無口な女の子とやっちゃうエロSS 四言目

このエントリーをはてなブックマークに追加
419バレンタインの頃:2008/02/17(日) 22:05:13 ID:VLQgApsa
 門扉につけられたチャイムを押し込むと、ポケットの携帯が震えた。
『鍵は植木鉢の下に置いてるから、それで入ってきて。入ってきたら、ちゃんと鍵を閉めておいてね。』
 ディスプレイに光る文字を読んで、僕は言われた通りに彼女の家に入った。

 * * * *

『風邪引いちゃったから、学校休む。』
 朝一番、僕の元にケイから1通のメールが届いた。普段は僕の声を聞きたいからとメールをあまり使いたがら
ない彼女からのメールだったので、僕は慌ててどうしたの?、と返信した。
『喉を潰してしまって声が出ないから。』
 ひどく簡潔にメールが返ってくる。普段からあまり弄らないから長文を打つのは面倒なのだろう。僕はそのメ
ールにお大事に、と返す。
『1つお願いがあるんだけど、少し買い物を頼んでもいい?家に何も無くて、お腹好いた。風邪薬と……』
 買い物リストを僕に送ってくる。几帳面な性格の彼女が誤変換をするほどだ、よほど切羽詰っているのだろう。
僕はそれに学校が終わってからになるからね、と念押しして彼女の頼みを聞いたのだった。

 * * * *

 荷物を1階に置き、風邪薬と水を持って彼女の部屋に上がる。ノックすると携帯がまた鳴った。
『いいから入って。返事出来ないから。』
 扉一枚挟んでのメールのやり取りに滑稽なものを感じつつ扉を引き開けた。彼女がベッドの上に布団を被って
座っている。風邪でフラフラといった様子で、瞳は潤み半開きになった唇が吐息を漏らしていてとても苦しそう
だ。
 ……不謹慎だけど、何だかとても官能的でそそる。
「風邪、大丈夫?」
 内側の動揺を必死に抑え付けながら挨拶をすると、彼女は1つ頷いて僕を手招きする。指示の通り僕がベッド
のへりに腰を下ろすと、彼女は当然のように抱きついてきた。触れ合った肌が熱い。はあはあと彼女が荒い息を
吐き出す度、大きく波打った身体が僕に押し付けられる。
 僕に抱きついたまま、彼女は一生懸命言葉を吐き出す。本当に声を潰してしまったらしく、しゅう、しゅう、と
掠れた声しか出ていなかったけど、耳元で囁いてくれたから何とか聞き取れた。
「…………」
「冷えてて気持ちいいって言われても……ほら、薬飲まないと熱下がらないよ?」
 僕は背中に押し当てられる膨らみにどぎまぎしながら薬とグラスに入った水を手渡そうとした。でも彼女は僕
の身体に抱きついたまま身動き一つしない。
「…………」
 彼女は僕にしか聞き取れないような小さな声で、こうやってサイ(僕は彼女にこう呼ばれている)に抱きつい
てるほうが治りそうな気がする、と囁く。ますます強く抱きしめられる。
 僕はその言葉に一瞬我を忘れそうになった。彼女の家に2人きりで、背中に当たる胸が柔らかくて、どうにか
なりそうだった。でも彼女は身体の調子が悪いのだ。そんなことが出来るはずが無い。
 歯を食いしばって彼女のスキンシップに耐えていると首筋に生暖かいものが押し当てられた。くすぐったい動
きで肌の上を動くそれの正体は、多分彼女の舌。これまでに数度肌を合わせたのだけど、彼女はこうして舐め回
すのが好きで、僕がくすぐったがるのを楽しんでいるようだった。
「ちょっ、何してるん……ひゃっ!」
 耳の裏を舐め上げられて背筋に電気が走る。そんな僕をほぐすように彼女の舌が僕の頬へ移動してくる。
420バレンタインの頃:2008/02/17(日) 22:06:39 ID:VLQgApsa
「ね、ねぇ……」
「…………」
「名前を呼んでくれって、そんなこと今は関係無いでしょ?」
「…………!」
「分かったよ。ほらケイ、風邪引くから……もう引いてるとか言わなくていいから、早く横になって。」
 まだ僕に抱きついている彼女を振り払って無理矢理ベッドに寝かせた。ケイはいやいやをして起き上がろうと
するけど、両肩を手で押さえつける。
 手に当たる彼女の身体が柔らかい。パジャマの襟の間から見える白い肌と鎖骨がとても素敵で、身体が火照っ
ているのが掌から伝わってくる。ようやく消えかかっていた僕の本能にまた火が点いてしまいそうだ。
「…………」
 おいでおいで、と彼女の手がひらひら揺れるので、僕は彼女に耳を寄せる。
「…………?」
「なっ、何を!?」
 彼女の言葉に僕は声が裏返った。我慢しなくてもいいよ、なんて、まるで僕の心の内を覗いているような言い
草じゃないか。その疑問に答えるように、彼女は無言で僕の股間を指差す。指先が指し示した先はテントのよう
に立ち上がっていた。そうか、ここが張りつめているから何を考えているのか分かったのか。自分の身体の正直
さに顔が真っ赤になる。
「ケイにそんな風にくっつかれたら誰だってこうなっちゃうよ。」
「…………?」
「だって、抱きつかれたときに、その、背中に胸が当たってて、柔らかくて。」
「!」
 彼女は珍しくその驚きの感情を隠さなかった。まさかそんなことで反応するとは思っていなかったのだろう。
彼女にとって僕に対するスキンシップは本当にただのスキンシップでしかなかったのだろうけど、僕は彼女の予
想以上にこらえ性が無かったらしい。
「風邪のせいで息が荒くなってるのも、興奮してるみたいでそそるしさ……って何言ってるんだ僕は。」
「…………」
「ダメ、僕が構うから。」
 サイがしたいなら私は構わない、と言ってくれたけど、病人の身体に障るようなことをしてはいけないだろう
。彼女は無言で僕を見上げ、それから――
「…………」
 何事かを早口で呟くと僕を強引に布団の中に引きずり込んだ。僕が目を白黒させていると彼女はもう一度(多
分)同じ言葉を、今度は聞き取れる速さでゆっくりと吐いた。
「――私が、したいの。」
 その告白と同時に僕の上着のボタンに彼女の手がかかった。抵抗することも出来ず制服を剥かれていく。

