To LOVEるでエロパロ Part4

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1名無しさん@ピンキー
2名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 22:05:57 ID:UeHRN4Q5
(´・д・`)ナノー
3名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 11:03:45 ID:/1rGpCff
前スレ>>672-685
読みやすくてイイ!GJ!!
けどごめんリト女体化よりも唯の反応が可愛すぎて萌え転がってしまったww

で、そろそろ唯とリトの人の新作読みたいんだけどマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
4名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 11:15:30 ID:VNhmgSiX
一応書きおわったけど、すまない、唯リトの人じゃないんだ
5名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 11:17:32 ID:VNhmgSiX
ちなみに黒リト日記の人
6名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 11:44:47 ID:8kfgXsT1
楽しみに待ってるぜ!
7名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:31:45 ID:VNhmgSiX



△月☆日

いつも通りララと学校に行く途中

「ああ、ララちゃん! 衣替えをしてもやっぱりキミはステキだね!!」

とうざったい台詞とともに現れたレンに、8ヒットコンボを繰り出したかったが、登校の途中なため目撃者が多く8ヒットコンボは諦め、適当にボコっておいた。
 そんな光景を見ても、ララはのんきに

「わーー! 二人ともやっぱり仲いいねー」

などとおっしゃいましたよこの天然王女様は。
いつかこの天然王女様は、レンが真剣に告白したとしても

「私も大好きだよ。だって『大切な友達』だもん!」
と真顔で返しそうだから怖い。
……こんな事を書いていると何故か黒百合という名の機体に乗って復讐劇を繰り広げなければならない気がするのは何故だろうか。


閑話休題

授業の中で文化祭の事を決めることになった。文化祭の事を決めるのはいいのだが、猿山の奴が妙に張り切っているのが不安ではあるが、
俺に害を及ばさない限り、静観することにしておいた。

それにしても、うちのクラスの女子は随分とノリがいいものである。

このクラスでは喫茶店をやることになり、そこで衣裳が問題となるわけだが
猿山が何処からか衣裳を調達してきたらしく、女子はそれに着替えてきたのだがいろいろと問題があった。
まず、『耳』があった。
地球人である以上『耳』という器官があるのは当たり前であり、何変な事書いてるんだと思うかも知れないし、レンみたいに電波を受信した訳でもない。

誤解をしないように書くと、顔の横にある一対の耳のほかに、もう一対の別の『耳』が存在していた。
具体的に書くと何らかの動物の耳と思われるものがあった。

さらに詳しく書くとすれば、うちのクラスの女子がイヌミミとかネコミミとか呼ばれるものを頭に付け、
ビキニなみに面積の小さい豹柄だったりする布を身に付けており、ようするにクラスの女子がコスプレしてきたということだ。

さきほどノリがいいと書いたのはこういうことからである。
……随分、冷静に書いていると思うだろうが、実際の現場では俺は混乱していた。いくら天然王女様の裸を見慣れているとはいえ、普段見慣れたクラスの女子のコスプレ姿には動揺せざるを得ない。

裸に慣れているのならば、コスプレ姿に動揺しないんじゃないかと考えた者は、あまい、あますぎる。

何故なら、エロと萌えは平行線のように近いようで遠い、決して交わることのない双子のようなものであり、一括りにすることはできないからである。
8名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:34:35 ID:VNhmgSiX


故に裸というエロとコスプレ姿という萌えを一緒という考えの者はまだまだ未熟といえよう。

何故こんな事を書いているかというと、この後の出来事に関係するからである。

女子のアニマルなコスプレ姿に野郎共が絶叫しているなか、猿山に問いただしたところ、

「フフフ… まぁ落ち着けよリト。全ては実行委員のオレに任せとけ」

と猿山のくせに偉そうなことを言うので、


「いいかよく聞け、エロと萌えの違いが分からないモンキー。
コスプレを見て、『モエ〜』などと人前で感じたり言っているようでは、まだまだ未熟!!
そんな不特定多数の人間に見てもらうために着ているコスプレに対してお前達は一喜一憂を繰り返して、一体何の意味がある!!

それと猿山、お前は根本的に間違っている。いいか、ララのコスプレ姿に性的興奮することしか出来ない貴様は犬、猿、キジ以下だ!!
来世からやり直せ、Get back here!!
確かにララのコスプレ姿は魅力的だが、肝心なものが足りない。そう『恥じらい』がララには足りない。

何? 『積極的に着てくれたんだからいいんじゃないか』だと猿山。貴様、今の発言は軍法会議ものだ。
いいかよく聞け、コスプレ姿に欲情を感ずる事しか出来ない万年発情期な男子共、今から『コスプレ』について分かりやすく説明してやろう。

まず、コスプレ姿に感ずるのは『ギャップ』だと分かるはずだ。どうやらピンとこないようなので、分かりやすい『ツンデレ』という例で説明する。
『ツンデレ』ていうのは、普段ツンツンとした冷たい態度を取るが、二人きりになるとデレデレとした甘えた態度を取ることを指すが、本来の意味の『ツンデレ』とは違っておりきちんと説明したいのだが、時間が惜しいため割愛する。
そこで、限りなく低い可能性の中で、貴様等の馬鹿げた妄想にしたがい彼女が出来たとしよう。
1、2、3。頭の中に描けたか? 妄想ぐらい自在に出来ろ! 馬鹿者、それでも健全な男子高校生かぁー!!

時間が掛かったようだが、全員頭のなかに描けたようだな。では、その彼女が『ツンデレ』だったとしよう。
その彼女が皆の前では見せない甘えた態度を自分だけに見せるツンデレな彼女が、二人きりのときに『コスプレ』してくれたのなら、それは天に昇るような気持ちになるだろう。
何故なら彼女は不特定多数のために着たのではなく、自分という特定人物だけを喜ばせようと着てくれたという感動+制服を着慣れた彼女の姿の『ギャップ』というダブルコンボが完成する!!
これで貴様等にも分かったはずだ、『コスプレ』にエロを求める事と不特定多数の前で『コスプレ』に着替えてもらうと愚かさを!!」

9名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:35:54 ID:VNhmgSiX


と言っただけなのに、クラスの男子は神を崇めるかのように土下座し、女子はドン引きしていた。

ララは(・・?)といった顔をしていたが…








なしてさ?





――いきなりそんな発言をされたら、普通引くでしょ            と美柑は女としてツッコミを入れながら、ページを捲ろうとした瞬間、

―ポンポン

と美柑は肩を叩かれた。

そして恐る恐る振り返ってみると、そこには『いい笑顔』を浮かべた兄の姿があった。

10名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 18:38:20 ID:VNhmgSiX
以上で投下終了

誤字脱字のツッコミ、感想をよろしくです
11名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 23:22:41 ID:ZSDcdlcl
美柑オワタw
12:2007/12/22(土) 20:38:43 ID:SBr0xYn5
ん〜突っ込みを入れるなら
三点リーダが少なすぎるような気がする
内容はGJ
美柑とのあってはならない近親相(ry
そして始まる妹との禁断のあ(ry
毎晩のように繰り返されるセク(ry
とまぁ勝手な妄想はここまでにしとこww
13名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 21:23:15 ID:njpJ6L48
感想と突っ込みありがとうございますm(__)m

一応あれで終了なんですが、続きを書いたほうがいいですか?

…書くとしてもエロシーンは微妙になりそうですが
14名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 21:37:59 ID:HgBJCxAI
>>13
是非とも書いて下さい。
15:2007/12/22(土) 22:37:59 ID:SBr0xYn5
>>13
めっちゃ書いて欲しいww
黒リト最強

16名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 22:47:55 ID:njpJ6L48
わかりました
            時間がかなり掛かると思うので、ゆる〜りとお待ち下さい
17名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 21:02:12 ID:Re451gC2
ララ×リト【1】屋上編…?w
18名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 12:43:56 ID:BzaXgkby
今週号の始まりが、むにさんの作品どおりで笑ったw
19名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 16:51:14 ID:mtFoRmFW
まさか作者ここを見てるんじゃ・・・
20:2007/12/25(火) 17:42:27 ID:OhciXHrj
むにさん=作者www
21名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 17:50:11 ID:qWpRaTeQ
ないわ
22名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 22:50:06 ID:Sfz9p0sY
遂にアニメ化か
23名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 23:40:05 ID:aobo1vgG
TBSとかとらぶる完全にオワタ
24名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 09:33:19 ID:aPMbZ8tF
完全オリジナルストーリーになってしまいそうな予感…
25名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:31:44 ID:zKpM4PnU
とりあえず矢吹の書き下ろしになるであろうDVDジャケ絵とかグッズの数々に期待しておくぜ
いずれはアニメネタのSSとかも投下されるんだろうか…
26名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:47:54 ID:sobnHOC4
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27名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 11:56:53 ID:8UGPzjtI
変なのいるんでsage
28名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:00:07 ID:SrFc6hYh
>>31
消えろ
29名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:10:07 ID:0dZJNp3r
保守
30名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:10:08 ID:0dZJNp3r
保守
31名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:19:34 ID:8KW5AkVX
ごめん
32名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 21:41:13 ID:M+useQKk BE:659520386-2BP(1000)
hssh
33名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 21:43:46 ID:M+useQKk BE:137400825-2BP(1000)
hssh
34名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 19:46:24 ID:FJjPsrnF
ラコスポの逆襲の続きが読みたい
35名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 10:49:28 ID:2aCJ+RCx
>>38
黙れよクズ
36名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 13:17:06 ID:6vDJUCXR
>>38に期待
37名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 13:43:14 ID:r1berYP4
↓プギャーw
38名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 16:57:10 ID:7k8V6nVX
>>皆さん
ごめんごめ〜ん 
めんごめ〜ん
うっふんあっはんスッポンポ〜ン
39名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 17:37:41 ID:bMhhv8wx
>>38
黙れよクズ
40名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 18:11:19 ID:r1berYP4
41名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 01:27:37 ID:D3T52Z7X
保守
42むに:2007/12/30(日) 00:26:16 ID:a+OyDXIQ
年の瀬です。
これが今年最後の投下になります。

なので、今回は二本立てでいきたいと思います。
43むに:2007/12/30(日) 00:27:59 ID:a+OyDXIQ
まず一本目投下。

リト女体化ネタその7
44名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:28:52 ID:K3pQI9wi
ワクワク
( ・∀・)
45結城零紋の受難:2007/12/30(日) 00:28:58 ID:a+OyDXIQ
――――――


「つっ、疲れたぁ〜……」

「だ、大丈夫?結城く…じゃなくて、零紋さん…(汗)」

机の上でグッタリうなだれるリトを、春菜が心配そうに気遣う。


休み時間の度に男女問わず質問攻め&好奇心の目に晒され、
しかもこの『極上の短期編入生』の噂は瞬く間に全校生徒に広がり、そのおかげで教室の前には、一目見ようと上から下まで沢山の野次馬が押し寄せ、
ようやく落ち着いた時には既に昼休みになっていた…。


ちなみにどんな質問をされたかというと…。

『レモンちゃんって彼氏いるの?』
『レモンちゃんってどんな人がタイプなの?』
『レモンちゃんってデートするなら何処行きたい?』
『犬とお呼び下さい』


……って、最後のは質問じゃ無いのでは…。


「ねーねーリト〜」

「ララ、学校にいる間はその名前で呼ぶなって」

「あ、そっか。えーっと…、何だったっけ?」

「レモンだよ。レ・モ・ン」

「んー、何か別の名前呼ぶのって違和感あるなぁ〜」

「仕方ないだろ、本名なんか名乗れる訳ないし」

「む〜、そうは言っても…。もっとこう…、違和感の感じない名前に出来なかったの?」

「例えば?」

「『リト子』とか『リト美』とか♪」

「安易過ぎるしゴロ悪りーし一発バレだろーが!」

「ぁ…ぁはは……(汗)」

そんな風に、ララと簡素な漫才を繰り広げていると…。

「ララちぃ〜、春菜〜、レモり〜ん♪」

籾岡と沢田が笑顔で近づいて来た。
46結城零紋の受難:2007/12/30(日) 00:30:39 ID:a+OyDXIQ
「里沙、未央」
「あ、リサミオ〜♪」
「れ、れもり…(汗)」
(早くもあだ名すか…)

苦笑いするリト――とゆーかレモンに籾岡が尋ねる。

「ねーねーレモりん。すっかり聞くタイミング逃してたけど、レモりんは結城の奴がなんでしばらく学校に来れなくなったか知ってる?」

「え゛!?ぁー…ぅん…(汗)」

冷や汗を掻きながら、さっき速攻で考えた言い訳――もとい、来れない事情を話す。

「ホラ、リトのお父さんで売れっ子の漫画家でしょ?実は今、物凄く気合の入った読切漫画を書いてるらしいんだけど、どうも作業の方が滞ってるらしくて…。
それでリトが呼び出されたんだけど、なんせ連載も三本も抱えてるもんだからあまりにも進行が遅れててかなりギリギリの状態になっちゃってるらしくてさ…。
それで二週間位帰るに帰れなくなったって言って、それで何を血迷ったのか、たまたまリトん家に来てたボクに…」


『すまねぇがレモンちゃん、二週間ばっかしリトの通ってる学校に代わりに行ってやってくれねーかな?』


「――って叔父さんに頼まれてこーゆー事になったってワケ(汗)」

ここ最近、たまたま父・才培が書いていた読切漫画のネームの手伝いに追われていたから、すべて嘘という訳ではない。
実際、何週間か後になったらその読切が雑誌に載るから辻褄は合うはずだとリトは思い、この様な理由になった。
(ちなみに、その読切漫画の原稿は予想以上に早く仕上がっていたりする)

「へ〜。て事はレモりん、春菜とは昨日会ってたの?」

「ま、まあね。ね?西連寺……さん(汗)」

「う、うん…。零紋さん、昨日は…どうも…(汗)」

「ふ〜ん、そーなんだ。あたし結城の事だからてっきり、『日本全国メイド喫茶、完全制覇の旅』に出たんだと思った」

「あー、結城だったらそんな理由も有り得るかも〜」

(オレってそんな印象!!?(ガビーン!!))

心の中でショックを受けるリト。
47結城零紋の受難:2007/12/30(日) 00:32:11 ID:a+OyDXIQ
「でも…、何で結城はその事レモりんに話してララちぃには知らせなかったの?」

「う゛ぇっ!?(大汗)」

今度は沢田から疑問をふっかけられる。

「あーっと、その時夜中だったからララちゃん寝ちゃってたんだよ!後でちゃんと話そうかと思ってたんだけど、朝早かったから時間が無くて…。ゴメンねララちゃん(大汗)」

「そっ、そーだったんだ〜!ヒドいよレモン〜、私リトがしばらくガッコ来れないって聞いて心配してたんだよ〜!?(大汗)」

若干目を泳がせながらぎこちなく会話を交わすララ。端から見ても結構怪しい…。

「でもさ〜、いくら頼まれたからって、そんな簡単に部外者の人間が代理で通うなんて真似――」

続いて、籾岡が至極当然なツッコミをするが…。

「いや、ボクもそう思ったんだけど……………………ここの校長が…(汗)」

「「「………………………………………ぁー…(汗)」」」

「あの校長ならそれ位有り得る」と思ったのか、妙にあっさり納得した籾岡と沢田。……そして春菜。

「じゃあさ、レモりんも地元の学校に通ってるんでしょ?そっちの方はどーすんの?」

更に沢田からの質問(追い討ち?)。

「い、いや、その………、じ、実はボク、色々あって学校の方には通ってないんだ(汗)」

「えっ、そうなの!?」

「えっと、聞いちゃまずかった?(汗)」

「い、いやいやいやいや気にしないでよ!?別にボクなら全然大丈夫だからっ!(慌)」
(しまった…、もっと気の利いた事言えば良かった…(汗))

自分の迂闊な発言を少し後悔したリトだが…。

「分かった、じゃ気にしない♪」

「そんなのいちいち気にしてたらキリがないもんね〜♪」

「……」

リトの心に『前言撤回』という言葉が浮かんだ。

「にしても…」

そう呟いて、まじまじリト(レモン)の顔を覗き込む籾岡。

「な…ナニ?///(汗)」

女の子に顔を凝視され、少し頬を染めて距離を取るリト。

「レモりんって、何となく結城に似てるよね…」

「え゛っ!!?(大汗)」

ギクッとなるリト。
48結城零紋の受難:2007/12/30(日) 00:34:31 ID:a+OyDXIQ
「あー、そー言われれば…」

「でしょ?なんか全体の雰囲気がというか、なんというか…」

「ぁ、ぁははは…、ボクもよく言われるよ…(大汗)」

冷や汗をダラダラ流しながら、何とか誤魔化そうと考えるリトだが…。

「簡単に言っちゃうと……、結城をそのまま女の子にしたみたいな感じ?」

「ギックぅっ!!?(滝汗)」

「「ぎっくぅ?」」

「あ、いや……、ぎ、ギックリ腰になったおばーちゃん今頃どーしてるかな〜って(滝汗)」

物凄いベタベタな誤魔化し方である…。

「あ、ちょっとボクトイレ〜…(汗)」

そう言って、リトは逃げる様に教室を出た――。
てゆーか実際逃げてるんだし…。

「どーしたんだろね?レモりん。なんか焦ってたみたいだけど…」

「さぁ〜?ずっと我慢してたからじゃないの?」


「春菜〜、ヒミツにするのって大変なんだね〜(小声)」

「ぁ…ぁははは…(汗)」


――――――。


「あぶねーあぶねー、あいつらこんな時に妙に鋭い勘を発揮すんだもんなぁ〜…(焦)」

少し籾岡と沢田に脅威を感じつつ、リトはトイレの中に入って行った。

『うわっ!?(驚)』

「へ?…………あ!」

中にいた男子生徒達から驚きの声を上げられて、リトは気付いた。
今現在『女の子』である自分が『男子トイレ』に入ってしまってるという事に。

「すすすすすすすすいませーーーん!!///(慌)」

慌てて男子トイレから飛び出す『女の子』リト――いやレモン。

(やっべー…、ついいつものノリで普通に男子トイレに入ってっちゃったよ…。そうだよ、オレ今女なんだから入るなら女子トイレの方――(汗))
49結城零紋の受難:2007/12/30(日) 00:36:55 ID:a+OyDXIQ
という事で、リトは女子トイレの方へ足を向け、その中へ入って――。

『ピタッ』

――行こうとしたが、不意に足を止めた。

(……)


……………。


…………。


………。


(入るのか!!?(大汗))

風呂場に続き、第二の試練到来。

(い、いやいや待て待て落ち着け。オレ今は女なんだから別に何も可笑しくはないんだよ。うん、問題は無い…(汗))

とりあえずそうやって自分を納得させようとするが…。

(いや、でもなぁ…、確かにナリは今女だけど中身は男だからなぁ…。オレとしてはそこんトコやっぱり抵抗が…(汗))

男としての人格とプライドがブレーキを掛ける。

そんな昨日と同じような心の葛藤を抱きながら、女子トイレの前をウロウロしていると…。

「結城さん、何してるの?」

「うひゃあぁっ!!?(驚)」

不意に唯から声をかけられ、思わず飛び退くリト。

「そ、そんなに驚かなくてもいいじゃない…(汗)」

冷静に宥めようとするが、実は心の中ではリト(レモン)のリアクションに少し傷ついた唯。
気の強い人ほど、中身は繊細なものなのだ。

「あ……、こ…古手川……さん…(汗)」

「あれ?私名前名乗ったかしら?」

「あっ!さ…西連寺さんに教えてもらったの!あの人がクラスの風紀委員をやってる人なんだって!(汗)」

「あ、そうなんだ」

なんとか誤魔化し成功。

「それよりも結城さん、何でトイレの前でウロウロしてたの?入りたいなら入ればいいのに」

「え゛!?ぁー…ぅん…、そーなんだけど…(汗)」

「え、何?もしかして個室全部埋まっちゃってるとか?」

「い、いや、そーゆー訳じゃ…(汗)」
50名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:37:45 ID:K3pQI9wi
ワクワク
ワク━━(゚∀゚)
51結城零紋の受難:2007/12/30(日) 00:38:30 ID:a+OyDXIQ
「じゃ、早いトコ入っちゃえば?でないと何か変な誤解受けちゃうかもしれないわよ?」

「え?何で?」

「だってさっきの結城さん…」

「へ?」

「なんか『女子トイレを覗こうとしている変質者』みたいに見えたから」

唯は苦笑いしながら冗談混じりに言ったつもりだったが…。

「ぐはっ!!?」

既に変な誤解を受けて物凄く傷ついたリトは、全身に暗〜いオーラを纏ってその場に突っ伏してしまった。

「ゆ、結城さんっ!?どうしたの、大丈夫!?(汗)」

何が起こったのか解らず、とりあえずリト(レモン)を慰めようとする唯。

「ふ…、ふふふふ………」

『ビクッ!』
「ゆ…、結城さん…?」

突然、リト(レモン)が怪しげな笑い声を発し、唯は思わずズザザザッと後退りをした。

「そうだよ、何を恐れる必要があるオレ。オレは今女なんだから女子トイレに入ったって何の問題も無いだろ…?(小声)」

「ぇ……えーっと…(汗)」

ブツブツ何かを呟くリト(レモン)を見て軽く恐怖する唯。

「そうだ!!オレは女なんだ!!女が女子トイレに入って何が悪い!!」

「あ、あの…、結城さん…?(大汗)」
(『オレ』?)

何か大きな決意を固め――とゆーか、ヤケクソになったリト。
一方、さっきの『オレ』発言に若干引っ掛かった唯だが、リト(レモン)の勢いに押されてそんな疑問も吹っ飛ぶ程ドン引きしていた。

「…………………ふー」

深く大きく深呼吸をして、そして…。

「うおぉぉぉーーーー!!行くぞコラァァァーーーー!!!」

気合の入った叫び声と共に、リトは女子トイレへと突撃していった――。

「な、何もそんなに気合入れて入って行かなくても……(汗)」
(ひょっとしてアレかしら?ここ最近、お通じが来てないとか…)

そんなリト(レモン)の様子を、ただひたすら頭に?マークを浮かべながら呆然と見送る唯なのだった――。
52むに:2007/12/30(日) 00:42:51 ID:a+OyDXIQ
一本目投下終了です。


籾岡と沢田…。
セリフで見分けをつけるのが難しすぎる…(汗)
いっそセリフ横に人物名でも入れようか…。
53名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:45:10 ID:otEN8Waz
乙〜
三点リーダの使い方うまかったと思う。
ただ、(汗)を使わずに表現したほうがいいんじゃないかな?
54むに:2007/12/30(日) 00:45:33 ID:a+OyDXIQ
続いて二本目投下。

何となく書いてみたくなったリト×春菜。


一応、こちらはエロ要素アリ。
55甘えたい:2007/12/30(日) 00:46:24 ID:a+OyDXIQ
「春菜ちゃーん!」

良く晴れたとある休日、街の広場で待ちぼうけていた春菜に、リトが息を切らせて駆け寄ってきた。

「梨斗くん」

「はぁ、はぁ…、悪りぃ、待たせちまって」

「んーん、大丈夫♪そんなに待ってないし」

待たされた事よりも、リトが来てくれたという事の方が何よりも嬉しくて、心から幸せそうな優しい笑顔で春菜が答える。


二人が晴れて恋人同士になって何回目かのデートの日。まだ少しぎこちなさは残るものの、二人の関係は以前と比べて親密になっていた。

中学の頃からずっと互いに想い続け、ようやく夢に描き望んでいた関係になれたのだが、
二人とも元々奥手なものだから、始めは見てるこっちが恥ずかしくなる様な初々しさ全開のやり取りをしていた。
が、やがてお互いを名前で呼び合える様になって、自然と手も繋げる様になって、キスだって出来るようになって――。
何より、心から『好き』だという気持ちを、素直に相手に伝え合える様になれた――。

まぁ早い話、既に行くトコまで行ったという事で…。


そんな『只今幸せ指数全開フルドライブ』な二人だが、実は学校の方ではあんまり二人だけの時間を作れていなかったりする。

なぜなら、事ある毎にリトを慕う二人の宇宙人の女の子(一方は半分男)が纏わり付いてきて、
おかげで色んな厄介事に巻き込まれるわ、精神的疲労は蓄積されるわ、あんまり構ってもらえない春菜には泣かれそうになるわ、何より全然二人っきりになれないわで、
ここ最近は頭痛が止まない毎日となっていた――。
(今に始まったことではないが…)

故に、今日のデートは二人にとって、今まで触れ合えなかった時間を取り戻す絶好の機会なのだ。

「そーいえば春菜ちゃん、前に欲しい服があるって行ってたよね?」

「あ、うん…」

「じゃあ、そこに行こう。オレが買ってあげるよ。」

「え!?で、でも…」

「遠慮しない遠慮しない♪遅刻しちまったお詫びという事で。さ、行こ」

そう言って、右手を差し出すリト。

「……………うんっ♪」
56名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:46:35 ID:K3pQI9wi
(°Д°)・・・
57甘えたい:2007/12/30(日) 00:49:04 ID:a+OyDXIQ
そして、春菜は嬉しそうに手を重ね、街中へと繰り出していった――。


――――――


「あ……ありがと、梨斗くん…」

「どういたしまして♪」

リトに買ってもらった服を大事そうに抱えてお礼を言う春菜。
端から見ても、とても幸せそうな雰囲気が感じられる。

「さて、まだまだ時間もあるし、次はどこ行こっか?」

腕時計を見ながら訪ねるリト。

「……///」

すると、春菜は何故だか顔を赤らめて俯いてしまった。

「?、どしたの?」

「ぁ…、あのっ…、その………///」

何か言おうとしているが、余程言いづらい事なのか、言葉に詰まってモジモジする春菜。

「ぇっ…と………ね…………ごにょごにょ…///」

「ん?」

ふと、春菜がリトに耳打ちをして…。

「………………え!?///」

聞いた瞬間、顔が一気に赤くなるリト。

「あっ、でっでも…、梨斗くんが遊びたいんなら…、私は……別に…///」

「や…、オレは……嬉しい…けど…///」

お互い顔を赤くして、気まずそうにその場に立ち尽くしてしまう…。


そして――。


「……………行く?///」

「え!?///」

「いや、だから………その……///」

「ぃぃ………の…?///」
58甘えたい:2007/12/30(日) 00:50:22 ID:a+OyDXIQ
「……………ぅん…///」

「…………じゃあ………行く…///」


――――――


とあるラブホテルの一室――。

「〜♪」

春菜は背を向けてリトの胸に寄りかかり、頭を優しくなでなでしてもらって、とても夢見心地そうな気分になっている。
リトは、そんな甘えモード全開な春菜にちょっと尋ねてみた。

「春菜ちゃん、どうしてここに来たいって言ったの?」

「ん?」

「いや、だって……、まさか春菜ちゃんの方から誘ってくれるなんて思わなかったから…///」

すると春菜は、ちょっと拗ねた様な感じで…。

「だって……、ここ最近、こうやって梨斗くんにくっつける機会が無かった…から……///」


――――――


二人が付き合い始めて最初にしたこと――。それはララへのお詫びだった…。

なんだかんだで、ララはずっと『リトの事が好き』だと言い続けてきてくれた。行動そのものは突拍子なものだったが、その想いは紛れもなく本気のものだという事は充分理解していた。
だからこそ、キチンとケジメを付けなきゃいけないと二人は思った。

きっとララには大泣きされる事になるかもしれない…。

もしかしたら嫌われてしまう事になるかもしれない…。

もう二度と友達には戻れない事になるかもしれない…。

ヘタをすれば地球そのものが消滅する事になるかもしれない…。

だがそれでも、これだけは自分の口から伝えなきゃならないと思い、二人は意を決してララにその事を告げた――。


――が。


『ダイジョブだよリト♪地球で結婚出来なくても、デビルークでだったら結婚出来るでしょ?春菜が地球でのお嫁さん、私はデビルークでのお嫁さん。これなら問題無いよ♪』


お馴染みの天然パワー全開で、笑顔でとんでもない事を言ってのけるララに、ただ唖然とするしか無かった…。
一応、何度か説得を試みたが、『コイツ本当はワザとやってんじゃねーか?』と思ってしまう位、ことごとく笑って流されてしまった…。
59甘えたい:2007/12/30(日) 00:52:15 ID:a+OyDXIQ
ちなみに、同様の事をルンにも伝えたが…。


『ふっふっふっ…、甘いよリトくん…。今の春菜ちゃんはあくまで暫定。ホントの戦いはここから始まるんだよ!!』


――と、天高く『略奪愛』というタイトルの本を掲げられて、そんなバカみたいな事を宣言されてしまった…。

その後は最初に説明した通り、春菜と付き合ってる事などお構いなしに、普段通りにリトに付き纏いまくり。

まぁ、ぶっちゃけて言ってしまえば、周りの状況は前と比べてもあんまり変わっていないという事である。


――――――


「まぁ、学校じゃいつもララ達が絡んでくるから…。その度に『止めろ』とは言ってるんだけど…(汗)」

「………私だって…///」

「ん?」

ふと春菜がぱっと振り向いて、ぽすっとリトの胸に顔を埋めて…。

「私だってたまには…、こうやって梨斗くんに……ずっと甘えていたいんだよ…?///」

頬をほんのり赤く染めて、目を潤ませながらそう告げた。

「春菜ちゃん…///」

そんな風に想っててくれた事が嬉しくて、リトもまた春菜の事を強く、優しく抱き締めた。

「今日は誰にも邪魔されないからさ……、思いっ切り甘えていいよ…。オレも出来るだけ、春菜ちゃんに応えるからさ…///」

「…………うんっ♪///」


そして二人は見つめ合い、ゆっくりと唇を重ねた…。

「ん……///」

瞬間、周りの時間がスローモーションになったかのような感覚にみまわれる。
一秒が十秒位に感じられる中、お互いへの想いが唇を通して広がっていく。

やがて唇を離すと、お互いに顔が上気し、目がとろんとしているのが見て取れた。
60甘えたい:2007/12/30(日) 00:53:40 ID:a+OyDXIQ
「春菜ちゃん…///」

「梨斗くん…///」

リトはもう一度春菜にキスをした。今度はただ触れるだけでなく、自分の舌をそっと春菜の口内に忍ばせた。

「ん…!///」

一瞬、身体がピクッとなったが、直ぐにそれを受け入れ、自分の舌をリトの舌と絡ませる。

「んむ……ん………ふぅ…///」

飽きる事無くお互いの舌を絡ませ合い、隙間から春菜の甘い声が漏れる。
それを暫く続けて再び唇を離すと、二人の舌先に銀色の橋が掛かった。

「はぅ…………梨斗くん…///」

「ぅん…?」

ふと、春菜がリトの手を取って、その手を自分のスカートの中へ入れて、布越しに大事なトコロに触れさせた。

「キスだけで……、こんなになっちゃったよぉ…///」

春菜のソコはもう、下着の上からでも音が聞こえる位に濡れていた。
その事実と卑猥な効果音が、リトの性的欲求に火を点ける。

「大丈夫、いっぱいしてあげるから…」

「ぅん…///」

そう言って春菜の上着を脱がせ、続けてブラを上にズラして、形の整った胸の膨らみを露わにする。

「まずこっちね」

両手でそっと春菜の胸に触れ、掌全体で揉みしだいたり、指を使って胸の突起物を摘んだり引っ張ったりしてみる。

「あっ…、はん………はっ……///」

「気持ちいい?」

「ぅ……ぅん…///」

「乳首ピンピンになってるもん♪」

少し意地悪そうに言って、春菜の乳首を指で弾いた。

「ひゃん!///」

春菜が可愛らしい嬌声を上げる。
61甘えたい:2007/12/30(日) 00:55:57 ID:a+OyDXIQ
「可愛いよ、春菜ちゃん…///」

そう言ってリトは、片手を春菜の身体に這わす様にゆっくりと下の方へ持っていき、下着の中に手を入れて直接春菜の秘部に触れた。

「ふぁあ…!はっ……はぁん……!///」

秘裂からグチュグチュ厭らしい音が聞こえ、愛液が止め処なく溢れ出て下着とリトの指を濡らしていく。
その事が興奮剤となり、二人の欲求に更に拍車を掛ける。

「春菜ちゃん、おしりこっち向けて」

「はぁ……はぁ……………ぇ?///」

スカートと下着を脱がせてベッドに寝転がり、自分の顔の前に春菜の秘部を持ってこさせる。

「ぅわ……丸見え…///」

「やっ!は……恥ずかしいよぉ…///」

「恥ずかしいのはこれからだって♪」

そう言って、春菜の秘裂にそっと舌を這わせた。

「ひゃあぁっ!あっ……はぁあんっ!///」

舌を動かす度、春菜が快楽の喘ぎ声を上げる。
その声がリトを更に興奮させ、もっと声を出させようと激しく秘裂を攻め立てる。

「ふぁあぁ……!、はっ…!やぁあ……!………あ///」

そして春菜は、快楽の波にに溺れている中で、自分の顔の横にあるリトのズボンの膨らみに気が付いた。

「はぁ……はぁ……///」

リトに秘裂を攻められながらも、もぞもぞとズボンを開くと、それまで抑えつけられていたリトの欲望そのものが顔を出した。


「はっ……はぅ……!ぁは………梨斗くぅん…///」
62甘えたい:2007/12/30(日) 00:57:34 ID:a+OyDXIQ
まるで湯当たりしているかの様にぽーっとリトの肉棒の見つめる春菜。そして…。

「はむ……、むぅ…///」

おもむろに、リトの肉棒を口に含んだ。

「んぐっ……、ん………んふぅ……///」

「ふむぅ……んっ…………ちゅ……///」


室内にお互いの秘部を舐め合う音が響く。最早お互い、まともに思考回路が働いてなかった。あるのはただ一つ――、気持ち良くなりたい、気持ち良くさせたいという事だけである。

「んっ…………ぷはぁっ!梨斗くぅん、わた…し、もぉ……///」

「ああ…、オレももう…我慢できそうにないや……///」

互いの秘部から口を離して、そして……。

「おいで、春菜ちゃん。二人で気持ち良くなろう…///」

「………ぅん…///」


――――――


「ホントに上でいいの?」

「ぅ、ぅん…、今日は…何となくそうしたくて…///」

「でも騎乗位なんか初めてじゃ…」

「だ、大丈夫!大丈夫だからっ…!…………多分///」

リトの上に跨り、首に腕を回してピッタリと密着する春菜。吐息が掛かる位お互いの顔が至近距離にあって、今更ながら少し小恥ずかしい気分になる。

「そ……それじゃ………行くね……///」

そう言って、春菜はリトの肉棒を手に取って、恐る恐る自分の秘裂に当てがい、ゆっくりと膣内へ――。

「ぅ…くぅっ……!///」

瞬間、春菜の表情が歪む。別にこれが初めてという訳では無いのだが、そんなに経験を重ねてるという訳でも無いので、まだ若干痛みが残っているのであろう。
しかしそれでも春菜は臆せず、苦痛に耐えながらずぶずぶとリトの肉棒を挿入していく。
63甘えたい:2007/12/30(日) 00:58:54 ID:a+OyDXIQ
「く……はぁっ……!は…………入ったよぉ……///」

その言葉と共に、春菜の目尻から涙が滲み出る。

「だ、大丈夫?やっぱりまだ痛いんじゃ――」

「んーん、違うの…///」

心配するリトに対して春菜は首を振り…。

「こんなに近くで……梨斗くんを感じられる事が……、すごく…嬉しくて……///」

本当に心から幸せそうな笑顔でそう言った。

「……………オレもだよ…///」

リトもまた心からの笑顔で返し、春菜を引き寄せ抱き締めた。

「私…、今、ホントに幸せ…。梨斗くんのせいだよ…?私もう、梨斗くん無しじや生きていけない身体になっちゃってる…///」

「春菜ちゃん…///」

「だから…///」

春菜は真っ直ぐリトの目を見て…。

「責任取って、いっぱい愛してね…///」

一筋の涙が頬を流れ落ちながらも、溢れんばかりの『好き』の気持ちをリトへと伝えた。

「……任しといてよ///」

春菜を抱き締める力が更に強くなる。

「それじゃ……動くね…///」

「うん……///」

そして、ゆっくりと腰を動かし始めた。

「あっ……はぁっ!やぁ…あんっ!あっ…!お……奥っ…!奥に当たっ…!あっ…!当たってるっ…!はぁあん…!///」

リトが動く度に、春菜が甘い声を上げ続ける。
同時に、二人が繋がった所からじゅぷじゅぷ卑猥な音が響き、白くて濃くなった愛液がとめどなく溢れ出てくる。
それらの要素が、段々と腰を動かすスピードを上げていく。

「くっ…!凄い締め付け…!///」

「はぁっ…!だ…だってっ…!奥に当たって…!やぁあっ…!///」

何時の間にか春菜も腰を動かし始め、一心不乱に腰を振り続ける。

「はぁ…!あぁ…!あっ…!り、梨斗くん…!梨斗くぅんっ!///」

「春菜ちゃん…、好きだよ…。好きだ、春菜ちゃんっ!///」

「わっ、私もっ…!好き…、大好きっ!///」

ディープキスを交わしながら一層激しく腰をぶつけ合う。その度二人は、お互いへの純粋な想いが、身体中いっぱいに広がっていくのを感じていた。
64甘えたい:2007/12/30(日) 01:01:03 ID:a+OyDXIQ
そして――。


「はっ!はぁあっ!あっ!い…いく!だめっ!いっちゃうっ!!///」

「お…オレももう……、限っ!///」

「あぁっ!あっ!はっ!はぁあっ!はあぁぁあぁーーーーーー!!///」

「くっ!出っ…!!///」

ほぼ同時に二人は絶頂に達した――。


「はぁ…はぁ…はぁ…///」

「はー…はー……、あ…、お腹……、熱いの……いっぱい…///」


リトに寄りかかってぐったりしている春菜がぼつりと呟く。

接合部からリトが放った精液が溢れ出る中、お互いに暫く呼吸を整え、そして…。

「梨斗くん……、大好き…///」

「オレも好きだよ…、春菜ちゃん…///」

二人は微笑み合い、口付けを交わした――。


――――――


陽も落ち、辺りもすっかり暗くなってる中を、二人寄り添って家路につく。

「えへへ♪」

その間春菜は、リトの腕にぎゅっとしがみついて甘えモード継続中。

(元気だなぁ〜、春菜ちゃん…)

そんな事を思うリトは、ちょっと腰を痛めてたりする…。

あの後、汗を流す為に二人でお風呂に入ったのだが、若さ故なのか、洗いっこしてる間にすっかり回復し二回戦目突入。
更に、お風呂から上がった後も気分が萎える事無くもう一ラウンド。
計三回もこなして、気が付けばこんな遅い時間になっていた。


「梨斗くん、今日はありがとう…♪」

「満足してくれた?」

「うんっ、とっても♪」

満面の笑顔で春菜が答える。
65甘えたい:2007/12/30(日) 01:03:18 ID:a+OyDXIQ
「でもほとんどホテルの中でヤってただけだけどね…(汗)///」

「まぁ……そうなんだけど…(汗)///」

今日の行動を振り返って、お互い頬を染めて苦笑い。

「今度は、梨斗くんが買ってくれた服着て、ちゃんとデートしようね…♪」

「だな♪」

そう言って、見つめ合う二人…。


そして…。


二人は目を閉じて…。


少しずつ距離が縮まり…。


ついに、お互いの唇が重な――。


「「いーなー…」」


「どうわぁっ!!///(驚)」
「きゃあっ!!///(驚)」

――りかけた瞬間、不意に後ろから声を掛けられて思わず飛び退いてしまった。

「ラ…、ララ?///」
「ル…、ルン…さん?///」

見るとそこには、ララは羨ましそうに、ルンは恨めしそうな目をして立っていた。


「いいなぁ〜…、春菜ばっかりリトを独りじめできて…」

「ふっふっふっ…。春菜ちゃん、それは私への挑戦状と受け取っていいのかしら?」

「い、いや、あの、そ、そういう訳じゃ――(汗)」

「て、てゆーかお前ら、何でこんな所に…(汗)」

「あ、うん。今日はリサミオと遊びに行って、その帰り道でたまたまルンちゃんについさっき会ったの」

(私は会いたくなかったけど)

「リト達は何処に遊びに行ってたの〜?」

「え゛っ、ま、まぁ、ちょっとそこまでな。な、春……西連寺(汗)」

「え゛っ、あ、う、うん梨斗……結城くん(汗)」

人前だからなのか、それとも今日の出来事を知られたくない為なのか、急に他人行儀になる二人。
66甘えたい:2007/12/30(日) 01:06:22 ID:a+OyDXIQ
「そこまでって何処?」

「べ、別にいいだろ!?どこだって――(汗)」

「春菜ちゃん」

「えっ、な、何!?(汗)」

「内股から白いのが流れ落ちてるけど」

「えぇっ、嘘っ!!?」

「嘘♪」

「「……」」

人それを…、『自爆』と言う…。

「ふーん、そーなんだー。つまり今日は一日中『ご休憩』って事なんだー、へー」

「え、なになに?どーしたの?『ご休憩』ってリト達どっかに遊びに行ってたんじゃないの?」

「まぁ確かに『遊んで』た事には違い無いけどねー」

「い、いや、あの、そーゆー訳じゃ――(大汗)」

「じゃ、どーゆー訳なのかキッチリ説明してもらいましょうか?」

若干こめかみをピクつかせながらリトを責め立てるルン。

「あ…、あの…」

「さあ!」

「え、えーと…(汗)」

「さあ!!」

「……(汗)」
67甘えたい:2007/12/30(日) 01:07:55 ID:a+OyDXIQ
「さあ!!!(怒)」

「……(大汗)」


……………。


…………。


………。


「逃げるが勝ちーーー!!!」
「きゃっ!?(驚)」

いきなり春菜の手を取って走り出した。

「あーー、こら待てーーー!!!」

「あっ、リトーー!」

すかさず追いかけるルンとララ。

「リトくーーん、待ってよーー!!私もぉーーー!!」

「ねーねーリトーー!!『ご休憩』ってなーにー!?なんか楽しい事なのーー!?」

天下の往来でとんでもない事を叫ぶ追撃者二名。

「あいつら〜、こんな住宅街でなんつー事叫びやがるんだよー…!///」

「あ…、ぁははは……(汗)」

そして、他人のフリをしながらひたすら逃げる逃亡者二名。


まぁ、何にしても…。


二人が自由になれる日は、まだまだ先になりそうだ――。
68むに:2007/12/30(日) 01:11:13 ID:a+OyDXIQ
二本目投下終了です。グダグダ長くなって申し訳ないっす。


いつか、この二人がこんな関係になってくれるのを切に願っています…。


にしても、やはりエロは難しい…。


それでは良いお年を。
69むに:2007/12/30(日) 01:12:50 ID:a+OyDXIQ
※追伸

途中書き込みの人、申し訳<(_ _)>
70むに:2007/12/30(日) 01:15:21 ID:a+OyDXIQ
>>53
ツッコミありがとうございます。
なんとか努力してみます。
71名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:25:16 ID:K3pQI9wi
( ^∀^)b  GJ
72唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:33:01 ID:VVKLCkus
「え…?」
リトは言われたことの意味がわからず、顔をぽかんとさせる
「だから、責任取ってくれるの?って聞いてるんだけど…」
顔を赤くさせながらそう呟く唯
「おまえ何…言って…」
頭ではわかってはいても、この状況がまだ理解できないリトは目を彷徨わせる
(せ、責任って…つまり……)
リトだって男だ
普段は奥手で純情なリトでも、唯の言葉やその表情で何が言いたいのかわかってしまう
ゴクリ――――と、リトは唾を呑み込んだ
自然と視線が唯の太ももや胸にそそがれ、頬が赤く上気していく
「あ、あのさ古手川。その…」
「……」
唯はさっきからずっと無言だ。相変わらず目を合わせようとはしない。けれどもリトの返事を待っているその顔は、どこか期待に満ちている様に見える
俯く唯の肩からキレイな黒髪がさらりと頬に落ち、リトの鼻に唯の匂いが届く
「責任ってつまり…ええっと……」
しどろもどろな言葉を繰り返すだけのリトに、唯の視線が向けられた
赤くなった顔、少し濡れたような黒い瞳にリトの心臓が一瞬で跳ね上がる
ドクン、ドクンと二人きりの教室に、二人の胸の高鳴りだけが聞こえるような感覚
触れ合ってもいないのに、近くにいるだけでそのぬくもりが、伝わるかの様な距離
いつしか二人の距離は知らず知らずの内に縮まっていた
体も心も
「あ、あのささっきのコトなんだけど…」
「なに?」
リトの体がさらに唯へと近づく
その息遣いが体温が直に触れ合うほどの距離に、唯の中で昂まる感情とは別に、
少しずつ冷静になってきている部分があった
「古手川…」
顔を赤くしながらも、いつもとは違った雰囲気を出すリトの表情に、唯はふいっと目を背ける
(私は…)
目は泳ぎ、心がどんどん揺れる
そんな唯にまったく気付くことなく、リトの両手が唯の肩を掴む
「あ…」
唯の短い吐息と、リトの唾を呑み込む音が重なる
真っ赤になりながら顔を近づけてくるリトを前に、唯の心はますます乱れていく

本当にこれでいいの?
こんな――コト……
だって、私は別に結城くんのコトなんて――――
ただ、私は――――

リトと知り合ってからまだ半年。なんだかんだと少しずつ共に過ごす時間が多くなってきてるとはいえ
それでもまだまだ、唯の中ではリトの評価は悪いままだった
それでも、リトのたまに見せるやさしさや、男らしさにドキっとなったりすることも事実

だからって……

目の前のリトの顔を見ていると、迷いが大きくなっていく
初めてのそれもとっても大事なモノが、これからこの少年に奪われていく
それは自分の中の譲れないモノが失われるかの様で……
床に座り込んだ唯の手がギュッと握り締められる
「ゆ、結城くん…やっぱり私…」
ゴメンなさいと言おうとしたその時、廊下で言われたあの言葉が頭に浮かんだ

あなた恋をしたことないんじゃなくて?

「……っ!」
73唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:33:50 ID:VVKLCkus
(私…私だってそれぐらいっ)
ギュッと力強く手を握り締める唯を、リトは少し不安な面持ちで覗き込んでいた
「なぁ、ムリならやっぱやめたほうがいいんじゃねーかな?その、オレなら別に気にしないっていうか…その…」
バツが悪そうに一人、頭を掻いているリトに唯は慌てて声を出す
「待って!その…嫌とかじゃなくてこれは…心の準備というか…。
と、とにかく私は大丈夫だから結城くんも心配しないで」
どう見ても大丈夫とは思えない唯にリトは、遠慮気味に声をかける
「いやだって古手川おまえ…」
「いいのっ!!」
唯の声が教室に響く
その声に自分でもびっくりしたのか、唯はリトから顔を背け、ぼそぼそと声を出す
「ホントに大丈夫…だから。あなたもそんなに心配しないで」
「あ…ああ」
それでも納得できないリトだったが、どこか必死な唯の表情に頷いてしまう
そして沈黙が教室に流れる
お互いどちらもなにもしゃべらないまま、時間だけが過ぎていく
どこか気まずい空気
お互い少し時間を挟んだことで、気持ちが落ち着いてくる
自分の言った言葉。行動。
様々なモノが頭の中でぐるぐると回りだす
「ねぇ…」
そんな中、唯の小さな声がぽつりとこぼれる
「しないの?……続き///」
「え!?」
予想外の唯の言葉にリトの心臓は跳ね上がる
「え?で、でも…」
「責任…取ってくれるんでしょ?」
上目遣いに見つめてくる唯の目は、まだ彷徨っている。けれど、その中に大きな決意を宿していた
「じゃ、じゃあホントにする…からな?」
唯はなにも言わず首だけをコクンと振る
それが合図だったかの様にリトの手が、再び唯の肩を掴む
「あっ!待って!!」
「なんだよ?」
唯は少し言いづらそうにぼそりと呟く
「き…キスは待ってほしいの。その…まだ…」
唯の言おうとしていることがわかったリトは、一瞬きょとんとなったが、すぐにやさしく唯に笑いかけた
「じゃあキスはやめとこっか。ってオレ達別に付き合ってるワケでもないしな」
「ゴメンなさい…」
「いいっていいって!そんなコト気にすんなって」
リトの心遣いに唯は顔をしかめる
(付き合ってるワケでもない……か…)
それは本当のコトだし、間違ってはいない
それでもその言葉はなぜか唯の胸を締め付ける
心のどこかでソレを否定する気持ち
(違う…)
それは、唯の心の奥にある本当の気持ちを揺らめかせる言葉
(私、は…)
リトの言葉は唯をざわつかせ、そして、ゆっくりとある感情を広げさせていく
(結城くん……)

74唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:34:35 ID:VVKLCkus
一方リトはというと一人パニックになっていた
キスどころか女の子と付き合ったこともないリトにとって今の状況は、とても耐えられるものではなく
おまけにこれからするのはおそらくというか、間違いなくえっちなワケで……
(ど、ど、どーしたらいいんだよ……)
えっちの知識なんて本やネットの中だけ
本来なら女の子の扱いすらもわからないというのに。その上
キスはダメ
これがリトをますます悩ませていた
(そんなのいったいどーやって始めたらいいんだよ!?)
ムネから触ればいいのか?
(いきなりそんなコトできるワケねーよ…)
太ももを撫でればいいのか?
(んなコトしたら……)
脳裏にいつものハレンチなっ!と殴られる姿が浮かぶ
リトは慌てて首を振って、妄想を払いのける

一人悩み続けるリトがふと顔を上げると、自分をじっと見続けている唯の姿があった
自分を待っている唯の姿
いつもの毅然とした強気な顔つきとは違う女の子の顔
リトの手がギュッと握り締められる
「古手川…」
リトの声に唯の体が小さく震える
いつもとは違う真剣な声と表情
いつもとは違う男の顔
リトの普段とは違う雰囲気に唯は小さく息を呑んだ
(結城くんってこんな顔…するんだ)
リトの腕がゆっくりと唯の腰に回され、その体をそっと抱きしめる
「……」
いつものなにかの拍子で抱きつかれたり、触れられるのとは違う感触
とってもあったかくて、心地良い感覚
胸の奥から溢れ出す熱いなにかに唯は、黙ったままリトの胸に頬をあてた
胸の中の唯を少し見下ろす形で、リトはその体をギュッと抱きしめる
やわらかい女の子特有の体の感触
控えめなシャンプーの匂いとは別の唯自身の匂い
夕日を浴びながら二人の影が一つに重なる
どちらもなにも言わないままただ、お互いのぬくもりを鼓動を確かめ合う
やがて、長い長い沈黙の後、リトの手がゆっくりと唯の頭に置かれる
ビクンと少し強張った顔つきになる唯を伺いながらも、リトの手が唯の頭を撫でていく
キレイでいて艶やかな黒髪がリトの指の間から滑り落ちていった
(すげー……サラサラじゃん)
今までこんなに女の子の髪を触ったコトなどなかったリトは、その感触に夢中になってしまう
75唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:35:34 ID:VVKLCkus
指で梳かす様に、何度も何度も髪を撫でるリト
その時、自分の胸の中から少しくぐもった声が聞こえた
(やばッ!)
慌てて手を引っ込めるリトをよそに唯は一人複雑な表情を浮かべていた
今までこんなにも無遠慮に自分の髪を触られたコトなどなかった唯は、どう反応していいのかわからないでいたのだ
それでも怒るでもなく、突き飛ばすでもなく黙ってリトに任せていたのは
自分の中にくすぐったい様なうれしさがあったから
そんな唯の気持ちなどわかるはずもないリトは、怒らせてしまったんだと内心大慌てになった
なんとかして唯の気持ちをほぐそうと、この場の雰囲気を変えようと必死に頭を動かす
けれど、慣れない状況にうまく考えられない
「それでもなんとかしないと」とリトは思った
自分は男だからちゃんとリードしないと
不安にさせないように、怖がらせないように
震える体をなんとか押さえ込み、リトはそっと唯の頬に指で触れる
見上げる唯の目から少し視線を逸らすと、そのまま顔を首筋まで持っていき
その白い首筋にやさしくキスをする
ピクンと震える唯の体
見えない唯の表情を気にしながらもリトは、何度もキスを繰り返す
「ん…」
小さな消えるような唯の吐息にリトの鼓動はいっきに高鳴る
唇をさらに押し付け、そっと舌で舐める
キュッと制服のシャツを握り締める唯の体をさらに強く抱きしめると、リトは近くにあった机の上に唯を寝かせる
夕日で赤く染まる唯の顔は、それでもはっきりとわかるほど真っ赤に紅潮し、
少し潤んだ瞳でじっとリトのことを見つめている
その仕草に応えるようにリトは唯に覆いかぶさっていく
上下で見つめ合う二人
さっきまでとは違うドキドキ感がこれから始まるコトを二人に教えた
「それじゃあ……コレ外すな?」
唯がコクンと首を振ると、リトの指が唯の襟元のリボンをするすると解いていく
呼吸に合わせて小さく上下に動く胸
ブラウスの下から透けて見える下着
沸騰しかけた頭をなんとか元に戻すと、リトは一度深呼吸をして自分を落ち着かせた
それでも視線は、自然と胸と襟元から見える白い肌に吸い寄せられる
恐る恐る震えながらも、本能に導かれる様にリトの手が
そっと胸の先端を撫でるように触っていく
「…ん」
ピクンと強張る唯の体と、さらに赤くなった顔にリトの手が一瞬止まるが、すぐに動きを再開させる
いつもとはかけ離れた状況と男の本能が、リトをいつもより少しだけ後押しさせていた
寝ていても形のくずれない先端にリトの指が触れられる
軽く押すだけでムニュっと戻ってくる弾力と、今まで味わったことのないやわらかさにリトは息を呑んだ
もう一度触れてみる。今度はさっきよりも長く、強く
最初は一本だった指の数は、次第に数が増えていき
手全体を使って胸を両手で揉みしだいていく
それに合わせて荒くなっていく鼻息
興奮が冷静さを奪い、本能がいつもの奥手で純情だった性格を変えていった
(す…っげーやわらかい。それに気持ちいい…)
胸の感触にすっかり虜になったリトは、つい唯のコトを忘れて夢中で弄っていく
上下左右、手の中で形を変え弾む肉感
もっと触りたい、もっと――――
次第にわずらわしくなっていく下着とブラウス
リトはさらなる欲求を満たすため、ブラウスのボタンに手をかける

76唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:36:21 ID:VVKLCkus
その時、ふと唯の顔が目に止まった
唯は震えていた
ギュッと手を握り締めながら、小さく
「あ……」
その姿に、リトの手が止まる
リトは自分を恥じた
唯のコトをなに一つ考えていなかった、欲望に忠実な自分に
なにより男として最低なコトをしていたんじゃないかとさえ思った
リトの手がボタンから離れ、馬乗りになっていた唯の体から数歩離れる
「わ、悪い。オレ自分のコトばっかで…」
唯は無言だ。ゆっくり上体を起こすとじっとリトを見つめる
その目は怒っているかの様でいて、少し戸惑っているかの様で
リトはいつものお説教が来ると感じて顔を青くさせる
「好き…なの?胸触るの…」
「へ?」
ぽつりとこぼれた唯の言葉が、あまりに意外すぎてあっけにとられるリト
「だ、だってさっきから私の胸ばかり触ってた……じゃない?」
「え!?あ…ああ。だ、だってその…怒んなよ?……その古手川の胸すげー気持ちよかったからさ…つい…」
リトは恐る恐る唯の顔を見る
唯は自分の胸に手を置くと、ふいっとリトから顔を背けた
「ハレンチだわ!そんなコト」
「ゴメン…」
しゅんっとなって下を見つめるリトは、その時少しだけうれしそうにしている唯の顔を見ることはできなかった
「ゴメン!ホントにゴメン」
そんな必死で謝るリトの顔を横目で見ながら唯はぼそぼそと口を動かす
「別に怒ってるワケじゃないんだけど」
「え?」
再び顔を上げたリトに唯は表情を引き締める
「怒ってるワケじゃないのか?」
「誰も怒ってなんかいないわ!その…あなたが急にやめちゃうからどうしたのかな?って
心配になって…」
もごもごと話す唯の顔を見ながらリトは、さっき震えていた時の唯の顔を思い出す
顔を赤くさせただ震えていただけの姿
キズつけてしまったんじゃないのかと、怖がらせてしまったんじゃないかと自分を責めた
だけど……
(そっかこいつ…)
本当はキズつけたワケでも怖がらせたワケでもなく、アレは唯なりの感じている顔なんだとやっとわかった
(カワイイとこあるじゃん)
そうやって一人クスクス笑っているリトの顔に唯はムッとなる
「なに笑ってるの?」
「古手川ってカワイイとこあるなあって思ってさ」
「!!?///」
今度は唯がリトの言葉にあっけにとられた
「胸触ってる時とかなんか必死に耐えてるって感じがしてさ」
「な…」
「だから声…聞きたいんだけど。その古手川の感じてる…ダメかな?」
唯の顔は真っ赤に染まる
「な、な、な、な、な、何を言ってるのよあなたはっ!!///」
唯の大声が教室に響く

77唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:37:12 ID:VVKLCkus
「そんなハレンチなコトできるワケないでしょ!!だいたいあなたはいつも…」
「そんなコト言ったって、オレ達もう十分古手川のキライなハレンチなコトしてるじゃん」
リトの当たり前の指摘にいつものお説教も止まってしまう
「それは…だって仕方ないでしょ…だって……」
どんどん小さくなっていく唯のそばにリトは少しだけ近くに寄る
「それでどうすんだよ?この後」
「え?あ……」
ぽかんとなっている唯にリトはがんばって自分の気持ちを告げる
「オレはその…このまま古手川と続きしたい!ちゃんと最後まで」
「最後…まで……」
その意味は唯にだってわかる。もともと自分から言い出したコトでもあった
けれど、まだ迷いがあった
本当にこのまま続けてもいいの?
目の前の結城くんにみんなあげてもいいの?
リトに対する気持ち、自分の気持ち
唯の中でまた複雑な思いが生まれる
私は――――
「古手川?」
俯く唯にリトは心配げに声をかける
その声に唯は顔を上げると、すっとリトの顔を見つめる
「ええ、いいわよ。最後までしましょ」

唯はリトに再び机に寝かされると、じっと天井を見つめた
(最後…まで……かぁ)
小さな呟きは溜め息の様にこぼれだす
(きっとこれから私は、結城くんに体を触られていろいろなコトをされてしまう)
そう考えても不思議と嫌な思いはしなかった
(さっき胸を触られていた時だって私は…)
唯は一人自分落ち着かせているリトの横顔を見つめる
そうしていると、なぜか安心感にも似た感覚に体が包まれていく
これからいやらしいコトをするというのにだ
リトの顔を見ていると心臓の音がトクン、トクンと高鳴ってくるのが感じられる
体がホッとするような熱い気持ち
胸の中のもやもやした気持ちがすうっと消えていく様な感覚
ただ唯は、その気持ちをどうしたらいいのかわからないでいた
本当はどうしたらいいのかわかっているのに
私は――――
「…手川?古手川!」
唯はハッと我に返ると、いつの間にか自分を見つめているリトに目をパチパチとさせる
「なにしてるのよ?」
「なにって?古手川がオレの顔見ながらぼーっとしてるから、なんかあんのかなって…」
「……なんにもないわよ。気にしないで」
そう言ったきり唯はまたそっぽを向く
「ならいいんだけど…」
どこか釈然としないリトだったが、再び唯のブラウスのボタンに手をかける
「それじゃあ…いいよな?」
「ええ…」
ボタンが一つずつリトの手によって外されていく
ボタンが一つ外れるたびにその下に見える唯の白い肌とブラジャーに顔が赤くなっていく
リト
全て外し終えるとリトの手は、吸い付くように唯の胸へと伸ばされる
手の平を撫でるように下着に這わせると、そのまま背中に手を回して、ブラのホックに指をかける
上と下。リトと唯の視線が一瞬交わった後、リトの指がホックを外した
それだけで唯の顔は真っ赤になる
リトの手が緊張で少し震えながらも、ブラウスとブラの肩ヒモを外していく
上半身裸になった唯の姿にリトの喉がゴクリと音を立てる
白くてすべすべした肌、形の整ったやわらかそうな胸、くびれたウエスト
机の上に広がる唯の黒髪が、それらをさらに美しく見せる
78唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:38:05 ID:VVKLCkus
「むちゃくちゃキレイじゃん…」
ぽつりとこぼれたリトの言葉に唯の全身は赤く火照っていく
リトの言葉が素直な気持ちだったゆえに、それは唯の心の中にも染み込んでいった
なにも言わずに視線を逸らし続ける唯にリトは手を伸ばす
リトの指がやさしく唯の頬に這わされていく
「…ッん」
やっとリトの方を見た唯の目には、恥ずかしさと緊張とで涙が滲んでいた
それは普段の唯からは想像もできない姿で、リトの心を捉えて離さない
リトは唯の顔を見つめながらその手を下に滑らせていく
首筋に、鎖骨にリトの指が触れるたびに唯の体は小刻みに震える
胸の谷間にきた指は、そのままやわかそうな乳房へと這わされる
ラインに沿って這わされる指の動きに唯の口から甘い吐息がこぼれた
その声にガマンできなくなったリトの両手が、唯の左右の胸に伸ばされる
最初はゆっくりやわらかさを堪能するように手を動かすリト
けれども次第にその手の動きは、強さを増していく
まるで貪るように
両手で荒々しく揉みしだくリトに唯の息も大きくなっていった
けれども決して声をあげることはない
ギュッと目を瞑り、リトにその身をまかせるだけ
リトは赤くなった胸から手を離すと、その先端に口を近づけていく
ピンク色だった乳首は、リトの執拗な愛撫で今は、赤く充血している
リトは一度確認の意味も込めて唯の顔色を伺ったが、唯は相変わらず目を閉じてなにも言ってこない
なにも言わないコトを肯定と受け取ったリトは、欲望に任せて乳首に軽くキスをする
「んッ…」
唇が軽く触れただけで唯の体はピクンと浮き上がる
(あれ?ひょっとして古手川って…)
リトは自分の考えを確かめるように二度三度とキスを繰りかせす
「んっ…ぁ…」
小さな小さな吐息とも喘ぎとも取れる唯の声
その声を聞きたくて、もっと出させたくてリトは胸へ刺激を送り続ける
両手で揉みながら乳首を舌で絡めて吸いつき
反対の乳首を指で挟んで転がすように摘み上げる
「ぁッ…くぅ」
ギュッと目を瞑り口を閉じている唯から、次第に甘い声が漏れ始める
「おまえそんなにガマンしなくてもオレなら気にしないから声出しもいいんだぞ?」
「ば、バカ!なに言ってるのよ。そんな変なコトできるワケないでしょっ」
唯の言葉にリトは思わず溜め息を吐く
相変わらずガンコだなあと思いながらも、どこか必死に声を出すのをガマンしている唯の姿が、可愛くてしかたなく思えてきていた
(ホント、もっと肩の力を抜けばいいのにな…)
どこかムッとした表情で顔を逸らし続ける唯の横顔にリトはクスっと笑いかける
普段絶対見ることのできない唯の一つ一つの姿が、リトにはとても新鮮に映った
ララや春菜とは違う古手川唯という一人の女の子にどんどん惹きこまれていく
リトはそんな唯をもっと見たくて、感じたくて手を舌を動かす
胸を揉みつづけながら、舌を谷間からおヘソの周りに這わせキスを繰り返す
「ひゃッ…ん」
くすぐったさとリトのギコチない舌使いに思わず声を出してしまう唯
そしてそれとは別のもう一つの感覚
下腹部が妙に熱くなり、なんだかムズムズしてくる
閉じていた脚が自然に広がり、太ももを擦り合わせる
今まで味わったことのない感覚に唯は眉根を寄せた
「あ…ぁん…」
口からガマンしていた喘ぎがこぼれ、体がどんどん熱くなっていく
(なん…なのこれ……?。私、体が…あぁ)
79唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:39:15 ID:VVKLCkus
フルフルと体を振るわせる唯にリトの顔はにやけだす
すっかり男の顔になってしまっているリト
本能のままに欲望のままに、さらに深く唯に覆いかぶさった
ぐいぐいと体を押し付けてくるリトを唯の体は受け入れる
閉じていた太ももを広げ、リトの腰を下腹部に招き入れた
乱れるスカートからすらりと伸びるムチムチの太ももに、白いショーツ
その魅力的な光景にリトの目は釘付けになってしまう
自然とリトのモノも反応し、ズボンを下から持ち上げる
リトの荒い息が唯の鼻先にかかる
胸から手を離したリトの手が自分の太ももを撫で回す感触に唯はじっと目を瞑った
「ん…くッ」
ピクンと唯の腰が動くたびに密着した下腹部とリトの膨らんだモノが擦り合わされる
ぐいぐいと押し付けあう仕草が二人の思いを表していた
「古手川…」
その呼び声に唯は目を開けると、真上にあるリトの目を見つめる
「そろそろいい…かな?」
「……」
唯はリトから目を逸らすと、なにかを迷うように顔を背けた
「古手川?」
リトの声が頭に響く
リトの言いたいことが手に取るようにわかる
自分の体もソレを望んでいたから
密着させるリトの体から伝わる熱い感触に唯の下腹部はじっとりと濡れていた
けれども、まだ心は揺らぐ
決心がつかない
「やっぱまだムリか?」
顔を背け続ける唯にリトの少し残念そうな声がかかる
なにも言わない唯に、腕に力を込めたリトの体が離れていった
ゆっくりと消えていくぬくもりに唯はギュッと手を握り締める
これで…いいの?
本当に…これで……
消えていくリトの感触にどんどんと大きくなっていく心の奥の感情
自分でも気付かない、知らないフリをしていた大切なコト
唯はその感情に初めて手を伸ばした

自分のスカートやブラウスをいそいそと直していくリトの手を唯はキュッと握り締める
「え?」
一人呆けるリトの顔も今の唯には見ることができない
けれど、その手は握り締めたまま離そうとはしなかった
「古手…川?」
「……」
俯いたままなにも話そうとしない唯にリトはやさしく笑いかける
「どうしたんだよ?いつもの古手川らしくないじゃん」
私…私だって――――
唯はすっと顔を上げるとリトの目を見つめる
本当は――――
「結城くん…」
「ん?」
私はあなたのことを――――
唯はなにも言わずにリトの手をギュッと握り締めた。強く
「古手……」
リトは最後まで唯の名前を呼ぶことなく、そのまま唯に抱きついた
スカートをたくし上げショーツに手をかける
一瞬の迷いの後、リトはショーツを下げた
「あ…////」
恥ずかしさと恐怖でしがみ付く唯を愛おしむようにリトは、唯の髪を撫でる
落ち着かせるように、安心させるように
リトの胸の中で震えていた唯は、少しずつ少しずつ落ち着きを取り戻していく
80唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:41:59 ID:VVKLCkus
そんな唯の頬に自分の頬を重ねると、リトはそっと囁く
「じゃあ入れるな?」
唯はコクリと首を振った
机に寝かした唯の脚を広げようとリトの手が太ももを掴む
「み、見ないでね!その、私の…////」
「ええ!?でも見ないとどうすりゃいいのか…」
「なんとかしなさいよ!あなた男でしょ?」
唯の少し非難めいた口調にリトはなにも言えなくなってしまう
脚を広げると、唯の言うとおりなるべく見ないように手探りで位置を確認する
けれどそれは、女の子の大事なところなんて見たことのないリトにとってはとっても難しいことで……
指先に触れる割れ目の感触にリトの指が震える
「ん、あッ…」
唯の甘い声にリトは息を呑む
秘所のあたたかい感触とぐっしょりと濡れた愛液の感触
(すげー!古手川のココぐちょぐちょになってる…)
リトは愛液を指で絡めると、ズボンから大きくなったモノを取り出す
唯の顔を覗き見ると、唯はリトの制服を握り締めながら必死に耐えていた
まだ拭えないでいる緊張と恐怖にリトは唯の顔を見つめる
「な、なによ?」
「いや、大丈夫かなって思ってさ」
こんな大事な時にも気の利いたコトが言えない自分をリトは情けなく感じた
愛想笑いを浮かべることしかできない
そして、そんなリトの顔を唯はじっと見つめる
しばらくリトを見つめていた唯はやがて溜め息を吐く
こんな時にも頼りなくてカッコイイところも見せられないリト
けれど、だからこそ唯はリトが気になってしかたがなかった
その弱さに見え隠れするやさしさや強さを持っているリトのことが
上下で見つめ合う二人
リトの手が頬にかかると唯はゆっくり頷いた
くちゅっと音がなりリトのモノが入ってくる感触に唯はギュッと目を瞑る
狭い膣内の感触にリトはぐっと歯を喰いしばった
ズブズブと入っていく肉棒はやがて膜にあたる
唯はなにも言わずリトの手を強く握り締めた
頬にかかる熱い息。リトは唯の頬に軽くキスをするといっきに貫いた
「ん!!んんあ……あぁ…」
ぶつんと切れる音と、割れ目から流れる唯の純潔
唯はリトの背中に腕を回すとその体を抱きしめる
間近に聞こえる唯の苦しそうな声にリトは唇を噛み締めた
唯の痛がる声が苦しそうな顔が胸を締め付ける
リトは唯の体を抱きしめる
痛みを和らげるすべも、余裕もリトにはない
ただ唯を抱きしめることしかできない
「ゴメン…ゴメンな古手川。もうちょっと、もうちょっとだけだから…」
81唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:44:34 ID:VVKLCkus
そのうわ言のような呟きに、唯はそっとリトの頬に手を重ねる
「バカね。なに泣いてるのよ?」
「え?」
リトは慌てて目を擦る。指に付く涙の跡
「えっあ…っとこれは…ち、違うんだ!これにはワケがあって」
一人慌てふためくリトに唯はクスっと笑う
「もういいわよ」
「……」
「もう私は大丈夫だから、あなたもしっかりして!」
じっとこっちを見つめるだけのリトに唯は怪訝な顔をする
「ちょ、ちょっとどうしたのよ?あなた私の話聞いてるの?」
「おまえって笑うとすげえカワイイんだな…」
ぽつりと呟いたリトの言葉に唯の顔はみるみると赤くなっていく
「い、いきなりなにを言ってるのよ!!///」
ふいっと顔を背ける唯が、ますます可愛く思えたリトはそのおでこにキスをした
「もう!調子にのらないで!!///」
いつもの唯の戻ったことがうれしいのかリトは歯を見せて笑う
「じゃあホントにもう大丈夫なんだな?」
「ええ!だから大丈夫って言ってるじゃない。あなたはいいの?」
唯の試すような視線にリトは頷くと、ぐいっと腰を押し入れる
「あッん…」
「動くからムリならムリって言えよ?」
唯は頷くとリトにその身を任せていく

