らき☆すたの女の子でエロパロ23

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1名無しさん@ピンキー
アニメも好評のうちに終了し、原作も大好評連載中の「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。

☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること

※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。

マターリはぁはぁしましょうか。

☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html
☆派生サイト:てけてけかなたさん伺か化計画
ttp://neo-experiment.hp.infoseek.co.jp/index.html
☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ22
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193390398/
2名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 18:12:12 ID:goeIy7py
>>1
あ、3年B組ぃ〜、>>1乙せーんせーい!!
3名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 18:15:51 ID:JGku0iwS
>>1乙! おつおつ
4名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 18:57:40 ID:edflihyC
>>1
乙なのですよー。さらなる繁栄をー!
5名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 19:03:24 ID:ILqociPY
>>1
乙、さあ始まるざますヨ
6名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 19:09:25 ID:G6eaVDeH
>>1
いくでがんす
7名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 19:25:24 ID:hU8/K+kc
>>1乙ンガー
8名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 19:32:29 ID:d49Ss4vn
>>1乙〜

早速、SS投下したいなーと思ってるんだけど、スレ立ったばかりだしもうちょっと待ってからの方がいいかな?
9名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 19:39:18 ID:grJoIhQW
>>8
私でしたらお気になさらずに
>>1乙のレスもありがたいですが、それだけでスレが埋まってしまったら本末転倒ですのでw
(この勢いなら本来大丈夫ですが)即死回避にもなりますし
10名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 19:53:37 ID:hLNe6ngJ
>>1
>>8おまちしてます。
11名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 19:54:12 ID:eqvtzeU1
>>1乙!

>>8wktk
12名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:01:31 ID:d49Ss4vn
それでは投下させていただきたいと思います。


今回はちょっと趣向が変わったモノで、ミステリモノをやってみたいと思います。
ミステリとはいえ、死人とか鬱展開とかは一切ありませんので、みなさん安心してご覧下さい。

あ、もし真相がわかったとしても、ネタバレはしないようにお願いします……
13名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:03:24 ID:d49Ss4vn
あと、相当長い(約40KB)と思いますが、最後までお付き合い頂けるとありがたいです。
今回は問題編です。
14名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:04:54 ID:d49Ss4vn
秋ですね。
秋と言ってもいろいろな秋があるよね。スポーツの秋とか芸術の秋とか。
んー……でもやっぱり私は食欲の秋かな。
秋はなんでもおいしいから、ついつい食が進んじゃって……
……みなさんもそうじゃない?
けど、いくら食欲の秋とは言ったって、食べ過ぎには注意しなくっちゃね。
そう、特に「みんなのモノ」は…………






========================

「誘惑」〜問題編〜

========================





「それっ!2よ!これでどう!?」
「甘いね。かがみん。実はまだジョーカー持ってたんだよねぇ」
「そ、そんな〜……また大貧民か……」

それは秋も段々深まった、とある休日のこと。
この日、泉家にてささやかなハロウィンパーティーが開かれていた。
……とは言え、もうとっくにハロウィンなんか過ぎてる。まあ、ハロウィンと言っても、それは単に集まる為の大義名分にしか過ぎない。
パーティの参加者のうち、誰も仮装なんかしてないのでも、それが解るってこと。
15名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:06:43 ID:d49Ss4vn
↑すみません、これはミスです……これから書きこむ方でお願いします。
16名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:07:40 ID:d49Ss4vn
みなさん、どうもこんにちわ。柊かがみです。
秋ですね。
秋と言ってもいろいろな秋があるよね。スポーツの秋とか芸術の秋とか。
んー……でもやっぱり私は食欲の秋かな。
秋はなんでもおいしいから、ついつい食が進んじゃって……
……みなさんもそうじゃない?
けど、いくら食欲の秋とは言ったって、食べ過ぎには注意しなくっちゃね。
そう、特に「みんなのモノ」は…………






========================

「誘惑」〜問題編〜

========================





「それっ!2よ!これでどう!?」
「甘いね。かがみん。実はまだジョーカー持ってたんだよねぇ」
「そ、そんな〜……また大貧民か……」

それは秋も段々深まった、とある休日のこと。
この日、泉家にてささやかなハロウィンパーティーが開かれていた。
……とは言え、もうとっくにハロウィンなんか過ぎてる。まあ、ハロウィンと言っても、それは単に集まる為の大義名分にしか過ぎない。
パーティの参加者のうち、誰も仮装なんかしてないのでも、それが解るってこと。
17名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:08:23 ID:d49Ss4vn

「ほら、かがみカード配って〜」
「はいはい、解ったわよ」
こなたから手渡されたトランプのカードを慎重に切っていく。
パーティーの前座ということで大富豪をみんなでやっているんだけど、私はこの勝負で十二回連続大貧民という屈辱的な大敗を記していた。
なんとかこの連敗を止めたい。そういう訳で、トランプを切る作業もかなり慎重なものになる。

五分経って峰岸に、「柊ちゃん、そこまで慎重にならなくても……」と言われるまで、私はずっとトランプを組んでいた。
確かにそうなんだけど、こっちだって十三回の大貧民になる訳にはいかないのよ。
組んだカードを順番に配っていく。
こなた、みゆき、つかさ、峰岸、日下部、ゆーちゃん、みなみちゃん、そして私の八人。
この八人が今日のパーティーに参加するメンバーだ。
あと、田村さんも来る予定らしいけど、アニ研の打ち合わせがあって遅れてくるらしく、今この大富豪大会の場にはいない。
しかしまあ、みんなよくこれだけ集まったもんだわ。揃いも揃って暇なのかしら。……私も人のことは言えないけど。
カードを全て配り終わり、少ない自分の手札を確認する。八人もいるので、一人の手札の枚数はせいぜい六、七枚にしかならない。
つまり、戦略うんぬんよりこの最初の手札の強さで勝敗があらかた決するわけ。
私の手札は5、6、8、9、10、2、ジョーカー。
うん、この手札なら頑張れば平民くらいにはなれるかも。

どのタイミングでジョーカーを使おうかと考えていたその時、
「おい、柊、カードよこしな」
という大富豪、日下部の非常に憎たらしい一言でこのゲームにおけるカード交換を思い出さされた。
2とジョーカーは無残にも日下部の手に渡り、私には3と4という、どうしようもないヘボカードが回される。
絶対王政社会に置ける理不尽さというものは、こういうことをいうのだろうか。

一番強い手札が10ではロクに戦うことも出来ず、かくして私は十三回目の大貧民となった。トホホ……




いろいろとあった大富豪も一段落ついて、雑談タイムに突入する。
「それにしても、日下部先輩って大富豪強いんですね〜。ほとんどトップを維持してましたし」
さっきの大富豪の結果を振りかえり、ゆーちゃんは少し尊敬したように日下部に言った。
「へへーん、どんなもんだい!柊はずっとド貧民ばっかだったけどな!」
「かがみんは悲しいくらい弱かったよね〜」
「あんただって、ほとんど貧民と平民を行き来したクセに」
こなたはともかく、日下部め、覚えてなさいよ。今度パズルゲームでボッコボコにしてやるんだから。
みんなで話し合あって盛り上がっていた時、
「ところでつかささん、もうすぐパイが焼きあがるんじゃないんですか?」
と、思い出したかのようにみゆきが言った。
「あー、そう言えばもうそんな時間だね」
つかさがのんびりと答えた。

みゆきが言ったパイというのは、つかさが作っているアップルパイのことだ。
一時間ほど前に生地は既に出来あがっていて、今は一階のキッチンにあるオーブンで焼いている最中。
焼きあがったらパイを食べながら、わいわいがやがやと、お喋りして過ごすというのが今日のメインイベントだ。
18名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:09:27 ID:d49Ss4vn
「一時間くらい焼けば出来あがるんだっけ?」
今度はこなたが尋ねた。
「うん。そうだよ。焼き始めたのが丁度一時だから……あと五分くらいかな」
私は壁にかかった時計を見た。現在、一時五十五分。つかさの言うとおり、あと五分ほどで二時になる。
「あ、すみません、私ちょっとトイレに行ってきますね」
突然ゆーちゃんは立ちあがって、部屋を出て行った。すぐに部屋の外から階段を降りる音が聞こえてくる。
泉家のトイレは一階にしかないので、階段を降りないと行くことが出来ない。
昼間はいいけど、夜だとこの音は怖そうね。

「柊の妹のパイかぁ……きっとおいしいんだろうなぁ」
日下部がため息をつくようにして言った。
「あれ、みさきちってつかさの作ったお菓子、食べたことないの?」
「うん、ねーな」
「実は私も食べたこと無くて……」
おずおずと峰岸も手を挙げた。
「うそっ!ホントに?……じゃあ今日はきっと二人ともつかさのお菓子のおいしさにきっと卒倒するに違いないね」
「こなちゃん、そんな大げさに言わないでよ〜」
つかさは顔を真っ赤にした。
「つかささん、決して大げさなんかじゃありませんよ」
みゆきが急に会話に割りこんできた。みゆきが話に割って入ってくるなんて珍しいわね。
「私、恥ずかしながら初めてつかささんの作ったクッキーを食べさせていただいたとき、あまりのおいしさに我を忘れて、何度もおいしい、おいしいと叫んでしまったんです。
フランスの一流のパティシエが作るモノにも匹敵するくらい……いえ、それ以上かもしれません。大げさなんかじゃなくて、それくらいつかささんのお菓子の味は絶品なんです!!」
みゆきは顔をほうけさせて言った。
みなみちゃんも、こなたもみゆきの話を聞いてうんうんとうなずいている。
「……私も、つかさ先輩のお菓子を初めて食べたとき、あまりにおいしくて顔が緩んでしまった」
つかさのお菓子を食べて顔を緩ませるみなみちゃん……うーん、見てみたい。
そう思っていると、部屋の外の階段からギシギシといった音がした。ゆーちゃんが帰ってきたのかな。
「急に席をはずしてごめんなさい」
思ったとおりだった。ゆーちゃんが扉を開け、部屋に入って来た。
トイレに行ったぐらいなのに、きちんと謝りを入れるのが礼儀正しいゆーちゃんらしい。
「みんな何の話をしてたの?」
「つかさのお菓子のおいしさの話だよ〜」
ゆーちゃんの質問にこなたが答えた。
「つかさ先輩のお菓子は本当においしいから、私も期待してますね。……あ、もう二時回りましたね」
「あ、ホントだ」
ゆーちゃんに言われて、つかさは二時になったことに気がついたようだ。
「じゃあ、ちょっと焼けたかどうか見てくるね。ゆきちゃんもちょっと着いてきてよ」
「あ、はい、わかりました」
つかさとみゆきは部屋を出ていき、二、三分して戻ってきた。


「うん、ちゃんと出来てた。今日はいつもより上手く焼けたみたい」
自分でも満足のいくモノだったのか、つかさは少し微笑んだ。
「ええ、とっっっても、おいしそうでしたよ」
みゆきはつかさ以上の笑みを浮かべて言った。
「ってことは、いつもおいしいつかさのお菓子は今日は一段とおいしいモノになってるってわけだね。こりゃあ楽しみだなぁ〜♪」
「泉さん……楽しみにするのはわかりますが……その、よだれが垂れてますよ」
「……そういうみゆきさんだって」
「え、みなみちゃんも垂らしてるよ?」
……といった風に、みんなよだれをだらしなく垂らして、お互いの揚げ足を取り合っている。かくいう私も、またよだれを垂らしていると思う。
でも決して変に思わないで欲しい。これはつかさのお菓子の腕前を知る人には、止める事の出来ない自然な反応なんだから。
19名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:10:29 ID:d49Ss4vn

「ねえつかさ〜、パイも焼きあがったことだし早速食べようよ」
「ん〜……そうしたいけど、お昼にみんなでピザを食べたばかりだし、もうちょっと待ってお腹に余裕が出来てからにしようよ。それにまだ田村さんも来てないことだし……」
急かすこなたを、なだめる様につかさが答える。
確かにお昼はお昼で、宅配ピザをたらふく食べたばかりなので、まだあまりお腹は空いてなく、正直今すぐに食べる気はあまりしない。
みんなも同様にあまりお腹に空きがなかったのと、つかさの言うように、まだ田村さんが来ていないことを踏まえて、後でパイを食べることが決まった。
二時五十分から、つかさが盛りつけなどの準備を行い、三時きっかりからメインイベントに入ることになった。
今は二時をちょっと過ぎた辺りなので、食べ始めるのはあと一時間ほど経ってからというわけだ。

======================================

一時間の間、ただ喋っているだけなのは退屈なので、またゲームでもして時間をつぶすことになった。
多数決の結果、UNOをすることに決まった。私は大富豪以外ならもうなんでもいいや。

適当にカードを組んでみんなに配っていく。
さすがにUNOでもボロ負けをすることはないだろうと思ってたけど、こなたと日下部が狙い済ましたかのようにドロー2やらワイルド4を出してきて、十枚以上手札に残したままあっさりと最下位になった。
こいつら二人は何か私に恨みでもあるんだろうか……

心の中でリベンジに燃える私が、二回戦目のカードを配ろうとした時、みなみちゃんは急に立ちあがり、
「……すみません、お手洗いに行きたいんで、次の私の分は抜かしといて下さい」
と言って部屋を出ていった。
私は言われた通りにみなみちゃんの分を飛ばし、七人分のカードを配り終えて、二戦目を始めた。

一回戦目で最下位だった私から初まり、全員のターンが一周する。
再び私に番が回ってきて、何を出そうと考えていると、
「ごめんなさい、今度は私がお手洗いに行きたくなりまして……」
今度はみゆきが立ちあがって、部屋を出た。
みなみちゃんとみゆきを除いた六人でゲームは再開される。

二回戦の結果も散々なモノだった。
今度はドロー2の嵐はなかった。しかし、最後の一枚になったにも関わらず、私はUNOのコールを忘れてしまい、バツとしてカードを十五枚も引かされる羽目になり、結局負けた。
えーと、三回戦がんばろっと…………


……っていうか、なんでさっきからずっと私ばかりがカード配ってるんだろう。
そう疑問に思いながら三回戦目のカードを切って配ろうとしたその時、突然ピンポーンとインターホンのチャイムが鳴った。
その音にみんなが一斉に反応する。
「田村さんでも来たのかな?」
峰岸が言った。あとこの泉家に来るような人物で考えられるのは、パーティに遅れている彼女だけだしね。
「ん〜、それは違うね。ひよりんは三時前に行きますってさっきメールで言ってた」
「え、そうなんだ」
こなたは携帯を見て峰岸に答えた。
「とりあえず、出ないわけにはいかないから悪いけどちょっと行ってくるね」
「わかった、こなちゃん行ってらっしゃい」
こなたもまた部屋から出て行った。
20名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:12:54 ID:d49Ss4vn
「お姉ちゃん、どうする?今三人抜けちゃってるけどもう始めちゃう?それとも少し待ってからにする?」
「ん〜、ちょっと待ってみましょう。もう少しすれば誰か戻ってくるだろうし」
「柊ちゃんの言う通りね」
峰岸以下、ここにいない三人を除いたみんなが私の提案にうなずく。
こうしてゲームは三人が戻ってくるまで中断することとなった。
そのまま何もせずボーっとしてるだけでは場が気まずくなるので、自然と会話が生まれる。
「それにしても柊は大富豪だけじゃなくてUNOも弱いな〜」
「あの、みさちゃん、あんまり調子乗らない方が……」
「いやいやあやの、こういうのは弱っちい柊が悪いんだってば」
「おい峰岸、もっとコイツに釘差しといてくれ」
「あはは……」
峰岸は少し困惑したような顔になった。けど、ホントにコイツはちゃんと釘差しとかないとどこまでも調子に乗るヤツだからな。
「でもかがみ先輩……、ちょっといくらなんでも運が無さすぎとと言うかなんというか……」
「むう、まさかゆーちゃんにまで言われるとは思わなかったわ」
「いえ!決してかがみ先輩が弱いって言いたいわけでは!」
ゆーちゃんは慌てた様子で両手を広げ、ブンブンと振った。
おそらく本当にそんなつもりは無かったんだろうけど、今その気遣いは心にグサグサと来る。



「それにしても……こなちゃんもゆきちゃんもみなみちゃんも遅いね」
つかさが呟くように言う。確かにこなたが下に行ってからもう五分は経った。玄関にちょっと行くぐらいでそんなに時間が掛かるものなのかしら?
こなたもそうだけど、その前にトイレへ行ったみなみちゃんもみゆきも戻ってこないのはどういうことなんだろう。
「様子見てきた方がいいんじゃねーか?もしかしたら変な業者に絡まれてるのかもしれねーぜ。」
「そうねぇ……何かあったのかもしれないわね。私、下行って様子見てくるわ」
「わかりました。じゃあ私達は部屋で待ってますね」
「うん。じゃ、ちょっくら行ってくるわ」
ゆーちゃんに見送られて、私はこなたの部屋を出た。
21名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:14:10 ID:d49Ss4vn

踏み出す度にギシギシと音がする階段を降りて一階にたどり着く。
なんつーか、ホントにまともな工事をやったかどうか気になってくるぐらいだ。あちらこちらにボロがある私の家と違い、この家は建てられてから時間がまだそんなに経ったような感じがしないから特にね。
階段を降りきって、廊下を少し歩くと、すぐに玄関に出る。その玄関の前にこなたは結構大きめなダンボールと共に立っていた。
「何やってんのよあんた」
「あ、かがみん」
私の声に反応して、こなたが振り向いた。
「いやね、誰かな〜と思って出たら宅配便でさ、この前通販で注文した漫画が届いたんだよね。で、判子押そうと思ってリビングを探したんだけどなかなか見つからなくてさ、みゆきさんに手伝ってもらってようやく見つけたんだよね。
まあそういう訳で少し手間どっちゃってさ、ゴメンゴメン」
リビングの方に目を向けると、みゆきがソファーに座っていた。
目が合って、みゆきはペコリと頭を下げる。
「じゃ、私は二階に戻るから」
こなたはそう言って階段を上っていった。
「みゆきはずっとリビングにいたの?」
私はリビングに入っていき、みゆきに尋ねた。
「はい。降りてすぐにお手洗いに向かったんですが、みなみさんは時間がかかるようでしたので、順番待ちにリビングに居たんです。そこへ泉さんが降りてこられまして……」
なるほど。しばらくトイレが空くのを待っていたらこなたが降りて来て、宅配便の受け取りの時、判子がないことに気づいたこなたと一緒に探してたってことか。
「あれ、じゃあみなみちゃんはまだトイレの中に居るの?」
「そうですね。まだ出てきてないですね」
みなみちゃんがトイレに行ってからもう十分以上は経っている。かなり長いわね。
「かなり時間、かかってない?」
「私がさっきお手洗いに行った時、みなみさんにドア越しに聞いたのですが、お腹が痛いとか言ってましたよ。それでちょっと時間がかかってるんじゃないでしょうか?」
「えっ?そうなんだ」
みなみちゃんが出て行く時、私が見た感じだと別にお腹が痛そうには見えなかったんだけどなぁ……。急に痛くなって来たのかしら?
などとしばらく考えていると、和室の奥にあるトイレの方から水が流れる音が聞こえてきた。
「……すみません、遅くなりました」
少しして、和室からみなみちゃんが謝りながら現れた。
「あ、みなみさん、お腹の具合は大丈夫ですか?」
みゆきはソファーから立ち上がって、心配した様子でみなみちゃんの顔を覗きこむ。
「あ、はい、多分なんとかなりそうです……」
「そうですか。それならいいんですが……」
みなみちゃんは少し恥ずかしそうにしながらみゆきに答えた。そして
「あれ……かがみ先輩はいつの間に……?」
と、トイレに入るまでは居なかった私に気づいて目線を移した。

私はみなみちゃんにここに来たいきさつを、ざっと説明した。
「なるほど、そういうことでこちらに来てたんですか……心配かけてすみません」
「いいっていいって。それより、本当にお腹の調子は大丈夫なの?」
「トイレにこもって、だいぶマシになったと思います」
お腹をさすりながらみなみちゃんは答えた。まあ顔色も悪くなさそうだし、本人がそういうのなら大丈夫だろう。
「……私は部屋に戻りますね」
みなみちゃんはすたすたとリビングを出て、階段に向かって歩いていった。
「みなみさんが出たことですし、私もお手洗いに行かせてもらいますね」
みゆきもまた、トイレに行くため、リビングを出て行った。

私一人だけリビングに残ってもしょうがないし、さっさと部屋に戻ることにしよう……と思ったけど、リビングはかなり寒くて、私もなんだかトイレに行きたくなってきたわね……
そのうちみゆきが出てくるでしょう。そしたら私もトイレに行こう。

リビングで少し待っていると、すぐにみゆきが出てきた。
「あら、かがみさん、部屋に戻られたんじゃないんですか?」
「いや、私もちょっとトイレに行きたくなってね」
みゆきに事情を説明し、入れ替わるように私はトイレに向かった。
22名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:14:47 ID:d49Ss4vn

トイレに入り、私は中をぐるりと見渡した。
泉家のトイレの内装はなかなか凝っている。
壁にはたくさんの可愛い小物が掛けられていて、棚に掛かってある小さなカーテンも便座カバーもオシャレなものが使われている。
そうじろうさんはともかく、こなたがこういった可愛らしい少女趣味な物を整えるとはあまり考えられないから、おそらくはゆーちゃんの趣味だろう。
ふと、トイレの排水溝の辺りに、トイレットペーパーが二列に別れていくつも積んであるのに目が行った。
棚に置ききれなくなったものがこうして積まれてあるのだろうか?まあいいや。
すぐに気にならなくなって、私は腰を下ろして一息つく。すると、リンゴの香りがふわりと私をつつんだ。
床に置いてあるこの芳香剤の香りだろう。良い香りだなぁ。
でも、きっとつかさの作るアップルパイはこれなんかより、もっともっと良い香りがするんだろう……ああ、ダメだダメだ。想像したらまたよだれが垂れてきた。
私はよだれを拭いて適当に用を足して手を洗い、トイレを出た。


欠陥工事が疑わしい階段を上り、二階のこなたの部屋の扉を開ける。
「おう、柊お帰り」
日下部がとても特徴的な八重歯を見せるように笑って私を出迎えた。
誰も下で何をやっていたか私に聞いたりはしなかった。
こなたかみなみちゃんかみゆきの内の誰かが、私に代わって説明をしておいてくれたんでしょう。

全員が部屋に戻ってきた二時三十分、UNO大会が再開された。
ゲームの詳細を説明するのはもう省かせてもらうわよ。とりあえず、また私が負けたってことは言っておく。

こうして、ゲームを再開してから十分ほどが経った時、異変が起った。
「……!どうしたのみなみちゃん!顔が真っ青だよ!」
突然、ゆーちゃんが驚きの声をあげた。ゆーちゃんの言う通り、みなみちゃんは顔を真っ青にし、体はガクガクと震えている。
「みなみちゃん、大丈夫!?やっぱりまだお腹痛いの?」
今度はこなたが言った。
「……いえ、大丈夫です」
大丈夫だと言いつつも、みなみちゃんのその消え入りそうな声は、ハタから聞いててあんまり大丈夫そうじゃない。
「またトイレに行ってきた方がいいんじゃない?無理はよくないわ」
峰岸も心配そうにみなみちゃんを見ている。みゆきがさっき、みなみちゃんの体調を説明していたみたいなので、みんな事情はわかっているようだ。
結局、みなみちゃんは峰岸の提案に従い、トイレに行くことにした。
心配になったゆーちゃんもまた、みなみちゃんに付き添ってトイレに行こうとしたが、ゆーちゃんに迷惑をかける訳にはいかない、と一人で行ってしまった。


「……みなみちゃん大丈夫かなぁ……」
つかさがポツリと言った。みんなには聞こえなかったのか誰も答えなかった。
なんとなく、楽しい雰囲気が覚めてしまった感じがする。……かといって、みなみちゃんを責めることは出来ないけど。
「……このままだと、みなみちゃんはパイを食べられないんじゃ?」
突然、こなたが口を開き、つかさに尋ねた。
「え、えーと……お腹痛いんじゃ食べられないと思うけど……」
つかさがオドオドとしながら答えると、こなたは口をニンマリとさせて言った。
「……ってことはさ、みなみちゃんが食べれない分、一人当りの量が増えるってことだよね」
「………………!!」
みんなは一斉にこなたの方に注目をした。
「な……!あんた何バカなこと言ってるのよ!!」
私は知らない内に声をあげていた。確かにつかさのパイを食べられる量が少しでも増えることは嬉しい。
けど、腹痛で食べられない人の分をしめしめと食べてしまうことが許されるとは思えない。
私に続いて、もう少し誰かがこなたを責めてもおかしくはないと思った。
が、つかさ除くみんなは、ただ押し黙っているだけで誰も何か言おうとしない。
むしろ、みんなを見てみると、嬉しそうな表情を浮かべている……
まるで、「食欲」と言う名の悪魔に取りつかれたかのように。
23名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:16:47 ID:d49Ss4vn

その異様な雰囲気に気づいたこなたは、
「ウソウソ、冗談だよ〜」
と、焦った様子でみんなに言った。
こなたがそう言うと、みんなは魔法が解けたかのように異様な表情からまたいつもの表情に戻った。
……なんというか、後で食べる時に注意が必要そうね。こいつら、隙あらば容赦無く横取りしてくるに違いない。

その後話題は変わり、みんなで救急車でも呼んだ方が良いんじゃないだろうか、と話し合っていると、例の階段を上る音が聞こえ、そして部屋の扉が開かれた。
「すみません、お騒がせいたしました……」
と礼をしてから、みなみちゃんが部屋に入ってきた。
「お腹の調子は……大丈夫なの?」
ゆーちゃんが当然の反応を示した。他のみんなも同じような反応をしている。
「……うん、もう一度お手洗いに行って、かなりマシになった」
みなみちゃんはゆーちゃんに、極めて変化の少ない微笑みを向けた。
他の人と比べると、あまり元気には見えない微笑みだけど、元々表情の変化に乏しいみなみちゃんが作った笑顔としてはいつもとなんら変わりはない。
どうやら、さっきの青ざめた表情も無くなっているし、本当に調子が良くなったみたいだ。……にしてはえらく帰ってくるのが早かったわね。みなみちゃんがトイレに行ってから五分も経ってないような……
まあいっか。元気になってくれればそれでよしだわ。パーティーも無事続けられるしね。

みなみちゃんが無事に調子を良くしたのをきっかけに、みんなにも笑顔が戻り、再びパーティーも良い雰囲気に包まれはじめた。
その良い雰囲気のまま時間は過ぎて行き、時計は二時五十分を示めす頃になった。
つかさがこの後の準備を始める時間だ。
「そろそろ時間だから、私用意してくるね」
と、つかさはみんなに告げ、時間通りに部屋を出た。
「いよいよだね〜」
「そうですね、楽しみです」
「やっと食えるぜ〜!」
みんな心待ちにしていたのだろう、話す調子や体の動きの一つ一つから、うきうきした様子が表れている。
もちろん私も私もその内の一人だ。一時間もつかさの絶品アップルパイを食べるのを我慢していたんだからね。
そのうきうきとした雰囲気のまま五分ほどが過ぎた頃、こなたの携帯に着信があった。
「あ、ひよりん家に着いたんだって。迎えに行ってくるね」
着信の後、携帯を確認したこなたはみんなに知らせるように言って、部屋を出て行った。

「すみません!遅くなりましたー!」
「あ、田村さんいらっしゃい」
ほとんど時間を空けずに、元気良く部屋に入った田村さんをゆーちゃんが出迎えた。
が、部屋に戻ってきたのは田村さんだけで、こなたの姿はなかった。
「こなたはどうしたの?」
「あ、先輩ならちょっとトイレ行ってから戻るって言ってましたよ」
私の疑問に、田村さんは簡潔に答えた。
すぐに階段を上る音が聞こえてきて、
「ごめん、トイレ行ってた」
と、田村さんに遅れて、こなたが部屋に戻ってきた。
「……これで、今日の参加者がみんな集ったことになりますね」
こなたも田村さんも腰を下ろした後、みゆきが部屋をぐるりと見渡して言った。
こなた、みゆき、私、日下部、峰岸、ゆーちゃん、みなみちゃん、田村さん、そして今、下で準備をしているつかさ。
みゆきの言う通りパーティーの参加者九人が、三時目前にここ泉家に揃ったことになる。


時刻はもう間も無く三時になろうとしている。
後少ししたら、つかさが準備の整ったことを知らせに来るだろう。
そう思った時だった。

24名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:20:01 ID:d49Ss4vn


「キャーーー!!!」
突然、下のキッチンから大きな悲鳴が聞こえてきた。
「何、今の……つかさの声?」
「つかさ?まさか!?」
その悲鳴に、私はいてもたってもいられずに部屋から飛び出していった。
「あっ!まってよかがみん!」
こなた以下、他のみんなも私に続くように部屋を出て行った。


一階にたどり着き、キッチンの方を見てみるとつかさが青い顔をしてへたりこんでいた。
「どうしたのつかさ!大丈夫!?」
「あ、お姉ちゃん……今ね、オーブンからパイを取り出そうとしたの。そうしたら……」
つかさはオーブンの方に目を移した。私もそれに習ってオーブンに目を向ける。
すると、そこには信じられない光景が広がっていた。
オーブンの中にはパイを載せるためのトレイが入っている。
しかし、そのトレイの上にあるべきはずのパイはなく、その代わりにきつね色に焦げたパイの生地がこびりついている。
そして無造作にフォークが一本置かれてあった。
なんてことだ。これは、これは……つまみ食いだ。誰かが……全部食べてしまったんだ!



====================================


少し経ったのち、全員がリビングに集まった。
「まさか全部食われちまったとはな……」
日下部が悔しそうに言った。
日下部と同じく悔しがる者、食べてしまった犯人に怒る者、ただうな垂れる者、といろいろ居る。
どのタイプだったにせよ、今このリビングに居る人みんなが、つかさのパイを食べることが出来なくなってしまったという事実にショックを隠せないでいた。
リビングのテーブルの上に準備された、フォークやお皿や飲み物を入れるためのグラスも全部、私達を腹立たせるための起爆剤にしか見えない。
言い様のない重い雰囲気がリビングに圧し掛かる。
「私達みんなが楽しみにしてたパイをつまみ食いしてしまうなんて、全く酷い人もいるものですね!!」
普段めったに怒ることのないみゆきも、今は怒りをあらわにしていた。
「まあまあ、高良さん落ち着いて……でも、つまみ食いに、パイを丸ごと一つ食べてしまうなんて人間離れしてるわ」
峰岸がなだめる様に言うと、こなたが口を挟んできた。
「それは峰岸さんが、つかさのパイを食べたことないから言えることだよ。つかさのお菓子は一度食べたら、ホントに止まんない。
一度食べ始めたら無くなるまで、いくらでも食べたいと思えるモノなんだよ。どんなに小食の人が全部食べてしまったとしても、それは全く不思議でもなんでもないことなんだよ」
こなたの言葉にみゆきもゆーちゃんもみなみちゃんもうなずいた。
私もそう思う。もしつかさがお菓子なんて作らなかったら、私は今までダイエットに苦労なんてする必要なんてなかったに違いない。
つかさのお菓子のおいしそうな匂いを嗅いだだけで、もうカロリーのことなんて気にすることなく食べたい衝動が抑えきれない。
だからこなたの言う通り、一人で全部食べてしまっても、それは全く変なことではない。
「だからと言って……私にはここに居る皆さんがつまみぐいするような悪い人とは思えないわ」
「いやー、わかんないよ。つかさのパイを一人占め出来るなら、みんなを欺いても食べようとする人が居てもおかしくないね。……それに、現にパイは食べられちゃってるんだし」
反論出来なくなったのだろうか、峰岸は何も言わなくなった。
こなたは続けた。
「つまり、誰かがこっそりとキッチンに行って、オーブンの中のパイを食べてしまった……ということだろうね」
「まあ、そういうことだろうな」
日下部以下、みんながうんうんとうなづく。
「とりあえず、アリバイというか、今までの皆さんの行動の様子を確かめてみたらどうですか?もしかしたら、それでキッチンに忍び込むことが出来た人がわかるかもしれませんし」
田村さんの提案により、私達はパイが最後に確認された二時から、現在の三時までのみんなの行動を一度確認することにした。

25名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:22:06 ID:d49Ss4vn
さて、みんなの行動をまとめる前に、まず泉家の間取りについて説明しておきましょう。

一階は順に、玄関、二階へ向かう階段に続く廊下、リビング、キッチン、和室、そしてトイレがある。
玄関を上がるとすぐ右手に階段がある。まっすぐ廊下を進むと、リビングに出る。リビングに入り左にはキッチン、右には和室があり、その和室を抜けたところにトイレがある。
トイレに行くためには必ず和室を抜けなければならない。ちょっと不便ね。
あと、階段はリビングの外にあるから、階段を上る時は必ずリビングから出ないといけない。
また、キッチン、リビング、和室は一続きになっている。誰かがリビング、または和室に居ればキッチンで何かやっていてもすぐにバレてしまう。ただ、トイレからはリビング、和室の様子は見えない。
一階はこんな感じ。
続いて二階。階段を上ったあと、L字に廊下が走っていて、ゆーちゃんの部屋、こなたの部屋、物置、あと一つ空き部屋がある。トイレはない。
ちなみに階段を上る際はギシギシとかなり大きな音が鳴るので、もし誰かが階段を上ったり降りたりすれば、この家に居る人はみんな音ですぐに誰かが階段を使っていることがわかる。
泉家の構造についてはこんなものでいいでしょ。

では本題。みんなの行動をまとめてみるわよ。

最初に、つかさとみゆきがキッチンに行き、パイが焼きあがっていることを確認したのが二時丁度のこと。
それから十分ほど経った後、みなみちゃんがトイレに向かった。
程なくして、みゆきも同様にトイレに行きたくなったようで部屋を出ている。
みゆきが部屋を出てからほとんど時間を空けずに、今度はインターホンのチャイムが鳴った。
これに応対するため、こなたが部屋を出て行った。
部屋に残っていたメンバーは、みんなが帰ってくるまでゲームを中断していたが、五分ほど経っても誰も帰ってこない。
そこで部屋を出た三人の様子を見に行くため、私が一階に向かった。

一階での様子は先ほど私が見た通りだ。
こなたは玄関で宅配便の応対をしていた。なかなか戻ってこなかったのは、受け取りの際、判子が見つからず探していたからとのこと。
私が一階に降りると、すぐに二階へ戻った。キッチンには立ち寄っていない。それは腹痛でトイレに長居しているみなみちゃんの順番待ちの為、ずっとリビングに居たみゆきが証言している。
こなたも、自分が降りてからは、みゆきがキッチンに行ったところは見ていないと証言している。
みなみちゃんは下に降りた後、腹痛の為にずっとトイレに篭っていた。みゆきがトイレに向かうとすでに中に居たみたいで、その後みゆきと交代するまで一度もトイレを出ていない。
みなみちゃんはトイレを出た後は、私とみゆきと少しだけ話しをしてから真っ直ぐ二階に戻っている。
みゆきがトイレを出た後、今度はリビングで順番を待っていた私が、入れ替わりでトイレに入った。
その時、みゆきが部屋に戻るふりをして、こっそりキッチンに向かったということはなかった。
これらの点から、少なくとも私が一階に降りた後で、こなたもみゆきもみなみちゃんも、キッチンに立ち寄ったことはない。

その後、しばらくして気分の悪くなったみなみちゃんが再びトイレに向かった。この時、トイレに行ったのはみなみちゃん一人だけだ。

二時五十分になり、つかさが準備の為に一階に向かう。五分ほど経った後、こなたは田村さんを迎えに行くために再び一階に行っている。
田村さんはそのまま二階にあがり、こなたはすぐには戻らずにトイレに立ち寄っている。ただ、つかさの証言によると二人ともキッチンに入ってはないようだ。

そして三時。つかさはパイを取り出そうとしたが、どういうわけかパイは何物かにより、全て食べられてしまっていた。
こうして現在に至るというわけ。
あ、そうそう。ちなみに、一時に焼き始める時、パイをオーブンに入れる場面をみんなで見ている。
だから、パイが焼きあがるのは二時で間違い無く、二時までの間にパイが食べられてしまったりとか、実は二時の時点で既にパイは無かった……というようなことは絶対にないからね。

26名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:23:29 ID:d49Ss4vn

以上の点をさらにまとめてタイムテーブルにしてみると、こんな感じになるかしら。


2:00 パイが焼き終わる。つかさとみゆきが部屋を出る
2:02 つかさとみゆき 部屋に戻る
2:10 みなみちゃんがトイレに行く
2:13 みゆきがトイレに行く

この間、みゆきはトイレにみなみちゃんが居ることを確認し、リビングで待っていた

2:15 インターホンが鳴り、こなたが玄関に向かう

再びこの間、みゆきとこなたはリビングで判子を探していた

2:20 私が一階に向かい、玄関に居たこなたとリビングに居たみゆきを確認。こなたはすぐに二階に戻った
2:25 みなみちゃんがトイレから出て、二階に戻る。みゆきがトイレに入る
2:27 リビングで待っていた私はみゆきと入れ替わる形でトイレに入る。みゆきは二階に戻る
2:30 私も二階に戻り、この時点で泉家に来ていた八人全員が、再び二階に集まった
2:40 みなみちゃんが体調を悪くして、トイレに向かう
2:43 みなみちゃんが戻ってくる
2:50 つかさが準備のため一階に行く
2:55 こなたが田村さんを迎えに行く。すぐに田村さんは二階に上がってくる。こなたはトイレへ
2:58 こなたがトイレから帰ってくる
3:00 事件発覚

時間は分刻みで細かいけど、大体これであってるはず。
改めて振りかえると、せわしない一時間だったわね。

27名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:24:08 ID:d49Ss4vn

こうやってみんなの行動をまとめてみると、私はあることに気づいた。
「…………みゆきとみなみちゃんは、三時までの間に、キッチンに一人で忍び込むことが出来たんじゃない?」
「ええっ!!」
私が言うと、二人は共にギョッとしたように体を縮ませて、互いの目を見合わせた。

そう。みゆきはみなみちゃんがトイレに居ることを確認してから、こなたが下にやってくるまでの間。
みなみちゃんは一階に降りてからみゆきが降りてくるまでの間、あと、二度目にトイレに行った時。ほんのわずかな時間だけど、このタイミングなら誰にも見つかることなくキッチンに行くことが出来る。

「柊……おまえもそうなんじゃねーの?」
日下部が疑うような目をしながら私に言った。
……しまった。言われてみてから初めて気がついた。そういえば、私もみゆきがトイレから出てくるまでリビングにて待っていた時と、みゆきと入れ替わりでトイレを交代してから二階に戻るまでのアリバイがない。
これでは私も容疑者の内の一人だ……。でも、もちろん私は食べてない。どうやってこの疑いを晴らしたらいいんだろう?まさか、私はやってない!と連呼するわけにはいかないし……

「けど……日下部さん、仮にお姉ちゃんもゆきちゃんもみなみちゃんも、キッチンに忍び込むことが出来ても、パイを全部食べきるような時間があったとは思えないよぅ……」
つかさが割りこんできて日下部に反論した。
「だって九人分もの、すごいおっきなパイだよ?みんなも見たでしょ?あれが全部食べられちゃってたんだよ?あの大きさじゃどんなに急いで食べたとしても、最低十分はかかると思うんだ……」

そういえばそうだ。確かに私含めてこの三人はキッチンに行くことは出来る。けど、実際どのタイミングでも、私もみゆきもみなみちゃんも、キッチンに居ることが出来た時間はほんの二、三分がいいとこ。
いくらでも食べれちゃうつかさのパイだとしても、九人分もの量をそんな短時間に食べきれるとは到底考えれない。
つかさの反論に日下部も納得したのか、それ以上私に追及してくることはなかった。
はあ、助かった……あとでつかさにお礼言っておこう。みゆきとみなみちゃんも心なしかホッとしたように見える。
……まあみゆきとみなみちゃんは私のせいなんだけど。

……あと、誰も言うことはなかったけど、本当はつかさにも確固たるアリバイがないタイミングが三つあるのよね。
それは準備の為に二時五十分に下へ降りてから、田村さんを迎えに来たこなたが一階に降りてくるまでが一つ目。
田村さんが二階に向かい、こなたがトイレに入っている間。これが二つ目。
さらにこなたがトイレから出て、二階に戻ってから私達が降りてくるまでの間。
この三つのタイミングでは、つかさがキッチンで何かしようとも、他の人にはわからない。こっそりとパイを食べることも出来なくは無い。

しかし、問題のパイは全て食べられていた。
つかさが一人でキッチンに居た時間はさっきの三つのタイミングを全部合わせても、十分あるかないか。
食べるだけならなんとかなるかもしれないけど、パイを全て平らげた上、さらにテーブルの用意を完全にやり終える時間があっただろうか?
したがって、私もつかさもみゆきもみなみちゃんも共につまみ食いをするタイミングはあったとしても、実際に実行出来たとは考えにくい。

ついでに、表を見てくれればわかると思うけど、こなたが一階に居た時には、必ず他の誰かも一階に居た。
田村さんに至ってはリビングにすら入っていない。
つまり、この二人はキッチンに忍び込むチャンス自体なかったことになる。

さらに、ゆーちゃん、日下部、峰岸は二時から三時までの間に一階に一度も降りてないのだから、もっとつまみ食いが出来たとは考えにくい。
28名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:25:18 ID:d49Ss4vn

「……なんだよそれ。じゃ、誰もパイを食べることは出来なかった……ってことかよ」
ため息交じりに日下部が言った。
「そういうことに……なるわね」
私はつぶやくように言いいながらも、そんなはずはないと思っていた。
……まさか泥棒かなんかが入って、パイだけを食べて逃げたなんてことがあるワケない。
まるでルパンのように、この家に居る人誰にも気づかれずに進入出来るような真似が出来るだろうか?
まさか。やっぱり、ここに居る誰かの仕業としか思えない。
でも……さっき確認した通り、今ここに居る九人は、あの大きなパイ一つ全部を食べることなんて出来ないのだ。
……ああ、もうさっぱりわからない。
みんなも私同様にワケがわからず、困り果ててる様子だ。

私が思考の堂堂巡りをさせていると、突然田村さんが立ち上がった。
「みなさん、こういうことは考えられないっスか?確かにキッチンでパイを全部食べることは不可能です。
でも、パイを取り出すことと食べることは分けて出来ませんか?とりあえず、パイを盗んでおいて、あとでゆっくりと食べるとか」
みんなハッとしたように息を飲んだ。
「それはいい線突いてるんじゃないのかしら。一度、くまなく探してみましょうよ。もしかしたら見つかるかもしれないわ」
峰岸もどうやら田村さんの考えに賛成のようだ。みんなもうんうんとうなずいて田村説を支持している。私は何も言わなかった。
「じゃあ、手分けして探してみるっス」
田村さん先導の元で、パイ探しが始まった。


私の担当の場所はトイレになった。
和室を抜けてトイレに入った私は、中をくまなく探す。
……とは言っても、ここは狭いトイレの中。調べる所といえば、この小洒落たカーテンの掛かった棚の中ぐらいだ。
カーテンを引っ張り、棚の中を調べる。……トイレットペーパーしかない。パイはどこにも無かった。
まあ、トイレに隠す人なんていないでしょ。
やるべきことはやった。このままリビングに戻っても良いんだけど、トイレに来たついでに用を足して行くことにした。
ため息をつきながら腰を下ろす。
すると、さっきトイレに来たときと同様に、リンゴの匂いがする。……ああ、もうこんな素敵な香りのするつかさのパイは食べられないのか……
私はやるせない気持ちになった。
「…………ん?」
なんだろ。私は突然、この香りに違和感を感じた。さっきトイレに入った時のリンゴの香りは、まるで本物のリンゴからそのまま香るような良い香りだった。
それに比べて、今のリンゴの香りは薬というか、香料というか、それっぽい感じの安っぽさを感じた。
どういうことだろう。
違和感はこれだけじゃない。
先ほどトイレに来たときには、排水溝の辺りにいくつものトイレットペーパーが積まれていたのに、今はそれが一つも無くなっている。
……どういうことだろう?
さっきトイレに行ったこなたが見つけて、棚に直したんだろうか?やっぱりこの家の人だし。
……うーん、わからない。わからないことばかりが増えて行く。まあいいや。これは後でこなたに聞いてみよう。
私は大きく深呼吸し、気分を改めてトイレを出た。


29名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:26:52 ID:d49Ss4vn


リビングにはもうみんな戻っていた。
みんな落ち込んだ顔をしている。その顔を見ればパイがあったかどうかなんて、読心術を心得てなくとも一発で解る。
一応、外部から誰かが進入してパイを食べた可能性を考え、パイを探すついでに進入の痕跡を探してみたけど、これも全く見つからなかった。
パイがもう無いことがわかり、再びリビングに思い雰囲気が覆い被さる。
……みんな見つからなくて残念そうにしているけど、大体、パイを何処かに隠すというのは結構無理がある。

キッチンのオーブンにはパイを載せていたトレイは、ちゃんと置かれていた。

つまり、犯人はパイだけトレイから剥がして隠した。またはトレイごと持って行き、一度それを隠し、パイを全部食べた後改めてオーブンにトレイを直した。
このどちらかになる。
まず、前者はありえない。パイみたいにボロボロとパンくずがこぼれるようなモノをそのまま運べば、床にいっぱいにパンくずが散らかってしまう。けどそんな痕跡はどこにもない。
後者は手間が掛かりすぎる。何度も部屋を出入りしなければならない。
パイを取りに行き、隠すのにまず一回目。隠したパイを食べに行くのに二回目。残ったトレイをオーブンに戻しに行くのに三回目。
都合、最低三回は部屋を出入りしないといけない。……どう考えても面倒だ。わざわざこんな手間のかかる方法をとるだろうか?
それに、二時から三時までの間に部屋を三回以上出入りした人は誰もいない。
……つまり、誰もこの方法を行うことは出来ない。

いくつもの考えが浮かんでは消え、また浮かんではすぐに消える。私はしばらくそういったまるで雲のような、掴み所の無いフワフワとした思考と戦っていた。
すると、突然私の肩がポンポンと叩かれた。
「かーがみん」
叩いたのはこなただった。
「かがみんさっきから難しい顔ばっかりしてるよ?……謎解きもいいけど、少しは休憩しようよ」
こなたのもう片方の手には、ジュースの入った紙コップが握られていた。
「……ありがと」
私はそれを受け取って一気に飲み干した。久しぶりに飲んだオレンジジュースは、とても甘く感じられておいしかった。……心なしか頭の疲れも癒えたような気がする。
「横、座るね」
こなたはそう言った通り、私の横に腰を降ろした。
「……やっぱり、パイを食べられてくやしい?」
「そりゃあね」
もちろんそうだ。つかさ特製アップルパイを独り占めしてしまうなんて許されたことじゃない。
「……私ももくやしい」
こなたはそう言ったきり、何も言わなかった。


「いや、だから、こうやってパイを水に浸して食べれば……」
「いやいや、もう一気に喉に詰めていけば……」
「ゴナゴナにつぶして、粉状にして飲みこんだとか……」

ふと周りの会話に耳を傾けてみると、また考え方を変えて、どうすれば二、三分でパイを食べきることが出来るのか、について話し合われていた。
……もうなんというか、内容を聞いてるとそんなの無理だろというより、バカバカしくて笑えてくる。

あ、そうだ。隣りにこなたが居る今のうちに、あのことを聞いておこう。
「ねえ、こなた」
「なに?」
「トイレの排水溝の辺りに置いてあったトイレットペーパーを片付けたのってあんた?さっきあんた、トイレに行ってたでしょ。」
「え?」
私がそう聞くと、こなたはどういう事かさっぱりわからないような顔をして答えた。
「えーと……何の事?……いや、トイレには行ったことは行ったよ?でも、トイレットペーパーが排水溝の辺りに置いてなんかなかったよ……?」
あれ?そんなはずは……確かに私が一回目にトイレに行った時には、たくさんのトイレットペーパーが排水溝の近くに積んであった。
しかし、それが二回目には、綺麗さっぱりなくなっていた。決して見間違えなんかじゃない。
私は、こなたが整理の為にやったんじゃないかと思った。でも、それはこなたがやったことじゃ無いと言う。
……一体、どういうこと?こなたがやったんじゃないとすれば、こなたよりも前の人が……?
30名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:28:28 ID:d49Ss4vn


…………あ、そっか。そういうことか!!

私は天啓のように、ある考えが浮かんだ。

そうか。確かに「パイ」を隠すことには無理がある。けど、考える方向性は間違ってはなかった。
犯人が隠す必要があったのは「パイ」じゃなくて、もっと別のモノだったんだ。
そうだ。その考え方なら、あのトイレでの違和感も説明することが出来る!


考えはまとまった。……あとは確かめるだけだ。

私は立ち上がり、奥の方で田村さんとみなみちゃんとの三人で話していたゆーちゃんの元に向かい、こう聞いた。
「……ねえゆーちゃん。あなたが二時前にトイレに行った時、何か変わった所はなかった?」
私が聞くと、ゆーちゃんは少し考えるような仕草をしてから答えた。
「……いえ、何も変わったところは」
「そっか、わかった。ありがとう」
それだけ聞くと、私はこなたの隣りに戻り、腰を降ろした。

「急にどしたのかがみん、何かあったの?」
「うん、それがね、ちょっと犯人がわかっちゃってねー」
「ふーん、そっかー。犯人がわかったんだー…………って!!え!えええええ!!マジで!?」
「お、お姉ちゃん!?」
「柊……ホントか?」
「ええ……本当よ」
「やっぱり……この中の誰かなの?」
「……残念ながらそうなるわね」
「そんな……!」
ざわ……ざわ……
リビングは突如、騒然とし始めた。みんなは一斉に私の方へ注目している。
みんなが私の次の言葉を待っているんだ。


…………私の推理が正しければ、この人騒がせなつまみ食い事件の犯人はあの人、ただ一人――

私は何も言わず立ち上がった。
そして犯人の目の前に立って、ためらうことなくその顔を指差し、そしてはっきりと言った。


「犯人はあなたです――!」









問題編  おしまい  解答編に続く
31名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:34:14 ID:HwcRvrmW
>>30
リアルタイム遭遇しました。
何か今まで読んだものの中で一番クオリティ高いような・・・
新スレ早々いきなり凄いもの読めて嬉しいです、GJ!

犯人の目星はついたけど決定打に欠けるなぁ・・・もうちょい考えてみようか。
3212:2007/11/07(水) 20:35:57 ID:d49Ss4vn
以上です。長い上に、萌えもエロも一切なくて申し訳ありません。

そこまで捻った内容ではないのでよろしければ誰が犯人だったのか推理してみてください。
その時犯人がわかっても、上記の通りネタバレは控えるようお願いします。

ただ、もしかしたらヒントが解りにくかったかも……需要があればもう少しヒントを出してみたいと思います。



本来このような作品は「エロパロ」に投稿するような作品ではないと思いますが、
作品数も800を越えたことですし、一つくらいこんな作品があってもいいんじゃないかな、と思って投稿しました。
皆様に気に入っていただければありがたいです。

33名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:39:48 ID:Xx1eWZ6K
リアルタイムで俺、参上。
犯人の目星はつきました。しかしネタばれ禁止なので
確信したときのコメントだけ書いておきます。

「いやー、まさかあの人がやるとは思わなかった。信じられない。」

まぁ、少々以外でしたが。ともかく、即死回避GJです。
34名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:41:25 ID:goeIy7py
>>30
同じくリアルタイム遭遇。
Who done it?(誰が殺ったのか)ならぬWho ate it?(誰が食ったのか)とは、
いかにもらき☆すたらしくて良いですね。

そして犯人の見当はあらかたつきました。
単独犯なのか複数犯なのか決め手に欠けるけど、どきどきしながら解決編を待ちます。
Good Mystery!
35名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:44:27 ID:qO5wAXVM
エロも萌えもない作品なら俺、書いたことあるぜ?
かなり微妙な奴だけど。

それはともかくGJ!


関係ないけどトイレと聞いて真っ先に思い浮かんでしまうのが便座カバー…
ネタ分からない人にはすみません
36名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:46:20 ID:hU8/K+kc
多分犯人は○○○か…
まあ、確かにそれが当たったら意外だわ
GJ!!!
37名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:48:22 ID:wkCxaMen
>>32
いやーGJ
犯人は実は……と思わせて本当は……と見せかけて……なんじゃないかと
裏の裏をかいて段々疑心暗鬼にw
活目して解決編を待ちます

>>35
アオテナガオオスノハラモドキのことかー!w
38名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 20:51:30 ID:hLNe6ngJ
>>30
なるほど…
彼女が犯人でしたか。
とにかく解決編がたのしみです。
39名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:20:07 ID:xwpuG82c
>>30
たぶん○○○が犯人だと思うけど、確かにそれって意外すぎるよな
もう一つの考え方にオリ○ント急行みたいなオチもあるけど、これはナシにして欲しいw
40名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:38:40 ID:Ha//WS4U
>>30
かがみが思考を巡らせているとき、なぜか脳内でバーローの推理中のBGMが流れました。
つまりGJです。
41名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:48:02 ID:/0I8BFwU
>>1
乙です

よりによってリンク先を間違った(´・ω:;.:...
42名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:54:38 ID:uciusaAC
前スレ埋め乙!
43名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:55:17 ID:uciusaAC
だからsage忘れるなと…orz
44名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:58:28 ID:qO5wAXVM
「かがみ〜ん…なんか前スレの最後…見たよ?」
「ちょっ…あれは…」
「お姉ちゃん、たまにこういう事あるよね」
「へぇ…たまにあるんだぁ…」
「つかさっ!またあんたは…。こなたもうるさい!」

「まぁまぁ…落ち着いてください。
 前スレも無事に終わりを告げる事が出来ましてよかったです。
 埋めてくれたあなたもお疲れ様でした」
45名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:08:14 ID:bD09emPN
前スレ埋め乙!
いやーまさか人袖触があんな最終回だったなんてね
46名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:09:34 ID:Y/wL2Bhl
ああ、あれは人として気が触れてたよな。
むろん誉め言葉として。
47名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:11:18 ID:ZVQNeiDn
みのるタンにwktkしつつ
>>1
48名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:14:09 ID:f0fVPLuc
それならば!居直れ!もう触れ触れ触れ触れ触れまくってぇ
フェチってんの、わかんねえようにしてやれ!




こなた「ちょ・・・みんな目の色違うって!ハァハァすんなって!
     鼻血だすな気絶するな抱きつくなルパンダイブするな!
     少しは自重しれ〜〜〜〜〜〜〜アッー!!」
49名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:26:10 ID:fDk4o4lX
初めまして

今、投下大丈夫ですか?
50名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:26:28 ID:Q9tzLQTu
ふと見たら次スレでもう50KBオーバーって・・・
全くお前ら最高だぜ
514-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/11/07(水) 22:28:26 ID:uciusaAC
52名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:29:21 ID:qO5wAXVM
いや、仕事速すぎだろ…常識的に考えて…
53名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:36:22 ID:/4N2MHMj
いや、その前にどこを折畳めばこなたサイズになるのかと小一j(ry
54名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:41:03 ID:f0fVPLuc
>>51
ペタワロスwwwwwwwwwwwwwwww
これに対抗するはかがみの変装をした・・・だろなやっぱw
55名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:43:01 ID:hU8/K+kc
>>49
よし、やっちまえ
56名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:43:30 ID:qO5wAXVM
なんか何回も見てたら
「るぱんざさぁ〜」が
「るぱんざまぁ〜」に見えてきた…
57名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:45:40 ID:8fuT+TyA
この板初投下です。どエロ注意。10レス以上になりますが投下しちゃいますので許して下。

ーー自宅身体検査?ーー
581:2007/11/07(水) 22:46:56 ID:8fuT+TyA
「ただいまは〜」
「おじゃましま〜す」

かがみはこなたの家に遊びに来ていた。
「ふう…今日は寒いわね〜」
「そうだね〜。私の人肌で暖めてあげるヨ」
「…何か温かい飲み物を頂けると嬉しいのですが」

この時言ったこなたの言葉が冗談ではなくなったのはそれから間もなくのことだった。


こなたがあったかいお茶をお盆にのせて部屋に入ろうとしたその時…
「わあっ!」
お茶を入れて持ってきたこなたが、ドアのへりに足をつまづけた。
「あっ…」
転びそうなこなたを受け止めたかがみ。しかし、おかげでもろにお茶をかぶってしまった。
あまり熱くはなかったけど、かがみの服はしっかりと濡れてしまった。
「も〜!何してんのよあんた…!」
「あう〜ごめんよかがみん〜」
ハンカチでかがみの顔をふくこなた。
「びしょぬれになっちゃったね…。でも、ありがと!かがみ。私を受け止めてくれて」
「つ、つい体が動いちゃっただけよ…」
「だから、私はかがみの心も受け止めるよ」
「変なこと言うなっ!!」

「いや〜でもかがみは運が良かった!こんなこともあろうかと思って、ストーブを用意しておいて良かったヨ」
「こんなことがあるのか予想できたのかあんた…」

「ささ、かがみ脱いで脱いで。風邪ひいちゃうよ?」
「ええ!?いいわよ…着たまま乾かすから…」
「だ〜め〜!かがみ早く脱いで脱ぎなさいてゆうかさっさと脱げ☆」
「ちょっ!コラ!やめええっ!!
そう言った頃には既にかがみの服は脱がされていて、下着すらも脱がされていた。かがみは一糸まとわぬ姿になっている。
592:2007/11/07(水) 22:47:52 ID:8fuT+TyA
年頃の女の子が人前で裸でいて平然としていられるわけがなかった。
「こ、こなたぁ…服…着させてよ…」
かがみは顔を赤くしながらこなたに懇願する。
かがみは足を曲げて、大事なとこは手でしっかりと隠している。
しかし、こなたはかがみの後ろを見ていった。
「や〜かがみのおしりえっちぃねぇ」
「!!」
かがみが後ろを向くと、服装をチェックするための鏡が、全裸の自分の後ろ姿を写し出している。
「あっ…あ…」
急いで鏡をどけたいと思っているのに、手で大事なところを隠しているため動くことができない…

「さあ、かがみんの身体検査の始まりだヨ!」

「ちょっ、ま、待ってよ!私一人裸なのよ…!恥ずかしくてたまらないわよ…!」
「へぇ〜じゃあ、私も脱げば、いいんだネ?」
「ち、違っっ!!そういうイミじゃない!!」
そう言うとこなたはすぐに自分の服を脱ぎ始めた。そして、かがみの前で全裸になった。

こなたの方もさすがに恥ずかしいのか、足をもじもじさせている。少し頬が赤い。

「雪山遭難シチュを体験するのだよ。かがみと裸で抱き合うの!」
「なっ!…そそ、そんなことできるわけないでしょ!!第一、実際にそんな事して助かるワケないでしょ!!」
「こんな時でも強気になれるかがみ萌え。…でも、裸じゃかがみカゼひいちゃうかもヨ?」
「で、…でも、いやよ。恥ずかしくて私には無理…」

すると、こなたはシュンとした表情になって、
「…だってさ、かがみ着る服ないでしょ…風邪ひいちゃったら私のせいだもん… そんなにわたしのことイヤ…?」

こなたにこういう態度されると、かがみは途端に優しくなってしまう。
「えっ、う、ううん! …馬鹿ね。こなたのこと嫌いになるわけないでしょ…」

「ありがと〜かがみん♪」そう言ってかがみに飛びついた。
「ちょっ、だからこういう事は…」
「か〜がみぃ♪」
(もうこいつ私の話聞いてねえ)
603:2007/11/07(水) 22:48:53 ID:8fuT+TyA

ぎゅっ。
こなたは座っているかがみの足の上に座って、抱きしめた。
生まれた姿のまま抱き合う行為の恥ずかしさと、こなたの肌を直接感じるかがみ。
(は、裸で抱きあうなんて…しかも、こなたと…)
「かがみ…あったか〜い」
こなたが、ごろごろとかがみになついてくる。
(どうしよう…何やってるんだろ私…顔がすごく熱い……こなたの小さい胸があたってるし…)
「あぁ…」
こなたが体を動かすと、胸の小さな突起がかがみの体にこすれる。


「…あ」こなたが気付いたように言った。
「な、何よ…」
こなたがニヤっと笑う。
「かがみ…乳首勃ってますネ?」
「やっ…やめてよ…!///しょうがないじゃない…あんたが、いきなり…」
「もぅ…かがみんは可愛いなぁ。こーゆー時くらい素直に甘えてくれればいいんだよ…よしよし」
「…」

一瞬訪れた二人の沈黙

「かがみ、ちょっと触らせてね…」
「きゃっ!」
こなたが、かがみの胸をふにふにともんでくる。
「やわらかいなあ〜かがみのおっぱい」
「は、はっきり言うなあっ!///」
固く勃起したかがみの乳首をくりくりと指でつまんだり、先っぽを指でさわる。

「はあ…はあ…くぅ、あぁ…」
かがみの息が荒くなってくる。
(感じてきてるね、かがみサン。じゃ、次はこっちを看てみましょ♪)
「ひゃああっ!!!」
股にあるスジの部分も線に沿って優しくさわる。
614:2007/11/07(水) 22:49:53 ID:8fuT+TyA

体を抱きしめたまま耳もとでそっとつぶやく。
「かがみ」
「…何よ」
「濡れてる」
「んなっ!!」
かがみの顔は真っ赤だ。
(あ〜ん、もうかがみ可愛すぎるよ〜。もう我慢できませんヨ)


ずぶっ

「う゛っ」
こなたはかがみのスジの中に指を入れた。
「はぁっ、はっ、はっ…」
体ががくがくと震える

かがみの中で、右手の指を自在に動かす。円を描くように回したり、指ではさんだりして刺激を与える。
「んああ!!ひゃああああ!!!うん…、うくぅ…うぅう!!」
こなたの指がかがみの奥の方まで深く差し込まれる。
「ずるっ…ずるる…」
指を抜いていく。
「つぷぷ…ぬちゅ」
そしてまた指を入れる。
かがみはふるふると震えながらこなたの体をしっかり抱きしめる。

こなたは今度は左手で胸を弄る。
「だめっ!胸と両方は…」
「もっと気持ち良くなってね☆かがみん!」
「んぐ!!くは、はぐっ!!!す、すごいよぉ、こなたぁ…はぁはぁ」


ずぽっ。
こなたは右手の指を抜いた。すると、かがみの股からトロトロの液が溢れ出てきた。
「ん、ちゅぱ、…こくん。」
こなたは指についた液を飲んだ。
「はあ、はあ、こなたぁ…」
625:2007/11/07(水) 22:51:10 ID:8fuT+TyA

「次はこっちだよ!」

ずぼ。
「!!!!」
おしりの穴に指を差し込んだ。
「ん、あっ!!!!」
かがみは今までで一番大きな声をあげた。
「気持ちい?かがみ?」
「は、恥ずかしいからそこはだめぇぇっ!!!うあっ!あんっ!!き、汚いわよぉ…」
おしりの穴が一気にぎゅうと指を締め付ける。こなたは構わずその指を出し入れする。

指を引き抜こうとすると、なんだか異物が肛門の奥からにゅるにゅると出されるようで…
「こなた!!そこはだめぇっ!!!なんか、なんか出そうになっちゃうっ!!」
「大丈夫だよかがみ、それはそういう風に感じるモノなんだよ」
(…実際に出されちゃったらさすがにちょっと困るかもネ)
ずるずる…ずぶっ、ずぶっ、ずるる…

「ぐっ…!!!くふぅ、ぁ…やぁ…きゃあぁ…」
こなたはかがみのクリトリスをつんつんとさわった。
「ひゃああああ!!!!あうっ!あうっ!」
「さて、そろそろイっちゃいそうかな?かがみさんや」

「イクぅ…イクぅ…ああっ!!…っ…イクうううううぅぅぅぅぅっっ!!!」




「かがみ、すごい声だったねぇ〜」
こなたは指をきれいにふきながら言った。

かがみは座ったまま胸を抑えて深く呼吸してるだけだった。
今までの恥辱に耐えきれなかったのか何も喋ろうとしない。
「かがみ」
「…」
かがみは黙っている。
636:2007/11/07(水) 22:52:23 ID:8fuT+TyA

こなたはかがみの正面に座って、少し恥ずかしそうに言った。
「こんどは…私の体…さわっていいよ」
「…」
「次はかがみが私を看る番だよ」
「…」
「私に…えっちなことして、かがみ」こなたが顔を染めて言う。
「…」

そう言った途端、かがみがこなたを押し倒した。
「あんたのせいなんだからね…!あんたがいけないんだから…!!」
少し涙目で言う。
「うん…分かってる…」
「あんたが変なことばかりするから…私まで…!!」
「ごめんね…だから…今度はかがみが…ね?」
「こなたぁ…」

体を起こして、かがみはこなたの小さな体を抱きしめる。

かがみが、ふと壁の方を見ると、こなたの後ろ姿が鏡に写し出されているのが分かった。
「あ…」
自分よりずっと小さな体。かがみのふとももの上に足を広げて座っている。
こなたのおしりが丸見えだ。

「どったの、かがみん?」
こなたはかがみの目線に気付いて後ろを見る。
「…あ」
自分の裸の後ろ姿を見て、こなたの顔が少し赤くなる。
「やだなぁ…こっそり私の後ろ覗いてるなんて…かがみはえっちなんだから…」

「ち、違…」
「ちゅーして」
こなたが目をつぶってお願いする。
「へ…」
「ちゅー、して」
「え、でも、その…」

「はやくぅ」
「…」
かがみはこなたの頬に手をかけた。こなたの顔の温もりが伝わってくる。

そして、息を深く吸って、自分の唇を、こなたの、唇に、合わせる―――――

647:2007/11/07(水) 22:53:28 ID:8fuT+TyA

「はぁ…はぁ。すごいドキドキしたよかがみ…」
「わ、私も…」
「…じゃ、私を…好きにしちゃってイイヨ、かがみ」
「う、うん…ふふっ」
二人の仲が甘い雰囲気に変わっていく。

「ん…(始めてだから、うまくできないかもしれないけど…)」
かがみは、こなたの耳や、首の辺りをなめたり、キスをしたりしてみる。
「ちゅ…ちゅっ、あむ、…ぺろっ」
「あ、あはっ!かがみ、くすぐったいよぉ…」
首をすくめてこなたが体を捩って喜ぶ。

「ど、どうかな…?」かがみがちょっと不安げに尋ねる。
「すごい、気持ちいいよ…」
「そう、良かった…」

「じゃあ次…おっぱい…」
こなたがかがみに次に触ってほしい場所を指示して、横になる。
「うん…」
かがみは寝ているこなたの体をまたいで、こなたのお腹におしりを乗せる形になった。
こなたの小さな胸をさわる。
「あ…!」
こなたが声を出す。
「大丈夫?」
「うん…続けて…」
(こなたって、胸小さいのに結構感じるのかな…)
自分が興奮してくるのが分かる。
こなたの胸を優しく揉む度に「あん…」とか「ぅあっ!」と言う声が聞こえる。
(こんなこなた始めて見た…胸をさわる度に喘ぐこなた…可愛い…)
658:2007/11/07(水) 22:54:36 ID:8fuT+TyA

胸を指先で刺激しながら、耳を舐める
「んあ…かがみ…かがみぃ…」
こなたの小さい乳首もちゃんと勃起している。かがみは、乳首を吸った。
「ああああああああん!!!!」こなたの切ない喘ぎ声が部屋を満たす。

「はあ、はあ、はあ…もう、かがみのえっち…」
「…」
その言葉でさらに興奮するかがみ。そして今度はこなたのアソコをなめる。
「ん、ぺろっ、ちゅ…ちゅぱ。ん、んくっ!…じゅるじゅるじゅる…」
「んあああ…!!かがみの舌がぁ…ああ…私の、私の膣にぃ!」
「ちゅる、ちゅ、くちゅくちゅくちゅ!!ぬるっ、ぺろっ、じゅぽ」
「あ!はあぁ!んあぁっっ!!もうだめ、出る…!!」


ぷしゃああああああ…ぴゅっ、ぴゅ…

こなたの股の間から噴水のように液を噴き出された。

「わっ…すごい…」
「はぁっ、はぁっ、わ…私、しお…噴いちゃうんだ…はあはあ」




「落ち着いた?」
倒れたままになってアソコを手で抑えているこなたに言った。

「うん…」
「こなた…もう一回だけ…いい?」
「かがみ…結構やるね…でも…いいよ」
二人は唇を合わせ、わざと音をたてながらむしゃぶりつくようにキスをする。
「ちゅ、ちゅく、ちゅぱっ、…んん、くちゅくちゅっ、…ぷはぁ…」
涎が口についたまま二人は目を合わせる。

669:2007/11/07(水) 22:55:42 ID:8fuT+TyA

「…いくよ」
こなたはかがみの乳首を口に含んで、軽く噛んだり強く吸った。
「あ、あああああああああああ!!!!!!!!」
かがみが体をびくんと痙攣させて、すごい声で叫ぶ
「かがみ、感じすぎだよ…」
「だって…  だってぇ…」
刺激と大声で叫んだ恥じらいで、かがみの顔が真っ赤になっている。

そして、こなたの指示でお互いの秘部をさわりあう。
「…もういいかな」
こなたは自分の足を広げる。股のスジが開いて、愛液の糸がひいてるのが見えた。
そして、かがみは自分のアソコをこなたのアソコと密着させた。

かがみは腰を上下に動かす。

「…!!…っっ………っは!!………くぅぅ……あ!はぁっ!!……」
こなたはあまりの快感に息ができない程あえぐ。
「んっ!んっ!…んんっ!んっ!く、ふ…っ…!んっ!んっ!んっ!んっ!」
かがみは真っ赤な顔で目をつぶりながら、ひたすら腰を動かす。

ぐっちゅぐっちゅ…ちゅく、ぐちょ、ぬちゃ、ぬちゃ…
二人の、なかは既にびちょびちょに濡れてしまっており、合わさった部分から恥ずかしい音が聞こえる。

「ぅぐ、ぁ、は!!は!はぁ!!あんっ!あんっ!!あんっ!」
始めて聞くこなたの大人の喘ぎ声。
幼い声なのに妙に大人っぽく感じる叫びが、かがみを一層興奮させる。
「うあ!!はあっ!はあっ!いやぁ…!!す、ごい…あん、あんん…!」
「かがみぃ…かがみぃ…!かがみぃっ!!」
「こ…な、たぁっ!!…ぐ!!うぐっ!!ふぅ…あ…ぐぅ…!!」
かがみはこなたのおしりを鷲掴みにする。
「あぁあ!!あぁあ!!」
「こなたあ…!あぅ…あぅっ、あっ、…わ、私…もう…やばい…!!」
「かがみっ!かがみっ!アソコが…わたしのアソコが…きゅんきゅんいってるよぉ…!」
「こなたぁ、私もっ!うぐっっ!!!私もっ!…イきそぉ!!」
「うぅうっ!!!うぅうっ!!!うぅうっ!!!出る!出そう!出ちゃうっっ!!」

「出ちゃうよぉぉっ!!!」

6710:2007/11/07(水) 22:56:47 ID:8fuT+TyA



…ぶしゃあっ!!!


