い時間のキス。
「俺が先に上がるぞ?」
「うん…」
661全部ちゃんとした後の話?:2008/03/21(金) 01:06:22 ID:EXk2mgqO
「比呂美…」
「眞一郎くん…」
二人は寄り添って寝ていた。バスタオル越しにお互いの体温を感じる。
眞一郎が比呂美に覆いかぶさった。そして、一言。
「始めるか?」
ムードも何もないが…
「ぷっ…あははっ…、も〜う、だいなしぃ〜♪」
笑顔でその言葉に答える。
「だってよー、耐えられなくて。比呂美だってそうだろ?」
こちらも笑顔。二人とも体から余計な力が抜けてきた。
「さっきは、すんごい、嬉しかったのにな〜。どうしてくれるの〜?
 今日はここまでにする?」
と、いつもの調子が戻ってきた。
「ダメだね」
「そんなこと言ったって、許さないんだか、ん…んっ…、んんっ…」
言葉を遮るようにキスをしたが、比呂美もそれに応えた。
「比呂美…」
「眞一郎くん…」
名前を呼び、見詰め合う。
「…ん…んっ…」
キスをしながら、バスタオルから体を開放した。
「恥ずかしい…」
「でも、見る」
「もう…、で、どお?」
「うん、前に見たことあるけ、ぼっ!」
眞一郎の頬を両手で挟み、言葉を遮った。
「あーっ! やっぱり覚えてたの?」
確かに見られたことはあったが、今言わなくてもいいんじゃない?、比呂美はそう思っていた。
「忘れるわけ無いだろ? 何回も繰り返して、ぶっ!」
またもや頬を挟まれてしまった。綺麗だとか可愛いと言いたかったが、照れから余計なことを口走ったようだ。
「も〜う、それだったら、最初っから…」
と、何かを思い出しそうになるが、眞一郎は許さなかった。
「ん…んんっ…んくっ…んくっ…ちゅぱっ…」
今度は長いキスだ。腕が自然にお互いの背中へ回る。二人の体が重なった。
「眞一郎くん…」
比呂美の目が潤んでいた。それは眞一郎を求める視線だった。
「あんまり上手くできないと思うけど…」
「うん…、いいよ…。私は眞一郎くんだけにしてもらいたいの…。
 眞一郎くんの好きにしていいよ…。私は眞一郎くんだけのものだから…」
「比呂美…」
もう一度見詰め合い、キスをする。
662全部ちゃんとした後の話?:2008/03/21(金) 01:06:44 ID:EXk2mgqO
「ん…んっ…んっ…、んっ!…んんっ!…」
キスをしながら、形の良い胸を優しく揉み始めた。ゆっくりと、優しく。
眞一郎は自分の性欲を抑えていた。何よりも大切な、目の前で全てを任せてくれる比呂美に、乱暴なことはしたくなかったのだ。
「んんっ!…んんっ!…んんんっ!…」
だが、そう長くはもたない。体が自然に動き始めた。
「あっ…、ちょっ!…、あっ…あっ…あっ!…」
唇からあご、喉、鎖骨の辺りと次々にキスの場所を移動し、乳首へと近づいていく。
「あっ…待って…、あっ…んっ…んっ…ん…んん…」
胸を揉みながら、乳首にキス。そして、口に含んで少し吸いながら舌で舐める。
少しずつ乳首が固くなっていく。眞一郎は夢中でしゃぶりついた。
「あっ…、んあぁ…あぁ…あぁ…」
乳首への刺激が加わる度に、比呂美の体がひくひくとしている。そんな反応に喜んだ眞一郎がもう一方の乳房にしゃぶりついた。
「あっ…あん…、なんか…いい…」
「気持ちいいってこと?」
「うん…、もっと…して?」
無言で胸への愛撫が再開された。先程よりも強く。比呂美の脚が少しずつ開いていった。
「くぁっ…、んあっ!…ああっ…、すごい…」
眞一郎の手が比呂美の股間へ伸びた。
「あっ! ちょっと! 待って! だめっ!」
制止の言葉を無視して到達してしまう。脚を閉じる暇もなかった。眞一郎も余裕が無くなってきている。
「あ…」
比呂美の性器からは愛液が溢れ出していて、かなり濡れていた。
「あん…、恥ずかしい…。眞一郎くんのいじわるぅ…」
「あのさ…、こんなになるものなのか?」
「私だってわからなっ…んっ!…ちょっと!…くうっ!…あん…あっ…」
ゆっくりと割れ目に沿って指を這わせただけで、比呂美の体が跳ねるように反応していた。眞一郎の興奮が高まる。
「あっ!…、んあっ…んんっ!…んっ!…」
敏感な部分に指が触れる度に体が跳ねて胸を揺らしていた。我慢を超える。
「比呂美っ!」
既に痛いくらいに大きくなっていたペニスを性器にあてがった。
「んっ…、眞一郎くん…、きて…」
「ここだよな? 痛かったら、言えよ?」
「うん、あっ…んんっ…、痛がっても止めないで、眞一郎くんにあげたいの。
 眞一郎くんに貰って欲しいの。だから…ね?」
「比呂美、好きだよ」
「うん、私も大好き…。あっ!…くっ!…くぅっ…ぅっ…」
ペニスが膣に入っていく。比呂美はあごを上げて、初めての挿入に耐えている。
懸命に眞一郎を受け入れようとしていた。
「ああっ!…、くぅ!…んんっ!…」
ぷつっ、と何かを通過する感覚がペニスに伝わった。比呂美の処女が眞一郎に捧げられた。
「くぁっ!…、い…痛い…かも…、ああっ!…んあぁ…」
その後もゆっくりと奥まで進めて、完全に二人が一つになった。
「んっ!…、ん…ん…」
比呂美を抱きしめ、キスをした。
663全部ちゃんとした後の話?:2008/03/21(金) 01:07:05 ID:EXk2mgqO
「眞一郎くん…、いいよ? したいようにして? 私は大丈夫だから…ね?」
「でも…」
「いいの…、お願い…、してもらいたいの。眞一郎くんなら…いいの…」
体を離し、腰を前後させ始める眞一郎。
「ああっ!…くぁっ!…あっ!…ああっ!…んあっ!…あっ!…、」
比呂美は喘ぎながら、シーツを掴んでいる。
「あっ…出るっ」
あっという間に射精感がこみ上げてきた。自分でも加減が分からない、そのまま射精してしまう。
「んあっ!…くっ!…くっ!…くぁぁっ!…ああああっ!」
どくどくっと精液が子宮に進入した。その度に比呂美の腰がびくっと動く。
「はぁ…、あ…ごめん…」
「はぁ…ふぅ…はぁ…ふぅ…。ううん、今日は…大丈夫だから…」
「え? そんなのがあるのか?」
「うん、眞一郎くんのためだもん…んっ…ん…」
「えーと、どうすればいい?」
「このままがいいの…」
眞一郎と深く繋がっている、何もかもが満たされていた。離して欲しくなかった。
「わかった」
「眞一郎くん、嬉しい…」
そう言って、また比呂美の目から涙が流れた。
「泣くなよ…」
「だって…だって…、こんなに嬉しいなんて、思わなかったから…。
 良かった、本当に良かった…。ずっと…眞一郎くんのことが好きで…。
 私…嬉しいの…、だって…私は…」
「比呂美、好きだよ」
「し、眞一郎くん…」

二人はそのままで抱き合う。シーツには赤い染みができていた…
664名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 01:07:50 ID:EXk2mgqO
とりあえず書いてみました。
他の人みたいに上手くなくて申し訳ない。
665名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 01:24:55 ID:JnnqUFcD
すげえGJ
そしてこの後のピロートークが聞きたかった
666名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 11:35:39 ID:AN9JpR7/
いいねいいね
比呂美は眞一郎の前だとすごく穏やかで甘い空気をだすからな
667truetearsVSプレデター(33:2008/03/21(金) 16:04:02 ID:mgUOPNMC
傷だらけのプレデターが罠にかかった獲物をチェックする。
負傷兵の悲鳴は恰好の陽動になるし、死体なら盾にする。武器も回収して、再利用できる。
「・・・クァア?」
ふと見れば、棘が飛び出す壁から、それを避けた敵を吸い込む落とし穴を白い直線が結んでいる。
細いロープだった。
金属を切り出した突針はなだらかとは言い難く、その凹凸にロープの端がひっかかり、
落とし穴の口まで続いているのだ。
ジャキンッゥ
必殺のリストブレイドを展開して、身構える。
想定できるのは、罠を確認しにきたプレデターを逆に攻める仕掛け。
先に爆弾か何か、装置を取り付けているのか・・・だが見るからに稚拙だ。
これはカモフラージュで二重トラップがあるのか、と穴が何か囁いた。
「こ・・・こんなに・・・可愛い子がっ、お、女の子なわけ、・・・ないじゃないか?」

