【関西】方言少女でエロパロ2【東北】

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1名無しさん@ピンキー
色々な地方の方言を話す女の子に萌えるスレです。

エロあり、エロなし、なんでもOK!

ただし、特殊シチュの場合は注意書きを書いてくださると助かります。



前スレ 【関西】方言少女でエロパロ【東北】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1159883686/
2名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:25:18 ID:wHjV1Z4a
落ちてたのでたてました
3名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:52:52 ID:SEeNgMNC
>>1
4名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:53:15 ID:nqcLuDHd
乙。いい加減SSを増やさないとなぁ
俺は関西弁がストレートなわけだが
5名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 08:44:51 ID:/qynTKZQ
>1乙

なぜか関西弁を使う女の子には気の強い娘ってイメージがある。
6名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 10:27:38 ID:ziM6IVTR
即死って何レスまでだったっけ?気を付けないと即死しちゃいそうだな。
7名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 11:35:08 ID:SPeUoPON
一日2レスくらいつけていけば十分だよ。
8名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 22:19:39 ID:EGYXhIwZ
関西弁以外のssってまだないよね?
9名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 11:11:28 ID:AHbPhSsN
保守
10名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 17:09:57 ID:sS0vcbPd
ほっしゅ
11名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:09:31 ID:GgSP/7lc
お雑煮って地方ごとに違うんだよな?誰かお雑煮を熱く語る東北出身の女の子で書いてくれ〜!
12名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 21:14:02 ID:V/DPBQq1
保守
13名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 08:09:57 ID:MIKcpWeD
即死防御
14名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 10:48:33 ID:PhL5eK5o
保守
15名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 11:55:16 ID:W6fMtQie
うちが保守したげるわ
16名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 17:06:57 ID:Xox0FUMU
保守やわ〜
17名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 19:53:45 ID:2FR3mlfI
ヒマやから保守するだけやで?別にアンタの為とかちゃうからね?勘違いしなや?
18名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 16:17:33 ID:F4aExtnP
hosyo
19名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:56:22 ID:NTZgP6vF

関東男×関西弁女で。ちょっとスレチかなぁ。


 けい、は本当は「慧」と書くのだという。お坊さんの名前なんかによく使われますよね、と何度も語りなれ
た口調で教えてくれたのを今も覚えている。どちらにしても、一文字で「慧」だとまるで男の子の名前のよう
だし、解りにくいので平仮名にしようと母親が押し切ったらしくて、と今度は少し恥ずかしそうにちょっと下を
向いた。何度か聞くところを総合すると、けいの実家の母親は彼女とは正反対で、何でもぽんぽんと思っ
た事を口にする、勝ち気で開けっぴろげな人のようだ。典型的な大阪のおばちゃんですよ、けいはそう云
って少し嬉しそうに、穏やかに笑った。

 物静かな彼女からは想像もつかないが、親子の性格というものはそっくりか正反対のどちらかしかない
ような気がする。ああなりたくはない、と思えば思うほどそっくりに、かと思えば意識しないでいるのに内包
している遺伝子から遠く乖離してゆくこともある。もしかしたら、彼女は父親似なのかもしれない。似た者夫
婦と言うが、多くは互いの欠落を埋めるべく一見真逆の第一印象で引き合い、好むと好まざるに関わらず、
誰の目にも疑う余地もない二人のハイブリッドたる分身を生みだしてゆく。

 どちらにしても彼女の母親の判断は正しかったと思う。雪村慧、でもミステリアスで良かったとは思うのだ
が、俺は彼女のひらがなの「けい」を口の中で転がすのが好きだった。雪村、でも、おおい、でも、あのさ、
でもはなく、けい、と名前で呼びかけるのが好きだった。皆がそう呼ぶので俺だけの密やかな楽しみを誰
かに気づかれることもない。そう、気付かれることはない。

 上京して初めての冬、しかし生来の都民であったかのように彼女はここの空気に馴染んでいた。関西出
身だと自己紹介した時から、今時の新入生には珍しい耳障りではない完璧な敬語を操っていた。それは
どう聞いてもアナウンサーのような話し方にしか聞こえなかったため、なんとなく余所余所しいという以外
には逆に違和感が全くなかった。都内、と言っても、生粋の江戸っ子など少数派だし、そもそも標準語と関
東弁とは違う。それにキャンパスの大多数を占める地方から集まってきた学生の多くは、無理をして自国
の方言を隠し、笑われないよう神経をすり減らすか、或いはそれを自虐的なネタにして自分を売り込むか
のどちらかだった。しかし彼女はそのどちらでもなかった。強いて言えば、初めからどこの出身か判らない
女の子だった。生活臭すら感じさせないほどだった。
20名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:58:51 ID:NTZgP6vF

 四月、五月の間は、顔を見合わせればまずは出身地で盛り上がる学生たちの中で、「私は大阪ですよ」
とさらりと返す彼女の少し低めの落ち着いた声を何度か耳にしたが、なぜ関西弁が出ないのかを突っ込
んで聞く者はあまり居なかった。「そうなんだ、あんまりらしくないね」「阪神ファンなの?」と返ってくればい
いほうで、下手をすれば地方出身者であることに気づかれないことの方が多かった。幾つもあるイベント
サークルの中でどうしてここにわざわざ、しかも物静かな彼女が入ったのか疑問だったが、おちゃらけた
派手なサークルではなかったのを上手く嗅ぎ分け、何時の間にかするりと居場所を築いてしまった、そん
な印象だった。それらのことが、彼女がこの街に馴染んでいる、誰よりもこの街の住人らしいという印象を
強めていた。

 派手さこそないが肌理の白い肌、顎のラインでぷっつりと切りそろえられた素直な髪(これも今時珍しい
生来の黒髪だ)、化粧っ気は全くないが彩りや加工の必要のない、やや古風ともいえる正統派の美貌に
恵まれていた彼女は、それを鼻にかけることも意識することすらも全くないとでもいうように振る舞い、それ
ゆえに密やかな信奉者を増やしつつあった。特に人目を引くこともない普通の学生だが、近くで見るとそ
の美しさにはっとするタイプだった。だが常に誰とも等しい距離を置いているのが次第に顕在化してゆき、
そのことが皮肉にも同性異性両方との衝突から彼女を遠ざけていた。誰も口には出さないが、一言で言
えば踏み込めない、だがどうしても気になる、いつも近くて遠いところにいる、そんな一年生だった。

 比較的大人しい男ばかりが集まった地味目のサークル内で、互いに牽制し合い譲りあい、討ち死に覚
悟で斬り込んでゆく猛者は幸か不幸か居なかった。俺はといえば部長という立場から特に新人を気にか
けているのだというスタンスをぎりぎり保っていた。だから俺の気持ちなど誰も知りはしない筈だ。無論、け
い本人も。

 俺はそんな彼女から特にここ暫く目を離せないでいた。きっかけは些細なことだった。部室での打ち合わ
せが終わりかけ、なしくずし的に雑談に移った頃、彼女がふとジーパンの後ろポケットに手をやった。俺は
彼女の着信音を聞いたことが無い。誰からも電話が無いのではなく、彼女は常に一切の呼び出し音を切
っていた。そして人前で電話に出ることもなく、ちょっと失礼します、と断ってから座を辞した。当たり前とい
えば当たり前の礼儀なのだろうが、仲間内では珍しかった。それでも俺は彼女に電話をして待たされたこ
とはないので、どちらにしても律儀な性格なのは間違いないだろう。
21名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:01:31 ID:NTZgP6vF

 着信を告げる光に照らされた顔はほんの少し曇り気味だったが、諦めたように小さく頭を下げ彼女は静
かに席を立つ。誰も気にも留めてはいなかった。俺はちらと彼女の顔を見遣ったが、俺の視線に気付くこ
となく彼女は硬い表情でドアを静かに閉めた。
 それから暫くして、たまたまトイレに立った俺の耳になにやら話しこんでいる声が廊下の隅から小さく届
いた。囁きは少し低いトーンの女の声だった。この寒空の下、コンクリート打ちっぱなしの廊下でお熱いこ
った、と思って遣り過ごそうと思ったときだった。
「だから、うん、言ったやん。決めたやろ。もうあたしら、・・・せやから。せやから、ちょっと聞いてぇや、ちゃ
んと聞いて」

 始めは誰が話しているのか判らなかった。関西弁丸出しで喋る子は俺のサークルには居ない。だが、喧
しいとか下品だとかいうイメージはなかった。むしろ柔らかく心地良い響きだった。しかしどこかで聞いた事
のある声だ。なにかもめているらしく、少し声が大きくなる。耳に飛び込んできたその声に、俺の鼓動が一
つ、跳ね上がった。

 けい、だ。

「・・・だからさ、けいた、しゃあないよ。駄目や。あたしら逢ったらあかんの。もう何べんも話して決めたこと
やろ?・・・わかった、話すだけやで、うん、わかった、話すだけなら。近いうちにそっちに帰るから。え?こっ
ちに来るん?本気?待ってぇや、日曜に?あかんてそんな急に。ちょお待ち、けいた」

 けいた?
 けいた、って誰だ?

 肩を落す様子が目に浮かぶような深い溜息に現実に引き戻され、俺は慌てて足音を立てないよう静か
に部室に戻った。何も逃げ出さなくてもよかった気はしたのだが、立ち聞きの後ろめたさから思わずそうし
てしまった。それが二日前のことだ。その日から俺は一人悶々として、これまでとは違う目で彼女を追うよ
うになっていた。


 部室の窓は熱気に曇って、戸外へ出るのを憂鬱にさせるほどの外気の低さを物語っていた。帰り支度と
この後の飲み会の相談、今後の日程確認等が飛び交う喧騒の中に座っていてもなお、あの日のけいの
声が俺の耳には残っていた。大阪弁で喋ってた。当たり前か、地元じゃあそうだろう。でも俺たちに聞かせ
たことはない。けいた、って誰だ。けいの言葉がぐるぐると頭を回る。「先輩?」はっと気付くと、当のけいが
俺を覗き込んでいた。「まだ帰らないんですか?」
22名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:03:43 ID:NTZgP6vF

 九時回っちゃいました、との声に顔を上げると、誰かのコートの裾がけいと俺を残してドアの向こうにちら
りと消えるところだった。「もう最後ですよ」「ああ」人が多い分、多忙な部長はこうして置いてきぼりを食うこ
ともままあるのだ。俺が盗み聞きをしていたなどとは微塵も疑っていない無防備な笑顔がそこにあった。
「私、まだここの鍵を貰ってないんです、お願いしてもいいですか」
「あ、ああ、構わないよ、もう出るから閉めとくよ」
「じゃあ待ってます。あの、まだ道順覚えていないんです、私」少し言いにくそうにけいは首を少し傾けて笑
った。ぱらり、とまっすぐな髪が揺れる。構内は広く、特に夜ともなれば新入生は部室から門まで辿りつけ
ないことが多く、且つ物騒なこともあって、部内では必ず上級生が付いて出ることになっていた。殊にけい
は目立つことなくいつも誰かに自然にくっついて出ていたので、誰もがもう大丈夫だろうと思っていたし、事
実俺もそうだったので意外だった。

「そうか、すまん。でも俺、ちょっと教室に取りに行かなくちゃいけないものがあるんだけど」
「いいですよ、ご一緒します」
「レポート纏めかけのノートを置いてきちまったみたいでさ」
「締め切り、月曜だって仰ってましたね」
「ああ、この週末にやらないといけなくてさ」何でもない一言をけいはよく覚えていた。時折思いがけない事
を指摘されてどきりとすることがある。小さなことも常に聞き漏らさず、それとなく広範囲に注意を払ってい
る彼女だが、滅多におくびに出すこともないその鋭い洞察力に気付いている者はごく僅かだろう。

 ぼんやりそんな事を考えていたが、じゃあ日曜の会合にはいらっしゃらないんですね、と少し残念そうな
響きの声に俺は少し脚を止めそうになった。
 日曜。

「日曜の、けい来るのか?」レポートの対象にもなっている洋画の展覧会に行く会、が計画されていた。飲
み会には余り参加しないが、そうした集まりには必ず彼女は顔を出していたのだ。
「けい、日曜って予定があるって言ってなかったか?」半分は自棄、半分は賭けだった。けいがぴくり、とす
るのが伝わってくる。
「言ってましたっけ?ええ、実はちょっと迷ってるんです、急に兄が上京してくることになって」さり気なさを
装った声。兄?どう聞いても別れ話の縺れだったぞ?
23名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:06:28 ID:NTZgP6vF

「けいにはお兄さんがいたのか、知らなかったな」
 話しながら、息も白い闇を抜け、白い建物の間を通り過ぎ、俺たちは部室棟から講義棟へと入った。この
時間、当たり前だがもう誰も居ない。教授連は別の棟、院生が一つ隣の棟に篭っていることを示す灯りも
まばらだった。基本的に二十四時間体勢のキャンパスだが一般教養棟は講義終了後は無人にも等しくなる。
「すまんな、寒いのに」
「いえ、大丈夫ですよ」はぁ、と手に息を吐きかけながら、それでもコートを引き寄せ、けいは足踏みしてい
る。コツコツ、と踵が鳴った。机に軽くもたれるように腰掛けて、けいは薄暗い床に目を落している。

「何か心配事か?」心当たりの机を幾つか覗き込み、やっとその中の一つからノートを探し出した俺は鞄
に詰め込みながら声をかける。少し間を置いて、けいは口を開いた。
「ちょっと喧嘩をしたまま、私こっちに来ちゃってて」
 俺は鞄を机に置く。「予定もあるし駄目だって言ってるのに、兄はこっちへ来るといって聞かなくて」
「そんな事言って、本当は彼氏じゃないのか?大阪に置いて来た男だろ」
「違います!」揶揄半分の調子を努めたのだが返ってきたのは思いがけなく大きな声だった。立ち上がっ
た拍子に机がガタンと大きな音をたてて動き、その音にはっとした様子で辺りを見回し、けいは声を顰める。

「違うんです、あに、なんです、慧太、私と同じ字で、けいた、双子の兄」声は次第に小さくすぼまってゆく。
机に腰掛けなおし、けいは靴の先を見つめながら言った。兄なんです、もう一度そう呟いた。
「じゃあ実の兄とそういうことしてたのか」俺はけいの顔を見ずに言った。息を呑む気配は事実上肯定を意
味していた。「そうなのか、けい」
「先輩、何を仰ってるんですか」けいの声はかすれていた。「・・・聞いていらしたんですか」「少しだけだ」
 すまんな、と小さく呟く。詫びる気持ちなど更々なかった。自分でも解らないほどの怒りに俺は震えてい
た。怒り?そう、俺は憤っていた。
「誰にも言わないで下さい」けいの切羽詰った声が余計に俺をいらつかせる。「昔の話です、子供だったん
です私たち」
 大学に入ったばかりのガキが、昔?じゃあそんな頃から男と。しかも、兄?
24名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:09:01 ID:NTZgP6vF

「別れました、一緒に暮らしていないしもう会わないでいようって決めたんです」だから赦して、と叫んで耳
を塞ぐように頭を抱える彼女の腕を掴む。決壊寸前の瞳は本気で怯えていた。誰にも知られてはいけな
いことだったのだろう、ああその通りだ。俺の憤りの意味も理解できていない様子で彼女は驚愕に見開い
た目をあげる。中学生の頃か、高校生の時か?どんな風に?双子?兄?

 ぐるぐるとそんな単語が頭を回る。けいの甘やかな声が甦る。俺たちには、俺には聞かせたことのない
言葉。薄暗い教室の真ん中、廊下から漏れる切れかけの蛍光灯の燈に、怯えきった白い顔が浮き上がっ
ている。「せんぱい、」掴んだ腕ごと乱暴に身体を引き寄せる。

「兄貴にならやらせるのかよ」「違う!」自分の叫びに驚いたようにけいは目を瞠る。「違う。違います。違う
んです。誰にも、言わないで」
 俺を見つめる怯えた眼に、諦念と打算の色が垣間見えた気がして、ますます俺は頭が沸騰するのを感
じた。引き換えになら何でもするってか。普段は誰も受け容れないくせに、兄ならいいのか。脅迫ならいい
のか。俺はけいのコートを引きむしり、肩を掴んで机に引き倒した。けいは、逃げなかった。
 俺の中で何かが音を立てて崩れた。





「ほら、もっと足開けよ」
 背後から乱暴に脚の間に膝を割り込ませたせいで、けいはバランスを崩し、机に手をついた。ガタン、古
びた板張りの床に机の脚が当たって、ひとけのない教室にびっくりするほど大きな音が響く。声を出すま
いと必死に耐えている様子が却って俺の頭を冷たくする。

 俺はけいのやわらかな腿を掴むように撫で上げる。ぶつり、音がして、腕時計の金属ベルトにひっかか
った黒いタイツが引き攣れ、白い肌を僅かにのぞかせた。「あ、」初めてけいの口唇から小さな悲鳴が漏
れる。これから俺にされようとしていることよりも、帰りの服装の乱れの方が気になるのだと思うと、どうし
ようもない嗜虐心が沸き起こってきた。タイトスカートをめくり上げ、下着ごとタイツを引きずりおろす。露わ
にした白い尻は寒さだけではないものに粟立っていたが、それでも充分滑らかで指が吸いつくようだった。
拒まないのは俺に握られた秘密故だが、それ以上に、かつて彼女にこうして触れた者が他に居るという事
を感じさせずにはおかなかった。
25名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:11:14 ID:NTZgP6vF

 かちゃかちゃとベルトのバックルが触れ合う金属音、ジーパンを下ろす気配に、けいが少したじろぐのが
判る。間を置かず、細い腰をぐいと引きよせる。今までで最高の大きさに膨れ上がった俺がけいの太腿に
当たる。素肌が触れ合う感触に怯えたようにびくり、と小さな肢体が縮んだが、構わず俺は彼女の背を机
に押しつけ、尻を突き出させた。白い指が机の端をきつく攫んでいるのが見えた。

 反り返ってどくどくと待ちわびているそれに手を添えて彼女にあてがう。僅かばかりの湿り気は心と肉体
の固さを伝えるのみで、積極的に俺を受け入れようとはしていない事が明白だったが、慣らしてやることも
なく俺はそこへつきあてた。

 めり、と音がしそうなほどの狭さと抵抗感が俺を包み込む。まさに割って入るという感じだ。一瞬息を呑
む気配。ゆっくり俺を包み込んでゆく生暖かい感触と連動して、長く糸を引くような声にならない悲鳴が堪
らなく心地いい。俺を押し返そうとするぷつぷつとした肉の壁を押しのけて侵入する。時折、彼女の内腿に
力が入り、それが却って俺を締め付け、ますます彼女の中で重量を増してゆく。そうした俺の変化を彼女
は敏感に感じ取り、その度に身をよじる。

 めり、めり、めり、ゆっくり押しのけた奥、ぶつんとという感触を最後に、抵抗感は一気に滑らかさへと変
わり、ずるん、と最奥へと俺を誘い込む。んっ、というくぐもった悲鳴。やがて、押し殺した悲鳴は大きく上
下する肩から押し出されるような荒い息にかわる。必死に声を抑えようと息を殺しているのが解る。どこま
でもつか、試してやろうか。

 ニットを捲って胸元へ手を滑り込ませ、ずっと触れたかったその胸をまさぐる。思った通り、小ぶりながら
も柔らかなそこからも、俺を呑み込んだ彼女の内側からも、壊れそうな勢いの早鐘が伝わってくる。触れ
た途端、その先端は堅くすぼまり、掌の中で小さく縮んで揺れた。

 俺の腹と彼女の白い尻が突き当たる。脚と脚がぴったり触れ合い、俺は更に彼女の腰を引き寄せ、屈
みこんで首筋に口唇を這わせた。びくりと揺れる腿。「入った?」答えは期待していない。代わりに、俺を包
み込む壁がぎちりと緊張した。ゆっくり息をついて、ゆるゆると腰を動かしてみる。乱暴に押し入っただけ
なので、粘膜が引き攣れるような感触と共に苦痛の呻きが皮膚越しに粘膜越しに伝わってくる。ゆっくり、
ゆっくり、ねじるように腰を入れてゆく。
26名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:13:25 ID:NTZgP6vF

 やがて、少しずつ動きを助ける滑らかさが出てきたことを確認し、俺はぎりぎり先端を残して腰を退く。一
段と狭い入口付近で止めると、どうやら最も辛い場所らしく、今迄で一番苦しそうな息が漏れた。「その調
子だ。濡れてないと俺が痛ぇんだよ」自分でも冷たい声だと思う。その声に打たれたように、俺に絡みつく
肉がきゅううっとキツさを増す。息を止める。腰を抱き寄せたまま、今度は勢いよく奥へと打ちつける。けい
の背が大きく反った。ぐちゅん、音と共に奥から溢れ出たものが俺をゆるゆると包み込み、彼女の堅さをも
心地よいものへと変えてゆく。

 ぐちゅん、ぐちゅん、大きなリズムで打ちつけると、必死に俺を押し返そうとするざらついた堅い壁と、奥
へ誘い込もうとする柔らかい肉とが混じり合って俺を包み、絞り上げ、眩暈がしそうだった。俺は、確かに、
けいの中にいる。けいが俺を包み込んでいる。けいをめくり起こし、突き刺し、溢れさせている。そう考えた
だけでも果ててしまいそうだ。

「ちっちゃい頃からやりまくってた割にはよく締まるな」囁くと、けいは大きく何度もかぶりを振る。「違わない
さ、ほら」乱暴に腰を何度も突き上げると、その度に苦しげな息と短い悲鳴が漏れた。
・・・そうだ。冷静になれ。

 俺の支配するリズムと僅かに遅れて、彼女の踵が浮き上がり、床についてはヒールがぶつかって音を立
てる。カツン。・・・カツン。カン。カン、カン、カン、カン。
 普段はジーパンの裾に隠れて見えないが、小柄な彼女はいつも高い踵の黒いヒールを履いていた。上
品で、しっかり安定した踵の彼女らしいヒールだった。そんな高いの履いて疲れないのか、と訊くと、私背
が低いしそれにもう慣れてしまってこの高さがないと歩き辛いんです、と彼女が笑って答えてくれたのはい
つの事だったか。乾いた音は激しさを増してゆく。

 カン、カン、カン、カン、
 カン、カン、カン、カン、
 カン、カン、カン、カン、

 がくがく揺れる身体、喧しいほどに鳴り響くヒールの音。二人分の体重を支えきれずにやはりごとごとと
音を立てる机。必死に悲鳴を堪える荒い息と、肉が肉を打つ音が混じり合って、二人だけの四角く切り取
られた空間を満たす。机にしがみついていた指先はいつの間にか白く握りしめられ、がくがくと震える膝は
崩れ落ちそうになっていた。突き上げた反動で勢いがつきすぎて俺は彼女から飛び出し、白い太腿に当
たってぬるりと滑った。思わず舌打ちを洩らし、俺は乱暴に彼女の腰を掴んでべたつくそれを握りしめ、再
び滑り込ませる。溢れ出た蜜がぽたり、ぽたりと床に染みを広げてゆく。
27名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:15:47 ID:NTZgP6vF

 狭い入り口を乗り越えてしまえばもう何の抵抗も無くそこは俺を受け容れるようになっていた。息が白い。
窓の外はどこまでも深い藍色の闇だ。はあ、はあ、と耳に響くのは俺の、けいの呼吸。混じり合った二人
の熱がまだ俺の指先を濡らしている。粘着くそれを、後ろから彼女の唇に滑り込ませる。抵抗は僅かで、
あぐ、と咄嗟に歯を立てないように彼女が加減したのが指先に伝わってくる。どこまでも秘密をバラされる
のが怖いのか。それとも俺を哀れんでいるのか。ならばそれでもいい。指先で彼女の舌をまさぐり、唇の
間を抜き差しする。小さな呻きを洩らして、彼女は耐えている。

 温かな唇から指を引き抜き、俺は更に奥を突き上げる。ぎちゅん、粘着いた音を立てて新たに蜜が溢れ
出る。彼女の尻も俺の腹部もすっかりべたついていた。胸をまさぐりながら、ぐいと彼女の上半身をひき起
こし、背後から抱えるようにして立たせた。身長差もあって、辛そうに腰を浮かせようとする身体を押さえつ
ける。切なげに摺りあわされる腿が震えている。

「もっと締め付けないと終わらないぞ」背後から腕を廻し、俺を呑み込んでいる彼女の入り口を擦り上げ、
丸く膨れ上がった肉芽を捻った。途端に、腕の中の身体は狂ったように跳ね上がり、嗚咽に近い悲鳴が零
れだした。普段の低めの声とは違う、高めのトーンだ。この時にはこんな声を出すのか。同時に、入り口と
奥が物凄い勢いで俺を締めあげる。「そうだ、その調子だ」こりこりと指先でぬるつくそれをいたぶればい
たぶる程、彼女の声は高くなり、締め付けのリズムは激しさを増してゆく。「・・・い」初めて、彼女の口から
言葉が漏れた。「お願い、もう、・・・もう駄目、かんにん、かんにんして」

「けい」
「先輩、あたし、もう駄目、先輩」
 切なげな息混じりの声が続く。俺は背後から羽交い絞めにするように押さえ込み、浮き上がりかけた彼
女の腰を押さえつけ、なおも突き上げる。
「あたしを、先輩、嫌いにならんといて、何してもいいから、あたしのこと嫌いにならんといて、先輩、いや、
あん、やぁ、」

 どくん、胸を打つ大きな音が俺の全身を震わせた。
28名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:19:45 ID:NTZgP6vF

 背後から繋がったまま、覆いかぶさるように彼女を再び机におしつけ、力の限り突き上げる。腕の中で
湿った悲鳴が続く。加減せず獣の交合のように上半身を押さえつけ、子宮の奥を叩き続ける。熱い。熱い。
息が苦しい。じゅるりとまとわりつく肉が愛おしい。押さえつけた手の中の細い腕が、折ってしまいたいほ
ど愛おしい。胸の下にぴったりとはりついた背が、揺れる髪が、愛おしい。なのに、俺は。

