魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
リンクは
>>2
これから中将SSを投下したいと思います
毎度のようにオリキャラ多数、オリジナルストーリーなので苦手な方はご遠慮ください
「酷い事をする」
准尉の連絡を受け現場に駆け付けた室長を中心としたチームはその惨状に息を飲んだ。
「室長、被害者の女性は全身の血液の八割を失っています」
「准尉達が発見した時には既に死んでいたか。准尉にとっては幸いか?」
その准尉は現在、建物の壁にもたれ掛かりながら辛そうに荒い呼吸を繰り返していた。
「……あまり関係なかったか。女の方はいいとして、これはどうだ?」
周囲に散乱している肉片を指差す。
「出血量や散乱物からして一人だと思われますが」
「四十九管理外世界の住人はカニバリズムの習慣があるらしいが、食事は綺麗にしてもらいたいものだ」
呟いた時、風を切る音が聞こえ室長は夜空を見上げた。何十人もの魔導師が編隊を組み同じ場所を目掛けて疾駆していく。
「よし。遺体を回収して本部に戻るぞ。着いたら身元確認を忘れるな。おい、准尉、ベッドは空いているから休んでいけ」
空を行く空士達の表情は緊張しているが何処か余裕がある。
「一人で敵と戦うなんて無茶だろ。そんなんだから始末書魔で未だに二尉どまりなんだ」
「でもオペレーターの女の子がそんな所がワイルドでカッコいいって話してたぜ」
「なんと。俺、今度テロリストと一人で戦うわ」
「じゃあ俺は仲間の撤退を助ける為に一人で前線に残る」
「ん〜お前等の遺品を故郷の幼馴染み、当然女、に届ける役やる」
「なあ、君達。もう少し真面目に行こう。仮に二尉が戦死すれば競争相手が減るとしても」
「ははっ。そうだな」
一同は一斉に笑うと表情を引き締め、大型の結界が展開されている第四廃棄都市区画に向かう。
無人の街。アスファルトで舗装された道路の上。周りには崩れかけのビルが並ぶ。
デバイスを槍に見立て先端を向けながら二尉は鷹の如き眼光で敵を睨み付けた。
一方の敵はあろうことか無手で構えさえ取らない。両手をだらしなく下ろし二尉を物珍しそうに観察している。
二尉のデバイスから氷のような青白い魔力刃が飛び出す。
一蹴りで彼我の距離を詰めデバイスを横薙に払うが、ヴィレオンは軽いバックステップで刃をかわす。
と、同時に黄色く大小様々なスフィアが形成され第二撃を敢行する。
ヴィレオンは僅かに眉をひそめ、着地と同時に弾かれるように大跳躍。
だが、スフィアも鋭く軌道を変化させ追尾する。
避けきれないと判断したのか外套の裾を掴み巻き付けるように全身を覆う。そこにスフィアが殺到する。
力を持った快音が幾度となく響く。
数十の攻撃が終了した後、ヴィレオンは外套を翻し眼下の二尉に無傷をアピール。
しかし、光る粒となって周囲を漂っていた魔力の残滓が吸い寄せられるように集まり、縄となりヴィレオンの体を拘束する。
その時には二尉のデバイスの先端に光が集中し大砲のような炸裂音とともに砲撃が放たれる。
魔力の奔流はヴィレオンを飲み込むと逃がさぬように連れ去る。そのまま結果の境界にぶつかり光は飛沫を上げ消失。
結界を構築する魔力と砲撃の魔力とが反発、閃光を発し一時、視界を妨害する。
視界が回復し少しばかりの期待を持っていた二尉が見たのは、
「無傷か」
戦いが始まる前と変わらず両手を下げたヴィレオンの姿だった。
内心で二尉は舌打ちする。
非殺傷設定ゆえに外傷がないのは納得する。
しかし様子を見る限り、魔力ダメージも受けていないようだ。
「ケラケラ。攻撃にムラがあるな。ジジイみたいに魔力を垂れ流すな」
「……昔から魔力の収束や制御は苦手なんだよ」
先程のバインドにしても長年の訓練の末に漸くマスターしたものだ。それでも不完全で細かな力加減は出来ない。
今回は意図的に骨や筋肉を潰すほど強力に絞めたつもりだったがこれも防いだようだ。
ヴィレオンが地面に降り立ち、戦いは最初の陣形に戻る。
次に仕掛けたのはヴィレオンだった。獣のように体勢を低くし地面を蹴り出す。
停止した状態から秒にも満たない速さでトップスピードまで加速する。
常人なら骨や筋肉が使い物にならなくなる筈だがそんな事はお構いなしらしい。
迎撃のためにスフィアを放つが、ヴィレオンは既にものともしない。
バインドも高速で移動している物体には極端に命中精度が落ちる。
「おら!」
魔力刃が突き出したデバイスを両手で袈裟懸けに振るう。
その軌跡を追うように青白い光が走り、その先にある街灯やビル、高架にも斬撃が走る。建築物は斬られ等しい動きで崩れていく。
しかし、その攻撃もヴィレオンは意に返さない。前に飛び出すように跳ね斬撃の上を行く。
二人の距離がショートレンジに達したとき、ヴィレオンは始めて武器を使用した。人間が持つ最も原始的な武器、拳を。
「く、そ」
右腕を振りかぶるヴィレオンを視認し、二尉は左手をデバイスから離しシールドを発生させ攻撃を受け止める。
まるで砲弾を掴んだような衝撃だった。関節部から鈍い音が上がる。
だが同時に勝機を得た。右手に力を込めデバイスを振り上げる。軌道は股下から脳天までを駆け抜け両断するもの。
(もらったぁ!)
必勝を期して放った攻撃は、
「まだ弱い」
ヴィレオンの右手に受け止められた。髪が乱れ金の瞳が覗く。
その時はさすがの二尉も驚愕した。本来なら触れずとも斬れる魔力刃を素手で掴み取っているのだ。
力を加えてもデバイスはまったく動かない。しかも魔法を使っている様子はない。
(単純な身体能力だけで俺の上を行くか。だが、まだだ)
勝機はまだ存在する。素手で受け止めているという事は逆に言えばデバイスは相手の体に直接触れているのだ。
(凍っちまえ)
勝てる。二尉はそう確信した。このデバイスは元々ロストロギアを凍結し封印する為に開発された物なのだ。
(これで勝ちだ)
二尉の足元に魔法陣が展開する。だが、同時にヴィレオンの足元にも魔法陣が生まれる。
「……チッ」
火傷にも似た痛みを感じ二尉はデバイスから手を離そうとした。
だが離れない。見るとデバイスの表面が凍りつき右手の皮膚が張り付いている。
「これは……」
動揺する暇すら与えられなかった。ヴィレオンは掴まれていた右手を自分の元に引く。
当然、二尉の体は前のめりになる。そこに、砲弾のような蹴りが突き刺さる。
「……ッ」
BJでダメージをある程度は軽減出来ても衝撃までは防げない。
肺の中の空気が強制的に吐き出され悲鳴すら上げられない。体は木の葉のように吹き飛び廃墟に突っ込む。
全身をコンクリートに叩き付けられる。だが痛みに震えている事は出来ない。
体をバネのように使い跳ね起きるとすぐさま敵を見据える。
ヴィレオンは追撃を行うでもなく悠然と立ちはだかる。
何時でも倒せると言いたげに。
「ふざけるな!」
身体中に気合いと魔力を巡らせる。眼前で一振りすればデバイス表面の氷は破砕する。
「ケラケラ」
その姿に満足したのか異常に発達した犬歯を覗かせる。
「こっちももう少し力を解放するか。昨日までのゴミとは違うようだ」
魔法陣と黒い魔力が吹き出す。
「ほざきやがれ!」
激情の籠った砲声が響く。
同時に周囲が白銀の世界へと変貌する。ビルも道路も高架も全てが青白い氷に覆われ、次の瞬間には氷雪のように砕け散る。
直前に空中に離脱していたヴィレオンは街が平地に変わるのを愉悦の表情で見下ろす。
「動くなよ」
怨嗟すら含む声で二尉はデバイスを構える。
位置関係は最初の攻防と同じ。
だが同じ轍は踏まない。
デバイスの先に四つの魔法陣が輝き、廃棄都市全域を激震させる極大の砲撃が放たれる。
「クッハッハハ」
黄色の閃光にヴィレオンの姿が掻き消される。
「……」
だが油断は出来ない。
視界の端を黒い影が揺らめく。
「ケラケラ」
力が入らずデバイスを落としそうになる。
(目では辛うじて捉えられた。だが肉体が付いていけなかった)
悔しさに歯噛みする。
「残念だ。久しぶりに愉しめたが底が見えたな」
首筋に手刀が押し当てられていた。
今までの戦闘を鑑みるに血管を引き千切るのも脊椎を砕くのも容易だろ。
(詰んだか)
敵の力を甘く見すぎた。
常識の範囲内に収まる相手だと見縊った。そのざまがこれだ。
「このまま殺すのは惜しいな。お前、オレの仲間になれ」
二尉は言葉の意味を理解しかねた。数秒経って意味を理解すると思いっきり顔をしかめた。
「なに寝言をほざいてやがる」
「いや、オレは本気だが。お前の実力を無駄にするのは惜しい。それに、こっちには地上本部を壊滅させる事が出来る切り札がある」
「切り札?」
「オレ一人にここまで苦戦するようじゃアレが率いる軍勢に勝ち目はない。大人しくこちら側に付け」
生殺与奪の権を握られているこの状況では下手な返事は出来ない。だが、
「断る。俺はミッドが好きなんでな」
「……お前が食い殺されるのは見たくなかったが。まあいい」
首に生暖かい息が当たる。
「オレの任務はロストロギア、『エイドスクリスタル』そして『シェオル』の回収だ」
「待て」
「何だ?」
「何故そんな事を俺に言う?」
「? お前達は知りたいんじゃないのか? 生かして捕まえようとするのも情報を吐かせる意図だと了解していたが」
「だからだ! わざわざ捕まえてから自白させようとした事をあっさりばらす」
ヴィレオンは可笑しそうに笑い、
「このまま何も知らないお前と戦うのは不公平だと考えたからだ。奴等の手駒として使い潰されるのも不本意だろう。クククッ、まあ、黙って聞け」
その声は親に隠れて悪戯をする子供のような特有の無邪気さと残酷さがあった。
「どちらのロストロギアも使い方次第で次元世界を消滅させられる強力な代物だ。
シェオルの方は回収したも同然だが、エイドスクリスタルは百五十年前に使用されて以降消息不明。あの三馬鹿トリオが持っていた筈だが」
「三馬鹿トリオ?」
とても失礼な名称である。
「お前は知らないか?」
三と聞いてまず浮かぶのは、
「レオーネ・フィルス、ラルゴ・キール、ミゼット・クローベル?」
「違うな。管理局という組織が出来る以前から活動していた魔導師だ」
「……」
二尉の知識の中に該当する相手がいる。
「最高評議会か!」
あの悪趣味な糞野郎どもが関わっているというのか。
「嗚呼、知ってたか。それは残念だ。交渉の糸口が出来てしまった」
ヴィレオンは心底残念そうな声を出す。
「では伝えてくれ。ミッドチルダの平穏とエイドスクリスタルの交換。まあ、その程度では応じないだろうが」
「ミッドの平穏がその程度だと?」
この男はミッドを守るためにどれ程の代償が支払われたか分かっているのか。
ヴィレオンはそんな心理を見透かしたように笑い、
「何も知らない男には不思議か。だが世界には何億の命より価値のある物も存在する」
「それがエイドスクリスタルだと?」
「それ以上はあいつらに聞け。まあ答えるとは思えないが」
言い終わったのか首から手が離れる。
瞬間的に振り向く。
外套はなくなっていたが、やはり無傷だ。
「夜の時間は終わりだ。その前に羽虫の処理か」
それが合図だったのか廃棄都市区画全域を覆っていた結界が消失する。
そこを何十人もの局員が取り囲みデバイスを構えていた。
「まさか、この程度でオレを倒せるとでも?」
二尉も無理だと感じたが顔に出す訳にもいかない。
「自分達の心配をするんだな」
ヴィレオンの手に四角形の魔方陣が展開される。
それが消えた時には赤い結晶が握られていた。
「これが何だか分かっているよなぁ?」
愉しそうに口元を歪ませる。
「レリックだと!」
数年前の空港火災の原因となった謎の超高エネルギー結晶体。僅かなショックで周囲を巻き込んだ大爆発を起こすという。
ヴィレオンの結晶を握る手に血管が浮かび上がる。と、目も眩む光と耳をつんざく音が辺りを包む。
「くっ、総員防御!」
指示を出すと同時にシールドを展開。衝撃に備える。
が、
「……?」
いつまで経っても来る筈の衝撃がやって来ない。背筋に冷たい汗が伝う。
視覚と聴覚が回復した時、そこにヴィレオンはいなかった。
「こらー! 二尉! お前の判断ミスじゃねえか」
「何が「総員防御!」だ。かっこ悪」
「そもそも手に持ったまま爆発させる訳ないだろ」
「うるさい! あいつはそれ位、平然とやる奴なんだよ」
同僚のヤジに怒鳴り返し自身の状況を確認する。
右手は皮膚が剥がれたがデバイスを持つには問題なし。
左手も関節が痛むが動くので問題なし。
思いっきり蹴られた腹は多少心配だが立っていられるなら問題なし。
「よし」
「何が「よし」だ。お前、もうあれだ。判断ミスした罰として女性局員の前で全裸になれ」
「なにとち狂ってやがる。それから俺は本部に戻る。検証なんかは勝手にやっとけ」
「おい、待てよ、応急処置だけでも……」
言いたい事だけ言って飛び立つ。
全力飛行で本部に到着すると、そのままの勢いで司令部に向かう。
途中、運よく室長と出会ったので、小言をチクチク言ってくるのを無視し一緒に司令部のドアを開く。
「二尉か。命が助かったとはいえ、今回のような行動は……」
「そんな事よりさっさと医務室へ来い」
「二人とも。割ととんでもない事が判明したんだが」
くどくどと言葉を重ねる二人を遮り、さっきまでの事を話す。他の人間もいたのだが、そこまでは頭が回らなかった。
「つまり、ミッドの人間を人質に最高評議会の持つロストロギアの譲渡か」
「あのご老人方は……」
「どうする? 俺は兎に角、会いに行って事実確認するべきだと思う。最悪、身内のいざこざって可能性もあるが」
「本局に行って直接問いただすしかないだろ。通信では一方的に切られるかもしれんからな」
「……そうだな。だが」
レジアスだけが口ごもった。自分も行きたい気持ちはやまやまである。
しかし、責任者である自分が安易に本部を離れる訳にはいかない。
レジアスが苦悩していると、
「行ってください。中将」
オーリスだった。
「すぐに転送の準備をさせます。ですから」
「しかし」
それでも躊躇うレジアスに業を煮やしたようにオペレーター達が次々に立ち上がる。
「多少の間なら中将なしでもやっていけます」
「伊達に中将の部下をやってませんよ」
「そうそう。たまには本部長にも仕事させないと。最近本気でいじけてるんで」
「あれ? そんな人いたっけ」
「いただろ。よく書類を抱えて来るじゃないか」
「雑用の人だと思ってた」
「お前達はこんな時くらいは決められないのか?」
室長が呆れた。
「まあ、いい。レジアス、皆がこうまで言っている。ここは本局に向かおう」
「そう、だな」
自然と返事がこぼれた。
「では準備が終わるまで医務室で待機だ。二尉の治療もあるし、レジアス、栄養剤の一本でも射ってやる」
医務室に入った二尉は待機していた魔導師から応急処置を受ける。
「二尉、ついでだ敵の、ヴィレオン・ブリュメールだったか。情報を頼む」
「魔導師としての力量は知らないが、戦闘者としては超一流だ」
「AMFの準備があるが」
「駄目だ。魔法を封じたら絶対に勝てない。身体能力だけで並の魔導師を凌駕している。そもそもAAAの魔法が通用するかどうか」
「数に任せての人海戦術でもするか?」
「各個撃破されるな。それに奴一人に人材は割けない。……自分の他に軍勢がいると言っていた」
「ブラフの可能性は?」
「あるが、考慮しない訳にはいかないだろ」
それに、あの男は本気で不公平だと思っていたのだろう。
口では説明出来ないし、理解もされないだろうがあの時の言葉は信じられる。
本来ならご法度だろうが、二尉は敵に対して妙な信頼感を抱いていた。
「では、どうする?」
「俺が一人で戦う」
「……数十分前の事も忘れる程のダメージを脳に受けたか?」
「リミットブレイクだ」
ずっと考えていた事だがここに至って二尉は覚悟を決めた。
「リミッター? お前のリミッターは謹慎終了と共に解除されているだろう?」
「あんたが言っているリミッターは百の力を七十〜八十に抑える制限だろ。
俺が言っているのは限界を越え百以上の力を出すことだ」
「本気か? 下手をすれば魔導師として再起不能になるぞ。いや、それ以前に命すら……」
「……俺だって嫌さ。だが、そうしなければ皆が殺される」
実際に戦った二尉の言葉は何よりも説得力があった。
「私は医者だ。だから自分から命を削ろうとする行為を認める事は出来ん。だが」
渋面になり、隣を見る。
「私は指揮官だ。方法が提示され勝つために必要なら命令しなければならん。本当にいいのか?」
これから死ねというかもしれない。レジアスは暗にそう言った。
「是非もないな」
言葉を区切り、
「戦う前、准尉は戦うのが嫌いだと言った。それなら俺だって好きじゃない。それに、今回は本当に怖くて逃げたくもなった」
「……」
「でも、ま、震えている准尉を見たら俺が戦わないといけないって。それが力を持った者の責任だろ」
自嘲気味に笑い、
「本当は、教導隊にはいたくなかったんだ。努力せずに手に入れた力だから人に教えるのは駄目で。かといって他の部隊じゃ力量が違うからもてあまして」
一拍置き、
「地上本部に来てからは色々あった。弱い奴ばかりだったけど皆、ミッドチルダが好きで守るために死に物狂いになってさ。
俺もミッドチルダが好きだ。だからミッドチルダを守る為に力が使えるなら本望だ」
心情を吐露する彼等の背後のベッドがもぞもぞと動いていたのだが気付く者はいなかった。
転送ポートを使い本局に到着したのが二尉が帰還してから二時間後。
三人はその足で最高評議会がいる最深部へと向かう。
「もし面会が拒絶されたらどうする」
「強行突破だろ。物理的に隔離されてる訳じゃねえし」
「こらこら。あまり物騒な話をするな」
室長と二尉を咎めたのはレジアスではなく上級大将だった。
「この忙しい時期に地上本部の主力が揃いも揃ってどうした」
室長がレジアスにアイコンタクトを送る。喋っても問題ないだろうと。
話を聞いた上級大将の顔が青みがかる。
「エイドスクリスタルとやらは知らんがシェオルか。……執務官は任務中か。いや、そもそも……」
ぶつぶつと呟きながら思考の渦に嵌まっていく上級大将。
「何か知っておるのか?」
「……なに、多少の因縁だ。あとで資料を送ってやる。それと評議会だが、私も行こう」
「助かる。それと艦隊派遣はよろしく頼む」
「レジアス、だが、本局は……」
上級大将は眉をひそめる。
「分かっている。地上本部のメンツは大事だ。だが、若者の命には代えられんのだ」
レジアスが後ろの二尉に振り向く。それだけで上級大将は状況を察したようだ。
「……確かにそうだな。メンツは取り戻せるが命はどうにもならんか。準備を遅滞させておいたがすぐに再開させよう」
言って、少し首を傾げた。
「どうした?」
「いま、妙な鳥が天井からぶら下がっていたが、使い魔か何かか?」
管理局に所属する者でも一握りしか知らない場所。それが評議会のいる部屋である。
受付を担当していた局員に面会の旨を伝えると驚く程あっさりと許可された。
あるいは予め予期されていた展開なのかもしれない。
「デバイスをこちらに」
二尉はカードを取りだし上級大将も両手首にチェーンで巻き付けていた十字架をそれぞれ差し出す。
部屋の中には最小限の電灯しか点っていないため薄暗く、それゆえ中心に鎮座するものの印象を強める。
それはカプセルの中に入れられた脳であった。
管理局の最高意思決定機関、その全容である。
カプセルの前には二つの人影があった。
一人は成人男性並の背丈、もう一人は小柄だ。
しかし、二人ともマントで顔まで覆っているため性別すら判別出来ない。
『話があって来たのだろ。さっさと始めたまえ』
声、といっても発生器官は既に失われているので機械で再現された声が発せられる。
二尉がヴィレオンからの伝言を伝える。
『やはりエイドスクリスタルか』
『しかし、相変わらず厚顔無恥な男だ』
評議会の面々から次々と嘆息を意味する言葉が出る。
『それで、君達はどうしてほしい? テロリストと契約をかわせといいたいのかね?』
「いえ、そういう訳では。ですが、交渉の余地があるなら。何より優先すべきはミッドチルダ住人の安全です」
『違う。何より重視するのは脅しには屈しないという意志表示だ』
『既に一般人に犠牲者が出たと聞くが、どんな理由があれ一度でも屈すれば敵はテロに実用性を見い出す』
『君達が何を問題にしているか理解に苦しむな。テロリストには譲歩しない。逮捕に全力を尽くす。それで万事上手くいくというのに』
部屋の中に沈黙が降りる。
「じゃあ、俺からいくつかの質問だ」
二尉がレジアスを下がらせ前に出る。
『なんだ?』
「今回の敵とお前達。実は裏で繋がってるんじゃないかと思ってる」
『ほう。何故だ』
「スカリエッティを例にするでもなく犯罪者に司法取引を持ちかけて手駒にするのはお前達の常套手段だろ? そして手綱を握り損ねたんじゃないかとな」
『それはない。あの男だけでなく、エイドスクリスタルを狙う者は管理局共通の敵だ』
「そうか。それじゃもう一つだけ。あのヴィレオンって奴はエイドスクリスタルとミッドチルダじゃ条件が軽いと言っていた。
お前達はテロに屈しない云々以前に単純に割に合わない交渉だから応じないんじゃないのか?」
『残念ながら、エイドスクリスタルがミッドチルダ全人命より価値があるのは事実だ』
「んだと?」
二尉は堪らずに飛び出す。右腕に魔力を宿しカプセル目掛け殴りかかる。
しかし、その拳は目標に到達する前に止められる。マント姿のうち、身長の高い方が左手でがっちりとホールドする。
二尉は左腕でマント姿の顔を狙うが、これも右手でホールドされる。
だが、一連の動作で顔を覆っていたマントがほどける。
そこにあるものを見た二尉は最初、呆気にとられたように目を見開いたが、すぐに笑いだし、
「まだその仮面持ってたのか?」
マントの下にあったのは白色の仮面であった。
「貴様こそ……ドゥリンダナを渡せ。適性のないお前では……使いこなせない」
「嫌なこった。試作型で満足してないでデュランダルでも奪い返せ」
「二尉、よせ!」
背後からレジアスの声が聞こえるが無視。
『本来ならギル・グレアムとともに管理局から永久追放していた所に温情をかけてやったのに』
「使える駒を失いたくなかっただけだろうが」
評議会の言葉も吐き捨てる。
「私からも一つよろしいでしょうか」
室長が一歩進む。
『なんだ?』
「私達があなた方の下についたのは、権力が欲しかったとか命が惜しかったからという訳ではありません。
そうする事がミッドチルダを守る為に必要だと考えたからです。
……お答え下さい。あなた方は本当にミッドチルダの事を考えておられるのかを」
『……愚問だ。だからこそお前に一佐相当の地位を与え地上本部の内政に携われるようにした。この返答では不服か?』
「いえ、有り難う御座います」
一礼し下がる。
「おい、室長。そんなんで良いのか! この脳味噌どもは……」
ここで二尉は自身の変調に気付いた。目が霞み軽い頭痛がする。
それに何処と無く息苦しい。自分だけかと思ったが仮面の手も震え始めているし背後からも膝を着く音がする。
「なに……が」
原因を探ろうと周囲を見渡せば、簡単に見付かった。
マント姿の小柄の方の足元で円形の魔法陣が光を放っている。だが、ミッド式の魔法陣ではない。
「ISか」
辛うじてそれだけ言って、二尉の意識は途絶えた。
「お叱りは後で受けます」
『やり過ぎだ。黙らせるのは二尉だけでよかった』
『強力なISではあるが精密な操作が出来ないのは問題ですな』
そんな話し声を聞いた気がした。
レジアスが意識を取り戻した時、部屋にいたのは自分と最高評議会のみであった。
『他の者は別室にいる』
『我々は君の能力を買っている。なので今回の件は不問だ』
「そうですか……」
レジアスの口調は歯切れが悪い。先程の言葉が尾を引いているのだ。
『君の気持ちも分かる。本来、何十億もの人間と引き換えに出来るものなどあってはならない』
『が、現実には存在してしまうのだよ』
「……」
『だが、それは関係ないだろう。我々がどんな思惑だろうと君は君の道を進めばいい。それが出来ると考えたからこそ我々は君を此処に招いたのだ』
「……はい!」
『先程はああ言ったが必要だと判断したなら交渉も許可しよう。確か、もう一つのロストロギアは地上本部にあった筈だな?』
『敵は早ければ今日の日没には来るだろう。鋭意努力せよ』
「はっ」
敬礼し退室する。
「中将」
部屋から出たレジアスは受付の局員に呼び止められた。
「上級大将からの伝言で、無限書庫に行くようにと」
「……分かった」
『惜しい』
レジアスが退室した後、誰ともなく呟いた。
『実に惜しい。中将、室長、二尉。彼等だけでなく今の地上本部は得難い人材で溢れているようだ』
『消える直前の蝋燭が最も強く光り輝くという事だ』
もし彼等に顔があったとしたら一様に残念な表情をしていただろう。
そのままどれ程の時間が経過しただろうか。
この部屋では時間の感覚が曖昧になるが馴染みの局員が入ってきたのでメンテナンスの時間だと気付く。
「器の用意はどうなっているんですか?」
局員が端末を操作しながら尋ねる。何気無い口調であったがその裏の緊張が隠しきれないでいた。
『一番完成度の高かった個体は別口に使う。ゆりかごには新しい個体を用意する』
『だが、この状況では器を送るよりゆりかごの方を移送した方が安全かもしれんが』
『最悪の場合は敵に渡らぬよう廃棄もやむを得ない』
「廃棄はやりすぎではないでしょうか?」
『ヴィレオンに渡るリスクを考えれば仕方あるまい。ジェイルにもそう伝えておけ』
「……はい」
俯き答えた局員の顔には怒りと悔しさが滲んでいた。
無限書庫。
ありとあらゆる文献が納められていると言われる巨大な資料庫である。
「ゲイズ中将、こちらです」
自分を呼ぶ声に振り向く。相手は十代後半の痩せ形で眼鏡をかけた男だった。
何処にでもいる優男。それがレジアスの第一印象であった。
「上級大将から資料を渡すように頼まれたユーノ・スクライアです」
その名前には聞き覚えがあった。
十年前、資料の置き場でしかなかった無限書庫を書庫としての機能を持たせるまでに回復させた第一人者であり現在の司書長である。
「早速ですが、これがシェオルに関して管理局が掴んでいる全情報です」
渡された資料を受け取る。二枚組の直筆の資料で上はある事件の報告書だった。
「今から、十五年程前です。ある次元世界でロストロギアが暴走を起こしたんです。
他の次元世界を巻き込んだ次元災害になると予測されたため、管理局はアルカンシェルの使用により迅速に事件を終息させたました」
「その事件の原因が?」
「はい。それがシェオルです」
「その世界はどうなったのだ?」
「報告書によるとロストロギアは強固な結界を展開していたため、アルカンシェルの出力を抑える事が出来ず半径数十キロごと消滅。
その後、数年の間に環境が激変し居住不可能になったと」
そう説明するユーノ・スクライアの顔に浮かんだ遣る瀬無い表情をレジアスは見逃さなかった。
ただの同情ではない感情が二十歳にも満たない青年の中に渦巻いているのだ。
レジアスは苦々しい思いでページを捲った。二枚目はロストロギアに関する報告書であった。
「此度の事件の原因となったシェオルだがその正体は物質化した冥界である。
二十三管理外世界の住人は死亡し肉体が滅んでも魂はシェオルの中に納められ一定期間の後に輪廻する。
その際、人物の記憶や姿形はシェオル内部に記憶されるという。
ただかつての次元間の戦争による犠牲者の増加と彼等の負の意思により変調をきたし、更に……」
レジアスは妙な違和感に気付いた。以降の文章は一度消された上に再び書き加えられている。
「管理局が取り逃がした犯罪者(後日、病死)の手により暴走。周囲に結界を展開。
この結界はミッド式の魔法を一切受け付けなかったため、やむ無くアルカンシェルの使用に踏み切る。ただ消滅は確認出来ず」
報告書はそこで終了していた。
「ありがとう、司書長」
手短に挨拶し部屋から出ようとする。
「あの、こんな事しか言えませんが、こんな悲劇は繰り返さないようにしてください」
「当然だ」
彼の不安を払拭する為に、そして自分の覚悟の為に断言する。
クラナガンでも最高級に分類されるホテルの最上階。
そこは壁一面がガラス張りになり下方に広がる街並みを一望する事が出来た。
まだ朝日も昇らず夜の色が濃く残る街を眺めながらヴィレオンはグラスを揺らす。
「……」
表情が浮かばない虚ろな目のまま中身を飲み干す。
その目が細まる。
ドアが二回ノックされる。
ルームサービスの類いを頼んだ覚えはない。無音のまま部屋を横断しドアの前に立つ。
「誰だ?」
「僕です」
声には聞き覚えがある。ミッドチルダに来る前にも会った。
「これから寝る。手短にしろ」
「おや。それは気楽ですね。僕はこれから本局に出勤です」
「用がないなら帰れ」
「ちゃんと手短に言うので。……局員だろうと命を奪うなと命令されていた筈では?」
「可能な限りな。努力はしたぞ。本能と理性のせめぎ合いで本能が勝っただけだ」
「……反管理局の姿勢の世界は少なくないですが、今回の攻撃に賛成した世界は少ない」
「内部分裂すると言いたいか?」
「分かっているなら命令に従って下さい」
「ハッ。誰が。それに今回はオレの“独断”という事になってるだろ」
「それは、そうです」
「なら命令に従わなくても問題ないだろ」
「事は貴方だけの問題じゃない」
「では作戦を凍結するか? オレはそれでも良い。
元々、エイドスクリスタル回収という大義名分がある本局と違って、地上本部を攻撃するのは奴の下らない自己満足と偽善だからな」
「……そう思うなら何故ここにいるんですか?」
大した事じゃないと前置きした上で、
「聡明な偽善者と無知な愚者の戦いだ。俯瞰しているだけでは我慢出来ないだろ。そして地上本部の奴等が真実を知った時、どの道を選ぶかも知りたい。
崇高な生け贄となるか矮小なエゴイストとなるか、それとも英雄と呼ばれる存在に昇華するか」
想像しただけでもゾクゾクして堪らない。
「分かりました」
その声は諦観だ。
「作戦の結構はいつですか?」
「今日の日没だ。あの大馬鹿共が交渉に応じる気がなければな」
「最高評議会ですか。こっちでも色々と探ってるんですが、どうもガードが堅くて」
「もう必要ない。居場所は使い魔に特定させた。返答も聞いた」
「そうですか」
それっきりで足音が遠ざかっていき、ヴィレオンも何事もなかった様に展望に戻る。
別室に半ば軟禁されていた二人と合流し地上本部に戻ってきたレジアスは、そこが喧騒に包まれている事に気付いた。
何人もの局員が通路を行き交い、あちらこちらの部屋から掛け声が漏れる。
「総員、デバイスのチェックを怠るな」
「カートリッジは前線の部隊に優先的に配備だ!」
「技術部の主任以下数名が行方不明なんだが」
「うちの副隊長、本局に引き抜かれちゃったからな〜」
「回収したロストロギアの警備にもしっかり人材を割けよ」
「よーし、どっかの始末書魔を差し置いて女の子にアピールするチャンスだ」
「イヤッホーイ!」
レジアスは駆け足の局員を呼び止める。
「何事だ」
「あ、中将。それが、本部長の指示で通常業務を全て返上し厳戒態勢に移行しています」
「通常業務もだと? そんな事をすれば後々問題になる」
「それが、オーリス三佐もそう進言したんですが、
「何も起こらなければそれで良し。被る損失も全て自分が責任を持つ。局員は自分達とミッドチルダの心配だけでいい」と」
「ほう。あの後輩もたまには役に立つな」
背後から室長の声が飛ぶ。
「つーか、何で事細かに知ってんだ」
「それが、どういう訳か回線が開いてて本部全体にただ漏れだったんですよ」
不思議ですね、と苦笑しながら局員は三人の横を通り過ぎていく。
それを見送り三人は顔を見合わせる。
「俺は待機しておく」
「私は医療チームの指揮だ」
「私は司令部に戻る」
三人はそのまま別れる。
「回収したロストロギア、シェオルの警護は万全だろうな?」
「はい。それと、企業や住民から苦情が来ていますが」
「無視だ。地上本部には誰も近づけるな」
「苦情の処理は本部長にやってもらいましょう。言い出しっぺだし」
そのまま時間は経過し太陽が地平に沈み、逢う魔が時がやって来る。
『なにやら地上本部は大変な事になっているな』
ミッドチルダに移動中の艦隊からであった。
「上級大将か。本部長が柄にもなく頑張ってな」
『はは。お前に渡した資料と同じ物を送っておいたんだが、予想以上だ』
「そうだったのか。しかし、あの資料の字は……」
『昔の話だ。それに……』
映像が通信が途切れる。
「どうした?」
「ク、クラナガン全域に結界が。規模、更に増大」
「……来たか」
レジアスは覚悟を試される時が来た事を悟った。
「本部全ての回線に割り込みが!」
司令部全てのモニターに男の姿が映る。恐らく地上本部のあらゆるモニターにも同様の映像が映っているのだろう。
『大半の皆さんには始めましてだな』
「ヴィレオン・ブリュメール」
レジアスの握り拳に力が入る。
『一方的な通信なので君達の顔が見えないのが実に残念だ。そしてびっくりなお知らせだ』
犬歯を剥き出しにして笑う。
『シェオルの事だが、お前達が持っているあれは魔力を込めただけの水晶だ。交渉の材料にはならないんだなァ』
「何だと!」
『ああ、今、驚いたな? 片道なのが悔やまれる』
笑いながら画面の外からケースを持ち出す。
『冷静になってみろ。このオレが雑魚を生かした挙げ句、中身を奪われる訳がないだろう。それに偽物だというヒントもしっかりと与えたつもりだ』
本部の正面で待機していた二尉は思わず頭を抱えた。そんな事の為にレリックの模造品を用意したのか。
『さて、これまでの話は一部の人間にしか理解出来ず退屈だろうから。本題に移ろうか』
「……」
ヴィレオンはケースを開け中から透明の結晶、おそらく本物のシェオルを取り出す。
『十五年経った今でも結晶内では核が暴走していてな。このままでは計画に支障が出るので、存分に暴れさせる事にした』
結晶の輝きが増し映像にノイズが混じり始める。
『最初の審判の時だ。運命に抗う力があるか見せてみろ』
輝きが限界に達すると同時に通信が途絶。代わりに異質なモノが表示される。
廃棄都市に近いクラナガン郊外のライブ映像だ。
映っているそれは一見すると蛇だった。羽を生やし自分の尻尾に食らいつく蛇。
だが、大きさが尋常ではない。周囲の構造物との比較だが鎌首をもたげればビルより遥かに高くなるだろう。
そして周囲には白く濁った人影が無数に浮かんでいる。
『中将』『ゲイズ長官』『司令』
モニターに何人もの顔が映し出される。
待機していた各部隊の隊長達である。
彼等は固唾を飲みレジアスの言葉を待っていた。
『命令を』
レジアスは一度目を閉じ、深呼吸。
「総員、課せられた任を果たせ」
『『了解!』』
以上です。
展開としてはこれから最終決戦でも始まりそうな雰囲気ですが、構想としては全三部作でヴィレオンの話は一部なので。
やっと三分の一に到達出来そうな感じです。
あと最高評議会の護衛をしていた二人の詳細と彼等にまつわるエピソードは
このSS終了後に予定しているティアナのアフターSSでやるつもりなので今後の出番はあまりないです。
ではこれからの一年もよろしくお願いします
あ〜ところでこのSSって何の作品の二次創作でしたっけ?
24 :
ておあー:2008/01/01(火) 17:55:10 ID:5tlXPe+2
>>23 魔法好々爺マッスルレジアスだ、俺が言うんだから間違いない
そしてGJっす。
フェイエリ分を…
G
GJです
地味に強い二尉とそれ以上に反則なヴィレオン
そういえば二期ではアルカンシェルが海鳴市に撃ち込まれかけたんだったな>ユーノ
(後日病死)どう考えても隠蔽されてます。本当にry
行方不明な主任以下数名
wktkが止まらない
あと本編でもまったく触れられなかった本部長が一番熱いなw
GJ!!ものすごく熱いですね。
オリキャラのものはあまり好きではなかったのですが、
考えを改めさせられる。
>>28 まぁオリキャラは出す必然性があれば話が面白くなる可能性もある。
…が、大抵のオリキャラ話はオリ主人公、厨設定、
しかも本編キャラとくっつくとかだから嫌われるんだよな。
なのはのSSサイトはそんなんが多いから萎える…
>>23 み な ぎ っ て き た !!
GJっすw
報告。前スレ埋め完了。
梅乙
>>28 つーか、このSSってオリキャラいないと成立しないしな
中将派の佐官に普通に優秀な航空隊、等身大の陸士、情け容赦ない敵
こういう奴らは本編にはいないし
三脳を美味しく料理して黒幕分は足りてるが
理解者が娘しかいない本編の中将が悲惨なだけかもしれないが
34 :
B・A:2008/01/01(火) 21:30:33 ID:yKcohD0d
>23
GJです。
しかもこれで三部作の第一部ですか。熱すぎる。
ところで、あまり間が空いていませんけど、
前スレからのデバイス擬人化SS第4話を投下して良いですか?
>>29 ◆Ev9yni6HFA氏のように本編を尊重した世界設定でSS書いてくれると
オリキャラでもすんなり受け入れるかもしれませんね。
38 :
B・A:2008/01/01(火) 21:46:51 ID:yKcohD0d
では、いかせて頂きます。
注意事項
・時間軸はA’sエピローグ後、なのは15歳
・エロなし
・デバイス擬人化もの
・主人公は閃光の戦斧
・今回からシリアス、そして人間の出番激減
>23
GJ
こういうのを外伝で良いからやって欲しいと思った
もしくはフェイトが時空歌m(通信が途絶えました)
「休暇、ですか?」
「明日一日ね。アリサにカラオケに行かないかって誘われていて、クロノに頼んでみたら簡単に休めちゃった」
嬉しそうに、フェイトはステップを踏む。一方バルディッシュはと言うと、
まだ着なれない管理局の制服に不快感を抱きながらも、主の後ろについて行く。
「サー・フェイト。あなたが休暇となると、私はどうすれば?」
いつもなら、鞄の中にでも入ってついて行くところなのだが、人型になっている今ではそれもできない。
一応、本体は常に持ち運んでもらっているが、自分が離れてしまえばそれもただの高性能なストレージとそう変わらないという難点がある。
「バルディッシュもお休みだよ。折角人の姿になったんだから、街で遊んできたら?」
「いえ、私はそういうのは不得手でして。何より、この身はあなたを守るためのもの」
「もう、頑固なんだから」
放っておけば尾行すらしかねない自分のデバイスに、フェイトは向き直る。自分よりも遙かに大きなバルディッシュを見上げる姿には、
何か言いようのない迫力があった。
「良い、バルディッシュもお休みなの。街に出て遊んでくる・・・・・これは命令です」
「Ye・・Yes, sir.しかし、具体的に何をすれば・・・・・・?」
何せ、今まで休暇など取ったこともないのだ。何をどうしたら良いのかまったく勝手がわからない。
「それに関しては任せておいて」
そう言った主の微笑みに、些か不安を覚えるバルディッシュであった。
そして、翌日。
「バルディッシュ、ほら行きましょう」
「待て、レイジングハート。そう引っ張られては腕が痛い」
何故かバルディッシュは、レイジングハートと共にクラナガンのショッピングモールを歩いていた。
『なのはとレイジングハートもお休みだから、バルディッシュはレイジングハートとデートしてきたら』
それがフェイトの提案であった。いや、策謀と言った方が良いかもしれない。
確かに、クラナガンであれば身長30cmのレイジングハートが往来を闊歩していても問題はないだろう。
問題ないのだが・・・・・・。
「どうしました、バルディッシュ?」
薄緑色のワンピースに身を包み、人形用のハンドバックを提げたレイジングハートが振り返る。
(絶対面白がっているだろう、我が主とその親友よ)
よく、女性を人形見たいに可愛いと形容するが、今のレイジングハートは正しく人形だ。
ジッとしていればまず見分けがつかないだろう。そんな彼女と一緒に歩くごつい外見の男・・・
・・不気味を通り越して怪しさ全開といったところだろうか。
「バルディッシュ?」
とにかく、まずは落ち着こう。好奇の目など気にするな。今日一日を無事に過ごすことだけを考えるのだ。
「なんでもない。休暇というものは初めてで、少し戸惑っていただけだ」
「私もです。けど、最初の休暇が殿方とデートだなんて、なんだか面白いですね」
レイジングハートは楽しそうにくるくると空中を回る。ふっと垣間見える笑顔が何とも印象的だった。
「ところで、どこへ向かっているのだ?」
先ほどから、レイジングハートは人の波をかき分けてショッピングモールの奥へ奥へと進んでいる。
どうやら、彼女はどこへ行くのか決めているようなのだが。
「・・着きました。ここです」
「ここは・・・・・・映画館か」
話ぐらいは聞いたことがある。有料ではあるが、巨大な画面で映像を見ることができる施設があると。
「はい。マスターから、映画のチケットを頂きまして」
「なるほど、確かに時間を潰すのに映画は持ってこいだ」
「むぅ、その発言、ロマンがありません」
「・・・・・・・・・・?」
何故レイジングハートが膨れているのかわからず、バルディッシュは首を傾げるばかりだった。
休日ということもあって、映画館はかなり混雑していた。
どうやら、この映画はかなり前評判が良いらしい。
「楽しみですね、バルディッシュ」
自分よりも大きなポップコーンの器を抱えながら、レイジングハートは笑う。
先ほどから、彼女はえらく上機嫌だった。ポップコーンを買ってやったのがそんなに嬉しかったのだろうか?
自分はただ、『映画と言えばポップコーンですよ』と彼女が言ったため、映画のお礼代わりに買ったつもりだったのだが。
「あ、始まりますよ」
独特のブザー音とともに、場内の照明が落とされる。映画館初体験のバルディッシュにとって、
それは何とも新鮮な感覚だった。
「う・・・・・」
唐突に、レイジングハートが奇妙な呻き声を漏らす。どこか、具合でも悪いのだろうか?
「どうした?」
「・・・見えません」
「は?」
「ポップコーンが邪魔で見えません・・・・・取ってください」
恥ずかしそうに頬を赤めるレイジングハートに、バルディッシュは苦笑するしかなかった。
映画はいわゆるラブロマンスだった。主義主張の違いからぶつかり合う一組の男女が同じ職場で協力し合い、
お互いの良さを見つけ、結ばれる話。リアリティなんて欠片もない、不条理で幸せなお伽話。
バルディッシュからすれば、退屈な映像を2時間見続けさせられたようなものだ。だが、レイジングハートは違うようで、
さっきから『あそこが良かった』、『あのシーンは泣けた』と映画の内容について喋っている。
「主人公の2人、私達に似ていると思いませんか?」
「我々にか? どちらかというと、マスターの方ではないのか?」
最初は敵同士だったのが、一つの事件を通じて協力しあう関係になるというのは、
道具である自分達よりも主であるなのはやフェイトの方が似ているのではないだろうか?
「確かにそうですけど、マスター達は女性です」
女性同士では結婚できませんよ、とレイジングハートは言う。
何が言いたいのかまったく理解できないバルディッシュは、面倒なので早々に思考を切り替え、
再び彼女のお喋りを聞くでなく耳を傾けておく。
「ほら、最後に恋人が主人公に言った言葉・・・『例えどんな形になっても、僕は君のそばにいる』・・・あれ良いですよね。
最初は顔も見たくないって喧嘩していた2人が、あんな風に結ばれるなんて、幸せですねぇ」
「そうだな」
特に考えもせず、バルディッシュは答える。
「ねぇ、バルディッシュは・・・・バルディッシュは、どう思いますか?」
急に立ち止まり、レイジングハートは不安そうに見つめてくる。
「あの映画の恋人達のように、私たちも一緒にいられると思いますか?」
「何を馬鹿なことを。マスター達が共にいる限り、我らは・・・・・・」
「私は、あなたの意見を聞いているんです!」
すがるように叫ぶレイジングハートの目には、今にも溢れだしそうな涙が滲んでいた。
わからない。
今日の彼女は本当に理解し難い。
少女みたいにはしゃいでみたり、かと思えばこんな風に泣き叫んだり。
これでは、まるで人間のようではないか。
「私は、あなたの意見が聞きたいのです。一般論じゃない、ましてや道具としての在り方なんて、聞きたくありません」
本当に、何を言えば良いのかわからない。
彼女が何を欲しているのか。
自分が何をするべきなのか。
こんな、人間の真似ごとなんて。
「・・・・・・我らは道具だ」
自分にできるのは、ただ道具として在るだけ。
「人間はいつか死ぬ。ならば、道具である我らは使い手が変わっていくのが道理。人のように・・・・
・・人間のように、共にいることなどできない」
不意に、頬に痛みが走った。
殴られたのだと気づくのに、時間はかからなかった。
「馬鹿!」
それだけ告げて、レイジングハートはどこかに飛び去ってしまう。
一人残されたバルディッシュは、呆然とその場に立ち尽くした。
殴られたことよりも・・・・・・。
何故、彼女が怒っているのか・・・・・・・。
どうして、泣いていたのか・・・・・・。
それだけが、疑問だった。
to be continued
45 :
B・A:2008/01/01(火) 22:04:13 ID:yKcohD0d
以上です。
バルディッシュがあんな性格になってしまいましたが、次回できっちり修正(某機動戦士用語)されます。
けど、レイハさんいじめちゃってごめんなさい。
やべぇ……擬人化レイハさんのバリエーションはかなりあるけど今回のはかなり萌える!!
GJですよ〜あとやっぱりバルディシュは何処までも朴念仁なんですねww
バルディッシュ朴念仁だなーww
そりゃレイジも泣くわ
しかし上手いくすぐり方だな。じわじわと楽しみになってきた。
ある意味ギャップ萌えだな、レイジングハートw
いやはや、マスターとデバイスの性格が逆っぽいところが何ともいえませんね
二人の恋の行方が気になります
あと、割り込みすまなかった
51 :
サイヒ:2008/01/01(火) 22:33:53 ID:4GurUIbF
前の作品から三十分しか経ってませんが投下いいですかね?
なんつーか、中将閣下とかバルディッシュとか、さっきからSSがいい男ばかりで嬉しすぎる
支援。
54 :
サイヒ:2008/01/01(火) 22:47:14 ID:4GurUIbF
十一時半頃からか明日にします。
なにごともなかったかのように、作品感想等をドゾー。
55 :
サイヒ:2008/01/01(火) 23:30:20 ID:4GurUIbF
あけましておめでとうございます。今年もよろしく。
新年一発目は、クロフェの姫初めHでいかせてもらいます。
エロエロなフェイトさんは年末に書き尽くしたんで、今回は甘々で。
支援。
クロノにとって、人生二十六回目の新年が近づいていた。
年が変わる瞬間というのを子供の頃には一年で最大のイベントのように思っていたものだが、さすがに
これだけ回数を重ねると感慨もへったくれも無くなる。
特に提督になってからは、書類と格闘して気づかぬ間に二十四時を過ぎていたということもあった。
だが、今年の新年だけは特別な意味があった。
今年という年は、フェイトという女性を生涯の伴侶に選んだ年であった。そんな人生にとって特別な年
の終わりは、やはり彼女と一緒にゆったりと寄り添って、過ぎ去りし年に思いをはせたい。
しかし提督という重職に就いている以上、休暇の自由は利きにくい。既にだいぶ前から、年末は航海に
出ておりミッドチルダに不在なことが確定していた。
なんとかならないかと手は尽くしてみたクロノだが、無理なものは無理と分かるとあっさり引き下がっ
た。
けれどもそれは、フェイトと年末を過ごすことを諦めたわけではない。ちゃんと別の抜け道を考えてお
いたからである。
ミッドチルダでの新年は一つだが、無数の次元世界にはその数だけ新年があるのだ。
A happy new year
地球は海鳴市のとある神社境内。深夜のこの時刻、いつもなら深沈と静まりかえって神秘さより不気味
さを漂わせている場所も、一年の今日だけは賑やかとなる。
賽銭箱の前からずらりと並んだ多数の人々。それ以外にも、焚き火に手をかざしながら蜜柑を食べたり、
屋台を冷やかしたりしている人もいる。全員を合わせれば、三桁に到達するだろう。
その人ごみの中を、クロノは両手に紙コップを持って歩いていた。紙コップには液体がなみなみと注が
れており、零さないよう注意しながら列の一角を目指す。
そこにいるのは、手に息を吐きかけながら夜空を見上げている一人の美女。星座でも探しているのか、
クロノが隣に立っても気づかない。
「フェイト」
声をかけて、ようやくその顔が空から降りてきた。その目の前に、紙コップを一つ差し出してやる。
「ほら、甘酒」
「ありがとう」
嬉しそうに笑って、フェイトはさっそくコップに口をつけた。クロノも自分の分をすする。
「飲酒運転大丈夫?」
「配ってた人は、アルコール分は無いと言っていた。そういう作り方もあるらしい。なんでも麹を使わず
に……」
しばらく、その人が言ってたことの受け売りで甘酒の造り方についてしゃべるクロノ。
フェイトは相槌を打ちながら、さらに二、三口飲む。
「……甘酒ってこんな味だったかな?」
「さあ、僕もよく覚えてないな。前に飲んだのは、最後の初詣の時だったから……いつだったかな」
「私が海鳴の家を出た年だと思うよ。みんな一緒に来た時」
「あの時か……」
ハラオウン、高町、八神、月村などの数家族が勢ぞろいしたので総勢数十名の大所帯になり、またそれ
が粒よりの美女多数なため周囲から注目されまくって、男連中は微妙に恥ずかしかったのを思い出した。
「今回は二人だけだね。母さん達もくればよかったのに」
リンディとアルフは、寒いので昼になってから行くと言って留守番している。どちらかというと、寒さ
よりもクロノとフェイトが二人きりになれるようにと気をきかせてくれたためのような気もする。
前回のことを思い出しつつ、注目といえば今の自分達もそうだなとクロノは思った。
フェイトの美貌は常から道行く人を振り返らせるレベルのものであるが、今回は顔よりも服に理由があ
る。
闇夜のわずかな光源でもはっきりと目立つ真紅の振袖。金糸と白糸を織り交ぜ、裾には白い牡丹の花を
あしらった豪奢な着物。流れるように長い髪は結い上げられ、足元も足袋に雪駄と完全に服装と合わせて
ある。
日が昇ってからならともかく、二年参りを振袖で来る人は少ない。フェイトの姿はこれだけの群衆の中
でも大いに目立っており、あの外人さんすげーという遠慮のない声も何度か聞こえた。
(僕も、もっと違う服装してこればよかった)
今クロノが着ているコート等はフェイトに見立ててもらった趣味のいいものだが、さすがに振袖と並べ
ば位負けする。
かといって、スーツというのもなにかが違う。男の和服と言えば羽織袴になるのだろうが、それもだい
ぶ間違っている気もする。
(強いて選ぶなら……提督服とかか?)
