【痴女】淫乱な女の子でエロパロ【絶倫】

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1名無しさん@ピンキー
淫乱な女の子ってどうだろうか?

ビッチにするもよし、絶倫の彼氏と壮絶プレイにするもよし、童貞狩りするもよし
意外とイケるかも・・・?
2名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 05:45:57 ID:eEI4JeDc
>>1

ワロタ。


ところで、何故貴方がこのようなスレを立てたのか、
簡潔にでいいので説明して頂けませんか?
3\_______________/:2007/12/02(日) 06:07:46 ID:HGC/dPIS
            V                    /  i ト、 ト-   ヽ  /   / / || i i
            ,-‐''" ̄ ̄"'ー-、           l  i| | | | ||l  ||   __/ / ,,|| | l
           /   /  ニニ`ヽ            | i i .|| | | l」| l || | / ,- ヽ  川  l i
         //⌒ヽ/  --‐‐‐ミ川}        .l ト、 ll||、|_|ハ } |ノV'  ヽ  ノ  .ノ | |
         / ///   リ-‐// /  `          l{  V∧'^` _,       _/,/ /  | i
        / ///   〃/  //!  '-‐'i           ヽヽ} `''~       ' ∠/   i |
         i/ // / // /  l |   ,ィ1| モグ         く           /   | |  佳子ちゃん、
        | // 〃 // /  l |  〃!jヽ _   , --、      ` -ゥ           / /  |  | そのような発言はダメよ
        | i i| |   il  !   | |   `  .」 / ,ィ、 \        ヽ__,/}   _,l i   !  l
        i | ,|   i     |,|  /// /⌒ヽ-‐´ゞ、_, ヽ.         l / l. li   i  l
         i | ,|   i i  |i i|,|     {_____ノ ヽ\    ヽ         レ'     l. ト、  i  l
        U│ // | / ! /リ    __/r、    `ート、   ゙yヘ.、    / _, ---、 l. l ヽ   i l
4名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 02:42:33 ID:t5B19YNX
良く考えればなかったジャンルだな。
5名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 19:08:18 ID:xrurZNLi
以前あったが、dat落ちしてそれっきり。
6名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 22:55:05 ID:FHh8hGr3
以前あったスレは、いいSSが投下されていたんだが、
書き手は少なかったっけ
あっていいスレだと思うんだけどな
7名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 08:06:51 ID:KyPnlMYw
以前のスレのSS張ってくれ
8名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:22:30 ID:bL64PZ1K
妹のSSはとても良かった
9名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 13:45:47 ID:W7vyQQSC
10名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 20:29:04 ID:EHfnPaVo
期待age
11これは悪夢か?:2007/12/20(木) 01:13:54 ID:8xMFZBmp

 朝目が覚めて気がついたら、僕はベッドに縛り付けられていた。
「なんで!?」
 思わず声が出る。四肢に力を入れて暴れてみるが、ベッドがガタガタ音を立てるだけで抜け出せる
気配は全くない。
 さらにひどいことに、何故かパジャマのズボンがトランクスごとずり下げられて、朝立ちした逸物
がギンギンにそそり立っている。
(何でだ!? いつもはこんなに元気じゃないぞ!?)
 ある意味どうでもいいことを考えながら、僕は必死でこの場から逃れようともがく。
 しかし何重にも硬く巻きつけられた荒縄は、決して僕の体を逃そうとはしてくれない。
「あら、コウちゃんったら朝から元気なのねえ」
 妙に浮ついた声が聞こえてきた。すぐ近くだ。焦る。
(誰かいる!? って言うか、今の声は……!)
 ベッドの脇に見覚えのある人が立っていた。アズサ――姉ちゃんが、僕の股間をじっと凝視している。
 もちろん見ているのは勃起している逸物である。しかも、何やらやけに興奮した様子だ。
 とろんとした目と上気した頬。緩んだ唇からは今にも涎が垂れてきそうだ。
 息も荒く、しきりに太股を擦り合わせるようにモジモジ動かしている。間違いなく、性的な興奮状
態にあるらしい。
(え、誰コレ……? い、いや、姉ちゃん、だよね……?)
 長身に黒髪ロングヘアと穏やかな美貌。これがいつものアズサ姉ちゃんだ。
 大和撫子という言葉がぴったり当てはまるような清楚な美人で、もちろん僕はアズサ姉ちゃんのこ
んな表情を見たことがない。
「なにこれ、なんなの姉ちゃん?」
 こわごわ訊ねる僕の声には答えず、姉ちゃんはその場に膝立ちになり、僕の股間に向かって手を伸
ばしてくる。
 そして、脈打つ逸物を愛しげに一撫でした。手の平の冷やりとした感触が伝わってきて、僕の背が小さく震えた。
「ちょっと、姉ちゃん!?」
「ああ、コウちゃん、コウちゃん……! わたしが、どんなにこの日を……!」
 熱に浮かされたような虚ろな口調で呟きながら、姉ちゃんは待ちきれないように上半身を伸ばしてくる。
 いつもは詩でも読み上げるようなおっとりした声を発する姉ちゃんの唇が、大きく開いて僕の逸物
を飲み込んだ。
 僕は今年中学二年生になったばかりだ。性交の知識はもちろんあるが、もちろんこんなことをして
もらった経験はない。
 そもそもまだ女の子と手を繋いだことすらないというのに、何がどうなってこんな事態になっているのか。
 混乱する僕を尻目に、姉ちゃんはフェラチオと呼ばれるその行為を熱心に続けていた。
 僕の逸物を口いっぱいに含んだまま、絶妙な速さで頭を上下させる。
 亀頭に伝わる刺激から察するに、喉まで使っているのではないだろうか。
 だが、ある程度冷静な思考が出来たのはそこまでだった。
 絶え間なく押し寄せる未知の刺激に耐えるのが精一杯で、まともに考えている余裕がない。
 その内、あれがやってきた。いつも自慰で味わっている、あの感覚。
(あ、ダメだ、もう……!)
 股の奥から何かがこみ上げてくるのを感じ、僕は咄嗟に声を出した。
「ね、姉ちゃん、離れっ……!」
「えっ?」
 声に反応した姉ちゃんが驚いたように顔を上げた瞬間、ついに僕は限界を超えてしまった。
 姉ちゃんの口から離された逸物が、今まで見たこともないような勢いで白濁を吹き上げる。
 本当に、物凄い勢いだった。勢いだけでなく、量も凄い。僕の射精を至近距離で呆然と見つめる姉
ちゃんの顔が、どんどん白く汚されていく。
(あ、ああ、ああああああ!)
 いつもおっとりしていて、僕を見て優しく微笑むアズサ姉ちゃん。
 たとえ年が上だろうが姉だろうが、男ならこんな女の人を守ってあげなくてはいけない。
 心ひそかにそんな風に思っていた姉の顔を、自らの欲望のままに汚してしまうとは。
(最低だ、僕は醜い人間だったんだ)
 情けなさと罪悪感で涙がこみ上げてくる。しゃくり上げる僕を見て、姉ちゃんが心配そうな顔をした。
「どうしたの、コウちゃん。ごめんね、お姉ちゃん気をつけたつもりだったんだけど、どこか痛かった?」
「ち、違うよ……姉ちゃん、汚れて……」
 状況が上手く把握できないながらも僕が必死に謝ろうとすると、アズサ姉ちゃんは安堵したように
微笑んだ。
12これは悪夢か?:2007/12/20(木) 01:14:45 ID:8xMFZBmp
「ああ、そっか、汚れちゃったのが嫌なのね?」
「う、うん」
 そう、姉ちゃんが汚れたのが――
「じゃあ、綺麗にしてあげる」
「え?」
 僕に止める暇を与えず、姉ちゃんは再び僕の体に唇を寄せた。
 逸物やその周辺、下腹部に太股……先程の射精で垂れ落ちた白濁を、ねっとりとした舌使いで丁寧
に舐め取っていく。
「ね、姉ちゃん、ちがっ、僕じゃなくて、姉ちゃんが……!」
 なんとか誤解を解こうとして姉ちゃんの顔を見たとき、僕は絶句した。
「コウちゃん、コウちゃんの精液……えへへ、全部、全部、わたしのもの……!」
 爛々と輝く理性を失った瞳、熱く荒い鼻息、僕の白濁を一滴たりとも逃すまいと這い回る、蛇のよ
うな舌。
 そこにいたのは、一匹の獣だった。
 普段の清楚な表情など完全に吹っ飛んでしまっている。
 と言うよりも、この表情のインパクトがあまりにも強すぎて、僕は「普段の姉ちゃん」の顔を上手
く思い出すことが出来ないほどだった。
(……普段の姉ちゃん? 普段の姉ちゃんって、なんだ?)
 今思えば、姉ちゃんは元々こうだったような気がする。
 確かに清楚で大人しくておっとしていて、大和撫子という言葉がピッタリ似合う人ではあった。そ
れは確かだ。
 だが、それだけだっただろうか?
(思い出せ、思い出すんだ、公一……!)
 よくよく思い返してみると、姉ちゃんはたまに妙な表情を見せていた気がする。
 僕が風呂上りでラフな格好をしているとき、赤い顔で足の辺りとか腕の辺りとかを見つめていた。
 洗面所を通りかかったとき、誰かの洗濯物に思いっきり顔を埋めていたような気がする。
 一緒に寝てあげる、なんて割と本気っぽい顔で言っていたのは、単に僕のことを子供扱いしている
から、だけだったのか?
(……怪しいところ多すぎじゃないか! なんで今まで気付かなかったんだ!?)
 いや、気付けなくて当然かもしれない。
 誰だって、まさか姉が自分に欲情しているなどとは思うまい。
 幾分か冷静さを取り戻した頭で僕がそこまで考えたとき、姉ちゃんは「掃除」を終えたようだった。
「ああ、おいしかった」
 うっとりした顔で呟いたあと、「あら、コウちゃんたら」と、上気した頬に手を添えて呟いた。
「まだまだ元気みたいね。お姉ちゃんの、気持ちよかった?」
 その視線は、またも僕の股間に注がれている。さっき射精したばかりだというのに、未だに元気に
天井を指している逸物。
「ち、違うよ、そんなんじゃ……!」
 僕は慌てて弁解するが、ギンギンにそそり立ったままの逸物を前にして言っても全く説得力がない。
 不思議だった。僕だって中学生で思春期真っ盛りだから、確かに多少は元気なのかもしれない。
 でもこれは明らかにおかしい。いつもなら、どんなに勃起していても自慰をすればすぐに収まるも
のなのだが。
 悩む僕の前で、アズサ姉ちゃんは意味深な微笑と共に何かを取り出した。
「お薬、効いたみたいね」
「ちょ、なに仕込んでるの姉ちゃん!?」
 姉ちゃんの手に握られている小瓶を見て、僕は目を見開く。
 姉ちゃんはにっこりと笑って、小瓶を揺らして見せた。
「これはね、コウちゃんのことを元気にするお薬なの。昨日の晩御飯に、ちょちょいっと、ね?」
「ね? じゃないよもう……」
 僕はうんざりする。昨日、僕が好物のハンバーグを食べるところを、アズサ姉ちゃんがヤケに熱心
に見つめていた理由がやっと分かった。
(ああ、こんなことならあんなガツガツ食べるんじゃなかった!)
 後悔してももう遅い。姉ちゃんはクスクス笑いながら小瓶を仕舞うと、いそいそとズボンを脱ぎ始めた。
「ほら、コウちゃん、見て?」
 誘うように言いながら、姉ちゃんはそっとショーツをずり下ろす。
 茂みに覆われた股間から透明な液体が太股を垂れ落ちている。僕は絶句した。
(愛液……って言うんだよな。興奮すると出てくる、とか言う)
 しかし量が尋常ではない。どれだけ興奮しているんだろう、この人は。
 そもそも、いくら興奮しているとは言え、こんなに出るものなんだろうか。
13これは悪夢か?:2007/12/20(木) 01:15:24 ID:8xMFZBmp
 足を伝って床に達しつつある姉ちゃんの愛液を見て、僕は心底疑問に思う。
「分かる? お姉ちゃんね、コウちゃんのをここに入れたくて、たまらないの。今までずっとそう
だったの、気付いてた?」
「ううん、全然」
 思わず普通に返事を返してしまう。姉ちゃんは悩ましげな吐息を零した。
「そうよね。だって、ずっと抑えてきたんだもの。せめてコウちゃんが14歳になるまでは我慢しよ
う、って」
 どういう理屈なのかは知らないが、とにかくそういうことらしい。
 僕は今日で14歳の誕生日を迎えたのだ。
 それで、姉ちゃんは自分の中の掟に従って、ついに抑え込んでいた欲望を解放することにしたらしい。
(それにしても誕生日当日の朝に早速って……姉ちゃん、よっぽど我慢してたんだなあ)
 変なことで感心してしまうのが自分でも少しおかしい。
 あまりの事態に脳がついていけず、逆に冷静になってしまっているのかもしれない。
「じゃあ、コウちゃん……いい、よね?」
「なにが?」
 聞き返してしまったが、姉ちゃんが何を聞いているのか、本当は薄々感付いていた。
「ああ、コウちゃんのその無邪気な瞳……お姉ちゃん、たまらないの」
 たまらないらしい姉ちゃんが、かすかに体を震わせながら、下半身を露出させたままベッドに上がる。
 そして、僕の股間の両脇に足を突くと、ゆっくりとしゃがみ込み――
「ま、待って!」
 女性器と亀頭の先端が触れ合うか否かのギリギリなところで、僕は慌てて姉ちゃんを止めた。
「やぁ、じらしちゃいやよ、コウちゃん」
 鼻にかかったような甘い声だ。姉ちゃんの黒い瞳が、何かを渇望するように潤んでいる。
 大好きな姉を泣かせているという罪悪感に、またも僕の胸が痛くなる。
(いやいや、だからってこの状況でこのまま黙っていられるか! 勇気を出すんだ、公一!)
 僕はありったけの力で自分を奮い立たせ、言った。
「姉ちゃん、こういうことは、よくないよ。だから、ええと、その……やめてくれない、かな?」
 たちまち、姉ちゃんの顔が悲しげに歪む。潤んだ瞳から涙が零れ落ちた。
「……やっぱり、こんなお姉ちゃんは、嫌い?」
 姉ちゃんが僕の腹に座り込んで泣き出してしまった。
 その重みを感じながら、僕は慌ててフォローを入れる。
「ち、違うよ姉ちゃん、嫌なワケじゃなくて……!」
「本当?」
 姉ちゃんが、不安そうに聞く。僕は何度も頷いた。
「本当。いや、そりゃもちろんビックリしたし、姉弟でこういうことをするのは……っていうのはあるけど、
だからって、姉ちゃんが嫌いになった、とか気持ち悪い、とか、そういうことは絶対にないよ」
 これは本当だった。自分でも少し以外だが。
「じゃあ、どうして嫌なの?」
 姉ちゃんが小さく首を傾げる。年上なのに妙に可愛らしく見えるその仕草にいつもの姉ちゃんを垣
間見て、僕は少しだけほっとした。
14これは悪夢か?:2007/12/20(木) 01:16:27 ID:8xMFZBmp
「あのさ」
 ここから先を言うのは、少し勇気が必要だった。
「こういうのって、普通は好きな人同士でやるもの、だよね?」
 姉ちゃんの顔がさっと青ざめる。
「じゃあやっぱりお姉ちゃんが嫌いなのね!?」
「違うよ! そういうことじゃなくて、さ……」
 その先をどうしても言えずにいる僕を見て、姉ちゃんはようやく事情を察してくれたらしい。
「分かった! じゃあコウちゃん、誰か、好きな女の子がいるのね?」
 ポンと手を打った姉ちゃんの言葉に、僕は頬が熱くなるのを感じた。当たりだった。
「ふーん。そうなの。コウちゃんも、お姉ちゃん以外の女の子を好きになるような年になったのねえ」
 やけにしみじみと頷き姉ちゃんに、僕は苦笑してしまった。
「そりゃそうだよ。僕もう十四だよ?」
「そうよねえ、十四だものねえ。ああ、4歳ぐらいまでは、『ぼくお姉ちゃんと結婚する!』って
言ってくれたのに……あのときのコウちゃんは、とっても」
「あはは、可愛かった、とか?」
「うん、思わずその場で犯しそうになるぐらい……」
「ちょ」
「大丈夫よ、その日の夜一晩中オナニーしてなんとか抑えたから」
 安心させるように微笑む姉ちゃんとは裏腹に、僕は背筋が冷たくなるのを感じていた。
(姉ちゃんって、今年大学二年で僕とは6歳違いだったよな。じゃあ、10歳の頃から4歳の僕に欲情し
ていたことに……。しかも一晩中オナニーって)
 衝撃の事実だった。
 よく今まで自分の貞操が守られていたものだと、感心するというか驚嘆するというか。
「それで」
 不意に、姉ちゃんが悪戯っぽい微笑を浮かべて、僕の隣に体を横たえた。
 息がかかるぐらいに顔を近づけて、内緒話をするようにそっと聞いてくる。
「コウちゃんが好きなのって、どんな子なのかな?」
 先程までの興奮がなりを潜め、純粋な好奇心が瞳を輝かせている。
 こういう、少し子供っぽいところも、いつもの姉ちゃんだ。
 僕は縛られているしお互い下半身を露出させたままだが、僕はほっとしながら答えた。
「ええと、隣の席に座ってる子で、名前は見原綾香って言うんだけど」
 いつかは姉ちゃんに相談してアドバイスを聞きたいと思っていたことでもあるし、見原さんのこと
を喋るのに抵抗はない。
 見原さんは、一言で言えば大人しい女の子だった。
 頭の高いところで癖のある髪を二つに結った、小柄な女の子。
 少し垂れ気味な大きな瞳と、いつも小さくしか開かない唇が、僕は大好きだった。
 もちろん外見ではなく、性格もいい。声だけでなく発言の内容も控え目で、話す人全てを穏やかな
気持ちにさせてくれる。
 隣の席でよく話すし、たまに僕の方をじーっと見つめているのを感じるから、多分筋はあると思う。
 この間なんか、目が合っただけで見原さんの顔が真っ赤になっていた。
 多分、僕だけじゃなくて彼女も僕のことが好きなんだ、と確信できた瞬間だ。
 そんなことを、興奮のあまりちょっとつっかえながら話すと、姉ちゃんは満足げに頷いて言った。
「分かったわ、コウちゃん。お姉ちゃんに任せなさい」
「え、どうすればいいの?」
 年上の女性としてのアドバイスをしてくれるのかと期待していたら、姉ちゃんは笑顔のままとんで
もないことを言った。
「3Pしましょう!」
「……は?」
 耳を疑う僕の前で、姉ちゃんは唇に人差し指を添えて説明し始める。
「コウちゃんのテクで、ウブな綾香ちゃんを優しく導いてあげるのよ。もちろん、お姉ちゃんも協力するわ。
そうねえ、話を聞いた限りではMっぽいから、とりあえず後ろからお尻でも弄ってあげようかしら」
「ちょ、姉ちゃん、何言って」
「あ、でもどっちにしても、コウちゃんにもある程度の技術は必要よね! やっぱりお姉ちゃんが教
えてあげなくちゃ。そういうわけで」
 姉ちゃんはいそいそと、またさっきの体勢に戻った。僕の股の両脇に足をついて、ゆっくりと腰を
下ろして、
「コウちゃんの初めて、いただきまーす!」
「ちょ、姉ちゃん、ま、あ、いや、だめぇぇぇぇぇぇっ!」
 ……それから先のことは、何というか、あまり思い出したくない。
 少なくとも、姉ちゃんが満足する頃、僕が精も根も枯れ果てた状態だったことは確かだ。
15これは悪夢か?:2007/12/20(木) 01:17:32 ID:8xMFZBmp

 そうして、一ヶ月ほどの月日が経った。
 僕と姉ちゃんの関係がどうなったかは、まあいちいち説明するまでもないと思う。
 両親がおらず僕と姉ちゃんと妹の三人暮らしのこの家屋内において、逃げ場などあるはずもない。
 そもそも僕に姉ちゃんを拒めるはずがないのだから、どんなに抵抗しても結局最後はベッドまで
行ってしまうわけで。
 ペースは、一日大体十回ぐらい、ということだろうか。
 最初は耐えられなかったこの日課も、最近ではほぼ平気になりつつある。
 こういう能力も鍛えられるものだということを、改めて実感する日々である。
 さらにもう一つ、追記するべき大きな変化があった。

「こ、公一、くん……」
 ベッドの縁に腰掛けた僕の眼下で、四つんばいになった見原さんが哀願するように瞳を潤ませている。
 彼女は裸だった。いや、正確には裸に近い格好だ。
 頭には犬の耳を象ったヘッドセットをつけているし、肛門には犬の尻尾を象ったバイブが突き刺
さっている。
 そして極めつけ、首に巻かれた首輪と、そこから伸びる鎖。鎖の先は僕の手に握られている。
 これが本日の彼女の希望だった。
 すなわち、犬プレイ。
「ダメじゃないか、綾香」
 精一杯努力して冷たい声を出しながら、僕は鎖を強く引く。見原さんが、かすかな吐息を漏らして
前につんのめった。
「犬が、人間の言葉を喋るの?」
「……ん……わ、わん……」
 犬の鳴き真似をする見原さんの顔は、ほんのりと赤く染まっている。
 それこそ犬のようにだらしなく垂れた舌と、焦点を失った潤んだ瞳は、彼女が紛うことなき興奮状
態にあることを示している。
 まあ、いちいちそんなことを確認するまでもなく、眉やら唇やらが明らかに悦びの表情を作ってい
るのだけれど。
(ああ、内気で大人しかった見原さんがこんなに乱れて……)
 僕自身多少興奮はするものの、嘆く気持ちの方がやっぱり強い。
 別に、ここまで親密になろうと思っていたワケではないはずなのだが。
「おほほほほ、いやだわこんなに濡らしちゃって、躾のなってないワンちゃんね」
 ボンテージに身を包んだアズサ姉ちゃんが、見原さんのお尻をぱしぱしと叩いた。
 そのたび、見原さんは熱っぽい吐息を漏らして身をよじる。
「ほらコウちゃん、飼い主として、ちゃんと躾てあげなくちゃダメよ?」
 姉ちゃんはやたらと楽しそうだった。純粋に、こういうことが大好きなんだろう。
(まあ、僕はこの一ヶ月で、その事実を嫌ってほど思い知らされたワケだけど)
 僕は内心ため息を吐きつつ、表面上は冷たい笑みを浮かべて頷いた。
「そうだね。ダメだよ綾香、いくら君がいつもサカってばっかりの淫乱な雌犬だからって、
ちょっとは我慢しなくちゃ、さ?
「わ、わふぅ……」
「ほら、今だけ人の言葉使ってもいいからさ。言ってご覧よ、昨日は何回オナニーしたの?」
「……じゅ、十三回ぐらい、です……」
「呆れたね。あのあとそんなにやったんだ。何を考えてたのかな?」
「あの、昨日鞭で叩いてもらったこと、とか……ん……もしも、公一君がっ……わ、わたしのこと学
校でも、お、犯してくれたら、とかぁ……っん」
 見原さんの声がどんどん上ずっていく。自分の言葉に自分で興奮しているらしい。
16これは悪夢か?:2007/12/20(木) 01:19:27 ID:8xMFZBmp
「へえ。綾香は、学校でも犯してもらいたいんだ?」
「は、はいぃ……あのっ、い、今みたいな格好で、学校の中、公一君と一緒にお散歩したいですぅ……
ああ、み、みんながわたしを見て、薄汚い犬だって言って笑うの……! その中で、わ、わたし、
公一君に後ろから目一杯犯してもらうのぉ……!」
 その光景を想像しているのか、見原さんは恍惚とした微笑を浮かべている。
(……最近、ますます加速してきた気がするなあ、彼女のMっぷり……)
 僕は内心ため息を吐く。
 見原さんは姉ちゃんの睨んだとおり、Mだった。それも、ただのMじゃない。ドがつくほどの凄まじいMだ。
 なんでも、見原さん的に僕は理想のご主人様にぴったり当てはまる男の子だったのだそうだ。
「一体どんなところがさ?」
「あの、顔もそうだし、表情とかも……あと声とか口調とか仕草とか……と、とにかく、全部が全部、
わたしが日々思い描いては想像の中で犯していただいていたご主人様に、そっくりなんです」
 真っ赤な顔で拳を握って力説する見原さんを見て、僕はどう反応していいのか分からなかったものだ。
 授業中に僕のことを見つめていたときも、
(あの声で罵ってくれないかなあ。メチャクチャに犯してくれないかなあ)
(公一君の足、舐めてみたいなあ。踏んでほしいなあ)
(わたしが授業中にこんなこと考えてるの知ったら、お仕置きしてくれるかなあ)
 と、いうようなことを考えていたらしい。もちろん僕は全く知らなかった。
 まあとにかく、そんな訳で、姉ちゃんのアドバイスを受けつつ見原さんに告白した僕は、その勢い
で見原さんからも性の告白を受け、彼女の要求に答えつつ今日に至るわけだ。
(それにしても)
 お仕置きと称して見原さんにフェラチオをさせながら、僕はこっそりと、部屋の入り口の方に目を走らせる。
 本人は気付かれていないつもりなのだろうが、わずかに開いた扉の隙間に、妹である穂波の顔が見えている。
 食い入るように僕らの行為を見つめながら、その腕は絶え間なく股間をまさぐっている。
(なおかつ)
 窓の方に目を向ける。隣家の二階のカーテンは閉じられていたが、その隙間からビデオカメラのレ
ンズらしきものが突き出している。
(隣の家のお姉さんまで……)
 多数の女の人に欲情の篭った目で見つめられている現実を顧みて、僕は悲しい気持ちになる。
 姉ちゃんに犯されて以来、注意しながら周りを見てみると、クラスの担任の先生や部活の先輩委員
会の後輩、よく行くコンビニのバイトのお姉さんや、通りかかるたびに挨拶してくれる近所の家の奥
さんやら、みんなの視線に何か尋常でないものが宿っているのを自覚できるようになったのだ。
(みんながみんなそうなのかな……いや、まさかな。きっと僕の勘違いだよな、うん)
 自分の心にそう言い聞かせつつも、おそらくその予想が当たっているだろうことを、僕は半ば確信
している。
 どうやらこの先、僕が痴女の皆さんから逃れる術はなさそうである。
17これは悪夢か?:2007/12/20(木) 01:20:30 ID:8xMFZBmp

「ほら、どうしたの、コウちゃん」
「ご、ご主人様……」
 ふと我に返ってみると、見原さんのフェラチオはもう終わっていた。
 代わりに、彼女は僕に尻を向けて、期待するような目で肩越しに僕を見ていた。
 姉ちゃんの方はニコニコしながら見原さんの尻に手を添え、彼女のひくつく肛門をこれでもかとい
うほど大きく広げている。
「ほらコウちゃん、綾香ちゃん、ここに欲しくてたまらないんだって」
「お、お願いしますぅ……」
 嬉々とした姉ちゃんの声と、見原さんの切ない懇願を聞きながら、僕はゆっくりと立ち上がる。
 喜ぶべきか嘆くべきか、股間の逸物様は今日も全開ギンギンだ。
 姉ちゃんと繋がったあの日以来、十発ぐらいなら余裕で持つようになってしまった。ひょっとした
ら何か変な薬でも盛られているのかもしれないが、もはや考える気にもならない。
(僕、まだ中学生なんだけどなあ……)
 心の中で嘆きのため息を吐きながら、僕は見原さんの小さな尻を乱暴に引っつかむ。
「そんなに欲しけりゃいくらでもくれてやるよ、この雌ブタ!」
 ヤケクソ気味に叫びながら、何の前準備もなしに見原の肛門に逸物を突き入れる。
 直腸の熱と強い締め付けを感じながら、勢いの任すままに思いきり腰を前後させる。
 見原さんが甲高い悲鳴を上げた。
「ご、ご主人、さまっ……! い、いつもより、は、はげしっ……!」
「あはははは、コウちゃん、とってもお元気ね! あとでお姉ちゃんにもいっぱいちょうだいね?」
 僕の腰使いを見つめながら、姉ちゃんがうっとりと頬を染める。
(あーもう、こうなったらやってやるよ! 誰でも、何人でも来いってんだ!)
 何か大切なものが切れてしまったような頭で考えながら、僕はまず扉の影で自慰している妹をそば
に呼びつけるべく、大きく口を開いた。
18名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 01:21:56 ID:8xMFZBmp
終わり。こういうのは勢いが大事だよな!?
19名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 20:50:24 ID:PSlAQtZ5
GJ!!
こういうのが読みたかった!!!!11!!
20名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 00:27:42 ID:YfFTDVR6
初投下キター!!
GJ!!
更なる書き手さんの降臨にも期待。
21名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 00:47:51 ID:iuMZDmyP
GJ&期待age
22名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 09:04:00 ID:GgNi3Cax
こ、これは素晴らしいwww
23名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 09:01:33 ID:t2UCSOg2
満員電車で背の低い巨乳少女にパイズリされたい
24名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:04:46 ID:kcuMsJzL
>23
それもかなり捨てがたいが、むしろ爆乳巨女に頭の上に乳置かれながら股間を膝で弄られたい。
25名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:47:31 ID:N+yH0NFh
保守
26名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:55:02 ID:1Yl+xYun
>>18
面白かった! GJ!! 
27名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:22:48 ID:a4Gj+VFQ
淫乱だけどあんまり美人でない女に迫られたら悩むな。
28名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 22:53:15 ID:V3qBdTS6
保守
29名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 15:08:13 ID:1miL62sc
ビッチ大好き保守
30名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 09:57:11 ID:jbkkLb/w
期待
31名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 21:57:11 ID:HxiJm2nW
>>27

むしろその方が遠慮なくできるような気がする
32名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 00:38:40 ID:fXLklkB8
普段はそうでもないのに行為に及ぶと途端に淫乱ビッチ化萌えage
33名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 23:38:33 ID:d4wJhY2Z
34名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 15:01:51 ID:2KWBIllK
淫乱が重要なんだあぁぁ!
35コンパイル:2008/01/14(月) 16:46:35 ID:8LDekdT7
誰もいなくなった運動場で、野球部員の山田誠司は玉拾いをしていた。空が黄金色
に染まり、寒気が肌を刺してくる中、他の部員と共にバケツへせっせと玉を放り込む。
まだユニフォームすら着せてもらえぬ一年生だが、いつかは甲子園の土を踏みたい
などと思っていると、背後からマネージャーの岩田真紀がやってきた。

「誠司」
「どうした」
「悪いけど、先に帰ってて。私、用事残してるの」
「わかった」
真紀はそう言って踵を返し、部室がある方へ走っていった。同い年の幼なじみで、野球
好き。かつてはリトルリーグのチームでエースの看板を背負っていた真紀も今は野球
をやめ、選手を管理する道を選んでいる。

小柄な真紀はリトルリーグでしか通用せず、中学ではソフトボールへの転向も試みた
が、選手として光る物は無かった。一方、誠司は中学に入るなり、野球部へ入った。夢
を諦めざるを得なかった真紀の代わりに、自分が頑張ろうと思ったからだ。そして、名門
といわれる野球の強豪校へ真紀と共に進んだ。それからまもなく一年が過ぎようとして
いるが、誠司は今も玉拾いの位置に甘んじている。

運動場を均した後、誠司は一年生を代表して部室に後片付けが済んだ事を報告に行っ
た。部室は狭く、ロッカーを利用できるのはレギュラーのみで、誠司のような者が中に入
る事は許されていないが、例外的に一人だけ自由に入れる人間がいる。
「山田です。後片付け終わりました」
部室の前で報告すると、中から誰かが帰ってよしと言った。誠司は扉の向こうに一礼し
て、部室の前から去った。
36コンパイル:2008/01/14(月) 17:18:54 ID:8LDekdT7
去り際、部室の中から笑い声が聞こえた。レギュラー達の大声と、もうひとつは女の
声だった。この野球部でレギュラー以外に部室へ入れるたった一人といえば、真紀
しかいない。そして週に一度か二度、真紀の帰りは遅くなる。誠司はそのまま帰ろう
とはせず、裏口へ回った。壁をよじ登り、明かり取りのある場所へへばりついて誰に
も悟られぬよう部室の中を覗いた。

狭い部室にレギュラー部員が数人、真紀を囲むように立っている。真紀は裸で、部
員も裸。膝をついた真紀は両手に男根を握り、可憐な唇にも男根を含んでいた。
部室には真紀の物と思しき衣服が散乱し、使用済みの避妊具がそこいらに放って
ある。明かり取りから覗く誠司の耳にも真紀が男根を啜る音が届き、部員達の嘲笑
が脳に刻まれる。

「おらおら、手がお留守だぞ」
「あはっ、ごめんなさい」
男根を握っている部員に叱咤されると、真紀はおどけてみせた。
「おしゃぶりに夢中になっちゃって」
「お前は俺達の玩具なんだから、しっかり頼むよ」
「すみません」

真紀は部員達に媚びるような上目遣いをし、再び三本の男根に奉仕を開始した。
その間、手持ち無沙汰となった部員たちは真紀の乳房を弄った。華奢な体の割りに
は二つの山は小高く、餅のような白い肌は揉み解されて紅に染まっている。
「おお・・・出るぞ、真紀」
口唇愛撫中の部員が腰をわななかせると、真紀は目を細めて男根を絞るように唇
を窄めた。そして、ごくり、ごくりと男根から放たれた子種を飲む。
37コンパイル:2008/01/14(月) 17:49:56 ID:8LDekdT7
「ふーッ・・・凄く濃いね」
男根と唇を粘液が繋ぎ、真紀の口元は淫らに輝いている。子種を一気に飲み干した
幼馴染の姿を見ると、誠司は心臓を掴れるような悪寒に襲われた。
「俺もいくぞ」
「俺もだ」
手で愛撫されていた部員たちも達し、一時に白濁液が全身に注がれると、真紀は嫌
がる素振りも見せずに笑った。

「あはは。凄く出てる!笑っちゃうくらい出るね」
「真紀の手コキが巧みだからさ」
「もう、私の体に飽きてきたのかな、なんて思ってたけどね」
真紀は立ち上がり、短めに揃えた髪を手で梳いた。
「飽きるもんか、この体に」
部員が背後から真紀を抱きしめ、下半身を密着させた。真紀は自ら腰を前後に動か
すと、淫らに笑う事で部員の望みに応えようとする。

「なあ、今日はケツの穴でやらせてくれよ」
「いいけど、これで甲子園に出られなかったら、承知しないわよ」
「やった。この前は嫌がってたもんな」
「あまりいい気分じゃないもの、あれ。でも、嫌いじゃないわ」
「よくわからないが、OKって事だよな」
「はまりそうで、ね。怖いのよ」

真紀は床に四つんばいとなり、尻を部員たちの方へ向けた。すぼまりはしっかりと
閉じており、まだ穢れを知らぬように見える。
「ゴムだけはお願いね」
「心得てるさ」
部員の一人が真紀の尻に乗り、腰を突き出した。
「うッ・・・」
「入っていくぞ」
「ああ・・・恥ずかしいけど、いいわ」
避妊具を装着した男根は、大した抗いも受けずにすぼまりの中へ埋まっていく。
38コンパイル:2008/01/14(月) 18:15:43 ID:8LDekdT7
この時、壁にへばりついていた誠司の力はつき、明り取りから下に落ちた。しかし、
「ああ、いいッ!全員で、お尻を可愛がって・・・ああ・・・」
という真紀の叫びを聞き、中で何が行われているかを察する事は出来たのであっ
た。

しばらくして一年生部員の間で、妙な噂が流れるようになった。
「マネージャーがこの前、男子トイレに連れ込まれる所を見たんだ」
ある一年生が、男子生徒数人と真紀が一緒に男子トイレに入って行く姿を見たと
言うのである。それを聞き、誠司の胸は痛んだ。
「そういえば、最近、顔出さないな、マネージャー・・・」
「不良の玩具らしいぜ・・・」
誠司自身もこの所、真紀とは顔を合わせていない。気にはかけていたが、レギュラ
ー部員たちとの荒淫を見て以来、話しかける気には到底、ならなかった。

そしてある日、誠司がいつもの通り玉拾いをしている時の事。
「誠司」
背後から自分の名前を呼ぶのは、制服姿の真紀であった。
「ああ」
誠司には言葉がない。ただ、玉を拾うしかなかった。
「最近、どうしてるんだ。部に顔も出さずに」
「ちょっとね。またそのうち・・・」
しかし、誠司はその言葉を信じられなかった。むしろ、別れの挨拶のようにすら思
える。

「誠司は野球頑張ってね」
「ああ」
それだけ言葉を交わすと、真紀は校門の方へ走って行った。その先には改造バイク
が何台も並び、見るからにやさぐれた輩が何人も立っている。そして真紀はそのうち
の一台にまたがり、男と一緒に去って行った。
「くだらねえ!」
玉を拾っていた誠司は急に何もかもが嫌になった。玉の入ったバケツを放り出し、
運動場で大の字になると、流れて行く黄金色の雲ばかりを見ていた。

おすまい
39名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 19:29:32 ID:yCKTMBu9
>>38
それは淫乱なのか?
淫乱というよりただのレイプじゃね?
40名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 23:00:34 ID:6LSC+Gpm
いやレイプと言うよりビッチとかNTRの類だな
41名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 01:01:38 ID:p7137Gb5
まとまりが良く、大好物の話でGJだけれど
このスレ向きではないかな

堕ちていくにつれ淫乱化していく話もいいけれど
淫乱痴女に男の方が引き気味というか圧倒されるような
話のほうが個人的には好き
堕ちモノの話だとしても、身も心も淫乱痴女になる
その部分が主体の描写になっていて欲しい

先の話の場合だと、例えば最初はレギュラー陣の
慰み者だったのに、いつのまにかレギュラーやら監督が
食われる立場になって、挙句の果てに学園に巣食う不良どもや
校長教頭まで虜にされてしまう、みたいな展開かな
淫乱痴女として覚醒するきっかけはレイプでも何でもいいけれど
42名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 16:03:07 ID:OxDvMc2O
ただのNTR
胸糞悪い
43名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 16:34:07 ID:yacY0/Ks
そう悪く言われるような作品じゃないと思うが
NTR苦手ならスルーすれば良いわけだし
GJでした
44名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 22:43:25 ID:bmYhIVeS
ムズカシー
45名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 23:50:21 ID:34kR2bbC
>>38 GJ! こういう全方位チンポ対応型の淫乱も好きなんだが
セックス大好きチンポ大好き女が何かしらのキッカケで純粋な後輩とかに強烈な片思いをして
もうお前しか見えないみたいな感じで逆レイプして相手に泣かれて動揺するみたいな話が好きだ
ドがつく程の淫乱が恋は盲目になって実は普通の恋愛が出来なくて四苦八苦するの超萌える
微妙にスレ違いの気がしなくもないが
46名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 10:45:37 ID:0IQHpl+E
>>43
注意書きも無いのにどうやってスルーしろと?
47名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 17:02:40 ID:Hqx6yBF2
>>43
確かにGJだし苦手ならスルーすればいいとは思う
しかし>>46のとおり注意書きがないとスルーは出来ないんだ。

という訳で>>38氏はなかなかGJでしたが
NTRやyndrなんかはちょっと注意書きがあったほうがモアGJ!
48名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 22:11:07 ID:4rz9Zc6N
「いや今回は無理。僕は絶対しない」
「何でですか?一回だけでいいですから」
「それだけはやめようよ」
「観覧車でもしたじゃないですか!
待ち時間でずっと前戯して乗るなり服脱いで
電車では新幹線個室で東京大阪間やりつづけ
入院したときも毎日やらせてと頼んだら
苦しい体をおして頑張ってくれたじゃないですか!
なのに何でこれだけはしてくれないんどすか?」
「結婚式のどこでできるんだよ!」
49名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 22:43:25 ID:MYWtlrRe
お色直しの時
50名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 22:45:05 ID:m7pThbvu
いっそ衆人環視の前で共同作業してしまえ
51名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 22:47:25 ID:MYWtlrRe
すまん、書き込んだ直後に
「お二人の最初の共同作業です」
というナレーションが頭の中に・・・

あまりにありがちだが、直球ど真ん中勝負だ!!
52名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 01:39:49 ID:+dmGMZ4K
共同作業なのに新郎が新婦に入刀してどうするよw
53名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 09:00:00 ID:jlv21Tx4
きみ、それは勘違いだよ

この場合の共同作業は
54名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 22:52:34 ID:i4XuFmfL
子作り



いや………すまん
55名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 02:09:03 ID:4SGl6ROE
>>54
最強○×計画がうかんだ
56女・露出/少年:2008/01/28(月) 16:02:27 ID:g3i1S9yt
塾から帰る途中の安井清隆は、身を切るような寒さを温かな飲料でしのぐべく、公園
そばの自動販売機の前で立ち止まった。最近、美味さが分かるようになったせいか、
清隆はいつもここでコーヒーを飲む事にしている。すでに夜は更けかけて辺りは真っ
暗だが、煌々と灯る自動販売機の明かりは、寒さで凍えそうな心を落ち着かせてくれ
た。そうしてコーヒーを飲み終える頃、不意に公園の暗がりから何者かが現れた。

年の頃だと二十二、三、白いコートを羽織った若い女である。女は自販機の前にいる
清隆の方へ近寄ってきて、やけに気軽に声をかけてきた。
「こんばんは」
「はあ、こんばんは」
清隆は曖昧に返事をしたが、勿論、知り合いではないし、見覚えもなかった。それに
しても女の姿は妙である。見た目はいたって普通なのだが、何かがおかしい。コート
姿なのに所持品もなく、更に顔が上気しており、随分と興奮している感じである。そし
て次の瞬間、女はコートの前あわせをぱあっと開いた。

「あっ!」
清隆の目に映る女の裸体。妙だと感じたのはこれだった。女はこの寒空の下、素肌に
コート一枚という姿で外を歩いていたのだ。
「あっ・・・あっ・・・」
「ふふふ」
清隆の狼狽する様を女は楽しんでいるようだった。女の体は素晴らしく官能的で、陶器
のような滑らかさを持つ肌に、母性の象徴がこんもりと二山あって、脂の乗った下半身
には若草がふっさりと繁っている。

「バイバイ、僕ちゃん」
女は体を見せつけて満足したのか、踵を返して再び公園の暗がりへと消えていく。清隆
は股間を熱くしながら、ただ呆然とその姿を見送るしかなかった。
57女・露出/少年:2008/01/28(月) 16:24:31 ID:g3i1S9yt
翌日、清隆は学校へ行ってもあの女の事を考えてばかりいた。
(ああいうのを、露出狂っていうのかな)
何かに憑かれたように、女の裸体が頭から離れない。そうしてぼんやりしながら保健
室の前を通りすがった時、
「君、君。何をしょぼくれて歩いているの」
と、誰かが清隆に声をかけたのである。

「あっ!」
「あっ!」
その叫び声はほぼ同時であった。清隆と、清隆に声をかけた女性が顔をあわせた
瞬間、どちらも目を丸くしてびっくり仰天、
「き、昨日の・・・お姉さん」
「あの時の僕ちゃん!」
と、二人そろって奇妙な再開を果たしたのである。

「うちの学校の生徒だったのかあ・・・こりゃ、失敗したなあ」
胸の名札には志村千佳とあるが、清隆は女がここの職員である事を知らなかった。
「うちの先生だったんですね」
「今日からね。二年生の英語担当に産休とった先生がいてね。その代わりよ」
「ああ、そうですか」
「そうなのよ。う〜ん・・・」
千佳は目を瞑り、腕組みをしてうなっている。昨晩、何の悪戯か素肌をさらした女が、
まさかの再開をはたしてしまった事を、思い悩んでいるらしい。

それにしても千佳の今の服装は昨晩と違い、ベージュのスーツをぴしっと着こなし、
いかにも教師然としていて、清隆には面白かった。勿論、裸体は眩いが、こうして
見るとスーツ姿がなるほどお堅くて、美しく思う。
「ちょっと君、名前は?名札見せて。安井清隆君か」
千佳は細面を清隆の顔に近づけ、まじまじと名札を見た。とりあえずどこの何様かを
知りたいようである。
58女・露出/少年:2008/01/28(月) 16:37:49 ID:g3i1S9yt
「清隆君、ちょっとおいで」
千佳は清隆の腕を取ると、保健室の扉を開けた。この学校には常勤の保険医は
在籍せず、基本的に保健室は無人だった。内側から扉に鍵をかけた千佳は、カ
ーテンで仕切られたベッドルームに忍び込み、清隆にそこへ座れと命じた。

「あの、先生・・・」
「なに?」
「昨日の事なら、僕、誰にも言いませんから」
「信用できないな」
千佳はぷいと顔を横向け、頬を膨らませた。教職にある割には、やや子供じみた
性格らしい。

「あのね、清隆君。初めに言っておくけど、私、別に変態とかじゃないのよね。ただ
ちょっと、ストレスとかお酒のせいで、ああいう悪戯をしちゃうのよ」
「はあ」
「大人って大変なのよ。特に教師は気を使う商売だし」
「ですね」
「生返事ばかり。私の話、ちゃんと聞いてるの?」
ずいと清隆に迫る千佳。自分が悪いのを棚に上げ、まるで居直り強盗のような態
度である。

「清隆君、ちょっと、脱ぎなさいよ」
「ええ?何でですか」
「昨日、私の見たでしょう」
「あれは、先生が見せたわけで・・・」
「見せ合えば、おあいこだから」
「そんな理屈、おかしいです」
猛抗議する清隆を見下ろしながら、千佳は腰の辺りに手をあてて、
「仕方が無い。私も見せてあげるわ」
と言いつつ、スカートの裾を指で啄ばんだのであった。
59女・露出/少年:2008/01/28(月) 17:02:37 ID:g3i1S9yt
「せ、先生」
「共有の秘密を持ちましょう」
千佳の手がすっと上がり、スカートの裾は捲り上げられた。ストッキング越しに、幾
重にも刺繍が施された白いショーツがお目見えすると、清隆の心は激しく揺さぶら
れる。

「昨日はパンツはいてなかったから・・・新鮮でしょ、こういうの」
ベッドに腰掛けた状態の清隆の目前に、自ら下着を見せつける女教師の姿があった。
更に千佳は、空いた手で清隆の股間を探ってみる。
「大きくなってない?」
「・・・先生、困るよ」
「硬くしてるじゃない。生意気言わないのよ」
千佳の目はぎらついていた。そして、息がかかるほど清隆との距離を詰め、頬を上
気させながら、口づけを求めたのである。

静まり返る保険室内に、二人の吐息ばかりが響く。千佳は上手くリードし、舌を絡め
たり唇を悪戯に噛んだりして、清隆を弄んだ。
「こんなにオチンチン硬くして・・・このままじゃ済まないわよ」
やや伏し目がちに千佳が言うと、清隆は顔を赤らめて目を閉じた。そのまま押し倒さ
れると、ズボンのジッパーが下げられる。

「あっ、先生」
男根に感じる、ひやりとした女の指先。清隆は狼狽しながらもそこを更に硬くし、魅惑
の世界へ引き込まれていった。
「案外、男らしいのね。経験はあるの?」
その問いに、清隆は首を振った。
「じゃあ、先生で初体験は済ませちゃいなさい。いいでしょう?」
こうなっては是非もなく、清隆はなすがままだった。そのうち、千佳がベットに寝ている
清隆の体をまたぎ、スーツを脱ぎだした。
60女・露出/少年:2008/01/28(月) 17:39:22 ID:g3i1S9yt
肩があらわになると、豊満な乳房を包むブラジャーが現れた。胸の谷間にあるほく
ろが何ともいやらしく、清隆の目はそこに注がれた。
「触ってもいいのよ」
千佳は自ら清隆の手を取り、乳房へと導いた。布越しでも分かる柔らかさに、清隆
はもう眩暈を覚えんばかりである。

「柔らかいでしょう?もっと触って」
真下から揉むと、乳房がいかに柔らかで弾力を持つのかが分かった。清隆はほと
んど夢中だった。揉む最中、ブラジャーのカップは自然に外れ、ストラップも肩から
落ちていた。生の乳房を揉みしだき、乳首を摘むと千佳の息も荒くなる。前のめりに
なると、髪の香りだろうか清隆の鼻腔をくすぐる物があり、千佳の表情はほとんど痴
呆のようだった。

「もう我慢できない。入れちゃうよ・・・」
千佳は男根を逆手に取ると、自らストッキングを破り、ショーツをずらした。脱ぐのさ
えもどかしいのか、やたらと貪欲であった。
「うッ!」
己の男根が肉のつぼみにでも包まれたような気がして、清隆はうめいた。脳の中に、
肉で出来た漏斗のような物に、体ごと男根が吸い込まれていくような映像が結ばれる。
女が上になっているせいで、そう思うのであった。

「うん、うんッ・・・清隆君のこれ、凄くいい・・・まるで、私にあつらえたみたい」
千佳は髪を手で梳きながら、腰を前後に動かしている。肉の穴は泡立ち、男根が出入
りするたび、いやらしい水音が鳴った。若草が濡れそぼり、小さく密集すると、清隆の
下半身をくすぐった。手は相変わらず乳房を揉み、時に乳首を引っ張る事もある。教
師と生徒は共にその立場を忘れ、本能の赴くままに互いの理性を食い合うのであった。
61女・露出/少年:2008/01/28(月) 18:01:17 ID:g3i1S9yt
やがて清隆に絶頂の予感が訪れる。男根はいい加減、先走りを漏らしていたが、
今度は子種が派手に出そうな感じである。
「先生、僕、もう」
「やだ、もうお漏らし?ふふふ、せっかくの初体験だし、中で出していいわよ」
千佳は清隆を押さえつけるような姿勢で、最後の追い込みをかける。

「いく時は、私の顔を見るのよ。一生、忘れられないように」
千佳の腰は恐ろしい速さで動き、男根を扱いた。こんな事をされては、清隆はた
まらない。たちまち子種の発射準備に突入した。
「うッ」
一瞬、ためがあって、直後に塊のような子種が男根から噴出した。それが数発、
連続して千佳の体内に放たれた。後は液体がとろりと膣内を浸し、千佳はその
衝撃で達した。

「はッ、はあッ・・・す、凄いわね」
額に汗を輝かせた千佳は、ひいひいと息を荒げ、ようやく腰の動きを止めた。そし
て、膣口をきゅっと締め、清隆に絶頂の余韻を楽しませてやる。
「先生」
「そんなに切なそうな顔をしないのよ。ふふ、これから長い付き合いになりそうなの
に・・・」
千佳の唇の端には、舌が出ていた。それがやけに淫猥な感じで、清隆は残り汁を
絞られながら、背に冷たい汗をかく。この女教師の貪欲さに、はたして自分はつい
ていけるのであろうかという不安からだった。

数日後、校内をうろついていた清隆は、ふと千佳から呼び止められた。
「安井君、ちょっといらっしゃい」
千佳は人の目がある時は苗字で呼ぶ。辺りには生徒が何人かいて、何事かと興味
深げに千佳と清隆のやりとりに注目していた。
62女・露出/少年:2008/01/28(月) 18:17:27 ID:g3i1S9yt
ややあって屋上。季節柄、寒風が吹き、コンクリートの床はかなり冷えている。千佳
と清隆は、そんな寒さから逃れるように抱き合っていた。場所が場所だけに周りから
覗かれる心配はないが、二人の立場を考えれば好ましい状況ではない。
「先生、困るよ。まだ、授業が残ってるのに」
「だから早く済ませましょう」
千佳は甘えるように、また嗜めるような口調で、清隆のズボンから男根を取り出した。

「これこれ。これがないと、私の一日は始まらないわ」
千佳はそのまま跪き、男根を口いっぱいに頬張った。そして、これでもかというほど
の奉仕を始める。
「ゴックンしてあげるから、出る時は言ってね」
見下ろす形の清隆は、スーツ姿の千佳の胸元に乳房の露出を確かめた。ブラジャ
ーをしていないらしく、素肌は少し赤らんでいる。

「先生、下着つけてないの?」
「ええ、下も、ね。脱ぐのがもどかしいし、清隆君の事を思うと、すぐに汚れちゃうから」
千佳は上目遣いに清隆を見つめ、媚を売る。その眼差しは、私はあなた専属の娼婦で
すとでも言いたげであった。
「ねえ、清隆君。触って」
おねだりをする千佳の乳房を清隆は揉んだ。乳首は弾力がありながらも硬く尖って、
指で啄ばむには心地良い。

「ねえ、待ちきれないわ。早く頂戴」
そう言うと千佳はスーツを一気に脱ぎ、全裸となった。いくらここが屋上とはいえ、誰も
来ないという保証はない。だが、それを推しても、千佳は清隆を望むのである。
「誰かに見られたらどうする?」
「そのスリルが良いんじゃないの。さあ、来て」
屋上のフェンスに手を付き、尻を突き出した瞬間、千佳は清隆の男根をねじ込まれ、
歓喜の声を上げた。

おしまいん
63名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 18:34:03 ID:Fp9EySHc
初めてリアルタイムで投下されるのを見た
いいぞ!エロいぞ!読んでて我慢汁でたじゃねえか!

ただ、次はしてる途中の描写がもう少し長いといいなあ。
するまでの文章はすごくいいんだけど、するのがあっさり終わるから少し物足りない感じがする
64名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 21:37:35 ID:UvICmR4P
同意、もうちょっとネットリした感じが出せれば完璧かと。先神たちの作品を見直してみるのも良いかと。 
まぁ兎に角超GJなんだぜ。
65名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 15:04:51 ID:C3UYQbcq
あげ!
66名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 13:46:51 ID:NWFLNSEA
67名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:14:39 ID:LK0FdwZ/
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
68名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 16:57:51 ID:H0Ww6QNi
69名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 14:43:23 ID:raQV613W
書き手も読み手も集えビッチ萌えage!!
70名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 02:27:18 ID:Pfpta/5x
ほす
71名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 16:59:13 ID:Bf6Gcbl0
絶倫カップルのめくるめく愛欲の日々希望age
72エロマン:2008/02/26(火) 18:19:33 ID:YTqTdKeM
僕の彼女も超エロいです。
見てみて。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~eroman/index.html
73名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:39:47 ID:vaahBOOn
女性の身体を洗い、マッサージをする仕事になります。
射精の瞬間を見たいという要望も多数あります。
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74名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 15:00:48 ID:RCbAeclW
hosyu
75名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:58:35 ID:f5cU5I7O
保守ピタル
76名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 00:44:40 ID:Ng/CJosi
職人待機あげ
77名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 10:31:55 ID:vyVjI3Pe
>16
78名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 06:23:54 ID:A9WjZWkx
ここは糸色家の妹さんのスレですか、そうですか
79名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 01:24:13 ID:96qvhvzo
風俗店で、M性感というジャンルがありますが、具体的にはどういうサービスが受けられるのでしょうか?
痴女系やお姉さん系のイメージが強いように感じますが・・・今週末にデビューしようと思って悩んでおります。
風俗サイトなんかを参考にすると五反田にそれ系のお店が多いと思いますが、やはり五反田がいいのでしょうか?
料金も一般のヘルスなんかよりも少し高い気がします。
オススメのお店なんか知っている人が居ましたらご意見お聞かせください。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1115469361
80名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 23:18:24 ID:VhdEPBE0
ほっ
81名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 14:41:10 ID:MEVSlaNi
落ちてしまってまたいつか立つより、保守しておきましょうか
82名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 15:30:56 ID:dw2EDeCA
かのこんのちずるさんってこのスレ的?
83名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 04:06:16 ID:t0GAY+Lx
一点集中的なヒロインはこのスレでは敬遠される方向にあるな

ところで、かのこんのシモのほうってどこら辺まで進んだんだ?
84名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 13:24:29 ID:wI0bFmdI
挿入直前まで進んだ
85名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 05:00:26 ID:F4M8C3Ia
あまねく快楽を分けて衆生を救い給う観世音菩薩のようなヒロインがいいのか?

西国三十三ヶ所巡礼で札所ごとに襲われて中田氏してしまう妄想した。
掛け軸の画像に黄色っぽい沁みが一つずつ・・・
86名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 10:26:46 ID:rEcjppNt
なぜか孔雀王を連想した
87名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 22:22:10 ID:6u5mocPC
じゃ、次、教壇に来なさい。ほら、ここ、ここに舌を入れるのよ。
そう、そうそう、耕太くん、上手よ。みんな、よく覚えておくのよ。
耕太くんを見習うのよ。次次、してもらうから。そ、順番にね。

 こうですか?わかりません。
88名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 13:42:12 ID:yrhNbP9r
そうです。だから続きを書いてください。
89名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 14:58:32 ID:IhizXi1B
パンツ見えてもキニシナイ
むしろ視線に気付いて誘っちゃうどころか、手を取ってスカートの中に・・・
90名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 00:20:15 ID:Nd6UONTo
ドMで淫乱だといい
男に羞恥プレーを強要されて濡れまくりとか
91名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 01:27:42 ID:oaXhz0E0
今さらだが>>11-17の続き的なものを投下する。保守がてら。
92見原さん:2008/04/29(火) 01:28:12 ID:oaXhz0E0
 二時限目と三時限目の間の、短い休み時間のこと。
「ねえ、小野君って、綾香と付き合ってるの?」
 好奇心に目を輝かせる木田さんの前で、僕は頬を引きつらせた。
 その後ろには、クラスの他の女子たちも群がっている。揃いも揃って、野次馬根性丸出
しの表情を隠そうともしない。わざわざ教室の隅っこにある僕の席に集まるぐらいだ、ど
うやら全員がこの話題に興味津々らしい。
「ねえ、どうなの、どうなの?」
「ええと、どうしてそう思うの?」
「だって、ねえ?」
 木田さんが視線を巡らせると、周囲の女子たちが互いに目を合わせ、頷きあう。
「ちょっと前から、さ」
「なんか、雰囲気違うよねえ」
「そうそう、甘酸っぱいっていうかさー」
 めいめいに好き勝手なことを言ってきゃあきゃあ騒いだあと、一斉にこちらを見つめて
くる。
「で、どうなの?」
 身を乗り出した木田さんの勢いに押されて、僕は椅子の上で少し身を引いてしまう。
(言い逃れをしていても、いつかはばれる、よな……)
 そもそも、隠すようなことではないのだ。中学生とは言っても、男女交際は自由だし。
「まあ、そうだよ。僕と見原さんは、付き合ってる、んじゃないかな……多分」
 頭の中であれこれと理屈をこねながら僕が言うと、周りを取り囲んでいる女の子達の顔
がぱぁっと輝いた。
「うっそ、マジ!?」
「やっぱり!?」
「やだー、先越されちゃったーっ!」
 あまりの騒々しさに少々げんなりしているところに、タイミング悪く噂の源が帰ってきた。
「どうしたの、みんなで集まって」
 大人しそうな柔らかい声に、女子グループが二つに割れる。その向こうから、きょとん
とした顔の見原さんが姿を現した。
 少し目尻の垂れた大きな瞳が、驚いたように見開かれている。
「あれ? みんな、公一君と話してたの?」
 いまいち事態が飲み込めないらしく、見原さんが戸惑ったように周囲の友人たちを見回
す。頭の高い位置で二つに結ばれた癖のある髪が、首の振りに合わせて小さく揺れる様は
とても柔らかそうで、僕はそれを見ているのが大好きだった。
 だが、それを楽しんでいる余裕はない。今の見原さんは、腹を空かせた狼の群に迷い込
んだ羊のようなものだ。案の定、喜色満面の女子たちが示し合わせたように見原さんに抱
きつき、あるいは肩を叩いて騒ぎ出す。
「おめでとう綾香!」
「大人しい顔しちゃってこの子はー」
「どっちからコクッたの? ほら、お姉さんに話してごらん?」
 口々にそんなことを喚きたてられて、見原さんは目を白黒させている。だがすぐに事態
が飲み込めたようで、小さな顔が真っ赤になった。
93見原さん:2008/04/29(火) 01:29:02 ID:oaXhz0E0
「ええと、それはその、あの」
 小さな体をさらに縮こまらせ、制服の袖に半分隠れている右手を口元にやりながら、声
を詰まらせている。見原さんの声が小さくか細いのはいつものことだが、今はほとんど聞
き取れないほどだ。
「なになに」
「聞こえないよー」
「観念して言っちゃいなー」
 女子たちは本当に好き勝手に騒いでいる。見原さんがますます小さくなる。
(一見すると困ってるみたいだけど……彼女の場合、この状況で悦んでる可能性もあるん
だよな……)
 そんな理由で助け舟を出すべきかどうか迷っていたとき、幸か不幸かチャイムが鳴った。
「うわなに、チャイム超KYなんだけど」
「残念ー」
「昼休み、たっぷり聞かせてもらうからねー」
 蜘蛛の子を散らすように、女子たちが自分達の席に戻っていく。助かったか、と一息つ
いたとき、僕の耳元で誰かが囁いた。
「安心したよ」
 驚いて見上げると、木田さんが意味ありげな含み笑いを浮かべてこちらを見下ろしていた。
「安心って、何が?」
「綾香。あの様子じゃ、まだあんまり進んでないっしょ? 手も繋げてないんじゃない、
正直なとこ」
 そう言われて、僕はなんとも言えない複雑な気分になった。隣にちらりと目をやると、
まだ頬に赤みを残した見原さんが、次の授業の準備を始めている。
(まあ確かに、他の人から見れば初々しいカップルに見えるよね)
 本当にそうだったらどれだけ良かったか、と思いながら、僕は曖昧に笑った。
「うん、見原さん大人しいから」
「そうだよー、今時珍しいぐらい内気なんだからさ。ハァハァ迫ったら泣いちゃうよきっ
と。大事に扱ってあげなよ」
「多分それだと物足りないんじゃないかな」
 思わずぼそりと呟くと、木田さんは怪訝そうに眉を傾けた。
「なんだって?」
「いや、なんでもない、なんでもない」
「変なの。まあいいか。あ、でもさ」
 去る直前に、木田さんが肩越しに振り返って、苦笑いを浮かべた。
「あんまり慎重すぎるのも良くないと思うな」
「え?」
「見原さん、なんて。よそよそしいじゃない? 付き合ってるんだったら、名前で呼ばれ
た方が嬉しいと思うよ、きっと」
 冗談めかした口調だったが、言われた僕の方は強い衝撃を受けた。
 次の授業の先生が教室に入ってきて、木田さんが少し離れた席に座った後も、僕の頭の
中では彼女が言い残した言葉がずっと回り続けていた。
 確かに、僕は未だに見原さんのことを見原さんと呼んでいる。恋人同士ならば、名前で
呼ぶのが自然なのだということは分かっているつもりだ。だが、そうすることには躊躇い
がある。
94見原さん:2008/04/29(火) 01:29:49 ID:oaXhz0E0
「見原さん」
 先生が声を張り上げるのを尻目に、僕はそっと隣の見原さんに囁きかける。見原さんは
一瞬びくりと体を震わせたあと、誤魔化すような笑いを浮かべて、少しだけこちらに体を
傾けた。
「なに、公一君」
 白くふっくらとした頬が、かすかに赤くなっている。瞳には何かを期待するような色が
ある。
(さっきからかわれた名残がまだ残ってる、ってことではないんだよな)
 僕は心の中でため息を吐きながら、じっと見原さんを見つめた。
「さっきの休み時間、トイレに行ってたみたいだけど」
 本来女の子にそういうことを言うのはデリカシーがないと非難される行為なのだろうが、
見原さんは文句を言うどころか、どこかしら嬉しそうに、ぎこちない微笑を浮かべた。
「う、うん」
「また、してたんだね?」
 ほとんど確認する意味で聞くと、見原さんの顔がますます赤くなった。震える吐息と共
に、か細い声が吐き出される。
「はい」
 ああやっぱり、と僕は少々呆れながら思った。
(見原さん……ほとんど毎日じゃないか! よくばれないもんだな……)
 要するに、彼女はトイレで自慰に没頭していたのだった。あんなわずかな休み時間で達
せたのかどうかは分からない。
「別に、そこまでいけなくてもいいの。ただ、弄ってないと耐えられなくなっちゃって」
 と、本人は以前恥ずかしそうに言っていた。ずっと前からそういう習慣があったらしい。
 そして、最近ではこの習慣に、自分の欲望を満たす以外の意味も加わっている。
 僕は見原さんから目を離し、前を向く。見原さんだけに聞こえる声で言った。
「綾香」
 見原さんが、小さく体を震わせたのが何となく分かった。
「今日、家に来てよ」
 ――お仕置きするから。
 言外にそう言ったのを、彼女も当然察したらしい。少し間を置いて、
「はい」
 と、かすかな声で従順な返事が返ってきた。
 授業を半分聞き流しながら、目だけを動かして隣の見原さんを見る。
 紅潮した横顔の中で、垂れ気味の瞳が焦点を失ったようにとろんとしている。小さく開
いた唇からは、熱っぽい吐息が漏れ出しているようだ。
(見原さん……頼むから、授業中にオナニー、だけは勘弁してよね……)
 内心そう祈ってから、僕は憂鬱な物思いに耽る。
 僕はさっき、彼女のことを「綾香」と呼んだ。普段なら躊躇うはずの名前呼びを、さら
りと自然にこなしたのだ。
 だが、それは恋人同士だから気軽に呼んだのではなく、単にプレイの一環だった。
 ご主人様と奴隷。あるいはペット。
 それが秘密の行為における僕らの役割だ。僕が彼女を「綾香」と呼ぶというのは、二人
がただの初々しい中学生カップルから、そういう異様な関係に移行したことを意味する。
(……だから、なかなか『綾香』って呼べずに、見原さんなんて呼び続けてしまうんだろ
うな。普段から『綾香』って呼んだら、僕と見原さんの繋がりが体だけのものになってし
まいそうで怖いんだ、きっと)
 そう推測しながら、僕は自分の臆病さと不器用さにため息を吐くのだった。
95名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 01:30:20 ID:oaXhz0E0
以上。短いですけどー。
96名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 11:57:33 ID:/JUQeA5q
>>95
早晩続きを投下してくれると全裸の俺も風邪に罹る心配が無くなる。
97名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 00:26:36 ID:FebOh9SY
エロまで書いてほしいよね。全裸待機的な意味で。
98名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:08:44 ID:pfGNOED0
おい!ボクっ娘がたんねーぞ!と脳内ご主人様(15歳♀)が言うので書いてみた。
淫乱なおにゃのこって良いよね。
どっかに落ちてないかな。
99名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:10:30 ID:pfGNOED0
「おきろー朝だぞー」

んあ?
ああ、キミか。
毎朝悪いね、やっぱり持つべきものは親友だよ。

「おはよう…何時?」
「ああ、おはよう。もうすぐ5時。」

うん、いつもの時間だね。
こう毎朝ボクの早起きに付き合わされたら大変でしょう?
でもこのサイクルを崩すと、どうしても体調がね…
や、いつもありがとう。
愛してるよ。

「ほら、風呂行って目さまして来な。」
「うい…」

あー…まだ頭がボーっとするな。
とりあえず熱いシャワーの刺激で目を覚ます。
髪と体をサクッと洗い、歯磨きを済ませて…よし、エンジン始動!

「おまたせ、もういいよー!」
「あいよー。」

ガラガラと風呂場の扉が開けられ、彼が突入してきた。
うんうん、今日も元気だ角度が深い。

「いつもすまないねえ…」
「気にすんな、俺も楽しんでるから。」
「えっち。」
「どっちがだ!」
「いやぁ、誘ってるのはボクだけどね。キミもなかなかのエロス魔人だと思うよ?」

この、朝の混浴を思いついたのも彼だ。
「ベッドでやると後片付けが面倒だろ。」
とのこと。
確かにそうなんだけど…いくらなんでも馴れるのが早過ぎるんじゃないかな?
なんだか、成人する頃には倦怠期を迎えてるような気がする。
日単位でゼロとかなったらやだぞ。

「さて、急がないと。朝は時間がなくて困るね。」
「おまえ、もうちょっとムードって物をさ…」
「それは夜のお楽しみだよ。朝は軽めに1発行ってみよー!」
「はいはい…ちゃんとピル飲んでるか?」
「ばっちし。」

断っておくと、この会話中、彼の手はずっとボクの体をまさぐっている。
露骨に言うと、乳房をこね回したり、お尻から太ももにかけて撫でたりしている。
たかだか数分の前戯でもビショビショになってしまうから不思議だね。
それだけ彼の手つきがいやらしいんだろうね。
ボクのせいじゃないから、そこんとこ勘違いしないように。
100名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:13:14 ID:pfGNOED0
「はい、ご開帳ー。」
「…萎えるから止めれ。」

どこが!
相変わらず焼けた杭みたいに熱くてバキバキじゃ…うあっ!

「あは…これこれぇ…これが無いと…朝が、始まらな…」
「俺はシリアルかい!」
「ボクの主食はバナナで…キャッ!あ!ごめ…あっ!あぁぁッ!」

お、おっとぉ!?悪ふざけが過ぎたかな…?
ちょ…激し…くぅぅ…な、なんの!
今朝こそはこのエロ太郎を先にイかせてや

「んぅぁぁぁぁああ!!」

無念。
ああ、これで何連敗だっけ。
勝ち誇ったように精液を流し込んでくるこの男が憎たらしい!
でも、その得意顔ちょっと萌えだぞ。

「…やあ、おはよう。」
「おはようございます。」
「おはよう、いま何時?」

予想外に濃厚な精液を10分がかりで処理してリビングに向かうと、両親が起きていた。
うん、やつれてるねお父さん。
昨日は激しかったみたいだしね。
でも、年頃の娘が居る家で、リビング挟んだ反対側にまで声が届くって言うのはどうかと思う。
おかげで彼がお腰に…訂正、起こしに来てくれるまで切なかったんだぞ。

「おはよう、6時すぎよ。また一時間もお風呂場に居たの?」
「…はい。」
「うん、愛を語らってきたよ。肉体言語で。」
「まあ、仲がいいのねえ。入籍はいつかしら?」
「…」

ボク達のちょっぴり爛れた関係は両親公認だ。
泣き叫ぼうが、よがり狂おうが、近所迷惑にさえならなければ声を抑える必要がないのはありがたい。
お父さんは複雑な表情だけど。

「でも、通学路ではだめよ?」
「…分かってる。」
「そ、そこで残念そうな顔するな!」
「…」

彼が悲鳴を上げる。
父が眉間を押さえる。
なんだよう!自分だって野外プレイ大好きなくせに!
この間だって、外食の帰りに路地裏にお母さんを連れ込んで…
101名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:15:39 ID:pfGNOED0
「そうだ!」
「まぁたロクでもない事考え付いたな…」
「失礼な奴だなキミは。とっても素敵なことだよ!」
「素敵ねえ…制服は汚すなよ?」
「大丈夫だってば。さあ、屋上に行こうか。」

大丈夫だよ、なんにもしないから。
させるけど…

「ほらほら、早く脱いで。」
「や、やっぱり。」
「お昼休みが終わっちゃうよ!」
「学校に居る間くらい我慢できんのかい!」
「…いいけど、その分が放課後に繰り越しだよ?利子つきで。」

毎度おなじみの押し問答。
あまりにもおなじみ過ぎて、もはや昼の合図といっても過言ではない。
いつもと違うのは、ここが屋上だということ。
普段は女子トイレに来て貰うんだけど、今日は趣向を変えてみた。
レパートリーを増やすのは良いことだ。

「喜んでお相手さしていただきます。」
「ふふん、よろしい!」

今日は移動に時間を食ってあまり時間がない。
手短にすませないと…

「あうぅ!うぅっ!ひぃ…ッ!」
「お、おい!声…」
「…〜〜〜〜ッ!」
「く…この…」

ああ、この背徳感…やっぱり屋外は興奮するなぁ!
しかも、今日は行きつけの公園じゃなくて昼間の学校!
否が応でも腰は激しく声は大きく…あ、ちょっとコラ!
102名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:17:27 ID:pfGNOED0
「ぅぁ…あ…だ、だめ…」
「おい、見てみろよ。フェンスの下にあんなに大勢人が居るぞ!」
「…」
「ひょっとしたら誰か気づいてんじゃないか?お前のエロ声にさ!」

うわ、なんかスイッチ入っちゃった…?
だめ…ボクも…その気になっちゃうぅ…

「や…恥ずかし…」
「は、よく言うよ!この変態女が!」
「いや…やめてぇ…」

と言いつつお尻を突き出す。
彼が背後から突き立ててくるのに合わせて…腰を、くねらせ…てる余裕なんかないよぉっ!
あああああ!イく!イくの!