「せんぱ、い」

 その声にはっとした瞬間、きゅ、と根元と先端部を同時に絞り上げられ、堪らず俺はありったけの熱を彼
女の中にばらまいた。けいの脚が爪先まで反り返り、俺を最後の一滴まで絞りつくすように締め付け、締
め上げ、硬直する。
「いや、んっ、」掠れた声と突っ張った脚が細かく震え、俺は押し出されそうな強い圧迫に耐えながら強く強
く腰を押し付ける。

「けい、けい、」呼びかけに応えるようにきゅうきゅう締め付けてくる。硬くて柔らかな壁が押し寄せてくる。
「けい」最後の一滴まで放出し尽し、徐々に勢いを失いつつあったがそれでもまだ何とか彼女の情熱に応
えようと俺は耐える。けいは机にしがみついたまま制御を失った人形のように小刻みに震え続けたが、突
然ぶつんっと何かがが切れたかのような一段と激しく長い締め付けを残し、大きな最後の溜息を合図に
全身を揺らすと、すとんとあっけなく緩んだ。ずるりと俺は押し出される。

 負けたのか。

 ぜえぜえと肩で息をつきながら彼女を突き放し、俺は壁を背にへたりこむ。けいもその場に崩れ、横たわ
ったまま動かない。んっ、と聞こえた小さな呻きの先、くぷっと白いものが脚の間から伝わって溢れ出るの
が見えた。

 負けた、のか。
 大きく喘ぐ胸が少しはだけて、柔らかな丸みが僅かに覗いている。黒いニットから覗く、上下する滑らか
な白い腹部、足元に絡まっている黒いタイツと捩れた下着が熱に倦んだ頭を現実に引き戻す。途端に、寒
気が忍び寄ってきた。とりあえず俺はばさりと自分のコートをけいにぶつけるようにかけ、ジーパンを引き
上げた。けいの手が伸び、ひきよせて身体を覆う。見慣れた俺のコートは、けいの上気した顔を俺から隠
し、上下している。

 最低だ。



29名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:22:37 ID:NTZgP6vF

「うちはあまり恵まれた家ではありませんでした」
 白い顔を半ば覆う乱れた髪と、その隙間から覗く紅い口唇がひどく淫靡だった。だが俺の肩のあたり、す
ぐの距離のそれへ手を伸ばすことは躊躇われ、けいの横顔から目線を前へと戻し、俺は並んで歩いていた。

「双子で生まれてきた私たちを見るなり、一人分しか考えていなかったと父は面倒臭がって、慧太、慧と名
付けました。でも私たちはその名を気に入っていました。互いにけいちゃん、けいちゃん、と自分で自分を
呼ぶような気分で、鏡を見るような顔と顔で呼び合っていました。二人でいる時だけ、安心できたんです」

 駅に近い裏門までの距離をこれほど遠く感じたのは初めてだった。無言で身支度をし、人目を懼れなが
ら俺たちは教室をあとにした。
「慧太と私は二人きりでした。家の中は寂しくて怖くて、ただ寄り添うしかなくて。その時は悪いことだとも思
っていなかったんです。でも私たちを心配して度々訪ねて来てくれていた伯母に知られて、やっと何をして
いたのかが解って。家族はばらばらになりました。いえ元からばらばらだったんですけど――私は伯母に、
慧太は別の叔父宅へ引き取られることになったんです。今の実家の母というのは、だから本当は伯母な
んです」淡々とした口調でけいは前を向いて語り続けた。感情が籠もっていない分、俺は自分の罪の重さ
を見せ付けられた気がした。けいの白い指が髪をかきあげる。指の隙間からぱらりと髪が落ちて、また顔
を覆った。

「よくしてくれた伯母には本当に申し訳ないけれど、一人で暮らせるようになって私はやっと総てから開放
されたと思いました。私と慧太を知る人の居ない、誹謗中傷のない此処での暮らしは悪くなかった。
・・・でも残された慧太は、兄は、もう一度二人だけで暮らす為に大人になったと言っていました」

 誰かに知られるのが怖かったんです、と呟いた声は突然の風に巻き上げられ空へ消えた。けいは髪を
押さえコートの襟を立てる。「これまでの事は全部忘れるつもりで、何もかもやり直すつもりで出てきて。忘
れたつもりでした。でもどうしても耐え切れなくて、他人に近づけなくて、触れるのも触れられるのも怖くて。
それに先輩には、先輩にだけは知られたくなかった」
 だって最低でしょう、と少し笑いながらけいはこちらに笑みを向けた。きれいだけれどどこかよそよそしい
言葉で話す、いつもの穏やかなけいだった。俺はけいの顔を見ることができなかった。

 最低なのは俺だ。
30名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 21:25:17 ID:NTZgP6vF

「日曜、慧太とちゃんと話します」狭い裏門をくぐり、大学の敷地沿いを歩く。右へ行けば、けいの暮らすマ
ンション、左は俺のアパートへ続く三叉路まで来たところで俺たちはいつものように立ち止まった。何度も
二人で歩いた道だ。何度もここで彼女を見送り、見送られた。けいは俺を見上げる。「説得できるかどうか
わからないけど、話してみます。大事な兄なんです」

 涙の跡が残る目元は、それでも俺をまっすぐ見つめてきた。「私、本当は誰かに何とかして欲しかったん
です。何度もここで先輩に話してしまおうかって悩んでました。誰かが私をきれいにしてくれるかもしれない
とちょっと期待してました。でもやっぱり私汚いから。・・・ごめんなさい。結局先輩を汚してしまいました。あ
なたはあんな怖い顔をする人ではなかった」
「けい、俺は」
「ちゃんと話せるようになったら、また聞いてください。それまでは、このことは忘れててください」
 じゃあ、と彼女はぺこりといつものように頭を下げ、やがて見えなくなった。言わなければならない事を全
部持ってゆかれたまま、俺は立ち尽くすしかなかった。

 けい、と俺は呟く。
 けい、は本当は慧、と書くのだと彼女は謂っていた。賢いとか、心がこまやかだとか気が利くという意味
だと俺はこっそり調べて知っている。きっと彼女は俺の気持ちに気付いていたのだろう。名前の通りの娘
だから。罪悪感から俺に詫び続けていた。俺に乱暴されても、罵られても、それでも俺が傷つくのを懼れて
いた。俺を傷つけるのを懼れていた。

 けい。
 もう一度、俺は彼女の名を呼ぶ。雪の匂いのする風が俺を揺らし、木々を揺らして、過ぎた。




おわり
31名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 23:58:44 ID:/tJlALQV
こらいきなり、正当文芸派やん。大丈夫、スレチやあれへん思うわ。
うち、こんなんが好きやで、GJや。双子の兄妹もんつながりで、
吉野朔実の「ジュリエットの卵」とか思い出してしもたわ。
ただな。欲言うとな。他人と触れ合うのが怖いゆうひとが先輩には
惹かれた、ゆうとこがもそっとあるとええかなとかは思てんけど。
あとな。これは好きずきやけど、慧はんも先輩はんも、なんや
自己完結してしもとるとこは、あんまし好かなんだわ。男女の仲は、
どだいがそんなもんかもしれへんけど。
つれづれごめんやす。とにかく、ごっつGJや。
32名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 03:59:45 ID:vjMRqSLy
個人的な意見を言わせてもらえるならば。

擬音を使いすぎじゃあないかと思う。
それと、>>31の言うように、人と触れ合うのが怖いと思う慧がなぜ主人公に惹かれたのかがさっぱりわからない。
それ以外は概ね良いと思う。GJ。
33名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 01:51:50 ID:NAQ9RLHX
慧の乱れ具合が脳裏にありありと浮かんだ
GJ
34名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 02:02:52 ID:KzoluM0H
久しぶりに来てみたら、本格的なスゴいのが投下されてるじゃないか!
 
ちょっと気になった点を言わせてもらうと、もっと改行や、セリフの前後は一行空けてほしかった。
十分に面白いんだけど、今のままじゃ字が詰まっていて、パッと見て読みづらいという印象を受けてしまいました。
改行等があればもっと読みやすくなると思います。

読み応え十分の作品でしたので、ぜひ新作を投下してください!GJでした!
35名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 08:32:28 ID:7sk5GSls
狼と香辛料のホロって何弁なんだろう?という保守age
36名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 12:10:43 ID:d1eovcMH
>>35
「さくらん」の花魁言葉をベースに作者がいろいろな方言などを付け足した創造言語。
詳しくはラ板の本スレ参照。
37名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 23:08:41 ID:7sk5GSls
>>36
成程、dクス
38名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 22:07:51 ID:giZSxFBl
>>30
GJ!
できれば続きが読みたい。
39名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 22:48:19 ID:AmITZz5N
最初に謝っとく。長文すまん。本当にすまん。


「ゆうきさん、もう大丈夫?」
「ううん、あとちょっとだけ待って、あと二分」

 てきぱきと身支度を整え終え、マフラーもきちんと巻き、既に鞄も斜め掛けにし準備万端でベッドに腰
掛けるイリヤに一歩も二歩も遅れをとって、甲斐侑紀は慌しく支度をする。髪に指を通し、眉が残ってい
るかすばやく確認する。ああやっぱり描き足さないと。ファンデーションはこの際省略。どうせ帰ってすぐ
に落とすのだ。形ばかりグロスをさっとひと刷けし、んっと唇を合わせる。残り時間はあと五分を切って
いる。それを過ぎると追加料金だ。

 余韻も大事だとは思うが、此処だけの、否、此処でしか逢えない関係だと割り切って逢い始めた時か
ら、二人の中で逢瀬の時間は部屋の利用料金に直結していた。互いにシビアに滞在時間を確認し、限
られた時間を考慮して無駄のないようにというのが暗黙のルールだった。ある意味、秘密の関係である
ということと同じぐらいに二人はそれを重要視していたかもしれない。

 部屋代は毎回ほぼ折半。ホテル代を女に払わせるなんて、と激怒しそうな女友達は山ほど居たが、
男の見得と実際の懐具合を考え合わせると、男が支払うのが常識だとふんぞり返る友人には百パー
セントは賛同しかねるな、と侑紀は思う。侑紀は互いが愉しんだ時間を換金しているのだと納得してい
る。ならばイリヤと自分はフィフティである筈だしそうするべきだと思う。対して、恋人である弘人と二人
の時には弘人が当たり前のように財布を開くので、それが彼のプライドなのならばと侑紀は最初の時
以来、とりあえずバッグの中の財布の所在を確認はするが、弘人が固辞する以上には口を挟まないよ
うにしている。その代わり、端数の小銭やコーヒー代などをなるべく出すように心がけてはいた。

 恋人。そう、侑紀には恋人が居た。高校の時分、通学路と帰りの時間帯をなんとなく合わせるように
なった淡い季節を含めればもう十年近くにもなる。一足先に社会人となった弘人は、侑紀よりも二つ歳
上の青年だ。今年で入社四年目を迎える弘人は侑紀以上に結婚を意識するようになったらしく、何かと
せっつくようになった。侑紀は何も焦る事はないのに、と言いながらも共にその設計図を描くようになっ
ていた。

 無論弘人はこの事を知らない。では、自分にとってイリヤはどういう存在なのか。イリヤにとって自分
は何なのか。秘密の、もう一人の恋人?こいびと、という関係であるとは侑紀は捉えていない。言及さ
れても付き合っているとはお互い認めないだろう。否定するのではなく、実際そうではないのだ、という
ただそれだけの文字通りの意味で。

 セフレ?なんて恐ろしくて汚い言葉だろう、侑紀はひととき自分の行為を棚上げにして、頭に浮かんだ
その三文字に縮められた功利的な繋がりを嫌悪する。考えた事も無かった。でも、その爛れた契約と
自分達にどれほどの違いがあるというのだ。
40名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 22:50:29 ID:AmITZz5N

 今弘人は何をしているだろう。イリヤといる時には過ぎらなかった弘人の顔が久々に浮かんだ。右手
の薬指に嵌めた飾り気の無いリングが鈍い光りを返す。侑紀は、イリヤとの時間にもそれを外したこと
は無かった。

「もういい?」 イリヤがもう一度問いかける。 「お、っけ!」 侑紀はコンパクトをぱちんと閉じ、コートの
前を合わせた。慣れた仕種でイリヤは壁に据え付けられた受話器に手を伸ばす。 「はい。出ます。
・・・いいえ、使っていません。はい。はい、わかりました。はい」

 このホテルでは、退出前にフロントにコールしなければならない。申告制で冷蔵庫の中の物などの使
用状況を伝え、料金を確認し、フロントへ降りて精算するシステムだ。始めは、こういう場所での従業員
との会話には抵抗があった。しかも、 「退出します」 が 「済みました」 を意味するのだなと考えるとや
はりどうしても気後れがして、イリヤに毎回その任を押し付けていた。
「三でいいよ」 「あとで渡すわ」

 いつもの会話を口の端に上せながら、あまり音を立てないように狭い間口をすり抜けて廊下に出ると、
壁のライトが示すエレベーターとは逆の廊下の端、階段の踊り場にはもう清掃婦が見えないように待ち
構えている。散らかしたままのベッドと、母親か祖母ほどの年齢の用務員が頭の中で交錯する。侑紀
は、慌ててそれらを追いやった。

 弘人に隠れて外でイリヤに会うようになってから数年が経とうとしていた。特にこのホテルに思い入れ
があるわけではないが、毎回あちこち歩き回って人目に触れる危険と気恥ずかしさを避けたいというの
と、手頃な値段、さほど酷くはない内装に妥協し、二人はもう何も言わずにこの場所に脚を向けるよう
になっていた。

 待ち合わせの場所は 「梅田」 。梅田、と言えば侑紀にはその場所が思いつくほどになっていた。JR
線と阪急線が交差し、地下道へも繋がる連絡路の途中、各種テナントが溢れかえる超高層ビルのエレ
ベーターホールの傍。お互いがよく知る場所で、どちらもが行きやすい、という極めて合理的な理由で
決めたそこは、ごくありきたりの場所だ。行き交う人も多く、人待ち顔で立っていても違和感のない場所。

 あとで、と待ち合わせて、お待たせ、と連れ立って裏通りへと急ぐ。そして、じゃあ、と同じところで別れ
る。その繰り返しだった。何かのついでに通りかかっただけで、胸がときめき、そして足早に通り過ぎて
しまいたくなる場所。
41名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 22:55:17 ID:AmITZz5N

 この関係が始まったのはいつ頃だっけ、と侑紀はイリヤの背を見ながら思い返す。侑紀は公立大を
卒業し、社会に出て二度目の冬を迎えた。ならば、もう丸三年近くか。週に二度三度、が積もり積もって
もう三年。

 侑紀が弘人と付き合いだしたのは高校生の頃だった。別れのきっかけになりやすい受験を乗り越え、
誘惑の多い学生時代を過ぎ、彼が大手メーカーに勤めだしても尚続いていると告白すると、誰もが長く
続いているねと感心するのだが、侑紀にとってはあらゆる経験が弘人が最初なので、その九年という
年数が長いのか短いのかいつも判断に苦しむ。一緒に居るのは当たり前のことで、それは「続けようと
努力している」 関係ではなく、日常だった。長続きの秘訣は何だと尋ねられるたび侑紀は返答に困っ
たものだった。なんだろう、判らない。どこがそんなに好きなの、と問われても同じく困ってしまう。些細
な喧嘩はなかったわけではないが、大きな問題に発展することもなかった。

 そして今こういう事態に至った理由も、自分の事ながら侑紀には判らないでいた。いつも彼氏と二人
で仲がいいねと冷やかされるたび、本気で居心地の悪い汗が滲むようになっていた。イリヤ、侑紀は彼
の事を本当のところよく知らない。名前も住所も、はっきりした家族構成も。

 知ってはいけないこと、知る必要のないこと、それを二人は慎重かつ暗黙のうちに線引きし危ういバ
ランスを保っていた。ただ知っていること、それは、彼には大事に思っている女が別に居る、ということ
だけだった。話す以上は詮索しないのがルール。互いに互いのパートナーの存在をちらつかせあう関
係。冷静に考えるまでもなく異常事態なのに、侑紀にはそれすらが日常となっていた。
 今更理由を求めたところで意味はない。しかし、きっかけはあの日だ。あの、秋の日。





 その日、侑紀は弘人を待っていつもの喫茶店に座っていた。二人で過ごすうち、決まった待ち合わせ
の場所が自然といくつか出来た。大阪で、と言えばJRの駅構内のうどん屋の前、店で、と言えば、二人
が通った高校近く、大阪北部の丘陵地に位置するこの喫茶店。GOMBESSAという不思議なラテン風の
名前のその珈琲専門店は、学生時代の弘人の息抜きの場であり、受験期には自習の場でもあった。

 在学中は他の生徒の目が気になったこともあり二人で訪れることはなかったし、侑紀はそもそもコー
ヒーが苦手だった。そんな消極的な理由から紅茶派だった侑紀だが、その店のマスターの出すブレンド
にいざ挑戦してみると、不思議とストレートで飲めるのに驚いた。以来、通学路の圏内でありながら少し
奥まったところにあるそこは、侑紀の卒業を待って漸く二人で通う店となり、マスターともいつしか顔馴
染みになっていた。

 すぐに行くからいつものところで待ってて、とその日も弘人からのメールを受け取り、侑紀は一足先に
座っていた。前日までの長い夏の名残が嘘のように、急に冷え込んだ秋の休日だった。まだ大学三回
生だった侑紀は、窓の外に忍び寄ってくる秋の気配を感じながら、弘人を待っていた。
42名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 22:57:22 ID:AmITZz5N

 大手メーカー入社を果たした弘人は、新たな生活にも慣れてきた反面、不平不満を漏らすことが増え
ていた。まだ二年間の学生生活を残した侑紀にとってはその変化に戸惑うことも多かった。仕事はええ
ねんけどな、といつも弘人はそう溜息をつく。侑紀は企業の福利厚生に明るくなかったが、弘人の会社
が一般的だとは思えなかった。整いすぎているのだ。

 男子社員はすべて(女子のケースは弘人は聞かせてくれなかった)入社数週間前から、最低二年間
に亘り寮生活を送らねばならない。しかも原則、一年先輩の社員との相部屋、持ち込める荷物は当然
限られており、管理人は寮父・寮母と呼ばれる住み込みの夫婦。全国各地、元・自衛官や警察官が採
用されているという徹底ぶりだ。当然、日常は厳しく管理される。

 平日もさることながら、土日は寮当番なるものが順に回ってきて、一日管理室に詰めていなければな
らない。どうやら、携帯電話普及前の呼び出し式代表電話の当番や荷物受取係の名残らしい。そして
ここまでくればお約束の 「門限」 だ。
 外出の際には、壁に掛かった各自の名のプレートを裏返し、戻れば在室を意味する表に戻す。門限
を越す場合や外泊には事前許可が必要。食堂は二十二時まで、それを過ぎるとあとは自前になる。食
べても食べなくても、一日二食分は寮費と共に給与から天引きされる。

 それらのことを、利用の手引きを熟読したかのように、侑紀はもうすっかり諳んずることが出来た。

 聞けば聞くほど前時代的だと思うが(事実、数年後には閉鎖の噂も出ているらしい)、社会に出たて
の独身者にとっては便利なシステムでもある。慣れるまでは会社と寮の往復で精一杯、休日は月曜に
障りの無い程度に息抜きし、早めに休む。理想的な生活パターンを構築できそうではないか?

 学生気分で遊ぶこと中心の考えでいつまでも居られるわけじゃないし、と侑紀は思いつつもそう諭す
ことは憚られた。社会に出たばかりの不安を抱えた彼女持ちの男の子たちには厳しい生活だろうか。
いずれにせよ、その企業は昔からそうした伝統で筋金入りのエリート戦士を多く輩出し、日本を支えて
いた。旧態依然としたその寮風が、今のこの世に生きる青年たちに馴染むかどうかは別として。

 寮費といっても、市内で部屋を借り、外食で済ます事を考えれば破格だが、それでも高いと弘人は溢
す。当初、若いうちに結婚資金を貯めるつもりで我慢しよう、と弘人自身、そう宣言していた。しかし半
年もすると弘人は会うたびにどこかに部屋を借りようと侑紀に持ちかけるようになった。曰く、門限を気
にしているとゆっくりできない、規則が多い、二人で会う費用もかさむ、同室の先輩と旨く行かない、
云々。
43名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 22:59:52 ID:AmITZz5N

 ここに時折、上司との折り合いが悪いことが加わり、泣き言半分、どこか手頃なマンションを借りよう、
と言い出すのが定番になってきた。といっても、自宅通勤の侑紀との同居ではなく、彼が寮を出るか否
かというだけなのだが。
 金が掛かって困るというなら、侑紀が差し出すものを受け取ればよいものを、弘人はそれを潔しとしな
かった。それでいて金がないとぼやく。男って解からない、と侑紀は内心辟易する。

 閉口しながらも、まあまあ落ち着いてよ、と侑紀は毎回同じ言葉で諌める。確かに、どこかに拠点を
作り休日だけでも自炊すれば飲み代も多少浮く。外泊等で気を揉む必要も無い。そうした理由から最
短の二年で (或いはそれを待たずに) 寮を出る者は多かった。どちらにしても最長でも四年しか滞在延
長できない規則だが、その生活にうまく適合できた者は安上がりだと喜び居つき、早く身を固めて出て
ゆけと尻を叩かれるまでしがみつく。

 でも俺、侑紀ともっと一緒に居たいんだ。そう熱っぽく (且つ哀れっぽく) 語る弘人に、侑紀は揺らがな
いわけでもなかった。そうなれば間違いなく半同棲状態になるのは間違いない。親の手前、侑紀はさす
がにいきなり家を出るわけにはゆかないが、入り浸りになるのだろうなと想像する。二人の部屋か。新
婚さんみたいだな、と侑紀は少し気持ちが揺らぐのを感じた。

 しかし、半年で音を上げるなんて近頃の弘人は少し辛抱が足らないのではないか、とも侑紀は危惧し
ていた。年上で頼りがいがあるのだけれども、侑紀からしてみれば子供のように思えるところもある。男
とは得てしてそういうものだから、侑紀たちぐらいの年齢差があって調度ぐらいだとよく聞かされるし、
実体験として侑紀は納得もしていた。

 弘人は元々穏やかな気質なのだが、入社してからこちら、ことさら苛苛したり気弱そうな態度が目に
つくようになった。環境が変わった所為もあるだろうし、学生の自分とは違うのだからと侑紀はそう考え
ていたが、彼はこんな人物だったかとしばしば不安を抱いた。

 そうして今日も、愚痴をきいてあげなきゃ、と侑紀はいつもの店に腰を下ろしている。先週の土日は今
年度最後の新人研修とやらで会えなかったので、二週間分の鬱屈が溜まっている筈だ。大の男が背を
丸めてぼやく様子を想像し、小さく溜息をつきながらも、顔はついにやけてしまうのを侑紀は抑え切れ
なかった。全くしょうがないんだから。
44名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:01:58 ID:AmITZz5N

 自然光をうまく取り込んだ店内はぽかぽかと暖かく、外の寒さをよそに実に穏やかだった。客もまばら
な時間帯、静かな店の隅には弾く人がいるのかいないのか判らないアップライトのピアノ、そして壁に
は至るところに奇妙な写真がいくつも掛けられている。仄暗い水の中に、黒っぽく浮かぶ魚影。その体
躯はところどころ白い模様が浮き上がり、独特のシルエットを浮かび上がらせている。別の古びた写真
(恐らくコピーだ) は、巨大な魚を前にした記念写真。どれも外国のもののようだ。

 写真だけではない、古びて黄ばんだ横文字の新聞記事。それらの一つ一つを、内容はよく解からな
いまでも侑紀はもう覚えてしまっていた。それらは総て、生きた化石と呼ばれる古代魚、シーラカンスに
関するものばかりだった。本で見たことがあるといえばあるが、知らないといえば知らないその生き物
は、マスターの好みなのだろう、それにしても何故シーラカンスなのかいつか訊いて見たいと侑紀は思
っていた。

 店の外に置かれたスタンド式の看板も、このシーラカンスの黒いシルエットとGOMBESSAというアル
ファベットを組み合わせたものだ。初めて弘人にこの店に連れられてきたとき、ルアー釣り好きの人が
開いている店なのかと思ったが、店内を見てそうでないことはすぐにわかった。

 頭は大きく、その割に尾は小さく見える。筋肉に申し訳程度の鰭がついているといった具合だ。開い
た顎ぐらいの幅のまま尾まで続いているような、寸胴でやや寸詰まりに見えないことも無い身体には、
まるで這い回るための脚のような鰭がついている。普通の魚より鰭が多い気がするが、普通の魚の鰭
がどこに何枚付いているか、侑紀はいつもうまく思い出せない。

 こちらを向いて大きな口を開いている巨大な魚を独り眺めていると、不思議な気分になる。それも弘
人が来るまでの僅かなひとときで、彼が来ればすぐに忘れてしまうものなのだけれど。

 しかし、その日に限って弘人はなかなか現れなかった。寮の会議があって、書記担当としてどうしても
出なければならないのだと云っていたっけ。

 何度眺めても、長針と短針の囲む扇形がさっきより面積を広げているだけだと解っていながらも、もう
一度侑紀は文字盤に目を落す。彼が約束に遅れることはまずない。真面目で、時間にはきっちりした
誠実なところが気に入っていたし尊敬できる部分でもあった。常に五分前行動を意識する彼と同じ時間
を過ごしたくて、侑紀の腕時計は弘人と同じく五分だけ針を進めてあった。