二人一緒に絶頂した。
こなたの膣から勢いよく出る液がかがみのアソコにかけられる。
二人の下半身はすっかりびしょぬれになってしまっていた。



その後…

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…か、がみぃ…」
「こなたぁ…」
「かがみ…すごいえっちなんだね」
こなたは赤い顔で少し笑いながら言った。

「ご、ごめん…でも最初に迫って来たのはあんたでしょ…」
「いざ、攻められると暴走しちゃうのはツンデレの真骨頂だよネ♪」
「ばか…」
かがみが薄目で目をそらす。今のかがみの顔はすごい色っぽい。

「かがみのそうゆうとこも…     …好き」
こなたは口に少し微笑を加えた真顔で言った。

「や…やだ…本気で言わないでよ…////」

「かがみ…私にも言って」

「え…………」

「言って」
「…  ぅ、 うん…」

こなたはにっこり笑った。
6811:2007/11/07(水) 22:58:54 ID:8fuT+TyA


「こ、こなた…」
「うん」

「…わ、      …私…」
「うん…」

「…」

「こなたのこと、好きよ。     …すき」
「…」
「好きなんだからねっ」

「かがみぃ…」

ちゅ。
こなたはかがみの可愛さにたまらなくなってキスをした。
かがみは、まだこなたと目を合わせられないでいるが、嬉しそうだった。

「「好きなんだからねっ」っていうとこが、なんだかツンデレっぽくて萌え」
「…うるさいなぁ」
「3回も言ってくれて嬉しいよ…かがみ…えへへ」
「こなた…ふふっ」
お互いに目を合わせて笑う。

それから後も、私達二人はずっと愛し合った。
69名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:00:36 ID:8fuT+TyA
完。

>>58-68
合計11レス…このスレ初投下なのにこんな長くなってしまったゴメンヨorz
70名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:02:47 ID:69XkwFAW
ゆ、雪山で遭難した時、裸になって暖めあうしか手段がないというのは、じ、実はかなり絶望的な状況です。
乾いた服もなく、ひ、避難場所の状態や場所の確認など、すべきこともできずに、だ、抱き合うしかないというのは……


で、でも、その前に、私が出血多量で死にそうです(ボタボタ
71名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:04:23 ID:f0fVPLuc
ゆ、ゆきちゃん、出血のまえに、体が溶けてるよ・・・><;
72名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:05:45 ID:uciusaAC
>>69
これはとっても可愛いこなかが!(*゚∀゚)=3
また一人神が降臨(-人-)

>>54
スミマセン。>>53のレスに触発されて描き始めたらこっちになりますた(´・ω・)ノシ
http://www.geocities.jp/extream_noise/rakisutaep/img/jigen.jpg
73名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:09:09 ID:1Epr71Wq
>>72
あれ…かがみ…?
髭燃えるよかがみ…
74名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:09:45 ID:hU8/K+kc
>>69
GJ!!!
うまいじゃないか、これからもどんどん投下してくれ

>>72
ちょwwwwwそれ物理的に無理だろwwwww
75名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:12:14 ID:f0fVPLuc
>>73
いや、面はゆたかだろwwwwwwwwwwwwwww
もっと不可能wwwwwwwwwwwwwww

よし!もうこうなったら、かがみ銭型、みゆき不二子、つかさ五右衛門でwwwww
76名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:22:04 ID:2aFfCVcG
やつはとんでもないものを盗んでいきました。
それはあなたの―
77名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:25:47 ID:hU8/K+kc
描きかけの原稿です!
78名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:26:48 ID:f0fVPLuc
今日の格言











腐っても姫
79名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:35:38 ID:W0LI/Ox2
腐り姫と申したか
80名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:47:32 ID:+/0onWKs
前スレ埋め乙+>>1乙+投下した人乙!

>>70
みゆきさん、願望をIDに出しすぎですよ?
81名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 00:40:52 ID:rZjX1STE
えーと、>>49です
誰もいないようですので、投下させていただきます

・ゆたか&みさお
・エロ無し
・4レス使用
82バス停ひまわり 1/4:2007/11/08(木) 00:42:49 ID:rZjX1STE

時刻表に目を通し、どのバスもしばらく来ないことを確かめると、
私は停留所のベンチに腰を下ろした。
バスを待つためじゃなくて、ちょっと休憩をするために。
このバス停には日よけは付いていないけど、代わりに道路脇に植えられた背の高い常緑樹が
ちょうど陰を作ってくれていて――それでも、やっぱりちょっと暑い。
セミの声がしょわしょわと、あたり一面に降りそそいでいる。

「ふぅ……」

こなたお姉ちゃんが持たせてくれた水筒を開け、よく冷えたスポーツドリンクを一口ふくむ。
おいしい。
乾いた身体に優しい水分がじわりと染み込んでいく感覚を味わいながら、
私は軽く目を閉じた。

今、私こと小早川ゆたかは、クラスメイトの岩崎みなみちゃんの家に向かっている。
同じくクラスメイトの田村さんとパティちゃんも来ることになっていて、目的は勉強会。
具体的には、発案者であるパティちゃん曰く、
「ミナサンで力をあわせテ夏休みの宿題をやっつけマショウ!」
ということらしい。

腕時計に目を落とす。
早めに出てきたおかげで、約束の時間までにはまだもうちょっと余裕がある。
けど、また休みたくなっちゃうかも知れないし、そろそろ行こう。
と、顔を上げたところで、



目が合った。



「…………」
「……え」

ゆったりとした迷彩柄のΤシャツ。膝丈のカーゴパンツ。先鋭的なデザインのスニーカー。
しなやかに引き締まり、健康的に日に焼けた手足。
色あせた野球帽に収まる、飾り気なく伸ばされた髪。
そんな、いかにも活発そうな格好の男の子が、ベンチのすぐ脇から、私のことを見つめていた。
83バス停ひまわり 2/4:2007/11/08(木) 00:44:27 ID:rZjX1STE

思わず後ろを振り返る。
当然のように誰もいないし何もない。
目を戻すと、男の子――私より一つか二つ年上だろうか――は
やっぱり私をジッと凝視し続けていた。

「じー……」

というか、口に出して「じーっ」って言ってる。
同じことを何度かこなたお姉ちゃんにされたことはあるけど、あくまでそれは冗談で。
でもこの人は、なんだかすごく真剣だ。
なんだろう、ちょっと怖い。
怖いけど、それ以上に何がなんだかわからない。

あ、もしかして。
私の格好がどこかおかしいのかな。
そう思って服を見下ろしてみたり顔や髪を触ってみたりするけど、よくわからない。
それに、そう。
おかしいところがあるなら、出かけるときにこなたお姉ちゃんや叔父さんが教えてくれるはず。

「じー……ぃー……い〜〜……?」

あれ? ちょっと語尾が上がりはじめてる?
続いて首がだんだんと傾いてきて、とうとう腕を組んで目を閉じてウンウンうなり出してしまった。
視線から開放されてほっとする。
と同時に、あらためて疑問に思う。
なんなんだろう。
それに、そもそもこの人は誰なんだろう。
そういえば、なんとなく見覚えがあるような気もする。
同じ学校の先輩とか?

「むぅ〜〜……いやいや、うんうん。……じゃなくて、えーと、んむむむむむ〜〜〜〜」

って、うわあ。
なんだか一人でうなずいたり首を振ったり微妙に落ち込んだり、ちょっと大変なことになってるよ。
絵を描いてるときの田村さんに、少しだけ似てるかも。
じゃなくて。
どうしよう。
どうしたらいいんだろう。
だって私のせい……だよね?
私のことを見ててこうなっちゃったんだから、少なくとも無関係じゃない、と思う。
よし、とりあえず声をかけて……

「あ、あの――」
「わかったっ!!」
「ひゃっ!?」
84バス停ひまわり 3/4:2007/11/08(木) 00:46:03 ID:rZjX1STE

声をかけようとしたその瞬間、大きな声を上げられて、小さく悲鳴をもらしてしまう。
でも……え? あれ?
この声って……
うなってるときは低音だったから気がつかなかったけど……

「ちびっ子の妹だ! だよな!? あ〜、やぁっと思い出せたぜぇ」

やっぱり!
女の子だ!
ちょっとハスキーだし口調も男の子っぽいけど、この声は間違いなく女の子の声だよ!
あうう……私ったらなんて失礼な勘違いを……
しかも相手は――

「お〜い、どしたぁ〜?」
「えっ、あっ、やっ、そのっ!」
「あんた、アレだよな? 名前……は、わっかんねんだけど。ちびっ子……泉だっけ?
 それの妹さん。違う? 合ってる? 違ったらゴメン」
「ち、違わないです! 合ってます!」

私のたどたどしい答えを聞いてその顔に浮かんだ、いかにも「ニカッ」って感じの笑顔は、
記憶の中にあるのと全く同じものだった。
口の中で八重歯が一本きらりと光る。

「そっか! やっぱな!」
「……あ、あの。それで、その」
「ん?」
「あの、こなたお姉ちゃんの、お友だちの方ですよね?」

そう。
思い出した。女の子だってわかったことで、私のほうも思い出したよ。
学校でこなたお姉ちゃんたちと一緒にいるところを、何度か見たことがある。

「うぇ? ……いやいや。あたしはほら、ひぃらぎの。おんなじクラスの。五年連続の」
「え? えーと……」
「あー……うん。いーよいーよ。それで合ってる。ちびっ子の、でいーや、別に。うん」
「? ? ?」

え……っと……どういうこと、だろう。
「ひいらぎ」って、かがみさんのことだよね? あ、でもつかささんも「柊」さんだし。
それに「ちびっ子」っていうのは、やっぱりこなたお姉ちゃんのこと?
85バス停ひまわり 4/4:2007/11/08(木) 00:47:44 ID:rZjX1STE

「だからぁ、あたしはもともとひぃらぎの友だちで、ってゆーかひぃらぎがもともとあたしの友だちで、
 中学のときからもう五年連続で同じクラスなわけよ。
 なのになんか最近ずーっとちびっ子にべったりで……昼飯も向こうまで行って食うんだぜー?
 そりゃま、たまにはあたしらとも一緒してくれるけど……さびしーんだよー。わかるかー?」
「へ? あ、あの、はい」

唐突に「るー」と泣き出したその人に驚いて、思わずうなずいてしまう。
でも、なんとなくわかった。
要するに、かがみさんかつかささんを通じてこなたお姉ちゃんと友達になった、と。
そういうことだろう。たぶん。きっと。おそらく。

「そっかー。わかってくれるかー。いーヤツだなーおまえ」
「ひゃっ!? ど、どういたしまして……」

いきなり肩に手を置かれたことに驚いたけど、なんとか返事を返せた。
その人は帯状の涙を流しながら、噛みしめるようにウンウンとうなずいている。
……目の前で人が泣いているのに、あんまり心が痛まないのはなぜだろう。

「えっと、それで……あの……」
「ん? なに?」

肩から手が離れる。
と思ったときにはもう泣いてなかった。涙のあとすら残っていないのが凄い。
まあそれは、置いといて。ええと……どう訊けばいいんだろう。

「あ、そか。みさお」
「へ? ……え?」
「あたし。日下部みさおっての。あんたは?」

あ、名前か。
そういえばまだ名乗ってなかった。
……言おうとしたのは、「ひいらぎ」がどっちの柊先輩かってことだったんだけど……
そうだよね。自己紹介はちゃんとしておかなきゃね。

「あ、わ、私は、小早川ゆたかっていいます。こなたお姉ちゃんの従妹です」
「イトコ? あ、そーなんだ。そーいや名字違うな。――小早川ね。わかった。よろしくな!」

そう言って日下部先輩は。
口をニッカリと大きく開けて、ひまわりみたいに元気いっぱいの素敵な笑顔を浮かべてくれた。

「はい! よろしくお願いします!」



86名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 00:50:32 ID:rZjX1STE
以上です
初めての投下で勝手が分からず、もたついてしまいました
申し訳ありません

ありがとうございました
87名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 00:58:17 ID:ylNsoTlO
>>69
え、えろすっ!というかこれ本当に初めてなのか!?
ハァハァさせて頂きました♪
でも見入っていた所を親に覗かれて激しく欝になった……orz

>>86
こ、このカップリングは…データにない新型だ!
けどバス停での出遭いに違和感ないというか、そのうちリアルで起こってもおかしくない。
GJです。

しかし自分の方は書きかけのやつが全然進まない。がんばらなければ。
88名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:14:03 ID:12O6zz51
SSにみさきちが出る度に、
漏れの脳内とハードディスクに溜まっている大量の未完成SSの処理を早急にせねばならないことを思い出す。

早いとこみさきちSSを完成させなけれヴぁ!!
89名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:16:38 ID:1QZPZTcM
>>69
エロォォォォォいッ説明不要!! エロすぎ!!! おっきした!!!
つまり何が言いたいかというとGJだ!!

俺も早く初SS完成させんと・・・・
90名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:16:44 ID:DpmruBWa
>>86
この二人の絡みは新しいな
みさおの性格がよく出ててよかったんだぜ
GJ
91名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:27:02 ID:piepG+6x
ttp://www.amiami.com/shop/ProductInfo/product_id/79856

角川め…ひどいことをする
924-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/11/08(木) 01:37:35 ID:29N+hMxY
93名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:41:11 ID:R9taaULW
>>91
これは酷いパッケージ。こいつは間違いなくこのスレ住民の萌え殺しを狙っている



つーか、これじゃ百合ゲーにしか見え(ry
94名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:44:26 ID:29N+hMxY
>>93
言われるまで何がひどいのかわからんかったorz
おいら的にこのパッケージに全く違和感が湧かなかったのは
間違いなくこのスレのおかげ(褒め言葉
95名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:46:21 ID:DpmruBWa
このゲームの立ち絵はなんでこんなに不自然に足が長いんだろうか…
96名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 01:50:59 ID:YDt+nklP
萌えドリルの時のパッケージも(良い意味で)酷かったよな。
97名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 02:05:44 ID:/JY3W5+X
>>32
GJ! これは凄い。元ミステリオタクの自分に対する挑戦だな!

犯人は!…えーと…だ、だれだろう?w

素直に考えるとあの人で矛盾なさそうだけど、そのまますぎる気もする…。


>>86
これは素晴らしく綺麗な文章。
みさおが本当にみさおっぽくて、読んでてニヤニヤしてしまった。
病弱なゆたかが健康的なみさおに惹かれるっていうのは凄くありそうで、
勝手に続き期待してます。
987-896:2007/11/08(木) 02:12:13 ID:4pBGFDIF
投下のタイミングを見計らえずに、次々作品が投下されていく……やっぱりここは恐ろしいスレだ……

そろそろ投下いい感じですかね。
どうも、最近やっとこなふぇ関係も落ち着いてきたかな、と思っていた矢先の前スレラストスパートに吹いた7-896です。

それからちょっと謝罪です。
35kbあったはずなんですけど、よく整理したら、SSだけの場合30kbありませんでした(´・ω・`)
投下しておけばよかったかなと、少し後悔。
22スレのとりを飾れたかもしれないのに(それか


白石視点
白石&あきら様
非エロ
15レス

※独自設定があります
※変なオリキャラがいます

!−!−!−!WARNING!−!−!−!

 ※『 白 石 女 体 化 注 意 』※

!−!−!−!WARNING!−!−!−!

もう一度言っておきます
白 石 が 女 体 化 し て い ま す 。
読んで下さる方はそれにお気をつけください。グダグダ注意書きすみません。

では投下します。
99『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:14:50 ID:4pBGFDIF

 清々しい朝。
 カーテンの隙間から差し込む太陽の光と、小鳥たちの囀りで目を覚ます。
 雲一つない青空が、靡くカーテンの間から見え隠れした。
 今日はけたたましい自動起床装置が鳴り響く前に、起きることができたみたいだ。
 でも今日から学校だよ……
 休日開けってどうしてこう学校に行きたくなくなるのだろうな。
 そんでもって学校が終わったら収録。
 何のって? らっきー☆ちゃんねるに決まってるだろ。
 そう、短い収録時間なのにやたらと疲れるあれだよ。
 でも最近楽しくなってきてしまっているのだから、慣れって怖いよな。
 っつっても、相手が可愛い女の子じゃなかったら、今頃逃げ出してたかもしれないけど。
 さて、布団の中で脳内妄想繰り広げている場合じゃないか……
 そろそろ起きないと、やつが鳴り響く頃だし。

 目覚まし時計が鳴く前にスイッチを切る。
 今日は俺の勝ちだ。まいったか!!
 空しいな……
 あーもういいや、取り敢えず着替えよう。
 グイッと上半身だけを起こす。
 軽く伸びをすると、背中の骨がポキポキと音をたてた。

 だがそこで、違和感を覚えた。
 パジャマがでかくなった? なんかブカブカなんだけど……
 それでいて胸の辺りがパジャマに押されるような、少し窮屈な感じ。
 なんだろうと、伸びをした姿勢のままで首と視線を下に向けた。

「……は?」
 膨らんでる。
 うん、膨らんでる。
 寝ている間にぬいぐるみでも突っ込んだのか?
 ……はて、この部屋にぬいぐるみなどあっただろうか。
 ひとまず触ってみることにした。

 ふにっ

 わー、やわらかいなぁ。
 いや待て、いま確かに自分と同化しているような感覚が……
 もう一度触ってみる。

 ふにふに

「やわらかい……」
 やわらかい……
 思ったことをそのまま口に出してしまうくらい柔らかかった。
 なんだろうこれは……もう一回
100『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:15:58 ID:4pBGFDIF

 ふにゅ

「んっ」
 ……あれ?
 なんだ今の声。
 女の人の声が聞こえたような。

 ふにふに

「っあ」
 あれ、自分の口から出てる?
 ってかこのやわらかいの触るとピリピリするんですが……手じゃなくて体全体が。
 不思議だ。なんだろうこれは……今までに感じたことのない感触だ。
 俺は、その胸元をぐいっと引っ張り、中を確認してしまった。


「……はっはっは、なんだ胸が膨らんでぎゃぁあぁああぁあぁぁあぁあああ!!」


 いつもの自分の声よりも明らかに高い声が、部屋中に響いた。





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『Assistant-Turn Over』

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 い、いったいどういうことだ? 状況が掴みきれてないんだけど……
 い、いや落ち着け、落ち着くんだ俺。
 まずは状況を整理してみよう。
 ……昨日の夜までは確かに男のままだった。
 収録が終わって、あきら様にだめだしをされてから帰宅。この上なくだめだしされてから帰宅。
 夕飯を食べて、風呂に入った。それから、あがったあとに次の収録の内容を確認して、学校の準備。
 ……そして何事もなく就寝。
101『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:16:53 ID:4pBGFDIF

 ……どこもおかしいところなんてないと思うんだけど?
 宇宙船が墜落してきて巻き込まれて、手違いで性別が反転してしまったわけでもない……
 じゃあどうして?
「い、いや……まだ気のせいかもしれない」
 往生際の悪い俺は『自分の顔を確認するまでは』と、未だに女になってしまったのであろうことを信じていなかった。
 机の上にある折りたたみ式の鏡を手に取る。
 『あんた一応テレビに出るんだから、せめて身だしなみくらい整えときなさいよ?』と言いながらあきら様がくれたものだ。
 恐る恐るそれを開く。
 鏡に映るは女の子。まごうことなき女の子。更に言えば相当可愛い。
 そして残念なことに、その顔は自分のものだった。
 ……うぅ。

「そうか夢か」
 鏡を見ながら頬を力の限り引っ張る……のは流石に痛そうだったので、加減してクイッと摘んだ。
 痛い、この痛みは本物だ。
「いや、まだ分からないぞ」

 いや、言ってみただけだが。

 ……ごめん……語りがギクシャクしてるのは、てんぱってるからなんだ……しばらくの間は許してほしい。

「みのるー、そろそろ起きないと遅刻するわよ?」
「ぶっ!!」
 扉のすぐ向こうで聞きなれた母親の声がした。
 まずい、これは明らかに入ってこようとしている。
 俺は急いで布団に包まった。
「ほら、起きなさいよ」
「ごほっごほっ、ごめん母さん。風邪引いたみたいで体だるいんだよ。今日は学校休む」
 苦し紛れの芝居。
 地が女の子の声なので、無理やり震わせて低くしても、結局は高めになってしまう。
「あら、そうなの? じゃあゆっくり寝てなさいね? 学校には電話しておくから」
 バ……単純でよかった。
 部屋から出て、階段を下りていく音を確認してから、俺は布団から出た。
 両足でしっかりと立ってみると、いつもよりなんだか体が軽い。
 これが女の子なのか……
 手でなぞってみて分かる、女の子の体。
 といっても女の子の体なんて触ったことないけどな。
 ……それにしても。
「綺麗な顔してるなぁ」
 もう一度鏡をみて呟いた。
 ナルシストじゃないよぞ?
 だって自分の顔じゃないし。自分の顔だけど……意味分からないな。
 でもやっぱり、元の自分の顔と比べるとかなり綺麗だ。
 いや、元の顔が汚いって意味じゃないぞ?
 普通くらいかなぁ、とは思ってるし。
102『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:20:46 ID:4pBGFDIF

「それにしても、どうするかな……これ」
 直る方法とかあるのかな……
 一生このままとかないよな?
 ……考えたらちょっと寒気がし……あれ? 結構楽しいかも。

「ぶるぶるぶるぶる!! 何を考えてるんだ俺は!!」
 馬のように顔を振って、思考を中断。
 取り敢えず着替えることにした。





「……微妙」
 完全に男物のパーカーとジーパン。
 こういうのしかないんだから仕方ないだろ。
「他にもいろいろ着てみたいかも……」
 なんて考えている俺は、結構余裕あるみたいだ。
 というよりも、まだ朧なだけなんだろうな……
 ってかマジどうしよう。
「考えても仕方ないか……取り敢えず出かけよう」
 俺は、財布と携帯を掴み、部屋のドアに『しばらく熟睡するので入らないように』という張り紙をして
 音をたてないように家を出た。





「空が青いな」
 なんとなく呟いてみた。
 こんなにいい天気なのに、俺の気持ちは曇っている。
 外に出てから思ったんだけど、こんな時間に俺くらいの人が出歩ってるのはまずいんじゃないだろうか。
 補導とかもあるけど、知ってるやつと会う可能性があるってのが一番危ない。
 なんのかんの聞かれたらどう答えればいいんだろうか。
「――ってな感じで臭くってさぁ」
「!!」
 いきなりクラスメイトに遭遇かよ!!
 10m先から、クラスメイトの泉とつかさ、その姉のかがみが楽しそうに話しながら歩いてくる。
 やば、どうしよう、隠れるところないぞ!?
 右往左往している間にも、3人はこっちにやってくる。
 そして泉と目が合った。
「っ……」
「……?」
 キョトンとした顔をしながら、泉がお辞儀をした。
 反射的に俺もお辞儀を返した。
 他の2人も行儀よくお辞儀をしてくる。
103『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:22:02 ID:4pBGFDIF
「えっと……どうも」
「あ、はい、どうも」
「「おはようございます」」
 見事に挨拶が被る柊姉妹。
 流石双子、シンクロ率がすごいな。
 400%くらいか? そんなにないか、あったら溶けちゃうし。
 ってそんなこと考えてる場合じゃないだろ!!
 いつも見ている相手だけに、変な汗が流れる。
「それじゃあ、学校なんで」
「……え? あ、うん、いってらっしゃい」
 結局挨拶をしただけで、3人はバス停に向かって行ってしまった。
 今思ったけど、俺今女の姿してるんだからばれるはずないよな。
 周りの目を気にする必要はないってことか。
 これなら心置きなく調査できるな。
 って言っても、原因なんて皆目検討つかないけど。
 あれだよ、何か行動しなきゃやってらんないでしょ。

「ねぇこなた、あの人知り合い?」
「いや、それなんだけど、なんとな〜く会ったことあるような気がするんだけど、全然覚えてないんだよね」
「……本当に失礼なやつだな」
「でもすごく綺麗な人だったね♪」
「そうね」
「そだねー、お姉さまって呼びたくなるね」
「ならねーよ」

 そんな会話が僅かに聞こえてきた。
「……あぅ」
 なんか顔熱い……
 お姉さまって……変な性癖に目覚めそうだ。

 と、とにかく、はやいとこ行動しよう。
 お腹空いたし。

 俺はお腹の中を満たすために、街道へと足を進めた。






「むぅ……」
 困った。いきなり困った。
 今俺は、あるデパートの中にいる。
 朝食を食べてなかったので、近くのパスタ専門店でミートソースを頼んだ。
 子供っぽいとか言うな。
 で、そのあと適当に服を見て回っていたんだ。
 理由は勿論、今の俺の状況から察してもらえるだろう。
 流石に男っ気出しまくりのこの服は、なんかいけない気がしたので
 女物の洋服を探していたわけだ。
 そして必然のようにたどり着いてしまったのが……らんじぇりーショップ。
 つまりその……パンツだとか、ブ、ブラジャーとかだ……
 えぇーいままよ!! と、飛び込んだのだが、僅か1秒で出てきてしまった。
104『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:23:05 ID:4pBGFDIF

 いや、今困っているのはそういうことじゃないんだ。
 緊張したからか、それともメロンソーダを2杯も飲んだせいなのか分からないが
 まぁ誰にも訪れる生理的な現象が起こったわけ。
 じゃあトイレ行けばいいじゃん、てなことなんだろうけど
 生憎今の俺には、そんな軽く済ませることができる余裕はない。

「……どうやってするんだろ」
 パンツを脱いでみると、やっぱりなくなっていた『あれ』。
 延べ棒、シンボル、勲章が跡形もなく消え去っていた。
 まぁ仕方ないんだけど、今まで女性経験のない俺が、女性のそこの仕組みを知っているわけもなく
 どうやっておしっこすればいいのか分からなかった。
「普通に大するときと同じように、かがめばいいのかな?」
 ん〜、悩んでても仕方ないか、取り敢えずしてみよう。
 しゃがんでみる。
「……」
 で?
 あとはどうすればいいんだろう……
 男の時と同じようにしてみればいいのかな。
「んっ」
 股間の筋肉を緩めると、堰を切ったように吹き出る尿。
「うお!? すご、変なとこから出てる!!」
 ……って何興奮してんだ俺は。
 変態か。
 済ませ終わって、トイレットペーパーで拭く。
 服を調えてからトイレを出た。これは一生忘れない初体験になるだろう。
 というかなんだ、このやり遂げた感は。





 結局女物の下着とか服とか買う勇気もなく、そろそろ高校が終わる頃になってしまった。
 俺は、何の手がかりもなく、街中をぶらぶらしていた。

 世界がいつもと違って見えた。
 通行人の目や、視線の高さ。
 話しかけてくる人(ティッシュ配りとかの人)や、足取り。

 男の視線が、なんだか品定めしているように見える。
 女の視線が、なんだかランク付けしているように見える。
 ブラをつけてないせいか、歩くたびに上下に揺れて歩きずらい。

 さっきまではパニくっていたのだろうか、落ち着いてくると
 男の体のときとは違う、今までに経験したことのない感覚に気づき始めた。
 落ち着かないっていうか、こそばゆいっていうか。
 しかも、自分の匂いなんだろうけど、少し動くだけでいい匂いが漂ってくる。
 あきら様といるときにも良く感じる、女の子の匂いだ。
 そういった、何もかも始めての、女の子特有なのだろう感覚のせいで、さっきから俺の心臓は動機が治まらなかった。
105『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:24:26 ID:4pBGFDIF

「ねぇねぇ、ちょっとそこの君さぁ」
「え?」
 そんな思考を中断するように、後ろから声が聞こえた。
 振り返ってみると、見るからに柄の悪そうな男が3人。
 変なニヤニヤ笑みを浮かべながら、俺の体を撫で回すように見てくる。
 なんか気持ち悪いな。
 そんな気持ちと同時に、今のシチュエーションに疑問を感じた。
 これってもしかして……
「お、遠くから見てて思ってたんだけど、やっぱ君可愛いね」
「格好はまぁ置いといて、かなりいけてんじゃね?」
「だよな!!」
 うわ、ナンパじゃね? ……口調がうつった。
「もしかして今、暇? 俺らも暇してるんだけどさ、一緒に遊ばね?」
「俺らおもしれーとこ知ってんだよね」
「だよな!!」
 そう言いながら、キャップを被ったリーダーみたいなやつが、肩に手を回してきた。
 他の2人もじりじりと近づいてくる。
 これは断った方が良さそうだな……
「俺……えっと、私用事が」
「こんな時間にこの辺1人でぷらぷらしてたってことはさ、遊び相手探してたってことじゃねーの?」
「なんならさ、俺らが服買ってあげよっか? ほら、なんか俺ら紳士じゃね?」
「だよな!!」
 さっきまで肩に回してた手が、いつの間にか腰に移動していた。
 しかも親指で胸を触っている。
 何が紳士だ。
 振りほどきたいのに、この体のせいか力が入らない。
 このままでは流されそうだ。
 まずいな……
「ほら、あっちいこうぜ?」
「みんなで遊んだ方が楽しいって」
「だよな!!」
 そう言いながら、ほぼ無理矢理連れて行かれそうになる俺。
 囲まれているせいで、抜け出せない。
 周りに助けを求めようとしても、皆が皆、俺から視線を反らしている。
 結局皆、自分が一番可愛い。他人の騒動に巻き込まれて、怪我なんかしたくないに決まってる。
 世間の冷たさに、いまさらになって気づかされた。

 ……そしてもう一つ気づいた……3人の中に1人、いらんやつがいる。


「「「!?」」」
 突然のことだ。
 ナンパ男達をグイッと押しのけ俺から離れさせた後、俺の手首を掴んで走り出す、小さな女の子。
 その子は、俺の知っている女の子だった。
106『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:25:48 ID:4pBGFDIF
「な!? おい待てよ!!」
「待てっていってんだろが!!」
「だよな!!」
 最後何だよ。
 一瞬呆けていた3人は、我にかえると鬼のような形相で追いかけてきた。
 こっちは女であっちは男。
 普通なら追いつかれると思うだろう。
 だけどこの子は、慣れたように人垣を縫うように駆け抜ける。
 時間が時間だけに、結構な人数が犇めきあう街道。
 体の小さなものが有利なのは、一目瞭然だ。
 振り返ると、男たちは米粒くらいになっていた。




「「はぁ、はぁ、はぁ」」
 小さなショップに駆け込んで、ようやく足を止めた俺たち。
 隣のあきら様は、膝に手をついて大きく呼吸している。
「慣れて……るんですね……はぁ」
「まぁ、ね……はぁ……私も結構有名だから、似たようなこと結構あるし……はぁ」
 その姿勢のままこちらを向いて『ニッ』と笑うあきら様は、なんだかすごく可愛く見えた。
「それにしてもあきら様、今日のこの時間は……収録じゃなかったですか?」
「え? 今日は仕事休みだけど……」
 あ、そういえばそうだった……完璧忘れてた。
「ってかあんた誰よ。なんで私のスケジュール知ってんの?」
 誰って、あれだけ一緒に番組やってて何を……
 あ、そっか。
 今俺女なんだ。
「あ、その、あの有名なあきら様なら、毎日仕事で忙しいんじゃないかなぁって」
「ふーん……」
 あわわ、怪しんでる?
「……まぁいいや。あんた名前は?」
「な、名前ですか?」
 どうやら、勘ぐってはいないみたいだ。よかった。
「えっと、白石みのるです……あ゛」
「白石……みのる?」
 し、しまったぁ――――――!!
 あきら様が明らかに(洒落ではない)怪訝な視線を送っている。
 もしかしてばれたか!?
「ん」
「んぇぅ!?」
 あきら様が突然、縦横斜め2倍2倍な感じに頬を引っ張ってきた。
 やっぱばれたのか!?
 少しして手を離すと、ふんっと鼻で息を吐き出した。
107『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:26:40 ID:4pBGFDIF

「変装だったら、星にしてやろうかと思ったけど……よく考えれば、あれがこうなるはずないか」
「い、痛いですよあきら様ぁ〜」
「あーごめんごめん、同姓同名っているもんなのね」
「ふぇ?」
「ん? あーいや、私のアシスタントにさ、白石みのるってのがいるのよ。そいつは男なんだけどね」
 その白石みのるが俺なわけですが……
 まぁ、どうやらばれたわけではないみたいだ。
 ばれてないのなら好都合だ。このまま押し通させてもらおう。
「そ、そうなんですかぁ。すごい偶然ですね」
「でしょ? でもなんかあんた、そのアシスタントに似てるのよね。雰囲気っていうのかな」
「う゛……」
 そりゃあ同一人物ですから……
「まぁそんな話はどうだっていいか……ねぇあんた、その……これから暇?」
「え? それはいったいどういう」
「実はさ、今日友達と遊ぶ予定だったんだけど、みんな用事出来ちゃったみたいでね。それでぷらぷらしてたのよ」
「はぁ」
「そんで、さ、助けたお礼ってわけじゃないんだけど……よかったら……その、今から一緒に遊んだりとか」
 急にもじもじし始めるあきら様。
 目を反らしたり、上目遣いで見上げてきたりを繰り返している。
 はっきり言おう。可愛い。
 ドキドキしてます。
「そ、それはつまり……デートということですか!?」
「……え? 女同士で更に初めて会った同士なのに、デートなわけないでしょ」
「え? あ、あぁ〜そうでしたね。あは、あはははは♪」
 危ない危ない、素に戻っちゃったよ。
 ……あれ? だとするとなんで俺なんだろう。
「あの、あきら様? なんでぼ……私なんですか?」
「なんでって、他に誘う人いないし、丁度近くにいるし、悪いやつじゃなさそうだし……それに……」
「それに?」


「……やっぱり……どことなくあいつに似てて……安心できるから……かな」


「……え?」
 一瞬。
 ほんの一瞬だったけど、あきら様の顔が、とても優しいものに変わったように思えた。
 それと同時に感じた胸の高鳴り。
 なんだろう、この……何かに包まれるような感覚は……
「ま、まぁともかく、暇だよね?」
「あ、はい」
「ならいいわよね。私に付き合いなよ」
「は、はい!!」
 取り敢えず俺は、その不思議な感覚を振り払い、目の前の可愛い少女の問いかけ(ほぼ強制)に大きく返事をした。
 静かに手を握ってくる感触。
 この人わざとやってるんじゃないのかな……
108『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:27:43 ID:4pBGFDIF




 空は赤く染まり、街灯がピカピカと点き始める。
 周りに気を配りながら歩く俺たち2人。
 あきら様は帽子を目深に被り、なんだか有名人みたいだ……いや、有名人なんだけど。
 かく言う俺は、握られた手の感触には慣れてきたものの
 行き交うカップルが妙にイチャイチャしているので、目のやり場に困っている始末だ。
 不意に視界の隅に入った恋人繋ぎに、目が釘付けになってしまった。

「何見てんの?」
「ふぇ!? あ、いや、その……別に……」
「……恋人繋ぎしたいの?」
「ぇえ!? あ、あはは、そそそそんなバナナ♪」
 やっば、かなり噛んだ。
「……なんか可愛いわねあんた」
「あぅあぅ……あ、あきら様の方が可愛いですよ」
 そう誤魔化すつもりで言うと、俯いて何かを考えるような仕草をしている。
 どうかしたのだろうか?
「その呼び方さ、やめてくれない?」
 呼び方? 『あきら様』っていう?
「もしかして、その……不快でしたか?」
「そうじゃなくてさ……なんかあんたみたいな子に言われると、罪悪感みたいなのが……それに……何かに目覚めそうで」
「?」
 なんだかよく分からないけど……呼び方変えろってことだよな?
 かといって苗字で呼んだら不機嫌になるだろうな、あきら様のことだから。
 ん〜……あきら、じゃ慣れ慣れしすぎるから……あきらさん?
 なんかしっくりこないな……
 ってことは、あとは一つくらいしかないな。

「じゃあ、あきらちゃんでいいですか?」
「!?」
 なんで赤くなるんだろう……?
「あ、うう、うん。それでいいよ」
「なんで顔赤いんですか?」
 あ、聞いちゃったよ。
「なぁ!? あ、赤くなってなんかないっての!!」
「でも、ほら、そこのショーウィンドウに映ってるあきらちゃんは」
「だぁあー!! うっさいうっさい!! そんなことどうでもいいから、そこの店にとっとと入りなさいよ!!」
 更に真っ赤になって地団駄を踏むあきら様は、俺の背中を押して店の中に駆け込んだ。
 本当、何なんだろう。
109『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:29:30 ID:4pBGFDIF



 2人で入った店は、俺が普段来ないような店だった。
 それほど広いわけではないけれど、品揃えは豊富。
 だけど、壁一面がピンクだったり、並べられた洋服が煌びやかだったりで、目がシパシパする。
 女性の店員が3人で、ちょっと少ない気がした。
 でもお客さんの方は結構いて、賑わっているみたいだ。
 といっても、全員女のお客さんだけど。
 ……なんか気恥ずかしい。
「いらっしゃ〜いませ〜、ど〜ぞ〜〜ごら〜〜んくださ〜〜〜い」
 ぽっちゃりした女性の店員が、よくわからんイントネーションで叫んでいるのが聞こえる。
 珍しくて周りを見回していると、不意に袖を引っ張られる感覚。
 見下げると、あきら様が少し考えるような顔で見上げていた。
 やばい、かわいい。
「まずはここで、あんたのこのダサいファッションをなんとかしないとね」
 そう言いながらパーカーの裾をパタパタするあきら様。
 確かにこの服はダサいかもしれないな……でも俺金あんまないから買えないし。
 そんなことを考えていると、あきら様が当然のように言った。
「お金なら私が出すって」
「……ふぇ!?」
「あんたいちいち可愛いわね」
「あきらちゃんの方が可愛いですよ」
「それはもういいっての……取り敢えず、これとこれとこれでいっか」
 あきらちゃ……様は、キョロキョロと周囲を見回しながら、ヒョイヒョイと服を選んでいく。
 すごく適当に見えるんだけど……
「大丈夫大丈夫、私のファッションセンスを信じなさいって」
 俺の念波が届いたのか、あきら様は自信満々な顔でそう言った。
「それじゃあ、はいこれ、着替えてきて」
「あ、はい」
 まぁ四の五の言ってる場合じゃないか。
 取り敢えず俺は、一つ開いていた個室へと入りカーテンを閉めた。




「どう着るんだろうこれ……」
 手渡された3枚のうちの2枚、上半身に着るものと思しきものを両手でそれぞれに持って見比べる。
 長袖のタイプともう一つ……キャミソールっていうんだっけ? よくわからないけど。
 どっちを先に着るんだろうか。
 上着だけ脱いでそんなことを考えていると……
「みのるちゃん? 終わった?」
「うひゃ!?」
「あ、ごめん」
 突然カーテンからあきら様の顔が生えた。
 反射的に胸を隠す。
「女同士なんだからそんな慌てなくてもいいじゃん」
「お、女同士でも恥ずかしいものは恥ずかしいと思いますけど」
「まぁそうだけどね」
 さっきと行ってることが違うんですけど……
 あきら様に背を向けるような姿勢で立っていると
 その背中を見てあきら様が、何かに気づいたような顔をした。
110『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:30:40 ID:4pBGFDIF
「……ん? みのるちゃんブラは?」
「ブラ? ブラジャーですか? つけてませんけど……」
「つけてない? そんなんで外出したの?」
「えっと……はい」
「……はぁ」
 あきら様は大きく溜息をつくと、首を引っ込めた。
 と思ったらまた突っ込んできた。
「そういえばみのるちゃん、バストサイズ何?」
「……バスト、ですか? えっと……分かりません」
「……みのるちゃんって本当に女?」
 はい、見た目は。中身は男ですけどね。
 とは言えない。
「……ちょっと店員さん呼んでくるから、待ってなさい」
「は、はい」
 そう言ってあきら様は、呆れたような顔をして目を瞑ると、気の抜けたような声でそう言って
 ゆっくりと顔を引っ込めた。



 少しして、店員さんがメジャーを持って現れた。
 アンダーとトップを計るとか言ってたけど、よく分からなかった。
 ただ、擽ったかったのは覚えている。
 どうやら俺のバストサイズは、14.2のCらしい。
 あきら様が、なんか羨ましそうな顔してた気がする。
 ブラジャーをあきら様に選んでもらって
 パンツの方も(男物穿いてることを知ったときは流石に引いていた)同じタイプのものを買った。
 初めての女性下着に戸惑いつつも穿いてみると、やっぱりそのために作られたのだろう、ぴったりだった。ちょっと食い込むけど。
 あきら様に言われたとおりの順番で上を羽織って
 人生初のスカートを穿く。
 なんかスースーするな。
 それから、靴とソックスも新しいものを装着。
 鏡を見ると、なんだか可憐な少女がそこにいた。
 似合ってるなぁ、流石あきら様だ。
 というかパッと見でサイズもぴったり当てるなんて……正直すごい。
「着終わった?」
「はーい」
 おかしいところがないか、もう一度鏡で確認してからカーテンを開いた。

「どうですか? おかしいところとか」
「……」
「?」
 あきら様が口をポカーンと開けて固まっている。
 店員さんはニコニコ満面の笑顔だ。
 なんだ? なんか着間違えたのかな……
「あきらさ……あきらちゃん、どうですかぁ?」
「……え!? あ、あ〜、うん。ま、まぁまぁなんじゃないの?」
 しどろもどろになりながら、まるで散らばった単語を並べるようにそう言った。
 よかった、おかしくはないみたいだ。
「ここまでかわいくなるなんて……これは、なんか」
「あきらちゃん?」
「な、なんでもないよ。それより、他の服も着てみない?」
「え、べ、別に私は」
「まぁ、そう遠慮しないで♪」
 そういい残すと、他の服を探しに飛んでいってしまった。
 そしてよく周りを見てみると、店員さんたちが両手に様々な洋服を持ってウズウズしている。
 何事か。
111『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:32:24 ID:4pBGFDIF
「ほら、みのるちゃん!! これ着てみなさいよ♪」
「お客様、こちらなど今の流行なんです♪」
「お客様? こちらなど、お似合いだと思われますよ♪」
 この状況は、もしかしなくてももしかするんですか?
 なんか皆目が輝いてるよ……
 じりじりと追い詰められていく俺。
 肘がツルッとした何かに触れた。
 振り返ってみるとそれは、さっきまで俺の全身を移していた鏡だった。
 気づけば、個室に追い詰められていた。
 あきら様が後ろ手にカーテンを閉める。
 ……あ〜、もういいや、仕方ないから、身を任せることにしよう。
 どうせ、逃げられないんだし……






 1〜2時間の着せ替えショーが終わって、やっと俺は解放された。
 そのあとなぜかおまけで服を何着かもらえた。
 『お客様がかわいいので』という、なんかおじさんみたいな理由で。

 ピンをいくつか買ってきたらしいあきら様に連れられ、近くの公園へとやってきた。
 俺の髪がだらしないということで、あきら様が髪を整えてくれるらしい。
 確かに、視線にチラチラ入ってくる前髪がうざかったし、断る理由もないのでお願いすることにした。
 公園は人気があまりなく、ジョギングしているおじさんや
 仕事帰りなのだろうか、奥のベンチでコーヒーを飲んでいるスーツ姿の男性以外見当たらなかった。
「ほらほら、そこ座って」
 公園の入口付近のベンチを指差してそういうあきら様。
 言われたとおり座ってみる。スカート越しに冷たさが伝わってきた。
「……みのるちゃんさ、その座り方だとパンツ見えるわよ」
「あ、そうなんですか?」
 何か言いたそうな顔をしていたけど、大きく息を吐いて言葉を押し込めたみたいだ。
 仕方ないでしょ、スカートなんて初めて穿くんだから。
「はい、動かないでね……今やるから」
 そう言いながら、ベンチの後ろに回り、俺の髪を弄り始めた。
 女の子特有の優しい手つき。
 収録中とかはあんなに乱暴だけど、やっぱりあきら様も女の子なんだなぁ……
「髪、さらさら……何かやってる?」
「いえ、特には」
「何もしてないんだ……羨まし」
 櫛でとかし終わると、少しの間手櫛でスッと髪に指を通していた。
 突っかかるところがないみたいで、本当にさらさらなようだ。
 ふと、あきら様が今度は前に回ってきた。
「前髪弄るわよ」
「あ、はい」
 袋から4本の違う形をしたピンを取り出すあきら様。
 それをキュッと握りながら、前髪を左右に分けた。
 拘りがあるようで、戻しては分けて戻しては分けてを繰り返している。
 ときどきかきあげてみたり、纏めてみたり、横に流してみたりして
 試行錯誤している。
 そこで気づいたことがある。
 顔が近い……
 本当に近い……
 少し顔を前に突き出せば、キスできてしまうくらいの距離にあきら様の顔がある。
 鼻先あたりに当たる息がこそばゆい。
112『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:33:21 ID:4pBGFDIF


「あ、あの、あきらさ……ちゃん」
「ん? 何?」
「あの、いや、その」
「何よ、早く言いなさいって」
 あきら様はこちらを見ずに、前髪を凝視したまま。
 そのせいか、今の状況に全く気づいていない。
「顔が……近いんですけど」
「顔? ……ふぁ!?」
 やっとそのことに気づいたのか、瞬時に後ろに飛びのくあきら様。
 顔が真っ赤だ。
 だがそれもすぐに治まり、ちょっと短い息を吐いた。
「はぁ……なんで女の子同士でこんなどきどきしなきゃなんないのよ……」
 仕切りなおしというように首を左右に何度か振った後、もう一度前髪を弄る作業に戻った。
 でも、さっきのこともあるので、心なしか顔が遠い。
 そうなると、俺の目線も別の場所にいってしまう。
 胸元。
 この角度からだと必然的に見えてしまう谷間は、幼いながらも女性を模っていて
 微妙に桃色に色づいた鎖骨が、俺の心を静かに波打たせた。
 実際ダイレクトな色気よりも、こういう何気ない仕草からくるものの方が、結構きたりするんだ俺は……
 別におかしいことじゃないでしょ?


「はいOK」
 前髪を整え終わったあきら様が、膝に手を置いて顔全体を眺めている。
 視界から消えた前髪を右手で触ってみた。
 左半分は纏めるように流して、右側はおでこが出るくらいまで前髪を右側に追いやってある。
「え!? あ、ありがとうございます!!」
 ボーッとしていたので返事が遅れてしまった。
「?」
 あ、その体勢のまま首を傾げたりしないで下さい。
 可愛すぎます。
「この髪型が一番似合うかなって思って」
「そう、なんですか?」
 そう言われても、見えないからにはコメントしようがないんですけど。
「ん? ……あ〜、ごめんごめん、えっと……はい鏡」
「あ、どうも」
 受け取ったあきら様らしい可愛い手鏡で自分の顔を映す。
 確かに似合ってる……のかな?
「ね?」
「よく……分からないです」
「あぁ〜、そういう子だったわねみのるちゃんは」
 なんでもう俺を悟り始めてるんですか。
113『Assistant-Turn Over』:2007/11/08(木) 02:34:49 ID:4pBGFDIF
「……ほらみのるちゃん、ちょっと立ってみてよ」
「あ、はい」
 手鏡を返し、ベンチに両手を突いて、グッと力を入れて立ち上がる。
 そんな様子をあきら様は無言で見詰めていた。
 なんか分からないけど、体が固まる。
「何畏まってるんさ、普通にしてよ」
「す、すいません」
「いや、別に責めてるわけじゃないけど……どれどれ……う〜む」
「……?」
 俺の真正面に立ち、顎に手を当てて撫で回すように全身を見てくるあきら様。
 目を細めて胸元を凝視して『やっぱりいいなぁ』なんて言ってるけど、どういう意味なんだろう。
 堪能したのか、手を下ろしてこちらに近づいてきた。
「かなりいいわね。その辺のアイドルくらいなら余裕で勝てるクオリティー。嫁にやるのがもったいないくらいよ」
「嫁……ですか」
 俺の嫁ぇ〜とか、そんな感じなのだろうか。
「あ、いや、例えよ例え、なんか愛着あってさ。それにしても、私のセンスってのもあるけど、素材がよかったってのが一番ね」
 そう言いながら肩をぺたぺた触ってくるあきら様。
 それはもしかしなくても褒められてるんだろうな。なんか嬉しい?
 といっても、この体は自分であって自分じゃないから、妙な感覚なんだけど。

「う〜ん、でもみのるちゃんの服選ぶだけでもうこんな時間ね」
「今何時ですか?」
「7時よ」
 7時!?
 やば、親とかどうだろ。
 いなくなってるのばれたりしてないかな……
 ばれる前に帰らないと。
「それじゃあ、そろそろぼ……私、帰らないと」
「ぇ……」
 そう言った途端、あきら様の寂しそうな声が脳内に響く。
 なぜか、胸が締め付けられるような現象にみまわれた。
「そ、それじゃあ、またどこかで!!」
 後ろ髪を引かれるような感覚を無理矢理振りほどきながら、俺は向きを変えて走り出そうとした。
 ところが、後ろの裾をギュッと掴まれるような感触に、足を止めた。
 それがなんなのかは分かっていたけれど、しっかりと目で確かめるように振り返る。
 案の定、俯いて裾を握り締めるあきら様がいた。
「あの、あきらちゃ」
「家に……」
 あきら様のいつもと違う声質に、周囲から入ってくる情報がシャットダウンされた。


 ――私の家に……来ない?


 ――え?


 その言葉が合図だったかのように、木々の枝や葉の擦れる音が、なぜだか大きく聞こえた。


To be continued ……
1147-896:2007/11/08(木) 02:35:51 ID:4pBGFDIF
以上です。
続きます。
お泊りします。

みの×あきは初めてなので、動かすのと口調に苦労しました。
白石の一人称は、あきらの前では『僕』、それ以外では『俺』ってことにしておきましたけど、合ってるのでしょうか。

それから、みのるちゃん描いてみたのですが、白石の面影がほとんどありません。
なんとか白石の髪型を取り入れて、白石っぽく白石っぽく、とがんばったのですが、無理でした。
女体化絵がこんなに難しいなんて……orz

つ【ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/45/4a361bd2e03e03c3a1178d5b0c403fce.jpg
115名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 02:42:03 ID:Q2t4mXP2
おおおおおおおおおおおおおお
なんという白石みのるちゃん!
本編も、絵も!!!!

これはもう
「かおりんのテーマ」
「えみりんのテーマ」
につづき

「みのるんのテーマ」
もできてしまうんじゃないかってくらいのクオリティヽ(`Д´)ノ
116名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 02:46:44 ID:jRc6XNSd
超GJ!


女体化みのるに萌える日が来ようとは…
117名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 03:05:33 ID:DpmruBWa
いいじゃないか…GJ!
118名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 03:21:56 ID:wqLgXtRx
pspからだとまとめにとべねぇwww
すまんが誰かまとめのurl貼ってくれないか?エロパロだけにhつきで
119名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 03:33:43 ID:H1CfhrPw
>>114俺は女体化が憎いと言える程嫌いなんだ。
んにゃ・・・嫌いだったはずなんだよ・・・
なのに性癖が180度ねじ曲げられてしまった。
素晴らし過ぎる。GJ!!


昨日SS製作中に、こなたの台詞の「みゆきさん」を間違えて「みゆきたん」とうってしまったんだ。
何か・・・恐ろしい物を解き放ってしまった気がする
120名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 03:39:44 ID:RNcugrW2
GJ!
みのるちゃんに何かが来た。
続くのこれ!?続くんですか!?やったあぁあぁああ!!
121名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 03:46:25 ID:r7VU5AS5
>>114
これがあの白石さん…泉さんやツンデレかがみさん以外にも目覚めてしまいそう…

>>119
みゆきたん…!
あぁ、本当に呼んでいただけたならこなたたんと…!(*´Д`)ハァハァ
122名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 04:22:21 ID:dyq7H56Y
123名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 06:06:04 ID:FW76Zpq9
女体化みのるはデコキャラでしたか。
お泊りとか、何だかちょっと白石にとってキツい結末が来そうな気がするのは自分だけかな…
124名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 06:54:34 ID:w3wMEhVw
>>114
GJです!
女体化みのる可愛いですよ〜

あとみのるの口調に関しては俺も基本的にそんな感じで書いているんで多分それで大丈夫だと思いますよ
……まあみのるの場合本編とらっきー☆ちゃんねるじゃ微妙に口調が違うんであんまし断定的なことは言えないんですが(´・ω・)
125名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 08:03:12 ID:TT3DBwd/
>>114
GJっした!
うぉぉぉぉキター!!
みのるんが!かわいいい!!!
おとまりしたらどうなるんだ…
そして白石はもとに戻れるのか…

おちつけ俺。

口調にはそんなに気にしてなかったな…
ほぼ書く時は僕で通してしまった俺がいるorz
126名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 08:36:32 ID:o1gfNe+3
>>86
バカっぽいみさおがかわいい〜
この二人の組み合わせは珍しいですな
初投下とは思えない良作品GJ!!

>>114
くやしい…! 女体化なんて絶対上手くいかないと思ってたのに……
でも感じちゃう…… GJ!!
白石に萌える日が来るとは……
イラストも堪能しました。
127名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 08:46:08 ID:efGl8WnP
>>114
YOU、もうそのまんまあきら様のスールになっちゃいなYO!
お泊り編にwktkしつつ、ぐっじょぶ。
128名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 09:56:17 ID:aiOv2XtA
>>114
   _     ∩
  ( ゜∀゜)彡 みのるん!!みのるん!!
  (  ⊂彡
   |   |
   し ⌒J

うっほほ―――――――!!!!!!!!!
やっべ、みのるタン超かぁいい!!!!!!!!!
みなみスキーから乗り換えそうになった。いや、気づかないだけで乗り換えてるかも
しれん・・・・・・
髪型やら表情やら最高に好みなんだがwwwwww
みのるタンの今後にwktkしつつぐっじょぶ!!!!!!!!!!!!
そしてもっとみのるタンの画像キボンヌとか言ってみる。

・・・・・・すまん、ちょっとコーヒー飲んで落ち着いてくる
λ..............
129名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 10:23:22 ID:yUrTWEgc
昨日立ったばかりなのに、現時点で約120KB消費ってどんだけー
130名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 10:51:08 ID:tlBeWloi
>>129
いいことじゃないかw
131名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 10:56:58 ID:TT3DBwd/
そういえば!!
保管庫で22スレ目で保管されてないの保管してくれた方、ありがとう&乙です!
13218-490:2007/11/08(木) 11:30:41 ID:O5CnrWKG
遅ればせながら>>1スレたて乙です。

さて、やっぱりこな×かがしか書けない18-490です。
「桜吹雪」シリーズの番外編投下します。


タイトル「コイン屋のゴボウ」
こな×かが
エロあり
6レスほど拝借します。
133コイン屋のゴボウ:2007/11/08(木) 11:32:33 ID:O5CnrWKG
夢から醒める時の浮遊感を味わいながら、すぅと息を吸い込むと、頭の奥の方からピリッとした痛みが生じた。
呼吸をする度、冷たい空気が肺に広まり、一気に現実へと意識が拡散していくと同時に思い浮かんだ言葉。

「光陰矢の如し…」

自分で言っておきながら頭の中で「?」が生じる。
なんで目覚めの一発目の言葉が『光陰矢の如し』という何の脈絡もない諺なのだろう。
寝ぼけているのかしら、と重い目を開けると、気持ち良さそうに寝息をたてているこなたがいた。

…って、えぇぇ??!!!!!!

驚きで何も言えない私に「んー」と寝ぼけているのかこなたが抱き付いてきた。
ふぁっと、こなたの匂いが私の鼻孔を掠める。落ち着くのにドキドキするこなたの匂い。
…いや、ドキドキしてる場合じゃない。
なんでこなたが横に寝ているのだろう…少しでも情報を集めようと暗闇に慣れてきたらしい目で周囲を見回す。

ゴチャゴチャに積まれた漫画、いたるとこにあるフィギュア…
ってここ、こなたの部屋??!!!
え、何で、なんで、ナンデ?
必死で頭を回転させようとするが、近すぎるこなたの顔や、こなたから伝わる体温で上手く働かない。
お、落ち着け、自分…まずは何でこなたの部屋にいるのかを思い出すのよ。
上昇する体温を抑えつつ、もう一度周囲を見回すと、机の上の食べかけのピザ、床に散乱するコップ、そして壁に掛けられた異様なモノを見つけた。
異様と言ったら失礼だけど、普段着では絶対着ないだろうチアリーディングのコスチューム。
それらを見て、某巨大動画サイトの画像編集の如く頭の中で今までの経緯を思い出した。
あぁ、そういえば今日は文化祭だったんだっけ…
高校最後の文化祭の思い出作りってことで誘われたチアリーディング。(半ば強制だけど…)
練習時間の短さに苦労はしたけれども、前日のリハーサル通り、今日のオープニングセレモニーでは皆緊張しながらも特に大きなミスもなく成功できた。
その後、
「打ち上げシマショウ☆」
というパトリシアさんの一言で、急遽チアメンバー全員による打ち上げが泉家で開催されたのだ。
あらかた騒ぎ終わったあと、大量のカメラと同時にそうじろうさんが持ってきた何やら怪しげなジュースで乾杯したところからの記憶がない。
仄かにアルコールの味がした気がするけど…
もしかして、さっきの頭の痛さはアレのせいなのか。
全員未成年者ですよ、そうじろうさん。
134コイン屋のゴボウ:2007/11/08(木) 11:34:36 ID:O5CnrWKG
親戚に警察官がいるにも関わらず、ホントこなたのお父さんらしいわ、と苦笑する。
そのアルコールらしき缶を飲んで私は寝てしまったらしい。
それでもこうしてベッドで寝ているってことは、誰かが運んでくれたのだろうか。
やっと冴えてきた頭をフル回転させていると、私の背中に回されていたこなたの腕がギュウと強まるのを感じた。
「えっ……こなた?」
起こしてしまったのだろうか、とこなたの名前を呼ぶと「ん〜?」と間の抜けた声で返される。
「起こしちゃった?」
「うんにゃ。起きてた」
ん?『起きた』じゃなくて『起きてた』?
い、一体いつから…
「かがみが『コイン屋のゴボウ』とか言ってた時から」
そんな変な事を言った覚えはないけど…
「『光陰矢の如し』よ」
「そうそう、それそれ」
「……って、それじゃあ最初からじゃないの?!!」
「そーなるねぇ」
と、言いながら私の首筋に顔を埋める。
「ちょっ…こ、ぁ…」
ペロっと舌で舐められるとゾクゾクと背中に電流が走った。
「むふ、かがみんは首筋弱いよねー」
ゴロゴロと頭を擦り寄せるこなた。
「…っ、うるさいっ!!!」
「あ、そういえば、工員屋の如しってどういう意味?」
「いや、ソレ私が聞きたいわよ」
凄い勢いで漢字変換間違ってるし。
「『光陰矢の如し』ってのは、時の流れは飛ぶ矢のように早いっていう意味よ」
「ふーん」
こいつ、聞いてなかったな。
「……失礼な、ちゃんと聞いてたよ」
「何よ、その間は」
「まぁ、いいじゃーん♪
それより、なんで目覚めの一発目がソレだったの?」
こなたが横に寝てた驚きで忘れていたけど…
確かになんでこんな日常生活で使わないワードを口に出したのだろう。
「なんか起きた時に思い付いたのよね。……でもよく考えると、アンタといると時間はホント『光陰矢の如し』ね」
プニプニと弾力のあるこなたの頬をつつく。
「むぅ、それは喜んでいいのかねぇ…」
と、目を細めて考え込むこなたに「どうかしらね」といたずらっぽく答える。

私がこの泉こなたと付き合ったのは高校1年の秋、
『かがみは私の嫁』
とかなんとかいう告白代わりの短冊(ただの画用紙だけど)を貰った時のことだ。
あれから2年…
一日一日の中身は濃かったはずなのに、今思い返すと月日が過ぎるのは早い。

こなたと付き合ったばかりの頃のぎこちない会話ややりとり。

135コイン屋のゴボウ:2007/11/08(木) 11:37:39 ID:O5CnrWKG
初めてキスした時のこなたの唇の感触と胸に広がる幸福感。

コミケや握手会、良く分からないイベントに連れていかされた夏休み。

二人で迎えたクリスマス。

そういえば、こなたとその、あの…初めてか、体を合わせたのもその時だったわね…
自分で思い出しておいて、ボフッと顔に熱が帯びる。

「どったの、かがみん」
黙り込んだ私を覗き込んだこなたの顔が近い。
「な、なんでもないわよ!!!」
今にもキスしそうな近距離が耐えきれなくて顔を背けると、ギュウと強く抱き締められた。
「かがみ」
いつもの間の抜けた声とは違う、優しい音色で私の名前を呼ばれる。
ただ名前を呼ばれただけなのに、自分でも分かるくらい胸の鼓動がうるさい。
「んっ…?!」
おずおずとこなたの方へ顔を向けると同時に私の唇にこなたのソレが重なってきた。
柔らかくて、少し熱いこなたの唇を堪能しているとぬるっと舌を入れられる。
「こな…あっ、ん…」
2年間の年月のおかげで、こなたは私の弱いとこはすっかり攻略しているらしく、舌の裏や歯茎をつつっとなぞられると自然に声が出てしまう。
「…はっ、んぁ…」
「んぅ…」
こなたの舌の熱さが私の舌と絡まる度に伝導していく。
どちらのか分からない唾液をコクっと飲むと、こなたが唇を離した。
「付き合って2年もたつのに相変わらず赤面するかがみ萌え」
「人のこと…言えないで、しょ」
乱れた息を整えながら反論する。
トロンと少し揺らいでいるこなたの瞳から目を離せないでいると「かがみ」とまた名前を呼ばれる。

「…続きしていい?」

そんな熱を持った声を聞いて『嫌だ』なんて言えるわけない。
というか…べ、別に嫌なわけじゃ、ないし…
恥かしい気持ちを抑え『いいよ』という意味を込めて自分から触れるだけのキスをすると嬉しそうにこなたが微笑んだ。
そんなこなたが可愛くて、思わず私にも笑みが零れる。

本当にバカップルね、私達。
「…んっ」
自嘲気味に笑っていると、いつの間にかこなたの手が私の服の中へと入っていた。
「こな…ぁん、ちょ、っあ」
こなたの手の動きがスリスリと撫でるような仕草から感触を楽しむように変わっていく。
「っや、待っ…ぁん」
「かがみ、少し胸大きくなった?」
「えっ…ひゃっ」
私が答える前にちゅく、と固くなってきた粒にこなたが唇を寄せ、温かい口内へ招かれ舌端で弄ばれる。
「ずりゅいよねぇ」
136名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 11:38:28 ID:N4UOeGNR
遅レスだが……4-243氏ルパン上手すぎ。
137コイン屋のゴボウ:2007/11/08(木) 11:38:48 ID:O5CnrWKG
「やっ…その状態で、あぅ、しゃべらな…んんっ」
敏感なソコはこなたの吐息でさえも反応してしまい、お腹下らへんの奥の疼きが止まらない。
「んぁっ」
くりっ、と粒を指で摘まれ軽いくちづけが降りてくる。
そうして首筋へと移動し、ぬらりと筋を舐められるとピクリと肩が震える。
そんな私を抱き締め、もう一度唇を交わす。
「んっ、むっ…ふぁ…」
「ン…」
啄むようなキスから舌を絡め合うキスに変わるとこなたの熱と私の熱とか溶け合うのを感じる。
その感覚がもっと欲しくて獣みたいに、唇を貪り合う。
飲み込められない唾液がつぅと口の端から零れていく。
くすぐったくて、指で拭おうとするとこなたにその手を掴まれ、そのまま指の間をねっとりと舐められた。
「ひゃっ?!」
突然の事でまた変な声を上げてしまう。
こなたはそんな私を見てニヤニヤ笑いながらそのまま指を一本ずつ丁寧に舐め始めた。
「んぁ…こ、なた…やっ、っあ」
ゾクゾクとした電流が背中を這って行き、下腹部にジン…とした甘い痺れを感じる。
「…指感じる…?」
「ち、ちがっ…」
「ふーん♪」
そのまま上目遣いで私の指を楽しむように咥え込む。
ときどき見えるこなたの赤い舌の動きが、直接あの場所を舐められているような感覚に襲われる。
「こなたっ…あぅ、も、もぉ…い」
視覚的にも感覚的にも追い込まれて、どうすることも出来ない私は制止の言葉を告げるしか出来なかった。
こなたは意地悪そうに微笑んで舐めていた手を離し、こなたの左手によって繋れた。
「…好きだよ」
堪らない、といった感じで囁かれる。
2年前の告白と変わらない真剣な、でも心地よいこなたの声。
「ったしも…、好きっ…ん」
嬉しくて自分の気持ちを返すと、再びキスの嵐になる。
ぴちゃり、と舌を絡ませながら余韻に浸っていると…
「あっ…」
突然スボンの上から、そこを指でなぞられる。
「ひゃ、あぁ…っ」
きゅぅ、とこなたの背中にしがみつく。
「可愛いよ、かがみん」
額にキスが降りてきて、そういう何気ないスキンシップが嬉しくて自分からキスを求めてしまう。
「…んむ、ぁっ、んんっ」
そうしている間も下で行われている愛撫は止まない。
布が擦れて、むずがゆさが辛くてひっきりなしに出してしまう声を抑えることが出来ない。
「んぁっ、こな、も…もぅ…あん…」
「もう、何?」
ニヤーと口角を上げてこなたが尋ねてきた。
138コイン屋のゴボウ:2007/11/08(木) 11:40:05 ID:O5CnrWKG
分かっているくせに…という視線を向けると「言ってくれんと分らんなー」と目を細めて某アニメキャラの真似をした。
「なっ…そんなの言えるわけ…」
「ほんじゃ、このままでいいんだね」
湿り気を持ったソコを指で上下しながら楽しそうに笑う。
「やっ、あぅ…こ、なた…ちょく、んんっ…さ、さわ…って」
バラバラに崩壊していく理性を感じながら、こなたに訴えると、「りょーかい」と嬉しそうに微笑んだ。
ゆっくりと腹部を撫でられ、そうして割れているソコへと降りてくる。
ぴちゃり、と自分の粘膜がこなたの指を汚していく様子が手に取るように分かった。
「ぐちょぐちょだよ」
「んぁっ、ああっ…」
ちゅくちゅくと割れている肉の挟間を指でいたぶられ、密かに主張している突起へと指を這わされると声を抑えることなどできなくなってしまった。
「あっ、んっ…、やあぁっ」
「…かがみ」
熱っぽく名前を囁かれ、耳までこなたに浸食されていく。
「あんっ…!!ぁ、ああっ…」
媚肉を掻き分けこなたの指が侵入してくる。
むずがゆくて、でも気持ち良くて、自分から溢れて出るものが止めどなく流れているのが分かる。
「ひゃっ、ぁっ、…こ、なた…こなたぁ、んんっ」
くりっ、と突起を親指でなぞられ、内で蠢く指は3本に増やされる。
頭の芯が溶けて、目の前に急にチカチカと火花が散っているように見える。
「…大好きだよ、かがみ」
「んぁ、わたっ、わたしもぉっ…あぁっあああぁぁ…っ」
こなたからのその一言で私は絶頂へと昇りつめた。



139コイン屋のゴボウ:2007/11/08(木) 11:42:32 ID:O5CnrWKG
〜おまけ〜

「…がみ、かがみ?」
朦朧とした意識がこなたによって現実へと引き戻される。
「…こ、なた?」
「うん、大丈夫?」
心配そうに覗きこむこなた。
「だ、大丈夫…」
こなたを見た瞬間、おさまったと思った熱が再度上昇する。
「快感に流されるかがみ萌え」
「なっ、ちがっ…」
「だってそうじゃーん♪ね、皆の衆。」
「えっ?…皆の衆…?」
「うん、かがみは気付いてなかったみたいだけど…」
こなたが言いながら立ち上がり、パッと電気を付ける。
「…っ?!!!」
急に視界に入った光を目を細めながらも、見えた4人の影。
「…いや、決して邪魔するつもりはなかったんスが…」
「いいモノを見せて頂きマシタ☆」
「わ、私何も見てないから…」
「あははは〜」
むくっと起き上がる、田村さん、パトリシアさん、つかさ、日下部。
「んなっ…な、な…」
驚きと恥かしさで声を出せない私に…
「いやー、皆そのまま寝ちゃったんだよねー」
とこなたが言った。

「な、な…なぁ…」
「かがみ、シィー。まだ起きてない4人いるから」
と指を指すほうを見ると、ゆたかちゃん、みなみちゃん、みゆき、峰岸が気持ち良さそうに寝ていた。
いや、もうそういう場合ではない。
ニヤニヤと笑う4人とこなたを見て、恥かしさがMAXになり、ガバッと布団を被る。

「大丈夫だよ、かがみん。皆私達のこと知ってるから」
「そういう問題じゃないわよっ!!!」
「それにほら…

『コイン屋のゴボウ』じゃん」



夜はまだまだ長い、らしい。
140名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 11:46:42 ID:N4UOeGNR
割り込み&sage忘れマジすみません。

しかし4-243氏には是非みなみ五右ェ門、みゆき不二子、ゆい銭形を描いてほしいところ。
14118-490:2007/11/08(木) 11:47:31 ID:O5CnrWKG
以上です。

いやぁ、なんかオチが微妙で申し訳ないです。
ちなみに「コイン屋のゴボウ」はオレの妹のネタです。

読んで下さった皆さん、ありがとうございました(・∀・)
142名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 13:17:14 ID:efGl8WnP
>>141
三本も入るなんて……開発されまくりですねかがみん。
こなたのちっちゃな手だからこそ成し遂げられるのでしょうが。想像するだに萌える。
いろんな意味でご馳走様でした。
143名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 14:23:27 ID:wXxik4vF
>>141
ぐばあああぁぁぁぁぁっっ!!
俺のパソコンが真っ赤になってしまったぞ。さあどうする。

ま、マジでエロス…!!!しかも私の好きなこなかが持ってくるとはっ。
しかも皆の前で全てをさらけ出してしまうかがみん萌え。こなた大胆すぎww
なんか二人で幸せな一時を感じていて、実は後で皆が見ていたってシチュは最高に萌えるんだ…!
コイン屋のゴボウナイスw
144名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 15:23:55 ID:wqLgXtRx
122の人感謝!
145名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 15:24:43 ID:8krQxlYN
>>114
これはきれいなみのるです。
ぜひとも「恋するみのる伝説」を歌ってほしい
……って言っておけば誰かが、みくるコスのみのるんを描いてくれると信じて止まない。
そして無理ならいいです。

>>141
取り敢えずA型の輸血をお願いします。
今現在鼻血みゆき化してるので助けてつかぁさい。
今夜は、白飯の隣にPCを置いて、このSSをオカズにして晩御飯にしようと思います。
146名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 15:25:22 ID:yVAaMNn4
PSPからでもsageくらいできるだろうが
147名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 17:37:21 ID:TT3DBwd/
>>145
あんたのせいなんだからねっ!