知ってる声紋だ。データから読み取れる骨格や体格からも誰なのか直ぐに分かった。
ギギギ・・・
壁を蹴って、落とし穴の閉じられた口を開くと、その淵で少女が懸命に底へ落ちるのを抗っていた。
「よ、よかったら・・・手を貸してくれないかな?」
比呂美は地面が裂けたとき、とっさに止血用のに腰を巻いていたロープの端を、
自身を貫こうとしていた刃に引っ掛けたのだ。
何か使うことになるだろうと、余分にロープの長さを作っておいたのが幸いだった。
ミチミチミチ・・・
「うがぁっ」
しかし、彼女の体重を支えるためそれは深く腹に食い込んで苦痛をもたらしたし、
そのロープは今にも外れそうで穴を登ろうと身を揺することもできなかった。
キュイィィィィン
「・・・!」
プレデターのマスクから伸びた赤い光線が比呂美の額を指す。
それが鉄も溶かすプラズマキャノンの道標であることは彼女もよく知っている。

「わたしは死にたくない・・・あなたもそうじゃないの?」
今は少し優勢に戦闘を展開しているプレデターだが、朽ちた檻の中で篭城を続ける限りいつかは限界がくる。
プレデターはその終末を覚悟で闘っていた。
「聞いて・・・私だけでも、あなただけでもこの包囲を抜け出せない」
いまや比呂美を殺すのに、何の造作も無い。ほんの少し、チョイと文字通りの命綱に触るだけでいいのだ。
それで穴の底で待っている針の束が、少女の形をした肉を作ってくれる。
「でも2人一緒ならきっと超えられる」
比呂美を救う義理はひとつもない。
「一人だけなら飛べない羽でも、二人揃えば翼になれる」
彼女は自分を追い回す人間の仲間だ。
「翼なら飛べる!」
比呂美は助けに来たのでも、助けを求めたのでもない。
「地べたを這ってる私でもない、雷を轟かすあなたでもない・・・私たちでここから羽ばたくのよ!」
プレデターと協力しに来たのだ。

ブツッ
その瞬間とうとうロープが重力に負け、杭から外れて宙に放られた。
「あ」
プレデターが咄嗟に縄の端を掴んだ・・・が、雨でツルツルに滑って手の平を抜け、小指に引っかかる程度になってしまう。
「ひぃっっ!!」
ガクンッと揺れが襲い、ロープに捕まっていた比呂美は泥でグチャグチャの縁に手と足を掛け、ギリギリで踏ん張る。
それでも怪物の握力ならゆっくり引き上げられる筈だったが、そんな猶予はなかった。

シュカッ
突然振り返ったプレデターが通りの影にディスクを飛ばすと、血潮が広がり割れた人影が転がる。
「いたぞ!撃て撃てぇっ!!」
影から一斉に銃弾が注いでくる。キャノンで応戦するが、比呂美を支えるのに体勢をとらえ狙いがつかない。
怪物の握力とは関係なく、ロープの強度と、表面の摩擦のせいで、強引に持ち上げられないのだ。
四肢を銃弾が掠めていく。だがそれでもプレデターは比呂美の命綱を離そうとはしなかった。
「ヴオオオオオオォォォォッッッ!!」
668名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 18:01:00 ID:b5oA2VvO
最凶タッグ結成っすかwww
669名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 20:29:48 ID:sh3KptlO
プレデターさんの筆速は異常
670名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 20:53:20 ID:AstDXtGy
>>664
眞一郎×比呂美の和姦イイネただ挿入してから逝くまで早っ
もうすこしねちっこくオネガイシマス
とりあえず乙
671名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 21:56:20 ID:bayDnIHK
最強カップル成立!!
672名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 22:48:09 ID:5RqGqp2x
>最凶タッグ結成
誰が勝てるんだ、こんなんにw
673名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 22:54:03 ID:EXk2mgqO
>>664 です
少しは気に入って頂けたようで、何よりです
眞一郎が早いのは、童貞+それまでの気持ち補正を適用w
次を書くことがあれば、いろいろさせますよ

実は石動兄妹のもあるけど12話を見てから、ということで
こっちが先にできていたんですけど、貼るのをためらってしまう…
674名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:00:53 ID:jMWOtdA2
>>673
乙です。次回の眞一郎×比呂美に期待せざるをえない
675名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 00:02:48 ID:cYjhu9Kv
折れも眞一郎×比呂美に期待
眞一郎がちゃんとした後の濃厚なヤツを
676朋与男:2008/03/23(日) 02:44:34 ID:1hn6FNAL
コテでの書き込みは控えようと思っていたのですが…
はぁ……
眞一郎が(12話の時点で)ああゆう人間だと……
この先、書きにくいっすね、本当に……
朋与の処女を捧げさせるんじゃなかった……
677名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 03:09:55 ID:7SYtksI4
朋与男さん、御気のどくです。
しかし、お気持ち分かります。眞一郎は自分の中では
結構いい主人公に入っていたのですが今回の話で誠、孝之たちの仲間入りしてしまいました
とりあえず12話眞一郎死ね
678名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 03:10:35 ID:Tn2qgpra
>>676
朋与男さんの考えていた眞一郎像でいいんじゃないかと……。
679名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 03:12:27 ID:ysVUCun7
諸事情(察してください)によって7話までしか見れてないので話についていけないですが、
いろんなところで同じような話を聞きますね。そんなひどかったんだ。
680名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 03:21:06 ID:sZmbmJvG
今回の展開にむかついた人は、自分でエンドを作っちゃえ
まだ13話は残ってるけど、もう取りかかってもいいよねw
681名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 03:26:06 ID:dXNbXqPf
すべては作者さんの意のままに
我々はただついて行くのみ
682名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 03:26:53 ID:xOIjgp6U
あまりにも眞一朗が糞だったのでフイタwww

一時期誠よばわりされてて、それはないだろうと思ったが、
精神面で誠以上の鬼畜に成り下がった。

このなんともいえない感情をどこにぶつければよいのだろう?
ってこんなとこで書いても説得力ねーwww
683名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 03:28:01 ID:9UTJ04YE
>>676
自分も結構ショック受けてますが、13話まで判断保留です
次の話(660-663の後、ほぼエロOnlyで560行)も用意したのに…
684名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 06:03:03 ID:K1Kk/8Jo
>>676
>>683
作者さん達の書く眞一郎こそ俺のTT
ずっと待ってます
685名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 07:35:13 ID:H3MJp/m3
作者さんガンバレ…こっちが正史でいいと思うようなのを見せてくれ…
686名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 07:58:45 ID:BEQt8RT3
眞一郎の名前見るだけでいらいらするwwwww
687遅筆屋(@8) ◆3mclWd6jX. :2008/03/23(日) 09:50:19 ID:tsdUCPzy
眞一郎…頼むよ……orz

見終わってから一晩考えたんだけど、
・10話以降本当にちゃんとした眞一郎と比呂美、
・高校入学時に比呂美に一目ぼれしてずっと比呂美をだけを見てきたオリキャラと比呂美、
(もしオリキャラ書くなら自分の名前に書き換えてもらえればw)
どっちを書こうか……どっちも本編乃絵エンドが前提だけど。
とりあえず最終回迎えてから決めます。
688名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 10:35:16 ID:qwuOtwD1
>>682
実際に誰彼構わず手を出して飽きたらポイ捨て
比呂美と乃絵(と愛子)に曖昧な態度をとり続けているだけ

全然違う
何でもスクイズのように考える自身に問題があるんじゃないか
689名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 10:41:52 ID:sZmbmJvG
ここの人たちは比呂美派が多いの?
凌辱と純愛どっちが好き?
690名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 11:02:32 ID:8OD3l2Bl
本編がアレだからSSくらは純愛がいいかなぁ
691名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 11:28:16 ID:MMUT1ZGa
>>687
個人的にはオリキャラじゃないほうがいいな
別におかわりで痛い目にあったからじゃないんだからね
692朋与男:2008/03/23(日) 11:30:46 ID:1hn6FNAL
私の書き込みが呼び水になって、
少しスレが荒れてしまったかもしれませんね……
お詫びします。……どうにも12話が我慢出来なかったもので……
>>689
私は比呂美・純愛派です。一番書きやすいのは朋与ですけど……。
正直言って、乃絵の気持ちって想像しにくいですね。
693名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 11:53:56 ID:avsui1Nm
眞一郎を題材に純愛を書くのが憚られるような内容だったからね12話
694名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 11:54:52 ID:avsui1Nm
最後まで純愛を貫いた4番こと純くんこそ純愛SSにいいんじゃないだろか
695名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 12:05:28 ID:ZZExxMgU
折れも眞×比呂美の純愛だな
まさか最終回まですれ違いで行くとは
二次でもいいから補完したい…
696名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 12:11:54 ID:H3MJp/m3
俺も純愛で頼む
あんなんでも比呂美の好きな男なんだよ…
697名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 12:21:53 ID:7SYtksI4
>>678です。自分も少しひどく書きすぎました。すみません
えっと、まあやっぱし自分も眞×比呂美の純愛もので。
せっかく比呂美が気持ちに正直になり、デレを見せてくれたので
698名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 12:48:34 ID:9UTJ04YE
>>692
683で判断保留と書いたのは眞一郎評価です。言葉が足りなくて申し訳ない…
話を作る場合は、本編のある時点から分岐でいいと考えていますが、どうですか?