二人だけの教室に肉と肉がぶつかる音が響く
リトは唯の体を抱きしめながらその中に肉棒を打ち付けていく
「あ…ん、んぁ…」
間近に聞こえる熱く短い吐息と、体の感触にリトは夢中になって腰を動かす
なによりとろけそうなほど気持ちいい唯の膣内に早くも限界を迎えていた
吐き出しそうになる欲望を歯を食いしばって耐えるリトに唯は怪訝な顔をする
「ちょ、とどうしたのよ?」
「心配すんな、って。な!」
「う、うん…」
リトは自分勝手に欲望を出したくはないと思っていた
唯のことを思うとそれだけはできないと思ったから
今もリトにしがみ付くようにその体を抱きしめている
緊張と興奮そして、必死さとで唯の体は小さく震えていた
本当は相手を気遣うことも声をかける余裕もない
それなのに自分を精一杯気遣う唯の気持ちにリトは、自分なりにそれに応えたいと思った
なによりこの時間をこの瞬間を大切にしたいと願った
触れ合って初めてわかるコト。初めて感じる相手のコト
リトの中で唯の存在がどんどん大きくなる
抱き合っていた体を離すも、その手は互いの手を握ったまま離さない
熱い吐息と肉がぶつかる中で、互いを見つめ続ける
やがてリトの顔がゆっくりと唯の顔に近づく
鼻先数センチの距離で見つめ合うと、リトはそのまま唇を近づける
「ぁ…」
唯の少し困ったような仕草に一瞬躊躇うもリトはそのまま唇を重ねた
最初は軽く、触れ合うだけのキス
その余韻に触れるように唯は自分の唇を舌で舐め取った
その仕草にリトは吸い付くように唯の口を奪う
驚いた唯が抗議の声を上げようとするも口を塞がれて声がでない
変わりにリトの手をギュッと握り締めて少し怒ったような顔をする
「ゴメン!けどどうしても古手川とキスしたくて」
「……もう!初めてなんだからちゃんとしてよね!」
リトは申し訳なさそうに笑うと、再び顔を近づける


82唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:45:55 ID:VVKLCkus
「じゃあ今度はちゃんとするからさ」
「ホントに?」
疑うような唯の視線にリトは苦笑いを浮かべながら唇を重ねる
今度はもっと長く、もっと気持ちを乗せて

「ん、ん…ん、あァ…」
体が小刻みに揺らされるも唯は、リトの口から離れようとはしなかった
リトの唇に合わせるように自分の唇を這わせていく
唇を離すリトの顔を名残惜しげに見つめる唯
「古手川舌だして」
「え?舌を…?」
唯が言われたとおりに舌をちょろっと出すと、リトは自分の舌を絡めながら再び重ねていく
「あ!くぅ…ぅあ」
唾液の混じりあう音が頭に響く中、唯は必死にリトに合わせようと口を動かす
「ん、んん…ちゅぱ。んくッ…ちゅ…う、ンン」
二人は手を離すと互いを求める様に抱き合い、唇を舌を貪った
愛液と唾液の絡み合う音と唯の熱い喘ぎが交じり合う
「あッ…ん、ふぁあァ…んく、ちゅる…ッは、んん」
リトは糸を引かせながらゆっくりと口を離す
「今の古手川すげーエロくてカワイイ」
「な!?もう!バカなコト言わないでっ////」
真っ赤になって怒り出す唯をリトはじっと見つめる
「唯…」
その言葉に唯の心臓はドキンと音を立てた
ただ名前を呼ばれただけなのに
「も、もう気安く私の…名前を……」
途切れ途切れの唯の声はリトのキスによって邪魔される
「んん!…ん、ぁあ」
リトは唯の頭を撫でると体を起こす。そして、唯の細い腰に手を置くと自分の腰を打ちつけた
「はぁ、はあ…んッ、は…ぁあ」
唯の小さな体が机をギシギシと軋ませる
リトが突くたびに割れ目から愛液を溢れさせる下腹部は、ガクガクと痙攣を繰り返していた
どちらも限界は近い
「オレ…もうっ」
リトの動きがどんどん激しくなっていく
膣内を掻き乱し、子宮口を刺激させる
「わた、私ももう…。結城くんお願い一緒が、一緒がいい」
リトは首を振ると、唯に合わせるように腰を動かす
「はぁッ…ん、くぅ…だ、ダメもう限…界っ」
キューっと中が蠢き肉棒を圧迫すると、リトは秘所から肉棒を引き抜き欲望を吐き出した

「はあ…はあ、はぁ…んッ…く」
お腹を白く汚されながら唯は息を整える
おヘソから流れ落ちる精液を指ですくう唯の姿を、リトは食い入るように見つめる
「熱い…それにネバネバしてる」
指に絡みついた精液を不思議そうに見つめる唯をリトは慌ててやめさせる
「やめろって!そんな汚いモノ」
「……汚くなんてないわよ。だってあなたのだもの///」
「な、なんだよそれ…」
顔を赤くさせながらそっぽを向くリトを唯はくすりと笑う
リトはバツが悪そうに頭を掻くと、いきなり唯にキスをした
「ん!?ちょ、ちょっとなんな…」
「さっき笑ったお返しだよ」
「もうっ」
尚もまだ言いたそうな唯だったが、そのまま目を瞑るとリトのキスを受け入れた
互いの思いを乗せて二人はキスを繰り返す
長い、長い二人だけの時間が満ちていく
83唯とリト 外伝:2007/12/31(月) 13:46:43 ID:VVKLCkus
制服をきちんと着こなし髪を整えている唯の後ろ姿をリトは黙って見ていた
さっきから唯はずっと無言だ
キスの後、なにか言いたそうに口をもごもごさせたが、それっきりだった
髪を整えると唯はリトの方を振り向かず、すっと立ち上がる
「悪かったわね。その…こんなコトお願いしちゃって」
「そんなコトねーよ!だいたい、もともと悪いのはオレの方だしさ」
『責任…取ってくれるとでも言うの…?』あの時言われた言葉が頭に浮かぶ
自分は唯の言う責任をちゃんと取れたのだろうか?
一人悩み続けるリトの横を唯は俯きながら通り過ぎていく
「あ!ちょ、待てって」
その声に唯は教室の扉の前で立ち止まる
「えっと…その……」
「……もういいわよ。結城くん責任…取ってくれたし…」
「そうじゃねえよ!」
リトは歩き出すと、唯の正面に回る
「なに?」
「おまえ言ったよな?責任取ってって」
「ええ」
リトは一度息を整えるように深呼吸すると唯の目をじっと見つめる
「な、なんなの?言いたいコトがあるなら…」
「オレおまえのコトが好きだ!だからその責任とかそんなんじゃなくてその……オレと…」
リトの言葉に唯は耳まで顔を真っ赤にさせる
「な、なに言ってるのよ?私はただ……冗談ならやめて…私は////」
「冗談なんかじゃねえよ!オレ本気でおまえのことが…」
唯はがんばって俯いていた顔を上げると、じっとリトの顔を見つめる
リトは真剣だった。いつもの頼りない顔つきに今は男の強さが滲み出ていた
「本気なの?」
「当たり前だろ!冗談でこんなコト言えるかっ」
唯は少し考え込むように俯くと、やがてぽつりと言葉をこぼす
「……順番が逆じゃない?」
「へ?」
唯はきっと顔を上げるとリトを睨みつける
「順番が逆でしょ!そんな大事なコトはもっと早く言うべきだわ!!」
「わ、悪かったって!だからそんな怒んなよ」
唯はふいっと顔を背けるとリトの横を通り過ぎていく
「あ!ちょ…古手川?」
「知らないわよ」
どんどん先に進む唯を後からリトが追いかける
後ろから聞こえる足音に唯はひとりくすっと笑った
あの時揺らめいていた気持ちは今はない
変わりに確かな気持ちがある
あたたかくて大事なモノ
生まれて初めての大切な気持ち
唯はそれを確かめるように胸に手を置くと、キュッと手を握り締めた
大切に…大切にしようと強く思いながら
後ろから近づいてくるリトの気配に振り向くと唯は、いつもの調子で注意をする
「ほら早くしないと下校時間過ぎちゃうじゃない!減点にするわよ?結城くん」
84名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 13:50:15 ID:VVKLCkus
終わり
よかったなんとか今年中に間に合ったw
内容は本誌であった唯回の続きです
やっぱりこの二人を書くのが一番好きです

来年は唯とリトの年にな〜れ!!
85名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 17:31:24 ID:kPCwudnH
GJ!GJ!
86名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 17:18:47 ID:5AbF518J
あけおめ保守
87名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 20:16:12 ID:PRHhSY+g
ラコスポの逆襲の続きが読みたい
88名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 10:39:54 ID:HY6Z7Ldx
久しぶりです( ̄∀ ̄)………………………………久しぶりに来たんで………また荒らしを始めたいと思います!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


このゴミ、
どこに捨てたらいい?
   ∧_∧
  (´∀`)
  /⌒  ヽ
 / /   \_M
( /ヽ  |\__E)
 \/  | / \
  (  イ / ウワァァンヽ
  | /|ハ( `Д)ノ|
  | / / ヽ(>>1) ノ
  ( 丿丿   ̄ ̄ ̄
  |||
  |||
  / ト、\
 
89名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 13:00:52 ID:HY6Z7Ldx
糞スレは・・
   ∧_∧  ∧_∧
  _(´∀`) (´∀`)
三(⌒)_  ノ⊃( >>1 )
   ̄/ /) ) | | |
  〈_)\) (__(_)

立てんなって
  ∧_∧  ∧_∧
  ( ´∀) (´∀`)
≡≡三 三ニ⌒)>>1 )
  / /) ) ̄| | |
`〈__)_) (__(_)


言ったろうが
  ∧_∧  _∧_∧
 (  ´)ノ );)∀`)
 /   ̄_ノ" >>1 )
C  /~  / / /
/ / 〉 (_(_/
\_)\)

ヴォケがーー! ヽl//
 ∧_∧(⌒) ―★――
(   ) /‖ /|ヽ
(/   ノ 川 | ヽ
(O ノ 彡  |
/ / 〉
\_)_)
90名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 13:02:11 ID:HY6Z7Ldx
     ( ^Д^)
    /⌒ /
    (ぃ9 |
    /  ∧
    /  ∧_二つ
   |  \
   / /~\ \
   / /  > )
  / ノ  / /
 / /   / /
`/ /   ( 丶
( _)    \_)
オマエラ キモイ
91名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 16:42:12 ID:yJIF47Sv
荒らすのが下手な奴っているんだな
92名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 17:35:21 ID:HB1JfdQN
>>91
荒らしって言うなよ >>88-90はコイツなりにこのスレを盛り上げようと・・・
93名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 18:27:17 ID:a1CSQW6A
>>91
そういうお前はどうなんだ
94名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:28:48 ID:cMTGpnez
早くレモンの続きみたいなー                    うふふ
95名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:29:39 ID:HY6Z7Ldx
このゴミ、
どこに捨てたらいい?
   ∧_∧
  (´∀`)
  /⌒  ヽ
 / /   \_M
( /ヽ  |\__E)
 \/  | / \
  (  イ / ウワァァンヽ
  | /|ハ( `Д)ノ|
  | / / ヽ(>>91) ノ
  ( 丿丿   ̄ ̄ ̄
  |||
  |||
  / ト、\
 
96名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:30:51 ID:HY6Z7Ldx
オタクキモい
97名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:32:02 ID:HY6Z7Ldx
http://75.xmbs.jp/uraura/


このサイト行け!

なりすましメールできる
98トラブルガールズ 王女偏:2008/01/04(金) 23:57:50 ID:QVVAUOLi
授業が終わる
時が経つのは遅い
この一日が一年に相当する、と言ったら言い過ぎかもしれないけどそれ程に長く感じた
掃除を適当に終わらせ、サッカーの見学にも立ち寄らず帰ろうとすると
インフォメーションが流れ、俺の名前が告げられた


「あら?結構早かったのね…結城君」
保健室に呼び出された俺は
「何の用ですか御門先生」と少し迷惑気に言ってしまった
「…そう…やっぱり気づいてないのね…いや、何でもないわ…」
何て言おうとしたのか気になったが早く帰りたい気持ちの方が勝ったので帰りの許可を求める
当の本人は腕を組み思慮深い顔立ちに変わっていた
「…ごめんなさい…いきなり呼び出したりしちゃって…
 でも貴方が何かにモヤモヤしてるんじゃないかと心配したから…」
さすが保健室の先生だと思ったが…特に誰かに感づかれても無いのに
どうして分かるのかと疑問に思った
「もう帰って良いわよ…ごめんなさいね、こちらの手違いで…
あ、これ持って行きなさい」
「これ」という代名詞は妙な薬品だった
ラベルには…よく分からない文字が掲載されている
「その薬はモヤモヤしている時に飲んじゃダメよ…
モヤモヤが晴れた時に使いなさい…それだけ…よ」

言ってる意味が良く分からなかった
確かに俺はバカで物覚えも悪いけど、なぜ後に使うのか…
そして、なぜ俺は
         教室に足を運ぶのだろうか…


とりあえず、自分の席に座ってみる
これで何かが解決出切る訳もなく、ただ時間だけが過ぎていく…
やたらとでかい野球部の声、テニスボールを叩く音、
サッカー部と陸上部の笛の音、上から聞こえてくる音楽…

            部活…か…

「また貴方、ペケよww」
ピクンっ…
机にうつ伏せていた体が跳ね上がる
どこからともなく聞こえてきた単語
ペケ?…どこかで聞いたような…ビリの言い換え板じゃなくて…
ペケ…ペケ…ペケ…あ〜〜思いだせな
「呼びました?」


目がグルグルしてる…あ〜、ペケか!
「何ですか、その識別は……お久しぶりですね、地球人」
少々不愉快な思いをさせてしまったが少しスッキリした
何で今まで気づかなかったんだ?いつも身近に居たじゃないか!

 そう…いつも…あいつと一緒に…
ん?あいつ?そうか!俺がモヤモヤしてたのはそいつの所為だったのか






99名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:58:12 ID:dWIyR4TM
ゆる〜りと待とう
100トラブルガールズ 王女偏:2008/01/04(金) 23:58:25 ID:QVVAUOLi
「そいつとは失礼な!結城殿!本当にお忘れになったのですか!?」
忘れた?たぶん俺は忘れたんじゃなくて忘れさせられたんだ…
推測だけど…
「………半分当たりで半分違います」
ペケは俺の机の上に立った
「忘れさせたのは当たりです。しかし!言葉が足りません。
 「悲しみ」ながら忘れさせたのです」
悲しみ?おいおい、それは可笑しいだろ
だってあいつはいつも笑って……笑って…笑いっぱなしで…
悲しむ顔なんて見た事ない…って何で俺が覚えてるんだ?
記憶を削除されたのに…なんで沸々と沸いてくるんだ…
くそっ!頭が痛いし胸が苦しいし…
     泣いてるし…

「結城殿…私がしてあげれる事は…この程度しか有りません
後は、ご自分自身で私の主を笑顔に戻してして下さい…」

「お願いします」


―5:45教室―

突然だけど俺の好きな人は春菜ちゃんだ
優しくて可愛くて…中学校からの想い人

……だった

その想いが揺らぎ始めたのは、いつの日だったかな…
いや、その判別は出来ない
なぜならあいつとの毎日の積み重ねで大事な想いを書き換えてしまったのだから
あいつとの何気ない日常と、あいつのいつもの余分な笑顔と
あいつの変な発明品と、あいつと…
そっか…そうだったんだな…身近に居すぎて今まで気づかなかったこの気持ち

ピンク色の髪の毛に、変な尻尾、おまけビームつきに、ペケに
変なコスチュームに、無駄な元気に、優しさに、天然
俺の名呼んでくれる声に、毎日の笑顔…今…いやずっと前から気づいてた


            全部まとめて
「お前が好きだ…ララ!!」





101トラブルガールズ 王女偏:2008/01/04(金) 23:59:00 ID:QVVAUOLi

「…ふ〜〜」
俺は御門先生から貰った妙な薬を飲んでみた
正直言って飲めるようなものじゃなく毒が入ってる
体が痺れてきた
目も霞んで……!?
「うっ…ひっく、うう…」
そこにいたのは俺の家の目覚まし時計よりも家族を除けば
誰よりも身近に居た人物
必死に涙を手で拭いている、声を殺している
体の震えはどうやら少しもカバー出来なかったらしい
「ララに涙なんて、似合わねーと思うよ」
出来るだけ優しく出来るだけいつもと同じように
俺の行動が気持ちと比例する
「ぅ…ぅぅ…リ…トォ…リト〜!」
ララの繊細な体をグッと抱き寄せる
崩れさせないように…離れさせないように…

こんなに身近にいたのに手を伸ばせなかった
泣いていたであろうララを、もっと早く抱きしめてあげられなかった
一時、ララの笑顔を涙に変えてしまった
何より…思い出してあげられなかった…

自分の所為だと自分を責め、湧き出る感情を押し殺す
俺がララを笑顔にさせる
俺に出来る事はそれしかないのだから

やたらとでかい野球部の声やテニスボールを叩く音や
サッカーや陸上部の笛の音や上から聞こえてくる音楽やら
そんな雑音は全て俺とララがいる教室には聞こえて来なかった
「ララ…寒くないか?」
ララは首を大きく横に振る
そして首を上げ俺に向かい満面の笑み(笑顔)で
「ううん!リトがいるから平気♪!!」
何だ…俺が何かをする必要なんてなかったんだな…
まぁ、そうだよな…ララはララだ
「いつも笑顔だもんな」
「うん!リトが傍にいるからね♪!」
102トラブルガールズ 王女偏:2008/01/04(金) 23:59:33 ID:QVVAUOLi
いつもと変わらない笑顔
それが一番の好きな理由と言っても…過言なわけないか
「な、なー…さっきの、そのー、俺が言ってた言葉、聞いてた?」
「もちr…ううん♪分かんなかったからもう一度言って!」
ララってこういう性格だっけ?
「だ、だから…俺は…ずっと前から…お前の事が…す、好きでした!」
最後の台詞を言う時、より一層抱きしめる力を強くした
両想いだって知っているのに緊張しないわけがなかった
「…嬉しいな♪やっぱり…凄く嬉しい!」
ララの女の子らしい言動や言葉には俺も反応せざるをえなかった…
「リ、リト!?何か下の方テント張ってるけど?何これ?」
「ま、待てララさ、さらるな(ヤベ噛んだ)」
興味深そうに俺の社会の窓ら辺を触り始めたララ
好奇心が有り余るほどあるのは知ってるが物と場所を…
「うあっ!ララ…ちょっ…触るな…よぉ」
「へー、触れば触るほど大きくなる仕組みかー」
仕組みって…
「リト…ズボン下げるよ♪」
ズルッ…俺の一物が露出した
完全に何かの機械を作るときの目になっている
「ほぇ〜〜大きくて硬くて…うわぁ、まだ大きくなる♪」
無残に俺の理性は崩壊、いや、頑張ったほうだ
「ララ!口あけて!」
ララが疑問文を述べる前に頭を掴みシェイクさせた
「うむ、ちゅぱっうん、んん…ちゅぱ」
ララは抵抗しなかったと言うよりされるがままと言ったほうが合っている
俺を信用してくれているという証拠だ
「ララ!イクぞ!うっ」
次々に溢れ出す俺の欲望
やろうと思えばいつだって…というかララから無意識に迫っているのだから
それにもっと早く答えてあげれば良かったのにと後悔する
「うう〜ん?あんまり美味しくないね…
  でもリトが気持ち良さそうだったから良かった!」
「…ここまで来たら…仕方ないよな…」
本番…あるのみ
俺はララに服を脱がすように言った
服を脱いで裸になっても恥じらいが無いのが残念極まりない
っていうかペケが作ってんだっけ…その場で
「脱いだよ?」
「あ、ああ…じゃあ仰向けに寝転がって」
ララは不思議そうな顔をしている
地球にきてそういう事は学習しなかったのか…
「じゃあ、胸、揉むぞ」
当然ララの胸を鷲掴みにすることは出来ず
できる限りの範囲でゆっくりと揉む

103トラブルガールズ 王女偏:2008/01/05(土) 00:00:06 ID:QVVAUOLi
「ん…リ、リト?何か…いい感じ…」
素直に感じ始めたララ
顔に赤みが薄っすらと滲み出てきて漏れる声も大きくなっていく
「あぅ、んあ!い、良い…気持ち良いよぉ…リト…」
ララの乳首が立ってきたところで俺とララを繋ぐ大事な場所にあいさつをする
「リっリト!?そこ…はぁ…あう、んん…」
ララの膣内をグチュグチュと指でかき混ぜる
どんどんと淫らな声が教室内を響き渡らせた
「そ、そこも…イイぃ!あん!う〜…
  リトに触られるとこ全部気持ちイイよぉ〜」
男にとってこれ程までに嬉しい言葉は無いだろう
何より愛する人が自分のテクで気持ちいいと言ってくれるのはより一層
「…ララ…一緒になろう」
「ハァ…ハァ…け、結婚ってこと!?」
「半分当たり半分間違いかもしれない」…だ
どっかの誰かさんが言った台詞を少し改造して延べ
ララの綺麗な秘所に一物を当てる
「入れるから…ララは少し力を抜いて」
「リ、リト…」
さすがのララも怖いのか俺を抱きしめてくる
大丈夫、俺を信じろ…と耳元で囁き
ララの唇を奪った
「んむっんん…ちゅ…ん…」
怖がっていた顔が見る見る内にとろけていく
舌を入れ唾液を交換し合う
いやらしい音が再び教室内を覆う
「ジュル、ちゅ…んむちゅう…ハァ、ん…ぷはぁっ」
息が上がる二人
見つめ合い瞳に映る笑顔をお互いに確認し
「…じゃあ、いくぞ…」
ズボっ
意外とスムーズに入った自分の一物
「ララ?大丈夫か!?」
「え?別に何ともないよ?」
案の定、ララには処女膜はついてなかった…
はぁ?
「ララ…もしかして…こういう事、二度目?とか?」
「リトが初めてだよ…だって…やっぱり…初めてはリトが良かったもん♪」
やっぱり知っていたのか…性交を
「じゃあ、動くぞ」
始めは慣れる為にゆっくりと動いていたのだが我慢できず
ハイペースでピストン運動を開始した
「あん!うん…ハァ、ああっ…リトォリトォ」
俺の名前を何度も呼んでくれるララ
その気持ちに答え胸を揉んだりディープキスをしたりと誠意を尽くす


104トラブルガールズ 王女偏:2008/01/05(土) 00:00:38 ID:6/36X6Rt
「ああああん、ぅ…リト?何か…くるよぉぉ」
ララも限界に達したので俺は最後のラストスパートをかけた
「ララっララっララぁああ!!」
愛しい人の名前を呼び自らの性をララに注いだ
「あああああ…リトが、入って…あん」
ララの秘所から一物を取り出しララにキスをする
「ん…………」
愛を確かめ合うように深くキスをし、しばらく幸せに浸っていた


長いキスの後ララに俺が持っている疑問を解いてもらうことにした
「何で俺達の中から記憶を奪ったんだ?」
と一番聞きたかった理由を尋ねると
「うん…TVのCMで『ララちゃんランドセル〜』っていうのがあって
その時リトと美柑が話しているの聞いちゃって…」
ん?…あ、あの時か!
「ララちゃんランドセルか〜、そういえば美柑も欲しがってたよな〜」
(ん?ララちゃんって私のことかな?)
「ハァ?そ、そんなわけないでしょ!?
 あんなもの欲しがる人なんてリト意外いないんじゃないの?」
(美、美柑!?)
「だ、誰が、あんなモノ欲しがるか!」
(リ、リト!?…そっか…私そーいう風に想われてたんだ…)

なに〜〜〜〜〜〜
「今回は凄いオチだな」
「ん?オチ?何それ?食べ物?」
いつもと変わらない会話を述べながらふと笑みがこぼれる
幸せは極身近にあるもので意外と気づかない人が大勢いる
俺もその内の一人だった…けど
今は前よりも、もっと……


「ララ!早く帰らないと美柑がキれるぞ!」
「うん♪早く帰って美柑の料理たーべよー!」
今日は一段と星が光り輝いていた


105トラブルガールズ 王女偏:2008/01/05(土) 00:06:00 ID:6/36X6Rt
ごめんなさい!最初の部分がなんかエラーで出なくて…
あ〜も〜新年早々失敗しました…すみません
106名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 01:00:44 ID:lDCl/Cb+
いえいえいい作品でしたよ

割り込んだの自分です。どうもすいませんm(__)m
107名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 01:42:25 ID:NdbX4Quh
あろうララ が あろラララ に見えたのは内緒
とりあえずGJ!
108名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 02:02:13 ID:TQqEug6z
ララちゃんランドセルw
…ミニミニもついてるよ。
109名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 08:00:06 ID:tWsNhADi
GJっす
リトララ読むとなんか泣ける
110名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 14:48:05 ID:fs3+4LPC
糞スレは・・
   ∧_∧  ∧_∧
  _(´∀`) (´∀`)
三(⌒)_  ノ⊃( >>1 )
   ̄/ /) ) | | |
  〈_)\) (__(_)

立てんなって
  ∧_∧  ∧_∧
  ( ´∀) (´∀`)
≡≡三 三ニ⌒)>>1 )
  / /) ) ̄| | |
`〈__)_) (__(_)


言ったろうが
  ∧_∧  _∧_∧
 (  ´)ノ );)∀`)
 /   ̄_ノ" >>1 )
C  /~  / / /
/ / 〉 (_(_/
\_)\)

ヴォケがーー! ヽl//
 ∧_∧(⌒) ―★――
(   ) /‖ /|ヽ
(/   ノ 川 | ヽ
(O ノ 彡  |
/ / 〉
\_)_)
111名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 16:37:52 ID:4po+9aOR
>>110
お前、帰れよ!
112名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 16:41:11 ID:NdbX4Quh
>>111
いちいち反応すんな
テメェも帰れ
113むに:2008/01/05(土) 20:05:03 ID:3IFnLqXo
あけおめです。

それでは、新年一発目の投下をします。

リト女体化ネタその8
114結城零紋の受難:2008/01/05(土) 20:06:05 ID:3IFnLqXo
――――――


「ぁーー……」

どうにかトイレの難関をクリアしたリトは、妙にぐったりした感じで廊下を歩いていた。

「なんでトイレ行くだけでこんなに疲れなきゃなんねーんだよ〜……」

そんな事をぶつぶつ呟きながら教室に戻ろうとすると…。

「ヘイ、そこの彼女!!」

「………ほえ?」

不意に後ろから声を掛けられ、振り返るとそこには…。

「どうしたんだい?浮かない顔して。悩み事があるならいつでも相談に乗るぜ!!」

『さすが弄光センパイ!ここが学校だという事もお構い無しに今日もナンパしまくりだ!!』

(げっ、弄光!!?)

元祖女たらし軽犯罪者、弄光(と、その後輩's)が爽やかな(ウザい?)笑顔で立っていた。

「むむっ!」

突如、弄光が目をくわっと見開いて、懐から『MOTE NOTE』と書かれた怪しげなノートを取り出し、パラパラ捲り始めた。

(オレのマル秘ノートにデータが無い美少女……。この学校にまだこれほどの娘がいたとは…!)

「キミっ!!」

「はっ、はいっ!?」

「キミこの学校じゃ見かけた事が無いけど、もしかして転入生かい!?」

「ぁ……は…はい…、一応……今日から短期間の編入…ですけど……」

「何っ!?という事は、今学校中で噂になっている『あのララ以来の美貌と身体を持ったボクっ娘編入生』というのはキミの事かい!!?」

「い、いえ、編入生なのは確かですけど、そんな大袈裟な者じゃあ――!」
(てゆーか、何故『ボクっ娘』の部分を強調する?)


余談だが、何故リトは自分の一人称を『私』では無く『ボク』にしたのか…。
一応、外見は女の子だが中身は男のままであるリトにとって、自分の事を『私』と呼ぶのは、なんか精神的にも『女の子』になってしまいそうな気がして少なからず抵抗があった。
だからこそ、自分はこれでも男だという事を忘れない様に、女が使っても別に可笑しくない呼び方(てゆーか、先日読んだマンガの女の子キャラが使ってた)という事で『ボク』という一人称を使う事にしたのだ。
………まぁ、それがここまで男子生徒内で大反響を呼ぶとは、リトにとっては予想外だった様だが…。
115結城零紋の受難:2008/01/05(土) 20:07:23 ID:3IFnLqXo
(どっちにしても、コイツにはあんまり関わりたくないから、どーにかしてここから離脱しなければ…)

この場から逃げ出す方法を模索するリトの様子など全く気付きもせず、弄光は嬉々として話し(口説き)かける。

「キミ、名前は何ていうのかい?」

「へ?あぁ、レモンです。結城レモン」

「へぇ、レモンちゃんというのかい。甘酸っぱい雰囲気がするキミにとてもお似合いの名前だね♪」

「ぁ、あぁ…、どーも…」
(意味解んねっつーの)

「そうだ!レモンちゃんこの学校の事よく知らないだろ!?オレが案内してあげるよ!」

「い、いえ結構です!大体の場所は御門先生に教えてもらいましたから!」
(つーか元々この学校の生徒だし…)

「遠慮するなよ!オレが誰も知らない様な、『二人きりで』まったり出来る穴場スポットを教えてあげるから♪」

「だ、大丈夫ですから!間に合ってますから!知りたくもありませんからっ!」
(あーもー、しつけー!そしてウゼー!つーか馴れ馴れしいな、コイツ!!)

しつこく食い下がる弄光に嫌悪感を感じ、一刻も早くこの場から離れたいリト。どうやって誤魔化そうかと思考回路をフル稼働させて、導き出した答えは…。


「あの、ボクちょっと急いでますんでこれで――」

踵を返して強行突破。

「あっ、ちょっと待って――うわっ!?」

「え?わぁっ!?」

引き止めようとした弄光だが、不意に足を滑らせ、そのままリト(レモン)に後ろから抱き付いてしまった。


しかも…。


『むにゅ』


「え?」

「……………へ?///」

両手で思いっ切りその豊満な胸を掴んでしまった。
116結城零紋の受難:2008/01/05(土) 20:09:55 ID:3IFnLqXo
「あ…………あれ?」

「な………な………な…………///」

暫くその状態で時間が止まった様に固まる両者。


そして…。


「〜〜〜〜〜〜っ!!!///」


リトの顔が一気に紅潮して――。


「何すんだてめぇぇぇーーーーー!!!///」
『ドゴォッ!!!』

乙女の怒りのJETアッパー(廬○昇龍覇)、炸裂。

「ごばぁっ!!?」

まともに受けた弄光の身体はそのまま宙を舞い、頭から真っ逆さまに墜落した。

『せっ、先輩〜〜〜!!』

慌てて弄光に駆け寄る後輩's
その隙に、リトは全速力でその場から離れた。

『先輩!!しっかりして下さい、先輩〜〜!!』

「の………の………の……」

『の?』

「ノーブラでした…♪」(ガクッ…)

『さすが先輩っ!!こんな時でも探求心を忘れないなんて、男の中の男だーー!!』(感動)


――――――


一階、渡り廊下――。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ…///」

顔を真っ赤にしながらも、何とか気分と呼吸を整えようとするリト。
よっぽどさっきの出来事がショックだったのか、教室に戻る筈が何故かこんな所まで来てしまった。

「あんの野郎ぉ…、人の胸思いっ切り掴みやがってぇ〜…///」

胸を押さえて、弄光に対してふつふつ怒りが湧き上がる。
117結城零紋の受難:2008/01/05(土) 20:11:24 ID:3IFnLqXo
(おかげで一瞬変な気分になっちま………って何考えてんだよオレはぁ!!///)
『ガンガンガンガンッ!!!』

さっきの感触が一瞬頭をよぎって、一刻も早く忘れようと校舎の壁に頭を打ち付けまくるリト。
端から見れば、ヘッドバッドの練習をしている様にも見える。

「あ、あなた…。何をやってるんですの…?」

「へ?」

再び後ろから声を掛けられ、振り返ると…。

「壁に向かって頭突きなんかされて…、何か格闘技の練習でもされてるのかしら?」

自称、彩南校のクイーン(通称、変人クイーン)天条院沙姫が、何か不思議な物を見る様な目をして立っていた。
勿論、今日もお供の九条凜と藤崎綾も一緒である。

(ぅわー…、今度は天条院センパイだよ…)

またしてもあまり関わりたくない人に出会ってしまい、軽くうなだれてしまった。

「な、なに人の顔を見るなりそんな嫌そうな表情されるんですの!?失礼ですわね」

少し不愉快な気分になる沙姫。まぁ、いきなりこんな行動をとられれば当然といえば当然だが…。

「ってアラ?あなた見かけない顔ですわね。転入生かしら?」

「え゛っ、ええ、まぁ…」

「んー、それにしては何か何処かで…、それもごく身近で会った事がある様な顔なんだけれども…」

リト(レモン)の顔をまじまじ見ながら考え込む沙姫。
と、ここで凜が――。

「沙姫様、もしかしてこの娘ではないでしょうか?本日ララのクラスに編入してきた、『あの』結城リトのイトコというのは――」

「ああ、あなたが今学校中の話題になっている噂の編入生なのですか」

「ぁ…、ぁはは……」

「ふ〜ん、そう…。あなたが…」

苦笑いするリトをよそに、何か考え込む沙姫。

(やば…、何か嫌な予感がビンビンする…)

頭の中で、日頃の非日常的日常の中から生まれた危機察知能力が警報を鳴らす。
そうでなくとも、只でさえこの人と関わるとロクでも無いことばっかり起きるので、リト自身これ以上この場に留まりたくなかった。
118結城零紋の受難:2008/01/05(土) 20:12:53 ID:3IFnLqXo
(これ以上ここにいるのはマズい…。何か分かんないけどそんな気がする!早いトコ逃げなければ!)

という訳で、ややこしい事に巻き込まれる前にさっさとこの場から立ち去ろうとしたリトだったが…。

「あなた、名前は?」

「う゛ぇっ!?」

一瞬早く、沙姫の方から会話を切り出され、逃げる機会を潰されてしまった。

「『う゛ぇっ!?』ではなくて、名前は何と言うのか聞いてるんですの」

「ぇ、ぇーと…、れ、レモン…です…」

「そう、レモンさん。私は三年の天条院沙姫。この彩南高校のクイーンですわ」

「は…はぁ……」

「いい機会だからあなたに一言だけ言っておきますわ。いい?彩南高の真のクイーンはララなんかではなくこの私です!!あなたもそこの所勘違いしないで、私をクイーンと称え敬う様に!!
いいですわね?彩南高のクイーンはこの私!!ホーーホッホッホッホッ――!!!」

「はい分かりました。それじゃボクはこれで――」(投げやり気味)

「ちょっ、ちょっとお待ちなさい!!何故そんなそそくさ逃げようとするのですの!!?」

「いやだって…、なんか『センパイとは関わっちゃいけない』って本能が言ってまして…」

「どういう意味ですの、それは!!?」

至極当然、ごもっともなお怒り。
しかし、今までが今までなのでリトの言い分も解らなくはない。


「あなた、見掛けだけじゃなく中身まで結城リトと同じで私をバカにしてるんですの!?」

「い、いえ、決してそーゆー訳じゃあ――!?」

「じゃあどういう訳なんですの!?」

激昂してリト(レモン)を責め立てる沙姫。

「ぇ…ぇーと〜……、その〜………」

返答に困るリト。説明しようと思えば出来るかもしれないが、何分この人にはその自覚症状が無いので多分理解してもらえないだろう…。いや、きっと理解してもらえない。(断言)
その上、後ろにいる凜と綾にも睨まれ、図式3対1状態でかなり厄介な状況である。

(ほーら、やっぱり段々とややこしくなってきた…。なんとか適当に誤魔化して早いトコここから離れなきゃあ――)

どうやってか沙姫の機嫌を宥め――とゆーか、いい加減これ以上関わりたくないので、この場からの離脱方法を考えるリト。
119結城零紋の受難:2008/01/05(土) 20:16:29 ID:3IFnLqXo
そして、考え抜いた結果…。


「あっ、ザスティン!!」

「えっ!?どこっ、どこっ、どこっ、何処ですのザスティン様ぁ〜!!///♪」

リト(レモン)の指さした方向へ向かって、自分の想い人の名前を連呼しながらその姿を探す沙姫。

「あぁザスティン様ぁ〜!!何処にいらっしゃるのですか〜、私のザスティン様ぁ〜!!///♪」

「沙姫様、沙姫様」

「ちょっ、五月蝿いですわよ綾。ザスティン様ぁ〜!!あなたは一体何処に――!!///♪」

「沙姫様っ!!」

「って何ですの綾!!さっきからゴチャゴチャと!!」

「あの…、彼女逃げちゃいましたけど…」

「へ?」

振り返った時にはもう遅く、既にリト(レモン)の姿はそこには無かった…。

「……」


……………。


…………。


………。


「はっ…、謀りましたわねぇ〜〜〜〜!!!」


古典的な手口ほど、案外簡単に引っかかるものである…。


「しかし、あの短い時間で足音一つ起てずに…。逃げ足も結城リト並みですね…」

「凜、感心してないでさっさと追いかけなさい!!」

「む、無理ですよ沙姫様ぁ〜。もう完全に見失っちゃってますから〜」

「綾、世の中諦めなければ何でも出来る様になっているのよ!!」

「沙姫様、それでもやはり無理があると思いますが…」

「ムッキーーー!!!おのれ〜ララといいあの娘といい、私をコケにしくさってぇ〜!!この屈辱必ず返して差し上げますからねぇ〜〜!!!」


沙姫の怒りの叫び声が、澄み切った青空へ消えていった――。
120むに:2008/01/05(土) 20:20:25 ID:3IFnLqXo
投下終了です。
この間(去年)ツッコまれた通り、(汗)を使わずにやってみたけどどーでしょうか?



…にしても、な〜んかスランプっぽいかな〜…。
でも、やれるだけ頑張ります。
121名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 20:55:24 ID:kkf1+iC/
(´・д・`) ナノー
122名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 22:37:19 ID:rzQOX2kZ
>>120
GJ!れもんの話好きだわwww
123名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 20:46:17 ID:TOGPylpQ
1000取り合戦、 /
 いくぞゴルァ!!/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ ̄
  \∧_ヘ
   /\〇ノゝ∩
""" /ニ√゚Д゚)ノ
  /三/|゚U゚|\ """
  U(:::::)
""" //三/|三|\"""
   ∪ ∪
 """    """
 \ぶーぶーぶー/
(\_/)タリー  タリー
(´Д)  タリー タリー
"/  つ (\_/)
(_(_つ⊂(Д`⊂⌒`つ

まだ早えよ〜
  (\_/)ノ⌒ヽ
  (Д` )_人_) ))
124名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 21:51:52 ID:fC2/6iRd
>>1に対し、ここで
聖戦を宣言する。
   (≦三)
  ┃(#゚Д゚)
  ┃(≦▼)
  /│━‖
  / │ ‖
 └-┘⊃⊃
 (≦三)  (≦三)
┃(#゚Д゚)┃(#゚Д゚)
┃(≦▼) ┃(≦▼)
  (≦三)  (≦三)
 ┃(#゚Д゚)┃(#゚Д゚)
 ┃(≦▼) ┃(≦▼)
125名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 21:52:22 ID:fC2/6iRd
| ̄| ∧∧
ニニニ(゚Д゚∩コ
|_|⊂  ノ
   / 0
   し´

えっ…と、
糞スレはここかな…、と
 ∧∧ ∧∧
∩゚Д゚≡゚Д゚)| ̄|
`ヽ   /)ニニニコ
  |_ i〜  |_|
  ∪ ∪


  ∧∧ ミ ドスッ
  (  ) _n_
  /  つ 終了|
〜′ /´  ̄|| ̄
 ∪∪   ||_ε3
      ゙゙゙゙
126名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 23:32:44 ID:7tElsZ/U
sage
127名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 23:49:37 ID:TbRGRLod
あー
はやくだれか続きを書いてくれー
128名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 04:49:15 ID:3jbn5DZt
>>120
129名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 07:49:39 ID:YkZUZ3EU
そして檸檬は死んだ
130名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 07:50:12 ID:YkZUZ3EU
________
  <○√
    ‖
   くく
しまった!
ここは糞スレだ!
オレが止めているうちに
他スレへ逃げろ!
早く!早く!
オレに構わず逃げろ!

131名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 07:56:26 ID:S7NR7xBL
荒らすならIDかえて自演でもすればいいのに
132名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:25:38 ID:xcXDM3UU
と言うかこんな寂れたスレ荒らす意図が解らん
ただのアンチか?
かまってちゃんか?
133名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:30:52 ID:xcXDM3UU
134名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:47:51 ID:+s4Y2lyK
記憶喪失被ったうえにエロ入るかどうかもわかりませんが、一話だけ
135名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:49:28 ID:+s4Y2lyK
「……朝、か………」

目覚めとともにオレの身体を襲うどんよりとしただるさ
頭が重い
目が腫れ上がるように痛い
声を出してみると喉の奥もガラガラに涸れている
カーテンの隙間から見える空は今にも泣き出しそうに曇っている
まるで今のオレの気分を現してるみたいだ
そうか、思い出した
オレは昨日泣いてたんだ
だからこんなに暗い嫌な気持ちなんだ
疑問が晴れ少しだけ楽になる
でも…

「なんで…?どうして泣いてたんだっけ…」

今度は別の、もっと重要な(気がする)疑問
オレは自分がどうして泣いていたのか、なぜそれを思い出せないのかわからない
春菜ちゃんにフラれたわけでもレンのバカと喧嘩したわけでもヤミに殺されそうになったわけでも春菜ちゃんにフラれたわけでもない
それなのになんで泣いてたんだ?
思い出そうとしても記憶に穴が開いたみたいに思い出せない
何か大事な……そう、忘れちゃいけない大切なものを失ってしまったような気がする
それはいつも近くにあったはずなのに
いつもオレのそばにいてくれたはずなのに
オレは……何もしてやれなかった
いや、何もしてやらなかったんだ
わかってたはずなのに
失う怖さをオレは知ってたはずなのに
オレは失ってしまったんだ
大事な“何か”を……

ふと別の部屋に繋がるドアに目をやる
クローゼットの扉
部屋と呼ぶには明らかに狭すぎるそれを、なぜ「部屋」と呼んだのか自分でもわからない
それでもそのドアを見ると、なぜだか無性に寂しさが込み上げてくる
その「部屋」が大切なもの…?
いや、違う
近いような気もするけど明らかに違うとわかる
しかし全く関係ないとも言えない
確かにあいつはそこにいたから

「あいつ……?」

オレは自分の言葉に疑問を抱く
オレが失ったものは、人…?
誰?名前は?どこにいる?
何もない空間に問い掛けても、返ってくるものは何もない
オレはただ一人、部屋の中で啜り声をあげた
136名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:53:02 ID:+s4Y2lyK
「リト!かーえろっ♪」

放課後まだ生徒の多い教室で、元気にリトの名前を呼ぶララの声
いつもと変わらぬ明るい声に、リトは少しけだるそうに返事をする

「んー?あぁ…そーだな」
「あれ?なんかリト元気無いねー。そーゆー時はこの『バーサーカーDX』で…」
「それはやめろ!」

いつだかネズミを暴走させたスプレーを取り出そうとしたララをリトが止める
あまりにもいつものこと過ぎてリトもすっかり慣れてしまったようだ
ララはというと残念そうにスプレーをしまっている
どこまでが本気なのか、いや全部本気なのであろう
「帰るぞ」と不機嫌そうに席を立つリトにララが「待ってー!」と着いていく
これもいつものこと
まさかあんなことになろうとはリトもララも想像していなかった

話は変わるが、リトの父・才培は連載を三本も抱える超売れっ子漫画家だ
濃い作風と凄まじい作業スピードに定評があるらしい
それでもやはり三本の連載というのはキツイらしく、息子であるリトにヘルプを求める事が多々ある
時にそれは深夜まで及ぶこともあり、そういう時は大抵翌日の健康状態に影響を及ぼすものだ
それは今回も例外ではなく、昨日才培に漫画を手伝わされたリトは軽い頭痛と疲労感に見舞われていた
保健室に寄ろうとも考えたが、またあの時(週刊少年ジャンプ2008年04・05合併号参照)のようなことになっては堪らないと、我慢することを決め込む
そのせいかいつもよりずっと不機嫌なリトに、ララはなんとか元気を出してほしいと試行錯誤を重ねる(リトとしては放っておいてほしいところなのだが)

「リトっ!この『ごーごーミサイルくん』に乗れば気分爽快、嫌なことも忘れられるよ!」
「乗るかっ!」

「リトー!『こんこんスノーくん』で雪降らせるから一緒に雪だるま作ろっ!」
「お前それでこの前吹雪にしただろ…」

「む〜、それじゃこれはっ!」
「げッ、お前それは…!」

ララが取り出したそれは、ソフトボールくらいの大きさの丸い物体
リトはそれに見覚えがあった

「へへ〜、これは『どんどんハナビくん』って言って、ここを押すと…」
「ば、バカやめっ…!」

カチッ

リトの制止もむなしくボタンを押すララ
次の瞬間その球体は激しい音と光とともに火花を散らす

ドンッドドンッ!

「いったァ〜…うーん、押してから爆発するまでが短すぎるみたいだね…作り直さな…きゃ…!?」
「………」

思わず言葉に詰まるララが見たものは、どす黒いオーラを放つリト
度重なるララの常識を越えた行動に、とうとう勘忍袋の緒が切れる
137名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:56:57 ID:+s4Y2lyK
「あの…リト……ごめ…っ」
「〜〜〜ッいい加減にしろっ!!いつもいつもいつもいつも!くだらない発明ばっかりしやがって!!オレをおちょくんのも大概にしろよ!!」
「そ、そんなつもりじゃ……」
「とにかく!今後一切発明品なんて使うな!ペケ以外!」
「っ……!」

俯いて黙り込んでしまうララ
いつものリトならここで少し言い過ぎたと反省するところなのだが、徹夜続きで疲れているそんな余裕はない
おまけにさっきの花火で体中が痛い
リトの機嫌はララが見てきた中でも最悪だった

「…帰るぞ」
「あ、あのリトっ!」

さっさと歩き出そうとするリトにララが声をかけようとする
が…

「その…本当にごめんなさ」
「いいからもう黙っててくれ…疲れた……」

振り返りもせずにリトが告げる
ララの胸に鈍い痛みが走る

――疲れた――

その言葉が意味するものは、徹夜による身体の疲れだけでなかった

――お前と話すのが、もう疲れた――

そうリトは言った
言葉にはせずとも、ララに伝わる
悪いのは自分、そんなことは百も承知だ
それでも好きな人に、大好きなリトにここまで突き放されてしまってはさすがのララも沈んでしまう
謝ることすら許されないのでは、ララにはどうしたらよいのかわかるはずもなかった
ただ気まずい時間だけが流れてゆく
と、そこで思い出したようにリトが立ち止まる

「あ…やべ、そういや親父に予備のトーン買ってくるように言われてたんだっけ…ララ先帰ってろ」
「え…ぁ……うん……」

――私も一緒に行く!――

いつもならそう言えるのに
どんな時もリトと一緒にいたいのに
冷たく言い放つリトに、返事をする以外返す言葉が見つからない
なにか自分の全てを拒絶されているような気がした

「ごめ……んね…」
「………」

何も言わず歩き出すリトに、ララはただ立ち尽くすだけだった
138名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 11:58:31 ID:+s4Y2lyK
「ただいま…」
「おかえりー遅かったね…って、どうしたの?その格好」

帰宅したリトを出迎えた美柑が見たのは、制服ではない見慣れぬジャージ姿の兄
顔や手には所々火傷のような傷痕が見える

「どうもこうもあるかよ…ララの発明品のせいで火傷するわ制服は汚れるわ…親父のとこ行くついでにクリーニング出して来たんだよ」

明日が土曜日なのは不幸中の幸いである

「ふぅん…それはそれは、大変だったね」
「まったくだよ……あいつのすることなんていつもロクなことになりゃしねー」
「はは…まァでもいいじゃない、ララさんだってリトのためにやってるんだろうし」
「…はァ?」

ギロッと睨み付けるリトの視線にビクッと固まる美柑
機嫌が悪いことが妹の美柑にもわかる

「オレのためオレのためって…少しでも役に立ったことあるかよ!?迷惑しかかけてないだろアイツは!!」
「ちょ、ちょっとリト落ち着いてよ…大体私に言われても…」
「……悪い……」

確かに関係のない美柑に当たり散らすのは見当違いだと反省するリト
だがそれで腹の虫が治まるわけではない
怒りと疲労でまともな思考能力を失ったリトは、ついに言ってはいけない心にもない一言を言ってしまう


「…ララが来なきゃ……こんな目に遭うことも無かったのに……」

「…っリト!」

美柑の視線はリトに向いていない
その背後にあるもう一つの別の影
美柑の様子に気付き振り返ったリトの目に映るのは、その大きな瞳いっぱいに涙を溜めた…ララの姿
いつもの笑顔は消え失せただ茫然と立ち尽くしている
139名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 12:06:21 ID:+s4Y2lyK
「…ラっ…!」
「…………っ………!!!!」

リトが何かを言おうとするのと同時に、玄関へ向けて駆け出すララ
慌てて追おうとするリトだが、ララの足に着いていけるわけもなく取り残されてしまう

「行っちまった…あいつ、今の聞いて……」
「…何してんのリトっ、はやく追わなきゃ!謝らないとっ…!」
「…まっ…待てよ、何でオレが…悪いのはララだし、あいつのことだからすぐにコロッと忘れて帰って…」
「…っ、バッカじゃないのッ!?」

軽率なリトの言葉に美柑がキレる
腹の底から大声を出すと、今度は今にも泣きそうな声でリトに訴えかける

「好きな人にあんなひどいこと言われて…気にしない女の子がいると思ってるの…!?サイテー…っ!」
「違っ……だけど」
「じゃあリトはララさんがいなくなってもいいと思ってるんだララさんがどんなに傷ついても関係ないって思ってるんだ?」

美柑の言葉がリトの胸に突き刺さる――違う、そんなことを思ってるわけじゃない
ただ自分の言葉に引っ込みがつかなくなってしまっただけ。疲れてイラついて溜まった鬱憤をララにぶつけてしまっただけ
ララが誰より自分を想ってくれることなど誰かに言われなくてもわかっている
ララの笑顔がいつも教えてくれる「大好き」の気持ちに安心していた
それなのに、そんなララを傷つけてしまった。ララから太陽のような笑顔を奪ってしまった

「私は違うからララさんのことホントの家族だって…思ってるから…っ!」

黙り込む兄をキッと睨むと、美柑は玄関を飛び出しララを追って駆け出す
一人になったリトの頭の中を美柑の言葉がぐるぐると回っていた
――家族――

「そっか……家族、なんだ…だからオレは……」

ただの友達とか恋人とか、そんなのよりももっと身近にあったララの存在
でも恋人でなければもちろん夫婦でもない、微妙な関係
一言で表すのは難しいが、何か言葉を借りるとしたら「家族」というのが一番近いのかもしれない
近すぎて気付かなかった、自分の中のララへの気持ち
一緒に過ごした時の中でいつの間にか意識することさえ忘れてしまっていた
何でも言い合える、そうまるで「家族」のようなララを勘違いしていた
ララの帰る場所はここしか無い、と。あいつはいつも自分の隣にいるのが当たり前なんだ、と
しかし、ララは違う。どんなに近くにいてもどんなに飽きるほど一緒の時間を過ごしても、変わらずリトに恋をし続ける
リトを振り向かせたいと心から願う
宇宙人だろうと何だろうと関係ない、その姿は普通の女の子と同じ
何も言わずに駆け出したララは確かに泣いていた
ララのことだからすぐに忘れる、など馬鹿もいいとこだ

「なんで…あんなこと言っちまったんだろ……」
――ララが来なければ
自分の放った――ララを傷つけた――言葉が、リトの頭の中で繰り返される

正直、そういうことを全く思っていなかったと言ったら嘘になるかもしれない
現にリトの意識しないところで、ララが現れたことによる影響が出ているのも事実
度重なる宇宙人の襲撃や、本来両想いであるリトと春菜が未だ友達の域を脱していないのもその一つだ
だがもちろんそれは災難に遭った際の一つの仮定であり、断じて本心などではない
ララにそれを理解しろと言うのは無理な話ではあるが…とにかくこのままララとすれ違ったままではいけない、いいはずがない
――私は違うから!――またもや美柑の言葉が蘇る

「…オレだって違うさ…わかってる、今なら謝れる…ララに、そしてちゃんと言える……オレは……」

考えるよりはやく、リトの身体は玄関を飛び出していた
140名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 12:23:48 ID:+s4Y2lyK
――リトならまだ寝てるよ、昨日遅くまでララさんのこと探し回ってたみたいだから――
リトはいっつも優しくて…たまに怒るけど、私のこと考えてくれてるんだって知ったから…
どんなに振り向いてくれなくても、がんばれたよ

――…しっかしなんだな…たまにはこうして二人で寄り道するのもさ、その…楽しいもんだな――
わかってる…気遣ってくれたんだよね?でも嬉しかった…リトが楽しいって言ってくれて
今度はホントに、心からリトに「楽しい」って言ってもらいたかったなァ…

――ララほんと頭いいんだな!!マジすげーよ!――
いつもドジばっかりしちゃう私でも、リトのためにできることがあったんだね
リトに誉められるとなんだか幸せな気分で…うーん、うまく言えないけど嬉しかった♪
私の発明の知識だって、少しは役に立ったでしょ?

――おかえり!ララ――
リトや春菜……みんなが私のこと覚えててビックリしたよ
でもホントは嬉しかったんだぁ……♪だって記憶なんて消したくなかったもん…
…リトに私のこと忘れてほしくなんてなかった…大好きだもん
記憶を消す瞬間、リト私のこと止めようとしてくれたん…だよね?ありがと…♪
ぜんぶ大切な思い出…これだけじゃないよ!
一緒に水族館行ったことも、リンカイガッコでキモダメシしたことも、文化祭がんばったことも、ちょっぴりケンカしたことも…
オキワナ星で迷子になったりみんなでスキヤキしたり…
リトと一緒にいた時間、全部が楽しかったよ!
わたし、は……

「…っ、りとぉ……グスっ…!」

涙が…止まらないよ……
こんなの私らしくないよね…わかってる、泣いてたって何も変わらないって……
ペケが心配そうに見てる……
ごめん、ね……私が造ったのにいつも心配ばっかりかけて……ダメなお姫様で……
でもっ……でも、こういう時くらい泣いても許してくれる…?

だって私……嫌われちゃったんだよ?リトに……

――ララが来なきゃ――
私、知らないうちにずっとリトに迷惑かけてたんだね……
大好きなのに……うまく、いかないね………
どんなにリトに怒られても振り向いてもらえなくても、私がリトのこと好きなら大丈夫、って思ってた…ずっとずっとがんばれるって、そう思ってた……
だから……好きな人に嫌われることがこんなに辛いなんて知らなかったなァ……
どうしたらいいかわかんなくなっちゃって…逃げちゃった…リトの顔見るのが怖くて…
また帰りみたいな冷たい目で見られたらどうしよう、って…そしたら私、きっとリトの前で泣いちゃうもん…
リトの前ではずっと笑顔でいたいのに、こんな気持ちじゃ…笑えないよ…!
大好きなのに今すぐ会いたいのに………
笑えなくなったら、私にできることは…もう――

『……本当に、良いのですか?ララ様…』
「…………うん………今度はちゃんと……考えて決めたから……」
『…わかりました…では…「あっ、ちょっと待って!!」
『ハイ?』
「これが最後だから……最後にリトのこと考えさせて……」
『……はい』

ごめんねリト…

ありがとうリト…

大好き…リト…


さよなら…リト…
141名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 12:24:46 ID:+s4Y2lyK
「いたか!?美柑」
「うぅん…こっちは……そっちも?」

力無くリトが首を左右に振る
あれから数時間――辺りはすっかり日が暮れ、街灯の明かりだけを頼りにいなくなったララを二人手分けして探す
が、まったく見つかる気配はない

「どこ行ったんだよ…ララのやつ…」
「…もしかして、リトに嫌われたと思ってはやまったんじゃ…」
「ばかっ!あいつが…ララがそんなことするもんかよ!あいつはいつも笑ってて……わらっ…て…」
「……ごめん」

めぼしい場所は全て探した二人だったが、ララの姿はどこにもない
学校にも、公園にも、もちろん春菜の家にも…
辺りはさらに暗くなりこれ以上は危険と判断した美柑が、尚も探そうとするリトをなんとか説得し家へと帰ることにした
誰もいない家の電気をつける
ララがいなくなった家はどこか物悲しく、いつもより広く見えた

「…オレのせいだ…!オレがあんなこと言ったから…っ!」
「よしなって…」

自分を責めようとするリトを美柑がたしなめる
やり切れない表情のリトは、何をするでもなく自分の部屋へと戻っていった

部屋の明かりをつける
朝出かけた時から何も変わっていない、自分の部屋
その壁際にあるクローゼットの扉をゆっくりと開けてみる
中に広がるのは、人一人が生活するにはあまりにも広い部屋
リトはその中に足を踏み入れてみる

「あいつ…こんなとこにいつも一人で、寂しくなかったのかな…」

あの時――以前ララが家を飛び出した時と同じように足を進め、ある場所で歩みを止める
不器用な字で「たからものいれ」と書かれたカゴ
その中にある人形を拾い上げる

――ありがとーリト!!これ私の宝物にするね――

ララと出会って間もない頃、美柑も一緒に行ったゲームセンターで取った人形
リトにしてみれば一種の本能から取ってやっただけなのだが、その時のララの笑顔は今でもよく覚えていた

「…嬉しそうに、笑ってたよな…」

人形をもったまま研究室をあとにしたリト
散々探し回って疲れた身体をベッドに投げ出す
その腕にはララの“宝物”がしっかりと抱きしめられていた

「ララ…ごめんな……もうあんなこと言わないから…お前を悲しませたりしないから…だから、帰って来てくれ……!」

ララに一言、「ごめん」と言いたい
そして許されるならば、自分の気持ちを伝えたかった
そんなリトの願いは叶うことなく、意識は闇の中へと消えていく
142名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 17:57:42 ID:YkZUZ3EU
丶ヽヾゝゞ彡巛州丿
人从入了丁十弋凸凹
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巨廴串亞乃
ゎゐゑヮヰヱヵヶヴ
143名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 17:59:22 ID:YkZUZ3EU
[email protected]
かかってこいや!!

カスどもが!!
144名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 18:00:01 ID:YkZUZ3EU
     ◎
     |
    γ"⌒ヽ
    i ○○i
   /i ∀ i\
  ⊂/i 荒 i\つ
    ゝ  ノ
   〜/  \
   / /~\ \
   / /  > )
  / ノ  / /
 / /   / /
`/ /   ( ヽ、
(_)    \_つ
145名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 18:14:39 ID:YkZUZ3EU
おい!>>1
糞スレを立てたぞ!
     ∧_∧
    (´Д`) _
    /⌒ヽ/ / _ア
   | \\//
   |  \/
   |  ∧二つ
   |  \
   / /\ \
   / /  > )
  / ノ  / /
 / /   / /
`/ /   ( ヽ
(_)   \_つ

そうか!よし!殺す!
  -=≡ ∧∧
 -=≡ (´Д`) ハァハァ
-=≡___/ /_
≡ / __  ゛\  ∩
 / / /  /\ \/ /
⊂_/ /  /  \_/
=≡ | _L_
-=≡ \__ ヽ
 -=≡ / / /
‐=≡ // /
-=≡/| /
≡/ /Lノ
(  ̄)
  ̄ ̄
146名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 18:15:12 ID:YkZUZ3EU
    ____
    /\   \
`___ //\\   \
/|ロ L/ \/\\  /
 ̄ ̄//\ \/\\//
「「「/ \/\ \/ /:/
LL//\ \/\ /:/
「/ \/\ \/ /:/ _
//\ \/\ /:/ /|ロ
`\/\ \/ /:/ | |ロ
\ \/\ /:/ | |ロ
、/\ \/ /:/⌒`| |ロ
)\/\ /:/ "⌒ヽ|ロ
⌒Y⌒ヽ_ノ⌒Y⌒Y
(⌒ヾ::(:::_人.....
ノ⌒Y⌒ヽ:: ∧_∧
゙....::::Y (Д` )
ウエーンコワイヨママー/  ヽ
  ∧∧ //  /|
..(´A`///  /L_つ
::/つ_(ノ ( V
:人 Y  /\ \
し"(_) ノ / > )
    / / / /
   し" ( ヽ
      ヽ_)
あなたがこんなクソスレ
たてるからよ
さあ早くこっちへ!
147名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 18:35:50 ID:PcLZz9Qy
>>146
文字と記号だけでこんなの作れるなんてスゲー
148名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 19:23:19 ID:xcXDM3UU
定期的に湧くみたいだな
荒らすならトリ付けてくれ
149名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 20:53:27 ID:0P8cB/iL
リトララフィーバーですな。GJGJ!
150名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 21:16:18 ID:3sVT6d33
>>146
この母親はゆとりだな
クソスレなんて言う親がどこにいるのか・・・・・と意味も無いレスをする

ついでに顔ずれてるぞ どんまい
次回AAスレにて期待してるわ
151名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 22:25:46 ID:YkZUZ3EU
>>150………


なんか照れる……

けど俺は荒らしまくる
152名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 22:28:58 ID:Ns4sPsrd
ここまでして携帯厨であることを主張してるヤツも珍しいなw

携帯が悪いとは言ってないぞ?
153名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 22:35:39 ID:0P8cB/iL
とりあえず 落 ち 着 け
154名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 22:41:13 ID:YkZUZ3EU
 ♪Å
♪ / \  ランタ ランタ
ヽ(#`Д)ノ ランタ タン!
  (へ ) ランタ タンタ
    >   タン!





おちけつ
155名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 22:42:18 ID:YkZUZ3EU
てか 俺は中1
156名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:09:53 ID:YkZUZ3EU
うるさいハエだなぁ。
逝ってよし!
        ブーン
      ∴ ・〜
 ∧ ∧  ∴∴ ↑
( ゚Д゚) ∴∴∴ >>1
 ∪ ⊃自
〜| |  プシュー
 ∪∪
157名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:20:26 ID:cJzxq1sh
21歳未満ハケーン
158名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:24:02 ID:+s4Y2lyK
書き込めない…
159名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:31:13 ID:+s4Y2lyK
……なんだ…?ここ
オレの部屋…じゃない…真っ白で何も見えない…
いったいここは……

――リト――

!?…ララか!?
どこだ、ララ!ずっと探してたんだぞ!はやく出てきてくれよ!

――ごめんねリト――

な…なに謝ってんだよ、謝るのはオレの方だ!
ごめんなララ…あんなひどいこと言って、傷ついた…よな…?
でもオレ、ホントはそんなこと全然思ってないからさ…
あれは…その、ついイライラして当たっちまっただけだ…
本当はお前がいると…楽しい

――ありがとうリト――

へ?あぁ、礼言うのもオレの方だって!いつもそばにいてくれて…サンキューな////
ララがいてくれるだけで嬉しいんだ…だから、これからもずっと…
160名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:31:53 ID:+s4Y2lyK
――大好き…リト…――

んなっ……
そっ…そういうこといきなり言うなよなっ!////
……でも、嬉しいよ
あんなこと言ったのに…それでもオレのこと好きって言ってくれるんだな…
ララの笑顔からたくさん伝わったよ、ララの気持ち…
だから…その、えと…んと…
おっ……オレも、ララが……////

――さよなら…リト…――

………………え?
ま…待てよ、なんだよさよならって……!?
どういうことだよララっ!オレはさよならなんてしたくないぞ!!
オレは…オレはララがっ!ララの……ことが……

………!?
なん……だ………急に、眠く……
まぶたが……重い……!意識が……
待って、ら…ラ………

行くな…!行かないで……!!

そばに……………


………き……だから――――
161名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:36:25 ID:+s4Y2lyK
すいません、ラストだけなぜか投下できませんでした
字数も改行も守ったはずなんですが…二回に分けたらいけました
てか、どっちにしても半端な終わり方ですね
視点をコロコロ変えたのは失敗だったかも…
とりあえずスレ汚しすみませんでした
162名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:43:33 ID:0P8cB/iL
大丈夫だ、自信を持て
163名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 23:59:57 ID:Ns4sPsrd
俺もお腹いっぱいになったぜ
164名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 10:35:11 ID:+33GOCbk
>>161
続きに期待してるぞ
165名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 20:23:46 ID:N2jDWInJ
>>157
今は18禁になったのでは?
166名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 18:34:25 ID:K2F+CIFR
>>165
その通りだけど
167名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 19:41:07 ID:HxTfYROI
唯×リトを召喚してくれる神を待つ
168名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 22:56:46 ID:Ag9n49nL
凛×リトを召還してくれる神を待つ
169名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 22:57:50 ID:WXrvnUNP
ララ好きとしてはラストキツいなぁ、リトララが幸せになる続きを期待
170名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 23:56:17 ID:/KfoQ+Cc
王道としてはそうだが、書き手の考えるとこもあるだろうしそこは黙って待とうぜ
171名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 01:49:22 ID:9NIRAYlF
他人の書いた作品のカップリングとかにいちゃもんつけるのは厳禁
他人の好みに合わせて書くもんじゃないしな、金もらえるわけでもなし
172名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 02:14:22 ID:UtdDKp52
いや別にイチャモンってほどのもんでもないと思うが…
口出しするべきじゃないのは同意だけど
173名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:58:52 ID:LehpAl2N
今職人ってどれくらいいるかね?
ヤミ金さんがいなくなったのは辛い・・・・
174名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 20:18:41 ID:9x+MTEqZ
リト女体化の人だけだと思われ
175名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 21:39:27 ID:R8ZrZ8nX
うるさいハエだなぁ。
逝ってよし!
        ブーン
      ∴ ・〜
 ∧ ∧  ∴∴ ↑
( ゚Д゚) ∴∴∴ >>1
 ∪ ⊃自
〜| |  プシュー
 ∪∪
176名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 21:57:24 ID:h+o4SJCj
黒リトの日記の人の再来を待ってる漏れ
177名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:40:07 ID:aDae0EPq
そろそろ新キャラが欲しいなぁ
178名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 02:37:37 ID:9c3HPZRg
職人とその他の違いって何?
179名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 03:59:02 ID:Zdp45/it
作品を落とすかそうじゃないか
180名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 11:46:58 ID:6MUee7n8
おい!>>1
糞スレを立てたぞ!
     ∧_∧
    (´Д`) _
    /⌒ヽ/ / _ア
   | \\//
   |  \/
   |  ∧二つ
   |  \
   / /\ \
   / /  > )
  / ノ  / /
 / /   / /
`/ /   ( ヽ
(_)   \_つ

そうか!よし!殺す!
  -=≡ ∧∧
 -=≡ (´Д`) ハァハァ
-=≡___/ /_
≡ / __  ゛\  ∩
 / / /  /\ \/ /
⊂_/ /  /  \_/
=≡ | _L_
-=≡ \__ ヽ
 -=≡ / / /
‐=≡ // /
-=≡/| /
≡/ /Lノ
(  ̄)
  ̄ ̄
181名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 17:41:12 ID:ynWH9FxT
ヤミの髪が玩具にトランスして、天条院(誰でも良いんだが)を調教する百合モノが書きたい…

と、思ったが、果たしてどうなんだ?
182名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 17:58:22 ID:7rFy6VGq
ためらうな迷うな

ゴーゴー!!
183名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:01:30 ID:9zalRKkm
俺もwktkして待ってるぜ

ゴーゴー!!
184名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:04:50 ID:DVKupeMD
ヤミって自分から他人を襲ったりしないような・・・
でも期待!
ララを懲らしめる依頼の請求の変わりに・・・って感じの話と予想
185181:2008/01/12(土) 19:08:53 ID:ynWH9FxT
分かった。

その代わり、携帯からのカキコ、投下遅、処女崇拝しないぞ。
186名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 19:43:49 ID:Zdp45/it
>処女崇拝しない

誰のなのかが気になるw
187闇の心に咲いた百合の花:2008/01/12(土) 20:56:23 ID:ynWH9FxT
 全身凶器と言われた暗殺者

 コードネーム『金色の闇』

 幼い顔立ちをした少女の名は

     『ヤミ』

ヤミは自身の特徴とも言える金色に輝く長い髪を、自在に好きな形状へと変形(トランス)させる事が出来る。

勿論、体の一部のみを変形させる事も可能だ。

ヤミは『結城リト』の暗殺を依頼されたものの、未完遂に終ってしまい、自身の不覚から地球に止まる事を決意し、常に結城リト暗殺の機会をうかがっていた。

「今日こそは…」と、玄関から結城家へと乗り込んだヤミ。暗殺者らしからぬ堂々とした侵入。足音を殺し、結城リトが居る部屋の前へ…

「この扉を隔てた向こう側に結城リトが居る…」

ヤミはドアノブに手を掛け、勢いよく扉を開ける。

「結城リト!今日こそ貴方を…」

ヤミは部屋の中の光景に驚愕した。下半身全裸で、えっちぃ映像と本に囲まれながらオナニーをしていたリトに絶句する。

リトもヤミの存在に気付いたのか、慌ててフォローをしようとするが、下半身はフォローされていない…

「えっちぃのは嫌いです。」

ドガドガドガドカ…

結城リトに『黄金の連弾』が炸裂した。

下半身全裸のまま気絶するリト。

188名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 21:29:00 ID:6MUee7n8
>>187 下手くそだな。 はっきりいってカス|( ̄3 ̄)|
189名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 21:42:50 ID:lbQBN1UN
>>188
水を差すな!!
190闇の心に咲いた百合の花:2008/01/12(土) 23:11:36 ID:ynWH9FxT
>>187

テレビから流れる卑猥な声。気持ち良いだの、イクだのと私の思考を混乱させる。

「早く電源を切らないと…」

羞恥心という感情が、精密である私の体(ナノマシン)に異常を起こし、私は自身の制御を失う。

テレビの映像から流れる光景…
ピンク色をしたローターという玩具を体に当て、悶えている女性。
これらの類は本で読んで、少しばかり知識として頭の片隅にあるものの、一体、何が良いのだろうと考え込む…

「トランス、ピンクローター」

髪を映像に映っている形状と同じ物に変形させ、見よう見まねで体に当ててみた。黒衣の上から胸を這う様にローターを伝わせる。
ブラジャーを着けていない私は布地越しの振動を直で体感した。

「……確かにこの感覚に慣れば、それなりに気持ち良くなるのかもしれない。しかし、自分の体で試すのには抵抗がある…

結城リト、今回は私情により、貴方を生かしておきます…」

ヤミはトランスを解き、気絶したリトを放置して部屋を出る。参考になる様、散乱したえっちぃ本を一冊ほど拝借して…

性欲に関心を持ったヤミ。
ヤミはターゲットを結城リトから女性へと変え、『性欲とは何か』を知るべく、町を彷徨い始めた。

191名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 23:30:57 ID:F+KYOA18
┐(´〜`;)┌
192名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:16:41 ID:Bu7rf5tO
ウンチなのにわざわざ作品を読んで感想を残したのか?てか、ウンチがこんなスレに来るのか?便所と間違えてんじゃねーの?ウケるわ〜w構って欲しいだけだろ?その調子で今後投下されていく度に感想を残していくって訳か。……あ、悪いウンチじゃなくてアンチだったわ〜www



     く く
      くくく       
      く 人 く
    く (_)      
    (__)
    (___)

            ∧∧
 うわ、マジくっさ〜 (д`;)
     し J
   し-J
193名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 00:52:46 ID:mG1zxqKO
投下しても大丈夫?
194名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:19:39 ID:Q1V1tQHK
どうぞお願いします。
195名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:41:43 ID:mG1zxqKO
テス
196名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:44:52 ID:mG1zxqKO
書き込みできるのに、投下できない……何故?
197名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:47:24 ID:rPFbNRzP
>>196
どしたんだろ ヘルプage
198黒と闇:2008/01/13(日) 01:53:46 ID:mG1zxqKO





やぁ、みんな元気にやっている?

