1 :
名無しさん@ピンキー:
すまん。
全文選択して貼り付けたらいらんところまで残ってた。
3 :
前692:2007/11/19(月) 01:27:23 ID:hQvEtEfI
>>1 乙です!
一瞬、前スレに書き込むつもりで誤爆スレ立てしたのかと思って
びっくりしたじゃまいかw
エロパロ板を彷徨い歩く君たちは
昨晩立ったばかりの新スレにたどり着いた。
君は
>>1を乙ってもいいし、乙らなくてもいい。
>>1および
>>3に向けて、大乙嵐の術式を起動。
B6Fに降りる前に、手元で半腐れになってるSS仕上げたいなぁ……
>>1乙&圧縮近そうなので即死防止ほしゅ
>>5 気長にwktk待ってるぜ!
日向さんの描き下ろしガン子を見ただけで
普段は仏頂面で無愛想だけどベッドの中では(ryなガン子と、そんな彼女の旅の相方で
普段はガン子の理不尽に耐えるボケ役だけどベッドの中では(ryな青ソド男の脳内SSが練成されるから俺の妄想力は困る
あ、あと誰か脳内SSを形にするフォーススキルを伝授してくださいorz
愛か執念か根気のどれかがあれば何とかなる
いきなりSSを書こうとするから挫折するわけで。
まずは、妄想を書き留めるところから始める(スキル「メモ」:文章マスタリの前提)
書き留めたネタを読み返し、ワンシーンの情景になるよう、さらに妄想を深める(妄想マスタリ↑)
並行して、妄想の山場、アピールポイントなんかを想定してみる。これも書き留める(「メモ」↑)
深めた妄想ももちろん書き留める。きちんとつながってなくてもいい、とりあえず書き連ねる(「メモ」↑)
たまったメモを読み返し、つながってない部分をつなげることを意識して妄想する。
無論これも書き留める(「メモ」、妄想マスタリ↑)
メモだったものを読み返すと、何となくSSっぽくなってきてると思う。
おめでとう、これで君も「文章マスタリ」取得者だ。
最初からキャラの背景やらなれそめやら展開やら、全部揃ったものを
書こうとすると挫折する。
まずは一番書きたい場所だけ書くといいよ。
1レス分だけの短い会話ネタだけとかでも、そこでそれなりオチでもついてれば
それで十分なんだぜ!
キャラスレのほうによく落ちてるような、あんな雰囲気で。
すいません、憶えている人も少ないかもしれませんが以前に
モリビト少女の陵辱j話を書いていた者です。
遅くなって本当に申し訳ないです、何を言っても言い訳にしかならないです。
とりあえずSSを投下する事でお詫びというか、謝罪の一部と変えさせて頂きます。
鬼畜陵辱なので、好みで無い方はスルーお願いします。
――――――――――――――――――――――――
私は、朝日が頬にあたるのを感じながら目が覚めた。
大きく伸びをしてベッドから下りる。
格子がついた窓は大きく開けるようには出来てなかったが
私は構わずにこじ開けた。
隙間から入ってくる外の空気を吸い込む。
朝靄が身体の中を駆け巡る。
これで水浴びも出来ればいう事は無いのだが、囚われの身である
私には無理な事というものだ。
あてがわれたタオルで、体を拭くぐらいしか出来ない。
まあ、それでも今の状況は前より改善されたのだがな。
今の境遇に慣れつつある自分に、私は自嘲する。
ニンゲンはここしばらく来てはいない。
来ても、せいぜい口で遊んでやるだけだ。
奴等は迷宮の探索が忙しいのだという。
聞く所によると、我々の集落があった層のさらに下、
過去の遺跡へとたどり着いたらしい。
なるほど、新生気鋭の冒険者達が欲に溺れて倒れてしまってはお笑い種という物だ。
窓で佇み物思いに耽っている私を、ノックの音が現実へと引き戻した。
鍵は外からかかっているのに律儀な奴だ。
こういう几帳面なニンゲンは誰かすぐにわかる。
案の定部屋に入って来たのは、やはりゴウだった。
「失礼致します、ご機嫌はいかがですかな」
「悪くない、最近は貴様らの顔も見る事も無くなったからな。
ここから出られる事が出来れば更に気分が良いのだが」
私の悪態に、ゴウは少し顔を曇らせた。
「それがし達も努力はしているのですが、なにぶんあの階層は複雑怪奇、
遅々として進みませぬ。まあそれはそうと」
ゴウは懐から物を取り出し机に置く。
「頼まれていた物を買ってきました故、どうぞご賞味を」
コイツは不思議な奴だ。
名目は監視役となってはいるが、頼めば色んな物を持ってくる。
一言いえば、監視付きだが外出も出来る。
世界樹の中にいた時はわからなかったが、ニンゲンは色々な奴がいる事を知った。
この街にしてもそうだ。多様なニンゲンが存在している。
そう、悪いニンゲンもいれば、良いニンゲンも―――。
いかんいかん。
私はかぶりを振って雑念を振り払った。
我等の集落を焼き払ったのはニンゲンだ、何を思い違いしている。
とりあえず、買って来た物を確認して気分を落ちつけるか。
中身を取り出し、私は自然と笑みがこぼれた。
「うん、ちゃんと言った通りだな。礼は言っておく」
「確かに。ジャクソン料理店の限定プリンでございます」
「うむ、このオカシという物は何ともいえぬ甘味でな。ところでゴウ、
オカシはこれだけか?」
既に半分になったプリンを横目に、私はゴウに尋ねた。
「いえ、特製クレープも買ってきました故、どうぞお確かめを」
「ベネ、心得ているではないか。今日の探索はどうだったのだ?」
「そうですな、今日は―――」
そういってゴウは、今日の探索行を語りだした。
探索があった日はいつもこうやって報告をしてくれる。
あの日、ゴウは私に打ち明けてくれた。
迷宮を踏破すれば仲間の元に戻れる、それまで耐えて欲しいと。
何でも私はその間までのストレス解消なのだという、馬鹿馬鹿しい。
とはいえ、今の私にはそれにすがるしかない。
生きて、仲間と合流して、必ずやこの屈辱をすすいでやる。
こんな所で朽ち果ててたまるか。
……まあ、でも、一部のニンゲンは生かしてやってもいいかな、
オカシが食べられなくなるとちょっとさみしい。
今日の報告にも進展は見られなかった。下層は想像以上に入り組んでいるらしい。
踏破していないのならどうでもいい。
既に私の興味は目の前のクレープへと移っていた。
「進展が無いのならしょうがない、我慢してやる」
「そうですか。では、それがしはこれで失礼します」
ゴウは礼をして部屋から出て行った。
まったく、いつになったら解放されるのか。
「耐えるしかない、か」
私は外の景色を眺めながらクレープを齧り、溜め息をついた。
ゴウが部屋を出て一階へと下りると、カウンターでキュリオジテと宿屋の主が話をしていた。
キュリオジテがカウンターに包み紙を置くと、主はそれを懐へと入れる。
「いつも使わしてもらってすいませんね」
「いえいえ、冒険者あっての宿屋。お金さえ頂ければ何も言いません。
どんな人であってもね」
主は満面の笑みで答えた。細い目の奥が光ったような気がする。
主との話が終わったキュリオジテは、ゴウの姿を見て片手を挙げた。
「やあ、待たせてしまいましたかね、調子はどうでしたか?」
「別に、変わりはありません」
ゴウの言葉に、キュリオジテは肩をすくめて笑った。
「そうですか、それは良かった。どうも他の方が行くと機嫌が悪く
なるんですが、あなたは別らしい」
その言葉にゴウは眉をしかめる。
「それがしにも機嫌が良くなかった様に見受けられましたが……」
ハハ、とキュリオジテは笑う。
「考えすぎですよ、少なくとも貴方はあの娘に手を出してはいない。
私等なんぞは口も聞いてもらえませんよ」
「そうですか……」
「そうですよ、じゃあ行きますか。みんな酒場で待ってますよ」
身支度をすませて二人は宿を後にした。
第四階層、枯レ森を突破し第五階層へと足を踏み入れたアンスタン達。
一行はここでかなり足止めを受けていた。
旧時代の遺物は複雑に入り組んでおり、上がったり下がったり、
行って戻ったり、平面ではなく立体に地図を書き直す必要があった。
そして、ようやく新たに動く箱を作動させる事に成功し、先に進む事が出来たばかりだ。
進むにあたって慎重に慎重を重ねるのは冒険者として恥ではない。
一歩一歩、確実に確実に、アンスタン達は迷宮の真実へと近づいていく。
今日も酒場に集まり、明日について話し合う予定だ。
酒場につくと既に他の三人は席についていた。
二人の姿を目にとめると、ここだとばかりに三者三様の反応をみせる。
二人もうながされて集まりの席につく。
「やあすでに始まってますね、遅れてしまってすいません」
席について謝るキュリオジテに、アンスタンは首を振る。
「何、小腹が空いたから適当に頼んでいただけだ。気にするな」
そう言って目の前の肉に齧りつく。
肉汁がデジールの頬にかかり、顔をしかめてそれを拭き取る。
ハンカチをしまうと、キュリオジテとゴウにむかって話しかける。
「そうです、御気になさらずにキュリオジテ。まずは一杯いかがですか?」
「そうだぜ、キュリオジテさん。まずは一杯」
ピールもそう言って酒瓶を傾ける。
キュリオジテはそれを手で制し、かぶりを振って答える。
「いえいえ、まずは素面のうちに予定を話したいのでしてね」
「あいかわらずだな、キュリー。うちの財布は紐が硬くっていけねえ」
アンスタンの言葉にキュリオジテは苦笑いをした。
「さて、我々も下層へと進んできた訳ですが、おそらくここが最下層、
いよいよ本番という訳です」
キュリオジテはそういって一同を見る。
「迷宮の魔物も強くなってきています。ここは焦らずに一歩一歩確実に
花びらを焼き払って中継点を作りつつ、前に進むべきかと」
「なんだ、やってる事は変わりないないじゃないか。今さら話し合う必要もねえ」
リーダーの発言にどっと席が笑いに包まれる。
「まあそうなんですけどね、こういうのは常に確かめとかないと」
「そうですね、まあそろった所で頂きましょうか」
明日の予定話は打ち切られ、皆、目の前のご馳走に手を伸ばす。
そんな一同に混ざるのを拒否するかのように、すっとゴウが席を立つ。
「どうした、ゴウ?」
「いえ、それがしも素面のうちに事を進めたいと思いまして。
始めていてください、また来ます」
一礼をして去って行くゴウを怪訝な顔でアンスタンが見る。
「何か用があるのか、アイツ?」
「ああ、きっとお使いでも頼まれているんでしょう」
キュリオジテの言葉にアンスタンが振り向く。
「お使い?」
「ええ、外に出られないモリビトに色々と頼まれているらしいですよ?