>>687
10話以降の話、期待してます。

続きはどうしましょう。エロばっかりの話だと気が引けるんですけど…
699名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 12:52:11 ID:xOIjgp6U
>>698
現状、まさかの裏切り行為で混沌状態の世界に光を灯すことができるのはあなたしかいません。
ほか作者さんは現在フリーズ状態で動けません。

せめて光を・・・
700名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 13:08:08 ID:AFGSlL0P
眞一郎糞すぎてワロタ
こいつとくっついたら不幸だろw
701名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 13:24:33 ID:fWH2X00v
公式予告からは想定できない酷評の嵐www
702名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 13:41:57 ID:y+Ol31FV
>>687
前者で。
やっぱりかっこいい眞ちゃんがみたい
703名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 14:05:04 ID:5bcMqr+j
あさみの願いの続きを密かにまっている私は少数派なのか・・・
704名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 14:10:43 ID:hvO4qaDH
>>703
ノシ
705678:2008/03/23(日) 15:00:50 ID:Tn2qgpra
>>697
アンカー間違っていないかい?
言いたいことは同じだけど。
706名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 15:09:45 ID:7SYtksI4
おお、たしかに間違えてました>>697です。無駄レスすみません
707truetearsVSプレデター(34:2008/03/23(日) 15:44:42 ID:fWH2X00v
     ,. - 、   〈〉     
    彡`壬ミ   ||      
   用ノ哭ヾ二=G    <べ、別に>>626に期待なんて全然してないんだから!
   〈_〉〉=={   ||      
   {{{.《_甘.》   ||      
    {_} {_}   ||      
   ム' ム  

 _,,..i'"':,
|\`、: i'、
.\\`_',..-i
  .\|_,..-┘

土砂降りの豪雨が注ぐ公道を、道路工事の看板を立てた数人の警備員が封鎖している。
彼らはプレデター捕獲のため、ユタニ社が要請した民間警備会社だ。
もちろん末端のさらに端、間に合わせの彼らにそんなことを知る由はない。
「しっかし、こんなひでぇ中働かせるとはなぁ・・・」
「しかもなんでまた絶対勧告令なんか敷くんだか」
「まぁ金払いのいいのが救いだけどな」
「終わったらパーッと遊びに行くか?今度いい娘が入ったんだと」
「いいねいいねー・・・おい、来たぞ」

カーブの向うから猛スピードでバイクが走ってくる。
1メートル先の視界も不確かな天候下であの運転は、正気の沙汰と思えない。
どこぞのスリルジャンキーなライダーだろう。
とはいえ、大型車両を壁のように道路に並べているから、映画のように強行突破するのは不可能だ。
警備員たちの予想通りバイクは彼らの手前で停車した。
「はーい、ご苦労様。ここは今工事中でして、って・・・」
驚いたことにまだ十代の少年だ。しかも少女との2人乗りだ。
「君ぃ、命知らずは結構だけど、女の子を巻き込んじゃいけないよ」
少年、といっても同年代より遥かに体格もよく、マスク越しからも分かる精悍な彼がバイクから降りて告げる。
「そうもいかないんだ・・・こいつの命のために」

石動純は雨も気にせずにマスクを外すと、警備員たちに向き直って頭を下げた。
「お願いします!ここを通らせて下さい!」
少女の表情はよくわからない。だがこの雨のなか、わざわざ来るということは深刻な事情でもあるのか。
「そうしてあげたいけど・・・ここは使えないから」
「なんなら車で送ってあげようか?」
警備員たちも同情はするが、トップからの指令に逆らえばクビは必至だ。
「そうですか・・・残念です」
純は本当に残念そうにいうと頭を戻した。
ホッとする警備員たち。だが次の瞬間、彼らの表情は驚愕に凍りつき、悲鳴に染まった。
「警告はしたぞおおおオオキャアアアアアアッッッ!!!」
端正な少年の影が蠢くとその全身を包み、真っ黒い肉体と真っ赤に裂けた口と牙、そして顔を埋め尽くす真っ白い目の怪物が現れた。
708名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 15:55:05 ID:XE8LE1WB
でも12話は釣りなような気がするけどね
709truetearsVSプレデター(35:2008/03/23(日) 15:58:52 ID:fWH2X00v
仲上眞一郎はフラフラと雨のなかを彷徨っていた。
後悔などという言葉では到底追いつかない絶望感、自我をぐちゃぐちゃにしてしまうほどの罪悪感に苛まれていた。
安藤愛子、野伏三代吉。
はっきりと意識したこともないが、一生に2人と得られない友人を同時に失ったのだ。
一切の弁解なしに、ただ己の過失、最悪の所業によってばかりに。

「・・・なんで、なんでこうなるんだよ・・・」
なんで?それを自分に問う権利などある筈がない。原因はただ自身の本性が卑劣であったというだけにある。
それを知ってしまったのだ。
多くの法律や慣習、因習によって雁字搦めに封じられ隠されてきた本性、
今まで自分は世界の白い部分に属すると、意識もせず思っていたのにそうではなかった。
「仲上眞一郎は・・・・・・悪人だったよ」

そうやってひとしきり葛藤していたが、いい加減肉体が悪天候の中、傘もささずうろつくことに耐え切れなくなった。
「・・・帰ろう」
純や愛子のいうとおり、比呂美はどこかで自分の知らない男の腕のなかにいるのかもしれない。
自分がみたことのない陶然とした顔で、喜びの悲鳴をあげる比呂美の痴態が浮かぶ。
艶やかな髪を振り乱し、眞一郎のモノよりずっと立派なモノにむかって腰を叩きつけ、
胎内に子種を何度も何度も注がれる比呂美。
学生らしいキスとはかけ離れた生々しい唇同士のセックス。互いの舌を絡め、唾液を交換し、
餌を求める小鳥のようについばみ合う。
ブラジャーなしでも芳醇な乳房は垂れることなく、男の指で粘土のようにグニャグニャとこねくり回される。
その相手の男は・・・石動純だった。

「いないっていってたじゃないか・・・」
比呂美にも純にも、乃絵にも失礼な話だ。
それでも恥知らずな想像を戒める心地も起こらない。
想像の比呂美の感触を味わい、純に自分を重ね、その絶頂に同調する。
「・・・っ!」
無意識に自慰していたらしく、ズボンのなかがグッチョリと汚れてしまった。
「どうせ・・・ずぶ濡れで分かりゃしないか・・・比呂美も濡れ濡れだろうし」
ほんのつい先ほどまで、近くに感じた比呂美の存在がどこか遠く、ずっとずっと彼方にいってしまったようだ。

「母さん、ごめん・・・」
普段は口煩い母親。しかし、己が矮小を自覚したとき浮かんだのはそんな自分を見捨てないでくれた母の愛だった。
「ごめんよ・・・」
大切なものを失ってしまった、自ら零してしまったのだ。
だからこそ、確実に自分を認めてくるひとの温かさが、この今になってはっきりと分かった。
心配してほしい。凍えた肌を抱きしめてほしい。一人じゃないと信じさせてほしかった。
710名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 16:21:38 ID:KZSLoNXq
ママンが丁稚とデキてるって知ったら自殺しそうだな・・・
哀れすぎて見ていられなくなってきた
711truetearsVSプレデター(36:2008/03/23(日) 16:46:43 ID:fWH2X00v
「宇宙生物を押さえました!現在、残存兵力を集結させています。鹵獲はほぼ確実かと」
ユタニ軍の前線司令部となっているハイテク車両内に通信が入る。
「了解した。敵の生命力は極めて強大。くれぐれも注意されたし」
吉報を受けた司令官は努めて冷静にいうと、ホッと腰を下ろした。
「クビがつながったな」
傍らにいる副官に共感を求める。
「まだ決まったわけではありません・・・が、化け物は連絡地点から何故か動けないようです。
あとは態勢を戻されないよう兵力で圧倒しつつ、止めに液体窒素弾で凍らせれば完璧です」
司令官は、まだ予断を許してはいけないと知りつつ、
勝利の美酒を思わずにおれない。
「宇宙の狩人を仕留める・・・か。今は無理でも遠い歴史において、我々の名は無限に語られるだろう」

しかし直接部隊の情報を受けた部下のひとりが、渋々といった感じで進言する。
「現場の兵たちが相当消耗しており、必要な人員をとても避けません」
副官が正確な数字を確かめるが、苦々しくかぶりを振る。
「追い詰めているのは確かです。しかし、現在の状況ではこっちのスタミナが先に尽くでしょう。
そうすれば、増援を手配するまでにヤツは高エネルギー爆発を起こすでしょうね・・・」
「なんてこった!」

司令官がやるせない憤懣で机を叩く。
正しく千載一遇の機。ほんのもう少し、押し続ければ悲願が叶うと分かっているのに、
その寸前に至って、ゴールテープを目前にして力尽きるのか。
「くっ・・・止むを得まい。化け物が本当に追い詰められてるなら、今こそアレを使うぞ」
副官が即座に理解して、あつらえた金庫を空けるとトランクを引き出し、
長々とした手順で封を解除していく。
そして最後のキーに辿りついたとき、今一度司令官に問う。
「これで仕留められなければ私たちの命はないでしょうね?」
「それは今ヤツを倒せなくても同じことだ・・・やれ」
「了解」