普段ヘタレ優柔不断な男子高校生を演じてる結城リトだよ。

突然だけどみんな、生きているというのは素晴らしいことだと思うよ。

何でこんなことを言っているのかというと、某運命な女の人のコスプレみたいな格好をした金髪少女に命を狙われており、現在進行形で逃走中だからなんだ。

え〜と、はっきりいってわけがわからないと思うし、俺もそう思う。そこで走りながらも少し回想してみたいと思う。

199黒と闇:2008/01/13(日) 01:56:00 ID:mG1zxqKO



親父に頼まれた画材の買い出しの帰りに、ララが今日はザスティンが来ると言っていたのを思い出し、
親父が世話になっているし、たい焼きでも買って帰るかと思って買ったところで、長い金髪少女がこっちを見てることに気がついて、たい焼きが欲しいのかと思ったから、たい焼きをあげてみたら、ホントに食べて

「…………地球の食べ物は変わってますね…」

と感想を言って、そのあと肩に手を置かれたと次の瞬間には、金髪少女の右手が刃物に変わってそのまま横一線に振られて、間一髪避けたものの俺のシャツが破けて

「ある方からあなたの抹殺を依頼されました。うらみはありませんが消えてもらいます」

と死刑宣告されたのに対し

「うん。それ無理」

と(笑顔で)言って全力で逃走して今に至ると。

200黒と闇:2008/01/13(日) 02:04:53 ID:mG1zxqKO




回想終了とともになんとなく原因判明。

なんとか人気のない路地裏に着いたので、ここでわかりやすく原因について考えると

少女はわざわざたい焼きの感想の台詞の頭に『地球の』とつけている

→よって少女は地球外に住んでいる

→少女 = 『宇宙人』
 
→宇宙人といえば居候している天然王女様のララ 

→以前ララの婚約者問題に巻きこまれた     


201黒と闇:2008/01/13(日) 02:07:16 ID:mG1zxqKO


→その婚約者の一人に依頼され、殺し屋と思われるコスプレ金髪少女がやってきたと考えられる

結論

結城リトはまたもやララのトラブルに巻きこまれたでファイナルアンサー。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

息があがりながらも考えてみたものの、自分のトラブル体質を再認識するだけで解決方法は未だ不明と悲しい結果に終わってしまった。


――悲しいけどそれって主人公補正なのよね


……電波(作者)は無理するとして、コスプレ金髪少女をどうし…………てその少女が建物の壁を破壊して来し。

202黒と闇:2008/01/13(日) 02:11:11 ID:mG1zxqKO


「ちょろちょろと逃げ回らないでください」

その気持ちはドラ〇エのはぐれメ〇ルに遭遇するたび思うので共感するが、実際に命を狙われている側としては「無理言うな」である。

……仕方ない。ここは覚悟を決め
203黒と闇:2008/01/13(日) 02:13:52 ID:mG1zxqKO

「ちょうのように舞い〜」
他誌の作品の技をパクルことにした。


――そんなことを覚悟してどうする(キー〇ン山田風に)


右手を上着のポケットに入れ、蝶のように軽やかにステップを踏みながら優雅に舞い…

「蜂のように刺す!」

そして一歩を大きく踏み込み、ポケットから何かを取り出す…

204黒と闇:2008/01/13(日) 02:17:56 ID:mG1zxqKO



「とみせかけてゴキブリのように逃げる!!」

と思わせて180度体を反転し、腰を落とし尻をしっかり振りながら全力で逃げる!!

逃げるが勝ちっていうし、赤ちゃん家庭教師でもいなきゃ全身刃物少女に勝てるわけがない。



205黒と闇:2008/01/13(日) 02:19:11 ID:mG1zxqKO





――説明しよう!!

この技は「ちょうのように舞い〜」の部分で相手を油断させ、「蜂のように刺す」と言って、攻撃をするかのようにみせかけて相手が慌てて迎撃の格好をした隙に全力で逃げる技である。

また、「〜ゴキブリのように逃げる」の後で如意棒のように長く伸びる武器の場合、遠くから「とみせかけて蜂のように刺す」といった具合で攻撃することも可能である。

なお、この技はシリアスな戦闘の最中に行うことによって、最大限の力を発揮する技である。
しかし、その場合敵味方を問わずツッコミを受けるので、注意が必要である。

206名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 02:23:21 ID:mG1zxqKO
以上で投下終了

細かくしないと投下できなくて、何か無駄にレス数が伸びてすみませんm(__)m
207名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 02:30:19 ID:rDwb+NW0
んー、改行が多すぎるせいじゃないかな?
もうちょい余白を減らしたらいけるかもとアドバイスしてみる。
それはそうとしてついにヤミ登場!
リトの内心以外は特に変化がないようだが、さて。
208名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 04:14:21 ID:KBsMO/Pv
>>206
乙!改行多いと書き込む時エラーが出るから気をつけるのがいいかと

ところで保管庫で「リトとララ」のかなりいいSS読んだんだが
その職人さんほかになにか書いてるのあったりする?
というか続きを!どうか続きを書いて。この際他キャラでもいいのでお願いします
209むに:2008/01/13(日) 07:12:18 ID:IdBzMWrW
投下します。
リト女体化ネタその9


なんかララ・春菜よりリサミオのセリフ率が高いっす…。
210結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:13:34 ID:IdBzMWrW
――――――


『ガラッ』
「た…、ただいま〜…」

「おぉ、おかえりレモり――ってどーしたの?何か随分疲れてるみたいだけど…」

「トイレ行ってきただけでそんなにバテバテになるもんなの?」

「いや、ちょっと痴漢と変人に会っちゃって…」

「「は?」」

頭に?マークを浮かべる籾岡と沢田をよそに――。

(ぁー…、また何かあったんだろーな〜…)

――と、春菜だけはなんとなく事情を察して、憐れみチックな苦笑いを浮かべた…。

「……まぁいいや。ところでレモりん」

「ぅん?何、籾岡…さん?」

「今さっきみんなにも話したんだけど、今日の放課後、レモりんの歓迎会をしようと思ってるんだ」

「へ、歓迎会?」

「うん。駅前に美味しいケーキバイキングのお店があってさ、そこで開こうと思ってるんだけど。あたし丁度そこの割引券持ってるし♪」

「そ、そんな、別にいいよ、そこまで気を使わなくても。なんか悪い気がするし…」

「なーに言ってんのさ。ここはお互いの親交を深めるのに丁度いい機会だし、遠慮なんかしないの♪」

「いや、でも…」

籾岡からの誘いを渋るリト。自分の為に歓迎会を開いてくれるその気持ちは嬉しいのだが、何か騙してる様な立場上、申し訳ない気がして踏み込めない。

「行こーよリ…レモン〜。せっかくリサ達が誘ってくれたんだしさ〜」

ララがリトの背中を押す。

「ララ……ちゃん…」

自分の事を気遣ってくれてると思ったのか、少しだけ気持ちが揺らぐ。

「私もこの間連れてってもらったけど、あそこのモンブラン凄く美味しいんだよ?あ、チーズケーキも人気あるし、ティラミスもハズせないし…。
今月のお小遣いも残り少ないから、こんな機会じゃなきゃ食べに行けないもん♪」

「――って、目的はそっちかい!!」

おもわず吉○的ズッコケ&ツッコミをやってしまった。

「ま、まぁまぁ…、やっぱりこういうのは大勢で行った方が楽しいし……、行こ?結……零紋さん」

「む……うーん…」

春菜からも背中を押されて、しばし考え込むリト。
211結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:15:05 ID:IdBzMWrW
「………それじゃ、お言葉に甘えようかな」

「よっし、決まり!」

「そうこなくっちゃ♪」

籾岡と沢田がテンション高く喜びの声を上げた。

「わ〜い、レモンありがと〜♪」

よっぽどケーキバイキングに行けるのが嬉しかったのか、おもわずリトの胸に飛び込むララ。

「わぁっ!?いいいきなり抱き付……かないでよ!///」

「えへへ〜♪」

「いや『えへへ〜♪』じゃなくって……ってこら頭っ!頭そこですりすりすんな…じゃない、しないでよ!///」

「う〜ん、柔らか〜♪ふっかふか〜♪♪」

とても気持ち良さそうにリトの胸に顔を埋めるララ。

「ぁ……ぁぅ〜……」

その隣で、その様子をちょっと羨ましそうに眺める春菜。


「ぇ……ぇぇの〜…///」
「天使が〜…、天使が戯れておりますぞ〜…///」
「こんなスンバラシイ光景を目の当たりに出来るなんて……、生きててよかった〜……///」

そして、少し離れた所で恍惚の表情を浮かべる取り巻きの男共。
数名程前屈みになった奴もいたが、それは見なかったことにしておこう…と、リトは心に誓った。


「「むー…」」

そんな中、二人揃ってその様子を、ある一点を凝視しながら考え込む籾岡と沢田。

「ねーレモりん」

「離れてって!///――って何?どしたの?」

ララを引き剥がそうとしてるリト(レモン)に籾岡が尋ねる。

「朝からずっと思ってたんだけど……、レモりんって何気に胸大っきいよね…」

「うん…、ララちゃんにも負けてないかも…」

「え゛!?///」

そのセリフに、何か嫌な予感がした。
212結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:17:33 ID:IdBzMWrW
「ぁ…、ぁの〜……、それってどーゆー……」

「「……」」

「……」


……………。


…………。


………。


「「ニヤ〜リ♪」」

『ゾクッ!!』

籾岡と沢田の怪しい笑みと共に、全身を寒気が襲い掛かる。
リトの危機察知能力が最大級の警戒を告げ、頭の中ではあの名艦長が『総員、第一級戦闘配置!!』と叫んでいたりもする。

「な…な……何なの…カナ…?そのステキな笑顔は…」

「いえいえ別にぃ〜♪」

「ただちょっっっとオモシロい事思い付いただけぇ〜♪」

手をワキワキさせて、ゆらりと一歩踏み出す籾岡と沢田。

「おお…オモシロい事って……ナニ…?」

顔を青くして、ずさりと一歩下がるリト。

「ん〜?とーーってもオモシロい事ぉ〜♪あ、気持ちイイ事なのかなぁ〜?」

「説明になってないってば。ぼぼ…ボクに何する気さ?」

「大丈夫だって、何もしないからさぁ〜♪」

「いやいや、する気満々の人が言うセリフじゃ無いのかなそれは…」

二人が一歩踏み出す度に一歩下がるリト。
213結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:19:41 ID:IdBzMWrW
と、ここで沢田が――。

「あれ〜?」

――と、何か後ろの方を覗き込んで…。

「へ?」

――と、つられて振り返ってしまい…。

「隙ありー!」

「え?」

――と思った時には既に遅し…。

「うりゃあ♪」
『むにゅうっ』

「ひゃうぅっ!!?///」


『おぉぉぉーーーー!!!』


籾岡がリト(レモン)の胸を思いっ切り鷲掴みにした。

同時に、周りの男共が歓喜っぽい雄叫びを上げ、前屈みになる奴続出。

「ひゃ〜、やっぱり思った通り、ララちぃにも負けず劣らずのボリューム♪いやちょっと待って、もしかしたらレモりんの方が大っきいかも!」

「なななななな何すんだよ籾岡……サン!!?///」

突然の事に、一瞬素に戻りかけたリトだったが、何とかギリギリの所で踏ん張った。

「だってこんな立派なモノが目の前にあったらそりゃ触ってみたくもなるでしょ?しかも何?レモりんノーブラじゃん!」


『ナニーーーー!!!!』

再び男共が叫び声を上げ、前屈みになる奴が更に増えた。

しかも…。

「ぼばぁっ!!」
「ぶはぁっ!!」

あまりの衝撃に鼻血噴出で倒れる奴出現。


「リサズル〜い。あたしも〜♪」

「いいよ〜♪さぁ、飛び込んでおいで〜♪」

リト(レモン)の胸を揉み揉みしながら、ニヤニヤ顔で答える籾岡。

「こっ、こらぁ!勝手に決め―――ひゃあん!///」

籾岡に文句を言いかけたが、間髪入れず沢田がリト(レモン)の胸に飛び込んできた。
214結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:21:03 ID:IdBzMWrW
その上…。

「そ〜れ、ぱふぱふぱふぱふ〜♪」

「うひゃ〜、スッゴ〜い、気持ちいい〜。この感触クセになりそ〜♪」

「やっ…!ちょっ…いい加減に………はぁん!///」


「じょばぁっ!!」
「ぶばぁあっ!!」

目の前の現状とリト(レモン)の嬌声によって、鼻血噴出被害拡大中。


「あーズルいよ〜。私も混ぜて〜♪」

(ってうぉい!!『混ぜて〜♪』じゃなくて助けんかいララぁ!!///)

更にララまで楽しそうに混ざってきて、最早収拾がつきそうに無くなった頃…。

「み、みんなぁ…、もうやめなよ〜…。零紋さんが嫌がってるし、ここ教室だし〜…///」

流石に学級委員長として……とゆーか人として、これ以上の公共羞恥プレイはマズいと思い、春菜が仲裁に入る。

(春菜ちゃん〜…、やっぱ頼りになるのはキミだけだ〜…)

心の中が感謝感激雨嵐なリト。


――が。


「え、何?春菜も混ざりたいって〜?しょーがないなぁも〜♪」

「はあぁぁっ!!?///」
「えぇぇぇっ!!?///」

事態は予想だにしない展開に発展。
いや、ある意味予想通りなのか?

「言ってないっ!そんな事言ってないよぉ〜!!///」

「テレるなテレるな。さっきまで混ざりたそうな顔してたくせにさ〜♪」

「わっ、私そんな顔してな――!///」

「その割にはさっき未央がぱふぱふしてた時、スッゴく羨ましそうにしてたじゃん♪」

「ぁ……はぅ〜…///」

顔を赤らめて俯いてしまった春菜。
215結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:22:58 ID:IdBzMWrW
(は…春菜ちゃん…、そんな事考えてたの…?///)

そして、嬉しいやら悲しいやら、複雑な気分になるリト。

「ホラ春菜、一回やってみなって。もうホント病み付きになっちゃいそうになるから♪」

リト(レモン)から離れて、春菜を前に押し出す沢田。

「春菜〜、レモンの胸凄く気持ち良いんだよ〜♪ぷにぷにでふかふかなんだよ〜♪」

お気楽そうに語るララだが、二人の耳には全く入っていなかった。
何故なら…。

(ま…マジで?マジで春菜ちゃんまで?それちょっとキツくない?いや個人的には嬉しいんだけど……ぅ゛ーん…///)

(ど…どうしよう…。何とか誤魔化せられないかな…?いや、でもこんなチャンス今後一切無いだろうし…………って何考えてるの私はぁ!!///)

互いにドキドキしながら、これから起こりそうな事について色々といっぱい考えていたから。

「春菜、早くしなってっ!」
『ドンッ!』

「きゃっ!?」

「え?のわぁっ!?」

しびれを切らした沢田に背中を押されて、リトの胸に飛び込まされる春菜。
しかし、勢いがつきすぎた為に、そのままリトを巻き込んでその場に倒れ込んでしまった。

「ぃ…つぅ〜……、大丈夫…?西連寺さん」

「ぅ…うん……、何とか……」

そう言って、起き上がろうとした二人だったが…。

「「ぁ……///」」

不意に目が合ってしまい、今の状況(春菜がリトを押し倒しているような状態)を理解して、お互いに顔を真っ赤にしてしまった。
(端から見れば女同士なのだが…)

「ごごごごごめんなさい〜!!あのっ決してワザとじゃあ――!!///」

「いいやいやいや解ってるからっ!!そんなに気にしないで――!!///」
(つーかパンツ見えてますからっ!!///)

座り込んだまま後退り、必死に誤る春菜。その拍子に足の隙間から純白のモノが見えてしまったが、男の悲しい性なのか、あえて黙ってるリト。
216結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:25:21 ID:IdBzMWrW
「な〜にやってんのさアンタ達は〜……………………って、レモりん…?」

呆れ顔でリト(レモン)を起き上がらせようと手を伸ばした籾岡が突然硬直した。

「ねぇ………レモりん…」

「ん…?どうかした?」

今度は何を考えているのかと思ったリトだが、籾岡の目があまりにもマジなのでつい身構える。

一方、籾岡はリト(レモン)の身体のある一点――それも足下の方を見続けている。


そして…、籾岡が意を決して放った一言は――。


「レモりん…、何でパンツ穿いてないのぉーー!!?」

「んなぁっ!!!///」


『ぶう゛ぁあぁぁぁーーー!!!!!』

おっと、今の衝撃発言で残りの男子生徒全員赤い噴水と化して倒れてしまった。


「ごごごごご誤解を招くような事言うなぁーー!!ちゃんと穿いてるだろーがぁーーー!!!///」

「うん。でもソレ『パンツ』じゃなくて『トランクス』だよね?」

「穿いてる事に変わりねーだろぉーー!!!///」

(ゆ…結城くん…、口調が…)

激昂するリト。よっぽどさっきの籾岡の発言がカンに障ったのか、口調が素に戻ってる事に全く気付いていない。

「でもレモりん、何で男物の下着なんか穿いてるワケ?」

「うぇっ!?」

沢田からの質問で、リトはようやく落ち着きを取り戻した。

「ぁ…え〜っとさ〜……、こ、こっちの方が何か着心地が良くってさ…、普段から愛用してるんだ〜……。は……ははは…」

乾いた笑いを浮かべるリト。しかし心の中は…。

(しまったぁ…、朝からバタバタしてたから下に短パン穿いとくのすっかり忘れてた…)

自分の迂闊さを激しく後悔していた。

「ん?って事はレモりん…」

「ほぇ?」
217結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:29:01 ID:IdBzMWrW
「もしかして…、こーゆー下着一枚も持っていないとか?」

そう言って、籾岡がおもむろに自分のスカートをめくり上げた。

「わぁあバカァ!!何やってんだよこんな所でぇ!!?///」

「りっ里沙ぁっ!!?///」

春菜が慌ててスカートを下げさせ、その間必死に目を背けるリト。
しかし、バッチリ見てしまった…。黄色いレースの紐パン。

「何テレてんのさレモりん?女同士でしょーが♪」

「んな事ぁどーだっていーんだよ!!ここ教室だぞ!?誰かに見られたらどーすんだよ!!?///」

「な〜に言ってんの。パンツ見られるのが怖くて女子高生なんかやってられないっての♪」
(丁度男子共は全員気絶してるし)

「どーゆー理屈だそれは!!///」

籾岡のムチャクチャな言動にマジギレするリト。
最早口調とかはどうだって良さそうな感じになっているように見える。

「しかし…、これはいけませんなぁ未央サン…」

「はい…、いけませんねぇリササン…」

まるで某時代劇の悪代官と越○屋の如く、かなり怪しい笑い声を発する二人。

「よしっ、特別サービスだ!レモりんの編入祝いに、あたし達がレモりんに似合う下着を選んであげるよ♪」

「はあぁぁっ!!?」

籾岡達の申し出に驚愕するリト。

「いやいや、いい!いい!!別にそんなの要らないし――!!」

「何言ってんの!レモりんみたいなとびっきり可愛い娘が男物の下着なんか穿いてたらそれこそイメージが合わないでしょーが!」

「そーだよ!レモりんにはもっとこう、『いかにも』って感じな下着を付けてもらわなきゃ!せっかくの美少女遺伝子が台無しだよ!?」

内容的にはとても嬉しい事を言ってくれてるのかもしれない…。
ただし、それは『女』だったらの話であって、『男』のリトにとっては迷惑極まりない話である。
218結城零紋の受難:2008/01/13(日) 07:30:15 ID:IdBzMWrW
「わ〜なんか面白そ〜♪ねーねー、それ私も選んでいいかな〜?」

(ってうぉーい!?何お前までノッてんだよララぁー!!?)

何故かララまでノリノリで便乗してきて、唖然とするリト。

「それじゃみんなで選んであげようか、レモりんの為に♪」

「さんせー♪」

「よーし、私張り切っちゃうからね〜♪」


「……」

無言で春菜の方を見て助けを求めるリトだが…。

「……」(ふるふる)

『ごめんね…、あーなったらもう止められません…』みたいな感じで、申し訳なさそうに無言で首を横に振る春菜。


「頑張って、レモりんにぴったりの下着選ぶぞー!」

「「おーー♪」」







「……………………………………………マジ?」
219むに:2008/01/13(日) 07:32:44 ID:IdBzMWrW
投下終了です。

次辺りヤミちゃん出せるかな?
(ただし、チョイ役の可能性大…)
220名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 07:35:59 ID:lggjZxtQ
ぐっじょぶです。
面白いでふ
221名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 08:23:42 ID:jNMoxXT3
微エロなのがGJ
222名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 10:04:01 ID:mG1zxqKO
さすがです。GJ!GJ!
223名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 11:45:48 ID:H2JgKn/z
( ´∀`)GJ
224名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 16:51:55 ID:24+Zhmj/
下手くそ
 ♪Å
♪ / \  バーカ アホ
ヽ(#`Д)ノバーカ カス!
  (へ ) ランタ タンタ
    >   タン!
225名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 19:33:37 ID:TaNM8/xK
なにこの投下ラッシュ
>>187 >>190 >>198-206 >>209-219乙!!!
226名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 20:41:44 ID:24+Zhmj/
>>1->>223 死ね
227名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 20:44:27 ID:UVz+Y/Ez
生き残った>>225wwwww
228名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 21:50:18 ID:24+Zhmj/
229名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 23:46:34 ID:ZBtmEHWC
>>226
安価ぐらいちゃんと出来るようになってから書き込みしろよw
230名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 00:53:58 ID:txrpc+97
とりあえず俺が死ねといいたいんだね
231名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 01:04:56 ID:UWyQLgCr
死ぬな、生きろ
232名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 01:07:02 ID:txrpc+97
ありがと( ´∀`)GJ
俺>223
233黒と闇:2008/01/14(月) 03:45:02 ID:UWyQLgCr
(逃げ足は速いですようですが、それもここまでです)

コスプレ少女(金色の闇)とは裏腹に今回のターゲットである結城リトは何かを決意したかのように顔が強張った。

(……やっかいです)

自分が殺されると知った場合、ほとんどが泣きながら命乞いをしてきたり気絶したりするのだが、
そんななか例外もあり、相討ち上等で反撃してきたりする場合もあるため、相手を確実に仕留めるまで油断はできないのだ。
……もっとも今回の場合は他誌の作品の技を使うと主人公として最低な決意なのだが…

「ちょうのように舞い〜」

そんななか自分のターゲットがのんきな台詞とともに片手を上着のポケットに入れて、
ステップをしながら自分に向かってくれば誰だって驚くだろう。

「蜂のように刺す!」

(く……なんて迂闊。ポケットから得物を取り出す隙を与えるなど…)

相手は(情報によると)デビルーク乗っ取りを企ている極悪人であり、相手が女だからといって手加減するような人物ではないのだから、
奇妙な行動に驚いて得物を取り出す時間をみすみす与えた自分を叱咤したくなったが

「とみせかけてゴキブリのように逃げる!!」

突然体を反転して全力疾走で逃げて行くリトの姿を見て、そんな気持ちは吹っ飛んでしまった。

「え……?」

代わりに浮かんだのは驚きと呆れで、
おもわず動きを止めてしまったのだが

「……ターゲット(結城リト)を追わなくては!」

プロの意地で素早く再起動し、物凄い勢いで逃げている結城リトを追いかけて行った。
234黒と闇:2008/01/14(月) 03:47:08 ID:UWyQLgCr
場面は変わってとあるマンションにて

「春菜ーーコーヒーいれといたよ」
「ありがと、お姉ちゃん」
(漫画では)黒の下着姿という読者サービスしてくれたのは、
この作品のメインヒロイン(の一人)である『西連寺春菜』嬢である。
(そして自分の作品においてこれがきちんとした初めてのメインヒロインの出番であるのは秘密である)

(結城くんからもらったマグカップ…)
(結城くん…今ごろ何してるのかな…)

想い人からプレゼントされたマグカップを持ちながら想い人を想う……いいねぇ、実に若い。
まぁその想い人が殺し屋と命懸けのオニゴッコを繰り広げているとは知るよしもないわけだが…

235黒と闇:2008/01/14(月) 03:48:59 ID:UWyQLgCr
一方その春菜の想い人は…「みえる!」
「当たらなけばどうということはない!」
「右? いや正面か!」
「なんとぉぉーー!!」
「まだだ!! たかがシャツが破れただけだ!!」

……金色の闇の攻撃をハイテンション(かなり)で避けていた。

(……おかしいです。何を言っているのかはまったく理解できませんが
あれほどの身体能力があるのなら私に反撃できるはず…)

髪を変化し再度攻撃をするもの、近くにあったバイクを破壊するだけに終わり、二人は線路の上の歩道橋に移っていった。

「さすがゴッグだ。これだけ走っても何ともないぜ!!」
「…やはり何を言っているのかわかりませんが、聞きたいことがあります。
結城リト、なぜ反撃してこないのですか?
あなたは相手が女だからといって手加減するような人ではないと聞いています」
「は? まったく何をおっしゃいます。
この見知らぬ少女にもたい焼きをあげたりする優しいお兄さんな結城リトさんは命を狙われているからって『可愛い』少女をけっして傷つけたりしませんよ〜〜!!」

とリトは声高らかに叫んだ。

「え……?」

一瞬何を言われたのか理解できなかったヤミは攻撃を止めるともにその場に停止してしまった。

(何と言われた? 可愛いと。
誰が? 『金色の闇』と呼ばれる自分が。
誰に? 今回の標的である『結城リト』に。
つまり、私は目の前にいるに結城リトに可愛いと想われている)

「//////」

ヤミはその事実を理解すると、依頼の最中ではあるのだが停止したまま、
誰かに可愛いなどと一度も言われたことがなかったので、
嬉しいのか恥ずかしいのかよく分からない気持ちで胸が一杯になるとともに、自分の顔が紅潮していくのがわかった。

「よくわからないが、可愛いの女の子の顔が真っ赤になっているシーンを見れて、眼福眼福♪」

ヤミの攻撃が止んだのをいいことに、リトは頷きながら暢気にヤミの姿を眺めていた。

236名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 03:54:12 ID:UWyQLgCr
投下終了。

本当は昨日ここまで書いていたんだけどね〜。
ではまたノシ
237名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 18:20:32 ID:RBr0L3g+
キモスm9(´∀`)
238名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 18:26:44 ID:txrpc+97
>>237
このスレでそれ言っちゃ元も子もないだろ・・・

そう言う俺もお前もここにいる時点で
キモスm9(´∀`)
239名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 18:31:41 ID:um16tlHL
基地外に反応してるヒマがあるなら
>>219>>236 GJGJ!! 続き期待してるよ!!!
って書こうぜ
240名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 22:11:45 ID:WEQMQi7w
百合希望
241名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 22:22:04 ID:Z48GCNKG
荒らしに反応するのも荒らし
242名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 23:07:37 ID:RBr0L3g+
荒らしに対する基本的な対応は 受け流す だからね。


つまり反応しているお前らはバカorアホ
243名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 23:24:46 ID:2pwVYtba
>>242
つまりYOUもかい?  って俺もかww

そんなことよりSS褒めようぜ!
GJ、期待してるよ〜!
244名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 23:42:06 ID:um16tlHL
>>243
そうそう最後の2行だけでイインダヨ

密かに前スレ最後の方のリト×凛の続きを期待してるんだが…
職人さんもういないのカナ…?
245名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 02:57:09 ID:yXGZm3ko
リト、キャラ変わり杉ワロタw
GJ!
246名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 14:20:12 ID:JvAHsMRs
>244
あれ凛×沙姫じゃないの?
247名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 19:52:17 ID:HdpJ5xKw
ほす
248名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 20:37:00 ID:DOXPfcsr
>>246
あれ?そなの? かなり曖昧な記憶なんだが
ララの発明品のでるでるビジョンくんとやらがでてきたり
凛が御門センセーと話してたりするヤツなんだが…
249名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 23:59:41 ID:JvAHsMRs
違う作品同士がごっちゃになってる
上と下は別物だ
250名無しさん@ピンキー :2008/01/17(木) 12:22:10 ID:+vPAUErD
保守
251むに:2008/01/18(金) 20:49:25 ID:gGPVI9hp
投下します。
リト女体化ネタその10

そーいえば誕生日だった…。
252結城零紋の受難:2008/01/18(金) 20:50:44 ID:gGPVI9hp
――――――


保健室――。


「それで、結局下着買いに行く羽目になっちゃった訳?」

「ぇぇ……まぁ…」

「だから言ったじゃないの、せめてショーツ位は穿いて行きなさいって。結城君が変に拘ったりなんかするから――」

試験管を軽く振りながら、御門先生が呆れた様な声で言う。

「いや、だって…、オレにだって男としてのプライドってモンがありますから、
そんな女の下着を付けるなんてマネ…」

「あなたに今更そんなプライドなんて物が有ったんですか?結城リト」

「………それどーゆー意味だよ?ヤミ」

窓際で小難しそうな分厚い本を読みながら失礼なツッコミを入れる金色の闇を軽く睨むリト。

「大体お前何でこんな所に居るんだよ?いやそもそも何でオレが『結城リト』だって事知ってるんだよ?」

「居たり知ってたりしちゃ悪いんですか?」

本から目を離さずに憎まれ口を返すヤミ。

「なんかね、何時も居る図書室が今日は大掃除をやってて入れないらしくて。
それで「ここが一番静かそうだから」って言うから。
結城君の事は、私がその時うっかり口を滑らせちゃって…」

御門先生が笑いながら代わりに答える。

「あ、そういえばHRでも言ってたっけ?今日一日図書室が使えないって」

その事を思い出し、リトはヤミがここで本を読んでいる理由を納得した。


………だが――。


「………………先生」

「ん?」

「オレの事はワザとでしょ?」

「や〜ね〜♪何の事〜?」

手をひらひらさせて、内側に邪気がたっぷり含まれてそうな無邪気な笑顔で答える御門先生。

(あ、こりゃ絶対ワザとだな…)

リトは確信した。
そりゃあもう、その笑顔を見ただけで疲労感が津波の如く押し寄せる程に…。
253結城零紋の受難:2008/01/18(金) 20:52:08 ID:gGPVI9hp
「大丈夫よ、ヤミちゃんもこの事は内緒にしといてくれるって約束してくれたから♪」

「そもそもこんな非常識な話、話した所で誰も信じたりなんかしませんよ」

「……」

「そう言うお前もララと同じく十分非常識なんだけどな」とは思ってても口には出さない。
出したらその場で即、人生THE ENDなのは目に見えていたからだ。

「しかし…」

一言呟き、ヤミは視線をリトの方へ――。

「?」

「……」

不思議そうな顔をするリトをよそに、ボーっと今のリトの姿をまじまじ見つめるヤミ。

「どーした?オレの顔に何か付いてるか?」

「いえ、別に…」

視線を本に戻すヤミ。
だが、頬がほんのり染まってる様に見えるのは気のせいだろうか?

(ドクターから話は聞いてましたけど…、本当に違和感が全く感じられませんね…。
外見だけならプリンセスにも引けを取っていないのでは…?いろんな意味で)

なんか色々と――、聞く人によってはちょっと妖しい事を考えてるヤミ。

「結城リト……、生まれてくる性別を間違えたのでは…?」(ボソッ…)

「ん?何か言ったか?」

「……いえ、何でも…。ただ、あなたがその身体を使って……その…………えっちぃ事をやってないか気になっただけで…///」

「はっ!?なな、何言ってるんだよお前は!?///」

「だってあなたの事だから、今の身体なのをイイ事にあんな事やこんな事――///」

「すっする訳ねーだろ、そんな事!!///」
254結城零紋の受難:2008/01/18(金) 20:53:29 ID:gGPVI9hp
いやいや、やってたじゃん。昨日風呂場で身体洗ってる時に――。

「るせーよ、黙ってろ!!」

はいはい…。

「?、誰と話してるんですかあなたは…?」

「いやなんでもねー、こっちの話…」

そう言って、ここに来る前に買ってきたカフェオレのパックにストローを刺す。

「……にしても先生…」

「んー…?」

カフェオレをちびちび飲みながら、顕微鏡を覗き込む御門先生に話し掛ける。

「結構細かい事もやるんスね、それ」

「だから言ったでしょ?思いの外時間が掛かっちゃうって。」

リトの言う『それ』とは、勿論元に戻る薬(とゆーより飲んだ物と同じ薬)の事である。

「コレ、ホントに凄く細かい分量で調合しなきゃいけないから神経すり減っちゃいそうになっちゃうのよね〜。
しかも使う物もどれも普通じゃ手に入らない物ばかりだし、ほんの僅かでも調合が狂っても十分な効力は得られないし、
やり直すにも材料を集めるのにどれくらいの時間が掛かっちゃうか…。
オマケに保健の職務もこなさなきゃいけないし、ぐすっ…先生もしかしたら過労死しちゃうかも――」

「いやいやいやいや、元々先生がオレにこんな薬飲ませたからこんな事になっているのであって、
言ってみればこれは自業自得でしょーが」

よよよ…と時代劇風な悲しみ方をする御門先生に、顔色一つ変えずに淡々とツッコミを入れるリト。

「だってぇ…、元々コレを作ってくれって言ったのは別の娘であって、私はただ命じられるままにやっただけで…ひっく…」

「うん、それは知ってます。でも飲ませたのは先生のミスですよね?」

「しくしく……、結城君…、先生いぢめて楽しい…?」

「………はぁ〜…、てゆーか、疲れるからもうやめませんか?」

「ちぇっ、つれないなぁ〜」

軽く拗ねながら、御門先生は泣くマネを止めた。
255結城零紋の受難:2008/01/18(金) 20:55:42 ID:gGPVI9hp
「大体そうじゃなくても、こんな事先生しか頼れないんですから真面目にお願いしますよ。」

「アレ?先生もしかして期待されてる?」

「あーはいはい、だからホントに頼みます」m(_ _)m

「おっけ〜、それじゃ先生頑張っちゃうからね〜♪必ず結城君の編入期間内には完成させてあげるから♪」

そう言って、様々な薬剤をコンマレベルで量って混合させていくる御門先生。

「ふ〜、とりあえずやる気出してくれて良かった…」

ホッと一安心して、リトはカフェオレを一気に飲み干した――。


「あ、分量間違えた」

『ブーーーーーッ!!!』

そして盛大に吹いた。

「冗談よ♪」

「笑えんわぁ!!!」

「あの、少し静かにしてもらえませんか?集中出来ないんで…」


――――――


「じゃ、オレもう行きますから、薬の方宜しくお願いしますね」

「は〜い、まっかせなさ〜い♪」

それだけ告げて、リトは保健室を後にした。

「ちょっと時間食っちまったな。もうみんな待ってるかな?」

少し急ぎ目で校門へと向かうリト。

と、そこに――。

「ねぇそこの人、ちょっといいかな?」

「へ?」

突然誰かに呼ばれて、振り返ると…。

(…………ルン?)

おそらく今回の騒動の諸悪の根元…じゃなかった、根本的原因だと思われる人物、ルンが立っていた。
しかも…。

(アレ?ルンさん何か怒ってる?)

笑顔なんだけど何故か殺気立っているように見えるのは、多分気のせいではない。
256結城零紋の受難:2008/01/18(金) 20:57:08 ID:gGPVI9hp
「もしかしてあなた?今日編入してきたリトくんのイトコっていう娘は?」

「え!?ぇぇ…まぁ……そーですけど…」

「そっ。私はルンよ。ルン・エルシ・ジュエリア。あなたは確か……結城レモンさん…だったっけ?」

「あ、ああ、リトから話は聞いてます。なんでもくしゃみをすると性別が変わるとか何とか。
特に女の子の方は今まで見たことも無いような『絶世の』美少女だとか♪」

何か雲行きが怪しくなりそうだったので、とりあえずおだててご機嫌を取ってやり過ごそうとするリト。
わざわざ『絶世』の部分を強調して。

「えっ!?リトくん私の事そんな風に思ってくれてたんだ〜、きゃはぁ♪///
…………って、そんな事は『今は』どーだっていいの!! 」

(ぅ…おだて作戦失敗…)

人生、そんなに甘くはない…。

「ちょっとあなたに聞きたい事があってね…」

「き……聞きたい事?」

「ええ」

そう言って、ずいっとリト(レモン)に顔を近付けるルン。いや、『睨み付ける』と行った方が正しいか?

(ち……近いっす、顔近いっすよ、ルンさん///)

嫌な予感はバリバリしてたのだが、女の子――それもかなりの美少女の顔が至近距離にあるため、
それ以上にドキドキして顔が赤くなってしまう。

「あなた、リトくんの事どう思ってるの!?」

「…………………は?」

凄みのある顔をして何を言い出すかと思えば、『ちょっと言ってる意味が分からない』といった感じの質問をされて、
キョトンとした顔で疑問符を浮かべるリト。


「『は?』じゃなくて、リトくんの事どう思ってるのかって聞ーてるの!」

「いや、あの……、それってどーゆー…」

「決まってるでしょ!?好きなのか嫌いなのか、どっち!?」

「えと…、ナゼそんな事を…?」

「これ以上ライバルに増えられると益々リトくんに近付けなくなるじゃない!」

「や、やだなぁ…、そんなライバルだなんて…。ボクとリトはイトコ同士ですよ?そんなルンさんが思ってる様な関係なワケ――」
257結城零紋の受難:2008/01/18(金) 20:59:19 ID:gGPVI9hp
「確かイトコ同士でも結婚は出来るって聞いた事あるけど…」

「……」

「……」

「ぁの〜……、一応参考までに聞きますけど…、もし…、ボクがリトを好きって言ったら――」

「そんなの決まってるでしょ?♪」

ルンがニコッと笑って――。

「ライバルは早めに潰ぅす!!」

グッと拳を握り締めてそう言った。

「ぁ……ぁははは…」

リト、おもわず苦笑い。

「こっちはあなたやララと違って活動に制限があるんだからうかうかしてらんないのよね。
御門先生にも性別を強制的に私に固定させる薬を作ってくれる様頼んだんだけど、どうも完成が遅れてるみたいだし…」

(あ、やっぱりお前だったんだ、あんなバカげた薬頼んだの…)

大体予想はしていたが、いざ確証を得ると疲労感も倍になる。

(てゆーか、ルンってこんな奴だったっけ?オレの知ってるルンより随分黒い様な…)

リトが知らないのも無理は無い。なぜなら、ルンは普段――とゆーかリトの前ではいつも猫を被っているからだ。
しかし、その裏ではララを闇討ちしようとしたり暗殺依頼を出したりと、結構悪どい事もやっている。
ま、やる事なす事成功した試しは一度も無いのだが…。

「さ、ちゃっちゃと答えてよ。リトくんの事どう思ってるの!?」

「いや、だから…、そんな事言われても答えようが…」
(オレの事だし…)

「好きか嫌いか言うだけが何でそんなに答え辛いのよ〜……………はっ、まさか…!?」

「えっ!?な、何!?」

「あなた…………リトくん――!!」

「ギクッ!!」
(ヤベェ、バレた!!?)

「――と既に親密な関係にあるんじゃあ――!!!」

「ずるーーー!!!」

ルンの倒置法発言におもわずズッコケてしまった。

「そーなんでしょ!?何かリトくんと密接な関係にあるんでしょ!!?」

「ち、違うってば!そーゆー事じゃ無くって――」
(ある意味当たってるけど…)
258結城零紋の受難:2008/01/18(金) 21:02:18 ID:gGPVI9hp
「じゃあ、どーゆー事なのさ!?」

「ぇ…え〜っと……それは…」

返答に困り、しどろもどろになるリト。


と、その時――。


『ヒューーー……』

「おわっ」
「きゃっ」

廊下の窓から強めの隙間風が吹き――。

『ムズムズ…』
「はっ!」

その反動で、ルンの髪が自らの鼻をくすぐる。

「ゃ……やば……は……は……は……はくちっ!!」
『ボゥン!!』

「うわっ!?」

ルンがくしゃみをすると、辺りをケムリが覆い…。

「……ん?」

「レ…レン…」

その中からもう一つの男の人格、レン登場。

「え…?え…?え…?」

突然表に出てきて、茫然としたまま辺りを見回すレン。

「って……」

ふと、レンは自分の身体を見下ろし、今の格好(勿論、女子の制服)を理解すると…。

「うわぁあーー!!またこんな格好を〜〜!!!///」

顔を真っ赤にして、一目散にその場から逃げ出した。

「……」

その様子をポカーンと眺めていたリトだったが…。

「と……とりあえず助かった〜…」

状況を理解し、安堵感一杯の溜め息をついた。
259結城零紋の受難:2008/01/18(金) 21:03:59 ID:gGPVI9hp
「しかしさっきレンを見てふと思ったんだが…」

ここでリトから素朴な疑問。

「ルンの奴、『薬で性別を自分に固定させる』って言ってたけど…、そしたらレンの方はどーなるんだ?」

ふと、そんな考えが浮かんでしまった。

(一定時間したら元に戻んのかな?いやそれだとあんまり意味をなさないし第一オレも元に戻ってもいいはずだし…
『固定』って言ってたから、一回飲んだらずっと『ルン』のままって事なのか?あれ?だとしたら『レン』の方は…)


……………。


…………。


………。


「…………深く考えない様にしよう…」

何か怖くなったので、リトは考えるのを止めた。

「って、こんな所で道草食ってる場合じゃなかった!みんな待ってるだろうから急がねーと!」

という事で、リトは駆け足でララ達が待つ校門へ向かった――。


途中、体育教師らしき人に「廊下を走るな!!」と説教を食らい、更に時間をロスした事は一応追記しておこう…。
260結城零紋の受難:2008/01/18(金) 21:05:37 ID:gGPVI9hp
――――――


一方、保健室――。


「ところでヤミちゃん、さっきから何を見てるの?」

「何って、『ハ○ーポッター』という本です。結構人気があるらしく、『面白いから』と進められまして…」

「いや、そうじゃなくって、その本の裏にある中学生みたいな隠し方をして読んでる本の事」

「えっ!?な、何を言ってるんですか!?私は何も隠してなんか――あっ!///」

『バサッ』

「あら、落としちゃったわね。……ってコレ、ファッション誌じゃない」

「あ、あのドクター、ちょっと待っ――!///」

「えーと何々…、『必見!!オトコを骨抜きに出来るランジェリー特集』……」


……………。


…………。


………。


「………………へぇ〜♪」(にや〜)

「ぅ……ぅぅ………///」

「そっかそっかぁ♪ヤミちゃんも女の子だもんねぇ〜。そういう事を気にするお年頃かぁ♪」

「ちっ違いますっ!!これは…その…い、今の流行というものを把握するのに丁度良い資料だったから見てたのであって…、
それに……地球の衣類は中々多彩な物が多いし、おもわず目が惹かれる物も一杯あるし………だから…///」

金色の闇、只今『見えない所でのオシャレ』がマイブーム。
261結城零紋の受難:2008/01/18(金) 21:07:10 ID:gGPVI9hp
「くすっ、別にそんなに必死に隠さなくたって良いじゃない。女の子なら当然の事なんだから♪
心配しなくても誰にも言ったりなんかしないわよ」

「ドクター…」

「で、ヤミちゃんは一体誰を骨抜きにしたいのかなぁ?やっぱり結城君?」

『ジャキッ!』

「ドクターミカド…、それ以上変な事を言うのならいくらあなたといえど――」

「じょじょ、冗談よジョーダン!もーヤミちゃんったら怒りっぽいんだから〜」

「…………まぁいいです。それでは、私はこれで…」

「あら、どっか行くの?」

「いえ別に…」

『ピシャッ』

「…………ぅ〜ん、結城君てばホントに苦労が絶えないわねぇ〜。いろんな意味で」
262むに:2008/01/18(金) 21:09:24 ID:gGPVI9hp
投下終了です。

最後2つはオマケみたいなものです。


次回、よーやく放課後…。
263名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 22:47:01 ID:wIxrknEt
GJです!
続き期待しております。
264名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 01:00:08 ID:98jJECmV
GJっす!
265名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 17:33:27 ID:KgsJNRVf
いつもながらGJ!
そろそろエロが欲しい気もしないでもないけど
266名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 09:50:33 ID:CDGIaqlo
保守
267名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 21:13:06 ID:XeRL7yFM
ほっしゅ
268名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 17:12:19 ID:tRGtg8r9
唯とリトの話が読みたいです。
269名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 19:57:37 ID:y/eQTsvK
_| ̄|○

蹴り
`Oノ
ノ\_・'ヽO.
  └ _ノヽ
     〉
踏みつけ
     ○
    /ヾ|>
_| ̄|○ <

 ○y―~~
`(|へ
 」○| ̄|_
慰め
    ○
    ノ|)
_| ̄|○<し
セックス
  ○
(( (ヽヽ
  >_| ̄|○
勃起
_ト ̄|○
270名無しさん@ピンキー :2008/01/27(日) 10:46:15 ID:XOTclegH
保守
271むに:2008/01/27(日) 20:47:27 ID:fY86USLs
>>265
えーと、なんか物語を進めるにつれて「あ、コレ本編中にエロいの入れるのムリだ」と思い始めちゃいまして…。

一応変わりの策は考えてはいるんですが、うまく纏められたのなら載せたいと思ってます。
あまり期待はされない様…。
272むに:2008/01/27(日) 20:49:18 ID:fY86USLs
それでは投下します。
リト女体化ネタその11


…………てゆーか、誰かおられますか〜…
273結城零紋の受難:2008/01/27(日) 20:50:18 ID:fY86USLs
――――――


校門前――。


「あっ、レモン来たぁ〜。お〜いレモン〜♪」

ララが元気一杯に手を振ってリトを呼ぶ。
校門前には、既に全員揃っていて待ちぼうけていたようだ。

「はぁ…はぁ…、お待たせみんな」

「遅いよレモり〜ん。今まで何やってたのさ〜?」

籾岡がちょっと膨れっ面気味で尋ねる。

「ごめんごめん、ちょっと先生に捕まっちゃって…」

ルンの事はあえて伏せておく。

「……って、あれ?」

ここでリトが何かに気付いた。

「………古手川さん?」

知らない間に面子に唯が加わっている事に驚くリト。
その唯はというと、『何故自分がこんな所にいるのか分からない』という感じで、ちょっと不機嫌そうな顔をしている。

「えへへ、私が誘ったんだよ〜。リサがケーキバイキングの割引券が余ってるって言ってたし、
やっぱりこーゆーのはみんなで行った方が楽しいもん♪」

「……私、風紀委員の仕事があるって言ったハズだけど…」

楽しそうに語るララに対して、ツンツンモード全開で抗議する唯。

「まーまー良いじゃん唯っち。ここはレモりんとの親交を深めるいい機会じゃないの♪」

「そーそー、それに何時もそうやって肩肘張ってばかりだと疲れちゃうでしょ?たまには息抜きも必要だよ♪」

無邪気な笑顔でそう言う籾岡と沢田だが…。

「いや『親交を深める』云々は納得出来るけども、実際はあなた達がバカ騒ぎしたいだけでしょ?」

「トーゼン♪」

「当たり前でしょーが♪」

「…………よくもそんなハッキリとまぁ…」

核心を突いたツッコミを軽く受け流し、あっさりと認める二人。それに対し、ガックリ肩を落とす唯。
その表情からは何ともいえない疲労感が見て取れる。

「………ぁー、ゴメンね古手川さん…。ボクのせいで…」

「本当にごめんなさい古手川さん。私がちゃんとみんなを抑えてれば…」

ちょっと罪悪感を感じたリトと春菜は、とりあえず唯に謝った。
274結城零紋の受難:2008/01/27(日) 20:51:54 ID:fY86USLs
「…………ホントそうね」

「ぐ…」
「う…」

「――なんて別に思ってないわよ。あなた達が謝る事は無いわ」

少し諦めた様な感じ唯が二人を気遣う。

「古手川……さん…」

「ありがと、古手川さん…」

「べ、別にお礼なんか言わなくてもいいわよ。一応、結城さんの歓迎会ってのは私も良い事だと思ってるし…、
たまには羽を伸ばすのも良いかなと思ったのも事実だし…///」

照れくささからか、明後日の方向にそっぽを向く唯。

「つまり最初っから乗り気だったって事でしょ?唯っち♪」

「始めからそれ位素直になればいいのに、唯っちってばホントツンデレさんなんだから〜♪」

「良かった〜、ホントは喜んでくれてたんだね〜♪今日はいっぱい楽しもうね唯♪」

「………まぁもっとも、この三人にもいい加減『人に迷惑を掛けている』という事を自覚してもらいたいのも事実だけど…」

「「ホンット〜〜にすみませんっ!!」」

こめかみをピクつかせる唯に、とにかく平謝りするリトと春菜だった。

「さてっ、それじゃ早速行きましょーか。まずはレモりんのパンツ買いに♪」

(ぅ゛……やっぱり本気なんだ…)

心の中でうなだれるリト。

「は?歓迎会に行くんじゃないの?何その『パンツ買いに』って?」

「何って……あーそっか、唯っち知らなかったんだね。実は――未央すわぁ〜ん♪」

「はいなぁ〜♪」

おもむろにリト(レモン)に近付く沢田。そして…。

「ペロンッと♪」

「わぁぁぁっ!!///」

思いっ切りリト(レモン)のスカートをめくり上げ、穿いている下着(トランクス)を露わにした。

「何すんだよいきなりぃっ!!///」

慌ててスカートを押さえるリト。

「……」

そして、その異様な組み合わせを目の当たりにして目を点にする唯。
275結城零紋の受難:2008/01/27(日) 20:53:16 ID:fY86USLs
「分かった?唯っち」

「…………ぃゃ…、別に良いんじゃないの?女の子が男の子の下着を穿いてたって…。好みなんか人それぞれなんだし…」

「全然良くないわよ!レモりんみたいな娘がトランクスよ!?こんなんじゃ全く萌えないでしょーが!」

「いや萌える萌えないとかそんなの知らないけど、それ以前にあなた達に他人の好みをとやかく言う筋合いは無いでしょ?」

「解ってないなぁ〜唯っち。これはあたし達がレモりんの事を思ってしてあげてる事なの!レモりん元々可愛いけど、もっと可愛い下着を付けてもらってもっと可愛くいてもらいたいという純真な想いから言ってる訳なんだよ!」

「あなた達…」

二人の言い分と熱い想いを受け、しばし黙り込む唯。


――が。

「そんな事言って、ホントは今回の事を口実にしてただあなた達が結城さんをオモチャにして楽しみたいだけなんでしょ?」

「「その通ーりっ!♪」」

とてもスバラシイ笑顔で、親指を立ててサムズアップする籾岡と沢田。

「『その通ーりっ!♪』じゃなぁーい!!全く、あなた達の頭にはいつもそういう事しか無い訳!?」

「自慢じゃないけどそーゆー事で頭がいっぱいです♪」

「威張って言うな!!」

まるでテンポの良い漫才を見ているかの如く、籾岡の大ボケ発言に間髪入れずツッコミを入れる唯。
その光景を見たリトは…。

(ツッコミが増えると楽できて良いよなぁ…)

――と、同じツッコミ属性として心の中で唯に感謝の涙を流したという…。

「じゃあ行こ行こ、さくさく行きましょ〜♪」

「お〜♪」

「ってちょっとあなた達!人の話をちゃんと――!」

「落ち着きなよ唯〜。何時も思うんだけどそんなに怒ってばっかだと余計に疲れちゃうよ〜?」

「そう思うなら少しは自重しなさい!!主に誰の所為だと思ってんの!?」

という事で、唯の怒りのツッコミと共に一行は街へと繰り出した――。


「なぁ西連寺…」

「何?」

「オレ……………キレイなままで帰れるかなぁ…」

「………………………………ぅ゛ーん…」

「あの、そこで黙られると困るんだけど…」

早々に、とてつもなく不安を感じるリトだった…。
276結城零紋の受難:2008/01/27(日) 20:55:02 ID:fY86USLs
――――――


下着屋――。


「はいっ、とーちゃ〜く♪」

「なんかあっという間に着いたね〜。移動した気がしないんだけど…」

「ララちぃ、気にしちゃ負けだよ♪」

前ページから一瞬で舞台が変わるのは良くある事なので…。

「結城くん大丈夫?何か顔色悪いけど…」(小声)

「ダイジョブダイジョブ…。ただちょっとこの場違いっぽい雰囲気とこれから起りそうな事を想像しちまって
億劫になってるだけだから…」(小声)

「……ぁー………何ていうか………………頑張ってね?」(小声)

これから死地(?)に赴く想い人に対して、春菜はただ苦笑いで声援を贈ることしか思い付かなかった…。

「じゃ、まずは胸のサイズを測りましょーかぁ〜♪」

「ちゃんと自分に合ったブラをしなきゃ血行悪くなっちゃうからねぇ〜♪」

そう言って、手をワキワキさせてかなり怪しい笑顔でリト(レモン)に近付く籾岡と沢田。

「な、ナニ!?その危なそうな目と卑猥な手つきは!?」

「決まってんじゃ〜ん。レモりんのバストを測るんだよ〜♪」

「だいじょーぶ。あたし触診には自信があるから♪」


「すいません、胸のサイズを測りたいのでメジャーを貸してもらえませんか?」

「――ってちょっと唯っちぃ!?」

(サンキュ、古手川っ!)

唯が機転を利かせてくれたお陰で、本日何度目かのセクハラを免れる事が出来た。

「それじゃ測るね、結城さん」

「う、うん…。あ、服は…」

「そのままで良いわよ、大体分かるから。それに…」

「えー、こーゆーのはやっぱ直接測るモンでしょ〜!?ナマ乳に直に触れてさ〜!」

「そーだよ〜、それじゃサイズがズレちゃうし、何よりレモりんのナマ乳が見れないじゃん〜!」

「――とまあ、こんなオジサン臭いハレンチな人達の前であなたも脱ぎたくはないでしょ?」

「お心遣い、ホントありがとうございます」

「古手川がいてくれてホントに良かった〜!」という思いを込めて、深々と唯にお辞儀するリト。
277結城零紋の受難:2008/01/27(日) 20:56:39 ID:fY86USLs
「はい、じゃ腕上げて」

「は、はい…///」

バンザーイとリトが腕を上げて、その後ろから腕を回してメジャーを通す唯。

(うぅ…、何か恥ずかし……///)

顔を赤らめその状態のまま硬直するリト(レモン)をよそに、唯はメジャーをぐるりとリト(レモン)の胸を一周させる。

「えっと大きさは……………………90ね」

「「きゅうじゅう!!?」」

見事にハモったセクハラーズのお二方。

「ララちぃ!ちなみにララちぃの大きさは!?」

「えーっと…、89(リトママ談)だよ〜」

「ララちぃより1pデカーい!しかも90台ー!!」

「出たよー、大台出ちゃったよー!!」

「ふ…二人共何でそんなに騒いでんの…?1pなんかそんなに差は無いじゃない」

「分かってないなぁ〜レモりん、『1pの差』というものの重さが!!」

「レモりんみたいな娘には分からないだろうけど、女の子がその『1p』をモノにするのにどれだけの時間と気力を要する事かっ!
それはまさに農家の人達が手間暇かけてお米を育てるのと同じ様なものなのだよ!!分かるっ!!?」

「胸の1p差、それすなわちオリンピックのコンマ何秒の僅差に匹敵すると言っても過言じゃないの!!OK!!?」

「え…えーと……、お米とかオリンピック云々はともかく、とりあえず二人が胸の1pにも深ーく拘ってる事はよく分かったよ…」

籾岡と沢田の鬼気迫る程の勢いに押されておもわずタジタジになるリト。

「よしっ、じゃレモりんも分かってくれた所で――♪」

「早速レモりんに似合うランジェリーを選びましょー♪」

「お〜、頑張るぞ〜♪」

という事で、きゃいきゃいはしゃぎながら商品を選びに行く籾岡・沢田・ララの三人。

(テンション高ぇ〜…)

(何か……いつも以上に活き活きしてる…?)

(不安……、果てしなく不安…)

そして、リト(レモン)・春菜・唯の三人はその様子を見ながら何とも言えない不安を感じずにはいられなかった…。
278むに:2008/01/27(日) 20:59:03 ID:fY86USLs
投下終了です。

なんかグダグダになってスイマセン…。
頑張ってスランプを脱しなければっ。
279名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 21:04:36 ID:qoTpTyV8
GJ!!

エロの有無はとやかくいいませので、これからも頑張ってください。
……エロなしの作品しか書いてない自分がいっても説得力ゼロですが
280名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 21:39:10 ID:rts09N3q
>>278
ちゃんといるぜ
GJ
281名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 21:56:23 ID:ZlG2Sd8J
GJ!!!

自分的には長編モノを投げ出さず続けてくれているだけで十分だから
エロとやかくは職人さんの好きなよーにやってくだせぇ
282名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 23:09:25 ID:I/VqtWI6
GJです!!
唯も良かったです。読み易かったですよ。
283名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 23:33:43 ID:apFgOh5b
>>271-278
乙&GJ
この話なら微エロでもいいと思ってる俺ガイル
284名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 14:42:16 ID:yO79RE0v
>>278
GJ!!

ってか俺的にこう言う話は微エロの方が萌える希ガス
285名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 22:32:44 ID:U8rAOmom
皆さんにお聞きしたいことがあります。
一回の投下で何キロバイトあったほうがいいのでしょうか?
286:2008/01/28(月) 22:39:56 ID:Cd2FRQ5A
俺は話しの区切りのいいところで投下する
大体wordで40kbぐらいかな?
まぁ話の内容にもよる

住人にとってまとめて読みたい人と
連載のように何回かに分けて読みたい人の2種類がいる

参考になればいいのだが・・・・・・・
287名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 22:42:40 ID:U8rAOmom
いえいえ、とても参考になります。
ありがとうございますm(__)m
288名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 18:37:55 ID:/ZOIJY2G
>>278
相変わらずGJ!
289名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 18:43:34 ID:NWkcE4X0
遊×唯がよさそうだ
いろいろ道徳的な問題が出てくるが
290名無しさん@ピンキー:2008/01/31(木) 22:58:33 ID:GHuzWECl
リトララの人なかなか来ないな…
ていうか最近頻繁に来てるのってむにさんだけだな
どうかみんな頑張ってほしい
291むに:2008/02/03(日) 00:45:57 ID:kFuPcuf9
投下します。
リト女体化ネタその12

これを書き始めて約3ヶ月経ちました…。
292結城零紋の受難:2008/02/03(日) 00:47:25 ID:kFuPcuf9
――――――


「ねぇねぇ、コレなんか良いんじゃない?レモりん♪」

「いや……それは…………どーかと思うんだけど…///」

「えー、可愛いじゃんコレ〜。両側紐だよヒモ。リサとお揃い〜♪」

「――と言われましても……ボクはちょっと…そーゆーのには……抵抗が…///」

「大丈夫だって、レモりんのエロさなら♪」

「『エロさ』ってどーゆー意味だよ、『エロさ』って」

淡いブルーの紐パンを片手に失敬な事を言う沢田にツッコミを入れるリト。

「甘いよ未央。やっぱレモりんにはコッチの方が良いって♪」

「あの…籾岡さん?結城さんキャバ嬢じゃないんだからそんなド派手なのもどうかと…」

「あ、やっぱり黒の方が良かった?」

「そういう意味じゃ無くてっ!大体ソレ校則違反じゃない!」

「大丈夫だって、あの校長なら100%OK出すって♪」

「私がOK出さないわよ!!出してたまるもんですか!!」

負けじと、ゴージャスそうなルージュのTバック(ガーターベルト付)を薦めてくる籾岡にツッコミを入れる唯。

「ねーねー、そしたらコレは〜?」

「おぉぉ!ララちぃライトグリーンとはあざとい所を突いてくるねぇ〜♪しかもフリル付き!」

「わー、いいねいいね〜♪でもやはりガーターも付けた方が萌えると思うし…」

「ぁの…里沙?一応学校に付けていく物なんだから、そーゆーのはどーかと…」

ツッコミ若葉マークの春菜も頑張ってツッコミを入れる。


――とまぁこんな風に、さっきからこの様なやりとりが続き、『レモン』の下着選びは難航を極めていた。
とゆーかこの三人、ワザとやってるのかはたまた本気でそう思ってるのか、あまりマトモとは思えない下着ばかり選んできている。
それに対して、リトは唯と連携して片っ端から却下していく。
リト一人だったら間違いなく押し切られてしまうのだろうが、今日はもう一人のツッコミ属性である唯がいるので、非常に心強い。
加えて、春菜も慣れないながらも支援してくれているので、何とか持ちこたえる事が出来ている。
とはいえ、間髪入れずに次から次へとカワリモノの下着を持ってくるので、流石にツッコミのキレも鈍くなり疲労感も否めない。
それでも、ここで屈する訳にもいかないので、自分を奮い立たせツッコミを入れ続ける。
293結城零紋の受難:2008/02/03(日) 00:48:50 ID:kFuPcuf9
「それならレモりん、コレはどーかな〜?」

「………あのさ籾岡さん」

「ん?」

「何で迷彩柄なの?」

「カッコいいでしょ♪」

「いやいやカッコいい云々じゃなくて、ボクはどこぞの女兵士ですか!?第一、コレも校則違反でしょ!?」

「えー、ダメ〜?」

「ダメ!!」

「じゃあさ、コッチなんかどうかな?」

「――ってちょっと待ちなさい沢田さん!その下着スッケスケじゃないの!!それじゃちゃんと隠れないじゃない!!///」

「それはレモりんの全身から漲るオトナの色気でカバー出来るから問題ナシ♪」

「出来るかぁ!!///」

「問題大アリよ!!///」

「あーはいはい、じゃあコッチならいいでしょ?コレは透けてないし」

「――ってちょっとぉ!!何でコレ穴が開いてんのぉ!?///」

「コレ穿いたままでもヤレる様にじゃないの?」

「そーゆー事聞いてるんじゃなくてっ!つーかこれならさっきの方がまだマシでしょ!?///」

「あ、じゃさっきのヤツにする?」

「しねーよ!!!」

「両方却下に決まってるでしょ!!?」

「ぶ〜、ワガママだなぁ、レモりんも唯っちも」

「ワガママじゃない!選ぶんならちゃんとした物を選んでほしいと言ってんの!!」

「ちゃんとした物ねぇ…」

「ねーねー、それだったらコッチの方がいいのかな?」

「おぉぉ!ララちぃそれはっ!?」

「一部で大人気のストライプー!!(しかも青と白)」

「「一部ってナニ!!?」」

リトと唯のツッコミは見事にハモった。
294結城零紋の受難:2008/02/03(日) 00:50:43 ID:kFuPcuf9
「ストライプをバカにしちゃいけないよ!!実は白よりもコッチの柄の方が世の中の需要度は高いんだからね!!
コレを完璧に穿きこなす事こそこの世の中を征する事と言っても過言じゃないと思うのよあたしは!!!」

「り、里沙…、とりあえず落ち着こ?」

自らのストライプ理論について力説する籾岡を、春菜が苦笑いを浮かべながら宥める。

「加えて、レモりんの美貌があれば正に完璧!鬼に金棒!(一部の)男共狂喜乱舞間違いナシ!!
とゆー訳でどう?世の中の需要に応える為にもぜひ――♪」

「いやいや、一々そんな需要に応えてたらこの世の中犯罪者だらけになるんじゃないの?」

「大体そんな説明聞かされて「ハイ、分かりました」なんて言える訳ないでしょうが」

「ちぇっ、ホント贅沢だなぁ〜」

ことごとく却下されて、流石に軽く拗ね始める籾岡。

「ええぃ、それなら取っておきだ!コレは間違いなくレモりんに似合うから♪」

――と言って、(怪しい含み笑いと共に)籾岡が自信満々に提供してきたのは…。

「――ってうをぉい、ちょっと待てぇい!!コレ下着の意味がまるでねーじゃねーかよぉ!!つーか下着かコレぇ!!?///」

説明不可能につき、ご想像にお任せします。
つーかもしもし、口調元に戻ってますよ?気持ちは分からなくもないけど…

「でもコレがこの店で一番人気があるんだよ?」

「コレがぁ!!?コレ一番人気ぃ!?世の中間違ってんじゃないの!!?///」

「つーかこんなモンまで置いて、ここどんな下着屋だよ!!?///」

現在の流行(+店のラインナップ)という物に愕然とするリトと唯。

「ならば仕方ない…、こうなったら究極の切り札を…」

「究極?」

「それって…?」

「ニップレスと前張り。しかも肌色♪」

「絶っ対断わぁぁぁる!!!///」

「てゆうかあなた達、真面目に選ぶ気あるのぉ!!!」

ついに怒り爆発のツッコミコンビ。そして…。

(結城くんと古手川さん、息ピッタリだなぁ〜…)

見事なまでのコンビネーションツッコミをやってのける二人に、素直に感心してしまう春菜だった…。


――――――


「じゃ、早いトコ着て見せてね♪」

「あの…、やっぱり今付けなきゃダメ?///」
295結城零紋の受難:2008/02/03(日) 00:53:05 ID:kFuPcuf9
「トーゼン!さ、早く早く♪」

「ぅ………ぅん…///」

ようやく選んだ下着(結局唯がチョイスした)を抱えて、リトは試着室へと入っていった。

(はぁ〜……、仕方ない、こーなったら腹くくるか…///)

覚悟を決めて、制服のリボンに手を掛けるリト。
昨日に比べれば、少しは自分の身体にも慣れたが、それでもやはり健全な男子としてはどうしても目のやり場に困ってしまう。
なので、顔を赤くしつつ、後ろの鏡を極力見ないようにしながら一枚ずつゆっくりと着ている服を脱いでいく。

(ぅ゛ーん……、こんな狭い個室の中で素っ裸になるのって、ちょっと変な気分になるよなぁ〜…///)

少々イケナイ事を考えながらも、まずはパンツを穿いて、続いてブラジャーを手に取る――が。

(コレ…、どーやって着けるんだ?)

ブラジャーの着け方が分からず、軽く困り果てるリト。

「……あの〜、誰かそこにいます?」

『ん?どーしたのリト……レモン〜?』

返事を返したのはララ。

「なぁ…、ブラジャーってどーやって着けりゃいいんだ?」

『え?あぁ、それはね――』
『シャーッ』

いきなりララがカーテンを開けた。

「わぁぁバカ開けんなぁ!!///」

慌ててカーテンを閉めるリト。

『え〜?教えてって言ったのレモンじゃ〜ん』

「口で教えてくれりゃ良いだろ!何でわざわざカーテン開ける必要があるんだよ!?///」

『直接やって見せた方が分かりやすいかな〜って思って』

「いいよ、余計な気遣いしなくてっ!言葉で説明してくれりゃ大体分かるから!///」

『む〜、そお?』

どうにも腑に落ちない表情だが、ララは要望通り、口でブラジャーの着け方をリトに教えてあげた。


『分かった〜?』

「あぁバッチリ、サンキュ」

――という事で、ララに教えてもらった通りにブラジャーを身に着ける。
296結城零紋の受難:2008/02/03(日) 00:55:38 ID:kFuPcuf9
(む、なるほど…。これが『寄せて上げて』ってヤツなのか…///)

その過程で、男じゃまず知り得ない様な事を発見したりもした。


そして…。


「で…出来たよ〜…///」

「あ、終わった?じゃもう開けてい〜い?」

「ぉ……ぉぅ……///」

「でわ、それー♪」
『シャーッ』

ララが勢い良く御開帳〜。

「「おおぉーーーー!!!」」

瞬間、籾岡と沢田から驚きの声が挙がった。

「ぅ……ぅぅ……///」

清純そうな白の下着を身に着けて、とても恥ずかしそうにもじもじするリト。
その姿は、昨日のコスプレとは比べ物にならない程の凶悪なオーラを放っていた。

「かわいい〜〜〜!!♪」

おもわずリトに抱き付くララ。

「いい!!レモりん凄くいいよ!!」

「ホント恐ろしい位似合ってるよね!!」

続いて、ベタ褒めしまくる籾岡と沢田。

(た…、確かに…///)

(結城くん…、それは反則だって…///)

そして、あまりの衝撃にリト(レモン)を直視出来ず、顔を真っ赤にして目を逸らす唯と春菜。

「ね、ねぇ…、もういいでしょ?服着ても///」

両腕で下着を隠しながら懇願するリト。
――が、これがマズかった…。

「え?何?服着たいの?」

「き、着たいよそりゃ!///」

「じゃあ…、お願いしてみてよ」

「はあ!?///」

見下し目でリトに提案――というか命令する籾岡。
どうやら、さっきのリト(レモン)のリアクションを見て、スイッチがSモードに入ってしまった様だ。
297結城零紋の受難:2008/02/03(日) 00:57:03 ID:kFuPcuf9
「ホラ早く。服着たいんでしょ?」

「ぐ……うぅぅ……///」

軽〜く籾岡に対して殺意が芽生えたリト。
――が、これ以上この格好のまま時間を取りたくないので、ここはあえて従っておく事にした。

「ぉ………お願い…します……。そろそろボクに………服を…着させて下さい……///」(ボソッ)

「え?何?聞こえないよ〜。ね?未央♪」

「うん♪全然聞こえないよね〜、リサ♪」

「え?私はちゃんと聞こえ――むぐっ!?」

「ホラレモりん、もっと大きな声であたし達に聞こえる様に言ってよね♪」

ララの口を塞ぎながらリト(レモン)を煽る籾岡。

「あ…、あなた達ねぇ…」

見かねた唯が二人を怒鳴りつけようとしたが…。

「お願い……しますっ…!どうか……どうかボクに………服を着させて下さいっ…!///」

一瞬早く、リト(レモン)の方が先に口を開いた。
もういい加減に服を着たい一心で、涙目上目遣いで二人を見つめ、さっきよりも大きく、今にも泣き出しそうな声でお願いする。
(実際泣きそうな気分になってたけど…)

『……』

全員フリーズ。

(…………………アレ?)