 彼女は僕を素っ裸にして口元でふふ、と笑う。いきいきとしているように見えるけど、本当に調子が悪いんだ
ろうか?
「ん、寒……」
 彼女が身体を震わせて僕に引っ付く。1人分の布団に2人が入っているから、隙間風が入ったせいで布団の中の
温度が一気に下がってしまったのだ。
「サイ、あったかい。」
 彼女は僕の体温で温まろうとしているのか、少し苦しいくらいに僕を抱きしめる腕の輪を縮めてきた。彼女の
肌と触れ合う面積が大きくなるほど頭が茹だる。それは彼女の体温に中てられているだけじゃない。
「でも、ここだけ……」
 もう十分に大きくなった僕のそれを手に取り軽く握りながら言う。僕は彼女に凝視されて顔を真っ赤にしてし
まった。これだけは何度エッチなことをしても慣れない、とそっぽを向いて我慢していると顎が掴まれた。首を
伸ばすような動きで僕の唇をついばむと、一気に口の中へ侵入してきた。普段よりも熱い肉片が僕の口で踊る。
たっぷり1分以上舌を絡ませてようやく一息吐く。こんなに長いキスは初めてだった。
421バレンタインの頃:2008/02/17(日) 22:07:44 ID:VLQgApsa
 呆けているのか余韻に浸っているのか、彼女はぼうっと僕を見つめていたが、すぐに僕の手を取り自分の股へ
誘う。そこはもうすっかり開ききって、愛液は内股をしとどに濡らしていた。
「準備しなくても、入りそうでしょ? ……だから、ね?」
 僕に身体を起こすように促して正常位の体勢へ。入り口に先端を押し当てると火傷しそうなくらいに熱かった。
多分興奮しているわけではなくて、風邪を引いているからなのだろう。
 腰を押し進めると、僕は頭の芯が真っ白になった。いつも以上に膣のうねりが感じられて何度経験しても飽き
ない快感に包まれる。同時に彼女も声にならない声を上げて腰をくねらせ僕に抱きつき、耳元でどうしてこんな
に気持ちがいいの、と呟いている。
 その呟きで僕は一層燃え上がった。そんなに気持ちがいいなら僕ももっと気持ちよくなりたい。最初から大き
なストロークで身体をぶつける。掠れた声で激しすぎる、と彼女は言うけど嫌がっているようには聞こえない。
あえて無視して何度も子宮口へ鈴口をぶつけると、その度に膣が強く締め付けられた。
「はぁ、ぅ……」
 いつもなら黄色い声で喘いでくれるのだけど、今日はそれは無い。彼女も掠れた声を上げるのが嫌なのか顔を
真っ赤にして声を押し殺している。でも例え掠れていても彼女の声なら聞きたい。そう言うとようやく少しずつ
声を上げはじめた。腰を突き入れる度に声のボリュームが上がっていき、彼女は派手に乱れだす。徐々に大きく
なる彼女の声につられるように僕も声を漏らす。気持ちがよ過ぎて、もうイきそうだ。歯を食いしばって快感に
耐える。
「我慢、しないで、イって? 中に……いいから。」
 情けないことだけど、僕はその言葉に甘えてしまった。本能のまま一番奥に突き入れて射精する。自分の心臓
の鼓動が尿道に直結したみたいに、1つ心臓が脈打つたびに精液が溢れ出て彼女の膣内を汚す。
「……いっぱい、出たね。――でも。」
 繋がったままの腰を一度振る。精液と愛液の混ざったものが肉棒を伝って垂れてくる。
「私、まだなんだ。」
 僕は唇と、今日のセックスの主導権を奪われた。