箱に収まっていたのは、電話だった。
司令官は受話器をとると、コードを押してどこかに連絡する。
「こちら最前線対策司令部指揮官。認識コードXXXーXXXXーXXX」
「確認しました。命令をどうぞ」
「‘強化外骨格’の使用を要請す」
部隊から離れて近くの山中に隠れていた輸送用コンテナを配備したヘリが飛び立つ。
その内側では、大型の機械が起動を開始した。
712勝手に最終回1:2008/03/23(日) 17:08:56 ID:3IFgLyeC
絵本を読み終えた乃絵は満足そうに微笑んでいた。

「…ありがとう眞一郎」

そしてゆっくり顔を上げて真剣な顔で眞一郎を見つめる。

「………もう、行ってあげて」
「乃絵…」

自分の気持ちも、相手の気持ちも今は痛いほど理解できる。

「ごめんな…ごめん…」
「ねぇ、最後、わがまま言っていい?」
「何?」
「…キスして…」
「………」

2人の顔がゆっくり近付き、眞一郎は乃絵の頬にキスをする。
そして踵をかえし、走り出す。

「眞一郎!!!」

乃絵の叫び声に振り返る。

「がんばれ!! 眞一郎!!」

乃絵の言葉に微笑むと、眞一郎は再び走り出す。

「………がんば…れ…しん…」

眞一郎の背中を見送る乃絵の視界がぐにゃりと歪む…

「…あれ? あれえ…」

ぬぐってもぬぐっても溢れ出るあの日無くした  涙。
眞一郎の心のかわりに残されたスケッチブックを抱きしめる。

眞一郎は乃絵が涙を取り戻した事を、もう、知る事はなかった。
713勝手に最終回2:2008/03/23(日) 17:10:10 ID:3IFgLyeC
比呂美は暗く重い足取りで、俯きながら薄暗くなった海岸線の道を歩いていた。
悲しみと後悔の念で比呂美の心は今にも壊れそうだった。

「比呂美!!」

ハッと顔を上げると、そこには息を切らした眞一郎がいた。
混乱していた比呂美は思わず逃げ出してしまう。

「俺! 全部ちゃんとしてきたから!! 全部!!」
「!!」

振り返る比呂美の瞳に、息をととのえながら優しく微笑む眞一郎が映る。
その言葉の意味は比呂美にとって最高の福音だった。

「眞一郎…君…」
「………比呂美」
「眞一郎君!!」

あの日と同じように迷うことなく眞一郎に走り出す比呂美。

「ッ眞一郎 君!!  …キャッ」

あの日と同じように足を滑らす。が、今度は眞一郎がしっかりと比呂美を抱きしめ支えた。

「同じ所で同じように転ぶか?普通」
「ご、ごめんなさいっ…」
「………」
「………」

見つめ合う2人。
眞一郎は比呂美の頬に流れる涙をぬぐって、優しく深いキスをした。
714勝手に最終回3:2008/03/23(日) 17:11:22 ID:3IFgLyeC
1年半後

「暑い…空気悪い…人多過ぎ…」

初めての東京で、比呂美は思わず口にしてしまった。

「無理して付いて来ることなかったのに」
「だって、眞一郎君の晴舞台だし、東京見物もしたかったし…」
「やれやれ」

眞一郎のデビュー作は、絵本業界では異例ともいえる大ヒットをとばした。
優しくも切ない話と、素朴な絵。
現役の高校生という話題性も手伝って、ちょっとした時の人になった眞一郎は、
出版社から招待され、大型書店で促販をかねたサイン会が開催される事になった。
夏休みと言うことで、比呂美も半ば無理やり同行したのだった。

「来てくれるかな、石動さん」
「どうかな…」

乃絵と純が母親の勤め先の東京に転校して行ってから、もう1年半が過ぎる。
乃絵との出会いと別れは二人を大きく成長させた。
眞一郎は仲上の家を継ぐ事と、絵本作家になる夢との両方を真剣に向かい合う事を決心し、
酒造りの修行と絵本の執筆活動に忙しい日々を送っている。
比呂美も眞一郎を支える為に仲上家に戻った。 今度は居候としてではなく…

     ( 〜BGM: セカイノナミダ〜 )

出版社の儀式的な挨拶回りを終え、サイン会が始まった。
整理券を持った200人から差し出される眞一郎の本一冊一冊に丁寧にサインをし、
握手をかわす眞一郎を離れた所から見守っていた比呂美。
その顔が、驚きと喜びに変わる。

最後の1人から眞一郎の前に差し出された物は本ではなく見覚えのあるスケッチブック。
表紙には眞一郎の文字で 「雷轟丸とじべたの物語」

「おめでとう、眞一郎、これにサインしてくれるかな?」

懐かしい声。
笑顔でゆっくりと顔を上げる眞一郎。
そして…

END
715名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 17:29:56 ID:ZZExxMgU
>>712

モッタイナイから↓で投稿して欲しいな
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1206226572/
716名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 17:32:04 ID:3IFgLyeC
勢いで書き込んじまったが、俺、バリバリの野絵派なんだよな。
エロくないし。
飛び降りで混乱してるのかもしれん。
病院で息を引き取る前に涙って展開だけはやめてくれ。
717名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 17:37:39 ID:ZZExxMgU
>>716
そうか…乃絵派はてっきり喜んでると思ってたんだけど
12話で胸痛めてんだね
比呂美派だけど本編がアレだったんで読んでてちょっと泣けてきたよ
718名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 17:39:04 ID:Xn6ZLU7M
>>716
予告であれだけ喋ってたから、無事だったと思いたい
そんな三代吉派の俺
719名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 18:00:02 ID:cJyC6Uvj
このスレの勢力図がそろそろ決まるかな

どっちよりのスレになるやら
720名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 18:39:09 ID:2XBVhVs/
>>716
これは綺麗に収まっていますね。GJ
721名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 18:52:10 ID:y+Ol31FV
>>712

もうこれでいいや
722truetearsVSプレデター(37:2008/03/23(日) 18:52:11 ID:fWH2X00v
新作ラッシュの予感・・・!


「さて、あとは祈るばかりだな」
ユタニの前線司令官が副官に向き直る。
今回の有事に対し、友好企業のウェイランド社から本社が直接交渉して借り受けた切り札。
分厚い書類と手続きの末に使用の有無を本社から許された試験兵器。
「ええ、待ちましょう・・・」
この最重要機密を万が一にも知られないため、自軍を含めた周囲一帯に強力な通信障害を施すことになる。
そのため本当に、あとは祈るしかないのだ。・・・もっともそれはある意味、正しかった。

ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「何事だ!?」
緊急事態を警告するサイレンが響く。同時に車内のランプが非常用の真っ赤なライトに切替わる。
「わ、分かりません!友軍との連絡が急に・・・!」
モニターに示された味方の位置を知らせる光が、瞬く間に消失していく。
「馬鹿なっ!まだ早いぞっ!・・・ん?」
真っ赤なランプの光が奇妙に歪む。まさかこのシルエットは・・・!
ガキュンッ!
異変に気付いた副官が虚空に向かって、ホルスターから抜いた銃を撃つ。
すると空中で青白い放電が奔り、そこに色を塗るようにして、凶悪な狩人の姿が現れた。
「馬鹿なっ・・・何時から!?」

あちこちで青白い光と、真っ赤な爆発が起こり、焼けた鉄の音が広がる。
「始まったか・・・」
穏やかでない手段によって最初の警戒線を超えてきた純は、路肩にバイクを停車して、
付近の山々から微かに届く花火の連鎖を眺めていた。
乃絵の目にはその光景を見つめる兄が恍惚としてるように思える。
「行くの・・・?」
純がバイクから降りると、妹を雨から庇いつつ庇いつつ、乗り手のいなくなったトラックに移す。
「ああ、乃絵はここでじっとしてるんだぞ」

「できれば・・・誰も殺さずにやれないかな?」
縋るような目で兄に訴える。これから戦場にいくのに無茶だというのは分かる。
ただ、自分の罪悪感ばかりではない。このままでは純の心まで真っ黒になってしまう予感があったからだ。
「どの道、プレデターは皆殺しにするつもりだ。
下手に町に逃げられたら、平気で巻き込むぞアイツラは」
乃絵に嘘はつけない。だから口約束をせず、純は道理を説く。納得できなくても、だ。
723truetearsVSプレデター(38:2008/03/23(日) 18:59:19 ID:fWH2X00v
「じゃあなんで自分たちだけでやらないの?仲間を助けに来たんでしょ」
青年はつい笑ってしまう。確かに人間の常識で考えるとそうなんだが、
「それが少し違うんだな・・・あの戦闘ジャンキー共にとって、
戦いに救いを差し伸べるのは酷い侮辱なんだとさ」
大体自分から宇宙を飛び回っては、頭蓋骨のトロフィーを作りまわってるくせに、
何を拘るのかという価値観だ。
「だから已むを得ず・・・、技術を奪われそうになったりした時にだけアイツラは動く。
結果的にそれが助けになるなら、せめて代わりに試練をたそうってわけだ」