 しかし、それを差し引いても約束の時間をゆうに四十五分は過ぎている。手持ちの本はもう読み終わ
ってしまった。もう何度目かの溜息が漏れる。待ちすぎなのも却って気を遣わせると判っていながら、あ
まり催促も出来ず、出直すよ、と打ちかけたメールは送信ボタンを押せないままになっていた。
45名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:04:06 ID:AmITZz5N

「いらっしゃいませんね」
 静かな声に振り返ると、いつものウェイターが立っていた。手にポットを持ち、黙って水を注いでくれる。
それももう何度目だろう。すいているとはいえ、侑紀を急かすわけでもなく (と侑紀は解釈している、)
さり気無く注ぎに来てくれる彼にも、マスターにも流石に悪いかなと思い、侑紀はもう一杯ブレンドを注文
しかけて、砂糖一つのウィンナ・コーヒーに訂正した。少し甘いもので気分を換えたかったのだ。

 マスターが丁寧にクリーム泡立て始める音が心地良い。香りのよい豆、こぽこぽと音を立てるポット。
ここでは待ち時間にさえも価値があるように思えるから不思議だ。しかし、それが間をおいて運ばれてく
る頃になっても弘人は現れなかった。

「ひょっとして、今日は珍しくふられちゃいましたか」
 カタン、と微かな音がして侑紀は顔を上げる。普段は音も立てず置いてゆく彼がわざわざ、置きます
よ、と知らせたのだと理解するまでに数秒かかった。静かに揺れるクリームとウェイターの顔を見比べ
る。やっと現実に引き戻されたように侑紀は何度か子供のような瞬きをした。
「そうみたいやわ」
 少し考え、諦め半分で侑紀はやっとにっこり笑った。よほどぼんやりしていたらしい。少し気恥ずかしくなる。
「実は僕もなんです」
 ウェイターは携帯を後ろのポケットから取り出してちらりと見た。
「あ、僕のとことはちょっと違うかな。あなた方はいつも仲がいいから」

 他に客の姿はなかった。必要最低限の対話を除き、ウェイターの青年が話しかけてくるのはこれが初
めてだった。侑紀が来る時にはいつもカウンター傍に控えているので、常勤のアルバイトなのだろう。こ
うもしょっちゅう顔をあわせていると、話したことが無かったのが意外だ。彼も同じようだった。そうか、い
つもは弘人と一緒に居るから声をかけるのは憚られたのだ。

 侑紀は、店にいる他の客を眺めるのが密かに好きだった。見渡すと、時間帯によりけりだが、何度も
見かけるうちに古くからの知り合いのような錯覚を覚える客もちらほらいた。客の自分でさえそうなのだ
から店員なら尚更だろう。自分たちが目立っているという意識はなかったが、さすが客商売だけあって
良く見ているのだなと侑紀は思った。

「うちはだめです。なんというかうまくいかなくて。よかったら相談に乗ってもらえませんか?その、女の
人の意見を聞いてみたいんです」
 彼はそういって少し困ったように笑った。それが、イリヤだった。
46名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:06:08 ID:AmITZz5N

「イリヤ君、僕ちょっと買い足しに行ってくるからよろしく。すぐ戻るよ」
 マスターはそう言い置いて、少し前にエプロンの上からコートを引っ掛けて出かけてしまっていた。マ
スターが彼をそう呼ぶので侑紀は彼がイリヤという名だと以前から知っている。入谷君、だろうか。侑紀
が通いだした頃には彼はもうここで働いていたような気がする。度々こうして留守を任せるほどにマスタ
ーも彼を信頼しているようで、二人だけの店だったが上手くいっている様子だった。

「すみません、いつもいらして下さっているからつい。お客さんなのにいきなり失礼ですよね」
「ううん、ええよ。今日は彼来えへんみたいやし、退屈してたとこ。何、ふられたって今日なん?」
「ええ」 少し不安そうだった顔がぱっと明るくなる。改めて見るとなかなか整ったいい顔をしている。
背は侑紀よりも頭一つ分と少し上ぐらい、百八十前後だろうか。大きく見えるのは姿勢が良いからだろう。

 弘人の百八十二という身長が侑紀にとっては男性の基準値になっていたが、小柄な侑紀の声をよく
聴き取ろうとしてか、少し身を屈める癖が彼にはあった。それが嬉しい反面、彼を気弱そうに見せる欠
点でもあったのは否めない。しゃきっとして!というのが口癖になっていた侑紀の眼には、ぴんと伸び
た背筋はひときわ清清しく映った。弘人と同じか少し低い、いや高いぐらいかな、と侑紀は考える。横に
立つ弘人との身長差に慣れていたせいで、百八十近い身長をさして高いと感じない侑紀だったが、そ
の感覚が奇妙に揺らぐのを感じた。

 コーヒーを溢すことなく、ソーサーを静かに丁寧にテーブルへセットしてゆく指が、長く男性的な美しさ
を供えていることにも侑紀は以前から気付いていた。歳は、侑紀よりは同じぐらいだろうか。若い割に
は浮ついたところのない、賢そうでいつも静かな表情と、物腰が丁寧なのが印象的だ。そこはそれ客商
売かとも思うが、近所のコンビニの店員を思うとそうでもないな、と改めてイリヤを見上げる。彼は仕事
中だからと侑紀の勧めを辞退し、姿勢を崩さず続けた。そうか、動きも身嗜みにも、無駄ものがないの
だ、と侑紀はまた一つ気付いた。

「気難しいって言うか、素直じゃなくって。その、いろいろあって僕も悪いのは悪いんだけど、ここんとこ
会う度に言い争いというか雰囲気が悪くなっちゃって、デートどころじゃないっていうか。近頃ではなか
なか会って貰えないんです。電話とかメールはあるんですけど。・・・今日は、もう会わないって泣かれち
ゃって」
「それは可哀相」
47名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:08:49 ID:AmITZz5N

 二人に向けた同情の言葉を口にしながら、こんな男を放っておく女の子がいるのか、と侑紀は純粋
に好奇心が疼いた。弘人とは全く違うタイプだが、女の子には人気のありそうなタイプに思える。弘人
は特にかっこいい男という訳でもなく、目立つタイプではないのだが、実直で裏表なく侑紀を大事にして
くれる最初にして唯一の青年だと侑紀は受け止めていた。

 顔だけで弘人を選んだわけではない侑紀にとっては、外見だけをみて男に歓声を上げる女の子たち
の心情が今ひとつ理解できなかったが、そんな女の子達が騒ぎそうな、いかにももてそうな男の子が
切羽詰った状況にあるというのには、彼女ら同様野次馬根性がそそられた。同情が先に立ったのか、
優越感からか、または好奇心が勝ったのか、侑紀はイリヤとその想い人が次第に気になりだした。元よ
り、相談事を断れない性分でもあった。

「どんなコなん?」
「・・・可愛いです」
 一呼吸置いて、満面の笑みで返ってきた応えに侑紀は眉を上げた。ほぉ、これは心底惚れてるな、そ
う直感で解った。可愛いカップルなのだろうな、と勝手な想像をする。なのにうまくいっていないとは気
の毒に。片方の言い分しか聞かないのは第三者として適切な判断は難しそうだが。

 聴いて貰えますか、と切り出された申し出ではあったものの、慎重に言葉を選びながらの彼の話はや
や迂言的で、要領を得ない部分もあったが、要約すればどうにかして縒りを戻したいと彼は望んでおり、
(彼女の望みがどうなのかは別として) 彼女も彼と決別しかねる様子だった。追う彼と、逃げては立ち
止まる彼女の姿が侑紀の中で膨れ上がる。ありきたりといえばありきたりだが、それも身近な人間の悲
劇となれば話は別だ。そう、見知らぬ隣人は身近な知人へと変わりつつあった。

 それがきっかけですっかり打ち解けた侑紀は、何の警戒もなしに社交辞令的にアドレスを交換し合い、
時折、バイトの帰り道だというイリヤからの電話を受けるようになった。そして。


 どうしてこんなことになったんだろうな。侑紀は考える。ううん、もう考えても仕方の無いことだ。二人は、
互いの身の上話をし、近況報告をしあい、互いのパートナーに言えない事を相談しあった。互いのパー
トナーも知らない事を互いに打ち明けあった。そして。


 互いにとって大事なのは互いのパートナー。彼女に会えない彼。弘人にはいつでも会える侑紀。イリ
ヤの寂しさに同情したのか、或いは不安のない将来を確信している女の余裕か。いや、彼は初めから
これが目的だったのかもしれない。侑紀は思う。年上の侑紀にあくまで丁寧に接しながら、イリヤは少
しずつ別な顔も見せるようになってきた。全くあの頃は猫を被っていたな、と今なら解かるが、イリヤは
未だに店での態度を変えたことはなく、依然として客と店員の関係を崩してはいない。それが却って空
恐ろしくもあり、また侑紀を冷静に、慎重に行動させるものでもあった。
48名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:11:36 ID:AmITZz5N

 それはお互い様だよ、侑紀さん見てると女の人って怖いなって思うもの、そうイリヤが言うのも無理か
らぬことだと侑紀は他人事のように思う。それも慣れの恐ろしさか、いや恐ろしいのは自分だ。罪悪感
を交えず冷静に頭の切り替えが出来る自分を最低だと思いながらも、以前よりも弘人に優しく接するこ
とが出来るような心地もしているから、我ながら始末に負えない。

 イリヤとの時間を守ることで弘人をこれまで以上に大事にできる。なんて恐ろしい皮肉、なんと勝手で
傲慢な詭弁だろう。許される筈もないのに、それは早、一二を争う優先事項として侑紀の日常に組み込
まれていた。

 侑紀さん、侑紀さん、と子犬のようにじゃれついて声をかけてきたのはイリヤで、侑紀はそれを待つだ
けだった。その構図は今も変わらない。しかし、いつの間にか侑紀の生活の一部に入り込んできた彼
は、弘人とは違った形で侑紀にとって、なくてはならない存在となっていた。それでも侑紀から誘うこと
は辛うじて無かったが、イリヤからの誘いを心待ちにしているのは侑紀のほうだった。

 自分から誘惑しておきながら、いざ侑紀が揺らぎだすとイリヤは冷徹な顔で間合いを広く取り、それが
却って侑紀の傾倒に拍車をかけることとなった。まんまと彼の術中に嵌まってしまったのかもしれない。
いや、彼も手放しにのめりこんでくる侑紀との関係が怖かったのだろうか。

 判ってるとは思うけど、これは二人合意の上で、お互い大事なものがあるってことが前提だから。そう
最初に宣言したのはイリヤだった。秘密だよ、と言う替わりにイリヤは侑紀の手をとり、誓うように指先
に唇をよせた。そしてそのまま真っ直ぐ侑紀の目を見て、だけど何かあったら遠慮なく切るから、とその
手をぱっと離してみせた。支えを失ってだらりと落ち下がった自分の手、それでも来るかい?と微妙な
距離に差し伸べられた手、それらを交互に見つめ、侑紀は逡巡し続けていた選択の時が迫っているの
をぼんやり感じていた。選択?二つに一つ?いや、弘人の居ない生活など考えられない。では、追加
するかしないか?今あるものに彼を加えるだけ。・・・いや、違う。

 これも今だけ、ほんの短い間のことになると思うよ。十年もしたら、俺も侑紀さんも、昔そんなこともあ
ったねって笑って話せようになってる。そんな関係だよ。侑紀さんにはあの彼が居るし。そうあるべきな
んだ。イリヤは、少し硬い笑みを浮かべそう言った。

 ・・・違う。
49名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:15:21 ID:AmITZz5N

 この手を取れば、きっとあたしは全てを失うんやろな。侑紀はその時確かにそう思った。そしてその
「契約」 は一方的なものではなく、侑紀が履行しても勿論文句は言わない、ともイリヤは告げているの
だと侑紀には理解できた。それが冷たさなのか思い遣りだったのか今となっては判らない。雑踏の中、
沈黙の諾いをもって宣誓し合った二人は、その足で手頃な場所を求め早足で裏通りを歩き、何軒目か
に辿り着いたその場所で、ややぎこちなく、しかし激情でもって最初の儀式を終えた。そこまでの道程
は確かに遠かったのだが、それを乗り越えてしまえばあとは坂道を転がり落ちるようだった。

 イリヤ、あんたの幸せを祈ってる。それが侑紀の口癖であり、未だにメールでも一番多く使う言葉でも
あった。それに偽りの気持ちはない。誰も私たちの事を理解できないだろう。それは私達の望むところ
ではない。言い訳もしない。でももう二人は、少なくとも侑紀は抜き差しならないところまで来てしまって
いた。弘人への罪悪感。弘人と二人でGOMBESSAで座って談笑している時のイリヤへの罪悪感。なん
とも言えない背徳感と緊張感。そのどちらもを自らに課し、こなしてゆくことを侑紀は半ば義務のように
感じていた。どちらか一つを選べず、どちらも守らねばならない、何ものにも変えがたいものだった。

 それがなかば快感でもあったのを侑紀は否定しきれない。総てが明るみに出る事を何よりも懼れつ
つも、それでも自分からは降りることの出来ない危険なゲーム (そう、これはゲームなのだ) は侑紀を
縛り付けていた。あんたが幸せになるまで。彼女とうまくいく日まで。あたしは、それだけを祈ってる。
侑紀はGOMBESSAを後にする度、イリヤの背を見送るたびにそう胸に繰り返していた。今日が最後か
もしれない、そんな想いをいつも抱きながら、ビルの冷たい壁を背にイリヤを待つ時間を幾度となく重
ね、不安を乗り越えてきた。

 あれから三年か。

 物思いに耽りながらも、早足で人込みを縫ってゆくイリヤの背に時折隠れるように、しかしぴったりと
寄り添って侑紀は帰路を急ぎ、いつものように分かれ道に立っていた。イリヤは阪急方面へ、侑紀は
JR方面へ。暫し向かい合い、あまり立ち話も出来ないと解かっている者同士、少し名残惜しげに視線
を交わす。二人の傍を行過ぎるのは赤い顔のサラリーマン、襟を立てて足早に過ぎる、隙のないいで
たちの若い女。ざわざわと響く雑多な声、音。遠くに響く列車の音、人々を追い立てる蛍の光のメロディ、
無機質なアナウンス。全てが二人の間をすり抜け、急きたてる。

 じゃあね、と口を切るのはいつもイリヤだ。侑紀は無言で頷く。背を向けるのもイリヤが先。見えなくな
るまでがお見送りですよ、と胸で呟きながら、侑紀はその背を見送る。いつもそれが侑紀を振り返るこ
とはない。ムービングウォークを歩く列に吸い込まれるその姿は、いつも侑紀から逃げ去ってゆくように
見えた。
50名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:17:48 ID:AmITZz5N




「はい、侑紀の分」
 ちゃり、と渡されたキーは、まだリングがひとつ付いたきりで、不動産屋から受け取ったものを分けた
だけのようだった。見た目以上の重みをそれに感じ、侑紀はぐっと握り締める。目を閉じて胸の前でい
つまでも握り締めている侑紀に弘人は感慨深げな笑みを浮かべ、落ち着かないように立ち上げっては
部屋の中を見て廻る。とはいえ、基本的には一人暮らし用の間取りで、玄関を開ければ奥まで見渡せ
てしまう。襖で仕切れば、少し不安のある水まわりの板の間と畳敷の四畳半、奥の六畳。古い土壁に
昭和の幻影すら感じる。ここから始まるんだ。弘人は嬉しそうにそう言った。

 生活用品の調達で日曜は終わった。最寄駅の時刻表で最終との連絡をまずチェックする。土日の映
画は最後まで観られないかな。ラスト三十分のところで出ないと、侑紀は家まで帰れない計算になる。
 いきなり帰りが遅くなるのも親御さんが心配するからな、と弘人は侑紀を早めに駅まで送り届けた。

改札をくぐり、ホームへ続く階段を上る前に侑紀は振り返る。いつも二人の別れ際はそうだった。どちら
が始めたのかはもう忘れたが、侑紀は弘人を見送る時は足を止めて姿が見えなくなるまで見送る。弘
人は必ず一度、丸めた背で振り返り、侑紀がまだそこにいることを確認し、小さく頷いてホームへ、改札
の向こうへ消える。

 侑紀は振り返る。
 弘人はそこに居た。侑紀は小さく手を振って、階段を踏みしめた。





「じゃ、もう二人でゴンベッサには来ることはあんまりなくなるんだね」
「うん、彼の会社の一駅手前のアパートだから」 侑紀は少し複雑な気分で答えた。イリヤの声に嬉しそ
うな気配を感じたからだ。

「そっちはどうなんよ?」
 あたしの話はいいわよ、と侑紀はしたり顔のイリヤに水を向ける。 「うちは順調だよ」
 予想通りの答えが返ってきて、侑紀は少しむくれる。

「この間の日曜、侑紀さんたちが新婚夫婦やってるときに、うちもやっと久しぶりのデートだったんだ」
「どうだったの?」
「満足」

 至極幸せそうな返事に、侑紀は良かったわねと同情するふりを返す。こうしてベッドの中で別の女 (と
別の男) の話をするのも聞くのももう慣れっこになっていた。あまり表情を崩さないイリヤが心底嬉しそ
うな顔を見せるのはこういう時ぐらいだったからだ。三時間居ても五千円の所見つけたんだ、梅田はや
っぱり高かったんだねぇ、と嬉々として報告するイリヤに侑紀は曖昧な笑顔を返す。

 この前、やっと彼女と会ってもらえたのにいまひとつ巧くいかなかったとイリヤは嘆いていたっけ。
51名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:19:58 ID:AmITZz5N

「まぁ時間がなかったから、ちょっと話しただけだったんだけどね、別れ際にぎゅってしたんだけど、俺
ぴくりとも反応しなくてさ」
 侑紀さんに慣れちゃって、彼女との時に勃たなかったらどうしようって心配だったんだ。イリヤは侑紀
の柔らかな胸を掌でもてあそびながら真顔でそう呟く。侑紀は、大丈夫だったんでしょ、とイリヤの頭を
撫でた。それに好きな娘だったら胸の大きい小さいは関係ないでしょ?

 うん、そうなんだけどね、とイリヤは侑紀の胸に頬を寄せる。侑紀さんぐらいあるのも好きだなぁ、と
形の良い丸い胸へ頬を寄せる。
「胸の大きい子ってなんていうか大きすぎるとあんまり感じなさそうじゃない?人によりけりみたいだけ
ど。所詮脂肪の塊だからかなぁ。確かに、うちの彼女は胸ちっちゃいけどすごく感度はいいんだよな」

 柔らかく口に含まれて、侑紀は小さく息を飲む。「でも、侑紀さんも反応いいよね」 あむ、と歯を立てな
いようにイリヤは唇で先端を包み、ゆっくりと舌でなぞり始めた。途端にそこは拒むように硬く窄まった
が、説得を受けるに従い熱を帯びてぷっくりと艶やかにふくらんでくる。イリヤの満足そうな笑みの混じ
った息遣いに、侑紀は既に上気した頬を背ける。もうそれだけで身体の奥はじんじんと熱を持ち始めて
いる。イリヤは侑紀の肩を押しやると、背後からぴったりと身体をあわせた。ゆっくり伸びてきた指が、
確かめるように膝の間に滑り込んでくる。

「あれ、待ちきれなかった?」
 わざと音を立てるようにしてそこを指先でかき分けられ、思わず閉じかけた膝は強い力で押し止めら
れる。背中から抱き締められると身体が密着していても何処となく不安だ。背後を取られることの本能
的な恐れかもしれない。それとも、目の前にしがみつくべきものが無いのが怖いのか。確かにイリヤは
傍にいるのに、一人のような気持ちになる。そんな不安に気付かぬように、いや、途端に過敏になる侑
紀の反応を愉しんでか、イリヤはその体勢を好んだ。

 片脚を重石代わりに絡ませ、侑紀の動きを封じてからイリヤは片手で侑紀の手をそこへ導き、自分で
やってごらん、とあてがった。そんなことは弘人の前でもした事はない。そんなの出来ない、とかぶりを
ふってみる。でも拒めばこの先はしてもらえない。許してもくれない。イリヤの性格は知り尽くしている。

侑紀はおずおずと自分のそこを探る。触れた事がない訳ではないが、男の前でそんなところを広げさ
せられているのかと思うと顔から火が出そうだった。少しかき分けただけで奥からあふれ出す蜜に怖気
づき、引っ込みかけた手はやんわりと、しかし有無を言わせぬ大きな手に包まれ、まだ駄目だよ、と引
き戻される。
52名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:22:05 ID:AmITZz5N

 諦めて、侑紀はゆっくりとそこに指を滑らす。イリヤがいつも触れるように触れてみる。自分でもあん
な風に気持ちよくなるんだろうか。一番外、堅く閉じた合わせ目はなんともないのに、少し分け入っただ
けでそこは一気にぬらぬらと蠢く、暖かく柔らかな肉で満ちていた。少し触れただけでも耐え切れない
ほどの欲望が全身を駆け抜ける。いや。こんなことさせないで。まだ怯えが強い侑紀の腕にイリヤの腕
が添えられる。泣き出しそうになるのを堪えて、侑紀は再び指先を濡らす。

 はちきれそうになっているそこは、待ちわびた刺激に揺れ、収縮し、新たな蜜を溢れさせる。いくつも
の花弁が重なるように、ぷやぷやと押し合い圧し合いしているそこを侑紀は少しずつ愛撫する。灼けつ
くような快感に背がしなる。思わず揚がりかける声。・・・まだ理性が蓋をしている。鼓膜に直接ぶちあた
るような鼓動が全身を支配する。

 奥へ、また少し指を深くしてみる。小さく硬い入り口がわかる。ぬめぬめと柔らかい周囲に比べ少しざ
らざらしているようなそこは、本当にあんな大きさのものが普段収まっているのだろうかと不安になるほ
ど狭い。弘人にしろイリヤにしろ、されるがままを受け容れているだけの侑紀にとってはその先は自分
の身体の一部とは思えなかった。

 そんな戸惑いを見透かしたように、イリヤの手が再び伸びてくる。もっと奥へ入れてごらん。仕方なく
侑紀はそこに指を差し入れる。指は、小さい抵抗を乗り越えるとあとは驚くほど自然に吸い込まれるよ
うにつるつると中へと収まっていった。別の生き物のようなそこは侑紀の指を押さえ込んで奥へと導こう
とし、一方入り口はきゅっと締まって、反対に逃がすまいとするかのように押し留める。あたしの中って
こんな風なのか。しかもこんなに粘ついて。いやだ。

 自己嫌悪に駆られ指を引き抜きかけて、侑紀は声を上げそうになる。待って、今の。もう一度、もう一
度だけ奥へ。壁を擦る様に、爪を立てないように気をつけて。恐れなどどこかへ吹き飛んでしまったか
のように、侑紀はいつしか懸命に指を抜き差ししていた。時に、体の奥の力だけで指を吐き出し、呑み
込みし、自分の望むポイントを確実に掴んでいた。こんな愉しみ方があったなんて。何て事をしている
の、何て事をさせるの、いや、見ないで。だめ、もっと奥。ああ、いやよこんなの。

 侑紀のそんな姿を満足そうに眺めながらも、イリヤは侑紀の濡れそぼったそこへ指を伸ばし、潤みを
掬って辺りへ塗り広げはじめた。ゆっくり後ろの方へ指先を滑らせ、既に柔らかく緩みかけているもう一
つの入り口を探り当てる。指の腹で丁寧に、無防備なそこを機嫌を伺うようにほぐしてゆく。 「あ、やん、」
さすがに思わぬところへの刺激を感じ取り、侑紀は懼れに身を捩る。 「嫌よ」
53名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:24:58 ID:AmITZz5N

「侑紀さんはそっちでやってて」
 耳元で囁くと、少しずつ指を埋めてゆく。 「や、いや、やめて」 咄嗟に身体を固くしたが、指先を挟ん
だまま入り口が締まるばかりだった。 「力、抜いて。侑紀さん」 宥めるような声が遠くに聞こえた。
じゅん、と身体の奥から新たに熱いものが溢れてくる。誰にも触れさせた事のなかったそこは、思いが
けない快楽に震えていた。そんなところが気持ちいいなんて信じられない、あたしはおかしくなってしま
ったんだろうか。侑紀は恐れと羞じらいで気が狂いそうになりながら、逃れたい一心で少しずつ脚の強
張りを解いてゆく。

 顔こそ見えないが、背後でイリヤが破顔するのが気配でわかる。しかし反して指はゆっくりと侵入を再
開し――それは恐ろしいほどの快感を伴っていた――侑紀は堪らず声を上げる。無理に押し入ろうと
するのではなく、そろそろと侑紀自ら受け容れるのを待つようにゆっくりと行きつ戻りつする指は、少し
ずつ、しかし確実にその深さを増していった。

「手がお留守になってるよ」 からかうような口調にびくりと身を震わせ、侑紀は熱に浮かされたように命
ぜられるまま指を進める。イリヤの指はもう中指の第二関節ほどまで後ろに埋め込まれていた。中で
イリヤの指に触れるのではないかと思うほど、熱を持ったそこは境目をなくしてどくどくと脈打ち、溶けて
しまいそうなほどになっている。

 もう何の抵抗もなくずぶずぶと侑紀の指を呑み込むそこは、壁一枚隔てたすぐ傍の刺激に煽られ、待
ち侘びた来訪者を嬉々として受け容れる。一層締め付けは激しくなると同時に、イリヤの指をも深く呑
み込むこととなり、侑紀の意思に反して狂喜にうち震え続けた。侑紀は堪らず腰を動かす。もっと奥へ。
奥へ。いや、足りない、こんなんじゃ我慢できない。指だけじゃ嫌。ううん、嫌、もう抜いて。そんなとこ触
らないで。やめて。いや、ちゃんとイリヤが欲しい。「ああ、ああ、ああ!」