……………。


…………。


………。


『ギュムッ♪』×2

「――ってえぇぇーーーちょっとぉぉぉーーー!!!///」

いきなり、籾岡と沢田の二人に抱き付かれた。

「あぁぁもうホント可愛いなレモりんはっ!!」

「もう襲っていい?襲っていいかな?襲っちゃってもいいかなぁ〜!!///」

「だ、ダメに決まってるでしょーが!!てか…、苦し…!///」

「あーズルいよ〜!私もギュッてしたいのに〜!」

更に、ララまで触発されてリトに抱き付いてきた。
298結城零紋の受難:2008/02/03(日) 00:58:28 ID:kFuPcuf9
「……///」

一方、未だに顔を赤らめたままフリーズしっぱなしの唯。

「……………はっ!!?///」

お、ようやく我に返った様だ。

「ちょっ、ちょっとあなた達何やってるのよ!!?///」

「いやだって、レモりんがあんまりにも可愛すぎるんだもん♪」

「あんなリアクション見せられたらそりゃ抱き締めたくもなっちゃうでしょ?」

「えへへ、レモン〜。すりすり♪」

「とっ、とにかく!結城さんが嫌がってるから今すぐ離れなさい!!」

「「「やだ♪」」」

声を揃えて、笑顔で拒否る三人。

「ぐぬぬぬ……、西連寺さんっ、あなたからも何か言ってあげて――!!って、アレ?西連寺さん?」

唯が振り向くと、さっきまで隣にいた筈の春菜が姿を消していた。


――が。


「ああああああのあのあのあのあのさささささ西連寺さぁぁぁぁん!!?///」

「へ?んなぁ!!?///」

リト(レモン)の叫び声で振り返り、目に入った光景に驚愕する唯。
何時の間にか春菜が、リト(レモン)の事を力一杯ギュッと抱き締めていたからだ。

「西連寺さんっ!!あなたまで何をやってるのよぉ!!?///」

「はっ!!?///」

唯の叫び声で不意に我に返り、春菜は慌ててリトから離れた。

「ごごごごごごごめんなさいっ!!何か身体が勝手にぃ!!!///」

「だだだだだだ大丈夫大丈夫っ!!これもまた役得……じゃなくてっ!!///」

「全く何やってるのよあなたまで!!私だって我慢してるっていうのに…」

「「………え?」」

「い、いや、何でも無いわよ何でも、ホントに!!///」

顔を真っ赤にして誤魔化す唯。
299結城零紋の受難:2008/02/03(日) 00:59:43 ID:kFuPcuf9
「ねぇねぇレモりん、やっぱりコレ着けてみてくんない?白でこのレベルならコッチはまだスゴい事になると思うから♪」

そう言って、リト(レモン)にストライプの下着を渡す籾岡。

「――ってまだ諦めてなかったのぉ!?///」

「だってレモりんにどうしても着けてもらいたいんだも〜ん!!」

「あ、じゃあコッチも着けてみてよレモりん♪」

フリル付きのライトグリーンの下着を薦めてくる沢田。

「あ、それじゃ私は――」

「――って待て待て待てぇ!!///」

「あなた達、いい加減に――!!」

怒鳴り散らそうとしたリト(レモン)と唯だが、三人共全く聞いちゃいない。
しかも――。

「ぇ……ぇーと………私は…コッチの方が…///」

(は……春菜ちゃん……)

(西連寺さん…、あなたまで…)

味方だった筈の春菜まで向こう側に加わり、形勢は圧倒的に不利になってしまった。

「ホラホラレモりん、早くこのストライプを着けてみてよ♪」

「いやいや、まずはこのフリルのライトグリーンから♪」

「え〜?レモンならオレンジの方が似合うよ〜」

「ぁ…あの…、チェックも中々良いと思うんだけど…///」


「あーーもう!!何でもいいから一分一秒でも早くオレをここから解放して下さーーい!!!」

リトの切実な願いが店中に響き渡った――。
300むに:2008/02/03(日) 01:02:34 ID:kFuPcuf9
投下終了です。

リトと唯…、なかなかどうして、結構良いコンビだと思います♪
301名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 01:39:15 ID:LPzGbXhg
GJ!!
不覚にも檸檬に萌えてしまった・・・
302名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 08:30:27 ID:GAPN34K0
イイネイイネー
303名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 09:45:49 ID:xhgjRhb9
GJ
今回もお疲れさまです
304名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:54:00 ID:xQ1j26hA
見事なSHUFFLEネタ
完璧に名前だけ変えた
見事なネタだ
305むに:2008/02/05(火) 15:35:11 ID:GIU1UHLm
いえね、流石に長く続くとネタに困る訳でして…。

基本的に話の一部分は何かしらをある程度参考にさせてもらって、それを自分流に捻ったり足したりして書いているので、個人的には多少の類似部分は笑って流して欲しいと言うか…。
(でも丸パクリはしてないよ!)


う゛ーん…、やっぱりそーゆーのはいけませんか?
306名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 17:37:23 ID:zqbZg1A+
>>305
無問題
煽りは気にせずどんどん書いてください
307名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 17:37:26 ID:CS4YMbTq
いけないと思うならやらなければいいし。
それでいいと思えば続ければいいんじゃない。

収拾つかなくなったら、仕事じゃないんだから無理に続けなくてもいいし。
長く続く作品は読んでるほうのモチベーションもよほどの作品じゃない限り下降していくから
引き際を見るなり、一度休んで考えるなりも視野に入れたほうがいいかと
308むに:2008/02/05(火) 20:20:42 ID:GIU1UHLm
ご意見ありがとうございます。今後の参考にさせてもらいます。
でもって、今後もこんな拙い話を楽しんでもらえたら幸いです♪


さて、とりあえずまずは今やってる話を一段落させねば
309名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 22:53:15 ID:wmcJAjAP
むに氏には頑張って欲しいと思ってる
310:2008/02/05(火) 23:02:43 ID:dBq+PL5y
ネタに困ったときは考えるが一番・・・。
あと、投下する前に最終話どんな展開にするかおおざっぱに決めとくと
途中の段階はやりやすいよ。


妄想(構想)は作家職人の必需品とでも言っておこう。
311名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 23:11:43 ID:VXSm5LC9
書いてるうちにどんどん変わってきて、考えてたものに繋がらなくなることもあるけどねorz
キャラをどういう風に動かすか、できるだけ違和感無いように注意しないといけないし
312新参者:2008/02/05(火) 23:29:19 ID:m6a1uR8d
はじめまして。初めて投下をさせていただきます。
初投下な上に文章力も乏しく、しかもまだ完結すらしていません。
今週の話に刺激され、遊×唯を書いてしまいました。
今回はエロなしですが、唯はリトとじゃなきゃ許さん!という人はスルー
してください。今回は2レスの消費です。すいません。
では投下します。

313遊×唯 1:2008/02/05(火) 23:32:47 ID:m6a1uR8d
「ちょっとお兄ちゃん!またそんな格好で!」
昼に注意したことが夜になっても改善がみられない兄、
遊に対して、唯は怒りを抑えられない。
「だから、別にいいだろ〜。家の中なんだからさ〜」
納得のいかない顔の唯に対して、遊は続ける。
「…だいたいさ、今オレに対して、そんな口が聞けるのかね〜?」
「?…なんのこと?」
突然、遊が人の弱みを掴んだときの嫌な顔つきをしたので、唯にはそんな覚えはない。
「お前、今日さ、変なやつらに追いかけられてただろ」
「っ!なっ、なんでそれを!?」
唯は驚きを隠せない。そこで、知らないと言わないあたりが、根は素直な唯らしい。
「俺があいつらをボコボコにしてやったのさ。偶然見つけちまったからな。
…まったく、世話のやける妹だね〜」
あの後、全く追いかけられなかったことに唯は違和感を感じていたので、すぐに理解できた。
「そっか…わたしを助けてくれたんだね。ありがとう、お兄ちゃん。」
素直に笑顔で感謝をする唯だったが、ひとつ心配なことがあった。
一方、珍しく、素直・笑顔・感謝の三拍子そろった唯の表情に、遊は驚いたが、
少し面白そうだとも思った。
「唯…おまえ…」
「なっ、何よ?」
「今日はやけに素直だな。助けてくれた同じクラスの王子様に、そうした方がいいって言われたのか?」
「なっ…」
いやな予感が的中して慌てる唯。
「どっ、どうして結城君が同じクラスだってわかったの?そ…それに、結城君は…
 お前、笑ったりできるんだ って言っただけで…」
そこまで言ったところで、唯はハッとして遊の顔を見る。
「お、お兄ちゃん、ま、まさか…」
「そ。カマかけてみただけ。ふーん、結城っていうんだアイツ。お前を引っ張って走る表情はなかなか
カッコ良かったもんな〜。我が妹でも惚れるのも無理ないわな〜♪」
314遊×唯 2:2008/02/05(火) 23:33:52 ID:m6a1uR8d
証拠にもないことを遊は言ってみるが、十分効果があることを、兄はわかっているものだ。
「べっ、別に惚れてなんかいないわよ!わ、わたしはただ…」
明らかに動揺する唯。いつかの教室での出来事のときといい、うすうす自分でも気づいてはいた。
「ただ…なんだ?」
ニヤニヤしながら聞く兄に怒りを覚えつつも今はそんな気にはなれない。
唯は自分の気持ちを早く整理したかった。
「ゆ、結城君は私や他の女の子達に迷惑ばっかりかけてて、私が監視していないとダメなのっ!
で、でも時には心配もしてくれるし、今日みたいに助けてくれたり…その…」
さすがに急に人はそこまで素直にはなれないんだな、と遊は嘆きつつも、頑張っている妹を応援したくなる。
「そうか、かっこいいって思った訳だな?それで好きになった、だろ?」
核心を突かれた唯は、観念した。
「う、うん…今日のことだけじゃないと思うの。もっと前から心のどこかで、結城君のことを…」
昼間に心配してたことはどうやら無駄になりそうだなと遊は安心した。
「…もうちょっと時間かかると思ったけど、よく頑張ったな。さすがは俺の妹だな。」
よくわからない誉め方をされて唯は戸惑うが、さっきまでつかえてたものが取れたような気がして、急に楽になった。
「あ、ありがとう…お兄ちゃん…ぐすっ」
安心してしまったからなのか、唯の頬に涙が伝う。そして、一度幼児の頃に戻ってしまったときの名残なのか、
終いには、あーん と、大声で泣いてしまった。
泣く妹を、遊はよしよし、と抱擁しながら、唯に語りかける。
「これで少しは唯も大人に近づいたな…。心の方はまだ努力が必要として…」
「?」
唯には遊が何を言いたいのかわからない。
「じゃあ、ここで今から、先に体の方は大人になっとくか!」
「………………………ええええええええええええええええっっっっっっっっっっっっっっ!?」
315新参者:2008/02/05(火) 23:34:54 ID:m6a1uR8d
今回は以上です。まだまだ書きかけですいません。文章幼稚ですいません。
仕事中にネタばかり浮かぶのですが、
いざ帰って文章にしてみると、全く進みませんでした。
次回はエロを書きたいのですが、いかんせん初挑戦なので、
うまく書けるかどうか…昼間は仕事中にネタを練りだし、
夜にはそれを文章にして…できれば連休中には
また投下したいと考えております。
指摘等ありましたら遠慮なく言ってください。参考にします。
では。
316名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 23:37:09 ID:MzXgKJfM
>>315
ちょ、唯→リトを確認した兄が唯を食っちゃうのかよw
あえて唯→リトを明確にする必要あるのこれ?
317名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 23:59:13 ID:CS4YMbTq
いちいち無粋な突っ込み入れてんな
318名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 00:20:13 ID:MvTiu4bA
>>315
いちいち初心者であることを前面に出さないようにしろ。
あと、長々と内容以外のレスを書かないようにしたほうがいい。うざがられるよ。

内容自体は全然問題ないと思うし、期待している。
319新参者:2008/02/06(水) 00:48:00 ID:zGdCx3C1
>>318
早速指摘ありがとうございます。
>>316
混乱を回避するために、追加で2レス投下します。
320新参者:2008/02/06(水) 00:49:20 ID:zGdCx3C1
「ちょっ、お、お兄ちゃん!急に何言ってるのよ!か、体を大人にって、それって…」
兄から言われた爆弾発言に、唯は顔を真っ赤にする。
「そ、男女の営み。お前だってそれぐらいはわかるだろ?」
躊躇なく発言する兄に対し、唯はますます顔を赤らめ、反論する。
「そ、それは知ってるけど、なんでわたしがお兄ちゃんと…そ、その…」
ま、無理もないわなと思いながら、遊は話を進める。
「あのなぁ…たとえお前がいくらアイツの事好きでも、肝心の向こうがその気じゃなきゃ意味ないだろーが。
…それに、アイツ、案外もてそうだしな。ま、俺ほどじゃないだろーけど。」
そう言われて、唯はハッとする。確かにリトの周囲には常に他の女の子がいる。同姓していて、常に隣を歩き、
入浴まで一緒にしている(未確認)女の子と、大人しそうでありながら、よく一緒にいる委員長、
何かとリトに甘えてくる水色の髪の子、因縁ばかりつけてくる変人、リトの命を狙う暗殺者…
自分よりもキャラの濃い人たちばかりだ。リトが誰かに何時なびいてもおかしくはない。
いや、すでにもう付き合っているのかもしれない。
「…どうやら、心当たりはあるようだな。」
「う…」
「そんな、ライバルだらけの中で、自分が勝ち上がるにはどうしたらいいと思う?」
321遊×唯 4:2008/02/06(水) 00:50:57 ID:zGdCx3C1
学校の授業では決して出されない問題に、唯はうーんと唸ってしまった。
しばらく考えたあと、唯が口を開いた。
「…もっと積極的になること、かな?」
「まあ、半分は正解かな。俺の中でのベストアンサーはな、一番早く肉体関係を持ってしまう事、だな。」
「にっ、肉…」
ある程度は予想していたが、こうもはっきり言われると、怒る気も失せてくる。
それどころか、それも一理あるのかも、と思えてしまうところが、恐ろしいところだ。
「ああいう、普段はやさしそうな奴はな、女からの誘いはなかなか断れないもんさ。
だからお前が、いの一番にアイツをかっさらえば良いのさ。
そして、めでたく俺にも念願の弟ができるって訳。」
「お、お兄ちゃん、弟が欲しかったの?…って、先の事考えすぎよっ!!」
あまりにも飛躍した兄の考えに、唯は最早、尊敬の意すら覚えてきた。
「ま、それはさておき、女からアタックするってのに、未経験のままじゃまずいだろ?」
「な、なんで私が未経験って…」
「今まで、お前がそんな素振見せたか?」
「そ、それはそうだけど…」
唯は遊に挑んではみたが、敵うはずがなかった。
「という訳で、この恋愛マスター・古手川遊様が愛しき妹へ手ほどきレッスンをしてやろうと思ってな♪」
確かに、このままではただ指をくわえて見てるだけになってしまうかもしれない。
他の女には取られたくない。その一心が、唯を動かす。
「…わかったわ。お兄ちゃん、お願いするわ。」
「さすが俺の妹!物分りが良くて嬉しいぜ〜」


322名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 00:55:03 ID:MvTiu4bA
あと、なるべくまとまってできたものを投下して欲しい
小出しにされるとログ参照がややこしくなる
323新参者:2008/02/06(水) 00:55:52 ID:zGdCx3C1
以上です。
>>320
タイトルは「遊×唯 3」でした。
という訳で、この話が終了したら、
「唯×リト」をやりたいと思っています。
では。
324トラブルガールズ :2008/02/06(水) 16:20:47 ID:viftFJbd
前にトラブルガールズを書いたものです
今回はこのキャラで投下します
325トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/06(水) 16:26:23 ID:viftFJbd
いったん区切ります
326トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/06(水) 16:37:20 ID:viftFJbd
…規制されていたのか、書き込みしたのにでませんでした。
結構配慮したつもりなんですが…すみません
327名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 18:56:47 ID:6rlr0aTh
先頭から文章を書かないと、書き込んでも異次元に消えます
理由は不明ですが…
328名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 19:15:01 ID:7WEXAaso

AAでの埋め荒らし対策じゃね?
この書き込みみたいに一行目に半角スペース+改行を入れると回避できるけど。
329名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 20:17:37 ID:bxNmUJUi

>>326
規制じゃなくて荒らし対策が発動しただけ
めげずに投下してくれ
330トラブルガールズ :2008/02/06(水) 22:25:29 ID:viftFJbd
ご指摘ありがとうございます。
以後、気をつけて投下したいと思います
331名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 22:29:49 ID:R6OmlJVA
投下しないの?
332トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/07(木) 17:13:11 ID:sotpnhC1
12月21日

今日はまだ雪が降らない

いよいよ明日から冬休みだ!と言いたいところだが
俺や一部の、いわゆる馬鹿が行う補習というものがせっかくの気分を損なわせる
そのため、今日は朝から目覚めが悪い
それ+、ララに新しい発明品を試されて中々寝むれなかったから
目の下に黒い暗黒のようなものがついてしまった

このような朝は、今日一日良いことは無い…と推測できる

さっそく朝から電話の呼び出し音が鳴る
美柑に取ってもらおうとしたが朝御飯の用意をしていたので自分で取った
その相手は
「おう!リト!!動物の本借りて来い!!」
ガシャ……つーつーつー
電話の相手は嵐のような親父だった
これで動物の本を借りてくるという面倒くさい仕事が入ってしまった…と

さーて、俺の苦難はここからが本番だ

学校に遅れそうになる=ララの暴走
ララの暴走=春菜ちゃん好感度ダウン
ララの暴走=古手川式説教
ララの暴走=俺への負担大…っとまぁ〜こんな感じ

もう慣れはしたがさすがにきつい
でも退屈はしなくなったかな?逆に楽しいと思ったこともあったし…
…おっと、危うく親父ミッションを忘れるところだった

放課後に図書室でも行こう…
333トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/07(木) 17:14:08 ID:sotpnhC1
―放課後―

俺はララに先に帰るように言った
素直に聞いてくれるとは思っていなかったが
何やら急いでいたらしく先に走って帰って行った

さぁて……

―図書室―

さすがに冬休み前日なだけあって人影がない、気配もしない

ただ…一人を除いて…

俺は同じ場所を行ったり来たりしながら、隈なく本を探した
約全体を見回しては見たものの…見つからない…

と、言う事は…

デンジャラスゾーン(俺が命名)に行くにはそれ相応の覚悟がいる
全身全霊、一歩ずつ静かに距離を縮める
もう少しで手が…手が届くといった時に
「何をしているんですか?」
と馬鹿にされた
図書室に来たんだから、本を探してるに決まっているのに
わざと馬鹿にした事は明白だ、凄く悔しい…
「貴方が本に興味なんて珍しいですね」
俺は即座に否定文を述べると、早急に仕事を終わらそうとした

「動物の本ならここですよ」
ヤミは指差し、場所を教えてくれた
っていうか何で動物の本を探してるんだって分かったんだ?
「ここには『動物の本』か『ミステリー小説』しか無いので…」
俺は、やっぱり馬鹿にされてるな
確かにミステリー小説なんて読んだって面白くもないし疲れるだけだ
目次を見ただけでも眠気が押し寄せてくる

え〜っと…
アニマル大百科…動物ワールド…生き物の全貌…
適当に最初のでイイやと思いそれを取って図書室から出ようとしたら
「今日はプリンセス…いないんですね…」

334トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/07(木) 17:15:38 ID:sotpnhC1
12月22日

今日も雪は降らない

いよいよ冬休みだ!と冒頭でもいったような気がするが
今日からは補習という地獄が待っている

地獄と言っても1年の時にもう体験して、それ程でも無かった
補習はたったの2日で解放され、しかも午前中だけ
でもやはり補習はきついし嫌だ
だから朝は、元気が出なかったのだが…

昨日ヤミが言った言葉…

実はあの後、少しだけ図書室に残っていた俺
その時にヤミが、「いつものお礼がしたかったので…」
と言ったことを思い出しララに、どうする?と尋ねてみた

「ヤミちゃんが?いいよいいよそんな事!気にしないでって言っておいて!
  私これからパパの所に行かなくちゃ行けないから」
じゃあね♪と言った瞬間飛んで行った…だから昨日はあんなに急いでたのか
っていう事は、当分帰ってこないな…
まぁ俺も補習があるけど…


―図書室―

補習一日目が終わり少しだけの開放感に浸っていると
「随分と隙だらけですね…結城リト」
いきなりヤミ登場…
やたらと俺の顔を見てくるので、ララがいない理由とお礼の事を延べた

「そうですか…」

何だか寂しそうだな…今までこんな顔したヤミを見たことがあったっけ?
…そう…この頃のヤミは、何か…地球人っぽくなっている気がする
335トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/07(木) 17:17:27 ID:sotpnhC1
感情が前に比べて豊かになっている
恥ずかしい事があった時(主に俺関連)顔を赤らめるし
俺がテストで著しく悪い点を取った時 笑ってたし
それに…今…

… … …

長い沈黙

何度も此処から離れようとしたが離れられなかった
離れたら、何か…何故だかダメなような気がする
目の前にいる少女のことが気になるからだ
だって…
「結城リト…」
!…いきなり話しかけられて驚いた
ヤミは、気まずい空気を打開しようとか気を使うとか、そんな気持ちはまずない

「貴方は以前、私に『寂しがっている』と言いました…」
いや、それは…俺に反する勝手な意思が…
「そんな事は一切ありません……今まで…
  …今まで一人で生きてきたのですから…」
今まで…という言葉には、とても重い何かを感じた
「今だって…これからだって、一人で生きていかなければならない…
     殺し屋   として」
ヤミは俯き、手にあった本を読み始めた
俺は…握りこぶしを軽く作った

そして俺は

      …図書室を後にした… 

336トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/07(木) 17:20:17 ID:sotpnhC1
とりあえずここまで、続きも書きます

書き込めてよかった〜
337名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 19:46:47 ID:bVCMYvHW
シリアスな話ですな。続きも楽しみにしています
338トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/08(金) 00:54:58 ID:NKXsS3N5
12月23日

雪はまだ降らない

補習最終日を迎えた俺は複雑な心境だった
しかもここ最近、まったく寝れてない
昨日の事が帰ってからずーっとぼんやりしていたのでよく思い出せない
ただ、覚えていることは…

…孤独…



「はーーい、補習お疲れ様でした!気をつけて帰れよ〜」
この言葉が聞きたくてどれだけ待ち望んでいたことか…
どれだけと言っても2、3日前あたりのことなんだが

俺の鞄からは、香ばしい良い匂いが漂ってくる
朝御飯をさほど食わなかったから小腹がすいたので軽食を持ってきたのだ
さて、どこで食べようかな?

………そう…だな……


先生から鍵を貰おうとしたが、すでに先客が居るらしくそのままそこへ向かった
もし鍵が貰えるなら、そこへ寄らず帰りながら食べていたのだが…
このお菓子が先客の大好物なので、いると分かれば行くしかあるまい


「……貴方は余程の暇人ですね」
相変わらず愛想が無い先客だ
俺の姿を確認するや否やすぐに本の読解に勤しむ先客
「何ですか?さっきから先客って…馬鹿にしてるんですか?」
機嫌を損ねてしまったらしい
これは悪くいくと、俺×ヤミという分かりやすい展開に成りかねない
それに『トムとジェリー』みたいな勝敗が分かりきっていることにもなる
ここらでご機嫌取りでもするか…


「たいやき…食べる?」



339トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/08(金) 00:57:41 ID:NKXsS3N5
俺はヤミにたいやきを手渡した

たいやき…か
そういえば、俺とヤミが初めて出会ったときもたいやきあげたっけ…

「……地球の食べ物は変わってますね…」

どうやらヤミもあの時の事は覚えててくれたらしい
初めて出会って…たいやきあげて…いきなり攻撃されて…追い掛け回されて…
考えてみればあの時に関しての良い思いではない
ヤミに対してかなりの恐怖を植えつけられた記憶が生生しい
でも今は、今のヤミは俺を攻撃してくる事は殆ど無くなった
前よりは仲良くなれた…気がする
それに…た、たまには…かわいいなーって思ったときもあった
今のたいやきを食べてるヤミだって

「…何ジロジロ見てるんですか?」
え?べ、別に
「結城リト…貴方は私のターゲットだという事を忘れていますね?」
俺は前の否定文の何十倍もの心を込めて言いまくった
が…時既に遅し
俺に恐怖の二文字が浮かび上がってきた

「貴方を殺す…とは言いませんが…」
髪の毛をうじゃうじゃされて言われても信用できません
「少しくらい緊張感を持ってもらわないと…」
た、たいやきならもう一個ありますけど…
「…」
…う、嘘です

「困ります」

俺は身構えたが案の定、ヤミは攻撃をしてこなかった
「…これで少しは緊張感を持ったでしょう?」
緊張感というより恐怖を再び覚えました
…こんなヤミとのやり取りも、かなり久しぶりだ
「…そうですね」

ん?…今…心なしか…

        ヤミ…笑った?



340トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/08(金) 00:59:49 ID:NKXsS3N5
12月24日

雪は降らない

今日はクリスマスイブだってのに予定が一つも入ってない
本来ならララが何か催してくれるのだが、肝心の本人は帰郷中
猿山でも誘ってみようとはしたが、あいつの事だ…

「野郎とイブはごめんだぜ」
とか何とか言われそうで止めた
っていうか、たぶん猿山は今年も一人だろう…

…ヤミはどうしてるかな?…

俺の足は、何故だかその少女の下へと行きたがっているらしい
予定も無いし…行ってみるか

学校は開いていたが、図書室の鍵を貰えたので先客はいないらしい
町の図書館に行ってみたが、いない
その後もいろいろ探してはみたものの…

…どこにも姿が見当たらなかった…


…俺が今いる場所は、初めてヤミと出会った場所
あれほど衝撃的な出会い日になるとは予想もつかなかった
それにあんな小さな少女が殺し屋だなんて…
そういえば、何で殺し屋なんだ?別に他の仕事だってこなせそうなのに
わざわざ自分から殺し屋志望をしたなんて考え難いし…

「殺戮マシーン…」
!……ヤミ……
「私は、生体の改造と強化をされた事があります」
改造?強化?
「…詳しい事は話せませんが…殺し屋になる事は、初めから
 …生まれたときからの宿命だったらしいです」

ヤミをよく見ると体が傷だらけだ

「当然殺し屋なのですから、依頼を受ければ誰かを殺します。
 しかしそれで終わりではありません。殺された者の遺族が黙っていると思いますか?」
…復讐
「…それを回避し、逃げ回りながら依頼を受け、殺し、逃げる…
そういった繰り返しが…私…殺し屋としての…」


 
341トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/08(金) 01:03:04 ID:NKXsS3N5
ヤミは喋ることを止めた
目線はずっと下のまま…少し震えている
唇をかみ締めてずっと黙っている
可哀想とか同情とか…それとは違った思想が俺の中で渦を巻く
この場合、何て言ったらいいんだろうか
俺は前よりももっと強く握りこぶしを作った
ヤミ…俺は……

「私は…」
「だったら、地球に来るっていうのも宿命ってやつか?」
ヤミは俺に漆黒の目を向けた
「地球っていい場所だろ?皆優しくて、馬鹿なやつも多いけど…
 でも、平和だってことだしな。俺は宇宙に行って他の惑星に行ったことはないけど
 断言できる!地球は全宇宙で一番良いところだ!」
俺は自分で驚いた
唐突にこんなことが言えることに
「…って、何言ってんだろな…でも…楽しいところ…だろ?」
「……」
ヤミは黙ったまま…
「ずっと此処にいろよ…ララや美柑や西連寺や古手川だって皆お前の事が好きなんだぞ」
「…」
ヤミは黙ったまま…

「俺…だって…」


12月24日午後4時

雪が…降ってきた

周りはクリスマスツリーの飾りが辺り一面に置いたり飾ったりしてある
もうすぐ、明かりがついて綺麗になるんだろうなぁ…

ヤミは泣いていた

雪と一緒に落ちる雫
その雫を取り払っている少女は、どこにでもいる只の少女だった
何度も何度も落ちてくる涙を一生懸命に対処していた
俺はそんなけなげな少女の頭をそっと撫でた
少女の押し殺していた小さな声が大きくなる

俺の袖をギュッと掴んできた
そんな少女を優しく…抱きしめた…



342トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/08(金) 01:05:16 ID:NKXsS3N5
「今まで我慢してきたぶん…俺でよければ…使って良いよ」





12月24日午後6時

雪はまだまだ降っている

ヤミは落ち着いて、今俺と会話をしている
「だ、だから…言ったろ?…俺も…s…って!」
「sって何ですか?」
くっ…さっきまで泣きまくってたくせに
「…好きだ…ヤミのこと…」
「ターゲットが殺し屋に告白するなんて前代未聞ですよ?」
反論する言葉も無い
「………でも…今私は…結城リトの胸の中にいて、心臓がいつもより
圧倒的に早く動いています。これは…貴方と同じ気持ちという事…ですか?…」
ヤミは少しだけ顔を赤らめ、俺の目を見てくる
正直…可愛すぎる…
俺はより一層抱きしめる力を強くした

ヤミは素直にそれに対応してくれる
俺の胸に両手を置き、顔を埋めて甘えてくる
……我慢…できるか?

俺はヤミを自分の家に招きいれた
ララは帰郷、美柑は友達の家、親は…仕事…

俺とヤミ以外誰もいない

―自分の部屋―

果たして、ヤミは理解しているのだろうか?
この状況の意味を…
「ここが…貴方の部屋ですか…」
俺は段取りを考えていた
や、やっぱりキスか?それとも、いきなり…あ〜〜緊張してきた
「ヤ、ヤミ?…その〜〜…ベットに腰掛けてくれるか?」
俺はベットをパンパンと叩いてここに座るように合図をした
343トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/08(金) 01:07:14 ID:NKXsS3N5
「何をするんですか?」
純粋な目で俺を見つめてくる
凄く罪悪感にとらわれる…ただ、一夜を共に過ごすだけでもいいかな?

「…若い男女が一つ屋根の下…ベット…夜…
もしかして、セックスしたいのですか?」
!!!
ま、まさか…ヤミがそれを知っているなんて…
っていうかそっち系の本も読んでたのか…

「ま、まぁ〜…そんなとこ…だけど」
俺がヤミを見ると、頬を紅に染め、まっすぐに俺を見てくる
こ、ここでやらなきゃ男が廃る
俺はヤミを抱きしめ、その柔らかい唇を奪った
「ん…んむ…クチャ、ちゅ…んん」
「!!ん」
ヤミはいきなり大人のキスをしてきた
舌を入れ、淫らな音と共に口内をかき混ぜあう
こんなキスをされたら、一瞬で理性が吹き飛ぶに決まってる
それもこんなに可愛い少女なのだから

「ヤミ!もう我慢できねぇー」
俺はヤミを押し倒すと、小さな膨らみがある胸を愛着した
「ん…あ…」
あのヤミから感じている声が聞ける
俺はそれだけで満足したが、やはり最後までいきたい
片手で胸を、もう一方の手で下を攻撃する
「っハァ…んんあ…あん…」
声が高まる
しばらく愛着を続けていたら下もかなり濡れてきた
「ヤミ…」
「ぅハァ…ハァ……いい…ですよ…男の人は我慢が…」
正直辛抱たまりません
「じゃあ、パンツ下ろすよ…」
凄く赤くなっているヤミも可愛いが、ヤミの秘所も幼そうで可愛かった
俺は恥ずかしがっているヤミにキスの嵐を降らせ
「…ヤミ…入れるよ…」
344トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/08(金) 01:09:15 ID:NKXsS3N5
はち切れんばかりの肉棒をヤミの秘所にあてがう
凄くツルツルしていて、その割には汁が大量に出ている
そのためか、序盤はスムーズに進んだ
「…うく…うう…は、入った…」
「…ハァ…あ…ん」
ヤミは痛そうではなかった
「動くから、ヤミは楽にしてて…」
俺はヤミの肩を持ち自分の体を固定させるとゆっくりと動き出した
ヤミの膣内は窮屈だったが、慣れてくればこっちのもの
「ふあっ!ああん、くぅう…んあっ」
「ヤミの中、きつくて…締めてきて…凄くイイ」
いつのまにか動くスピードが最高潮に達していた
「アん!ィイ!き、もち…あぅっ、ん…」
「熱いよ…ヤミ…ヤミ!」
俺は愛しい人の名前を連呼しながら激しく突く
こんなに乱れるヤミ…可愛すぎて、もう一度キスの嵐を降らせた
「ちゅっちゅっちゅ、ん…んふう…ぷはぁ!」
唾液がヤミのあごの部分を流れている
俺はヤミを抱きしめ
「う…はぁ…もう…限界だ…ヤミ!もう…」
「だ、だして…あぅ…んんハァ…くだ…さい」
次の一突きで俺は俺の全てをヤミの中に注ぎ込んだ
お互い肩で呼吸し合っている
まだ、収まりそうにない…




「…なぁ…」
「何ですか?」
俺達は、ベットで抱き合っている
いつからだか知らないけど、好きになった…元殺し屋、ヤミ
考えてみれば凄いよな…俺達がこうしてるのは…
「…ずっと此処にいるんだろ?」
「………できれば、ずっと…」
俺はその答えには満足できなかった
求める答えは只一つ…

「ずっと…死ぬまで一緒にいよう…ヤミ」

俺は無意識にちょっと早いプロポーズをしてしまった
ヤミはしばし黙り込んだ
きっと、俺達に迷惑をかけるとかララに申し訳ないとか思っている事だろう
俺はヤミに満面の笑みを見せた…ヤミも笑ってくれた


「……古いですね…プロポーズ…」




345トラブルガールズ 殺し屋偏:2008/02/08(金) 01:12:09 ID:NKXsS3N5
以上、トラブルガールズ二作目終了
エロが少なかったかな?
346名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 01:15:03 ID:OgZ7s/bs
GJ!!
347名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 01:19:55 ID:G6VuA/jh
エロが少ないのが残念だったけどGJ
24日午後4時のヤミたんが可愛すぎて死にそうです
348名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 01:52:57 ID:vQksnvbq
このふいんき(変換できない)は素晴らしい。
正直悶えた!
349名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 05:00:18 ID:3KaAp4/Q
「ふいんき」ではなく「ふんいき」(雰囲気)だと思いますよ。
エロが少なくても他の部分で充分補っていたと思います。
GJ!!
350名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 07:01:18 ID:qXDjU49Q
ヤミが可愛いすぎる!!
激しくGJ!
351:2008/02/08(金) 07:51:51 ID:1X5OpgLi
ふいんきと言うのは既に仕様(わざと)では?
なかなかGJです。
それと言い忘れてたことなんですが、前にここに投下してた『戒』ってのは俺です。
諸事情により『戒』→『妖』に変更させてもらいます
一応書いてはいるんですがいつ投下できるか・・・orz
352名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 08:12:44 ID:qXDjU49Q
気長に待ちますので、頑張ってください
353むに:2008/02/08(金) 22:34:17 ID:l+6N05RV
先日はどうも。
これから心機一転(――といってもいつも通りだけど)頑張りますっ。

でわ投下します。
リト女体化ネタその13

しかし良かった〜、他にも投稿者がいて。正直一人というのは寂しかったから…。
そして言わせて下さい…、GJとっ!
354結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:36:18 ID:l+6N05RV
――――――


駅前広場――。


「うぅぅ〜…、もうおヨメ……じゃなかった、おムコに行けない……」

「ご…、ごめんなさい、結城くん…」

「西連寺……、オレ……汚されちゃった…」

「そ…そんなオーバーな…」

広場のベンチでズーンと暗い影を落として落ち込むリトを、反省の意も込めて必死に慰めようとする春菜。

あの後、ピンからキリまで様々なランジェリーを無理矢理着せられ、リトの精神は昨日のコスプレパーティーをも遥かに凌駕する程のダメージを負っていた。


ちなみに、リトがどんな辱めを受けたかと言うと…。


「止めてくれぇ!!これ以上あんな悪夢を思い出させないでくれぇ!!!」(ガクガク、ブルブル)


――とまあ、本人もこう言っておりますので、あまり深く追求しないでいただきたい…。


「……あ、そういやララ達は?」

「なんかね、『向こうに展示してあるテレビでマジカルキョーコを流してる』って言って飛んで行っちゃった。
里沙と未央もそれに追いて行っちゃって…」

「そっか…」

「……」

「……」

「……」

「……」

「あの……、古手川さんは?」

「あ、あぁ、古手川なら『ついでに買っておきたい物があるから』っつってそこの本屋に行ったよ」

「そ、そうなんだ…」

「ぅん…」
355結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:37:36 ID:l+6N05RV
「……」

「……」

「……」

「……」


……………。


…………。


………。


((き………気まず〜……///))

図らずも二人っきりになってしまって、妙にぎこちなくなってしまうリトと春菜。

(何か…、何か話題振らねーと。でないと何か間が持たねーって!///)

(ど、どうしよう…、こういう時一体何話したらいいんだろ…///)

お互い頭の中で必死に会話の話題を模索する。
そして…。

「「あの――へっ!?///」」

意を決して話し掛けようとしたが、ものの見事にタイミングが被ってしまった。

「なっ、何?結城くん///」

「えっ!?い、いや〜あの〜…その〜…、きょ、今日はいい天気だな〜って///」

「ぁ、そ、そうだね、今日は良く晴れてるよね。うん///」

「さ、西連寺はどーしたんだ?///」

「えっ!?え〜と……その……、あ、明日もいい天気になるらしいよ///」

「そっ、そっか、明日も晴れか。そりゃあ良かった!は…はははは…///」

「ぁ…ぁははは…///」

お互い、精一杯愛想笑いを浮かべるが…。

「ぁー…///」

「ぅぅ…///」

益々気まずい雰囲気になってしまった。

「わ………私ちょっと飲み物買ってくるねっ!///」

「おっおう!///」

居たたまれなくなって、春菜は逃げる様にその場から離れた。
356結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:39:25 ID:l+6N05RV
「…………………………………はぁ〜〜〜…///」

――と同時に、リトが深い溜め息をついた。

「な〜んでこんな時に限って『女』なんだろーなー…、オレ…///」

せっかく良い雰囲気になれたのに、肝心の自分は『男』じゃないという事に心底ウンザリした瞬間だった…。

「どうしたの?溜め息なんかついて…。まだ立ち直れそうにない?」

「あ、古手川……さん」

そこへ、唯が本屋から帰ってきた。

「ごめんなさいね、編入早々あんなハレンチな目に遭わせちゃって…」

そう言ってリト(レモン)の隣に座る唯。

「ぁ、あぁ、大丈夫だよ、こーゆー騒動にはもう慣れてるから…」

「え、慣れてるって…?」

「い、いやこっちの話だよ!!こっちの話!!」

「そ、そう?」

必死に誤魔化すリト(レモン)に少々引っ掛かったが、唯はさほど気に留めなかった。

「それに…、結構嬉しかったりもするんだ…」

「嬉しい?」

「行動そのものはアレだけど、ボクの為に色々と気を利かせてくれてる気持ちは良く分かったから…」

「え?本当にそう思ってるの?」

「…………二割程は」

「じゃあ、残り八割は?」

「ただ悪ふざけしてる様にしか見えない」

「何それ」

おもわずツッコんだ唯。

「でもまぁ、(たとえ二割だけでも)楽しんでくれてるなら幸いだけど…」

「ははは…」

リト苦笑い。

「……」

そんなリト(レモン)の顔をジッと見つめる唯。
357結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:40:47 ID:l+6N05RV
「?、ど、どうしたの?」

「ん?いや、ちょっと…、不思議な人だなぁって思って…」

「へ?何で?」

「だってあなたと話してると、何か結城くんと話をしてるみたいで…」

「え゛っ!?」

突然核心を突く様な事を言われてドキッとするリト。

「何て言うのかな〜…、雰囲気もそうなんだろうけど、話し方とか仕草とか、あとツッコミのキレ具合とかも、
どれをとっても結城くんにそっくりなんだもん」

「そ、そんなに似てる?」

「ええ、とっても♪」

そう言って、唯は柔らかく微笑んだ。

(今日からしばらく結城くんが来ないって聞いた時は変な違和感を感じちゃったけど、彼女がいれば大丈夫かしらね…)


いつの間にかクラス……いや、唯の中で大きくなっていた『結城リト』という存在…。
普段からララと共に色々とハレンチな騒動(ほとんど不可抗力)を引き起こしてる彼だが、
その反面、いざという時には危険を顧みず助けに来てくれる正義感と行動力、
何より、お日様みたいな暖かい優しさを持っているという事を唯は知っている。
そんな彼がしばらく学校に来ないと聞いた時は、「これでしばらくは楽が出来る」と思う以上に、
何とも言えない不安と淋しさが押し寄せて来た。
その気持ちがどこから来ているのかは理解出来なかったが、少なくとも『淋しい』と感じた事は確かだった。
だからこそ、今日『レモン』と話をしてみてそんな発見が出来た事は、凄く安心出来て救われた事なのだと唯は思う。


「……」

ただ、その当の本人はというと、何やらキョトンとして唯の顔を見続けている。

「?、どしたの?結城さん」

「いや…、その〜…」

不思議そうな顔をする唯をよそに、何か言いにくそうに言葉を濁すリト。
で、意を決して出した一言は――。

「古手川さん…、微笑えるんだな〜……って…」

「んなぁ!!?///」

リト(レモン)の一言に顔を紅潮させて目を丸くする唯。

「そそそれどーゆー意味よっ!!?それじゃまるで私が愛想が無い女みたいじゃないの!!!///」

「い、いやだってさ!!古手川さんが微笑ってる所なんていつも……じゃない、今日初めて見たし…!!」
358結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:43:40 ID:l+6N05RV
「あ、あのねぇ!あなたまで結城くんみたいな事言わないでよ!!///」

「ご、ごめんなさい…」

「全く…、失礼しちゃうわ…!///」

さっきまでと一転、不機嫌モードでそっぽを向く唯。

「でも…、何か勿体無いな…」

「は?何が」

「だって……、いつもそーゆー笑顔を見せてくれたら、もっと可愛いと思うのに…」

「へっ!!?///」

一切の淀みも無い無邪気な笑顔で答えるリト(レモン)に更に一転、またしても、それも先程よりも唯の顔が真っ赤になった。

「なな、何言ってんのよあなたは!変な事言ってからかわないでよ!///」

「へ?からかってなんか無いよ。ボクは本気でそう思ってるんだけど…」

ラブコメ主人公特有の超鈍感スキルから来る、馬鹿が付くほどの素直さをここぞとばかりに(無意識に)発揮するリト。
こういう物程効果は絶大で、現に唯は顔を茹で蛸みたいにして俯いてしまった。

「ば……バカじゃないの…?そんな台詞、恥ずかしげも無くハッキリと…///」

「……………照れてる?」

「照れてないっ!!!///」

核心を突かれ、唯はおもわず声を張り上げて反論してしまった。

(何なのよもう…、何かまるで結城くんに言われてるみたいで変な感じがしちゃったじゃない…。
てゆーかそもそも何でこんなにドキドキしてんのよ私は…///)

自分自身の、何とも言えない不思議な気持ちに戸惑う唯。


と、その時――。


『きゃあっ!!』


「「へっ!?」」

突然、悲鳴の様なものが聞こえて来た。

「い、今の声って…」

「西連寺!!?」

「あっ、ちょっと結城さんっ――!?」

気が付いたら、リトは声がした方へ駆け出していた――。
359結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:45:51 ID:l+6N05RV
――――――


「あの…、私急いでますから…」

「そんなカタい事言わなくてもいーじゃ〜ん。俺らと遊ぼーぜ〜♪」

「そーそー、絶対退屈させないからさ〜♪」

飲み物を買いに行った春菜だったが、その帰り道、三人組の街のチンピラ共にナンパされていた。
しかもこのチンピラ、今時天然記念物並みに珍しい昭和のヤーサンみたいな格好だったりする。

「あの、連れも待ってるんです。通して下さい!」

「ヒュー、怒ったもまたナウいねぇ〜。」

「いーじゃん、そんなのほっといて。俺らと一緒にパンチDEデートの方が楽しいって」

「そーそー、そいでもってヨコスカでダンシングオールナイトでもしよーぜ〜」

古っ!!ナンパの仕方古っ!!今日び今時の若者が『ナウい』なんて言葉使うか普通!!?
しかもなんだ『パンチDEデート』って!!?時代錯誤もいいとこでしょ!!?

「んだぁコラ!!何か文句でもあんのか!!つか誰だテメェ、ぁあっ!!?」

「これが今時の『流行り』ってヤツなんだよ!!ぉお、コラァ!!」

「俺らは常に時代の最先端を突っ走ってんだよ!!分かったかぁ!!?」

…………………ちなみに好きなロックバンドは?

「「「横○銀蠅、夜露死苦ぅ!!!」」」

やっぱり古いじゃん。

「「「ぁああーん!!?」」」



(何だか良く分かんないけど…、今の内に!)

という訳で、この隙にコソコソとこの場から離脱しようとする春菜だったが…。

「おっと、どこ行くんだよねーちゃん」
『ガシッ』

「きゃあっ!!」

チンピラの一人に気付かれ、腕を捕まれてしまった。
360結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:48:08 ID:l+6N05RV
「い、いやっ、離してっ!!」

「へへへ…、逃がさねーよ。こーなりゃ無理矢理にでも――」


と、その時――。


「その娘に触んなぁぁぁーーー!!!」


「あ?」

(結城くんっ!!)

春菜のピンチに颯爽と――ではなく、鬼気迫る程の怒涛の勢いでリトが突撃してきて…。

「チェストぉ!!!」
『ガキーーン!!!』

「はぅわっ!!?」

――という効果音が聞こえてきそうな位に、サッカーで鍛えた足腰を活かして思いっ切り金的蹴りをブチかました。

「西連寺、大丈夫か!?」

「ぅ、ぅん…」

「西連寺さん、結城さんっ!!」

唯もようやく追い付き、春菜の傍に駆け寄る。

「マローン(あだ名)!!大丈夫かぁーー!!?」

悶絶するチンピラその3に慌てて駆け寄るチンピラその1。

「うぅ…、ショコラ(あだ名)の兄貴ぃ…、き…キ○タマがぁ…」

「この野郎っ!!よくも大事な弟分の大事な弟分をぉ!!」

「まぁ待てワッフル(あだ名)よ、良く見りゃコイツ達、マブい奴らばっかじゃねーかよ」

そう言って激高するチンピラその2を抑え、チンピラその1が冷たい笑みを浮かべる。

「よぉ、ねーちゃん達、よくもウチの弟分のジュニアを潰してくれたなぁ…、お陰でコイツ一生イ○ポになっちまったじゃねーか」

(下品…)
「何言ってるのよ!!先に手を出したのはそっちじゃない!!
大体何!?その半世紀前からタイムスリップしてきた様な格好は!?恥ずかしくないの!!?」

「こっ、このガキ…」

「おーおーいいのかねぇ〜、そんな事言って。俺らは理不尽な暴力を受けた被害者なのに」

「このっ…!」

「待って、古手川さん」

反論しようとした唯を、リトが制止する。
361結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:51:10 ID:l+6N05RV
「で?ボク達に一体どうしろと?」

「なぁに、ちょいとお宅達に責任を取ってもらいたいのさ。その身体で」

「…っ!!」
「なっ…!!」
「くっ…!」

不条理な要求をされ怯える春菜。
そんな春菜を庇う様に肩を抱き身構える唯。
そして、恐怖心に耐えながら二人を守る様に前に立ちはだかるリト。

「断る……と言ったら?」

「へっ、その時は…」

『ジャキッ!』

「強引にでもヤらせてもらうよぉ!!」

チンピラ共が懐からナイフを取り出し、本格的に脅しにかかって来た。

(やべぇ…!)
「古手川さん、西連寺さんを連れて逃げて!コイツ達はボクが引き付けておくから!」

「なっ…!」

「結城く……零紋さん何を!?」

リト(レモン)の危険すぎる申し出に驚愕する二人。

「何言ってるのよ!!あなたを置いて逃げるなんて、そんな事――!!」

「大丈夫、ボクこう見えても結構頑丈だから!」

「そんな問題じゃなくて――!!」

「ハッ、逃がすと思うかよぉ!!」

そう叫んで、チンピラその1がナイフを突き出してリト(レモン)に突っ込んできた。

「……っ!!」

「結城さん、危ないっ!!!」

「きゃあぁぁぁーーーーー!!!」
362結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:53:19 ID:l+6N05RV
春菜が恐怖心のあまり、目を両手で覆ったその時――。


『ガシッ』


「へっ…!?」

「なっ…!?」

突如、誰かの手が横からチンピラその1の腕を掴み、ふとリトが横を見ると…。

(ヤミ!?)

紙袋を小脇に抱えたヤミが、全身に殺気を纏って立っていた。

「私の標的に――」(ボソッ)

「あ?――へ?」

何かを言おうとしたチンピラその1だが、気が付いた時には天地が逆転していた。
ヤミが腕を掴んだまま上空へ投げ飛ばし、そして――。

「手を出さないで下さいっ!」
『ドガァッ!!』

「がはぁっ!!?」

彼女の特徴である金色の髪を巨大な拳に変身させ、そのままチンピラその1にバックブローを叩き込んだ。

「んだぁ、このガ――!!」

――と言ってる時には既に遅く、ヤミは一瞬でチンピラその2の懐に飛び込み――。

「ふっ!」

髪の毛が無数の拳に変身して――。


――――――


『ドガッ!!バキッ!!バカッ!!ドゴッ!!――』


『必殺、超熱々息(チョーアツアツブレス)ーー!!』


『ドォーーーン!!!』


『今日も事件を燃やして解決っ☆マジカルキョーコ〜〜〜♪』


「やったぁー、キョーコちゃん勝った〜〜!!♪」

「ぁー…、ララちぃホントにマジカルキョーコ好きなんだねぇ…」

「うんっ、だってキョーコちゃんカッコいいんだもん♪私もこんな風になりたいなぁ〜」
363結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:55:04 ID:l+6N05RV
「いや大丈夫だって、ララちぃもある意味キョーコちゃんに負けてないから」

「えー、そんな事無いよ〜。私火吹けないもん」

「いやいや別に吹く必要も無いでしょ!?それじゃもう完全に怪獣か何かだから、冗談抜きで!」

「む〜、でも私もあんな感じでゴーッってやりたいなぁ〜。こう……ちょーあつあつぶれすーーー!!」

『ボォォォウッ!!!』

「「わぁぁぁっ!!?」」

「……………あれ?」


インフォメーション 終わり。


――――――


「ぅ……ぅわ―……」
「悲惨…」
「……(放心状態)」

死屍累々、見るも無惨な光景を目の当たりにして茫然とするリト達三人。

「あの………大丈夫か?」

「見ての通り、かすり傷一つ付けられていませんよ」

「いやそうじゃなくて、ソイツ達はちゃんと生きてんのかって聞いてんの」

転がってる物体からウーウーと呻き声が聞こえて来たので、とりあえず生きてはいるようだ。

「まぁ…ありがとな、助かったよ」

「ありがとヤミちゃん」

「ありがと…」

「…別に。私はただ依頼遂行の邪魔をされたくなかっただけですよ、結城リ……いや、レモンでしたね」

表情を変えずにそっぽを向いて、淡々とそんな事を言うヤミ。
しかし、若干頬を染めて照れてる様に見えるのは気のせいだろうか?

「にしても、結城さん無茶しすぎよ。怪我でもしたらどうするつもりだったの?」

「いや…、何て言うか身体が勝手に反応してね…。それに、怪我するだけで二人が助かるなら安いモンだとも思ったし…」
364結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:56:19 ID:l+6N05RV
「そんな所まで結城くんに似なくてもいいの!結城さん女の子なんだから!」

「ははは…」

「ホントは男なんだけどね」とは思ったが、口には出せないので笑って流す。

「『女の子』……………………………ぷっ」

(――って、オレ今ヤミに笑われた!!?)(ガーン!!)

リトはかなりショックを受けた。

「ぇ…えーっと……、と、ところでヤミちゃんもお買い物か何か?」

これ以上リトを傷つけさせない様にと、ヤミが抱えている紙袋に視線を向け強引に話題を変える春菜。

「え……ぇぇ…まぁ…」

「へぇ〜、何買ったの?」
(どうせたい焼きだろうけど…)

「えっ!?そ…それは……その…///」

「?、どした?何でそんなに挙動不審になるんだ?」

「ぁ…あなたには関係無いじゃないですか…///」

リトからの質問に何故か言葉を濁し、目を泳がせながらも何とか誤魔化そうとするヤミ。

――と。


『ビリッ!――バサッ!』
「へ?あっ…!!///」

さっき大暴れしたせいか、紙袋の底が破れ中身が地面に落ちてしまった。

「…って」
「あら?」
「これって…」

紙袋から出て来たのは、赤・白・黄色等々の色とりどりの――。

「……………パンツ?」

「っ!!!///」
『ドカッ!!』

「だっ!!?」

いきなりヤミに髪の毛チョッピングライトをかまされ、リトは地面に突っ伏されてしまった。

「………なぜ殴る?」(小声)

「………辱めを受けました。えっちぃのは嫌いです…///」
365結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:57:44 ID:l+6N05RV
「オレ何にもやってないバズだろ…」(小声)

「でも元はあなたのせいです………多分…///」

恥ずかしさを隠す為なのか、落ちた下着を拾い集めながらリトに理不尽な怒りをぶつけるヤミ。

「や、ヤミちゃん…、一体何があったのかは知らないけど、この娘女の子なんだからそんな結城くんを殴り飛ばすかの様な暴力的な事は…」

「大丈夫です…、この人は結城リト並に頑丈ですから…」
(とゆーか本人ですから)

「そ…そうなの?」
(そこまで結城くん似なの?この娘)

あまりにも『リト』との共通点が多すぎる『レモン』に、感心を通り越して逆に不気味さを感じ、冷や汗を流す唯。


「あっ、いたいた。おーいレモり〜ん、春菜〜、唯っち〜!」

――と、ここでようやくララ・籾岡・沢田が合流した。

「ったく、捜したよ〜。こんな所で何やってたのさ〜!」

「いえ、ちょっと色々あって……………ってあなた達、何でそんなに黒コゲになってるの?」

「いや、ちょっとね…」

「万国びっくりショーを間近で見ちゃってね…」

「は?」

「何言ってんの?この人達」的な感じで、頭に?マークを浮かべる唯。

「む〜、おかしいなぁ〜。さっきどーやったんだっけ〜?」

そして、その後ろでさっきの怪獣技を練習しているララ。

「こんにちは、プリンセス」

「ん?あー!ヤミちゃ〜ん♪」

ここでララ達がようやくヤミの存在に気付いた。

「おぉ、きぐーだねヤミヤミ♪何してんの?こんな所で」

「いえ、別に…」

「およ?ヤミヤミ、その紙袋何?」

「え゛っ!?ぃや……これは…その…///」

「へ〜、ヤミちゃんもお買い物してたんだ〜♪何買ったの〜?」

「な、何でもいいじゃないですか別に!そっ、それよりもプリンセス達は一体何を?」

「私達?私達はこの後レモンの歓迎会に行くんだ〜♪」

楽しそうに語るララ。誤魔化されてる事にも気付かずに…。
366結城零紋の受難:2008/02/08(金) 22:59:11 ID:l+6N05RV
「そーだ!ねーねー、ヤミちゃんも一緒に行こ?」

「えっ?わ…私も…?」

「うんっ、一人でも大勢いた方が楽しいじゃん♪良いでしょ?レモン〜」

「いや、ボクは別に構わないけど…、ケーキバイキングの割引券は…?」

「大丈夫っ!都合よく割引券は七枚あったから♪」

「ホントに都合が良いな、オイ」

これがいわゆるご都合設定。

「良しっ!それじゃヤミヤミも加わった所で♪」

「早速行きましょーか、ケーキバイキング♪」

「あの、私はまだ行くとは…」

「「いざ、ケーキバイキングへGOー♪」」


「聞いてませんね…」

「………まぁ、いいだろ?別に。さっきのお礼もしたいしさ」

「行こ〜?ヤミちゃ〜ん」

「………なら…、せっかくですからご同行しましょう…」

「わ〜い、やったぁー♪」


――という事で、面子にヤミを加えた一行は、ようやくケーキバイキングの店へと向かった――。


「ところでリト〜、ヤミちゃんが何買ったのか知ってる?やっぱりたい焼き?」

「いや、それが結構派手めの下ぎぃぃぃーーー!!!」

足をハンマーに変身させたヤミに、思いっ切り足を踏んづけられてしまった。
367むに:2008/02/08(金) 23:03:53 ID:l+6N05RV
投下終了です。
思いの外長くなってしまった…。
緊迫&バトルシーンってエロいの書くのと同じくらい難しいっす…。


次回で、第二部終了………するかな?
368名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 23:10:39 ID:G6VuA/jh
GJッス
これでこそハーレムってカンジですね
369トラブルガールズの作者 :2008/02/08(金) 23:48:49 ID:NKXsS3N5
むにさんこそ、いつもGJな投稿ありがとうございます!
毎回楽しみに見てます!
改めて…GJッ!!
370名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 00:59:07 ID:s9WyUa/C
今回も素晴らしいものをありがとう。GJ!!
371ヤミ金:2008/02/10(日) 13:34:08 ID:9Sb4Nyh6
ようやくネット復帰したのでスレを見てみればスレかわってるし…
恐らく覚えている人は少ないでしょうがヤミ金です。
滅茶苦茶遅れましたが「Yami Loveる」第1話投下します。
プロローグは保管庫にあるので興味のある方はそちらをまずどうぞ。
なお、この作品は原作38話でララがヤミを庇えなかったら?というIFからのヤミルートですと一応説明をば。
372Yami Loveる:2008/02/10(日) 13:35:53 ID:9Sb4Nyh6
トラブル40『凶悪バレンタイン』あるいは第1話


「バレインタインデー、ですか…」

悲喜こもごもの男女がそれぞれの足取りで歩く朝の雑踏。
金の髪を持つ黒衣の少女がベンチに腰掛けていた。
手には『宇宙人にもわかるバレンタイン!』と表紙に書かれている本。
そんな少女の姿を人々は奇異なものを見るようにして通り過ぎていく。

「地球には理解しがたい文化があるのですね」

ふぅ、と溜息一つ。
少女――ヤミはぱたんと本を閉じる。

(しかし、チョコレート…あれはなかなか美味でしたね)

本日のメインアイテムともいえるお菓子。
女性が親しい、あるいは恋する男性に渡すとされる甘い食べ物。
ヤミは鯛焼きの具という形ではあったが、それを食べたことがあった。
スタンダードな餡には及ばないものの、あの甘味は今でも舌に残る美味しさだ。
チョコだけ、という形ではまだ食べたことはないが、きっと美味に違いない。
だが、今考えるべきはチョコそのものではない。
食欲をそそられながらも金の少女はゆっくりと頭を振る。

「男性…」

現在、地球にいるという条件で少女の知り合いの男性といえば一人しかいない。
結城リト。
現在進行形でターゲットにロックオンされている少年だ。
ちなみに、ザスティンは当然カウント外である。

(このようなくだらない催しに参加する義理はありませんが)

彼には恩がある。
いずれ仕留めることになる標的といえども恩は返さなければならない。
だが、自分の命を狙う女からチョコをもらって喜ぶかどうかはかなり怪しいものがある。
とはいえ、あの少年は容姿からして平々凡々だ。
女性からモテるタイプにはあまり見えない。
ならばあげないよりはあげたほうがいいだろう。
373Yami Loveる:2008/02/10(日) 13:37:23 ID:9Sb4Nyh6
そんな失礼なことを考えつつ、ヤミは立ち上がる。
目指すは向かいの店のチョコレート売り場だ。

「キャッ!? な、何なのこのコ!? 凄い力…っ!?」
「っていうか跳んだ!?」
「髪が、髪がーっ!」
「私を踏み台にしたですってー!?」

血走った目でチョコを確保する女性たちもなんのその。
ヤミは己の能力をフルに活かしてきっちりとチョコレートをゲットするのだった。



「…あれ、ヤミちゃん?」
「プリンセス?」

無事(?)、チョコを手に入れたヤミは彩南高校にやってきていた。
いうまでもなく、リトにチョコを渡すためだ。
だが、そこでバッタリ出会ったのはきょとんとした表情でこちらに視線を向けるララだった。

(…これは少々まずいですね)

ララはリトを好いている。
それは先日の一件で重々承知の事実だった。
である以上、自分がリトにチョコを渡すことを知られるのはまずいかもしれない。
そう即座に思考し、ヤミは僅かに眉をひそめる。
だが、実際のところ少女の危惧は杞憂に過ぎない。
何せララはバレンタインを友達みんなにチョコを贈る日と勘違いしているのだ。
仮にヤミがリトにチョコを渡したところで、不機嫌になるはずもなく、むしろ二人の友好を喜ぶことだろう。
まあ、仮にララが正確なことを知っていた所で目くじら等立てるはずもないのだが。

「あ、ちょうどよかった! ヤミちゃん、これあげるね!」

金の少女の思考を他所に、ララは持ち前の明るさを振りまきつついくつかのチョコをヤミへと手渡していく。
そしてヤミがそれを受け取ったのを確認すると「またね!」と返事をする間もなくその場を走り去っていくのだった。
374Yami Loveる:2008/02/10(日) 13:39:07 ID:9Sb4Nyh6
「ありがとう、ございます…」

視界から消え去っていくララを見つめながら、ポツリと一言。
届くはずもないお礼をしながらヤミはゆっくりと視線を下に落とす。
手元には袋に入ったハート形のチョコレートがあった。

(さて、どうしたものでしょうか)

パッと見、それは形が崩れているわけでもなく、毒々しい色をしているわけでも異臭を放っているわけでもない。
いかにも手作りといった感じの極々平凡なチョコレートだ。
ララのイメージからして、料理は下手ではないのかという危惧があったのだが、見る限りそうでもないらしい。
まあ、仮にも一国の姫なのだ、花嫁修業の一環として料理も習っているのだろう。
そんなことをつらつらと思いつつヤミは校舎を見上げる。
ついついやってきてしまったが、学生は今から授業なのだ。
当然、リトもそれは例外ではない。
となると彼に今から会いに行くのは無作法というものだ。

「とりあえず…本でも読んで待っていましょう」

学校という場所には図書室という施設があるということをヤミは知っていた。
読書が趣味である少女にとってその場所は暇つぶしにはもってこい。
チョコレートに関しては後で食事代わりに食べればいいだろう。
黒衣の少女は思い立ったが吉日とばかりに校舎内へと歩を進めるのだった。
なお、彼女の常識にこれが不法侵入であるという概念はない。



「…お腹が空きました」

昼休み。
それなりに賑わいを見せる図書室の一角でヤミは無表情につぶやく。
制服も着ず、自分たちよりも明らかに年下に見える美少女の存在に幾人かの生徒が注目している。
だが、少女はそれらの視線を全く意に介さず手元の袋をじっと見つめる。

(プリンセスからもらったチョコ…)

手元に食べ物はこれしかない。
それにこれは自分が食べることを前提にしてもらったものだ、食べることに何の遠慮もいらない。
にも関わらずヤミはそれを口に含むことに躊躇を覚えていた。
別段、毒の気配がするわけでもないのだが、何故か勘が警報を告げているのだ。
375Yami Loveる:2008/02/10(日) 13:41:10 ID:9Sb4Nyh6
(まあ、大丈夫でしょう)

しかしヤミは僅かな躊躇の後、それを食べることにした。
もらっておきながら食べないというのも失礼に当たるし、ララが毒を盛るとも思えない。
仮に毒があったとしても自分の身体はある程度の毒は中和できるようにできている。
何の問題もない。
少女はすっくと立ち上がると図書室を退室しつつ欠片を一つ、口に含んだ。
甘味がふわっと口の中で広がっていく。

(美味しい…)

僅かに、ほんの僅かに頬を緩めながらヤミは続けてチョコを口に含んでいく。
時間的に考えて今からならばリトに会いに行っても大丈夫だろう。
ララから既にこれと同じものをもらっている可能性は高いが
バレンタインというイベントはチョコを多くもらえるに越したことはないという。
ならばきっと彼は喜ぶに違いない。
少年の嬉しそうな笑顔を想像し、少女は微かに口元を緩ませる。

――とくん。

(え…?)

リトの顔を思い浮かべた瞬間、少女の鼓動が一段高く跳ねた。
体調に異常はないにもかかわらず起こった自身の変化にヤミは戸惑う。
とくん、とくん。
だが、心音は徐々に早まっていき、その速度を増すばかりだった。
落ち着け。
高鳴る胸の鼓動を落ち着かせようとヤミはぎゅっと胸元を握り締める。
しかしとくとくとリズムを刻む心臓は速度を落とさない。

(え…え…?)