あれこれ考えているうちに、クロノの紙コップは空になってしまっていた。フェイトの方はと目をやれ
ば、両手で抱え込ようにしてちびちびとやっている。まだ半分も減っていない。味よりも、紙コップを通
して伝わる温かさを楽しんでいるようである。
とはいえ甘酒もだんだん冷めてくるだろうし、手の平は温まっても手の甲は風に晒されたままである。
時折、手を擦り合わせている。
その様子を見ていたクロノは、ポケットのホッカイロをしばらく握り締めてから手を出した。
「フェイト、手を出して」
「うん?」
小首を傾げながら、フェイトが素直に片手を出してくる。そのほっそりとした手を、クロノは自分の手
で包んでやった。
氷というほどではないがひやりと冷たいフェイトの手を、擦るのではなく体温を伝えるようにじっと触
れあわせる。
「み、見てる人いるよ」
「…………」
フェイトの手が冷たそうだなと思い、半ば反射的にやってしまったのでだんだん恥ずかしくなってくる
クロノ。他人が見たら、人目をはばからず手を握っていちゃついているバカップルだろう。
「……お年玉代わりということにしてくれ」
フェイトというより自分に言い聞かせるように、ずれた言い訳を口にする。
「もう貰う側じゃなくてあげる側なんだけどなあ」
「……嫌か?」
「ううん、反対側もお願いしていい?」
「ああ」
甘酒を持ち替えて、逆の手を出してくる。そちらも細い指から手首までを覆ってやる。
「お年玉っていえば、エリオとキャロにもあげようとおもってるんだけど、いくらぐらいがいいかな」
「あの二人なら現金よりプレゼントがいいだろ」
「どうして?」
「金をもらっても、貯金するだけになる気がする。小遣いぐらいならともかく、大金は使い方がまだよく
分からないだろう。小さい時の君もそうだった」
「クロノは今でもお金を貯めっぱなしだけどね。預金通帳、すごい額になってるよ」
「結婚資金と養育費に使わせてもらうさ」
ぽつぽつと語り合う間も、手は繋がったままである。クロノの手が冷えてくると、甘酒を飲み終えたフェ
イトが逆に暖めてくれる。
周囲の目も、いつの間にか気にならなくなった。開き直った心境になったのか、それともフェイトの手
が暖かくてそんなことどうでもよくなったのか。
そうしているうちに、周囲の様子が変化した。
少しずつしゃべり声が減っていき、みんな携帯や時計を出している。クロノとフェイトも、秒単位まで
合わせた時計を見た。
ゆっくりとも早くとも思える速度で、秒針が進んでいく。
「今年も、あと一分だね」
フェイトが、もたれかかるようにくっついてくる。クロノも、肩を抱いてやる。
そして、三本の針が頂点で重なった。
クロノが腕を解き、フェイトの身体が離れる。
二人はちょっとだけ見つめ合って、同時に頭を下げた。
「「あけましておめでとうございます」」
お賽銭、お参り、お神酒、おみくじに絵馬。締めには無料で配っていた蜜柑を焚き火の側で食べて、初
詣でやることを一通り終えた二人は家路についた。
長距離は歩きにくいフェイトのために車で来ており、当然ハンドルを握るのもクロノである。
夜道を慎重に運転するクロノに、フェイトが声をかけてきた。
「クロノ、姫始めって知ってる?」
「いや、知らない。日本の言葉かい?」
「うん、その、日本の言い伝えで、お正月に、え、エッチなことしたカップルは一年間うまくいくけど、
しなかったら別れちゃうって、はやてが言ってて」
そのとおりだとすれば、単身赴任者や海外出張者はことごとく破局の危機に晒されていることになる。
もっとも情報源が情報源なだけに、いたずらで歪曲して伝えられた可能性が高いが。
「あ、あくまで言い伝えだし、してくれなくても私とクロノが別れることなんてありえないし、クロノが
したくないって言うならしなくていいけど…………できたらしたいなぁって、思ってて……」
どんどんトーンが小さくなっていき、それにつれてちょっとずつ俯いていくフェイト。自分から誘うと
いうのが恥ずかしいのだろう。
(ベッドの上では、平気で口にしたりするのにな)
とはいえ、クロノも姫始め云々を聞かなくても、帰ったらフェイトとそういうことをしたいとは思って
いた。
休暇はもうすぐ終わりであり、時差を考えると昼前には海鳴を立たねばならない。次の休暇はだいぶ先
になるので、その前にフェイトと睦みあう時間は欲しかった。
車を止めて、まだ口の中でもごもごと呟いてるフェイトの頭を撫でてやる。
「あ……」
言葉を使わなくても意思は通じ、俯いていたフェイトが顔を上げる。
しばらく無言でクロノは手を動かし続けた。頭の天辺から髪を梳くように変化したその手を、フェイト
は黙って嬉しそうに受け入れた。
家の灯りは消えており、残る二人の家族は寝入っていた。起こさないように足音を殺しながら、クロノ
の部屋に移動する。
主不在だった部屋の中は、当然の如く冷え切っている。暖房は入れたが、時間が少々かかる。
早く暖まり合いたくて、クロノはフェイトを抱き寄せた。
「ん……」
自然に唇が重なる。
今年最初のキスは、ただ唇をくっつけあうだけのキス。擦り合わせることすらせず、じっと相手の唇を
感じる。寒気で乾いているが、それでもなお柔らかいフェイトの唇。
「これも、ファーストキスになるのかな」
「さぁ……」
もっとキスをしたいが、厚着が邪魔していくら強く抱きしめあっても体温が伝わってこない。
抱擁を解き、上着を脱ぐ。フェイトも髪留めを外した。
「一人じゃ出来ないから、帯だけほどいて」
それだけは手伝ってやり、クロノは自分の服を手早く脱いだ。
フェイトは着方が複雑な着物だけに、脱ぐのにも時間がかかってまだ一枚も脱げていない。しかし遅い
のは、恥ずかしさから来る躊躇いもあるのだろう。なにしろ、クロノがじっと見ているのだ。
しかし悪いと思いつつも、クロノはフェイトから目が離せない。幾枚もの着物の下からフェイトの裸身
が現れる過程の一部始終を目にしたい。
ずいぶん長い時間をかけ、ついに最後の一枚、振袖よりなお赤い緋色の肌襦袢のみとなる。少しの躊躇
があって、肌襦袢がすとんと足元に落ちた。
一瞬で、紅が白に変わる。
けっして不健康さは感じさせない、輝くように白い肌。金髪と紅瞳以外にいっさい邪魔な色がない裸体
は、どこまでも続く雪原を連想させる。
「……下着、つけてなかったのか」
「うん……。和服の時は、つけないのが正しいって」
胸の頂点と股間を隠してフェイトが答え、そのまま近づいてくる。
優しく抱きとめたクロノはそっとベッドに寝かせ、もう一度唇を重ねる。
今度は、舌を差し込む深いキス。拒まれることなく口の中に入っていき、フェイトの舌が出迎えてくれ
た。
「ん……ぁん……」
合わさった唇から、声と小さな水音が漏れる。
フェイトの口の中で絡めあうだけでなく、逆にクロノの口内にも招き入れる。歯茎や舌の裏側が舐めら
れて官能が刺激され、ぞくりとする。
キスが終わってもそのまま頬や首筋に舌を移して舐めあい、指までしゃぶってようやく二人は止まった。
「はあっ……はふぅ……」
本番が終わったかのように荒い呼吸のフェイト。少し身体を持ち上げたクロノは、フェイトの胸に視線
を落とす。
たっぷりとした大きさに、仰向けになっても崩れない弾力と張りを兼ね備えた美乳。乳房に比べて、乳
首は小さめで可憐なのもクロノの好みである。
数え切れないほど目にしたというのに、その度にクロノを魅了して止まない。愛でた回数は、ひょっと
したら秘所よりも多いかもしれない。
「あんまり……見ないで」
頬の朱色を増しながら、フェイトが身悶えする。
もっと秘められた場所まで見たことのある関係だというのに、今だにこうして恥ずかしがることが多い。
その恥じらいがたまらない。
胸の形をなぞるように、クロノは愛撫を始める。
羽毛でも詰まっているかのように柔らかい乳房の表面を、少しだけ押しながらゆっくりと撫で回す。
一周すると、胸の形が少し変わる程度の強さで揉む。かすかに張りが出始めれば、軽く捏ねていく。
「ふはぁ……あっ」
フェイトの甘い吐息。徐々に出来あがりつつある。
いつもならここで一気に強くして乱れさせるか、逆に弱くして焦らすかするところだが、今日は素直に
ちょっとずつ強さを上げていく。年の初めぐらい、意地悪せずに愛情たっぷりに抱いてやりたい。
色づいた突起に軽く触れて、次はここだと教えてやる。フェイトの心の準備が出来てから、頭を下げて
吸いついた。
肌の色合いが違うところを少し舐めてから、舌先で転がす。濡れてほんの少し柔らかくなった乳首を、
指で挟んで引っ張る。
「あん……いいよ、クロノ」
そろそろ下に移ろうかと考えていると、クロノの股間にひやりと巻きついたものがあった。
「熱くて、硬いね……」
フェイトの指が、クロノの張り詰めた陰茎に絡んでいた。握りがいつもと逆手になっているが、それで
も器用にフェイトはしごいてくる。
陰茎の表面に浮き出た血管を愛おしむようになぞり、小指がそっと鈴口から入ってくる。親指や人差し
指より細い分だけ奥まで届くが、きつくなりすぎないように細心の注意を払っているのが指遣いで伝わる。
おかげで指の冷たさに萎えることなく、硬さが増していく。
クロノもフェイトの秘裂を左右にくつろげ、指を入れてつぶつぶとした触覚の壁に触れる。軽く擦るだ
けで、奥から愛液が湧き出てきた。
あくまで準備段階の愛撫であり最後まで行かないことが分かっているので、構えることなく快感に身体
を委ねられる。いつもの電流が走りぬけるような快感もいいが、こういうのもしっとりと気持ちいい。
しかし浅瀬で水遊びしているようなものであり、溺れるには深さが足りない。
「そろそろ、しようか」
「……うん」
クロノはフェイトの秘所から指を抜いたが、フェイトは握ったまま導いてくる。入り口にひたり、とくっ
つかせてから、手が離れる。
「…………来て、クロノ」
つぷり、と亀頭が潤った膣に入っていく。
奥まで到達する前に、クロノは腰を引く。突くのではなく、ゆっくりと愛液をかき出すように動きなが
ら少しずつ深めていく。
完全に入りきると、クロノはそこで腰を止めてフェイトの膣を味わった。いつものように強く締めつけ
るのではなく、包み込むようにしてくる。だが熱さだけはとんでもなく、そのまま肉棒が溶けてしまいそ
うなぐらいだ。
「クロノの、太くて、硬くて、すごくいい……」
うっとりと、フェイトが独り言のように呟く。それを合図に、クロノは動き出す。
突くよりも、陰茎の表皮で擦るようにするのを重視した動き。前後する速度もそこまで速くはない。
下が緩やかな分、上でもクロノは混ざりたくなる。
「フェイト、舌出して」
二人で舌だけ伸ばして、空中で絡め合う。男根と膣よりも、舌同士が激しく融合する。
そうしながら、脂肪の少ないしなやかな脇腹を指でなぞってやるクロノ。
フェイトもキスをやめて、耳たぶに優しく歯を立ててくる。
直接的な性感帯への刺激ではないが、その分こういうゆったりとした交わりにはちょうどいい。
「もっと強く動いてもいいんだよ」
「今ぐらいがちょうどなんだが、君は?」
「私も、これぐらいでいいかな。こういうのも、クロノが私の中に溶けてくるみたいで、気持ちいいから」
肌の相性が合った者同士が相手のことを思いやって動けば、当然のように終わりは同時になる。
「私の中で、くふっ……震えてるよ」
「フェイトも、どんどん締めつけてきて、ん……凄くうねってる。イキそうなのか」
「う、ん……一緒にイって、クロ……ノ」
頷き、クロノは小刻みに、だが強くフェイトを貫く。フェイトも腰を揺らして動きを合わせる。
強く抱きしめられ、足が腰に絡んだ。そのまま出して欲しいというフェイトの意思の体現。
最後に一際強く子宮口に押しつけて、クロノは放った。
きゅっと肉壁が締まり、フェイトの足と手に力が篭められる。肌が完全に密着した。
「ふぁ、ああああん!!」
喘ぐフェイトの口に、もう一度キスする。そうして口から足の先までフェイトと一つになる快感に、ク
ロノは静かに浸った。
元旦早朝、クロノはシャワーを浴びて昨夜の残滓を洗い落としていた。
フェイトと一緒に入りたかったのだが、既にリンディもアルフも起きており、見つかれば正月ぐらいは
いちゃつくのをやめなさいと説教をくらいかねない。
軽く頭と身体を洗い風呂を出てタオルで水気を拭いていると、鏡に映る自分の首に妙なものがある。
首筋の左側面にぽつんとあるのは、赤い鬱血痕。指で触れると小さく鈍痛がする。誰がつけたかは、考
えるまでもない。
昨夜は本格的な性交は一回だけで終わりにし、後は眠るまで戯れ合っていたのだが、その時にフェイト
はクロノの首筋にキスマークをつけたがっていた。目立つからやめてくれと阻止したはずだが、寝た後に
こっそりやったと見える。
「……新年早々、困ったことをしてくれるな」
消えないと分かりつつ指で擦りながら、ぼやくクロノ。
しかし恋人と過ごした最初の年越し記念、ということでいいのかもしれない。
あとで一言だけ言っておけばいいかと自分を納得させ、クロノは服を着て風呂場を出た。
居間に入ると、家族みんな勢揃いしていた。真っ先にクロノの姿を見つけたアルフが怒鳴ってくる。
「クロノ遅い!」
フローリングの床に冬季限定で設置された炬燵の上には、昨日一家全員で作った豪華なおせちと蜜柑を
積み上げた笊。そしてアルフの前にだけ置かれた松坂産の骨つき牛肉。アルフへのフェイトからのお年玉
である。クロノが来るまでお預けをくっていたらしい。
「これでみんな揃ったし、いただきま……」
「駄目だよアルフ。先に挨拶しなきゃ」
待ちかねたと肉にかぶりつこうとしたアルフの手を、フェイトがぺしりと叩いて止める。アルフが一瞬
不服そうな顔をするが、黙って従った。
「それじゃあ、クロノはそこでフェイトはその隣。アルフはそこね」
一家四人、炬燵から出て家長の指示で床に丸く正座する。
「それじゃあ……せーの」
リンディの音頭で、一斉に深々と頭を下げた。
「「「「新年明けましておめでとうございます」」」」
新しい年が、始まる。
終わり
おまけ
「ユーノ君、姫始めって知ってる?」
「ああ、日本のご飯のことだよね」
「えっ?」
「普通の白ご飯のことを姫飯って言うだろ。正月明けに餅とかおこわを食べるのをやめて、ご飯を主食に
戻す日のことを姫初めって呼ぶんだよ」
「…………」
「繕い物を始める日だったり、乗馬を始める日もそう呼んだかな」
「…………ユーノ君は物知りだね」
「まあ、なのはの言ってる意味の方も知ってるけど。……こういうことだよね」
「あんっ……」
「僕もしたいしする気だけど、もうちょっとだけこうして膝枕しててもらっていいかな?」
「うん。……ユーノ君、今年もよろしく」
「それ、さっきも言ったよ?」
「それでも、何回も言いたいから」
「そっか。……今年もよろしく、なのは」
「…………なんであたしは新年早々、一人寂しく仕事してるんかなぁ。なのはちゃんは今頃ユーノ君とよ
ろしくやってて。フェイトちゃんも日本でクロノ君と一緒に初詣行けたらしいのに……。なんであたしだ
けこんな…………。やめとこ。嫌になるだけや」
「八神、邪魔するぞ」
「げ、ゲンヤさん!? どうしたんですか。たしかゲンヤさんもお仕事ちゃいましたっけ?」
「今は大休止中だ。お前も仕事だってギンガから聞いたから、ほれ、陣中見舞いだ」
「あ、これって……」
「お前の故郷のゾーニとかいう料理だろ。うちも元々はあそこの出身だから、正月にはこれ食う習慣になっ
てんだ。食堂借りて作ったんだが……どうだ?」
「…………しょっぱいです」
「そ、そうか? うちではこれが普通なんだが」
「いえ、しょっぱいのはゲンヤさんのせいやありません。すごくおいしいです。…………ありがとうござ
います」
今度こそ終わり
66 :
サイヒ:2008/01/01(火) 23:42:49 ID:4GurUIbF
以上です。
炬燵に入って年越し蕎麦をすするハラオウン一家も書きたかったんですが、妄想力がガス欠。
>B・A氏
感想の流れぶっちぎるようなことしてすいませんでした(土下座
デバイス擬人化は大好きなんで楽しみにしてます。がんばってください。
>38 ◆KHEtQ2j5Nc氏
別に使ってもらってかまいませんよ。
しかし旦那、クロノもバインド遣いはそうとう達者ですぜ。
漫画版では実際にフェイトを縛った実績ありますし。
>>45 GJ!!不覚にもやっぱりレイジングハートに萌えてしまう。
>>66 GJです。正月はじめからお疲れ様でした。楽しかったです。
68 :
246:2008/01/02(水) 00:58:47 ID:8dfBIXQf
>>66 GJです。
フェイトさんに助言したはやてさんの姫はじめはあるのかどうかw
ここで投下予告
一時くらいに投下しますです
69 :
246:2008/01/02(水) 01:00:49 ID:8dfBIXQf
では。
あけましておめでとうございます。
新年一発目投下します。
注意
鬱展開あり
なのはさんが病むかもです。
描写は無いけどヴィヴィオが可哀想。
非エロ
どぞです。
目覚ましのアラームが鳴っていた。突然鼓膜を激しく振動させるそれに、彼女は肩を大きく震わせ、アラーム
のスイッチをやや乱暴に押し安堵の息を吐いていた。
時間を確認すれば、もう傍らにいるエリオ達が起きなくてはいけない時間。肩を少し揺らせば、この世話の
かからない子供達は瞼を震わせ、おはようと朝の挨拶を元気に口にしてくれる。
「おはよう。エリオ、キャロ。もう練習の時間だよ」
「は、はい! おはようございますフェイトさん!」
「……おはよう、ございます」
訂正。
瞼を半分以上下ろし目に隈を作っているエリオに、フェイトは珍しい事もあるんだなと口にしようとして納
得した。
昨日の夜のエリオの慌てぶり。あれは、久しぶりに楽しいと笑えた気がして嬉しかったのを覚えている。
キャロが強引にエリオをベッドに引き込んで、抱きついたまま寝息を立てていた。キャロに抱きつかれたエ
リオは真っ赤になりながらフェイトに助けを求め、それをフェイトが笑顔で首を横に振ったのだ。
あの時のエリオの顔は、多分しばらく忘れることはないだろう。
「どうしたんですか? フェイトさん」
「ん? えーとね、昨日の夜のエリオの事――――」
「あぁっ! フェイトさんやめて下さいよ!」
思い出し笑いを見られたのだろう。こちらを見上げるキャロに、フェイトが口を開く。それを昨夜のように
赤くなったエリオが、フェイトの腕を引きながら止めさせようとして。
「うわっ……!? エ、エリオ! 分かったから引っ張らないで!」
バランスを崩し、転びそうになったフェイトが慌てて壁に手を当てため息を吐いていた。
朝のひと時はそんな笑顔で溢れていて、小さな少年の小さな疑問などその笑顔が埋めてしまう。フェイトの
目の下の隈と、彼女の腕を引いたときの余りの力の無さに違和感を持っていたことなど忘れてしまう。
ただ、一つだけ何があっても忘れられない事があった。
「じゃあ、行こうか」
着替え終わり、エリオがフェイトの左手、キャロがフェイトの右手を握りながら並んで歩いていく。
途中、エリオがスバルにからかわれ真っ赤になり、フェイトが苦笑しつつエリオの頭を撫でて。
ティアナがキャロの頭のリボンに、ささやかな感想を述べればキャロが頬を染め、フェイトがその事から目
を逸らす。
何にも変わらない日常だ。前とは違うかもしれないが、ここ最近になってからは何も変わっていない。
変わったのは、キャロがピンク色のリボンをつけるようになったこと。
後もう一つ。
「フェイトちゃんおはよう」
「おはよう」
笑顔で笑うなのはの横をフェイトが通り過ぎる。なのはの耳を打ったのは、感情の分からない無機質な声。
エリオがエリオが見上げている事に気づき、なのはが眉を下げて苦笑した。
「どうしたのかな……嫌われちゃった、かな……?」
――――それが何かの間違いだったら、どんなに良かったのだろう。
フェイトが、なのはに近づかなくなった。
フェイトからなのはに話しかけることも殆ど無くなった。反対にヴィータに話しかけている事が多くなっ
た。きっとなのはに言いたい事があるのだろう、と誰もが思っていた。
話しかけるヴィータに対し、なのはが何かを押し殺して笑う事が多くなった。その目は泣きそうになっていた。
何日経ってもそんなものしか見なくなっていた。
そして、フェイトもなのはもそれについて何も言おうとはしなかった。
ヴィヴィオが泣きながらなのはの部屋を飛び出すようになったのは、それからの事。
魔法少女リリカルなのはStrikerS
―君に伝えたいただ一つの想い―
(5)
「ふぇ、フェイトちゃん最近はどうかな? きゃ、キャロ達のところで――――」
「忙しいんだ。ごめんね」
止せばいいのに、とそれを見ていた誰かがため息を吐いていた。繰り返される光景にいい加減嫌気が差して
いたのだろう。
そんな事断じて口にはしないが、それを見ていたティアナとスバルの二人も同様の気分なのは隠していな
かった。
「ティアナ、どうしたの? 早くいこ」
「は、はい!」
何時もどおり声をかけられたティアナが、スバルに後でと小声で呟きフェイトの元へ走り寄る。なのはとす
れ違う一瞬、耳を打った呟きには何も返すことが出来なかった。
ティアナが横へ並ぶまで待っていたフェイトが、行こうかとティアナの腕を引く。ティアナが足をもつれさ
せている事にも気づかないその様子からは、今すぐ早くこの場からいなくなりたいという気持ちがありありと
伝わっていた。
無論それは、ティアナ以外の他の者にも伝わっていて、なのはが顔を伏せて去っていくのに気付いたのはス
バルだけ。
「さぁ、今日はみっちりやるよ。ここ最近休んでばっかだったからね」
ジュエルシードを発動させてしまった事から今日まで、ティアナの執務官試験への勉強が滞っていたこと
に、フェイトが申し訳なさそうに眉を下げる。
その分、今日はこれまでの遅れを取り戻すとデスクには法務関係の資料が山のように重ねられていた。
「えーと、前回はどこまでやったかな……」
「フェイトさんの過去の事件の報告書を見てたところまでです」
「そっか。じゃあ、今日はそこからね」
フェイトが鼻歌交じりにデータを何もない空間に表示させる。キーボードを叩き、ティアナにこれだね
と見せる様は楽しそうですらある。
だから分からない。何故、あんな事をしているのかと聞いてもフェイトは笑うだけ。そこに困ったような
表情が伺えるのは、どう答えていいか分からないからだろう。
それが分かるくらいには、ティアナもフェイトと時間を共にしていた。
「なのはさんと喧嘩でもしましたか?」
「こら、関係ないことは考えない。執務官補佐の試験だってあるんだから。あんまり余裕無いんだから」
「出来れば答えて欲しいです。私も、落ち着いて勉強したいです」
だからといって、聞かないわけにはいかない。口にした事は卑怯だが、フェイトには効果的だったのだろう。
フェイトの笑みが消えていた。何かを言いあぐね、何回も口を開こうとしている。ここには彼女はいない事
など分かっている筈なのに、視線がいないことを確認していた。
そして、小さく呟いた。
「私がなのはを傷つけてるだけだから。なのははね、何も悪くないんだ」
何故とは聞けなかった。フェイトが泣きそうになりながら、ティアナの事を見つめていたから。その視線か
らはこれ以上は止めて欲しいという、懇願が込められていて。
ティアナはそうですか、と呟く以外何か出来るとは思えなかった。
「さ、勉強の続きしようか」
「はい……分かりました」
渋々頷いたティアナに、フェイトがごめんねと呟きながら頷き返す。
フェイトが資料を指差しながらティアナに説明し、ティアナが要点をまとめていく。疑問に思った事はすぐ
さま質問し、フェイトがそれに逐一答えるといういつもどおりのスタイル。
これも、クロノがフェイトに教えてきたときと変わらないもの。フェイトが思い出すのは、口下手なクロノが
自分に執務官が何たるかを説いている姿。
あれから何も変わらない。そう思い出すことで他の事を考えないようにしていた。
ティアナはその姿を見ながら、ため息を吐きたいのをただ堪えていた。
無理をしている。そんな事確認しなくても分かってしまう。ディスプレイに映ったなのはに、フェイトが絶
句し、固まっているのが何よりの証拠だろう。
「フェイトさん」
「あっ、ごめんね。続きやろうか」
そんなフェイトの肩をティアナが叩く。我に返ったフェイトが謝り、止まっていた勉強を再開させる。
集中しようとしていたティアナも、その様なフェイトを相手にしていては集中が出来るはずもなく。
「今日はこれで終わり。続きはまた明日やるから予習と復習忘れないでね」
結局遅れを取り戻すどころか、全く進まないままフェイトがディスプレイを落とし部屋を後にした。
フェイトが退室した後、ティアナが溜まりに溜めた溜まったため息を盛大に吐いた。その場にいない事をい
い事に何回も。
やがてあらかた溜めていたものを吐き終わり、部屋を出ようとしてそれを聞いた。
「――――いい加減にしい! ヴィヴィオこんな泣いてるやないの!」
聞いたのははやての聞いたことのない怒声。
見たのは、はやての目の前で俯き拳を握っているなのは。そして、はやての腰にしがみつき涙を溜め、頬を
赤くしているヴィヴィオの姿。
それは、多分ここ最近で変わってしまった事としては、一番大きいかもしれないもの。
見るのすら躊躇ってしまうその光景は、ティアナが踵を返し去ろうとするには十分だった。
「ティアナ……あの……」
その腕を掴んだのはすぐ近くにいたフェイトの震えた手。
零れそうな程に涙を溜めて。
今の自分なら、簡単に勝てるのではないかと疑うほどに弱弱しくて。
でも振り払えないほどに、何かが込められていた。
「はやて、止めてあげて……後、ヴィヴィオ連れて行って……」
「フェイトさんが行けばいいでしょう? 私なんかがいけるわけ……無いじゃないですか」
最もな言葉に、フェイトが口を閉ざす。
機動六課部隊長と、スターズ分隊隊長の話に口を挟めるはずがない。それが仕事の話ではないにしろ、あんな
会話の間にティアナが入るにはまだ短かった。
だがそれでもフェイトは諦めない。ティアナから腕を放し、その視線を彷徨わせて。
ティアナ同様、遠巻きに見つめている彼女の姿を見つけ駆け寄っていた。
「す、スバル! あの――――」
フェイトが駆け寄ってくるのに気付き、スバルが悲鳴を上げて踵を返そうとする。
だがフェイトの足の速さには逃げられない。しがみ付かれ、フェイトの懇願を聞いて。分かりましたと叫ぶ
くらいには、彼女だってどうにかしたいと思っていただろう。
それは憧れていると言った彼女に対してならなお更だ。
「あのー、八神部隊長、なのはさんも……ちょっといいでしょうかー?」
出来るだけ身を低くしつつ、スバルがなのはとはやての間に割り込む。すぐさまはやてが睨みつけてきたが
そこは空気を読まないと自負するスバルの事、やんわりと無視をした。
「スバル、話なら後にしい。今なのは隊長と話してるんや」
「そ、それは分かってます! ただこっちも緊急なのでー、えーと……」
ふん、と鼻を鳴らしはやてがスバルから視線を外した。相変わらず目の前で俯いているだけのなのはを睨み
つけ、何も言わないなのはに歯軋りをして。
「何か言うことないんか? ヴィヴィオの頬、最近ずっと真っ赤やないの」
結局取った行動は何も変わらない。スバルを無視し、ヴィヴィオを守るように片手でなのはから遠ざけ、ただ
怒りに震えた声を出すだけ。
なのはが、ごめんなさいと誰に対してでもなく呟いた。
「こ、このっ――――」
「――――っ!?」
彼女自身、どうしていいかなど分かっていなかったのだろう。止めさせようにも何が起こっているのかを理
解していない。
だから怒りに身を任せるしかなくて、そんな事しか出来ない自分に一番苛立っていた。
それが爆発してしまった。時が止まったかと思うほど大きな、悲痛な音が響いた。
「ヴィヴィオがしばらくこっちで預かるから。何で叩かれたかくらい分かるやろうけど、きちんと考えてな。
後、ワイシャツのボタンくらいきちんと閉めて欲しいわ。ボタン、掛け間違ってるで?」
なのはがそこで初めて動いた。言われたとおりワイシャツのボタンを確認し、その場で直し始めそれが終
わったら腕を下ろしその場に立ち尽くすだけ。
呆れ、何も言えなくなったはやてがヴィヴィオを連れてその場を去っていく。ママ、と小さくヴィヴィオが
呼びかけるが、返ってきたのはごめんね、という小さな声だけだった。
「なのはさん……大丈夫ですか……? 真っ赤になってます……」
「……大丈夫。ヴィヴィオの方が多分痛いから……」
取り残されたスバルが、なのはを気遣う。何であんな事、とは聞かなかった。そんな事なのは自身が聞きた
いことだろうから。
変わりに、スバルがなのはを元気付けようと関係ないことを話し続けた。なのはが笑うようになるまで何度も
何度も諦めず。
「スバル、大丈夫だからもう行って。どこか予定あるんでしょ?」
それから大分だっての事。なのはが変わらず隣にいるスバルに、そう呟いていた。
スバルが思い出したように時計を見れば、デジタルが示す時間は彼女がもう六課を出なければいけないと告
げている。
どうしようかと、スバルが迷う。私用だったら諦められる。また次にまわせばいい。
だが、今回はそうじゃない。多分この先、彼女の未来を決める大事なこと。
「なのはさん、ほんとに大丈夫ですか?」
「大丈夫……今度からはきちんとするから」
なのはは心配をかけまいと笑うが、スバルにはとてもそうとは思えない。なのはは相変わらず俯いたままで
立ち尽くし、そんな彼女に声をかけているのは自分だけ。
一番頼りになるであろうフェイトは、なのはを執拗なまでに避けている。はやてが去ったと同時、逃げるよ
うに何処かへ行ってしまったのだからもうこの場では頼れない。
そして、頼ったとしてもきっと何もしてあげはしないだろう。
「なのはさん、えーとこれからギン姉の所に行くんです」
そうなんだ、と僅かになのはが顔を上げた。自分と関係ない話だったからだろう、その強張った顔も僅かに
柔らかくなっていた。
スバルが笑い返す。どうやらなのはの気を引くには十分な話題だったようだ。
「それで、その前に特別救助隊の方へ行くんです。ちょっとした話があるようで」
「そういえば、そうだったね……ごめん忘れてた……」
「あっ! い、いやっいいんです! それは構いませんから! 私が言いたいのはっ、一緒に行きませんかって
事で、別になのはさんを責めてるわけじゃ――――」
慌て、どうにか再び顔を伏せてしまったなのはの顔を上げさせようとスバルが言う。
なのはがいてくれると、向こうの印象も良くなるかも、という思っても無い事をいいながらなのはの腕を
引っ張った。
なのはが分かったと言いながら足をもつれさせかける。その頃には、なのはも顔を上げ普段の笑みを宿して
いる。少し元気が無いのが気になるが、今はこんなものだろうとスバルが内心で自分を称え笑みを返した。
「じゃあ、私外で待ってますので……ワイシャツ直したほうがいいですよ? 今度は一個だけ外れてます」
「あ……うん、そうだね……ありがとう」
何とか苦笑し、スバルが背中を見せて去っていく。言われたとおりボタンを直し、今度は間違ってないこと
を確認し、なのはが顔を伏せた。
スバルの気遣いはありがたい。ただ、欲しいものじゃない。欲しいのはスバルの優しい言葉なんかじゃな
く、たった一人の笑顔。
ただ、それが今はどこにあるのか分からない。
本当はスバルと一緒になんていたくはない。誰とも話したくないし、何も考えたくは無かった。
「でも、ここにいても詰まらないよ……」
呟き、なのはが歩き出す。
そこには感情が無かった。
あったのは、たった一人に向けられ始めた強い想いだけ。
守りたいと願った小さな存在など、今はもう消えかかっていた。
* * *
時空管理局本局特別救助隊。
そこからパタパタと逃げるように走ってきたスバルは、頬を微かに染め、自分を褒めちぎった彼女に非難の
目を向けている。
それに対するなのはは全く持って普段と何も変わらない。その笑顔は天然なのか、何か計算してのものなのか
スバルの反論を許してくれそうになかった。
「ちょ、ちょっと……ほめすぎじゃないでしょうか……」
「……そうかな? 向こうも頷いてくれてたけど……」
それでも限度というものはある。
ごめん、と謝るなのはがやはり忘れていたのだろう時計を確認し、目を丸くして再び謝罪の言葉を口にした。
特別救助隊へ出向いてから早二時間。本来ならば一時間もかからなかった筈なのに、とスバルがため息を吐く。
無論増えた分は、全てなのはがスバルを褒めちぎる時間に当てられたもの。止せばいいというのに普段全く口
にしない言葉を並べながら、いかにスバルが”頑張っているか”を休まず説き続けていた。
「でも、スバルは本当に頑張ってるからね。一番最初と全然違うから。怒ることも殆ど無くなったし」
「そうで、しょうか……」
「うん! 多分模擬戦したら負けちゃうんじゃないかなぁ」
そんな事は多分ない。この先も残念ながら断じてない。なのはさんは永遠に雲の上の人だから。
考え、それが割りと現実に近いことに微かに肩を落とし、スバルがなのはと並んで歩いていく。向かうは予
定通りギンガの所。ギンガも仕事中な訳だが、そもそもそれがスバルの目的だから特に問題はないだろう。
「あら、遅かったわねスバル」
「……また来たのかよ」
それから、役一時間遅れでギンガの元へ行ってみれば、現れたスバルへの出迎えの声が二つ。一つ目は姉の
声。
そしてもう一つは、絶賛更生中のノーヴェの声。相変わらずな彼女にスバルが苦笑し、なのはの一声で忘れ
ていた土産をギンガに手渡し挨拶は終了。
「なのはさん、お久しぶりです。今日は……?」
「久しぶりギンガ。うーん、暇だったからかな……」
ギンガと話すなのはを、怪訝そうにノーヴェが見ていた。隣に腰を下ろしていたスバルが、私の先生といえば、
ようやく納得し、ディエチの方へと視線を向けた。
普段感情を露にしない彼女が、笑みを浮かべてなのはとギンガの方へ視線を向けていた。なのはがそれに気
付き微笑めば、普段全く目にしない笑みを向ける始末。
同じ砲撃特化として何か通じ合うものでもあるのだろうが、とノーヴェがため息をつき隣を見る。
「じろじろ見るなよ……恥ずかしい」
「えー!? 少しくらいいいでしょー!? ほら、ディエチだってなのはさんとあんなに楽しそうに話してる
んだからさぁ」
「あぁ、あれか……あいつらそっくりだからな」
ノーヴェが思い出すのはなのはの模擬戦を見たノーヴェ達の反応。皆に共通してあったのは、あれを喰らっ
たのかというディエチへの同情の念。チンクからは、事も無げに一言。修理中で助かったという、遠まわしで
迷惑すぎるスバルへの感謝だった。無論、実際には互角以上に戦えるだろうが、やはりイメージ大事なのだろう。
だが、当の砲撃を喰らったディエチといえば。
「あれからは、どうだ? 体の調子は大丈夫か?」
「うん大丈夫だよ。ディエチ心配してくれてありがとう」
などとなのはの体の調子を心配するまで親密になっていた。
それから話すことは専ら砲撃の事。どうやらディエチは打ち合いで負けたのがよほど悔しかったらしく、
だが再戦をしようにもブラスターシステムの危険さに躊躇している様子。
一方、なのはは一回くらいならと口にするが、それは駄目だとディエチに止められて、なのはがディエチの
気遣いに感謝しつつも眉を下げて困り果てていた。
「んーでも、砲撃は体の負担が大きいから……ディエチなら射撃魔法とかいけるんじゃないのかなぁ」
「魔法は分からないな……使ったことがない」
自分にも使えるのだろうか、とディエチがスバルとギンガに視線を向けた。
同じ戦闘機人。ノーヴェには及ばないものの、彼女もスバルとギンガの事は気にかけている。故に、彼女達が
使えるのならばと、内心で思いそれをなのはに見破られ微かに頬を染めていた。
不意に、そういえばとディエチが言いにくそうになのはを見る。何かな、と首を傾げるなのははいつもどお
り。だからこそ言いにくい。戦闘機人としてではなく、人の部分で彼女を見て思ったことがあったから。
「ディエチどうしたの? 言いたいことがあるなら言っていいよ」
「……なら、元気がないといえばいいのかな。よく分からないけど……そうだ、あの子は元気か?」
なのはの時が止まった。
ディエチなりに、なのはが元気のない理由を考えての言葉だった。娘が風邪を引きでもしたら、母親は元気
もなくなるのではないかという程のものだったけれど、ディエチにとっては割りと切実なものだった。
ゆりかごでの事で何かがあったのかもしれない。そんな事を考え、ディエチがなのはの様子を注意深く観察
した。
「なのは……?」
なのはが泣きそうになっていた。
そんなもの、ディエチにも考えなくても分かること。慌て、姉達の方を見るがここに残ったナンバーズの中
でディエチ以上になのはと話したことがある者などいない。
そしてスバルとギンガは、ノーヴェと何処かへ消えていた。
「だ、大丈夫だから……ごめん……スバル達には言わないでくれると嬉しいな……」
「け、けど……」
こういう時頼れるのは一人だけ。性格に難があるので半ばギャンブルだが、ディエチが最も行動を長く共に
した存在であり、おそらく自分より感情も思慮もあるであろう一人の姉。
都合がいい事に、彼女たちへの通信は制限されていない。監視はされているが、この場合気にする必要はな
いだろう。
「少し待って欲しい」
なのはにそう言い、ディエチが宙に現れたモニターを操作する。それを見る余裕のないなのはが、ディエチ
に声をかけられ顔を上げた。
そして、目の前にいる彼女に絶句する。
「こういう場合……どうしたらいいのか分からなくて……」
「全く……ディエチちゃん? 私だって忙しいのよー」
耳障りな声がした。
恐らくなのはにとって、この世界で一番嫌いな存在だ。唯一殺意に近い怒りを向けた相手。そして、今一番
会ってはいけなかった相手。
「クアットロ……」
「あらー? どこの誰かと思えばいつかの悪魔――――」
「く、クアットロ……それはいいから……」
クアットロが冷や汗を浮かべていることにディエチは気付かない。ディエチはクアットロのいつにもまして
激しい毒舌を止めることに意識を裂いている。
故に気付いたのは、クアットロを睨みつけていたなのはだけ。
「そんなに怖がらないでよ……ここからじゃ何も出来ないんだから……」
「ふ、ふん! そんな事言われるまでも無いわよ!」
鼻を鳴らし、なのはから顔を背けたクアットロだったが、不意に面白い玩具を見つけたように口を歪め、な
のはに視線を戻した。
元々、人の弱みに付け入ることを得意とする彼女である。なのはの表情に暗いものがある事など、多少落ち
着いて見れば分かること。
そして、どうやって弄ればそれが悪化するかも理解していた。
「ふっふのふーん。何があったか知らないけどー、あまりその後はよろしくないようねー。いい気味……ホホ
ホホ」
「う、うるさい! あなたには関係ない!」
そして、それこそがディエチの期待したもの。彼女の知る限り、話術に長け、人の感情の波を正確に把握で
きているのはスカリエッティを覗けばクアットロくらいだったから。
ただ、自分のやることはそれが行き過ぎないよう注意するだけ。
だから、だろう。先ほどと同じ。ずっとクアットロに注意を向けているから気付けなかった。
クアットロから視線を逸らしていたなのはが、何度もクアットロを視界に収め、その笑顔を凝視しているこ
とに。
「あなたは――――」
しばらく経ち、なのはが呟く。
そこにあるのは、ただ一つの疑問だけ。
クアットロがしたこと。それを目の当たりにして、理解に及ばなかった事。
「あなたは、どうしてそんなに楽しそうに笑っていられるの? あんな事して……」
手の平が痛かった。
自分とクアットロがしたことは、何もかも全然違うものだと思っているにも関わらず、違うと否定しきれな
かった。
少なくとも、あの涙は苦痛を伴ったが故のものだったから。
「あなたが何を言っているのか全然分からないわ」
それをクアットロが嘲笑う。普段と違い静かなのは、単純に面倒だっただけ。こういう輩には何を言っても
無駄だというのは、彼女の稼動期間中で得た経験だ。
「元々私達はドクターに造られた機械。ただ私にそういう感情があっただけ……楽しいと思ったことなんてあ
るかどうか」
「そんな事、ないよ。あなた笑ってるよ」
記憶の中のクアットロはいつも笑っていた。ヴィヴィオを傷つけている瞬間も、心の底から楽しそうだった。
それが全く理解できない。何故、あんなか弱い存在を傷つけて笑っていられるのか。何故あんな事を平気で
出来るのか。
自分は、こんなにも苦しいというのに。
「あなたは……つまらないわね」
なのはの沈んだ表情。それを見て、クアットロも分かったのだろう。
ディエチ同様……他の誰とも同じ。"つまらない"。
「あなたは何に意地を張ってるのかしら」
彼女が心から慕うのはスカリエッティと、姉であるドゥーエだけ。価値観も道徳も考え方も。全てが、自分
だけのもの。そこに余分な他者など入る事はないし、入れる必要もないだろう。
だからこそ、なのはがここまでして考えているのが他者であることが理解できない。自分という確固たるも
の、考えがあるにも関わらず他者の事を一番に考えている。彼女はそんな、心の底から偽善者なのだろう。
それは虫唾が走るくらいに嫌いなもの。そして、得体のしれないものだった。
「自分を楽しく出来るなんて自分だけ」
「そんなの……わかんないよ」
「そう。あなたには出来ない。あなたは他人しか考えない」
だから、あんな自傷行為紛いの事が出来るのだろう。
考えればすぐに分かること。誰でも同じ。あんなもの、自分の事を考えたら絶対に使わない。
「あなたはこの先も誰かを助けて自分を壊す……セカンドの時も、聖王の器の時もそうでしょう? 一番最初
に堕ちたとき……あなたはあの赤い子や他の誰かを庇わなければ壊れかけたりしなかった」
耳元で囁くように、その心に染みをつくるようにクアットロが言う。
それになのはは何も言わない。図星なのかそうでないのか。ただ俯いてクアットロの言葉に耳を傾け、心の中
で違うと呟くだけだった。
後もう一押し。
押せば簡単に坂道を転がっていく。
「あなたはこの先壊れるわ。同じ事をするのかどうかなんてどうでもいいけど――――」
「す、ストップ! クアットロまた!」
雲行きが怪しくなったのを感じ、ディエチが慌てて回線を閉じなのはの表情を覗き込んだ。
「……大丈夫? やっぱり、クアットロはまずかった?」
「大丈夫、だよ。ディエチありがとう……」
そのまま、ふらふらとなのはが去っていく。帰ってきたスバル達の横を通り過ぎ、制止の声が耳に入らない
様子で。
ゆっくりと、速度をまして転がっていく。
抗えることなどありはしない。
坂道は登るよりも転がるほうがはるかに楽だから。
それに気付けば、後はもう堕ちるだけ。
以上です。ありがとうございました。
新年早々こんなのですスイマセン。
しかしナンバーズ……分からないなぁ……。
メガネのは助言でも予言でもなくてハッタリです。
この辺から急展開ですが、書きたいことがいっぱいあるからしょうがない。
ではでは。
>>78 GJ!
読んでて俺も泣きそうになったよw
続きが楽しみだ。
>サイヒ氏
この甘々さ、相変わらずだな!
だがそれがいい。次回も期待ということでGJです。
>>78 クアットロキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
すげえ、まるで原作そのまんまなクアットロだw
そこに痺れるあこがれるうぅぅーーーッッ!!
しかしいきなりクアットロはまずいだろw
心理面の専門家とか、
……そうメンタルアドバイザーのアルフィー先生とか!
あと、ユーノ。お前の出番だ!
>>78 GJ!!!!最近はコレが見たくてここにきているようなものです(ぉ
何か段々246さん臭がしてきましたね♪(勿論良い意味です
続きを楽しみに待っております!!!
83 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 05:47:05 ID:SdqZnXZb
>>81 なのフェにユーノ出させるなんて道化になれって言ってるようなもんじゃないか。
鬼かテメェはw
おはようございます。新年早々甘々で良い感じですね
>46 ギャップ萌えますね。自分の中ではレイハさんも結構過激なイメージが……w
……姫始め?はやてのはいつになるやら⊂´⌒つ。Д。)つ
(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第41回・地上本部の憂鬱(2)][当分非エロ][多分シリアス]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます
設定は相変らず色々捏造してます
ただしまだ単行本で発売されていない漫画版の設定は考慮していません(そもそも見ていません)あれは確定ではないので……
ちょっと今日の分は設定分が多くて堅くて妙に厚いです
とりあえず最後の1レスだけで展開は分かります。そこまでは一応それっぽくする為ですので軽く斜めにでも
彼女の登場する明日以降は、いつも通りのノリに戻りますw
しかし>23 氏のお話も中将のお話ですし、これが流れって奴なのかしら
では、朝刊〜
部屋の主はとうになく、オーリス自身も立場は今では一介の一局員に過ぎず、実際的な権力など以前から比べれば推して知るべしであった。
その外を見上げる人の元へ、若くテンポのいい足音を響かせながら、息せき切って駆けてきたのは因縁の元闇の書の主。
呼吸を整えながら、こちらは全く呼吸の乱れていない烈火の将を携えて、その息が落ちつくと軽く敬礼をしてからおもむろに切り出す。
「オーリス三佐、お伺いしたいことがいくつかあるのですが」
「八神二佐、お久しぶりです」
敬礼を返す相変らず彼女の瞳は静かで、しかし全てを貫くかのような怜悧さは健在で、鋭さこそなかったが力は失われていなかった。
「危険産業廃棄物強奪の件、ご存知ですよね――それから防衛長官のことも。友人から貴方に伺えば分かると聞いて来ました」
「そうですか」
もう一度窓のはるか遠く外へ視線を戻す。
「ガジェットも動き出してます。教えてください」
「そうですね……」
二、三度ゆっくりと瞬きをすると、静かに振り返る。
「時間がないんです。大変な事になる前に――」
と続けかけた彼女の言葉が、全く関係のない情報で遮られる。
「レジアス・ゲイズ中将閣下は――父は、この部屋で亡くなりました。ほとんどの真実を知らぬまま」
「?」
意味ありげに大きな窓際の机の上に視線を落とされて、返す言葉を失くす。
「あれから1年近く――どこに正義があったのか、何をすべきだったのかずっと考えていましたが、
真実が明らかになった今でも、私は明確な答が出せていません」
「……」
「貴方は、今、何を為そうとしていますか?それは――父と同じものですか」
その問いに、はっきりと答えるはやて。
「多分、同じです。地上を守りたい、人々の幸せを育みたい。40年抱き続けてきたあの人の想いを、無駄にしたくないんです」
真っ直ぐ見つめる瞳は、信念に燃えていたかの人の面影を彷彿とさせる強さがあって、この子なら――とオーリスに思わせるのにも十分な程であった。
勿論、恨みもした。
もし元機動六課が設立されていなければ、事件が明るみにでていなければ、全ては上手くいっていたのではないかと。
しかしやはりドクター・ジェイル・スカリエッティはどこかで必ず暴走していたと思われる事を考えれば、それは成り立つ理論ではない。
志半ばで途絶えた父の意思を、この子が継ごうとしている――その確信は亡き父が築き上げた諜報網から取得した情報を、全て渡す方向へと彼女を突き動かした。
「わかりました。お教えしましょう」
そっと彼女とはやてとの間に開かれるウィンドウ。
「事の発端は、昨日第14番管理世界の軌道拘置所からある重犯罪者が脱走したことでした」
「え――?」
世界の番号と拘留されていた場所の名前から、はやては肌の裏がざらつくような嫌な記憶を思い出す。
そしてその牢に繋がれていたはずのメガネの少女の写真の画面に変わると、主と将は絶句せざるを得なかった。
「なんで、なんで彼女が!?しかもうちらは報告受けてへんで!」
「上層部はひた隠しにしようとしているようですが、この事態となっては時間の問題でしょう」
「そんな、軌道拘置所からどうやって?能力の封印は?」
「当初から、脱走自体は可能だったようです。完全に能力を奪うには命を奪うしかありませんし」
「……」
魔法ならばリミッター他封印手段はいくらでもあるが、だが彼女達の固有先天技能、ISを封印するとなればこれは大事である。
武装に依存するものであれば簡単であるが、不可触の秘書、ウーノや彼女のように存在自体が兵器そのものである場合、それを奪う事はイコール死。
勿論最新の設備で一応封印らしきことはしていたはず、とはやては記憶の断片から思い出したが、それと同時にその無意味さに気づいた。
そして、それを肯定するようにオーリスの言葉が続く。
「能力を封印していた、と報告書にもありますがそれそのものが彼女の偽装だったようです」
「なんてことや……」
「封印されているように見せかけていた、と思われます――これはあくまで私の推測ですが」
「いや、多分それでおうてます。あの子ならやるでしょう。いやでももうそれは過ぎた事、彼女は今どこに?」
残念そうに、小さく首を振る。
「わかりません」
「……」
「彼女の能力は姿を隠すこともできれば、機械を騙す事もできます。
補給船がドッキングしたタイミングで、自身の幻影を残して開錠――一応物理的な鍵も施錠されていたようですが、突破されています。
詳しい方法は不明ですが前々から準備していたようです。そしてようやく掴めた足取りも、とうの昔に該当世界から彼女が離脱した後でした」
ここで当然考えられるのは、くだんの危険産業廃棄物強奪の件と彼女と動き出したガジェットの関連性である。
「じゃ、じゃあもしかして――」
オーリスは、はやての脳裏に浮かんだ最悪の状況の組み合わせを肯定するように、今度は少しだけメガネをかけなおす。
「例の危険物を強奪したのは、間違いなく彼女でしょう」
あまりの最悪の組み合わせに、言葉がない。
馬鹿に刃物どころの事態ではなかった。思わずはやての言葉にも怒気が篭る。
「護衛はなにをしとったんですか?!あんな危険なもの――人の命に関わる代物ですよ!?」
「二年前に極秘裏に移送が決定した際には、AAAランク魔導師2名を含む予定でしたが半分以下に減らされています。
随行していた武装隊員のランクは最高で陸戦B」
「そんな――なんでそんな手薄い護衛で」
もう一度窓の外へ視線を向けると、その瞳がわずかに力を失う。
「……いませんから」
「はい?」
「父が亡くなって以来、元から酷かったですが――地上から本局側への人材の流失が加速しています。陸戦、空戦を問わず、優秀な人物であればあるほど」
はやてはいつかの宴会の時の、クライドとゲンヤの会話を思い出す。
自由な気風、人材を囲い込む手腕、そして地上の堅気な気質、それよりなにより、
優秀な魔導師がそもそも海にいるとなれば師事する側も当然、本局側を選ぶというものである。
現に元機動六課フォワードメンバー、ティアナ・ランスターも現在は本局所属フェイト・T・ハラオウン執務官付の補佐となっている。
似たような事例が他にいくつでも存在することは、確認するまでもない。
先の護送犯脱走事件の時のように、能力者はいても内勤組だったり、優秀な前線メンバーは不在だったりと、もはや実質有名無実、空洞化と表現しても過言ではなかった。
「じゃあ、後任の防衛長官は一体何を?人材の流失防止は最優先の事項のはずでは」
次に切り替わるは現防衛長官の写真。
「仕官学校出身で業務能力は確かに優秀ですが、現場の経験はなく、防衛関連の予算に関しては着任以後、実質的に削減しています」
防衛長官が防衛関連の予算を削減など前代未聞な話である。
「え?じゃあ削減した分は何処へ?」
例年組まれてきた予算というものは元来、どこの世界でもそうそう削られるものではない。
どこかの世界で起きた過去の大戦の例からしても、下手をすれば戦争をまで呼び起こしかねない程の重要な事柄である。
従って削られたのであれば、当然どこかでその恩恵に預かれる人達が出現する。
次に開かれたのは、廃棄都市区画の再開発計画の資料。
「公表はされていませんが、廃棄都市区画の再開発計画を立ち上げていたようです。
そしてそれを請負うのは現防衛長官の甥や姪――その他、結びつきの多い人物ばかり」
「な、な――」
いくら優秀でも、肝心要の防衛の仕事が捗らない訳である。
「父の後任を決める際、かなり揉めましたから。最高評議会もなく、ミッドチルダ地上での実質的な意思決定権を持つ人物を選ばなければならなかったのですが、
J・S事件の後始末で混乱していたあの時期になり手はいませんでした。
そこで優秀で無難であろうということで彼の名前があがったのですが、当初からそれが目的だったのでしょう。
父が今まで成果を残してきていますから、誰がやったとしても評価は遠く及ばず、じきに更迭されるのも解っていて、です」
説明されている頭の中には、まさに火中の栗を拾いに、とあまりにぴったりすぎるその表現しか思い浮かびようがない。
つまり平和ボケもいいところで、あれだけの大騒動の後の防衛長官が私腹を肥やすのに一生懸命だったというのであるから、お笑い種もいいところであった。
そんな現状を知らされたはやては、握り拳を作りつつ、ぎり、と奥歯を鳴らした。
「なんや、なんやそれは?管理局は立身出世や金の為の道具やあらへんのに。いつから、いつからこんなことに」
「創立以来、元から各個人の献身性だけで保ってきたような組織ですから。理念も信念もない幕僚が増えれば、当然の事です」
「……」
俯いたまま、答を返せない。
伝説の3提督もであるが、リンディ、クロノ、ロッサ、なのは、フェイト、新人でもスバルのように本当に世界の事を考えている職員達がいてくれるからこそ
辛うじていくつもの次元空間の平和が保たれている事は、言われるまでなく普段から分かりすぎるぐらいよく分かっていることであった。
世界は変わらず慌しくも危険に満ちている――と旧暦の時代から言われている言葉は伊達ではない。
さらにその先の見えない闇に囚われかけて愕然とする人に追い討ちをかけるオーリス。
「そして、その防衛長官は危険物強奪事件が明るみにでることをよしとせず、極秘裏に事態を収拾しろと、命令なさいました」
「……は?」
何を言っているのか、はやては一瞬、正直理解に苦しんだ。
先の大事件の重要人物である彼女が絡んでいるのにもみ消し?何の冗談や?――と考えてしまうのも無理はない。
「ですが未だ足取りすらつかめず、先程脱獄に気づいたレオーネ相談役に呼び出された次第です。それから」
そしてさらに、その奪われた物質の詳細画面に変わった瞬間、隣のシグナムまで顔が青ざめる。
「これって?れ、レベル8?」
「はい。例の物質の格納量はレベル8――例年の出現量に換算すると約80年分」
「圧縮方法は!?ま、まさか」
全ての物質を透過する魔導物質であるから、当然通常の格納方法では格納できない。
オーリスの口から告げられたそれは、まるで悪魔の高笑いが聞こえそうな程の、最悪の圧縮方式であった。
「空間圧縮――圧縮区間は、水平方向円盤状に約数十キロ範囲」
「な――」
言葉が続かない。
圧縮した空間を解き放つのは一瞬で、ようは展開するだけであっという間に数十キロ範囲に渡って毒物をばらまけるのと同義であった。
しかもリンカーコア以外の全ての物質を透過する。
魔力に引かれる性質を利用した専用の特殊な防壁を除けば、核シェルターでも防ぎようのない代物が、例えば空から落ちてくればそれは防ぎようも逃げようもない。
「魔術式封印ではなくテクノロジーロックですから、彼女でしたら問題なく破壊、開封できるかと思われます」
平坦な口調でいかにも秘書らしく何の感慨も含めずそれを言い切ったが、伝えられた2人は寒気を覚えずにはいられなかった。
「そ、それってつまり、それは――大量殺戮兵器そのものやないですか!」
「はい。例えばミッドチルダ上空で散布を盾に、犯罪者の解放を求める等の行為も可能かと」
「それなら一刻も早く捕まえなあかん。シグナム。騎士カリム、リンディ提督、クロノ提督に連絡をお願いや。ヴィータ達も呼んでな」
「了解しました」
「それからえーっと、指揮はどこで……アースラはこないだ潰してもうたし、あーもう、防衛長官がその様じゃどうにもならへんやんか」
頭に手を乗せて苦悶しつつ焦るはやてに、また全く口調を変えずに最初から用意していたと思われる提案を持ち出すオーリス。
「指揮でしたら、ここ――地上本部のメインオペレータールームを使って頂いて構いませんが」
「え?」
突然の申し出に思わず若干高い位置にあるメガネのかかった瞳に真意を確かめる。
「ほんまに?よろしいのですか?」
「はい。2グループ、20名程度が一級警戒態勢で現在強奪現場からの情報をとりまとめて彼女の足取りを捜査中です。
指揮者に非常時には八神二佐の支持に従うよう言い含めて置きました」
「え?うちの……なんで?」
静かで、だが強い瞳は、言外にはやてがここに来る事までわかっていたことを如実に表していた。
「なんで、そこまでわかっていて――なんもでけへんかったんですか」
そこで、オーリスはひどく憂鬱そうに視線を逸らす。
「父から譲り受けた諜報部も、来月には廃止される予定でした。それに例え本局に進言したとしても取り合ってはもらえなかったでしょう。
海の事件に比べれば、ミッドチルダ地上に住んでいるのは高々数百万の命に過ぎませんから」
高々数百万――と言われて、はやては正直心の内で震えが走った。
確かに本局、つまり海の事件からすれば例え本土とはいえ、とある大陸の地上に住んでいる人間のことなど、大局から見れば過少に意識してしまいがちであるが、
それが失われた場合の数百万の悲しみを受け止めきれる自信など、誰が持ちえようか。
しかし片腕で肩を抱きかかえつつ、もう一度視線をあげたはやては、しっかりと言い切る。
「わかりました――。数百万人の命の為に、必ずこの事件、止めて見せます」
その確かな意思のこもった瞳に、オーリスは最初に決めた通り、想いを託す。
「父が最期まで守ろうしたこの地上を、お願いできますか」
「――はい、この命に代えましても」
そう答えて、きっ、と指先を額に当てると、彼女も同じように敬礼してから、最後の言葉を告げる。
「御武運を」
「はい!それでは――いくで、シグナム!」
「はい!主はやて!」
だっ、と踵を返して走り出した二佐と、一瞬だけ敬礼してからそれを追いかける二尉を見送った後、オーリスは再び窓の外を見上げた。
「これでよかったのでしょうか――お父さん、ゼスト様――」
その問に答えはなく、ただ今は柔らかに昼下がりの光が差し込んでいるだけであった。
目がちかちかしてきた……びゃー・゚・(ノ∀`)・゚・。
ほいではまたノシw
>>89 GJです
話も佳境に向けて動き始めてきたので今後が楽しみです
次も楽しみに待ってます
>>83 別にユーはやとかユーアリとかユーすずとか、
ユーマリとかユー美由希とかユーウノとかユーレジとか、
成立済みでもいいじゃないか。
>>91 OKユーノスレ住人。
少し、頭冷やそうかw
いや、本当にユーノスレの住人ならここでわざわざこんなこと書かないよ。
スレ内で自給するのが最近の流れだからw
>>91 >ユーレジ
むさいオッサンにアーッ!される美青年って構図のレジユーなら分からんでもないがw
>>23 亀ですがGJ
誰も彼もかっこいいな
二尉のリミッター解除も楽しみですが、本編の取って付けたようなリスクじゃなくて
ガチで魔導師じゃなくなる、くらいはありそうだな
というか、本当に闇の書関連の人だったんですね
中将の印象って
一般・地上の守護者(笑)、雑魚キャラ、悪人、無能、三脳の手下
このスレ・地上の守護神、希望の星、男の中の男、それでも中将ならきっとなんとかしてくれる
って感じだよな
それとあなたが書いているのは魔法中年ジェネラルレジアスのノベライズです。
>>89 GJです。とうとう熱い展開になってきましたね。
>>78 GJなの!GJなの!
つーか、クアットロキテル━━━━(°Д°)━━━━!!!!
98 :
B・A:2008/01/02(水) 14:28:44 ID:gdr9Njl3
>89
GJです。少し前とは違う意味で修羅場の予感。
ところで、3時くらいに投下したいと思います。
99 :
B・A:2008/01/02(水) 15:08:39 ID:gdr9Njl3
3時ですので、投下したいと思います。
注意事項
・時間軸はA’sエピローグ後、なのは15歳
・エロなし
・デバイス擬人化もの
・主人公は閃光の戦斧
自分達は道具だと。
道具は一緒にいられないと。
愛しい彼に、そう叩きつけられた。
それは真実なのだろう。
この体は仮初、元に戻れば、また離れ離れだ。
やがては自分達のマスターは死に、別の人間がマスターになる。
そんなことはわかっている。わかっているけど、それでも言って欲しかった。
ずっと、そばにいると。
「・・・・馬鹿」
それは誰に向かって言った言葉なのか、レイジングハートにはわからなかった。
気づけば、待ち合わせに使った公園広場に辿り着いていた。
適当に空いているベンチを見つけ、腰かける。
『馬鹿』
最後に彼女に言われた言葉が、脳裏から離れない。
あれは誰に向けて言われた言葉なのか。
「私・・・だろうな」
では、何故言われたのか。
「わからない」
わからない。
わからない。
わからないわからないわからないわからないわからないわからない
わからないわからないわからないわからないわからないわからない。
「・・・・・戯言か」
その一言で、バルディッシュは思考を切り替えた。
悩むなど、道具であるこの身には不必要だ。重要なのはこの事態を如何にして解決するかであって、
その過程に何があってそれがどのような意味を持つかなどは他の連中・・・・・
・・例えばユーノ・スクライアあたりにでも任せておけば良いのだ。
そう思って立ち上がった時、馴染みのある人物に呼び止められた。
「あれ、バルディッシュじゃないか」
ついさっき思い浮かべた人物の登場に、バルディッシュは驚かずにはいられなかった。
ユーノ・スクライアは、いつもと同じ穏やかな笑みを浮かべながら、彼の前に立っていた。
不意に、顔面にもの凄い衝撃を受け、バルディッシュはベンチから転がり落ちた。
周囲にいた人々が、何事かとこちらに注目する。
「そんな馬鹿なことをしたのか、君は!」
周りの目線など気にも留めず、ユーノは叫んだ。温厚な彼からは想像もできない形相に、
バルディッシュも驚くしかなかった。
「まったく、君の神経を疑うよ。普通、とどめを差すようなことするか?」
「わ、私にどうしろと言うのだ・・・・・・・」
「知らない、自分で考えろ!」
身も蓋もない言い方に、さすがのバルディッシュも怒りを隠しきれない。そもそも、
相談に乗ると言ってきたのはそちらだというのに、何故自分が殴られねばならないのか。
「ユーノ・スクライア、私には、何故あなたがお怒りになっているのか理解できない」
「ああ、理解できないだろうね。けど、君たちにも心があるだろ!」
「心・・・・私を構成するものなど、電気信号の羅列でしかありません。インテリジェントデバイスの使命は、
魔導師との意思疎通により、円滑に魔法の使用を・・・・・・・」
再び、ユーノの拳が顔面を捉えた。
痛い。
この男、見かけは柔なのに、どこにこのような力が?
「それが馬鹿だって言うんだ! 君がそんなのなら、君を造ったリニスとかいう使い魔も大馬鹿だ!」
「創造主を馬鹿にするな!」
生みの親まで罵られては、バルディッシュも黙ってはいられない。
「創造主リニスは聡明なお方だ。最後までサー・フェイトのことを気遣い、彼女の力となるために私をお造りになられた。
私個人はいくら罵られようと甘受しよう。だが、創造主への言葉は取り消せ!」
激情のまま、バルディッシュはユーノに殴りかかる。しかし、ユーノの展開した防御魔法に阻まれ、呆気なく弾き飛ばされてしまう。
「悔しいかい? けどね、レイジングハートはもっと悔しかった・・・・・いや、悲しかったんだ」
ユーノの言葉は、バルディッシュの心を。本来あるはずのないものを、まるで鋭利な刃物のように抉っていく。
「本当は口止めされていたんだけど、君があんまりにも馬鹿だから言わせてもらう。レイジングハートはね、
君のことが好きなんだ。そう、闇の書事件の頃から、ずっと」
汚物でも見るかのような視線に、バルディッシュは俯くことしかできない。
知らなかったと言えば嘘になる。彼女が自分に好意を寄せていることは、とっくの昔に気づいていた。だが、
自分達は道具、いつかは離れ離れになるのが定め。人間のように、共にいることはできない。そう決めつけて、
それ以上考えようとはしなかった。
「彼女は言っていたよ。バルディッシュは凄い、彼ほどデバイスらしいデバイスはない。デバイスの鑑だってね。
皮肉だよ、その在り方が彼女を傷つけるなんて」
せめて、自分達のマスターのどちらかが男であれば。そして愛し合ってくれれば、自分達も共にいられたのではないだろうか。
そんな空想に囚われたのも、一度や二度ではない。その度に心を凍らせ、道具であれと己に言い聞かせてきた。それは幻想なのだと、
この気持ちは偽りなのだと。その思いが、彼女を追い詰めてしまった。
「君は・・・・彼女のことを、何とも思わなかったのかい?」
「・・・では、どうしろと言うのだ」
理不尽な怒りが、込み上げてきた。
「私にどうしろと言うのだ! 確かに我々には自我がある。しかし、それは使い手との意思疎通のためのもの!
愛を語り、友情を育むものではない! 何より・・・・・」
何より、道具は道具を幸せにしてやることなど、できない。
「・・・・私は道具なのです。子を成すこともできず、抱きしめてやる腕も持たない・・・・・ただの杖です」
どうすることもできない事実。覆せない真実。
これ以上、自分は何と戦えば良いのか。
闇を切り裂いた先にあるのは、無残な現実しかない。
だから、せめて道具であろうと。そうすれば傷つくこともないからと。幸せを拒めば、不幸にもならないからと。
バルディッシュは、全てから逃げた。
「それでも・・・・・好きなんだろ」
「・・・・・・・はい」
力なく、バルディッシュはうな垂れる。
「だったら、抱きしめれば良い。君には、そのための腕が今はある」
「しかし、この体は仮初の・・・・」
「だからこそだ。せめて人でいる間は、夢を見たって良いだろう」
どうせ覚めてしまうのなら、むしろとびきり甘くて濃密な夢を見ろと、ユーノは言う。
それは、あまりにも酷い仕打ちだ。
「ユーノ・スクライア・・・・・あなたは、残酷です」
「ああ、僕も初めて気づいたよ」
そっと、ユーノは手を差しだす。
「立てるかい?」
「助かります」
バルディッシュを立ち上がらせると、ユーノは彼の服についた砂を払ってやる。
「さあ、レイジングハートを見つけて、謝って、抱きしめてやるんだ」
「まったく、あなたの言葉は本当にわかりやすい」
苦笑し、バルディッシュはきつく拳を握る。それが何なのかわからず、ユーノは首を傾げる。
次の瞬間、強烈な右ストレートがユーノの顔面に叩き込まれた。
「ふがぁぁっ!?」
地面の上でもんどりを打つユーノ。感触からして、鼻が折れているかもしれない。
「失礼。しかし、これは私を殴ったお礼です。それから、私に説教する暇があるのなら、
ご自分の思いを高町なのはに伝えてはどうですか?」
「な、なぁ・・・・!?」
「まあ、後5年は先の話になるでしょうね。これは断言できます」
どさくさに紛れて、バルディッシュはとんでもないことを口にする。
「言ったな。僕だってやる時はやるんだぞ」
「その意気です、ユーノ・スクライア。では、私はここで失礼します。
彼女にも礼をせねばならないので」
「ま、まさか、レイジングハートも殴るのかい?」
するとバルディッシュは足を止め、ニヒルな笑みを浮かべる。
「いいえ、思いっきり愛してやりますよ」
to be continued
105 :
B・A:2008/01/02(水) 15:21:54 ID:gdr9Njl3
以上、副題「バルくん修正されるの巻」でした。
ごめんなさいごめんなさい。書いている自分がなんなんですが、
こいつら本当にバルとユーノか疑わしいッス。いや、stsのバルがやたら自己主張少ないんで、
ひょっとしたらこんなこと考えていたのかなという妄想からこんな形になりました。
ユーノに関しては応援歌のつもりで。
この連載始めてから、投下する度にビクビクものです。
GJ!
リアルタイムktkr!
バルディッシュ渋いよバルディッシュ!
107 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 15:27:46 ID:vqwBo/NY
いやどう見てもこれは素敵な司書長と雷の戦斧。
GJっす!
>107
バル×ユーノ?
109 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 16:59:53 ID:fcvm/Lcq
アッー!
バルタン星人×ユーノ?
こんなに男らしいユーノ久々に見た気が…w
でも実践できないんだろうな、本人は…
バルバトス(CV若本)×ユーノ?
>>111 いや、ユーノは外見は兎も角、中身は男らしいんだと思うよ
ただ、相手のほうに、それを上回る漢っぽさとか侠気があるせいで霞んでるだけで・・・
>>105 GJです!次回のバルとレイハの仲直り編も楽しみに待っております!!
>>116 これってどうやって遊べばいいんですか?
>>66 ありがとうございます。
……あー、ごめんなさい。漫画版読んだ事無いですorz
>>78>>89 これなんてスーパークアットロタイム?
>>105 ユーノが男らしいw
>>116 eraまでキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>117 中にあるeramaker.exeを開いて
実行したいコマンドの左の数字を押してenterしてください
>>119 できました、ありがとうございます。
しかし、同じことをやってできなかったのがなぜ今できたのでしょうかね?
メガ姉の所為だ
今更で済みませんがあけましておめでとうございます。
と言う事で年はじめ的に書かせて頂きます。
・お馬鹿フェイトネタ
・フェイトがなのは×ユーノを邪魔する作戦を立てて、エリオとキャロがその犠牲になる
・季節的には冬
・なのは×ユーノもあるけど、エリオ×キャロ要素もある
・もう一つ隠しのカップリングも(?)
・ガチレズ&ガチホモ要素も少しある
・エロも少々あり
・登場キャラ全員に何かしら改変がされてる
・フェイトさんは天使だからそんな事しないよって考えの人は見ない方がオススメ
フェイトはユーノが大嫌いだった。何故ならばユーノはフェイトからなのはを寝取ったのだから…。
実際は別にユーノはフェイトからなのはを寝取ったと言う自覚は無いし、なのはにしても
元々ユーノの事が結構普通に好きだったのだから、フェイトが考える様な事は一切無い。
しかし、なのはは自分の物だと心から信じるフェイトにとっては違う。
だからこそフェイトはユーノが自分からなのはを寝取ったと認識し…憎んだ。
フェイトのユーノに対する憎しみが決定的に強くなったのは、なのはがヴィヴィオを養子に
取って以後の事だった。当初はなのはがヴィヴィオの母親となった以上、ヴィヴィオの世話が
忙しくてユーノの相手などしていられるはずがないと考えていた。しかし実際は違った。
何故ならばヴィヴィオがユーノに懐いてしまっているのである。
あろう事かユーノの事をパパと呼ぶ始末。そしてヴィヴィオに釣られる様に
なのはもまたユーノに今まで以上に接近する様になった。まるでヴィヴィオが
なのはとユーノの橋渡しになったかの様に…。それがフェイトにとって嫌だった。
なのはとヴィヴィオからユーノを引き離したい。寝ても覚めてもフェイトはそう考える様になった。
ユーノの恥かしい光景を見せればなのはとヴィヴィオも失望して離れていくと
考えたフェイトはその日、新しい一つの作戦を思い付いたのである。
だが、その作戦は一人の力では不可能な物であった為、協力者を得る為にある場所へ向かった。
フェイトが向かった先はエリオの部屋だった。
「エリオ〜いるかな〜? ちょっと手伝って欲しい事があるんだけど…。」
「嫌ですよ! またなのはさんとユーノさんの邪魔する手伝いをしろってんでしょ?