「かは…ッ!」
「休んでる暇なんてないぞ!」
「ふぇぇ…ん、んにゃぁぁ…」

まずい、屋上は危険だ!
もう何がなんだかよく分からない。
お互いこんなに夢中になるとは思わなかった。
今度は家のベランダでやってみよう!

「ご、ごめん…」
「えへへー」
「…」
「汗だくになっちゃったね。」
「…」

むう、冷たい男だな。
ボクのテンション2割増しピロートークにうんともすんとも返さないとは。
ひどいわ!股開かせたらもう用済みなのね!
よよよよよ
…やべ、垂れてきた。
チャイムの音が聞こえた気もするけど、そこはそれ。
気づかなかったことにしよう。
うむ、そろそろ遅刻回数がシャレにならなくなってきたぞ…
103名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:19:45 ID:pfGNOED0
「…あの。」
「はいはい?」
「帰宅してからまだ30分とたってないんですが…」
「もう20分もたったんだよ!?脱いでイチャついて挿入できる時間だよ!?」
「だーもう、みなまで言うな!専業主婦の母さんに聞かれる!」

こっちの家の両親にも公認なんだけどなぁ。
ていうかキミがいけないんだぞ!
帰り道で手を繋いだりしたら興奮するに決まってるじゃないか!
…やっぱりあれかな、リビングってのが後ろめたいのかな?
そう毎日シーツに染みつけちゃ悪いと思って、掃除の楽なフローリングの部屋を選んだんだけど…

「まあ、いいじゃねえかブラザー。コッチは正直だぜぇ?へッへッへ…」
「お前、親父に似てきたな…」
「えぇー、ボクはれっきとしたM女ですよ?夜はカワイイでしょ?」
「あー…」
「…そこはカワイイっていいなさいよ!この盛りのついた犬が!」

オラオラオラオラ屋上のお返しだ!
まずは椅子に座らせる!
こうすることで腰の動きが封じられ、主導権はこちらが独り占め!
次に背もたれの隙間から足を突き出す!
こうすることで背もたれが挟み込まれ、彼はもう逃げられない!
最後にドッキングする!
こうすることでガッチリはまり込み、とても気持ちいい!
どうだ、まいったか!

「ほぉら…素直に犯したいって言っちゃいなさいよー」
「うく…」
「ひっ叩いて、気絶するまで責めたいって言ってみなさいよ…ふふ…」

あはははははッ
顔真っ赤にしちゃってカワイイ!
キミの顔見てるだけで凄く興奮するよ…

「うぅぅ…」
「強情ね…どうしてやろうかしら?」

実際、これ以上どうしようもないというのが正直なところ。
こっちの動きもかなり制限されるからね、この体勢。
これは肉体的な快楽の追求というよりも、儀式としての側面が強い。
分かりやすく言うと、「ご主人様、今日はこんな風にいじめてください!」みたいな。
…さて、要望も伝えてきたところで。

「んん?もうイっちゃうのかなぁ?」
「…後で覚えてろよ。」
「へぇ、期待してるわ。」

やた、OKサインでた!
それでは…ゴートゥーへヴン!
モールス信号!3・3・7拍子!

「ぐうううううッ!」
「あふ…」

いつもながら凄い…今日三回目なのに噴水みたい…
ボクはイけなかったけど別にかまわない。
夜に死ぬほど可愛がってもらえるもんね。
むふふ
104名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:23:06 ID:pfGNOED0
「てことで、今夜も彼が来るから。」
「…そうか。」
「ほんとにもう、いつの間に合い鍵なんか渡したのかしらねえ。」

お父さんは苦虫を噛み潰した表情。
お母さんはあらあらうふふと薄笑い。
我が家の食卓で2日に一回見られる光景だ。
疲れた体にうなぎが染みるぜ。
…それにしても、今日は特に消耗が激しい気がする。
昼間のアレのせいかな?
お隣からの来訪に備えて、今日は早めにベッドに行こう。

「むぐっ!?」

きゃ!?
ああ、キミか。
突然のディープキスが彼のサインだ。
今この瞬間から明日の朝まで、彼はボクのご主人様になる。
スイッチオーン…えへ…ご主人様だぁい好き…

「…んふぅ…ちゅ…ちゅぷ…ふ…ッ」
「ちゅ…はい、ここまで。」

ああ、そんな!
唇が切ないよう…

「ふぅ…ご、ご主人様ぁ…」
「なんだ?」
「お口がぁ…」
「口が?」
「お口がさみしぃです…」

は、はやく塞いでぇ!
ご主人様!はやく!はやく!
あああああ!舌がスースーするのぉぉ!

「ふぅん、そんなにこいつが欲しかったのか?」
「あ、違…」

キスの続き…
唇で塞いでほしいのぉ!

「違うのか。じゃあ今日はコッチは無しにしようか?」
「そうじゃなくて…ッ!」
「まあ、お前がいやだって言うなら…」
「ご、ごめんなさい!ご主人様ぁ…しゃぶりたいです!おちんちん突っ込まれたいですぅ!うぅ…ぐず…」
「…悪い悪い、イジめすぎたな。お前の泣き顔が可愛いからいけないんだぞ?」
105名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:25:51 ID:pfGNOED0
ああ!ありがとうございます!
キスしてくださってありがとうございます!
舌もおちんちんも一生懸命おしゃぶりしますっ!

「ふぐ…んじゅっ…んぐぐぐ…じゅるる…」
「イヤらしい音たてやがって!そんなに美味いか?」
「んぶ…れぉ…はいぃ、おいひぃれふ…」
「この恥知らずのメス犬め!犬らしく鳴いて見せろ!そらッ!」

痛ッ…ああ!おっぱいが!おっぱいが熱い…
も、もっとブってください…
ご主人様ビンタぁ…わんこのお乳にくださいぃ…
あああああ…

「きゃんッ!わんっ!わんっ!わんっ!」
「ははは!鳴きまねが随分板についてきたなぁおい!」
「わ、わぅぅぅん…」
「もう心まで犬になっちまってるんじゃないか?ほれ、お手!」

はい…ご主人様…
ボクは犬です…主人様に発情しちゃうバカ犬なんです…
ご主人様に交尾していただかないと死んじゃうんですぅ…

「くぅん…」
「よしよし、伏せ。」
「わん!」
「お座り。」
「わん!」
「ちんちん。」
「わ、わんっ!」
「あっはははは!もう洪水じゃないか。そら、ご褒美のジャーキーだぞ!」
「きゃいいいいん!!!!」

ああああああ!来た!
ご主人様おちんちん来たァァ!
熱ぅぅぅいぃぃぃぃ!!!!

「きゃいん!きゃいん!」
「こんなにグチョグチョにしやがって!昼間あれだけヤったのにまだ足りないのか!?」
「あ、あぐッ…はいぃ…」
「犬が言葉を喋るな!」

きゃいいいいん!
ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!
た、足りないんです!人間の交尾じゃぜんぜん足りないんです!
ご主人様にわんこセックスしてもらわないと頭オカしくなっちゃうんですぅ!
ああああああごめんなさぁぁいいいい!!!!!

「そろそろ出すぞ、奥で受け止めろよ。」
「わぅぅん…」

じんわりと、お腹に熱が広がっていく…ごっこ遊びはここでおしまい。
休んでる暇なんかない。
震える前足で体を支えて…ご主人様の子種を垂らしながらお股を開いて…それから…それから…

106名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:28:54 ID:pfGNOED0
「ちゃんと這いつくばれ!」
「ひゃひぃぃ!?」

うああ!ああああああああああああ!
わ、わんわん!
わぅぅぅぅぅん!

「全く物覚えの悪い犬だな。お仕置きだ!」
「ぎゃっ!ぎゃん!ぎゃわぁん!?」

くぅぅぅん!
んー!んんー!
わんっ!わんわんわんっ!

「痛いのがそんなに好きか?叩くたびに締まるじゃないか!」
「きゃっ、きゃいん!くぁぁん!」
「こんなに腫らして!それでもイくのか!」
「わおおおおおおおおおおッ!?」
「おら、休むな。顔上げろ!」

わふっ…くぅぅぅぅ〜…ッ!
くぅん!?
んんんんんんんーーーーッ!?

「またイきやがった!まさか一突きごとにイってるじゃないだろうな?この淫乱が!」
「ひゅー…わ、ん…ふひゅー…ひゅー…」

んぅぅ…ぅん…わぅん…

「それじゃ、今日はこれで終わりにするか。ケツあげろ、メス犬!」
「…」

わ…ん…

「…はっ!?」
時計を確認。
四時の目覚ましがなる直前だった。
あれだけ乱れたのに、床が全然べとついていない。
どうやら彼が着替えさせて、拭き掃除もしてくれたらしい。
やっぱり持つべきものは親友だね。

「ん、つつ…」

い、いたた…シャワーがしみる…
昨日は盛り上がったなぁ…まだお尻がジンジンするよ…
でも、のんびりはしていられない。
はやく身支度を整えて、五時には彼を起こしにいかないと。
もうすぐ5周年を迎えるこの日課、ここで記録を途切れさせるつもりは無いからね。
107名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 18:30:40 ID:pfGNOED0
以上です。
素直クールってこんな感じ?
口調で表現するタイプの属性って難しい。
108名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 19:35:59 ID:pQfjH+uF
こ れ は す ご い !!
GJ! GJ!!
109名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 20:48:24 ID:qKUXqLn6
ふう・・・・・・・・・・・・



素直クールにしては感情露出が多いな
まぁGJとしておこう
110名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 23:29:28 ID:pfGNOED0
これでも感情出しすぎか…
浮き沈み激しいリアス式人間がクールとか無謀だったお(´・∀・`)
111名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 23:22:30 ID:8N4FkUP+
>>110
今日も抜けるssをありがとう。あなたとあなたの脳内ご主人様(15歳♀)に感謝を。

ご主人様・わんこセックスはわざとだろうけど、
>>100のご開帳からのくだりとか>>103のブラザーのくだりとかは
クールとは言い難い。逆にはじめの15行はうまくいってると思う。
素直クールは人前でエロ話はじめて、男が慌てたり苦笑いするものだから
男が困ってるシーンとかがあるといいかもしれない。
女の描写を増やすなら、だれかと口論して言い負かすとか。

ここまで書いて思ったけど、
はじめ起こされてるのは女で、最後起こすのが日課と言ってるのも女?
112名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 23:50:33 ID:r0MuTjhR
男女が一日交代で夜這いを掛けて、訪問された方はブッ倒れるまで頑張る。
後始末と翌日の朝は訪ねた側が担当。

というような関係を想定してたんだが、説明不足でごめん。
113名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 13:01:05 ID:dcq+3CA+
>>107
すげぇGJ!!
ていうかウチの彼女との関係にそっくりなんだが・・・知り合い?w
114名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 15:04:19 ID:cbqeJErv
>>113
そーゆー気持ち悪いのやめよーぜ
115名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 13:40:51 ID:3vIPsssb
なんと思われようが全体の7割はほぼ同じ
116名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 14:02:48 ID:zCK6eHBp
>>113=115?
つまり全体の7割が見知らぬ誰かの妄想と偶然一致してしまうぐらい、
>>113とその恋人の関係はありふれたものだということだな。
大抵そんなもんなんだろうから、別段悪いことでもないだろうけど。
117名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 14:13:50 ID:3vIPsssb
うん。そゆこと。
118名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 16:52:56 ID:mSpf2Tb5
きめえwwwwwwww
119名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 23:21:33 ID:/LR9iYsg
きめえw?うん。そゆこと。
120名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 01:04:28 ID:jg3SIbW4
たしかにきもいわ
121名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 20:49:14 ID:2aa0F8Oi
うん。そゆこと。 ・・・・流行らすか!はら今、憎くたらしいのがはやりじゃん!
122名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 09:21:30 ID:sDgxBfD0
近年希に見るキモさだ。
いきなり自分に当てはめて書き込んだりするし。
123名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 22:13:44 ID:5i5gl02r
まあいいじゃない。落ちる武士にはなってるんあし
124名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 23:16:58 ID:Nvlo3+IY
まあそうだなって事で淫乱娘保守!
125名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 20:53:04 ID:WcXl2qlr
ん……あっ・・・っふ・・・うぅん
126名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 01:22:55 ID:ZM8bZrCv
んっ・がっ・くっくっ
127名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 02:42:38 ID:wi61V2wH
思い切り背伸びすると気持ち良いよな
肩やら腰やら背骨やらがゴキゴキ鳴る
128名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 02:04:21 ID:ulHxD2bH
>>126
次回予告のサザエさん?
129名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 21:39:01 ID:B1IHlPhR
>>127
つまり
女の子が爽やかに伸びをするその背後で男共が搾り尽くされて死屍累々
こうですね、わかります
130名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 16:42:21 ID:wRnyNfjP
>>129
爽やかに背伸びをする女の子を後ろから抱きしめて、お姫様スタイルでお風呂場に連れて行きたいです
131名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 18:42:16 ID:YxeUrLRJ
>>130
爽やかに背伸びをする女の子の胸を後ろからめちゃくちゃに揉みしだきたいです
132名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 14:03:08 ID:o3BFFtL8
>130
風呂場って良いよね。汗、涎、愛液、精液、血液などなどを簡単に処理できる。

>131
窓際はリスキーで面白いよね。近所のオバハンに見られて警察呼ばれたり。


とりあえず、朝は体操で体をほぐす。
いや待ておぜうさんソッチをほぐす話じゃなくてアッー!
133名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 00:25:16 ID:iDe8+MRT
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3313011
(後半は釣り)

これみたいにエロ水着でいろんなことさせたい。
134名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 01:33:12 ID:X6PKehjg
ちょっと書いてる最中保守
案外男の方で悩むな
135名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 21:04:12 ID:bWNx950c
いいねいいね
俺も書いてるけど、もう少し……
136名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 01:06:45 ID:q8WUOjoH
職人さん待ち
137四時五時 ◆P7woR/uQWc :2008/06/14(土) 04:52:42 ID:MTj3DD44
完成いたしましたので投下いたします。
お付き合いいただければと思います。
138登場人物:2008/06/14(土) 04:56:01 ID:MTj3DD44
蓮台寺結衣
教職員。絵に描いたような才色兼備、だが油断のならないくせ者。
家柄があり、高学歴、高身長、生徒からの高評価と、他の教師から手が出せない孤高の存在。
人の心を食べるのが大好きな、妖怪みたいな趣向を持つ。
将棋部顧問。

姫川ハルキ
生徒。双子の兄であり、気さくで人を選ばない社交的な性格。
訳あって弟を溺愛するブラコンだが、普段はおくびにも出さないで接する。
親は離婚して父のみの家庭。
料理の腕は一級品。

姫川アキト
双子の弟。成績はトップクラス。
兄とは違い、友人を選ぶタイプで不器用な方。
将棋部部長で全国レベルの腕前。

平岩葵
一人暮らしをするOL。妹の茜がハルキとの交際があった。
139土曜日:2008/06/14(土) 05:00:15 ID:MTj3DD44
********************

「しっかしお前もアホだね、ノートを忘れるなんて。
だいたい課題くらい、わざわざ暗い校舎へ取りに行かなくてもいいだろ」
「あ〜うるさい。月曜の朝からどたばたするのが嫌なんだよ」

そろそろ紅葉も見えはじめる時期、日が沈めばだいぶ気温が下がる。
そんな中、暗い夜道を歩きながら会話する二人組みがいた。
話の内容からも読み取れるように、まだ学生とわかる年恰好だった。
二人を見ればすぐにわかる共通点がある。
普通ではありえないほど顔が似ている。
双子であった。


学校内ではすこぶる有名な二人であった。
単純に双子だというのもそうだが、人目を引き付けずにはいられない魅力的な容貌が二つ並ぶのはなかなか見られない光景だ。
兄は気さくで嫌味のない明るさを振りまき、同性異性とわず親しまれる愛嬌の良さがあったし、
対称的に弟は比較的物静な文化系であり、そのギャップもまた話題の一つだった。
両者の特徴が良い風に中和されるのも、ある意味敵をつくらず友好関係を築きやすい要因の一つでもあった。
そういう事もあり二枚目特有の近寄りがたさは無く、人望の多さはかなりのものがあり、
異性からの告白も少なからずあった。


「んで、あの、ラブレターどうするの」

双子の兄、ハルキは噛んで含めるようにゆっくりと話す。
口調に興味とわずかな揶揄が含まれていた。

「正直お前にまかせたいぐらいだ。断ってきてほしいよ」

弟のアキトは兄に向かってお前呼ばわりするが、
呼ばれたほうは気にした風もなかった。
いつもの事だった。

「もらったのはアキトなんだから、筋ってものがあるだろ」
「正論ありがとう。わかってはいるけど、色々と難しいしめんどくさいよね、本当にこういうのはさ」
「はぁ〜、別に知らない女子ではないんだろ」
「そうだけど、こういうのはよくわからない。それほど好みではないと思うし」
「お前の好みねぇ、たとえばどんな?」
「んん………」

熟考する弟を怪訝に伺う。
140土曜日:2008/06/14(土) 05:02:34 ID:MTj3DD44
「たとえば……たとえばの話だけど、蓮台寺先生みたいな」
「ほっほー、結衣ドン先生ねぇ。たしかに結衣ドンが恋人ならそりゃ最高だろうね」
「誰が広めたのか知らないけど、そのドンって付けるのはやめろよな……」

少なからぬ思慕の念があるのだろう、兄が言った呼び名に不満げな声を上げる。

蓮台寺結衣その人は女性にしては比較的背が高いため、裏では通称結衣ドンと呼ばれていた。
だが何もそれだけが要因ではなく、色々絡んで定着の感があるほど親しまれた呼び名になっていった。

「ははは、別に悪口ではないって。むしろ褒め言葉に近いね。
あの存在感は何と言うか、とにかく絶対無視できない何かがあるだろ、あの人はさ。
美人で可愛いけど、それだけじゃあ出ない魅力って言うか、とにかく人を引き付ける何かがあるもんな。
結衣先生が涙ながらにお願いしたら、なにがなんでもかなえてやりたい、
いっそこの人のためなら死ねる、とか言い出す奴もいそうなくらい。
それに教師連中の中でも、結衣ドンには下手に逆らえないらしいぜ。
イイトコの出だって話だしね、おまけに一流大学の出身、
頭の良さと関係あるか知らんけど、
将棋部顧問になってお前をめっためたにしたと聞いたときは爆笑ものだったぜ」

ぺらぺらと話す兄にくらべ、弟のほうは適当に聞き流しながら相槌を打つ。


弟のアキトは一年生の時にはすでに将棋部副部長を任され、
先輩が引退した二年生の今は文句なしに部長だった。
今年新任に入った笹川結衣が副顧問になった時、見かけ、さらには女性というから判断して、
部員全員がたいした事はないだろうとふんでいたそうだった。
だが実際対局するとことごとく生徒側の全敗、その時に結構な話題となり全校に知れ渡っていた。
それというのも、この学校は全国でも有数の強豪校だからである。

141土曜日:2008/06/14(土) 05:04:47 ID:MTj3DD44
「あぁ、そういえば課題、結衣先生の教科だもんな。
なんで週末のこんな時間、ノートを取りに行くなんて言い出したのか不思議だったんだ」
「いまさら気付く鈍感さに完敗です」
「どちらかと言うと、お前の健気さに乾杯したいけどね……。
今日のメシといい、ラブレターといいお前は不器用だよな。
まあそんなことはいいや、さっさと入ろう」

夜の帳が落ちる中、校門から入ろうと辺りを窺うが、すでに鍵は閉められていた。
迂回して職員玄関へ向かうと扉は開いており、そこから入っていく。

「うお、思ったより怖いな」
「さっさと行こうぜ。なんだかんだ言っても、誰かに見つかると色々面倒だし」

真っ暗な廊下を忍び足で歩く。
少なくともまだ誰か、宿直が残っている可能性が高い。
非常用の赤いランプに内心驚きながら、目的地まで到着する。
先行したハルキが教室の戸を開ける時、ギギッと予想以上に大きな音が鳴り響いた。

「おい」
「大丈夫だって。ほらさっさとノートを持って帰ろうぜ」

下手に明かりを点けられないため、机の中を手探りであさり、目的の物を眼を凝らして確かめる。
間違いないのを確認して、早々に立ち去ることにした。

「ちょっとまってくれ……」

兄の方が静かに声を出す。

「なに?」
「悪い、トイレに行きたいんだが」
「しょうがないな、見つかる前に早く行けよ」
「それはそうなんだがね、……一緒に来てくれ」
「…………」

少しの間が空く。
微妙な雰囲気が漂う中、アキトがため息をついた後、しぶしぶ同行した。

「いや、ほらね、結構怖いだろ」
「まあな」
「それに漏れるよりましだろ」
「まあな」

トイレに入るハルキを冷ややかに眺めながら適当に返事をする。

「うう、寒い」

待ってる時間は長く感じられ、思ったよりも冷えた。
142土曜日:2008/06/14(土) 05:07:03 ID:MTj3DD44
********************

「あら?」

戸締りを始める矢先、先ほどから物音がするのを聞きとがめ、
不審者の可能性を考え慎重に音源を探っていた。
話し声を聞いてみると、どうやら生徒が忘れ物を取りに来たようだった。
このまま出るようなら見逃そうかと思ったが、
トイレへと入っていったため、とりあえず事情を聞くことにする。

********************

「わっ、せ、先生」

トイレの入り口で待つ弟は、近づかれるまで人の気配を感じなかったため、
まるでSFかホラーのように、暗闇の中から突然現れた教師に心底驚く。

「はい、こんな時間に何をしているのアキト君」

しかも、もしかしたらこの場で一番出会いたくない蓮台寺結衣先生その人だった。
女性ながら、男子平均身長やや上のアキトよりも上背のため、
この場面においての威圧感はさらなるものがあった。

「あっ、これは……その」

突然の出現にしどろもどろになっていると、
トイレから兄のほうが用を足して出てくるところだった。

「あぁ、結衣先生こんばんわ」
「こんばんわ、ハルキ君。わざわざ土曜日のこんな時間に校舎へ何のよう?」
「あー、それはですね、こいつが課題で使うノートを忘れたんですよ。
それでどうしてもって事で取りに来たんです。騒がせてすみません。
ほらお前も何か言えよ」
「すみません……」

うなだれたように言葉少なく謝る。
143土曜日:2008/06/14(土) 05:09:21 ID:MTj3DD44
「まあそんなにしゅんとしなくてもいいわよ。大丈夫、別にこれくらい何も問題にならないわよ」
「はい、本当にすみません」
「そうだっ!」

弟と、弟の憧れと思われる教師を見て、ハルキは何か気付き、唐突に手を叩いて声をあげた。
両者の視線が集まるが、大して気にした風もなくまくしたてはじめる。

「こいつ、取りに来た課題って先生の教科なんだよね。
どうせなら教えてくれないかな、先生もこのまま宿直するだけなら暇だろうからさ」
「宿直といっても、見回りの後、警備システムをセットしたら帰るから、学園に泊まるわけではないのよ。
だけど、……まあそれくらい別にかまわないかな……。あとひとつ、もう遅いのだし親御さんの同意が無ければダメよ」
「えっ、いいですよ。先生も都合があるでしょうし。それに自分で解いてこそ意味があるものだろうし」
「ばか。お前ちょっと……」

ハルキは強引にアキトをヘッドロックして耳元でぼそぼそ呟いた。

「これは少しでもお近づきになれるチャンスだぞ」
「そ、そうかぁ?」
「そうだって、なかなか無いぞ。こういう状況は」
「でも親父にはどう言うの」
「そんなもん適当でいいだろ。別にやましいことするわけじゃあないんだし」
「動機は充分やましいかと思うけど……」

うぅと唸りながら、少しの考慮のすえにうなずいたアキトを確認して離す。

「はい、お願いします」
「それじゃあ親御さんに連絡しなさい。持ってなければ携帯貸すわよ」
「どうも、お借りします」

アキトは内心喜びながら電話するハルキを見ていた。
無事親から了承をえられ、三人は宿直室へと向かった。
余談だがハルキは親に、教師はクラスの担任、つまり男だと伝えていた。
144土曜日:2008/06/14(土) 05:13:25 ID:MTj3DD44
********************

暖房によって暖められた部屋へと入る。
畳張りにテレビと簡易な台所、ちゃぶ台かと見まごうテーブルと昭和の香りがする造りだ。
だが一角にパソコンと警報装置の制御盤と思われるパネル、
多機能な電話とハイテクな機器が集まっているため、そんなレトロな香りもたちまち霧散する。

「夕食は食べてきた?」
「はい、おかまいなく」
「それじゃあお茶くらい出すわ、待っててね」

暖かい烏龍茶だったが、飲むと身体が温まる感じになる。
一息ついて明かりの元で結衣を見上げると、ずいぶんとラフな姿をしていることに気付く。
ノースリーブのブラウスに膝上までのジーパン調スカートにサンダル履き、
アクセントとして腰にラップスカートのような物を巻いて引き締めている。
見た目には学生の普段着にすら見えるその姿は、
似合っており格好も良いが、もう今の季節には寒そうに見えた。
むき出しの肩に何か掛けてやりたい。

「先生、その格好寒くない?」
「さっきね、シャワー浴びてたのよ。外は少し寒かったけど身体は温まってたからそれほどではないわ、
ほらほら、ノートと教科書を広げて、わからない所があったら気軽に聞いてね」
「お前はどうするの? 何も持ってきてないだろうし」
「先生を相手にトークとか」
「はいはい、ハルキくんには私の教科書貸してあげるから、一緒に勉強しなさい」
「うっ」

ハルキは教科書を手渡され、思わず唸る。
腕にかかる重みがこれから先の困難を表していた。

「うむむ、しかたない。ルーズリーフ少しくれ」

かくして二人とも、熱心に課題に取り組むという方法でしかアピールできなくなっていた。
しばらくカリカリとシャープペンシルの音が鳴る。
今この時においては、なかなかにして模範的な生徒と言え、そんな二人を結衣はじっと見ていた。
テーブルに両腕を重ね、そこに上半身を乗り出すようにあずける。
ほんのり上気した肌、たわわな胸が盛り上がり隙間から深い谷間が見えた。
それほど大きくないテーブルなため、手を伸ばせば届く距離にある。

「ねえ」
「はい?」

結衣はくすくすと、さも子供のように微笑む。
二人は気のせいか、甘い匂いを感じる。

「さっきから全然進んでないわよ」
「あっ……」
「いや……」
「ふふ、そういうお年頃なのはわかるけど、人の胸をちらちらと見てはだめよ」
145土曜日:2008/06/14(土) 05:16:24 ID:MTj3DD44
赤面しながら二人は気を取り直し課題へと勤しむが、明らかに集中できていないことがわかる。
ノートと分の悪いにらめっこが続くが、やがてハルキは両手をあげる。

「だめだ、降参。悪いけど付き合いきれん、一抜けだ!」
「お前と言うやつは……」
「あはは、まあまあ、ここまでつき合わせてきたんだから怒らない」

結衣はおかしそうに笑いながら、なだめるように言い聞かせると、
兄に向けた気分もどこかへと霧散していく。
どうにも逆らえないと言ったのは、あながち外れではなかった。

「……いや、別に怒ってはいませんけど」
「というわけで先生、本来の目的、俺とトークをしましょう」

お調子者の口調で軽口を叩くと、結衣はにっこりと微笑む。
だが出てくる言葉は、
「だめよ、アキト君の邪魔になるから、やる気がないなら帰りなさい」
と、拒絶の意だった。

「うへ〜、しかたない、見たいテレビもあるし俺は帰るわ」

ハルキはばつが悪そうに頭をかきながら立ち上がる。

「ぅえ、おい」

アキトは内心、言いだしっぺのお前が真っ先に帰るのはないだろと思い眼を合わせると、
まるで見透かしたように相手は片目を瞑る。
ハルキの微妙に面白がる表情を作りながらするウインクを見て、全てを悟った。
良い意味で解釈すれば、気を利かせたと言いたいところだろうが、
これからアキトが二人きりになる状況を明らかに面白がり楽しんでる。

「あら、冗談なのに、気を悪くしたらごめんね。別に居てくれてもいいいのよ」
「いえいえお構いなく。俺はこれでも優等生ですから大丈夫ですよ」

などと兄の成績をおおよそ知る弟にしてみれば、世迷い事をぬかしながらそそくさと退出していった。

「ふふ、いいお兄さんね」

それは明らかに誤解だったと思うが、訂正するのは気が引けた。
なんだかんだ言っても、少し嬉しかったのである。

その後も勉強は続いていった。

146土曜日:2008/06/14(土) 05:19:01 ID:MTj3DD44

やがて課題も後半に移ると、さすがに難しくなったのか手が止まる場面が増えていく。

「どう、わからない?」

結衣が向かいにあるノートをのぞきこむと、自然と胸元が谷間まで見える。
アキトはその深さをこっそり盗み見するが、それだけで眩暈がしそうだった。
集中しようと意識するが、ほのかなシャンプーの香りに心はたやすく乱される。

「アキト君、聞いてる?」
「えっ、あ、スミマセン。ぼーしてしまいまして」
「もう、ちゃんと聞いてくれないとダメ。ここは重要なんだから」

結衣は立ち上がって、すたすたとテーブルを迂回して歩く。
迂回などと言うには大げさな時間と距離だが、
アキトは一歩近づくごとに増すプレッシャーに、周りの風景がスローモーションになるほどだった。
たかだか三歩ほどだっただろうが、隣に腰を下ろす瞬間までに心拍数は跳ね上がっていた。

「うんうん、充分いいじゃない。基本が出来て、次は応用ね」
「は、はい」

体力気力根性、そして理性を総動員して集中する。
見えない苦闘も肩と肩が触れてしまえばあえなく崩れ去る。
物理的距離がゼロという状態は、きわめて危険だった。
暖かく柔らかい感触に、男の生理現象が否応無しに発揮される。

そんな葛藤も知ってか知らずか、結衣は体を寄せる。
もしかしたら、書きとめてるノートが見にくかったのかもしれないが、
もはやアキトにとって課題より、時折二の腕に当たる胸に意識が集中する。
熱くなった下半身が行動は勿論のこと、思考も阻害した。

「――だから……、アキト君?」
「……えっ……あっ、あれ?」
「ふ〜ん、先生はマジメな話をしているんだけど」

結衣はそう言ってさらに身を寄せる。
すでに当たると言うレベルではなく、押されていた。

「……今、思ったんだけど聞いていいかな?」
「は、はい?」

アキトは自分の邪な考えが暴露し、告発され被告席に立つ気分だった。
そして十三階段から断頭台まで、そう遠くない距離を一本道。
147土曜日:2008/06/14(土) 05:22:39 ID:MTj3DD44
「アキト君てさ、あんまり女性に慣れてないの?」

慣れる? 女性に?
いったいどういう意味だろう。
そもそも女性に慣れるとはどういう状態を言うのだろうか。
アキトは予想外の質問に戸惑った。

「なんだかとたんに集中できないで、意識がこちらに向いてるみたいだからね、なんとなくそう思ったのよ。
だけど私、本当の事を言うと、なんだか遊んでる女泣かせなイメージがあったのよね、アキト君てさ」
「あ、あの〜、それはないですよ」
「あらあらごめんなさい。わざわざ夜にノートを取りにくるくらい真面目だものね」

それには裏の理由があったのだが、特に説明する必要もなかった。

「それに俺、女子と付き合ったことなんて一度もないですよ」
「そうなの。……でもそれは、ちょっと嬉しいかな」
「はあ」

意図のわからない相手の喜びに、気の抜けた返事をした。

「少し噂を小耳にはさんだのよね。さっきみたいな事、まあ女泣かせ? 遊び人と言うかな」
「んん? そうなんですか」

アキトは首をかしげる。
噂など当事者の耳にも多少なりとも入ってくるものだと思うが、
今回に関して言えば、初耳だった。
アキトは同性愛者でもないのに女子の告白を全て断っていたため、
難攻不落という噂が立ち、かえって硬派と言われていた。
実態はそこまでではなくとも、結果として出来上がったイメージは思いの他評判が良い。
本人もその評判に多少なり自負するところがあるため、結衣の話に意外な気持ちも強かった。
しかし、かすかだが別の推測で、胸に引っかかる部分もあった。
もしかしたら兄だろうか?

「俺は、女性を泣かせるような事は……してませんよ」

一部に嘘があったため、少し言葉に詰まる。
実際は告白を断るときに、相手に泣かれた事があったが、
これはノーカウントと心の中で付け加えた。
アキトはふと、今日は心にしまっていく思考が多い日だと考える。

「そう? この前屋上で女の子と対面してる時、
その子、涙を流してるように見えた気がしたんだけどね」
「えっ、それは……」

なるべく人目につかない時間と場所を選んでいただけに、指摘された事実に驚いた。

「そ、その……ラブレター渡されたり告白されたりした事があってそれで、えっと、
で、でもその、ちゃんと失礼の無いように断ってますよ。
それで泣かれてもしかたないじゃないですか」

あまりにあたふたするアキトの様子に、結衣は吹きだしてしまった。

「とにかく、そういう訳ですから。少なくとも先生が思ってるようなことではないですよ」

憮然と答えを締めくくる。
148土曜日:2008/06/14(土) 05:25:44 ID:MTj3DD44
「ごめんなさい。でも何で断ってるの? 私が知ってる限りでも、結構な数よ。
こんな事言うと不謹慎だけど、まるで選り取りみどりだよね」
「えっと、それは……」

実に答えにくい質問だった。
まさかこの場であなたが好きだからとは言えまい。
加えて相反するように、
どうにも告白してくる相手には良い印象を持てないでいる自分がいた。


恋に恋する乙女が、自分の事をよくも知りもしないで告白しているものだと思っていた。
端的に言って、アキトは自分はツマラナイ人間だという自嘲に近い念がある。
趣味といえば将棋一筋で、あとは成績が二重丸もらえる程度にしかとりえがなく、
気の利いたおしゃべりや遊びなど、とても縁遠い物だと。
結婚相手としては良いだろうが、恋人としてはデートもまともに出来ない最低な相手だろうと、
年齢不相応な達観した評価をアキトは自分に下していた。

だからこそか、余計に結衣の存在は衝撃的だった。
優しくほがらかで茶目っ気も親しみもある美人が、将棋においては自分より強い。
おそらく学生時代においては、成績のよさでも負けていただろう。
ツマラナイ人間なりに持っていた自負が、完全に叩き潰されていた。
初めて対局したその日、閉校時間間際まで何度も勝負して全敗が決まった瞬間、
もう恋に落ちる運命だったと言いきれるほど、悔しさより先にときめきを感じていた。


答えあぐねて視線を泳がせると、当たり前に横にいる結衣に目が止まった。
さらさらの長い黒髪、小顔に理知的でたおやかな目、長いまつ毛が瞬きとともに舞う。
微笑を湛えた美貌が、可愛らしく組む両手の上に預け、今一身にアキトへ向いている。
自然のままでも艶やかに朱をおびた唇に触れたかった。
意識を逸らそうとすればするほど、返って意識してしまう。

「それは?」

人肌のぬくもりは、青い衝動を呼び起こすのに充分な効力があった。
へたすれば、目の前の人を押し倒しかねない。
隠してはいるが、先ほどから完全に勃起して、布地に擦れるだけでも射精しそうだった。
加速度的に勢いを増す嵐の中、かすかな理性を総動員して、熱暴走しそうな頭で計算する。

「お手洗いに行ってきます!」

三十六計逃げるに如かず、であった。
149土曜日:2008/06/14(土) 05:30:16 ID:MTj3DD44
*********************************

宿直室から出て、一番手短なトイレに明かりを点けて入る。
夜の校舎がかもしだす特有の恐怖など一片も感じなかった。
すぐさまズボンを下ろし洋式の便座に座り、自慰を始める。
どうせ誰もいない、羞恥心などこの場では不要だ。

映像や写真ではない、すぐ近くに居る女性を性のはけ口にするのは気が引けたが、
始めてみるとむしろ、何故今まで行わなかったのか不思議なくらいスムーズに、そしていつもより興奮した。

アキトは想像の中で結衣を犯し始めた。
手をつないだりキスや愛撫など、愛情表現の段階を全て吹き飛ばし、
ただただ服を剥ぎ取り、全裸で交合する情景を思い浮かべた。
病み付きになりそうなほど甘美な快楽、たとえ想像の中だけでもここまでいけるものだろうか。
時間が許す限り味わいたかったが、待たせているためそうもいかない。
第一そんな精神的余裕などなかった。
目を閉じ、一心不乱に想像を膨らませていく。

「はあはあぁ、先生、はあ、はあ」
「ねえ、大丈…………、ごめん、ね」

アキトは自分の想像の結衣とは違う台詞に夢心地から引き戻される。
しかもその台詞はごく近く、頭上から聞こえた。

アキトはあまりの余裕のなさに、鍵を掛け忘れていた事に気付く。
いまだに自分は断頭台に上がったままだという立場を思い出した。
それどころかもはや手遅れであり、ギロチンは落とされ自分の首が転がっているのが見えるようだった。

「そのね、なんだか苦しそうな声が聞こえたし、ノックをしても反応が無かったから……。
でも、元気そうでよかったよ」

客観的事実を見れば、まったくもって結衣の言うとおりだった。

「こんな所でオナニーしてはダメだけど、
……本当にすごく元気、苦しそうだし助けてあげる、ね」
「えっ」

結衣は屈んでビクビクと血流の増した男根を握る。
さらにはそれを擦り、息を吹きかけた。
それだけでもアキトは果てそうになった。

「けど無条件はだめ。答えればこんなところでオナニーしてたこと許してあげるよ。ほら」
「くぅぁ、な、何を、ですか?」

先端からは汁が溢れ、イキたくてもいけない苦痛は拷問の域に達している
150土曜日:2008/06/14(土) 05:33:22 ID:MTj3DD44
「トイレに入る前に言った質問。ふふ、なぜアキト君は恋人をつくらないの?」
「それは……別に付き合いたいと思う女性がいなかっただけ」
「ふ〜ん、そうなんだ」

結衣は小悪魔的な表情を浮かべ、怒張を再び手でしごき、慰める。
まるで全てを見透かすような目に、アキトは自分の考えが知られる恐怖より、
なぜか気恥ずかしさ、羞恥の方が勝った。

「アキト君て、嘘つくとすぐわかる。今のもさ、事実だけど、真実じゃない、みたいな。
ねえ、私に聞かせて。オナニーしてた時、何を考えてたの、誰を想像してたの?」

結衣は一言一句区切り、丁寧に言い聞かせる。

全てを読み取り、頭で理解していてもそれだけでは足りない。
声に表せば時系列に刻まれ、言葉は過去から未来へ影響を与える重りとなる。
欲しいのは、内に秘めるわかりきった真実ではなく、本人が発声にする事実だ。

肉体は精神の器にすぎないなどど良く言われるが、それは例外こそあるもののごく一部。
実際は精神など肉体によって容易く支配される。

「せ……」
「んん〜、聞こえない」

結衣は陰茎に力を込めて握り、さらに親指で裏筋の部分をなぞる。

「あっ! せ、先生! 先生のことを想って、オナニーしてました」
「私、アキト君のオナペットにされてたんだ。ちょっと悲しいな」

さっと愁眉にかえる表情に、心に痛みを感じた。

「はあはあ、でも……おれ……おれ……」
「でも……なにかな。私、アキト君の弁解を聞きたいな。本当はそんな人じゃないよね」

途中で言いかけて止めるアキトに、結衣は優しい上目遣いで窺う。
自ら懺悔するのを静かに待つ聖女のように。
一層増した心の痛みが、肉の悦びと合わさり、強く精神を蝕む。

「っ、先生のことが好きだから、好きだから想像したんだ!
普段はそんなこと、とてもできないけど、今日は先生の近くに居られて嬉しかったから、つい。
そんな汚すようなまね、最初はだめだって思ったけど、始めてみるといつもよりすごく気持ちよくて」
「私のこと、好きなのね」
「うん、先生のことすごく好き」
「今まで、女の子の告白断っていたのもそのため?」
「そう、そうですよ、俺、先生のこと、大好きだから」
「すごい誠意、ちょっと感動しちゃったよ。
うふふ、それなら私でオナニーしてたのも許してあげる」

アキトは霞む頭の中で、とりあえず嫌われなかったことに胸をなでおろした。
151土曜日:2008/06/14(土) 05:35:53 ID:MTj3DD44
「最後にもう一つ、想像の中で私とアキト君は何をしてたの?」
「はあはあ、セックス! セックス……してました」
「うん、ありがと。素直になってくれて嬉しい。お礼に口でして上げる」

アキトは肉棒に手とは違う、濡れたものが這う感触に震えるような快感が走る。
下から上へ、最後には先端の括れに絡ませ、口に含んで唇でしごく。
口を離して、手で握りながら鈴口を舌先で舐めた。

「ちゅう、ん、あぁ、アキト君の大きい。口に入りきらないかな。はむ、じゅ、んん」
「あっあっ、せっ、先生、うあぁ、そんなこと」
「先っぽ、しょっぱい汁がすごいよ。このまま我慢しないで、たくさん出して」

根元を両手で添えて、その先は唇と呼応して顔と手を上下する。
口内の熱い粘膜が、ぬるぬると亀頭のまわりに接触しては敏感に反応する、
暴れまわる陰茎を結衣はしっかりと押さえ込み、逃げ場を無くしては確実に追い詰めていく。

「ん、ん、じゅ、んむ、ぅぅっ、ず、んはぁ、ちゅ、んんぅ」
「あっ、ふああぁああぁぁぁ!!」

アキトが絶叫した瞬間、結衣は喉奥に熱い粘液を感じた。
手の中で肉茎がびくびく跳ねるたび、噴出する精液を舌で受け止める。
焦らされた分、射精は途切れることなく、あきれるくらい長かった。

「はあはあっ、はあぁ、はあ、先生……」

結衣はこれ以上出ない事を確かめ、
残った分も吸い出すよう、丁寧に唇をすぼめながら徐々に顔を下げた。

「んん……」

口から抜くとき、真一文字に固く結び、下唇に指を添え零さないよう離れる。
陰茎の先から口へ伝う銀の糸が名残惜しげに落ちた。
ゆっくりとそれを見届けた後、両手で器を作り、
そこへ愛らしい舌を案内として口腔に溜めた精液をもどす。
どれだけ出したのか、とろとろと白く長い糸、透明と白濁色で斑になった塊がしたたり落ちていった。
唾液と混ざった分があっても、量の多さに圧倒される。
赤い舌にも白い粘液が絡まってなかなか落ちない。
吐き出したりせず気を長く重力にまかせていたが、途中で諦め飲み下す。
アキトは罪悪感の中に、密かな喜悦を感じた。

「んん、アキト君、たくさん出したね、我慢してたからかな」

息苦しかったのか、白皙の頬を朱に染め、うっすらと見尻に涙をにじませる姿は、
今まで見た何よりも淫猥で美しかった。
152土曜日:2008/06/14(土) 05:39:02 ID:MTj3DD44
「ねえ、アキト君のこれ、どうしたらいいかな?」
「せ、先生、汚いですから」

アキトは気遣ってハンカチを出すが、結衣は受けとれない、受けとらない。

「ううん、ダメ。両手がふさがってるもの。質問をかえるね。
アキト君の出したの、どうして欲しい?」
「え」

一瞬頭に浮かんだ映像が脳裡に焼きつく。

「素直に言ってみて。私もうアキト君の気持ちわかってるから、
どんなことを言っても軽蔑しないよ」

手にもどしている途中、自分の密かに思った薄汚い感情が湧き上がる。
それは彼女が喉を鳴らした瞬間に、強く感じたものと背中合わせのものだ。

「あ、あの……」

アキトは一体自分はどんな顔をしてるのだろうか、疑問に思った。
恥ずかしさで人が死ぬなら、きっと自分は死んでいる。

「の……飲んで……欲しい」
「うん」

恐る恐る言った希望に対して、結衣は躊躇なく了承の返事をして、すぐに実行へ移した。
嫌がるそぶりなど見せず、両手いっぱいになった精液に口を付け、舌ですくい、嚥下していく。
むせ返るような性臭、まだ湯気が立ちそうなほど暖かい。

「んん……すごく濃いよ。舌に絡まって……」

だが慈しむように指の一本一本、手首にこぼれた分まで、
自分が彼女のために出した精液は、再び全て彼女のものになった。

「ねえ、戻ろうよ」

アキトは夢見心地をさまよいながら頷く。

「アキト君が想像していたものが手に入るよ、きっと全部」

今、夢と現実の境界はどこにあるのだろうか。
153土曜日:2008/06/14(土) 05:43:04 ID:MTj3DD44
****************************

宿直室の戸を開き、内履きを脱いで上がる。
結衣は手と口をゆすぐため、備え付けの簡易な台所へ向かう。
少々の時間の後、戻ってきた姿を見て絶句する。

「ねえ、アキト君てこういうの好きかな」

僅かな面積しか肌を隠していないその格好は、
ノーブラで下着のみの上にエプロンを羽織ったものだった。
腰に食い込む下着の紐、そして動きに合わせてひらひらと舞う結び目がひどくいやらしい。
アキトは自分の理性が引き千切れる音を感じた。

ふらふらと近寄って抱きつき、たわわな胸を揉みしだいては、
さらさらに梳られた髪を手ですくいあげ、後頭部を押さえて熱烈にキスをする。
本来ならとてもできないことも、二人だけに用意されたこの空間なら可能だった。

「んん、ちゅる、ぅん」

甘い吐息と重なるように結衣が舌を割り込ませ、歯茎をなぞって侵入を図った。
開いた口腔へと舌を深く入れ、絡み合いお互いの唾液の甘さを確認する。
飽きること無く長い間、舌なめずりと吸い付くような音、人の呼気が続く。

「ん、はあはあ、激しいね」
「だって、こんな、エッチな格好で、先生すごくいやらしいから」
「私のせい?」

アキトは赤面して頷く。
自分の劣情に対する羞恥、期待がないまぜになり、支離滅裂に近い事を自覚する。
子供じみた責任転嫁だが、客観的に見て、裸エプロンで誘惑されれば男に罪は無いだろう。
結衣は単に容姿が良いというだけではなく、
充分にウェストは絞られていながら、その分突出するところは申し分ないボリュームである。
おまけに、それに見合うほどの身長の高さが、均整の取れたスタイルの良さをさらに際立てる。
男なら平常心を保てるのは土台無理に近い。

「んちゅ、ん」

再び接吻をしながら腰にある蝶々結びの一端を引っ張り、ひらりと最後の一線を守る布が落ちる。
前掛けにより、肝心のところは見えそうで見えないのも、余計煽るものがある。
彼女と一つになりたい衝動に抗うすべは、すでに持ち合わせていなかった。
腰に腕をまわし、エプロンの上からすでに勃起した強張りを下半身に擦りつける。

「はあはあ、もう我慢できない!」
「私のせいだものね、アキト君」

お互いこの言葉が妙に急所らしく、結衣は面白がり、アキトはますます赤面する。
台所に手をつき、白い尻をアキトに向ける。
後背位で待ち受けながら、誘うように流し目を送った。
ズボンを下ろし、腰のくびれを掴むと、軽く脚を開き入れやすいよう妖しく誘う。
待ち望む性交へと大きく腰を進め、すでに蜜で濡れる割れ目を、亀頭で押し開き侵入する。
先っぽがつつまれるだけで背筋を快感が走り抜けて行く中、
歯を食いしばるように、蜜壷へと肉槍をすべて収めた。
154土曜日:2008/06/14(土) 05:59:19 ID:MTj3DD44
「んん、やっぱり、アキト君のってすごい……。奥までぴったりくるよ」
「あ、あぁ、先生の中、すごく気持ちいい」
「ねえ、私のこと好き?」

アキトは何度も首を縦に振る。

「それなら中にあるコレで……どれだけ好きか私に教えて欲しいの」
「先生、センセイ、おれ! あぁ!!」

壊れた人形のように、がくがくと突然動き始める。
我を忘れて暴走する腰の動きに、膣内で怒張が何度も往復してその激しさを伝え、
貫いたものが根元まで潜り込む度に肉襞が締め付ける。
初めて受ける肉の洗礼は、想像の時より甘く強烈な快楽をもたらした。

「アキト君すごい、私の体に、ずんずんって、響くよ」

エプロンを胸の谷間にはさみ、剥きだしになった乳房を五本の指で鷲掴みにして
、吸い付くような柔らかさに酔いしれる。
結衣は後ろを振り返り、舌をのばして口付けを催促した。
舌が触れ、唇が重なれば、すぐにディープキスへ移行し、互いに絡めあい唾液を交換する。
結合した下半身はその間も休み無く動いていた。
雄々しく猛る雄渾は最終目的地まで容易に到達して子宮を叩く。
長いストロークで矢継ぎ早に繰り返されるたび、
蹂躙を許す膣壁は蠕動して快楽の悦びを分かち合う。
粘膜の摩擦は次々と溢れ出る愛液によって加速する一方だった。

顔に似合わぬ剛直は存分に結衣の性器を責め抜き、悶えさせ、着実に最後の到達点へと昇る。
牡の生殖器官に呵責など無い。出してしまえばお終いだ。
アキトはセックスに溺れながらも、なけなしの理性で最後までコントロールを試みる。
結衣はスローダウンしたことに怪訝な表情をした。

「あ、はあはあ、どうしたの?」
「はあっはあっ、気持ちよすぎて、その、いきそうなんです。
けどその……出すのは外にしなくちゃって思って」
「可愛い声。ねえ、ぐって奥まで入れて」
155土曜日:2008/06/14(土) 06:02:07 ID:MTj3DD44
アキトは言われるまま、肉槍を押し進める。
密着して腰に当たる尻の柔らかさが心地よい。
言葉通り、すでに達しそうなのがわかる。肉棒は膣内でも脈打つたび跳ねていた。
先端に触れるものは魅惑の入り口。

「ほらぁ、わかる?
ここまでしか、アキト君の愛が伝わらないなんて、とっても残念な気持ち。、
どれだけ好きか私に教えて欲しいって言ったのに、アキト君たら最後まで教えてくれないんだから」

今度はアキトが怪訝な表情をする番だった。

「で、でも、それって」
「ねえ、このまま小刻みに動いて」

一方的にアキトの言葉を遮って要求する。
腰を少し引き、そして突き出す。
これだけでも気を抜くと達しかねない、間隔を置いて控えめに肉打つ音が鳴った。

「ああぁ、わかるよ、奥まで、ん、くる」

結衣はひたいを台所に付けるようにして後ろを振り返り、奥を刺激されるたびに喉を鳴らす。
逆さになった彼女の顔には、ありありと至福の表情が浮かんでいた。
高貴な存在が、頭を下に置く屈服した姿勢、
その蕩けた表情は、性行為のみによって見られるものだろう。

「ほらぁ、この先に、アキト君の気持ちが届きそうなのに、教えてくれないの?」
「はあっ、はあっ!」

ぴったりとお互いの性器を結合させたまま、白い尻に片手を添えくゆらす。
ずたずたにされた理性はまだかすかに残っていたが、それもどろりとした物質に流されていく。
洗い流された後に残るのは衝動的な本能だった。

「わかりました。どれだけ俺が、センセイのこと好きか、最後まで……教えてあげます!!」
「あっあぁ、そうよ! 最後まで、全部教えて!!」

より熱さを増した男根が、勢いと共に挿入した。
汗に光る裸身が艶かしくうねり、性の営みの激しさに荒い息を漏らす。
すでに準備の整う女の内部はたやすく受け入れ、たっぷりと粘膜で侵入者に歓喜を伝え、
さらにはぐいぐいと食いつく肉壷が離れることを許さない。
156土曜日:2008/06/14(土) 06:07:16 ID:MTj3DD44
離れがたい淫らな奉仕にも、牡の本能は本来の目的を忘れない。
一刻も早く解放の時を目指すが、すでにそれもままならなくなっていた。
時が経てば経つほど、快感などすでに生ぬるい風に過ぎず、
どろどろに溶けたマグマが五感を埋め尽くし、全身を灼く。
この灼熱をそのまま彼女に注ぎたい。

「あああぁぁぁ! はあっ、もう何も考えられない!」
「ああ、はあぁ、いいよ、私もいく! いっちゃうよ!
でもぉ、熱いの感じながらいきたいの!!
出して! 結衣の中で、早くぅ奥まで教えて!!」

最後の瞬間、がっしりと結衣の下半身を掴み、外れないよう固定する。
全身を灼くような熱が、子宮へと放出していった。

「くっ、先生わかる、気持ち良すぎてぇ、止まらない!」

脈動に合わせるようにしながら、腰を打ち付ける。
子宮口へ勢いを乗せた怒張が当たり、鈴口から無数の精子を含んだ白い粘液が迸る。
膣内射精の快楽に酔いしれながら、助走をつけて何度も子種を最奥まで注ぎ込んだ。

「ああぁぁ! アキト君が中にくる。どろどろの熱いのが、奥まで届いてる!!
中に出されながら、いかされるよぉ!!

高らかに宣言した後、背筋が張り詰めさせ、びくびくと震えながらのけ反る。
快楽の果てに合わせ、いまだ刺激を受ける膣も収縮して精を搾り取る。
結衣の絶頂を感じながら腰を前後させ、要求に応えるように最後の一滴まで注ぎ込み、
万感の思いを込めて生殖行為を締めくくろうとした。

「んん……熱いのいっぱい届いてるよ。アキト君、本当に私のことが好きなんだね」

量や濃さ、勢いも全て二回目とは思えないほど、
アキトが陰茎を引き抜くと、引きずられるように白く泡だって溢れ出す。

「はあはあっ、そうです。ふうぅ……これで、俺の本気が先生に届いたんですね」
「ねえ、布団敷くから、今度はその上でもっと、もっと……アキト君を教えて……」


アキトは一つ思い出した。
まだ想像したものは全て手に入っていない。
全身がわななき、血が沸騰する。

************************
157日曜日:2008/06/14(土) 06:13:59 ID:MTj3DD44
************************

ようやく日が差し始めた早朝、結衣は目を覚まし、起き上がって台所で水を一杯飲む。
喉を潤し、運動と睡眠で失った水分を補給すると、意識が覚醒して神経が隅々まで行き届く。
本当に久しぶりな、爽やかな朝を全身で感じ取っていた。
満足と言うには足りないものがあるが、それでも澱んだものがさっぱりと無くなるようなこの気分。
布団に戻ると、まだアキトはすやすやと熟睡している。
寝顔の可愛らしさに、思わず頬にキスの一つでもしようかと思ったが、
起こしてしまっては忍びないと思いとどまる。
彼には充分な睡眠をとって、体力を回復してもらなければならない。

結衣はお手洗いへと向かった。

************************

「昨晩、結局アキトは帰ってこなかったけど、先生と一緒になにをしてたんですか」

着衣の乱れは無くとも、単に寝起きだけとは思えない髪の乱れ、
首筋にうっすら残るキスマーク、それに汗の混じって感じる独特のすえた匂い。
一晩たっても消えないとは、いったいどれだけ励んだのだろうか。
あくまで普通にいられるのが不思議なくらいだった。

突然の対面にも、結衣は悪びれた表情も見せずハルキを窺った。

「ふふ、ご想像にお任せするわ」

結衣は妖艶に微笑む。
およそ教師という職に似つかわしくない表情だが、
異常なほど違和感無く、淫らで自信に満ち溢れている。

ハルキは早朝にもかかわらず、宿直室近くの廊下で結衣を待っていた。

「昨日は帰ったと思ったけど?」
「はい、家に帰ってそのまま寝たんですが、朝早く起きてもアキトが帰っていなかったんで、
心配になって見に来たんですよ。それより先生、これからどこへ行くんですか」
「ちょっとお手洗いにね」
「オレもついて行きますよ」
「女子トイレに?」
「どうせこんな時間、誰もいないでしょうからね」
「そうね」

結衣は再び目的地へと向かう。
呆気にとられながらハルキは後ろを付いていった。

「それにしてもよく入ってこれたわね。鍵は閉めてあるし、警備システムも反応しなかったみたいだけど」
「……職員玄関、鍵かかってなかったですよ。警備システムも解除のままだと思います」
「あら? 私も最初は帰るつもりだったし、忘れていたのね」

照れているのか、髪を手櫛で整える。
ハルキはすたすたと女子トイレに入る結衣を見ながら、見えない壁がある空間へと足を踏み入れた。
158日曜日:2008/06/14(土) 06:18:06 ID:MTj3DD44
「私が用をたしてるところを見たいの?」
「……そんな趣味はないですね。でも鍵は開けておいてくださいよ」
「わかったわ」

ハルキは区画された壁に背を預けながら中の様子に耳をそばだてる。
衣擦れの音の後、水が跳ねる音が続く。
存外興奮する自分に、己は変態なのかもしれないと苦笑した。
音が止み流す音が続いた後、衣擦れの音が再開した。

「先生、入ってもいいですか」
「いいわよ」

扉を開け、中に入る。
狭い空間に二人きりだった。

「今度はハルキ君が用をたす番かしら? 私で……ね」
「先生はスカトロ趣味でもあるんですか?」
「ないわよ。好みは人それぞれだと思うけどね」
「俺はいちいち先生の目の前でしませんよ」
「うん? ふふ」」

ちぐはぐな会話を打ち切るよう、ハルキは呼吸を整える。
緊張もあったが、これからすることに心構えが必要だった。

「まさかあの堅物が朝帰りになるとは思わなかったよ。
先生に惚れこんでたのは知ってたけど、ここまでとはね。
昨日あれからどれくらいしたんですか?」
「あら、それは二人だけの秘密ってことよ」
「したことは否定しないんだ」

ハルキは結衣ににじり寄り、肩に手を掛ける。
間合いを詰められ、身体に触れられても、特段不快そうな表情は見せなかった。

「先生、それはまずいんじゃないかな」

次の台詞が大事だと言わんばかりに一呼吸置く。

「だって先生は生徒と関係を持ったわけだから」
「んん、これって……私もしかして脅迫されてるのかしら?」

鈍いのか、からかってるのか今ひとつ図りかねる表情だ。
考えが読めないのは、ハルキが人の気持ちを読む能力が足りない訳ではなく、
相手の、瑣末時事とでも言わんばかりの、意に介さない普段通り自然のままだからであった。
いらだつ自分を抑えながら、慎重に話を続けた。

「そうですよ。それは、いくら何でもまずいですよね」
「あら、そうかしら?」

返答よりも先に、肩に置いた手を滑らかな肌を徐々に下へ這わせ、
成熟した女性を主張する豊かな双球へ触り始めた。

「んん……」
「先生の身体、これで誘惑したんですか」
「あっ……だめ、だよ」
159日曜日:2008/06/14(土) 06:24:06 ID:MTj3DD44
ようやく初めて見せる拒絶にも、一度膨れ上がった欲望に歯止めがかかるわけではない。
むしろここに入ってからよく最初に襲いかからなかったものだと、
年頃の青年にしては感心して良いくらいだった。
どの道、こうなる事は同伴してから確定していたようなものなのだから。

今の反応もすでに織り込み済みだった。
一応とはいえ、形だけでも拒否めいた言動だが、実際はOKしているようなものだ。
行動も大胆に、結衣の肉体をまさぐりはじめる。

「すっげえ……、他のやつらと比べ物にならない」、
「あっ、ん、ふふ、色々な女の子の胸を揉んできたのね」
「それはご想像におまかせしますよ」
「遊び人なのね、あなたは」

頂点にある蕾が硬く突き出してくる。
なかなか達者な手つきに、吐息も甘く切なく昂ぶる。

「これならパイズリできそうだね。先生やってよ」

ズボンを下げ、すでにそそり立つ肉棒をさらけ出す。
便座に座って位置的に丁度良い、結衣の胸の谷間に宛がった。

「そんなの、押し付けないで……」
「ダメだよ。ばらされたら先生困るだろ。ほら、覚悟をきめてさ」

やがてゆっくりと結衣は上着を脱いで、こぼれんばかりの美乳を見せた。
大きいだけではなく、つんと上向きの形の良い乳房は芸術的でありながら、
吸い付きむしゃぶりたいと男なら誰しも思う妖しさを秘める。

「うん、そうね。私、アキト君とエッチしたのをばらされたら困るもの」

そう言って、おずおずと肉棒を胸に挟む。
豊満で張りのある乳房を手でさらに寄せ上げ、包みこうむよう上下にしごき始める。
竿から亀頭にくるまれる刺激に、自然とハルキは腰を浮かす。

「あぁ、こういうの初めてだけどいいね。アキトにもしてやったの」
「そんな事……言わせないで」

ハルキは乳首の先を軽く摘まんで、親指の腹で擦る。
敏感な刺激に動きを止めた結衣に対し、
乳房にうずめられた男根を口元近くまで突き上げた。
まるで性器を犯すように何度も前後すると、
先走りの汁が溢れ、喉元から谷間へと糸を引いてぬらぬらと輝く。

「自分の立場わかってるます? 今の先生に黙秘権なんて認められないんだから」

さらには愛撫をしていた乳首に力を込める。

「あん……うんん、昨日はしなかった……最初は口だったよ」
「へえ、それも羨ましい。それならそのまま舐めてよ、昨日みたいにさ」
「ん……」
160日曜日:2008/06/14(土) 06:26:52 ID:MTj3DD44
先っぽに舌を伸ばして唾液を絡めるように舐める。
美乳から卑猥な音を立てながら肉棒に奉仕して、
口に咥えながら、時折裏筋から鈴口へと舌先でつつく。

「あっ、あぁ、それすげーいい」
「んっ、んんっ、れろ、気持ちいい?」
「すごく」
「嬉しい」

これ以上ないほど明快に喜ぶ結衣に対して、
ハルキは主導権の単語を思い浮かべ妙な気分になったが、すぐさま快楽の波に押し流される。

美人教師が丹念に生徒の怒張を慰める図は、およそ健全とは言いがたい屈折した淫猥さだ。
技巧においても充分すぎるほどのものを持ち、なぜこんなにも手馴れているのか考える余裕もない。
すでに達するまでに、そう時間は必要ではないほどの昂ぶりがきていた

「あっ、はあはあ、そろそろいく。このまま……そのきれいな顔に出してやるよ」
「出すの、出しちゃうの? 精液、私の顔に出すんだ」
「くぅっっっっ!!」

意味もなく歯を食いしばって我慢をしてみるも、すでに無駄な抵抗であった。
翻弄される肉棒から盛大に白濁とした液が飛び出していく。、
結衣は避けようともせず、精液は前髪から目元、鼻、口と端麗な容姿を汚していく。

「ああぁ、すごい量……。この匂いも、こびり付きそうだわ」

どくどくと駄々っ子のように長々と欲望を吐き出す。
ハルキは当初の目的を果たしたものの、いいように弄ばれいかされた敗北感に駆られた。

「っあぁ、はあはあ。そのまま中に残ってるものも口で後始末して」
「わかったわ」

ようやく勢いも止まった頃に、先端を咥えて再び愛撫する。
敏感になった亀頭からの刺激に、ハルキは呻くように声を上げて震えた。

「うあぁぁ……」
「んっ、ちゅ、ちゅう、んぐ」

せり上がるものに加え、尿道に残る残滓も吸い取っていき、
最後には唇まで滴り落ちるものを、赤い舌が舐め取って逡巡もせず嚥下する。
まるで地に足が着かない浮遊感の中、喉を鳴らす生々しい音に現へと引き戻された。
普段は排泄処理するくらいにしか意味のない自分の精液を、彼女は胃に納めたのだ。

「喉にからまって飲みにくいわ。若いってすばらしいね」
「はあはあ、はあぁ……」
「んん、アキト君のと味、ちょっと違うね」
「そんなの、比べるなよ」

妙な恥ずかしさに、口調もぶっきらぼうになる。
161四時五時 ◆P7woR/uQWc :2008/06/14(土) 06:34:57 ID:MTj3DD44
「顔、赤いよ。アキト君もね、私に飲んで欲しいって言った時、
すごく赤面して恥ずかしそうだった。
やっぱり似てないようですごく似てるよ、二人とも」

結衣は特に揶揄するつもりで言ったのではなく、
率直な感想を述べたのだが、ハルキの表情に一瞬影をさしたのが見て取れた。
だが束の間、落ち着きを取り戻したように振る舞う。

「ふぅ、先生いい格好だねぇ」
「ありがとう、満足した?」
「いいや、これからが本番だよ。先生のここもさ……」

ハルキは腰を下ろして、座ったまま動かない結衣の股に入り覗きこむ。
可愛らしい白いレースの下着にうっすらと滲みが見えた。
指でひっかけ脇にずらして、すでに濡れているのを舌先で確かめると、
結衣は熱い吐息を漏らしながらハルキの後頭部を押さえる。
割れ目にそって舐め上げると、ほころぶように開きながら唾液とは違う液が滲み出る。
眼前では女性器がすでに待ちきれないようにひくつく。

「あぁん、そんなところ……舐めないで」
「こんなに濡らしておいて、説得力ないよ」

秘裂を親指で広げ、肉芽を舌先でくすぐる。
ひときわ高い声を上げ、押さえつける手が強い力になった。

「先生、気持ちいい?」
「……うん」
「もっと大きい声で言って」

敏感なクリトリスをねぶり、垂れてくる愛液に口をつけ啜る。
堪能した後、舌をすぼめて、孔に突き入れた。
たちまち異物の侵入に反応して、膣壁が締め付ける。
それでもねじ込むの止めず、肉襞を割って縦横に愛撫する。

「ああぁ! それ、そこ、気持ちいいよ!」
「いいんだね」

結衣は潤んだ瞳でこくんと頷く。

性的に堕とされたその表情は、欲情して襲いかかるっても
情状酌量を与えられるのではないかと思えるほどそそる。
事実ハルキも復活した一物が、一層硬直するのを感じた。
頃合を見計り、忍ばせていたコンドームを取り出して装着しようとする。

「……ハルキ君、普段から持ってるんだ。アキト君とは違って遊び人ね」
「そうですよ、遊びで女性に負担を掛けるのも嫌ですからね」

皮肉めいた台詞に対して、意識して柳に風がふくように受け流す。
ここで感情に波風が立つようでは、人として男として負けるような気分でいた。

「ふふ、でもね私……」

結衣は顔に付いた精液を拭い、その指をぺろりと舐める。
ハルキはどきりと硬直して、相手の次の言葉を待つはめになった。

「遊びではなくて、ハルキ君の本気が欲しいの」
「それって……」
162日曜日:2008/06/14(土) 06:36:39 ID:MTj3DD44
奇しくもアキトと同じ反応をする。
どういう意味と続けようとした矢先、結衣は下着に手を掛け、
するすると下ろし、片足を抜いてぷらぷらと引っ掛ける。

「アキト君はすごかったよ。『本気』で私を愛してくれたの」

座ったまま片膝を立てる。
高身長に見合う、長くすらりとした脚線美が優雅に折り畳まれた。
露わになった太腿の付け根に目が行くのは必然だ。
下着など外している、視線を遮る物は無い。
造形美を極めた肢体に、そこの一点に人の証である秘めやかな肉の花。
醜悪なようで神々しくもあった。

情景を思い浮かべるように、うっとりとした眼差しで宙をみつめながら自ら胸を揉み、秘所へと手を伸ばす。
中指を孔へ沈めていくと同時に息を吐く。
静かに喘ぎながら、指を動かして刺激を感じる。

「あんなに真面目で大人しいアキト君がね、別人みたいに激しく求めてきたわ。
だから余計に伝わったの、アキト君の本気」
「あいつ初めてだったからだろ。それに先生とできるならケダモノになるよ」

このままだと相手の術中に陥るようで、強引に目を逸らし、はき捨てるように言った。

「ハルキ君も?」
「俺は……童貞じゃないよ」
「ふふ、私とするとケダモノになるの?」
「………っん」

横目で見て、そのあられもない光景に生唾を飲みこむ。
幾人か女性と肉体関係を持ったハルキは、思わず今までの女と比べてしまう。
その格差は単に年齢の違いだけでは説明できない、
彼女らが仮にこれから成長したとしても、この差はうまるとは思えない。

「男の子はみんなオオカミ、女の子は食べられちゃう赤頭きん。
それともハルキ君は、アキト君と違って、女の子の前で紳士でいるのかな?」
「くっ、ああそうさ。俺は紳士でいるよ」

自分でも随分と支離滅裂な言い草だと感じる。
そもそも事の始めは、どう考えても紳士的ではない。
何をいまさらと結衣はくすりと微笑むが、
ハルキはそれを自分が強がりを見せてるのが可笑しいのだと思いむきになっていた。

「ねえ、それじゃあさ……」
「?」
「もう一度最初から……優しくキスから始めて欲しいの」
「……はあ?」

もじもじと恥ずかしげに何を言うかと思えば、まるで場違いな発言に毒気が抜かれる。
結衣はそのまま上向きに顔を上げ、目を閉じて口付けを待つ体勢になった。
暫しの逡巡の後、自分で言った手前、腹を決めて優しく口付けしようとする。
一旦ズボンを上げ、顔を近づけたが、
優しい雰囲気にそぐわない、先ほど自分が出した精液が気になった。

「先にちょっと」
「ん……」

ハンカチを取り出し、結衣の顔を拭う。
目を閉じたままじっとする彼女の顔を丹念に綺麗にしていく。
曲がりなりにも美しさを磨く施しに、ちょっとした陶酔感があった。
163日曜日:2008/06/14(土) 06:39:35 ID:MTj3DD44
「これでいい」
「ありがとうね」
「……もう一度、目を閉じて」
「ん……」

今度は何事も無いように、キスをする。
唇が触れるだけの、親愛をこめた優しい接吻。
至近距離で見る、普段と違う可愛らしさにどぎまぎしながら続けた。
僅かな時のようで、だいぶ長い間のようでもあった。

「こういうのもいいよね」
「あ、ああ」
「ね、次は……」

また目を閉じ顔を上向きにして待つ。
次は何か、特に言われなくともわかる気がした。
不思議と心が通じ合う。

「ん……」

しっとりとした感触を味わいながら、少しずつ唇を開き、舌をのばす。
お互いの舌先が触れ、くっついては離れ、次第に絡み合っていく。
舌から伝るのは唾液だけではなく、優しい心遣いからくる暖かさがあった。
ハルキは肩に手を置き、抱き寄せる。

「ん…ちゅ……ん、ちゅぅ、ぅん」
「んん……はあはあ、ふうぅ」

口が離れると、つうっと唾液が滴り落ちた。

「キス……とってもよかったよ」
「それは光栄。次は何がお望み?」

紳士な台詞とは裏腹に、下半身は欲望に猛る。
だがそんな素振りを表に出さず、心の棚に投げいれる。
茶番にすぎないが、だからこそむきになる傾向がハルキにはあった。

結衣がそっと立ち上がると、自然と狭くなり密着してしまう。
今度はハルキが少し上を向く番だった。
腰と背中に腕をまわし、抱擁するのだが少しさまにならないのを自覚する。
三度目のキス、舌をはべらせ、乳房を揉んで、手が全身を這い回る。