徐々に体温が上昇し、首の上へと集まっていく。
どうしたことか、胸がきゅんとなり、呼吸が苦しくなる。
症状としてはトランスの使い過ぎの時に似ているが、最近能力を使った覚えはない。
それに、この感覚はトランスの症状の時とは違い、不快ではなかった。
苦しいのに、切なくて、胸がぽかぽかする。
376Yami Loveる:2008/02/10(日) 13:42:54 ID:9Sb4Nyh6
(こ、これは一体…)

初めての感覚に翻弄され、金色の少女は戸惑いを隠せない。
ぎゅうっと握り締められた手に胸の温度が移り始める。
ぶんぶんと首を振り、熱を追い出そうとするも、少年の顔を思い浮かべるたびに体温が上昇していく。
ならば、と他の事を考えようとしても何故かリトのことが頭から離れない。
一体自分はどうしてしまったのか。
わけのわからない症状にヤミは軽い混乱に陥ってしまう。

(と、とにかくどこか人のいないところへ…)

原因は不明だが、体調が優れないのは事実。
今刺客に襲われては碌な抵抗もできないだろう。
危機感を感じたヤミはなるべく平静を装いながら校舎を出るべく歩を進めていく。
しかし、金髪に黒衣、しかも美少女と目立つ要素しかない彼女がよたよたと歩いていれば
それに目を留めた人間が心配をしないはずがない。

「ったく、酷い目にあった…でも春菜ちゃんからチョコもらえたし…って、あれ、お前?」

そう、その人間がお節介でお人よしな人物であれば尚更。
特に、自分の命を狙ってきた女の子に親切にできるような少年であれば――

「ゆ、結城…リト…っ」

どくんっ。
その少年の姿が視界に入った瞬間、一際強く少女の胸の鼓動が高鳴った。
かあっと頬に熱が集まり、赤面していくのがわかる。

「こ、金色の闇!? 一体どうしてこんなところに…いや、それよりお前大丈夫か!?」

通常の状態とはほど遠い少女の姿にリトは心配の表情で駆け寄っていく。
だが、今のヤミとってそれはまずかった。
一歩一歩距離が縮まるごとに鼓動の大きさが増していくのだ。
彼にこの音が聞こえてしまうのではないか。
そう心配になるほどのドキドキがヤミの身体の中で跳ねる。

「大丈夫、です。私に構わないで下さい…」
「そんな真っ赤な顔して大丈夫なわけないだろ!? とりあえず保健室にっ」
「あっ…!」
377Yami Loveる:2008/02/10(日) 13:44:57 ID:9Sb4Nyh6
ビクッ!
少年の背中に背負われる格好になったヤミの全身が硬直する。
戦闘者としてあるまじき隙だらけの瞬間。
だが、その時少女の脳裏に走ったのは後悔でも反省でもなかった。
まるで身体全体が浮き上がるかのような心地よい感情。
そういった経験がない故に、その感情がわからずヤミはリトから降りるべく身体を動かす。
しかし身体は主の意に反して少年の背から離れたくないとばかりに動かない。
いや、むしろより密着するかのように前へと倒れていくではないか。

(大きい背中……っ、私は、何を考えて…)

振動に揺られながらもヤミは不思議な安心感を感じていた。
少女はこうして男に背負われるということは初めての経験だった。
だが、不快感は全く感じない。
むしろ心地よさだけが胸に広がっていく。

「よし、ついたぞ! って御門先生いないのかよ? 一体どこに…」
「だ、大丈夫ですから…とにかく降ろしてください」
「でも…」
「少し休めば問題ありません。だから…」
「…わかった。でも無理はすんなよ?」
「あ…」

とすん、とベッドの上に降ろされたヤミは思わず残念そうな声を上げてしまう。
自分から降ろしてと頼んだのに、何故こんな気持ちになってしまうのか。
黒衣の少女はベッドに腰掛けながら再度胸元で手をぎゅっと握り締める。

「く、苦しいのか?」
「はい…い、いえ。大丈夫です。これは一時的なものだと思いますから」
「だけど…」

心配そうに覗き込んでくる少年の顔にヤミは思わず目をそらす。
既に胸のドキドキは最高潮に達していた。
このままではどうにかなってしまいそうだ。
ヤミは無意識のうちにチョコを口に運んでいた。
身体が栄養を求めたのか、それとも他に気を向けなければまずいと感じたのか。
だが、その試みはこの状況において最悪の一手だった。
何故ならば、そのチョコこそが今の状況の元凶ともいえる存在だったのだから。
378ヤミ金:2008/02/10(日) 13:46:57 ID:9Sb4Nyh6
投下終了。
ちょうど時期がバレンタインだったので考えてみればナイスタイミングだったのかも。
この話は次回に続きます、ラコスポの逆襲はもうちょっとお待ちください。
379名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 14:29:51 ID:9b7Z6cZS
ドラゴンボール乙
380名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 15:43:26 ID:Lu0zDWiv
GJ
続き期待してますぜ
381名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 20:11:34 ID:jKLLNUoJ
ヤミ金氏が帰ってきたぞ〜\(^O^)/
ヤミが可愛いすぐる。GJ!!
382名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 23:48:43 ID:8kWRaqTj
俺はヤミとリトのがいい
383名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 23:57:02 ID:Lu0zDWiv
384名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 00:33:34 ID:HpEjBZL5
リトとヤミのまだーーー?
385:2008/02/11(月) 10:02:04 ID:4U3Wsiy0
こんにちは PN『妖』と言います。
無駄に書き溜めたので同時投下を試みたいと思います。

To LOVEるでエロパロ Part4 連載第三話 リト×ヤミ
岩井恭平 消閑の挑戦者・ムシウタエロパロ 03.    連載第一話 大助×愛理衣
【初音ミク】VOCALOIDでエロパロ2【ボーカロイド】  連載第一話 KAITO最強

上記のスレの住人の皆様には多大なご迷惑をおかけしますことを先にお詫び申しあげます。
386:2008/02/11(月) 10:04:48 ID:4U3Wsiy0
時間が流れるのは早い…だが待ち望んでる物が大きいほど長く感じるものだ。

ヤミはこの日、とても緊張をしてた。初めて人の家に招かれそれが自分の好きな相手なら尚更だ。
家に近づくに連れてどんどんと胸は高まってくる。胸を締付ける力が強くなる。
あの日、分かれて以来日に日に増してきた。
会ったら何と言えば良いのか、そんなことが頭の中でループしていた。
少女らしいところもあるのだ。
「『……どうしたら…なんて言ったらいいんでしょうか……』」
ループから抜け出せず目的地…結城家についてしまう。
門に手をかけてそこで、動きが止まる。 本人の家の前で硬くなってしまったのだ。
どのくらいの時間が立っただろうか…ヤミは勇気を振り絞って最初の1歩を踏み出す。
震える足で1歩1歩前に進む、そして震える指でインターホンを押す。
チャイムが鳴り響き…その音は胸の鼓動を加速させる。

ガチャ…扉が開かれる。ひょっこりと幼い顔があらわれる。…幼い顔が…?。
あらわれたのは、結城家長女…結城美柑であった。
「は〜い…どちらさまで…えっあなたは……」
「あっええっと…ゆッ結城リトはいますか?」
「いるけど」
怪訝な眼差しでヤミを見つめる。 沈黙が訪れる。
「どうしたんだ?美柑…客か?」
ヤミの身体がビクッと震える。 求めていた人の声が聞こえたからだ。
「あっうん…お客だけど……」
口篭もりながら美柑が後ろにリトが来る。
扉は美柑の顔が出せる分しか開いておらず、リトは扉に手をかけて開ける。
そこにいたのは、金色の闇…ヤミであった。
「ヤミか…早かったな…」
「いっ…いえ……」
「美柑、俺の客だから向こうに行ってていいぞ」
「うっうん」
美柑は、はっとして小走りに元いた場所に戻る。
「あがっていいよ」
「はっはい…おっお邪魔します。」
まだ、動きがぎこちなく靴をそろえてリトの後について行く。
387:2008/02/11(月) 10:06:05 ID:4U3Wsiy0
リトはそのまま2階に直行してヤミを自分の部屋に案内する。
「まぁ汚いけど…適当に座ってくれ」
ありふれた言葉…本来の男部屋なら汚くて文字通りなのだが、リトの部屋は片付いており汚いの、『き』の字もない…あるとしたら綺麗の『き』の字だ。
「いえ、綺麗です……あの…結城リト…」
「ん?どうした?」
ヤミは辺りを見まわしながらリトに尋ねる。
「プップリンセスはどこに?」
「ララなら、春菜ちゃん達と買い物出かけたぞ」
と言う事は、今ここにいるのは兄妹とヤミの3人だけである。
「えっあっ…ん」
「それじゃぁ俺はちょっとジュースとか取ってくるから待ってろ」
「はっはい」
やはり自分が好意を寄せている相手の部屋で…その彼がいなくなってしまい、
何もする事が無くなってしまい…誰しも経験した事…ある奴いるのか?。
まぁ友達の家に行って友達が部屋からいなくなった事を思い出してもらったらいい。
「『これが、結城リトの部屋……いつもここで寝てるんでしょうか…。』」
ヤミは部屋においてあるベットに手をかけてそう呟く。
そして、何を考えたのかそのまま重力に身を委ねてベットにダイブインする。
388:2008/02/11(月) 10:10:31 ID:4U3Wsiy0
「ねぇ…リト…今さっきの子…」
ジュースを運ぼうかとしていた時、後ろから美柑が話しかけてくる。
「ヤミの事か?」
「うん…大丈夫なの?」
「大丈夫なのって何が?」
「ほら、リトあの子に命狙われてたじゃない!!」
大声で叫ぶ様に美柑が声をあげる。
「俺の心配してくれてるのか?」
「ちッ違うわよ…リトに死なれたら………」
「ありがと心配してくれて 、でも大丈夫だよ
 おまえも今度いろいろと話しろよ、ヤミはまだ何も地球の事知らないし
 同年代の女の子の友達もいなさそうだから」
美柑の頭をくしゃくしゃとしながらそう笑顔で言いきる。
「うん…分かった。でも、何で呼んだの?」
「そりゃぁ……遊ぶためだよ、地球のこと教えてあげようかと思ってな」
一瞬なんと言おうか考えたが最適なのが見つからず結局…。
「なによ…その間は、まぁいいけど」
「ああ、じゃぁ待たせるのも悪いしな」
そう言ってジュースとお菓子を持って2階の自室へと戻る。

「おい、ヤミどうしたん―――」
目を見開いて、リトは固まるが数秒後再起動して口元から笑みが漏れる。
そこには、布団を軽く握り締めて寝ているヤミがいた。
いつもは警戒心を怠る事無く寝ているときも近づく者には容赦なく変身能力で
敵を抹殺する。そんなヤミが整った寝息を立てて寝ているのだ。
リトはそっとヤミの顔に手をあて髪の毛を分けてあげる。
そのまま布団の上にいるヤミを見てリトは軽くため息をつく。
「『俺の所為だな……俺があの時、あの力を制御できていたら
  もう少し違う結果になってたはずだ。ヤミも普通に生活できたかもしれない
  それに、美柑だって…  いや、この結城家にすら迷惑をかけずにすんだかも』」
意味不明なことを……思いながらヤミの頭を撫で続ける。
「『せめて、今のヤミを幸せに…寂しくないようにしてあげないと
  でも、寝っちゃた以上何も出来ないんだよなー…本でも読んでるかな』」
自分の勉強机に向かいかなり分厚い本を取り出してから読み始める。
それも日本語で書かれているものではなく、どこか別の国の文字で書かれている本だ。
部屋の中には、安心しきった寝息の音と本をめくる音しか聞こえない。

時間が流れるのは早い、それは集中してる時はより早く感じるものだ。

皆もそうだろ?…PC触ってる時は時間が流れるのが早く感じる…違うか?

389:2008/02/11(月) 10:13:11 ID:4U3Wsiy0
まっそれはおいといて、リトは本を集中して読んでいたため
気づいたときには、既に昼になっていた。
「『ん?もう、こんな時間か……ヤミは…まだ寝てるな、
  昨日の夜何をしてたんだか……昼飯でも食ってくるか』」
部屋にヤミを残したまま、下の階に降りていく。
なにやら、いい匂いがしてくる。どうやら美柑が昼食の準備をしているようだ。
「リト、ちょうどよかった…今呼び行こうかなって思ってたとこ」
「そんじゃ、いただこうかな」
「あれっ?ヤミさんは?」
「ああ、あいつなら寝てるよ…昨日は夜遅くまで何かやってたらしくてね
 疲れが溜まってたんだろうな」
自分の席に着きながら、美柑にそう言う。
「どうしよ…ヤミさんの分まで作っちゃたから」
「ラップでもして置いといたら、食べて帰らせてもいいんだから」
「うん、分かった」
美柑はヤミの分にラップをかぶせてから席に着く。
「「いただきます」」
二人は手を合わせてから、ご飯を食べ始める。
他愛の無い雑談、しかしそれが二人の日常だった。
「そうだ、リト…宿題でちょっと分からないところがあったんだけど」
「なら、後で俺の部屋に来いよ」
「うん、」
「じゃぁ、俺は先に部屋に行ってるから」
食べた後の茶碗などを流し台において階段を上っていく。

部屋に入ってベッドを見ると相変わらず寝息を立てて寝ているヤミがいる。
リトは仕方なく勉強机に向かって本を読み始める。
読み進めていくうちにある所でページをめくる手が止まる。
「ん〜、なんだったけ?この単語…………ええぇ〜と文法的に考えるなら
 でも、そしたら…やっぱ辞書引かないと無理か」
結局単語が分からないらしく、自分の勉強机の一番下を開けて分厚い辞書を取り出し
そこから単語を見つけ出す。他に勉強机の一番下には大量の本が敷き詰められている。
とそこで、部屋をノックする音が聞こえる。
「リトいい?」
「ああ、いいぞ」
「あっヤミさん、まだ寝てるんだ」
美柑は扉を開けると一番最初にベッドに目がいってしまう。
「ん?ああ、だから静かにな」
「うん、」
静かに扉を閉めて忍び足でリトの所まで行く。脇には教科書らしい物を抱えている。
「算数か?」
「そうだけど…文章問題でよく分からなくて」
「ほら、ここに座って」
リトは自分が座っていた椅子から立ち上がって美柑に座るようにすすめる。
「ありがと……なにこれ?」
今までリトが読んでいた本を指差して聞く
390:2008/02/11(月) 10:15:04 ID:4U3Wsiy0
「あ〜、それは情報理論ってあるんだけど、
 その情報理論を考えたクロード・シャノンが1948年に
 Bell System Technical Journalに投稿した論文をまとめた本だよ
 題名は"A Mathematical Theory of Communication"だよ」
美柑には何を言ってるかさっぱり分からない。???のマークが大量に浮かんでる。
そもそも情報理論ってことから何なのかすら分かってない。
「何のことだかさっぱり分からないよ……」
「そうだね〜、美柑ももう少し大きくなると分かるよ」
「リトも凄いね。英語で書いてあるの読めるから」
感心したようにその本を手に取って題名を見る。
日本語ではない文字で書かれているから英語だと判断する。
「ああっ…あれは英語じゃなくて仏蘭西語だよ」
「なっなんて?」
「フランス語って言ったら分かりやすいかな」
「英語じゃなくてフランス語って……
 高校になったらそんなことも習わないといけないの?」
驚いたように自分の横に立っているリトを見る。
英語は中学で習うことは美柑も分かっていたのだが、
高校ではフランス語も学ばないといけないと思ったのだろう。
「いや、それは俺の趣味だから…。」
「えっ?じゃぁ独学でフランス語覚えたの?」
美柑は思わずリトを目をチカチカとさせながら見つめる、
それをリトは人差し指で頬をかきながら答える。
「そう言うことになるかな…まぁ英語をしっかり覚えれば他の言語なんて簡単だぞ」
「そんなもんかな〜……やっぱりリトは凄いや」
「そうか?……で美柑が分からないって言っていた問題は?」
「これなんだけど、」
「すうが…算数か………ええっとどこまで解けたんだ?」
美柑が教科書の問題を指差している場所を見ながら軽く考えてから…。
「あんまり…というか、全く……一応こんな感じには書いたけど」
「ああぁ〜なるほど…それ図を書いてないから分からないんだよ
 ほら、図を書いてみろ」
ちなみに問題はこれである
391:2008/02/11(月) 10:17:59 ID:4U3Wsiy0
例 )
1辺が12cmの正方形に、2本の直線を書いて『アイウエ』の長方形に分けました。
イの長方形の面積は、アの長方形の面積より12cu 大きい
アの長方形の面積は、ウの長方形の面積より12cu 大きくなっています。
このとき、アの長方形の面積は 何 cu になるか、求めなさい。

「うん、」
「そうそう、そうやって…そうすると分かりやすいだろ?」
「でも、いまいち分かりにくいな」
首を傾げながら、ペンの押す部分を口に咥えてから美柑が言う。
「その場合はここを………こうやるんだ」
「ああっっ……わかった」
リトは自分のペンで美柑のノートに軽く作図をしてやると、
声を上げて一気に問題を解く。
ヤミが寝てるのに大丈夫なのか?と言う疑問はどこか脇にほいやっといてくれ
「よし…正解だ」
「ありがとう、リト」
「分からないところあったら来いよ」
「うん」
美柑は自分が持ってきた道具を持って扉を出て行く。
392:2008/02/11(月) 10:20:10 ID:4U3Wsiy0
そしたら、リトはベッドに近づいてヤミに顔を近づける。
「ヤミ可愛いな、キスしてもいいか?」
寝ているはずのヤミに囁くかのようにそう言う。
すると、一瞬にしてヤミの顔が赤く染まったのが分かる。汗も浮かび始めている。 
「ヤミ、起きてるんだろ? バレバレだぞ」
「ううっ…分かりました。だから、その、顔を離してください」
目を瞑ったままヤミは言葉を発する。
「目を開けてくれたら離れるよ」
ヤミはそっと目を開ける…目の前にリトの顔があり自分を見つめている。
その所為で顔が赤くなっていた顔がそれ以上に赤くなる。
「あの……顔が近いです。」
「嫌か…顔が近いのは」
「いっいえ、そっそのとても…はっ恥ずかし」
声を震わせながら、ヤミはリトの顔を見る。
「合格…………にしても、ヤミも寝たふりとは感心しないな」
「そっその、なんて言うか」
近づいていたリトの顔が離れていき、ほっと胸を下ろす。
「起き辛い雰囲気だった?」
「はい、兄妹で仲良さそうだったので…起きたらきまずいかなと」
上半身を起こしながら、そう言う。
393:2008/02/11(月) 10:24:27 ID:4U3Wsiy0
「優しいな…ヤミは……でも、本当はさびしいんだろ」
「えっ?………私は…寂しくなんて…馬鹿なこと」
「分かっている…大丈夫、俺がいるから」
「結城リト?…………」
リトはベッドの上にいるヤミを抱きしめながら呟く。
「もう、寂しがる必要なんて無いんだ……今まで、寂しかったんだろ
 辛かったんだろ………誰か傍にいて欲しいんだろ」
「……………うぅぅんんんっっ、ひっく、えっくえっぐ…」
リトの暖かい言葉がヤミの心を満たしていく。
それは今まで自分を満たしたことの無かった感情が満たしていく。
心を満たしたその感情は……溢れ出して、心から…身体に表れる。
涙となって、声となって、漏れ出していく。
涙がリトの胸板を濡らして声を押し殺そうと、咽喉が何度も何度もなる。
その間、リトは何も言わなかった。ただ自分の胸板で泣いているヤミの頭を撫でる。
前の章で書いたような感動の涙ではなく、その涙は言葉にすることが出来ない。
どれくらいの時間がたっただろうか?長い時間たっただろうか…?
こういう場合も時間は長く感じるものだ。
リトの胸の中で何度か小さく肩を震わせてからヤミは顔を伏せたまま聞き始める。
「なんで、あなたは私をここまでかまうんですか?…私は暗殺者なのに……」
「ヤミの気持ちはよく分かる…分かるから俺も辛いんだ
 あれは……………だもんな」
「えっ?結城リト…今なんて」
ヤミにも聞こえないような声でそう言う。
何を言ったのか分からなかったヤミは伏せていた顔を上げる。
「いや…やっぱりなんでもないよ……でもこれからは本当に俺がいるから」
「………その、あの…こっこんな時何て言ったら」
「素直に今思ってること言えばいいんだよ」
「…はい、分かりました……ゆっ結城リ――」
ヤミが何か言おうとした時それをリトが遮る。
「結城…なんて他人行儀じゃなくて、リトでいいよ」
「はっ恥ずかしいですけど………りっリト、その、ありがとうございます」
顔を俯かせてから、顔を少しだけ赤くしてヤミは感謝の言葉を言う。
394:2008/02/11(月) 10:33:02 ID:4U3Wsiy0
「よくできました」
「こっ子ども扱いしないでください」
頭を撫で撫でとリトがするとヤミがちょっと目を鋭くさせて睨む
「あははっ、そうだったね。人の家でぐっすり眠るほど
 昨日も夜遅くまで何をしてたのか知らないけどね」
「えっ?えっ?」
「どうしたの?そんなに慌てて、えっちぃ事が嫌いなヤミが、
 まさか1人でやってたなんて言わないよね」
不敵な笑みを浮かべながら、リトはベッドの上にいるヤミに近づく。
「そっそんなわけ……あっあるはずが」
「声が上ずってるよ、俺の眼を見て本当の事言ってよ」
「きッ嫌いにならないでくださいよ……」
「大丈夫、ヤミが1人でえっちぃことしてても、俺は怒らないし嫌いにもならない
 それに逆に隠す方が…俺は怒るよ……俺はヤミの全てを知りたいんだから」
リトはベッドに肩膝を乗せてヤミの髪留めの一つを触り始める。
「その……してました」
「なにをしてたの?」
「えっ………えっちぃことです」
顔を俯かせて赤く染まらせてから消え入りそうな声でそうはっきりと言う。
「やっぱり、ヤミは本当にえっちぃなぁ…。この前は学校でやって、
 その次は家で延々とやってたみたいだし」
「でっでも……あっあの時みたいに………リトにされたときみたいには」
「気持ちよくなれないってか」
「…………はっはい」
さっきよりさらに小さな声で頷く。
「ヤミ……好きだ」
「えっ?ゆっゆ……リト?」
とっさのことで名字で呼ぼうとしてしまうが、さっきのことを思い出して名前で呼ぶ。
「好きだよ……ヤミは俺のこと嫌いか?」
リトはヤミの髪留めから頬に手を移動させて、ヤミの顔を上に向くようにする。
「わッわたしは…………わたしも…………好きです………」
「ありがとう……………ヤミ」
ヤミが自分の出せる結城を全て総動員させて言ったその言葉に対して、
リトはそれに答えられるようにヤミに顔を近づけていく。
395:2008/02/11(月) 10:39:54 ID:4U3Wsiy0
近づけていくにつれて、ヤミの目がゆっくりと閉じてしまう。
軽く唇が重なり合う。最初はただ触れるだけのキス…。
リトはヤミの頬に触れていた手を再び髪留めに戻してそれをほどいていく。
髪留めが取れた瞬間、重力に逆らって片方だけがふんわりとヤミの髪の毛が宙を舞う。
そして、反対側の髪留めに手を伸ばす。髪をほどいている間も、
二人の触れるだけのキスは止むことは無く……
それどころか、濃厚な……舌が絡み合うキスへと変わり始める。
最初、リトの舌が自分の口内に入って来た時、ヤミは目を見開いて驚いていたが
すぐに目を瞑ってリトに全てを委ねてただキスと言う行為に浸っていた。
反対側も同じように髪留めをとるとヤミの髪がベッドに垂れる。
リトはヤミの後頭部に手を回してからゆっくりとヤミを倒していく。
ヤミの髪の毛がベッドに散乱するかのように描かれる。
そこで、唇を離す…二人の間に銀色の線が出来るが、
重力に引かれてヤミの口の中に一瞬にして消える。
「はっ初めてでした……」
「こんな凄いキス?」
「いっいいえ、その…キス自体が」
「ってことは俺がファーストキス?」
ヤミの顔が真っ赤かに染まっていく。ファーストキスと言う言葉をなぜ知っているか
それは、地球に来てから読んだ本で「ファーストキス」には特別な意味を持っている
と書かれていたのだ。……それが彼氏、彼女の間ならさらに重要な(ry
「あぅっ、ええぇっと…そのっなんていうか、」
「初めてじゃなかった?」
言語能力が混乱しており何を話したらいいのかさっぱり分からなくなっているが
リトの問い返しにかろうじて能力が戻っていく。
「………そっその初めてです」
「くっくく……可愛いな」
「かっからかわないでください」
「可愛いってのは本当だよ」
「つつつっっ」
ヤミの顔から湯気が何本も立ち上がるが、その顔にリトがキスを落とし始める。
おでこ、目頭、頬、唇に軽いキスを順番に落としてから、首筋に舌を這わせていく。
舌を這わせながら、戦闘衣をやすやすと脱がせる。チャックがありかも熟知している。
396:2008/02/11(月) 10:46:11 ID:4U3Wsiy0
脱がせると言っても上半身のみだが、かえってこっちの方が全部脱がせるよりエロい。
皆は分かるはずだ…その妄想豊かな脳で想像してみろ、上半身裸のヤミを…。
「この前の触り心地から……予想はしてたけどぷにぷにしてていいね」
「んっだっだめです」
「そう、ぷにぷにって押してると先っぽの方が………ほら立ってきた
 気持ちよくない?……ってもう喘いでるか」
「んんんっっ、んあっそんなに揉まない…ああっん」
発展途上の『つるぺたα』を揉み始める。
発展し始めたらそれは既に『つるぺた』ではないと言う諸君も現れるだろうが、
ちょうど良い表現が見つからなかったので勘弁してくれ。
言っておくが、完璧な『つるぺた』ではない『α』がついている。
αは結構な大きさがあると思ってもらっていい。
「じゃぁもう少し強く揉むよ……」
鷲摑みをするかのように強く揉みだす。それは形が変わるほどの力で………
ヤミは最初、苦痛の色を示したが脳内分泌の影響で痛みは無くなり、
逆に痛みが快感へと変わり始める。
「あんっっ…んはっそっそんなにつよ…もんだら……んんんっっ」
ベッドのシーツを強く持って耐える。
「ほら、先っぽも立ってる。」
まだ小さいヤミの乳首を人差し指と親指を器用に使い弄り始める。
こねたり、潰すかのようにしたりしながらどんどんと弄る。
それは図書室でされたときのように荒い行為だが、ヤミにとっては快感になっている。
「はぅん…だっだめで、んんっあ…それ以上したら……あふぅん」
「ヤミ、今とってもえっちぃ顔してるよ」
「ふぇぇ?……んんあっっいやぁぁぁ……あふぅみっ見ないでくだ…あぁぁ…さい」
「それじゃぁこっちの方は吸ってあげるよ」
そういって今までヤミの顔を見ていたリトが、顔を胸に押し付けて…
いや口を片方の乳首に当てたのだ。当然急なことでヤミは対応することが出来ない。
そして吸う…だけでなく、舌で転がしたり甘噛みしたりする。
もう一方の胸は相変わらず手で揉む。鷲掴みのような状態から乳首を握ったり…
ある一定のパターンにならないように、いろいろと変えてからやっているため、
ヤミの口からは新鮮な喘ぎ声が大量に出てくる。
「んんふぁ…あああぅぅんんん……だっ、だめですんあっ…変な気持ちが……
 いっ…はぅん…いくぅぅんんんんんっっっっ」
シーツを握る力が強くなり、目を瞑った状態でヤミの身体が2.3回ほど痙攣する。
この前学校でリトに教わった言葉も昨日の夜、何度も発したために定着してしまった。
『びくっ』と最後に一度大きな痙攣すると、リトが顔を離し手も胸からどける。
397:2008/02/11(月) 10:51:12 ID:4U3Wsiy0
「いったね、気持ちよかった?」
「はぁはぁはぁはぁ……はっ……はい」
ヤミが自分の真っ赤になった顔を見られまいと首だけを横にして返事をする。
「ヤミ足上げて」
「えっ?あっはい」
息を整えながらヤミが言われたままに足を上げる。
次の瞬間ヤミが纏うものがなくなった。戦闘衣が脱がされたのだ。
唯一の救い?と言っていいだろうか…あまりと言うか、全然救ってないが…
腕の戦闘衣と足のベルトだけが残っている。
「綺麗だね、やっぱり何も生えて無いか
 でもあれ?大分濡れてるね。今さっき逝ったときのかな」
「ええっ?いやぁぁぁみっ見ないでください、だっだめです。そっそこは見ないで」
リトの言われたままにやった結果下半身を完璧に露出させてしまった。
自分の全てを見て欲しかったはずなのだが…いざとなると見て欲しくないものだ
今のヤミはただ両手でリトの頭を押さえることしか出来ないでいた。
そこでリトは濡れているヤミの秘部に指を軽く入れた。
「ヤミ、舐めるよ」
「そっそんなところきっ汚いです。だっだめで……ひゃっぅんんっ」
口を近づけて舌でヤミの割れ目を舐める。あえて中のほうに侵入させずに割れ目だけ
音を立ててアイスクリームを舐めるかのようにする。
「尿の味だけかと思ったら、愛液の濃いのが少し…これは今さっき逝った時のだね
 それでもって、昨日ぐらいに逝った時の愛液の乾燥した味がするよ」
「つつつっっ……そっそんなこと…んんんっぁぅ」
「にしても舐めれば舐めるほど、溢れてくるぞ。ヤミのえっちぃ汁…
 ほら人差し指なら軽く……」
人差し指を闇の秘部に押し当てて力を軽く入れてやる。
すると人差し指の第2間接までゆっくり入っていく。その後指の関節を曲げていく
「あふぅぅ……んんんああっっっ」
「あれ?ヤミ、なんか小豆が出てきてるよ」
「んふぇ?」
「ほらここ」
リトがクリトリスの皮の上から軽く握る。
自分でも気づかなかった器官、神経の集中した場所を握られて、
今まで感じたことの無い感覚がヤミを襲う。
「んんんんはははっっ、あああああああっっっ……りっ…リト…今、いまを」
本日2度目の絶頂、2度目なので敏感になっていたのだろう。
簡単に達してしまう。何をされたか確認するために上半身を軽く起こすと、
自分の股にうずくまっているリトの姿が見えて、顔を赤面させていく。
「大分ほぐれてきたかな?こんなに濡らしちゃって」
398:2008/02/11(月) 11:00:27 ID:4U3Wsiy0
ヤミの秘部からは大量の愛液が溢れ出しており、シーツを濡らしている。
「そっそんなこと言わないでください」
「あはは、ごめんな」
「あっあの…リト」
「んっ?どうした」
リトは股から顔を上げて上半身を起こしたヤミに目線を合わせる。
顔を赤面させて次に顔を俯かせて小さな声でリトに聞く。
「りっりと…あっあなたは……そっその…気持ちよくならなくて…いいんですか?」
「そりゃぁ…なりたいけど、ヤミがやってくれるの?」
「うっ……でも、やってほしいんでしょう?」
「よろしくね」
ヤミが乗っているベッドの上に自分も乗る。
そして上半身の前ボタンを全部外して上の服を脱ぎ捨て下半身のベルトとチャックを
下ろして、それも床に脱ぎ捨てる。ヤミの目の前にリトの一物があらわになる。
それを…リトの一物を見てヤミが口を開けた状態で絶句する。
初めて見る男の人の生の一物……恥ずかしい、もっと見てみたい、怖い……
いろいろな感情が入り乱れて心を不安にしていく。
「どっどうしたら……」
声を震わせながら頑張って顔を上げてリトに聞く・
「最初は触ってくれるだけでいいよ」
“コクッ”
頷いて、震える手を制御しながらヤミはリトの一物に触れる。
触れた瞬間、『ビクンッ』と反応して思わず手を引っ込めてしまうが、
すぐにまた手を伸ばして今度はしっかりと一物を握る。
「すっ凄く熱いです…それに…硬くて……大きい」
途中で自分が言っている事が、とてもえっちぃことだと気づく。
それに追い討ちをかけるかのようにリトが言葉を発する。
「こんなにしたのはヤミだよ……
 ヤミがあまりにもえっちぃから俺までこうなっちゃたんだよ」
「そっそんなこと……」
「いっいた……強く握りすぎ」
あくまでもヤミは暗殺者だ。力強く握られたら常人の人間なら使い物にならなくなる。
だがリトは気合と根性、そしてなにより経験と身体の強さで耐え切った。
「ごっごめんなさい」
「いいよ、ほらもう1回触って、上下に動かしてみた……
 それよりヤミがやりたいようにやってみて」
とっさのことで、ヤミは手を離してしまう。だがリトがその手を掴んで再び
自分の一物のところまで誘導していきヤミの手が触れる。
399:2008/02/11(月) 11:09:02 ID:4U3Wsiy0
「はい……」
自分の手の中にある一物を再度見て、ゆっくり揉んだり上下にしたり動かし始める。
まるでジョイスティックで遊んでいるようだ。
動かしている間、ヤミは迷っていた。それはあの……図書館にあったえっちぃ本に
あるようにリトも胸に挟まれたいのではないかと……。
だが自分にはそれだけの胸が無い。でも、作り出すことは出来る。
変身能力で一回り、いや二回り大きくすればララほどの大きさになって
リトにも満足してもらえるのではないか……と。
「ヤミ?どうした?」
いつの間にか一物を動かすのを止めて何か考え事をしていたヤミにリトが聞く。
「えっと、りッリトも……そのやっぱり………大きい胸のほうが……ぃいですよね」
消え入りそうな声でヤミがリトを見ながら言う。
「えっ?」
リトが何を言ったのか分からないようでヤミをじっと見てしまう。
「『変身能力』」
目を瞑って軽くイメージする。そうするとヤミの胸が軽く金色に光、
その後、発展途上だったはずの胸がララサイズに発展後の胸になる。
『つるぺた+α』の面影はどこにも無い。本来は左右の形は同じではないのだが、
変身能力のおかげでかなり形のいい、左右のバランスがとれた胸となっている。
「ヤミ……」
「こっこれくらいあれば、プリンセスにしてるようなことが……」
「ったく、俺は胸が大きいとか小さいとか、そんなのどうでもいいんだぞ
 俺はヤミ…お前が好きなんだから」
「っつ…でも……」
「仕方ねーな『変身能力外部伝達強制解除』」
リトが大きく膨らんだヤミの胸を触って軽くイメージすると再び金色を発して
ヤミの胸が元通りの『つるぺた+α』に戻る。
「なっ……なにをしたんですか」
自分の豊富だった胸が一瞬にして消えたのだ…自分の意思とは無関係に
「俺はヤミが好きで…ヤミのこの胸が好きなの」
「ちっ違います……わッ私の変身能力をどうやって解いたんで……」
そこでヤミの言葉が途切れる。リトに口を塞がれて、発せなかったのだ。
10秒ぐらい口を塞いでそして離す。ヤミの目を見ながらリトが呟く。
「それは、また今度はなすから……それにその事話してると俺のこれが萎えるんだが」
ゆっくりと萎んでいくリトの一物をヤミが見て思わず唾を飲みこむ。
400:2008/02/11(月) 11:14:36 ID:4U3Wsiy0
「分かりました……絶対に話してもらいますから、
 でもこれはどうしたら元の硬さに戻るんですか」
「んんっと、どちらかと言うと硬いのが普通の状態じゃないときなんだけどな
 まっ、いっか…それよりも舐めてくれる?」
「ええっっ?こっこれをですか?」
リトの一物を指差しながらそう言う。驚きを隠せない様子だ。
確かに図書室にあったえっちぃ本にはこれを口一杯に含んでいた絵もあった。
それと同じようなことをしろと言われたのだ。
「嫌なら別にいいんだが……」
多少声のトーンを落としてリトが顔を伏せながらそう言う。
「いっ嫌なんかじゃありません」
「そう、ならお願いするね」
見事策略にはまったヤミは……わずかな時間どうするか考える。
そして意を決したようでリトの少し萎えた一物を手にとって一気に口の中に入れた。
少しずつ大きくなっていくのが分かる。口の中で硬くて熱くなっていく。
一物はヤミの口ぎりぎりまで大きくなりヤミはうまく舐めれないでいる。
「んんんんっっっっ」
「やッヤミ、ちょちょっと離して」
息が出来なくて、かなり苦しそうなヤミがリトに言われてそっと一物を離す。
401:2008/02/11(月) 11:16:45 ID:4U3Wsiy0
「はぁはぁはぁ…どっどうしたんですか…やっぱり気持ちよく無かったですか?」
「そんなことは無いけど……舌出して舐めてくれるだけでいいよ」
「でっでも、あの本には……」
「あの本?…ああっあの本ね、俺はヤミにしてもらうだけで十分気持ちいいよ
 それに、急にあんなテク覚えなくても大丈夫」
「はい…じゃぁどうしたらいいですか」
「口に含まないで、舌出して舐めたらいいよ」
そう言われてリトの一物に手を伸ばして舌を出してソフトクリームを舐めるかのように慎重に、丁寧に舐め始める。
ベッドの上でリトの一物を一生懸命なめとる姿は、いつも見せる気高い暗殺者の
面影が全く残っておらず、可愛い少女…いや、少しえっちぃ少女である。
「気持ちいいですか?」
舐めながら上目遣いでヤミがリトにそう言う。
「ああ、気持ちいいよ…ヤミそろそろ……」
「……………はい」
舐めるのを止めて、顔を起こしてリトと見詰め合って一言返事をする。
その顔には期待と不安、嬉しさと怖さが織り交じっている。
「怖い?」
「スッ少しだけ」
声が上ずっており冷静沈着なヤミが緊張しているのがすぐに分かる。
リトがヤミの秘部に軽く口をつけた後、自分の一物を誘導して先端をつける。
それを確認すると再び寝そべっているヤミの目を見る。
そして、片手をヤミの手と絡ませ、もう片方をヤミの後頭部にまわして頭を撫でる。
「いくよ、痛かったら言って」
ヤミはその言葉に無言で頷く。ゆっくりリトは腰を落としていく。
402:2008/02/11(月) 11:21:01 ID:4U3Wsiy0
それに連動して、ヤミの秘部に徐々に埋もれていく一物…。
亀頭の3分の2が入った辺りでヤミの顔に変化が訪れる。
「っつつつ………だっ大丈夫ですから……続けてください」
どうやら、人差し指のときには感じられなかった。異物感が…秘部を拡がる痛みが
あらわれはじめた。
ここで痛いと言ってしまったら、リトは止めてしまうだろうと思ったからだ。
リトの一物の先端……亀頭部分が全部入り、そして本体へと移る。
その間、ヤミは目を『ぎゅっ』と瞑って…慣れていない内部からの痛みに耐える。
明らかに、ヤミの小さな膣におさまりそうに無いリトの一物…。
それを膣を限界まで拡張して受け止めていく。
「ヤミ、処女膜当たってるの分かる?」
「……いっいえ、今は痛みだけが……」
「これからもっと痛くなるけど止める?」
「いっ嫌です、最後まで…してください、我慢しますから」
目を瞑って痛みを我慢していたヤミが目を開いて目尻に涙を浮かべて抗議する。
「分かった……でも、どうしても我慢できなかったら言ってよ」
「はい」
「いくよ」
リトは軽くヤミの髪の毛を撫でてから、さらに腰を下ろしていく。
ずぶずぶと音を立てて濡れていた秘部の中に浸透していく。
処女膜をゆっくりと限界まで伸ばしていく、処女膜の伸縮の限界に達したその時、
『ぶちっ、ぶつっ、ぶつつっ』軽い音を立てて、処女膜が破れたのが分かる。
「んんんっっ……いたッっっ」
ヤミにとって生まれて初めて体感した内部からの痛み…。
その時、リトは何も言わなかった…『大丈夫?』とも、『やめようか?』とも
なぜならヤミが必死に耐えているのに、声をかけるのはあまりにも可愛そうだと
判断したためである。
その後も処女膜を裂いてリトの一物は奥へ奥へと入っていく。
とうとう、リトの一物全てがかろうじてヤミの膣の中におさまることが出来た。
全てと言っても2・3cmは入りきれずに外に出ている。
リトが子宮口に当たる寸前で腰を落とすのを止めた。
403:2008/02/11(月) 11:30:30 ID:4U3Wsiy0
「やっぱり初めてだから、締まり良すぎだよ。ヤミ……いっちゃいそうだ」
「そっそんなこと……んあっ、言う…あんぅっ、必要ないでしょ」
「でも、本当のことだよ…処女だし、締りがいいし、なによりヤミは可愛いし
 『二日連続処女締まりはきついな…正直』」
「んんんんあああぁぁっ」
リトの言動と行動がヤミの擬似感覚を最高潮へと持っていく。
言動……『可愛い』、行動……思いっきり一物を引いて、思いっきり奥へ入れ込む。
最高潮に達すると同時にヤミの膣が最大限引き締まる。
逝った時にはいつもついてくる、おまけと言うやつだ。
その最大限引き締まった膣にリトの一物が耐えられなくなる。
「クッ……ヤミ、中に射精すぞ」
一物が大きな脈を打ち、『ビクッビクッ』と震える。
震えるだけでなくヤミの奥にリトの分身……精液が大量に解き放たれる。
「なっ中に熱いのが……んはぅっ、たくさん入って」
ヤミが背中を仰け反らせながら自分の膣の中に解き放たれた精液を受け止める。
何度も脈を打ちヤミの膣に精液を送り出されていく。
前の章でも言ったがリトは薬を飲んで身体が…特に一物が改良されている。
体力回復剤・精力増強剤・性器増強剤・遺伝子増量剤など10にも及ぶ薬である。
それにより、リトの精液は少なくとも5㎗以上を生産することが出来て、
自分でそれを調整することが可能なのだ。

話が逸れたので戻そう。ヤミの膣…否、子宮の中は精液で容量オーバーとなってしまい
入ることが出来なくなってしまった。そのため、膣へと逆流する。
しかし膣はリトの一物が入っているため十分な容量を確保することが出来ずに
すぐに容量オーバーとなって次のところに溢れ出す。
そう外界にリトの精液が出てきたのだ。
404:2008/02/11(月) 11:33:47 ID:4U3Wsiy0
「ヤミの中じゃ納まりきれないで、出てきたよ…すこし小さかったね」
「熱いです………でも、身体が満たされてるみたい……」
「良かった」
「あっあの、リト……」
「どうしたのヤミ」
「おっお願いしたいことが……あるんですが」
繋がった状態でヤミがリトにお願いする。
「俺のお願いも聞いてくれたし、いいよ」
「一時……このままでいてください」
リトが目を丸くする。えっちぃことが嫌いだったヤミが進んで繋がっていたいと
言ったのだ。
「分かった」
リトは頷いて二人は……少しの間余韻を楽しんだ。
とても気持ちよく、満たされて、終わることを知らない時間のように……。
405:2008/02/11(月) 11:47:01 ID:4U3Wsiy0
かなりの時間二人は身体をひとつにさせていた。
その時間は時計を見ていなかったため、それは分からない。
リトが密着させていた上半身を離して自分の一物をヤミの秘部…膣から引き抜く。
膣の栓がのけられて中に大量に入っているリトの精液が外へとあふれ出してくる。
あふれ出してくるのは白濁色ばかりの精液ではなく、赤色の混じった精液もあり
改めてヤミの処女喪失を実感させてくる。
「凄い量ですね、たくさん出てきます」
「あははっ、そうだね…こりゃぁ後片付けが大変だよ」
「……ごっごめんなさい、シーツが汚れて」
「気にしなくてもいいよ」
「それでも……」
「大丈夫だって、それよりほら腰浮かせて」
「えっ?あっはい」
ヤミは言われたまま腰を浮かせた。リトがティッシュでヤミの秘部から溢れ出す
精液を拭き取り始める。溢れ出てくる精液をふき取った。
「本当はシャワー浴びさせたいんだけど…隣妹がいるから」
「戻って浴びますから」
「お風呂はまだ改造してないんだよね…」
「改造ですか?」
「そう、だってヤミがあんなえっちぃ声出したら、流石に聞こえちゃうでしょう」
「そっそうですね…では、リトの妹……」
「だから部屋だけは先に完全遮断式防音にしたんだよ」
リトのこの言葉にヤミは安堵する。リト以外の人に自分の淫らな声を聞かれたくない。
まぁなんとも乙女チックな部分を持っているんだろうと感心してしまうリトであった。




それから二人は脱いだ服を着て玄関に向かう。
外は夕日に染まっており、カラスの鳴き声が響いている。
「送っていくよ」
「あっありがとうございます」
「ヤミ、手出して」
「はっはい」
手をつないで歩き始める。ヤミは顔をあかめらせて二人は無言のまま歩き続ける。
リトがその沈黙を破り……ヤミに話しかける。
「俺に合いたくなったらいつでも来いよ」
「分かりました……この辺りでいいです」
「そうか?……じゃぁな」

406:2008/02/11(月) 11:50:30 ID:4U3Wsiy0

「あーリトだ」
ヤミを途中まで送ってから帰ってる途中で背中に衝撃を受ける。
振り向く前に声で分かっていた。声の持ち主…ララである。
「ララ、今帰りなのか?」
「うん、春菜達とたくさん買ったよ」
そう言ってリトの前に袋を出す。
「良かったな」
「うん、でも腰が痛かった」
「そりゃぁ昨日初めてだってのに、やりすぎたからな…」
「だって、リト激しいんだもん」
「ララの方が激しかったぞ」
リトがいたずらの笑みを浮かべてそう言うと、ララはそっぽ向いてしまう。
「違うもん…」
「嘘だって、そんなに拗ねるなよ」
「だってリトが意地悪なんだもん」
「そうか?……それより、寒くなってきたし帰るぞ」
「うん」
元気よく返事をしたララはリトに腕を組んでもらい帰路に着く。
407:2008/02/11(月) 11:58:06 ID:4U3Wsiy0
これで投下は終了です
駄文ですいません
408名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 12:12:04 ID:nBsViOBh
GJ お疲れさん
409名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 12:20:19 ID:bA78+4V+
GJだが、自分で駄文とか言わないほうがいいと思うぜ?
なら投下すんなって話だし、投下する以上は最低限の誇りを持ってほしい。
410名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 12:38:27 ID:7kFQgNpe
GJです! 良いもの読ませてもらいました
411名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 22:42:09 ID:yxtxOFKZ
>>407
GJ!
駄文だなんてとんでもない
投下する勇気があるだけ立派だぜ
412タイガー:2008/02/12(火) 00:27:07 ID:K7PsvoHE
すごく良かったですよ
自分も投下する勇気があるだけ立派だと思います
次はリトとルンとかでやってみてください
413名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 00:38:05 ID:n3mgjfCm
>>412
なんでそんな上から目線なんだwww
414名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 02:11:13 ID:B12Wa0yr
>>412
くたばれ知能遅れ。
415名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 02:38:14 ID:Cw4QC/DE
それよりおまいら、今週号のリトの死亡フラグをどう思う。
416名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 08:23:34 ID:BmFqhMWF
いや、あれはむしろラッキースケベフラグだろう。
誰になるかはわからんが、絶対タオルを剥ぎ取るとか密着するハプニングが起きるはずだ。
そして職人さんたちのリビドーを刺激するんだ、そう俺は信じている。
417名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 08:51:23 ID:nUoaapBe
ラキスケ……胸にパルマするわけですな
418名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 09:52:08 ID:n3mgjfCm
無傷より少しくらいケガしてくれりゃリト×ヤミが増えてくれそうだ
つーわけでリトが骨折する展開に1票
419名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 17:53:39 ID:NPYLFLsY
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
420ヤミ金:2008/02/14(木) 03:12:22 ID:6CETvYcD
なんとか今日に間に合ったので「Yami Loveる」第2話投下します。
421Yami Loveる:2008/02/14(木) 03:13:59 ID:6CETvYcD
トラブル41『チョコっとパニック』あるいは第2話


「……っ、はぁ…はぁ…」
「お、おい…?」

結城リトは困惑していた。
黒衣の少女がその小さい口に何かを入れたかと思えば、彼女の顔の赤みが増し、息が荒くなったのだ。
最初は薬か何かかと思ったのだが、こうなると毒でも飲んだのかと思わざるを得ない。
まあ、ある意味ではその推測は間違いではないのが…
リトの心配を他所に、少女の様子は刻々と悪化していく一方だ。
戦いを糧にしている者とは思えないほどの滑らかな肌からは玉のような汗がポツポツと浮かび始めている。
薄らと開かれた瞳は潤み始め、右手はぎゅっと胸元を苦しそうに握り締める。
その苦悶の表情は幼い容姿ながらもとても色っぽく、リトは思わずドキドキしてしまう。

「と、とにかく御門先生を――ってうわっ!?」

どさっ!
少女から離れようとしていたリトの身体がほっそりとした手に引かれて逆に引き寄せられる。
不意を疲れた形になったリトは少女のなすがままにベッドへと倒れこむ。
当然、向かい合っていた少女もその勢いのまま仰向けに倒れこみ。
少女の身体を押し倒すような形が完成していた。

「う、うわわっ!? ゴ、ゴメン! 今離れっ」
「ダメ…逃げないで、下さい」
「え、え、ええっ!?」

殴られるかもしれないという恐怖と女の子を押し倒しているという気まずさに身を引こうとした
リトの身体が再度少女の手によって引き寄せられる。
それによって二人の距離は縮まり、顔と顔がお互いの吐息を感じられるほどの距離になってしまう。
だが、少女の暴挙はそれだけでは終わらない。
捕まれていたリトの手はそろそろと胸元へと誘導され――

「…ここが、熱くて…苦しい…んっ、です」
「って、ここここここ金色の闇、お前一体何をーっ!?」
「ヤミ、と呼んでくださって結構です……はぁ…っ、貴方の手、気持ちいいです」
「……ななななな!?」
422Yami Loveる:2008/02/14(木) 03:15:47 ID:6CETvYcD
形容しがたい表情でリトは混乱した。
自分の右手は今、少女の胸を掴んでいる。
自らの意思によることではない、少女自身が誘導して行わせた行動の結果なのだ。
だが、少なくとも少女はこういったことをする女の子ではないはず。

(いいい、一体これは……で、でも柔らか…っていかん、何を考えているんだ俺……あっ、あれは!?)

かさり、と少女の傍に零れ落ちた小さな透明の袋。
その中身を見た瞬間、リトは全てを理解した。
袋の中に入っていたのは見覚えのあるハート型のチョコだったのだ。

「コイツもこれ食べてたのか!? どおりで様子がおかしいと…と、とにかく離れないと! ゴメン!」

朝方、身をもってそのチョコレートの威力を体験しているリトは危機感に煽られる。
このままではヤバイ、その一念でリトは渾身の力を込めて脱出を図った。
少女に謝罪しながら、というのがなんともこの少年らしいが…
ギッ、ギギッ。
リトの身体は数センチも動くことはなかった。
精々がベッドのスプリングがきしんだくらいだ。
どういうわけだといぶかしんだ瞬間、リトは気がつく。
四肢が何かに拘束されているのだ。

「な、なんだ…って、ええーっ!?」
「逃げてはいけませ…んっ」
「ちょっ、はな、放してくれっ!」
「嫌、です」

リトの身体を拘束しているのは手の形に変身したヤミの髪だった。
トランス能力。
つい先日知ったばかりの少女の能力だが、この状況での発動はリトにとっては最悪だった。
何せ四肢がガッチリと捕獲されてしまって動けない。
春菜の誘惑の時とは違い、自分の意思だけではどうにもならないのだ。

「あ…っ」
「おわあっ!?」

ふにょんふにょん。
ジタバタと暴れた結果、リトの手がヤミの胸を揉んでしまう。
純情な少年は動かすまい動かすまいと念じているのだが、手を全く動かさずにとめておくなどということは不可能だ。
どうしてもピクピクと反応で動いてしまう指が少女のふくらみに沈んでいく。
423Yami Loveる:2008/02/14(木) 03:17:07 ID:6CETvYcD
「ふぁ…ぁん…」
「う、うわ…うわ…」

手から伝わってくる柔らかな感触と、耳から入ってくる少女の喘ぎ声にリトは赤面する。
元々エロ本はおろか女の子の水着姿にすら赤面するほどリトは純情なのだ。
見た目が年下といえども、女の子の胸を揉んで困惑しないはずがない。
だが、ヤミはそんなリトの様子に構わず自身の手をゆっくりと下へと下げていく。

「結城リト…」
「は、はははい!」
「熱いんです…お腹も…その、下も」
「し、下? って、わーっ!?」

少女の言葉に思わず視線を下げたリトの絶叫が響き渡る。
なんとヤミは自分のスカートをたくし上げていたのだ。
黒衣のスカートは元々とても短いだけに少し捲るだけで中身が露出してしまう。
リトの視界に純白の布地と火照った肉付きの良い太ももが飛び込んでくる。

「お、おいヤミ! 何してるんだよ、隠せ、それ隠せって!」
「それって、何ですか…?」
「だから、そのパパパ……」
「んっ……ここも、触って…」
「ヘアッ!?」

刺激的な光景に動揺するリトの空いていた手を掴んだヤミはそれを自分の股間へと導いた。
ふにっ。
ショーツの布感と、その下の肌の感触がリトの手に伝わる。

「んな、なななな…っ」
「ハァ……ハァ…結城、リト…」

自分の名を呼ぶ少女のとる行動にリトは翻弄されっぱなしだった。
右手は胸に、左手は股間に導かれ、傍目には情事突入状態。
だが、拘束されているリトにその場を脱出する術はない。
いや、それどころか両手から伝わってくる感触に彼の脳はヒート寸前なのだ。

(右手は柔らかかくて、左手はなんか熱くて…お、女の子ってこんな……だ、駄目だ駄目だ!)
424Yami Loveる:2008/02/14(木) 03:18:39 ID:6CETvYcD
ぶんぶんと頭を振ってどうにか煩悩を追い出そうとするリト。
しかし彼の身体は意思とは裏腹に女の子の身体をしっかり味わうべく神経を集中していた。
今リトの指は高感度のセンサーともいえるのだ。
本人にその意思はなくても、男の本能が女体の感触を記憶しようと躍起になる。
鉄の意志を裏切り、指先がそろそろと僅かに震え、少女の敏感な部分を撫でさすっていく。

「んはっ…んんぅ…」

理性と本能がせめぎあっているためその指使いは愛撫というには程遠い稚拙さしかない。
だが、催淫効果に犯された今のヤミにはそれでも十分だった。
少年の指が動くたびにピクンピクンと少女の身体が跳ね踊っていく。
既に瞳はとろとろに潤み、普通の男ならば、理性を決壊させていてもおかしくはない状態だ。
だがしかし。
結城リトという少年は普通ではなかった。

「――ヤミ! しっかりしろ! こんな、こんなのは駄目だ!」
「はぁっ…どうして、ですか? だってあなたのココもこんなになっているではないですか…」
「え、あ、わっ!」

少女の視線に導かれ、自分の股間を見下ろしたリトは狼狽した声を上げる。
ズボンを押し上げるように膨らんだ股間。
紛れもなく、少年の怒張だった。

「こ、これは…その…」

如何にリトが純情な少年といえども、病気でも不能でもない以上少女の痴態を見て反応しないはずがなかった。
目の前の少女にそれを見られた恥ずかしさからリトは思わず目をそらしてしまう。
だが、それがいけなかった。
次の瞬間、ヤミはリトの股間にそっと手を触れさせてきたのだ。

「はぅっ…!?」
「ん…熱い、ですね…はぁっ…」

ズボンを突き破らんばかりに猛っていた息子に手を当てられてリトは盛大に仰け反ってしまう。
だが、身体を固定されている状態では身体を離すことは叶わない。
すりすりとズボンの上から急所を撫でられ、リトの口から声にならないうめきが漏れていく。
425Yami Loveる:2008/02/14(木) 03:20:03 ID:6CETvYcD
「うぁっ…駄目だっ、ヤミ! こんなことしちゃ駄目だ!」
「どうしてですか?」
「どうしてって…その、こういうのは好きあってる男女がするものだろ!?」

リトは必死だった。
今のところ理性が上回っているものの、このままではどうにかなってしまいそうなのだ。
ヤミのことが嫌いというわけではない。
可愛いし、出会った時からどこか気になる存在でもある。
だが、それとこれとは話が別だ。
薬の効果でこんなことになってしまうなど、認められるはずもない。

「お前は今、薬の効果でこんな風になってるだけなんだ! このままじゃ正気に戻った時に後悔するぞ!」
「…あなたは、私のことが嫌いなのですか?」
「嫌いじゃない! だけど…!」
「なら、問題ありません。んっ…何故なら、私は……はぁっ、あなたのこと…」

そこでヤミは口を閉じて目をつぶった。
瞬間、リトは憤りも春菜やララのことも忘れて少女の顔に見入ってしまう。
そっと閉じられた瞳。
ピンク色に火照った唇とそこから微かにもれる吐息。
薄らと赤く染まった頬。
美少女と形容して全く問題のない女の子の無防備な顔がリトの視界を埋め尽くす。

「う、うぁ…」

ドクドクとリトの心臓が跳ねる。
正直、見惚れたといってしまってもよかった。
初めて春菜と出会ったときのような、いや、あるいはそれを上回っているかもしれない胸の鼓動。
駄目だとわかっているのに目が放せない。
唇に視線が吸い寄せられていく。
どちらかというと鈍感に分類されるリトだが、少女の意図は明白だった。
間違いなく、キスをねだられている。

「ん…」

ゆっくりとヤミの顔が近づいてくる。
頭は固定されて動かすことができない。
既に残った距離は数センチ。
リトは反射的に目を閉じ、そして。
426Yami Loveる:2008/02/14(木) 03:22:33 ID:6CETvYcD
「あ、あれ?」
「……」

待つこと数秒、唇に触れる感触はなかった。
怪訝に思ったリトが目を開けると、そこには同じく目を開いている黒衣の少女の姿。
その吸い込まれるような真紅の瞳は驚愕に見開かれている。
潤んでいた瞳は正気の光を宿し、淫蕩に火照っていた頬は羞恥の赤に染まり直されようとしている。

「や、ヤミ? 元に戻ったの…か?」
「結城リト…」
「はい?」

思わず間抜けな声を上げてしまったリトの顔が恐怖に引きつった。
少女の背後の『ゴゴゴ…』という効果音を見てしまったのだ。
目に見えないプレッシャーが周囲に渦巻いていく。
もはや想像するまでもない、目の前の少女は怒りに震えている。

「…ふ、ふぁっ?」

ビクッ!
怒りに身を任せようとしていたヤミの身体がぴくんと跳ねた。
先に述べておくと、リトに罪はない。
拘束が解除され、少年はただ身を引こうとしただけ。
その際、触れていた両手が強く動いたからといってもそれは仕方がないこと。
ただ、両手の位置が少女の胸と股間にあっただけなのだ。
とはいえ、そんなことは少女には関係がなかった。
恥ずかしい場所を触られ、見られてしまったのは事実。
更にリトに不幸だったのは、ヤミが今までのことを全て覚えているということだった。
本来、薬の効果が切れれば効果中の記憶は消え去る。
だが、ヤミの身体は毒に耐性があったせいか、記憶が残ってしまったのだ。
見る見るうちに、少女の表情が無表情に凍っていく。

「死んでください」

端的に一言。
リトの命運はここに定まった。
427Yami Loveる:2008/02/14(木) 03:24:02 ID:6CETvYcD
「……ドクターミカド。今度あった時はきっちりと話をつける必要がありそうですね」

無残に破壊された保健室の中、事情を聞いたヤミは暗い笑みを浮かべていた。
真っ二つに切れたベッドの狭間に倒れこんでいるリトは大粒の冷や汗を流す。
御門先生逃げてー! と心の中で叫んだのがよかったのか、部屋の主が帰ってくる様子はないようだが。

「事情はわかりました。私にも非があったようですね」
「いや、俺に責任はないんじゃ…ていうかこうなる前に事情を聞いてほしかったというか」
「何か?」

髪を刃物にトランスして突きつけてくるヤミにリトはなんでもありませんと頭を横に振る。
迂闊なことを言えば殺されてしまいそうな雰囲気だ。

「まあ、事情が事情ですし、私に行った数々の狼藉は許してあげましょう」
「そ、それはどうも…」
「しかし、次はありません。それと、先程のことを思い出すのも許しません。いいですね?」
「はいっ!」

ギラリ、と殺気のこめられた視線にリトは気をつけの体勢で肯定の意を示す。
それを見たヤミはリトに目もくれず保健室を出て行こうとし、ふと立ち止まり振り返った。
次の刹那、リトの額に小さな箱が命中する。

「痛っ」
「…それ、あげます」
「あげ、え? これ…?」
「チョコです。今日はバレンタインという日だそうですから」
「お、俺にくれるのか!?」
「いらないのですか?」
「い、いやそんなことはない! サ、サンキューな!」

とんだハプニングの後だったが、女の子からチョコレートをもらって嬉しくないはずがない。
相手は自分を殺そうとしている娘だが、それでもお礼を言う辺りが結城リトという少年の美点なのだろう。
そんな少年の態度に、呆れを

「では…」

そして微かな胸のうずきを覚えながらヤミはそっと保健室の扉を閉めた。
428Yami Loveる:2008/02/14(木) 03:25:24 ID:6CETvYcD
「そういや、まともに女の子からチョコもらったのってはじめてかも…」

ボロボロの保健室でリトは一人つぶやいた。
今までは精々妹の美柑からもらう程度だったし、今年は春菜からももらえたが、真っ当にもらえたというわけでもない。
ララからはまだもらっていないが、彼女の場合はバレンタインそのものを勘違いしている。
そういう意味では、手元にあるチョコが初めてのチョコといえるのだ。
勿論、ヤミの性格からして義理チョコであることは間違いないのだが。

「やべ、それでも嬉しいかも…」

女の子、それもとびきりの美少女からのチョコ。
過程はどうあれ、春菜からもらえたチョコもある。
数字に換算すれば二個だが、人生初の快挙にリトは喜びを露わにする。
しかし、彼は気がついていなかった。
喜びに隠れ、無意識とはいえ、春菜からのチョコとヤミからのチョコを同格扱いしたことの意味に。
まだ、気がついていなかった。



「……ふぅ」

足早に学園の門を潜る。
ヤミは少しでも早くリトから離れたかった。
別に彼の傍にいることが嫌というわけではない。
ただ、なんとなく彼の顔を見ると落ち着かなかったのだ。
それは先程までの痴態からくる気まずさのせいなのだろう、そう少女は思い込んでいた。

「嬉しそう、でしたね」

確かに自分からのチョコに彼は喜んでいた。
なんて単純な、と冷静な心はリトを侮蔑する。
だが、それとは違う心がそのことに嬉しさを覚えていた。

「…っ! もう、薬の効果は切れているはず」

だから気のせいなのだ。
少年の嬉しそうな笑顔を見た時、とくんと高鳴った胸の鼓動なんて――
無性に鯛焼きが食べたい、少女は頭に浮かぶ少年の顔を振り払いながらそう思った。
429ヤミ金:2008/02/14(木) 03:26:24 ID:6CETvYcD
投下終了。
今年はバレンタインの話はないのかな?
まあそんあことより来週の話が気になって仕方ないんだが!
430名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 07:58:38 ID:7W42n2bi
さすがヤミ金氏!!
今回もGJです!!
431名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 09:41:02 ID:sjS8CLSB
GJで…寸止め!?
いやそれでもGJです!

これで完結でつか?
432名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 10:23:11 ID:LCD/p7yW
GJです!

新参者さんまだかな…
433名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 22:07:11 ID:Tx1kbAq8
むにさん、ヤミ金さん、妖さんは神ですね〜
これからの投下も楽しみにしてます!
GJッ!!!!
434:2008/02/15(金) 22:37:13 ID:/tXQC79y
ちょっとお尋ね
皆さんはどこまで許容可能ですか?
春菜>唯>凛>里紗=未央>ルン>猿
どの辺りまでですかね?

435名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 22:41:11 ID:+TFp5vl3
??
436名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 22:50:14 ID:+TFp5vl3
どんな意味で許容範囲なのか説明していただきたい
437名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:02:38 ID:lIcP75TI
寝覚めにいきなり唾をぶっかけられた後
鋭く尖った2H鼻鉛筆をぶち込まれてもこいつなら許容できる範囲か
悩むなあ
438:2008/02/15(金) 23:03:28 ID:/tXQC79y
あいよ
まずは何から説明したらいいのか・・・・
上に書いたのはリトとのCPが可能なキャラクターです。
そして不等号の大きなのが本編でも分かるように
リトに印象を持ってる順ですね。
※ルンはレンと一緒なので・・・嫌悪と恋愛の二つを持ってるので±0と言うことです

そう言うわけで皆さんにはどこまでリトが♀を侵略していいのか?
これを聞きたいんです。
439名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:04:49 ID:EpKqqjVn
春菜の名前はあるのにリト、ララ、ヤミ、美柑等のメイン級の名前がないのはどういうことなんだろう。
440:2008/02/15(金) 23:06:06 ID:/tXQC79y
それは既に執筆の段階に移行しているため省かせてもらいました
441名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:08:20 ID:+TFp5vl3
>>437
ちょww

>>438
ララとヤミは済んでるですよね
俺的に猿以外wはどこまでイってもおkですよ
個人的に凛が見たい
442名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:12:22 ID:pE4lmaSt
猿以外なら全て可です!!
443名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 23:46:14 ID:qsgn64Q8
猿以外全てに決まっておろう。
444名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 01:07:14 ID:XQ42bDlO
レンならまだしも、リト×猿を見たい奴なんか居ねぇだろwwww
445名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 01:11:11 ID:u+wayBBu
レンもねぇよwwww
446名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 01:45:30 ID:KLHuSPQi
女体化自体がいばら道なのにあるもないもないだろ
447名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 01:57:16 ID:u+wayBBu
女体化×男だとマズいんだろ?
これは屁理屈と一緒で結局は男×男だもんな
女体化×女も一緒で結局は男×女だから女体化すること自体に
問題は無いと思ってる

…俺はナニ言ってんだ??

とりあえずむに氏は気にせず投下してほしい
448:2008/02/16(土) 09:05:37 ID:q2qy0rVP
では、ルンまで逝ってみたいと思います。
尚女体化ネタは既にむに氏が使用しておられますので控えさせてもらいます。
449名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 13:23:49 ID:u+wayBBu
wktk
450名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 17:53:57 ID:t5yX+gmO
ララと闇と美柑、期待してます
451むに:2008/02/16(土) 20:30:45 ID:88X0x9j+
投下します。
リト女体化ネタその14


>>448
いや、いいんじゃないのかな?面白ければ…。
確実にボクより上手く書いてくれそうな気がするし…。

ま、とにかくボクも楽しみにしています。
452結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:32:27 ID:88X0x9j+
――――――


ケーキバイキング――。


「ここはお菓子の家かいっ!?」

――と、おもわずリトがツッコんでしまうのも無理はない。
何故ならこの店、思ってた以上に店中ケーキ尽くしだったからだ。

ショーケースの中は勿論の事、周りの陳列棚も見渡す限り様々なケーキで埋め尽くされている。だがそれはまだ良い。
店中の椅子・テーブルから壁紙の至る所まで、パイ生地・クッキー・チョコレート等をモチーフにしたかの様な徹底した仕様に、
リトは軽く引いてしまった。

「ぅぅ…、見てるだけで口ん中が甘ったるくなっちまう…」

げんなりとするリト。だか…。

「わは〜♪おいしそ〜♪」
「ホラ早く行こうよレモりん♪人気あるヤツとかすぐ無くなっちゃうよ。」
「アレまだあるかな〜?スペシャルモンブラン」
「……(うずうず)」
「ま…まぁせっかく来たんだから、楽しまなきゃ籾岡さんに悪いわよね。うん…」

女性陣(リト・ヤミ除く)はもう完全に糖分補給モードに入った様で、陳列された沢山のケーキに目移りしていた。

「現金な人達ですね…」

そんな様子を見て、一言ぽつりと呟くヤミ。

「まぁ、女の子にとって甘い物は必要不可欠であるという事は聞いた事あるが…」

「心なしか皆さん、ちょっと殺気立ってませんか?」

「うーむ…、これが俗に言う『スイーツマジック』というヤツなのか?」

「ホラレモりん、ヤミヤミ!モタモタしてないでさっさと来る!!」
「レモン、ヤミちゃん、早くー!」

籾岡とララが早く来る様促す。
既に目が戦闘態勢に入っており、いつでもすぐケーキに飛びつける感じである。

「あーはいはい、行くぞヤミ」

「やれやれですね…」

「ちょっとはしたないんじゃないか?」と思いつつ、リトとヤミは皆の所へ向かった――。


――――――


「お前、そんなに食いきれるのか?取りすぎだろ明らかに」

「えー?これ位普通だよ」

「マジでか」
453結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:34:07 ID:88X0x9j+
「だって『甘いものは別腹』なんだよ〜♪」

「……さいですか」

トレイにケーキを山積みしているララを見て、少し呆気に取られるリト。

「あれ?春菜そんだけでいいの?」

「えっ?」

対照的に、控え目にケーキが置かれた春菜のトレイを見て、籾岡が尋ねる。

「もしかしてダイエットでも始めた?」

「そ、そういう訳じゃ無いけど…。私そんなに食べられないから…」

「な〜に言ってんの♪あんたいつも十個位は軽く平らげ「わー!!わー!!わー!!///」」

笑いながら語る沢田の口を慌てて塞ぐ春菜。

「ちっ、違うからね!私ホントにあんまり食べられなくて、決して無理して我慢してる訳じゃなくて――!///」

「……何故そこまで必死になってレモりんに言い訳する?」

「別にそんなに慌てる必要性はないでしょ?男に聞かれてる訳じゃあるまいし♪」

(いや、いるんですけどね男…)

心の中で軽く籾岡にツッコむリト。

(にしても…、春菜ちゃんそんな一面もあったんだ…。可愛いよなぁ〜♪)

想い人の新しい一面を発見出来て、おもわず顔がにやついてしまうリト。

(うぅぅ…、なんか結城くんが笑ってる…。意地汚い娘だと思われちゃったのかな…?///)

そんなリトの反応を見て、どうしても事態をマイナス方面に考えてしまう春菜。

こうして、また一つ二人は余計なすれ違いをしてしまった…。
正直見ててじれったい。


(あ、意外な一面といえば…、コイツも…)

ふと隣に目線を向けると…。

「な……何よ…///」

ララにも負けない位にトレイにケーキを山積みした唯が怪訝そうに尋ねる。
454結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:36:09 ID:88X0x9j+
「いや…、古手川さんって…意外と甘党だったんだなぁ〜って…」

「いっ、『意外と』って何よ『意外と』って!?私がこんなにケーキ食べちゃ悪いの!!?///」

顔を真っ赤にして、失敬な事を言うリト(レモン)に抗議する唯。ま、怒るのも無理は無いが…。

「あぁっ、ごめんごめん!別に悪いとか言ってる訳じゃなくて!!」

慌てて唯に謝るリト。そして…。

「ただ…、古手川さんにもそんな女の子らしい一面があったんだなぁ〜って」

「な…!///」

無邪気な笑顔で無意識の天然ジゴロ発言、発動。

「な…何よそれ…、それってちょっと失礼じゃないの…?///」

そう言って、ぷいっとリト(レモン)から視線を逸らす唯。
だが、気恥ずかしさからか発する言葉はトーンダウンしている。

(…って、何で私はこんなにドキドキしてんのよ…。それも女の子相手に…///)

「?、どうかした?なんか顔赤いけど…」

「なっ、何でもないわよ!!///」

「???」

唯のリアクションに?マークを三つばっかり浮かべるリト。
流石驚異の天然ジゴロと言うべきか…。鈍さも天下一品である。

「(まいっか…)あ、これいただき――」

リトは考えるのを止めて、たまたま視界に入ったケーキをトレイに置いた。


――と。


「あぁぁぁーーーー!!!」

「うぇっ!!?」

突然、籾岡が声を荒げて叫んだ。

「ソレっ!!この店の超限定品のスペシャルレアチーズケーキじゃないの!!?」

「へ?」

さっきケーキが乗ってた皿を見てみると、確かに『一日限定十個、売り切れ必至、早い者勝ち!』と書かれた札が付いていた。

「いーな〜レモりん、あたしもソレ食べてみたいなぁ〜って思ってたんだけど…」

「あ、ごめん。コレがラスト一個だったみたい…」
455結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:38:18 ID:88X0x9j+
「うぁー残念。ここに来る度に狙ってるんだけど、いっつも売り切れてるんだよね、あたしの場合」

「ぁ…ぁははは…、たまたま運が良かっただけだよ」

「はぁ〜…、一度でいいからどんな味なのか知りたいな〜…。でも売り切れじゃあ仕方ないよね〜…」

「ぁ…ぁの……」

「あ〜、レモりんが羨ましいなぁ〜。あたしも欲しかったなぁ〜…」

「……」

「でもしょーがないか、何せ早い者勝ちだし…。いやしかし――」

「……分かったよ譲るよ、このケーキ君にあげるから…」

「えっマジ!?ありがとー♪」

嬉々としてリト(レモン)のトレイから限定ケーキを取る籾岡。

(これ………オレの歓迎会だよな…?)