ハハ、困ったものですね」
「そうか……」
アンスタンはゴウが去っていった戸口を見る。
そして、口の端を歪めながらそっと呟いた。
「そいつは……困ったな」
月明かりの下、私は街の中を歩いていた。
昼間に何度か歩いたことはあったが、夜に歩くのは初めてだ。
ふらふらとおぼつかないで私は歩いているが、別に暗いからではない。
私は、自分の首に付けられている物を一瞥する。
家畜に付けられているような、首輪。
首輪から伸びている鎖を、ニンゲンがじゃらりと引っ張る。
私はそれにせかされる様に歩みを進める。
そう、私は前と同じ様に、首輪と、獣をかたどった耳と尻尾を付けさせられ、
月光の下、四つん這いで街の中を歩かされていたのだった。
「千里眼に異常は無いな?ピール?」
「もちろんですリーダー、何か有れば報告します」
「おう、よろしく頼むぜ。ほら、さっさとついて来い」
乱暴にニンゲンが鎖を引っ張る。
私はそれに体をよじらせながら何とかニンゲンについて行こうとする。
「たまには夜の散歩もいいもんだろ?」
「ぁ……う……」
「おい!返事はどうしたぁ!」
ニンゲンが私の手を靴で踏みつける。
私は痛みに耐え切れず、慌てて返事をした。
「あぐっ!……う……わん、わん!」
私の返事に気を良くしたニンゲンは、頭を撫でて下卑た笑みをうかべる。
「そうそう、オマエは所詮、俺たちに飼われる道具なんだからよ。
口の聞き方には気をつけないとな?」
じゃらり、じゃらりと静かな街中に鎖の音を鳴らしながら
ニンゲンと私は進んでいった。
「ようし、ここらでいいか」
歩かされた先は、広場にある噴水だった。
そこで足を止め、ニンゲンは私を見下ろす。
「今日は、オマエに思い知らせてやろうと思ってな」
そう言っていきなりニンゲンは私の背中を踏みつけてきた。
「あがっ!」
不意をつかれた私は、そのまま背中を踏みつけられながら
地べたに這いつくばせられる。
「オマエ最近調子にのってないか?自分の立場わかってんのか?
ええ?わかってんのかコラ!?」
ドカッ!ドカッ!ドカッ!
そのまま私の背中を踏み続ける。私はそのまま耐えるしかなかった。
「ええ?今日は自分がどういうモンか思い知らせてやるよ!」
首輪を掴み、私の体を引きずり起こす。
私はそのまま噴水の中へと落とされた。
「ぷはっ!」
空気を求めて顔をあげる私を、ニンゲンの腕が再び水中へと押し戻す。
ガボガボともがく私の首輪が引っ張りあげられ、水面へと上げられる。
荒い息を吐きニンゲンが激昂する。
「ええ!?いい気分だったか!?人間様を顎で使う気分はよ!?ええ?」
口汚く私を罵ると、再び私は水中へと押し付けられた。
水の中へと叩き込まれ、引きずり上げられ、罵られまた叩き込まれる。
何度その行為が繰り返されただろうか。
ようやく解放された時には、私は息も絶え絶えになっていた。
「ハァ、ハァ……さて、お仕置きはこの位にしておくか」
ずぶ濡れになり、意識が朦朧とする私にニンゲンの言葉が聞こえる。
「おい、アレを試してみな」
もう一人のニンゲンがコクリと頷き、私の腕を取る。
水責めを受けてぐったりとしていた私には抵抗する力も無かった。
チクリ、と私の腕に小さい痛みが走る。
私の片腕にニンゲンが何か刺していたのだった。
「ぁ……な…に……?」
「心配するな、今ので冷えたろ?体を暖める栄養剤さ」
ヘヘ、とニンゲンが下卑た笑みを浮かべる。
「もっとも、効きすぎるかもしれんがな」
そのまま地べたに寝かされてどのくらい経っただろうか。
私の体に奇妙な変化が起こっていた。
体が熱い。
正確にいうと、胸と下半身の奥が疼き始めていた。
(な、なんだ……?)
そこだけ熱病にかかったかの様に熱く、疼く。
変調を起こした胸に、私は自分の手をそえる。
「あふぅ…」
ひんやりとした手が心地よい。だが胸の高まりは収まらない。
私は昂ぶる胸を慰める様に、やわやわと撫で回す。
「ああ……」
心地よい感覚が私を包む。しばしその感覚に私は身をゆだねた。
じゅくり。
「あ……」
今度は下半身が昂ぶってきた。
まるで、胸だけではなく私も構ってくれと訴えるかのように。
「ごめんね……」
そう言って私は片手を女陰の方へと伸ばし、指で中をまさぐる。
謝罪の行為に私の下半身は、私に甘い痺れをもたらした。
片手で胸を、片手で女陰を慰める。
その度に痺れが全身を駆け巡るが、身体の熱さは静まらない。
私は荒い息を吐きながら、行為に没頭した。
「どうやら効いてきた様だな?」
ニンゲンの嘲笑が私を現実に引き戻した。
私は、何をやっているのだ?
静かな夜の街中で、ニンゲンに見下ろされながら自慰に耽っている!?
違う!
「こ、これは違う……」
これは違う、これは私ではない。
このような姿を晒しているのが私であるはずがない。
うろたえる私にむかって、ニンゲンが話しかける。
「それがオマエの本性なんだぜ?いやらしいオマエのな」
もう一人のニンゲンが、私の両腕を掴む。
慰めを受けられない胸と下半身が、じんじんと私に訴えかける。
なだめる様に股を擦り合わせるが、疼きは止まらない。
ぐいと髪を掴まれ、ぺちぺちと頬を叩かれる。
「あ……?」
いつのまにかニンゲンは、ズボンをおろしていた。
そして自分の髪を掴み上げ、欲棒で頬を叩いているのだ。
「まったく、おあずけも出来ないのかね。この犬っころは」
ぺちぺちと私の頬を叩きながら、ニンゲンは笑う。
「まあ寛大な俺サマは許してやるけどよ、違うだろ?」
ガシ、と両手で私の顔を固定し、面前に欲棒を突き出す。
「オマエの餌はこれだろ?おねだりしてみろよ、いいんだぜ?
オマエが頼めばくれてやるぞ?」
「だ、だれが…!」
上目遣いでニンゲンを睨みあげるが、意には介してない。
雄の臭いが私の鼻をつく。
「あ……」
私の目はニンゲンではなく、目の前の欲棒にむけられる。
私の痴態を見て先ほどから興奮していたのだろう。
既に欲棒は、はちきれんばかりにみなぎっていた。
(ほしい……)
アレで私を貫いて欲しい。
この疼きを静めてほしい。
この渇きを満たして欲しい。
「おいおい、おねだりが先だろ?勝手に始めるなよ?」
「え?」
頭上から嘲笑が浴びせられる。
私は、胸と女陰を弄っていたのだ。
目の前の欲棒を見ながら、自慰行為に耽っていたのだ。
違う……
「違う、こんなの……」
「違わないさ」
頭上から悪魔の甘言が聞こえる。
悪魔は私にむかって囁いた。
「おまえは、ニンゲンさまの道具なんだ。ニンゲンに奉仕する為のな。
さ、おねだりしてみな?すぐに楽になるぞ?」
違う、違う、違う……。
私の頭の中を、甘い囁きがぐるぐると駆け巡る。
心臓が、早鐘のように鳴り響く。
胸と下半身が、私を急かせる様に熱くなる。
それらが私の中で爆発した。
「あは……」
目の前が一瞬、閃光で真っ白になった気がした。
それは私がみた幻覚かもしれない。
しかし私は次に何をすべきか、理解した。
「ほしい…です」
その言葉に満足したのか、私の顔から両手を離し頭を撫でながらいわれた。
「じゃあ身体全体を使っておねだりしてみな?できるだけイヤらしく、な?」
「はい……」
わたしは、そのままゴロンと背中を地面につける。
そして、股をひろげてアソコを自分の手でひろげる。
わたしのあそこは、すでにグショグショになって疼きがおさまらなかった。
いっこくもはやく、このかわきをみたしてほしかった。
わたしはニンゲンさまにおねだりをした。
「おねがいします、ごしゅじんさま。このいやらしいどうぐをみたしてください。
ごしゅじんさまのものでわたしをきもちよくしてください、おねがいします」
ごしゅじんさまは、わたしのことばにくびをふりました。
「おいおい、物じゃなくてチンポだろ?」
「はい、すいませんでした。ごしゅじんさまのたくましいオチンポ、わたしにください。
もちろんわたしも、せいいっぱいごほうしさせていただきます。
たくましいオチンポでしつけてください」
「良く出来ました、合格だ」
ごしゅじんさまがわたしをほめてくれた、うれしい。
「じゃあごほうびをやらないとな」
うんちょうだい、ごしゅじんさまちょうだい。
「試作品でしたが、さすがに効きすぎじゃないですかね?」
「何、心配すんなって。壊れてもキュリーなら何とかしてくれるだろ」
「そうですかね…」
ごしゅじんさまたちがなにかいってる。
でもそんなのどうでもいい。
はやくごほうびわたしにちょうだい。
いきをあらくするわたしにごしゅじんさまがえがおでちかづいてくる。
ああまちきれない。
わたしはこしをふってさいそくした。
そんなわたしにごしゅじんさまはかたくってあつくってたくましい
オチンポをつきいれてきたのだった。
ズン、ズンとつきいれるたびにまっしろなひかりが
わたしのまわりをかけめぐる。
すごくきもちいい。
「ごしゅじんさま!いいです!すごくイイですぅ!」
「何がいいんだ!?言ってみろ!」
「ああオチンポです!オチンポオチンポすごくいいです!」
さけぶわたしをごしゅじんさまがしかりつける。
「自分だけ気持ちよくなっていちゃ駄目だろうが!」
「ああ!すいません!すいません!わたしはだめなどうぐです!