「ああん……ん、そこ」

口を外して喉をそらして喘ぐ、その無防備な首筋にキスする。
舌でくすぐりながら徐々に下がり、乳房まで到達する。
硬くしこる乳首に吸い付き、愛撫した後、口いっぱいに広げその豊かさを頬張る。

「んん……はあぁぁ」

手をそっと、スカートの内側へ持ってくる。

「そこ……敏感なところだから……優しく」

こそばゆい囁きで耳もとをくすぐられる。
性急になりがちな動作を押し止め、情感を込めて楽曲を奏でるように熱く熟れた秘唇をなぞる。
静かに中指を潤いに探り当て、その蜜を乗せて肉芽へも撫で付ける。
多彩な音の高鳴りに比例するようにして、指による愛撫も熱を帯びる。
164日曜日:2008/06/14(土) 06:42:23 ID:MTj3DD44
「ん……っあぁ、はあはぁ」
「先生のここ、もうすごいことになってる」

手を抜いて、そのねばりを確かめるように指を開く。
水かきのように広がるかと思ったが、思いのほかさらりと垂れていく。
勿体ないと思って舐めると、視線を感じてふと目が合わさった。

「やあ、そんなの舐めないでよ……」
「さっきのお返し」

視線を逸らして、顔を赤らめる結衣の表情は、
清純と同一の属性を持ち、恥じらいと憂い、喜びが混じり初々しさに満ちていた。
同じくしてハルキの心には、満たされるような初々しいときめきを感じていた。
薄々彼女の術中にはまる、まずいやりとりだと分かっていながら、心地良い瞬間から逃れられない。
首筋にうっすら残るキスマークに接吻しながら、さっさと終止符を打たなければと思いとどまる。
どうせ毒を食わなければならないなら、早めの方が影響も少ないはずだ。

「もう、先生としたい」
「私と?」
「そう」

この人はなぜ当然の事を聞くのだろうと思った。
もしかしたら、ダメなのだろうか?
胸が高鳴り、不安に足が崩れ落ちそうになる。

「……うん、ハルキ君が望むなら、いいよ」
「あ、あぁ」

痛みなら我慢できるだろう、涙ならこらえる事もできるだろう、
だけど胸のうちから湧き上がる暖かいもの、喜びは抑えることが出来ない。
この感情はどこからくるのだろう、
当初の目的は何か、ハルキは思い出さずにはいられなかったが、今や遠い過去の出来事。
多幸感に包まれながら、これからする行為に幾ばくかの罪悪感が湧く。

「あっ、でも、もう優しくなんて出来ないかもしれない」
「ん……私、ハルキ君になら……傷付けられてもいいの。だから……」

美しさは罪ではなく、力だ。圧倒的な圧力によって毒が瞬く間に回る。
だがとても素晴らしく甘美で柔らかいに違いない。

「……いいよ。きて」

ハルキは体を入れ替え、結衣の背中を扉に押し付ける。
鍵はかけてあるが、二人分の体重が掛かりギシリと軋む。
唇を重ねながら右手の手首を握り、動けないよう壁へ押さえつけた。

「んん……ちゅる、ぅん、はあぁ」

片手で太腿を抱え、スカートがめくれて見える秘裂へと、猛る男根を押し付ける。
挿入しようとしたが、割れ目の上をすべり肉芽へと当たった。
結衣はびくんと反応する。

「ねえ、そんなに焦らなくても大丈夫」
「ご、ごめん」
165日曜日:2008/06/14(土) 06:45:34 ID:MTj3DD44
ハルキは自分は童貞か、と自己嫌悪にかられた。
今度はしっかりとあてがい、腰を進め、濡れそぼる蜜壷へとわけ入る。
挿入した後、最初に付けようとした避妊具を忘れていた事に気付く。
だが今更といった感じがした上、初めて直に触れ合う良さもあった。
このまま挿抜を繰り返し、己の一物でもって結衣を標本のように扉へ縫いとめる。
突き上げるたびに軋む扉の音も、セックスを彩る協和音だ。

「あん、あっ、あぁっ、激しいよぉ」
「はあはあ、あっ、ごめん」

いつの間にか我を忘れて、相手を痛めつけていたことに気付く。
動作を止め、荒い吐息が両者を行き来する。
結衣ははにかむような微笑を浮かべ、ハルキをじっと見つめた。

「ふふ、でも男の子なんだから、しかたないよね」
「ごめん……本当は優しくしたいんだ」

優しくしようとする心、快楽を貪ろうとする体、微妙に相反するが、
ハルキは上手く折り合いがつけられる自信が多少あったのかもしれない。
最初は隘路を再び馴染ませるように挿入して律動する。
上下に波打つ乳房を掌で覆いながら、屹立とした乳首をこねる。
ああっ、と結衣が呻き声を上げ、漆黒の長い髪が光彩を放ち感情を表現する。
愛撫と波状するように陰茎をぎりぎりまで抜き、一気に突き入れる。
歯を食いしばり、長いストロークで何度も膣奥まで責める。

「くぅん、んぁああ、はあ」
「はあはあっ、先生の中……気持ちよすぎる」

奥と亀頭が出会うたびに、走り抜けるような快楽が襲う。
このまま味わいたくて、最奥まで差し込んだまま捻り、抉りこんだ。
子宮口が吸い付くように膣全体が蠢き、中にあるものに追従して悦ぶ。
ハルキは少しでも長く持たせようと口付けをする。
せめて結衣を先にいかせるのが、普段器用な彼の不器用な優しさだった。

「ん、ちゅっ、んん! はあはあ、ふあ、どう、先生も気持ちいい?」
「いいよぉ。ハルキ君のが、奥まで届いたままぐりぐりくるの最高だよ!」

散々に愛撫を受け、少しの中断によって焦らされた肉体は、
営みによって火照りを取り戻し、更に高みへ昇りつめる。

「そこぉ、くる、ハルキ君のが欲しいって」
「先生いきそう?」
「うん、いいよ、いくのぉ!」
「はあはあ、嬉しい。俺でいってくれるんだ。
ああぁ、こんな時に……言うのもなんだけど……俺、きっと先生のことが好きだ。
だから、だからっ、すごく嬉しい!」
「私のこと、好きだなんて……結衣も嬉しいよぉ」

身体を小刻みに震えさせる結衣に対し、壁が軋むほどの勢いで腰を叩きつける。
肉打つ音が鳴るたびに、熱く潤む膣壁が歓喜にわななき、存分に牡の蹂躙を抱きとめる。

「ああっ、先生、俺、オレ!」

臀部に手をまわして、ぐっと下半身を密着させる。
結衣は身体全体をハルキに預け、首に腕を絡ませ頬ずりするほどくっついた。
匂いというものは五感の中でもっとも野生的なものなのかもしれない。
接近して濃密になる、汗に混じって香る髪の良い匂い、微かな香水、
発情した女がかもすフェロモンは欲情の火を加速させる。
真に濃厚な時間の始まりだった。
166日曜日:2008/06/14(土) 06:48:13 ID:MTj3DD44
手と腰に挟まれ、逃れられない胎内に何度も牡の生殖器が押し込まれる。
一突き毎に潤みきったトバ口から淫らな液を浴びせ、床に滴り落ちた。
結衣は大胆に脚を開き、自ら抱え上げてより深い結合を求める。
すでに拒むものは無く、子宮の入り口まで男根は存在を主張し、
次に段階への布石として、先走りの汁を分泌して己の道行きを馴染ませる。
女芯はどろどろに蕩け、牡に絶対の忠誠を誓い、隷属し、支配され、そして搾取する。
怒張は子種を搾取する柔襞の濃密な愛撫になぶられていた。

「やあぁっ、はんっ! あああぁ、いい、もう!」

結衣は一線を越え、全身を張り詰めさせた後、びくびくと震えだす。
アキトは最後のところで男根を抜き、すぐさま白濁とした精液を噴出させる。
ビュクビュクと音が聞こえそうなほど勢いよく出ては、
結衣の胸から腹へと降りかかっていった。

「ふあぁ、熱いよ」

結衣はとろんとした目で、自分の体に付く粘液の熱さを感じていた。
付着したそれは女体にしがみ付くように凝固してゼリー状になる。
段々と勢いを失うものの、先から固形状に盛り上がる様子はある種壮観だった。
若い生命の原動力を感じさせる。

「本当に、とっても良かったよ。……ん」

結衣が被さるように唇を重ねると、
ハルキはもたれ掛かられ、押されるように後退する。
全力を出し切ったためか、足に便座が当たった時、そのままへたりと座った。

「……ねえ、今度は私がハルキ君を気持ち良くしてあげる番」
「えっ、せ、先生」

最初と立ち位置が逆転したことに、ハルキは今更ながら気付いた。
結衣は屈んで、自分のために尽くした陰茎を慈しむよう手を添える。
まだ柔らかいそれを、舌先でそっと舐め上げる。

「うっ、ふあぁ」

感度の良さにハルキは思わず声を上げた。
愛液と精液でべとべとの男根が、舌での愛撫によって綺麗にされる。
次第に本来の姿を取り戻し、硬度が多少復活したことで、手で握り竿を擦って強める。

「回復するのが早いね。やっぱりこういうのって若いからなのかな?」

片手で髪をかき上げ、男の一物に奉仕する姿は絶品の色っぽさだ。

「ここもね……」

陰茎の付け根に下がる袋を、指で優しくくすぐる。
前立腺を走る刺激に、更にも増して屹立と起き上がる。

「うん、ゆっくり上下に動いてる。ハルキ君が今、たくさん精子つくってるのがわかるよ」

結衣はある程度には復活した肉棒をうっとりと眺めた。

「うふふ、今度はぁ、私が我慢できない」
「えっ、ちょっと、待って」
「ダメ、待てない」
167日曜日:2008/06/14(土) 06:51:50 ID:MTj3DD44
にっこり妖艶に微笑み、爽やかに宣告を下す。
肉棒を握ったままハルキの上へ跨り、自分の淫唇にそっとあてがう。
スカートで隠れて見えないが、今にも腰を落とされそうなのがわかった。

「うぁ、ちょ、ちょっと待って」
「ふふ、あん」

結衣はゆっくりと腰を落として、肉棒を飲み込んでいく。

「あっ、あっ、ああぁ、はあ、はああぁ!」

まだ敏感な亀頭が肉襞を分け入り、性器が奥まで結合する間中、声を上げ続けた。
しっかり咥えこんだ後、結衣は腰をひねり、抜いては降ろし、まだ回復途中の男根を責める。
有無を言わせぬまま、徐々に内側で大きさ、硬度が増していく。

「うんん……私、ハルキ君を無理矢理犯してる」
「せ、先生! やぁっ」
「ほらぁ見てよ。私がハルキ君をレイプしてるところをさ。
最初に脅迫なんかして、しようとしてたこと、やられてみてどう?」

結衣は自らスカートの両端を手に取り、結合部をさらけだす。
薄い陰毛の下、がっしりと膣が陰茎を挟み込み、ずるずる引き抜かれ姿を見せていく。
照り輝く肉棒は怒り狂ったように青筋を浮き立たせ、びくんびくんと脈動していた。
はしたなく淫猥この上ない情景だからこそ、目が離せない。
類い稀な美貌と肢体の持ち主が、自らの一番大切なところで男性器に奉仕する。
髪を振り乱し、一心に踊り、男は動くことも必要なしにただただ身を委ねるだけで快感を貪る。
王侯貴族でしか味わえないような退廃的な贅沢。
結衣は下半身を密着させてグラインドする。
根元まで埋め込まれた肉棒も、内側でピッタリと吸いつけられたまま様々な角度から粘膜の摩擦を受ける。
白い尻、肌と肌がしっとりと体温を分かち合うように、
性器も互いに快感を譲り受け、螺旋階段のように駆け上がる。
結衣の膣は恐ろしいほど肉の悦びに満ちて、貪欲に精を吸い上げようとしていた。
いまだに受け取れないのは、ただ相手に弾の準備が出来てないにすぎなかった。

「んん〜。ハルキ君、苦しそう」
「くぁああ、はあはあ、かぁ!」
「でもこれは罰なんだからぁ、苦しくて当然だよ。
ほらぁ、こんなにプルプルの濃いザーメン、外に出しちゃって、ダメだよ。
だから、先生、お仕置きするの」
「ご、ごめん。服と体、汚して、あぁ、ご、ごめんなさい。
別のところに出せばよかったんだけど、気持ち良すぎて、ぎりぎりまでやめられなかったんだ」
「どこに出せばよかったかわかるよね?」
「手でも、トイレットペパーとかにでも……」
「ふふ、ハルキ君、それってさあ……」

結衣は笑顔を浮かべる、
喜びに怒り、楽しさ、全てが混じったように複雑で凄惨な。
168日曜日:2008/06/14(土) 06:54:22 ID:MTj3DD44
「もっときついお仕置きが欲しいって、言ってるんだよね?」
「ええ!? せ、せんせい?」
「私、本当はわかってるよ、ハルキ君の気持ち。本当はハルキ君、根はとっても優しいよね。
だけど奥底は、こんなにイジワルだなんて予想外だったわぁ」
「いやっ! ちょっと、まっ、って!!」

結衣はハルキの両肩を押さえながら、腰を上下させて締めつける。
陰茎が根元から引き抜かれそうなほどの食いつき、
生々しい音がたっぷりと蜜に潤う肉襞によって絡まり、官能に奏でられる。
イニシアチブを完全に握られているため、小休止など許されない。
神経が過負荷を訴え終局を迎えるよう指令を出すが、身体のほうが用意できていないため、
終わりを許されないまま強制的にセックスさせられていた。
すでに本能だけは何回も子宮へ向け射精しているようなさま。
脳髄に直接流し込まれる出口のない快楽は、まさに正常な意識を破壊する拷問だった。

「わかるよ、ハルキ君の気持ち。
好きな女の子にイジワルしたいって、よく言うもんね」

ハルキは天を仰ぎ、荒い息を吐きかける。
天国と地獄の境目を行ったり来たりしている状態だった。

「でも今はダメ。ねえ百戦錬磨なハルキ君なら、私の気持ちがわかるでしょ。
そんなに焦らすとぉ、もっともっとイジメちゃうよ」

ハルキは結衣が何を言って欲しいかわかっていた。
だがしかし、理解できない、わからない。
けれど今は彼女の望むように言う以外、この責め苦から逃れるすべは無かった。

「ゆ、結衣先生の……中に出したい……」
「んん〜、私の中、それってお口で飲んで欲しいってこと?
それとも、このままオマンコに中出ししたいのかな、
それともそれとも、アブノーマルに後ろの穴?」

教職の身でありながら、聞くに堪えない猥褻な台詞。
あまりにもストレートで、だからこそ誤魔化しが許されないことを悟らされる。

「はあっはあ、このまま……先生のオマンコの中で、出したい」
「あっはぁ、すっごくいいよ、その顔、その表情……」

結衣はハルキに身を寄せ、うっとりと耳元で呟く。

「ホントに? 本当に、中出ししたいの?」

ハルキは虫の息のままうなずく。
169日曜日:2008/06/14(土) 07:01:13 ID:MTj3DD44
「あぁ、ハルキ君のおっきいの咥えてるだけでも気持ちいいのに、
このまま熱い精液注がれるなんて……若いんだしきっと量もすごいのよ。
それにとってもねばねばして、膣から子宮までピトッてくっついて離れないわ。
そこからじわじわって来るあの感触、這い上がってくるの。
ハルキ君がまだ射精しながら、硬いので突いてくるから、押し込まれて上がっていくんだわ。
私がいっても止めなくて……ううん違う、そんなのハルキ君には関係ないもの。
そうよ、私がいくいかないなんて、もうどうだっていいんだから、
その時は子宮の奥まで……一面に精液を注いで、遺伝子をばら撒くのが目的なんだもの。
陰嚢に溜まった精子、一つ一つが卵子を追い求めるし、
みんなとっても元気がいいのに、数もたくさんあるから、隠れててもすぐに捕まえるのよ。
お互い何も問題ない健康的な男と女だし、簡単に受精するはずよ。
ああぁ、そうなのよ、私、ハルキ君に孕まされるのね。
はあぁぁ……、こんな立派なもので、何度も奥まで犯られてるもの、
私の体が、もう、もうハルキ君に膝間付いてるし、
きっと子宮の入り口も、通るの邪魔しないように広くなってるのよ。
止めるものなんて何も無いの。わかるでしょ、何も無いのよ。
今更私が妊娠するからやめて、って言っても止めてくれないの。
ハルキ君を止めるものなんて何も無いから。
……うふふ、あはは、優しくて、女の子のことを良くわかってるハルキ君。
さっきは私を先にいかせてから、外に出すなんて、胸の中は罪悪感で一杯になったわ。
我慢させたんだって。
そんな行為の後のお願い、言葉として重みがあるのよ。
だから今はもう逆らえないの、ハルキ君のそのお願い。
もう一度言うけど、ハルキ君を止めるものなんて何も無いから。
何も無いから、止める必要なんて無いのよ。
……ああ、すごいわ。本当に私はもう逃れられないの。
我慢してきたんだから、きっと一回だけで満足なんてしないはずよ。
このまま何回も中出しされるの。
出した後も無理矢理口で奉仕させられて、硬くなったらまた下の口に入れられるんだわ。
もう私が耐えられなくなってやめて、と言ってもハルキ君はやめないのよ。
だって私は逆らえないし、逃れられないから。
そうやって子宮に入りきらなくなるまで何度も注がれて、
器から溢れてくるのを見届けたら、やっと満足するんだわ。その頃にはきっと私はもう…………」

耳朶をくすぐる妖しい吐息、そして悪魔の囁きは頭蓋に渦巻き連鎖する。
結衣は話しながらも腰をゆっくりとくねらしていた。
大腿の付け根、陰毛から性器まで擦れる刺激はゆるやかながらも、
快楽の水位が上昇するには充分だった。

「……ハルキ君のものになっちゃうのかな」
170日曜日:2008/06/14(土) 07:03:05 ID:MTj3DD44
「そんなに驚かなくてもね。アキト君とあなた、二人は双子なのに性格は随分違う。
けれど、それはもっと深い底で強いつながりがあるからなのかしら。
でも……難しいことは言いっこなし、こんなの無粋だわぁ。私が言いたいことはひとつよ。
ふふ、昨日アキト君で満足できなかった分を、お兄さんのハルキ君が責任とってほしいのよ。
んふ、ちゅ……ずる、ちゅるる……ん」
「んん〜、ちゅ、ん、じゅ、ふぁ、ちゅる」

激しい接吻に舌が互いに口腔を這い回り、音を立てるたびに二人の間では味覚を快楽に染める。
ハルキは頬を両手で挟まれ、唾液を流し込まれる。
舌先を伝う暖かいものを飲み込み、そのまま絡め捕らえ、今度はハルキが唾液を返す。

「ぁん、ちゅる、じゅるる、んんぅ、はああぁ……。
いいわぁ、すごくいいのよ。もっともっと剥き出しのハルキ君を見たいの、味わいたいのよ!
けどもうそろそろアキト君も起きるから時間よね、残念だわ」
「そうっすね。さすがにこの場でアキトと合うのは本意ではないです。だから……」

結衣の太腿を抱え、そのまま二の腕で持ち上げるように乗せる。
突然地に足が付かなくなるったため、バランスを崩すようにしなだれかかる。
掌を密着した尻に割り込むと、軽々とはいかないまでも持ち上げて肉壷をかき回すように腰をくねらせる。
浮遊感に意識が結合部に向かれ、いつもより感じがよく思えた。
これは結衣も同様だったらしく、甘い声をあげて肉棒への締りのよさが増す。
さらには引き上げて降ろす際には中の物を突き上げる。

「きゃっ、ああぁ!」

などと可愛い声を上げられれば、俄然張り切らずにはおられない。
じりじりとくすぶり続けたものが、いっせいに発火して燃え広がる。

「やられっぱなしは、それはそれで美味しいけど、やっぱりお返ししないと」
「やあぁ、深いの!」

結衣は自重に加えて貫かれ、されるがままに責められる。
こつこつと突き当たる怒張は、申し分ない硬度を具えて柔襞を抉り、深部まで蹂躙をくらわせる。
お楽しみを続けていた結衣は、子宮まで押し上げられる激しい行為にたちまち昇り詰める。
171170差し替え、冒頭抜け落ち:2008/06/14(土) 07:09:37 ID:MTj3DD44
結衣の一言に、ハルキは冷水を浴びたように思考回路がクリアになり、
ずたずたにされた神経が手を取り合って意識を呼び覚ます。

「先生のこと好きだけど、……別に先生を俺のものにしたいわけじゃない……」
「言うと思ったわ。最初に似合わない脅迫までして身体を要求したのは、
アキト君を奪われたと思った意趣返しかしら?」

ハルキはどきりと胸を突かれる。
内心をこうも見透かされるのは、心臓に悪いどころか返って不気味ですらあった。

「そんなに驚かなくてもね。アキト君とあなた、二人は双子なのに性格は随分違う。
けれど、それはもっと深い底で強いつながりがあるからなのかしら。
でも……難しいことは言いっこなし、こんなの無粋だわぁ。私が言いたいことはひとつよ。
ふふ、昨日アキト君で満足できなかった分を、お兄さんのハルキ君が責任とってほしいのよ。
んふ、ちゅ……ずる、ちゅるる……ん」
「んん〜、ちゅ、ん、じゅ、ふぁ、ちゅる」

激しい接吻に舌が互いに口腔を這い回り、音を立てるたびに二人の間では味覚を快楽に染める。
ハルキは頬を両手で挟まれ、唾液を流し込まれる。
舌先を伝う暖かいものを飲み込み、そのまま絡め捕らえ、今度はハルキが唾液を返す。

「ぁん、ちゅる、じゅるる、んんぅ、はああぁ……。
いいわぁ、すごくいいのよ。もっともっと剥き出しのハルキ君を見たいの、味わいたいのよ!
けどもうそろそろアキト君も起きるから時間よね、残念だわ」
「そうっすね。さすがにこの場でアキトと合うのは本意ではないです。だから……」

結衣の太腿を抱え、そのまま二の腕で持ち上げるように乗せる。
突然地に足が付かなくなるったため、バランスを崩すようにしなだれかかる。
掌を密着した尻に割り込むと、軽々とはいかないまでも持ち上げて肉壷をかき回すように腰をくねらせる。
浮遊感に意識が結合部に向かれ、いつもより感じがよく思えた。
これは結衣も同様だったらしく、甘い声をあげて肉棒への締りのよさが増す。
さらには引き上げて降ろす際には中の物を突き上げる。

「きゃっ、ああぁ!」

などと可愛い声を上げられれば、俄然張り切らずにはおられない。
じりじりとくすぶり続けたものが、いっせいに発火して燃え広がる。

「やられっぱなしは、それはそれで美味しいけど、やっぱりお返ししないと」
「やあぁ、深いの!」

結衣は自重に加えて貫かれ、されるがままに責められる。
こつこつと突き当たる怒張は、申し分ない硬度を具えて柔襞を抉り、深部まで蹂躙をくらわせる。
お楽しみを続けていた結衣は、子宮まで押し上げられる激しい行為にたちまち昇り詰める。
172日曜日:2008/06/14(土) 07:11:38 ID:MTj3DD44
「せ、先生エロいよ。堪んない!」
「はあはあ、ハルキ君のこれでぇ、結衣はエッチにされてるの。ああぁ!」

汗と体液の匂い、髪を振り乱し揺れる乳房は男を惑わす極上の媚薬だ。
肉打つ音に粘液が弾ける音、嬌声に重なって如実に現れる肉体の昂ぶりは狭い空間に響く。
本能からくる快楽の指令を忠実に遂行し、剛直でもって締め上げる肉の隘路を何度も切り開き、突き上げる。
粘膜どうしが生む、愛液にまみれた摩擦は脳髄を蕩かす気持ちよさだった。

「いく! ぐっ、出る! 先生の中に……出すよ!!」

果て無き欲望の井戸を満たすように、牡の愛と情欲が迸る。
睾丸から子宮奥まで怒涛のように走り抜けるエクスタシーに身体を震わせた。

「ああぁあああ、出てる! 奥に当たってるよぉ! どくんどくんってハルキ君の精液!!」
「先生! せんせいが……吸い取ってくる!」
「ああん、腰が、エッチが止まらないの!」

結衣は膣内射精を受けながら、快感のあまり止まったハルキの動きを受け継ぐべく、
肉襞の内、跳ねまわる男根を慰撫するように腰をひねり、縦横に動かした。
すでに何度も達している結衣は、さらに貪欲に絡めとリ、牡の憤りを味わう。

「あぁ! き、気持いい……」
「はあ、はあぁ……もう、終わりですよ」

結衣は勢いの無くしたハルキを感じ、ゆっくりと腰を上げる。
一仕事終えた肉棒が抜け、つつっと糸を引いた先は、出したばかりの精液が内股を伝っていた。
ハルキは本当に自分が出したんだと実感した。
きっと奥まで入りきらなかったものが、こぼれ落ちたのだ。
彼女の身体、奥底まで自分の存在がある。

「ふふ、ん……、良かったよ、ハルキ君。悪いけど先に行くわ」
「あ、ああ、はい。俺は少し休んでから行きます。アキトには……何も言わないでくださいね」
「わかってるわ。これでお互い秘密が出来て、紳士淑女協定成立かな。
そうそう、ちゃんとアキト君は家に帰すから、心配しないでね」

ハルキは今になって、結衣に秘密をばらされたくなければ、っと脅したことを思い出した。
これこそ茶番の始まりだったのだ。
――そもそもハルキには、アキトを巻き込み、不幸になるようなまねを出来る訳が無かった。
173日曜日:2008/06/14(土) 07:16:43 ID:MTj3DD44
********************

アキトはいつもより寝坊気味に起きた後、
気恥ずかしさの中、結衣に家前まで送ってもらった。
その後というもの、帰ってきてから始終何も手が付かなかった。
ぼうっとしているといつの間にか良い匂いが漂っている。
すでに時計は夕飯の時刻を指していた。
よくよく考えると、朝からほとんど何も口にしてないことに気付く。
早めに食事にありつきたい思いもあり、手伝いに食卓へと降りていった。
少しふらつく足取りで階段を踏みしめる。

「父さん、手伝うよ」
「おお、ありがとう。皿を並べててもらえるか。おわんに小皿と魚皿がひとつずつ」


一家は父子家庭で、家族は父と双子三人だけだった。
ハルキとアキトが低学年だった頃に、両親は離婚してそれきり。
家事もそれぞれが分担し、食事の用意は曜日によって持ち回りをしている。
ハルキが月水金、アキトが火木土、
父は普段仕事もあるため、日曜のみ、もしくは外食といった割りふりだった。


魚を焼いている匂いがする。
パチパチとグリルから脂がはぜる音がしていた。

「了解。今日のメニューは……サンマ?」
「いいやアジだ、いいのが釣れたから美味いぞう。そうだ、皿は二人前でいいぞ」

アキトは皿を並べる手を止めた。
 
「父さん、出かけるの」
「いや、ハルキから電話があってな、今日は友達のところで一緒に食べるそうだ
遅くなったら泊まるかもしれない、だと」

胸にちくりとささる痛みがあった。
もしかしたら、避けられてるのではと思った。
結局は無断外泊になってしまった訳である。
今何も言ってこないが、昨晩は父に対してフォローに四苦八苦しただろう。

「先にほうれん草の胡麻和えを盛り付けてくれ。そろそろ魚も焼きあがる」

父は手際よく炊き上がったご飯と味噌汁を盛り付ける。
準備が整うと、エプロンを外して食卓に着いた。
アキトはいただきますと宣言した後、飯をかきこむ。
父は料理が得意とはいえないが、素朴で素材の良さがよく出ており、美味かった。
これとは反対に、凝った料理をするのがハルキだった。
時折聞いたこともない名前の料理を作っては、試食まがいの夕食になる時もあった。
だが失敗作はほとんど無く、どれも一流のシェフの腕並み拝見とばかり美味く、
和洋中、なんでもこなす腕前とレパートリーの広さは唖然とさせられる。

対してアキトはどうにも不器用で、手料理などとても出来ず、
前日のあまり物と出来合いの食材を用意するのがせいぜいだった。
最近ではハルキのほうが気を利かし、最低一品は二日分作り置きできるメニューを仕立てていた。
料理の腕を父を十とした場合、ハルキは二十も三十もあるだろうが、アキトは五、六が良いところだ。
かわりに家計簿担当がアキトだった。
日用品のために作った家族共用の財布に、レシートと合わせてパソコンに打ち込み、残金の確認をする。
ハルキのたまに買う高級食材は頭が痛くなりながらも、食卓を彩る美味い料理には承諾せざるをえない。
174日曜日:2008/06/14(土) 07:18:16 ID:MTj3DD44
食べ終わった皿を洗い場へ運ぶ。
アキトは居間でソファーに座りながらニュースを聞き、将棋雑誌を読みふける。
背後からカチャカチャと食器を洗う音にも、一抹の寂しさを感じた。
足が二本の椅子はそもそも成り立たないが、それに似た不安定な気分。
我が家のコメンテーターはどこへ行ったのやら、アキトはそう思わずにはいられなかった。

「アキト、終わったら一局指そう」
「うん、いいよ」

テーブルに将棋盤と駒を用意して待つ。
アキトは地区強豪である父より、幼少のころから将棋の薫陶を受けていた。


すでに白髪が見える父はの老いを一番感じるのは、皮肉にも将棋からだった。
父の読みの深さ、広さを知ったとき、アキトはすでに勝てるようになっていた。
今や片手間の読みでも、充分互角に戦える。
向かいに座り指し始めるが、アキトは将棋とは別のことを考える。
それは昨晩の行為についてだった。
あれは本当の出来事だったのか、今でも疑問に思えてならない。
夢のような、と言えば確かにそうだが、それより現実味を薄くしているのは、
たとえて言うなら階段を上り始めたらいきなり最上階まで来ている突拍子のなさだ。
だが現実を受け止められないほど自分は子供ではないし、記憶力を疑うほど耄碌していない。
五感の全てが覚えてる。
とても気持ちよかった、あの瞬間は幸せだった。

局面は中盤を迎える。
駒組みは両者とも順調だが、上手い妨害にアキトが一歩もたついてる。
ここで落ち着いて指せれば優位は確立できるが、今の父にはそれができない。
遊びの対局と言ってしまえばそれまでだが、相手が見せた隙を、エサを我慢強く辛抱できない。
アキトは年配の人と指すことは何度もあるが、
不思議と年を取ると、性格とは反対に将棋は落ち着き、
そして我慢、辛抱といった忍耐強さが失われていく気がしていた。
粘り強さ、柔軟性が無くなっていくのだろうか。手短な勝利の誘惑に、耐えられなくなるからだろうか。
父の飛車が相手陣地へ成りこむ。
自陣にわずかな隙を残したままであることが、けしてわからない腕前ではないはずなのに。

この相手陣地に切り込む瞬間は瞬間は幸せだろう。
だがアキトにとって多少の駒の損失はどうでも良く、竜の攻めを封じ、
退路を断って働きを失わせれば、先ほどまで飛車よって防がれていた攻め筋が見える。
ここからが反撃の狼煙をあげる時だった。
アキトは落ち着いて着実に自駒を、父の王将へと寄せていく。

あの瞬間は幸せだった。
だが、最上階に上ってしまい、自分の立ち位置が見えない。
好きだと言えた、キスもしてセックスもした。
その先が見えない。あの時我慢していれば良かった気がする。
引き返す道も無い。もっとも仮に過去へ返っても、また同じ結末だろう。
次の一手が見えなかった。

「うむぅ……負けた。防げなかったかぁ」

この対局はアキトの勝ちになった。
175日曜日:2008/06/14(土) 07:22:36 ID:MTj3DD44
********************

ハルキは夕食の食材を買出しに、スーパーへ繰り出していた。
片手にはぶら下がるように、女性が腕を巻きつけている。
主に主婦が行き交う中、妙に馴れ馴れしい二人の空間があった。

「あの、ちょっと離れませんか」
「またハルキ君の手料理が食べられるなんて思わなかったわ」
「まあそれくらい、泊めてくれるお礼に……もう、いいですよ」

明らかに離れる気の無い彼女の態度にハルキは諦める。
残った片手で、目的の品の鮮度、質を見定める。
充分合格点の物を、彼女の持つかごへ入れた。

「ふ〜ん、私にはどれも同じに見えるけどな」
「葵さん。せめて消費期限くらい見てください。生ものは最低限、腐ってないかくらいは……」

適当にトマトを取って眺めてる葵に、
ハルキは聞き入れてもらえないことをわかりながらも優しく忠告する。
176日曜日:2008/06/14(土) 07:26:58 ID:MTj3DD44
********************

葵はハルキが昔付き合っていた同級生、名前は茜と言う、の姉である。
キャリアウーマンで一人暮らしをしているのだが、
たまたま茜の母が風邪で寝込んだときに、見舞いで実家へ戻っていたのがハルキとの出会いだった。
ハルキが父子家庭で料理もできると知っており、茜は夕食を手伝ってもらおうと呼んだのだ。
家庭科の授業でしか包丁を握ったことのない茜が、
ちょっと彼氏にいいとこを見せようと一夜漬けで復習したのがそもそも間違いだった。
料理の腕に関しては家庭の内情からくることもあり、得意げに自慢することでもないとハルキは常々思っている。
普段なら陽気に進んで話のたねにするような性格だから、茜が相手の実力を見誤るのは無理もない話しだった。

最初は手伝う気だけだったハルキだが、段取りのまずさ、危なっかしい包丁さばき、調味料の匙加減は適当と、
見るに見かねたが、一から指導するには時間もなかったため、ほとんど全て作るはめになった。

豚肉とキャベツをさっと炒め、塩味しかしない野菜炒めを一緒くたにして、
甘味噌と豆板醤をいつもより少し多めに入れて味を調えた後、片栗粉でとろみをつけてホイコーローに再利用する。
水加減を失敗して、芯の残るご飯を病人に食べさせるなど、虐待もいいところだ。
勝手に拝借したホタテの缶詰をほぐし、適度な大きさに切った白菜と冷蔵庫にあったエビとともに、
鶏がらスープに塩味をきかせてご飯を煮立て中華風お粥を作る。
味が濃すぎた味噌汁は調整が難しく、汁物としてお粥とすこしかぶる所があったため素直に諦める、
残った豆腐で、今日の味付けはいくらか濃い目だと思い、さっぱりと卸したショウガを乗せて冷奴にする。
付け合せの醤油に少々の柚子、といきたいところだが無いのでレモンで代用する。
ハルキはあともう一品が欲しかったが、食材も時間も無かったことを悔むが致し方なかった。

一部始終を心配そうに見ていた茜の家族は、出来上がってくるものに戦々恐々していたが、
思いのほか食欲をそそる香りに、いつもとは違う料理ながら予想以上にまともな見た目に驚く。

「どうですか。お口に合うかどうか」

全員がおそるおそる蓮華を口に運ぶが、コクのある味わいに舌鼓を打つ。

「うん、美味しいよ。いやはや茜の様子があれだっただけに驚きだよ」
「お父さん、一言余計よ」
「これなら最初からハルキ君に任せたほうが良かったわよね」
「だいたい茜姉ちゃんに任せるなんて、最初から無謀だって言っただろ。本当にハルキさんには感謝します!」

葵は茜をからかい半分、ハルキへの賞賛半分で追い討ちをかけ、気難しい弟の碧はあっさり懐く。

もう一人、食事の準備が出来たことで母親が寝室からおりる。
体調は良いそうで、娘のお客という手前、挨拶がてらに食卓にきたそうだった。
ハルキは本心、いらぬ気をつかわせたようでばつが悪かった。
せめてもの罪滅ぼしと思い、てごろな果物を用意する。

「りんごもむきますね。風邪ならお粥と果物がいいですよね」

と言って、するするとボウルの上でりんごの皮をむく。
食べながら全員が思うことは、異常に上手にむくハルキに対する驚きだった。
たかがりんごの皮むきにすぎないが、
するするとボウルに途切れることなく流れる薄い皮には時の重みがあった。
最後にはきれいに切り分けて皿に盛って、母の前に出す。
177日曜日:2008/06/14(土) 07:28:49 ID:MTj3DD44
「すごいわ、ほんと茜にも見習わせたいわ」

にこにこしながら母親は感想を述べる。

「りんごはすり卸しましょうか?」
「いえいえ、だいぶ良くなりましたし、そこまでお客さんにお手間とらせてはいけませんわ」
「お粥、熱いですから」

そう言ってハルキは新たに器に盛ったお粥を手に取る。
蓮華で一口掬い取り、自らフーっと息を吹きつけ冷まして母の口元へ差し出す。
妙に甲斐甲斐しい世話の焼き方に、両親は顔を見合わせる。
普通に考えれば、少し行過ぎて奇矯な感じがするが、
せっかくの好意を無下にするわけにいかず、受け取ることにする。
茜からハルキの家庭環境を聞いていたため、もしかしたら母性への憧れだろうかと思い、
この行為にも、もの悲しさと一緒に同情の念を禁じえなかった。

「ん……、とってもおいしいわ」
「良かったです。たくさん食べて早く元気になってください」
「あらまあ、ありがとうね。もう大丈夫よ」

屈託なく、打算のないハルキの言葉は心に響くものがあった。
全てを知るものがいれば、感動的だったかもしれないが、
そんなことはどうでもいい人間がこの場には二人いた。

「ああ〜ん、ハ・ル・キ・君! 私には? 私にもあ〜んして欲しいな」
「お姉ちゃんなに寝言言ってるのよ! お母さんも素直に受け取らない!
なに顔赤くしてるのよもう〜!!」
「おいおい茜。熱があるから、顔が赤いのも当然だろ」

ハルキにしてみれば、そもそも母が風邪のため呼ばれた経緯があったため、
当然の行動だと思っていたが、これが茜にはいたく不評だった。
そもそもハルキは何かにつけ固執しないところがあるため、
彼女にあれこれ言わないし、無理に付き添わせたり、連れまわしたりしなければ、
彼女の要求を少々無理してでもかなえるといった気概もそれほどなかった。
それが母に対して一種執着を見せるような振る舞いは、女のプライドを傷付けるには充分だった。
家族として、恋人としての両方の面目が形無しと相成った訳で、
結局茜と別れる原因になったのも、この日があったのだろう。
別れ際に、マザコンの一言が添えられていた。
『母がいないのにマザコンとは、これいかに』
言われた本人は、まずショックよりこう思った。
178日曜日:2008/06/14(土) 07:31:58 ID:MTj3DD44
*****************************

「本当、ハルキ君に番号教えておいて良かった」
「すみません。頼れるのは葵さんだけだったもので」
「いいわよ。こうして買い物に出かけて、ご馳走してくれるわけだし」

なぜあそこまで支離滅裂な行動をとったのか、
とにかく冷静になるためにも今日は家に戻りたくなかった。
アキトの顔を見るのも非常に気まずい。
だが頼めそうな者は友人知人の内、学園関係者を除くと葵以外いなかった。
ハルキは女性の一人暮らしに泊めてくれと頼むのは気が引けたが、
電話で頼んでみれば、あっさりOKをもらえたばかりか、
こうまで歓迎され懐かれるとは予想外だった。誤算と呼んでもいいかもしれない。
なぜなら葵には付き合ってる彼氏がいるはずだからだ。

電話する際にも、その件が問題だったが、逆にお願いしやすい要因でもあった。
ただ泊めてほしいだけで、勘違いされたくはなかったからだ。
今の喜びようを見ると、一言釘を刺したくもあったが、
同時に水も注すことが目に見えたため、やめておくことにするしかない。
今更あるじの機嫌を損ねて追い出されるのは困る。

「葵さんは、苦手な食べ物とかありましたか?」
「うんん、特にないよ。強いて言えば、カリフラワーかな。
あのぼろぼろした食感と、よくわからない味が苦手だよ〜」

ハルキは葵の子供っぽい口調に苦笑する。
そもそも葵はヒールの付いたブーツを履いても、まだ頭がハルキの肩に届くかどうかくらいである。
これでオフィスレディとしてスーツ姿に身を固め働いてるとは、なかなか想像できないでいる。
だが買い物を終えマンションに戻ると、やはり給料をもらう身であることを実感し感心してしまう。
椅子やテーブルは言うに及ばず、カーテンや小物、調度品それぞれが部屋に気品を添える。
見事なまでにシックなアンティーク調の家具で統一され、
趣味の良さは居心地良く、住む者を落ち着かせ癒しをもたらす。

「はー、これは……」
「どうしたのハルキ君」

葵の一言に、ハルキは自分が女性の部屋を不仕付けに見ていたことを反省する。

「こういうところで食べるなら、もう少しメニューを考えれば良かったかなと思って。
前みたいに、家庭的な雰囲気を考えてましたから、今日は大衆的な料理……」
「くっ、ぷぷ……あはははぁ〜、くく」

葵は突然笑い出す。

「いやごめんね。別にハルキ君を馬鹿にした訳ではないのよ。なんだか目の付け所が違うと言うかさ。
たぶんね、女性の部屋に入って一番にそんなこと言うのは、ハルキ君以外にいないよ。
色々見渡して言う感想がそれなに? あは、あはははぁ。
実にハルキ君らしいんだろうけどさ。一人暮らしの女性の部屋に招かれてそれってさ。
前に実家に来たときもそうだけど、本当にもう大物だよ」

褒めてるのか貶されてるのかわかりかねるが、特に不快に感じることもなかった。
ハルキにしてみれば、どれも率直に思った行動であり言動だったからだ。
自分自身に対して偽ることなく暮らせることは、充分に誇れる美徳だった。
179日曜日:2008/06/14(土) 07:39:04 ID:MTj3DD44
「それじゃお願いね。台所にあるもの、自由に使っていいから。
私はお風呂の準備して、くつろいでるわ」
「はい、できるまでゆっくりしてください」

一軒家である家のキッチンより狭いかと思ったが、さほど変わりはなかった。
ハルキは特別なものを作ろうなどそんな気はさらさら無く、
ご飯にアジとサケのフライ、付け合せにキャベツの千切り、
コーンスープにトマトと、前言した通りシンプルで普通の料理だ。
手早く仕立てては皿に盛り付け、テーブルに並べていく。
それでもいくらか、ハルキなりのこだわりと手間が随所にかかってる。
全て並べ終わり、ソファーでくつろぎながらテレビを見る葵を呼ぶ。
葵は椅子に座り、目を輝かせていただきますをした後、真贋を見極めるように凝視して口に運ぶ。

「うんうん、美味しい美味しい!
それにしても、ちゃんとお魚を三枚に下ろせるなんてすごいわね」
「はあ、そんなもんですかね」
「そんなものよ。きちんと小骨も取り除いてあるし。
このタルタルソースも美味しいわ。一から作ったのよね?」
「いえ、別に。卵をゆでて、スライサーで縦横に細かく切った後、
マヨネーズを主にみじん切りした玉ねぎ、パセリと混ぜて出来上がりです。
あと……たまにレモン汁とかピクルスも入れますけど」
「一から作ってるじゃない」
「マヨネーズは市販ですよ」
「……もしかして普段はマヨネーズも作ってるの?」
「えっ……作らないんですか?」

葵は呆れた風に肩をすくめる。

「あ〜あ、茜も馬鹿なことしたものね。ハルキ君をふるなんて信じられないわ」
「そうですかね」
「そうよ! この際言わせてもらうけど、あなた自分の価値を全然わかってないわよ。
イケメンで背はそこそこ高い、そのくせ妙に偉ぶったり気取ったりしない。
おまけに自然体で優しいのよね、だけど嫌味なんてないし、押し付けがましくもない。
今日みたいにおいしい手料理で恩返しする義理堅さなんか、なかなかお目にかかれないわよ」
「うんと……そうではなくて、やっぱり相性が大事だと思うんですよ。
葵さんは俺のこと褒めてくれますけど、相性が悪ければそんなこと、どうでもよくなりますよ」
「あらら、意外にドライな意見ね」
「えっと、生意気なこと言ってすみません」

この場でようやく見せたハルキの焦りと言うべきか、
少し言い過ぎたことに対する、こんなつもりではなかったと思う表情に、
葵は僅かながら意地の悪い喜びを見出す。

「ふっふっふ、まあいいわよ」

にこやかに笑って流し、食事に専念する。
泊めてあげるという立場である自分の優位を確認して、
それをどう活かすか考えながらの中、とても美味しくいただけた。
180日曜日:2008/06/14(土) 07:40:51 ID:MTj3DD44
「……ん、ご馳走さま、たいへん美味しゅうございました」
「お粗末さまでした。俺、食器を片付けますから」
「よろしく〜。私お風呂に入るから」
「ええ、わかりました」
「ハルキく〜ん」

葵は振り返って小悪魔的な表情を浮かべた。

「はい?」
「覗いてもいいのよん」
「遠慮しておきます」

心の底からハルキはお断りをしたが、
皿洗いをしながらシャワーの音が聞こえると鼻歌でも歌いたい気分になる。
それは性的な意味合いではなく、
好ましい人物のためになる嬉しさ、
人としての触れあいの暖かさからだった。
とはいえ、これでアキトが居ればと少し感じたのも、また事実だった。

「ちゃんとメシ食ってるかな。まあ親父の当番なら最低限大丈夫だろうけど……」

洗い終わった皿を拭いて、乾かすため食器入れに置く。
することも無くなったので、ソファーに腰を沈めながらコンポに入っていたCDを聞く。
ゆったり流れるどこか聴いたことのあるクラシックのメロディ。
どこか気を張っていたのは否めないらしく、ハルキはうとうとしながらどこからか意識を放棄した。
そういえば、昨日から寝不足気味だ。


音楽がかかってるためか、浅い眠りの中、情景が浮かぶ。
まだ両親がそろって、そしてハルキも、アキトも小さいころの――
――ああ、これは夢だ――



両親が離婚した原因は、はっきりしたことは伝えられてない。
推測ならいくつもできるが、性格の違いがあるのは確かだった。
父は朴訥とした堅実で実直な人、対照的に母は子供心にも美麗な容姿に奔放で社交的だった。
ことあるごとにめかしこみ、外出する母を父はあまりよく思ってなかった。
だが夫婦仲は悪くなかった、と言うよりも良かったように見えた。

離婚する一つ前の季節、ハルキは夜に起きて喉の渇きに台所へ向かう。
まだ明かりが点いてることに訝ると、話し声が聞こえた。
土曜日の夜、晩酌をしたまま寝室に来ない父を母が呼びにきたらしい。
今ならわかるが、これはきっと夫婦の営みがある日だったのだろう。
聞き耳を立てるつもりは無かったが、喉を潤したい気持ちと、
邪魔をしてはいけない気持ちから迷っていると結果的に盗み聴きすることになった。

「ねえ、そろそろ……一緒に寝ませんか」
「いや、まだ……」
「はぁ……」
181日曜日:2008/06/14(土) 07:47:19 ID:MTj3DD44
母も軽くグラスを呷り、溜め息をついた。

「本当にその気が無いんですね」
「ん……その……別にお前に不満が有る訳ではないんだ」
「それなら、双子なんて、産まなければよかったわ」

ハルキは母の言葉を聞いて、頭を殴られるような衝撃を受けた。
言葉の意味はわかったが、なぜそういう結論が出たのか理解ができず混乱する。

「天から授かったのだから、そんな風に思ってはいけないよ」
「でも私、まだ子供は欲しいですし……それに……」

そこから先はとても聞けず、寝室へ引き返す。
扉を開き、アキトの姿を見るまで震えは止まらなかった。
何事も無いように寝息を立てていることに安心する。
あの会話を聞いて、アキトは死んでいるとか、
存在という火が消えてしまってるのではないかという不安に塗りつぶされていた。
アキトの手を取り、胸にしまうようにして眠りについた。
子供心に、兄としてアキトを守ると固い決意を胸にしながら。

二人の会話は経済的事情から子作りを拒んだということなんだろと、
そう理解できたのは高校生に入学した頃、
離婚する数年前から、不況のあおりで経済的に苦しかったことを父はぽつりと漏らした。
兄弟の成長を見ながら感慨深く言うのに反比例して、ハルキの内で心が冷えていくのを感じた。
自分を、アキトの存在を否定された理由が、そんなものだったのかと。



「……――ハルキ君、はいはい起きてね」
「……えっ……、ああぁ、夢か……だよな」
「お取り込み中悪いけど、お風呂すいたわ。なんだかあまり良い夢じゃなかったみたいだけど?」

ハルキは目を覚ました後、今しがた見ていた夢を思い出す。
確かに良い夢ではなかった。
座った姿勢で眠っていた所為か、体が凝り固まっている。

「そうですね。起こしてくれてありがとうございます」
「はい、それよりも着代え渡すわ」

手渡された物を見て、ハルキは途方に暮る。
ゆったりして着られるのは間違いないが、どう見ても女物の寝巻きである。
チャイナドレス風の可愛らしさ抜群の代物。

「あの、このまま寝ます」
「ちなみにどこで寝るつもり?」
「ソファーですけど……」
「はい、ぶっぶー」

葵は腕をクロスしてバツ印を作り、クイズ番組よろしくハズレのブザーをまねた。
人差し指を奥にあるもう一部屋にさす

「正解はあそこの部屋のベッドよ」
「……」
「そういう訳で、一日中着たままの服で寝ることは許されないのよ。わかった」
「…………」
「感激して声も出ないってことよね」
「そうですね。お風呂お借りします」
「あ、それと下着は洗濯しておくから籠に入れておいて」
「はい」
182日曜日:2008/06/14(土) 07:50:20 ID:MTj3DD44
ハルキはまな板の上にのった鯉、努めて冷静というより、返って意識することがなくなった。
こだわりの無さができる境地だった。人はこれを自棄、やけと言う。
脱衣場で裸になり、下着をかごに入れるが、これこそ代えがないことに気付く。
ここまできて引き返すわけに行かず、バスルームに入りシャワーを浴びる。
体を洗って湯船につかると、脱衣場に葵が入って来た。
曇りガラス戸の向こう側だからお互い見えることはない。

「湯加減はどう?」
「丁度良いですよ。それよりも俺、代えの下着が無いので、洗わなくていいですよ」
「乾燥機あるから、明日までには乾くわよ」
「いや……それでも今日は……」
「別にいらないでしょ。わぉ、これがハルキ君のトランクス〜、んん、匂いかいじゃおうかしら」

ハルキは頭痛が起こりそうな気分だった。
肌着も付けず寝巻きを着用してもかまわないということだろうか。
下手に突き詰めると、女物の下着まではかせられかねないので黙っておくのが懸命策だった。
いっそのこと自分が変態なら、今の状況は極楽そのものだろう。
ああ、まともな自分がにくい。

風呂から上がり、バスタオルで体を拭いて、少しの逡巡の後に用意された服を着る。
テーブルでワイン片手に待っていた葵は、ハルキの姿を見て目を輝かせる。
この時になって前から疑問に思っていた、女性がわざわざきわどい姿をしていながら、
エロオヤジの視線が嫌だという気持ちを身をもって知った。これはきっと理屈ではないのだと。

「よく似合ってるわよ。まあ一杯付き合いなさいって」
「未成年に……いえ、頂きます」

それなりの値段なのか、丁寧にワイングラスに全体の三分程注がれる。
ハルキは台座近くを摘むように持ち、軽く揺らして香りと共に一口味わう。
堂に入った楽しみ方に、葵は興味津々の目で眺める。

「その、親父が飲ませるんです。
もし料理人になるなら、ワインと日本酒くらい知っとけって、晩酌にちょくちょく」
「へ〜、ハルキ君、料理人になるの?」
「そこまで決めてませんよ。今のところ趣味みたいなものです」
「いける口?」

ハルキはあくびを噛殺す。
183日曜日:2008/06/14(土) 07:52:29 ID:MTj3DD44
「ぅ……全然。アルコールの匂い嗅いだだけでフラッと来るくらい弱いです。
本当に一杯が限度なんですよ。
……ん、それより、今日はもう寝たいですけど、いいですか」
「えっ、もう! まだ心の準備がちょっと……で、でもハルキ君がそんなに積極的だなんて……。
本当のこと言っちゃうと、少し酔わしたほうがいいかなって思ってたぐらいだし。
弱いなら飲みすぎるとダメよね。後々楽しめなくなるもの」

寝酒も入って、夢うつつのまま聞き流す。
今度は先ほど我慢したあくびがでる。

「ふはああ……わがまま言ってすみません。今日起きるの早くて、それに明日朝食の準備しますから……」
「う、うん、そうね、ありがとう。
さあ、こっちよ。わあぁ、何だかどきどきする……」

葵はあまりにも落ち着いた彼の様子に、自分がお姉さんであることも忘れそうだった。
せめて年上の格を見せようと、ハルキの手を握って部屋まで先導する。
明かりを点けてみれば、普段の寝室まで違った物に思えた。

「ここよ……電気はどうする」
「ええっと、できれば消してもらえれば」
「うん、いいよ」

優しく気が利いて、若くかなりの男前の持ち主。
茜が言うには女性経験が豊富らしく、別れた後を察するに後腐れのなさも特筆に価する。
およそ遊びをするに、これほど適した男はいない。
葵は広がる妄想と言う名のパラダイスに浸る。

(ああ、でも私の魅力に取り付かれたらどうしよう。
『葵さんは理想的で最高の女性です』、とか言われたら、
ちゃんと私にはお付き合いしてる彼がいるって言わなくちゃ。
あの時一夜だけがあなたの恋人だったのよって。
うんうん大丈夫、ハルキ君ならいい相手が見つかるよ。
でも逆に私が彼の魅力に……って、そうなったら……。
茜があっちも優しくて上手って言ってたもの。
ううん、ダメよ葵。今日、今日だけなんだから溺れちゃダメ。)

葵は電気を消して、ベッドにもぐり込む。
ぬくい体温を分かち合う暖かみ、すぐ隣には呼吸音が聞こえるほど接近している。
だが待てど暮らせど、ハルキは葵の身体に手を伸ばすどころかキスの一つもしない。
訝りながら様子を窺うと、そこにはすやすやと心安らかに眠る彼の姿だった。

朝から根こそぎ吸い取られた所為もあるかもしれないが、
そもそもハルキには最初からそんな気はなかった。
こうして方法は違えど、姉妹とも同じ男によって女のプライドを砕かれたのであった。
184日曜日:2008/06/14(土) 07:58:28 ID:MTj3DD44
********************

夜遅く、ハルキはベッドに入って昨夜の行為を思い出す。
鮮明に残る記憶は、触感や匂いを逐一刺激して呼び覚ます。
昨日あれだけしておきながら、己の分身がいきり立つのを抑えられない。
勃起した男根を握り前後にしごいて、場面を思い出しながら自慰をする。

********************

結衣は布団を出して敷き始める。
ほとんど全裸に近い格好で、目のやり場に困る中アキトは手伝う。
たいしてすることが無いとは言え、気持ちだけでも汲んで欲しかった。

「アキト君、私だけなんてずるいよ」
「えっ?」
「ほらほらぁ、私が脱がしてあげる」
「い、いいですよ」

などと言っても、止めるような人ではない。
結局は全て脱がされ、お互い産まれたままの姿になる。
抱き合うようにして柔らかな布団の上へと転げ落ちる。
キスをしながら下の秘唇へと愛撫するように指でなぞる。
結衣もお返しとばかりアキトの男根を握り、ゆっくりと擦り始める。
静かに屹立とそそりたつ存在感を確かめながら、体の芯が火照り熱を帯びる。

「んはぁ、ちゅる、ああっ」

敏感な肉芽を擦られて、結衣はかるく仰け反る。
指に滴る蜜を、さらに探索するように二本の指で秘所を開いては差し込む。
膣の内側をくすぐり、縦横にかきまわす。
結衣も男根を両手で包み、丁寧に捕らえたまま撫で回す。

「やあぁ……そんなところ」
「はあはあ、ん、先生!」

弛緩して力の抜けた結衣を仰向けにして、その上に覆いかぶさる。
それでも結衣は肉棒から手を放さないまま、刀を納める鞘のようにきゅっと握り締める。

「こんなに逞しいの……」

結衣は脚をM字に開きながら、秘所を隠そうともせず向かい合う。
握り締める男根の先10センチ程には、待ちわびるように肉壺が濡れていた。
アキトは挿入したくて堪らないとばかりにそこを凝視していた。
しかし急所を握られ、押すことも引くこともままならなかった。

「じっと見つめて……目だけで、犯されてるみたい」
「くぅ、先生……手を放して。入れさせて欲しい」
「入れるだけ?」
「入れたら……動いて先生を気持ちよくさせたいんだ!
「アキト君の逞しいので、私が気持ちよくなるのね。でも、それだけで終わりじゃないよね」
「そうです。今度は先生に……出して、思いを伝えます」

抱き合いながらも下半身は別個の生き物のように動き回る。
深々と貫き、女芯を抉り、掘削して蜜の源泉を探る。
怒張によって押し広げられた膣は、充分に潤う果肉で優しく淫らに迎え入れた。
子宮まで叩かれるような激しい律動、貪るような牡の性行為に結衣は忘我のまま受け入れる。
185日曜日:2008/06/14(土) 08:02:15 ID:MTj3DD44
「あっ、ああ! すごいよぉ。私の体も、アキト君とセックスしてるって、悦んでるの、
わかる、わかるよね。もう奥までいっぱい……届いてるから、感じる、隅々まで感じるよ」

アキトは豊満な美乳に顔をうずめてほおばる。
硬くしこる頂点に吸い付きながら、絶えず腰は律動する。

「ああ、そう、そのまま……おっぱいイジメたまま犯して!」

結衣はアキトの顔を抱きしめる。
幸福な窒息のまま、しっかりと彼女の望みをかなえてあげた。

「ああん! ぴったり、アキト君のでぴったりにされるよ。
アキトくんの、逞しいペニスでぇ、結衣のオマンコがぴったりにされちゃう。
何度もアキト君ので犯されて、離れられなくなっちゃうよ」

びくびくと時折のたうつ女体を押さえつけ、
肉槍によって秘唇を穿ち、奥底まで己の存在を誇示する。
重なる肌の密着感にも増して、媚粘膜の愉悦は脳髄を蕩けさせる気持ちよさだった。
すでに全身から、限界が近いことを悟る。

「ああぁ! 最後に、アキト君の精液でぇ、子宮までぴったりにされちゃう。
さっきのだけでいっぱいなのに、またアキト君が出す、射精するから、
入りきらないのにぴったり塞がれて、押しこまれるの」
「イク、いくから、中に出すから、受け止めて!!」

腰を引き付けるように押えながら、欲望の塊を解き放つ。
中心をひた走る膣内射精の快楽、子宮奥へ注入する生殖本能の歓喜。
結合部を通して押し寄せる牡の咆哮を、性器から子宮へ浴びながら結衣はたちまち達する。
どこかへ飛ぶ意識の中でも、より深い快楽と精を貪る。
膣壁が咥えこんだものに対して搾り取るように蠢き、腰を浮かして恥骨を擦りつける。
積極的な牝の受胎請いに、若者は射精しながらも小刻みに動いて、刺激により持続的な種付けを繰り返す。

「ふぁあ……アキト君の……止まらないよぉ」

量も濃さも、先ほどと比肩しうるほどのものを余すところなく受け止める。
思う存分に出し切ったことに満足したアキトは抜こうとするが、
結衣は脚を胴体に巻きつけて離れることを許さなかった。

「ダメ、抜かないでこのまま……」
「んっ……、はあはあ、せ、先生……わかりました」

白桃のような美乳に顔をうずめて乳首へ吸い付く。
早く回復するように、腰を緩やかに動かした。
絡みつく太腿の密着感に、中のものは否応なしに屹立し始める。
自分でも驚くほどの早さだった。

「はあはあ、もういけそうです」
「んん……、私はいつでもいいよ。アキト君の、好きにしていいんだし、ね」
「先生! 俺、嬉しい」
186日曜日:2008/06/14(土) 08:07:23 ID:MTj3DD44
アキトは緩やかながら律動を開始し、戯れのように接吻する。
身長の関係で、結合したままだと、腰を持ち上げるような形になる。
口を吸いながら二人の睦みあいの箇所が見えるとあって、興奮の度合いが増していく

「はあぁ、アキト君とセックスしてるところが見えるよ」

目をきらきらして見る結衣に、アキトは俄然張り切る。
力を込め垂直に、重力を友にしてリズミカルに突き降ろす。
美味しそうに蜜を垂らす孔は、とびきりのご馳走への期待にあふれていた。
亀頭は絡みつく柔襞に蕩け、竿からは追随するように締め付けられて一層屹立する。

「もっと見せますよ。先生のエッチなところ!」

そう宣言した後、結衣の両足首を掴んで引き離し、頭まで布団に押し付ける。
窮屈な姿勢のまま、肉と肉が打ち合い音が鳴る。
結衣は抱きつきながら、足りない物を埋め込まれる充足感に満足しながら、よりよい高みを目指す。

「あっ……すごい。んぁあ、私、止まらなくなっちゃう」
「先生のここ、俺も気持ち良すぎて、止まらない」
「ねえアキト君、結衣、んぁ、結衣って名前で言って」
「ゆ……結衣、結衣!」

身体全体で結衣を覆うような格好でセックスする。
大柄で見事な肉体が快楽に打ち震えるさまは征服感を煽り、
悦びの涙に濡れた顔は多幸感に包まれ、男冥利につきた。

「はん! ああん! 結衣のオマンコにずんずんくるの!
アキト君の精子たくさん子宮にあるのにまだ欲しいよぉ!」
「んっ! はあ! いい、もっともっと言ってください!」

結衣は自ら脚を抱えて、恍惚の表情で生殖器の交合を眺める。
そそり立つ一物が尻に吸い込まれるたび、子宮奥を通じて衝撃が走り抜ける
激しい腰の動き、怒張が武器なら止めを刺すために加速する。
男に捧げられた淫らな祭器を満たすのは、あと時間の問題だけだった。

「あう! やあぁ! 激しい!」
「ふん、ほら、もっといきます。エッチな結衣のために!」
「ああぁ! アキト君のおっきいオチンチンがぁ、結衣のために、オマンコ何度も出たり入ったりして、
気持ちよくさせてくれるの! 先生が生徒の咥えこんで、いやらしくいっちゃうの!!
「はっぐぁ!! ぁああおお……うぅ!!」

睾丸から込み上がる波、濃密な種は切そうに震える胎内へと噴出する。
最奥まで肉の鉄槌を打ち突け、子宮口は亀頭によって純情に開けられたまま、
鈴口から迸る精液を縦横に飛び散らせていく。
結衣は胎内へと漲る活力を受け、
膣全体がびくびくと貪るように吸い取り、余すところなく射精の悦楽を味わう。

「出てるぅぅ、熱いのがたくさん出てるよぉ……。
奥まで……届いてるの、濃いの中出しされてるぅ」

アキトは苦行の形相でのけ反りながら、結合部から感じる快楽に酔いしれていた。
美乳が甘い吐息と共に上下しながら倒れこむ男の顔を受けとめた。
瑞々しい女体に抱きつきながら、ずぷずぷと音をたてながら腰を動かした。
結衣は子宮深くまでうねるような噴流と、さらに奥に進もうとする怒張の進入に身体を震わせる。
成熟した牝の肉体が、若く荒々しい牡の行為によって屈服し、種付けされていた。
熱く新鮮な生命の源は、結衣の卵子との邂逅を目指し、膣奥から何度も投下される。
三度目となる膣内射精は妊娠から逃れられないと思われるほど、圧倒的な物量を誇っていた。
187日曜日:2008/06/14(土) 08:12:31 ID:MTj3DD44
「あっはあぁぁ……アキト君、抜いて抜いて」
「は、はい」

アキトは余韻も覚めやらぬまま、密着させていた腰を上げた。
すでに戦を終えた肉槍は、ぬらつく姿を見せる。

「すぐに、元気にさせてあげる」
「えっ、せ……うぁああ」
「んんん、ちゅ、まだ、んはぁ……まだ欲しいの」
「も、もう……くぅっ」

もう立つわけがないと思っていたアキトは、貪るように吸い付く口技におののく。
結衣は裏筋から舌先で突っつき、玉袋まで転がして催促した。
自分でもままならない精神とは裏腹に、身体はきっちりと反応を示す。
少しずつ鎌首をもたげる様子に結衣は悦びを隠さない。
いきなりディープスロートで喉奥まで咥えて濃厚な奉仕を始めた。

「はあ、はあ、はあ、だめ……です」
「ちゅるる、ん、ん、じゅずず、ちゅ……んんはぁ! もっとぉ」

微にいり細にいり、奉仕は続けられる。
出る物など無いと思われるが、それでも隆々と勃起していく。

「あうっ、ふぅぁっ……くぅ」
「うふふ、すごい立派だわ。もうこんなになってる」
「やぁぁ……」

女性のように喘ぐアキトに可愛らしさすら漂う。
攻守は逆転して、今度犯されるのは男の方だった。

「ん、ちゅる、んん。はあぁ……今度はまた上のお口に飲ませて」
「はあっ、はあっ、もう……」

根元まで強く吸い、戻しては敏感な溝を舐めてまた咥える。
間断のない奉仕に男根は弄ばれ、舌の上でびくびくと跳ねた。
もう終わりが近いと見え、今度は竿を握って前後に擦り、付け根にある陰嚢を舌先でくすぐる。

「せ、先生! もうダメ!!」

アキトは手でしごかれながら射精した。
亀頭の先で口を開けて待ち受ける結衣へと、白く濁った粘液を飛ばす。
何度目かわからない射精だったが量も勢いもあった。
「あぁん……ぅん、ふふ、さすがに色が薄いよ。だけど……」

ぺろりと容易く飲み込んだ。
挑発的な笑みが、美貌を淫靡なものに変える。

「美味しいよ。もっと……今度はまた」
「もっ、もう本当に……ダメだから、せ、先生!!」
「え、きゃっ!!」

上に乗りかかろうとする結衣を、強引に引き剥がして上下を入れ替える。
組み敷いて向かい合うが、アキトにはもうこれ以上何かをする気はなく、ただ止めさせたかっただけだ。
188日曜日:2008/06/14(土) 08:15:34 ID:MTj3DD44
「あ……ごめんなさい。ちょっと……我を忘れてたみたいね」

驚いたのは一瞬、その後更にほんの一瞬見せた表情をアキトは忘れることができなかった。
普段なら絶対見せない、拒絶され傷ついた表情だった。
だがすぐにかき消され、逆にいたわる台詞をかけられる。
己がとった行動を省みて、いたたまれない気持ちと自己嫌悪の晒される。
止めさせるにしても、もう少し、もう少しやりようがあったのではないか。

「このまま寝よっか」

結衣はアキトを優しく抱きしめ、耳元でこそばゆく囁いた。

「先生……」
「ん?」
「俺のほうこそ……ごめんなさ……ん」

軽く接吻してアキトの口を塞ぐ。
こんな形で謝られたくない結衣だったが、それはアキトも同様だった。

********************

「くうっ」

手の中で肉棒が跳ねて白い濁液を吐き出す。
思わずやってしまったという後悔の念と、自己嫌悪に苛まれる。
その感情は、丁度思い浮かべていた場面とほぼ一致していた。

「何やってるんだよ……俺は」

手と身体に付着した液体をふき取る。
ここまで最悪な気分になる自慰は初めてだった。
むなしい、寂しい。
それに一役買っているのは隣室の空虚さ、ハルキは帰宅せず外泊だろう。
記憶の限りでは、ありそうでない。離れて寝泊りすることはおそらく初めてだった。
アキトはベッドから抜け、スリッパを履き部屋を出る。
向かう先はすぐ隣り、ハルキの部屋だった。
ノックもせずに入る。

明かりを点けなくてもある程度配置がわかる。
ベッドに近づき、手を当てる。
当然もぬけの殻だが、それでも落胆にも似た気持ちを感じた。
もしかしたら、ハルキもこの気分を土曜日の夜に味わっていたのかもしれない。
遊びほうけた結果がこれかと思うと、恥ずかしくも悲しい。

半ば投げやりの気分でアキトはハルキのベッドにもぐりこむ。
もうここで寝ることに決めてしまう。
意外にも安らかなまま床につけたのは、ハルキの匂いがしたからだろう。
アキトは深い眠りに落ちていく。
夢を見ることもなかった。
189月曜日:2008/06/14(土) 08:31:15 ID:MTj3DD44
********************

何年ぶりか、それこそ数えるほどしかない少ない事例、アキトは通学路を一人登校する。
他の学生、社会人に混じって電車に乗りながら景色を眺める。
どうにも晴れない気持ちを抱え、黙りこくるのは精神衛生上よろしくなかった。
内に溜まったものは吐き出すのが一番良いが、肝心の話し相手はいなかった。
珍しく一人という事もあって、早めの電車にしてきた所為もあり、
まばらな人の中には友人も見当たらなかった。
そもそもいつもの時間帯よりスーツ姿の比率が高い。
それを見てアキトは心底うらやましく感じられた。
自分も今、社会人なら堂々と結衣に対してお付き合いして欲しいと言えるのに。
むしろ今日にも指輪を持っていき、プロポーズをしたいくらいだった。
懊悩を深めるのは、自分の力の無さと、一番の相談相手の不在だ。
アキトは自分には社会的、人格的、そして当事者以外は苦笑ものだろうが、
身体的に結衣との身の丈が合ってないことを自覚する。
彼女の心の広い大人としての態度が、かえって見えない線を引かれている気分だった。
難攻不落? の城砦を攻略するには、手持ちの武器が不足している。

もう一人の自称、心の広い大人はどこでなにをしているやら。
190月曜日:2008/06/14(土) 08:31:47 ID:MTj3DD44
********************

ハルキの朝は早く、葵が起きる前にさっさと自分の服へ着替え、朝食の仕度を始める。

「おはよ〜」
「おはようございます」
「朝ごはんはなに?」
「ベーコントーストに梨、スクランブルエッグとヨーグルトサラダ、そのくらいですけど」

葵はあくびをしながら椅子に座って、コーヒーを飲みテレビを眺める。
自動的に出てくる朝の楽さには、自堕落な気分にさせられる。

「ハールーキー君」
「何ですか?」
「私にあ〜ん・し・て」
「はい、どうぞ」

今更逆らう気も起きないハルキは、フォークに梨を刺して口元まで持っていく。
女性が無防備に口を開ける仕草はそこはかとなくエッチだ。

「どうですか」
「んむ……苦しゅうない、それよりよく眠れた?」
「はい」

葵は食べる手を止める。

「そうなの、よく眠れたのね。私なんかハルキ君が近くに居て、ドキドキで眠れなかったのにな〜」

ハルキは地雷を踏んでしまったことに気付く。
自分から慰めの言葉をかける訳にもいかず、ただ苦笑する。


ずいぶんと長い休日だったと思う。
色々とあったが、昨日の一日で気持ちの整理をつけ、良い気分だった。
これから久しぶりと言えば大げさだが、
それでもアキトが何を考え、何を思っているか会うのが楽しみだった。
苦悩と喜び、この狭間にいるのは間違いない。
相手は風変わりな難敵だが、上手く行ってもらうため、労を惜しむつもりは無かった。
己はどんな時でも幸せになれる自信がある。だがアキトはそうではないはずだ。
こうなった以上アキトは是が非でも、結衣と結ばれて欲しい、
あのアキトが唯一強い好意を持った女性だから。
アキトには幸せになって、自分が生を受けた喜びを心底から謳歌してほしかった。
191月曜日:2008/06/14(土) 08:42:53 ID:MTj3DD44
********************