「…………」
 2度ほど愛しあって少し休んでいると、忘れないうちに、と彼女が言った。
「…………」
「鞄ってあれでいいの?」
 彼女がベッドの隣の学習机の上に置いてある通学鞄を指差すのでそれを引き寄せる。それを彼女に手渡すと、
鞄を開けごそごそやりだした。すぐに目的の物は見つかったらしく、手を鞄の中に突っ込んだままこちらを見る。
「…………」
「バレンタイン? ありがとう。僕、親以外から貰うの初めてだ。」
「…………」
「そんなこと無いよ。君から貰えるんだったら何でもおいしいと思うから。」
 おいしくないかもしれない、と言う彼女にそう言うと、彼女は少しだけ不機嫌な顔をした。頑張って作った甲
斐がない、と睨まれる。
「え、作ったの?」
 ちらりと見えた包装がやけにしっかりしていたから、てっきりどこかで買ってきたものだと思っていたのだ。
そう伝えると、今度はうれしそうに頬を染める。
「…………」
「ありがとう、本当にうれしい。」
 言って彼女に抱きついた。ラッピングも自分で選んで何度も練習したから、なんて言われたらもう堪らない。
鞄を押しのけ彼女の口を吸う。身体を密着させると分身に力が戻ってきた。
「ゴメン、我慢できなくなってきちゃった。」
「…………!」
 もうこれ以上はしんどい、という彼女の叫びを無視して僕は彼女の上に圧し掛かった。

 次の日、彼女が快復した代わりに僕が風邪で寝込んでしまったのは多分自業自得なんだろう。
422名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:09:52 ID:VLQgApsa
と以上です。

しかし読み返すたびに無口スレ向きじゃないなあ。ここには初投下なんで何かダメな点があればどんどん突っ込んでください。
423名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:31:23 ID:4VWNTjke
GJ!!!
こういうシチュ好きだなぁ
424名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 01:35:15 ID:CICyXXnm
>>421
うん、GJ
和むわぁ


425名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 02:26:57 ID:kUjcJ0HQ
>>422
GJです。これからもここで書いて欲しくなるほどおもしろかったです。

>無口スレ向きじゃない〜
風邪で声が出なくなったのも立派な無口であるのだから問題ないかと思います。
>声を押し殺している。とか >彼女の声なら聞きたい。という無口状態でしかできないシーンがあれば十分だと思います。

ただ、朝一番に「お腹空いた」とメールが来たのに、食料を持っていくのが学校が終わってからになるのは仕方ないとしても、食事の前に3度も(しかも3度目はしんどいと言っているのにもかかわらず無視して)するのは男側に思いやりが足りなく感じました。
なのでおかゆを食べさせてあげる描写などがあったほうがいいのではないでしょうか。
426名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 02:37:35 ID:31tNwUqF
口移しで食べさせてあげる描写とかな。
427名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 05:06:58 ID:IsOglaP8
白濁液によるタンパク質経口投与の描写とかな。
428名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 08:58:15 ID:jEpwxi/H
容量がそろそろ危ない。ただいま476KB
429名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 19:33:43 ID:9zV55czB
もうすぐ五言目が聞けるのか
430名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 19:57:25 ID:CICyXXnm
>>427
それなんてry



しかし、レス数<スレ容量とは……すげぇな
431名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 22:54:25 ID:LEtfq0kx
それにしてもこのままスが続いて五言目、六言目……ってなったら無口っ娘じゃなくなっちゃうな
いやもちろんスレが続くのは大歓迎なんだけどね
432名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 23:33:33 ID:0E7qwfv3
二日間でやっと五言
みたいなのは?
433422:2008/02/18(月) 23:48:30 ID:zWGwkNwd
テンプレそのままでいいなら次スレ挑戦してみましょうか?

>>425
本当はチョコレートを口に含んでお互いの唾液でやり取りとか考えていたんですが、
他所のスレでそのシチュエーションだけで1本書いてしまったんで……
434422:2008/02/18(月) 23:59:50 ID:zWGwkNwd
ちょっと早いけど行ってきました
無口な女の子とやっちゃうエロSS 五言目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203346690/
435名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 03:39:45 ID:jiBkIeiX

ところで無口娘が欲しいんですがどこに売ってるんでしょうか?
436名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 09:37:17 ID:pLBPnvk5
>>435
ゲームショップ
437名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 11:08:26 ID:ltAf5CPa
>>435
438名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 12:22:48 ID:9S2M5q/t
>>435
知っていたとしても教える訳には……

ま、根気良く探せ。
意外に身近にはいるし。
439名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 15:19:53 ID:wS9aGLG8
>>435
つ無ロ娘
440名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 20:03:54 ID:n866LD+l
>>435
京都府亀岡市に株馬工業所というのが在ってだな。
441名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:00:48 ID:hz5pZIcl
>>435
つ無□娘
442名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 00:17:22 ID:XEatjPPb
………>>435さん………
人気者です………………