どうかごしゅじんさまのおちんぽでおもいっきりおしおきしてください!」
モリビトの少女が、アンスタンに突き入れる度に嬌声をあげる。
ピールが調合した薬は、予想以上に効いたようだった。
ゴクリ、と生唾を飲み込むピール。
「あの、リーダー、俺も、その……」
顔をピールの方へとむけ、アンスタンはニヤリと笑う。
「おうそうだな、スマン。悪い悪い」
そのままモリビトと身体を入れ替え、自分が仰向けになる。
そしてモリビトの尻に挿してあった尻尾の張り型を引き抜く。
「きゃふっ!」
モリビトは涎を口から垂らしながら、アンスタンの胸にしなだれて
荒い息で胸を上下させる。
「あふ…ごしゅじんさま、うごいてくださぁい、それともあたしがうごけばいいですか?」
「何、すぐに気持ちよくしてやるよ」
アンスタンはそういってモリビトの尻穴を両手で拡げる。
「おまえはこっちのほうが好きなんだろ?」
「へへ、すいませんねリーダー」
厭らしく笑い、ピールが尻穴に自分の肉棒を突き入れる。
「あひ!?きた?おちんぽうしろにもきた?」
モリビトが背中越しにピールをむき嬌声をあげる。
「後ろじゃなくてケツの穴だろ?」
そういいながら乱暴に腰を動かすピール。
モリビトはさらに甲高い声をあげる。
「あひぃ!すいません!おばかですいません!けつのあなにおちんぽきました!」
「気持ちいいのか?」
「そうです!きもちいいです!もっとうごいてください!」
そんなモリビトの痴態をアンスタンが笑う。
「おいおい、こっちはどうなんだよ?」
アンスタンがモリビトの腰を揺すると、モリビトは叫んだ。
「すいませんごしゅじんさま!まえも、まえもいいです!」
「どっちがいいんだ?答えてみろ?」
「そうだ、答えてみろ!俺達が聞いてるんだぜ?」
腰を動かし、突き入れる二人にむかってモリビトが金切り声をあげる。
髪を振り乱し、頭を上下左右に振る。
口から泡を吹き、半分白目になりながらモリビトは答えた。
「あははははきもちいい!きもちいい!どっちもよくてわかりません!
おばかですいません!こんなあたしですいません!だからおしえてください!
わからせるためにあたしにおしおきしてください!
ごしゅじんさまのおちんぽでしつけてください!」
「良く言った、そら行け!」
「あはうふいきます!あたしいきます!いくいくあはははっは!
あはうひいくおおおおぉぉぉぉおお!!!!」
閃光がモリビトの視界をおおった。
それは、頭上に輝く月よりもまぶしかった。
今回は以上です、続きが遅くなってすみませんでした
僕は……ずっと待ってた!
俺も待ってた。半ば諦め欠けてたが待ってて良かったよ。
毎回ながらGJだ!
素晴らしい!、これはまだ続くのかな?
最後の閃光ってブシドーの刀じゃね?
首討ちか!
アンスタンついに殺られたか
この作者さんが言っていた モリビトは楽になります が気になって仕方ない。
解放されるのか、人間に馴染んでしまうのか、壊れるのか、死ぬのか。
飽きられて捨てられたところを俺に拾われて温室でぬくぬくします
モリビトもだが、ブシ男にも死亡フラグが立ちそうだな。
モリビトと心中エンドかはたまたブシ男ぬっころされてモリビト精神崩壊か・・・
>>29 モリビトを温室で育てたらすぐ大きくなりそうだな。
どこがって、色々な所がだよ。
>>31 体長10メートルのモリビト誕生!すごいぞー!かっこいいぞー!!
……ということだね?
おめでとう!モリビトは フォレストオウガに しんかした! ▼
モリビトとブシ男には幸せになって欲しいのぅ
そしてアンスタンは苦しんで欲しいのぅ
逆にモリビトには悲惨な最期を期待している自分がいる
短編なら悲惨でもいいんだけど、これだけ長編で
しかも自分語りだからこれで鬱エンドだときついなあ
とりあえずアンスタンの首は落とされる方向で。
神が続きを書き辛くなる流れはよそうぜ
確かに。
申し訳ない
おまえ、何勝手に謝っちゃってるわけ?
俺が悪いに決まってるだろうが!
いまマジごめんなさい。
いやいや、ここは俺が謝るよ。
ごめんなさい!
そして神は考えた。
皆が謝る理由を作った自身が消えるべきであると・・・。
・・・ってなったらどうするんだ!
どうするんだ!
なんてこった!
馬鹿なことをした…!
ごめん
>>32 そんなにでかかったら全身をパイズリしてもらえるな。
全身素股でもいいが。
でかくても胸が無いならパイズリは出来ないだろ、常考…
素股は何か、圧死されそうだ
素股というか、むしろ全身を挿入出来るんじゃないか?
フィストならぬボディファック。もしくは両脚をつっこんだ状態で
肥大化したクリトリスを抱えてなめる。
……世界樹から遠ざかって特殊性癖の域になってしまった。
超巨大モリビトによる、世界樹をディルドーにした一人遊び
その日、世界樹の迷宮には酸味がかった雨が降った
世界樹の中の人大喜び?
モリビトの八話を投下します。
今回はエロ要素は無いです、すいません
興味ない方はレス読み飛ばしてください。
――――――――――――――――――――――――
ゴウはその日いつもの様に、モリビトの部屋の前にへと来た。
そしていつもの様に懐から鍵を取り出し、錠穴へと差し込む。
「……?」
ゴウはその感触に少し違和感を感じた。
ドアノブを捻るが、案の定開かない。ノックをしてみるが応答は無い。
さてどうしたものかと、戸口の前で立ち往生していると誰かが呼ぶ声がした。
ゴウが後ろを振り向くと、キュリオジテが片手を上げて立っていた。
会釈を返すとこちらへと近づいて相手も返して尋ねてきた。
「どうかしましたか、ゴウ?」
「いえ鍵が壊れたのか、扉が開かずいかがしたものかと。反応も無いようなので…」
「寝てるのではないですか?ここの宿も見かけによらずオンボロですね。
扉の件は主人に私から言っておきましょう、それを渡しにきたのでしょう?」
キュリオジテはゴウの片手へ目をむける。
ゴウの片手には可愛らしい包装の小箱が握られていた。
小箱を掲げゴウが頷く。
「左様、しかしこれではどうしたものか……」
「まあ、主人に直して貰うついでに渡しきますよ。私が預かっておきましょう。
そんな事より、リーダーが呼んでいましたよ」
悩むゴウにむかって、キュリオジテは屈託無く笑う。
「主殿が?」
「ええ、あんまり待たせちゃうと怒られちゃいますよ。酒場でいつものように
飲んでいますから、酔いつぶれないうちに行って来て下さい。ここは私が何とかしますから」
そう言って手を差し出してくる。箱を渡してさっさと行ってこいという事なのだろう。
しばらくキュリオジテと、小箱を交互に見ていたゴウだったが頷いてキュリオジテに箱を渡す。
「では、よろしくお願いします」
一礼をして、酒場へとむかうゴウ。
その姿が完全に見えなくなるのを確認し、キュリオジテは溜め息をついた。
「やれやれ、我ながら下手な嘘ですね」
自嘲して懐から鍵束を取り出し、扉に差し込む。
カチリ、と音がして鍵が開く。
扉は壊れていたのではなく、錠前を付け替えていただけだったのだ。
キュリオジテが中に入ると、ベッドでモリビトが眠っていた。
ここに運び込まれた時と変わらず、目を覚まさずにいる。
「さて、ゴウが知ったらどうするでしょうかね」
それはそれで面白い事になりそうだが、火種は起こさずに越したことは無い。
事が露見する前に内々に処理してしまわなければいけない。
先日、未明。
キュリオジテは、突然の衝撃とアンスタンの下卑た笑みによって起こされた。
まだ夢と現実の境をさまよっているキュリオジテに対し、
アンスタンは悪びれもせずに言い放った。
「へへ、コイツがよ、気絶したっきり目を覚まさないんだ。でもお前なら何とか出来るだろ?」
軽い調子だが、有無をいわせない語気があった。
あくびをかみ殺してモリビトを診察するが、状態を把握してキュリオジテは嘆息する。
「混乱、テラー、頭封じ…、一体何をしたんです?」
「へへ、こいつの試薬でちょっとな」
アンスタンが後ろへ顎をさすと、傍らにピールが控えているのがわかった。
手持ち無沙汰にキュリオジテの方を申し訳無さそうに見ている。
「やれやれ。俺のモノに手を出すな、ではなかったのですか?」
「基本はな。まあ細かいことは気にするな、後はヨロシク頼むぜ」
そう言って介抱をまかされたのだが、中々に骨が折れる仕事だった。
何しろ開発段階の試薬という事らしい。
下手に薬を投与してショック症状が出るのは良くない。
かといって、施薬院に連れ込む訳にもいかない。
魔物を連れまわしている事がばれたら、パーティはこの街から追放処分だろう。
とりあえず心得がある自分一人で何とかしなくてはいけない。
「やれやれ、こんな事ならリフレッシュも専攻しておけばよかったですね」
モリビトを前にして一人、キュリオジテは溜め息をついた。
「まあ……なるようになりますか」
箱を机に置き、キュリオジテは介抱を再開した。
一方、酒場ではアンスタンとゴウが対峙していた。
用件を聞き終えたゴウが、アンスタンにむかって聞き返す。
「魔物討伐の依頼……、それがし一人でですか?」
「執政院から俺達を試す為の依頼だってよ。まったく、人気者はつれぇよなあ」
アンスタンが語る事によれば、内容はこうだった。
執政院長曰く、君達の働きには大変感謝している。
そこで君達の腕を試す為に、一つの依頼をたのみたい。
地下16階に生息する『うごめく毒樹』、それを討伐してきて欲しい。
難敵かもしれないが、君達の腕前なら勝てるだろう。
これは、君達を更に信頼する為に必要な事であるし君達の名声も上がる事だろう。
宜しく頼む。
ただし、上記の件は一人で行って来てもらう。
「それは…また急な話ですな」
依頼内容を聞いて眉を曇らせるゴウ。
こう言っては何だが、自分達はこの街で一、ニを争うパーティーだと思っている。
このままいけば、世界樹の迷宮の謎を解き明かす名誉は必ず勝ち取れる事だろう。
そんな自分達に、わざわざ危険な依頼をあたえるとは理解し難い事だった。
そんなゴウの内心を見透かしたのだろう。
アンスタンは、飲み物に口をつけて一息つき話を続けた。
「まあな、でもこの街にいる間は、俺たち冒険者はそれなりに
便宜を図ってもらっている。依頼を無下にはできんだろう?」
それに、とアンスタンは付け加える。
「俺達が断って他の奴等が出来ました、てのが一番マズイ。
俺達が一番じゃないとな?」
杯をあおり、アンスタンがニヤリと笑う。
「そういう事ですか、しかし何故それがしに?」
「俺はある程度間合いを取らないといけないし、デジールの野郎もどちらかというと
自分が戦うより他人の援護役の方が得意だしな。キュリーとピールは論外だ。
……と、なるとお前しかいない事になる」
真っ直ぐに見つめるアンスタンに対して、なるほどとゴウは頷いた。
「…まあしかし、お前は傭兵だ、別に無理強いはしない、
俺等でも何とかやってみせるさ。でも、それなりの礼はするぜ?」
話を聞いてゴウは思案した。
自分のさげている刀に目をむける。
己が力を試す為に幾度と無く振るってきた。
しかし、まだ剣の道を究めたとは言いがたい。
この任務を全うすれば、自分は更に高まる事が出来るのだろうか。
いや―――。
出来る、出来るのだ。
ゴウは落ち着いた声で答えた。
「いや、やりましょう」
「そうか!お願いするぜ!」
がっしりと握手してくるアンスタンをゴウはすでに見てはいなかった。
自分を、そしてその周りを、変えてみせる。
ゴウは力強く頷いた。
けだるさと、身体中に鈍痛を感じて私は目を覚ました。
むくりと身体を起こすと辺りを見回す。
私はベッドの中におり、机にはニンゲンが突っ伏して寝ている。
どうやらここはいつもの宿の一室のようだ。
はて、私はなぜこんな所にいるのだろう?