「よっ、おはよ。なんか久しぶりって気がするな」

アキトが思い悩んでいると、教室の入り口から知った声が聞こえた。
目を向けるまでもなく、兄のハルキだとわかった。
違うクラスだが、わざわざ足を運ぶところ見るに、多少悪びれた様子が窺い知れた。

「ん、おはよう。それより昨日はどうしたんだ」
「悪い悪い、遅くなったんでそのまま泊めてもらうことにしたんだ。
まあ代わりに今日はアキトが好きなエビチリでも作ってやるよ」
「それは嬉しいけど……」
「それよりもお前こそ土曜日の夜はどうだったんだ。ん? ん?」
「い、いや。それなりに仲良くなれたと……思う。気を利かしてくれてサンキュ」

アキトは自分の方こそヤブヘビだったと悔やんだ。
だが兄がそれ以上追求する気がないらしいことがわかり、ほっとする。

ハルキはハルキで、弟の反応を見て安心する。
性格からして言うわけないが、間違いなく弟と結衣はセックスしたはずである。
だが、それがどういう成り行きかまではわからなかった。
弟のほうから積極的に、というパターンはまず無いため、
結衣のほうから誘惑されたか、逆レイプされたか、どちらかだろう。
微妙に赤面してその台詞ならまず前者だろう。これは今後のことを考え好ましい方向だ。

よくよく自分との場面を冷静に分析すれば、トラウマを植えつけかねない後者はまず無いとも言える。
結衣は自分が気持ちよくなるため、相手の力を120%発揮させる状況を作る、
純粋で狡猾、本能に赴くまま理知的にそれは成されていく。
なんとなく将棋が上手いのもわかる気がする。
少しでも緩めれば詰まされるため、必ず限界まで攻めなければならない状況に、いつの間にかなっているのだ。

「なに言ってるんだよ。その分だと結構脈がありそうで良かったよ。
まあ、お互い色々難しい立場だろうけど、俺は協力するから何でも言ってくれ」
「おぉ、ありがとう。……そうだよな、色々難しいよな」

妙に積極的な兄の働きかけにアキトは驚いた。
いつもなら、ひとしきり笑った後に肩を叩くのが関の山だったはずだ。
真摯なほど気に掛ける上、協力をするとまで言われると、俄然心強く思える。
だが昨夜悩んでいたことがぶり返される。

「でさ、これからどうしたらいいか、全然わからなくて……」
「はあ? 普通にデートに誘ったりとか、とにかくもっとお近づきになるのが重要だろ」
「ああ、確かにそうだけど」
「お互いを良く知る。それが付き合う上での基本だろうしな」

兄の言ってることは真に正しいだけに、途方に暮れてしまう。
だが、アキトは顧問である結衣のことを色々良く知っていたし、
曲がりなりにもすでにお近づきになっていた。
どうも話が噛み合わないと思っていたら、第一に話の前提が違うのだ。
スタート地点が通常とは根本から違っている。
192月曜日:2008/06/14(土) 08:47:41 ID:MTj3DD44
「俺さ……」
「ん?」

アキトはいっそのこと、全部洗いざらい打ち明けるべきか悩む。
あまり兄との間に隠し事はしたくない性分でもあった。
だが、すんでのところで思いとどまる。
少なくとも内容が内容だけに、今は場所が悪い。

「いや、なんでもない。まあ少し考えるよ」
「こういうのは考えてもダメだって。
よけいなお世話かもしれないが、思い切って行動するのが大事だぞ。
結衣先生は待ってても意味はないし、遠まわしなアプローチをしてもダメなタイプだと思うぜ」
「あああぁ、わかったけど少し頭を冷やさせてくれ」

妙に知った風なお言葉に、アキトは苛立ちが募る。
そういえば結衣との会話で、ハルキが女性関係が色々あるらしいような推測をしたことを思い出す。
だが直接兄の口から、女の子と付き合ってる話は聞いたことはない。
確証も無いのに問いただす訳にいかないし、今この場ではあまり意味のないことだ。
なにより隠したいのかもしれないなら、話さなくてもそれはそれで良いはずである。
それだけの分別はアキトにもある。

こちらとしても逐一話す必要は無いはずだ。
自分と結衣の関係、それは前提を共有し話の方向性を定めるだけで充分なはず。
いささか情けないとは思うが、五里霧中の今は兄の協力は必要だった。

「……あのさあ、二人で話がしたいけどいいか?」
「それは、結衣先生のことだよな」

ハルキは、アキトの言った二人という言葉に本気を感じて、あえて確認する。

「勿論」
「それなら夕食の後でいいだろ。
休み時間は時間を気にしなくちゃならんし、
放課後は……アキは部活があるだろしな」

わざわざハルキは昔の愛称で弟を呼ぶ。
女の子っぽいと言うことで本人が嫌がり、いつの間にか自然消滅した呼び名だ。
口調からしてリラックスさせたい意図が見え、アキトは昔のように不快に感じることもなかった。

「悪いな。俺ばっかり春が来る相談して」

ハルキがたまにする言葉遊びを少し真似て返す。
少し苦しいと思いつつ、お互い笑ってしまった。
ハルキの昔の愛称が、そのままハルだからだ。

「いいって、気にするな。俺よりもアキには幸せになってもらわなくちゃならんぜ」

アキトは微かな違和感を感じた。
いつもならこういう場面では口調に茶化しや強がり、冗談を含んでいるはずだが、
今の言葉にそんな要素がまったくなかったからだ。
193月曜日:2008/06/14(土) 08:50:20 ID:MTj3DD44


授業が始まり、アキトは勉強に集中する。
もともと県内で随一の進学校だが、その中でもアキトの成績は上位者である。
だがそんなことも、自分をつまらなくさせてる要素の一つに思えてならなかった。
その原因の最たる物が、兄のハルキの存在との対比だ。。
時々兄を疎ましくもあったが、本気で憎む時は一度足りもなかった。
単純に兄と居る時間が面白く、気をおけないからだ。
相手をリラックスさせる気遣い、安らぎをもたらす雰囲気、
楽しくさせる話術など、憎めない素質においては枚挙に暇がない。
そしてこれらの素質は成績の良さとは無縁だ。

なぜ今まで思い当たらなかったのだろうか。
自分ですら、何を勘違いしたのかラブレターを出す輩がいるくらいなのだから、
兄が女性にもてるのは当たり前だと、女性関係の一つや二つ、あって然るべきだと。

「結衣、先生と……ハルキならお似合いだろうにな……」

どうにも、あの夜の最後が頭から離れない。
我に返る結衣の悲しみに似た表情は、心の奥底に残る癒えない傷だった。
あんな顔をさせたくなかった。
そしてハルキならあんな顔をさせなかっただろうな、とも思った。
194月曜日:2008/06/14(土) 08:51:11 ID:MTj3DD44

ハルキはぼんやりと結衣のチョークの音を聞く。
ある程度学力によってクラス別けされてるのだが、
そのせいもあってか授業は比較的わかりやすい部類に入る。
ハルキの成績自体は、さして勉学に励んでいるわけではないが、下の上の位置をキープしていた。

黒板の数式をもとに行う結衣の解説を聞きながら、
アキトとお似合いの女性であるか、と考えをめぐらすが答えは否であった。
けれど、もともと結衣とお似合いの異性を想像するに、
少なくとも半径100km以内にはいないのではないかと思われた。
たいてい彼女を持て余すに決まっている。
美人でスタイル抜群、性格も良い、そこまでなら引く手あまただろうが、
推測を含むに、家柄、資産、卓越した頭脳、高学歴の上、身長の高さに、神のみぞ知る性欲、
結衣の持つ大樹のような風格が備わると、お付き合いするには高すぎる相手だった。
強引な前提だが似合いの人なんていないと思えば、困難も乗り越えられそうな愛情や、
ほぼ対等に相対することが可能な将棋など、アキトは全然ましな相手に違いない。
アキトの独り言とは反対に、ハルキは自分よりは見込みのある相手だと思った。
むしろ弟の物好きさに感心する、自分なら勘弁してもらいたい気もした。

「まっ、でもあの胸は反則だよな……」

白く凛としたシャツを押し上げる胸。
二つの頂点へ引き寄せられ皺の形状すら美しさを引き立たせる。
はち切れんばかりに谷間の生地を引っ張り、歩くと軽く上下する錯覚に襲われる豊かさ。
下に潜む形の美しさも知っているだけに、授業中にも関わらずいけない気分にさせられる。

「また、あのおっぱいに顔を埋めてみたいな……」

ぼうっと遠目で眺めながら、誰かに聞かれれば危険極まりない独り言を吐く。
ハルキはおっぱいこそが至上と思ってる男だった。

「は〜い、ハルキ君」

独特の間延びした声を聞いて、呼ばれた者のみならずクラス全員に緊張が走る。

「は、はい」
「ぼ〜としちゃダメだよ。わかった?」
「はい!」

はきはきとした返事を返すが、内心動揺が収まらない。
結衣先生が裏で結衣ドンなどと呼ばれるのは、
スパルタ式とも恐怖政治とも呼べそうな教育方針にもあった。
今ハルキになされたのは最後通告だった。二度目は無い。
昨日はどうかしてたとしか思えない、やはり勘弁してもらいたい相手だった。
195月曜日:2008/06/14(土) 08:53:13 ID:MTj3DD44
放課後に入ってハルキは教室を出る。
もとから部活に熱心なほうではないため、無所属で過ごしている。
家事に対して勤しむ義務と意義もあった。
念のため帰る前に、アキトへ一言かけようと教室へ向かった。
だが見渡せど目標は補足できず、まだ残っている人に聞こうとすると肩を叩かれる。

「はぁい、ハルキ君」
「なんだ、結衣先生か……」
「なんだとはずいぶんなお言葉ねぇ」

二人とも昨日の今日であっても、表向きは平然としたものだった。

「いや、別にそういう意味で言ったんじゃないです」
「わかってるわよ。あなたの麗しの君をお探しだろうけど、ここにはいないわ」

微妙に引っかかる言い回しだが、ハルキは反応する気も無かった。
相手が悪いのは重々承知だった。

「先生も部活に顔出すんですよね」
「ええ、職員会議が終わった後だけど」
「それならアキトに、今日は部活が終わったら直帰するよう伝言願えますか」
「うん、いいわよ。でも理由を聞いたら失礼かしら」

予想外な問いかけに、僅かながら躊躇いが生じる。
言わないのは変、しかし言うのもなにか引っ掛かりがある。

「ん〜と、まあ久しぶりに家族団らんで夕食をするってことですね」
「はいはい、わかったわ。泣ける理由ねぇ〜」
「……言ったそばからなんですが、先生に伝言お願いするのが不安です。
変に邪魔立てしないで素直に伝えてくださいよ」

結衣は笑って、何をご冗談を、という風に手をひらひらさせる。

「もう〜、そんなことしないわよ。
そこまで言われたら、早めにでも帰させるわ」

ハルキは結衣の反応を見て、あまりに信用に欠ける発言を恥じ入る。
けして悪人ではないとわかる、だが良くも悪くも常識に囚われない人なのだと思う。
ある意味、漠然とした不信感が育まれる程度にはお互いを知り、仲が良いと言えた。

「まあハルキ君ブラコンだものね。けれど過保護なのは考えものよ」
「かほご……ですかねえ……」
「ふふ、ハルキ君優しいからね、背中を押したくなる気持ちもわかるけど。
でもね、あんまり自分を置いてけぼりにするのも良くないよ」
「はあ?」
「時には二匹のウサギさんを追ってみなさいってこと」
「……はあ」

何を言いたいのかさっぱりわからなかった。
だが自分が何を目指しているか、結衣には丸わかりのようで微妙な気分になる。
その上で止めず、あえて触れない点も余裕の表れに見えた。
先ほどした己の失言も、余裕の無さから来たと思えば格の違いを知らされたようなものだった。

結衣は必要なことは言ったとばかりにきびすを返し、職員室へ向かった。
後姿を見ながら、ハルキはため息を吐く。
彼女にとって自分やアキトはどういう位置付けにいるのだろうか。
196月曜日:2008/06/14(土) 08:57:04 ID:MTj3DD44
********************

ホワイトボードに、いかにも手作りといった感のあるマグネット式の駒を動かし、囲いや戦型の説明をしていく。
苦心の跡が窺えるが、見栄えもよく出来は悪くなかった。
これまで初心者お断りとも呼べる、体育会系文化部、それが将棋部だったが、
結衣にめった切りされたことと、アキトの個人的人気もあってか、
文字通り駒の動かし方も知らない女子がぼちぼち入部することになったのである。
まさか入部を断るわけにいかず、また顧問の結衣の意向も合って、初心者指導講座が設けられた。

今週はアキトの番とあって、マグネット駒を使い、いくつかの型を説明していく。
プロが行う普及活動の大変さが身にしみる思いだった。
ある程度のカリキュラムは顧問が考えてるとはいえ、中身は当番の裁量に一任される。
人に教えることの大変さは、実際にやってみないとわからないものだ。

「は〜い、質問です。そこは銀で囲ってはダメですか」

初期の頃と随分違う質問内容に、
否応無しにこれまでの長い道のりを思い出してしまう。
普段なにげなくやっている将棋というものをいざ人に教えるとなると、
当たり前のルールが当たり前でないという事実を思い知らされた。

「基本的に金は守りに向いて、銀は攻めに向くと覚えておいてください。
金は動ける場所が広いが、攻めても成ることができない。
銀は動ける場所は金より狭いが、攻めて成ることができる。
もし取られても、金は金のままですが、成り銀は銀に戻るのもポイントです」

がらっと引き戸の音を鳴らし、結衣が部室に入る。
受講側の椅子に座り、楽しそうに笑顔で静聴していた。
講座も終わり、アキトは最後に総括をお願いすることにした。

「先生、何かありますか?」
「ううん、内容についてなら特に無いわ。
それよりみんな、家でお父さんとかお爺さんと指してみた?」
「はいはい、先週はお父さん相手にいいところまでいきましたよ」
「最近、弟に勝てるようになって、すっごい悔しがるんですよ。面白くて面白くて」

結衣は声を上げる女子生徒に対して、満足げにうなずく。
197月曜日:2008/06/14(土) 08:59:43 ID:MTj3DD44
「もう結構やってるみたいね。それじゃあみんなアキト君と指してみる?」
「えっ」
「きゃあ、せんせいっ話がわかるぅ〜」

アキトの返事を待たず、黄色い歓声があがった。
部内一の実力のため、実際に対局する者は部員の一部と顧問ぐらいなもので、
一般のレベルの腕前から見れば、ある意味高嶺の花と呼べる存在だ。
だがアキトにしてみれば、結衣の仕打ちは時間の無駄とも思える行為であり不本意だった。

「ふふ、アキト君、そんな顔しない。やってみると、将棋を教えるのもいいものでしょ」
「まあ……結構面白いですが……」
「さっきハルキ君から伝言頼まれたんだけど、今日は早めに帰って欲しいそうよ。
そういう訳だから、これが終わったらそのまま帰りなさい」
「なにも先生に伝言なんて頼まなくても……」

わざわざ接触の機会を増やそうとする兄の気遣いに、
落ち着けよお前、と今ここにいない人間に言いたくなる。
それに早く帰れなどと言われても困ってしまい、不本意ながらその意向は無視したく思う。
部活動は充実したひと時であるとともに、貴重な結衣との接点でもある。

ハルキが思ってるよりアキトと結衣は確かに仲が良い。
だからこそ馴れ合う今の状況を困ってるのだが、それがハルキには想像の外だった。

「せめて先生と一局させてくださいよ」
「はいはい、ほらみんなを待たせない。……あと指導局の基本、わかってるわよね」
「は、はい」

それは初心者から脱し、ある程度の腕前になったら勝たせることである。
ハンデを付けるのは勿論のことだが、それでも勝ってしまうとやる気を失ってしまうものだ。
上手が無理矢理勝ちにいても良いことはない。

「では八枚落ちからやってみましょう」
「「「は〜い」」」

かしましい声が部室内に響き、アキトは他の部員の目が突き刺さるのを感じた。
本を糺せば、部長たるアキトが結衣に負けたのが原因なのだ。
この状況を何とかしろと言いたいが、
とりあえず自分の実力は棚に上げておかざるをえない歯がゆさからの視線だった。
アキトは部の代表を自負しながらも、気持ちはわかるが無理だよ、と心の中で皆に謝った。
198月曜日:2008/06/14(土) 09:04:03 ID:MTj3DD44
********************

「ただいま〜」

玄関から聞こえるのはアキトのものだった。
エビの殻を剥きながら時計を見て、いつもより早い時刻の帰宅だと思った。

「おっ、今日は早いな」

アキトは怪訝そうな顔をする。

「お前が早く帰って来いって言っただろうが」
「うん? いや言ってないが」

ハルキはさっと今日一日を振り返るが、やはり言ってないことを確認する。
だが結衣に言づてをお願いした時、ちょっとした経緯から早く帰らせることになったのを思い出した。

「ああそうか……すまんな。本当は寄り道しないでまっすぐ帰れってことだったんだが」
「それくらい、いつも通りなんだから、わざわざ先生に伝言しなくてもいいって。
なんだか、いちいち仲良くさせようと必死な気がするぞ」

ここでアキトはこの先を言うべきか迷ったが、
どうにもしっくりこない違和感から問うことにする。

「はっきり言って最近変だぜ。
ふらっとどこかへ行ったり、妙に俺のことで張り切るし、何かあったのか?」

意外に鋭い弟の指摘に内心驚く。

「ほらやっぱり」

顔に出さなくてもわかるのは、長年の付き合いだけではない。
世間が言う空気を読む、勘とも違う、目に見えない繋がりからくる波長みたいなもの。
アキトにとって確信を持つには充分だった。

「いや、別に無いって」

エビの殻を全て剥き終わり、料理の準備を一段落つける。
だが会話は膠着の様相を帯びていた。

「嘘だね……って言ったそばからなんだけど、
誰だって隠し事くらいあって当然だろうし、別に有るか無いかだのどうだっていいさ。
ただ今回に限っては、気になって仕方ないから理由を聞きたいんだ。
どうして普段から考えられないくらい気に掛けてるんだ?」
「……」

沈思するハルキは、自分でもいささか似合わないものだと自嘲気味に思った。

「ん……と、まあ不審がられるのも嫌だしな。
このさい言ってしまうとさ、実は俺……前にクラスの女子と付き合ってたことあって、
まあ、そのなんだ……お前さ、女子に対してあんまり良い感情持ってないだろ」

図星を突かれ、はたから見ても滑稽なほど顔に出して反応した。
双子でありながら、役者の違いが見て取れる。
199月曜日:2008/06/14(土) 09:05:11 ID:MTj3DD44

「だから黙ってたけどさ、やっぱり結構そういう経験も良かったって言うかさ、
だいたい食わず嫌いなところもあるんだろうから、付き合ってみればいいと思ったからが一つ。
二つ目は、お前が何にも女っ気ないと、どうも俺が卑しい気がしてちょっと負い目もあったんだ」

嘘をつくのにあえて本当のことを混ぜる。そうすれば真実味がます。
ハルキは自分の中で、卑しさを感じていたのは本当だった。


始まりは高校に上がって聞いた父の呟き、心が冷えた瞬間熱いものが欲しかった。
とにかく熱いものに焦がれ、満たされるよう渇望した。
供給に事欠かなかったのをこれ幸いとばかりに、言い寄る女子と何人も付き合った。
この歳で肌を重ねた女性が一人や二人ではないのは充分に異常な数。
だが得るものは一時的な快楽、それも泡沫のように弾けて消える。
彼女も彼が何を求めてるのかわからず、そしてそれが自分ではないとわかると別れていく。
そんな繰り返しだった。
ハルキは次第に汚れていく自分を自覚しながらも、アキトは清いままでいて欲しかった。
それは結衣に対して行った意趣返しの理由にほかならない。


「だけど相手が教師だってのはちょっと意外だったけどな。
まあ今のうちに色々仲良くして、本格的に付き合い始めるのは卒業してからがいいんじゃね」
「けど……」
「ん?」
「ハルキもさあ……結衣先生のこと好きなんだろ……」
「はぁ?」

アキトにしてみれば、これ意外に考えられない理由だったが、
問われた方は思いがけない台詞を聞かされ、開いた口がふさがらない状態だった。

「本当はそれが負い目で、わざわざ俺を先生と仲良くさせようとするんだろ」

こいつは何を勘違いしているんだろか、今まで何を聞いていたのかと呆れる。
やっかいなのはアキトが、まだ嘘をついていると思っていることだった。
思考が錯綜して、混乱の一歩手前の中で必死に計算する。
アキトの言っていることは全部がハズレという訳でもない。
好きか嫌いかと問われれば、後者ではないのは確かだ。だがアキトの誤解なのは間違いなかった。
この誤解を否定すれば、まだ何か嘘をついていると思われる可能性がある。
だが肯定するにはやぶさかではない。
誤魔化すように答えるぐらいしか思いつかなかった。

「い、いや、それはお前の考えすぎだ。
仮に、仮にだぞ、俺が結衣先生のこと好きだとしても、
アキトの方が百倍お似合いだし、先生もアキトの方が良いと思うはずだって」
「そうかぁ? 俺はハルキの方がずっと……」
「だあ!! お前はもっと自分に自信を持てよ、自信がないからそんな妄想じみた考えするんだぞ!!」
200月曜日:2008/06/14(土) 09:06:49 ID:MTj3DD44
さすがにこれにはアキトも閉口としたが、そんなことにかまっていられるほどハルキも冷静ではない。
玄関から戸が開く音が聞こえるのが、まさに救いの鐘だった。

「ただいま。おっ、どうした変な顔して」

アキトはまだ納得のいってない顔を見せているが、父が帰った以上この話題は打ち切られる。

「おかえり。別になんでもないよ。な、アキト」
「あ、ああ」
「ふむ。お、今日はエビチリか。久しぶりだな」
「ほらほら、ご飯炊けたし、父ちゃんも帰ってきたから席に着け。出来立て熱々食わしてやるから」

ハルキはわざとらしく中華鍋をお玉でカンカン鳴らして催促する。
渋々席に付くアキトだったが、心の中にあるわだかまりは当然解けることはなかった。
そして今日の夕飯はいつも以上に美味しかった。


アキトは食べ終わった後、風呂に入って自室に引きこもり予習復習を始める。
父が台所で晩酌をする中、ハルキは隣接する居間で、
葵から強制的に貸せられたクラシックのCDを聞きながら、テレビでサッカー観戦をする。

「ハルキ……今日、帰ってきてからアキトどうしたんだ」
「お年頃のお悩み相談……てところだね。内容は言えないけど」

父もその一言でおおよそのことがわかったのだろう、ははっと破顔一笑してぬる燗をちびりとやる。

「アキトもやるなあ」
「そうだ……ね」

何気なく聞き流すところだったが、アキトも、という台詞が気になった。

「二人とも顔立ちは母似だが、性格でみるとハルキは母に似て、
アキトは私に似てるかと思い、面白いものだと考えていたがな。
あれでなかなか侮れないところがあるもんだ。
まあ良きかな良きかな。それも青春だよ」

上機嫌な父は陽気に一杯ひっかける。
ハルキは自分たちを否定し、自分たちを捨てた母が嫌いだった。
成長し分別がつく今、それぞれの事情があることを考慮しても大嫌いだった。

********************
201火曜日:2008/06/14(土) 09:09:06 ID:MTj3DD44
********************

アキトは朝起きてまず最初に顔を洗ってからトイレにいく。
その後、手を洗ってもう一度顔を洗いうがいをして時々薄い髭を剃る。
外は爽やかな朝を演出するのにうってつけなほど、燦々とした太陽光が眩しかった。
冬に向かう準備を、太陽自ら放棄しているような空模様。

結局昨日はハルキに相談なんて出来るはずがなかった。
何事にもやる気が起きない、そんな気だるいさを感じながら台所へ向かう。

「おはよう」
「っ……おはよう」

ハルキはまるで何事もなったようにアキトに朝の挨拶をする。
父はもう出勤しており、家には二人だけだけなのが気まずさに拍車をかける。
もっとも、そう思っているのは一方だけだったが。

「なんだ今日は起きるのが遅い上に元気ないな。
勉強するのも結構だが、よく寝ないと昼間授業に集中できないぜ」

淹れたてのモーニングコーヒーと一緒に親切にも言って聞かせるが、
ここまででアキトはとみに感じるハルキの親切心が少々厭わしく思えてた。
何か一言でも言っておかなければ気がすまない、そんな気分だった。

「……………の……か?」
「えっ?」
「お前は、俺の母親か、って言ったんだ。……ん……コーヒーサンキュ」

アキトの皮肉にハルキは新聞を読む手を下げ、目を合わせる。
昨夜、件の『アキトも――』のあとに続いて語った父の話を思い出す。

『最初は、ハルキは母に似てアキトは私に似てるかと思ったが』

父の台詞は思ってもみなかったことを気付かされてしまった。
その上ハルキにおける、アキトの存在と並び立つコンプレックスをアキト自身が尚も抉る。
心拍数が上がり、眩暈と合わせて不快な汗が流れ始めた。
言った方はたった今のことなど忘れたように朝食を食べ始める。
皮肉であっても悪意など微細、いつも通り社交辞令のにしか過ぎない一言だ。

「ぅ……ぁく……」

ハルキはかたかたと震える手を隠すように、カップをソーサーに戻す。
予想もしないところからの一撃は、未然に防ぐことも不可能だった。
幼少の頃にトラウマとして残る綺麗な面影が脳裏に甦る。

「お、俺……先に行くわ」
「えっ、おい」

ハルキは脱兎のごとくこの場から逃げ出す。
顔を見られれば、何を言われるかわかりきっていた。
202火曜日:2008/06/14(土) 09:15:04 ID:MTj3DD44
********************

電車で揺られながらアキトは一連の出来事が、
何かしら兄の見えざる裏側に繋がってるように思えてならなかった。
もう一人のキーパーソンに聞いてみるのが一番だろう。
兄が変になり始めたのは、結衣のことを好きだと打ち明けてからだ。

アキトは兄のこととなると、結衣に対しても意外と冷静になれるものだと感じた。
空に浮遊するような恋愛感情とは違う、より所を踏みしめ地に足をつけた安定感ゆえだろう。

********************

ハルキは学園近くまで来ながらも、門をくぐることなく近くの大規模公園で時間を潰す。
時計の針が始業時刻を指しても、公園のベンチから立ち上がる気はなかった。
日も高くなると、母親と子供が陽気に誘われて遊びに出る。
ちらちらと保母さんが見えるあたり、どうやら近くの園児たちも集団で遊びに来ているみたいだった。
ハルキは地元でも有名な進学校の制服のおかげか、それなりに不審人物には見えない。
見た目で判断するなら、その姿は少し息抜きが必要な好青年だ。
母親、保母たちがあまり気にしないと子供らも同様に習い、
勝手気ままに遊び、はしゃぎ、ハルキの近くへも駆け出す。
その光景を気の抜けたように眺める。心を無にすればとても幸せな光景だった。

「あっ」

かけっこをしてた子供が勢いよく転ぶ。
うつ伏せになったままじっとしてる姿に、ハルキは落ち着かずそわそわしてしまう。
しまいには顔を上げて泣き出してしまった。それでも保護者らしき人は見えてこない。
仕方なしに近くに寄って子供の目線に屈み、頭を撫でながら土ぼこりを払う。
よしよしとあやしながらハンカチで涙を拭くころには、子供のほうも驚いてか泣き止んでいた。
いつの間にか泣いていた子供の仲間が周りに集まっている。

「ほらみんな心配してるよ」
「お、お兄ちゃん……ありがとう」
「おっ、ちゃんとお礼ができるなんてえらいえらい」
「そうね。でも学園サボって子守りはどうかしら、ハルキ君」

聞いただけで心臓を鷲掴みされる声に、
ハルキは驚きのあまりバランスを崩し、屈んだまま尻餅をついた。

「あた……」

今度は子供たちが心配そうな視線を注ぐ。
ハルキがいささか赤面しながら、なんでもないと仕草をしてアピールすると、
安心したように三三五五と遊びに散って行く。
203火曜日:2008/06/14(土) 09:17:56 ID:MTj3DD44
「うふふ、サボって何してるかと思ったら、
甲斐甲斐しく子供の世話して転んで、悪いけどとても良いものが見れたわ」
「悪いと思ってるなら見ないでください」

くすくすと乙女チックな笑いは、意外にも結衣に似合って可愛らしく見えた。
ハルキは恥ずかしがりながらもベンチまで戻って座りなおす。

「それより本当に何してるの、こんな所で」

結衣も隣に座って語りかけたが、ハルキの反応は鈍く、返答はおろか相槌も打たない。
きゃっきゃとはしゃぐ声の中、ハルキたちが座っているベンチだけが取り残されたように沈黙を保っていた。

「アキト君が心配して、私に頼み込んできたわよ。
生徒は基本的に昼休みでも外に出れないしね。
おそらくこの公園にいるって言ってたけど、本当に大当たりね」

アキトの名前を出せば反応するかと思ったが、特に感慨もなく黙ったままだった。
結衣としても連れ戻そうという気はなく、確認さえできれば良かったが、
このまま置いてきぼりにする気にはなれなかった。
特に話すこともなく、ハルキと一緒に周りの様子を眺める。
なるほど、平和で幸せな光景だ、とほとんどハルキと同様のことを思った。
時を待つのも良いが、話の糸口を探ろうとハルキの目線を自然と追っていく。
するとちょっと面白いことがわかった。

「ひょっとして、ハルキ君……ものすごく子供好き?」
「……もしかして……ロリコン、とか思ってませんか……」

このまま黙っていると誤解されかねないと思っての台詞だろうが、
何か発してくれただけでも、結衣にとっては我が意を得たり、であった。
少しずつ糸を手繰り寄せるように言葉を編んでいく。

「違うわよ。それなら遊んでる子供ばかり見てるでしょうけど、
ハルキ君は赤ん坊抱いてるお母さんとか、妊婦さんとかよく見てるもの」
「……」

結構な図星だったのだろうが、
そっと照れて赤くなる可愛らしさがあるとは思わなかった。
顔を覗くと、少々ふてくされた様に視線を在らぬ方へ逸らす。

「ふ〜ん、ハルキ君は子供が欲しいのね」
「いや、その、それは……」
「それは?」
「……もう少し大人になってからでいいです。
しっかりと責任とれる立場になるまでは……」

子供が欲しいという点については否定しなかった。
むしろ条件が満たされるなら、肯定的に欲しいとも取れる言い草だった。
この年頃なら、セックスはとてもしたいだろうが、
子供が欲しいなんて思わないか、明確には気に留めないのが普通である。
前に感じた、焦がすような情念の中でもしっかりと避妊を心掛ける姿勢は、
関心ある故の正しい知識であり、何かしら彼のけじめにも思える。
無論避妊すること自体、環境を考えれば当然であるが、それ以上の何かが垣間見える。
204火曜日:2008/06/14(土) 09:20:07 ID:MTj3DD44
「ふふ、ハルキ君。それなら……」

結衣はそれが何か、深淵にあるだけに惹かれるものがあった。

「また……私と子作り……してみる?」

ハルキは呆然とした目で結衣を見つめる。
近くに人はいないとはいえ、公共の場で白昼堂々とこんなことを言われて、
他にどう反応ができるものか。

「私なら、相手に不足はないでしょ。それに責任取れなんて言わないわ。
……それでもハルキ君なら、取ろうとするのが目に見えるけどね」
「……先生は……アキトの気持ちをわかって言ってるんですか?」

いかに常識に囚われないとはいえ、これでは単に非常識の謗りをまぬがれない域だ。

「あらぁ? あはは、とてもよくわかってるわよ。
アキト君の気持ちも……ハルキ君の気持ちも……ね」
「それなら!」

激高しかけるハルキに対して、結衣は対照的に憂いの表情を見せる。
先ほどとがらりと変わった雰囲気に、昂ぶった気持ちも有無を言わさず沈静化していく。

「……とてもよくわかってるのよ。
ハルキ君は、本当は麗しの弟クンと私と付き合ってほしくない。
アキト君は、自身が私とお似合いとは思ってない、それどころかむしろ……」

耳をふさげば聞こえない。
今ならまだ間に合うとは思いつつ、途方もない重圧に動くことはできなかった。

「……お兄さんの方がとてもお似合いだと思ってる」

こんなところまで、わかって欲しくはなかった。

「け、けど、それは違う。あいつは自分に自信がないからそんな風に思ってるんだ。俺なんかよりよっぽど」
「本当にそうかしら。私とアキト君だとタイプが全然違うと思うけど」
「それでも先生なら余裕だろうし」

この答えに、結衣は思いっきり、と形容するに相応しい苦笑をする。
205火曜日:2008/06/14(土) 09:21:44 ID:MTj3DD44
「それは褒められてる気がしないわね」
「……俺は、このことについては、先生にお願いすることしかできない」

土曜日の夜から、ここまで事態が急展開するとは思わなかった。
ハルキにしてみれば、本当にあの時は少しばかりのイタズラと後押しだけだったのに。
しかも、上手くいくかと言えば、あえなく玉砕の懸念が強かった。
まさか教師の方から積極的に生徒との垣根を越えるなどと予想できるはずがない。

「何か変な会話だよね、これ。本心ではないはずなのに、真心がこもってる。
気持ちは少しはわかるけど……ね、全部はわからない。
まあでも、アキト君がお兄さんのこと心配になるのも、今のでよーくわかったわ。
もういいじゃない、このことは私とアキト君だけの問題にして放っておけば。
重い荷物背負ってるような悲愴な表情は、見ていて痛々しいだけ」
「それだと……」

それだとアキトと結衣では、絶対真っ当な道を歩んでいきそうもない。
ハルキは幸福な家庭を持つことが至上と思ってる、存外古風な概念の持ち主だ。
今までの自らの家庭ありようを見てのものであり、根の深いものだった。

「ん〜とね、ハルキ君は私のこと嫌い?」
「へっ……好き嫌いの問題なら……嫌いではないですよ。ただ……」
「はい、そこまででいいわよ。まあ私に任せて気楽にしなさい」

誇張でもなく、アキトがいいように弄ばれる図しか思い浮かばなかった。
はたして進む道が正しいのか、神のみぞ知るところだ。

「今日は早めに自宅へ帰って、休んでなさい。顔色もあんまりよくないよ」
「はい……」

確かに最近よく眠れていない気がするハルキだった。
結衣はベンチから立ち上がり、そっと離れていく。
時間はお昼休みも終わる頃だった。
206火曜日:2008/06/14(土) 09:28:24 ID:MTj3DD44
********************

放課後になって、結衣は諸所の用事を済ませた後、将棋部へ向かう。
いくらか時間は過ぎており、夕焼けの眩しさに目を細める。
部室近くに来ても物音はしない。
結衣は常々、将棋にもっと会話をしたりぼやいたり愚痴を言っても良いと思っている。
プロの対局に倣っているのだろが、アマチュアではもっと盤上以外でも楽しむべきだと。
結衣の大原則とも言うべき思想信条には、まず楽しむことであった。
楽しむことを忘れ、勝負にこだわり過ぎるから、
負けたときにまるで相手は、特に結衣は女性だけに、世界の終わりみたいな顔をする。

戸を開けてみると、残っているのは対局が続いている部長のアキトと、相手の副部長だけだった。
二人の実力は拮抗しており、結衣の目から見ても充分な実力の持ち主。
クロックタイマーを置いていないところを見ると、制限時間無しで指しているようだった
いくらか呆れ気味になり、さっさと帰ろうかと思った結衣だったが、
昼前のハルキの顔を見た手前そういう訳にもいかなかった。

局面はもう終盤であり、あと十手もあれば終わるくらいだ。
どちらが勝つか、と結衣が考えると副部長の方に軍配を上げるが、あくまでも自分が指した場合である。
そして次手で副部長が指した所は、結衣が考えていた所と同じだった。

(もう受けは……、……、……無いよね)

どう受けても、最終的には詰みが免れず、受けずにこちらから攻めるしかないが相手の守りに余裕がある。
絶対絶命だったが、アキトは用意していた手を出す。
王手を指したのだから、相手は当然守らなくてはならない。
その後、何手か王手を絡めて駒のやり取りをすると、盤上にアキトを詰めるに必要な駒も取り払われる。
攻めつつ華麗に捌ききり、これには内心お上手だと結衣は思った。
ピンチを脱したアキトは勢いがあった。
この後するすると相手の囲いを崩してしっかりと詰める。

「すごいわね。あそこから逆転勝ちなんてなかなかお目にかかれないわ」
「いえ……それほどでも……」
「まさか、あそこからひっくり返されるとは思わなかったぞ。何が悪かったかな〜」
「はいはい、検討したいでしょうけど、今日は遅いから帰りなさい」

二人とも礼をして駒と盤をしまい、帰り支度をする。
そうしてアキトは帰るふりをして、結衣のところへ戻る。
片付ける時に、さり気なくウインクをしてみせたのに何か兄についてあるはずだった。
もう一度部室の戸を開けると、案の定結衣が居た。

「まあ座って」
「はい、それで兄の様子はどうでした。それを聞かないと帰りづらいです」
「帰りづらいなら私の家に泊まればいいのに」
「さすがにそれはちょっと……」

結衣は何がさすがに、なのかつっこみたかったが、話が脇道にそれるので止めておく。
ここで昼前に公園でハルキと会い、どんな様子だったかアキトに話した。
さすがに会話の内容まで話すまではいかず、その時感じた印象を客観視してまとめる。
207火曜日:2008/06/14(土) 09:31:02 ID:MTj3DD44
「やっぱりアキト君の言ったとおり、ハルキ君は何か変ね。
だけど、ハルキ君自身が問題を抱えてる、て訳でもなさそうなのよね」
「そうなんですよ。本人のことじゃなくて、俺のことで変なんですよ。それがわからなくて」

結衣は考えてた質問をすることにした。
少しデリケートな内容なのはわかっていたが、悪癖ともいうべき興味があった。
人の心の奥底にあるものが見てみたい、というものだ。
それがどれだけ醜いか、美しいか、汚いか、澄んでいるか、
どんなものでも剥き出しの本性を見れる瞬間がとても大好きだった

「私はね、ハルキ君が、アキト君に深い恩か……負い目があると思うけど心当たりはある?」
「……あの、今更かもしれませんが……」

ここでアキトはもじもじとして、俯きながらもちらちらと目線を合わせる。

「俺……結衣先生が好きです。その……愛してるって意味で……大好きです!」
「うん、ありがとう。その気持ち、言葉、私は嬉しいよ」

さらりと結衣の方は言ってのけるが、アキトはさして気にしなかった。
二人の間柄にとって先ほど言ったとおり今更、であるのは確かだった。

「その、それでここからなんですが、兄も……結衣先生が好きで、
それを、その……俺、朝帰りなんてしてしまったから、逆に気を遣って、
無理矢理にでも、その……先生と俺をくっつけて……忘れようとしてるのではと……」

この答えに、結衣はとてつもなく、としか言い様がない苦笑をする。

「……それは絶対ないと思うわ」
「えぇっ、そうですか?」

ばっさりとアキトの意見を切って捨てる。

「実を言うと……ハルキにも同じようなことを言ったんですが、
先生と同じく、直ぐに否定されました。けど、自分自身でもわからない部分はあると思うんです。
今回に関しては、勘もあるけど……間違いないです。
単に本人も気付いてないだけなんですよ。
それに……俺は先生も、兄も幸せになってほしいです。
こ、こんなこと……言いたくないんですが……」
208火曜日:2008/06/14(土) 09:32:50 ID:MTj3DD44
目じりに涙を浮かべて、切に問いかける。

「俺だと……先生をホントに幸せにできないと思うから……、
思うから、兄にがんばって欲しいって思うんです。
兄なら絶対先生も幸せにできるから……」

この子は本当に自分のことを好いていると結衣は感じたが、立場の違い、
更に深刻な力量の不足が、人が持つ格の差がお互い暗黙の了解として立ちふさがっていた。
しがない平民が王女に恋をしてハッピーエンドになれるのはお伽噺の中だけ、そんなものだ。
可哀そうと思いつつも、アキト自らがその壁を破壊するとは思えない。

「うん……と……。アキト君はハルキ君のことが好き?」

アキトは質問の意味を図りかねたが、何よりも本当の気持ちを込めて頷く。

「アキト君は……ふふ、ちょっと普通とは違う私のことを愛してくれる?」

前の質問と気持ちは同じだった。
アキトにとって初めて恋焦がれた異性は彼女に他ならない。
そして今後、これ以上の人は現れない確信があった。

「うん。それならアキト君の言うこと信用してみようと思うの。
ハルキ君が私のこと好きだって言う気持ちをね」

アキトはその言葉を聞いて、悲しみながらも心が安らかに落ち着くのを感じた。
結衣なら、きっと兄を何とかしてくれる、
そして兄なら結衣を満足させることができる。
だが結衣はそんなアキトの心を知ってか、少し慌てる。

「あっ、誤解させてごめんなさい、最後まで聞いて。
ねっ、アキト君、私はとっても欲張りなの」
「はっ、はあ……」
「だからね、ものすごーく呆れるかもしれないけど……私の提案、聞いてくれるかな」

アキトは話を最後まで聞いた後、思わず涙を流した。
楽しさと喜び、感心、そして新たな理想の形に心を躍らせる。
一筋の光明はとても輝かしかった。
209火曜日:2008/06/14(土) 09:34:33 ID:MTj3DD44
**************************

ハルキは内心おどおどしながら家で夕食の準備をする。
詮索を避け、動揺を抑えるためとはいえ、学園をサボったのはいくらなんでも怪し過ぎて変であった。
本来なら当番ではないため夕食の支度をする必要はないのだが、
何もしないでアキトを待つ訳にはいかなかった。
精神の平衡をを保つ手段として、アキトを懐柔する手段としてでもあった。
玄関から音が聞こえると、びくりと反応してしまう。
頭の中で何度もリハーサルした一声を出そうとする。

「おぉ、さすがは頼れる兄。遅くなった俺の代わりにありがとう」
「へっ……」

こんなことを言う奴だったか?
気を取り直して再起動をかける。

「い、いや。それより今日は遅かったな」
「うん、結衣先生と対局してたらこんな時間になったんだ。ごめんな」

とにかく話題を自分のことにしたくないハルキだったが、
知ってか知らずか詮索もせず、ごく普通に返す。

「今日のメニューはなに?」
「根菜のシチューにハンバーグのワインソース、かいわれサラダに納豆だ」
「かいわれ意外はオーケー」
「あれ? お前、かいわれ苦手だったか?」
「そうだよ」
「今になって初めて知った。まあいい機会だから黙って食え」
「お、鬼だ……。ハンストを申し出る、そんなものは口に入れない!」
「訂正、何を言ってもいいが残さず食え」
「悪魔だ……」

何となしに、いつも通りの会話のタイミングが掴めてくる。
昨日までとは違う、普通のありがたさが身にしみるひと時であった。
きっと何かしら、結衣との間に良い事があったのだろう、
一抹の寂しさもあったが、これで良いのだ。


夕食を終えた後に、アキトはハルキの部屋の扉をノックする。
放課後の結衣との話を終えて、強い決意を胸に秘めていた。

あの時、結衣はアキトの推測とは別に
『ハルキ君はアキト君に対して強い恩か、深い負い目があるはず』
と確信を込めながら重ねて述べた。
だが、やはりアキトに心当たりはまるでなかった。
どちらかと言えば、アキトの方こそがハルキに対して何かと恩義を感じていたことの方が多い。
何事も真面目で不器用な弟を、奔放だが器用で面倒見の良い兄は
時に親身に、時に突き放しながらも彼なりのやり方で引っ張る。
少なくとも普段は対等の立場であるため、
恩義など表に出さないが、アキトには兄の思いやりが充分に伝わっていた。

これから自分たちがしようとする行為は、
言うなれば兄を罠にはめようとしているのであり、もしかしたら裏切りなのかもしれない。
だが全て上手く行けば、このノックが兄に対する救いの音になる。
そして純粋に、楽しみで胸が弾む。
アキトは結衣に感化された部分も多分にあるよう思えたきた。
210火曜日:2008/06/14(土) 09:36:41 ID:MTj3DD44
「うん?」
「あぁ……ちょっと昨日できなかったご相談いいかな」

ハルキは一呼吸して、入ってよい旨を伝える。
しずしずと扉が開き、アキトが入ってベッドサイドにちょこんと座る。

「……夜中に悪いな」
「別に構わんよ。それでどうした」
「あぁ……うん。その、なんだ」

アキトはもじもじして、歯切れの悪い言葉を漏らすだけだった。
じれったい気分になるが、カウンセラーの本を読んだところによると、
相談の心得としてこういう時は急かしてはいけないとあった。
そして受けるときは冷静になること。

「まあ落ち着け。コーヒーでも持ってきてやろうか」
「いや。別にいらない」
「なんだ、自白剤でも混ぜてやろうかと思ったのに」
「ひでー」
「ははは」

ひとしきり笑った後、アキトも気分がほぐれたようだった。

「んん……と……。今度の金曜日なんだけど、また先生宿直当番なんだってさ。
それで、そろそろテストも近いしさ、勉強見てあげようかってお誘いがあったんだ」
「ふ、ふーん」

ハルキの内心は非常に複雑だった。
例えて言うなら、手塩にかけて育てた一人娘にものすごく悪い虫がついたあげく、すでに傷ものにされ、
でも娘は盲目的に愛を信じているが、こちらから見れば二人は幸せになれないのではないかと、
そんな気分だ。
だが結衣は、一応は、それなりに、かろうじて、なんとか、信頼できる。
世間一般の倫理観や道徳的な意味合いとは違った、
彼女なりの正義はそれを貫くだけの強さがあり、その内には清々しささえ伴っていた。

だから公園での結衣との会話の後、気持ちを整理するには時が足りなかったが、
そんな中でも結衣が言ったとおり、もう放っておけばいいのではないか、といった結論には達していた。
最終的にはアキトにとって、きっとほろ苦い経験になるだろうが、それもまた良いのだろう。
フォローするには、全てが終わった後でも遅くないはずだ。
だが感情が納得しない。
納得するには何かが足りないが、それが何かわからなかった。

そんな兄の気持ちなど、お構いなしに弟は話を続ける。

「だけどさ、ちょっと怖くてハルキも来て欲しいんだ」
「……は?」

保護者同伴ですか?
さすがにお前、その男らしさゼロはまずいと思うぞ。
211火曜日:2008/06/14(土) 09:39:02 ID:MTj3DD44
「それはダメダメだろう」
「あぁ、胸を張って言うことじゃないが、俺もそう思う!」
「……それもダメダメだろう」
「ああ! 胸を張って! 言うことじゃないが!!」
「わかった! 繰り返さんでいい」
「最初に繰り返したのはハルキだろ」
「俺は、それも、に変えたはずだが」
「細かいこと気にするなよ! 兄キ」

こいつなんかさっさと結衣に犯され、なぶりものにされればいいや。
一割程度本気でそう思ったハルキだった。

「でも、さすがに行く気は起こらんな」
「……ああ〜、本当はこんなこと言いたくなかったんだけど」

アキトは頭をかきむしり、苛立ち、というより羞恥を見せ始める。

「俺さ、実はまだハルキが先生のこと、好きだって疑ってるんだ。
それで、密かにそれを確かめるために、一緒に来て欲しいって思ったんだ」
「お前ぶっちゃけすぎ……」

今のアキトは躁状態としか思えない明るい口調でぺらぺら話す。

「とにかく俺は俺の勘を信じる。
と言うか、結衣先生を見て好感を持たないはずがない!
たとえハルキといえど、例外はない!!」

こいつの頭は少しヤバイことになってる。
もしかして放課後にでも結衣先生とヤリ過ぎて変になったか。
二割程度本気でそう思ったハルキだった。

気を取り直して真面目に考える。
さすがにそこまで行かなくとも、何らかのブレーキのために付いて来て欲しいのかもしれない。
これから人生とって重要な時期でもあるのだし、
あんまり現を抜かして取り返しのつかないことになっても困るというもの。
アキト当人だってそこら辺はわかっているはずだ。
まあ結衣先生にいたっては、勉強に関しては妥協という言葉をまったく知らないから、
それほど心配はいらないと思うのだが。

ここまででお目付け役程度として、アキトの付き添いに行こうかと思い始めたハルキだった。

「わかったわかった。お前の戯言は置いておくとしてな。
まあ一応に考えておくよ」
「おぉ、ありがとう。前向きに考えてくれ」

ハルキはここで礼を言うのも変なものだと感じた。
おそらくは、本当の理由は己の推察と最初の言葉にあるのだろう、
微笑ましさに、にやつく表情を抑えられなかった。

********************
212金曜日:2008/06/14(土) 09:41:55 ID:MTj3DD44
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時は過ぎて金曜日の夜、結局ハルキはアキトと一緒に宿直室へ来るはめになった。
しかも半強制的にだ。
そもそも何でこんなことになったかと言えば――

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――木曜日・授業中

「はーい、今日は試験も近いですし、小テストを行います」

結衣の授業において、ブーイングなど出ない。
比較的真面目な校風とはいえ、新任にしてこの事実は明らかに脅威の表れだった。
プリントを列ごとに配る中、生徒は皆一様に緊張の面持ちであった。
ハルキはさっそく問題に取り掛かるが、一目見て思わず唸る。

(……? 難しいぞ)

とにかくやたらと難解である。
数式や方程式を知っていれば解けるレベルではないのは当然としても、
応用の連続と範囲の広さに、そもそもの問題の意味がわかるまで時間がかかる。
記憶が曖昧なものもあり、形のいびつなパズルのピースを無理矢理はめていく気分だった。
結局半分もできないうちに時間切れとなった。
プリントが後ろから回収されると、他人の回答を見て愕然とする。
正解かどうかは判別できないが、全部書き込まれている。

(俺はここまで……頭が悪かったか?)

最前列のハルキは教卓までプリントを持っていく。
なぜか結衣ににっこり微笑まれ、悪寒がざわめいた。
案の定予感は的中し、放課後結衣に呼び出された。

「ハルキ君、とってもと〜ても言いにくいんだけど」

結衣の喜色満面の表情に、まるで説得力がわいてこない。

「今日の小テスト全然ダメ。
試験近いから、アキト君に言われてる秘密特訓に必ず出ること。いい?」
「……はい。……でもアキトと俺だけなんですか?」

ハルキは小声で他の人に聞こえないように質問する。

「そうよ」
「それってまずくないですか」
「それは?」
「とても私情が入ってると言うか、平等性に欠けてると言うか」
「そんなの当たり前。私が贔屓してる生徒だから」
「言い切りましたね……」

こうして金曜夜の特別補習に絶対参加することになった。

後でわかったことだが、わざわざハルキだけ問題用紙を難しいものに変えたそうだった。
213金曜日:2008/06/14(土) 09:47:29 ID:MTj3DD44
********************

そうした事情があってか、ハルキは先回より明らかに熱意があった。
結衣も普通に教師としての腕を振るってるため、教わるほうも真面目に取り組む。
生業だからと言ってしまえばそれまでだが、教える者として充分な才能を持ち合わせている。

「……でね、ここは……」
「ああそっか。なるほど。それならこっちも解ける」
「意外に、と言うよりもやっぱりと言った方が良いかしら、ハルキ君は物覚えがいいわね」
「いやはははは、それほどでもあるっす」
「謙遜しろよ……」

アキトが呆れ気味に呟くと、耳ざといハルキはにやにやと笑う。
いわゆる、からかうぞモードに入った顔だった。

「ほらほら結衣先生、アキトが褒めて欲しいってさ」
「な、なに言ってるんだよ」
「いや〜、あんまり羨ましそうだったからな」
「ふふ、アキト君は〜、いつも頑張ってるよね。
後でご褒美してあげるよ……また、ね」

結衣がアキトの頬を人差し指でつつくと赤面しながらうつむいてしまった。
ここにきて、素直に羨ましいと思ってしまったのはハルキの方だった。


「ねえ、そろそろ休憩する?」
「そうしましょう。さすがに疲れました」
「はい、おやつに甘いものあるわ」

ハルキは存外早いとは思いつつも、密度の濃い内容に疲れているのは同意せざるをえなかった。
結衣が台所に向かい冷蔵庫から、包みを取り出し切り分ける。
暫くして持ってきたのはカステラだった。

「はい、紅茶もね」
「わお、ありがとうございます」
「いただきま……す」

カステラを一切れ手に取り、硬直する。
なかなかに強いお酒の香りがした。
いわゆるブランデーケーキだろう。
ハルキは思案する。これは罠か?
214金曜日:2008/06/14(土) 09:50:40 ID:MTj3DD44
第一にアルコールを摂取すると、全部がそうと決まってるわけではないが、基本的に眠くなる。
つまり、ハルキを眠らせて結衣はアキトとイイコトをする。
規格外淫行教師結衣が考えることだ、あえて自分が眠るとなりで事をいたすのが楽しいのかもしれない。
だがアキトですら、ハルキの酒精に対する体質を知っているか微妙なところだ。
ならアキトをほろ酔いさせて、お持ち帰りしようとする魂胆だろうか。
こちらの方がわかりやすいし、エッセンス程度の小道具なんだろう。

そう結論付けたハルキは、躊躇することなくカステラを口に入れる。
少しでもアキトの食べる分を減らそうと思い、一人で半分超をたいらげた。
当然ハルキは酩酊する。

「んく、結構高い酒つかってませんか。美味しい……ですよ」

なぜか不可思議なことに、ハルキは二人の行く末を邪魔しようとすることばかり考えていた。
けれど、もし何も知らない人間が見れば、少しも不可思議ではない。
ごく単純でありふれた感情の産物だからだ。

「はいはい、お腹いっぱいなところで勉強するのも効率悪いから、ちょっとしたゲームをしましょうか」

結衣はトランプを取り出し、シャッフルを始める。

「さすがに将棋だと気軽に、っていかないしハルキ君はわからないだろうしね」
「何をするんですか?」
「そうね。お手軽で運と実力が適度なツーテンジャックにしましょう。
おまけとして張り合いがでるように、一位は賞品としてビリに質問する権利ね。
もちろんされた方は拒否権なし、誠意を持って答えてね」

いわゆる告白ゲームにハルキはげんなりした。
これは、いかにも結衣が好きそうな特典だ。
俄然負けるわけにはいかず、やる気を出さざるを得ないが、
如何せん手持ちのカードを覚える瞬発的な記憶力、駆け引きと読みは、
この面子の中では自信を持てと言う方が無理な話だった。
残るは運否天賦と、己の善行をかたに神頼みであった。
だが仮に自分が神様だったら結衣に肩入れするだろう。
言葉で表現しにくいが、結衣はそういう目に見えない寵愛を受けるタイプだった。

カードは配られゲームが始まる。
ここからが真の勉強の幕開けだった。
215金曜日:2008/06/14(土) 09:52:33 ID:MTj3DD44

最初はアキトが順調にトリックを獲得していく。
序盤も過ぎれば場と相手のカードを覚える技術、
カウンティングが出来るほうが有利になるが、三者ともほぼ完璧にこなしていた。
アルコールの影響が避けられないハルキだが、
場を支配する軽い緊張感のせいか気分が高揚する程度に抑えられていた。
終盤に差し掛かり、アキトのワントップだったが、
獲得してもマイナスになるカードにもかかわらず、
結衣が強引にトリックを決めると流れが傾いていった。
(やばい。これだと俺が最下位か)
とハルキが対策を練る暇もなくゲームは終了してしまった。

「はい、僅差で一位は私、それじゃあハルキ君に質問ね」
「うへぇ〜……わかりました。お手柔らかに」

嫌な予感がするが、勝負に負けたい以上覚悟を決める。

「アキト君からお料理がとっても上手って聞いたけど本当なの?」
「えっ……。あぁはい、まあ得意ですね」

意外に普通な質問で驚く。
結衣ならきっとプライバシー保護そっちのけで、突っ込んだことまで聞いてくるかと思っていた。

「たとえばどんな物?」
「そりゃ色々で一概に言えないですけど、まあ和洋中一通り。
個人的に作ってて好きなのは中華ですね。何と言うか、一番料理してるって感があるから」
「ふーん、機会があったら食べてみたいな。ハルキ君の手料理」
「お安い御用ですね」
「はい、それじゃ次いくわよ」

結衣がカードをシャッフルして配る。
ゲームの流れは主に結衣が握る場面が多かった。
そして負けるのはハルキが多かった。
とはいえ、質問の内容は、
「最近読んだ本は? 好きな作家もいれば」
「スポーツは何かしてるの? 応援してるチームとかある?」
「そういえば聞いていなかったわ、普通に趣味とか何かな?」
「自分を動物にたとえると?」
「好きな芸能人は? ――ぷっ、それって単純に好みってこと?」
といったもので、ほろ酔い加減のハルキは揚々と答えていく。
普段はこういった自分のことをべらべら喋るのはあまり好きではなく控えるが、
ゲームということもあってか、それほど抵抗はなかった。
おそらく生を受けてからずっと一緒である、アキトすら知らないことも話したと思われる。
酒の影響もあったのかもしれない、
だが自己のことを嘘偽りなく、自分なりのこだわりや考えを加えて伝えるのはとても楽しく心地よかった。
次第に深く、静かに陶酔していく。

きっと相手が良いのだろう、
むしろ言いたい、伝えたい、知ってもらいたい。
器に入った意識の蓋が外れて流れ出していく。
自我が境目なく混じり溶け合う、無限に広がっていく感覚は本当にとても心地よかった。
216金曜日:2008/06/14(土) 09:54:07 ID:MTj3DD44
それぞれの思惑はよそにゲームは続く。

「それは、これで勝てる」
「……む? 俺が最下位か」

ハルキがトリックをお獲得して、これでゲームは終了になる。
一位が結衣で、最下位がアキトになった。
アキトは二位を軸に、たまにトップをとるスタイルで、
大きく崩れることはあまりなかった。

「アキト君に質問か。結構知ること知ってるからね。
そうね……アキト君から見たお兄さんの性格は?」
「うぇ〜、間接的に俺が負けたのと同じ気分になる質問だな」

ハルキが小言を言うが、内心は口調とは裏腹に穏やかではなかった。
聞きたいような聞きたくないような。

「兄……ハルはねぇ……」

突然出た昔の愛称に、ハルキはどきりとする。

「名前とは違って秋、それも落ち葉舞い散る晩秋って感じかな。
明るくさばさばしてるけど、どこか寂しさをにおわせる」
「なんだよそりゃ」

いくらか自覚がある分、始末におえない。

「うん、男の子にとてもモテそうないい性格だよ。
料理は最高、世話焼きで甲斐甲斐しいしね。くっ……ははは〜」
「うわぁ、お前覚えてろよ」
「いや、はは、俺はハルキにメロメロだよ」
「ば、馬鹿ヤロウゥ、死ね」

己の半身とも呼べる存在に真顔で言われて、ハルキは照れ隠しに悪態をつくのが精一杯だった。
普段ならいじられ役のアキトだが、ここぞとばかりの攻めに立場が逆転していた。

次のゲームも結衣が一位、最下位はハルキだった。

「そうね、今ハルキ君って誰かとお付き合いしてる?」

ハルキは前までとは違う質問内容に驚いたが、来るべくして来た感じもあった。
酩酊のまま、心は冷静に語り始める。
今なら言える、むしろ知って欲しかった。

「今は……誰とも付き合ってないよ」
「前は誰と、と聞くのはさすがに失礼ね」
「いえ、別に。けど名前は言うのはちょっと……」
「ふふん、ハルキは結構色んな女子と付き合ってるんだろ」

ここでアキトが口を挟んだ。

「……まあね」
「名前は言わなくていいけど何人?」
「質問するのはお前じゃないだろ」

アキトはぺろりと舌を出す。

「次のゲームは俺が勝つって」
217金曜日:2008/06/14(土) 09:55:53 ID:MTj3DD44
宣言したとおり、アキトが一位、最下位はまたしてもハルキだった。

「さっ、素直にゲロしてもらおうか」
「はいはい、お前の執着心にお兄さんは脱帽です。……四人ほどだよ」

アキトは驚きつつ呆ける。

「全然……気がつかなかった。始めはいつ頃?」
「うっ、……今の学校に進学してからだよ」
「てことは、約一年と半年で……四人かぁ……。ちょっと節操がなさ過ぎないか」
「悪いが説教なら間に合ってるぞ」
「いやいや、別にいいよ。それもまた人生だ。
ハルキは変なところで優しいから、断れなかったんだろ。ま、次いこう」

ハルキは安堵の心地と嬉しさに包まれる。
潔癖の気があるアキトには少なからず軽蔑されると思っていただけに、
理解を示す優しい態度が暖かかった。
罪は許され背負う物が減る、それは計り知れないほど大きな解放感があった。

結衣はハルキの表情が緩むのとは逆に、
これがゲームと称して聞きだせるぎりぎりの範囲に感じられた。
それでも予想したとおり、おぼろ気ながら見えるものの肝心の部分がわからない。
多数の女子との付き合いがアキトに対する負い目としても、
最初に行った結衣に対する仕返しが繋がらない。
兄弟愛をいささか超えるほど、アキトの幸福を願う理由としても足りない。

そう思いつつも、無理に問いただしハルキの反発や反感を買うのは論外であった。
少しずつ心を解きほぐし、ガードを緩めたところで仮面を一枚一枚取り払う。
微量なりに酒の力を借りたのも良かった。だがいつかは覚めるもの
今が一番無防備な時、詰めるなら今しかないだろう。
種や仕掛けがあっても、本人自らが告白で以て話すことに意義があるのだ。

結衣はアキトにさり気なく合図をした。
こんな時でも、こんな時だからこそ楽しかった。

カードは配られる。
三人の内、二人が結託して一人を勝たせないようにするのは難しくない。
そして結託した二人の内、一方を最下位にするのはもっと簡単だった。
218金曜日:2008/06/14(土) 09:57:26 ID:MTj3DD44
「トリック獲得!」
「あれれ、今回はカード運が悪いわ〜」

アキトとハルキが競り合う形となり、結衣は最下位であった。
最後にアキトが追い抜き、一位になった。

「やった、これを楽しみにしてたんだ。俺が一位、先生がビリ」
「お手柔らかにね」

アキトは本当に嬉しかった。
これまでの計画はほとんど結衣が立てている。
そしてアキトは結衣の計画を全面的に信じている。

「先生にも聞きたかったんだ。今までどれくらいお付き合いがあったの」

この質問にハルキは苦笑する。
あまりに女心を知らない、デリカシーのない質問だった。
結衣なら笑って許してくれるだろうが、普通の女性なら嫌われること請け合いである。

「普通に交際するってことなら、一人だけよ」
「へ〜、意外です」

アキトの反応とは逆に、ハルキにとっては意外でもなんでもなかった。
結衣は高嶺の花すぎるのだ。手を出すほうが難しい、手を出す前にあきらめる。

「でも、その、関係のあった人は、他にもいるんですよね」

一瞬アキトの口を塞ぎたい衝動にかられる。
無神経にもほどがある質問だった。

「ふふ、そうね……。知りたい?」
「勿論です」
「うんとね……四人」

意外に少ないように思えた。
あの激しさから思うに、もっと多いのかと。
それともアキトに対して配慮をした数字なのだろうか。

「一番最近だと……この学校の人」
「えっ」
「え〜、誰ですか? 問題なければ教えて欲しいです」

これには俄然、ハルキも聞きたかった。
もしかしたらアキトのライバルになるのかもしれない。
今アキトの武器になるようなものは、将棋と将来性くらいなものだ。
もしもの時は、全力で対応しなければならない。

先の告白で、ハルキはアキトと結衣の邪魔しようなどとは毛ほどにも思わなくなった。
許してくれたアキトに報いるのは勿論、酔った勢いで崇拝すらしていた。

「問題ないと思うわ。……だってハルキ君だもの」
「…………えっ…………」
「へえぇぇ」
219金曜日:2008/06/14(土) 09:58:48 ID:MTj3DD44

――だってハルキ君だもの

結衣が言った言葉が頭の中に反響する。
理解を拒む頭が一瞬を永く引き伸ばす。
時間が熱せられた鉄から鋼板を作るように、巨大なローラーで押しつぶされる。

「い、いやそれは……」
「それは?」

結衣は冷静に問う。

「違う。違うんだ!」
「まあまあ、落ち着けって」

声を張り上げるハルキに対して、アキトは自然に、いつもと変わらないよう振る舞う。
あらかじめ聞かされていたことであり、何も問題はなかった。
自慢の兄が、自慢の女性と結ばれる。
嫉妬などするはずもなく、初めて知った時から喜ばしいと思っていた。

「なあハルキさあ。別に俺は怒ったりしないよ。
前から言っていただろ、ハルキの方がお似合いだって」

演技でもなく、率直な言葉だからこそハルキには響く。

「ハルキが幸せになってくれるなら、俺も嬉しいってことさ」
「俺は、俺こそアキトには……幸せにって……」
「勿論羨ましいけどさ、素直に祝福するよ」

それはハルキが言うべき台詞だった。

「それは……それは違う」

意識も遠く、うわ言のように呟いた。
アキトはそんな兄の様子を見ながら口を開く。今、本当に言いたい全てを。

「俺が再三言ってたけど、本当はハルキだって結衣先生のこと好きなんだろ?
こういうのは結構わかるって。血は争えないって言うし。
俺に気を遣って色々手を回してくれたんだろうけどさ、
どうも最近変なのは、自分押し殺して結局無理してたんじゃないのか。
そんなことされても嬉しくないだろ、ハルキだってさ。
昔から色々そういうことしてたの、何となくわかってるんだぜ。
正直言うと、ハルキの料理好きだって怪しいもんだと思ってる。
親が離婚してから、俺に美味いもの食べさせようと無理矢理上達した感じがあるし。
でもあえて今言うけど、感謝してるよ。飯は美味いし、それ以外も色々さ。
少ない家族の中、そこに居るってだけでも充分救われてるぜ。
もう一度言うけど、俺はハルキに感謝してるし、祝福するって。なっ、素直になって言いなよ」
220金曜日:2008/06/14(土) 10:00:15 ID:MTj3DD44

懸命な問い掛けにもハルキは応じることができない。
もともと行為に及んだ理由は、好意とは程遠い感情だった。

「違う。俺は……先生のことが好ましいと思うが、愛情めいたものはない。
だから、アキトに黙っていたことは謝るよ。ただ興味があったから……」

今になって気付く。
アキトが冗談のように言った、好きかどうか確かめたいとは本当のことだったのかと。

「ハルキは……いくらなんでも興味本位だけで、レイプまがいのことをする奴じゃないだろ……」
「っ!」

その一言だけでも、包み隠さず結衣から話が伝わっているのがわかった。
無性に涙が溢れそうになるも必死でこらえる。
アキトに嫌われるのはまだしも、軽蔑されるのは耐えられない。

だが耐えるしかないのだ、もうここまで来てしらを切るのは返ってまずい。
ターニングポイントは当に通過している。
ならば、せめてアキトには気持ちよく軽蔑してもらったほうが良い。
兄はろくでもない奴だと正義感を持ってもらえれば、
これから先の二人の手向けにもなるはずだから。

「それは……買いかぶりすぎだ。俺だって男だぜ。
本人を目の前に言うのもなんだけど、先生みたいな……」

結衣を責めるつもりはなく、逆に感謝して良いくらいだった。
お互い過剰に依存しあっていたのかもしれない。
ここまでされれば、お互いきっぱりと道を分かつことができるのだ。
薄々考えていたことだが、己が耐えられるか怖くて実行できないことだった。

「……すごい魅力的な身体を見てなにも思わないわけないだろ。
へへ、実際すごく良かったし、アキトだって……知ってるんだろ」
221金曜日:2008/06/14(土) 10:01:10 ID:MTj3DD44
この後ハルキは、どれだけ素晴らしかったか詳細に述べた。

大人とどこかあどけなさが共存する美貌、
さらさらの髪、ぱっちりとした目元に長いまつ毛。
背は高くモデル体系のくせに出るところはしっかり出てる、
ほど良く肉付きがあって、引き締まってるけどやせ過ぎてない。
胸の大きさは文句なしだ、それ以上に形が綺麗だから揉んだり吸い付きたくなる。

そして実際行為に及んだことまで話し出す。

とても魅力的だった胸に挟んでしごいてもらったこと。
あんまり気持ちよくて顔に射精したこと、
整った容貌を汚す背徳感が堪らなく淫猥だった。
白く濁った精液がべっとりと付いて垂れる姿にまた勃起したこと。
その後の性交についても包み隠さず、時に手振りも加えて話した。

ハルキは初めて酒に弱い体質に感謝する。
とてもじゃないが、酔っていなければ言えないことばかりだった。
自傷による自虐のための告白だったが、もっときついのはアキトだろうと同情する。
せめて結衣に対して、まったく気にしなくてよいのが不幸中の幸いだ。
ふとその結衣を見ると、笑顔のままこちらを見ていた。
自分の進む方向が間違っていないと、不思議に勇気付けられる笑みだった。

「今までのセックスがおままごとに思えるほど素晴らしかったんだ。
俺が求めて止まなかったのが、こんなところにあったんだって思ってしまったよ」

求めていた熱さ、灼熱に満たされたひとときだった。
いままで付き合ってきた女子たちともセックスしてきたけど、
比べ物にならないくらい結衣とのセックスは素晴らしかった、気持ちよかった。

ひとしきり喋った後、沈黙が降りる――
222金曜日:2008/06/14(土) 10:03:26 ID:MTj3DD44
――かと思ったが違った。

「な〜んだ、俺の言ったとおりだったじゃん」
「……はぁ?」
「それって結局先生が好きだってことだろ」
「……え? ど、どこをどう聞いたらそうなるんだ。
お前は俺に幻滅して、軽蔑していいんだぞ」
「えっと、最初に怒らないし、祝福するって言ってなかったか?」

ハルキは頭を抱える。
今の話を聞いて、どうしてこうなるか理解できなかった。
将棋と勉強ばかりしすぎて、情操面でおかしくなったかと三割程度本気で思う。

「だ、だけど! 百歩譲ったとしても、レイプしたらいかんだろ!
好きとか興味があるとか、そんなので犯罪を犯してよい理由にならんだろ!」
「そうね、理由にならないわね」

意外な方向から救いの手が来た。
結衣からこの手のまともな反応が返ってくるとは思わなかった。
ハルキ君がするなら相手も嬉しいから良い、とか言いそうな人である。

「ほらそうだろ」
「だから、ハルキ君は、好きとか興味ということで、レイプしてよい理由にならない。
そういうことよね」
「……? は、はい。当然ですよ」

異様なプレッシャーに気おされながら答える。

「それなら、ハルキ君はどんな理由で、私と無理矢理しようとしたのかしら?
実際問題実行したのだし、ハルキ君がする理由、もっと言うと、して良い理由って何?」

ここにきて、ハルキは完全に絡め手で捕らえられたのを感じた。
ここから先は誰にも伝えず、墓に下まで持っていく領域だった。
もっとも墓穴を掘ったのは当人自身だったが、この歳で入るわけにはいかない。