というか似てなくて申し訳ない。
そして携帯からでマジ申し訳ない。
http://imepita.jp/20071108/632950
そして書いたのが17-234でもっとごめんなさいorz
1484-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/11/08(木) 19:30:40 ID:29N+hMxY
>>140
(´・ω・)ノシ
http://www.geocities.jp/extream_noise/rakisutaep/img/goemon.jpg

あー、斬鉄剣がへのへのしてるのは直線描くのがヘタっぴなのと
五右ェ門が適当っぽいのは適当に描いたからorz

リクエスト頂いて嬉しい限りですが、元々絵のみの参加はスレ違いな上に
これ以上スレ違いのネタで引っ張るのは心もと無いのでこれにて打ち止め
って事で一つm(_ _)m
149名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 20:11:18 ID:aiOv2XtA
>>147
消えております……
150名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 20:17:28 ID:pbpSfzNT
きえてないよ
151名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 20:19:03 ID:KwpnnhaA
>>149
PCでも見れたよ
クッキーかリファラを再確認してみて
152名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 20:24:07 ID:4pBGFDIF
>>151
見れました、サンクスです。
153名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 20:33:14 ID:aiOv2XtA
>>151サンクス
見れましたぜよ。
俺よりうまいなぁ・・・
地味にカワユス
154名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 20:37:19 ID:hOq7kkKq
>>148
マランフイタwww
155妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2007/11/08(木) 22:58:57 ID:nVCf+5H4
4レスいただきます。
CPなし、壊れ系注意。『こな☆フェチ』の設定をお借りしています。

*****************************************************************
156『こな☆断ち』(1/4):2007/11/08(木) 23:00:22 ID:nVCf+5H4
――私たちは今、ゆたかちゃんの部屋で缶詰になっている。

すぐ向かいには、愛しいこなたの部屋。
すぐにでも飛んでいって、その髪を撫でたい。唇に触れたい。肌の感触を楽しみたい。ぶっちゃけヤりた……いや、自重。

でも……今、こなたの部屋に行くわけにはいかない。
風邪のスケールアップ版であるところのインフルエンザに罹り、高熱に喘いでいるこなたは、さっきようやく寝付いたところ。
え、インフルエンザは風邪とは別物? こなたが言ってるんだからそれでいいの。

神聖なるこなたの睡眠は、何人たりとも冒すことあたわず。
たとえ、それがゴッドかなたおばさんであっても。
……だから私たちは、ここでこうして、修行僧のような顔をして詰めているわけで……


――――――――――
 『こな☆断ち』
――――――――――


「泉さん……大丈夫でしょうか?」
みゆきはさっきから、きっかり三十一コンマ四三秒の間をおいて、同じ台詞を繰り返している。
そしてその合間には、ぶつぶつと呟きながら、視線を宙に泳がせている。
鼻血が顎を伝い、手元のコップに高良印のトマトジュースが溜まっていく。
目がうつろだ。焦点が合ってない。マジ怖い。

「こなちゃん……大丈夫かな?」
つかさもさっきから、同じ台詞を繰り返している。
こちらも時々、何かをぶつぶつ呟いたかと思うと「はぅっ」と呻いて気を失い、「……ばるさみこす〜」と呟いて復帰する。
タチの悪いコンピューターウイルスにかかったWindowsマシンみたいだ。
157『こな☆断ち』(2/4):2007/11/08(木) 23:01:28 ID:nVCf+5H4

「お姉ちゃん……」
エプロンを握り締め、ゆたかちゃんが呟く。
もちろん、着ているエプロンではない。まだ着替えさせるつもりか。
もう片方の手で、しっかりと岩崎さんのセーターの裾を掴んでいる。

「…………」
黙々と、プレッシャーウォーク(その場歩き)を続ける岩崎さん。
壁にぶち当たった電動歩行ロボットのように、岩崎さんの足が地面を滑っている。
その目はドアの一点を見つめたまま、瞬きすらしていない。
拉致る気だ。きっとそうだ。

日下部は落ち着かないのか、その場でお百度を踏んでいる。
お百度のはずが、いつしか反復横跳びになっているのは気にしないことにした。
足元のカーペットは、摩擦ですっかり毛が抜けてしまっている。
そろそろ、消火器の準備をしよう。部屋の中が煙くさくってさー。

峰岸は卵の白身を泡立てながら、一人黙々と「ヴぁ」の発声練習を続けている。
いや、峰岸というより、かつては峰岸だったメレンゲの塊、といった方が正しいかも。

「熱が出てる時は、布団をかぶせて暖かくさせてあげないとダメなんだよっ!」
「ノンノン! ハイヒートの時は冷やすのがイチバン!お布団なんてポイでス!」
真っ向から対立したまま熱く議論を戦わせる、田村さんとパトリシアさん。
日米の家庭療法の違いの勉強にはなるが、もう一時間以上、同じ台詞の応酬を続けるばかりで先に進まない。
頼む、田原総一朗。そろそろCMに入ってくれ。

「おふとん……こなちゃんとおふとん……はうっ」
「泉さんのお布団……お布団の中に……ごふっ」
二人の議論を聞いていたつかさとみゆきが、仲良く手をつないで三途の川へとスキップしていった。
幸せそうでなにより。

158『こな☆断ち』(3/4):2007/11/08(木) 23:02:35 ID:nVCf+5H4


――時計の針がじりじりと這い上がっていくのを見つめながら、私は時が過ぎるのを待っている。
私たちは依然として、ゆたかちゃんの部屋で缶詰になっている。

今にも破裂しそうな、シュールストレミングの缶詰だけど。

こなたが元気になったら、思いっきりお祝いしてやろう。
つかさと峰岸にお菓子を作らせて、パトリシアさんには新作のチアダンスを考えさせて踊るんだ。
田村さんには、全快記念に手描きアニメで一時間の大作を作ってもらおう。

それから、みんなを帰して、こなたとゆっくり二人の時間を楽しむんだ。
まずは優しい言葉をかけてやって、それからこなたとベッドの脇に腰掛けて。
こなたの髪を撫でてやって、こなたの目を見つめて、こなたの手をこなたの胸をこなたのこなたこなたこなたこなたこなた……

……ああ、ダメだ。禁断症状が進んでる。
気が付くとこなたの事で頭が一杯になってて、こなたのこなたがこなたこなたこなた……

「ど……どんだけ〜」
「け……け……遣唐使」
「し……シベリア超特急」
禁断症状に苦しんでるのは、私だけじゃないらしい。みんなは輪になって、しりとりを始めてる。
確かに、そうやってればこなたのことは考えなくて済むわね、こなたの、こなたこなたこなたこなた。

「れ……冷蔵庫」
「こ、こ、……こなちゃん」

……あ。
159『こな☆断ち』(4/4):2007/11/08(木) 23:03:40 ID:nVCf+5H4
日下部がベッドへダイビングし、ベッドと壁の隙間に綺麗に挟まった。あんたはどこかのお笑い黒人か。
みゆきの眼鏡がすっ飛び、峰岸の顔にスポッと収まった。あら、案外似合うわね。
つかさがバルサミコ酢の瓶を逆手に持って暴れだしたので、当て身投げを食らわせて眠らせる。
田村さんが、もの凄い勢いで漫画の原稿を描き始めた。
パトリシアさんは、ネギを振り回しながら歌いだす。それは英語じゃなくてフィンランド語だ。

再びドアに向かって無言で歩き出した岩崎さんのセーターを、ゆたかちゃんが掴む。
セーターが限界まで伸びきったところで、ゆたかちゃんの握力が負けた。
哀れ岩崎さんは、勢いよくドアにぶち当たって失神した。

そして田村さんは、そのわずかな間に三十二ページフルカラーの原稿を描きあげると、「入稿してくるっス!」と叫んで窓から飛び出していった。


一度こなたを意識してしまうと、みんな一気に爆発寸前に陥った。
すぐにでもこなたの部屋へと行きたい気持ちを僅かな理性で押しとどめ、あっちこっちで悶絶している。
みゆき、天井を転がるのはやめてくれ。生物学は無視してもいいから、せめて物理法則だけでも守ってくれ。
峰岸、あんたは部屋をメレンゲで埋め尽くす気か。
日下部とパトリシアさんが、メレンゲに包まれてもがいてる。……なぜか「ゴキパオ」という単語が頭をよぎった。
ゆたかちゃんは、力を使い果たしてぴくぴくと痙攣している。どんだけ弱いのよあんた。
つかさ、メレンゲ食うな。

……その時、ドアが音もなく開いた。

メレンゲの向こうに、見え隠れする長い髪。
私のツインテールレーダーに反応。IFFチェック。反応、ヲタさん。
人影に四角いカーソルが重なり、「TGT」の文字が見えた(気がした)。

泉こなた、ルパンダイヴの射程内。柊かがみエンゲージ!
<<こなたーーーーーーーーーっ!!>>


「……わっ、ちょ、待っ、私は田むr、あひーーーッ」


― CHAOS END ―
160妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2007/11/08(木) 23:04:46 ID:nVCf+5H4
*****************************************************************
以上です。構想1週間、執筆1時間ぐらい。
まあなんだ、やっぱり本家にはかなわないな、と書いてて思ったorz
161名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 23:12:11 ID:7qONfg3i
>>柊かがみエンゲージ!
<<こなたーーーーーーーーーっ!!>>

に爆笑w

何はともあれGJ。
162名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 23:16:51 ID:efGl8WnP
>>160
<<ああっ! ひよ・りんがヤられたっ!>>
本家に劣らぬカオス、しかと堪能しました。GJ。


ていうか、みさきちの反復横跳びで火が起こせるんなら、焼きメレンゲができるんじゃ?(待て
163名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 23:21:22 ID:Q2t4mXP2
こ・・・こうして・・・

みんなの血と汗と涙とバルサミコ酢とメレンゲと
なんだかよく分からない液にまみれながら
こな☆フェチ処女作「伝説の少女A総受け本」は
完成したっスゥ・・・ゼェハァハァ

こ・・・この・・・こな☆断ちが終わったら・・・
この本を・・・最初に・・・泉先輩に・・・
見てもらうんだ・・・(死亡フラグ)・・・バタ




要はGJ!
164名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 23:27:38 ID:29N+hMxY
>>160
これはアレですな。こなふぇちウィルスは創作世界から作者に感染して二次感染
いや、三次(=リアル)感染していくんだな、と( ´∀`)
165名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 23:37:42 ID:ylNsoTlO
>>148
>>160
なんだ これは! おれのゆたみなのイメージが くず・・れる・・
だがそれがいいwww
>「れ……冷蔵庫」
>「こ、こ、……こなちゃん」
に(直後の惨状が恐ろしくなって)思わず戦慄した!ぐっじょぶっ!!

>>164
それなんて『見ると死ぬビデオ』だw
いや、むしろTウイルスに近いのか?どっちにしてもさいあくだ(笑)
166名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:15:15 ID:mB601TsN
>>164-165
だとしたら、我々は全て感染済みなのではないだろうかw

ああ、なんだかからだがムズムズと。

も 、こな の  としか
か がえら な


なん  こん  と


こな
ふぇち
167名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:37:59 ID:jjJQ38BE
次は、アニメ店長×こなたを期待w
168名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:55:52 ID:yiUXWvB8
すいません今、ゆたかとかがみで一本書こうとしてるんですが
ゆたかがかがみの名前を呼ぶシーンってありましたっけ?
解らなければ「かがみ先輩」で書くつもりです
169名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 01:17:39 ID:jjJQ38BE
うーん、どうだったかな?
記憶にはありませんが・・・厳密には分りません。
170名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 01:22:16 ID:9IjPuW41
かがみさん じゃなかったっけ
171名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 01:53:48 ID:w6u1zSX5
hiyori<<実は私、入稿させてきたんすよ 今から全速で帰ろうかと お見舞いの花束も買ってあったりして>>
kou<<警告、アンノウン接近!ブレイク、ブレイク!>>
172名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 02:26:54 ID:hrpcxA9A
>>160
いや、本家に敵わないのは仕方ないんだよ
あの人はギャグとか間合いに関して神憑りすぎてて、明らかに俺らと時限が違うし・・・・・勝てる気しねぇ・・・


それにしたってこれは素晴らしい
壊れGJ!!!!
>あら、案外似合うわね。
微妙に冷静なかがみに吹いたww
173名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 02:39:52 ID:QGefaDfc
あいつのことか ああ 知ってる
話せば長い そう 古い話だ
しってるか?
こなフェチは3つに分けられる
鼻血を吹く奴
仰け反りつつぶっ壊れる奴
ツンデレる奴
この3つだ
奴は ――
確かにこなフェチだった
174名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 02:41:49 ID:SxDI+AKv
>>160
恐るべきこなた中毒w
GJ!

俺の初SSのおおまかにできてきました、あとは細かいところを詰めるだけ・・・
でも期待しないでください!ネタの延長線上みたいなのでw
175名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 08:43:05 ID:6y5Jk7Bm
>>160
いや、本家にすらもひけをとらない出来だと思う。
いいイカれっぷりです。(誉めこry)
176名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 09:54:06 ID:/4V/qN1X
>>170
私もそんな気がしてるんですが、ソースがはっきりしないんですよね
この板ではっきりした情報が出ないってことはやっぱり出てないのか?
177名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 11:36:12 ID:9MW6AupW
とりあえず原作じゃ呼んだ事ないみたいだけどね

まあ個人的に二人称はそんな原作にこだわらなくていいんじゃないかと

その人との関係性を語るのが二人称だから、そのSSで原作と違う関係なら
原作から変わっててしかるべきだと思ったり
178名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 11:37:10 ID:9MW6AupW
あ、原作=漫画版ね
179名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 13:08:13 ID:hLcfbGJ5
ちょと見直して探してみたけど、
何回見ても何回見ても『かがみさん』が見つからない……
何故か自分がSS用に使ってるメモには

ゆたか:お姉ちゃん・岩崎さん→みなみちゃん・田村さん→ひよりちゃん・パティちゃん・かがみさん

と書いてあるけど……なんでだろう?
他はアニメ本編で発見したけど……好きなSSとかかなあ?
でも自分の中のイメージもこうだからかまわないのだろうか??

はっ、例によってSS全然進んでねえ。
180名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 14:59:45 ID:5S6dp5/m
>>179
アニメ本編で聴いたような記憶が…>かがみさん
良く覚えてないけど。
181名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 15:06:28 ID:4jeo6nWR
もしかしてAC(エースコンバットの方ね)やったことある人多いのかな?
182名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 15:30:55 ID:Z11TkdnU
「ふんふんふーん♪」
「おーっす、きたわよー……って、ご機嫌ね」
「こなちゃんこんにちわー。わー、なにそれ?大きくて黒くて硬そうだねー」
「おー、良くぞきた柊姉妹よ。こやつは巷で話題のXBOX360じゃよ。しかもエリート!」
「ああ、ゲーム機ね。しかもとか言われても良く知らないんだけど、エリートって言うくらいだから普通よりいいものなわけね」
「うん、大体1万円くらい高いかな、通常版より。ちなみに定価は47800円なのさ」
「たかっ!!」
「すごいねー、私の愛用してるバルサミコ酢12年ものの6本分だよー」
「そ、そっちはそっちで凄いと思うけど……」

こなた⇒AC6 アイマス⇒そうじろう 地球防衛軍3⇒かがみ ピターニャ⇒つかさ にそれぞれはまりそうなイメージ
とりあえずつかさにACやらせたら上昇しようとしてまっさかさまに落ちてくれると信じてる
183名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 16:05:51 ID:JM531br9
>>181
<<あぁ! miyuki・wikiが鼻血を吹いた!>>
184名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 16:56:52 ID:ufrszUuk
>>179
萌えドリルやDCDかな?
確かドリルにゆーちゃんとかがみが接触するシナリオがあった……はず
そこで名前を呼んだかどうかまでは覚えてないんだけどorz
185名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 17:44:23 ID:9+BAfUyL
柊かがみをデレッデレの肉奴隷にする方法を考える
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/campus/1194547595/l50
186名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 18:50:07 ID:1U0Xx8HF
とりあえず真萌えドリルゆたかルートをやったのだが、『つかさせんぱい』と言ってたよ。
計算が下手くそで、上ルートに入れなかったよ……
187名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 19:36:49 ID:QGefaDfc
>>181
こなフェチには謎が多い

誰もが鼻血を吹き
誰もがキャラ崩壊する
そして誰が被害者で
誰が加害者か
一体『萌え』とは何か

こなた接近
自分以外の全員を撃墜し 制こなた権を確保しろ

玄関でお出迎えだ
188名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 20:27:20 ID:4N8LqN/a
>>187

「『性こなた権』ですって?」
「違うってのみゆき、こらこら、血で水芸すな!
 つかさも!ビールマンスピンしながら気絶するな!
 日下部!早速爆発へのカウントダウンするんじゃない!
 峰岸・・・その『業務用ザラメ』って書いてあるでかい袋はなに・・・
 ああああああもう!みんな自重しろ〜〜〜〜!!!!」
「かがみん・・・抱きついて頬すりすりして脚にからみついて
 カクカクしながらそんなこといっても全く説得力ないよ・・・」
189名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 21:02:52 ID:ufrszUuk
金曜の夜で「これからだ!」って時なのに血が足りないw
しかたがないので、つかさか、かがみか、みさおにB型の血を輸血してもら(ry

貧血で倒れる前にSSを投下しておきます
内容としましては、こなたとそうじろうさんの非エロで3レスです
独自設定が多少あります。ご注意ください
190名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 21:04:34 ID:ufrszUuk
 私の娘(PC)がツン期……というかヤンデレになってしまった。
 一般的に言えば、動作不安定。
「あー……こりゃ長引くかな」
 ケースを少し開けて、通気を良くしてみたけどあまり効果はなかった。
 中は相変わらず、コンビニにある肉まんを蒸すやつ――什器だっけ――のようだった。
 このまま酷使してたら、文字通り壊れてしまう。
 しかたない。今日はこの娘を休ませて、お父さんのを使わせてもらおう。

「お父さんPC使う?」
「いや、今は使わないかな」
「じゃあちょっと借りてもいい?」
「ああ、いいぞ。Administrator権限はパスワードかかってるからGuestでログインしてくれ」
「うん」

 お父さんの部屋には、タワー型のPCが鎮座している。
 ノート型も持ってるから、普段はそっちを使ってるんだけどね。
 無線を飛ばしてファイルサーバにしたり、ファイアウォールのような役割をしているらしい。
 お父さんはそこに『資料や取材をしたときの写真を入れてる』と言ってたっけ。
 いつも電源は入れっぱなしにされていて、使おうと思えばすぐに使える状態だ。

 椅子を引いて腰をかけ、キーボードを手元に用意する。
 ディスプレイの電源を入れると、スクリーンセーバーが作動していた。
 マウスを動かすと、一瞬の沈黙の後、“ようこそ”の文字が浮かび上がった。
「げすと……と」
 Guestをクリックすると、HDDがカリカリと音を立てる。

 普段このアカウントは使われていないせいか、背景はデフォの青一色。
 デスクトップ上には、整頓されていないアイコンが所狭しと並んでいる。
 ……よく見ると、九割ほどはいかがわしいものだった。
「お父さん、リアルではゲームの箱を積んでないと思ったら、こんなところに積んでたんだ……」
 あきれながら、アイコンの山からIEを探り当てて起動させた。
191名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 21:05:25 ID:ufrszUuk

 ***  ***  ***

 しばらくサイトを回ってて、ふと、今何時か知りたくなった。
「たしかタスクバーに時計があったはずだけど……。ん?」
 音量や電源のアイコンの隣に、見慣れない『B』のアイコンがある。
「なんだろう、これ。まさかこれもギャルゲー……じゃないよね」
 小さなアイコンをつついてみる。何かが立ち上がった。
 ところどころ英語表記で、ボタンとタブだらけ。
 タイトルバーにはBOINC Manager……。
「ぼいん……く?」
 『ボイン』って単語が気になったけど、そう怪しいものでもない……のかな。
 パラパラとタブをめくってみるけど、英語がずらっと並んでるばっかりだった。
 そして一番左端のタブ。
「プロジェクト、World Community Grid……アカウント、S.Izumi@eroparo? チーム、Team 2ch……」
 これは某巨大掲示板も関係してる……?

 さっき開いていたIEをひっぱってきて、検索窓にBOINC、と書いてみた。
 すごい数の検索結果がでたけど、日本語のページはすぐに見つかった。
 どうやら色んな国で活動してるまともな組織みたい。

「見つかってしまったか」
「お、お父さん! いつからそこに?」
「ちょうど今」
 お盆の上に湯飲みが二つ。
 飲み物を持ってきてくれたんだ。
「隠すつもりはなかったんだがな……。この際だから言っておこう。それはいわゆるボランティアだ」
「ボランティア? お父さんが?」
「ああ。説明はちょっと長くなるんで、紹介のFlashを見てくれ」
192名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 21:06:26 ID:ufrszUuk

 お父さんは手際よくURLを入力して、まとめページを出してくれた。
 ――BOINCはエイズやデング熱、がん解析をしているということ。
 一台じゃ終わりが見えない計算も、何万台、何千万台というPCが協力すればゴールが近づくということ。
 六年前に前身となるUDが始まったということ。
 Flash全盛期だったから、こういう支援Flashが大量にあるということ。
 そしてそれを見てお父さんも解析に加わったということ。
 私がFlashを見ている間、そんなことを話してくれた。

「『まだ見ぬ誰かの笑顔のために』って言葉にグッときてな、試しにこいつにインストールしてみたんだ」
 少し黄ばんだ筐体を優しく撫でさすっている。
「かなたはがんじゃなかったが、家族を亡くすことは、がんでも他の病気でも事故死でも、どんな原因でも辛いのは変わりない。
でもこれに参加することで、僅かでも救える人がいるなら、少しでも、オレが他人の悲しみを減らしてやれれば……ってね。
オレはほとんどが在宅での仕事だし、PCは大体起動させっぱなし。だから、その余ったパワーを解析に回してるんだ。
本当にこれが役に立っているかは分からない。だけど『やらない善よりやる偽善』なんだ。」

 いつになく落ち着いた声で、しめっぽく語る。
 そんなお父さんの姿が珍しくて、この雰囲気が嫌で、茶化したくなった。
「いままでお父さんを怪しい人だと思ってたけど、ちゃんとした面もあったんだね」
「……酷いなー。オレだって一応はまともな人間だ」
 ちょっと顔を赤くして、プイっと横を向いてしまった。
「まともな人間はこんなにギャルゲーをインストールしないよ」
「ぐっ、そりゃそうかもしれないけどさ……。あんまり、オレをいじめないでくれ〜。オレはドMじゃないんだから」

 ――しんみりしているお父さんより、こうしてふざけあえるお父さんのほうが好き。

「冗談冗談。……それでさ、BOINCは私のPCにもインストールできる?」
「お、こなたも参加してくれるのか」
「乗りかかった船だしね」
「よし! じゃあ今度の休みにでも一緒に設定しようか」
「『一緒に』?」
「……そんな目でオレを見ないでくれ〜」

 ――お父さんは、いつまでも笑っていて……。
1933-402:2007/11/09(金) 21:07:42 ID:ufrszUuk BE:55986645-2BP(3209)
以上です。ありがとうございました

SSに登場したBOINC・WCG・Team 2ch @eroparoは実在します
(S.Izumi@eroparoというメンバーはまだ居ませんが)
先日、待ちに待ったがん解析も始まり、現在エロパロ板ではメンバー募集中です
UDの支援flashだけでなく、AceCombat6の支援MADも有志の方が作成してくださりました
もし興味がありましたら、是非とも該当スレを覗いてみてください
("BOINC"でこの板内を検索するとヒットします)

……と、内容が殆どWCGの宣伝で申し訳ありませんor2
最後にらき☆すたに関するあとがきを少々
今回のSSは2巻を読み返して思いついたものです
シュークリーム分ならぬそうじろうさん分を補給するのには最適です
そうじろうさん分を補給すると妄想がはかd(ry
194名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 22:04:11 ID:4N8LqN/a
かがみ「なによこれ、全く宣伝乙だわね」
こなた「といいながら自分のデスクトップにさりげなく
    Bアイコンがあるかがみ萌え」
かがみ「うるさいっ!」

みゆき「協力を惜しみません、高良グループ全企業の
     全マシンにこれを導入してます」
こなた「ほ〜〜〜〜っ、さすがはみゆきさんだ」
みゆき「では私も・・・『BOINCシステム起動あqwせdrftgyふじこlp;・・・』」
こなた「み・・・みwikiさんっ!?」

要はGJ!
195名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 23:04:05 ID:9wjLxOR0
>>193
何か和みました。
GJですw


ところで、地味にスランプです。
壊れネタが書けない……
本家として髀肉之嘆ですorz
19619-646:2007/11/10(土) 00:48:20 ID:w0TF/ocd
どうも、風邪ひいてふらふらの19-646(※)です。
さて、予定より大幅に遅れていた「みーみー戦隊」の続きがようやくできたので
もうしばらくしたら投下してよろしいですかな?

(※)まとめサイトではなぜか「19-649」になってるんだが…。
できれば修正をお願いしたいところ。
197名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 00:51:26 ID:xtutp6Ij
超カモン!
198名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 00:57:00 ID:N7kMz/Gy
うはーい(・∀・)
無理すんなよー!
19919-646:2007/11/10(土) 01:01:18 ID:w0TF/ocd
 この投下が終わったら、俺、昼までゆっくり寝るんだ……
じゃなくて。ではいきますね。

・タイトル:みーみー戦隊 第2話
・この話はあくまで、小ネタの延長線上。
・話の性質上(?)キャラが大きく変わっていることがあります。そういうのを受け付けない方は
スルーするなりしてください。
・とりあえず、第1話よりも本格的に戦いますので「戦いとかが嫌いな方」は注意
・エロはないです。
・7レスほど使います。
200みーみー戦隊 第2話 (1/7):2007/11/10(土) 01:03:44 ID:w0TF/ocd
4人(の他にも客はいるが)を乗せたバスは、糟日部駅に着いた。4人はバスを降りる。
 その時、4人の前に一人の女性が現れ、声をかけてきた。
「あなたたち、『みーみー戦隊』の方ね?」

 その言葉に対する反応は、4人の中で2つに分かれた。
 白石とみなみは、この人が敵である可能性があると見て、とっさに戦う構えを取ろうとする。
 しかしみゆきとみさおは、この人を見たことがあったので、誰だったか思い出そうとした。
 先に思い出したのはみさお。
「もしかして、柊の母さん!? でも、なんで?」
「もしかしなくても、柊みきです。―――驚かせてしまったけど、実は私も、あなたたちと同じく「みー
みー戦隊」の一員らしいの。……詳しくは私にもよくわからないけど」
みきは、一人ひとりと握手を交わす。
「それで、早速本題だけど。あなたたち、さっき学校で大変な目に遭ったりしなかった?」
 どうやら、みきも『えねみーみー』の気配を感じ取っていたらしい。
 4人は、さっきの学校での『えねみーみー』のこと、そしてゆたかのことをみきに説明した。

「そう……。やっぱり、事態はかなり深刻なようね。もたもたしている余裕はないわ」
「やっぱり、って……、そちらでも何かあったんですか?」
「ええ。最近――― それこそ、ここ何日かのことだけど、主に夕方くらいから、それまでになく強い邪悪
な気配を感じることが増えたの。それがどういうことを表すか、わかる?」
「……敵が、増えたって事ですか?」
「半分当たりね。でも、それだけでは不十分。大事なのはむしろその先よ」
一旦言うのを止めて、4人の顔を一度見てから、みきは続けた。
「自分のすぐ近くに、その気配を発するものがある、ということ」
「それって、……みきさんの家族の中に、敵がいるということですか?」
 みきは無言で頷いた。それと共にしばらく沈黙が流れた後、みきが再び続ける。
「それで、このあとみんなに、うちに来てほしいんだけど。みんな、時間とか大丈夫?」
 だめだと言う者はいなかった。ただ、みなみとみゆきの用事もあるため、先に全員で泉家に寄ってから
柊家に向かうことに。


 数十分後、泉家に到着した5人は、家に誰かいないかを調べていた。
 ただ、普通に呼び鈴を鳴らすだけでは、もしかしたら居留守を使われてしまうかもしれない。
 そこで、メンバーを有効活用した芝居をしてみることに。

「泉さーん、宅配便でーす。―――泉さーん、いませんかー?」
白石演じる、宅配便の人。

「泉さーん、回覧板ですよー。……あら、留守かしら?泉さーん?」
 みき演じる、近所の人A。

 その後、みゆきとみなみが、普通にこなたやゆたかを呼んだりした。
が、結局、どの方法を取っても全く反応はなかった。
「やはり、留守なのでしょうか……」
「そうみたいだなー。……となると、やっぱり、……柊に聞いてみるのが一番かなー」
 その言葉の途中で、みさおの顔が一瞬曇った。
201みーみー戦隊 第2話 (2/7):2007/11/10(土) 01:06:02 ID:w0TF/ocd

「みんな、心の準備はいい?」
柊家の最寄り駅の改札を出る直前、みきは立ち止まり、4人に質問した。
 しかし、皆、すぐには頷けなかった。何しろ、今回の柊家訪問の目的は「こなたの居場所を聞く」こと
ではあるが、それに「えねみーみー退治」が加わっているのだ。
 ただし、ここで首を横に振るという選択肢は、用意されていなかった。
「じゃあ、行きましょう」
ばらばらだが全員が返事をしたのを見て、みきは改札のほうへ歩き出す。4人もそれに続いた。

 ここでも、いきなり5人全員で突入、ということはしない。
 まず、みきが一人で家に入り、かがみに、みゆきに会ったと伝える。その様子は外からでは見ることが
できないが、適度にタイミングを見計らってみゆきとみなみが突入。そしてさらにしばらく間隔をあけて、
みゆきとみなみがいることなど知らなかったかのように、みさおも突入。
その後、みきは、3人がかがみの部屋に入ったことを確認してから、人数分(かがみと3人の他に、
あやのもいた。みきはそのことは確認済み)の飲み物を用意し、かがみの部屋に入る。
 ちなみに、白石は外で待機。なぜって、白石が突入したらそれだけで不自然に思われかねないからだ。

「みんな、いらっしゃい。飲み物、オレンジジュースでよかったかしら?」
 さて、飲み物をもってかがみの部屋に入ったみきは、おぼんをテーブルに置き、それぞれのコップに
飲み物を注ぎ始めた。かがみがそれを見て、私が注ぐと申し出る。
 ここでみゆきは、本題・こなたの居場所についてかがみに尋ねた。
「な、何?みゆき、こなたに用事でもあるの?」
「いえ、私ではなく、みなみさんが」
「… 一昨日から、ゆたかが学校に来ていないんです。だから、体調を崩したのかな、と思って、ゆたかの
お見舞いのために泉先輩の家に行ったんですけど、…3日とも、誰もいなかったから」
「行った時間がよくなかった、とかじゃないの?」
「そう思って、家に帰ってからも電話はしてみたし、昨日は1時間くらい待ってみたんですけど、…それ
でも結局、一度も連絡が取れなくて…」
 そこまで聞いたかがみが一瞬視線をそらして何かをつぶやいたのを、4人は見逃さなかった。
「かがみさん、どうかしましたか?」
「いや、別に。なんでもないわよ……」
「私の経験上、柊のこの言い方の裏には、何かが隠れていそうだぜ」
「あら、かがみ。隠し事はよくないわね」
「…何か、知っているんですか?」

 かがみはついに、4人から受けるプレッシャーに耐えられなくなった。そしてついに
「……わかったわよ、そこまで言うんなら―――峰岸、いくわよ!」
急に立ち上がって言うと、かがみとあやのの目が赤く光った。―――『えねみーみー』であるサインだ。
 しかしここで、みゆきが二人を一旦制止する。
「待ってください!ここでは危ないですから、とりあえず外に出ましょう!」
 これにはかがみ・あやのも同意した。やはり部屋の中で戦うのは無理がある。

 外へ出る途中、みさおは、みきがいないことに気付いた。
 その場で立ち止まってきょろきょろしていると、みさおは、さっきまで自分たちがいた部屋のドアの
隙間から、蛍光灯のものとは違う、強い光が漏れてきているのを見た。
 その方向に近づき、ドアを開けたみさおは、強烈な光に思わず目を閉じてしまう。

 しばらく後、ようやく光が収まったのでみさおが目を開けると、そこにはみきの姿があった。
ただし、みきの恰好は、ついさっきまでと異なり、巫女装束姿となっていた。
「みーみー戦隊 みーバイオレット、ただいま参上!」
 ポーズまで決めてそう言った直後、みきは、目の前にいたみさおに気付き、急速に赤面。
「あらっ!? み、みさおちゃん!? な、なに、どうしたの?忘れ物?」
「……い、今の光……、もしかして……、……へ、……変身!?」
 みさおとみきは、それぞれ驚きと恥ずかしさからしばらく沈黙。が、その沈黙はみさおが破る。
「うぉーっ、いいなーっ!私も変身とかしてみたいぜーっ!」
 みきは、目を輝かせて自分を見るみさおを、なんとか落ち着かせようとする。
「ほ、ほら。そんなことより早く行きましょう?みんな待ってるわよ」
202みーみー戦隊 第2話 (3/7):2007/11/10(土) 01:07:48 ID:w0TF/ocd

 みさおとみきが遅れて外(神社の境内)に出ると、先に出ていたみーみー戦隊残りの3人(白石も合流
済み)と今回のえねみーみー2人は既に、10歩程度の距離をとって対峙していた。
 味方はともかく敵も、律儀にも、みきとみさおが来るのを待っていたらしい。
「柊、あやの。私らが揃うのを待ってくれるなんて、お前ら、敵とはいえ、やっぱりいい奴なんだなー」
「……あんたがどういう意図でそんなこと言ってんのか知らないけど、いくら煽てても、私らは手加減
なんかしないわよ。―――たとえ、お母さんが相手でもね!」
「みさちゃん。私たちと戦うのが嫌なら、手加減してくれてもいいんだよ?その方が私たちも楽だし」
 笑みを浮かべてそう言うあやのを見たみさおは、あぁ、今この二人は本当に敵なんだな、と実感した。

「じゃあ、始めましょ。……バトル、スタート!」
かがみの合図とともに、かがみは少し後ろに下がって、何かを唱え始めた。その前にあやのが立つ。
 一方、みーみー戦隊もすぐには動かない。先にみゆきが『wikiフラッシュ』で敵の情報を集めるからだ。
「今回の敵は二人。しかし、かがみさん、峰岸さんはともに、体力、素早さがかなりあります。しかし、
それ以上に、攻撃が脅威ですね。かがみさんはシューティング系特殊能力を駆使した遠距離攻撃、峰岸
さんは自らの姿をくらませてからの不意打ちを得意としており、その二人の―――はっ!? あれっ!?」
 みゆきは、視界が急にぼやけたことに動揺せざるを得ない。

一瞬、何があったのか理解できなかったみゆきだが、いつの間にか、眼鏡を持ったあやのがすぐ隣に
いるのを見たことで、状況を理解した。
「わ、私の眼鏡、返してください!お願いします!」
 みゆきの眼鏡はただの眼鏡ではない。たとえば、wikiフラッシュを使うにはあの眼鏡が必要なのだ。
 そしてそのことは、あやの・かがみも知っている。
「だーめ♪ 柊ちゃんも言ってたでしょ?私たちは手加減しないって。―――柊ちゃん、あとお願いね」
 そういうと、あやのはすっと姿を消した。みゆきはあやのを探す。が、本当はそんな場合ではなかった。
 かがみが両腕を前のほうにのばすと、その両手の手のひらにライトパープルの光の球が出現し、それは
みるみるうちに膨張していった。そして
「ツイン・レーザーッ!!」
 かがみの手のひらから、みゆきに向かって強烈な光が発射された。
 みゆきは、光の軌道から逃れるべく横方向に走り出した。が、レーザーは、途中からみゆきを追尾し、
結局みゆきの背中に直撃。しかもそのほぼ同時、慌てていたみゆきは、白石に衝突してしまっていた。

 直後、夕方の神社の境内に、みゆきと、白石の声が響く。

「お、おい、大丈夫か?―――て、ぬおわっ!」
みゆきが倒れているのを見て駆けつけたみさおは、みゆきを見て思わず声をあげてしまった。
俯けに倒れたみゆきの下に、白石が仰向けに倒れていたのだ。誤解を受けても仕方ないような光景だ。
「す、すまん。……ごゆっくりーっ!」
 どこかで聞いたような台詞を残して、みさおはみゆきの側から走り去ってしまった。
 もっとも、みさおはそのままの勢いで、隙を見せていたかがみに体当たりを喰らわせたのだが。

 しばらくしてから、みゆきと白石は、自分の状況に気付く。
「ホ、ホワイト!大丈夫ですか!? ケガとかないですか!?」
「だ、大丈夫ですよ!むしろ柔らかくて…あーいえ何でもありませんよ!?」
「あの…」
 みさおとほぼ入れ替わりに駆けつけていたみなみは、ここでようやく二人に気付いてもらえた。
「グ、グリーン!? いやこれはその、別にピンクと『おかしな事』をしたとかそういうわけでは―――」
「…『おかしな事』って、なに?」
 みなみが、頬を少し赤らめながら白石に尋ねた。が、白石とみゆきは恥ずかしがって、何も言えない。
「…そんなことより、ここに固まっていたら、また撃たれるかも。戦闘は終わっていないから…」
 急に平常心に戻ったみなみの発言にはっとして、二人はようやく立ち上がる。
「そうですね。……ただ、さっき、眼鏡を峰岸さんに取られてしまいまして、私にはあれがないと……」
「…わかった」
 みなみはそう答えると、みきと格闘しているあやのの方に走り出した。
203みーみー戦隊 第2話 (4/7):2007/11/10(土) 01:11:13 ID:w0TF/ocd
みなみが近づくと、あやのは再び姿をくらませた。
 
ここで、先ほどかがみに特攻してきたみさおもやってきた。みなみは、あやのからみゆきの眼鏡を取り
戻さなければならないことを、みさおに伝える。
 みさおもそれを了解。みなみとみさおは、あやのを捕らえるための作戦を練る。

「なー、グリーン。柊を倒すのに、グリーンの力をちょっと借りたいんだけど」
「…私にできることなら」
「助かるぜー。いや、さっき柊に体当たり食らわせて来たら思いのほか効いてさ。せっかくだから、私と
グリーンが、二人同時に体当たりを仕掛けたらいいじゃん、って思って。 私が柊の前から攻めるから、
グリーンは背後から行ってくんないか?」
「…わかった」
 その頃かがみは、シューティングゲームの通常ショットのようなもので、逃げ惑う白石を翻弄していた。

「よし。じゃ、「せーの、はい」で作戦開始な」
 みさおの指示にみなみが頷く。それを見たみさおは、一回深呼吸をしてから、作戦開始の合図を出す。
 その瞬間、みなみは後ろから両腕をつかまれた。みなみが後ろを見ると、そこには笑顔のあやのがいた。
「つかまえた。―――あなた達の敵は、柊ちゃん一人じゃないってこと、忘れてない?」
「私があやのの存在を忘れるとでも思ったか?あやの」
 みなみへの質問に答えたのは、自分で出した合図で、かがみの方へ向かわずにあやのの後ろに回りこみ
あやのの腕の自由を奪った、みさおだった。
「みさちゃん!? なんで――― あっ、さては二人とも、最初からこうするつもりだったの!?」
「今頃気付いても遅いぜ、あやの。……さあ、おとなしくグリーンを解放して、そしてピンクから奪った
眼鏡を返してもらおうか」
「……そんな簡単に、オッケーすると思う?」
 現状で自分より危険な状況にあるみなみを盾に、あやのは反抗してみる。だがみさおには通用しない。
「ほーう。あやずいぶん強気だな。でもいいのか?なんなら、あやのがクラスの男子と出来てる、って
ウソの情報を、兄貴に流してやってもいいんだぜー?」
 みさおのこの脅しは、あやのに対して絶大な効果を発揮する。
「うぅ、みさちゃん、ひどい……」
「さあさあ、それが嫌なら、グリーンと眼鏡をさっさと返せ」
 あやのは、泣く泣くこれに応じた。解放されたみなみが、取り返した眼鏡をみゆきに渡しに行く。

 しかし、みさおはまだあやのを解放しない。
「あの……みさちゃん? 私、返すものは返したし、私もそろそろ放してほしいんだけど……」
「まあ、もうちょっと我慢しろって。痛くはしないからさ。―――じゃ、みんな。柊のことは頼んだぜー」
 みんなに聞こえるように言った後、みさおはあやのの顔を覗き込んでニヤリとする。
「な、何するつもり?ちょっと怖い……!」
「あやの、覚悟! 奥義・『あたしらさながら背景ですぜ!』!」

「峰岸と日下部が消えた!? 何があったの?二人はどこ行ったのよ!?」
 周囲を見渡してみると、境内の端で背景と化している二人がいた。
 みーみー戦隊も、みゆきを除いては皆、何が起こったのかほとんど理解できないようだ。
「では、今の技について、少々解説をさせてもらいますね」
一同注目。みゆきのターン。
「この『あたしらさながら背景ですぜ』は、みーみー戦隊の中でも、みーブラウンのみが使える特殊技。
これは、戦闘中、本人に加えて、その時にブラウンに触れている人を背景と同化させることで、戦闘から
強制的に離脱させるものです。この方法で戦闘から離脱した場合、その戦闘が終了するまでは「戻って」
来ることができないため、今回のように敵を巻き添えにすれば、一撃必殺の攻撃という意味を持ちます。
しかしその代償として、その戦闘が終了するまでブラウンも戦闘に参加することができなくなってしまう
ため、使いどころをよく考える必要がありますね」
 ここで言える事は、この時点で残る『えねみーみー』は、かがみ一人になった、ということだ。
204みーみー戦隊 第2話 (5/7):2007/11/10(土) 01:14:55 ID:w0TF/ocd
「残りはかがみさん一人ですか。こっちは四人いるし、楽勝っすね!」
「…そうやって、決めつけてしまうのは、危険だと思います…」
「そうよ、ホワイト君。こういうのは最後の最後まで、何が起こるか分からないものよ」
 この忠告は、すぐに意味を持つこととなる。

「相手が私一人なら、楽勝……? その言葉、後悔させてあげるわ……」
 かがみの目が、変わった。白石の言葉が、かがみを本気にさせてしまったのだ。
 かがみは、みーみー戦隊に向かって、絶え間ない「通常ショット攻撃」を始める。
 通常ショット攻撃といっても、ばかにすることはできない。攻撃は最大の防御とはよく言ったもので、
絶え間ない攻撃は、みーみー戦隊がかがみに近づいて攻撃することを防いだだけでなく、離れたところ
からのみなみの「イーグルボール」さえも撃破した。(ただし、みきの御幣(ごへい・神祭具の一つ)の
先から霊力を発射する攻撃だけは、かがみにも防げなかった。)

 この状況がしばらく続いたところで、かがみは一旦攻撃を止めた。
えねみーみーといえども、攻撃に必要な体力その他諸々の力には限りがある。さっきからの連続攻撃で
その力を大量に消費し、また、みきの攻撃をいくらか喰らったかがみは、その力の回復のためのしばらく
の休憩が必要だったのだ。
 一方、かがみのここまでの攻撃でみなみ(特殊能力・「フライ・ハイ」を使い上空から攻撃しようと
して被弾)と白石(かがみの怒りの集中攻撃により)が倒れたみーみー戦隊は、かがみが攻撃を止めた
ことで、二人の手当てを行う余裕ができた。

「これでみんな、大丈夫ね」
 みーみー戦隊サイドは、残っていたみきとみゆきが 共に回復技を使えるメンバーであったことも幸いし、
4人とも(※みさおは離脱中)が戦えるようになるまでさほど時間はかからなかった。
 一方かがみは、力が回復するどころか、攻撃を止めてから余計に疲れがたまったようにさえ感じていた。
(はぁ…、はぁ…、…うそっ、向こうはもう立ち直ったの? ……しまったな、せめてお母さんかみゆきを
先に倒せていれば、もうちょっと、時間がとれたかもしれないのに。……やっぱり、一人じゃ無理だって
こと?……でも、反撃しないと、負けちゃう!……ええい、やるしかない!)
 かがみが力を振り絞って、みーみー戦隊からの反撃に備えようとしたまさにそのとき。お姉ちゃーん、
という声と足音が気付いてくることにみんなは気付き、みーみー戦隊も一旦動きを止めた。

「つかさ!? どうしたのよ!」
「つかさ……、かがみの方に味方したのね……!?」
「うわぁ、お母さんごめんなさい!でも、これ、お姉ちゃん専用だから!お姉ちゃん、使ってー!」
そういうとつかさは、かがみに何かを投げてよこした。かがみは何とか受け取りに成功。
「つかさーっ!何投げてんのよ!危ないでしょ!ちょっとは考えなさいよ!」
「ごめーん。でもそれ、効き目はすごいから!お姉ちゃん、あとはがんばってー!」
そういうと、つかさは去っていった。
205みーみー戦隊 第2話 (6/7):2007/11/10(土) 01:17:48 ID:w0TF/ocd
つかさがかがみに投げて渡したものは、「バルサミコ酢」と書かれたラベルが貼られている瓶。
(これを……、どうしろと……!?)
 かがみは少し考えた後、一つの考えに到る。
(はっ、わかった!これはポーションの一種ね?飲むのはちょっと怖い気もするけど、……まあ、良薬は
口に苦し、って言うし。多分あり得なくもないわよね。そうと決まれば、躊躇ってる時間はないわね!)
 覚悟を決めたかがみは、瓶の栓を開け、のどを鳴らしながら、瓶の中身を勢いよく飲みだした。

 3秒後、かがみは口に含んだバルサミコ酢を勢いよく噴き出し、へたりこみながら咳き込んだ。
 ワインのような味がするとされるバルサミコ酢でも、さすがに、一気飲みをするのは間違っている、と
言えよう。というか、そもそも飲用ではないはずだ。
 ただ、かがみのこの行為も、全くの失敗とはいえなかった。
「今は、私たちにとってチャンスなんだろうけど…、攻撃しちゃ、だめな気がする…」
「そうね。せめて、ちゃんと立てるようになるくらいまでは待ってあげたほうが……」
 みーみー戦隊は、攻撃を見合わせている。かがみにとっては嬉しい誤算だった。

しばらく後、かがみは自分の身体の異変を感じた。
(なんなの、この感覚……!? 身体の中が、すごく熱い!身体じゅうにどんどんエネルギーが溜まって、
このままじゃ、抑えきれなくなりそう!私、一体どうなるのよーっ!?)
 一瞬本気で死を意識したかがみだったが、しばらくすると、それとは全く違う考えを持ち始めていた。
 バルサミコ酢の「効き目」に、ついに気付いたのだ。

「この気配……、まずいわ!」
その効き目に気付いたのは、かがみだけではない。
ほぼ同じ頃、みきも、娘の異変と、それに伴う自分たちの身の危険を感じ取った。
「かがみの「力」の回復速度が、ありえない位に上がっている!」
 そう。かがみの飲んだバルサミコ酢の効果は、「毎ターン終了後、自分のMPを全回復」といった感じ。
しかも、それを用法・用量とか完全無視で(そもそも書かれてはいないが)飲んだのだから、その効果は
本来の強さよりさらに強まってしまっている。
 それは、ここからしばらくの間、かがみが、たとえ最強攻撃でさえも使い放題であることを意味する。

「さっき、私に攻撃せずにいてくれたことを感謝するわ。……でも、その恩は仇で返してあげる!」
 かがみが立ち上がってそう言うと、かがみの左手の上に光球が出現。そしてその光球はすぐに、小学校
の運動会の大玉転がしで使う大玉くらいのサイズにまで大きくなった。
「みんな、散らばって逃げて!」
 みきがそう言うのとほぼ同時、かがみは光球を発射。
 偶然その光球の進路上にいたみなみは、咄嗟に「フライ・ハイ」で跳んで光球を避けたため無事だった。
 みなみが着地してかがみの方を見たときには、既に2発目が発射されるところだった。2発目はみゆき
の方へ向かったが、みゆきは避けることに成功。
「あんなのが直撃したら、一たまりもありません!それを撃ち放題だなんて!」
 その時既にかがみは、3発目の発射準備をほぼ完了させていた。まさにずっとかがみのターン。
 3発目が、今度はみきのいる方向に向かって放たれた。
 しかし、みきは逃げるどころか、どこから出してきたのか直径50cm以上ありそうな、円形の「何か」
を胸の前で持ち、光の方を向いて動かない。

 みきが手に持っている円形の物に光球がぶつかる寸前、その円形の物体の、光球側の面は光を発しだし、
その光は光球を押しはじめ、ついには光球をはね返した。
 ここで明かしておくと、みきの持っていた「円形の物体」、それは、鏡だった。

 かがみの放った光球は、みきの鏡にはねかえされた。しかしかがみは、何が起こったのか理解できて
いなかった。そして、かがみが自分の身の危険に気付いたときには、もう手遅れだった。

かがみの断末魔の叫び声が響いたところで光球は消え、神社は時刻相応の薄暗さに包まれた。

206みーみー戦隊 第2話 (7/7):2007/11/10(土) 01:21:11 ID:w0TF/ocd
「かがみ!」
 光球の直撃を受けて倒れたかがみの元に、真っ先にみきが駆け寄る。
「……息はしている。なんとか大丈夫そうね」
 残りのメンバーも、かがみのもとに駆け寄る。
 そのとき、かがみの身体から、煙のようなものが出はじめた。これは、『えねみーみー』が倒された際に
出るもので、これを出しきってしまえば、その人は「普通の人間」にもどる。
 先の教室での戦闘時にも、説明こそ省いたが、みーみー戦隊はこの光景を見ているので、既に知って
「うおっ!あやのと柊から、なんか煙みたいなものがっ!なんじゃこりゃぁっ!」
――いるはずなんだが。意味までよく理解していないという人もいたようだ。ちなみに、背景化していた
二人は、かがみが倒れた段階で戦闘が終わったため、さっき戻ってきたのだ。
 かがみから「煙」が出終わると、みきはかがみに対し、生命力回復の祈祷を始めた。

「……、……お、お母さん!? ……あれ、私、どうして……」
 しばらくして、かがみは意識を取り戻した。それを見たみきはほっと胸をなでおろし、少し離れて見
守っていた他の皆は、かがみの近くに集まった。それを見て、かがみの目からは、大粒の涙が流れる。
「ほら、かがみ。泣かなくてもいいでしょ?ね?」
 そう言いながらみきはかがみの頭をなでるが、しばらくかがみの涙は止まりそうにない。

 とりあえず全員で一旦かがみの部屋に戻る(白石は初潜入だが)と、早速、証人喚問が行われた。
「まず、なんで柊とあやのが『えねみーみー』になっちまったのか、ってあたりから聞かせてもらおうか」
 この質問に対し、ようやく泣き止んだかがみが、小さく頷いてから答える。

かがみの供述は、だいたいこんな感じだ。
先日、かがみはこなたに誘われて、学校帰りに二人でアニメイトに寄った。その日かがみは、本当は
まっすぐ帰るつもりだったが、正体不明の大きな威圧を感じ、断れなかった。
その帰り、かがみはこなたの家に「寄らされ」、そこで無理矢理「えねみーみー」にされてしまった。
かがみも一応抵抗はしたが、こなたとそうじろうには、全く歯が立たなかった。
翌日、かがみは学校で、あやのとみさおを味方にしようと試みた。しかし、あやのはついてきたものの、
みさおは直感でこれを回避した。ちなみにつかさは、誘われたものの、明確な返事をまだしていなかった。
 その日の放課後、かがみはこなたの家に行き、ゆたかを「悪の親玉」のもとへ連れ出す手助けをした。

「…その「悪の親玉」は、一体どこにいるんですか!? ゆたかは、その「親玉」の所にいるんですか!?」
 供述を聞いたみなみは、声を震わせてかがみに問い詰めた。かがみは泣きそうになりながら答える。
「……「親玉」がどこにいるのかは、私は知らない……聞かされていないの。でも、こなたが知っている
はずよ。こなたが家にいないのなら、きっと、こなたのおじさんと一緒にアキバにいるわ。でも……、
でも、あの二人は強敵よ。私なんかよりも、ずっと……」
「…そんなの、関係ない!…相手が強いからってひるんでいても、ゆたかは帰ってこない…!」
「みなみさんの言うとおりです。それに、一人では倒せないほど強い敵も、5人がうまく力を合わせれば
勝てるかもしれません。善は急げと言いますし、ゆたかさんのためにも、今から行きましょう!」
「そうこなくっちゃ!そのために私ら5人で『みーみー戦隊』してるんだしさ。……まー、約一名、まだ
大した活躍をしてねー奴もいるみたいだけど。なー、白石ぃ」
「し、失礼な!次こそはもっと活躍できる……、はず……です……」
「まあまあ……。じゃあみんな、もう暗いけど、今から行くのね?」
 すぐに4人とも、はいと答えた。もう時間が遅いからといって、ゆたかにこれ以上余分に辛い思いを
させるわけにはいかない。
「わかったわ、行きましょう。―――かがみ。私、今日は遅くなるからって、みんなに言っておいてね」

 みーみー戦隊一同が かがみの部屋を出る直前、かがみは5人に向かって言った。
「みんな、絶対負けちゃだめよ!こなたを正気に戻して、ゆたかちゃんを助けだして!頼んだわよ!」
 その言葉に、みさおが代表して答える。
「言われなくてもわかってるって。――― あ、そうそう、あやのー。今日うち、親いないからさ。兄貴と
いちゃいちゃするんなら、今日はチャンスだぜー」
 あやのの顔がボンッと赤くなるのを見てから、みーみー戦隊は今度こそ、かがみの部屋を出た。

   【続】
20719‐646:2007/11/10(土) 01:25:54 ID:w0TF/ocd
はい以上です。
 それにしても、俺は自分の仕事の遅さに絶望せざるを得ない。
そして、最近「e」のキーの効きがやたら悪くなったこのキーボードにも(ry
ということで、続きはいつになることやら。
208名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 01:28:23 ID:N7kMz/Gy
>>207
リアルタイムGJっす!
おぉ、本格的になってきた……これは続きにwktk!
209名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 02:17:03 ID:fI6BXSvA
>>207
仕事の遅さに絶望するにはまだはやいっ!
前前スレのみなみSSの続きをこのスレが埋まる前に落とすんだーと意気込んでいる割に
今日一日で5行しか進まなかった自分に比べればぜんぜん……

しかし、かがみんを遥かに上回るこなたんとそうじろうはどんな技使うんだ。
というか、こなたんなんか素で何でもできそうだけど、努力と友情と萌えで勝てるのか?
次回も楽しみにしています。GJ!!
210名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 02:27:56 ID:H6NLZLQY
仕事が遅いだと!?

なははははははは、安心しろ!

俺なんか、もっと遅いぞーわあああっはっはっはっは!






いつできるんだ・・・この書きかけ・・・orz
211名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 02:30:43 ID:mn2xlDSx
>>210がそうじろうにしか見えない
212名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 02:35:48 ID:H6NLZLQY
そ・・・それは君、買いかぶりすぎだよ・・・
私には、彼のような文才なんてとてもとても・・・
そりゃあロリコンではあるけどさ・・・ハッ!?






こなた「自演乙(・∀・)」
2132-390:2007/11/10(土) 03:14:10 ID:LLySmOge
2スレ目以降全く書いてなかったけど、リハビリ兼ねて書いたので

・かがみ&こなた
・社会人かがみ視点
・いずれ鬱展開になる予定
・高校時代、こなたとかがみは出会っていなかったというオリ設定

こりゃだめだと思ったら即スルー推奨。
214残し物:2007/11/10(土) 03:22:19 ID:LLySmOge
書きまとめた書類を無事ファイルに納めると、1つほっと息をついた。

今日の仕事がこれで片付いたのだ、そう思うと小さな達成感と脱力感。
やれやれと鞄を手に引っ掛けると、私は挨拶もそれなりに、雨の中家路についた。


高校、大学とつまづく事なく年を経た私は、現在24にして立派なキャリアウーマンというやつだ。
都心の少し外れに部屋を1つ借り、とくに不自由もなく一人での生活を送っている。

…しいて挙げるとすれば乱れた食生活が玉の瑕となっているけれど、料理が出来ないのだから仕方がない。
今日もカップ麺入りの袋を提げ、しかしスーツ姿のまま。
慣れた道でヒールを鳴らすのだった。


今朝から降り続いていた雨は若干強さを増して、重く傘にのし掛かる。
風が無いだけマシではあったけれど、それでもいつもより足取りは遅くなっていた。

「はぁ……疲れる」

生憎日々の激務が重なり疲労していた私には、この雨の重量に抗う事さえ億劫だ。
歩幅は縮まる一方で、遂には亀の歩みに似て非なる域まで達していた。

それに気が付いた時、だらしがないなぁと苦笑いを浮かべ。
結局は散歩のようにして雨道を辿って行った。



雨の音に浸りながら、いつかの似た日の事を思い出していた。
高校時代。妹のつかさが傘を忘れ、二人でよく相合い傘をして帰ったなぁ……なんて事を。
加えてつかさのクラスメイト、みゆきとの3人で談笑しながら歩いた下校路は、淡く和やかな思い出として蘇った。

今でこそ、こうして1人で歩いているけれど。
また3人で集まる時、こうして散歩に誘うのも悪くないかもしれない。

私はいつしか若干の浮かれ気分で、水溜まりを蹴って歩いていた。



だがその足は、私の目に映るある光景でふと止まる事になった。
215残し物:2007/11/10(土) 03:23:21 ID:LLySmOge



「…………」

人だ。
こんな雨の中、髪の長い、恐らくは女性が建物の影に座り込んでいた。
と言ってもその頭上に雨をしのぐ何かがあるわけではなく、雨粒は体育座りをする彼女に容赦なく降り掛かっていた。

何かに浮かれていた気分も忘れて小走りで駆け寄る私、彼女の正面で膝に手をついて屈んだ。

「ちょ…ちょっと、あなた一体どう──…」

近くで見て、改めて驚く。
顔は伏せてしまって見えないけれど、その身体は思った以上に小柄で、青く纏った長い髪が何処か幼さを印象づけていた。

恐らくは…小学生?
脇には使い古されたリュックサックが、主人を気遣うように寄り添って置かれている。

「………」

軽く肩を揺すってみたものの、反応はない。
再び呼び掛けてみても、伏せた頭は一向に上がらない。

えっと…もしかして、この娘死んでる?

「ちょっ…!とと取り敢えず警察…いや一応先に救急車っ!」

肩に提げたバッグから携帯を漁り出すと、割ってしまいそうな勢いでそれを開いた。
動転して頭がうまく働かない。救急車はたしかイイクニツクロウ──…

すると、慌てふためく私を制すかのように、雨音を割ってその音は響いた。


『ぐぎゅうぅぅぅ〜……っ』


……あの、今のは…?
確実に少女から聴こえたようだったけど、とても人間の声とは思えない。
いびきをかいている様子でも無いし、まさかとは思うけど…

私は思う所あって、一旦携帯電話を仕舞うと、彼女の正面にしゃがみこんだ。

「ねぇ、あなた…」

「………」

「もしかして、お腹空いてたりなんかは──」

『ぎゅるるる〜…』


あ、そうですか。空いてるんですかお腹。
もしかして空腹で動けないだけですか、そうですか。
216残し物:2007/11/10(土) 03:24:15 ID:LLySmOge
私は長いため息をつくと、その場でゆっくり立ち上がった。

とは言っても、空腹で動けなくなった少女を見捨てる程冷たい私ではない。
何か食べ物をあげられると良いんだけど…お湯が無い為、いま手元にあるカップ麺では役に立たない。

近くにコンビニがあっただろうか。この辺りの地理に詳しくないので、探すとしても道に迷うだけに終わりそうだ。

「………」

依然体育座りのまま、雨を浴び続ける青髪の娘。
大方小学生であろう彼女が、何故にしてこんな事態になっているのだろう。
家出か何かなのだろうか…?