頭の中を整理していくうちに、私の顔に火がついた。
………そうだった。
私は夜中に街へ連れ出され、辱めを受けたのだった。
ニンゲンにされた行いと、自分が口走った言葉が頭の中で駆け巡る。
私は毛布の中へ顔をうずめ、暗澹とした気分になった。
正直なぜああいう事になったのかよくわからない。
快感と閃光が私の中で暴れていた事だけは憶えている。
顔をうずめながらブンブンとかぶりを振るが、鬱屈した気分は晴れずにいた。
しばらく屈辱に身を焦がしていたが、やっとの事で落ち着き
私は深呼吸をした。
……ええい、それというのも全てニンゲンが悪い。
早くこんな所を出て同胞と会わねば。
私は、机で寝ているニンゲンを忌々しい目で睨んだ。
…。
……。
―――!
寝ている、だと!?
私はベッドから跳ね起き、ニンゲンに近づいた。
すやすやと間抜けに眠っているニンゲンは、私が起きた事に気づいていない。
ニンゲンの足元には鞄があった。
私はその中をそっと覗いてみた。
中にはわけのわからない書類の束と、以前見たレポート用紙の束。
そして、机には鍵束が無造作においてある。
―――ゴクリ。
私は生唾を飲み込んだ。
これは千載一遇の好機だ、この機を逃す馬鹿はいない。
鍵束と鞄を抱え、私はこの部屋を出る事にした。
そろりそろりと忍び足で部屋の入り口にむかう。
あいかわらずニンゲンは眠ったままだ。間抜けなヤツめ。
扉の隙間から私は外の様子をうかがった。
…ニンゲンの姿は見えないな。
私は扉を開け、廊下へと出た。辺りはシンと静まりかえっている。
よし、このまま森へと逃げるぞ。
私は音を立てず、山猫のような俊敏さで廊下を駆けた。
そのまま階段を飛び降りて脱出―――するはずだった。
愚かにも私は階段の途中で足を止めた。
上がってくるニンゲンの顔に見覚えがあったからだ。
ゴウだ。
奴は私をキョトンとした顔で見上げている。
奴め、なんという愚か者だ。
奴が取り押さえる素振りを見せたならば、私は脱兎のごとく逃げ出せただろう。
!しかし奴め!なんという奴め!
奴は身構えるどころか、部屋から出ていた私にむかって
ニッコリと微笑んだのだった。
「良かった、少しばかしお願いがあるのですが、良いでござるかな?」
私はその場に立ち尽くし、思わず頷いてしまった。
好機を逃した馬鹿は、ニンゲンと一緒に部屋に戻ったのだった。
部屋に戻った私は、ニンゲンと対峙していた。
私はベッドに座ってゴウと向かいあっていた。
もう一人のニンゲンは、窓際にある椅子に座って、少し離れて私達を見ている。
ニヤニヤと笑いおって。私を取り逃がそうとしたのにイヤらしい奴だ。
部屋にしばらく沈黙が包まれていたが、静寂を破る口火を切ったのはゴウだった。
「先ほどもいいましたが、一つお願いがあります」
「なんだ?」
私は先ほどの愚行を悩みつつ、ぶっきらぼうに答えた。
そんな私を、ゴウは真っ直ぐ見つめて言った。
「奇妙なお願いですが、髪を一房頂きたい」
「髪だと?」
変な事を言い出す奴だ。
「なんでそんな事を?」
疑問符を頭上に浮かべる私にむかって、ニンゲンが横槍を入れる。
「御守りがわりにアナタの髪の毛を少し欲しいそうですよ」
オマモリ?
ゴウを見返すと、こちらをじっと見つめてくる。
「ふん、まあ別にいいぞ」
乱暴されるよりかはマシだ。
じっとしている私にむかって、ゴウが手を伸ばしてくる。
ナイフで少し切り取るとそれを小袋に入れた。
紐で口を縛ると、満足そうに微笑む。ニンゲンのやる事はよくわからん。
……そうだ。
「おい、ゴウ」
「なんでしょうか?」
「私にもお前の髪の毛をよこせ」
ゴウはキョトンとした顔でこちらを見つめる。
「なんでそんな事を?」
首を傾げて尋ねてくる。私の真似をするな馬鹿。
「なに、なんとなくだ。髪の毛をやるから交換でよこせ。片方だけというのは嫌だ」
私の言葉に、ああなるほどと頷き、ゴウは自分の髪の毛を切った。
それを小袋に入れて私に渡す。手のひらにおさまる、藍色の袋だ。
「ではこれで失礼します」
「ああ、それじゃ私も出ますかね」
ニンゲンはそういって部屋から出ようとした。
そんなニンゲンを私は引き止めた。
正しくはゴウに、だが。
「今度来る時は、いつもより多くオカシを持ってこい」
脱出時機を逃したのだ、これくらいはして貰わねばならない。
「………わかりました」
一礼をしてゴウ達は部屋から出ていった。
私はごろんとベッドで横になる。
やれやれ、なぜ私は逃げなかったのだ。
目をつぶって考えるが、自分でもよくわからない。
……まあいい。
愚か者は深く考えずに眠る事にした。
「よかったのですか?」
階段を降りながらキュリオジテはゴウに尋ねる。
「何が、ですか?」
「髪の毛といわず、一晩側にいて欲しいといえば良かったのに」
含み笑いを浮かべるキュリオジテを、ゴウはきつく見つめ返した。
「それがしは虜囚を辱めるすべは持ち合わせておりません」
「そういう事にしておきますか」
視線を軽く受け流し、キュリオジテは階段を降りる。
「…別に断っても良かったのですよ?あなたは傭兵、割りに合わないと思ったら…」
キュリオジテの話をゴウの静かな声が遮る。
「それがしは傭兵であると同時に、パーティーの一人です。
パーティーの任務に、上も下もありません」
「…そうですか」
降参、といった感じでキュリオジテは両手を上げる。
「月並みな言い方になりますが、頑張って下さい」
「承知しました」
お互いに顔を合わせて笑う。
明日に向けて休息を取る為、二人はそれぞれの部屋へと戻っていった。
―――翌朝。
エトリアの街はずれで発見された巨大な大地の裂け目。
地の底まで続こうかという深淵を思わす巨大な地下樹海の迷宮。
そのまえで一人の男が立っていた。
ゴウである。
ゴウは先ほどから迷宮の前に立ち、入り口を見つめていた。
ここに来る前の、ギルドの事を思い出す。
―――どうしても行くのかい
冒険者ギルドの長、ガンリューは身支度を整えたゴウに対して呟いた。
「かつて、な。樹海を探索する 冒険者の一団がいた。 自分たちが最強と信じ、
樹海の謎を明かそうと、 日夜迷宮に挑み続けていたんだ…」
過去を話すガンリューに、静かにゴウは言った。
「過去を振り返っても何も見えませぬ。大切なのは、自分が今何をするべきか。
そして、何が出来るか。それだけです」
己に言い聞かせるようにゴウは力強く言った。
「…すまねえな、年寄りはつい愚痴っぽくなっていけねえや。
だがこれだけは言わせてくれ、……ゴウ、生きて帰ってこいよ」
ガンリューの言葉にゴウは頷く。
「無論、そのつもりです。心遣い感謝致します」
ゴウは天を見上げて深呼吸する。空は晴れ渡って、いい天気だった。
首からさげてある御守りを握り、頷く。
「そろそろ行くか」
ゴウは執政院の依頼をはたす為、一人で迷宮へと入っていった。
―――――――――――――――――――――――――――
今回は以上です。感想レスをくださった方、ありがとうございます。
一応、次回で完結する予定です。
もうちょっとだけ続くんじゃ。
本日も大変結構なお手前で
>もうちょっとだけ続くんじゃ
今後5〜6年は連載が認識させていただきますけどかまいませんねっ!!