「くっ……」
「答えたくないかしら。……アキト君を汚されたのが気に食わなかったのよね」
「そんな汚されただなんて……」

アキトが不満気に言葉を漏らす。

「ごめんねアキト君、私も清廉潔白とは言いがたい人間だしね。
一晩で関係を持ったように思われれば、ハルキ君がそう考えるのも無理もない話。
だけどそれが意趣返しまで思いつめるのは、どう考えても不自然だわ。
これがアキト君は女性、私が男性ならすごくわかりやすいけど、現実は逆。
逆鱗なんて人それぞれだけど……確認しておくけど、アキト君から見ても変よね」

アキトは肯定の意をとった。
真実ならば、そこまで兄から想われていたとは考えもしなかった。
なるほど、深い恩か負い目があると言うのも頷ける気がする。

「これをハルキ君がアキト君の母親代わりってことで見ると……」
「どうして皆……。俺をあんな奴と一緒にしないで……くれ」

突然涙声を上げたハルキにアキトは驚いた。
どこからどうやっても暖簾に体当たりするような、
言いたい奴に言わせておけを地で行く飄々とした性格であり、涙を見るなど初めてだろう。
兄は喜怒哀楽の内、怒と哀の感情が極端に欠けてる人間とすら思っていたくらいだった。
223金曜日:2008/06/14(土) 10:05:25 ID:MTj3DD44
「ごめんね。アキト君との話で、君には傷つく一言だって予想してたけど……。
そう見ると、それほど不自然じゃなくなるの」
「ハルキは……母が嫌いだったのか」

ハルキは涙を拭いて静かに頷いた。
今までアキトのために行ってきたことが、
よりにもよって母親と同一視されるのが悲しかった。
そして父が言ったとおり、確かに母と性格が似通っていたのも嫌だった。

「別に嫌うほど悪い人でもないだろ」

アキトが思うに、離婚したとはいえ憎まれる理由はないはずである。
そもそも兄が人を憎むなどと、負の面で執着的なこと自体違和感がある。

触発され思い出したが、離婚した折どちらに付いて行くか、
強硬に『二人とも』父に付くと主張したのはハルキだった気がする。

「俺には俺で、どうしても許せないことがあったんだ」

もう黙っていられなかった。
心の内に秘めるどろどろのマグマが沸き立ち、出口を求めてさまよう。
ハルキは深く溜め息を吐いた後、幼少の頃の盗み聞きした両親の会話の内容を話す。
あの後、子供ながらにアキトを守ると誓ったことも含めて。
生命と経済を秤にかけた重い内容に加え、
普段表に出ない両親の事情に今度こそ沈黙が落ちる。

「俺はまだいいさ……長男だから。けどあんなこと言われてアキトはどうなんだよって思ったんだ。
たかが数分数秒早く生まれただけでこんな差別、存在意義まで問われるなんて許せねえよ!」

アキトはここまで感情の起伏が激しいハルキを見るのがつらかった。
普段の素振りと乖離しすぎて、自分を見失ってるのがうかがい知れる。
何か言いたくもあったが、かける言葉が見つからない。
なぜならハルキがここまでひた隠しにしてきた事実、
それを知らされたショックなど、アキトにとってはハルキが思い悩むほどではなかった。
自分が生きて今ここにいることは、自分自身が一番よくわかっている。
今ここに自分がいると、声高らかに言えるのは兄のおかげもあるだろうが、
感謝するとでも言うのは明らかに違う気がする。
過去を振り返って心にも無い謝辞を述べるくらいなら、
先を見据えて――

「なんだ、ストレス知らない人間だと思ってたけど、違ったんだな」
「茶化すなよ」

アキトはハルキの手を取って語り始めた。
ちょっと変わった面白い光明があるのだから、過去に囚われずこの先の未来を見据えて欲しい。
224金曜日:2008/06/14(土) 10:07:00 ID:MTj3DD44
「まさか。真剣に憂うくらい、いつも明るくて適当で羨ましかったくらいだぜ。
だからさ、そんな昔のことでくよくよ悩んでないで、適当にうっちゃっておけばいいんだよ。
どうせ解決できるような事象でもなけりゃあ、過去に戻るわけにもいかない。
それなら忘れるか洗い流すのが一番だろ。
中国だと解決できない問題も無問題って言うって話しだし、それくらいのパワーを見習えよ」
「……いや、それは違うと思うぞ」
「うむ、俺もちょっと違うと思う。
だいたい草津の湯で直すタイプの病なんだから、そんなもんで良いってことを言いたかったんだ」
「……意味がわからん」
「そうか? 俺はいつもの兄キに習ってるつもりだから、すごくわかりやすいと思うぞ。
まあ俺は医者でもないけど、俺の手のぬくもりが温泉よりは良い薬なはず。
だから気色悪いのも我慢して、こうやって手を取り合ってるんだぜ。
ほらほら、俺はここにいるだろ。それ以上でもそれ以下でもないんだよ」

取った手をぶんぶん振ってアピールすると、ハルキは照れくさそうにそっと手を抜く。
あまりにも脳天気な気の遣いように馬鹿らしくなってしまった。
抜いた手が冷えると同時に、心も落ち着くのを感じた。

「わかってるよ……。
ただ、一方的に許されて安穏とする自分の立場が……アキトに対する負い目が強かったんだ。
ふう……。まっ、エサやったり世話してるうちに、色々積み重なったのもあるんだろうな」

ハルキは肩の力を抜いて、冗談を言いながら無理矢理気味にへらへらと笑う。
本当なら今こそ涙を流すべきなのだろうが、生憎それは両者とも望んでいなかった。

「うんうん、私感動してちょっと涙が出たよ」
「なんにせよ、色々と黙っていて……悪かったと今なら思う。
後は先生と上手くやって幸せにでも何でもなってくれ」

結衣とアキトは顔を見つめあう。
二人とも妙に照れくさそうに微笑む良い雰囲気だ。

「それはちょっと無理かな?」

出てきた結衣の台詞は、雰囲気からは正反対のものだった。
ハルキのこめかみの部分がぴくぴくと動く。

「……ここまで言わせておいて……大人なら責任の取り方って物がありますよねぇ」
「あらら〜。私が本当に大人なら、きっぱり諦めなさいって言うわよ。
先生と生徒の立場、性格の違い、エッチだって……
いつか私はアキト君を、アキト君は私を遠ざけてしまうかも」
「……自重……できませんか?」

にっこり笑っているが、ハルキからは威圧感がひしひしと感じる。
あなたにとって一番重要なのは最後の理由だけで、
他のはハードルでも何でもないくせに、と声無き会話であった。
結衣は臆することなく、実に爽やかに目元を拭う。

「それにハルキ君を放っておけないわよ。アキト君抜きで君は君の幸せを見つけられるの?」
「そうそう、ハルキは俺と、俺たちと一緒にいるのが一番自然だって」
「おいおい……」

ハルキは先ほどまでの問答はなんだったんだろうかと考える。
真実を知ること、道を分かつことが目的でなかったのだろうか。
嬉しくもあるが、こうも引き止められるのは未練が尾を引きよろしくない。
225金曜日:2008/06/14(土) 10:10:37 ID:MTj3DD44
こんな時でもハルキは自分がアキトより大人だと思っているため、
心配を掛けられている立場だと気付かなかった。
こうまでしてハルキが隠しているものを白日の下に晒したのは、そもそもハルキ自身のためであり、
アキトも、結衣も、ハルキを救済することが真の目的なのだ。
結衣は救済とは別の目的も大いに含んでいるが、これはこの際どうでもよい。
この場合三方とも一両損をさせるどころか、得をするが結衣の目的だからだ。

「そんなに面倒見切れないぞ」

結衣はとても可笑しかった。いや、微笑ましかった。
ハルキの今の言葉はまさに願望なのが明らかにわかる。

「大丈夫よ。見れるわ」

あなたは迷える子羊、私は狼で牧師さんだから。

彼は幼少の頃から滅私奉弟が身に染み付いており、
もはや自分の幸福の追求を忘れていると言っても過言ではなかった。
そして彼が善人であればあるほど、それはとても悲しい事だった。
結衣の思想信条から見れば、言語道断の仕儀に当たる。

「だって私と、アキト君と、3Pすれば全てが丸く収まるから」
「……………え?」

明らかに場に似つかわしくない台詞が飛び出して、
ハルキは思考回路が瞬間的に凍結した。

「こんなところでかまととぶっても意味ないぜ」
「ふふ、ハルキ君。まさかアキト君を裏切ったりしないわよね」

ハルキは肩に手を置かれたかと思ったら、背中に二つの膨らみが押し付けられる。
暖かく柔らかいが、はっきりとした自己主張を持っていた。

「えっ、えぇ?!!」
226金曜日:2008/06/14(土) 10:11:35 ID:MTj3DD44
解凍した後沸騰する。
前門にアキト、後門には結衣。
アキトは傍観してるだけだが、背後から羽交い絞めにされて身動きは取れなかった。

「せ、せんせ! あっ……ああ、そんなところダメ……」
「可愛い声、女の子みたい」

ハルキは後ろから抱きつかれたまま、細く長い指で下唇をなぞられる。
もっとまずいのは、もう一方の手は股間をさわさわとまさぐられていることだった。
すでに硬く屹立したものが、ズボンの中で悶えていた。

「ダメだよ……俺はセンセイのことが……」
「もう、私の身体が欲しいくせに。この口がいけないのね。ん……ちゅ」

結衣は強引にハルキの顔を抑え、後ろに向けさせて接吻をする。
すぐさま唇に舌を割り入れ、顔を傾け横咥えに口腔全てを味わう。
無駄な抵抗を止めた歯が開いたら、踊る舌を絡めて唾液の交換と一緒に溜まったものを飲み下す。
貪るような激しい接吻だった。

「ん、ちゅ、んん……じゅるる……あっん、ちゅ、はあはあ」
「んん……ふふ、いい顔。ねっ、安心してハルキ君、私が惚れさせてあげるから。
そのかわり全部、あなたの全てをもらうわ、アキト君も一緒に。
だから二人で私の全てを受けとめてね」
「今ここで?」
「そっ、鉄は熱いうちにね」

唾液の橋が架かる中、ハルキは夢うつつのままもう一度唇を重ねる。
例えるならそれは、氷河が真夏の太陽によって溶け出す感じ。
内にわだかまる業も流れ、憑き物が落ちていくようだった。。

今更好きですだなんて、恥ずかしくてとても言えない。
227金曜日:2008/06/14(土) 10:13:21 ID:MTj3DD44
********************

ご丁寧にアキトは布団を敷いて、その上に結衣は押し倒された。
ハルキはブラウスの上、アクセントに結ばれてるリボンを解き、
ボタンとブラを外し、飛び出すように弾ける乳房を口いっぱいに含む。
口の中で硬くなる乳首に重点的に吸い付き、もう一方を円を描くように愛撫する。
アキトはアキトで、先ほどのキスに触発されて唇を重ねる。

「んん、ぷはぁ……先生……本当は、またこうしてできるとは思わなかったんだ」
「ん、アキト君たら」

アキトは大胆に手をタイトスカートの中に入れて、下着の上から割れ目のあたりを撫でた。
荒くなる結衣の呼吸に合わせて、湿り気も帯びていく。
胸の巧みな愛撫に加えて、稚拙ながら感じる下半身からの刺激に結衣は震える。

「はあはあ……。二人からなんて、初めて」
「もっともっと……んちゅ」
「スカート、外すよ」

結衣はこくりと首を縦に振る。
もどかしくベルトと留め金を外して、結衣が腰を浮かすのに合わせて下ろす。
うっすらと滲む純白の下着に目もくらむようだった。
白磁のような尻の丸みを撫で、さりげなく秘裂にそって擦る。

「はあ、はあ、もう濡れてる」
「ああぁ……もう脱がして。直にして欲しいの」

最後の砦に恐る恐る手をかける。
腰に当たる布を掴み、ゆっくりと引き下ろす。
薄い茂みの下はすでに濡れて光っていた。
アキトは堪らず秘所に直接口付けして、ヴァギナへと舌を挿入する。

「んん……そこ」
「アキト、もう少し上の部分も」

アキトはハルキに言われるまま、膣口の上も舐める。
ぷっくりと膨らんだ部分を見て、これがクリトリスかと気付いた。
そっと舌で突くと、反応があってか吐息と共に身体が震える。

「あぁ……ん、いいよ」
「ここ、感じるんだ。嬉しい」
「そ、敏感な部分だから優しくな」

ハルキはしつこいほど乳房を愛撫しながらも、徐々に全身へ舌を這わしていく。
脂ののった女体からかもし出される、魅惑のフェロモンに酔いしれる気分。
結衣はゆっくりと嬲られながら、溶けそうな情念に焙られる。
四本の手と二枚の舌だけでもこれほどなら、
更に身体を重ねたらと思うと押さえが利かなくなりそうだった。

「はあっ、ああぁ……もう……来て、ひと思いに」

散々に陰核と膣をほぐしていたアキトはハルキに目配せする。

「えっ、俺?」
「そっ、誰がどう見たってハルキ」
「い、いや……」

ここまでやっておきながら、ハルキは恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
もどかしげに身体を揺らす結衣はハルキに抱きつく。
228金曜日:2008/06/14(土) 10:15:29 ID:MTj3DD44
「ふふ、どっちだっていいけど、確かに今日はハルキ君だよねぇ。
アキト君、ほら協力して」
「アイアイサー」
「ええぇぇ……ちょっ、おま……んん」

逆にハルキを組み敷いて、手際よく服を脱がしていく。
アキトまで率先して協力されては、大人しくするしかなかった。

「ハルキ君はMだもんね。犯されるのが好きだから」
「やっ……あぁ。そんな……」

結衣は露わになった男根を握りながら、息を吹きかける。
びくびくと刺激に跳ねるが、竿を下から亀頭先まで舐めると一層硬く反応する。
こんな立派なモノを見せられて、もう我慢も限界だった。
自分を愛し、受け止めてくれる二人。
もうこれから先、きっと我慢する必要なんてなくなる。
そう思うと頭の中で何かが弾け飛ぶのを感じた。

「ああぁ……これよ、これが欲しかったの……」
「はあはあ、結衣……」

結衣は後ろ向きになって、天を仰ぐ怒張へ腰を落とす。
ずぶずぶと沈みこむのとは反対に、駆け上がる充足感に震える。
全部収まったら腰をひねって、その大きさを奥まで感じとっていた。
湧き上がる甘い刺激が結合部を満たす。

「ほら、ほらほら、ハルキ君のでいっぱい」
「うわぁ、エッチです」

結衣は両手をついて腰を上下させるが、
負けじとハルキも下から突き上げるため、全身が踊るように跳ねる。
力強い動きに合わせて乳房も扇情的なダンスを演出した。
ハルキは背面から上に乗る結衣の首にかぶりつき、重力と合わせて膣を貫き存分に責めたてる。

「はあはあ……んぁあ、ああぁ」
「先生、ほら上の口でさ……」
「んん、ちゅっ、ん、ん、はあぁぁ……もうすごい」

結衣は突きつけられたアキトの肉棒も手と口で愛撫した。
後ろからたっぷりとした膨らみを持ち上げられ、突起をこりこりと摘まみながら、
下半身は密着する臀部に肉棒が女性器へと擦り込まれる。
性器の内、熱く熟れる内部は愛液をしとどに絡ませながら貪る。
先端が奥まで到達するたび、性感帯が女の悦びを伝えた。

「はあぁ、ん、じゅるる、あはぁ、硬いのいっぱい奥までごりごりって来るの!」
「はあはあ、先生、ハルキのいいんだ」
「うん、いいよ、すごく。まだくるよぉ」
229金曜日:2008/06/14(土) 10:17:13 ID:MTj3DD44
ハルキは悶える結衣を激しく責める。
多少動きが制限される体位であっても遠慮なんてしない。
気を抜くとすぐにでも射精してしまいそうな快楽の中、
精を求めんと膣の蠕動に合わせるよう一心不乱に突き上げる。

「あふ、く、もう……もたないかも」
「ん、んん、来て、ハルキ君の全部もらうよ。
身体の奥が熱くて疼くの。そこに、はあはあ……そこに欲しい!」

ハルキは結衣の腰を押さえて膣奥を小刻みに前後させる。
下腹部に感じる疼きを刺激され、結衣は堪らずむせび泣く。
ひくひくと痙攣して、軽く絶頂に達してしまっていた。

「ひゃん……もうそんなにして……やぁダメだけど……いいよ。
そこっそこに……出して。中で出して、熱い精液をどっくんて浴びせて欲しいの」
「先生、もう気持ちよすぎて堪らないって表情だね」
「はあはあ、はあ、結衣が感じてくれて……俺も嬉しい。俺もそろそろ……限界」

結衣が腰を落とすと、ハルキもまた突き上げる。
怒張が何度も肉襞を摩擦し、勢いをもって貫く。
背筋を走り抜ける快楽に、女性器は悦びの涙を流して奉仕する。
生殖を催促する甘美な奉仕の連続に、ハルキは最奥まで挿入して射精した。
陰嚢から込みあがり、尿道を駆け抜ける快感に咆哮する。

「ぐっ、ああぁぁぁ! はあ、はああ」
「ああぁ、私もイク、イっちゃう! 中出しされながら……」

結衣は膣内射精を受けながら腰を打ちうけられる激しさに容易く屈する。
落ちるところを狙い済ましたように、牡の器官はこれでもかと精をはきかける。
そのまま直に白熱した体液は膣粘膜にかかり、更にその奥へ下腹部を満たす。

「やあぁ……すごくたくさん……出てる」
「俺……はあはあっ、一週間近く何もしてないからね……」

そのまま結衣は後ろに倒れ、ハルキの上に仰向けになる。
女性器との交合を堪能し、たっぷりと精を注ぎ込んだ男根は役目を終え、
体勢の変化と共にずるりと抜ける。
結衣は背後にいるハルキの肩の上に頭を乗せ、横にある顔とキスをして余韻を楽しんだ。

「すごい、先生のココからハルキの精液が溢れてる」

アキトは倒れこんだ二人を下半身側から見渡して、一点に視線を集中した。
ひくつく割れ目からは栓が抜けたように、粘液がとろとろと垂れる。
尻を伝い、シーツに染みが広がっていた。

「やぁ……見ないで」

結衣は脚を閉じようとするが、ハルキは手で抱え隠すのを許さない。
230金曜日:2008/06/14(土) 10:19:05 ID:MTj3DD44
「ダメだよ。しっかり見てもらわなきゃ。中出しされたってさ」
「見えるよ。今度は俺の番だね」
「あっ、もう、くる。さっき出されたのに、もう硬いのがくるの!」

結衣はハルキによって脚を抱きすくめられたまま、次にアキトの怒張によって犯される。
いっぱいに広がる性器からの充足感に、熱い溜め息を吐き出す。
一人をいかせたら、次にもう一人いかせる、
結衣の肉体の奥底、下腹部からくる熱い疼きは久々に満足な時を迎えられそうだった。
貫かれながら後ろからは舌と指が愛撫で応援を送る、二人の愛を感じながらそう思った。

「いいよ、アキト君のオチンチン感じる。結衣の子宮までずんずんくるぅ!」

ハルキは結衣のくびれた腰に腕をまわして押さえ、
秘所を貫く衝撃が吸収されることなく、ぬらつく器官へ伝わる。
その間も片手は美乳を弄ぶように、上向く突起を摘まんではひっぱる。
不規則に蠢く内部に、きゅうきゅうと搾るのを合わせ官能の溜め息が漏れた。

「くうぅっ、前よりキツイ気がする」
「はあはあ、さっきイったばかりだから、ああぁ!
今度はぁアキト君のチンポで犯られてる! 深いところ当たる!!」
「だけどもう中はどろどろ。ほら溢れてきた」

結合部の隙間から白くあわ立ち、膣内で留まる精液がかき出されていく。
ハルキの精を迎え入れた膣を容易く奥まで突き上げ、
次は自分の番を主張するように何度も抉りこんだ。
びくびくと蠕動し、締め付ける肉襞に抗い、さらに激しく腰を前後させる。
精を吸い上げようとする女性器の歓喜に対して、射精感が急激に増す。

「いくぅ! ああぁあ!!いってるのに、いかされてる!!
きてぇ、アキト君の精液を、結衣の中に出してぇぇ!!」
「はあはあ、一緒に」
「一緒、そう欲しいよ、ああん!
出したらぁ子宮の中で、ハルキ君のと混るの。どろどろに」

双子とはいえ、別々の個体から受ける性行為。
双方とも結衣に快楽をもたらすには充分であり、
さらにそれ以上のものへと徐々に昇華させる。

膣が生き物のように動き、苦しそうに渇望の締め付けを行使する。
義務を果たすのに対し、権利を要求する牝の嘆きだった。

「はあぁ、すごい……気持ちいい。もう……イク、このまま……」

アキトも彼女の願いを聞き入れ、存分に欲望の奔流を注ぎ込む。
鈴口から弾け、勢いよく走り抜ける快感により深い交合を目指し、
脚を大きく開かせ膣奥まで捻り込み余すところなく射精する。
結衣は意識して感覚を結合部へ向け、待ち望んだものを詳細まで感じ取っていた。

「はうぅ、アキト君が中に出してるの、感じるよ……」

膣内で大きく脈動するとともに、子宮口へとこつこつノックして先端から熱く太い一閃を浴びせる。
肉体にある真っ白なキャンパスを、新たな遺伝子が塗り込められる。

「く、うっ、まだ……出る」
「はあん! まだ硬いさきっぽから、ビュクビュクって出てるよ」
「どう、アキトのザーメンの味は」
「いいわ、すごくいいよ。アキト君も、ハルキ君も最高!
量も勢いも。愛を感じるの。きっとどろどろでとっても濃いのよ」
231金曜日:2008/06/14(土) 10:21:35 ID:MTj3DD44
胎内を満たす精液を嬉々として悦び、断続的に続くたびに白い尻を震わせた。
アキトが腰を引くとき、結衣は自ら恥丘を開いて膣内を見せる。
白濁とした液は肉棒にもまとわりつき、抜いた先にある肉壷まで糸を垂らしていた。
結衣はとろとろと股に流れる粘液をすくって口に運ぶ。
指先を舌でねぶり、吟味するように唇を閉じる。

「ん……精子もすごく元気そう。結衣を……ふふ、受精させようと頑張ってるのね」
「はあはあ、それ、すごくエロいですよ」

時を置かずして、二人の男とのセックスに中出しされる背徳感にも深い陶酔を覚える。
そして腰の辺りには、後ろで抱きかかえるハルキの硬いものを感じていた。
アキトが腰を引けば、一息つく暇もなく横倒しからうつ伏せにされる。
腰を高く抱えられ、後ろから貫かれるとわかった時に、声にならない声を上げた。
予想は現実となった今、事後承諾に変わられる。

「っ! ぁん! あぁ!!」
「今度は、どうです」
「んあぁ、これ! あっ……もう、おかしくなるの。
逞しいオチンチン、ハメっぱなしで、ああん、
お、奥までぐっ、てあたっちゃうのが気持ちいいよ!」

亀頭が膣のざらりとする腹側を擦り、更には角度を付けて深々と突き刺さる。
結衣は感じるポイントをじっくりと責められ、四つんばいのまま進んで下半身を掲げる。
荒々しい余韻もそのままに、丁寧で巧みな動きに翻弄された。

「結衣にはもっと感じて欲しいんだ」
「ん、はあぁ……そう、あっ、あんっ!」

兄との性交で蕩ける結衣の表情を見て、アキトのものも自然といきり立つ。
引き締まっていながら適度に肉付きがあり、
女性特有の柔らかさに加えて瑞々しい弾力が生殖行為とともに揺れてはじける。
汁のつまったはち切れんばかりの果実を二人で独占していた。

「はあはあ。ごめん、我慢できないんだ」
「はあん、いいよ。舐めてあげる」

アキトは結衣の目の前に腰を突き出し、舐めて欲しいと催促する。
ハルキは弟のサディスト気味な行為に苦笑するが、結衣は一に二もなく口に咥える。
唾液が絡む舌なめずり、ぐちゅりと粘液がはじける音を交互に鳴らす。
上と下の口を完全にふさがれながら、ともに男性器をねっとりとした粘液を絡めてしごく。

「あぁ、すごく締まるよ、先生のココ。アキの咥えるとさ、きゅぅっってきつきつになって気持ちいいんだ」
「んふぅ、ちゅるる、あっはぁ、アキト君も、ハルキ君も、すごいよ」
「ん……先生もハルもいきそうな顔してる。見てるこっちが恥ずかしいぜ」
「オマンコ、勝手に締まるよぉ。大好きだか離れたくないの!」

冷静に観察できる分、アキトは揶揄できる立場にあった。
気にしてる余裕も無いハルキが、もう一押しとばかりに膣奥まで抽挿を繰り返すたび、
結衣は勢いのあまり咥えた肉棒が喉元まで当たる。
全身が連動するように走りぬく刺激が、それぞれの性感帯へ作用する。
怒張をしごかれる肉襞の責めに、過剰なまでの締め付けが加わる。
きつい摩擦の快楽に、溢れ出る愛液が潤滑を遠慮なく加速させた。
腰にあたる臀部の感触に合わせて、亀頭が膣を押し広げ先端が子宮口までぶつかる。

「ん、ちゅっ、じゅる、ん、はあん、イク、いいよ。ああぁ我慢しないでぶちまけて!
膣内で出して、熱い精液でぇ結衣の子宮をいっぱいにして!!」
「はあぁっ、気持ちいいよ。だけど我慢して、溜めてから出す。
イって、結衣がイってから、んん、溜めた分出してあげる。はあはあ、その方がたくさん」
232金曜日:2008/06/14(土) 10:26:59 ID:MTj3DD44
結衣はがくがくと首を縦に振る。

「ああん、それでもいい、いいよ。はあぁもう、赤ちゃんできるのぉ。
何度もイかされて、二人のとびきりの精液、出しされて!」

肉打つ音の感覚も次第に短く、高くなっていった。
膣粘膜に震えに弄ばれながらも、持たないことを覚り腰を掴んで引き寄せる。
長いストロークで入り口から最奥まで勢いよく腰を前後させる。
後ろから犯す体位の征服欲も加わり、
怒張は鉄柱のように硬直し、媚粘膜を容赦なく蹂躙する。
結衣が積極的に白い尻をなすり付けると、
ハルキは片手で乳房を愛撫しながら膣口をなぞり、クリトリスと乳首を同時に摘みあげる。

「ん……あああぁあぁ! すごいよそれ、オマンコいっぱいんでぇ、乳首もクリもイクよぉ!!」

たまらず肉棒を口から放し、嬌声を発しながら大柄な女体が悶え鳴く。
ぎちぎちと搾り取る圧力に晒されながら、
何度か最奥まで割り入れるような挿入の後、欲望の堰を解放した。
ねっとりと絡みつくように、子宮まで蕩かすような子種を浴びせる。

「くぅぅぅあぁ! はあ! 結衣の中で……出す。膣内射精だ」
「やああ、オマンコの……中に出てる、溢れるくらいすごいの。
こんなに濃いの、何度も……ん絶対妊娠するよぉ」
「はあ、はあ、今日のうちにきっと受精させてあげるさ」
「うん……させてよぉ。アキト君とハルキ君で……種付けして」

膣内でびくびくとはねながら熱い生命のエキスが注入され、
結衣は性交中すでに幾度となく達しながらも、幸福感に果てる。
腰を抱える手で結合部上の陰核を刺激され、熱い吐息と共に肉襞は震えながら締め付けて吸い取る。
甘美な誘いに便乗して幾度となく性器の結合を深め、一滴も残らず実を結ぶために移しかえた。

「はああぁ、んあもう……こんなの初めて。
こんなにたくさん……初めて。それにまだかたいね……」

依然硬度を保ったまま、じっくりと舐るような動きに口から涎をたらし喘ぐ。

「まだできるけど……」
「ハールー」
「わかってるって、先生も、っさ」
「あん、抜いちゃうの」
「次は」
「あん、アキト君……もう待ちきれないのね」

結衣はアキトの上に乗って天を向く肉棒に自らを穿つ。
互いに腰を浮かせ、結衣は身を躍らせた。
美しい豊満なバストが揺れるたびに、牡の劣情を煽り立てる。

「先生もアキトのが欲しかったんだろ」
「ああぁ……あは、そうよ、これが欲しかったの。
ぺろぺろ舐めながら、次はこれって思ってたわ」

圧し掛かられながら何度も腰をぶつけ合う。
肉打つ音に混じって、ぐちゅぐちゅと溢れ出る精液と愛液が快楽に拍車をかける。
どろどろに入り混じった膣に、はっきりと境目がわかる硬く熱い男根によって貫かれていた。
子種を求めて発情する肉体は、生殖器を擦り合わせ、入り口との接吻に悦びの蜜を垂らす。

「あはぁん、腰、止まらない!
私、エッチだから……我慢できなくて生徒を犯してるわ!」
「はあはあ、先生、先生、俺、エッチで淫乱な先生が大好きです」
233金曜日:2008/06/14(土) 10:29:41 ID:MTj3DD44
ハルキが後ろから抱きすくめ、胸を揉み首に舌を這わせる。
ぞくぞくと身悶えする女体に制御が利かない。

「それならハルさ、ここ、」
「や、そんなところ……」

アキトは尻を押さえつけ、尻肉を掴んで左右に開く。
結合した生殖器の後ろの窄まりを指で円を描くようになぞった。

「あっ……んん……そんなところ……」

指を一本ずぶずぶと入れていくが、圧力はあるとはいえ思ったより抵抗が薄かった。

「あふぁ……お尻に……いいよ、もうなんでもして欲しいよぉ。全部の穴使って」
「大丈夫? ほらハルキ、ここ」
「お前は本当にサドだなぁ」

ハルキは苦笑を込めるが、結衣も乗り気なら悪い気はしなかった。
尻肉を掴み、奥に潜む窄まりへと侵入する。
きつい抵抗も最初のうちだけか、結衣が力を抜いてるのがわかると奥まで入った。

「二人の、薄いお肉挟んで、両方ごりごりって、かっ、感じる!」
「はあはあ、でも締め付け……きつい」

それでも腰の動きは止むことなく、歓喜に溢れる淫らな二孔を何度も貫く。
どちらも異物を排除するきつさではなく、迎え入れる暖かみがあるため、
交互に悦び、楽しみ、媚肉は歓待に満ち溢れていた。

「あはぁ、前はアキト君、後ろはハルキ君で挟まれてる」
「まだ、まだいけるよね。もっと……」

アキトは結衣のくびれた腰に腕をまわし、激しく突き上げる。

「ぅひん、あは、激しい!」

ハルキは加速するアキトのサディストぶりに苦笑する。
だが二人の意向に沿って、自分も尻孔を穿ち、後ろから結衣の上半身を抱きかかえる。
快楽にのたうつ女体を押さえつけながら、そっと耳朶を舐めた。
何度激しいオーガズムを迎えても、三人の交わりは止まるところを知らない。

「あっ、あっ!」
「ほら、アキトもういきそうだよ」
「あん、あっ、わかるぅ。
すっごい熱いオチンチンがびくびくしながらぁ結衣のオマンコ突いてる!」
「今度はアキトが中に出すよ。
愛してるから、たっぷりとね、もう真っ白でどろどろのやつ、結衣のために」
「結衣のために……はああ、嬉しい。ここに……ん、あ、ああ、頂戴」

ハルキが上から体重かけると、アキトも跳ね返す勢いで腰を上下させる。
膣奥まで容赦ない狼藉に晒されながら、じっくりと嬲る後ろの孔の肉棒が深い。
きつく気持ちの良い締め付けに、男性側にも余裕が消える。

「あう、くぅん、もうダメ……」
「まだ……まだだから」
「もう、結衣は欲しいの……。あぁ、二人の熱いザーメンが感じたい」
234金曜日:2008/06/14(土) 10:32:08 ID:MTj3DD44

重力に従って内より流れる体液が、性交のたびにかき出される。
ぐちゅぐちゅと粘液の攪拌する音に、肉の音と男女の喘ぎが混ざる。

「あん、せっかくもらったのに、落ちてくる」
「はあはあ、また、新鮮な精液。先生のためにあげるよ」
「ん、きゃ、嬉しい。遠慮なんてしないんだから、注いでちょうだい。
ああぁ! オマンコに白くてこってりした液、一番奥に出して!」

溢れ出る粘液も気にせず、更には肉襞に塗りこめるようにして男根を往復させる。
あらぶる若い牡の激しい行為に、結衣は全てを委ねる。
ハルキは結衣の上半身を抱え、振るえる美乳を捕らえて、
揉みしだき、乳首をこねながら奥まで腰を突き入れた。

「っ! あっ!! はあっ! 私……おかしくなりそう……」
「んん……でも、これぐらいがいいんですよね」

そのまま耳たぶを甘噛みして囁く。
汗で濡れて光る肢体が悶え、零れる涎が乳の上に落ちる。

「ん、ぃいいよ……すごくて、最高な感じ……もうイクの。
二人のオチンチンに犯されてイっちゃう!」
「はあっはあっ、俺らも……くっ、そろそろ」
「きてきて! 身体の奥から欲しいの! あっああぁ!!」

感極まった女性器の内で、責めたてる怒張も全てを解放した。
子宮口から打ち込まれる迸り、粘度に比例して密度ある精液に想いの熱さが感じられた。
全てが真っ白に染まる中、ほぼ同時にハルキも射精する。
結衣の身体を起こして、乳房を揉みながら、その豊かさに喜び勇む。
両方の孔でびくびくと脈打つごとに熱い精が注がれる。

「ああ……アキト君も、ハルキ君も……すごい、出てる……」

陶然とした表情で、牡の絶頂の証を体内で受けとめる。
良く馴らされた肉体を手懐けるべく、ハルキは腸内へと存在を知らしめ、
アキトは子宮深くへと射精でもって誇示する。
白濁としたマグマの噴流を感じるたび、牝の本能が括約筋をわななかせた。
結衣は二人に挟まれ拘束されたまま、結合した下半身が揺れ動き絶頂の余韻を味わう。

「や、まだ抜かないで。このままぎゅってして」
「はいはい」
「ん……結衣先生……もう俺たちから離れられない?」
「うん、とっても良かった……。もう私の方が二人から離れられないかも」
「俺も」

ハルキとアキトは目を合わせてうなずく。

「俺も、結衣のこと愛してるよ」
「世界で一番エッチで最高な先生にね!」

********************
235エピローグ:2008/06/14(土) 10:35:38 ID:MTj3DD44
――四年後・冬

********************

アキトは赤道近くのリゾート地へ束の間のバカンスへと来ていた。
日本ではなかなかお目にかかれない澄んだマリンブルーが美しく、カラフルな色彩に溢れていた。
勿論ハルキも結衣も一緒だが、そこにもう一人増えている。

********************

アキト達が三年に昇級して梅雨のころ、結衣が妊娠してることがわかった。
ここで三人で話し合ったのだが、
ハルキに言わせると、知らされたアキトの慌てぶりが最高に笑えたとのことだった。

「やった、嬉しいよ。本当に何て言ったらいいのかわからないですけど、すごく嬉しい」
これがハルキの第一声。
「……ええっと……マジですか」
これがアキトの第一声。

「こんなところで冗談は言わないわよ、アキちゃん」
「そ、それは……まずくないですか……」
「はあ? 何がまずいんだ」

アキトは結衣とハルキを交互に見る。

「だ、だって俺たち結婚してないし」
「……日本は重婚はできないぞ……。ちなみに一妻多夫だな、この場合。
それだと世界で許されてるところは、確かほとんど無いぞ。
おっと肝心なことを忘れていたが、俺たち十八歳未満だから、そもそもあと数ヶ月は無理」

アキトは暢気に解説するハルキを別人のような目で見る。

「ま、まだ学生の身なのに……」
「……とりあえず、お前が覚悟無しで臨んでいたことがよーくわかった。
まっ、アキの心配してることはだいたいわかってるって。
それを話し合うために今ここに居るのだから、まず落ち着け。
そして喜べ、結衣に俺たちの子供ができたんだ。これほど嬉しいことはないぜ」

当事者である結衣は、さも可笑しいとばかりに笑っていた。
アキトは今までの自分の慌てぶりと発言に恥ずかしくなる。

「あ……。わかった。慌ててしまってごめん。……うん嬉しいです先生」

いまだに三人きりでもアキトは結衣を先生と呼ぶ。
ちなみに結衣は二人をアキちゃんにハル君と呼ぶ。
結衣の意向による強制だったため、兄弟間でも昔の愛称に戻ってしまった。

「ありがとうね、アキちゃん」
「よし、大丈夫。俺は卒業したら就職するよ」

アキトの発言を聞いて、結衣とハルキは苦笑する。
ここまで完全に予想通りの反応だったからだ。
236エピローグ:2008/06/14(土) 10:37:48 ID:MTj3DD44
「阿呆。アキは死ぬほど勉強して、一番いいところに進学すること。
そもそも即就職なんて、親父も教師連中も絶対反対するしな」
「そうよ。アキちゃんは絶対進学するべきね」
「ほら、幸いここに最高の家庭教師がいるしな。いいか、改めて言うぞ」

アキトは真剣なハルキの表情に身構える。

「その前に聞いておかないとダメよ」
「えっ、なにを?」

結衣はハルキが何かを言うのを止めた。
曲がりなりにも教師としての視点が結衣には存在する。
きっとハルキには、アキトが近すぎて見えていない。

「アキちゃんの将来の夢とか希望」
「あ、ああ。思いつかなかった。そうだよな……すまん、一方的に押し付けるところだった」
「俺の夢……?」
「そう、アキの将来何に成りたいとか希望だ。
そうだよ、これは尊重しおかないとな。悪い、思いつかなかった」

今ひとつ話の流れが掴めないまま、アキトは思案する。
いきなり言われた所為もあるかもしれないが、思いつかなかった。

「昔パイロットになりたいとか言ってなかったか?」
「ぶっ、よくそんな昔のこと覚えてるな。別に今はなりたいとか思わない」

正直なところ、特に思いつかないアキトだった。
強いて言うなら、こういう所でビシっと決められる男になりたい、
と愚にもつかないことを思ってしまった。

「あえて言うと恥ずかしいけど、特に思いつかない」
「本当にか? 別に遠慮しなくていいんだぞ」
「遠慮? いや遠慮なんかしてないが……。
あんまりあくせく働くのは嫌かな、くらいだぞ。
何日も家に帰れなかったりするのは御免こうむりたいからなぁ。
でもとにかく、俺は先生と……子供のために働ければ何でもいいくらいだ」

自分の夢がなにかと聞かれたとき、
それはまさに今この時、これまでの経緯、そしてこれからの未来を思い浮かべた。
夢のような、と陳腐な言葉で終わらせたくないくらい、今は幸福を実感できる。
だから夢は、と聞かれてもピンとこない。
希望は、と聞かれてもこの幸せが続くこと。
237エピローグ:2008/06/14(土) 10:39:47 ID:MTj3DD44
「よし、それじゃあもう一度言うが、
アキトは進学すること。必死こいて勉強しろよ。
それでお前が思うベストの所へ就職すること」
「わかった。がんばる」

アキトはハルキ、そして結衣の期待に応えられるよう胸に刻む。

「うむ、こういうのは目標があると張り合いがあるだろ。
で、次は結衣だけど……ちょっと心苦しいけど、出産と当面の育児の費用はなんとか……」
「ふふ、ハル君こそ遠慮しないで聞いて欲しいな」
「ああ、うん……ごめん。でもどうしても結衣には負担をかけてしまうから……」
「でもね、私もあんまりお金は持ってないの」
「えぇ、そうなの」

曰く、結衣は由緒ある実家の堅苦しさに耐え切れず、
進学より見合いを進められたのを機に、自分の勝手にすると宣言した後、出奔。
その時縁を切ったのだが、手切れ金としていくらかまとまったお金を貰った程度とのこと。
ハルキとアキトは、いかにも結衣らしいと関心と同時に呆れもした。

「ええっと、だから実家に挨拶とかは不要よ」
「ああ、そういうのは思いつかなかったな……」
「でも私は行ったほうが良いかしら?」

ハルキとアキトは思案するが、答えは一つだった。

「止めておこう。親父は倒れるかも」
「あはは……そうだね。俺もそう思う。ことが落ち着いたらでいいね」
「そうそう、俺は今からでもバイトでもするか」
「そういえば、ハルは将来どうするんだ」

ハルキは前もって考えていたが、誰にも言っていなかった。
決めかねていたのではなく、時が満ちてからの方がより良い決意になると思ってのことだった。

「俺は……専門学校に行って、調理師免許を取ってシェフになるよ。
専門学校ならバイトくらい余裕でできるだろうし、丁度いいな。
ま、二年程先に社会人になって頑張るから、アキも頑張れよ」
「ハル……、わかった。俺は俺で出来ることをするよ」

アキトはハルキの心配りに感謝し、決意を受け継ぐ。
兄がいなければ事態に対処できないダメな自分を思い知るも、嫌気をさす暇などないのだ。

「結衣も少しの間我慢して欲しい。
特に卒業するまはで色々寂しいし、つらい思いもするかと思うけど……」
「大丈夫よ。アキちゃんにはみっちりしごいてあげるしね」
「あははは……。お手柔らかにお願いします」
238エピローグ:2008/06/14(土) 10:42:07 ID:MTj3DD44

こうしてハルキは調理師になり、講師の太鼓判の下レストランでの勤めに収まる。
もともと人受けする容姿に要領の良さに加えて、実際の腕も即一流のもの、
現場で二年程もまれた今は、立派になくてはならないシェフ補佐役を務めるまでに至った。
ゆくゆくは店を任されるのも、やもすれば遠い話ではないかもしれない。
コミュニケーションの巧みさ、人脈形成と人や統べる才にも恵まれているからこそだ。
アキトは見事に押しも押されぬ名門へ合格、上京する。
人材確保を進める昨今の事情もあってか、
Uターンで地元の企業の面接を受ければ、もはや引く手あまただった。
結局地銀を選び就職内定をもらい、今はこうして春を前にひと時の余暇を楽しんでいた。

結衣は教職を退職することにした。
未婚という所為もあるが、下手すればハルキたちに多大な迷惑がかかる。
このころハルキは学生の本分もそこそこにバイトに励む。
進学校的な校則によりバイトは禁止されていたが、
職場での出来事が話題としてもよくのぼり、結構楽しかったそうだった。
結衣のところへは、ハルキは手料理や身の回りの世話、金銭の工面の用事で、
アキトは勉強を教えてもらいに、気分転換に将棋の相手などでまめに通う。
いくら強い人だろうが、この大事な時期に寂しさを感じさせたくない一心だった。
この時結衣は結衣で、密かに深くほだされていた。
こうして無事結衣は出産、育児となり、ハルキは卒業進学と同時に結衣と同棲する。
上京したアキトも、盆や正月などは結衣とハルキへと会いに帰るのだった。
そうして時は過ぎて今に至る。

********************


「やっと……帰ってきてくれたな」
「ハルぅ、お前感動しすぎ。この一年は卒論やら就職活動で帰れなくてすまなかったな。
もうこれからは本当に家族一緒だぜ」
「くぅぅ……これで……結衣に……」
「ど、どうしたんだ?」

ハルキの不穏な雰囲気にたじろぐ。
結衣との間に何かあっては一大事である。

「その……夜は……結衣に……」
「わかった、もう言わなくていいぞ。全部心得た。
……色々……くくっ、つらかったん……だな。ぷっ、はははははは」

きっと毎晩責められっぱなしだったのだろう。
ハルキはどちらかと言えばM属性だが、それを開花させたのは間違いなく結衣のおかげだった。
常々不本意らしいことを口にもするが、結局のところ本人は楽しんでるのだ。
少なくともその場面になれば、であるが。
おそらく事後で自己嫌悪めいたものを感じるのが、不本意の原因と思っている。
つまり大したことではない。

「はあい。おまたせ」

少し間延びした独特のイントネーションに振り向く。
子供を連れての登場だったが、まず結衣に目がゆくのは避けられない。

「ぱぱ〜」
「水着、どう……かな」
239エピローグ:2008/06/14(土) 10:45:23 ID:MTj3DD44
頬を少し赤らめてしまうのは、なにも暑さの所為だけではない。
結衣は少し身を捩じらせて、反応をうかがうように屈む。
自然と見える胸の谷間の深さに、男なら視線が向いてしまうだろう。
女性である事を誇示するように、張りのある乳房をわずかに押さえつける布地に、
股間へと覆い隠す申し訳程度の逆三角形を吊り上げ、腰に食い込む紐と結び目。
そこからすらりと伸びる脚線美も、しぼられたウエストも見事としか言いようがなかった。
引き締まっていながら出るところは見事なもので、
むっちりと肉付きの良さが匂い立つような色香をかもす、
男の理想を具現化しつつも健全な健康美に溢れていた。

「いやぁ、これは……」
「……いい、すごくいい」

大胆な水着姿に男のほうが羞恥を感じ、お互いの顔と結衣を交互に見合う。
四年前を思い出すうぶな仕草に、結衣はくすりと笑顔を見せた。

「あらぁ〜、いつもはこれよりエッチな姿見てるくせに」

背が高いからこそ、裸に近い装いは素材を引き立たせ、珊瑚礁に囲まれた南海に映える。

「そうだけど……そうかもしれないけど……」
「グッドとしか言いようがないね!」
「ハル……なんか反応が親父っぽい……」

結衣はもう二十代後半で出産経験もあるが、見てくれはようやく成人式に出るほどの若さだった。
そもそもストレスを溜めないお得な性格もあるが、
泳ぐのが大好きでスポーツジムに通う適度な運動に、
夫ハルキは家事育児に非常に協力的で、
食生活にも気を遣いながらも時々本職による美味も味わえ、
更には夫婦仲は最高でその果てに夜の生活は絶好調とくれば、
もはやアンチエイジングの見本として一冊の本になりそうなくらいだった。

一通りの反応に満足してか、結衣は子供を抱きかかる。

「はい、アキお父さんですよ〜。あいさつ」
「ん、あい……おとーさ」
「はい、お久しぶり。ってホント一年ぶりだけど覚えてるかな、優希」

むしろ、髪型は多少違えど同じ顔の父が二人いて、混乱しないだろうか心配だった。
指を向けると、小さい手で握ってくる暖かさが心地よかった。
なんとなくだが、受け入れられたようで嬉しさを覚える。
240エピローグ:2008/06/14(土) 10:47:27 ID:MTj3DD44
「はい、抱いてみて」
「う、うん」

優希が泣いたりしないか不安だった。

「もっと堂々とね。親が安心しないと子供も不安がるものよ」
「わかったよ」

精神を落ち着かせ、優希を抱きかかえる。
思ったよりも重い。

「うんうん、成長したね」
「そりゃ一年も経てばな。まあアキが軟弱なだけかもしれないぞ」

確かに結衣は平気で持ち上げていた。
ずっと机に向かっていた所為か、少し運動不足の気があるのは確かだった。

「ぼくがアキお父さんだよ。これからよろしくね」
「ぁう、ぁあい」
「うん、ありがとう」

わが娘ながらなんて可愛いのだろうか。
自分は世界一幸せだと実感できる瞬間だった。

*************************

穏やかな潮風の中、日本と違って湿度が低く爽やかで、日光浴には適しているだろう。

「はい、お願い」
「うん、了解」

アキトの相槌は短いが、ためらいは長い。
ビーチパラソルの下、うつ伏せに寝転がる結衣から手渡されたのはサンオイル。
ハルキは優希と一緒に少しはなれたところで、波と戯れながら砂遊びに興じてる。
これはつまり、久しぶりだから二人きりになれと気を遣ってくれたのだろうか。
気持ちはありがたいが、素直に受け取れないのはサンオイルのため。
結衣がビキニの胸の部分の紐を解いたのはサンオイルのため。
視線を感じて振り返ると、にやにや笑っているハルキが見えたのはサンオイルのため。
胸の鼓動が高鳴るのは、サンオイルのため。
きゃっきゃとはしゃぐ優希の声に、そちらへ逃げたい気分だった。

「どうしたのアキちゃん」
「この年でちゃん付けは勘弁して……」
「ふふ、言われたくなかったら、堂々と塗りなさいよ」

ごもっともだが、ものすごく抵抗がある。
約一年ぶりに見る結衣の素肌は、きめ細やかで張りがあり白く美しい。
南半球の日差しにうっすらと汗ばむ姿は神々しいオーラが漂っていた。
アキトは忙しさに長いこと禁欲的な日々が続いていたため、
純朴な性格と相反する獣じみた欲望との葛藤に悩まされていた。

「もしもーし」
「……はっ、いかん。意識が……」
「今のは本当……なのね」
241エピローグ:2008/06/14(土) 10:49:03 ID:MTj3DD44
ようやく油に切れた機械のごとく、ぎこちない動きで結衣の肌に触れる。
修行僧のごとく無心にサンオイルを塗りつけるが、心中は穏やかではない。
TPOなどそっちのけな息子が、海水浴パンツの中で暴れていた。

「はあぁ……あぁ……はあ」
「アキちゃんは、なんで塗ってるだけなのに甘い声出してるのかな」

遠くでハルキの笑い声が聞こえるが、構っていられない。
脚から始め太腿が終わると、
今度は水着が食い込む白桃のようなお尻を両手でマッサージしながら塗りこむ。

「くぅぅ、ああぁ……」
「あん、もう、だ・い・た・ん!」

ハルキの笑い声が一段と大きくなった気がする。
前に笑ってしまった仕返しだろうが構っていられない。
哀れな息子が悲鳴を上げていたが、
TPOも空気も読めない奴は黙って涙を流してればいいのだ。

「はあ、はあ、はあ、ゆ、結衣ぃぃ!」
「はいはい、そこまでだ」
「あうち」

アキトは側頭部をどつかれ、横に倒れる。
器用に優希を抱きかかえての蹴りはハルキのもの。

「はっ、俺は何をしようとしてたんだ」
「自分を見失いすぎだ」
「えーん、これからが面白そうだったのに」

衆人観衆もなんのその、変態プレイの道に走られたら困る。
行為はエスカレートすると聞いたことがあるから、
芽は早めに摘み取るに越したことはない。警察のご厄介だけはやめて欲しい。

結衣は小指をおしゃぶりしながら、お預けを食らった子犬のようにしゅんとする。

「はいはい、それじゃあ優希に塗ってもらいましょう」

自然分解のサンオイルだから、子供の肌に触れても大丈夫だろう。
アキトが模範として行うと、優希も掌に付いた油を物珍しげに見た後、母の肌に撫で付ける

「きゃはぁ……優希の手、くすぐったいよぉ」

身悶える結衣はやっぱりエッチだったが、とても幸せそうだった。
242エピローグ:2008/06/14(土) 10:51:19 ID:MTj3DD44
****************************

ホテルでのディナーの後、アキトはベランダから日の落ちた海辺を眺める。
昼とは違う漆黒の水が波とともに押し寄せ、潮騒の音が夜の静けさに一層深くする。
見るとぽつりぽつりカップルが出歩いてる。
薄暗い明かりの下でも愛を語らうには充分であり、好都合でもある。
悪さしてる奴が居ないか眺めていると、ドアからノックの音が聞こえた。

「開いているよ」
「あら、無用心ね」
「こんなところで物取りもないって」

治安の良い観光地ということもあるが、田舎感覚が残っていた。
結衣もベランダに出て、アキトと並んで夜風に当たる。
ほのかに香るシャンプーと甘い体臭に酩酊感がかもしだされていた。

「優希は?」
「大丈夫よ、隣ですやすやお休み」
「う、うん」

アキトは我知らず意気込むが、どうにも身体が硬直して動かない。
結衣は夜風に流れる髪をかき上げる姿が美しく、良い雰囲気を壊すようで気が引けていた。
くすりと笑う仕草は教職を勤めていた頃と変わりがない。
むしろ生気に満ち溢れ、より魅力的に見える。

「ねっ」
「うん?」

結衣はアキトの手を取って、自分の肩に回す。
逆に気を遣わせたようで、いつまでたってもお子様な自分に反省する。
せめてもの気持ちに引き寄せてくっつく。
結衣はベランダの柵に身体を預けて、自分より背が低く思えるが、
アキトは前より少しだけ身長が伸びただけで結衣ほぼと同じ高さだ。

「うん……」

アキトは結衣の頬に手を触れ、こちらに向かせてキスをする。

「ん……ハル君は?」
「お買い物、もうそろそろ来るよ。それまでちょっと……」

アキトは結衣の腰に手を回し、大胆に抱き寄せる。
直立すると同じ位置にある唇に引き寄せられていく。
243エピローグ:2008/06/14(土) 10:52:47 ID:MTj3DD44
「んん……」
「ただいま。遅くなって悪い。身振り手振りでも何とかなったけど、時間がかかった」

突如ハルキのご帰還である。
ノックもなしの闖入にアキトは慌てて離れようとするが、
結衣ががっちりと首と頭を押さえ、不可能であった。
女性ながらこの力強さは、アキトが単に非力という助けもある。

「ぶっ、んんん……ぅん」
「ちゅ……んん」

二人の様子を見ても特に気にしないハルキは、
頼まれていたミネラルウォーターを結衣に手渡す。

「ぷはぁ……ハ、ハルキ遅かったな!」
「ああ、間に合ってよかったよ」

何がと問いたいが、怖くて聞けなかった。
結衣はボトルを呷ってまたキスをする。

「んん……ちゅる……飲んでね」
「んん……んぐ……ぅん」

口に溜めた水を口移しで無理矢理飲ませる。
流れてくる液体は体温でぬるくなり独特の甘さがあった。

「部屋にもどろ。もう我慢できないよ……」

結衣の言葉に全面的に同意する。
いつまでも変わらない彼女に安心があった。
244エピローグ:2008/06/14(土) 10:54:13 ID:MTj3DD44
**************************

「ふっふ〜」

結衣は不敵な笑いを見せて、荷物カバンをあさる。
取り出すのはハンディタイプのビデオカメラだった。
これは優希の成長記録のためと購入した最新型だ。
瞬間的にハルキとアキト両人とも嫌な予感がした。

「ねっ、今度はしっかり作るところから撮ろうよ」
「「今のは冗談……」」
「ではないわよ」

ハモりの質問も、はっきりと結衣には否定されてしまった。

「ねっねっ、だって今日は二人目作るんだし、
そうすると自然一人は手持ち無沙汰になるでしょ」
「そういう問題ですか……」
「わかった……なら最初はアキトからだな……」

どの道、結衣の意向に逆らえないとふんでの生け贄だった。
された方は堪ったものじゃないが。

「兄たる俺がしっかり撮ってやる。安心して特攻してこい!」
「お、俺を売ったな」
「勿論だ……いやいや、そもそもアキトの祝いの意味も込めてだぞ」
「本音がさらりと出るあたりがハルらしね……」

さすがに失言と悟ってか、覆水盆の返す速技だ。
だが読みが甘いかった。二人がもめれば被害は必ず双方に向かう。

「はい、お願い」

結衣はハルキにカメラを手渡す。
気前よく受け取り、設定をあわせて操作する。

「おう、任せておけ」
「でもよく考えたら最初くらい、二人一緒でもいいよね」
「ぅえっ」

結衣はキャミソール姿に下はパンティ一枚になって、二人の目の前で屈む。
止める暇もなく、アキトのベルトを外してズボンを下ろす。
跳ね上がる男性器に、なんだかんだ言っても期待はあったのが窺える。

「すごぉい、昼間からこんなだったんだ」
「い、いや……」
「ほらぁ、ハル君もね」
「あわわ」

ハルキもあえなく脱がされ、アキトと並んで手でしごかれる。
文字通り弱みを握られ、逃げることもかなわない。
結衣は掌で増す硬さ、熱さに口づけする。
舌先でちろちろと愛撫すると、いちいち反応する可愛らしさに溢れていた。

「ふふ、二人ともおっきい。ん……ちゅる…じゅん、ん」
「はあ、はあ……気持ちいい……もっと咥えて……」
245エピローグ:2008/06/14(土) 10:56:15 ID:MTj3DD44
アキトは久しぶりの口腔性交にため息を漏らす。
舌と粘膜を絡め、亀頭から竿まで唇によってぬるりとした圧力が加わる。
ハルキはその様子を律儀に撮影するが、
自身も手でしごかれ、カメラ越しに見る淫猥さに昂ぶる。

「んっ、んっ、じゅるる、ちゅ、んっ」
「あぁ、すごくエッチだよ」

結衣は顔を前後させて喉奥まで咥えて愛撫する。
欲望が溜まりに溜まっていた分、達するのも時間の問題だった。
我慢の限界だったアキトは結衣の顔を押えて、自ら腰を動かす。
強制的なフェラに、今度は結衣が責められる。

「んん、うんん」
「はあはあ、もう出る。このまま口に出すよ!」

口をすぼめて吸い出されるように、アキトはあえなく果てる。
肉竿の中を走りぬける快感に放出する悦び。
久々に味わう射精の気持ち良さが延々と続く。
結衣の口の中に吐き出される精液は、量も濃度も最高のものだ。

「ん……ちゅる、りゅる」
「飲まないで最後まで溜めて……。まだまだイクよ。ほら全部、中に残ってるのも」
「じゅるる……ぅんん……」

結衣は尿道に残る残滓まで舐め取る。
ほぼ固形に凝固した精液が、鈴口から溢れ出して口腔を汚す。

「いいよ。抜くからこぼさないでね」
「んん……」
「ほら、いい顔」

結衣は唇の端から僅かに垂らすものの、全て口の中に収めたまま微笑む。
アキトが顎に手をかけ開けるよう催促すると、見せ付けるよう顔を上向きに唇を開いた。
そこは予想通り、白濁とした粘液が一面を満たし青臭い匂いが広がる。
綺麗なものを汚す背徳感に脳髄が甘く痺れた。もっと浅ましく汚れて欲しい。

「どうせならハルのと一緒に飲んでよ」
「うわぉ、お前というやつは……」

アキトの相変わらずのサドっぷりにハルキは少々引く。
だがここは習うべきと割り切り、自ら口元に男根を突きつける。
結衣は手で握りながら前後に擦り、舌先で鈴口から裏筋を丹念に刺激する。

「あぁぁ、くぅ……いいよ、もっと強くして……」

長い指に囚われながら急所を的確に責められ、思わずうめく。
しまいにハルキも持たず、白い放物線を描きびしゃりと顔から鼻筋、口にかけて放出する。
まぶたや鼻先から、匂い立つようなどろりとしたザーメンによって汚され、
口腔内は真珠を溶かしたようなパールホワイトの海だった。
丹念に舐め取り出る物がなくなったのを見て、結衣は口を閉じて両者の混ざり合う精液を嚥下する。
ごくりと音と共に、いく度も喉が動くのが見えた。
246エピローグ:2008/06/14(土) 10:57:55 ID:MTj3DD44
「ん……すごい量だよ……。上手くごっくんできなくて」
「美味しかった?」
「うん、とっても。濃くて……こんなのが今度は」

言い終わる間も無く、ベッドに押し倒される。
上半身担当がアキトなら、下半身担当はハルキといった具合に、
蜜に誘われるまま一つの花に群がる。

「あん、汚いよ……うんん」

アキトは静止も聞かずキスをする。
自分たちが出したものなど気にせず、口中まで侵入して歯茎をくすぐる。
生臭い匂いも気になるどころか、返って興奮する材料だった。
その下では下着の上から秘所をなぞり、太腿の付け根に舌を這わす。
二人に組み敷かれながら身動きもままならない結衣は、僅かながらに身を捩じらせて喘ぐ。
薄布の下に手を入れられた時には、最後の一枚もなくなり後は全てをさらけだす。
これからの先の期待と止むことを知らない快楽に身を震わせる。

「はむ……ん、んん、またここから母乳が出るんだね」

アキトは乳房をすくい上げて揉みながら、頂点の突起をほお張る。
朱鷺色の蕾みは膨らみ、硬くしこっている。
今かと今かと赤子みたく吸いつき、猫のように舌で跳ね上げて舐める。

「ふぅんん、そんなこと……まだ出ないよ」
「遠い未来の話でもないってこと」
「そう、俺たちが……今から仕込んであげる」
「うん……お願い」

じゅくじゅくと愛液に溢れる秘裂を指で割り開き、その量を確かめる。
寂しげに濡れて光る陰核も口に含み、膣口は二本の指で抜き差して一緒に愛でる。
しかしされる方は愛でるなどと生ぬるいものではない。
指を鉤に曲げGスポットを擦ってはクリトリスも舌の洗礼を受け、
結衣は刺激にのたうち、更にはアキトから執拗な乳責めにもあっている。

「はあぁぅ! やっ、それ、すごい」
「もうエッチで濡れ濡れ、ここにもうすぐお望みのものが来るって期待だね」
「ダメぇ……いきなりそんなの……ああぁ、んぁあ!!」

軽く絶頂に果てる結衣は、長い四肢を使って二人を抱きしめる。
大柄ではちきれんばかりの女体にしがみ付かれるのは、それだけで気持ちよい。

「はうぅ、はあっ、はあぁ……」
「イっちゃった?」

結衣はだらしなく呆けたまま、恥ずかしげに首を縦にふる。
下はシーツに染みを作るほど蜜液を垂らし、それだけで股間の一物は奮い立ってしまう。

「ふぅ、俺が先でいいんだよね」
「勿論、立派に撮ってやるよ」
「……意外に乗り気だね……。まあ毒を喰らわば、ってね」
247エピローグ:2008/06/14(土) 10:59:43 ID:MTj3DD44
白い尻の下にタオルを敷き詰めて股間を高めに掲げさせた後、
アキトは結衣の太腿を抱え、男根を割れ目に擦りつけた。
結衣は背が高いが、こうして寝転んで折りたたむようにすると小さく見える。
脚が長いためだろうが、この入り口へと誘われる姿に目も眩みそうだった。
これ以上ないほど勃起した男根を膣口へとあてがい腰を前に進める。

「はああぁ、あん……入ってくる」

女性器はみちみちと開かれ、男性器との結合を深める。
根元まで埋め込まれると、そこはもう子宮への突き当たりに阻まれる。

「あっ、あふぅ。はあぁ……おっきいの……」
「どんな感じか、しっかり言わないとね」

カメラを意識して感想を催促する。
どうせ皿まで食べるなら、とことん利用して辱めたい。
実は結構乗り気であった。

「はらぁ、アキお父さんのオチンチンが結衣のオマンコの奥まで入ってるよ。
この後たくさん気持ちよくなって……膣内射精して赤ちゃんの素をもらうの。
それをハルお父さんと交互に、何度もたくさんね……」

結衣は羞恥で赤面しながら、カメラに向かって未来の子供に語りかける。
アキトはその間もゆっくりと腰をグラインドさせて、感触を馴染ませていった。

「ふふ、二人分必要だなんて、結衣はエッチだなぁ」
「やぁん、そんな。私、背が高いしその分いっぱい必要なの」

至極ごもっとものようで、そうでもないような理屈だ。

「じゃあもっとおねだりして」

相変わらず弟のベッドヤクザっぷりに兄は心配になる。
そんな思いをよそに、結衣は顔を伏せて小声で呟いた。

「ん? ほらぁ、もっと大きな声でさ」

言いながら促すように膣奥まで擦り上げる。
潤いを増す粘膜に相手の興奮がわかった。

「はうん! オマンコいっぱいごしごしして!
ハル君とアキちゃんの二人のチンポでぇ結衣をめちゃめちゃにして!
はあはあ、そうよそこ! そこに、白くてねばねばした精液が欲しいの。
子宮の奥までいっぱい愛して欲しいよ。そうしてくれたら、結衣はきっと孕むの。
だからお願いなの、いっぱい注いで二人の子供を結衣にください」
「よくできました。それじゃあ……」
248エピローグ:2008/06/14(土) 11:01:45 ID:MTj3DD44
腰を上げてぎりぎりまで引き抜き、体重をこめて勢いよく挿入した。
剛直が子宮を揺さぶり、膣壁が喰らいついて摩擦による快楽を堪能する。
肉を打ち合わさる音は、牡の純粋な欲求によってどんどん早くなっていく。

「はぁああぁ、これ、これが欲しかったの」
「結衣のエッチなお肉が、アキのチンポを美味しそうに食べてるよ」
「美味しいくて、ぎゅってしちゃうよぉ。
もっともっと奥まで犯して! 一番深いところまで味わいたいの」

胎内から湧き上がる切ない疼きに支配され、結衣は恥ずかしげもなく答える。
結合部から撮影され意識が向かう中、限界まで張ったエラが容赦なく抉っていく。
一突き毎に感じるポイントを満遍なく刺激され、最奥の性感帯と衝突する。
子宮口との接吻は子種を求める女体にとって劇薬のように全身を侵す。
最後のとどめを、慈悲を欲しいあまり、生殖行為を牡に求め、高まっていた。

「ダメぇ、もう来て。奥ぅ、切なくて、欲しいよぉ」

切れ切れに叫ぶ結衣に、
アキトは時折緩急をつけて、一際良い声で啼く部分を突き、擦る。
同時に乳房へと手を伸ばし、快感で肉体に従属を強いる。

「んぁ。やあぁ……イク。はあはあっ、もうイっちゃう!!」
「いいよ、このまま何度も……イかせるから」

許しを得たのを境に意識を保つ糸を手放して、
ひたすらに膣を行き来する怒張が高みへ押し上げる。
肉体は敏感に震えながら、すでに結衣は焦点を結ばぬ目で陶酔の表情を晒して喘ぐ。
焦らされた分、身体は敏感になり容易く昇りつめる。

「こんなの……もう…はっ、ああぁ、あああぁん!!」
「ん、ん……」

結衣が達すると筋肉がひきつり、執拗に膣壁が沈んだ男根に絡みつく。
気を抜くと今にも出てしまうが、アキトは我慢してこらえた。
四肢を張り詰めながら仰け反り、徐々に弛緩して女体の柔らかさを戻していく。

「はあっ、はあぁぁ……まだ……。ハル!」
「え?」

突然呼ばれて驚く声を出す。
だがアキトの目だけで意図を察っすることができる兄だった。

「あはは……。それじゃあ」
「おう」

結衣は意図がわからず、そのまま息を整えてるとアキトは抜いてしまった。

「まだ、終わってないよぉ」
「わかってるよ。ねっ……うん……ちゅ」

アキトは結衣の髪を指に絡めながらキスをする。
結衣も首に腕をまわし舌の感触を楽しんでいると、突如訪れる下半身から充足感にわななく。

「んん! ちゅるる……ん、んあぁ!!」
「もっとエッチな顔を見せてよ」
249エピローグ:2008/06/14(土) 11:04:39 ID:MTj3DD44
アキトはハルキからカメラを受け取った。
熱い剛直によって、噴き上げるような快感に襲われてる表情を余すところなく撮る。
事実結衣はすでに絶頂へといかされた肉体を、再び高みに昇っていく。
硬さや形状、長さが違うわけではないが、それでも違う新たな快楽が掘り起こされる。
膣肉の急所に突かれながらも、柔らかに揉み解される感触。

「あっ、んあぁ! 何か違う、違うよぉ……はあっ、やあぁ!
すごく、あん! くるの。はあぁ……」

頬や首筋、太腿から尻とソフトに手を這わせ、蜜壷ではこれまで培った要所要所を捉えていく。
結衣は身体が溶けてなくなりそうな浮遊感に、神経だけが鋭敏に肉の悦びを拾い上げた。
アキトとの時とはまた違った愉悦に蕩ける表情を両手で隠すが、
ハルキは結衣の両手首を取り、顔の横に磔刑のごとく押さえつける。
すると今度は腰の動きを制限しようと、両脚をハルキの胴に絡めた。
ハルキにはやっとわかったのだが、結衣は本当に撮られるのが恥ずかしいらしい。
自分から言い出したことだから、プレイの一種かと思ったが微妙に違う。
だけどこんないい表情をされて隠すのはもったいない。

「結衣、ダメダメ。もっと気持ちよくなってもらわないと」
「はあっ、はあっ、ねぇ、もうダメだから……にお願い……」
「うん」

ハルキは尻を抱え、これで最後とばかりに腰を叩きつけると、
豊満で形のよい美乳がふるふると揺れ動きながら牡を誘惑する。
今度は逃すまいと締め付ける膣にも増して、勢いよく怒張を子宮口まで挿入した。
少しでも受精する可能性を高めようと、何度も肉の隘路をならすように往復する
悦楽を糧に精巣の内で子種を溜め、着々と準備を進める。

「どう? もうすぐイクよ!」

嬉しい言葉に結衣は夢中で抱きしめる。
自然とハルキの顔が乳房にうずくまり、甘い体臭を吸い込みながら何度も突き入れた。
汗に濡れた肢体が一層艶かしく光っていた。

「きて! 結衣の一番大事なところに出して!
中で出してえ! 受精するの、赤ちゃんつくるよぉ!!」
「くぅ、ふぁっ、出る! ぅくうぅ、ああぁぁ!!」

結衣はハルキの腰に長い脚を巻きつけて離さない。
急速に増す射精感に密着する肌が最後の抵抗を崩した。
陰嚢で生成された精子が前立腺液と合わさり出口を求めて噴き上げ、
結衣は胎内に塊のごとき精液を一身に受け止めた。
ようやく待ち望んだ熱き子種に、一気に限界を超え絶頂へと導かれる。
射精中にも膣を貪るように犯され、全身を揺さぶられながら牡の洗礼を受ける。

「ああぁ、今ハルお父さんが射精してるよぉ……。すごいたくさん、中に出てる。
はぅっ、止まらないで、頑張ってる。孕ませようってとっても」
「はあっ、はあっ、吸い上げてくるよ」

ぴんと背筋を駆け抜ける快感が結合部からもたらされる。
精液をより多く貰わんとする肉襞の蠢きが、止む事のない射精へとつながる。
押し出そうとしたり引き込もうとする、女の内側の気まぐれに弄ばれてもいたが、
ハルキは腰を押さえて寄せ、がしがしと打ちつけながら生殖行為を重ねる。
一滴も無駄にしない、有無を言わせぬ強烈な衝動だった。

「ふっ、はあはあぁぁ……どう?」
「はあぁぁ……最高だったよ。ちゅっ」

ハルキは結衣と掌を合わせ、キスをして頬擦りする。
250エピローグ:2008/06/14(土) 11:09:54 ID:MTj3DD44
「やっともらえたの……たくさん」
「でも、もっと必要だろうからね」

名残惜しい気もあったが、これ以上お膳立てしてくれたまま待たせるのは忍びない。
結衣は結合部を虚ろに眺め、再び迎い入れる一物をじっと見つめる。

「もっとください……」

同じ姿勢のまま、再度の挿入だった。
違うのは最初から射精へ向けての律動であり、
勢いのまま腰を前後させ粘液の泡立つ音を鳴らしていく。

「すごくいいよ。待ってる間も興奮してたから、もうイキそうだよ」
「はあん! は、激しいよぉ。すごく……あっ……んんぁああ!」
「はあはあ、あんなの見せられたら……」

始めとは違うぬめりと締まりに陶酔しながら、抽挿を繰り返す。
アキトは結衣と兄との生殖を目の前にして、激しい獣性の襲われていた。

「ん、ん、はあはあ……あっ! 奥までぇ……ぶつかってる。
オチンチンが奥まで、きゃ、んあ! 赤ちゃんの入り口に当たってる!」

結衣は息も絶え絶えに忘我の域で叫ぶ。
突かれる毎に身体は反応し、女性器は収縮をしながら男根を慰撫する。
一連から続く絶え間ない性行為と、膣内に出された多量の精によって完全に発情していた。
全身を桜色に染め、時折痙攣するオーガズム手前の状態だ。