いたたまれず、私の傘をその伏せた頭に被せる。
傘は小さな身体を充分に庇ってくれて、やはり彼女の幼さを引き立てた。

「………」

放ってはおけない。
それは強く想うのに、彼女にはそれらを拒むオーラがある。

…なぜそう思ったのだろう。病院に運ぶなり、交番に連れて行くなりは出来た筈なのに。
ふと俯く彼女を見るやいなや、それらの案は脳内で却下されてしまう。

「はぁ…仕方ないわね」

別段、彼女がヤダとタダを捏ねた訳ではない。
突っ伏すだけで反応は無いし、肩を揺すれば為されるがままだ。
それでも、何か言ってやらないと気が済まなかった。
何かしてやらないと気が済まなかった。


私は失礼を詫びる念を込めて、そっと足元に財布を供える。
未だ降り止まない雨の中、バッグを傘にして駆けだしたのだった。


217残し物:2007/11/10(土) 03:25:21 ID:LLySmOge
─────


翌朝
携帯電話のアラーム音が鳴る。

私はそれに素直に従う人間だ。サイドボタンを押して大人しくさせると、間もなくベッドから起き上がる。
そのまま洗面所に向かい、洗顔。お手洗い。朝食には菓子パン。
食べ終わると背伸びをして、一息つきつつ新聞に目を通す。
あと1時間の猶予を以て、ようやく出勤の準備を始める程に余裕があるのだ。
僭越ながら、今でも毎朝遅刻ギリギリだと言うつかさに見せてやりたいと思う。


そんな事を考え、また頬が弛んできた頃に、来客を知らせるチャイムが鳴ったのだ。


218残し物:2007/11/10(土) 03:26:25 ID:LLySmOge
─────


「………何これ…。」

モニターに映るのは、ふよふよと揺れる青い物質。
謎のそれは風に靡いて動き、まるで踊って……いや、挑発しているようだ。

いや知りません。私こんな知人知りません。

『ピンポンピンポンピンポンピンポ』

分かったわよ出るわよ今すぐ出るわよ!
若干苛立った為、廊下をドスドスと歩いてそいつを出迎えてやった。


「………」


ドアを開けると、少女が居た。
長く青い髪の、幼い少女が。
揺れ動く物質は彼女の頭にそびえ立つ一本のアホ毛であったらしく、モニターと同じようにふよふよと泳いでいた。

「って、あなたは確か昨日の──…えっと」


「……これ、返すよ」

名前が分からず、私が言い詰まっている間に、彼女は手に持つ財布を差し出してきた。
…私のだ。

「どーゆーつもりか知らないけど、私は乞食になった覚えはないよ」

「あ……ご、ごめんなさい」

一寸の虫にも五分の魂と言うように、幼い彼女にもプライドは有るらしく。
幾ら子供とはいえ、流石に軽率な施しだったようだ。
私は申し訳なくなってか頭を低くして、その軽くなった財布を受け取った。

「……ん、軽い?」

受け取った財布は確かに軽い。
だが昨日彼女に供えた財布は、果たしてこれ程計量であっただろうか…。


案の定、数枚の札と硬貨は跡形もなくなっていた。

「………」

「えと…ま、待っててね、すぐに稼いで返しに来るから!」

先程とは似つかない、年相応というべき口調でそう言うと、直ちに逃げるようにして去ってしまった。

まぁ…使ってくれたならそれで良いんだけど
稼いで返すって、小学生がどうやって稼ぐつもりよ…。

呆然と見送る私。
手元の財布からは、知らずと私の名刺も一枚抜かれていた。
2192-390:2007/11/10(土) 03:28:00 ID:LLySmOge
つづく

変に短いレスがあったりしてごめん
220名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 04:02:35 ID:JhtpvaiU
続きが気になる!
221名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 04:15:06 ID:III8ouSu
>>219
こういうのも新鮮でいい感じだな

てかうまく終わらせやがってwww
222名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 06:04:27 ID:BxbKuTy+
>>219
GJ! 続き楽しみです。

おはようございます。
前スレで「想いの強さ」を投下させて頂いた22-468です。
続きが出来上がりましたので、見て頂けると嬉しいです。

簡単な注意事項など
・こなた&かがみ(のハズが「かがみ&みさお」になってしまいました)
・非エロで、喧嘩物で、少々湿っぽい話です
・6レスぐらいになるかと思います(間違ったらごめんなさい)
・話の始まりは、水曜日の昼休みからです。
223想いの強さ 第2章 その1:2007/11/10(土) 06:06:00 ID:BxbKuTy+
「はぁ〜」
昼休みだというのに、お弁当も食べずに自分の机に項垂れていた。
今日のお弁当当番はつかさだから美味しいはずなのに、手を付ける気にもならない。
「どした、柊?」
八重歯が特徴の陸上部が私を覗き込んでくる。
「ダイエットか?」
違うわよ。
「柊ちゃん、無理なダイエットは逆効果だよ」
傍に来ていた峰岸が心配そうに話しかけてくる。だから違うって。
「そうだよ柊。ダイエットなんかしなくても体動かせば体重は落ちるんだぜ」
どうして私をダイエットキャラに仕立てようとするかな。
「別にダイエットじゃないわよ」
これ以上、教室で『ダイエット』を連呼されても困るから、適当に否定しておく。
「なら飯食おうぜ」
女の子が『めし』とか言うな。
「今日はB組に行かないの?」
峰岸が当然の質問をしてきたけど、今の私にこの話題はきつい。
今朝、こなたと喧嘩してしまったことが脳内で108回はフラッシュバックしている。
おかげで授業に全く集中できなかったわよ。
「今日は、こっちで食べるわ」
「・・・そう」
峰岸の事だから感づいているかな?
「今日のオカズはミートボールだってヴぁ」
日下部の事だからミートボールしか頭にないんだろうな。
お昼を食べている時も午後の授業も帰りのHRも、ずっとこなたの怒った顔がリピートしていた。
そういえば、こなたがあんなに怒ったの、初めてかな?
時間が経つにつれて冷静になってくる頭と反比例して、自分が言ってしまった事への後悔が津波の如く押し寄せてくる。
「何であんな事、言ってしまったのかしら」
・・・
・・
224想いの強さ 第2章 その2:2007/11/10(土) 06:06:46 ID:BxbKuTy+
色々と考え、悩み、悔んだ挙句、出た結論は至極当然の判断。
「よし、謝ろう!」
とは言っても、どんな顔して謝ればいいのかしら。
怒った顔? 笑った顔? 泣いた顔? 無表情? 渋い顔で『自分、不器用ですから』。
だから無理にボケに走らなくてもいいわよ。
「はあ〜」
今日、何回目か分からない溜息が出た。
「とりあえず、B組に行ってみようかな」
人の気配が疎らなB組の教室に入ると、見慣れた黄色いリボンの妹と、ピンクのロングヘアーの女の子が、何やら話し込んでいた。
「・・・お姉ちゃん」
「つかさ、こなたは?」
「先に帰っちゃった」
「・・・そっか」
残念なような安心したような・・・安心?
ちょっと待って。こなたが居なくて安心するってどういう事よ。
こなたはとても大切な親友なんだから。そのこなたが居なくて安心するなんて・・・
「あの・・・かがみさん」
みゆきが、心配そうに私を呼んでくる。いけない、黙り込んでた。
「なに?」
「つかささんから聞いたのですが、泉さんと喧嘩をなさったと」
当然の話題よね。
「まあ、喧嘩というか。私が一方的に怒ったみたいなものだけど・・・」
俯いた私の気持ちを優しく包むように、みゆきが私の背中に手を廻して支えてくれた。
その姿を見ていると『お母さん』と言ってみたくなるわね。
本人は嫌がるだろうから言わないけど。
「かがみさんは、どうしたいのですか?」
私?わたしは
「謝って、こなたと仲直りしたい。そして、普段通りこなたが馬鹿な事を言って私がツッコんで、
つかさがボケボケぶりを発揮して、みゆきの良い笑顔が見れて」
叶うなら、皆で楽しく誕生日を迎えたい。
「私、ボケボケ?」
あんたはボケボケでしょうが。
『でも、無理かな?』と思ってしまっている私が居る。あんな事を言った私を許してくれるかな?
「かがみさん。どんなに解り合った相手でも言葉にしなければ伝わらない時もあります」
「それでも、伝わらなかったら?」
「大丈夫です。かがみさんの想いでしたら、必ず届きます」
にこりと笑うみゆきを見て『本当に良い笑顔だなぁ』と、ときめいてしまった私は大分毒されていると自覚した。
225想いの強さ 第3章 その1:2007/11/10(土) 06:08:08 ID:BxbKuTy+
昨日、こなたと喧嘩して24時間が経過した木曜日の朝。私の中で無意味なカウントダウンが鳴り響いていた。Twenty Four?
「こなちゃん、遅いね」
「そうね〜」
昨晩、電話しようかと散々悩んだが、こういうのは面と向かって謝りたいし、そもそも電話で済ます問題では無いわよね。
そういう訳で、つかさと一緒に糟日部駅前でこなたが来るのを待っているのだが一向に現れる気配が無い。
次のバスに乗らなければ遅刻確定なんだけど。
『まもなく陵桜学園行きが発車します』
無機質なアナウンスが私の耳に入ってきた。もう時間?
「お姉ちゃん、どうする?」
「つかさ、先に行ってて良いわよ」
「でも、お姉ちゃんが遅刻しちゃうよ」
正直、私は遅刻しても構わないと思っていたんだけど、(つかさが)私を強引にバスに乗せようとするものだから
(つかさが)盛大に転んでしまい、その弾みで(つかさの)スカートが捲れ、道行く人たちにその姿を見られ、
(つかさは)わぁんわん泣き出してしまった。
結果として二人揃って仲良く遅刻なのだが
「ぐす・・・ぐす・・・」
「ほら、つかさ。もう泣き止みなさいって」
私達を乗せたバスが陵桜学園に到着するまで、つかさは泣き続けていた。
泣きたいのは私の方よ。
今朝のドタバタの所為で、こなたが登校しているか否か確認できたのが昼休みにB組を覗いた時になってしまったのだが、どうやら今日は休みらしい。
やっぱり私が原因よね。
ちなみにB組を除いた時、そのままつかさ達と一緒にお昼を食べようかと思っていたが、
今朝の事を引き摺っているつかさがまた泣き出してしまい、
それを見たみゆきが慌てふためいていたので、悪いと思いながらも自分のクラスに舞い戻ってきた。
つかさ、トラウマにならなければ良いけど。
「はぁ〜」
「どした。柊ぃ?」
「え、ううん何でもないわ」
日下部と峰岸が仲良くお昼を食べていたので、私も一緒に混ぜてもらっていた。
だけど頭に浮かぶのはこなたの事ばかり。1日会わないだけで、張合いが無くなった学校生活に正直驚いたわ。
226想いの強さ 第3章 その2:2007/11/10(土) 06:09:04 ID:BxbKuTy+
「柊ちゃん。今日もB組に行かないけど、何かあったの?」
「別に何も無いわよ」
「柊の事だから・・・ゴックン・・・ちびっ子と喧嘩したとかじゃないの?」
口の中に物を入れてしゃべるなよ、行儀悪いわね。
「そうなの、柊ちゃん?」
「そんなんじゃないわよ」
そんなんじゃ無い。ただの喧嘩なんかじゃ済まされないし、ただの喧嘩ならどれ程救われた事か。
「あやのの弁当はいつ食べても、まいう〜だな」
「いつも作ってるからね」
「兄貴にか?」
「ち、違うよ!」
物思いにふけっていた私の鼓膜を揺さぶるように、峰岸の叫び声が聞こえてきた。
「峰岸と日下部って、本当に仲が良いわよね」
「昔からの付き合いだからね。みさちゃんとは」
「でも、あたし達より柊とちびっ子の方が仲良いと思うけどな」
私とこなたが?確かに仲は良いと思うけど・・・今は
「柊とは中学から一緒だったけど、本気で笑ったり怒ったり悲しんだりするのは、ちびっ子に対してだけだもんな」
言われても全く覚えが無い。確かに、こなたと居ると楽しいけど、ただそれだけだと思っていたから。
「それに最近、あやのは兄貴に会ってばっかりだし。この前なんか兄貴の部屋でk」
「みさちゃん!それは言わない約束でしょ」
峰岸が慌てて日下部の口を両手で塞いだ。何を話そうとしたのかしら。
「ぷはっ・・・ごめん、あやの。ついキスしてたこと言いそうになって・・・ぁ」
・・・え?今なんと仰いましたか、日下部さん?
世界が凍りついてしまったかのような静寂を破ったのは、峰岸だった。
「み・・・」
顔を真っ赤にしながらプルプル震える峰岸が日下部を一瞥した次の瞬間
「みさちゃんのバカー!」
一目散に教室を飛び出して行った。気持ちは分かるけど、もう昼休みが終わるわよ。
「あちゃー・・・」
「『あちゃー』じゃないだろ。かわいそうに」
ほっぺたをポリポリ掻いている日下部にため息を吐いたのと同時に、昼休み終了のチャイムが鳴り響いた。
227想いの強さ 第4章 その1:2007/11/10(土) 06:11:16 ID:BxbKuTy+
 私とつかさの18回目の誕生日を明日に控えた、今は金曜日の朝。
「お、お姉ちゃん。こなちゃん待ってなくて良いの?」
「うん」
「でも、今日は来ると思うから・・・って、待ってよお姉ちゃん」
昨日とは正反対に少しでも早く学校に行こうとする私。
別にこなたが嫌いになった訳では無いわよ。原因は昨日の深夜か、今日の早朝に見た夢。
思い出しただけで体が震えてしまうほどの恐い夢。
その夢には、こなたも出てきた。
・・・
・・

変な感じ。辺りが真っ暗で自分の場所だけ明かりが照らされてる。
例えばスポットライトみたいに・・・そっか。これは夢ね。なら納得だわ。
でも、何でこんな夢を見ているのかしら・・・なんて考えても仕方ないわね、夢だもの。
『かがみ』
不意にこなたの声が聞こえたと思った次の瞬間。今まで真っ暗だった目の前に光が差し込み、そこに無表情のこなたが居た。
夢の中ぐらい愛想良くしなさいよ。
『もう、かがみに迷惑かけない』
何言ってるのよ。
『もう、かがみを怒らせない』
だから、何言ってるのよ。
『もう、かがみの事を考えない』
・・・それ、どういう意味よ。
私の疑問なんて無視して、無表情のこなたは言葉を繋げてくる。
『だって、私とかがみは他人だから。他人なら、お互いに喧嘩することもない』
ちょっと待ってよ。
『だから、私に話しかけないで』
納得出来るわけ無いじゃない。
『それだけ』
それだけって・・・
目の前のこなたは表情を崩すことなく、私に背中を向けて遠ざかって行く。
待ちなさいよ、こなた!
こなたの前に立ち塞がった瞬間、心の奥から湧いてきた恐怖心。

・・
・・・・
覚えているのはそこまで。
あの恐怖心が何だったのか、そもそも恐怖だったのかさえ分からない。
分からないけど、こなたの事を考えると、あの夢を思い出してしまい恐怖で自分を見失いそうになる。
こんな状態で、こなたに会う事なんて出来ないわよ。
「私、何やってるのかしら」
こなたに会わないようにする為、休み時間毎に校庭へ足を運んでいる自分に自嘲してみたが、現状が変わるわけでもないわよね。
「次の授業が終われば、帰りのHR。あと少し・・・」
こなたから離れたい。
自分でも信じられないけど、そんな事ばかり考えていた。
どうして、あんな夢を見ちゃったのよ。
ふと気付けば、エアコンが治った自分の部屋のベッドに寝転がっていた。
「あれ?どうやって帰ってきたんだっけ・・・というか今日の授業、受けた?」
やばい、重症だわ。
空が茜色に変わり始めた頃、自己嫌悪に陥っていると机の上に置いていた携帯がバイブレーション機能をフルに発揮し始めた。
「電話?」
ディスプレイを見ると峰岸からだが、今は人と話す気分じゃない。
だけど無視する訳にもいかないわよね。
228想いの強さ 第4章 その2:2007/11/10(土) 06:12:09 ID:BxbKuTy+
「もしもし?」
『あ、柊ちゃん?今どこにいるの?』
「自分の部屋だけど。どうかしたの?」
『えっと・・・今から会えないかなと思って』
何の用だろ?
「別に良いわよ」
『よかった。それじゃ一旦、電話切るね』
電話が切れたと同時に玄関のチャイムが鳴ったけど・・・まさかね。
「急にごめんね、柊ちゃん」
その『まさか』だった。
携帯を机の上に置いたのと同時に、ノックも無しに部屋のドアが開き、廊下には峰岸と日下部が居た。
「どこから電話したのよ」
「玄関の前から」
笑顔を崩さずに部屋に入ってくる峰岸を見ていると、深く考えたら駄目な気がしてきたわ。
「どうしたのよ、日下部?」
いつもボーイッシュで元気だけが取り柄の日下部が、俯き加減で元気がない。
お腹が痛いのかな?
「なあ、柊。ちびっ子と喧嘩したんだって?」
第一声がそれですか。
「うん、まあ。でも、どうして知ってるのよ」
「放課後。妹ちゃんが教室に来て、泉ちゃんと柊ちゃんの事を話してくれたの」
日下部に代わって、峰岸が説明してきた。
「それで、喧嘩の原因って・・・」
笑顔だった峰岸が、日下部に負けず劣らずの俯き加減になってしまったのを見て、何を話そうとしているのか理解できた。
「あやの・・・私が言うよ」
峰岸が俯いたのとは逆に、日下部が顔を挙げて真っ直ぐな視線を私に向けてくる。
何だろう、この胸騒ぎは。
「私・・・柊の事が好き」
な・・・なんですとー!
いや、ちょっと待て。それはつまり、そういう事なの? って言うか、喧嘩の話はどうしたのよ。
傍から見たら、相当間抜けな顔をしているに違いない私を直視する日下部。そんなに見られても困るんだけど。
「えっと・・・いつから?」
何聞いてるのよ、もっと他に聞くべき事はあるでしょ。
「2年位前だと思う。柊が楽しそうにちびっ子と話しているのを見ていたら、心の中に霧みたいのが広がって。
その正体が何なのか考えたら直ぐに気づいたよ」
229想いの強さ 第4章 その3:2007/11/10(土) 06:13:12 ID:BxbKuTy+
2年前って、こなたと知り合った時だ。
確かに、その時から日下部達よりこなた達と過ごす時間が多くなったような気がする。
「柊とちびっ子が喧嘩して、私達と話す時間が増えて嬉しいとか思ったり。最悪だよ私」
そんな事、無いわよ。
「でも、喧嘩して落ち込んでる柊を見るのが辛くて。柊には笑顔で居て欲しくて・・・」
少しずつ涙目になってくる日下部の手に、峰岸の両手が優しく包むように触れている。
「だから!ちびっ子と仲直りして、いつもの柊に戻ってよ!」
私だって戻りたいわよ。でも
「こなたが許してくれるかな」
私の呟きを聞いた峰岸が、軽く微笑んだ。
「大丈夫だよ。泉ちゃんはいつも、柊ちゃんの事を考えているから」
こなたが?
「火曜日の放課後。覚えてる?」
それって、ゲマズに行こうって約束した日だ。
「柊ちゃんが教室を出て行った後、泉ちゃんが来てね。40分くらい一緒に待ってたんだよ」
「え・・・でも、こなたは約束を忘れたみたいな感じだったけど」
「気を使ったじゃないかな。泉ちゃんの事だから」
そんな・・・
「柊ちゃんが鞄を持って出て行ったから、もう戻ってこないかと思って。それで泉ちゃんと帰る事になったんだけど。泉ちゃんから何か聞いてる?」
「何も聞いてないし、話してくれなかったわ」
『そっか』と、峰岸が呟いた気がした。
「泉ちゃんと一緒に、柊ちゃんの誕生日プレゼントを買いに行ったんだよ」
「こなたが・・・私のプレゼントを?」
「うん。泉ちゃんがね
『高校生活最後の誕生日だから、かがみが喜んでくれそうなのを選びたいんだけど。私はイマイチ分らないから一緒に選んで』って言って。
それと『かがみには内緒にして』と言われてて。今まで黙っててごめんね」
話を聞き終えた私の脳裏に走馬灯の如く、こなたの色んな表情が浮かんでくる。
笑っているこなた。真剣なこなた。惚けたこなた。悩んだこなた。そして最後には悲しんでいるこなた。悲しませたのは・・・私。
「こなた・・・グス・・・こなたぁ」
涙を零しながら、私は強く想った。
『こなたに会いたい』と。
会って、何がしたいのか分らない。
謝って許して貰いたい?他愛もない世間話をしたい?
どれも違う気がする。今はただ、こなたに会いたいだけ。
「柊ちゃん、行ってあげて。泉ちゃんが待ってるから」
「待ってる?」
「うん。泉ちゃんと柊ちゃんが最初に出会った場所で待ってるから」
財布と携帯電話を持って、自分の部屋を出ようとした時に大切な事を思い出した。
「日下部・・・ごめん!私、日下部の気持ちには答えられない」
日下部への返事を忘れていた。そして
「ありがとう」
それだけ言って、私は走った。茜色から群青色に変わり始めている空の下、こなたと最初に出会った場所へ向かうために。
230名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 06:15:54 ID:BxbKuTy+
読んで下さった方、ありがとうございます。

今後の自分の為に、感想・御指摘・アドバイスなど頂けたら幸いです。

続きは・・・今日中に投下させて頂きます。
231名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 08:53:15 ID:PG7CRc0Y
>>193
みさお「へぇ〜、インターネットでこういう活動もやってんだな。
 兄貴ぃ、さっそくそのパソコンにもそれ入れようぜ」
兄「入れたいんだけど、うちはMacOS Xだから入らない」
みさお「よくわかんねーけど、兄貴のはダメってことか」


今更だがGJ!!
232名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 09:27:40 ID:PG7CRc0Y
連投ですまんが、>>230GJ!!

いつも楽しく読まさせてもらってます。
続きが楽しみだにゃー。
233名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 11:25:24 ID:cfSUQjE8
>>219
GJです
13クラスもある私立高だと、階が違ったりクラスが遠いと
同じ学年といえど殆ど会うことはないですからね……
これからどうなるのか期待してます
>>230
GJ
こちらも続き期待
今日は家で作品投下まで待機してますw

>>231
193ではないですが、OS XやLinuxやwin x64でも参加できますよ〜
ttp://boinc.berkeley.edu/download_all.php
234名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 13:27:22 ID:wtRX5yUF
>>219
GJ!
なんか昔書いてた人が戻ってきてくれるのってすごい嬉しいな
クリティカルでシリアスでリアルな展開になりそうで、超期待

>>230
GJ!
んー、すぐ続きがくるようなので、感想はまたそのときでも
235名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 13:50:41 ID:vPZCqR1O
みさお「じゃあ仕方ないからあたしのパソコンで」
兄「ん……? いつパソコン買ったんだ?」
みさお「買ったんじゃなくて貰った。あ、箱だけあたしが買ったけど」
兄「箱……? って、何だ、このAthlon64 X2にメモリ2GB入ったどえらい自作機は!?」
みさお「んー、あたしがパソコン欲しいって言ったら、隣のクラスのちびっ子が、
    パーツ余ってるからって作ってくれた」
兄「箱ってケースの事か……いや待て! 939とは言えX2が余ってる高校生って何だ!?」
みさお「良くわかんないけど、かなりディープな秋葉系」
兄「秋葉系!? 男か、男なのか!?」
みさお「うんにゃ、女」
兄「女!?」
みさお「あーでも、よくえろぃゲームやってたりするZE」
兄「!?!?」
236名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 16:25:39 ID:NuPITBVA
>>235

余り物のパーツで俺のメインマシン作らんでくれ、こなた……orz
237名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 16:48:18 ID:H6NLZLQY
>>236

_Λo人orz
238名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 16:52:10 ID:N5cPHLrL
>>235
そりゃ混乱するわな
239名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 17:02:03 ID:BxbKuTy+
こんにちは。22-468です。
想いの強さ、完結編が出来ましたので投下させていただきます。

簡単な注意事項など
・こなた&かがみ
・非エロです
・3レスぐらいになるかと思います(今度は間違えないようにします)

それでは『ごゆっくり!』
240想いの強さ 第5章 その1:2007/11/10(土) 17:03:39 ID:BxbKuTy+
 糟日部駅から稜桜学園行きのバスに揺られていると、今朝夢で感じた恐怖心が何だったのか分かってきた。
あれはこなたに対する恐怖ではなく
『こなたが許してくれなかったらどうしよう』という思いからくる、私が抱いた『逃げ』の気持だったんだわ。
それも『こなたに会いたい』と想う気持ちが強くなった事により、自然と消失しちゃったけど。
乗客は私一人だけのバスが稜桜学園に着いた時、一番星が奇麗に輝いていた。
「真っ暗な学校って薄気味悪いのよね」
そんな事を思いながら、唯一電気がついているクラス。私は1−Cの扉を開ける。
「おっす、こなた」
「ヤフー、かがみ」
そこには普段通りのこなたが、2年前の私の席に座っていた。よく覚えていたわね。
「こんな時間に何やってるのよ」
「んー・・・かがみが来るのを待っていたのだよ」
「あんたね、私が来る保証なんて無いのに待ってたの?」
今まで喧嘩していたことが信じられないくらい普通な会話。私には心地良い会話。
「でも、かがみは来てくれたよ」
猫口なこなたがニヤニヤと私を見てくる。
相変わらず可愛い・・・じゃなくて、困った子ね。
「こなた・・・ごめん」
「私こそ酷い事言ってごめんね。もう気にしてないから、そんなに落ち込まないでよ。それより」
呆気らかんと答えたこなたが、鞄のファスナーを開けて何やら探し物をしている。
「ほい、かがみ。1日早いけどハッピー・バースデー」
こなたが『誕生部プレゼント』と言って小包を渡してきたから、私は呆けてしまった。
別に、こなたからプレゼントを貰った事に呆けてる訳では無くて、どうして今渡す必要があるのか考えていたのよ。
答えは『明日渡せないから』という当り前な結論。
でも問題は、結論ではなくて理由。
「かがみが来てくれて、本当に嬉しかったよ」
思考の渦に飲み込まれている私を余所に、こなたは窓の外を眺めながら静かに話し始めた。
241想いの強さ 第5章 その2:2007/11/10(土) 17:04:26 ID:BxbKuTy+
「一人で待っている時『かがみが来てくれないかもしれない』とか、そんな事ばかり考えてた」
さっきまでの御茶らけた雰囲気が一変して、今まで聞いた事もないこなたの真剣な声。
後姿だから表情が分らないのが残念ね。
「だから、かがみが来てくれて本当に嬉しかったよ。だって私、かがみの事が大s」
「こなた!」
今、はっきり分かったわ。
こなたがプレゼントを渡した理由や、こなたが何を話そうとしているのか。
そして、これからこなたが話す事に対する私の返事も。
だから私は、こなたの言葉を遮った。
「明日、私とつかさの誕生日会に来てくれんでしょ!? 峰岸や日下部も来るし。それに美味しいケーキやクッキーもあるわよ。
そうだ、久しぶりに夜遅くまで一緒にゲームでもしようか」
私が言い終えたのを確認するかのように振り向いたこなたの瞳には、強い決意が表れていた。
「私は・・・」
待ってよ、こなた。本当に良いの?
「かがみの事が・・・」
それを言ってしまったら、今までの私達には戻れないのよ?
「大好きだよ」
それだけ言うと、こなたは教室のドアに向かって歩き始め、別れ際に静かに呟いた。
「ごめんね、かがみ」
こなたが居なくなった一人だけの教室で、私も静かに呟く。
「ごめん、こなた」
それが、私の返事。
「私もこなたの事は好きだけど、それは友達として。だから、こなたの気持ちには答えられない」
こなたは、私の返事を知ってて告白した。今までの関係に戻れないと知ってて。
「馬鹿こなた!」
私は大声で泣き叫んだ。涙が枯れて、声が出なくなっても泣き続けた。
242想いの強さ エピローグ:2007/11/10(土) 17:05:19 ID:BxbKuTy+
「はい、柊ちゃんと妹ちゃんにハッピー・バースデー」
「「ありがとう」」
「開けてみて」
7月7日。私とつかさの誕生日当日。
みゆきや峰岸、日下部が私達の事を祝ってくれている。それについては本当に嬉しい。
だけど、此処には『あいつ』が居ない。1日早い誕生日プレゼントをくれた『あいつ』が。
皆もこなたが居ない事を気にしているみたいだけど、『何でこなたが居ないの?』と聞いてはこない。
聞いてこないから、逆に場の雰囲気が気まずくて仕方ないわ。
・・・
・・

楽しかった誕生日会も無事終了して、今の時刻は23時59分。
「18歳か・・・」
18歳になったからと言って、今までの生活が変わる訳でも無い。大切なのは気持ちの切り替えよね。
いわゆる節目ってやつかしら。
「寝よ」
ベッドに寝転んで目を瞑ると、昨日の情景が鮮明に蘇ってくる。
気持ち、切り替わって無いじゃないのよ。

『私はかがみの事が大好きだよ』
こなたは、私の事を一人の女性として、
『ごめん、こなた』
私はこなたを親友として想っていた。

二人の想いの強さが一緒だったら、違う結果になっていたのかな?



追伸:誕生日以来“本当は私も、こなたの事が好きなのでは?”という夢を見ます。
   その夢の所為で寝不足になり、期末試験の結果は語るに恐ろしいことに。
でも、良い事もあったのよね。
寝不足と比例して食欲が落ちたおかげで、体重が1kgも減りました。
243名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 17:11:38 ID:BxbKuTy+
以上です。

読んで下さった方、本当に大歓喜です。
そして百合ENDを期待していた片、申し訳ありません。
私の力では、無理でした。

※調子に乗って番外編を書いてみましたので、投下させて頂きます。
 こなた&ゆたか(非エロ)
 時系列的には、想いの強さプロローグの前になります。
「こなたお姉ちゃんは、かがみ先輩の事が好きなんだよね♪」
ぶはっ!
6月最後の土曜日。3時のおやつをゆーちゃんと一緒に食べていたら、なんか・・・とんでもない単語が聞こえてきた。
「ゲフン ゲフン・・・えーと、ゆーちゃん。何を突然?」
色々な物が口から飛び出て、床やら洗濯物が汚れてしまった。
洗濯物?
あー、洗い直しだよ。トホホ・・・
「聞いてみただけ」
ニッコリと微笑んだゆーちゃんが、台所から雑巾を持ってきて床などに飛び出たそれを拭き取ろうとする。
「私がやるから。ゆーちゃんは休んでて」
さすがに、ゆーちゃんに手伝わせるのも気が引けるしね。
「それじゃ、お願い。こなたお姉ちゃん」
雑巾を渡して自分の部屋に戻っていくゆーちゃんを尻目に
「ビックリした―」
安堵の溜息。
「それにしても、ゆーちゃん。どうしたんだろ」
いきなり『かがみの事、好きなんだよね♪』とか言うなんて・・・まさか!
「もしや、ゆーちゃん。私が居ない間に秘蔵同人誌を見て、そっちの世界に目覚めちゃったとか」
もしそうだったら、どうしよう。おばさんに怒られちゃうよ。
「う〜ん・・・ま、いっかー」
本当にそうだったら、お父さんの所為にすれば良いしー。それに9割9分9厘、お父さんの所為だと思うし。
その時の私は、ゆーちゃんの心境の変化について深く考えようとしなかった。
時間は過ぎて夜10時くらい。
「夕飯もお風呂も済ませたし、今夜はネトゲで徹夜といきますか」
明日、かがみの家で勉強会をやる予定だけど時間は午後からだし、6時までに終わらせて寝れば十分間に合うよね。
『そんな不摂生な事やっていると、体壊すわよ』
呆れた感じで、私の事を心配するかがみんの顔が浮かんでくる。
それなら5時に終わらせるよ。それ以上は無理だからね。
何時間くらいプレイしていたか分からないけど、少なくてもゆーちゃんは寝たと思っていた。
だから私の部屋にゆーちゃんが入って来ていたのに、気づかなかったんだよね。
「とりあえず此処でセーブしてっと・・・どうしようかな。皆落ちちゃったし。レアアイテムでも探しに行こうかな」
ソロだと話し相手が居なくて、つまらないんだよね。
「お姉ちゃん」
「のわ!」
後ろから呼ばれた所為で、ビックリして椅子と一緒に10cmくらい飛び跳ねちゃったよ。
「ど、どったのゆーちゃん」
あれ?ゆーちゃんだよね?なんか目がトロンとしてて。眠たいのかな。
「おやつの時に話してた続きなんだけど」
おやつの時と言うと、あの話ですか。
「お姉ちゃんはかがみ先輩の事、好きじゃないの?」
「え〜と、なんと申しましょうか」
確かにかがみの事は好きだけど、それは実らない恋。
だって、私とかがみは女の子同士だし。ここは日本だから、女同士の結婚は出来ない。
『でもそんなの関係ねえ』・・・じゃなくて、そんなのは問題じゃ無いはず。
問題は、かがみと私の想いが大きく違うこと。
かがみは私の事を友達として、私はかがみを一人の女性として想っている。
私がこの想いを打ち明けたら、元の関係には戻れない。それはお互い不幸になるだけ。
「お姉ちゃんは、いつもそうだよね。自分の気持ちを捨てて、相手の事を考えて」
ゆーちゃんが音をたてないように近づいてくる。
本能が『逃げなきゃ』と言っているけど、既に目の前にはゆーちゃんの顔があって
「私ね、お姉ちゃんの事が好きなんだよ」
耳元で囁くような告白と一緒に、程よいアルコールの香りがした。
アルコール?
「ゆーちゃん!何飲んだの?」
「このジュースだよ」
右手に持っていた空き缶を差し出してくる。何処をどう見てカクテルなんですけど。
「そんな事より、こなたお姉ちゃん。返事聞かせて」
今度は抱きついて、顔を近づけてくる。
これじゃ逃げられないよ・・・いや、逃げても問題は解決しないか。
「ゆーちゃん。とりあえず落ち着こう」
「私は落ち着いてるよ。だから、お姉ちゃんの本当の気持ちを聞かせて」
何が『だから』なのか良く分らないんですけど。って、そんなに顔を近づけたらキスしちゃうよ。
「返事が無いって事は、私の事が好きってことだよね」
その解釈は強引すぎない。って、だからストップ!ストープ!
更に顔を近づけてくるゆーちゃんに、観念した私は
「ゆーちゃんの言うとおり、私はかがみの事が好きだよ」
認めてしまった。自分の想いを
「良く出来ました」
「・・・にょえ?」
極限まで近付いていた顔が離れて、視界の中に天井の蛍光灯が現れた所為で目を細める。
「私は、お姉ちゃんの気持ちが良く分かるから」
「私の気持ち?」
「想いを伝えたいのに、伝えられない気持ち。痛いほど伝わってくるよ」
嬉しさと悲しさが入り混じった複雑な笑顔で、私を見つめてくる。
「こなたお姉ちゃん。後悔だけはしないでね」
その笑顔を見ていると、本当に私の事を想ってくれているゆーちゃんが愛おしくて、無意識に動いていた腕を引っ込める。
ゆーちゃんを抱き寄せるのは簡単だけど、それはやってはいけない行為。
私はゆーちゃんの想いに答えられないから、同情心で抱き寄せてもみじめなだけ。
私に出来る事といえば、部屋を出て行くゆーちゃんに対して
「ありがとう」
と、言うだけ。

ゆーちゃんがくれた勇気を、私は無駄にしないよ。



PS:次の日。かがみ達とテスト勉強をしていたんだけど、妙に意識しちゃって・・・
   かがみが話しかけてきた時、返事が出来無かったよ。
   あと、凄く暑かった。
247名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 17:18:21 ID:BxbKuTy+
番外編 終わりました。

皆さんのSSが上手過ぎて、自分の作品が浮いてる気が・・・
248名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 17:27:18 ID:+jYfJFpn
誕生部…
249名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 18:02:24 ID:UBDIarw/
>>247
GJ、お疲れ様です
結ばれなかったことは残念だけど、とてもいい作品でしたよ
告白したあと、こなたがどうしてるのかが少し気になります…
番外編のほうもいい感じですね。
ゆーちゃんは自分が諦めるために発破をかけたのだろうか…
素の自分じゃ言えないから、酒入れてまで言ったんだろうなぁ

いつかかがみが「こなたが好きかも」から「こなたが好き」に変わったらいいな、と思いました。
250名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 20:17:01 ID:lvVb20nA
>>247
乙です。GJ!
欲を言うなら、本編の後の番外編も見てみたいですが…。

個人的には本編のオチが軽めで良かったなと思いましたね。
重いまま終わっても良かったですが、やっぱり体重の事を気にするのはかがみらしいなと思いました。
251名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:12:42 ID:+RgMsrwr
初投入です。
こなたとゆたか(シリアス)
微エロ。4レス使用します。
252危険な関係(1/4):2007/11/10(土) 21:14:21 ID:+RgMsrwr

 秋も深まる11月の夜。

 トントン――
 午前4時を過ぎたころ、遠慮がちに2回ドアが叩かれる。
「ちょっと待って」
 私は攻略中の美少女ゲームをセーブし、画面を隠してから立ち上がった。
 ドアをあけると見慣れた少女が立っている。足元が微かに震えて、頬が上気している。

「ゆーちゃん」
 私は、微笑を浮かべながら、小柄な少女を招き入れる。
 ゆーちゃんは、瞳を微かに潤ませながら、小鳥の鳴くような声で呟いた。
「こなた…… お姉ちゃん」
「どったの? 」
 私は一応聞いてみたけど、ゆーちゃんがここに来た理由は分かっている。これから
何を求めているか。何を言い出すのかも知っている。
「眠れないの」
「ゆーちゃん。一緒に寝る? 」
 先回りして誘いをかけてみると、ゆーちゃんは頬を更に紅潮させて頷いた。

 部屋の片隅に備え付けられたベッドに、二人で一緒にもぐりこむ。パジャマ越しに、
ゆーちゃんの柔らかい肌の感触と体温がダイレクトに伝わる。 
「お姉ちゃん」
 ゆーちゃんは、私の首筋に腕を伸ばして、長い髪を解きほぐしながら、複雑な顔を
している私を物理的に絡めとる。
253危険な関係(2/4):2007/11/10(土) 21:15:30 ID:+RgMsrwr

「大好き」
 甘えた声で囁くと同時に、小さな唇を押し付けてくる。
 私は戸惑う。ゆーちゃんはとっても可愛いし、妹のように大切な存在だ。
 好意を寄せられること自体は素直に嬉しい。
 でも、ゆーちゃんが私に向けているであろう『好き』と、私がゆーちゃんへの向ける
『好き』は微妙に食い違うような気がする。
 それでも、好きの境界線はとっても曖昧で、ぼやけていて…… 
 私は今日も彼女の唇を拒まずに受け入れる。

「ん…… 」
 キスの合間にゆーちゃんの指先がうなじをなで、私はくすぐったそうな声をあげた。
 ゆーちゃんは瞳だけで悪戯そうに笑いながら、小さな舌をねじ込んでくる。
 私は何もいわずに、彼女の行為を受け入れる。熱い体温とともにゆーちゃんが私の喉を、
歯茎を、そして舌を絡めとる。
 舌端が絡み合う度に、ぴちゃぴちゃと、かなり恥ずかしい音が漏れ聞こえる。
 お気に入りの美少女ゲームの萌えキャラが、そのまま飛び出したようなゆーちゃんとの
ディープなキス。
 2次元のゲームではなくてまぎれもない現実なんだけれど、どこかリアルに
感じられず、私はあやふやな浮遊感に覆われている。
 もしかしたら、同性の血縁者と性的な行為をしているという倒錯的な行為が、
理性の大事な部分を麻痺させているのかもしれない。
254危険な関係(3/4):2007/11/10(土) 21:16:40 ID:+RgMsrwr

「ん…… んんっ」
 ゆーちゃんは私にしがみつきながら、喘ぎ声をあげ続ける。
 私も彼女より少しだけ低い嬌声を何度か漏らす。

 しかし、深い口づけの途中にも、もしお父さんに見つかったら何て言うのだろうな、
なんて無意味なことも考えてしまう。もっとも、一般の父親像とはかけ離れているから、
苦笑したまま何も言わないかもしれないが。

 10分? それとも、まだ数分?
 ようやくゆーちゃんの唇が離れる。ふたりの唇の間に銀色の橋が架けられ、窓から
差し込んだ月光を浴びて煌き、直後にぷつりと消える。
 何度か荒い呼吸を繰り返したゆーちゃんは、救いを求めるような表情で私に聞いてくる。

「お姉ちゃん。私のこと好きでいてくれる? 」
 私は、問われた意味をあえてぼかして、いつも通りの返事をする。
「うん。好きだよ。ゆーちゃん」
「ありがとう。お姉ちゃん」
 ゆーちゃんは、心底ほっとした表情を浮かべて、身体中の緊張を解いた。
 私の懐に包まれるような格好で丸くなり、ほどなく静かな寝息をたてはじめる。
 私は、彼女が完全に夢の世界の住人となったことを確認すると、大きな溜息をついた。
255危険な関係(4/4):2007/11/10(土) 21:18:19 ID:+RgMsrwr

 寝転んだまま天井を見上げると、微かに明るくなっている。明日は日曜日だから
学校の心配はない。お昼近くまで寝ていても誰も文句は言わない。
 少しずつ明るくなる天井から視線を動かさずに、時々きこえる小鳥のさえずりと、
自動車の排気音をBGMにしながら、思考の泉に身を横たえてみる。
 ゆーちゃんは、今はキスをすることで精一杯だ。でも、たぶんごく近い将来、次の
ステップを求めてくるだろう。
 その時、私はゆーちゃんを受け入れることができるのだろうか? 
曖昧な想いが、冷たい拒絶に変わらないだろうか?

 顔を横に向けて、ゆーちゃんを見つめる。天使のような可愛らしい寝顔は、9割の安堵と
1割の不安があるように見える。もし、私にはっきりと拒まれた場合、ゆーちゃんは
どこか逃げ場はあるのだろうか?
 自分の態度が曖昧なことが悪いことは分かりきっているのに、ゆーちゃんの好意を完全に
受け入れることも、冷たく拒むこともできない。

「私…… ずるいな」
 私は考えること自体に疲れて瞼を閉じた。間もなく全てを忘れさせてくれるような
強烈な睡魔に襲われて、深い眠りの井戸に落ちていった。

(終)
256名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 22:44:49 ID:lvVb20nA
>>255
乙です。
ゆーちゃん可愛いよゆーちゃん。
そして複雑な心境を持つこなたも中々オツなものです。
何が言いたいかと言うと、GJ!って事です。

強いて言うなら、投下後に一レス作者さんからのコメントが欲しいですけどね…。
俺だけだろうが、(終)と書いてあっても終わらないかもしれないと変に勘繰ってしまいますし…。
257名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 22:49:09 ID:AF13bELq
確かに、以上です。だけでもいいから入れて欲しいね


GJ!乙!
しかしネタが浮かばなくなってきた…
258名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 23:02:39 ID:+RgMsrwr
>256-257
投入直後は、なるべく作者がレスをつけない方がいいのかなと
思った次第で、誤解されたとしたら申し訳ない。
259名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 23:12:45 ID:lvVb20nA
>>258
そうでしたか。
ただ、作者さんの終わりの一言まで有って初めて一つの投下かなと思ってるので…。
感想書くにしても、今の作者さんの投下しての感想とかが有ると、感想レス一つにしても尚一層幅が広げられると思いますし。
260名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 23:29:33 ID:+RgMsrwr
>259
アドバイスありがとう。
実は、自作の感想を書くのがとても苦手です。
カプには拘りはないですが、なるべく落ち着いた描写にしたいという
意識はあったりします。
261名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 23:30:30 ID:wtRX5yUF
や、まあ、そんなに凄く拘るところでもないと思うけどね。

作者が投下だけしたらすぐ引っ込むのも、なれ合いを防止する
意味でこのスレのいいとこだと思う。

っていうか凄く巧いね。文章の流れが綺麗で行間に違和感がない。
次もよろしく!
262名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 23:47:06 ID:lvVb20nA
>>261
ま、まあそれもそうだな…。
まあ、単行本の「あとがき」って所だしね>終わりの感想
263名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 01:09:30 ID:zGf6qZ+G
ども、>>49です
>>82-85の「バス停ひまわり」に感想を下さった方、ありがとうございます
もちろん読んで下さった方にも感謝です

さて、それではそれの続きと言うか、裏側と言うか
同じ内容のみさお視点バージョン、行きたいと思います
被りそうな方がいないようでしたら、10分後から投下させていただきます
264名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 01:19:56 ID:zGf6qZ+G
誰もいないようですね
では投下させていただきます

・みさお&ゆたか
・エロ無し
・4レス+α

※注 前回(>>82-85)と内容がほぼ同じです
265バス停あさがお 1/4:2007/11/11(日) 01:21:37 ID:zGf6qZ+G
暑い。

夏休みも終わりに近づいた、憂鬱な八月のある日。
そんな憂鬱をぶち壊すかのように太陽は今日も元気に絶好調で。
情け容赦なく降りそそぐ陽射しの下を、私は後悔しながらアテもなくさまよっていた。

今日、私こと日下部みさおは小さい頃からの親友、峰岸あやのと映画を見に行くことになっている。
あやのは既に私の兄貴と一緒に見にいったらしいんだけど、
「すっごく面白かったから、みさちゃんも見ようよ」
って感じで誘われた。
待ち合わせは映画館の最寄り駅に、今から三時間後。
なんでそんなハンパな時間にこうして一人で外をぶらついているかというと……全部太陽が悪いんだ。

今日も朝早くからギラギラと張り切ってくれた太陽は私の眠気を残らずふっ飛ばし、
「昼過ぎまでぐっすり」という計画はその時点で完全にハタンした。
すぐさまクーラーをつけてしばらくゴロゴロしてたんだけど、今度は退屈が襲ってきて。
テレビはろくなのやってないし、マンガも読み飽きたのばっかだし。
だからとりあえず外に出て、何故か電車に乗って、一応待ち合わせの駅で降りて。
そして現在に至る。
……あれ? 太陽あんま関係ないな。
まいーや。

しかしこんなトコまで出てきたところでやりたいこともやるべきことも見つからず。
解消されない暑さと退屈さに負けてやっぱ家に帰ろっかなーと思い始めていたときだった。
そいつを見つけたのは。

「ん……」

裾や肩口にだけ薄く青が入った白いワンピース。淡いグリーンに縁取られたトートバッグ。
細く柔らかな線を描く、透き通るように白い手足。
リボンのかかった麦わら帽子が乗せられた、肩に届く赤い髪。
そんな、いかにも可愛らしい感じの女の子が、すぐそばのバス停のベンチに腰掛けていた。

「うん?」

何かが心に引っ掛かった。
たぶん小学校の高学年ぐらいのその子に、なんとなく見覚えがある気がしたのだ。

でも私には小学生の知り合いなんていないはず。
ゲーセン行ったときとか、同じゲームやったガキんちょと軽く語り合ったりすることならたまにあるけど、
たいていその場限りだし。つーかそーゆーのは男の子ばっかりか。
そーいや前にそんなこと柊に話したら、
「精神年齢が近いんでしょうね」なんつってバカにされちまったよ。ちくしょ。
266バス停あさがお 2/4:2007/11/11(日) 01:23:09 ID:zGf6qZ+G
ん?
柊?

また何か引っ掛かった。
中学からの友人である柊かがみと、目の前のこの女の子とのことで。
この子と、柊?
……姉妹?
そーいや柊には妹が……って! 違うし! それ双子だし! 同い年だし!
いくらなんでもそんぐらい知ってるってば!
あ、こっち見た。
と思ったら後ろ向いて……おう、またこっち見た。
頭の左右に結わえられた二つの縛り髪が、首の動きに合わせてふわりと揺れる。
柊とおんなじ髪型だな。こっちのがだいぶ短いけど。
む?
今の、前にも同じこと思ったことあるぞ? 前にこの子を見たときか?
じゃ、やっぱ会ったことがあるんだ。

えーと。
年下の知り合い自体は、どっちかってーと多い方だと思う。
近所の子とか親戚の子とか、あと部活の後輩とか。
ちなみに陸上部な。こー見えてもけっこー速いんだぜ?
あ、でも。
「こう見えて」とかってよく言うけど、私って他の人からはどー見えるんだろ、実際。
ん〜……とりあえず、「元気だなあ」ってのが一番よく言われるかな。
運動部に入ってるって言って驚かれたりしたこともないし、典型的なスポーツ野郎って感じか?
……野郎じゃねーよ少女だよ。
そーいやよく男に間違えられるんだよなー。
いや、それはいーんだよ。もーいーんだよ。てぇか関係ねーんだよ。
……なんだっけ。
えーっと。
「こう見えて」じゃなくて……「見ての通り」、の方が合ってるかな。自慢してるみたいだけど。
でも実際、見ての通り速いし。ああ、うん、やっぱしっくりくるな。
「こう見えても」なんてのは、例えば、そう。
隣のクラスのちびっ子とかの場合に使うんだよな。
あんにゃろってば小学生みたいな見た目のくせして妙に運動神経が――

あ。

ちびっ子。
柊。
妹。
おねえちゃん。



――わかった!
267バス停あさがお 3/4:2007/11/11(日) 01:24:24 ID:zGf6qZ+G
「ちびっ子の妹だ! だよな!?」

思い出した思い出した思い出した!
そうそう、そうだ。この顔だ。
学校の廊下とかで、隣のクラスのちびっ子に向かって「おねえちゃ〜ん」と
子犬みたいにパタパタと駆け寄っていくのを何度か見たことが……うん?
なんかちびっ子2号(仮)が固まってる。驚かせちまったか?

「あー、いやいや、ゴメンな? 別にアヤシイもんじゃなくてさ。ほら、見覚えない?」
「……」

おう、無反応。
てぇか、なんかわたわたして、パニクってる?

「お〜い、どしたぁ〜?」
「――えっ、あっ、やっ、そのっ!」
「あんた、アレだよな? 名前……は、わっかんねぇんだけど。ちびっ子……泉だっけ?
 それの妹さん。違う? 合ってる? 違ったらゴメン」
「ち、違わないです! 合ってます!」
「そっか! やっぱな!」

やれやれ、人違いじゃなかったな。
いやあ、私の記憶力も捨てたモンじゃなかったね!
考えがあっちこっちに飛ぶクセが出ちまったけど、そのおかげで思い出せたようなもんだし。
コレってアレ? バラバラだったパズルのピースがぴたっと噛みあったってヤツ?
おぉなんか探偵みたいだぞ私。すげぇ。

「あ、あの。それで、その――」
「ん?」
「あの、こなたお姉ちゃんの、お友だちの方ですよね?」

うんうんとうなずきかけて、一時停止。
こなた? ってちびっ子のことだよな。そーいや柊もそんなふうに呼んでた気がする。
で、その友だち? 誰が? 私が?

「いやいや。私はほら、柊の。おんなじクラスの。五年連続の」
「え? えーと……」

ああでも、そっか。
ちびっ子に会いにやってくるこの子を私が目撃してるってことは、ちびっ子と一緒にいるときに
目撃したってことで、つまり向こうからは一緒にいる私たちを見られてるわけだから、ゆえに、ええと。
……なんかよくわかんなくなってきた。
いいや。めんどくさい。

「あー……うん。いーよいーよ。それで合ってる。ちびっ子の、でいーや、別に。うん」
「? ? ?」

うう、なんか見るからに「よけいにわかりません」って顔。無理もないか。
でも人に何か説明するのって苦手なんだよなー。えーと……
268バス停あさがお 4/4:2007/11/11(日) 01:25:29 ID:zGf6qZ+G
「だからぁ、私はもともと柊の友だちで、ってゆーか柊がもともと私の友だちで、
 中学のときからもう五年連続で同じクラスなわけよ。
 なのになんか最近ずーっとちびっ子にべったりで……昼飯も向こうまで行って食うんだぜ?
 そりゃま、たまには私らとも一緒してくれるけど……さびしーんだよー。わかるかー?」
「へ? あ、あの、はい」
「そっかー。わかってくれるかー。いーヤツだなーおまえ」
「ひゃっ!? ど、どういたしまして……」

うんうん、ホントいーヤツだ。あのちびっ子の妹とはとても思えん。
思いっきり話が飛んだような気がしないでもないが、わかってくれたんだからOKだ。
それよりも今はこの喜びを噛みしめたい。

「えっと、それで……あの……」
「ん? なに?」

と、見ると何やら困ったような顔。そしてその左右の肩に置かれた私の手。
……いつの間に。
とりあえず手をどけると、しかし困ったような迷ってるような顔は変わらない。
そしてそわそわと、何かを言いたいけど言うべき言葉がわからない、みたいな態度。
なんだ?
あ、そっか。
フフフ、またピンと来ましたよ。
ズバリ! 名前がわからないと見たね!

「みさお」
「へ? ……え?」
「私。日下部みさおっての。あんたは?」

フフフ、驚いてる驚いてる。
まあ無理もあるまい。思ってることを先回りされりゃあ誰だってな。フフフ。

「あ、わ、わたしは、小早川ゆたかっていいます。こなたお姉ちゃんのいとこです」

ふむ、小早川か。
って、あれ? イトコ? あ、そーなんだ。そーいや名字違うな。
なるほど、道理であのちびっ子の妹とは思えないぐらい良いヤツなわけだ。

「小早川ね。わかった。よろしくな!」
「はい! よろしくお願いします!」

答えて、小早川はきれいに笑った。
うわ、なんかすっげぇ可愛い。
可愛らしくて爽やかで涼しげな、まるで朝に咲いたアサガオの花のような、だなんて
柄にもないことを思わせるほどに。
それはそれは素敵な笑顔だった。



269バス停あさがお 5/4:2007/11/11(日) 01:26:53 ID:zGf6qZ+G


     ☆



同日、夜。
柊家の玄関先にて。


「――へぇ〜、ゆたかちゃんと日下部がねぇ。……言っちゃなんだけど、想像しにくいわね」
『私もビックリしたヨ。いったいどっちがフラグを立てたことになるんだろうねぇ?』
「知るか。日下部はともかくゆたかちゃんまでその手の話に巻き込むんじゃない」
『むー。かがみが先に言ったんじゃん』
「言ってねえ! ……でもゆたかちゃん、大丈夫なの?」
『へ? 何が?』
「いや、あの子の体力じゃ、日下部のテンションに付き合うのは厳しいんじゃないかなって」
『……ん〜〜、大丈夫みたいだよ? むしろ一日でずいぶんと仲良くなったみたいでねえ。
 こんど一緒に出かける約束もしたんだって』
「はー、そりゃまた。って、ますます分からないんだけど。
 その二人が一緒に出かけて、どこで何をするっていうのよ」
『ああ、そー言えば詳しいことは聞いてないね。
 でも二人じゃないよ? みなみちゃんとひよりんも一緒だって』
「ふーん。岩崎さんが一緒なら大丈夫か。……パトリシアさんは?」
『バイトがある日なんだよね。ちなみに私も』
「ああ……って、あんたまだ続けてたのか! 何度も言ってるけど受験生だろ!」
『ちゃんと日数は減らしてるよー、お父さんにも言われちゃったし。――というわけでかがみ』
「何よ」
『どっちに行く?』
「……何がよ」
『みさきちたちをこっそり尾行するか、私たちを堂々と鑑賞するか。さあ、DOCTH!?』
「どっちも行かねえよ!!」
270名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 01:29:04 ID:zGf6qZ+G
以上、「バス停あさがお」でした
読んで下さった方に百万の感謝を

向日葵と対になるようにということで、朝顔です
というか他に夏の花を知りません

それと、一つお詫びします
こなかが分が含まれる旨を表記するのを忘れてしまっていました
申し訳ありません
271名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 01:32:40 ID:YYgpRgrF
ゆたか
「お姉ちゃ〜ん、もう朝だよ〜?早く起きないと遅れちゃうよ?」
こなた
「ん〜〜〜、あと5年……」

ゆたか
「ダメだよぅ、早くしないと遅刻しちゃうよ?……もう、遅刻しちゃうってヴぁ!」
こなた
「ふぉっ!?」


というわけでGJ。
272将来ニートになるかも:2007/11/11(日) 01:33:08 ID:KW3+Ag8+
みさおが可愛すぎますwww
今回はみさお視点ですね。GJでした!
273名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 01:52:07 ID:fEVP5w48
>>270
>>「どっちも行かねえよ!!」
この落ちが秀逸で噴いた(笑)

さて次回は。
みなみvsみさおでゆたかの取り合い?「あさがおと月見草」

悪乗りしてしまった点は心から謝ろう。要するにGJということで。
274名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 01:52:21 ID:n759w+Jl
みなみ「・・・・(ゆたかを守るように抱き寄せている)」
ゆたか「ど・・・どうしたのみなみちゃん・・・急に・・・」
みさお「へ・・・どした2人とも・・・」
みなみ「・・・(キッとみさおをにらみつける)」
ゆたか「ど、どうしたのみなみちゃん、顔怖いよ・・・」
みさお「え・・・あー・・・ポン(手を打つ)・・・そかぁ・・・
     フフフフフ(ニヤニヤ)」
ゆたか「え・・・え???」
みさお「だいじょぶだいじょぶ!(みなみの肩をばんばんたたく)
     大事なパートナー取ったりしねぇって!」
みなみ「え・・・(ちょっと安堵)」
ゆたか「え・・・え・・・えぇ!?」


(影から)
ひより「めくるめく百合の世界に、乱入せし元気っ子!
    なんという破壊力のある三角関係!!」
パティ「ひよりん、あの3人の話、聞いてませんでしたカ?」
ひより「・・・・くぁあああああぁああ(鼻血)」
パティ「オウ、処置なしデス」

つまりGJ。
275名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 02:07:11 ID:oLbY8mHs
>>271
ワラタw
276名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 05:54:16 ID:h7rhXmlI
>>273
あれ?みさおは向日葵じゃないのか?
277名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 13:37:17 ID:EWB8sz1Y
あさがおとひまわり、惜しかったです。
三角関係もGJ
278名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 14:48:43 ID:XWyzxCUj
壊れネタマダー?
279名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 15:05:06 ID:EhrTj0HH
かがこなゆたの三角関係マダー?
280名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 15:06:41 ID:KJKU0z26
純愛かほのぼの純愛を書くつもりがいつの間にか壊れネタを書いていた俺を誰か殴ってくれ
281名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 15:11:36 ID:Zj14DJWP
なかなかエロネタが進まない俺を殴ってくれ
282名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 15:17:04 ID:VKqK+vR8
投下する決心がつかない俺を殴ってくれ
283名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 15:17:32 ID:Xt4DIfwg
書きかけのSSをほっといて別のSSを書き始めてしまった
しかもソレって今書きかけのやつの続編みたいなやつなんで投下もできず…
という俺に誰か才能をくれ
2844-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/11/11(日) 15:52:50 ID:OhqkjBPd
285名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 15:54:09 ID:V+nbRcux
>>284
撲殺天使乙
そして、仕事速えええええええええええええええええええええええ!!!
286名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 16:04:33 ID:Zj14DJWP
>>284
おっつー☆
いやぁぁぁぁぁ
287名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 16:12:58 ID:KJKU0z26
殴られたのに勝ち組の気分だ…

ってみなみさん一体何をs…アッーー
288名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 16:23:03 ID:GIJymJ/Q
腹筋破壊神(こなフェ〇本家のことである)の壊れネタマダー?
289名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 16:23:36 ID:V+nbRcux
ときに、こなたたちが行ったのって神奈川県のどこだっけ?
それさえわかればSS投下できるんだが・・・
290名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 16:42:49 ID:Pcninghf
おこなったって何を?
291名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 16:44:04 ID:V+nbRcux
神奈川のドコ行った?って事
2924-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/11/11(日) 16:45:47 ID:OhqkjBPd
GJありがd ノシ

>>289
「らき☆すた聖地巡礼」でググると吉
293名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 17:14:00 ID:DtaOpxKQ
ふぅ、とんだ撲殺天使のおかげで死にかけたぜ
でも壊れネタを見るまでは、死ねないぜ!
あと人として袖が触れているの最終回も!
あとエトセトラエトセトラ、まだまだ死ぬわけにはいかんぜよ
294名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 21:49:58 ID:pGee2+nC
何の脈絡もなく
「名探偵コナタン」というフレーズが頭に浮かんできた
295名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 21:51:37 ID:OhqkjBPd
やっと鯖復活…
296名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 21:53:24 ID:ehhXOLlC
あ、鯖落ちだからレス無かったのか
日曜日なのに静かだなとは思ってたが
297名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 22:57:26 ID:/L/Xo6Le
直ってるのかな?
2987-896:2007/11/11(日) 22:58:51 ID:2ynuWY70
やっと直った……
どうも、7-896です。
久しぶりの壊れネタ行かせてもらいますね。

『11月11日は何の日?』

「ちびっ子ぉ〜!! 一緒にお弁当たべようぜぇ〜♪」
 こなたの教室の扉を開けると、私の脇の間から顔を覗かせながら日下部がそう言った。
 いつの間についてきてたんだろう。
 逆側には峰岸が、なぜかカートに大量のお菓子を乗せて立っていた。
 峰岸は何か勘違いをしている。
「あ、みさきちに峰岸さん。もちろんいいよ、みんな一緒の方が楽しいし」
 そう言って笑うこなたは女神だ。失明するところだった。
 日下部は廊下を全速力で走っていき、階段を転げ落ちている。お昼一緒に食べるんじゃなかったのか?
 峰岸のカートからは、お菓子が『ずもももももも』という音をたてて湧き出ている。
 まぁいいや、相手にしてたらきりがないし。
 私は取り敢えず癒しの空間に足を踏み入れる。
「おっ? ちびっ子のお弁当美味しそうだな」
 こなたの右隣に日下部が座っている。
 いつ戻ってきた。
 その反対側には、ウェディングケーキを持った峰岸が待機している。
「そうかな? これ自分で作ったんだけど」
「……ちびっ子が作ったお弁当……あ、ミートボールがある」
「え? あ、うん」
「ちびっ子のミートボール……」
「た、食べる?」
「食べる!!」
 日下部の目がダイヤモンドのように輝いている。
 こなたは多少引きながらも、自分のお弁当箱からミートボールを1つ取り出すと
 そのまま日下部の口に持っていった。
「はい、あ〜ん」
「うぉおおぉおぉぉおぉおおぉおおお!!」
 椅子に座ったまま廊下に吹っ飛ぶ日下部。
 こなた、ナチュラルにあ〜んをするなんて……なんて素晴らしい子に育ってくれているのかしら。
 おじさんにはノーベル平和賞を差し上げたい。
 ふと周りを見回すと、皆口を開けていた。
 恐らくあ〜んをおねだりしているのだろう。
「皆何してるの?」
「泉さんの餌付けを待っているんべふ」
 みゆきが、自分の鼻血が口にもろに入って溺死しそうになっている。
 でも口は閉じない。
「もぅ、皆みっともないから口を閉じなさいよ」
「かがみ、至近距離で口パクパクさせながら何言ってるのさ」



「ちびっ子ミートボール超うめぇな!!」
「よかったね、みさちゃん」
 こなたからミートボールを受け取った日下部は、本当に幸せそうな顔をしてそれをチビチビ(こなたのことではない)食べている。
「これ1つで米俵一俵いけるな!!」
 それはすごいな。


「こんにちは先輩方!!」
 声の聞こえた方を振り返ると、1年生の4人組がいた。
2997-896:2007/11/11(日) 23:01:18 ID:2ynuWY70
「こなたお姉ちゃん、私たちも一緒にお弁当……みなみちゃん、いきなりお姉ちゃん連れて行かないでよ」
 みなみちゃんがこなたをお姫様抱っこしてどこかに颯爽と連れて行こうとしていた。
 こなたは気にせずお弁当を突いている。
 なんだあれは、可愛すぎる。
「わ!! 何で私お姫様抱っこされて!?」
 今気づいたのか。
 なんだあれは、可愛すぎる。
「泉先輩……私はヨーロッパがいい」
「何が?」
 他の全員はそれがどういう意味なのか分かっているが、こなたは皆目見当も付かないようで、可愛らしく首を傾げている。
 なんだあれは、可愛すぎる。
 またもやこなたを抱えたまま歩き出したみなみちゃんを、ゆたかちゃんが軽く押さえ込む。
 あの子病弱なんじゃなかったっけ。
「だめだよみなみちゃん、お姉ちゃん降ろしてあげて?」
「ところでゆーちゃん……なんで私メイド服に……」
 いつの間にかメイド服を着たこなた。
 隣で何かが化学反応しているような音が聞こえたけど、私は気にしない。
 つかさのリボンが7色に輝いてる気がするけど、私は気にしない。
 金髪欧米人が、そこら中の椅子と机を拝借している。
 人が座っているのに拝借している。

「あ……そういえば今日ポッキーの日だったっけか」
 こなたからもらったミートボールをやっと食べ終わった日下部が言った。
 そういえばそうだったっけ。
 ご飯だけがなくなって(こなたのミートボール1つで平らげたらしい)、おかずは大量に残った日下部のお弁当箱を不安げに見つめていると
 日下部が自分のミートボールを1つ口に咥え、こなたのほうに顔を突き出した。
「ひびっほ〜、ふぉっひーへーむひようへ〜」
「ポッキーゲーム? ミートボールじゃ無理だと思うんだけど」
「……」
「わ、わかったよ」
 急にシリアスな顔になった日下部に戸惑いを隠せない可愛いこなたは、諦めたように口を近づけた。
 口を大きく開けすぎたせいか、完全にキスしている状態になっている。
 日下部は固まっている。
「んぐんぐ……みさきち? どったの?」
 微動だにしない日下部に手を触れようとするこなただが、なぜか触れることができない。
 残像だった。

 周りの皆は思い思いにポッキゲームの素材を用意している。
 つかさはプリッツ、ゆたかちゃんはじゃがりこ、パトリシアさんはフライドポテト
 田村さんはウィンナー(なにかおかしい)、みなみちゃんはチョコボール(明らかに狙っている)
 そして峰岸は……
「泉ちゃん、初めての共同作業だね」
 こなたと一緒にナイフを握りながら、さっきのウェディングケーキに入刀し始めている。
 峰岸落ち着け。
 こなたもこなたで頬染めたりしてるもんだから、つかさとゆたかちゃんとみなみちゃんと田村さんとパトリシアさん
 ……と私が発狂してしまいそうだ。

 そこでとてつもない違和感を感じた。

 み ゆ き は ?

 あのみゆきがさっきから何の反応も示さない。
 眼鏡が割れる音も、鼻血が吹き出る音も、何かが崩壊する音も、何かが蒸発する音も……
 みゆきって何なんだろう……

 ともかく、これだけの萌えこなたが発動しているにも関わらず、あのみゆきが静かだ。
 視線を向けてみた。
3007-896:2007/11/11(日) 23:03:39 ID:2ynuWY70



 みゆきは石化していた。



 ちょっと手の甲で叩いてみる。
 完璧な石像だ。そして、こういうときはスルーに限る。
 っと、私が別のことに気を取られているうちに、こなた……というか、こなたとポッキーゲームらしきものを
 やったと思われる面子が、大変なことになっていた。
 つかさはヘッドスピンで下の教室とこの教室を繋げ、みなみちゃんはなぜか白石を掃除用具入れの中に監禁して
 ゆたかちゃんは自らが神速着替えを披露している。
 田村さんは頭の上から煙を噴きながら『百合』だの『萌え』だの『ロリ』だのブツブツ言っている。
 パトリシアさんは『斯様なことが!?』と、異様に発音のいい日本語を言いながら気絶し
 峰岸はスカートから吹き出るお菓子類の勢いだけで空を飛んでいる。
 こなたはぎゅーにゅーをクピクピしていた。
 やっべ……ヨタ(10の24乗)可愛い♪

 もう一度みゆきの方を見てみる。
 苔が生えて世界遺産みたいになっていた。
 ジャングルの奥地とかにありそうだ。
 まぁそれは置いておいて、私は『こなたとのポッキーゲーム用ポッキー』を取り出した。
「ねぇこなた、私ともポッキーゲームしましょうよ」
「いいけど……」
 私はポッキーの持つ部分を咥えて待機。
 こなたが反対側を咥えてきた。
 その小さなお口を微妙に動かし、ほっぺをぷにゅぷにゅ震わせながらこっちに迫ってくる。
 ここここれはすごいわ。
 どんどんこなたが近づいてくる。
 その唇がほっぺが鼻が瞳が眉毛が顎が前髪があほ毛が


 ここで私の記憶は途切れ……


 るわけにはいかない。こんな素晴らしい体験を途中で終わらせるなんてもったいなさすぎる。
 ぜひともキスのところまでたどり着いて

「これはお持ち帰りやぁあぁああぁぁあぁああぁぁぁあああ!!」

 瞬間、どこからやってきたのだろう黒井先生が、残りのポッキーごとこなたをさらっていってしまった。
 そんな……もう少しだったのに……
 ほどなくして、目を覚ましたつかさと峰岸と1年生ズ、とどこかに行っていた日下部が、全力で黒井先生を追いかけて行った。
 今頃廊下では熱いデットヒートが繰り広げられていることだろう。
 私にはそんな気力がなかったので
 丁度よくそこにあった世界遺産を掃除しておいた。

 石像の鼻のあたりから、なにやら赤い液体が滴っているが、私は気にしない。


以上です。
今回はかがみあんまり壊れてない気がします。
301名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 23:05:22 ID:YYgpRgrF
そういえば、みゆきさんがエキスポ○ンドの展示物になってたような……

やはり本家は違う、GJ!
302名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 23:12:34 ID:rVRtzFFM
>>298-300
リアルタイム遭遇♪

やっぱり本家の破壊力はスゴイwww
本当にGJ!
303名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 23:12:55 ID:n759w+Jl
ここまで壊れるようでは、らき☆すた全キャラで
『こなた争奪戦』というタイトルの、
アクション冒険ゲームか、シューティングか、対戦ゲームが
出来そうな勢いだ(((゚Д゚;))))
304名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 23:31:42 ID:4HzJHQSU
>>300
 本家キター!GJですぜ!
すげぇ破壊力だ。…ん、破壊力…、…ほう。 …あ、いやなんでもない。
 嗚呼、みゆきさんはついに新境地を拓いてしまわれたか…。
そして峰岸。ちょっとでいいから俺にもお菓子を分けてくれ。
305名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 23:32:11 ID:Kb5jhb2z
>>300
相変わらず訳わかんないなあんた!(褒めてます

そして気がつくと貧乏くじのかがみ萌え。
306名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 23:37:19 ID:q6iwC6ll
>>300
すげえw
GJなんだぜ!
307名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 23:55:52 ID:V+nbRcux
そろそろSS投下してもよかですか?
308名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 00:04:36 ID:moPteK7r
では、SS投下させてもらいます。初SSです。
・パロネタのパロネタ。
・元ネタが元ネタなので擬音多めです。
・独自設定あり。
・男の人の声は立木文彦でお願いします。
・ありえない!と言われても所詮ネタなので勘弁してください。
・6〜7レス
ネタさえあればオレのSSはてけてけかなたさんだってちぎれるんだ!(激しく負けフラグ)
309もしもシリーズゆい編(1/7):2007/11/12(月) 00:07:16 ID:moPteK7r
らき☆すたもしもシリーズ No.001 成実ゆい
〜もし、アニメ6話のバトルの相手がFD3SではなくBNR32だったら〜

夏だ!海だ!ってわけで、こなたたち一行は海水浴に行くため神奈川県の三浦海岸を目指していた。
ゆい姉さんの愛車・vivioには柊姉妹、ななこ先生の愛車・ワゴンRにはこなたとみゆきが乗っていた。
このまま、ほのぼのとした旅が続くと誰もが思っていた。
あのときまでは…

「今日はお休みのところすいません〜」
「いやいや、お構いなく〜」
「成実さんは交通安全課の警官なんですよね?」
「そうよ〜交通ルールはまかせたまへ〜」
その時、ゆい姉さんの車をある一台の車が追い越して行った。

R32―スカイラインGT-Rである。

「あっ!追い越し」
「え?」
その時、ある一人のドライバーの本能に火が点いた。
「このやろう…」
自分の乗っている車のドライバーがそうつぶやくのを柊姉妹の姉・かがみは確かに聞いた。
「ちょっ!おーい、交通安全課!」

その頃、後ろのワゴンRでは…
「姉さんってハンドル握ると暴走するんですよ〜かがみとつかさには人柱になってもらおう。」
「へーそうなんか、警官やのにな〜 ん?」
「あっ!ゆい姉さんが追い越した車を追ってった!」
「何!?よっしゃ、いくで!シンデレラ城のミステリーツアー出発!シートベルトしめつけとくんやで」
「ちょっ!え――――!!!」
310もしもシリーズゆい編(2/7):2007/11/12(月) 00:09:55 ID:moPteK7r
   ガァアアアアォオ!ガアアアアア!ガオオオゴオアッ!ギャアアアアア!