……………………クスン
443名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:27:33 ID:+8f3EDQ0
>>431
さすがに二桁行くころには再考案の必要があるかもな。無口な雰囲気的に。
444名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:29:11 ID:drX5t/zT
沈黙〜〜秒目とかどうだろうか
445名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 03:08:42 ID:TT02aZDY
初代スレの1の日時からゆっくり増えて来たわけだ。
446名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 06:10:58 ID:VORkaVsj
>>保管庫管理人さん

いつも…まめな更新乙…なんだよ……
あり…がと……

447かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:02:34 ID:Yy9llZET
次スレも立ってるし埋めますね。
埋めネタ投下がなんか多いかな…

以下に投下します。
エロあり。
448かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:06:22 ID:Yy9llZET
『彼女の不安』



 ぼく、日沖耕介(ひおきこうすけ)が青川文花(あおかわふみか)と付き合いだしてから一ヶ月が経った。
 小さくて、無口で、地味な印象を受ける彼女だけど、ぼくにとっては一番の彼女だ。
 青川の方もぼくを好いてくれているみたいで、この一ヶ月、ぼくは幸福感に満たされていた。

      ◇   ◇   ◇

 今日は日曜日。ぼくは初めて青川の家を訪れていた。
 綺麗な煉瓦色の建物は周りの家と比較しても大きかった。
 塀の隙間から覗く向こう側には広い庭が見え、玄関の隣には建物と一体になったガレージがある。
 玄関ドアのベルを鳴らすと、中からぱたぱたと足音が聞こえてきた。
 ドアが開き、青川が顔をひょこ、と出した。
 ぼくはその顔に向かって小さくはにかむ。
「やあ、青川」
「……」
 こくりと頷き、ドアを大きく開ける。中に入ると彼女の全身が窺えた。
 今日の服装はベージュのハイネックセーターに黒のミニスカート。
 いつも通りの簡素な恰好だけど、青川のミニスカ姿は初めて見る。
 青川はぼくを招き入れると、ドアに鍵をかけた。なんとなくいやらしい想像が頭に浮かんだ。
 今日は帰さないとでもいうような……
 もちろん青川がそう考えているかどうかはわからない。
 しかし彼氏を家に呼んでおいて、まさか何もないと思っているわけでもないだろう。彼女は結構積極的だし。
 ぼくだって期待くらいはするわけで。
「えっと、おじゃまします」
 用意されたスリッパを履き、家に上がる。長い廊下が奥まで続いている。
 青川が頭を下げてきた。両手を前に重ね、恭しく礼をする。
「あー……なんか似合うね、そういうの」
 思ったことをそのまま口にすると、青川は首を傾げた。
「いや、この家が洋風だからかな? そういう仕草がしっくりくるというか」
 怪訝な顔をされた。住んでいる本人にはわからないのだろう。
 わからないなら別にいい。本当はメイド服とか着たら完璧だとも思ったけど、それは口には出さなかった。
 代わりに言ったのは別のことだ。
「あの、今日は家族の人は?」
 やっぱり付き合っているのだから、しっかり挨拶したい。
 ところが。
「……」
 青川は小さく首を振った。
「……えっと、ひょっとして」
「……」
 頷く彼女。うっすらと頬が赤いような。
 誰もいないのか、今日。
「もっと早く教えてよ。せっかくおみやげあったのに」
 高校生らしくないかなとも思ったけど、一応買ってきたのだ。
 右手のビニール袋を掲げる。中にはバタークッキー十二枚入りの箱。
449かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:10:53 ID:Yy9llZET
「……驚かせようと思ったの」
 今日初めて青川が口を開いた。
 上目遣いにこちらを見つめてくる。ごめんなさい、と控え目ながら目で訴えてくる。
 ……なんかかわいい。
「い、いや、別に怒ってるわけじゃないよ。ちょっと残念だっただけで」
「……?」
「やっぱり挨拶したかったから。彼氏です、ってはっきり言いたかったというか」
「――」
 青川の顔が真っ赤になった。
 別に狙って言ったわけじゃないけど。
 こうした反応を見せてくれるようになったということがなんだか嬉しかった。
 それにしても……
「……」
 青川がこっちを見ている。
 広い家に二人っきりという状況に胸が高鳴る。
 一ヶ月前の告白のとき以来、ぼくは彼女を抱いていない。
 期待してもいいんだろうか。
「青川」
 ぼくは青川の名を呼んだ。
「――部屋、見たいな」

      ◇   ◇   ◇

 彼女の部屋は二階にあった。
 八畳間の広い空間。窓側にベッドが置かれ、机は枕元のすぐ横にある。
 本棚はその隣。教科書やノートが上段に、漫画や小説が下段に綺麗に並んでいて、几帳面にさえ映る。
 ベッドを見ると、大きなペンギンのぬいぐるみがあった。ほとんど球体に近いかわいらしいデザインだ。
 抱き枕?
 ベッドに腰を下ろしてしばらく部屋を見回す。
 なんというか、おとなしい部屋だと思った。片付いているせいだろうか。
 ベッドとは反対の側にクローゼットがあった。中には青川の服がたくさんはいっているのだろう。
 ……何か隠していたりするのだろうか。