「最高だよ。この奥の……ぐちゃぐちゃになってるところに……出したい!」

ぬちゅぬちょと奥にある精液溜まりを押し込み、もっとここに注ぎたい欲望に支配される。
神聖な箇所だからこそ何度も注ぎ、塗りこみ、溢れさせ征服したい。
この器を満たせばきっと新たな生命が宿るのだ。
結衣は脚を大きくひろげられ、割れ目が左右に引っ張られる。
ぐいぐいともぐり込む肉棒が反り返り、普段とは違う部位に擦れながら蹂躙する。
膣や子宮から届く合図に、下腹部が熱く灼けそうだった。
きっと身体が受精を待ち望み、準備を進めているのだと。

「ふぁ、ああぁ、いくよ!」
「はあんっ! すごっ……いい。このまま一番深いところに!
もっともっとぉ……いっぱい赤ちゃんのもと注いで!!」
「ふふ、中出しをおねだりだなんて、本当にいやらしいんだから。
はあはあぁ、ハルにもされたのに、もっと欲しいの?」
「欲しいの……アキちゃんの精液もぉ……結衣にください。
子宮にハル君のとぉ、アキちゃんの精子を仲良く一緒にね」
「いいよいいよ。ほらぁ、カメラ向かってエッチで淫乱でごめんなさいって言って」
「はあっ、はあっ……二人のオチンチンでイクよぉ。
今度はアキお父さんに中出しされて孕む、妊娠するエッチで淫乱な結衣でごめんなさい。
でも、二人じゃないと満足できない身体にされちゃったから。
私、二人のこと大好きだから、愛してるから二人の子供が欲しいの」

牡の支配欲と生殖本能を刺激するやりとりが、愛欲の火に油を注ぐ。

「結衣、愛してるよ。綺麗で可愛くて、エッチで淫乱なところも……」
「あぅ! はあぁん、嬉しいよ。
ねっ、エッチで淫乱だけど、二人でたくさんしつけて欲しいの」
「はあっ、はあぅ!! で、出る!」

腰と尻がぶつかり悶え狂う女体への最後の一撃に、胎内へ白濁とした粘液が打ち抜いた。
脈動に合わせ、締め付ける媚肉に誘われるまま、膣奥へ何度も挿入する。
251エピローグ:2008/06/14(土) 11:11:55 ID:MTj3DD44
「んっ、あぁ!! 奥ぅ、はあん!!
熱いの……どくんどくんって入ってくる」
「うあぁ……本当に吸い取ってくる」

女性器と深い結合のまま射精する快感に酔いしれる。
子宮口に亀頭を押し込み、鈴口から無数の精子を含む体液を放つ。
肉竿の内から底知れぬ量が走りぬけ、迸っていき、
最愛の女性へと遺伝子情報を存分に書きつける。
きっと胎内ではハルキとの協同で事にあたってるだろう。
全てを出し切った後もしばらく抱き合い、ようやく結衣から離れる

「んん、ふぁぅ……溢れちゃう……」
「自分でも、ちょっと恥ずかしいくらい出たね……」

愛液と精液の混ざった粘液が秘洞から漏れて垂れ落ちる。
二人の男性から間をおかず中出しされた痕跡とも言うべきか、
子宮に入りきらなかった分が膣の収縮によって溢れてしまった。
まるで己の分身がやんちゃをしてるようで、いささか恥ずかしい気分にさせられる。

「気分はどう。あっ、隠さないで脚開いて」

おずおずと結衣は秘部を隠していた脚をずらす。
あまりのいやらしい光景に眩暈がしそうだった。

「あん……ほら見て……。ハルお父さんと、アキお父さんの精液……。
二人でたくさん結衣の中に出したから、外にこぼれたの。
ねっ、これであなたのお父さんは二人いるって証拠になるかな」

今も意外なほど恥ずかしがりながらも秘部を隠さずにいる。
だいたい快楽の追求に貪欲な結衣が、脚で動きを制限したあたりから何か引っかかる。
ハルキはここで、もしかしてカメラで撮る行為が結衣による配慮によるもののような気がした。
アキトと目を合わすと、同じことを思っているのがわかった。

生まれてくる子供が、父親が二人いる特異な状況の証拠だろうか。
確かに多感な年頃になれば色々あるだろうが、このビデオを見せるわけにもいくまい。
もしかしたら三人で集まるのが一年ぶりだったため、不安だったのかもしれない。
結衣は結衣なりに、自分に対して自信を持っているが、
それが翻ればアキトが一年間帰省しなかった不安にもなりうるだろう。
揉め事にならないよう交通整理の意味合いでビデオカメラでも持たせたのか。
考えれば考えるほど謎だが、単に羞恥プレイを楽しみたかったのが真実のような気もする。

まあこんな風にぐたぐた推測するのも、結衣に言わせれば無粋の極みだろう。
もしかしたら子供が成長した時、万が一、億が一にこのビデオが役に立つのかもしれない。
一年ぶりだから、一人一人愛を確かめたかったのかもしれない。
羞恥プレイをして、より深い趣向を求めたのかもしれない。
ただ一緒に暮らしてみての実感だが、結衣が考えることは信用してよい。
視点、着想、行動が奇抜なものもあり、真意がわからないことが多いが。

色々考えたすえ、ハルキはカメラの電源を切る。
252エピローグ:2008/06/14(土) 11:13:43 ID:MTj3DD44
「もう止めるの?」
「まさか、たださ」

ハルキはアキトとアイコンタクトをする。
この先はお前が言え、ということだった。
推測が少しでも当たっていれば、次の台詞はアキトが言ったほうが良い。

「次は一緒にしたほうが、結衣も嬉しいだろうからね」

結衣ははにかみながら頷いた。

アキトは結衣を抱きしめ横に転がる。
うなじから鎖骨を舌でくすぐり、手は秘裂へとのばす。
くりくりと陰核を擦ると陰唇からはときどき液を飛ばす。

「何か結衣が射精してるみたい」
「あん……やっ……はあはあ」

ハルキは片足を抱え、アキトの愛撫をやり易くしながら足を舐める。
尻から始まって大腿、足へと至るラインは芸術的で、妄執を抱かずにはおれない妖しさがある。
足首から裏まで執拗に奉仕すると、思いがけない箇所からの責めに弱いのか身を震わせて喘ぐ。

「ハル、もう入れちゃいなよ。ほら……」

アキトは二本の指で陰唇を開いてみせる。
言うまでもなく、とろとろと愛液にまみれて男を待ちわびていた。

「結衣からもおねだりして」
「はい、ん……ここ、いやらしく開いてる所お口に入れてください。まだ……まだ足りないの」

横臥のまま片足を担ぎ、息づく秘所へ再び硬く屹立したものを挿入する。
尻を撫でながら前進して、亀頭から肉襞を割り込んでいった。
狂おしいほどの快楽に、より肉棒はいきりたち女を責める役目を果たさんとする。
即座に腰を打ちつけ、引き戻しては挿入を始める。
おっぱいこそ至上と思っているハルキにとって、
二つ重なるたわわな乳房が己の動き一つによって揺れ動く姿は実に最高だった。
豊満な胸は妊娠適齢の表れ、だからこそ惹かれる、孕ませたい。

「やぁっ、あっ、ん! はあはあ、二人に抱かれてる。
アキちゃんにぎゅってされながら、ハル君とセックス気持ちいいよ!」

アキトの舌は下がっていき、胸へと到達する。
揺れるのをあえて邪魔するよう、乳首に吸い付いて離れない。
乳房全体は縦横に揺れながらも、頂点だけは引っ張られ位置を変えなかった。

「はあん!! おっぱい、乳首が……やぁ、ん!」
「ん……ちゅるる」

下半身はセックスに興じながら、上半身も動揺の激しさでの快楽。
容赦など無用なことは二人ともわかっている。
このまま何度でも犯し、交わり、嬲りつくさなければならない。

「はあっはあ、締まる、気持ちいいよ結衣、結衣!
また奥にいっぱい出してあげる。二人目、妊娠して!!」
253エピローグ:2008/06/14(土) 11:17:25 ID:MTj3DD44
ハルキは自然と前のめりに体重を掛けた。
高々と掲げられる片足はときどき張りつめ、
可愛らしさに腰を律動させながら足の指の股に舌を這わせる。
思いがけない愛撫に背筋を反らせて喘ぐ結衣の喉を、今度はアキトがぬらぬらと唾液の跡を付ける。

「はああぁ、んん、もう、もうダメ! そこっ、そこぉ!
いいよ、そのまま全部中に出して! 奥で!!」

密着して身体を押さえつけられながら、もう一方で怒張は膣奥までねじ込み、掻き回す。
結衣は総掛かりでくらう快楽による折檻に、恍惚のまま嬌声をあげる。
アキトがそっと結合部の上、肉芽にも手を加えると、
もはや意味をなす言葉も吐けなかった。
ひたすらに喘ぎ悶え狂い、色欲に彩られた肢体はますます艶めく。

「あふ、ああっ! ん、んん!! ら、めぇ、そこ……あっ……。
ひゃっ!! イキっぱなしで……変になっちゃうよ」
「はあっ、すごすぎるよ。くぁ、あっ! 出る!!」
「あああぁぁ!! はあぁ! 結衣も、イっちゃう!!」

行為そのものを込めてケダモノのように咆哮を放つ。
肉の割れ目を貫き、緋色の空間へと白い濁流が押し寄せた。
直に喰らう濃厚な汁は格別である。

「はあ、んあぁ!! ……出てる……。わかるくらい……たくさん来る。
ぐちょぐちょのオマンコ……もっとどろどろに精液がいっぱい」

子種がそのまま煮えたぎる肉炉へと十重二十重にも注がれる。
深く深く膣内射精をして確実に子宮内へ種を植え付ける。
逃すまいときゅうきゅうに接する肉路は、
入りきらない分を結合部の隙間から溢れ出させた。

「はあはあっ。ん……はあ……漏れちゃう……」
「ふうぅ……。すごく良かったよ」

結衣は絶頂に意識を彷徨わせ、目が霞む中、
歓喜をあげる生殖器の饗宴だけははっきりと感じとっていた。
官能の嵐が全身を駆け巡る交わりの最果て、
下腹部が熱く満たされ、子孫を残そうとする本能が安息に包まれる心地よさ。
まだ本格的に始まってから三度目だと言うのに、これほどの域に到達するのが信じられなかった。
そして双子の方はいくらか余裕すら漂っていた。
254エピローグ:2008/06/14(土) 11:19:19 ID:MTj3DD44

いくらか体力に自信があっても、相手は四年前とは違い完全に成人している。
そして一年前とも、ひと月前とも違う。環境の変化が彼らを真に成人たらしめている。
それこそアキトが学生の頃は、自分の快楽の追及で精一杯だったが今は違う。
一子目とは違い、結衣が自分の、自分たちの子供を身籠り、
そしてなによりも養う心構えでセックスする。
その愛情と喜びは恩返しに代えて、お互いの快楽への果てしない原動力となった。

ハルキにしても、金銭面でいくらか苦労をした前回とは事情がまったく違う。
家族としてアキトが加わった以上、憂慮すべきことなど何一つない。
愛しさと嬉しさ、そこに性欲、最高の相手をして混じりけのない欲求が昇華される。
そこに世俗の事情など、わずらわしい要素を排除することが可能だった。
束縛など無用、不安もなく、ひたすら純粋に子作りを求めるハルキは強い。


息を切らしながら、結衣はうつ伏せに転がされる。
抵抗など無意味。
腰を掴まれて結衣は思う、また来るのだと。

妖艶に微笑み、自ら尻を高く掲げ左右に振る。
脚を肩幅程度に開けば、膣口からは一筋粘性のある白い液体が落ちた。
恥知らずな牝犬の振る舞いに、アキトは我慢できず挿入する。

「くぅ……好きだ、こんないやらしい所も大好き!!」
「はあぁん! 私も!! あっ、オマンコに……こんなにいっぱい逞しいの!」

始めから全開のピッチに結衣は目を潤ませて悦ぶ。
自分の限界がどこにあるのかわからない。どこまでも行ける、行きたい。
格好からして獣のごとき交わりだったが、前からは優しくあやすように髪を撫でられる。

「あっ、くぅん、ハル君もぉ……。ん、ちゅ」

結衣はそのままハルキの股間に顔をうずめ、舌と口で持って男根を慈しむ。
見ようによっては、犬がご飯を食べる仕草みたいでひどく倒錯的だった。
ハルキの手は耳たぶを擦り、長い髪が邪魔にならないようかき上げる。
全身が性感帯と化してる今、そんな優しさも堪らなく沁みる。

「ああぁ! ん、ん、ちゅ、むちゅ、じゅるる、はふ、れろ……ん、はあはあ」
「はぁ、はあ。お、おい……大丈夫?」

ハルキが何を心配してるのか、結衣にはわからなかった。
後背位で貫かれなが、涙を流しながら舌を突き出し、
在らぬ所を見る双眸のまま盛んに嬌声をあげる。
傍目から見れば壊れてしまったのではないかと思っても不思議ではない。

「まだよ、まだ……もう少しなの。はああ!!」
「俺も……はあ、はあ、もう少しで……」
「ふふ、ハル君もこんなにしてさ……。はっ、あん! あはぁ!」
255エピローグ:2008/06/14(土) 11:23:46 ID:MTj3DD44
強がりの台詞だっただろうが、アキトの動きによってかき消される。
当然口技の奉仕も断たれる。
ハルキにしてみれば別に構わないが、結衣の方が不満だった。
だがラストへ向けての激しい律動が邪魔をする、
子宮口まで打ちつけられる剛直が全身をも貫いていた。
尻に食い込む指が熱い。膣から子宮、皮膚や内臓や脳も繁殖へのエネルギーを生み出す。
溢れ出るものが内股をとめどなく伝って落ちる。

「あああん! あぁ、はあ……ね、ハル君も、来て。お口で」

結衣は喜びのあまり神様にでも感謝したいくらいだが、まずは二人への返礼が先だった。

「あ、あぁ……ん……」
「ふうう……あっ、それいい」

内心心配になるも、開けっ放しなままの蠱惑的な唇へと差し込む。
桃色に上気した表情は壮絶なほど淫らで猥褻、男を獰猛な生き物へと変えずにはいられない。
アキトは結衣の両腕を引っ張る。
弓なりに上半身を持ち上げて、肉棒で甘美な源泉を掘り、抉りつける。
結衣も奥深い結合を求めて腰を突き出し、尻からの衝撃に合わせてねっとりと舌を絡めた。
根元まで侵入した二人の一物を、熱く濡れた媚肉が丹念に奉仕する。
滑らかな肌に一層汗が浮かぶ。

「結衣……はあはあ、口も気持ちいい……」
「はあっ、はあっ、ハルも……自分から動けさ」
「あぁ……はあぅ!」

すぼまる頬を眺めながら、ハルキも腰を前後させる。
ちょっと罪悪感があるが、結衣もこの方が楽なはずだ。

「ん! じゅる、はぁん……ん、ん! ちゅ」

奉仕しているのは結衣だったが、実際は奉仕されているのかもしれない。
女神のごとき造形美を極めた肉体に強い精神、
そして内に秘める果てしない性欲が二人の男によって解放されていた。
上下の口を塞ぐ怒張がそこかしこに刺激する。
肉体は勿論、精神から本能に至るまで。

「くぁ! ふあぁ、きゅうきゅうに締めつけてくる。もう……」
「俺はもうちょっと」
「な、ならさ……」

アキトはペースを落として、ハルキはペースを上げる。
もう意図はわかっていた。

結衣は片手を自由にされ、肉棒をしごくのに用いる。
美味しそうに頬張る中、その頬をそっと濡らすのは快楽によって流す感涙だった。
情熱的な口腔性交によってハルキも熱い吐息を漏らす。
睾丸もころころとくすぐられると、否応無しに屹立し先走りが滲み出る。

「ん、ちゅ、ちゅる、はふぅ、んん、ちゅぱ……じゅるる。ん、ここも……」
「はあ、はあ、もういいよ。ありがとう」
256エピローグ:2008/06/14(土) 11:26:25 ID:MTj3DD44
限界の一歩手前で止める。ここからが本番だ。
アキトはぐりぐりと膣の腹側は擦りつける。
突如襲う甘く刺激的な責めに、結衣は感じすぎて崩れ落ちた。
もう一度両腕を引っ張り、ハルキが口を犯しやすいよう上半身を持ち上げる。

「ふんぅ、ん、ちゅ、あふ! ひゃ……んん!」

口を肉棒によって塞がれ、声を出すことも許されないまま愉悦の時を迎えていた。
逆に下は粘液質に肉の打ち合う音を奏で、
時折結合部から液を飛ばして自由に快楽を表し謳歌していた。

「いくよ。ここから……最後まで一緒に」

アキトは腰の括れを掴み、激しい抽挿を繰り返す。
結衣は前のハルキにすがり付き、掲げた尻から貫かれる衝撃を余すところなく味わう。
性器への刺激は官能的で苛烈を極めた。

「ああん!! あっ、ふぁ、んあぁ!!」」

湧き上がる強烈な快感に、堪らず結衣は男根から口を離し叫ぶ。

「あふん! ああん! はあはあ……もう、ホントに、らっ、はあ、らめぇ……」
「結衣。いいから、たっぷりアキを感じなよ」
「やあん、ハル君のザーメンも、はあはあ、一緒にもらうのぉ……」
「それなら……」

ハルキは結衣の目の前で自らしごく。
結衣はその様子を嬉しそうに眺めた後、目を閉じて舌をだらしなく垂らし、
背後から挑みかかる濃厚なセックスに集中する。

「あああ! はふぁ! もう……こんなの……あん!
……こ、壊れちゃう。気持ち良すぎておかしくなるよ!
オチンチン、奥までごつんごつんって当たって、あん! ほら、はああぁ!!」

嗜虐心をそそる悲鳴、男心をくすぐる甘い囀りを奏でる
まるで行き止まるのが不本意とばかりに最奥をぐりぐりと抉られる快感がすさまじかった。
牝を妊娠させようと意気盛んに入り口をこじ開ける。
抵抗など無意味だ。むしろとっくに最初から白旗を振っているが、降伏を許してくれない。
丁寧に手入れされた身体をなすがままに蹂躙される。

「イク……。はああ、くぅぁ! 出すよ、結衣の中にね!!」
「俺も、綺麗なお顔に出してあげる」
「あん、はあっ!! んん、出して! 結衣の中も、外も精液でどろどろにして!!」

ハルキは結衣の眉間から鼻先へと射精する。
セックスに蕩ける淫らな美貌へと、天罰を下すべくどろりと浴びせかけた。
結衣は舌を伸ばして、滴り落ちる粘液まで受け取る。
汚された被虐の快楽に、次は膣内で膨れ上がる怒張を感じた。

「あっ、ああぁ! はあん!! 入ってくる」

熱いものが下腹部を駆け上がるのを感じ、絶頂に達する。。
溢れかえろうがお構いなしに、新たに遺伝子の塊をぶつける。
何事にも代えがたい膣内射精の快楽に、
アキトも腰を奮い立たせ脈動と共に連続して精を放つ。
子宮へと直撃する太い一閃に肉襞がわななき、より牡から貪ろうと蠢いた。
257エピローグ:2008/06/14(土) 11:34:53 ID:MTj3DD44
「ん! んん! くぅぅ、これは……最高だよ」
「こんなにいっぱい……嬉し……んん……赤ちゃんできるの……」

最高のエクスタシーの中、小刻みに震えながら中出しをする。
余韻を味わいながらも、まだ漏れるのを許さないと依然屹立する男根で出口を塞いでいた。
僅かに結合部から滲み出るものの、きっと下腹部は精液をいっぱいに詰め込まれている。

「ふぅ……ん……」

性器から子宮まで、いまだ充足感に沸き立つ。
暫く受精の感触を楽しむように目を細めた後、結衣は糸が切れたように崩れ落ちた。

「お、おい……結衣、結衣」
「……ん? あれ? 寝てるみたい……だね」

微かに規則正しい呼吸音が聞こえる。
二人の愛を感じながら夢に落ちていた。

「それにしても、すごく満足そうな顔」
「ふう、これなら当分安心だろう」

せめてもの報いに、顔と身体を拭う。
結衣はこれ以上ないほど幸せそうな表情を浮かべ、安らかに眠っていた。



とはいえ、翌日からさっそく浜辺でも誘惑され、
当分どころか束の間の安心だったそうである。
ハルキは本当にアキトが帰ってきて良かったと思い知らされた。
一人で身が持つわけがなかった。
258エピローグ:2008/06/14(土) 11:40:29 ID:MTj3DD44
**************************

春を迎え、そろそろ桜も散りはじめる頃。

ハルキは朝起きて周りを見る。
時計の針は、いささか寝坊したことを示していた。
そもそも職業柄夜遅くに帰ることが多い。
顔を洗ってテーブルに出ると、エプロン姿で結衣が振り返る。

「おはよう。今日はお寝坊さんね」
「ふぁ、おはよう、優希も」
「ぱぱ〜」

今日も優希は愛らしく、思わず頬にキスの一つをする。
優希はハルキをパパと呼び、アキトをお父さんと呼ぶ。
間違えず呼ぶところを見ると、意外にもすでに区別がついているようだった。

ふとアキトはもう居ないことに気付く。

「あれ、アキはもう出かけたの?」
「そうよ、月末だからって早出していったわ」
「ふーん、まあ大変なんだろうな」

バイトをしていた頃からの実感だが、何事もお金に関わることは難しいことが多い。
その大本たる銀行にいたっては、何をいわんやであろう。

「ふふ」
「ん?」
「アキちゃんが心配?」
「それは勿論。今日午前は用事ないから見に行きたいけど、さすがに迷惑だろうからな〜」

これには結衣が大笑いした。
アキトが社会人になっても、万事がこの調子であった。
スーツや靴を選ぶときも同行しては色々見立ても行った。
それくらいなら充分仲が良いですませられるが、
今度は結衣とハルキの行きつけの美容院にも紹介がてら一緒に付いていこうとしたくらいだ。
しかもアキトは特に気にしないため実際付いていき、
美容師にあれこれ自慢話をして弟煩悩ぶりを知らしめてきた。
259エピローグ:2008/06/14(土) 11:42:06 ID:MTj3DD44
「まあでも大丈夫だろう」
「そうね。私はもう少しアキちゃんを信頼してあげてもいいと思うな〜」
「いやぁ、つい癖でなあ……。頭ではわかっているけどね」

結衣が鍋に火をかけて味噌汁を温めなおす中、ハルキは後ろからそっと寄り添う。
軽く接吻しながら、エプロンの下に手を入れてお腹を撫でる。
調理場での水仕事もあってか、手は少し硬く荒れてるがその分暖かい。

先月は残念ながら普通に生理が来てしまったが、今回は順調に遅れているそうだった。

「う……ん、くすぐったいよ」
「もうそろそろ産婦人科に行ってみる」
「ふふ、もう少し待ってから。ぬか喜びしたくないしね」
「うん、そうだな」

軽く抱きしめた後、もう一度接吻をする。
テーブルに戻り、優希を膝の上に乗せながらハルキは思いをはせる。

苦節と言うには幸福が多く楽しさに満ちていたが、
これまでの道のりはけして平坦ではなかった。
もし自分一人だけなら、こう安々と家族計画を立てることも難しかったであろう。
仮に子供が欲しいとなっても経済的理由いかんでは無理なのだ。
奇しくもまったく両親と同じ理由が、実感を伴って降りかかってくる。
当時はたがだかそんな理由と切って捨てたが、
――認めたくないが、やはりそれは誤りだったのだろう。

バイトをしていた頃からの実感だが、何事もお金に関わることは難儀である。
前に行った、優希も含めて四人での記念旅行も金銭面では心もとなく、
結衣に家庭教師でのアルバイトを足しにしないと時期をずらすかしなければならなかった。
時期的にも休暇予定においても、それは何としても避けたかったのだ。
バイト自体は当人にとって昔とった杵柄であり、楽しいそうであったのが不幸中の幸いだったが。

今は経済的制約は、無論際限はあれど、ほとんどないと言っても過言ではなかった。
充分な収入と言うにはどちらもまだまだ半人前ではあるが、
それでも二人居るという状況は、つい先月までとは大きく違う。
この制約からの解放こそが、ハルキにとって長年の呪縛、トラウマからの解放であった。

「優希、きっともう少しで弟か妹がくるよ」

優希の髪を手櫛で優しく梳る。
言葉の意味がわからないと思われ、バナナを食べながらきょとんとする。
もしもあの夜、両親の会話がこんな内容だったら、きっと今と違う人生を歩んでいたはず。
どちらが幸せだったか知る由もないが、今となっては比較する必要もない。
ハルキはこれ以上考えられないほど幸せだった。


終わり
260名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 11:46:14 ID:VKoB8Z9F
超大作。GJ!
261四時五時 ◆P7woR/uQWc :2008/06/14(土) 11:47:11 ID:MTj3DD44
長々とお付き合いありがとうございました。
最後まで読んでくださったかたには本当に感謝です。

それでは、またいつかどこかで
262名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 11:58:58 ID:AbTh45Bx
投下7時間て! ようやるわホンマ
263名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 13:25:44 ID:PgqibvHw
なんという神。
264名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 16:34:39 ID:tGgCVlsd
質も量も物凄いな
GJ
265名無しさん@ピンキー:2008/06/14(土) 23:25:20 ID:MV7EwDW7
>>261
うまく褒められないけれど、超GJ!!
266名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 00:51:17 ID:tGL+b/QK
こんな神作者がいるなんて・・・驚きだぜ
超々GJ!
267名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 15:44:10 ID:JYFVN53m
伸びてると思ったらww
すごい量だな
268名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 15:53:55 ID:bBHm9Amu
書き手が絶倫なんですね
269名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 01:44:20 ID:vMgxM/Jk
普通の厚さの文庫本1冊以上あるように思う。250kくらいないか?
270名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 20:04:29 ID:wI7x9g63
場末の酒場
271名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 23:27:24 ID:e2KrE67L
ちょ、何この異常な伸びwオレってこんなに放置してたっけww
と思ったら凄い量だなおい、アンタの絶倫さに思わず惚れそうだw
272名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 13:03:30 ID:AUqgCJ5/
自分で区切りのいいところを決めて三日かけて読んだよ
いやはやお疲れ様でした
作者の絶倫ぶりばかりが印象に残って内容(特にエピローグ)がおぼろげだw
273名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 12:20:28 ID:Gs/BbnQF
なら、また三日かけないとだな!
274名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 19:10:02 ID:ZSOGDusU
エロ過ぎてどうしようもない。GJ。
275名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 04:17:03 ID:lAorCmMS
エロ無しですまない。
なんとなく書いてしまったので投下します。
276えす&えむ(1/4):2008/06/24(火) 04:19:32 ID:lAorCmMS
 秋陽高校の生徒、江洲聡史(えす さとし)と真園 絵馬(まぞの えま)
は普段、旧化学準備室で昼食を取る事にしていた。
 互いに向き合う形で、丸椅子に座っている。
 聡史は一年生、絵馬は三年生と教室が違うし、化学部員である聡史は顧問か
らこっそりと鍵無しで準備室に侵入するコツを教えてもらっていたのだ。
「先輩。何だか三年生の方、すごかったらしいですね」
 絵馬手作りの弁当に箸を運びながら、聡史は三時限目終了時の休み時間に起
こったという事件に水を向けてみた。分厚い眼鏡を掛けた、童顔小柄で学生服
の上に白衣を羽織った少年だ。
 年下の彼氏の問いに、聡史と中身は同じ、ただし若干小さな弁当を食しつつ、
絵馬が頷く。黄色いリボンが目立つポニーテールにした、どちらかといえば活
動的な印象の女の子だ。実際、テニス部員である。
「うん。ウチの男子……私と同じテニス部なんだけど、彼が同級生の子二人相
手に二股掛けてたらしいの。で、それがバレて教室で修羅場になってたのよ」

「なるほど、それで。大変だったんですね」
 しみじみと頷く聡史であった。まったくの他人事である。
「うん。時に聡史君」
 一足先に食べ終わった絵馬が、弁当箱を閉じた。
「何ですか、先輩……このう巻きはとてもおいしいです」
「うん、それは自信作だったの。それよりも、浮気ってどう思う? いや、携
帯出さなくてもいいよ。聡史君が潔白なのは信じてるから」
「してるんですか?」
 携帯電話をポケットにしまいながら、聡史は尋ねてみた。
「うわ、疑われてる」
「とりあえず言ってみました。あ、俺は嫌ですけど」
 無神経な質問に普通の女の子なら怒るところだろうが、絵馬は微笑んでいる。
実際、聡史の言葉で絵馬が怒った事は皆無だ。
 彼女が本気で怒るのを見たのは、他者が聡史を馬鹿にした時だけだ。相手は
持っていたラケットで半殺しにされた。聡史が止めなかったら、本当に死んで
いたかも知れない。
 その絵馬が、慈しむような目を聡史に向けながら首を傾ける。
「私が他の男に抱かれるのは嫌?」
「当たり前です」
「実は、聡史君の知らない所で他の男子と会って――まあ例えばサッカー部の
エースって噂の二年の白鳥君辺りに――中出しされまくってて、彼無しではい
られない身体にされてて、精液便所になってたりとかしてたら?」
 ……相変わらず飛ばすなぁ、と聡史は内心、冷や汗を垂らした。
「ちょっと待ってください。もうすぐご飯食べ終わります」
「うん、待つね」
277えす&えむ(2/4):2008/06/24(火) 04:21:17 ID:lAorCmMS
 さすがに、ご飯を食べている時に、精液便所なんて単語は食が進まない。
 一気に掻き込み、絵馬が差しだしてきたお茶で一服する。
 窓の向こうから、グラウンドで遊ぶ生徒達の声が遠く響いていた。
「……お待たせしました。そうですね、浮気が事実ならとりあえずそこの消火
器もって二年の教室に殴り込みに行きます。まあ、そんな事はないと思いますけど」
「何故?」
 先輩が、俺を愛しているからです。
 などという答えは、絵馬は期待していない。
 いや、これはこれで喜ぶだろうが、絵馬が欲しているのは『喜ぶ』ではなく
『悦ぶ』答えなのだ。
 付き合い始めてから数週間、聡史はそれを学んでいた。そしてその回答は別
に飾る必要はない。聡史が素で答えれば、基本的に絵馬は悦ぶのである。まあ、
絵馬が聡史を愛しているというのも間違いではないのだが。
「先輩は……えーと、その、俺専用の性欲処理道具だからです。待った! お
あずけ。襲うのウェイト。ご主人様の命令です」
 にじり寄り、聡史の股間に手をやる絵馬を、彼は制した。
「はぅ、ご主人様が意地悪だ」
 唇を尖らせながら、絵馬は丸椅子に戻った。
「いや、ってゆーか、この話の核を聞いておかないと。先輩、何か隠してるで
しょ。はい、そこ明後日の方向見ない。人と話をする時は目を見て話す……目
をつぶらない。キスはしませんってば」
「……まだ、おあずけ?」
 不満不満不満ーと、絵馬は足をぶらつかせた。大変可愛らしい、と聡史は思
うがここは我慢した。ってゆーか聡史が理性のタガを外すと、誰も止められな
いのだ。
 一般の人は気付かないが、基本的に絵馬のタガはデフォで外れているのであ
る。聡史が命じれば、どんな事だってするだろう。ケツの穴を舐めろと命じれ
ば悦んで舐めるし、小便を飲めと命じれば躊躇なく飲む。
「そんな捨てられた子犬みたいな目をしても駄目です。雌犬とはいえ、人間の
言葉を話すんですから。話さないと、チ○ポもしゃぶらせません」
「や、ついさっき、宣戦布告されちゃって」
「髪の毛縦巻きロールなお嬢様辺りに?」
 聡史の頭に、真っ赤な薔薇の花びらを降らせながらおほほほほ、と笑う女帝
のイメージが浮かんだ。そんな奇特な知人は存在しないが。
「テニスは関係ないわよ。そうじゃなくて、脇谷さん。前に、聡史君が振った
子」
「あー」
 脇谷佐保(わきや さほ)は聡史のクラスメイトだ。いかにも学級委員長、
というタイプの女の子で、実際委員長である。つい先日告白された(聡史とし
ては、物好きな人が校内に二人もいるのが驚きだ)が、俺には付き合っている
先輩がいるので委員長と付き合う事は出来ないよ、とお断りしてしまった。
278えす&えむ(3/4):2008/06/24(火) 04:22:44 ID:lAorCmMS
「負けませんからって」
 佐保から略奪宣言を受けた絵馬は、楽しそうに微笑んだ。
「それで?」
 まだちょっと、話が見えない。
 んー、と絵馬はまた首を傾げる。
「……私的には、他の男に抱かれるのは真っ平御免(ただし聡史君が命じれば
話は別)だけど」
「ちょっと待って。今、何か変なのが台詞の間に挟まってなかった?」
「気のせいよ」
 ふふぅ、と悪戯っ子のような笑顔を崩さない絵馬である。
「……そうですか。まあ、その状況になるのはありえないと思うからいいけど」
 コップに残っていた茶を口に運びながら、聡史はボヤく。実際、絵馬が他の
男に抱かれるなぞ、我慢ならない。
 ……まあ、正直想像するだけなら充分勃つシチュエーションなのだが、現実
と妄想の区別はつけなきゃならないだろう。
「私的に、他の女の子を交えてのさんぴーはありかなーと」
 えらい事を、絵馬が夢見るような表情で言った。
 噎せた。
「ぶほぉっ! げほっ、ごほっ……」
「はい、聡史君ティッシュ。……大丈夫?」
「だ、大丈夫……さ、3P?」
「うん。あ、別に4Pでも5Pでもオッケーだよ。その中にちゃんと私が入っ
てて、種付けしてくれるならノープロブレム! NTRも悪くないけど、やっ
ぱり私は観客よりも参加者よ!」
 グッとサムズアップを決める絵馬だった。
「いや、そこは親指立てる所じゃないでしょ!?」
「そうね、こっちだわ」
 反省した絵馬が違う指を立てる。
「小指でもなくて!」
 再び、絵馬は聡史ににじり寄ってきた。
 聡史の胸に頭を預けると、上目遣いに見つめてくる。
「……しょーじきな所、どーかなー。ご主人様的に他の女の子って抱きたくな
い? 私以外の可愛くて綺麗な女の子とか、どう? 例えばロリぺったんとか
エッチなんて全然知らなさそうな清楚な感じの子とか」
「あ、うう……」
 そのまま、絵馬は股間を撫でてくる。聡史はこれに、実に弱い。
「一言命令してくれれば、調達するよー? どうかなぁ?」
 興味がないといえば嘘になる。
 だが、これはどちらかといえば、単純に絵馬がやってみたい行為なのは瞭然
であった。
279えす&えむ(4/4):2008/06/24(火) 04:24:02 ID:lAorCmMS
「……あー、つまり先輩は、他の女の体液で汚れたチ○ポをしゃぶりたいと」
「うん」
 いよいよ本格的に聡史に身体を預けながら、絵馬が猫のように目を細める。
「双頭バイブで女の子を犯しながら、自分もアナルを責められたいと」
「うんうん」
「すっごい目が輝いてるし……オッケー。俺好みの子を二、三人見繕って来い。
仕込みは任せる。上手くできたら褒美に、土日フルに使って犯してやる」
 命令口調に切り替えつつ、聡史は絵馬の頭を撫でた。
「はい、頑張ります! ……えと、でもその前にー」
 聡史の胸板に頭を押しつけ、期待するような目で絵馬が見上げてきた。
「分かった。手付けに精液飲ませてやるよ。喉の奥に直接ね。ジッパーは口で
下ろすんだぞ」
「わーい♪」
 絵馬は嬉しそうに聡史の股間に屈むと、ジッパーを口に挟んで引きずり下ろしていった。
280名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 04:25:27 ID:lAorCmMS
投下終了です。
書いてたら何かかのこんみたいな組み合わせになってしまった……。
次はエロありで投下したい所です。
しかし考えてみたらこの流れ、別スレで書いた作品とほぼ同じだわ。(汗
281名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 09:50:08 ID:ElEBmuJH
>別スレで書いた作品
kwsk
282名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 15:23:08 ID:cK/8EJhq
GJ。これは別作品にも期待せざるを得ない。
283名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 04:15:54 ID:fGh1he7l
これは全裸待機せざるを得ない
284名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 06:31:09 ID:GkpOrJAx
>>283
全裸は認めん
ネクタイと靴下を着用せよ
紳士の嗜みだ
285名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 23:37:59 ID:E6116sj6
>>284
流派の違いを認めてあげたらどうかな。

山高帽だけ着用とか、正座しなければならないとか
色々あるのだからして
286名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 05:29:55 ID:3apG6U4b
ネクタイの着用場所も流派によって違うらしいぞ


もっとも、ここでは紳士の象徴に着けるのが大多数だがな
287名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 07:06:38 ID:AbUYmMuE
歴史的には「葉隠れ」、つまりイチジクの葉のみが正統
288名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 01:34:38 ID:pQ75q+lK
>>285
なるほどこれは失礼した
289名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 07:24:36 ID:UwpQQRGK
>>286
オスカー助演男優賞受賞の名優ウォルター・ヒューストンに倣えば

1.首 2.右手首 3.左手首 4.右足首 5.左足首 6.エレクトしたディック

の、合計6箇所に締めるのが正式だそうだ。全裸で。
290名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 09:53:38 ID:iPGo9RM0
ほしゅ
291名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 20:21:25 ID:++Cq9tAL
ほす
292名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 20:04:52 ID:dv09Aaar
過疎
293名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 09:01:56 ID:zgq/OyLI
だがageる
オレは淫乱娘が好きなんだぁぁぁ
294名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 10:19:26 ID:csExp86I
>16
295名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 10:46:56 ID:csExp86I
>147
296名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 11:05:12 ID:csExp86I
>156-164
>165-173
297名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 11:29:08 ID:csExp86I
>172-179
>180-187
298名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 11:44:27 ID:csExp86I
>187-193
>193-199
>200-206
299名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 12:03:53 ID:csExp86I
>215
300名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 12:12:20 ID:csExp86I
>224
301名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 12:23:40 ID:csExp86I
>232
302名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 12:31:45 ID:csExp86I
>240-246
303名無しさん@ピンキー:2008/07/20(日) 12:44:08 ID:csExp86I
>254-260
304名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 10:35:37 ID:MC5v4z7x
女性専用車両に清楚な高校生の集団に、
意外にも力づくで無理やりつれこまれて、
押さえつけられて犯されまくる少年・・・というシチュ思いついた。
305名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 09:08:32 ID:zx5GKiUm
>>304
是非書いてください
306名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 03:38:03 ID:b05ccw7E
保守
307名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:16:07 ID:XVWjLxbl
圧縮回避保守
308名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 14:34:21 ID:O+8b/mKT
暑い中こそ熱いエロを!
309名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 16:59:26 ID:Hzs1GNqF
ほっしゅ
310名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 03:50:55 ID:ofk14NyH
>>1
311名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 14:38:29 ID:FN7IdV8j
保守
312名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 23:30:39 ID:pgPraRBd
>>1
313名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 23:03:19 ID:B7KdKLBF
保守
314名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 05:20:18 ID:CXSZmTtz
保守
315名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 12:21:56 ID:VtPassTJ
涼しくなったね
316変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:09:35 ID:esGtoiMP
「ねぇねぇ、琴乃と新川くんて付き合ってるの?」
 新川正樹との関係を聞かれるその問いは彼女、鈴原琴乃にとって慣れたものだっ
た。
 小学校から高校まですべて同じクラスというかなり低確率な記録を成し遂げている
二人。家が近所ということもあり、関係はかなり親しい。
 クラスでもよく楽しげに談笑する二人の姿が見受けられ、二人が付き合ってると思っ
ているクラスメートも多かった。
「うんにゃ」
 最初に答えたのは正樹だった。
 平凡と言ってしまえばそれですべてが事足りるような特徴の無い少年であった。よ
くよく見れば顔立ちはそれなりに整っているがそれでも人をひきつけるタイプではな
い。
「俺と琴乃は幼なじみなんだよ」
 どこか眠そうな声で今まで何度も聞かれ答えてきた言葉を返す。それこそ小学校か
ら聞かれてきたことだった。今更かけらも恥じることは無い。
「ってなことを言ってるけど、琴乃のほうはどうなの?」
「え? えぇ、ん、そうですね。正樹くんにはよくしてもらってますけど……
その今は幼なじみです……んっ」
317変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:10:15 ID:esGtoiMP
 ほんのり紅潮させた声で恥じらうように琴乃は答える。
 おっとりとした声に丁寧な物腰。一切染色されていない長い髪は彼女の清楚な雰囲
気をさらに高めていた。美少女と称される彼女は密かにクラス内の人気も高い。
「今は……ねぇ……」
 琴乃の言葉にクラスメートは小さく笑う。
「毎朝、起こしに来てもらってお弁当まで作ってもらってるのに恋人じゃないんだ」
「勝手に設定を作るな……起こしてもらったことも弁当も無いぞ」
「あぁ、そうなんだ。ちぇ、カマかけたのにな」
 正樹は呆れたように手を振る。
 琴乃に起こしてもらう……正樹にはあまり想像のできない風景だった。
「ないから。そんなこと、だいたい琴乃は朝弱……」
「あ、あのごめんなさい……」
「ん?」
 正樹の言葉を打ち切るように琴乃がおそるおそるといった感じで声をかける。
「なんだか……気分が悪いので保健室に……」
「え? 大丈夫……そういえば顔もなんか赤いし……風邪?」
「そ、そうですね……たぶんそうだと思います」
「最近多くない、琴乃ほんとに大丈夫?」
「え、ええ」
「はぁ」
 ガタッ
 正樹は無言で立ち上がると半ば強引に琴乃の手を引いていく。
「え、正樹くん?」
「新川?」
「ほら行くぞ。保健室行くんだろ?」
「え……、は、はい♪」
 だれの目にも分かる満面の笑みを浮かべると琴乃は正樹とともに歩き出す。
「…………あれでただの幼なじみねぇ」
 仲むつまじく(?)保健室に向かう二人を見て残されたクラスメートは半笑いで言っ
た。
318変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:11:19 ID:esGtoiMP
 クラスメートたちの想像とは違い、実際の所、正樹と琴乃は恋人同士のような関係で
はなかった。
「ご、ご主人さまぁ……」
 人気の少ない旧校舎……南月学園では部室棟として使われるその場所は昼休みは
ともかくただの休み時間は利用者は少ない。
 旧校舎の廊下にさしかかった瞬間、琴乃は正樹にしなだれかかるように言葉をつむ
ぐ。
「はぁ、相変わらず変態だな。琴乃は」
「んぅん」
 冷たく言い放ちながら正樹はわざとらしいため息をつく。
「だって、ご主人さまに入れてもらったおもちゃがぁ……」
「どうなってるんだ? 見せてみろよ」
「は、はい」
 正樹の言葉に琴乃は一瞬の迷いも無くスカートをまくりあげていく。
 スカートがあがり、琴乃の真っ白な太ももが露わになる。琴乃の白肌にはまるでナメ
クジが這ったように湿った液体が伝わっていた。
 その先をたどれば琴乃の清楚な雰囲気とは真逆のものが存在していた。
 スカートをまくしあげれば当然見えるはずの下着がない。
319変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:12:01 ID:esGtoiMP
 隠すものが何もない琴乃の性器。淫密を垂らすその場所には普通の女子が見たら嫌
悪感しか覚えないような凶々しい形のおもちゃが振動をたてて琴乃を刺激している。
 異常はそれだけではなかった。琴乃の年齢を考えればあって当然のはずの恥毛。そ
れはまるで最近全て剃り落としたように全く見受けられなかった。
「琴乃のおまんこもうこんなにぐちょぐちょなんです……」
「変態」
 罵るような正樹の言葉にもむしろ琴乃は心地よさそうに体を震わせる。
「うぅ……ご主人さまぁ……」
「朝からこんなもの突っ込んで授業中も感じまくってたんだろ。何が気分が悪いだよ
……素直に発情してましたと言えよ、この痴女」 
 わざとらしく乱暴な口調。手では琴乃に突きささる肉玩具を荒々しく動かす。
 そんな行為にも琴乃のは感極まった声で泣いた。
「あ、あぁ、ああん、き、きもち、いいです」
「誰か来るかもしれないのによくそこまで声出せるな」
「だ、だってぇ……」
「おいで」
 もはや一切の気遣いを見せず出来の悪いペットをしつけるように正樹は琴乃の手を引
いていく。もちろんそれは幼なじみにする行為でもましてや恋人にする行為でもなかった。
 ペットとご主人様。二人の関係はまさしくそれだった。
320変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:13:02 ID:esGtoiMP
「あ、ああぁ」
 部室棟の一室には正樹と琴乃が所属する天文部の部室があった。真面目な優等生
で通っている琴乃は部室の鍵も預かっている。
「もう、もう我慢できないです、ご主人さま」
 琴乃は部室に入ると、焦るようにスカートに手をかける。正樹に見られることで発情状
態にあった琴乃の身体はさらに燃え上がっていた。
「誰が服を脱いでいいって言った?」
「え?」
「そのままで」
「は、はい」
 正樹に命令に琴乃はさも当然のように頷くと正樹の足下に跪いていく。
「んっ」
 琴乃は熱い息をもらすと正樹のズボンに顔を近づけていく。そのまま一切手を使わず
に正樹のジッパーをくわえ、おろしていく。何度も繰り返して慣れてきたことだということ
は琴乃の手慣れた動きが物語っていた。
 半勃ちしていた正樹の肉棒は琴乃の口に導かれすぐに窮屈な場所を抜け出してい
た。
「ご主人さま、おちんちんしゃぶっていいですか」
 目の前に飛び出た肉棒。それをうっとりと眺め琴乃が求める。
「待て」
「え、えぇ」
321変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:13:54 ID:esGtoiMP
「しつけのなっていない雌犬をしつけるのも飼い主の務めだからな」
「あ、あぁ」
 まさしくそれは雌犬のしつけだった。涎を垂らし今にもペニスにむしゃぶりつきそうな
雌犬を正樹は厳しく律していた。
 二人とも無言で部室の中には静かにバイブの音だけが響いていた。
 普段の清楚なイメージは欠片もない琴乃の瞳は目の前に存在する男性の象徴に釘
付けだった。
「クラスのみんなも琴乃が淫乱恥女だって知ったらびっくりするだろうな」
「はぁ、はぁ」
 正樹が小さく笑う。だが琴乃はそんな正樹の言葉も聞こえていないようで、ただ主か
らの許可がおりるのを待っていた。
「ってきいてないか。仕方ない、よし、いいぞ」
 正樹が許可が降りた瞬間弾かれたように琴乃が正樹にむしゃぶりつく。
「んぅ、ああ、ちゅ……、あぁ、これ、これが欲しいんです」
 変態のうっとりとした声が響く。喉奥までくわえ込み余すことなく唾液をまぶしていく。
主に奉仕するという行為だけで感じているのか、荒い息をつきながら琴乃は正樹への
奉仕を続けていた。
「ご主人さまのあちんちん熱くて……大きくて……あぁ」
「ほんとに琴乃はチンコが好きだな」
「だいすきですぅ……朝も昼も夜も……頭の中はご主人さまのおちんちんでいっぱいな
んですぅ……」
「……チンコならだれのでもいいんじゃないの?」
 ちょっと意地の悪い口調で正樹が問う。
「いやぁ、ご主人さまじゃなきゃ……イヤですぅ、私をいっぱいイジメて気持ちよくしてく
れるのはご主人さまだけがいいんですぅ」
322変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:14:47 ID:esGtoiMP
 泣くように叫ぶと一層の忠誠を見せるように更に熱心にフェラチオに集中する。竿に舌
を這わせるだけでなく、優しく睾丸を口で転がす。
 正樹が仕込んだ技術だけでなく、琴乃自身が考えた行為も一切余すことなく実践す
る。
 琴乃にとって正樹に尽くすことがすべてで、正樹が望むならどんな変態行為にも及べ
た。正樹に捨てられないためには何でもできた。
「よく言えたな……じゃあ、そろそろ挿れてやるよ。後ろむいて」
「は、はい。ありがとうございます」
 琴乃の好きな体位は正常位と対面座位だった。だが、主が命ずるならどんな体位で
もプレイでも喜んで股を開く。それが琴乃という少女だった。
 床に四つん這いになると正樹に挿入してもらいやすいようお尻をあげる。邪魔にしか
ならないスカートはまくりあげ……準備は万端だ。
 授業中からずっと発情していた琴乃の性器は正樹の侵入を待ちきれずバイブをくわえ
たまま苦しそうにひくついていた。
「は、はやくくださぃ……おもちゃじゃなくてご主人さまの熱いおちんちん……」
「焦るなよ……変態」
 正樹は愛液でどろどろに湿ったバイブを引き抜くと、ごく無造作にもう一つの穴にぶち
込んだ。
 ただでさえ太いバイブ。だが正樹の手によって何度も調教されてきた琴乃の尻穴は
愛液の湿りもあって驚くほどあっさりと飲み込まれていく。
323変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:15:41 ID:esGtoiMP
「ひゃん、そんなご主人さまいきなりぃ!!!」
「あっさりバイブくわえこんで何言ってるんだよ」
 調子を確かめるようにバイブを何度か動かしながら正樹が笑う。
「あ、ああぁん! ひゃん!」
「変態の琴乃には前一本じゃ足りないと思ってね」
「あああ。そんなこと……」

 ズプッ!!

「ああああっっっ!!」
 琴乃の言葉をさえぎり、正樹は無造作に肉棒を突き刺していく。遠慮の無い乱暴な
挿入にもかかわらず琴乃の秘処はすんなりと正樹を受け入れ愛液を溢れさせた。
「おちん、ちんご主人さまのおちんちんがぁ……!!」
 正樹も熱い膣壁に自身を包まれすぐに達してしまいそうな快感だった。毎日のように
抽挿を繰り返し精液を注ぐ場所。だが琴乃の性器は今もまだ処女地のような締め付け
だった。
「あん、んぅ。ああ、気持ちいい、気持ちいいですぅ……ご主人さま」
 一切琴乃の体を気遣わない……自らの快楽だけを求める乱暴な抽挿。だが真性の
M気質を持つ琴乃にとってそれが何よりの快楽になることを正樹は知っていた。
「相変わらずだな……まったく……雌豚」
「そ、そうです! 琴乃はっ、変態の雌豚ぁ、なんですぅ!! ご主人さま専用の肉穴で
すっ」
324変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:16:40 ID:esGtoiMP
「とんだ淫乱だな。ま、性欲のはけ口になるからちょうどいいけどな」
「あひんっ、性欲のはけぐ……ち……なんです」
 正樹のどんな言葉も琴乃にとっては快楽を深めるスパイスでしかない。正樹に言葉を
かけられるたび、突かれる度に深い快楽にのめりこんでいく。
「ご主人さま……気持ち、気持ちいいですかぁ……」
 振り返りながら琴乃は正樹の動きに合わせ腰を激しく振るう。正樹にどうすれば気持
ちよくなってもらえるか、それだけを考えるのが奴隷である琴乃の役目だった。
「あぁ、いいぞ琴乃。琴乃の中は相変わらず締まる」
「ご主人さまに、気持ちよくなってもらえれば嬉しいです」
 にっこりと笑う琴乃。
 前の穴を肉棒に貫かれ、尻穴をバイブにえぐられていることを考慮しなければ、だれ
もが見とれてしまうような笑顔だった。
「っ! 琴乃イクぞ」
「は、はい、私ももうすぐ」
 琴乃の笑顔にむしょうに射精感が高まっていく。今にも爆発しそうな肉棒を抑え込
み、琴乃のタイミングを計る。処女の時から何度も貫いてきた肉穴。絶頂のタイミング
はよく分かった。
「あ、あ、あぁ、ご主人さま、いく、いく」
「あぁ、なかに出すぞ。いいな」
「はいっ! はいっ! 琴乃の膣内にご主人さまの精液注いでくださぃぃぃーー!!」
 琴乃の背筋が伸びる。口から悲鳴がほとばしる。
 絶頂に達した瞬間、正樹もまた最奥で爆発していた。
 避妊などかけらも考えない、快楽だけを求めた行為。
325変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:17:37 ID:esGtoiMP
「はぁ、はぁ」
「んん」
 絶頂に達し、琴乃は荒い息をはきながら床に顔を伏せてしまう。
 正樹は琴乃のなかから肉棒を引き抜くと倒れている琴乃を眺めながら苦笑する。
「授業さぼっちまったな……」
「あぁ、ごめんなさい」
 時計を見上げればすでに授業も中盤。はたして保健室にいましたという言い訳が通じ
るっだろうか?
「まったく……いつまでこんな関係続くんだろうな」
 琴乃の髪をひき、愛液にまみれた肉棒を琴乃の口に近づける。屈辱的な行為にも琴
乃は笑みさえ浮かべ、正樹の肉棒を愛しそうに掃除していく。
「んぅん……ん、琴乃は一生ご主人さまの奴隷ですから……」
「ん」
「ご主人さまの望む時、望む場所でセックスします。ご主人さまのために毎日ご飯作り
ます、掃除も洗濯もします、孕んだら産まれた子どもの面倒もちゃんと見ます……だか
らぁ」
「……琴乃さんや」
 情事の後始末と言わんばかりに肉棒に奉仕する琴乃。そんな彼女の頭を無造作に
撫でながらふと頭にわいた疑問を正樹は口にした。
「はい」
「最初のはともかく、あとの項目は雌奴隷じゃなくて『奥さん』やら『嫁さん』と呼ばれる
ものがやることじゃないか」
「…………」
「…………」
「……変態なお嫁さんはいや、ですか?」
 性欲にうなされた時とは少し違う、真っ赤な顔をして琴乃がささやく。
「うんにゃ」
「♪」
 多分、正樹の答えはずっと前に決まっていた。
 正樹は苦笑いを浮かべると、徐々に硬度を取り戻した肉棒を琴乃に再び向ける。
「あ……」
「今から授業にも出れないし。もう一回くらいするぞ」
「はい。ご主人さま」

 ご主人さまと雌奴隷。二人の関係はまだまだ終わりそうになかった。
326変態幼なじみ。:2008/09/09(火) 21:20:35 ID:esGtoiMP


以上になります。
唐突に失礼しました。
えむ&えすの続きを待っていたら、つい自分でも一本やってしまったのです。
327名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 00:44:55 ID:gQ+Uk/rU
>>326
天才。おもわず2回ぬきそうになった。
328名無しさん@ピンキー:2008/09/10(水) 15:47:54 ID:r20MKiFM
エロ過ぎなのに甘ったるい。GJ
329名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 02:25:11 ID:kzFhPIaA
GJです!なんかこう、いいですね、雌奴隷兼未来のお嫁さんとか。
330名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 17:55:49 ID:6JAr5Fd/
>>326
両方ともやさしいんだろうな、お互いに
331名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 18:16:40 ID:maqnXnk4
332名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 12:38:55 ID:NIXZJL4Z
保守
333名無しさん@ピンキー:2008/09/15(月) 16:35:17 ID:8OocXaYT
淫乱な女って良いよなww
http://exaitechat.com/amu/016/
334名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 20:18:03 ID:9BHnOkGO
保守&age
335名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 03:29:38 ID:OFsbeOTz
336名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 21:11:37 ID:rAYlF/Ac
保守りますか?保守りませんか?
337名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 22:58:18 ID:c9rrcdMh
保守ります。
338名無しさん@ピンキー:2008/10/04(土) 11:18:34 ID:QG6FdAK8
保守age
339名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 01:58:52 ID:X6AsTs1P
そろそろあたりは夕闇で薄暗くなり、駅のホームから改札口に登る階段も
電灯で明るく照らされている。そこそこの人並みながら、疲れていると
競って先を争うのも億劫となり、ひとかたまりの人々の群れの最後尾となって、
階段を登り始めた。すぐ前を黒タイツのお姉さんが歩いている。
タイツの中に筋肉が弾力よく体を運んでいく。左右左右左右左右。
太ももの上のプリっとしたお尻も左右左右と、揺れながら登る。
反則だぜ。疲れ切って帰ってきたのにこのプリケツは。これ、息子、充血しちゃだめ。
お尻をつつむオーバーヒップ丈のワンピースのような長いパーカーのような、
渋い黒と灰色の幅広いボーダー柄につつまれて、ぷりぷり揺れる。
はぁはぁ。階段登るだけでも息が乱れるのに、別の意味でハァハァするじゃないか。
あ、危ない、階段登り切ったところで急にとまるなよ。二人もろとも
前に倒れることはなんとか避けられたが、俺の股間の暴れん棒将軍が、
お姉さんのけつに密着しちゃったじゃないか。セミロングの黒髪のシャンプーの香りが
いろいろな感情を引き起こす。プロポーズしてしまいそうだ。
とたんに、プリケツの間の股間からお姉さんの手が伸びて俺の暴れん棒をズボンの上から
しっかりつかまれてしまった・・・・
階段と改札の方向が逆だから、一頻り流れて帰宅していった人波や駅員さんからは
死角になっているとはいえ、こんなところをこんなところで掴まれるとは・・・
逃げるという発想も起こらず、呆然としていると、さらに前かがみになった
お姉さんは馬とびの馬のような体勢で、器用に俺の暴れん棒を社会の窓から出して、
なんと、黒タイツは股間に入り口が作ってあって、後背位で結合させられてしまった。

保守小ネタ。
340名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 17:23:21 ID:f03Nhn32
お姉さんは無論美人だろうな?
…ハアハア
341名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 01:06:00 ID:paxN671K
補修
342名無しさん@ピンキー:2008/10/13(月) 23:50:18 ID:GOYM8mSf
保守age
343名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 07:45:57 ID:7VmZLDYz
絶倫の男が女を壊すスレがあるのだから絶倫の女が男と壊す話があってもよい
344名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 08:31:19 ID:PM1Jls2+
>>343
何を壊すのだ?
345名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 19:13:56 ID:VR+xrU2J
>>344
女性恐怖症になるまでやっちゃうとか
もうでないとかこすれて痛いとか言ってるのに続けるとか
346名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 19:44:41 ID:gpqDD0W6
腹上死
347名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 20:50:39 ID:b2DCpw7P
っ「赤玉」
348名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 21:14:58 ID:Y4T9thW5
「で、彼は一体どうなったの?」
「今は…裏山の禅寺にいる」
「あの煩悩魔神が…禅寺ぁ?」
「ああ。どうやら彼女に、その煩悩を壊し尽くされたらしい」
349名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 22:22:50 ID:eXEa3sAh
『すごい女がいるぞ』
『毎晩、乱交してるらしい』
『しかも、大栄学園の生徒だとよ』
『見た目はただのお嬢様らしいぞ』
『でも、とんでもなく淫乱らしい』
『どうだ?堕としてみたくないか?』

「あぁ、考えとくよ」
そう返事をし、電話を切る。電話中だというのに、腰を振り喘ぎまくっていたこの女に制裁を加えなくては。下から強く突き上げる。
「ひっ…!あぁーっ…」
髪を振り乱し、勢いよく腰をグラインドさせていた女から、一気に力が抜ける。荒い息を吐きながら俺に覆いかぶさってくる。
「おい…俺はまだイってないぞ…早く再開しろ」
「はァ、はい…すぐに…」
体を起こそうとする女の腰を持ち、また下から突き上げる。今度は何度も。
「いっ!あっ…あぁっ!も、もぅっ!…む…あ…ひっ…ダ、めぇぇぇ!」
完全に力の抜けた女はだらしなく口を半開きにし、よだれを垂れ流している。結局、まだ俺はイけてない。半ば自嘲気味に笑い、女の愛液で濡れ黒く光る一物を引き抜く。邪魔になった女をベットの下に転がす。
一人…
二人…
三人…
四人…
「もう、四人じゃ満足できなくなっちまったか…参ったな」
そう言って、男は下に転がる女一人一人に毛布をかけ、自分も床につく。
350名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 22:23:55 ID:eXEa3sAh
同時期、大栄学園宿直室

『すごい男がいるってー』
『なんかね、絶倫とか巨根ってその人のためにある言葉なんだってー』
『毎晩、何人もの女を失神させてるんだってー』
『見た目は普通の大学生らしいけどさー』
『どう?やってみたくない?』

「うん。考えとくね」
そう返事をし、電話を切る。いくら動かしたらイっちゃいそうでも、電話中に下から突き上げるくらいの気概は欲しい。形勢を逆転出来るチャンスじゃない?まぁ、いいか。腰を降り続ける。
「せんせい?動かしていいんですよ?」
「うっ…もう、でで、出る…」
「4回目なのに?また、教え子の中に出すんですか?」
「あぁっー…すまん…」
ドクッ…ドクッ…!
「んっ!はぁ…まだイきますよ?」
「…………」
白目むいてる…まだ、たったの四回なのに。若いのに。薬のせいかな?と思いつつ、まだ硬いままの物に腰を振り続ける。
「んっんっんっ…あっ…いい…んっ!イくぅっ!……はぁ…まだ…あ。」
萎えた。突然、萎えてしまったそれはもう気持ちよくない。残念な気持ちを隠せない。仕方なく、精液で光るそれを抜く。萎えた男など価値がない。さっさと帰り支度をして、だらし無い先生を写メに撮る。
「98人目か…満足させてくれる男っているのかなぁ」
そう言って、女は制服を整え、宿直室を後にする。

満足出来ない男と女。その二人が出会った時、世界は震撼する!こうご期待ッッ!