峠にスキール音が木霊する。
ゆいはR32との激しいカーチェイスの末、とある峠まで行きついた。秋名ではないとだけ言っておこう。

「こうして近くで見ているとまるで芸術やな、あのドリフトは。
ほとんどカウンターをあてないフルスロットルの4輪ドリフト・・
あれがどんなに凄いことかわかるかこなた?
成実さんはあのクルマを限界領域でまるで自分の手足のようにコントロールできるんや。
ウチでもあそこまではこのクルマをコントロールできへん・・感動的や。」
「それでもジリジリと32に離される。このバトル・・勝てないんですかね・・!?」

今の状況はR32が先行、それをゆいの駆るvivioが追っていく。ワゴンRはそれを余裕をもって一歩ひいた位置でバトルを見ている。

    ギァヤァアアアア!ドゴォアアアッ!

峠を下るにつれ勾配がきつくなっていく。R32はうまく荷重をかけてアンダーを殺している。パワーを生かした走りである。
   
    ドゴオオオオ!プシューッ!ゴォーッオオオオオオ!

更に強力なブレーキで速度を落とし低速のヘアピンに入り、得意の低いギアからの加速でコーナーを立ち上がる。

一方、vivioは…

    パアアアアッ!ギャアオーッ!

『踏んでもクルマが乱れない…今までよりワンテンポ早く踏める?この前乗った時はこんな感じじゃなかった・・
きよたかさんがクルマいじったのかな・・もう、せっかく久々に帰ってきたと思ったら!でも、これはこれでいい感じ!流れすぎないから思い切って踏んでいける!!』
    
    ドッキュルルルー!ギャアアアアッダアギャー!

コーナーの間にあるストレートを流しっぱなしで抜けていき、R32との差を詰めていく。もちろん、法定速度は守っているしコップの水もこぼさない。

    ギャアオゥ!ドン!ギュン!

そのうち、路肩の溝を使いコーナーを曲がる技、所謂“溝落とし”を使い始める。

『すごい・・目がついていかない、ゆい姉さんの車がフッフッと消えて見える。いよいよ本気出してキレ始めたようだね。姉さん・・』
こなたはふと、運転席のななこを見た。
『先生がしゃべらなくなった、しゃべってる余裕がなくなったってこと?さっきよりペースがあがってる。
こんなにせわしく修正舵をきる先生のドライブを見るのは初めて・・先生が本気になった・・ァ!?』
311もしもシリーズゆい編(3/7):2007/11/12(月) 00:12:08 ID:moPteK7r
    ガァォオオオオゴォギャーッ!ドアアッ!

ゆいのvivioが四輪ドリフトで32との差を詰める。
32はABSを効かせたグリップ走法で逃げる。(GT-RはアテーサET-Sによってドリフトができない。
後輪のスライドが強くなるとフロントタイヤのトラクションが強くなりドリフトの体勢が維持できないのである。)
 
    ガオオオォオッ!グアアァアーッギャアアーッ!

しかし、低速ヘアピンの立ち上がりで32が突き放す。
vivioが突っ込みでくいついても立ち上がりで差が開くという展開である。
R32は重い車体であるにも関わらず猛然とダウンヒルを攻めている。
vivioは高速コーナーでの4輪ドリフトでインを通り、ガードレールギリギリで立ち上がってR32との差を詰める。
『なんてこった・・!?100キロ(激しく矛盾)を超えるスピードで4輪ドリフトしながらガードレールをかすめるなんて・・姉さん、頭のネジが二、三個吹っ飛んでるの!?』
    
    ギャオーッ!

vivioはR32の振り切られるどころがくいついたままの時間が長くなっている。

ここで読者の中にはある疑問が湧いている人もいるだろう。なぜ、軽がGT-Rについていけるのか?
ゆいが操るvivioはRX-Rというグレードのもので直列4気筒のEN07型エンジンのDOHCが採用されている。
最高出力は64馬力程(おそらく、きよたかによってかなりチューンされているはず)だが、ラリーでも使われるほど性能がよく、
ニュルブルクリンクでのテストでは、RX-R (FF) のベストタイムは9分54秒台であった(CARトップより)。
また、筑波サーキットでのテストにおいても、RX-R (FF) が1分13秒35という競合の軽規格車両を寄せ付けない圧倒的なタイムを記録している。
そして、最大の利点は軽量であるという事だ。740kgという1tを下回る重量はダウンヒルではかなりのアドバンテージである。
それにゆいのドラテクが組み合わさることで今の展開になっているわけである。
312もしもシリーズゆい編(4/6):2007/11/12(月) 00:14:26 ID:moPteK7r
    ゴォゴアアアアアア!ギャゴーァ!ギャ――オ!

激しいダウンヒルバトルの最中、ゆいの前を走る32に異変が起こる。挙動がアンダー気味になってきている。
32の重い車重に加え、ABSを効かせながらこじるようなステア操作をしていたためフロントタイヤに相当な負担が
かかっていたのである。

    ギャォゥォーオ!ドアアアギャアアァアア!ギョァアーアオ!

そして、ついに名物(秋名じゃないってば)の5連ヘアピンにさしかかる。状況は32先行でvivioがぴったりと張り付いている。

「来たぞーものすごいスキール音だ、すぐそこまで来ている!!」

    ガアァアーア!!

「来たーっ!!おおっ!vivioがくいついているM義最速の男が苦戦してる!!信じらんねーなんで軽があんなにはやいの?」

    ダギャアアアアァア!ギャアアアア!ドアーア!

「すげーかっこいいっ!vivioのブレーキングドリフト!速い突っ込み!!」

32は溝落としをさせまいとインベタのラインでヘアピンを抜ける。が・・・・

    ドアアアア!!

ゆいはアウトをギャラリーギリギリを通って攻める。交通課の警官のすることとは到底思えない。
313もしもシリーズゆい編(5/6):2007/11/12(月) 00:16:34 ID:moPteK7r
あぶねーっ!やべー逃げろ、突っ込んでくるーっ!」

    ギャワアアァアアァア!ドアーッ!

「なめてんじゃねーぞっ!!外から行かすかよォ!!」

    ガアァアアアッ!プシャアーッ!

「さすがGT-R立ち上がりの鋭さはハンパじゃねーな!」
「それにしても、たまげたよーvivioのタイヤ白線の外側通ったぞォ砂ボコリあげてさァ!」
    
    ギャアアアア!ギャアァイイー!
   
「あっあっ!!また外から行ったーっ」
    
    ギャオアォオオ!ガァアォオオオオオ!

32はインに張り付き、ゆいはまたしても外から攻めに行く。

    ガアツォッ!ゴアアアアア!ドギャウッ!

『GT-Rの挙動がかなりあやしい!!集中力なくしとるな』
「目を離すんやないでこなた!!成実さんが抜きにいくで!」
『抜きにいくっていったって・・どうするの!?ゆい姉さん・・・』
314もしもシリーズゆい編(6/6):2007/11/12(月) 00:19:24 ID:moPteK7r
ゴォアオ!ギャン!ガァォアァアアアア!ゴッゴォアアッ!ゴッシャアアア――ッ!

vivioが外側にラインをふった。インには来ないと読んだのか32がややアウトにでる。しかし、vivioは32の後ろにはいない。
いつの間にかvivioは溝落としをしながらイン側を走っていた。
vivioはアウトに行くとみせかけてフルブレーキングをしながらラインを変えていたのである。

    ギャアアアアア!ガァアォオオオ!

32とvivioがコーナーを並んで立ちあがる。そう、32にはまだ2速からの全開加速がある。まだvivioにとっては苦しい展開である。が…

    ズルン ズッシャア!グァキャン!ギャアオオ!

「やったァァーッ 急にスライドしたGT-Rの右のリアがガードレールにヒットしたぞォ!!」
32がスピンしてしまった。しかし、後方にはななこのワゴンRが走っている。
「先生!ぶつかるっ!」
「フン」
こなたが危機を感じた刹那、ワゴンRはドリフトの立ち上がりの体勢からテールを逆にスライドし32を避け通り過ぎてゆく…

「だからなんなのよ!このちょめちょめD的な走りはあああああああああああ!!!!」by かがみ


つづく…か?
315名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 00:21:03 ID:moPteK7r
まらんをもらう覚悟でやってみた。後悔はスゲーしてる。
あーSSってムズイ!6レスだった…
はい、イニDネタです。本当にあり(ry
バトルシーンはイニD原作3巻に沿って書いてみました。呼び方が「こなた」なのはわざとです。
途中の解説はネットで調べて自分なりにまとめてみました。ほぼコピペですがorz
ここ違う!って思った方は遠慮なくツッコミ入れてくださいw
今のところシリーズ展開は未定です。
wiki収録時は小ネタ、SSどっちでも可です。
316名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 00:22:52 ID:moPteK7r
あと、ageてしまってスイマセンorz
317名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 00:28:27 ID:A92aCN04
ちょwwなにこれwww

自分車乗らないので何一つ単語わからんが、
文字面眺めてるだけでなんか変な笑いがw
318名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 00:38:43 ID:RKbntyHs
>>315
ちょw
中里自重!もさることながら、黒井先生が何気に涼介かよw
糟日部の黒い彗星(車は黒くないけど)は軽自動車かいw
そのうち、正○あたりでの軽自動車対決(vsカプチーノ(埼玉北西部連合?))が来るのか?w
319名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 00:45:28 ID:5ljSOpyb
せっかくだから日光いっていろは坂攻略を(ry
320名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 00:50:24 ID:vCpy87pv
>>300
>なんだあれは、可愛すぎる。

ループつぼwwww

GJでした!
321315:2007/11/12(月) 01:12:33 ID:moPteK7r
>>317
俺も車は乗りませんが、元ネタ読んでたんでw

>>318-319
本当は「板金7万円」のセリフも言わせたかったんですが、そのまま目的地に行かせたかったんで敢えて省略しましたw
あと、二番煎じになるので続けるとしてもこの手のネタはやらないかもしれませんが、どこかで仕込んでみようかと思います。
続けるとしたらですがw
322名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 01:16:59 ID:hEEfxEry
GJ!
スピード感がすごいなwww

次はVivio vs シルエイティかな?
323名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 01:28:12 ID:KZZ1RBuG
>>300
相変わらずの腹筋ブレイカーっぷりだなあんたwwwww
GJ!!!
だが、一つだけ言わせてくれ……
>>195
>ところで、地味にスランプです。
>壊れネタが書けない……

ど こ が だ ?

あ、それから
>苔が生えて世界遺産みたいになっていた。
笑いすぎて腹筋が痙攣したのは久しぶりだwwwwwwwwwwwwwww
32412-512:2007/11/12(月) 01:34:08 ID:xiNLlRDZ
覚えてる方もいらっしゃらないかと思いますがお久しぶりです
コンプエースに掲載されていたアラカルトに触発されて一本書いてみました
未読の方に説明すると、かがみが寝ているこなたの髪の匂いを嗅ぐというお話です
オチとして、ゆたかにそこを目撃されます
今回の話はその後日談です。今まで書いてきたものとは無関係の単発です。
ゆたかとかがみメインで多分4、5レス
325SugerSweetGirls:2007/11/12(月) 01:35:48 ID:xiNLlRDZ
めてかがみ先輩に会った時、私はちょっと言葉に詰まってしまった。
ちょっとツリ目気味で、ピンと背筋を伸ばしている。
人当たりは良いのにびっくりするくらい隙がない。
その印象が、お姉ちゃんの話にしょっちゅう出てくる可愛い人とは全然違っていたから。
でもあの日私は見ちゃった。

「あまい……」

年も身長も下の私がこんなことを言ってごめんなさい。
……かがみ先輩はとっても可愛い人ですね。


Sugar Sweet Girls


「つかさっ!そこ何度間違えてんの?踏み出すのは右からって言ってるでしょ!」
「あっ、また次のフレーズと間違えちゃったー」
かがみ先輩の怒鳴り声が体育館に響いて、それと一緒にプレイヤーのスイッチが切られた。
原因が私じゃなかったことに少しほっとして、私はその場に座り込んだ。
「大丈夫……?ゆたか」
「うん、ちょっと疲れただけだから」
膝を折ってしゃがみこんだみなみちゃんが私の顔をのぞき込んだ。
ほっぺたが少し赤いけど、息は全然乱れていない。
さっきから肩を大きく動かしている私とは大違いだ。
「ふぃ〜、やっぱ運動はきついっすねぇ」
「だらしないデスヨ、ヒヨリ。たまには利き手以外も動かさなきゃだめデスネ」
田村さんとパティさんも来て、なんとなく一年生で輪になった。
向こうではテンションの上がったかがみ先輩を、お姉ちゃんがなだめている。
練習を始めて十日目、私たちはまだ自分の動きさえしっかりできてない。
本当に当日までに完成するのか、みんなが不安に思い始めていた。
生真面目なかがみ先輩にはそれが余計に気になっちゃうんだろう。
「カガミはちょっとイライラしてるデスネー……」
「なかなかうまくいかないし、気持ちはわかるけど……」
一年と三年の間の微妙な溝が更に空気を重たくしていた。
田村さんもパティさんも、お姉ちゃん以外の三人とはそこまで親しくない。
峰岸先輩と日下部先輩なんて私にしたって初対面だったし。
その中でも一年にとって特に近寄りづらいのがかがみ先輩だった。
スケジュールを立て練習場を確保し、適当な思いつきをきちんとした企画に整えたのはかがみ先輩だ。
それにこのメンバーにはかがみ先輩以外に、誰かの失敗を面と向かって注意できる人もいない。
勿論一年もそれに感謝しているのだけれど、その熱意に何か割り切れないものを感じてしまうようだった。
でもかがみ先輩の熱意がどこから来ているのか知っている私は、そうは思わなかった。
むしろ、ああゆうかがみ先輩を見ていると……その、ぞくぞくする。
「ん、ゆーちゃん何で笑ってるの?なんか先輩達面白いことでもした?」
こうゆうところ、田村さんは目ざとい。やっぱり漫画を書く人は普段から人をよく観察してるのかな。
「えっ、あの、ほら疲れてる時って何もおかしくないのに笑っちゃうことってない?」
「ああ……うん、そういうことってある」
「だよねー!」
オーバーリアクションで無理矢理話をそらした。
なんでかな、私はまだこの気持ちを秘密にしておきたいみたいだ。
「おーい一年共、今日はもう終わりだってさ。次の団体が来てるから早くしな」
326SugerSweetGirls:2007/11/12(月) 01:36:41 ID:xiNLlRDZ
すっかり休憩モードに入っていた私達の所に日下部先輩がやってきて言った。
舞台袖から覗く視線に急かされるように立ち上がって、更衣室に向かう。
みんなが着替え始めるとそこは甘ったるい匂いに包まれた。
私が慣れ親しんだ保健室のものとは全然違う、くらくらするような女の子の匂い。
でも健康な女の子はよっぽど気にしてないと、この匂いが解らないみたい。
みなみちゃんが胸の大きさを気にしたりするのもそのせいなんだろう。
胸が小さくたってみなみちゃんは充分魅力的なのに。
ツインテールの影からのぞく丸い肩にちらっと目をやって、私は小さく呟いた。
ねえ、甘いのはお姉ちゃんだけじゃないんだよ。かがみ先輩。


本番を一週間前に控えた日曜日。
お昼ご飯を食べ終わって、畳の上でうとうとしているとインターフォンが鳴った。
眠い目をこすりながら慌てて玄関に走る。
「ふわぁ〜、お帰りなさいおねえちゃん……」
「ゆたかちゃん……もしかして昼寝してた?」
その声は思いがけなく高い所から聞こえてきた。
恐る恐る首を上げるとそこにいたのはやっぱりかがみ先輩で、私は顔に血が上るのを感じた。
「そ、そんな本格的に寝てたわけじゃないんです。ただちょっとうとうとしてただけで」
かがみ先輩はそんな私を見てくすっと笑った。
あ〜、もうなんでこんな余計なこと言っちゃったんだろ私。
「はいはい、わかったわよ。それでちょっとこなたの部屋に上がらせて貰って良い?」
「あ、それがお姉ちゃん午前中から買い物に行っててまだ帰ってないんですけど」
「知ってるわ、さっきメールがあったのよ。電車が人身事故で遅れてるんだって」
断れるような理由もなく、私はかがみ先輩を家に招き入れた。
私がジュースとコップを持ってお姉ちゃんの部屋に上がった時、かがみ先輩はすでにベットの上でくつろいでいた。
着ていた薄手のジャケットもお姉ちゃんの制服と並んでハンガーにかけられている。
「あー、ごめんね気を遣わせちゃって」
かがみ先輩は私が入ってきたことに気が付くと、脚を少し持ち上げてくるっとこっちに向き直った。
「いえいえ、これくらい気にしないで下さい。そういえば今日はどうしたんですか?
 つかさ先輩も一緒じゃないし」
「ちょっと二人で練習したい所があってさ、ほら私たち二人で並んでやるパートがあるでしょ。
あそこのタイミングが今一合わなくて」
「……そうでしたっけ?私には問題ないように見えたんですけど」
その箇所がどこなのかはわかるけど、私には完璧にできてるようにしか見えなかった。
「別に今のままでもいいんだけどさ、こなたも付き合うって言ってくれたし、納得できるまでやろうかなって」
かがみ先輩はそう言うと、指で髪の先をいじくりはじめた。
「そうなんですか?お姉ちゃん普段は運動とか嫌いなのに……はぁ、私ももっと頑張らないとなぁ」
「ゆたかちゃんは充分頑張ってるよ。そもそもチア部ってわけじゃないんだし適当でもいいのよね。
 むしろ、私がおかしいのよ。実際一年生はちょっと引いてるでしょ?」
今日のお弁当は何?まるでそんな日常のことを聞くみたいだった。
そんなさらっと言われると、かえって私のほうが慌ててしまう。
「そんなことないです!かがみ先輩がいなかったら、きっとぐだぐだになっちゃってたと思います。
た、確かに最初はみんなちょっと怖がってたけど、今はやる気になってるし……」
女の子の集団は移り気だ。
全体のフォーメーションが揃い始めてからは、また和気藹々とした空気が戻ってきていた。
「遠慮しなくたっていいのよ、こなたにだって散々言われてることだしね」
「それも本気じゃないですってば。私お姉ちゃんからかがみ先輩の悪口聞いたことないですもん」
どうして自分のことでもないのに、こんなむきになってるんだろう。
「まあ、そうなんだろうけどさ……ふふ、そんな真っ赤になって否定してくれてありがとう」
327SugerSweetGirls:2007/11/12(月) 01:37:33 ID:xiNLlRDZ
「だったら聞かないでくださいよ……もう」
「ごめんねー、ゆたかちゃんがあんまり可愛いからつい」
私は顔色を隠すように、そっぽを向いた。
お姉ちゃんにはいっつも弄られてるくせに、なんだか悔しい。
「……今日のかがみ先輩は意地悪です。なんかお姉ちゃんみたい」
「もしかしてこなたが感染ったのかも。ね、ゆーちゃんも床に座ってないでこっち来なよ」
私はためらいながら、かがみ先輩の脇に腰を下ろした。
「あの……これくらいでいいですか?」
「まだ遠いかなぁ」
「えっ、ちょっと、きゃあ!」
さっと肩に回された手が私を引き倒した。
お姉ちゃんにはない柔らかい感触が背中に伝わる。
「ああん、もういちいちゆたかちゃんは可愛いなー」
お姉ちゃんの身体とは違う、包み込まれるような抱かれ心地だった。
きっとそう言ったら怒るんだろうけど。
「もう、なんなんですか……大体かがみ先輩だって可愛いのに、パティさんも田村さんもそう言ってますよ」
「どーせツンデレツインテ萌え!とかなんでしょ、あのオタク共は」
私の頭に重たいため息がかかった。
まあそのとおりなんだけど、こういう言葉がすんなり出てくるあたり、かがみ先輩も結構オタクだ。
「私はツンデレなんかじゃなくてさ、もっと器用に生きたいの」
「器用に、ですか?」
「私は不器用なのよ、意地っ張りだし、怒りっぽいし、遊びも下手だし。
 そんな属性はいらないから、ゆたかちゃんみたいなふつーの可愛い子になりたいな」
可愛いと器用、私にはこの二つはどうしても結びつかなかった。
だったらかがみ先輩が可愛いという私は、器用なんだろうか。
この不自由な身体のどこにそんな物があるんだろう。
「それだったら私だって可愛くなんかありません」
「そんなことないって。ゆたかちゃんがいると、その場の雰囲気が和やかになるのよね。
それに比べて私は警戒されてばっかり……」
成績も良くて運動もそこそこ出来て、人を引っ張っていくこともできるのに。
かがみ先輩はどうしてあんなものを欲しがるんだろう。
皮膚に伝わるぬくもりとは逆に私の胸の内は暗く冷たくなっていく。
いつの間にか私の脳内で、あの必殺の言葉がこだましていた。
「かがみ先輩の可愛い所、私知ってますよ」
「ふーん、どこなのよ、それ」
私は視界の端でちらつく長い髪を一房手にとって、その匂いを嗅いだ。
「あまい……」
「ちょっ!ゆーちゃん、それって」
驚きで緩んだ腕をふり解いて、かがみ先輩を組み敷くように身体を入れ替えた。
大きく見開かれた紫色の瞳のその中に、張り付いたような笑顔を浮かべた私がいる。
「あの時のかがみ先輩はとっても可愛いかったです」
「……そういえば見られてたんだっけ。あれは、そのいたずらっていうか」
「お姉ちゃんが好きだからやっちゃったんですよね」
かがみ先輩の喉が波打つように動いた。
細い首に浮かぶ血管が、私の気分を高揚させる。
「私、そんなにわかりやすい?」
「なんか空気が違いましたもん。あと今回のチアだって、お姉ちゃんと一緒だからあんなに張り切ってるんですよね?」
「……そうだよ。クラス一緒になったことない私には、あいつとこんなことする機会なかったから」
かがみ先輩の声は穏やかだった。
必死に誤魔化すかと思ったのに、意外にあっさりと肯定されて拍子抜けする。
328SugerSweetGirls:2007/11/12(月) 01:40:14 ID:xiNLlRDZ
「否定しないんですね」
「だってあんな所見られてたら言い訳しようがないし……あ、気持ち悪かったらごめんね」
「気持ち悪くなんてないですけど……」
そっと懐に入り込んできた獲物に私は戸惑うしかなかった。
「告白なんて、私にはできそうにもないし。最後の思い出としては上々でしょ」
何よ、そんな遠くを見ちゃって。急に弱々しく振る舞うなんてずるい。
「もう充分器用じゃないですか……普段は強いのに、いきなり下手に出てみたり。
それでちゃっかり好きな人の前では無防備なんだから。
……私は誰にだってついていくだけで必死なのに」
今よりもっと身体が弱かった中学時代、私はクラスメートとの間にずっと見えない壁を感じつづけていた。
いじめられた事はなかったけど、私はいつも持て余されていた。
そんな私に与えられたのが、可愛いお客様というポジションだった。
ペットに接するように黄色い声を張り上げて、下がりそうになるテンションをみんなで無理矢理上げるのだ。
「ゆたかちゃんは可愛いって言われるの嫌い?」
かがみ先輩の指が下まぶたをそっと拭った。
はっとして息を飲むと、鼻の奥で水っぽい音がした。
「だって背が低いとか子供っぽいとか、自分では嫌いな所ばっかりだから……」
「また私は無神経なこと言っちゃったみたいだね。その、ごめんね」
「謝らないでください……かがみ先輩が悪いんじゃないんです」
凛々しい眉がハの字に歪んでいた。
あっという間に去ってしまった激情に代わって、罪悪感だけが募る。
「ふふ、何だかおかしいね。可愛いって普通褒め言葉なのに。
私もゆたかちゃんも、どうしてもっと気軽に受け取れないのかな」
みじめさに喉を詰まらせた私に、かがみ先輩は気安く微笑んだ。
ねばついた唾を飲み込んでどうにかそれに答える。
「お姉ちゃんは何でもポジティブに捉えますよね。
お客さんの前でコスプレして踊ったりもして。私もああいう風に楽しめたらいいのに」
「全くあいつの考えてることはわけわかんないわ。
 あんな所に来るような男にチヤホヤされて何が嬉しいんだか!」
「あの、それはちょっと話がずれてるような……」
「あ……そっか、これはただの嫉妬か」
お姉ちゃんの話が出た途端口を尖らせたかがみ先輩に、私は思わず吹き出してしまった。
まるでパブロフの犬のみたい。 
「し、しょうがないでしょ、好きな人が男の客ばっかの職場でバイトしてるのよ。
 冷静でいられるはずないじゃない」
「そ、そんなはっきり言われると……なんか私まで恥ずかしい」
「こなたが好き、大好き。チアのコスは露出度高くてどきどきするわ」
「きゃあ!もうやめて下さいよぉ」
そうやってしばらくからかわれている内に、私の緊張はすっかりほぐれていた。
腕立てのような不自然な姿勢をといてかがみ先輩の隣に横になる。
「さっきの話だけど、一つだけ聞いてもいい?
 こなたはよくゆたかちゃんのことを、妹みたいで可愛いって言ってるけどゆたかちゃんはそれも嫌なの?」
「最初はちょっとだけ……、でも今は気にしてないです。
 そうそう、お姉ちゃんすごいしっかりしてて、ゆいお姉ちゃんよりよっぽどお姉ちゃんらしいんですよ」
「そりゃあの人と比べたらそうだろうけど……」
ゆいお姉ちゃんの名前にかがみ先輩は顔を引きつらせた。心なしか震えているようにも見える。
そういえばかがみ先輩はゆいお姉ちゃんの車に乗ったことがあるんだっけ。 
「まあ、それならいいんだけどさ。
こなたは随分姉らしくしようって頑張ってたから、もしそれが空回りだったらって不安になっちゃって。
あんまり恩知らずなこと言ったら、ひっぱたいてやろうかと思ってたんだけど、安心したわ」
冗談めかしてはいたけれど、そこにはしっかりと情の深さが見え隠れしていた。
それがとても愛おしくて、こんなにも強く想われているお姉ちゃんが羨ましくなる。
329SugerSweetGirls:2007/11/12(月) 01:40:52 ID:xiNLlRDZ
「……恋すると可愛くなるって本当なんですね」
「またポエミーなことを。だから私はそういうんじゃない、って言いたいけど……もう言い争っても仕方ないわね。
 ありがたく受け取っておくわ。
 ……でも、そういうことならゆたかちゃんも同じじゃないの?」
「えっ、そんなことないですっ、私は別に恋とかそんなのはっ!」
さっきまでとは違う、鼻にかかった声でかがみ先輩が私に迫る。
お姉ちゃん抜きで会うの初めてだったから忘れてた、この人お姉ちゃん以外には元々Sっぽいんだったっけ。
「全然女同士ってのに抵抗ないしさ。みなみちゃんを見る目がやたら熱っぽい気がするんだけどー?
そうそう花火大会の時なんて……」
「あああ、あれは、別に、ぜんっぜんやましい気持ちとかなくって!ええっと」
「へー、やっぱりやましいって意識はあるんだ」
私の言い訳に耳を貸さず、かがみ先輩はにやにや笑って顔を近づけてきた。
おでこにキスでもされるのかと身構えて目をつぶると、頭をぎゅっと胸にかき抱かれた。
「あま〜い」
あまりの恥ずかしさに、じたばたともがいたけれどそれはかがみ先輩を喜ばせるばかりで。
「もうやめて下さいってば、かがみ先輩!」

ドサッ!

突然の物音に、二人して慌てて振り向くとあの時と全く同じ構図でお姉ちゃんが立っていた。
「こ、こなた……どっから見てたの?」
「やましいって意識はあるんだって所から……はは、二人がそんな仲になってたなんて全然気付かなかったよ。
 私ちょっと用事を思い出したから、かがみはゆっくりしてって」
無表情を装うお姉ちゃんは、まるで親とはぐれた迷子のようにいたいけだった。
「これは違うのっ!ちょっと待ちなさいこなたぁ!」
翻った長い髪が扉の向こうに消えた次の瞬間、かがみ先輩は私を乱暴に放り出してその後を追っていった。
その勢いはまるで脱兎のごとく、って追う側なんだけど、とにかく兎が跳ねるように俊敏だった。


そして部屋には、一人取り残されて呆然とする私だけになった。
ぼけっと寝転がっていると秋のそよ風が私の頬を撫でる。
起きあがって窓の外を眺めれば、空は雲一つない快晴。
一日のんびり過ごすつもりだったけど、あの二人を見ていたらそんな気分でもなくなっちゃった。
私はポケットから携帯電話を取り出して、発信履歴を呼び出した。
「あ、みなみちゃん?ちょっと急なんだけどね……これから遊びにいっていい?」
二人がどうなったのか気にならないではないけれど、夫婦喧嘩に付き合っていたら日が暮れちゃう。
さあ、私は私の恋を進めようっと!
33012-512:2007/11/12(月) 01:44:00 ID:xiNLlRDZ
ここで終了です。
以前ゆたか→かがみの呼び方について質問に答えてくれた方、ありがとうございました
変則的な組み合わせですが、どうだったでしょうか?
331名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 01:49:00 ID:BPLvdoLk
>>330
これは良い『かがゆた』。それとも『ゆたかが』か?
和んだぜ。GJ
332名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 01:51:57 ID:5ljSOpyb
ひより「あまああああああああああああああああい
    甘い甘いよー、ザラメをメープルシロップで溶かしたくらい甘いよー」
パティ「どうしましタひよりん、目の焦点、あってませんヨ?」


とにかくGJ!
個人的にかがみとこなたの後日談がみたくなるほどGJ(゚∀゚)b
333名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 01:57:04 ID:A7YgSNKO
>>330

甘いっ!ルノアールのココアぐらい甘いっ!GJ!
確かに、かがみxゆたかならこんな感じになりそうだ〜
334名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 02:02:57 ID:moPteK7r
>>330
あまあああああああああああああああああい!めっさ甘いよ!
秋穂のコーヒーくらい甘いよ!GJ!あと、あのドライブはトラウマになりそうw
335名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 02:09:30 ID:T2DGMoNC
>>330
甘ぁぁぁい!!
甘いよ、甘過ぎるよ、
ブラジルの黄色いお菓子くらい甘いよ
GJ
336名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 02:09:36 ID:A92aCN04
>>330
いや、凄い、あなたはほんと凄い。

会話の一言一言に濃密な緊張感があって、
いつのまにか引きずりこまれてるんだよね。

ほんとに戻ってきてくれて嬉しい。

ちなみに自分がこのスレにSS書こうとおもいいたったのは、
「さよなら魔法使い」を読んだときからだったりする。
33712-512:2007/11/12(月) 02:27:55 ID:xiNLlRDZ
>>336
多分毎度応援のコメントを寄せてくれてる方ですよね?
まだ変則カプのアイディアがあるので、少なくとももう一本は書くと思います

今回自分では微妙に辛い話だと思ってたんですが、どうも味覚障害だったようですww
次はもう少し味付けに気をつけたいですね
338名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 02:30:36 ID:u1tQnPDS
>>330
これは千葉県名物マックスコーヒーを遙かに凌ぐ甘さ!!
GJ!!


みさお「ふっふっふ。兄貴はこういうのに興味あんだな〜。
 ニヤニヤ。らき☆すたのエロパロスレか。ニヤニヤ。あやのに言いつけてやろっと」
兄「うわっ、ちょ、見るな!!折角SSを書いて……いや何でもない。>>330 GJ!!」
339名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 02:34:47 ID:QpOEedAT
>>300
コナフェチ歴史保存地区……
コナタン半島中央部に位置する、テケテケ文明最後の忘れ形見。
中央部には青き泉の神コナ・タチャン、赤き血の神タカラミウィキ、紫の巫女カガツ・カバルスを祀る
巨大ピラミッドが築かれている。
特に、タカラミウィキ神殿の神像は、血を吹き出す、新月の夜にコナ・タチャン神殿に移動するなど
数多くの奇怪な言い伝えがあり、文明が滅びた後も原住民たちに信仰されてきた。
大航海時代末期に征服者クロイにより略奪・破壊の限りを尽くされ一旦は廃墟と化したが、
現在エロパ・ロイタ教授のグループによる発掘・保存が進み、東京国際展示場とほぼ同等の23fが
観光客に解放されている(壊れた箇所や危険な箇所もあるため入場制限あり)。
2007年11月に世界遺産に登録された。

民明書房刊『世界ふしぎウィキペディア』より

みゆき「要するに、泉さんは私の嫁ということですねGJ」

>>315
俺には見える。久しぶりに旦那とデートしようと思ってた矢先に仕事が入り、
腹いせに赤城でエボVとバトルを始めるゆい姐さんが!

>>330
気付いたらのめり込んでた。すごい。
なんだかもぬすごい幻術でもかけられた気分。緊張感と和気あいあい感が伝わってくる練習風景、
のろけと悪戯心が絶妙の配分で混ざったゆーちゃんとの会話……
こなかがと、ゆたみなの糖分過多な未来もワクテカしちゃうじゃないですか!良いSSに感動っ


けど、こういうのが連打されると、まじで自分の不慣れな文章落とすのが恐くなってしまい困る……
ちょっと今から書き直してくるっ!
340名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 02:36:07 ID:v+oI/rkI
>>338
最近、マックスコーヒーが北海道のコンビニで普通に売ってるから困る
341名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 02:53:05 ID:g0aInCMI
>>330
すごいなー。かがみとゆーちゃんの可愛らしさがぐいぐい伝わってきた。
342名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 04:28:53 ID:xhpCK85s
>>330
こ……これが…これが伝説の「蜂蜜練乳ワッフル」の甘さでしょうか!?
全身の骨がとろけそうなほどGJ!
343名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 06:44:59 ID:U99X518g
>>303
そこは『強制スクロールアクション型レース』で。
つまり・・・こなたが逃げて他の人達は投げコマンドで確保するゲーm(ROMれ
3442-390:2007/11/12(月) 07:33:28 ID:0NHrwhAr
も少し時間おいた方がいいかもだけど、出掛けにゃならんので投下しておきます。

『残し物』の続き
・こなた&かがみ
・社会人かがみ視点
・鬱展開になる予定
・高校時代、二人は出会っていなかったという無茶設定
気分を害する人はスルー推奨
345残し物-2:2007/11/12(月) 07:36:32 ID:0NHrwhAr
仕事帰り、上司の方々に飲みに誘われた。
この職場において女性の私は比較的稀な存在であり
紅一点の要員としてか、声をかけて下さる事がよくあるのだ。
今、へべれけに酔ったバーコードの肩を担ぎ、タクシーに放り込んだ所で今日の仕事は終わった。
私も酔いでほんのり赤らんだ頬を扇ぎつつ、自宅を目指し踵を返した。


─────

薄暗い夜道に民家や小ビルが並ぶなか、時たま場違いな程に眩い電光を放つコンビニが存在する。
日の眠る真夜中において、地域住民にとっては迷惑極まりない物だが、生憎遅帰りのリーマンにはオアシスとなり
私もそれの例外ではなく、頻繁に利用している。
今夜も夜食のカップ麺を物色すべく、ぼうっとした頭で光を目指した。


と、私が自動ドアの5m程前まで来た所で、機械の鈍い駆動音と共にガラス戸が開き
店内から1人、ちびっこい女の子が出てきた。

小学生…?こんな夜中に何やってるのよ。

未成年の深夜徘徊は補導の対象だ。
内心でやれやれとため息をつき、節介にも私は口を開いた。
346残し物-2:2007/11/12(月) 07:37:45 ID:0NHrwhAr


「え…?あ、あの」

途端に少女は口ごもった。
っと…ちょっとキツく言いすぎたか。見た目もあって、怖いお姉さんだと思われているのかもしれない。
実際当たらずとも遠からずなのだけど、それは女として何処か悲しい。
誤解を解いてやるためにも、もう一度、今度は声に若干の優しさを含めて言ってあげた。

「だからね。ご両親の方がが心配するから、早くおうちに──」

「むぅ……私、子供じゃないよ」

私の言葉に割り入ってそう言う。
子供じゃないって?
だってその小柄な身体はどう見たって…。

酔いで微かにボヤけた視界を制すように目を凝らし、その顔をじっと見つめてやる。

「…………」

「ほら、おとなおとな。」

自慢げに長い青髪を靡かせる少女。
その印象深い髪と舌足らずな声。
覚えがある。と感じた時には、不思議と酔いは覚めていた。

「……あぁ…。」

それは数日前、雨の中で1人うずくまっていた少女だ。
相変わらずの汚れたリュックサックを背負い、私の目の前にちんまりと立っていた。

「おぉ、分かってもらえたかね」

「子供は早く帰りなさい」

私にリュックサックを投げつける。
痛いわね。何よ、反抗期か?


347残し物-2:2007/11/12(月) 07:39:12 ID:0NHrwhAr
─────


結局、私への罵声と『絶対返すから』の言葉を残して、彼女は闇の中へと逃げてしまった。
家出かつ深夜徘徊の不良娘ながら、金に関しては律儀な様子が伺える。
これはいわゆる、よく分からん奴なのかもしれない。
私のため息と重なって、正面にそびえるガラスのドアが開いた。


今夜は…お、たまには焼きそばもいいわね。
手に取った空飛ぶ円盤焼きそばをカゴに入れ、財布を開いて残金を確認した。
6070円…あの娘に財布をスッカラカンにされ、急遽下ろした万札はまだ充分に生き長らえている。
彼女に渡した当時の財布にも合計にして一万円近く入っていた筈なのに、一夜で食べ尽くしてしまった所から考えると、本当に身動きの取れない程空腹だったのだろう。
必死になって食い漁るあの少女を想像すると少し可笑しくて、不審にもニヤニヤしつつ財布をバッグに戻そうとした。

と、ここである疑問が生じた事により、その手をぴたりと止めてしまった。

青い髪の少女は、先程確かにこのコンビニから出てきた。
だが有り金を全て使い果たしたであろう家出少女が、コンビニで何を買うことが出来るというのだろか。
あのう○い棒ですら購入には10円玉が一枚必要だし、そもそも彼女は手にコンビニ袋等は持ってはいなかった筈だ。
怪しいのはあのリュックサックだ。中に商品を詰め込み、レジを通さずに持ち帰る事はボロと言えど可能。
彼女がカウンターを素通りして店を出たのだとすれば、これは疑うに値してしまう。

信じたくはないけれど、もし彼女が間違った道を歩んでいるのなら正してやらなければならない。
真偽を見い出すべく、カウンターに店員を呼ぶ。
彼女の親戚だという出任せで、割とあっさり話してくれた。


「あぁ…いえ、アルバイター募集の貼り紙を見て、当店で働きたいとの事でしたので」


彼女がコンビニに居た理由…私の推測が思い過ごしであった事に、安堵する暇もなかった。
アルバイト…小学生がアルバイト?
先進国日本において、10を過ぎたばかりであろう乙女が労働に勤しむなんて事、少なくとも私の常識の上では有り得ない。
そして、その無茶を押し通そうと行動する彼女の原動力が私への借金返済なのだとすれば、尚更に平然ではいられない。

「それで…採用なさったんですか?」

「いえ…身分証明書を提示頂けない上に、住所不定、連絡先も無いとの事でしたので、今日の所はお引き取り頂きました」
348残し物-2:2007/11/12(月) 07:39:50 ID:0NHrwhAr


─────


夜の公園を月の光が淡く照らす。
木陰に座り込む少女がいる。
それは絶望に暮れたかのようで、何かに怯えるかのようで。
膝を抱えて眠る姿は、二度見てもやはり儚いと思った。


住所不定…ホームレスの代名詞とも言えるそれを、この幼い少女が背負っている。
家出少女故の偽りか、事実帰る家が無いのか。
どちらにしても、野を寝床とする彼女の現状は酷に変わりない。

「すぅ……すぅ……」

「………。」

これは偽善に過ぎない同情かも知れない。
正義者ぶりたいだけかも知れない。
でも…どのみち彼女にお金を恵んだ時点で、既にどちらかに決まってしまったなら
今更、取り繕う事は無かった。

また、余計な世話だと言ってくれてもいい。
嫌なら引き留めたりはしないから。
ただ…今はあなたを知りたいだけ。

私は、彼女をそっと抱き上げた。


─────


少しだけ肌寒い朝。
ベッドの中でふと気が付く。
今日は休みなのでアラームは鳴らない。
私はくっと身体を伸ばした。

「………。」

はれて休日を迎えた私は、遊びに出るも二度寝するも自由だ。
もちろん、後者となっても誰も怒りはしない。
そう…今日は、したい事をする日なんだ。
内心で確認してから、ゆっくりと目を開けていった。


「…おはよ。」

「………。」

ベッドの隅にちょこんと座る少女は、返事もせずにじっと私の方を見ている。
その目線に込めた意は怒りと呆然、どちらなのだろう。
なにせむっすりと無表情を決めているのだから、到底感情なんて伺えない。

私はまず、無愛想なあなたの名前を知りたいと思った。
3492-390:2007/11/12(月) 07:43:19 ID:0NHrwhAr
つづく

基本このこなたは無愛想です
350名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 07:58:36 ID:WJhWxLW5
>>349
早朝からGJ!!!
無愛想なこなたに興味をひかれつつあるかがみ萌えw
続編楽しみにしてます。
351名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 09:30:57 ID:RlO2uBk9
投下したいのだがこんな良い作品が
投下されてからだと大分ハードル上がってる(ry
352名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 09:45:39 ID:Y3aqpUiY
>>351
どどんまい
期待して全裸で待ってるぜ!
3537-896:2007/11/12(月) 10:22:27 ID:JkrlwsWQ
全裸で待機してまする(`・ω・´)チャキーン
354名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 10:23:26 ID:JkrlwsWQ
こてぇ(´・ω・`)
355名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 10:29:26 ID:Y3aqpUiY
>>354
どどんまい
356名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 10:37:44 ID:SxFlHY6J
東方
357名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 10:39:34 ID:SxFlHY6J
すまんどんまいって打とうとして誤爆したorz
358名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 10:40:07 ID:Y3aqpUiY
>>357
どどんまい
359七月の雪。:2007/11/12(月) 10:47:55 ID:RlO2uBk9
354-358
オレのコーラ返せw
同時に投下。
「七月の雪。」
こな×かが
レス数「数えてないから分かん(ry」
無責任極まりない投下だが評価の方よろしく。
360七月の雪。:2007/11/12(月) 10:48:54 ID:RlO2uBk9
朝、私は今日は一人で登校していた。
つかさが宿題をやっていなかったので、かがみと二人で終わらせるから、先に行っててと、朝、柊家から電話が来た時は思わず笑いそうになった。
5月なのに、今年は異様に温かい。
地球温暖化とかいうやつだろうか。
朝から騒々しい駅の階段を上がって、丁度開いていた、電車のドアに駆け込む。
「ふう〜、セーフ。」
もう少しで閉じるところだったので、少し焦った。
けど、窓から見える都会の景色に少し心が和んだ気がした。
今日は一人かぁ・・・・・・。たまにはいいかな。
そんなことを思いながら電車にゆられて、窓の向こうの駆け足で変わる景色を眺めていた。
すると、向かいの席にゆたかくらいの年の女の子と、その子の母親らしき人が座っているのが見えた。
高校1年生。
まだ入学式が昨日のことの様に感じてしまう初々しかったあの頃。
1年の時ってなんかあったっけ?
二年も前だからなぁ・・・・・・
脳の記憶の引き出しを手当たり次第探ってみる。
すると、一つだけ少し色褪せた、それでいて美しい輝きを放った記憶を見つけた。
あぁ、そうだ・・・・・・。かがみと私の関係が変わってきたころだ――――――


―――――――― 時はさかのぼり、高校一年の7月。夏真っ盛りのむし暑い時期だ。


361七月の雪。:2007/11/12(月) 10:50:20 ID:RlO2uBk9
「あっつい〜」
日中最高気温30℃の7月のある日。私はつかさとみゆきさんの横で大の字になって寝転がっていた。
今、夏休みの宿題をかがみの部屋でやっているんだけど・・・。
「Zzz・・・」
つかさ寝てるし。

第一話 【 −始まり− 】
「暑くて、暑くて、脳味噌が溶けてしまいそうですよ、かがみんや。」
手を団扇にしてパタパタさせながら話しかける。
「ほんとに暑さに弱いわよね〜、こなたは。」
横からダメ押しのツッコミをいれるかがみ。ホントかがみのツッコミは素早く的確だ。
しかも、もう宿題を終わらせてラノベを読んでいるあたり、嫉妬しそうな完璧ぶりだ。
「そりゃぁ、扇風機のすぐ傍で本読んでる人はいいよね〜」
痛いところを突かれたからか、なぜか頬を赤らめるかがみ。
かがみが顔を赤くするとツンデレの『デレ』の部分を見たような気がして、得した気分になるのは私だけだろうか。
「こんなに暑いのに、宿題が山のようにあると暑さが倍になる気がするよ〜」
私の横でいつ起きたのか、つかさが眉をハの字にして話に入る。
テーブルの上で寝ていたからか、右側の頬が少し平らになっている。
「休みの中で出る宿題は多いですからね。特に夏休みは多いですね。」
その横で宿題を私達に会う前に終わらせて私とつかさに宿題を貸しているみゆきさんが言った。きちんと正座して座布団の上に座っている。
「ねえ、ところでさぁ。みんなは春夏秋冬の中でどの季節が一番好き?」
この暑苦しい話題を変えるために、指を立てて、少し首を傾けてから話題を変えた。
「私は、夏かな〜。やっぱり暑くてもこなちゃんとかと海に行くのは楽しいもん♪」
楽しそうにつかさが話す。
「私は春ですね。入学式や、入社等、始まりの季節なので、心機一転して物事に望めるからです。」
みゆきさんは、どことなく春の感じがしててピッタリだね。
「私は秋かな。読書の秋とかで本を読む時間が増えるしね。」
まあ、大半ラノベだろうけど・・・。
「かがみの場合は『食欲の秋』になりそうだね。」
横で薄笑いをする私。
「うるさい!ってか、そういうあんたはどうなのよ?」
最近気になってることを言われて焦るかがみ。
焦ってるかがみんも萌え〜
「わたし?わたしは冬だよ♪」
「冬?今夏だからでしょ。どうせ冬になったら『夏がいい』とか言うんでしょ?」
かがみはイシシと笑いながら、答えた。
「いや、それは違うんだけど・・・・・・」
「じゃあ、何よ?」
私は人差し指で頬をプニプニさせながら答えた。
「冬は雪が降ってプロ野球中継がなくなるじゃん?深夜アニメの録画がずれないんだよ。」
「あんたって、本当に期待を裏切らないわね・・・・・・」
横で苦笑いしながらかがみが言う。
「それと、もう一つあるんだけど。」
「何よ?」
「う〜ん、笑わない?」
「笑わないわよ。」
それじゃあ、と言いながら私は答えた。
「中学のときにとっても仲が良かった友達がいてね。んで、ある日私が『冬が好きだー、雪が見たいー』って言ったらね。その友達が紙を小さく三角に切った雪、作ってくれたんだ。
それから、冬が好きになったのだよ、かがみん♪」
そう言うと、ちょっと感心したようにかがみが言う。
「ふ〜ん、意外とちゃんとした理由があるのね。」
意外と、ってそれは結構失礼ですよ〜、かがみ。
「よし、さっさと終わらせな。」
そう言うとかがみは私とつかさの間に入り、質問されてもOKな体制に入った。
「そだね。」
「うん!」
「みなさん、頑張って下さい。」

362七月の雪。:2007/11/12(月) 10:51:21 ID:RlO2uBk9
そろそろ時間なので、もう帰ることにした。
みんな玄関で帰る準備をしている。
「じゃあ明日も行くからね♪」
靴のつまさきをトントンさせながら言った。
「うん、いいわよ。けど、もう宿題は写させないからね」
ビシッと指で私を指しながらかがみは言った。
「うっ・・・(汗」
「あの、私、明日は行けないんです。」
みゆきさんが申し訳なさそうに言った。
「そうなの?」
「そっか、ゆきちゃん歯医者さんに行くんだっけ。」
「はい。昨日、晩御飯を食べていたらいきなり痛み出してきて・・・・・・。」
「早く治しときなさいよ?」
かがみの言葉にみゆきさんは、はいと笑顔で返した。
「それじゃあまた明日ね。」
「さようなら。」
「んじゃね〜」
二人で並んで帰る。
かがみが私の後姿を、見えなくなるまで恋する乙女の目で見つめていたことに
私は気付かなかった。

363七月の雪。:2007/11/12(月) 10:51:54 ID:RlO2uBk9
今日もかがみとつかさと私の三人で登校中。
しかし、かがみの私に対する態度と目つきが怪しい・・・。
どったの?かがみ。

第二話 「−好きです、何よりも−」
朝からずっとかがみの様子が変だ。話しかけたら、
「うひゃぁっ!?」
とか変な声出して飛び上がるし、私が近くにいる時は決まって顔が赤かったり・・・・・・。
まあ、かがみの変化を気にしつつも今日一日やり過ごせた訳なんだけど。
大変なのはここからだった。
放課後、いつもどおりかがみの教室に行き、かがみが身支度を終えるのをまった。
つかさとみゆきさんが見当たらない。
「そういえば、今日つかさとみゆきさんは?」
誰もいない教室に響く、自分の声を聞きながら、辺りを見回して言う。
「えっと・・・、あの・・・、みゆきは昨日言ってた歯医者さんに行ってて・・・、つかさは先に帰ってるってさっき言ってたわよ。」
「ふ〜ん。」
明らかにおかしい。なにその慌てようは。
ついに私は、ためらう気持ちを振り切って聞いてみた。
「あのさ、かがみ……」
ん?と教科書類をしまいながら聞く。
「最近…ちょっと変じゃない?」
見事な指摘にかがみの手が止まる。今まで以上に焦っているようだ。
「え!? そうかな?」
そう言って、また作業を続ける。
明らかにおかしい、そう私は確信した。
「うん、特に私に対して。」
「・・・・・・。」
いつもの口調じゃなかったので、慌てて付け加えて言った。
「なんか、言いたいことあるんでしょ?ほらほら、言っちゃいなよ?」
できるだけふざけたカンジで言ったつもりなのに、やっぱり、声には少し、熱がこもっていた。
かがみの目が本気になった。
「驚かないでね。」
さっきまでとは違うかがみの目に私は覚悟した。こりゃ相当なことだな。
「あたしね・・・・・・、こなたのことが好きっ!」
「うわおっ!?」
いきなりの告白に、身構えてはいたけどかなり驚いた。なに?かがみが私のことが好き?
嘘でしょ?
「あの〜、かがみん。」
「なによっ」
少し強気で言ったかがみの顔は赤かった。
念のため私は確認をとった。
「それって『like』の方?それとも・・・・・・、『love』の方?」
「『love』の方よっ! 悪いっ!?」
流石はかがみん。告白するときまでツンデレとは・・・・・・、筋金入りだね〜。
って違うって!! 落ち着け私!
そして、すこし落ち着いてから返答した。
「ちょっと、考えさせて・・・・・・」
「え?あ・・・うん。」
それだけ言うと、私は夕焼け色に染まった教室と
照れに染まったかがみを背に、学校を後にした。
帰るとき、私はいつも乗ってる電車を間違えるほど動揺していた。
そりゃあ、朝からかがみの様子が変だったのには、気付いてたけど・・・。まさかそっちだったとはね・・・。

364七月の雪。:2007/11/12(月) 10:52:50 ID:RlO2uBk9
次の日、私はいつもより早く家を出た。
待ち合わせに遅刻してかがみに叱られたらたまらないからだ。
いや、もしかがみが叱らなかったらつかさが怪しむだろう。
そんなことを考えてるうちに、一つの問いにぶつかった。
そういえば、私はどうなんだろ・・・・・・。かがみのことは好きだけど、女の子として見たことは一度も無いなぁ。
「おはよう、こなちゃん。」
「うぇぃわお!?」
あまりにもいきなりだったので声じゃない変な声を出してしまった。
ん?つかさ?ってことは・・・、
予想通り、そこには真っ赤な顔で俯いていたかがみがいた。
どうする!? どうするよ私!?
「お、おはよう。」
動揺しつつもつかさに返事をした。
「どうしたの? こなちゃんも今日変だね?」
「う、うん。」
あまり動揺してたもんだから、そこから教室まで記憶が残ってない。
気がついたら昼になっててつかさとみゆきさんと昼食を食べてた。
「う〜ん・・・」
机に突っ伏して、頭を抱える私についにつかさとみゆきさんが聞いてきた。
「どうしたのこなちゃん。朝からずっと変だよ?」
口に特製ミニオムレツを入れながらつかさが聞く。
「そうですよ? 徹夜のしすぎですか? 」
心配そうにみゆきさんも聞く。
「何でもないよ。それより早く食べよう!」
そういって、コロネをあっという間に食べて私は教室を出た。
昼休みも、五時限目も六時限目も過ぎて、帰りに先生が検定の話をしていた。
検定はとっていた方が受検のとき有利だってお父さんが言ってたっけ。
「検定は7月20日だからな!覚えとき〜や!」
そっか、7月20日ね。
って、その日って確か・・・・・・祭の日じゃなかったっけ!?

時は少し戻り三日前。――――――
「そういえば、祭の日っていつだっけ?」
「7月20日ですよ。」
「そっか、じゃあ今度みんなで行かない?浴衣着てさ。」
「それいいね。お姉ちゃんも行くでしょ?」
「そうね。その日は大して用事ないし、行こうかな。」
「じゃあ、みゆきさんもおいでよ。浴衣姿のみゆきさんに萌え〜したいし。」
「え?あの・・・。」
「ちょっと待て。あんたはそれだけの理由で、みゆきを呼ぶのか?」
「うん、まあね♪」

―――――――――――――
―――――――――
――――――
確か、そう言ってたよね。かがみ来てくれるかな・・・・・・。
遠い赤い空を見ながら、そんなことを考えてた今日この頃。
365七月の雪。:2007/11/12(月) 10:54:26 ID:RlO2uBk9
今日は祭の当日。みんなでかがみの家に集合なんだけど。
行きづらい・・・・・・。あの日以来、かがみと一言も喋っていないんだよね。
とはいえ、行かないわけにもいかないので、お父さんに着付けしてもらった浴衣を着て、私は家を出た。
なにか起こりそうなこの夕焼けの空を眺めながら。

第三話 【− 雪 −】
かがみの家の前に着くと、もうみゆきさんとつかさが待っていた。
「お〜っす、みんな。待った?」
手を小さく上げながら顔だけをこっちに向けている二人に聞く。
「泉さん、こんばんは。」
改めて体をこっちに向けて挨拶する。
「こんばんは。こなちゃん、今日はいっぱい楽しもうね!」
まるでもう祭が始まっているみたいにつかさが言う。
「・・・、え?あ、うん。そだね!」
あれ?かがみがいない。
「ねえ、かがみは?」
「あ、お姉ちゃんね。検定受けるか、お祭行くか、まだ迷ってるの。」
そっか、人生の別かれ道だもんね、当たり前か。
納得していると、みゆきさんが言った。
「あの、そろそろ行かないとおみくじ売り切れちゃいますよ?」
「あ、そっか。『祭おみくじ』って今日だったっけ。」
思い出したようにつかさが言う。
この『祭おみくじ』というのは、ここら辺でしかやっていない珍しいおみくじで、
何日かある祭の日の一日だけ売られているおみくじで、
このおみくじ目当てにわざわざ二駅前から来る人もいる。
それほど人気で、しかも数が少ない。
なので、祭が始まると同時におみくじを予約しておくのだ。
そうすれば、自分達が行ったときにおみくじが売り切れていたなんてことはない。
「じゃあ、二人で先行っててよ。私、ここでかがみ待ってるからさ」
その言葉には色々な意味がこめられていた。
「うん、二人の分も予約しておくね。」
「よろしくね。」
笑顔でそう告げると、
行こ?とつかさがみゆきさんに言って、二人で歩いていった。
二人が離れていくのを見ながら、私は決心した。
今日答えを出そう。
今かがみが降りてきたら、悲しいけど返事を告げて、笑顔で祭に行こう。
まあ、かがみが祭りにいければの話だけど。
366七月の雪。:2007/11/12(月) 10:54:58 ID:RlO2uBk9
そんなことを考えていると、上から白いものが一つ、落ちてきた。
それは、ひらひらしながら私の足元に落ちていった。
そして同時にそれは中学時代の親友を思い出させてくれた。
「雪・・・?」
思わず、口をついて出たのが『 雪 』だった。
しかし、よくみるとそれは紙で出来た、『紙吹雪』だった。
その破片を手にとって見てみると「検定申込書」と書いてある。
本能的に振り返って家の窓を見上げた。
すると、もっとたくさん、まるでいつかの友達がしてくれた様に『 雪 』は降ってきた。
かがみが軽い気持ちで言った、私の思い出を覚えててくれたことと、
そして何より、かがみが自分より私たちをとってくれたことが嬉しくて、かがみの家に入って物凄い速さでかがみの部屋に向かった。
「かがみ〜!!! 」
私はその勢いでかがみの胸に飛び込んだ。
かがみに顔をうずめる。微かにあった温もりは、私の顔から出ていたのかもしれない。
「ちょ、なによこなた。」
斜め上を見ながら何もなかったように、と振舞おうとするかがみの顔は赤かった。
「かがみ、前私に告白してくれたでしょ。それ、OKするね!」
うずめていた顔をかがみに向け下からかがみに言った。
「えっ!本当に!?」
予想外の言葉に流石のかがみも驚きを隠せなかったようで、目が光っていた。
「うん。私かがみのこと好きだよ?」
しっかりと目を見て私は言った。
嬉しかったのか、かがみは涙を流している。
人差し指で零れ落ちる涙を拭いながらかがみは言った。
「これからよろしくね、こなた!」
微笑みながら言ったかがみの目にはまだ少し涙が残っている。
そんな初心なかがみを見ると自然と温かい笑みがこぼれる。
ふふふ、と笑いながらかがみを見上げた。
「それじゃ、早く行こう!つかさとみゆきさん待ってるよ!」
すくっと立ち上がってかがみの手を引く。
「うん!」
走って、私たちは祭に向かった。決して二人が離れないように、しっかりと手を握り合って。



367七月の雪。:2007/11/12(月) 10:56:42 ID:RlO2uBk9
「昨日の祭凄かったね〜」
「はい、たくさんの人で賑わっていましたね。」
「特にかがみがおでんの食べすぎで喉つまらせたのは、おもしろかったね〜♪
焦ってたかがみんに久しぶりに萌え〜だったよ。」
「うるさい!もとはといえば、あんたがあのでっかい玉子を食べさせたからでしょうが!」
昨日の祭の話題で盛り上がる四人。いつもと同じ光景。
だけど、変わっていたのはかがみと私の関係、だった。

第四話 【 −楽しい一時− 】
今日も、帰る準備をしてからかがみの教室に行く。
「あんた、今日バイトは?」
前みたいに普通に話せることを実感しながら答えた。
「ん、今日は代わりの子が入ってくれるから大丈夫♪」
今、多分私の顔は、幸福に満ち溢れているだろう。
「そこまで、無理して来なくても・・・・・・」
ちょっと呆れて言ってたけど、来てほしくない、という風ではなかった。
「けど、こなちゃんがいないと盛り上がらないから良かったね。」
「そうですね、大勢でいる方が楽しいですよね。」
横で二人も話している。
いつもみたいな会話だけど、今日はちょっと特別な日。
その特別な日っていうのはちょっと置いておいて・・・・・・
私とかがみが付き合っているのは、みゆきさんもそして、妹のつかさですら知らない。かがみと話し合った結果、『二人に変な気をつかわせるのも嫌だから、秘密にしておこう。』ということになった。
さっき言ってた『特別な日』っていうのはつまり、みんなでかがみの家に泊まりなんだよね。
4人で泊まるのって、確かこれが初めてじゃなかったっけ。
「みんなでお泊りって、ちょっと緊張するね。」
横から、つかさがそう言うと、みゆきさんも言った。
「私はかがみさんとつかささんの家に行くのも初めてなので、結構楽しみです。」
368七月の雪。:2007/11/12(月) 10:57:22 ID:RlO2uBk9
そんな他愛もない会話をしているといつの間にかかがみの家に到着。
着いてからお父さんとお母さん、そして姉二人に挨拶を済ませた。
かがみの部屋の方が広いのでみんなでかがみの部屋に寝ることにした。
全員入浴と夕食が終り、お楽しみのトークタイム。
学校で話すのと、かがみの家で話すのとは、なんか違ってて、一層楽しかった。
やがて、トランプにも人生ゲームにも飽きて、寝ることになった。
12:30。時間が時間だしね。
4人で十の字になって布団を敷く。そしてまた恒例の寝るまでのお話タイム。
皆で十の字の中心に額を集めて、学校では話せないことをたくさん話した。
みゆきさんとつかさは早めにダウンし、かがみと二人で天井を見ながら話した。
「あんたさぁ、進路のこととかちゃんと考えてる?」
唐突に話を切り出してきた。
「ん?かがみんが思ってるより、ちゃんと考えてるよ〜」
とりあえず、そう答えた。
そう言っとかないと、説教が始まりそうだしね。
「へぇ〜、あんたってそういうとこ『 ぼ〜 』っとしてるイメージあるからちょっと意外。」
二人が起きないように小声で話す。
「それはもしかして怒ってもいいのかな?」
「とにかく、どんな職に就くにせよ、いい大学入ったほうが有利なんだから今のうちに勉強しときなさいよ。」
「うぅ・・・、寝るときまで説教ですか、かがみ・・・。そりゃないよ〜」
そんな高校生らしい・・・とは言いがたい話をしていると自然にこれからの二人の話になってきた。
「ねえ、私たちってさぁ・・・・・・」
「ん?なに?」
ちょっと間を開けてから私が言った。
「付き合ってるんだよね。」
「そ、そうよ! 何よやぶから棒に。」
体を半分起こして、こっちを見ながらいった。
付き合ってる人に『付き合ってるんだよね』なんて言ったら、動揺するのは当たり前か。
「ん、なんかいつもと変わんないから。ちょっとあれ?って思ってさ。」
「そうねぇ。付き合うってお互いの気持ちを伝え合うだけなのかな・・・。」
ちょっと残念そうにかがみが言う。
「そんなことないよ・・・。」
小声で言ったつもりが少し聞こえたみたいだ。
「ん?なんか言った?」
漫画とかアニメとかでこういうシーンたくさんあるのに、実際言ってみるとやっぱ恥ずかしいね。
「ううん。なんでも。それにしても付き合ってる人に『付き合ってる』って言われてそこまで恥ずかしがる人は珍しいよ。」
まぎらわす為に空気を変えた。
「う〜ん、けどなんかそういうことって、面と向かって言われると恥ずかしいわね。」
私と同じ考えなのだろうか、同じようなことをかがみも言った。
「ふふっ。恥ずかしがるかがみんに萌え〜、だね。」
「うるさい!」
二人の他愛もない話をしている横で、つかさは二人に気付かれないように、しっかりと目を開けて話を聞いていた―――――――――

朝日が眩しくて、私は目を開けた。
みんなはまだ寝ている・・・、と思ったらつかさの布団が空っぽだった。
よく見るとつかさの布団の上に紙が乗っていた。それを手にとり書かれている内容を知ったとたん、私はバタバタとかがみの部屋を出て、つかさの部屋に向かった。
紙に書かれている内容はこうだ。

〔お姉ちゃんのことで話があります。〕

369七月の雪。:2007/11/12(月) 10:58:32 ID:RlO2uBk9
つかさの部屋に入るとつかさは自分のイスに座って、日記帳を書いていた。
そして、私が入ったのに気付くとゆっくり後ろを振り向いた。
「待ってたよ、こなちゃん♪」
その笑みがなぜかいつものつかさを連想させてはくれなかった。

第五話 【 −アメとムチ− 】
「話って・・・、何?」
とりあえず、私はとなりの部屋で寝ている二人を起こさないように、小声で話した。
小声ながらも、私の声からは明らかに動揺していることが分かっただろう。
「わかってるでしょ、こなちゃん。『お姉ちゃんのこと』っていったら一つしかないってこと。」
予想はしてたけど、驚いた。なんで?なんでつかさが私とかがみのこと知ってるの?
まさか、かがみが喋ったとか・・・、いやそれはない。
そんな考えを巡らせているうちに、つかさが俯きながらゆっくりとそして力強く喋り始めた。
「隠してたんだ・・・・・・。」
重々しい言葉。
信用していた友達に裏切られた、そんな言葉も連想させる言葉だった。
「い、いや、ちょ違うんだって!ちょっとこれには訳が・・・」
「訳って何!!!? 」
さっきまでの静けさを突き破るつかさの声。こんなつかさ見たことない・・・。
俯きながら、微かに体を震わせ、両手を硬く握っていた。
すると、つかさの声に目を覚ました二人が どうしたの? と言いながら廊下を歩いてくるのが聞こえた。
二人が起きたのに気付いて、いつものつかさに戻った。
「なんでもないよ〜」
と、さっきまでのつかさと別人のような顔で、つかさは部屋を出ていった。
部屋に一人取り残された私。
私の頭のなかではなぜ?の二文字が点滅していた。
ふとつかさの机の上を見ると日記帳があった。
色々な色の蛍光ペンで彩られたきれいな日記帳。悪いこととは知りながらも、気付けば私は、日記帳のページをめくっていた。