いくらフェイトさんの頼みでも従えません!」
「………。」
速攻でエリオに拒絶され、フェイトも開いた口が塞がらなかった。
だが仕方が無い。実は以前からフェイトはエリオになのはとユーノの仲を引き裂く
手伝いをちょくちょく強要していたのである。故に流石のエリオでも
いい加減フェイトに愛想が尽きてしまうのは当然の事だった。
「そっか…無理言ってごめんねエリオ…。」
「って何で勝手に上がり込んで来るんですか!?」
申し訳なさそうに謝りながらも勝手にエリオの部屋に上がり込むフェイトに
エリオは思わず怒鳴り付けてしまうが、フェイトは構わずにエリオのベッドの下に手を突っ込んでいた。
「実は以前エリオの部屋でこういう物を見付けたのだけど…。」
「あ! それはダメ!」
エリオは思わずフェイトが手を突っ込んでいるベッドの下まで飛び出していたが
時には既に遅し。フェイトはある物を取り出していたのである。
「エリオ…これは…何かな?」
「ああああ! ダメェェェ!!」
エリオは狼狽した。何故ならばフェイトがエリオのベッドの下から取り出した物は
エロ漫画雑誌だったであるから。漫画のキャラクターにありがちな目が大きくて
かつ首から下もボンッ! キュッ! ボーンッ! な感じの美少女魔導師っぽい
キャラクターが触手に纏わり付かれて喘いでいると言う表紙で、それだけを見ても
かなりのエロさを思わせる物だった。
「これ…エリオの歳で読んじゃいけない本のはずだよね…。どうやって手に入れたのかな?
こう言う本を店の人が18歳以下に売るはずが無いし…。」
「そ…それは……。」
エリオがエロ漫画雑誌を持っていた理由。それはしばらく前にまで遡る。
エリオが何気無く街外れを歩いていた際にたまたまゴミ捨て場の近くを通りかかるのだが、
そこで彼は見付けたのである。ゴミ捨て場に捨てられていた一冊のエロ漫画雑誌を…。
そして、それを見た瞬間に思わず拾い上げ、自室まで持ち帰っていた。
生まれて初めてのエロ漫画雑誌。エリオにとってそれは余りにも衝撃的だった。
世の中にはこんな物が存在したのかと…。美少女魔導師的なキャラクターが
様々なシチュエーションで犯される内容のエロ漫画にエリオは興奮し、何度も抜いた。
勿論そう言った事は誰にも内緒。自分だけの秘密だった。しかし…フェイトには
それが最初から知られていた様子だったのである。
「まあエリオも男の子だから仕方無いよね…。こう言う本に興味を持っても…。
でも…エリオがエッチな漫画を読んでるってキャロが知ったらどう思うかな?」
「あああ!!」
エリオは思わず頭を抱えた。そして脳裏にはある恐ろしい光景が浮かんだ。
エリオが密かにエロ漫画雑誌を読んでいた事を知ったキャロが…
「エリオ君…こういうのが好みなんだ…。」
と、エリオを軽蔑する様になると言う光景。そんな事はエリオにとって嫌だった。
だがそれだけでは無く、恐らくは…フェイトはエリオがなのはとユーノの邪魔をする
手伝いをしなければキャロにその事をばらすつもりなのだろう。そうなればエリオは破滅だ。
だからこそ仕方なくフェイトに従うしか無かった。
「分かりました…今回は一体何をすれば良いんですか?」
「そうそう。やっぱり素直なエリオが大好きだよ。」
エリオのエロ漫画を手に持ったまま、フェイトは笑顔でエリオの頭を撫でた。
エリオの部屋を後にしたフェイトが次に向かった先はキャロの部屋だった。
「キャロ〜いるかな〜? ちょっと手伝って欲しい事があるんだけど…。」
「嫌ですよ! またなのはさんとユーノさんの邪魔する手伝いをしろとか言うんでしょ?
いくらフェイトさんの頼みでも従えません!」
キャロもまたエリオ同様に速攻で拒絶していた。無理も無い。
彼女もまたフェイトのなのはとユーノの仲を裂く悪巧みの手伝いを強要された事が
以前からもあったからである。だからこそ今となってはキャロもまた
エリオ同様にフェイトに愛想が付いてしまっていた。しかし…
「ゴメンね無理を言って…。」
「え?」
フェイトはあっさりと申し訳なさそうにキャロに頭を下げて謝っていた。
いつもならもっと力ずくでも協力を強要しようとするはずであるのにとキャロは思わず戸惑った。
「あ、そうそう。話は変わるんだけどね、キャロに見て欲しい物があるんだよ。」
そう言ってフェイトが何か小さなリモコンの様な物を操作すると、二人の目の前の
空間にモニターが出現し、ある映像を映し出した。
「ああ!!」
その映像を見たキャロは真っ青になる。何故ならば…
「エリオ君…エリオ君…エリオ君のおっきなオチンチンで私のオマ○コ…貫いてぇ〜…アッ!!」
それはキャロがエリオを想って自慰行為に耽る光景を映した物だったのだから…。
キャロが自分の脚をM字に大きく開いて、指で深々と股間のソレの中を派手に
かき回しながら喘ぐその光景は年齢不相応に官能的な光景だった。
フェイトがそれをどうやって撮影したのかは全くの謎であるが、自分がエリオを
想って自慰していた事がバレたキャロは忽ち真っ青になるのは当然の事だった。
「キャロだって女の子だもんね…。好きな男の子とエッチしたいって気持ちが
無いワケが無いもんね…。でも…こっそりこういう事してるなんて事を
エリオが知ったら…一体どう思うだろうね?」
「あああ!!」
キャロは頭を抱えてしまった。そして脳裏にはある恐ろしい光景が浮かぶ。
キャロがこっそりエリオを想って自慰に耽っていた事を知ったエリオが…
「キャロ…ちょっと…気持ち悪いよ…。」
と、キャロを軽蔑する様になる光景。それはキャロにとって余りにも恐ろしかった。
だがそれだけでは無い。恐らくは…フェイトはキャロがなのはとユーノの邪魔をする
手伝いをしなければエリオにその事をばらすつもりなのだろう。そうなればキャロは破滅だ。
だからこそ仕方なくフェイトに従うしか無かった。
「分かりました…今回は一体何をすれば良いんですか?」
「そうそう。やっぱり素直なキャロが大好きだよ。」
フェイトは笑顔でキャロの頭を撫でた。
数日後の休日、なのはとユーノとヴィヴィオの三人が街へ出かけていた。
その光景、なのはとユーノの二人はまだ籍を入れていないと言うのに
誰の目にもまるで仲良し夫婦と二人の愛娘としか映らない程幸せそうであった。
しかし……
「おうおうおう! 見せ付けてんじゃねーよ!!」
「わりゃぁ! あんま調子乗っ取ったらシゴウしたるぞ!」
突然ガクラン&セーラー服に身を包んだ不良学生っぽい二人組みが現れ
ユーノに対して喧嘩を売って来たのである。しかしこの二人。ガクラン及びセーラー服を
着用し、口はマスク、目はサングラスで隠しているが誰がどう見てもエリオとキャロ。
フェイトに弱みを握られた二人はこうして不良っぽい格好でこの様な事をさせられたのである。
なお、二人は互いにフェイトに何かしらの弱みを握られたと気付いてはいても、
それが具体的にどういった物なのかは知らない。と言うか知ろうとさえしていない。
その様な事をすればフェイトにバラされて破滅するのは自分だと気付いていたのだから…
この作戦が決行される数日前、エリオとキャロはフェイトにある本を渡されていた。
「これね、97管理外世界の古本屋でサルベージして来た本なんだけど…。」
まずエリオが渡されたのは昔の不良漫画。設定としては高校が舞台で、主人公や
その他のキャラクターも皆高校生なのだけども、どう見ても三十歳越えてるだろと
突っ込みたくなる様なオヤジ臭い顔した高校生が泥臭い喧嘩を繰り広げる
汗臭い男…いや不良漢の世界と言える様な漫画。エリオにとってこの世には
こんな物が存在するのかと余りの衝撃で物も言えなかった。
続いてキャロが見せられたのはいわゆるスケ番ものの漫画。
分類上は少女漫画で、エリオが読まされた漫画の様な汗臭さは無かったが、
それでも男の不良とはまた違った意味での恐ろしさを持った女性の不良の世界を
垣間見て、キャロにとって余りにも衝撃的な物だった。
「つまり私が何を言いたいかと言うとね、これで不良の何たるかを勉強して
なのはとヴィヴィオの目の前でユーノを襲撃して恥をかかせなさいって事。
そうすれば二人もユーノに失望して私が再び二人を取り戻すのは容易い!」
「は…はぁ…。」
エリオとキャロは呆れて溜息を付いてしまうが…今となっては逆らう事は出来ない。
だからこそ仕方なくフェイトの言う通りにするしか無かった。
「おうおう! 文句あるんならかかって来いよこらぁ!」
「わりゃぁ! シゴウしたるぞ!」
二人はなおもユーノに喧嘩を売るかの様に挑発するが…その脚は完璧に震えていた。
ユーノは戦闘魔導師では無いが、防御に関してはSクラスでも唸る程の実力者だと
言う事はエリオとキャロも分かっていたし、何よりもなのはがユーノと一緒にいた事が
最大の理由。下手をすれば…と言うか絶対になのはに殺される。
しかし何処かでフェイトが二人を見張っている以上…逃げる事は許されない。
故に二人は何としてもフェイトの言う通りの事を実行する他は無かった。
「(せっかくの休日なのに…僕達は何をやってるんだろう…。)」
「(真冬でこの格好は寒すぎるよ…。)」
ここでエリオとキャロは何故自分がこんな事をしなければならないのかと
今更になって疑問を持つ様になった。今日は忙しい仕事の中でのオアシスとも言える
ささやかな休日だと言うのに…この様な事をやらされている。本当ならば
目の前のなのは達の様にエリオとキャロの二人で街に繰り出したり、温かい部屋の
中で語り合ったりと言った事も出来ただろう。そして今二人がそれぞれ着用している
ガクラン&セーラー服がこの真冬の寒空の中では余りにも寒すぎる。
目の前のなのは達三人がダウンジャケットなどの温かそうな服を着ている事もあって…
ますます二人は寒さを感じてしまうのである。だがそれでも自分の破滅を防ぐ為には
フェイトの言う事を聞かなければならない。それが何よりも悲しかった。
「オラオラ! 来いや来いやぁ!」
「ボコボコにするぞこらぁ!!」
エリオは鎖を取り出して振り回し、キャロはヨーヨーで挑発しながらなおも叫ぶが
その脚はますます振るえ、目からは涙が滝の様に流れていた。
前述の通り、なのはとユーノの二人が怖かったのである。そしてフェイトに
見張られている以上逃げられないと言う八方塞の状況。
何時失禁してもおかしくない位…これは恐ろしい物だった。
さて、この二人を見てなのはとユーノはどうしたのかと言うと…
恐れる所か逆に哀れんだ目になっていたのであった。
「エリオ…キャロ…またフェイトちゃんに脅されたんだね…。」
「まったくフェイトにも困った物だね…。」
なのはとユーノは目の前の不良二人の正体がエリオとキャロだと言う事に気付いていたし、
フェイトに脅されてこの様な事をやっていると言う事も当然の様に悟っていた。
だからこそ二人が可哀想で可哀想で仕方が無かった。しかし同時に二人が
凄く必死である事も分かっていた故に…とりあえずは付き合ってあげる事にした。
「わー! 不良だー! こわいよー!(棒読み)」
「カツアゲされちゃうよー!(棒読み)」
「怖いよー!(棒読み)」
逆の意味で凄まじい演技力でなのは・ユーノ・ヴィヴィオの三人は怖がって見せた。
「シゴウするぞこらぁ!」
「病院送りにするぞオラァ!」
ついに二人はユーノに襲い掛かった。しかし恐怖で脚どころか全身が震えだした
二人は動きもぎこちなく、戦闘に関して玄人とは言えないユーノでも
目を疑いたくなる位に変な動きで容易く避けられてしまい、逆に二人は転んでいた。
「やってくれたなこの野郎!」
「絶対にぶっ殺す!」
「嫌…二人が勝手に転んだだけじゃない…。」
痛そうにしながらも起き上がる二人にユーノも呆れてしまうが、やはり二人は
口では強がっていても恐怖で体が動かずにまたも転んでしまった。
それから、なのは達三人はなおも明らかにわざとらしさ全力全開の怖がり方を
見せたりするのだが、肝心のエリオとキャロの方がよっぽどビビっているので
全く意にも介していなかった。当然それを遠くから監視していたフェイトにとって
面白いはずが無く、思わず皆の前に飛び出して来ていたのであった。
「二人ともしっかりしなさい! 二人がなのはとヴィヴィオの目の前で
ユーノに恥をかかせないと計画が丸潰れじゃない!!」
「フェイトちゃん…。」
「思い切り作戦バラしてるし…。」
なのはとユーノの二人は完全に呆れてしまっていた。
要するにフェイトは、不良学生に扮させたエリオとキャロにユーノを襲わせて
なのはとヴィヴィオの前でユーノに恥をかかせ、二人がユーノに失望した所を
フェイトが飛び出してなのはとヴィヴィオを守り、ユーノよりもフェイトの方が
頼りになると思わせてゲットすると言う作戦だったのだが、それを自分から
バラしてしまってもう何が何だか…。しかもそれだけじゃなく…。
「フェイトさんごめんなさい…僕これ以上出来ません!」
「エリオ君の言う通りです! もうやめましょう!」
エリオとキャロはそう口々にフェイトに対し抗議を始めていた。
それだけ二人が嫌がっている事を伺わせる。だが…
「あっそう! エリオもキャロもそう言う事を言うんだね…。言う事聞かない
悪い子にはお仕置きが必要だね………。良いよ! 二人の恥かしい秘密を暴露してあげる!」
「ああああ!!」
その時のフェイトはまるで母プレシアの血が覚醒したかの様な凶悪な形相になり
エリオとキャロは愕然とした。そしてそれと同時に…フェイトは二人の恥かしい秘密…
エリオがこっそりエロ漫画雑誌を読んでいた事…キャロがこっそりエリオを想って
自慰に耽っていた事を…暴露していた。
「ああ!! ああああああ!!」
「い…嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
エリオとキャロは絶望して頭を抱えていた。ただ互いの恥かしい秘密を知られただけじゃない。
目の前にいたなのは達三人もそれを見ていたのである。これは破滅以上の破滅だ。
もう終わり…エリオとキャロは精神が崩壊してもおかしくない程にまで絶望していた。が…
「な〜んだ。恥かしい秘密って言うからどんな物かと思えば…大した事無いじゃない!」
「ええ!?」
なのはの言葉にエリオとキャロは別の意味で驚いていた。二人にとって物凄く
恥かしい事でも…なのはにとっては大した事の無い物として映っていたからである。
「た…大した事無いんですか!? 僕はこっそりゴミ捨て場で発見したエロ漫画を持ち帰って
それで興奮したりしてたんですよ!」
「私もこっそりエリオ君を想ってオナニーしてたんですよ!」
「そんなの大した事無い大した事無い! って言うか普通!」
「えええええ!?」
笑いながら手を左右に振るなのはに二人は愕然とし、なのはは語り始めた。
「言っておくけどね、ユーノ君なんか凄いんだよ! 無限書庫の中にはね、ありとあらゆる
世界や時代のエロ雑誌やらエロ写真集やらエロ漫画やらエロ小説やらエロ同人誌やらが
集まってるコーナーもあってね、それでこっそり興奮しながらオナってたんだよ!」
「えええええええ!?」
「なのは―――!! それ秘密にしてって言ったじゃない!!」
なのはの爆弾発言にエリオとキャロが愕然するのみならず、ユーノも慌てていた。
しかし構わずになのはは続けるのである。
「そりゃ〜私も最初は呆れたよ。けどね…こうも思い始めたんだよ。
他の女の子に手を出されるのに比べれば…エロ本で興奮するなんて人畜無害って…。」
「そ…そうなんですか…。」
「なのはさん…凄いですね…。」
普通なら好きな男がエロ本とか読んでたりすると嫌いそうなものだが、
そうならずに許容するなのはの器量の大きさにエリオとキャロは圧倒されていた。
「それに私も代わりに無限書庫のBLやら801系の本やらが集まったコーナーを
楽しませてもらってるもん!」
「えええええええ!?」
またもなのはの口から出た爆弾発言にエリオとキャロは驚愕した。
「その中にね、私達の存在がアニメのキャラクターと言う事になってる世界で
作られた私達を題材にした同人誌なんかもあってね、最近その中にあった
ユーノ君×エリオのカップリングにハマり始めたんだよ。」
「えええええええ!?」
今度はエリオとキャロのみならずユーノまで驚愕した。
「でも本当に凄い内容だったよ。ユーノ君の大きくて形の良いオチンチンが…
エリオの小さいながらもプリプリのお尻を…掘ったりするんだよ。」
「アッ―――――――――――――――!!」
なのはの言った通りの事を連想してしまったのだろう。思わずユーノは己の股間を、
エリオは尻を押さえながら叫んでいた。ユーノ×エリオの新旧美少年キャラの
カップリングはBLや801系の趣味を持つ人間にとっては夢のシチュエーションであろうが…
そうでない者にとっては恐ろしい物にしか思えない。
「ま、そういうワケだから、エリオもキャロも怖がらなくて良いよ。」
「そ…そうですか…。」
「ありがとうございます…。」
なのはからフォローを入れられた事もあって、エリオとキャロは知らず知らずの
内に互いの行為を許容し、受け入れられる様になっていたが…それが
フェイトにとって面白いはずが無い。そして…次の瞬間…フェイトは
真・ソニックフォームへとチェンジしていた。
「フェイトちゃん! この真冬でその水着みたいな格好は寒すぎるよ!!」
思わずなのはは慌てるが、フェイトは構わずにユーノを指差して叫んだ。
「ええいユーノ許すまじ! なのはがこうなったのも全てユーノのせいだ!!」
「えええええええ!?」
自らの尖兵だったエリオとキャロがなのは達の軍門に下った今、自分でやるしか無いと
考えた今のフェイトにとって…全ての諸悪の根源はユーノ以外に無いと考える様になっていた。
「ユーノ死ねぇぇぇ!!」
「わー!!」
「やめてフェイトちゃん!!」
今の冷静な判断が出来なくなっていたフェイトにとってユーノを殺すと言う事
以外考えられず、なのはの制止も聞かずにバルディッシュを振り上げてユーノに襲い掛かっていた。
「くっ! やめるんだフェイト!!」
「うるさい!! ユーノ死ねぇぇ! あんたがいなくなればなのははぁぁぁぁぁ!!」
とっさに防御魔法で受け止めるユーノだが、フェイトは強い。
これさえ何時破られるか分からない。そしてなのはは背後からフェイトに組み付いていた。
「やめてフェイトちゃん! 落ち着いて!」
「黙れ!!」
「うっ!!」
フェイトはなのはの顔面に肘を入れていた。ユーノを憎む余り…ユーノを殺す事に必死になる余り…
なのはの事さえも目に入らなくなっていたのである。
「……………!!」
「なのはぁ!!」
「なのはママー!!」
顔を抑えて黙り込むなのはにユーノもヴィヴィオも慌てふためいた。
そしてヴィヴィオがなのはの方に近寄ると…フェイトの肘を受けたなのはの鼻から血が吹き出ていた。
「!!」
なのはの顔から血が出ていた所を見た瞬間…ヴィヴィオの中で何かが弾け、同時に地獄の釜が開いた。
「うああああああ!! なのはママ――――――!!」
ヴィヴィオの絶叫と共に彼女の全身が光に包まれ、次の瞬間あの姿へと変化していたのである。
あのJS事件の際…聖王のゆりかごの中で見せた聖王としての彼女の姿…。
なのはを不当に傷付けられた怒りが…彼女の中に眠る聖王としての血を蘇らせたのだ!!
「なのはママとユーノパパを苛めるフェイトママなんか大っ嫌いだ!! もう死んじゃえぇぇぇぇ!!」
直後、ヴィヴィオから発せられた魔力波がフェイトを吹飛ばし、フェイトは動けなくなっていた。
ヴィヴィオの発した魔力によるダメージそのものよりも…ヴィヴィオから大嫌いと
拒絶された事による精神的ダメージの方が大きかったのである。
「うわぁぁぁぁんなのはママー! しっかりしてよー!」
フェイトが動かなくなった後、再び子供の姿に戻ったヴィヴィオはなのはに抱き付いていた。
「大丈夫…痛いけど…ママは大丈夫だよ。」
なのははなおも痛そうであったが…それでもヴィヴィオに心配かけまいと
我慢してヴィヴィオを抱き返しながら立ち上がった。
「それじゃあ…皆行こうか? エリオとキャロもおいで。温かくて美味しい物ご馳走してあげる。」
「え? それはありがとう御座います。ですが…フェイトさんは?」
エリオとキャロは倒れて動かなくなったフェイトを見つめていた。
確かにフェイトには酷い目にあわされたが…それでも大切な人である事は変わらない。
だからこそフェイトを心配していたのだが…
「放っておいても大丈夫だよ。フェイトちゃんも子供じゃないんだし。」
なのはらしからぬ厳しい言葉。しかし、それにはなのはなりの考えがあった。
「私は信じてるから。今のフェイトちゃんは周囲の新しい変化に戸惑ってるだけ。
だから…自分の力でその変化を受け入れて…帰って来る日を私は待ってるよ。」
フェイトがなのはとユーノの仲を気に喰わなかったのはそれが原因だとなのはは
考えていた。しかしだからと言ってユーノと別れて良いはずがない。と言うか別れたくない。
だからこそ少々フェイトには厳しくても…自分の力で今の状況を克服して欲しかったのである。
「じゃあ…行こう?」
「うん。」
「フェイトさんごめんなさい…。」
皆がフェイトの前から立ち去ると同時に…雪がさんさんと降り始めた。
フェイトが目を覚ました時、もうすっかり周囲は雪が積もって真っ白になっていた。
「あ…ああ…寒い……身体も…心も……。」
殆ど水着も同然の新ソニックフォームで真冬…それも雪の中は余りにも寒すぎる。
ユーノを襲う時にはユーノを殺す事で心が一杯で、寒さなど感じなかったが…今は別。
余りにも寒すぎる。だがそれ以上に…なのはとヴィヴィオからさえ拒絶された事によって…
精神的にも寒い物をフェイトは感じていた。
「このままじゃ凍えてしまう…何か温かい物は…。」
フェイトは震えながらもポケットに手を入れると、その中には一つのマッチ箱が…
「何故マッチが…でもまあ良いや…。」
フェイトは一本のマッチに火を灯す。溺れる者は藁をも掴むと言う言葉がある様に…
今の彼女にとってマッチの火でも貴重な物だったのだが…
「ああ!!」
マッチの火が灯されると同時にフェイトは見た。それは自分がなのはと二人きりで
嬉しそうに語り合いながら美味しく温かい料理を食べている光景。
本当に幸せそうであったが…それもマッチの火が消えると共に消滅した。
「そんな……。」
慌てて二本目のマッチに火を灯す。するとどうだ。今度はなのはと一緒にお風呂に入っている
光景が浮かんでいたのである。これも実に温かそうで幸せそうな光景。
しかしそれもまたやはりマッチの火が消えると共に消滅した。
「嫌だ! そんな直ぐに消えるなんて嫌だ! 私はなのはと…。」
もっとなのはといたい一心でフェイトは残り全てのマッチを束ねて火を付けた。
するとどうだろうか。今度は何と二人用の大きな布団の中に寝ているなのはが現れるのである。
そしてなのはは布団を半分開きながらフェイトを招き寄せ…
「フェイトちゃん。一緒に寝よう?」
と、フェイトを誘う。当然そうなればフェイトは…
「うん分かったよなのはー!」
フェイトは涙を流しながら布団の中へ飛び込んで行く。その時のフェイトは本当に幸せそうだった。
…と、ここまで見るとまるで97管理外世界の童話『マッチ売りの少女』の様な展開に見えるが…
マッチ売りの少女とは異なりフェイトは死ぬ様な事は無かった。何故ならば…………
「え…? ここは……?」
フェイトが目を覚ますとそこは暖かい布団の中だった。そして布団のみならず部屋全体に
暖房がかかっているかの様に暖かい。これはどうした事かと首を傾げるフェイトだが…
「やっと目を覚ましたか…。真冬にあの格好で外にいるのは自殺行為だぞテスタロッサ…。」
「え…………。」
部屋も布団も暖かいと言うのに…フェイトはとてつもない寒気を感じた。
何と布団の中からシグナムが顔を出すのである。
「し…シグナム――――――――――!!」
何時から添い寝していたのかは分からないが、とにかく突如現れたシグナムに
フェイトは驚愕するしか無かった。しかしシグナムは嬉しそうな目でフェイトを見つめている。
「どうした? まだ寒いのか? なら私が暖めてやろう。」
「え!? えええ!?」
ここでフェイトはある事実に気付いた。それはフェイトもシグナムも全裸だった事である。
「え!? どうして!? どうして私裸に…!?」
「私が雪の中で倒れているお前を発見した時…お前の身体は冷え切っていたからな。
あの時は本当に慌てたぞ。しかしもう大丈夫だ。私がこうしてお前を人肌で暖めたんだから…。」
「あああああああ!!」
部屋中にフェイトの絶叫が響き渡った。自分が気を失っていた間にシグナムに
裸にされ、抱かれていたのである。フェイトにとってそれは恐ろしい光景だった。
「やっぱりまだ寒いと見えるな。ならばもっと暖めてやろう。」
おまけにさらにフェイトを強く抱きしめ始めるシグナム。
「嫌ぁ! なのはー! なのは助けてよー!!」
「おっと、そんな格好で外に出たら本当に凍えてしまうぞ。」
フェイトは何とか布団の外に出ようとするが、シグナムが放さない。
それどころかより強く抱きしめ始める。
「お前ほどの女が外で倒れていたとは相当悲しい事があったのだろう。しかし安心しろ。
お前のその冷えた心と身体を…私が…烈火の将シグナムが暖めてやる。」
「え…え…え…アッ―――――――――!!」
シグナムはフェイトの唇を奪った。会心の一撃。フェイトの精神は粉々に砕け散った。
おしまい
フェイト好きな方には実に申し訳ありませんが…
こういうノリの話の方が書いてて楽しいですスマソセン
>>132 やってることは凄く酷いことなのに、ノリと言い回しとオチの馬鹿さ加減で憎めないフェイトが脳足りんカワイイww
GJですww
>>132 GJです。すげー楽しかった。
やっぱり最強はヴィヴィオですね。
137 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 21:40:16 ID:hVGE+5Nq
真の勝者はシグナムか・・・
シグ南無「最後に出ないと負けかなと思ってる」
>>132 エロ本見つけられるエリオとユーノの趣味を許容するなのはさんに吹いたwww
ただ、書き出し2パラグラフがちょい読みにくかった。
出だしの一行目で吹いてしまった俺は間違いなくパブロフの犬
もう戻ってこれないw
>>132 (詫び入れる位なら投下しなきゃいいのに
そう思う俺はフェイティスト)
おもろいっちゃおもろいんだけど
何だかワンパターンで・・・。
ともかく乙
>>142 ワンパって言うか、ここまで来るともはや予定調和って感じがするww
>>132 ちょwwwwwwwwwwwww
だめだこいつ
早く何とかしないと
って、思ったら事故解決しました
さすが烈火の将!
冷え切ったフェイトの身体を温めてくれたかw
ん?でも、まさかこういうことになってないよな……
なのは「もしもし?シグナムさんにちょっと頼みたい事があるの。
○○地区の××通りにフェイトちゃんが居眠りしちゃったから様子見てあげてくれないかな?」
>>141 (一理ある意見だけど、そういう意見が通じると
職人さんが離れていくと愚考)
>>141 詫び入れる云々以前に投稿直前に注意は出してる
それでスルー出来ないならそいつが悪いと言わざるを得ない
専ブラのNG機能を有効活用しないとね
実際に色々役立てているですよ?>注意書き
専ブラ入れてないからと概要把握用に
>>147 なら文句言わずにスルーしたら良いじゃん。
好きなキャラがあまり良い扱い受けてないと、
思うところあるのはわかるから。
まぁさすがにヴィヴィオの「死んじゃえ」は余計だったかな、と個人的におもた。
…………フェイトはユーノにいつも言ってるけどさw
把握
>>145が危惧する事態になるのは本意ではないし
なのスバ読みいた
>>149 ユーノ「フェ、フェフェフェフェ、フェイト!?なんか僕の食事だけ猫いらずとか並んでるんだけど!?なのはも笑ってないで何か言ってよ!」
フェイト「アハハハ、冗談冗談♪ユーノにもちゃんと食事用意してあるよ
死ねば良かったのに(ボソッ)」
既にフェイトじゃなくて水樹奈々だなw
そういや一階の名無し氏ってこの頃どうしたんだろ?
氏のエリオSSかなり好きなだけに気になる
いまだにターンA氏の「なのレンジャー」を待っているおれは異端?
このスレではまだ投下されていないリリカルバイオレンス待ちの漏れは異端児。
なのは、フェイト、ユーノの三人が色々やってるのが好きな俺としては
最近はA crossroads of Fateが一番楽しみです。
しかし、あれでなのはが選ばれてフェイトが(しかも手酷く)振られるってのはないわ。
スクデイ並の病みと惨劇の予感が・・・
過去のSSにリンディ×クロノってあった?
探してもみつからんのよ。異色の組合せだとは思うけど
亡き夫に似てきた息子を、つい食べちゃったんだって?
>>154 一階の名無し氏のエリオSSは俺も待ち望んでる。
ある槍騎士とある姫の〜と槍騎士逃走編はまだ完結してなかったはず
ずっと続きを待ち望んでるのだがどうしているのだろうか・・・
>>157 あなたも同士か!今もアリシア×エリオを待ち望んでる俺がいる
いつもGJありがとうございます。一生懸命書かせて頂いております(お休みだしね
>105 バルとユーノ"が"疑わしい、にみえた私は末期かも知れません。ちょっとシャマル先生にでもお願いしてきまなんだこの緑色のワッカh
>132 うーんシグナムやりますね。フェイトそんntr!
続編ですか……筆者は違いますが掟破りのメイドスバ――いやなんでもありませんなんでもw
(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第42回・クアットロ再び(1)][当分非エロ][多分シリアス]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます
……今日のはどこが問題あるだろう……んー、老人会もしくはなのユが嫌いな人はスルーでw
あと微オリキャラあり、といってもモブもしくはガヤですが
では、朝刊〜
オーリスから情報を得たはやては、迅速に自身の中の対策案を実行に移した。
とにかく大量のガジェットが動いている為、兎にも角にも手が欲しい。
だが部隊を動かす要請が出来るような上層部からの決定は未だなく、とりもなおさず自身のつてだけで人を集めるしかなかった。
ヴォルケンリッターのヴィータ以下、シャマルまで――勿論気まずい雰囲気はあったが、状況が状況の為仕方なく呼び出し、
さらに気は咎めたが職務ではあるものの第61管理世界、つまりエリオとキャロの所属している自然保護隊のいる世界に出向いていたフェイト執務官にも
連絡を入れると快い返事が返って来て、しかもどうしても離れたがらなかった子供達も一緒に連れてきてくれることになった。
それからカリム、リンディ、クロノとも連絡を取り、3提督への根回しを依頼して了承してもらった後、
もう一人――正直呼び出していいかどうかかなり悩むところであったが、彼女の性格的に呼ばなかったら間違いなく怒るであろう、
航空戦技教導隊所属高町なのは一等空尉にも出動を要請する。
私ひとりでいいの?との問になのはちゃんだけでいいから、と答えて承諾してもらうと――本音では権限があるなら一個大隊でも引っ張って来て欲しいところではあったが――、
もう一箇所忘れてはならない所に声をかける。
その場所とは、更正組ナンバーズ姉妹達が研修中の隔離島である。
交渉となれば彼女達が説得を試みることもできるわけで、それを考えての行動であったが、
表向きは短時間の外部研修でゲンヤに許可と事後処理を頼んで、とりあえずギンガを筆頭に出向いて貰う方向で話がまとまった。
そして真っ先に到着したフェイトとエリオ、キャロと共にはやて以下ヴォルケンリッターはメインオペレータールームに入ったのであったが、ここで問題が発生した。
確かにオーリスから言い含められていた実働のオペレーター陣は快く協力をしてくれようとしたのだが、
地上本部通信担当主任とか仰られる方が防衛長官の許可がないから外部協力は断るとの一点張りで、肝心の指揮権限を譲渡してくれないのである。
勿論力づくであれば何の問題もなく一瞬で解決する話なのであるが、そこまでするのもとはやてが困り果てていると、唐突に通信が入る。
通信元の名称を見てはやては、慌てて姿勢を正しつつ恭しくその画面を開いた。
開いた画面の向こう側にいたのは、ミゼット・クローベル本局統幕議長であった。
ちなみにヴィータに言わせればばーちゃんであるが場にそぐわないのは言うまでもない。
その後ろには会議をしていたのか、レオーネ・フィルス相談役とラルゴ・キール武装隊栄誉元帥の姿も見える。
この件を担当することの最終確認を問いかけられたはやては、勿論是と即答したが、実は指揮権限が――と切り出すと、
地上本部通信担当主任は果敢に防衛長官の許可がない旨を画面の向こう側に主張しはじめた。
が――私が責任を持ちます、の一言で一蹴されかけて、それでも食い下がったが今度は後ろのレオーネ、ラルゴにも追い返される。
「よろしい、では私も連名で」
「おいおい、お前ばかり良い格好はさせんぞ?わしも責任を持つ」
「まあ、私だけで十分ですのに」
「そうやってお前はまた1人で何もかも解決しようとしおって。後からフォローする身にもなってみろ」
「そうじゃそうじゃ、一体何年経てば自重するんじゃ」
「きっと、死ぬまで無理ですわ」
おほほ、とミゼットが笑って後ろの二人が呆れ返ると、思わずヴィータははやての隣でやっぱ普通の――(老人会)と呟きかけて完全に音声が
入る位置だった為、はやてに言う前に悟られ思いっきり耳を引っ張られて、いたいいたいと喚く羽目になった。
そのやりとりに、地上本部通信担当主任もさすがに了解しました、とすごすごと引き下がりこの件は解決を見て、状況を確認する。
強奪現場からの足取りを辿る痕跡も少なく術も乏しく、状況はあまり芳しくなかった。
各地に出現したガジェットも特定のルートを巡回しているだけで、現状実害はなかったが反対に目的が全く読めない。
(これは見つける前に向こうから出てくるやろな……)
あの子達のお世話になるしかないな、と隔離島組の到着を待っていると、先にやってきたのは2人の執務官補佐、シャリオ・フィニーニとティアナ・ランスター。
その後ろには、オペレーターとして連れてきてくれたのかルキノ・リリエの姿もあった。
はやてが真っ先にお礼を言うと、当然ですからと答えられた後、ティアナにちょっと――と外へと促される。
部屋をでて、はやての怪訝そうな表情に彼女は、簡潔に用件を伝えた。
「脱獄時の牢の状況データを確認してきたんですが――誰かが手引きをした可能性があると」
「なんやて……」
「目的も意図もわかりませんが、一応、お伝えしておきたいなと」
「うん、ありがとな」
「いえ」
そして敬礼して彼女が中に戻ると、壁に背をつけてはやては1人、そっと唇に親指を当てた。
(オーリスはんとの説明と食い違うし、どっちが正しいかもわからへんけど……確かにそれも考えれるな。でも、誰が一体、何の為に?)
考えのまとまりきらないうちに、今度はヘリパイロットコンビが輸送隊制服姿でやってきた。
「おりょ?ヴァイス君にアルトやないか?なんでここに?」
「元部隊長殿、ここは我らが職場であります。居て当然であります」
と仏頂面で敬礼した彼のボディに何が居て当然や、とパンチをいれると、にひっと笑った。
「私達もお手伝いさせてください!」
素直にアルトその申し出を受け入れて、中へと促すと一瞬開いた扉の中からは、六課に居た頃のような懐かしい歓声が少しだけ聞こえて
ほんのひとときだけ緊張感を忘れて、あの頃を思い出す。
(あの頃は、全部正しいと思ってやってたんやけどな……何が正しいか、何が正義かってんは、難しいな)
そしてそんな若干の回想に浸っている間に今度は教導隊制服姿のサイドポニーの人が現れた。
その瞬間、はやては正直しもた、と思った。
なんせその左手の薬指には、常用で略式とはいえ真新しい婚約指輪が輝いていたのだから。
「お待たせ、はやてちゃん」
「あ、うん、ありがとな……」
その素直で幸せ一杯の笑顔にうわーこりゃ場違いもいいとこやー、と内心憂慮しながらも一緒に中へと入る。
果たしてその危惧は現実のものとなり、きりっと挨拶をしてくれたのはティアナだけで、即座にその指輪を見つけたアルトとルキノに姦しく絡まれるなのは。
「わー!なのはさん、いいなぁ!」
「いいなぁ……私も買って貰おうかな……」
きゃいきゃいと騒がれて、もはやたしなめる気もなくなったはやてであったが、ついでに一つ聞いて置くことにする。
「あ、そういえばなのはちゃん、今日はヴィヴィオは?」
「あー、えとねー、実はさっきまで一緒にいたの。今はユーノ君のおうち」
「そかあ。あ、もしかしてオフやったん?ごめんな」
「ううんー、みんなに会えたし、平気だよ」
「うん、ありがとな……で、ユーノ君の住んでるとこ、どこやったっけ?」
「すぐ近くだよー、5分ぐらい」
そういっていつも通り微笑んでくれる彼女に心底詫びながら、だがしかし実は本当に大事だったのは今日の彼女の動静ではなかった。
(地上本部から5分か……あれがばら撒かれる可能性があるから、ベルカ領にでもいてくれたらよかったんやけど、仕方ないかな……)
正式に引き取って間もない娘さんの対処ではやてが悩んでいると、今度はフェイトがやってくる。
「なのは、おめでとう」
「ま、まだ早いよフェイトちゃん〜」
「そ、そかな?」
「うんうん」
お祝いを述べてこそいたが、フェイトの表情は案外複雑であった。
「なのはもとうとう結婚かあ。私は嬉しいやら悲しいやら」
「ほ、ほえ?なんで悲しいの?」
「それはあれや、いーきーおーくー」
「わーわー!はやていわないでー!」
「にゃははは」
頭を抱え込んで叫ぶ金髪の人と気楽に笑っているサイドポニーの人を突っつきつつ、うわー、こんな場違いな会話してたら
地上本部のオペレーター陣に冷めた目で見られるがなー、と指揮官らしい心配をしていたのだが、実際は全く異なっていた。
部屋の隅でかわされているひそひそ話はといえば、こんな感じである。
(うっわー、本局3人娘揃い踏みじゃねえか、うっわーすっげー可愛い、俺マジでサイン欲しいんだけど……)
(すっげーよな。フェイト執務官は超美人で超一級のエースだし、って高町教導官結婚するの?!まじで?相手誰?!)
(誰だろな?話からすると無限書庫司書長のユーノ・スクライア氏?)
(うは、すっげーな……武装隊と内勤のエースオブエース同士かよ、どんだけ完璧カップルなんだよ)
(まじ元六課面子ってすげーよな……あんなちっちゃい子達まで可愛いしよぅ……)
(でもあの子達も魔力変換資質とか召喚能力とか激レアスキル持ちなんだろ?)
(そうだよなー、しかもあのランスター執務官補佐?も現物見るの初めてなんだが、すっげー美人だな)
(だよなあ。顔だけで食ってけそうだよな。あれでヘリ隊のヴァイス曹長と同じぐらい射撃できるらしいぜ)
(まじかよ……世の中不公平だよな)
本人は全く全然欠片もそんなこと夢にも思っていないわけであるが、客観というものは面白いものである。
それからしばらくして、ようやくオペレーションルームに緊張感が戻り始めた頃、入り口の扉が開いてやっときたか?とはやては振り向いたが、
そこにいたのはタイプゼロのセカンドの方であった。
入ってくるなり、頭を下げるスバル。
「お、遅くなりました」
「あ、ええよ、気にせんで」
それでも来てくれた事自体が嬉しくてお礼を言おうとしたのだが、相方の怒号にぶっちぎられる。
「スバルおっそい!」
「ご、ごめんティア〜。許可貰うのに時間かかっちゃって」
頭をかきながら、必死に強奪犯の行方を絞ろうと格闘している端末を一緒に覗き込み始める。
そして結局、離島組が到着するのを待たずして事態は急変してしまった。
同日、時刻午後4時8分――地上本部上空に固まって飛来したU型ガジェットの動向を捉えたシャーリーが報告を始めると、全員に緊張が走る。
「ガジェットU型、本部上空に多数飛来!――20、30――ま、まだ増えてます!これは」
(きおったな……)
コンソールに無造作に増えていく赤い点。
シャーリーがカウントを200前後で諦めた直後に、その直下辺りから識別信号のない通信が回線を開くよう求めてきた。
振り返った彼女に対して、はやてが頷きで促すと、行きます――と宣言してからその回線を開くとそこに現れたのは――
J・S事件当時の姿そのままに、丸いメガネと二つのお下げ、そして首元にWとついたバトルスーツと大きく長い白いシルバーケープを纏った、
ドクター譲りの金色の瞳に茶色い髪の人であった。
相変らずの人の神経を逆撫でするような高揚感のある口調で、おもむろにその口が開く。
「はぁ〜い、地上本部と、機動六課――ああもう試用期間は終わってしまいましたから元ですわね、元機動六課のみなさーん、ごきげんよう。
ナンバーズ4番、クアットロで〜す!」
甲高い声の響いたオペレーションルームは、異様な沈黙が支配した。
ほいではまた〜ノシ
GJ!
まだ正月だってのに熱い展開ktkr!!
都築wktkで待ってます
>>161 全く何かあったのかと心配になるぜ…
ところで昨日久しぶりにHYを読んで来たんだが、氏のSSはことごとくエロイな(*'∀')=3
一報だけでも欲しいもんだ
エリオが復讐の鬼になるssが40スレにあった記憶がある
あれの続きが気になります
おれはシナイダさんのお尻フェイトの都築を待ち続けている
あとユーノマニアさんの新作or続編と396氏の魔法少女リリカルなのはA's++も
皆待ちすぎだろwww
ネガフェイの番外編ならこの前、某キャラスレに投下あったよ
ここはいろいろカプ厨おおいから
携帯厨の俺はwikiの更新+リリカルバイオレンスの追加待ち
>>160 まさに今書いてるSSがそれなんだが…(´A';
>>166 クアットロキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
>169
そういえばあったなぁと思って、40スレ見てきたけど、文末には「続く」とか
書いてないんだよね…。もしかしてあれで終わりってことは…ないよな?
スレッドの流れが速いから、ちょっと更新があくと内容忘れてしまう駄目な読み手は俺だけか?
SSは書き捨て上等だが、六ヶ月ぐらい開いてまた続きとか言い出す場合もある・・・
ホント読み手は地獄だぜ・・・
皆さん乙、そしてGJ!
>175
も一つオマケにディ・モールト。
>>178 ノトーリアスBIGならぬノトーリアスなのはを幻視したぜ
あれピンクの光g
180 :
B・A:2008/01/03(木) 14:08:28 ID:CYqgi7PP
今、投下おkですか?
182 :
B・A:2008/01/03(木) 14:26:01 ID:CYqgi7PP
では、投下いきます。
注意事項
・時間軸はA’sエピローグ後、なのは15歳
・エロなし
・デバイス擬人化もの
・主人公は閃光の戦斧
初めは敵同士だった。
彼女は強く、気高く、眩しいくらい真っ直ぐで、主人思いの杖だった。主のために主の命令にすら背く気概の強さは、
ただ服従するしかなかった自分にはないもので、羨ましさすら抱いた。
それがいつからか、変わっていった。
己や主の負担を承知で大威力砲撃を繰り返す彼女が心配だった。
闇の書事件において、彼女が破損の危険があるエクセリオンモードを起動したことに不安を覚えた。
4年前、高町なのはが負傷したと聞いて、最初に思い浮かべたのはレイジングハートの安否であった。
そして、その原因が彼女達の無茶であると知った時は、怒りしか湧いてこなかった。
何故、こんなにも心配をかけるのかと。
どうして、自分を大切にしないのかと。
「まったく、私は本当にデバイスか?」
答えは明白だ。
彼女が自分のことを好いてくれているように、自分もまた、彼女のことが好きなのだ。
それこそ、もうずっと前から。
誰も来ない路地裏で、レイジングハートは一人うな垂れていた。
一緒にいることはできない。
バルディッシュに告げられた事実が重く圧し掛かる。
わかっていた。
この体は仮初で、自分達の心は造り物で、自分達は人間ではなくて。
「それでも・・・・夢見たって良いじゃないですか」
たとえ偽物でも、今ある気持ちに偽りなどないのだから。
ギュッと、着ている服を握りしめる。
今日のために、マスターと一緒に選んだ衣装。
きっと楽しい一日になると、柄にもなく化粧なんかして。
それが全部、あの一言で無駄に終わってしまった。
「私・・・・馬鹿みたいです」
自分一人だけ浮かれて、本当に馬鹿みたいだ。
「甚だ不本意だが・・・・・・・」
聞き覚えのある声に、レイジングハートは身を固める。
たった今、冷たく突き放されたばかりなのに。
今、一番会いたくないはずなのに。
彼女の心を占めるのは、彼が来てくれたという喜びしかなかった。
「先ほどの発言は、私の方に非があるらしい。君に撃ち抜かれたところで文句は言えない大罪だ」
路地の角から現れたバルディッシュが、静かに頭を垂れる。
「すまなかったな、レイジングハート」
最初になんと言って声をかければ良いのか。
何と詫びれば良いのか。
それが問題だった。
悩んだ末に・・・・・本当に不本意だが、悩んだ末に思いついたのが、普段どおりに振舞うことだった。
「すまなかったな、レイジングハート」
胸に小さな衝撃を覚える。
レイジングハートが、胸の中に飛び込んできたのだ。
「レイジング・・・ハート・・・・・?」
これは、あまりに意外だった。
てっきり、自分は嫌われているものだと。
彼女の砲撃で撃ち殺されても構わないと覚悟すら決めて出てきたというのに。
「馬鹿・・・・・私があなたを責めていると思っていたのですか?」
「そう思ったから、こうして謝りに来たのだがな」
腕の中でむせび泣くレイジングハート。
彼女は、こんなにも小さかっただろうか?
こんなにも、弱々しかっただろうか?
戦場での勇ましさなど微塵もない。
今、自分が抱きしめているのは、ただのか弱き少女でしかない。
「本当に、すまなかった」
「そう思うなら、もっと強く抱きしめてください」
「ああ、心得た」
彼女と触れ合っている部分だけが異様な熱を帯びている。
さっきまでの不安などどこにもない。
この腕の中に、確かに彼女がいるという感触が、堪らなく嬉しかった。
(そうか、これが・・・・・)
愛するということか。
「すまない」
「謝って、ばかりですね」
「他に、謝罪の仕方が思いつかない・・・・何を言えば・・・・何をすれば許してもらえるのか・・・・・・」
「私は、もう怒っていませんよ。けれど、もしあなたが自分を許せないのだとしたら、今の気持ちを私に言ってください」
そうだ、何より許せなかったのは、傷ついていく彼女を止めることができなかった、自分自身ではないか。
ただ傷つけ合うことしかできず、共に傷つくことしかできず、傷ついていく彼女を止めようともしなかった。
そんな自分に腹が立っていたのだ。
「私は・・・・お前を失いたくない」
一度口にすれば、後は止めどなく溢れてくる。
この腕の中の感触が何よりも愛おしい。
こんなにも思い焦がれたのは初めてだ。
「お前が傷つく姿など、見たくはない。できることなら、何億年でも共に在りたい。
お前と一緒にいられるなら、二度と使われなくても構わない」
辿り着いた答えは、自己否定だった。
愛する者のために、自分は己すら殺すと。
自分と彼女の間にある隔たりは、道具であるということでも、人ではないということでもなく、
そのことに固執した己自身の浅はかなプライドでしかないのだから。
「あなたは、本当に馬鹿です。そんな・・・・不器用な生き方しかできない・・・・・なんて・・・馬鹿・・・・」
「自分でも、自覚している」
レイジングハートの小さな体を、きつく抱きしめる。
もっと強く、はっきりと、彼女の存在を実感するために。
「私、ちっちゃいですよ」
「構わんさ」
「胸とかないです」
「むしろ、そちらが好みだ」
「バルディッシュって、変態さんですか?」
「そうかもしれないな」
多分、かなり前から自分は壊れてしまったのだろう。
悩んだり、迷ったり、自己否定、愛の告白。
まるで、本当の人間のように。
レイジングハートという少女に、狂わされたのかもしれない。
「約束してください」
胸に顔を埋めながら、レイジングハートは言う。
「どんなことがあっても、私のそばにいてください」
それは、決して叶わない願い。
いつかは覚めてしまう儚い夢。
それでも、それに対する答えは一つしかなかった。
「約束しよう。例えどんな形になっても、私は君のそばにいる」
あの映画の恋人達のように。
何があっても、最後まで一緒にいよう。
この小さな少女を、全力で守り抜こう。
「デート・・・やり直しましょう」
「そうだな」
できるだけ、ゆっくりと街を回ることにした。
少しでも長く、一緒にいられるように。
せめて、今だけでも一緒にいられるように。
「ほら、バルディッシュ。あの服はあなたに似合うと思いませんか?」
「そうか、格好つけすぎな気もするが・・・・・」
「良いから、着てみてください」
「わかったわかった。こら、試着室の中までついてくるな!」
「わぁ、奇麗な服ですねぇ」
「そうだな」
「試着したいです」
「サイズが合わないだろう」
「バルディッシュ、いじわるです」
「はい、あーんしてください」
「待て、いくらなんでもこれは・・・・」
「あーん」
「・・・・・・・・・・・」
「あーん」
「・・・・あーん」
「バルディッシュバルディッシュ、猫さんです」
「そうだな」
「可愛いですねぇ・・・・」
『にゃぁあ』
「きゃぁっ、私はお人形じゃありません、放してください!」
「うぇぇぇん」
「あら坊や、どうして泣いているのんですか?」
「・・風船が、飛んでいっちゃったの」
「あれか、木に引っかかっているな」
「私が取ってきます。坊やは待っていてくださいね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「うぇぇん、バルディッシュ・・・・・・」
「どうした?」
「枝に引っかかりました」
楽しい時間は、本当にあっという間で。
終わってしまえば儚いもので。
それでも、この胸に確かにあるのは、紛れもない本物の思いで。
けれど、帰還した2人を待っていたのは、幸せの終わり。
「おかえり、レイジングハート、バルディッシュ」
出迎えてくれたクロノ・ハラオウンが、言いにくそうに口を瞑る。
「非常に、言いにくいことなんだが・・・・・・・」
現実とは、どうしてもこうも残酷なのだろう。
「君達を元に戻す方法が見つかった。希望すれば、明日にでも措置を施すことはできる」
本当に呆気なく、夢は覚めてしまった。
to be continued
189 :
B・A:2008/01/03(木) 14:40:19 ID:CYqgi7PP
以上です。
「バルくん、愛に目覚める」、「レイハさん、恋の制圧射撃開始」
セリフのみのところが書いていて一番楽しかった。
次回で、このSSも完結となります。
>>189 GJ!!面白かったです。
とうとうバルが本当のことを言いましたね。
かっこいいですバルディッシュ。
どなたか
フェイエリ分を下さい
エリフェイでもかまいません
エロなしでもいいので…
>>189 GJ!
最後で切なくなった・・・
できればレイハとバルには幸せになって欲しいなぁ
保管庫のSS。この人のこの話は読んどけ、ってのはある?
作品の傾向とかCPとか指定してもらえんと、薦めようがない。
万人に受け入れられるSSってのは存在しないだろうし。あくまで個人の主観がものを言うからな。
>>193 ……保管庫だけでも33スレ分あるんだぜ?急に言われても、困る。
題名だけで内容思い出せて、かつスレ住人の反響があり、かつ自分も
好きなものを独断と偏見であげておく。あと、引退してるけど640氏のも定評がある。
「フェイトのお見合いの話」(わさび氏)
「ヴィータ陵辱」(ターンA氏)
「white mother」
悪い、自分の好みのところはもう粗方読んだんで、嗜好をさっ引いてそれ以外のSSについて聞きたかったんだ
全部読むつもりで行ってくる
>195
thx 読んでみる
eraでNo'sと既存キャラとの相性ってあった方が良いですか?
TやUの人はどうしようかと思いまして
本編での関係から逸脱しない範囲ならあっても大丈夫かと
>>193 エロなし戦闘モノでいいなら「幕間劇15話」はガチだと思う俺ガイル
>>197 ドクターがフェイとそんと一方通行で相性よさそうな気がしたw
今年は4の422氏の「もう一人の私へ」の続きが読みたいものだ。
タイトル「ヴィータ陵辱」で感動したオレがここにいる
>>202 清清しいほどど真ん中ストレートなタイトルだよなw
タイトルは覚えやすく、分かりやすく、そしてインパクトがあることが大事だ
昔、目を通したSSを書こうというサイトでは
ローマ字のタイトルの使いすぎは良くないと言ってたのを思い出した
ども、もはや久々過ぎて恐縮ですが
エリオ隊長の続き投下させて頂きます
・エロ無し
・ティアナメイン
・未来話でオリ要素あります
・前後編の予定です
幻影の射手@
プロローグ
―強敵 ―いや格上だった
『―ザッ…そっち行きました!止めてくださいティアナさん!、ぁ…いえ無理はしないで今は時間稼ぐだけでも―』
あの子も新人だからかな、緊張してる、そしてあたしも…
コクン、ひとつ唾を飲み込んで両手に握ったクロスミラージュを額に当てた―集中
『お願いしますー、ランスター捜査官!』
了―解!
叫びながらティアナは勢いを付けて開発外区の廃墟の影から飛び出した
白いマントが翻る2丁のデバイスを構えた、彼方に朽ちかけたハイウェイを滑るように疾走してくる黒い影が見えた
あちらもこちらに気が付いたようだ、その口元が僅かに微笑む形になるのが見えた、―気がした
(余裕―ってワケ?)
自分と相手の世間的な評価を思い、少し自嘲気味に小さく笑った
事件の全貌は完全には知らない
いったい何が原因で、どんな始まりだったのか、突発的に召集された
高い戦闘能力を有する戦闘機人が1体、高速で地上本部に接近中
ランスター執務官は地上部隊に協力して直ちに現場に阻止に向かわれたし
尚目標は司令部によりR型と指定された十分に注意との事
戦闘機人R型、Rはレア、RED(危険)のR
全体の機人の5%にも満たない様々な理由から指定される彼女ら(この時から現在まで男性の機人は確認されていない)
は通常、執務官クラスでも最低二人以上で対処する事が原則とされている
(なんて事言っても、今は独りしか居ないんだからしょーがないでしょ、現場なんていつもそんなもんよ!)
罪無きマニュアル作成者に内心愚痴を吐きながらティアナはCミラージュのグリップを握り締め、目標の進行上に立ちふさがった
「止まりなさい!こちらは時空管理局です。今すぐ抵抗をやめて武装を解除!抵抗すれば― 」
大声で警告を発するティアナを完全に無視して、疾走する細い影がビルの影を脱して飛び出してきた
クセの無い日本人形を想わせる艶やかな黒髪をなびかせていた
その戦闘機人の口元、桜色の小さな唇が囁き、足元に輝くベルカ式の魔法陣が浮かび上がった
(魔法ー陣!?、戦闘機人が?)
「くっ」
驚くのも考えるのも、とりあえず後回しにして、ティアナはとっさに準備していた非殺傷設定のデバイスを対物理に切り替えた
あれが―あれが対防御魔法ならこれでいけるはず、私の非殺傷では多分、到底あれには―
―そこで光弾が2つ、3つ放たれた
(でも、これなら最低、減速させることぐらいできるはずー)
その攻撃は予想以上に強固な紫のシールドに弾かれた、その光景に苦い表情を上げるとティアナは相手の実力を楽観的に
考える事を完全に放棄した、あれはオマケの能力の類では無いらしい
(戦闘機人で魔導師のハイブリッドなの?新型―)
思考は中断され、急速に両者の距離は縮まり既に表情がお互いに見える距離になっていた
ティアナは両手のデバイスに命じて近接戦闘モードに移行させた
短い簡潔な相棒の返答の後ブレード状に変化したCミラージュを緊張した面持ちで眼前に交差させた
相手の表情が、余裕有り気なのが気に喰わなかった
「舐める…んじゃないわよ!」
激しい衝撃と共に交差したガードで相手のストレートパンチを受けた
一瞬至近で睨み合う、相手の目は黒のアイガードで見えない、白い肌
スピードに乗った上戦闘機人のパワーのその一撃は細いその外見からからは想像もできないくらい重い
が、ティアナはそのパワーを巧みな体術で受け流していた
すれ違う時相手の口元が初めて少し驚いた形に開くのが見えた―
(ざまぁみなさい!)
フラッシュバックみたいに昔の訓練の記憶が脳裏を駆け巡っていた
『忘れるんじゃねーぞティアナ』ハンマー型デバイスを担いだ小さな上司の姿
当然ーこれは6課でヴィータさん達から散々教え込まれた、その後自分でも研鑽を積んだ、サボった事など一度も無い
倒れこみながらも体を斜めに反らせ即座に後方に向け照準を合わせた
(体が覚えている!)
倒れこんだその時には完全にシューティングの体勢になっていた
バランスを崩し転倒しそうになる体を立て直そうとしている背中―防御魔法も間に合わない
(もらったあ!)
「クロスミラージュ!カートリッジロード!」
『yes sir!』
薬莢が跳ね、最大パワーのクロスファイアーが放たれた
錐揉み状の複数の光の渦、非力なティアナの最大の決め技、それが
前につんのめりそうになった黒髪の機人に迫りった、勝利を確信した、こちらを見た、その顔が―笑った?
「…管理局にも、まだ貴方みたいな方が居るものですね」
次の瞬間その声はティアナの耳元で囁かれた、弾かれたように顔を上げた
(嘘!?この距離を)
後の戦闘をティアナは思い出す
とっさに距離をとった
ティアナは、囮にフェイクシルエット作りー
次々に繰り出される幻影は、また次々に掻き消され、それでも再び安全圏まで逃れた
―とティアナは思った
再度最大攻撃の為距離を確保して、もう一度構えたところで―後頭部に重い衝撃を感じた
視界が上から下に落ち暗転した
耳の端にクロスミラージュが保護魔法陣を展開する音声が響き、ティアナの記憶はそこで終っていた
敗北―いや任務失敗、時間稼ぎにもならなかった
次に目を覚ましたのは事件処理の喧騒の中、白い担架の上だった
事件の顛末
結局彼女は本部前で、たまたま当日登庁していた、空元帥なのはさん一行と戦闘になり
からくもなのはさんの強力なバインドにより捕らえた、当然なのはさんのお付の空士の人達も共に闘ったのだが
強力な魔力に加え空間跳躍能力を備えた戦闘機人に―結局なのはさん以外は皆やられたそうだ、だから―
「気にする事ないですよ、あの人達だってエリートの…Aクラス揃いの人達なんですから
それが全滅、ティアナ捜査官だって今回は独りきり、仕方無いですよ…」
(私くらいなら二人三人居ても仕方無かったのか…私程度じゃ仕方ない結果なの、かな…)
苦笑して額の冷えたタオルを取った救急隊の担架から上半身を起き上がらせ、上の空でオペレーターの娘の声を聞いていた
コーヒーを受け取りティアナはまだ霞がかっている頭を一つ振り、曖昧に頷いていた
その時救急車の薄い壁の向こうを通りすぎる陸士達の会話が小さく聞こえてきた
「…でもさ、ほら、やっぱ執務官て言ったって…実力はピンキリなんだよなぁ」
「今回はやばかったよなぁ…、伝説のあれ、…えぇっとホラ、なんてったっけ閃光の
―なのはさんと同期だったあの人…」
「ん?…あぁ、フェイト執務官だろ?あの人も凄かったらしいからな…ま俺らの入る前の話だし
…確かにあの人が居ればもうちょっと早く解決したかもな…」
「優秀な人ほど早く居なくなっちまうもんだな」
「…その上、とびきり美人だったらしいぜ、美人薄命ってやつだな」
「まー凡人は凡人なりに頑張ったよなぁ、あの新人執務官どのも俺たちも?」
「どうせなら助っ人はもっと頼りになる人にして欲しかったけどなぁ」
「…人材不足なのさ、うちはいつでもな」
他の執務官、空士知り合いの名、ヴェロッサ、クロノ提督…それにエリオ達の名が続々に挙がった
挙げられるのは全て第一級の人達の名だった
エリオも今や地上戦力ではパワースピード共に最高クラスと謳われる人物の一人だ
突破力だけならなのはさん、あるいは閃光の名を継ぐ者と呼び声も高い
談笑する声が遠ざかって行った
「あ、あの…」
いつの間にか俯いたまま空になったコーヒーの紙のカップを握り締めていた、私は凡人か…
「あ、うぅん…いや、いいの…私なら大丈夫だから、…大丈夫…」
あたしはここでもその他大勢の一人なんだろうか、
少し…独りにしてもらえますか?心配そうな表情で佇む娘の視線を頭上に感じた
俯いたままようやくそれだけ言った
ティアナは震える拳を握り締めていた片方の手は細い肩を抱いていた
熱い涙がこぼれそうになるのを必死で我慢していた
あたしは…あたしはまた…
「だめだ…こんなんじゃダメだ…もっと…もっと強く……」
一瞬愛する人のエリオの笑顔が浮かんで頭を振った
ううん―違う
エリオはきっと優しく包んでくれるだろう―でも
違う―私が強くならなくちゃ
もう少女の頃じゃないのだから―
―誰にも頼るわけにはいかない
自分の力であの人達の隣に並ばなくっちゃ…
昔―はやて6課部隊長に言われた事がある
「あれー?私はティアナも天才やと思うけどなー?」
あからさまに疑いの目で見つめる自分にあの人は笑いそうな顔で両手を広げて見せた
「天才ってのはねティアナ…世間の言う脳や体の能力やないと思うんよ―天才って言うのは
―心の形なんやと私は思う」
ちょい臭かったかな?