そんな感じのやつを誰か書いて下さい。
こっちのスレなら、女が勝つバージョン。
あっちのスレなら、男が勝つバージョン。
読みたい!
351名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 23:13:45 ID:V3gnZp3Z
あっちってどっち?
352名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 08:09:13 ID:9dn76enE
絶倫スレやね、マルチは嫌われるぞー
353名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 17:11:59 ID:MFuIz4WH
俺は嫌わない
354名無しさん@ピンキー:2008/10/17(金) 17:16:48 ID:TsHBGR2C
まぁ、マルチとかよく分からんけど続きをさっさと書けよー
355名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 14:49:34 ID:3r9HnLYN
保守っておく。
356名無しさん@ピンキー:2008/10/27(月) 21:43:41 ID:nEudQXvh
ほしゅ
357名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 15:08:30 ID:NkMp6KAU
まだまだ保守
358名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 22:31:33 ID:U3KGc0/G
保守
359名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 07:25:42 ID:5UeckwSG
保守る
360名無しさん@ピンキー:2008/11/27(木) 00:13:18 ID:kKn0rMXL
ふぅ…保守
361名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 00:04:24 ID:lkljoKMh
hosyu
362名無しさん@ピンキー:2008/12/07(日) 15:05:30 ID:Hyp0qTE7
まだまだ
363名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 01:20:06 ID:yHjhaqaT
hos
364名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 14:59:21 ID:U+FPYd8E
終わらない保守
365名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 14:05:49 ID:u1BhZao/
ほ、保守
366名無しさん@ピンキー:2008/12/24(水) 14:44:15 ID:7Wek6hoH
hosyu
367名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 02:13:45 ID:fFf+Qauo
368名無しさん@ピンキー:2008/12/30(火) 19:36:19 ID:2M47hf2j
ho
369名無しさん@ピンキー:2008/12/31(水) 08:38:53 ID:r2bf6J/Q
過疎ってんな
370名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 14:44:53 ID:NV2lIQ9T
371名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 09:57:18 ID:TQ5w3lOm
肩につかない長さに切り揃えられた艶やかな黒髪と肉感の薄いすらりとした体躯には、
校則通り着こなされた濃紺の冬用セーラー服がよく似合う。
彼女はこの進学校で常時30番以内をキープしている優れた頭脳の持ち主だ。
そんな彼女が、入学早々落ちこぼれて年々DQN化している俺に告白したのだから驚くしかない。
ドッキリという言葉が頭を過ぎった。が、彼女はそういうキャラではないだろうと思い直した。
俺は告白を受けた。

「須藤くん、今日私のうちに来ない?」
付き合ってたった2日目のことだ。真面目な彼女のことだから、
親御さんに紹介でもされるのではと内心緊張しながら高級感あるマンションの一室に足を踏み入れる。
しかし何のことはない、誰も居なかった。
「ここが私の部屋」
「へえ…」
よく片付いている。女の子の部屋は初めてだ。そうか、これが…
「ベッドに座って待ってて。コンドーム持って来るから」
「は?」
コンドーム?聞き違いか?普通ここはお茶では?彼女は向かいの部屋に入り、コンドームを持って戻って来た。
「7時半に親帰って来るんだ。それまでにしよ」
しよ。しよってお前。
「私前大澤くんと付き合ってたんだけどね、全然駄目で…」
そう言いながら制服を脱ぎだす。
「須藤くんなら遊んでそうだし巧いかなって思って」
サーセンDQN風の童貞でwwwしかしここは見栄、
「ま、まあ…」
彼女の様子を伺いながらいそいそと服を脱ぐ。
お互いに上と靴下を脱ぎ、彼女はブラにプリーツスカート姿。
正直猫だましをくらったような、興奮とは程遠い気分だった。
しかし白地に淡いブルーのリボンがあしらわれたブラに包まれている色白な柔肉を見た途端、自分の身体の然るべき場所が疼き出すのを感じた。
「藤村…」
「須藤くん…」
二人で倒れ込んだ柔らかなベッドからも、藤村の甘い香りがした。
372名無しさん@ピンキー:2009/01/04(日) 13:58:26 ID:1nRzSr8p
>>371
続きは!?
373名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 19:42:43 ID:Q5DsRMMN
見原さん
374名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 23:20:48 ID:rvyeZwUM
巷でいう草食系男子に迫る女の子、というのは需要ありますか?
375名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 23:53:46 ID:iscNud29
年上の女じゃなくて、同級生かそれ以下の女の子がお相手なら読んでみたいかも
376374:2009/01/06(火) 23:58:16 ID:rvyeZwUM
>>375
年下を考えてました。最後まで女の子が攻めたほうがいいですか?
それともどこかで形勢逆転、でしょうか。
377名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 01:05:49 ID:xnHVUBCc
>>376
どっちでもいいけれど、許可されていないのに、中だしの一つでも決めて、女の子に対して一矢報いるくらいは
やってほしいかな、まぁ作者さんがやりたいようにやるのが一番だとは思うけど
378名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 01:32:53 ID:7oec4S9T
>>376
年下いいなあ。期待wktk
379名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 02:39:24 ID:orAXw+Qp
ざっと読んだけどドM又はド淫乱の♀が大好きな♂の為に
願望を我慢し続けてやがて爆発し願望を成就する流れを書くスレだな
把握した、巡回スレに追加する
380名無しさん@ピンキー:2009/01/12(月) 20:04:53 ID:4IBKJ5f2
щ(゚Д゚щ)カモォォォン
381名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 00:02:33 ID:Om4GAXIJ
書いてみたけど、シチュだけで異常に長くなってしまった
382名無しさん@ピンキー:2009/01/13(火) 02:30:36 ID:TIeumveD
>>381
シチュから考える甘詰留太みたいな作家も居るからおk
щ(゚Д゚щ)カモォォォン
383名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 14:59:21 ID:C6w1vuU5
ほ、保守るぜ
384兵法:2009/01/19(月) 02:05:09 ID:wqpT34Fv
いきなりごめんよ

【秘メ事】

「んっ!はぁぁん!」

日が沈みすっかり暗くなった放課後の図書室でいやらしい行為をドア越しに覗きながら僕、二階堂アスカは思う。
もっと早く帰っておけば良かったと。
そうすれば自分より年上であろう女子生徒が一人で自慰をしている卑猥な現場に立ち会う事はなかっただろう。
「いいよぉっ…!ここ触るの気持ちいいよぉ!はあぁぁぁん!」
先輩が下着の中で右手の指を動かす度にグチュグチュといやらしい音がこちらにまで響き渡る。
凄い…なんて激しい指の動きなんだろう。
「乳首ぃ!乳首も気持ちいいっ!」
もう片方の手はビンビンに立った乳首を擦ったり引っ張ったりしている。
こちらの方もかなりエッチだ。
「ああああんっ!もっとぉ!もっとぉ!」
可愛らしい顔を歪め口から涎を垂らしながら喘ぐその様子を見ているうちにいつしか僕の呼吸も荒くなっている。
(早くここから逃げないと……)
頭の中ではそう思ってはいるものの、図書室での先輩の淫らな行動から目を離す事が出来ない。
もし見つかったら大変な事になるのは分かっているのに。
385兵法:2009/01/19(月) 02:06:29 ID:wqpT34Fv
(やっぱり駄目だ…覗きなんて事、しちゃいけないんだ)
どうにか理性を取り戻した僕はその場から離れようと身体を動かそうとした、その時。

――ガタン

手を添えていたドアが大きく揺れる。
(しまった!)
そう思った時にはすでに手遅れだった。
先輩が動きを止め、こちらの方をジッと見ていたからだ。
叫ばれる――僕はそう思い、その場で固まってしまった。
だけど先輩の方は慌てる様子もなく、むしろニッコリと微笑み僕を見つめ呟く。
「ねぇ……君……さっきからずっと見てたんでしょ……?」
頬を上気させながらとろんとした目で見つめられた僕は無言でドアを開け図書室に入った。
「君……一年生の二階堂アスカ君だよね……?」
「…僕をご存じで?」
「知ってるよ……だってみんな、君の事を噂しているから……可愛い男の子って…」
「ああ、やっぱりそうでしたか…」
先輩の言う通り僕は童顔で身長が低く華奢な身体をしているため、初めての人には必ず間違われてしまう。
そのせいで昔から年上の女の人にからかわれる事が多い。
また、男の人から告白されてしまった事も一度や二度の事じゃない。
386名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 02:08:48 ID:wqpT34Fv
「ねぇ……近く来て…」
「は、はい」
僕は言われるがままに先輩の座っている椅子のそばに行く。
「あ、あああああの、僕は絶対に誰にも言いません!だから……」
「可愛い……」
先輩がクスッと笑う。
僕が不審に思った瞬間、先輩が僕にのしかかって来た。
僕は訳が分からないまま背中から倒れる。
「……先輩?」
先輩は馬乗りの状態でハァ…ハァ…と息を荒げて僕を見下ろしている。
その表情は明らかに欲情しきっていた。
「もうオナニーだけじゃ満足出来ないよぉ……一緒にエッチしよ…?」
「!?」
先輩はペロッと舌なめずりして僕を誘惑する。
僕はただそのいやらしい光景を黙って見る事しか出来なかった。



すまない、HPが尽きた・・・・今日はおやすみ
387名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 16:27:53 ID:djGcnSN6
ポマード!ポマード!
388名無しさん@ピンキー:2009/01/20(火) 03:33:28 ID:hL0hppmu
>>386
たまに上がってると思えば貴っ様ぁ!
せっかく寝付いた息子が起きてしまったじゃないか。
389名無しさん@ピンキー:2009/01/21(水) 19:26:38 ID:whihk+Ik
続きがないと死んじゃうよお
390名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 02:24:13 ID:GTgb0Vl5
学園ものなんか書きたい
391名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 03:16:58 ID:g+jTcSlM
>>390
щ(゚Д゚щ)カモォォォン
いっそ盛り上げの為ネタだけでもぶちまけちゃいなよ
392名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 07:33:02 ID:K05PO/2H
処女淫乱っていいよな
最初痛がってた癖に「いひゃぁっ♪すごいっ♪は、はじめてっ、はじえてなおにいぃっ♪」って喘ぐ先天性淫乱とか
「あぁぁ…っ、はぁ、ダメぇっ、オナニーっ、おなにぃとまらなぃょぉ……♪」っていう一人淫乱とか
てか、この二つが一緒だったらいいな
393名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 11:45:17 ID:zqqM93Ks
>>392
放課後の誰も居なくなった教室でオナってる所を偶然(重要)通りかかった童顔(ここも重要)の後輩に見つかってそのままHに突入が全俺のジャスティン
394名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 13:44:31 ID:qYjgPEm+
童顔じゃないがDISTANCEのHHHってのがそんなシチュだよ
395名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 17:24:55 ID:GTgb0Vl5
書き出し難しい
なぎひこみたいな美形少年が女子高に転校することになった話なんだけど
396名無しさん@ピンキー:2009/01/22(木) 17:59:31 ID:HKuqLdND
「あはっ……初めてなのに…気持ちいい!指なんかよりも……全然!」
「はぁ……はぁ…せんぱいいい…」
先輩のあそこの中はグニュグニュしていて熱くて…僕のソレが溶けそうだ。
今のままでこれなのにもし動く事になったら……!
「それじゃあいくよ…」
397名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 01:32:08 ID:oPUg9bgt
>>395
参考になればいいと思って考えてみた。完成を待ってる。


・プロローグ型 抽象的なことを語らせてからはじまる型
例) 3月って言うには〜うんたらかんたら。
   俺は朝起きて飯食べた。親が話しかけてくる。「ほにゃらら」

・セリフから型 突拍子もないセリフからはじまる型。
例) 「おまえは4月から女子高に行け」「はっ?」

・経緯回想型 インパクトのあるシーンを描いてから経緯を説明する型。
例) 俺の目の前には半裸の女子がたくさんいる。
   こういう状況に俺がいるのにはわけがある。2か月前のことだ。かくかくしかじか。
398兵法:2009/01/23(金) 02:06:33 ID:hAvSNQhK
おうよしよし、>>386続きです

【秘メ事】

先輩がゆっくりと僕の制服のボタンを外す。
「だ、駄目ですよ先輩……こんな所、誰かに見られたりしたら…」
今の僕にはそれだけ言うのがやっとだった。
「大丈夫だよぉ……ここはあまり人が来ないしそれに……」
「それに…?」
「それに……私もう…我慢出来ない…!」
先輩はそう言うと自分の唇で僕の口を塞いだ。
「んむっ!?」
僕は突然の事に頭の中がパニックになってしまった。
ぬちゃ、ぬちゃ、と先輩の舌が僕の口の中で激しく暴れる……頭の中が真っ白になる様な感覚にどうにかなってしまいそうだ。
数秒間の後、先輩がようやく僕の口から唇を離す。
先輩の舌と僕の舌の間で涎がつぅーーっと糸を引いた。
「君……もしかしてキスは初めて…?」
先輩が指で僕の唇をなぞりながら僕に聞いて来た。
「………はい」
キスどころか僕の人生の中で外で女の子に触れる機会なんて数えるほどしかない。
しかもその全部が学校でのダンス等のいわゆる行事ものだ。
「そう……君も初めてなんだぁ……私も…キスするの初めて……ファーストキスしちゃったね……君も私も……」
先輩は恍惚そうな表情を浮かべながら微笑んだ。
399兵法:2009/01/23(金) 02:07:49 ID:hAvSNQhK
「はぁうっ!?」
いきなりの強い刺激に僕はまるで女の子みたいな悲鳴を上げる。
先輩が僕の大きくなった股間を擦って来たからだ。
「な、何を……」
「君のオチンチン……見たいの……ねぇ…見せて…?」
先輩は僕の股間を何回か撫でるとズボンのチャックを下げる。
「ダメですぅ………せんぱぁ……いい…」
「大丈夫だよぉ……出来るだけ痛くしないからぁ………」
快感に耐えながらの懇願も虚しくズボンから僕のソレが取り出される。
「はぁん……これが男の人の……本で見るのとちょっと違うなぁ……」
先輩は感嘆の声を上げながらまじまじと僕のソレを見つめる。
(うう……恥ずかしい……)
女の人にこんな所を見られるなんて……恥ずかしさが僕を頭の中を支配する。
「ひゃあ!?」
先輩が突然僕のソレを握って来た。
先輩の指の柔らかい感触と温かさが刺激となって僕を襲う。
「確か本ではこうしていたけど……気持ちいい…?」
「はぁ…はぁ…先輩……ボク…」
先輩は僕のソレをシュッ…シュッ…としごきながら僕に聞いて来るが、僕はあまりの気持ち良さに答える事が出来ない。
400兵法:2009/01/23(金) 02:08:39 ID:hAvSNQhK
先輩が扱いている内にソレの先からおしっことは違うヌルヌルした液が溢れて来る。
「あはっ……これ…我慢汁って言うんだよね…?嬉しいなぁ……私で気持ちよくなってくれているんだぁ…」
先輩ははぁ…はぁ…と息を荒げ、うっとりとした笑みを浮かべて嬉しそうに言う。
「せん…ぱい……うわぁ!」
僕の声に反応するかの様に先輩の扱くスピードが段々と早くなる。
ヌチャッ、ヌチャッ、ヌチャッ、ヌチャッ、といやらしい水音が部屋の中で響き渡る。
犯罪的な快感が波となって僕に押し寄せる……こんなの生まれて初めてだ。
「もっともっと……気持ち良くしてあげるね…」
先輩は喉を鳴らして僕の股間に頭を下げ―――僕のソレを口の中に頬張った。
先輩の温かくてヌメヌメした舌が僕の先っぽを舐める度に強い波が僕を襲う。
まるで全身を電流が走る様な感覚に僕は声を上げる事以外、何も出来ない。
僕の反応をさらに楽しむかの様に先輩が頭を上下させながらチュウチュウと吸う。
何かが僕の身体の中で込み上げて来る――僕はもう我慢の限界だった。
401兵法:2009/01/23(金) 02:09:52 ID:hAvSNQhK
「せんぱい……ボク…もう…!」
僕は先輩を引き離そうとするが今までの快感で力が思う様に出ない事に加え、先輩の腕がガッチリと僕の腰にしがみついているせいで引き離す事が出来ない。

「ダメッ…!ボクもう出ちゃう……ふわああああああああっ!!」
もの凄い快感が僕の身体全体を駆け巡ると共に僕は先輩の口の中で射精してしまった。
「んむっ!んんんんんっ……」
先輩は声を漏らしながら僕の精液をゴク…ゴク…と吸いたてて離れようとしない。
吸い出される様な感覚に僕は気が狂いそうになる。
ちゅぽんと音と共にようやく先輩の口が僕のソレから離れた。
「んふ……小さな身体なのにいっぱい出たね………美味しかったよ…君のせーえき…」
満足そうな表情と共に口から精液を垂らしながら先輩は微笑む。
その淫らな姿に対して僕はまだ射精の余韻に身体を震わせていた。

「今度は……君の番だよ……」
先輩はそう言うと僕の身体を起こし横になる――さっきとは逆に僕が上になった。
「ねぇ……気持ちよくして……私の身体を触って……早くぅ…」
先輩はとろんした目で僕を見上げながら僕の両手を自分の胸に導く。
402兵法:2009/01/23(金) 02:12:11 ID:hAvSNQhK
「はぁんっ!」
僕の指が先輩の大きな胸の中に沈んでいく。
(うわぁ……柔らかい…)
僕はそう思いつつゆっくりと先輩の胸を揉む。
「ああん………もっと…もっとして……」
先輩は目を閉じ、僕の指の動きに合わせて身体を震わせる。
「キミ………乳首も触って…コリコリしてぇ……」
「は、はい……」
先輩の言う通り僕は乳首を指の間で挟む。
「あぁんっ!いいっ!」
先輩はビクッと身体を震わせて甘い声を出す。
僕が乳首をつまんだり扱いたりする度に先輩が喘ぎ声を上げる……僕の指で感じてくれていると思うと僕は嬉しくなった。
(もっともっと先輩を気持ち良くしたい……)
そう思った僕はすっかりビンビンに勃った先輩の乳首を口に含む。
「んああああっ!」
声を上げる先輩、僕はさっき先輩がした様に口の中でピチャピチャと舌を使って乳首を転がし、もう片方の手では乳首を優しく弾く。
「ふわぁぁ!凄いよぉ!!自分で乳首いじるよりいいよぉ!」
先輩の声が部屋中に響く……僕はもう人が来たらどうしようなんて考えなくなった。
代わりに先輩の身体に触りたい、エッチな声を聞きたいという考えが頭の中を支配していた。
403兵法:2009/01/23(金) 02:13:39 ID:hAvSNQhK
急に先輩が僕の左腕を掴む。
「先輩…?」
「下の方も……してよぉ……」
先輩はそう言うと僕の手をパンティの方へと導く。
「ああんっ!」
そこはすでにびしょ濡れになっていて、ちょっと指を動かすだけでにちゃあ…といやらしい音が僕の耳に届く。
僕は乳首を舐めつつパンティの上から先輩のあそこを擦る。
「はああああっ!凄いよぉぉぉ!」
先輩はブンブンと首を振って叫ぶ。
にちゃ、にちゃ、にちゃ…なんてエッチな音なんだ。
「もっと!もっとぉぉ!直接!直接触ってぇぇぇぇ!」
先輩が僕の手をパンティの中に入れる。
初めて触る女の人のあそこ。
ヌルリとしててそれでいてとても温かい……なんていやらしいんだろう。
「早く指入れてよぉ!もっと気持ちよくなりたいよぉ!」
完全に欲情した先輩が腰を振りながら僕の指を割れ目の中に入れようとする。
僕はゴクンと喉を鳴らし、先輩の割れ目の中に指を入れる。
ズブ…ズブ……僕の指があそこの中に埋まっていった。
「……!はああああああっ!」
大きな声を上げ、先輩がビクッビクッと身体を反らす。
「先輩……それじゃあいきますよ……」
僕は先輩に宣言すると指を出し入れする。
404兵法:2009/01/23(金) 02:15:24 ID:hAvSNQhK
くちゃ…くちゃ…くちゃ…
指を動かす度に先輩のあそこがヒクヒクと絡み付いてきた。
僕がもう一本指を入れてあそこの中をグチュグチュと擦る様に動かすと先輩の喘ぎ声が一層高くなる。
先輩のパンティの中はいやらしい汁でベトベトになっていて僕の左手もビショビショになっていた。
「気持ちひいよぉぉっ!こんな気持ちひいのぉ、うまれてはじめてらよぉぉっ!」
身体を震わせ、ろれつの回らない声で喘ぎ続ける先輩の姿はまるで発情した獣そのものだ。
ふと僕の指が奥にあるザラザラした場所を発見する、僕は指を深く入れてザラザラを刺激してみる。
その途端、先輩の反応が今までよりも激しくなった。
「そこはぁっ!そこはひゃめぇっ!そこはひゃめなのぉ!おかしくなっひゃううう!」
太股を大きく震わせて自分の指をしゃぶる先輩はとてもエッチだ。
僕はさらにそのザラザラ部分を弱くしたりいきなり強くしたりと変化を擦る。
「もうダメぇっ!もう出ちゃう!出ちゃうぅぅ!出ひゃうぅぅぅ!」
急に高い声をあげ、身体を大きく反らしビクンビクンと激しく震わせる先輩。
先輩のあそこからおびただしい量のいやらしい液が溢れ、僕の指をギュウギュウと締め付ける。
405兵法:2009/01/23(金) 02:16:14 ID:hAvSNQhK
「はぁ…!はぁん………!」
身体をビクッ…ビクッ…と断続的に震わせて仰向けに倒れる先輩。
僕はパンティの中から指を抜く……その指の間には先輩のいやらしい液が糸を引いていた。
「先輩……?大丈夫ですか…?」
「はああ……イッちゃったぁ……君の細い指でイッちゃったよぉ……はぁ…はぁん…」
僕の心配を余所に先輩は舌で唇を舐め、嬉しそうな笑みを浮かべる。

「ねぇ……キミ…お願い…舐めて…」
先輩が僕の頭を押さえると自分のあそこへと移動させる――舐めるってまさか!?
先輩の白いパンティが僕の目の前に現れる。

そこはすっかりビショビショに濡れていて、あそこが透けて見える。
「脱ぐね……」
先輩はそう言って自分のパンティを脱ぎ、足を大きく広げる。
「う…わぁ……」
女の人のあそこを初めて見た僕は思わず声を漏らす。
「早く舐めてぇ……しゃぶってよぉ…」
先輩はぐいぐいと僕の顔を割れ目へと誘う……ヒクヒクと動いていていやらし液で光っていて凄くやらしい…。
僕は恐る恐る舌を先輩のあそこへと伸ばす――ぴちゃ…と舌が先輩の割れ目に触れた。
「ああんっ!」
先輩がビクっと身体を震わせ甘い声をあげる。
406兵法:2009/01/23(金) 02:17:28 ID:hAvSNQhK
ぴちゃ…ぴちゃ…ぴちゃ…と子猫がミルクを舐める様に僕は舌を動かす。
(なんだか……えっちな味がする…)
僕はそう思いながら割れ目の中に舌を入れる。
先輩のいやらしい汁が僕の口の周りを濡らしていく。
「凄い気持ちいいぃ!おまんこきもちひいいっ!もっとちゅぱちゅぱしてぇ!」
先輩は気が狂った様に喘ぎ、僕の頭を掴んであそこに押し付ける。
僕は両手で割れ目をぐぱぁ…と広げる
(凄い……中がとろとろで熱くなってる…)
そのまま僕は口を割れ目の中に差し込んだ。
ちゅぶ…じゅるる……ずずずず………僕はこんこんと溢れて来るいやらしい汁を飲み干す様に啜る。
「ふわああぁぁぁぁぁぁ!飲んでるぅ!私のえっちなお汁を飲んでるよぉぉぉっ!」
先輩の僕の頭を持つ手がプルプルと震える……本当に気持ち良いんだ。
「クリちゃんん!おまんこの上のクリちゃんもいじってぇぇぇ!もっとイカせてぇぇぇ!」
先輩の指が僕の吸っている場所の少し上を指差して叫ぶ。
そこには豆の様なものが突起していた。
僕はその突起したものをクリクリと舌で転がしてみる。
「ああんああああっ!そこぉっ!頭の中が真っ白になっひゃうう!」
407兵法:2009/01/23(金) 02:19:00 ID:hAvSNQhK
僕は先輩の太股を両手で広げながら突起を舌の上でコロコロと転がして口に含み、突起を中心にちゅる…ちゅる…と吸いたてる。
「だめええええええっ!そんなにいじられたら死んじゃう!死んじゃうよぉぉぉ!」
かつてないほどの先輩の喘ぎ声に僕は心配になる。
けれども僕は手を休ませる事なく舌を動かす…先輩のやらしい汁が辺りに飛び散る。
かりっ……僕は突起を甘噛みする。
「あぁんっ!」
かりかりっ……再び甘噛みをする。
「あは…はぁああああああっっ!!」
先輩は再び大きな喘ぎ声を上げてビクンビクンと痙攣する。
ぷしゃああああ……と先輩のあそこから大量の透明な液が噴いて僕の顔にかかる。
「はぁん……はぁん……!」
苦しそうに息をしながら先輩は痙攣したまま動かない…少し調子に乗ってしまったかな…。

「先輩…大丈夫ですか…?その…」
心配になった僕が先輩の顔を覗き込むと、急に先輩が上体を起こして僕を押し倒す。
最初の時と同じ様に再び先輩が僕に馬乗りになる。
なんだか先輩の様子がおかしい。
「先輩…何を…はぁうっ!?」
先輩が僕のギンギンに勃起したソレを撫でる、僕はまた女の子の様な声を出してしまった。
408兵法:2009/01/23(金) 02:19:59 ID:hAvSNQhK
「もう我慢出来ないのぉ……!キミが…キミが悪いんだよ…?キミがあんなに私の身体をいじるからぁ……」
先輩は欲情した目をしながら自分のあそこを僕のソレの上に添える。
その姿を見た僕はサッと血の気が引く、何をするつもりなのかすぐに分かったからだ。
「せ、先輩!待ってください…これ以上は…!」
「無理だよぉ……身体が火照ってるから……止められないよぉ…!」
駄目だ、今の先輩を説得するのはもはや不可能だ。
僕のソレが徐々に先輩のあそこに近付いていき、ヌルッとした感触が僕を襲う。
「せ、せめてゴムだけでも……」
「コンドーム…?キミは持っているの…?」
「持っている訳ないじゃないですか……」
「じゃあ……もうこのまま挿れるしかないよね…!」
先輩はそう言うと一気に腰を落とす、ズブズブと僕のソレが先輩のあそこの中に沈んでいく。
「はあんっ!?はぁっ…はぁっ…!」
僕はあまりにも凄まじい刺激に声にならない声を上げてしまった。
「ああああああんっ!凄い!大きいよぉっ!」
そんな僕とは対照的に先輩の方は嬉しそうな悲鳴を出す、その表情は完全に恍惚感に満ち足りていた。
409兵法:2009/01/23(金) 02:20:57 ID:hAvSNQhK
「あはっ……初めてなのに…気持ちいい!指なんかよりも……全然!」
「はぁ……はぁ…せんぱいいい…」
先輩のあそこはグニュグニュしていて熱くて…僕のソレが溶けそうだ。
今のままでこれなのにもし動く事になったら……!
「それじゃあいくよ…」
もう手遅れだった…先輩がおもむろに腰を動かす。
グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、と先輩が腰を振る度に卑猥な音が僕のソレと先輩のあそこの間から響き渡る。
「ああああんっ!奥まで入ってるうっ!キミのぉっ!すっごく固くて気持ちいい!」
先輩が一心不乱に腰を振り続ける度に大きな胸が揺れる、その姿を見て僕はさらに興奮してしまった。
先輩は身体を倒し僕に口付けする、ヌチ…ヌチ…と僕と先輩の舌と涎が絡み合う。
僕のソレに何かが込み上げてくる、さっき先輩に舐めてもらった時と同じ感覚が僕を襲う。
まずい、この感覚は実にまずい!
「先輩!ダメですっ!そんなにしたら…ああっ!出ちゃいますっ!」
もし先輩の中に出してしまったら大変な事になる…!
「だしてぇっ!キミのせーえきを私の膣内にいっぱいいっぱい射精してぇぇぇぇっ!」
ああ……もはや僕に選択肢なんてものはなかった。
410兵法:2009/01/23(金) 02:22:01 ID:hAvSNQhK
「もう……ダメッ!」
僕はその言葉と共に先輩のあそこの中に射精してしまった。
僕の精液が先輩の中に注ぎ込まれていく――まるで搾り取られていく様だ。
「ああん出てる!キミのせーえきがどびゅどびゅって私の膣内でいっぱい射精てるよぉぉぉぉ!」
先輩の方は僕の射精を楽しむかの様に身体を震わせてよがっている。

「ねぇ……まだ出来るよね…?」
先輩はそう言って繋がったまま僕の身体を起こす、また僕が上になった…。
「まだ出来るって……先輩?」
「今度は君が上になって私を犯してよぉ……もっとぉ…!」
先輩が熱い息を僕の耳にかけながら囁いた。
僕は先ほどの余韻にどうにか耐え、先輩の言う通り腰を動かし始める。
僕のソレはすっかり元の固さを取り戻していた…あれだけ出したにも関わらず凄いものだと我ながらちょっと感心する。
僕が腰を振るとズチャ、ズチャ、と精液といやらしい汁が交じり合う音が響く。
「私ぃ!私ぃ!こんな可愛い男の子にぃ!奥まで犯されて感じてるのぉっ!」
「先輩っ!せんぱぁいっ!」
僕と先輩は狂った様にお互いを求め合う、僕はただ先輩だけしか考える事が出来なかった。
411名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 02:23:07 ID:AADy0hzF
リアルタイム支援
412兵法:2009/01/23(金) 02:23:09 ID:hAvSNQhK
再び射精の感覚が僕を襲ってくる――もうこれ以上は限界だ!
「せんぱいっ…!これ以上は駄目です…!」
「私もぉ!私もイッちゃうぅっ!お願い、一緒にぃ、一緒にいくのぉぉぉ!」
先輩が僕に抱き付いてきた、先輩の胸がぐにゃりと形を変える。
僕は激しく腰を打ち付けそして――。
「せんぱぁぁぁいっ!」
「もうダメぇ!イッちゃうううっ!」
僕と先輩は同時に絶頂を迎える。
ドビュドビュと僕の精液が先輩の中へと流し込まれていくのを感じる。
「はぁん……出てる…またキミのせーえきが私のの膣内に出てるよぉ…」
先輩は僕の頭を撫でながら幸せそうに微笑んだ。
僕は自分のソレを先輩のあそこから抜くと先輩の割れ目からゴプリと凄い量の白い液体が流れ出た。


(やってしまった……)
学校からの帰り道を歩きながら僕はハァッ…と溜め息を吐く。
成り行きとはいえあんな場所でエッチをしてしまうなんて…。
しかも相手は自分より年上の先輩……一体どうしたらいいんだ?
「どうしたの、さっきから浮かない顔をして?」
先輩がヒョイッと僕の顔を覗き込む。
413兵法:2009/01/23(金) 02:24:43 ID:hAvSNQhK
さっきあれだけの事をしたのにも関わらず先輩は元気そのものだ、全く凄いとしか言い様がない。
まぁ、あんなに激しい動きをしても全然疲れていない僕の方も人の事を言えないのだが。
「もう、先輩には恥じらいというものがないんですか?……僕は恥ずかしかったです…」
「うーん、あの時は気持ちよくなりたかったからそういうの全然ないよ」
「……そうですか」
もうこれ以上言う事はないだろう。
「それにしても君とのエッチ…すごく気持ち良かったなー!あんなに気持ち良かった事、生まれて初めてだったよ!」
先輩、頼みますからそういう事は大声で言わないでください。
「ねぇ……良かったら私と付き合ってよ!君の事、すごく気に入っちゃった!」
「せ、先輩!?付き合うってそんないきなり…」
「……私じゃ嫌?」
先輩はうるうるした目で僕を見つめる。
うう…そういうのに弱いんです、僕。
「嫌じゃ…ありません…」
「本当!?じゃあこれから一緒だよ!よろしくね!」
先輩はニコッと僕に微笑む。
僕に反対する事は許されないらしい、もうこうなったら運命を受け入れるしか道はないみたいだ。
414兵法:2009/01/23(金) 02:26:24 ID:hAvSNQhK
「私、天野頼子(あまの よりこ)!君は?」
「……二階堂アスカです。というよりもそういうのは一番最初に聞くものなのでは?」
「まぁまぁ!そんな事は気にしない!じゃあ明日もいっぱいエッチしようねアスカ君!」
明日も…?明日もって…まさか!?
「先輩、明日もって…」
「明日も図書室にする?それとも教室?屋上でも全然構わないよ!」
ああ…どうやら日本語が伝わっていないみたいだ。
「じゃあ明日からよろしくね!ア・ス・カ・君!」
先輩はそう言って僕の頬にチュッとキスをした。

これから学校生活に不安を感じながら先輩に聞こえない様に僕は小さく呟いた。
「身体……持つかなぁ…」


(続く……のかな?)
415兵法:2009/01/23(金) 02:29:20 ID:hAvSNQhK
>>396は私が誤爆したものです……大変申し訳ないっ…!

>>411
感謝っ……圧倒的感謝っ……!


それでは皆様おやすみなさい…。
416名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 03:11:05 ID:OuUiVgGO
とりあえず一つ言っておく。おっきした

GJGJ!続くの?続いちゃうの?
今からwktkなんだぜ
417名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 03:27:32 ID:kxSRUuG5
GJと言わざるを得ない。
しばらく放置していたこのスレをたまたま開いたら、ちょうどフィニッシュとはありがたい。
418名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 03:28:53 ID:7+zefWeZ
>>415
ククク・・・ 素晴らしいっ・・・・・・!歓迎するぞ・・・・・・ 道開く者・・・・・・ 勇者よ・・・・・・!
こういうオーソドックスにエロいのを待ってたんだよ、正直、かなり使える……使えるぞっ……!
419名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 03:33:35 ID:siJKnkwy
こんな淫乱な女の子に犯されたいぜ。
3回も抜いてしまうほどにGJ。
420名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 11:38:34 ID:ejABJMe9
超GJ
421名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 13:17:40 ID:0iX8SQwB
GJ!!!!!!
422名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 17:00:51 ID:mRDER7da
>>395
女の子一人にスポットを当てる場合、
その子の紹介から入ると意外と上手く行ったり。
423名無しさん@ピンキー:2009/01/23(金) 23:01:19 ID:g/kN+dnz
GJ
続きあったらいいな
424名無しさん@ピンキー:2009/01/24(土) 04:34:10 ID:sRpEPGSo
えろす
425名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 02:24:41 ID:u3zsNAmw
>>422様々なおにゃのこが登場するオムニバス式のマルチシナリオなんだ・・・すまない
学校の名前が思いつかないよおお
エロい文章かも微妙だが一話できたら晒すわ
426名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 05:29:25 ID:dBNIP5bg
>>425
淫乱学園とかでおk
427名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 16:13:30 ID:D/LOvwae
当て字で院蘭学園とか印蘭学園とか
428名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 21:24:16 ID:D+P4Pygt
名前なんてなんでもいいんだよ
聖受精女学園で充分
429名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 21:26:25 ID:7nPWW3zx
困った時はどっかリアルにありそうな学校名でも問題ないべ。

例えば「北高」「西高」なんてのはどこにでもあるからな。
430名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 23:13:11 ID:O1htI+DC
円高とか
431名無しさん@ピンキー:2009/01/28(水) 23:27:36 ID:3QmerIKx
ドル高とか
432名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 00:03:36 ID:GtIqt0e0
カリ高とか
433名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 00:06:43 ID:KAi62Go1
座高とか
434名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 01:01:40 ID:MjaSMxSK
日高とか
435名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 02:14:22 ID:Eskl6R8Z
>430
「西ノ京円町女子高」とか。京都にあるんだな、きっと。
しかし、為替レートが言いたいのか援○交○と言いたいのか。
>431
「聖ドルシラ女学園高等学校」とか。
436名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 02:18:00 ID:TOCIfr4M
435はいい奴だな
437名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 02:19:00 ID:Eskl6R8Z
>432
カリグラ高校・・・姉弟でやってそうだな。
>433
神奈川県にありそうだな。
>434
山梨県や宮崎県や大分県や島根県にありそうだな。
438名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 02:19:42 ID:NOYznlte
日高高校は和歌山に実在するがなw
439名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 07:15:19 ID:dao+t8R1
淫語とかもいいのかな?他のとこだと、そんなのエロ小説じゃないって言われんだが
しかも露出 ロリ ショタあたりで書こうかと
440名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 09:11:11 ID:dao+t8R1
過去ログ読んだら淫語もんOKそうだから、前に途中まで書いたの投下するわ。
441名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 18:23:52 ID:XAAOzAr5
442名無しさん@ピンキー:2009/01/29(木) 19:42:54 ID:gPJYAEnZ
>>435
西の京高校は奈良にあるんだぜ
443名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 00:04:32 ID:q/HeAK2j
もう灘高校とかラサール高校でいいじゃん
444名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 00:10:49 ID:ndm0HvDb
>442
奈良の西の京高校だったら円高にならないと思う。
445名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:17:54 ID:hlzdgBpb
北海道にある遠軽高校の略称は(ry
446名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:26:47 ID:Q+VmOawj
超能力学園でいいじゃん
447名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 18:34:24 ID:DnUkpgGi
雉追学園とか鯛目円在学園とか理遂学園とか
448名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 00:48:34 ID:KRVZU8Qg
>>443
灘だったらアッー!になるだろうがw
449名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 20:43:01 ID:jBqLlzWL
>>446
第三? 第三?
450名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 22:14:49 ID:ZvkMPmIX
千々女院蘭是釣院女子学院。
451名無しさん@ピンキー:2009/02/01(日) 00:40:33 ID:O1IDJLPb
>>449
第三?XYZだよ
452名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 16:15:42 ID:zoh8j+Sp
超能力学園Zは最高のB級エスパー映画だよな
453名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 21:10:56 ID:iX6F/cz5
>>451
彼は第三EMP学園のことでも言ってたんじゃね?
やたらめったらマイナーなネタではあるが。
454名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 02:41:31 ID:HgPRx7Mh
淫乱だか痴漢だかわからんSSできた
作文難しいよぉ
455名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 19:46:31 ID:6f61Hdct
>>454
取り合えずうPしようぜ
456名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 19:47:10 ID:6f61Hdct
スマン。あげちまったm(__)m
457名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:04:20 ID:qvy3LHGf
>>456
どこにあげたんだ?とりあえずSSをあげたURLを書くんだ!
458名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 22:27:11 ID:lfo6mPGg
単にsage忘れただけじゃね?
459名無しさん@ピンキー:2009/02/08(日) 23:09:19 ID:Y4Z91uV9
>>455-458
ワロタ
460名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 21:48:09 ID:eJytz9UI
www
461名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 00:00:14 ID:t4jlUxTh
>>455-458
あまりの流れの秀逸さに自演かとおもた
462名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 00:41:57 ID:zXECyVWY
>>453
ハルヒはあれだけ有名なのにな
463名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:46:26 ID:/g8ZgB2p
「そんなこと辞めなよ、オッサン。」
言ってやった。遂に言ってやった。
僕の震えながらの蚊の鳴くような小声に、そのオッサンは乱雑に手を振り払うと、逃げるように他の客の流れに混じって電車から降りた。
僕の後ろには顔を赤らめながら気まずそうに俯く女子生徒の姿があった。
彼女は違う学校の制服ではあったが、いつもこの電車で同じ駅に降りる顔馴染みだった。
もちろん、それは僕からの主観であって、彼女自身は僕のことなんて気にも止めない存在なんだろうけど。
その電車に乗るもう一人いるよく知った顔の乗客が、さっきのオッサンだ。
オッサンはいつも反対側のドアに窓を向いたまま乗っている彼女の後ろに立って、短いスカートに自らの股関を押し当てニヤニヤと卑猥な笑みを浮かべているのだ。
痴漢である。
それも常習的に彼女ばかりを狙う、かなり達が悪い部類だった。
だから、言ってやった。
車内の天井を見上げ悦の表情を浮かべるオッサンと、顔を真っ赤にしてとても申し訳なさそうに下を俯く彼女の間を無理やり割り込んで。
彼女のスカートの下まで伸びる、オッサンの真っ直ぐ伸びた灰色の背広の腕をグシャグシャになるまで強く掴んで言ってやったのだ。

オッサンはすっかり下も含めて萎縮しているようだった。
無理やり手を振りほどきラッシュの波に消えたオッサンの顔は、恐らくはもうこの電車で見ることは無いだろう。
すぐに乗客が乗り込み車内は再び鮨詰め状態になった。
「大丈夫?」
背中越しだが彼女はゆっくりと振り向いた。
「なんで止めるの、馬鹿。」
その瞳は一瞬キッとした鋭いものとなり僕の心を痛烈に刺した。
「えっ…」
ドアが閉まる。電車は動き出し、靴底から機械振動が伝わる。
「わっ!!」
突然彼女が発したあまりに意外な一言に足の力を入れることを忘れた。
僕の体は傾き、その股関は彼女の柔らかい尻に思い切り密着した。
それと同時に後ろの乗客がトコロテン式に僕の体を押す。
これで、学ラン姿の男子生徒が、ブレザー姿の他校の女子生徒に背中越しに密着している図の出来上がりだ。
「あっ…♪」
消え入りそうな程に小さい彼女の声が聞こえた。
464名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:46:57 ID:/g8ZgB2p
「マズい…これじゃ」
そう、僕は今まさに、毎朝嫌悪していたあのオッサンと同じことをしているのだ。
不意に、女子生徒は身をよじるように反転すると、初めて笑みを見せた。
「まあいいや。キミでも。」
とても艶っぽくて、気だるげな声。
「はうううっ…」
それと同時に僕は下半身に苦しみを感じ悶えた。
下を見ると、長く伸びたカーディガンの袖から僅かに見える彼女の細い手が、僕の股間をズボン越しに掴んでいる。
ゆっくりとその指は獲物を捉え確かめる蛇のように蠢く。
「イイよぉ…」
欲情しきったとろんとした瞳。
これまで僕がお嬢様学校として知られるその制服から想像していた、清楚でたおやかな彼女のイメージが氷河のようにゆっくりと崩れ落ちる。
「キミ可愛いね。カッコいいのに可愛い。なんで…はぁん…すごくイイ」
むにむにとリズミカルに、彼女は僕の一物を確かめる。
「はぁあああん♪」
電車の揺れに乗じて、色っぽい溜め息を上げながら胸元に倒れ込んでくる彼女。
栗のように茶色がかったショートカットからは甘ったるい香りがする。
あっという間に膨張する僕の一物。
ズボンから伝わる彼女の手のぬくもりがよりダイレクトで直感的なものになる。
「ほら大きくなった♪感じてるんじゃん。」
愛おしげに囁く艶声が僕の脳髄をとろけさせる。
「あ、ああ…」
「ダメだよ…そんな声出したら聞こえちゃうんだからぁ」
だが、彼女はまるでそんなことお構いなしに僕の一物を強くもみほぐし始めた。
「くっ…やめ」
「やーだよっ」
ジッパーが降ろされ、遮蔽物を無くした僕の一物はそれ自身がまるで意志でも持つかのように彼女の手の中に勢い良く飛び込んだ。
「ふふっ…熱いし大きいしヌルヌルしてグジョグジョしてるぅ。なんで?ねえ…」
うっとりと頭を傾げ楽しそうに手のひらで亀頭を練り回す彼女。
我慢汁に濡れた僕の一物は彼女が織りなす快楽に委ね踊り狂う。
僕自身では止められないビクビクという躍動感と、それを楽しむ彼女の笑みは魔性さえ帯びていた。
「ねえ。キミさ、こんなにダラダラ我慢汁垂らしてエロい。
私よりエロい。ふふっ」
「やめてって…」
「ふふ、でもオナニー。最近してないんでしょ?」
彼女は僕の耳元に問いただすようにその言葉を発すると八重歯を覗かせ笑う。
僕を掌握したという自信と余裕に満ちた、女王様のように強気な表情でだ。
「だからだよね?ヌルヌルして熱いの止まんない…」
465名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:48:13 ID:/g8ZgB2p
手慣れた手つきで我慢汁を全体に塗りたくり逆手でしごき始める彼女。
ぐちゅぐちゅという卑猥な音が車内で微かに響き渡る。
「やめろって、皆にバレちゃうっ」
「イイ、ビクビクしてるぅ…この感触たまんないよぉ。」
僕の忠告なんて聞いていない。
もう彼女には僕の一物以外見えてないのだ。
しごく度にショートカットの小さな頭が揺れ、内巻き気味に緩やかにカーブした髪から見える横顔がどうしようもなくエロくて、僕までHな気分になる。
ビクン!
「あはっビクビクしてきたぁ♪」
彼女は楽しそうな声を上げ、こちらの顔色を伺う。
トロンとした瞳に弛緩しきった口元からよだれが垂れている。
これまで想像することさえなかった酷く淫らな彼女が僕のすぐ目と鼻の先にいるのだ。
(か、可愛いっ…)
どうしようもなく気持ちいいモノが尿道をさかのぼってくる。
僕は思わず片腕を彼女の肩先にある壁に突き出し、被さるようにもたれた。
「イキそう…」
申し訳なさそうに囁いた僕の声に手の動きが止まり彼女が見上げる。
「あはっ♪いいよ、イカせてあげる
だから名前教えて。
学校は制服でわかるから…キミ西高でしょお?」
「うん、西高…西高だからぁああうう」
舌っ足らずな彼女の間延した一言一句にいちいちムラムラしてくる。
もうどうでもいいから早くイキたい。
「ねえ?イキたいんでしょお?」
どんどん、どんどん、精液が上ってくる。
止まんない、止まんないよお…
焦燥感だけが快楽と共に理性をすり鉢のように押しつぶす。
「うん、イキたい、イキたい…早く。」
気がつくと僕は、彼女の華奢な肩に首を傾け、すがるようにして密着していた。
「じゃあ名前教えて♪」
彼女の吐息混じりの囁きが僕の理性を一枚一枚削ぎ落としていく。
それに比例して登り詰める射精欲。
「なぎひこ、なぎひこだよぉ。はぁはぁ…」
僕はしゃにむに身をよじらせ彼女の答えを待った。
早くイキたい、清楚で可愛い顔を被った、淫乱な彼女の手のひらに思い切りあの液体をぶちまけたい。
その感情だけが僕を支配した今、周りの乗客の訝しげな視線など眼中に無かった。

「そう、なぎひこくんって言うんだ♪」
語尾が上がり、待ち焦がれたような彼女のうわずった声。
「イッちゃえなぎひこくん。」
思い切り握りしごかれる。
「あ、あ…あああ!!」
その瞬間、強烈な射精感が僕を貫き、モノが二度三度激しく躍動した。
466名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 03:49:24 ID:/g8ZgB2p

どぷううううううっ
ぼたぼたと、溜まりに溜まっていた糊のようにねっとりした白い体液が彼女の手のひらを汚してゆく。
「ふわぁ…暖かい…ひゃああん♪」
耳元で催眠術のように囁かれる彼女の矯声がねっとりと絡みつき離さない。
びゅばびゅばあああああああ!!!!
尚もしごかれ続けられる僕の一物は溜まった精液をこれでもかと吐き出し続ける。
尿道の奥からごっそりと吸い出されるような射精感が続き、僕の意識は絶頂感と共に遠のいた。
車窓風景だけが夢見心地でぼんやりと流れる。

やがて、電車が止まりドアが開く。
「じゃあね、なぎひこくん。」
彼女は僕の一物を押し込めジッパーを上げると、
精液にまみれたその手を僕の学ランの裾でねっとりと拭ってそそくさと電車を降りた。

「また明日ね♪」
振り返った彼女の顔は毎朝見ているものに戻っていた。

ああ、僕はとんでもないことをしてしまった。
精液に濡れた学ランと床にできた白い溜まりに目を落としながら、僕は途方にくれた。
これから毎朝、僕はこの車内で彼女に弄ばれるのだ。
(あ………♪)
ぴくっ…
そのことを考えただけで、萎えていた僕の一物は尿道の中で切なげに戦慄いた。

以上
名前思いつかんかったけど
次はもっと抜けるようにしたいよお
467名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 04:20:43 ID:6iBHo31L
こんな時間にけしからん奴だなさっさと続き書いてくださいお願いします
468名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 04:58:19 ID:N3J+I+hK
>>463-466すばらしい
469名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 09:32:06 ID:8YitAYg+
GJ
続きを希望
470名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 18:16:38 ID:2uBUBeMp
保守上げ
471名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 14:14:44 ID:LhCpC0Io
ほしゅあげ
472名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 14:17:26 ID:LhCpC0Io
ほしゅあげ
473名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 22:05:18 ID:/nFC0BT8
ほし
474名無しさん@ピンキー:2009/02/24(火) 03:51:55 ID:XN61oMdw
ほす
475名無しさん@ピンキー:2009/02/27(金) 04:29:52 ID:+f4EOFUH
えす&えむの続きはまだですか?
476名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 04:21:52 ID:ofwMvPVD
今書いてるけど、意外と自由度が高くて悩むな
477名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 23:23:18 ID:mAqLh1yw
テラ期待
478名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 15:13:47 ID:6jscgNdW
ほし
479四時五時 ◆P7woR/uQWc :2009/03/07(土) 21:57:19 ID:xGJAlx7E
投下します
今回凌辱シーンがありますので

あと投下の途中で次スレになると思います……
480序章:2009/03/07(土) 22:01:14 ID:xGJAlx7E
********************

ここファルセリオン神皇国は、
北方ファル大陸を支配する、歴史ある国としてそれなりに栄えていた。
寒冷の地で土地は痩せており、
耕すにも石ころと交じりの土が大半で、
せいぜい麦と僅かな放牧、漁によって成り立つ。
だが天は良くしてくれたもので、鉱石や貴金属の産出に優れ、
その加工、細工の腕は遠く海山を隔てた国まで鳴り響いていた。
剣を作れば甲冑をも両断し、落下する髪の毛すら二つに分かれるというもの。
美術的価値があり、純度の優れた金貨は万国共通の貨幣信用力を発揮し、
金細工装飾品はもちろんのこと、他国への王冠作成の受注まで抜群の技術を誇っていた。

そんな中でもこの国が長く平和であったのは、
ひとえに南は大海によって隔てられており、
北へ行けば獣も住むのも不可能な不毛の凍土、
東西は山脈と広大な森林が風雪とともに立ちふさがっている環境のためだった。
交易のためには難所を渡る必要があるため、持ち帰った品は各国で法外な値段になってるとも言われていた。

基本的に敵対国がないのが、いまの皇国の現状である。
何しろ、どの国からも遠く隔てており、
地政学上どうあがいても紛争地にならないのだ。
幸い王制からの緩やかな統治の下、内乱もなく民衆は暮らしていた。
歴史上省みても、内乱の原因の最もたるは貧困、そして他国からの干渉。
国民は現状に満足するだけの裕福さはあり、
長い歴史と職人気質の誇りがそれを支えていた。
人心が安定すれば、そもそも世の中をひっくり返そうななどと考える者は袋叩きにあうのがオチである。

481序章:2009/03/07(土) 22:03:41 ID:xGJAlx7E
********************

南海を見渡せる灯台の上、警備兵は不審者がいないか見張っていた。
とは言え正直なところ、その職務は怠慢の一言につきる。
長年の平和に、日々これといったことのない繰り返し。
加えて初冬、流氷に囲まれ始めた今は訓練もなし。
この雪混じりの嵐に航海するものは海の藻屑となるのが運命だ。
ごく近海での漁は営まれているが、
その場合は喧嘩騒ぎが出たら止めにいく程度がせいぜい。
たまに遠海へと流されるものがいるが、それはごく稀なできごと。
そんなことになれば、下手すれば命を落としかねないと誰もが注意を払っている。

そんな中、兵士の一人が奇妙なものを発見した。
肉眼でも確認できるそれは、流氷と共に荒波に翻弄されながらも必死で耐える小船に見えた。

「おい……何か漂流してるぞ」
「どれ……お、本当だ。この時期に無謀だな。何をそんなに欲しがるんだ?」

望遠鏡を覗き込みながら嵐に揉まれる小船を確認した。
大抵皇国に用事があると言えば交易しかない。
だが今の時期にくるのは、どう考えても割に合わない行為だ。
普通命を分の悪い天秤に預ける奴はいない。
海流に飲まれて漂流してきたとしか思えないが、ここまで流れてくることはまずない。

今はここ、陸からは沖合いには手出しできない。
速度と小回り重視の警備艇では、自分たちまで難破するのが目に見える。

「どうする?」
「まあ救出するにしても、上に連絡して裁可を仰ごう。
どの道、うちら警備班だけでは無理だしな」
「まあ軍船、砕氷装備の哨戒用くらいは必須だな」

一気に慌ただしくなったものの、皆悪い気はしなかった。
人の不幸を喜ぶつもりはないが、やはり暇なのよりは人様の役に立てて、
なおかつ感謝されればそれにこしたことはないのであった。
相手が商人なら結構な報酬になるかもしれない、という欲もあったが。

数人を状況把握のために灯台を任せ、
もう一方は散開しただちに軍船の使用許可をもらうと同時に、
必要な人手を集めて救出への準備をする。
まだ流氷は厚くないからそれ程手間もかからないはず。

この手際のよさは特筆に価した。
冬の海の中、冷たいしぶきに当てられながらも、
無事助けられたのは、ひとえに早期発見とその後の行動の早さにあった。
乗員四名は全員無事であった。
ただ、本船には他に何人か居たらしいが、
沈む帆船の中、小船に乗り移れたのはこの四名だけだったらしい。
482名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 22:05:42 ID:/VqgS/QU
モットモットー
483序章:2009/03/07(土) 22:08:37 ID:xGJAlx7E
********************

現在の国王、チュルハン王は謁見の間にて漂流者報告を受け、
まず最初に無事救出した警備隊へのねぎらいの言葉をかける。

一週間前に起こった出来事は、漂流した当事者による体力の回復が待たれ、
ようやく今こうして行事にのぞむことができるようになった。
並べられた人物を見て、皆一様に驚く。
どこから見ても肌の色が褐色であること、
髪の色も漆黒に染められていた。
最初は単なる汚れかと思われていたが、洗い擦っても落ちないことから、
これが地肌に髪の色だと納得することと相成った。

「さて、そなたらのはどこから来たのか、名はなんと言うのかな?」

異国人たちはあちこちを巡る商人らしく、
万国共通語で会話が可能だった。
源流を同じくする皇国の言葉とは、方言程度の違いはあれど充分に通用する。

「はっ。まずはこの場をお借りしまして、簡単ではありますが礼をさせてもらいたいと思います。
このたびは船が沈没し生死をさまよう中、
九死に一生を得られたこと、まことに感謝いたします。
私たちは遥か南にありますザムーラ国で様々な物を取り扱う商人です。
その中で私はこの商団長を務めていますパザン・シウと申します」

まず漂流を助けてもらった礼を述べた後、質問に答える。
ここから王じきじきの言葉ではなく、側近からの質疑となる
ざわざわと騒がしいのは、やはり特異な色の物珍しさからだった。
皇国の人間は白い肌に金髪か銀髪、まれに赤毛。
まるで異国人たちが絹にインクを垂らした染みのように感じられた。

「ふむ。なぜ漂流などしたのだ」
「それが……どうやら風向きと海流に異変があったらしく、
当初より北側へと航路が逸れていたところに嵐に遭い、氷塊に衝突し浸水してしまったようで」
「難儀であったのう。だが……。
そなたらの髪、肌の色は何故黒いのだ。今回の嵐にも関係しているのではないか」
「そうそう、大方神事かもしれぬぞ。穢れたものをこの地に触れさせんとする」
「そんなことは関係ありません。我々は様々な国を渡り歩きますが、
神は常に平等を説いています。それに心やましきことなど何一つ」

ザムーラ人の代表するように、生き残りのリーダー、パザンは朗々と答える。
幾つかの国でも似たような話は聞いていたため、こういう反応もさして驚くに値はしない。
だがやり取りを続けてる内に感じるのは、どうも芳しくないということ。
質疑応答の中、半数ほどはその肌、髪の色の不吉さから忌み嫌う空気が漂っていた。
もともと閉鎖的なお国柄か、パザンは徐々に旗色の悪さを感じていた。
追放程度ならまだしも、幽閉、処刑となる可能性も捨てきれない。
なぜならわざわざ費用をかけて追放するくらいなら、
後腐れのない、もっとも簡単な方法選ぶだろう。
人道や道義がどの程度なのかも国によって大きく違うため、事の成り行きが読めない。

それでもパザンは美髯をなでながら精悍な表情を保つ。
もともと楽観こそ美徳とする気風の国の育ち。
強く一歩前へ踏み出し注目を集め、両手を大きく上げた。
少々芝居がかっていたが、大人数相手へ訴えるに大事なのは勢いである。
484序章:2009/03/07(土) 22:10:54 ID:xGJAlx7E
「王よ。直々にお伺いしたい。我々に何の非があると!
皆もわかっているはずです。
海の女神はときどき気まぐれであること。
心当たりなど何も無く災難に見舞われることなど、
一度や二度ではないでしょう」
「ふむ。シェシングよ。どうかな」

末席で傍聴していた海軍海洋警備班隊長のシェシングは、
王に呼びかけられ立ち上がって一礼する。

「はい。我々は何度も哨戒のため海を回りますが、
確かに高波や嵐に見舞われることは何度もあります。
また、それ故に航海や整備、操舵技術の鍛錬になることも確かです。
これは海の上は人知の及ばぬところ、いつ何時なにが起こってもおかしいものではありません」
「ふむ、それもそうよのう」

助けた相手が不吉な存在などと烙印を押されても彼らに得は無く、
また嵐に見舞われるたびに徳も無しなどと言われればたまったものではなかろう。
形は違えど、同じ海と船を生業とするところのシンパシーもあった。

パザンは思わぬ所からの助けに喜ぶ。
ただ異質なものに難癖をつけたいだけなのが、嫌疑派の本質である。
それを身内から正論でもって反論してくれたのは僥倖とも言うべき。
あとは一押し。

「いえ、ただ海の女神はたいへん嫉妬深いともお聞きします。
本来なら女人禁制の船上ですが、今回訳あって女を連れていました。
姿を隠してたとは言え、その正体は女神にはお見通しだったのやもしれません。……さっ」

そうパザンが述べた後、後ろに控えていた一人が前に出た。
頭からベールに包まれていたその者はするすると身にまとった薄布を取り払う。
周囲から、おおっと感嘆の声が漏れる。

「サウラ・ガリィと申します」

姿を現した女は恭しく礼をする。
それだけで氷と大理石に包まれた無味無臭の宮殿にふわりと草花の香りがするようだった。
火がたかれているとはいえ、
この寒さの中、滑らかな褐色の肌を惜しげもなく晒す扇情的な衣装。
背丈に似合う、艶やかな漆黒の長い髪。
肌の色のせいかもしれないが、その引き締まった身体にすらりと伸びる繊細な手足。
だが弱々しさなど皆無であり、溢れんばかりの眩しい太陽光の力を感じさせた。
それは皇国の女性には無い魅力だった。

「ぜひ命を助けてもらった礼として、滞留の間サウラを王に献上したく思いますが」

どこか妖艶で淫猥な雰囲気を纏いながら、
けして下品ではないのは清楚さも感じられたからだろう。
装飾とは対照的な美麗な顔つきは知性をも匂わせ、
誰が見ても超高級娼婦とわかるその美しさに、場が静まり返っていた。

あとはただ彼らには『嵐を受けるに値する』別の理由を差し出せばお終いである。
サウラにはその理由として有り余るほどであった。
男なら我が物へと、女なら嫉みの対象か諦めの溜め息をせずにはいられまい。

王の下、パザンたちは賓客として扱われることとなった。
485序章:2009/03/07(土) 22:15:16 ID:xGJAlx7E
********************

「シェシング殿には感謝してもしきれんな」
「彼らもいちいち業務に口出しされては面白くないでしょうから」

客室に設けられたテーブルにパザン以下二名がかこむ。
一人は筋骨隆々とした、名はグーリーと言う無口な男。
もう一人はシーフゥと言う少年で、こちらが主に話の相手をした。

「これからどうしますか?」
「そうだな……。うっ」

ごく小さな器に注がれた液体を口にするが、思わずむせ返る。
この国特有の蒸留酒は喉を通らなかったようだ。

「ゲホッ、くぅ何だこの酒は?」
「噂には聞いていましたが、火酒ですね。
この極寒の地では、身体を温めるには必須なのでしょう」
「ふうぅ、まったく……。
とりあえずは滞在を甘んじる他はあるまい。
どちらにせよ、これから海は氷に覆われ春までは帰れんそうだ。
本当にサウラのおかげで助かったよ」

もう一度パザンは器に入った酒を、今度は一気にあおった。
飲み干した後、アルコールくさい息を吐きながら声を荒げる。

「だが、このまま帰れん。
船は沈み、品々も海の藻屑となりはてた。
無一文のまま、このままおめおめと国に帰ったところで落ちぶれるだけよ」

ここから声を落として、室内の人間だけ聞こえるように呟く。
謁見での出来事は、彼らに慎重さを植えつけていた。
母国語で話しているとはいえ、まだまだ油断はできず、
どこかで見張りがいる可能性も否定できない。

「だが流れ着いたのが噂に聞きしファルセリオン神皇国とは、俺もまだまだついている。
まったく、この金の器を持って帰るだけで一財産だぞ。
俺の見立てだとこの一揃えだけで金貨五十枚分はくだらん。
サウラ一人でも仕上げは上々だが、我々もすることを成さねばな。
あの謁見の状況だと、先々を考えて手を打たねばならぬだろう。
お前たちにも協力してもらうぞ」

二人は同時に頷いた。
486序章:2009/03/07(土) 22:20:27 ID:xGJAlx7E
********************

瀟洒な天蓋つきのベッドにふわりと転がり、長い脚を組む。
サウラの今の姿を見たら、男なら大枚はたいても惜しくなかろう。

謁見の時は王の立場上、サウラの親展を丁重にお断りしなければならなかった。
勿論ここに呼ぶためにもそれ相応の身分や手続きがいるのだが、
チュルハン王はそんなものは完全にすっ飛ばしていた。

「はあはあ、いやらしくて、おかしくなりそうだよ」
「ふふ、一国の主たる君が、女一人に惑わされてはいけませんわ。
さあ、たっぷり味わって、免疫をつけませんこと」

伏せたまま手を伸ばして妖しく誘う。
相手が一国の王とて、することは変わらない。
自信に満ち溢れたどこか挑発的な表情、磨きぬかれたこの身体で身も心も蕩かす。
王は手を取ってベッドに上がり、その豊満な胸に顔を埋めた。
片手で後ろの結び目を解きながら、熱いベーゼを交わす。
実に手馴れた様子にサウラは微笑したが、負けずに小高く盛り上がる部分に触れる。

「ここがもう……こんなに熱いですわ」
「くふ、お前を見てるだけでもうこんなだよ」

そこは歳に似合わず、すでにがちがちになっていた。
どれほど求めているのか、サウラには見るまでもなく理解できる。
胸当てが落ち、外気に当たる豊満な乳房が生暖かい感触に包まれた。
ずるずると舌なめずりの音と、女の艶かしい吐息が重なる。

「ん、じゅる……ちゅるちゅる」
「はあぁ……おっぱい食べられてますの」

揉んで舐め、吸い付いて離れる。
唇が外れると形の良い美乳がぷるんと動くのが妖しい魅力を匂わせる。
その間も手は服を脱がしていき、そう数などないサウラはほとんど全裸になった。
王は花芯が潤ってるのに気付くと、サウラの身体を小脇に抱えてうつ伏せにした。
性急ではあったが、我慢が効かなかった。

「ふふ、このまま後ろからしたいのですか」
「そうだ。普段とは違う女ならば、普段とは違う趣向を味わいたくてな」

サウラは進んで四つんばいに這い、尻を上げる。
そうなれば後は尻を掴み、男根を宛がって挿入するのみだった。
膣口を押し付けられると、徐々に挿入へと前進する。
鞘に納まれば、一気に走るように力いっぱい打ち込んだ。

「ふぁああ、熱いですわ。中の奥っ……奥まで当たってますぅ!」

サウラは両手をベッドにつき、上半身を支えたまま、
腰から迫り来る獣のごとき交わりに声を上げた。
背後からたわわな胸を揉まれつつ、ぴったりと腰が密着するたびにその甘美な痺れがお互いを侵食する。
雄渾な牡器官が長さを活かしたストロークで、絶え間ない快楽を送り込まれる。

「どうか、ふふ。国の男より良いかな?」
「や、はあ、はあ、ダメぇ! そんなこと……ああぁ!!」

喉を見せてむせび泣く牝を支配する。
亀頭が抜けるぎりぎりまで引き抜き、
そして勢いとともに膣奥まで念入りに犯す。
その侵入に反応して肉襞は抵抗はおろか、まるで吸い付くように愛撫でもって歓待した。
487序章:2009/03/07(土) 22:23:57 ID:xGJAlx7E
「ほら、ほら言わんか。くく、お前の故郷の男より良いのだろ、んん」
「あふあぁ! ひぁ、そ、そうですわ。王の太いチンポにサウラは最高の心地です!
もう……もう国に帰れませんわ」

にんまりと王は口元を歪める。
くびれた曲線美の中心を抱え、子宮口まで埋め込んだまま巧みに抉った。
褐色の肌に珠のような汗が浮かび、滑らかに照り輝く。

「あっ、あぁ」
「くく、認めたな。本当は誰の一物でもよがるくせに、この淫売が。
一体どれだけの男に揉まれたんだ、このでかい胸は?」
「ひゃぁあ、おっぱいそんなに強く……」

元は娼婦の身であることをチュルハン王は熟知していた。
下賎なものに触れる禁忌の快楽も、甘く美味なるもの。

「わかっているのだぞ。だが汝のその罪を赦してやろう。
わしの子種でもって、すみずみまで浄化してやる。よいかな」
「あはぁ……はあはあ、はい」

頷いたそばからくる激しい突き上げに、サウラは顔を伏せてソファーを掴む。
性欲の塊が硬い肉棒から、今度は体液に乗せて迸った。
限界を超えた絶頂の連続が、筒の内側を駆け抜ける快楽は何事にも代えがたい。
それが最高の女へと注ぐならもはや別格だ。
尻肉を掴み、膣口が見えるほど開いて、なおも突き入れてはぐりぐりと押し込む。

「ぐぅ!! ふっ! はあはあ」
「あ! アぁ……それっ! きちゃう」

子宮口へと熱烈な愛撫と、そこから容赦なく支配をひろげる子種が全身を染める。
ドクンドクンと密着する性器の間から互いの息遣いか聞こえそうなほど、
射精は多量で、長く長く続いた。
サウラは崩れ落ちそうになる全身をしっかりと支え、
結合しやすい体勢を保ったまま進んで牡汁を向かい入れた。

「ああぁ……出てます。私の中に王の神聖な子種が……」

領外の女へと種付けするには有り余る量だった。
王は射精し続ける間、膣口までぴったりと陰嚢を付ける。
こちらから動かなくとも胸を愛撫すると、
サウラが感極まったように腰をよじり、襞の隅々まで精子をすりこんでいく。
結合部からはグチュリと淫猥な音を鳴らしながら、泡だった粘液が垂れていった。

「ふううぅい。サウラよ、そなたたちが滞在の間、最高のもてなしをしよう」
「あふん、はあはあ……はい、光栄ですわ」

********************
488二章:2009/03/07(土) 22:28:59 ID:xGJAlx7E
********************

王の寵愛を受けて、ひと月ほどたったある日。
サウラは今日もまた夜のお勤めを終えて、専用に用意された自室へと戻った。
客室ながら、扉は一室ごとに異なる玉壁をはめ込み区別をしている。
豪華といよりも、色と形の方が見分けがつくだろうという親切心らしい。
その豪勢な扉の取手に触れると、妙な違和感があった。

「あら? ……ふうん」

サウラは扉を開けた瞬間、一目見て異変に気付いた。
普通の人間にはわからない色彩の妙とも言うべき違い、
空気の香りから人の気配が残像のように見えている。
特に棚の中に入れていた私物、
指輪や首飾りの位置が微妙に違っていたのは決定的だった。

「さて、面白くなったわね。ふふ」

問題なのはどんな目的なのかではなく、誰の仕業か、差し金か、であった。
それにしても、それなりに気を配って探っていたのはわかるが、
技術としてはあくまで素人の範疇だ。
プロの手口ならここまで痕跡は残すまい。
サウラは備え付けの鈴を鳴らす。
しばらくして専属の侍従が扉をノックした。

「入って」
「失礼します」

侍従は礼をして室内へ入る。

「誰かこの部屋に来たかしら?」
「い、いえ。誰も入ってませんが」

訪ねてきたのか、という意味の問いに対して、
わざわざ入ったかどうか答えるのは変である。
まあ答えをもらったようなものだが。

「あら、そうかしら」
「はい」
「ふーん……まあいいわ。行きなさい」

サウラは扇で回れ右をするよう指示をした。
多少むっとする顔をしたが、しったことではなかった。

さてさてと、サウラはベッドに腰掛け思案する。
簡単に考えて、不在の間を狙ったとなれば、自分の行動が掴める立場の人間なのは間違いない。
つまり不定期な王の夜伽を知っている者。
それだけでも大分対象を搾れそうだったが、まだ王宮の内情を把握していない。
さすがに特定は無理だ。
おまけに連絡係が話を漏らす可能性を考慮すれば際限がない。
アウェーのつらさもあって、協力者も身内に限られれば対策も難しい上、
パザンたちも忙しいらしく、協力を頼んで時間を割くのは好ましくない。

「まあねぇ……」

頼れるのが己のみとなれば、罠を張ることにした。
罠と呼ぶほどの物ではなく、単純な情報撹乱だが、
とりあえず現場を押さえればどうとでもなる自信があった。
489二章:2009/03/07(土) 22:33:06 ID:xGJAlx7E
*****************

今宵は狩りにおあつらえ向きな満月だった。
風の強さが窓を揺らすが、同時に雲も流してくれる。
サウラは月明かりが差す中、物音をたてぬようよっくりと扉を開いた。

「ふふ、どうなさいました」

中に居た者は、いたずらをしかられた子犬のように飛び跳ねた。
だが獲物を逃すつもりはない。
さり気なく出入り口が隠れるよう直線上にして近づく。
全体の明かりを灯し、お互いの顔が見えた。

「あっ……、サウラさん」
「そうです。お見知りのようで光栄ですわ、セドル殿下」
「こっ、これが物珍しくて。サウラさんの国の物ですか?」

奇妙な形をした置物に目を引かれたのだが、
本当はそんなことよりも別の目的で探していたのだろう。
好奇心旺盛なのは良いことだが、間者がその調子ではまずかろうに。
サウラくすくすと楽しそうな笑顔を見せる。

推測の通り、素人の興味本位混じりの行動だと思ったが、まさに予想通りだった。
後は王とのやりとりを手早く済ませれば、こうして現場を押さえることも出来た。
だが王家の一粒種、セドル王子だったとは意外の一言につきる。

「それは香炉ですわ」

パザンの品だったが借りてきた物だ。
台座ごと中央のテーブルに置くと、セドルを手招きして座らせた。
素直に言うことを聞く様子にサウラは微笑する。
臨機応変に作戦を変えたというより、
単に相手のペースに飲み込まれているだけだったのが
面白いように表情に出ていたためだった。

「荷物のほとんどは海に沈んでしまいましたが、
幸い密封した香料と炉は水に浮いて無事でした」
「それは良かったですね」
「本当です。ふふ、何故だか緊張なさってるようですわね」
「そ、そうですか」

どことなく居心地の悪さがあったのは確かだ。
無断で女性の部屋に入った挙句物色していたのに、
そのことについては何も触れてこない。
どこか含むところがあるのだろうが、
それはお互いさまなのが痛いほどわかる腹の探りあいだった。

「さ、殿下も少々かいでみてください。
緊張がほぐれ、リラックスいたいますから」
「確かに良い香りです……」
「深く息を吸って……吐いて……香炉の中心を見つめてください」

セドルは香炉の奥に仄かに燈る火をじっと見つめた。
すっとする爽やかな香りに、
ふわっと浮き上がるような感覚に包まれる。
490二章:2009/03/07(土) 22:37:57 ID:xGJAlx7E
「それで、私の部屋で何をなさってましたか?」
「……えっと……」

サウラは反応を窺うが、うまく思考回路がつながらないらしい。
香炉の吹き出し口を調整して香りを少し弱める。
風通しの良さを重視するザムーラと建物の造りが違い、
寒さで部屋の密閉性が重視されているおかげで効きが良いようだ。

「ええっと、そう……私はサウラさんのこととても綺麗で素敵な人だと思ってるけど……」
「まあまあ、嬉しいですわ殿下。
でもそれなのに何故、私の部屋で盗人の真似事などを?」

少し節目がちにして話す。

「サウラは悲しいです」
「あっ……ごめんなさい。どうしてもってお願いさらえて」

微妙に舌が回っていない。
すこぶる良い反応だ。あせって弁解すればするほど術中にはまる。

「何をお探しで?」
「さ、サウラさん、黒い肌で……その、悪魔だって言う人がいて……。
私はそんなこと全然思わないんだけど……そう言う人がいて……。
証拠になりそうな物を探して来てほしいって言われたんです」
「ふふ、誰の差し金でしたか?」
「はあっ、はあっ、それは……」

サウラは立ち上がって横に座るが、セドルの目線は彼女を追わず香炉の一点を見つめる。
火と香料を使った簡単な催眠だったが、相手が純粋な分あっさりとかかっていた。

「大丈夫です。本当は私、全て知っているのですよ」

セドルの両頬に手のひらを添えて耳元で囁いた。

「そうなの……あぁ」
「そうです。だから安心して答えてください」

耳の裏から舌でくすぐり胸を撫でて、
服の上から乳首をさするだけでピクリと身体が跳ねる。

「さ、誰の差し金でした。心置きなく答えてください」
「くぁ、は、あ、アズメイラ……王妃です……」

やはりとは思ったものの、腑に落ちない点もあった。
サウラが曲りなりとはいえ、王の寵愛を一身に受けているのが気に入らなかったのだろう。
だがなぜお抱えの家臣ではなく王子に探らせたのか不思議だった。
王子なら何かあっても荒事になるまいという楽観からか。
確かにそうだが、そもそもこちらに荒事を起こそうなどと企んでも人がいない上、
立場上弱い者ため後工作も儘ならず露見、処断されるのが関の山だ。
微妙に不可解であったが、
どうであれ王子のような重要人物が網に掛かったのは、僥倖であることに変わりはない。
それに労を惜しむ必要もないほど美味しそうなのだ。
丁寧に整えられた薄い色の金髪、碧の玉のごとき瞳がある愛らし目元、
鼻梁から口元まで爽やかな好青年であること慎ましやかに主張していた。
眉目秀麗とはよく言ったものだと感心する。
491二章:2009/03/07(土) 22:45:45 ID:xGJAlx7E
「あら? ここをこんなにして、恥ずかしくありませんか」

催眠状態で理性が緩んでいるためだろう、
間近で触れあうことだけで、男の象徴部は膨らみを形成していた。

「ふふ、可愛い殿下。さっ……ん」
「ん……ちゅ、ん。やっ……ああぁ! そんな強くしたら」

セドルの口腔へと舌を入れ、股間へ手を伸ばした。
同時に香炉の蓋を全部閉め、外気を遮断し自然鎮火させる。
ここから先は徐々に目を覚ましてもらわなくてはならない。
もうすでに痛いほど勃起しているのが布越しにわかる。

「ん、はあっ! サ、サウラさん」
「いいですか殿下、段々とサウラを犯したくなる。さ、言ってみてください」
「はあ、はあ。段々と……サウラを犯したく……なる」
「そうですわ。ふふ、一回私の口に射精いたします。
だけど殿下はもっとしたくて私を求めてきます。けれど私はそれ以上許しません」

そのまま脱がし、露わになる男根を握った。
怯えか期待か、がくがくと身体を震わせる。
初々しい反応を察するに、女性経験はほとんど無いか、もしかして皆無なのかもしれない。

「あ、はあ……くっ」
「でも殿下は止まりません。いいですか、無理矢理にでもサウラを犯します。
サウラがダメって言っても止まってはいけません。わかりましたか」

セドルは夢うつつのまま頷いた。
それよりも早く処理して欲しい。そのことで頭がいっぱいだった。
サウラもこれ以上待たす気はない。
上下にしごく先っぽへと舌で触れる。
雄々しく先走りに溢れ、口の中に塩味が広がる。

「んん、ちゅ、ちゅるる……んふ、はあ、じゅ、んっんん」

口腔いっぱいに含み、喉奥まで咥えた。
若い男の戸惑いが伝わるようで、ついついサービスしたくなる。
限界が早々と迫っているため、サウラはこのまま絶頂へと導く動作に入った。
唇ではさみ、顔を上下に振ってしごきあげる。
唾液をたっぷりと絡ませ、零れ落ちるのもかまわずに頬張った。

「ん、ん、はふ。さあ、遠慮なく出してください。じゅるる、ちゅ、んん」
「あっ、あはあぁ! もう……出る! 出る!!」」

飛び跳ねる肉棒をしっかりと押さえ、舌下に噴出して広がる濃厚な粘液を味わう。
脈動とともに跳ねる勢いもさることながら、量も尋常ではない。
長いこと何も処理していなかったのか、サウラは若い男の溜めた精液に恍惚となる。
舌先ではずむその感触、塊を成して崩れない弾力性。
香りを楽しむため口を開けて指で捏ねくると、今度は引き伸ばして粘度を見定め、
やはりうっとりした眼差しを精液そのものと元の持ち主に注いだ。
そのまま指先から伝い口腔内へ戻し、舌なめずりをしつつ唾液と絡めて攪拌する。
鼻腔いっぱいに広がる青臭い風味が絶品だった。
もっと堪能したかったが、襲い掛かるセドルによって中断させられてしまった。

「はあっ、はあっ! サウラさん……もっとサウラさんが欲しい!」
「あっ、はあん」

胸元に飛びつき、服を捲り上げて形の良い乳房をへと愛撫されて堪らず喘いだ。
本当なら進んで股を開きたかったが、ここはぐっと我慢する。
我ながら損な役割などと、サウラは真実思っていた。
492二章:2009/03/07(土) 22:51:18 ID:xGJAlx7E
「ダメ……ダメですわ殿下。あん、そんなところ……や」

腰にある下着の結び目は、あっけなく解けおちる。
早々とさらけ出された秘裂はてらてらと光っていた。
膝を押えて強引に脚を開き、ひっぱられる陰部が姿を晒す。
セドルは妖しさを秘める性器への誘惑に頭がくらくらした。

「はあっ! はあっ!」
「ああぁ……殿下、それ以上はご無体を」
「ダメなものか! 最初に誘ったのはサウラさんだし、それにここをこんなにして」

まったくもって正論だった。
案の定、甘い蜜を滲ませる秘所は、ずりゅるっと吸い込むように入っていく。
そのくせ中は狭く、締め付けながらも手厚く迎えられているみたいだった。
押し分けられ、ふっくらと盛り上がる恥丘を見ると、
自分の生殖器がはっきり挿入されているのを意識し、
牡が牝を従えてる支配欲を満たす。

「暖かいよ、サウラさんの中……まるで春の日差しみたい」

少しだけ抜いて、そしてすぐにも腰を打ち付ける。
そんな簡単な動作だけでも、肉襞とのむつみに痺れるような快感をもたらした。
溢れんばかりの性欲をそのままに、サウラの膣内へと何度も行き来する。

「やっ、そこ……ああぁ!」

熱い吐息すら、覚えたての青年には過激な燃料だ。
セドルは両脚を押さえつけ、結合した部位を眺めながら腰を打ち下ろす。
魔女の鉄槌ともいうべき、
一切の手心を加えない強烈な責めにサウラはたちまち昇りつめる。

「は、はは。最高だよ! 世の中にこんな……こんなすばらしいことがあったなんて」
「あん! 硬いのおくぅぅ! ひゃん、やぁ!」
「出る! もう……すぐ」

肉竿の付け根から出口を求めて迫り来る圧力が、
我慢の限界を超えて今にも決壊しそうだった。
少しでも長く味わいたい思いに合わせて、
一突きごとに渦巻く熱が濃縮されていく。

「中は……ダメですわ。そんな、はあはあ、さっきみたいな濃いの出したら……ああぁっ!」

セドルは行為でもって反論を封殺する。
子宮口まで硬く張ったエラが挿入されれば、
女性器は意に背けるはずもなく従属の愛を交わすだけだった。
それは本当に愛おしく、血管を浮き立たせた怒張をしごき上げる。
そうすれば更に大きくなり、待ち望んだ牡の精を受け取れるためだ。

「ひぃ、ん……はあ、やあ……んあぁ! あああぁあぁああ!!」

高らかな声は絶頂の証だった。
身体ごと押さえつけられながらも豊満な女体はびくびくと震え、
全身の筋肉が収縮する。
だが肉の隘路に挟まれながらも、
飛び散る蜜に誘われるまま全力で腰を前後させ交合した。
もう我慢は臨界点を突破していた。
493二章:2009/03/07(土) 22:57:08 ID:xGJAlx7E
「はあ、ん! くあぁ! で、出る!!」

そう宣言すると同時に、男根が膣内で一際大きな鼓動を鳴らした。

「あはぁ。ら、らめぇぇ……ん、中は……」

最奥まで男根を挿入すると、ぐいぐいと飲み込まれるような蠢動に背筋を反らした。
脳髄まで痺れる衝撃に、陰嚢に溜められた熱源が開放される。
原初の獣のごとく咆哮を上げ、女を孕ませるべく管を通って子袋へと精を注入した。
粒化状のまま鈴口から飛び出す射精の気持ち良さに、すべての意識が真っ白になる。
若さ故の勢いそのままに、よく粘る白濁とした精液が子宮内へと注がれていった。
量も濃さも、最初と変わらぬどころか、それ以上と言っても過言ではない。

「くぅうぅ……はアぁああ!」
「ああん……出てるぅ……。すっごいたくさん熱いの、びくびくって中で出てる……」

細い奥への隧道は、前もって存分に先走りが練りこまれ、
生殖行為を邪魔立てすることなく友好的に通行を許す。
ほとんど固形状の精液は粘膜に張り付き、
言葉とは裏腹に期待に震えていた胎内は密度の濃い子種を堪能する。
何度も突き、抉り、脈動をしては最奥で射精し、
彼なりのやり方で優秀な相手を褒め称え、包み込む感触に満足した。

「はあ、はあ……ふあぁ」
「あふぅん。殿下ったら、本当にいけませんわ」
「はあはあ、あ……わあぁ! っご、ごめんなさい!!」

セドルは出す物を出し、完全に催眠が解けて冷静になると、
今更ながらとんでもないことをしてしまったことに気付く。
サウラに公式な肩書きは単に用意されていないだけで、
父である国王の実質上愛妾に手を出してしまった。

(い、いや大丈夫か?)