リトは、そう思わずにはいられなかった。それ位籾岡には遠慮の欠片も感じられなかった。

「さーて、一通り取り終えた所でみんな席に戻りましょー♪」

目的の物を手に入れて(横取りして)ご満悦の籾岡。意気揚々と席へと戻る。

「あいつは…」

「ま、まぁまぁ…、落ち着いて零紋さん」

「あの娘のアレはいつもの事だから、気にするだけ無駄だって…」

拳をワナワナと震わせるリトを出来る限り冷静に宥める春菜と唯。

「三人共、早く早くー!」

「でないと、あたし達だけで勝手に食べ始めちゃうわよー♪」

そんな事など知ってか知らずか――いや、知ったこっちゃ無いという感じで笑顔で手招きする籾岡と沢田。

「レモン〜、春菜〜、唯〜、早く戻ろーよ〜。私お腹ペコペコ〜」

そしてララはララで、こんな時でもゴーイングマイウェイを貫いていたりする。

「………ねぇ、一発だけ殴ってきても良いかなマジで…」

「気持ちは分かるけど止めなさい…」

ぽんっとリト(レモン)の肩に手を置いて制止する唯。哀れみの涙を流しながら…。
456結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:40:50 ID:88X0x9j+
「ほ、ほら、早く行こ?こういう時は甘いの食べるのが一番だって」

そう言って、リトの手を引いて席へと促す春菜。

「ぁ………ぅん…///」

突然春菜に手を握られ、リトはおもわず顔を赤らめてしまい、さっきまでの怒りは一遍に吹っ飛んでしまった。

(ま………いっか、得したし…///)

そう自分に言い聞かせ、ララ達の待つ席へと戻っていった――。


「ところでさ〜、一つ聞きたいんだけど…」

「何?」


ふと隣を見ると、ヤミが(なんとなく)満足そうな表情でトレイを眺めていた。

別にそれ自体はおかしくないのだが…。

「たい焼きって…、思ったよりも色んな種類があるんですね…」


「何でケーキバイキングにたい焼きがあんの!?」

それもいわゆるご都合設定。


――――――。


「えーそれでは、レモりんの彩南高編入(短期間だけど)を歓迎して、カンパーイ!♪」

『カンパーイ!♪』
「……かんぱい」

籾岡の号令で、全員一斉にグラスを合わせる。

「あ…ありがとねみんな…、ボクの為にこんな…」

なんだかんだあったが、自分の為にここまでお祝いしてくれてる事が嬉しかったので、リトはお礼と共に頭を下げた。

「水臭い事言わないの。あたし達もう友達じゃん♪」

「そーそー、友達を歓迎するのは当たり前の事だよ♪」

「籾岡さん…、沢田さん…」

籾岡と沢田の言葉に、不覚にも涙腺が少し潤んでしまい、おもわず俯いてしまった。

「ありがとう…、二人には今日散々セクハラされて正直かなりムカついてたけど、そんな風に思ってくれててボク――!」

感謝の言葉を言おうと頭を上げると――。
457結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:43:05 ID:88X0x9j+
「うまっ!このチーズケーキうまっ!流石限定十個の超人気商品だけあるわぁ〜♪」

「う〜んデリシャァス♪やっぱここに来たらコレは外せないでしょ〜♪」

(――って聞いてねぇ…)

心の中で前言撤回すると共に、この二人に対して不覚にも感謝の念を抱いてしまった自分が恥ずかしくなった。

「結…零紋さん…、里沙も未央も今日の行動はアレだったけど、ホントは二人共零紋さんと仲良くなれた事を喜んでるんだよ。
だからあんまり気を悪くしないで多目に見てあげて」

やはり友達を悪く思われるのは辛いのか、春菜が二人を弁護する。

「…………ホントに?」

「うん、私が保証する♪」

「…………なら良いんだけどさ…」

春菜の言葉は素直に受け止めるリト。本当に単純というか…。

「春菜ちゃんはウソつかねーの!」

あ、そ…。


「おいふぃ〜♪」

一方、ケーキを口いっぱいに頬張り、とても幸せそうな顔をしているララ。

「あ、ほらララさん、鼻にクリームが付いてる」

そう言って、唯が指でクリームを拭い取ってあげる。

「ありがと、唯♪」

「全く…、子供じゃないんだからもう少し落ち着いて食べなさい。あむ…」

ララにやんわり注意して、さっき取ったクリームを口に含んだ。

「……」

「?、何?籾岡さん」

「いやさぁ…、そーゆーのって女同士じゃなくてカップルでやるモンじゃないの?」

「はぁ!?///」

いきなりな籾岡の発言とさっきの自分の行動を思い出して、唯の顔がみるみるうちに赤らんでいく。

「やっぱさぁ〜、そーゆーのは男と女で
『ほら、もうあわてんぼだな〜唯は♪』
『きゃっ♪唯恥ずかしぃ〜♪』
みたいなシチュエーションでやる方が何かと萌えるでしょ〜?」
458結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:45:34 ID:88X0x9j+
「なななな何言ってんのよあなたは!!私は別にそんなつもりで――!!///」

「へー、そっかぁ〜…、じゃあ今度はリトと一緒にやってみよ♪」

「やんねーよ」(ボソッ)

リト、小声で拒否る。

「……(もぐもぐ)」

そんな中、黙々と目の前のたい焼きを堪能しているヤミ。

「美味いか?それ」

「やはりたい焼きはカスタードよりも餡ですね。この組み合わせこそ王道であり究極です。
そもそもたい焼きにカスタードを入れる事自体が間違ってるんです。たこ焼きの中にイカを入れて
『たこ焼き』だと言い張るのと同じ位の暴挙ですよ。大体――」

リトからの問い掛けに対して、自らのたい焼き理論を話し始める。
心なしかいつものヤミに比べて少々熱くなってる様に見えるが、多分それは気のせいではない。

「…………お前ホントにたい焼き好きだよな〜」

「?、何ですか?突然…」

「いや……、まさかお前がそこまでたい焼きに執着してるとは思わなくて…」

「…………結城リト、それって遠回しに馬鹿にしてますか?」

若干ヤミから殺気が放出される。

「ち、違げーよ!ただお前が食べ物に対してそんなこだわりを持ってたのが意外だって思っただけ!」

「…………まぁ良いでしょう、深く追求しないでおきます」

慌てて弁明するリトに、ヤミは溜め息を一つ吐いて咎めるのを止めた。

「てゆうか誰の所為ですか誰の…」(ボソッ)

「ん?、何か言った?」

「………何でもありません…」

「?、変な奴…」

そんな呟きと共に、ドリンクを一口飲むリト。

「レモン、レモン〜」

「何?ララちゃん」

「はいっ、あ〜ん♪」

『ブーーーーーッ!!!』

「汚いですね、いきなり」

ララの唐突な行動に思いっ切り噴いてしまい、ヤミから非難を受けた。
459結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:47:59 ID:88X0x9j+
「いいいいいきなり何やってんの!!?///」

「何って、コレ美味しいからレモンにも食べさせてあげようと思って」

「だったら皿ごと渡せば良いでしょ!?なんでわざわざ……その……『あ〜ん♪』とかする訳!?///」

「レモン可愛いからしてあげたくなったの♪」

「しなくていい!!///」

「………なるほど、一理ある…」

「確かに解らなくもない…」

「……………あの〜、お二人共何を…」

「レモりん、あ〜ん♪」

「こっちもあ〜ん♪」

「ちょっ………ちょっと…?///」

「ホラホラ、レモりんこのケーキ食べたかったんでしょ?あ〜ん♪」

「こっちのケーキも美味しいよレモりん。あ〜ん♪」

「あーリサミオズルいよ〜!私が先だったのに〜」

「いやいや、誰が先だろーとやんないからっ!!――ってちょっと聞いてる!?///」

ひたすら三人の『あ〜ん♪』攻撃を拒否しまくるリトだが、まるで聞く耳を持ってもらえず次第に押されていく。

「ぅぅ……///」

(だめよ…、だめよ唯…。そんな『私もあの場に混ざりたい』なんて事考えちゃ…。ハレンチでしょ唯…!///)

一方で、二人の常識人は心の中で葛藤していた。持てる理性を総動員させて内なる欲と激しい殴り合いを繰り広げる。

「「「あ〜ん♪」」」

「勘弁してくれーーーーー!!///」



「むぐむぐ…、ふぁへふぁへへふへ…」

そしてヤミはそんな光景を眺めながら、たい焼きを頬張りつつ呆れ全開の溜め息を吐いていた…。


――――――


「えへへ…♪楽しかったね〜、リト♪」

「ァァ…ソウネ……」

「ぁははは……」
460結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:49:52 ID:88X0x9j+
帰り道、『満喫しました』と書いてある様な笑顔で話し掛けるララに対して、
体力も気力も底をついたかの様な力の無い声で返事を返すリト。
そらあんだけやられれば返事もカタカナになるだろうし後ろの春菜も苦笑いしか出来ないだろーね〜…。

「もう帰ったらソッコー寝てやる…。とにかく一秒でも長く休みたい…」

「ぁー………お疲れ様、結城くん…」

なんとなく労いの言葉が出てしまった春菜。

「えー寝ちゃうの〜!?帰ったらリトに着てもらいたい服があるのに〜!」

「――ってコラ待て、またあんなコスプレさせる気かよ!?」

「だって昨日と違って今日はソレもあるからもっと可愛くなるはずなんだもん〜!」

ソレ=今日籾岡達に買ってもらった(無理矢理買わされた)ランジェリー一式。

「断固拒否する!今日はもう疲れたの!テコでもやんねー!!」

「むー仕方ない…、じゃあ明日に回し――」

「明日だろーと明後日だろーと永久にやらねーよ!!」

「ケチ〜」

「ケチで結構!!それで男の尊厳が守れるなら安いもんだ!!」

「………残念」(ボソッ)

「「……え?」」

「なっ何でもないよ何でも!!ホントに!!///」

そんな事を話してる内に、別れ道に差し掛かった。

「それじゃ、私達コッチだから。またね春菜♪」

「また明日な、西連寺」

春菜に別れを告げて、リトとララは家路に――。

「あっ、結城く――!」
『ギュッ…』

(え…?///)

――つこうとしたが、不意に春菜が制服の袖を引いてリトを引き留めた。

「さ………西連…寺…?///」

「ぁ…ぁの……その………ま、まだちゃんとお礼言ってなかったから…///」

袖を掴んだまま、春菜はリトの顔を真っ直ぐ見据える。

「……ありがと、結城くん…。あの時助けてくれて…///」

「ぃ…ぃゃ……オレは別に大して役に立てなかったし……。それに結局、あの場を治めたのはヤミだったし…///」
461結城零紋の受難:2008/02/16(土) 20:51:33 ID:88X0x9j+
「でも、結城くんが真っ先に来てくれたよね…?私……凄く嬉しかったよ…///」

「そ…そうかな…///」

「うんっ…♪///」


「リート〜、何やってんの〜!?早く帰ろーよ〜!!」

先を歩いていたララが、しびれを切らしてリトを呼ぶ。と同時に、春菜が袖から手を離した。

「それじゃ、また明日ね。結城くん///」

「あ、ああ。また明日///」

夕焼けと同じ様な色に頬を染めて別れの挨拶を告げ、二人はそれぞれの家路についた。



「ねーねー、春菜と何話してたの〜?」

「え゛っ!?い、いや〜、別に大した事じゃねーよ。うん…」

「そお?」

「そおそお♪あ…ぁははは…」

さっきのやり取りを知られたくない故に、必死になって誤魔化すリト。

「まいっか♪それよりも早く帰ろ。私もうお腹ペコペコ〜」

「――ってお前、あんだけケーキ食っといてまだ食う気か?」

「『甘いものは別腹、美柑のご飯は本腹』なの〜♪」

「随分都合の良い腹してんだな…」

「もしかしたらコイツには本当に『別腹』という拡張機能があるのかもしれない」と思わずにはいられないリトだった…。


そんなこんなで、女の子生活二日目は無事(?)幕を閉じた――。




「しかしララ…」

「ん?」

「…………『女』って大変なんだなぁ…」

ふと上を見上げながら、今日一日の感想を凝縮させたかの様な呟きが黄昏時の空に消えていった――。
462むに:2008/02/16(土) 20:55:17 ID:88X0x9j+
投下終了です。
そして、これで第二部(みたいなもの)が終了です。

これでようやく一区切り…。
この後もなるたけ頑張りますから、こんなつたないモノで笑ってもらえると幸いです。
463名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 21:12:18 ID:9EIbMsd0
ふと思ったんだけど、むにさんはsageて書くことはできないの?
464むに:2008/02/16(土) 21:30:03 ID:88X0x9j+
>>463
あ、書いた方がいいんですか?
465名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 21:43:43 ID:u+wayBBu
できればsageでお願いしまつ

とりあえずGJでし
466名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 17:17:31 ID:iE+WWNzS
GJです!
んで、れもんがフタナリララにぶち込まれる展開まだぁ?
467名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 17:14:34 ID:rSiVP1pQ
>>466
えー
468:2008/02/19(火) 18:11:39 ID:HyadUkBO
再度すいません
いろいろと話の流れ考えていてあることに気が付いたんです。
それは、処女、非処女をどうするか
全員処女ってわけにもいかないんですよ。
そこで皆様には誰を処女にするか、非処女にするか考えてもらいたいのです。
一応、俺の案としては・・・
春菜 処女  理由 清純だから
唯  処女  理由 破廉恥な行為が嫌いだから+昔実はレイプ未遂にあっていた(俺設定)
凛  不明  理由 微妙なキャラのため
里紗 非処女 理由 昔彼に強引にやられてしまいそのときの精神的トラウマあり
未央 不明  理由 微妙なキャラのため
ルン 処女  理由 男がいなかったため、レン以外
猿  童貞  理由 もてないから


469リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:14:59 ID:/zxieViS
「え?クリスマス?」
唯はきょとんとした顔のままリトを見つめる
「うん。クリスマス。よかったらオレとその…一緒にってダメ?も、もちろん唯になんか予定があるならそっちを優先でいいっていうか…」
どこか歯切れの悪いリトに内心溜め息を吐く唯
(予定なんてあるワケないじゃない!だいたいその日は私だってあなたと…)
「えっと…やっぱダメ……?」
ガックリと一人肩を落とすリトに唯は慌てて口を開く
「ちょ…ちょっと待ちなさい!誰もダメなんて一言も言ってないじゃない」
「え!?それじゃ…」
「べ、別にいい…わよ。予定もないし」
とたんにリトの顔に満面の笑みがこぼれる。リトはうれしさのあまり思わず唯に抱きついてしまった
「な!?ちょ、ちょっと結城くん?な、なにやって…」
「ありがとな唯!オレすげーうれしいよ!」
溢れんばかりに自分の気持ちを表すリトに、唯の心もくすぐられる
「わ、わかったから!いい加減に…離れ…ってもう…////」
顔を赤くして文句を言いながらも、リトが離れるまでその場から動こうとはしない唯だった

そしてクリスマス当日の朝
鏡の前で服のチェックをしていた唯は、自分の顔がいつもとは違ってニヤけていることに気付き
慌てて姿勢を正す
「な、なにニヤニヤしてるのよ私は!別に今日はクリスマスなだけでいつもとなにも変わらないじゃない!」
そうクリスマス
世界中の恋人や家族が夢にまで見る一夜限りの特別な日
街も人も誰もが、どこかそわそわしている
唯だって女の子だ。小さい時からクリスマスにはいろいろな思いを馳せてきた
が、現実は毎年いつも家族と過ごすなんでもない一日
だけど今日は今年からは違う。だって……
「結城くんと一緒にクリスマスを……」
トクンと心臓の音が高鳴るのを唯は感じた
クリスマスに好きな人と、世界で一番大切な人と過ごす
「結城くんと一緒に…」
二度三度とリトの名前を呟くにつれ、唯の頬に赤みが増していく
ドキン、ドキンと心臓は高鳴り、頭の中はいろんな想像が飛び交う

『唯』
『な、なによ?』
いつもとは違うリトの雰囲気に唯は、落ち着かなげに体をそわそわさせる
『あの時言っただろ?責任取ってって』
『え!?…え、ええ。言ったわ』
リトの腕がぐいっと唯の体を抱きしめる
『え?あ…ゆ、結城…くん?』
少し驚いたのか体に力が入る唯を、リトは離さない様に腕に力を込める
『動いたら責任取れなくなっちゃうだろ?だからじっとして唯』
近づいてくるリトの顔を唯は真っ赤になりながら見つめ続ける
『好きだよ唯』
間近で聞いたリトの甘い囁きに唯の顔は沸騰しそうなほどに赤く染まる
『え…あ、ちょ…ちょっと待っ』
『これは誓いのキスだよ。オレ達二人の結婚を誓う誓いのキス…』
『結婚…誓いの…キス…』
リトはニッコリ微笑むと唯の唇に自分のを重ねる
何度も重ねてきたキスの中で、今までと違う感覚に唯の体と心がとろけていく
『結城くん……私もあなたと…』
『唯…』
二人は手を握り、指を絡ませ合うと、互いを甘く激しく求め合った
470リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:16:43 ID:/zxieViS
唯はハッと我に返ると鏡の中で頬を赤くしてる自分に肩を震わす
「な、なに考えてるのよ!!これじゃあ結城くんと同じじゃない!ハレンチなッ!」
すっかり夢から覚めてしまった唯だったが、その顔はどこかまんざらでもない様なやわらかいものになっていた

そしてその頃リトは――――
「へ〜あんたが唯さんを?意外だネ。がんばったじゃんリト」
「……」
リトは無言。下を向いたまま雑誌を読みふけっている
いつもなら軽く流す美柑の軽口にも微動だにしない
というか実のところ、そんな余裕は今のリトにはなかった
頭に浮かぶ今日のプランを何度も練り直す。なんと言っても今日はクリスマスだ
いつものデートとはワケが違う。やはり特別な日は特別なコトをしたいとリトは思っていた
手に持った雑誌の特集記事を頭に叩き込んだリトは一つ気合を入れると椅子から立ち上がる
「よし!じゃあ行くか」
そんな妙な力が入っているリトの背中を美柑は冷ややかな目で見つめる
「あれ?リト今日出かけちゃうの?」
奥からララが出てきて美柑のそばに駆け寄る
「ん〜…あいつ大丈夫なのかな……」
「ん?」
なんだかんだと兄の心配をしている美柑の横顔をララはじっと見つめた

待ち合わせ場所の駅前広場
時間にきびしい唯は待ち合わせ時間のいつも10分前には着ていた
そして今日も
リトはまだ来ていない。おおかた寝過ごしたか、ギリギリに来るんだろう
(来たらまずはお説教ね)
心の中でそう呟いた声はどこか楽しそうだ。いつもとは違う街の雰囲気が、唯を少しだけ変えていた
街はクリスマス一色にそして、通りを歩く人波はカップルが目立つ
唯はその光景をじっと見つめていた
「私だって今年から、ずっと……」
胸がキュッと温かくなる感触に唯の顔もほころぶ
その時
「ゴメン、ちょっとギリギリ……遅れちまった……」
唯は慌てて表情を引き締めるとリトに向き直る
「もう!またあなたはッ。いい加減時間を守らないとダメだってあれほど――」
それから十数分。唯のガミガミ説教はやっと終わった
「ちゃんと反省して!結城くん」
「悪かったってホント!」
「ホントに反省してるのかしら……」
唯の疑うような視線にリトは愛想笑いを浮かべる
「と、とりあえず腹も空いたしどっか店入らないか?」
「……はぁ〜。まあちょうどお昼だし、私もお腹空いてきたかな」
唯の反応にホッとしたのかリトは肩から力を抜くと、唯に歩こうと、うながす
「それで、どこに行くの?」
「ああ。この近くにうまいとこあるからそこ行こ」
唯はリトに任せると隣に並んで歩き出す
471リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:17:51 ID:/zxieViS
リトの隣を歩きながら唯は思う
デートの時、一緒に学校から帰る時とは、今日は違う
いつもとは少し違う気持ちが生まれていた
それがなんなのかわからない
わからないけれど、隣を歩くリトの横顔を見ているだけで心が躍るような
こそばゆいようなそんな気持ちになる
唯はすれ違って行くカップルに視線を送る
(私達もあんな感じに見られてるのかな……)
腕を組んだり、イチャイチャしながらなんてムリだけど、それでも――――
「どうしたんだよ?今日のお前なんかいつもと違うぞ?」
いつの間にか自分の方を見ていたリトに唯は、ハッと我に返る
「そ、そんなワケないでしょ!それよりまだ着かないの?」
慌てて話題を変えようとする唯にリトは内心くすっと笑いながらも、もうちょっとだよと目で合図する
唯は気のない返事を返すと、話はこれでお終いとばかりにリトから視線をそらした
(……ッたくこいつは)
リトは白い息を吐くと、黙って唯の手を握り締める
「え!?ちょ、ちょっと!なに…」
「オレと手繋ぐのいや?」
「そ、そんなワケ……」
口ごもる唯の手を少し引っ張る様にリトは歩き出す
「もう!」
リトの態度に少しムッとした唯は、歩くペースを上げるとリトの隣に並ぶ
抗議をしようとちらりとリトの横顔を見た唯は、その表情にそれっきりなにも言えなくなってしまった
唯と手を繋いでいるリトは少し自慢気で、いつもよりもなんだか男の子になっていた
そんなリトに少しぼーっと見とれてしまっていた自分に気付くと唯は、一人顔を赤くさせた
駅前広場からここまで10分ちょっと
早くも唯はドキドキが止まらなくなっていた
ここまでは――――

目的の店にやってきた二人は、店前でただ呆然としていた
「ちょっとどういうコトなの?」
「あれ…?ッかしいなー…」
改装中と書かれた看板の前で頭を掻いてるリトと、それを少し冷たい視線で見つめる唯
「もう…どうするつもり?」
「えっと……と、とりあえず他行こ!この近くにあるからさ」
「まぁいいけど…」
少し苦笑いを浮かべるリトに手を引かれ唯は歩き出した

「いらっしゃいませ〜!本日はタイヘン込み合っておりまして!ただいま一時間半待ちとなっておりますが、よろしいですか?」
「え!え……と」
ウエイトレスのお姉さんに笑顔でそう言われたリトは、唯の返事を聞くために向き直る
「どーする唯?」
「……他、探したほうがいいんじゃない?」
「だよな……」
少しガックリと肩を落とすリトに唯の溜め息が聞こえた

そして次の店
「申し訳ありませんが、本日当店は、ご予約のお客様のみとなっております」
「そ、そうですか…」
怖くて唯の顔をまともに見れなくなったリトは黙って次の店へと向かった
472リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:19:02 ID:/zxieViS
「申し訳ありません本日は〜」
「ただいまタイヘン込んでおりまして〜」
「…またのお越しを心からお待ち申しております」

「ホン……トにゴメン!!」
テーブルに向かい合う形で、椅子に座ったリトは唯に頭を下げた
結局散々歩いた二人は、近くにあったファーストフード店を選んだ
ノドが乾いていたらしくアイスコーヒーを流し込むと唯は、リトの顔をちらりと見る
「別にいいわよ。それにクリスマスだもの、いつもとは勝手が違うコトぐらいわかるわ」
「う…うん。ま、まあな…」
それはすなわち「それぐらいわかってなさい!」というコトなのか?唯は、それっきり黙ってしまった
(はぁ〜。オレなにやってんだよ……)
クリスマスの情報誌はたくさん読んだが、結局肝心のコトと応用が利かなかった自分
そして、すっかり機嫌をそこねた唯と、このなんとも言えない雰囲気にリトは溜め息を吐くしかなかった
それでもこの悪い流れをなんとかしよう
リトは必死に話題を探した
「あ、あのさ。これからどっか行きたいトコとかない?唯が行きたいトコあるならそこ行くけど?」
唯はポテトを咥えたまましばらく考え込むと、小さくうなずいた
「じゃ、じゃあコレ食べ終わったらそこ行こっか!」

「じゃあ次は…あっち」
「お…おう」
リトは唯の後ろを歩く形でその後をついていく
二人は今デパートに来ていた
なにか買ってほしい物でもあるのかと事前に財布のチェックを済ませていたリトは、ただ店を回って服や靴を見て回るだけの唯に首を傾げる
店員に気に入ったブーツやコートを見てもらったり、サイズを確かめたりと
そんなに欲しいのなら買えばいいじゃんとリトは心の中で何度も呟いていた
けれどそんな疑問も次第に薄れていった
普段はあまり見ることのない買い物をしてる唯の姿と、少し顔を綻ばせながら試着していく唯にリトもなんだか楽しくなってくる
壁にもたれながら少しニヤけているリトに気付くと唯は、小声で囁く
「ちょっと!なにニヤニヤしてるの?」
「いや、お前も買い物とかするんだなーって思ってさ」
「な…!わ、私だって買い物ぐらいするわよッ!!」
唯の声に周りの客の視線が二人の集まる
「……私が買い物してるのがそんなに珍しいんだ?結城くんは」
「え?そ、そんなつもりで言ったワケじゃ…」
ムッと睨んでくる唯にリトはそれ以上なにも言えずゴメンと謝った
そんなリトに唯はそっぽを向くと、そのまま持っていたカバンを返しに戻って行ってしまった

あれ以来、二人は、気まずさからか口を聞いていなかった
お互い黙ったまま歩き、どこかおかしな空気が二人包んでいる
そんな中、唯は一人何度も何度も聞こえないような小さな溜め息を漏らしていた
あの時、リトが言いたいコトはわかっていた
わかっていたはずなのに口からは違う言葉が出てしまった
どうして――――?
答えはわかっていた。思い描いていたモノとは違う現実がそうさせていた
リトは相変わらずそわそわしている
きっとどうしていいのかわからないのだろう
唯はまた溜め息を吐くと、小さな覚悟を決めた
473リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:20:13 ID:/zxieViS
エスカレーターに足を乗せるとくるりとリトの方を向く唯
「なんだよ?」
「……」
唯は無言。慣れないコトに言葉がうまく出てこない
「唯?」
リトの怪訝な顔がよりいっそう唯から言葉を無くしていく
それでも「今」をなんとかしたいという思いが、唯を動かした
「あ、あの結城くん私は別に…」
「お、おい唯…」
「いいから聞いて!私別に怒ってないし、それに…それに私は結城くんとこうしていられ…」
唯は最後まで言いたいコトを言えなかった
突然体がグラついたかと思うとそのままバランスを崩し、仰向けに倒れていく
「唯ッ!!」
エスカレーターが下まで来ているコトに気付かなかった唯は、足をもつれさせたのだ
視界がぶれる中、必死に自分の名を呼ぶリトに唯は手を伸ばす
「クソッ!」
リトはその手を掴むとぐいっと自分の胸に唯を抱き寄せた
エスカレーターの降り口で抱き合う二人
「大丈夫か?」
「う……うん」
唯はリトの腕の中でなんとか返事をする。まだ体が震えている
「ッたく!エスカレーターを後ろ向きで降りようとするからこうなるんだろ?」
「……だ、だってそれは……それは…」
言葉が続かなかった。言いたいコト、伝えたいコトがあったがそれ以上に
さっき必死な顔で手を伸ばしてくれたリトの姿に心臓がドキドキと高鳴ってしまう
「と、とにかくここじゃアレだからさ……場所変えない?」
「え…?」
唯はリトの胸から顔を出すと周囲を見る。周りにはいつの間にか人だかりができており
抱き合う二人をニヤニヤと見つめていた
「そ、そうね////」
唯はそれだけ言うと、リトに手を引っ張られ足早にそこから去った

「それで!さっきはなに言おうとしたんだよ?」
「もういいの!」
「え?」
「だからもういいのよ!」
一人で納得している唯にリトは眉根を寄せる
「意味がわかんねーよ…」
さっきの一件以来すっかり元に戻った二人の雰囲気に、唯は心の中で微笑んだ
「それより結城くん。私そろそろお腹……空いたんだけど」
「え!?ってもうこんな時間かよ!悪い!じゃあ食べに行こっか」
リトは唯の手を握り締めると目的の場所まで歩き出した

「……す…ごい…」
ぽつりとそうこぼした唯の顔には、驚きとうれしさが滲んでいる
正面には見上げるほどの大きな入口と、両開きのドア。そして、店内にはタキシードを着込んだ案内係
壁は石造りの重厚な造りで、窓ガラスから見える店中には、大きなシャンデリアが飾られている
唯の目はキラキラと輝き、口からはうっとりする様な溜め息がこぼれる
思わず顔をほころばせながら少し離れているリトを振り返った唯の目に、一人しょんぼりと小さくなっているリトの姿が映る
474リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:21:08 ID:/zxieViS
「どうしたの?結城…くん?」
リトはなにも言わず、すっと一軒の店を指差す
「え?」
「……こっちなんだ。その、予約してる店…」
唯はもう一度リトの指差す店を見つめる
そこは本当にこぢんまりとした店だった。カウンターとテーブルも二つほどしかない
家庭用のイタリアンレストラン
さっきまでときめいていた高級フランス料理店は天と地ほどの差がある
「……ゴメン」
しゅんと小さくなるリトに唯は慌てて駆け寄る
「わ、私こそヘンな勘違いして……。えっととにかく入ろ?結城くん」
唯に促され歩き出すリトは、もう一度高級フランス料理店の方を見つめそして、溜め息を吐いた

中は唯が思っていた以上にさらに狭く、高級感の欠片もないむしろ家庭的ともいえる調度品
カウンターの向こうには、夫婦なのか人の良さそうなおじさんとおばさん
クリスマスだというのにリト達の他は、客がなく完全貸切状態だった
メニューを見ながら唯は、ちらちらと何度もリトを見ていた
さっきからあからさまに元気がない
これでは、エスカレーターの一件以来、せっかくのいい雰囲気が台無しだ
唯はなんとかがんばって声を出そうと口を開きかけた、その時
「悪かったな。その…期待に応えられなくてさ」
「そ、そんなコト…そ、それに私は結城くんがいれば……」
いれば……その後の言葉が続かない。不甲斐ない自分に唯は下唇をキュッと噛み締めた
「……次からはお前の期待に応えれるようにがんばるよ」
「う、うん。期待してるわ…」
どこかおかしな雰囲気のまま、それっきりお互いほとんど口を聞かなかった
次々と料理が運ばれてきても、一言二言しか会話が続かない
そして食後のティータイム。二人は相変わらずお茶を口にしてもなにもしゃべらない
しばらくぼーっとした時間だけが流れる中、ふいにリトが椅子から立ち上がった
唯と一瞬目が合うも、すぐに目をそらし、短くトイレとだけ応え奥に消えていくリト
「……うん」
リトのいなくなった椅子を見つめながら唯は溜め息にも似た返事を返す
こんなはずじゃなかったのに……
さっき素直な気持ちをちゃんと伝えていれば……
唯は椅子の下でキュッと手を握り締める
その頃リトは、備え付けの水道の蛇口を捻り、バシャバシャと顔を洗っていた
「クソッ!なにやってんだよオレ……」
本当なら今日はこの店で唯に言いたい言葉があった
伝えたい気持ちがたくさんあった
なのに……
リトは鏡に映る濡れた自分の顔をじっと見つめると、溜め息を吐き一つ気合を入れた

トイレから戻ってきたリトを見るなり唯は、思わず椅子から立ち上がる
「あ、あの結城くん。私…」
「とりあえずココ出よっか。オレ金払ってるから先出てて」
「う、うん」
唯は短くそれだけ言うと、リトの横顔を見ながら店を出た

二人は薄暗い夜の道を歩いていた。心なしか二人の距離は離れている。
お互い言いたいことはあるのに中々言い出すタイミングをつかめないでいた
冷たい冬の風がよりいっそう冷たく感じる
少し後ろから歩いてくるリトを気にしながら、唯は手に持った紙袋を握り締めた
(ちゃんと言わないと……結城くんにちゃんと…)
唯は心の中でそう呟くとくるりとリトに体を向ける
「はいコレ!」
唯は少し顔を赤くしながらリトに持っていた袋を渡す
「……なんだよコレ?」
「いいから受け取って!」
475リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:23:25 ID:/zxieViS
半ば無理やり手渡された袋にリトは困惑する
「お前なあ……ってひょっとしてコレ…クリスマスプレゼントか?」
「うん…」
唯は極力リトの顔を見ないようにうなずく
「おぉ〜なあ、コレ開けてもいいかな?」
「す、好きにしたら」
うれしそうなリトとは対照的に唯は少し不安そうな面持ちになっている
誰かにプレゼントを渡す――――唯にとってそれは初めてのコトだったから
「お!これマフラーじゃん!あったかそー」
リトは手にした黒色のマフラーをうれしそうに広げると、そのまま首に巻いた
「どうだ?似合ってる?」
「え、ええ…うん…」
「ん?」
唯は一人困惑していた。どう言ったらいいのかわからなかった

実はリトへのプレゼント選びはかなり迷った。ゲームにするのか服にするのか
遊に相談したりもしたが、まともな答えが返ってくるはずもなく
結局唯は一人悩みに悩んだ末。マフラーにすることにした
シンプルすぎると思った。ホントは手編みとかの方が喜ぶかと思ったが、そんなコトはできるはずもなく……

だから、目の前で一人うれしそうにしているリトの顔を見ても、本当にコレでよかったのか不安になっていた。
もっといいモノが、喜んでくれるモノが、あったかもしれない
「唯?どーしたんだよ?」
「な、なんでもないわよ!それよりホントにそれでよかったの?もっと……」
「へ?なんで?だってコレすげーあったかくて気持ちいいんだぜ!今までオレが持ってたどのマフラーよりも最高だと思うけど」
どこか得意げに話すリトに唯は目を丸くする
「そんな大げさよ」
「大げさじゃねーよ!だってお前がくれたモノなんだぞ?オレにとったらそれだけで特別になるよ」
唯の顔が暗い夜でもわかるほどに赤くなっていく
「と、特別…なんだ」
「当たり前だろ!ッてあのなー。オレにとったらお前と今こーしてる時もすげー特別で、
なんていうか…その……最高のプレゼントになってるってゆーか…」
どんどん声が小さくなっていくリトを唯はただじっと見つめる
リトはどこか言いにくそうに、照れくさそうに唯から視線をそらす
「と、とにかく!お前とこうやって一緒にいるだけで、オレにとったら最高のクリスマスだし、それがプレゼントになってんだよ!!」
「あ…」
短い吐息と共に、唯の気持ちが高鳴っていく
「わ…私といるだけで…ッてホントなの?それ……」
リトは自分が言ったコトが急に恥ずかしくなったのか、唯から顔を背けると早口でまくし立てる
「ああ。そーだよ!ッてこんなことウソなんかで言えるワケねーだろ」
「うん…」
唯はリトの言葉を噛み締めてるのか、黙ったままじっと下を見続けている
そんな唯をリトはチラチラ見ながら、ずっと心にあったコトを言おうか言うまいか
何度も頭の中で反芻させていた
本当ならさっき店で言おうと決めていた言葉
しばらくするとリトは手をギュッと握り締め、唯の顔を見ると真剣な表情になる
476リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:25:11 ID:/zxieViS
「あ、あのさ唯」
「え」
唯は顔を上げるとリトを見つめる。その顔はいつも以上に真剣でそしてどこか決意に満ちていた
「どうしたのよ?そんな真剣な顔して」
「……さっきオレお前に言ったよな?唯がいるだけでって。オレ今まで家族としかクリスマス過ごしたコトなくてさ、
クリスマスはいつも美柑の作ったケーキ食ってるだけって感じで…」
(私と同じ…)
唯は声に出さず、心に押し込めるとじっとリトの声に耳を傾ける
「だからクリスマスがこんなすげータイヘンで、でもうれしくて、幸せで…こんな風になるなんて思ってなかったから今日、正直びっくりしてる」
「失敗ばっかりだったけどね!」
「うぅ…ゴメン」
別にいいわよ。私もあなたと同じ気持ちだから――――
唯はあえて声に出さずリトの言葉を待つ
「だ、だからさもし唯がよかったらその……これからもじゃなくて…この先もずっとオレとクリスマス一緒にいてほしい……って思ってる」
「え……あ!」
短い呟きの後、ゆっくりと唯の胸にリトの言葉が染み込んでいく
(それってもしかして…プロ…)
唯は言葉もなくただ呆然とリトを見つめていた
「え、あっと…と、とりあえずオレからも唯にプレゼント!」
リトはそう言うと、さっきの唯の様に持っていた袋を無理やり手渡す
「あ…開けても…」
「え!?あ、ああ」
唯は半ば呆然とした面持ちで、手に持った袋を開けていく
「ん?……コップ?」
きょとんとなる唯
「ゴメン。いろいろ迷ったんだけどさ、なんつーかずっと置いといてほしいモノより、ずっと使ってほしいモノをって考えてたらコップになった…」
「……」
「やっぱブランド物とかそーいうのが…」
唯は手に持った袋からもう一つのコップを取り出した
「これ二個……セットなの?」
「二個で一つの絵になるペアのコップなんだけど……ハハ、やっぱ…」
「……普通こういう時って指輪とかを渡すんじゃないの?」
一人ドキリと慌てるリトの前で唯は二つのコップを重ね合わせる
「私も…初めてのクリスマスなのに……」
「え…」
「カッコわる。結城くん」
ゴメンを言おうとしたリトの口が固まった
目の前で微笑む唯の笑顔
今まで何度も見てきたリトだったが、今回はいつもとは違う、どこか特別な感じがした
二個のコップが合わさってできる、二匹の子犬がじゃれあう姿を唯はじっと見つめていた
可笑しそうに、照れくさそうに、そしてうれしそうに
ぼーっと自分の顔を見つめるリトに気付くと唯は慌てて顔を背ける
「なによ?ぼーっとしたりして」
「へ?いや…お前ってそんな風にも笑うんだなって思ってさ」
「な、なによそれ!?別におかしくないわッ!普通に笑っただけじゃない!!」
すごい剣幕で怒り出す唯をリトは一生懸命なだめようとする
477リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:27:31 ID:/zxieViS
「悪い!悪かったって!だからそんな怒んなって!……で、結局ソレはもらってくれるのか?」
唯はリトをじと目で睨みつつ、視線をコップに移す。クリスマスをモチーフにした赤と白
雪の中でじゃれあう二匹の子犬の絵
さっきリトの言った言葉が頭に浮かぶ
(ずっと置いててほしいモノより、ずっと使ってくれるモノを……か)
唯はリトに見えないように小さく笑った
ソレは自分がマフラーを選んだ時と同じ理由だったから
しばらくコップを見つめていた唯は、片方のコップをリトにそっと差し出した
「あ……やっぱいらない…よなァ…」
「そうじゃなくて!あなたも使って!」
「え?」
リトが俯く顔を上げると、唯は真っ赤になっていた
「せ、せっかく二個あるんだし、その…私一人で使うより結城くんも使ってほしいというか……。お、お揃いのコップなんだしもったいないじゃない////」
「唯…」
リトはギュッと胸を締め付けられるような、そんな感覚に目が熱くなってくるのがわかった
「と、とにかく私はこっちを使うから、結城くんはそっちを使って!」
リトはコップを受け取ると、本当に大事そうに自分のコップをカバンにしまう唯の姿に、うれしさのあまりなんて声をかけていいのかわからなくなっていた
ただ唯のコトを本当に好きになってよかったと心の中で何度も呟いた
そんな自分の姿を不思議そうに見つめる唯にリトは慌てて口を開く
「あ、あのさ唯。さっきの続きなんだけど。今日オレ…全然ダメで、お前にカッコ悪いとこばっか見せてさ……。
ホントにダメなクリスマスになっちまったけど……それでもオレ来年もこの先もずっとお前といれたらなって!!」
リトのいつもとは違う熱い視線
「もちろん来年は今日みたいじゃなくて、もっといい処に食いに連れて行くし、プレゼントだっておまえの欲しいもの買ってやる!
店だって間違いようにする!お前にもっと気の利いた言葉もかけれるようにがんばる!!だから…」
唯はなにも応えずただ黙ってリトを見つめている
「唯?ってやっぱダメだよなァ…都合よすぎるっていうか。オレ今日失敗ばっかだったし」
一人うな垂れるリトの耳に小さな笑い声が聞こえてきた
「唯?」
「…ぷ…あはは」
「な!?なんで笑うんだよ?オレマジで言って…」
「だって結城くんすごく必死なんだもの。……まあ確かに今日は失敗ばかりだったけど私、楽しかったわよ!」
唯の言葉にきょとんとなるリト
「で、でもおまえ怒ってたんじゃ…」
「確かに家族とか他の誰かだったら怒って帰ってたかも…」
「じゃあなんで?」
唯は溜め息を吐くとぷいっと顔をリトから背けた
「……結城くんといるからでしょ!////」
「え……あっ!」
478リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:28:26 ID:/zxieViS
唯はリトから逃げるように顔を俯かせる

「ほ、ホントにオレがいるだけでよかったのか?」
当たり前でしょ
「だってクリスマスなんだし、高いとこで食事とか、ホントはプレゼントも良いやつが欲しかったりとか…」
豪華なお食事も、高いプレゼントもいらないわよ
「えっと…ゆ、唯?」
だって、だってあなたは私の一番欲しかったモノをくれたじゃない

俯いていた顔を上げた唯の顔は、相変わらず真っ赤に染まっている
唯はキュッと手を握り締めるとリトの目を見つめた

「結城くん私はね……」
ホントは一緒にいるだけで幸せなんだから
「私は……」
だけど…世界で一番とか、好きとかそんなこととても言えない
「私、は…」
言えないけど、それでも結城くんのことが好きだから、だから
「私…私もこれから先もずっと結城くんと一緒に…」
「唯…?」

その時、空から降ってきた白いふわふわしたモノが唯の頬に触れた
「え?」
「あ!雪だ…」
二人が見上げると、空から雪が一つ二つと舞い降りてきた
「ホワイトクリスマスじゃん」
空を見上げたまま、一人喜ぶリトの横顔を唯はじっと見つめる
本当に、本当に私は結城くんと――――
フッと気付くといつの間にか目の前にリトの顔があった
しばらくボーっとしてしまってたらしい
唯は顔を赤くさせるとふいっと顔を背ける
「なによ?////」
「いやボーっとしてたからさ、なんか考え事か?」
「なんでもないわよ…」
そう言いながらも、一瞬ちらりとリトの方を見た唯の目に、一人怪訝な表情をしてるリトが映る
「……あ…あのね」
「ん?」
「さっきの話なんだけど……アレホントなの?その……私と一緒にって…////」
リトはきょとんとなったがすぐに、ムッとした顔になる
「あのなァ!さっきも言っただろ?こんなことウソなんかじゃ――」
「もう一度言って…」
「え?」
唯の顔は真っ赤に染まり、声もいつもより小さい
「も、もう一度言って!聞きたい…から……////」
「……お、おう!……じゃ、じゃあもう一回だけな!」
「…うん」
そうは言ってみたものの、改めて自分の言った言葉を思い返すと、とんでもないコトを言ったのだとようやくわかってきた
どう考えてもプロポーズ以外のなにものでない
そしてこれからもう一度言うことになる
緊張と恥ずかしさでベタつく汗をズボンで拭きながら、リトは唯をちらりと見る
唯は待っていた。白い雪が黒い髪を染めていく中、ただリトのコトをじっと
リトはそんな唯の頭に付いた雪を手でやさしく払う
そして、緊張と照れくささを隠すように深呼吸をした後、すっと唯を見つめた
479リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:30:10 ID:/zxieViS
「唯…」
「…ん?」
黒い瞳を濡らしながら、少し上目遣いな唯の視線にリトの鼓動はどんどん高くなっていく
「えーっと……よし!」
リトは一人うなずくと、黙って唯の手を握る
「オレ来年のクリスマスもお前といたいって気持ちはあるんだ。けど、その時は、今みたいな感じじゃなくてもっとお前と近づけたらなって思ってる」
リトの言ってる意味がわからなくて唯は困惑してしまう
「えっと、だからその…来年のクリスマスは、今よりもっとお前のこと好きになってる」
「え…」
「好きって気持ちはかわらない!けど、気持ちはどんどん大きくなっていく
オレお前のコトがマジで好きだからな!!きっとこれからも大きくなってく」
リトの握り締める力が強くなる
自分の思いの強さを伝えるように
自分の気持ちの大きさを表すように
「オレお前のことが好きだ!すっげー好き!大好きだ!唯を放したくないし、離れたくない!!
ッてそれだけでお前とこれからもってワケじゃないんだけど……ないんだけど…」
肝心のところで言葉に詰まり出すリト
「えっとなんつーか……うまく言えねー……。で、でも唯と一緒にいたいって気持ちは本物なんだ!お前とその…またクリスマス一緒にできたらなって……思ってる」
最後は声も小さく、尻すぼみするような弱気なモノになっていたが唯にとっては十分だった。というより十分過ぎた
こんなにも誰かから、それもリトから「好き」を連呼されたことのなかった唯の体と心は、
完全にとろけきっていた
頭が真っ白になり、好きという言葉がぐるぐると回る
ぼーっとなっている視界にはすでに、リトの姿しか入っていない
そしてその姿が次第に霞んでいく
「唯?……唯?」
リトの声も遠くから聞こえる様な感覚
どんどん霞んでいく景色。その時、ふっと自分の目のあたりを触れる感触に唯はハッとなる
「お前……なに泣いてんだよ?」
「え……?」
唯は慌てて手で目元を擦ると、手の平の濡れた感触に驚く
(私…泣いて……)
唯はリトから顔を背けると、手でゴシゴシと涙を拭く
けれど、後から後から溢れる涙
(どうして?どうして私……こんな…)
リトにいっぱい好きだと言われ、うれしくて、うれし過ぎて
色んなモノが唯の中で大きくなり、そして涙となって溢れ出していた
リトは一人泣いている唯の腕を取ると、そのまま抱き寄せた
「な!?ちょ、ちょっと!外なのになに考えて…」
「ゴメン…なんかこーした方がいいって思ってさ」
リトは腕に少し力を込めると、ギュッと唯の体を抱きしめた
ドキンと心臓の高鳴り、抗議の声を出そうとした唯の声が、喉の奥で止まる
変わりに唯はリトの両肩を掴むと、そのままリトの肩におでこを乗せた
目を閉じじっとリトに身を任せる。その時
トクン、トクンと聞こえるリトの心臓の音に唯はくすっと笑った
(結城くんも私と同じなんだ…)
同じように緊張して、そして、勇気を振り絞ってくれた
480リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:31:51 ID:/zxieViS
地面が白く染まっていく中、二つの気持ちが一つに重なる
やがてリトは腕の力を緩めると、唯の体を少し離した
「大丈夫か?」
「べ、別に私は最初から…」
唯の声を遮る様にリトの手が頬を撫でていく
「涙とまったじゃん」
リトのくったくない笑みに唯の顔が赤くなる
「……あ、ありがと////」
リトはなにも言わずに唯の顔に自分の顔を寄せる
「な、なんなの?」
「キスしたい」
「な!?だ、ダメよ!ダメっ!!こんなところで…」
「後でいっぱいお説教もハレンチなってしてもいいよ!だから…」
唯の開きかけた口はリトに塞がれた
「んッ…う、ン…」
襟をギュッと握り締める唯の強張る体にリトは反射的に顔を離す
「ご、ゴメン!急すぎだよな…」
「あ、当たり前でしょ!!こんなコトッ////」
赤くなりながらも本気で怒る唯にリトはしゅんと小さくなってしまう
「まったく!さっきまであんなにカッコよかったのに、どーしてあなたはいつもいつも…」
「ん?カッコよかったのか……さっきの?」
「え?あ!……ま、まあちょっとは…ね」
ふいっと顔を背ける唯の腰にリトは腕を回すと、ぐいっと再び引き寄せる
「え?ちょ…ちょっとなにを…」
「今日はありがとな!クリスマスお前と過ごせてオレすげー幸せ!!唯がこーしてここにいる、それだけでオレはいいんだ」
唯の顔が一瞬で真っ赤に染まる。心臓がドキドキしすぎてどうにかなっちゃいそうだ
リトの顔を見つめるのがやっとで言葉も出てこない
「唯……好きだよ」
「も……も〜ホントにあなたって……////」
リトは唯に笑いかけると、やさしく触れるように唇を合わせる
今度は唯は抵抗しなかった
リトの腕の中で、目を閉じそのぬくもりを気持ちを重ね合わせる
長い長い触れ合うだけのキス
どちらかともなく唇を離すと、恥ずかしさでお互い赤くなったまま俯く
「唯の口すげー冷たくなってたな」
「結城くんもでしょ」
リトは少し間を置くと、言いにくそうにけれど、精一杯の勇気を出して言った
「あ、あのさだからってワケじゃないんだけど、こ、今夜うちに来ない?
ほ、ほら唯の体冷たいし、手だってすげー冷たくなってて……ってダメ?」
唯はじーっとリトを見つめていた
どう考えてもハレンチなコトしようって言ってるようにしか聞こえなかったから
けれど今日はクリスマスだ
いつもなら真っ先にハレンチな!と殴る唯も今夜だけは少し違っていた
「ホントにあたために行くだけなの?」
「ほ、ホントだって!だってこんな冷たくなってる唯をこのまま帰せるかよ!
風邪引いちまうだろ」
リトの目は真剣だ。ウソを言ってる様には見えなった
唯は小さく溜め息を吐く
「わかったわ!じゃあ結城くんの言葉に甘えさせてもらうわ。
だけど……勘違いしないで!今日は「その日」じゃないんだからね!!」
「わかってるって!お前ホント…」
「なによ!?結城くんがいつもいつも私との約束を…」
「わかった!わかったから」
481リトと唯 第四話まったくダメなクリスマス:2008/02/19(火) 18:33:02 ID:/zxieViS
なんて言いながらもリトは一人ガッカリしていた
二人で決めた一週間に一度のえっちをしてもいい日
見事にクリスマスの今日と合わなかったのだ
リトは溜め息を吐きつつ、ちらりと唯を見る
唯はまだぷんぷんと怒っていた。よっぽど自分のコトが信用できないらしい
リトはまた深い深い溜め息を吐いた

「……とりあえず今から帰るからなんかあったかいモノでも作ってくれねーかな?
うん、そう、うん、……ありがとな美柑!」
リトはケータイを切ると唯に向き直る
「じゃあ行こっか?」
なにも言わずに隣を歩く唯をちらりと見るとリトは唯の手を握り締める
「あ!ちょっと…」
「手…握りたい。今日全然握ってなかったからさ」
唯は言葉に詰まった。確かに今日は色々ありすぎてあまり手を握っていなかった
それに、この寒い中リトの手がすごくあったかく感じた
いつものやさしいぬくもりに、今日はほんの少しの強さが加わっているような気がする
「……誰かが来たらどうするのよ?////」
「じゃあこーしたらいいよ」
リトは唯の手を引っ張ると、そのまま自分のコートのポケットに手を繋いだまま入れた
「え!?////」
「こーしたらバレないだろ?」
リトはそう言うが、一緒にポケットに手を入れてるため、それだけ体は密着もするし
なにより隠れて手を繋ぐという行為が唯には刺激が強すぎた
唯はとっさにリトに抗議しようと振り向くが、そのままじっとリトの顔を見つめてしまった
リトがとてもうれしそうだったから
(もう…)
唯は心の中で溜め息を吐くと、リトの手をキュッと握り返した
いろいろ思い通りのクリスマスにはならなかったけどそれでもいい
ケーキも七面鳥もないけれどそれでもいい
だってだって……
なによりも大切なモノをプレゼントされたから
唯はもう一度リトのことを見つめる
「……うん。私も、私も結城くんとずっと一緒にいたい…」
小さな呟きはリトに聞こえたのかどうかわからない
それでもポケットの中の手はその言葉に応えるように強く握り締められた
482名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 18:34:56 ID:/zxieViS
前半終わり
後半のセクロス部分は間を開けて夜に投下しようと思います
483名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 22:44:32 ID:WMKkTIWB
>>482
GJデス!とりあえず全裸で待機してまつ

>>462
だいたいの人が同じような考えだと思いますよ
俺の脳内は全員ジョジョなのでアテになんないケド
484名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 23:58:04 ID:MdgySfYR
うお、リトと唯が投下されてた! GJです!
このシリーズも好きなんで是非長く続いてほしいですねえ。
「悪かったな美柑。いきなりこんなコト頼んで」
キッチンにやって来たリトは、お皿を洗ってる妹に申し訳なさそうに謝る
「私は別にいいよ!それより……」
振り返った美柑はどこか怒ってるようで、リトをムッと睨んだ
「な、なんだよ?」
「なんだよ?じゃないよ!話は聞いた。リトあんたこんな寒い中、散々唯さんを歩かせたあげくろくな物食べさせてないって言うじゃない!!
いったいなに考えてんのよ!!?」
リトは言葉に詰まってしまう
帰ってくるなり説明を求められたリトは、美柑とララに全て話した
それ以来、美柑はたいへんご立腹になっていたのだ
「信じらんない!!クリスマスなのに!男のするコトじゃないよッ!」
「唯はもう許してくれてる……みたいだけど?」
「そーいう問題じゃない!妹して恥ずかしいよ!まったく」
外では唯に、うちでは美柑にとリトの神経はどんどん磨り減っていく
全部自分が悪いのだが
「リト〜唯は?」
「……唯なら今風呂入ってるよ」
少し元気のないリトと怒ってる美柑を交互に見ると、ララは不思議そうな顔をする
「どーしたの?二人とも…」
「どーしたもこーしたもリトったらひどいんだよ!唯さんに…」
「んー唯ってまだ怒ってるのリト?」
「え?たぶん怒ってないとは思うんだけどなァ」
どこか自信のないリトの横顔をララは見つめた

その頃唯はというと
湯船に浸かりながら、体を伸ばしてお風呂を満喫していた
冷たくなっている体に熱いお湯は堪えるが、今はそれより先ほどのコトで唯の頭はいっぱいになっていた
リトにいっぱい好きだと言われ、何度も一緒にいたいと言われた
「結城くん…////」
その時のコトを思い出すだけで、唯の頬に湯気の火照りとは違う赤みが現れる

「じゃあさ!これから唯に謝ってくればいいんじゃない?」
「は?」
突然のララの提案にリトはきょとんとなる
「謝るって……だいたいお前なー今唯は、風呂入ってるんだぞ!謝るにしたってその後だろ?」
「そんなコトないよ!これからリトも一緒にお風呂入ればいいんじゃない?」
「おまえな……」
「ら、ララさんそれはちょっと…」
二人の言葉を聞いていないのかララは道具を取り出すとリトの前にソレを見せる
「じゃーん!コレで恥ずかしがらずに唯のところに行けるよ♪」
「ちょ…おまえソレはっ!!」
リトの手が道具に触れるよりも早く、ララの指がぴょんぴょんワープくんのボタンを押した
服だけ残して消えるリト
「服も脱げたし、これでお風呂も大丈夫だね!」
「リト……これはもうダメかもネ。私し〜らない」
一人ご機嫌なララの横で美柑は、努めて冷静にこの後起こるであろう出来事を思い浮かべてた

「ぅぅうわわあああああ!!」
情けない叫び声を上げながらリトは湯船の中に真っ逆さまに落ちていった
「ッてえ!ララのヤツなに考えてんだよ!!」
浴槽の底で頭をぶつけたリトは、少しコブになっている頭を押さえながら立ち上がる
少し回りを見ると、自分の家の風呂場だとわかりとりあえず安心した
「はぁ〜よかったァ!オレんちの風呂だ……これで他のトコにでもワープしてたら……」
と、安堵の溜め息を吐くリトの表情が固まった
俯いていた顔を上げると、自分を見つめる視線とぶつかる
「ゆ、唯……!?」
唯は体を洗っていた最中だったのか、泡の付いた体をタオルで隠したまま
口をぱくぱくさせていた
「あ……いや、違ッ…これにはすごい深いワケがあって……」
なんてコトをリトがいくら言っても裸の姿に唯の顔はみるみる真っ赤に染まる
「え、えーと……唯?」
ぷるぷると肩を震わす唯に恐る恐る声をかけるリト。だが、それがきっかけとなってしまった
「は、ハレンチなーーーーッ!!////」
お風呂場に唯の声が響き渡った

「――まったくあなたって人は!いったいどういうつもりよ!!?」
「ゴメン…」
湯船の中で正座しながら、リトはどうして自分が怒られなきゃと考えていたが
これ以上唯を怒らせるなんてできるはずもなく、素直にお説教を受けていた
「もう。結城くんちゃんとして!あなたはホントは……」
珍しくお説教の途中で言いよどむ唯にリトは不思議そうな顔をする
「ほ、ホントは…ホントは……」
「唯?」
唯の頭の中では、今日のカッコよかったリトや、抱きしめられキスされた時の状況が甦っていた
一人顔を赤くさせる唯をリトは、ただ呆然と見つめる
「と、とにかく今度からはちゃんとして!わかった結城くん?」
「……はい」
ようやく長かったお説教からの解放にリトは安堵の溜め息を吐く
けれど、唯はまだリトをじっと見つめたままだ
「えっと…まだなにかあったり…」
「……いつまでそこにいるつもりよ?」
「え…?」
思ってもいなかったことにリトはきょとんとなる
「え?じゃないわよ!早くお風呂場から出なさいッ」
「ちょ…せっかく入ったのにもう!?い、一緒に入るとかダメ?」
「な、なに言ってるのよ!そんなことハレンチだわッ!!////」
顔を真っ赤にして怒る唯に、リトはあきらめたのか湯船から上がる
まだ怒ってる唯の後ろをそそくさと通る時、リトの口から「くしゅんッ」とくしゃみが出た
「あ〜ヤベ!風邪引いたかな」
なんてことを言いながら出ようとするリトに唯は、複雑な顔をする
今日は寒い中、ずっと歩き回ってタイヘンだったこと
手を繋いだ時に感じたリトの冷たい手の感触
唯は悩みに悩んだ末、リトを呼び止めた
「ちょ、ちょっと待って!」
「へ?」
「か、風邪なんて引いたらダメだからお、お風呂ちゃんと入って////」
「え……いいの?」
唯は赤い顔を隠すようにリトから顔をそむける
「きょ、今日だけよ!今日だけ」
リトはうれしそうにうなずくと湯船に戻っていった

「わかってると思うけどヘンなコトとか、その…じろじろ見たりなんてこと…」
「わかってるって!大人しく風呂に入ってるから唯は、ゆっくり体洗ってくれ」
それでもじっとリトの顔を見つめてくる唯
(オレって信用ないんだなァ)
なんて一人しょげ返るリトを一瞥すると唯は、スポンジに泡を付けて体を洗っていく
リトはなんとかがんばって唯の方を見ないように視線をそらすと湯船の中で体を伸ばした
(はぁ〜…にしても、今日は全然ダメだったなァオレ…)
思い出すだけでも恥ずかしい
さっき美柑達としたやり取りが頭に浮かぶ
(ホント美柑の言うとおりだよなァ…。せっかくのクリスマスを台無しにしたんだよなオレ)
リトはもう唯が許してくれていると思っていたが、本当にそうなのか?だんだんと不安になってきた
(あいつ最後は笑ったりして大丈夫だと…)
笑ったり……
リトは唯の笑顔を思い返す。とたんに顔がニヤけ赤くなっていく
(あいつあんな風にも笑うんだなァ)
リトは何気なく唯の方をちらりと見る
唯はリトの視線に気付かず、腕をゴシゴシ洗っていた
少し内股ぎみの脚に、泡で隠れた胸、濡れない様に後ろをアップにした髪形
泡で隠れた見えそうで見えない大事なところや胸が、リトの鼓動を高める
(ッてあんまりじろじろ見たら唯のヤツに怒られちまう)
とっさに視線をそらそうとするが、男の本能がそれを許さない
何度も見たはずの唯の体を、いつもとは違うシチュエーションで見る
それだけでリトの思考は牡へと変わっていく
リトはゴクリと唾を呑み込んだ
唯は体を洗い終えると、シャワーで体に付いた泡を落としていく
いつもとは違う全身を濡らした唯は、艶美でいて純粋な美しさがあった
唯は前をタオルで隠すと、くるりとリトの方を向く
とっさに視線をそらすリトに唯はムッとした目を向ける
「……今、私のコト見てたでしょ?」
「み、見てねーよ」
「ホントに?」
じっと見つめてくる唯に、リトの額から暑さとは違う汗が流れ出す
「どうなの結城くん?」
「み…見てたっていうか見てないっていうか。えっとその……か、体は見てねーよ!
そ、そのお前が洗ってるトコなんて初めてだからつい……ゴメン、唯」
唯は長い長い溜め息を吐くとすっとリトを見つめる
「……もういいわ!それより結城くん、ソコどいてくれないと私入れないんだけど?」
「え!ああ、悪い」
一人ではゆったり入れるサイズでも、二人だとちょっと狭いサイズ
ちょっとくっ付いて入れば全然ヘーキなんだけどなー
なんてコトを思いながら浴槽から出ようとしたリトの体が固まった
「ん?どーしたの?」
「へ?いや…ちょっと今はマズいコトに……」
「なに言ってるのよ!結城くんが上がってくれないと私入れないじゃない!」
わかってる。わかってる。心の中で何度もそう呟くもリトは出ようとはしなかった
出れないワケがあった
唯の色気を堪能してしまった、下半身はすっかり反応してしまっていたのだ
「結城くん!!?」
「あ、あのさ。この際一緒に入るってのは…」
「なにバカなコト言ってるの!?」
唯はリトの前まで来ると、その場で屈んだ
「もう、なにしてるのよ!」
そう言った唯の体には湯気ですっかり濡れたタオルがベッタリ張り付き
唯の胸のラインや乳首の位置、屈んだコトでちらりと見える唯の大事な部分が、リトの目に飛び込んでくる
(こ、これはヤバ過ぎる……!!)
いくら奥手なリトと言え、健全な高校生にそんな光景が耐えられるはずもなく
リトの下腹部はさらに大きさを増す
「結城くん?……ちょっとなんとか言い…」
そう言ってリトに詰め寄ろうとした唯は、一箇所を見つめたまま固まってしまう
湯船の中で大きくなっているリトのモノにみるみる顔が赤く染まっていく
「こ、これはその……ハハハ…」
「は、ハレンチだわッ!////」
唯の当然とも言える反応にリトは苦笑いを浮かべるしかない
唯の当然とも言える反応にリトは苦笑いを浮かべるしかない
「な、なんとかしなさい結城くん!!」
「なんとかってどうすりゃ…」
「あなた男でしょ!?男ならなんとかしなさい!////」
そんな無茶な!心の中でそう呟くも事態はなにも変わらず
唯の無茶な要求に次第にリトも自棄になってくる
「じゃあお前がなんとかしてくれよ!お前が手伝ってくれたら大丈夫になる、かも…」
「え?わ、私が?」
一瞬顔を真っ赤にさせる唯だったが、すぐにいつものキリっとした顔に戻る
「い、いやよ!そんなコト!だいたい結城くん自分のコトなんだから自分で…」
なんてコトを言いながらも、リトの顔とリトのモノをちらちら見てしまう唯
(ん〜…なんてコト言ったけど結城くんアレ辛いのかしら?)
などと一度考えてしまうと、リトのコトがどんどん心配になってきてしまう
ちらちらとリトの顔を見ては、複雑な表情を浮かべる唯
唯は決心したのか溜め息を吐くと、リトを見つめた
「わ、わかったわ!それでどーすればいいの?////」
結局リトの身が最優先になってしまう唯だった

リトは湯船から上がると浴槽の淵に座る。唯はリトの前で膝立ちになっていた
「え、えっとじゃあ……手でオレの持ってくれない」
「な!?なにヘンなコト言ってるの!////」
唯の当然の抗議にリトはうろたえるが、それでもがんばって気持ちを前に出す
「だ、だってお前がさっき手伝うってゆーからさ」
「うぅ〜〜……////」
唯も自分で言ってしまった手前後戻りできない
唯は恐る恐る手を伸ばすと、指で亀頭をちょんちょんと突く
「う…」
「え?」
リトの小さな呻きに唯はとっさに手を離す
「な、なんでもないから続けて」
リトのギコチない笑みに首を捻りながらも唯は、再び指で亀頭を触っていく
リトにしてみればあの唯と一緒にお風呂に入れるだけでもどうにかなりそうなのに
そればかりか、唯に手淫をしてもらえるなんてまさに夢の様だった
自然と顔もニヤけてくる
唯はそんなリトの気持ちに気付くことなく、相変わらずギコチない指先を動かしていた
指は震えているし、顔は緊張と羞恥とで真っ赤になっている
けれど、だんだん慣れてきたのか指を使って色々とし始める
亀頭に指を押し付けてその弾力を確かめたり、尿道口を爪で弄ったりと、序々に気持ちも解れてきていた
リトにしたら堪ったものじゃなく、じっと自分のモノを見ている唯に興奮を覚える
竿は大きさを増し、血管が浮き出てビクンと動く
「えっと…そろそろ手でやってくれるとうれしいんだけど」
唯はリトの声が耳に届いていないのかじっとリトのモノを見ている
「えっと唯?……唯?!」
「え!?あ…な、なに?」
きょとんとする唯にリトの口から笑みがこぼれる
「指はもういいからさ今度は、手でやってほしいんだ」
「手で…?」
唯は顔を赤くしながらもリトのモノをちらちらと見る
「手で…ってどうするの?////」
「まずオレのお前の手で握って」
唯はまだ少し躊躇いがちにそれでもリトの肉棒に指を這わせていく
「ん…」
白くてすべすべのやわらかい手の感触にリトも興奮を隠せない
少し不安そうに上目遣いで見つめてくる唯にリトのノドがゴクリと音を立てる
「じゃ、じゃあそのまま握ったままで、しごいていって!」
唯は言われたとおりに手を動かしていく
そそり立つ竿の卑猥な感触と、熱い肉感に唯の顔が少し曇る
「オレの触るの嫌?」
リトの言葉に唯の体が小さくピクンと反応する
「べ、別に嫌ってワケじゃ…」
「嫌ならやめてもいいんだぜ」
唯は心外な!と言わんばかりに表情を引き締めると、リトのモノをしごいていく
その様子をおもしろそうに見つめるリト
しばらくするとお風呂場にだんだんぬちゃぬちゃと卑猥な音が響きだす
「ね、ねえ。先っぽからなにか出てきたんだけど?」
どう応えていいのかリトは返答に困ってしまった。
その間にも唯の指にリトの先走り汁が、絡みついていく
「ぬちゃぬちゃしててそれになんだか……とても…」
間近で臭う牡の臭いに唯は顔をしかめる
リトはそんな唯の頬に指を這わせると、そのまま首筋へと指を滑らせていき
胸のラインへそして、おヘソの周りを何度も往復させる
「ん!ちょ…と結城、くん…くすぐッ…たい」
体をくねらせながらそれでも、リトのモノから手を離そうとはしない唯
溢れた先走り汁で唯の手はもうベトベトだった
手が上下に動くたびにヌチャヌチャといういやらしい音に唯は、顔を赤くさせる
口からは熱い吐息がこぼれ、目が少しとろけてきている
いつもより間近で見るリトの肉棒に唯も女の部分を見せ始めていた
そんな唯の腰に手を回すとリトは、唯を近くに寄せる
「キャッ」
リトは唯の下腹部に手を添えると、そのまま割れ目へと指を這わせた
「やッ、ん…ちょ、ちょっと結…んッ」
クチュっという音と共にリトの指が入り口近くを刺激する
「あ…ン、んッ…」
ピクン、ピクンと小さく反応する唯の割れ目からは愛液が溢れ、リトの指に絡みつく
リトはさらに奥へ、唯の敏感な部分へと中指と薬指を入れていく
「あ…ンン、ゆ、結城…くんちょっと待ち……待って」
「待たない」
リトはそう言うと、二本の指で膣内を掻き混ぜていく
「オレだけ気持ちいいのは不公平だろ?」
「だ、誰もそんな…コトんッ、頼んでなんか…ァん」
リトは意地悪く笑うと指の動きを激しくさせる
「ふ〜んけどお前のココは、そうでもないみたいだけど?」
お風呂場に響く互いの性器をいじる音に、唯の体がどんどん熱くなっていく
唯は目の前にあるリトの太ももに頬を寄せると、そのまま頭を預けた
(唯のココもうぐちょぐちょになってる……ココにオレの入れたいんだけどな)
なんてコトを頭の中で考えた矢先、すぐに射精感が込み上げてきた
口から漏れるリトの少し苦しそうな息遣いに唯が、眉を寄せる
「結城…くん?」
唯の手の動きが遅くなっていく
「いいからそのまま続けて!それよりさ唯…」
「え?」
リトは唯の体を起こすと、その唇に吸い付く
「ンッ、ん…ん…」
リトは一旦唇を離すと至近距離で唯を見つめた
「唯とキスしたい!もっと、もっと…」
「ええ!?////」
リトの唇が唯の頬やおでこに這わされていく
「ちょ…ちょっと結城くん、待って!わか…わかったから!!」
リトはキスをやめると再び唯と見つめ合う
「もう…。ホントにハレンチなんだから////」
「ハハ…ゴメンな唯」
リトは苦笑いを浮かべると、唯にキスをする
今度は舌を絡め合いながら、唾液を交換しながら
「ん…ちゅッ、ンン…アァ、ちゅぱッう…ン…」
互いの息が熱くなってくるにつれ、性器を動かす手が、舌が激しさを増していく
貪るように互いを求め合う唯とリト
自然と唯の腰もピクンと浮き上がり、だんだんリトの指の動きに合わせる様に動き出す
「んっ…は、ア…ァ」
少し息の苦しくなったリトは、いったん唯の唇から離れる
名残惜しげにリトの唇を見つめる唯の口には、まだリトと繋がったままの唾液の糸がある
唯はその糸をその小さな舌を使って、口に含む
ぞくりとリトの背筋に何かが走る。そして頭には強烈な思いが浮かんだ
あの舌で、あの口でオレのモノを――――
唯はそんなリトの思いに気付くコトもなく、熱心にリトのモノをしごいている
まだ、リトが最初にしたお願いを果たそうとしているようだ
相変わらずガンコというか、自分を曲げないなあという思いとは他所に
ただただ、そんな唯をカワイイと思ってしまうリト
リトは秘所をいじる反対の手で唯の頭をなでた
秘所を覆う快感とは別のくすぐったさに顔を赤くする唯
その表情にリトの興奮は沸き上がるどころか沸き返ってしまった
すぐに唯に声をかけようとするが、絶妙のタイミングで微妙に角度を変えた唯の手の動きに
リトはあえなく欲望をぶちまけてしまう
止めるコトのできない快感と、開放感
荒い息を吐いて余韻に浸るリトを待っていたのは、白濁液で汚された唯の顔と髪だった
(こ、こ、こ、これはシャレになんねーーッ!!)
リトは大慌てでお湯で唯の顔の汚れを洗い落としていく
唯は無言。リトの額から流れ落ちた冷や汗が、背中へと何度も伝い落ちていく
それでもなんとか顔をキレイにし終えたリトは、髪を洗おうとするが、中々思う様に落ちないコトに焦りだす
「アレ?これなんで…もう一回シャンプーで」
「もういいわよ…」
え?っとリトが言う前に唯が自分で髪を洗い始める
「……えっと唯……その、いろいろ…ゴメン」
「……」
唯はまた無言。手に付けたシャンプーを髪に馴染ませていく
「……うぅ。えっと唯。ゴメンないきなりこんなコトしてさ…」
唯は黙って髪をゆすいでいく
「オレ今日全然ダメだな……。お前にいいとこ全然見せれないし、お前の言うとおりホントにカッコわるすぎる……」
鏡で自分の髪のチェックをしていた唯は、ふいにリトに向き直る
「……私、別に怒ってないわよ」
「え?」
少しびっくりしているリトに、言いにくそうな唯
「ま、まあ。びっくり…はしたけどね。だ、だっていきなりあんなコト…////」
「怒ってないってそれホントか?」
「だから怒ってないって言ってるじゃない!ホントにヘンなところで心配性なんだから」
ぷいっとそっぽを向く唯にリトは心から安堵の溜め息を吐いた
そんなリトの様子を横目で見ながら唯は、言いにくそうに体をもじもじとさせた
太ももを擦り合わせる唯の仕草にリトはピンと来る
「続き…しっよか?」
恥ずかしそうに首をコクンと振る唯を抱き寄せると、リトは唯を四つん這いにさせる
唯の端整な顔と、キレイな黒い髪を汚したコトへの興奮が、リトを早くも元気にさせていた
唯の中はすでに溢れた愛液でしっかりと準備ができている
リトは割れ目に自分のモノを当てると、ガマンできなかったのか一気に貫いた
「あッ…く、ゥう…」
一瞬の痛みの後に少しずつ広がる気持ちよさに唯の下半身は震える
「もぅ。もっとゆっくりして!」
「ゴメン…」
今日これで何度謝ったのか?リトはそんな自分に情けなさを感じてしまう
それでも肉棒を覆う唯の感触に、そんな気弱な感情は忘却の彼方に吹っ飛んでしまう
リトは唯の感度を確かめるように、ゆっくりとペースを上げながら腰を打ち付けていく
ぱん、ぱんと肉と肉がぶつかる音の中に唯の甘い声が混じってくる
「ん…あぁ…んッ」
唯の甘い欲望にまみれた喘ぎ
無防備で甘く響くその声は、自分だけが聞くことを許された、唯の女のコの声だ
(すっげーカワイイ…)
声も仕草も顔も
唯の全てにリトは虜になってく
そして、それは唯も同じだった
自分の体に触れるコトを許したただ一人の存在
初めて心を通い合わせた世界で一番大切な人
下腹部に伝わるリトの感触に唯は、素直な悦びの声をあげる
恥ずかしさや、いつもの性格が邪魔をしようとするが
自分では抑えきれない思いが、唯の中で溢れ出していた
唯はギコチない腰使いで、それでもリトの動きに合わせる様に動かしていく
次第に合わさっていく音と思い
絡みついてくる唯の膣肉の感触。太く荒々しいリトの動き
二人の感度はどんどん上がっていく