アハハと笑う上司の顔
そりゃ貴方は疑う事無く天才だから…
当時はそう思っただけだった
天井を見つめた
「心の形……か」
幻影の射手A
数年後―
夜明けまではまだ遠かった
ミッドチルダ中央から遠く離れた森林―国境地帯
都会とは違い澄み切った空気の下
星明は充分眼下の視界の明るさを保障してくれていた
どこまでも続くかのようなジャングルを見下ろす断崖上、一人の影が静かに佇んでいた
熱帯とはいえ、それでも夜の冷気は肌に冷たい、しかしその人物は意に介した様子もなかった
防寒装備の為だけでは無い、それは確かな自信、執務官のマントが翻る
すらりとしたそのシルエットの口元が小さく開いた、手元のデバイスから雑音交じりの交信が聞こえてくる
うん…
えぇ…
了解…解ったわ
一言二言
交信を閉じた
この地帯は両政治体制の緩衝地帯ではあるが、実質はすでに戦闘的な敵陣勢力の中と同じだった
長い通信は不必要な危険だった、これ以上避けたかった
「OKありがとう、…それじゃこっちは始めるわ」
『お気をつけて』
オペレーターに礼と言い、小さな電子音と共に交信を閉じた
白いマントが夜の闇に翻る
軽く後ろ髪をすくった、暗視ゴーグルを下ろした
オレンジのツインテールが風になびき、微笑したその姿が次の瞬間断崖に消えた
影は高速で落下しながら手元のデバイスに囁きかけた、高速での落下中でもその声は平静そのものだった
「…執務官ティアナ・ランスター作戦開始…クロスミラージュ、記録よろしくね」
ティアナが小さく微笑んだ、改良に改良を重ねた愛用のデバイス、ある人を除きティアナの最も信頼する
これで任務終了までは彼女だけがこの任務の同行者だ
断崖の中央付近で一瞬輝きが起こり
BJの発展系…彼女のかつての6課時代のデザインのものに…今回は夜気を防ぐために防寒使用
を加えやや黒みがかった姿が浮かび上がった
「行動開…いくわよクロスミラージュ…」
『yes sir my master』
ティアナは小さく術式を起動した
足元にミッドチルダの魔方陣が出現しその落下速度に空中で急激に制動がかかった、
地上のジャングルの密集にその体が接触する直前その姿は完全に消えていた
「…隊長、報告が」
「ああ…ー今聞いたよ」
ウーノとの通信画面を閉じるとコキコキと首を鳴らした赤いショートヘアが揺れた
隊長と呼ばれた少女は軽く手首を振った、その右手にはジェットナックルと呼ばれる固有装備がついている
中央の大きな画面を見る、崖から飛び降りるティアナの姿が遠距離撮影で写っていた
「申し訳ありません…未だ確認できた映像は無人監視のこれだけでして…」
「ふん…、被害は?」
「現在のところ3名…いずれも気絶させられた上拘束されていました…相手の姿は視認できていません」
金色の目が画面を見つめ、部下の報告を気の無さそうに聞いていた、不意打ちならしょうがねーか…
「隊長?」
普段はどちらかと言うと不機嫌な事が多い上司だった、癇癪も多い、そもそもあまり喋らない、それが…
くっくっく
ふいに口元を歪めると愉快そうに笑っていた
「いいんだよ、あれはあたしの昔の知り合いだよ…いやいや、いいじゃねーか
楽しい夜になってきたよ、なぁ…おい?」
そう言われ表情に乏しい顔でやや当惑する銀の髪の部下を尻目に
ノーヴェは静止画面のティアナの姿を凝視した、ブツブツと呟く
「…あん時の借りを返してやるぜ、今度は全然油断なんかしねー、オットー達の仇を討ってやる…」
金の瞳が危険な表情を作り上げていた
主の感情に呼応するように、脚のジェットエッジがゆるやかに唸りを上げ回転を始めた
トントンとブーツの先で床を叩きその回転を確かめ止めた、高速回転させたものをまた緩やかに止める
「落ち着け…落ち着けって…昔のあたしのままだと思うなよ…ああ…ぶっ壊してやるさ
ウーノ姉にも言われてるし…殺さない程度にな…そん次はあのハチマキ……」
部屋の照明にかざした右手のガンナックルを握り感触を確かめた
破壊力はあの頃の3倍には達しているだろう
(まぁ、うまく手加減できればだけどな…なにせ連中の体は貧弱だ軽くしただけでも…)
くっく…ノーヴェは拳を握った、満足げに頷く
「…今すぐ隊を召集しろ、ノーヴェ分隊出るぞ」
「ハッ!」
その声を後ろに聞きながら、ノーヴェは画面に低く語りかけていた、かつて姉妹三人で「あんなのに」一人にやられた
屈辱だった、だが納得はしていなかった、、まぐれとは言わないだがあんな方法は二度と通用しない
「あん時は三人だったな…、今度はガジェット大型他、分隊9人全て戦闘機人だ不足はないだろ執務官様?」
(…もっとも今のあたしなら一人でも十分だろうけどな)
不敵に笑うとノーヴェは戦闘用ジャケットを羽織った
行方の知れない姉、チンクのシェルコートと同様の能力を有する装備だった、装備のバージョンも上がらず
今頃どうしているだろうか
チンク姉の事はずっと心配だったノーヴェだったが最近ウーノ姉が何か所在を?んだらしい、生きているなら充分だ
すぐにまた最強の姿になってくれるだろう
(チンク姉早く戻ってくればいいな…そうすれば…)
少しだけ表情が少女らしい優しげなものになる、ノーヴェは無意識に腕をさすった
ふいにノーヴェの姿が眼前から消え狼狽した部下の少女は左右を辺りを見回した
「おいどこ見てんだ?行くぞ」
部下の戦闘機人の少女が視線を巡らせるとと隊長は画面の前からドアの前におよそ10Mを瞬時に移動していた
IS…ライドインパルス、ノーヴェは小さく呟いた
(あれから…どれだけあたし達がバージョンアップしたのか…見せてやるぜ人間め)
ノーヴェは笑った、たかが知れている、自分達は無限に強くなる、最終的に負けるわけがない
ドアを開け放った、終結してきた部下の機人達の無機質な表情の列が迎える
自分には及ばないまでも、かつてのナンバーズをも凌駕する者達―十分過ぎる戦力だ
「さぁ…行くぜ」
破壊する突撃者は今や統率する者になり
分身達を従えて夜の冷気の中へ踏み出して行った
エリオ隊長のその後
幻影の射手 前編
終わり
後編へ続く
おしまいです、後半はなるべく早く上げたいと思います
あ、申し上げにくいんですが…保存庫管理の方 ヴィータ陵辱なんですが、『闇の中のヴィータ』
にタイトル変更して頂けないでしょうか?どうにも落ち着かなくて、いや看板に微妙に偽りがゲフゲフ…無理ならいいですけど
この話はとりあえず トーレ、オットー、セッテ、フェイトさんは死亡しています、残りは不明ですが
クアットロもキャラが強すぎて扱いにくいので多分死んでますね、きっと(お
なのレンジャーも本人は気にしてたんですが、覚えていてくれた人がいてくれて感激です
スカリエッティのキャラどうしようか迷ってたんですがバカエッティでいいですねぇ
書く書く詐欺にならないようにちまちまと書いていきたいと思います、ではではまた
ターンA少佐がソロモンに帰ってきました
そして心からのGJ
GJ!
で、ちょっと言わせて貰うならば
「○○は死亡」というのは最初に書いた方がいいんじゃないかと。
全員が以前の話から読んでるわけじゃないと思うし。
>>215 確かに配慮不足でした、次から気をつけます
ありがとうございます
>>213 あえて言おう!GJであると!
待ちに待ったエリオ隊長の続きが!
このまま一気にリクオーのまで書いてくれー!
おはようございます〜。タイトル?わかりにくく、覚えにくく、インパクトがなくてローマ字多用……
ネーミングセンス皆無なんだぜ、もう諦めてるんだぜふーははははー⊂´⌒つ。Д。)つ
>167 ままままままだあわわわてるようなじかんじゃななななn(ry
まだクア姉と妹達の絡みがw
ターンA少佐ktkrなんだぜ。ここは自分には書けないものを書く人がいっぱいいて楽しいんだぜ
(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第43回・クアットロ再び(2)][当分非エロ][多分シリアス]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます
今日は……悪役なクア姉が許せない、って方はスルーで
では、朝刊〜
容赦なく要求が続く。
「さって〜ん。ご存知かとは思いますが、先程こっそーり地上のお馬鹿さん達からある物を頂戴致しました。
まあ、ゴミなんですけど。だけどゴミはゴミでも数百万人が殺せる素敵なゴミ〜♪なんて素敵なのかしら!うっふふ〜のふ〜。
そしてその開封スイッチがこ・ち・ら」
赤いボタンのついたペンシル状の金属を取り出すと、見せ付けるように持ち上げる。
「勿論、もうすでに封印解除済み。あとはこのボタンを――ぴこ、と押せば、うふふふふ、お分かりいただけますかしらぁ?」
「最悪やこいつ――!」
思わず画面のこちら側で思わず呟いたはやてに、部屋の面々も全員違わず同じ感情を抱いたのは言うまでもない。
さらに――
「ほいでは、ぽちっとな」
かちっ、と何の躊躇いもなくボタンが押されて、オペレーションルームにいた全員は例外なくびくっ、としたが何も起こらなかった。
ただし指はしっかと押し付けられたまま、離れていなかったが。
「と、押しただけでは爆発はしなかったり。おーほっほっほ。指が離れたら知りませんけどぉ?」
画面を見ていた人々は、はぁ、と大きなため息をつく。
「ほんま最悪やな。誰や、こんな悪趣味なもん産み出した奴は」
勿論それはドクター・ジェイル・スカリエッティなのであるが、今はそれは重要な事柄ではない。
「さって〜ん、それではこちらの条件を提示させて頂きます。もうおわかりですね?
拘留されているドクター・ジェイル・スカリエッティと、私の姉と妹を開放してくださいな。
あぁ、裏切っちゃったあの子達はいりませんけどぉ。それを2時間以内によ・ろ・し・くお願いしますぅ〜」
(2時間って、そんな無茶な――)
未だ対応の決定すらしていない上層部にもしかけあうとしても、はっきりいって現実的な時間の尺ではない。
隣に立っていたフェイトも青ざめた顔で同様の考えを漏らした。
「考える時間を与えないで、混乱させる気だね――というか現状が既にそうなんだけど」
「せやな。上もひどいことなってるやろうし、どないしよか……」
反対側の隣に立ってじーっと画面を見つめているなのはには、正直クアットロが何故こんな事をするのかが理解できなかった。
「それから、下手な真似はお勧め致しません。その場合即座に爆破させて頂きますから。
――あ、ちなみに私は持っておりませんのであしからず。ノーヒントでは可哀想ですから、一応お教えして差し上げますが
上に飛んでるU型のどれかに入ってるかもしれません。それでは、開放をお待ちしておりますぅ〜。以上、クアットロでしたぁ〜」
一方的に切られる通信。
代わりに、メインスクリーンにはサーチャーから転送されてきた不敵な笑みを浮かべたままの、スイッチを持った彼女の姿が映し出される。
本局で中継を聞いていたクロノがはやての目の前に開いていた小さな画面に現れる。
「どうする、はやて。本気で上にかけあうとしても、2時間は短すぎる」
「せやな。どないしよか、とはいっても上がどっちにしろあんな条件飲むとはおもえへんのやけど」
「そうだな。おそらく現場でなんとかしろ、という結論になるだろう――2時間ではそれすら決まらんだろうが」
「わかった。じゃあうちが全責任を持つって事でいいんかな」
「いいのか、それで。もし失敗したら進退も勿論だが、命の危険すらあるんだぞ」
「当然、覚悟の上や」
はっきりと答えられて、一瞬返す言葉を無くしたが相変らずの強情ぶりに小さい吐息と共に諦める。
「わかったよ。はやてに任せる」
「うん、まかしときー」
「ではな。こちらは一応、上に話を伝えてくる」
「うん、よろしく」
閉じられる画面。
沈黙の残った部屋で、フェイトが真っ先に口を開く。
「どうしよう、はやて。やっぱり爆弾を見つけるしかないのかな」
「せやな。なんとか場所を特定して、強制転送しかないやろ。ただな」
「ただ?」
はやてが言葉を続けようとしたとき、扉が開き精密技術官マリエル・アテンザとギンガ・ナカジマ、そして相変らずの黒シャツ軍団が現れた。
その中でも腹部の横に白字の\がついた、クアットロと同じ色の金色の瞳に赤い髪、ノーヴェが真っ先に画面に向かって叫ぶ。
「クア姉!」
腕に]Uの文字がついたディードも、もう一度その名前を呼ばずにはいられなかった。
「クアットロお姉様……」
チンクもそれに倣ってから、はやてに話を振る。
「クアットロ……八神殿、大体話は伺ったのだが、ひとついいか」
「ん」
「不要な言かもしれぬが、クアットロは何百万人死のうが何億人死のうが、平気でスイッチを押すぞ」
「うん、それはわかってる――。それはあの事件で嫌というほど思い知ったしな」
「うむ。それならばいいのだが」
「で、まあ大体話は聞いてると思うんやけど、説得してもらいたいんや」
周りにたむろっている、セイン、オットー、ディード、ウェンディ、ディエチは黙ってそれに耳を傾ける。
「全員にお願いしたいところやけど、場所が場所やし、飛べるんはだれやっけ?」
眼帯の背の低い少女、チンクが左右に首を振りながら考えてきた人選を提示した。
「オットー、ディードは問題ない。私とディエチは無理だが、ノーヴェとウェンディは武装があればいける」
「ふむ。マリー、どうや?」
緑色のショートカットに丸い眼鏡の白衣の人は、マッハキャリバー、ブリッツキャリバーと同型の赤い角ばった宝石の姿になったノーヴェの武装と、
ウェンディのボードが格納された白いカードと、ディードのツインブレイズの二つの筒を両の手の平に乗せて差し出した。
「動作確認も調整も済んでますし、訓練でも使ってます。ですが、許可は」
言われるまでもなくわかっていることであるが、当然許可を待っている暇はない。
まだ研修中かつ姉妹同士の説得となれば、通常で考えれば土台無理な話である。――だが
立ち上がったはやては、ノーヴェとそれからウェンディ、ディードの正面に立ってじっと見据える。
「許可もないし、うまくいかへんかったら事後承諾もあったもんやない、せやけどな」
茶色いロングストレートに赤いカチューシャの少女、ナンバーズの末っ子、ディードの真っ直ぐとした瞳には、姉を助けたい、
という意思がはっきりと見て取れて、はやてはそれに賭ける事にした。
「うちは、信じてる。必ず連れて帰ってきてくれるって。お願いしてええかな?」
真っ先に答える茶色い瞳の]U番の末っ子。
「はい!」
ウェンディ、ノーヴェも続ける。
「任せてくださいっす!」
「絶対連れて帰ってきてやるぜ!」
「うん、わかった。頼むな。で、必要ないかもわからへんけど、クアットロがスイッチを持ってる爆弾――正確には違うんやけど、それの説明をしとくな。マリー」
「はい」
「みんなも聞いといてなー」
マリエルがコンソールを空中に開くと、一時的にクアットロから某物質の説明画面に切り替わった。
淡々と説明が始まる。
「高性能デバイスを生成する為に必要な金属を精製する際、発生する副産物――正式名称ニタヴェリール、という物質が彼女が今回強奪した物質です。
圧縮された空間に高濃度で格納されており、もしあの上空で封を切られた場合、数十キロ範囲、円盤状に拡散し、生物の魔力、リンカーコアに引かれて
――この場合、ミッドチルダ地上に住んでいる我々に向かって、ゆっくりと降下を始めるものと思われます」
フェイトがいくつか質問を投げかける。
「あの高さだとしたらどの位?」
「実験例も実証例もありませんが、10分から15分といったところでしょうか」
「10分から15分?正確な時間はわからないのかな。あと数十キロ範囲っていうのも大雑把過ぎだよ」
「そのへんは大体でしかわからないんです。なんせ産業廃棄物――平たく言えばゴミですから。
圧縮空間に害がないように放り込んでいただけなので、正確なデータがわからないんです」
「なるほど……」
質問に答えてから、さらに重要な性質が告げられる。
「この物質がミッドチルダ上空に展開された場合――これが一番厄介な性質かもしれませんが、リンカーコア以外全ての物体を透過します。
そして、リンカーコアと接触した場合、勝手に構成を書き換え人体に悪影響を及ぼします。
80年分ですから、魔力量の小さい方でもほぼ即死でしょうね……」
「大きいともっと危険?」
なのはの問に、はやてが答えた。
「うん。魔力量の多いリンカーコアを持っている子――この部屋の中やと、なのはちゃん、フェイトちゃん、キャロ辺りはほんま気をつけなあかんで。
側に寄っただけで多分気分悪くなると思うし、触れようもんなら一瞬で倒れてそのままぽっくりや」
「う、うん、わかった……」
「……わかりました」
名前を出されて怯えるようにキャロがフェイトの服を掴む。
マリーが説明を続ける。
「97番世界的にいえば致死性のニュートリノのようなものと考えていただければ。それからもうひとつ」
ミッドチルダの地図に画面が変わり、散布されたと仮定した場合の赤い円が描かれる。
その淵がぎりぎりベルカ自治領に届くか届かないか、といった具合であった。
「この図は最大の範囲に広がった場合で仮定しています。でこの円にさらに10km範囲を加えます」
赤い円のさらに外側に青い淵が付け加えられる。
「このニタヴェリールの存在する半径10km内の空間では、ミッドチルダ式、ベルカ式問わず座標指定魔法の術式に干渉され、事実上発動ができません」
素直に意味がわからなかったなのはが、簡単な説明を求める。
「つまり、どういうこと?」
それに答えるはやて。
「簡単にいえば、もしあれがばら撒かれたら――転送魔法が一切使えんくなるっちゅうことや」
オペレーティングルームの中の空気が一瞬で凍りつく。
ほいではまた月曜に〜ノシ
>>213 GJ!!どうなるのか都築が気になる。
>>223 GJです。とうとうナンバーズ同士の戦いになってしまうのですね。
自分も今日深夜あたりに投下します。
以前から魔力を持たない人間が魔導師と戦闘になった場合
どうなるのか気になっていたので。
>>223 GJです。
>>今日は……悪役なクア姉が許せない、って方はスルーで
これが何故か笑えましたw
許せないも何も、いつも通りのクアじゃないですかw
227 :
B・A:2008/01/04(金) 10:21:50 ID:McJtzEmh
>223
GJです。
悪役じゃないクア・・・・イメージできない。
僕も投下させて頂きます。
注意事項
・時間軸はA’sエピローグ後、なのは15歳
・エロなし
・デバイス擬人化もの
・主人公は閃光の戦斧
・あと、擬人化レイハさんの身長は30p
それは、転送ゲートをくぐる前のこと。
「今日は、楽しかったですね」
「そうだな」
「また、一緒に遊べると良いですね」
「そうだな」
「バルディッシュ、そればっかりです」
「ただ同意しただけだ。それに・・・・・・・」
不意に、バルディッシュはレイジングハートを抱きしめる。
「思いなど、こちらの方が伝わりやすい」
「はふぅ・・・・・」
臆面もなく言ってのけるバルディッシュに、レイジングハートは赤くなる。
「卑怯です」
「そうだな、閃光の戦斧にあるまじき所業だ」
「けど、許してあげます」
そして、2人の時間は終わった。
海鳴に戻った2人を待っていたのは、気まずそうなクロノ・ハラオウンの言葉だった。
「君達を元に戻す方法が見つかった。希望すれば、明日にでも措置を施すことはできる」
自宅マンションの屋上。
夜風にあたりながら、バルディッシュは一人で月を見上げていた。
『希望すれば、明日にでも措置を施すことはできる』
クロノ・ハラオウンの言葉は、的確であるが故に暴力じみた力を持っていた。
確かに、この体は不憫ではある。
元々が道具であるバルディッシュにとって、人間の五感は些か敏感すぎる。マスターが危機に陥っても、
すぐに駆けつけることができないのは彼の使命に反する。昨日までの自分なら、何の未練も抱くことなく
元に戻ることを希望していただろう。
「・・・・なんて、戯言」
もしくは喜劇か。少なくとも、悲劇ではない。
レイジングハートと・・・・・愛おしい彼女と、ずっと一緒にいると誓いあったばかりだというのに。
「本当に、世界はこんなはずじゃなかったことばかりだ・・・か」
クロノ・ハラオウンの言葉は、本当にいつも的確だ。今回ばかりは、若干の怒りと嘆きが伴うが。
ただ、それでもこの体に固執するつもりは、彼にはなかった。それはきっと、彼女も同じだろう。
「お一人ですか、バルディッシュ?」
「レイジングハートか。良いのか、家を抜け出したりして」
「あなたにも言えたことでしょう」
「この建物全体を指して、私の家と言うのだよ」
かつての自分では考えもしなかった冗談を口にする。レイジングハートは「大人気ないですね」と呟きながら、
彼の膝の上にチョコンと座った。
「子どもっぽいぞ」
「構いません。今日は特別です」
「なら、好きなだけそうしていろ」
言いたいことはたくさんあったはずなのに、ただこうしてくっついているだけでどうでもよくなってしまう。
時々レイジングハートが口ずさむ歌に耳を傾けながら、バルディッシュは無言で彼女の髪を撫でた。
こうしていると、恋人というよりも兄妹だなとバルディッシュは思った。いや、自分の方が年下だから、姉弟か。
「バルディッシュ」
不意にレイジングハートは歌うのを止め、こちらに向き直る。
「元に戻ることですが・・・・・」
「奇遇だな。私も、そのことについて話したかった」
先延ばしにしても、いずれは答えを出さねばならない。
何より、既に心に決めたことを、いつまでも誤魔化すことなどできはしない。
「あんな風に告白されて・・・・その、とても嬉しいのですけど・・・・けれど・・・・・・」
「明日、元に戻ると言うのだろう」
「はい・・・・・・え?」
意表をつかれ、目を丸くするレイジングハートの顔は見ていてとても可愛らしかった。
これもまた、普段の彼女から想像もできない一面だ。今日一日で、彼女の色々な面を垣間見ることができた。
思い出にするには少々眩しすぎるが、いつか離れ離れになる代償としては申し分ない。
「わかるさ。私も同じことを考えていた」
この身はデバイス。主を守る盾であり、主の意思を貫く槍であり、主を支える杖だ。こんな風に体を得て動き回ることが、
そもそも間違いなのだ。どんなデバイスだって、きっと最後はこう考えるだろう。けれど、それとは別に、
バルディッシュには心に決めたことがあった。
「それでも・・・・・この身が元の杖に戻ったとしても、私がお前を愛する気持ちに変わりはない。誓おう、何があろうと、
全力でお前を守る」
例えどんな形になっても、私は君のそばにいる。その誓いは守れそうにないけれど、せめて心だけは、
思いだけはずっとそばにいさせよう。
挫けそうになった時、心が折れそうになった時、今日という日を思い浮かべ、明日への礎としよう。
そっと、2人は互いの唇を重ねる。
不器用でへたくそなキス。
もう二度と、こうして交わる日もないのだろう。そう思うと、離れるのが惜しかった。
先に動いたのは、レイジングハートだった。バルディッシュの胸を押し、自分の体を遠ざける。
「私の・・・・ファーストキスです」
「ああ・・・・・・私もだ」
夢は、ここで終わり。
2人は、それぞれの主のもとへと戻る。
去り際に、レイジングハートは言った。
「元に戻っても、またよろしくお願いしますね、バルディッシュ」
月明かりに照らされた彼女の笑顔はとても奇麗で。
「ああ、私はお前のパートナーだからな、レイジングハート」
堪らなく、愛おしかった。
そして、2人は元の体。2機のデバイスへと戻った。
それから何かがあったというわけではない。2人の調子いつもどおりで、レイジングハートはなのはと一緒に全力全開、
バルディッシュは寡黙にフェイトを支えている。こっそり会っているとか、夜な夜な通信しているとか、そういったこともなく、
ただ道具として、主の杖として、2人はそこに居続ける。
ただ・・・・・・・・・。
「あ、なのはさーん、フェイトさーん」
本日の仕事も無事に終わり、そろそろ海鳴に戻ろうかと相談していたなのはとフェイトを、
技術部のマリエル(通称マリー)が呼び止めた。
「あれ、マリーさん?」
「どうしたの、何か問題でもあったの?」
「いえ、万事滞りありません。ただ、お二人に見せたいものがあるんです」
そう言って、マリエルは2人を自分の城である整備室に連れて行く。
いつ来ても薄暗くって、不気味なところだなぁというのが2人の感想だった。だが、レイジングハートも
バルディッシュもここでメンテナンスを受けているため、口にすることはない。
「マリー、私達に見せたいものって?」
「はい、こちらです」
そう言って、マリエルはビデオテープほどの大きさの箱を机の上に置いた。
箱の中には柔らかそうな生地が敷き詰められていて、その上には2つのデバイスが待機状態で鎮座している。
「あれ、これって・・・・・」
「レイジングハートとバルディッシュに似ているね」
2つのデバイスは、どちらも2人のデバイスと同じ姿をしていた。ただ、レイジングハートと同じ形の方は赤ではなく
眩しい金色で、逆にバルディッシュと同じ形の方は艶やかな赤い色をしていた。
「お二人のデバイス、レイジングハートとバルディッシュから得たデータを基に、技術部が総力を挙げて開発した
初のカートリッジシステム搭載型インテリジェントデバイスです」
カートリッジシステムは元々ベルカの技術で、繊細なインテリジェントデバイスには不向きな代物だ。
それを改善するため、レイジングハートとバルディッシュから得られたデータを基に最初からカートリッジシステムを
組み込んで製作したのが、この2機のデバイスなのだとマリエルは言う。
「すごいすごい、レイジングハートとバルディッシュがお母さんとお父さんになったんだよ、フェイトちゃん」
「な、なのは・・・・えっと、そうなるのかな?」
「まあ、基本フレームなんかは同じものを使っていますし、AIデータも移植させてもらいましたから、
あの2人の子どもと言っても良いかもしれませんね」
無邪気ななのはに、マリエルは苦笑する。
「それで、この2人はなんて名前なの?」
「はい。こちらの赤い子が“ノーブルハート”、金色の子が“アーバレスト”です」
「ノーブルハートに・・・・・」
「アーバレスト」
2人はそっと、それぞれのデバイスを彼らの横に置いた。
並び立つ、2つの赤と金。
2人にはそれが、家族水入らずで笑い合っているように見えた。
ただ・・・・・・・・・2人は出会うことができた。
起こるはずないと諦めた奇跡に。
求めてやまなかった、自分達の存在の証に。
“不屈の心”と“閃光の戦斧”を受け継ぎし、“気高き心”と“光星の大弓”に。
『Good evening, my daughter』
『Halo, my son』
fin
234 :
B・A:2008/01/04(金) 10:52:46 ID:McJtzEmh
以上です。
擬人化レイハさんは書いていて楽しかったです。
エロなし、そもそも人でもなしのこのSSを最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
>>223 GJです。
そういえばなのは達が例のブツに接近して気持ち悪くなるのなら
それを逆利用も出来そうですね、
クリプトナイトかプルトニウムか、って感じの代物だな。
>>234 GJ!素晴らしいバル×レイハSSをありがとう!最後に出てきた「子供達」も
良い!個人的にはエロなしでも、やはり上手いものは上手いんだから良いやと
思える!
ところで「子供達」は色は逆になってるが、名前からすると仕様は待機状態の
親と同様で良いのかな?アーバレストがレイハ同様砲撃型で、ノーブルハートが
バル譲りの近接型。
>>213 エリオ隊長キター!!GJ!
後編も楽しみに待ってます!
>>223 GJ!
うわー、緊迫感あるとこで終わるなぁ・・・w
月曜が待ち遠しいですwktkwktk
>>234 同じくGJ!
レイハとバルがデバイスに戻ることを決めた心境を思うと
なんとも複雑な気持ちですが、読後感がなんとも良い感じですね
連載お疲れさまでした!
フェイト「な〜のは♪ちょっといいかな?」
なのは「何、フェイトちゃん?」
フェイト「なのは、ごめん」
ドン(手刀)
なのは「うっ……」
なのは「ん……。何これ!何で縛られてるの?」
フェイト「ごめんね、なのは。でもなのはが悪いんだよ。」
なのは「どうして!私、フェイトちゃんに何か悪いことした?
フェイト「私の気持ち知ってたくせに、ずっと避けてばっかりだったじゃない!だから、だから…」
なのは「フェイトちゃんを傷つけたなら謝るよ。だからお願い許して!」
フェイト「許さない!なのはは誰にも渡さない。私だけのものよ!さぁっ、なのは!お尻だそうか!」
なのは「やめて!」
フェイト「きれいなお尻…それじゃ今から浣腸するから我慢してね♪」
なのは「いや………」
フェイト「よし!全部入った!出すの少し我慢してね!」
なのは「あっ、おなか痛いよ。出ちゃう…」
フェイト「なのははどんなウンチするのかな?楽しみだな〜♪」
なのは「ダメ!もう出ちゃう……ごめんなさい」
ブリュブリュブリュブリュ
フェイト「凄い凄い!なのはも可愛い顔してこんな臭いウンチするんだ♪」
なのは「うっうっ………(泣)」
フェイト「ペロッ」
なのは「フェイトちゃんそんなとこ舐めないで!汚いよ!」
フェイト「なのはのお尻きれいにしてあげるね♪」
なのは「フェイトちゃんどうしたの?おかしいよ。」
フェイト「おかしくなんかないよ!なのはのウンチおいしい!へへへ!」
なのは「フェイトちゃん……………」
フェイト「のど乾いたな…なのは、オシッコして!」
なのは「オシッコしたら許してくれる…?」
フェイト「うんっ!許したげる!」
なのは「それじゃ出すよ。」
フェイト「尿道直飲み〜♪」
なのは「うっ」
フェイト「ゴキュゴキュゴキュ!プハーッ喉越し爽快!」
end
キツイです。警告文が欲しかったです。
不覚にもそっちかよ!!って突っ込んでしまったww
お前オシッカーだろ!
>>243 俺以外にもレッスルスレ住人がいたとは……。
>>213 ターンA氏おかえりなさい!
そして待ち望んでいた久しぶりのエリオ隊長SS。
GJ!!後半が楽しみで仕方がないです!
前スレ154です。
漢たちの挽歌その3の投下よろしいですか?
ではどうぞ〜
そうして、席に着いた3人。クロノは気を利かせてVIP席の紹介状をくれた為(より確実な口
封じとも言う)、広々とした席に8人もの下着姿の女性のサービスを受けることが出来た。
「お飲み物はどうなさいますか?」
「おっと、そうだな・・・俺はブラック&マッコイの65年ものを。お前らはどうすんだ?」
「僕はボウモウの60年ものを」
「えーっと?どうしましょう。何かお勧めってあります?」
ヴァイスとグリフィスはウイスキーのかなりいい奴を頼んだ。しかし、アルコールを飲んだこ
とも無いエリオは良くわからないので年長二人に相談する。返ってきた答えは二つ、
「んー、カルーアミルクはどうだ?結構甘くてのみ安い初心者向けの酒だぜ」
「スクリュードライバーはどうかな?オレンジの風味がきいてて飲みやすいし、最初は無理を
せずにならしていけばいいんじゃないかな?」
エリオはとりあえずカルーアミルクを注文し、後からスクリュードライバーを注文することにし
た。
これが後に『酒を魔力に変える魔道士』と呼ばれ、『管理局の白い魔王』に飲み比べで圧勝す
る男の最初の一杯と成ることを世界はまだ知らない。
「ブラック&マッコイ、ボウモウ、カルーアミルクをお持ちしました」
「では皆さーん、カンパーイ!」
『カンパーイ!』
ヴァイスの声で始まったパーティ。3人がそれぞれ過ごしている。少し覗いてみるとしよう。
case 1 ヴァイスの場合
「そう!んで、今度やっと戦闘魔導士に戻ったわけよ!!」
「キャー!孤高のスナイパーですね!!」
「いや、それほどたいしたもんじゃないさ。俺に出来るのは最前線の連中の援護だけだからな。
そんな奴らに比べりゃ俺の仕事なんて軽い軽い(フッ)」
「でもー、そんな風に自分が裏方に回ってみんなを助けるってカッコいいですよ!」
「そうかなー!あははははは!!」
フツーに調子にのって楽しんでいる。
case 2 グリフィスの場合
「この間の事件の残務処理なんかもあって、最近忙しかったんで丁度いいおやすみですよ美しい
お嬢さんに囲まれて気が休まります」
「ああ、ジェイル何とかって人の騒ぎですね」
「そうです。僕がいる部隊も最前線で戦っていましたからね。それにしてもよくご存知ですね首
謀者の名前などはまだ伏せられているはずですが?」
「此処に来るお客さんは管理局の人がイッチバン多いですからちゃんと勉強しているんです」
「そうですか。では、そんな仕事熱心な君たちには僕からプレゼントです。 フルーツ盛り合わ
せ一つ!」
『やったー』
周りの環境故か、女性の扱いには(ある程度)慣れている。最初はおたおたしていたがものの1分
程で調子を取り戻してしまった。 朱に交われば・・・とはよく言ったものだ。
case 3 エリオの場合
「えっとー、3番の人が4番の人のほっぺにチュー」
「あたしが3番!4番は?」
「あ、僕ですね」
「うん、エリオ君?目、つぶって?」
「はい」
チュ♪
「終わったよー。じゃ次いこー」
「そうですね、あ、次このVSSOPって言うのください」
酒の力のおかげである意味一番楽しんでいる。きっとフェイトが見たら大泣きではなかろうか。ちなみに現時
点で一番呑んでいるのは彼である。
2230時 機動六課男性隊舎
彼らが思いっきり楽しんでいる一方、ここで恐ろしいことが起ころうとしていた。
「ヴァイスさーん、入りまーす」
ヴァイスの部屋を訪れる影、ソレは紛れも無く機動六課フォワードリーダーのティアナ・ランスター
であった。
251 :
漢たちの挽歌:2008/01/04(金) 20:54:34 ID:GgOBfy8M
以上です。
0:00ごろその4を投下するかも知れません。
P.S.俺の中のなのはさんは呑んべえです!!
>>251 奇遇だな。俺の中のなのはさんも飲兵衛だ
続き奇胎
>>251 GJ!!もはやヴァイスに志望フラグがたっているとしかw
>>251 GJ
期待してる
いつぞやなのは、フェイト、はやてのキャリアウーマンの悲哀ネタが流行った気がするが
またそのネタが流行る悪寒
すいません。俺も投下していいですか?
ガンガンどうぞ
258 :
44-256:2008/01/04(金) 21:31:42 ID:q78rAPM5
投下します。
・非エロ
・メインキャラはゲンヤ。
・登場人物は基本的に2人、過去にゲンヤの同僚だった魔導師、オリキャラです。
・登場人物はほとんどこの2人です。
・消費スレは17ほどになりそうなので4話にわけて投下します。
オヤジが活躍するSSなんて魔法少女の2次創作じゃねーよ!!
と自分でつっこみながらも書きました。
雨の降る、クラナガンの西廃棄区画、ビルの間にひっそりとたつ聖王教会跡。
それをゲンヤは路地裏からながめる。
通信端末をオフにし、コートの中からタバコをとる。
妻から禁煙を言いつけられて10年以上。
久しぶりの味をかみしめ、色々と思いをめぐらせた。
タバコの灰が、ゆっくり落ちて消えていく。覚悟は決まっている。
吸殻を水溜りに落とすと、ゲンヤは廃墟となった教会へゆっくりと歩いていった。
「ビター・バラッド」
JS事件から数ヵ月後、季節はすでに秋。
地上の事後処理も終わり、ゲンヤ=ナカジマ三佐も通常勤務に戻り始めていた。
すなわちロストロギア密輸の捜査である。
『ナカジマ三佐、準備できました』
『全員配置に付いたな』
ミッドチルダの東港倉庫、ここでの違法取引の現場に組織の幹部が顔を出すという
情報をつかみ、一気に逮捕する手はずを整えた。
あたりに思念通話と無線が飛び交う。
『確認しました。幹部のワン・ターレンです』
『前回は証拠不十分で追い込めなかったから、ナカジマ三佐、今度こそですね』
『やつの組織がジェイル・スカリエッティのスポンサーの一つだったというあれですか』
今回の逮捕はロストロギアの密輸の現行犯とJS事件の後始末の2つを含んでいた。
『各自、私語を慎め』
『取引終了と同時にふみこむ、よし3,2・・・』
(ドーン!!)
突然、取引現場に空から無数の魔法弾がとんできた。
「何!?」
ゲンヤは叫ぶが、あたりは混乱して、答えるものはいない。
そして上から男が一人降りてきた。BJはボロボロで手には
ミッド式のストレージデバイスの杖を構えている。
「誰だてめぇ!!」
組織の魔導師たちが杖を構え、いっせいにシューターを放ったが
男はプロテクションやシールドを張らずにシューターを難なくかわし
フラッシュインパクトのなぎ払いで2人、
そしてシューターで残りの魔導師を一瞬に倒した。
その出来事に驚き、組織の幹部は腰を抜かして倒れた。
男は向き直りゆっくり幹部に向かって歩いていく
「た、頼む、殺さないでくれ!!金はやる!!」
「・・・」
男は無言のまま、杖をボスの頭に押し付けると魔力を溜め始めた。
「ひっ・・・」
そうはさせない!!)
撃とうとするまさにその瞬間、男の目の前にウイングロードが形成され
ギンガが飛び込みリボルバーナックルを放った。
不意をつかれた男は吹き飛ばされたが、吹き飛ばされた態勢で多くの
シューターをけん制して放ち、爆発させた。
爆発から防御していたギンガは男を見失った「あいつは?」
『Break Impulce』
デバイス音で後ろを振り返ったときには遅く、男はギンガに杖を叩き込み、気絶させた。
その直後、後から突入してきた、管理局の魔導師たちが集まってくるのを見て、男は逃げ出した。
「どうした!?」
ゲンヤは状況を確認しよう指揮車からおりた、するとすぐ横の壁の一部が爆発し
そこから男が姿を現して、ゲンヤと対峙した。
「ゲンヤ・・・」
「マーロゥ・・・」
その直後、2人の間で誘爆が置き、ゲンヤは身をふせた。
顔を上げると男は消えていた。
to be continued
263 :
44-256:2008/01/04(金) 21:37:53 ID:q78rAPM5
以上になります。次はまた明日夕方投下予定です。
>>263 GJ!!
渋い話になりそう。続き期待!!
>>263 GJ。続きを楽しみにしているZE
しかし、ここ最近はオヤジ分が多くてwktkが止まらない私は確実にオサーン
と言いつつ、誰かがヴィヴィオ×エリオを書いてくれないかと渇望しているw
>>263 1レスあたりの分量が随分短いな
それに3/4と4/4の描写は正直ワカリヌクス(´・ω・`)
携帯系サイトによくあるオリ系SSのカホリがする
>>263 よもや、オリキャラのフルネーム、ギムレットから連想してフィリップ・マーロウじゃあるまいな。
先ほどは警告なしに掲載し
皆様に不快な気持ちをさせてしまい
誠に申し訳ございませんでした。
今回もキワモノ(3話)ですので
ご不快に感じられる方は読み飛ばしてくださいませ。
269 :
1/1:2008/01/04(金) 22:58:37 ID:/beKBKn7
「なのは、好き好きハァハァ!うっ!」フェイトは、なのはのパンツを勝手に持ち出し自慰に耽っていた。
快感の絶頂を味わった次の瞬間、ドアが開いた。
「フェイトちゃん!芳野屋の牛丼買ってきたよ〜♪一緒に食べよ!」「あっ…」ドサッ
あまりの光景になのはは、牛丼の入った袋を落としてしまった。
「フェイトちゃん……」「あのね、なのは、これはその…」フェイトはカァーッと顔を真っ赤にしながら、言葉を詰まらせた。
一瞬の沈黙を打ち破り、なのはがニヤッと笑いながら言い放った。「フェイトちゃんって変態だ!」
なのはは冗談のつもりだったが、フェイトは真剣な顔立ちで返答した。
「私、変態だもん。だってこうすることでしか、なのはを感じられないから!」
「フェイトちゃん……」「ごめん、なのは、わがまま言っちゃって…」
「いいよいいよ!さぁっ、一緒に牛丼食べよ♪」「うん」
270 :
2/3:2008/01/04(金) 22:59:37 ID:/beKBKn7
なのはとフェイトは牛丼を食べていた。すると突然フェイトが顔を赤らめてなのはにこう言った。
「なのはの噛み噛みした牛丼を口移しで食べさせて欲しいな!」なのははこの言葉に当惑したが
フェイトが強く懇願するので、してあげることにした。なのはは牛丼を口に含むと、
唾液と共に牛丼をよく噛み、ぐちゃぐちゃにした。
「それじゃ…」なのはは、フェイトと唇を重ね、口の中のモノをフェイトに託した。
「なのはのつば入り牛丼おいしい♪」フェイトはなのはからの贈り物を全身で感じるかのように味わっていた。
271 :
3/3:2008/01/04(金) 23:00:37 ID:/beKBKn7
食事が終わるとフェイトはなのはにこう言った。「もっとなのはを味わいたいな♪」
「えっ!」困惑するなのはを尻目にフェイトは続けた。
「もっとなのはのつば飲みたいな!後、ウンチとオシッコとゲロも頂戴♪お願いなのは!」
なのははもう訳が分からなくなっていた。しかし、フェイトの熱意に押されしぶしぶ了承した。
なのはは口につばをため、フェイトに与えた。その後、ゲロもウンチもオシッコも
フェイトに与えた。
フェイトは口の周りを汚物で汚しながらも、美味しそうに頬張っていた。
フェイトちゃんはいつからこうなってしまったのだろう。なのはは嘆くような目でフェイトを見つめていた。
もうあの頃のフェイトちゃんは戻ってこない。永遠に………
最近のオヤジ共の復権運動はある意味嬉しい限りである訳だが
大問題としては華が無い…と思った
そして自分の頭で考えた解決策に絶望した
「いっそハイブリッドに
オッサン達に女装を」
魔法の世界で何野暮言ってんだYO!
ロストロギアで女体化しちまえばいいじゃないか!!
そうだ、いいこと思いついた。
キャラ全員、男女の性別を入れ替えてしまえばいいんだよ!
無論原因はおなしなロストロギアのせい。
ロストロギアで中身が入れ替わるという電波を受信した
エリオ女の子になる!
「ああっ!だめですクロノさぁん!うぁあああ奥に当たって…あっ…うぁ…あああふ、太いいい!」
「くっ…こいつめ、エロイ尻しやがって、お仕置きだ、大人ちんこで妊娠させてやる!…くっでで出るぞ!」
パンパンドピュドピュ
「うあぁあっあっあっつ…うぁっあっ…ああ…う、うぅ…お、お腹熱…いぃ…ぃ…ク、クロノさぁ…ん…あぅ!」
「うっ…く…最後の一滴まで注ぎ込んでやるぜ」
ぐりぐり…あっあっ…
いつもと同じやん
277 :
43-154:2008/01/05(土) 00:08:52 ID:DEZwBX1S
漢たちの挽歌その4をそろそろ投下しようかな?
とか考えてます。いいですか
278 :
愚者の人:2008/01/05(土) 00:10:43 ID:ZhPq0q3P
ユーノ女の子になる!
「さあ、ユーノ君、飲み込んで私のレイジングハート…」
「あぁぁぅ…イヤァァ―!そんな、太いの、僕の中に、入らないいい!」
ズブズブ
「うう…。ユーノ君の中、イイ」
「あっ。あっ!ああぁ、中で動いて…なのはぁ…らめぇ…痛いよ…優しくして…」
ギシギシアンアン
あれ?いつもとあんま変わらない
素晴らしきかなロストロギアの無限の世界
>>272 まあ
スバル風ゲンヤさんとか
アギト姿の旦那とか
なのはさんコスの中将も悪くないとか思うがな
想像すると吐き気を催すが
では、どうぞ〜
さて、ここでティアナが夜に男性隊舎のヴァイスを訪れる訳を説明しよう。
もともとヴァイスは遠距離で戦う魔道士である。ティアナは遠距離だけ、というわけではないがや
はりメインは遠距離戦である。彼女の直接の上司はその圧倒的な魔力の量からあまり参考にはなら
ない。そこで魔力は低いがそのすさまじい狙撃能力で活躍した経歴を持つヴァイスに過去の彼の戦
闘データを借りシミュレーションを行っているのだ。
(そう、今夜はたまたまそのデータを返しに来ただけのはず。断じて、『好きな人の部屋・夜・二
人っきり・・・』などとスバルに吹き込まれたからじゃなくて、最近少しずつヴァイス陸曹も訓練
に参加してるからデータは必要だろうしなるべく早く返したほうが・・・って私は誰に言い訳して
るんだろう?)
そんなこんなで彼女はとりあえず男性隊舎前まで来た。
しかし、いくつかの不幸が重なった。
1、普通なら追い返すはずの守衛のおじさんが(何かを勘違いした上で)気を利かせてヴァイスの部
屋の鍵を開錠した状態で彼女を招き入れてしまった。
2、この隊舎に住む誰もヴァイス・グリフィス・エリオの『極秘任務』を知らなかった。
そのためすんなりと彼女はヴァイスの部屋にたどり着き部屋に入ることが出来てしまったのだ。
side Teana
「ヴァイス陸曹?いないんですか」
部屋に入った私は少々拍子抜けした。外からはこの部屋を見たとき電気がついていたのでまだ起き
ているものだと思ったが姿がまったく見えない。どこかに出たのだろうか?
「ま、まあすぐに戻ってくるだろうしちょっと待たせてもらおう」
まただ、最近の私はヴァイス陸曹のこととなると何かしら言い訳じみた思考になったり、そういっ
た独り言をつぶやいてしまう。私は、ヴァイス陸曹のことが好き。ソレは間違いの無い私の本音。
なのにどうしてこんな言い訳みたいなことをしてるんだろう。
「あー、やめやめ。こんなこと考えてちゃどんどん陰気になってくわ」
気分転換に部屋を見渡してみる。意外と片付いた部屋。何冊もの教本や単車のカタログがしっかり
と修められた本棚。床にごちゃごちゃといろんな物が転がっている魔窟を想像したが杞憂に終わっ
た。一方、机の上には戦友と撮ったのか何枚か写真が立ててある。そして、そこに一通の封筒とそ
の中身と思しき連絡用の媒体を発見した時。
私の中で二人の私が喧嘩を始めた。
天使ティアナ「ティアナ!だめだよ!人の手紙を覗くなんて執務官を目指す前に人としてやっちゃ
いけないよ」
悪魔ティアナ「いいじゃないの、覗いちゃえば。どうせ判りゃしないわよ」
天使ティアナ「だめだよ悪魔。そんなことしたらヴァイス陸曹にも嫌われちゃうよ」
悪魔ティアナ「もしかしたらそのヴァイス陸曹の秘密が分かっちゃうかも知れないじゃない」
天使ティアナ「えっ!?」
悪魔ティアナ「ヴァイス陸曹の好みのタイプとか、好きな料理とか」
天使ティアナ「ほ、他には?」
悪魔ティアナ「ん?」
天使ティアナ「他にはなにが分かるの?ねえねえ!!(ハァハァ)」
悪魔ティアナ「いや、それは覗いてみないと・・・」
天使ティアナ「じゃあ覗こう!すぐ覗こう!さあさあさあ!!!」
悪魔ティアナ「う、うん」
どうも、私の良心は非常に弱いらしいことが分かった。最後には悪魔のほうが引いてたし。
とりあえず、覗いてみよう。こっそりと。誰か来そうになったら急いで止めれば大丈夫。
そうして私は媒体の中身を再生した。
side out
その媒体で表示されたのはクロノであった
『ヴァイス君、君が一番場数を踏んでいると見たので君に紹介状を送る。一応VIP席だ例の件
を黙ってくれているお礼と思ってくれていい。支払いも僕が持つことで問題は無いが一応チッ
プで幾らかずつ渡すことを忘れないでおくといい。しかし、グリフィスはともかくエリオが行
きたがるとは思わなかった。まあ、ミッドの法律では違法にはならないから問題はあるまい。
招待する理由はJ・S事件での慰労ということにしてある。話をあわせるようにしてくれ。僕一人
では無理だったのでV・A査察官とY・S司書長に協力してもらった。一応誰が誰の紹介かを明確
にしておかないと手続きできないので覚えておいてくれ。その辺は紹介状の方にも記載してあ
るから宜しく。では、良い夜を』
ティアナはその後封筒の中から紹介状についてきたと思しき名刺を発見。
30分後、機動六課は設立以来最大の騒ぎを見せた。
285 :
漢たちの挽歌:2008/01/05(土) 00:34:26 ID:DEZwBX1S
と、いうわけでその4終了です。
勢いで書いたら量が中途半端になりました。
後、もう少しでその5完成。しばらくまたネット
使えそうにないので投下したいんですが。いいですか?
286 :
B・A:2008/01/05(土) 00:34:44 ID:TShIcHpx
>>237 遅レスですみません。
ご察しの通り、裏設定でノーブルハートは女性人格で近接仕様。
アーバレストは男性人格で砲戦仕様ということにしました。
性格は特に決めてないですけど、強いて言うならアーバレストはノーブルハートに
頭が上がりません。
>>285 そういう事情があるなら仕方ないさ
おkだろう
>>285 じゃあ投下しよう!すぐ投下しよう!さあさあさあ!!!」
290 :
漢たちの挽歌:2008/01/05(土) 00:56:51 ID:DEZwBX1S
できたー!!
今から見直しその後投下。
あと15分ほどお待ちください。
全力で支援
では、ちょっと(いやかなりか?)短いけど区切りがいいのでその5です。
どうぞー
2300時 機動六課会議室
この場における騒ぎの状況を簡潔に見ていこう。
case1 はやて
「ふふふ、ロッサァ・・・あんたはなんちゅう事を。よりにもよってグリフィスをそんな店に・・・」
「は、はやてが・・・はやてがぁ(泣)」
「はやてちゃん、お、落ち着いてください(泣)」
彼女は今、この場所にはいない相手に対しすさまじい怨嗟を浴びせかけている。ちなみに周囲で
何人か気絶してしまいました。烈火の将と湖の騎士は行方知れず(逃亡とも言う)。盾の守護獣は
ヴィヴィオのお守り(という名目で脱出)である。
case2 なのは
「魔王でいいよ。魔王らしい殺り方で話を聞いてもらうから」
「なのはさん!ど、何処へ行く気ですかぁ」
「ん、ちょっと無限書庫まで。ユーノ君私と会う時間は無いのに何でそんなお店にいけるのか
理由を聞いてこないといけないから。スバルも来る?ふふふ、ユーノ君てば、いつも私が一緒
にお出かけしようって誘っても『ゴメン、仕事が・・・・』なんて言ってたの。でも、本当はそん
なお店に通ってたんだね。ねえ、わたしってそんなに魅力ないかなあ?」
「いや、ちょっと待ってください。何でバリアジャケットを?!とにかく皆!なのはさんを止
めてーーーー!!」
スバルは援護を求めた。
しかし、みなソッポを向いた。
「知らなかったの?大魔王には援護さえ無意味なの。スバル、邪魔しちゃだめだよ」
管理局の白い大魔王EXが降臨していた。
case3 フェイトandキャロ
「エリオぉ(ヒック)。なんで?どうして?最近かまってあげられなかったから?(ヒック)お風呂
もご飯も一緒に出来なかったから?でも、さっきは一緒にご飯たべたよ?(ヒック)もしかして私
が嫌いなの?(ヒック)だからってそんなお店に行くなんて。私なら何時だって・・・(ヒック)帰って
きてぇエリオぉぉ!!!ウワァァァァァァン!!!!!!」
「ねえ、フリード?ランパブってなに?」
「キュクー?」
ショタコン全開マジ泣きモードのフェイトさん思考の一部に矛盾があることにすら気づいてない
様子、そして何にも判っていないキャロさん。嗚呼、君だけは純粋なままでいて。
case4 ティアナ
「・・・・(黙々と何かの作業をしている)」
「ティアナ?何してるのかなぁ?(汗)」
「・・・・(黙々と何かの作業をしている)」
「それって、非殺傷設定の解除と最適化のプロセスじゃないかなぁ?(滝汗)」
「・・・・判ってるじゃないですかシャーリーさん(ハイライトの消えた瞳)」
「ちょっと!!洒落になってないわよ!!(半泣)」
「・・・・大丈夫。洒落にする気、無いですから(暗い笑み)」
「もっとダメぇぇぇぇ!!(泣)」
ティアナさんの中でいろいろな物が切れてしまった。
彼女達が行動を開始するまであと10分。(漢たちの命の終焉のカウントダウンの開始とも言う)
と、いえそうな雰囲気であったがそこに一本の通信が入る。われらが男たちへの救援にな・・・・
「はやて、お取り込み中ごめんなさい」
「カリム?何の用や?」
訂正。男たちは更に多くの敵を呼び寄せてしまった。
彼らの明日はどっちだ?
ちょwここできるの?殺生な!
ともあれGJ
297 :
漢たちの挽歌:2008/01/05(土) 01:37:04 ID:DEZwBX1S
以上です。中途半端でごめんなさい。
なお、わたしの中では
フェイト→尋常じゃない愛情→エリオ
なのは→いつでも子作りok→ユーノ
だったりします。
298 :
44-256:2008/01/05(土) 01:43:18 ID:YvduIttG
>>297 GJです。やはり男どもの「明日はない」もしくは「明日はピンク色の光の中に待っている」
そんなところでしょうかw
>>266 すみません、後半は戦闘描写なのでもう少し勉強します。
>>297 挽歌さんGJ!これは大惨事の予感w
>ショタコンフェイト
>ばっちこいなのは
あんたとはいい酒が飲めそうだ
300 :
わさび:2008/01/05(土) 01:50:43 ID:A2NJE7xM
>>297 GJw
間違いなくクロノもお仕置きされるますなw
つか、最近ユーなのでもユーノがちゃんとまともな扱いうけるの少ないなw
名前だけだったり、空気だったりでw
空気読まずで申し訳ないけど投下OK?
おk!どんとこい
302 :
わさび:2008/01/05(土) 02:05:49 ID:A2NJE7xM
それじゃあ、投下させていただきますね。
タイトル「新しい1年の始まり」
・非エロ
・一応ユーなの+ヴィヴィオ (でもユーノあんまりでない)
・ちょこっとだけオリキャラ出ます
・なのはさんテラ飲兵衛
・時期はずしたorz
では、どぞー
いきなりだが、in高町家のリビング。
時期は12月31日。大晦日。テレビでは年末恒例の歌番組がやっていて、『多けりゃ良いってモンじゃねーぞ』という感じのグループが歌っている。
しかし、そのテレビはここの住人に見られていなかった。
「ママー、さすがに飲みすぎだよー?」
「いいじゃなーい、こんなときには飲むしかないのー。」
テーブル上と足元にこれでもかというほど酒瓶が並んでいた。
ちなみに現在、高町なのは20歳と10ヶ月。すでに飲酒は合法である。
「ねー、ヴィヴィオー。やっぱ私は普通の扱いされないのかなー?」
「どうして?」
『魔王』を書かれた酒瓶を片手に持ち、机に突っ伏しながらなのはがヴィヴィオに切り出した。
その目は酔ってトロンとしている。
「だってさー、本編では鬼畜なキャラだし、同人……つか、今回の冬コミでは百合しかなかったし、
2○ゃんと○コニ○動画では魔王か冥王だし、てか魔王・冥王はもうstsの私のデフォだし……。」
「ママー、お酒に酔って娘に愚痴るだけならまだしも、別次元の地球の話禁止ー。」
せっせと空いた酒瓶をキッチンの隅に運びながら、母に突っ込みを入れるヴィヴィオ、魔法学院2年生。
非常に出来た娘である。
「だってね、冬コミでわたしの相手がユーノ君って言う本は1サークルしかだしてなかったんだよ?しかもスレでユーなのは最近投下されてないんだよ?
それでやっぱり冬コミは魔王・冥王か、ドS百合しか役回りが与えられなかったし……」
「ママー、しつこいー。」
この間にヴィヴィオが片付けた酒瓶の数
ビール大瓶1ダース
日本酒・焼酎一升瓶1本ずつ
ワイン3本
ウィスキー1本
350ml缶26本
ちなみにユーなの本の数は作者がゲットできた数である。
まだまだあったぞ!という情報をお持ちの方は教えて欲しい。
「今年度から内勤と軽い訓練だけの仕事で暇が増えたけどさ、ユーノ君が忙しくてなかなかデートできないし。
フェイトちゃんとはやてちゃんは忙しいハズなのにちゃんとデートできてるのに……
ていうか、はやてちゃんは『出来ちゃった』し、フェイトちゃんは家族5人で一緒に住んでるし……」
「ユーノパパもせめてお正月くらい休めばいいのにねー。」
時空管理局の情報処理を一手に担う無限書庫の、しかもその司書長ともなるとなかなか休みは取れない。
『いや、年末年始は日が変わったくらいには帰れるからラクだよ?』
とはユーノ談のではあるが、そもそも、その労働時間が異常なことに気づいて欲しい高町母娘。
他二人とは違い一緒に住んでいないのでまず会えない。
そもそも1時帰宅・5時出勤なので一緒に住んでいたとしても会えるかどうか微妙であるが。
『なのはママが参観日とかにちゃんと来てくれるのはうれしいけど、やっぱりユーノパパにも来て欲しいなー。』
そんなことを考えながら片付けているうちに床に置いてあるものはなくなり、テーブルに残っているのは、なのはが持っている『魔王』と2皿の肴だけになった。
「……すぅー。」
「ママー、こんなトコで寝たら風邪ひくよー?」
「……んー、わかってるよ。……すぅー。」
「わかってないよー。もー。レイジングハート、手伝って。」
『All,Right.』
散々愚痴って寝てしまった母に呆れながらも、ヴィヴィオはレイジングハートの力を借りて聖王モードになってなのはを寝室まで連れて行く。
ヴィヴィオもユーノがいないのは寂しいが、なのはのそれはヴィヴィオとは比べ物にならないというのはヴィヴィオも幼心に感付いていた。
『1年足らずでずいぶん魔力の扱いがうまくなりましたね、ヴィヴィオ。』
「勉強したからねー。まだこの姿を維持できるのは30分くらいだけど。」
「よいしょっと。……ん?」
なのはを寝室まで連れて行き、ベッドに寝かせる。ヴィヴィオはこのときに、なのはの目元に涙が流れた跡があるのに気づいた。
「……ぅっく……ユーノくんのばかー……すん……」
「……はぁ、もう、うちのパパはホントに……。」
どこぞの査察官のように、仕事をサボってまで恋人に会いにこいとまでは言わないし、
どこぞの特別救助隊隊長のように、重症を負って療養で有給→甘々看護ライフとまで極端なことも言わない。
だが、せめて月1くらいで自分たちに一日かまってくれる時間を取ってくれてもいいんじゃないだろうか。
「……ありがとね、レイジングハート。わたしも今日はもう寝るよ。」
『わかりました、ヴィヴィオ。おやすみなさい。』
ヴィヴィオは元に戻ってからレイジングハートを机の上におき、なのはのベッドの中にもぐりこんだ。
「わー、お酒くさい。」
ヴィヴィオはなのはの腕の中にすっぽりと入った。これでなのはの匂いと暖かさがお酒のにおいに負けずにちゃんと感じられる。
「おやすみ、ママ」
そういってヴィヴィオも夢の中に落ちていった。
ところ変わってアコース邸。
「今年もあと少しだね。」
「そやね〜。」
はやてとヴェロッサの二人が並んでソファに寄り添って座って粉雪の舞う外を眺めていた。
ちなみに今はやてと一緒に住んでいるヴォルケンズは、ヴィータ・リィン・ザフィーラの2人+1匹である。
そのうちヴィータをリィンはもう寝ていて、ザフィーラはアルフのところに行っている。
要は二人きりである。
「そろそろ服の上からでもわかるようになってきたね。」
「もう少しでマタニティドレス着なあかんかな?」
「夫としては、それよりも早く産休とって欲しいけどね。ヴィータとリィンも心配してるよ?」
「まー、ヴィータにしてみれば二人目の、リィンは始めての妹やからなー。娘としても、お姉ちゃんとしても心配なんやろうけど。」
二人ではやての下腹部に手を当てながら笑いながら言う。
ヴィータもリィンも最近はずいぶんはやての身の回りのことを手伝うようになった。
リィンは最近仕事中でもフルサイズでいることが多いほどだ。
「あと半年くらいで、僕も『お父さん』になるんだねー。」
「時々赤ちゃんになるヴィータとリィンのおかげで両親ともに準備ばっちりやけどなー。」
そういって二人で笑いあう。
「……なあ、ロッサ?」
「うん?」
「その……ギュってしてんか?」
「……ギュってだけでいいの?」
「……キスもしてほしいな。」
「お安い御用だよ。」
そういってロッサははやてをやさしく抱きしめてキスをした。
「ん……はぁ……ごめんな、『させて』あげれへんで。」
「気にしないでいいよ。どっちかって言うと自業自得だしね。さて、そろそろ年越しの準備しようか。」
「そやねー。12時過ぎたら初詣にも行かんとなー。それじゃ、娘ら起こしてくるわー。」
「いってらっしゃい、『お母さん』。」
4人家族で年を越す最後の年。この家にもうひとつの家族が増えるまでもう半年。
さらにところ変わってハラオウン邸。
「よく休み取れましたね、義兄さん。」
「まあ、おかげで昨日まで3徹だったがな。」
ビールを飲みながら年末の格闘技番組を見ている提督と三佐がいた。
「そういう君だって、療養休暇がなければ今この時だって働いていただろう?」
「まあ、たしかに。」
治安を守るための仕事と、人命を守るための仕事に休みなどない。
しかも二人ともそれの偉い方である。このときだっていつ緊急集令がかかるかわからない。。
「まあ、何もないことを祈るよ。」
「同じく。」
「二人とも年越し蕎麦できたよー。」
二人が話に区切りをつけたところで都合よくフェイトから声がかかった。
「ああ!カレラ!リエラ!それまだ熱いよ!!ああ!だめ!ドンブリのままじゃこぼれちゃうよ!!」
「プリム、お箸はこうやって持つんだよ。それで食べ方はこう。」
テーブルに目をやるとエリオとキャロが妹たちの世話をしていた。
「当然なんだろうが、地球は平和だな。」
「まったくです。」
「クロノもエリックくんも伸びないうちに食べちゃってー。」
「「はーい。」」
そう言ってテーブルについて蕎麦を食べ始める父二人。
子供の世話を子供がしてしまっているので、どこかさびしい気がしないでもない。
「そういえば、エイミィもフェイトも初詣は何着ていくの?」
蕎麦を食べ終えてお茶をすすっているあたりでリンディがそう切り出しだ。
時間を見るとそろそろ11時。初詣に行く準備をするならいいころだ。
「え?う〜ん、普段着のままでいいかなって思ってたんだけど。」
「わたしも。」
エイミィとフェイトが続けてそういうとリンディが残念そうに声を上げた。
「え〜。折角桃子さんと一緒にあなたたちの振袖用意したのに……リエラの分も、キャロの分も、プリムの分も用意してあるのに。」
おせっかいなおばさん根性丸出しのリンディにさすがにエイミィとフェイトも苦笑いを浮かべる。
「ああ、いいな。エイミィの振袖……というか、めかしこんだ服は最近見てないし。」
「俺も見たいな、フェイトの振袖。それに義姉さんとフェイトが遠慮してたらキャロも言いづらいだろうし。」
そういってキャロの方に目をやるとなにか言いたそうにやたらとソワソワしていた。
「……くす。ならしかたないね。フェイト、折角だし着させてもらおうか?リエラー、おいで。」
「そうですね。キャロー、プリムー。あなたたちもおいでー。着付けしてあげるからー。」
「はーい。」
素直について行くリエラに対して、キャロとプリムはなかなかその場から動こうとしなかった。
「?どうしたの?」
「あの……いいんでしょうか?その……わたしたち、まだちゃんとフェイトさんの子供になったわけじゃ……」
「わたしも……まだおとーさんとおかーさん結婚してないし……」
「こら!」
なかなか動こうとしないキャロとプリムをリンディが後ろから抱きしめた。
「あなたたちがどう思っていてもね。わたしはもうあなたたちのことは孫を思ってるわよ?
