嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 憎ら41あの女

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1名無しさん@ピンキー
浅いものはツンツンしたり、みたいな可愛いラブコメチックなヤキモチから
深いものは好きな人を独占して寵愛する為に周囲の邪魔者を抹殺する、
みたいなハードな修羅場まで、
醜くも美しい嫉妬を描いた修羅場のあるSSを扱うスレです。

■前スレ
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ その39・40
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191423136/

■まとめサイト
2ch 「嫉妬・三角関係・修羅場統合スレ」まとめサイト
http://dorobouneko.web.fc2.com/index.html

■避難所
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 二人目の子
http://www2.atchs.jp/dorobouneko/
2名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:21:19 ID:TlC1jIlh
■関連スレ
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレ 第22章
http://qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1190013647/
■姉妹スレ
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレinラ板 その2
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1172035731/
嫉妬・三角関係・修羅場統合スレin角煮板4th
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1191295796/

誘導用
【一人で】ハーレムな小説を書くスレ【総食い】 11P
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1186857625/
ヤンデレの小説を書こう!Part10
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189967712/
ほのぼの純愛 9スレ目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171372657/
●●寝取り・寝取られ総合スレ5●●
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179749372/
キモ姉&キモウト小説を書こう!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190487974/
3名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:21:51 ID:TlC1jIlh
SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・作品に対する評価を書きたいなら、スレ上ではなくこちら(ttp://yuukiremix.s33.xrea.com/chirashi/)へどうぞ
スレは作品を評価する場ではありません
4名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:36:41 ID:pBRIbvJb
>>1
5名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:45:58 ID:32dM1Wc+
>>1
6名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:57:08 ID:8oxOtduQ
>>1
いいスレタイだ、乙。
7名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 17:28:38 ID:1mkp+ida
8名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 18:04:37 ID:9PWCACaC
>>1
9名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 18:29:35 ID:YLP6+j8I
乙なんだよっ!
10名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:13:38 ID:W9JyM8rP
>>1
貴様にはこの乙がお似合いだ!
11名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:22:26 ID:asvaxKK9
一瞬ACスレにきたかとおもた
12名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:28:17 ID:jtTUWfHM
13名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:58:25 ID:mjM5puHv
乙ー
14名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 20:09:08 ID:xn3gxZ8q
>>11
少し遅れたがスレに到達、>>1乙を投下する。

15 ◆SVNDcoHudE :2007/10/25(木) 20:54:06 ID:Ad+EhdwB
>>1さん乙です。投下します。
16冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/25(木) 20:55:16 ID:Ad+EhdwB
…なんだって?
「えっ?今なんて……」
「そろそろ『終わり』だから。要君にも知っておいてもらいたいの」
ゆっくりと、こちらを向く秋穂。
その顔には今までの秋穂と同じ、静かで穏やかな表情が浮かんでいた。
見慣れてるはずの表情なのに、なんだか今日はすごく恐ろしい表情に見える。
「あ、秋穂……」
そんな僕の感情など無視するかのように、秋穂は語り始める。
「その前に、ひとつ聞きたいんだけど、要君、なんであの事件をおこしたの?」
あの事件…?ああ、あれか……
「あ、あれは先輩が……美希のことを…」
そうだ、だから僕は……
秋穂はジッと、静かに僕を見つめている。
「やっぱりね……じゃあその後は?」
「え!?」
「その後。その後のことについてどう思う?」
その後?その後って…僕がハブられものになったってことか?
「僕はみんなの嫌われ者になって、先輩達は試合に出られなくなった」
「そうじゃないよ。周りのみんなのこと」
………?みんな?僕をハブいて、それで…
「えっと……」
「おかしいって思わなかったの?だれもあなたと先輩の噂話をしなかったのよ?」
「ええ?!そりゃ僕のことなんて…」
「あの噂好きの連中が?美希のことはあんなに話題にしたのに?」
「だから、僕のことなんて……」
「要君が美希の事で先輩に殴りかかったんなら、余計噂にするでしょう。普通は」
…んん?何が言いたいんだ?
「それだけじゃない。先輩達も何も言わなかった。ただのケンカだったってことで済ませた」
えっと………
「しかも誰も要君が美希の事好きだって知らない。これっておかしいでしょ?」
17冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/25(木) 20:56:09 ID:Ad+EhdwB
…おかしいのか?たしかにおかしいような気がする。
「要君が誰にも言わないのは分かるよ。でも先輩達も何も言わなかったよね?」
「だから要君は、ただサッカー部に迷惑をかけた最低なやつって周りに認識されて、
美希はこの件にはなんの関係もない人間って事になった」
「なんでかって?答えは簡単。それが『真実』だからよ」
…えっ?
「良治先輩には美希を弄んだ、なんて噂が立ったのに美希には立たなかった」
「美希には好きな人ができたとか、そんな噂だけ。決してマイナスの噂が立たない」
そ、それはきっと………
「美希が人気者だったから…」
「良治先輩も人気者だったでしょう?美希よりも、ずっとね」
……………………………
「自分にだけ嫌な噂が立って、しかも一方的に振られて、
振った美希の方はまるで悲劇のヒロイン。そりゃイライラするよねぇ?」
そんな…
「でも要君も思い込みが激しいよね〜?先輩に言われたこと、美希本人から聞いたことある?」
それじゃあ僕は……
「まあ美希と付き合えたし、そんなことどうでもよかったのかな?」
………………………
「素直で一途なのは感心だけど、そんなんだからすぐだまされるんだよ。
ま、周りの連中の方がよっぽどバカだとはおもうけどね」
クスクス笑う、秋穂。
いつもは見てて可愛いって思うのに、今はなんだか不快な気持ちになる。
「まあ良治先輩もね。自分はいつも選ぶ側で、周りの人間は選ばれる側だったのに、今度は逆」
「しかも「もういらないから、邪魔」なんて言われて振られたんじゃね〜?」
…えっ!!なんでそこまで!?
「な、なんでそんなこと秋穂が知ってるの?」
「そりゃ、知ってるわよ。私もソコにいたもの」
しれっとした顔でそう言う秋穂。
その表情には、見たこともないような冷たさが漂っている。
男1女2の修羅場……女2…まさか………

「秋穂、君はまさか…!」
「待って」
言いかけた僕を手で制し、チラッと腕時計を見る秋穂。
「今日はこれでおしまい。そろそろ行かないと間に合わないよ?いそごっ!」
そう言うと、ニッコリと、先ほどまでとうって変わって不気味な笑顔を浮かべる。
18冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/25(木) 20:57:00 ID:Ad+EhdwB
「ま、待ってくれ!まだ…」
「あっ!そうそう」
秋穂はまたしても急に足を止め、くるっと振り向いた。
「これこれ。忘れてた。渡しておかないとね」
ゴソゴソと鞄をあさり、なにかを探しはじめる秋穂。
やがてなにかを見つけたのか、ゆっくりと鞄の中から手を出し始める。
「はい、これ。要君の知らない美希が写ってるよ」
微笑みながら、僕に向かって茶色い小封筒を差し出す。
「これね。髪のすごく長い小柄な女の人が要君に渡してって。私にも同じのくれたんだけどね」
髪のすごく長い…?まさかMOMOちゃんが?でも、なんで??
「僕の知らない…美希?」
少し震える手で、封筒を受け取る。
なんだろう…すごく嫌な予感がする。
「それじゃ、また後で!先に行くね〜」
「あっ…!」
声をかける間もなく、秋穂は学校へ向かって走っていってしまった。


取り残された僕の頭上に冷たい何かが、ポタリ、ポタリと少しずつ降ってきた。
雨だ。なんでこんなタイミングで降ってくるんだ?これじゃ余計この封筒を開ける気持ちがなくなる。
「なんだ……なにがはいってるんだ?」
僕の知らない美希が写ってるって、秋穂は言っていた。
封筒の形からしても、写真だってわかる。でも……
いや、だめだ。開けてみないことにはやっぱりなんにも始まらない。
小さく決心を固め、震える手先で、ゆっくりと封筒の封を破る。
封筒を少し揺すると、中から何枚かの写真が出てきた。
一枚、一枚、しっかりと中身を確認していく。

…ああ、最近のカメラってこんなに綺麗に撮れるもんなのか
あれ?これってデジカメだよな?いやーほんとに綺麗だ。暗いのによく撮れてる。
でもなんだろう。この二人どこかで見たことあるよなー。
あっ!そうだ。美希と高田だ。ははっこの二人やっぱ絵になるなぁ…


―――ほんと絵になってるよ。まさにドラマのキスシーンそのものだ。

…なんだよこれ。なんなんだよ…なんで……なんでだよ!!!

「なんなんだよ!!これはっ!!!」
19冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/25(木) 20:58:09 ID:Ad+EhdwB
――――ちょっとわざとらしすぎたかな。
でもこのくらいのインパクトがあったほうが要君の印象に残りやすいだろう。

スピードを緩め、少しずつ、「走り」を「歩み」に変えていく。
そのまま少し乱れてしまった呼吸を整え、一息つく。
「ふう〜…」
鞄の中から手鏡を取り出し、自分の姿を確認する。
鏡の中に映った女の子は、無表情で私の顔を見つめている。
…これが私か。自分でもびっくりだ。そりゃ要君も驚くよね。
じっくりと鏡を見つめ、指先で少し前髪をとかす。

昨日美容院に行っておいて正解だった。この髪型にするのは久しぶりだ。
コンタクトをしたのも中学の時以来だ。おかげで朝少し手間取ってしまった。
そういえばここまできちんとメイクをすることも、久しくなかった気がする。
制服だって、こんなにはだけた感じで着るのは本当に久々だ。

立ち止まったままの私の横を、多くの生徒達が通り過ぎていく。
皆振り返り、私の顔を覗くような動作をしてきた。
……人間なんてこんなものだ。変わろうと思えばすぐにでも変われる。
たとえ地味で目立たない生徒でも少し勇気を持って外面を変えればすぐ注目の的になる。
私にはそれがよく分かる。周りの評価ばかり気にしていた私には……
…美希、あんたにもそれはよく分かってるよね?
私達はお互い金メッキなのよ。
違うのはそれが性格からくるものか、それとも計算からくるものなのか、それだけ。
メッキはいつか剥がれるの。必ず、剥がれる…

とにかく、これで準備は整った。
昨日の鳩山君の様子を見ると、多分今日あたり緑川が高田君に告白する。
当然、高田君は断る。問題はそこからだ。
緑川が私の思ったとおりの人間だとしたら、私の話とあの写真を見た後ならたぶん……

ポタリ、ポタリと水滴が頭上から降ってきた。雨だ。
天気予報を見る限り夕方から大雨になるはずだ。置き傘もあるし、帰りは平気だと思うけど。
でも要君は平気かな。いや、今日は学校に来ないかもしれない。
あそこまでいっぺんに色々あったんじゃこの時期の学校になんて行く気にならないだろう。
――でも、私は学校へ行かなくては。
鞄に手鏡をしまい、学校へ向けて、再び一歩を踏み出す。

これから先の、未来への一歩を。
20 ◆SVNDcoHudE :2007/10/25(木) 20:59:07 ID:Ad+EhdwB
終わりです。
21名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:22:47 ID:3iVrwy7Y
乙!
22名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:23:42 ID:x4VSh0m+
ようやく話が動いた
これからにwktk
23名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:28:39 ID:xn3gxZ8q
>>20
GJ!!
秋穂、恐ろしい子・・・
話が動き出したようなので続きに期待してます
24名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 22:14:52 ID:+cOmmg+j
>>20

超GJ!!

秋穂・・・彼女をここまで駆り立てるモノとは、一体何なんだろうか・・・
25名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:35:47 ID:zQeTSbN4
よくわからん・・・・・
ようするに寝取られキタァー(゜∀゜)ーー!!!!ってことかw
26名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:41:13 ID:7Pb6bqJ6
>>25
全然違う
よく読め
27名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:49:58 ID:zQeTSbN4
男1女2の修羅場はもしや・・・・

ドラマのキスシーンはついにビッチ美希が本性を現した
ってことじゃないの?
28名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:06:12 ID:ExBfU3/S
要くん、なかなかいいノリツッコミするじゃないか
29名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:21:13 ID:ZYTraib1
美希がなんのために先輩と付き合っていたかが気になる。
最終的に要が目的だったか、普通に先輩に惚れたのか。
それともそのどちらでもないか、なにはともあれGJ
30名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:49:12 ID:WAKBpI1k
要君がDQNだと思ってた先輩はじつはDQNではなく、美希がそう情報操作してた。そこには秋穂が絡んでる。
結果加害者のはずの美希は被害者になり、被害者のはずの先輩は加害者に。
でも先輩は自分の面子を守るためにウソを言った。だから美希は要君を利用して先輩をボコった。
写真は秋の星空で最後に秋穂が撮った写真。やけに写りがいいってことはなにか手を加えているのかも。
今回の話と、前回の姉の話を踏まえるとこうなる。
31名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 02:08:22 ID:SGeZK5jP
誰も幸せにはなれないんだろうなぁ〜・・・
このスレ的に。
32名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 02:12:04 ID:9Xii79/e
>>20
GJです。
実に続きが気になる!

美希には何故だろう・・・要への一途さというものが感じられない。
秋穂には要を復讐の道具として活用するような狡猾さしか感じられない。
要は置いてけぼりでかわいそうな感じがするのは俺だけだろうか。

でもまぁ要ヘタレではないようなので少しは安心できるかな。
喧嘩が強い主人公というのはイイ!
33名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 02:23:43 ID:fHQDNy4x
要かわいそすには同意w
34名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:03:06 ID:f7EhhMd7
秋穂派の俺にはたまらない展開
35名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 09:39:44 ID:wy4IJqUx
もっと女の嫉妬を増やしてくれ
36愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:38:46 ID:w5LP/TEh
こんにちは。
前スレ>>505の続き投下します。
37愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:41:17 ID:w5LP/TEh


 行ってしまった、中原さんが、私の好きな彼が。とてつもない喪失感と、胸の苦しさが
私を襲った。
 
 一体彼の心の中には何があるというのだろう?

 分からない、分からないけど………、

「とても、辛そうでしたね………」

 呟いてみても返事はない。教室の中には、私しかいない。

 途中までは良かった。
 中原さんはグッスリ眠っていて、その顔は穏やかで、本当は私は起こそうとなんか少し
もしていなくて、その寝顔をただずっと見つめていて、とても幸せだった。

 この寝顔を今見ているのは、今彼の一番近くにいるのは、あの先輩なんかじゃなくて私
なのだ。そう思うと、どうしようもない気持ちが胸に溢れてきた。

『ん……、ああ……』

 もう、寝言まで言い始めちゃって。格好良いだけじゃなくてカワイイなあ〜中原さんは。
あ、涎たらしちゃったら私が舐めて綺麗にしてあげますからね? なんちゃって。

 ――――私は幸せだった。

『ともこ………』

 ――――そう、この寝言を聞くまでは。

 ………え? 中原さん、それ誰ですか? 『ともこ』って、誰のことです? 私の名前
は『楓』ですよ? 

 その名前を呼んでから、中原さんの寝顔は急変した。

 穏やかだった表情は苦痛に歪められ、額に汗をかき、『ごめん、ごめん』とうわ言を繰り
返して、そしてついに中原さんの瞳から――――涙が、零れ落ちた。

 そこから先、私は中原さんを必死に起こして、中原さんは誤魔化すように明るく笑って、
その姿がとても辛そうで、私は気付いたら彼を抱きしめていた。

 そして私は彼に、中原さんに、

「拒絶、されちゃったのかなあ……」

 そうだとしたら、それは悲しい。悲しくて、辛い。

 先ほどまで彼を抱きしめていた腕で、自分の身体を抱きしめた。温もりはもう、ほとん
ど残っていない。
38愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:43:02 ID:w5LP/TEh

「中原さん……」

 彼の抱えていた哀しさは、何なんだろう?

 今まで見たこともないくらい、哀しみに満ちたあの顔。

 アレが私の見ていた『壁』の向こう側なんだろうか。

 切なくて、心配で、苦しかった。

 中原さんの荷物は全部教室に置きっぱなしで、走っていくときに落としたのだろう、携
帯電話も床に転がっていた。
 勝手に見るのは悪いとは思いながらも、私は中原さんの携帯電話を開いた。

 電話帳を開いて、下の名前が『ともこ』という人物がいるかどうか探す。

 ともこ、ともこ、ともこ………。

 電話帳のどこにも『ともこ』なんていう名前は見つからなかった。登録件数が思いのほ
か少なかったので、探すのには苦労しなかったし、見落としたとも思えなかった。

「はあ……………」

 誰なんだ、『ともこ』って。

 もうすぐ四時間目も終わる。昼休みになったら中原さんは戻ってくるだろうか?

 ………望みは薄いな、何となくそう思った。

 かと言って、校内を探し回ってバッタリ会ったとして、私は何を言えばいいんだろうか?

「………少し、落ち着いて考えましょう」

 そうだ、焦ってはいけない。今のまま中原さんに会っても私は何も言えない。だったら
もう少し考えをまとめて、それから行動したっていいはずだ。

「しょうがないなあ………」

 そのためにはやっぱり情報が必要だ。あの人を頼るのは嫌だけど、今は仕方がない。

「中原さん、待っててくださいね」

 ――――私が必ず、あなたをその悲しみから救い出してみせますから。


39愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:44:21 ID:w5LP/TEh


 昼休み、授業が終わった途端、私はまさに脱兎の如く(クラスメイトが唖然とした目で見
ていたがそんなものは気にしない)教室から駆け出た。

 あのクソハゲ爺授業三分も延ばしやがって、遼君といられる(まあ恐らくあの邪魔虫も
一緒だが)昼休みが削られてしまうじゃないか。

 やっとこさ放送室に着いて、ドアを勢い良く開ける。

「やっほー、遼く……」
「こんにちは、松本先輩」

 そこには私の求めていた彼はいなくて、宿敵(『ライバル』とか『とも』とは絶対に読ま
ない!!)しかいなかった。

「中原さんなら今日は多分来ませんよ」

 いつも遼君に振舞うのとは全く正反対の、愛想ゼロの表情で彼女は言った。

「それ、どういうことよ?」
「先生に仕事を頼まれたみたいで、昼休み中は働きっぱなしだそうです」

 遼君が来ないだって? それじゃあこんなに急いできた意味がないじゃないか……。

「はあ………」

 ため息をついてから私はパイプ椅子に腰掛けて、お弁当箱を広げた。テーブルの向かい
の彼女も、非常に詰まらなさそうにサンドイッチをパクついている。というかこの娘は、
遼君の前ではどうやら猫を被ってるようだ。普段の可憐さは今はなりを潜めている。それ
でもやっぱり、その顔立ちは同性から見ても心が動きそうになるほど綺麗なのだけれど。

「そういえば松本先輩」
「ん、何よ?」

 唐突に彼女から口を開いてきた。

「中原さんの昔のこと、何か知りませんか?」
「昔のこと?」

 何が言いたいのか分からなかった。

「はい、昔のことです。例えば………女性関係のこととか」
「さあ………私と会う前のことは分からないけど」

 というか知っていたって、この娘にだけは教えたくない。
40愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:46:38 ID:w5LP/TEh

「じゃあ、それからは何かありましたか」

 身を乗り出して、やけに熱心に尋ねてくる綾瀬楓。

「別に、遼君はずっとあたし一筋だったけど?」
「………真面目に聞いてるんですけど」
「な、何呆れた顔でみてるのよ!!」
「いえ、松本先輩って外見は頭良さそうに見えますけど、実は中身はそうじゃないみたい
だなあって思っただけです」
「なっ………」

 なめやがってこの!!

「何よ、あんただって遼君の前じゃあんなに猫被っちゃって!!」
「それの何がいけませんか? アホよりマシです」

 さらっと言ってのける猫かぶり女。どう考えてもこいつは、明らかに喧嘩を売っている。

「このっ……!!」
「ほら、そうやってすぐ挑発に乗る。アホの証拠ですね」
「………………………」
「………………………」

 立ち上がって睨み合う。相手も退く気は一切なさそう、というか思いっきり挑戦的な目
つきだ。

「ちっ………」

 私は震える拳を押さえて、何とか腰を下ろした。

「それでは本題に戻りますが」

 何事もなかったように話を戻す。こ、この女は……。

「高校に入ってから中原さんにそういう話はなかった、ということですね?」
「………ええ、そうよ」

 なかった。うんそう、遼君にそんな話はなかった。
 それは別に私が遼君に近づく女の子を全員潰してきた、とかいう訳ではない。
41愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:48:03 ID:w5LP/TEh

 遼君が他人と、特に女の子とは距離を置いた付き合いをしているからだ。
 一見人当たりの良さそうに見える遼君だが、決して人の心の深くに踏み込んで行くこと
もしないし、それに他人に自分の深いところには絶対に踏み込ませない。

 私だってきっと、遼君の心の奥底には触れられていない。だけど、遼君と出会ってから
のこの時間の中で、ゆっくりだけど確実に近づけてきているとは思う。

 その証拠がこの前の、

『……その、俺で良かったら何でも力になりますよ!!!』

 ――――この台詞。

 これを言ったとき、無意識だけど遼君はきっと私を心配してくれていて、それは他人の
心の中に踏み込んでいくことに違いなくて、この一言を貰えたとき、実は本当に嬉しかっ
たのだ。

「そうですか………」

 綾瀬さんは微妙な顔をして黙り込んだ。

 しかしこの娘は、何でこんなことをいきなり私に尋ねてきたのだろうか? 彼女にした
ら、きっと私は一番頼りたくない人物だろうに。

「………………ともこ」

 沈黙が続いた後、彼女はおもむろにそう呟いた。

「は? 何?」
「いえ、何でもありません」

 そう言ったきり、彼女は黙ってしまったので、私は特に追及することもせず自分のお弁
当に戻った。
 それからは特に話すこともなく、私たちはお互い、多分遼君のことを考えていた。

「それじゃあ、私はそろそろ教室に戻ります」
「んー」

 とっとと帰れ、そして二度とここに来るな。
42愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:49:03 ID:w5LP/TEh

「あ、そうだ先輩。中原さんからの伝言です」

 立ち上がってから、ふと思い出したように彼女は言った。

「え、遼君から!!??」

 そんなんがあったなら早く言いなさいよ、猫娘!!

「帰りも少し遅くなりそうだから放送室で待ってて下さい、だそうです。ちゃんと伝えま
したからね?」
「うん、分かった!! ありがとう」

 も〜遼君たら、私との約束のためにこんなことまでしてくれるなんて。えへへ、照れる
なあ〜。

「………それと、先輩」
「ん、なあに?」

 遼君からの伝言を貰って、自分でも分かるほど私はすっかり上機嫌だった。

「ごめんなさい」

 唐突に謝りだす綾瀬さん。一瞬何のことか分からなかったが、すぐにさっきの口喧嘩の
ことだと分かった。

「別にいいわよ、特に気にしてないし」
「そうですか、では失礼します」

 彼女が出て行って扉が閉じると、私は放課後のことを想像して思いっきりにやけた。
 昼休み会えなかった分、放課後の時間は大切に過ごそう。

「えへへ〜、りょうくんっ」

 その妄想だけで午後の授業は軽くやり過ごせそうだ。

43愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:50:50 ID:w5LP/TEh


 放送室を出て廊下を歩く。にやけそうになる顔を抑えながら私は歩いた。

 ――――知らなかった。間違いなくあの人は彼の抱えた哀しさを知らなかった。

「…………………あは、ふふふ」

『ともこ』という女性の存在も、少し触れただけで壊れてしまいそうな中原さんの表情も、
あの人は知らない。軽く『ともこ』について触れてみたが、恐らくあの様子ではやっぱり
知らないのだろう。

「あははっ」

 松本先輩、あなたは何にも知らないんですよ?

「あはははははっ!!!」

 ………っと、危ない。今全然笑いを抑えきれていなかった。

 ああでも、愉快だなあ。何にも知らないくせに、彼のことなら何でも分かってますって
いうあの顔。

「ばーか」

 今私は、間違いなく彼女より有利な立ち位置にあるといえる。

 今の中原さんを癒せるのは、私だけ。

「ふふ、うふふふ………」

 やるなら今しかない。勝負を決めるなら、今だ。

 彼女は今日の放課後、何も知らずにあの場所で彼を待ち続ける。

 本当にあの人は馬鹿な人なんだなあ、あははっ。
 

 ――――まんまと私の言葉を信じるなんて。

44愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:52:03 ID:w5LP/TEh
 教室に戻ると中原さんの荷物は先程のままで、彼がここに戻ってきた形跡はなかった。

「……念のため、下駄箱も見ておきましょうか」

 幸運なことに一年生の教室は一階なので、すぐに確認することが出来た。

 ………よし、中原さんはまだ校内にいる。

「あはっ、あはははははははははは!!!」

 今のところ、何もかもが、私の思う通り上手く行っていた。
 愉快すぎて笑いが収まらない。

 ――――ねえ、松本先輩。


 ――――さっきの『ごめんなさい』は、あの下らない口喧嘩の謝罪なんかじゃなくって、


 ――――その本当の意味は、



「ごめんなさい松本先輩、中原さんは私が頂きます」


 ――――こういう意味だったんですよ?


45愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/10/26(金) 20:53:49 ID:w5LP/TEh
以上で今回分終了です。
次回からは遼君の回想編に入る予定です。
それでは次回もよろしくお願いします。
46名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 21:40:40 ID:d76y3qu8
乙!
47名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 21:43:50 ID:04RAQC16
乙です!
48名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 21:50:28 ID:bvMDgEqr
>>45
GJ!
綾瀬さんこわいw
先輩がこのまま負けてしまうのか?!

このスレも第二次黄金期に入ったようで、
いち住人としてとても嬉しいです
49 ◆zIIME6i97I :2007/10/26(金) 22:00:55 ID:NbtMnoSZ
ノントロ投下します。
50ノン・トロッポ12:2007/10/26(金) 22:01:50 ID:NbtMnoSZ
進の歩みは遅い。
杖のつき方、足の運び方は、確かに熟練者のものだが、それでも健常者の歩みに比べれば若干遅くなる。
けれど、いまでは進もそのペースになれきっており、特に急ぐ用がなければ周りに合わせて急いたり焦ったりすることもなかった。
それで痛い目を見た過去から、懲りていたのだ。少なくとも歩く早さに関してはマイペースが一番と割り切っていた。
朝の登校も、自分のペースで十分間に合うように、時間をたっぷりと見て家を出るのが常だった。
その習慣は今朝も守られている。しかし今、進はその歩みを少しでも速めようと、額に汗をかいていた。
そしてそのことに、これまでずっと進と歩んできた沙織が気づかないはずもない。

「どうしたの、そんなに急いで。いつものペースで行こう?」

愛美と進を挟んで歩いていた沙織が、マンションを出てから崩さないままだった笑顔で聞く。
少し首をかしげたその表情は朗らかで、ひまわりの花のようだと進はわれながら陳腐だと思う感想を抱いた。
沙織のその提案に、進は一応は「うん」と頷くものの、体が急いてしまうのをとめることができない。
しばらく、そのペースで歩いた後で、とうとう沙織が進の腕をつかみ、言い聞かせるようにいった。

「そんなに急いだら危ないから、ね」

沙織に引きとどめられて、進は歩みを緩めざるを得なくなる。

「大丈夫だって」

「そんなこといって、無理して転んじゃったことあったじゃない。あれで左の膝痛めちゃって」

「そんなの、昔のことだろ」

進は、隣を歩く愛美の方をちらりと見やりながらぶっきらぼうにいった。
進の乱暴なものいいにも、沙織はにこにことした笑顔を絶やさない。これはいつものことだった。
それにたいして、愛美はこころなしか顔を伏せ、黙って歩いている。
それにどこか、自分に対する非難めいたものを感じてしまい、進はばつの悪い思いをしていた。
押し黙ったままの愛美と、ずっと笑顔で進に話しかけ、何くれとなく世話を焼こうとする沙織。
2人にはさまれながら、進はいたたまれない思いを感じていた。
51ノン・トロッポ12:2007/10/26(金) 22:02:59 ID:NbtMnoSZ
「ねえ、川名さんだっけ」

しばらく歩いて路地を抜けたところで沙織が、はじめて愛美に話しかけた。
愛美は、はじかれたように顔を上げた。それからまた、伏目がちになって応える。

「あ、はい」

「進とクラスメイトなんだよね」

「あ、はい」

「それで美術部も一緒で」

「あ、はい」

「私、そこの部長と友達なんだあ。翠、山口翠が部長なんだよね」

「あ、はい」

そうして、質問とも確認ともつかない単調な問答をいくつか繰り返した後で、沙織が尋ねた。

「それで、進はどう?やっぱり迷惑かけてる?」

進は、沙織にあいかわらずの母親気取り、保護者気取りを感じて、むっとする。
しかもそれを、それをよりによって愛美に見せ付けたことに、今までにない腹立たしさを感じた。
自分を認めてくれている愛美を、失望させるのではないかと恐れた。
沙織のその言い草に文句をつけようとした進だったが、それより早く愛美が口を開いた。

「迷惑ってどういうことですか?」

今度は足を止めて、沙織の目を真正面から見つめて問い返していた。

「え、その」

沙織はその思わぬ口調の強さに戸惑い、とっさに応えられないまま、愛美につられて足を止めた。
進はその少し先でとまって、2人を振り返る格好になる。
52ノン・トロッポ12:2007/10/26(金) 22:03:47 ID:NbtMnoSZ
「私、迷惑なんてしてません。それどころか、ずっと助けられてます」

「あ、そう。でも」

「たいていのことは1人でできますから、平沢君」

「でもね、足が」

「右足が動かないくらい、なんなんですか。そんなことで誰にも迷惑かけませんよ、平沢君は。そりゃ、手助けが必要なこともあるでしょうけど、それだって誰にだってやってあげられる範囲ですよ。
そのくらいのことで迷惑なんて思いません。むしろ、助けてあげたいです。私が助けてもらってるんですから」

しまいには、愛美の声は怒鳴り声に近いものになっていた。
進は、他の登校生たちがこちらをちらちらと見ながら、自分たちの横を通り過ぎてゆくのを絶望的な気分で見送っていた。
やがて、愛美の剣幕に気おされていた沙織も、こちらは本当の怒鳴り声で応戦する。

「くらい!?右足が動かないくらいっていったの!?あんた、昔から進がどんだけ苦労したか分かってるの!」

「それで苦労して今ではちゃんとやっていけるんだから、いいじゃないですか!だいたい…」

そこで、愛美はいったん声をとめ、息を吸い込む。

「先輩は平沢君の苦労なんてどうでもいいんじゃないんですか?本当は自分がどれだけ苦労したかっていいたいんじゃないですか?」

それを聞いた沙織の顔が赤くなり、ゆがんだ。
そこに現れた表情だけで、先に自分の部屋で見せた以上の激昂が胸に渦巻いているのが進には分かった。
あの時は、沙織の右手はぎりぎり進に振るわれることはなかった。
だが、今度こそは怒りの対象に向けて放たれることになるだろうと予感する。
案の定、沙織の拳は硬く握られている。拳はふるふると震えていた。
今にも愛美を打ち据えるかにみえた。とっさに2人の間に割ってはいる。
代わりに殴られても仕方ないという覚悟だったが、進の口から出たのはいささか無様な甲高い声だった。
53ノン・トロッポ12:2007/10/26(金) 22:04:19 ID:NbtMnoSZ
「ねえ、ほら、いい加減にして学校行こうよ。遅刻遅刻」

2人をなだめようと何とか笑顔を作ろうとするが、うまくいかない。
随分情けない顔をさらしているに違いないと、進は泣きたくなる気持ちになる。
それでも、目を吊り上げた沙織の剣幕におされないよう、気持ちを奮い起こす。

「ほら、ね、行こう、みんなも行っちゃうよ」

進のその言葉に、やっと自分たち以外の存在のことを思い出したのか、沙織はあたりを見回し、それから息をついて、最後に拳を緩めた。

「そうね」

そういった沙織の声はまだ少し震えていた。2度3度、息を吸ってはいてなんとか呼吸を整える。
すると、ふいと向こうを向いて歩き出した。
進も愛美もそれについていけず、その背中を見送ってしまう。
そうして何歩か先に進んだ沙織が、2人を振り返った。

「何してるの、遅れるよ」

落ち着いた声でそういわれて、進も愛美も後に続いて歩き出した。
それから学校まで、3人が3人とも胸のうちに灰色のもやもやしたものを抱えながら歩くことになった。
その間、誰も口を開かなかった。
54ノン・トロッポ12:2007/10/26(金) 22:04:52 ID:NbtMnoSZ
「あの、ごめん」

校内で沙織と別れた後、進はやっと愛美に口を聞くことができた。

「ううん、私も悪かったし」

「いや、でもごめん」

「別に、平沢君が謝るようなことはないと思う」

愛美は、どこか疲れたような笑みを見せながらいった。

「うん、でも、沙織ちゃんも僕のことを心配してのことだから」

進は、あれだけ沙織に腹を立てながらやはり彼女のことを弁護せずにはいられない自分自身に歯がゆいものを感じながらも、そういった。
だが、愛美はそれを聞いて、眉をひそめた。

「それ、ちがうと思う」

「ちがう?」

「心配じゃなくて、あれはエゴだと思う」

愛美は、辛らつにさえ聞こえる、珍しくきっぱりとした口調でそういった。
55 ◆zIIME6i97I :2007/10/26(金) 22:05:54 ID:NbtMnoSZ
以上、ノン・トロッポ12話でした。

ちょっと密度が薄いような気がしますが、リハビリ期間ということでお目こぼしを。
56名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 22:07:17 ID:d76y3qu8
ノントロキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
乙!
57名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 22:44:06 ID:4qqnJeSo
>>45
中学時代の話か……別れた女の子が気になる。
数話前からwktkしっ放しっす。
58名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 22:45:58 ID:jfhoc83n
GJ!
ただのエゴだけではなく
もっと色々なものが渦巻いている・・・そんな沙織が大好きです。
59名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 23:05:53 ID:04RAQC16
乙!
正直、愛美を未だに信用できない俺ガイル。NTRスキーな悪女フラグがちらほら……
60名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 23:17:54 ID:vkEBbopF
>>59
そういえばあったね、杞憂であってほしいけど
61sage:2007/10/26(金) 23:25:54 ID:v8oDcWUw
最近スゲェな。
62名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 23:55:21 ID:Q7BoMUcV
てか、真面目に、本気で言うんだが、ノントロ再開して嬉しいんだろうが、お前らもうちょっと静かにしてくれ。
前にも誰か言っていたヤツがいたが、お前らが騒ぎすぎるから俺もノントロ嫌いになってきたぞ。
もう正直な気持ち、ノントロにはさっさと終わってもらいたいぐらいだ。
63名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:01:30 ID:jejw2lLi
GJ!
64名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:08:01 ID:kAv1wWsf
テンプレも読まずに書き込む奴ってなんなの?死ぬの?
65名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:14:01 ID:2/7sBcZS
>>64
…お前が荒らしなら釣られた俺の負けだが。
そうでないならもう勝手にしろ、荒らしに踊らされて疑心暗鬼になってるんだろうが。
少なくともこんな排他的なスレは俺は嫌だ、矛盾してるがな
66名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:26:16 ID:BXyieaNv
>>64-65の流れが分からない馬鹿な俺に誰か解説してくれ
67名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:31:56 ID:6vefnOGi
俺もさっぱり分からんから文中に『おっぱい』という言葉を用いて教えてくれ。
68名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:34:21 ID:VlQHFPGS
スルーしる
69名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:36:00 ID:VlQHFPGS
おスっルーしるっぱい
70名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:38:52 ID:Mj6QAGBA
gggggggggggggggggggjjjjjjjjjjjjjjj!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
71名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:40:11 ID:pxxOtGs7
かちかち山の続きを信じて待ってます。。
72名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:42:50 ID:6vefnOGi
>>68
うーん…