見えそで見えない先の展開にヤキモキするな
ラスト頑張ってくれ
乙です!
あああああーとうとうにブシ男に死亡フラグが立ってしまったorz
無事に生還してくれー
いや、これは髪の毛が銃弾を防いで生存フラグだろう
剛毛かよw
つかお守りというと下の毛なイメージがあるわけだが。
ロリメディのアンダーヘア(LUC+50)とか店に置いてくれないかな、シリカ。
ロリメディをシリカ商店に売っぱらうと申したか
存在しないモノを売る事はできない
先代店主が死んだ後、一人娘が跡を継いだシリカ商店。
材料集めもままならない中、苦心して新製品を開発した。
その名も「幸運の護符(数量限定)」、発売からあっという間に完売した一品である。
注文するとシリカが顔を赤らめて工房へ引っ込み、小袋に納められた護符をそっと手渡してくれる。
護符を手にした冒険者は、勇気とちょっとした下心を胸に迷宮へと踏み込んでいくという。
その背にまなざしを送りつつ、シリカは深いため息をつく。
「父さんの胸毛…なんでこんなに人気があるのかしら」
御守りにするために3点縛りならぬ複数個所同時攻めで昇天させたところで
「濡れた金糸」を採取するギルメン、という絵が浮かんできた
ソドのダブルアタックって、剣・斧両方振り分けてまでとるほどの価値ある?
あ、スマソ誤爆ったorz
吊ってくる
ゴウにがんばれと、そしてアンスタンに往生せいやと言いたい!
それにしても相変わらず引き込まれる分ですね!
続き楽しみにしてます!
>>52の
>出来る、出来るのだ。
で完全に頭の中がシグルイに切り替わってしまった俺自重。
>>69 おまえのせいでブシ男が隻腕のイメージになったじゃないかw
世界樹の迷宮地下16階。
ゴウはそこで魔物と対峙していた。
うごめく毒樹、毒性がある枝を刺し、冒険者が倒れた後
ゆっくりと養分を吸い取る恐ろしい魔物である。
ゴウは単身でその魔物と戦っていた。
次々とこちらに向かってくる枝を交わし
刀を上段に構える。
「ギギィッ!」
自分めがけて巨体を動かし、むかって来る毒樹。
だがゴウはそんな状況にありながらも、落ち着いていた。
戦いの最中だというのに目を閉じる。
呼吸を整え、神経を集中させる。
己の心の臓が鳴っているのがわかる。
その熱き鼓動は、心の臓を離れ、肩、肘、へと移っていき
刀をもつ両手へとむかって行く。
カッ!
両目を開き、魔物を見据えるゴウ。
すでに魔物は目前へと迫っていた。
その魔物へと、ゴウは上段の構えから一気に刃を振り下ろす。
「ブシドー奥義、卸し焔!」
ボゥッ!
「ギギギギィ!?」
斬った後から炎が舞い上がり、魔物を包み込む。
その中でしばらく毒樹はもがいていたが、やがて動かなくなった。
完全に動かなくなる事を見届けたゴウは、魔物の一部を折り取る。
あとはこれを持って帰り報告すれば任務完了である。
ゴウは一息つき、安堵の表情を浮かべる。
だが、そんな油断したゴウを衝撃が襲った。
突然の衝撃に倒れるゴウの上を、何かが覆いかぶさる。
「がはっ!」
うつ伏せになりながらも首を後ろへと向けるゴウ。
その先には、狂った眼をランランと光らせる魔物の姿があった。
「なぜ鹿が、こんな所に!?」
驚き身をよじるが、狂鹿の巨体はそうやすやすと動いてくれない。
背中越しに魔物の息がどんどん荒くなっていくのが伝わった。
振り向くと鹿の巨根が大きくそそり立っていた。
「……不覚、アッー!!」
任務失敗、樹海は今日もhage
>>71 続きだと思ってwktkしたのにw
だがGJ
樹海は今日もhageネタ 久々に見たわw
GJ
毎戦闘毎に大量の弾薬を消費する金食い虫のハッピートリガーのガン子に
遂にギルドの財布たるレンジャーズが激ギレして路地裏に拉致って
「俺たちの銃の手入れもしてもらおうか!」
とか定番セリフ吐かれてゴボゴボ逆流しちゃうくらいイマラチオを仕込まれて泣いちゃう話とか誰かでっち上げてくれよ
ガン子「これはバレル内を掃除する器具よ。
これであなた達の銃とやらも・・・うふふふ」
虚勢を張るガン子。だが悲しいかな、採掘採取伐採で鍛えた男達に
かなうはずがなかった。たちまち取り押さえられ、四肢をがっちりと
固められる。
「なめた口きいてくれたじゃないか」
取り上げられた愛用の銃で頬をぴたぴたとはたかれる。
鋼の冷たさと、これから自分の身に起こるであろうことへの恐れで
常から白い肌がさらに青ざめた。
「おれたちより先にこいつをぶち込まれたほうがいいか? ん?」
冷たい感触が頬からあごへ、のどへと滑り落ちていき
厚い服の上から乳房の曲線をなぜる。囲む男達の下卑た笑いが
ガン子の誇りを踏みにじっていく。
「どうなんだ、エースさんよぉ」
「わ、わたしは・・・」
〈省略されました。この続きを読むにはツスクルツスクルとry)
ツ…ツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクル!!!!!!
>>76 ツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツス(ry
79 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 20:59:38 ID:mJ0LLvnB
>>76 ツスクルツスクルツスクルツルツルスジクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスクルツスク(ry
何気に公式に追加されてたガンナーの別Verのロリガンナーの頼りなさが妙に可愛い。
あと、
>>76にはツスクルツスクルツスクルツスクル(ry
久々にツスクルものが投下されるのかと思って期待するだろうが
ってさっきレンが言ってt(ry
ああ〜、
>>81が三つに切断されてやがる
どうしたものか……
キタザキ先生なら……、キタザキ先生ならどうにかしてくれる!
キタザキ先生なら女体化/男体化もどうにかしてくれそうな気がした。
(あえて性転換とは言わない。)
なんならツスクルたんをふたなり化してレンを(ry
そのレンを襲うツスクルたんを後ろから鹿がアッ(ry
85 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 15:06:22 ID:Uzd1ZnAC
シリカさんを冒険者に転職させる
流れを全く読まずに投下。
B4Fの545です。続かないって言ってたけどすみません、
うっかり 続 い て し ま っ た 。
前の話は読まなくても多分大丈夫ですが、保管所No.138に。
25kb超過、後味があまり良くない路線です。
書き手の趣味と文章力の都合、何とも評しづらいエロ具合になりました。
メディ×ケミの理系カポーですが、前回同様、容姿の描写はピンボケ。
君は任意で眼鏡を脳内補完しても良く、メディを触角だと信じてもいい。
しましま靴下ショタ仕様と捉えるのも自由だが、流石にそんな猛者はいないか。
モリビトが一人、駆ける。
衣服は焼け焦げ切り裂かれ、用を成さなくなっていたが、羞恥を感じるゆとりはない。
一歩間違えば骨肉どころか、息の根が断たれるところだった。
背負った仲間は、斬り付けられこそしなかったが、胸を強く打たれたらしい。耳に届く
呼吸音は頼りなく、苦しそうに咳き込んでは呻き声をあげた。早急に手当てしなければ、
きっと命に関わる。
彼の首に回された腕も、仲間の身体を支える彼自身の腕も、炎に爛れてぼろぼろだ。
まさしく満身創痍の態で、それでも彼は走った。生きるために、仲間を生かすために、
急ぎたい、急がねばならない、そのくせ足がもつれて思うような速度が出ない。
とどめを刺そうと思えば、いくらでも出来たに違いなかった。
血の滲んだ足を、弓矢で縫い留めれば。
肉薄し、使い慣れた得物を振り下ろせば。
だが冒険者達は微動だにせず、遁走する後姿を見送っていた。
レンジャーが視線を巡らせ、新手の影がないか、他の魔物が現れないか確認する。
彼女がひとつ頷いたのを合図に、ソードマンが剣を収め、パラディンもそれに倣った。
仲間が次々と腰を下ろす中、後列に控えていたアルケミストが足を踏み出す。医療鞄に
片手を突っ込んでいたメディックは、慌ててその背に声を掛けた。
「ってオイ、怪我は!」
「ない」
振り向きもせずに言い捨てると、アルケミストは女性とは思えぬ所作でガントレットの
指を振った。さっさと仲間の手当てに戻れということだろう。今度こそスタスタと距離を
取り、つい先程までの、苛烈な白兵戦の舞台の中央で足を止める。
「うは。相変わらず据わってるっつーか、何つーか……」
ソードマンが、薄いマフラーの下で首を竦めた。
「凄いよなぁ。普通は触りたがんねぇだろ、あれ」
──あれ。
そう呼ばれた物体が、アルケミストの目前にくしゃくしゃに折れ曲がって転がっていた。
焼け焦げた紫色の布の間、突き出しているのは遠目にもすべらかな白。
ほんの数分前まで自らの意思で立ち、駆け、怒気を孕んだ瞳で冒険者達を睨んでいた。
近寄ればおそらく、樹液に似た青臭い香りがするのだろう。ヒトのそれとは異なる成分、
異なる組成の、緑色の血のにおいが。
アルケミストが身を屈める。篭手を外して傍らに置き、──
単なる死の姿ではない、何か生々しいものを見た気がして、メディックは視線と意識を
仲間達の傷へと引き戻した。
■
モリビト殲滅作戦。
そう銘打たれたミッションが彼らギルドに与えられて、早くもひと月が過ぎた。
パーティの消耗は激しく、成果は芳しくない。探索と並行する形で、モリビトに関する
分析も進めているが、このデータが生かせるようになるのは早くて10年先だろうと思う。
「相変わらず、鉄は僅少、か。……比重はヒトと変わらないのに」