エイミィもあなたたちのことは姪だとおもってるし、フェイトとエリック君も、あなたたちは娘なの?それにね」
周りにいる、『家族』全員を見回して、一呼吸おいてからリンディは言葉を続けた。
「大晦日にみんなでそろって年越ししてるんですもの。もう家族以外の何者でもないわよ?」
「そうだよ?いまさらそんなこと言われると、家族と思ってくれてないみたいで、おばちゃん悲しいよ?」
「そうだな。ここは素直にお婆ちゃんの好意に甘えてくれるとおじちゃんとしても助かるな。」
「「リンディさん、エイミィさん、クロノさん……」」
「こら、違うでしょ、二人とも。家族に『名前にさん付け』は変だよ?」
フェイトがそういってふたりの頭をなでてもう一度3人に向かわせる。
「「……ありがとう、『おばあちゃん』『おばちゃん』『おじちゃん』」」
「「「どういたしまして。」」」
そう言うと女性3人は女の子3人を連れて着付けに行った。
「ありがとうございます、義兄さん。結構ああいうこと気にする子たちなんで。」
「気にするな。どうせ1年以内にはそうなるんだしな。エリオも変にそんなこと考えるんじゃないぞ?」
「は、はい!ありがとうございます。」
「エリオ、親戚相手にそれは硬いだろ。」
「そうだな、『クロノおじさん』に軽い気持ちでお礼を言ってくれればいいさ。」
「あ……えと……ありがとう、おじさん。」
そういってカレラを加えた4人でまたテレビを見始めた。
もっともカレラはクロノのひざの上で船をこいでいたが。
どこにでもある親戚がそろった年末の過ごし方だった。
「そういえば、義兄さん。『オトシダマ』ってどれくらい入れればいいんですか?」
「……忘れてた。」
新年まで後1時間弱
「んー……朝……?っつー……さすがに飲みすぎたかな……。」
翌朝、カーテンから差し込んでくる光でなのはは目を覚ました。
「あれ……ここ……私の部屋?」
『おはこうございます、マスター。ヴィヴィオがここまで運んでくれましたよ。』
時間を見ると7時55分。昨日の酒のせいでずいぶん寝すぎてしまった。
「あちゃー。初日の出見損ねちゃったよ。」
『あれだけ飲んでいれば仕方ないでしょう。逆に中途半端におきるとお酒が残ります。』
「それもそうだね。ありがとね、ヴィヴィオ。」
「んんー。」
傍らで自分に抱きつくように眠っているヴィヴィオの頭を軽くなでてからベッドから出る。
すると異変に気づいた。
「……レイジングハート、あなた擬人化して料理したりした?」
『マスター、最近メタ発言が目立ちますよ?少なくとも今回私はそんなことはしていません。』
漂ってくるお餅の焼けた匂いと、醤油の匂い。ここが鳴海の実家であれば何も疑わないが、
ここに住んでいるのはなのはとヴィヴィオの二人だけである。
「レイジングハート、セットアップ。」
『新年早々物騒ですね。そんな必要はありませんよ?マスターもよく知る方ですから。』
「え?」
レイジングハートにそういわれてキッチンに行くと、ここしばらく見ていなかった長髪を緑のリボンでまとめた後ろ姿が目に入った。
「んー、お雑煮のつゆの濃さってどれくらいだっけ?たしか桃子さんにご馳走になったのはコレくらいだったハズだけど……」
「ユーノくん!?」
「あ、おはよう。なのは。」
そこにはなのはとヴィヴィオが待ち望んでいた、ユーノ・スクライアの姿があった。
「え?あれ?なんで?何でユーノ君が私の家に?」
「いや、前に合鍵くれたじゃないか。わすれたの?」
そういえば合鍵を渡しような気もする。
しかしのこのユーノ、エプロンが似合いすぎである。
「あ、あ、そか。え?あれ?でもなんでユーノ君が私の家に?」
「ああ、昨日……ていうか今日だけど仕事が終わったのは2時でね。終電逃しちゃったんだよ。
それで無限書庫に泊まったんだ。まあ、それ自体は珍しくもなんともないんだけどね。
それで、年始の3日間休みが取れたから、なのはたちと一緒にすごそうかなって思ったんだけど……もう予定はいってた?」
「……パードゥン?」
「え?だからお正月の予定はもうあるかなって……」
「その前。」
「えっと……?お正月はなのはたちと一緒にすごそうかと……」
「おしい、もう1つ前。」
「お正月は3日間休みが取れた?」
「それ!ホント!?うそじゃない!?新年始まって早々のドッキリだったりしない!?
今日はエイプリルフールじゃないから嘘ついたらファイナルブラスターのカートリッジフルロードでSLBだよ!?」
「うわ、それは勘弁。大丈夫だよ。全部ホントだから。急な仕事が来ても僕を呼ばないように他の司書たちにも言ってあるから大丈夫だよ。」
それを聞くとなのははユーノ前で顔を下に向けたままプルプルし始めた。
「なのは?どうしたの?ぼくなんかマズイことしtぅわ!?」
言い終わる前になのはがユーノに抱きついてきた。
「うわーん、本物だよー!本物のユーノ君だよー!!しかも3連休だよー!!家族水入らずだよー!!」
「いや、なのは、意味わかんないよ?」
しりもちをついたままでかっこはつかないが、なのはをなだめるようにとりあえず後頭部をなでることにした。
「んー?なにー?……ユーノパパ?」
「あ、おはよう、ヴィヴィオ。レイジングハートもおはYO!?」
レイジングハートへの挨拶が終わる前に今度はヴィヴィオがユーノの飛びついてきた。
「ユーノパパ!!ユーノパパー!!本物だ!ちゃんと触れる!!フェレットでもないし、
ママの部屋にあるなんか電池で動くアレでもなく、ユーノパパだー!!」
なにかちょっと聞き捨てならないようなことが聞こえたような気がしたが、もはやそんなことを気にしている状況ではなかった。
とりあえず両手で二人をなでながら二人が落ち着くのを待つことにした。
「まあ、まとめると、あんまり僕に会えないから久々に、しかもかなりドッキリで会えて興奮した……ってこと?」
「「うん!!」」
落ち着いてから3人でテーブルに座ってユーノが作ったお雑煮を食べ終え、話をまとめるとこういうことだったらしい。
「いや、そんなに力強くうなづかれても。」
「「そんなことじゃないよ!!」」
(以下なのはをヴィヴィオは同時に言ってます)
な「だって今年……じゃない、去年か。あ、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。それはおいといて!
去年の間に私とユーノ君がデートできたの5回だよ!?そのうち3回はヴィヴィオと一緒だったし!!
いや、ヴィヴィオが一緒なのはなんの問題もないし、むしろ家族っぽくていんだけど!!
その間にはやてちゃんは出来ちゃって、フェイトちゃんはエリックさんと一緒に住み始めたんだよ!?
なのにわたしはまだユーノ君と恋人同士……いや、それに不満があるわけじゃないんだけど、
いくらなんでもデート回数とか、もっと言えば会える回数自体が少なすぎるとおもうんだよ!?」
ヴィ「だって今年……あ、もう去年だ。あけましておめでとうございます。それで!
去年のうち、ヴィヴィオがユーノパパとおでかけできたのは5回だよ!?そのうちなのはママと一緒だったのが3回!
いや、実は家族でおでかけ出来てうれしかったんだけど!!けど!エリオお兄ちゃんやキャロお姉ちゃんやヴィータお姉ちゃん
(……あれ?ヴィータお姉ちゃん入れていいのかな?)はもっとパパと一緒におでかけしてるんだよ!?
いくらなんでも一緒にお出かけできた回数……ていうか会える時間が短すぎると思うんだよ!!
それにパパと一緒に住んでないのヴィヴィオだけだよ!?」
「オッケー。まとめると、もっとかまってほしいんだね?」
「「うん!!」」
さすが無限書庫司書長。なのはとヴィヴィオの500字を超える抗議文をわずか10字でまとめてしまった。
「心配しなくてもいいよ、今回の休みはそのために取ったんだし。」
「「え?」」
そういうとユーノはビジネスバッグから1つの箱を出した。
「なのは、結婚しよう?」
「え……。」
中に入っていたのはシルバーリング。いわゆる婚約指輪である。
「後、婚姻届とヴィヴィオを養子にするための書類。」
「……ほんと?」
「ほんと。」
「……ヴィヴィオ、なのはママとユーノパパの子になれるの?」
「うん。……あ、いや。なのはがダメって言ったら無理だけど。」
「よし、これでオッケー。」
「って、はやー!?」
隣にはすでに婚姻届に自身の名前を書き、実印を押し終わったなのはがいた。
ちなみにユーノはすでに書類に名前を書いてあるので後は役所に出すだけである。
「よかったねー、ヴィヴィオー。」
「うん!!」
「……まあ、いっか。」
なんだか思ったよりもかなり早くことが済んでしまったが、自分が望んでいた方向に進んだので問題はない……ハズだ。
「それじゃー、お父さんとお母さんのこと行こっか?」
「おじいちゃんとおばあちゃんのところ行くー!」
そういえば、ラスボス(士郎)のことをすっかり忘れていたユーノ。
「……まあ、どうにか……するしかないよね、ここまで来たら。」
腹をくくるしかない。世の中こういう場面はいくつもある。今までも何度か経験してきた。
ただ、間違いなく今までの人生の中で5本の指に入る危険度だが。
「あ、そうだ。なのは、ヴィヴィオ。」
「「うん?」」
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくおねがいします。」
「「うん!!」」
すこし順番が変になって、トリプルエース3人の中では一番最後になったけれど、
ここが『3人』の新しい1年の始まりになることに間違いはなかった。
以上です。
なんでユーなの書こうとするとうまくいかないんでしょう?
今回構想の段階ではもっと家族団らんの
ユーなの甘々だったハズなんですけどね。
しかし、冬コミのユーなのの少なさには絶望した。
C74は中の人を目指します。
>>311 お前さんは一度ユーノスレに行きなさい
幾つかユーなのの情報が出てるぞ
それとGJですよ
>>311 GJ!
ユーなのが少ない? まあそーだけどさ。
元々同人はIF話から発展したものだということを考えたら、
少ないものは逆説的に本流なんだよw
クロニクルとか見るに、数年先の未来には何気なしに籍とか入れてそうな二人だしなあ >ユーなの
フェイトさんも中の人とか同人除けば普通に応援してる人だし。 ある意味間違いなく鉄板だよね。
…いや、直接描写ないから見たいのも本音だけどw
>>311 GJでした
なのはさんが壊れとる…あと、電池で動くアレてww
>>311 >この間にヴィヴィオが片付けた酒瓶の数
>ビール大瓶1ダース
>日本酒・焼酎一升瓶1本ずつ
>ワイン3本
>ウィスキー1本
>350ml缶26本
いくら何でも飲みすぎwwwwwアル中になるぞwww
>>311 ほのぼのつ〜か、ガチで原作の都築です。ほんとうにありがとうございました!
>>313 つまりこういうことか!
,.ィ , - 、._ 、
. ,イ/ l/  ̄ ̄`ヽ!__
ト/ |' { `ヽ. ,ヘ
N│ ヽ. ` ヽ /ヽ / ∨
N.ヽ.ヽ、 , } l\/ `′
. ヽヽ.\ ,.ィイハ | _|
ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、 | \
.  ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ > 少ないものは逆説的に本流なんだよ
. l  ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__
゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ トr‐' /
l `___,.、 u ./│ /_
. ヽ. }z‐r--| / ト, | ,、
>、`ー-- ' ./ / |ヽ l/ ヽ ,ヘ
_,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´ ./ \、 \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ / :| ,ゝ=< / | `'''‐- 、.._
/ !./l;';';';';';';\ ./ │ _
_,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\ ./|._ , --、 | i´!⌒!l r:,=i
. | |:.l. /';';';';';|= ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」 ))
l. |:.:.l./';';';';';';'! /:.:.| i´|.ー‐' | / | |. ! l
. l. |:.:.:.!';';';';';';';'| /:.:.:.:!.|"'|. l' │-==:|. ! ==l ,. -‐;
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l |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l l、 :| | } _|,.{:: 7 ))
l |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ' ::::::|; 7
. l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. \:::::\::::: ヽ ::::::!′ :::| .:/
. l |:.:.:.:.:.:.:∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.! /ヽ::: `::: :::: ....::..../
>>297 >知らなかったの?大魔王には援護さえ無意味なの
バーンの「大魔王からは逃げられない」を思い出したw
天地魔闘は本編でやってるから後は「メラゾーマではない…メラだ」ネタを(ry
>>311 なのはさん色んな意味で自重www
>>311 GJ!!
3人娘が皆幸せそうで何よりでした。
そういえば、八神家の残りの騎士、シグナム、シャマル、そして新参のアギトは何処へ?
319 :
246:2008/01/05(土) 07:46:55 ID:zHXAQU54
おはようございました246です。
前回感想レスありがとうでした。……246臭って何ですか? 臭いんですか?
とにかく、続き投下します。
注意
・そろそろ鬱の季節です。
・ヴィヴィオが可愛そうです。
・なのはさんが僅かに病んでいます。
では。
ひんやりとはいかないものの、それなりに冷たい水を顔にぶつけ、なのははどうにか落ち着こうと息を整え
ていた。
本局の化粧室。機動六課へと戻る途中の事である。
顔を上げ、なのはがその目で見た自分の顔を青ざめている。唇は震え、無意識にそれを抑えようとしていた
のだろう。形の良い唇が、僅かに痛々しかった。
「なのはさん、本当に大丈夫なんですか?」
「う、うん……スバルごめんね」
なのはが大丈夫と笑うが、スバルは心配の表情を崩さない。クアットロとの一件はディエチを通し、スバルの
耳にも入っているからだ。
直接の面識は無いものの、ナンバーズの皆から性格に難があると言われている存在だ。エリオとキャロ曰く、
二度と会いたくない存在。
そんなもの、何かを言われたのではと心配するほうが普通であろう。まして、先ほどから全く血の気の引か
ないなのはの表情を見ていれば尚更だった。
故に、なのはの先に帰っていいという言葉にもスバルは首を縦にしない。スバルだってなのはの性格は分
かっている。何があっても、彼女は大丈夫としか言わない。そして、そう言えば言うほど彼女は何かを我慢し
ているから。
スバルが考える。自分がすること。それは、そんななのはの表情の変化に意識を裂くこと。六課に帰る事で
は決して無い、と。
なのはの表情は、今まで見たことが無いくらいに追い詰められている。もしかしたら、ヴィヴィオが攫われ
た時よりも酷いだろう。
無論、なのはもそれは分かっている。分かっているから顔を漱ぎ、乱れている呼吸を徐々に落ち着かせ、鏡を
見ていた。
鏡に映る彼女の瞳は、何かに怯えているように震えている。洗面台で体重を支えている手も同様だ。
「違うよ」
呟いたのは、あの時言いたかった言葉。クアットロの言葉を聞きながら、何回もの呟いていたものだ。
一体、壊れてしまうとは何なのか。身体なのか。もっと違う、別のものなのか。答えの出ない自問を繰り返
し、耳を打った水音に視線を下げれば、洗面台に張った水が波紋を作っている。なのはの顎から伝った大粒の
汗のせいだった。
もう一度顔を荒い、汗を流し頭を振って。
「スバルお待たせ。もう帰ろうか」
「あ、はい……分かりました」
気分を変えたかった。いつまでもここにいても何も変わらない。そう、なのはが戸惑うスバルの手を引き、
六課への帰路を進む。
その間、なのはは無言で俯いたままだ。スバルはスバルで、そんな彼女に何が出来るのかと答えが出ない
迷路を彷徨っている。
「あ……」
そんな中、スバルが呆と呟いていた。
場所は六課の隊舎に入る直前。なのはが顔を上げ、目を見開いて。
「フェイト、ちゃん」
いつからそこにいたのか、こちらを真っ直ぐに見つめている彼女の名前を呼んでいた。
「お帰り。ずいぶん遅かったね」
フェイトが笑いかける。なのはの方を見つめて。
スバルの手が振り払われていた。振り払ったなのはは一目散にフェイトへと駆け寄り、先ほどの事が嘘のよ
うな眩しい笑顔を見せている。
きっと不安だったのだろう。ちゃんと話して二人で考えよう。そう、今心に決めていた。
「あ、あのねっ! ギンガのところでちょっと時間取っちゃって! フェイトちゃん何かお話しあるのかなっ?」
「そう」
フェイトがなのはを一瞥し、頷いた。そのまま駆け寄るなのはへと歩き出して。
「スバルお帰り。久しぶりにギンガとゆっくりできた?」
能面のような笑顔のまま口を開き、なのはの横を通り過ぎていた。
「ふぇ、フェイトちゃん……あのっ――――」
「ノーヴェは元気だった? 他のみんなは? ディエチはどんな感じ?」
スバルがフェイトを見上げ、戸惑っている。彼女の肩ごし、必死にフェイトに話しかけているなのはは今にも
泣きそうだった。
なのはの声は聞えているだろうに、フェイトは相変わらず何も考えているのか分からない笑みを浮かべてい
るだけ。スバルを真っ直ぐ見つめているのは、後ろを見ないためなのだろう。それだけはバレバレだった。
「あの、フェイトさん……」
「ん? なぁに、スバル」
――――なんで私だけ。
そんな呟きが聞えたような気がして、ハッとスバルがなのはを見た。
なのはが、笑みを浮かべながら泣いていた。
魔法少女リリカルなのはStriekrS
―君に伝えたいただ一つの想い―
(6)
怒りと言うよりも、訳が分からなかった。
そして、いつまでも一人考えているよりも、聞いたほうが早いと思った。
スバル達が隊舎に戻ってすぐの事だ。
感情のまま、スバルがフェイトを睨んでいる。思い出しているのは、別れ際のなのはの自棄ぎみに笑っている
表情。
それが、スバルに止まるという選択肢を許してくれなかった。
「フェイトさん! さっきの何なんですか!? あんなの……!」
「離して。痛いよ」
「答えてください!」
スバルに対するフェイトの瞳は、寒気がするほど冷ややかなもので。こうされることに些かの疑問も持って
いないどころか、寧ろ当然だと諦めているようですらあった。
自身の肩を掴んでいるスバルの手。それに、若干顔をしかめながらもフェイトは反論しない。静かに、離して
と呟くだけだ。
「なのはさんが何かしたんですか!? いくらなんでも酷すぎますよ!」
「スバルには関係ないでしょ。いい加減離してよ」
静かな呟きと、何もかもを諦めたような笑みが、もう何を言っても無駄なのではと思ってしまった。キャロ
が頑張って想いをぶつけた事も、きっと今のフェイトなら平気で無視できてしまうのだろう。
そんな事は考えたくないと、スバルが更にフェイトに詰め寄り感情をぶつけている。だが、無駄だ。
もう、フェイトにスバルの声は届いていない。
たった一人の声を遠ざける為に、全てを遠ざけてしまっているから。
「気持ちは分からんでもないけどな、こんなんでも一応隊長やからここらへんで止めてな」
と、そこへ静かな声がスバルの動きを止め、腕を下ろさせていた。
「はやて……」
フェイトが小さく彼女の名前を呼ぶ。表情は先ほどと変わらない。だが、そこに僅かに焦りが生まれている
のをはやては逃しはしなかった。
踵を返そうとするフェイトの腕を掴み、有無を言わせずにフェイトをそこへと連れて行く。
フェイトは抵抗しなかった。そもそも、そんな事は彼女の頭からは消えている。
「シグナム達と交代でな、定期的になのはちゃんの部屋見てたんやけどなぁ」
呟くはやての声は、怒りなのか悲しみなのか、或いは別のものなのかもしれない。色々なものが混ざり合った
重たいものだった。
フェイトにも、恐らくはやて自身ですら分からない感情は、自室の扉の前で蹲り、耳を塞いでいる親友へと
向けられている。
またやってしまったのだろう。そんな感情しか浮かばなかった。
「毎日毎日懲りないもんやな」
なのはがスバルと出かける直前もそうだった。泣いているヴィヴィオと、なのはを怒鳴りつけているはやて。
そして、何も言わず俯き、誤り続けているなのは。そしてフェイトは、他人に任せそれを見ているだけ。
はやてがフェイトに一瞥だけすると、なのはの元へ歩み寄った。何やら声をかけ、頬を叩いて立ち上がらせ
ようとして。
だが、なのはは何もせず、抵抗らしい抵抗もせず、はやてに引っ張られるままだ。その表情は前髪に隠れてよ
く見えないが、時折覗く暗い瞳はフェイトが始めてみるものだった。
なのはを立ち上がらせる事を諦めたのだろう。はやてが扉を開け、顔をしかめていた。なのはは扉が開いたと
同時に震え、耳を塞ぎ身体を丸めているだけだ。
きっと、ヴィヴィオの泣き声でも聞えているのだろう、とフェイトが他人事のように思っていた。
「ごめん……なのは」
きっと、自分のせいなのだろう。だが、それでも分からなかった。
なのはを無視しているのは確かだ。だが、それで何故ヴィヴィオが泣く必要があるのか。何故、なのはは
ヴィヴィオを泣かせているのか。
それを聞くには、フェイトはもう臆病になりすぎていた。なのはから一言、無視をされているからだと言わ
れると、どうしていいか分からなくなってしまうから。
それはフェイトにとって、今やっていることが揺らいでしまうのと同義だから。
「ママァ! なのはママ!」
声が響く。
空気を切り裂くかのような鋭い刃を持った、ヴィヴィオの泣き喚く、あるいは母にすがろうとする声だ。
なのははヴィヴィオの声から逃げるようにどこかへと駆け、はやてはそれに目もくれずヴィヴィオを引っ
張って行く。
フェイトはそれを無言で見ているだけ。はやてとヴィヴィオが彼女の隣に立っても、それは変わりはしな
かった。
はやてが一瞬躊躇った後、一気にヴィヴィオの袖を捲り上げた。フェイトが目を見開き、息を呑む。
ヴィヴィオのプニプニとした、子供らしい二の腕には不釣合いな青痣だった。
フェイトの目尻に、涙が浮いていた。
「ごめんな。痛かったやろー? もう大丈夫やから」
はやてがヴィヴィオを怪我を確認し、シャマルへと念話を送る。その間、ヴィヴィオは抵抗せず無言でフェ
イトを見つめている。
いや違う。
母を傷つける敵を真っ直ぐに睨みつけていた。
「なんでママに冷たくするの?」
ヴィヴィオの瞳は純粋で、フェイトを後ずらせる程に真剣なもの。
その無垢な瞳が、お前のせいだと言っているようだった。ヴィヴィオがそんな事を言ったわけじゃない。た
だの幻聴にも関わらず、それはフェイトの耳にはっきりと聞えていた。
――――違う。私のせいだから。
頭の中で響く自分の声。それをフェイトが否定する。
はやてが横目でフェイトを見る視線も、フェイトを責めていた。
「なのはママが何したの? 何か嫌がることした?」
まるで、なのはがそんな事をするわけ無いという口調だった。フェイトを睨むオッドアイの瞳には、以前の
人懐こいものはない。
母が自分を傷つける元凶に、そんなものを向ける必要などないのだから。
「なんでママの事怖がるの?」
「……」
ジュエルシードに触れて、なのはの夢を見始めてからだ。
なのはと話せなくなってしまった。一緒にいても落ち着かない。息が出来なくなってしまう。隣にいるだけで
溢れてきた暖かさも、いつの間にか不安に摩り替わっていた。
笑いあった記憶も今は失うという恐怖を増やすものでしかない。
固く誓った約束も今は別のものを守る為に忘れてしまった。
「ヴィヴィオ……フェイトママの事は嫌いになってもいいから。だから、なのはママの事見ててあげてね」
「あなたなんてママじゃないもん。ヴィヴィオのママはなのはママだけだもん」
あぁ、そうだ。もうそれでいい。
なのはもどうせなら、こうやって簡単に嫌ってくれればいいのに。
「はやて、ちょっと話があるんだ。いいかな?」
けど、もういいだろう。
ティアナとシャーリーには悪いけれど、もう止めよう。
「私、もう六課にいられない」
嫌ってくれないなら、向こうが近寄れないくらい遠くまで行けばいい。そうすれば、少しだけど楽だから。
――――それが、なのはを傷つけることでももう構わなかった。
* * *
限界は簡単に訪れる。
元々、耐性がなかったのだ。前々からあったことならまだしも、ここ最近になってされてしまっていること。
どう我慢すればいいのかも分からないし、どうすれば止めてくれるのかも分からなかった。
「ママァ……」
「うるさい! 黙っててよ!」
結局、溢れ、行き場のない寂しさと苛立ちはなのは一人で押しとどめられるものではなく、どこか落ち着ける
所を求めてしまう。
自分に纏わりつく小さい存在は、その点では言えば最高だった。
一度叩けば、苛立ちは少しだけれどなくなってくれる。もう一度叩けば、それよりもっと。たが寂しさだけ
は無くなってはくれないから、それを紛らわせる為にもっともっと。
我に返り、目の前で蹲るヴィヴィオに涙を流したのはそれからしばらくしてだった。
「ママ……しばらく外にいるから」
ヴィヴィオが泣いていた。痛みを堪えながら、滲んだ視界に母の姿を捉え立ち上がろうとしている。
それは、正視できるようなものじゃない。逃げるようになのはが背を向け部屋を出て蹲って。
拳を壁に叩き付けながら、自問した。
「何やってるんだろ……」
いつからこんなに弱くなったのか。
あの夢を見てしまってからなのだろうか。以前だったら、こんな事は絶対にしなかったはずなのに。
近くにいてくれないと不安になってしまう。話しかけて、笑みをくれないと満足できない。抱きしめて、優
しい言葉をくれないと何も分からなくなってしまう。
最初は想像だけのものだった。けれど、今は違う。夢の中といえど、現実にフェイトと愛し合ってしまった
から。
だから、それを失うという恐怖を知ってしまったのだろう。
「なのはちゃん」
いつからいたのか、はやてが傍らに立っていた。いつものように怒鳴りつけることはせず、じっと扉と、身
体を丸め膝を抱えているなのはを交互に見つめている。
しばらく経ち、ただ一言。
「またやったんか?」
静かにそう、なのはに聞いていた。
なのはが小さく頷けば目頭を強く抑え、震え始めた唇をかみ締めて。一度、何かに区切りをつけるように頭
を振った。
「なのはちゃん、手痛いやろ?」
「うん……痛い」
「他にどっか痛いとこは? あるやろ?」
なのはが、考えるようなそぶりを見せた。時間にしたら一瞬だろう。ただ、長い間考えたような表情で、た
だ一言、寂しいとだけ呟いていた。
そんなもの、はやてが望んでいる言葉じゃない事が分かっていながら。
「もうええわ。あんたもフェイトちゃんも母親失格や」
抵抗する暇は無かった。その場に倒れ、たった今何をされたか分からない様子で、なのはが赤くなった頬を
押さえている。
気付いた後もなのはは何もせず、扉の前で倒れたまま。はやてが邪魔だと言ってもそこを動く様子は無い。
はやてが面倒くさそうにため息を吐いた後、なのはの腕を引っ張り立ち上がらせようとするが、なのはは何
もかもやる気をなくしたかのようにはやての手にぶら下がっているだけ。
呆とどこを見ているのか分からない瞳からは、もう前のような明るい輝きは失せていた。
はやてが、なのはを投げ飛ばし扉を開け、一層大きくなったヴィヴィオの泣き声に顔をしかめた。
「ヴィヴィオ連れてくから。海鳴に行かせようと思うけど、ええな?」
「うん……そうして……」
はやてが強引にヴィヴィオを連れ、去っていく。ヴィヴィオはそれに逆らうようになのはに手を伸ばしていた。
あそこにいなくちゃいけない。いなくなってしまった人の変わりに、なのはの事を守らなくちゃいけない。
そうヴィヴィオがはやての腕を払おうとしても、それは子供の力でしかない。女性の力、腕力に自身のない
はやての力といえど、ヴィヴィオの抵抗をさせないことなど容易だった。
「ママァ! なのはママ!」
だから力の限り叫んでいた。なのはがもう自分の声など聞いてくれないと分かっていながら、声が枯れるの
も構わずに。
どれくらい叫んだ後だったか。なのはが始めて苦悶の表情を見せ、拳を握った。
つい最近だったはずだ。ヴィヴィオの笑顔をもっと見たい。そう思っていたはずなのに。今はそれが考えら
れない。
あんなもの、二度と聞きたくないものだったのに。今自分が平気でそれをやっている。
震え、唇から血が滲むほどかみ締めて。
ごめんなさい、と呟いて――――もう、限界は超えていた。
立ち上がり、なのはがヴィヴィオから逃げるように走り去る。何度も転びそうになりながら、それでも決して
走るのは止めない。
どれくらい走っただろう。気付けば、隊舎の外で汗を滴らせたまま荒くなった息を吐いていた。足元に転がっ
ている石ころを蹴り飛ばし、汗を拭いなのはが空をぼんやりと見つめて。
いつのまにか空は、一面の星空になっている。
それが今は寂しさを溢れさせていく。一緒にと願ったものだからだろう。それが叶わないかもしれない今は、
もう見上げることすらしたくはなかった。
今日は疲れてしまった。もう帰って寝てしまおう。そうなのはが隊舎へと向かい、聞きなれた声に足を止めた。
「フェイトちゃん……」
フェイトとキャロが並んで何かを話していた。そのすぐ近くには、ティアナとシャーリーが俯いている。
キャロのすぐ後ろでは、エリオが拳を握って唇を噛んでいた。
ここからでは二人の会話は聞えない。なのはが近づこうとする中、それを制止するようなキャロの泣き声が
なのはの耳を打つ。
理由は分からない。ただキャロが泣き、フェイトにしがみ付いている。フェイトはキャロにされるがまま、
小さな背中に手を回し、何事かをずっと呟いていた。
それが、とても羨ましかった。
「あそこは、私のなのに……」
フェイトに抱きつくのも抱きつかれるのも、全部自分だけの筈だ。笑みをあげるのも見るのも、頭を撫でて
もらうのも。
キャロの髪を結っているピンク色のリボン。あれだってそう。あれは、自分とフェイトを繋ぐ絆であって、
間違ってもキャロの髪を結うものなんかじゃないはずだ。
なのに、フェイトは自分が見ていることに気付いてくれない。それが今は涙が出るくらいに悲しかった。今
すぐにでも、駆け寄ってフェイトと話をしたいのに。
我を忘れてフェイトを見つめていると、フェイトがキャロから手を離し踵を返して隊舎へと戻っていく。
話は終わったのだろう。だが、キャロは泣き喚きながらフェイトを呼び止めようとしている。それをエリオが
止め、フェイトはティアナ達を連れ、逃げるように去っていった。
追いかけるなら今だろう。ただ、今はキャロの事が気になった。
フェイトと何を話したのか。
何故そんなに泣いてるのか。
いつまでリボンを付けている気なのか。
最後の一つだけでも、ちゃんと聞かなければ駄目だろう。
「キャロどうしたの? フェイトちゃんと話してたみたいだけど……」
「な、なのはさん! あの……!」
キャロが涙を溜め、戸惑いながらなのはに抱きついた。
何かを言いたそうに口を開いて何かを訴えて。だがそれもすぐさま嗚咽と共に消えてしまった。
「キャロ落ち着こう? フェイトちゃんどうしたの?」
早く話してよ。そう言いたいのを飲み込んで、なのはがキャロの言葉を待つ。だが、いつまで経ってもキャ
ロは何も言ってはくれない。エリオに視線を向けても同じ。
この様子では、いつまで経っても何も話してはくれないだろう。
それくらいは、今のなのはでも理解できた。
「フェイトちゃんの所行ってくるね。エリオはキャロの事ちゃんと見てること」
「はい!」
エリオが頷くのを確認し、なのはがキャロの手をそっと離した。
なのはが屈み、キャロの涙を拭って。
揺れたピンク色のリボンに目を奪われた。
ドクン、と心臓が高鳴った。
「それ……返して」
へ、とキャロが目を丸くする中、なのはがそっとキャロのリボンに手をかけた。
ブチブチ、と髪がちぎれる音と悲鳴が聞こえた。
* * *
僅かに残った罪悪感が胸を締め付ける。キャロの涙を思い出し、フェイトが小さくため息を吐いた。
余りにも突然すぎただろう。はやても驚いていた。ティアナもシャーリーも、戸惑いは隠していなかった。
「ごめん、みんな」
心にも無い事を呟きながら、フェイトがキャロの部屋の前に立つ。荷物はなのはの部屋を出たときのままだ。
衣類も制服とパジャマ。そして下着が数日分。バッグに丸めて詰め込めば後はもう明日を待つだけだ。
そう、疲れた様子で彼女がキャロの部屋の扉を開けた。
部屋にはキャロもエリオもいない。手探りで部屋の明かりのスイッチを探し当てれば、不意の眩しい光に
フェイトが目を細め、無意識に灯りを遮っていた。
「おかえり……フェイトちゃん……」
声がした。
いつからいたのだろう。フェイトがハッと顔を上げれば、なのはがベッドに腰をかけ、カードキーを指で遊
ばせながら顔を伏せている。
慌て、逃げようとフェイトがなのはに背を向け去ろうとする中、それを遮るようになのはがフェイトの腕を
掴み扉を閉め、フェイトを壁に押しつけ金の髪に顔を埋めた。
腕が締め上げられ、フェイトが痛みに苦悶の声をあげている。だが、なのはは構わずフェイトの髪の匂いを
吸い込み、久しぶりに感じたフェイトの暖かさに涙を浮かべていた。
そして、震えた声で呟いた。
「何で、避けるの……?」
「そんな事……」
嘘だ。実際に今だってなのはから逃げようとしている。心の中で呟いて、フェイトがなのはの腕を外した。
なのはの腕に先ほどの力は無かった。今はなのはが顔を覆うことに使われ、フェイトを拘束する役目は果た
していない。
逃げるなら今だろう。そうフェイトが扉を開け放ち、一歩を踏み出す。
それをなのはが後ろから抱きしめ、制止した。
「行かないで……私、フェイトちゃんがいなくなると駄目なの……何も考えられなくなって、何をしてるのか
……分からなくなる」
それはヴィヴィオの事を言っているのだろう。或いは違うことなのかも知れないが、フェイトにはもう分か
らない。
前はなのはの事なら何だって分かっているつもりだったのに。今は、なのはが何を考えているのか分からな
くなってしまっていた。
考えれば、それは当たり前の事だろう。
もう、なのはの事を見るのは止めると決めたのだから。
「ごめんなのは」
見てない人の事など分かるはずも無い。
だからなのはの涙を見ても、苦しくはあっても拭おうとは思えなかった。
「なのはは何も悪く無いんだ。ただ……私がなのはを嫌いになっただけだから」
こんな事だって簡単に言える。
嘘だよ、となのはが更に腕に力を込めるが、もうフェイトの心には届かない。
「私、何でもするからっ! フェイトちゃんのしたい事何でもする! ほんとだよっ!? だから――――」
「ごめん。もうなのはと話したくない。一緒にいたくない」
「嫌! 嫌嫌嫌ぁぁぁ――――!!」
まるで駄々をこねる子供のように、なのはがフェイトに抱きつき頭を振っていた。
もういい加減にしてほしい。こっちはもうなのはと会話なんてする気は無い。そうフェイトが吐き捨て、な
のはを振り払っても、なのははフェイトの足にしがみ付き涙を流して懇願する。
「お願いだから……我侭だって言わない。嫌いなら嫌いのままでいいのっ! 今までみたいになんて思ってな
いから! フェイトちゃんの傍にいられればいいから!」
そう、他に望むものなんて無い。
今この手にあるぬくもりがあればそれでいい。クアットロの言葉。あれが本当なら、フェイトの事だけを考
えたかった。
嘘じゃない。本当に、心からの言葉だ。
それなのに――――。
「だから嫌だって言ってるでしょ!? 何で分かってくれないの!?」
「げほっ、げほっ! ふぇ、ふぇいとちゃん……」
なのはの身体が小さく跳ねた。目を見開き、たった今蹴られた痛みに喘ぎ、吐き気を堪えながら蹲っている。
「フェイト、ちゃん……お願いだから……何だってするから……」
フェイトはもういない。逃げるように立ち去り、何処かへ消えてしまっている。
それが分かっていないのか、なのはは痛みに蹲りながらも、フェイトがたった今いた場所に笑いかけながら
懇願し続けている。
決して応えてくれない呼びかけをいつまでも。
ただ一つの願いと一緒にいつまでも。
「フェイトちゃん……一緒に……」
――――あの……。
声が聞こえた。誰の声かはよく分からない。ただ懐かしい声だった。
だがそんなもの、どうでもいい。
願いは唯一つ。彼女と一緒にいることだ。それが叶うなら身体も心も何もいらない。
フェイトの事だけを考えて、壊れてしまおう。
何も分からなくなるくらい、フェイトの事を愛してしまおう。
そうすれば、きっとこの寂しさも埋まってくれる筈だから。
328 :
246:2008/01/05(土) 07:58:20 ID:zHXAQU54
以上です。ありがとうございました。
なのはさんの願いは叶います。この話は文句なしのハッピーエンドへと向かいます。
病む過程も出来る限り省いています。この話はなのはさんが病む話じゃありません。
ではではまた次回。
朝っぱらからなんという鬱
>この話は文句なしのハッピーエンドへと向かいます。
>病む過程も出来る限り省いています。この話はなのはさんが病む話じゃありません。
口虚だっ!!
>>328 GJ!待ってました!
しかし、ここからハッピーエンドに向かう方法が思い浮かばないw
次回も期待してます
何故かは知らんが、なのは×エリオなんてエロい夢を見た…
一体何故……
よし、それを文章に起こすんだ。
さあ!早く!
そろそろ396氏の格好いいユーノの都築が読みたい……
GJ!!!!
なのはがフェイトの方を好き好き大好き〜♪なのは結構珍しいパターンですよね?
さあ!!このままハッピーエンドに一直線!!(バッドエンドも好きだけど
都築楽しみにしております!!!
>>328 GJせざるをえない!
なのはさんがどうなっちまうのか、どきどきするわー
3期終了後を舞台にした話が見たいな〜
ティアナが執務官になるまでとかスカ一味のその後とか
地上本部のその後とかヴィヴィオの学校生活とか
>>331 エリオ×なのはだった俺よりはまだマシだと思う…
どんなカオスだよと。
>>280 >なのはさんコスの中将
そのネタ貰い受ける
340 :
( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2008/01/05(土) 14:33:02 ID:6zV0w9ra
皆様、新年明けましておめでとうございます。
投下いかせていただきます。
注意事項
・捏造有り過ぎ
・レイジングハートの形状が(アニメ、リリちゃとも)違います。
・ついでに本編とレイジングハートの特性も違います。
・正直アリサ強杉。どこの跳躍系だ。
・非エロ。
・まずい今回また消化話だ……
・アリサはツンデレというよりデレデレ。
・あぼーんキーワードは「リリカルバイオレンス」
ヒュオォォォォ……
転移したのは、より上空。
眼下に、雲が渦巻いているのが見える。
アリサは、ペンダントを下げるネックレスに手をかける。
「行くわよ、レイジングハート!」
『OK, Master』
なのはは、上衣のポケットから白銀のカードを取り出した。
「L4U、お願い!」
『Yes, Ma’am』
2人の姿が、各々の魔力光の、垂直の魔方陣に包まれる。
『Standby, Set Up, Ready』
2つのデバイスの声が、重なった。
2人の身体を、バリアジャケットが覆う。
西洋剣に構築されたレイジングハートをアリサの右手が、錫杖に構築されたL4Uをなの
はの左手が握る。
『Flier Fin』
情熱的なオレンジと、優しげな桜色の、光の翼が、羽ばたく。
リリカルバイオレンス
PHASE-9:Joint struggle
『Sir!』
バルディッシュが、短く告げる。
「!」
だが、フェイトの反応は、少し遅れた。
無理も無い。大量の魔力を、周囲の空間に放出している最中だ。
『Ray Lance, Tri』
キィン
青白い、鋭い魔力弾が、降ってくる。
『Defencer』
バルディッシュの刀具に、金色の光の盾が形成される。
だが、
パチパチパチっ
光の盾に遮られた魔力弾は、まるで炭酸の泡のように、あっさりと弾けて消えた。
「えっ?」
フェイトは、意表を突かれ目を円くする。
『Axel Fin, Flash Move』
アリサの身体が、瞬時にフェイトの目前に滑り込む。
「この、バカ!」
アリサは、怒鳴りながら、フェイトの胸倉を掴む。
「こんなのであっけなく終わりだなんて、あたしは認めないわよ!」
「!?」
フェイトは目を白黒する。
「フェイト!」
狼形態のアルフが、アリサ目掛けて魔力弾を放つ。
「フォトンランサー!」
「プロテクション!」
緑色の光の盾が、アルフの赤い魔力弾を弾き、霧散させる。
「落ち着け、僕達は彼女に危害を加えに来たんじゃない」
シールドを張るユーノの前に躍り出て、クロノが毅然と言う。
「フェイトちゃん!」
アリサがフェイトの胸倉を掴んでいる傍らに、なのはが近寄ってくる。
「私達まだ、フェイトちゃんからお話聞かせてもらってないよ」
「え?」
なのはが言うと、フェイトは当惑した表情を浮かべつつ、アリサとなのはの顔を交互に
見る。
「何も知る事が出来ないまま、The Endなんか許さないって言ってるのよ!」
「…………」
アリサの険しい言葉にも、フェイトは当惑した顔で相手を見るばかりだった。
「どうして、君たちは……」
「話は後だ!」
フェイトが訊こうとしたとき、クロノがアリサやなのはのは以後から、すっと近付いて
きた。
「ジュエルシードが発動する! 共振でとんでもない力が放出されるぞ!」
クロノが落ち着いてはいるが、それがかえって切迫感のある声で言う。アリサは半ば突
き放すように、フェイトを解放した。
「ちゃっちゃと、止めるわよ」
「…………」
アリサの言葉に、まだフェイトは戸惑いの色を隠さない。
「何やってんのよ、アンタのせいでこんな事になってんのよ、力貸しなさい!」
「う、うん」
ぶっきらぼうなアリサの物言いに、フェイトは戸惑いながら、バルディッシュを構えな
おす。
『Device form』
「いいか、1人1つずつ、1回で終わらせるぞ!」
「OK……レイジングハート!」
『OK, Master. The completion of charge』
「お願い、L4U」
『Yes, Ma’am』
「バルディッシュ」
『Yes, Sir!』
4人の視点が、そこに集まる。
暴走しかけたジュエルシードが、共振して巨大なフィールドを形成している。その魔力
流が地球の自転に干渉され、四方に魔力を含んだ竜巻を発生させている。
「バインド!」
ユーノの声。緑色の魔方陣から緑色の光の鎖が延び、フィールドを周回していた竜巻を
捕捉する。
「仕方ないね!」
そこに、紅い光の鎖が加わる。
ユーノとアルフのチェーンバインドがうねり、フィールドへの射線をこじ開ける。
「はっ!」
『Devine Clasher』
「うんっ」
『Thunder Smasher』
「えいっ」
『Blaze Canon』
「行けっ」
『Blaze Canon』
金色の、桜色の、薄水色の、そして、細いが、鋭さを持ったオレンジ色の、4本の光の
矢が、フィールドの、その中心のジュエルシード目掛けて放たれる。
フィールドは、薄いガラスの膜のように砕け散った。ジュエルシードを、4本の光の矢
が捉えた。渦巻いていた魔力が霧散し、バインドが括っていた竜巻も消滅する。
上空で渦巻いていた雲も、いつしか消え失せ、洋上の強い陽の光の下、4つのジュエル
シードは、正四角形を形成するように周回しながら、漂っている。
『Ray Lance, Shoot Ready』
胸を撫で下ろす魔導師達の中、アリサだけがそのままレイジングハートを構えなおした。
「!」
「させるかっ」
飛び出したのは、アルフと、クロノだった。
2人の手が、争いながら、ジュエルシードに届こうとした瞬間。
バリバリバリバリッ
「うわあぁぁぁぁぁぁっ────!?」
天より迸る紫電が、クロノを襲った。
「なにっ、これっ」
アルフとクロノの手が、ジュエルシードに届こうとするのが、見えた瞬間。
「アースラ」のメインスクリーンが、砂嵐とブロックノイズに支配される。地上のモニ
ターが途絶えた。────ジャミングされている。
「どうなってるの!?」
エイミィのCICコンソールに、赤いエラー表示が無数に踊る。そして、ひときわ大きな、
警告表示。
「次元転移を伴った魔力攻撃! 本艦2時方向12度から接近!」
男性オペレーターの声が響く。
「回避は!?」
リンディの、険しい声。
「間に合いません!」
悲鳴に近い、声。
バシャアァァァンッ
赤紫の、稲妻のような、巨大な魔力弾が、アースラに命中する……当たる、というより、
包み込む、様な感じで。
衝撃が、「アースラ」を襲う。艦橋のスタッフも、相殺しきれないGに、シートから投
げ出されるほどに、激しく揺さぶられる。
「損害確認!」
艦長席で、踏ん張り、立ち続けるリンディが、そう指示する。
「動力、装甲、被害軽微、航行に支障ありません」
「レーダー、ソナー群、残存魔力の影響で機能喪失中! 通信も駄目です!」
メインスクリーンに、現場の情報は戻ってこない。
「やられたわね……」
「クロノ!」
アリサとなのは、ユーノが、揃って声を上げる。なのはは「クロノ君!」だったが。
「…………!?」
怪訝そうに眉をひそめ、アルフはジュエルシードを掴み、そのまま前進して突っ切る。
だが。
「! 2つしか、無い!」
アルフは、手の中のジュエルシードを凝視して、驚愕した。
「アリサ!」
バリアジャケットに焦げ目を付けられつつも、クロノは叫び、そして、それを一直線に
投げた。
2つの青い宝石が、光になって、レイジングハートのコアに取り込まれる。
その間に、クロノは自らの体勢を立て直し、S2Uを握りなおす。
アルフは、アリサとクロノを交互に見、戸惑ってしまい、クロノが体勢を立て直す隙を
与えてしまった。
『Caution!!』
ひときわ強い、レイジングハートの「警告」。
空に、いつの間に現われたのか、不気味に渦巻く黒い雷雲。
そこから、再び、紫電が空中を迸る。
「うわあぁぁぁあぁぁぁっ!?」
「えっ?」
「えぇっ!?」
アリサとなのはは、驚愕の声を出した。
紫電が襲ったのは、フェイトだった。
「本当に駄目な子ねぇ、フェイト。母さんの手を煩わせるなんて」
女性の声が、不気味に周囲に響く。
「お前は!」
クロノが険しい声を出し、S2Uを構えようとする。だが────
「うわっ!?」
紫色の光の縄が、クロノを絡めとり、雁字搦めに拘束する。
「ちょっ、なっ」
アリサが驚き、反射的にクロノに近付こうとする。
「動かないで!」
ユーノの声。
「ラウンドシールド!」
巨大な、緑色の光の盾が現われる。アリサとなのはを狙って放たれてきた紫電を、遮る。
ユーノが、2人の目の前に滑り込んできていた。
「くっ」
歯痒そうな、口惜しそうな表情をしつつ、先程クロノと競り合ったときに人間形態にな
っていたアルフは、気絶しかけているフェイトの身体をしっかりと捕まえると、黒い雲の
方に向かって離脱していく。
「待ちなさいよ!」
「ま、待って!」
バシャーンッ!!
アリサとなのはが声を上げ、追おうとするが、その途端、強烈な紫電が2人に向かって
放たれる。ユーノのシールドに当たって、弾け、霧散する。
フェイトとアルフの姿が、雲に吸い込まれるように消えるまで、4人は身動きをするこ
とさえできなかった。
黒い雲は、そんなものはどこにも無かったかのようにたちまちのうちに消え、再び、平
穏な、海鳴の海が戻ってきた。
アリサとなのは、ユーノは、宙に浮いたまま、呆然と立ちつくす。
「なんなのよ、あれ……っ!」
アリサは、不愉快そうに、険しい顔で怒鳴る。
「プレシア・テスタロッサ」
バインドを破ったクロノが、近付いてきて、そう言った。
「次元転移越しの魔法攻撃なんて、早々出来る人間はいないからな」
「テスタロッサ?」
アリサが、その単語を反芻する。
「フェイトの母親……だな。多分、今回の黒幕だよ」
クロノは、アリサほど露骨ではないものの、なぜかとても不快そうに、そう言った。
「クロノ君、大丈夫?」
なのはが近付き、心配そうに訊ねる。
「たいした攻撃じゃなかった。ただ、バインドの方はかなり強力だったが」
バリアジャケットには焦げたような損傷があったが、クロノ自身はケロリとしている。
『Barrier Jacket Refresh』
「いくら高度な魔導師でも、遠隔魔法でバリアジャケットはそう貫(ぬ)けないよ」
S2Uにバリアジャケットをリフレッシュさせつつ、クロノはそう言った。
「その、高度な魔導師、って言うのが、プレシアって奴なのね?」
アリサが訊ねる。
クロノは、深く頷いた。
「ああ。詳しい事は戻ってから説明しよう。今は、『アースラ』の方も気にかかる。近く
にいる事は、気付いてるはずだ」
大魔導師と呼ばれたプレシア・テスタロッサ。
彼女はかつて、時空管理局の技術開発部に所属し、いくつもの新技術開発に携わってい
た。
しかし、10年ほど前、実験計画を管理局に許可無く変更、無謀な条件で強行。
小規模次元震を伴う事故を起こした。
その後、辺境世界の管理局支部に異動。
左遷とも言われる一方で、自ら希望したとも言われる。
同時期、プレシアは一人娘アリシアを失っていた。それに重なる失態、失意のまま、第
一線を退いたというものだ。
「なんか、ヤな感じね」
「うん……」
夕暮れの海鳴市。
アリサとなのはは一時休暇。高町家のある住宅街の近くを歩きながら、アリサは面白く
なさそうな顔で紅い空を見上げ、なのはは少し俯いている。
「にしても、まずいわね」
アリサは、そう言って顔を下げ、苦い顔をする。
「え、なにが?」
「あたし、DaddyとMomに直接言ってきたわけじゃないのよね」
腕を組んで、汗を苦虫を噛み潰したような顔をする。
「お父さんとお母さん、知らないの!?」
なのはが、驚いて目を円くし、アリサに聞き返す。
「鮫島には言ってきたんだけど……あたしが出てくる時、家にいなかったし」
気まずそうなアリサの表情は、わざとです、と語っている。
「あはは、実は、私も似たようなものだったり……」
なのはは、やはり、気まずそうな苦笑で言う。
「えーっ!?」
アリサは驚いたように、声を上げて、目を剥いた。
「なのはが? お父さんお母さんに黙って?」
信じられないものを見た、という目で、訊き返す。
「黙って来たわけじゃないんだけど……お父さんとお母さんにはかなり反対されちゃって」
「まぁ当然か……」
苦笑しながら言うなのはに、アリサは腕を組んで言う。
「お兄ちゃんがね、悔いを残すな、って言ってくれて。お姉ちゃんもそれを応援してくれ
て。だから、出てこれたんだけどね」
「やっぱ帰りにくいか」
アリサはそう言って、軽くため息をつく。
「よし、こうなったら2人ですずかの家に押しかけちゃおう!」
「えーっ!?」
アリサは腕を振り上げて言う。それを聞いて、今度はなのはが目を見開いて、アリサの
顔を凝視した。
「だーいじょうぶだって、すずかン家、普段は忍さんとメイドさんしかいないし」
「それはそうかもしれないケド……」
諌めるように言いつつも、なのはも自宅には帰り辛いのは一緒で、ずんずんと進むすず
についていく。
「それにさ」
歩きながら、アリサは軽く振り返って、言う。
「考えてたんだけど、すずかには、話しておこうよ。あたし達、3人の中で、すずかだけ
仲間外れなんて、まずいわよ」
「ん」
アリサの言葉に、なのはも笑顔になって、頷く。
「そうだね」
広大な庭を持つ月村家へ向けて、住宅街を歩いていく。
「あれっ?」
「ん、どうしたのなのは?」
突然、なのはが歩みを止めた。
「あれ、ここは……」
アリサは、多くの樹が植えられた公園を見上げる。
そこは、ユーノと初めてであった公園。
「キュキュッ」
アリサの肩に乗っていたフェレット形態のユーノが、大地に飛び降り、公園の中に向か
って走り出す。
「やっぱり!」
「何かいるのね?」
ユーノを追って、なのはが、そしてアリサがそれを追う。
そして、其処。ユーノと、アリサ達が最初に出会った場所。
そこに、今は、紅い狼が倒れていた。
「アルフ!」
「アルフさん!」
アリサと、なのはが声をかける。
だが、アルフはぐったりと横に倒れたまま、応える気配は無い。
ユーノが、緑の光を纏い、人間形態に変身する。そして、アルフの元にかがみこみ、手
をかざした。その手のひらに、小さな、緑色の光の魔法陣が現われる。
「怪我はたいした事無いけど……魔力が、精神力が傷つけられてる。ちゃんとしたところ
で休ませないと……」
ユーノは、険しい表情で言う。
アリサとなのはは、顔を見合わせる。
そして、アリサは軽くため息をつきつつ、上衣のポケットから携帯電話を取り出した。
「しゃあない、またファリンに貧乏くじ引いてもらうか」
そう言って、メモリからファリンの番号を呼び出す。なのははその背後で苦笑するが、
止めようとはしなかった。
「ごめん、すずか」
月村家、すずかの部屋。
古い毛布や古タオルを敷き、アルフが寝かされている。いつもは埋め尽くすようにいる
猫は、今はシャットアウトされている。
「大丈夫だよ」
すずかはそう言ってから、未だに信じられないといったような表情で、アリサとアルフ
を交互に見る。
「これがあの、温泉で会った女の人だって」
アリサは身体を起こし、腕組みをして、あまり愉快そうではない表情をした。
「正直、あの時はあんまり好きになれそうなやつだとは思わなかった」
なのはが、あはは、と苦笑する。
その時。
アルフの身体が紅い魔力光に包まれ、その身体が、人間形態へと変化していく。
「ん……ああ、この姿なら、そっちのお嬢さんにも解るだろ」
ゆっくりと身体を起こす。その途中にも、よろけかけた。
「っ、まだ、無茶しちゃ駄目だよ!」
なのはが、支えるようにアルフに寄る。
アルフはなのはに支えられるようにしつつ、古毛布の上に胡坐をかいた。
「あ、はい……」
すずかは頷く。以前にあったときは、狼の耳としっぽは隠していたのだが、確かに見覚
えはある。
「それで」
アリサは、ぶっきらぼうな口調で、アルフに訊ねる。
「なんでアンタ、あんなところに倒れてたのよ。フェイトのところにいなくて良いワケ?」
「それは……」
むすっとした表情のアリサに、アルフはしかし、何かを躊躇うように、視線を逸らす。
「それに」
アリサはさらに続ける。
「あの時茶々入れてきたのがプレシアって奴だってんなら、なんでフェイトに攻撃した
の? フェイトのお母さんなんでしょ?」
「それは……」
アリサの問いに、アルフは、いったん言葉を詰まらせる。だが、それは、話せないとい
う意味ではない。ただ、吹き出す感情が、一瞬、オーバーフローした。
「あいつ! おかしいんだ! プレシアは! 自分の娘に……!」
アルフは、見かけだけなら、はるかに年下のアリサに、正面からすがりつく。
「っつつ、くっ……」
「っあ、動いちゃ駄目だよ……っ」
慌てて、すずかが駆け寄る。だが、アルフは構わないといったように、顔を上げてアリ
サを見る。
「アンタ、言ってただろ! フェイトを止めるって。あたしが頼むのも変かもしれないけ
ど、お願いだよ。そうしないと、フェイトは自分の母親に……潰されちまう」
「え……?」
アリサ達の表情がこわばる。
『事情はかなり深そうだな』
念話で、クロノの声が聞こえてくる。
『管理局……か……』
アルフは、諦めたように、言う。
『執務官、クロノ・ハラオウンだ。事実を話してくれるのなら、悪いようにはしない』
『話すよ……だから、フェイトを、助けてやってくれよ。あの子は何にも、悪くないんだ
よ……』
アルフの言葉は、嗚咽交じりになる。
『解った、出来る限りの事をしよう』
『…………』
「アルフさん、大丈夫なの? 泣いてるよ?」
念話に参加できないすずかが、心配そうな表情で、アリサに問いかける。
「……えっと、今ちょっと、別の人とお話してるところなのよ」
「別の人?」
まだ基礎知識も持っていないすずかに、アリサは難しそうな表情をする。
一方、アルフは苦渋の決断をする。
“できる限りの事をする”。この言葉は、こと役人から発される場合においては、結果
までもは保証できないという意味だ。だが、今のアルフに、それ以外の選択はできない。
『解った、話すよ……』
アルフは、語り始めた。
「エイミィ、記録して」
「やってるよ」
「アースラ」のCICコンソールで、クロノとエイミィがやりとりをしているのと同時に。
「ユーノ」
「うん」
フェレット形態のユーノは、アリサの肩で頷いた。
「レイジングハート」
『Yes, Master』
2人の力強い応えに、アリサは顔を上げる。
『アンタ……アリサって言ったっけ……フェイトのこと、頼むよ』
「OK、まかせておきなさい」
アリサは、右手の親指に、ペンダントのレイジングハートの紐をかけつつ、胸を張った。
>>341-345 今回は以上です。
レス番ミス
>>348は 8/11 です。
なんか今回野郎が活躍気味?
無印の時間軸ですからまだショタ執務官殿とショタフェレットですが。
>>352 待ってましたー!!これは続きに期待せざるをえないw
いいですショタは大好きですから。
GJ!!!!
シャーリー→グリフィス→はやて→ヴェロッサ→シャーリー→・・・・・・
なんてものを受信した
>>352 GJ!
貴方を待ってましたー!
事件が解決したら結局ユーノは婚約者にされてしまうのか、上手く一族の元に逃げ帰れるのか、
今連載中の作品の中で一番結末の気になる作品だったりしてます。
357 :
愚者の人:2008/01/05(土) 16:32:14 ID:ZhPq0q3P
>>336 次回作のSSとして考えてるんだけどね>三期終了後
時間軸としてはJS事件終了後半年。
意見陳述会襲撃やゆりかご浮上、レジアス中将暗殺などにより市民や企業は管理局に対して強い不信感を抱く。
その管理局、地上本部でも治安維持の名目で過剰な介入を行う本局に反発する一部の局員がクーデターを計画。
聖王教会ではヴィヴィオ出現により狂信者が次第に暴走、破壊されたゆりかごの残骸の回収を始める。
本局も穏やかではなく、最高評議会の死亡により彼等が囲っていた犯罪者や訳有りの魔導師が一斉に行方をくらます。
更にスカリエッティには最高評議会やレジアスを殺害するメリットは薄く本局には不穏な噂が流れ出す。
そんなメルトダウン寸前、予言の三行目と四行目はこれから起こるんじゃね? なミッドチルダが舞台のティアナSS
>>331 小学生みたいなアタックをエリオにかけるなのはさんとか妄想したぜ
可愛いな!