 一段と呼吸の荒くなってきた侑紀の様子に、イリヤはゆっくりと指を引き抜いた。侑紀の手をとると、
かわりにもう固くなったものを握らせた。
「どっちに欲しい?」

 いつもよりもずっと大きく重量感を増したように感じるそれは、侑紀のべたついた手の中ではちきれそ
うだった。荒れ狂ったそこを充分満たしてくれそうなそれを早く中に収めてしまいたくて、侑紀は自らそ
れを導く。しかし、切なく収縮を繰り返すそこに突入してくれる気配はない。ぬるぬると、脚の間を行きつ
戻りつするばかりだ。恥も外聞もなく、侑紀は懇願する。
54名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:28:29 ID:AmITZz5N

「こっち?それとも?」
 先端で後ろを探られ、嫌、嫌、と懸命に首を横に振る。 「じゃあ、何処?」
「嫌」 「いやなの?じゃあ、もうやめ」
 意地悪く身体が離れてゆく。言葉にならない哀願の呻きに、可笑しくてたまらないといった笑いが被さる。
 意地悪しないで。その懇願の言葉も、口には出せない。漏れるのは熱い息ばかりだ。精一杯身をよじ
って、侑紀はイリヤの首にすがりついた。「・・・お願い」 小さくそう囁くので精一杯だった。

 くす、と息が洩れる。イリヤは侑紀の身体を起こし、膝を付かせた。程なく押し入ってきたものに、侑紀
は手放しの嬌声をあげる。重みを乗せ、奥へ突き当たったそれは侑紀の裡を押し広げ、心ゆくまで満
たした。根元まで埋め終えるとゆっくりと腰を動かし始める。腕を突っ張って、侑紀はそれを懸命に受け
止める。それでも一突きごとに徐々に前へと押され、時折腰をぐいと引き寄せられるたびに、更に奥を
えぐられて侑紀は悲鳴をあげる。

 悦びに喘ぐ襞のひとつひとつが、意思を持つものであるかのようにイリヤを包み込み、締め付け、めく
り起こされる快感に震えた。そんな頃合を見計らったように、再びイリヤは無防備な後ろを攻め始める。
もう何の抵抗もなく、そこはイリヤの指をすっぽり呑み込んだ。ずしん、と増した圧迫感と僅かに入り混
じる不快感に、侑紀の背が大きく反った。

 もうどこがどうなっているのか解からない。二箇所を同時に攻められるなど初めてのことだ。交互に出
し入れされたかと思うと、同時に根元まで引き抜かれる。急に虚ろになった洞がぱくぱくと切なげに喘ぐ
のを愉しむかのように後ろだけを埋められる。初めてのところを思うさま掻きまわされ広げられ、恥ずか
しさと悦楽で眩暈がしそうだった。そこだけじゃいや。でも、もし指以外のもので挑まれたら、と身体が固
くなったところに、再び熱いものが押し当てられる。びくり、と身体が跳ね、湿った悲鳴が漏れる。

 さすがに急にそんな無茶はできないよ、期待させて悪いけど、と苦笑混じりに宥めるような煽るような
不遜な声がして、再び子宮の奥へと熱の塊が舞い戻り、それと入れ替わりに後ろの指が引き抜かれる。
ほっとするが、それ以上に物足りなさが身体を駆け巡り、やはり侑紀は悶えた。どうなってしまうんだろ
う、侑紀は喘ぎと抑えきれない悲鳴の中で、半ば本気の涙に咽んでいた。

 力の抜けかけた腕が身体を支えきれずに崩れそうになる。イリヤは崩れかける侑紀の腕を掴み、手
綱のように引きながら深く深くへと突き立てる。もう駄目、いや、もう、言葉にならない悲鳴は高さと大き
さを増す。
55名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:31:02 ID:AmITZz5N

「よっぽど気に入ったみたいだな。癖になりそう?」
 あまり余裕はなさそうな様子を見せながらも、イリヤは侑紀の肩を促し、引き抜かないように注意しな
がら侑紀を仰向けにさせた。ぐったりと動けない侑紀の腰を持ち上げ、両脚を挙げさせて乱暴に引き寄
せる。さっきとはまた違った処を深く突かれて、もう嗄れてしまった筈の悲鳴が艶を増す。リズムに合わ
せ、呼吸が一層激しくなる。息が出来ない。抱えられた脚の角度を変えられるたび、広げられるたびに
侑紀は声をあげ、許しを請いながらもイリヤを呑み込み続けた。

 もっと、もっと。いや、もうだめ、もう許して。早く、早く。いや、いかないで。矛盾する言葉が意思とは無
関係なところで吐き出される。イリヤの息が激しくなり、再び侑紀を引き倒す。背後から獣のようにつな
がり、限界を近い事を告げる激しい突き上げで手加減無しに侑紀を苛むだけ苛むと、短く吸い込んだ
息とともに侑紀の奥へと熱い激流を迸らせた。

 ああ、あふれてく。

 中に広がる熱を感じ、侑紀も脚を突っ張らせる。最後の一滴まで搾りつくすように全身が身体の奥へ
向かって収縮しきると、糸が切れたように全身の力が漸く抜けてゆき、指先まで痺れたようになって侑
紀はぐったりと横たわった。脱力しきって、涙でぐしゃぐしゃになった顔にイリヤの手が伸び、髪を掬い、
頭を撫でた。 「よくがんばりました」

 よしよしと子供をあやすような手に、侑紀はぐすんと鼻を鳴らし、今出来る精一杯の抗議をする。
「いじめすぎやわ」
「ごめん」
「阿呆ゥ」
「ごめんってば」
 彼女には頼めないことをあたしで試してるのね、と頭を過ぎったが口には出さない。
「でも侑紀さん可愛かったよ」 胸に顔を埋める侑紀を愛おしそうに抱きしめると、イリヤはずり落ちかけ
た布団をひっぱりあげた。労わるようなイリヤの手は侑紀の髪を撫で続けていたが、やがてその手も止
まり、沈黙が落ちた。

 侑紀の身体に廻されていた腕が急速に重量を増し、同時に規則正しい息が聞こえてくる。眠っちゃっ
たのね、と侑紀はそろそろと見上げる。最近は満足のゆくセックスが出来るようになったのか、はたまた
安心しきっているのか、イリヤはそのまま暫く眠ってしまうことが多くなった。まだ汗が流れている横顔を
見つめながら侑紀は思う。

 元々年齢不相応の落ち着きのある風貌だったが、最近はますます自信を漲らせているように見える。
知り合って数年経ってやっと判明したのだが、イリヤは四つも年下だったのだ。四歳下!
56名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:33:13 ID:AmITZz5N

 卒業して程なく、そう、あれは去年の事だ。サークルの後輩の依頼で近くの国立大へ出向いたときだ
った。弘人の卒業した大学でもあるそこは侑紀の通った大学と古くから交流があり、離れた場所ながら
共に活動している合同サークルも多く、侑紀の所属していたのもその一つだった。弘人のことを差し引
いても、侑紀にとって第二の母校とも言うべき懐かしの場。勝手知ったるそこを在学生の顔で歩いてい
て、ふと侑紀は呼び止められたのだった。

「すみません、三号棟へ行きたいのですがどっちかご存知ですか?」
「ああ、私ここの学生じゃないの」 そう言って誰か別の学生を探そうとしたときだった。振り返ったそこに
は、思わぬ人物が立っていた。
「ちょっと、イリヤ何してんのこんなところで」 思わず辺りを見渡し、詰め寄って小声で侑紀は詰問する。
「こんなとこって、俺来年ここ受けるんだ。見に行きたいとこあるんだけど、案内してくれる?」

 無邪気に笑ってみせるイリヤは、すっきりと前髪をあげ隙なく整えた店での装いとは全く違う雰囲気だ
った。侑紀は心臓が止まりそうになりながらもその姿をしげしげと眺めた。
「ちょっと待って、受けるって此処を?」
「そう、この冬。今俺、浪人生」

 じゃあ、じゃあ何?最初の時って、あんた高校生だったの?指折り数えて侑紀は叫びそうになり、慌
てて言葉を飲む。開いた口が塞がらない。高校生の分際で、彼氏持ちの年上女を誘うなんて。いやい
やそんなことじゃなくてあたし、ひょっとしなくても淫行?


 だから若輩者として謙虚にお姉さまの胸を借りてる訳じゃないか、とイリヤはその夜、しれっとした顔
で侑紀を腕に抱いていた。信じられない、と侑紀はイリヤの胸に顔を埋めながら自分の眼力の無さを
思い知った。そもそもこんなことになっていること自体、人を見る目もへったくれも無い事を証明している
わけだが、そんなに子供だったなんて思わなかった。信じられない信じられない。そんな子供にいいよ
うにされていたなんて。侑紀はげっそりと溜息をついた。情けなくて恥ずかしくて顔を上げることも出来
ない。
「胸を借りるって言葉の使い方間違ってると思う」 自己嫌悪に沈む侑紀に、不敵な笑みが返ってきた。


 そして、そんな子供だったイリヤが今はもう、すっかり一人前の顔をするようになった。侑紀さん、とい
う呼びかけこそ出会った時のまま慇懃さを崩すことは無いが。

「別に意識してるつもりは無いけど、ほら、俺侑紀さんのこと尊敬してるし年上として敬ってるからこうい
う口調に」
「嘘ばっかり。絶対馬鹿にしてる。大体何で標準語なのよ」
「普通に喋ってるだけだよ、意識してない。育ちがいいって事かな?俺ずっとこっちなんだけどな、そん
なに関西弁に聞こえない?」
57名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:35:39 ID:AmITZz5N

 それが余所余所しく聞こえるときもあり、彼を彼たらしめてもいる。店での敬語や丁寧語を引き摺るこ
とはもうないし慣れてしまってもいたが、二人を隔てる見えない壁はそこにも起因しているように思われ
る。何より、生意気なのだ!侑紀は憤慨する。

 実際、イリヤの年不相応 (と侑紀には思える) の知識に驚くことも多かった。理数系の男と文系の女
の考え方の違いだろうか。弘人は文系で、年齢差はあるものの侑紀があわせるのに苦労することはな
かった。しかし、同じことを話していても、弘人とも侑紀とも全く違う結論や生意気な感想をイリヤの口か
ら聞かされるたび、生意気だと眉根を上げつつも、内心誇らしく思うことも少なくなかった。思慮深さもさ
ることながら、着眼点と判断力は特にずば抜けているように見える。そしてその行動力も。

「あんたほんとに賢そうだから、喫茶店のバイトなんじゃなくカテキョーとかすればいいのに」
 そう勧めた時、イリヤは少し逡巡し、やや困ったような顔で確かこう返した。 「マスターには世話になっ
てるしね、それに中学生ぐらいしか教える自信ないな」
 それもその筈だ。当時彼は高校生だったのだから!侑紀は思い返して、ひとり苦笑した。

 そんなこともあったっけ。

 それでもやはり、最初の頃は背伸びをしていたのだろう。実年齢を聞かされて歳の差を改めて自覚し
たこともあるが、互いの立ち位置を曝したことで、イリヤは少なからず心を許してくれる気になったのか
もしれない。昔より今の方が、幼く見えることがあるからだ。

 でもそれは、イリヤが私から巣立ってゆく兆しなのかもしれない。そんな想いが、静かに侑紀に降り積
もりつつあった。覚悟しておかなきゃいけないのかな、と侑紀は少し寂しく思う。静かに寝息を立てるイ
リヤの横顔に唇を寄せたい衝動に駆られたが、もう少し寝かせてあげよう、と侑紀はぐっと我慢し、そ
のまま静かに寄り添った。あと少し、もう少し。目覚めるまで見ていてあげる。





 侑紀は、閉じた瞼の裏に蒼く深い海を見ていた。どこまでもどこまでも深みへと進んでゆくイリヤを想
った。子供のような手放しの笑顔で、下へ下へと泳いでゆく。水を掻き分け、魚群を除け、真っ直ぐ下を
向いて彼は泳ぐ。暗い水底には、イリヤに手を伸べる女。白い両の腕はイリヤだけに伸ばされ、イリヤ
もただその一点だけを目指してゆく。女の顔は見えない。侑紀は女の顔を識らない。名も知らない。イリ
ヤが彼女を何と呼ぶのかも知らない。だが、知り過ぎている程に知っている。
58名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:37:49 ID:AmITZz5N

 侑紀が欲しくてたまらないものをすげなくあしらい、拒絶する女。だが憎くはない。私も、会ってみたい。
話をしたい。奇妙な感覚だが、ひょっとしたら私も彼女を愛しているのかもしれない。彼女は私のことに
気付いているのだろうか。あのイリヤのことだから、その辺手抜かりは無い筈だが、もしそれで二人が
うまくいっていないのなら、彼女は私を憎んでいるかもしれない。それでもいい、女同士の話をしてみた
い。こんな風に思うのは異常だろうか?いつしか自分がそう望むようになっていたのを侑紀はずっと認
めずにきた。

 奴らは、頭をまっすぐ下にして垂直に潜っていくのさ。ダウントリム90でね。そう云ったのはマスターだ
ったか、イリヤだったか。どちらにしても、二人ともあの魚のことを話すときはひどく嬉しそうな、子どもの
目をする。わたしには映らない碧にまどろむ海が、その目交いには揺れている。

 仲間の姿を見なくなって久しい海の底を、しかしそんなことは意にも介さず悠然とゴンベッサは往く。
ただ一点を目指して。

 見知らぬおんなを求めて、蒼く輝く逞しい巨大な魚は、身体ごと尾鰭を動かして時折優雅に水を叩き、
鰭をぴったり身体に沿わせて静かに潜行してゆく。太く奇妙に発達した脚のような胸鰭で水を掻き分け
ながら、明確な意思にその硬い鱗を煌めかせ、ただ一人の女をめがけて深みを目指すゴンベッサ。海
の底でゆらゆら揺れるのは白い腕、揺れて流れるは黒い髪。 (髪は肩までのまっすぐな髪、どちらかと
いうと痩せ型で、胸はそうも大きくない、) 女の待つ、水底をめざして、

「    」

 びくり、と揺れるほどの驚愕に近い反応をその呼び声に返し、侑紀は現実に引き戻される。荒い息の
下、そこは見慣れた薄汚れた白っぽい天井。煙草の匂いの染み付いた小さな部屋だった。窓もない、
おかしな間取りの、正方形に近い小さなベッドがあるきりの小部屋だ。今日は一番安い部屋が空いて
いたんだっけ。いつものぺらぺらの掛布団、とりあえずは綺麗に見えるシーツ (もうぐちゃぐちゃだけれ
ど) 、壁の額に収まる安っぽいプリントの絵。 (その後ろにはかつて窓だった痕跡が残っている、) 海
は、ざぁっと音を立てて彼方へ消え去る。幾つもの大小のあぶくの向こうに、翻った尾鰭は見えなくなった。

「侑紀さん?」

 イリヤは確かな肉体を伴って侑紀を組み敷いていた。 「イリヤ」 ああそこに居たの、というような眼で
まじまじとイリヤを見つめ、侑紀はその頬に手を伸ばす。今イリヤを受け止めているのは私だ。イリヤ
が求めているのは私だ。そう、私。今だけは。あたしのゴンベッサ。この重みは本物だ。私を潰さないよ
うに加減してくれているこの心地よい重みも、私の中で爆発しそうにどくどくと脈打っているのも、肌の
上で混じり合っている汗も。
59名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:40:08 ID:AmITZz5N

「あんたって深海魚だったのね」
 侑紀は夢うつつにしがみつきながら、酔ったように遠くに聞こえた波濤にそう囁き返した。いや、声に
出したつもりはなかった。イリヤの柔らかな髪が首筋に心地良かった。 「闇に光ってるとか、無理矢理
引き上げたら自壊しそう、とか?」 思いがけず夢から返ってきた、笑みと疑問を含んだ言葉に、ぼんや
りしかけた意識がようやく縒り合わさってくる。海の底のおんなを求める古代魚の姿を追い払おうと、侑
紀は頭をふり、曖昧に誤魔化した。

「ううん、暗くて日のささない所で悠然としてるっていうか、誰も知らない冷たい海の底で一人でゆったり
こっそりしてそうっていうか」
 くす、と静かに相好を崩す気配がする。「なら、俺じゃなくて俺たち、だろ?」 侑紀ははっと目を開く。

 人目を避けて光の射さない夜だけ寄り添って。そういわれてみればそうかも知れない。仲間からも敵
からも忘れられて、何億年も姿を変えずひっそりと。・・・そんなに長く続くんだろうか。変わらない事を自
ら望んで?
 ううん、イリヤは望んでないだろうな。だって、この数年間で彼はこんなにも変わった。もう何処に出し
ても恥ずかしくない一人前のおとこ。私がそうした。私が変えた。・・・私を、変えた。

 初めてではなさそうだったが、最初はぎこちなかったその指先も、若さに我武者羅なだけだった愛し
方も、今はもう侑紀に演技を強いるものではなくなっていた。侑紀が耐え切れず、本気の悲鳴に近い嬌
声を揚げるまでにもはや時間を必要としなくなっていた。突き上げては引き、焦らしては、侑紀の哀願
の声を愉しむ余裕までも備わってきた。弘人とは違う。以前は心密かに弘人と比べる事が何かと多か
ったが、今はもう逆になっている。イリヤに触れられるだけで達してしまいそうになる。勿論、彼はそれ
を簡単に許しはしなかったけれども。

 しかし、どれだけ抱いても抱かれても、侑紀はイリヤに愛されているという自信が無かった。もともと
裏切りの元に成立した関係に誠実さを求めても意味は無い。しかし共犯者としての信頼は互いに寄せ
合っていた。自分の気持ちに揺らぎはしなかったし、それでいいと思ってきたが、確証を得られないまま
続いた関係は、いつしか大きな負担となって侑紀にのしかかっていた。

 弘人といたら、きっと幸せだろう。クッションに合わせてカーテンの色を選んだり、土日は一緒に買い
物をしたり。たまには外で待ち合わせて食事をしたり。子どもにお箸の持ち方を教えてくれたり。イリヤ
は違う。幸せそうな彼の隣に居るのは、私じゃない。
 そして相手に告げられないことが増えていたのは侑紀だけではなかった。
60名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:42:13 ID:AmITZz5N

 以前は素直に弘人のことも話せていた侑紀だったが、近頃イリヤが彼女との事を嬉しげに話すように
なってからは、ことさら聞き役一方に回るようになっていた。それと同時に、弘人との間に落ち始めた翳
について口に出せないでいた。私も変わってしまった。愛し方も、愛され方も。

 近頃の侑紀は、弘人との時は体が彼を拒んで受け入れられないことが多くなっていた。頑なに乾いた
身体に苛立った弘人に、いきなり捻じ込まれることも増えた。ますます、侑紀は痛みに身体を縮め、怯
え、拒み、冷えた体にしがみつく弘人を受け止めきれないことになった。何故だ。どうしたんだ。どうして
なんだ侑紀。血を吐くような問いに、侑紀は答えられなかった。

 聞き入れられることはなかったが、優しくして、としかいえなかった。偽りの嬌声と吐息で弘人と自分
自身を煽り立てることはあっても、痛みを訴えたり抑止を求める懇願の声を上げたことはこれまで無か
った。それはどちらも弘人を傷つけまいと思ってのことだった。しかしそれも危うくなってきている。

 髪を掴まれ、無理矢理喉の奥に捻じ込まれた時には、もうなす術もなく侑紀は人形のように振り回さ
れるまま、吐き気と涙に顔を歪めただ耐えた。頭を押さえつけられ、腰を使われても、苦しいのは自分
ではなく弘人なのだと自分に言い聞かせた。済まないという気持ちと、それでも一緒に居たいという気
持ちと、今は我慢すればなんとかなるというかすかな希望を抱いて。

 少しでも危険を回避すべく悩んだ末、葛藤しつつも侑紀が自前で実行可能な避妊法を選択しているこ
となど知りもしない弘人は、少し名残惜しそうな顔をしながらいつも侑紀に控えめな許可を求めていた。
彼が子供が欲しがっていることを侑紀は知っていた。だがそれは結婚してからだ、と弘人は自身を戒め
るように侑紀に誠実さを貫いた。今日は危ない日なの、ごめんなさい、と偽りを告げることは、もはや罪
悪感ではなく弘人への歪んだ礼儀となっていた。

 そんなことを知る由もなく、弘人は強引に侑紀を抱いた。それは二人にとって数週間ぶりの行為だっ
た。そして、躊躇することなく彼は侑紀の中に放った。イリヤとの時は至上の喜びだったそれが、弘人
の熱が裡に広がるのを感じ、それが彼の切羽詰った狂おしいまでの情念だと悟った侑紀は、それを解
かっていながらあろうことか激しく嫌悪した。初めて弘人を拒絶した。そして、穢されたとさえ感じてしま
った自身を呪った。心から弘人に詫びつつも、もう二度とかつての二人に戻れないことを思い、自分を
失って悲しむであろう弘人を憐れんだ。

 やっぱりあたしはすべてを失くすんやろな。

 そして今、縋るような気持ちで侑紀はイリヤに寄り添っている。清めてもらいたい、そんなことすら希ん
でいる自分がぼんやり解かった。
61名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:44:30 ID:AmITZz5N

 最低。


「・・・何でゴンベッサっていうの?」 日本語みたいにも聞こえるよね、権兵衛さんみたい、そう侑紀は訊
いた。唐突な問いに少し遠い目をし、店の名前?それともシーラカンスのこと?とイリヤは問いかけ、侑
紀が首を傾げるのを見て少し口元を綻ばせる。 「権兵衛さんか。マスターが泣くぞ」
 侑紀の肩に手を廻し、身体を起こして続ける。

「あの人さ、シーラカンスを釣るのが夢なんだよ。小さい頃から大好きだったんだって。で、あの店って
わけ。前に、マダガスカルに一緒に行かないかって誘われたよ。ちょっと行きたかったな。インドネシア
ならまだ行けたかな」

 ひどく嬉しそうに目を細めてそう述懐するイリヤに、侑紀は僅かに目を瞠る。イリヤが例の彼女以外
の他人に興味を示すのは珍しいことだった。あの変わり者のマスターがまた少し羨ましくなる。だから
長く続いているんだな、と近頃行かなくなったあの店の香りを遠くに思う。

「・・・現地の、コモロの言葉で、ウドの大木ってところかな。シーラカンスはそう呼ばれてる」
 元々はギリシャ語で、コエラカント。中空の、脊椎という意味。英語読みしたらシーラカンスさ。イリヤ
はそう呟きながら侑紀の背筋に唇を這わす。そこが特に弱いことなど知り尽くした上だ。小さく悲鳴を洩
らし、侑紀はぴくりと跳ねる。 「ずっと物言わぬ進化の証人、化石の魚でしかなかったんだけどね」

 彼等には俺たちみたいな脊椎が無いんだ。神経や血管が絡まる棘棘もない。代わりに、つるんとした
チューブみたいなのが一本通ってて、中にはとろとろの脂がつまってるのさ。それが背骨の役を果たし
てる。だから中空の脊椎。しかも、内臓を守る肋骨もない(と侑紀の脇腹に指を走らせる)。その分、び
っしりと硬い鱗に幾重にも覆われてる。メタリックに光るきれいな鱗らしいよ。四億年近くもそんな姿のま
ま頑固に奴らは海の底で息を潜めて活き続けた。それがごんべえさん、だよ。独活の大木。

「そんな珍しい魚やのにゴンベ、ッサ?」 敏感な部分ばかりをピンポイントで責められ、切なげな吐息
で全身を戦慄かせながらも、コモロってどこだっけ、と侑紀は懸命に頭に地図を思い描く。古城のほとり、
の小諸じゃあないだろうな。 「インド洋だよ。アフリカ大陸とマダガスカルの間にある」 見透かしたよう
にイリヤは添え、続けた。
62名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:46:35 ID:AmITZz5N

「でかいだけで不味いんだ。使い古した歯ブラシを水でふやかして噛んでるみたいな味らしい。日本だ
とネコマタギかな。あれは臭くて喰えないんだっけ?しかもそんなに大きくないか。まぁいいけど」
「そんなの食べる人がいるの?」
「結局生きるための漁だから、喰えるか喰えないかだろ。・・・コモロじゃ、網じゃなくて手に糸を巻いての
一本釣りだったんだよ、昔は。重いし、暴れるし、苦労する割には食えない魚だから昔は煙たがられて
たけど、欧米の研究者に発見されて騒ぎになってからは幸運の魚に早替わりさ」
「賞金掛けられて、あっという間にお尋ね者ってわけやね」

 店の壁面を思い出す。シーラカンスの絵と、何ヶ国語かの文字と、魅惑的な金額とが書き込まれてい
た古い切抜きが確かにあった。
 そういうこと、とイリヤは息をつく。 「ってマスターが言ってた」
「不味いから生き残ったのかな?」
 そうかもしれないね、侑紀さん賢いなぁ、とイリヤは結び、この話はこれでおしまいという代わりに侑紀
にゆっくりのしかかった。侑紀は歓喜の声でそれを迎えた。





 侑紀の顔は日に日に沈んでゆき、物思いに耽ることが増えたが、それに反してイリヤはまさに我が世
の春を謳歌している様子だった。それは侑紀の望んだことではあったが、そんなイリヤを見ていても侑
紀の心は少しも晴れなかった。

 弘人は何も言わない。だが、恐らく察しはついているのだろう。部屋には空き缶や瓶が片付けられな
いまま転がることが多くなった。酒の勢いを借りて侑紀に挑むことも増えた。アルコールの所為か、一
向にいきり立たないものに長時間奉仕させられ、挙句お前が下手だからいけないんだと侑紀は詰られ、
再び蹂躙される。その繰り返しだった。

 もはや二人の間には精神と肉体への暴行としか呼べない行為しか存在していなかったが、侑紀はそ
れでも弘人から離れられずに居た。そしてそれを埋め合わせるかのように、ますますイリヤに固執して
ゆくこととなった。