手の中の沈殿管と、縞模様に染まった試薬テープ、木枠に立てた浮秤入りの試験管とを
見比べ、アルケミストは不思議そうに呟いた。
沈殿管を満たしているのはモリビトの血液だ。その一滴さえ謎に満ちているというのに、
彼らの肉体構造を把握してどうこうしようなどと、夢のまた夢だった。
ここはとあるギルドの実験室、ではなく、枯レ森の只中。回復の清水を擁する茂みを
回り込んだ裏側、風当たりの弱い位置を選んで、布の上に最低限の実験器具を広げている。
ただでさえ埃っぽい上、光源といえば小さなカンテラひとつだ。実験に適した環境とは
到底言えないが、材料の鮮度と探索の都合の帳尻を合わせようとした時、他に方法が
なかったのである。
──疲れてるのかな。
メディックはゴリゴリと、こめかみを揉んだ。
得た情報がモリビトの駆逐ではなく、医学の発展や相互理解の足掛かりとなる可能性も
あるのだ。「採血にご協力下さーい」「どうぞどうぞ」なんてやり取りがあったわけでは
ないから、それもまた夢物語ではあるのだけれど──どうも最近、思考が悪い方向に走り
がちになって困る。
いずれにせよ、この作業がミッションのクリアに貢献するものでないことには、とうに
気付いていた。
それでも前進するために手折らざるを得なかった命だ。亡骸を実験の材料に使うことを、
冒涜であると感じるか、誠実であると考えるかは人による。
メディックは職業柄、どちらかといえば後者に属する人間だった。非道に感じられても、
必要な作業には違いないと思う。──思うのだが、材料を手に取った途端、それが生きて
いた姿、生物でなくなった瞬間を思い出し、実験操作どころではなくなってしまう。
ましてや倒れ伏した死体の検分など出来はしない。検死や解剖の経験はあっても、自ら
手にかけた相手から、命以上のものを切り取るなど……要は怖いのだ。
だからこそ、以前と変わらず職務を全うしているアルケミストを恐ろしいと思う反面、
尊敬の念も抱いていた。
仲間に脅えられても、言外に人でなしとなじられても、彼女は顔色一つ変えなかった。
実験風景を目にしたレンジャーが錯乱状態に陥ってからというもの、実験を行なう際には
キャンプを離れるようになったが、それだけだ。
メディックが付き添いを拒否しても、彼女は単身作業を続けていただろう。モリビトの
二、三人であれば、大爆炎の術式一発で片付けることができるのだから、護衛など居ても
居なくても同じだ。多少の傷は負うだろうが、メディカIV一つで事は足りる。
みんなの方は平気かな。メディックは砂色に煙る闇を振り返った。優秀な攻撃手が二人、
パラディンには応急処置の心得もあるから、安全度は自分達よりも高いはずだが。
思索に耽っていたアルケミストが、不意に顔を上げた。
「終わる」
「おっけ」
最低限の言葉を交わし、後片付けを始める。
万が一に備え、アルケミストは左腕に術式起動のためのガントレットを着けたままだ。
その左手で沈殿管を固定し、手袋に包まれた右手で器用に封を施す。メディックが隙間を
縫う形で、必要に応じて紐や緩衝材を差し出し、記録用紙を畳む。
敷いてあった麻布で器材を包んでしまうと、急ごしらえのラボはただの砂地へと戻った。
荷物を胸に抱え、いつでも立ち上がれる姿勢で、アルケミストがぽつりと問う。
「戻るか?」
じとりと昏れた上目遣いの視線は、以前の彼女が決して持ち得なかったもの。
メディックは遠回しな誘いに気付かなかったふりをしても良いし、仲間の元に戻るべき
だと彼女を諌めることもできた。
そうするだけの余地は、残されていたはずだった。
彼は、返事をしなかった。カンテラを置く。アルケミストの腕からも荷物を取り上げ、
傍らの地面に下ろした。
何度やっても、最初のキスだけが上手くいかない。
今日は顔を傾けるタイミングが合わずに、鼻をぶつけた。
彼ら二人の関係を、言葉で説明することは難しい。
ただ初回の成り行きに関して言えば、メディックに選択の余地はなかったと断言できる。
思い詰めた表情の女性に迫られる。ここまではまだ良いとして、起動済みの錬金術炉を
首筋に突きつけられて頷かない男は居ないだろう。
その後の数回は、いわば流れとなし崩しで。
二度目のキスは上手く出来た。相手の頭を抱き寄せ、口蓋のざらりとした感触を味わう。
行為が呼吸を妨げるほどの濃密さを持つ前に、アルケミストがやんわりと身を引き剥がし、
立ち上がった。
枯れ木の一本を背に負って、衣服を寛げる動作が、奇妙に板についている。
実験を続けているのも、キャンプを離れるのも、半分はこれが目的なのだろうと思う。
もちろん口に出したことはないが。
ほどなく上着の合わせ目から、木蓮の花のように白くまろやかな肌が覗いた。淡い色の
下着に包まれた膨らみはささやかで、滑らかな幹にほとんど影を落としていない。
女性的なふくよかさとは対極に位置する、透き通る氷柱を思わせる身体。
何も言わずに眺めていると、アルケミストが枯木の幹に背を預け、小首を傾げた。
「……どうぞ」
平時の彼女とは懸け離れた、媚びを含んだ仕草、目線。細やかさを感じさせる手つきで、
音もなく着衣の前を開いてみせる。
──この場所が日常から切り離されていることを、思い知らされる。
メディックは砂地に膝をついた。橙色の小さな灯りひとつでも、目の前に晒されている
ものの美しさは見て取れたし、理解できた。
レースを重ねた包装を、そっと剥がしてやる。
見た目と大きさで近いものを挙げるなら、小ぶりの白桃だろうか。素手で皮を剥いて、
瑞々しい果肉を真っ二つに割って並べれば、ちょうどこんな感じだ。先端だけがくっきり
紅色に縮こまっていて、何だか申し訳なさそうな様子だった。
白い果皮に透けて見える血管を、舌先で辿る。二つある膨らみの一方をあえて無視して、
ゆっくりとゆっくりと、皮膚の下に詰まっているものを確かめる。
柔らかく逃げる脂肪は薄く、貧相、と言ってもいいくらいだ。だがメディックは、この
感触が嫌いではなかった。強張った筋肉、とくとくと速い脈動──生きた肉がみっちりと
詰まっている。男の肉体には宿り得ない、不思議な弾力、しなやかさ。
絞り込まれた脇腹に腕を回し、伸び上がるようにして乳房を押し上げ、舐め上げる。
まだ柔らかい先端を、甘く噛んで引っ張る。いつの間にか頭を包み込んでいる腕の重み、
髪に差し込まれる鋼の冷たさが快い。
シャツの内側へと腕を伸ばし、背筋を撫で上げてやると、頭上で「ひ」と息を呑む音が
した。アルケミストの爪先が逃げるように浮き立つ。
メディックの唇はなだらかな丘を降り、肋骨の存在を確かめ、柔らかな鳩尾へと至った。
そうしながら、目の前の躯幹に腕を絡めることも忘れない。脇腹を撫で回し、臍にキスの
雨を降らせる。所々で指に引っかかる傷痕は、冒険者の宿命のようなものだ。
しばらくすると、深々とした溜息の音が聞こえてきた。
「楽しいか?」
「うん」
即答する。嘘ではなかった。適度に温度の低い肌は、幾ら触っても飽きが来ない。
「って」
くい、と後頭部の髪を引かれ、メディックは顔を上げる。
「何?」
「……」
アルケミストは唇をへの字に曲げているだけで、何も言わない。
それでも察しはついた。この位置からだと、先ほど舌で嬲った胸の先、ツンと上向いて
いる様子がよく見える。触れずに置いたもう一方も、同様に枯れた天井を仰いでいる。
丘の上に連なる、首筋から顎へのライン、黒髪に縁取られた美貌と、切なく潤んだ瞳。
悪くない眺めだ。
彼女の主張に構わず、脇腹の白い傷痕に指を這わせる。施した処置は適切だったらしく、
肉の盛り上がりも日に日に薄くなっているようだった。
掌を当てて暖めるように撫でてやると、腕の中の身体は小さく震えた。ぴくん、と背を
伸ばす、些細だが不自然な動き。
意識して掌を滑らせると、アルケミストは今度こそ低く呻いて、メディックの頭を抱く
手に力を込めた。
柔らかい腹に頬が沈む。ちろりと臍の縁を舐めると、面白いほど腹筋が痙攣する。
触れるだけの行為が、無性に楽しい。こうしている時の彼女は、愛しむ対象として充分
過ぎるほどの魅力を有していた。
無論普段から、アルケミストは秀麗だ。顔立ちは言うに及ばず、冒険者とは思えぬほど
常に身綺麗で、手足は遠目にもすらりと長い。ともすれば暑苦しいばかりの厚いコートも、
凛と真っ直ぐな背筋、細い腰のラインの演出に一役買っている。
ただしそれは、鑑賞に値する芸術品としてのこと。不用意に触れるものを切り裂く──
実際彼女は、立ち塞がるもの全てを焼き捨てて来ている──、刃の美しさ、威圧感。
メディックの目の前に在るのは、それとは別のものだった。氷柱のように鋭く尖っては
いるが、今にも折れそうで危うい。暖め過ぎれば溶けて消えそうな、この身体のどこから
あれだけの存在感が出ているのか、こうして触れていると不思議に思えてくる。
彼女は無闇に声を上げない代わりに、至極──少なくとも性的な刺激に対して、素直で
敏感だった。メディックが与えるものの一つ一つに、健気なほど身を震わせ、息を吐き、
反応を返す。無駄口を叩かない素っ気無さや、勝気な言葉の選び方だけが普段のままで、
それがかえって可愛らしい。
こちらを見下ろす瞳は、既に鋭さを失い、とろりと熱っぽく潤んでいる。
そしてメディックがその気になれば、彼女を更に蕩けさせることも出来るのだ。
ぞぞ、と冷たい喜悦が背筋を走った。
実用一点張り、色気のない濃色のズボンを引き下ろすと、打って変わって淡い色合いの
下着があらわになった。細いクロッチの部分だけが、ハッキリと色を濃くして光っている。
アルケミストが湿った息を吐く。愉悦と、薄い自嘲の入り混じった声。
「充分、だろう?」
「うん。……でも、もう少し」