>>357 オマイは自分のサイト持つか、もっと本格的なところに投稿した方が良い希ガス
>>357 執務官になったティアナのその後SSは読みたいなあ。
見たいですね。
>>336 ヴィヴィオの通う学校に古代ベルカ時代のロストロギアが封印されてて、偶然
封印を解いてしまったヴィヴィオが頑張って再封印に挑む話なら考えてる
マスキャラはザフィーラで
363 :
44-256:2008/01/05(土) 18:55:44 ID:2OTpIisF
すみません。昨夜のゲンヤSSの続きを投下します。
倉庫付近は騒然となっていた。取引現場を抑えることはできたものの、
予期せぬ魔導師の乱入が大きく影響していた。
周辺で救助者がいないか探すもの、地上本部に連絡をとるもの
そしてギンガのように回復魔法の手当てを受けるものもいた。
『はい。組織の魔導師も一瞬で倒されました。全員重症ですが命に別状はありません』
『乱入した魔導師の行方は現在捜索中です』
『ロストロギアをめぐっての抗争がクラナガン内で行われる可能性もあるので、警戒を』
ギンガが手当てを受けながらそう報告をしていると。
「ギン姉、大丈夫?」
「なんや、無事みたいでホッとしたわ」
「スバル、それに八神二佐!?」
意外な2人の来訪者であった
「八神二佐に特救隊の宿舎へ案内してもらってて、通信を聞いてこっちに来たの」
「私は大丈夫よ、ありがとうスバル」
しかし、ブレイク・インパルスを短時間で詠唱し打ち込む技量、相当な魔導師だとギンガは思った。
そしてスバルはゲンヤの方を向き
「お父さんも大丈夫だった?あの魔導師の近くにいたんでしょ」
「あっ、ああ、そうだな」
「?」
はやてはゲンヤの態度を不思議に思った。
ゲンヤは指揮車によりかかったまま3人の会話を聞いていた。
しかし、思うところがあるのか終始ずっと黙っていた。
ゲンヤが会話の輪からはずれるとはやてが話しかけてきた。
「ナカジマ三佐」
「・・・」
「何かあったんですか?」
「・・・」
「もしかして現場に現れた魔導師を」
「見間違えであってほしい、確証もねえし、少しだけ時間をくれ」
ゲンヤはそれだけいうと、指揮車に乗りこんでしまった。
その日の夕方、クラナガン、サードアヴェニュー。
賑やかなショーウィンドウが立ち並び家族連れも多い。
かつてシャーリーによりエリオとキャロのデートが企画されたこの場所も
裏通りに入ればとたんに雰囲気が変わる。
ゲンヤが裏通りに入ると、帽子とマフラーで顔を隠した男がやっていた。
「旦那があっしを呼び出すなんて久しぶりですね。管理局員はあっしらをあんま使わないスから」
「んで、マーロゥの情報は?奴は管理局をやめてから何があった?」
「・・・500,000」
「薄給なんだ、勘弁しろい」
そういいつつ紙で包まれた厚い包みを差し出したが、男は笑いながら200,000だけ引いた。
「相変わらずクソマジメだな、旦那には何度か危ない橋を救われたし、200,000にしときやすよ。
これが奴の情報」
そういってゲンヤにディスクを渡し、中身を説明する。
説明を終えるとこう言った。
「あっしらは本来、次元世界のモグラ共がおとくいですから。
旦那みたいな管理局のキャリア組や魔導師連中はもっと組織的に捜査するもんじゃねーですか?
魔法とか使って」
「・・・色々事情があるんだよ、それに俺はキャリア組じゃねえ」
「まあ変なこと考えないで、お役所仕事にはげんだ方がいいですぜ。そんじゃGood Luck」
男はそういって表通りの雑踏に消えていった。
夜、陸士108部隊のオフィス。
情報屋から入手した情報をゲンヤは目を通す。
マーロゥ・リーガン元二尉、年はゲンヤよりもずっと若いが、同期で管理局に入った
男であり優秀な魔導師でもあった。
ゲンヤと部隊が一緒だったころは、いくつもの事件を解決し、共に命をかけてきた仲間だ。
マーロゥにはフィアンセがいた。
彼女も同じく魔導師としてクイントやメガーヌと同じくゼストの部隊におり
よく2人でゲンヤたちの家に遊びに来ていた。
しかし、ジェイル・スカリエッティの戦闘機人事件を捜査、例の研究所への潜入任務で
部隊はゼストとメガーヌを残し全滅した。
葬式にマーロゥは現れなかった。
その後すぐ、管理局をやめたマーロゥは傭兵となり辺境の次元世界をわたりあるいたという。
そしてJS事件。この事件によりフィアンセの死の真相が明るみになった。
蛇の道は蛇、裏社会の組織に属することで、情報を入手しスカリエッティの
スポンサーとなっていた犯罪組織を消していく。それが昼間、凶行に及んだ理由であった。
情報屋は言っていた。
『今度の取引、明日の深夜に西廃棄区画であるそうですぜ。マーロゥはまた
その場にあらわれるんじゃねーですか?でも前回強襲されたから相手さんも
かなり警戒してるし、襲うつもりなら今度は奴の命もオシマイじゃねーですかね?
まっ、同士討ちしてくれた方が旦那方、管理局の手間も省ける』
ディスプレイを閉じたゲンヤはワイルドターキーをグラスに注いだ。
グラスをまわしながら8年前を思う、あの時もワイルドターキーを飲んでいた。
(8年前のクラナガンのバー)
「あいつが二人を引き取るなんていった時はびっくりしたぜ」
「クイントさんは大丈夫だろ。お前の方が大丈夫なのか?」
「当たり前だ。二人の名前は俺が付けたんだぜ」
「ギンガとスバルだったか?いい響きだな」
「だろ?俺のご先祖さんがくらしてた第97管理外世界の言葉なんだ。大空に輝く星とか、そんな意味らしい」
「お前にしてはまともなネーミングセンスじゃないか」
「やかましい。そういやマーロゥ、お前近々、彼女と一緒になるんだってな」
「ああ、今あいつが抱えている戦闘機人の事件が終わったらな。そこでなんだが、クイントさんとお前に
結婚式の立会い人になってもらいたいんだ」
「俺たちが?よせよガラじゃねえ」
「お前とクイントさんだからこそ頼みたいんだ。祝福してくれよ、俺たちを。」
「・・・わかったぜ、相棒」
「サンクス、相棒」
−二人が亡くなったのはそれから1週間後のことだった−
朝がきた。
ゲンヤは奥の引き出しから警棒をとりだした。
新暦以来、質量兵器の知識がほとんど衰退してしまっている次元世界。
武器といえばデバイス等に代表され魔導兵器であるが、魔導師の素質のない管理局員、
主に下級の警ら隊員が街の治安維持のため、犯罪の取り締まりに用いるのがこの警棒であった。
かつてゲンヤも薄青色の制帽と制服を着て街を歩き、置き引き、スリ、窃盗犯から、
時にはデバイスをもって武装している違法魔導師に対しても(今では対魔法戦闘となりそうな場合、
即座に魔導師や騎士へ連絡して、対処することなど無いのだが)警棒をふるっていたことがあった。
ゲンヤは警棒を腰にさし、コートに袖を通した。
隊舎を出ようとしたとき、スバルとギンガが入ってきた。
二人はゲンヤを見るなり駆け寄り
「お父さん残業だったの?ラッドさんが気を回して連絡くれたよ。帰らないなら私に言ってくれないと」
「私も気になって6課へ戻る途中に一緒に来たの」
「すまねーな・・・ギンガ、わりい。今日1日休むわ」
入局以来、皆勤がとりえの父親から出た休みの話に二人は顔を見合す。
「どっか身体の調子が悪いの?」
「いや、ちょっと寄るところができてな」
「そうなの?」
「大丈夫だよ。少しばかし軽い用事だ。もしもよ、俺が夕方までにるようだったら
俺の机の上に置いてあるディスクを八神の嬢ちゃんらに渡してくれ。中に大事なもんが入ってるからよ」
「う、うん」
「ありがとよ・・・んじゃ頼むな」
ゲンヤそういって二人の頭を軽くポンポンとはたくと、隊舎をあとにした。
to be continued
367 :
44-256:2008/01/05(土) 19:01:55 ID:2OTpIisF
以上になります。
次回からバトルメインになるのですが、戦闘描写については必死に推敲を重ねてます。
でもできれば間を置かないで投下したいです。
>>357 コンさんとこに来てくれたら目一杯愛してやるぞー(棒読み)
>>367 あれ?おかしいな?
魔法少女SSなのにどうしてか最低野郎ロボットアニメに台詞しか思い浮かばないよ……。
む せ る !
>>367 乙。ならば期待しよう、血潮たぎるような戦闘描写を。
>>368 コン殿のとこは今、新規受け入れを停止してんじゃなかったっけ?
炎のさ○め……つまりシグナムさんが半裸で電気イスでスカに責められて創聖がっ(切り傷+刀傷
>>370 そうでした
受け入れ停止してるの忘れてました。
どうですかなドクター、首尾の方は」
「これはレジアス中将、こちらにこられてたのですか、えぇ見ての通り至って順調ですよ、そちらはどうです?」
「正直こちらはあまり…やはり機人に対していまだ強い反発がありますな…」
「そうですか…もしかしたら彼女たちナンバーズが最後の機人になってしまうかもしれませんね…」
「ドクター…辛い思いをさせてしまって申し訳ない…」
「い、いえ!中将が悪いわけでは…それに私には彼女たちがいてくれるだけで十分幸せですから」
コンコン…
「失礼します…あら、中将もいらしてたのですね」
「あぁ、ウーノさん、お邪魔してますよ」
「ウーノ良いところに来てくれた、悪いが冷たい飲み物を持ってきてくれるかな?」
「はい、かしこまりました」
「いやぁ、それにしてもいつ見てもお美しい、こんな美しい方が側におられるとはドクターが羨ましい」
「ちゅ、中将!?」
「……」
カチャ…カツカツカツ…
「ぬ…怒らせてしまったかな…これは悪いことをした…」
「いえ、あれでも嬉しくて照れてるんですよ、言葉に出さなくとも最近ではみんなの事が何となく分かるようになってきましてね」
「それなら良いのですが…それにしても機人といえど外見や性格も人間そのもの、体の一部に機械を組み込まれているというだけでこれほど拒絶されるとは」
「今では一部で「機人は人間に非ず、危険な存在の機人は全て破壊するべき」という声まで出てきてますからね…」
「計画自体が続行不可能になろうとも、彼女たちだけは守ってやりたいものだ…」
「えぇ、それだけは何があろうとも…」
コンコン…
「失礼します、飲み物をお持ちしました」
「あぁ、ありがとうウーノ」
「おぉ、これはどうも…」
ガシャッ!
バシャッ!
「っ!?」
「すいません中将、手が滑ってこぼしてしまいました」
「(何か今ワザとこぼされたような…やはりさっきのことで怒ってるのでは…)」
「今拭きますからじっとしていて下さいね」
「あっいえ!そこまでしていただかなくても!放っておけばすぐに乾きますから!(拭くって…そこは股間…!)」
「まぁ、そう言わずに…」
ふきふき…
むくむくっ…
「あら、拭いてたら股間が腫れて来ちゃいましたね、これはズボンを脱いで外気に触れさせませんと」
ぼろんっ
「なっ…!」
「ウ、ウーノ!何をやってるんだ!」
バシャッ
「うおっ!?」
「すいませんドクター、また溢してしまいました、心配しなくてもドクターも拭いて差し上げますから」
ガサガサ…
「なっ!?何故服をはだけさせる!?」
「二人とも顔を赤くさせて暑そうでしたから、そんなお二人を見てたら私も暑くなってきてしまって」
「ウーノ…なんだって突然こんな…」
「…先ほどの話、嬉しかったです…どんな経緯にしろ私や妹達はドクターの側にいられることを嬉しく思ってますから」
「だからといって、こんな事しなくても…」
「いえ、これは私がしたくてしていることですから、ですから出来れば大人しく身を任せていただければ助かるのですが」
「ウーノ…」「ウーノさん…」
シュッ…シュッ…
「くっ…はぁ……」
「…すいません…偉そうなことを言ってもこういったことは初めてで…こんな感じで良かったでしょうか」
「あぁ…十分だよ…折角だからウーノの思うようにやってみると良い」
「はい……中将の方はいかがです」
「これはなかなかのお手前……いや!やはりこのようなことは…死んだ妻に申し訳が…」
「そんな事いっても、秘書官の方とはいつもされてるではないですか」
「い、いや!?それは…」
「…(冗談で言ったのに…本当にされているとは…)」
シュッ…シュッ…シュッ…
「はぁ…はぁ…」
じわぁ…
「ん…何か先端から透明の液体が…これは確か男性が性的興奮を感じた際に分泌される体液でしたね」
「あぁ…凄く気持ち良いよ…」
「ふふ、そう言っていただけると嬉しいですね。ではもっと気持ちよくなるよう、ご奉仕させていただきます」
シュッ!シュッ!シュッ!
「うわっ!?ウーノ!激しすぎる…!そんなにされたら…もう…!」
ビクッ!ビクッ!
「……」
ピタッ…
「えっ……?」
「寸止めです、そのまま出すより、何度か寸止めした方が快感が増すということなので」
「いや…それはそうなんだが……うっ!」
シュッ…シュッ…
「でも何回くらい寸止めするのが良いんでしょうね、とりあえず10回もやれば十分ですかね」
「ちょっ!?」
しゅっ…しゅっ…
「んあっ!で、出る…!」
ピタッ…
「あぁ、また……お願いだユーノ…もう十分だから…そろそろ最後まで…」
「そうですね…もう一回擦っただけで出ちゃいそうですし」
シュッ!シュッ!シュッ!
「うっ…!だ、出すぞウーノ!」
シュッ!シュッ!…ギュッ!
ビクッ…!ビクッ…!
「がっ!?かはっ…!ウーノ…!?」
「射精止めです、こうすると射精の時の快感が増すと本に…」
「それはいいから!早く出させてくれ!」
「残念…お気に召しませんでしたか…ではどうぞ、思いっきり私にぶち撒けてください」
ぱっ…
ビュルルッ!ビュー!ビュッ!
「くぁ…あぁっ…!」
「凄い量…二人とも気持ちよくなっていただけたようですね」
「はぁ…はぁ…、あぁ…だが最初のうちはあまり変なテクニックは使わない方が良いと思うよ…」
「はい覚えておきます、それは後ほどの楽しみに取っておきますね」
まずはテンプレに、少なくとも
>>1に目を通すのが紳士としての嗜みってもんです
それともこれはどっかからのコピペかね?
ていうか一部ユーノがスカをry
「あぁ、また……お願いだユーノ…もう十分だから…そろそろ最後まで…」>
ワロタ
>>328 246氏、GJ!
鬱モノ大好きッス!
個人的にはもっともっと病ませて鬱にいってほしいです。
次回を楽しみに待ってます。がんばってください!
ウーノとユーノがごっちゃになっている?
それは二人を分けて考えるからだよ
逆に考えるんだ。ユーノ=ウーノと考えるんだ
こう考えると ×なのはさん が艶めかしくなる
>>383 ユーノ=ウーノと考えると、
聖王教会の司祭ぽいオヤジと・・・アッー!
素で間違えたお
とりあえずなのはさんにクロスファイアーくらってくる
387 :
39-528:2008/01/05(土) 23:22:40 ID:K5BVhMnJ
皆様
お久しぶりです。
ようやく第2作目ができたのですが、23:30頃から投下してもよろしいでしょうか。
今回はナンバーズのある2人(とオリキャラ2人)が主役(の予定)で、10話+エピローグ
の構成になる予定です。
またエロはないですが、代わりに笑い(?)を入れてみようと思います。
こんな作品ですが、よろしいでしょうか。
388 :
39-528:2008/01/05(土) 23:33:09 ID:K5BVhMnJ
特に他の方の投下もないようですので、投下いたしたいと思います。
・エロ無し。ただし笑い(ギャグ)は少し入る予定です
・管理局地上本部襲撃事件の前後5日間(計10日間)が主な舞台
(エピローグは一部違う時間が舞台になります)
・トーレ&ディエチ、そしてオリキャラ2人が主役。あと他のナンバーズ&スカリエッティも出ます
・オリ設定が一部(オリキャラ等)入ります
※実は、本作は「マージネーター」からインスパイヤされました。
タイトルは「でかめろん」になります。スルー等される場合はこれを
キーにしていただければと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
新暦75年……
……9月7日の……夜。
ここは、とある山中の……ある洞窟の奥。
自然な山肌と洞窟の入り口とはうって変わって、超近代的な人工の空洞が出現する。
その人工の通路の先に……稀代の科学者、それ以上に広域犯罪者として名を知られた、
ジェイル・スカリエッティのアジトが築かれていた。
ピ…ピコ……ピー……ピン……
乾いた電子音が洩れてくるアジト内のラボで、スカリエッティは自分の傑作たち……戦闘
機人…のちに『ナンバーズ』と呼ばれることになる…の最終組の調整作業を行っている最中。
「ドクター。調整用データの入力、完了しました」
幾つもの生体ポッドが並ぶメンテナンスルーム内で、彼の最初の傑作……ウーノが普段と
変わらない、極めて事務的な口調で彼に報告する。
「ご苦労。ウーノ」
彼……スカリエッティも、事務的な……だがまだ少し人間的な感謝の雰囲気を漂わせる口
調で、彼女に労いの言葉を返した。
そして、彼は目の前のコンソールのあるキーを叩いた。
ピィー…ピッピッピッピィー……ピポポポ……
メンテナンスルーム内の機器と、生体ポッドの内3個がインジケーターを脈動させ、稼働
を開始する。
「後は、放っていてもやってくれる」
そう言うと、スカリエッティはコンソールを閉じて部屋を後にしようと踵を返す。
「了解しました……ドクター」
ウーノも同じようにコンソールを閉じると、彼に続いて部屋を後にした。
同じ頃。
暗く……静まりかえった、アジト内の戦闘訓練エリア。
その一角に位置する陸戦シムの片隅で、一人の少女が片膝を突いてしゃがみこんでいた。
「はぁー……」
その傍らには、彼女の背丈の倍くらいはある……巨大な砲筒が横たわっていた。
「……」
彼女は一息ついた後、突いていた膝を浮かせて立ち上がろうとした。
その時。
「ディエチ」
「!…」
立ち上がる寸前の彼女の背後から、声が掛けられる。
すぐさま後ろを振り返る彼女……ナンバーズ10……ディエチ。
「…トーレ姉」
そう返事をしたディエチに、声を掛けた大柄の少女……ナンバーズ3……トーレは、こう
言葉を続けた。
「こんな時間まで、訓練か」
「うん」
トーレの問いかけに、ディエチは言葉少なげにそう答える。
機体への疲労度等を考えてそろそろ訓練を中止しろとトーレが言おうとした時、ディエチ
は傍らの砲筒……イノーメスカノンに再び手を掛けながらこう呟いた。
「今度こそ……あの人に勝ちたいから」
「ん?」
ディエチの呟きに、トーレはその金色の目を片方訝しげに細めながらこう聞き返す。
「管理局の……あの白い服の魔導師のことか」
「うん」
ディエチはそう答えると、更に言葉を続けた。
「あたしの砲撃を、無傷で止めたから」
「そうか」
ディエチの返答に、トーレは両目を閉じながらそう呟いた。
「チャージタイムの短縮と、目標への狙撃命中精度の向上」
ディエチは自分に言い聞かせるかのようにそう言いながら、イノーメスカノンを持ち上げる。
……その言葉には普段の口調とは違い、何か決意が込められているかのようであった。
「ディエチ、もう訓練は止めろ」
まだ訓練を続けるかと思ったトーレは、そう言ってディエチを制しようとした。
が、ディエチはイノーメスカノンを肩に掛けると、トーレに対してこう言ったのだった。
「メンテナンスルームにこれを持って行く。訓練室はその後で片付ける」
「そうか」
無理して訓練を続けるかと思ったトーレは、ディエチの返答に安心を覚えた。
が、その後にトーレが言った言葉にディエチが驚きの表情になった。
「わかった……訓練室の片付け、私も手伝おう」
「えっ!?」
ディエチの不思議そうな……と言うかキョトンとした表情に、トーレはこう返した。
「何だ? その信じられないという顔は?」
そして、何故かと言わんばかりの顔でこう続ける。
「訓練室は、使用した者が片付けるのがルールだ」
「……」
「私も隣の空戦シムを使っていたからな。訓練室『全体』を片付けるのは『当然』だ」
トーレの言葉を、ディエチはしばらく無言で聞いていたが、
「ありがとう……トーレ姉」
といつもの淡々とした……けれでも、感謝の意のこもった口調でそう言った。
そんなディエチの御礼の言葉を聞いて、トーレは僅かに……本当にごく僅かに頬を赤らめ
ると、こう返した。
「う……は、早くメンテナンスルームへ行って戻ってこい! 遅くなったら容赦しないぞ!」
「うん……わかった」
そうディエチは答えると、先ほど怒鳴った…何か隠すかのような…トーレに背を向けると、
陸戦シムを後にしていった。
そして……数十分後。
訓練室から中央のオペルームへ続く通路を歩く、2人の少女の姿があった。
「…」
「…」
訓練室の片付けを終えた、トーレと……ディエチ。
普段から無駄なことを喋らない2人は、当然の如く一言も発することなく通路を進んでいく。
「…」
「…」
静寂に包まれた通路を、2人は歩いていく。
「…」
「…」
2人は、静かな静かな通路を歩いていく。
「…」
「…」
通路には、2人の足音以外の音が聞こえてこない。
「…」
「…」
………いい加減、作者も辛くなってきた。
と、その時。
プーー、プーー、プーー、プーー、プーー……
通路内に…実際はアジト全体に…アラート音が突然鳴り響いた。
「これは!?」
「管理局に見つかったか!?」
ディエチとトーレはそう呟くと、オペルームへ向かって通路を駆けていく。
「なっ、何だ!?」
「畜生、何処のどいつだ!?」
「急がないと!」
「ヤバイっス!」
別の部屋…訓練室よりもオペルームに近い…に居たナンバー5と9……ナンバー6と11
の戦闘機人も、別々の通路を駆けてアラートの発信元と思われるオペルームへ急ぐ。
「どうした!?」
最初にオペルームに到着したのは、ナンバー5と9……チンクとノーヴェの2人であった。
チンクはオペルーム内を見回し、室内に唯一いた人物……ナンバー4のクアットロに問い
質した。
「何があった!? クアットロ!!」
隻眼で睨むかのようにチンクはクアットロに視線を向ける。
そんなチンクの視線に対して、外見上は普段通りの平静さを保ちながらも、自分の周りに
展開したコンソールを目まぐるしく叩きながらこう答えた。
「オペルーム内に次元歪曲反応が検出されたのよ」
「な、なんだと!?」
チンクがクアットロの回答に対して驚きの声を上げた。
「チ、チンク姉。一体どういうことだ!?」
同じくオペルームに入ったノーヴェがチンクに質問する。
「それは……」
「!?」
「!!」
その時、ナンバー6と11……セインとウェンディもオペルームに姿を現す。
ノーヴェとセイン、ウェンディ……3人の視線が集まる中、チンクはこう語った。
「そう……何者かが、ここへ転移……例えば魔導師の転移魔法でやって来るということだ」
「「「!?」」」
ノーヴェたち3人の顔に、驚愕の色が浮かぶ。
「でも、このラボは管理局には絶対に見つからないってドクターが…」
ノーヴェがそう力説したが、その表情には少し不安の色が残っている。
「えー……あっ、もしかしたらルーお嬢様がやって来るんじゃ…」
ウェンディが皆を安心させるかのようにそう言いかける。
が、クアットロがすぐさまこう答えた。
「ルーテシアお嬢様なら、転送魔法で来られる時は事前にご連絡してくれますわ」
「ということは……ルーテシアお嬢様じゃないんだな? クアットロ」
クアットロの返答に、チンクはそう確認する。
「ええ、ルーお嬢様の魔力反応はありませんわ。それに」
「それに?」
セインの問いかけに、クアットロは言葉を続ける。
「さっきハッキングして調べたんだけど、管理局に登録されている魔導師にも全く該当者
が無いのよ」
「何ぃ!?」
「それって…」
チンクの驚きの声の後、セインが尋ねるように言う。
「それに……もう少しで、実体化しますわ」
「「「「!!」」」」
クアットロの言葉に、4人はオペルーム中央の空間に視線を向けた。
オペルーム中央の床の上に、直径2mほどの半透明の半球状の光のドームが現れていた。
「ノーヴェ、準備は良いか!?」
チンクがスティンガーを両手に構えながら、ノーヴェに問いかける。
「ああ!」
ノーヴェは右拳を腰にためて、攻撃の用意をする。
「「……」」
現時点では攻撃ができない…能力的に、装備的に…セインとウェンディは、後ろへ引くよ
うに退いた。
「あと5秒…4…」
クアットロが、モニタを見ながらカウントを数え始めた。
「3…2…」
オペルーム中央の半球状の光が、更に強くなっていく。
「…1」
チンクとノーヴェの両手・両拳に力が入る。
「…0」
パァーーーーーン
クアットロのカウントが終わると同時に、軽い破裂音が室内に響き、オペルーム内が目映
い光に満たされた。
「くっ!」
「うっ!」
「…」
「…」
「…」
強い閃光に5人は視覚センサーにハレーションを起こしていたが、すぐさま光が消えると
5人は視覚を取り戻し、閃光の元を見た。
そこには……
「スゥー……スゥーー……」
黒いスカートに黒い上着…第97管理外世界の地球・日本で『ゴスロリ』と呼ばれるタイ
プの…に身を包み、そして足に黒い革靴を履いた、黒髪の4,5歳くらいの女の子。
「zzz……」
緑のキュロットに白のブラウスを着て、そして赤い運動靴を履いた、淡い栗色の髪の同じ
く4,5歳くらいの女の子。
2人の少女が、床の上に並ぶように横たわって……眠っていた。
戦闘機人の5人の少女たちが、眠っている2人の少女に向かって、僅かずつ近づいていく。
チンクとノーヴェの……戦闘可能な2人は、手に持った鋼の刃と、握って構えた拳を離さ
ずに中央の2人ににじり寄っていく。
「う……ううん」
「ぁ……ぅ」
5人の接近を感じてなのかどうかは定かではないが、部屋の中央で寝ていた女の子2人が
身体を少し揺らすように身じろいた。
「「!」」
女の子2人の動きに、チンクとノーヴェは一瞬身を固める。
そんな2人の戦闘機人を前に、無邪気なまでに無防備な2人の幼女は、手で目を擦ったり
欠伸をしながら上体を起こし出す。
「ふぇ……」
「ふぁぁ……」
「……」
「……」
身動き一つせず、チンクとノーヴェ……そして後ろのクアットロとセイン、ウェンディは
幼女達の動きを見守る。
上体を完全に起こした2人の幼女は、周囲を見回しながら何か呟く。
「……ん?……」
「……ほぇ?……」
しばらく自分の周りを見回した後、女の子2人は自分達が知らない場所にいることを認識
した模様で、次第に2人の顔に不安の表情……黒い服の少女の方は、それを堪えるような
表情も加わって……を帯び始める。
その時。
「何があった!?」
「!?」
オペルームから離れていた訓練室から駆けつけた、トーレとディエチが部屋の別の入り口
に姿を現した。
「トーレ!」
スカリエッティの戦闘機人姉妹の、3番目の姉……トーレの姿を見たチンクが、声を上げる。
そして、オペルーム中央にいる幼女達を見つけると、ディエチは問いかけるようにこう呟
いた。
「……何? この子たち?」
「うーん……さっき突然、転送されてきたのよ」
ちょっと困ったような……こんな時の彼女は何か企んでいるとディエチは思っているが……
表情で、クアットロがディエチに向かってそう説明した。
「何だと!?」
クアットロの説明に、トーレはそう言って幼女達を睨みつける。
「「!!」」
部屋の中央でようやく立ち上がった幼女達が、怯えるような……でも何か安心したような
……表情で、トーレとディエチを見つめていた。
「こいつらは管理局の魔導師か? だったら……」
拳を握りしめながら、トーレはそう言葉を荒げた。
「何か変なことをしたら、ただじゃ済まないよ」
ディエチも中央の2人を睨みながらこう告げた。
そんな2人の少女の視線を浴びながら、2人の幼女は……
「う…ううぅ……」
「え……えぅ……」
と次第に涙目になっていく。
「「……」」
何か攻撃でも仕掛けてくる……トーレを含むこの部屋の中の戦闘機人全員が、この2人を
『敵』の管理局の者と思っていた……と思っていたトーレとディエチは、いきなり泣き出
しそうになる幼女たちの姿を見て、戦闘意欲を削がれる……というか、何か弱い者いじめ
をしているような罪悪感のような感情が沸き上がってきていた。
「…え、えーと…」
セインがそう言葉を漏らした。
クアットロやチンクたち他の4人の姉妹も同じ心境なのか、何か信じられないような表情
で2人の幼女を見つめていた。
「…え…えぐ……ぅぐ……」
白いブラウスの幼女は、ボロボロ涙を零している。
「……う…うぐ……えぅ……ぐぅ……」
黒い服の幼女は我慢するかのように耐えている表情だったが、堪えきれないように涙が幾
筋も頬を伝って落ちていく。
そんな……ある意味『緊迫』した静止状態が、しばらく続いた後。
タッタッタッタッタッ……
タッタッタッタッタッ……
突然、黒い服と白い服の2人の幼女が駆けだした。
「「「「「「「!?」」」」」」」
突然の行動に、7人の少女たちは身動きができず、2人の接近を許してしまう。
「「え、えぅぅぅーーーー!!!」」
堰を切ったかのように泣きじゃくりながら走る、2人の女の子。
そして……
「かあさまぁーー!!」
「はぇ??」
トーレの脚に抱きつく……黒い服に黒髪の、女の子。
さらに……
「マンマァァァーーー!!」
「ふぇ??」
ディエチの腰に飛びつく……白いブラウスに淡い栗色の髪の、女の子。
これは……もしかしたら……
あった『かも』しれない……ものがたり。
時を超えてやってきた……小さな女の子たちと、
今はまだ、人の優しさを知らない……少女たちの、
戸惑いと、
混乱で彩られた、
けど、ちょっぴり可笑しくて、
ほんのちょっと、かなしい、
十日間の……
……物語。
『でかめろん』
……第一夜
つづく。
「「「「「「「ええぇぇぇーーーーー!!!???」」」」」」」
>>397 GJ!
割り込み本当に失礼しました・・・
以上で、拙作「でかめろん」第一夜の終了です。
ナンバーズの中で、私の好きなキャラがトーレとディエチの2人なもので、
ついにこんなSSを書き始めてしまいました。
題名の「でかめろん」ですが、イタリアの詩人ジョヴァンニ・ボッカッチョ作の
「デカメロン(十日物語)」から取ってきているつもりです。
決して、某若大将がとある年の紅白で題名を間違えてしまった某J系ユニット
の曲名から直接取ったわけではない……と思いたいです、ハイ。
題名通り10話+エピローグの構成になると思いますが、恐らく次回からは
もっと短い話になると思いますので、よろしくお願いいたします。m(_ _)m
>>399 GJ。これからナンバーズの育児奮闘記が見られると思うと・・・続きをwktkして待っているZE!
>399
でかめろん
二人の胸が
でかめろん
>>401 ちびめろん
チンクとセインは
ちびめろん
……
>>401-402 【審議中】
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ
u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u'
>>399GJ!!
>>399 ちょwwwww勝手に想像が膨らんで、その、なんだ?
非常に困る!!
二人の幼女は検査で、ガチで未来からやってきたトーレとディエチの子だと判明して、勝手に結婚祝い前の祝賀会を開くセインとウェンディ。
行き送れを本気で心配しだすチンクとセインと、ミニめろんことオットー。
未来の子供をあやす妹たちの姿を見てスイッチが入ってしまい、ドクターを押し倒すウーノ。
(BGM『うのののののの 〜地上最強のヨメ〜』)
トーレとディエチの御相手は誰なのか気になって気になってしかたがないクアットロ。
こんな妄想しか思いつかん!
どうしてくれる!!
職人は責任を取って、なるべく早く都築を書くべきだ。
>>401-402 【審議中】
♪ ∧,, ∧ ♪
♪ ∧,, ∧ ・ω・)
∧,, ∧ ・ω・) )
♪∧,, ∧ ・ω・) )っ__フ ♪ ∧,, ∧
∧,, ∧ ・ω・) )っ__フ(_/ 彡 .∧,, ∧ )
( ・ω・) )っ__フ(_/彡 ∧,, ∧ ) )
(っ )っ__フ(_/彡 .∧,, ∧ ) ) Οノ
( __フ(_/彡 ∧,, ∧ ) ) Οノ ヽ_)
(_/彡 ( ) ) Οノ 'ヽ_)
( ) Οノ 'ヽ_)
(ゝ. Οノ 'ヽ_) ♪
♪ ミ ヽ_)
>>213 遅レスですがGJ!そしてお帰りー
この話は風呂チンク編の続編ですか!!
このシリーズが大好きな自分にとって、思わず見た瞬間歓喜しました
後半が非常に気になります。wktkしながら待機させてもらいます。
【審議結果】
_
\(○),、
`''|/ノ
.|
_ |
\`ヽ、|
\, V
`L,,_
|ヽ、)
.|
/ ,、 ,
/ ヽYノ
.| r''ヽ、.|
| `ー-ヽ|ヮ
| . `|
ヽ, __,|
> 、 ,ノ Υ __ ,/
, . : ´: / ≧ー┴^ー 、ヽ`丶、
/ : : : : {/´ : : : : }}: : : : \ : : \
/: : : : : :l :| : : : : j: : :小: :ヽ: : : : : : : :\
. / : :│: : :| :| : : : /|: :/ | ヘヽト. : : ヽ: :} : : ヽ、
/{ : :│: : :l :l : : 厶イ/ j ',:}ヘ: : : :∨: :'\ ヘ
. / l: : : :| : : :X :7 ,/ / ヽ、ヽ、: :l : : :', ヽ}
イ |: : : :l : : : {/ ― -- ∨:} : : : ',
ヘ: : : | : : : l ,ィ三三 三ミx、ハ/ : { : : :,
≠=ー-ヽ{: l : : : :∨´ , { }: : |ヽ:│
|: | : : : : |: :: :. .ィー-r .: : }ノ: : :l Y
|: l:l : : : :l: :: :. { / .::丿: : : :′j/
ヽ、 Y:h.: : :|≧r 、 ー' , r:≦´Λ : /
ヽ ヽ{\ :l ,」 7^ヽ、W j/ } /
ヽ ヽ、/ヽ.:∧{ヽ、 >ー `ァーvj/
\ {.:.:.:.:/ , \ ー '´ ,/⌒.:.:/{
咲きすぎwwwwww
ひからびてる……
410 :
26-111:2008/01/06(日) 09:01:41 ID:vr6ho2Nl
保管庫からの業務連絡です
34スレの保管作業お疲れ様でした
他に作業に当たる方が居なければ保管作業を引き継ぎます
35,36,37スレ分の編集は終わっています。良ければ作業に入らせていただきます
最後の投下から既に3スレも空白が空いちまったぜ!orz
しかし、相変わらずの流れの速さに絶望、もとい、脱帽
あ、保管作業に当たって、「どっかのゲリラ兵」氏に相談です
貴兄のSS。朝刊の代名詞で連載されている「ソラノカケラ」シリーズの保管方法なのですが、
一回分ずつ日付を入れて分けた方が良いですか?スレ単位でまとめても良いですか?
前者だとページ数が膨大になりそうなので、後者の方が楽なのですが・・・展開に区切りがあるのでそれは困る、と仰せでしたら、一日分ずつにします
ご一考ください。返答はいつでも構いませんので
勝手ながら、見習い司書からの業務連絡でした
有志の方々いつも乙かれさまなの
ほんま乙かれや
>>410 保管庫の保管作業お疲れ様です。
ではちょっと書かせて頂きます。
我ながら危ない話を書いちゃったな〜とかガクブルしてるんですが…
・ガチホモ系ネタスマソ
・管理局にはガチホモな男達が美少年局員を喰う(ウホッ的な意味で)と言う
闇の伝統が何故か創立時から存在していて、エリオ・ユーノ・クロノが犠牲となる。
(ただしユーノ・クロノの場合は過去形で、その描写は回想と言う扱いになる)
・メインはガチホモだけど、エリオ×キャロ、ユーノ×なのは、クロノ×エイミィ要素も少々ある
・オリキャラ登場
・ガチホモエロスマジ注意orz
・でもまあギャグの一環と言う事で勘弁してください。
・人によっては気分が悪くなりそうだし、批判もきそうだけどあえてやらせていただきますorz
・リーゼ姉妹の存在は忘れてください。
それはとある休日の事。休日とは言えやる事が無いエリオは一人自主トレに励んでいたのだが…
「やあエリオ。せっかくの休日なのに自主トレとは練習熱心なんだね。」
「あ! ユーノさんにクロノさん!」
突如エリオの背後から現れるユーノとクロノに思わずエリオは二人の方に向いて敬礼を行うが
クロノは笑顔で手を横に振った。
「別に硬くならなくても良い。それよりも自主トレの途中で済まないがちょっと来ては貰えないか?」
「ハイそれは構いませんが…何かあったんですか?」
「うん。君もそろそろ管理局のあの秘密を知るべき時だと思ってね…。」
「はい?」
エリオは首をかしげた。『あの秘密』とは一体何なのだろうと…。しかし、普段忙しい上に
何時も喧嘩している為に、エリオにとって仲の悪い印象のあったユーノとクロノが
こうして肩を並べているのは何かあると感じ取ったエリオは大人しく彼等に付いて行った。
エリオが二人に連れて行かれた先は一つの部屋のドアの前だった。
「この部屋の中に入って欲しい。」
「ハイ分かりました。」
ユーノとクロノがエリオに道を譲り、エリオがその部屋のドアの前に立つ。
そしてそのドアには『発展室』と言う表札が付けられていた。
「発展室…? 何かの発展の為に何かする部屋なのかな?」
エリオにはその表札の意味は分からないが、とにかくこの部屋の中へ入る事にした。
「エリオ=モンデュアル入ります。」
「やあ君がエリオ君か…。待っていたよ。」
部屋の中には管理局のお偉いさんと思しき立派な制服に身を包んだ数人の男達の姿があった。
「一体自分に何の用でしょうか?」
きっと大切な何かがあるのだろうと考えるエリオはそう彼等に言うが…
その彼等はエリオの姿を見るなり不気味な笑みを浮かべていた。
「彼がエリオ君か…噂には聞いていたが…いや噂以上の美少年じゃないか…。」
「これは久々に喰い概のありそうな子ですなぁ。」
「え? え? え?」
エリオはワケが分からないと言う顔で戸惑っていたが…次の瞬間
男達は一斉にエリオに飛びかかったでは無いか。
「ああああああああああ!!」
部屋中にエリオの絶叫が響き渡った。そして男の一人が部屋の鍵を掛け、残りの全員が
エリオの身体を押さえながら服を脱がして行くのである。
「やめて下さいやめて下さい! 一体何をするんですか!?」
「大丈夫だよエリオ君。怖くないからね。怖くないからね。」
「だからお洋服脱ぎ脱ぎして君の可愛い裸を見せて頂戴?」
「嫌ですよぉ! ユーノさんクロノさん! 助けて下さいよぉ!」
部屋の外にいるであろうユーノとクロノに対し、エリオは必死に叫んだ。が…
「すまんエリオ! 本当にすまん! だが悪く思わないでくれ! これは管理局の伝統なんだ!」
「僕達も昔はここでよくやられたんだから…君も我慢してくれ!!」
そう部屋の外から二人の悲痛な叫びが帰って来るだけだった。
時空管理局には創立時からある伝統が存在する。それはガチホモな局員が
美少年の局員を慰み者にすると言う…闇の行事。そしてその行為が行われる部屋は
『発展場』と言う単語にちなんで、『発展室』と呼ばれる様になった。
普通ならば、強い権力を持った男がその権力を振りかざして女性局員を無理矢理に
抱いたり…なんて事の方がありそうな気もするが、フェミニストの力の強いこのご時世。
そんな事をすれば忽ち汚職だの不祥事だので叩かれて合法的に破滅させられるのは目に見えている。
しかし、この発展室での男同士の行為に関しては…何故かスルーされ続け、
今も公然と男性同士の行為が行われ続けて来たのである。
発展室ではガチホモ達によって数え切れない数の美少年達が抱かれ、泣かされて来た。
そこを経験した美少年達の行く末は大きく分けて三種類存在する。
一つ目はガチホモ達の愛撫に屈し、ガチホモに堕ちてしまう者。
今発展室でエリオを抱こうとしている者達もまた、かつて発展室で先代のガチホモに
抱かれてガチホモに堕ちたかつての美少年達であった。
二つ目はガチホモ達の愛撫に屈する事無く社会復帰出来た者。
そして三つ目は、自分の理性を保ちつつガチホモ要素も兼ね備えたと言う
いわゆる男も女も両方好きと言うタイプの人間になった者であった。
実際、今発展室にいるガチホモの中にはちゃんと妻子持ちのガチホモもいたのである。
今日もまた発展室で一人の美少年の悲鳴が響き渡った。
着ていた服を全て剥がされ、全裸にされたエリオの股間のモノをガチホモの一人が掴む。
「うんうん。可愛いオチンチンをしているね。それじゃあおじさんが剥いてあげよう。」
「あ! やめて! 痛ぁ!!」
「男は度胸。何でも試してみるんだよ。」
ガチホモは未だ皮に包まれたエリオのモノから…無理矢理に皮を剥いて…亀頭を露出させた。
そしてもう片手で睾丸を揉み転がしながらモノを扱き始めたのである。
「あっ! あっ! やめて下さい!」
「こんなに勃たせながら言っても無駄だよエリオ君。本当は気持ち良いんでしょ?」
「嫌ぁぁぁ!!」
エリオにとって嫌なのに…エリオのモノは既に高々と勃起していた。
ガチホモ達にとって惚れ惚れする程の形の良いモノ。ますますエリオのモノを扱く
ガチホモの手付きは激しくなって行く。
「あっ! あっ! 嫌です! 嫌ですうぅぅぅ!!」
エリオの目には涙が浮かんだ。女の子相手にもされた事が無いのに…
何が悲しくて男にこんな事をされなければならないのかと…。だが…
「エリオ君お尻も中々良いかんじだね。」
「ひゃう!」
今度は別の男がエリオの尻菊の中に指を刺し込み、思わずエリオの尻が震えた。
「今のプルッって感じが中々良かったね。それじゃあ早速…。」
「あ! ダメです! ってああ!!」
ガチホモはエリオの尻菊に何か油の様な物を塗り始めた。変なヌルヌルした液で尻菊を
撫でられる感触にエリオの頬は赤くなり、思わず尻がプルプルと小刻みに震える。
「よし、ローションも塗り終えたし…早速エリオ君のアナルバージン頂きまーす!」
「え? え!? アッ―――――――――――――――!!」
ガチホモの一人がエリオを背後から抱き、その尻を…掘った!
つまり…己のモノを油で滑りを良くしたエリオの尻菊の中へと…押し込んだのだ!
「アッ――――――――――!!」
発展室の中でエリオの絶叫が響き渡り、エリオがイクと同時にモノからも
どびゅっと激しく精液が迸った。
「ごめん…ごめんよエリオ……本当にごめんよ………。」
「フェイト……兄を許してくれ……こうするしか……こうするしか無かったんだ……。」
発展室の外では…ユーノとクロノの二人が頭を抱え、涙を流しながら跪いていた。
先に二人がエリオに言った通り…二人もまた発展室の被害を受けた過去があった。
「やめて下さい! どうしてこんな事をするんですか!?」
「まあそう言うなユーノ君。男は度胸。何でも試してみるんだよ。」
「それにしても…可愛らしい顔して中々豪快なチンチンを持っているね君も…。」
ユーノが発展室の被害を受けたのは役10年前。司書として管理局の無限書庫で
働き始めたばかりの頃だった。そこでユーノもまた発展室で服を脱がされ、
モノの皮を無理矢理剥かれて…扱かれて…尻を掘られた。
「アッ―――――――――――――!!」
「おお何と言う尻だ。こんなハメ心地の良い尻は初めてだ。」
「ユーノ君。君はガチホモの為に生まれて来た子供に違いない。これからも
おじさん達が念入りに鍛えてあげよう。」
「嫌ぁぁぁ! らめぇぇぇぇ! アッ―――――――――!!」
当時まだ10歳前後だったユーノは…まるで美少女の様な可愛らしいフェイスと
相反するかの様な豪快なモノがガチホモ達に気に入られ…何度も何度もやられた。
今思えば良くガチホモに堕ちなかった物だとユーノは考えていたが…
彼がガチホモにならなかった理由はやはりガチホモ達の愛撫よりも
なのはに対する愛が強かったからなのであろう。
「(なのは! 僕が今こうしている間にも…なのははきっと厳しい訓練や…
実戦の苦しさに耐えているに違いない…。だから僕も耐えて見せるよ……。
そして何時の日か……君と……。)アッ――――――――――!!」
ガチホモ達に何度も尻を掘られながらも……ユーノはなのはの存在を…なのはに対する
自分の想いを心の支えにして……耐え続けた。
故にユーノはガチホモに堕ちる事は無く、なのはと共に良い関係を築く事が出来た。
クロノが発展室の被害に遭ったのはユーノよりもさらに以前。
彼が執務官になって間も無くの事だった。
「やめて下さい! 一体何をするのですか?」
「まあそう言うなクロノ君。男は度胸。何でも試してみるんだよ。」
「小柄だが…そこが中々可愛らしいな。それじゃあ早速オチンチンを剥かせてもらおう。」
「あっ! やめ! やめ!」
「んじゃあ自分はクロノ君の可愛いお尻を頂こうか。」
「ダメ! アッ! 助けてママ―――――――!!」
クロノは思わず叫んでいた。管理局に入った以上は、例えリンディが母であろうとも
提督の地位にあるのだから上司と部下の関係。プライベートの場は別として
管理局の中では家族とは見ない。そう決意をしていたと言うのに……
あろう事か『ママ』とまで叫んでしまった。それだけ恐ろしかったのだ。
今自分を裸に剥いて抱いているガチホモ達が…。そしてガチホモの一人がクロノの尻を掘り……
「アッ―――――――――――――――!!」
クロノは頬を赤くしながら虚ろな目で叫んでいた。
クロノが発展室で抱かれ、尻を掘られたと言う事を知った母リンディは涙が数日止まらなかったと言う。
それが管理局の掟…厳しい闇の伝統…。そう頭では理解していても……やはり自分のたった一人の
肉親…可愛い自分の子供がそんな事をされるとなると……誰だって嫌だろう。
クロノは発展室で何度も抱かれ、尻を掘られた結果…男の顔を見て赤面する様になった。
つまりはガチホモに堕ちかけていたのである。当然クロノ自身はそんな事は嫌だったし、
ガチホモになってたまるかと頭では考えていたのだが…何故か身体は男の裸に欲情してしまう。
酷い時には更衣室で他の男性局員と着替え中にその他の局員の裸に勃起してしまった事さえあった。
そんな彼が社会復帰を果たす事が出来たのは…やはり現在のクロノの妻でり、
当時はアースラのオペレーターをしていたエイミィの頑張りが強い。
「クロノ君ダメだよ。男の子同士で抱き合っちゃダメだよ。」
「わっ! やめろ! 何をするエイミィ!」
クロノがガチホモに堕ちかけている事を知ったエイミィは彼の部屋まで押しかけ、無理矢理に抱いた。
「ダ〜メ。私がクロノ君に色々教えてあげるから…。」
エイミィはクロノの右手を掴み…自分の左胸を握らせた。お世辞にも大きい方とは言えないが
かと言って小さいワケでも無い平凡な大きさの乳房。しかしクロノの小さな手にはそれでも十分。
「どうかな? クロノ君…。」
「や…柔らかい…。」
「そうだよ。これが女の子の身体なんだよ。男の子とは違うんだよ。」
母親であるリンディ以外の女性とこんなにまでクロノが間近で接したのはエイミィが初めてだった。
そしてエイミィの左乳房を握り、揉み始めた。
「暖かくて柔らかい…。」
クロノにとってそれが第一の印象だった。発展室で自分を抱いたガチホモ達の筋肉質の
身体とは全然違う。これが女性の身体なんだと…クロノは知った。
その日は服の上から乳房を揉ませる程度でしか無かったが、その後もエイミィは
クロノの部屋にちょくちょくと押しかけ…自分の身体を…女性の身体とは何なのかと
言う事を教えて行った…。何故エイミィがそうまでするのかと言うと…
「クロノ君の事好きだから…クロノ君をガチホモになんて私がさせないから…。」
これに尽きる。エイミィもクロノの為に…そして自分自身の為に必死だったのである。
エイミィ主導によるクロノのリハビリ(?)が続けられた結果、発展室でガチホモ達に
愛撫された事によって男によって勃つ様になってしまったクロノのモノも…
何とか女性の身体でも勃てる様になっていた。
「おめでとうクロノ君! これで晴れて元通りだね!」
「ありがとうエイミィ…。」
勃起したクロノに拍手を送るエイミィにクロノも思わず赤くなるが、そこでエイミィはさらに言った。
「それじゃあご褒美に…私が良い事してあげる。」
「え?」
そこでエイミィはクロノの目の前で服を脱ぎ始め、裸になった。そしてクロノのモノを手に取り…
「何をする!?」
「フフフ…今度は男の子と女の子の行為って言うのを教えてあげる…。」
戸惑うクロノの唇をエイミィは笑顔で奪った後…今度は童貞も奪った。
だがただ奪ったワケでは無い。エイミィも己の処女をクロノに捧げたのである。
「ど…どうかな?」
「き…気持ち良いよ……。僕のチンチンが締め付けられて…温かくて…気持ち良いよ。」
「そっか…ありがとう…。」
破瓜の痛みに耐えながらもエイミィは微笑む。クロノが喜んでくれると言うのなら…
その痛みにも我慢が出来た。
エイミィがこっそりクロノの所に押しかけ、何度も抱いて…挙句の果てには童貞も奪ったと
言う事実はリンディも知っていた。普段ならその様な事になれば怒って飛び出し、
エイミィにキツイお仕置きを…と言いたい所であろうが…それでもガチホモに堕ちてしまう事に
比べれば…リンディにとってどうでも言い事だった。
「エイミィ…家の子を頼みましたね…。」
エイミィの頑張りによってクロノはガチホモに堕ちかけていた所を救われ、
後にエイミィと結婚して二人の子供を儲けたのは皆の知る所である。
さて…今まさに発展室で絶賛ガチホモレイプ中のエリオはどうなるのかと言うと…
「アッ――――――――――――――!!」
頬を赤くし、虚ろな目で喘ぎ声を上げていた。もうそうするしか無いのである。
力ではガチホモ達には敵わない。下手に逃げようとしても、逃げた分ガチホモが
追い討ちを仕掛けてまた尻を掘られる。もはや何度尻を掘られた事か…。
尻だけでは無い。股間のモノも何度も扱かれ、睾丸のモミクチャに揉み転がされた。
その結果…エリオの中に新たな感情が芽生え始めていた。
「(アッ! き…気持ちい…いいぃ〜………。気持ちいぃよぉ〜…。)」
エリオは今まさにガチホモ達の愛撫に負けて…ガチホモに堕ちんとしていた。
エリオ本人は勿論その様な事は嫌だ。頭ではそう考えていても…身体がそうはさせてくれない。
ガチホモがエリオの尻を掘れば掘る程…尻は快感に振るえ、モノを扱き、睾丸を揉み転がせば
転がす程…エリオのモノがそそり勃つ。もはやエリオの身体はガチホモのカラダへと
変化してしまっていたのだ。
「(ごめんキャロ…フェイトさん…やっぱり………気持ち良いよぉ〜!)
アッ――――――――――――――――――――――――――!!」
エリオはまたもイかされ、射精のみならず脱糞までしてしまった。
その日の晩、自室のベッドで眠りに付いたエリオはある夢を見る。
普段ならば裸のキャロやフェイトなんかが出て来て…それで夢精する事もたまにあったのだが…
今回は違った。何故ならば…………
「待て待て〜!」
「早く僕を捕まえて〜!」
地平線まで続く一面の花畑の上をブリーフ一丁のエリオと、褌一丁のマッチョなガチホモが
駆け回ると言う常人ならば想像するだけでも恐ろしい夢……。
しかし…今のエリオにとっては違った。この夢に不快感を感じなかったのである。
それどころか……夢精までしてしまう程にまで…………
そしてエリオは悟った。自分は身も心もガチホモに堕ちてしまったのだと……。
自分がガチホモに堕ちたと完全に自覚する様になったエリオだが…
かと言って異性であるキャロが好きだと言う感情が消えたワケでは無かった。
身体の方もキャロの裸を想像して勃起する事があったりと、異性に対する反応も残っている。
所謂『男も女も両方好き』と言う体質になっていたのである。
だが…故にエリオは悩んだ。発展室のガチホモとキャロを天秤に掛け、
どちらを選べば良いのかと悩みに悩んだのである。もはや今のエリオにとって
発展室でのガチホモとの交流はキャロとの付き合いに負けない程の喜びになっていたのだ。
双方共に捨て難く、どっちを選べば良いのかはエリオには分からない。
しかし、発展室のガチホモ達は親切にこう助言してくれた。
「心配する事は無いよエリオ君。ここは普通の恋愛もOKだから。ガチホモやりながら
そのキャロって子と付き合えば良いじゃないか。」
「ええ!? 良いんですか!?」
「良い良い。だって俺にも妻も子もいるから。でもここでガチホモやってんだぜ。」
発展室は普通の恋愛をしながらガチホモ行為をすると言う『兼業ガチホモ』の存在も
容認されていた。逆に言えば、これが発展室が管理局創立当初から存続し続けている
理由の一つなのである。そしてその言葉を聞いたエリオは完全に目が覚めた。
「ありがとう御座います。おかげで目が覚めました。」
「よし。エリオ君が元気になった記念に…お前が…俺のケツの中にションベンしろ。」
こうして…エリオは発展室の外では普通にキャロと付き合いつつ…
発展室でガチホモ行為もすると言う生活を送る様になった。
この様に発展室の外と中とで住み分けがしっかり出来ていた為、
何も知らない物にとってエリオの変化は一切感じる事は無かった。
無論キャロも……
―――それから十年近いの時が流れた―――
そこに管理局の新たしい時代を担うであろう一人の新人美少年局員の姿があった。
まるでかつてのエリオを思わせる希望に溢れた目で熱心に練習に耽っていたのだが…
「やあやあ。せっかくの休日なのに練習熱心なんだね。」
「あ! エリオさんおはよう御座います!」
美少年局員は己の前に現れた赤髪の青年にお辞儀をした。
その赤髪の青年こそが立派に成長したエリオなのである。この歳にもなると、
当然キャロとの仲も進展し、無事に結婚。今では子供もいる。
「ちょっと君に来て欲しい所があるんだけど…良いかな?」
「はい何でしょうか。」
美少年局員は何の疑問も持たず、エリオの後に付いて行った。彼は何も知らない。
これからかつてエリオがそうだった様に…発展室でのガチホモの宴を経験する事になる事を…
「アッ――――――――――――――――――――!!」
この後も発展室では様々な美少年達が抱かれ、泣かされて行くだろう。
しかしかと言って彼等はそれを止めないのだ。ガチホモであるが故に…。
終劇
申し訳ありません…実に申し訳ありません……orz
あと、タイトルの部分では普通に「時空管理局・闇の伝統」と
入力したはずなのに、書き込んだ後では「時空”管理”局・闇の伝統」
に変化してるんですけど一体何故なのでしょう……
でもやっぱり何よりも……申し訳ありませんorz
>>420 ちょwwww何つー伝統つくってんだwwwww
管理局は変態集団の集まりか?
GJ!
っつーかそれじゃあホモじゃなくてバイじゃあ……
eranano StSで異常経験ってどうやったら得られるんですか?
鉈
今更のレスで申し訳ないんだが
>>272 普通にオヤジとヒロインの恋愛ものでいいんじゃね?
オヤジと華を一つにまとめようとするからアレなだけで
>>426 俺はいつぞやの、なのレジがよかったな。
二人共性格が似ていて、結構合うと思った。
フェイトとスカもやりようによっては結構いけるかもしれん。
428 :
44-256:2008/01/06(日) 18:13:41 ID:uvuDS3O+
昨夜に続き、ゲンヤSS(非エロ)を投下します。
後半はバトルが少し入ってきます。
機動6課本部、ロングアーチ。
JS事件でルーテシアとナンバーズらによって壊滅された隊舎であったがつい最近、新設された。
隊長室ではやては昨日のことを思い出していた。
長年、親交のある師匠が初めて見せるあの顔。いったい何があったのだろう?
そう考えているとスバルから思念通話が入った。
(八神部隊長!!)
その念話の大きさに椅子から転げ落ちそうになる。
「はやてちゃん大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫やリイン。(な、なんやスバル?)」
(お父さんと連絡とれなくて、イヤな予感がするんです)
1時間後、はやての元にスバルとギンガが現れた。
スバルは不安そうな顔つきで、今にも泣き出しそうだった。
ギンガは落ち着いていたが、不安は同じらしく顔が青ざめている。
はやてはギンガがゲンヤから預かっていたディスクを見ている間にスバルがこういった。
「お父さん、今朝から様子が変だった・・・さびしく笑ってて、連絡も全然とれなくて」
ディスクの内容を見て、はやても顔が険しくなっていく。
「リイン、西廃棄区画全体を捜索をすぐに近くの陸士部隊と巡回中の警ら隊員に連絡や!」
「はいです!」
はやては後悔した。何で気づいてやれなかったのか。
ゲンヤは昨日の魔導師を一人で説得に向かったのだ。
相手は魔導師。応じなかったら、むしろ抵抗してきたらゲンヤはどうなるのか?
魔力を持たないものが、魔導師と戦うなど無謀もいいところだ。
外はすでに日が落ちかけており、雨が降り始めていた。
雨の降る、クラナガンの西廃棄区画、ビルの間にひっそりとたつ旧暦の聖王教会、大聖堂廃墟。
路地裏を歩きながら、ゲンヤはおもむろに通信端末を起動させる。
通信先ははやてだ。
『はい、機動6課』
『八神、俺だ。ディスクを見てくれたか』
『ナカジマ三佐!?』
『今からマーロゥと話をつけてくる』
『三佐、変なこと考えないでください。相手はエース級の魔導師なんですよ!!』
『そうだな・・・なあ、八神。俺にはあいつが何でこんな事をしようとするのか
その気持ちがわかる気がするんだよ。』
そう、愛するものを理不尽に奪われたやつの気持ちが・・・
『あいつを止められるのは、俺しかいないからな』
『そんな!?』
『大丈夫だ。すぐにケリをつける。取引現場の方は頼む』
『ナカジマ三佐!!』
ゲンヤは通信を切ると、端末を再びオフにした。
コートのポケットを探り、タバコに火をつける。
タバコをやめてもう10年以上だ。クイントが2人を連れてきてから子供の成長上、
よくないとうるさく言われて以来である。
煙をくゆらせながら、部隊の仲間、スバルとギンガを始め機動6課の面々
そして最後にクイントを思い浮かべる。
(この数年の間に失ったもの以上に背負うものも増えちまったな・・・)
タバコの灰が、思い出と一緒にゆっくり落ちて消えていく。覚悟は決まっている。
吸殻を水溜りに落とすと、ゲンヤは廃墟となった聖王教会へゆっくりと歩いていった。
ゲンヤは廃墟となった教会内を歩いていく。あたりにはガラス片や瓦礫がところどころ
に散らばっている。
そして奥から3人の魔導師が姿を現した。おそらく組織から助っ人として送られたのだろう。
「マーロゥと話がしたい、奥にいるんだろ。通してくれ」
男たちは杖を構えた。
「まっ、普通そうだよな」
そう言ってゲンヤは周りを見渡しながらそう言って、コートから警棒を引き抜いた。
「魔導師でもない奴がどうしようっていうんだ?」
一番近くにいた魔導師の一人がそう言って嘲弄し、ゲンヤに杖をかまえた。
普通なら両手を頭にあげて降参するのだが・・・ゲンヤはその魔導師に向かって歩いていった。
「お、おい。止まれ、止まれよ!!てめえ、目の前のデバイスが目に入ってねーのか!!」
驚いた魔導師が撃とうとした瞬間、即座に歩調を早め、相手の懐に飛び込み、
右手をデバイスごと引っ張り上げ床に思い切り叩き落した。
柔道の背負い投げである。
「野郎!!」
すぐ隣にいた魔導師が杖をふるってきた。ゲンヤはそれをかわして、警棒でデバイスを持つ手を叩きとばし
そのまま相手の鼻に肘鉄を入れて沈めた。
しかし、最後の一人は遠くから、シューターを放ってきた。
教会の座席の隙間に飛び込みシューターをかわした。爆煙の中で
ゆっくり黒い影が動く。
「そこか!!」
魔導師がその影に向かって更に立て続けにシューターを放っていると
不意に横から足を払われ転ばされる。
何が起こったかわからないまま、倒された魔導師は顔面に警棒をくらわされていた。
煙の向こうに見える黒い影、それは穴だらけコートを着せられた石像、フェイクであった。
ゲンヤは魔導師たちを一気に倒し、石像にかけたコートを取ろうとしたとき。
「っく」
かすかに鈍い痛みが走る。見ると制服の脇腹が赤く染まっていた。
さっきの座席の下に滑り込んだ時、シューターの一発がかすったらしい。
しかし、額に浮かんだ脂汗をぬぐうと扉を開け奥へと進んでいった。
to be continued
432 :
44-256:2008/01/06(日) 18:20:16 ID:uvuDS3O+
以上です。次でラストになると思います。
戦闘描写をかくのは苦手ですが、頑張ります。
>>432 投下GJ。次でラストか。ゲンヤさんがどうなるかハラハラドキドキして待ってるZE
434 :
26-111:2008/01/06(日) 18:48:00 ID:vr6ho2Nl
見習い司書から業務連絡です
35スレの保管作業を完了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします
仮題のタイトルの変更などもありましたらお申し付けください
それと、管理人殿にお願いがあります
タイトルミスで作ってしまった、削除していただきたいページの内容を空っぽにして「削除申請」と言うタグを付けておきました
自分のミスの尻ぬぐいをしていただくのは大変心苦しいのですが、削除をよろしくお願いします
それでは、引き続き36、37スレの保管作業に当たります
不手際が目立つ新米司書ですが、司書長殿、並びに住人諸兄。今後ともよろしく・・・
>>432 GJ!バトルパートも楽しみにしていますぜ
435 :
44-256:2008/01/06(日) 19:05:22 ID:uvuDS3O+
>>433-434 ありがとうございます。一般人VS魔導師の戦闘描写は
魔導師同士の戦いを書く以上に制約があるので自分の文才
のなさを思い知らされます。
ivoryの復活マダー?