>>69
なるほどね!!サンクス!!
73名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:45:22 ID:cSS3RNM/
スルー検定三級 三名不合格
74 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:03:00 ID:7q+Rs0ai
投下します。美希視点です。ちょっと長いです。
75冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:04:11 ID:7q+Rs0ai
窓の外を覗くと、大勢の生徒達が大急ぎで校舎に入ってくるのが見えた。
今日は早めにきておいてよかった。
予報じゃ夕方から大雨になるって話だったのに、この時間から雨は降り出している。
時計の針は8時10分を回ったばかりだというのに。ま、あんまり予報なんてあてにならないか。
「美希ぃ〜ここ教えて〜」
「…はいはい」
めんどくさいなぁ。もう。

昨日の鳩山君の話が本当かどうか、私はすぐ美穂に確認をとった。
美穂は、何も言わなかった。
ただ、相変わらずその表情には何か強い意志が宿っているように見えた。
高田君が関係しているのは間違いないと思う。でも……
「でも、美穂どうしたのかな?やっぱ学校来づらいのかな?」
心配そうな表情をしながら参考書を読み込む涼子。
「うん……そうだね」
鳩山君があれだけ落ち込むって事は突然の宣言だったんだろう。
当然涼子も何も知らなかったようで、夜電話で確認を取ったときにはひどい驚き様だった。
「直純も全然元気ないし……あ、美希!ここも教えて!」
「どれどれ…」
今日の朝、美穂は駅に来なかった。
電話も繋がらない。でも涼子のところには遅れて行くってメールが来たらしい。
仕方ない。学校には来るらしいし、休み時間にでも様子を見に行こう。

涼子に勉強を教えながら、朝のホームルームが始まるのを待つ。
時計の針が20分を回る頃には、まだ着ていなかったクラスメイト達が教室になだれ込んできた。

…そういえば、今日はまだ要が来ていない。
いつもは秋穂達と一緒にもっと早くから教室で勉強しているはずなのに。
要にも何かあったのかな……後でメールしておこう。

続々とクラスメイト達が教室に入ってくる。
そして最後の一人が入ってきたとき、急に教室中がざわめいた。
76冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:04:54 ID:7q+Rs0ai
「誰あれ??」
「美人〜!あれって庄田さん?」
「うっそ!マジかよ!」
ザワザワと教室中が騒がしくなっていく。
その大元であるはずの美少女は、周りの声など気にしないかのように静かに席に着く。
私と涼子達も周りの声につられて、ノートに走らせていたペンを落としてしまった。
「うそ…あれ、庄田?」
「……………………」
…そうだ間違いない。秋穂だ。
しかもあれは私がよく知っている昔の秋穂だ。
元気で明るくて、自信に満ちていて。
私が羨ましくて仕方がなかった女の子の姿そのものだ。
それが再び、目の前にあわられた。
「ね、ねえ美希。あれって……」
「………………」
なんで…どうして今頃……
「ねえってば!美希!」
「………………」
周りのざわめきも、涼子の声も次第に聞き取れなくなっていく。
教室に入ってきたはず担任の叱責の声も、全く聞き取れない。

そんな…また戻ってきたの?なんで?どうして……
過去が私に絡み付いてくる。
「あの秋穂」が戻ってきたんだ……
77冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:05:56 ID:7q+Rs0ai
結局、要は学校に来なかった。メールの返信も全然ない。
どうしてだろう……でも、今は他にも気になることが多すぎる。

うちのクラスは朝から秋穂の話題で持ちきりになった。
もう何人かのクラスメイト達は秋穂の席を囲み始めている。
現金な連中だ。ついこの前まで見向きもしなかったくせに。
…まあ、それはよくわかる。私の時もそうだったから。
それより問題は、なんでこの時期に秋穂がまたこんなに変わったのかだ。
あの夜、秋穂が要の家に行った理由は大体予想がついている。
全部話すつもりだったんだろう。私と秋穂の事。
それだけじゃない。多分その後要を……
…でも要は断っただろうし、「あの話」を聞いても多分信じない。
だからか…?こうやって揺さぶりをかけるつもりなのか?昔の私の再現をして…
でもその肝心の要は学校を休んだし…。
……ちがう!そうだ!要と秋穂は一緒に登校してるんだ!
きっと要と朝なにかあったんだ!だから要は学校にこない!
くそっ!秋穂め!なにしたんだ!私の要に!
どうしよう。携帯も繋がらないし、放課後、家に行ってみるしか…!
「……き、美希!美希ってば!」
「…えっ!」
考え込んでいた私の肩を、涼子が揺さぶってきた。
はっとなって俯いていた顔をあげる。
涼子はとても心配した表情で、私の顔を覗き込んでいる。
「美希、だいじょぶ?……やっぱ庄田のこと?」
「……う、うん」
「やっぱり…。…こんなときに悪いんだけどさ、美穂が話があるって…」
チラッとドアの方を見る涼子。
ザワつく教室の外で、小柄な三つ編みの女の子がポツンっと立っていた。
「あっ…美穂」
席から立ち上がり、教室の外へ向かう。なんだか足が重い…。
美穂は私よりだいぶ背の低いのでこうやって向かい合うと少し見下ろす形になってしまう。
「えっと……あの、美穂?」
「…中庭に行こう。美希ちゃん。そこで話したいこと、あるから…」
そう言うと、美穂は私と目を合わせることもなく、中庭に向かっていってしまう。
「美穂!」
心配そうに私達を見守る涼子を尻目に、私も美穂の後を追いかけることになった。
78冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:06:43 ID:7q+Rs0ai
「…………」
「美穂…」
中庭の入り口で再び私達は相対した。美穂の顔は俯いていてよく見えない。
冬の冷たい風と雨が、私達に吹き付けてくる。
ここは入り口だから屋根があるけど、雨は少しずつ、私達を濡らしていく。
長い沈黙の時間が流れる。
「…………」
「…………」
「…さっきね」
「…うん」
ようやく口を開き始めた美穂が、ゆっくりと顔を上げる。
その顔は、涙でぐしゃぐしゃになっていた。
「高田君に好きだって、告白したの。そしたら……」
嗚咽を上げながら、なんとか言葉を紡いでいく美穂。
なんだか痛々しい。止めさせたい。でも…
「うん……」
「そしたら……好きな人がいるからって。だからダメだって」
「…………」
「…それって、美希ちゃんのことだよね?」
「…………」
「…うん、分かってた。知ってたよ。…付き合ってるんだもんね。二人とも」
「……えっ?」
「でも、どうしてもあきらめられなくて…ごめんね」
えっ!?ええ!!なんでそうなるの???
「美穂!それは…」
「全部知ってるの!!!」
「………っ!!」
うるさく叩きつける雨音さえかき消すような叫び声が、中庭に響いた。
美穂のこんな声、聞いたことない。
「知ってるの…あの日、二人で学校休んでなにしてたのか、全部…」
消えいくような、か細い声で美穂が言う。
「二人でキスしてたのも、知ってる…」
79冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:07:34 ID:7q+Rs0ai
…え?
「な、なんで知って……っ!」
しまった!
慌てて口を両手でふさぐ。でも、もう遅い。
「やっぱり…!」
美穂が恨めしそうな眼で私を睨む。
やめて美穂、そんな眼で見ないで……
あなたにだけはそんな眼で見て欲しくない…!
「隠してたんだね。ずっと…」
「ち、ちがうの!私は…!!」
私には、要が!!
「知ってるよ。山下君、だっけ?その人のことも知ってる!」
……え!?なんで…要の事まで??
困惑した表情の私に向かって、美穂は薄く微笑みかけてきた。
どこかで見た表情…。そうだ、秋穂の表情にそっくりだ。
「でもちがうよね?本当は高田君が好きなんだよね?山下君ってみんなから嫌われてるもんね?」
美穂の目尻から、ポロポロと涙があふれてくる。
「美希ちゃんそんな人じゃないよね?私知ってるよ。優しい人だもん」
一歩一歩、美穂が私に近づいてくる。
「私なんかにすごく優しくしてくれた…だから信じてる。信じてるから」
違う。違うの美穂。私は…私は!!
「高田君のこと、よろしくね。美希ちゃん……」
涙をぬぐい、私の横を走りぬける美穂。
その瞬間、私の耳元で一言、つぶやいた。
「裏切ったら、許さない…!!」




なんで…こうなるんだろう。私のせいか。全部。
昔の秋穂が戻ってきて、今またここで、昔の秋穂を見た。
私は、どうすればいいんだろう…………
80冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:08:30 ID:7q+Rs0ai
――――教室中がやかましい。全く現金な連中だ。
私の周りは、手のひらを返したように私に群がるバカな男達であふれてしまった。
やれやれ。相手をするのも疲れる。それにこれじゃあ由梨絵や飯田君達と話せない。
「おい!お前らいい加減にしろ!もうすぐ卒業だぞ!席つけコラ!」
担任の大声によって、ようやくバカ共が散っていった。
この担任は特に私に言及してこなかったな。成績がよければなにしてもいいってことか。
「よーし帰りのホームルーム始めるぞ〜」

結局、要君は学校を休んだ。まあそうだよね。
美希は緑川に呼ばれて話をされたのかさっきから落ち込んだままだ。
懸命に村田や戸田が話しかけてるけど、全然反応がないみたい。
……ざまあみろ。ふふっ。
高田君はどうだろう。今日は特になにもしていなかったが。
チッ!さっさと動いてよね。もうちょっとなんだから。

「よ〜し。今日はこれで…ん?そういや鳩山はどうした?」
担任が今更のようにクラス中に問いかける。
そういえばさっきいなくなってたな。…まあ予想はつくけどさ。
「まーったく。あいつは…」
その時、担任の呆れ声に答えるかのように、ガラッと教室のドアが開いた。
クラス中の視線がドアから入ってきた鳩山君に集まる。
「おい、鳩山!おまえどこいって…」
「……高田。どういうことだよ」
鳩山君は担任の声を無視し、そのまま高田君の席へ一直線に向かう
「コラ!鳩山!」
「…………」
高田君の席の前で、無言で高田君を睨みつける鳩山君。
高田君も、黙ってジッと鳩山君を見つめている。
「お前、美穂に告られたんだろ?」
「……………」
「なんで断った?」
「………………」
「おいこら!鳩山!」
「なんで断ったかって聞いてんだよ!!」
81冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:09:28 ID:7q+Rs0ai
そのまま、高田君の襟元をつかみあげる鳩山君。
「きゃああ!!」
「おい!やめろって直純!」
「ちょっと!直純!」
「やめろ!鳩山!」
ザワザワと、教室中が一気にうるさくなる。
担任もなにがおこったのか理解し切れていないようだ。
「なんとか言えよ!おい!」
そんな鳩山君の激昂にも高田君はなんの反応もしめさない。
そのまま顔を動かし、私の方へ視線を向ける。
…そう、それでいいわ。さあ言いなさい。
「………俺さ」
「ああ!?」
「好きな人いるから」
「…!?だれだよ!」
「………………」
高田君は無表情で鳩山君を見つめ返し、ゆっくりと口を開く。


「三浦さん。三浦美希さん。俺、三浦さんのことが好きなんだ」





………ふふふ。あははははははは!!!!!
さあさあ、美希どうするの?教室中に知れちゃったわよ?
こんな事明日要君が知ったらどう思うかしら?
いや…関係ないか。もうあの写真見た時点で要君がなにするかってくらいわかる。
そうなればあとは要君を……ふふふふ。
とうとう手に入るわ。ずっと欲しかったもの。

「山下要」が。
82 ◆SVNDcoHudE :2007/10/27(土) 01:10:15 ID:7q+Rs0ai
終わりです。
>>45
>>55
お二人とも乙です!こんくらい黒かわいいヒロインをひり出したいです。マジで。
83名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:21:36 ID:DfDks6xY
GJ!!
いやぁ黒いな、後は要がどう動くか楽しみ。
秋穂の考え通りに動くか、それとも・・・
84名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:27:01 ID:okbfgWRr
>>82
これは・・・GJ!!
秋穂の手の上で踊らされている各キャラの今後が気になるところ
投下ペースも速いので無理されないよう・・・
85名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:28:29 ID:NYKBHudk
秋穂の勝利の高笑いがかっこいいな、策士っぷりがなんともいえない。
このまま勝利を収めることが出来るか否か。
86名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:30:18 ID:6UoqK03H
>>84

超GJっす

秋穂の腹黒さに怒りがきます

マジ要がカワイソス

しかし秋穂は何故におここまで要に執着するなか・・・

復讐か?はたまた本当に要を愛するが故なのか?
先の展開が楽しみ!
87名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:33:08 ID:+lgHiR77
まさに人の心を流し動かす策士の業よ
これはますます目が離せない
88名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:45:07 ID:/2O2eLIn
>>82
GJ
こんなにムカつく奴を見るのは初めてだ
これで要のことを復讐の道具としてしか見ていなかったら暴れたくなりそう
89名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:46:52 ID:ovrnyD9K
学校を休んでいた日に
「二人でキスしてたのも、知ってる…」

寝取られキタァー(゜∀゜)ーー!!!!
90名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:49:33 ID:tQmZoBOI
とりあえず主人公オンリーのハッピーエンドならこの喉にまで出掛かっている苛立ちが解消されるんだけど…
91名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:50:09 ID:vCxYlBPd
>>84
うわああああああおもしれええええええ!!!早く続きが読みてえええええちくしょおおおおおおい!!!!
GJ!!!!
92名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:52:46 ID:ovrnyD9K
美希覚醒モードが来るのか?
世界と同じ匂いがするからムリかw
93名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 02:23:53 ID:Yl//x3Gw
投下来てるぅぅぅぅ!!!
ノントロと冬の星空の作者さん超GJ!!!!!
94名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 03:03:39 ID:78psFKfv
空気を読まずにいわせてもらう。
個人的に閉鎖的修羅場空間の続きが気になる。
95名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 03:42:51 ID:kRPo3tRa
>>82

何という展開w
美希の前に次々と壁が立ちはだかる様子が見事としか言えない。
美希ー、負けるなー!!
96名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 03:47:14 ID:jOrnKTke
とにかく要が幸せになればそれでいいかなと思ってる
97名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 04:00:32 ID:Uo5q+1dX
ここは身を硬くして嵐が去るのを待つ方がいいかも?<要
将来誰か彼を幸せにしてくれるおにゃのこに喧嘩強いの活かしてフラグ立てる方がw
まあ、このスレで主人公が修羅場をやり過ごすとか無理すぐるけどw
98名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 04:12:00 ID:lhK78eSY
猫の縄張り争いはホント、地獄だぜ…ッ!!
99名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 04:18:39 ID:XM5XrVbl
こんなに主人公の幸せを願ったコトはない・・・
100名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 04:34:22 ID:szl43Zjn
もちつけお前ら、感情移入しすぎだ

もっと、こう客観的に読んで見ろ
























なんだか秋穂も可愛く見えてくるだろ?
101名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 08:37:45 ID:N0pH2yZ1
【埋葬中】