7月21日
――――――――――――――――――――――――――――――――
今日、こなちゃんと、ゆきちゃんが私の家にお泊りしに来た。
その日の夜、久しぶりにお姉ちゃんと一緒に寝た。
嬉しかったなぁ・・・。
そう思っていると横でまだ起きていた、お姉ちゃんとこなちゃんが何か話していた。
話の内容を聞いて、びっくりした。二人が付き合っていたなんて・・・・・・。
お姉ちゃんは私が好きなのに・・・、こなちゃんよりずっと、ずっと前から知っているのに・・・。
私は決めた。今日から
―――――――――――――――――――――――――――――――――
370七月の雪。:2007/11/12(月) 10:59:43 ID:RlO2uBk9
この日記は途中で終わっていた。さっきこれを書いてたんだ。
つかさがかがみを好きだってことには驚かなかった。
前から、つかさのかがみに対する態度は明らかに恋の二文字がある、と確信していた。
つかさがかがみを好きだって知ってたのに、
私はなんて軽い気持ちでOKしてしまったんだろう、と今改めて後悔した。
それにしても、あの時つかさが起きてたなんて・・・・・・。
そんなこと思ってるとかがみが部屋に入ってきた。
「どうした〜? こなた。あんたにしては早起きじゃない? 」
まだ少し寝癖が立っている髪をわしゃわしゃしながらかがみが入ってきた。
何も知らないかがみに、今見たことを全て言った。
つかさが私たちの関係を知ってること。
隠してたことを怒っていること。
ただし、つかさがかがみのことが好きだってこと以外は・・・・・・。
そして、これからの為にどうすれば良いか、も聞いてみた。
「まさか、つかさが知ってたとはね・・・・・・。」
かがみはしばらく考えてから、真っ直ぐ視線を私に向けて話した。
「隠し通すのも、だめだから・・・、いっそのこと二人に話しちゃおっか? 」
少し、ふざけた感じでかがみが言った。
あまりにも軽薄な発言に私はすこし苛立った。
「かがみ、真剣に考えてる? 」
私の言葉に苛立ちが染み込んでいたのが自分でも分かる。
「考えてるわよ、あんたよりはね。」
私の言葉にムッときたのか、かがみも苛立った口調で言い返してきた。
「かがみが真剣に考えてくれないと、つかさと私たち、ギクシャクしたまんまだよ!? 」
「私だってちゃんと考えてるわよ! ただ、姉妹だから言いにくいってだけで・・・。」
かがみの言い訳を俯いたまま聞いていた。
手は拳を握っていて、今にも出てきそうな怒りをそれで何とかこらえていた。
かがみの、家族だから、姉妹だからって理由はもう聞き飽きた。
家族だから、姉妹だからって、何なの一体!?
「もういいよ! 」
これ以上出ないくらい大きい声をだして、かがみを叱咤した。
かがみの横を早歩きで通り過ぎて、つかさの部屋を後にした。
居間に行く途中、玄関にもうみゆきさんとつかさが居るのに気付き、
急いで食パンを食べ、玄関に向かった。

371七月の雪。:2007/11/12(月) 11:01:19 ID:RlO2uBk9
四人で学校にいるときは、とっても辛かった。四人で話しているときも、どこかぎこちなく、気まずかった。
そして、つかさが口を開くたびに、私とかがみのことを話すかもしれない極度の不安に襲われた。
やっとのことで全ての授業を終え、私は机に突っ伏していた。
これからどうしよう・・・・・・
ふと窓を見ると夕焼けに赤くそまった雲がゆっくりながれているのが見えて、
校庭から部活動の元気な声が聞こえていた。
今日は、三人で先に帰っててとみゆきさんに言っておいたのでいつまでもこうしていられる。
開いてる窓から涼しい風が吹いてきて、長い髪が私の頬と耳をくすぐる。
―――今日帰ってからじっくり考えよう、それがいい―――
そう考えた私は一人教室を出て、いつもより長く感じる廊下を歩いていった。
廊下には、私の足音と、セミの鳴き声だけが響いていた。

372七月の雪。:2007/11/12(月) 11:01:56 ID:RlO2uBk9
次の日、私は放課後、机の上で脱力していた。
すると、私の異変に感づいたみゆきさんは、私のそばに寄ってきた。
「泉さん、どうかされたんですか?」
机の上で脱力している私に、横から心配そうな眼差して声を掛けてくれた。
みゆきさんに話してもいいんだろうか―――――――――――――
そう考えてるうちに、数分たってから私は気付いた。
何で私は今まで隠してたんだろ。――――
私がかがみを好きで、
かがみが私を好き。
ただそれだけなのに――――
つかさが怒っていたのは
ライバルとしてとかじゃなくて
仲間として友達として
相談してくれなかったからなのかもしれない――――
今までなんで、こんな当たり前のことに気付かなかったんだろう。
そう考えれば、つかさが言ってたことが身に沁みた。
≪隠してたんだ・・・・・・≫
あの時のつかさの目には怒りの他に悲しみが混じっていた気がする。
つかさにもちゃんと言おう。もちろんみゆきさんにも。
そう決心した私はみゆきさんに一切を打ち明けた。私とかがみの関係のこと。
それと、つかさが私とかがみの関係を知ってること。かがみとケンカしたことも全部・・・。
373七月の雪。:2007/11/12(月) 11:02:31 ID:RlO2uBk9
私が話し終わるまで、みゆきさんは何も言わず、黙って聞いてくれた。
全て話し終わると、みゆきさんはう〜ん、一段落つかせてからゆっくりと話し始めた。
「ちょっと厳しい言い方かもしれませんが、それは隠していた泉さんが悪いですね。」
みゆきさんの鋭い指摘に心が痛む。
隠し事は悪い、とみゆきさんにも怒られると思った。
「けど、今泉さんは私に話してくれたんです。」
みゆきさんの温かい言葉に、怒られる、嫌われるとばかり思っていた私は、驚いてずっと腕の中にあった顔を上げてみゆきさんを見た。
「それだけでも、こなたさんは成長したと思います。」
みゆきさんと、私が小さいころに亡くしたお母さんとが重なった気がした。
私はお母さんを写真でしか見たことないけど、母親ってこんなカンジなんだろな、と思った。
そして同時に、早くつかさに話さなければ、という気持ちにとらわれた。
「じゃあ、私。つかさに話してくるね。許してもらえるかわかんないけど」
ガタッっとイスをひいて立ち上がった。
するとみゆきさんが、体の前で小さく拳を握って、
「大丈夫ですよ。今の泉さんなら大丈夫です」
と明るく励ましてくれた。
その優しい笑顔は

とっても温かくて

とっても優しくって

友達っていいな、って改めて感じさせられたくらい


輝いていた―――


374七月の雪。:2007/11/12(月) 11:03:08 ID:RlO2uBk9
みゆきさんは、窓から、校舎から出て真っ直ぐ走っていく私を見つめていた。
≪今の泉さんなら大丈夫です≫
この言葉が励みになった。
何よりの励みになった。
みゆきさんが窓から私を見ているのに気付いて、笑顔で手を振った。
するとみゆきさんも振り還してくれる。
手をゆっくり下ろすと、私は小さく呟いた。
「ありがとう」
第六話 【 −早く、早く− 】
みゆきさんの言葉に自信を持ちながら、私はつかさの家に向かって走っていた。
長い髪が後ろでゆらゆらなびく。
早く、早く謝りたい。
それしか、頭になかった。
あたりはもう暗くなりかけていて、あまり足元が見えなくなってきた。
そしてなぜか、目から涙が零れ落ちる。
なんでだろ?なんで私泣いてるのかな・・・・・・
少し微笑みながら服の袖で涙を拭う。
≪もういいよ≫
あの時のつかさの言葉が頭の中で響いていた。
あの時のつかさは、今思えば、怒ってたんじゃなくって、悲しかったのかもしれない。
私が隠してたから、相談もしなかったから・・・・・・
そう思うと心が痛んだ。
頬を伝って、顔から落ちていく涙を見ながら、そんなことを考えていると見慣れた家が遠くに見えてきた。
見ると、門の前でつかさが黙って立っていて、家の門の方向に体を向けて
じっと何かを見ている。
近くまで来てやっと見えた。
つかさとかがみが何か話している。
つかさが私に気付いてこっちを見た。
「あ、こなちゃん。丁度良かった。話したいこと合ったんだ、三人で。」
つかさの言葉で気付いたのか、かがみもこっちを見る。
「こなた!? 何でここに・・・・・・」
かなり焦っているようにも見えたし、嫌そうにも見えた。
けど、それは後でまとめて話そう。
「私も話したいことあるんだ。二人に・・・・・・」
かがみは横で私とつかさを心配そうに見ている。
真っ直ぐつかさを見つめる、決して逸らさずに真っ直ぐ。
つかさの目の奥に前までの笑っているつかさは見えなかった。



375七月の雪。:2007/11/12(月) 11:04:36 ID:RlO2uBk9
とりあえず中で話そう、
とかがみが言ってくれたおかげで、なんとか家に入れた。
あの空気だと立ち話でもおかしくなかったし。
「家には私たち以外、誰もいないから安心してね。」

そう言いながら、家にあがるつかさ。
続いて、私とかがみもあがる。
『安心』という言葉に、なんかひっかかった気がした。
前から順番に、
つかさ、私、かがみ
の順番でつかさの部屋まで歩いていく。
つかさの部屋まで、かなり長く感じて、
変なこと言って、場を和ませようかと思ったけど流石にそれはない、と思った。
つかさもかがみもかなり思いつめたカンジの顔で歩いている。
一触即発
一言で言うとそんなカンジ。
やっと、長く感じた廊下を歩き終えて、
つかさの部屋に入った。
つかさの部屋の壁には、何枚も写真とかプリクラとか貼ってあって、
殆どがいつもの四人が映っている写真だった。
こころなしか、かがみの写真が多くて、私の写真が少なく感じた―――

第七話 【 −私の○○でいてくれますか?− 】
部屋の中央に丸い机が一つあって、
隣に勉強用みたいな机がもう一つと、少し大きめのベッドが一つあった。
私たちは、丸い机を囲む様にして座った。
外はもう暗くて
「私がお姉ちゃんを意識し始めたのはね……。」
重い空気を破って口を開いたのは、つかさだった。
俯きながら、正座した足の上にある自分の拳を見つめている。
口調は静かで、怒っている様にも、いつものつかさにも見えなかった。
「高校に入って、こなちゃんやみゆきと出会ってからでね。
その時は、二人もとっても仲が良い友達が出来て、嬉しくてしょうがなかった…。
けど…。」
歯を食いしばって、さっきよりも強く、拳を握り締めるつかさが見えた。
「けど、同時にお姉ちゃんが段々離れて行っちゃう気がしてきて、
辛かった…。
け、けど、まだその時はこなちゃんのことは親友として大好きだったし、
一緒にいて楽しかったよ?
けど・・・・・・」
つかさの表情が変わった、目つきもだ。
私は恐る恐る聞いてみた。
「けど・・・?」
キッとつかさは私の方に顔を向けて睨みつけた。
悔しかったのか、目には少し涙が溜まっている。
威圧感で、思わず後ろに倒れそうになったけど、手をついてなんとか耐えた。
「こなちゃんの所為で、こなちゃんの所為で!!」
いきりたって、つかさが立ち上がる。
そのままこっちに向かってきて、私の肩をつかみ押し倒し、馬乗りの状態になった。
もの凄い力だった。これがつかさだなんて思えなかった。
つかさがぐっと顔を近づけて私を見る。
まだ、つかさの目は私の目の奥を睨んでいた。
「あんたの所為で私の恋は!人生が全部変わったんだよ!?
なんで一年とちょっとしか、付き合いがないあんたなんかと・・・・・・」
つかさの流れる涙が、私の頬に落ち、流れてゆく。
376七月の雪。:2007/11/12(月) 11:06:27 ID:RlO2uBk9
今までつかさに『あんた』なんて呼ばれ方されたこと無かったから、
つかさの怒りが今、全て伝わってきた気がする。
興奮するつかさを背に、ずっと黙ってたかがみが静かに口を開いた。
「そんなことない・・・。」
「え?」
まだ少し、熱さが残っていた声で、つかさはかがみの方を見ながら、私をつかんでいる手をほどき、聞き返した。
半分体をおこし、かがみに顔を向けるつかさ。
かがみもゆっくりとつかさに顔を向けながら話した。
「私だって、なんでこんな奴好きになっちゃったんだろうって、何度も何度も考えた。
毎日の様に宿題見せて、って来るし、くだらないことに熱くなるし、
ラノベは読んでくれないし、オタクだし、頭悪いけど・・・・・・」
最期の方余計だった気もするけど・・・。
「そしたら、気が付いたんだ。」
「?」
まだ涙が溜まっている目で、つかさはかがみを見る。
「時間とかじゃないんだって。恋っていつするか分からない。
だから、なんでこなたを好きになったかも分かった。
一緒に居て楽しい、話が合う、趣味が同じ、そんなんじゃなくて・・・・・・」
すると今度は私を見て、かがみは言った。
「理由なんてない、『好きになる』ことに理由なんていらないって。」
「かがみ・・・・・・」
今やっと、二人の会話を聞いてて、分かった気がする。
つかさが怒った理由、みゆきさんが言ってた本当の意味が。
それは、『人を好きになる』ことに恥じらいを持つな、
付き合うなら付き合うで堂々と付き合えと、そういう意味だったのだ。
そう気が付くと、私も黙ってられなかった。
「私だって、ホントのこと言うと、最初は軽い気持ちだった。
同性愛だなんて、ギャルゲやエロゲだとよくあるシチュだから。
けど、祭のあの日私は決心したんだ。
軽い気持ちだなんてかがみに失礼だな、
だったらとことん、かがみがひくくらい好きになってやるってね。
そしたら、最初は友達としてしか見れなかったかがみが
いつの間にか、一人の女の子に見えてきたんだ。」
そういうと、私はポッケからくしゃくしゃになった一枚の長細い紙を取り出した。
それをきれいに伸ばすとかがみに差し出した。
「これ、あの祭の日、『祭おみくじ』。まだ、中身見せてなかったよね。」
かがみはそれを見ると、一気にぶわっと泣き出した。
「こなた〜!!」
今度はかがみが私に飛びついた。
かがみは私の小さな胸の中で泣きじゃくっている。
「つかさ。」
横で愛する人を取られた所為だろう、脱力し悔しさと哀しさが入り混じった涙を流している、つかさに声をかけた。
服の袖で涙を拭いながら、つかさがこっちを向いた。
「私はそりゃあ、つかさから見たらポッと出のむかつく奴かもしれないけど・・・。
これだけは・・・・・・言える。」
泣いているかがみを上から眺めながら私は言った。
「私は、家族よりも、友達よりも、誰よりも、

かがみのことが大好きだってこと。」

377七月の雪。:2007/11/12(月) 11:07:17 ID:RlO2uBk9

そう言うと、つかさは少し微笑みながら私とかがみに言ってくれた。
「ごめんね?お姉ちゃん、こなちゃん。
私、自分しか見えてなかったんだね。勝手で、自己中でホントにごめん。
もう、お姉ちゃんはこなちゃんにとられちゃったけど、だけど・・・・・・」
ぐすっとまだ泣きそうになりながら、つかさは言った。
「私の・・・大切な人でいてくれますか?」
もう、つかさの目に争いの意思は無く、代わりに今までのつかさがあった。
するとかがみが顔上げ、私と顔を見合わせた。
いつもの笑顔で、かがみと声をそろえてつかさに言った。
「もちろん!」

――――――
――――
――
「昨日のさんでいすくーる見た?」
「え?その時間帯はずっとハルヒ見てた気が・・・・・・」
「あれだけ見とけって言ったのに〜!」
「ふふっ、泉さんも少しは気をつけないと。」
いつも通り。何も変わらない日常。
それを実感しながら、私はかがみとみゆきさんと話していた。
つかさはまだ来てないみたい。
朝の待ち合わせの時にも来なかったからな、落ち込んでるのかも・・・・・・。
そう心配していると慌ただしいつかさの声が聞こえてきた。
「あぶない、もう少しで遅刻するところだったよ〜」
戸をガラガラ開ける音が聞こえると思ったらつかさが入ってきた。
振り向くと、つかさと目が合った。
「どうした〜?つかさ、またお母さんに起こしてもらったんでしょ。」
イシシとちょっと意地悪っぽい笑みを口元に見せながらかがみが言った。
「もう、お姉ちゃんそれは言わない約束でしょ〜」
焦りながらつかさが言う。
良かった、今までのつかさだ。
「焦ってるつかさも萌え〜、だね。
つかさの萌えはみゆきさんとは違った感じで・・・・・・」
「またあんたは訳の分かんないことを。」
呆れながらかがみが言った。
また今日からなんの変哲もない日々が始まる、
またいつもどおりの風景をバックに
この恋の劇は幕を閉じた。

――
―――
――――
378七月の雪。:2007/11/12(月) 11:09:20 ID:RlO2uBk9
気が付くと電車は、私が降りるはずの駅で止まっており、慌てて電車から降りた。
「危ない、危ない。これだと乗るときと同じだよ〜、まったく。」
自分で自分に呆れると、学校までの道のりを歩いていった。
気のせいか、道を歩く人が少なく感じた。
そんな疑問を抱えながらも、一人なので黙々と歩いていった。

学校の門の前まで来て、新たな疑問が出てきた。
いつも門のところに立っている先生が立っていない。
しかも、学校は静かで誰かいる気配がしない。
とりあえず、教室まで行ってみることにした。

おかしい。
教室まで行くときにも、一人も見なかった。
今日、学校休みだっけ?
けど、朝かがみから電話あったし・・・・・・。
教室の前まで辿りつき、ガラッと戸を開けた。
すると、中には誰もいなく、代わりに様々な色のチョークで、
校庭へGO!
と黒板いっぱいに書かれていた。
自然と笑いがこみあげてきて、気付くと私は走って校庭までの廊下を走っていた。
まさか、まさかね。
そんなわけないと否定する気持ちと、
そうであってほしいという期待とが入り混じって変な気持ちだった。
けど、嬉しいことだけははっきり分かっている。
そういえば今日はなんかの振り替え休日で学校は休みだったっけ。
廊下にはタッタッタッタと、私の足音だけが響いては消え、響いては消えている。
後ろには長い髪がゆらゆら揺れていて、アホ毛だけはしっかり立っていた。
運動が得意なので、校庭にはそう長くかからずに着いた。
あたりには、誰もいなく静かな校庭だけが私を待っていた。
「そんなわけ、ないよね・・・・・・」
ちょっと期待していたので、結構ガッカリした。
そう思ってさっさと家に帰ろうと思い、校門に向かって歩き出すと・・・・・・

379七月の雪。:2007/11/12(月) 11:10:59 ID:RlO2uBk9

「誕生日、おめでとう〜!!!!」

「え?」
後ろから声がして、驚いて振り返ると同時に、
虹色の紙吹雪が私の視界に現れた。

「こなた〜、誕生日おめでとう〜!!18になったからってギャルゲばっかり買うなよ!?」
「こなちゃん、おめでとう!これからもよろしくね!」
「おめでとうございます!漫画の買いすぎも程々にしてくださいよ!」
「お姉ちゃんおめでとう〜!これから、勉強教えて下さいね〜!」
「おめでとうございます。あの、ゆたかをよろしく・・・・・・」
「おめでとう〜、ちびっ子!これからもちびっ子って呼ばせてもらうぞ〜!」
「おめでと〜!ちゃんと勉強もしてね!」
「センパイ〜!おめでとうごさいます!これからも同人書くんで、そんときはよろしく!」
「おめでとうございまス!『コスプレのゴクイ』これからも教えてくださいネ!」

紙吹雪でよく見えなかったけど、向こうにみんなが一列に並んでいるのが微かに見えた。
同時にみんなのお祝いの言葉が一気に降りかかってきて、
驚きと嬉しさで、私はその場に立ち尽くしてしまった。
屋上からいっぱいの虹色の紙吹雪が降ってきていて、その雪は止むことを知らなかった。
私にはその紙吹雪一枚一枚が、みんなの笑顔に見えてしょうがなかった。
「ふふ、ツンデレのかがみが考えそうなことだね!」
遠まわしに、ものすごく遠まわしにありがとうって言ってみた。
「うるさい!一応あんたの誕生日祝いなんだからね!」
気付いたかどうかは分かんなかったけど、多分伝わったと思う。
かがみは怒りながらもすごく楽しそうな顔をしていた。
「早くこっちきてくだサイ!」
「センパーイ、ケーキありますよ?ケーキ!」
「私の手作りだよ!」
「日下部さん、つまみぐいとかしてないでしょうね?」
「ひどいこというな〜、ゆきっちは。私もちょっとは常識あるぜ?」
あの日、空から舞い降りた七月の雪は、こんなカタチでまた私と出会うことができた。
虹色になっても変わらない、雪なのになぜか温かいその雪を背に、
私はみんなの所へかけていった―――

≪終≫
380名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 11:13:15 ID:RlO2uBk9
非エロと書くのを忘れてしまって、どどんまい。
なんか文章構成とか変だと思うけど、
こんな長いやつ書いたことなかったんで投下。
すまん、イラついたら俺の所為なんでそんときは牛乳飲め。
381名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 11:16:47 ID:KZZ1RBuG
>>380

なかなかよかった。

でも、まずsageを覚えよう。
あと、最初の9レスいらないよね。保管庫にあるし。微妙に変わってるのかもしれないけど。
呼称も間違ってるところが結構あった。

気になったのはそのくらい。シナリオとかはよかったと思う。
ってことでぐっじょ。
382名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 11:19:26 ID:RlO2uBk9
うん、そこ気にしてた。
構成した後だからどうしようか迷ったんだけど
わざわざ保管庫まで行って六話まで見てから続きみてもらうのはどうかと思ったもんで・・・
けどそう言われるとそっちの方が正論だった、なんか普通にスマン。
383名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 11:24:04 ID:Y3aqpUiY
あれ? デジャビュ? とか普通に思ったじゃないかw
384名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 11:53:40 ID:SxFlHY6J
>>382
名前欄の横のメール欄って場所にsageって入れるのがスレ全般のマナーなんだぜ?
385名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 12:24:17 ID:Y3aqpUiY
>>382
どどんまい
386名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 12:33:33 ID:6g0c0ruH
こなた「怒首領舞?」
かがみ「そうよ、最近はやりの弾幕シューティングよ
    どじっ子を操作して、幾多のドジを乗り越える
    というゲーム」
こなた「へ!?それでシューティング??」
かがみ「むぅ・・・どじっ子ものだから、こなたもはまってくれると
    おもったのに・・・」


ようはどどんまい&GJ!
多少の失敗なんてめげるな!
387名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 15:39:37 ID:JOkfEkJm
>>315
だが一言言わせて貰おう。
スバルなら4WDだろう! KK3とKK4は10kgしか違わない!
388名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 15:46:58 ID:JOkfEkJm
連投スマソ。

ミーハーなRX-Rより、地味にSC車として強いGX-R・5MTの方が走り屋ぽいかと。
SC車なのでターボのワークス・TR-XX・ダンガンほどツインカムの恩恵が無く、
シングルカムしかなかったレックスVXの時代でこれらに匹敵してたから、
RX-Rのツインカムは人気取りの面が大きかった。

GX-Rと言うとマニュアル運転できない人向けの偽RX-Rというイメージが強いが、
96年の年改でRX-Rがハイオク仕様になったことから5MTが追加された。
地味にマニア向けで生産終了後に中古でタマが足りてないクルマ。
389名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 16:01:47 ID:tHNLI3OQ
今って投下おk?
5分後に投下開始しまーす
390名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 16:08:13 ID:kBTmpm2v
>>389
おkだと思われる


ところで、最近『7』をみるだけでこなフェチを思い出す。
責任を取って結婚してくd(ry
39117-234 :2007/11/12(月) 16:10:30 ID:tHNLI3OQ
実は焦り気味です、こんにちは、17-234です。
焦っている理由としては、場所が場所だからです…
学校なのでwww

介抱と悪戯の境界線 Dパート
白石×あきら
エロパートです。
この話はAからの分岐になります。
Aの気になる方は保管庫からドゾ。
投下済のBは考えずに読んで下さい。

では、いっきまーす!
「白石ってさ、やったことないでしょ。」
「ぶはっ!なななんてこというんですか!」
3回目に口に含んだときにふいてしまった。
「あ、図星?」
すいません、思いっきり図星ですすいません。
あきら様が、くすりと笑って、にやり、と笑った。
「ふーん、じゃぁ初めての相手はあたしなわけだ。」
「…そ…そうです、ね…」

―――――

ごん、という鈍い音がして、瞬間、頭に痛みがきた。
「なっ…」
あきら様の顔が、逆光のせいか、とても不気味に見えた。
「じゃぁ、あたしがかわいがってあげるよ。」
「あき、んっ…!」

僕の唇は直ぐに塞がれ、快感に包まれた。
かわいい舌が、積極的に僕の口内を攻める。
唇、歯をなぞり、舌同士が絡み合う。
とろり、と彼女の唾液が入ってくる。
キスなんて、そんなに激しかったものだろうか。
熱を帯びた舌が、息遣いが、僕の理性を壊していく。
彼女の髪を撫でようと、頭に手を持っていくと、突然つかまれた。
唇が離れる。
あ、もうちょっと、していたかったのに。

「あたしのいうこと、聞いてもらうから、ね。」

今までにないような黒い笑みを浮かべ、突然僕のベルトを剥いだ。
「ちょっ…あきら様っ…」
「なに考えてんの?こっちに使うんだよ?」
ごろ、とうつ伏せにさせられ、手をとられる。
「な、なんなんですか?!」
手を上に上げられ、頭の後ろで手を組まされる。
革のベルトではなく、安く売ってるような、あんな感じである。
かちゃ、と音がして、腕の自由は奪われた。
「なに…を…」
「白石を、かわいがるの。」
上から落ちてくる声は、なんとなくうれしそうだ。
また転がされて、僕は仰向けになる。
おなかの上に乗られて、見下される。
すごく、恥ずかしくなる。目を合わせたくない…
「ねぇ白石。」
「…はい…。」
僕のシャツのボタンが、外れていく。
なんか、人にはずされるのは、とてもくすぐったい気がする。
でもこの状況でそんなこと考えていられない。
お願いだからやめて、恥ずかしいから…!
「なにそんなに恥ずかしがってんの?」
「そりゃ、恥ずかしいですよ…やめてくださいよ…」
「駄目。」
シャツがはだけられ、下に着ていたTシャツまでめくられる。
脇腹をゆっくりとなぞられる。

「ひっ…!」
「くすぐったい?ねぇくすぐったい?」
二度も聞かないでください…くすぐったいです…
「顔が真っ赤だよ?そんなに恥ずかしいの?」
僕は半ば必死に首を縦に振る。
本当にくすぐったいのは苦手なのに。
でも、その次にされることに期待してしまう自分が憎い。
酔ってなかったら、抵抗も何もできるかもしれない。
なのに…
「白石、すごい酔ってるよね。」
「あんな量飲んだら…僕だって酔いま…んっ!!」
不意に胸を撫でられた。触れるか触れないかくらいのところを。
それを、何度も繰り返され、僕は変な声を上げてしまう。
「やめっ…ひあっ…はぁっ…」
「あたしは酔ってないけどね」



僕は固まった。
なんだって?今なんて言った?

「白石には飲ませたけど、あたしはジュース飲んでたし」

うそ、え?

え?
頭が混乱してきたせいなのか、痛くなってきた。

え、うそ、演技だっていうのか?あれが?

「だって、あれ、あひぃっ!」
頭が変な図式を描く。その混乱の中、乳首を抓られ、全身が反応する。
そんな、はずじゃ、なかったのに。

「あれ?感じちゃった?」
「ダメ、や、ふぁぁ!」

ぎり、と強く抓られ、爪で軽くひっかかれる。
体に電流が走り抜けるような感覚。背中が思わず浮いてしまう。

「やめっ…はぁ…はぁぁ…」
「ほう、白石さん、本当Mですねー」

僕はもう何も見ないように目を瞑り、顔を背ける。
もう、どうにでもなれ…!

「じゃぁ、これはどうかな……」
あきら様の顔が胸の位置まで下がる。
胸に髪が当たる。

ぺろっ
「っぅ…!!」

突然なんの前触れもなく乳首を舐められる。
なんとなく分かっていたことなのに、声を押さえることが出来ない。
唇でつままれて、舌で遊ばれて、濡れたところを軽く噛まれる。

「やっ…んぁ…!」
「へー、噛まれて気持ち良いんだー」
「あ…………。」

あきら様の声が、とても嬉しそうに僕の性癖を読み上げる。

「白石さんは、女の子にいじめられるのが大好きな、変態さんなんだねっ」
「ち、違うっ…やっ…なに、を…ああっ!!」

あきら様はにこにこしながら、立ち上がり、爪先で僕の、そこをつつく。
ズボンが一部盛り上がる原因の、そこを。

「いじめられるのが好きなら、これも好きだよね?」
「好きじゃ、な、あ、いやぁっ」
「お?でもほら、こんなに硬いんだよ?」

あきら様はにこにこしながら、ゆっくりゆっくりと爪先で裏筋を撫でる。
「ねぇ白石さん?あきらには幾つか考えがありまーす」
「……はぁ…はい」
「ひとつはー」
「んぁっ…!!!」

そこ、踏んじゃ…だめ…っ

「このままずーっとあたしが遊んであげるかー」
「ぁ…はぁ…あ、あぁっ…!」

そんな、強く、しないで…動かさない、で…
もう、何も、なにも考えられない。
ダメ、くせになりそう…気持ち良い…

「もっと気持ち良くしてほしい?」

こくっこくっ
条件反射的に頷いていた。しかも何度も。自分…必死すぎるよ…どんだけ…

「じゃぁ言ってみようかー」
えっ?
なに、なんて言えば良いんっすか!

何も言えずにいると、彼女は僕の上に座り込む。僕の、股間のうえに。
「ほらー、もう我慢できそうにないじゃん。」
「っ……!」

棒をなぞるように腰を動かされる。彼女の下着越しに感じられる温もりに、反射
的に腰を突き出してしまう。

「お、やる気ですねー、さ、どうしたいのか言ってみようかー?」

僕は彼女を見上げる。
彼女は大変嬉しそうに、にこにこしている。にやにや、にも見える…気がする。

「…あきら様の中に…入れたいです…」
「んで?」

聞かれた?!

僕の頬をそっとなでる。
「白石は、どうされたい?」
「どうって…あうっ」
耳を触られるだけでも声を上げてしまうほど敏感になっているらしかった。
僕は少し苦笑した。
この人になら、何されてもかまわない。
だって。

「あきら様の、好きにしてください。」

僕は、あなたを、
愛しているから。
全てを受け止める。
投下終了ですー
BとDではちょっと雰囲気を違えて見たかったんです。
そして終わり方も同じようにしてみました。
意地悪くwww

ということでCとEパートを待てということで。
授業いってきますノシ
397名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 16:37:47 ID:kBTmpm2v
なぜか脳内で勝手に
『白石みのる』が『ふたなりみのるちゃん』に変換されて、不必要に興奮した。
便利なキャラだ……

つまりGJです。
398名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 17:50:11 ID:28iV/KDV
我が家にある「たまごのふりかけ」という製品が、「ふたなり」に見えてしまった俺は重傷患者。
399名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 18:03:35 ID:INLUtbLD
ちなみに
ふたなりみのるんを書いてる人はいるのか?
400名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 18:20:58 ID:pb0loXPn
>>398
大丈夫さ 俺だってフズリナがフタナ
401名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 18:44:10 ID:Oj56UHTG
>>396
「…………おー…………」
「…………うわー…………」
「…………どんだけー…………」
「あらあら♪」
「……なんだよ、なんなんだよ、その可哀想なイキモノをみるような目は!」
「だってねぇ〜?」
「中学生にいいように弄ばれるとか……」
「るんるんみらくるまぞるんるんだよー」
「まぁ、あきらさんもあの年でアイドルともなりますと、ディレクター相手に枕営業で経験を……」
「うっわー!?高良、危なすぎる発言禁止ー!!」
「なにはともあれ、GJ!次は縛りかナー?」
「他人事だと思って好き勝手言うな泉ー!!一体何を縛るってんだーー!!!」
「ナニをー?」
「カタカナはやめときなさいね、つかさ」
402サンシャイン:2007/11/12(月) 19:32:12 ID:0vZx1n2G
3-575です。数コテはちょっと親しみにくいので、今回からコテを考えました。以後よろしくです。
そんなわけで投下します。
みゆきSSでタイトルは『たんぽぽ娘』。全4レス予定の非エロです。
403たんぽぽ娘(1/4):2007/11/12(月) 19:33:07 ID:0vZx1n2G
春一番が吹く頃、高良みゆきの心には一輪のタンポポのイメージが浮かぶ。
それは夢見がちな思春期の少女が思い浮かべ、大人になるにつれ忘れ去ってしまうロマンティックな想像の産物なのかもしれない。
時にそうしたイメージは生み出した少女自身に実在を錯覚させてしまうものだ(博識なみゆき自身、このタンポポをそのようなものだと分析していた)――しかしこのタンポポはそうした気まぐれなイメージの多くとは異なり、現実と遜色ない明確なディテールをもっていた。

みゆきはいつでも、タンポポの細部までつぶさに思い描く事が出来る。
それは春風と共に咲き、夏の到来を待たずに散る小さなカントウタンポポ。
頭花は夕凪の海のように黄金色で、土壌から伸びる茎はグルリと身を捻りながらお辞儀をしている。
少し虫食いのある葉の縁はノコギリのようにギザギザで、雨の日に裏側を覗くとたまにナミテントウが一休みしていたり。
ちっぽけに見えるけれども、実は枯れ草やカブトムシの幼虫の眠る土壌にどっしりと根を張り巡らせていて、台風にだって負けないのだ。
それは四六時中みゆきの心を占領し続けるわけではないけれど、ふとした瞬間ににひょっこりと頭を出し視界の隅にちらつくのだった。



このタンポポのイメージのルーツを辿る時、みゆきはひとつの他愛ない想い出に行き当たる。



高良みゆきがいつから知識を愛するようになったのかは、彼女自身も憶えていない。ふと気付けばなんでも本を読み齧り、ひとつひとつ知識を吸収する事に喜びを覚える女の子だった。
最古の記憶は祖母に買ってもらった『21世紀こども百科』だ。その分厚い事典のページを捲るごとに、それまでバラバラだった世界がまるでジグゾーパズルのように脳裏に組みあがって、ひとつの知識を構築していく。
その都度に小さなみゆきは完成した図柄の精巧さに感嘆の吐息をもらし、その喜びを少しでも分かち合おうと両親や友人に早速新たな知識を披露するのだった。

しかしその日、11歳のみゆきは悲嘆に暮れていた。唐突に、真実に気付いてしまったのだ。
放課後まっすぐに家に帰ってきたみゆきは母親、高良ゆかりに「もう図書館へは行かない」と宣言した。
喉から込み上げてくるなにかで言葉を詰まらせながらも、みゆきはつっかえつっかえ力説した。
物知りな女の子はクラスメイトたちに一目置かれはするけれど、けっして仲良くはなれないのだ。
休み時間に人だかりをつくる人気者は、本なんて全く読まないけれど、漫画や芸能人の事にはとても詳しくて、恋愛の話題に聡い、大人っぽいお化粧をした可愛い女の子。
みんなが話してて楽しいと思うのは昨日のテレビ番組や隣のクラスの誰がカッコイイかという話題であって、『ドリトル先生』も『長靴下のピッピ』も、日常に隠れた意外な物理法則や歴史も全く興味なしなのだ。
だから自分も今日から市立図書館に通う生活をやめ、少女漫画誌を読み、流行のドラマやバラエティー番組を欠かさずチェックし、ほんのちょっぴり背伸びしてファッション誌を覗いたりもする。
いくら物知りになろうと、そんな事は誰にも喜ばれないし、何にも役に立たないムダな事なのだ。
404たんぽぽ娘(2/4):2007/11/12(月) 19:34:22 ID:0vZx1n2G

「ムダじゃないわ」

幼いみゆきが腹立たしく感じるくらいニコニコと話を聞いていたゆかりは、唐突に話を遮った。驚いて母を見上げたみゆきの顔は涙でくしゃくしゃで、可愛らしい鼻はサンタのトナカイみたいに真っ赤だった。
ゆかりは全く気負った様子もなくみゆきを抱き寄せると、赤ん坊をあやすようにみゆきの頭をポンポンと叩いた。

「みゆきが学んだ知識は、決してムダにはならないわ。たとえ年をとって忘れてしまったとしても、それはいつかみゆきを幸せにするのよ」
「……本をいっぱい読めば幸せになれるの?」
「本だけじゃないわ。喜びも悲しみも、人が得たものにはなにひとつ、ムダなものなんてないの。
 たとえばこう考えてみて。みゆき、あなたがまだ小さい頃庭から摘んできたタンポポの綿毛を吸い込んで大騒ぎした事があったでしょう? 
 あの時の種は芽吹いて、今あなたの心の中には一輪のタンポポが咲いているわ。
 アスファルトでなく心で咲いたタンポポはちょっと特別で、その綿毛は幸せを運ぶようになるの。
 そして一生懸命に生きたタンポポはそれだけたくさんの幸せの種を実らせて一陣の春風を待つのよ。
 みゆきが今感じている寂しさも、いつか幸せに変わるわ」

最後に母に抱きしめてもらったのはもっと小さな頃からだったから、なんだか気恥ずかしくて、でも暖かかった。
ゆかりのやわらかな吐息を耳朶に感じつつ、みゆきは鼻水を啜りながら「ん」と小さく返事をした。
思えばそれからみゆきは母の前で二度と泣かなかったし、ゆかりが母親らしい態度を見せたのもそれが最後だった。
後になって、あの母が本当にそんな事を言ったのかと記憶を疑う事も何度かあったが、リビングのソファに寝そべりテレビを指差して一喜一憂している母を見ているとなんだかどうでもよくなってしまった。



それからいろいろな事があって今、みゆきは高校二年生だ。
カレンダーは2006年の六月を伝えていて、毎朝の通学路ではたくさんの生徒達の革靴によって桜の花びらが道路一面にスタンプされる。新入生と共に到来したはじまりの季節はそろそろ梅雨前線に呑み込まれようとしていた。 
昼休みになると、いつもの四人組はそのうちのひとりであるみゆきの机へと弁当を持ち寄っていた。彼女たちはみゆきが高校に入って出来た新しい友人で、堅苦しい授業の合間の一時をいつも一緒に過ごすのだ。
みゆきはといえば、この騒がしい友人達の隅っこにちょこんと同席し、その楽しい空気をお裾分けしてもらうのだった。
405たんぽぽ娘(3/4):2007/11/12(月) 19:37:02 ID:0vZx1n2G

「アスファルトに咲ぁく、花のよおにぃ♪」

今日も皆が思い思いに食事を進めていると、突然頭上の癖ッ毛を怪しくゆらめかすこなたが、コブシを効かせて歌いだした。即座にかがみがツッコミを入れる。

「唐突になによ」
「いやこの季節になるとタンポポってあちこちで見かけるけどさ」

微笑みながら友人たちのやりとりを聞いていたみゆきの心臓が、ドキリと飛び跳ねた。そっと視線をやるとにぎやかな教室の隅でみゆきにしか見えない一輪のタンポポが揺れている。
カントウタンポポの開花時期は夏の訪れを待たずに通り過ぎる。花弁はすっかり散って、今では大きな綿毛をつけて重たそうに頭を垂れている。
最後にゆかりの胸で泣いてからもう5年が経った。様々な本を読んで楽しかった。ひとりで寂しかった時もあったし、やっぱり高校受験はなんだかんだで大変だった。
あの時芽生えたタンポポは今ではたくさんの幸せの種を抱えて、旅立ちを待っていた。

「あれってさ、栽培して食べられないのかなー」
「え、食べちゃうの?」

すっとんきょうな声をあげるつかさ。

「あんたには普通に春の空気を楽しもうって気がないのか?」
「まぁまぁかがみん。いつ編集部に見捨てられて収入が途絶えるかわからない作家のうちには、常に自給自足出来る食糧が必須なのだよ」
「……また妙に世知辛い事を。おじさん泣くぞ」
「むぅー。とにかく教えてみゆきさ〜ん」
「え、ええとそうですね……」

突然話を向けられてみゆきの思考はたたらを踏む。けれど三人のまっすぐな期待の視線に晒されて、戸惑いながらもみゆきは話し出した。
記憶の図書館をゆっくりと散策し、遥か昔に学んだ知識からタンポポに関するものを呼び起こす。
その時ふわりと春の匂いがした。

「東西問わずタンポポには様々な薬効があると言われています。
 西洋ではタンポポの根はカフェインを含まない、コーヒーの代用品として親しまれてきましたし、若葉はハーブとしてお茶やサラダに用いられる事もあります。
 一説によるとセイヨウタンポポは食用として日本に持ち込まれたそうですよ」

そうこれは沈丁花……春の先触れを告げる香りだ。誘われるようにタンポポの周囲をキチョウが舞い始める。それは前触れだった。
あっと内心で声をあげ、みゆきはこれからなにが来るのかを悟った。

「ご存知のようにタンポポはアスファルトでも芽を出す強い植物なので、育てるのも比較的簡単です。土に植えれば一ヶ月程度で開花に至ります。
 日本のタンポポは春から夏にかけてのごく短い期間しか花をつけませんが、セイヨウタンポポは温度さえ適切なら一年中いつでも花を咲かせます」

南西からのそよ風に煽られて、綿毛いっぱいのタンポポは首を傾げる。穏やかな日光が少しずつ、葉の表面を覆う朝露を払っていく。
穏やかな風景とは裏腹に、遥か彼方で朧雲がさぁと早瀬のように押し流され、やがて透き通るような青空を暢気なわた雲が覆い始める。
406たんぽぽ娘(4/4):2007/11/12(月) 19:37:54 ID:0vZx1n2G
「ちなみに勘違いされがちですが、タンポポの英名“ダンデライオン”とはライオンの歯という意味で、小さな花弁をライオンの牙になぞらえてこう名づけられたそうですよ」
「お〜」
「勉強になるわね。てっきりタンポポをライオンの鬣に例えてるのかと思ってたわ」
「さすがゆきちゃんだね」

説明を終えると皆が口々に感心したように声をあげる。
そして話の発端になったこなたが、いつも眠そうな瞼でかくれんぼしているそのどんぐり眼をいっぱいに見開いて、みゆきに無邪気に笑いかけた。

「ありがとぉ、みゆきさん」



その瞬間、みゆきの心に暖かい風が駆け抜け、タンポポの綿毛は一斉に宙を舞った。空高く浮かぶ幸せはみゆきの心の隅々にまでゆっくりと降り注いでいく。
陽光がキラキラと和毛に反射して、それはまるで真昼に飛び交う蛍のように綺麗だった。そしてそっと着陸し、土壌に根を下ろす。
これがあの日母の言っていた事だったのだ。
みゆきは胸いっぱいに幸せを吸い込んだ。この時のために、私は一輪のタンポポを大切に育ててきたんだ。
彼女たちが春風だったんだ。
来年の今頃には、みゆきの心は大地いっぱいに広がるタンポポ畑になっているだろう。そしてそのひとつひとつが想い出を積み重ね、幸せを育てていく。

「はい」

みゆきは満面の笑みを浮かべて友達に答えた。
風に乗った綿毛はかがみやつかさ、こなたの心にふわりと届いた。顔を見合わせると自然と笑みが毀れる。



幸せな四人の声は、昼休みが終わるまで途絶える事なく続いたのだった。



〈 了 〉
407サンシャイン:2007/11/12(月) 19:39:31 ID:0vZx1n2G
以上です。
他のメンバーに比べると本編にもSSにも出番のないみゆきさん。
たまに出てもどうにもコメディ担当なみゆきさん。
あげくにこなフェチで遂に人外にさえされてしまうみゆきさんですが(もちろん大好きなんですが!w)、みゆきがどういう思いで「みwiki」でいるのかっていう、内面心理を扱った作品があまりなかったと思うので自分で書いてみました。
文章はロマンチックな表現を重視したので意図的に整合性を無視してる部分が多々ありますが、深く考えずにそういうものだと思ってくださると助かります。ゆかりがカッコイイのも仕様です。
今回のSSでようやく主要メンバー四人全員を網羅できたので、自分の中では一区切りついた感じです。これからもなにか書けたらいいなぁと思います。
408名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 20:04:32 ID:5ljSOpyb
なんというみゆきさん萌えGJ
これでまたみWikiさんの魅力を再確認。

ちょっとニコニコのみゆきキャラソンで
「そんなことないよ」弾幕してくるノシ
409名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 20:32:19 ID:EDnPLmj8
>>407
あー! あー! あー!
満面のみゆきさんスマイルが脳内上映されてえらい事になったじゃないか! もっとやれ!!


ええもう。うっかり泣きそうになりました。ぐっじょぶ。
410名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 21:02:13 ID:xHuOH8kZ
>>396なんだろうこの気持ち…初めてのこの感情…

中学生に攻められるみのるイイヨイイヨー
別パートもwktkしながら待ってます
411将来ニートになるかも:2007/11/12(月) 21:23:23 ID:nEiWKLaI
>>407
あーもー!どうしてくれるんですか!みゆきさんのひまわりスマイルが脳内
にこびりついてとれないじゃないですかああ!!

ようするに、GJでした!!
412名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 22:20:33 ID:q9XlGe6L
>>398
白石MシナリオGJでした。
やっぱり白石はあきら様にいぢめられるのが一番らしいですね。
ああ、でも時には強気の彼も見たい
続きに期待してます

>>407
GJでした。
ゆかりママがカッコイイのナイス。
あんな人はぽけーっとしてても、時々すごくいい事をさらりと言いそうですよね。
なんだか今までよりずっとみゆきさんを好きになれた作品でした。
……ところで、たんぽぽ娘、成績優秀、巨乳であるキャラが思い浮かんで……
「ひらがなみっつでみゆき……」
413名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 22:21:41 ID:q9XlGe6L
>>398じゃなくて>>396だった……
414名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 22:48:10 ID:qtTiHmY9
>>413
どどんまい
415名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 23:29:08 ID:QVX+/rhU
>>407
目に浮かぶような情景描写、丁寧でやさしい文体、みゆきさんの人柄がでてるなあ。
GJです。
4164-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/11/13(火) 00:12:57 ID:XoNPsId4
http://www.geocities.jp/extream_noise/rakisutaep/img/dodonmai.jpg
うん。時間が無かったんだってヴぁ
417名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:18:50 ID:31yG940Y
えー! いや、そっちかよ!w

てっきり>>407氏の素晴らしくリリカルで綺麗な文章で描かれたような
一面のたんぽぽ畑のイラスだと思ってクリックしたさっきの自分にどどんまい

要するに>>407氏も>>416氏もGJ

あ、あと5分か10分くらいしたらSS投下したいと思います
4187-896:2007/11/13(火) 00:21:51 ID:4LyJlbbo
>>417
全裸で待機です!!(`・ω・´)チャキーン
419名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:23:00 ID:4LyJlbbo
なんでまた(´・ω・`)
420名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:25:04 ID:E1We1Lag
>>419
どどどんまい
421名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:26:26 ID:C1unldXv
今日も読ませる作品が目白押しですな。ゆっくり読む時間取るのが大変だ〜
まとめてですまんですが、全ての職人にGJ。


>>339
おまwwwww
その本読みてぇw
422名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:33:36 ID:qZ82WvP6
>>339
エンジンブローしちゃう!らめえええええええええええ!!
423名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:38:37 ID:Eq0v41/W
>>419
あんた素でかわいいな
天然系か
42416-187:2007/11/13(火) 00:39:41 ID:31yG940Y
すいません宣言から遅くなりました。
それでは投下します。

■こなたとパティです(でもカップリング的にはこなかがです)
■非エロです

9レスになります。
425東萌見聞録(1/9):2007/11/13(火) 00:41:21 ID:31yG940Y
 Dear Betty.

 しばらく手紙だせてなくてSorryネ。調子はどうですカ?
 ハレハレは上手く踊れるようになりましたカ? ルルーシュの同人誌は進んでますカ?
Mikeとは上手くいってますカ?

 本当にJapanはANIME天国で毎日楽しいヨ! TV ANIMEも毎週100本くらいやっていて、
毎日見るだけでも大変デス。
 そんなANIME漬けの生活も半年が過ぎテ、ようやく慣れてきましタ。
 落ち込んだりもしたけれど、ワタシはげんきデス。
 ――あ、コレ『KIKI's Delivery Service』のネタですネ。
 こっちでのGHIBLI作品の人気はAmerica以上で、コクミンテキANIMEって云われてマス。
そこら中でバルスバルス云っていて、そうするとみんな「メガーメガー」って答えないと
いけないんだヨ。Japanはホントに不思議な国デス。

 というわけで、Bettyも気になってるだろうし、今日はそんなJapanのことをいっぱい
紹介したいと思いまス! 今回もService Serviceネ!

――――――――――――――――――――――――――――――――
 東 萌 見 聞 録
 とうほうけんぶんろく
――――――――――――――――――――――――――――――――

 JapanのPeopleは、みんなANIMEの萌えCharacterみたいデス。
 信じられますカ? みんなホントにHair Colorがアヤナミみたいに青かったり、
ナガトみたいに紫だったり、エウレカみたいに緑だったりするんだヨ!
 ああいうのはパッと見で目立たせるためにHair Colorを変えてるんだと思ってたでショ?
実はJapaneseの髪型のRealな表現だったって知って、ワタシもビックリしたネ。
 やっぱりANIME大国の住人は遺伝子からして違うんだネ。Americaも色んな肌の色した
人種がいるけど、Japanは『多国籍ってLevelじゃネーゾ!』デス。

 それに、みんな当たり前のようにCharacter属性を持っていまス。
 ツンデレは云うに及ばず、ビョージャクとかメガネッコとかフジョシとかテンネンボケ
とか、沢山沢山あるデスネ!
 そして、Veryモエモエな属性を持ってるCharacterは、みんなに尊敬されまス。
 JapanではAmericaみたいに人間を行動力とか学力とか資産とかでは評価しませン。
その人がどれだけ萌え属性を持ってるかで社会的な地位がきまりまス。
 ちなみに陵桜で一番偉いのがコナタですネ。
 コナタは3年生で、チビロリオタ属性を持っていまス。でも、他にも色々な属性を
持ってる不思議なCharacterで、なぜかみんな自然とコナタのところに集まっちゃいマスネ。

 そう、萌える人の元には自然と人々が集まって、その人を中心にしたCommunityを形成
するのでス。
 萌えCharacterはみんなにチヤホヤしてもらえるし、宿題見せてもらえたり、保健室に
連れていってもらったり、お菓子をもらえたりしまス。
 そして、周りの人はおかえしにその人で萌えられて幸せになれまス!
 どうですカ? みんながHappyになれる完璧なSystemでショ!
 このMethodに気づいたとき、ワタシは感動にうち震えたネ! これこそMOE Communeでス!
世界中にこの萌え共産主義が広まれば、みんなみんなHappyネ! BushもこのMOE Communeに
入れば、ゼッタイ世界がPeacefulになるヨ!
426東萌見聞録(2/9):2007/11/13(火) 00:41:57 ID:31yG940Y

 でも、Japanもいいことばっかりじゃないデスネ。
 残念だけど、こっちでは男女差別が盛んデス……。この点はAmericaのほうが進んでるネ。
 Japanでは男性はいつも輪郭しか見えなかったり、声がみんなゲンドウだったり、そも
そもあんまりいなかったりして、基本的に男子は存在そのものが差別されてるネ。
 だからJapanでは代わりに女の子同士でイチャイチャするんだヨ。ワタシの周りでも
ミナ×ユタとか、コナ×カガとか、ツカ×ミユとか、ヒカ×フユとかが盛んデスネ。
 まあ、その方が萌えるからモーマンタイネ! Japanでは全てが萌えのために動いている
のデス! ワタシも毎日萌え萌えネ!
 but...スザ×ルルとか古×キョンみたいなのもたまには見たいデス……。

 これでJapanの政治や社会のことは十分判ったと思いマス! 次は地理ネ!
 Japanの大都市といえば、大須、大阪日本橋、池袋、中野などが有名デスネ。
 でもなんといってもイットーBIGなのがアキバでス! Japan中、いえ、世界中からイタ車に
乗ってOTAKUが集まってくる聖地ナノデス!
 Japanについたとき、Apatomentoに向かうより先にアキバにきたヨ! 駅前ではMaidサンが
出迎えてくれて、オカエリナサイマセって云ってくれましタ。
 初めて来た街なのに、全然そんな感じがしなかったネ。帰ってきたって感じがしたんだヨ。

 MelonBooks、GAMERS、Radioカイカン、トラノアナ、and so on and so on...。
 雑誌とNETでしかみたことなかったShopがそこかしこにアル! 駅も看板もビルも道路も
モエモエCharacterで溢れてル!!
 ちょっと歩くだけで、ワタシはすっかりこの街のトリコになってましタ!
 Betty、Japanはやっぱり萌えの国だったヨ! Japanは街も家も道も何もかも萌えで出来てたネ!
Marco Poloもビックリ、東方は赤く萌えていター!!

 気がついたらAmericaから持ってきた荷物より、アキバで買い込んだ荷物のほうが多くなって
いましタ。
 でもアキバのオソロシサはそれだけじゃありませン。コレカラガホントウノジゴクデシタ……。
 フラフラになって公園で休もうとしたら、Oh My GOD! My GOD! そこではナント、みんなで
あつまってハレハレ踊ってましたネ!
 キョンにナガトにハルヒのCostumePlayしたVIPPERが沢山集まってたんだヨ!
 気がついたらワタシも飛び入りで参加してましタ!
 一緒にハチャメチャに踊ってメチャクチャ盛り上がったヨ! ワタシがミクルBeamすると、
みんな叫びながら吹っ飛んでってくれたネ。
 陽が沈むまで一緒に踊って、ふとワレに帰ったらRareなTrading Cardや限定Goodsを沢山沢山
Presentしてもらってましタ!
 ワタシはズイキの涙を流して思ったヨ!
 アキバ凄いデース!
 アキバ最高デース!!
 アキバHENTAIデース!!!

 そしてワタシは今、そんなアキバで働いているんデス!
 こんな凄いアキバ文化のイチヨクをワタシなんかがニナッテルなんテ、身に余るKOEIデス。
 それもこれも、全部コナタのおかげデスネ。あの日コナタに会えなかったら、多分ワタシも
こんなにモエモエな生活送れていませんでしタ。

 ――そう、それはワタシが陵桜に入学した日のことだったネ。
427東萌見聞録(3/9):2007/11/13(火) 00:42:42 ID:31yG940Y

   ☆   ☆   ☆

 校庭のCherry Treeが綺麗でシタ。Cherry Blossomがヒラヒラ舞い散る様子は、『SAKURA WARS』のOpeningみたいだったヨ。
 周りにはこれから3年間一緒になる一年生たちがいましタ。
 やっぱりJapanのオンナノコは小柄でカワイイコが多くて、背が高くて無駄に色んなところが
膨らんでルワタシは、少し気後れしてましたネ。
 ダッテ、ミンナがワタシを見る目は、普通の同級生を見る目じゃありませんでしたカラ。
 自分たちと違うヒト――ガイジンを見る目つきでしタ。
 それまでバタバタしててあんまり気づかなかったことだけド、これから異国で暮らすんだって
思ったラ、急に少し不安になりましタ。

 でもそのとき、どこかから巨大なプレッシャーを感じたのデス。なぜか額にイナズマが光った
気がしましタ。
 振り返ると、そこに青い髪をしたチビロリな子がいましタ。ぴょこんと飛び出たアホHairが
Cuteだったヨ。
 チビロリは予約特典つき限定BOXヲ場末の中古Shopでみつけた人みたいな感じで、目を輝かせ
ながらワタシのほうに近づいてきましタ。
 一目でわかったネ。このコは同類だってコト。
 Stand使いはStand使いと惹かれ合う――そんな言葉がノウリをよぎりマシタ。
 
 チビロリはしきりに顎をさすりながら「ほう、これはこれは……」などと呟いてたネ。
 なんだかジロジロワタシのチチシリフトモモの辺りを眺めてたヨ。
 ここは矢張りアスカみたいに引っぱたくべきか……マホロみたいに「エッチなのはいけないと
おもいまス!」とたしなめるべきカ…。
 ワタシがそう悩んでいるト、チビロリはハッとした様子で顔をあげテいったネ。
「あ、ご、ごめんごめん、さすがに失礼だったよね。いや、ね、キミだったら某戦うウェイトレスに
ぴったりだなぁって思っちゃったんだよ」
 チビロリがそう云って照れながら頭を掻いて謝る姿は、ナカナカにGood MOEでしたネ。
「戦うWaitressでスカ? 未来からやってきたオシャマなCupidの?」
 ワタシがそう答えると、チビロリは途端に顔を輝かせて喜びマシタ。顔の横でパタパタと
手を振るさまにハ、萌え狂わんばかりの愛くるしサがあったネ。
「そ、そうそうそれ! それだよー!! なんだやっぱりわかるんだ! やはりわたしの目に
狂いはなかったか……。一目見てこのコはわかるコだって思ったんだよね、うんうん」
「わかるもなにも、Californiaのミクルとはワタシのことですネ! てーい、ミクルBeeeam!」
 ワタシがそういってWinkすると、チビロリは「ぐはッ」って云いながらクルクル回って吹き飛び
マシタ。
「……ぬう、素で碧眼のみくるビーム恐るべし……。きさま、その技で何人のオタクを萌え殺して
きた…」
「……ふっ。100人から先は覚えてイナイ」
「って、それ北斗の拳じゃん! パンの枚数じゃないんだ!」

 そんなコトを云ってるうち、金髪を後ろで縛った女のヒトが、遠くから走ってくるのが見えましタ。
「おー! いたいた、何やっとんのやマーティン! 担任の浅川先生が『留学生が見あたらないー!』
ってオロオロしとったで」
「Oh! Sorry! ショクインシツに挨拶にいかないといけないんでしたネ! ドーモスミマセン、
クロイセンセー」
 クロイセンセーはJFIEの交換留学プログラムで学校側の窓口になってくれたヒトですネ。
 そのセンセーはワタシの返事を聞くと、今度はチビロリの方をむいて話しかけましタ。
「って、泉もや! 国際交流を邪魔したくはないねんけど、はよクラス割り確認してこんかい。
SHRもすぐ始まるねんで」
428東萌見聞録(4/9):2007/11/13(火) 00:43:14 ID:31yG940Y

 チビロリはそんなセンセーの話を聞くともなしに聞きながラ、小首をかしげてワタシを見つめて
いましタ。
「そっか、マーティンさんっていうの? 外国からきたんだね」
「ソーデス。ワタシの名前はPatricia Martinデース! よろしくデス、エート、イズミサン?」
 そういって差し出したワタシの手を、イズミサンは不思議そうな顔でみつめてましタ。
 あ、失敗した、と思いましタ。JapanではあんまりShake Handsの習慣がないノデス。
 でもイズミサンはすぐワタシの手を握り返してくれましたネ。
「よろしくねマーティンさん! わたしは泉こなた。泉がファミリーでこなたがファーストネーム。
ファーストで呼んでくれていいからね!」
「Oh! ワタシのこともパティと呼んでくれると嬉しいデース! また会いまショウ、アヤナミ!」
「って、パティ! ファーストって、ファーストチルドレンのことじゃないから!」

 そう云いながらクロイセンセーに引きずられていくコナタに手を振りながラ、ワタシは幸せな
気持ちで一杯だっタネ。
 気がついたらさっきまでの不安ナンテ、かけらも残っていませんデシタ。

 このときコナタに出会えたことデ、どれだけわたしが救われたことでショウ。

 最初からガイジンに接する態度じゃなくテ、同類の仲間として扱ってくれたコト。
 ワタシのGlamorな身体つきやBlue Eyesを、異質なものとしてじゃなくテ萌え要素として考えて
くれたコト。

 コナタのおかげで、ワタシはこの国に本当に受け入れられたと思えたのデシタ。

 仰ぎ見れバ、青い空の色はAmericaとなにも変わりませン。

 だからワタシハ、安心して陵桜の校舎に入っていくことができたのでス。

   ☆   ☆   ☆

 そして1ネンDグミでも、とてもタイセツなトモダチができたんだヨ。

 ヒヨリンとは目と目が合った瞬間、トモダチになってマシタ。
 ワタシがうなずくとヒヨリンもうなずき返してクレテ、それだけでもう言葉はいりませんデシタネ。
 ヒヨリンはメガネッコでフジョシで、そしてSuper Artistデス。
 落書きを見た瞬間、思わず「あなたがGODカ!」と叫んでしまいましたネ。
 こんなに萌えなIllustrationを描けるヒトが普通のジョシコーセーをしているなんて、
シンジラレナーイ!
 そう云ったらヒヨリンはしれっと「いやー、私なんてまだまだっスよ。日本の同人作家は
中高生から普通に大手になっていくっスからねぇ〜」なんて云うのデス。
 Japanのオソロシイところはこういうトコロなんデスネ。オタク文化を支える裾野が
トンデモナク広いのデス。AmericaがJapanに追いつくには、あと50年は必要デス。
 ヒヨリンの同人誌、Bettyにも送りたいんだけド、税関を通るかどうか心配デス……Sorryネ。

 ユタカとはコナタに紹介されて仲良くなったネ。ビョージャクですぐ具合悪くなっちゃうコ
だからよろしくって、コナタに云われマシタ。
 でもユタカと話してるうちニ、コナタに云われたからじゃなくっテ、純粋にこのコとトモダチに
なりたいって思うようになってましたネ。ケナゲで優しくてとてもいいコだヨ。

 ミナミはユタカの恋人デス。本人タチは否定してるけど、どー見ても恋人ネ。よくヒヨリンとは
どっちがセメかでギロンになりまス。
 ナガトみたいなムクチCharacterだけど、たまに見せるオンナノコらしいところが最高に萌え
なんデス。

 授業が終わると、ワタシタチは一緒に帰りマス。
 普段はヒヨリンとユタカと一緒のTrainなんだケド、バイトがあるときはミナミと一緒の
“ノボリミン”になりますネ。
429東萌見聞録(5/9):2007/11/13(火) 00:43:47 ID:31yG940Y
 出勤して更衣室の大きなLockerを開けると、沢山のCostumeが並んでいマス。
 Waitress、Maidサン、Bunny Girl、セイフク。全部ミクルが『ハルヒ』で着てたCostumeデスネ。
 そう、ワタシが働いているのはアキバのCosPlay Tearoomなのデス!

 あの日の放課後、1-Dの教室に来たコナタにさっそく誘われたのデス。このお店で働かないかっテ。
「……うち、ハルヒも長門もいるんだけど、いい感じのみくるがいないんだよね。その、
色々日本人には厳しい条件があるからねー……」
 そう云うコナタの視線はワタシの胸元にスッカリ固定されてましたネ。
「Oh! それは願っタリですヨ! 仕送りデOTA Goods買うのもDaddyとMammyに悪いデスシ、
ナニヨリ聖地アキバで働けるなんて凄すぎマース!」
「おおー、ありがとうパティ! 店長も喜ぶよ。いつでもいいいからさ、落ち着いて都合が
よくなったら連絡してね」
 そういってコナタはワタシの手を取って上下に振りましタ。それは嬉しそうな様子でした
ケレド、ナニカ朝のテンションと違って、どこか寂しそうにも見えまシタ。
 だから、ワタシは気になって尋ねてみましたネ。
「あ、うん……わかっちゃった? クラス割りでちょっとね……。一番一緒になりたい人と
別々になっちゃって、落ち込んでた所なのだよ〜」
 そういってコナタは寂しそうに笑いましタ。心なしかアホHairも萎れて見えたのを覚えてマス。
「あ、お姉ちゃん! あれ〜? パトリシアさんと友達なの?」
 そのときToiletから帰ってきたユタカがコナタに声をかけてきて、その話は中断しましたネ。

 『一番一緒になりたい人』が誰のコトだったのかハ、そのあとすぐにわかりましタ。
 ヒイラギカガミサン。ツインテールでツリ目のツンデレChara。

 ――それが、コナタのイチバン大好きな人。

「ごっめ〜〜ん! 遅れたっ」
「アッヒャアッ!」
 急にドアを開けてコナタが入ってきたので、物思いに耽っていたワタシは思わズ叫んじゃい
ましたネ。
「ん? どったのパティ?」
 垂れ目を細くしてコナタが尋ねまス。
「ナ、ナナ、なんでもないでス。急にドアが開いてビックリしただけデースネ!」
「そっかー。お、今日はメイド服か。うむ、やっぱり萌えといったらメイドでしょう!
よし、みくるちゃん、これから部室にいるときはその服着るようにしなさい!」
 着替えながら喋っていくウチに、コナタの目はだんだんパッチリ開いていきマス。
それトともにヘニョっとした声がハルヒに近づいていくのデス。
 最後に団長腕章をつけると、そこにいるのはドコからみても『ハルヒ12歳』みたいな
コナタなのデシタ。
「よし! それじゃいくわよみくるちゃん! 不思議を探しにSOS団出動よ!」
「Yes Your Highness! ガンバリマショウネ!」

 そうやって、ワタシタチは今日もアキバで働くのでス。

   ☆   ☆   ☆

 ――って、あれ? おかしいですネ? 気がついたラ、なんだかJapanの紹介っていうヨリ、
ワタシの日常のお話になってましタ。
 でもFriendに送る手紙としてはそれでもいいよネ!

 あ、そうそう、最後になっちゃったケド、ワタシとコナタでOriginal CDを作ったから
送りマスネ! 音楽はテンチョーがDTMで作ってくれましタ。BettyのPCをPatty Pattyにシテあげるネ!
 ……CDなら税関でボッシュウされたりしないヨネ?

 冬休みにはソッチに帰ろうと思ってるカラ、また夜通しPajamasでANIMEみようネ!
 ソレデハまた手紙書きマス!