乃絵は納得するどころか余計憤懣にかられた。
「じゃあ自分たちでやればいいじゃない!」
「そうもいかないんだ・・・。何しろ年中ドンパチやってる異常な宇宙人が
仲間同士で殺し合いを始めたら、あっという間に絶滅しかねない」
「それでお兄ちゃんが代わりに戦ってほしいって・・・
身勝手迷惑の塊じゃない、どこの星で育ったらそうなるの?」
純は肩を竦める。なんにせよハンカチでも咥えて、号泣して見送られなくて幸いだ。
「さてね・・・。でもオレが選ばれたのはコレ、
共生体‘シンビオート’と共鳴したかららしい」
仲上眞一郎が訪ねてきたとき、必要以上に荒れたのは宇宙アメーバのせいだったのか。
その黒いコスチュームに親しみの感情を向ける純が乃絵にはつらい。
それは兄をおかしくさせていると、どうして気付かないのか。

「あ・・・雪」

鼻に伝わる冷えに乃絵が空を見上げると、
いつの間にか降りしきる雨は嘘のように止み、代わりにキラキラとした結晶が降りてくる。
純は妹の瞳に照らされた白い輝きを認めると、それを失うまいと決意を固くする。
「そろそろ行く」
「ん」
乃絵がトラックの奥に引っ込むと、肩を震わせて白い息を吐く。彼から目をそらして、その姿を見ようとしない。
プレデターの命令に従って、ここに来るまでずっとむくれていた。
眉を寄せて、苦そうに笑う純は上着を脱ぐと、彼女に渡す。
「預かっといてくれ・・・」
「・・・ん」
濡れた上着を懐に抱きしめ、兄の温もりを確かめる乃絵。彼女は思う。
もし戻ってきたとしてもそれは‘石動 純’なのか、と。
その不安に駆られて我慢できず兄に顔を向ける。

純も乃絵を見つめていた。その眼差しは温かかった。
いつもの、いつか分からないほどずっとずっと昔からそこにあった。
それだけはきっとこの先も変わらないのだと、
そう確信できる光がそこにはあった。
「いってらっしゃい、お兄ちゃん」

「じゃあ見ててくれ・・・オレの‘変身’!」

血と肉、鉄と炎に染まった土を白銀の雪が覆い隠す。
そこに踏み出した少年の姿が、そおだけ光が吸い込まれたように黒く輝く。
白い牙のような模様が刻まれたマスクをしばし向けると、何もいわず彼は駆け出した。
724朋与男:2008/03/23(日) 19:30:32 ID:1hn6FNAL
「五代!!」って叫びそうになりました(笑)
コテ同士でレスしてはいけないルールですが…つい…スミマセン
それにしても、本編の逆走が起爆剤になって、新作ラッシュとは嬉しい誤算
これは2滴目が必要になるかも?
725名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:14:37 ID:2XBVhVs/
>>724
朋与男さんにも新作ラッシュに加わってもらうために、
ヒマになる呪いをもう一回かけておきますね。
726名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:46:57 ID:xOIjgp6U
失恋のショック+幼少期の思い出で幼児化する比呂美
その比呂美に絵本を見せてあやす眞一郎であったが、
心は子供、体は大人の逆コナン状態の比呂美にムラムラ

って話ぎぼーん

・・・もうだめだ、俺、監督氏ね
727名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:58:48 ID:KOjYHT53
そこまで来たらもう自分で作れwww
728名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:22:13 ID:gC3T2UYk
このスレや本スレのSSのほうが正史に思えてきたよ…
監督と脚本家は腹を切るべし
10話が最終回と思い込むことで納得するしかない
729名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:32:35 ID:qwuOtwD1
18歳過ぎた大人なら自分の望んだ展開じゃないからと安易に死ねだ何だといわないほうが。
我慢できないならせめてアンチスレでやるぐらいの分別はみせてくれ
730あさみの願い 8:2008/03/23(日) 21:37:54 ID:w8WsPguY
「そうだ!仲上君!今日家来ない?」
あさみは思い出したように突然眞一郎を家に誘った。
「はぁ?何でだよ・・・別に行かなくても」
眞一郎の言い分はもっともである。
「うち、今日誰も居ないし、一人でご飯食べるのって何か寂しくない?そう思うでしょ?」
「そりゃあ・・・まぁな・・・」
「それにうち昨日カレーだったから一晩経って美味しくなってるし!うちのカレー美味しいんだよ!」
「ほら、仲上君、私の用事に付き合ってくれるって言ったじゃん!」

あさみが強引に眞一郎を誘う。
意外に眞一郎は女の子の押しに弱い事をさっきのキスであさみは見抜いた。
だから多少強引にでも誘えば眞一郎は断らないとふんだ。
「はぁ・・・しょうがないな・・・でも今日だけだぜ?」
「うん!今日だけ!」
そう言うと二人は薄暗くなった教室を後にした。

学校からあさみの家に向かう途中、二人は色々他愛のない事を話した。
そんな中で、あさみは石動乃絵の事、比呂美の事にだけは極力触れないように気をつけた。
眞一郎の心の中にはきっと比呂美が住んでいて、そこに石動乃絵も住もうとしていると言う事は
女の勘で分かった。自分が眞一郎の心の中に住むことは絶対に無いという事も・・・

それでも、あさみは眞一郎に気づいて欲しくてキスをせがんだ。
それがあさみにもたらしたモノは、眞一郎に自分の初めてを捧げたいという、淡く儚い願い・・・
もしかすると眞一郎は拒むかもしれない・・・そう思いながら二人はあさみの家へ向かって歩き続けた。
手が触れそうで触れない距離を保ちながら・・・
それでもあさみはその自分と眞一郎との間にある見えない壁を乗り越えて
眞一郎の手を握る。

眞一郎は一瞬驚いた表情を見せたが、あさみの手を優しく握り返す。
そんなささやかな幸せをあさみは充分に感じていた。
731あさみの願い 9:2008/03/23(日) 21:39:03 ID:w8WsPguY
「ここが私の家。今日誰も居ないから気兼ねしないで入って!」
「へぇ・・・綺麗な家だな」
「仲上くんの家より狭いかもしれないけど・・・」
「そんな事無いよ。うちなんてボロだしな・・・」
「えーっ古い格式のある家って感じでいいじゃん」
「そうかな?」
「そうだよ」

「ちょっと待っててね。すぐ温まるから」
そういうとあさみはガスコンロに火をつけカレーを温めはじめる。
リビングにあるソファーに腰掛ける。
「女の子の家って緊張するなぁ」
「そんな事ないよ〜仲上くん意識しすぎ〜」
「緊張するもんなんだって!」

「出来たよー」
そういうとあさみはカレー皿に二人分のご飯を盛りつけ、カレーをかける。
そのカレーの横にはシチューもあった。
「シチューもあるのかよ・・・」
「うん・・・うちカレーの時にはシチューも作るんだ。ルーが違うだけだから簡単だよ?」
「そっか・・・でもシチューとカレーって合わないんじゃ?」
「そんな事無いよ!食べてみればわかるって!」
あさみは自分の家の食生活を眞一郎に強要する。
「わかったよ・・・食べるって」
「なら良い」
二人は向かい合わせでカレーとシチューを食べ始めた。
「ん?結構合うな・・・カレーとシチューって」
「でしょ?」
そんな他愛の無い会話でもあさみは擬似夫婦みたいで楽しかった。
732名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:05:24 ID:QB2n1Qh3
あさみの人キテター! 続きもwktkして待ちますぜい。
733名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:26:25 ID:ysVUCun7
あいちゃんのお話少ないね(´・ω・`)
734名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:55:02 ID:Yq2eBpsn
乃絵・・・
735名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:08:03 ID:KJU02sPn
>>731
続きwktk待ち
736名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 23:49:15 ID:qwuOtwD1
>>733
男「祭りにあいちゃんが出店しているとはな…ひとつ貰おうか」
ミヨキチ「はい、ありがとうございます!」
男「何だこれは! 皮は生焼け(中略)貴様に今川焼きを作る資格はないわ!」
ミヨキチ「申し訳ありません……」
男「先代が引退して孫が後を継いだと聞いていたがこの程度とはな」
眞一郎「ちょっと待てよ、おっさん!」
みよきち「お、おい。眞一郎止めてくれよ」
眞一郎「あいちゃんの後継者はここにいるミヨキチじゃねえよ」
男「ならばその後継者とやらを呼んでみろ。味見してやろう」

 _,,,,....-----、-‐‐‐-、
 =ニ_...,,__,..-‐'´‐‐--、 ヽ
    〈ェ  _,,ェェ,,冫/\ 冫
    /(・|,,  /・)> ヽ___ /
    /〈~、 '。゚, ̄i  `,r`i
    |::rニ、   /  ( /   <とぅるるるるー
    |::`こ'  /  /入|
    \__,,,.....,,,,_//|| |
     〕;;;;;;;;='´/|| || \
   _,..|| || || ||/||  \

愛子電話「あ、眞一郎……」
眞一郎「愛ちゃん、今」
愛子電話「ごめん、私まだ眞一郎と話す心構えが出来ていないの」
プツッツーツーツー
眞一郎「あ、あいちゃん もしもし、もしもし!」
男「どうした、早く後継者とやらを呼んでみんか」
眞一郎&ミヨキチ「…………」