   ∧,,∧            ∧,,∧  ∧,,∧  ∧,,∧  ∧,,∧
   ( ´・ω)           (,,   )(,,   )(,,   )(,,   )ナムナムー
   | ⊃|__,>;* ザッザッ   ⊂  ヾ ⊂  ヾ ⊂  ヾ ⊂  ヾ
    u-u     ・;*;'∴     (  ,,) (  ,,) (  ,,) (  ,,)
~~~~´゙`゙゙´´ ~~゙`゙´\ ∧,,∧/`゙゙´´ ~~゙゙´``´`´~~~~~~~~~~~~゙゙´``´`´
             ↑>>100
102名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 09:11:35 ID:cSS3RNM/
埋めんなw
103名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 11:09:42 ID:kUVQzMq5
美希は前彼との間柄を秋穂に疑われて、嫌われたくないから付き合う。
でも要を忘れられなくて前彼を振る。
それを裏切りだと思った秋穂が要を奪おうとする。

読んだ感じだと、こんな話なのかな。
104名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 11:28:38 ID:Bo122k+0
>>82
いやいや!あんたのも相当GJだよ!復讐者、完璧すぎる。
タイトルももっと鬼気迫るものの方が良かったかもしれない。
105名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 12:16:28 ID:43oZBxFY
要が幸せになれますようにと。
106名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 13:36:06 ID:jtDRozAK
俺が幸せになりますように
107名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 13:37:11 ID:IS5Qsp7g
>>106が不幸になりますように
108名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 14:39:38 ID:ovrnyD9K
美希はビッチだと思うわけだが
他の男とキスするなんて・・・・・
付き合っている男にとっては裏切りに等しい行為だ
それだけでもカップルというのは破局する。
俺だったらこんな写真が速攻で別れる


そして、黒化した彼女を美味しく頂く
109名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 14:42:51 ID:jtDRozAK
>>107
おいィ!?
110名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 15:16:46 ID:THK9j3o0
106が自分の幸せを願って107が不幸を祈ってるんだからプラマイ0だなw
111名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 15:22:21 ID:xcqv/oL8
そして俺様が>>106の不幸を願ってやるぜ!!
112名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 15:24:41 ID:ruaxKFjo
そして俺が>>106の幸せを願う
堂堂巡りだな
113名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 15:31:08 ID:x1PnhLaY
みんなでしあわせになろうよ
114名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 16:05:08 ID:l1yoFgkc
>>103
たまきん思い出した
115名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 16:06:31 ID:THK9j3o0
忘れろ。今すぐにだ。
116名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 16:28:45 ID:ovrnyD9K
たまきん並みじゃないのかw
117名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:31:34 ID:T2ZbAGQW
>>108
美希と付き合ってるのに、
秋穂にふらふらしてる要も要だから、
お互い様だけどなー。
118名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:54:13 ID:dFn4NnTm
要は自分を客観的に見なさ過ぎだと思ったよ
119名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 20:52:43 ID:Ilo5O3Xz
>>114
見ていてあまり気持ちのいいものではないな
120名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 21:02:14 ID:Fz2B9gge
たまきんって最高の幼馴染じゃないか!!
121名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 21:16:33 ID:VVTnC3ta
呼んだ?
122名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 21:17:53 ID:THK9j3o0
帰れ帰れ
123名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 21:18:49 ID:UQclqYFI
    /\___/ヽ   ヽ
   /    ::::::::::::::::\ つ
  . |  ,,-‐‐   ‐‐-、 .:::| わ
  |  、_(o)_,:  _(o)_, :::|ぁぁ
.   |    ::<      .::|あぁ
   \  /( [三] )ヽ ::/ああ
   /`ー‐--‐‐―´\ぁあ
124名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 23:14:25 ID:VVTnC3ta
じゃなきゃ帰るお(´・ω・`)
125名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 23:24:20 ID:XoKAsdxF
ママレードボーイみたいに熱くなってきたな
126名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 00:29:41 ID:S5IABKeg
>>82
担任(こいつら受験前なのになんでこんなドロドロしてんの?)
127名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 00:31:38 ID:L1EVmhvT
   l ノ/ノ )))〉 
 Σヘ〈l´∀`ノ〉 ・・・・
128名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:08:47 ID:EqDNphBz
世の中には学歴より大切な「者」があるんだよ先生。
129名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:09:00 ID:yA7k4FJG
流石にこの流れはちょっと自重した方が・・・
130名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:49:23 ID:FNYTn7Re
俺も愛されたい
131名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 03:15:41 ID:AdToiM78
>>126
たしかにこんな光景見せられて、一番戸惑うのは担任かも。
132名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 04:25:56 ID:/G3fw7dJ
単発ものを投下します。
133名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 04:26:32 ID:/G3fw7dJ
「やけにご機嫌じゃない?」
 土曜日の夜。
 だらしない格好でソファーに横になったままの妹が怪訝な視線を送ってくる。
「ん、そうか?」
「さっきからニヤニヤしててキモいんだけど」
 口を開けば憎まれ口ばかり。
 何処へ行くにもお兄ちゃんお兄ちゃんと背中を追いかけてきたのはもう遠い過去のお話。
「うるせーな、俺がどんな顔してたって関係ねーだろ」
 最近の妹との会話はいつもこうだ。
 お互いにあまり意味の無い言葉の応酬と、幾ばくかの沈黙。
 反抗期というやつだろうか?
 それこそ、お互いに……。
 付きっぱなしのテレビからはバラエティー番組の笑い声が二人っきりにリビングに響いている。
「で……なんかあったの?」
「気になるのか?」
「聞いて欲しそうな顔してるからさ……言えばいいじゃない」
 相変わらず素直じゃない。

「実は俺、明日デートなんだ」

 普段よりいくらか長く重い沈黙。
 そして―――

「ふ〜ん、あっそ……」

 そう言うなり妹はおヘソごと身体を反してそっぽを向いてしまう。
 なんだか反応があまりに淡白なので拍子抜けしてしまう。
「で?」
 こちらがしばらく黙っていると背を向けたまま、妹がやや尻上がり気味な一字だけを投げつけてくる。
「で? ってなんだよ」
「もう付き合ってるのかって聞いてんの」
「いや、それはまだこれからって感じ……」
「そう……」
 それっきり、お互い会話を交わすわけでもなくただテレビを眺めている。
 別に場の空気が重いわけではない。お互い嫌というほど長い付き合いだ。
 会話をしていないからといって気まずくなるような事は無い。
 ただお互いに思春期に入ってからはだんだんとペースが合わなくなってきているような気はする。
「俺、明日早いからさっさと寝るわ」
「もうこんな時間から? 小学生の遠足じゃあるまいし、コーフンして寝付けないんじゃないの?」
「うっせーな。お前も夜更かししすぎるなよ。おやすみ」
「おやすみ」
 結局、妹は最後までこちらを見ようとはしなかった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

134名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 04:27:17 ID:/G3fw7dJ
 今朝は昨夜の準備やら妄想やらに時間を取られ過ぎたせいか、少し寝坊した。
 急いで着替えて洗面所に顔を洗いに行くと、日曜は昼まで起きてこない妹がリビングでゲームをしていた。
「やっぱり寝坊してるじゃん。コーヒーあるけど?」
「悪い頼んだ!!」
 顔を洗い、身なりを整えてリビングに戻ると妹がコーヒーカップを持ってきてくれる。
「はい、これ」
 カップを差し出す妹からコーヒーを受け取るその刹那、ほんの一瞬だけ早く妹の指がカップから離れる。

「「あっ!」」

 二人の声が重なって、洋服にコーヒーが吸い込まれてゆく。
 ちなみに今日の勝負服は昨夜早めに部屋に引き下がり2時間を費やして選んだ一品。
「な、なんつーことを!!」
「ごめん!」
 本来なら説教コース三時間ものだが、悔しいことに初めてのデートから遅刻では格好が付かない。
 シミがついた服を洗濯機に投げ込んで、自室に戻って着替えを済ますと妙にコーヒーの匂いが気になった。
 いつもなら気にならない程度、けれど今日はやけに気になる。
 時計を見る。
 急いで済ませれば間に合わない時間でもない。
 意を決してシャワールームに飛び込むと髪を濡らさない様に、
 コーヒーのかかった部分と息子さんを特に念入りに洗う。
「あれ? 俺のバスタオルはどこだー」
 びしょ濡れのまま脱衣所に出ると置いてあるはずのバスタオル、もしくはタオル類が一つもなくなっている。
「え? いまシャワー浴びてるの? さっきの洋服といっしょに洗濯機の中」
 脱衣所に面している洗面所に移動し洗濯機の蓋を開けると、洋服とたくさんのタオル達がぐるぐる回っていた。
「勝負服とタオルをいっしょに洗うんじゃねぇよバカタレーーー!!」
「誰がバカよ!! 大体そんなご大層な服じゃないでしょ!!
 それにコーヒーが掛かったくらいでわざわざシャワーまで浴びちゃってさ!!
 ばっっっかじゃないの!? 何を期待してるんだか!!」
 いつもならこのまま言い合いを初めてもおかしくない状況だが、今は時間が無いので先に折れる。
「わかったから、早くタオルを持ってきてくれー」
「最初からそう頼んでいればいいのよ!!」
 数分後、妹が持ってきたタオルは妹用のバスタオルだった。
「しょ、しょうがないでしょ!!
 昨日お風呂から上がってそのまま部屋に持っていったのだけが残ってて、今はこれ以外全部洗濯中なんだから!!」
 つまり……これは使用済みということか?
 なんか微妙な気分だが、実際我慢しているのは妹の方だろう。
 普段ならば死んでも嫌だと喚き、暴れだすのは間違いないが、
 それを我慢してこれを持って来たということは俺を足止めしてしまったという罪悪感もあるのだろう。
 今は迷っている暇も無いので、遠慮なく使わせてもらうことにする。
 大雑把に全身を拭いて手早く着替えると、玄関で携帯の時計を確認。
 ちょっと、遅刻しているが走れば間に合いそうだ。
135名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 04:28:13 ID:/G3fw7dJ
「ん? 俺の靴は何処だ?」
 玄関からも靴が綺麗さっぱり消えている。
「あれは……観葉植物に水やりしてた時、バケツ倒して水浸しになっちゃったから庭で干してる」
「なぬぅぅぅ!!」
 流石に堪忍袋の尾が切れそうなのか、思わず妹を睨みつける。
「別に悪意があったわけじゃないから許してよ。
 それに靴を玄関に脱ぎっぱなしにしてる兄貴だっていけないんだから」
 ぺろっと舌を出しながら謝る妹。
 それは昔から妹がよくやる仕草。
 昔は何気なしやっていたんだろうけど、最近は自分の見た目が可愛いのを知っていてやっている節がある。
「っっったく、しゃ〜ね〜な〜!!」
 猛ダッシュで自室に飛び込むと体育館用のシューズを持って玄関に戻ってくる。
 かかとの部分に自分の苗字が書いてあるのは御愛嬌。
 幻滅されるような格好ではあるが……遅刻するよりはいくらかマシだろう。
「それじゃ、行って来るぞ!」
「……うん。いっ…てら……しゃ…い……」
 バタリと音を立てて、玄関先で真横にぶっ倒れる妹。
 あの倒れ方は痛い。
 冗談はさておき、履いたばかりのシューズを脱ぎ捨てて妹の下に駆け寄る。
「なに…やって…ん……のよ。さっさと……行き…な…さいよ」
 妹の罵倒を余所に、弱っている妹のおでこに手を当ててみる。

 正直……よくわからない。

 しばらく額に手を当てていると頬から順に次第に赤みが差してきて、手の平に淡い熱を感じるようになる。
 まだ、微熱の段階なのだろうか?
 ともかく、真横にぶっ倒れるなんて尋常じゃない。
 小さい発射口から次の罵倒が飛んでくる前に妹の背中と膝を抱える。
 俗に言われる『お姫様抱っこ』という状態。
 別に誰かに見られるわけではないし、やっている相手が妹だから色気が無い。
「ば、ばか!! 何やってんのよ!!」
 こんな状態になってまで憎まれ口を叩けるとは見上げた根性だ。
 っつ〜か、実は結構元気?
 至近距離から次々と発射される罵詈雑言にいちいち受け答えするのもほとほと面倒なので、
 黙って妹を部屋まで強制連行。無断で妹の部屋に入ると、弾幕が一層強くなる。
136名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 04:28:57 ID:/G3fw7dJ
 正直、病気でなければ放り投げてやりたい気分ではあるが我慢してベットの上にそっと降ろす。
 ここまで運んでやったのだからさっさ横になればいいのに、いつの間にか首に回された妹の腕が離れてくれない。
「いつまでやってんだよ。さっさと離れろ」
「言われなくてもそうするわよ!!」
 妹は飛び跳ねるように俺から身体を離すと、腰をさする。
「いっつぅ〜」
 したたかに打ち付けた腰が今頃になって疼くらしい。
「ちょっと待ってろ」
 家中を一回りして氷枕や体温計、風邪薬に湿布薬などを一通りそろえる。
 もうこの時点で待ち合わせには確実に間に合わない時間になってしまっていた。
「あぁ〜!! なんでこういう時に限ってかーちゃんもとーちゃんも家にいないんだよ!!」
 我ながら情けないが愚痴をこぼしながら妹を看病する。
 本来なら今頃女の子とお手を繋いで、幸せを満喫しているはずなのだ。
「あ〜あ、兄貴きっと振られちゃうね」
「その原因を作ってるお前が言うな!!」
「……ごめん」
「大体、体調悪いくせに動き回ろうとするから変なことになるんだよ」
「……怒ってる?」
「当たり前だろ」
 今頃あの子は待ち合わせの場所で一人寂しく俺を待っているのだろうか?
 その光景を思い浮かべるたびに溜息ばかりが漏れた。
「ホントに、ごめん……」
「もういいよ。あとで電話して今日はもう中止にするから、今はゆっくり寝てろ」
「わかった……」
 ようやく何も言わずに頷く。
 いつもこれくらいに素直なら言うことは無いのだが……。
「ところで兄貴……」
「なんだよ?」
「アイスクリームが食べたい。買ってきて」
「はぁ!?」
「ストロベリーのやつがいい」
「ワガママ言ってんじゃねぇ!! さっさと寝てろ!!」
 強引に妹を部屋に寝かしつけると、リビングで携帯を開く。
 待ち合わせ場所で待っている彼女にデートを延期してもらいたいと伝えると、
 言い訳をする間もなく電話を切られてしまった。

 まったく……今日に限って運が悪い。
137名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 04:30:04 ID:/G3fw7dJ
 携帯をソファーに投げつけて昨日の妹と同じような体勢でふて寝する。
 音が無いと寂しくなってくるのでテレビをつけた。
 日曜日のこの時間ならバラエティー番組に困ることは無いし、別に腰を据えて見ているわけでもない。
 もう今日は動く気力が湧かない。
 けれど、いささか手持ち無沙汰な感がある。
 今日あるはずの重要イベントがフラグごとお流れになってしまい、
 時間と体力と空腹と怒りをいささか持て余しているといった感じ。
「………」
 幸い、首から下は近所をうろつくのにはちょうどいい格好ではある。
「まぁ、風邪だからな……しゃあ〜ないか」
 誰にするわけでもない言い訳を吐き出すと、携帯を片手に溜息一つ。
 脱ぎっぱなしの体育館用のシューズのかかとを踏み潰して近場のコンビニへと繰り出した。


『もしもし、なんか他に食いたいもんあるか?』
138 ◆JyN1LsaiM2 :2007/10/28(日) 04:30:58 ID:/G3fw7dJ
 ここまでです。

 気が付けば少々キモウトものっぽくなってしまいましたが、
 元々は可愛らしい嫉妬をイメージして書きはじめたものなのでこちらに投下させてもらいました。
139名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 04:48:42 ID:E/lTnm+S
GJ!
あんまりキモウト化し過ぎなくて良かったと思うよ。
俺はこのくらいのが好きだ。
140名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 09:07:36 ID:L1EVmhvT
程よいのう・・・

GJ
141名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 09:55:21 ID:1iNW1uGZ
これはよい嫉妬


ベリーシット!
142名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 11:01:34 ID:TbSsD/ME
>>妹がやや尻上がり気味な

ここで真っ先に兄に尻を突き出す妹を想像したオレはもう終わってる
もちろんその後を見てちゃんと意味を理解したが
143名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 11:26:33 ID:MqXroza9
>>138
イイジャンイイジャン!
144名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 11:46:22 ID:Yg2rkiwY
>>142
あれ?俺まだ書き込んでないぞ
145名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 11:49:01 ID:AdToiM78
GJッス。
たまにはこういう可愛いらしいヤツもいいですな。
ここの物語は殺伐としてるから・・・
146名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 16:00:19 ID:YfxVDgEr
前スレでの祈りが通じたみたいだナー。
GJ。
147 ◆SVNDcoHudE :2007/10/28(日) 18:02:42 ID:R1MFJHPP
投下します。要君視点です。
148冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/28(日) 18:03:31 ID:R1MFJHPP
携帯の液晶が点滅してる。メールだ。でも、確認する気が起きない。
まだ頭の中が混乱している。もうどうすればいいのかわからない。
昨日はあのまま学校から帰ってきてしまった。あんな状態で学校へなんて行けない。
もうぐちゃぐちゃだ。なにがなんだかわからない…わからないよ、美希。

コンコンっと部屋の扉をノックする音が聞こえる。
…だめだ。布団から顔を出すのも、返事をするのもめんどうだ。
「ちょっと要!学校いきなさい!遅刻するわよ!」
扉の向こうから姉さんのくぐもった声が聞こえる。
なんでこういうときに家に帰ってきてるんだよ。さっさと行ってくれ。
「……もう!私もう出るから、ちゃんと戸締りしていくのよ!わかった!?」
「…………うん。わかった。いってらっしゃい」
「…ったく!行ってきます!」
乱暴な音を響かせながら姉さんが階段を下りていく。
そのまま玄関のドアを開け、家を出て行ったようだ。
「……はぁ、もう!」
ガバッと布団をめくり上げ、勢いを持ってベッドから降りる。
もうしょうがない。こうなったら学校へ行って、秋穂から話を聞いてやる!




―――今日もまだ雨が降ってる。というより昨日より激しくなってる。
雨のせいなのか電車の中はいつもよりギュウギュウ詰めの状態になっていた。
今の気分であの電車は正直、めちゃくちゃきつかった。まだ気分がイラついてる。
ようやく降りた駅前もこの人ごみだ。ふざけてるにもほどがある。
「くそっ!人多すぎるんだよ、ここは!」
睨みつけるように、周囲の人間を見回す。
みんな僕と眼が合うとすぐに目をそらしてしまう。なんなんだよまったく!
「か〜なめ君!」
「あっ!?」
癇に障るほど元気な声に振り向くと、秋穂がニコニコ笑いながら立っていた。
「どしたの〜?イライラしてるね?昨日休んじゃったし、だいじょぶ?」
「……だれのせいだと思ってるんだよ」
ニコニコしていた秋穂の眼が、とたんに鋭くなる。
「自分のせいでしょ」
「…………っ!」
「…まあいいや。いこいこ!」
昨日のような不気味な笑顔を浮かべて、秋穂が歩き出す。
「…ああ」
くそっ。しょうがない。登校中に聞いてみるしかないか。
149冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/28(日) 18:04:36 ID:R1MFJHPP
傘を差し、二人で並んで通学路を歩いていく。
何でかしらないけど、さっきから周りの人達が僕達を見つめてきている気がする。
今の気分でこういうことされるとさらにイラつく。見世物じゃないんだぞ全く!
「なんか皆やたらと僕らのこと見てない?」
「…ん〜なんでかな?なんでだとおもう?」
秋穂は少し微笑みながら僕を見上げてきた。
こっちが質問してるのに………なるほど、そういうことか。
「秋穂か」
この周りのやつらは秋穂を見ているのだ。
たしかに秋穂はすごく変わった。綺麗になった。
前までは秋穂と僕が歩いてても見向きもしなかったくせに……
そんなんだから噂に踊らされるんだよ。バカばっかりだ。
…いや、ほんとのバカは、僕だな。
「ねえ……教えてほしいんだ、昨日の続き」
「…………まだ、だめ」
くるくる傘の取っ手を回しながらそっぽを向く秋穂。
「なんで?昨日は話してくれたじゃないか」
「だから、まだだめなの。学校着いたら教えてあげるよ」
……だったら別に今でもいいじゃないか。
仕方ない。こうなったら、一番気になることだけでも聞いておかなくちゃ。
一番聞きたくないことでも、あるけれど。
「じゃあひとつだけ。ひとつだけ教えて欲しいんだ」
「……なに?」
たのむ。ウソだって言ってくれ。
「あの写真。アレって本物?」
「……………………」
秋穂は少し考え込むような仕草をしていたが、
やがて僕のほうへ顔を向けると、飛び切りの笑顔で微笑んだ。
「もちろん。本物だよ!」


……ああ、やっぱりか。ちくしょう。
150冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/28(日) 18:05:35 ID:R1MFJHPP

「おはよー秋穂、山下君」
「ちーっす。庄田さん。おい!山下!昨日なんで休んだんだよ!」
教室に入った僕らを、いつもの二人が出迎える。
「おはよー。由梨絵、飯田君」
「…ああ、おはよう」
今日は飯田と氷川さんだけじゃない。
教室に入ったとき、多くのクラスメイトが僕達に注目してきた。
いや、違うか。「僕達」じゃない。秋穂に注目してたんだ。
「お、おはよう。庄田さん」
「よ、よう。庄田」
秋穂と話をしていた所を一度も見たことのないようなやつらが、僕達の周りに集まってきた。
そのまま僕と飯田達を押しのけ、秋穂に群がる。
…なんだよ、こいつら。
「イテッ!んだよ全く〜昨日からいきなりこれだもんなぁ」
「仕方ないよ。秋穂は元々かわいい娘だったから」
「…ま、そうだよな。こうなっちゃうのもしょうがないか」
顔を見合わせ、苦笑しながら席に着く飯田と氷川さん。
僕もフラフラと二人についていき、椅子に座る。
「つーかさぁお前マジ昨日どうしたんだよ?大変だったんだぜ?」
「そうそう!秋穂の事もあったけど、放課後もっと大変なことがあったの!」
氷川さんが興奮したように身を乗り出す。
「………………」
はっきりいって興味がない。今の僕の状況に比べればどうせたいしたことじゃないんだろう。
誰かが死んだとかなら家の電話が鳴るはずだし、第一、そんな様子じゃない。
…まあくだらないことだろうけど、一応聞いておくか。
「……なに?何があったの?」
氷川さんが手を口に添え、含み笑いを浮かべる
「ふっふっふ……実はねぇ高田君と三浦さんが……」
…なに?美希と高田?
「まあ高田がなんとなく三浦さんの事気にしてんのは知ってたけどな〜」
飯田がニヤニヤと笑う。……なんだ?
「実はあの二人ねぇ……」
「山下、実はな、あの二人…」
二人の声が揃う。
……………??なんだ?なんなんだよ?

「「付き合ってたんだよ、三浦さんと高田君」」


「………は?」
151冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/28(日) 18:06:45 ID:R1MFJHPP
…は?なんだって?なんだよ、どういうことだよ?
「まあ正確にはまだわかんねえんだけどな」
「でも三浦さん否定しなかったよね〜」
え?どうなってんだ……?
「昨日の放課後ね〜、高田君が……」
「…おっ!噂をすれば!」
「…え!?あっ!ほんとだ!」
飯田と氷川さんが同時にドアに視線を向ける。
開きっ放しのドアから、ゾロゾロと多くの男女が教室に入ってきた。
その中にはひときわ目立つモデルのような男と、見知った可愛らしい顔をした女の子がいた。
美希と高田だ。二人とも村田さんや山田達に混じって、楽しそうに話をしている。
…なんで?なんであんな仲良さそうにくっついてんだよ!?
「やっぱ絵になるよなーあの二人」
「だねー。美男美女って感じ?あれじゃ納得するしかないよねー」
「………………」
美希と高田は僕達には目もくれず、村田さん達と席に着く。
そのまま寄り添いながら、一緒に参考書を開き始める。
なんだ、あれ?どういうことだ??なにが、どうなってんだ?
「…はぁ。まあ俺らには関係ないな。あいつらで勝手に幸せになってくれっ感じだ」
「そうだね。私達は私達でがんばらないとね!」
目を合わせ、互いに微笑みながらノートを開く氷川さんと飯田。
この二人もいつのまにこんなに仲良くなったんだ。大体飯田は高田に嫉妬しまくってたのに。
…なんだよ。わけわかんないよ。この二人も、秋穂も、高田も、美希も。
多くの人間に囲まれる秋穂。二人で楽しそうに勉強し始める氷川さんと飯田。
まるで本物の恋人のように振舞う、高田と美希……


なんだよ……なんなんだよ!!
152冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/28(日) 18:08:15 ID:R1MFJHPP
「え〜。であるからして、この時代の背景には…」
教壇の上で、老教師がもう僕らには必要のない知識を無駄に語り続けている。

くそったれ。よく見ろ!だれも聞いてないだろ!こんなことなら自習させろ!
…いや、そんなことよりさっさと終わらせろ!やらなきゃいけないことがあるんだよ!

指先で机を叩きながら、時が過ぎるのをひたすら待つ。
教室の時計の針は、もうすぐ12時を回るところだった。
「え〜でありまして…おや?もうこんな時間ですか。では今日はここまで」
教師の声を待っていたかのように、授業終了のチャイムが鳴り響いた。
「きり〜つ。礼〜」
クラス委員が立ち上がり、号令をかける。
号令が終わると、クラスメイト達が一斉に各グループに別れ始める。
ザワザワと教室中が騒がしくなっていく。
昼休みの、始まりだ。
「山下〜飯いこ…」
「悪い。今日は無理だ」
昼の誘いをしてきた飯田を押しのけ、高田の下へ足を向ける。
高田は美希や村田さん達とともに教室を出ようとしていた。
村田さんの楽しそうな笑い声が聞こえる。
「今日どうする〜?雨降ってるし、教室にしよっか?」
「学食でもいいんじゃない?ねえ美希?」
「えっ…う、うん。いいね!たまには」
乾いたような笑顔を浮かべる美希。
なんだよ、その表情。
机の群れをかき分けながら、久しく話をしていなかった背中に向けて、声をかける。
「高田!」
「んっ?………なんだ、要か」
高田は背中越しに振り向き、冷たい眼で僕を見つめてきた。
美希も僕に気づいたのか、目を丸くして固まっている。
周りにいた戸田さん達も僕に気づき、顔を向ける。
「なに…こいつ?」
「なによ、なんか用?山下」
戸田さんと村田さんが軽蔑と侮蔑のまじった眼で睨みつけてくる。
もう慣れた目つきだ。どうでもいい。
「高田に話がある。どいてくれ」
「はぁ!?急になんなのよあんた!意味わかんな…」
「ああ、いいよ。俺も要に用があるから」
つっかかりかけた村田さんを手で押し止め、うなずく高田。
「……ついてこい」
高田に背を向け、教室を出る。
村田さんがまだ僕に向かって何か言っている。知ったことじゃないけど。
「かな…山下、君……」
小さく、つぶやくように、美希が声をかけてきた。

…でもまずは高田からだ。あの写真のこと、この状況のこと。
どんなことをしてでも聞いてやる…!!
153 ◆SVNDcoHudE :2007/10/28(日) 18:09:17 ID:R1MFJHPP
終わりです。次も要君視点です。
みなさんのレスのおかげで鬼畜な結末を思いついたんですが、スレチなんでこのお話ではやめときます。
154名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 18:33:40 ID:3qPrcM6F
>>153
NTRいやーと思いながらも読んでしまうGJ!
要の幸せを祈ります・・・
155名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 18:42:26 ID:B3yiufoW
この二人とじゃこの先も絶対にまともな恋愛が出来なさそうだから要は振られた方が幸せだと思っちゃいますね......。
二人とも自分の感情優先で要の気持ちを踏みにじってばかりですごく嫌な感じだ。
今はつらいと思うけど要は良い奴そうだからこの先良い人に出会えるだろうし。
美希と秋穂はとっとと高田を取り合えばいいと思う。
156名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 19:10:27 ID:yA7k4FJG
>>153
GJ!!
読んでいて以前言っていた群像劇というのを思い出しました
各キャラが個々の意思で色々な動きをする
こういう話も好きです

>みなさんのレスのおかげで鬼畜な結末を思いついたんですが、スレチなんでこのお話ではやめときます。
本編が終わった後に別エンドとして投下されてはどうでしょうか?
その鬼畜な結末に興味もありますし、もったいないと思います
もちろん投下される時は警告ありで^^;
157名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 19:10:44 ID:9z8thAK7
GJ!
しかし要、ストレスで胃に穴でも開くんじゃないか?
158名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 19:19:58 ID:YuJaL9zg
>>153
GJ!!!!

>「……だれのせいだと思ってるんだよ」
>ニコニコしていた秋穂の眼が、とたんに鋭くなる。
>「自分のせいでしょ」

に不覚にも笑ってしまったw
要君はなんか残念な人のような印象を受ける・・・。(要自身にも問題がある)

続きが楽しみでしょうがない。GJGJGJ!!!!!!
159名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 19:48:59 ID:wlwE9Sq8
>>153
やっべぇおもしれぇww翻弄されっぷりも完璧だな。
ただ、この状況で秋穂が要のことを好きである、ということだけがちょっと不自然かな?
もしかして、スレ的にそうしなきゃいけないと重荷に感じてませんか?
美希が要を好きであればとりあえずスレ的な制約はクリアーしてると思いますんで、
この際秋穂→要フラグは恋愛感情一切なしでも許されると思いますよ。
君がそっちを書きたいと思ってるなら余計なことを言ってすまない。無視してください。
160名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 19:56:17 ID:zwfE2GoT
寝取られキタァー(゜∀゜)ーー!!!!
やはり、美希はビッチ女だったんだな!!
寝取られた後の男性はさっさと彼女と別れて、新しい恋を探すべき

ともあれ、寝取られは胃が痛くて主人公に同情票が流れる
ちなみにヒロインの株は暴落
161名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:03:16 ID:wlwE9Sq8
寝取られとか、そういう狭い視点で見るものじゃないと思うんだよなー。
これだけ男女含めてキャラ出すと、その中で超絶完璧にモテまくる主人公を自然に出すのも至難の技だ。
男女の嫉妬愛憎絡めて描いてくれれば、スレタイに違反してるわけじゃないしいいと思うんだけどな。
162名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:05:15 ID:6WgDlHiH
作者の自演おおすぎワロタwww
ntrスレでやれば
163名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:09:58 ID:S5IABKeg
GJ!

な、要。
わかっただろ?こいつらはこういう奴なんだ
もうこんなドロドロしてる奴らはほっといて俺と一緒に受験勉強しようぜw
164名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:14:44 ID:yA7k4FJG
>>160
流石に寝取られても無いのに寝取られと言うのは変だと思うぞ?
もうちょっと次の展開を予想しようぜ?
それこそ>>161が書いてるみたいにさ
165名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:15:59 ID:wlwE9Sq8
自演と見られるのも仕方ないか…すまん作者。
俺は前から、このスレのちょっと狭量なところはどうかと思ってたんだよ。
「やや地獄な彼女」の時も、やれ寝取られだビッチだと騒がれて途中で終わっちゃったし。
嫉妬・三角関係・修羅場さえあればこのスレでは成立する。
ここは純愛スレでも依存スレでも処女スレでもねぇ、と思うんだけどね。
166名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:20:49 ID:xrlooR4D
(´;ω;`)要君・・・・・・

でも確かに自業自得ッぽいしな〜。
暴力沙汰になったりしそう。
167名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:24:37 ID:Ifq5PwEM
確かに毎回寝取られって騒ぐ奴大杉だわな
ほんの少しだけでもいいから自重してくれ
本当にお願いします
168名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:33:55 ID:UstsiHES
元がエロゲ板発祥のスレだからねえ・・・処女厨は巣に帰れ
169名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:37:22 ID:Rzlr/PZ3
この流れならレイプもの書いたとしてもおkそうだな
170名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:37:40 ID:mI1ibUck
>>153

超GJっす
何か愛憎怨怒が渦巻いてますな

せめて最後後に要には一途な彼女が出来て幸せになって欲しい・・・・
無理っぽいが
171名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:46:19 ID:zwfE2GoT
すでに美希は高田君の方にふらついている時点でちょっとな
評判の悪い要より美男子の高田の方が女にモテやすい
美希も心の移り変わりするのは仕方ない事だと言えるが・・・

ここから、要君の大逆転はなさそうですから
大人しく一途そうな秋穂と仲良くしてラブラブカップル成立すればいい
172名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:58:53 ID:yA7k4FJG
>>169
投下する際に注意書きしてもらえれば大丈夫だと思いますよ
あとはそのレイプからどうやって「嫉妬・三角関係・修羅場」に持って行くかは
作者さんの力量しだいですけど
173名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 20:59:15 ID:B3yiufoW
155みたいな事を書いといてなんですが、美希の行動を美希が要大好きっ子だという前提で考えるとすごく良いんですけどね......。
わざと要を孤立させたり高田との関係を利用して嫉妬させて自分だけに意識が来るようにしてる感じ
174名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:02:11 ID:qMO0fJPV
>>171
そこで秋穂がなびいた男には興味ないとばかりに要ポイ捨てですよ
175名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:02:59 ID:Rzlr/PZ3
レイプを中心に据えなくてもライバルを蹴落とすためにレイプとかは保管庫にもいくつかあったよね
ようは修羅場や嫉妬がメインならいいってことでしょ
176名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:04:05 ID:y6AGbozA
おまえらちょっと舞い上がりすぎだお(´・ω・`)
177名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:07:33 ID:Kly2dIAl
まあさ、そこに嫉妬があればこのスレの趣旨には反してないだろ?ここはそういう懐の深い所なはず。

嫌な展開なら読まなきゃいい。
な? 単純だろ?
178名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:21:37 ID:zwfE2GoT
ここでビッチ美希や清楚高田の思惑を超えることを
要がやってくれたら。男として尊敬するんだが。


>>173
孤立させるで思い出したのは・・・
ピュアメールでも主人公を孤立させたりしませんでしたったけ?
179名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:30:20 ID:sLGRiC63
>>169
つ リボンの剣士

まとめサイト参照。
傑作であることに間違いはないが、俺にとってはトラウマでもある。

確かにNTRやレイプ要素を入れれば刺激的な作品になるのだろうけど・・・
読後感はあまりよいとは言えない・・・
180名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:38:43 ID:mTVtoBEI
嫌ならスルーする。
これエロパロ板に限らない基本法則ダヨ。
181名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:07:35 ID:fMne8a1w
展開に口出しするなって掟を忘れたようなレスが多くて困る。
182名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:26:57 ID:ivYJ1JI9
つ茶
183名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:50:05 ID:y6AGbozA
>>181

つ 茶菓子
184名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:57:19 ID:zIh7uUdS
ていうかその前にNTRされてないからな。ちゃんと前の話読めよ。
美穂に脅迫されてる上、その美穂の元彼鳩山はサッカー部。親友はクラスの中心人物村田。
おまけに美穂も高田も要との関係を知ってる。で、要と美希は「約束」をしている。
どう考えても無理やり付き合ってる振りしてるだけだろ。どんだけ読解力ないんだよ。
185名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:21:48 ID:1iNW1uGZ
>>181
つ爪楊枝
186名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:41:10 ID:IHFrUZaB
どう見てもビッチです、つーかビッチに腹黒とまともな女が近くにいないですね要
美希捨てられ秋穂自爆EDが要にとって一番幸せな結末な希ガス
187名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:50:34 ID:lSXw8KLz
お前ら被った意見でいちいち一人一コメントするのはやめろ
188名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:51:18 ID:zwfE2GoT
>>184
要が気付かない以上は美希が裏切ったと錯覚してもおかしくないわけだが
今、寝取られ気分を要を味わっているだろうにw

でも、普通の自分の彼女が他の男と付き合っていると噂された時点で
彼女と別れないかな?
189名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:58:34 ID:lSXw8KLz
うるさいうるさいうるさいぞ
いったいどうしてきさまらは
ちらしのうらということばを
かくもわすれてしまったのだ
190名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:14:51 ID:RV+YkRlm
   ___    クルッ…   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  / || ̄ ̄|| <⌒ヽ ))  < >>189 はてさて、
  |  ||__|| <  丿    | どこを縦に読みゃいいんだ?
  | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/  \___________
  |    | ( ./     /
191名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:18:10 ID:+4hFAaFX
読んでないからわからんが、明確にNTRが出てないなら騒ぐことないんじゃ・・・
出るとしたら、注意書きさえあればおkだし
注意書きなかったらそれはちと配慮不足だと言わざるを得ないが
まぁ、この作者氏ならその辺の配慮は大丈夫だと思うけど
192名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:19:04 ID:cVcZn0o3
皆が星空で一番萌えてるのって要だろ?
一番良い嫉妬見せてくれるもんな
193名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:21:59 ID:RV+YkRlm
>>192
女の嫉妬は美しいが男の嫉妬は醜いってばっちゃが言ってた
194名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:22:23 ID:WPbH1dZX
>>187
いいんじゃね?作者さん的にはうれしいだろ。いろんな人が読んでくれてるってことだし。
195名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:34:41 ID:jLm2Sy6/
まあ要は周りに自分と美希の関係知られたくなくて必死だから
前日のHRで美希は声高々に「私は要と付き合ってるからお断り」
とは言えんわな、美希的にも。まあ、つまり何が言いたいかというと
要美希はもう詰んでるんだよ
196名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:41:16 ID:+1aDJcL/
ふーん
197名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:49:00 ID:/TExpuWX
高田にボコボコにされる要の心を癒すのは清楚高田さんしかいないと
書き込みするのはいいんだが

いい加減に他の話題に移らないか?
198名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:51:58 ID:Svr7ORRa
誰か他の作品が投下されないことにはなんともかんとも。
199名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 00:58:44 ID:/TExpuWX
個人的には転帰予報と山本君のお姉さんとおにごっことといたり先輩と
トライデント氏の桜荘にようこその続きを
メチャクチャ読みたいんですけど・・・・

神達は一体何をしているんだろうか
監禁されているんじゃないかと心配です
200名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 01:03:17 ID:jLm2Sy6/
俺はそろそろワイバーン乗りの話が読みたくなってきたな