                   Peace, Love and MOE!
                     Patricia Martin
430東萌見聞録(6/9):2007/11/13(火) 00:44:19 ID:31yG940Y
――――――――――――――――――――――――――――――――


“……Patricia Martin”

 そう書いて、パティはペンを置く。
 思いの他時間が掛かってしまった。
 CDを取りに店にきたついでに、書きかけの手紙を書ききってしまおうと思ったのだ。
 すぐ終わるつもりで書き始めたのだけれど、思いのほか書きたいことが増えていってしまった。
 気がついたら更衣室の窓の外はすでに宵闇に閉ざされていた。
 アキバの夜は早い。すでに主立った店も閉まり、街は早々に夜の顔を見せている。
 この店ももうすっかり夜の装いだ。8時以降、ここはお酒を出すコスプレ居酒屋になるのだ。

“それにしても……”
 もう一度手紙を読み返してみて、パティは苦笑する。
“本当に前半と後半がバラバラですネ……。なんでこんなことになってしまったのでショウ?”
 そう自問してみて気づく。
 後半の描写は、実は『日常』ではなく『こなた』のことを書いていたのだということを。
 結局パティにとって、日本のイメージの多くがこなたによって占められていたのだ。

 ――ああ、そっカ…これってもしかしテ……。

 物思いに耽りながら視線を彷徨わせていると、自然とこなたのロッカーが目に入る。
 ロッカーには鍵が刺さったままだった。
“モー、本当にコナタはずぼらですネ”
 ふとそう思ったけれど、すぐに考え直す。日本はそれだけ平和なのだった。
 自分がしてることの意味を深く考えないまま、パティは刺さった鍵をくるくる回して
ロックを外し、ロッカーを開けた。
 ハンガーには北高の制服やバニーガール、メイド服などのコスプレ衣装が掛かっている。
 ラックには雑然と物が置かれてあった。
 アニメ雑誌。漫画。出たばかりのラノベ。開けられないまま放置されたダブリの
ガチャポンカプセル。プライベートな小物入れ。

 こなたの匂いがする。

“Oh! ワタシ、なにやってるのでショウ……”
 不意に自分がしていることに気づき、赤面してロッカーを閉めようとしたパティを
パティが見つめていた。
 扉の裏に設置された大きな鏡に金髪碧眼の少女が写っていた。他人のロッカーを無断で
開けている自分の姿が写っていた。
 その恥ずかしさにいたたまれなくなり、パティは自分から目を逸らす。

 そのとき、鏡の片隅にプリクラが貼られているのに気づいた。

 こなたとかがみの二人が写っているプリクラだった。
 かがみは顔を真っ赤にしながら照れ笑いを浮かべていて、こなたはそんなかがみに頬を
すり寄せてVサインをしている。
 パティの胸がちくりと痛んだ。
“なんででショウ、ワタシ……”
 パティが自身の胸の裡に芽生えたその感情に困惑したとき――
431東萌見聞録(7/9):2007/11/13(火) 00:44:54 ID:31yG940Y


「WAWAWA忘れ物〜♪」

 調子外れの歌を歌いながら、ドアを開けてこなたが入ってきた。

「アッヒャアァァァァァァァーーーーッ!!」
「ぬわぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!」

 慌ててロッカーを閉めながらパティが発した叫び声に、こなたも驚いて飛び上がる。
「……ど、どったのパティ?」
 凍りついたようにその姿勢で固まったまま、こなたが尋ねた。
「ナ、ナナ、なんでもないでス。急にドアが開いてビックリしただけデースネ!」
「……そう? ならいいけど……ってか驚かしてごめんね〜」
「イエ……ワタシの方こそSorryネ。コナタ、てっきりもう帰ってるカト……ナニか忘れもの
したですカ?」
 パティはこなたに背を向けて尋ねる。
「んー、ちょっとね、かがみに借りたラノベ、ロッカーにおいてきちゃった」

 パティの胸がドクンと跳ねた。

 顔を逸らしてこなたを見ようとしないパティを尻目に、こなたはロッカーに向かった。

 ――鍵……開きっぱなしデス…ネ……。

 目を閉じてパティはぎゅっと縮こまる。
 このあとこなたに尋ねられるだろう質問にどう答えればいいのだろう。
“あれ? なんで鍵開いてるの? パティが開けたの?”
 けれどその質問は発せられないまま。
 こなたはなにごともなかったように、ドアを開けてごそごそと荷物を取り出している。
 ――アレ? 気づかなかったですカネ?
 パティが少し安堵したとき、こなたが後ろを向いたまま言葉を発した。
「ねえ、パティ?」
「ハ、ハイィッ!?」
 思わず語尾が裏返る。
 ――モ、もう終わりでスネ……。
 パティは両手で耳を覆ってうずくまる。けれどこなたが続けて云った言葉は、予想とは
違っていた。

「……パティってさ、毎日誰もいない部屋に一人で帰るんだよね?」

 真剣な、こなたの口調。
 思わずパティは振り向いた。
 こなたもいつのまにか振り返っていて、パティのほうをみつめていた。
「は、ハイ、そうですケド……?」
 パティは狐につままれたような気持ちで答える。
「それってさ、寂しくないの……? アメリカからたった一人で来て、誰もいない部屋に
たった一人で帰るなんて……」

 それは全くの不意打ちだった。
 パティ自身、そういった概念を考えたこともなかったのだ。

 ――寂しイ…? ワタシがですカ……?
432東萌見聞録(8/9):2007/11/13(火) 00:45:47 ID:31yG940Y


 けれどその言葉は今の感情に不思議としっくりくるような気がした。
 初めて日本に来てアキバで騒いだあの日も、陵桜の校門を潜ったあの日も。
 パティはたった一人だった。
 パティとこの国を繋ぐのは、細い細い糸。ただオタク文化に対する敬慕だけ。

 そうしてルーツから切り離され、たった一人でこの国と向き合おうとするパティの前に
こなたは現れた。現れて、パティとこの世界との橋渡しをしてくれた。

「ほら、留学生ってさ、ホームステイとかするじゃん? で、突然やってきたカワイイ女の子と
一つ屋根の下で暮らすことになってー、みたいな。王道パターンだよねー」

 人差し指を立て、うなずきながらこなたは云う。
 パティはそんなこなたを呆然とみつめながら思う。

 ――寂しい…そう、ワタシは寂しかった。

“だかラ? だからこんなにコナタのことが気になるノでしょうカ…? コナタがいなかったら、
ワタシが一人になってしまうカラ?”

 考えてみたら、ゆたかやみなみと出会わせてくれたのもこなただった。
 ひよりとあんなに仲良くなれたのも、こなたとの出会いのおかげで、学校でもオタクを隠す
必要はないと教えてくれたから。

 そう、Bettyへの手紙を書いていて、あのころの気持ちを思い出したのだ。
 自分が異国人だということ。日本には留学しているだけで、卒業したらアメリカに
帰るということ。
 だからパティは揺れていた。惑っていた。
 日本との、ゆたかやみなみやひよりやこなたとの絆の、あまりの細さに身震いをして。
 ゆたかを中心としたコミュニティにいても、自分がここにいていいのかと自問した。
 いちゃつくゆたかとみなみを見て、自分にはこんな風に心から許し合えるような恋人は
できないだろうと、ため息をついていた。

 でも――

「それで、もしパティが良かったらさ、ウチにホームステイしちゃうのもどうかなって」

 ――こなたは、そういってくれた。

「Home Stay……ですカ? ワタシが? こなたの家に?……いいんですカ?」

「うん、もちろん! ほら、ウチゆーちゃん来てもまだ部屋余ってるしって、ぬおっ!」
 こなたがその発言を最後まで続けることができなかったのは、そのとき飛びついてきた
パティの胸に顔をふさがれたからだ。
「コナタ! コナターッ!アリガトウネ! わかったヨ! ワタシわかったヨ!!」
「ちょっ、パティ、むね、むね、息できなっ、ふもっ、ふももっふっ」

 パティの胸でこなたがボイン死しかけたころ、更衣室のドアが勢いよく開いて、
私立リリアン女学園の制服を着た長い黒髪の店員が怒鳴り込んできた。
「ちょっとあんたらさっきからうるさいよ! お店まで聞こえて――って、うおっ、
テラ百合ッ!! マリアさま見てねぇっ!!」
433東萌見聞録(9/9):2007/11/13(火) 00:46:20 ID:31yG940Y

   ☆   ☆   ☆

「――で、パティは一体なにが判ったのかね?」
 慌ててお店を飛び出して、夜のアキバを二人で歩いていた。人通りの途絶えた中央通りは、
まるで閉園したあとの動物園のような物寂しさを湛えている。
 ビルを貫いて伸びる中央通りに立つと、中天に寝待月がかかっているのが見えた。
「ンー、そうですネー。ワタシには帰るところがアル、こんなに嬉しいことはナイ、といった
ところでしょうカ?」
「ベティにはいつでも会いにいけるから……って?」
「そう、それデース!!」
「んー? わかるようなわからないような……」
 パティのアメリカの友人のことはこなたも知っていたし、その人に向けて手紙を書いている
ことも気づいていた。
 この頃パティがおかしいのはそのせいだと、こなたは思っていたのだ。

「多分、コナタの云った通りですネ。Bettyへの手紙書いてるうちに、自分がニッポン人じゃ
ないことを思い出して、寂しくなったのデス」
「……そっかぁ」
「でもコナタがああ云ってくれて判りましタ。今ここにいるワタシタチの絆、そんなに簡単な
モノじゃないんですネ。ほら、コトワザでなんていいましたっケ? 乳繰り合うもタシロの縁?」
「……むう。そういうボケはかがみかみゆきさん相手にしてよ」
 こなたがそういって頬を掻くと、パティはケタケタと笑って駆けだした。
 そうして振り返って、月だけを背負って微笑む。
「ホントに駄目になりそうになったら、そのときハお願いしますネ。Home Stay」
「うん! いつでも云ってよ!…あ、でも」
 そういっていたずらっぽく笑うこなたに、パティは嫌な予感を覚えながら尋ねた。
「な、なんですカ?」

「人のロッカー勝手に開けるのは駄目だかんね」
「ハウッ!」
 その不意打ちに、パティは思わず固まった。嫌な汗がだらだらと流れ落ちてくるのを感じていた。
「……き、気づいてましたカ……」
「くふふふ、わたしのロッカーで何してたのかなー? あ、もしかしてタシロ? ねぇねぇタシロ?」
「……コ、コナタの方こソ、MirorにあんなLoveLoveなプリクラ貼っていつも眺めてたんデショ?
ンー、カガミに云っちゃおうカナ?――Oh! 鏡にカガミなんて洒落てますネー!」
「はうっ!………そ、そ、それだけはどうかご勘弁を〜……」
 こなたは顔を真っ赤にしてパティにすがりついていく。
 その可愛らしさに高鳴る胸を隠しながら、パティはこなたに云う。
「Non Non、云いませんヨ。まだまだコナ×カガには、すれ違いラヴコメでみんなヲ萌えさせて
もらいたいですカラネ!」
 それを聞くとこなたは、真っ赤になった顔を腕で覆い隠したりしながら“や、やー、そ、そんな、
わたしたちこなかがとか、そんなんじゃないってぇ……”などと悶え始めた。
 パティはそんなこなたを眺めながら、改めてアメリカの友人に心のなかで報告するのだった。

 ほらネ、Betty、やっぱりコナタは、3年生でチビロリオタ属性を持っていて――そしてみんなが
自然と集まっていっちゃう、サイコーに萌えなCharacterなんですヨ!

(了)
43416-187:2007/11/13(火) 00:47:20 ID:31yG940Y
以上です、読んでくださったかた、ありがとうございます。

やはりパティの一人称日記体はむずかしすぎマシタ……。
435名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:56:10 ID:BMchzCB0
不思議なテンションの手紙としんみりした後半とのギャップがwww
いや、いい話なんだけど、パティの手紙は何語で書いてるんだとか
変なことばっか気になるw
436名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 01:04:07 ID:jP5mP0mu
>>434
やられたと思ったら貴方だったか。
パティ可愛いよパティ。ささきボイスで脳内再生だよああもう。GJ。
437名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 01:04:35 ID:C1unldXv
イイヨイイヨー!GJ!

ただ、一箇所だけ。アパートは「Apartment」ね。
438名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 01:09:11 ID:fC7RqsHY
GJ!
サービス過剰なまでのイチイチ仕込まれた小ネタがたまりません。
439名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 01:20:40 ID:f0ZzJ8HU
どうでもいいキャラは輪郭が薄くなり、ゲンドウ声……
なんと美しい国日本!!
最初はギャグものと見せかけつつも、最後には感動モノでしめる
果てしなくGJでした
440名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 01:44:11 ID:DMKL9Evp
乳繰り合うもタシロの縁

↑これはこのスレの名言殿堂入りとしましょう
いや、するべきです

塩酸、シメジ〜平目〜出目金 タシロ!


とにかくすばらしいパティ堪能GJ
441名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 02:03:54 ID:looop/VO
>>434
ネタ満載、壊れ万歳、そして最後はハッピーエンド!
もうね、ロクな言葉が出てこない。
だから笑えたとかほんのり切ないとか、そんな風情のない感想しか書けず申し訳ないです。
でも、やっぱり言わせてください、あなたは神だと!!
442名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 02:53:23 ID:31yG940Y
感想色々ありがとうございます。励みになります。

>>437
うお、これは恥ずかしい……確認しながら書いてたはずなのに、
なんでこんなスペル書いてしまったんだろう…

こういう指摘してもらえるのは凄い嬉しいです。大感謝。
443名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 03:10:57 ID:kwnhlTOm
>>434
あなたがGOTか!!
いや、素晴らしい。パティ一人称超上手い!
つかいい話でしたわ…。
ホントにGJ
444名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 03:43:12 ID:VNl9QAfM
ゴット…?
445名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 07:14:18 ID:+2aOkkTZ
>>443
GODな。
446名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 07:14:25 ID:b057og/2
>>444
ゴット…ゴットゥーザ様の略称。
普通は「GOD」にすべきところかもしれないが、今回はパティの話なので、戦うウエイトレス
つながりで>>443は敢えて「GOT」という語を使ったのだろう、たぶん。

……べ、別に、>>443のために弁護してるんじゃないんだからね?ただ、細かいところからも
ネタに持ち込みつついい話に仕立て上げる>>434にGJの意味をこめて、ネタに昇華させた
ほうがいいかな、って思っただけなんだから…

 要は、>>434GJ!
447名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 09:02:28 ID:Ms1FxTZT
>>434
これはホームステイ編にwktkせざるを得ない
え、続かない? でもそんなの関係ねぇ。
GJ!!
448名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 10:07:20 ID:Jeg+QuFu
>>434
すさまじい良き文章力に感動したよ…パティ結構好きなので嬉しいw

あと、こなたがロッカーにかがみのプリクラ貼ってあって、それを指摘されて赤くなるとこに萌えた…!!

>>446
ツンデレ乙w
449名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 10:52:59 ID:lCPEW6cH
鏡の綴りは「Mirror」ですな
450名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 16:01:13 ID:MHUQ+yC8
久々ですが投下します
ゆたか→こなた
『曖昧境界線 後編』の続きです
6レス使用します
若干暗いので苦手な方はお気をつけください
451そして歯車は狂い出す 1/6:2007/11/13(火) 16:02:06 ID:MHUQ+yC8

種をまいて、芽が出るまでに必要なのは水。
そして……時間と、根気。
私にはそれが足りてなかったのかもしれない。
いや、根気ならあった。だってこの感情は六年前からずっと持っている。
ずっとずっと我慢していた。
自分で自分を褒めるのはどうかと思うけど……私は我慢した方だと思う。
ただ神様が私に与えた我慢すべき期間が長すぎて。
私の器では六年が限界だった。これ以上は、無理だった。

だからさっき停電した時。
辺りが暗闇に包まれて、まるで私の心象風景みたいだと感じた時。
心の軋む音が聞こえた気がした。
軋んだどころか自暴自棄に近い感情。

――水をあげるのは、もう疲れた

もういい。好かれないなら嫌われたほうが楽なんだ。
拒絶されたらいっそ諦めがつくんだって……思ったのに。
嫌われて、この家から出て行けと言われてしまえばいいと思った、のに。


『いやぁ、ゆーちゃんが停電に驚いたっぽくてね。急に抱き付かれてそのままこんなシチュに』


お姉ちゃんは本当の事を言わなかった。
何かを試しているような、何かを伝えてきたのは分かったんだけど
それが何か私には分からない視線で見下ろしてきた。
台所ではおじさんが代わりに夕食を作ってくれている。
私とお姉ちゃんがいるリビングはとても静かだった。
テレビは付いているのに頭に音が入ってこない。

「……お姉ちゃん」
「ん?」

お姉ちゃんはテレビを見ながら、いつもと変わらない声で返事をした。
さっきあんな事をしてしまったのに、怒りもしないで、泣きもしないで。
ただ、少し優しい口調に思える。

「どうして、何も言わないの?」
「……それは」

お姉ちゃんがこっちを向いた。
私と同じ色の瞳が若干細められ。
452そして歯車は狂い出す 2/6:2007/11/13(火) 16:02:38 ID:MHUQ+yC8

「ゆーちゃんにも同じ事が言えるよね」

微笑を浮かべながら、その笑みがまったく似合わない平坦な口調で私にとって鋭利な言葉が呟かれた。
心臓が縮む。私の方が先にお姉ちゃんから視線を外した。
お姉ちゃんが分からない。全部知りたいのに、何を考えているかが分からない。
私を意識させればいいと思っていた。でも、さっきから何か変わってしまっている。
結局夕飯が出来るまでお姉ちゃんはテレビを、私は床を見つづけた。
テレビの音声よりも台所のおじさんの鼻歌がずっと聞こえて。
夕飯時の三人での会話は、普通の会話なのに物凄く薄っぺらく感じられた。


夜、中々寝付けなかった。
目が冴えているわけじゃない。まどろんではいるけど深い眠りに落ちれない。
台所でしてしまった事で興奮してるから? いや、興奮はしていない。
むしろあの時は怯えていた。嫌われてしまえばいいと思ってしたのに、嫌われたくないと怯えた。
だから『お姉ちゃん』と呼んだ。
酷い事をしてしまったけど嫌わないでと、身勝手な我侭を言いたくて呼んだ。
ベッドの上の、初めてお姉ちゃんにキスした次の日に押入れから出したぬいぐるみを抱きしめる。
ぬくもりも反応も無いけどこうしていると落ち着いた。
きっと自己暗示に近いんだと思う。こうしていると絶対に落ち着くんだと言う意識が刷り込まれている。
自分の唇に触れてみた。台所であれだけ重ねたのに、今はお姉ちゃんの温度は感じられない。
無性にその事が悲しくて、唇に触れた指を少しだけ噛んだ。
外から小さく雨音が聞こえる。そう言えば、夕飯の時にやってた天気予報じゃ明日は雨だったっけ。
布団の中は自分の体温もあって暖かかったけど起き上がった。
空気が冷たくてもう一回強くぬいぐるみを抱きしめる。そして深呼吸。
大事にぬいぐるみをベッドの上において立ち上がった。床が冷たい。
いつもはお姉ちゃんはまだ起きてる時間だけど、念のために静かに歩いて部屋を出た。
普段は気にしていない自分の足音が大きく聞こえる。
雨の音が強くなってきた。両手を合わせても冷たいだけで温まらない。
はぁ、と息を吹きかけて温める。
目的地に……お姉ちゃんの部屋の前に辿り着いた。明かりが付いているからまだ寝てないはず。
ノックをしようとしたら内側から「ゆーちゃん?」と声をかけられた。
きっと足音が聞こえてたのかもしれない。静かに歩いてきた意味はなかった。

「……うん」
「入っていいよ」

誰に遠慮しているのか分からないけど、音を立てないようにドアを開けて閉める。
お姉ちゃんはパソコンじゃなくて普通の格闘ゲームをしていた。
音はあんまり聞こえないから小さくしてるんだと思う。
ゆっくりお姉ちゃんの背後に座って、ゲームをしているお姉ちゃんの背中に額をつけた。
お姉ちゃんは全然反応をしないわけじゃない。
だってテレビ画面でお姉ちゃんが操作しているキャラクターがダメージを受けた声が聞こえた。
でもお姉ちゃんは、何も言わない。拒絶もしない。
分からない。お姉ちゃんが何を考えているのか分からない。
確かにここに居るはずのお姉ちゃんが掴めない。
453そして歯車は狂い出す 3/6:2007/11/13(火) 16:03:20 ID:MHUQ+yC8
「ねぇ、お姉ちゃん」
「んー。どうしたの」

額を離して見ると、You rose とテレビ画面に表示されている。
私に対してじゃないのにその文字は胸に突き刺さった。
お姉ちゃんは悔しがりもせずに私の呼びかけに反応して振り返ってくれた。
今度は額をお姉ちゃんの肩に寄せる。
お互い無言で、私は力を抜いて、お姉ちゃんは何もしない。
拒絶する事も抱きしめてくれる事もない。
雨の音が強くなってきていた。

「……っ」

好きって一言、どうして言えないんだろう。
今更何を言ったってこの絶望的な状況はどうにも出来ないのに。
伝えるよりも勇気がいるような事を、キスとかをしてしまっているのに。
言えば全部終わってしまう気がして。
その瞬間に、お姉ちゃんから終わりの言葉を聞くんじゃないかと怖くなる。
ずっとこうしているとまた台所でしてしまったように自暴自棄になりそうで、ゆっくりと額を離した。
離れる熱が寂しくて抱きつきたいと思った。
拒絶もされていないなら、いっそ……なんて思ったのも事実。
でも出来なかった。お姉ちゃんと反対の方を向いて背中を合わせる。
背中合わせで感じるお姉ちゃんの体温が、とても遠かった。
会話も何もなく、体操座りで自分の膝にあごを乗せる。
かすかに動く背中からお姉ちゃんが呼吸している事を感じる。
しばらくそうしていたけど、何かが堪えきれなくなって泣きそうになった。
立ち上がって「おやすみ」と呟く。同じ様に小さく「おやすみ」と帰ってきた。
私は手の平全体でお姉ちゃんの影に触れて、心の中でもう一度「おやすみ」と呟いた。
入ってきたときと同じように音を立てないようにしてドアを開けて閉める。
自分の部屋のベッドはもう冷たかった。
ウサギのぬいぐるみをベッドから落ちない位置に置きなおし、胎児の様に丸くなる。
中々寝れなくても寝ないと絶対に体調を崩す自信があった。
雨の音は落ち着くと言われているけど、とても五月蝿かった。
454そして歯車は狂い出す 4/6:2007/11/13(火) 16:03:56 ID:MHUQ+yC8


朝、雨の音で目が覚めた。
この言い方にはちょっと語弊がある。すでに目は覚めていたけど、雨の音が嫌になって起き上がった。
いつもよりは早い起床時間。でも学校の準備をしていたらすぐにいつもの時間になる。
朝はやっぱり空気が冷たい。足から伝わる冷たさが睡眠欲を破壊してくる。
あまり眠れなかったみたいだった。体調もどちらかと言えば悪いと思う。
でも休みたくなかった。これで休んだら自分が駄目な存在だと認める事になる気がした。
一夜明けたのに、おじさんともお姉ちゃんとも余計に顔を合わせにくくて手早く用意を済ます。
制服に着替えて外を見ると、夜よりも雨は止んでいたけど確実に町を濡らしていた。
窓を伝う水滴を指でなぞる。指先から冷たさがしみてきた。
指を離してぎゅっと手を握り締める。力が無いから血が滲むほどなんて無理だけど、強く。
台所でパンを一枚だけ焼いて食べた。食欲はあまり無いけど食べておかないときっと倒れる。
食べると言うよりただ胃に入れて用意を済ますと、早めに学校へ行こうとしたのに。

「あれ、ゆーちゃん?」

ちょうど起きてきたのか、パジャマ姿のお姉ちゃんに呼び止められた。
内心驚いたけどそこまでの反応はせず普通に「おはよう」と挨拶。
普通に声をかけてくれている事は嬉しい事のはずなのに……なぜか、怖い。
嫌われてないと思って安心した後に突き放されたらと思うと安心できない。

「……行ってきます」

玄関をあけて、冷たい空気が制服の中に入ってきた。
いつもは家を出るのを躊躇うけど、今日に限っては家の空気よりも外の冷たい空気の方がいい。

「ゆ、ゆーちゃん!! 傘忘れてる!!」

慌ててお姉ちゃんが追っかけてきた。
裸足で冷たいはずなのに、靴も引っかけずに。
コンビニで売っているビニール傘の中でも丈夫な白い傘を取って、私に手渡してくれた。
私の手に、私よりも多少暖かいお姉ちゃんの手が触れる。
大して温度は変わらないけど、ずっと握っていて欲しいと思った。

「……ごめんね、お姉ちゃん。ありがと」

名残惜しくて、手が離れる瞬間に少しだけこっちから握り締める。
だけどすぐに離して傘を開くとお姉ちゃんから視線を外した。
傘の向こうからお姉ちゃんの声がする。「具合悪い?」と。
顔を見ると嘘が見透かされそうで……見られなくても見透かされるだろうけど、見れなくて。

「大丈夫、だから」

返事も聞かずに少し早足で家から離れ、バス停まで歩く。
バス停に着くと丁度バスが到着して、頭が痛くなるような暖房が入ったバスに乗った。
雨が降っているからバスの床も傘から流れる水滴で塗れている。
その模様を一人用の椅子に座って見つめながら学校まで揺られていた。
455そして歯車は狂い出す 5/6:2007/11/13(火) 16:04:28 ID:MHUQ+yC8

学校に着いて、真っ先にみなみちゃんに具合が悪いのかと心配された。
大丈夫だよと伝えたけど、まだ心配そう。
聞いたら高良先輩とそのお母さんも風邪を引いたらしい。
高良先輩は少し治って学校に来ているらしいけど。
だから学校が終わったらお見舞いに行くつもりだと言われた。

「そっか、みなみちゃんも気をつけてね」
「ゆたかの方が気をつけないと」
「……うん、そうだね」

本当は今日、みなみちゃんと遊ぼうと思ったけどそれなら誘えない。
何だか真っ直ぐ家に帰る気にはなれなかったのに。
残念に思うのと同時に、みなみちゃんを利用しているように感じてしまって気分が悪くなった。
自己嫌悪でお腹が痛くなったけどそれを悟られたら保健室に行かなきゃいけなくなるから笑顔をキープ。
後はいつもの様に、パティちゃんと田村さんとみなみちゃんの四人で会話。
昼食は弁当を用意する時間なんて無かったから学食に行った。
田村さんが「泉先輩はいないッスねー」何て探していたけど、私は会えるような状況じゃなかった。
だって、学食にお姉ちゃんがいるとしたら多分かがみ先輩もいるはず。
つかさ先輩も高良先輩もいるはず。
四人でいて、笑っているお姉ちゃんを見たら本格的に具合が悪くなりそうだった。
なんて心が狭いんだろうと思う。
あの笑顔は自分に向いて欲しいと子供じみた独占欲がにじみ出てる。
六年前、ぬいぐるみをくれた時の笑顔。あの優しい笑顔が、大好きで。

「ユタカ? 次はユタカデスよ?」

後ろのパティちゃんが私の肩を叩く。気が付くと私の前の人が注文を終えていた。
慌てて学食の人に好きなうどんを頼む。これなら体も温まるし食べきれる気がした。
456そして歯車は狂い出す 6/6:2007/11/13(火) 16:05:39 ID:MHUQ+yC8

下校時になると雨は酷くなっていた。
遊ぶ約束は出来なかったので、一人でトロトロと遠回りで歩きながら帰る。
空は雨雲で覆われて、まだ明るい時間のはずなのに外灯が付いていた。
外灯の下は少しへこんでいるのか大きな水溜りがある。
革靴だから靴下まで濡れるけど気にせずに水溜りに入った。
ジャブジャブと音を立てながら歩いて、外灯の真下で止まる。
光源は上にあるから私の影は丁度真下。
バタバタと傘の上に落ちてくる雨の音が五月蝿かったから、傘を閉じた。
遮るものが無くなって遠慮なく雨が制服に染み込んでくる。
お風呂で水のシャワーを浴びるよりも寒くなるのは服が張り付くからかな。
水溜りにも水の針が降り注いで小さな波紋を作っている。
私の影が水溜りで溺れていて、その水面を軽く蹴った。
ゆらゆらと水面の影が揺れる。
服が、体が重い。とても冷たい。傘を閉じたのに雨の音が五月蝿い。
でも、雨音よりも五月蝿いのは心の軋む音。
苦しくて、軋まないで欲しいと思っているけどどうしようも出来ない。
お姉ちゃんが好きだから軋んでいる心を治すためなら、想いを捨てないといけない。
それは無理だと分かっているから。
簡単に想いを捨てれるのなら、この雨で想いを流してしまえるはず。
でも出来ない。こんなに雨にうたれても、想いが止まらない。
全身ずぶ濡れになり、もう傘をさしても意味はないと分かっていたからそのまま家へ歩き出した。
457名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 16:07:34 ID:MHUQ+yC8
以上です
458名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 16:38:43 ID:OfCmH0Rf
あああぁあぁぁぁぁあああぁぁああぁああああああぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
きっと今なら空も飛べる気がする!
I can fly!
俺は逝ってくるぜ!新たな極地へ(ゆたこな的な意味で)!


まじ神だわ…
459名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 16:44:03 ID:jP5mP0mu
そう来ましたか。
ヤンデレフラグが着々と立っていっているようではらはらどきどきなのですが、
二人の行く末を見守りたいと思います。wktkぐっじょぶ。
460名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 17:00:05 ID:N/jPoy5E
>>457
待ってました!
続きが気になり過ぎて禁断症状が出始めてたw
GJGJ!
この二人の組み合わせほんと好きだわ…
461名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 17:00:27 ID:uMeEmgEl
GJ!ゆたこなイイヨイイヨー

このスレは感情描写が巧みな職人が多いな
もうほんと小説読んでるみたいだ
462名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 17:17:50 ID:E1We1Lag
GJっしたー
うおー病んでるー
こんな病みっこを書きたいのに書けない俺涙目
463名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 17:25:45 ID:nUPw4Rrs
ヤンデレフラグがビンビンですねGJ!
で、細かいことですが「you rose」じゃなく「you lose」じゃないでしょうか?
本当にどうでもいい誤字ですが。
46410-249:2007/11/13(火) 17:43:23 ID:MHUQ+yC8
>>463
その通りでした
ごめん!! ありがとう!
訂正してくる……


あなたバラって何だよ
何でその言葉が心に突き刺さるんだってば
465名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 18:50:54 ID:dLhv6KTu
>>464
描写うまいですね!読みやすかったです
GJ

>>463
You rose→ゆうちゃんは薔薇
ゆたか「( ゚Д゚ )」
466名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 19:01:09 ID:6zYY8Xzl
>>457
GJ!!!いつもすごく楽しみにしています!
ゆたこなてらモエス
467名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 19:02:49 ID:DMKL9Evp
>>465

みなみ「こっち見n・・・やっぱり見て」
46819-190:2007/11/13(火) 19:42:47 ID:0sVuHDjM
どうも、久々の投稿です。
冨樫じゃないけどちょっと書き溜めてました。

『ある日のゲームセンター 〜ギタドラ編〜』

・こなた×かがみ
・多分6レスくらい
・音ゲーネタです。分からないとか嫌いな人はスルーで
・作者の好みが作品に出てます
・設定とか展開がどうみても無理矢理です
・書いた本人が言うのもなんですがぶっちゃけ駄作です
・自分で読んでてつまらないと思ってしまった末期。
・オチ?なんですかそれは?
・もしも音ゲーに興味を持ってもらえたら幸いです。

ま、そんな感じでいきますねー。
469ある日のゲームセンター 〜ギタドラ編〜:2007/11/13(火) 19:43:43 ID:0sVuHDjM
「おーっす、こなたー」
「やーかがみん、遅かったねー」
これだけ見ると普通の待ち合わせの時の会話だが、場所が場所である。
かがみはゲームセンター、しかも音ゲーのコーナーにいるこなたと話している。
こなたはまだプレイ中だったので、後ろでそれを見ながら暇をつぶしていた。
やがて、プレイが終わったのかこなたがこっちに向かってきた。
「しっかしあんたは相変わらず上手いわね・・・」 と言うと、
「いやー、あたしより上手い人なんてたくさんいるって」 なんて言っている。
さて、なんで私たちがこんなところにいるのかと言うと───

私、柊かがみは友人に貸してもらったゲームと数回ゲーセンに連れてかれた経験で
すっかり音ゲーにはまっていた。今では週一くらいのペースでゲーセンに来ている。
ある日、いつものように音ゲーをやりに来ると、見覚えのある後ろ姿の人がプレイしていた。
───青い癖毛のある長髪の人。
覗き込んで見ると、案の定そいつは───泉こなただった。
こうして、私たちはゲーセンでばったり会ってしまったのである。

「・・・でもあんたがこんなところにいるなんてほんとに意外だわ」
「なんでなんでー?あたしにしてみればかがみのほうが意外だよー」
「だってさ、確かにあんたはゲーム好きだけどインドア派だし、そもそも全く脈絡が無いじゃない」
・・・そうなのだ。こなたには音ゲーに関連する要素が無い。
「いやねー、動画見てたら音ゲーの曲が使われててすっかり気に入っちゃってさー、
その曲探してたら音ゲーに行き着いて、やってみたくなっちゃったわけだよー」
なんというか、単純だ。まぁこなたらしいと言えばこなたらしいんだけどね。
『ふーん、そうだったんだ・・・・・」 さして気の無い風を装って答える。
本当は気になるけども。そんな私の対応と気持ちをどこまで汲み取ったのかとりなすように、
「あ、かがみ、空いてるしセッションしない?」 と誘ってきた。
もちろん、断る理由も特に無いので私は、
「いいわよ、早速やろっか」 と言って筐体の方へと歩いていった。
470ある日のゲームセンター 〜ギタドラ編〜:2007/11/13(火) 19:44:17 ID:0sVuHDjM
「さて、4曲出来るけどどうする?」 と聞いた。
1回100円、4曲設定の筐体であった。まぁ普通の設定だろう、と思う。
「とりあえず好きな曲2曲ずつでいいんじゃない?」 こなたの提案である。
「いいわよ、じゃあどっちからにする?」 と聞くと、
「んじゃあたしからー」 と選曲を始めた。
・・・ちなみに、私はギター、こなたがドラムだ。ろくでもない曲を選ばなければいいが。
長い選曲の末に選んだ曲は─────

───ちゃーちゃーちゃらららーちゃーちゃらららーらーらー・・・・・
こなたが合わせたのは『White tornado』。
「ちょっと、いきなしこれ?」
「別に好きなのなら何でもいいんだよねー?」
・・・まぁ、確かにそうは言ったが。って、そういう問題じゃなくて・・・
「あんたは大丈夫なの?」
「じゃなかったら1曲目から選ばないでしょ」
と同時に、こなたはシンバルを叩いた。

「意外ときついわねこれ・・・」
「まぁまぁかなー」
それぞれ感想を言った。自分の画面を見た後、横を見る。私はB、こなたはAだった。
「あんたよくAなんてとれるわね・・・」
「いやー、それほどでも」 謙遜しているがすごい。
───なにせ、私はGUITARのADVANCEDなのにこなたはEXTREMEなんだから。
「じゃあ、次は私ね」
と言って目的の曲を探す。選ぶ曲は決まっていた。
471ある日のゲームセンター 〜ギタドラ編〜:2007/11/13(火) 19:44:48 ID:0sVuHDjM
───あの空の向こう君を呼ぶ声がする・・・・・
『WE ARE』を私は選んだ。TЁЯRAの曲の中じゃこれが一番好きだしね。
「おー、ナイス選曲、かがみの趣味がよく出てるなぁー」 とからかわれたので、
「余計なお世話だっ!」 と言って私はSTARTボタンを押した。

2曲目のプレイ中───
後ろでは、数人の学生が見ていた。その中の一人が、
「あれは一体誰なんですか?」
と聞いた。もう一人、常連らしい学生が、
「知らないけど、最近になって突然現れたんだ。見ても分かるけど、上手いんだなこれが」
「うわー、すげーな・・・・・」 と、学生の集団が感心していることなど知らずに───

「まぁ当然ね」 「まーねー」 2人とも判定はSだった。
「かがみって意外とすごいねー、これでSとは」
「同じSとってる奴が言うことじゃないでしょ」
・・・照れを隠すように反論する。まぁOPENのEXTREMEでS取れたのは嬉しいけどね。
「さて、じゃ次はあたしだねー」
と言って選んだのは───

───ちゃらららららららちゃーちゃらちゃっちゃららら・・・・・
こなたが指したのは『Fairy Tales』。 あ、これは知ってる。
「いいわよ、私も好きだし」
と言うとこなたは嬉しそうにして、
「さっすがかがみさま、分かってらっしゃる!むっちゃんの超絶ギターはFIREの時代から・・・」
「・・・あんた、ほんとにいくつよ」
と言って私はボタンを押した。
472ある日のゲームセンター 〜ギタドラ編〜:2007/11/13(火) 19:46:13 ID:0sVuHDjM
「うー、やっぱし難しいねー」
「ギターはきついかなー」
私はA、こなたはSだ。
「でもギターでAとれるってそこそこすごいよ」
「そうかなー?」 もっとも、GUITARのEXTREMEだったが。
「さってと、次行くわよー!」
と言って選び始めた私は───

─────かーがーみのーなかにりとぅーぷれいやーぼーくーはー・・・
『Little prayer』。私の多分、一番好きな曲。
「やっぱりかがみはセンスあるねぇ」
「そう?でもいい曲でしょ?」
「まさか自分の名前とかけた選曲とはね」
・・・そっちかよ。まぁいいけどね。
「んじゃ、始めよっか───」

誰しも経験があることだろうけど、今の私がそうだった。
『好きな曲ほどクリアが安定しない』 というやつだ。
「・・・・・」
「無理しないでADVANCEDにしとけばよかったのに」
私はC、こなたはSだ。こなたは無難にADVANCED、私は無理してBASSのEXTREME。
「な、何事も挑戦って言うじゃない!それに・・・こなたは大丈夫だと思ったから・・・」
「何もこんなとこでデレを発揮しなくても・・・ま、いっか。それよりかがみん」
「ん?」
こなたは画面を指差す。そこには、『EXTRA STAGE』の文字が。
なんで・・・と思い返す。あ・・・そうか。こなたはA,S,S,Sの順で来てるんだった。
「どっちが選ぶ?」
「順番的にもあんただし私はいいわよ」
ってか言う前に選んでなかったか?
「んー・・・ラストだし何かすごいのがいいかなぁ・・・ラストを飾るならこれか・・・あーどれにしよう!」
何やらぶつぶつ呟いていたが、ある曲に合わせてこちらを向いた。
473ある日のゲームセンター 〜ギタドラ編〜:2007/11/13(火) 19:46:47 ID:0sVuHDjM
───ちゃららららーらーちゃらっちゃーちゃちゃーちゃちゃちゃーちゃちゃーちゃー・・・
「・・・・・」
黙っていると、こなたがニヤニヤしながら見てくる。
「・・・こなたさん、これはマジですか?」
「まじまじ」
・・・全く、どうしようもないな。
こなたが選んだのは『Concertino in Blue』。
そりゃ私も好きだけどさ・・・・・
「ってか、リトプレで疲れた私を殺す気か!」
「何事も挑戦じゃなかったっけー?」
「う・・・しかしほんとにインスト好きね」
「むっちゃんのギターは神なのだよ」
その言葉にふと思い当たることがあった。もしかして・・・・・
「・・・泉繋がりですか」
「ま、それもあるっちゃあるのかなー」
とりあえず私は無理せずBASSのEXTREMEにしておく。
「ギターはやってくれないのかな?かな?」
「さすがに無理よ・・・・・って二回も言わなくても」
確かにレベルとしては近いが、ギターとベースでは勝手が違いすぎる。
以前GUITARのADVANCEDをやってみたが、中盤に行かないところで落ちてしまった。
「じゃあさ、BASICでもいいからやってよ」
・・・・・なんだかなぁ。
「なんでそんなにギターにこだわるのよ」
と試しに聞いてみる事にした。
「そりゃもう、むっちゃんのギターが聴きたいからだよ」
またそれか。仕方ないわね、と呟いてGUITARのBASICにする。こなたはADVAMCEDだった。
私は頷いて、こなたがシンバルを叩いた。
474ある日のゲームセンター 〜ギタドラ編〜:2007/11/13(火) 19:47:35 ID:0sVuHDjM
「いやー、楽しかったねー」
「私は疲れたわよ・・・」
画面には私はC、こなたはBと表示されていた。実は高速地帯が大の苦手だった。
resultの画面の後、『Thank you for playing!』の文字が出て終了した。
筐体から歩いて戻りながら後ろを見てこなたは、
「ねーかがみー、誰もやらないみたいだったらもっかいやろうよー」
なんてことを言う。
「・・・・・ちょっとは休ませろよ、さすがに疲れたわよ・・・ってあんたは元気ね」
あれだけの曲をやった後にまだ元気とは、どういう体力してるんだ?
「ま、普段からそれなりに鍛えてるからねー」
私も少しは体力つけるか、と思った。そうでもしないとこいつのろくでもない選曲に体力が持ちそうにない。
「んじゃさー、今度はつかさやみゆきさんも連れてこない?」
なるほどそれは名案・・・と一瞬思ったが、あることに気づいた。
「二人は私たちとはやるものが違うじゃない」
・・・・・そうなのだ。つかさは主にポップンだし。まぁみゆきはどれでも出来るみたいなことを言っていたが。
「みんなでわいわいやれば大丈夫でしょ」
まぁ確かにそうだ。多人数でいればいるだけ盛り上がるだろう。でも賛成したくなかった。
こなたと二人の時間が減ってしまうし。二人でいるほうが絶対楽しいなんてことを考えてしまったから。
そんな微妙な気持ちもあってか、
「・・・・・そうね」
と微妙な気持ちが声色に出てしまった。しまった、と思い隣を横目で見ると、
案の定こっちを不思議そうな顔で見ている。椅子に歩み寄って座り、何でもない、いうことを示す。
その行動をどうとったのか分からないが、こなたも隣に腰を下ろす。何も聞いてこないようだったので、
少し考え事をすることにした。しばらく時間が経った後、隣で遠くを眺めていたこなたが言った。
「ねぇ、次はビーマニやらない?」



ある日のゲームセンター 〜ビーマニ編〜  に続く?
47519-190:2007/11/13(火) 19:50:19 ID:0sVuHDjM
・・・以上です。
他人に読まれない小説に何の意味が(ry
と思い投稿したわけですが、後悔気味。

一応書き溜めたもう一作、こっちはなかなか良さげです。
を進めてるところなんで、駄作の埋め合わせはそちらでしようと思いますorz
476名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 20:11:58 ID:XRRN6wB5
>>475
GJ!
てかこなたさん、エキストラでそれですか・・・
477名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 20:13:09 ID:qcjl/Zlk
>>475

まずはGJ。
趣味に絡めた話って難しいよね。
書くほうはものすごく筆が乗るんだけど、興味ない人には全然分からないし。
どうやって読む方が楽しめる話にするか、がすごく難しい。

とか、SSデビュー作かいきなり趣味全開だった俺が言ってみるw
478名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 20:17:42 ID:DMKL9Evp
かがみ「もう・・・こうなったら、本気のモードでいってやるんだから・・・」
こなた「お!そうきますか!ならば私も本気いきますかー」

男A「うおおすげえぞあのツインテール!虫姫さまウルトラを
   ノーミス全コンプしやがった!!」
男B「こっちのアホ毛は人間じゃねえ!猫アルクで既に55人抜きだぞ!」

てなわけでGJ
479名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 20:27:13 ID:7RH+20s3
>>475
ウチの地元じゃ100円3曲がデフォなんだぜorz

最後にコンチェは疲れるべ。そしてつかさにはジェットコースター☆ガールが、みwikiさんにはorangelounge曲が似合いそうだ!とにかくGJ!!
480名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 20:44:23 ID:h+Rmjym2
>>475
音ゲーに興味ない人間の意見として、
ただ「○○をやった」だけじゃわからないから、
リズム感や躍動感を文章で表現したり
こなたとセッションしてる喜び
(きっとこのツンデレさんはこなたとセッションできて嬉しいはず)
を表現してほしかったと思う。
481名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 20:52:56 ID:jP5mP0mu
>>475
俺的にはありではあったが、480さんの指摘を反映するともっと味わい深くなったかもね。でも楽しかったよ。
つかさがポップンっていうのはらしいなあ。きっと5つボタンですらあたふたしているに違いない。
……うん、俺もね、5つボタンでいっぱいっぱいなんだorz

>>478
「物凄いもの見たなぁ……ん? ツインテールは?」
「レゲーコーナー。……ありゃダラ外か」
「ていうか待て、あれストームコーザーかよ! しかもあの女、連射ボタンなしで渡り合ってる!」
「あっちもすごいぞ。あのアホ毛ちび助、戦場の絆で格闘と狙撃やって両方Sで勝ちやがった」
「うわ、今ちび助に撃たれたのうちの廃人将官じゃん……」

こうですか? わかりません!
482名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 21:03:35 ID:2Y62ehKQ
ビーマニにて

「かがみん、これやらない?」
「なんというネタ曲…いいわよ、やるわよ!」

♪でも君だけは遠い 未知の国を望む
♪険しい旅路でもいい 迷わずつれ去って

「しかしこれをかがみんとやるとはね〜」
「うるさいっ!ね、ネタなんだからいいじゃない!」
「お?ということはやるんだね?」
「ししし仕方ないじゃない!」

♪君だけを愛して続けていくこと 選んだから
♪羽が擦り切れて折れる日まで 羽ばたきたい

「いきますよかがみんや」
「仕方ないわね!」

(゚д゚) そう!
(゚д゚) そう!

周りの客「こっちみんなwww」

ということでGJ
BGM:EDEN

483名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 21:12:08 ID:DMKL9Evp
そして2人の能力がシンクロするとき・・・

閃光の輪舞・・・

「すげえ!2人とも!既に70人抜きしやがった!」

「ぬ、やりますなかがみんや」
「ていうか、弾避けになれてないはずのあんたがなんで・・・」
「ふ、対戦となると火がつくのですよかがみさん・・・」

「「ファルトナ?ウォームアップかな?」」
484名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 21:15:12 ID:9zt9/byT
>>475
GJです。
分かる人にしか分からないけど、これだけ作品があるなら、こういう作品もアリだと思う。
ギタドラ好きとしては、個人的には大好きだなぁ。
485名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 21:21:37 ID:Mbd5Upz8
>>475
GJ!
WE AREを選んでくれてありがとう
とTЁЯRA好きの自分が言ってみる
486台詞ネタ馬鹿:2007/11/13(火) 21:34:22 ID:DMKL9Evp
みなさまひさしぶりです。
さて、台詞ネタばかりをこのスレにちりばめてきた私がまた、
チョーシこいて玉砕、な作品をぶち込みたいと思います。

ちょっとかいてて長くなってきたので、
今回は前編のみとさせていただきます。

=====WARNING!!注意!=====
またしてもキャラ壊れではなく設定壊れです。
なんと異種姦ものです(異種×かが)
しかも無理やり要素ありです。
だがそのわりに鬱展開にはしません。
筆者は鬱展開苦手だし自分では作りたくないしw
でも異種や無理やりそのものがもう鬱だ!って人や
そもそもそういったジャンルはいやだ、という人は
透明あぼーんお願いします。
=====WARNING!!注意!=====

以上の注意をお読みいただき、
もしお許しいただけるなら、投下をさせていただきます。
(´・ω・`)ビクビク
487将来ニートになるかも:2007/11/13(火) 21:45:57 ID:Xo4sow3x
>>486

おkだと思われます。ぜひどうぞ!
488らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 21:50:46 ID:DMKL9Evp
こなた「むっ!ふんん!」
かがみ「どうしたのよこなた」
こなた「エロ成分!足りてますかっ!」
かがみ「わけわからん方向に指さして、薮から棒に何言い出すのさ」
こなた「いえね、ここってさ、エロパロ板のエロパロスレだよね」
かがみ「まさかエロパロスレだというのにエロが少ないというのは
    間違ってるなんてこと言うんじゃないでしょうね」
こなた「ソナコトナイデスヨ」
かがみ「図星だな・・・」
こなた「そりゃさ、確かにいいお話が連発だし、作品投稿数衰える事もないし、
    ここの所名作圧倒的多数で、このスレは今脂が乗り切ってるといえるよね」
かがみ「じゃ問題ないじゃん。現状維持ってことで」
こなた「そこが甘いのだよかがみん。
    昔の人はいいました。現状に満足したらおしまいだと」
かがみ「・・・あんたさ、単にエロパロしたいだけなんじゃないの?」
こなた「ぎくっ!・・・昔の人はこうもいいました。
    人は常に、次への発展を求めて邁進し続ける生き物だと」
かがみ「さりげに失礼なこと言ってるぞ。ここは前進してないとでも?」
こなた「そうはいってないしょ。まぁしかしだねかがみんや、ここはエロパロスレなのだよ
    であるならば、豊饒とも言えるべき今こそ、エロで一石投じて
    時代の流れを更に変えるような姿勢を取らないといけないのだよ」
かがみ「一見正論を言ってるようだけど、結局あんたがエロをしたい
    だけなんじゃない・・・だいたいエロだって、少ないなりに
    ちょくちょく投稿されているわよ。そんな中で今エロを入れても
    一石を投じたことにはならないんじゃない?」
こなた「にゅっふっふ。もちろん、普通のエロを提供するほど、
    私のヲタは伊達には作られてないのだよ」
かがみ「ほほう、ただのエロじゃないってこと?どんなエロだってのさ」
こなた「ニマニマwwww」
かがみ「な、なによ・・・」
こなた「いえね、さっきからエロという言葉に否定反応しないなんて、
    かがみもだいぶ染まってるなあってwwww」
かがみ「う・・・うるさいっ!」
こなた「とにかく、そんなわけでエロを投じたいと思う訳ですよマイハニー」
かがみ「誰がハニーだ!で、具体的にはどうするっての?」
こなた「・・・(長門のマネ)具体的には、こうするのだ・・・
    あqwせdrftgyふじこlp;@:・・・」
489らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 21:52:50 ID:DMKL9Evp
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
らき☆さが(性にあらず) 1 
〜ツンデレ少女はカクレクマノミの夢を見るか
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 待てと言うべきだった・・・こなたがいきなり何の前触れもなく、
手を前方にかざし、どこで覚えたのか長門張りの高速言語をかました瞬間、
回りの景色が一変、広大なる草原に変わっていた。
何これ!?閉鎖空間!?世界改編!?こなたさん!それはマジっすかぁ!?

こなた「ちなみに今の言葉を逆再生スローで聴くと、
    『かがみ激ラヴ全身キスしてなめ回して大事な所を攻略して・・・』」
かがみ「誰も聞いとらんわ!」
こなた「かがみ、顔真っ赤だよwww」
かがみ「うるさい!って・・・ここどこなのよ・・・」
こなた「草原ですが何か?」
かがみ「んなことは見ればわかるつうの!一体これはなんなのって聞いてるの」
こなた「おおえらばれしゆうしゃよ、えろえろまおうをたおして
    おんなのてきをねだやしにするのだ」
かがみ「・・・いきなり何寝言言ってんの?」
こなた「んふ〜、今の言葉に全てが集約されてるんだけどね〜」
かがみ「ゆうしゃ・・・まおう・・・まさか・・・」
こなた「そ・の・ま・さ・か、ここはRPGの中身ってことだよ」
かがみ「なるほど・・・実にあんたらしい世界改編ではあるけどさ・・・
    っていうか肝心なことをまだ聞いてないわよ。
    なんでいきなりあんたがこんなこと出来たりするわけ!?」
こなた「ん〜なんかさぁ。某歩くソノウソホント女子高生と声優同じだから
    ってことで、私にも同じ能力がついちゃったみたいなんだよねー」

体調とかじゃなく、メンタル的な意味で目眩を感じるって感覚を、初めて味わった。
おお神よ・・・何故よりにもよってこんなとんでもない人間に
かようにあっさりと、大それた能力を与え給うか。しかも、そんな下らない理由で!
其方にコンタクトが取れるなら、ぜひお尋ねしたい。小一時間問い詰めたい。
490らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 21:55:49 ID:DMKL9Evp
こなた「んでね、折角戴いた能力は有意義に使わないとw」
かがみ「どこが有意義だというのですか」
こなた「まあまあいいじゃござんせんか、ってことで・・・
    (長門のマネ)おでまし」
かがみ「な・・・何ですとおっ!!」

こなたが指をさした方向を見ると、
一見イソギンチャクのような巨大生物が鎮座している。
そいつは出現と同時にこちらににじり寄り、今にも触手で攻撃してきそうな塩梅だ。
これってやっぱ、いわゆる敵、エネミイ、モンスター・・・

かがみ「あの、こなたさん」
こなた「なんですかねかがみさん」
かがみ「いきなり過ぎやしませんか?」
こなた「何を言うですか。ドラ☆エだってF☆だって、
    基本はサドゥンリーエンカウント。出会いはいつも突然。
    だいたい襲いかかるのに一々こちらの都合を聞く敵なんて
    現実に当てはめて考えて見ても、いるわけないっしょ」

いやまあ・・確かに正論なんだけど・・・納得いかねえっ!
冒険RPGであるからには必須だとはいえ、
せめて心の準備期間位は欲しかったのだが・・・。

こなた「てき、『ヒドラ』が、あらわれた、レッツファイト!」
かがみ「何であんたが私の後ろにいるのよ」
こなた「何故って、私魔法系、あなた戦士系、
    当然陣形はライフシールドとなりますな。
    敵と率先してガチンコして、ニューカーを守るのは
    タンカーの努め、っていうか運命?」

491らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 21:57:17 ID:DMKL9Evp
かがみ「いつの間にそんな職業にしたのよ!
    しかもあんた、ちゃっかり魔法使いとか
    いやそもそも根本的な問題として、世界改変能力もってるあんたが」
こなた「何故一瞬で何とかしないの?とでも?」
かがみ「な・・・」
こなた「私がこの世界を創造したんだよ。そんな無粋な真似、私がするとお思いで?」
かがみ「あ・・・あんたね・・・」
こなた「ちゃんと戦ってもらいますよかがみんやwwww」

言うや否や、ヒドラの第一撃目が襲い掛かる。
いつのまにか小脇にかかっていたナイフを取り出し、とっさに触手を防ぐ。
くうっ、ナイフ越しとはいえ、この衝撃、この圧迫・・・マジでバトルだよこれ・・・

こなた「あ、でも安心して。激痛とか死ぬとか、そんな目に
    大事なかがみんをあわせることは絶対ないからwwww」
かがみ「そういう問題かあっ!結構重いぞこれ!やばそう・・・なんだけどっ・・・・!」
こなた「くふふ、しかしさすがは戦士系、見事にうけきりましたな」
かがみ「だから精一杯だっつの!魔法系ならはやく何とかしなさいっ!」
こなた「え〜めんどくさいな〜もぅ・・・ブツブツブツ・・・ウイン○ダートっ!」

なにやら伏字付の呪文を唱えたと思うと、
こなたの手から緑色のカッターが飛び出しヒドラに当たった。

キーン 1
こなた「・・・あ、あれぇ?あれえぇ??」

何ですかこなたさん、そのいかにも失敗しました的なお声は。
あれ、なんかモンスターから、数値が現れたのですが、これってなんですか?
1・・・って、え・・・まさか・・・
492らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 21:59:09 ID:DMKL9Evp
こなた「あちゃ〜たいした、ていうか、ぜんぜん効いてないねこりゃ」
かがみ「なによこれ!どこが魔法よ!ぜんぜん役にたってないじゃない!」
こなた「ん〜間違えたかな〜www」
かがみ「まちがえた!?」
こなた「レベル設定をちょっとね・・・あららら、私らは初期パラメータ、
    あっちは2〜3ステージ後適性のパラメータみたい」
かがみ「なによそれええええええ!?」

叫んだと同時に、ヒドラの2撃目が襲い掛かってきた、
元々奴の触手は数本あり、私はというと1本目の攻撃手段を封じてた状態なので
それをまともに食らうしかなかった。
・・・!?
体中に衝撃が走った。
ドン、と体を思いっきり押されたような感覚が体全体にいきわたり、
地面にまともに倒された。一瞬体が、痛みを警戒して緊張した。
しかし、こなたの言うとおり、攻撃や衝突による痛みが全くこない。

こなた「ほら言ったとおりっしょ?大丈夫ダイジョブ、ゲームなんだから」

しかし、さっきから悪い予感が全然拭い去れない。
痛みはなくとも衝撃はすごかったし、
攻撃を受けたとき、ふと、私から数値が67、と出てきたのを見たし、
何より、地に倒されてから、私、全然動けないのだ。

かがみ「くっ・・・なによ・・・これ・・・」
こなた「ありゃりゃ・・・早速戦闘不能ですかかがみん・・・」
かがみ「え・・・えええええっ!」
こなた「言い忘れてた、このゲーム、ゲームオーバーにもちろん死はないんだけど・・・」

言うと同時に、触手達が数本わらわらと私によって来た。
も、もう動けない私に、これ以上何を・・・
そこまで思考した時、私の頭の中で思い出される物が有った。
493らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 22:00:31 ID:DMKL9Evp
おおえらばれしゆうしゃよ、えろえろまおうをたおして
おんなのてきをねだやしにするのだ
ゆうしゃ・・・まおう・・・えろえろ・・・
えろえろ!?

かがみ「ま、まさか、まさかあっ!」
こなた「ようやく悟ったようだねかがみん」
かがみ「冗談じゃないわよ!今すぐ何とかしてよ!」
こなた「そんな〜、初期パラの魔法使いに何をしろと?」
かがみ「あんたね!友人の貞操のピンチに何とも思わないわけ!?」
こなた「そんな〜貞操なら前々から私がたっぷり」
かがみ「そ、それとこれとは話が別!!」
こなた「だからかがみん顔赤いってwwww
    だいじょぶだいじょぶ。いくら激しくしても大事な膜は守るから」
がかみ「だからそういう問題じゃ・・・っきゃああああ!!!」

私によって来た触手群が、一斉に襲いかかったと思うと、
私の手、足、体に次々巻き付いて来て拘束にかかった。
私はあっと言う間に雁字搦めにされてしまった。
絡み付かれてから初めて分かったんだけど、
こいつら、やたらぬめぬめしている。しかも独特で強烈な臭気まである。
こなたのやつ・・・よりによって何でこんな奴をクリエイトなんか・・・

こなた「ん〜最近勢力を拡大しつつある、異種姦ってやつだよかがみん
    その趣味の方々へのニーズにお答えすることは、
    エロパロ市場において、結構有効な事と思うのですよ」
かがみ「あんたがよくても私が困るのっ!!
    そんな偏った趣味に私をまきこむなぁ!」
こなた「だいじょぶだよかがみん、私もまきこまれちゃったからさあ」
かがみ「ええええええっ!?」

前方を見ると、いつのまにやらこなたも奴の触手に雁字搦めにされていた。
どこが大丈夫かああああああああああ!!!
・・・
494らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 22:01:56 ID:DMKL9Evp
 ☆ ☆ ☆

ん・・・くっ・・・んぐっ・・・
胴体の隅々から、手や足の指の間まで、至る所触手が丁寧に這い回る。
口にも触手が入り込んでおり、上下運動しつつも口蓋や舌をしゃぶりつくしている。
動けぬ者を蹂躙する余裕なのか、さっきから私の体中を貪っている奴らの動きは、
まるで皮肉のように緩慢でどこか遊戯的だ。
既に下着姿にされているのだけど、それまでの奴らの行動のいやらしさと粘着性は
心の底からげんなりするほどのものだった。
彼らは、私を裸にするのに、制服を破くということをしなかった。
いやそれどころか、その制服をなるべく破かないよう、私が動けないのをいいことに
手足を自在に扱い、丁寧に服を抜き去っていった。
さらに、下着を剥ぎ取る時などはその緩慢さに拍車をかけ、
既に私の肌を愛撫し始めていた触手たちに、それを任せたのだ。
く・・・ぅく・・やめ・・・ろぉ・・・
ブラの中に入り込んでいた触手たちが一斉に胸を撫ぜ、乳首を弄ぶ。
そういう行動を繰り返しつつ、少しずつブラをずらしていくのだ。
既に動けない体だというのに、こういう刺激には逐一反応する自分の体が、
今はひたすら忌々しい。
ブラのホックがはずされ、小ぶりだけどしっかりと主張する胸がさらけ出される。
サイズはC弱の程。先程からの愛撫で乳首がその形を際立たせている。
く・・・うく・・・うぅ・・・
私は羞恥に顔を赤らめ、目元からは早、涙が滲み出している。
しかしもちろんそんなことで攻撃の手を緩めるような奴らではない。
胸をしっかり愛撫しつつ、残る触手の分隊が下半身に攻撃を定める。
うぅ・・・やめなさい・・・やめてぇ・・・
無駄と分かっていても言わずにはおれない私。
だがやはり、無常にも彼らは、パンティに手をかけ始める。
次々とパンティの中に触手を滑り込ませ、尻や足の付け根などを撫で回す。
まるでその感触と弾力を愉しんでいるかのように。
そうしながらも、少しずつ撫で先を、一番大事な部分に回していく。
495らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 22:03:20 ID:DMKL9Evp
くぅっ!ううっ・・・ううんっ・・・!
あまりの彼らのねちっこさに、もどかしさすら感じ始めている私。
そして、彼らの愛撫の中心が、・・・その場所になったとき
ふく・・・ぅあんっ!!
待ちわびていたかのような激しい声が、私から発せられる。
求めて・・・しまった・・・彼らを・・・
そして、イッて・・・しまった・・・。
くやしい、こんな奴らに、何も出来ることなく、ただ彼らの思うがままに
感じさせられ、求めさせられて、イカされることしかできないなんて・・・。
悔しさと悲しさで放心する私に追い討ちをかけるが如く、
触手どもは、ゆっくりとパンティを下ろしていく・・・
私の、生まれたままの姿が、奴の前に掲げられる。
それはまるで、私が全てを捧げることを、奴が要求しているかのようだった。
私の全てをもらい、添い遂げようとしてるかのような、さながら儀式。
やがて奴は、私の体を胴体まで持っていくと、手足を己が身に埋没させた。
手は肩の寸前、足はその付け根寸前まで、奴の体にすっぽりと飲み込まれ、
その状態で、脚だけが器用に開かれて、私の女陰が容赦なく晒された。
何をする気なのだろう・・・と思うまもなく、その答えが明らかになる。
私の足の間で、胴体の一部が変性を始め、にょきにょきと伸びていったと思うと、
それはある形を形成していた。
それはどう考えても陰の根、男性器にほかならなかった。
ひ・・・ひぃ・・・い・・・や・・・やだ・・・
分かってはいたけど、やはりいやだ、こわい、そして悲しい。
こんな形で始めてを失うなんて・・・こんな形で契りの儀を結ばされるなんて・・・
それも最愛の人の前で・・・。

 ★ ★ ★
496らき☆さが@ 前編:2007/11/13(火) 22:04:27 ID:DMKL9Evp
私は、ヒドラにいじりっぱなしにされ朦朧寸前になりつつも、
さっきから興奮しっぱなしな様子のこなたに半ばあきれ、
半ば怒りすら覚えていた。

かがみ「さっきから何なのよ、この↑の創作と脚色に満ちた文章は・・・」
こなた「うほあっ!いやね、こういうシチュで文章いじり倒してみたら、
    案外イケてることがわかってさあ!
    それに犯されて悶えまくるかがみんがヤッバイ程可愛くって・・・
    勢いあまって妄想転がし捏ねくりまくりさ!
    ひよりんのいってたことは正解だったねえ・・・。
    私には確かに絵の才能はないけど、文ならば・・・!」
かがみ「ていうか、私の台詞を勝手に捏造するな!しかも最愛の人って何よ!」
こなた「てれるなてれるな、やっぱツンデレカワユスwwww」
かがみ「・・・後でゼッテー殺す・・・」

とはいいながらも、今の私に全く説得力はない。↑の文章の心理描写はともかく、
彼らの責めにより一度イカされたのは事実だから。
大体やつら、モンスターの癖に女性の責めを心得過ぎてる。
あっと言う間に弱点を探り当てられ感度を引き出されるわ、
焦らし所も的確なものだから、もどかしいとすら思わされるわで、
気づけばすっかり体は奴らのペースに乗せられちゃってる。
この責め方、なんとなくこなたに似てるかな・・・
ばっ・・・ばか!何考えてるのよ私!あいつとはそんなんじゃないんだから!
っていうか、今そう言ったことを悠長に語ってる余裕なんかないのよね、
なにせ目前に貞操の危機があるわけで・・・
膜は守る、だなんて言ってたけど、この一物のでかさはただ事じゃない。

かがみ「てか、ぜってー無理だってのこんなサイズ!確実に壊されるって!」
こなた「だいじょぶだいじょぶ、私をシンジレヴァアスクワレルゥ」

もっとも信じられない神からの御神託を授かり、
もはや13階段を昇るのみの死刑囚の心境で、
目の前の成り行きをただ眺めるしか、私には手段が残されていなかった。
497台詞ネタ馬鹿:2007/11/13(火) 22:07:45 ID:DMKL9Evp
前編は以上になります。

とにかくエロくおかしく・・・をめざしてみました
なってるでしょうか
ていうか、このネタは歓迎されるのでしょうか(´・ω・`)ビクビク

後編は、目下執筆中にございます。
むっちゃローペースではございますが、
もし皆様がお許しくださるなら、ホンバンはいりま〜す(゚∀゚)b
498名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 22:16:17 ID:Mj8RwNY+
>>497
うわっ……エロっ……
まあつまりはGJ!と言いたいわけなのですよ

しかし!






……エロいの書けなくてゴメンナサイorz
499名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 22:17:27 ID:ShJAvmaq
>>497
GJ!書きたいモノを書いたらいいのさ。それもSS職人のサガさ……


5004-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/11/13(火) 22:28:40 ID:XoNPsId4
怒濤の投下に全然追いつけていない読者が来ましたよ( ´∀`)b
今日寝床と、明日の通勤時間にえろいの読むんだー orz

>>417
お前さんが見たかったのは……

こんな絵だったのかい!(´・ω・)ノシ
http://www.geocities.jp/extream_noise/rakisutaep/img/tanpopomiyuki.jpg
501名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 22:29:46 ID:XoNPsId4
あ、頭身が妙なのは子供の頃のみゆきのつもりで描いたからです。一応orz
502名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 23:50:08 ID:ux4RQSQ9
今からここはグロ画スレになりますのでお気を付けください
503名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 23:56:48 ID:zlutJzdL
何だこのスレは・・・・・・八百万の神々の集合体か!?

いつぞやの過去スレでらきキャラに鉄道絡めたSS練ってると書き込んだ者だが・・・・・・
一応書き出してはみたもののなかなか筆が進まん・・・・・・orz

そしてこうもレベルが高いと拙作が思い切り見劣りしそうだ・・・・・・ガクガクブルブル


関係ないけどかがみんはやはりレイフォース600万台とか
レイストームR-GRAY21コインノーミスOver1000万台とか
サイヴァリアリヴィジョンX-AOver10000BUZZとかデフォなのだろうか?