流れが速いから、ちょっと空白期間があるとスレを追うのが大変大変。
書き手様各位&司書様GJです。
>>420 一般のユーザーが管理人を名乗れないように、
名前欄に「管理」の文字が入ると自動で二重引用符が付くようです。
2chだけかと思ったらこっちにもあるんですねー。
>>420 おまえガチホモいいたいだけちゃうんかと
そして両刀遣いかよw
発展室って冷静に考えるとシュールすぎだろwww
とりあえずクア姉の人気に嫉妬
このスレでは某サンタ君のお話で真っ当に牢を出てきちゃったクア姉も存在するので、そのイメージがある方には申し訳ないなぁ……と
考えすぎでしょうかwそして以下長文ですごめんなさい
>235 お、なるほど……いいですねそれ、頂きます(ちょ
>410 見習い司書様へ
いつもお疲れさまです
保管についでですが、区切りに関しては段落で区切って頂いて、容量一杯まで入れて頂いて大丈夫です
基本段落で読めるようになってるはず、ですので。段落があまりにも長い所は、お任せ致します
朝刊の区切りはあくまで演出なので無視で大丈夫です。スレの投下としてはいいかもしれませんが続けて読む分には邪道かなと
意図的な改行ははやてのコロシテヤル、のところと、もうじきあと一箇所ありますが、その前後でも特に配慮は不要です
改行はそのままで普通の段落として扱って頂ければ問題ないです
ところで、連載終了時にテキストファイルのアップロードは必要ですか?
そのファイルの中身を(分割して?)保管して頂ければ、[〜ソラノカケラ〜]に関しては、不要な手間が省けるかもしれません
アップロードは微妙ということであれば、上記のような感じで編集をお願い致します……お手数かけてごめんなさい
自サイト作れ?エロなんておけるかー・゚・(ノ∀`)・゚・。
つうか管理がめんど……ごめんなさいものぐさで……ほんとごめんなさい
(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第44回・クアットロ再び(3)][当分非エロ][多分シリアス]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます
(過去の説明)
ナンバーズの更正組の子達は昨年なんですが連載中に宴会があってそのとき六課面子とは結構打ち解けています
特にディードは感受性豊かないい子になってて、目の前でなの→ユのプロポーズ見て感激した過去がある設定です
くどいようですが、このお話は昨年からの連載ものです。なのはのプロポーズって何?いんじゅーって何?等の質問は対処致しかねますのでご了承下さいw
(今日の注意)
オリキャラのモブとかガヤとか入ってますが全然かっこよくないです、はい。筆者ごと平和ボケなんでしょうか。でしょうね⊂´⌒つ。Д。)つ
あといつかの未来の壊れちゃうスバルのお話の方のノーヴェのBJの意匠、お借りしてます。お許し下さい
ついでに変なものつけたら緊張感が台無しになってしまったような気もしますが、あまり気にしないであげてください、主にヴィータの為に 謎
では、朝刊〜
といけない、GJありがとうございます
そしておはようございます。しかし、発展室ってwwwww
では今度こそ朝刊〜
2人の子供達のそれぞれの肩に手を乗せながら、フェイトがその空気の中へ切り込む。
「それって――最悪の場合、逃げる事すらできないってこと?」
「そういうことや。まあ、フェイトちゃんとなのはちゃんは、高速で飛べるから間に合うかも知れへんけど、どうかな」
「んー、90kmを10分か。私とかなのは、単独なら余裕だけど……」
屈みこみながら赤い髪の少年と、桜色の髪の少女をしっかりと抱え込む。
「エリオと、キャロを抱えて――とかなると厳しいかな」
「僕は大丈夫ですよ、フェイトさん。フリードに乗せてもらえば」
「いける?どう、キャロ?」
「うーん、ブーストを使って何とかぎりぎり……でも、民間の人たちを助ける余裕はないです……」
「そうだよね……ここの局員さん達も危険だよ。はやて」
「せやな、今の内訊いとこうか。どうかな」
はやてが話を振ったのは、オーリスが話をつけてくれていた通信管制長。
割と若い栗色の柔らかな髪の男性であったが、短時間でも分かるほどに部下から慕われているのは明らかであった。
「いやまあ最後までご一緒するのは構いませんが。非難場所ぐらいはないですかね。せめて女の子達だけでも」
その言葉に部下の方々から反発の声が上がる。
「ちょ通信長ー、またフェミすかー?そりゃないっすよー」
「そうそう。女だけじゃ世の中成り立ちませんよ」
「あー、とりあえず黙ってろおまえら。大事な話中だ」
「へーい」
避難場所と問われて、マリーが該当する場所を思いつき提示してくれる。
「ここ、地上本部のデバイスルームか、訓練室なら特殊な外装が施してありますから、最悪の場合なんとか持ちこたえられますが」
「おっ、ありがとうございます、マリエル殿」
「いえいえ」
話がついたところで、はやてはその話を全体にも広げる。
「聞いたとおり最悪の場合、一応避難場所はあるみたいや。でも、外にでとったら助からんし、どっちにしろ民間に大量に犠牲者がでてまう。
全員入れるとも限らへん。一応頭にいれといてな」
はい、とほとんど全員が返したのを聞いて、さらに細部の確認を取る。
「うちの子達はみんな飛べるし、ギンガ、スバルもウィングロードでなんとかなるか……ティアナは、まあなんとかしてな」
「は、はぁ……」
なんとかと言われましても、というのが彼女の内心の反応であったが、それをフォローするようにヴァイスから付け加えられる。
「まあ、飛べない連中には俺がヘリ出しますよ。ってもガジェットから妨害があったり時間が短かったら間に合いませんがね」
「うん、そのときは頼むわ。けど――やっぱきついな」
「ですね。俺らだけが助かっても結局意味がねいっすからね」
その言葉に共感を覚えた通信長が追従する。
「全くですよ。本当、うちの連中も見習って欲しいもんです」
「通信長何こんなときだけかっこつけてんですかー」
「そうっすよー」
「ばーかおまえら。逃げ損なってくたばったら、どの面下げて中将様に会いに行く気だ?」
「うわー……おっかねー……」
「あのダミ声まじこええからなー……」
馬鹿な感想は放置して、最後に隣に立っているなのはに確認を取ろうとすると、何かぶつぶつと言っている。
「魔の……王…………灰燼……扇……」
「なのはちゃん?どうしたん?」
「あ、ご、ごめん。ちょっと詠唱の練習を」
にゃはは、大事な話の最中に相変らず緊張感の無さで笑われてしまったが、それでも憎めない所が彼女の可愛らしさである。
「何の詠唱?」
「物理破壊モードのスターライトブレイカーがね、カウントが必要だから間延びしちゃって。ユーノ君に考えてもらったんだけど、難しくって」
「あはは、なんせ国語一桁やしなあ」
「わーん!いわないでー!」
「つーかそんな物騒なもの使わんでええがな、おっかない……」
「それはそうだけどね」
「ほいで、注意の続きなんやけど、なのはちゃんは嫁入り前の身なんやから、まあうちらもみんなそうなんやけど、気をつけてな」
「うん」
「で、この子達の先導を、お願いしたいんや」
視線を向けたのは、ノーヴェ、ウェンディ、オットー、ディード。
「わかった」
「それからもうひとつ」
「?」
小さい三角形の魔法陣を出して彼女の体全体に白く薄い魔力の膜を被せる。
「これは?」
「ニタヴェリールの無効化魔法や。1時間ぐらいしかもたへんけど、これでよっぽど高濃度の所に突っ込まん限り大丈夫やで」
「あ、うん、ありがとう。でも、私だけ?」
「なのはちゃんは魔力値高すぎて危ないんやって……。それに、結婚前の花嫁さんに何かあったらユーノ君に何言われるかわからへんしなー」
「にゃははは」
「まあ、一応やけど、クアットロとガジェットからはそれなりに高度差取っといてな。勿論、隙があったら確保してもらっても構わへんけど」
「うん、わかった」
座ったままはやてが見上げた人は、花嫁になる直前の幼馴染である。
何があっても失うわけにはいかんよな、と彼女が思ってしまう程の初々しさがあって、周囲の表情も特別扱いに納得していた。
そしてもう1人の先導役へ、任務を言い渡す。
「あと先導は、ギンガもお願いしてええか?」
「はい!」
「あとはー、ノーヴェのデバイスは大丈夫かな?起動してみんでも平気?」
「あ……」
突然優しく話しかけられて、戸惑う赤いショートカットの人。
マリーがすかさずフォローする。
「そうだね、ウェンディとディードのは何も触ってないけど、ノーヴェのはちょっとこの間いじったし、瞬間装着もあるし一応起動してみる?」
「う、うん。いいですか?ギンガさん」
「うん、いいと思うよ」
「はい!ありがとうございます」
先行して1人だけ戦闘服が完成していることに対して、若干やっかみを含んでウェンディがぼやく。
「ひとりだけずるいっすー、ねー、そう思わないっすか?ディード」
「うん……でも、ノーヴェ姉様のデバイスは特殊ですから」
「あーあー、優しいっすね、ディードは」
「そ、そんなことは……」
少しだけ照れて困って彼女が目線を落としたタイミングで、そっと手渡されたデバイスを持って、ノーヴェが小さく、
セットアップ、と呟くと自動で彼女の姿が淡い赤色の光に包まれてて変わって行く。
果たして光が消えて現れた姿は、ほとんどスバルとそっくりの白い丈の短い上着のついた意匠の軽装に近いバリアジャケットであったが、
青のカラーリングの部分が全て赤に変わっていた。そして――
頭に内側が桜色の、白くて長くて大きい中ほどから折れて垂れた耳がついていた。
それを見た瞬間大爆笑するウェンディ。
「うはははは、それどうしたっすかノーヴェ!まじかわいいっすよ!?」
「う、うるせーよ!」
本気で肩口を捕まれて食って掛かられて、どうどう、となんとか諫めようとするが、顔はまだ笑っている。
「の、ノーヴェ姉様、それは……?」
あまりの剣幕に末っ子が仲裁に入った。
「え、えーと、なんだっけ?」
マリーに視線を送ると、こちらは普通ににこやかに説明を付け足した。
「ノーヴェには念話の盗聴機能があったんだけど、物騒だからって外したのね。でも勿体無いからデバイス側に組み込んじゃおう、って話になって。
実験的にその形でつけてみたんだけど――どうかな?」
「いやーちょーかわいいっすよ?」
「だからだまれってー!」
「ま、まあ、見た目だけならすぐ自分でOFFにできるし……」
口をぐにぐにと引っ張られて、ぎぶぎぶと聞き取りにくい声で降参を漏らすウェンディであったが、ノーヴェは羞恥からか止まらなかった。
あまりの緊張感のなさに、さしものはやてもその2人を咎める。
「こらこら、2人とも。大事なお話の最中やで?」
は、と我に返って手を離すと、しゅん、となる怒っていたはずの人。
「ご、ごめんなさい……」
「あ、あだだ……ごめんなさいっす」
しかし少し俯き加減になって、しっかりと垂れたノーヴェの頭についた耳は――どっからどうみてもウサギの耳にしかみえなかった、
これぐらいはいいよな、とはやても一応聞いてみる。
「でも、どしてその形なん?」
「え、えと、それは――」
と彼女が恥ずかしそうにちらちらと視線を送った先は、赤い2本のお下げのついた紅の鉄騎。
「はっはーん、なるほどな」
それに合わせて全員の視線がヴィータに集まって、突然注目の的になったその人は慌てまくった。
「あたしか!?あたしのせいなのか!?」
「そやよなー、ヴィータにもうさぎちゃんついてるもんな、な?ノーヴェ」
「う、うん……」
かなり恥ずかしそうに、少しだけ申し訳なさそうに俯いたままこっそりヴィータの様子を伺っているノーヴェ。
「いや、あたしの騎士甲冑考えたのはやてじゃねーか!」
「そやったけ?10年も昔のことやしよう覚えとらんわー、あははー」
「は、はやて、ひでー!」
「ま、それはおいとくとして。おし、無効化魔法の時間も勿体無いし、こっからはお仕事モードでいくでー」
立ち上がったはやてに合わせて、部屋の空気が一気に引き締まった。
「ちょ、はやてー!ちょっと待てってー!」
若干一名、かなり納得していない様子であったが。
「高町一等空尉、ナカジマ陸曹、ナンバーズ4番クアットロの説得任務、開始!」
「はいっ!」
「はい!」
4人の妹達の肩に軽く触れながら、外へと促すギンガ。
「じゃ、行くよ、みんな!」
「はい!」
「了解っす!」
「了解です、ギンガさん!」
「……了解」
なのは、ギンガを筆頭にずらずらと出て行く、うさ耳を含めた4人。
完全に放置された赤い髪のちびっ子は部屋の壁の方を向いてしゃがみこんでいた。
「そりゃ、あたしにもうさぎはついてるさ。ああ、ついてるさ。のろいのうさぎだけどついてるさ。
けどぱくるなら一言ぐらいいえっつーのぶつぶつぶつぶつ」
うちはしらんもーんと再び座って笑顔でスクリーンに目を移す主の横顔を、ヴィータ以外の家族達は苦笑いで見守るしかなかった。
ほいではまたノシ〜
今週は金曜までいけるかな……キケーン⊂´⌒つ。Д。)つ
皆、おはよう…
何故か
炎の孕ませ見習い騎士
なんて妄想をしてしまったぜ、朝っぱらから……
>>446 妄想?もう既にそうじゃねwwwww
エリオ『ちょいと見てくれ。俺のストラーダをどう思う……?』
キャロ『すごく……大きいd(ガバー)ああああああああっ?!』
>>445 朝刊投下GJです!!
何か盛り上がってきましたね。
はやてが味方にいると相当心強いと改めて思う。
そしてノーヴェの新BJに萌えるw
あまり無理しないでください。次回作wktk
>>446 実にその内容が知りたいぜ・・・
腹黒エリオが機動六課の女性達に「僕の寿命はあと少しなんです!」
と言って次々に孕ませていく・・・きっとそんな素敵な話なんだろうな・・・
>>446 炎の孕ませ司書長
炎の孕ませ査察官
炎の孕ませヘリパイ
炎の孕ませ部隊長補佐
炎の孕ませ科学者
炎の孕ませ空士(笑)
炎の孕ませ守護獣
炎の孕ませ特別救助隊隊長
炎の孕ませカルタス
炎の孕ませ部下皆殺し騎士
炎の孕ませ自然保護局員
炎の孕ませ親父
etcetc……
なんだネタが山のようにあるじゃまいかwww
ついでにゲリラ氏GJ!
451 :
43-154:2008/01/07(月) 09:43:33 ID:9cKkD+QB
どうもー。今朝起きたら学校から投下すればいいんじゃね?
とか想いまして・・・・
その、何というか漢たちの挽歌。その6投下よろしいですか?
今回は、一部捏造ありです。
どこが捏造か解りにくいようにしたつもりですが、不快なようでしたら
スルーして下さい。では
要約すると、カリムの用事ははやての提出した書類(とは言うもののその書類の作成提出はグリ
フィスの仕事だ。何せ彼女はサボって・・・・もとい負傷中だった)にはやてのサインが抜けており
明朝の教会での会議に必要な為会議の開始時間より40分ほど早く来てくれないかとの事だった。
一通りカリムが話し終えた後、はやては一つ思い出した。その会議の出席者についてだ。
1.クロノ・ハラオウン:議長
2.カリム・グラシア:証人A
3.自分(八神はやて):証人B
4.ヴェロッサ・アコース:オブザーバー
5.ユーノ・スクライア:オブザーバー兼書記
いつもならば、3か4までだがロストロギアが絡んでいる為無限書庫の人員を書記として召喚して
おく必要が会ったのだ。
其処まで、思い出して彼女の頭にキュピーンと稲妻が走った。登場人物1・4・5には丁度ターゲッ
ト(愛しのグリフィスを悪の道へ引きずり込んだ者達)がいるではないか!!
「なあ、カリム。ちょお相談があるんやけど・・・・」
5分後
「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふ・・・・・・・・・・・・ロッサ。貴方、其処まで堕ちたのですか。
クロノ提督もスクライア司書長も一緒とは・・・・。ねえはやて、明日の会議の議題に一つ重要事項
が追加されたんですけど、けど問題ないですね?」
「もちろんや。あと、証人(という名目の処刑執行人)としてこっちの隊長二人も追加させてもら
いたいんやけど」
「ええ、大丈夫よこちらもシャッハに加わってもらいますから。あと、クロノ提督はこのところ
ご家族にあまりお会いできていないようなので其方のほうも手配いたしましょう。ああそう、こ
の件は明日まで極秘ということで・・・」
「ああ、逃げられたらこまるさかいなぁ。明日が楽しみや(聖母のような笑み)」
「ええそうね(菩薩のような笑顔)」
なんだか笑顔はとても慈愛に満ちているようにも見えるが、立ち上るどす黒いオーラが全てを台無
しにしている。その話を聞いていたなのはは『白い大魔王モードEX』を(表面上は)解除しやはり素
敵な笑顔とどす黒いオーラを、フェイトは・・・・・・まだ泣いている。
よほどエリオが見知らぬ女に走ったのが効いたのだろう。ちなみに彼女は精神安定剤代わりにエリ
オとキャロと自分の3ショット写真を懐に常に忍ばせていたりする。勿論、夫:エリオ、妻:自分、
娘:キャロだ。
その頃、男達は・・・・・
「いや、美味い!美人にお酌されて呑むとまたかくべつだなぁ」
「まったくです。そういえばおつまみが無いですね。お嬢さんお勧めをいくつかお願いします」
「あ、次このスピリット(アルコール99%)っていうお酒をストレートでお願いします」
まだ呑んでいた。しかも、何故だか女の子達に人気だ。
「またまた、そんなこといってー」
「でも、お世辞でもうれしいです」
「わかりましたぁ。じゃあ頼んでおきますね♪」
「あ、エリオ君。こっちのもおいしいと思うけどどうかな?」
「トランプあるんだけどポーカーでもしません?」
「それよりぃ、こんどは“せん○みつ○ゲーム”しよう」
ちょっと待て。なんで“○んだ○つおゲーム”を知っているミッドの人!
・・・まぁ、知らぬが仏ということで。彼らが楽しんでいる間に、女性陣は着々と殲滅の準備を進め
ていた。そう、男達の知らぬところでカウントダウンが今度こそ始まってしまった。
2340時 ミッドチルダ繁華街。
機動六課女性陣(別名:男達に天誅という名のリンチを加える会)集合中
メンバーは・・・・
会長:はやて
副会長:なのは
エリオ命:フェイト
拘束班:ティアナ
憂さ晴らしA:ヴィータ
憂さ晴らしB:リィン
憂さ晴らしC:スバル
良く判ってない:キャロ
お目付け役:シャーリー
一般会員:アルト、ルキノ
以上。
全員、街に溶け込む為私服での集合だ。
「さて、皆。準備はええか?一応作戦の内容は判っとる思うけどシャーリーからいくつかあるそ
うやし、しっかりきいたってな」
「はい、皆さん。とにかくそのお店の場所は騎士・カリムとシスター・シャッハのおかげで特定
できました。潜入の算段のほうも大丈夫ですが、くれぐれも店の物を破壊したり・店の人を傷つ
けてはいけません。」
腰に手を当て仁王立ちで宣言するシャーリーに、
『ブーブー!!』
当然、暴れる気満々の人たちはブーイングする。
「いくらブーイングしてもだめです。何せそのお店は管理局上層部の御用達。下手をするとここ
にいる全員の首が飛ぶだけでなく、その賠償も全員の自腹になるんですからね!」
「それなら、管理局の上層部の人たちにも反省を促す為にも・・・」
「いいえ!彼らは犯罪者でもありません!どの道、クビ+賠償です!」
「シャーリー!私のエリオを奪って行ったんだから奴らはもうS級の犯罪者だよ!!」
「なにをトチ狂っちゃったんですか!!」
目をギラギラ血走らせたフェイトにシャーリーの切実なツッコミが入った!
まとまりは取れてないがテンションだけは以上に高い。周囲の一般人は半径5m以内には近づかな
いようになっていた。あまり周囲に溶け込めていないと感じるのは私(筆者)だけであろうか?
ともあれ、死神は漢たちへと確かにその大鎌を振り上げたのだった。
彼女達がランパブ“マイバッハ”に乗り込むまで後10分。
458 :
漢たちの挽歌:2008/01/07(月) 09:54:48 ID:9cKkD+QB
以上です。
どこが捏造かわかりました?
いや、まあ会議の出席者のことなんですが。
司書長が出張る理由はないんですねどこにもそんな設定ないですし
まあ、スルーしていただけると・・・・。それでは
>>449 ところがどっこい、エリオが六課のお姉さん方に押し倒され、危険日なのにかかわらずカニ挟みで強制膣内射精させるというような内容だった…
>>458 GJデス。次回がとても恐ろしいww
女性陣の方が犯罪者集団に見えるのは仕様ですかね…
男性陣は別に悪いことしてるわけじゃないのになぁ
461 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 12:31:26 ID:yO4+jRgT
ところで、リンディさんメインのエロSSが完成したんですが投下してもいいですか?
メインはリンディさんで相手はオリキャラです、特にこれといった特殊性癖的な責めは無しで普通のノーマルな絡みですが。
GJ
しかし査察官はともかく、提督と淫獣はそゆとこへ行く時間的余裕なさそうだけどな。特に淫獣。
実は最初の一回行ったきりで(その後行きたかったかは別として)、今回粛正される、とかだったら浮かばれねぇなw
464 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 12:44:28 ID:yO4+jRgT
それじゃあ投下します。
リンディさんメインでエロありです!!
そして相手(ちんこ要員)はオリキャラです。
465 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 12:44:54 ID:yO4+jRgT
甘党艦長と俺物語
おっす皆! まずはじめましてと言っておこう、俺はアースラ所属の武装局員だ。
あれだよアレ! 一期でプレシアさん所で瞬殺されてたり、二期で守護騎士のみんなを包囲するだけだった奴らだよ。
思い出してくれたか? なんだか思い出したら自分で言っといて泣きそうになっちまったぜ…
まあジョン(仮名)とでも呼んでくれ。
そして俺は今一人アースラの中を艦長室に向かって歩いてる、手には“直訴状”と筆で書き殴られた封筒を持ってな。
なんでそんな物を持ってるかって?
理由は簡単さ、名前は伏せるが超が付くくらいのバトルマニアのベルカの騎士が最近俺達アースラの武装局員に模擬戦という名の拷問をしてきやがるのでその申し立てに行くって話だ。
主役級キャラと俺達みたいな脇役以下の背景キャラとの力の差は考えるまでも無いだろう?
なのにあの女ときたらフェイトちゃんが模擬戦する時間が無いからって俺達に“とにかく相手をしろ!”とか言ってきやがるんだよ。
肉体的疲労と心労で何人の友が倒れたことか……そして遂に俺が代表者となってリンディ艦長に直接申し開きに行くことになった、って訳だ。
俺はリンディ艦長の控える艦長室が目の前にたどり着いた、そしてノックも挨拶も無しに一気にドアを開けた。
これは直訴なのだから礼儀より熱意を見せなければならない!
「艦長! 直訴、直訴であります!!!」
そして艦長室に勢い良く入った俺の目に飛び込んできたのは信じられない光景だった。
リンディ艦長は艦長室の置かれたソファの上にいた。まあ、ただ座っていたってだけなら普通だったろう、だがリンディ艦長は座ってはいなかった。
艦長はソファの上に横たわって服のあちこちを肌蹴ていた。
そして剥き出しになったその豊満な乳房の頂上、綺麗なピンク色の乳首と乳輪を左手で弄り。
スカートはたくし上げられ、ショーツはずり下ろされて。露になった股間の恥部に右手を差し入れてソファに垂れるほどに愛液を流していた。
まあ、つまりはオナニーってやつだよ諸君。ちなみに直接見るのは初めてだ。
そういえば昔の彼女に見せてくれって言ったらフラレタ……いやそれはどうでもいい!!
とにかくその場の空気は凍ったように静まり返った艦長は目を見開いて驚き俺と目を合わせたまま固まっている。
俺も完全に思考がフリーズして動きを止めていた、だがしかし……俺は見てしまった。
リンディ艦長が俺に見つめられてさらに股ぐらを濡らして愛液の染みをソファに広げているのを。
彼女は興奮しているのだ、部下に自分の自慰行為を見られてその絶望的な状況に情欲を滾らせている。
466 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 12:46:03 ID:yO4+jRgT
その証拠に瞳も圧倒的な諦念の中に恍惚の光が宿っている、まあ昔の彼女がMっ気があったから分かるだけなんだが…
最近仕事が忙しくてヌイてる暇もなかった俺はその事実を理解した瞬間に行動を起こしていた。
「ジョ、ジョン(仮名)……これは、その…」
「……」
リンディは必死で露になった肌を手で隠し、部下に説明をしようとするが彼は何も言わずに部屋へと入ってきた。
「分かってますよ艦長…」
「えっ?」
彼はそう言いながらゆっくりと、だが確実にリンディの傍に歩いてきた。
そしてリンディに覆いかぶさり、彼女の両手を掴む。
「きゃっ!」
「艦長も女ですもんねぇ、身体が火照って堪らない時だってありますよねぇ? でもね艦長、だからってこんな所でオナニーしちゃ駄目ですよ?」
「そ、それは…」
「だから、分かってますよ艦長…」
ジョン(仮名)は責めるように言いながらリンディの潤んだ目を見て彼女の中の被虐癖に完全な確信を持つ。
そして耳元で嬲るように小さく囁いた。
「“誰か来るかもしれない”って考えたら興奮したんでしょ?」
「そ、そんな事!」
「艦長、今凄い濡れてますよ? 俺にこんな事言われても興奮するんですね」
「あ…そんなこと言わないで…」
リンディはジョン(仮名)の軽い言葉の責めで既に洪水の如く愛液を垂れ流している。
そして彼の言葉はまだ終わらない。
「それにしても艦長、このソファってよく見るとあちこちに染みがありますよね? こんな事いつもヤってるんですか? 艦長って凄い変態なんですね♪」
「やだ、そ、そんな風に言わないで…」
ジョン(仮名)は満面の笑みでリンディを言葉で責めた。
リンディは死にたくなるような恥辱を感じながらも体の奥に熱い情欲の火を灯されて下腹部からさらに蜜を流す。
「“やだ”ですか。それじゃあなんで…」
ジョン(仮名)は言葉を紡ぎながら自身の手をリンディの恥部に差し入れ、指で乱暴に膣へと愛撫を行った。
「こ〜んなに濡らして、オマンコひくひくさせてるんですか?」
「ひゃあ! や、やめてぇ そんないきなり」
ジョン(仮名)は、甘い嬌声と吐息を漏らして身をよじるリンディに構わずさらに指を動かして水音を響かせながら、小さな肉芽もこすって刺激を与える。
そして蜜壷を弄る指をそのままに肌蹴た服から姿を見せるたわわな乳房をもう片方の手で揉みしだく。
さらに指で乳首を転がしながら口をもう片方の乳首に吸い付き、痛いくらいに吸い上げた。
「ふあぁ!! もうだめええぇぇ!!」
両の乳房にクリトリスと膣へ与えられた快感の激流を受けて、リンディは瞬く間に絶頂の高みに昇る。
467 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 12:48:39 ID:yO4+jRgT
身体を大きくのけぞらせて甘い快楽の電流に脳を焼かれてリンディは絶頂の余韻の中に気を失った。
リンディは肌に感じた冷ややかな風の感触を受けて目を覚ます。
「ん…これ…は?」
リンディが目を覚まして最初に理解できたのは自分の衣服が全て脱がされソファの上に仰向けに横たわっている事…
そして次に分かったのは自分に覆いかぶさるようにして雄雄しく屹立した肉根を恥部に押し当てるジョン(仮名)の姿だ。
彼が何をするのかなんて明白だった、今まさに夫にのみ捧げてきた操を奪われる所だったのだ。
一瞬目をつぶって直後に来るだろう快楽の波に耐える覚悟をしたリンディだが一向に熱い肉根の感触は膣に挿入されなかった。
目を開けてジョン(仮名)の顔を見ると彼は真っ直ぐにリンディを見据えて口を開く。
「艦長、選んでください」
「…え、選ぶ?」
「もし艦長が俺に犯してほしいならこのまま全力で犯します。でも嫌ならこの場で殺すなり逮捕するなり好きにしてください」
「そ、そんな…殺すなんて…」
「女の身体に悪戯したんですからそれくらいの覚悟はしてますよ……さあ、どうしますか?」
「それは…」
「ちなみにドアはロックしてますし、通信回線も閉じてますからしばらく人は来ません。それに艦長の身体に避妊魔法をかけましたから孕む危険性も無いですよ」
「………」
リンディはしばらくジョン(仮名)の熱い眼差しを見つめてから、少し顔を背け頬を赤らめながら小さく呟いた。
「…お願い……来て…」
その言葉にジョン(仮名)は無言で自身の剛直を使って答える。
ジョン(仮名)は手加減無し力の限りで肉棒をリンディの蜜壷に挿し込んだ、そのあまりの快感にリンディは身体を大きく震わせた。
「はああぁ! こ、これすごい、きもちいぃ」
リンディは久方ぶりの肉の快楽に涙を流して悦び、軽い絶頂に膣を痙攣させる
「くっ…艦長の中も凄いですよ」
対するジョン(仮名)もまた、自身の性器に絡みつくリンディの熱い蜜壷の感触に顔を歪ませて悶える。
リンディのそこは正に男に快感を与える為にあるようなモノだった。
性風俗店や昔の彼女を合わせれば少しは女を知っているジョン(仮名)でも、そのあまりの快感には自身の絶頂を押さえるのに必死にならざるをえなかった。
だがしばらく続いていた禁欲生活の為にその我慢は脆くも崩れ去る。
さらなる快感を求めて自分で激しく腰を動かしたリンディの動きによりジョン(仮名)はあっけなく最初の射精をする。
「くぅっ!」
「んはぁっ……すごく熱ぅい…きもちいいぃ…」
体内に吐き出された精の熱さにリンディは上気して朱に染めた顔で悦びの淫らな笑みを浮かべて恍惚を味わう。
それは十数年ぶりに感じる充足感であった。
そしてリンディは少し不満そうな表情でジョン(仮名)を抱きしめながら耳元で囁く。
「…でも早すぎよジョン(仮名)」
だがジョン(仮名)はこの挑発めいた言葉に笑顔で返す。
「艦長の中が気持ち良過ぎなんですよ…」
「…そ、そうなの?」
「ええ…それに」
ジョン(仮名)は少し邪なものを含んだ笑みを見せながら下腹部に力を入れる。
「…俺、最近ヌいてなかったんで我慢できなかったんです。だから、まだまだ余裕ありますよ」
468 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 12:50:12 ID:yO4+jRgT
そして先ほど発射したばかりの剛直がリンディの内部で再び凄まじい硬度を取り戻していく。
「ふあぁぁ! また……すごい硬くなってるぅ」
リンディは、内側から膣を押し広げられる感触にまた甘い嬌声を漏らす。
ジョン(仮名)は硬度を取り戻した自信の肉根で即座に激しいピストン運動を再開する。
肉棒は単なる前後運動だけでなく、上下左右の様々な角度からリンディの感じる箇所を探るように動く。
「くはぁっ! ん……そこ! そこきもちいのぉ」
ある一点をこすり上げる肉棒の動きにリンディが一段と甘い悦びの声で鳴く。
ジョン(仮名)は探り当てたその部分に重点的に激しい動きで快感を叩き込む。
さらに両手でリンディの豊かな乳房を揉みしだきながら頂点の豆粒を千切れそうなくらいに指で挟んだ。
「んはぁっ! ん……も、もうちょっと…やさしくしてぇ」
「でも艦長、さっきよりも濡れてますよ? それにキュウキュウ締め付けてきてるし…… 変態ドMの艦長は、痛いくらいが感じるんでしょ?」
「や、やだぁ……いぢわる…いわないでぇ」
リンディは紅潮した頬に潤んだ瞳で涙を流す、その涙は決して嫌悪の為ではなく身体に走る快楽の甘い電流に対する悦楽の為に流れる涙だった。
そしてジョン(仮名)は容赦なくリンディの膣の感じる箇所に力の限り自身の肉根でこすり上げる。
先ほど排出した精液とリンディの流し続ける膣の蜜の為に淫靡な水音が部屋全体に響き渡った。
「も、もうだめぇ!…んっ、はぁ…私また…」
「くぅっ! 艦長、俺ももう…」
リンディの高まる絶頂の波を感じたジョン(仮名)は自身の限界も近い事もあり最後のトドメと言わんばかりに最高の力で剛直を挿し入れながら彼女の耳たぶを甘噛みした。
「んはぁっ…だめ…もう……ん、イクゥっ! クライドォ!」
快楽の頂でリンディが叫んだのは亡き夫の名前だった。
そして、その責めの果てにリンディは本日最高の絶頂を感じ、背を折れんばかりにのけぞらせる。
さらにジョン(仮名)の身体に回した手足に力を込め、自身の蜜壷に埋まった肉根の感触をより強く貪ろうと抱きしめる。
絶頂の快感で肉根に強く絡み付いていたリンディの内部が一際強く収縮し、ジョン(仮名)に耐え難い快楽を与える。
そして彼もまた絶頂を迎えてリンディの膣に再び自身の白濁を注ぎ込んだ。
「ぐぅっ!」
「はぁ はぁ…」
「ふぅ…」
互いに絶頂を迎え、激しい情交の後のまどろみに浸っていた二人だが、ジョン(仮名)は繋がったその格好(正常位)のままリンディを抱きかかえて立ち上がった。
「きゃっ! ジョン(仮名)…いったい何を…」
「言ったでしょ? 全力で犯すって。今度は立ったままヤりますよ」
ジョン(仮名)のふてぶてしいまでの肉の棒は二度の発射ものともせずに、リンディの内部で再び硬くいきり立つ。
リンディはその事にまた悦びを感じ、淫らな期待に頬を赤らめた。
「それじゃあ、バックで行きますか? それともこのまま駅弁で行きますか?」
469 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 12:50:50 ID:yO4+jRgT
「………それじゃあ……その…後ろから犯して…」
「分かりました艦長、後ろから獣みたいに犯してあげますよ」
ジョン(仮名)はそう言うと、器用にリンディの手足にバインドを作って宙に浮かせて彼女の身体を反転させて壁に手をつかせる。
ジョン(仮名)立ちバックの体勢になった所でリンディを犯すべく、その熟れた果実の如く果汁を垂れ流す蜜壷に自身の肉根をあてがった。
そこにリンディの声で制止が入る。
「そ、それとね…ひとつお願いがあるんだけど…いいかしら?」
「なんですか?」
リンディは快楽と情欲に潤んだ瞳で後ろ向きにジョン(仮名)の顔を覗きながら小さく懇願をする。
「今は…今だけは……私のこと“リンディ”って呼んでちょうだい…恋人や夫みたいに……」
「分かりましたよ、リンディ…」
しばらくの間、アースラ艦長室の中では淫らにして背徳的な匂い立つような情交が繰り広げられた。
こうして彼は尊敬する上司を肉の奴隷とし、彼女の愛人になった。
続く(?)
470 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 12:53:20 ID:yO4+jRgT
投下終了、エロって書くの初めてだからか知らないがこうも難しいとは…
続くかどうかは微妙なところです、っていうか皆さんはこれの続きが読みたいですか?
もし書くならやっぱエロ中心になるのかな。
>>470 激しく気になります。続編を強く希望します。
>>470 GJ!俺も続編希望する
ただ一つだけ言わせて貰うと、(仮名)は次から無しにして欲しい、それだけ気になった
>>470 まるで昔の自分を見ているようだ…。
>もし書くならやっぱエロ中心になるのかな。
たりめーだ。
自信ないなら、これはこのまま短編で終わらして、しばらくは単発の
短編でエロいの書く練習した方が無難といえば無難な気もするんだぜ?
>>470 すげー久しぶりにエロパロ読んだ気がする。GJ!!
>>470 自分も(仮名)はいらんかな…と。
でもリンディさんネタは少ないので続編希望です
476 :
ておあー:2008/01/07(月) 17:45:39 ID:3zgF3Dfx
で、エロいのの後に非エロですみませんが小ネタを投下します。
前回レス下さった皆様、ありがとうございました。
前作のレジアスとヴィヴィオが存外悪くなかった(書き手的には)ので、今回も本編ではあまり絡む事の
なかった人達を絡ませてみました。需要? 何それおいしいの?
今回の注意
・単発非エロ
・グリフィスとシグナムの話
小ネタなんでさほど注意する事もないはず。
477 :
ておあー:2008/01/07(月) 17:51:47 ID:3zgF3Dfx
本文が書き込めない……? なんでだろ?
478 :
ておあー:2008/01/07(月) 17:54:45 ID:3zgF3Dfx
なんかさっぱり原因がわからんのですが『書き込みできた』ってPCが言ってるのに
リロードしたら書き込めてない……orz
すいません、ちと時間を空けてから再チャレンジしてみます……
ておあー氏がパソ子さんに嫌われている様子w
470の(仮名)ってのは笑いどころだと思うんだが、いらんって意見多いのね
480 :
44-256:2008/01/07(月) 18:04:16 ID:ovfK3s0c
すみません。なら自分のを先に投下させてください。
昨夜に続き、ゲンヤSSを投下します。
改めて説明を
・非エロです。
・主人公はゲンヤです。
・オリキャラも一人でてます。
・基本的にはこの二人が主軸です。
・ゲンヤとオリキャラの過去を絡めた話です。
ゲンヤは大聖堂へ続く奥の扉を開けた。
コートの下から血が滴り落ちる。
さすがに魔導師相手に戦うのは、無理あるよなと自嘲気味に思いながら
脇腹の傷をかばい、ゆっくり歩いていく。
中は暗く三角形の魔方陣を模したステンドグラスからところどころ光がさしこんでいる。
そして奥には一人男が待っていた。
「来ると思ってたよ、ゲンヤ」
「ここだと思ったぜ、マーロゥ。取引現場からは近くて西廃棄区画の中じゃ
一番目立たない・・・そして何よりお前と彼女が式をあげるはずだった場所だからな」
「ふっ、8年ぶりになるか。ギンガとスバル、二人はどうしてる?」
「元気にしてるぜ。二人ともますますクイントに似てきやがった」
「そうか、クイントさん似というと相当な美人なんだろうな」
「やかましいところと、おせっかいな性格だけ似てきたんだよ。嬉しくねえ」
「お前の頑固なところが似なくて良かったじゃないか」
旧交を温めあうように、お互い笑った。
しかし次の瞬間ゲンヤはマジメな顔になりこう切り出した。
「マーロゥ、自首してくれ」
「自首だと・・・クイントを失ったお前ならわかってくれると思ったんだがな」
「失ったやつはもう戻らないぜ」
「それが意図的であったとしてもか、奴らを消すことが彼女の手向けになるなら。
もう止まるわけにはいかないんだ。邪魔するならお前も容赦しない!」
マーロゥがそう言うと、ゲンヤは警棒を握り返し、こう言った。
「安心しろ、マーロゥ。てめえは俺が止めるよ」
ゲンヤがそういい終わると同時にマーロゥはデバイスを掲げ、魔法陣を展開した。
周囲に魔力球がたくさん形成されていく。
そしてアクセルシューター発射されると同時に、マーロゥに向かってゲンヤは走っていき、
床に落ちていた空き瓶を拾って相手の頭めがけて投げつけた、マーロゥは一瞬ひるむがそれを杖でたたき落とす。
しかし、空き瓶に気をとられアクセルシューターの誘導が若干甘くなる。
ゲンヤはそのスキが出きたアクセルシューターを転がりよけようとするが、
しゃがむ寸前にシューターの一発が左腕に当たった。激痛が走り、左腕の骨が折れるのを感じた。
しかしもろともせずマーロゥに接近していき、警棒をふるった。
しかしその一撃はプロテクションで防がれる。
「ぐっ!!」
ゲンヤは鉄の塊を引っぱたいた様な激しい痺れと痛みを伴って弾かれるが、必死に踏みとどまり
また間合いをつめ、警棒をふるっていき、また相手の杖の攻撃をどんどんさばいていった。
魔法が使える相手に発動のチャンスを与える余裕を作らせないように、
リーチをとらせないようにするためだ。
『ガンッ、ガツッ、ガギィィィン!!』教会内に乾いた音が響く。
何度かのつばぜり合いのあと、ゲンヤはいったん自分からやや間合いを取ると、勢いをつけて
相手のボディに蹴りを決めようとした。マーロゥはシューター放ったが、蹴りを繰り出す
ゲンヤの動きの方が早く、頬をかすっただけであった。
蹴りは横腹に入り、マーロゥはのけぞる。
そして追い討ちをかけるように警棒の柄でマーロゥの顔を思い切りなぐり倒し、デバイスをけとばした。
『カランカラン・・・』デバイスが床に転がる。
ゲンヤは床に寝ているマーロゥに警棒を突き出しこう言った。
「マーロゥ、お前が襲う今夜の取引、相手さん警戒して相当数の魔導師を
揃えてやがるんだ。管理局だっててめぇを追ってる。いくらエースでも
死んじまうぞ!!」
「それが・・・どうした・・・」
「てめ・・・!!」
ゲンヤはそう言いかけ、不意に自分の真上にイヤな感じを覚えた。
次の瞬間、真上のステンドグラスが割れ、先ほど頬をかすった複数のシューターがゲンヤめがけてとんできた。
「!!」
とっさにその場から離れようとしたが、シューターは誘導、爆散し、爆風をもろにあびた
ゲンヤは教会の壁まで吹き飛ばされた。
アクセル・シューターをもろに受けたゲンヤは倒れて動かない。
身体の至る所から血が流れている。
そこへマーロゥはデバイスを拾い上げ、倒れてるゲンヤへ近づきこう言った。
「ゲンヤ、さっきお前は死ぬと言ってくれたよな?彼女を失ってから俺はもう死んでるんだ。
ジェイル・スカリエッティに協力していた奴らを道連れにして、彼女に会いに行ける。行けるんだ・・・」
「さ・・・せね・・え・・よ」
ゲンヤはそう小さくつぶやくと、カチンと小さな音がした。
そして、ボロボロになったコートのポケットから筒状の何かがコロコロと転がった。
スモークグレネード、JS事件のときにナンバーズの一人であったセインが地上本部の管制室を陥落させたときに
使ったものである。魔導師はBJにより毒や熱より守られていたが煙による視覚阻害だけは何ともならなかった。
「!!」
一瞬にしてあたりが煙に包まれ、かつての管理局のエースは一瞬気を散らせた。
その瞬間ゲンヤは最後の力をふりしぼって立ち上がり、警棒を前へ突き出した。
マーロゥも杖に魔力を込め、シューターを放つ。
−教会内にシューターの発射音が響いた−
そして、マーロゥのシューターはゲンヤの左肩をつらぬき、ゲンヤの警棒はマーロゥのボディに深く入った。
「はぁはぁ、お前は・・・死なせねえ、彼女のためにも!」
「がはっ・・・」
そして二人は倒れた。
はやてからの通報で、西廃棄区画を捜索していた近隣の陸士部隊と警ら隊員が
廃教会に到着したのはその直後であった。
三週間後、管理局軌道拘置所
「マーロゥ・リーガル。お前に面会者だ」
数分後、頭に包帯をまき、腕を吊ったゲンヤがやってきた。
「ボロボロだな」
「もう少し手加減しやがれ。こっちはスバルとギンガ、それに知り合いの嬢ちゃん
らに泣かれたんだぜ」
「魔導師相手に無茶するおまえが悪い、それにお前、いつの間にそんなモテる様になったんだ?」
「秘密だ・・・どうだ、落ち着いたか」
「まあな」
しばしの沈黙が流れ、ゲンヤはゆっくり切り出した。
「教会で言ってたな『お前ならわかってくれると思っていた』と。俺も同じようなもんだ。
クイントがいなくなったとき、俺の中の一部が時を止めたような思いがした」
ゲンヤは言葉を続ける。
「そして仕事の傍ら少しづつ事件を調べなおしていくうちに、薄々気づいていたんだ。
クイントを死に追いやった奴らのことを。でもな復讐心はわいてこなかった」
「・・・」
「復讐よりも俺には大事なもの、守るべきものがあった。いやクイントが持たせてくれたんだ」
そう言って、ゲンヤは窓の外を見る。視線の先にはゲンヤを待つギンガとスバルがいた。
「あいつらがいてくれたから、俺は過去にとらわれず、今を生きていけたんだ」
「・・・」
「過去を捨てろとはいわねーよ。でも過去にとらわれて復讐のために誰かが犠牲になるなんてのは
誰も望まない。何よりお前が犠牲になっていくのは、彼女は望まねーよ」
「・・・」
「彼女の、フィアンセのためにも、今を・・・生きてやれ」
刑務官が時計をみて言った。
「ナカジマ三佐、そろそろ時間です」
「わかりました・・・じゃあな、マーロゥ。また来る」
そうしてゲンヤがドアに向かっていくと。
「ゲンヤ」
今まで黙っていたマーロゥが口を開きこう言った。
「ありがとな、相棒」
ゲンヤは振り返らずにしかし、右手を上げ親指を立てこう言った。
「貸しにしておくぜ、相棒」
拘置所の出口で二人が待っていた、スバルが手を振っている。
今まで絶対安静だったゲンヤが心配になってついてきたのだ。
「お父さん!!」
ゲンヤも二人に対し、笑顔を向ける。
「おう、待たせたな!」
歩いている間に3人はゲンヤが寝ている間の話になった
「お父さんが寝ている間、ナンバーズのみんなも心配してたんだよ」
特にノーヴェなんか脱走してでもお見舞いに行くってきかなかったんだから」
「八神部隊長も私たち二人と一緒に、つきっきりで病院につめ
てくれたんだからね」
俺って人徳あったのかとゲンヤは改めて思う。
でも何で八神のやつがそんな俺なんかに親身になって?とも思った。
3人で話しながら転送ポートに向かって歩いていく途中で
ゲンヤはふと空を見上げる。季節は秋。空はどこまでも晴れ渡っていた。
完
486 :
44-256:2008/01/07(月) 18:13:13 ID:ovfK3s0c
以上になります。
これがSSとしては本格的な初投下でした。
自分の中で魔導師とリンカーコアの弱い一般人が戦ったらどうなるかというが
気になってまして、幸運(不幸)にも選ばれたのがナカジマ三佐でした。
職人の皆さんとは比べ物にならない駄文でしたが、読んでくれる方が
いてくれたらと思います。
完結乙。渋いね。萌えも燃えもない。
しっかし、「優秀な魔導師」で「エース」で「傭兵」として世界を渡り歩いた男(マーロゥ)が戦闘要員でもないゲンヤに倒されるもんかね?
つか、何でこんなにゲンヤ強いんだ。嫁にでも夜な夜なプロレス技かけられて鍛えられたのだろうか?そう思うと涙を禁じえない。
しかしStSに萌えキャラなんて・・・
489 :
26-111:2008/01/07(月) 19:34:14 ID:1usz4vpn
>>44-256氏
GJ!でしたっ!
渋格好いいゲンヤに思わずときめきました
完結、お疲れ様でしたー
そして、保管庫:新米司書からの業務連絡です
36スレの保管作業を完了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします
こちらは引き続き37スレの保管作業に移ります
38、39スレのテキストの抽出にも着手していますので、先輩方。しばらくはお任せくださいませ
>>どっかのゲリラ兵氏
こちらの我が儘に合わせていただくようで申し訳ないですが・・・ご厚意、感謝です
次スレで「ソラノカケラ」も保管庫に入ります。そのレイアウトを見て、指示をしていただければ幸いです
テキストのアップに関しては、多分大丈夫・・・かな?
投下日時なんかの情報も必要ですから、結局スレを上から下まで攫うことになりますし。お心遣いのみありがたくいただきます
それでは、長文失礼しました
執筆陣諸兄は何卒、確認の程をよろしくお願いします
じーじぇ! ゲンヤの人気に嫉妬。
>>487 ゲンヤにしてみれば知り合いだから手の内知っていたとか。
マーロゥはマーロゥでシューターしか使ってないし
魔導師じゃない人間に対しての矜持のようなものがあったんじゃね?
GJ!!
格好いいというか渋い!!大好きだ!!
492 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 21:19:07 ID:Ut/sUIaN
493 :
26-111:2008/01/07(月) 22:18:41 ID:1usz4vpn
保管庫から業務連絡です
37スレの保管作業を完了しました。執筆陣諸兄は確認をお願いします
こちらは引き続き、保管作業を受け持ちます
この調子なら、今月中くらいには現行スレに追い付けそうですね
ボチボチ頑張ります
しかし、保管作業をしていて改めて思う・・・私の話、メチャ長いですね・・・orz
それでは、私信失礼しました
>>493 乙という次元を超えた、超乙と言わざるを得ないッッッ!!!
今の俺には応援しか出来ないZE
……いや、もう一つあった
さらに負担を増やすような長編エロSSを書いて投下することだ!
495 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 22:57:35 ID:yO4+jRgT
今日の昼に投下したリンディさんメインのSSの続きができたんで投下しても良いでしょうか?
色々とご指摘いただいたのでオリキャラ(ちんこ要員)は仮名を取って普通にジョンでいきます。
もちろんでございます
497 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 23:06:30 ID:yO4+jRgT
それじゃあ投下します。
オリキャラ×リンディのSSで、エロがあります!!
一応はノーマルエチです。
498 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 23:08:44 ID:yO4+jRgT
甘党艦長と俺物語2
時空管理局の次元航空艦船アースラ、その中で本来あるまじき情事を見せる二人の男女がいた。
男の名はジョン。アースラ所属の武装局員でありクルーの中ではそれなりの古株になる男だった。
女の名はリンディ・ハラオウン。提督の地位に就きアースラの艦長を務める管理局の高官である。
その二人はアースラのとある一室で服を半分肌蹴た状態で激しく交わっていた。
「ふあぁっ……すごっ! チンチンかたぁい…」
リンディは腰掛けたジョンの上に跨り、快楽を貪ろうと必死に腰を振る。
淫らな肉欲に蕩けた口からだらしなく唾液を垂らし、あまりの快感に涙さえ流している。
リンディはジョンに背を向けて座位で交合、つまり背面座位と呼ばれる形で激しく動き、いやらしい水音を室内に響かせていた。
ジョンもそのリンディの動きに応えるように腰を下から突き上げ、後ろから彼女のたわわな乳房を両手で揉みしだく。
リンディの格好は上着とブラウスの前のボタンを全て開け放ち両の乳房を露にし、スカートは捲し上げられていた。
下着類は付けていない、最近の彼女は即座に行為に移れるように下着を着用していないのだ。
それは性交の効率を図るのと同時にジョンの言葉責めを促すためでもあった。
そして二人が情交を繰り広げているのはベッドの上では無い、ここはアースラ内部のトイレの個室。
二人はその洋式便座の上で性交を行っていたのだった。
「まったく今日はなんのオネダリかと思えば……“お手洗いで犯して”ですからねえ、本当にリンディさんは淫乱で変態なメス豚なんですね♪」
「あんっ!…やだぁ…そんな…んぅっ…こと…いわないで」
恥辱と被虐の快楽にリンディはまた一段と彼の肉棒を締め上げて悦びを身体で現す。
「リンディさんの“やだ”は凄く気持ちい、って意味なんですよね? だったらもう少し激しく行きますよ?」
ジョンはそう言いながら腰の突き上げる力を強めて、右手を乳房からリンディの菊座に移して彼女の肛門を弄りだす。
「やぁ…これいじょうシたら…もっと声でちゃうから…んぅ…だめぇ」
否定の声の中には嫌悪で無く甘い嬌声が混じり、さらなる辱めに対する期待で満ちていた。
ジョンはそんなリンディの反応に応えるように彼女の肛門に指を挿し入れてほぐしていく。
二人が身体を交えるようになって数週間、蜜壷と菊座の両方を同時に刺激するのがリンディを最も悦ばせると学んだジョンは積極的にこの二つの穴を同時に責めるようにしていた。
「そんなに声出したくなかったら頑張って我慢してください。それにさっきからココはひくひくして“早く欲しい”って言ってますよ?」
ジョンはそう言いながら腰の突き上げに同調するようにリンディの後ろの穴に指を深く差し込んで激しく動かし、さらには乳房を揉みしだいていた左手は乳首を千切るくらいの力で摘んでいる。
「はあぁっ! すごいぃ…これ…んぅ…すぐ、イっちゃうぅ!」
聞いている方が切なくなるくらいの鼻にかかった甘い嬌声を漏らしてリンディは絶頂の高みに達した。
「くっ! 出しますよ!!」
絶頂の昂ぶりに痙攣し収縮して肉根に絡みつき締め上げる蜜壷の律動を受けてジョンも堪らず白濁の精をリンディの膣に吐き出す。
「んはぁ……あつぅい」
深く挿入された肉棒の先端から射精の勢いを直に最奥に叩きつけられたリンディはまた小さく身体を震わせて与えられる悦楽に酔って糖蜜のように甘い吐息を漏らした。
これで本日6度目の膣内射精である。
なんの避妊具も無しでの性交により二人の入っている個室は、流れた精液と愛液で小さな水溜りが幾つも出来ていた。
499 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 23:12:33 ID:yO4+jRgT
避妊魔法をかけていなければ妊娠確実だろう。
二人はしばし脱力して、激しい性交の後のまどろむような時間を味わう。
そして、そのトイレに突然人が入ってきた。
「ち、ちきしょう…シグナムの野郎……またボッコボコにしやがって…」
「まったくだぜ……胸はでかいが絶対に女じゃねえよあいつは」
「模擬戦じゃない…アレは模擬戦じゃないよ、いじめだよ……イジメカッコワルイ」
トイレに入ってきたのはアースラ所属の武装局員三人だった、その三人は入って来るなりリンディとジョンの入った個室の前を通り過ぎて小便器に向かった。
リンディは口に手を当てて声を押し殺す、だがその様子と対照的に彼女の肉壷はまた果汁を垂れ流し始める。
近くに人が来た事で再びリンディの中の被虐の炎が燃え上がっているのだ。
挿入したままの状態でそんな風に痴態を見せられ、ジョンもまた熱く情欲を滾らせる。
「んぅ…ジョン…い、いまはやめてぇ…みんなにきこえちゃう」
ジョンはリンディの耳元に口を近づけて彼女の耳たぶをゆっくり舐め始める。
先ほどの激しい責めとは打って変わった優しい刺激にリンディは敏感に反応して身をよじり、必死に声を殺してか細い懇願を口にするが彼がその責めの手を休めることはない。
ジョンはリンディの細い腰を両手で抱きしめて緩いくらいの振動で彼女の身体を上下に揺らす。
その柔らかい律動に、蜜壷に埋まっていたジョンの肉根が再び硬度を取り戻し内部から膣を押し広げていく。
「だめぇ……いまはほんとにやめて…こえ…んぅ、おさえられないからぁ…」
リンディは涙と愛液を流しながら小さな声で哀願する。
だが念話は使わない、何故ならジョンからの命令で“セックスの最中に念話で喋るの禁止!”と言われているので必死で声を小さく抑えて喋るのだ。
個室の外では小便器に勢い良く尿を排出する音が響きリンディ達の会話の音を紛らわせる。
ジョンはゆっくりとした腰の動きはそのままに、リンディの耳を舐りながら耳元に優しい声で囁く。
「ねえリンディさん、今このドア開けたらどうなりますかね?」
「…えっ? ドア…あけるって…」
ジョンはそう言うとリンディの腰を抱いていた片方の手を離してドアにかかっていた鍵を指でなぞる。
「そうしたら俺とリンディさんがセックスしてる所をあいつらに見られるんですよ? そうしたらきっとあいつらにもメチャクチャに犯されるんでしょうね〜」
「そ、そんなの…いやぁ…」
「でもリンディさん……さっきからアソコ濡れっぱなしでキュウキュウ締め付けてくるんですけど?」
「それは…ちがうのぉ…わたしそんな…」
被虐の悦びと全身を駆け巡る快楽の電流、そして頭を過ぎる淫らな想像がリンディをどこまでもいやらしいメスへと変えていく。
リンディはジョンの言葉を受けながら既に数回身体を小さく震わせている、彼女はこんな風に恥辱を味あわせられて何度も達しているのだ。
「分かってますよリンディさん、想像してもう何回もイっちゃってるんですよね? こんなにオマンコひくひくさせたら丸分かりですよ」
「んぅ…そんなこと…いわないで…こしとめてぇ」
リンディは自分の指を軽く噛んで声を抑え、腰に体重をかけてジョンの緩やかな腰使いを止めようと抗う。
そのリンディにジョンは最高に爽やかな笑顔と声で答えた。
「却下です。下着も付けない変態リンディさんが可愛いから、もう少し苛めさせてもらいますね♪」
ジョンはリンディの両手をバインドで拘束し、彼女の腰に両手を回して再び強いリズムで腰を動かし、リンディのささやかな抵抗を陵辱する。
激化した腰の動きで肉を打つ音に水音が混じり、淫らな調べを奏で始める。
「んぅ!…くぅっ!……んあぁ」
リンディは両手を封じられた為に口を押さえられず、必死に唇を噛み締めて嬌声を堪える。
500 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 23:14:44 ID:yO4+jRgT
その様があまりに淫蕩でジョンの肉棒はもう何度も精液を吐き出しているにも関わらずに絶頂を迎えようと震えて硬くなる。
その時、二人の入っている個室の前に先ほどの武装局員が足音を立ててやって来た。
「なんかここから声聞こえねえ?」
「誰か入ってるみたいだけど…」
「もしかしてここでエロイことしてたりしてな!」
「いや…それはねえだろ。こんな所でセックスする奴がいるかよ、っていうかアースラの女がそんな事する訳がねえよ」
その会話を聞きながらジョンは水音と共に肉棒を大きく突き上げて膣の最奥、子宮口に力を込めて叩く。
亀頭が子宮口を叩くと同時に白濁とした精液が凄まじい勢いでリンディの体内に注ぎ込まれた。
「んんぅぅっ!!」
リンディは漏れそうな声を必死に噛み殺して一際強い大きい絶頂の波にさらわれる。
そのあまりの快楽に、もはや彼女の意識は朦朧となっていたが最後に残った理性でなんとか声を上げることだけは耐え抜いた。
「ん? 本当になんか聞こえたな……お〜い誰か入ってるのか?」
その声にジョンはさも辛そうな声で答えた。
「ああ…俺だ…よ」
「ジョンかよ、っていうか何か辛そうだな」
「ああ…実は色々と垂れ流しててな…あんまり聞かれると出ねえから外出てくんねえか?」
「マジか!? だから“アンパンにマヨネーズかけるな”って言っただろうが……今度から普通に喰うんだな」
「ああ…分かった」
「じゃあお大事にな〜」
「ケツは優しく拭けよ」
彼らはそう残してトイレを後にした。
「はぁ…はぁ…」
リンディはやっとバインドの拘束と快感の波そして羞恥の陵辱から解放され、身体を支える力を失う。
「大丈夫ですかリンディさん?」
ジョンは自分に倒れかかってきたリンディの身体を優しく受け止めながら、激しい情交により乱れた彼女の髪から漂う香りを胸いっぱいに吸い込んでその甘い匂いに酔いしれた。
しかしその酔いもつかの間で、リンディの身体は脱力により重みを増していく。
彼女は絶頂の激しさで既に気を失っていたのだ。
「リンディさん? 起きてますか? リンディさ〜ん? あ〜こりゃ完全に気絶してるな……どうしようか…」
「ん…ここは…」
アースラ内部の仮眠室でリンディは一人目を覚ました。
身体や衣服からは先ほどの激しい交合の残り香すら感じない、むしろ良くアイロンをかけたような清々しさすら感じるくらいだ。
まるであの交合が夢でさえあったような錯覚すらさせる。
だが下腹部に感じる微熱が男女の契りがあったことを有言に物語っていた。
「…これは?」
501 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 23:15:20 ID:yO4+jRgT
リンディは自分の上着のポケットに入っていた一つの紙を取る、それはジョンから彼女に宛てて書かれた手紙だった。
『艦長へ。
艦長の服と身体に付いたシミは魔法で消しておきました。
仮眠室には人が来ないよう通路に清掃中の札を掛けておきましたので、しばらくゆっくり休んでいてください。
念のため寝過ごさないように俺のデバイスで目覚ましをセットしておきました、後でデバイス担当に渡しておいてください。
ジョンより。』
リンディはその手紙を読み終えて、改めてジョンと交わしたこの数週間の契りの数々を思い出す。
それは亡き夫クライドと交わしたような脳の奥まで蕩ける程のものであった。
彼の肉根の放つ白濁で顔も、髪も、胸も、膣も、菊座も、全身をくまなく犯された。その光景を思い出せばまた下腹部が軽く疼きだす。
クライドが死んでから十数年間一人で慰め続けた自身の性欲がここまで強く激しいものだとは知らなかった。
否。知らなかったのではない、知ろうとしなかったのだろう。
アースラでの激務に加えて息子であるクロノや義娘のフェイトの事も含めてリンディはあまりに自分の欲求を殺し続けてきたのだから。
リンディはそっと下腹部を撫でながら自分の身体の中で燃え上がる肉欲の炎に静かに微笑む、その笑顔には母性は欠片も無い、あるのは淫らな欲に取り憑かれた女の情欲だけだった。
続く。
502 :
ザ・シガー:2008/01/07(月) 23:18:48 ID:yO4+jRgT
投下終了です。
この先リンディさん一本で行くか他のキャラを出そうか迷ってます……ここはやっぱりエロパロ的に出番の無いリンディさんに的を絞るべきか。
GJ!
リンディ×オリもいいけど、僕はいつまでもリンディ×クロノを待っています。
よし!エロイぞお前!
よくやったw!!
>的を絞るべきか。
筆が続く限り……妄想が続く限り載せまくるんだ!
別キャラでもなんでもいいです。
とにかく実用的(?)エロSSをお願いしますw
>>502 前回のは少し文がぎこちない感じがしたが、慣れてきたのか今回は中々…
てか、ジョン何気にいい男だなw GJ!