201名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 01:43:33 ID:LX6HMJF/
>>190
パックマンに見えた
202名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 01:44:26 ID:4pyUWCBY
たぬきなべとか赤色とか赤い瞳と栗色の髪とか押しかけ三角とか九十九の想いとかPassion Fruitsとかかちかち山とか首を長くして待っているんですが
203 :2007/10/29(月) 01:49:37 ID:+po5yH6X
>>202
君の未来はろくろ首です
204名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 02:10:59 ID:vqQ3ALWo
両手に嫉妬の華をと七戦姫を全裸で待ってる
205名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 02:28:34 ID:6oExI0xD
閉鎖的修羅場空間の続きを下半身裸で待ってるんですが
206名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 02:45:54 ID:FNAisjvv
片っ端らから通報しておいた
207名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 07:52:27 ID:SFS9fXMp
ここは変態という名の紳士が多いインターネッツですね
208名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 14:12:47 ID:w/OSflVv
螢火マダ−(ry
209名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 15:31:32 ID:anohPImi
>>199-200
>>202
>>204-206
>>208

SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物          ←これな。てかほんとに自重してくれ・・・
・作品に対する評価を書きたいなら、スレ上ではなくこちら(ttp://yuukiremix.s33.xrea.com/chirashi/)へどうぞ
スレは作品を評価する場ではありません
210名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 15:35:46 ID:JHNb9YGr
自治厨は煽り行為をいちいち書き込むな
だったら、お前がスレの流れを変えろよという話なんだが
211名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 15:55:54 ID:+4Ngxh4g
すぐ喧嘩をしたがるのは悪い癖
212名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 15:57:31 ID:3f12WtlL
ミンナ楽しく仲良くやりまSHOW。
213名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 16:04:40 ID:BOsTf+0l
つねに修羅場が起きるってのもスレ的にしょうがないかと
214名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 16:06:03 ID:REFpY8Vc
全裸で作品を待つ者同士仲良くしようぜブラザー
215名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 16:11:39 ID:lEHQFQ4C
>>207
いいえ、ここは嫉妬の炎に身を焦がす女の子に萌え狂い、時にはストーキング、監禁、盗聴、死刺される事すらも厭わない

修羅場こそが生きる道と見出だした変態という名の女の子の嫉妬が大好きです、女の子に嫉妬されないと元気が出せないというどうしようもない紳士達の聖域です。
216名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 19:04:40 ID:QoWZkPdL
「二人の姫君」マダーーーーー?
217名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 20:05:23 ID:+4hFAaFX
>>209
別にこんくらいなら「過剰なクレクレ」ではないから大丈夫だと思うぜ
まぁ、作者さんも待っててくれるのは嬉しいだろうし
218名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 20:29:30 ID:CATIRd2E
あくまでも「過剰な」だからな。
良い雰囲気の中だったら少しはOKなんじゃないかと。
219名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 20:32:45 ID:5yL1nxF3
てか、監禁モノとかが少ないですか?
220名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 20:38:59 ID:4pyUWCBY
換金ものは展開に乏しくないかい?
めまぐるしく展開し興奮で気の抜けない換金ものをぜひ読ませて欲しいYo!
221名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 21:50:58 ID:4gP/28Ug
「こんにちは!」
「オス!」
「どうも」
「やっほー!」
「やっとお目覚め?」

だれだお前等。

「私達はっ!」
「世界のお金をっ!」
「正確なレートでっ!」
「換金するっ!」
「その名もっ!」

「「「「「換金ズエンジェル!!!!!」」」」」


「さあ、あなたはどの国のお金をもってるのかしら?」
222名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 22:06:46 ID:h5LisWgj
その発想はなかったwそのネタで何か一本書いてくれ
223名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:10:21 ID:I+tTttF8
しかしこの展開で次回に続かれると
気になって気になって仕方ないな
楽しみが増えるが動悸が止まらない
224名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:21:25 ID:3RQoAg93
前スレの埋め投下後編はどうなるんだろう。
前々スレから超期待してたんだが……このままじゃ勢い余ってオナ禁してしまうかもしれない。
225名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:23:28 ID:4gP/28Ug
>>222
いつもの帰り道。ふとした拍子に彼女を抱き留めた時にその事件は起こった。
「……ドルの匂いがする」
彼女の低い声。背筋に冷たい物が這いまわる様な感覚に襲われる。
「やっぱり、私みたいなユーロばっかりの女より人気者のドルがいいの!?」
彼女はヤキモチ妬きだ。それも、異常な程に。
自分以外の女性が俺に近付くことを極度に嫌い、それが例え母親でさえ、あまり言い顔をしない。
「そんなことはない。お前だって皆に好かれてるし、俺もお前の事が好きだよ」
「……そう?私の事好き?ドルとかウォンより?」
「ああ」
今の内は。そう、なにも起きない内は……。
「ふふっ。ならいいけど」
「でも、もし他の所に行ったら私も我慢できないかも」
彼女の瞳はこちらを捕らえて離さない。絶対に逃げられない。
時間が経てば、ユーロの香りに虜になってしまう。その確信が、何故か俺の中にはあった。説明は出来ないが。
「離さないよ。絶対」
彼女が小さく呟いた。


俺ROM専だからこんなのしか書けないんですけど。
226名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:25:45 ID:WPbH1dZX
どうでもいいんだが前スレ見てて思ったんだけどノントロとか星空の作者さんって女性なのかな?
女キャラの性格が萌えっていうよりは生々しくてエグいし。
だから人気出るのかなーなんて思った。でも男でもこういうの書く人いるか。
>>225
ワロタwwwww
227名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:35:50 ID:BOsTf+0l
白き牙
228名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:36:56 ID:BOsTf+0l
ミスった。白き牙の作者は女性だと思ってる
229名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:53:06 ID:YO0sh+AF
>>226

ん〜その可能性はあるのでは?
女性の心理描写がたしかにリアルだしな
230名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:17:55 ID:q8HqXUc0
九十九・・・
231名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:41:07 ID:j17LkKVw
妙な処女厨が最近沸いてるな・・・作者には好きに書かせろよ
232名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:44:45 ID:aLFsecls
どうでもいいけど、なんでこのスレのssは小出しにして投下するんだ?
全部書き上げてから投下するもんじゃないのか?普通。
233名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:47:40 ID:Ws+qyX7p
なんか荒れてきたな
234名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:49:12 ID:YuxBncCs
>>232
君が今まで居たところとは慣習が違うのだろうよ
あれだ、郷に入りては郷に従えっつう言葉があってな…
235名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 01:50:36 ID:4EbFFzke
人それぞれじゃないか?
書きながら考える人もいるだろうし、書いてる途中で話が膨らんだりするかもだし。
236名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 03:03:16 ID:5GthNqd0
つーか全部書き上げてからって人の方が少ないんじゃない?
237名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 03:04:26 ID:4MoyDoN4
誰も投稿しなくなるっつの
238名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 03:33:09 ID:IfR6wdyn
>>232どうでも良いこと言うなよ
239名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 03:45:42 ID:IfR6wdyn
いつもここにお世話になってて、自分でも修羅場もの書こうと思ってんだけど。ママンものって需要あるかな?
姉もの妹もの、次はママンだと思う訳なんだけど
240名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 04:21:14 ID:OAgVOgQE
需要がどうのって聞く前に
書いて投下してみればいい
需要が有れば、なにがしかの反応が有る
241名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 05:24:57 ID:ff1mvQYs
>>239
上手に調理するなら母ものでもなんでも食える
(俺は男の嫉妬も嫌いじゃないし)
逆なら姉でも義姉でもキモ姉でも食えない

とりあえず投下してみてくれ
242名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 05:25:50 ID:ff1mvQYs
ageちまった、スマン
243名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 09:54:41 ID:ErsTvdcs
>>239
大好物。
244名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 12:01:27 ID:75DkgLdW
なにこのざわざわスレ
少しは黙ってられないのか
245名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 12:09:11 ID:JrBkC4dv
スルーの時間がやってまいりました
スレに活気がでてくると変なのがでるのはいつものこと
246名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 12:30:16 ID:rlqvhp72
スルーとは関係ないけど
大空翼はボールにしか興味がないらしい
247名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 12:34:17 ID:4MoyDoN4
アッー
248名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 14:38:41 ID:ybd34MUl
>>226
ノントロは明らかに違うだろ…。
星空は鉄板だと思うが

249名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 15:41:46 ID:NhH4Y8tB
>>246
俗に言う幼馴染。というやつだろうか
体の弱い私は、小さい頃はずっと翼に守ってもらっていた。
大好きなはずのサッカーの試合をサボってまでお見舞いにきてくれた事もあった。
私がいじめられてた時だって、翼は一番に飛んできてそのサッカーで鍛えた蹴りでいじめっ子をふっ飛ばしてた。
翼にとっての一番は私で。私にとっての一番は翼だった。

だけど、中学に入る頃、彼は変わってしまった。
「じゃ、俺部活あるから」
いつもこう言い、いつも駆け足でグラウンドに向かう。
一緒に帰ろ。がまた明日。に変わって、そしてついには何も言わなくなった。
私よりもサッカーを。サッカー部の友達とずっといる時間が長くなっていった。
思い切ってマネージャーになろうとしたけど、翼はやんわり私を拒絶した。
「そんなのいいって、いいから」
その一言でどれだけ悩んで、どれだけ苦しんだかわかる?
今振り返ると、思春期に入って照れ臭い気持ちもあったのだろうけど、当時の私にとっては
サッカーに、そしてサッカーボールに怒りが向くのは当然だった。


キェーーーーーー
大型ナイフを持った半狂乱の女が奇声を上げながらスポーツショップに駆け足で入っていく
「店長!!また奴が来ました!!」
「ボールを隠せ!!バレーボールもだ!」
「糞・・・警察はまだか!」

パァン。パァン。
あははははははははは
狂ったように笑いながらサッカーボールを割る女の姿は、まさに修羅だった。

まさに修羅場。なんちゃって
250名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 15:47:45 ID:onYLBcXh
山田くん>249の座布団全部持って行っちゃって!
251名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 16:59:53 ID:xMWST793
はいかしこまりましたー
252名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 18:15:29 ID:DqEW18XW
その発想はなかったw
253 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:00:02 ID:0d4R3udx
投下します。
254冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:00:48 ID:0d4R3udx
屋上へと続く階段の踊り場。
雨空の下、ここは学校の中でもひときわ暗い場所だ。
いつもは屋上で昼を取るために、ここは多くの学生で賑わう。
でもこの天気でこんなとこにきているやつは一人もいないようだ。
近いのか、遠いのか。微妙な距離を取りながら、僕と高田はここで相対した。
「ここなら、だいじょぶだな」
「……………………」
高田は先ほどからずっとこの調子だ。
僕と目を合わせることもなく、すました顔で屋上へのドアを見つめている。
ばかにしてるのか。くそっ。
「どうなってんだよ。三浦さんとなにがあったんだ」
「……………………」
「なんとか言えよ!」
高田の視線がドアから離れ、ゆっくり僕のほうへと向かってくる。
「……別に要には関係ないだろ?三浦さんとなんの関係もないんだし」
「え?…あっ!!!」
しまった。そうだった。高田は僕らのこと知らないんだ。
なにやってるんだ僕は!あの写真で頭に血が上りすぎたんだ。
先に美希を問いただすのが普通だろ!僕のバカ!
「あっ、いや、……ははは。そ、そうだよな。な、何言ってんだろうな僕、あはは」
無理やり笑顔を作り、頭をかく。
頭の中が真っ白だ。どうしよう。
そんな僕を見て高田は、さも呆れたかのようにため息をついた。
「はぁ、バカだな要は。全部知ってるよ。じゃなきゃこんな誘い乗るわけないだろ」
頭をかく手が、止まる。無理やり作った笑顔が引き攣る。
血の気が徐々に引いていく。胸の鼓動が、激しくなっている。
「あ、あの…い、いつから?いつから知ってたんだ?」
「そんなことどうでもいいだろ。安心しなよ。誰にも言ってないから」
再び高田の視線がドアへと向く。それきり、また黙り込む。
「……そっか」
僕も思わず眼を逸らしてしまった。
全部ばれてたのか。そうか。
……でも、だったら知っててあんなことしたんだな。
そう理解した途端、沈静しかけていた怒りが再び湧き上がってくる。
255冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:01:43 ID:0d4R3udx
「だったら……だったら余計聞かなくっちゃな」
「………………」
逸らしていた眼を、再び高田に向ける。
高田もまた、視線を僕に戻す。
二人の視線が交錯する。
「どういうことなんだよ。二人で学校休んでなにやってたんだ!」
開いていた両の手のひらが少しずつ握られていく。
「美希になにしたんだ!?今の状況はいったいなんなんだよ!」
左足を一歩、高田に向けて踏み出す。
「……………………」
高田は何も言わず、ただ黙って僕を見つめる。
「言え。早く言えよ!」
「………………」
「おい!」
「…………はぁ」
高田が再びため息をつく。
今度こそ、本当に呆れている感じだ。
「自分のことは棚に上げて、よくそんな事言えるよな」
茶色がかった前髪をかきあげながら、鋭く僕を睨む。
「お前だって、約束やぶって庄田さんと仲良くしてるじゃないか」
「なに!?」
約束まで知ってるのかよ。誰が教えたんだ?美希か?
「…まあいいや。教えてやるよ」
両手をズボンのポケットに入れ、俯く高田。
やがてゆっくり顔を上げ始め、再び冷たい眼で僕を睨みながら、口を開く。
「デートしたよ。いろんなとこへ行って、ふたりで遊んだ」
「……なんだと?」
「そのあとさ……」
天井を見上げながら、高田が続けた。

「キスしたよ。二人で。公園でさ」
256冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:02:26 ID:0d4R3udx
「……………」
頭が回らない。写真を見たときからこうなる覚悟はしてたはずなのに。
ここがどこなのか。自分が誰なのか。それすら一瞬わからなくなってしまった。
ただ、胸の鼓動が異様に早くなっているのだけは理解できた。
「わかっててやったんだな?」
「ああ」
「僕らが付き合ってること知ってて?」
「…正確には違うけど、まあ似たようなもんだな」
「………そっか」
もう、だめだ。壊れる。なにかが壊れそうになってる。
何十にも張り巡らされた網が、千切れそうになってる。
「おまえは…おまえは……!!」
胸が苦しい。心臓が針に刺されたかのように鋭く痛む。
黒い憎しみと怒りが、僕の心を支配していく。
心が、潰される。
だめだ。

「高田ぁ!!!」

気づけば、僕は高田に向かって駆け出していた。
間合いに入り、左足を強く踏み込む。
拳を握り締め、腰を回し、右腕を振り上げる。
いつもはサンドバックを相手に、時には人間を相手に、何発も打ち込んだパンチ。
でも高田は完全な素人だ。こんなもの食らったらひとたまりもない。
…やめろ、要。だめだ。振りぬくな。
これじゃあの時と同じだ。また同じことが起きる。
理性が僕の身体を止めようとする。でも、感情がそれを許さない。
高田の異様に整った顔に向けて、鍛え上げられた拳が振りぬかれる。
もう止められない、当たる――
257冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:03:14 ID:0d4R3udx
……あれ?なんだ?感触がない。
いつもは拳に残る生々しい感触と痛みが今日はない。
変わりに鋭く研ぎ澄まされた別の痛みが、僕の下腹部に走る。
「ぐはぁっ!」
痛みに耐え切れず、その場にうずくまる。
うずくまった僕の目の前に、長い足が残影を残しながら迫ってきた。
やばい。蹴りが来る。
咄嗟に両腕を顔の前で交差させる。
体重の乗った重い衝撃が、僕を襲う。
「うぐっ!」
確かに踏ん張って防御したのに、身体が踊り場の壁に叩きつけられてしまった。
腹部と背中に走る痛みが、僕を再びうずくまらせる。
「げほっ…げほっ……」
簡単に避けられた。かすりもしなかった。そんな……
「ふん…要、お前最近ジム言ってないだろ。あんなんじゃ、俺でも避けられる」
高田の吐き捨てるような声が聞こえる。
だけど痛くて顔を上げることも、反論することもできない。
「なにやってんだよ、お前!ずっと通ってたジムやめて。
三浦さんのためだろ?なのにこれじゃ本末転倒だ!」
…なんだよ。
「三浦さん、デートするの久しぶりだって言ってた。お前の約束のせいであんな思いさせてんだぞ!」
仕方ないだろ。あれは美希を守るために……いや、でもその原因は僕か。
しかもそれが美希に仕組まれたものだったなんて…なんてこった。
「おまけにその約束も自分から破って。お前なんなんだよ!」
…うるさい。お前に何が分かるんだよ。
しょうがないだろ、ああしなきゃ秋穂が皆にバラしてたんだ。仕方なかったんだ。
「お前、色々自分に言い訳してるみたいだけど、ほんとは庄田さんと仲良くしたかっただけだろ」
「夜は三浦さんとセックスして、昼は庄田さんと恋人気取りか。いいご身分だよな」
なんだよ、なんなんだよ……!!
全部僕のせいかよ。僕が全部悪いのかよ!!
「三浦さんがどんな気持ちでいたかなんて考えもしなかったんだろ」
考えてたさ。だからこそだったのに。
ずっと、美希のこと考えてたのに……なんで。
258冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:03:59 ID:0d4R3udx
「三浦さんは昨日俺が告白しても何にも言わなかった。…お前はどうなんだよ」
告白…そうか、今日のあれはそういうことか。
でも、僕?僕がなんだよ?
「庄田さんのこと、好きなんだろ?分かってんだよ」
……?僕が、秋穂を?何言ってんだこいつ。
徐々に痛みが引いてきた。今なら顔を上げるくらいはできる。
這い蹲りながらなんとか高田を見上げ、ありったけの敵意をこめて睨みつける。
高田も、僕を冷たく見下ろしてきていた。
「ふざ…けんな!ゴホッゴホッ……人の気持ちを勝手に測りやがって…!」
「だったらもう庄田さんと話すな。口も利くな。目もあわせるな。それぐらいできるよな?」
強い怒気のはらんだ眼で、僕を睨む高田。
ふざけんな。できたらやってるよ。何も知らない癖して偉そうな事言うな!
僕だって好きで秋穂と…好きで、秋穂と……
…ほんとにそうなのか?ほんとにそう言えるのか?今、無理やり秋穂との関係を絶てるか?
………無理だ。今の僕には、無理だ。秋穂は大事な友達で、美希とも深い関係があるんだ。
そうだ。大事な友達。大事な…友、達。それだけの……はず、だ。
「……………………」
「やっぱりな」
言葉が出ない。何か言い返さなきゃ。
頭の中にいくつも言葉は浮かんでるのに、それが出てこない。
秋穂は、秋穂は……僕の………………

「要!高田君!」

睨み合っていた僕らの視線が、ほぼ同時に階段下に移る。
息を切らせながら、綺麗なセミロングの女の子が階段を上ってこようとしていた。
「三浦さん…」
「…美希」
美希は困惑した表情でしばらく僕と高田を交互に見つめていた。
やがて僕の状態に気がついたのか、すごいスピードで階段を駆け上がってきた。
「ひどいよ、高田君!なんでここまでするのよ!」
うずくまった僕を抱きしめながら、美希が叫ぶ。
「こんなの…こんなのって、ないよ。ひどいよ……」
259冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:05:02 ID:0d4R3udx
美希の透き通った綺麗な瞳が、潤んでいく。
「要、だいじょぶ…?」
そっと、僕の頬に細い指を添える美希。
その瞬間、頭の中にあの写真の光景がフラッシュバックしてきた。
「やめてくれ!!」
「きゃっ!」
気づいたときにはもう美希を突き飛ばしていた。
美希は呆然としながら、尻餅をつき、僕を見つめている。
なにしてるんだ。僕は。なにを……
美希と眼を合わせることができない。
今、眼が合ったらとんでもないことを口にしてしまうような気がする。
「……ほっといてくれ」
そう言うのが精一杯だった。これ以上はもう何も言えない。
「要……」
「…いいよ。三浦さん。行こう。要、俺の言った事、よく考えるんだな」
黙って僕らの様子を見ていた高田が、僕に背を向けて階段を下り始める。
美希はまだ僕に触れようとしていたが、僕の様子を見ると、
あきらめたように肩を落とし、立ち上がった。
「後で絶対連絡するから。絶対、絶対するから!」
そう言いながら、何度も僕のほうを振り返り、高田と階段を下りていく。


うずくまった僕一人だけが、この暗い踊り場に残された。
下の階からは、大勢の学生達の楽しそうな話し声が聞こえる。
きっとみんなお昼を楽しんでいるんだろう。友達と一緒に。恋人、と一緒に。
そういえば、お腹がすいたな。
最近夜会ってないから、美希の弁当食べられないんだよな。
美希の料理は味濃いから、結構お昼には丁度いいんだけどな。はははっ……




「……ちくしょう」
260冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:05:38 ID:0d4R3udx

―――ゆっくりと立ち上がり、制服についたホコリを掃う。
まだ背中と腹が痛い。でも行かなきゃ。授業が始まってしまう。
手すりにつかまりながら、おぼつかない足取りで階段を下りる。
「あ…山下君!」
「…………?」
あと数段で階段を下りきると思ったところで、
階段の影からメガネをかけた細い男が声をかけてきた。
「武か…?なに?」
「や、山下君……もしかして、今…」
武の眼が怯えている。ああ、そうか。
「武、情報通もほどほどにしとけよ」
固まっている武の肩を叩き、そのまま横を通り過ぎる。
世の中知らないほうがいいことの方が多いんだよ。
いつか、酷い目にあっちゃうぞ。今の僕みたいにさ。
「あっ!ち、ちがうんです!山下君、君に教えなきゃいけないことが……!!」
はっとなって振り返り、僕の肩をつかむ武。
すると今度はその姿勢のまま、目線を前にして固まってしまう。
「あ……ああ」
「……?どした?」
僕も前を向き、武の視線の先を追う。
その視線の先には、腕を組み廊下の壁によりかかっている綺麗なショートカットの女の子がいた。
「予想通りだったでしょ?要君」
その子は僕の様子を見て、得意げに鼻をならした。
「…………そうだね」
そうだ。ほんとに、最悪だ。
「……何か用?」
壁によりかかったまま、秋穂が静かに微笑む。
「今朝行ったでしょ?学校に着いたら教えるって」
……ああ、そんな事も言ってたな。
でも今は何も聞くに気になれない。何にも聞きたくない。
誰の声も、聞きたくない…………
261冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:06:23 ID:0d4R3udx
「悪いけど、今は……」
「分かってるよ。だから放課後」
手を後ろで組みながら、秋穂が近づいてくる。
そのまま僕の目の前まで来ると、顔を近づけ、耳元でささやく。
フワリと、どこかで嗅いだことのある優しい匂いがしてきた。
「私の家、来て。そこで全部教えてあげる」
…秋穂の家。女の子の家。美希以外の女の子の家……
「それは………」
「前に言ったよね?お詫びしてくれるって」
悪戯っぽい眼で、僕を見つめる秋穂。
この眼も、どこかで見たことがある。
「…ああ。わかったよ」
秋穂の眼を見つめ返し、うなずく。
別にいいか。話を聞くだけだし。
「ん。じゃ決まりね。さ、教室もどろ?」
そう言うと、秋穂は微笑みながら僕の手を取り、教室へ向けて歩き出した。
なんとなく抵抗する気がうせてしまった僕も、なすがまま一緒に廊下を歩く。
もういいや。どうにでもなれ。
「…あっ!山下君!」
後ろで武が僕を大声で呼んでいる。でもいいや。
どうせどうでもいいことだろう。もうどうでもいい。



もう、なにもかもめんどうだ………
262 ◆SVNDcoHudE :2007/10/30(火) 20:07:36 ID:0d4R3udx
終わりです。
263名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:14:19 ID:h+R/llN/
一番槍GJ!!
この後の展開をwktkして待ってます
264名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:20:21 ID:GTwokVXJ
高田かっけぇww
今後も目が離せないな。エロではなく、陰謀的な意味で。
265名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:27:59 ID:rlqvhp72
寝取られキタァー(゜∀゜)ーー!!!!
266名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:28:29 ID:rlqvhp72
なのか?
267名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:46:23 ID:xIwPF8cK
>>262
GJ!!
なんかもう要がとことんヘタレなので美希は高田にあげて良い気がしてきた
268名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:47:54 ID:0qy6Fq5I
>>262
GJ
さて、どうなるのやら…
269名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:58:51 ID:+lnUcHYl
相変わらず続きの気になる展開、GJです。
しかし何だろう・・・この敗北感は・・・
美希云々よりも要が高田なんぞに蹴りをくらった方がよほどショックだった。
立ち上がれ!要!!!

>>264
かっこよくねぇよw
270名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:59:32 ID:c65nqJ0i
>>262
今回も楽しく読ませていただきました。
それぞれのキャラの思惑が交差し、それを操る秋穂の悪女っぷりに痺れました(勿論良い意味で)
次回とうとう要は・・・
271名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:03:54 ID:CoBiZ+c1
GJ!です
武の話がとても重要な気がするぜ、要はスルーしたけどな!
272名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:04:28 ID:ls6Xke/F
要が自業自得過ぎてフォローできねぇw

だが、ここから立ち直ってくれることを祈る。
273名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:41:09 ID:Oh5NkBw0
これが少年漫画なら熱く逆境から立ち上がり、立ちはだかる壁はブチ壊し、愛する女の元へ駆ける展開だが
ここはエロパロ板で修羅場スレで冬の星空は群青劇なんだな
274名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:48:43 ID:xnRH8yNj
>>262

超GJっす!

要は自業自得だが、仕組まれていたのと、そうでないとでは受け取り方が変わる……

立ち上がれ!要!
そして気付くんだ!秋穂が仕組んでいる事に!

そして死ぬ気で伝えろ、武!要に情報を伝えるんだ!
275名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:53:07 ID:Oa15Ar3B
秋穂がばらまいた策略がじわじわと要を自分の方に追い込んでてすごい。
要に美希の事をどうでもいいと思わせるなんて策士すぎます。
美希が作った要の檻を秋穂が壊してるみたいだ。
自暴自棄になった要と秋穂がくっつきそうだけど、そうなったら美希がどんな行動を取るのか楽しみです。
なんか美希って要に依存してる雰囲気があるから
276名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:04:52 ID:75DkgLdW
要だけ救われないフラグ立ってるのがつらい
まるで蹴鞠のごとく多方面からぽんぽんと弄ばれてる
277名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:07:01 ID:JEXuDoBB
別にいいか。話を聞くだけだし。

こんなんだから要タンは・・・w
でも、応援してるぞ!!
278名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:12:44 ID:JKeZIvUT
要も一つ転べば全部解決するのに。チャンスが来ても見事に見逃してばかりだし
279名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:17:49 ID:c65nqJ0i
>>278
修羅場を引き起こす男の要素を分かってないなw
280名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:20:40 ID:JKeZIvUT
>>279
むしろわかってる上であえて言ったのだよw
281名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:31:09 ID:xGc5UF6r
>>269
全く同じ感想で笑ったw
美希はもう別に高田と勝手にくっつけばいいと思ってるんだけど
要が喧嘩で負けたことのほうがショックだわ。一人でサッカー部全員ボコボコにした狂犬だぞ?
一対一で負けるわけないだろ・・・

あー、もう俺が出て行って要慰めてやりてえw
282名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:33:45 ID:uZBs+2u6
>>281
秋穂の次のライバルは男か
283名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:35:51 ID:xGc5UF6r
もう俺的には
別に美希とられてもいいからもう一回高田とガチ喧嘩の機会を与えてやって欲しい
そして次は完膚なきまでに叩きのめせ
284名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:14:46 ID:LeCUk0Kr
高田がどんどん友達失って行きそうで吹いたwww

友達と付き合ってそうだと予測してたのに、確認もせずにムリヤリ手を出しちゃだめだろ
それやったらサイアク周りの人間からハブられるぞ、マジ止めとけって
285名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:16:19 ID:JKeZIvUT
俺らが高田に嫉妬してどうするw
286名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:18:15 ID:+lnUcHYl
どうでもいいことかもしれんが気づいたことがある。
>>257を読み返してみよう。
「変わりに鋭く研ぎ澄まされた別の痛みが、僕の下腹部に走る。」とある。
下腹部の意味に注目!

かふく-ぶ 3 【下腹部】
(1)したはらの部分。
(2)陰部。

(2)の意味だと高田は要の股間を攻撃したことになる。
ローブローじゃねえか!
喧嘩にルールも何もあったもんじゃないが、高田め、何て汚い手を使いやがる!
急所に攻撃をくらいながらも次の攻撃をガードした要はやっぱりすっごいなー。
・・・すまん、熱くなりすぎた。
287名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:21:11 ID:rlqvhp72
俺的には秋穂の策略により、要のクラス孤立化すると思うんだが
288名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:21:17 ID:ls6Xke/F
>>278>>279>>280
要がとっとと「美希は俺の女だ!」とか言ってたら、
この物語そこで終わっちゃってたからなぁw
289名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:49:49 ID:WRb6xJJ+
自業自得の気もあるが報われねえな要
最後には幸せになって欲しい
290名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:51:26 ID:xvu7b9hJ
アカン…もはや要がヘタレ過ぎてイラついてくる
この某皇帝レベルの思考は素直にむかつく
美希には幸せになってもらいたいもんっすね
291名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:56:00 ID:rlqvhp72
逆に美希が黒化する過程が楽しみなんだけどな
292名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:15:51 ID:SlHCEK5K
俺もケンカ負けたんはショックだったな。
要が高田ボコる

美希が高田かばう

要「そっか・・美希は、そうなんだ。もういいよ・・」

秋穂「私の家来ない?」

の展開だったらまだここまで鬱にはならなかったかも
293名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:17:08 ID:c8si+0cg
要っていい奴だと思うけど少し自分本位な所があるように感じられる
見通しが甘いと言うか
友達としてならともかく好きな奴の彼氏がこんなだとムカつくと思う
294名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:19:17 ID:AsYUoIZ4
>>293
さすがに彼女が他の男とキスしているんだから
冷静にならずに要が動揺しているのは仕方ないと思うんだが

独占厨だって、他のスレで火病しているのと同じことだろw
295名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:20:46 ID:FxCH2FGu
要君大丈夫かなぁ・・・
ってエロパロの主人公相手に何本気で心配してるんだオレ・・・orz

明日も早いし寝るか。
296名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:40:23 ID:0FFz4KGk
俺もロレントだけは裏切らないって思ってたんだが…
やっぱりサキアが敵になった時が一番のポイントだったんだな
297名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:41:56 ID:0FFz4KGk
誤爆スマン
298名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:46:33 ID:hnCT5CW3
余り誤爆に見えねぇw
299名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:47:56 ID:PLYNVmbh
>>292
そっちのほうが鬱になったと思うwNTRでよく見るパターンだしw
300名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:48:17 ID:xXQHAJUR
ロレントつーと変態的な軍国主義者のあいつしかでてこん
301名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:48:35 ID:JZEFEzc6
とりあえず要はヘタレ過ぎるが高田は普通に最低だと思った。いや普通に友人無くすなコイツは。
もう要はとりあえず、この連中と縁切って、ジム通いを本格的にして、スポーツ青春ものな感じでそっち関係の女性とくっつけば幸せになれそう。
秋穂に流れるより、勉強も含めた自己鍛錬に全部の鬱憤注いでほしいな。
302名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:54:15 ID:q+oESsFW
>>262
GJ!!!!おもすれー!!!!

ここまで秋穂の思い通りとか思わせておいて実は美希の「計算通り・・・!」だったらどうしよう・・・。
仮にも先輩を騙したと思われる美希がこう易々と事を運ばせるだろうか・・・
303名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:55:42 ID:AwFM+To/
そこまで行くと互いの頭脳戦であって
嫉妬でも修羅場でもないなw
304名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:00:08 ID:APatg4FF
嫉妬は薄いね
要のが濃いぐらい。
305名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:04:35 ID:W+DnsPig
住人が要大好きで吹いた
306名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:50:39 ID:H5WLEhDl
要はヘタレじゃなくてめちゃくちゃ一途でかっこいい奴だろ。
美希が大好きなんだから皆に美希と付き合ってるって告白すればいいのになんでそれをしないのか?
美希が自分の影響で皆に嫌われてしまうのが何よりも辛いからだろ。
学校で孤立する事がどれだけ辛い事か知ってるから、だから美希の我が儘を押しきって美希の立場を守ってる。
美希が他の男と仲良さそうにしてるのを見て辛くても我慢。
秋穂と友達になったのも美希の立場を守る為。
要の行動は全部美希を守る為のものなんだぜ?
それで最高に皮肉なのが、要が嫌われ者になった原因が美希にある事。

なのに高田は美希にキスしたあげくその事を問い詰められたら逆に要を浮気者呼ばわりしかも暴行までしてる。マジ外道じゃねえか。
美希は美希で、秋穂と要の事を疑って沈んでる所にやってきたさわやかイケメン高田にデートに誘われて楽しんで唇奪われて心揺れてる。マジ外道じゃねえか。

まともなのは要だけで、他の奴全員おかしい。
307名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:56:01 ID:Tlz2srCs
美希は高田とくっ付けていいんで、要タンを修羅場からフェードアウトさせてくれw
って流石に無理かw
ここで要タンが秋穂に堕ちたら、美希の要タンに対する執着心が一気に燃え上がって黒化来そうだしw
そしたら要タンが美希と秋穂の修羅場の中心にされそうだし……orz
308名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:01:30 ID:JZEFEzc6
>305
要が好きってより他の人たちが酷すぎるから。
309名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:14:49 ID:PLYNVmbh
飯田と森本が一番いいやつだろwずっと要と友達でいてくれてるし。
そういえばMOMOちゃんとか飯田キモ姉妹はなにやってんだろ・・クリスマスになにかするとか言ってたが。
310名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:17:36 ID:H5WLEhDl
要はヘタレじゃなくて一途でかっこいい奴だと思う。
美希が大好きなんだから美希と付き合ってる事を告白すればいいのにしないのはなぜか。
美希が嫌われ者の自分の影響で、嫌な目に遭わない様にするためだろ。
クラスの中心にサッカー部の奴がいるんだから、要の彼女だってわかれば美希にとばっちりが行くかもしれない。
そういう心配+学校で孤立する辛さから美希を守る為に黙ってるんだぜ?
学校で孤立する事がどんだけ辛いのかは自分の立場に置き換えて想像すればわかると思う。
だから美希が他の男と楽しそうにして辛くても我慢してる。
秋穂と友達になる約束をしたのだって美希を守る為だし(これだって学校でHしようと誘った美希の自業自得だし)。
皮肉なのが、こういう状態を作ったのが美希自身だと言うこと。
それでも要は美希を守る為にしか行動をしてない。

それなのに高田は美希とキスしてその事について問い詰められれば逆に要を浮気者呼ばわりして挙げ句の果てに暴行。マジ外道すぎる。
美希は美希で、要を信じないで疑って勝手に沈んでた所にやってきたさわやかイケメン高田にデートに誘われて楽しんで唇奪われて心揺れてる。マジ外道すぎる。
秋穂は要を奪う為なら要が傷つく事も平気でする怖い娘だけどアフターケアがしっかりしてそうなのでまだ外道じゃないと思う。
311名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:25:18 ID:H5WLEhDl
同じ様な文章を2回も投稿してしまいました。
すみません。
あまりに要が不憫で......。
312名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:25:29 ID:Cfxm5cWw
もういいよ
313名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 03:09:00 ID:Tlz2srCs
>>306>>310
ここまでやられるとむしろ反発を誘発する為の要アンチじゃないかという疑いが……
とりあえず落ち着け
314名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 03:31:36 ID:Oj3MxFw0
感想など作者の為になる事なら良いが、最近は自分の気持ちや願望を押し付け過ぎのコメントが多いのでは?
自重して、よく考えてみて欲しいと思う

315名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 03:42:34 ID:FxCH2FGu
ここまで反応あったら、作者さん気持ちいいだろうな〜。
316名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 04:12:09 ID:q+oESsFW
アッー!!!!
317名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 05:54:45 ID:8cMBYTFs
>>306
他のキャラのことは知らんが、要に関してはオイラにもそう見える。