リトは肉棒を突き入れながら、唯の背中に口を近づけると、汗に濡れた背中を背骨に沿って舌を這わせていく
「アァ…んッン…」
ビクンと震える唯の体。リトは丁寧に唯の背中を舐め取っていく
「結城…くん、くす、ぐったい…んッ、ァ」
「唯の味がするから、お前の体舐めるの好きなんだオレ」
「もぅ。ホントに…バカなんだか、らァ…」
少しトゲのある言葉でも、どこかうれしそうな唯の声に、リトの口にも笑みがこぼれる
「好きだよ…唯」
「な!////」
リトは耳元でそう囁くと、唯のうなじにキスをし、そのまま首の裏筋を舌で舐めていく
耳元でそんなコトを言われた唯の顔は真っ赤だ。恥ずかしさを隠そうにも今の状況ではどうすることもできない
うれしさと恥ずかしさとで唯の下腹部はキュッとリトを強く締め付けた
その反応にますます激しくなるリトの動き
リトは手を伸ばすと、タプタプと揺れる唯のムネに指を絡ませていく
吸い付くような肌触りと、やわらかい肉感
リトは欲望にまかせて唯のムネを揉みしだいていく
とたんに唯の口から今までとは違う、嬌声が出る
「ふぁ…あ…ァ…結、城くんムネはダメェ!そんな強く…ンッ」
「お前はムネ弱いもんなァ!乳首とかさ」
キュッと指で挟まれる乳首の感触に唯の体が仰け反る
「は…ァ…ァア…ダメ結城くん…ホントに」
「嫌」
リトは一言耳元でそう囁くと、ますます指をムネに絡ませていく
下腹部と胸の二箇所同時の責めに唯の体がガクガクと震える
「イきそうなんだ?」
唯は首をコクコクと振って応える。ちゃんと応えるコトもタイヘンらしい
リトは背中にキスをすると、唯の腰を掴んで腰を打ち付けていく
「オレももうちょっとでイきそう」
「一緒がいい…。結城くん一緒に、お願い」
唯の懇願にリトは応えるように動きを早めていく
膣内がざわめき、リトを離さないように締め付けていった
「く…ぁあ、ンッ」
前後に揺らされる唯の小柄な体
リトは唯の頭に手を伸ばすと、髪を留めている髪留めを外した
ぱさっと広がる長いキレイな黒髪
リトの鼻腔をほのかなシャンプーの匂いがくすぐる
リトは左手で唯の髪を梳くように指に絡ませると、そのまま唯の背中に上体を預け唯を両手で抱きしめた
「好きだ…お前のコトがすげー好き!唯…大好き…」
「も、もぅ…あッ、ンン////」
リトの一言一言にキュンキュンと反応する唯の大事なところ
顔どころか体まで真っ赤になってしまう唯を、リトはますます愛しげに抱きしめる
リトのうれしい言葉責めに唯の下腹部は痙攣を繰り返し、限界をリトに教えた
正直な唯の体に苦笑しつつもリトは唯に合わせるように、自分も動きを早める
「ゆ、結城…くん。…私もうッ」
唯の膣内が大きくざわつき肉棒を締め付ける
リトは子宮口まで突き入れるとその奥に欲望を吐き出した
「ア…ふぁ…あ…ァ」
二度三度とガクンガクンと痙攣する腰から肉棒を引き抜くと唯は、その場でくずれ落ちた
ぐったりと上体を床に寝かせた唯の下半身はリトに突き出したまま
ドロリとした精液が割れ目から伝う様にリトのノドが鳴る
中に出されて連続でイかされた唯の息は荒い
肩で息をしながらなんとか起き上がると、そのままリトの胸の中に体を預けた
「大丈夫か?」
「はぁ…はぁ、うん…平気よ」
ムネの中でくすっと笑う唯のおでこにリトはキスをする
「なに?」
「なんでもない」
リトは見えないように笑うとそのまま唯を抱きしめた
体が冷たくなってきた二人は、今湯船に浸かっている
リトの体に背中をもたれさせ、リトに後ろからギュッと抱きしめられている唯
頬をリトの胸板に乗せて、先ほどの余韻に浸る唯の頭をリトの手がやさしく撫でていく
時折、くすぐったさで身を捩る唯が、リトはたまらなくカワイイと感じていた
しばらくそうしていると唯がぽつりと口を開く
「ねェ。どうして、髪外したの?」
「え?んー。オレ髪を上げてるお前も好きだけど、やっぱいつものお前の方がいいかなって」
唯は少し目を大きくさせた。自分の髪型を褒められたのはこれが初めてだったから
「そ、それならそれで言ってくれればいいのに!そしたら私いつでも…////」
「え?」
ぶつぶつと小さな声で呟く唯にリトは聞き返す
「な、なんでも……ないわよ////」
唯の素直な気持ちは小さな呟きと共に消えていく
それでも、これからはなるべく髪はストレートのままにしようと思う唯だった
「あのさ唯」
「ん?」
少し真剣なリトの声に唯はリトを見つめる
「オレ来年のクリスマスはもっとがんばるよ!今日みたいにならないようにもっといっぱい勉強してさ。
女のコの気持ちとか、好きなトコロとかももっと知らなくちゃダメだし」
唯はその言葉に思わず起き上がって、リトを見つめる
「ま、まあそのためにはもっと籾岡や沢田とかと話したりしなきゃダメなんだけどさ……。オレにできんのかどうか……ハハハ」
「ダメッ!!」
困ったように苦笑いを浮かべるリトへ唯は、大きな声を上げる
「ゆ、唯?」
「あ……べ、別にそんなコトしなくてもいいわよ」
唯は小さな声でそう呟くと、浴槽の反対側へ行ってしまう
「唯?」
リトの怪訝な表情に唯は顔をそむけた
「オレなんかヘンなコト言ったか?今日のコトもちゃんと反省して来年こそは!ってちゃんと考えてるんだぞ?」
「わかってるわよ」
「じゃあなにが不満なんだよ?」
リトの質問に唯は応えられないでいた
自分の本当の気持ちを言えずにいた
リトが来年のコトを考えてくれているコトは、唯もすごくうれしかった
うれしいのだが、そのために他の女のコと話したり仲良くしてるリトが、たまらなく嫌だった
もちろんそんなコトはただのわがままなんだと唯もわかっている
わかってはいるのだが、そんな簡単に気持ちを整理できない
一人ムスっと機嫌をそこねた唯にリトは、溜め息を吐くと唯のいる方へ移動する
「お前なァ。なに拗ねてんだよ?」
「別に拗ねたりなんか…」
「……オレが籾岡とか沢田とかと話したりするのが、嫌なんだろ?」
「ち、違うわ!!私は別に……ゆ、結城くんがそーしたいならすればいいじゃない!」
どーして私がそこまでとかぶつぶつと呟く唯をリトはじっと見つめた
リトはその手を唯の頬に這わせると、唯を正面に向かせる
「な、なに?結城くんまだ私に…んッ!」
リトは唯の口を塞ぐようにキスをすると、そのまま中まで舌で蹂躙する
いきなりのコトで唯はリトの肩をギュッと握り締める
「んん…ちゅる、ン…ちゅぱ…ん、うッ、ぷはァ」
やっと解放された唯はじっとリトを睨み付けた
「結城くん!いつも言ってるけど、どーしてあなたはいつもいつもいきなり…」
「お前さ。オレがお前以外のヤツのコト好きになるって考えてる?」
ドキンと唯の心臓が音を立てる。唯はそのまま固まってしまった
結城くんが誰か別の人を好きになる――――
それは、自分が一人になってしまうのと同じ意味
小学校、中学、そして高校一年まで唯は、ずっと一人だった
もちろんクラスで話す人達も何人かいた。いたのだが、友達と呼べるほどでもなく、唯はいつも一人クラスで浮いていた
高二になって初めてできた友達。ララや春菜達
みんな唯にとってはなにかと問題ばかり起こす連中だったが、それでも大切な友達
そしてリト
心の底から大切に思える人、心から好きだと思えるただ一人の人
もう一人になるのは嫌だった
もう一人にしてほしくなかった
なによりリトに嫌われたくはなかった
唯の目に自然と涙が溢れ出る
「はぁ〜。お前なァ。オレがお前以外のヤツを好きになると思うか?」
唯は黙っている。
「心配しなくてもオレには唯しかいないから!な?」
しばらくすると唯は涙を浮かべながらじっとリトの顔を見つめた
「ホント…?」
それは、小さな子供が、必死な思いですがっている様な顔だった
リトは唯の手を取るとその体をギュッと抱きしめた
耳元に聞こえる小さな唯の泣き声
リトはあやす様に唯の頭をやさしく撫でると、力強く言い放つ
「当たり前だろ!お前以外誰がいるんだよ!?」
唯はリトにしがみ付きながら小さく体を震えさせている
不安で心配でそして、寂しくて
リトは体を少し離すと、唯の両頬に手を添え、おでことおでこをくっつけた
きっと唯は、これから先も何度同じコトを言っても不安になったりするんだろうな
だから――――
「オレ、ホントにお前のコト好きだよ!お前がどーなってもこの先もずっとずっと好きだ!だから安心しろって、な!」
リトは目を閉じると、一言一言に噛み締めるように気持ちを乗せて言う
「お前がちょっとでも不安になったり、寂しくなったりしたら、いつでもオレがこーしてやるから!
ちょっとでもお前の気持ちが楽になるんなら、大丈夫になるまでオレはいつだって一緒にいてやる!!」
唯の目から大粒の涙がぽろりと落ちた
「…ほ、ホン…トに……?」
震える口で話す唯をリトは胸に抱き寄せる
「約束する!」
力強くそう言い放つリトに、唯は少しだけ微笑むとコクンと首を振った

「もう、大丈夫だよな?」
リトに指で涙を拭ってもらいながら唯は恥ずかしそうにうなずく
「ッたく唯もまだまだ子供だなー」
唯は俯いていた顔を上げると、ニヤニヤとリトが笑っていた
とたんに顔を赤くさせる唯
「ど、どーいう意味よ!?」
「どうってさっき見たまんまじゃん!ホント体ばっか大きくなってるからこんなコトになるんだよ」
唯はもはや言葉すら出てこないのか口をパクパクさせている
「ムネだって最初の頃にくらべると大きくなってるしさ。ッてコレはオレがいっぱい揉んだせいだけど」
「そ、そんなワケないでしょ!!成長してるだけよ!////」
そう言って胸を手で隠しながらそっぽを向ける唯
リトは苦笑した
(コレでちょっとは元気になったかな)
しばらくムスっとしていた唯は、やがてリトの方に向き直ると少し言いにくそうに、不安そうに呟く
「ね、ねェ。結城くんってひょっとして……ムネの大きい人ってタイプじゃ…ないとか?」
「へ?」
思ってもいなかった唯の言葉にリトは顔をぽかんとさせる
「そ、そんな顔しないでよ!私は真面目に…」
「オレお前の胸好きだよ。だってすげえやわらかいし、キレイだしさ!それにおいしいし!唯の味がする」
「あ…ありがと…って最後のおいしいとか味とかっていったいどういう意味なのよッ!////」
とたんに怒り出す唯にリトは慌てて弁解を始める
「オレ別にそんなつもりで……褒めたつもりなんだけなー」
「どこが褒めてるのよッ!!!」
顔を赤くさせながら胸の前で腕を組んだ唯は、そのままリトから体をそむける
「まったくせっかくさっきは…」
ムッとした表情の唯にリトは怪訝な顔をする
「さっきはなんだよ?」
「……////」
さっきのコトを思い出し、一人顔を赤くさせる唯
リトはますます眉根を寄せて考え込む
「と、とにかくそんなヘンなコトはもう言わないで!」
「……お前が不安がってるから言っただけなんだけど…」
まだ納得できないのか、一人難しい顔をしてるリトを唯はちらりと横目で見つめる
「……わ、私が不安な時は……結城くんは、どーするんだったの…?////」
「へ?」
一瞬きょとんとなったリトだったが、一人真っ赤になっている唯の表情に口元を緩めた
「そーだったな!おいで唯」
唯は少し躊躇いがちにリトのいる方へと移動し、リトの胸にぴたりと頬を寄せた
リトはびっくりした。まさか本当に唯の方から来るとは思っていなかったからだ
「きょ、今日はやけに素直なんだな?」
「わ、私だってそんな日ぐらいは…そ、それに……」
「それに?」
唯は真っ赤になっている顔を伏せると、言いにくそうに呟く
「そ、それに…今はこれだけじゃ…足りない……から////」
もじもじしながらそう呟く唯に、リトの心臓は跳ね上がる
少し冷たくなっている唯の肩に手を置くと、唯は体をピクンとさせた
「も、もしかしてスイッチ入っちゃってるとか?」
ずっとドキドキしっぱなしだった唯の体は、ハレンチだと思いながらもリトを求めてうずいてしょうがなかった
「……う、うん。……だ、だから…せ、責任取って結城くん…////」
「じゃ、じゃああオレの部屋行く?これ以上ここにいたら風邪引くかもしんねーし」
唯は少し間を置くと、リトの胸におでこを当てたまま首を横に振った
「……ここで…いいの////」
「あ…ああ。じゃ、じゃあ…お前がそー言うなら…オレは別に…」
いつもと様子が違う唯にリトは戸惑った
そして、それは唯も同じだった
今は不思議と素直な気持ちを口に出せる。いつもは決して口にできないコトでも
リトに甘えて、体を寄せる
付き合っているならそんなコトは、当たり前のコトかもしれない
それでも、それは唯にとったらとても勇気がいったコトで
唯はリトの胸に顔をうずめながら、そんな自分の変化に頬を赤くさせていた
リトは唯の頭に軽くキスをすると、ゆっくりと割れ目へと手を這わしていく
リトの指をキュッと締め付ける膣壁や、お湯の中でもわかるトロリとした愛液はさっきよりも量が多く
すでに準備できているコトをリトに教える
リトは浴槽に腰を沈めると、唯の手を取って自分の腰の上に来るようにうながす
少し躊躇う唯にリトは悪戯っぽく笑う
「お前この体位好きじゃなかったっけ?」
とたんに唯の顔は赤に染まる
対面座位。リトの顔を見れて、抱き合えて、おまけにキスもできるこの体位が唯は好きだった。もちろん気持ちよさもあるのだが
恥ずかしそうに自分の腰を跨ぐ唯をリトは、ずっと見ていた
さっきから唯は本当に素直でそして――――
「カワイイな唯は」
「!!?ば、バカなコト言わないのッ////」
カワイイとかキレイという言葉に唯は弱いコトをリトは知っていた
けれど、そんなコトは関係なくリトは唯を本当にカワイイと感じていた
唯の背中に回した手が愛おしそうに這わされていく
「んッ」
「自分で入れられる?」
唯の顔がピクンと反応する。割れ目に少しだけ当たっているリトの肉棒
どこになにを入れるのか?唯はわかっていたが、ソレを自分からしたコトなどなかった
恥ずかしさで固まる唯を、可笑しそうに見つめるリト
「ん〜。やっぱムリ…」
「で、できるわよ!これぐらい」
目一杯の強がりを見せると唯は、リトと位置を合わせようと動く。が、中々思う様にいかない
リトは一人焦る唯の手を掴むと、それぞれどうすればいいのか教える
けれど、やり方はわかった唯だが、今度は躊躇いが生まれる
自分で自分の割れ目を広げる。それもリトの見てる前で
強がったコトを一瞬後悔もしたが、今はもう体も心もリトが欲しくてたまらなくなっている
唯は震える指先でゆっくりと割れ目を広げ、リトの先っぽと膣穴を合わせていく
(結城くんが見てる…。こんなハレンチなコトをしてる私を)
気持ちに戸惑いが生まれるが、体はもう止まらない
唯の体がゆっくりとリトの腰に沈んでいく
「ン…あ…ぁ」
リトのモノが入ってくるにつれ、膣壁がざわつき、リトを締め上げていく
「だ…ダメ!奥に…あた…って、んん!」
子宮口に当たる熱い肉感に唯の体が二度三度と大きく震えた
「ん…、く…ッあぁ…」
「ん?もしかしてイっちゃったの?」
恥ずかしそうにうなずく唯の頬をリトはやさしく撫でる
「じゃあ…もっとカワイイ唯を見せて」
リトは唯の腰を掴む
「あ…ま、待って!今ダメッ!今はダメッ敏感なの////」
「じゃあ唯が動く?だって今度はオレが気持ちよくなる番だろ?」
「わ、わかってるわよ」
少しぐったりした体に力を入れると、唯はゆっくりとグライドを始める
唯の腰の動きに合わせてお湯がチャプチャプと揺れる
「ンッ、あッ、ァ」
短い吐息を漏らしながら腰を振る唯
ギコチない腰使いは快感とはいかないが、それが返ってリトの興奮を呷る
リトはタプタプ揺れる胸を両手で鷲摑むと、欲望にまかせて揉みしだいていく
胸がとても感じやすい唯は、すぐに反応させる
「やッ…ァ…ン」
膣内がざわめき肉棒を締め付ける
「ゆ、結城…くん。む、ムネは…ン」
「さっき言ったろ?お前のムネ好きだよって!」
リトはお湯をバシャバシャさせながら胸を少し乱暴に揉んだ
「ン、ン…やッ…それキツ…イ」
「じゃあ今度は味を確かめるな?」
近づいてくる吐息と舌の熱い肌触り
「結城…くん…」
すでに充血している乳首にリトの舌が這わされる
ねっとりと唾液を絡ませながらしゃぶり付くリトに、唯は背中を仰け反らす
「ンン!あぁ、ん、くぅ…だ、ダメぇ…」
「なにがダメ?」
リトの意地悪な質問にも唯は応えられない
さっきから膣肉が蠢きっぱなしで、リトを欲している
唯もガマンできないのか腰の動きを激しくさせるが、自分だけではどうしようもない
額から汗が流れ出し、湯船にポタポタ落ちていく
イきたくてもイけない、苦しみにも似た快感に唯の顔は歪む
リトはそんな唯を見て、ちょっとやりすぎたかな?と後悔した。その時
「……して」
「え?」
か細い消えてしまいそうな唯の小さな声
「欲しいの結城くんのが!ガマンできないの……結城くんお願い////」
目をうるうるさせながら見つめてくる唯
その声は、今まで聞いたコトのないほどに甘く切ない声だった。リトの理性は崩壊する
リトは唯の腰を掴むと、下から打ち付ける
「ん!あッ…ん、イっちゃ…んん…」
唯はリトにギュッと抱きつくと、荒い息を吐きながら体を大きく震えさす
キュンキュンと締まる膣内
体に抱きつきながらぐったりする唯に構わず、リトの責めは続く
唯を逃がさない様強く抱きしめて、弱いところに突き入れていく
子宮口を責められ、戻る時のカリに膣壁を押し広げられ、唯の膣はリトに掻き回される
耳元で聞こえる、唯の熱い声
連続で何度もイかされる唯の体はさっきから震えっぱなしだった
リトは一度責めるのを緩めると、唯の体を少し離した
荒い息を吐きながらリトを見つめる唯
至近距離で見つめ合う二人。やがてどちらともなくキスをすると、舌を絡ませ合う
唾液の交換をし、体を抱き寄せる
下からの突き上げで少し苦しそうな唯から口を離すと、二人の間に唾液の糸ができていた
「また舌で糸すくい取って」
リトのお願いに、小さな舌を出して応える唯
リトはその舌に再び自分の舌を絡ませていく
チュパチュパと吸い合ってる内に、リトは唯の体を抱きしめた
「んッ…」
少しびっくりしたのか、体を硬くさせる唯に構わず、その体に腰を打ち付けていくリト
「や…ぁ、んっ…結…城くん」
「唯…。オレもうイきそう!」
唯はリトの腰に足を絡ませると、その体をギュッと抱きしめた
「もう一度キスして…。」
リトは言われたとおりにキスをする。今度は舌を絡ませない触れ合うだけのキス
そして、何度も何度もキスを交わしていく
唯はリトを見つめると、少し震える声で呟く
「私…私も結城くんが好き。大好き!だから、だから私から離れないで……。私のそばにずっといて!!お願い結城くん」
リトは目を丸くさせた。まさか唯から好きとか一緒にいたいとか言われるとは思ってもいなかったからだ
「え…えっと…」
すぐに返答しないリトを今にも泣きそうな唯が見つめる
「……ダメ……なの?」
「だ、ダメなワケねーだろ!ただちょっとびっくりして……。ッて心配すんな!おまえの気持ちすげーうれしいからさ!!」
そう言うとリトは強く強く抱きしめる。唯もそれに応えるようにリトの背中に腕を回した
激しくなっていく腰使い。膣内で大きくなっている肉棒はリトの限界を唯に教える
「結城、くん。ガマンしないで出して…私も、もう…」
キュッと締まる膣内の奥にリトは自分の欲望を流し込む
ガクガクと震える唯の体。射精されながら連続でイかされた唯は、そのままリトの胸の中でぐったりとさせた

唯の体が収まるのを待つと、リトは唯の前髪をかきあげておでこにキスをした
「んッ」
くすぐったそうに身を捩る唯をリトはただ笑いながら見つめる
「どうしたの?」
「さっきのお前の言葉。オレのコト好きだって初めて聞いた」
とたんに顔を真っ赤にさせる唯
「そ、そんなワケないじゃない!今までだって何度も言ってるわよ!あなたの勘違いでしょ////」
「そうかー?けどいいや!また聞かせてくれよな!唯の好きって言葉」
唯は恥ずかしさのあまりリトから顔を背ける
「べ、別に言わなくたって私の気持ち知ってるならいいじゃない?」
「お前の気持ちは知ってるけどさ、オレばっか好き好き言うのは不公平だろ?」
唯は返答に困ってしまった。たしかにリトの言う通りかもしれない
顔を背けたままじっと考え込む唯をリトは不思議そうに眺めた

「リト達遅いね〜。なにしてるのかな?お腹すいたな〜」
その頃リビングにいたララは一人不満を口にしていた
テーブルの上には、美柑お手製のケーキやお菓子がずらりと並んでいる
そして、ララの隣にはす〜す〜と寝息を立てて美柑が眠っている
なんだかんだとケーキすら食べていない二人のために、急遽がんばった美柑はすっかり疲れ果ててしまっていた
兄想いの妹の頭をなでなでしながらララはいつまで経っても上がってこない二人を待ち続けていた

「……時々なら言ってあげてもいいわよ////」
そう呟いた唯の顔は耳まで赤くなっている。きっと最大限の勇気をふりしぼって言ったのだろう
「ホント?」
顔を輝かせるリトに唯は困ったように条件を付ける
「と、時々よ!ホントに時々だからね!!////」
「わかってるって!ありがとな唯」
うれしさで自分に抱きつくリトに唯はびっくりして言葉に詰まってしまう
今日、結城くんとクリスマスを一緒に過ごせたコト。また来年もその先もずっと一緒にいると約束してくれたコト。
初めてあんなにも素直になれたコト。そして最高のクリスマスをプレゼントされたコト
リトのぬくもりを感じながら唯は今日の出来事を思い返していた
そして、ありがとうと世界中の誰にも負けない「大好き」の気持ちをこめてリトをそっと抱きしめた

時刻は夜の12時を廻ったところ
お風呂からあがった二人を待っていたのは、すっかり待ちくたびれたララと、眠い目をゴシゴシしながら欠伸をしてる美柑だった
なにか言いたげな美柑の視線に愛想笑いを浮かべるリトと、ただただ顔を赤くさせる唯
美柑の溜め息とララの掛け声を合図に4人は準備に入る
ケーキの上のロウソクに火を付けるララ
オーブンから取り出したばかりの熱々の七面鳥を、ちょっと得意そうな顔で持ってくる美柑
それぞれのコップにジュースを注ぐ唯
リトが灯りを消すと、部屋にはロウソクの火だけが揺らめく
ロウソクの火に照らされながら唯とリトは互いの顔を見つめ、そっと微笑む
そして4人はクラッカーを鳴らすと、声を揃えて言った
『メリークリスマス!!!』
500名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:08:47 ID:vqJegt9T
終わり
季節外れのクリスマスネタですいません
イチャイチャセクロスとデレデレな唯はちょっとやりすぎた感が……
501名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:22:40 ID:KV4v9n51
まったく、振幅が大きいツンデレはこれだから・・・
GJを贈るしかないじゃないか!
うーむ、そうか一人か。なるほどねえ。
502名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:24:08 ID:+K3SuOqy
>>500
あなたが書く唯は最高です!GJ!!
503名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:42:46 ID:y6eb6U/O
GJ!
まさか唯がこんなに激しいセクロスをするとはw
504名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 02:31:54 ID:HuO+UBpU
あなたが神か!!
デレデレ唯ちょっとやりすぎ?いえいえそんなことはありませんよ。
しかし、これは反則だ!!超GJーーーーー&乙でした!!
505名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 08:39:07 ID:xntDqQ+z
あまりにもGJすぎて夢精しちまったじゃねーか

責任とっ(ry
506名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 22:26:57 ID:J9NmPaJp
>>468
凛は非処女だよ
綾とか沙姫様とちゅっちゅしてるよ
507名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 00:09:00 ID:jV+P6HEZ
GJ
508名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 19:39:15 ID:4dlMAjRI
リトの一日

リ「ふあああ……お、今日は休日か。ゆっくり二度寝でも」
ラ「おっはよー! リトーっ!!」

中略。ララの胸に顔を埋めるといったラッキースケベが発生

リ「折角だから街にでも出るかな。あっ! 春奈ちゃーん……おわっ!!」
春「きゃっ!?」

中略。春奈を巻き込んで転んだ拍子に抱きつく的ラッキースケベ発生

ラ「さっきのはリトが悪いよ。叩かれてもしょうがないよ……。あ、ヤミちゃん!」
闇「プリンセスと……結城リト。せっかくですからあなたを始末でもしましょうか」
リ「せっかくでやることじゃないだろ! ……ちょ、うわっ!?」

中略。なんだかんだの末にスカートに顔を突っ込むラッキースケベ

春「結城君、大丈夫……?」
リ「いてて……。本気でやるんだもんなあ。お、あれは……」
ル「きゃーん、リトくんっ!」

最終的にはラッキースケベ。でもホモオチ

闇「……さすがに同情します」
リ「うええ……気持ち悪い……」
唯「あら結城君。顔色が悪いわよ?」

ラッキースケベ

リ「うう……」
ル「あら?」
沙「きゃっ」

スケベ

リ「今日も酷い目にあったな。もう寝よ寝よ」

就寝
509名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 23:53:23 ID:OeDySbOF
台本形式はやめてほしい
510名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 05:51:04 ID:bjdgZIQT
>>509
同意
無理に全員を入れようとしてるから、話を具体的にしたほうがいいと思うぞ
511名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 09:22:08 ID:htwCPR9h
わざとでしょ
どっちかってーとお笑いみたいだし
512名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 14:37:38 ID:0x5BMYWQ
SSってより小ネタだからな
深くつっこむようなことじゃない
513名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 11:26:09 ID:c4OpQUX6
なんだかんだでエロ無し多いんだな。
エロパロ板だけどそういうのはOKなんかな?
514名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 14:29:15 ID:QA1j1NsT
エロオンリーにして、寂れるよりはエロ無しでも職人カモンのほうがいいでしょ
515名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 16:04:29 ID:jS6rx+Yv
>>514
マジかよ!?エロなしいいならもうちょいいろいろ書けるけど、ホントにいいの?
516名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 19:29:17 ID:QA1j1NsT
投下してくれる人を拒む理由がないからね
台本形式は勘弁だけど
517名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 20:28:22 ID:Sm2c4ba9
wktk
518むに:2008/02/23(土) 21:21:28 ID:9fFivX0T
どうも、こんばんは。

いつぞや言っていた『結城零紋の受難』本編内にエロ要素を入れられない代わりの策…。
そういう要素を無理矢理含ませた番外編みたいな物を作ってみましたので投下したいと思います。
(そもそも、ココ――エロパロ板でエロを書かないのもマッズいかな〜とも思いましたので…)

ただ、ご存知(?)の通り通常とはかなり違った仕様(リトの性別変換=本来攻めの立場のキャラが受けにまわっている)に加え、文才ゼロの自分が書いている事もあり表現に至らない点があるやもしれません。
そのため、見る人によっては不快感を与えかねない内容となってるかもと思いますので、そんな方はスルーを、大丈夫だという方はそこんとこ覚悟の上でご覧になって下さい。

長文になってすみません。
それでは、番外編投下します。まずは御門先生から。
519むに:2008/02/23(土) 21:22:37 ID:9fFivX0T
「あ………あの〜………御門先生…?」

「ん?なぁに?結城君。いや…『レモンちゃん』♪」

「……何故オレはこんな事に…?」

「さぁ〜?何故でしょうね〜?」

手首を制服のリボンでベッドの縁に固定。両足は大股開きにされて、こちらも足枷で縁に固定。
知らない内にベッドに四肢を縛り付けられて困惑するリトを、御門先生が怪しさ120%のにこやかな笑顔で見下ろす。

「いやいや、『何故でしょうね〜?』って、コレ先生の仕業でしょ?早くほどいて下さいよ」

「くすっ、悪いけどそーゆー訳にはいかないの♪」

そう言って、ベッドに腰掛ける御門先生。

「実はねぇ〜、先生最近欲求不満気味でさぁ〜。毎晩身体が疼いちゃってしょうがないの」

「は、はぁ…?」

「それでね、この間あなたがそんな身体になっちゃって、そのエロ――もとい素敵なプロポーションを見てる内にこう……
内側からムラムラっと来ちゃって♪」

「え゛…!?」
『ゾクッ!!』

艶っぽい目で見つめる御門先生に、リトの全身に悪寒が走った。

「と、いう訳で――♪」

「な、何が『と、いう訳で』なんスか!?先生一体………ってちょっとぉぉ!!?何してんスか先生!!?///」

「こ〜ら、そんなに暴れないの♪綺麗に脱がせられないじゃない」

手足が動かないままジタバタするリトをよそに、御門先生は軽そうなノリでシャツのボタンを一つずつ丁寧に外してゆく。
そして、全てのボタンを外し終えてはらりとシャツを捲ると、ララにも匹敵(厳密には1cm上回ってる)するその豊満な胸が露わになった。
520結城零紋の受難 番外編(御門先生編):2008/02/23(土) 21:26:40 ID:9fFivX0T
「あら?結城君ちゃんとブラしてるじゃない。ショーツの方もしっかり装備しちゃって、どーゆー心境の変化?」

ついでにスカートをピラッと捲りながら御門先生が尋ねる。

「ち、違うんですよ!!別に好きで着けてる訳じゃなくて、着けないと籾岡達がうるさくてセクハラばっか仕掛けてきたりして、
しかも何故かオレがノーパンだって説が男子内で広まってて、その上――!!///」

「くすくす、そこまで必死になって言い訳しなくても良いじゃない。よく似合ってるわよ、そのチェックも♪」

早口でまくし立てるリトの言葉を笑顔で受け流す御門先生。
間違いなく理解してる上でからかっている。

「でも、今はコレ邪魔だから」

そう言って、手をワキワキさせてブラジャーを外そうとする御門先生。

「でぇっ!?ちょっ…ちょっとぉ!?止め…だめっ…やぁっ!!///」

それを阻止しようとさっきよりも身体をバタつかせるリト。その勢いで縛り付けたベッドもドタンバタンと揺れまくっている。

「あーもう、うるさいわねぇ〜。だったら――」

懐から何か飴玉みたいな物を取り出し、それを口に含む。そして――。

「ん……」
「んぐっ!?///」

リトの頭を両手でがっしりと固定させて強引に唇を重ねた。

「むっ……ん…ぅ……むはぁ…///」

間髪入れずに舌先をリトの口内に侵入させる御門先生。
リトも最初は抵抗していたが、御門先生の香りと舌先の熱さに何とも言えない快楽感を覚え、
次第にされるがままになり、やがて自らの舌も絡ませていく。
しばらくの間それを続けてリトがすっかりディープキスに酔いしれた頃、
御門先生は先ほど口に含んだ飴玉の様な物をリトの口内へと滑り込ませた。

「むふぅ……ふぁっ……はぅ……んっ…///」

お互いの舌を夢中で絡ませ合いながら、飴玉を互いの口内へ転がし合う。
そして飴玉が丁度リトの口内で無くなった頃に唇を離すと、お互いの唾液が舌先から糸を引き合うのと同時に
リトの喉元を何かしらの甘い感覚が通った。
521結城零紋の受難 番外編(御門先生編):2008/02/23(土) 21:28:20 ID:9fFivX0T
「はぁ……はぁ………先生ぇ……今オレに何か……///」

「ふぅ…ふぅ……あぁ、私特性の媚薬よ♪結城君が大人しくしてくれないから」

「はあ!?ちょっ、人に何ちゅー物を――うっ!!?///」

文句の一つでも言おうとしたリトだったが、突然心臓がドキンと跳ね上がり、頭がぼーっとし始めた。

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…ぁっつぅ…///」

リトの呼吸が荒くなり、身体中は熱を帯びて、内股からは何かじゅんとした液体が染み出ているかの様な感覚を覚える。

「あら?思ったよりも効くのが早かったわね」

自分で作っておいて、その即効性に少し驚く。

「あはぁ…、私もちょっと飲んじゃったから、何か私の方にも効いてきたみたい…」

そう言う御門先生も、リト程ではないが若干顔が上気し息も少し荒くなり始めていた。

「ブラ…外すわね」

「ちょっ…先生ぇ…///」

抵抗しようにも身体に力が入らない。なすがままにブラジャーを剥ぎ取られ自身の胸を剥き出しにされる。

「ふふっ、もう乳首ピンピンじゃない♪」

軽くリトの乳首を弾いて両手で優しく乳房を揉みしだく御門先生。
掌の動きに合わせて形を変え、強く押すとその反動で押し戻そうとする力が働く。
古くさい言い方をすれば、まるでマシュマロみたいな感触に段々夢中になっていく。

「んっ……ふぅ……ん…ぅんっ…///」

御門先生の愛撫に感じながらも、声を出すまいと口を堅く紡ぐリト。
媚薬の効力に取り込まれ、快楽の波に飲み込まれそうになるも、僅かに残った理性が必死に抵抗する。

「結城君、声を出したいなら出してもいいのよ?私、結城君の声聞きたいなぁ〜…」

そう言いながら、片方の乳首を指でクリクリといじったり摘んだりしながら、
もう片方の乳首におもむろに口に含んだ。

「ふぅんっ…!ぅっ……ん……んふっ…!///」
522結城零紋の受難 番外編(御門先生編):2008/02/23(土) 21:32:00 ID:9fFivX0T
赤ちゃんみたくリトの乳首に吸い付き、甘噛みしてみたり舌先で先端を転がしたりしてみたりして、
もう片方の乳房も休みなく掌や指で弄ぶ御門先生。
しかし、それでもリトは声を上げない。反射的に喘ごうとする所を僅かな理性をフル稼働させて無理矢理押し込める。

「むー、中々頑張るわねぇ〜…。そんなに頑張られると意地でも出させたくなっちゃうじゃない♪」

にや〜りと微笑う御門先生。胸を弄っていた手をゆっくりとお腹を滑らせ、リトの『女の子』の部分に下着越しに触れる。

「ふぁあっ…!あっ……んっ…!んんっ…!///」

薬の効果もあって、ソコはすでに洪水の様にぐちょぐちょに濡れて、下着がリトの秘部に張り付いて正直かなり厭らしい。
それ故なのか感度も敏感になってしまって、リトは一瞬不覚にも喘ぎ声を上げてしまった。
だが、直ぐに口を再び堅く紡ぎ、必死に御門先生の攻めに耐える。

「うふふっ、やっと鳴いてくれたわね『レモンちゃん』♪」

一瞬とはいえ、ようやくリトの喘ぎ声を聞くことが出来て更にテンションが上がる御門先生。

「もっと…、もっと可愛い鳴き声を聞かせて。『レモンちゃん』♪」

下着越しに触れていた指を、今度は下着の中へと滑り込ませ秘裂の入口部分に直接触れる。
クチュクチュと卑猥な効果音を響かせ、同時に先端のちょこんと飛び出た部分も親指で押す様に攻め立てる。

「ひゃあっ!あっ…!はぁあっ!!ぁん!せ……先生ぇ…止め……やぁあんっ!!///」

とうとう耐えきれなくなり、今まで我慢してた分を解放させるかの様に喘ぎ声を上げるリト。
押し寄せる快楽感に逆らえず背中がのけぞってしまい、残りの理性も吹き飛んでしまいそうになる。
だがそれでも、このまま御門先生の想うがままに流されてたまるものかという思いがギリギリで切れかけの理性を繋ぎ止める。

「あはぁ……熱っつぅい…。結城君のアソコ…、ヒクヒクしてて凄く熱いわ…。まるで熱でもあるみたい…」

そう言って、何処からともなく体温計を取り出し、下着の布地をズラして秘裂を露わにする。

「はっ……はぁっ……ぁ………先生……何を……?///」

「ん?し・ん・さ・つ♪」

妖艶な笑みを浮かべて、手にした体温計をゆっくりとリトの膣内に挿入した。

「ぁっ…ぁああっ…!痛ったぁ…!///」

体温計の冷たい感触と、自分の中に異物が入り込んでくる感覚に、リトはゾクリと身体を強ばらせる。
ズブズブと体温計がリトの膣内を突き進み、半分位の所で何かにぶつかる感触がした。

「へぇ〜、結城君ちゃんと処女膜もあるんだ。完璧に女の子の身体なのね。うん、我ながら天才だわ私♪」

「せ…先生ぇ……ちょっ……ソレ…抜いてぇ……痛ぃ…///」

自分の才能に惚れ惚れしてる御門先生に、体温計を抜いてほしいと涙目で懇願するリト。
523結城零紋の受難 番外編(御門先生編):2008/02/23(土) 21:33:47 ID:9fFivX0T
「えーダメよぉ、結城君のココ凄く熱いから熱があるかも知れないじゃない。だからちゃあんと診察しとかなきゃ。
大丈夫、膜は破らない様にするから♪」

「ゃ…そーゆー問題じゃ――はぁあんっ!!あっ……ひゃあっ!や、やだ…動かさな……あんっ!!///」

リトのお願いを軽く却下して、構わず体温計を上下左右に動かし始める御門先生。
体温計の動きに合わせてリトの秘裂からグチョグチョと卑猥な水音を響かせ、
それに呼応するかの様に膣内から愛液が止め処なく溢れ出てくる。

「ふふっ…♪どう…、気持ち良い?気持ち良いんでしょ『レモンちゃん』?」

「やっ…!そ…そんなの…!///」

「ウソ吐いたってダメよ。コッチの方は気持ち良いって言ってるじゃない。ほら、何時の間にか腰まで浮かせちゃってさ♪」

言われてようやくリトは気付いてしまった。何時の間にか無意識的に自らの腰を体温計の動きに合わせて浮かせてしまってた事に。

「やっ!そ…それは…違――///」

「何がどう違うのかなぁ?先生詳しく知りたいわぁ〜♪」

「ぅ……うぅぅ〜…///」

認めたくもないが、言い訳の一つも出来ないこの事実に羞恥心が沸き立ち、リトは顔を今までで一番赤く染めて御門先生から逸らした。

「か〜わいい、『レモンちゃん』♪何かもっとイジメてみたくなっちゃいそう」

そう言ってリトの秘裂から体温計を抜く御門先生。
そしておもむろに顔を近付け、今度は自分の舌を直接膣内へねじ込んだ。

「はぁああっ!!ぁああっ!やぁっ!あっ……はんっ!!///」

嬌声を上げ、縁が足枷ごと外れてしまうのではないかと思う位に脚を痙攣させてよがるリト。
その声が御門先生をより興奮させ、奥へ、もっと奥へと舌を潜り込ませる。
その度に愛液が膣内から溢れ出して、ソレを御門先生は一滴も残すまいと飲み込んでいく。

「んぐ……んっ………ぷぁっ…!甘ぁい…、『レモンちゃん』のお汁ハチミツみたぁい。ねぇ、もっとお汁ちょうだい♪」

舌をねじ込みながら、片方の手で秘裂の突起物を弄び、更にもう片方の手の指を一本、二本と挿入。
愛撫する度に愛液が漏れ、ソレを舌と指で掻き出し、口に含み飲み込む。
そんな事を、御門先生はまるで何かに取り憑かれたかの様に繰り返し続け、徐々にそのスピードが上がっていく。

「あんっ!は………はぁあんっ!!ゃ…やらぁ……ゃんっ…ら……らめぇ…!!ひゃああっ!!///」

最早呂律も上手く回らないリト。媚薬の効果と御門先生の激しい攻めに完全に飲み込まれ、更なる快感を求めているかの様に、自分の意志とは無関係に腰を押し付けるように動かし続ける。


そして――。
524結城零紋の受難 番外編(御門先生編):2008/02/23(土) 21:37:51 ID:9fFivX0T
「ふぁああっ!!ふぁ…ふぁって……ひゃ…にゃんかぁ!にゃんかきちゃあ……!!しぇんしぇ…ひょめ……ひょめてぇ…はあぁぁあっ!!///」

「イクの?イっちゃうの?いいわよ、思いっ切りイっちゃいなさい!」

「やぁああっ!!ああっ!はっはぁあっ!!あっあっあっ!はぁああぁーーーーーー――!!!///」






――――――






「ぅわぁあああーーーーー!!!///」

――という断末魔の如き絶叫と共に、リトは目を覚まし飛び上がった。

「はぁ…!はぁ…!はぁ…!――」

額に浮かんだ脂汗を拭いながら何とか呼吸を整えようとし、状況を理解しようと辺りを見回す。


……………。


…………。


………。


「…………………………はぁ〜〜〜〜…、夢か…」

ようやく先程のやり取りが全て夢だった事を理解し、リトは盛大な安堵の溜め息を吐いた。

「あ、あの…」

「へ?――あ゛!」

そしてリトは気付いた。
今現在、バリバリ授業の真っ最中だという事に。

「ワ……ワシ何か間違ったかの!?」

「結城さん、どうかしたの?」

「リ…レモン?」

クラスの面々が一体何事かとリト(レモン)の方を注目する。
525結城零紋の受難 番外編(御門先生編):2008/02/23(土) 21:40:09 ID:9fFivX0T
「ぁ………ぁー…っと…」

変に注目を浴びて、返答に困ったリトは…。

「ア………アハハハハ――」

とりあえず笑って誤魔化す事にした。




余談だが、この後授業終了と同時に、リトが物凄い勢いで(女子)トイレに駆け込んで行ったとかいないとか――。


――――――


「う゛ーん…」

所変わって保健室前、リトは何故か扉の前で立ち尽くしていた。
実は、次は体育の授業があるのだが、何度も言っている通り身体は女の子でも精神は男のままである純情なリトにとって、
女子更衣室で一緒に着替えるなどいう勇者も真っ青な行動などとれるハズもなく、
かといって、男子更衣室で着替えるという手段も当然出来る訳が無いので、
しょうがないから保健室で着替えさせてもらおうと思って来てはみたのだが…。


(いかんせん、あんな夢見た後だから顔合わせんの怖いな〜…///)

『御門先生』がいる『保健室』、只今『制服』を着ている、しかもご丁寧に今日は『チェックの下着』を着用。
否が応でも先程の夢のやり取りが頭をよぎってしまう。

(いやいや考え過ぎだって結城リト。あんなの現実に起こり得るはずねーじゃねーか。
いや、でも『あの』御門先生だしな〜…///)

リトは一体御門先生に対してどんなイメージを持ってるのだろうか?

(いや、大丈夫っ。オレは先生を信じるっ。先生はきっとそんな事考えたりしないっ!…………多分)

半ば強引に割り切って、リトは保健室の扉を開けた。

『ガラッ』
「失礼しま〜す。御門先生〜」

多少ぎこちなさが残った口調でこの部屋の主を呼ぶ。――が、何故か返事が返ってこない。

(あれ?居ないのかな?)

そこに御門先生の姿は無く、室内をキョロキョロ見回してみると…。
526結城零紋の受難 番外編(御門先生編):2008/02/23(土) 21:41:59 ID:9fFivX0T
「すぅ……すぅ……」

(――って寝てるよ…)

机の上でうつ伏せになって、可愛らしい寝息を立てていた。


しかし…。


「んふふふ……、甘ぁい………ハチミツみたぁい……。もっと……ちょうだぁい…♪」

(…………寝言?)

何か美味い物を食べてる夢でも見てるのか、だらしなく顔をニヤつかせて、口元からは軽く涎が垂れていた。

「あの、先生?ちょっと起きて下さい。ヨダレ出てますよ」

「ふへへへ……、いくの?いっちゃうの?いいわよ、思いっ切りいっちゃいなさぁい…♪」

「いやいや、どこに行くのか知りませんけどいい加減起きて下さいってば」

寝言にツッコミを入れながらリトは軽く肩を揺さぶり、ようやく御門先生は目を覚ました。

「ん……ぅ〜ん…………ぁれ…結城君?」


「目、覚めました?先生」

「あれれ…?じゃあさっきのは…」

白衣の袖で涎を拭いながら辺りを見回す御門先生。そして――。

「ちぇっ、夢か」

本気で心の底から残念そうな声でボソッと呟いた。

「あの、随分恍惚な表情を浮かべてたみたいですけど何の夢を見てたんスか?」

「ちょっとねぇ〜…。それよりも結城君どうしたの?何か用があって来たんでしょ?」

「あ、そうだった。あの、次体育の授業なんでちょっとココで着替えさせてもらってもいいですか?」

「いいけど…、わざわざココで着替えなくても更衣室で着替えればいいじゃない。今の身体なら問題無いでしょ?」(ニヤニヤ)

「いや、だからっ!オレはこんなナリでもれっきとした男ですからそんな事出来る訳が――!!
てゆーかワザと言ってるでしょ先生!?///」
527結城零紋の受難 番外編(御門先生編):2008/02/23(土) 21:43:38 ID:9fFivX0T
「くすっ、ホント期待を裏切らないリアクションをしてくれるわね結城君♪」

「………はぁ…、もーいーです…。それよりも早く着替えたいんでちょっとカーテン借りますよ」

「はいどーぞ♪」

体育の前だというのに既にグッタリと疲れた様な表情を浮かべてリトは仕切のカーテンを閉めた。





「夢でやったのと同じ事をもう一回やるのも面倒くさいわねぇ〜…」(ボソッ…)

「………あの、何か言いました?」

「い〜え何にも♪」

何を言ったのかは聞こえなかったのだが、かつてない程の悪寒が背中を走り身震いするリトだった…。
528むに:2008/02/23(土) 21:48:31 ID:9fFivX0T
投下終了です。

やはりただでさえ普通のエロバナが難しいのに、こーゆー変則的な話はかなりややこしい…。
でも出来るだけ頑張ってみたいと思ってます。


…………ヤッパキツい?
529名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 00:28:13 ID:mHHQz9JX
私はニヤニヤしている
私は親指を立て、パソコンの画面へと向けている
530名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 01:30:47 ID:/1D0wE6k
喘いでるのはレモンだが中身はリトなんだよなぁ
キツイと思うのはそこだけかな
このシリーズ癒されるし内容は文句無しのGJだから気にしないで続けてくれ
531名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 15:38:35 ID:GnAdIux3
女体化ネタ耐性付いてるから全然ok
いいぞもっとやれ
532名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:38:04 ID:veIm6fxH
GJ以外にかける言葉が見つからない
533名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:35:57 ID:gUCQG0Rd
お静はリト争奪戦に加わるのだろうか……
534名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:40:19 ID:Et0PP+fp
最近の投下ラッシュは嬉しいかぎりですな
職人さん方には感謝感謝でふ
535名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 13:24:54 ID:0E8IWMZa
>>533
ヤミみたいに別キャラとからみつつってポジションじゃないか
御門先生と関わりあるって共通点もあるし
536ララとリト その2:2008/02/27(水) 15:01:40 ID:PCwGY1/U
「ばいばいメモリーくん。これで、地球のみんなから私の記憶を消す」
ララの取り出した手のひらサイズの物に全員の目が集まる
「お…おいララ!?どーいうことだよそれ!!」
慌てるリトに振り向いたララの目には涙が滲んでいた
「プリンセスとか婚約候補とか、そういうのナシでもう一度…ゼロからの私でがんばってみたいの。私の、最後のわがまま…聞いて…」
「そ…そんなこと…」
リトはなにも言い返せず呆然となる
「ララさん!」
「友達になってくれてありがとう春菜!また、友達になってくれるとうれしいな…」
ララの指がメモリーくんのスイッチにかかる
ララは何かを決心するかのようにゆっくりと深呼吸をした
「ラ…ララ?ま…待てよララ!!そんなことしなくても――――…」
「さよなら…」
まばゆい光に包まれながらも、必死に駆け寄るリトの目の前でララは笑った
その顔は今まで見たどのララよりもキレイで、そして、悲しそうだった……

ごめん…リト――――

光が全てを包み込む中、最後にリトは、はっきりと自分の名を呼ぶララの声を聞いた

「ホントにこれでよろしかったのですかララ様?」
「うん…」
ぴょんぴょんワープくんで屋上からワープしてきたララは、今地球のどことも知れない広い草原の中一人座っていた
その顔は暗く、沈んでいる
「いいの…。だってあのままじゃダメだとわかったから」
「しかし…」
頭の上のペケもいつもと比べてどこか歯切れが悪い
「それに…私決めたの。リトに振り向いてもらえるようにがんばるって!もう一度最初から…もう一度ゼロから…」
ララは立ち上がるとめいっぱい伸びをする
山と山の間に日が沈み、草原に夜の風が吹きぬけていく
気持ちよくて、少し冷たい異国の風にララはギュッと腕で体を抱きしめる
「リト今頃なにしてるかな…」
ぽつり呟いた言葉にペケは溜め息を吐く
「そんなに心配なら今すぐお会いになればよろしいじゃないですか?」
「ダ〜メ!すぐに会ったりしたらメモリーくんの意味がないよ。それに…それに今会っちゃうと……」
きっと、きっとくじけそうになる
自分の決めた決意が崩れてしまう
「リト…」
日本では今夕飯が終わった頃だ
「今日はどんなメニューだったのかな〜?」
ハンバーグだったらうれしいな。大好きなしじみのス〜プが出たらすごくうれしい
美柑の作ったものはなんでもおいしいから、いつもいつも夕飯の時は楽しみ
ララのお腹がぐ〜っと鳴る
「えへへ、お腹すいちゃったね」
「ララ様…」
537ララとリト その2:2008/02/27(水) 15:02:23 ID:PCwGY1/U
ララは持ってきたケータイ食料の袋を開けると、それを口に入れる
「おいしくない…」
もともと栄養重視の食べ物にまともな味があるはずもなく、けれどもそれ以上に今のララにはおいしくは感じられなかった
美柑の作る料理は王宮で食べていたどの料理よりも全然豪華ではないし、食材だって高級でもなくありふれた物ばかりだ
けれどもララは美柑の作る料理が好きだった
宇宙で一番大好きだった
リトと美柑三人で囲む食卓はいつもにぎやかで、そして、楽しかった
献立を決める時、いつも自分の食べたいメニューを断る美柑とのやりとりもララにとっては大切な時間だった
お菓子の食べすぎで、ご飯が最後まで食べられなかった時は、いつもリトが文句を言いながらも助けてくれていた
みんなかけがいのない大切なモノばかり
「けど…けど、みんななくなっちゃった…」
「ララ様!?」
ララの頬に涙が零れ落ちる
無くなってしまったモノの大切さに体が震える
失ったモノの重さに涙が止まらなくなる
「私…私……」
決意したはずなのに、もう一度最初からがんばると決めたはずなのに
リトの顔が頭に浮かぶ
リトだけじゃない。春菜も理紗も未央も美柑もみんなの顔が浮かんでは消えていく
寂しさが体を心を包んでいく
「みんなに会いたい……リトに、リトに会いたい…」
今まで心を埋めていた大切なものに、失ってから初めて気付いた
今までどんな時でも笑顔でいられた理由が改めてわかった
リトが好き――――
最初の時とは違う、見せ掛けじゃない家出の言い訳じゃない
リトのことを始めて意識したあの夜の時とも違う、曖昧な気持ちなんかじゃない
確かな気持ち。大きな想いが胸にある
リトが好き。大好き。それも誰にも負けないぐらい本気で好き
ララはその場でしゃがみ込むと、嗚咽を漏らしながら泣きじゃくった
失ったモノの代償はとても重く大きくララに圧し掛かる
広い草原でララは一人、孤独と寂しさに震えていた

その頃
リトは息を切らせながら立ち止まると、膝に手を置き肩で息をする
額からは汗が流れ落ち、服に染みを作っていく
「クソッ……どこにいったんだよララのヤツは…」
地面に向かって吐き捨てるように呟いたリトの顔には、疲労と不安そして、後悔の念が深く刻まれている
あの時、もっと早く駆け寄っていれば、もっと長く腕を伸ばしていたら
後悔してもし足りないほどの想いが後から後から込み上げてくる
頭にはあの時の笑っているララの顔と、少し寂しそうな辛そうな顔が思い浮かんだ
「考えんのは後だ。今は……」
今は―――――
夏が終わり秋にさしかかったばかりなのに、夜の風がいつもより冷たく感じる
リトは深呼吸をすると、この寒空のどこかにいるララを見つけるためまた走り出した
538ララとリト その2:2008/02/27(水) 15:04:00 ID:PCwGY1/U
「ララ様…」
頭の上でペケは心配そうな声をかける。が、どうすることもできない
自分にはムリだ
きっとこの涙を止められるのは一人しかいないと思った
だけどそれを認めたくない。認めるワケにはいかなかった
自分の主人の愛情を一身に受ける、ただの地球人の少年なんかを
それでもペケは一人すすり泣く主人に思い切って声をかける
「しっかりしてくださいララ様!がんばると決めたのではないのですか?
あの少年をがんばって振り向かせると決めたのではないのですか?」
ララの涙は止まらない。どんどん溢れてくる
ペケは自分の主の笑顔が好きだった。宇宙で一番笑顔が似合う人だと思っていた
自分にはあの少年の様なことはできないが、それでも目の前で涙を流す主の姿には耐えられなかった
拙い言葉で、慣れない感情でペケは精一杯ララに声をかける。何度も何度も
また笑顔になれるように、また元気ないつもの主に戻れるように

しばらくするとララの嗚咽は止まった。袖でゴシゴシと目元を拭きながらララは笑った
その笑顔はギコチなく、真っ赤になった目にまだ涙を溜めたままで
それでもララは笑った。自分の弱さに負けない様に、自分の決意を曲げないように
「ララ様…大丈夫なのですか?」
「えへ、ゴメンねペケ。心配かけて…。私はもう…平気」
どう見ても平気には見えない主に、それでもペケは気を使って悪態を吐く
「まったく!やはり私はあの地球人の少年がキライです!!ララ様をこんなに苦しませて、こんなに泣かして…。
次に会った時はもうこんなコトにならない様に、あの少年にはしっかりとしていただきたいものです!」
「ペケ…」
その言葉にララは薄っすらと笑った
ペケは思った。やはりララ様にはあの少年が必要なんだと
主を笑顔にさせることができるのは結城リトしかいないと思った
王宮にいる時や、いたずらして喜んでいる時とは違う、本当の意味での主の笑顔
くやしいが結城リトといる時の主人の笑顔が自分は一番好きなんだと思った
「ペケありがとう」
うれしそうに笑うララの姿に、ペケは恥ずかしさでなにも言えなくなってしまう
「よ〜し!もう泣くのは終わり!だって決めたんだからがんばるって…」
もうリトから笑顔をもらってるだけじゃダメなんだ
また、あの日に戻れるように。そして、それ以上の楽しい毎日を送れるように
「今度はきっと大丈夫…」
笑っていたいと思った
リトのそばで、リトの隣でいつも
大好きなリトと一緒に
きっとこの先もリトを困らせ、怒らせたりするんだと思う
それでも、それでも――――
「一緒にがんばろうねペケ!!」
どうして私まで!?と言う言葉を呑み込んで、どこかうれしそうなララの顔に、ペケは小さく微笑んだ
539ララとリト その2:2008/02/27(水) 15:04:37 ID:PCwGY1/U
家に戻ってきたリトは、シーンと静まり返る中の様子に、わかってはいてもそれでも大声でララの名を叫ぶ
反応はなし。深い溜め息を吐くとそのままリビングに向かった
一人留守番をしていた美柑になんて報告しよう……なんて言えばいいのか
頭に浮かぶ言葉はどれも曖昧で、そして意味のないモノばかり
きっと美柑のヤツガッカリするなァ
そう思いながらキッチンのドアを開けると、リトは少し驚いた様に目を大きくさせる
テーブルの上には、料理が所狭しと並べられていた
しじみの味噌汁にハンバーグ、さんまの塩焼きにとんかつetc.……
そのどれもがララの好きなメニューであり、いつもおいしいと言っていたモノばかりだ
美柑は端の方でテーブルに突っ伏す様に眠っている
スースーと寝息を立てる妹にタオルを掛けてやりながら、リトは誰もいないリビングを見つめた
ガランとしたリビング
暗く誰もいない寂しい空間がそこにはあった
誰もいないソファーに笑いながらしゃべっている美柑と、お菓子を食べているララの姿が浮かぶ
「ララがこのままいなくなったら、きっと美柑のヤツ悲しむだろうな…」
普段は強がっているが、ホントは誰よりも繊細な心を持っているまだ幼い妹
きっと文句は言うし、人知れず泣くだろう
自分と美柑だけの二人だけの家に、すでにララはなくてはならない存在となっていた
ララとの間には確かな繋がりができていたから
その時、背後からずるっとタオルが落ちる音がする
「美…」
慌てて振り向くと、美柑はまだ眠ったままだった。リトはずれ落ちたタオルを美柑に掛け直してやる
「ん……ラ…さ…」
「え?」
寝言なのか時折、小さな声で呟く美柑
「ラ…ラ、さんどこにもいかないで…」
そういうと美柑はタオルに丸まって再び夢の中に戻っていく
「……まったく」
リトは美柑の頭を撫でると冷蔵庫に向かった。
「あいつホントにこのまま……」
このまま――――
リトは頭を振ってその先の言葉を否定する
耳に美柑の息遣いが聞こえてくる。家でひとりがんばった妹を思うとこのままでいいはずがない
美柑の泣くところも落ち込んでいるところもこれ以上は見たくはない
姉のように、友達のように、ホントの家族のようにララを想っている美柑
――――じゃあオレは?
ふと頭に過ぎった疑問に、ジュースを取り出そうとする手が止まった
寂しくて泣いてしまうのか?それとも、ララを探して追いかけるのか?
頭に浮かぶ自分の姿は、どれも悲壮感に溢れていた
「あいつ…なんでこんなコト……」
リトの脳裏に今までララと過ごした時間が甦る
540ララとリト その2:2008/02/27(水) 15:05:44 ID:PCwGY1/U
時刻は午前7時。目覚ましのアラームの音にリトは目覚めた
寝起き独特の全身のだるさと、少し汗を掻いた服の感触にリトは体をうーんと伸ばす
その時、ムニュっとした柔らかい感触が手に伝わった
リトが恐る恐る隣に目をやると、案の定、シーツに包まった裸のララが寝ている
『ん―――っ』
リトの異変に気付いたのか、ララは伸びをすると、眠たい目を擦りながらにっこりとリトに笑いかける
『あ…リトおはよ』
ララの笑顔はだるい体も、まだ眠っている頭も吹き飛ぶ様なものだったが、あいにくリトはそれどころではなかった
『おはよじゃねー!!何、オレのベッドにもぐりこんでんだよ!!しかも裸でッ!』
『えーだって、リトと一緒に寝たかったしー』
何度言っても治らないララの行為に、リトも相変わらず慣れる様子はない
『と、とにかくおまえ服を着ろよ!服を!!』
リトの呆れたのか少し怒ったような口調にララの表情が曇る
『だって…だって、リトといつも一緒にいたいんだもん。寝ている時も、学校でもいつも一緒に…』
『だからっておまえな…』
ララは俯いていた顔を上げるとリトの顔を見つめる
『迷惑?』
『いや…迷惑ってその、そういうんじゃなくて…』
リト自身女の子に免疫はあまりないが、それでも、ララと一緒にいられることはうれしかったし、
なによりそのララに好意を抱かれることは特別にも似た感情があった
だからこそ生まれてしまう疑問
『おまえ……オレなんかのどこがいいんだ?』
『え?』
ララは聞かれたことに一瞬目を丸くさせる
『えっと……わかんない』
あははと笑いながら話すララにリトの長い長い溜め息がもれる
『おまえなァ……』
『えっと…ね、そうじゃなくて言葉にうまくできないの』
『え…』
急に真面目な顔になるララにリトは釘付けになる
『リトのことが好きって気持ちはちゃんとあるの。だけど、そのコトを言葉にするのが難しくて…』
ララは自分の胸に手を当ててゆっくりと話し出す
『リトのことを考えるとこの辺がキュッとなるの。リトの顔を見たり、一緒にいたり、リトを思うだけで苦しくて…そして、うれしくなるの』
『ララ…』
言葉に詰まりながら一生懸命自分の気持ちを話すララにリトはじっと耳を傾ける
『私、生まれて初めて誰かを好きになったの。好きになると不思議な気分になるんだね〜……リトといるといつも胸がドキドキしてる』
顔を赤くしながら恥ずかしさでえへへと笑うララ

その時リトは、なんてララに言葉をかけていいかわからなかった
ただ真剣に一生懸命自分の気持ちを話すララに、中途半端な言葉だけはかけちゃダメだと思った
そして心に芽生えた小さな小さな想い
今はソレを伝える術も、相手もいない
だけど、それでも――――
リトはもう一度、美柑の横顔を見つめた
なにげない日常ほど本当は一番大切なモノなんだと、リトは美柑と二人で暮らす様になってから気付いた
そして、その日常にララがいる
結城家の家族として。そして自分にとっては――――
リトはノドにオレンジジュースを流し込むと、もう一度ララを探しに行くため上着を羽織った
541ララとリト その2:2008/02/27(水) 15:06:17 ID:PCwGY1/U
次の朝
結局ララを見つけるコトのできなかったリトは、とりあえず学校に行くため朝の支度をしていた
キッチンでは美柑が朝食を作っている
ララが帰ってこなかったコトを知ると、「そうなんだ…」と残念そうに呟いた後、キッチンに戻って行ってしまった
目玉焼きを作る美柑の横顔は、いつもと同じ顔でいて、今は寂しさと悲しさが入り混じっている
かなりムリをしてるのは誰が見ても明らかだった
テーブルの上の冷たくなっている料理がいつもの食卓に暗い影を落としていた

「おはよ…結城くん」
「西連寺…」
登校中、途中から一緒になった春菜にあいさつをするリト
だけど、その表情は美柑同様浮かない
「帰ってこなかったんだ……ララさん」
「ああ…」
リトは短くそう応えると、地面を見つめたまま黙ってしまう
「私もいろいろ探したんだけど……リサ達のところにもいないって…」
いつもより声の沈んでいる春菜にリトは、溜め息を吐いた
「ッたく!あいつなに考えてんだ!?みんなに迷惑かけて悲しませて!!」
「結城くん…」
いつもと様子の違うリトに春菜は遠慮気味に声をかける
「だってあいつ……はぁ〜。ララのヤツ早く帰ってくればいいけど」
「うん。帰ってきたら……やっぱり結城くん怒る?」
「そりゃ……だって…」
リトは言葉を濁した。正直ララが帰ってきたらどうするのか?なんて声をかけたらいいのか?全然考えていなかったからだ
ララの屋上で見せた気持ちはホンモノだった
その気持ちに、想いにはたして自分は応えるコトができるのか?
「結城くんは、結城くんのままで、結城くんの通りにしたらいいと思うよ」
少し不安顔になっているリトへ、春菜はやさしく笑いかける
「西連寺…?」
「ね?」
春菜の顔を見ていると、なんだか理由もなく大丈夫な気がしてくる
リトは短くウンと返すと、学校に向けて歩き出した
彩南高校の校門前でララは一人リトが来るのを待っていた
『しかしホントにこれでよろしかったのですか?ララ様』
「わかんない…。でも、ああまでやらないと、パパは私の言う事なんて聞かないよ」
昨日いろいろ決意したその顔はまた沈みがちになっていた
やはりまだまだ不安が重く圧し掛かる
「それに、もう終った事だもん。これから、また始めなきゃ!!」
どう見ても強がっている主に溜め息を吐きかけた時、ペケは遠くからこちらに歩いてくるリトの姿を発見する
『あ!?ララ様来ました!』
ドクンと心臓が高鳴るのをララは感じた
緊張が体を駆け巡るが、それでも、行かなくては。もう決めたのだから
ララは深く、ゆっくりと深呼吸をする
「よし!……あ、あのっ、初めまして!私、今日この学校に転校してきたんだけど――――……」
少し慌てるように話すララの姿に、リトと春菜はお互いの顔を見合わせると、声を揃えて口に出した
『おかえり』
542名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 15:11:01 ID:PCwGY1/U
終わり 
エロなしな上、話も短くて申しワケないです
屋上からララ達の再会の間、本誌ではなんの描写もなかったのでひょっとしてこんなコトが?
と思って書きました。一応前スレで書いた「ララとリト」の少し過去話になります

ある歌を聴きながら書いたので、その影響で歌詞をもじった内容が多々あります……
そのへんも申しワケないです
543名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 19:20:58 ID:gyrgNcNE
>>542
GJです、やっぱり上手いですね
純愛なリトララはエロ無くても心温まります
いつか続きも書いていただけたら嬉しいです
544名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:19:33 ID:Et0PP+fp
う お お お ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ! !

シリアスGJ!!エロ無しでも関係ないです!とにかくGJです!!
545名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:34:45 ID:uYc4i8pM


546名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:16:04 ID:vYUZOEcD
読むとしたらどれが良い?
1.酒に酔ったロレンスがホロを襲う
2.ホロが酒に酔ったロレンスに襲われる
3.二人の関係が酒によって進展する
547名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:21:50 ID:Pt+hIeeq
あっちで待機してるから早く持ち場に戻りなさい。
ていうか1と2は視点が違うだけじゃないかw
548名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:45:23 ID:OTX+cZtq
保守
549名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 09:32:15 ID:8Sc3fC3T
久々に投下と投下の間隔が広いな

まぁこれもこの頃職人さん達が頑張ってくれてるから感じることだけど
550名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 11:14:41 ID:2ijJHrmX
>>549
俺も全く同じこと考えてる

むに氏が一人で頑張ってくれてたときと比べるとなんとも思わないが

今日は日曜だしほのかに期待してるw
551名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 22:50:17 ID:iAU4DJAw
保管庫に保管されてない作品が結構あるな…
552名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:26:15 ID:xeNp3Ukh
気づいたならお前さんも保管庫更新してくれよ…
553名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:41:13 ID:iAU4DJAw
>>552
す…スマン
俺は典型的な「俺がやらんでも誰かが(ry」タイプなんで…

過去ログとかってあるかな?
554名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 08:49:24 ID:LqczrJZb
女とヤってお金が貰える♪
まさに男の夢の仕事!
出張ホストっておいしくない?
ttp://neets.net/2ch/01_info.html
555名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 09:06:15 ID:UUeVqtW9
↑うざい
556名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 01:23:46 ID:/oj41awo
>>553
持ってる人は持ってるんじゃないか
誰かに頼めばうpしてくれるんじゃね?