 しかしイリヤとの時間も徐々に間遠になっていた。週に二、三度が月に数回になった。メールも侑紀
の言葉に時間を開けて返ってくるだけで、イリヤからのメッセージはほとんど届かなくなった。
 侑紀は終りの時が近づいているのを肌で感じていた。そして、どことなくほっとしてもいた。二重生活
がかなりの負担になっていた事をまざまざと感じ、何もなくなったら私はどうなるのだろう、とぼんやり考
える。
63名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:49:19 ID:AmITZz5N




 胸に石が痞えたような気分のまま侑紀はそれでも弘人のアパートに脚を向けていた。今更修復の仕
様も無いのは解かっていたが、荒れたままの弘人を独りにしてはおけなかった。まだ朝早い時間、ベル
を鳴らすことも気が引けて、ドアの前でたっぷり一分間は躊躇った後、侑紀は思い切って鍵を捻じ込ん
だ。軋んで開く筈のドアは途中で乱暴に跳ね返される。チェーンが掛けられていた。

 ということは部屋には居るのだ。この時間ならまだ寝ているだろう。呼ぶべきか。悩んだ挙句、何も見
えないのを承知で新聞受けを指で押し込んでみた。スリットの間から、埃の積もった玄関が見える。
 そこには、見慣れぬパンプスが弘人の大きな革靴と隣り合わせできちんと並んでいた。


 侑紀は、同時に二つのものを失ったことを漸く感じ取った。自分の人生の半分近い年月が無かったこ
とに変わる瞬間を目の当たりにした。いや、もうとうの昔になくしてしまっていたのだ。イリヤの手をとっ
たあの日から。わたしが自ら手を下した。弘人の人生を曲げた。守るほどの価値もない女だったと最後
に思わせることが出来ただけでも、彼の心を救うことになっただろうか。

 侑紀は新聞受けに鍵を滑り落とし、逃げるようにその場を後にした。勝ち誇ったような女物の靴が、い
つまでも頭から消えなかった。





 イリヤは侑紀が語る以上の事を引き出そうとはしない。そして侑紀が訊ねる以上のことは話さない。
それでも、侑紀は義務であるかのようにイリヤの近況報告を聞きたがった。
 明日会える?との久々のメッセージに侑紀は応えた。それが何を意味しているかは承知の上だった。


「私をおいて、あんただけ幸せになるん?」
 思っても見なかったことが口をついて出ていた。イリヤの腕の中、肌を通じて互いの熱と胸の裡を探り
合いながら侑紀は問う。責めるような口調ではない分、罵り合いで気を紛らわすことも許されずイリヤ
は少し顔を硬くした。侑紀は自身の言葉で自らの置かれた立場を今更乍ら思い知らされ、心が沈静化
してゆくのを感じていた。泣くことすら出来ない自分が滑稽だった。

「それはわからない」
 返ってきた答えが嘘偽り無い言葉だということが侑紀には判った。本当のことは言わないけれど、イリ
ヤは嘘をつくのを極端に嫌がり避ける節があった。だが、必ず成就するのだと確信している響きが潜ん
でいるのを見抜けない侑紀ではなかった。

「でも悪いけど君との将来は考えられない。だって侑紀さんは彼のこと捨てられない」
 イリヤの指が侑紀の右手に伸びたことで、未だに指輪がそこに嵌まったままなのに侑紀は気付いた。
つけているのを忘れるほどに馴染んでいただけで、もはや何の意味も成さなくなっていた筈のそれが、
他ならぬイリヤに対してはいつまでも効力を発揮していたのに気付き、侑紀はその皮肉に小さく哂った。
64名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:51:29 ID:AmITZz5N

 俺は彼女を捨てられない、の間違いではないの、と思いながらもそれが彼の狡さであり弱さでもある
と侑紀は悟っていたので口には出さなかった。最後の逃げ場だけは残しておいてやらねばならないの
だと己の役割を正確に把握していたからだった。

 日常が終わるとは思ってもみなかった。浅ましくも、イリヤとの日々もまた日常として私は希んでしまっ
ていた。時が過ぎても、傍らには弘人が居て、自分の生涯はこれまであったように、これからも、ずっと
共にあるのだと思っていた。それに甘えて、すべてをぶちこわしたのはあたしだ。彼を傷つけ、労わる
ふりをして追い詰めていたのはあたしだ。

 そして、イリヤのことも放してやらないといけない。


 それでも、砂を噛むような沈黙から逃れるようにイリヤはやはり手を伸ばしてきた。それでもあたしを
抱くの?冷え切った頭の中でそう呟きながらも、侑紀はそれを拒まなかった。これがあたしたちなのだ。

「諦めないでよかった。なんとかなりそうなんだ。今週末、また会おうって約束できたし」
 気まずそうではあったが、それでも語るうち次第にイリヤの顔も声も晴れてきた。侑紀さんのおかげ
かな、そう言って以前よりも愛情をこめて侑紀を抱き締める。それは決して自分に向けられたものでは
ないと侑紀には判っていた。

 ゆうきさん。ゆうきさん。幸せそうにイリヤは呟き、この上なく優しく侑紀を抱いた。それは許しを求め
るものではなく、ただただ共感を求めるものだった。すみずみまで愛撫し、丁寧に侑紀を開いてゆく。
「喜んでくれないの?」 さっきまでの修羅場など忘れてしまったかのような言葉に侑紀は怒りも悲しみ
ももはや消えてゆくのを感じた。
「ううん。・・・長かったね」
「うん」
65名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:53:51 ID:AmITZz5N

 弘人にはあれほど頑なだった身体が、見る間に歓喜に満ちてゆく。侑紀は心がばらばらになりそうだ
った。ただただ、自分を愛していない男に必死でしがみついた。ありがとう。ありがとう。侑紀さん。され
るがままに侑紀は脚を開き、受け容れる。もう自分を必要としなくなった男の最後の情熱を受け止めよ
うと自らを奮い立たせる。 「侑紀さん」 イリヤは侑紀の頬に手を添え、こっちを向いて、と促す。侑紀は、
いつも堅く閉じていた目を開いた。満たされたものの顔がそこに照り輝いていた。

 ああ。

 小さく頷いて、イリヤはゆっくりと屈みこみ、薄く開いた侑紀の唇を唇で覆った。それはこの上もない優
しいキスだった。ひとしきり暖かな舌で侑紀を求め、満たし、満足そうにまた顔を上げると、深く深く侑紀
を抱き締めた。

「大好き」

 初めて耳にしたその言葉に、侑紀は目を見開く。侑紀の直感は外れたことはない。一瞬、全ての音が
侑紀の世界から消えた。耳を、眼を遮り、冷静に、求め続けていたその言葉を反芻する。直感は確信
へと変わる。自覚のないまま、熱いものが眦からあふれ、頬を伝って落ちていた。

 ああ、なんてひどい男やの。こんな時やのに、こんな時でさえ、私を騙してくれへんやなんて。

 侑紀は目を閉じた。暖かい頬が愛おしげに摺り寄せられる。世界が侑紀を引き戻す。頬の滴に気付
いたのか、イリヤの動きが僅かに止まったがそれも一瞬で、抱き寄せる腕により力が加わり、息苦しさ
は増してゆく。侑紀さん。君には感謝してる。名を呼ばれて侑紀は懸命に応えようと腕を廻す。負けじと
縋りつく。より深い処へイリヤを導こうと腰を上げ、脚を絡める。侑紀さん、侑紀さん。イリヤ。イリヤ。え
えよ。あたしも大好き。好きや。口には出せへんけど、いっぺんも言ったことないけど、好きや。


 大好きや。このひとでなし。


 さよなら。




66名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 23:58:02 ID:AmITZz5N



    19:02
    [From] ilya
    [Subject] もう駄目
    [Text] 終わった。ふられた。今度こそ駄目。


    19:04
    [From] Yuuki KAI
    [Subject] どうしたの?
    [Text] 昨日はデートじゃなかったの?何があったの?


    19:20
    [From] ilya
    [Subject] それが
    [Text] もう最後だ、今度こそもう会わないって言われた。お揃いの腕時計を返された。
    俺も受け取れないから、一緒に思い出の海に投げて終わりにしようかってことになって海岸
    まで行ったんだけど、わんわん泣かれて、どうしようもなくて、結局そのまま帰って来た。
    訳がわからない。


    19:26
    [From] Yuuki KAI
    [Subject] そうだったの。
    [Text] 大変やってんね、二人とも。残念やわ。うまくいってると思ってた。何て言ったらいいか。


    19:28
    [From] ilya
    [Subject] というわけで
    [Text] 今から逢える?


    19:29
    [From] Yuuki KAI
    [Subject] OK
    [Text] 今どこ?


    19:32
    [From] ilya
    [Subject] 梅田
    [Text] 待ってる。






67名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 00:00:59 ID:AmITZz5N

 どう考えても都合のいい女でしかない。簡単にやらせてくれるおんな。寂しい時に相手をしてくれる女。
すきものの女だと思われているかもしれない。でも侑紀は構わなかった。
 いいよ、イリヤ。何でもしてあげる。何されても許してあげる。何してくれてもいい。好きなかたちにして。
イリヤ。

 昔、一度だけ二人で見に行った海があってね。あんまりいい思い出って俺たち無くて、思いつくところ
といえばそこしかなかった。電車の中でも無言でさ。二人でお揃いだった腕時計投げて、それで全部終
わり、って決めて行ったのにな。・・・ああもう、次だ、次。忘れよう。

 投げやりにそう言うと、イリヤは少しいつもよりも乱暴に侑紀を扱った。執拗にむしゃぶりつかれて、息
をつく暇もない。キスというよりは噛み付くといったほうが適切な、容赦ない仕打ちが侑紀に降り注ぎ、
煽りたてる。痕が残りそう、と朧気に頭を過ぎる。所有印、つけて。もっと。

・・・ううん、忘れるつもりなんか全然ないくせに。

 シャワーを浴びることも許されず、引き剥がされるように一切を毟り取られて侑紀は引き倒されていた。
膝が胸に当たるほどに腰を持ち上げられ、脚を押さえつけられた苦しい姿勢のまま侑紀は執拗に指だ
けで嬲られている。頭に血が上りそうだ。脚にも下腹部にも力が入らないままで達することも許されず、
ただ貪欲に赤く蠢くそこをイリヤの眼前に晒していた。

「いい眺めだよ」
 何の感情も籠もらない声に怯えながらも、朦朧とする意識の中、侑紀は必死に恥辱に耐えていた。し
かし押し寄せる情欲の波には抗えなかった。乱暴に抜き差しされる指が二本、三本と増えてゆく。その
度に侑紀は大きく身体を仰け反らせ、喘いだ。

 程なく、杭のようなものが容赦なく打ち込まれた。真上から振り下ろされるような衝撃は侑紀を刺し貫
き、もうそれ以上は痛みしか感じないという深さまで届いていた。肉と肉がぶつかり合う、鈍い湿った音
だけが響く。滑り込んできた空気に下腹部を鈍く押し広げられ、獣のように侑紀は啼いた。

「俺がガンガン中出ししまくってるってのも知らずに、あいつは真面目にゴムつけてたんだよな、馬鹿だ
よな。侑紀さんもそう思うだろ?思ってただろ?」
 両足を揃えて抱えられ、また別の箇所を狙い突き上げられて侑紀は息が止まりそうになる。弘人の名
を出され、断罪されながら侑紀は下腹部が激しく収縮するのを感じた。イリヤ自身が弘人のことに言及
することは極めて稀だった。
68名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 00:03:36 ID:HarjZlTS

 嫉妬してたんだ。

 初めてそれに気付く。嫉妬をぶつけるべき相手がもういないことをイリヤは知っているのか。解かって
いて侑紀を詰るのか。・・・私が彼女を羨んでいたことも知っているのだろうか。私達には、互いを選ぶと
いう選択肢はなかったのだろうか。確かめるのが怖くて、こんな風に歪んで、こんなところまできてしま
った。

 一突き一突きに怒りを感じる。乳房を鷲掴みにする手に、舐る舌に、苦しみと絶望を感じる。私が無
条件にそれらを受け容れることを彼は識っており、それに苦しみもしている。こんな風に溺れることで気
が済むのなら。壊れたスライドのように雑多なイメージが、想いが、でたらめになだれ込んでくる。ううん、
全部そんなのいいわけだ。ただ、私達は肉欲に抗えないだけなのだ。それを愛情と勘違いしているだ
けなのだ。先のことも考えず、目先の快楽に溺れただけだ。

 怨嗟の塊のような熱を放ち、それでもやり切れなさを荒い息に滲ませ、なお侑紀の中を荒らしながら
いつしかイリヤは侑紀にすがりついていた。侑紀はただ、それをうけとめる。

 彼がいつもベッドの脇のサイドテーブルに置いていたのは、携帯とシンプルな腕時計。ここで過ごすと
きでさえ、いつでも通話可能な状態にされていたそれ。待っている、それはいつもそう物語っていた。で
も、それが着信を告げたためしは無かった。侑紀は、内心それに少し安心もしていたのだけれど。

 荒れ狂う冬の海と、冷たい潮風に煽られ立ち竦む二人を侑紀は想った。思い出の海なんてものがあ
ったのは正直意外だったが。

 昨日は関西一帯を寒波が席巻していた。海の傍は恐らく吹雪いていただろう。今、サイドテーブルに
は彼の携帯だけが未練たらしく沈黙を守っている。侑紀は心臓を掴まれるような苦しみを感じた。イリ
ヤの遣り切れない気持ちを想い、まだ見ぬ彼女の心中を想っては、指先の力が抜けるような絶望と深
い悲しみを感じ、心から同情した。言葉少なに、珍しく息を荒げしがみつくイリヤを抱きとめながら、それ
でいて侑紀はこれまでに感じたことのない安堵感に満たされていた。

 狂おしいほどに、遠い女に焦がれ悶えるイリヤを抱きしめ、愛撫しながら、侑紀は完全なる幸福の只
中に居た。ああ、あたしは嬉しいのだ、イリヤの絶望が。総てを失くしたイリヤの悲しみを知って嬉しい
いのだ。彼には今私だけだ。イリヤは今あたしだけのものだ。誰にもやらない。あたしだけ。あたしはも
うずっとあんただけのものだったんだから、イリヤ。やっとこの時が来た。


 あたしはなんて醜いんだろう。



69名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 00:06:01 ID:HarjZlTS

 以来、結局微妙な距離を保ったまま、侑紀は時折求めてくるイリヤに応え、急ぎ足で職場を定時に辞
する変わらぬ日々を過ごしていた。普段どおりの会話をし、いつもの部屋で、いつもの時間にNHKニュ
ースを二人で見て、いつもの場所で別れる。弘人とのことは告げないままだったが、侑紀の指から指輪
が消えていることに気付かない筈はなかった。だがどちらも何も言わなかった。

 そうしていれば、いつか弘人との年数を追い越してしまいそうだな、と思いながら、また少し大きくなっ
たように感じるイリヤの背を、いつか日のように今夜も眺めていた。

「来週?その辺りは駄目だな、侑紀さん。俺ちょっと留守にしてる。残念」
「そう。イリヤ好きそうかなぁって思った展覧会なんだけどな」

 ちっとも残念そうに聞こえないけど、と喉元から出かけた言葉を侑紀は飲み込む。一人で行くか。あ
れこれ考えてみたが、展示期間を考えると、職場で貰った美術館の特別展招待券はどうしても一枚は
無駄になりそうだった。それにしても、駄目元で聞いてみたのだが、もし出かける用事が無ければイリ
ヤは一緒に行ってくれたということだろうか。外を一緒に歩けるなど考えてみたことも無かったので、侑
紀は少し複雑な気分になる。

 あれこれと詮索するのを阻止するかのように、それでも律儀に行動予定を知らせてくれるようになっ
たのは成長と褒めてやってもよいだろうな、と思いながら、侑紀は少し目を細めて声の方を見遣っ
た。・・・でも、隠し事は増えた気がする。 「そういえば人に会いに行くって言ってたっけ?」

 うん、と足元の靴下を拾い上げようと屈んだ裸の背中はすっきりと痩せていて、彼の一挙手一投足を
滑らかな骨格の動きが皮膚越しに伝えていた。普段は隙のないその背中が無防備さを見せるほんの
僅かな瞬間だった。いつもの場所で別れた後には振り返りもしないその背中、揺れるコート、或いは白
いシャツに包まれ引き締まった腰へと続く無駄のないライン、その冷たさも張り詰めたような気配も、揺
るぎない信念を窺わせる真っ直ぐ伸びた背すじも、侑紀の心を捕えて離さないものではあったが、今こ
の瞬間、向けられたこの背にすがりたいという衝動に幾たび駆られたことか。

 だが、侑紀は今日もそうしなかった。何がそれを妨げているのか、自分でも判らなかった。

 もうちょっと抱いていて欲しい時も、タイムリミットは曲げない主義でいたい。そういう歌があったな。あ
の頃はその意味がよく判らなかった。今は、どうだろう。歌は、そのあとどう続いていたっけ。
 侑紀は化粧ポーチを掴んで立ち上がり、イリヤの背から目を逸らせた。今夜も残り時間はあと僅かだ。

 人に会いに行く。
 女だ、と侑紀は直感で解かった。もう何度と無く繰り返してきたので訊かなくともわかる。凝りもせず。
・・・それはあたしも同じ、か。
70名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 00:08:04 ID:HarjZlTS

 洗面所の鏡は小さいので、時間に余裕があるときは全身が映る浴室内の鏡で身支度を整えるのが
常だった。いつものように背後に気配がして、写りこんできた姿が自分と並んで髪を直すのを、侑紀は
ひとつ大きく跳ね上がった鼓動を抑えながらこっそり眺める。鏡越しに、はかりごとを湛えたような目が
にやりと侑紀を捉える。どれほどベッドで痴態を晒してきても、どういうわけかこの瞬間だけはいつまで
経っても慣れない。

 二人寄り添う姿を自分で見ようとしたら、写真か、鏡しか無い。侑紀はそう思い当たる。痕跡を残さな
いことを第一に考えた二人には無論写真など無かった。残せないメールはいつしか消せないメールに
なってゆき、熱の痕を留めてはいるけれど。所詮データ、しかし侑紀はそれすらも消すことが出来ない
でいる。

 二人で居ることをあからさまに目の前に突きつけられるからなのか、他人から見てお前たちはこう映
っているのだ、と告発されているような気分になるのか、二人で鏡に映るこの瞬間が侑紀は何よりも怖
ろしく、そうして多分、悲しかった。





 もう行く事も無いかもしれないと思っていたそこへ侑紀は向かっていた。GOMBESSA。弘人ぬきで行く
のは憚られて、待ち合わせ以外の目的で脚を運ぶことはほとんどなかった珈琲店。それでも、どうして
も侑紀はイリヤに会いたかった。人に会いに行く、たぶんその一言がひっかかっていた。

 幾分緊張した面持ちで思い切ってドアを押し、侑紀は身体を滑り込ませる。懐かしい香りと変わらぬ
空気が侑紀を包み込む。いらっしゃいませ、と迎える声に、おや、と侑紀は顔をあげた。カップを磨いて
いるのはマスターだった。つい眼で探してしまう癖がついてきたのは危険だと解かっていながら、侑紀
は自分を抑えることが出来なかった。しかし、さほど広くない店内、求める姿は何処にも見当たらなかった。

「お久しぶり。あら珍しい、一人?」 マスターの無邪気な問い掛けが侑紀の胸に響く。
「ええ。・・・あれ、マスターもお一人ですか?」 イリヤの名を出しかけて、侑紀は注意深く尋ねた。
「うん、暫く僕が一人で留守番だよ、えへへ。急だったから、代わりのイリヤ君はまだ見つかってないんだ」
「か、代わりってどういうことですか?」
 一瞬唖然とし、侑紀はマスターに掴みかからんばかりの勢いでカウンターににじり寄った。

「あああ落ち着いてよ侑紀ちゃん。僕さ、人の名前覚えるの苦手なんだよ。あ、お客さんはちゃんとわか
るよ、侑紀ちゃんは侑紀ちゃんだよね」
「はあ」
 訳がわからずとりあえず頷き、侑紀は続きを促す。
71名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 00:10:12 ID:HarjZlTS

「一番最初に来てくれたアルバイト君がロシアからの留学生で、イリヤー君っていったんだ。いい子だっ
たし、僕もがんばって彼の名前は覚えたんだけど、その次はフランス、その次はナイロビ。この辺って、
留学生が多いんだよ。僕、国籍は問わない主義だから、大丈夫そうだったら雇ってたの。そうすると辞
める前に次のコを紹介、紹介で外国籍の子ばかりが来るようになってね。でもどうしてもややこしい名
前が覚えられなくて、面倒臭いから、悪いとは思ったけどアルバイト君をみんなイリヤって呼ぶことにし
たんだ」

 かみさんには怒られるんだけどね、とマスターは人のよさそうな照れた笑顔で頭をかいた。侑紀は相
槌を打つことも忘れて立ち竦む。メールも 『ilya』 で届いていたので疑問も持たなかったし、イリヤもそ
う呼ばれて否定もしなかった。・・・肯定もしなかったが。

「入る谷、か、野か、射る矢とかかと思ってました」 侑紀は呆然と呟いた。面白がっていたのだ、彼は。
「そうだよねぇ、他のバイト君は、日本語で 『イリヤ』 って使用人のことかと思いこんでたらしいし。バイ
ト代も、タイムカードを家にファックスすればかみさんがパソコンでを振り込んでくれるから、僕は全然困
ることも無くて。あ、歴代のイリヤ君の中では彼が一番長いんだよ」
 マスターは妙に得意げに胸を張った。

「じゃあ今のイリヤ君は?」
「ちょっと留守にするから暫く休むって。辞めるとは言ってなかったんだけど困るんだよね、彼に任せっ
きりだったし、僕、このとおり頼んないから」

 早く戻ってきてくれないかなぁ、とマスターは天井を仰ぎ、あ、そういえば、と、こちらからは見えないカ
ウンターの壁を覗き込んだ。察するに、あれこれと豆のブレンドのレシピや仕入先の電話番号などがで
たらめに貼ってある様子だ。
「ええと、イリヤ君のはこのへんに・・・あった、これだ。えっと、今のイリヤ君はねぇ、ケイタ。ヒキバ、ケイ
タ君。そうか、ケイタ君かぁ。ケイタ君って呼ばないと駄目かなぁ?」

 やっぱりマスターは困ったような照れたような顔で頭を掻き掻き笑った。いえ、これからもイリヤ君でい
いと思いますよ、と侑紀は上の空で答えていた。

 けいた。
 ・・・イリヤ、あんたは、けいたっていうのね。
 自分の人生がイリヤと決して交わりはしないことは解かっていた。そうしたところでどうなるのかわか
らない。自分が結局のところどうしたいのかわからない。しかし、侑紀は決めた。

 イリヤ。あたし、あんたを追っかけるわ。




終わり。
72名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 01:28:51 ID:ZjX+SC8Z
長編投下おおきに。じゅんさいで濃いい描写、ごっつレベル高いわあ。大したもんや。
ただな…この人らに入れ込むんは、うちにはちょと辛かったわ。そのへんは好きずきやけど。
えらそなことゆうて、かんにん。また次のん、待っとるえ。
73名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 20:58:15 ID:HarjZlTS
やっぱり但し書きすべきだったなぁ・・・すまん
74名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 13:18:20 ID:gwjTPZRq
GJ!
75名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 12:13:56 ID:m0MgHHdX
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
76名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 10:29:17 ID:Ntn7PO1U
☆ゅ
77名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 10:34:59 ID:r+dYTKhZ
>>73
俺も読んだからには…と最後まで読んだけどちょっときつかったかもしれん…。
時々地の文と台詞がごっちゃになるんが気になったけど文の作りとか巧いからまた書いて欲しいな。
最後に、偉そうに言うてごめんやで。
78名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 03:35:15 ID:QJlUo1KM
>>19>>39も、
前スレのツクバ薪割り氏のSS等とはまた違った読み応えがあって良いな

自分は明るい話も暗めな話?も美味しくいただけるタチなので、
こんな時間まで一気に楽しんで読ませてもらった。どちらも良い仕事してるぜ
79名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:15:18 ID:vlTEozMD
保守やわあ
80名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 11:44:29 ID:HD0wSCu/
★ゅ
81名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 03:06:52 ID:2q2rl60m
少しですが書けたので投下します。



「う〜ん…暇だ…」

誠司は休みの日ながら、外にも出ずただゴロゴロしている。
今日は特に予定もなく、口で暇とは言いながらも今日はこのまま過ごすだろうなと感じていた。

ーピンポーンー

「はい」
(誰だ?今日はゆっくりしたいんだけど)
突然の来客に重い腰を上げて玄関へと向かう。
気怠そうに扉を開ける。


「こ、こんにちは」
「………!」

扉を開けて目の前にいた女性に息を呑む。
小柄でくりっとした大きくて愛らしい目。
肩ぐらいまで伸びている髪はウェーブがかっていて、彼女の可愛いらしさを増大させている。
誠司は返事をするのも忘れ、しばし見惚れてしまった。

「あ、あの〜…」
「…はっ!すすすみません!」
なぜか慌てまくる誠司。
「こ、今度大阪から隣に越して来ました中山いいます。あ、下の名前は裕奈いいます。よろしゅうお願いします!」
深々と、いや深過ぎるぐらいの礼をして顔を上げる。
「よ、よろしくお願いします」
釣られて思わず深い礼をする。

「………………」
「………………」
二人の間に気まずい沈黙が流れる。
このままじゃまずいと誠司が意を決して口を開く。
「…ち、中学生?」
「なんでや!ハタチや!ハタチ!」
先程の何処かオドオドして不安そうにしていた様子とは一転、関西人らしい鋭い突っ込みに誠司は思わずたじろぐ。
82名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 03:11:43 ID:2q2rl60m
「あ…す、すんません!うちつい…初対面の人に突っ込んでしもて…」
「あ、いえこちらこそ失礼なこと言っちゃって…」
確かに裕奈の容姿は中学生とまではいかないが、今すぐ高校の制服を着ても特に違和感はないであろう。
「ああ、あのこれつまらんもんですがどうぞ!そ、それじゃまた!」
そう言うと裕奈はドアを慌ただしく閉め、慌ただしく帰っていった。

(ハタチか。中学生は言い過ぎたか…でもめっちゃ可愛いかったな。てかよく思い出してみると…胸意外とあったな…)
裕奈の顔が脳裏に焼きついて離れない。
(たまにゃラッキーなこともあるもんだな…)
誠司は突如舞い降りた幸せに感謝しつつ、再び床についた。



「ふう。緊張したわ…」
近所への挨拶回りを終え、一息つく裕奈。
関西人は明るいというイメージがあるが、彼女はやや気弱で物静かな性格である。
(でも中学生?って言われたのはショックやったな…うちそんなんに見えるかな?でも…あの人のボケなんかな?)