彼女が自信ありげに振舞っている時こそ実は信用ならないのだと、メディックは比較的
近い過去の経験から学んでいた。
初めての時はそれで酷い目に遭ったのだ。──主に、アルケミストが。
行為の始まった時から、手つきが覚束ないな、とは思っていた。篭手に妨げられていた
せいもあるだろうが、他人の衣服をいじることに慣れていない様子だった。
それでも彼女は躊躇せず、メディックの──男の触れて欲しい箇所に的確に触れてきた
ものだから、房事の心得はそれなりにあるものと思われた。
犯されて彼女の気が済むなら、それもいいか。
そうして黙って砂の上に仰向いていたメディックが、異変に気付いた時には、事は既に
取り戻せなくなっていたのだ。
ひび割れたアルケミストの声が、耳に届いて。
先端に感じた、引っ掛かるような違和感。
メディックの目の前で、細い身体がくの字に折れた。胸に置かれた手に、力が篭もり、
砂地に滑り落ちる。
身体の重みに任せて強引に穿った結果が、細い緋色の筋となって目に映った。
慌てて肩を支えたが、その行動に如何ほどの意味があったのか、思い返せば怪しい。
痛いだろう、苦しいだろうという思いが胸を衝いた。アルケミストが堪え切れず漏らす
声も、吐き出される息の苦しそうな重みも、怪我の痛みに耐える時のそれそのものだった。
覗き込んだ顔には脂汗が浮かび、くっきりと美しい眉が痛々しい角度に歪む。
緊張にこわばり、硬くなった粘膜の感触。
この瞬間、その痛みは、愛しい人の腕の中で迎え、耐えるものであるはずなのに。
そう考えて、ただ悲しくなったのを覚えている。気付けなかった自分を責めさえした。
アルケミストは単に盛っていたのではなく、追い詰められていたのだ。
不器用なりに実直な性分の彼女が、仲間の首に凶器を突き付けることも厭わないような、
ささくれた精神状態に陥っていたのだと、押し倒された時に気付くべきだった。
抱くことを拒めば、アルケミストは別の手段を探したかも知れない。だが、その手段が
利口であるとは限らない。仲間内で新カップルが成立する程度なら一向に構わないのだが、
もっと悪い選択肢も無数に用意されていた。
それなら自分の手元に留めておいた方が、まだ安心できる、というのが、メディックの
下した結論である。彼女を受け止めるほどの度量はないにしても、少なくとも彼女の体を
気遣うことはできる。
その後も何度か体を重ねてみて分かったのは、彼女が濡れやすくはあるが、固い肉体の
持ち主だということだった。解してやらないことには、どうにも都合が悪い。
分泌される液体からして、水のように薄いのだ。雫になって垂れ落ちそうなほど下着を
濡らしていても、肝心の体内からは綺麗さっぱり流れ出てしまっている。今挿入すれば、
内部の凹凸やひだの存在、ひきつれる感触まで明瞭に感じ取ることができるだろう。当然、
痛みも与えてしまう。
それを避けるためには、いま少しの時間と愛撫が必要だった。
「駄目かな?」
「構わない、けど」
落ち着かない、とアルケミストは呟く。
「私だけがいい目を見てるようで……」
「好きでやってるんだ。だから気にしない」
居心地悪げに閉じ合わされる膝の間に割り込みながら言う。アルケミストは何度か唇を
開いたり閉じたりした末、適当な言葉が見つからなかったらしく、
「……お前、案外変態だよな」
搾り出された科白はそれなりに酷いものだった。耳を赤く染めて唇を尖らせているので
なければ、さしものメディックも多少の精神的ダメージを被っているところだ。
手早くアルケミストの脚甲の一方を外し、ブーツとズボンを一まとめにして抜き去る。
すらりと長い脚の付け根に、面積の小さい下着だけが残される。レースのあしらわれた
愛らしいもので、珊瑚色をした繻子のリボンが白い肌に映えた。
それ自体は清楚さを主張するデザインなのだが、垂れ下がっている上着やシャツの裾、
広がりつつある液体の染みの淫靡さを掻き消すには至らない。
微かな抵抗を示す太ももを押し開き、露の浮いた表面に舌を這わせる。
「うわ?!」
下着に手を掛けていたアルケミストが、色気のいの字もない、素っ頓狂な声を上げた。
「なっ、何してるんだお前!」
「何って、せっかく可愛いの履いてるから」
彼女が機能性度外視の下着を着けているなど、メディックの知る限り、初めてのことだ。
剥き出しになった脚を自らの肩に押し上げ、強引に奥へと割り込む。頬を撫でるのは、
柔らかな内股の肉。根元だけがほの暗い紅色に染まり、それより一層強い緋色が、濡れた
薄布越しにも透けて見えた。
「脱がせるのも、ほったいない、れしょ?」
「わ、ちょっ、待ッ」
アルケミストの身体が、木の幹に沿って滑る。乾いた金属音がしたのは、篭手で枯木を
掴んだのだろう。そうでもしなければ、片足で立ち続けることなど出来はしない。
下着と肌との境目を、メディックは丹念に舐めた。ぽってりと膨らんだ肉の表に口付け、
布の端の縫い目を舌先でなぞる。
「や、だめ、ばか汚すなッ……」
メディックは構わず舌を蠢かせる。布を押し上げ、溢れ出るものを掬い上げる。
汚すなと言われても、下着は既にびしょ濡れだ。今更唾液を塗り込めたところで大差は
ないだろうし、当のアルケミストも本気の拒絶をしていない。少しずつ息を荒げている。
「ね、が……」
それでも蚊の鳴くような声が降ってきて、何か伝えたいことがあるのだと分かった。
メディックが唇を離してからもしばらく、細い呼吸の音が連なる。
言葉を発するまでに時間を要したのは、しかし、呼吸の乱れだけが理由ではなかった。
気まずそうに口元を手で覆い、アルケミストはもごもごと言った。
「その……値が、張ったんだ。結構。だから……」
彼女の言い回しを理解するまでに、幾分時間が掛かった。言葉の意味を悟り、ぶは、と
吹き出すメディック。紅潮していたアルケミストの頬が、一段と赤みを増す。
「わ、悪かったな、貧乏性でっ!」
「いや、そこじゃないから。……下着、わざわざ選んで来てくれたんだ?」
指摘すると、アルケミストは今度こそ絶句してしまった。目尻には涙まで浮かんでいる。
日頃の彼女を知る身としては、これはかなり、面白い──が、少々苛め過ぎた感がある。
「次の酒の席、奢るよ。それでいい?」
「……駄目、と言っても無駄なんだろう」
アルケミストは複雑な表情で言い捨てた。
冒険者になりたての頃と比べて、彼らが飲む酒の量は格段に増えた。味をしめたと言う
よりも、それが無くてはやっていられないような──支払う代金も下着の一枚二枚という
次元ではなくなりつつあるのだが、そこには目を瞑ることにする。
メディックは改めて、目の前でよじれている箇所に手を触れた。ぴたりと指先が濡れる。
そのまま楽器を爪弾くように指を滑らせ、浮き立った腱、筋肉の峰をなぞる。
小さい両の膝頭を掌で包むと、そこは意外にも冷たかった。
唇で触れた脚の付け根との温度差に、驚く。
下着はとうにアルケミストの一部だった。苔を濡らす湧水のように溢れ出した液体が、
皺に沿ってじわじわと垂れている。
舌で弄っても鼻を埋めても、抵抗はなかった。アルケミストは感じ入るように目を閉じ
──単に見たくないだけかも知れなかったが──、させるがままになっている。音を立て
啜り上げるくらいのことをやれば、話は違っただろうが、この上彼女を恥ずかしがらせる
必要もないだろう。
滑らかに張り詰めた太ももをまさぐる。戦闘の際に膂力を求められるような役回りでは
ないとはいえ、樹海の過酷さに鍛え抜かれ、しなやかな筋肉を纏っていた。力が篭もって
硬くなったかと思えば、海綿のように柔らかく解ける。その変化が、メディックが与える
刺激にきっかりと連動している。声がなくとも、彼女が感じてくれているのだと分かる。
やがて潮めいた匂いの満ちた秘部に、濡れた土のような、別の香が漂い始めた。液体の
流れが止まる。そろそろか、と下着の横から舌の先を差し込むと、今まで垂れ流していた
ものとは全く異質の、ぬたりと濃いものが触れた。
「うぁ……!」
肩に預けられていた脚が浮いた。素足の踵に背中を蹴られた。鈍い音がしたのは、頭を
木の幹にぶつけたのだろう。
コブになったら可哀相だな、と暢気なことを考えながら、メディックは腕を伸ばした。
背丈相応の体重を持つ彼女を、受け止めることなど出来はしない。崩れそうになる身体を
木の幹に押し付け、肩で体重を引き受けてやるのがせいぜいだ。
そうしながら自分のコートの裾を引き上げ、濡れてしまった頬や鼻をごしごしとやる。
枯木に凭れて息を整えるアルケミストの姿が、妙に頼りなく見えた。切れ込んだ目尻を
熱に潤ませ、唇から懸命に息を逃がす──凄艶と表現するに相応しい光景のはずなのに、
恨みがましくメディックを見下ろす瞳は幼い。
「もしかして今の、イッた?」
「……ここまでしなくても、良かった」
はぐらかして否定しているのか、遠回しの肯定なのか、分かり辛い返事だった。
「敏感過ぎる君が悪い。俺だって単に準備のつもりで──」
砂上のブーツに担いでいた片足を降ろし、立ち上がる。
「脱がすよ?」
アルケミストは声もなく頷いてみせた。
汗の浮いた太ももに沿ってショーツを滑らせる。肩に残された上着の裾も、押し潰され
濡れそぼった茂みも、露わになった箇所を覆い隠すには至らない。
慎ましい所作で片足を引き抜いた彼女が態勢を整えるのを待たず、剥き出しの太ももを
抱え上げる。衣服の戒めを解いた途端、準備万端とばかりに飛び出してくる自分自身が、
少々情けなく感じられた。──随分前から窮屈だと喚いていたから、仕方がないが。
先端を宛がい、粘膜の表を滑らせる。流れ出る液体はいくらかの粘度を持って絡み付き、
男性を受け入れる準備が既に整っていると知らせていた。
「んん……」
緩やか過ぎる接触がもどかしいのか、アルケミストが身じろぎした。