 コンコン。

「!」
 ノックの音がぼくの意識を引き戻した。慌てて返事をすると、開けて、と小さな声が返ってきた。
 ドアを開けると、お盆を持った青川が立っていた。紅茶の入ったカップが二つ、盆の上に並んでいる。
 青川はお盆を机に置くと、カップの一つを寄越してきた。
「ありがとう。……何してるの?」
 青川はなぜか紅茶そっちのけで、机の中を探り始めた。
 探し物はすぐに見つかったようだ。
「……ああ」
 振り返った彼女の手にはぼくが貸したDVDがあった。
 中には衛生放送で放映された総合格闘技の試合が収められている。
 彼女はこう見えて格闘技が大好きで、本人も柔術をやっている。
 付き合うきっかけになったのもたまたま一緒に観戦した格闘技の大会だった。
 最近は女の子も格闘技を観るらしいけど、青川の目はかなりマニアックなものだと思う。
 KOや一本の動きよりも、足捌きや寝技でのポジショニングを熱心に観る女子高生を、ぼくは他に知らない。
「おもしろかった?」
 尋ねると青川は楽しそうに笑んだ。
「他の大会のもあるから、今度また持ってくるよ」
 こくこく首を縦に振る青川。
450かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:15:16 ID:Yy9llZET
 紅茶を一口すする。温かく甘い香りが心地好い。
 青川もぼくの隣に座って紅茶を飲む。ベッドの縁に腰を下ろしながら、ぼくらはほう、と一息ついた。
「……」
「……」
 静かな時間。
 何か喋らないと。ぼくは話題を探す。
「!」
 そのとき、青川がぼくの左手に触れてきた。
 そのままもたれかかるように腕を抱き締める。柔らかい胸がむにゅりと上腕に当たった。
「あ、青川?」
「……二人っきりだね」
 囁く声は猫のように甘い。
「……耕介くん」
「な、何?」
「……抱いてくれるよね?」
「え?」
 ぽつぽつと青川は囁く。
「……あの日から抱いてくれなくて……さびしかった」
「青川……」
「今日は……たくさんして」
 溜まった想いを吐き出すように、青川は訴えてくる。
 ぼくはそんな彼女をとても愛おしく思い、体を正対させて優しく抱き締めた。
「青川……」
「……ん」
 彼女の頬に右手を添え、ぼくは顔を近付ける。
 唇が触れた瞬間、青川は身を任せるように目を閉じ、体の力を抜いた。
 脱力した体を抱き締め、ぼくは青川の綺麗な唇を強くむさぼった。
 真横に結ばれた入り口を舌でノックする。あっさりと扉が開き、相手の舌に出会う。
 ぼくは絡ませるように舌をねじ込んだ。まるでナメクジのようにねっとりと、舌同士が絡み合う。
 溢れ出てくる唾液はやたら甘い。錯覚だろうけど、シロップのような甘さを感じた。
 このままベッドに押し倒そう。ぼくは青川の体にゆっくりと体重をかけた。体が傾いで、互いに横に、

 ――ピーンポーン

 ベルの音が玄関から響いてきた。
 ぼくははっとなって動きを止める。
「……誰か来たよ?」
「…………」
 青川の顔が不満そうに曇った。
 ぼくは体を離して彼女と距離をとった。まさか出ないわけにもいかないだろう。目線で青川を促す。
 渋々といった様子で青川は立ち上がった。
 そのまま部屋を出ていく。邪魔をされたことに彼女は少し怒っているようだった。
 そんなにぼくとしたいのだろうか。
「…………」
 手持ち無沙汰になったぼくは机の上のお茶受けに手を伸ばした。
 チョコチップのクッキーは甘いキスの後ではほんのり苦かった。
451かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:20:06 ID:Yy9llZET
      ◇   ◇   ◇