まぁカッコイイというよりはむしろ、「ま、いっか」とか思いつつ秋穂にズルズル引き込まれていくさまが、
修羅場主人公の基本を押さえてる感じがして微笑ましいんだが。
318名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 06:38:53 ID:2fuHRdek
正直高田が最低っぽい奴で良かった
これで高田が良い奴だったりしたらそっちのが要可哀そうだし
美穂とかも美希への台詞すごい最低な感じなんで
この二人実はお似合いなんじゃ
319名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 07:18:26 ID:7rGcAlDU
>>265確かに次回で美希「が」要「を」秋穂「に」寝取られそうだなw

喧嘩負けたのは動揺や無意識の抑制って精神的なものの所為だと思ったw

要が美味しいのか可哀想なのかは秋穂次第だと美希とはもう散々楽しんでるしw

まだ判断できるほど情報出てないw
320 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 07:20:11 ID:odqHmLxT
流れぶたぎって申し訳ないが、ママンものになる予定のもの投下してみます
321 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 07:24:45 ID:odqHmLxT


マザーブラ者♯1


キンコンカンコーン


授業が終わり教師が教室を出たのを確認して、僕は携帯電話を取り出しメールを打つ。
『To  母さん』
宛先は母。
『Sub 定時連絡』
それは母に要求されたもので、携帯電話を持たされた時からの平日の授業後の決まりだ。
一時間目と二時間の間の休憩時間、昼休憩などなど、休憩と名のつく全ての時間で僕は母宛にメールを打つ。
メールの内容は『今、授業終わったよ。次は数学』とか『これからお昼ご飯。島津と食べるから』などのちょっとした予定の事だ。
いつかそのメールの内容をクラスメイトに見られた事がある。
それから僕は『マザコン』と、そう呼ばれるようになった。
それでも僕は定時連絡をやめない、いや辞めれないのだ。
「おい、吉川またママンにメールか?」
「そうだけど?」
「ほんと、マザコンだね〜」
「だってさ、定時連絡しなきゃ母さん学校に電話入れるんだよ」
「学校に電話?なんで?」
「僕が死んだかもしれないって心配だったんだってさ」
以前定時連絡をしなかった事がある、小学校の高学年位の時だ。
その頃母と何処かに出かけるという事が恥ずかしいと感じるようになっていた僕にとって、
毎休憩時間に母にメールを送ってるという事が友人にバレてしまう事が怖かった。
それまでは何も考えずに母の言いつけ通りメールを送っていたが、ある日勇気を出してそれをやめてみた。定時連絡なんて友達に知れたら恥ずかしい事は辞めたかったのだ。
定時連絡をしなかった休憩時間後の授業中はメールや電話のバイブレーションが止まらなかった。
そして、しばらくして教室を訪ねて来た教師に『吉川君、お母さんから電話が入ってるわよ』と、職員室まで連れて行かれたのだ。
電話に出た僕に母は泣きながら『良かった、死んじゃったのかと思ったじゃない。メールはちゃんとしなさいよ。その為に携帯電話持たせてるのよ。』そう言った。
それで僕は休憩時間の定時連絡を辞める事を諦めたのだった。
「お前の母さんちょっと、心配性過ぎやしないか」
その話を聞いた島津は苦笑しながら、そう言った。
「まあね、でも良いんだ」
「なんで?」
「僕、マザコンだからさ」
「おま……、なんて眩しい笑顔すんのよ」
322名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 07:25:49 ID:p0lIMdnA
支援?
323 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 07:26:25 ID:odqHmLxT
僕はもう開き直ってしまっていたのだ。
マザコンで何が悪い、
心配性過ぎる母のどこが悪い、
我が子を殺してしまう母よりは断然僕の母の方が素晴らしいじゃないかと。
「……吉川、お前さぁ近親愛者とかじゃないよな」
「……島津、お前さ知ってるか。マザコンとマザーファッカーの間にはベルリンの壁より高い壁があるんだよ」
時々『お前、母ちゃんとやってんじゃないの?』とそんな事を聞かれる事がある。
僕の母は40前の歳にしては綺麗だとは思うが、はっきり言ってそれは無いし、願望も無いのだ。
例え僕がマザコンでも、マザーファッカーにはなり得ないのだ。
なぜなら父のいない僕にとって母は血の繋がった唯一の家族なのだから。
「……俺がお前の立場だったら、その壁壊すよ」
「……お前は今の立場でその壁を壊せ。お前ならきっと出来る」
「……そうだな。って無理、無理、無理。俺の母親、豚だぜ豚」
僕は島津と馬鹿話をしたがら打っていたメールを完成させ、
『これから島津とお弁当食べるよ。』
それを送信する。
「よし、昼飯にしようぜ」
「おっけ」
携帯電話を閉じたのを合図に僕等は、いつものように屋上に向かった。


324 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 07:27:45 ID:odqHmLxT


「おい、吉川」
「ん、なに」
屋上に出る扉を開けたところで島津が小声で話掛けてきた。
「あれ、今まさに飛び降りようとしてるよな」
屋上を囲ったフェンスの外側に立っている女の子を指差しながら島津は言う。
「いや、あの娘きっと天使なんだよ。ぼくには羽根が見えるよ」
とりあえず僕は現実逃避をしてみた。
325 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 07:31:31 ID:odqHmLxT
えー、第一話はこんなもんです。
まだまだ修羅場までは遠いと思います。
短くてすみません。
326名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 09:13:05 ID:TTwGEY1n
超C
327名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 09:53:30 ID:pFinHS3t
>>325

GJっす

幼なじみやクラスメートとはまた感覚が違う、新しい修羅場な予感
328名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 11:57:07 ID:N+RzDkUK
「ママは、すぐに帰ってくるから、いい子で待っててね。」
僕は施設に預けた、貴女の言葉を信じて疑わなかった。
確かに貴女は、初めは2、3日置きぐらいに僕に会い来てくれた。
だが、いつからか、1週間、半月、1ヶ月となっていった。
それに比例し、僕に掛ける言葉も「帰ってくる」から「戻ってくる」「会いに来る」と変わっていったのにも気付かず。
それでも僕は馬鹿正直に待ち続けた。
だが、その期待はあっさりと裏切られた。
10歳の時のクリスマスの日を最後に、「さようなら」の言葉だけ残して、母は二度と僕の前に姿を現さなかった。
だから僕は、クリスマスが嫌いだ。その日を思い出すから……。
 
 最悪の目覚めだ。
外は、とてもよく晴れていているのに、僕の心は、ひどく沈んでいる。
きっと久々にあの夢を見たからだ。
未だに僕の心を苦しめるあのクリスマスの日。
世界の全てに拒絶された感覚は今もこの胸に残っている。
だから、今でも僕は人を心から信用することはできない。
信じていた人に傷つけられるのが、裏切られるのが怖いから。
 しかし、いつまでも鬱でいるわけにはいかない。時間とは無常な物で、全ての人に等しく宛がわれる物だから。
そのため、いくら心が沈んでいても、学生という身分でいる以上、朝の時間は有効活用しなければならない。
時計を見れば、いつも起きている時間より少し遅いくらい。
僕はベットから起きると、寝間着を脱ぎ、ハンガーに掛かっている制服に着替えた。
その後の行動はいつも通り。
顔を洗い、洗濯機を回し、朝食を食べ、弁当を作り、洗濯物を干して、歯を磨いて、身だしなみを整えて、家を出る。
高校に入学したのを期に、一人暮らしをしてからもうすぐ半年。
施設にいた頃から家事は手伝っていたし、朝も強いので、生活にはすぐに慣れた。
高校やバイトにも1ヶ月も通えば慣れてしまう。
慣れてしまえば、後は同じ事の繰り返し。
その日もいつもと同じはずだった。
でもそうじゃなかった。
玄関のドアを開けると、そこには一人の女の子がいた。
そして、この時から僕の世界はおおきく変わっていった。
329名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 11:58:16 ID:N+RzDkUK
誤爆です!無視してください!!
330名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 12:39:44 ID:HZn6dA84
何処の誤爆かkwsk
331名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 13:26:00 ID:+vW2GTXJ
>>328
ちょっ、これは何て生殺し…www
332名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 14:40:12 ID:mAz27keg
どこの誤爆か教えてください。
そっちに行きますから。
333名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 16:36:30 ID:Z0GUWS13
誤爆って、イラクでお家が燃えちゃうことを指すんだよな?
334名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 16:59:23 ID:CNoEijto
>>328
早く何処の誤爆か教えるんだっ!!
335名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 19:04:32 ID:q+oESsFW
(俺が)どうなっても知らんぞーーーー!!!!
336名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 19:06:05 ID:N+RzDkUK
328ですが誤爆というより、大まかな流れも組めていない段階で投下してしまいました。
自分の中でしっかりと流れを組んでから投下しますので、それまでお待ち下さい。
337トライデント ◆J7GMgIOEyA :2007/10/31(水) 20:28:18 ID:R5HAsbwX
では空気を読まずに投下致します
338桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/10/31(水) 20:30:48 ID:R5HAsbwX
 第19話『奈落の底へ』

「ずるいよ。私がアルバイトしている間に抜け駆けをするなんて……。
今日はカズちゃんと私たちだけで退院記念パーティをしようと思って、お買い物までしてきたんです。
その時間を利用して……カズ君に告白するなんて!!」
「刹那ちゃん。私は謝らないよ。だって、私は今まで我慢していたこの気持ちを抑えることができないもん」
「こ、この裏切り者。カズ君を苦しめるような事はもうやめようと約束したじゃない。
また、あの時みたいに裏切るの。ねぇ、更紗ちゃん?」
「刹那ちゃんに奪われたくなかったから」
 
「更紗ちゃんっっっ!!」
 そう叫んだ時には更紗の頬を刹那の平手が叩いていた。
鈍い音が狭い暑苦しい部屋に静かに響いた。
更紗の頬は赤く腫れて、叩いた本人である刹那は潤んでいる瞳から一筋の涙を零している。
刹那にとっては大切な親友と思っている相手に2回も裏切られたのだ。恐らく、叩かれた本人よりも痛いであろう。
 更紗に関しては叩かれた箇所を手で抑えて、あんまりショックを受けた様子も見られずに刹那を直視して言った。

「だって、私はカズちゃんのことが好きなんだもん。誰にも渡したくないもん。特に刹那ちゃんには!!」
「私だってカズ君のことが好きです。ううん、愛しているの。更紗ちゃんよりも世界中の誰よりも愛しているんです。
でも、その想いを伝えるのは躊躇していたんだよ。
昔、更紗ちゃんと約束したでしょう。告白する時は二人一緒で。なのに……ひどいよぉ」
  嗚咽を洩らして、泣きだす刹那に誰も差し伸べる手は持っていない。
俺は更紗と刹那の迫力に押し負けて、二人の間に口を挟むことができなかった。
三角関係の修羅場の恐さを身を持って実感している。さっきから、足がたちすくんで動くことすらままならない。
 止めたい。
 更紗と刹那を、止めたかった。
 だが、すでに事態は手遅れだった。
「ねぇ、カズちゃん。この際だから選んでよ。私と刹那ちゃん。
 どっちが好きなの?」
339桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/10/31(水) 20:31:20 ID:R5HAsbwX
「そうだよ。カズ君。カズ君はどっちが好きなんですか?」
 二人が見捨てられた子犬のような瞳で訴えていた。
 それはあの今でも悪夢として甦る過去と同じ状況であった。
 あの時は更紗と刹那を片方を選ぶと、どちらが悲しんで二度と立ち直れなくなる。
だから、俺は二人を傷つけることを判っていて両方を振ったんだ。
それがあの頃にとって、二人の幼馴染の関係を維持することができると信じて。
 だが、その目論みは外れて、俺達の関係はあっさりと離散してしまった。
 それから、一年。
 きっかけは先日の転落事故のせいだろう。そこで更紗と刹那は俺がこの世からいなくなる可能性が頭に浮かんだ。
俺が意識を取り戻した時に二人の喜びから尋常ではなかった。 あの過去の夢はいずれ来る、絶望に備えての予行練習。
 俺は二人にその絶望を突き付けた。

「俺の答えはもう決まっている」

 俺は更紗と刹那を傷つけてしまった。二人がせっかく勇気を振り絞って告白したのに
俺は何の考えもなしに幼馴染の関係を維持したくて、適当な言い訳で振ってしまったこと。 
好きでもない女子の名前を出して、二人の無垢な気持ちを傷つけた。

 そして、桜荘の生活が毎日が楽しくて、更紗と刹那を見捨てた事実すらも忘れてしまったこと。

 俺が償う罪は多い。

 そんな男と付き合うわけにはいかないだろう?

 だから。

「ごめん。俺は更紗と刹那とは付き合えない」
 俺は俺の目的のために。
 二人を見捨てた。
 あの時のように。
 
340桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/10/31(水) 20:33:51 ID:R5HAsbwX
 告白の返事を待っている間はこの部屋は静寂に包まれ、重い空気によって支配されていた。
この部屋の主なのに一番気まずい思いをしている俺は更紗と刹那の表情を注意深く観察していると徐々に変化が表れてきた。
 更紗は乾いた笑みを浮かべて、誰にも焦点を合わせずに言った。

「カ、カ、カズちゃん。カズちゃん。カズちゃん。カズちゃん。
ごめんなさい。わ、私みたいなブスな女の子が告白したら迷惑だよね。
本当にごめんなさい。もう、カズちゃんに近付いたりしないから……」
「更紗?」
「私はバカだもん。本当にバカだから……最初からカズちゃんに相応しい女の子じゃなかったの。だから、焦っていたんだよ」

 更紗の様子がおかしかった。それは自らの暗闇を自白するように呟かれた。

「だって、刹那ちゃんの方が私よりも美人だもん。なんでもできるもん。
料理だって、私が作った御粗末な料理よりも上手だもん。
頭もいいし、私よりいい大学に合格しているし。わたしがないものを全て持っているからっっ!!」

 悲鳴に似た叫びで胸の中で隠していた感情を吐露する。
それは更紗にとっては誰にも明かしてはならない黒く渦巻く感情だったはず。
だが、彼女は俺や刹那がいないように認識して言葉は続いた。

「刹那ちゃんにカズちゃんを奪われるのが恐かった。
二人が幸せになって、私だけが孤独になるのが恐くて恐くてたまらなかった。
それだけは絶対に避けたかったの。
子供の頃の約束を破ってまでカズちゃんに選ばれたかった。
でも、私みたいな親友を裏切った女の子なんてカズちゃんが好きになるはずがないよね」

 その約束はいつの頃に結ばれたのかはよくわからない。
更紗はその約束を破ったことを後悔して、その場に座り込んで泣き続けた。
いや、癇癪を起こすように自分の感情を制御することができなくなった。
 俺は慰めることができずに茫然と取り乱した更紗の方を見つめていると、
今度は刹那が倒れこむ胸の辺りを衣服が破るぐらい強い力で手で抑えていた。
激しく乱れた呼吸で苦しそうにもがきながらも、生気のない瞳はただ俺だけを見つめていた。

「か、カズ君にフラれちゃったよ。ど、どうしよう。
わ、私。こ、今度こそ独りぼっちになっちゃうの? 
はぁはぁ……そんなのは絶対に嫌」
341桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/10/31(水) 20:36:19 ID:R5HAsbwX
「刹那……」
「この一年間。ずっと、カズ君の事を想い続けていたのに。
ど、どうして。わたしたちの事が嫌いなんですか。
やっぱり、私がドジでノロマだから。だから、カズちゃんに嫌われて、
親友の更紗ちゃんに裏切られるのかな?」 

 その問いに答える人間はいない。刹那はただ虚ろな瞳をして、倒れたまま涙を零していた。

「いいんだ……。カズ君も更紗ちゃんも。誰もあの時の約束を守ってくれなかったし。
純粋に信じてた私がバカみたい。でも、その約束を支えにして、この一年間の孤独を耐えていたことは何の意味もなかったんですね。
あっはっはっは……、これからは……はぁはぁ……。
この胸の痛みと孤独が私を苦しめてくれるよぉ」

 その言葉をいい終えると胸の痛みに耐えられなくなって、刹那は失神してしまった。
俺は慌てて刹那に駆け寄るがその寝顔は死人のような顔色に近いことに驚愕する。
それは医者でもない限りでは死んでいるように思うが、それに近い状態だということを俺は部屋を抜け出して救急車を呼びに行こうとした時。
 もう一人の幼馴染である更紗が髪を無理矢理に引っ張って剥ぎ取ろうとした。
俺は更紗の尋常の行動を止めるために背後の体にしがみついた。

「わ、わ、わたしは……もうdfkafjafおいあふおあいう」

 だが、女の子の腕力とは思えない程にあっさりと俺ははじき飛ばされた。
正気を失った相手を抑え込むには一人では心許ない。
俺は自分の机に置いてあった携帯電話を取り、迅速に119番の番号を押した。



 その後はよく覚えてはいなかった。
 救急車が来るまでは暴れる更紗の体をしっかりと抱き締めていた。
そうしないと更紗は自分の体を傷つけてしまう。親友を裏切り、
俺に振られた事実に耐えられなく、自分を責めてしまうからだ。
救急隊員の方と協力して、鎮静剤を打った後は静かに眠りに就かせた。

後は意識を失っている刹那をタンカーで運んでもらうとその不気味なサイレン音を鳴らして、二人を乗せた救急車は桜荘を後にした。
 その頃になると桜荘の住民にこの事件を知られることになるが。

俺は事情を説明せずに更紗と刹那が倒れただけと詳しいことは伝えなかった。
その意図をわかっていたのか、詳しい事情を聞かずに安曇さんと美耶子と雪菜は搬送された病院に向かった。


更紗と刹那の病状は気になるが……病院には行けなかった。
342桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/10/31(水) 20:38:26 ID:R5HAsbwX
 行けるわけがないっっっ!!
 俺はまたしても過ちを繰り返してしまったのだ。
更紗と刹那の告白を断った結果が今回の災いを呼ぶ結果となった。
二人の想いを、気持ちを、受け取ることを拒否した。
 過去に傷つけてしまった俺にそんな資格がないというのに。
見捨てた。
見捨てたのだ。 
だから……今回も二人の気持ちを踏み躙った。
 とはいえ。
 更紗と刹那の壊れてしまったことに俺は後悔を覚えてしまっていた。二人の気持ちなんて全く考えずにいたのは俺の方か?
 問う相手は脳内に誰もいない。

 何でこんなことになったのだろうか?
 最初はいつも三人でいる事が当たり前だった。

それが居心地が良い関係であり、永遠に続くと思われていた。
でも、気付いた。それが永遠に続くはずがないと。更紗と刹那の周囲には親しい友人はなく、
完全に女子の間から浮いていた。更紗は俺達以外に心を開くことなく、刹那はとても人見知りが激しかったからだ。

二人はどこまでも俺に依存していた。子供の頃はそれで良かったかもしれない。
だが、大人になるとどうなる? 三人はきっとそれぞれに違う道を行く。
そこには冷たい風が吹き、誰も助けてはくれないのだ。
 その時には俺が傍にいることは出来ない。頭を撫でて助けてあげることは無理なのだ。

だから、更紗と刹那を俺から引き離そうとした。
深山一樹に依存することなく、自分の道を自分の力で切り開く強さを身に付けさせるために。
 大学の進学の際に更紗と刹那に自分の学力に合った場所に受験させようとした。
俺の頭で入れる大学では、俺よりも頭のいい二人はきっと俺の後を追いかけてしまう。 それではダメだ。

 二人の両親と一緒になって、更紗と刹那を納得させた。
刹那が早めに推薦入学したことで俺は油断していたと思う。
通う大学の場所は違うが、俺と繋がる確かな絆さえあればいいと更紗と刹那のどちらかは考えたのであろう。

 その経緯で更紗は告白をした。
刹那が告白の途中で乱入するのは予想外のアクシデントだったが、結果的には俺は更紗と刹那を振った。
 失恋することで俺に頼ることなく、その後の人生を強く生きるために。
 だが、ここから。俺の思惑は大きく外れることになる。
 更紗と刹那はこれまで以上に俺を求めてしまっていた。

 俺は逃げたんだ。
 桜荘に。
343トライデント ◆J7GMgIOEyA :2007/10/31(水) 20:39:09 ID:R5HAsbwX
以上で投下終了です。
344名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 20:43:53 ID:TTwGEY1n
GJ!
345名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:07:17 ID:IklG0dWe
いいしごと
346名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:59:08 ID:VNthHimH
>>343
冬の星空がキタァー(゜∀゜)ーー!!!!と思ったのに
とても残念です
347名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:00:55 ID:BApStbV7
スルー検定準二級
348名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:03:24 ID:bw+OKn4q
一級はどのくらいなんだよ
349名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:07:00 ID:czY0b5tN
オナニーしてるときに母ちゃんに部屋に入ってこられても平気だと一級
350 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 22:09:23 ID:odqHmLxT
♯2投下します
351名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:09:55 ID:VNthHimH
まあまあ、落ち着けよ
つまらない作品が来たらスルーだぜ
352 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 22:10:19 ID:odqHmLxT


マザーブラ者♯2


今の母は私にとって、本当の母親では無い。
私がまだ小さい頃に父が再婚した相手だ。
だから今の母が私の事を嫌いでも仕方ないのだと思う。
『修学旅行?行かなくても良いわよ。高校に行かせてあげてるだけ、有難いと思いなさいよ』
修学旅行の代金を振り込んで欲しいと頼んだ私に、そんなふうに言うのも仕方ないのだと思う。
私を高校に行かせる事にさえ反対だった母に、修学旅行まで行かせて欲しいと馬鹿な事を言ったのが悪かったのだから。
血の繋がった父も、
『我慢しなさい』
と、そう言った。
仕方ないのだ、家は裕福では無いし私の下にまだ小さな子供がいるのだから。
父としか血の繋がってない私より、父とも母とも血の繋がった妹の方が可愛いいのは仕方ない事なのだ。
だから『アンタね邪魔なのよ。早く家を出てって貰いたいわ』と
母にそう言われ、父が否定してくれなくてもそれは仕方ない事だ。
仕方ないかもしれないが、やはり悲しくはあった。
だけど私は母も父も恨んではいない、むしろ感謝している。
だから私は今、ここに立っているのだ。
邪魔な私が死んで、母や父や妹の為になるようにと。


屋上の端から、地面を見下ろしてみる。
ここの遥か下では、沢山の人が行き交っている。
きっと、そこが学食に面する道で今が昼休憩だからだろう。
今飛び降りたら、誰かを巻き添えにしてしまうかもしれない。
とりあえず、私は人が居なくなるのを待つ事にした。
――そういえば、本当の母と弟は今どうしているのだろうか――
間もなく死ぬからだろうか、その事が気になった。
父と母が離婚したのは、私がまだ幼稚園に通っていた頃だったと思う。
だから、ほとんど覚えてはいないが母はとても優しい人だったと記憶している。
私は弟の事をやたらと可愛がっていたと思う。
もし、父と母が離婚しなければ私は今ここに立ってはいないだろう。
家族四人で普通に暮らして普通に生きて普通に寿命を迎え死ぬ、そんな人生を過ごすのだろうなと思って、やめた。
過去の幸せだった頃に逃避して、そこからの『たられば』な未来を夢見ても仕方ないのだから。
私に許されるのは本当の母の幸せと弟の幸せ、それとどうか父さん私が死んだ事をせめて悲しんでくださいとそう願う事位だ。
353 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 22:13:25 ID:odqHmLxT


そろそろ人は居なくなっただろうかと思い、下を覗いて見たが人通りはまだ減っていなかった。
これは昼休憩が終わる迄待つしか無いだろうなと思い、溜め息をついた私に後ろから声がかかる。
「あの〜」
「え?」
振り向くと、そこには二人の男の子がいた。
「うわっ勿体無い」
振り向いた私の顔を見るなり、左の子はそう言う。
「え?勿体無い?」
何がだろうと、思案してみたが私にはさっぱりわからない。
「だって、これから死のうと思ってるんですよね?」
「え、ええ」
「そんなに美人なのに、今から死ぬなんて勿体無いですよ。なあ島津」
その子は心底残念そうに言い、右側の子に同意を求めた。
「え、ああ、うん確かに勿体無いかも」
「だよね、あの、もし良かったら僕と付き合ってくれませんか」
「……ぷ、アハハハハハ」
この子は今私がどこに立って何をしようとしているのかわかっているのだろうか。
まさか、この状況下で告白されるなんて思いもせず私は笑いが止まらなかった。
「お、おい笑われたぞ」
「そりゃ、お前がマザコンだからだろう」
「まさか、僕がマザコンだというのは結構有名なのか」
「き、キミ、マザコンなの?」
「はい」
「ぷ、マザコンは嫌…アハハハハハ」
「僕、振られたのかな」
「ああ、振られたみたいだな。けどお前には美人なママンがいるだろう。な?」
「うん、そうだね」
躊躇なく自分はマザコンだと断言する彼と、お母さんが居るから大丈夫だろうと慰めるその友人に私はまた笑いが止まらなかった。
「あの、もし良かったら名前教えてくれないかな」
私は最期に楽しい時間を持たせてくれた二人に感謝したいとそう思った。
「あ、僕は一年の吉川佳佑です」
「俺は島津達也、同じく一年です」
「そっか、私は三年の小早川高嶺です。ありがとう、楽しかった」
お礼を言い終わり、いよいよ死のうかと私は前を向いた。
354 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 22:16:30 ID:odqHmLxT


「あの、先輩」
するとまた先ほどと同じように後ろから声が掛かり、私は顔だけを後ろに向けた。
「もう死ぬんですか?」
「ええ、昼休憩が終わったらね」
出来れば今すぐにでも飛び降りたいのだが、下にはまだ人が行き交っておりそれはまだ出来なかった。
「そっか、じゃあそれまでそこで弁当食べても良いですか?」
彼は傍にあるベンチを指差しながら、そう言う。
「え?」
この子はどこか抜けているのかもしれない、これから自殺しようとしている女の傍で昼食を取ろうと言うのだから。
「お、おい吉川。それどころじゃ無いだろ、誰か呼びに行った方が良いんじゃないか」
「今日の弁当には僕の好きな鳥の唐揚げが入ってんだよ、はやく食べたいのさ」
彼は島津君に、面倒くさそうな口調でそう言う。
「良いわよ。汚いものを見せるかもしれないけど、構わない?」
「はい、大丈夫です」
彼は笑顔でそう言い、
「俺、先生呼んでくるから」
島津君は屋上を飛び出し、そこには私と彼の二人しか居なくなった。
「ねえ、吉川君。お母さんの事好き?」
背後でお弁当を黙々と食べている彼に私は聞いてみた。
「はい、好きです」
さも当然の事のように彼は答える。
流石マザコンだ。
「どうして?」
「えーと……血の繋がった家族だからかな」
彼はしばらく悩んで、そう答えた。
「そっか、良いね」
私はその答えを素直に羨ましいと思った。
血の繋がった家族だから、好き。
家族を好きな理由なんて、それで十分なのだと思う。
優しいからだとか、怒ってくれるからだとか、そんなものは血の繋がった家族ならば当然の事なのだから。
「先輩は、家族の事好きじゃ無いんですか?」
「好きよ、けど好かれてはいないの」
けれど、私の家族にはその当然のモノが無いのだ。
血の繋がった父さえも私を邪魔だと思っているのだから。
355 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 22:18:43 ID:odqHmLxT
「そんな事無いと思いますけど。」
彼には、あって当然なモノでさえなくなってしまうという事はわからないだろう。
「キミにはわからないのよ」
私はそう言い残し、チャイムがなるのを待った。
「先輩、小早川先輩」
しばらく、お互い無言でいると何かに気付いたように彼が声をあげる。
「なに?」
「携帯、鳴ってますよ」
「え?」
言われて初めてそれに私は気付き、
「誰からだろう」
検討もつかないが、私はそれを取り出し開いてみた。
『To 高嶺』
メールが来ていた。
『From お父さん』
父から私に。
『修学旅行の代金振り込んでおきました』
私はメールを読み終わり彼に聞いてみる。
「ねえ、吉川君。お父さんは私の事好きかな?」
「え、当然でしょう」
「そっか…」
別に彼の言う事を信じた訳では無いのだけど
「やーめた」
父からのメールが単純に嬉しくて私は自殺する事をやめた。
「先輩、自殺するのやめるんですか?」
「うん」
「そっか、良かった」
彼は心底嬉しそうにそう言って、
「き、キミ……なんて眩しい笑顔すんのよ」
笑っていた。
356 ◆IIQVZM1CgQ :2007/10/31(水) 22:20:23 ID:odqHmLxT
二話はここまでです。
大物さんの後で、スレ汚して申し訳ない。
それでは失礼します
357名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:25:23 ID:3+eOBdoz
続きを期待せざるを得ない
358名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:26:58 ID:VNthHimH
>>356
大物さんって誰だよ(´,_ゝ`)プッ
359名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:32:18 ID:TTwGEY1n
>>358
あんま粘着すんなや

最近になって現われた『〜の星空』をプッシュしまくる自演の人か?

しかもこーゆーこと書くと「スルー検定〇級」とか本気で面白いと思ってるオモシロイ子が湧くしさ……

もう秋田
360名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:40:50 ID:c8Lp2sWK
サッカーっていいよな
361名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:42:02 ID:rping+Fv
まあ確かに星空はいらない子だからな
362名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:42:39 ID:1BCD/VTK
そうだな。二死満塁とか燃えるな。
363名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:43:23 ID:4D0e+qm3
俺はやきうの方が好きだな
364名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:57:45 ID:F0KWvtI7
>>356
母親と女の子の修羅場を期待してますよ〜。
365名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:59:01 ID:A1IsHv8R
時代はテニスだろ
366名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:02:23 ID:oMQ15alE
>>343
いい加減にSS作家引退してくれないかな?
文章がおかしくて話が面白くないけど皆が気を遣って
スルーしているんだから、お前も少しは気を遣えよ!!

>>356
GJ
面白いです
367名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:20:51 ID:BApStbV7
スルー検定同じく準二級
368名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:28:43 ID:PLYNVmbh
最近は手がこんでるな。荒らして、それに自己レスして、さらにそれに乗じた作品叩きか。
>>358>>359>>361>>366と見事なコンボだよ
369名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:33:29 ID:byifWwdQ
>>368
かまうなって、調子に乗るから。スルーしておけ
370名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:35:42 ID:SlHCEK5K
>>356
多分この自殺しようとした先輩って主人公の実の姉なんだろうなw
371名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 00:00:53 ID:Wd3s/b6x
>>370
確かにベタだがそれがいい!
372名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 00:20:57 ID:PhKYSLfe
>>356
GJ!!!!続きが楽しみでしょうがない。

>>370
俺もそう思ったけど、その通りだと実に良い!好きな展開だ。
373名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 01:06:23 ID:3SH6IeLf
最近のヤンデレブーム?に乗ったのか、新しい住人が増えてる気がする。
お互い子供じゃないんだし、半年とは言わないまでも1週間はROMに徹してスレの空気をつかむとか
お互いに気持ちよく(作者には特に)使えるように気をつけようぜ。
374名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 01:11:14 ID:p9dxtnv6
同意だな
日本語がおかしい作者は追放するべきだよねぇ?
375名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 01:19:37 ID:C+CmiUry
SSスレのお約束
・指摘するなら誤字脱字
・展開に口出しするな
・嫌いな作品なら見るな。飛ばせ
・荒らしはスルー
・職人さんが投下しづらい空気はやめよう
・指摘してほしい職人さんは事前に書いてね
・過剰なクレクレは考え物
・作品に対する評価を書きたいなら、スレ上ではなくこちら(ttp://yuukiremix.s33.xrea.com/chirashi/)へどうぞ
スレは作品を評価する場ではありません
376名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:11:23 ID:LoPKFjLM
トライデント氏はつまらん癖に投下が多くて困る。
377名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:12:49 ID:LH7M5YuR
370から372は絶望先生を読むべきだ
378名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:18:23 ID:p9dxtnv6
>>376
私と同じ考えの持つ方がいるなんて
トライデント氏はつまらないのに投下が多くて本当に困ります
神作品を待っている私達にとっては迷惑他ならないです

どうにかならないでしょうか?
379名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:26:59 ID:adC3sYWr
スレに活気がでると定期的に頭のおかしい子が沸くんだよな…
380名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:27:00 ID:5F1SDdZ7
>>378
普通にスルーすればいいんじゃないですか?
彼の作品はネタもそうだが、作品自体がつまらないです
最近では私は投下される事態が不愉快になってきましたよ
381名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:38:35 ID:iiQSOq8Z
誰もトライデント氏の作品に感想を付けていない時点で
作品はつまらないから皆スルーしているわけでしょwwwwww

冬の星空 感想50レス
その他作品 2−8レス

トライデント氏の作品 0レス


皆から無視されているから吹いたwwwwww
いい加減に消えて欲しいよね
382名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:43:36 ID:iiQSOq8Z
>>376
駄文が投下されるのが多いって、一番困った嫌がらせですよね
せっかく、冬の星空やノントロが投下されて皆が盛り上がっているのに
彼のようなつまらない作品が投下されるなんて・・・・・・
キモイから本当に消えて欲しいですよ
383名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:45:05 ID:uh25MFTp
>>381
お前、日本語が不自由なうえ数も数えられないんだな

キムチはキムチの国に帰るといいよ
384名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:48:29 ID:iiQSOq8Z
桜荘よりも冬の星空の方が何倍も面白いですよ
あんな、幼馴染が主人公に好意を寄せている
トライデント氏の脳内ハーレム設定なんて
誰もキモくて読めないでしょwwwwwwwwwwwwwwwwwww

それに、桜荘は限りなくつまらないし・・・

>俺は逃げたんだ。
>桜荘に。

↑(゚Д゚)ハァ? 頭おかしいんじゃないのWWW
385名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:50:41 ID:iiQSOq8Z
>>381
レスする番号間違ってますよ

>>343でしょwwwwwwww
ちゃんと寝ぼけずに正確な番号を書いてください
386名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:52:18 ID:iiQSOq8Z
私はスレを荒らすつもりはありませんよ
ただ、スレを代表してつまらない作品をつまらないと言っているだけです
それだけのことですから。
387名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:56:08 ID:cGMIVEen
いつもの奴にレスしたら怒られるよね
ホントごめんなさい

いい加減に黙れ
ここはガキの遊び場じゃねぇし雑談広場じゃねんだよ
投下ありきの板でガタガタ作者に文句付けても荒らししか得がねーんだから黙れ
レス数が少ない事がお前が文句を言っていい理由になると?笑わせるな
そもそも投下の後に他作品が入ったらレスが少なくなるのはいつもの事だ
そのうえ他作品を引き合いに出して、お前はどうしたいんだ?
そんなの作者さんにも迷惑でしかねーのもわかってるよな?
で、このおしゃべり、お前以外の誰か一人でも良い事ないけど。
黙れよ。
388名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 03:29:34 ID:ZkQkKsWg
ID:iiQSOq8Zの気持ち悪さにはついていけんwww
いったいどんな人間なんだろ……
389名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 03:43:33 ID:LH7M5YuR
このスレだと時々思い出したように湧くけどやっぱ全部同一人物なんだろうか?
390名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 03:51:21 ID:A/SbicQa
>>387
何かすっきりしたありがと。俺も相当イライラしてたからさ・・。
無視しなきゃならないの分かってるんだがね           
391名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 04:08:55 ID:qB7mTBUd
>>387
兄貴、と呼ばせてください
392名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 04:25:09 ID:PhKYSLfe
>>387
お兄たま、と呼ばせてください。
393名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 06:45:08 ID:JbSzLZpX
ちょwwww
今更だがID抽出見て吹いたwww
394名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 07:04:24 ID:HON4GsXb
何と言うか、一番反応して欲しいだろう作者さんが毎度スルーしてるのに懲りないねぇ。
作者さんがきっちりスルーしてる分余計に惨めに見える。
395名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 07:42:00 ID:3SH6IeLf
>>374ああ、言い方が悪かった。作者様には特に気持ちよく使っていただけるよう
お ま え の よ う な カ ス は き え ろって意味だ。
396名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 09:06:46 ID:zEXip92O
本当定期的に頭の悪い子が増えて困る
作品に対する評価なんて人それぞれだし、どんなに人気作品でもアンチはつくのに
それすらもわかってないよな・・・・
397名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 09:08:00 ID:zlfONlIL
ずっと昔から長いこと飽きもせず粘着して
何を言われても止めることができず
恐らく死ぬまで成長することはないだろうスレのオデキ野郎なんだから
相手にするなよ新参住人ども
早死にしてくれることだけ祈ってスルーしろ
398名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 09:15:50 ID:Fb+SfpQy
なんかこの粘着ってどっかの作者クサいんだよな

少し前、草に粘着してたのはROCOとかいうNTRスレの作者だったし
399名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 09:35:03 ID:0fu1mhuN
草は叩かれて当たり前。桜荘がキモヲタの妄想全開的気持ち悪さだとするなら、草は腐女子の妄想全開的気持ち悪さ。
しかも何も考えないで書いてたおかげで途中で投げやがった。ざまあないw
桜荘よりも、投げたくせに平然と別の連載書いてる草の方がうぜえ。もう帰ってくんなよ!
400名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 10:46:14 ID:3Uw3MUoJ
スレに活気が出てくると毎度の事だが荒れるな
ここはそういう風に出来てるのかわからんが、作品や作者批判の奴は構ってやらないようにしようぜ
荒れてる状態だと投下しづらい雰囲気も出来るからな
401名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:20:53 ID:2HEg52ZV
>>399
某草は根性なしだが性犯罪の匂いはしなかったが
トライデント氏はまさに性犯罪者だよ
過去作品を読んだけど、女の子を監禁したり、女の子を殺害したり、
これって性犯罪者が犯罪を起こす前触れじゃないのかな?
もし、彼が事件を起こすとスレが潰れてしまうので、いい加減に
何か問題が起きる前に彼を追放した方がいいかもしれないね。

スレの皆さんもこの意見に賛同している形に進んでいるようですね
402名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:25:36 ID:JbSzLZpX
てか
金とか払ってるわけじゃないのに
よく文句が言えるな……

俺からしたらただで読めてるんだから
感謝こそすれ文句は出てこないんだが
403名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:25:39 ID:xE+4jNj2
これはひどい
404名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:27:23 ID:ON/ut9sD
>>400-401とかひどいってレベルじゃねーぞ…
405名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:28:40 ID:ON/ut9sD
>>399>>401だった
406名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:29:50 ID:UN1rAEqb
スレ住人までもが書き手に嫉妬の火花を散らす、嫉妬・三角関係・修羅場系SS総合スレでした。
407名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:43:23 ID:ureCEZ9/
500KBの前に1000到達するペースだな
408名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:45:35 ID:2HEg52ZV
しかし、皆がトライデント氏を追及する書き込みがあった途端に
作者の自作自演の書き込みでお茶を濁すとは
最低な性犯罪者だなwww
409名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:50:52 ID:xE+4jNj2
なんというか…かける言葉が見つからない
410名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:59:02 ID:i4JjmIWF
荒らしもその情熱で作品を書いたりすればいいのに
411名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:08:23 ID:2HEg52ZV