続く?
737名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 01:17:14 ID:WV3iqZSR
>>724
俺も呪いをかけておく
頼むからヒマになっておくれ
738名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:33:56 ID:d0LRA7WY
みんな荒れまくってるけど、冷静になって見返すと見えてくるものがあるぞ
スレ違いだが、俺の見解は
眞一郎がちゃんとするってのは乃絵の件も含まれていてそれをまず優先させようと決めてしまった
比呂美はその眞一郎の行動に眞一郎はやっぱり乃絵のことが好きなんじゃないかと思ってしまうわけだ
眞一郎の心理描写を作劇上意図的にぼかしてるからそれを視聴者が見ると比呂美を蔑ろにして乃絵ばかり構ってる感じになって眞一郎は乃絵に心変わりしたんじゃね?という風に見える
どっちっくっつくかわからないようにするために意図的にやってる感じ
眞一郎が比呂美に踊り見る必要ないって言ったのはもしかすると約束を守って乃絵の為に踊る自分を比呂美に見せたくなかったんじゃと思ってる
もしそうだとしても眞一郎は不器用通り越してやっぱり少なからず駄目ではあるしスタッフは描写力不足かなとは思うが
もしかするとその辺は13話と合わせて見て初めて12話の眞一郎の心情が見えてくるといった演出じゃないかなと思った
口元だけ固定で映す描写とかで残酷さを強調する意味あんのか、と突っ込みたいが
これもミスリードだろう
739名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:34:46 ID:d0LRA7WY
眞一郎は眞一郎なりに比呂美を傷つけたくなくて嘘をついたけど、それは確かに視聴者にも比呂美にも酷く映ったよな
740名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:38:26 ID:d0LRA7WY
あと、眞一郎が乃絵に惹かれてると感じてる人は踊りの場面だけでなく「お前に見て欲しくてさあ」の嬉しそうな声調とかからそう思ってるところもあると思う
あれは乃絵が好きだからとかじゃなくて、眞一郎の純粋無垢な一面の現れだなーと俺は思った
眞一郎の、乃絵と共通する部分というか、よく言えばロマンチック、悪く言えば夢見がちで少し幼い面かな絵本を見て欲しい、喜んで貰いたいっていう純粋な気持ちから乃絵に対しては行動してるように見える
普通は喜んで貰いたいっていうのは恋愛感情なんだろうけど、眞一郎の場合は何か違う気がするんだよな
741名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 11:48:48 ID:uaAiiKUs
>>738-740
最終回見るまでは結論出すのは早いってのはみんな分かってきてる。
とりあえず本スレ行こうぜ。


今478Kまで行ってるみたいだけど、スレって500Kまでだっけ?
そろそろ次スレ必要か?
742名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 12:26:31 ID:WZrIuVfa
通例は480kb超えてから立てるね
次の投下後でいいんじゃない?
743名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 17:38:24 ID:y4CWbIm+
>>736の続きに期待、てゆーか続けてくれ
744涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:23:23 ID:jWhTG+Fp
「雷轟丸とじべたの物語、できた…」
「ありがとう、眞一郎」
乃絵はしっかりと目を見て、絵本を受け取る。
「俺は飛ぶことを決めた」
「…」
黙って眞一郎の言葉を待つ。
「誰からも逃げない、どんなに困難でも…。だから、言うぞ…。
 俺はこれ以上お前とは付き合えない」
「…」
それは自分でもわかっていた。
しかし、改めて眞一郎から言われた言葉は、深く心に突き刺さった。
絵本を抱く手に力が入る、指先が痺れていても気付かないくらいに。
足元がぐらつくような錯覚を覚えるが、何とかその場に踏みとどまった。
「俺にはずっと昔から好きだったやつがいる。
 今まで、逃げてきた。ちゃんと向き合わなかった。
 でも、もうそんな事はしたくない。だから、お前とは付き合えない」
「…」
それも分かっていた。
あの事故の時に"あれ"を見てから、不安に押しつぶされそうになった。
祭りでは直接その相手からも聞いた。何も言い返せなかった。
「乃絵を騙していたつもりは無いけど、結果的にそうなったかもしれない。
 だから、その絵本を描いた。踊りも本気だった。俺が飛ぶところを見せたいと思った。
 乃絵が信じてくれたから俺は飛べたんだと思う。
 それは俺からのお詫びと感謝だと思ってくれていい…」
それきり、眞一郎が黙った。
乃絵の手に、ぐぐぐっとさらに力が入る。震える口を開く。
「眞一郎、私も飛びたいと思ったわ…。眞一郎の気持ちが分かったから…。
 踊りを見て、眞一郎が飛んでるのを見て、私も飛びたいと思った…。
 でも、できなかったわ…。私、まだ、飛べないんだわ…。
 高いところなら、少しでも天空に近い所なら、
 眞一郎が見ているものが見えると思った…。
 見えないわ…、私には見えない…。私、飛べないんだわ…」
悲痛なまでの、叫びに似た細い声。
眞一郎が答える。
「俺は、乃絵が飛べないとは思わない」
「っ!」
その言葉に衝撃を受け、乃絵は目を見開いていた。
「乃絵は、誰の為に飛びたいんだ?」
「…」
「誰かの為に飛ぶのか? 自分の為、大切な人の為に飛ぶんじゃないのか?
 俺は…」
「待って!」
眞一郎の言葉を遮った。
745涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:23:46 ID:jWhTG+Fp
「私…、飛びたくない…。そんなことなら、飛びたくない…」
想いが溢れ出そうになる。祖母の顔が目に浮かんできた。
「だめだ!」
眞一郎が押し留めた。
「それじゃあ、飛べない。飛べないんだ…。
 怖がっていたら、何もできない。俺は自分の事を認めなかった。
 自分の力が足りないと思うのが怖かった。だから、一度雷轟丸は飛べなかった。
 でも、分かったんだ。力が無くても、届きそうになくても、飛ばなきゃだめなんだ。
 俺は…、俺と比呂美の為に飛ぶ。決めたんだ」
「ぐっ」
とうとう眞一郎はその言葉を声に出した。現実が乃絵の心に突き刺さる。
「乃絵は、自分と誰の為に飛ぶんだ?」
非情な言葉が乃絵を襲う。
「今、乃絵にとって大切な人は誰だ?」
 俺が飛ぶというのは、こういうことだったんだ。
 自分が何を言っているのか、分かっている。分かっていても言わなくてはならないんだ。
 乃絵…、涙って何だ?」
「…」
かつて、眞一郎に聞いた問いが、乃絵に返って来た。
「答えるんだ。涙って…何だ?」
「瞳の…洗浄と…保湿…」
聞き取ることが困難な程に小さい声が、乃絵の口から発せられた。
「乃絵…、自分に嘘はついちゃだめだ。それでは、飛べないんだ。
 本当に大切な人、いるはずなんだ…」
その時、眞一郎の目から一滴の涙が流れた。
「っ!」
乃絵はその美しい涙を見て衝撃を受けた。
「俺は…、俺が自分に嘘をついて、大切な人を泣かせたんだ…。
 何度も、何度も…。だから、もう嘘はつかない。自分の為にも、大切な人の為にも」
そう言った時、眞一郎の目から涙がもう一滴流れた。
「乃絵の大切な人、いるはずだ…」
「…」
言葉が出なかった、
「乃絵…、自分に嘘をつかないで大切な人のことを想うんだ…」
「もう、いいわ…。眞一郎…」
乃絵には、それ以上耐えられそうになかった。逃げたい、逃げたい。
「おばあちゃん…」
「いや!」
咄嗟に否定の言葉が出た。だが、眞一郎はその嘘を見抜いた。
「おばあちゃん、だろ?」
「いや!」
否定の言葉が全身を駆け抜ける。心が拒む。
746涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:24:06 ID:jWhTG+Fp
「認めなきゃだめだ」
「いや!」
乃絵の心が張り裂けそうになり、眞一郎へ怒りとして向けられた。
「そんなことを言う眞一郎なんて嫌い! さよならだわ!」
「乃絵っ!」
絵本を抱いたまま、乃絵は眞一郎に背中を向けて歩き出す。
「さよなら! 眞一郎! 湯浅比呂美と仲良くすればいいじゃない!」
自分を追い詰めるような言葉を発して、歩く速度を上げていった。

覚悟していたことではあったが、一人残された眞一郎は苦痛に満ちた表情で、
しばらくその場に立ち尽くしていた。

乃絵は、こんな時でも泣けない自分を責めながら歩いていた。
鶏小屋の前から逃げ出し、堤防にきた。
しばらく空を見上げた後、手に眞一郎から渡された絵本があることに気付いた。
ついさっき言われた言葉を思い出して、それを海へ投げそうになった。
「ぅ…」
投げることはできなかった。眞一郎が自分の為に書いた絵本。
大切にしたい気持ちと、それを忘れたい気持ちが乃絵の心で渦巻く。
眞一郎の言葉がよみがえる。
『嘘はつかない。自分の為にも、大切な人の為にも』
嘘だと思った。それは今の乃絵にはわからない言葉だった。
しかし、眞一郎の飛ぶ姿を見た後では、嘘だと思い続けることができない。
飛べない私に理解できない何かがあるの?
そんな言葉が浮かぶ。より一層胸が苦しくなる。
「ふふっ。でも、涙は出ないわ…」
泣けない自分をあざ笑うかのように呟いた。空を見上げる。
空には多くの雲が浮かんでいるが、青空も覗いていた。
眞一郎のことは今でも嫌いではない。そんな簡単に消えるような想いではなかった。