 五分程経って青川が戻ってきた。
「なんだったの?」
「宅配便」
 簡潔に短く答える。そしてすぐにぼくに抱きついてきた。
「わっ、ととっ」
 なんとか受け止める。構わず青川はぼくの唇を自分ので塞いだ。
「――」
 なんだか焦っている。どうしてだろう。
 唇を離すとぼくは青川に問いかけた。
「そんなに焦ってどうしたの?」
「……」
「ぼくは逃げないよ。だから慌てる必要なんてないんだ」
「……」
「だからその……」
「……怖いの」
 ぽつりと、彼女は呟いた。
「え?」
「耕介くんが……私に飽きたんじゃないか、って……」
「――はあ?」
 何を言っているのだろう、彼女は。
「なんでぼくが青川のことを飽きるんだよ」
「だって……ずっとしてくれなかったから……」
「……」
 抱いてくれなくて不安になった。
 飽きられたのではないかと危惧した。
 だから積極的に迫った。
 なるほど。理由はわかった。でも、
「……ぼくが青川のことを飽きるなんてありえない」
 青川はわかってないのだ。ぼくが、どれだけ君に惚れているか。
「タイミングが合わなくてなかなかできなかっただけだよ。本当は、ずっと君を抱きたかった」
「……」
「どっちかっていうと、ぼくの方が怖かった。下手に迫ったら嫌われるんじゃないか、って」
「……」
「でももう怖がらないよ。だって――青川もぼくと同じ気持ちだったことがわかったから」
「……」
 青川はうつ向き、何事かを呟いた。はっきり聞き取れず、ぼくは彼女の肩を掴んだ。
「何か言った?」
「……」
 青川は答えなかった。ただ再び顔を上げたとき、双眸からうっすらと涙が流れていて、ぼくは軽く息を呑んだ。
 客観性はまったくないかもしれないけど、彼女の泣き顔はとても綺麗だと思った。
 ぼくは彼女の涙を舐めるように、目元に唇を這わせた。
 塩辛い味の涙は温かく、染み込むように口内に広がる。
 ぼくはそのまま彼女の頬にキスをした。くすぐったそうに青川は目を細めた。
 愛しさに突き動かされるようにぼくは青川の唇を奪った。
 吸い付くように強く口唇を重ね合わせると、青川もそれに応えてくれた。舌を絡めながら、ぼくらはベッドに倒れ込んだ。
 体に押されてペンギンが床に落ちる。ぼくは無視した。今はこっちを抱くのが先だ。
 青川の不安を吹き飛ばすくらいに、精一杯愛し抜こう。ぼくは内心でそう決意した。
452かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:25:23 ID:Yy9llZET
      ◇   ◇   ◇

 セーター越しにやわやわと胸を揉む。それなりに張りのある乳房は服の上からでも柔らかい。
 青川は肩を震わせながら愛撫に耐えている。
 セーターを捲り上げると、水色のブラジャーが露になった。その上から頂点付近に指を這わせる。
 震えが一瞬強くなった。乳首を狙ってぼくはブラジャー越しに吸い付いた。
「……んっ」
 口から呼気が漏れた。敏感に反応する様子がたまらない。
 両手で双房を鷲掴みながら、ブラジャー越しに乳首を舐める。
 直接刺激しないことが逆に情欲を煽り立てるようで、青川は焦れったそうに体をくねらせている。
「んっ……あ……んん……」
 胸から下に顔を移動する。真っ白な腹からへその辺りを丹念に舐めると、青川はぼくの頭を小さく叩いた。
「い……じわるぅ……」
「ちゃんと触ってほしい?」
 弱々しく頷く青川。
 リクエストに応えようと、ぼくはミニスカートに手をかけた。
 短い裾を捲ると上と同じ色のショーツが見えた。
 既に薄い下着は濡れ始めていた。股間から牝の匂いが立ち込める。
 ショーツを脱がすとぬらぬらと濡れすぼった秘唇が露になった。
 指を伸ばす。触れた瞬間青川の体が強張った。
 縦の割れ目に沿ってなぞる。染みだす愛液が指先にまとわりつき、透明な橋を秘所と指先に作った。
 人差し指を中に侵入させてみる。
「あっ!」
 短い悲鳴が上がった。ぼくは反応に気をよくして、さらに奥に差し入れる。
 中はまるで温泉のように熱く、うねうねとナマコのように動いた。
 側面をなぞり上げるとその動きはますます活発になった。
 ぼくはしばらくその感触に酔いしれた。肉壷をぐちゅぐちゅとかき混ぜる。
「あっ……あんっ、やぁんっ、だめ、こ……すけ、く……あぅんっ」
 青川の悩ましげな喘ぎが部屋の壁に反響する。
 これ以上はもたない。青川じゃなく、ぼくが。
 早く繋がりたいと切に思った。
 この愛液でだらしなく弛緩した肉壺に、自分の逸物を突き入れたい。
 ぐちゃぐちゃに突き入れて、彼女を淫らに喘がせたい。
 ぼくはジーンズを一気に脱ぎ下ろし、トランクスから怒張した性器を抜き出した。
 そのまま一気に繋がろうと腰を下ろすと、青川が両手を突き出してきた。
「ダメ……」
 荒い息遣いの中で予想外にはっきりした声だった。ぼくは虚を突かれて固まる。
「服……」
 服?
「脱いで……」
「……」
 ちょっと意表を突かれた。
 でも言いたいことはわかる。このままやったら服はぐしゃぐしゃになるだろうし。
 ぼくは急いでシャツと肌着を脱いだ。トランクスも脱ぎ去り、十秒で全裸になる。
「……」
 次いで彼女の服も脱がせていく。
 こちらはさすがにすぐというわけにはいかず、二分近くかかってようやく全ての衣服を剥ぎ取った。
453かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:29:30 ID:Yy9llZET
 生まれたままの姿になったぼくらは、ベッドの上で向き合う。
 ジーンズのポケットから用意したコンドームを取り出す。前は着けなかったけど、やっぱりこういうことはしっかりと、
「……着けなくていいよ」
 固まった。
「……それは」
「……ピル飲んでる」
「……っ」
 ぼくは思わず生唾を呑んだ。
 青川の裸体が横たわっている。呼吸の度に胸が上下している。
 コンドームを併用した方が避妊効果は格段に上がる。
 でも青川の申し出は、そんな理性を跡形もなく剥ぎ取ってしまうくらいの威力を持っていた。
 一ヶ月前の感触を思い出す。生で味わった性の快感。
「……今日だけだよ」
 残った理性の欠片で精一杯の返事をすると、青川は見透かすように小さく笑った。