>>410
言っておくが荒らしではない。スレを代表して意見を述べているのですよ
最近のSSスレ作家の質が下がっているので向上するために渇を入れている
お前らが甘やかすからあんなくだらない作品が投下されるんだよ

まあ、トライデント氏ごときや草ごときのような作品は
私程度の傍観者でも余裕で書ける
ROMっている人間だって簡単に書けるよ
なのに
あんなのが神扱いされているのはおかしいだろ
412名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:11:19 ID:vF4aUOFP
何だかなぁ・・・
413名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:16:26 ID:JbSzLZpX
じゃあ書いてみてくれ
長編書く大変さが分かるからw
414名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:21:19 ID:2HEg52ZV
よし。書いてやろう
415名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:23:03 ID:2HEg52ZV
俺には婚約者がいる
小さい頃から一緒に遊んだりしたひとつ年上の少女だ
俺が15のときに両親にそのことを聞かされた
彼女は両家の一人娘でいかにもお嬢様と言った綺麗な容姿をしていて行動力もある
誰にもわけへだてなく優しく
お金持ちだということを鼻に掛けたりしない
恋心がないと言わば嘘になるけど正直不安の方が大きかった
彼女はこの話を知っているのか?
露骨に嫌そうな顔されたらどうしよう?
不安はつきなかった
翌日俺は彼女の家に両親と一緒にお呼ばれされた
会いたくないな・・・・・どうしよう
そうこう考えるとすぐに玄関までやって来てしまった
しかし玄関が開いてすぐに不安はなくなった
「・・・・・・」
思わず息を飲んだ出迎えたくれた彼女は笑顔で俺を出迎えてくれたからだ
彼女は婚約のことを知ってるのかな?
普段とは違う穏やかで幸せそうな笑みにそう思ってしまった
「いらっしゃい、仁くん・・・・おじ様」
少し頬の赤い彼女に顔が熱くなるのを感じる
俺はなにも言えずにいると少し彼女が不安そうな顔をした
「さぁ、どうぞ・・・・・」
すぐに笑みを戻すと彼女は俺たちを家の中に通した
その後に正式に彼女のご両親から婚約の話を聞かされた
彼女の様子を見るからに婚約のことは知っているようだ
少し安心した


戸惑う気持ちを落ち着かせようと庭に出て風に当たる
「俺と詩織さんが婚約?」
現実感がない
それはそうだ政略結婚なのだから
本人の意思によるものではない
「どうしたの?暗い顔して」
声の方向にハッと振り返る
「えっと・・・・その」
口ごもる俺に詩織さんは少し不安げな顔を浮かべた
「もしかして迷惑だったかな?私との婚約の話」
いまにも泣き出してしまいそうな彼女の俺はあたふたしながら答えた
「そんなことはないです・・・・ただ、いきなりだったから」
それを聞くと詩織さんは華が咲いたかのようにパッと笑んだ
その笑顔に思わず頬が赤くなるのを感じる
「よかった♪・・・・・嫌がるんじゃないかなって不安だったんだよ?」
「俺も同じでした・・・・」
一瞬ポカンとしたが詩織さんは『同じ』というのがうれしかったのか
すごく楽しげだった
「よ〜し、いいお嫁さんになれるようにがんばるね仁くん♪」
「は、はい・・・・詩織さん」
「詩織さんじゃなくて詩織って呼んで?もう私たち婚約者なんだからね」
ますます顔が熱くなる
今まで憧れだった女性が・・・・・
急に実感できた彼女と自分が婚約したのだと


私と仁くんが婚約してからもう一年経った
仁くんは私と同じ学校に入学して毎日顔を合わせている
しかし誤算だった
あんなに仁くんモテるなんて
416名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:23:58 ID:2HEg52ZV
みたか、クソ草の作者や性犯罪者トライデントを上回る文章力
これが格の違いだよ
417名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:25:48 ID:HON4GsXb
本当にリアルが恵まれてないんだろうなぁ。
ある程度充実した生活してれば普通はこんなに荒らす気にならないし。
何かコンプレックスとか丸出し。
418名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:26:47 ID:JbSzLZpX
よし
作者製造に成功
419名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:34:12 ID:zEXip92O
これは釣りなのか・・?
420名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:35:05 ID:0fu1mhuN
草は過疎の時に分不相応に褒められていたような記憶があるが、トライデントは神扱いなんてされてたっけ?
今回もぶっちゃけひどいもんだ。投下したかと思ったら、他の作者の時とは明らかに温度が違う、やたら投げ槍な>>344-345のレス。
>>345が平仮名なのは何だ?変換が面倒だったのか、それとも棒読みを文字で表現したいのか?w
その上、嫌がらせのようにマザコンに投下を被せられるという不遇ぶり。大物さんの後にってどう読んでも皮肉だろw
尊敬する書き手なら絶対被せて投下したりしないっつうのw
421名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:38:59 ID:lgm1OD4B
>>419
いや犯罪だろう
422名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:40:23 ID:p1n2p59P
それ、「生きてここに・・・」のコピペじゃん。
423名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:42:58 ID:PLpgdZdJ
確かに格は違うな、どちらが下かはわかりきっている。
424名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:44:48 ID:xjwG3VXY
荒らしにはNG登録でおk
作者を気遣うなら感想を言ってやれ

トライデント氏、桜荘は刹那が好きだから読んでるけど、
人を運ぶのはタンカーではなく担架なのではなかろうか…
突然船で輸送されたのかと思った
425名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:50:57 ID:jvWfG0TA
伸びていると思ったら、何この殺伐とした空気

誰か書いてくれないか…というのは我が儘だよなー。
426名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:58:41 ID:0fu1mhuN
友達の家からの帰りだった。誰もいない夕方の小道を遅足で歩いていると、どこからか石焼き芋の売り声が聞こえてきた。
近付いているなら買ってもいいかな、と思ったけど声は徐々に遠ざかって、しばらくすると吹き付ける北風にかき消された。多分、さっきまでいた友達の家の方に行ったんだろう。俺は大きくため息をついて、薄暗い道をまた歩き始めた。
少しして曲がり角を過ぎると、夕闇のすぐ向こうに低い山のシルエットが浮かび上がった。
高さを考えたらむしろ丘と言ったほうがいいと思うけど、この辺りでは一応“鎮守の山”なんて呼ばれている。と言うのも、この山のふもとに十市神社という小さな神社があるからだ。
それにしても、この辺りは昔とまったく変わっていない。今とちがって神社へちょくちょく遊びに来ていた小学校の頃と、風景はもちろん、寒さの具合、風に乗ってくる埃の匂いまで同じ気がする。
ただ、いくら環境がそっくりでも、俺自身はそうはいかない。今の俺は、あの頃とはまったく変ってしまった。無邪気な心も、毎日を楽しいと思う気持ちも何もかも――無くしてしまったように思う。
そんなことを考えていると、俺は神社のすぐ前にいた。眺めてみると、相も変わらず小さい神社だった。実際、木肌も黒ずんだ本堂は並の家と変わらない大きさだし、石の色そのままの鳥居も人二人分くらいの高さしかない。
それでも枯れ木の目立つ山を背景に立つその姿は、風情がある以上に霊験あらたかで、見ていてみすぼらしい気はしなかった。けれど、
……あれ?
何かが妙だった。あまりに不自然で、かえって気づきにくい、そんな変化が起きている気がした。気になる俺は、狭い境内を一面見渡す。本道、参道、手水舎、鳥居……あ。
一匹、足りない。
「初詣でのときは……二匹ともいたよな?」
本来なら二匹で向かい合っているはずの狛犬は、今や右側のがただ一匹で虚空を見つめていた。一匹は、壊れでもして捨てられたのかもしれない。そう考えて残っているほうを見ると、こっちも今にも壊れそうな感じでヒビが入っていた。
狛犬は魔除けのためにあると言うけど、一匹、それも壊れかけので魔除けの役割は果たせるのだろうか。
大きく開かれた目を見ていると、何となく狛犬が可哀そうに見えてくる。頭を撫でてやると、手に伝わる石の感触がやけに硬くて冷たかった。
鳥居の前から境内を見ていると、初詣でのとき以来お参りをしていないことに気がついた。ここまで来てお参りしないというのもあれかな、と俺は鳥居をくぐる。
とりあえずは、あんまり進まない受験勉強について祈ってみよう。手を洗ったり水を飲んだりという諸々の儀式は、面倒くさいから省略する。
427名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 12:59:28 ID:0fu1mhuN
前に貼られたものがコピペだったのか何かは知らないが、批判している奴がろくに文章も書けない無能だと思われるのも癪だ。
以前書いたものがあるんで貼っておいた。ちなみに没ネタだから、最低でもこのぐらいは批判している馬鹿にも書けるってこと。
428名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:10:22 ID:zlfONlIL
・職人が投下しにくい空気にするのはやめよう

これが読めない時点でいくら文章が書けようが結局文盲
429名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:11:54 ID:qB7mTBUd
…なんだかなぁ、曲芸スレと同じ匂いがするなぁ……
430名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:21:00 ID:SRKWL5rw
>>427
ろくに改行も出来ない無能だというのはわかった
431名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:22:25 ID:Fb+SfpQy
>>427
とりあえずお前が、本の批評をしてるだけで自分の方が文章ウマいとか錯覚する評論家程度の文章構成力で、圧倒的に語彙が少ないのはわかった。

高校卒業するまでに、ラノベ以外の普通の本も読んどけよ
432名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:31:27 ID:MGoKwafE
>>427
このスレの主題である「嫉妬・三角関係・修羅場」も書けてない+1レスだけ+のに+改行が変なのに
「このぐらい」とはちゃんちゃらおかしいw
433名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:32:27 ID:MGoKwafE
間違えた
このスレの主題である「嫉妬・三角関係・修羅場」も書けてない+1レスだけ+改行が変、なのに
「このぐらい」とはちゃんちゃらおかしいw な
434名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:36:02 ID:0fu1mhuN
改行だらけの文章に目が慣れちまってるんじゃないの。
あと、その他の連載と俺が書いた没ネタは文章力に大した差はないぞ。俺の叩くんだったら他のもちゃんと叩けよ。
文章力なんか関係ねえ、気に入らないレスしたてめえが書いたから文句つけるぜって素直に言えばいいのに。
前情報なしで全部投下したら褒められはしなくとも叩かれるほどでもなかっただろw
>>321の冒頭なんかヤバイ、キンコンカンコーンだ。
俺のレスに含まれていたら確実に、擬音から始めるなんて文章書き失格と突っ込みが入っていただろう。
435名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:36:52 ID:z4ZZo/D7
俺はSSを楽しむためにこのスレに来てる
お願いだから、もうこの空気は止めてほしい。
436名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:38:00 ID:rtvsbJbM
少なくともこのスレにはいらない奴だな
結局のとこ難癖付けと歪んだ自己主張しかしてないしさ
要は自分が気に入らない作品と作家をバッシングしたいだけだろ
437名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:38:03 ID:fzHX8pVN
シャドーボクシング、シュッ、シュッ 
438名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:39:55 ID:ewk6xetZ
能ある鷹は爪を隠す、という諺の意味が身にしみるここ最近の当スレ。
439名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:41:02 ID:QVJe3379
それでも俺は平日の昼間から山姉を待ちつづけるぜ!
440名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:41:09 ID:JbSzLZpX
まぁ確かに擬音を使うのは小説
書きに失格だという部分は賛同出来る


まぁこの空気から作者が生まれたから
これでよしとしようか
441名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:42:43 ID:MGoKwafE
>>435
どこか良いssサイトしらないか?
修羅場のssって探してみると扱ってる所が意外と少なくってさ・・・
442名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:53:33 ID:M9mXdFsi
ここの住人は専ブラの導入率が低いのかな。
443319 ◆lHiWUhvoBo :2007/11/01(木) 14:11:49 ID:acLWhX5D

 「ねえ、どうしても振り向いてくれないヒトを自分のモノにしたいとき、貴女ならどうする? さやか? 」
 「わたしが涼ちゃんなら……わたしを殺す……な」

 小さな頃から3人一緒だった、コウくんと目の前の女とわたし。その関係が突然壊れたのは、高校生の頃。
コウくんの友達が目の前の女を好きになり、コウくんはその友達のためにこの女と徐々に距離を置き始めた。
それでもこの女は諦めきれずに以前と同じ様に、コウくんに纏(まと)わり続けた。ある日コウくんに泣きながら
相談されたわたしは、ずっと心の中で思っていた事を計画に移す時が来た、と喜びに胸が一杯になって思わず
泣いてしまったのを覚えている。

 『涼に僕がさやかと付き合っている姿を見せれば、諦めると思うんだ。だから』
 『本当にいいの? コウくんそれでいいの? わたしはいいけれど、涼の気持ちは? 』

 本当に馬鹿な女。始終押してればいいってモンじゃないのに。そう言うときは耐えて耐えて耐えて、一瞬の機を
窺(うかが)うの。わたしの涙をコウくんは完璧に誤解していた。やっとあの忌々しい雌猫に止めを刺せるんだから
開放感からわたしは嬉しいだけなのに、優しいコウくんは同情していると思っている。ねえ、コウくん。女の子はね、
好きな人のためだったら何でも出来るんだよ? 例え、相手が骨も残らず抹消してやりたい女でも、コウくんのため
と思えば我慢出来るんだよ? ……あの女は本当にコウくんにたかる虫除けに役に立ったわ。…これまでは。

 『浩司…! 』
 『どう? もうコウくんとはこんな仲! わかった涼? わかったらコウくんを諦めて! 』

 コウくんの提案は涼の目の前でキスさせてくれないか、だったが、そんな生ぬるい手でコウくんを諦める繊細な神経を
あのサカった雌猫が持っていないのは知っている。わたしの提案はぱんつ一枚になってコウくんの部屋で二人でベッドに。
ベッドに入ったコウくんは、我慢し切れずについにわたしの『はじめて』を奪ってくれた。その効果は覿面(てきめん)だった。
反射的に泣いて出て行くあの女を追おうとするコウくんを止めるために、わたしはただ静かに涙を流すだけで良かったのだ。

                        わたしの長年の忍耐+計画の完成で見事完勝。

 で、終わるはずだったのだ。しかしこのバカ女はこうしてコウくんの目の前にいる。コウくんの後にいるわたしを見て、寝言を
言っている。コウくんはわたしを殺す決断をした涼を止めるに違いない。こいつにはコウくんを殺せない。コウくんを怪我させる
のが関の山だ。大好きな『わたし』のコウくんを怪我させるものですか。だからわたしはコウくんを庇(かば)うために前に出よう
とした。止めるコウくんの手を振り解こうとしたその時……ぶざまな敗者の手に握られていたのは長大なナイフだった。

 「わたしの答えは違う。こうするだけ」

 わたしの視界が真っ赤に染まった。この女が小太刀の目録を持っていた事を今更思い出した。コウくんの首筋から噴水のように
血が吹き出ている。わたしはすぐに倒れたコウくんの首筋を押さえて圧迫止血をしたけれど、コウくんの血は全然とまらない。

 「リョオオオオオオオオッ! 」
 「もう、これで今の優しいコウくんは貴女のものじゃない……そして私に『だけ』やさしかったコウくんは……私だけのもの」

 そうして、コウくんを斬ったコイツは自分で自分の頚動脈を刎ねた。コイツの思考法を読み誤ったわたしの『負け』だった。
コイツは頭が『オトコ』だったのだ。大抵の女は好きな相手に害意を加えることに躊躇うもの。だが男は違う。奪われるのなら殺す。
その決断を簡単にしてしまう。もう、コウくんとコイツが死んでしまえば、コイツが過去の記憶から『創り出した』理想のコウくんは、
誰にも壊せなくなる。わたしの歯がキリキリと羨望と嫉妬に噛み締められ、鳴るのがわかる。幸せそうな妄想に浸りやがってぇ!

 「二人とも…二人とも死なせないからぁ! とくに涼ォ! ……アンタには生きてて貰わないとねぇっ! 」

 そうだ。死なせるものか。まだまだ死んで貰っては困るのだ。永遠に失われてしまうかもしれないコウくんが、わたしを抱いたときに
どんな事を言い、わたしがどんな気持ちで、どんなに幸せだったか絶望とともにこの女に聞いて貰わなくてはならないのだから。                  
444名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 14:14:38 ID:cGMIVEen
>>442
今は人口の多さが仇になってる状況
スルーしてる方はレスしないから、構う奴が目立つだけ
445319 ◆lHiWUhvoBo :2007/11/01(木) 14:27:22 ID:+NGhoomJ
所用あって中座してた。論戦は止まった…かな?
ねんがんだった嫉妬スレに書き込んだぞ! これで悔いはない。
んでは失敬。
446名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 14:57:15 ID:PUlb5UmD
>>426 >>443
同じ1レスでもこうも違うもんだなw
447名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 15:29:58 ID:2HEg52ZV
>>420
温度差っていうレベルじゃないだろ
これは明らかに駄文が投下されているから
GJって感想には入らないし、さっさと消えて欲しいという意志表示だな

大物さんっていうのは皮肉以外なものはないね
448名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 15:34:28 ID:2HEg52ZV
>>434
あのトライデント氏と草の作者よりも文章力は上ですよ
あんな奴らが神扱いされているのはおかしい!!
断固して私はスレの住人の意見を述べさせていく決意を宣言します
449名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 15:37:20 ID:Fb+SfpQy
なあ、俺いまスゴいこと気付いたんだが……

――――なんでコイツの時だけスルー検定の人が 出 て こ な い ん だ ?
450名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 15:40:28 ID:c/WgTGiq
めんどいのだろう
451名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 15:43:58 ID:2HEg52ZV
>>423
少なくても、格はトライデント氏より上回っていることは確かだな

>>449
それは私が嫉妬スレ住人を代表して作者に抗議と苦情を言っているからだよ
452名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 15:50:14 ID:zEXip92O
今日のNGID ID:0fu1mhuN ID:2HEg52ZV
453名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 15:56:53 ID:adC3sYWr
厨房の定義
・他人と自分を比べたがる
・スレのテンプレが読めない
・自分個人の意見をさも大多数の意見のように言う
・自分の意見が通らないとダダをこねる
さてこれらが当てはまる奴を探してみよう
454名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 15:59:29 ID:uh25MFTp
>>452
あーあ、やっぱり自分擁護始めちゃったwww

半端ないほど痛いね、日本語お化け(恥)はwwww
455名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:00:04 ID:2HEg52ZV
早く冬の星空とか来ないかな

スレから嫌われているトライデント氏は排除したので
いつでも投下してくださいね。

これでスレは正常な流れに戻る
456名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:10:14 ID:zlfONlIL
以前の荒らし方と全く同じ手法。この成長のなさ。
その以前の荒らしが何の成果も挙げなかったことを忘れる頭の中身の不毛さ。
呆れる。
457名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:14:31 ID:qB7mTBUd
>>456
皆スルーすりゃいいのに…
今年の1〜3月のような悪夢はごめんだぜ
458名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:44:03 ID:PhKYSLfe
>>443
GJ!!さぞ投下し難い雰囲気だったろうに・・・

申し訳ないけどなんかSaw3思い出しちゃったw
さやかの策士っぷりと涼の狂気っぷりがまた・・・コウはこの先きのこれるのか?次ぎも楽しみです。
乙!!!!
459名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:50:49 ID:QIO/g9WI
お前等、なんかどっちもわざとらしいな・・
460名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:03:07 ID:OgEKcvEw
お前らまじでもういいから、避難所でやってくれ
461名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:10:01 ID:Ty2CUY03
ああ…もういいよ
乱雑で同じような作品しかかけないトライデントは
進歩ないんだから荒らしと一緒に消えてくれるかな
死んだら荒らしも消えるからスレの為にはいいことじゃない?
ネタもつまらないから今後はブログでやってね。
462名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:16:37 ID:cGMIVEen
>>461
お前って漫画だと1番最初に死にそうなキャラだよな
463名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:19:07 ID:jb97R0ND
俺はただ、SSが読みたいだけなのに・・・・
464名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:29:36 ID:IwyJlAVM
>>449
今見たから。
465名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:31:54 ID:i4JjmIWF
>>449
別スレで貼っていいかげんつまらないって言われたから
466名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:39:48 ID:H8aYz5ZG
467名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:54:37 ID:uh25MFTp
>>461
自演したけりゃすればいいよ、在日君。
でもさ、その致命的な文章の癖はいい加減直しなって。
468名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 18:32:30 ID:yB+c1reA
スルー検定の人は、スルーできてないのはお前だろって感じだったからなw
うざかったし。
469名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 18:41:03 ID:7MoGv/U9
お前ら>>461の行の頭の文字を立て読みしてみ
470名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 18:50:04 ID:MGoKwafE
専ブラでssスレ向きの機能
この際、ここの住人の方でで専ブラ導入を検討してる人はどうぞ

2ちゃんねる専用ブラウザ「Jane Style」の特徴

・不愉快なレスを極力見ないようにできるあぼーん機能
・同一発言者のレスをポップアップするIDポップアップ機能
・発言の多い人が一目瞭然、ID着色機能
・レスの付いた発言を容易に見分けられるレス番着色機能
・次スレッドを簡単に見つけられる次スレ候補検索機能
・人大杉でIEから読めないスレッドを閲覧する機能

ダウンロードはこちら↓
ttp://janestyle.s11.xrea.com/
471名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 18:50:23 ID:/m6XFAtC
荒れた原因は荒らしというよりも、いちいち反応している奴らだね
いい加減に頭を冷やせ・・・・・

書き込むなら、キモウト化した妹がやりそうな行動(ネタ)を書き込んでくれ
そっちの方が作者としても住人にとっても助かる。

住人はキモウトネタで盛り上がって、萌えるし

作者はネタに困っているからキモウトネタを頂きだぜ

ってな感じに一石二鳥だろ?
472470:2007/11/01(木) 19:00:32 ID:MGoKwafE
あとたまに「避難所ってどこ?」って人いるからお気に入りにでも入れてくれ

■避難所
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 二人目の子
http://www2.atchs.jp/dorobouneko/
473名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:08:15 ID:cJRIPoLW
キモウトと聞いて思い浮かぶのはやっぱり高嶺佳織ちゃん!
474名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:14:08 ID:LoPKFjLM
でも気持ちはわかるな、伸びてるなと思ってスレ覗いたら
トライデント氏かよ!ぬか喜びかよ!
と今まで何度もあった、無論氏以外にも糞作品はあるが氏の場合
投下数が無駄に多いから・・・
475470:2007/11/01(木) 20:16:41 ID:MGoKwafE
>>473
ここのss以外でOKなら鬼哭街のルイリーかな
476名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:17:48 ID:/m6XFAtC
>>473
高嶺佳織って誰だよwwwwww
キモウトぶりについて語ってくれないか?
477名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:18:21 ID:bKWIcTun
俺は伸びてると思ったら無駄に職人を叩いてるレスばかりの方が失望するよ…
478名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:24:26 ID:MGoKwafE
>>476
どっかで聞いた事あったのでググってみたが・・・
これって違う意味のキモウトのような気がする・・・
479名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:25:34 ID:/m6XFAtC
ネタとして
キモウトが毎朝大好きなお兄ちゃんのために愛液入りのお弁当を差し出すぐらい
しか、ネタは思い浮かばない。で、大嫌いな姉には残飯を・・・・

黒いなw
480名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:26:14 ID:cjJprGDO
>関連検索: 高嶺佳織 キモウト
こりゃすげーや
481名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:26:44 ID:Kx7QXuE4
>>441
435じゃないし二次創作だけど、ライトノベルの部屋ドクロちゃんスレの2-275氏の長編が軽い修羅場だったはず
482名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:31:15 ID:MGoKwafE
>>480
>PC版の永遠のアセリアでは、立ち絵の容姿が人間離れしていた為、多くのプレイヤーが彼女に嫌悪の念を抱いた。
>あまりの評判の悪さを受けた為か、PS2版永遠のアセリアや聖なるかなでは整形が施されている。
完全に「キモウト」の意味が違ってるな

>>481
南さんの奴なら読んだよ。あれは面白かった・・・
最後の指輪捨てるところは終始wktkしっぱなしなぐらいに
483名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:33:07 ID:/m6XFAtC
可愛いキモウトが嫉妬するようなSSとかキボンヌ
月姫の秋葉系のw
484名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:43:32 ID:ze7YQb9y
キモウトスレ行けばいいじゃん。こういう雑談は避難所でやろうよ。
485名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:47:41 ID:H8aYz5ZG
避難所って発想がわからん。本スレでやれ
486名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:50:39 ID:cJRIPoLW
だって投下ない上に嫌な雰囲気だったんだもの!
487名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:52:16 ID:MGoKwafE
>>483
可愛らしい嫉妬も良いけど個人的には「管理人のお姉さんの余裕の無くなった嫉妬」が見てみたい
そういう嫉妬ってあったっけ?
488名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:57:44 ID:/m6XFAtC
>管理人のお姉さんの余裕の無くなった嫉妬
具体的にネタが良く分からないスマソ
489名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:02:38 ID:MGoKwafE
>>488
普段「あらあらうふふ」とか言ってて余裕たっぷりで抱擁力のある人(例としてはラブひなのむつみさんとかかな?)が、
主人公を他の女に取られそうになって必死になるところとか・・・

こういうキャラの嫉妬って滅多に無いから是非見てみたい
490名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:04:50 ID:7BMw1W6n
まだ続いてるのか。
すげぇ継戦能力だなオイ。
491名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:10:43 ID:cjJprGDO
>浅いものはツンツンしたり、みたいな可愛いラブコメチックなヤキモチから
>深いものは好きな人を独占して寵愛する為に周囲の邪魔者を抹殺する、
>みたいなハードな修羅場まで、

ここにある『浅いもの』のSSって何かあったっけ?
492名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:13:51 ID:MGoKwafE
>>491
殺傷系ではない=浅いもの、なら保管庫に結構ある気がする
493名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:17:37 ID:cJRIPoLW
>>491
つ「山本くんとお姉さん」
494名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:58:50 ID:BNAJsptG
もうすぐ500レスで、まだ容量300以上残ってるのか。
これじゃあ、今回は埋めネタ読めないな。

チクショー、後編楽しみだったのに
495名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 22:33:30 ID:Rybw6+tJ
あの埋めネタそんなにいいか?
台詞ないから読みにくくてしょうがない
496名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 22:45:57 ID:X2DbZ9FE
何事もバランスが大事だろうけど、
台詞しかないようなものよりは良い。
497名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:09:08 ID:H1GSawSX
男 男 女の幼馴染みは、今までの作品にあったけ?
498名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:12:38 ID:MGoKwafE
>>497
それ系の質問けっこう聞くけど無いと思うよ
「女が争う嫉妬」と「男が争う嫉妬」だと前者の方が圧倒的に好まれそうだしね
499名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:17:30 ID:YsxEl5DN
たしかスレでは基本扱わないことにしてたはず
500名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:25:31 ID:+of+0RsB
別に嫉妬自体に興奮するわけじゃないしな、嫉妬を通して感じられる異常なまでの愛情がいいんだ
それを男でやられても面白くともなんともない。まあ面白いと感じる人もいるとは思うが極少数だと思う
501名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:38:00 ID:/0vpvlMY
>>443が<<458以外完全スルーについてかわいそうなので一言。
君は投下をやめるべきだった。
502名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:52:44 ID:MGoKwafE
>>500
男の嫉妬の場合、確かに「キモイ」という気持ちが先に出るな
女の嫉妬だったらwktkするのに・・・なんでだろ?
503名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:56:50 ID:VwmCf4pQ
それは>>502が男だからさ。
504名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:59:10 ID:MGoKwafE
>>503
やっぱそれかw
てか同姓の嫉妬にwktkしたら人類ヤバイな
505名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:02:52 ID:mpon97In
だが、要君の嫉妬している描写を読めば・・切なくなるぜ
506名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:03:21 ID:UN1rAEqb
普通の男の嫉妬は興味ないが、男のヤンデレは結構好きだ
507名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:05:46 ID:mpon97In
>>506
それではただのキチガイ変質男になってしまうからな
508名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:34:04 ID:wNdkNzj2
男が多いのは難しいだろうな。感情移入しづらいというか、描写によっては邪魔者になるし。

しかしスレタイが一桁のころからもう40台か…
509名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:38:29 ID:xEr/+Pij
そりゃあ一桁とんでいきなり二桁にはならんでしょう
510名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 01:11:35 ID:kZZb4ppQ
お前らもう避難所でやればいいのにww
511名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 01:45:25 ID:ikXgApzm
>>506
男のヤンデレで有名なの何てあったっけ?
512名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 01:46:32 ID:5uT7lmx+
久々に来たんだけど

なんでモニターの向こうでリアルに修羅場ってんのw
513名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 02:03:30 ID:Eo4N60u2
> 男のヤンデレ

前に「氷の花束」の「あたしと人質」ってのがヤンデレスレあたりで紹介されてたな。
読んで見た感じでは、やはりヒロインあっての病みという具合のキャラだった。

ただ、一話一話がめちゃくちゃ長い上にヒロインが微妙に超人設定。
第二部以降にならないと男の病み具合が良く分からないというあたり、
手軽に楽しみたいという人にとっては面白くないと思う。
514名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 02:18:07 ID:p0737VPs
>>504
>てか同姓の嫉妬にwktkしたら人類ヤバイな
男女の嫉妬が飛び交う街・・・あれ?これって普通のことじゃね?
515名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 02:47:19 ID:V3u57jCw
男の嫉妬=NTRっぽいから苦手なんだよなぁ…
516名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:01:29 ID:I7lfHzYV
140も新着レスがあってwktkして開いたら
不毛な言い争いかよ。
志を同じくして集まったやつらなんだから
もっと仲良くしようよ。リアルな嫉妬とか修羅場は
見たくない。
517名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:11:03 ID:p0737VPs
>>515
問題はそこだな
個人的にショタなら範囲内だ。むしろバッチコーイって感じw
518名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:57:50 ID:+jdiwEu6
>>517
結局のところ萌えれれば何でもいいんだよな
ただ男に萌えるのは例外(準にゃんなど)を除いて普通ない
だから男の嫉妬は好きじゃないし、萌えない参事の嫉妬も好きじゃない
519名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 13:38:23 ID:UfCD2dll
ドロドロしてるのが好きなだけの俺はこのスレじゃ異端なんだろうな
520名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 13:50:55 ID:p0737VPs
>>519
どうみても圧倒的に多数です、本当に(ry
521名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 15:24:00 ID:dKXdzsK3
俺は甘い嫉妬がスキなんだけどな
兄が女友達を家に連れて帰った時の妹の顔とかさw
本当に大好物だけど、少数派だよな
522名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 15:26:40 ID:vZEHMfKc
>>518
だな
男の嫉妬は醜いものだからな
男のヤンデレも復讐やバトル方面の方でしか受けんしな
523名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 16:43:04 ID:SdabxkLI
いやだから雑談スレじゃないから、おまえらの趣向なんて知りたくもない。
524名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 17:27:14 ID:MPOMjDE1
男の嫉妬は需要自体が殆どないからねぇ…。
525名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 17:31:35 ID:VE9jEIuC
えっ
526名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 17:36:51 ID:NpIiXt3N
とりあえずさ、書き手の人が投下しにくい雰囲気にするのはやめないか
527名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 17:37:32 ID:VsL7kR0L
ひどいなここ
528名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:07:40 ID:p0737VPs
>>522
バトル物で王女とかを賭けて戦うとかならまだありえそうだな
その展開だとすっきりな嫉妬になりそうだし
529名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:19:42 ID:UfCD2dll
あの世で俺にわび続けろ(ry みたいなのもあるけどね
530名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:26:54 ID:taZ91K5W
俺別に男の嫉妬でも全然アリだな
そのままバッドエンド直行したら読んだ後鬱になりそうだけど
531名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:28:06 ID:tG9V3g18
外見も性格も女そのものだが実際は男というキャラがヒロイン。主人公のことを女として愛しているが、
所詮自分は男ということでその想いを打ち明けられず、主人公の周囲の普通の女の子たちに嫉妬するという話ならどうだ。
532名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:35:48 ID:p0737VPs
>>531
外見がこういう子なら許せる
ttp://vipwin.ddo.jp/uploader_pic/src/win_pic0034.jpg
533名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:41:23 ID:ANQuoAQ+
冗談っぽく好きだよーみたいな事をいいつつ嫉妬してるとかもそうだよな
534名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:41:57 ID:jmJ43aX5
野郎の嫉妬が見たけりゃ自分達でスレ立ててそっちでやってくださいね
535名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:45:05 ID:3eKp7vfw
>>532
これはけしからんな。
ショタの嫉妬なら許せるかもしれない、と思ってしまった。
536名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 18:49:54 ID:p0737VPs
>>533
あ、そういうギャップ萌えは確かにある
普段おしとやかな人があせったりしてアタフタしたら最高
537名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:10:34 ID:A22AT4zp
>>534
なに言ってんだコイツ。修羅場とか嫉妬あれば性別はどうでもいいじゃね
肌に合わなきゃスルーで。

というか過去にも女装ショタとか男の嫉妬はあっただろ

新参か
538名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:13:53 ID:ikXgApzm
>>533
そういうのは大好物です
でもあんまり見かけない…
539名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:16:00 ID:OP5t9Wp/
お前らグダグダ言ってる暇があればエディタを起動して書け
おれのように
540名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:16:52 ID:p0737VPs
>>539
+   +
  ∧_∧  +
 (0゜・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゜∪ ∪ +        
 と__)__) +
541名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:21:33 ID:jmJ43aX5
542名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:22:50 ID:iSmJxoZc
801スレに帰れよ
543名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:23:01 ID:CaqAkmIX