ショックとは思いながらも人見知りの裕奈にとって隣人と偶然とはいえボケツッコミの会話が出来たのは中々嬉しい出来事であった。
(よく分からんけどあの人とはしゃべれそうやな…)
83名無しさん@ピンキー:2008/04/11(金) 03:21:47 ID:2q2rl60m
以上です。
今回少なくてすみません。
84名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 19:33:09 ID:L8TtgRng
>>83
GJ!やったよ
続きに期待
85名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 02:21:00 ID:jIo1QMz6
あかん、このままじゃ落ちてしまうかもしれへん……!
ほしゅしますー。


みたいな、「ほしゅし(↓)ま(↑)すー(→)」みたいなアクセントって、どうやって表現すればいいと思う?
86名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 16:57:41 ID:Yu5muSPp
こっちが勝手に脳内変換するから大丈夫やさ
87名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 00:48:28 ID:f9MHGo1H
★ゅ
88名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 02:20:55 ID:3Imh4kxH
あ……あかん、こんなところでそんな……。

え? 人おらんから大丈夫、って、そんなん嫌やわ……! 見えへんだけで、おるかもしれんやんっ!

や、待って、ほんまに待ってって……ちょ、やあ……っ。

だめ! あかん、見んといて……。

なんでって……だって、わたしひんにゅーでひんそーやから……。

……え? 綺麗って……。ちょ、ちょっとそんなん……っ!

あ、あかん……! 顔えらい熱うなってきてしもた。そないなこと言われたん、わたし初めてや……。

…………………………ええよ。

え? や。なんや、キミにならわたしの「初めて」捧げてもええかなーって。

……うん、ええの。わたしもう決めたから。やから―――





―――キミが、ほしゅいです……っ!

89名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 11:48:10 ID:rSaTwfeR
>>88
や、ばり強引やんw
90名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 14:02:01 ID:JuWrBXWv
今生理中なんよ
やけんエッチはちょっとの間無理やけん


ちょっ 無理やって!!
そんなとこっ舐めたらいかんよっ
汚いって!!!!



っ…!


っはぁ…
91名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 20:07:52 ID:Pfd10fAz
>>88
不覚にも保守でおっきした……
92名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 21:48:19 ID:w1/PjKzs
>>88
ええい! どういう状況なんだちくしょー!
わっふるわっふる!
93名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 02:40:38 ID:YjUWS5NR
ほしゅですー。もるですー。
94名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 16:29:53 ID:wqPWJkN6
東北弁はまだかなー

生まれてこの方千葉でたことないし千葉弁もわからんけど
95名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 20:25:09 ID:R7dSU3/k
千葉弁は後ろの事を裏って呼ぶことくらいじゃね
96名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 21:23:15 ID:Z7rOz15n
>>94
千葉市以北の方?
房総の方言はかなり汚い言葉づかいだと聞いたことがあるw
千葉市民だが千葉市に方言があるかはわからない。
97名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 22:03:15 ID:vLO6Ite3
>>94じゃないし市原市民だが、俺も千葉弁は聞いたことないなぁ。
もうちょい南に行けばわかるのだろうか
98名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 22:30:44 ID:OPhzxIRI
>>96
漁師町だからねえ、房総の南あたりは
神奈川は三浦半島の方言ともつながりもあるみたいだよね
99名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 23:35:15 ID:uI9e/KGe
94だが柏市民なので土浦なまりの方が慣れているw
調べてみると漁師言葉で結構荒っぽいみたいね>千葉弁
そのままやってもただのDQNになっちゃうかなぁ
100名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 13:55:47 ID:XuHamgVH
さて、俺も柏市民なワケだが

俺は京なまりに憧れるな……関西弁まで行くとキツいぜ
101名無しさん@ピンキー:2008/05/15(木) 01:24:20 ID:qlW05f4L
個人的にはてーてってー(連れて行ってー)が可愛くて仕方がない

ずっと阿波弁だと思ってたんだが違うっぽくてドコの方言かよく分からんが
102名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 02:45:09 ID:CPsUNlWx
同じ四国でも、高知の方言はなんとなく頭に入ってるのに、他の三県の方言と言われても分からない愛媛県人な俺w
坂本竜馬の影響は偉大だなw
103名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 06:35:43 ID:Bb38XgIy
愛媛県の中でも、松山弁のゆるさは異常。
ネタでも何でもなしに、本当に語尾に「ぞなもし」が付くんぞなもし。
104名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 02:02:47 ID:LxLG9dkC
>>103
マジかw? そういや旧千円札先生の「坊ちゃん」とか、そんな感じの喋り方するキャラいたなw
105名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 02:02:01 ID:6nz3VmdJ
>>104
あれはあんまり萌えんよなぁ……w
106名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 01:26:58 ID:Ah5xgydC
エセ関西弁ロリっ子の可愛らしさは異常www
107名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 03:40:55 ID:KTgH/93d
司馬遼太郎いわく。
この日本で最も悠長でノンキな方言、
それが松山弁。
108名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 15:48:57 ID:XA3kY4QB
東北は地方差激しいぞ。仙台はまだ標準近いが松島や石巻はマジで何語ってくらいわからん。
109名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 15:54:47 ID:XA3kY4QB
俺は大阪だが…
関西も地方差あるかな?例えば大阪と兵庫は近いが微妙に違うっぽい。
士郎○宗のドミニオンは兵庫なまりで吹き出しの中にわざわざ訳がついてたぞ。
110名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 20:16:14 ID:zZmDV3Jn
ほしゅ
 
 
 
飛弾弁知ってる人居る?
岐阜の高山なんだが
111名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 12:19:18 ID:k0qvDqJE
北海道から関東に転校してうっかり「ゴミ投げ」って言ったらめっちゃ笑われたorz
「なした?」とか萌える
112名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 15:06:33 ID:eLBHeDXa
大阪弁も大きく三つに分かれるんだ
兵庫とはまた違うだろ
113名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 22:39:56 ID:tm2PcKPs
兵庫は五つに分けられてたのがひとまとめにされたから、無駄に広いし地域差はある
北の方だと京都寄り、南の方だと大阪寄り、って感じだし
神戸弁のキャラを書いてたとき、「俺、関西人だけどこの関西弁おかしい」
って言い出されたときは、正直卵ぶつけたくなったな
114C.G.Yang:2008/06/14(土) 03:03:32 ID:ql41rbxu
流れをぶった切るようですみません。
方言少女で書いてみましたので、投下します。
4〜5レス使わせていただきます。

・北九州の小倉弁を素材にしています。
・百合です。
・ロリ(中二×中一)です。
・吹奏楽部の練習と言う設定です。

以上の項目にアレルギーのある方は、スルーをよろしくおねがいします。

以下、注釈を。
北九州の小倉弁は、西日本や九州の方言ではめずらしく、標準語のアクセントに近いです。
なので、標準語アクセントで、台詞を読んでいただけると、幸せになれると思います。
あと、特徴的なのは、語尾や、助詞ですね。
・「っちゃ」→強意、念押しの終助詞
・「け、けん」→原因理由の接続助詞
・「っち」→引用の格助詞
これらを標準語に置き換えてやれば、だいたい、意味がわからないことはないと思われます。

それでは拙い文章ですが、よろしくお願いします。
『アメとムチ』
115C.G.Yang:2008/06/14(土) 03:05:04 ID:ql41rbxu
中学校の放課後の教室。トロンボーンを手にした女生徒が二人、椅子に座って練習を始めている。
二年生のポニーテールの、すらっとした方―真由―が、何かを思い出したかのように、急に立ち上がって、にやつく。
「さ、パート練せないけん時間やね〜、友佳? 」
教室にいたもうかたっぽ、ショートカットの、ちまっとした少女―友佳―は、その声に、小さな背中をびくっとさせる。
真由はにやついた顔を維持したまま、ドアの鍵を閉め、なぜかカーテンまでもひきはじめた。
「今日も、しっかり練習みてやるけね」
「……はい、よろしくお願いします……」
「わかっとうよね、コンクールまであと一ヶ月ちょっとっち」
「はい……」
「人数が足りんけ、一年のあんたも出れるけど、下手な演奏してもらったら困るんよね」
「はい……やけん練習みてほしいです」
「そしたら、呼吸法からいこうか」
そう言って、カーテンを引き終えた真由は、小さくなって座っている友佳の後ろに回って、ぽんっと肩に手を置いた。
116C.G.Yang:2008/06/14(土) 03:07:09 ID:ql41rbxu

「ほら、もっとちゃんと吸わんと! 」
「……はい、……すぅー……」
「ぜんぜんおなかに入っとらんやんっ! 」
そういうと真由は友佳のおなかに手を回す。
「もっかいっ! 」
 真由の手はいつの間にか、夏服のワイシャツの下にもぐりこんで、直接友佳のすべすべした白いおなかをなでていた。
「ここに力が入らんといけんのよ〜」
 くすぐったそうに、身体を少しよじる友佳。
「もうっ、ちゃんとやってっちゃ、練習なんやけ」
 いじわるそうに、真由は友佳の耳元でささやく。
「ほら、もっかいやってん? 」
友佳は言われたとおり、ゆっくりと大きく息を吸い込んだ。
「はいっ! そこで息とめる! 」
くっと友佳ののどが鳴る。真由は、おなかをなでていた手を、ゆっくりと下のほう、下のほうへと滑らせていく。あっという間に、スカートのベルトの下にするっと手を滑り込ませた。
「ぷはっ! ……もう限界です……」
友佳の頬は、息を止めていたことだけでなく、急な手の侵入により真っ赤になっている。
「ちゃんと息が入っとったみたいやね」
 そういいながら、真由の手はまだ、友佳の下腹部を押さえている。

「真由先輩……あの、手が」
「なん? 手がどうしたっち? 」
「えっと……ひゃぅ……」
とぼけたふりをして、真由はそのまま、友佳のショーツの中に手を滑り込ませた。指先には、少しばかりの毛の感触。友佳の頬は、さっきにもまして赤くなって、それは顔中に広がった。
「いつもどおりの練習やろ? どうしたん? ねえ? 」
真由は、友佳の恥部にまでは手を延ばさず、毛の生え際辺りを、まるでじらしているかのように、ゆっくりさすっている。友佳はといえば、困ったような表情を、そして、さすられている下腹部に意識を集中せざるを得なかった。
117C.G.Yang:2008/06/14(土) 03:08:37 ID:ql41rbxu
「さ、呼吸法の練習は、ここまで」
数十秒かそこら経って、あっさりとそう告げると、すっと手を抜いて、再び友佳の肩に手を置く。
 真由の手が抜かれたことに対して、少し残念そうな表情を友佳が見せたのを、真由は見逃さなかった。
「ねえ、もっと、呼吸法の練習がしたいん? 」
 わざと、耳元で、息を吹きかけるようにささやく。それに対して友佳は、ぴくんぴくんと小さくかわいらしく反応する。真由も、友佳のシャンプーのいい香りをかいで、ボルテージがあがるのを感じていた。
「いや、そうやなくて……っあ……」
「じゃあ、もっとさわってほしいっちこと? 」
友佳は耳まで真っ赤にして、首を横に二、三度振った。
「うそばっかり、まっかっかになってから。じゃあ、パート練、終わりにするけね」
「それは……」
「なあん? 自分でちゃんと言わんなわからんよ? 」
「真由先輩に……」
「うちに? なんして欲しいん? 」
「先輩に……さわって欲しいです……」
「どこを? ちゃんと言わなわからんっちゃ」
「私の、……その、パンツの下を……」
「はい、えらいね、よく言えました」
先輩ぶった真由は、ひざで立って、ゆでだこのように真っ赤になってうつむいている友佳の頬を両手で持って、静かに唇を重ねた。
「呼吸法も、だいぶうまくなってきたし、今日は特別レッスンしちゃるけね」
もう一度唇を重ねる真由。しかし今度は、さっきよりも深く熱い。友佳の唇を味わい、そして、友佳の口腔内まで舌で蹂躙しようとする。が、なかなか舌が受け入れられない。
「友佳? べろが入らんやん。もうっ! 」
 もう一度試みる。何とか口内に入ることが出来た舌は、突然の侵入に怯える友佳の舌を発見すると、容赦なくからみつく。友佳は、目を見開いたまま、固まっている。
しばらくたって、ようやく口を離す真由。つーっといやらしい粘液が糸を引いて床に垂れた。
118C.G.Yang:2008/06/14(土) 03:11:49 ID:ql41rbxu
「こっちはどんなんなっとんかね? 」
 半ば強引に、友佳のワイシャツの裾をたくし上げる。スポーツブラまでめくりあげると、小さな隆起に、これまた小さなつぼみがちょこんと立っていた。
「かわいいー、なめちゃるっ! 」
「……ゃ、んっ……、っは、……あぁっ」
 ちゅうちゅうとわざとらしく立てられた音と、柔らかな舌での刺激に、友佳は小さく、か細い声を出す。そんなとき、一段と大きな声が漏れてしまった。もう一方の突起を指でこねられたのだった。

「っはぁ……せんぱいぃ……っんぁ、くぅぅ……」
「ほんとかわいいんやけ。そろそろこっちもいい具合やない? 」
 真由の手が、スカートの下に伸びて、スカートを捲り上げる。
「真っ白なパンツっち、小学生やないんやけさぁ」
 とあらわになった下着を見て、少し含み笑いをしながら真由がからかう。
「でも、似合っとうけ、ゆるしちゃあ」
 何をいったい許すのかわからないが、ショーツ越しに友佳の大事な部分をゆっくり指先でなであげた。大きくぴくんと友佳の身体が波打つ。
「気持ちよさそうやね……もっとこんな感じやろかぁ? 」
 こするスピード、強さを一段階あげて、友佳の反応をみる。

「んはぁ、ぁあ、そこっ……せん、ぱいぃ……」
 ショーツの染みも大きくなり、指の動きに応じて、くちゅっ、ぬちゃっという淫靡な音が教室に響きはじめる。
 上気した頬、か細く響く嬌声、熱っぽい吐息、そして淫靡な音。友佳の全てが真由にはかわいく思えてくる。友佳の興奮にあてられた真由はさらに、指の動きを激しくする。

「ああぁっ……そんなっ、きゅうに、はげしくっせんで……くださいっ、んぁっ」
「かわいいよ、友佳ぁ」
「せんぱいぃ、ちょく、せつ……ゆかのにさわって、ください・・・・・・くぅ」
「いいよ、はぁ、特別やけね」
「んっ、ぃやん……っふぁ、くっ……ぁあぁっ」
 ショーツを少しずらして、直接友佳のに触れる。とても温かくて、いやらしい感触。
 しばらく、そんな感覚を味わったあと、これで仕上げ、と言わんばかりに、友佳の花弁を激しくいじくっていた指で、皮のかぶった陰核を強く押しつぶした。

「っひぁぁぁっ! 」
 短い声を上げて、びくんとのけぞった友佳は、やがて背もたれにがくんともたれかかる。
 はぁはぁと荒い呼吸が教室にこだまする。友佳だけでなく、気付かないうちに真由の呼吸も荒くなっていたのだった。二人とも、つややかな肌にはじっとりと汗をかいていた。
 真由は、呼吸を整えながら、自分の指についた友佳の愛液を愛おしそうにきれいになめとり、友佳の額に軽くキスをした。
119C.G.Yang:2008/06/14(土) 03:13:43 ID:ql41rbxu

「今日の特別レッスンはここまでね」
「あ……はい」
 背もたれにもたれかかったまま、うつろな目で友佳は返事をする。
「友佳、そうとうよかったよぉ」
「いや、そんな……」
「明日も、特別レッスンするけね。明日のレッスンは、今日されたことと同じことをうちにもすること。ちゃんと明日までおぼえとかないけんよっ! できんやったらおしおきやけねぇ」
「……はいっ」
 再び先輩ぶった真由に、友佳は、大きな目を細めて微笑んだ。

 おわり
120C.G.Yang:2008/06/14(土) 03:14:17 ID:ql41rbxu
ありがとうございました。
121名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 01:04:21 ID:2hNvjDsU
>>120
おぉ、久しぶりに来てみたら良作が。いいなこの方言。
122名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 16:42:48 ID:YtdV9QQb
>>120
ふぅ…
 
ぐっぞぶ
123名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 21:04:11 ID:juDqS3XE
九州の訛りとSっ娘はよく似合う。いい意味で。
GJ!!!
124わんこ:2008/06/16(月) 00:07:19 ID:1E4WcPo2
大分出身・福岡在住の、のら犬が通りますよ。

・エロ無し、ほのぼの。
・九州・大分弁もの。

です。マイナー方言ですけどどうぞ。
125先生のまち、ぼくのまち。:2008/06/16(月) 00:07:58 ID:1E4WcPo2
クラス担任の佐伯先生はちょっとばかし美人で有名だ。
佐伯先生が歩くと、廊下に涼しい風が流れると言うくらいの可憐さ、
男子の間では個人授業を受けたいと思うくらい、そして女子の間でも、
憧れのお姉さんという存在のお姉さん。
そして、「先生から罵倒されたい」という不届き者も出てくるほどのきれいな声。

しかし、佐伯先生はそんなに口数が多くない。もしかして、ぼくらと話すことが
嫌なんだろうか、とぼくらから勘ぐられる位喋った事がないのだ。
その無口のおかげで影のある美人というイメージなんだが、ぎこちないと言うのも事実。
けっこう内気な子にとっては、怖がられている節もある。
せっかくの美貌を持っているのに、何という遺伝子の無駄遣い。

「先生、学級日誌です」
「うん」
結局、今日先生と話したのはこのときだけ。
もっと、先生の声を聞きたい。そう思うのは、ぼくだけじゃなく他のヤツらもきっと
思っている事だろう。なんだかな。
そんな先生と、二人っきりで話したい。
126先生のまち、ぼくのまち。:2008/06/16(月) 00:08:27 ID:1E4WcPo2
ある日曜日、ぼくは先生がバス停で都バスを待っているのを目撃した。
あいにく、先生はケイタイで誰かと話している。
ちくしょう、ケイタイで話していなきゃ先生に話しかけるチャンスだったのに。
なんて運のない星の元に生まれたんだろうか、ぼくは。神様なんか、死んでしまえ。
と、思っているとようやく先生は電話を切った。ありがとう、神様。

「佐伯先生!!」
「あっ、広瀬くん。どうしたの」
「先生こそ、どこかに出かけるんっすか?」
「う、うん。ちょっとね」
「ぼくが一緒にお供でもしましょうか?お姫様のエスコートは男子の役目です」
「だって、せっかくの広瀬くんのお休みに…」
ぼくは、強引に緑色のバスに一緒に乗り込み、街に出かけた。
どうせ、ぼくには予定はありませんよーだ。

佐伯先生は一人暮らし。休みの日は、掃除洗濯のあと買物と決めているらしい。
ぼくが先生の事をもっと知ろうと話しかけても、先生は相槌ばかりで会話が繋がらない。
他のヤツらが見たら、羨ましがるんだろうけど…。でも、なんだかつれないな。
それに、あまり自分自身の事を話したがらないのだ。踏み込んで聞くのもどうかと思うし…、
ぼくはもっと先生の事を知りたい。
127先生のまち、ぼくのまち。:2008/06/16(月) 00:08:50 ID:1E4WcPo2
しかし、佐伯先生の横に座っていると段々と、先生の色香に惑わされそうになる。
ただでさえ美人なのに、甘い声で誘われたらぼくの将来をも捨てて
先生に付いて行ってしまうかもしれない。
だって、ぼくはそうゆうお年頃の男の子ですから。
オトナの甘く、そして柔らかな香りがぼくを試すように包んでくる。
先生の横顔をちらと見るたびに、すこしどきっとしてしまうのだ。

目的の街に着く。
バスを降りると同時に、先生のケイタイが鳴った。
「もう、また母さんからかあ…」
佐伯先生は、とても面倒くさそうに電話に出る。横でぼくは話し終わるのを待っていた。

「なんかい、さっきも電話してきたやん。いちいちこげん事で電話せんじょくれ!」
え?
「わかったっちゃ!ええ?そんなん、じいちゃんがわりいやん!」
「もう、切るで。いちいち電話取るのヨダキイけん、メールで送りよえ」
「はいはい!切るでー!こっちは真剣忙しいんやけん!」

……先生、何語ですか…。
「広瀬くん、おまたせ。ごめんね」
128先生のまち、ぼくのまち。:2008/06/16(月) 00:09:14 ID:1E4WcPo2
美人の佐伯先生は、にこりと笑ってぼくのほうに振り向いた。
いったい先生は何を話していたんだ。しかも…今まで以上に饒舌な先生。
「うちの母さんがね、かぼすを送ったって。ただそれだけなのにね」

先生の地元は大分だと言う。
「あの…、大分って…どこですか」
「…みんな言うのよね」
「えっと…九州の…」
「うん」
先生は田舎から出てきた事をばれないように、なるべく喋らないようにしていたのだ。
でも、別にばれたっていいじゃん、って思ったが、
「だって…、真剣怖ええっち思われたら、いややん」
「しんけん…」
「えっと、『超』怖いかな…」

確かに、大分の訛りは迫力があった。ケンカをしているのかと思った。
しかし、自分の尻尾を見破られ、おまけにケモノの耳まで見せてしまい、狩人にとっ捕まえられて
シュンとなってしまった先生。その大分訛りは『真剣』可愛らしく見えた。
129先生のまち、ぼくのまち。:2008/06/16(月) 00:09:45 ID:1E4WcPo2
あくる月曜日。
佐伯先生はいつもどおりだった。
ぼくがいくら話しかけても、昨日のようなはっちゃけた話かたはしなかった。
やはり、先生も女の子。あんな姿を教え子に見られて、そうとう嫌だったに違いない。

お昼休み、用事で職員室に行くと佐伯先生はお昼を食べていた。
即席のカップ味噌汁に、実家から送られたかぼすを絞って入れている。
ぼくは、いくらか用事を終え教室に帰ろうとしたとき、佐伯先生に呼び止められた。
「広瀬くんね、昨日の…わたしって怖かったかな」
「あの…あっちの方が、その…」
「その?」
「可愛いです」

年上の人を可愛いというのはとても根性の要ることだったが、可愛かったから
ぼくは、怒られるのを覚悟でそう言ってしまったのだ。後悔は…ちょっとしている。
「そうなんや…。わたし、勘違いしちょったかな」
「………」
「広瀬くんよい。そういう時は『ええらしい』っち言うんで」
「ええらしい…」
ぼくは、不思議な言葉をかみ締めながら職員室を去る。
その言葉で頭が一杯だったので、なにか先生が呼び止めているのに気付かない。
130先生のまち、ぼくのまち。:2008/06/16(月) 00:10:07 ID:1E4WcPo2
すこし、今日は佐伯先生と近づく事が出来たかもしれない。
なんだか、先生に会うのが楽しくなった。

その日の授業を終えて、友達と帰ろうとしたとき佐伯先生がぼくを呼び止めた。
お昼に職員室に行った時、ぼくは生徒手帳を落としていたのだった。全く気がつかなかった。
ぼくは俯き、友達から冷やかされながら生徒手帳を受け取る。
「広瀬くん」
「なんですか、先生」
「広瀬くんも『ええらしい』なあ」

ぼくは胸の奥からぷわぁっと熱くなった。
言葉の意味が分からない友達は、キョトンとしている。キミたちから一歩抜き出た気分だ。
ぼくと先生にしか分からない事を共有しているんだぞ。どうだい。
「先生も『ええらしい』です!」

先生は、真剣恥ずかしがっていた。


おしまい。
131わんこ:2008/06/16(月) 00:11:09 ID:1E4WcPo2
「ヨダキイ」の意味は「面倒くさい」です。
投下はおしまい。
132名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 00:30:42 ID:mxPYsoUK
>>131
おぉ、何かいいよ何かいいよこれ!お疲れ!
「よだきい」て前聞いたことあるような…概視(聴?)感。
133名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 00:35:41 ID:/9AkO3P2
>>131
うまいなあ。真剣GJです。
大分になるとすこし方言が強いのか。
そんなん北九州と変わらんもんやと思ってたけど。
134132:2008/06/16(月) 00:42:14 ID:mxPYsoUK
ageちった…真剣ごめんort
135名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 08:38:06 ID:tDy5wU4+
ええなぁ…最高やわ。
九州は県ごとにごっつい訛りがあるみたいやけど北九州の人も大分の人もぐっじょぶ!
136名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 08:46:50 ID:dRLhyXX0
このスレって
需要>>供給
こんな感じだよな?
137名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 21:16:22 ID:8gHH28vI
見せ方次第では、そんなことはない。
138名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 13:53:54 ID:pLtR7mGH
でも供給が少ないのは事実じゃない?
139名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:06:56 ID:AlxhmkjG
大体書き込み自体が少ないやん。
140名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 02:00:38 ID:jeOq1uuI
良スレ 需要(100)≧供給(100〜80)
並スレ 需要(100)>>>供給(50〜40)
このスレ 需要(80)>>供給(40〜30)