 青川の熱っぽい視線がぼくの体を下からねめつける。
 それから顔の方に視線を固定し、まっすぐぼくの目を見つめてきた。
 ぼくもまっすぐ見返す。想いをぶつけるように、まっすぐ。
 改めて腰を落としていく。逸物を青川の大事な所目がけて、突き出していく。
 亀頭が割れ目にゆっくりと埋まっていく。粘液がくちゅ、と微かな音を立てた。
 性器同士が徐々に合体していく。襞々が剥き出しの肉棒に絡みつき、強烈な刺激を与えてくる。
「んんっ……ああぁっ……!」
 青川のきつそうな声が耳を打つ。まだまだ経験の少ない彼女には辛い行為だろう。
 だからといってやめる気は毛頭ない。
 肉棒が全て膣内に埋まると、ぼくはしばらく動きを止めた。
「きつい?」
 青川は首を振った。
「痛かったりしないの?」
「……気持ち、いい」
「本当に?」
 尋ねると、青川は不思議そうに呟いた。
「こーすけくん……だからかな……?」
「――」
 好きな人だから気持ちいい。
 そんな幸せな感覚が彼女を、そしてぼくを覆っている。
 こんなに満たされた気持ちになるのは、青川とじゃなければありえないと思う。
 それはきっと、青川も同じだ。
「文花……」
 腰を動かしながらぼくは初めて彼女の下の名前を呼んだ。
 青川は――文花は、ひどく驚いた顔でぼくを見つめてきた。
「……愛してる。文花はぼくのものだから。ぼくだけが文花を好きにできるんだ」
「……」
 文花は華やかな笑みを浮かべると、ぼくの背に両手を回してしがみついてきた。
 強く密着し合う体。柔らかい体の感触はどこまでも温かく、酩酊しそうなほど心地好かった。
 激しく腰を叩きつける。文花の真っ白なお尻にぶつかる度に叫声が起こる。
「んっ……んっ、うんっ、あっ、あんっ……」
 膣内の締め付けはとろけそうな程気持ちいい。
 きついのに抵抗がないというのは不思議な感覚だった。
 文花の柔肌がぼくの性欲をむちゃくちゃにかき立てる。
 お互いの性器をいやらしく擦り合わせれば擦り合わせる程、ぼくらの体は悦楽に浸っていく。
454かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:33:39 ID:Yy9llZET
 手加減なしにひたすら突き入れていると、やがて限界が訪れた。
「……は、あっ……こ……すけく、……んむっ!?」
 悶える文花の唇を不意打ちで奪う。
 唇を、胸を、腰を、全身を密着させて、ぼくは彼女の体の感触を貪った。
 男根の奥からこみ上げる衝動。それをぼくは遠慮なく奥に吐き出した。
「んんっ……や、ああああああ……ん……あっ」
 精液を一番奥に送り込みながら、ぼくは腰をぐい、ぐい、と押し付ける。
 膣内の粘膜に擦りつけるように、精液をどくどくと流し込み続けた。
 絶頂を迎えたのは文花も同じだったようで、体が跳ね上がるように震えていた。
 ぼくの精液を奪うように下から腰を押し付けてくる。ぼくもそれに応えて、互いに下半身を押し付け合った。
 衝動がようやく収まり、脱力感が全身を襲った。ぼくは文花と繋がったまま、体重を彼女に預ける。
「は……」
「……」
 息遣いを間近で感じながら、ぼくは彼女の放心した顔を見つめた。
「耕、介くん……」
 息も絶え絶えにぼくの名を呼ぶ文花。ちょっと重いのだろうか。
 その顔は風邪をひいたように熱っぽく、赤い。潤んだ瞳は宝石のように綺麗だった。
「……大好き」
 小さな呟きがぼくの脳を揺さぶった。
 そんなこと言われると……
「文花」
 ぼくは体を起こし、繋がったままの腰を再び動かした。
「あっ」
 ゆっくりとピストンを再開する。出したばかりなのに、逸物はもう硬さを取り戻していた。
「んん……ダメェ……」
 か細い声で文花が抵抗する。でもぼくに止まる気は全くなかった。
「たくさんしてって言ったのは文花の方だよ?」
「そ、そうだけど……」
「ごめん文花、もう一回だけお願い。あと一回だけだから」
「……」
 黙り込む文花。
 スイッチの入った欲望を止めることなどできなかった。釘を打つようにぼくは男性器を中に突き入れていく。
「……もうっ……ばか」
 諦めたように文花はぼくを抱き締める。
 受け入れてくれた様子を見て、ぼくは心置きなく彼女の体を愛し始めた。
455かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:37:19 ID:Yy9llZET
      ◇   ◇   ◇