俺も書きたいけど、導入とか難しすぎて挫折している…
544名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:45:56 ID:TpmrZjG7
あのさ、そういうの前もなかった? 乱立になるからやめようぜ。
見たくない香具師は読まなきゃいいし、書く人は警告をすればいい。
一応嫉妬・三角関係・修羅場系「総合」SSスレとなってるし俺は別にいいと思うぞ

まあ読まないけどな
545名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:49:29 ID:MiELRWIM
前の時は男嫉妬スレが実際に立ったんだよな。んで、速攻沈んだ。
546名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:58:59 ID:zxbMDZg0
ってことはやっぱり野郎の嫉妬なんか少なくともこの板では需要ないわけだよ。
547名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 20:04:21 ID:zxbMDZg0
ageちまった・・・すまん。
548名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 20:06:30 ID:p0737VPs
>>545
まあ「男の嫉妬」と「限りなく女の子に近い男の子の嫉妬」は違うってことだな

>>546
そういうこと
549名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 20:07:19 ID:+JJpm4i9
「夢と魔法の王国」の時の話だろうか?

あまり表現があからさまじゃないのであれば、たまにはこういうのもいいかな個人的には思ったけど。
当時も賛否両論だったような気がする。
550名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 20:14:56 ID:zCyUQh2G
星空みたいに女の嫉妬とか他キャラの嫉妬も混ぜればいいんでないの。それで成功してるしさ。
551名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 21:07:07 ID:Eo4N60u2
男の嫉妬・黒化がメインにくるとちょっと病的な印象になるよな。
552名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 21:19:54 ID:3cUJA5qE
てか、人が戻って来てもいいことないな
逆に作家がいなくなるという現象が起きるから
553きょうだい:2007/11/02(金) 22:07:37 ID:l5QF7l9W
「ちょっと悠太!どういうことなのよこれは!」
畜生、迂闊だった。携帯には気をつけろとあれほど自分に言い聞かせていたのに、風呂に入ってる隙に見られるなんて、自分のアホさ加減にうんざりする。
いくらなんでも大丈夫だろうと油断して、実名で登録したのはさすがにまずかった。
「ねえ!直美っていったい誰の名前よ! アンタこの間約束したわよね? 他の女のアドレスなんか絶対に登録しないって!」
手前が無理矢理約束させたんだろうが、という言葉は飲み込んだ。
反論すればろくなことにならないのは今までの経験で嫌というほどわからさせている。
この人には従順な態度で接することこそが一番安全なやりかたなんだ。
「ほ、ほら、僕も今年から副部長になったでしょ? だから部長の直美先輩と連絡とれるようにしておかなきゃ駄目なわけで……」
もちろん嘘だ。部活関係の連絡ごとなんぞ学校でいくらでも出来る。姉さんに知られる危険を冒してまで携帯電話に登録する必要なんてこれっぽっちもない。
本当の理由は僕と先輩が先輩後輩の関係ではなく、男女の関係にあるということだ。
こればかりは姉さんに知られるわけにはいかない。僕と直美先輩の身に何が起こるか、考えただけで寒気がする。
「だったら、今すぐ消しなさいよ」
「でも……」
「消しなさいったら!」
「わ、わかったよ。消すよ」
突きつけられた携帯電話を手にとって、アドレスの消去作業を始める。端末をいじっている間、姉さんは身を乗り出して僕の手元をにらみつけていた。
俯き、前髪で隠された目玉はぎらぎらと鈍く輝いている。いい年してツインテールにしている髪が、ゆらゆらと波打ってるようにも錯覚した。
「これでいいんでしょ。アドレスに、メールの履歴もみんな消したよ。姉さんの言うとおりにね」
精一杯の皮肉を込めて、目の前にいる年増に報告する。二十四にもなってこんな様子ではいつまでも結婚できないだろう。
ふと、初めから結婚するつもりなんて無いんじゃないか、と考えたら憂鬱になった。
普段の言動から省みるに、この人は結婚する気なんてこれっぽっちもない。偏愛する弟の子を孕もうと企んでいやがるのだ。
554きょうだい:2007/11/02(金) 22:10:07 ID:l5QF7l9W
「……ちゃんと、消したみたいね」
「だったらもういいでしょ。じゃ、携帯返して」
こんな茶番はさっさと済ませてしまいたい。後で暗記していた直美さんの番号を登録しなおして、電話で慰めてもらおう。
しかし、姉さんは僕の言葉を無視して、携帯電話を握りしめたままでいる。
いつものヒステリーはまだ治まっていないのか、まるでそれが親の仇であるかのように携帯電話をにらみつけたまま、ぷるぷると震え続けていた。
「姉さん、返してよ」
携帯を奪い取ろうと手をかける。ぐい、と引っ張ったが、姉の手も一緒に引っ付いてきた。今度は何なんだよ、と思って舌打ちが漏れる。
「姉さん!」
何度も何度も引っ張るが、姉さんは駄々をこねる子供のように一向に携帯電話を離そうとしない。
しばらく不毛な綱引きが続いたが、突然姉さんが俯いていた顔を上げて、力ずくで僕の手から携帯電話をもぎ取った。
姉さんはぶつぶつと呟きながら携帯電話を何度か撫でると、二つ折りの端末を開いて、そのまま一気にへし折る。
ぱき、と乾いた音を発して、プーさんのストラップをつけた哀れなそれは一瞬にしてスクラップに変わった。
「ちょ、姉さん! なんで壊すんだよ!」
「……さい」
姉さんの突然の凶行で、先輩に買ってもらったストラップがはじけ飛んでしまった。床に這い蹲り、必死になって探す。
「ああ! これじゃもう使えないじゃないか! こないだ機種変したばっかりなのにどうしてくれ……」
「うるさいうるさいうるさいっ!」
さっきまで携帯電話だったものを手にして目の前のきちがいに不平を述べた瞬間、きんきんと耳障りな叫び声が部屋に響いた。
「アンタがいけないんだからね! アンタがアンタがアンタが! そんなものを大事そうにするからいけないのよ!」
「はぁ?」
わけがわからない。姉さんの言い分が支離滅裂なことは今に始まったことではないが、今回は本当にわけがわからない。
まだ今日の僕は何も粗相をしていないはずだ。なのにどうして怒り狂う。まさかとは思うが、携帯電話なんかに嫉妬したとでもいうのか。
555きょうだい:2007/11/02(金) 22:11:46 ID:l5QF7l9W
「ねえどうして! どうして悠太はアタシだけを見てくれないの! こんなに愛しているのに、こんなに大事に想っているのに! 他のものばかりみてアタシを見てくれない! 悠太!」
きめぇ。あろうことか姉さんがいつものアレを始めやがった。
アタシを愛しなさい、こんなに尽くしてるのにどうして、絶対に他の女なんか見るな、えっちなら私とすればいいじゃない、と身の毛もよだつような戯言を延々と繰り返している。
いわゆる悲劇のヒロイン願望というやつだ。
こうなるとこの糞姉はもう手遅れで、これ見よがしに「アタシは世界で一番不幸なの」なんて自己陶酔に浸りきった不愉快な顔つきをして、一人シェイクスピアごっこに耽るのだ。
こいつはどこまで鬱陶しくなれば気が済む。人の物を壊しておきながら、しつこいほどの自己主張を繰り返す目の前の人間に、張り詰めていた堪忍袋の尾がとうとう千切れた。
「いい加減にしろよ。クソ兄貴」
僕は言ってはいけない単語を言った。





556名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:12:51 ID:l5QF7l9W
反省はしない
557名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:14:19 ID:5Aq3Br6h
いや、悪くない
558名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:15:14 ID:zCyUQh2G
やばい。普通に面白かった。
ちょっと改行がアレだけど、続きが気になる
559名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:19:40 ID:zxbMDZg0
確かに気になる。が、続きがあるのかw?
560名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:25:32 ID:GnTDFZAD
オチがw
いや、短編として普通におもしろかったけどさ
561名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:43:29 ID:p0737VPs
>>556
最後で噴いたw
てか続きが普通にきになるぞ、これ
562名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:45:34 ID:3mB8MvGO
普通に面白かったっすwwww
GJ
563名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:47:43 ID:11W5zS7C
>>556
続き……。
見たいような、なんか怖いような……。
でも面白かった!
564名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 23:59:30 ID:iiQY+3ZF
>>556
バロスwwwwww
565 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:15:29 ID:C61YJsAh
投下します。
566冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:16:08 ID:C61YJsAh
「どうぞ。適当に座って」
「……うん」
秋穂に促され、綺麗なフローリングで構成された床に足を踏み入れる
「…綺麗な部屋だね」
なんとなく部屋の中を見回してみた感想は、これだった。
整理整頓された本棚と勉強机、埃ひとつ落ちていない床と白いカーペット。
その上にポツンと置かれた小さなテーブルの上には、ノートパソコンがひとつ置かれている。
さらにその横には、この部屋の中でもひときわ目立つ、
皺ひとつ見つからないやたらと綺麗で高価そうなベッドが設置されていた。
「そうでもないよ。じゃ、何か飲むもの持って来るわね。これから長くなりそうだし……ふふ」
口元を歪め、嫌な笑みを浮かべながら部屋のドアを閉める秋穂。
「あ、別に僕は……」
僕の返事も待たずに、秋穂はそのまま台所があるであろう方向へ向かって歩き出してしまった。
「………はぁ」
静まり返った8畳ほどの広さの部屋に、一人、取り残される僕。
どこかに座れと言われても、ここまで綺麗だと逆にどこにも座れない。
居心地の悪さを感じながら、カーペットの上に座る。
「ほんと、綺麗な部屋だな」
先ほどとは違い、今度はじっくりと、部屋の中を見回してみる。
…そうか、これは綺麗なんじゃない。何もないんだ。
普通の高校生が持っているようなものが、この部屋にはない。
ポスターも、テレビも、ファッション雑誌も、CDコンポのようなものも、なにも…
あるのは勉強机と、小さなテーブルと、パソコンと本棚。クローゼットも、あるにはあるけれど。
だけどまるで着飾ってない。この部屋は、高校生が住んでるって感じの部屋じゃない。
……美希の部屋は、もっと色々なものが置かれていた。
それこそつまらないインテリアだけど、ぬいぐるみとか、写真立てとか。
少なくとも美希が生活してるって感じはした。あの部屋は、美希の匂いで満たされていた。
でもここは違う。なにも感じない。秋穂の匂いも、なにも……。
567冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:16:45 ID:C61YJsAh
「……美希」
――あの後、どうにか授業には全部参加することはできた。けど、それだけだった。
休み時間も放課後も、徹底的に村田さん達に阻まれて高田にも美希にも話しかけることができなかった。
二人とも自分から僕に話しかけてはこないし、どうしようもない。
結局、学校にいる間、僕らはまるで接触せずに一日を終えてしまった。
……でもこれでよかったのかもしれない。あれ以上何を話せばよかったんだろう。
なんて言えばよかったんだろう。どう言えば、高田を納得させられたんだろう。
あの時頭に浮かんだ数多くの言葉のどれを言っても、結局言い訳にしかならなかったような気がする。
事実、僕はこうして秋穂の家に来てる。言われるがまま、何も考えずにここに来てる。

…さっきから鞄の中の携帯が振動し続けてることに、気づいてるのに。




「なんにもない部屋でしょ?」
「うわっ!!!」
背中越しに突然かけられた声に、身体を竦ませる。
驚いて振り返ると、いつの間にか背後に秋穂が立っていた。
「ふふっ…そんなに驚かなくてもいいのに」
両手でおぼんを持ったまま、クスクス笑う秋穂。
おぼんの上には2つのティーカップと小さな菓子袋が乗せられていた。
「紅茶でもいい?あとこれ、よかったら食べて」
秋穂がテーブルの上にティーカップと、菓子袋を並べる。
その動作がなんだか手馴れていて、少し違和感を覚えた。
「あ、ありがとう。えっと…秋穂ってこういうことなれてるの?」
「ん〜まあね。父さんがよく家に人を呼ぶのよ。その時にね」
自分の分のカップと菓子袋を並べながら、僕の向かい側に静かに秋穂が座る。
小さな丸いテーブルを挟んで、僕達は真っ直ぐ向かい合う形になった。
568冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:18:11 ID:C61YJsAh
「私の父さんね、小さな会社のだけど、一応社長なのよ。その関係でかな」
「ふ〜ん…だからか」
なるほど。たしかにこのマンション、結構いいところだ。
場所も駅に近い。それにこの部屋並みの大きさの部屋がいくつもあるみたいだ。
外に高級そうな自動車も止まってたし、秋穂って実は結構お嬢様なのかもしれない。
「さてと……じゃ、なにから話そうか」
「……………………」
秋穂がそう言ったとたん、部屋の空気が一変した。
少し和やかになっていたはずの空間が、重く暗いものへ変わっていく。
そうだ。僕はそのためにここに来た。
聞かなきゃ。全部。
たとえどんな結果になっても、聞かなきゃ…
「うん……話してくれ。すべてを」
「………すべて、ね。じゃあまずは私と美希の事教えてあげる」
そう言うと秋穂は、どこか遠くを見ながら懐かしそうに語り始めた。
それほど遠くもない、けど近くもない。昔の思い出を。
「私と美希が初めて会ったのはいつだったかな。確か、中学2年のとき」
中学2年…そんな頃からか。
「私はまだここに越してきてなくてね。美希と同じ学区内に住んでいたの。…要君と同じ学区に、ね」
そうだ。美希も引っ越す前まで、僕と同じ駅を使って、同じ道を歩いていたんだ。
僕達はそんなころから一緒だったんだ。そして一旦バラバラになって、また再び、この学校で出会った。
「私達は同じ塾に通ってて、同じ進学クラスに入ってたの。成績も似たようなものだった」
「でも、美希はあんまり目立たない子で……あの時の私とは正反対だったの」
秋穂は両手でカップを包み込むように持ち、ただじっと、揺れる紅茶の水面を見つめている。
「だけど美希の周りにはクラスの中心になるような、そんな人間ばかりだった」
「私には、美希がそんな子達に必死で無理やりついていってるような、そんな風に見えたの」
無理やり…?僕にはそんな風に見えなかったけど。
「だからかな。だんだん美希が気になってきて、私から話しかけたの。美希に」
「もちろん最初は美希も戸惑ってたし、すごい警戒されてたのよ?
でも何でかしらないけど、あきらめる気になれなかった。だから何度もしつこく美希に絡んだの」
苦笑しながら、秋穂が小さく吹き出した。
…なんだか、懐かしい旧友の話でもしてるみたいだ。敵意とか悪意が全然感じられない。
「そしたらね、いつの間にか私達、ずっと一緒にいるようになってたの」
「勉強してるときも、遊びに行くときも、どんなときも」
「二人でいろんなことを話したわ。未来のこと、学校のこと、友達のこと…そして」
一呼吸置くように、秋穂は紅茶に口をつける。
そのまま小さく笑みを浮かべると、真っ直ぐ僕を見つめながら、ゆっくり口を開いた。


「好きな人の、こと」
569冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:18:53 ID:C61YJsAh
「好きな…人」
「そう。わかるでしょ?あなたの事よ。山下要君」
…僕?
「やっぱり、わかんなかったか。結構アプローチはしてるつもりだったんだけどな」
困ったように眉をひそめ、自虐的な笑みを浮かべる秋穂。
秋穂が僕を!?い、いや待て。そういう意味じゃないかもしれない。
「前にも言ったけど、ストーカー、っていうか要君のあとつけてたのだって、ただ美希との関係が気になってたからじゃないよ。
だったら要君が一人でいるときにまであとつける必要なんて全然ないじゃない…」
……そういう意味だった。なんてこった。
MOMOちゃんの話。あの時の秋穂の少し赤かった顔。全部、本当の事だったんだ。
そう理解した途端、僕の顔も熱く、赤くなっていっているのが分かった。
「えっと…」
「ふふっ……それ、飲んだら?それなりにおいしいとおもうよ」
小さく笑う秋穂の目線が、僕の前に置かれているカップに移る。
カップの中の紅茶からは、とてもいい香りがしている。
そういえば、全然手をつけてなかった。
「あ、う、うん。いただきます…」
少し震える手で、白いカップの取っ手をもつ。
そのままゆっくりと、紅茶に口をつける。
甘い。でもベタベタした甘さじゃない。すっきりとした、シンプルな甘さだ。
「……ふう」
「落ち着いた?」
そんな僕の様子を、薄く微笑みながら見守る秋穂。
…なんだかまた顔が赤くなってきたような気がする。
「え、えっと、でも、どうして?なんで?」
「……同じだったから。私と要君」
…同じ?僕と秋穂が同じ?
「私達って周りの人間をすごく気にするタイプでしょ?周りの目が怖くて、評価ばかり気にして…」
「……………」
「私はずっとそうだった。父さんの娘として恥ずかしくないように、明るい目立つ子でいようって。
興味ないことにも無理やり興味を持って、分不相応なことにも何度も挑戦して。…そうやって偽りの自分を作り上げていったの」
570冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:20:07 ID:C61YJsAh
偽りの自分…か。
生徒会の委員だった秋穂も、あの明るくて前向きな秋穂も、全部作り上げられたものだったのか。
「無理やり笑顔を作って、無理やり周りに合わせて。心の中では全然別のこと考えてたりした」
「………………」
「でも、要君は違ったよね?」
秋穂が再び、まっすぐ透き通った瞳で僕を見つめる。
「私と同じなのに、自分を偽ったりしなかった。自分にできること、ただそれだけをいつも一生懸命やってた」
「………………」
「真面目でまっすぐで…目立たないけどいつもすごいなぁって思ってたよ」
「………………」
…違う。そんなんじゃない。僕はただ怖かっただけだ。
自分で変わるのが怖くて、周りになんとなく合わせてた。それだけだ。
秋穂の方がずっとすごい。
「だから許せなかった。そんな要君が周りの評価なんか気にせずに美希のこと守ったのに、美希は…」
僕をまっすぐ見つめていた秋穂の視線が、下に向く。
感情を抑えるかのように、肩を震わせている。
重い沈黙の時間が流れていく。
やがてゆっくりと、再び秋穂の口が開く。
「……美希はね、要君のこと好きだったのよ。そのころからずっと」
……え?
「だから私も要君に興味を持って、要君に話しかけたの」
「……………………」
「それで要君のこと好きになっちゃったんだから、おかしいよね」
…そんな。そんな前から?
「けど私にはその時付き合ってる人がいたの。だから要君を好きだって、誰にも言えなかった。もちろん、美希にもね」
「……………………」
「もう分かってるでしょ?良治よ。小林良治先輩。私達、付き合ってたの」
ああ、そうか……そういうことか。
「だけど良治もね、私と一緒にいる美希を見て、だんだん美希に惹かれていってたの」
「……………………」
「ある日言われたわ、他に好きな人ができたって。だから私も正直に話したの。好きな人がいるって」
「そしてそのことを、美希にも……話したの」
571冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:21:14 ID:C61YJsAh
「……美希は、なんて言ったの?」
「…何も言わなかった。ただ私の事は気にしないでって。その代わり、ずっと友達でいようって言ってくれた」
「……………………」
だけど今は友達じゃない。美希も秋穂も全然別の世界の人間として生きてる。
同じクラスなのに眼も合わせない。…とても友達といえる関係じゃない。
「私は喜んで要君ともっと仲良くなろうって思った。美希も良治と付き合うようになって、
これから全部うまく行く。そう思ってたの。でも…」
「…でもそうじゃなかったんだね」
僕の言葉に、秋穂が静かにうなずく。
「その頃から美希は変わり始めたの。要君や周りの人間から見れば分かりずらい変化だったかもしれない。
だけど、私にははっきり理解できた。…私を避け始めたのよ」
「美希はだんだん私と会う回数を減らしていって、変わりに村田や戸田みたいな連中に近づくようになった」
「勉強も運動も今まで以上に頑張るようになって、性格までまるで別人のようになっていった」
「そしていつの間にか、この学校でも一番有名になるような、そんな人間になっていったの」
そこまで言い終わると、秋穂はカップに口をつけ、一息ついた。
僕もそれを見て、なんとなく目の前のカップに口をつける。
大きく息を吐いた後、再び秋穂は語り始める。
「そしてあの子は2年のとき、図書委員になった。要君に近づき始めた」
「きっと要君が自分に惹かれてきてることに気づいてたのね。だからわざわざ図書委員になんてなって…」
…あの委員選びも、僕を狙ってたってことか?僕が好きだから…?
「私もね、やっぱり要君のこと美希があきらめられなかったんだって、そう思ったわ。
だから文句なんて言えなかったし、良治と別れるって言ったときも納得した。…でもそうじゃなかったのよ」
僕を見つめていた秋穂の眼が、少しずつ潤んでいく。
「美希はね、ただ私から奪いたかっただけなのよ。良治も、要君も。なにもかも」
「……………………」
「美希はいつも言ってた。秋穂みたいになりたいって。秋穂が羨ましいって。
だから私のファッションや髪型を真似たり、性格も真似たりして、一気にクラスの中心になった」
「それからそんな自分にふさわしい友達を「作って」そんな自分にふさわしい「恋人」まで作ったのよ」
…ふさわしい友達、ふさわしい恋人。
あの美希も、作られたもの……
「でも、そんな「恋人」も邪魔になってきたのね。あの子にとってはただ利用しただけの存在だから。
だからそんな存在が自己主張しはじめたのが、うざったかったのよ」
572冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:21:53 ID:C61YJsAh
淡々と語り続けていた秋穂の声が、少し震え始めた。
「だからあの子はいらなくなった「友達」を使って、良治を落としいれようと思ったの。
…もう分かったでしょ?あの噂を流してたのは私よ。美希に頼まれて、本間君と一緒に学校中に流したの」
「……なんだって!武が!?」
どういうことだ?秋穂と武が繋がってたんじゃないのか?
「本間君がなんで美希に協力してたのかは知らないわ。でも、私は美希が好きだったから。
友達だってずっと思ってから、だから協力したの。良治を捨ててでも、美希の友達でいたかった…」
そんな……なんてこった。そんな事が……
「でも、でもあの子は……」
語り続けていた秋穂の声に嗚咽が混じり始める。
今度ははっきりと分かる。泣いてる。
けれど秋穂は頬を伝う涙をぬぐいもせずに、言葉を紡ぎ続ける。
「あの子はもう私なんていらなかったのよ!あの時、良治に向かって言った言葉は私にも向けられてたの!」
「それだけじゃない。かつて好きだった男の子まで利用して、自分の立場を守った。
しかもそれを使って、さらに自分の地位を上げたのよ!」
そんな……
「美希にとってはもう要君なんてどうでもよかったのよ。私も、良治もね。
ただ自分が学校の中心に立つ、そのための道具としてしか見てなかったの……」
そんなバカな……
「今要君と付き合ってるのだって、ただ私から要君を奪ったのが面白かっただけよ」
ウソだ…そんなのウソだ……
「もうすぐ要君のことも捨てるわ。分かるでしょう?次は高田君よ」
そんなの……そんなの………
「本当に自分にふさわしい男は高田君だって、そう思ってるんじゃないの?
じゃなきゃいくら「約束」があっても、あんな告白、普通きっぱり断るでしょ?」
約束…そうだ。約束だ!
秋穂の言葉を遮るように、意を決して叫ぶ。
「違う!美希はあんな約束やぶってもいいって、そう言ってた!」
そんな僕の叫びにも、秋穂はまるで表情を変えない。
「…………それは、たぶん要君を動揺させるための作戦でしょ。
美希はそういう子よ。私が一番よく知ってる。事実、あの子がその「約束」破ったこと、ある?」
「そ、それは……」
「もういらなくなったのよ。丁度私が出てきたし、ゴチャゴチャになって自分に危険がせまるのがいやだったんでしょ。
だったらこんな嫌われ者の男のことなんてさっさと忘れて、私との関係もなくしたい、そう思ってたんじゃない?」
573冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:23:03 ID:C61YJsAh
「そんな……」
……そんな、そんなバカな!
テーブルに肘をつき、両手で頭を抱える。
目の前では、飲みかけの紅茶が小さく湯気を放ちながら揺らめいている。
「…私はね、村田達にいじめられてたの。多分美希の差し金でしょうね。だから髪型も性格も変えた。
いつのまにか私は目立たないように、地味に生活していくしかなくなっていたの」
涙をぬぐいながら、ゆっくりとカーペットから立ち上がる秋穂。
そのまま向かいにいる僕の横に、寄り添うように座る。
「…ねえ、要君。私達同じなんだ。同じ捨てられた人間。美希を信じて、捨てられた」
僕の肩に、秋穂の手がのびてきた。
両手で輪を作るように、僕の体を抱きしめる。
「もういいじゃない。だったら私達も捨てようよ。美希を捨てて、二人で生きよう?」
涙に濡れた秋穂の顔が、輝いて見える。
「……秋穂」
頭を支えていた両の手が、ほどけていく。
迫ってくる秋穂の整った顔立ちに見とれながら、ゆっくり瞼を閉じる。
やがてどこかで嗅いだ懐かしい匂いとともに、唇に柔らかい感触が伝わってきた。
……甘い。なんて甘い唇なんだろう。これが秋穂の唇か。
テーブルに置かれていた両手を秋穂の背中に回し、そのまま抱き寄せる。
抱きしめた秋穂の体は、とても柔らかくて、少し力を入れたら壊れてしまうような、そんな感じがした。





―――なんだったんだろう。僕のこの3年間は。
なんだったんだろう。あの時、先輩の所へ向かった僕は。
なんだったんだろう。あの美希の笑顔は。

両親に見捨てられ、クラスメイト達に見捨てられ、それでも側にいてくれた高田にも見捨てられた。
その上、一番大事だった美希にも……

もういいや。みんないなくなるんだ。父さんも母さんも、姉さんも。
だったら今くらい、僕がなにしたっていいはずだ。美希だってしたんだし。

もう、いいや。疲れたよ。なにもかも…………
574冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:24:19 ID:C61YJsAh
―――ああ、ようやくこの時がきた。長かった。ほんとに。
いやこれが本来あるべき姿だったんだ。あの夜の教室には私と要君がいるはずだった。
夜だけじゃない。昼もずっと一緒にいるはずだった。
それをできなくしたのは美希。美希が要君をここまで追い詰めた。

「はぁ、はぁ、あき、ほ。痛く、ない?」
「……うん。ありがとう。だいじょぶだから、もっと動いていいよ」
…ほんとはまだちょっと痛いけど、この痛みもなんだか心地いい。
「秋穂、秋穂!」
「……っ!」
要君の動きが少し激しくなる。気持ちいいのかな?私の身体。
…あ、私もちょっと気持ちいい、かも。
「ああ…はぁ、はぁ、くぅ!」
でも、これも美希に仕込まれたんだよね…ムカつくなぁ。
「はぁ…ねえ、要君。私の、身体、気持ち、いい?」
「うん。すごく、気持ちいいよ…」
「…………美希より?」
「……………………」
「今頃、美希も高田君とシてたりして?」
「くっ…!!」
「あっ……!!」
私の身体を強く抱きしめ、より激しい動きへ切り替える要君。
…ふふっ。いいなぁこれ。


これで終わりだ。要君を手に入れて、美希のメッキを少しはがすことができた。
もう満足だ。あとはゆっくり、二人で未来を作っていこう。
……待てよ、そういえばひっかかってることがあった。
要君と美希の約束…美希はやぶってもいいって思ってたらしい。
でもそうなったら、美希は全部失うことになる。学校での地位も、友達も。
高田君の話によるとデート中も要君のこと考えてたみたいだし。
もしかして美希は、私が考えてるよりもずっと要君の事を…………
…い、いやだったら余計いいじゃない。
美希の大事なものを壊せたってことだ。
そうだ。これでいい。これでいいに決まってる。

……これで、いいはず、だ。
575 ◆SVNDcoHudE :2007/11/03(土) 00:25:21 ID:C61YJsAh
終わりです。
>>556
面白かったです!こういうのすごく好きです。
576名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 00:48:50 ID:c0u7+4Ea
>>575
GJ。今まで最強だった秋穂に芽生えた疑念か。いいな!
要がもうどうとでも操れる軽い存在になっちゃってる気がするがwwまぁ嫉妬スレでは珍しくもないことかな。
577名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:06:32 ID:kf0X6D5x
>>575
貴方に惜しみないGJを。

……にしても。要、マジ可哀相だなぁ(・ω・`)
普通にいい奴なのに。
578名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:07:03 ID:LszkLIHH
>>575
事情を知るだけで人間の考えなんて180度変わるか、う〜む・・・
これで秋穂の言ってる事が本当なら秋穂を応援したくなるな
コンスタントな投下頑張って下さい
579名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:07:50 ID:rwOHDcdA
>>575

超GJっす

遂に明かされた、秋穂と美希、武達の関係と過去

秋穂の話が本当ならば、美希は相当な悪女だが・・・・
何か引っかかるなぁ・・秋穂視点の過去話だから全てが真実だとは限らない

益々、眼が離せなくなりました

580名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:20:57 ID:U1gFsu5Q
>>575
GJ!
秋穂可愛いよ秋穂!!美希の嫉妬にwktkが止まらない。
でも最後辺りのの秋穂に迷いが生じてるような・・・
秋穂はこのまま突っ切れるのか!?
続きを楽しみにしております。
581名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:21:38 ID:50nd/UVc
武が客観的な真相を話してくれそうだな。
582名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:39:25 ID:U1gFsu5Q
今気付いたんだけど、美希と秋穂を喰った良治先輩ってかなり凄いんじゃ・・・
583名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:57:01 ID:XGnKAzE+
>>582
読んだ感じだと秋穂は先輩とヤってないんじゃ?

美希に何らかの思惑があったとしてもこれらの行動は正当化できないな。
今回で自分は完全に秋穂側につきます。
584名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:00:58 ID:aDQcJOGV
美希って初めて要とやったとき処女だったの?
そうならいろいろ矛盾点に要が気づきそうだし
すでに先輩の言うとおり非だったのなら昔から好きだったフラグがm9(^Д^)だし…
585名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:11:27 ID:2MHOaxTN
良治先輩と美希が付き合った経緯とか全くわからんのだが
マジで要をスキなのに、先輩と付き合っていたと解釈すると
なんだかなー

次回から反逆の要がクラスメイトを復讐しそうだな
ギアスやデスノートを使っても、目を潰れるぜ
586名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:12:21 ID:2MHOaxTN
後、武が美希と繋がっている理由とかさっぱりわからん
587名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:12:38 ID:l3Ur5zs/
今更約束破ってもどうにもならない状況になってるし
こりゃ美希は完全に詰んだな

これだけの状況を作り上げた秋穂凄過ぎw
588名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:20:35 ID:v/M8lWcq
>>575
またまた続きが気になる展開ですね。
本格的な修羅場がいよいよ始まるのか!?

誰も言わないので俺が言わせて貰おう。
村田ウザすぎ
奴は多分「キモい」とかいって一方的に他者を見下して悦に浸るタイプだろ。
こういう輩は消えてもらいたいものだ。

>>582
美希はともかく、秋穂さんは喰われてはないだろ。
589名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:28:09 ID:mJl7BH3o
これが本当なら秋穂派になりそうだ
なんにせよこれからの展開が楽しみだな
590名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:29:56 ID:sdbbRI1m
>>575
GJ!
美希と秋穂が会う時が楽しみだな。
591名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:48:50 ID:JNONpsk1
結局秋穂の何がすごいかというと劇中の登場人物を全て手玉に取ったというより
スレで読んでる俺らに
美希→ビッチ
要→もう秋穂とくっついて欲しい
っていう風に思わせてしまったことだな
592名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 03:44:17 ID:mIPRvjWz
ところでどんな経緯で秋穂と良治は付き合ってたんだ?
593名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 03:50:29 ID:LszkLIHH
>>592
まだ明らかにされてない
594名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 04:04:53 ID:FvldIzVa
なんかなあ・・・・俺は秋穂信じないぞ。
要、お前何の確証もない話をそこまで信じて秋穂として良かったのか?
美希のことも信じられないけど秋穂もすげー怪しい
マジでこいつらと縁切ったほうがいいと思うんだ。

要も今回ばっかりはアホ。何流されてHまでしてるんだよ
そんなことしてる場合じゃないだろ。すぐにその言葉の真偽を美希に確かめろよ
595名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 04:25:30 ID:XGnKAzE+
>>594
実際問題、美希に問いただしたとしてもどっちにしろ否定するだろ。
美希の行動、秋穂の説明、高田の証言これを総合して
要の立場で考えると秋穂が正しく感じるだろうし説得力あると思う。
浮気された→二股された→捨てられる→なら秋穂に乗り換える
こう考えても要がアホとは思えないな。
596名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 04:31:53 ID:FvldIzVa
別に美希派じゃないけどそれは違うだろ
美希も前回ラストで「今日連絡する」と言ってたし、美希に絶望するのは
今回の情報を美希に問いただして相談してからでも遅くなかったと思う
なんにせよ美希とゆっくり話し合う前に秋穂とやるのは浮気以外のなんでもない
要好きだったがちょっと見損なった。これで高田に言い返すことも出来ないじゃないか
597名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 04:32:09 ID:GQpDIvqP
実際、傷ついてる中優しくされたらホイホイ付いていっちまうよな。
598名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 04:52:00 ID:XGnKAzE+
>>596
実際美希が何か理由があるかもしれないと思えるのは読者だけだろ。
何にせよ、これだけ状況証拠揃っててわざわざ確かめて傷つこうとするのは
マゾだよ。
裏切ってる奴と自分を助けようとしてるように見える奴、この状況で
そんな冷静に確認してからなんて人はなかなかいないでしょ。
599名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 05:13:37 ID:FvldIzVa
今まで要が散々フラフラしてる人間だったら俺もそう思ってたよ
でもずっとこれまで美希一筋で来てただけにやっぱ違和感を感じざるを得ない
要はそんな誘いに負けずに頭を冷やして考えられる男だと思ってたのにな
それにここで本当に秋穂と関係を持ってしまったため、高田に
「俺は浮気なんかしてない!俺はずっと美希一筋だったんだ!」って言えなくなったじゃねえか
絶対あとで高田に男らしく反撃してくれると思ったのに・・・ガッカリだよ
600名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 05:27:23 ID:CltZOelS
ふ〜ん
601 ◆IIQVZM1CgQ :2007/11/03(土) 05:34:31 ID:KIXFlM7z
流れぶたぎってマザコンもの投下しちゃいます
602 ◆IIQVZM1CgQ :2007/11/03(土) 05:36:24 ID:KIXFlM7z


マザーブラ者♯3

「んっと、これなら角度もバッチリね」
アルバイト急募。
時給750円、土日出れる方歓迎。
スーパーのアルバイト募集の貼り紙を寸分の歪みもなく貼り終えた私は大した仕事でも無いのにパンパンと手をはたいた。
「これで大丈夫ですかね?」
今しがた様子を見に来た店長に私は聞いてみる。
「はい、それで大丈夫だと思います」
店長は、パートの私にも敬語を使う。
高校生のアルバイトさんとか若いパートさんには敬語を使わないので、それはきっと私の年齢が二十代後半の店長のよりも上だからだろう。
「私も、もうすぐ40か……」
まだ若い店長の年齢と私のそれを比べてしまって、少し落ち込んでしまった。
「どうかしましたか?」
「あ、いえ」
「雨……降りそうですね」
店長は空を見ながら呟く。
「ほんと…嫌な天気ですね」
空を見てみると、濃い灰色をしていて今にも雨が降りそうな天気をしていた。
雨は嫌いだ。
「降らなきゃ良いんですけど」
「そうですね、本当に」
私は心から雨なんて降って欲しくなかった。

私の願いは叶わず、しばらくして雨は降り出した。
店舗の屋根を打つ雨の音が、今休憩している事務所にまで聞こえる。
「佳佑は傘を持っていったのかしら」
今朝の天気予報では、降水確率は20%だった。
きっと、佳佑のめんどくさがりな性格では持っていっていないだろう。
いや、絶対に持っていっていないと思う。
雨は止みそうに無い。
だとしたら雨に濡れながら佳佑は家まで帰るのだろうか。
それでは風邪をひいてしまうかもしれない。
それに雨の日の車は滑りやすい、もしかしたら事故に巻き込まれてしまうかもしれない。
あの子と同じように死んでしまうかもしれない。
「嫌……そんなの嫌」
ネガティブな考えが止まらず私の身体は震えた。
「吉川さん、吉川さん」
「え?」
店長に肩を叩かれ、私はネガティブな世界から現実に引き戻された。
「大丈夫ですか?顔、真っ青ですよ」
「あ、ありがとうございます」
店長は私を気遣い、暖かいお茶を入れてくれた。
「落ち着きました?」
「はい、もう大丈夫です。すみませんでした」
「いえいえ、良いんですけど。何かあったんですか」
店長の質問に私は、
「雨が嫌いなんです」
と、そう答えた。


603 ◆IIQVZM1CgQ :2007/11/03(土) 05:37:54 ID:KIXFlM7z


私には三人の子供が居た。
長男、長女、次男。
けれど、今は一人しか居ない。
長男は死んでしまった。
雨の日に、交通事故にあって。
まだ幼かったのに、やっと『お母さん』と呼んでくれたばかりなのに、お腹の中には貴方の弟が居たのに。
幼かったからだろう遺骨は少なく、小さかった。
『ごめんね、ごめんね……』
買い物の帰りに貴方と繋いでいた手を離してしまって。
一瞬貴方から目を離してしまって。
『ごめんね、ごめんね愛し方が足りなくて』
遺骨の前で私は懺悔する事しかできなかった。
それから私は娘と産まれてきてくれた息子から目を離さなかった、常に子供達の側にいるようにした。
もう子供達を私より先に死なせたくはなかったから。
そんな私に夫は言った。
『佳子、離婚しよう』と。
理由を聞けば、『お前は子供達の事ばかりを考えて、俺の事を何とも思ってないからだ』と言う。
確かにその通りで、当時の私は夫の事を何とも思っていなかった。
だが、それのどこが悪いのだろうか。
私は母親なのだから、子供達の事だけを考えていればいいのだ。
『ええ、かまいませんよ』
それがわからない夫と一緒に暮らしていても仕方なかった、子供達にも可哀想だと思った私は離婚を了承した。
604 ◆IIQVZM1CgQ :2007/11/03(土) 05:39:26 ID:KIXFlM7z


けれど、私はまだ母親になれていなかったのだ。
『私、お父さんと行く』
娘はそう言った。
いくら私が、『お母さんと暮らそう』と言っても聞いてくれなかった。
またあの時と同じように、愛し方が足りなかったのだ。
だから娘は夫を選んで、出ていった。
そうして、私には佳佑しか居なくなってしまった。
今の私には佳佑が全てだ。
それなのに今日は雨が降っていて、もしかしたらあの子と同じように事故にあってしまうかもしれない。
また私が目を離している間に、我が子が死んでしまうかもしれない。
そう思うと、とても怖いのだ。

605 ◆IIQVZM1CgQ :2007/11/03(土) 05:42:07 ID:KIXFlM7z
「考え過ぎですよ、息子さんはもう高校生ですよね」
「はい」
「だったら大丈夫ですよ、そろそろ子離れしなきゃいけないんじゃないですか」
店長にこんな話をしたのは間違いだったのだろう。
「……貴方には子供が居ないから、私の気持ちがわからないんです」
「え?」
高校生だったら事故に合わないという保証があるとでも言うのだろうか。
母親が子離れなどしたら、誰が子供を守るというのだろうか。
店長は男で、親でも無いから母親の気持ちなんてわからないのだ。
「店長、すみませんちょっと来て貰えませんか?」
「え?あ、はい。今行きます。それじゃあ、吉川さんはもうあがってもらってかまいませんから」
「ありがとうございます」
アルバイトの人に呼ばれ事務所から出ていく店長に礼を言って、私は携帯電話を取り出した。
『To 佳佑
Sub 傘持ってってる?
傘持ってっていないなら、母さんと一緒に帰りましょう。もうすぐ終わるので、校門から見える所で待っていてください。』
心配ならば、一緒に帰れば良いことに私は気付いた。
今の時間は、三時五十分。
そろそろ佳佑から、『今から帰るね』メールが来る時間だ。
今、佳佑は外を見ながらどうやって帰ろうか思案してるだろう。
そんな佳佑を想像したら、
「だから傘持っていきなさいよと言ったのに。」
と苦笑しながらメールを送信した。
帰り支度をしていると、佳佑が好きな音楽のメロディが鳴った。
きっと佳佑からのメールが来たのだ。
今日は佳佑と帰りに、どこかスーパーに寄って一緒に買い物をして帰ろう。
お菓子は三つ迄買ってあげよう。
今日の晩御飯は佳佑の好きな鍋物になるかな。
そんな事を考えながら受信BOXを私は開いた。
『To  母さん
From 佳佑
Sub Re.傘持ってってる?
傘持っていってないけど、大丈夫。先輩が傘に入れてくれるから。』
先輩とは誰だろうか?
私はその先輩の事を佳佑から聞いた事がなかった。

606 ◆IIQVZM1CgQ :2007/11/03(土) 05:43:28 ID:KIXFlM7z
今回はここまでです、
書いてみようと思ったのはいいが、俺のちゃちいなorz
607名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 06:02:59 ID:At38toSk
>>556
流れ的にあるかもとは思ってたがワロタwwGJ!!
てかこの主人公カワイソスww
>>575
GJ!!
NTRキターーー!!さて、このスレ的には、秋穂に迷い生じさせるぐらい要のことが好きな美希が、その要を秋穂に寝取られて、どのくらい黒化暴走するか非常に楽しみ。……暴走した結果の周囲への暴露とかもありそうでwktk
ただ秋穂も、行為の場面の会話と心情を見るに、実は処女だったっぽいし、割と要に本気っぽいしで、割と秋穂とくっつくのもいいかもと思い始めた俺もいる。……てか要自体はもう精神的にかなり秋穂に傾いてそうだ。
村田達のウザさはいじょー。
>>606
いやいや普通にGJ!!ですよー。
母親の心情がきっちりと書き込まれてていいですね。
特に夫をどうでもいいと言い切って別れてるあたり、それだけ息子への執着が。
さて、先輩ってーとアレか。
この母親の心情的には昔はああだったわけだけど、現在息子に近付いてる相手として再会したらどういう感情を抱く事か、非常に期待。
608名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 09:18:23 ID:2Gw+SxIR
親の愛情と女の愛情がミクスチャ〜に期待。
マザコンでもないけど、3児の親として親近感が湧きますた。
立場上全裸になれないので、ノーパンでwktkでGJ
609名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 10:30:03 ID:eASQahJ6
まあこのまま要が美希と元通りになりたがるとも思えんし
これからは美希のターン
610名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 11:27:48 ID:UluxNJnB
てか、新たに作者が投稿したのだから
冬の星空関係の感想や意見や討論や疑問点などは

嫉妬・三角関係・修羅場系総合雑談スレ in 避難所
http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/dorobouneko/4/

こちらの方でお願いします(存分に語っても大丈夫です)

専ブラでssスレ向きの機能
この際、ここの住人の方でで専ブラ導入を検討してる人はどうぞ

2ちゃんねる専用ブラウザ「Jane Style」の特徴

・不愉快なレスを極力見ないようにできるあぼーん機能
・同一発言者のレスをポップアップするIDポップアップ機能
・発言の多い人が一目瞭然、ID着色機能
・レスの付いた発言を容易に見分けられるレス番着色機能