思い切って、一息に押し入る。
小さな悲鳴が耳を打つ。
だがその声に、痛みの色はなかった。熟した肉はきめ細かな泥のように衝撃を受け止め、
逆に呑み込もうと食らい付いて来さえする。
熱にぬかるんだそこを、擦り立て、抉る。遠慮は既に無用のようだった。
メディックの肩におとがいを預け、アルケミストは浅く喘いだ。粘っこさを感じさせる
水音の合間に、一生懸命に息を吸う。
動きが乱れ、肩や胸がぶつかり合った時にだけ、か細い声が耳まで届く。
そうしてようやく、欺瞞に気付かされる。
気遣ってやりたい、大事にしてやりたいというのは、単なる建前で。
今までの労わり愛しむような──じゃれるような行為の全てが、この時のための準備に
過ぎなかったこと。己の手を突き動かしていたものが、彼女という人格への好意ではなく、
彼女という物体への執着だったことに。
最初から、そうだった。
メディックは突然に理解する。
探索は遅々として進まず、ヒトに似た異種族との戦闘を繰り返し──そうした現実を
乗り切るために、ほんの一時でもいい、何も考えずに精神を休める時間が必要だった。
だから、自分にとっても都合が良かったのだ。押し倒された、誘われた、そんなものは
言い訳と切欠に過ぎなかった。アルケミストは目眩ましとして、充分過ぎるほどの眩さを
持っていたから、それを利用しただけなのだ。
思考を真っ白にできるのなら、相手が誰であれ、方法が何であれ、構わなかった。
忘れたいのは、きっと彼女も同じだ。あるいはメディック以上に。
彼女が具体的に何を思い行動を起こしたのか、それは知らない。けれど、気付いている。
他人の肌を求め、そうして埋めなければならないほどの深い傷が、アルケミストの中にも
確かに生じている。
前進を諦めれば、彼らは無事で済むかも知れないが、ミッション自体は別のギルドに
託されることになる。後続の連中に同じ目を見せたいのか、と忌々しげに言ったのは、
他でもないアルケミストその人だった。
傷から目を逸らし、痛みを忘れたところで、出血が止まるわけでもないのに。
分かっているのに、手当てもできない。現実と向き合うだけの強さもない。
結局のところ、これは自慰だ。互いの身体を借りて行う、二人がかりの自慰。
終わった後には空しさと虚脱感しか残らないと分かっている。行為の最中でさえ、常に
ぼんやりとした罪悪感に苛まれる。
無意味な行為に耽って、そんな自分に嫌悪を覚えて、余計に傷付いて。
傷付く恐怖から目を逸らすため、一層深く没頭してゆく。
──くそ。
苛立ちがメディックの胸を灼いた。背に回された腕が突然に重く、厭わしく感じられる。
指はコートの生地を手繰るばかりで、メディックの身体に掴まろうとはしていなかった。
脚だけが別の生き物のように、器用に彼の腰に絡み付いている。
乱暴に身体をもぎ離す。脅えと、それ以外のものを孕んだ瞳がメディックを見上げた。
引き抜く瞬間、長い睫毛が蝶のように踊る。
「後ろ、向いて」
「ん……」
思考しているのかと疑いたくなるほどの素直さで、アルケミストは身を翻した。
背後から貫くと、唇から、くぁ、と声とも吐息ともつかない音を漏らす。
枯木を擦る鋼の指。甲高い音が、耳に障った。
まくれ上がった上着の裾から、シャツの布端がはみ出している。甲虫の後翅によく似た
その下に、すんなりと白が伸びている。結合部だけが尾篭な色を醸していて、異質だった。
アルケミストの背に覆い被さり、開け放たれた上着の前に手を這わせる。臍をくすぐり、
張り詰めた胸の先端を摘む。薄いふくらみに指を食い込ませる。
「っ……ぅ、あ」
上半身を逸らして、アルケミストは逃げた。腰が捻られ、きゅう、と締め付けられる。
持って行かれそうになる、その感覚を息を止めてやり過ごし、メディックは更に深くまで
突き進もうと躍起になった。
わだかまった感情に任せて、アルケミストの胸を抱き肩を掴み、厚い布に覆われた体を
引き寄せる。幾度も腰を打ち付ける。
身体がぶつかり合うごとに、押し出される息の音。押し殺した声。
アルケミストの爪先が、砂の上を滑った。枯木に縋って身体を持ち上げたかと思うと、
メディックの動きに合わせて、自ら腰を打ち付けてくる。
彼女だってこの行為を求め、貪っている。淫楽と共に一時の忘却と安息を得る、言わば
共犯者。それ以下ではないが、決して「以上」でもない女性。
「ど、した?」
意味のない音の合間に、不意に言葉が混じった。身体が強張る。
「……いや」
何でもない、と言外に付け足す。アルケミストは「そうか」と頷いただけで、それ以上
深く追求して来ようとはしなかった。代わりに急かすように、細い腰をすり寄せてくる。
いけないな、とメディックは頭を振った。
忘れるための行為だというのに、何故余計なことを考えているのか。
「何でも、ないよ」
改めて声に出す。返事の暇も与えずに、奥深くまで突き込んだ。
舌でも噛んだのか、アルケミストが「ぁが」と妙な声をあげる。
■
あやまりたい、な。
アルケミストはぼんやりと目を開く。
自分の手が、鋼と革に包まれた両手が、枯れ木の幹に食いついている。
背中から伝わってくる律動ごと、視界が揺れ、声が漏れる。
夏の匂いがする。枯れ果てた森に不似合いな、草木の命の匂い。
ころしたくなんかなかった。しりたいわけでもなかった。
それでも殺す必要があって、知る必要があった。
だからそうした。
そんな物分りの良さが、己の孤独を掘り下げ、苦しみを助長した。理解しているのに、
与えられた役割を投げ出せない。
いのちをうばってごめんなさい。あなたたちのからだを、きりとって、ごめんなさい。
あやまりたい、こわい、にげだしたい──だれかに、ゆるしてほしい。
どの手を下げて、誰がそんなことを言えるのだろう。緑色の血の匂いが、革の手袋には
すっかり馴染んだ。前に進めば進むほど、深く潜るほど、匂いは強さを増してゆく。
木の幹に擦り付けた頬が、熱くて冷たい。濡れているのだと気付く。自分が泣いていた
ことにも、少し遅れて、気付く。
そんな人間じみたことをする資格は、きっと、もう、ないのに。
それでも諦め切れなくて、せめて分かってもらいたくて、肌から伝わるものに賭けた。
そうして得られたものは、この身が彼を欲情させ得るという事実。肉に根差した快楽。
──切望した何かは、手に入らなかった。
だが賭けに負けた痛みは、期せずして彼女への罰となった。罪を贖えるような、そんな
錯覚を与えてくれた。
「もっと……、もっと痛く、してっ……」
掠れた言葉に応えるように、メディックの動きが激しくなる。胸に回された腕、乳房に
食い込む指に力が篭もる。
肉体的な痛苦など、微塵も感じさせない力加減。
胸が苦しい。反吐が出そうだ。
こんな時にまで優しくしてくれなくても、いいのに。
下腹に意識を集める。精一杯に通路を狭める。自分自身の内側から、じわりと染み出る
熱の感触。その中にあって決して溶けない、楔の形をありありと感じ取る。
欲しかった。彼が欲しかった。でも、欲しかったものは、これではなかった。
「んあ、あ……っ」
「く、ぅ……!」
肩を抱く手が強張った。彼の呼吸が一瞬詰まり、重く耳元に吐き出される。
嬉しい。この貧相な体が、せめて彼の役に立てれば、嬉しい。嬉しくて、苦しい。
乳白色に蕩けた頭で、メディックの動きを読む。どこにどう触れたいのか、どう動いて
欲しいのか、一心に理解しようとする。
壁を擦られたのなら、より摩擦が強まるように。
激しく突かれたのなら、より深くまで迎えられるように。
声をあげて、身を捩って、腰を突き出して、搾り上げて、応える。
「まだ、ぁ、まだ、なの、もっと、もっとぉ……ッ」
──もっと、罰を。人ではなくなる惨苦を。忘却のための便利な道具、肉欲の捌け口に
成り下がる苦痛を。
破瓜の時に与えられた、あの痛みが恋しかった。
背中に感じる、熱、吐息。独占できるだけでも、今の自分には過ぎた幸福なのだから。
弱音を吐けない唇が、だらしなく開く。泣き声の代わりに嬌声を放つ。
無様だと、思う。
枯木を抱くしかできない腕も。砂の上で痙攣する両足も。
抱かれるための媚を纏う、声も。体も。あるいは、心さえ。
「ぁ、ぎゅうって、して、こわ、して……!」
押し潰されそうな強さで、上体を抱き締められる。体内で爆ぜる感触が、遠い。
力を篭められ熱を注がれ、息が止まる。肩が折れる。背骨がひしゃげる。臓腑が燃える。
──全て錯覚なのが、残念だった。
ころ、して。
唇だけで言った言葉は、彼の耳には届かない。
95 :
87-94:2007/12/09(日) 20:48:36 ID:PlXpwdwo
以上です。
前回半端に小出しにしたせいで逆に苦闘する羽目になったり、
直接的表現に対しては全力パリングしてみたりで、
もう自分ではエロパロだか何だか分からなく……
読み辛かったりしたら、それも併せてごめんなさい。
これを書くにあたって、イメージの核になったイラストがあります。
描いて下さった絵師様ありがとう。
あとあんまり出せなかったけど、アタノールは俺の嫁。
いやいや、続きがあるならあるで待ってましたぜ!
ここまで書いたんだったら、コトの顛末までもを是非是非是非。
>>95 なんつうものを書くんだ貴方は……
GJです
確かに普通やっていけないよな、モリビトとは
実際、人を殺してるのと変わらないし
この二人はいったいどんな結末を迎えるんでしょうね
>>95 もっと読みてえと思っていたら、神に願いが通じたよ! GJ!
不器用で痛そうで可哀想だが激しく萌えた。
モリビト絡みは、どこも切ないよな……
また気が向いたら、この続きを見せて下せえ。
眼帯レンの話が読みたいぜ……
それもラブラブものが。
俺はレンのラブラブな話が読みたい
想像できないけどな!