このスレは読み手の熱意というか、
要求とか萌え談義が少ない方だから、
これで充分だと思ってる。
141うふ〜ん:うふ〜ん ID:DELETED
うふ〜ん
142名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 23:07:41 ID:+y0Uz1rM
SSが欲しーゆー
143名無しさん@ピンキー:2008/06/30(月) 20:44:40 ID:MV8pt+st
このスレ始めて来たからログ読んでたんだけど
>35の件
>36でも語られてるように元は廓詞だよね

でも廓詞は訛りを隠すためにも使われてたらしいから…
まぁこのスレ的には
(´・ω・`)
だよねぇ

まぁそれだけ、酔っぱらいの戯言(´・ω・`)ノシ
144名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 00:48:15 ID:3j/Cs63S
>>73
亀レスだが俺は好きだぞ。こういう身勝手な人間の話大好き。
それに表現も暗喩も洗練されてるし。一般の方のプロみたいだ。
145名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 02:13:35 ID:mwOJ4vVf
岩手「あたしさ、工学部のさ、○○先輩とかタイプなんだけどさ」
山形最上「いいにゃあ♪」
秋田沿岸南部「え〜、あの人見てるとイライラたい」
秋田県南「せば誰がタイプ?」
秋田沿岸南部「ん〜、へば△△先輩」
津軽「わーの兄ちゃんは?」
岩手「仙台市民じゃなきゃさ、とりあえずいいよね」
146名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 02:30:45 ID:mwOJ4vVf
多分、北東北で会話するとこんな感じ。
最上で語尾に「にゃあorじゅ」が付くのは反則的に萌える。
岩手県民に言わせると「仙台とか福島もさ、かなり訛ってない?」とのこと。
147persona:2008/07/01(火) 21:26:27 ID:1nxQ6VmA
「おお、ようやっと見っけたよー……。こんな走ったん、ガッコ卒業してから初めてーかもなぁ」

あははー、と邪気の無い笑みではあはあ息を切らす姉ちゃん。
ある意味最悪の事態をこんな迂闊なミスでもたらしてしまうなんて自分が情けなくてしょうがない。
見れば、その手には四角い包み。
要するに弁当を忘れた訳で。
田舎モノ丸出しな中学生にすら見えるちっこいのには責任を押し付ける気なんて起きはしない以上、この人ほど性質が悪いものもない。

……で、まあ。
当然のごとく外野連中が五月蝿い。
誰だよその人、とか。
うわすっげえ可愛い、とか。
お前の彼女には勿体ねぇ、とか。

A1.僕の従姉妹。この人の親の離婚騒動とか色々あってうちに下宿中。……10年くらい。
A2.こう見えてうちの学校のOB、2歳年上だ。口を慎めよ。
A3.家族としてしか扱えないって。……姉として扱うべきか妹のように扱うべきかはいまだに判断に困るけど。

「……あら。あらら? あららららららら? ど、どうしたん?」

……とりあえず、脳の涌いた連中から引き離す為に無理矢理手を引っ張ればずるずると思うがままに。
抵抗の意思はなし、と。
それだけ確認して僕は一気に走り出す。

「うぅーわぁああぁぁぁぁああー、ちょ、ちょい待ち、そっちガッコと違うよー……」

全く緊張感のない天然ボイスを垂れ流すはた迷惑な姉を引きずって、兎にも角にも連中を引き離す。
……遅刻、確定だけど。



「むー……、サボりはあかんよ。お姉ちゃんを悲しませんといて」

……そんな6頭身近くかつベビーフェイス、身長140p大からの想像通りな能天気な声質で怒られても、その、困る。
この人は分かってるのかね、自分の特異性を。
僕は散々色々そのせいで迷惑を蒙ったってのに。
せっかく手に入れた僕の友人を、その中での立場を。
……こんな事で失いたくなんてない。
148名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 21:27:07 ID:1nxQ6VmA
「だから……、あまり俺の生活に関与しないでよ……。
 この年になって姉貴にべったりって噂でも立つとまた居場所がなくなるからさ」

……そう、また、だ。
この人はこう見えて頭が良くて、コンピュータ関連の何かで企業にスカウトされたらしい。
大学にも行かず生計を立てられているのはそのためだ。
……それだけ目立つ人間の妬み嫉み僻みのしわ寄せが弟に来る、とか、この人はきっと知らないんだろう。
只でさえ幼すぎる容姿やお節介な性格、その口調で疎まれていたってのに、当人ばかりは台風の目で静かなもんだ。

「あー、もう、俺って言うのも似合わへんよ……。昔ーみたく僕でええやん……」

……止めてくれ。
そういうことを言うなら、せめて――――、

「……その関西弁を自分が止めてから言ってくれないかな。色々目立つから嫌なんだよ……」

……びくり、と。
姉ちゃんの肩が震えた。
ほんの一瞬だけ俯いたその瞬間、髪の毛で目が覆われて見えなくなる。

反応はそれだけで、顔を上げたときにはもういつもの能天気な従姉妹だった。

「……あははー。まあ、インチキ関西弁やしね。不快に思ったら……、ごめんなー」

「……え?」

「……もう、10年以上もこっちにおるんよ? まともな関西弁なんかとっくに喋れへんようになってるよ」

……だったら何故、標準語で喋らないんだろうか。
彼女の妙な言葉で僕までもエイリアン扱いされた事だってあるのに。
……妙なイライラが、込み上げてくる。
そんな時不意に彼女が何かを言った気がして、あらためてそちらを見直した。

だけど、そこにはいつもの彼女が居るだけで――――、
149persona:2008/07/01(火) 21:27:48 ID:1nxQ6VmA
「そんじゃあ、ウチは帰っとるね。はよガッコ行く事。後は、しっかり勉強してしっかりご飯食べといてな?」

……にこりと、それだけ言って彼女は後ろを向いて歩き出す。
その背に何かを言おうとして……、結局、僕は言葉を出すのを止めた。


……幻聴だ。

『……今更変えて、……に変な目で見られたくないからね』

標準語のイントネーションで、間延びした調子もない。
さっき僕の耳に届いたその台詞は彼女を思わせる要素は全くないのに……、確かに彼女の声質だった。

それが異常なほどの気持ち悪さを僕にもよおさせて、何よりも強く縛り付ける。
あるべきものがあるべき姿でそこにない。
いや、一枚めくってみれば、想像したくなかったものがそこに蠢いているようで。
そんな不快感を直視したくなくて、結局僕はそれを『なかったこと』にした。

……僕の知っている彼女は、何だかんだ考えながらも僕の慕っている彼女はそんな要素は持っていない。
……そのはず。
そのはずだ。

それだけを信じて、僕は『いつも通りの彼女』に縋り続けている。
今までと同様に、これからも。



……もし、彼女への認識が変わってしまったのなら。
僕は、僕の安いプライドと……、それに持たれかけさせてようやく手に入れたアイデンティティを保てるんだろうか。

未来を見据える余裕なんてなく。
僕達は薄氷の上でただ縮こまる事しか出来はしない。
150名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 21:29:15 ID:1nxQ6VmA
保守用短編終了。

……萌えもなければエロもなし。
恋愛なんて夢のまた夢。


……つくづく、自分の方向性を疑わざるを得ない。
151名無しさん@ピンキー:2008/07/08(火) 20:23:43 ID:7nfYZh+H
>>150
GJ!
なんか続きが読んでみたいです
152名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 00:15:07 ID:DbmHVhuD
>>113
> 神戸弁のキャラを書いてたとき、「俺、関西人だけどこの関西弁おかしい」
>って言い出されたときは、正直卵ぶつけたくなったな

じゃかましわ
お前のキャラの標準語の時とその方言の時がキャラと合うてへんてつーてんねん。
「〜とぉ」が神戸ナマリくらい大阪人なら分るわボケェ
153名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 23:04:44 ID:jsIMGsvo
河内の人は(´・ω・`)コワス
154名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 01:49:26 ID:1rpXjfiU
「なぁ、ウチはなんも言ぅたらあかんの?」
 恋人・安喜茜の唐突な言葉に、高牧啓介は首をかしげる。
 ちょこん、という擬音がぴったりくる感覚で、ソファの隣に腰を落ち着けている茜が、泣きそうな表情でこちらを見上げていた。
「どうしたんだよ、いきなり」
「……ウチね、普通に喋っとぅだけなんよ」
 ぽつりと呟いて肩を落とす茜を、啓介は何となく見つめていた。
 自然に後ろに流した腰まである黒髪と、銀縁のおとなしいデザインをした眼鏡が特徴的な女性。
 理知的、そんな表現がぴったり来る茜の、しょんぼりとした様子に首をかしげる。
「ただそれだけやのに、なんでそんなん関西弁ちゃぅ、言われなあかんの? なんで似非関西弁喋んなとか、じゃかましいわとか、言われなアカンの?」
 何となく、その言葉に納得できた。
 だから、何も言わずに肩を抱き寄せる。
「ウチ、……ウチの言葉、そんなヘンなん? なんで普通に喋っとぅだけやのに、そんなん言われるん? 神戸生まれの神戸育ちの言葉は、関西弁ちゃぅん?」
 涙目になって見上げてくる、茜。
 どうして茜がそんな風に言われるのかは、啓介は誰よりもよく知っている。
 153センチと低い身長でいつもおっとりとした雰囲気と、Fの89と言う胸を隠すためにゆったりした服を着ているせいで、周りからはぽっちゃりしたトロい子だと思われているから。
 イジメる側からすれば、丁度良い対象だというだけのこと。
 そして、単にその言葉をイジメの口実に使っているだけの話。
「ウチ、なんか言ぅたびにクスクス笑われたり、あからさまにイヤそうな表情されたり、怒鳴られたりするん、もうイヤや。関西言ぅても、大阪以外のしゃべり方は関西弁ちゃぅん? 大阪以外の言葉は使ぉたらあかんの?」
 涙目で見上げてくる茜。
 その頭をあいている手でそっと撫でる。
 掌に触れる、さらさらの髪の感触。少し、欲が湧いたことを自覚しながら、啓介は不意に顔を下げた。
 一瞬、驚きながら顔を上げてきた茜が、それでも目を瞑って顔を上げてくる。
 そのまま、静かに唇を重ねた。
 抱きしめたときから感じていた甘い香りが更に強さを増して、唇が触れあう感触がただ嬉しい。
 しばらく触れるだけのキスを続けて、そっと離れた。
「そんなのはさ、言いたいように言わせておけばいいって。それを言ったら、俺だって散々言われてるんだぞ? 関西人のくせに東京弁ですかしやがって、とかさ」
 呟きながら、啓介は小さくため息をもらす。
 確かに、両親は生まれも育ちも大阪で、けれど、啓介が生まれたのも中学まで過ごしていたのも東京だったから。
 両親がよく使う関西弁よりも、友達と話していた標準語の方が啓介には普通になっていただけ。
「大体だな、相手の方言をバカにして喜ぶような人間は、それ以外でも自分の言うことが絶対に正しいって思ってるような奴だから、相手にする必要はないって」
「そやけど……」
 恥ずかしげにもじもじしながら見上げてくる茜。
 胸の奥から愛おしさがこみ上げてくるのを自覚して、啓介は苦笑を浮かべた。
「それにさ、俺は茜の言葉遣い好きだけど?」
 言った瞬間、茜の顔が真っ赤に染まった。
 それが可愛くて、思わず茜の額にキスする。
155名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 01:50:25 ID:1rpXjfiU
「や、もぅ、そんなん言われたら、恥ずかしー」
 恥ずかしがって身をよじった茜が、啓介の抱擁から身を離す。
 温もりが抜け出るのが少し寂しくて、それでも啓介はそれ以上は手を伸ばさない。
 おとなしく見える外見とは裏腹に、茜は一度こうと決めたら覆さない意志の強さもある。
 その茜が、自分から身を離したのだ。手を出すことは出来なくて。
「ま、あれだ。九割東京人の俺に言わせると、関西弁でもそれぞれ特色あって面白いと思うけどな」
 だから、そんな風に話を続けた。
 興味津々と言った様子で見つめてくる茜に、笑いかける。
「京都弁ははんなりしたおとなしい感じで、大阪弁はがっつんがっつんした強い感じだって思う」
「そしたら、神戸の言葉は?」
「ん、そうだな。ふんわりして優しいって感じだよ。ま、俺はどこの言葉が一番だなんて、そんなのには興味ないんだけどな」
 そこまで言って、不意に立ち上がる。
「啓介君?」
 不思議そうに見上げてくる茜に静かに手をさしのべた。
 首をかしげながらも、こちらの手を掴んで立ち上がる茜。
「そんなつまらないことは忘れてさ、一緒に遊び行こうぜ」
 一瞬顔を赤らめて、こくんと頷く茜。
 どうして、そこで顔を赤くするんだと問い掛けるよりも早く、茜の顔が視界いっぱいを埋めた。
 こちらが何か反応するよりも早く、唇に柔らかな感触。
 同時に、きゅっと抱きついてきて、こちらの胸板に豊かなふくらみが押しつけられてくる。
 しばし呼吸をすることも忘れて、啓介は茜を見つめた。
「……あの、やね」
 身を離した茜が、耳まで朱色になりながら見つめ返してくる。
「つまらないこと、忘れさせてくれるんやったら、その、出かけるんやのうて……」
 ごにょごにょと呟いて語尾を濁す茜。
 その言葉の続きが理解できたから。
 啓介は自分から抱きしめて、唇を押し当てた。
 ぴくんっと茜の体が震えて、力を抜いて受け容れてくれる。
 だから、何度も甘噛みした後、その間を割るようにして舌を差し込んだ。
 背中に廻されていた茜の手が、静かに動いて、こちらの首を抱え込んでくる。
 緩く口を開いて、こちらの舌に自身のそれを絡めてくる茜。
 愛おしくてたまらない。
 舌を絡め合い、唇を吸い合い、伸ばした手で茜の大きなお尻にそっと手を這わせる。
 また、ぴくりと体を震わせる茜。
 何をしても抵抗しようとしない茜に、ガマンなんて出来るはずが無くて。
 少し身をかがめた。
「?」
 一瞬、目を緩く開いて不思議そうな表情を浮かべる茜の背中と膝裏に手を伸ばして、そのまま抱き上げた。
 そして、そっと唇を離す。
 一瞬、銀の筋が唇と唇を繋いで、それが茜の口元へとこぼれ落ちた。
「じゃ、部屋行こうか。さすがにここでってのは、問題あるしさ」
 笑顔を向けた瞬間、茜がうつむく。
 それに気付かないふりをして、啓介は歩き始めた。
 ……硬くなった股間のせいで少し歩きにくかったけれど。
156名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 01:52:00 ID:1rpXjfiU
保守ネタ代わりに、113を少女化してみた。
157名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 10:03:22 ID:lofl9C3t
うおう、GJです
158名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 20:57:22 ID:SYBmTZiM
GJでした。

でも、神戸弁ってこんなんやっけ?>>154の方言って関西弁+岡山弁じゃないか?
「〜しとぅだけなんよ」って岡山の方の言葉な気がする。
159156:2008/07/14(月) 22:27:27 ID:1rpXjfiU
当方、神戸生まれの神戸育ちです。

親が京都の生まれなので、京都と混じってると言われるなら解りますが、
岡山には行ったこともないし知人もいないので、正直解りかねます。
「○○なんよ」は「○○なんや」の女性的な言い方です。
使う人が少ない古い言い方ではありますが。

長文失礼
160名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 12:32:12 ID:OZW6wxP3
「なんよ」が引っかかってるんじゃ無くて「とうたけなんよ」って流れ違和感があるのかな?
「なんよ」って普通に使うもんなぁ。
わたしも岡山の方は分からないけど。
あと>>113は「神戸なまりを知らない人に関西弁がおかしいと指摘されて憤った」って事を言ってんだよね?
対して>>152は「神戸なまりと言う事は理解しているが、標準語から受ける印象と合ってない使い方をしてる」って言ってんでわ。
161名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 07:38:41 ID:/E58Ax2u
方言議論はこっちでやれ

言語学
http://academy6.2ch.net/gengo/

>>154-155
GJ
162名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 21:16:46 ID:12PfEaRG
>>154
神戸弁いいねえ。
あずまんが大王の「大阪さん」も神戸弁らしいな。
163名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 20:40:49 ID:FnWyYfyX
夏祭りの季節になりましたが北海道では今でも
金魚すくいはモナカ(刺し最中)主流で紙すくいは100円高いままでしょうか?
164名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:36:17 ID:HWKBta1K
165名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 11:02:10 ID:8uBBh/em
保守
166名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 13:49:20 ID:sv77ZcOK
広島の男子小学生=ショタジジイ

「ワシ、お姉ちゃんの事ぶち好きじゃ…。じゃ、じゃけぇ射精させてぇやぁ」
「あんた何言よん?このウチがそんなに簡単に射精させるわけないじゃろ?
小学生のクセに血の繋がった姉弟の黒ストッキングで足コキされて、あそここんなにするとかほんまアンタはいけん子じゃねぇ。
存分に虐めちゃるけぇ覚悟しときんさい」
「歯痒ぇのぅ…。もうワシ漏らしそうじゃあ」
167名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 20:58:28 ID:fj0EjXgA
上げ
168名無しさん@ピンキー:2008/08/06(水) 00:44:31 ID:6ArmcON4
投下なさすぎんべー
誰か投下してくんねーべかな?

AREA-045の俺に救いの手を!
169名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 14:01:25 ID:LFi15xBz
「なんっだづ、こごのSS東北弁のやづなんもねーねが!
誰が書ぐやづいねぇなが?」
「秋姉、そんなに読みたいの?じゃあ僕が書くよ。
まずは僕たちの馴れ初めから…」
「やめれっ!!書ぐなっ!!しょしっっ!!////」
「あれは確か小学5年生の夏…」
「やめれって!!ぶん殴っとこのぉ!////」

AKITAより愛をこめて
「しょし」=「恥ずかしい」です
萌えねえww
170名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 23:39:29 ID:R3lBPJlh
いいすれ
171名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 00:05:12 ID:r6J4EqAh
広島って女の子もワシって言いません?
よくある「わたし」→「わぁし」→「わっし」じゃなくて
昔ローカル線に乗ってたら地元の女子高生がちゃんと「ワシ」って言ってて感動したオボエが(w
あれは田舎だけなのかな。
172名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 08:08:09 ID:vSKbOJXm
>>169
萌えてしまったんだが
 
>>171
わっち?
173名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 22:26:40 ID:L3v1q9qA
>>171
それ多分結構育ちが悪い娘だよ




いや…オマイはまさに本物のロリ婆に会ったんだよ!
174名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 13:17:02 ID:ffWiZ1FX
変わった?一人称といえば、福井出身の某アイドルが、
「あっし」か「あーっし」みたいな一人称だった
175名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 21:51:39 ID:WIBPl/u4
171ですが

>>173
「天然コケッコー」でしたっけ?広島が舞台の漫画があるでしょう、くらもちふさこさんの。
あれのヒロインも「わし」なんですけど、あんな感じでした。
>>174
「わっし」とか「あーっし」なのはカツゼツが悪い子がそんな発音になってますね、わたしの友人にもいます。
あれは方言では無いでしょう。
176名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 00:21:45 ID:z1JjC2JQ
「自分」という言葉が地方によって一人称だったり二人称だったり
するのを利用してなんかできないかな?
177名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 07:56:52 ID:rr3aPe8+
関連スレ
ギ ャ ル に 方 言 を 喋 ら せ よ う
http://game14.2ch.net/test/read.cgi/gal/1040961136/
178名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 07:58:44 ID:96SPLRA3
>>176
よくある勘違いネタとか良いんじゃね?
179名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 08:04:12 ID:N5sgwwEw
☆ゅ
180名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 23:16:24 ID:qz541aG8
>>171         俺広島県人だけど今時わしなんて男でも言わんよ。
181名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 07:16:10 ID:q6c4aDbr
誰か投下してくれないかな……
182名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 20:44:42 ID:iz/egEKA
ほしゅ
183名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 08:19:57 ID:wtM5aJvJ
上げ
184名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 08:12:41 ID:auQgF7Yl
職人来ないかな…
185名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 15:28:04 ID:qY+dfqtR
誰か書いてくれないかな…
186名無しさん@ピンキー:2008/10/21(火) 08:40:57 ID:1w1jnGcH
ほし
187名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 10:59:19 ID:O7tvZ3up
保守
188名無しさん@ピンキー:2008/10/29(水) 09:40:34 ID:k9bEHmfM
保守
189名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 23:01:09 ID:HmUCFWQF
ロリショタ関西保守
190名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 23:02:12 ID:HmUCFWQF
他人とひとつの布団で寝るのは、何年振りだろう。
良介は布団に潜り込んで来た遠縁の栞(しおり)に気付いて、びくりと身をすくめた。

「…寂しいねん。なんか話しよ。」

栞はひとつ年上の中学1年生、祖母の通夜にはるばるやって来た。
階下からはまだ飲んでいる叔父たちの大声が聞こえてくる。

「…眠いよ。栞ちゃんも早く寝なよ。」

栞は風呂上がりのいい匂いがした。まだ濡れたショートヘアが良介の頬を撫でる。

「冷たいよ!! 」

良介は向きを変え、彼女を避けようとするが、栞はククッ、と笑って良介を逃がさない。

「…あかん。逃がさへん。」

ぐにゃりと潰れる柔らかな胸。
眠気と疎ましさは吹っ飛び、良介はだしぬけに栞を『女』と意識する。
そういえば先ほどの通夜の席で、セーラー服と黒いストッキングで神妙に正座する彼女を見て、妙にドキドキしたことを良介は思い出した。
前に訪ねてきた時は、一緒に風呂に入り、中で大喧嘩したものだったが。

「…重たいやろ …」

首筋にかかる栞の吐息。不思議な昂りを覚えた良介は体の力を抜き、栞が密着するに任せた。
懐かしいような温もりと未知の疼き。彼はそっと栞の腰に手を回してみる。
191名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 23:03:37 ID:HmUCFWQF
栞は再びククッ、と鳩のような笑い声を立ててから囁いた。

「…エッチ…」

鎖骨に触れた栞の唇が動くたびに、ゾクゾクと背筋を走る甘い戦慄。
良介の昂りに気付いた栞は密着した下腹部を更に強く押し当てる。

「…うっ!!」

思わず漏れる呻き。抑え難い衝動に、良介の腰は緩やかに動きだした。

「…勃ってるやろ? ふふ、触ったる…」

ゆっくりとパジャマに侵入した柔らかい栞の指は、良介の発育途中だが今や堅く反り返ったものをしっかり握った。

「…あ!! 出そ、う…」

「…まだやで… この堅いちんちん、どうするか知ってる?」

栞の唇は、良介の首筋を這い登り、火照った耳元で囁く。

「…知ら…ない…」

栞の荒い吐息と唾液の音、朦朧と答えた良介の痺れた全身を電流のような恍惚が包む。

「…教えたる。…女の子の、おめこへ入れるねん…」

栞の口から発せられた淫猥な単語に反応するように、未成熟なペニスは唐突な限界を迎えた。

「あ!! あ!! 栞…ちゃん!!」

弓なりに身体を反らせ、栞の掌に夥しく射精した良介は、ぶるぶると痙攣し喘ぎながら未だ長い絶頂のままだ。

「…ふあ… あ…」

まだ搾るように良介を弄びながら、栞は彼の耳元でペロリと唇を舐め、欲望を秘めた瞳で微笑む。

「…きれいにしたるから、パジャマ脱いでみ…」

おしまい

192名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 23:04:44 ID:HmUCFWQF
投下終了
193名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 20:22:47 ID:Tjic+SoZ
GJ

でも関西人でもおっさんじゃない限りオメコとはいわんなwwww
194名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 23:07:09 ID:f74QMq6U
いいれす
195名無しさん@ピンキー:2008/11/24(月) 20:59:36 ID:MAVkcx7N
通夜とエロスのギャップがヒワイだな
遅ればせながらGJ!!

方言についてツッコミ入れんほうが職人さんが来てるんじゃね?
196名無しさん@ピンキー:2008/11/25(火) 01:07:40 ID:C4KDdJXd
GJ!いいね。ツボです!
197名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 13:31:13 ID:FWdGei0p
「何して欲しいのか言ってみろよ」
「そ、そんなん言われへん…!」
「じゃあ何もしねー」
「あっ…、あかん……して。してほしぃ…」
「だから何を?」
「も、もっと…えっち…なこと…」
「具体的に言わねぇとワカンネーよ」
「あ、あほっ!
い、いれてほしいって言うてんの! 