非常に苦しいが、彼女はまだ客分扱い。
言い逃れができなくもない。

「まさか言い逃れしようと考えてますか?」
「はは……は」
「あらあら、サウラのここをこんなにしたのは……」

そう言って、サウラは身を起こし片膝を立てる。
隠す物などなく露わになった秘洞からは、白い粘液が垂れ落ちた。

「殿下ですのに」
「その通りですぅぅ」
「その男らしさ、サウラは嫌いではありませんわ」
「えっ、あっ」

しどろもどろになるセドルに比べ、サウラはにんまりと笑顔を浮かべる。
494名無しさん@ピンキー:2009/03/07(土) 22:57:14 ID:JnqyUg4L
支援
495二章:2009/03/07(土) 23:00:45 ID:xGJAlx7E
「私のここに、殿下のものを無理矢理入れられたとき、
本当は嬉しかったんですわ。あんながちがちに硬く勃起させたペニスで……」

二本の指で秘裂を開き、まるで犯される一面を再現するように自ら中指を沈める。
あの指にまとわりつく、肉襞の気持ちよさは先ほど体験済みだ。
思い出すだけで、セドルははっきりと一物がいきり立つのを感じた。

「こういう風に逞しいもので、サウラも夢のような心地を……。
はあぁ、ん……ああぁ、こんなふうに」
「ん……あ、はあはあ」

うつ伏せになり、下半身はおろか尻をセドルに向けてオナニーする。
指から伝うように零れ落ちるのは愛液と、先ほど中で思う存分出した精液。
荒い息遣いが聞こえる中、目が膣口に釘付けのまま放せなかった。
出てくるなら、またその分入れなければならない。
強い使命感を持って、腰の括れを掴み、
サウラが自ら待ち遠しく開く肉孔へと牡生殖器を埋め込んでいった。
それだけでびくびくと張り詰める膣の感触に、再び彼女を同意の上で犯しはじめる。

「う、ふあぁ……さっき弄ってたけど気持いい。ここのぷっくりしてるところ。
はあはあ、サウラも感じてほしいんだ」
「あ、あっ! そこ、ひゃん!」

セドルは肉芽を愛撫するたびにのたうつサウラが楽しく、
そして吸い上げてくるような膣の動きに誘われるまま腰を前後させる。
手入れの行き届いた抜群の肉体が悶える様は興奮をもたらす。
結合部での濃密な饗宴に加えて、
背後から覆いかぶさりながらうなじを舐めてくすぐり、その髪の匂いを吸い込んだ。

「あは、良い匂い。泥の匂いなんて全然しないよ」

どこの誰だったか忘れたが、滑らかな褐色の肌を見て、
きっと泥くさいに違いないと言った奴は馬鹿に違いない。
髪からは良い香りが漂い、肌に浮かぶ汗の匂いは官能的である。
その風味を確かめ背中から脇まで舌を絶えず這わせつつも、腰は律動することを止めない。
全身にむしゃぶりつく責めに、サウラは背筋を反らして喘ぐ。

「殿下ぁ、ああん。もうサウラは……」
「ねえ、セドルって名前で呼んでよ」
「セドル! セドルさまのものでサウラは最高の心地です」
「いくよ、もうすぐまたサウラの中にいくよ!」
496二章:2009/03/07(土) 23:11:23 ID:xGJAlx7E
尻を奪い、ぎりぎりまで抜かれた肉竿が一気に女性器へと挿入される。
何度も繰り返された行為であっても千変万化にうねり、
抵抗をもたらす牝孔に牡の生殖器は着々と準備を進めた。
ぐちゅっと卑猥な音を鳴らして飛沫を飛ばし、
また新鮮なザーメンを注ごうと躍起になるのを柔らかな尻肉が受け止める

「出して! サウラの中、射精して! セドルさまの子種で真っ白に」

痛いほどの締め付けも、簡単に快楽に変換される。
限界まで高められた欲望が、一気に弾けた。
尿道を粘液が助走し、次々と肉炉へぶちまけていく。

「はあああぁ! サウラの中、熱くて気持ちよくて、止まらない」

喜悦に満ちあふれた性行為は膣内射精という最高の儀を迎える。
先端に口付けする子宮への通り道、
そこにぴったりと宛がい子種を仕込んでいった。
サウラは達した身体のまま、容赦ない剛直からの白い間欠泉を胎内に浴びる。
若い牡特有の圧迫感に連打されて、すでに意識は宙を彷徨っていた。

「やっ、はああ! まだ……イってるのに、はあん!
熱い、セドル様の子種汁が、こんなに愛情いっぱいに中で出されたらきっと受精……しますわ」
「はあはあ、そうだよ。私が……受精させるんだ!」

柔らかな尻に指を食い込ませて固定し、
狂おしいほどの欲求を乗せて腰を前後させ、
サウラは高貴な遺伝子情報を獣の体位で注がれる。
あいつぐ子宮口との接吻はサウラの精神を虜にし、妊娠を望む身体へと最適化されていた。
その上若者の活きの良い精子を二回も注がれれば、実を結ぶ確率は低くなかろう。

「はあ、はあ……」
「セドルさま……満足されましたか?」
「サウラは太陽みたいだよ」
「ふふ、ではまたいつかお会いできますね」

まだまだ腰を密着させながら、セドルは何度も頷いた。
それは希望という段階だったが。

「ん……れろ、ちゅっ……んん」
「ああぁ……サウラ……」

お互いに抱きしめて深いキスをした。
この国で太陽に形容されることが、
最大級の賛辞だとサウラが気付くのは後の話。

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497三章:2009/03/07(土) 23:17:50 ID:xGJAlx7E
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パザンと部下のグーリーは港で海洋警備隊と混じり、一緒に業務を行う。
客分扱いのため、働く必要はないのだが、
御礼と情報収集を兼ねた実益のためだった。
第一部屋にこもりきりでは評判もよろしくない。

外は雪こそは降らないものの、冷たい風が吹き付けていた。
もともと南国育ちの二人にはきついことこの上ないのだが、
我慢に我慢を重ね、帆の揚げ降ろしから点検、甲板清掃まで精力的に従事する。
ほとんど全身を防寒衣で包むため、一見して外観は異国人とは気付かない。
だが動き方が明らかに違うため、一目瞭然であった。
周囲に比べ変によく動く。することが無くとも動く。
寒さによってじっとしているのが耐えられない。

「さっ・・・さむい」
「ははは、パザン殿もグーリー殿も無理されるな。
客人に風邪をひかせたとあっては、私が陛下に怒られてしまう」

シェシング隊長はあまりに寒そうな二人に気を利かせる。
そもそも今の時期は地元の人間だってつらい上、それほど業務も多くない。
こう言われては、パザンも無理に固辞することはできなかった。

「すっ・・・すまぬ」

ただ単に口を開けるだけでも、体温が逃げていく。
したがって口数も自然と少なくなる。
そんな中でもシェシングは大口を開けて、てきぱきと部下に指示を与える。

グーリーはまだまだ頑張れるが、パザンには無理だった。
シェシングらに関心しながらも、無言のまま港に上がり駐屯所へと戻った。
498三章:2009/03/07(土) 23:23:32 ID:xGJAlx7E
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雑然とした居酒屋で卓を囲むのはシェシングとその部下数人に、
客人ことパザンとグーリーであった。

「さて、皆よいかな。今日の糧と神のご加護に感謝を、乾杯」

まずは杯を掲げ、一斉に飲み干す。
喉を通り、胃を焼く感覚こそ、地獄のような寒さから生還した証。
なるほど、これは効くとパザンは思った。

彼らシェシングのような職業軍人は非常に珍しい。
国が交易の全てを担っているため
国民のほとんどが農夫、職工、鉱山夫である。
ならば貿易によって国庫は金が唸っているかと思えば、話を聞くとそうでもないらしい。
利益は形を変えて、うまく分配されているらしい。
その形が、いま目の前に並べられていた。

「うむ、美味い」

豆とニンジンを煮込んだシチューに舌鼓をうつ。
他にもパンにポテトとチーズを乗せて焼いたものや、
魚の身をすり潰し、団子状にして蒸したもの、
そして意外にも果物があった。
まだ凍っているので、鮮度は保たれているらしい。
はるばる海山を渡って輸入されるそうだった。
勿論その代価は充分に見合うものだと聞く。
平たく言えば、市場価格よりはるかに高く売れるとパザンも知っていた。
そしてそれを国が安く払い下げるという、
まあなんとも儲からないどころか損をする商売を国が担っていた。

「しかしこのままだと先行きは暗いぞ。明らかに無理のある交換はゆがみが生じる。
それに万一金鉱山が掘りつくされると、この国に待っているのは飢えと寒さだ」

恩になった手前、パザンが商人の見地からの意見を馬鹿正直に述べた。

最初彼らは手に職を持たないあぶれ者かと思っていたが、それは完全に違っていた。
シェシングを始め、彼らは難関を突破したエリートなのだ。
こういう話題も充分に通じる。
良くも悪くも長年の平和が軍隊を形骸化させ、
庶民から警察組織での栄達、もしくは高級官僚への架け橋として機能していた。

「うむ、まああと百年先は大丈夫だろうが、その先ともなればわからんだろうな」
「だがまあ、いつかは工船技術が発達して、風に頼らなくても航海できるさ。
さしあたりパザン殿が投資して開発を心みてはどうかな」
「そうそう、そうなれば流氷さえなければすぐにでも帰れるし、荷を積んで来ることもできる」
499三章:2009/03/07(土) 23:28:09 ID:xGJAlx7E
山脈を渡るのは野党山賊遭難ありの難所だから、
海路のほうが安全かといえば確かにそうなのだが、
季節風が吹く限られた時期しか出航もままなず、流氷に完全に囲まれれば入港も無理であった。
難破したパザンたちは運と救助のプロによる人手、両方に恵まれていた。
さすがは何百年と侵入もなければ侵攻も無い天然の要塞国家。
おまけに寒すぎて、外からの人間ならここに居座ろうとは思うまい。
本音を言えば、パザンも最初の威勢はどこへやら、さっさと帰りたかった。
サウラ経由でくる給金だけで、たくらむ必要も無いくらい一財産が出来上がるが、
商人としては実に張り合いが無い。

酒が進むと真面目な話は退場となり、お上と女、
つまりはサウラの話で持ちきりになった。
歴史ある血族だが、醜聞はご法度かと思えば真逆だ。
むしろ格好の話題となって、町を席巻していた

「ふはは、パザン。実際のところどこまで進んだんだ」
「あの時のチュルハンの顔は今でも思い出せるぞ」
「好色親父は王妃に飽き足らず、サウラどのまで……だからなあ。
ああ、羨ましい。せめて女房もあれくらいの色気があれば家も華やぐのに」

とまれ、自らの雇い主兼最高権力者をこの扱いである。

「まあ王妃にはいい薬だろう」
「まったく。まあこれで良いかと言われれば、そうではないが」
「ははは、だからいいんじゃねえか。
奪った男が奪われる。まあ王もたいした奴じゃないからさまにならんがな」

話が見えないパザンはどういうことか聞き返す。

現王妃アズメイラの年は22歳、つまりセドル王子の実の母ではない。
国母たるセドルの母は出産後に体調を崩し、長期にわたり床に付していた。
国務に耐えられないということで、何年か前に辞して新たな王妃を迎えることとなった。
だが当初は条件として、国母自ら推薦する者に限るという話だったのだが、
アズメイラはこれに該当しなかった。
しかしそんなことを気にするタマではなかったのは現王妃。
自らを積極的に動き、働きかけた。
結果として前王妃の約束ははごにされた。
これが市井の評判よろしくなく、現王妃と国王の関係にも微妙な影響を及ぼしていた。
言ってしまえば、隙間風となって少し冷えてしまった。
500三章:2009/03/07(土) 23:33:05 ID:xGJAlx7E
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「あら、それは可哀そうな王妃さま。
私が気に入られたから、なおさら立場無いわね〜」

などと全然気の毒がってないのは、サウラの台詞だった。

「わ、笑いごとにならない。王妃自らお前を追放させようとしてるってことか!」

セドル王子にプレゼントされた指輪に金のネックレスを身に付け、
一段と豪華になったサウラの装飾品。
それを見て理由を聞いてみれば、王子と関係を持ったとのこと。
そこまでならまだ良いかもしれないが、その経緯を問えば、
王妃の差し金で部屋を探っていたとのこと。

「大丈夫大丈夫。私、殿下もめろめろにしちゃったから。
いやぁ、思い出すだけですごかったわよ。もう若さ溢れるって言うかさ。うふふ」

余裕綽々かつご満悦の様子に、パザンは頭が痛くなりそうだった。
好き好んで王宮内の情勢に一石を投じないで欲しい。
飽きられない程度に王だけの関心を買っていればよいものを、
いつのまにか事態が少しずつややこしくなっている。

「サウラよ、お前に何かあったら我々も一蓮托生なのを忘れるなよ」
「わーかってるわよ。ふふ、そんなに心配なら王妃も落しちゃえば」
「はあ?」
「つまり今、身も心も寂しい王妃さまの隙間を埋めて差し上げればいいのよ。
文字通り、身も、心もね」
「……俺は無理だぞ」

パザンは嫌な予感がした。

「あんたみたいな親父とむさい筋肉ダルマなんて、お断りに決まってるじゃない」

筋肉ダルマことグーリーは黙っている。
もともと無口な男である。

「シーフゥならね」
「ダメだダメだ。あいつはまだ15だぞ」
「丁度いいじゃない」
「それにそんな男娼まがいのことをさせられるか。兄から頼まれて連れてきた身だ」
501三章:2009/03/07(土) 23:37:08 ID:xGJAlx7E
シーフゥはパザンの甥。
見聞と修行のため、パザンの下働きへと連れて行くこととなった秘蔵っ子だ。

「あらあら、このままいくと春を待たず、私たちは投げ出されるんだわ。
いえ、もしかしたら王妃さまが食事に毒を盛ったり、刺客を差し向けたり、
無実の罪を被せてきたりして追放されちゃう。
異国の地で露と消える私たち、悲劇よね〜」

今更ながら、弱い立場だと痛感させられる。
サウラが例に上げた以外にも、向こうはやりようなどいくらでもあるのだ。
そのきっかけとして、ちょっとした証拠、
たとえそれが普段何気なく使ってる物でも、でっち上げれば充分こと足りる。
案外に、部屋を探られたのは危険かつ深刻である。

「……しかし、シーフゥには無理だろう。
あの性格だと、とても向いているとは思えんぞ」

サウラの目が光る。
パザンは人買いとしての選別眼は女相手には申し分はないとサウラも思っているが、
(自分を買ったのは合格だと自負している)
男相手は身内ともあって曇っている風に見えた。
サウラには娼館で見て習った経験が、シーフゥは合格だと告げている。
ちらりと見た男娼の容姿だけでの判断だったが、
性格なんて、後からいくらでも調教、矯正できるというものだ。

「あはは、大丈夫。わ・た・し・が、教育してあげるわ」
「…………」
「決まりね」

有無を言わさぬ自信に満ちていた。
遠い地にいる兄夫婦に謝る、苦労人のパザンだった。
502三章:2009/03/07(土) 23:44:08 ID:xGJAlx7E
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話は少々巻き戻り、そのシーフゥ・ルオが普段なにをしているかというと、
侍従や下女たちと一緒に宮殿内のもろもろの雑事をこなしていた。
パザンが外、愛嬌と親しみ溢れるシーフゥは内という役割で情報収集にあたる。
普段の生活に溶け込んでしまえば差別意識も薄れ、
不利益をこうむるのを避けられる、まさに一石二鳥であった。

シーフゥは学者になるのが夢で、いつも読書と講義に勉強熱心な少年だった。
だが両親は息子が世間を学ぶこと、さらには見聞を広める必要があると考え、
弟のパザンに今回の旅に同行させるよう頼んだ。
最初はいやいや付いて来たが、広い海原とあちこちと立ち寄る異国の地に、
もともと好奇心旺盛なシーフゥは次第に楽しさを覚える。
船が難破したのは残念だったが、こうして無事に生活できれば小間使いとして働くのも楽しかった。
宮殿内とはいえ、周りにいる者は身分の低い者たちで、
一緒になって真面目に働くシーフゥは歓迎されるべき者である。
下々で働く者に肌や髪の色など意に介する者など誰もいなかったのは、
お互いにとって幸いだった。


セドルがサウラと交わってしまった少し後の頃、
王妃から頼まれた内調で、シーフゥにも会わなければならないと考えていた。

「ええっと、宮殿内で働いてるザムーラ人の男子、名前をなんていったっけ?」

王子のために侍女はお茶をカップに注ぎながら思い出す。

「シーフゥ・ルオといいますわ」
「そうそう、そのシーフゥを呼んできてくれるかな。少し話がしたいけど」

セドル王子の命に、侍女は緩やかに頷いき、カップをもう一つ増やす。
曲がりなりにも彼らは王の客人である。
たとえ同じ職場で働こうが、王子の招きがあれば同様にもてなすのは当然であった。
いや、当然と思えるほど、彼は品格のある青年という印象が強かった。

少し間が空き、ドアがノックされた。

「どうぞ、入っていいよ」
「失礼します」

セドルは入室した青年を見て少し驚く。
まず格好が面白い。
今シーフゥは侍従としての格好をしているのだが、それは当然皇国標準の侍従衣。
白いシャツに黒いズボン、首に赤いチョーカーを巻き、
その上に礼装用のゆったりとした黒衣をまとう。
これが異国人とのアンバランスの妙をかもし出し、
普段見慣れているにかかわらずスタイリッシュであった。
そしてザムーラ国の習慣で、成人ではない証に髪を伸ばしているのも物珍しい。
今は多少邪魔なのだろう、後ろに結わえているが、
これも独特な中性的魅力があり、密かに女性陣の間で評判になっていた。

「初めてお目にかかるね。僕はセドル・レイ・ファルセリオン。
近い歳だし、君は父のお客さんだから、気軽にセドルって呼んでいいよ」
「初めまして。セドル殿下」

人を魅了するのが悪魔の十八番なら、
間違いなくサウラも、そしてシーフゥも小悪魔だろう。
503三章:2009/03/07(土) 23:50:01 ID:xGJAlx7E
アズメイラ王妃の願いを受け、こうして彼ら一行の調査をしているが、
セドルは今思った自分の発想に自画自賛したくなるくらい適切な表現だった。
少年から抜けきらぬ整った容貌に、伸びやかな肢体が正装と相まって、
どこに出しても恥ずかしくないくらいに格好良い。

シーフゥ自身も今回の旅と難事によって、
一回りも大きくなったと自負している。
その自信は表情は勿論のこと、どことなく風格にも表れていた。

「今日はお話をしたかったんだ。
堅苦しいことは抜きにして、まあ座って」
「はい」
「一杯どうぞ。はるか東の国からの紅茶だって」

風味優れる暖かい飲み物を味わい、冷えていた身体が温まっていく。
シーフゥは強張った筋肉がほぐれ、人心地をついた。
厨房はともかく、廊下や使われていない広間はやはり寒い。

セドルはそんなシーフゥの様子をつぶさに観察した。
カップはわざわざ銀製を持ちいり、今飲ませた紅茶にも特別な香り付けがされていた。
全て魔除けの類いに使われる代物だったが、
意に介する様子はまったく見受けられなかった。

我ながら苦笑する、第一己がまったく信じていない。
万が一、彼がこれで正体を現したら、自分は殺されてしまうのではないか。
子供じみた考えにセドルは可笑しくなる。
いっそのこと、火酒でも入れた方が正体を見れる気もした。
それは正体と言うのかどうかはともかくとして。

「どうされました? なに分この国での礼儀作法を知らぬもの。
不調法があれば言ってください」

シーフゥの怪訝な表情に、あわてて顔を引き締める。
まずは仲良くなるのが先決だった。

「いやいや何でもない。それより毎日ご苦労様。
ただでさえ住む人に比べてれば広い宮殿で大変だろうに」
「とんでもございません。さすがは歴史に名高いファルセリオン神皇国です。
あちこちで見られる装飾は黄金の国にふさわしく豪華、
古代からの文様や彫像などこの目で見れるとは思っても見ませんでした」
「それはそれは、光栄だね。
確かに歴史ある国家だって言われるけど、そこまで私も良く見てなかったな」
「あっ、すみません。しっかりと仕事もこなすのですが、つい見入ってしまいまして」
「いやいや。本来ならそんな必要もないのだから、こちらからお礼を言っても良いくらいだよ。
でも詳しいんだね。何か面白いものでもあったのかい」
「はい。彫刻を見て思ったのですが、北方民族の共通点が神話によくありますが、
やはり皇国においても神像を見た限りでは確認できました。
月を主題として語られることが多いですが、主神の持つ剣に――」

この後も博覧強記ぶりを示す感想に考証が続き、
当のセドルも詳細まで知らぬ皇国の神話から歴史を学ぶはめになった。
まったく、彼らを悪魔だの蛮族だの言う奴はここに連れてくれば良かったと思った。
楽しく熱弁をふるうシーフゥを眺め、
後で城下施設図書館へ案内してあげようと思いつつ、ゆっくりと紅茶を飲む。
お互いのカップにつぎ足すとき、面白半分少しばかり火酒を入れた。

そのおかげか後日の感想として、とても和やかに楽しく話ができた思い出が残った。
宮殿内では歳の近いこともあり、あまり身分関係を気にしない良い友人になれた二人だった。
翌日の公務、仕事に差しつかえたのはご愛嬌ともいうべきだろう。
504三章:2009/03/07(土) 23:55:14 ID:xGJAlx7E
********************

話は戻り、
シーフゥはサウラの後姿を眺めながら付いて行く。
どこへ連れられるのか、不安と期待がないまぜであった。
長い付き合いがあるわけではないが、それでも一年ほどは一緒に旅をしたわけである。
ある程度はどういう性格かわかっている

(読めない、食えない、普通じゃない……程度だけど)

普通あるじである叔父のパザンに対して恭しい態度をとるものだろうが、
そんな様子はとんとお目にかかったことはない。
叔父は叔父で気にもしないで、さも当然のように対等で話をする。
こうして自分を付き従えて歩けるのも当然と思っている節があるが、
違和感が無い上に正しい認識として成り立っている気がした。

「さあ、裸になって入りなさい」
「……はぁ?」

今居る場所はとても暖かい。
いつのまにか浴場の手前、脱衣場に入ってきていたことに気付く。
気付いたら気付いたで戸惑った。
当然だ。すぐそばにサウラがいる。

「あんたは服を着たまま風呂に入るの?」
「い、いえ」

サウラはガウンを外し、背中と腰にある衣の結び目を解いた。
重力に従い、さらりと衣擦れの音の後に下に落ちる音。
もはや戸惑うどころの話ではなかった。

「サ、サウラさん?」
「なにかしら」
「いったい何を……」
「四の五の言わないで、来なさい」
505三章:2009/03/07(土) 23:59:10 ID:xGJAlx7E
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シーフゥは緊張と羞恥のあまり、がちがちになりながら、
石鹸水に浸したタオルを軽く絞り、サウラの背中へと触れる。
これは罰ゲームだろうか。とびきり強烈な。
布越しとは言え、女性の素肌に触れるのは初めてだ。
指先から感じる女体はどこもかしこも柔らかく、そしてしなやかだった。

「お手を拝借します」

二の腕を添えるように持ち、
陶磁器を磨く丁重さそのままに拭いて行く。

「ど、どうですか」
「後ろばっかりじゃなくて、前もからもしてね」
「う、うぅ。シツレイします」

覚悟を決めて、正面に向かい合う。
ここは腹をくくって、しかと目に焼き付ける気持ちでいた。
相手が見ろと言うのだ、見て何が悪い、といった感じである。

「……は」

少しの間、意識が飛ぶ。
慌てて手を動かし身体を拭く。
胸の辺りも、下腹も、そして水をたたえる薄い茂みも。
跪いて太腿から膝裏まで丹念に拭く。
一切無駄の無い肢体は邪な心すら吹き飛ばすほど、造形と美の女神の祝福に輝いていた。

一通り終わると、サウラは椅子に座る。

「お顔を……」

と、シーフゥは言って目をつぶらせ、
今度はよくタオルを絞り、美しさ溢れる尊顔に触れる。
近くで見れば見るほど、本当に惚れ惚れする。
自前の物かと疑ってしまうほど長く整った睫毛に、すっきりと通った小鼻。
自然かつ美しい、頬から描く輪郭に艶やかで花のような唇。
じっと見れば、この唇に吸い寄せられそうになる。

「はあ……はあ」

強烈な欲求だった。
唇を重ね、舌を伸ばし唾液を絡ませて飲みたい、飲ませたい。
息を吸うのを忘れるくらいに、貪りつくしたい。

「……シーフゥ」
「は、はい」
「合格とまではいかないけど、
きちんと最後まで自制して奉仕できたのはまずまず良かったわ。
男娼としての心構えは、熱くなる自分と冷静な自分、
この二つをきちんと使い分けてこそよ」
「ダンショウ?」
「そ、不満?」
「もしかして売られるんですか!?」
「安心しなさい。売られたら私が一番高値で買ってあげるわ」

それは安心していいのだろうか。
シーフゥは内心首をかしげる。
506三章:2009/03/08(日) 00:02:53 ID:oQzZqGHh
「ふふ、あのね――」

サウラはこれまでの経緯をかいつまんで説明する。

「む、無理です。絶対」
「あら? とっても簡単よ。男は男の武器を使って女を従えればいいのよ」
「……」
「まずは優しく形から入って慰め、癒すのが先決だけど、
いざとなれば薬とか、道具も使っていいし、一人がダメなら二人や三人とかね。
三日三晩続ければ、大抵の女は音を上げるわよ」

何かさらりと恐ろしいことを言っている気がする。

「それは犯罪ですよね」
「まだまだお子様ね。世の中成立してしまえば、万事問題なしなのよ」
「それは犯罪ですよね。さすがに加担できませんけど」
「青いこと言っててもダメよ。
明日を切り開くためなら、どんな手段でも講じなければならないのよ」

聞き分けの無い子供を諭す口調にシーフゥは憤慨した。
いつまでも子供扱いするなよ、といったところである。

「話になりません! そんな子供じみた理論で正当化しないでください」
「あら? 私は世の中の真理をうたってるつもりだけど」
「どこが?」

サウラはシーフゥにもたれかかり、股間をまさぐる。

「あっ! な、なにを」
「丁度いいわ。それもついでに教えてあげる。世の中の真理のひとつ」
「やっ、そんなところ……うっ」

お互い丸裸のままサウラは擦り寄りながら、
手軽に勃起した肉棒を付け根からマッサージする。

「ふふ、子供扱いされたくないかしら?」
「はあぁ……くぅぅ」
「まずは我慢しなさい。男娼なんだから、女より先にイったら興ざめしちゃうでしょ。
それに男は女と違って、そう何度も達することもできないしね」

歯をくいしばって、必死に我慢するシーフゥをサウラなりのやり方で可愛がる。
先端から汁が溢れてるのを指先ですくい、肉幹へと擦り付ける。
頃合を見て、ぺろりと舌先で愛撫しはじめた。

「んん……ちゅるる。ふあ、まだ出さないこと」

睾丸の付け根から吸い上げられるような、得体の知れない快楽を必死に我慢する。
出したら何されるかわからない怖さと、失望を買う恐怖がかろうじて限界の一線を保っていた。

「ふふ、本当はそんな必死なそぶりも表に出してはダメ。冷静な自分を保つのよ」
「そ、そんなぁ。無理だよ」
「可愛いシーフゥ、簡単よ。
快楽を感じている自分、感じていない自分、二人に分かれて使いこなすのよ。
同様に冷静な自分、熱くたぎる自分も。それほど難しい話ではないわ」

シーフゥには、まるで雲を掴むような話に聞こえた。
507三章:2009/03/08(日) 00:05:47 ID:oQzZqGHh
「どうすればそんな風にできるのか、見当もつかないけど……」
「そうかしら。人は誰しも良い感情と悪い感情、言い換えれば天使と悪魔を住まわせてるもの。
そうね……たとえば乞食を見て自分が優越感を持ち、汚らわしいと排除したくなる気持ち。
そして可哀想と同情してお金を恵みたくなる気持ち。
相反してるけど本来感情は色々と混じっているものよ。
本当は人は一人だからどちらかが勝り、奥底にしまわれたり打ち消されたりするけど、
これを二人に引き裂き両方持ち合わせてしまえばいいの」

今まで聞いたことも、読んだ本にも無い奇抜な理論だとシーフゥは思った。

「ふふ、今は実践してる途中だから、わからないのも無理はないよね。
さっ、今は冷静に感じてみて……んん……」
「はあ、はあぁ……ふうぅ」

じっくりと息を吐いて、努めて冷静になる。
敏感な亀頭を撫でる舌の感触に背筋を反らしながら、
意識してもう一つの自分にその快楽を委託する。
快楽が強ければ強いほど、神経が引き裂かれそうになる。

「むちゅぅ……ん、はあぁ、ん、ん、ぷはぁ……気持ちいい?」
「ふうぅ。はい……気持ちいい」

よく保てるものだと、シーフゥ自身が思っていた。
はじめにサウラの裸体を見ただけで天を仰いだ一物も、
こうして望みどおり彼女に弄ばれている。
もともとこういうことを生業とする女性だけに、想像しなかったわけではない。
だがその行為は想像以上だ。

「しっかりしてる。今度はね……」
「ふぅ、ふうう」

ようやく解放された男根が外気に触れ、ぬらぬらと唾液の跡が光る。
サウラは少し身を乗り出し、肉竿を胸の谷間に収めた。
見事なその乳房の柔らかな感触は、先ほどまでの吸い取られる感じとは違い緩やかで暖かみがある。
それでもふるふると上下に揺すり、擦れるたびに刺激が走る。
先端から走り汁が流れ、水とは違う粘着質な音も浴室に響いていた。

「おっぱいでするなんて……エッチな感じ」
「もう出していいわよ。我慢に我慢した分、たっぷりと」
「くっ、はあはあ」

跪き、胸で奉仕するサウラ。
力を強め、時々亀頭を舐めていたずらする。
倒錯的であり、ごく自然な位置関係にも感じる。
シーフゥが見下ろしながら髪を撫でると、愛撫にも熱がこもっていくように思えた。
乳房のいただき、朱色の突起が肌に触れると、硬くしこって立っているのがわかる。
サウラも同様に感じているのだとわかると一層興奮する。

「ふうぅ……、んちゅ。さあ……ん、ん、じゅちゅぅ」
「はああっ! もう……あああぁぁ!!」
508三章:2009/03/08(日) 00:09:13 ID:oQzZqGHh
柔肌に袋ごと包み込まれ、しごかれればひとたまりも無かった。
一気に駆け上がるものがサウラの顔へ飛び掛る。
褐色の美貌に、白いどころか黄濁の粘液でもって汚していく。
満を持して発射しただけに、その量も濃度も尋常ではなかった。

「ああぁ、すごい。どろどろでこってり」

シーフゥは腰を震わせながら次々と射精する。
止むことを知らない牡の獣液が優美な目元を覆い、
鼻先から滴り落ちるのをサウラは舌で受け止めた。
顎から垂れた分は胸の谷間に溜まり、尿道の残滓と共に青臭い匂いを発する。

「こんなに出して。ふふ、顔がべとべとよ」

シーフゥは内心いい気味だと思った。
ここまで散々いたぶったお礼には、まだ足りないくらいだ。

「……舐めてよ」

まだ鈴口から盛り上がる精液をサウラの口にもっていく。
脳裏が熱く、どくんと血流を感じた。
朦朧とする意識の中、熱い自分を冷静な自分でつきつける。
なんだろうかこれは、すごく愉快で楽しい。

「ふう、まだ熱いわ。ん……じゅるる、んちゅる、るる……あぁふ」

汚液のこびりついた男根を、サウラは言われるまま咥えて舐める。
そのまま唾液に絡めて嚥下する瞬間を見たとき、
シーフゥの中に形容しがたい感情が渦巻いた。
嬉しく、楽しく、喜びに溢れ、差別的な優越感と卑しいものを蔑む心、
表に出るのは愛しくもあり侮蔑の目。
日ごろ温厚な彼であっても、
ふつふつと湧き上がるマグマのような感情を抑えることはできなかった。

「どんな味? 美味しい?」
「ん……。ええ、とってもね。
若さでぷるぷるな子種が舌の上で踊るのよ。
青臭くって苦い、でも濃厚な味」

サウラは妖艶に微笑んだ。

「シーフゥの精の味。今度はどこで教えてくれるのかしら」
509三章:2009/03/08(日) 00:13:48 ID:oQzZqGHh
******************

セドルは赤い絨毯が敷かれた廊下を歩く。
基本的に宮殿内は不必要に広く作られてない。
容積が大きくなれば、それだけ暖めるのに苦労するからだが、
部屋の間をつなぐ廊下は、そもそも暖かくすること事態が放棄されてるため非常に寒い。

「うぅ……。こっちで見かけたって話だけど」

シーフゥを探しているのだが見つからない。
二週間後に催される王妃の23歳の誕生日祝いに、
シーフゥもゲストとして一緒に出席してもらおうと伝えるつもりだった。
とにかく百聞は一見、王妃も実際に間近で見て、できることなら会話すればいいのだ。
おそらくサウラも二次会からなら出られるはず。
両者に遠まわしな確執があっても、それほど悪い結果にはならないような気がしていた。

「うん? 昼間から風呂? 風邪でもひいたのかな」

皇国では風邪をひいた場合、
海草を煮出したお湯を大量に飲んで風呂に入り、汗を流すのが一般的なやり方。
掃除をしてるのかと思ったが使用中だ。
ここで待つには寒すぎる。
使用中の札が掛けられてる扉を開け、脱衣場で待つことにした。

「失礼、ごめんよ……えっと……サウラさん?」

独特の、身体に巻きつけて結んだり金具を留めるタイプの服はサウラのものだ。
そしてそれがここにある。
シーフゥのものらしき侍従の服も同様だった。
耳を澄ませば、二人の声も微かに聞こえる。
セドルは迷った。ここで引き返すべきか、それとも中へ足を踏み入れるか。
いや、後者はない。
ならばさっさと引き返すべきなのだが、足が踏みとどまることを選んでる。
あの濃厚なひと時が、シーフゥとの間で起こっているのなら羨ましい。
仄暗い嫉妬の念すら湧く。

(どうなんだろ。本当に……。でも実は姉弟とか……)

好奇心と期待、いけないと思っても両者が歯車となってセドルを前に動かす。
最後まで迷ったが、少しだけ戸を開けて覗いた。
510三章:2009/03/08(日) 00:21:21 ID:oQzZqGHh
********************

シーフゥは腕に力をこめサウラを抱き、口いっぱいに乳房をほおばる。
女性の豊かさの象徴は男を誘惑する先鞭を果たしていた。
次第に滑るように先端のつぼみに吸い付く。
腕の中のサウラが震える反応に、
舌を巻きつけ、また吸い付くのを交互に繰り返した。

「ああん、あふぁ……」
「ちゅうぅ、んん。はあはあ、美味しい。なんでこんなに甘いんだろう」

舌では飽き足らず、たまに甘く噛んだり指先でつねったりする。
サウラは好奇心旺盛な愛撫に感じながら、自らも抱き寄せて催促をした。
何もせずとも誘惑せずにはいられない乳房だ。

「もう、赤ちゃんみたいね。ほら、胸だけじゃなくてね」

シーフゥの耳を甘噛みしながら囁きかける。
サウラの手に導かれるまま、下半身の熱く湿った箇所へと指を沈める。

「あふぁ……そこ」
「ここがすごく熱いよ。うねってる」
「そこに……今度はシーフゥの、あん!」

すでに屹立とした男根を宛がったが上手く入らず上滑りした。

「ここに、僕のを……いいんだね」
「ふふ、焦らない。今のあなたは男娼よ。まだ……あぁそれ、たっぷり感じさせて」

堪らない熱情に、乳を舐めながら性器へと指で開き、
中をかき回し、ぬらつく蜜の濃度を高めていく。
指に感じる熱さが増すたびの、己の股間も同調するのだった。
硬く芽を出した突起を弄ると、一際高い声で喘ぐ。

「サウラのここも……気持ちいいんだね」
「はあっ、あぅんん……」

本当なら挿入したくてたまらない。
入れて、突いて、掻き回して、自分自身を注ぎ込みたい。
だがそれは彼女の許しがあってこそ。

「このまま……湯船に入りましょう」

シーフゥはうなずき、サウラの腰を抱いて一緒に湯へつかる。
何度もキスをして、今度は腰を浮かべて性器に接吻した。
身を捩じらせ、ふちへと這い上がるサウラを追うように捕まえ、舌をねじ込んでいく。


セドルは隠れながらそれを覗いていた。
サウラの甘い声が聞こえる度に、溜まった唾を飲み込み実体のない愉悦に身体をくねらせる。
反響音となって木霊するのは声だけではない。
水の跳ねる音、すする舌の音、そして音が止むとゆっくりと湯をかき分けていく音がした。
もう愛撫は終わり、今にも本格的な性行為の始まりが待っていた。
飢えた牡が獲物をモノにする瞬間だった。
511三章:2009/03/08(日) 00:24:58 ID:oQzZqGHh
シーフゥはお湯とは違う、ぬめりと暖かさを味わいつつ、腰を跳ね上げた。
仰け反る背中に手を回して支え、眼前に揺れる乳房を眺めながら深く浅く結合する。
お湯の浮力が重力を適度に殺し、補助してくれる。
力こそないもの、勢い有り余るシーフゥには最適な状況だった。

「はあはあ、こんなに……」
「やぁん……んん、はあっ、激しいわ」

サウラの方から優しく接吻した。
唇を合わせたままゆっくりと双方の舌を味わう。
じゅるじゅると唾液を絡めて、粘膜を溶け合わせるように。

「ん……ふぅ、言ったでしょ。まずは優しく。そして自分を見失わないこと。
うふふ、初めてのシーフゥには難しい注文だったかしら」
「くっ……そうですよ。 難しい注文です」

至近距離にいながら、顔を見合わせることも出来ないほど恥ずかしく、
俯いてしまった。

「大事なのは相手と一緒に感じること。独りよがりは厳禁よ」
「う、うん」

今度は自制しながら、動きも一辺倒にならないよう腰を動かす。
膣内で肉棒が擦れるだけでも、シーフゥにとっては充分すぎるほど快感だった。
それでもサウラの反応を伺いつつ、締め付ける箇所を探って突くのは楽しい。
抱き合いながら密着し、徐々に奥へ奥へと進入を試みる。
奥へと刺激しながら、男根を強く主張するように襞に擦りつけた。

「はっ、はあっ。ん……うんそう、いいよそれ」

確かに美しいが、普段は気取って小生意気にしか思わないサウラが、
何故こんなにも愛しく思えるのか。
楽しそうに、気持ちよさそうな顔をするのを見て、
単なる快楽とは別種の温かみを感じる。
そこには一切の邪気がなく、純粋に求めるままに躍動する。


教育のため性行為についてレクチャーしているのだが、
離れて見るセドルの目には、仲むつまじく慰めあう二人に見えた。
遠く異国の地で寂しさを募らせたのか、
などどと見当違いもはなはだしいことを考えていた。
自分の時は壮絶なまでに淫らで官能的だったのに、
どこかゆったりとした温かみのある二人に妙な寂寥感を持ったのだった。

「いかんなあ……」

我が身を振り返り、このまま覗くのは悪いと考えた。
とりあえずこのまま居るのはまずい、
貴重なサウラの裸体を見ていたく思ったが、身体ごと剥がすようにして引き返した。
512三章:2009/03/08(日) 00:32:02 ID:oQzZqGHh
サウラは外にあった人の気配が消えたことを察知した。
足取りからして、おおよそ誰であったかもわかっていた。

「ん……ねえ、最後はシーフゥの好きにしていいわよ」
「はあっ、はあ……。はい」

冷静な心を取り払ってみるこの瞬間にぞくぞくする。
殻にちょっとひびを入れてみるだけで、自ら割って出るような熱い魂。
自分を焼き焦がすものが何か知るのは重要だ。
シーフゥがサウラの脚を抱えて大きく股を開かせる。
このまま最後までするつもりで、強い律動を始めた。

「はあん、はあぁ……アん!!」
「もう、ふう、イきそうです」
「ひゃん、いいわよ。好きにして……」

眼前で上下に揺れる美乳、きつく締め付ける蜜壷。
淫らさと愛しさが渾然一体となって欲情の炎を燃え上がらせた。
次第に小刻みに動き、やがて大きく挿入して射精した。
シーフゥにしてみれば初めての体験だった。
空恐ろしいほどの勢いで鈴口から迸る精液。

「サ、サウラさん……」
「うん、あぁぁ……出てるのがわかるわ」

罪悪感に苛まれながらも、この快楽には勝てない。
膣内で留まりながら尚も突き上げ、胎内へと精を注いだ。
ようやく終わったのを感じ、いそいそと腰を引いて結合を解いた。
お湯にぽたぽたと白いものが垂れて落ちるのを見て、
何かよくわからない敗北感がじわじわと湧く。

「ふふ、たくさん出したわね。でも相手の許可なしに、中に出してはダメよ」
「はあぁ、はい……」
「まあ今日はこんなところ。技術的なことは追々と知っていきなさい」
「はうぅ……」

シーフゥは恥ずかしくて、顔までお湯に沈めた。
513三章:2009/03/08(日) 00:37:22 ID:oQzZqGHh
********************

サウラは鏡の前に座って、シーフゥが髪を梳くのをじっとしていた。
中々手際よく、かつ気持ちもよい。

「ふんふん、さすがね。自分も手入れしてるからかしら」
「いえ、前に湯浴み場で小遣い稼ぎをしていたので」
「ふーん、意外に苦労してるわね。あなたの家ってそんなに貧乏だったかしら?」

パザンの羽振りは良い方だったし、確か兄も私塾経営兼講師という、
金持ちでもなければ出来ないようなことをしていたはず。

「貧乏ですよ……。実際月謝を払ってる人はほとんどいないそうですし。
僕が叔父さんの下で働いてるのも、もしかしたら支援の見返りかもしれません。
でも父が楽しそうにしているのを見ると、叔父さんは何も言えないそうです。
町の皆が読み書き計算できるのは自分のおかげと豪語してますし、
感謝されてるところは本当に嬉しそうですから、わかる気もします」
「ふふ、それならなおのこと篭絡して、進んで貢がせるくらいにさせてやりなさいよ」
「あはは……」

今の話を聞いて、そういう発想しかわかないサウラに、
シーフゥはただ乾いた笑いをするしかなかった。

「シーフゥ、先に行って今日はもう休みなさい」
「はい。そうします……」

正直、ゆっくりと眠りたい気分だった。

シーフゥが去り、サウラも自室に戻ると侍従から手紙を渡された。
読むまでもなく、別棟の王室が住むところへと赴く。
セドルが何をしていたか、サウラにはわかっていた。
扉のそばに控えていた侍従に来訪の旨を伝え、許可が下りると続く通りから室内に入る。
セドルが椅子から立ち上がるのを見て、サウラも一礼をした。

「サウラさん。ゆっくりされているところをお呼びしてすみません」
「いえ、殿下のお呼びとあれば、いつでもはせ参じますわ」
514三章:2009/03/08(日) 00:40:11 ID:oQzZqGHh
セドルは社交辞令にも関わらず、嬉しさと期待を感じざるにはいられず、
そんな自分を恥じて顔が熱くなる。
なぜなら彼女を呼ぶということは、即物的に言えば伽の時に通ずるからだ。
サウラもその反応がわかったらしく、妖しく微笑んだ。

「相談なのですが、2週間後にアズメイラ王妃の誕生会があります。
それで相互理解のため、今度はシーフゥくんを王妃に謁見をしてもらおうかと思います。
勿論私も全面的に協力いたしますが、サウラさんから見て何か問題ないかとお聞きしたのですが」
「あらっ、そういうことですの……」

手紙を受け取った時点から身体を要求するものだと思っていたため、
覗きをしていたわりには、一線を守る我慢強い性格だと感じた。
とは言え、表情の裏では微妙に面白くなく少しばかり傷ついたサウラだった。
まあ予想とは違っていたが、それはこちらにとって好都合な提案である。

「問題なんてありませんわ。
私もシーフゥを社交の場に出せないかと思ってましたところ。
殿下のご協力、痛み入ります。
それで私からも、少々申し上げにくいご相談なのですが……」
「どうぞお気になさらず言ってみてください」
「はい。どうせならシーフゥを王妃に売り込めないかと思いまして。
小姓でも男娼でもよろしいので、傍で世話をさせてやってほしいですわ」

これ以上ないストレートな要求に目が点になったセドルだった。

「ははは、それは面白いです。
さすがに難しいでしょうが、
仲良くなれればチャンスはあるかもしれませんね」

嫌っている一派を傍に置くなど、王妃の性格からして絶対に考えられない。
険悪感を解消するのも難しいのに、あるわけがないという笑いだった。
515三章:2009/03/08(日) 00:41:49 ID:oQzZqGHh
********************

その晩、疲れて安らかに眠るシーフゥの邪魔にならぬ場所で、
パザンとサウラは話し合う。

「よっぽどお楽しみだったようだな」
「まあね。素質あるわよ、あの子」

言われた方はかなり渋い顔をする。

「そんなこと言われても嬉しくないがな」
「あら、甥っ子の隠れた才能を引き出してあげたのよ。感謝なさい」

もう少し経験と年月があれば、最高の女たらしになることも可能だろう。
本人が望む可能性は低いが。

「そうそう、セドル王子も協力してくれるようよ」
「もしかして話したのか?」
「話したわよ。苦笑いしてたけど、別に構わない様子だったわ。
まあ実の母親ではないのだから、どうでもいいんじゃないかしら」

だいたいセドルは本気で狙っているとは夢にも思っていない同意だった。
もう少しサウラの性格を知れば、大真面目に言っていると理解でき、
なおかつ勝算があるとすら思っているのがわかる。
そして長年付き合いがあるパザンにはわかっていた。

「信じられんな。罠じゃないのか?」
「王子が私を裏切る可能性はないわね」

本当はシーフゥを裏切る可能性も加味してだが、
サウラのプライドがそれをあえて無視した。

「だが仮にも王家たる人間がなあ……」
「ふふ、パザン」
「なんだ」
「私たちって一蓮托生だったわよね」

パザンはがっくりとうなだれた。
516三章:2009/03/08(日) 00:47:12 ID:oQzZqGHh
**********************

翌日パザンたちは部屋を整えた。
失礼があってはならない相手だが、サウラはのんびりお茶をしていた。

準備が整い、指定された時間きっちりに扉をノックされた。

「ようこそセドル王子。歓迎します」
とパザンが挨拶すれば、
「歓迎も何も、この部屋も殿下のものでしょ」
とサウラが茶々をいれ、
「あはは……、あまり気にしなくてもよいですよ」
とセドルがフォローした。

一人渋い顔なのはシーフゥ、
なぜなら今日の議題はいかにシーフゥを王妃に売り込むか、であった。

「僕はどう考えても無理だと思うけど」
「なーに弱気なことを言ってるのよ。
殿下も協力してくれるのだし、大船にのったつもりで行きなさいよ」

セドルは苦笑いをする。
ここに来た理由は、確かに協力することだが、
そもそもの目的はサウラと異なる。

「あの、サウラさん。私はシーフゥを……その、男娼として云々ではなくて、
単に毛嫌いと誤解を解くために、まずは仲良くしてみましょうってことなんですが」
「ですよね! ですよね王子!! ああ、本当に話がわかる人が居て良かった」
「嫌疑派の最たる人が、今はアズメイラ王妃ですから、
今回の誕生会は絶好の機会です。
向こうも失敗はできませんから、多少なり乗って来ざるをえません」

こんどはサウラが渋い顔をする番だった。

「なに甘っちょろいこと言ってるのよ。王妃を堕として金銀財宝を持って凱旋す――ぐ」
「はははは、サウラも面白いことをいうなぁ」

パザンは慌ててサウラの口を塞いでいた。
まず間違いなく、国家の準最高責任者を目の前にして言う言葉ではない。
だが終わりまで聞かなくても趣旨は理解できるに充分な情報量だ。
おそるおそるセドルを見るのだが、笑顔のままだった。

「いやあ、サウラさんって本当にすごいですね。感心します」

本当に楽しそうに破顔するセドルを見て、サウラを除く三者は複雑な顔をする。

「さ、左様ですか」(変わった王子だ)
「ある意味、同意します」(ある意味、まったく同意しません)
「……」(大物だ)
「ぷはぁ……。もう、苦しいじゃない」

ようやく解放されたサウラは新鮮な空気を吸う。
そして自分を褒めてくれた相手に、腰に手を当て人指し指を向けた。

「セドル王子、あんたはそれでいいの」
「へっ?」

突然の言い草にセドルは驚く。
517三章:2009/03/08(日) 00:51:10 ID:oQzZqGHh
「だってお母さんは、今の王妃によって望まない退位にされたようなものじゃない。
悔しいとか一泡吹かせたいとか、復讐したいとか思わないの」
「……私は」

正直なところ、思ってもみなかった言葉だった。
言われてみて、ああそういう考えもあるのだな、と気付くくらいに。
セドルは指先から視線を外し、外の風景、穏やかなというより、とても弱々しい日の光を眺める。
まだまだ春は先だが、それでも冬将軍からの安息はありがたい。

「別に悔しいとか、そういう思いはありません。
むしろ病弱な母が、公務などの煩わしい行事から解放されたのは良いことだと思います」

笑いの種類にもいくつかあるが、今のセドルは明らかに楽しい笑みではなかった。

「公式の場で、二人そろって出られないのは、やはりさまになりませんよ。
薄情とお思いですか? でもたまに見舞いに行くんです。
床についたまま立ち上がれない母を見るのは、正直気がめいりますね。
会話するたびにわかるんです。母は私をとても愛していること。
そして父へも……まあ口では悪口を言ってますが、その実私と変わらぬものを持っています。
そのつど考えるのは……どうして私を産んだのか、父は産ませたのかって……。
これが王族の勤めとはいえ、運命はむごいものかと疑問抱かずにはいられません。
せめてもの救いが、母がまだ生きていることです。だけど――」
「あ〜はい、そこまで」

ぱちんと両手を打ち合わせて話を打ち切った。
少しばかりばつが悪いサウラは、髪を指先でくるくるといじくる。
薄々感じていた、この王子が単なるお人好しという訳ではない、
我慢強いこと、弱者に対しても分け隔てのない柔軟な心を持っていること、その裏を垣間見れた。
だがそれは聞いていてあまり気分のいい独白ではない。
おそらくセドル自身も、内に抱えたまま誰にも言うことの無かった気持ちだったのだろう。
誰にも吐くことを許されぬ重荷は、目に見えぬところで少しずつゆっくりと心を押し殺す。
お互い気安く、そして所詮は外部の人間だから、ぽろりと零れ落ちた言葉だった。

「でもそれなら、なぜ私たちに仲良くさせようとしてるの。王妃と」

サウラは単に王妃に対して嫌がらせをしたいものだと軽く考えていた。
発想がすでに根本からズレている。

「……本当は皆嫉妬してるだけなんですよ。
だからそんな醜い心を払拭して欲しい。
またそんなつまらない理由で、せっかくの客人を迫害しようなんて言語道断です。
私は純粋に羨ましいと思いましたが」
「ふふん、当然よね。私の美貌を見れば」

扇を顎に添えて、さりげなくサウラは流し目を送る。
誰もが心を蕩かされる視線だろうが、今のセドルにはある種の感心をする勘違いだった。

「えっと、水を差すようで悪いですけど、そういう意味ではなくて。
いえ、言ってることは間違いではない……とも思いますけど」

シーフゥとの風呂場での一件は、間違いなく嫉妬も含んでいたが、それはそれ。
こほんと咳払いをしてセドルは仕切りなおしをしたが、
ザムーラ人一同はほぼサウラと似た意味に捉えていたため怪訝な顔をする。

「何と言うか、太陽の寵愛を受けてるのが羨ましいのです。
これはきっと、皇国の人間なら絶対に感じることだと思います」

白皙の頬を朱に染め力説した。
この国にとって、太陽とは外にあるのではなく、内に秘める熱い思いこそに使われる言葉だ。
それが外見からして発散されているザムーラ人は、皇国の人間には嫉妬するに充分な理由だった。
518三章:2009/03/08(日) 00:55:51 ID:oQzZqGHh
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セドルは今や押しも押されぬ、時期国王である。
見目麗しく温厚で人情豊か、聡明で才覚もなかなか光るものがある。
異才など不要の平和なこの時代、将来の担い手としては充分な素質で誰も異論はない。
そのことを誰よりも誇りに思っているのは、
慎ましやかなベッドに横たわる国母、ティーサだったかもしれない。

「わざわざ見舞いに来なくともよろしいのですよ。多忙でしょうに」

ティーサはそっと明かりが陰るのを感じて、そう述べた。
もはや目は光の強弱を感じるだけで、物を見ることはかなわなかった。
だが今時分この部屋に来るのは息子、セドルくらいだ。

「残念でした。セドル王子ではございませんわ」
「おや? どなたですかな」

付き添いのものを除けば、おいそれとこの部屋に入ることはできない。

「そうですね……死神さんってことでどうでしょうか」

女の声で朗らかに物騒なことを言った。
だがティーサには死神など、馴染みの存在だ。
思わずくすくすと笑ってしまう。

「あらら、何が可笑しかったですか」
「お気に触ったのなら謝ります。
今の私にはただ死を待つばかりの存在、
それなのにわざわざ来てくださってご苦労なことだと思いまして」
「おやおや、生きていたくはないのですか」
「勿論生きていたいですこと。せめて息子が立派な姿で……。
いえ失礼しました。今の私には目が見えません。はあ……」

魂が抜けるような大きなため息をついた。
519三章:2009/03/08(日) 00:57:57 ID:oQzZqGHh

「そうでしたわ。一目見ることも叶わぬとは……。
これでは生きていても何か意味があるのでしょうか」
「悲嘆なさるものではありませんわ。私が枕元に立ったのも何かの縁」
「はて、縁などとおっしゃりますが、死を待つ身には必然のような気もします」

ティーサは気丈に会話のボールを投げたが返事が来ない。
しばらく沈黙が続いたが、どうやら考えことをしてるらしかった。
目的は何だろうか、死を待つ身には不思議だった。

「いいえ、やはり何かの縁なのです。本当に不思議ですから。
私という存在が、わざわざ風と海の偶然でこの地に来たこと。
たまたま会った人の中に、神に近い古い血脈が今も残っていたこと。
そうして関わりを持ち、私が望まぬ力が戻りつつあること。
その解放の場が、都合よく用意されていること。
ここまでくれば、人ならざる私ですら、全ては運命の輪の中か……と思ってしまいます」

女はティーサの手を取り、両手で包み込む。

「もしもあなたが春までご存命なら、私は去ります」
「それは……」
「ふふ、あなたに春の日差しが照らすとき、死の影も払われるでしょう」
「どういう意味で……」

影の女はそっと囁く。

「強く生きたいと望むことです。人が、人であるからこその力。
それは神も、精霊も、自然も、全てを凌駕するような強い望みを持つことができること。
希望、渇望、時として狂気にすら置き換わる欲望、
それを悪魔の仕業だと言うものもいますが、私は一概にそうとは思いません。
まずは生きること、あなたがそれを望みとして持てるのなら、
それはきっと心の内に花を咲かせることができると……そう強く信じてください」

女はそっと手を放した。
だが人肌の温もりは不思議と消えない。

「それではまた、春にお会いできると信じてますよ」

手に伝わるぬくもりが全身へと広がっていく。
すると自然と眠くなった。
普段から横になってる所為もあって、普通眠気など有って無いようなもの。
欲求に従うまま、ティーサは熟睡した。
眠ったまま目を覚まさない恐怖に怯えることもない、深い眠りだった。

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520四章:2009/03/08(日) 01:02:24 ID:oQzZqGHh
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華やかな飾り付けされた広間、だが長年商人貿易商しか立ち寄らない不毛の国。
もし他国の者がパーティーに招かれたらどう思うだろうか。
おそらく初の異国人が、セドル王子の横で立ちすくむシーフゥだった。

とりあえず生誕の祭典行事は一通り終え、立食と社交の場だ。
セドル王子は取り巻きに対して挨拶し、紆余曲折しながら主賓へと向かう。
当然シーフゥも付いて行くが、行く先々で好奇の目を向けられ神経をすり減らされていた。

「ほら、来なよ」
「……王子は偉いですね」
「なにが?」
「僕は檻の中にいる動物の気分で……」
「ははは、金銀財宝を持って凱旋するんだろ。これからが正念場じゃないか」
「それはサウラさんだけですって……」

シーフゥが思うに、豪華絢爛すぎて逆にそんな気にならない。
この広間は黄金と灯り、そして紅玉を中心に飾り付けされた、
通称太陽の間、であった。
シーフゥにしてみれば太陽などタダで、当たり前すぎるほど存在する物。
この広間は名前の通り、金銀財宝が当たり前すぎるほど存在し、
ありがたみそのものが薄れている感すらある。

「ほら次の番だよ。しっかりしてね」
「は、はい」

次に王妃に謁見するのは自分たちとわかり、シーフゥは気を引き締める。
521四章:2009/03/08(日) 01:06:10 ID:oQzZqGHh
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アズメイラ王妃は座って、次から次へと来る祝辞を聞き、お礼を述べる。
全員の顔と名前を一致させ、ちょっとした近況を混じえた返答を考えなければならない。

チュルハン王は最初に顔を出しただけで、そそくさと去っていった。
サウラにかかりきりで、アズメイラに対して興味を失っているとまことしやかに囁かれていた。

「あら、お子様は5歳になられたとか。お元気でいられるかな?」
「はい。王妃の覚えもよろしく、今も部屋の中を駆け回ってます」
「それはそれは。この寒い中、逞しくてなにより。だが風邪をひかぬように」

たがが祝辞だが大勢の手前、お互いの無難に済ませなければならない。
意外に難儀で気を遣うものである。


「ふぅ。次は」
「はい。セドル王太子に……えっと……」
「どうした?」

アズメイラは口ごもる侍女に問い返した。
侍女のメモには官職名が書かれていない。

「シーフゥ・ルオ……特別侍従……です」
「はあ?」

それはなにと言おうと思ったら、二人が歩み寄って来る。
一人は金髪碧眼白皙の肌に、白で統一された礼服に、王族ならではの赤い肩掛けで締める。
もう一人は長い黒髪をストレートに下ろし、
黒い目に褐色の肌を黒衣で統一した礼服で参じた。

「……ほぅ」

感嘆のため息を漏らしたのは侍女だった。
さもありなん、タイプの異なる美男子二人そろっての登場だった。
二人がそろって礼をした後、シーフゥは跪き、セドルが一歩前へ出て挨拶を述べる。

「このたびは、つつがなく生誕の日を向かえられたこと、お祝い申し上げます」
「ありがとう。セドルも健勝でなにより。それで……その者は」
「はい、このたびは私の友人を是非王妃にも紹介したいと思いまして」

シーフゥは面を上げ、初めてアズメイラ王妃を間近で拝見した。

(はぁ……綺麗だなぁ。でも……王妃というより……)

一目見て思うのは、まず間違いなく美人であったこと。
さすがは自ら討って出て、王妃の座を射止めただけはある。
豪奢なプラチナブロンドを黄金の髪飾りで散りばめ、まるで高価なドールのようだ。
そう、お人形のよう。言い換えれば小さい。150cmもないか。
厳かな口調とは裏腹に、その小ささと愛らしい容姿から、
アズメイラは10年若く見られてもおかしくない。

(お姫さまだよなぁ……)

王子は英才教育もあって、公式の場での立ち振る舞いには申し分ない。
そのセドルが畏まっているので、王妃としての尊厳は周囲にも伝わっているが、
知らぬものが見たらさぞ滑稽だろう。
兄が聞き分けのない妹に一芝居打っている風にも感じられる。
522四章:2009/03/08(日) 01:13:15 ID:oQzZqGHh
「おぬしは、シーフゥ・ルオといったか」
「はい」
「ふむ……」

アズメイラは特に語らず、じろじろと無遠慮な視線を投げかける。
シーフゥはシーフゥで、本当に10近くも歳が上かと王妃を見る。
お互いの視線は交錯するが、思惑はまったく違う。

「お、王妃……?」

侍女が控えめな声をかけた。

「どうしたか」
「ええっと……」

それは自分の台詞なのだが、と侍女は思った。
勿論声には出せないが。

「ふむぅ……。歳はいくつかな」
「セドル王子の一つ下、18であります」

本当は四つ下だが、あらかじめ用意した嘘をつく。
あんまり子供と思われても困るという作戦だった。
年齢不詳なのはお互い様なため、
そこら辺でちょっとした親近感を持ってもらえればと思うが、
王妃はその台詞を聞いて唇の端を吊り上げた。

「ふふ……わざわざ難儀よのう。
皇国に流されたおかげで、私にまで媚を売らねばならぬと見える」

シーフゥはセドルと一緒に立てた計画を脳裏に展開する。
敵を知り、己を知ればなんとやら。
一番可能性が高いパターンにきた。

「いえ、このような試練もまた、将来省みれば良いものと思うことでしょう。
今のこの身ですら、けっして悪いことばかりではありません。
皆に一命を助けられ、恩返しにと微力ながらお力添えするのは嬉しくもあり楽しくもあります。
また、不相応ながらアズメイラ王妃のお目にかかれて、このような身に余る大変な光栄です。
長であるパザンに代わりまして、数々のご助力にお礼申し上げます」

歯の浮くような台詞だったが、嘘偽りを言ったわけでもない。
だが王妃には効果が薄いようだった。
冷笑を浮かべながら頬杖をつく。

「そうであったの。
だが助けられた身、その身体でもって礼をするとはさぞかし蛮族の考えそうな事よ」

シーフゥは軽い怒りを覚えた。
サウラを揶揄しての台詞だろうが、そういうことをなりわいとする者はどこにだって居る。
今まで交易のために色々な国を渡った上での経験、世界の実情を知るシーフゥにとっては、
この閉ざされた国を一歩出ないで、その所業を蛮族とは何を、と言いたい。
皇国だってきっと身体を売る女性は居るはずである。
それをもって決め付けるのなら、自身もまた野蛮な者の一味であるとは王妃にも言えるはずだ。
523四章:2009/03/08(日) 01:19:08 ID:oQzZqGHh
「今は何も持たぬ身です。
せめてそれぞれ立ち寄った国の特産など持ってこれれば良かったのですが、
なにぶん不慮の事態になって、海の底に沈んでしまいました。
交易で得た他国の情報など、一歩も出ることが叶わぬ皇国には不要でしょうし」

ここでシーフゥはわざとらしく溜め息をつく。

「たがが情報ですが、信用あるものにとっては多額の取引にもなるのです。
たとえば小麦が豊作なら安くなるのは目に見えるため、買うのを控えておくよう助言したり、
戦争が起こりそうな地域では追いはぎも増えますから避けるよう、輸送団に売ったりと、
様々なところで生き物のように変化するからこそ貴重なもの。
黄金に勝るとも劣らない価値があります」

あなたの知らない世界を知っている自分を、
蛮族と言えるのかとばかりにシーフゥは次々とまくし立てる。
帳簿の管理も勉強しただけに、
採算という概念を知ってからは取引にはうるさくなった自信がある。
寄る先々での必要物資の補充は、最近シーフゥの受け持ちになっていた。
引いては交渉、弁舌の鍛錬にもなる。

それでも王妃は冷笑を絶やさない。
所詮は雛のさえずりといったところか。
シーフゥは心の中でこのロリババァと毒づく。

「アズメイラ王妃」
「なにか?」

話が一段落したところで、セドルはにっこりと王妃に呼びかけた。
アズメイラも王子が意外に紙一重な性格と知っているだけに、
この笑顔にも油断はしなかった。
普段は協力関係にあるように見えるのは王族としての一種の協定であり、
今は間違いなく協定外の事項だった。

「私はですね、シーフゥと仲良くなって将来の国益への布石になればと思っております。
ですからここは友好の証として、広間にてシーフゥとダンスを踊ってもらえませんか」
「はあ?」
「お、王子?」

突然の提案に当事者二人は驚く。
今の雰囲気をどうとれば友好的になるのかと。

「王妃、シーフゥは陛下の客人であり、国賓であるのですよ」
「……」
「将来かの国との交易の道が開ければ、きっと国益になります。
そこでまず特待ではありますが、王妃が率先して皆のお手本と」
「わかった」

アズメイラはこれ以上聞いてられないと、セドルの口上を断ち切った。
さぞ座り心地のよさそうな椅子から立ち、シーフゥへと近づいていく。
自分が王妃としての務めが重要視されているのは、
セドルの勤勉振りからも、ある種の物差しとして計られているの感じていた。
ここで国益を持ち出されては、逃げるわけには行かない。

アズメイラが息のかかりそうな距離で、シーフゥの顔をまじまじと凝視する。
なんだかんだ言っても、相手は高貴な身分だ、
シーフゥは硬直しながら、その視線を甘んじて受け入れた。
さらには鼻をくんくんと鳴らして、匂いを嗅ぐ。
524四章:2009/03/08(日) 01:21:37 ID:oQzZqGHh
「ふうむ。意外に良い匂いがするぞ……ふふ、日の光のような……」

どうしてこの人はこんな笑い方しかしないのだろうか。
面白ければ、もっと大きな口を開けて笑えばいいのに。

「よかろう。さっ」

アズメイラは左手を掲げた。
シーフゥはその手を取り、恭しく跪いて接吻をする。
基本的な礼儀作法はセドルによって叩き込まれていた。
エスコートをするシーフゥを、今度は広間全ての衆目を集めることとなった。
どこか高揚する気分とは裏腹に、
冷静な心がゆっくりと薪をくべ、慎重にふいごを吹く。

シーフゥは最初、良くしてくれるセドル王子に対して恥をかかせないようにとしか考えていなかった。
だが今は違う。
そんなことは全て吹き飛び、嘲り冷笑を浮かべ蔑むこの女を、
どんな手を使ってでも羨望なり尊敬の眼差しを自分に向けさせてやる、などと考えていた。
そのためにはベッドに連れ込んででも、と半分本気だった。
それは間違いなく罪であるが、知ったことではない。
サウラが言ったとおり、成立してしまえば問題ないのである。

中央に来ると、シーフゥは一礼した。
音楽が鳴り始め、双方が型どおりのステップを踏む。
アズメイラはファーストレディの名に恥じぬ、一部のすきも無い足運びに体捌きだった。
対してシーフゥも軽やかに踊り、ときとして先導する。
誰もがたった一週間程度での成果とは思うまい。

奇妙すぎる取り合わせだが、肩書き上の格を見ればなんとか釣り合う。
そう意識してシーフゥは気後れのないよう、堂々と大胆にリードをした。
時折身体を抱き寄せて密着するが、意外にもアズメイラは抵抗せず嫌がるそぶりも見せない。
ひらひらとスカートをはためかせ、気持ちよさそうに踊る。
もともと一たび火がつけば高炉のような情熱的な性格の持ち主だが、
シーフゥもまた南国の生まれ育ち特有の情熱を持つ。
タイプは違えど、次第にその熱情に感化されていく。

暖房も不要になりそうなほど汗ばむ。
観衆も我知らず胸をときめかせ鼓動を強くさせる、
破綻の一歩手前でぎりぎり保つようなスリリングなせめぎあいが生じていた。
アズメイラは本来シーフゥを蹴落とす気分で踊り始めたが、
意外に粘り強く、次第にリードさえおぼつかない状況になっていたし、
シーフゥは一矢を報いるというレベルで事を済ますつもりはまったくなくなっていた。
二人の思惑はまったく相反していたが、それが返って甲をそうした形だった。
意地と感情の凌ぎ、せめぎあいが芸術の火花を散らしていた。

メロディとリズムとを一つにして身体を動かせば、
自然と心も通わせられるものだとセドルは思っていた。
少なくとも傍目から見る分には、成功への一歩のように感じられた。

「はっ、はあ……ふぅ」
「どうした、息を切らしおって」
「それはお互い様ですよ、アズメイラさま。
ステップの足がたまにもつれているようですが、お年を召されましたか」

身分を知れば恐ろしくて言えないようなことをさらりと口にした。
525四章
「ふん。まったく口だけは達者と見える」
「ほほう、つまり私は口先だけだと」
「その通りだ。シーフゥ・ルオ、15歳。
本当はセドルより4つ下のくせに何故歳を偽ったのだ」

シーフゥはぎくりとして少しリズムを崩したが、すぐに持ち直す。
音楽は最終楽章へと入った。
ここで失敗しては全てが水泡と化す。

「ふふ、どうした。なぜわかったかそんなに不思議か」

別にバレたからといって、たいしたことではない。
己に言い聞かせながらステップを踏む。
お互い見つめあい、観衆からは良い雰囲気にも見えることだろう。

「なぜならサウラが教えてくれたからな」
「……はあ?」

予想だにしなかった名前が飛び出し、今度こそ完璧にリズムを崩した。
足と足を絡ませて、アズメイラがしりもちをついたが、
どちらが失敗したか一目瞭然だった。

「す、すみません」

相手の策にはまったとはいえ、己の失敗を痛感しているだけに、
これまで持っていた気概やくやしさも吹き飛び素直に謝った。
考えようによっては充分相手に責任があるのだが、
これまで築き上げた有意義な数分を瓦解させたのは本意ではなかった。
音楽が最高潮を迎える中、アズメイラに向けて手を差し出す。
濁りのない黒い瞳に見つめられ、義務を重んじる気高い心の持ち主は顔を背けた。

「……」
「まだ音楽は終わっていませんよ」
「……ふん、まったく。二度目はないぞ」

アズメイラは渋々シーフゥの手を取り、再び踊り始める。
今度は静かに、そしてやはり情熱的に。
残り短い時間だったが無事に最後まで踊り終え、観衆からは自然と拍手が起こった。

だがそれを苦々しく思っている一派もいた。
褐色の青年にご苦労だったと声をかけるアズメイラ王妃の顔は、
誰が見ても楽しく満たされた表情のためだった。