そして、あの涙を思い出す。
「眞一郎の涙は、やっぱり綺麗だったわ…」
自分の大切な人を想って流された涙。
それは乃絵にとって、まぶしくもあり、辛いものだった。

『そっとしておいて、私達…』
湯浅比呂美の涙を思い出す。

『お前の側にいることが、もう辛いんだ…』
兄の涙を思い出す。
747涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:24:31 ID:jWhTG+Fp
自分には流せない涙。それをあんなにも綺麗に流す眞一郎、湯浅比呂美、兄。
「私の大切な人…」
分からなかった。自分の大切な人は、眞一郎だと思っていた。
でも、泣けなかった。本当に大切だと思っていなかったのか?否定の言葉がよぎる。
「私の大切な人…」
乃絵の体から力が抜けていく。その場に崩れるようにして座り込んだ。
ごぉっ…、風が力の緩んだ手から、絵本を奪い取りそうになる。
「あっ!」
慌てて絵本を押さえる。風でページがめくれて、ある一枚の絵が目に飛び込んできた。
「雷轟丸が…飛んでる…」
それは、天空へ向って力強く飛び立っている絵だった。乃絵の心が震えた。

「お…ばあ…ちゃん…」

乃絵の口から呟くような声が出た。

「おばあ…ちゃん…」

今度は空を見上げて呟いた。

「おばあちゃん」

しっかりと声に力をこめた。

「おばあちゃん、会いたいわ…」

乃絵はまだ気付いていない、流れ始めた涙に。

「大好きな、大好きなおばあちゃん。私、寂しいんだわ…」

寂しい、その言葉を祖母の死以来で始めて声に出した。
自分を理解してくれた祖母の笑顔が浮かんでくる。

『乃絵は、泣き虫さんだからねぇ』

「おばあちゃん」
748涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:24:52 ID:jWhTG+Fp
乃絵はまだ空を見上げている。風が止んだ時、ある音が聞こえてきた。

  ぽっ…ぽっ…。

何の音かわからなかったが、襟の辺りから聞こえている。

  ぽっ…ぽっ…。

下を向いてその音の元を確認しようとした。

  ぽっ…ぽっ…。

コートに水滴が落ちていく。

  ぼっ…ぼっ…。

気が付くと、視界が歪んでいた。

「なみ…だ…」
749涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:25:12 ID:jWhTG+Fp
乃絵は自分が涙を流していることを初めて認識した。風が少し強くなった。
「ありがとう、眞一郎…」
涙を流しながら感謝の言葉。空を見上げる。
「おばあちゃん、私、大丈夫だから。今まで、ありがとう…」
自分を見守る祖母の姿が遠ざかる。最後にもう一度笑顔を見た気がした。
呪いなんて自分でも信じていないことを言った。
眞一郎の心に湯浅比呂美がいることに気付いても、自分に嘘をついた。
その度に祖母の写真に謝ってきた。
『乃絵、嘘ばかりついていると、本当の嘘つきになっちゃうよ?』
祖母の言葉がよみがえってきた。祖母がいないのに、いると思いたかった。
眞一郎に嘘をつかせようとした。
嘘が大嫌いだった自分が、一番嘘をついていた。だから、人の嘘を聞きたくなかったのだ。
「おばあちゃん、もう私嘘つかないわ。だから、大丈夫…」
涙が止まらない。
「私が嘘をついていたから、何も見えなかったんだわ…
 だから、前を向いただけでは飛べなかったんだわ…」
乃絵は呟く。やっと自分の心に向き合うことが出来た。
大切に思っている祖母、眞一郎、失いたくないと思った。それが嘘を呼んだのだ。
「私、眞一郎にいっぱい嘘をついたわ…。
 それなのに、私が飛べるはずだって言ってくれたんだわ…」
自分を理解してくれた祖母と眞一郎の顔が目に浮かぶ。
「おばあちゃん、眞一郎、大好き…」
言葉が風にかき消された。
「眞一郎ー!」
風に負けないように叫ぶ。
「ありがとーう!」
心から叫ぶ。涙は止まっていた。

嘘は必要無くなったが、祖母と眞一郎が失われたことは事実だ。
それを受け止め、しっかりと両足で立ち上がる。
前を見据えた瞳には確かな力が宿っていた。

「私、飛べたわ! 見た? おばあちゃん! おばぁ…」
今度は自分でも涙が溢れてくるのが分かった。
「あ…嬉しくて、涙が…」
乃絵の笑顔が陽の光に照らされた。手には絵本がある。
頭を振ると、風に流されて飛び散った涙の滴がきらきら光った。
「ふふふっ、とても綺麗な涙だわ…」
涙が止まった。ごしごしと子供の様な仕草で拭う。
「あははっ」
踊るようにステップを踏みながら、乃絵が歩いていく。
750涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:25:59 ID:jWhTG+Fp
       ・
       ・
       ・

−後日談−

「ホントかよー?」
「マジだって」
2年生のバッジをつけた男子生徒が、並んで1年生の教室に近づいてく。
「あれだろー?」
「ああ」
「最近も噂聞くけどよー」
「全部否定されたヤツな?」
「否定されて噂になるってのも、変だけどな?」
「まぁな。でもよ、見れば分かるって」
「それがイマイチ信用ならねんだよなー」
「今まで俺がそっちの話で、嘘言ったことねぇだろ?」
「………まぁ…な」
「だろ?」
「でもよー」
「おっ! 来たぜ」
「あ? ぇ…」
丁度教室から出てきた"噂の主"が見えた。どうやら、友達と一緒らしい。
声が近づいてくる。
「あははっ」
「あははっ」
「そうだっ、どうかな? さっきの?」
「止めてって、何回も言ったわ」
「みんなで決めたんだよ? カワイイじゃない?」
「今まで言われたことないわ」
「名前もいいと思うんだけど、そっちの方がそれらしいでしょ?」
「…よく分からない」
「だ・か・ら、決めたんでしょ? あきらめて?」
「ん゛〜ん゛」
「睨んでもダメよ? 怖くないし」
「ん゛っ」
「ぷぷ、面白い顔ぉ」
「あっ! それも失礼だわ!」
「だぁってぇ、自分で見たこと無いでしょ?」
「無い…」
「カワイイけど、面白いのよ〜。ぷぷっ」
「あっ! どうしてまた笑うの?」
「ごめ〜ん、思い出しちゃって―――」
楽しそうに話しながら、その女子生徒二人が遠ざかっていった。
笑ったり、少し怒って見せたり、拗ねたりと表情が豊か。
しかし、その可憐な顔にはあどけなさだけでなく、何か別の雰囲気も漂わせていた。
どうしても目が離せなくなる、何か。
751涙を流すには…:2008/03/24(月) 21:26:33 ID:jWhTG+Fp
「な?」
「…あ…あぁ」
「納得できたか?」
「…まぁな」
「別の噂、知ってっか?」
「1年で今年の花形だったヤツと、一時期付き合ってた噂だよ」
「知ってる」
「ソイツは今、別の女だぜ?」
「は?」
「しかも、祭りの少し後で入れ替わりだそうだ」
「何だそれ?」
「ま、そっちは本題じゃねぇ。肝心なのはフリーだってことだな」
「そうだな…」
「でもよ、何人かトライしたらしいけどよ。瞬殺らしいぜ?」
「何でだよ?」
「好きな人がいるわ、だと」
「はぁ? フリーじゃねーだろ、それ」
「相手は今年の花形かって聞いたら…」
「ら?」
「ノー、だと」
「当然だわな」
「それが、そうでも無いらしくてな…」
「意味がワカラン」
「でな?―――」
その少女の噂話をしながら、自分達の教室に帰っていった。

「で、ど〜お? 今度の日曜?」
「行く! 絶対に行くわ!」
「そうくると思ったんだ〜」
「とっても楽しみだわ!」
両手を合わせて、笑顔で話す少女。
ある日からそれまでとは別人の様に朗らかな表情で登校し、あっという間に人気者になった。
瞳に宿る光、愛らしい顔と仕草。どれをとっても魅力的で周囲の視線を集めた。
まれに周囲を驚かせる言葉も、今ではその外見的な魅力とは別な地位を占めている。
いつも楽しそうに周りを笑顔にして、自分自身がその輪の中心にいた。
既に過去の噂をする者はいない、というよりも周りが積極的に否定したのだ。
少女が何も言わなくても、自然と悪い噂は消えていった。
その代わり否定されたということも噂になるくらい、注目を集めている。


幸せそうな少女の笑顔が、暖かな春を予感させるように咲いていた。


752名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:27:35 ID:jWhTG+Fp
乃絵主人公で書きました。自分ではこの流れでしか涙を引き出せなかったです。申し訳ない…
本編ではどのような涙を流すのでしょうね。もっと綺麗な話を期待してます

容量制限ですか…。ちゃんとした後の話の続きは次スレにしますね。24kbあるし
753名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:10:30 ID:y4CWbIm+
次スレ建てた

true tearsのエロ小説スレ エロい涙 2滴目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206364135/l50