 一時間後。
 ぼくらは青川家のお風呂場にいた。
 お湯の張った浴槽の中で、ぼくらは一緒になって体を沈める。
「温かいね」
「……」
 ぼくは彼女の体を後ろから抱えるような姿勢だ。しっとりと濡れた黒髪が目の前で輝いている。
 ちょっと狭いけど、こうして一緒にいるだけでぼくは嬉しかった。
 文花もどこか嬉しげで、その顔に小さく微笑を湛えている。
 ちょっと意地悪をしてみる。
「ねえ。……ここでしたい、って言ったらどうする?」
「!?」
 文花が驚いたように振り向いた。お湯がその勢いに押されて浴槽から溢れた。
「イヤ?」
「…………」
 のぼせたように真っ赤になる。倒れてしまうんじゃないかと心配になるくらい、彼女は赤面した。
 かわいいな、本当に。ずっとこうして一緒にいたい。
「文花。まだ怖い?」
「……」
 彼女は答えない。
 不安を取り除くことができたのだろうか。ぼくは後ろから文花を抱き締める。
 そのとき、文花が言った。
「……まだちょっとだけ、怖いかも」
「……あー、えっと……」
 そんなことを言われたら、どうすればいいのだろう。
「……まだぼくのこと信用できない?」
 文花は首を振る。
「そうじゃなくて……耕介くんのこと、もっともっと好きになっちゃいそうで……気持ちを抑えられないのが、怖いの」
「…………」
 熱っぽく語る彼女らしからぬ様子に、ぼくはぞくりとした。
 怖いんじゃない。嬉しいんだ。
 ぞくぞくと興奮する程に嬉しいんだ。
「そんなこと言われたらもっと好きになっちゃうよ?」
「……じゃあもっと言う」
 文花は体の向きを変えて、こちらに相対した。
「好き……大好き。耕介くんが、大好き」
 タガが外れっぱなしなのか、文花は何度も言葉を重ねた。
 嬉しすぎて困る。これに応えるにはどうすればいいのだろう。
 ぼくにできることなんて一つくらいしかなかった。
「……じゃあもっと好きになってもらえるように、ずっと一緒にいるよ」
「――」
「そうしたら文花はぼくのこともっと好きになってくれるだろうし、ぼくももっと文花のこと好きになれる」
「……」
「それでどうかな?」
 なんかずいぶん恥ずかしいセリフだけど、これくらいが彼女にはちょうどいいと思う。
「…………」
 うつ向く文花。
 湯けむりの中で、やがて彼女は微かに頷いた。
 顔を上げたときにはもうその目に不安はなく、文花は花のように綺麗な笑顔を咲かせていた。
 そんな彼女に向かって、ぼくは改めて小さく言葉を贈った。


 これからもよろしく――
456かおるさとー ◆F7/9W.nqNY :2008/02/21(木) 05:41:18 ID:Yy9llZET
えーと、投下終了です。今回は投下失敗してない…よね?
久しぶりに青川さんを書いてみたくなったので書きました
一年ぶりに書いたのでちょっとキャラ変わってるかも…
457名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 07:29:55 ID:fAkrqBuO
朝から元気が出てきたw
よし、今日も頑張るぞと
458名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 08:22:56 ID:kXxmH4iI
かおるさとー氏キテター!!
いつもクオリティ高くてGJ!!
459名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 13:48:26 ID:N0wcUs5Q
うおおおおおおおおおつつおおおですsss
460名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 20:12:00 ID:Nd8xPNww
容量もレスも500・・・まさかこれがラスト?
461名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:14:25 ID:S7DPa/yz
おしまい……?
また……次の……スレで……逢えるよね………?
………またね。
462名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 22:18:50 ID:hTt3rhTl
埋め
463名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 00:36:23 ID:uSzWMfos
>>460
みなそう思いつつも、自分がスレを埋めてしまうのではないかと恐れるあまり
それを確かめることもできずだたモニタの前で悶々としているのではなかろうか。
464名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 01:00:32 ID:74bPwPRL
……まだ、埋まって……ないの?
465名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 01:01:46 ID:kO7vuhJi
埋め
466名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 01:18:36 ID:bFvn+Zcx
埋め
467名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 08:51:39 ID:Sua92Z/n
……大好き
468名無しさん@ピンキー
人に思いを伝えるというのは大変である。
自分の考えを性格に言語化するだけでも苦労するし、
口にしたとしてそれが相手に自分の意図したように伝わるのは稀である。
人はとかく面倒なのだ。
特に自分は口が上手くない。
声もあまり通らないので会話をしにくいとよく言われる。
こんな自分がどうすれば彼に自分のこの思いを伝えられるだろうか。
手紙が一番かと思う。しかしやはり正面から言ってみたい。
うん。やはり口頭が一番だ。
ならなんと伝えよう。一から十まで説明すると時間が掛かりすぎる。
それに自分にもできるようにできるだけシンプルにするべきだ。
やっぱりこれが一番だろう。

……大好き