ぁ……はぁんっ!」


勢い書き。ごめん。
198名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 01:37:27 ID:EcE5Z7ZB
調教が進むと「入れて・・・ええよ」となるわけですね分かります。
199名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 14:45:54 ID:LMFpi5sQ
方言板
http://dubai.2ch.net/dialect/
新板できたよ。
200名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 01:17:32 ID:jpmVe6wU
hoshu
201名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 10:45:09 ID:vSsfBUXl
202名無しさん@ピンキー:2009/01/25(日) 11:07:19 ID:ED/UtXDU
保守
203名無しさん@ピンキー:2009/01/27(火) 08:16:42 ID:vIt1jgYS
方言という方言じゃないところに住んでるから方言に憧れる、しかし方言じゃない住まいゆえに妄想も浅くしかできない
204名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 13:21:49 ID:4O52eCRE
わかるよその気持ち
だから旅行に行って方言使ってる女子校生とかに会うとグッとくる
205名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 18:34:59 ID:1usYwt/p
189だが、こんなのどうだ?
206名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 18:35:30 ID:1usYwt/p
(前回までのあらすじ)転校生の柚香と高校生の『僕』はふとしたきっかけで交際を始め、関係を持つようになる。
行為の最中、彼女がふと洩らした聞き慣れない言葉から、僕は父親の仕事の為日本中を転々としてきた彼女が、各地の方言を自由自在に話せる事を知った…

207名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 18:36:18 ID:1usYwt/p
part4 和歌山

ベッドに腰掛けた柚香は、思いつくままに和歌山弁で話す。まるで彼女が別人になったような、この感覚が僕は好きだ。

「…一年くらい住んじゃったさけ、近畿やったら一番慣れちゃあ。南の方は、またちょっとちゃうけどな。」

「それじゃ、なんかエッチなこと言ってみてよ。」
彼女の方言を聞いていると、すぐムラムラとくるのが僕の悪い癖だ。

「…おまんいっつもそれやん。あ!!面白しゃい話あら。『あんた!! ほら!!』て和歌山弁やったら、『おまん!!こぅ!!』て言うんやれ。』

「…関東で言ったら大変だな…それ。」

嬉々として話す柚香を見ているとやはり興奮する。僕は彼女に並んで座り、艶のあるロングヘアに顔を寄せた。

「…それからねぇ、『だ』と『ざ』の発音区別でけへん人多いさけ…」

僕は話し続ける柚香の手を取って自分の硬直を始めた股間に導いた。彼女は悪戯っぽく僕を睨む。

「じゃ、コレは和歌山弁じゃ何て?」

「…残念でした。あんまり面白ないよ。」

「まぁ、言ってみてよ。」

「…ちんこ。がいなちんこ…」

ジッパーを下ろすと彼女はひんやりした指先で、そっと僕のものを握りしめる。

208名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 18:37:40 ID:1usYwt/p
「『がいなちんこ』?どういう意味?』

硬直し天井を睨む一物を弄びながら、柚香は目を伏せて、少し小さな声で解説した。もう、瞳が潤んでいる。

「『がいな、ちんこ』…おっきい、ちんちん、て事…」

もっと色々聞きたかったが、すぐに彼女の唇は僕のもので塞がっていた。
愛おしそうに僕を咥えこむ彼女のミニスカートをたくしあげ、ちょっと子供っぽいショーツに指を侵入させると、ぬるりと潤った部分は抵抗なく中指を包む。

「…ん…ふぅ…」

「…気持ちいい?」

柚香はちゅぽん、と唇を離し、唇を舐めて囁く。
「…おぉ…心ぁ良え…」


209名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 18:39:37 ID:1usYwt/p
投下終了
さあ誰か他府県で続き頼む!!
210名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 02:21:23 ID:DSUQZh9c
GJ過ぎてあとが続けられんw
211名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:01:31 ID:H3PAVAgp
もぞもぞと腰をくねらせ始めた柚香はベッドへ仰向けに倒れ込み、僕の愛撫に恍惚と身を任せ続ける。くちゃ、と淫靡な音が響いた。

「ああ… えぇよぉ…」

「どこが?」

例によっての僕の意地悪な質問に、うっとりと閉じていた目を開いた彼女は答える。こうして『方言プレイ』をしているとき、彼女はなぜか淫乱で、大胆だ。

「…おめさん…柚香のおめさん…」

酔ったように彼女は黒いソックスの爪先を揃えて脚をピンと伸ばす。ショーツを脱がせろということらしい。
スルスルと下着を降ろすと僕の目の前に彼女の薄い茂みが現れる。十七歳になったばかりのまだ可憐な下腹。
雫を光らせたそこに顔を寄せると柚香は恥ずかしげに顔を覆った。

「…あかん…そんなぃ見やんといてぇ…」

言葉とはうらはらに充血した襞と突起は僕の吐息を浴びてひくひくと震える。
待ちきれず腰をうねらせる彼女の淫らな仕草に猛り狂う僕の分身は更に反り返ったが、ぐっと堪え、柚香におねだりを命じた。

「…お願いは? ちゃんと和歌山弁で。」

ふうっ、と深い息をつきながら柚香は華奢な指で自らを自らを剥き出しにして、薄紅の内部を晒しながら言った。

212名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:02:38 ID:H3PAVAgp
「ああああ…がいなちんこっ、柚のおめさんに、ちょうらい…」

待ち切れず人差し指で敏感な膨らみを弄りつつ懇願する柚香の声に僕の我慢は限界を迎え、ズボンも脱がずに彼女を一息に貫く。
家人が留守とはいえ僕の家でしかこんなことができない現状、時間を気にせずすっ裸で思いっきりいちゃつくのが最近の僕の夢だ。
もちろん、柚香の話す各地の卑猥な方言を楽しみながら。

「…ああっ えぇよぉ!! えぇよぉ!! 」

僕の腰をしっかりと掴み、夢中で自分も腰を振る柚香がたまらなく愛しい。体位を変える暇もなく僕は慌ただしい絶頂を迎えそうになった。

「あ… 出そ… 柚、出していい?」

「…うん、えぇよぉ!! 私も、もう、イくぅ!!」
おびただしい精液が彼女の柔らかいお腹に飛び散る。制服のスカートを汚さないよう、余韻を楽しむ間もなく僕がティッシュでそれを拭き取っていると、起き上がった柚香はトロンとした眼差しと声で言った。

「…私も晴斗のん、美ししたる…」

言葉の意味を聞こうとしたとたん、柚香は体を曲げて僕のまだ充分硬さを保ったものをちゅるん、と吸い込んだ。

「うわ…あ…」

激しい舌遣いと吸引力に、僕は再び絶頂感に襲われる。
213名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:03:41 ID:H3PAVAgp
やがて睾丸までちゅうちゅうと丹念に舐め終えた柚香は、またぽすん、とベッドに倒れ込んだ。

「…はい。おしまい。和歌山弁もおしまい。」

彼女に覆い被さった僕は優しく柚香にキスしてから尋ねる。

「…確か柚香、九州にもいたんだよな…」


214名無しさん@ピンキー:2009/02/05(木) 18:05:28 ID:H3PAVAgp
投下終了…
だれか他府県(特に九州希望!!)で引き継いでくれよう。こんな誠意のあるクレクレいないだろw

215名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 04:07:58 ID:LtIZE7Di
秋田弁で書きたいが濁点多すぎてワロタw
あと文字にできない母音多いし

ほかの方言はどうなんだべ?
216名無しさん@ピンキー:2009/02/16(月) 04:10:52 ID:wNMcJtCR
>>215
残念ながら別スレに投げでしまった
おめが頑張って書いでけれ
217名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 01:53:19 ID:cSDy+SwQ
方言か隠語か知らんがチョンボっーのを・・・
実家の幼なじみと麻雀やってて聞いた
男性器だっけ
218名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 17:34:15 ID:ffZX2jNT
>>215
自分青森(津軽弁圏)なんだけど、やはり文章に起こせないww
起こしたとしても全部ひらがなorz
…うん、まあ、仕事で議事録取る度に思うんだけどな。

てっぺいぐねこどばばっかでなんもまい
219名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 16:17:56 ID:P2b3fIIP
保守
220名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 16:07:58 ID:CukyeL+n
221名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 23:22:59 ID:pvrz1vKQ
関西弁女かわいいよage
222名無しさん@ピンキー:2009/04/22(水) 00:30:24 ID:XhBHMBDB
>>213の続きを福岡人なので博多弁で書きたいが、文章力がないので書けないのがもどかしい。
223名無しさん@ピンキー:2009/04/27(月) 22:58:53 ID:Ba/YYBOn
へへっ、あげますぜ
224名無しさん@ピンキー:2009/04/28(火) 00:55:32 ID:6F3PJM2k
>>218の最後の文章の意味が地味に気になるんで誰か翻訳してw
225名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:03:22 ID:T7ZSNAGi
同じ島なのに北と南で全く言葉が通じない、そんなこの国が大好きだ
226名無しさん@ピンキー:2009/05/06(水) 15:11:41 ID:UqK+W2dW
>>224
あまり良くない言葉ばっかりでダメだな〜

みたいな感じ
通じるけど訳せなくてもどかしいww
227名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 17:57:29 ID:o/1D9YzC
津軽弁娘のSS書いてみた
書いてみたはいいけど、岩手県民に見せたら、一切読めないと言われた

例:なんぼおやぐまぎだがさもさねけど、わんど祝言挙げれるんだ?



解:いくら親戚って言ったって、私達結婚する事もできるんだよ?
228名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 02:02:13 ID:uUmG8Lue
読めないからって投下しないんじゃこのスレある意味がない。
せっかくだから落としていきなよ。
229名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 00:37:45 ID:ELAEJ+Ij
>>227
『確かに親熊は来たかもしれないが、果たしていつ結婚出来るんだ?』

関西人の俺は、こう翻訳してしまったw
230名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 07:15:31 ID:ItJ6bVzU
バイリンガルなら、現地語の原文と標準日本語翻訳版を続けて落とせるだろう
231名無しさん@ピンキー:2009/05/26(火) 02:03:56 ID:5ey2AQmJ
ほっしゅ
232名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 09:32:08 ID:RIU3Hd7x
あげ
233名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 18:21:51 ID:dlk2Y/iF
春樹ってエロ漫画家が方言少女のエロ書いてたような
234名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 15:04:50 ID:KvlwBAQ/
職人来ないかな……
235焦らしまくりえっち:2009/06/21(日) 21:14:51 ID:DqhGqcYa
関西人じゃありませんが投下します。



「あっ…こーちゃん…もぅっ…あかん」

俺の部屋で一緒にドラマを見ていたら自然とそういう雰囲気になり、テレビを付けたまま行為を続けていた。

「俺、伊織とまだ繋がっていたいんや。いやか?」
「あっ…ぃ…いややなぃっ。離れた…ないっ」

それから何度も身体を重ね、疲れきって深夜に眠りについた。

明るくなってきた頃、目を覚ますと腕の中にはまだ伊織が眠っていた。水でも飲もうと伊織をそっと離したが、腕を掴まれた。
「あっ…そこっ…だめぇ」
寝言か…こいつ、夢ん中でもまだしとったんか?
なんや、先に伊織が疲れてしまったくせに!
夢を見るって事は、俺に不満でもあるんか?この前もこんな事があって気にしていなかったが、急に不安になってきた。

俺はそっと伊織に跨り、瞼や頬、首筋にキスをし伊織の秘部に触れてみた。
夜中べたつく身体をシャワーで流したはずなのに、伊織の中からは新たな蜜が溢れていた。

「夢の中でまで、こんなにして…夢の中の相手は俺なんか?」
なんかおもろないわ。現実に戻したる。

柔らかな膨らみや先端をねっとり舐めまわし、強く先端に吸いつくと伊織は甘い声を漏らした。

「あぁ……んっ…」

まだ夢の中なんか?いい加減目ぇ覚ませや。

唇を塞ぎ隙間から舌を入れると、伊織は苦しそうに悶えだした。
「んぅ…んん〜っ!!

「やっと起きたか。」
「苦しいやないのぉ」
「お前が、ひとりで気持ちよさそうにしてるからあかんのや。」
「あっ…夢!?なんか言うとった?」
「まぁな。伊織は、夢ん中でするんが好きなんやなぁ。」
「違うっ、本物がえぇに決まっとる。」
「ふ〜ん。でも、あんなにヤってといて、夢でもヤってるなんて許さへんからな。」
「どうしたらえぇ?」
「決まってるやん。こんなにしてるくせに…」
伊織の中を軽く弄ってやるだけで、いやらしい音が聞こえた。
「あっ…やぁ…んっ」
「なっ、とろとろや。伊織、本物のがえぇんやろ?」
俺は、指を離すとすぐ自分のものを擦りつけた。
「やっ…あぁっ…あっ…」
「まだ入れたらん。」
伊織を押さえつけ脇腹のラインをなぞるように舐めてやると、ぞくぞくっと震え俺の舌から逃れようとする。
それでも舌を押し当て舐め続けた。
236焦らしまくりえっち:2009/06/21(日) 21:26:20 ID:DqhGqcYa
「はぁ…っ…あぁ…」
脚をM字に開き、膝を押さえながら太ももを舐めると伊織はひくひくさせながら蜜を流していた。
「触って欲しいん?」
「ハァ…う、うん。」

しばらく見つめていると、伊織は膝を押さえつけていた俺の手を掴んみ、ねだるような視線を送ってきた。

俺は伊織に微笑みかけるが、全く逆の言葉を発する。
「まだ触ってやらへんよ。」
期待を裏切られた伊織は、悲しそうな顔をしつ掴んでいた手の力が緩んでゆく。
今度は俺が強く伊織の手首を掴み、そのままとろとろになっている場所へ導てやった。
「やっ…こーちゃん!?」
自分の指が触れて、ぴくんと身体が跳ねる。
「いややっ、こーちゃんの指がえぇ!」
「ほら、伊織とことんひとりで気持ちよくなってみぃ。」
「やっ…ムリやっ。」
伊織は腕にできるだけの力を入れ、俺から逃れようとする。
「俺は、触ってやらへんよ。」
俺は秘部のきわを舐めてやった。
「ハァハァ、んっ…」
伊織は、堪らなくなり腰をくねくねさせ耐えている。
「ほら、自分で触ってらくになればえぇやん。」
伊織の手をもう一度入り口に持っていってやると、くちゅっと音を立てながら自ら奥へ挿入していった。
「ハァ…んっ…これで…えぇ?」
「まだや。イクまで入れてやらへんよ。」
それを聞くと諦めたのか目を伏せ、おとなしく弄りはじめた。
「んっ…やぁ…恥ずかしい」
伊織の白くきめ細かな肌は次第に紅潮し、恥じらう表情とは反対に指の動きは激しくなっていく。
伊織は、俺しか知らん。最初はいやや言うても恥じらいながらも言う通りにし、快楽に溺れていく。そんな伊織が可愛くて堪らない。
237焦らしまくりえっち:2009/06/21(日) 21:36:47 ID:DqhGqcYa
「やっ…ぁ…んっ…あんま…見んといてぇ。」

伊織を見つめていると堪らなくなり、そっと覆い被さり白く柔らかな胸に吸いついた。

伊織はさっきより激しく乱れ、淫らな音を部屋中に響かせていた。

「やっ…あっ…もぅ…うちっ、あかん。」びくびくと跳ね上がる。痙攣する伊織の身体を包み込んで、頬にキスをした。
「頑張ったな。許したる。」
伊織の蜜がついた指を口に含んでキレイに舐めとってやる。
「ペロペロっ、ちゅっ…ちゅぱっ」それを、物欲しげな目で見ている伊織。
俺は、キスをしながら流れた蜜を救いクリに塗りつけ伊織を弄ってやった。
「いややぁ…イったばっかやのにぃ…ハァ…でも、やっぱ、こーちゃんの指…好きや。」
「指のがえぇん?こっちは?」
また伊織に自身のものを擦りつけてやった。
「あっ…はぁっ…こっちのがもっとえぇ。」
「じゃあ、これなんて言うん?」
「いやぁ、そんなん言えへん」
俺は、先だけを伊織の中へ埋めた。
「はあっ…あぁっ…」
「なぁ、伊織。これ欲しくないん?」
238焦らしまくりえっち:2009/06/21(日) 21:39:40 ID:DqhGqcYa
「あっ…こーちゃん、意地悪っ」
「今更なに言ってんのや。ほらっ言ってみぃ?」
顔を真っ赤にした伊織は、吐息混じりに口をぱくぱくさせ小声でかすかにその言葉を口にした。

「こーちゃん…の…ハァっ、ぉ、おちんちっ、あんっ」
その時、伊織の中で強く飲み込まれそうになっていた。
もうすべてを言い切るのなんて待っていられずに、誘われるまま奥へ進んだ。
「あぁっ…んっ」
伊織は恥ずかしそうに顔を隠していた。俺はその手を取り指を絡め、間近で見つめながらゆっくり奥まで突き上げる。
伊織は、甘い声を漏らし身体をのけぞらせた。
「あぁっ…はっ…あぁ…んっ」
さらに奥に届くようつついてやると、髪を振り乱しながら乱れていた。
乱れる伊織を唇で捕まえる。
キスをしながら小刻みに奥を何度も突いてやると、中はきゅうきゅうになって熱い蜜が溢れてきた。
「んぅ…んっ…ハァ、こーちゃん…それっ…あかん…もぅ…」
「イってえぇよ。俺も一緒に…」
伊織は強く俺に絡みつき締めあげいた。
「んっ…ハァ…あっ、もぅ…いく…っ」
俺は伊織と一緒にイった。
軽いキスを繰り返しながら、ゆっくりと引き抜いた。
239焦らしまくりえっち:2009/06/21(日) 21:47:46 ID:DqhGqcYa
落ち着いてくると、ふと思い出して思い切って伊織に聞いてみた。
「なぁ伊織、夢でもしてるなんてほんまは足りんのやない?」
「だって…いっぱいしても、こーちゃん出てくるんやもん。」
「夢は俺だけなん?」
「あたりまえやっ、こーちゃんだけ…こーちゃんで頭いっぱいなんやもん。」
伊織は、俺の胸に顔を埋め恥ずかしそうにしている。
「そんなに、俺が好きなん?」
「うん。好きや。」
少しだけ顔を見せてこたえ、ぎゅっと抱きついてきた。
「えっちも?」
伊織は、びっくりして起き上がった。
「なっ何言うとんの!?…こーちゃんが好きやから、あたりまえやっ!」
そのあと、また抱きついて「こーちゃんにされる事…全部気持ちえぇよ。」と恥ずかしそうに言う。
俺は、そこまで聞いてやっと安心した。

「はぁ〜良かった。なんか不満があって夢なんか見るんやと思った。」
安心して伊織を抱きしめた。
「そんな心配しとったん?うち、何回もイかされてんのになんでわからへんの?」
「そ〜やんなぁ〜。もぅ大丈夫や。ごめんな。」
「でも、今日はえぇ発見したわ。自分の指で感じてる伊織もの凄くそそる。また見せてな。」
伊織の指をひと舐めした。
「へっ、変態!!」
「伊織こそ、えらいやらしくなったなぁ。初めは、俺にされるがままやったのにな。俺、嬉しいわ〜!」とからかうように言ってみた。
「こーちゃんがそうさせるんやよ。」
伊織は、そっと俺の手を取り指を口に持っていくと艶かしく舐めてくれた。
「ちゅぱ…んぅ、ぺろぺろっ、んちゅ…んぱっ、ハァっ」
それを見ていると再び、俺のものが熱くなっていく。
「伊織っ、俺っ」
それを遮るように伊織が「ねぇ…こーちゃん、もっかいして。」
自分から言おうと思ってた言葉を言われて驚いた。
「伊織からそんな事言うなんて珍しいな。」
「あんな気持ちでしてたなんていややっ。」
伊織は背中に手を回して強く抱きついてきた。
「うん。俺もしたいと思ってた。」
「こーちゃんだけなんやからっ!」
「俺も伊織だけや。」

おわり
240名無しさん@ピンキー:2009/06/21(日) 23:36:27 ID:VXoU/luu
甘甘やわぁ
241235:2009/06/22(月) 01:01:17 ID:92RPs8SL
読み返してみると誤字脱字が酷いわ。申し訳ない。
242名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 09:50:27 ID:HGwN7xs7
いやいや、めちゃ甘でGJやさ
思わず虫歯になるとこやったよ。
243名無しさん@ピンキー:2009/06/22(月) 09:52:11 ID:HGwN7xs7
飛騨弁なんてマイナーな方言誰も知らんやろうなぁ
ところどころ関西弁に近い言い方するんやけど
244名無しさん@ピンキー:2009/06/23(火) 15:49:20 ID:5d6tJ/2G
知らないですが聞いてみたいですね

何か変換用テンプレとかあると便利なのに
245名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 13:18:38 ID:T/hTLfVZ
「てきすたー」なんてどうよ

ttp://kazina.com/texter/index.html
246名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 22:09:15 ID:bd+QOcL/
とあるアニメであったんだけど
普段なまってない子が甘える時だけ方言丸出しになるのっていいよね

怒る時だけ方言丸出しって漫画もあったが
247名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 09:21:13 ID:MzNguCij
ほしゅ
248名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 14:00:42 ID:I7Dr6Pe8
保守
249名無しさん@ピンキー:2009/07/30(木) 07:43:08 ID:qWT6CWuR
ほさ
250名無しさん@ピンキー:2009/07/31(金) 03:43:51 ID:X4lEb4ra
ルルル〜
251名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 08:22:05 ID:zDwZMBKq
252名無しさん@ピンキー:2009/09/11(金) 08:02:33 ID:yeWn8Udq
南の方の方言いいよな〜

高校の時、修学旅行のバスガイドさん(20代後半くらい、少しぽっちゃり)に不覚にも萌えてしまった。
253名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 18:15:32 ID:N1ddAjXi
【話題】カワイイと感じる「方言」ランキング…1位京都、2位大阪、3位福岡
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1253262186/
254名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 10:53:19 ID:jCf7th9C
はんなりか
255名無しさん@ピンキー:2009/09/21(月) 00:30:37 ID:Nc7BCxxY
海物語は方言アニメ
256名無しさん@ピンキー:2009/09/28(月) 03:26:10 ID:4Pnd6jOs
「魔女になりたかー」
「何ですか突然。あなた幽霊でしょう」
「…魔女になってみたかったい。不老不死の」
「?」
「で、将来有望な男ん子をさらって、森の奥深く、私の館で育てるんよ」
「湖の貴婦人――魔女と言うより妖精。ランスロットの話にでも影響されましたか?」
「そして美しい青年に成長した彼を……はぁ。乙女はふと、こげんことに憧れるとばい」
「……」
「なんよ? そげん顔せんだっちゃ良かろうもん」
「いや、幽霊・方言・魔女になりたいetc…冗談も休み休みにしてもらいたいものです」
「なーんば言いよっと、冗談たい。…妬いとうと?」
「呆れてはいますね」
「心配なかよ。呆れられても、離れんけんね」
「頼みますから成仏して下さい」
「せからしかっ。――ふふ、顔が真っ赤たい」

何か、少女っぽさが全く出ないな。言葉遣いも適当だし
257名無しさん@ピンキー:2009/10/01(木) 00:29:24 ID:cNq3wTeK
>>256
かなり萌えるんだが
258名無しさん@ピンキー:2009/10/12(月) 20:14:30 ID:oJH7JYQ+
賛成
259名無しさん@ピンキー:2009/10/23(金) 16:21:42 ID:2pJVmyp3
同じく萌えた
260名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 09:30:25 ID:lXYAyX0J
「もうよか。しらん!」

彼女の一言で俺は固まった。
なにせ彼女は、俺の前でこんな方言を使ったことは今までなかったのだ。
幼い頃転勤族が住まうアパートで暮らしていたらしく、
生まれも育ち九州の田舎にもかかわらず標準語に近い言葉で話す。
さっきの言葉を普段なら、
「もういいよ、知らない!」
とでも言っていただろう。

「・・・かわいい」

はぁ!?と彼女は嫌味な表情で俺を睨んでいる。
しかしそんなの関係ない。
「早紀が『もうよか。知らん!』って、可愛か」

途端、自分の方言を悟った彼女は虚をくらって、
おもしろい程にうろたえ始めた。
「なっ・・・ば、もうっ・・話すり替えないでよ!
私は怒ってるんだから!」
そうだったな、なんかよくわかんないけど口論になってたんだった。
でも俺にはもはやどうでもよくて、彼女を抱きしめたくてキスしたくて仕方がない。
そしてそれを実行した。

彼女は抵抗するがそんなのお構いなしだ。
ごめんごめんと宥めすかしながら彼女を腕の中に収める。
「ちょっ・・・やだってば!やめてよ!」
「はいはい、ごめんねごめんね」
頭を撫でながら、髪の毛に、こめかみにとキスを落とす。
抵抗を続ける彼女の頭が顎にヒットして痛いのは、まぁ、我慢だ。
「そういう言い方が余計に気に障るの!ちょっと、話聞いてるの!?」
「『聞いとっと?』」
「は?」
「『話聞いとっと!?』て言って。早紀の方言、すげぇ新鮮かもん。」
「!!!」

真っ赤になった彼女は、怒りのせいか羞恥のせいか、
身をふるふる小さく震わせながら
「・・・絶対言ってやらんけん!」
そう言って許してくれた。

仲直りエッチの最中、けんかの原因を思い出した。
「化粧水勝手に使ったでしょ。蓋開いててこぼしちゃったじゃない、高かったのに!」
仕方がない、今度化粧水を買ってやろう。
方言を使いながらしがみついてくる彼女はいつもより積極的で、
それに比べたら化粧水なんて安い物だ。
261名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 09:31:21 ID:lXYAyX0J
衝動的に書いた。スレ汚し失礼。
262名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 00:08:28 ID:2Q1098xF
乙!
やっぱり南の方はいいなぁー
263名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 05:57:07 ID:oITPUgZo
【妖怪】人間以外の女の子とのお話26【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234097929/580-

ゴブリン少女
264名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 05:57:49 ID:oITPUgZo
【妖怪】人間以外の女の子とのお話26【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234097929/580-

ゴブリン少女(むっちり)が関西弁でかわいい
265名無しさん@ピンキー:2009/11/25(水) 23:42:55 ID:LlxspePu
良作だから二回も紹介したの?
266名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 22:08:21 ID:clXngOIP
チチの為のスレ
267名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 08:29:09 ID:7HelwjBz
広島弁が読みたい
268名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 23:01:56 ID:NyE3GAye
ぼそぼそ・・・
269名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 20:22:36 ID:D3h1/wcr
ほしゅ
270名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 21:48:06 ID:b+47/Fd2
素朴なのが良いね
271名無しさん@ピンキー:2010/02/22(月) 10:12:46 ID:OTc4BZnx
272名無しさん@ピンキー
オラ