754名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:26:49 ID:jWhTG+Fp
>>753
乙です
ここにできるだけ貼って、続きを次でいいですか?
それともまとめて次の方がいいですか?
755名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:34:00 ID:VbOMvV2h
さて、いい機会なんでちょっと進言
俺比呂美スレの保管庫wikiいじってる者なんですけど、
このままdat落ちさせて埋もれさせるには惜しい作品が多すぎると思うんです
つーわけで、こっちのスレの保管庫も作りたいんですけど、
如何でしょうか?
756名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:44:11 ID:Ekh/Wwpy
保管庫wktk
757名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:03:27 ID:17dQwNMc
保管庫、素晴らしい
是非お願いします。
758名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:07:24 ID:+UP52acA
>>755
是非ともお願いします!
759名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:11:03 ID:jWhTG+Fp
660-663の後ですが、貼る準備が完了
どうしましょう、次スレに全部でOKですか?
760名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:14:33 ID:dFqTeqmi
あと8kだ
761名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:16:10 ID:MP+Wk0uL
次スレに貼った方がいいよ
762名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:17:32 ID:DJPSv7j4
容量のこってるのを埋めるのはどうするんだ?
AAとか?
763名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:24:04 ID:jWhTG+Fp
貼りました
764名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 23:24:37 ID:VbOMvV2h
おk、了解しました。順次、保管庫に加えていこうと思います
765名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 00:18:57 ID:0Fce87Mr
鶏小屋で順と比呂美がセックスする話だれか書いてくださいませんか
766名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:09:52 ID:oMQfQMc7
>>743
続き?

眞一郎&ミヨキチ「…………」
眞一郎「……どうしよう」
ミヨキチ「……じゃあ、俺が電話してみるわ」
眞一郎「え、あ、うん、頼む」
愛子「事情は判った。私が本物のあいちゃんの味を魅せてあげるわ」
男「君がジョースターさんの本当の孫か……確かにエリナさんの面影があるな」

    §,; ________§; ,
  || §; /    § ヽ  ||
  |~~~§~     §'~~~~~~~|  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ____§/"""ヽ,§_____  | < ミヨキチ、火力が全然足りてないわ
  |__|///(§  §)ノ////|__|///\________
 ⊆___)///ゝ___§ノ/////(____⊇////
 ///////////////ジュ〜////////////
 /////////////////////////////

男「!?」
ミヨキチ「心配いらない。愛子はいつもああやって鉄板の温度を調べるんだ」
男「まさかアレは鉄板清浄赤音」
眞一郎「知っているのか、男?」
男「うむ、あれは古代中国の料理人劣海王が考え出した温度体感方法。
 長く鉄板料理に接してきたため、熱せられた鉄板を直で触っても平気な手となり、
 これで鉄板の温度を見極めることができると言うがまさかあの技の使い手が現代に居たとはな」

愛子「あいちゃん特製カレー丼風今川焼き。食べてみてよ」
通りすがりの双子料理人「カレー丼?ならウチらのも食べてもらおうか」
男「ふむ。それでは通りすがりから食させてもらおうか」
ttp://jp.youtube.com/watch?v=_MMNnozGxxI&feature=related

男[ご馳走様!」
767名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:28:26 ID:oMQfQMc7
改めて見ると酷いな……
真っ当なあいちゃん小説を書ける人がいたら頼む

出来れば眞一郎が乃絵とくっついてショックを受けたあいちゃんと比呂美が百合っているのを
768名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 01:35:40 ID:e4bt61zL
>>765

「比呂美ー!ここを開けてくれー!」
眞一郎が金網に指を食い込ませて、泣き叫ぶ。
「あっ・・・だ、ダメ!見ないでぇ・・・!」
比呂美の柔らかい乳房が金網に押し潰され、ひんやりとした鉄の感触で乳首が起ってしまう。
「そこで見届けるんだな・・・俺たちの子ができる瞬間を」
既に純は彼女の穴という穴、菊座、喉、鼻、耳、全身の肌に溢れる体液を注いでいる。
「も、もう・・・許して・・・お、おねがい、あっああ!」
最初は必死で抵抗した比呂美だったが、鍛え上げた純の体躯による、猛獣のような責めを
何時間も受け続けた今、ドーバー海峡を横断したかのようにグッタリとされるがままになっている。

「お、おねがい・・・比呂美だけは・・・助けてあげてぇ」
彼の足に、黒部朋与が息も絶え絶えとすがりつく。
その横には朋与をはじめとしたバスケ部の女子が、鶏の羽にまみれて捨て置かれている。
彼女たちの膣口は、溜めきれないとばかりに、純の精液が溢れ出て、
果敢な責めによって腰も立てずにいる。
「おまえらはラマーズ呼吸の練習でもしているんだな。俺の子種で、将来は石動NBAを作ってやる」
比呂美の菊座から肉棒をドロリ、と音をたてて抜き取ると、
今まで唯一蹂躙されていない場所にその凶器をロックオンする。
「お、お願い・・・お願いします。そこだけは・・・許してぇ」

眞一郎が骨まで金網を食い込ませながら、激しく揺らす。
「やめろぉおお!!殺す!そこだけは!絶対に!コロシテヤルゥゥゥ!!」
涙と涎でぐちゃぐちゃになって吼える眞一郎を笑う純。
「俺が死んだら、愛する女の子の父親を奪うことになるなぁ?おーひどい、ひどい」
ミチミチと音を立てて、いまだ衰えぬ剛直が比呂美の中に分け入ってくる。
馬のように漲ったそれのサイズに耐え切れず、入り口が裂けてしまう。
「いたいっ・・・い、痛いよぉ・・・・助けてぇ」
「なんだ初めてだったのか。良かったなぁ、俺のに慣れると他じゃ物足りなくなるぞ・・・さて、そぉれ!」

ドリルを打ち込むように、純の変幻自在なピストンが始まる。
「あっ・・・・あぁあっ!・・・・んっんん・・・だ、ダメぇ!」
荒波にさらわれるように、比呂美の腰が跳ね、乳房がブルンブルンと弾む。
それを繰り返すうち、いつしか比呂美から動きだすようになってしまう。
「比呂美・・・比呂美ぃ〜!」
「だ、ダメぇ・・・こんなのぉ、おかしいよぉ・・・。でも、・・・でもっ!」
とうとう純が寝転ぶように仰向けになって動かずとも、比呂美自ら快楽を貪ってしまう。
髪を振り乱し、弾粒の汗を散らせ、喘ぎ狂う様はデスメタルのロックバンドのボーカルより激しい。
「いいっ・・・・いいよぉ・・・オチンポ、キモチィイイイイイイイイ!!!」

カッと純が目を見開き、比呂美の腰をひっつかむと容赦ない突き上げを開始する。
「あ、あぁんっ!そ、そんなに、されたらぁ!絶対!絶対孕んじゃうぅ!妊娠しちゃうううぅぅぅぅ!!」
「いくぞおおおおおおっっ!!」
ドピュルビュププププビュウウウウウッッッ!!!
彼女の胎内で男根が爆発し、閃光のように白濁が注がれていく。
身も心も、未来さえ蹂躙された比呂美は雌としての喜びに打ち震えながら、ぐったりと純の胸板に倒れる。

「・・・ひ、ひろみ・・・・ひろ・・・みひ・・・ひひひ・・・」
愛するものの心も体も、思い出さえも奪われた眞一郎は、魂まで獲られてしまった。
涙も枯れ、悲しむことも忘れて放心する彼の顔に影が差す。
「大丈夫よ眞一郎。眞一郎ならまた飛べる・・・私とならきっと飛べるわ」
「・・・の、のえ・・・」
絶望の底でみた石動乃絵の姿はまさしく天使そのものだった。
769名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 02:29:44 ID:LOiFWaYF
>>768
結構好きだ
770名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 03:23:26 ID:B1xo00jZ
>>768
こ、これは・・・
4番はついに守護霊を交替したようだ
これで向かうところ敵なしだぜ
771名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 06:57:23 ID:0SVkVOT/
うまった?
772名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 20:03:14 ID:Pd1H2TSE
ある日の朋代 ある日の比呂美 シリーズの作者様
出来ましたら
>>560
以降の ある日の比呂美11〜 是非お願いします。
怒りの炎に身を焦がす比呂美とダメ坊ちゃんがどう向き
合うのか興味津々です。
773名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:06:56 ID:0Fce87Mr
>>768
765です!ありがとうございました!すごくよかったです(*^_^*)
774名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:16:43 ID:0Fce87Mr
>>768
石動NBAに噴いたw
775名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 22:24:08 ID:TYRBkDNg
まだかける
776朋与男:2008/03/25(火) 23:18:54 ID:K/4itQKM
>>772
ご要望ありがとうございます
申し訳ないのですが、「ある日の比呂美」は…全然すすんでません
今は自分の精神の安定を保つため、睡眠時間を削って「仮想最終回」を書いたりしてます
完全非エロなので、投下していいものか悩みますが
するとしたら「2滴目」の方になると思いますので、どうぞよろしく
777名無しさん@ピンキー
>>776
>>772ではありませんが、俺も期待してますよ
正直釣りのみに命賭けるスタッフよりTTファンのSS作家の人の方がキャラクターを幸せにしてくれそうだし