そしてこなかがコンビのレースゲーの腕前がどんなモノかもすっげー気になるw
504名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 00:06:38 ID:PYAqgZnj
エスプガルーダ赤走行ノーミス
505名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 00:11:49 ID:CWDb8Unm
ダラ外「攻撃最強状態」でストームコーザーノーミスノーボムノー連射
506名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 00:17:40 ID:Igz1U2eV
>>500
追いつこうっていう発想がすげぇよ。GJ!
5072-390:2007/11/14(水) 00:17:50 ID:aEag6CQa
非エロ『残し物』-3を投下します
世間では俺のような奴をKYと言うらしいね(´・ω・`)

・こなた&かがみ
・かがみ視点、一部第三者
・鬱展開を予定
・高校時代、二人は出会っていなかったというトンデモ設定
お呼びじゃないなんて方はスルー推奨
508残し物-3:2007/11/14(水) 00:20:40 ID:aEag6CQa
窓の外はすっかり闇となり、世間一般では食事を遠に済ませた時刻だ。
今頃になって今朝から何も食べていない事に気付き、私はカップ麺に湯を注いでいる。
この私の数少ない楽しみを忘れてしまっていた辺り、既にそれだけ興味をひかれる存在である事の証明になるだろう。
内心でそんな私を珍しく思いつつ
湯の張ったカップを2つ、部屋へと運ぶのだった。



「おまたせ、こんな物で悪いけど…。」

私用の小さなテーブルの前にかしこまって座る少女は、似合わない会釈をしてその到着を待った。
名を『泉こなた』と自称する彼女。ただそれだけで、やはり住所等は語ろうとしない。
元々深く詮索出来るとは思っていなかったので、私もそれだけで満足している。
ただ敢えて欲を言えば、事情を聞き出し干渉にまで踏み込みたいのが事実だった。

─────

向かい合って麺を啜る。
が、かといって互いを見つめている訳ではない。
私はともかく、泉こなたは猫舌のようで
熱々の麺と静かに格闘しているらしく、当分にそんな余裕は無いのだろう。


509残し物-3:2007/11/14(水) 00:22:00 ID:aEag6CQa

『泉こなた…ね。
じゃあ”こなた”でいいかな。』

私がそう尋ねると、少女はこくと頷いた。
その顔は見た目と反して明るさを見せず、一向に無表情を崩していない。
それが何かを、触れざるべき事情を暗示しているかのようで。
聞きたい事はこれと言うほどある筈なのに、後に彼女の持つ雰囲気に阻まれる形になった。

家出少女であることは認め、私の想定がおおよそ間違いない事が分かった。
だが家出の理由となると、泉こなたは首を縦に振らない。
親とのケンカ、世間社会への不満、自分探しの旅でもないという。
ではそのワケはと尋ねると、ただ、だんまりをしてしまうだけだった。


結局そこまでとなり、もう追究しようとはしなかった。
深い詮索は嫌われかねないと、私の紹介などに切り替えたのだ。
だが今でもなお、知りたいと思う気持ちは変わらない。
幼い少女が、雨にうたれて眠らなければならない理由を。


目の前の少女は、依然として熱々の麺を受け渋っており
やっと口に運んだかと思うと、目尻に涙を浮かべる様だ。
客観的に見たその和やかな空気を追い風に、捨てきれない望みを伺ってみた。

「…家出の理由、やっぱり聞かせてはくれないのかな。」

少女はゆっくりと麺を啜り上げると、やがて首を横に振る。
その顔が煙を嫌う表情に変わらぬうちに、これを機として今度こそこの話しはやめにする事にした。

その後に、もし食べていく宛がないのなら、私の所居てもいいとだけ伝え
僅かな望みに託す結果となった。

ところで、望みとは何の事だろう。
暫く考えて、やはり、私は泉こなたに固執していると思った。


510残し物-3:2007/11/14(水) 00:23:28 ID:aEag6CQa
〜〜〜〜〜

『こなた、その荷物は…』

『…散歩だよ』

『………』

『…散歩、行ってくる。』

『………そうか』

『帰り、遅くなると思うから』

『……そう、か…』

『晩ごはん…、ちゃんと自分で作って食べてね』

『…ああ。』

『…んじゃ、いってきます』



『こなた…。』

『……ん?』


『…………。』



『……いってきます』


〜〜〜〜〜

はたと目を覚まし、ベッドから身体を起こす。
部屋は月明かりを頼りとしてほの暗く、まだ夜中である事を理解させた。
泉こなたは、そのまま暫くぼうっと座っていたが
不意に自身が咳き込んだ事により、否応なしに現実を見た。

「………。」

隣の、少しだけ間を開けて眠る柊かがみを見下ろしてみる。
姿勢よく仰向けに寝る彼女ながらも、規則正しい呼吸は生きている事を証明している。
それを知って、泉こなたの考える事は至極極端で
きっと、幾年前と変わらない結果に至るだろう。


511残し物-3:2007/11/14(水) 00:25:34 ID:aEag6CQa
─────

携帯電話のアラームに起こされたのが1時間前で、私は今新聞に目を通しつつ、そろそろ訪れる出勤時間を気にかけている。
それでも政治家の不祥事を記した記事はしっかりと頭に入ってくるのだから、我ながら器用だと感心する。

と、泉こなたはようやくお目覚めになり、新聞を読む私をベッドの上から見下ろしている。
おはよ。と片手間に挨拶をかけると、彼女は早々に告げてきた。

「…私、やっぱりここには居られないよ。」

予想はしていたが、一晩でその答えが帰ってくるとは思わなかった。
私の下を離れるとして、草や木を寝床に構える現状は変わっておらず
彼女の基盤となる生活状況について、互いに何も改善策を見い出せていないからだ。
何より私の、もとい泉こなたの揺るぐ点……

「あんた、これからご飯どうするつもりよ」

この一言で、ぐうの音も出ないまでに押し黙ってしまうのだ。

「別に…家に帰れとは言わないけど、この先食べる宛もない子をおいそれと送り出すのは気が進まないわね」

「むぅぅ……で、でも」

泉こなたは必死な様子で、ただ居られないとだけ口にする。
その様子が何か別の、明確な理由を抱えている事を示唆しているようで。
私は行き着くべき推理結果に至ったわけだ。

「ねぇ、もしかして迷惑になるとか考えてない?」

はたと泉こなたの手振りが止まる。
今までと反応が違う辺り、図星だったと捉えていいのだろうか。
やがて口ごもったようすで、「ええと、その…」と呟き始めた。

512残し物-3:2007/11/14(水) 00:26:49 ID:aEag6CQa

「あんたねぇ…、迷惑なら初めから家に連れ込んだりしないわよ」

やれやれとため息混じりに新聞を畳む。

「で、でも…お金かかるし、ベッドの場所とるし…!」

「私はそれなりにお給料もらってるし、だからベッドも少し大きいの買ったんだけど」

事実シングルでありながら、今、泉こなたの座るベッドは大きめであり
昨夜二人で入った際に、窮屈だとは微塵にも感じない程だ。
経済的に余裕がある事は彼女も察知しているだろう。
それでも迷惑だと考える最たる所を避けて、色々な理由を挙げてくるあたり
私は彼女の気を使う唯一の点がおのずと把握出来た気がした。

「それに、それに──」

あなたにどんな事情があるかは知らない。
どんな考えで家を出たのかも知らない。
けれど何も知らないあなたを、私は支えたいと思ったのだから。
それはきっと──


「私としては居て欲しいのよねー。
アンタの事、好きだし。」

「……ふぇ…?」



彼女の最も気を使わんとする所は、彼女自信の存在だ。
自分がいる事で、私に精神的な迷惑を被りかねないと考えた。
そう過程すると、それをうまく否定してやる事で納得させる事が出来ると思ったのだけど……


「………」

泉こなたは反応を示さない。

だが呆気に取られた様子のまま、それでいて私を見る目はどこか雰囲気が変わり、若干頬に血色が伺える。
私の世界で彼女の顔に表情がうまれたのは、実感できるだけでもこれが最初で

とても嬉しかったのを覚えている。


513残し物-3:2007/11/14(水) 00:28:34 ID:aEag6CQa
─────

夜─激務を無事終えて、今日も同じ帰路につく。
途中でコンビニに寄り、カップ麺を買って。
思う事と言えば、泉こなた。
彼女がまだ私の部屋に居てくれているだろうか。
それだけが心配事となって、私の脳内を支配していた。

私の借りる部屋、鉄の扉の前辺りまで来ると、ふと夕御飯のいい匂いがした。
おそらくはご近所様から漂ってくるのだろう。
こんな時間に珍しいとは思ったけれど、同時に羨ましいとも感じる。
一人暮らしを始めて数年、手料理など数える程しか口にしていなかったのだ。
たまには何か作ってみるか。
そう考えながら、ぎっ…ドアを開く。



煮物。
唐揚げ。
そして白米。
それらが見慣れたテーブルに並び、奥には泉こなたがちょこんと座る。

「えと……つ、作ったんだけど。」

おずおずと見上げる彼女に、私はたまらず抱き付いていた。
5142-390:2007/11/14(水) 00:30:44 ID:aEag6CQa
つづく

一応ここらで区切り。
515名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 00:36:34 ID:XyZzly+b
リアルタイムGJですよ。
こなたがかわいくて死にそうです。
516名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 00:41:35 ID:x6G+tMze
つづきにwktk
家なき(?)子なたの運命やいかに
517名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 00:48:38 ID:DxPh/p3C
すごくGJ
これが欝展開になってしまうのか…神はSだな
518名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 00:54:49 ID:wBnEMFBF
これは良いかがこな
ゆっくり埋まってく距離感がたまりませんなw
519妄想屋(仮名) ◆JUqojnT5.c :2007/11/14(水) 01:00:40 ID:fxxDqmt4
>>300
>>339

つ【ttp://freedeai.com/up/src/up5490.jpg

ジャングルの奥地より、なぜかイースター島のモアイが浮かんだのでこんなんなりました。
BGMはなぜか、FALCOMの「太陽の神殿」。


もっとちゃんと描きたいけど、こういうのって「旬」があるよねw
520名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 01:04:39 ID:fxxDqmt4
うわ、「残し物」の続編来てたんだ!
タイミング悪くてスマソorz
521名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 01:04:46 ID:RxyWS2mu
>>519
くそぅww
イメージは浮かんだのにこれは描けなかったデスヨGJwww
522名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 01:05:14 ID:p7PJviZ/
こんな夜中に大声で笑わせてくれるなwww
523名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 01:08:35 ID:RxyWS2mu
> もっとちゃんと描きたいけど、こういうのって「旬」があるよねw

激しく同意ww
今まで何度旬を逃したことかorz

あ。ID変わってるけど4-243でした。
524名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 01:55:01 ID:h2kuNtwn
あれっ、>>500>>519って
同じ人物のイラストの筈なのになんで
こんなにもイメージが違うんだろう……。

まぁ、どちらもGJということで。
525ゲームセンターかがみ:2007/11/14(水) 02:11:18 ID:CWDb8Unm
ちょっと前までの流れに乗りたくなった俺元ヘボゲーマー

「すげえ!あのポニーテール!エスプガルーダ2全赤走行ノーミスノーボム!」

しかしそれ以外はいたって普通の女の子

「くやしー!またこなたにまけたあ・・・」
「ふふふふ、対戦でもクイズでもなんでもかかってらっしゃい」
しかしそんなかがみが、対戦でこなたに唯一完勝できるゲームがあった。









ティンクルスタースプライツ
526名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 02:16:12 ID:CWDb8Unm


ポニーテールじゃなくツインテールだorz

お馬鹿な俺は無視して、先進んでくださいorz
527名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 12:23:51 ID:SsKdjB4S
>>526
どどんまい
528名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 12:26:07 ID:z73dW2aV
こなたは対戦
かがみはシューティング
ならば知的なみゆきさんはマージャンだと思う俺。
んで、独特の天然を発揮すると思うのです。

みゆき「ロンです、リーチ、トイトイですね」
鷲巣「ぐにゃ〜り・・・」
=====
みゆき「ロンです。トイトイ、純チャンです」
鷲巣「ぐにゃ〜り・・・」
=====
みゆき「その発ロンです、ソウズのホンイツです」
↓倒したハイ
22334466688発発
鷲巣「ぐにゃ〜り・・・」
=====
みゆき「カンします」
鷲巣「(追加ドラは・・・そのカンではないか・・・
   当たり前じゃ・・・わしのような神懸かりな
   カンドラあたりなど・・・そうそうあってたまるか)」
みゆき「カンします」
鷲巣「(次も追加ドラにあたりなし・・・当然のことだ。
   むしろそんなにカンばかりしてたら
   己の手を狭めることになる、ククク・・・)」
みゆき「カンします」
鷲巣「(三カンツだと・・・何事だこれは・・・
   追加ドラにあたりは・・・なし・・・ホッ・・・)」
みゆき「カンします・・・あ、リンシャンでツモりました」
鷲巣「ぐにゃ〜り・・・」
529名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 12:32:03 ID:Sfccpsmq
じゃあつかさは競馬で

「ソンナノカンケーネ一点張り!」
530名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 12:56:15 ID:04CWFyP9
>>528
>トイトイ純チャン
それなんてチンロー
>ソーズホンイツ
それなんて緑一色
531名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 13:13:05 ID:r2bThmi3
>>530
             チ    ー              /\___/ヽ
    (.`ヽ(`> 、                      /''''''   '''''':::::\
     `'<`ゝr'フ\                 +  |(●),   、(●)、.:| +
  ⊂コ二Lフ^´  ノ, /⌒)                 |  ,,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
  ⊂l二L7_ / -ゝ-')´                .+ |   `-=ニ=- ' .::::::| + .
       \_  、__,.イ\           +     \   `ニニ´  .:::/    +
        (T__ノ   Tヽ        , -r'⌒! ̄ `":::7ヽ.`- 、   ./|  .
         ヽ¬.   / ノ`ー-、ヘ<ー1´|  ヽ | :::::::::::::ト、 \ (  ./ヽ
   ________________________        ____
  |三|三│三│四│四│四│五│五│六│六│七│      │五│六│__
  |萬|萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬|      │萬│萬│七 萬│
  └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘      └─┴─┴── ┘
532アイタック事件 ◆iTac2QMLKo :2007/11/14(水) 13:15:20 ID:Chy3Xiot
きねん
533名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 14:50:24 ID:yWl/uwuF
>>531
アホスwwwwwww
53419-190:2007/11/14(水) 16:36:22 ID:wl4W4S5R
19-190です。意見とか批判とかどうもです。
やっぱし音ゲー分からない人への配慮が足りませんでしたねー。
リズム感とか感情描写頑張ってみようかと思います。

( ゚д゚ )彡 そう!
もう出たからにはこのネタ使うしかないですね。
まぁもう一つネタ考えてることには考えてますが・・・
自分ギタドラ専なんでビーマニは上手く書けるか分かりませんがorz
535名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 16:55:20 ID:FeSyfD4h
>>497
いいですよ。エロっす。裸になt(ry
GJ

>>514
GJです。続きが気になる〜
wktkしてまってます

>>519
ちょ〜、おもいっきりわろた
GJです


麻雀と聞いて思いついたネタ


こなた「ねえ、明日みんなで麻雀やらない」
かがみ「相変わらず唐突だな。私、ルール知らないわよ」
つかさ「わたしは大体知ってるよ。一応、符計算もできるようになったし」
かがみ「つかさ知ってるの?それより、麻雀に婦警さんって……」
みゆき「かがみさん。婦警さんではなく、符計算ですよ。
     麻雀の得点計算のなかで、おそらく一番面倒ではないかと」
かがみ「っそっ、そうなんだ。でも、なんでつかさもみゆきも知ってるの?」
つかさ「うん。この前こなちゃんから『井○洋介名人の実践麻雀』ってのを借りたから」
みゆき「あら、つかささんもですか。私も泉さんから借りて覚えましたよ」
かがみ「あー、そういえばつかさが、なにやら一生懸命やってたわね」
こなた「基本的なことは簡単だから、かがみならすぐ覚えられるよ」
みゆき「そうですね。点計算は私たちに任せてください」
つかさ「今日帰ったら、わたしが教えてあげるね」
かがみ「それなら、やってみても良いかな」
こなた「そうだ、せっかく婦警さんなんだから、脱衣マージャンにしようよっ」
かがみ「やるわけないだろっ!」
536名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 17:12:22 ID:Sfccpsmq
「じゃあいくよー、はいドンジャラ〜」
「つかさそれ違う……」
537名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 17:33:21 ID:FeSyfD4h
>>536
ドン○ャラですか。ポ○ジャンが先に浮かんだ俺は…orz
538名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 19:12:37 ID:8UcQwqIA
>>535
かがみ全裸フラグ!?www
539将来ニートになるかも:2007/11/14(水) 19:44:45 ID:MzATTkJ3
>>535
かがみ全裸フラグwww
イイヨイイヨー
540名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 20:22:44 ID:CWDb8Unm
>>535

かがみ「う・・・」
こなた「かがみん箱った〜w」
みゆき「どんまいです・・・かがみさん」
つかさ「おねえちゃん・・・運なさすぎだよぉ・・・」
こなた「というわけで・・・かがみんのカイボータイム!」
かがみ「ちょ・・・わたしは脱衣はやらないっていってるはず」
つかさ「おねえちゃん・・・ルールはルールだよ?」
みゆき「往生際、という言葉を、この際はっきりさせましょうかがみさん」
かがみ「ちょ・・・つかさやみゆきまで・・・何急にルール変更なんか・・・
     やめ!おい!みんな目の色違うって・・・アッー!」



(影から)
鼻がとんがったギャラリー「通しだな・・・」
頼りなさげなギャラリー「通し・・・ですか?」
鼻がとんがったギャラリー「あからさま杉なクチローズ、3人でやってやがった
                 中でもあのアホ毛、ブッコやキャタピラもやってたぜ」
541名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 20:46:31 ID:kFwDKcBz
婦警さんの出番はないのか。
542名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 20:47:37 ID:bRfrg37N
鼻がとんがったひよりと頼りなさげなパティが頭に浮かんで腹筋が死んだ
543名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 21:27:34 ID:/UnebGqB
「まぁ…これだけあからさまなローズに気付かないようじゃ…どの道ダメだな…」
544名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 22:21:32 ID:uNxbnkNH
>>537
大丈夫。
おまいの書き込みでアノアのCMまで思い出した俺よりはマシだorz
545名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 22:42:19 ID:SYcivKm3
>>540

さすがは「闇に舞い降りた天才」だな>こなた
546名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 22:50:25 ID:H90bLL7A
ドラマ「相棒」を見ていて、
杉下(冷静沈着頭脳派刑事)→みうぃきさん・亀山(体力系元気刑事)→みさお・亀山のライバル?エリート刑事(皮肉屋)→かがみん・山崎(良い奴なんだがオタク系鑑識)→こなた

…という配役が浮かんでしまったので何か書こうとしたが…みうぃきさんとみさおの絡みがどーしても浮かばないんだぜ…orz
ネタわからん人すまぬ
547名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 23:48:57 ID:MrTmDWu/
みんな知ってるか?
相棒の伊丹刑事は教科書の様なツンデレだという事を。
そして相棒ファンの間では、その完璧なまでのツンデレぶりから、かがみんならぬ『いたみん』と呼ばれている事を。
548名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 00:39:04 ID:Ls7KNOeK
ツンデレといえばピッコロさんやベジータもそうなの?

そして、かがみとこなたのフュージョンの真似を想像して萌えたというか和んだ俺は変態だろうか?
549名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 00:43:44 ID:PPkJF06i
>>548
和む暇があったら書け(描け)!
550名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 01:05:25 ID:LjaT36Sc
こなた&かがみ「フュージョン!」

ぴかーーっ!

こなた「こうして、音ゲーと訴訟連発のゲームメーカーが誕生したのです!」
かがみ「あー、だりぃからつっこまなくていいか?」

551名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 01:11:27 ID:RrluuGDx
こなた&かがみ「フュージョン!」

ぴかーーっ!

こなた「こうして、平行世界をテケテケ渡り歩く神いわゆるゴッドが誕生したのだよ!」
かがみ「あー、だりぃからつっこまなくていいか?」
552名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 01:14:19 ID:25A+S5bW
こなた&かがみ「フュージョン!」

ぴかーーっ!

こなみ「こうして、某ゲーム会社が誕生したのだよ!(あー、だりぃからつっこまなくていいか?)」
553名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 01:17:27 ID:hZr64vzr
こなた+かがみ → こがみ

かがみ+こなた → かなた


・・・アレ?
554名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 01:26:45 ID:Y8g6HVK3
かがみ→ゲッター1

こなた→ゲッター2

つかさ→ゲッター3

みゆき→ゲッター3(補充要員)

なんて想像してニヤニヤしてる俺は末期だな。
555名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 01:33:29 ID:1dd5uGD0
ちょ、つかさ死亡フラグwww
556名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 01:38:07 ID:LjaT36Sc
こなた&かがみ「フュージョン!」

おっはらっきーーっ!

セバスチャン「な・・・・なぜあきら様がそこに・・・っ!」
55718-230:2007/11/15(木) 01:51:14 ID:6dMTw9Yg
まあ……あれですよ
ここで空気読まずに投下させていただきます
しかもちょっと長い……

では以下注意事項です
・みさお&白石
・エロ無し
・多分10レスです
・受け付けない方はスルーで
あと携帯からなので文体がおかしいかもしれません

では
55837th lucky! 第6話(1/10):2007/11/15(木) 01:53:20 ID:6dMTw9Yg
「……は?」

今、耳を疑うような台詞を聞いた気が。

「すまん、何だって?」
「だーかーらー。今日からお前ん家にしばらく泊ま――」
「はあ!?」

思わず部屋中に響くぐらいの大声を出してしまう。

「しばらくってなんだしばらくって!そんなの一言も言われた覚えは無いっ!」
「あれ、そうだっけか?」

こ、こいつ……。
俺は怒りのオーラを出しながら日下部を睨みつける。

「日下部……お前……」
「お、落ち着け白石。これにはちゃんと理由がだな」
「理由……?」

その言葉に反応して怒りのオーラを出すのを止める。
日下部はふう、と安心したように一息ついた。

「それはお前を泊めるちゃんとした理由になるのか?」
「なる……と思う。自信は無いからなー」

無いのかよ。

「……とりあえず聞くだけ聞いてやる」
「お、サンキュー。んじゃ早速……。あやのがうちん家に泊まりに来ることがあるの知ってるだろ?」
「……まあな」

確かにここ最近峰岸がよくそんなことを言っている気がする。
付き合ってる日下部のお兄さんに会うためだとか。

「知ってたか?あやのが卒業したらあの二人結婚するんだぜ?」
「そうなのか?」

55937th lucky! 第6話(2/10):2007/11/15(木) 01:55:28 ID:6dMTw9Yg
そんな話は初耳だった。
それと同時に、最近峰岸がよく日下部の家に泊まっていた理由も分かった。
つまりは将来二人で住む家に慣れておこう、という意味だろう。……多分。

「んでさ。私も結婚するまで二人の邪魔しちゃ悪いかなー、って空気読んだわけだ」
「ふむ。……なら何で空気読んだら俺の所に泊まりに来る、という結論になるんだ?」
「まず二人の邪魔になるから家には居られないだろ?」
「自分の部屋にこもってりゃいいだろうが」
「まあまあ。人の話は最後まで聞くもんだぜ?」

だったら少しはまともな回答を要求するぞ。

「で、だ。そんな幸せ全開の二人の間に私が居るっていうのもアレだからさ」
「だから俺の所に滞在しに来た、と?」
「そーいうことだ」

色々省かれてる気はするが一応日下部の事情は把握した。
把握はしたがしかし。

56037th lucky! 第6話(3/10):2007/11/15(木) 01:57:35 ID:6dMTw9Yg
「なるほどなるほど。よし、今日は約束通り泊めてやるけど明日はちゃんと家に戻れ」
「ひでぇ!ちゃんと理由は話したじゃねーか!」
「話を聞いたら泊める、とは言った覚えはないぞ。それにかがみとか泉とか、他に頼めそうな奴はいくらでもいるだろ」
「それは実行済みなんだぞー。でも柊もちびっこもダメだって言うんだぜ?」

そりゃそうだ。
俺だって絶対許可は出さない。

「あーあ。これで一から探しなおさなきゃなぁ……」

少し残念そうな顔をする日下部。

「なあ。どうしてもダメか?」
「うーむ……」

正直言って泊めることは難しい。
が、この荷物を持ってこまで来た日下部を追い返すのはちょっと気が引ける。
それに、俺が追い返せば打つ手が無くなるだろうし……。
一応聞くだけ聞くか。

「日下部」
「んあ?何だよ」
「もしここにしばらく泊まるとして……本当にここでいいのか?後悔しないか?」
「お前しか居ないからここに来たんだぜ?それに信頼してるんだ。後悔なんてするかっつーの」
「そうか……。なら」

後悔しないのなら仕方がない。
泊めるしかないだろう。
が、やっぱりタダで泊めるわけにもいかない。

56137th lucky! 第6話(4/10):2007/11/15(木) 02:00:04 ID:6dMTw9Yg
「いくつか質問がある。それに答えられたら……泊まらせてやらないこともない」
「本当か!?」

うつ向いてた顔をガバッと上げる日下部。

「まあ……気は進まないけどな。でもそれだけ峰岸とお前のお兄さんが大切なら仕方ないっていうか」
「おおお!ありがとう白石!やっぱり持つべきものは親友だぜ!」

日下部はそう叫びながら飛びかかって――もとい抱きついて……は?

「ちょっ、待てっ!」

俺の叫びも虚しく、日下部は真っ直ぐ衝突してきた。
ドスン。

「ぐはっ」

そのまま衝突してきた日下部は力の限りに俺を抱きしめてきた。

「私は今かんどーしているっ!」

背骨がギシギシと軋んだ音を発している。
今にも真っ二つに折られそうだ。
いや、問題はそこじゃない。
このなんだか柔らかい感覚はつまり。
……当たってるんですかそうですか。

「お……落ち着け日下部……」

日下部の肩をがっちりと掴み引きはがす。
まだ心臓がバクバクと鳴っている。
俺が落ち着け。

「大丈夫か白石?」
「それはこっちの台詞だ……。大丈夫かお前?色々と」
「私?おう、全然へーきだぜ!」

56237th lucky! 第6話(5/10):2007/11/15(木) 02:02:21 ID:6dMTw9Yg
えっへんと胸を張る日下部。
駄目だこいつ。早く何とかしないと……。

「あー……まあとにかくだ。今から色々質問するからそれに答えてくれ」
「オッケー。……と、そういえば」

日下部は急に何かを思い出し、バックの一つをあさり始めた。

「お、あったあった」

しばらくすると何か見つけたような反応をする。

「ほい。うちの親から」

そう言って茶封筒を手渡される。
……なんだこの微妙なずっしり感は。
封筒を開けて中を覗いてみる。
すると……中には十数万円の札束が。

「……日下部、これは何だ」
「ん?なんか家出るときに渡されたんだよ。もとから用意してあったっぽかったなー」

そりゃ多分こいつがこういうことをやることを分かってたんだろうな。
しかし……こんな大金あっさり渡さないぞ普通。
でもこれを受け取らなきゃ日下部の親の信頼まで裏切ることになるし……。
そう考えてる間に頭の中で浮かんでいた質問がどこかへ飛んでいってしまった。

「……はあ、なんだか疲れた。もういい。仕方ないからお前をここに」

と、その時。ポケットに入っている携帯から聞き慣れた着信音が鳴りだした。
こんなときに誰だ……?

56337th lucky! 第6話(6/10):2007/11/15(木) 02:04:45 ID:6dMTw9Yg
「すまん。ちょっと待ってろ」

携帯を開きすぐさま電話に出る。

「もしもし」
『もしもし。白石?』

この声は……。

「あきら様……ですか?」
『……なによ。悪かったわね、私で』
「い、いえいえ。そのようなことはありませんよ。それでどうされたんですか?」
『それがさぁ。今日急に仕事が入っちゃってね』
「はあ」

……早速嫌な予感がする。

『そんであんたに手伝ってもらいたいから、今そっちに向かってる途中なのよ』

そしてその予感は悪いことに、見事に的中した。

「ええ!?」
『何よ。なんか文句でもあんの?』
「い、いえいえ。文句というか何というか……。とにかくいくら何でも急過ぎますって!それに今日はバイトが――」
『あんたの用事なんて私が知るわけないでしょ!』
「そんなむちゃくちゃな……」

まあこれはいつものことなんだが。
しかし今日はまずい。
よりにもよってバイトの日に急な仕事が入るなんて……!
俺は改めてあきら様を説得しにかかった。

56437th lucky! 第6話(7/10):2007/11/15(木) 02:07:06 ID:6dMTw9Yg
「だから今日はダメなんですって」
『芸能界で生き残りたいんだろ?だったらバイトなんてやってないで芸人の道を貫け!』
「芸人じゃありません!それに僕はC○Co壱じゃチーフって呼ばれてるんですよ!?」
『だから何よ』
「メンチカツが僕を待ってるんです!だから今日ばかりはバイトを優先させていただきます!」
『メンチ揚げてる暇があったら少しは芸能界の勉強しとけ!そうじゃなきゃ誰か代役でも連れてこい!』
「無理に決まってるでしょう!大体、僕以外にあきら様のアシスタント役を務められる人なんて――」
『そういうことだからバイト休みなさいって言ってんでしょ!』
「……」
『……どうしたのよ白石?急に黙って』

……居た。俺の代わりにアシスタントが出来る奴が、しかも目の前に。

「?」

当の本人はこんな反応だがこの際二の次だ。

「あきら様。ちょっとよろしいでしょうか」
『な、何よ急に』
「さっきも言った通り僕が今日行くのは流石に無理です」
『あんたまた――』
「ですが!」
『ですが?』
「今、代役を勤められる方が一人だけ居ます。しかも今、目の前に」
『……?』

56537th lucky! 第6話(8/10):2007/11/15(木) 02:09:21 ID:6dMTw9Yg
最初こそ黙っていたあきら様だが、しばらくすると俺が言わんとすることが分かったらしい。

『あんた。その代役ってまさか……』
「そのまさかです!さすがあきら様!それじゃそういうことで!」
『待て白石!話はまだ終わ』

ピッ。
通話を強引に終了する。
それとともに電源を切る。
これでアフターケアもばっちりだ。

「さて……」

バイトまでに時間がないので日下部には簡潔な説明をすることにした。

「日下部、お前を泊める条件を今から言う。いいか?」
「よし、なんでも来い」

自信満々に答える日下部。

「実はもうすぐあきら様が来るんだ。そこで、お前にはあきら様の仕事を手伝って貰いたい」
「あきら様?……ああ、あのピンク色の髪のちび――」

と、そこまで言いかけて急に口を動かすのを止める。

「どうした?」
「も、もしかしてあのヤンキーっぽい人も来るのか?」

体をガクガク震わせる日下部。
やっぱりあの出来事は未だにトラウマらしい。

「安心しろ、あの人は来ない。……お前が下手なことしなけりゃな」
「よ、よし。がががんばるぜー」

56637th lucky! 第6話(9/10):2007/11/15(木) 02:11:30 ID:6dMTw9Yg
そう棒読みで言った顔が引き攣って見えるのは多分俺の気のせい……じゃないな、うん。
まあとにかくこれで手遅れになったわけだ。
けれども不思議と後悔してはいないのはなんでだろう。
……今はそんな余計ことを考えてる暇はないか。

「んじゃ契約成立ってことで。ほら、手出せ」
「?」

言われたままに手を差し出す日下部。
その手の上にある物を置く。
チャリン。

「合鍵だ。出るときにちゃんと閉めていけよ」

日下部は驚いた表情を見せた後、

「……うん。ありがと、白石」

いつもの元気な笑顔ではない、優しい微笑みを見せた。

「……っ」

心臓が跳ね上がる。
こんなの反則だぞ。
くるりと日下部に背を向ける。

56737th lucky! 第6話(10/10):2007/11/15(木) 02:13:34 ID:6dMTw9Yg
「どうした?」

日下部は今までと変わらない口調で話しかけてきた。

「い、いや。何でも無い。それにそろそろバイトだから」
「あー。なるほど」

本当は何でも無くはない。
こんな赤くなった顔を見られたら、からかわれるに決まってる。
それに実際バイトの時間はすぐそこに迫って来ていた。
……もっとも、まだ出るには少し余裕はあるのだが。
でも、出来ればあきら様とニアミスするのは避けたい。
俺はそのままの態勢で真っ直ぐ玄関へ向かう。

「それじゃあ頼むぞ」
「おう。ばっちり任せておけ」

グッと手を俺のほうに突き出す日下部。
相変わらず根拠の無い自信だな……。
俺は少し苦笑し、思い切りドアを開けて外へと走りだした。
56837th lucky! 第6話あとがき:2007/11/15(木) 02:15:50 ID:6dMTw9Yg
投下終了です
ここ最近忙しい上にアクセルがなかなか踏み込めない……
次もいつ投下出来るかわかりませんが、それでもよければ幸いです

それでは
569名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 02:20:05 ID:CfWYGY0m
>>568
リアルタイムGJなんだってヴァ!
みさお可愛いよみさお、水原ボイスが侵食率100%だよ。ぐっじょぶ。

あ、そうそう。
即興でやらかしちゃったので、一眠りして6〜7時ごろをめどに投下しようと思います。
6KBないので、次スレの季節になっても平気、のはず。じゃ、おやすみなさい。
570名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 02:21:12 ID:LjaT36Sc
やばい、これはやばい
続きを期待せざるを得ない。
怒涛の展開GJ(゚∀゚)b
571名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 05:29:56 ID:thMlS9mT
>>568
つづきをたのしみにしていますGJ

>>569
仕事から帰ってきたらたのしませていただきます。
572尼野録 拾七 ◆9YoxyCDQ/E :2007/11/15(木) 06:22:54 ID:CfWYGY0m
おはようございました。……俺、惨状!

というわけで、昨夜寝ないで書いた即興SS、本文2レス+前書きあとがき2レスお借りします。
こなた&かがみ中心の非エロ、慌てて書いたのでオチが弱いのはご勘弁を。
それと、今日のNHKでお昼に「何をやるはずだったか」をご存知だと楽しめるかもしれません。
573国会中継に泣く。(1/2) ◆9YoxyCDQ/E :2007/11/15(木) 06:24:53 ID:CfWYGY0m
 娯楽性ばかりが強調されて久しいとはいえ、マスコミは社会の公器である。
 重大な「何か」が起これば、求められるのは一刻も早く正確な情報だ。
 そのためにやむなくほかの何かを犠牲にすることも、社会の公器としての務めといえるだろう。
 これは、犠牲になった「ほかの何か」にまつわるちょっとしたお話。

 11月も半ばともなると、毎朝の空気は冷たい。
 柊かがみと妹のつかさは、バス停に並ぶ生徒たちに混じって肩をすくめながら、一緒に登校するはずの泉こなたを待っていた。
「所用がありますので」と申し訳なさそうに先の便に乗り込んだ高良みゆきを見送ってから、かがみは手にした缶に口をつけた。
 唐辛子を模したキャラクターが、黒い缶の上で凶悪な笑みを浮かべている。暴君にしてはフレンドリーな味わいが彼女のお気に入りだ。
「こなちゃん、遅いねぇ」
 つかさもちびちびとチョコドリンクを飲んでいる。ふぅふぅと一口ごとに冷ますしぐさが可愛らしい。
「どうせネトゲか何かでしょう? あいつったらほんとにいい加減なんだから」
 むっつりと言ってはみせるものの、かがみも内心ではいぶかっていた。
 何しろ今日は、当の彼女から散々聞かされた「記念すべき一日」なのだ。そんな日に彼女が寝過ごすなんて考えにくい。
 こんな日には朝一番に起きてきて、かまってもらいたがりの子猫のようにかがみ達にじゃれ付くこなただというのに。

 ぞろぞろとバスに飲み込まれて行く生徒の群れに背を向けながら、かがみは腕時計に視線をやった。
 遅刻せずに登校するには、次の便がぎりぎりのリミットだ。
 ぬるまったチリスープを名残惜しげに飲み干し、空き缶をゴミ箱に投じてつかさを促す。
 慌ててドリンクを飲んだつかさが、「んがくくっ」と裸足で駆けてく陽気な国民的主婦のような声をあげた。
 と。妹が捨てそこなった空き缶を捨てなおしてやっていたかがみは、視界に見慣れた影を認めた。
 人波のはざまに見え隠れする一房のアホ毛に向けて、気持ち大きめな声で挨拶を投げかける。
「よーっす! 遅いぞ、こなた!」
 アホ毛の主が歩みを止める。


「かがみ……つかさぁ……」
 下がりきった眉。力なくうなだれた肩。くにゃりとゆがめられた口元。大きく見開かれ、潤みきった瞳。
 紅潮した頬は、あろう事か涙に濡れていた。


 常ならぬ様子に姉妹がぎょっとするより早く、泉こなたは駆け出した。
 幼い頃に自分とはぐれたつかさのようだ、とかがみが思う頃には、彼女の胸にタッチダウンを決めている。
「ふぅ……すん……っく、ふぃぃぃぃぃぃぃん!!」
 そのままおいおいと泣き崩れるこなた。
「ちょっ、あんた、落ち着きなさいよ、一体どうしたのよ?」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
「お姉ちゃん、バスもう出発しちゃうよぉ」
「びぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」
 この勢いを何に例えたものか。さしづめ、盆と正月が同時になくなった、とでも言うべきだろうか。
 頭の片隅で取り留めのないことを考えつつも、かがみはこなたを引きずって閉じられる寸前の乗車口に滑り込んだ。
574国会中継に泣く。(2/2) ◆9YoxyCDQ/E :2007/11/15(木) 06:26:57 ID:CfWYGY0m
「……ほら、少しは落ち着いた?」
「うん、ありがと、かがみ……」
 黒板越しにさめざめとこなたのすすり泣きが聞こえるという、世にも心臓に悪い一時間目が明けて。
 クラス担任桜庭ひかる以下C組全員の総意の下で「臨時ちびっ子慰め委員」に任命されたかがみは、こなたのいるB組を訪れていた。
 つかさをあやした経験が18にもなって役に立つとは、さすがのかがみも思いもしなかったが。
「お姉ちゃんすごいねえ。私達じゃ泣き止まなかったのに」
「それだけかがみさんを信頼していらっしゃるんですね、泉さんは」
「ひとえに愛だよー、だよねぇ」
「……とっ、ともかく。こなた、何かあったの?」
 つかさとみゆきの会話を赤面しながら流しつつ、かがみは問いかけた。
「それなんだよぉぉぉ……!」
 と、引っ込みかけていたこなたの涙が再び溢れ出しそうになる。髪ごと背中をさする手の動きを再開して、こなたを落ち着かせるかがみ。
「あのね、タイマー予約も万全に済ませて、テープもまっさらのきれい撮り買って来て、さぁ今日だって思って朝一で起きたらね」
「うんうん。今日の奴よね、お昼の生放送。昨日は平野あやがテレビに出るからって、あんなにご機嫌だったじゃない」
 平野あやは、こなたのお気に入り声優の一人だ。
 どの位お気に入りかというと、彼女が科学番組のナレーションを始めてからこなたが異常に人体に詳しくなったほどである。
「朝刊見たらね、番組のところが国会中継になっててね、慌てて番組のサイト見たら、特別編成のためお休みってぇぇぇ……!」
 再び泣き崩れるこなた。姉として鍛えたなだめテクも底をつきかけたかがみが、それでも落ち着かせようと口を開きかけたとき。


「あの、泉さん。国会中継が入ったときには延期になるだけで、番組そのものは中止にはなりませんよ?」


 救いの女神が、あらぬ方向から光臨した。女神のバストは88cmであり、CVは遠藤あやであったと言われる。
「ほんとっ!? ほんとにほんと? 嘘じゃないよね? ネタじゃないよね?」
 泣いたカラスの例え通り、泣き顔を一変させて瞳を輝かせるこなた。
「おのれみゆき、うらやましすぎるわ……」
 思わず、かがみの本音が口からこぼれ出る。
「すみません、泉さんをお借りしてしまって……」
「お姉ちゃんは本当に、こなちゃんを愛してるんだねぇ」
「うそっ!? え、私何か変なこと言った!?」
 自爆であった。
「ねえみゆきさん、延期って言うことは別の日に生出演とかするの?」
 かがみの懊悩など知らぬげに、こなたはみゆきに質問する。
「いいえ、公開録画に切り替わるそうですよ。当日にスタジオパークで収録して、放送枠が空いた後日に放送するそうです」
「そっかー、生あーやじゃないんだぁ。ちょっと残念かなあ、でもお蔵にならないならいいやー」
 ほっと息をつき、ない胸をなでおろすこなた。そんな彼女を、みゆきはそっとかがみの元に促してやった。
 自身はつかさの隣に椅子を移動させ、いつもの雑談モードになる。
「それにしても詳しいわねみゆき。やっぱり、ネットとかで調べたの?」
 ついでにとばかりにこなたの髪をくしけずってやりながら、かがみは尋ねた。
「それもあるんですが……母とみなみさんのお母さんが、勘三郎さんのファンでして」
「北風小僧?」
 なぜか困ったような微笑を浮かべるみゆきに、つかさがいつものごとくボケを返す。
「それは寒太郎でしょ。ええっと、歌舞伎の人よね、おととし勘九郎から襲名した」
「ええ。それで、つい月曜に国会中継で勘三郎さんの番組が流れまして、母もおばさまも神南まで抗議に行くとものすごい剣幕で……」
 言われてみれば、さきおとといのみゆきは休み時間ごとにどこかに電話したりメールしたりとばたばたしていた。
 小指をぶつけた程度でダイレクトに噴火してしまう、奔放で直情的なみゆきの母である。なだめるには相当な苦労があっただろう。
「そりゃまたなんとも……みゆきも苦労するわね」
 みゆきと同種の微笑を浮かべたかがみの耳に、二時間目の予鈴が聞こえてきた。


(どっとはらい)
575尼野録 拾七 ◆9YoxyCDQ/E :2007/11/15(木) 06:30:20 ID:CfWYGY0m
はい、お目汚しでした。

……ええ。なぜこんなもの書いたかは皆さんが良くご存知だと思います。
楽しみにしてたんですけどね、今日の「スタジオパークからこんにちは」。

まあ、勘三郎さんの例を見るにお蔵にはならないと信じたい、んですけど。
ではではー。
576名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 07:00:09 ID:DI3hdU7X
>>575
おぉ、お久し振りでございます。
相変わらず綺麗な文体でうらやましい…GJ!

新しい職人様とスレ初期からの職人様…
そう感じるほど長いスレなんだと思うと、ちょっと感動www
577名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 07:14:03 ID:gDXj5VsK
>>553
ごめん、多分その電波俺がだしてた奴だわ。
578名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 09:28:57 ID:lHsoe6TA
>>550-552
こなた+かがみ → かなた、こなみ
 …「オトメディウス」のことかーっ!(ヒント:オペレッタ)

>>568
うは、どうなる白石!?GJ

>>575
今日の「スタジオパークから(ry」 はそうだったのか…、初めて知りました。
「スタジオパーク(ry」 といえば、以前、5月28日に元・農水大臣自殺の臨時ニュースで
急遽中断されたときのゲストの、代替回を見た気が。
ということは、…まあ大丈夫でしょうね。
579名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 10:48:06 ID:l9Of3oN1
>>568
くおぉキター!GJっすよー!
みさおの反応が可愛い…!
けどあきら様が嫉妬しないか心配…
これは三巴フラグ?
それとも3Pフラ(ry
580名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 11:27:43 ID:EicwMxp1
>>575
あなたの帰還を、一日千秋の思いで、お待ちしておりました。

GJ!
581名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:20:25 ID:l9Of3oN1
どうも17-234です。
誰も居そうにない…
しかしこれできっと480KB超えるはず!

白石&あきら
非エロ・6レスです。
携帯からなのでどっかおかしい…かも…

「ひとりのじかん、ふたりのじかん」


投下開始。
582「ひとりのじかん、ふたりのじかん」1/6:2007/11/15(木) 16:21:54 ID:l9Of3oN1
今日は確かになにもない日だ。
収録も、その他の仕事も、何にもない日だ。

だからといって、
学校を休んではいかんだろう。
(しかも義務教育だろうよ)

部屋には一人、女の子がベッドで幸せそうに寝ている。
パジャマ代わりの長袖のTシャツは捲れ、おへそがみえている。
しかし本人は気付かない。

「すぴー…すぴー…ふにゅ」

その寝息はいかがなものか。

―――――

こちらは一方…
この部屋の主も、やはり収録もバイトもない日を送っていた。

だからといって、
学校を休んではいかんだろう。
(出席日数は足りるのだろうか)

なにもないと言っても、机とベッド、周りに教科書と台本が転がっている。
そんな部屋。

布団をかぶり、枕を抱いて寝てるのはどうかと思う。

―――――
583「ひとりのじかん、ふたりのじかん」2/6:2007/11/15(木) 16:23:43 ID:l9Of3oN1
ふと、彼女は目を覚ました。
時計の短針は、11の場所を指している。

「ん…こんな時間…か…」

学校はどうしたんですか。

「おなかすいたなぁ…」

眠い目を擦って起き出す。
下の階に降りる。
なんの物音もしないようだ。

「なぁんだ、ママまた居ないんだ…」

少しだけ、その少女は残念そうに言う。

「なに食べようかな…」


「あっ」

彼女の頭上には電球が煌めく。
ダッシュで自分の部屋に戻り、携帯を引っ掴む。
彼女はアドレスからサ行を探し、該当の電話番号を見つける。
「白石 みのる」


―――――
584「ひとりのじかん、ふたりのじかん」3/6:2007/11/15(木) 16:25:57 ID:l9Of3oN1
その男は、聞き慣れた音楽で目を覚ました。
個別に着信音を変えてる人だから、この音楽は、この人しか居ない。
曖昧ネットだーりんを、着信音にしてるのは。

「小神あきら」やっぱり。

「あきら様…おはようござ」
「あっ白石?おはよ!学校は?ないの?そんでね、」

人の話は聞かないようです。

「ご飯。」
「ふぇ…?」
電話から聞こえる、高めの男のちょっと抜けた声に、彼女は笑ってしまう。

「白石〜?起きてる?」
「今起きた…ばっかりで…」
「んじゃ、ウチに来てーご飯作って?」
「あの、僕は家政婦じゃな」
「じゃーねー」

ぷちっ

そして再び訪れる静寂。
彼女は無音が嫌いだった。
なにもないことが、嫌だった。

「誰も、いない…」

彼女はテレビをつける。
人の声。色。光。
今は、それすらも虚しく思えた。

「まだ…かな…」

明かりもつけず、彼女はその場に座り込む。
近くに転がっていた、ピンクのうさぎを手にとってみても、
その寂しさは変わらなかった。


「まだ…かなぁ…」


―――――
585「ひとりのじかん、ふたりのじかん」4/6:2007/11/15(木) 16:27:57 ID:l9Of3oN1
男はとりあえず急いでいた。
あの状況から、彼はシャワーを浴び、身なりを整え、自転車で出発した。
今日は全くの私服だ。
色の濃いジーンズが、最近のお気に入り。
黒いジャケットは何にでも合う。
中に長袖のTシャツ、というなんとも普通の格好だが、気にしない。

電車に乗って
彼女の最寄り駅で降りたら、
そこからはこっちのものだ。

徒歩10分。その位置にこの家は存在する。
一戸建てのこの家には、表札がない。
だが彼は何の迷いもなく。

「ぴんぽーん」

たたた、と中で小走りする音が聞こえる。

「いらっしゃ〜い」
「おはようございます」

ささっとドアを閉め、彼は靴を脱ぐ。
ついていなかった電気をつける。
にっ、と笑う彼女につられて彼も笑う。

「ご飯、作って?」
「何があるんですか?」
「わかんない」
「言うと思った…」

くすくすと2人で笑う。
暖色系の光は、暖かかった。
彼女は寂しさは、いつの間に消えていた。

―――――

お昼は結局炒飯だった。
残り物で作るのは、彼の得意とするところなのだ。

「おなかいっぱーい!」
「ふぇー!美味しかったですか?」
「まだまだだな!」
「マジですか…!」
「精進したまえ〜」

―――――
586「ひとりのじかん、ふたりのじかん」5/6:2007/11/15(木) 16:29:33 ID:l9Of3oN1
とおっ!
と二人で一緒に、ベッドに飛び込む。

久しぶりにこんなことしたかもしれない。
彼はこのふかふかのベッドが、好きだ。
なによりも、こうやって2人で居られる時間が好きなのだ。

彼女はにこにこと笑っていた。
それまでの寂しさはどこへやら、
二人でいる時間がそんなにもよかったのか、
彼女は笑っていた。

「白石ー」
「なんですか?」

ベッドの上で横たわる。
彼と彼女の間には、5cmの隙間がある。

「……ありがとうね」
「どういたしまして…」

手を繋ぎ、向かい合って、おでこをくっつける。
二人でいる安心感からか、
10分もしないうちに、2人分の寝息が聞こえてきた。


ふたりのじかんに
きみがいれば、
それだけでしあわせ。
587「ひとりのじかん、ふたりのじかん」6/6:2007/11/15(木) 16:30:45 ID:l9Of3oN1
それから、
どうなったのかは、
ないしょっ


―――――

はい以上です。
次スレにならないかなーどうかなー?
ってかはやくなれ!!
588名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:43:05 ID:ud4QB8dO
>>587
おお、どっちの意味でもGJ!w
これで次スレにいけますぜ!
589名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 17:03:40 ID:9kw4YJ2Y
今日は、職人降臨しすぎ。
・・・というわけで、次スレですね。
59014-319:2007/11/15(木) 17:40:08 ID:kjXcwyBK
埋めネタ


「そういえば…このスレも終わりだね」
「そうだねぇ…」
「そうね…」
「そうですね…」
「そうだなぁ…」
「そうだよね…」
「そう…だね」
「そう…」
「そうッスね…」
「そうデスネ…」

「そうやな…」
「そうですね…、って、あっ…あきら様、どうしましたか?」
「そうですね。なんて言ってる場合じゃないわよっ!なんで私の出番が少ないのよッ!」
「そう言われましても…僕にはなんも出来ません…」

「そうだね〜。お姉さんびっくりだっ!」
「そうだな…けど俺は寂しくなんかないな…こんな美少女たちに囲まれて…」
 そう君…あなたは…もうっ…







「って、これだけかい!」
591名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 17:41:42 ID:kjXcwyBK
コテついたまま投稿してしまった…
って、まだ次スレも出来てなかった…
592名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 18:01:42 ID:CfWYGY0m
>>587
口から砂糖吐くくらい甘くってもう。もう。ええもう。
あきみのあきの真髄を見ました、ぐっじょぶ。

で。
次スレまだのようなので、スレ立てに挑戦してきまっす。
593名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 18:08:11 ID:CfWYGY0m
こちら592、新スレ立てに成功しました。
住人ならびに職人の皆さま、下記新スレへの移動と当スレの埋め立てをよろしくお願いします。
次スレにもゴッドかなたさんのご加護を。以上。

らき☆すたの女の子でエロパロ24
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1195117511/l50
594名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 18:21:11 ID:RrluuGDx
新スレが立ったところでコッソリ埋め立てに協力です。
どう見てもみなみオナニーSSです。でも雰囲気はゆたか×みなみです。一部ぷち鬼畜かもです。
というわけで、以下2レスほどつかいます。
595みなみん自慰ねた 1/2:2007/11/15(木) 18:24:05 ID:RrluuGDx
 恥ずかしいことをしてしまうのは、気持ち良くなりたいから?
 ……それは、本当。快感が得られなければ、そんなことを続けたりなんかしない。
 でも私の場合、もう一つ、もっと切ない理由がある。
 私が、求めているのは……。


       みなみべりーぱにっく 〜闇の腐女子の本の7話ver〜


「ふぁ、ゆたか……っ」
 それは、手を出してはいけない欲望。
 広すぎるベッドの上に身体を投げ出し、恋しい人の名前を呼ぶ。

「あ、やっ……」
 コンプレックスの元になっている、女らしさに欠けた胸。
 しかしその頂は、カーテン越しの月明かりの中でも分かるほど自己主張し、白磁の素肌に
 淡い影を落としている。
 渇望に耐えきれなくなって摘むと、皮膚をざわめかせながら甘い痺れが拡がる。
 それが女の器官に伝わって、思わず太股がくねる。

『好きだよ、優しい所も、かっこいい所も、綺麗な体も……全部大好きだよ、みなみちゃん』
「わ、私も、好き……大好き……」

 股間から沸き出す熱に身悶えながら、目を閉じて、捻じ曲げられた夢を見る。
 私の上に跨って、呼吸を甘く乱しているゆたか。
 いつもの純真さからは想像もできない仕草に当てられて、とっくに湿り気を湛えていた秘所から
 更なる愛液が溢れ出す。
 くちゅり、と、勝手に擦り合わされる股間から水音が響く。恥ずかしい……悪いことをしている
 ようで、思わず顔を背ける私を、ゆたかが覗き込んでくる。

『みなみちゃん、感じて……?』
「ゆたか、違……」
『ごめん、みなみちゃんが可愛すぎて、私……』

 描いたゆたかの幻に合わせて、脇やお腹を撫で上げていた指先を一気に秘所に沈める。
 泥濘をまぶして蕾を弄ると、全身が弾かれたように勝手に跳ねる。
 もう、止まらない。
 理性も感情も忘れて、壊れたように快楽を貪る。

「だめ、ゆたか、ゆたかっ」

 誰にも明かせない、恋。
 太股にまで溢れるほど濡れた秘唇を弄っているのも、弾けそうに膨れた乳首を慰めているのも、
 決してゆたかの手ではない。もちろん、これからもずっと。

「い、――――――――――ッッ」

 だけど、せめて今だけ……。
 いけないことだと分かっていても、それが大好きなゆたかへの冒涜だと気付いていても。
 一瞬でも切なさと孤独を忘れる時間がないと、恋焦がれ続ける心が壊れてしまう。
 だから私は、いつも大きすぎるベッドで、全身が蕩けるような絶頂の
596みなみん自慰ねた 2/2:2007/11/15(木) 18:26:25 ID:RrluuGDx

 …………。

「にぎゃーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
 幻想世界に片足突っ込みかけたひよりは、思わず頭抱えて絶叫した。

「だあぁぁーーーめっス!こんな腐った目で友達を見たりしちゃ駄目っ!!落ち着け私!!
 自重しろ自重しろ自重しろーーっ」
 手の平に人と3回書いて飲み込み、ついでに素数っぽいものを数えてくーるだうんする。

 っくはーすーはーすーはー……うん、よし、さすが歴戦の勇者だぞ田村ひより。
 心拍数も血圧も壊れモード高良先輩の3分の1くらいに低下した。
 常に極限状態に身を置く同人作家ならば、この程度の感情のコントロールは基本中の基本っ。

「けど岩崎さんて、そのテの知識あるのかな?」

 友達とだべっていれば、普通は普通に入って来るけど、岩崎さんの場合あまり人と話さない。
 兄弟とかいれば違うけど一人っ子だし……
 とすると官能小説とか?
 いや、もしかしたら、泉先輩(のエロゲとか同人誌とかかがみ先輩との実技指導とか)から
 学習した小早川さんが、スト○ニの光○×天○みたいに週一くらいで組んずほぐれず初心な
 岩崎さんに夜通しあんなことやこんなことを………………

  ゆたか「もう、だめだよみなみちゃん、私が『いい』って言うまで我慢してなくちゃ」
  みなみ「ひぐっ、んっ、ご、ごめん……」
  ゆたか「ごめん、じゃないでしょ」
  みなみ「ううっ……も、申し訳ありません、ゆたか、さま……」
  ゆたか「ふふっ。泣き虫でえっちなみなみち

「ぬぎょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!
 まじで自重しろ自重するんだ私、おおお落ち着け落ち着け落ち着け落ち(以下省略)



 真っ白な原稿用紙を流れる鼻血でベタ染めながら、苦悶と恍惚がごちゃ混ぜになった顔で
 のたうち回る田村ひより。
 しかし、みなみとゆたかが……いや、この世に萌えがある限り、彼女が安眠できる日は来ない。

 闘えひよりん!負けるなひよりん!!
 幾多の〆切乗り越えて、勝利をその手に掴むまで!!!
597みなみん自慰ねた…?:2007/11/15(木) 18:29:40 ID:RrluuGDx
  _______  _______________________
             o
        _   ゚
      .'´   `ヽ、  
        i ,トノ{`´}ノハ       性欲を持て余していたのでついカッとなってやった。
        | !l;(. )_( )'      今は反省している。
     _ノφ乙⊂ )_       でも埋めネタだからそんなの関係ねぇ。
    /旦/三/./|         
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |      ちなみに、みなみちゃんSS本編(?)の続きは
   |みな☆ゆた.|/       もしかしたら次の埋め立て時あたりに……orz


……でも、埋め立てだとSS力が不足してても、敷居低い気がして書き込みやすい
気がするからべんりでたすかるぜ。はっはっはっはっはっ(涙)
598名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 18:37:07 ID:RrluuGDx
って、やば。上のAA右左間違っとるじゃないか…
利き手は命、ちょっと旅に出てきますしつれいしました!
599名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 18:40:29 ID:DI3hdU7X
>>598
乙!ひよりんマジ自重www

つか、壊れみゆきさんの3分の1の心拍数って
まだまだ一般人には危険域www
600名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 18:59:55 ID:QvYl2Sbt
いきなりどうでもいいこというけどさ、
俺最近ラヴクラフトの「クトゥルフの呼び声」読んだんだけどさ、







クトゥルフさんを「見た瞬間登場人物達が発狂し出して死に絶える」ってのがあってこのスレを思い出すのは異端?
601名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 19:11:10 ID:EicwMxp1
>>600
言われてみればたしかにこのスレでのこなたの扱いは限りなくクトゥルフに近いなw。みんな全く正気を保ててない。
ひよりあたり大量の同人誌(魔導書)の読みすぎでSUN値がヤバい事になってるに違いない。
602名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 19:15:30 ID:1Ik5tCJz
>>593
スレ立て乙だぜ。テンプレ改造は良い感じだと俺は思う

>>598
ひよりん乙。自重しないでそのまま突っ走ってくれ
しかしAAまでとは多才な


「いあいあこなたー!」
「かがみ……怪しい宗教にでも入ったの?」
603名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 19:56:59 ID:sOSLpCcv
新ジャンル『萌えクトゥルフ』
6047-896:2007/11/15(木) 19:59:40 ID:25A+S5bW
次スレも立ったところで
ちょっくら埋めネタを行かせてもらいます。

「まだ埋まるまで11kbほど残ってるねぇ」
「以外に埋まらないものね」
「ゆきちゃん『kb』ってなに?」
「『kb』とはスウェーデン語で『Konata butter goose table』、KBGTを更に略したもので
つまり『こなたバイキング』という意味なんですよ」
「みゆきさん、嘘教えn」
「○○ちゃんの取り放題食べ放題?」
「そうですよつかささん。50種類以上の○さんの中から、好きなものを取って食べていいんです」
「それは素晴らしいわね」
「今度3人でやろうよ!! ○○ちゃんバイキング!! ね? お姉ちゃん、ゆきちゃん」
「もちろんです」
「そうね、こ○○ならいくら食べても太らないし」
「……ねぇみんな、○には何が入るの?」
「では私の家でやりましょう。準備しておきます。丁度明日は休日ですし」
「じゃあお願いしようかしら」
「ゆきちゃんお願いね♪」
「はい、お任せください♪ お二人は朝9時くらいにお越しください。
……泉さんは、少し準備する時間が必要なので、明日の朝6時くらいに来てくださいね」
「準備って何の?」
「泉さんには特別な料理をご馳走したいんです」
「そうなの? わーい、楽しみだなぁ♪」
「「「ふふふ♪」」」

気をつけて、こなた……
605 ◆9YoxyCDQ/E :2007/11/15(木) 20:22:52 ID:CfWYGY0m
俺、埋めなのに惨状。理由は後ほど。

>>597
ぬぎょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!
ええもう。すばらしい妄想ワールドにおっきしました。プチSゆーちゃん万歳。

>>604
こなた逃げてー! ていうかさすが本家、「食べ」放題とはそそりますな。

で。拙作>>573-574ですが。なんと↓のような事態が発生しまして。

ttp://www.hiranoaya.com/cgi-bin/diary/sfs6_diary.cgi?action=article&year=2007&month=11&day=15&mynum=1398

現実と矛盾が生じてしまったので、下記のエピローグで補完させていただきます。

=======================================

「あ、そういえば」


 穏便に終わるか、と思われたそのとき。みゆきが、ふと思い出したように呟いた。
「どったの、みゆきさん?」
「いえ、番組のサイトに『ゲストの都合などで放送がなくなる場合もあります』と書いてあったのを思い出しまして」
「だいじょーぶでしょー? 飛ぶ鳥を落とすあーやだもん、中止にするなんてナンセンスナンセンス♪」
 こなたはすっかりお気楽さを取り戻し、太平楽に請け合った。
「ったく、現金なんだから。じゃ、私は行くから、またお昼にね」
「ういー、まったにー」

 だが、しかし。都内のとあるテレビ局で、それは静かに進行しつつあったのだ。

 だだっ広い社員食堂の一角。ごく普通の飾り気のないラーメンを前に、愛らしい女性が携帯電話を操っていた。
 湯気の立つラーメンにカメラを向けて一枚撮ると、つるつると麺をすすりながら器用に文章を綴る。

「『国会が……という訳で、今日の出演は……』っと。……でぃーどーらいーぶ、らぶしーてーまーすがー♪ ……よしっと、送信っ!」

 こなたが帰宅するまであと数時間。彼女が「その日記」を目にしたときに何が起こるのか。
 それは、ゴッドかなたさんですらあずかり知らないことであった。


(どっとはらい)

=======================================

なお、作中の人物はフィクションであり、実在の声優さんとはあんまり関係ない、かも知れません。では。
606名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 21:02:59 ID:zx4TSlaQ
便乗埋めネタ みさお&みさお兄

「ただいま〜」
「兄貴! おかえり!」
「ただいま……」
「んん? なんだよテンション低いな〜」
「お前が高すぎるんだ」
「そう? そっかな? ……そうかも! へへっ!」
「何だよ気持ち悪い。良いことでもあったのか?」
「あった! 超あった! 超聞いてくれ! 耳かっぽじって聞いてくれ!!」
「わかったよ。うるさいって。聞く。聞くから上がらせてくれ」
「おうっ。あはは、ゴメンゴメン」

「……あぁそういや、あやのと映画行ったんだったよな。それか?」
「え? ううん、ソッチはよくわかんなかった」
「ハァ……だから言ったのに……」
「それよりコレっ! ほらコレっ!」
「あん? 写メ? ……なんだこれ? でっかい犬」
「かわい〜だろ〜」
「いや、つーかでっかいな」
「でもめっちゃ人懐っこいんだぜ! 触った感じも、こう、もふもふでさ〜……」
「ヨダレをたらすなヨダレを。……で、どうしたんだよこれ」
「うん、後輩んちにいた! チェリーって言うんだ!」
「ふーん……」
「むぅ……なんだよノリ悪いぞ兄貴」
「だからお前が良すぎるんだって。……まあ、確かにちょっと落ち込んでるけどな」
「なんかあったの?」
「ネズミ捕りに引っ掛かった」
「ねずみとり?」
「警察の……アレだよ。スピード違反の待ち伏せ」
「バカだなー」
「ひでえ! お兄さんびっくりだ!」
「……ナニソレ?」
「……いや……そのやってた婦警が言ってた。手続きやってる間に五回ぐらい」
「ふーん。――でさ! この子飼ってる家が、なんかすっごい豪邸でさ!」
「へー」
「庭とかすっげ広くて、たぶん庭だけでこの家より広いぜ。芝生もキレイでさー」
「ふーん」
「家の中も……ってなに脱いでんだよっ!」
「着替えぐらいさせてくれ、って言っても聞かなそうだからな」
「うー……わかったよ。じゃああとでまた来るから、ちゃんと聞けよ」
「はいはい」

「やれやれ……けど、でかい家に広い庭に、白い大きな犬か……いるんだな、そんなのが実際……
 いつの間にそんなのと知り合ったんだか。……でも、俺もいつかは…………ハァ、反則金……」
『兄貴ー、もーいーかー?』
「もうちょっと待てって! ――まったく……あやのも苦労してるんだろうなぁ……
 豪邸は無理でも、せめて庭付き一戸建てぐらいには住ませてやりたいもんだ……」
『あーにーきー?』
「わかったからドンドン叩くな! 近所迷惑だろ! ――はぁ……ホントもう、お兄さんぐったりだ……」

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

というわけで、ゆたみさの続き書いてます。>>49です。
どうやらあのあと一緒にみなみ家まで行ったようです。
>>274さんにインスパイヤ受けたと言っても過言ではないかも知れません。

とりあえずキリのいいところまで上がっていますので、
明日あたり次スレで投下させていただきたく思います。
では。
607名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 21:08:40 ID:zx4TSlaQ
>>593
乙です

って言うのを忘れてました・・・・・orz
608名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 22:13:06 ID:dA7LBsU0
さぁて、次回のらき☆すたエロパロは?
609名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 22:17:19 ID:BDkOcaDF
  /  /       / ./| /    /! l  \       \
 ,' /     / _/-| /    / l- l 、  \―――――ヽ
 l /      ィ ´ /  j/!    /  l !      \.|
 /     /  / _, =| |   /  -l/∨   \  l\
: l /     /  / , ィチ |   /  チ示、V    l\|
/| l    ,  //}::::::|    /   ハノ:::| ハ     l |
: | l    l  /小ィ::ハ:! l  ′ {ー'}:ノ/ l    l   l
: | /!   l ∧ ∨-' j」 j/     `¨゙ {  l    !
: |'ヘl   l/ ∧ ゞ'´      '    ) l  /|
: |  l   l!    \     ー  , ┐イ   ! / 丶
:   ヽ.  l-―‐- 、\-- ‐ァ・/ /  !   l /l        <次スレでも娘共々よろしくお願いします♪
:   /\|      |  \/f¨)/⌒l |   l/ l
 /        / \  \'〈  } |  /   l
610名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 22:22:11 ID:kjXcwyBK
くじら・立木「さぁて、次回のらき☆すた(エロパロスレ)は?」

「こなたです。」
「かがみです。」
「つかさです。」
「みゆきです。」
「ゆたかです。」
「みなみです…。」
「ひよりです。」
「パティデス!」
「とりあえず、わたくし、こなたが全部お送りします」
「勝手に一人でやるんじゃないわよ!」
「私も…いるかな?」
「先のことは誰にもわからないので…職人さんたちに期待するしかありませんね」
「みなみちゃんの話ないかなぁ?」
「ゆたか…」
(いいネタないかなっと…)
「萌えのパワーをモット見せてクダサイ!」


「あやのぉ…私達は…」
「う〜ん…SSの脇役でもさ、出れるだけいいんじゃないかな…?」
611名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 22:26:33 ID:lHsoe6TA
そういえば次は24スレ目…。
いつの間にか、アニメの放送回数に追いついてしまったわけだな。すげぇw
612名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 22:41:56 ID:BWNM8xiw
そろそろ埋まった?
613名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 22:43:43 ID:9kw4YJ2Y

               /ミミ\\\\ \
             /ミミミ\\\\\\\
            /彡ミミミ\\\\\\\\
            |彡ミミ/\\\\\\\\|
              |彡 |   \\\\\\\|
             ヽ |へ、_  _,へ\\\\/
              | __   __  | / )    ゲッツ!!
              |           |/ ノ
              |   ( / _ )      /
              ヽ       ヽ   |
               ヽ ヽー‐‐‐ァ   /\
              //ヽ ヽ-‐'  / /\ \
            / /   ヽ_ /   / /   \
          /   \  |\  /|  /\      \
   (⌒\  /     (⌒ヽ |二| | /  \      \
 __ゝ  ヽ    ___ ゝ \  \| /   /       |
(        ヽ─ ( l )     ヽヽ  /  /   /     |
  ̄ ̄( ̄丿  |    ̄ ̄( ̄ ゝ  \ /    /       |
    ( ̄ノ  |      ( ̄ ゝ   | ̄ ̄ ̄ ̄        |
    ( ̄ノ  |       ( ̄ ゝ   |
614名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 22:52:00 ID:BDkOcaDF
       ヽ           ´     /   . . /:::| : : : : :l : : :            ミ川川川彡
   ヽ、 __\.「ヽ -――- 、 / . . : : : : /::/ヽ: : : : :ト: :_:| : : : : : . . .   ミ       彡
     >ー: : : :| : : : : : : : : : : :/ : : ::/ : : :::::|:::|  |: : : :::| ヘ: : :ヽ`ヽ: : :、: : : 三       そ  三
   /: :/ : / /l:ヽ: :ヽ:ヽ: : /: : : :, </ : : :::: :ィ个ー ヽ: : : |  \::lヽ、: : : ヽ: : :三   ギ  れ  三
 /-/: :/: :l / |:| x―、レ::::: ィ:ヘ: ::/ : : :::::: :/l:|   ヽ: : :|  tz弋T又 、: ::|: : :三   ャ  は  三
/ ´ /: : : l 'フ|/  l |  ヽ_/,ヘ´ : : ::∨ : ::::::::::: { j i七ヽ ヽ: ::l  1::::::\:|冫: : ::|:: :三   グ      三
  |/:|: : | / |   ヽ. 彳テヽ トヽ: : |: | : :::::ヽ::: |:l |f::::::',  ヽ::::l  ト:::ノl:::| |ヽ: :::|:::三   で  ひ  三
  /: ::| : :|:|t=テ、    r:ソ:|〃ヽ: ::|ヽ: ::::/ト:!::::l:ヽ.∨ソ|   ヽ:l  ヒ三〃 |:::ヽ:::|::: 三  言   ょ 三
  |: :∧: : :ヽr:::l    ヽ::ノ   ∨レ| ::/ヽ_ヽ:::::::1 ヽ ' ,   ヽ   ...   ゙ |::::::ヽト 三  っ  っ  三
  |:/  |: :ルiヽ' ,      ''    !:|r |::/l| | ∨:::|:l              /::/:::::|: :三  て  と  三
  /   |:| .l u  -         _jィ.|l .||!j   ∨|:l.、   ‐-       /::イ::::::: : 三  る  し  三
     ヽ ヽ、      ...::::ィ彡'   ||j   `| : .t 、    .......::::::/:/ |::::: :  三  の  て  三
        1||`ー- t::::  |ヽ`    ||    j : : :| ::| `  ー ┐::::/:/ .j::: : : :三   か    三
          !||    ,l    \.     ´     l : ::::| ::|       j:::://  /: : : /: :三   !?    三
           ´_ ィ匕  -― // ̄ `ヽ.    | : : :|::/   __, イ /'  /:: : :/7 ヽ彡      ミ
        /  //      !.|   ...::l     | : : :レ ,イ:::/ー '   'フ : : /:/    彡川川川ミ
615将来ニートになるかも:2007/11/15(木) 22:52:21 ID:1WLIYg3H
さあ、埋めるざますよ
616名無しさん@ピンキー
ちょいと埋めネタ

ある船に火災が発生した。船長は、乗客をスムーズに海へ飛び込ませるために、

みゆきには 「学級委員長はこういうときに飛び込むものです」
かがみには 「規則では海に飛び込むことになっています」
みなみには 「さっきゆたかが飛び込みました」
ゆたかには 「海に飛び込んだらみなみに助けてもらえますよ」
ひよりには 「みなみ×ゆたかのフラグが発生しました。今追えば間に合います」
こなたには 「海に飛び込まないで下さい」
つかさには 「みんなもう飛び込みましたよ」
パティには 「飛び込めば日本に永住できますよ」