他のキャラちょい興味あるが…まあシガー氏にお任せする
>>502 GJです!
リンディ好きとしては嬉しい限りです!
個人的にはリンディに絞って頂けると嬉しいかなとwww
今、ユーノXリンディ書いてるが月末までに投下しようと思います
gj!!
なんて楽しみなんだ・・・未亡人が色狂いになるなんて。
>>506 楽しみにしてますw
>>502 GJ! 熟れた体をもてあましてる未亡人ってイイネ!
個人的にはリンディさんでいってほしいデス
リンディ×オリよりはユーノ×リンディorリンディ×ユーノを期待
>>506 めっちゃ期待してますw
リンディ×エリオという禁断な組み合わせが見てみたい…
フェイトに合体してるところを目撃されそうな気もするが
あと5分位して、誰も投下が無ければ投下します。
511 :
CRR:2008/01/08(火) 01:52:56 ID:BRTXV3Sx
どうも。
最近ヴァイ×ティア分が足りねぇぜ!!
↓
なら自家発電だぜ!!
というわけで
・ヴァイス×ティアナとシャマルさん(43スレのエリ×キャロと同じ設定)
・エロ
ではドゾー
512 :
CRR:2008/01/08(火) 01:55:43 ID:BRTXV3Sx
「ふぅ……平和ねぇ……」
機動六課、医務室。
部屋の主であるシャマルは、優雅な昼下がりを過ごしていた。
デスクの上にはポットに入った紅茶と、ちょっとしたお茶菓子を完備。
キャロとエリオのセックスさえも、何も無い、はずだった……
「あの、シャマル先生……」
「あら、ティアナ一体どうしたの?」
その平和をを打ち砕く来訪者が、こっそり現れた。
なにやらぎこちない動きで、シャマルの元へとやってくる。
「あの……その、薬……ありませんか?」
「ええ、いろいろなのがあるけど……一体どうしたの?症状が分からなくちゃ薬もあげられないわ」
「はぁ……」
なにやらもじもじと手を合わせ、ティアナは口を開こうとしない。
しばらくの静寂の後、ぼそぼそとシャマルの耳元でささやいた。
「……………です」
「あら、また何で……?」
【ティアナ・ランスターの症状:切れ痔】
緊急出動!スクランブルシャマルさん2
513 :
CRR:2008/01/08(火) 02:01:03 ID:BRTXV3Sx
「……で、ヴァイスさんがどうしても……って言うから、その……」
薬を手にしたティアナから、話を聞きだしたシャマル。
普段のリーダー然としたティアナからは想像できないほどモジモジと、
しかししっかりはっきりとと説明された原因は、ぶっちゃけて言えば
・ヴァイスとアナルセックスに挑戦しようとして失敗
だった。
(しまった、地雷踏んだわ……)
前回のエリキャロに続きまた惚気話となるのかと、シャマルはチェアに腰掛けながらため息をついた。
しかし、ティアナの次の台詞に、シャマルは敏感に反応した。
「で、とりあえずリンスでやってみよう、って……」
どうやら、浴場にあったリンスを潤滑剤として使ったようだった。
実はそれではぬめりが足りず、酷い場合には後ろの穴を傷つけてしまうのだ。
「!!それはいけないわ!!」
「え、ダメだったんですか!?」
思わずガバっと立ち上がったシャマル。
六課メンバーの体調の管理を任されている身としては、メンバーの性生活さえも気になるらしい。
「ダメも何も……あー、そのー……今度私のところに来なさい」
頭をポリポリと掻きながら、シャマルはティアナにそう言った。
「え」
それから数週間後、貸切の浴場に呼び出されたヴァイス。
「……あの、その……」
そこには、裸でモジモジしたまま立っているティアナと、なぜかライムグリーンのビキニを纏ったシャマルが。
シャマルが手にしているカゴには、何やら液体のボトルのような物や、球の連なったようなものが。
「えー……ティアナ、何でシャマル先生がこの時この空間にいんだ!?」
「え、だって……この前裂けた時、こうしなきゃ薬くれないって言うもんだから……」
「はぁ!?!?」
長いオレンジの髪を下ろし、顔をほんのり染め、胸を両腕で隠しながら目線をヴァイスからそらすティアナ。
理解できない状況に、ヴァイスはついつい問い詰めてしまう。
そんなヴァイスに、シャマルが喝を入れる。
「ヴァイス陸曹!!」
「はいっ!?」
シャマルの予想外の剣幕に、思わずビシッと敬礼をするヴァイス。
514 :
CRR:2008/01/08(火) 02:05:14 ID:BRTXV3Sx
シャマルの予想外の剣幕に、思わずビシッと敬礼をするヴァイス。
「あなたも男なら、セックスで女の子を傷つけるような事は避けなきゃいけないわ!!」
シャマルはカゴを下ろし、左手を腰に当てながらビシッとヴァイスを指差す。
プリプリと怒っている姿は、無茶して怪我した六課メンバーをたしなめる時と全く同じだ。
「……それはごもっともです」
ごもっともな指摘を受け、ついしょげるヴァイス。
その耳に入ってきた次の言葉は、
「そ・こ・で!!今日は私が直々にアナルセックスの正しいやり方を伝授します!!」
……何ですと?
「「……へ?」」
ヴァイスは、思わずティアナと一緒に声を合わせてシャマルを見た。
六課メンバーの憩いの場として普段は使われる広い浴場。
浴槽に張られたお湯から出る湯気で、浴場は微かに霞んでいる。
「そう……息吐いて……力抜いて……いいわよ……」
浴場の床に突っ伏して、若々しく張りのある尻を高く掲げたティアナ。
その双丘の中央にある窄まりに、球状の物が連なったいわゆるアナルビーズを抜き差しされる。
抜き差ししているのはもちろんシャマルだ。
「はああぁっ……あ……ヴァイス、さん……あの……私のお尻……どうなってます……か……?」
目を潤ませ、後ろを振り向くティアナ。
自らの体の向こうには、自分の痴態をまじまじと目の当たりにしているヴァイスの姿があった。
「けっこう……大きいのが入ってるぜ……」
一時間以上かけて、ゆっくりと拡張されたティアナの後ろの穴。
シャマルの持ってきたさまざまな太さのバイブを駆使し、ヴァイスのモノほどの大きさのバイブをやっと飲み込むほどに。
もちろんローションをたっぷり使い、傷つけるような無謀な挿入などは一切していない。
「うん、じゃあ……そろそろ行ってみましょうか」
「あ、これで……OKっすか」
「ええ。これだけほぐれれば十分でしょう」
シャマルは『最後の仕上げ』をヴァイスに託した。
アナルビーズの末端にある、引き抜く時用のリングが手渡される。
「ティアナ、抜くぞ……」
ごくりと喉を鳴らし、ヴァイスはゆっくりとアナルビーズを抜き始めた。
515 :
CRR:2008/01/08(火) 02:08:29 ID:BRTXV3Sx
「はい……っはあぁぁああぁ……っ……」
ちゅぽ、ちゅぽ……と、ビーズが肛門から一つずつ飛び出すたびに、たっぷりのローションが淫靡な音を奏でる。
蛍光色のビーズがティアナの窄まった門をリングのように押し広げたかと思うと、にゅるっと飛び出る。
穴からビーズが飛び出るたびに、ティアナの口から力の抜けた喘ぎ声が漏れる。
「どうかしら?ヴァイス陸曹。ここまで準備して、やっと挿入可能になる……」
「……………」
ここまでの手順は、確かに長いものだった。
まず腸内を綺麗に洗浄。綿棒レベルの細さのバイブから、段々と抜き差ししていく。
「はぁぁっ……あー……はぁぁぁ……」
初めはわずかに痛みを伴っていたが、そのうち何とも言えないムズムズとした快感となってティアナを襲っていた。
しかし、あまりにも焦らしすぎた。もはやティアナは我慢の限界だった。
それはヴァイスも同じ事。
先ほどまで繰り広げてられていた肛門の『調教』の間、股間のモノは天を仰いだままだった。
「これでも、まだ」
シャマルが指を立ててヴァイスに説明をしている間。
ヴァイスは我慢できずに、モノにローションをたっぷり塗りたくる。
そして、ビーズが抜かれたばかりでぽっかりと開いたティアナの肛門へ、ゆっくりと挿入していった。
「はあぁぁぁぁああぁぁっ!?!?あはぁぁああっぁぁぁ……」
バイブと形は同じはずなのに、感触が全く違う。
バックから貫かれたティアナに当然入っている光景は見えないが、
紛れも無くいつも膣で味わっている、愛する男性の肉棒であることを感じ取っていた。
「……っておい!!!!」
説明そっちのけでアナルセックスを始めた二人に、シャマルは裏拳でツッコミを入れる。
本当はコンドームを装着して行って欲しいと言うシャマルの願い空しく、ヴァイスは直接ティアナの腸壁を味わう。
「う……っは、これこれで……すげ……」
膣とは違った締め付けは、これはこれで魅力のあるものだった。
思わず唸るヴァイス。
「あはああぁぁっ……熱い……熱いです……」
ついに満たされたティアナもまた、未知の感覚に体を震わせていた。
「よし……ティアナ、動くぞ……」
「はいっ……っああぁぁぁああ!!あぁぁっぁぁああぁ!!」
516 :
CRR:2008/01/08(火) 02:13:09 ID:BRTXV3Sx
やがて、ヴァイスがゆっくりと腰を動かし始める。
たっぷりのローションでぬめった直腸を、じりじりと亀頭が引っかいていく。
ピストン運動のたびに、ティアナは口を大きく開け淫靡な声を漏らした。
「ひゃあああぁぁっ!!あがああぁぁあっ!!」
「ぐ……うっ……!!」
じゅぷじゅぷと大きな音を上げ、モノが肛門を出たり入ったりする。
快感を与える肉の棒を逃すまいと、ティアナの直腸はきゅっと収縮した。
「あっ……ぐ、ティアナ……てめ……力抜け……っ!!」
それはヴァイスにとって若干キツイものだったらしく、ヴァイスが呻く。
「ひぁぁっ……!!そんな、事っ!!言ったって……えぇぇえっ!!」
仕返しなのか、ヴァイスがピストンを早くする。
その動きはもはや痛みと言う感覚など微塵も無く、強烈な快感としてのみティアナに認識される。
「あっぁぁぁああ!!ひあぁっぁぁぁあぁぁぁ!!無理、むりですぅっ!!」
「ああっ……やべ……っ!!」
その独特の締め付け感に耐えられず、遂にヴァイスは果てた。
ティアナの腸内に、直接精液が放たれる。
「やぁぁああっ!?はぁぁああぁ……っっ!!」
生まれて初めて直腸に広がる温かい感触に、ティアナは体をビクンと震わせた。
「あ……は……ああぁぁぁぁ……あぁ……」
同時に、快感の波に流され四肢の力を失ったティアナ。
浴場の床にへたり込んだティアナの上にゆっくりと、今だ射精感を味わうヴァイスがのしかかる。
「はっ……く……ぅ……」
「はー……はぁ……はー……はー……ヴァイス、さん……」
汗なのかローションなのか、浴場の水蒸気なのか分からないが、二人の体は濡れ、照明によって照らされていた。
男と女。味わう快感の質は違えど、二人は今まさに溶け合っていた。
517 :
CRR:2008/01/08(火) 02:15:14 ID:BRTXV3Sx
繋がったままの二人を見て、これまたほったらかしのシャマル。
「……私は退散しましょうか」
ビキニの中の存外ボリュームのある胸を揺らしながら、シャマルは浴場を後にした……
「……あ、ザフィーラ?今から開いてるかしら?」
……その後、すぐ仲間の騎士にこんな思念通話を飛ばした。
『……今シグナムの相手をしているが』
「あら、じゃ私も混ぜてくれない?」
シャマルとザフィーラの思念通話に、もう一人割り込んでくる。
『ちょっ!?正気かシャマル!?!?』
「本気よ。さぁシグナム?おっきな注射器とグリセリン持って行くから楽しみにしててね♪」
『なっ……!!ちょ、あれはもう止めろっ!!って言うか止めてくれ!!シャマル!!シャマr』
シグナムの哀願などどこ吹く風。
着替えを済ませたシャマルはスキップをしながら、『準備』をすべく医務室へと向かった。
―――――その晩、六課隊舎にシグナムの艶っぽい絶叫が何度も響き渡ったり、
次の朝の訓練中、風邪をひいたティアナのくしゃみが絶えなかったりしたが、それはまた別の話。
おわり。
518 :
CRR:2008/01/08(火) 02:17:41 ID:BRTXV3Sx
以上です。
自分が書くティアナはツンデレのツン成分が希薄な気が。まぁ現在デレ期真っ最中だと思ってください(オイ
……実際ヤるような事があったらもっときちんと調べて安全清潔にヤってくださいね。
ではさようなら!!
あいかわらずCRR氏のヴァイスとティアナに対する拘りが感じられて
とってもエロいっすw
ええい、エロいなぁもう。
ところでザフィーラは人でやってるのか獣でやってるのか、そこが問題だ。
CRR氏GJ!
シャマルいいわぁ。ヴァイスもティアナもかわいいけど、シャマルがいいわぁ。
そしてシグナムはやっぱりこういう役割でとても満足です。
シャ「レヴァンティン、カートリッジロード。アナルビーズフォルム」
レヴァ「ja」ガッション
シグ「お前?! そんなフォルムあったのか!? 私は知らな……ちょ、タイム、アッーーー!」
>>520 両方楽しんでるに決まっているではないかww
しかしシャマル先生GJと言うべきか自重wと言うべきかw
投下行きまーす。
注意事項
・捏造有り過ぎ
・レイジングハートの形状が(アニメ、リリちゃとも)違います。
・ついでに本編とレイジングハートの特性も違います。
・正直アリサ強杉。どこの跳躍系だ。
・非エロシリアス。
・このシーンが実は一番書きたかった
・あぼーんキーワードは「リリカルバイオレンス」
「ん……」
早朝、月村家。
大人でも2人入ってなお余裕のありそうなキングサイズのベッドの中で、窓から差し込
む朝日に、アリサは目を覚ます。
隣に寝ているすずかを中心に、さらにその隣でなのはが寝ている。
アリサは身体を起こし、すずかの、文字通り頭越しに、なのはを揺する。
「なのは、起きて、起きなさいよ」
「ん〜むにゅ……」
アリサが起こそうとしても、なのはは寝ぼけた反応を返すだけで、目を覚まさない。
「なのはってば」
「んー、アリサちゃん?」
「あ」
しつこくなのはを揺すっていたら、すずかの方が目を覚ましてしまった。
「こんな早くから、行くの?」
ベッドの中で身を起こしながら、すずかはまだ覚醒しきっていない目を擦りつつ、アリ
サに向かって訊ねてくる。
「うん、すずかのおかげで、一晩休んで調子ばっちり! だし」
アリサは、両腕を腰だめの位置に持ってきて、気合を入れるようなポーズをとる。そし
て、アリサはベッドから、部屋の床に降り立った。
「なのはちゃん、起きて、アリサちゃん行っちゃうよ」
ベッドの上では、すずかがなのはの肩を揺すりながら、声をかけている。
「うにゅ〜、すずかちゃん、もう食べられないよぅ」
「こらなのは!」
アリサが、声を荒げかけたとき。
「空飛ぶケーキは、もう作っちゃだめぇ……」
「……もしもし、なのはさん?」
後頭部にジト汗をかきながら、アリサはまだ夢の世界にいるなのはに、声をかける。
リリカルバイオレンス
PHASE-10:1/16
海鳴海浜公園。
海岸に沿う遊歩道、ガードレールから海に向かって、アリサとなのはが並んで立つ。
少し後方に、すずかと、狼形態のアルフ。
ユーノは、アリサの肩に乗っていたが、すとん、と大地に着地すると、緑の光に包まれ
つつ、人間形態に変化する。
「ユーノ、すずかの事お願いね」
「わかった」
アリサの言葉に、ユーノは深く頷く。
そしてアリサは、目を閉じ、少し俯くように顔を下げた。
『フェイト、フェイト! 聞こえてるんでしょう!? 出てきなさいよ!』
念話でぶっきらぼうに呼びかける。
「!」
ユーノが身構えた。周囲の景色の、色相がずれていく。広範囲の封時結界。張っている
のはフェイト本人か、それともプレシアか。
アリサがゆっくりと顔を上げると、そこに、宙に立つようにしてフェイトがいた。
「フェイト……」
アルフは、憂い気にその名前を呼ぶ。
「あたし、ホントはまだるっこしいやり方嫌いなのよね。そろそろ飽きてきたって言うか」
軽く、挑戦的にフェイトを睨むようにして、アリサは言う。すずかがどこかはらはらし
たように様子を見ているが、異論を挟むものはいない。
フェイトも、無表情にアリサの顔を見ている。
「そろそろ、決着つけましょうよ。お互いの持ってるジュエルシード、全部賭けて」
こくり、フェイトは頷いた。
「行くわよ、レイジングハート!」
『OK, Master. Standby, Set Up, Ready』
胸元のレイジングハートが光を放つ。オレンジ色の光の、垂直の魔法陣がアリサを包み、
バリアジャケットを展開する。片刃の西洋剣に構築されたレイジングハートの柄を握る。
「お願い、L4U」
『Yes, Ma’am』
なのはもL4Uを展開する。
「なのは、あたしと決着が付く前に、手、出したら絶交だかんね」
アリサはちらりと後ろを見て、なのはに言った。
「う、うん……」
しぶしぶ、と言った感じで、なのはは頷く。
『Flier fin』
スニーカーにオレンジ色の光の翼が生える。アリサはゆっくりと上昇し、フェイトと同
じ高度にまで上がり、視線をそろえる。
そこで、祖国の騎士がしたように、レイジングハートを、眼前に垂直に立てる。
フェイトも、バルディッシュを構えた。
「行くわよ」
「うん」
誰が合図するわけでもなく、2人は迸った。
『Axel fin』
キィン
バルディッシュとレイジングハートが、交錯して高い音を立てる。
『Ray Lance』
『Photon Lancer』
お互い、利き手と反対側の手に魔力弾を収束させる。
アリサの物が「銃弾」なら、フェイトの物のほうは「砲弾」と呼べるほど大きく、出力
の違いを見せ付ける。
だが、極至近距離だけに、侵徹弾道学的破壊力の大きさはさほど関係ない。
そんなことが頭に入っているわけではないだろうが、2人とも瞬時に捻り。自身の魔力
弾を放ちつつ相手のそれをかわして、間合いを取る。
『Ray Lance, Clash mode, Tri』
「!」
「行けっ」
フェイトが術式を組みかけているうちに、アリサは次を発動させた。
針のように鋭い魔力弾が3つ、フェイト目掛けて撃ち出される。
フェイトは上方に急上昇して避ける。
『Photon Lancer, Multi Shot』
上方を占めたフェイトの周囲に、金色の魔力光のスフィアが、いくつも生まれる。金色
の光の砲弾が、放たれる。
『Protection, Dual Excise』
オレンジ色の光の盾が、フォトンランサーの前に立ちはだかる。3発命中した時点で、
砕けて、散る。その下に、もう1枚、光の盾。
「何枚でも……砕く!」
フェイトは呟く。さらに無数の魔力弾がオレンジ色の光の盾に命中する。盾が砕ける。
飛び散った魔力弾と共に、視界を焼く。
『Sir!』
「!?」
フェイトが視線を横にずらすと、そこに、既に、アリサがいた。
「しまっ」
『Ray Lance, Clash mode』
青白い魔力弾が、至近から放たれる。
『Defencer』
バルディッシュが自動的に光の盾を張る。鋭い魔力弾が突き刺さる。その一点に、ヒビ
が入った。
「でぇぇぇぇぇいっ」
『Sprite Slash』
バチバチバチバチッ
光を帯びたレイジングハートとフェイトの光の盾がぶつかり、火花を散らす。
ミシリ。
フェイトのシールドが軋む。
『Scythe form』
フェイトは光の盾を展開したまま、バルディッシュを引く。同時にバルディッシュの刀
具が開き、金色の魔力刀が現われる。
「レイジングハート、もう1段!」
『Sprite Slash, Dual Excise』
キィン
レイジングハートが帯びていた青白い光の上に、さらにそれを覆うようにオレンジの光
が走る。
金色のシールドが砕ける。それに合わせる様に、バルディッシュの魔力刀がレイジング
ハートと交錯する。
バチィッ!
「!」
「っあ!」
お互いが反発し、爆発するように跳ね返る。お互いデバイスを握る手に引っ張られ、後
ろに跳ね飛ばされる。
『Ray Lance, Tri』
「!」
跳ね飛ばされながらも、アリサとレイジングハートは3発の魔力弾を放ってきた。狙い
は甘い。スナップロールでフェイトはそれをかわす。
お互い体勢を立て直し、デバイスを構えなおす。
テスト
「アリサちゃんの魔力値、平均で8万、ピークで24万。1/16以下だよ!」
魔力値は、魔力素から変換できる熱エネルギーや運動エネルギーの量を示す。基準は大
気中に漂う魔力素によるものなので、魔導師の魔力値を測れば、自動的に千、万の単位に
なる。
──閑話休題。
「レイジングハート、あのデバイスが凄い。持ち手に合わせて、最適の特性を組み上げて
るんだ。インテリジェントデバイスでも、規格外だよ、これは!」
「でも、そのレイジングハートが組み上げた術式を使いこなすアリサちゃんも、充分凄い
よ」
クロノとエイミィは言いつつも、視線は画面から離れない。
だが、エイミィの手は、確実に別の作業を進めていた。
「な、なぁ、これは夢なんだよな? 僕は夢を見ているんだよな?」
「アースラ」艦橋、CICコンソール。
メインスクリーンを占める二人の戦いを、唖然とした、と言う表現では生易しいくらい
の表情で、クロノは見上げていた。
「それは、あたしの方が聞きたいよ」
エイミィも言う。彼女だけではない。艦橋スタッフ、ほぼ全員がクロノやエイミィと同
じ表情をしていた。ただ1人、リンディを除いては。
PnP表示に踊る数字が、彼らをそうさせている。
「フェイト・テスタロッサの魔力値、平均で120万から142万、瞬間最大は360万を超える
……これだけでAAAは下らない……でも」
「な、なぁ、これは夢なんだよな? 僕は夢を見ているんだよな?」
「アースラ」艦橋、CICコンソール。
メインスクリーンを占める二人の戦いを、唖然とした、と言う表現では生易しいくらい
の表情で、クロノは見上げていた。
「それは、あたしの方が聞きたいよ」
エイミィも言う。彼女だけではない。艦橋スタッフ、ほぼ全員がクロノやエイミィと同
じ表情をしていた。ただ1人、リンディを除いては。
PnP表示に踊る数字が、彼らをそうさせている。
「フェイト・テスタロッサの魔力値、平均で120万から142万、瞬間最大は360万を超える
……これだけでAAAは下らない……でも」
ゴクリ、そこまで言って、エイミィは喉を鳴らす。
「アリサちゃんの魔力値、平均で8万、ピークで24万。1/16以下だよ!」
魔力値は、魔力素から変換できる熱エネルギーや運動エネルギーの量を示す。基準は大
気中に漂う魔力素によるものなので、魔導師の魔力値を測れば、自動的に千、万の単位に
なる。
──閑話休題。
「レイジングハート、あのデバイスが凄い。持ち手に合わせて、最適の特性を組み上げて
るんだ。インテリジェントデバイスでも、規格外だよ、これは!」
「でも、そのレイジングハートが組み上げた術式を使いこなすアリサちゃんも、充分凄い
よ」
クロノとエイミィは言いつつも、視線は画面から離れない。
だが、エイミィの手は、確実に別の作業を進めていた。
────最初に出会ったときは、魔力も技術もない、インテリジェントデバイスのサポ
ートでどうにか魔法を使ってるだけの子だった……
『Arc Saber』
バルディッシュの魔力刀がブーメランのように発射される。
寸前まで正面にいて、レイ・ランスを放ってきたはずのアリサが、上から飛び掛ってく
るのを、金色の魔力刀が迎え撃つ。
────会う度に強くなってくる。戦闘魔導師、ううん……
「レイジングハート、3段目!」
『OK, Master』
キィン
もう1段、魔力光が刀身に重なる。アークセイバーの魔力刀を断ち切り、霧散させる。
────あのインテリジェントデバイスが、あの子を成長させてる。
インテリジェントデバイスは、使い手が相応の力の持ち主でなければ、使い手のほうを
デバイスが振り回してしまう。だが、レイジングハートにはそれがない。
「でも、私とバルディッシュも、負けないよね」
『Yes, Sir!』
バルディッシュは力良く返事をする。
『Phalanx Shift』
「!?」
空中で仁王立ちになったフェイトの足元に、光の魔法陣が展開し、無数のスフィアが発
生する。そのスフィアは、通常のフォトンランサーと異なり、稲妻を伴いながら、フェイ
トの周囲を飛び交う。
アリサは、反射的にレイ・ランスを発射してけん制しようとする。だが、
バチィッ
光のリングが、アリサの手首を捉えた。発生した魔力弾は、霧散してしまう。
「バインド!?」
四肢を空中に貼り付けられ、アリサは身動きの自由を失う。
『Fire!』
アリサを取り囲むように広がった金色のスフィアが、無数のフォトンランサーに変わり、
アリサに向かって迸る。
「耐えるよ、レイジングハート!」
『Yes, Master』
全周を取り囲むように、オレンジ色の光の盾が発生する。金色の魔力弾の前に易々と砕
け散り、すれでも少しなりとも威力を削ぐ。それを、繰り返す。
金色の魔力弾が、アリサのいた空間を満たし、発生した圧力で風が吹き荒れる。
その風に金髪をなびかせ、フェイトは胸を撫で下ろす────
『Chain Bind』
「!?」
フェイトの足元に、突然、オレンジ色の魔法陣が発生し、延びてきた光の鎖が、その四
肢を絡め取る。
フェイトは自身の状態を確認した後、レイジングハートの声を追って前上方を見上げる。
「避けた!?」
「食らったわよ! しっかり!」
アリサのバリアジャケットは、焦げた後が残っていた。
「でも、これぐらいじゃあたしは負けてられない!」
アリサの脳裏に、白いカチューシャを握る自身の姿がフラッシュバックした。
「もっと痛い思いを、させたことがあるから!」
言いながら、レイジングハートを振り上げる。
その周囲に、次々と、ひとつずつという感じでオレンジ色の魔力光のスフィアが発生す
る。
「次はあたしの番! アンタは耐えられる!?」
レイジングハートを振り下ろす。
『Star Light Zapper』
無数のスフィアは、魔力弾に変わり、フェイト目掛けて殺到する。
それは傍目からは、オレンジ色の流星群が降り注ぐように────
真正面から捕らえるフェイトには、燃え盛る火炎のように見えた。
『Defencer』
バルディッシュがシールドを張る。金色の光の盾は、最初の数発を弾き、霧散させた。
だが、次々降り注ぐ魔力弾に、軋み、割れ、砕ける。奔流の如き魔力弾の群れが、フェイ
トを包み込んだ。
「レイジングハート!」
『はぁ、はぁ……はぁ……Ray Lance, Shoot Ready』
アリサは、肩を上下させ、荒い息をしながら、左手に青白い魔力弾を収束させる。
自分の十八番、砲撃魔導師の大技の後の隙を突いた奇襲、を、フェイトにさせない為の
準備だ。
だが、フェイトは焦げたバリアジャケットに包まれ、空中でゆらりとバランスを崩すと、
そのまま海面へ向けて降下、否、急速に落下し始める。
「フローターフィールド!」
フェイトの落下する先に、3枚の、緑の魔法陣が展開される。クッションのように折り
重なって、落下してくるフェイトを柔らかく受け止める。
「ユーノ、nice!」
海面近くにいたユーノに向かって、アリサは右手を突き出しサムズアップの仕種をする。
だが、そのアリサも、まぶたが半開きになったかと思うと、ぐらりと傾いた。
「フラッシュムーブ!」
ユーノが急機動でアリサに寄る。傍らに浮き、その肩を支える。
「な、なによ、あ、あたしは大丈夫なのよ?」
アリサは慌てたようにして声を上げる。ユーノの手を振り解くようにしつつ、体勢を立
て直す。
「無茶言わないでよ。さっきの砲撃、アリサの限界超えてるんだから」
ユーノは、困惑気な顔で、アリサを諭すように言う。
「ちょっとだけよ。たいした事じゃないわ」
「あれをたいした事じゃないとは言わないの。威力だけならAクラスオーバーなんだから」
そっぽを向きつつ強がりを言うアリサに、ユーノは、激しくではないが、聞かん坊を叱
り付ける様に、言った。
「むぅ」
アリサは腕を組んで、むくれる。
「でも、いろいろ心配してくれて、助かったわ。ありがと」
むくれたような表情のまま、横目でユーノを見て、アリサは言った。
ユーノは、くすっと笑った。
「さーて、バルディッシュ!」
アリサは、レイジングハートを握りなおすと、それをフェイト、と言うか、フェイトが
失神しかけてなお手放さないバルディッシュに向けた。
「勝負は付いたと思うんだけど?」
『Put Out』
アリサの言葉に、バルディッシュのコアから、青白い光が放たれ、リング状に広がる。
そしてそれは、9つの輝く石、ジュエルシードの姿になる。
ジュエルシードは旋回して、ゆっくりとアリサの方に近付いてくる。
『Caution!!』
「ユーノ!」
レイジングハートの警告。アリサはユーノに声を投げる。
「ラウンドガーダー!」
フェイトの周りを、緑の光のシールドが覆う。
バリバリバリバリッ!!
飛来した稲妻を、ユーノのシールドが弾き、散らす。
『Protection, Dual Excise』
アリサはレイジングハートを突き出し、二重の、オレンジの光の盾で、紫の稲妻を凌ぐ。
以前の時と同じ、どす黒い雲が渦巻き、そこから紫の雷が迸る。
「L4U、お願い」
すずかを庇うように立ち、なのはがL4Uを構える。
『Round Guarder』
桜色の光のシールドが、なのはとすずかを覆う。飛び散る紫電から2人を護る。
「!」
ジュエルシードが、渦巻く雲に吸い寄せられている。
アリサはそれに気付き、手を伸ばす。
バシャーンッ
「っ!」
『Protection』
激しい稲妻が迸り、アリサの行く手を阻む。レイジングハートが光の盾を作り出し、凌
ぐ。だが、圧力がシールドを圧し、アリサは圧し戻される。
「このぉっ……!」
アリサが毒つくが、ジュエルシードはどんどん吸い寄せられ、遠ざかっていく。
「エイミィ!」
「解ってる!」
クロノの声に、エイミィは光学キーボードをすばやく叩く。
「次元転移反応、捕まえ、た!」
タスクが起こされ、モニター上のウィンドウが転移先座標を追いかけていく。
「座標出た! 次元浮遊要塞『時の庭園』、間違いないよ!」
「艦長!」
クロノが言い、リンディが頷いた。
「武装隊、出動」
大規模転移ゲートに集結していた、「アースラ」武装隊が、“世界”とは独立して、空
間に浮かぶ存在、「時の庭園」に送り込まれる。
センターホールに、1人、壮年期の女性が立つ。
それを、武装隊の面々が、取り囲んでいく。
「プレシア・テスタロッサだな」
武装隊の長と思しき青年魔道士が、声を発した。
「時空管理法違反、次元航行安全管理法違反、ならびに公務執行妨害の容疑で、貴女を拘
束します」
「ふん」
プレシアは、軽く鼻を鳴らす。
紫色の魔法陣が展開され、プレシアの姿は落ちていくように消えていった。
「待てッ」
3人の武装隊が、それを追って飛び出す。各々青、白、赤の魔方陣を展開し、プレシア
を追って転移する。
彼らは、その先にたどり着き、周囲を確認した。
「ここ……は……」
西洋建築のような上部の構造物とは異なり、そこは、化学の研究施設の様相を呈してい
た。
ラックに、ガラスの大きなポッドが並ぶ。
その大きさは、丁度、人間の子供が入る程度だろうか。
「こんなところまで追ってきたのね?」
プレシアの、凄みを利かせたような声。
武装隊の3人は、音源の方を見る。
そこには、プレシアと、そして、ラックに並んでいるのと同じ、ガラスポッド。
その中には、何か透明の液体が満ち、そして、その中には────
「!?」
「でも、もうお終い」
それに気を取られた武装隊員が、構えるよりも早く。
次元転移越しのときとは比べ物にならない、強烈な雷が、武装隊員を灼(や)いた。
それは、この場にいる者だけに限らなかった。
「艦長!」
武装隊員が攻撃され倒された映像に、スタッフから悲鳴のような声が上がる。
リンディは、ひと段落つき、艦橋に戻ってきていたアリサ、ユーノ、なのは、そして両
手を拘束されバリアジャケットを解除されたフェイトとアルフと向かい合っていた。
────母親が逮捕されるシーンを見せるのは、忍びないわ。
そう、念話でアリサ達に語りかけようとした時、その声は上がった。
「いけない! 武装隊の回収を!」
「座標固定、転送スタンバイ」
CICコンソールを操作し、エイミィが言う。
「転送開始」
突入した武装隊員を、強制転移で転送ゲートに回収する。
「!?」
転送される武装隊員の向こうに、プレシアと、ポッドが見えた。
モニター越しにそれを見て、アリサ、なのは、ユーノが──フェイトが、目を見開いた。
──フェイトをそのまま幼くしたような少女が、眠るようにして、入っていた。
>>538 GJ!!なのはさんもすごいけど、アリサもすごい!!
それに盛り上がってきましたね。
おはようございます〜GJありが……ってついでかよ!もう佳境寸前だってのにこの体たらく……!
いやでも実際まだ慌てるような(ry
あともうちょっと助走しますw
>493 了解致しました。スレ情報が必要とはなるほど盲点でした
じゃあアップはまとめて読みたい方向け、かな
口出しは……1箇所2箇所ぐらいできそうなら、で
視覚的に面白そうなのはなのはさんのディバイン――とプロポーズのところぐらいですけどねえ……
>458 GJdeath!彼らの半死相しか見えませんがGJdeath!
>486 のっけから渋くていいなぁ。うちにこの手のは無理やねん。なんせタバコ吸えへんかr
確かに間合い詰めればなんとかなる、という気もしなくはないですね……ただし地形(障害物)が必須ですが
>502 違う方向で甘々なリンディさん、頑張って!うちは……エロは疲れる……もうゴールしても(早
>518 相変らずシャマル先生シュールで素敵!しかもシリーズ化?wktk
そしてア○ルビー○フォルムってwwwwwwひどすwwwww
……無印のSLBね。未だにあのシーンが一番好き。だから、まぁ……いい、自分でやるw
(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第45回・クアットロ再び(4)][当分非エロ][多分シリアス]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます
(今日の注意)
ちょっと会話が多目。クア姉と絶賛心理戦中といった感じで
[はやてとフェイト][はやてとティアナ]
では、朝刊〜
なのは以下5名が地上本部から飛び立った旨の報告を受けると、はやてはフェイトに次はどうするかを尋ねられる。
「で――説得はいいけど、上手く行くかな?」
「まあ、無理やろうな」
「えっ……」
ただでさえ静かな部屋がさらに静まり返った。
「でも、さっきは信じてるって――」
「いや、あの子達の事は信じてるよ?でも相手はあ・のクアットロや。そうそう簡単に考えを変えるとは思えへんし」
「そっか……でも、それじゃどうするの?こっちは開放の条件は飲めないし、爆弾起動されちゃうよ?」
「だから、ま、フェイト執務官に本命の爆弾を探してもらおう、ちゅうわけや」
「え?」
肘をついて組んだ両の手で口元を隠すと、一番現実的なプランを持ち出す。
「あの子達が近くにいれば、なんだかんだいってそうそうあれのばらまきはでけへんやろ?
その隙に、フェイト執務官が爆弾を探し出して、転送――本命はやっぱりこれしかない」
「なるほど――でも、どうやって探す?さっきのクアットロの言葉も本当とは思えないし」
「せやな……うちの中では彼女が持ってるのと、ガジェットに紛れ込ませてるの半々ぐらいやと思ってるけど」
「他の場所の可能性は?」
「微妙やけどないやろうな……最低でも視界に入らないと爆弾の所在がわからんくなるし」
「だね」
「ただ彼女が持ってるとするなら……ぶっちゃけ自爆覚悟ってことになるけど、性格からしてそれは考えにくい。
あとわざわざヒント出して裏読ませてないと思わせといて、実は素直にそこにあったりしそうやし」
「裏の裏、ってわけだね」
「せやな……まあ、それも推測に過ぎんし、あんまり確証があるわけでもない。
ただ、フェイト執務官なら空間に閉じ込められてるとはいえ近づいただけで気分悪くなるはずや。
それに幻術パターン解析であっさりわかってまうかもしれんしな」
「うん、わかった。シャーリー」
「はい!」
既に最も大きな画面の真正面の特等席に陣取った、元機動六課オペレーター3人娘の真ん中から、小気味の良い返事。
「私も出るよ。一応U型を中心に探してみるけど、そっちも過去の幻術パターンと一致しないか確認してみて。
出来るようだったら解析して、それからニタヴェリールの位置の特定もお願い」
「了解しました!」
戦略的に最も重要な部分を確認するはやて。
「ニタヴェリールの反応、検出できそうか?」
「はい……一応、該当のセンサーに引っかかることは引っかかるんですが……」
彼女がクアットロが映っているメインモニターの端に出したウインドウには、赤い大きさの違う点が無数に散らばっていた。
「こんな風にこちらも偽装されているようで、どれが本物かわからないんです」
「なるほど。じゃやっぱフェイト執務官に体を張ってもらうしかないなぁ……」
「うん、任せて。バルディッシュ!」
「Get Set」
白く長いマントのついた戦闘服姿に変わると、画面を見ながらアサルトフォームのバルディッシュを両手で持って出るタイミングを問う。
「出るタイミングは?」
「あの子達が説得を始めてから、かな」
「了解。バルディッシュ、転送準備!」
「Yes, Sir.Ready...」
フェイトが黄色い魔法陣を展開したその時、シャーリーはニタヴェリールの検出ウィンドウに妙に小さな反応が一つだけあることに気がついた。
普段の優秀な彼女であればその異様さに何かあることを感づき、おそらく座標位置を測定していたであろうはずであったが、このとき実は彼女には焦りがあった。
先のクライドに関する情報の漏洩の失態――いくら酔っていたとはいえ仲間達が揃って黙っていようとしていた時に1人だけ暴走してしまった負い目があり、
今度は何としても私が八神二佐を助けるんだ、という気負いが、その小さな反応は鳥か何かの誤反応だろう、と考えさせ現実的な大きさの反応にのみ目を向けさせてしまった。
なんせ反応の大きさすらまちまちで、元の格納量がはっきりと分かっていない以上、大きさは材料として使えないと彼女が判断したのも至極真っ当である。
だがこの判断を彼女は数分後、死ぬほど後悔する事になる。
それとほぼ当時に、はやては黄色い魔法陣が展開されていくのを横目で見ながら、
じっとスバルと共に画面の様子を見守っていたティアナだけに、思念通話で相談を持ちかけた。
(ティアナ、ちょっと意見を聞かせてもらいたいんやけど)
(は、はい……)
思念通話だったことに、少しだけ驚いた様子の反応であったが、顔に出さない辺りはさすがであろうか。
(正直どう見る?あのクアットロは本物やと思うか?執務官補佐としての目から見てどうや?)
(そうですね……)
しばらく考えてから帰ってきた答えは、スバルや他の戦闘機人達とも関わりの深い彼女らしい答えであった。
(あれだけ話している所を見ると、幻術である可能性はほぼないです。
ですが、どこかに隠してあった精巧な人形を使って通信で音声だけ飛ばしている、という可能性はあります)
(なるほど……中身は骨格だけで、喋る人形、っちゅーわけやな)
(はい。で、その場合、あの中に例の物質を仕込む事も可能かと)
(そやな、それやったら本人は安全無事な所で高笑いしとけばいいからな。確かにこれだけガジェットが動いていれば可能性はあるな)
(ですね。でもまだ各地に散布されたはぐれガジェットもかなりの数が残っていますし、現状の発見数ですと幻影の可能性も含めてどちらとも判断がつきません)
(ふむ――で本物だった場合は?)
(やはりU型のどこかに隠しているのが本命かと。本人が持っているのであれば、それは自爆前提ですし――)
(せやな。目的は開放のはずやから、道連れにしたい相手がいるならともかく、単に大量殺戮が目的とも思えんし)
(ですよね……)
(主な人材はほとんど海におるし、地上本部を壊滅させても、地上の人間を大量に殺しても、いくらあの子でも意味がないことは分かってるよなあ)
(はい。何かの狙いがあるとは思うのですが。動機は捜査においてはかなり重要な要素ですし)
(そうなんよなあ。それからしてもどうも腑に落ちん。2時間っていう時間設定はともかく、開放の要求が通らないことは分かってると思うんやけど)
(だとしたらやはり偽者?しかしそれもなんだか不自然のような)
(なんや、他の目的があるような気がしてならんのやけど、ぶっちゃけ時間が無さ過ぎる。まあ準備の出来ないうちにでてきたんやろうから、当たり前なんやけどな)
(そうですね。先手を取られて対応策を練られたら、交換条件の前提自体が成り立たなくなりますから)
(うん。なんにせよ、何があっても今回は負けるわけにはいかん。六課の襲撃の時のようにはいかせへんで。リベンジや!)
(はい!)
そして皆が見守る中、クアットロの映し出された大きな画面の左右に、黄色と青の空を走る道が延びた。
ほいではまた明日〜ノシ
>>538 GJ!
これはA's編、出来ればSTS編も見てみたいですね。
……アリサにカートリッジシステムはリアル鬼に金棒みたいなものだと思うし、ティアナがアリサに憧れそうとも思うんだ。
そして、こっちも書きあがったので投下します。
・ユノなの
・拘束シーンがあります
イジワルなコイビト
「……ねぇ、ユーノ君。……模擬船やらない?」
「……はい?」
なのはに突然そう言われ、ユーノは目を丸くする。
「ど、どうしたの? そんな急にシグナムさんみたいな事……」
驚いたはずみか、シグナムが聞いたら怒りそうなことを呟くユーノ。
そんなユーノに、なのははくすくすと笑いながら口を開いた。
「……あのね、ユーノ君ってずっとお仕事してるでしょ? だから、体力落ちてるんじゃないかな、って思って!」
そうなのはに言われて、ユーノはふむ、と顎に手をやる。
確かに、最近はまともな運動をほとんどしていなかったな、とユーノは思って。
「……分かった、やろうか」
そうユーノが言うと、なのはは顔をぱああっ、と明るくしてユーノに飛び付く。
そんななのはを抱き留めながら、ユーノはにやり、と笑みを浮かべた。
「(……別に、模擬戦だけが運動じゃないよね? ……たまには、なのはの別の食べ方もしたいし)」
そう考え、にやにやと笑うユーノの表情に、ユーノの胸に顔を埋めたままのなのはは気付かなかった。
……それが、なのはにとっての不幸だった。
「……それじゃあ、2時間後に、外の訓練場でね!」
「うん、それまでに仕事終わらせて、行くよ」
そうユーノが言うと、なのははにっこりと笑って頷き、上機嫌そうに無限書庫を出て行った。
そんななのはを見送って、ユーノは独りごちる。
「……さて、後のお楽しみのために、今は頑張らないとね」
……その後、ユーノの仕事の能率が格段にアップした事は言うまでもない……。
……そして、2時間後。
「……それじゃあ、始めようか? なのは」
「うん、そうだね!」
そうユーノの言葉に頷き、なのはは自身の周りに魔力弾を浮かべる。
『アクセルシューター』
「シュート!」
そして、撃ち出された魔力弾に、ユーノは右手を向け、
「ラウンドシールド!」
……右手に展開されたシールドが、なのはのアクセルシューターを一つ残らず弾き飛ばした。
「……ふふっ、鈍ってないみたいだね」
「……そりゃあ、全然本気になってないなのはの攻撃も止められないぐらいまでは、ね」
感心したようにそういうなのはにユーノがそう返すと、なのははにゃはは、と笑う。
……そして、表情を真剣な物に変えると、口を開いた。
「……だったら……、行くね。私の、全力全開で!」
『アクセルフィン』
そう言って空中に舞い上がったなのはを追いかけるように、ユーノも飛び上がる。
そんなユーノに、なのははレイジングハートを向けて、叫んだ。
「ディバイーン……バスター!」
「プロテクション!」
……そして、全力全開で撃ち放たれた桃色の砲撃と、翠色の盾が激突した。
「……くぅ……っ!」
何年か前の模擬戦で受けた時より明らかに重いなのはの砲撃に、ユーノは表情を歪める。
しかし、ユーノの盾は、未だに小揺るぎともせずに。
「……まだ……このくらいなら!」
そう言うと、ユーノは瞳を閉じる。自分の切り札を、切るために。
「……レイジングハート!」
『オールライト。エクシードモード、セットアップ』
一方、ディバインバスターを撃ち切ったと同時に、なのははレイジングハートを変形させる。
ディバインバスターで防御の上から魔力を削り、それ以上の砲撃でとどめを刺す。
9年前フェイトに使った戦法であり、それ以来、高町なのはの必勝パターンとなっている戦法。
さすがにスターライトブレイカーを撃つ訳には行かないが、こっちでも充分過ぎる程に効果はあるはずで。
『ロードカートリッジ』
「エクセリオーン……っ!?」
「……チェーンバインドッ!」
……しかし、エクセリオンバスターのチャージに入った瞬間、爆煙の中から翠の鎖が伸びて来た。
「レ、レイジングハート!」
『フラッシュムーブ』
咄嗟にチャージを中断して何とか鎖をかわすものの、鎖はなのはを追いかけて来て。
なのはは鎖を操作しているユーノの集中を切ろうと、魔力弾を生成し、
「アクセル……シュート!」
「プロテクション!」
その全てを爆煙の中に突入させると、ユーノの声が響き、魔力弾が数個あらぬ方向に弾かれる。
シールドを張った分鎖の操作は甘くなるはず、と、なのはは鎖を振り切ろうとして……、
「……ストラグルバインド!」
「きゃあっ!?」
……その瞬間、後ろから迫るチェーンバインドと、有り得ない早さで新たに生成されたストラグルバインドに、なのはは挟まれた。
そのまま成す術もなく捕らわれて、なのははぐるぐる巻きの簀巻きに縛られる。
「やっ! は、離してっ!」
なのははじたばた暴れるが、バインドは全く外れなくて。
と、その時、
「はにゃああっ!?」
……突然胸の部分を覆うバインドが振動を始め、なのはは声を上げた。
「ユ、ユーノ君、何して……!」
そう言ってなのははくすぐったそうに身体を捩るが、バインドが外れる訳もなく。
と、上半身前面を覆っているバインドが、何故か何かを上に送るような動作をして……、
「きゃああっ!?」
……バリアジャケットがたくし上げられ、バインドが直接胸に当たる状態になった。
「ゆ、ゆーのくんのばかーっ!」
真っ赤になり、涙ぐみながらなのはがそう叫ぶと、ユーノがなのはの近くまで上がって来る。
そして、なのはの耳元に顔を寄せると、楽しそうに囁いた。
「ばかでもいいよ。ばかなりのやり方で、なのはをめちゃくちゃにしてあげるから♪」
「ふああああっ!?」
……その瞬間、もう一度胸の部分に当たっていたバインドが震えて、なのはは身体を跳ねさせた。
すると、ちょうど胸の先端に当たっていたチェーンバインドの鎖の輪が広がる。
その輪の中に、自己主張を始めていたなのはの胸の先端が入り込み……、
「ひゃうんっ!」
……その瞬間、鎖の輪が急激に絞まり、胸の先端を固定した。
「きゃひっ!? ひゃう! ふああっ!」
振動を直接胸の先端に送られ、なのはの声がみるみるうちに甘い物に変わって行く。
「くうんっ! あ、ら、らめっ! もっ、らめっ!」
甘い声を上げながらなのはは暴れるが、どんどん入らなくなって来る力では、逃れられる訳もなくて。
「……どうしたの? ……ひょっとして、もうイっちゃいそうなの?」
「っ!! ち、ちが、ひあああっ!!」
「……いいから、イっちゃえ♪」
そう言ってユーノはバインドの振動速度をさらに上げる。
胸全体を震わされ、なのはは今まで感じた事のない快感に晒されて……、
「ひあ、や、もっ……! くうううんっ!!!」
……あっと言う間に、限界に達した。
「……はっ、はあっ、ふぁ……」
ぐったりと脱力するなのはを見て、ユーノはにっこりと笑う。
その身体を縛る2種類のバインドを見て、ユーノは呟いた。
「……なのはを捕まえられるくらいなんだから、効果はある、のかな……」
いつも読書魔法と検索魔法を多重展開している、そこから思い付いた方法。
あらかじめマルチタスクで細分化した思考の一つ一つで魔法を構築したままストックし、必要に応じて使用する。
あらかじめ魔法陣を構築しておけば、魔法使用のためのタイムラグがほとんど無くなる。
半秒程度の差だが、その半秒の早さが戦いの中では大きく違って。
「ひゃうっ……、ふにゃああん!」
……その違いが、今バインドの中でバインドに責められて悶えているなのはに繋がっていた。
「・・・・・・ふふっ、気持ちいい? なのは」
ユーノがそう言うと、なのははユーノを真っ赤な顔をして睨み付ける。
そんななのはを見て、ユーノはにっこりと笑って……、
……バインドをかけたままなのはを地面に下ろし、近くの森の中に入った。
「……はにゃ?」
「……さすがに、誰でも見れる空の上じゃ、嫌でしょ?」
ユーノにそう言われ、なのはは自分がそこで悶えまくっていた事に気付き、真っ赤になる。
そんななのはにユーノはにっこりと笑い、なのはの下半身のバインドを解き、足を開いた状態でもう一度掛け直した。
「あっ! や、はああっ!?」
なのはは真っ赤になって暴れようとするが、その瞬間胸のバインドが震え、のけぞる。
そんななのはを見て、ユーノはにっこりと笑いながらなのはのスカートの中に手を伸ばした。
「はあんっ!」
……その瞬間、くちゅ、と言う音がして、ユーノは意地悪な笑みを浮かべた。
「……もう、びしょびしょだね」
「―――っ!」
一瞬で真っ赤になったなのはの額に口付けを落とすと、ユーノはなのはの秘所を弄り始めた。
「あぅ、ひ、ふううっ」
「……声、出さないの?」
快感に、吐息に近い声は上げるものの、いつものような絶叫に近い喘ぎ声は上げないなのは。
そんななのはにユーノが囁くと、なのはは真っ赤になって答えた。
「だ、だってっ! 恥ずかしいも、んっ!」
「……ああ……他の人に聞かれるのが? ……僕は、なのはの可愛い声なら聞かせてあげたいけどなあ……。
……ほら、今来たはやてとか、にね」
そう言われ、なのはは目を見開く。
すると、なのはの耳に足音と話し声が届いた。
「……あれー? さっきの魔力光、確かになのはちゃんのやと思ったんやけどなぁ……」
「……誰もいない、ですねぇ……」
そう話し合うはやてとリインの2人の声に、なのはは青くなる。
と、
「……んっ!?」
ユーノがなのはの秘所を虐める手をまた動かし始めた。
なのはは口を開こうとするが、口を開けば喘ぎ声が出るのは分かり切っているので、口を開く事も出来ない。
そんななのはを見て、ユーノはくすくすと笑いながら、ショーツをずらし、指を中に差し込み、掻き回し始めた。
「んんっ! んーっ!!」
びくびくとなのはは震えるが、まだはやてとリインがいる気配がして。
必死になのはが声をこらえていると、急に秘所の近くの突起が締め付けられた。
「んっ!? 〜っ!!」
何をされるかに気付いたなのはは、真っ青になって首をぶんぶん横に振るが、ユーノはにこにこ笑いながら指を鳴らし、
「んーっ!! んんっ、んんんんんっ!!!」
……その瞬間、突起を締め付けたリングバインドが震え、なのはの身体が跳ねた。
「どこにもいないですよー?」
「……そうやね……。……ん?」
そんな風なリインとはやての声が聞こえるが、なのははその声に意識を割いていられずに。
「んっ! ん、んーっ!!!」
……ただ、声を出さないようにするだけで精一杯だった。
「……凄いね、なのは。……もう何回かイっちゃってるのに、手も使わずにここまで声出さないようにするなんて……」
そう感心したようにユーノは口を開くが、なのはは身体を反らせて震えるだけ。
必死に歯を食いしばって、なのはが声を押さえ込んでいると、
「っ! リ、リリリ、リイン! は、早く戻るで!」
「? どうしてですか?」
「え、ええから早う! ほ、ほな、失礼しましたー!」
突然はやてが慌て出し、リインを連れて逃げ出した。
きょとん、となのはが呆然としていると、ユーノが苦笑しながら口を開く。
「……僕の負け、だよ。はやてには事情話して帰ってもらったし……」
そう言って、ユーノは一度だけ指を鳴らす。
「……今、遮音結界張ったから、好きなだけ声出してもいいよ」
そう言われると同時に上半身のバインドが解かれて、なのはは膨れっ面をする。
「ゆーのくんのばかっ! えっち! いじわる!」
そう言いながらなのははぽかぽかとユーノの胸板を叩く。
しかし、その声は甘く蕩けているし、腕にも力が入っていない。それもそのはずで。
「だ、だからっ……、もう、止めて! ぶるぶるってしないでっ!」
……下の突起のバインドは、まだ振動を続けていた。
震え続けるバインドに、それが生み出す快感に、なのはは背筋を戦慄かせる。
そんななのはを見て、ユーノは苦笑しながらバインドを解き、なのはに覆い被さった。
「……いい? なのは」
「……駄目って言ってもする癖に……」
「……まあ、その通りなんだけどね」
そう言うと、ユーノは少しずつ自身をなのはの中に埋めていく。
しかし、それまでの間散々悶えさせられて来たなのはにとって、それだけでも快感が強すぎて。
「それっ♪」
「!!!!!」
途中でそれに気付いたユーノが一気に自身を最奥に突き込むと、なのはは硬直した。
がくがくと止めど無く震えて、まともに喋れなくなっているなのはに、ユーノは微笑んだ。
「……なーのーは、大丈夫?」
「……ぁ……、あ、あ……」
まともに受け答えすら出来ないなのはの腰を、ユーノは掴んで、
「ほら、起き、てっ!」
「はああああっ!?」
腰を打ち付けると、なのはは絶叫を上げる。
物凄い密度の快感になのはが囚われているのを見て、ユーノは責めを強くした。
「あはぁっ! はああん! ゆ、ゆーのくんっ、強すぎ、ふあああっ!!」
ユーノにしがみ付く事すら出来ず、なのはは仰け反って快感に耐える。
すると、ユーノは意地悪く笑って、なのはの耳元に唇を寄せ、なのはに聞こえるように言った。
「……リングバインド」
「きゃはああんっ!?」
……その瞬間、身体の3個の突起にバインドがかかり、なのはは快感に跳ねる。
それが何を意味しているかに気付き、真っ青になったなのはに、ユーノはにやりと笑って……、
「……それっ♪」
「あっ、ああーっ!!!」
……その瞬間、バインドが激しく震えだし、なのはは絶叫した。
「らめっ、らめっ! おかひくなっちゃ、うううっ!!!」
完全に快感に飲み込まれ、びくびくと跳ね続けるなのは。
そんななのはを、ユーノは暴れないように組み敷いて……、
……そのまま自分自身でなのはの中を激しく掻き回しはじめた。
「うああああっ!!!」
あまりの快感の強さに、もはや白目を剥いているなのは。
その手は、顔の近くで固定されたまま、小刻みに震え続けるだけで。
「……あーあ、もう壊れちゃった?
……でも、大丈夫だよ。僕はなのはが大好きだから。
……たとえ、壊れちゃったとしても、ねっ!」
「ひ、あ、あああぁあぁぁあああぁあっ!!!」
そう言って、ユーノが欲望をなのはの中に注ぎ込むと、なのはは気絶した。
その後、なのはは3日間程腰が立たなくなり、訓練を休むしかなかった。
……そして、その後なのはがユーノを模擬戦に誘う事は無かった。
一方。
「……うー……、どないしよ……」
はやては、ユーノとなのはのお楽しみの最中に訓練場に行ってしまった事を後悔していた。
「……やっぱり……、SLBは覚悟しとかなきゃあかんよなあ……」
……覚悟を決めているはやてだったが、元々ユーノは誰かに見せたがっていた。
それに、なのはもその部分の記憶が飛んでしまっている。
よって、何かをされる事は無いのだが、その事をはやてが知る由も無かった……。
終了か?
>>543 GJ!朝刊乙です。シャーリーの見落としたミス、どんなことになるのか。
続きを楽しみにしてます。
>>553 GJ・・・でいいのかな?
あともうそろそろ次スレ立ててもいいですかね?
556 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 07:36:32 ID:q9n+V0vG
>>553 朝もはよからなんというw
ユーなの捕縛プレイGJ!
ジョン→ジョン・スミス→キョン→クロノ
>>558 その発想はなかったこともない俺ハルヒ厨
というか、ジョン君の外見が普通にキョンで再生されてた俺DAMEPO
>>554>>555 すみませんorz
投下完了! さあ後書きだ→連投規制コンボ喰らいましたorz
そして、遅くなりましたが、このネタをいただいたサイヒ氏に深く感謝します
561 :
26-111:2008/01/08(火) 17:39:47 ID:a/PP7v+4
>>494 >今の俺には応援しか出来ないZE
>……いや、もう一つあった
>さらに負担を増やすような長編エロSSを書いて投下することだ!
HAHAHAHA、臨むところよ兄弟!さぁ、遠慮無く投下するが良い!!
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∧>-、 _____`ヽ
/V⌒ヾ、| l7フ7///|
/V `´ ̄ ̄ ̄Vミ|
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{ f/ -、 {ミ|
ヘ| ゞ・>ソ {xニニ. |:;ハ
∧  ̄ } ゞ゚ー' |{ }| 新番組「魔法中年リリカルレジアス」始まるよー
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/ / \///>、/7ハ..x<7////、 ___
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./ /〈 フー‐r―‐ゞ |:| | ∧
./ / \\ l| !ニニ} / ,./ | \
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「 \ / \\ .|/⌒ニニニ/ 〉〉 | / 〉
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☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第45話☆
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゙" ゙"''" ".wWW\三三三三三三三三 \ヽ::'ヽ|:::::_::______:_|::\W/ ゙"゙''""゙"
"'' ゙"''"゙" V/W \ ⌒*(・∀・)*⌒ \ヽ`―――――――――lV/W "''"
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_ (.{ _,. ---- 、 ♪Mama&Papa were Laing in bed
/-- ` `' / \. \ Mama rolled over and this is What's she said
/ / `ー ' ヽ ヽ Oh, Give me some Oh, Give me some
/ ヽ ヽ ',
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l ./ // //∧ l l ト、l l. ヽ l、 \ _{: :/: : : :´ : : : : : : <
l /! :l l l┼ト、l ト. _レl┼l l l トゝ 〉 /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`ヽ
レ l l l :flrイ為lヽ\ .lイ為トl.l: l.l.l / /: :/:. : :.| : : : : : : : : : :、 : : <⌒
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V ∨.v l ト、 ー /./ l l |: / : : : r≧<ヽ : |>≦V:.|_: :「 ̄ Good for me
/ / 人|.l:>.、 . ィ/レ'\ l l |∧: : :|: { Vzリ \{ Vzソ |: | }: | Mmm Good
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l | | ::::|: lヽ`ヽ__ノ , __ ///// ,'イ| :|_ノ:::: | っさい!!!
V l ∧| ト/// r―‐'´ ヽ、 /| :|::::::::: |
ヽ |/l ハ ', ヽ /ー'| :|::::::::::. ',
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|::.ヽ_ -――/::.ヽ|:.::.::.∧く_./ ヽ._>∧:| /:.::.〉――-- _/.:.:|
_|::.::∧ /::.::.::.:: `ヽ _/::.マ¨ ̄ ̄¨フ\}__,/ ::.::.::.::.::.::.∧:.::.|
【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第45話☆
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\ / .昇
\ ※ / 格 クロスファイヤー!!
「名前を呼べよ」 \「汚い魔方陣だなぁ」/ 試 リボルバー!!
\ ./ 験 シュートォ!
「呼べば友達になって \∧∧∧∧/
いただけるんですね?」.< リ > スターライトブレイカアッー!
.< リ >
.< 予 カ >
< ル >
───────────< な >───────────────────
一転攻勢< 感 の >
頭 < は > リ、リンカーコアは?
冷 コ 冷 < !!! .の > リンカーコアは、と、取れたの??
や ノ お や /∨∨∨∨ \
せ ヤ 前 せ /「自分、ソニックフォーム\
だ ロ が よ / いいすか」 \
.ぁ ウ ! / \「なぜ、クローンなんだ」
? ! /「なんだあの術式は…たまげたなぁ」\ 「戦闘機人ともしました」
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魔王降臨の生贄 いらない子 ミスを連発 少
もう死にたい… 役立たず し
お リ 上 凡 ..:::::::::::::::::::........ 泣き虫 なのはさんの性奴隷 頭
か リ 官 人 .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......::::::::::.. 冷
し カ の .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: な 今 や
い ル い :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: の 日 そ
な じ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: は も う
ぁ め .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: さ 虐 か
.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: .:::::::::::::::::::: ん 待
どうしちゃったのかな .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::::::::::. 特 や
悲 .:::::::: .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: :::::::::::::::. 技 さ
惨 .::::::: :::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: :::::::::::::: は し
悪魔再臨 な :::::: :::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :::: :::::::::::: 幻 い
人 :::: .::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. :::: :::::::::::: 影 も
生 ::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::... ::::. :::::::::: w ん
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|:/!.:.:.: 从.:.{ ((・) (<) j.:.,' |.:l.:.:.:.:.:.:.:.: | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
j:ハ.:.:..Wト :.ゝ ⊂⊃ /.:/レ|.:l.:.:.:.:.:.:.:.: | / 頭を冷やしてあげるの
\:{ヽ|: |⌒ \.l/ ⌒|彡'.:.|│l.:.:.:.:.:.:.:.:.| <
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