俺はすまんがもってないorz
557名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 02:29:33 ID:6QSf94zt
>>556
そうですね…ダメもとでもいいので聞いてみます

どなたか過去ログお持ちの方おられますか?
558名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 15:21:09 ID:LiliFt6i
ヒント:携帯
559名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 21:15:20 ID:feN7/1Yo
>>558
携帯だとコピペ出来なくないか?
560名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 06:54:38 ID:O1v0HWqf
専ブラというものがある
561トラブルガールズ :2008/03/08(土) 09:56:06 ID:s0hEr4f4
トラブルガールズ三作目です。地味に頑張ります。
エロが少ないと反省し、今回は多め?に書きました。
では投下↓

何かいろいろ大変な時(保管庫関連)にすいません…
562トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 09:56:48 ID:s0hEr4f4
キーンコーンカーンコーン

と3時間目という微妙な授業が終わる
しかも俺の苦手な数学が今も頭の中で妙な数式を立てている

勿論こんな事になるくらいなら本気で勉強して普通にしようと日々思うのだが
ララや春菜ちゃんに教わってでもしてみろ
違う方向に頭の回転がフルになる
古手川は、何か気まずくなりそうだし最近俺を遠ざけてる感じがする
まぁ不可抗力だが何度も裸を見てる事だし、嫌われるよな…

ヤミは……うん、無理だ!

となるわけだから決心しても実行できずにいつもそうなる
後は…嫌だけど補習でカバーするしか他に方法が存在しない
日々の積み重ねってのは大事なんだと改めて思う限りで…

でも救われる授業も週に3回はある
得意でも苦手でもない、正に絶好の手抜きができる授業…

そう!体育!!!

しかし今日は、サッカーをやるって事でいつもより真剣になる
なぜなら俺は元サッカー部だから足手まといになるわけにはいかない
それに何より…サッカーが好きだという理由も含まれている
家庭内事情で辞めざるをえなかったし、何度も忘れようとした
でも、やっぱり好きなものは好きで簡単には忘れさせてくれない
実際俺が忘れたくないのかもしれないかもな……


俺がサッカーを好きな理由…

ボールを蹴って相手を抜く
相手のゴールにシュートを決める
プレイしている時は嫌な事を忘れられる
勝った時の喜び

以上の理由が半分を占めるが、残りの半分は

       皆と笑ったり泣いたり出来ること










563トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 09:57:43 ID:s0hEr4f4
典型的だがそれが俺がサッカーを好きな自慢できる理由だ
たぶん、俺以外の大半の奴等が同じ理由だと思う


「リト〜!後は頼む!!!」
猿山からのパスを受け取りゴールに走る
周りの皆は俺が人を抜く度に歓声が高鳴る

そしてゴール前
このボールを蹴ってゴールにシュート……しようとした時
ってな…んだ
体が重い、頭が痛い、息が苦しい…
何だよ…一体…

俺は唐突にワケも分からないままその場に倒れた…




―保健室―


「あら?やっとお目覚めかしら…結城君」

まだフラフラする頭を抱えながら応答する

「良かった…だってずっと目を覚まさないから、
もう起きないのかと心配したわ」

せ、先生!?

「ふふっ…冗談よ…」

恐ろしい冗談を言うこの人は保険の先生であり宇宙人でもある御門先生
いつも俺はからかわれているがいざとなった時はとても頼りになる先生だ
そんな先生に俺はなぜ突然倒れたのか尋ねてみた

「倒れた理由?…いろいろあるけど…一番の理由は
突然の激しい運動ね。体を調べさせてもらったけど筋肉が痙攣していたわ」

確かに最近、運動全然してなかったな
って!か、体!?そ、そういえば服が体育着からジャージに…下も…

564トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 09:58:53 ID:s0hEr4f4
「クス…大丈夫よ。男子にやってもらったから」
男子?
「貴方が倒れてここに来てクラスの皆が心配してたわ。恵まれてるわね」
そうか…皆俺の事を心配してくれて…
後でお礼と謝罪しなきゃな

「はいっ…これ塗り薬。一晩安静にしていれば、朝には治ると思うわ」

俺は御門先生にお礼を言って帰ろうとした
ん?…待てよ…御門…先生?…先生…せんせい…先生!!

「ん?どうかしたの?」



翌日

「リト!あんまり無茶しちゃ駄目だからね」
早速我が妹の美柑に忠告された
心配してくれるのは有り難い事なのだが、昨日から10回ぐらい
耳にたこができる程言われた
「大丈夫だよ!私がちゃんとリトを見ててあげるから♪」
ララ…その気持ちが俺への負担に繋がることをいい加減気づいてくれ


―学校―

朝、皆にちやほやされながら一人一人に「ありがとう」「心配かけたな」
というワンパターン戦法でお礼と謝罪を述べた
心なしか古手川が少し笑ってくれていたような感じがした


―放課後―

俺は保険室に行ってもう一度体の具合を見てもらう
とララに言って何とか撒くことに成功した
ララに居ては困る訳があるからだ

「先生〜来ました!」
!には俺の決意の塊が現れている

565トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 09:59:52 ID:s0hEr4f4
「…本当に…いいのね…」
はい!
「…後悔…しない?」
?…はい!
「…ふふ…もうこんなに大きく」
はい!って、先生!!!!!ふざけんな!
「あら、つい…ごめんなさいね。それじゃあウォーミングアップも
済んだことだし、お勉強…しましょうか」
「ウォーミングアップって…」

さすが御門先生…ツッコミが堪えない
そして御門先生なら信頼も置けるし、教え方が上手そうだし
勉強相手には相応しいと思ったのでこの前相談したのだ
早速勉強スタート

「…………(俺)」
「………ぇ……(先生)」

始めてから3問目ぐらいで間違えたらしい
よくよく考えてみれば計算が狂っていた
やはり近くで見られているため、いつもより緊張が増す

「…………………(俺)」
「…ぇ…ぇ…ぇ…く…ふ…(先生)」

俺は許可を下した。笑いの許可を…

…御門先生爆笑中…

「はぁ、はぁ…っハァー…」
どうやら収まったらしい
「ごめん。俺…数学本当に駄目で…」
誠心誠意…心から投げかけた言葉
御門先生は手を前に出して首を大きく横に振った
「こちらこそ…そのー…ごめんなさい…
教える立場の人間が笑ってたら話にもならないわよね」

御門先生は本気になってくれたのか先生らしい的確な教え方で
俺がいくつ「なるほど」と言ったかは俺ですら分からなくなる程上手かった

「………………(俺)」
「………………ん、よく出来ました」

先生はご褒美のつもりなのか、俺の頭を撫でてきた

「せ、先生///恥ずかしいッスよ!」
「ふふっ…頑張った生徒にはちゃんと褒めて可愛がってあげなきゃ♪」

恥じらいながらも、着実に学力が上がっている事は嬉しい
もっと頑張ろうとしたが、下校時刻なので御門先生に迷惑をかけないよう家へ帰った


566トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 10:01:12 ID:s0hEr4f4
御門先生との二人だけの授業は一週間と設定
一週間後に試験があるからその日まで付き合ってもられる事になった

なぜか御門先生の授業は飽きずに取り組める
そのため学力は向上し続けた

ただ…少し困るのは、俺が難しい問題を解いた時のこと
最初の方は頭を撫でていただけなのに、抱きついたり
髪、おでこ、頬などにキスしたりと段々エスカレートしていった

でも、その時の先生は凄く楽しそうで…嬉しそうだった



―最終日―

今日の先生はいつもと違っていた
椅子をキィーキィー音を鳴らすだけで肝心の授業をしてくれない
「あ、あのー…先生?ここ分かんないんスけど…」

この問題はかなり難しく俺じゃあとても解ける問題ではなかった

「最後の問題なんだから、自分で解かなきゃ駄目よ」

と言いながら椅子から立ち上がる御門先生
やっと何か教えてくれるのかと思ったが、俺の後ろに移動しただけ

「…うーん…やっぱ無理だろ…先生〜おしええっ!!」
あろうことか御門先生は後ろから抱きついてきたのだ
「せ、先生!まだこの問題解いてないって!」
「ん…」
いや、「ん」じゃなくて……

もしかして…先生…俺に    甘えてる?

「…先生…」

御門先生は俺の言葉を聞くと抱きしめる力を強くした
そして甘い吐息と共に可憐で美しいスベスベの手で俺の頬を擦る
その吐息は耳の敏感な先端部分にあたりとてもこそばゆかった
「結城…君…」
俺の名前を呼ぶや否や先生の赤みがかった舌が耳をすべる
「んぁ…」
思わず女々しい声をあげてしまった


567トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 10:02:49 ID:s0hEr4f4
「クスッ…結城君…可愛いわぁ」

可愛いと言われても男として素直に喜べない
御門先生はしばらく耳を愛着していたが、それと同時に俺の胸も擦ってきた

「もう硬いじゃない♪」

ご機嫌な声をあげながら俺への悪戯を進める
俺は一生懸命この問題を解こうと奮闘しているのだが、やはり先生の行為が邪魔をする
それに追い討ちをかけるかのごとく
俺の唾液まみれになった耳を、優しく甘噛みしてきたのだ

「ひぁう!…」

また女々しい声を出してしまった
そして御門先生は耳から首へと舌を這わせ、俺のその部分は侵食された

「…ハァ…ハァ…ふ…ぅ…」

俺は呼吸を整えながら今目の前にある壁と後ろにある壁を超えようと真剣に取り組みだした
自分を無視されたのが気に触ったのか、もう一度俺を強く抱きしめ前の壁から遠ざける

そして、御門先生は危険な匂いと共に危険なワードを口にしたのだ

「ねぇ…私が今考えてること…分かる?」
いつも分かりません
「じゃあ、ヒントよ………欲求不満♪」

ヒントも糞もねー、そのまんまじゃねーか
と一様物語上ツッコミ役なのでツッコんでみる
まぁ、何を言うのか大体分かっていたけどこうもストレートだとは…

「そ、そういう行為は生徒相手だとまずいんじゃあ…」
そもそもエロゲーじゃあ、あるまいし…

「…結城君だからよ…」

…え?

俺はその言葉に驚き思わず後ろを振り向いた

「…貴方と居ると凄く楽しいのよ。退屈もしないし…気が楽って言うのかしら。
そして、結城君…貴方を見てるだけで…ここ…」
御門先生は俺の手を下半身部分へと移行した
568トラブルガールズ 危険な花:2008/03/08(土) 10:03:38 ID:s0hEr4f4
「うわ…」
御門先生の魅惑な下着は熱く、濡れていた
そして不適な笑みを溢しながら俺の頬を手で優しく擦り自身の顔に近づける

「ねぇ…次は…体で知識を憶えない?」

御門先生の誘うような吐息+甘い声
俺が下を向こうとすると、顎を持たれ上へと持ち上げられる
先生の目は黒く…凄く奥が深そうだった
俺は少し放心状態に陥っていたが自然に回復し目線を下に向けた
「あ…の…」
「ゆうき…君……」

俺と御門先生の我慢大会は終止符が打たれた
っと言ってもどっちが勝ってもこういう事になるのは避けられなかった
別に避けたいとも思わなかった

「ん…はぁ…」「ん…」

少しのキス…触れるだけのキスを3回ぐらいした後
お互いに舌を出し、深いキスに変わった
その間…俺はまったく動けなかった
御門先生にがっしりと頭を支えられ、触れるだけでも気持ち良かったのに
こんなにエロくて淫らなキスをされては、放心するのは必然だった

「ん、ん…んむ、ぴちゃ、はむ…んん」

俺は応戦することはできず息をするのに全身全霊をかけている
俺と御門先生の口元は唾液がこぼれて下の床が水溜りになっていた
それから御門先生は名残惜しそうに俺の口から離れていった

「…ハァハァ…ハァ」
「ふふっ…結城君には少し、激しすぎたかしら?」

そ、そう思うなら早めに止めろって…

「ん…ごめんなさい…でも、とても良かったわよ…
あんなキスしたの何年ぶりかしら?」

やっぱり御門先生は知識豊富でこの後の行為も全部知ってそうだ
前の相手って誰だろ?…なぜか凄く気になる…

「…ん?…クスッ…大丈夫よ。ただのフレンドだから♪
    あれ?もしかして…嫉妬?」

ち、違う!た、ただ…ただ気になっただけで…そもそも俺は!
「西連寺さん…あるいは、王女様…でしょ」
569トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 10:04:57 ID:s0hEr4f4
「…先生…」
御門先生は少し不満そうに俺を見つめながら「ふぅ…」とため息をついた
「いいのよ。好きな娘がいるって事はとても大事なことだから…
それに…ふふっ…もう此処…苦しいでしょ?」

さっきからずっと我慢してました

御門先生はまた笑い、俺のジャージを脱がせた
その手つきは慣れていて…って当たり前か…保険の先生だし…
肝心の俺の息子は、立派に上を目指していた
先端部分から少しガマン汁が出ていた事は気にしない

御門先生は黒光りしているサラサラな髪を手で後ろに持っていった
腰を落とし前鏡になり俺の息子を眺める
先生の舌が俺の息子につんと当たった

「あぅ…」

俺はどうしてこう…女々しい声をあげてしまうのか…
「あら?とても可愛いと思うケド?」
だから可愛いって俺にとって嬉しくn!

「ちろ…ちろ…ぺちゃ、じゅ…」

御門先生の舌がいやらしい音を響かせながら俺の息子に刺激を与える
これだけでも果ててしまいそうだ
かり、裏筋、たま…どの部分も侵略され、後はおれの息子がどこまで堪え…
ブシュウー……

「ふ…ぅ…って悪りぃ!先生!」
「んん…意外と濃いのね…ふふ…今ので完全にきちゃったわ」
御門先生のスイッチは完全にオンになってしまった
自分で秘部を掻きまわし、胸も揉みだす先生
俺は先生とアイコンタクトを交わしおもむろに胸を掴んだ
とても柔らかく、マシュマロを掴んでいるような感じ…
御門先生の目は垂れ、口も開けたまま

こんなエロくなるんだ…
…先生……可愛い…

「んぁ、はぁ…はぁ…はぁ…もう…ダメぇ…」

俺は美しく…そしてとても愛らしい保険の先生に自ら接吻をした

「ん、はぁ…んむ…ん、んん」
どちらともなく自然に口は離れた
その際、二人を繋ぐ銀色の糸を引いていたがすぐに切れた



570トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 10:05:44 ID:s0hEr4f4
俺は椅子に座りながら、初となる行為を受諾しようとしている
御門先生は俺の上にきて、息子と秘部で遊んでいる
俺の息子の先端にかなりの快楽が押し寄せてきた

「せ、せんせい…」

その言葉を待っていたのか、俺の肩を掴み
「じゃあ、いっきにいくから…力、抜きなさい…」
先生の腰が落とされる…
激しい波が俺に大打撃を与えた

      俺と先生は一つになったのだ

先生は慣れた腰振りで俺に快感をもてなしてくれる
胸が俺の胸に当たり、射精を我慢するのがやっと…
改めて先生の体を見ると素晴らしいグラインドでナイスバディだった

「…ん、んはぁ…はぁ、ぁん…
す、凄いわぁ結城君…とっても大きくて…お、奥に当たるぅ」

御門先生の腰の振りはピークを向かえ同時に俺の息子は限界にきていた
だが、ここでイクわけにはいかない
今まで俺の勉強に付き合ってくれたお礼に先生には良くなって貰いたいのだ

それに…もっと、先生とこうしていたいという願望も…

「あん!あん!ハァんん、き、気持ち…あぅ…ゆ…きく」

御門先生は俺を目一杯抱きしめ最後の佳境に入った
よがり狂う俺と先生は正にオスとメス…先生は口を耳元に持っていき

「うぁ、あん…す、好きよ…ゆうきくん…貴方の髪も顔も手も…ぜんぶ…」

俺は…答えがわりとして最後の一突きで返答した

「あ、ん…ああああああ!!…」

俺と先生は同時に果てた
俺は自身の欲望を先生の膣内にかなりの量を注ぎ込んだ
全てを出し終わっても俺達は離れなかった…



571トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 10:07:13 ID:s0hEr4f4
試験が終わり、俺は開放感に浸っていた
御門先生のおかげで高得点を取ることは必死なので心配もない
これで俺は晴れて自由になった…わけだ…
もう、保健室に寄る必要も…なくなっ………ん?…そうだ!!


―保健室―


「……っはぁ〜……」
窓の外を見つめながら大きな溜息を一つ…
「……結城…君…。……っふぅ〜…さぁ、仕事仕事!」
作り笑いをしながら手にある仕事に取り掛かる御門

俺はドアに手をかけ静かに開ける
「…え?」
「…まだ、やり残したものがあるんで…」
そういって俺は手に持ってる最後の問題を叩いた
御門先生は少しきょとんとしていたが

「…ふふ…そう」

御門先生は心から笑ってくれた
そして新たな課題を出し俺と先生の二人の授業が再び始まった




572トラブルガールズ 危険な花偏:2008/03/08(土) 10:11:24 ID:s0hEr4f4
以上、トラブルガールズ三作目終了。
次やるとしたら…う〜ん…誰が良いでしょうか?
573名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 12:31:19 ID:FVy2Yod3
>>572
GJ!!
ご負担をかけるのもアレだし職人さん方は保管庫のことは気になさらないで結構ですよ

ところで最後の1行はリクを募集すると受け取っていいのかい?
個人的に凛!…と言いたいところだがキャラ立ちも絡みも微妙だしやりにくいと思うから
春菜かルンあたりがいいカナー…
574むに:2008/03/09(日) 16:11:05 ID:bgsodFVq
二週間ぶりです。
正直新作ゲームにハマっててサボってました。

久々の投下、レモン番外編第二弾。
今回はララで軽い百合風味(?)

前回も言いましたが、受け付けない方はスルーをお願いします。



現行スレなら更新させた事あるけど…。
575結城零紋の受難 番外編(ララ編):2008/03/09(日) 16:12:27 ID:bgsodFVq
ギシッ――…。

ギィ――…。


(ん……ぅ………何の音?)

真夜中、突如聞こえてきた何かが軋む音に睡眠妨害され、虚ろな意識の中でリトがゆっくりと目を開けると――。

「あ、リト起きちゃった」

「ラッ、ララぁ!!?///」

そこには、リトの身体を押さえつける様に馬乗りになって楽しそうな笑顔を浮かべているララがいた。
しかも当然の如く裸で。

「おおおお前一体何やってるんだよ!?また人のベッドに潜り込むつもりだったのか!!?ダメだぞ、ちゃんと自分の部屋で寝ろよな!!
つーか寝る時は服着ろって何時も言ってんだろぉ!!いやその前にそこからどけって!!///」

突然の、真夜中の裸の女の子の来訪(今に始まった事じゃ無いが…)に慌てふためき、何とか部屋に返そうと怒鳴り散らすリト。
しかし…。

「えへへ…、今日は違うよぉ〜♪」

「へ?」

そんなリトの台詞をララは軽〜く受け流し、今日の目的が添い寝じゃない事を告げる。

「あのね、前にリサから貰った恋愛についての本を読んでたんだけどね」

(―ってまだ持ってたのかよ、あの訳の分からんHow to 本…)

「その中に、好きな人をメロメロにするには『ヨバイ』ってのをするのが効果的だって書いてあったの♪」

「はあっ!!?///」

無邪気な笑顔でとんでもない事を言い出すララに驚愕するリト。

「待て待て待てぇい!!!お前いきなり何バカな事言い出すんだよ!!てかお前『夜這い』の意味分かって言ってんのかぁ!!?///」

「寝てる人にこっそりえっちなコトする事でしょ?よいしょっと…」

さり気にリトのシャツを捲くし上げながらサラリと答えるララ。

「――ってコラァ!!何どさくさに紛れて人の服を脱がせにかかってんだよぉ!!?」

「脱がさなきゃヨバイ出来ないじゃん。ブラ取るよ?」

「取るなぁ!!そもそも夜這い自体するなぁ!!てゆーか――!!///」

「ん?」

「そ…そーゆーのは異性に対してやる事であって…。オレ今同性だし…///」

ここで自分の身体変化を盾にして、この場を何とか切り抜けようと誤魔化し始めるリト。
576結城零紋の受難 番外編(ララ編):2008/03/09(日) 16:14:05 ID:bgsodFVq
「あ、そっかぁ…」

「そそ、だから今こんな事やったって意味無いってば///」

「少なくとも今乗り切れば、今後の夜這いに対して対策はいくらでも立てられる」という考えを胸に、
何とかララを諦めさせようと説得を試みる。

「………んー…」

「リトの言ってる事も一理ある」と思ったのか、しばし考え込むララ。


――が、それも一瞬の事で…。

「でも大丈夫だよ。今は女の子でもリトはリトだし♪」

「なぁっ!!?///」

どこまでも前向きなララらしく、結局そんな結論に達した。

「ブラ取るね?」

「ちょっ…///」

抵抗しようとしたが、マウントポジションを取られてる事に加え、ララの常人離れした怪力に押さえつけられて身動き一つ取れない。
器用に片手でホックを外して、ララはリトのブラジャーを剥ぎ取った。

「わぁ…、やっぱり大っきぃなぁ、リトのおっぱい。それに…、触り心地もさいこぉ…♪///」

「お、おい…やめ……あっ……は…///」

ポツリと呟きながら、両手で優しく、壊れ物を扱うかの様にリトの胸を揉みし抱くララ。
少しずつ、マシュマロみたいなふわふわした様な感触に酔いしれ始め、やがて無意識の内に乳首を口に含んで、
赤ちゃんみたいに吸ってみたり舌先で転がしてみたりし始める。

「ぁ…はぁ………ぅ…んぅ……ら…ララぁ…///」

感じながらも、残った理性をもって何とか引き剥がそうと抵抗するリト。
だが、ララの愛撫と身体に当たる二つの膨らみの感触の所為で思う様に力が入らず、
少しずつ理性をトバされていき次第になすがままの状態に陥っていく。

「んむ……ちゅ………ん……ふふっ、リトかわいい…♪」

僅かに見え隠れするリトの恍惚の表情にちょっぴり満足気はララ。
577結城零紋の受難 番外編(ララ編):2008/03/09(日) 16:15:39 ID:bgsodFVq
「コッチも……ね?」

リトの身体を撫でる様に片方の手を滑らせ、下着の中へ――。

「やっ…!そ…そこは……ああっ…!///」

「わぁ…、もうぐちょぐちょだよ?リトのココ…♪」

触れてみるとクチュリと厭らしい水音が聴こえてきて、その音を聞いたリトの顔が羞恥心に溢れ、ララから目を背けた。

「ぉ……お前が調子に乗って…あんなにするからっ…///」

「ちゃんと私で感じてくれたんだ。うれしい…♪」

心から嬉しそうな微笑を浮かべるララ。

「私も………ほら…///」

リトの手を取って自らの秘裂に触れさせる。

「ぁ……濡れ……///」

「えへへ…、リトの反応見てる内にこんなになっちゃった…///」

指から伝わるララの『女の子』の温もりと、溢れ出る愛液の生暖かさ…。
ふざけて抱きつかれる時とは明らかに違う、リトにとって初めて体験する直接的な感触である。
そして、これをきっかけにリトの理性は完全に崩落した。

「ぁの………もっと……触ってみていい…?///」

「ぅん…、いじりっこしよ♪///」

お互いにゆっくりと指を動かし始める。
クチュクチュと秘裂を弄る音が二重奏となり、より一層部屋に響き渡る。

「あっ…ふぁっ!……リ…リトぉ…!気持ち良い……ああっ…!///」

「んふぁ……はっ……ララぁ……その表情エロぃ…ぅわぁっ…!///」

「リ…リトだってぇ…!凄くえっちな顔…ああっ…!して…んんっ…!してるよぉ…!んむっ…///」

どちらともなく唇を重ね、互いの舌を求め貪り合い、流れてくる唾液を呑み込んではまた舌を絡ませる。
その行動に比例して、秘裂を弄り合う指も速度を上げ、聴こえてくる卑猥なハーモニーも徐々に大きくなっていく。

「むはぁっ…!あっ…!リ…リト激し……ふわぁあっ…!だ、だめぇ!いっ、いっちゃあ…!いっちゃうぅぅーーっ!!///」

「お…オレもぉ…!ああっ…!も……限かぁ…!ぅわぁああーーっ!!///」

一気に頂点まで上り詰め、瞬間、二人の身体がビクンと強張り、お互いに噴出させた大量の愛液がシーツをグッショリと汚していく。
身体は痙攣して思う様に動かず、ララは糸の切れた人形の様にリトの上に倒れ込んだ。

「はぁ……ぁ……ぁはぁ…///」

「ぁ…はぁ……はぁ……は……///」

お互いの胸の膨らみの感触を感じながら、そのままの状態でしばらく呼吸を整え合う。
578結城零紋の受難 番外編(ララ編):2008/03/09(日) 16:17:49 ID:bgsodFVq
「は……ぁ……はぁ………えへへ…リトのえっち…♪///」

「誘ったのはお前だろ…。お前の方がえっちだって…///」

再び唇を重ね合う。
先程と同じ様に舌先で口内を弄び合いながら唾液交換し、それが媚薬となって二人の欲望は萎える事無くより深くなっていく。
加えて、部屋に充満する妖艶な雰囲気とお互いの放出した淫臭が更に拍車を掛ける。

「んちゅ……ん…ぅ……はぅ…ん………むはぁ…っ…リトぉ……ココ、キレイにしてあげるね…///」

そう言って、頭をリトの秘裂に近付け、秘裂をリトの頭に近付けさせるララ。

「ふふっ…凄くキラキラしてる…。それに……えっちな臭い…♪///」

「ララだってぐちょぐちょだぞ…?マジでエロ過ぎ…///」

ぽーっとした表情で大事なトコを眺め合う二人。
そのえっちな光景に思考回路が麻痺して、頭の中が真っ白になってゆく。
あるのはただ一つ…。もっといっぱい気持ち良くなりたい…、もっと相手を気持ち良くさせたい…。ただそれだけである…。

「リトも……私のをキレイにして…。今度は舐め合いっこしよ…?///」

「ぅ……ぅん………分かった…///」

ソロソロと舌先を秘裂へと伸ばして、ほぼ同時に割れ目の部分をなぞった。

「うふぅっ…!///」
「んんぅっ…!///」

ゾクリと身震いして一瞬動きが止まったが、直ぐに再び舌先を秘裂に這わせる。
絶頂したばかりだから敏感になっており、舌が蠢く度に膣から愛液が止め処なく溢れ出して、秘裂や周りの茂みまで汚していく。
それをお互い腰を掴んで口元に引き寄せ、顔下半分愛液まみれになりながら夢中で舐めとり合い、
一滴も残すまいと喉の奥へと流し込む。

「んまぁっ…!あっ…んぐっ…ちゅ…ぅ……はぁ…凄ぉい…どんどん出てくる…。甘いのいっぱい……ふぁあっ…!」

「んっ…ぷわぁっ…!はんっ…ぐ……ちゅる…ぅあ…ララも……んぐぅ……すっげー溢れて……追いつかな……ああっ…!///」

「ふわぁ……リトぉ……もっと……もっとちょうだぁい…。リトももっとしていいからぁ…///」

「ああ……オレも……もっとララのジュース欲しい…///」

更なる快楽感を求め合うかの様に、割れ目の入り口部分だけを這わせていた舌を今度は膣内へとねじ込んだ。

「ぅわぁぁっ…!はぁぁ…あぁぁん…!はっ…れろ…んちゅ……リ、リトぉ、気持ち…んああっ…!き…気持ち良いよぉ…!///」

「ぁああっ…!ラ、ララぁ、ララも…ふわぁあっ…!ラ、ララも上手…あぁぁっ…!///」

月明かりだけが照らす部屋に響き渡る、お互いの秘裂をピチャピチャ舐め合う音と、コクリと喉を鳴らして愛液を飲み込み合う音、
そして部屋中に満ち溢れる淫臭――。
それらの要素全てがリトとララの性欲を更に燃え上がらせ、更に淫らな行動へと誘う。

「ぷはぁっ…!リトぉ……もっと気持ち良い事しようよ…///」

「ふぁ…は……ぇ?///」
579結城零紋の受難 番外編(ララ編):2008/03/09(日) 16:20:14 ID:bgsodFVq
リトの秘裂から口を離して、最初の馬乗り体勢になるララ。
そこから、自分の尻尾をお互いの秘裂の間へゆっくりと近付けていく。
そして…。

「いくよ、リト…///」

「い、いくよって…、おま……何を――///」

「する気なんだ?」と聞こうとしたと同時に、ララの尻尾が二人の秘裂の間に潜り込んだ。

「ふわぁあっ!!///」
「きゃうぅぅっ!!///」

二人一斉に嬌声を上げる。立て続けにララは尻尾を動かし、自分とリトの秘裂を擦り付け始めた。

「ふわぁああっ!はぁ…あぁああっ!し…シッポぉ…!シッポとアソコがぁ!あぁぁんっ!かっ、かんじちゃうぅっ!!///」

「ぅわぁあぁっ!あっはぁぁっ!す、すごいこすれて……きゃああっ!だ、だめぇ!なんか…やぁああっ!!///」

二つの性感態を駆使して、リトと自分を攻め立てるララ――。
ララの尻尾と秘裂による攻めでただただ快楽の波に流されるリト――。
口元から涎を垂らしながら押し寄せる快感に溺れ、それでももっとこれ以上の快楽感を求め合うかの様に、
自らの腰を動かしぶつけ合う。

「あぁぁん!ぐ…ぐちゃぐちゃいってぇ……わ…わたしとリトのお汁が混ざり合ってぇ……すごいえっちだよぉ…!!///」

「ラ、ララぁ…!あんま…あんっ!あんま激しく……するなってぇ…!!」

「だ、だってぇ!腰とシッポが勝手にぃ!そ、それにリトだってぇ!ひゃあぁああっ!!///」

尻尾で秘裂の割れ目から上部の突起物まで満遍なく擦り合わせ、
腰をお互いに押しつけ合う様にぶつけ合い、
貪る様にディープキスを交わす。
まるで盛りのついた獣の様に、リトとララは本能のおももくままにお互いの身体を蹂躙し合う。


そして――。


「あぁぁああっ!!ラ、ララぁ!!お、オレもうっ!!///」

「わっ、わたしもぉ!!ね、ねぇ、いっしょ…一緒にぃっ!!///」
580結城零紋の受難 番外編(ララ編):2008/03/09(日) 16:22:08 ID:bgsodFVq
「ふわぁあっ!!い、いく!いくいく!!もうだめっ――!!///」

「きちゃあ!きちゃうよぉ!!わたしぃ、いっちゃうぅぅっ!!///」


「「ひゃあぁああーーーーー――!!!///」」






――――――






「――なんて事無かったの?」

「あるわけ無いでしょうがぁ!!!///」

保健室にリトの怒号が響き渡った。

「えー無いのぉ〜!?なんだつまんない。私てっきり結城君の事だから既にヤる事ヤったんだと思ってたけど…。
さっきみたいな感じで♪」

御門先生がニヤニヤしながら勝手な妄想を繰り広げる。

「あのですねぇ!!そんな事ある訳無いしやる訳無いでしょうが!!オレは鬼畜か何かですか!!?」

「え?何を今更」

「どーゆー意味だそれはぁ!!?」

かなり失礼な事を言う御門先生にリトの怒り爆発。


『ピキッ』


「「…………へ?」」

不意に、空間全体にひびが入った様な音が聞こえ、氷河期に逆戻りしたかの様な極寒の冷気が辺りを包んだ。

「こ……これ…は……」

滝のような冷や汗を流しながら、冷気が漂って来る方を見ると…。

「結城……リト……」

「やっ、ヤミぃ!!?」

全身『殺気』という名の武装を施したヤミが立っていた。
581結城零紋の受難 番外編(ララ編):2008/03/09(日) 16:23:46 ID:bgsodFVq
「あ…あなたは……プリンセスと毎晩……そんなえっちぃ事を…///」

顔を真っ赤にしながら全身を震わせ、軽蔑の眼差しをリトに向けるヤミ。

「まままま待て待て!!今のは御門先生の妄想であってオレは決してそんな事は――!!」

必死で弁明するリトだが、ヤミの耳には全く入っていない様で――。

『ジャキッ!!』

有無を言わさぬ迫力で髪の毛を無数の刃へ変身させ――。

「死んで下さい…!///」

「ちょっ、待て――キャーーー!!!」

「きゃあっ!あなた達暴れるなら外で――!!」


そして、保健室は戦場と化した――。
582むに:2008/03/09(日) 16:29:53 ID:bgsodFVq
投下終了です。

……………えー…、グダグダになっちゃいましたねぇ〜…。
他の人の作品と比べてみると自分のレベルの低さが良く分かる!
まだまだ修行が必要だと思う今日この頃です…。
583名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 17:33:15 ID:GCw9ORRS
むにさんお疲れ様です。
続いてで悪いのですが、唯モノを書いてみたので投下します。
584甘い看病:2008/03/09(日) 17:35:47 ID:GCw9ORRS
―雨が降っていた。

空は肌寒い空気を呼び込んで黒く澱んでいる。
昇降口にて、一人静かに佇む少女―古手川唯は、沈痛な面持ちのまま、どんよりとした空を仰ぎ見る。
「雨、か…」
唯はその小さな唇でそっと静かに呟くと、そのまま視線を落とした。
絶えず地面を打つ雨だれを、唯はぼんやりと見つめ続ける。
「今日は、降らないと思っていたのに…」
放課後、先ほどまでの快晴が嘘のように急に降り始めた雨。
唯はふっとため息をついてしまう。
風紀委員としての仕事を片付け、これから下校しようとしていた矢先のでき事だっただけに、やり切れない感情が沸き上がる。
普段の唯であれば、きちんと折り畳み傘を持参している筈なのだが。
「もう!降水確率0%って、嘘じゃない!」
今朝の天気予報に悪態を吐きながらも、持て余した右手で長い黒髪を耳の上にそっとかけ直す。

降ってしまったものは仕方がない。心を落ち着け、そのままゆっくりと瞼を閉じると、唯は静かに耳を澄ました。
唯は、雨音が好きだった。周囲の余計な雑音を消し、勉強や読書が捗るそれには、確かな情緒があると感じていたからである。
人気の無い校舎。屋根を打つ滴。規則正しく動く、自分自身の鼓動。
だんだんと穏やかになっていく気持ちに、唯は心地よい感覚を覚え始めていた。
「たまにはこうやって、何もしないでのんびりとするのも良いのかもしれないわね」
くすりと呟きながら、そっと自身の肩を抱きすくめる。雨によって運ばれてくるひんやりとした空気に、唯の体は小刻みに震えた。
「ちょっと、寒くなってきたかしら…」
いつまでもこうして立ち竦んでいても仕方が無い。職員室に行って傘でも借りてこよう。
そう思って踵を返す…と、下駄箱に向かって全速力で走ってくる一人の少年―結城リトの姿が目に止まった。
「いけね!遅くなっちまった!」
部活にも委員会にも入っていないリトが、こんな時間まで校舎に残っているとは珍しい。
ずっとここまで走ってきたのだろうか。息を乱しながら下駄箱から靴を取り出すリトに、唯は興味を抱く。
唯は、高くなっていく鼓動を感じながら、そっとリトに近づき、声を掛けた。
「結城君じゃない、こんな遅くまでどうしたの?」
昂ぶる気持ちを抑えて、できるだけ自然に語りかけてみる。
唯の存在に気づいたリトは靴を履く手を止め、はにかんだ笑顔を唯に向ける。
「ああ、古手川。いや、今日の小テストまたぼろぼろでさー、先生に補習喰らってた。しかも俺一人…」
笑いながら恥ずかしがるリトの表情に、唯は半ば呆れながらも、二人っきりで会話が出来るこの状況に心を躍らせていた。
「そうだったの。もう、ちゃんと勉強しなきゃダメよ?次の期末テストまで、あんまり時間も無いんだからね?」
上機嫌な唯は、優しく諭すようにリトにお説教をする。
リトに本当に伝えたいことはこんなお説教ではないのだけれども、素直になれない自分の気持ちにもどかしさを感じ、唯の胸はちくりと痛んだ。
唯のいつもとは異なった様子の穏やかなお説教に、リトは少々困惑しながらも素直に耳を傾ける。
「わ、わかってるよ…ちゃんと次のテストに向けて、頑張って勉強するって」
唯はその返答にふんわりと微笑むと、今度は鞄を持つ手にぎゅっと力を込めてリトを見つめる。
「そ、その…結城くん、今から帰りよね?」
「ああ、そうだけど。古手川も?」
「う、うん。そうなんだけど…」
唯はこくりと頷くと、そっと目を伏せる。
「傘…持ってきてなくて」
いつもリトに対して偉そうにお説教をしてるくせに、傘を持ってきていないだなんて、だらしのない女の子だと思われてしまうのではないか?そんな些細な心配事が、唯の心を曇らせる。
「そうだよな。ふつう今日みたいな日は誰だって持ってきてないって!みんな職員室に行って、落とし物の傘を借りて帰ったらしいぜ?」
リトの、本人は意識していないであろうさりげない心遣いに、唯は救われた気持ちになる。
「そうなの…え?ってことは、もしかして今から職員室に行っても…」
唯はふと思い至った疑問を口にしようとするが、一瞬躊躇った間にリトが述べる。
「ああ、もう品切れだろうな…」
「そ、そうよね…」
流石に、職員室が保管している傘がそんなに多くないことは、容易に想像が付いた。
「ど、どうしようかしら…」
585甘い看病:2008/03/09(日) 17:37:32 ID:GCw9ORRS
再び落ち込む唯。唇をきゅっと結び、思い悩んだ表情のまま俯く。そんな唯を見ていられなかったリトは、思い切って声を掛けた。
「古手川!その…俺ので良ければ使ってくれ!」
そう言うとリトは、唯に対して自分の持っていた折り畳み傘を差し出した。
「え?ゆ、結城くん?」
戸惑いながらも唯はそっと受け取る。
両手に握られた、男物の無骨な傘。それを見やると、やがて唯の心はみるみるうちに暖かくなる。
「偉いのね結城くん。こんな日にまで傘を用意してるだなんて」
珍しく唯から素直に褒められたリトは、恥ずかしそうにして視線を逸らす。
「ち、違うんだ…俺、いつもロッカーの中に一本だけ折り畳み傘を置いとくようにしてるんだ。そ、その…今日みたいな日の為にさ!」
照れながらそう語るリトを見つめがら、唯の心は嬉しさでいっぱいになる。
が、またふと浮かんだ疑問を唯は投げかけずには居られなかった。
「ということは、結城くん…もしかして教科書とかも全部ロッカーに置きっぱなしなんでしょう!?」
「ギクッ!!」
瞬間、図星を付かれたリトは体を硬直させるも、急ぎ靴を履いて昇降口から逃げようとした。
「ちょ、ちょっと待って結城くん!結城くんの分の傘はあるの?」
呼び止められて振り返るリトは、困ったような表情を見せる。
「いや、無いけど…」
じゃあ一緒に…と唯が言おうとするよりも早く
「その傘小さくて、一人しか入れないんだ」
そう述べるリトに対し、唯は複雑な想いを抱く。
確かにリトの言うとおり、この折り畳み傘では、相合い傘は難しいだろう。
「だからって、結城くん一人が濡れながら帰らなきゃいけないだなんて…」
そんな唯の、申し訳なさそうな言葉に対して、リトはニカッと笑って答える。
「気にすんなって!古手川は女の子じゃないか。俺なら全然平気だって!」
「で、でも…」
まだ納得のいかない唯に対してリトは背を向けると、全速力で昇降口から飛び出していった。
「あ、ちょっと結城くん!」
「じゃあな、古手川!また明日!」
そう言い残し、雨の中駈けだしていくリトを見つめながら、唯は貰った折り畳み傘を両手でぎゅっと抱きしめる。
「結城くん…///」
リトの優しさに身を捩らせながら、唯はその背中が見えなくなるまで見送った。
586名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 17:37:50 ID:BaRr3u0t
上手いし書くの早いな。
587甘い看病:2008/03/09(日) 17:39:18 ID:GCw9ORRS
「どうしよう…結城くんに、傘借りちゃった…///」

その夜、唯は机に突っ伏しながら、下校時の出来事に想いを馳せる。
いつもであれば、この時間は勉強に励む唯も、この日ばかりはなかなか身が入らないでいた。
机の縁をつぅっと指でなぞりながら、自分に背を向け走り出したリトの姿を思い返す。
「べ、別に、カッコいいとか、そういうことを思ってるわけじゃないんだから!///」
唯は一旦我に返るも、一度紡ぎ出したリトへの想いは止められなかった。
「でも…優しいな…///」
そう言うと唯は、枕元に置いてあるクマのぬいぐるみを手に取って抱きしめた。
柔らかい綿の感触が、溢れる気持ちを更に促す。
「結城くん、か…」
結城リト。
唯は彼のことを、最初こそクラスの風紀を乱す問題児だとばかり思っていたが、彼の純粋な心と優しさに触れ、今となっては特別な存在となっていた。
それが恋なのかと問われれば難しいところだが、唯が何かしらの形でリトに好意を抱いていることは、紛れもない事実であった。
熱っぽくなった心を懸命に静めて、両目を強く瞑る。
これまで男の子と深い仲になったことの無い唯は、嬉しさと戸惑いの入り交じった心境で悶々としていた。

あの後、リトの傘をさしながらご機嫌で帰宅した唯は、玄関先にて兄の遊と入れ違いになった。
「あれ?お兄ちゃんどこに行くの?」
「ああ、今日からサークルの合宿で3日くらい家空けるから、留守番宜しくな」
短く言い放ち、遊はせっせと靴紐を結んでいく。
「そ、そう、今日だったわね。行ってらっしゃい」
「ああ……ん?」
ふと、遊は唯が大事に持つ見覚えの無い傘に視線をやり、更に唯の上気した頬に注目すると瞬時に事情を見抜いたのか、ニヤリと口元を歪めた。
「へぇ、お前男から傘借りたのか。やるじゃん」
「な!?///」
なぜわかったのかと驚いた唯は、それこそ動揺を露わに顔を真っ赤にさせながら口をわなわなと震わせる。
遊はそんな初々しい妹の反応が可笑しくて仕方がないといった様に微笑みながら、くしゃりとその頭を撫でると玄関のドアに手を掛けた。
「きちんと乾かして、それから綺麗に畳んで返してやるんだぞ?男はそういう心遣いに結構弱いからな」
「わ、わかってるわよ!お兄ちゃんには、関係ないでしょ…///」
遊に何もかも見透かされて面白くないのか、唯は視線を逸らすとぷぅっと顔を膨らませる。
「まぁそう怒んなって。じゃあな唯、お土産期待しながら大人しくしていろよ」
「う、うん、気を付けてね」
旅行鞄と傘を手に家を出る遊を、唯は不機嫌ながらも寂しい面持ちで見送った。
遊からのアドバイスは、唯にとっては煩わしくもあり、また頼もしいものでもあった。
遊が自分のことをからかいつつも心配してくれていることは、唯の心にちゃんと伝わっていた。
それだけで、この兄妹は十分だった。
588甘い看病:2008/03/09(日) 17:39:59 ID:GCw9ORRS
今、リトの傘はバスルームに干してある。明日の朝には乾く筈だ。
「ええと、そうしたら、綺麗に畳んで…ああ、それから、何かお礼をしなくちゃいけないわね」
唯は上機嫌にぬいぐるみを抱きしめたまま、リトが喜んでくれそうなプレゼントを思い描く。
「手編みのマフラーなんかどうかしら?ううん、でも今から編むには時間がかかるし、そういうのはクリスマスとかに用意するものよね。どうしよう…」
唯はぎゅうっとぬいぐるみを抱きすくめる…と、ある考えが思いついた。
「そうよ!心が籠もっていれば、別に物じゃなくても良いわよね。例えばうちに招待してあげたり、或いはデートとか…」
そこまで言うと、はっと唯は我に返り、頬を染めながらぬいぐるみに顔を埋める。
「な、何がデートよ…私ったら浮かれすぎ…ハレンチだわ///」
唯は心を落ち着けようと、指先の手入れを始めた。
リトのことを考えると、いつもよりも念入りに仕上げようと気合いが入ってしまう。
オイルでマッサージしてから、甘皮の処理をする。1日の終わりに行う、唯のささやかなおしゃれ。
ネイルは校則違反なので、せめて爪磨きで整えようと、唯は丁寧に手入れをしていく。
「結城くん、風邪ひいたりしてないかしら…」
結城家が学校から近いとは言え、流石にあの雨の中を濡れずに帰れたはずがない。
「大丈夫かしら?明日、学校来れると良いんだけど…」
唯は手入れを終えると、天井の蛍光灯に向けて両手をかざす。
その視線の先に、綺麗に仕上がった自分の指先が映り、唯は満足した様子で頷いた。
「もし結城くんが風邪をひいたら、私がお見舞いに行ってあげなくちゃ///」
リトの為にと、あれこれ看病をする様子を思い描きながら楽しそうに笑うと、唯は机から離れてベッドへと腰掛ける、と
「…っくしゅん!」
くしゃみをした唯は、震える自分の肩を抱きすくめる。
風呂から上がってからというもの、唯は暖かい格好をするのも忘れてリトへの想いに没頭していたのだった。
「湯冷め…しちゃったかしら?もう!私としたことが…早く寝ましょ」
唯はそそくさとベッドに入ると、ぬいぐるみを枕元において声を掛ける。
「うふふ…おやすみなさい、結城くん…///」
ぬいぐるみの頭をよしよしと撫でると、唯は幸せそうに眠りについた。
589甘い看病:2008/03/09(日) 17:42:05 ID:GCw9ORRS
「38.2℃…よくもまぁ、学校に来ることが出来たわねぇ」
唯の脇から取り出した体温計を凝視すると、御門先生が素直に感嘆の声を上げる。
保健室のベッドに横たわった唯は、熱い吐息を吐きながら天井をぼぅっと見つめていた。
「一体どうしたの?もしかして昨日、雨に濡れて帰っちゃったのかしら?」
―いや、雨に濡れながら帰ったのは私じゃなくて結城くんなんだけれど…と、この場に関係のないリトの話題を出せるわけもなく、唯はただ己の体調管理の甘さを嘆いていた。
「ご迷惑をおかけしてすみません…もう大丈夫ですから…」
そう言ってベッドから降りて上履きを履こうとする唯を、御門先生にしては珍しく、慌てて制する。
「ダ、ダメよ、まだ大人しくしていなくちゃ。今薬をあげるから待ってなさい」
唯の体に丁寧に毛布をかけ直すと、御門先生は棚から薬の入った瓶を選び始める。
焦点の定まらない視線を虚空に漂わせながら、唯は今までの出来事を思い出す。
「ええと、朝起きて…頭が痛かったけど、結城くんの傘を畳んで登校して、それから…」
「骨川先生から聞いたわよ。あなた、授業中に突然倒れたんですって?」
唯は思い出した。
数学の授業中、指名されて黒板の問題を解いていた唯は、急にそのまま崩れ落ちるようにして気を失ってしまったのだった。
ついさっきまで意識がなかった唯は慌てて自分の身の回りをチェックする。
辺りを見回すと、自分の物と思しきブレザーが壁際に丁寧にかけられ、寝苦しくならないよう配慮してくれたのか、胸元のリボンも外されていた。
時刻を確認すると、午後3時。今日は半日授業なので、とっくに放課後。
数学の授業は4限だったので、かれこれ3時間以上は眠っていたことになる。
「私…どうやってここへ?」
「うふふ、結城くんが背負って運んでくれたのよ♪」
ふと浮かんだ唯の疑問に対し、御門先生はウインクをして答える。
「えっ、結城くんが…///」
瞬間、唯の鼓動が高鳴る。
「ええ。彼ったら一生懸命、教室から保健室まであなたを運んでくれたのよ。ほんと、優しい彼氏を持ったじゃない古手川さん♪」
御門先生の言い放つ「彼氏」という響きに、唯は顔を真っ赤にしながら慌てて言い繕う。
「そ、そんな…違います!結城くんはそういうのじゃなくて…///」
そんな唯の反応に、御門先生は口に手を当て、楽しそうにころころと笑う。
「噂をすれば、かしら?」
「え?」
唯が疑問を口にすると同時に、保健室のドアが勢いよく開かれた。
「唯ー!大丈夫!?」
「ラ、ララさん!?」
ふわりと胸に飛び込んでくるララの甘い香りが、唯の鼻腔を擽る。
戸惑う唯を尻目に、ララはいきなり自分の額を唯の額へと当てて体温を計る。
「あ、熱ぅ!うわぁ、すごいお熱だねぇ唯。大丈夫?辛くない?」
ララの心配そうな表情に、唯はたじろぎながらも嬉しい気持ちで一杯だった。
「え、ええ…もう大丈夫よ。心配してくれて…ありがとう…///」
唯の感謝の言葉に全身で喜びを露わにしたララは、両手を広げるや否や、ぎゅうっと唯を抱きしめる。
「唯ったら急に倒れちゃったりするんだから。本当に心配したんだよ!」
「もぅ、ララさんったら…///」
恥ずかしそうに身を捩らせて抵抗する唯に、ララはどこから取り出したのか、手にした冷○ピタを唯の額に綺麗に貼り付ける。
ひんやりとした心地よい感触に、唯の不快感は徐々に消え去っていく。
「お熱が出たときには、これを貼ると良いんだよね?どう、唯?気持ちいい?」
「ええ…ありがとうララさん///」
気持ちよさそうな唯の表情に嬉しそうに頷いたララは、まるで姉が妹をあやすかの様にぽんぽんと唯の頭を撫でる。
「ちょ、ちょっと、子供扱いしないでよね///」
「えー、いいじゃなーい♪」
ララからのスキンシップに、唯は熱によって上気した顔を更に赤くさせる。
590甘い看病:2008/03/09(日) 17:42:40 ID:GCw9ORRS
「古手川さん、お加減はどう?」
ララの背中からひょっこりと顔を出したのは春菜だった。
「勝手だったとは思うんだけれど、古手川さんの帰りの準備はしておいたからね」
春菜は手にした唯の鞄を、そっと渡す。
「早く風邪治して、元気になってね!」
そう言うと、春菜は自分の手を唯の手に重ね合わせてぎゅっと握った。
「あ、ありがとう西連寺さん…ララさんも…///」
そう言うと、唯の頬に、つーっと一筋の涙が伝わった。
「え?ちょ、ちょっと唯?」
「こ、古手川さん?」
二人が驚きの声を上げるも、一度溢れだした感情は止められない。
今までずっと孤独だった唯にとって、二人の暖かな優しさは、唯の心を溶かすのには十分だった。
止めどなく流れ出る涙。唯は恥ずかしさで顔を両手で覆う。
「ご、ごめんなさい!私ったら…///」
「そんな!謝ることなんてないよ!」
「ララさんの言う通りよ!」
ララと春菜が、優しく唯の体を、そして心を、包み込むように抱きしめる。
「暖かい…///」
こんなにも自分を想ってくれる友達の存在に、唯は心の底から喜びを感じていた。


一頻り泣いて落ち着いた唯に、御門先生が「どうぞ」と薬を渡す。
「明日は日曜日なんだし、今日のところは早く帰ってゆっくりと休みなさい。お家の方に迎えに来てもらいましょう」
そう言って電話を取ろうとする御門先生に、唯は小さな声で遮った。
「そ、それが…両親は海外へ出張中で、兄もサークルの合宿に行っているので…家には私しか居ないんです…」
俯きながら語る唯の言葉を受けて、御門先生は思案に暮れる。
「そうなの。じゃあ私が…って言いたいところだけど、これから職員会議があるのよねぇ」
人差し指を口元にあてがって考えていた御門先生だが、やがて意を決した様に口を開く。
「じゃあ、結城くんにお願いするわ」
「そうだね!リト、頑張って!」
「ええ、結城くん、悪いけどお願いね」
三人の視線が、保健室の入り口に突っ立っているリトへと向けられた。
「え?…俺っすか?」
リトは自分を指差して聞き返す。
「そうよ。だってあなたじゃない。古手川さんをここまで背負って運んできてくれたのは♪」
御門先生からの「当然でしょ」とでも言いたげな物言いに、やがてリトは観念したように首を縦に振った。
「ありがとう結城くん」
御門先生は満足げに微笑むと「よろしくね」と職員室へと足を向けた。
「じゃあリト、私たちも先に帰るけどー」
「何かあったらいつでも呼んでね結城くん」
ララと春菜はリトにそう言い残すと、唯に「お大事に」と笑顔で手を振って保健室を後にした。

「……………」
「……………」
停止する時間。
唯は恥ずかしさを露わにしながら、震える声でリトに問いかける。
「も、もしかして結城くん…最初からそこに居た?」
「え、えーっと、そのー…」
リトは曖昧な表情をしていたが、やがて引きつった笑顔のまま、申し訳無さそうに頷いた。
591甘い看病:2008/03/09(日) 17:43:40 ID:GCw9ORRS
リトの胸元で、唯が手に持つ二人分の鞄が揺れる。
「ごめんなさい、結城くん。家まで送ってくれるだなんて…」
「気にすんなって。それに古手川、すっげぇ軽いし」
「そ、そう…///」
唯をその背にしっかりと背負いながら帰路につくリト。
負担をかけない様、一歩一歩ゆっくりと歩いていく。
「俺の方こそごめんな。二人分の鞄持たせちまって」
「大丈夫よこれくらい。結城くん、手が塞がっているんだから仕方ないわ」
そう言うと唯は、リトの背中にこつんと額を当てる。
(結城くんの背中って、意外と大きいのね…)
クラスの中でも決して大柄とは言えないリトの背中も、今の唯にとってはとても頼もしく思えた。
「そ、その…さっきは恥ずかしい所を見られちゃったわね///」
唯は火照った頬をリトの肩越しに押しつけるようにして話す。リトに顔を見られることの無いこの体勢が、唯を無意識のうちに素直にさせていた。
「そんなことないって!俺、感動したんだ!女の子同士の友情って、いいなぁって」
迷うことなく自分の気持ちを述べるリトの言葉を受け、唯の頬は更に赤みを増していく。
「ララも西連寺も、古手川の目が覚めるまでずっと待っていてくれたんだぜ?ほんと、二人とも優しいよな」
まるで自分がしてもらったかのように、嬉しそうに話すリト。
「え、ええ…///」
今まで自分を心配してくれる友達など居なかった唯にとって、二人の献身的な優しさは、何物にも代え難い喜びであった。
「…でも、私が教室で倒れたとき、保健室まで運んでくれたのは結城くんなんでしょ?御門先生から聞いたわ」
「え、あ…いや…」
「その…ありがとう…///」
唯からの素直な感謝の言葉に不意を付かれ、一瞬口ごもってしまったリトだったが、しっかりと前を見据えると静かな声で唯に告げる。
「古手川に、お礼がしたかったんだ」
「え?」
「俺が体育祭でケガしたとき、古手川は自分のリレーを棄権してまで付き添ってくれただろ?だから、そのお礼だよ…」
「ゆ、結城くん…///」
自分のことを気遣い、助けてくれたこの少年の存在を、唯はただただ愛おしいと感じていた。
二人はお互いを意識してしまい暫く無言になっていたが、やがてリトの言葉が沈黙を破った。
「それにしても…」
「え?」
リトの含みを持った語り出しに、唯は少し身を強ばらせる。
「なんで昨日傘を使ったお前が風邪ひいてるんだよー!ふつうは逆だろー!」
「な!?そ、それは…///」
―結城くんを想って悶々としているうちに、湯冷めしちゃったのよ…などとは言えるわけもなく、唯はリトの背中で恥ずかしそうに震えた。
今まで我慢していたのか、一気にまくし立てたリトは、心底可笑しそうに盛大に笑い出す。
そんなリトの笑い声に恥ずかしさを抑えきれない唯は、必死に抵抗するかのように、力の入らない手で鞄をリトの胸に叩きつける。
「バ、バカ!私は、結城くんと違って…そ、その…せ、繊細なんだから!///」
「へぇー、ほぉー、ふぅーん…古手川が繊細ねー、そうだったのかー」
「も、もう…知らない!///」

そんな唯の反応を微笑ましく思いながらも、実を言うとリトはかなり切羽詰まっていた。
両の掌に収まるしっとりした太股の肉感。
背中に密着して押しつけられる柔らかい胸の感触。
そして絶えず耳元を擽る、熱を帯びた唯の吐息に、リトの理性は崩壊寸前だった。
唯をからかうことによって気を紛らわそうとしたものの、そんなものは焼け石に水であったことは言うまでもない。
(た、耐えろ俺!古手川の気持ちを踏みにじるな!)

そんなリトが苦境に立っていることなどいざ知らず、唯はゆっくりと流れていく景色に目を見やる。
(小さい頃、よくこうやって、お父さんにおんぶしてもらったっけ…)
くすりと笑うと、その背中をギュッと抱きしめる。リトには気づかれない様に、優しく、そして心を込めて。
遠き日の追憶を辿りながら、唯はどこか懐かしさを感じる安らぎに身を委ねていた。
592甘い看病:2008/03/09(日) 17:45:33 ID:GCw9ORRS
「古手川、入るぞ?」
コンコンと控えめなノックと同時に、リトの声が唯の部屋に響く。
「いいわよ」
唯は濡れた髪の毛を乾かす手を休めると、リトを自室へと招き入れた。
「気分はどうだ古手川………っ!?」
リトは唯の姿を見るやいなや、途端に絶句する。
しっとりと濡れたしなやかな髪、熱によって赤みの差した頬、そして初めて見る唯の可愛らしいパジャマ姿に、リトは扇情的な感慨にとらわれた。
「な、何よ…じろじろ見ないで///」
唯は胸元を隠すようにして身を縮ませる。勿論パジャマはきちんと着ているのだが、家族以外の男性…特にリトに、自分の風呂上がりの格好を見られることが、唯の羞恥心をかき立てた。
「わ、悪い…さっぱりしたか?」
「う、うん。ありがとう」
唯はタオルを丁寧に畳むと、ごそごそとベッドへと入っていった。
「その…お腹空いてないかな?と思って、古手川が風呂入っている間にちょっと作ってみたんだ」
そう言うと、リトは小さなお盆に乗った料理を唯の目の前まで持ってくる。
リトが作ったのは、カボチャのリゾットとレモネードだった。ひんやりとした室内に広がる、食欲を刺激する匂い。
唯は思わず驚嘆の声を上げる。
「こ、これ…結城くんが作ったの?」
「え、あ、いや…俺もお粥なら経験あるんだけど、リゾットの方は作るの初めてなんだ。居間に置いてあったレシピを見ながら、勝手に冷蔵庫の中の物を使わせてもらって、その…余計なお世話だったかな…?」
しどろもどろしながら説明するリトに対し、唯は首を振って答える。
「ううん、そんなことない!結城くん、料理も出来るだなんて凄いわ。その…ちょっと妬けちゃうかも…///」
「そ、そうか」
鈍感なリトは悲しいことに、唯の妬ける対象を理解できなかったものの、褒められた嬉しさを露わにしながら身を乗り出す。
「じゃあさ古手川、食べてくれよ。口開けて」
「へ!?///」
目の前に差し出されたスプーンに唯は一瞬戸惑うも、リトの言葉の意味に気が付き顔を真っ赤にさせる。
「こ、子供扱いしないで!自分で食べられるわよ!///」
「そ、そういう意味で言ったんじゃないって。俺が、その…古手川に食べさせたいんだ…」
「え!?そ、そんな…え、ええと…///」
必死に食い下がるリト。その目は真剣そのものだった。
しばしの沈黙。やがて唯は観念したかのように目を閉じると、リトに向けて口を突き出す。
「古手川…?」
「し、仕方ないわね…ちゃんと食べてあげるけど、こんなことは…もうこれっきりなんだからね!///」
唯のその言葉に満面の笑顔を見せると、リトはリゾットをスプーンで掬って唯の口元へと運ぶ。
「はい古手川、あーんして」
「っ…///」
593甘い看病:2008/03/09(日) 17:46:04 ID:GCw9ORRS
唯は恥ずかしさに眉根を寄せながら、小さな口でスプーンを受けるとゆっくりと咀嚼する。
その仕草に、リトは期待と不安に満ちた眼差しを向ける。
「ど、どう…?」
「うーん…」
何かを考えるようにしながら味わっていた唯だが、やがて咽下すると唇を指でなぞるようにしながら感想を述べる。
「ちょっと、味が濃いかしら…」
「マ、マジで?ごめん!バターと塩の分量間違えたかな…」
そう言いながらリトは面目無さそうに頭をかく。
そんなリトを見た唯は大袈裟に手を振ると、慌てるようにしながらフォローを入れる。
「で、でも美味しいわよ!口の中でとろけるみたいになって、後味も悪くないし、さっきまで私あんまり食欲無かったんだけれど全部食べれそう!本当よ!///」
自分の感想がリトの気に障ったのだと思ったのか、唯は一気にまくし立てると、また口先をリトへと突き出す。
「古手川…」
リトは感動を覚えた。別に大したことはない。古手川に、ただ少しのお礼がしたかっただけなんだ。
そう自分に言い聞かせても、自然と笑みがこぼれそうになるのだった。
「じゃあさ、これも飲んでみてくれよ」
リトは唯の手に、レモネードが入ったコップを持たせる。輪切りにされたレモンがゆったりと浸かっており、唯はそれをスプーンでかき混ぜる。
喉が渇いていたのか、こくこくと美味しそうに喉を鳴らすと一気に飲み干していった。
「冷たくて美味しい…」
「本当は暖かくするもんなんだけどさ、お風呂上がりなら冷たい方が良いかなって思って。古手川、一杯汗かいちゃってたし」
リトの、一つ一つの細やかな心遣いが、唯の心を擽っていく。
「あの、私だけ食べているのも気が引けるし、結城くんも一緒に食べましょ?」
「そうか?わかった。じゃあ、俺の分もここに持ってくるからな」
ベッド脇から立ち上がったリトは、そのままとてとてと台所へと向かっていった。
その後ろ姿を見つめながら、唯は溢れる自分の気持ちを抑えるかのように、枕元のぬいぐるみをぎゅっと胸に抱きしめた。
594甘い看病:2008/03/09(日) 17:47:37 ID:GCw9ORRS
「古手川、洗い物終わったよ」
「うん、ありがとう」

「古手川、洗濯物取り込んだよ」
「う、うん、ありがとう」

「古手川、ゴミ捨て終わったよ」
「う、うん…ありがとう…」

「古手川、これ体拭くお湯とタオルね」
「あ、ありがとう…///」

「古手川、じゃあ俺帰るから」
「へ!?///」

唯の家に来てから早4時間あまり。やるだけのことはやったと満足して帰ろうとするリトの言葉に、唯は慌てふためく。
「も、もっとゆっくりしていっても良いのに…」
「ゆっくりって…お前、それ病人が言う台詞じゃ無いだろ」
リトの言う通りなのだが、唯の心の奥で、リトをこのまま引き留めたいという想いがくすぶっていた。
「それに古手川、家に帰ってから全然眠ってないじゃん」
「そ、それは…そうだけど…」
唯は毛布の端を握りしめると、そのまま引き寄せて顔を埋めていく。
「俺のせいでゴタゴタさせて悪かったな。明日は日曜日だし、もう今日はゆっくり休めって」
「う、うん…」
(せっかく結城くんに家に来てもらったのに、看病と家事だけ押しつけて帰らせるだなんて…)
唯は唇をキュッと噛むと上目遣いにリトを見上げる。
そんな唯の視線にも気が付かないリトは、せっせと帰り支度を始めていた。
「えーっと鞄は持ったし、財布…ケータイ…」
と、そのとき、窓をポツポツと叩く静かな音が部屋に届き、二人は思わず顔を見合わせた。
「え、まさか…」
「雨、かしら…?」
リトは窓辺にかかるカーテンを開けると、外の風景を覗き見る。
突然降り出した雨に、街灯の下を通勤帰りの大人たちが小走りに去っていく姿が見受けられた。
「また雨かよ、こりゃ本降りになる前に早く帰らないと!」
リトはカーテンを閉め、くるりと振り返るとベッド脇に座る。
「じゃあな古手川、お大事に。しっかり眠って早く風邪治せよ」
リトの別れの挨拶にも、唯は俯いたまま答えない。
憮然とした表情。
リトはその心を窺うことが出来なかったが、やがて諦めたように唯の髪をかき回すと「じゃあな」と短く告げ、背を向けて立ち上がる……が、くっとその体が突然止まる。
「行かないで…」
「古手川…」
唯が、リトの制服の袖を、その細い指先で懸命に掴んでいたのだった。
「私を、一人にしないで…」
背中越しに、唯の懇願にも似た声が聞こえてくる。
「お願い、結城くん…」
それが今の唯に出来る、精一杯の抵抗であり、我が儘であり、望みであった。
その切実な願いに、リトの心は鷲掴みにされる。
リトは自分の手をそっと唯の指先に触れる。握り返してくる唯の暖かい手。
こんなにも冷えきった部屋に、誰も居ない家に、たった一人で過ごさねばならない寂しい夜。
そんな孤独を、リトは、この少女に味わわせたくはなかった。
リトは唯に向き直ると、決心したかのように口を開く。
「わかった…今夜は俺、ずっと古手川の傍に居るから」
「ゆ、結城くん…///」
唯は心の底からありがとうを込めて、リトの腰に抱きついた。

595甘い看病:2008/03/09(日) 17:48:08 ID:GCw9ORRS
「ごめんなさい。お兄ちゃんの服、結城くんには大きかったかしら?」
風呂上がりのリトに対し、唯は遊のシャツを差し出した。
「いや、まぁちょっと大きいけど、ゆったりしてて寝るのには丁度いいよ」
「そう、なら良かったわ」
にっこりと微笑む唯。
ふとリトは、今まで思っていた感情をぶつける。
「古手川って、最近変わったよな」
「へ!?///」
思いがけないリトの言葉に、唯は面食らった顔をする。
「なんていうかこう、会ったばかりの頃に比べて柔らかくなったっていうか…」
「な、な、な…///」
口を震えさせるも二の句が継げない唯に対し、リトは更に駄目押しの文句を繋げた。
「だから俺、今の古手川のこと…なんていうかその…素敵だと思うぜ…?」
唯の心はもう、爆発寸前であった。
そんな唯の気持ちを知ってか知らずか、照れくさそうに頬をポリポリとかきながら、リトは就寝の体勢に入った。
唯が用意してくれた布団をせっせと床に敷くと、そそくさと入り込み、ふぅっと息をつける。

「じゃあ寝ようぜ古手川。電気消してくれ」
「………」
「古手川?」
「な、なによ…」
「何で電気消さないんだ?」
「そ、それは…///」
「お前まさか、いつも電気付けっぱなしのまま寝てるのか?」
「…っ!?///」

どうやら当たったらしい。
リトはクスクスと笑うと、それ以上は追求しないようにして、ばさっと毛布を被った。



どれくらいの時間が過ぎたのだろう。
静寂を破ったのは唯だった。
「結城くん、起きてる?」
「ああ…」
(っていうか、明るくて寝れないんだけど)
という言葉を飲み込んで、リトは答える。
「あの…あのね…そ、その…///」
「ん?」
何か言い何か言いたげな唯であったが、なかなかその口からは本題が出てこない。
唯の、ただならない様子に何かを感じ取ったのか、リトは布団から這い出て面目無さそうに謝った。
「ああ、悪いな。俺が居ると眠れないよな。やっぱり俺、廊下で寝るよ」
「ち、違う!そうじゃないの!///」
唯はガバッと布団を跳ね除けて起きあがると、上目遣いにリトを見つめる。
「そ、その…い、一緒に寝てくれない?///」
「……………は?」
唯からの提案がリトの脳内に正確に届くまで、きっかり5秒間は要した。
「だ、だから!私と一緒にベッドで寝て欲しいって言ってるのよ!///」
耳まで真っ赤にさせながら、唯は喚き散らすようにしてリトに言い放つ。
「で、でもね?隙間は5センチくらい空けて…あ、あとハレンチなことは絶対にしないでよね!///」
無理難題な唯の注目に、リトは最初こそ固まっていたものの、やがて頬を引き締め直すと、その瞳を見据えてしっかりと頷いた。
596甘い看病
「結城くん、起きてる?」
「ああ…」
(だから眠れないってば)
蛍光灯に明るく照らされた室内。
隣には艶っぽい吐息を吐きながら、熱い体を寄せてくる女の子。
どう考えても眠気が来るほうがおかしかった。
リトは明るい天井をぽけーっと見つめながら、唯の言葉に耳を傾ける。
「今日は、本当に色々とありがとう。
ええっと…傘を貸してくれて、倒れた私を保健室まで運んでくれて、
家に着いてからは看病と家事をしてくれて…ご飯、本当に美味しかったわ、ご馳走様。
今度、あのリゾットの作り方教えてくれる?それから…」
文字通り熱に浮かされたかのように、唯の感謝の言葉は止まらない。
リトはそれを少々恥ずかしくも誇らしげに聞いていたが、やがて唯の口がピタリと止む。
「…古手川?」
リトは寝返りを打って唯に向き直る。
「ほ、本当はね…」
込み上げてくる胸の熱さに耐えるようにしながら、震える唯の整った唇。リトは、為す術もなく目を奪われる。
「本当は、私が…私が結城くんの看病をしたかったんだから!///」
「え!?」
唯の決壊した想いは、もう誰にも止められなかった。
「昨日だって、結城くんに傘貸してもらえて嬉しくて、
お礼をしなきゃって思って、結城くんが風邪ひいたと思って、
どうやって看病しようかなって考えていたら湯冷めしちゃって風邪ひいちゃって、
でも結城くんは元気で、逆に私に優しく看病してくれて……もう、私、バカみたいじゃないのよ!!////」
溢れる想いと同時に、唯は泣き出した。
唯の告白とも取れる感情の吐露に打ちひしがれたリトは、無意識のまま、その腕に唯を抱き寄せて包み込んだ。
「結城くんのことが好きなの!好き!好き!大好き!!///」
リトの胸で泣きじゃくりながら、唯は心の赴くままに叫んだ。
「ありがとう…俺も、古手川のことが…」
リトは抱き寄せる腕に力を込めると、すぅーっと深く息をする。
こんなにも自分の事を想ってくれるこの女の子のことが、リトは、ただただ愛おしくて堪らなかった。
「俺も、古手川のことが…好きだ!」
瞬間、リトの背中をぎゅっと唯の両腕が抱きしめる。
「嬉しい…!///」
声を上げて唯は泣き続ける。それは、至上の喜びと同義。
「やっと…やっと言えたよぉ…!///」
唯はリトの胸に顔を埋めて抱きついた。それは本当の意味で、二人の想いが一つに重なった瞬間であった。