・次スレッドを簡単に見つけられる次スレ候補検索機能
・人大杉でIEから読めないスレッドを閲覧する機能

ダウンロードはこちら↓
ttp://janestyle.s11.xrea.com/


じゃないと変な奴が沸いてきたり、レス数埋まってゆくと
他の作者が投稿しづらい雰囲気になるからね
本来の避難所の使い方としては感想で埋めたり、考察や論議するために
使われるべきだと思います。
611名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 13:45:49 ID:tfb8E9ys
先輩は実は離婚して父親についていった長女とかねw
612名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 14:06:22 ID:aDSG9cKE
俺も密かに長女にも注目してるw
613名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 14:30:14 ID:INy/QPpJ
>>610
別に作品に関する感想とか雑談ならいいんでないの。誰も彼も四六時中スレ見れるわけじゃないんだし。
それじゃ最新の作品にしか感想書けなくなっちゃうじゃん。
変な雑談とか個人の趣向とかは避難所でやるべきだと思うけど。
614名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 14:40:15 ID:LszkLIHH
>>606
親としての独占欲か、それとも女としてのそれなのか・・・
どちらかによって大きく展開が変わるでしょうね
続きも楽しみにしてます
615名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 21:25:10 ID:VAlD5i9z
要が誠とレベル変わらないwww
616名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 21:48:44 ID:YY8FEQT6
>>615
こーゆー奴が沸くから避難所でやるのが懸命じゃない?
617名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:02:59 ID:CcjcE8Nj
流石にそれはないわww
目には目を歯には歯を裏切り(要視点)には裏切りをは個人的に限り無くジャスティス!ww
ストーカー入ってるぐらい全力で一途!だった言葉様を裏切りまくりの誠とは違うってww
漫画版の誠ならともかくww
618名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:42:14 ID:uUAxEd6O
>>616
気持ちはわかるがそっとしといてやれよ
自演が大好きな人らしいからさ・・・
619名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:52:49 ID:j7YDCWE1
うがぁ〜うがぁ???
620一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 00:22:40 ID:05FfID3H
投下します

〜side翼〜
遂に神山君に告白しちゃった。
“現世”で、それどころか今までの“輪廻”で一番緊張した一日だった。
あの入学式の日、困っていた私に声を掛けてくれた優しい人。
あの人の顔を見た時、私は思わず息を呑んだ。
だって、目や髪の色は違うけど、名前が、声が、何より魂が、あまりにも私の“初世”の恋人にそっくりだったんだもの。
一万年と二千年前、悪魔との戦いで翼の片方を射抜かれ、一人地上に堕ちてしまった私。
落ちた衝撃で射抜かれた片方の羽は完全に駄目になり、腕も脚もほとんど動かなかった。
天使の力があったからこそ即死は免れたけど、そのまま死んでしまうのも時間の問題だった。
悔しさと痛みの涙を流し、気を失った私が次に目を開けたとき、最初に目に入ったのは狭いながらも綺麗な部屋。
傷口には薬が塗られ、包帯が丁寧に巻いてあり、枕元には果物とナイフが一本置いてあった。
誰が助けてくれたのだろうと思っていると、ドアを静かにノックする音が部屋に響いた。
返事をするとドアが開き、優しい顔立ちをした十七歳くらいの男の子が入ってきた。
彼は私に色々教えてくれた。
彼の名前はユウで、医者だった両親を事故で失い、近所の幼馴染と兄妹のように育った事。
両親の跡を継いで医者となったこと。
丁度薬草を取りに来た彼が倒れていた私を助けて家まで運んできてくれたこと。
そして、私は自分が天使であること、悪魔に翼を射抜かれた事を彼に話した。
翼が破れてもう天界へ帰れないことも。
彼はしばらく考えて『じゃあ、僕の家族になってよ』と微笑んだ。
私は驚いた。そして、とても嬉しかった。
私たちは一緒に暮らし始めた。年月を経る中で愛情を抱き、育み、ある満月の夜、遂に男女の一線を越えた。
初めてはとても痛かったけど幸せだった。でも、そんな幸せの日々はある日突然破られた。
彼の子を宿し、あまり激しく動けなくなった私は一人で家にいる事が多くなった。
そんなある日、彼がいつものように薬草を取りに出かけている間、突然部屋のドアが乱暴に開け放たれた。
そして、暗い憎悪を顔に張りつけた例の幼馴染がナイフを持って入ってきた。
その女は『この泥棒猫!!!』と叫ぶとナイフの切っ先を向けて襲い掛かってきた。
しかし、力が大幅に弱まった上妊娠している身とは言え私も天使の一人。
かつての様に大きな魔法は使えなかったが、周りにあった家具を使い、あらゆる攻撃を防ぎきった。
そして、お返しとばかりにあの女に致命的な一撃を与える事にも成功した。
あの女はこのままでは犬死にだと悟ったか、憎々しげな顔を浮かべつつも走り去っていった。
私は一先ず胸を撫で下ろしたが、その後で私は絶望の底へ突き落とされた。
その日に限って彼がなかなか帰ってこない為、探しに行こうかと思った時、再びドアが乱暴に開け放たれた。
またあの女が来たか、と警戒したが、その時現れたのは近所の気立ての良いおばあさんだった。
おばあさんは今まで見たこともないような青い顔で、私に告げた。
「大変だよ、あんたの旦那さん、何者かに刺されたよ!!!」
621一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 00:23:45 ID:05FfID3H
改行ってこんな感じでいいですか?
622一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 00:25:52 ID:05FfID3H
改行はこれで良いかと思い、試しに投下しました。
623一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 00:39:44 ID:05FfID3H
「!!?」
「良くお聞き、旦那さんね、山道で血を流して倒れてたんだ。どこも食われてないから熊や狼の仕業じゃない。誰かに刺されたんだよ!!」
「そ、それで、主人は生きてるんですか!?」
「今、男達が村長の家まで運んで手当てしてる。意識は戻ってないけどまだ息があるから急いで行きな!!私は隣村の医者呼んでくる!!」
「は、はい!!」
私は犯人があの女であることなど考えなくても分かったが、とにかく村長の家へ走った。
さっきの戦いで消耗してるけど治癒の魔法数回ぐらいならまだ使えるはず。
ふと、焦げ臭いなと思って顔を上げると、村長の家が燃えていた。
「な、何で・・・まさか、あ、あの女ァ!!!」
私は使えるだけの魔法で自分の肉体の周りに結界を張ると、躊躇無く中へ飛び込んだ。
逃げ遅れた人もまだいたけど、彼を助けるので精一杯だった私は、罪悪感に苛まれながらも彼一人抱えて燃え盛る家から逃げ切った。
「はぁ・・・はぁ、もう大丈夫よあなた・・・え?」
息が途絶えていた。脈も調べたけど・・・無かった。
「そ、そんな・・・嘘でしょ・・う、あ、あああ、ああああああああああああああああ!!」
この時ばかりは周りの人の目もどうでも良かったし、私が泣くのを咎める人もいなかった。
彼と村長や犠牲になった方々のお葬式が終わった夜、私は山の頂上で祈り続けた。
「神様、お願いします・・・彼を生き返らせて下さい・・・私、何でもしますから」
私は天使としての力を振り絞って一晩中天界にいる大天使様の声が聞こえるまで祈り続けた。
「リーンよ、お前の祈りに応えてやりたいが天界の規則は絶対だ。だが、お前を人間の輪廻の世界に組み込んでやる事なら出来る。
もちろん生まれ変わったお前達が結ばれるかどうかはその想いの強さに掛かっている。それでも構わぬか?」
「は、はい、私、彼を愛しています。この気持ち、未来永劫、輪廻の果てまで変わりません」
「よかろう。天使であるお前は何度転生してもこの記憶と感情、人の魂を覗く力を持ち続ける事が出来る。
この力で彼の転生を探すが良い。ただし彼は元から人間だ。転生すれば前世の記憶は失われる。だが、彼のお前達の絆が本物ならば想いが魂に刻まれている筈だ。再びお前達が深く愛し合えばきっとその想いを取り戻せるだろう」
そして、私は彼の子を産み育て、結婚式をしっかり見届けた直後に転生した。
しかし、何度転生しても、彼を見つける事は出来なかった。
彼に操を立てていた私は、この一万年と二千年間、誰とも交わらず、何度も何度も処女のまま一生を終えた。
彼の事を思い出す度にどうしようも無く昂ぶる体を毎晩ベッドの中で自分の指で気絶するまで慰め続けた。
そして、入学式の直後、とうとう悠久の時を経て彼を見つけた。
感激の余りその場で声が出せなかったけど、翌日にも告白しようと思った。
けど、それはあの女のせいで出来なかった。
私の、私だけの、愛しいあの人の傍に、まるでそれが当然であるかのごとく立っていた女。
あの時、まだ無限の輪廻に組み込まれる前の天使だった私から彼の命を奪った憎い女と同じ魂を持った女。
天野舞香―――何の因果か再び彼の幼馴染として生まれ育ち、私達の仲を引き裂こうとする忌々しい女
624一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 00:40:43 ID:05FfID3H
今日はここまで
625名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 00:50:51 ID:Q3b4+toz
敢えて言おう、カスであると!
626名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 01:05:53 ID:yXeFO/ZU
なにを言うか!!
627一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 01:25:43 ID:05FfID3H
カスで悪かったな
628名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 01:26:25 ID:HiBM9RWM
>>624
乙だぜ。
改行だけども例えば、
>「そ、そんな・・・嘘でしょ・・う、あ、あああ、ああああああああああああああああ!!」
>この時ばかりは周りの人の目もどうでも良かったし、私が泣くのを咎める人もいなかった。
という部分だけども

「そ、そんな…嘘でしょ……
 う、あ、あああ、ああああああああああああああああ!!」
この時ばかりは周りの人の目もどうでも良かった。
私が泣くのを咎める人もいなかった。

ああ〜とかはこんな感じに改行してインデントすると良いかもしれない。
それと「、」で一文に纏めてしまうのも書き方としてはアリだけど、
「。」で一端、文を閉じてしまって改行して続きを書いていく方が読みやすい文章になるかと。
日本語は英語と違って品詞の位置が明確に決まっていないから
文が長ければ長いほど読みずらくなる。
629一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 01:27:58 ID:05FfID3H
ありがとうございます
630名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 01:28:49 ID:qdxsRbBI
反応しないでスルー

俺は面白いと思ってる
頑張って完結させてくれ!!
631名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 01:39:15 ID:j23Ul2Nq
>>624
GJ!
俺も普通に先が気になる。
632名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 01:48:10 ID:G++tMGw4
>>630
俺も普通に面白いと思う。
続きを早く書いてほしいぜ!!!
頑張ってくれ。
633名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 03:22:14 ID:l4BIOLaH
冬の星空>秋穂の誤算(?)が気になります はたして美希の反撃なるか?! 期待してますGJ
定期的かつ速いペースの投下は素晴らしいです 羨ますぃっす

では自分もイキます
634白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2007/11/04(日) 03:24:31 ID:l4BIOLaH

「……母。 するとキミはアキナの……。 そ、それは?! アルビオンファング?!」
 アルビオンファング――この世界にきて以来私と共に数多の敵と戦ってきた伝説の武器。
 私の相棒であり、そして私をこの世界に導いた存在――。
 そのアルビオンファングを見ての其の反応は、それは知識として知っているというのではなく
まるで懐かしむかのような口調――。 一体どう言う事……? この人は一体……え?
「そうか……そうだったのか……」
 何時の間にか其の人の両目からは涙が零れていた。
 そして溢れる涙を拭いもせず私のもとへ歩み寄ってきて
「こんなに大きくなって、立派に成長してくれて……」
 そして私をそっと抱きしめ――
「こうして出会える日が来るなんて……アキナと、私の娘に――」
 ――え?
 い、今なんて……? 母さんと、この人の……娘? 私が?
 じゃ、じゃぁこの人は私の……。
 ――私の――

「……てください」
「……え?」
「離してください!」
 私は反射的に其の手を振り解き突き放した。
 そして其の人は突き飛ばされた事に困惑の表情を見せながら言葉を紡ごうとする。
「あ、ああ……、すまない。 急に話を進めすぎてしまったみたいだな。
だが聞いて欲……」
「私の!」
 私は言葉を遮るように叫び、そして続ける。
「私の父親は……父親に当たる男は私と母さんを捨てた男なんです……!
其のせいでどれだけ寂しい少女時代だったか……! 私だけじゃない……母さんだって……。
そうよ! 母さんが家を堪当されたのだって母さんが其の男に捨てられたせい……!
事故で死んでしまったのだって其のせいでずっとずっと苦労が重なってたから……!
だから、私には父親なんていない……、父親なんて……いらない……!
今更要らないわよっっ!!」
 私は感情のままに叫び、そのまま部屋を飛び出した。
 涙が溢れ視界がにじむ。
 頭の中がゴチャゴチャして何も考えられず、何も考えたくなくて、只ひたすら駆けた――。
635白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2007/11/04(日) 03:30:04 ID:l4BIOLaH


<div align="center">+    +    +    +<div align="left">


「姉さん!」
「セツナ!」
 部屋を飛び出したセツナを追いかけようとクリスとリオは後を追おうとする。
 だが扉の前でリオが足を止める。
「リオにいさん?! 何してるんです! 早く姉さんを追いかけ……!」
 足をとめたリオにクリスは追いかけるよう促そうとし、リオの表情と其の視線の先に気付く。
 リオの視線の先、そこにあったのは放心したように壁にもたれ立ち尽くす――
アンナの父(そしてセツナの父かもしれない)――男性と、そして傍らに寄り添うアンナの姿。
「セツナのこと気になりますが彼らを放っておく訳にもいかないでしょう……。 ですから……」
 リオが言い終わるよりも早くクリスは口を開く。
「分かりました。 姉さんの事はボクに任せておいて」
 そしてセツナの後を追い飛び出していった。
 クリスが駆け去った後を見送りながらリオは呟く。
「頼みましたよ」


 クリスの後姿を見届けたリオは向き直り立ち尽くす男性とアンナのもとへ歩み寄る。
「大丈夫ですか? 申し訳有りません彼女には後で私から言っておきますので」
「ありがとう。 いや、あれは私が悪かったのです。 あの子の気持を考えれば当然のこと……」
 言いながら男性はリオに気付き視線を向ける。
 目線が合ったリオは会釈をし口を開く。
「申し送れました。 私リオと申します。 先ほどの彼女――セツナの仲間で、そして恋人です」
「恋人……。 そうか、あの子を支えてくれていたのだね……」
 そう言って男性は目を伏せ頭を下げる。

「いえ、私のほうこそ彼女には幾度となく助けられてきました。 それで、あの……
先ほどおっしゃられてた事ですが……」
 ――貴方がセツナの父君だというのは本当ですか?――
 そう訊こうと思いつつ口をつぐむ。
 セツナと付き合いの長いリオは知っていた。 セツナが元々はこの世界の人間ではない事を。
 ならば彼女の父親もま異世界の住人のはずなのでは、と。
 しかしこの男性が嘘をついているともリオには思えなかった。
 先ほどこの男性とセツナの見せた反応。 この男性がセツナの母の事を知っていたと言う事。
 そして――

「突然あのコの父親だと名乗っても信じてもらえないのも無理はないですよね……」
 リオの沈黙から言いたい事を察したかのように男性は口を開いた。
「い、いえ決して疑ってるというわけでは……。 ただ、セツナは……」
「この世界ではない別の世界の人間だというのでしょう?」
 男性の言葉にリオの表情が驚きの、そして同時に納得が言ったようなものへと変わる。
「私があの子の母、アキナと出逢ったのもココとは別の世界でした。
そしてあの子が携えてた武器、アルビオンファングはかって私が携えていた武器でした。
右腕と共に失ったあの時まで……」
 そう言って男性は義手の嵌った腕にそっともう片方の手を添えた。
636白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2007/11/04(日) 03:32:13 ID:l4BIOLaH
「伝説の武器を扱えるのは英雄の血に連なる勇者だけ……ということですね」
 リオがそう言うと男性は頷く。
「そうです。 だから間違い無くあの子は私の――
尤も……父親らしい事どころか出会ったのすら先程のが初めてで……、
あの子に認めてもらえないのも無理もないことですね……」
 そう言ってとても寂しそうで辛そうな笑顔を浮かべる。
 そんな痛々しい笑顔にリオも心苦しそうな表情を浮かべる。
「出来れば、詳しくお聞かせ願えますか……」
 そして意を決したように口を開いた。
「そうですね……リオ君……でしたね。
あの子を支え続けてくれたキミには聞く権利があるかもしれませんね
お話しましょう。 私と、そしてあの子とあの子の母親とのこと」
 リオの問いに男性も意を決したように応えた。

「あ、あの……お父様」
 そしてそんな重い表情をしてる二人の傍らでアンナが口を開いた。
「アタシも、一緒に聞かせてもらってもいい……?」
「そうだね……。 アンナ、お前にも関係のある話だからね。
折角だからこの機会にお前も聞いておきなさい」
 そう言ってアンナのほうを向いて言うとアンナも神妙な顔で頷く。
 それを見届けると男性は思い出すように遠い目をした。
 そして語り始めた。 ――過去の経緯を。




637白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2007/11/04(日) 03:36:16 ID:l4BIOLaH
 アンナの、そしてセツナの父親でもある其の男性は名をハルトと名乗った。
 男性――ハルトもまた若かりし日は勇者として選ばれ其の使命を受け魔王討伐に出たのだった。
 討伐の冒険は当然死と隣り合わせの危険なもの。
 そんな冒険の旅の中ハルトと其の一行が全滅の危機に直面する戦いがあった。
 死をも覚悟した其の戦いで、ハルトが其の命を取り留めたのは、それはその時
仲間の魔導士が転移の魔法を使い逃がしてくれた為。
 だがその時の場所が魔の領域に近い場所だった為か、あるいは不安定な状態で発動した為か
単に場所を移動しただけで済まず次元をも超えてしまった。
 そして、そこで出逢ったのだ。
 白澤 秋奈――アキナと。

 アキナがハルトの姿を発見した時、そのときの彼は血まみれの瀕死の重症だった。
 しかも鎧に身を包み武器を帯びたそんな姿をしてたハルトの姿にアキナは脅え狼狽し、
だがしかし放っても置けず自分の家――彼女の父が運営する病院へと連れ帰った。

 目が覚めたときハルトは戸惑いを隠せなかった。 当然であろう。
 生死の淵を彷徨い目覚めてみれば見知らぬ異世界に放り出されてしまったのだ。
 勇者としての使命に文字通り命を掛けていたハルト。
 彼は当然のようにもとの世界に帰えることを望み其の方法を模索した。
 だが帰る方法を見つける事は出来ず、其の事に苦しみ悩み続ける日々を送っていた。
 そんなハルトの苦悩を癒してくれたのがアキナだった。
 アキナと過ごした日々。 それは戦いから離れた穏やか日々。
 勇者としての使命に戦いの日々に明け暮れていたハルトにとってそれは初めての安らぎ。
 やがて二人は互いに意識しあい、想いあい、恋に落ちた。
 そしてこのままアキナと共にこの異世界で生きていこうと考え始める。

 しかし別れは突然訪れる事になった。
 ハルトが元の世界に戻ろうと模索していたように、彼の仲間もまた消息をたった彼を探していた。
 そして遂に異世界に飛ばされたハルトを探し当てたのだ。
 迎えに現れた仲間の姿を目にしハルトは覚悟を決めた。
 やはり自分は勇者の使命からは逃れられないのだと。
 そして基の世界に帰る事になったのだが只一つの心残り。 それはアキナとの別れ。
 異世界に落ちた自分を救い心を癒してくれた女性。
 一度は共に其の人生を歩んでいこうと決心もした相手。
 せめて今までの礼と別れを伝えたかった。
 しかしそれは叶わなかった

 異世界を行き来すると言う事は本来は不可能に近い事。
 仲間が空けてくれた次元を超える路も膨大な魔力と人員と、
それを数年に一度しかない星のめぐり合わせの日を探し行う等してようやく出来た事。
 次元の通り路を維持できる時間は極めて短く限られていた。
 それゆえ別れを告げる間もなく帰るしかなかったのだ。



638白き牙 ◆tVzTTTyvm. :2007/11/04(日) 03:37:48 ID:l4BIOLaH
 そして再び始まった戦いの日々。 だがその戦いも終りを告げる日がきた。
 志半ばにして――。
 魔王軍配下で当時最強といわれた魔将軍にまでハルトは迫る事が出来た。
 この戦いに勝利すれば魔王にまで手が届く、そう思われた。
 そして其の戦いに辛くも勝利を収める事が出来た。
 しかし勝利と引き換えにした代償はあまりにも大きすぎた。
 其の戦いで片足と利き腕を失ない、さらには利き腕と共にはめられていた伝説の武器――
 アルビオンファングも共に。

 大怪我を負い、伝説の武器をも失ってしまったハルトは戦いから身を引かざるを得なかった。
 しかも其の事で人々の希望を裏切ってしまったと言う思いと後ろめたさから姿を消した。

 だがそんなハルトを失望する人達だけではなかった。
 ねぎらい、助けてくれた人たちもいた。
 やがてハルトは其の人たちの中の一人の女性と結ばれる事になる。
 そして、アンナが生まれたのだった。


To be continued.....
639名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 03:40:25 ID:l4BIOLaH
投下終了
次回 妹分VS腹違いの妹
……になると思います
640両手に嫉妬の華を ◆kNPkZ2h.ro :2007/11/04(日) 08:05:26 ID:EOuHD0Dk
投下します。
641両手に嫉妬の華を ◆kNPkZ2h.ro :2007/11/04(日) 08:06:13 ID:EOuHD0Dk
 これは現実か? いや、ありえない。こんなことがある筈がない。だって、常識的に考えておかしい過ぎるだろこれは。
誰か嘘だって言ってくれ。満面の笑みで「ドッキリでしたぁ〜!」とか愉快な声発しながら否定してくれ。
今なら許してやるから。寧ろ謹んで感謝させて頂きますからお願い……。
「うわ、何これ。」
 後ろの席から、侮蔑をこれでもかという位込めた声が飛んできた。
その声の大きさに驚き、半ば反射的に答案用紙をくしゃくしゃに握り潰して懐に隠したが時既に遅し。
俺の席を起点として、どよめきの波紋が坂道を転がる球の如き速さで周りに広がっていく。
そして反論の余地も許されないまま、気付けばクラスメートの殆どから痛々しい視線攻撃を一身に浴びせられていた。
ここまで凄惨な対応を取られると、何だか逆に清々しさすら覚えてしまった。いいや、もうどうだっていい。
「0点って嘘だろ!?」
 教室の隅々にまで響き渡るような大きな声を、悲壮感漂わせながら俺は叫んだ。
そうさ、悲しいことは笑いの種にしてしまって、その場だけでも笑い者になってしまった方が楽だ。
予想通り、近辺にいる奴らに止まらず、クラスの殆どの連中が俺の席に群がってきた。
その皆が揃いも揃って、バーゲンセールス会場内のおばさんのように俺の答案を奪い取ろうとしている。
抵抗する気など始めからなかったので、あっさりそれは生徒の波へと消えていってしまった。
一瞬の沈黙の後、口々に言葉が飛び交った。「馬鹿だ」「仲川って馬鹿だったんだ」「仲川は馬鹿」……おい、さすがに言い過ぎだろ。
勿論こんな点数――といっても点なんかないんだが――取ってしまった俺が悪いんだから、言い返すことなんて出来る訳もない。
だって0点って何だよ……。一問も合ってないんだぜ。“○”なしの解答用紙なんて初めて見たよ。
今まで漫画の世界でしかありえない非現実的過ぎることだと思っていたのに、まさかそれを取ってしまう日が来るなんて……。
そりゃ確かに今回は本当の意味で何も勉強しなかったさ。ノー勉だったよ。仕方ないだろ。
バレンタインで浮かれて、ホワイトデーで沈んだと思ったらやっぱり浮かれて……なんていう風な気持ちの緩急の激しい日々を送ってたら、学年末考査のことなんて忘れちまうだろ誰だって。
いや、この際言い訳はどうでもいい。素直に俺がやらなかったのがいけない。でもさ、普通何かしら当たるもんじゃないのか?
だって、この英語のテスト、マークシートなんだぞ。全部記号の問題で0点取るなんて、運が悪かったとか言い様がない。
いや、ある意味運が良くなければこんな点数取れないか……。
「補習は確実ね。勉強しなかったんでしょ? ばーか」
 言われなくても分かっている。一々言うな、俺の傷跡を抉って楽しいか?
見苦しい言い訳をしそうな口を真一文字に結び、睨みつける準備を整えながら俺は振り向いた。
先程クラス中に醜態を晒すきっかけとなった大声が発せられた場所には、当然のことながら――或いは当然のようにあいつがいた。
今となっては彼女持ちとなった俺ですら、思わず再確認させられてしまう程の美貌を有する女子――佐藤早苗だ。
こいつとは一悶着あったが、今では当たり前のように接している。
かつては話し掛けることはおろか、見つめることすら憚れた雲の上の存在だったというのに、気付けば良き友達となっている。
その起点とも言えるホワイトデーを振り返ってみて、今更ながら、俺は佐藤早苗にフられて――勿論佐藤早苗自身は俺に義理チョコをあげたという認識しかないだろうから、フったとは自覚していないだろうが――良かったと思っている。
仮にあの日から俺と佐藤早苗が付き合い始めたとして、果たしてどこまで砕けた関係になれただろうか?
少なくとも緊張が先走ってしまい、俺が佐藤早苗をリードするなんて展開はありえなかったに違いない。
もっと極端に言えば、学園一の美人と付き合えているという優越感に浸るばかりで、彼女を愛すことを疎かにしてしまっていたかもしれない。
要は俗に言う、“恋をしている自分に酔う”という状況に陥っていた可能性が高いってことだ。
つまり、フられたことである意味で吹っ切れられたのは、真の意味で佐藤早苗という人物を理解する為のきっかけになったという意味において正解だったのだ。
そして何より、そのおかげで――佑子さんに会えた。だから、佐藤早苗には感謝してもし切れないくらいだ。
642両手に嫉妬の華を ◆kNPkZ2h.ro :2007/11/04(日) 08:07:00 ID:EOuHD0Dk
 だが、それと“これ”とは話が別だ。佐藤早苗のせいで、俺は恥をかいてしまった。
俺が0点を取ったことが悪いという事実を棚に上げてはいるものの、実際佐藤早苗が言わなければ、俺には可能性があった。
補習を受ける程に悪い点数だということは知られていても、その悪い点数というのにも幅はある。
それこそ、「後一点で赤点抜け出せたのに」だとか、クラスの連中には幾らでも言い訳は利いた。
その可能性を完膚なきまでに叩き潰されてしまったのだ。……この恨み、どう晴らしてくれようか。
視線にありったけの呪怨を込めながら佐藤早苗をしばらく睨んでいると、突然顔を真っ赤にして目を逸らされてしまった。
睨めっこで勝ったみたいな微妙な優越感を感じた。
思わず笑みが溢れそうになった途端、隣の席から、最早瀕死状態といっていい程ボロボロの答案用紙が返ってきたのだが、それを受け取ろうとした刹那、隣の奴の視線が憐れみを含んでいることを俺ははっきり理解した。
苦笑いするしかなかった。
「そういうお前はどうなんだよ」
 未だに耳まで赤く染めながら俯いている佐藤早苗の、隙だらけの机に積まれている答案用紙の数々から一枚を抜き取る。
俺の希望としては、是非赤点辺りを取ってくれていると嬉しい。そして佐藤早苗の肩を叩きながらこう言うのだ、「同じ穴の狢だな」と。
うん、そうすればこのやり切れない俺の思いも少しは救われる。
ということで、そんな淡い期待を抱きながら、俺は佐藤早苗の答案用紙を引っ繰り返して点数を見た。
「あっ、仲川それあたしの!?」
 佐藤早苗の驚愕を露わにした声が聞こえてきた時には、既に俺の目には更に驚愕すべき事実が映し出されていた。
俺は確か赤点であって欲しいと願った筈だ。そして佐藤早苗の点数はというと……。
「お前、これ俺と同じ――」
「それ以上言うな馬鹿ァ!」
 もう沸騰するんじゃないかと杞憂してしまいそうな程真っ赤になった顔面を隠そうともせず、佐藤早苗は一目散に俺の手から答案用紙を奪い返した。
周りに聞いてくれと言わんばかりに喚いているのと、強引なその仕草が災いし、先まで俺に集まっていた奇異の視線は一瞬で佐藤早苗へと移って行った。
荒くなった息をゆっくり整えている内に、ようやくそのことに気付いたのか、佐藤早苗はグシャグシャに丸めた答案用紙をそのままに、机に突っ伏してしまった。
うん、その気持ちは痛い程分かるぞ。同士よ。
俺の時とは違い、佐藤早苗のその慌て様に何となく“事態”を察したのか、クラスの皆は何も追及しようとはしなかった。
その、暗黙の了解ですよ的空気が余計に相手を追い詰めるんだということは、同じ宿命の下に生きる俺にしか分からないだろうな。
そうさ、誰だって辛いよ。0点取っちゃねぇ……。
悪い点数を冗談半分で茶化してやりたいな位の気持ちだったが、自分と同じ――しかも最低点となると、責める気も露の如く失せてしまう。
自分がされて嫌なことは他人にはするなってことだ。
「……仕方なかったのよ」
 しばし再起不能だった佐藤早苗が急に机からむくっと起き上がり、引き攣った笑顔で訴えかけていた。
その割り切った感の伝わる痛々しい表情……。俺ならお前の気持ちを分かってやれるから、そんな顔をするな。
俺は佐藤早苗の両肩を掴む。
「そうだよな、仕方ないさ。努力だけじゃどうにもならないことはある。でもな、人にはその能力を活かせる場面があってだな――」
「変な勘違いしないでね。今回は何も勉強しなかっただけなのよ」
「失敗した奴は得てしてそう言うよ。事実俺も心の中ではそう思っている。だがな、努力も才能の内でな――」
「だからっ! すればあたしは出来るの!」
「はいはい、分かったよ。佐藤早苗ちゃんは出来る子だな」
「何よ! 信じてな――あ」
 頬を膨らまして俺を粘っこい視線で見つめていた佐藤早苗の表情が突然固まった。
だがすぐに、それは閃いたと言いたげな悪戯っ子さながらのものへと変貌していった。
前にも思ったが、こいつは本当に表情がコロコロ変わるな。気分屋か。
まぁそれは置いとくとして、こういう時って大抵いいことないんだよな。何だか非常に嫌な予感がするな。
「ねぇ、あたしは“出来る子”なんだよね」
「え、いや、その――」
「ということで出来る私が、出来ない仲川に勉強を教えてあげましょう。文句ある?」
 やられた。幾らなんでもここから「お前馬鹿だろ」なんて言える訳がない。
そりゃ佐藤早苗だって冗談混じりに言っているんだろうけど、それでもこんな笑顔な彼女の自尊心を傷付けるなんて、男としてやってはいけない。
「ありませんよ、佐藤先生」
「任せてね」
643両手に嫉妬の華を ◆kNPkZ2h.ro :2007/11/04(日) 08:07:46 ID:EOuHD0Dk
 まぁ“−”を二回(偶数回)掛けりゃ“+”になる。
それに二人いれば、文殊とまではいかなくても一般高校生並の知恵程度は捻り出せるかもしれない。限りなく可能性は零に近いだろうが。
「それじゃ今日から早速仲川の家でやるからね」
「はい?」
 おいおい、それは初耳だ。寝耳に氷柱をぶち込まれた気分だぜ全く。唐突過ぎる。
どういう風に考えればそういう風に話を持っていけるんだ。思考回路がショートしているんじゃないのか?
「幾らなんでも急過ぎるだろ。どれだけやる気満々なんだよ」
 さすがに直球で拒絶するのは可哀想だから、少しやんわりと拒否してみる。頼む佐藤早苗、ここは空気を読んでくれ。
「何言っているの。どうせ仲川もあたしも英語の補習課題貰うんだから、早目にやっちゃった方がいいでしょ」
 無駄だったようだ。俺の意志なんて汲み取るに値しないよな、どうせ……。だが、現実問題として補習課題は厄介だ。
何度か赤点になったことはあるが、その全ての時に於いて、俺はとんでもない量の補習課題を出された。
しかも今回は時期が悪かった。
学年末という節目での失敗、春休みには宿題がない分それだけ暇があるという事実、そして何より酷いのは0点だということ……。
ほぼ確実に、恐ろしい量の課題が出されるだろう。だが俺は、自分が危機感を感じても体は動かない人間だと自覚している。
大抵夏休みの宿題も9月1日の日の出を見るまで終わらないような男だ。
そんな俺が、本来遊ぶ為にあるような春休みに課題を早目にしようだなんて思う訳がない。
おもけに、その課題は夏休み以上のものだと推測される。危険だ。それに今回はもう一つ――佑子さんの存在が背景にある。
俺の初めての彼女である佑子さんと春休み中に命一杯楽しむ為には、この課題は邪魔過ぎる。
俺はデートしている時に、課題という雑念に支配されるのは真っ平ごめんだ。
それなら――俺を監督してくれる人なら誰でもいいが――佐藤早苗と勉強を共にするというのは悪くない選択だ。良し、決めた。
「それもそうだな」
「やけに素直ね」
「俺にもやりたいことがあるんだ。てことで、課題が終わるまで宜しく頼む」
 俺は佐藤早苗の両手を掴み、決意表明を握りしめる力によって示してみせた。
「え? 課題が終わるまでってことは……終わるまでずっと仲川の家に行けってこと?」
「あ、悪い。嫌だった?」
「いやいや、全然気にしてないよ!」
「フリじゃないだろうな」
「とんでもない! 是非家に上がらせて頂きます!」
 あれ、何か立場がごちゃごちゃになってないか? まぁ、細かいことは気にしないで良いや。
「そんじゃ、帰りは一緒に帰ろうな」
「う、うん……」
 喜怒哀楽を絵に描いたように多種多様な表情を見せてくれた佐藤早苗だったが、最終的には真っ赤な顔に落ち着いた。
リンゴみたいで可愛いな、やっぱり。
なんて呑気に思いつつ周りを見渡すと、クラス中の視線が俺と佐藤早苗に集中していることに、今更ながら気付いた。
どうやら今までの会話、全部聞かれていたらしい。ご丁寧に先生まで興味津々なご様子だ。口元が厭らしく釣り上がっている。
しくじったな、変な噂立たないといいな。まぁ、どうでもいいことだけどな。

「本当に行っちゃっていいの?」
「良いんだよ。何だよ、俺の家がダンボール箱だとか妙な杞憂してないか?」
「そうじゃないんだけど……」
 全く、さっきからずっとこの調子だ。
先生から笑顔でテキスト(英語)五冊を貰ってから、色々な意味で重い足取りで家路を歩いて売るのだが、隣にいる佐藤早苗は終始俺と目を合わせようとしない。
何だか後ろめたいことでもあるのかと邪推してしまいそうな程緊張でガチガチの様子を見ていると、今更になって自分の言葉を後悔しているのではないかと疑ってしまう。
誰しも自分の言葉の重みを知るのは言った後だけだ。とは言っても、別に佐藤早苗に勉強を教えて貰おうだとかいう気はない。
あくまで二人でやれば少しは効率が上がるかなという期待を込めての行動だ。
勿論そんなことを言って、佐藤早苗のプライドを切り裂くことも出来ないので、結局佐藤早苗自身は不安に駆られるしかないのだろう。
……ちょっと申し訳ないことしたな。謝ろうかなという考えが浮かんだ刹那――。

『Boo Boo Boo Boo Boo』

 ポケットからくぐもった音が聞こえたと同時に、バイブレーターの振動が伝わってきた。
マナーモードにしておいた携帯をゆっくり開く。宛先人の名前を見て、瞬時に応答する。
644両手に嫉妬の華を ◆kNPkZ2h.ro :2007/11/04(日) 08:08:43 ID:EOuHD0Dk
『もしも――』
「どうも佑子さん! 仲川です!」
『ふふ、元気そうで何よりです』
 あぁ、このエンジェルボイス……堪んないね。まさか佑子さんから電話をもらえるとは。
そういえばこれって佑子さんからもらう初めての電話なんだよな。メールは一通だけ、『勉強頑張って下さいね』って来ただけだしな。
そういえば確かあの時は学年末考査一日前だった筈。
物凄くタイミング良く来たのに、何であのメール見て試験のこと思い出さなかったんだ俺は……。
まぁとりあえず佑子さんとの話に集中だ。今の俺は最高に幸せの時間を満喫出来ているんだからな。
「それで、どうしたんですか?」
『あのですね、今日仲川くんの学校では学年末考査が終わりましたよね』
「はい、そうですよ」
 何で佑子さんそのこと知っているんだろ?
『ですから、宜しければ会ってお話とか出来れば嬉しいなって思って』
 そんな些細な疑問は、この佑子さんの言葉によって簡単に脳内で淘汰されてしまった。やばい、彼女ってこういうものなんだ。
こうやって自分を求めてくれるものなんだ。
今まで“求める”ことしか知らなかった俺にとっては、“求められる”というこの経験は非常に貴重且つ頬が攣りそうなほど緩む嬉しいことなのだ。
やっぱり佑子さん、あなたに会えて良かった。これからもっと佑子さんのことを俺は知りたい。もっと佑子さんと同じ時間を共有したい。
だから――早く課題を終わらせないと、うん。
「……ごめんなさい」
『え?』
「一週間……いや、三日間ッ! 三日間待って下さい! 三日で終わらせますから」
『終わらせるって何をですか?』
 うっ、痛いとこを突かれてしまった。まさか0点取っちゃって課題出たんですよなんて言える訳がない。というか言いたくない。
頭が良いと思われたい訳ではないが(それに越したことはないけど)、でも馬鹿だとも思われたくない。ここは意地を賭けた男の勝負だ。
「……宿題ですよ。春休みの宿題。それを早目に終わらせて、その分佑子さんと過ごしたいんですよ」
 前半は超嘘、後半は超本音だ。我ながら恥ずかしい台詞だが、俺は佑子さんの恋人なんだからいいよな。
自分を勇気付けるように自信を奮い立たせる。うん、何だか格好いいぞ俺。不言実行を体言化するかのようなこの行動。
これには密かに、佑子さんに釣り合う男を目指すという意味も込められていたりする。それこそ誰にも言わないが。
「てことなんで、申し訳ありません」
『いえ、仲川くんが私と過ごしたいと言ってくれて凄く嬉しいです』
「何言っているんですか、俺佑子さんの彼氏ですよ」
『ありがとうございます。でも……仲川くん、嘘ついていません?』
 へ?
『仲川くんの学校に、春休みの宿題は確かない筈ですが……どういうことなんですか?』
「いや、それはですねその……」
『仲川くんを信用しない訳じゃないんですが、一応確認だけはしておきたいなって思っただけです』
 やばい、嘘が露呈したら印象が下がってしまう。それだけは避けたい。
その一心で、俺は泳ぎそうな思考の中にある単語を掻い摘んで羅列していった。
「そういうこともあるんですよ。と、とにかく、三日後に電話しますからそれじゃ!」
『あ――』
 切ってしまった。何か物凄い間違いをした気がする。これって結構ヤバイんじゃないか、実は。
普段は鈍感な俺の危機察知能力も、今回ばかりは鋭敏に俺に信号を送って来ている。どうしよう、電話掛け直して謝ろうかな……。
「“やりたいこと”って、そういうことだったんだ」
 思考の海で溺れかけていた俺の背中に衝撃が走る。
叩かれたなと咄嗟に理解し振り向くと、さっきまでのモジモジした様子など欠片も見受けられない、明らかに不機嫌な佐藤早苗がいた。
「どうせ今だけなんだから」
 そう言い残して、佐藤早苗は俺を通り過ぎて先へと行ってしまった。
お前俺の家行ったことがないだろう、と注意しようとしたが、気付けば佐藤早苗の先導によって俺はしっかり自分の家へと到着していた。

 どうなってんだ?
645両手に嫉妬の華を ◆kNPkZ2h.ro :2007/11/04(日) 08:12:08 ID:EOuHD0Dk
投下終了。

>>白き牙
気持ちよく朝が迎えられました。
妹vs妹のガチンコバトルに期待しつつ、GJを!
646名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 08:24:26 ID:yXeFO/ZU
>>639
>>645
GJ!!!!!!!!!!!
647名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 10:04:47 ID:i6ivCIQd
激しくGJ
648名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 10:35:46 ID:kgORafuz
>>645
ヤベェ、主人公にそんなつもりは全くないのに明らか修羅場フラグが立ってる!
そりゃ彼女に0点なんて知られたくないさ、そんで友達としか意識してない佐藤とも勉強は納得さ
でもこりゃあ修羅場フラグだよ修羅場

スッゲーwktkでGJッス!
649名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 10:38:11 ID:eUGlV+/K
>>648
どっちかと言うと佑子さんに疑念を持たせたら
修羅場フラグに一直線ってことだなw
650名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 11:16:06 ID:t/rXkduX
>>639
GJ
クリスが好きなので楽しみにしてます
651名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 11:16:43 ID:FHwsym6K
職人ラッシュktkr!!
1人以外GJ
652名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 13:57:09 ID:Ftrylwed
>>651
荒れるもとになるからそういうレスは止めれ
653名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 14:33:52 ID:s/QMcmCM
ただの荒らしだろ
654名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 15:00:24 ID:AdSuUI5h
このスレには、笑いがたりねぇ
655名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 15:01:28 ID:h8ga33db
クスクス
656名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 16:18:28 ID:MqjvJzRY
うがぁ〜うがぁ??
657名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 16:45:30 ID:KwaRF969
            / ,.=‐⌒ヾヽ//    ヽ \
            //r/ r''"´ ̄ヽl /  _\ヽ ヽ `、
              /l| | l  ! r'ニくヽ l|l ,.イへ ヽ ヽ i i この嫉妬スレを読むことについて
           / | || l  ! | !````` '""" ヘ i  li | |.|
      ヽー一'/||ノ  | /             | |  !!| |.| もし、彼女がいる方、つきまとわれているストーカー
       \ミニ// /〃,.. _      ,.. _ | |  ||、 |がいる方は読むことをお勧めできません。
       弋二三__// /´  ヽ、 ,/  .`| '、 Ll_ L__
      弋二>‐-=-ィ´tーt::テァ} { r‐t::テ‐L_`ー-_>-_フなぜなら、その彼女たちが構ってくれないことに
        \_,ニハ 、 ,.i `ー一'".!  | `'ー一'" iT'''"ノ‐-ニ_嫉妬して修羅場になるからです。
        ─ニ__-l V' !     i  |     !',ノ/、__ニ-‐'´
          !ヽ ̄`'ー! (^'  ヽ...ノ  r┐ L_,/
            ! |    ! `ー一'´ヽ-一''′/
            ,' ,'     ヽ          ,.イ
           ,' ,'  _rー| ヽ     / 」‐┐
      __,../ .!‐'':, ‐-、 \ `ー一'" /   ! ̄i
    , ‐'":::::/,.ィ´゙V. ,.ィ   \   /    l:::::::'ー┐
-一''":::::::r-'′__、. ',./:::::i     >‐く     /:::::::::::::::::\
::::::::::::::::::」    ヽ !::::::::i   /:::::::ヽ.   /:::::::::::::::::::::::::`ヽ、
:::::::::::::::::|  -─、. レ':::::::::::! / ヽ:::::::rヘ  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
658名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:00:13 ID:gfet0s2g
>>651
お前の魂胆は、その一人の職人を陥れて周りから孤立させて
自分が独占したいだけなんだよな?
危うく罠にかかるところだったよ、さすが嫉妬スレ。
659名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:18:51 ID:MMgXfkG7
両手に嫉妬の華を
久しぶりにキタァー(゜∀゜)ーー!!!!
萌えるぜ!!
660一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 19:39:18 ID:05FfID3H
トリップってどうやって付けるんですか?
661名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:47:14 ID:5ACv94C+
名前欄に半角シャープ+適当な文字列

#aaaaa

↑こんな風にやる
あとこれからわからないことは人に聞く前にググルのがオススメ
ググルというのはグーグル検索で調べるという意味ね
662名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:47:33 ID:Q3b4+toz
おいおい仮にも18禁板なのにトリも付けれないガキが紛れ込んでるのか
663一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 19:51:58 ID:05FfID3H
餓鬼じゃないです。機械に弱いだけです
664一万年と二千年前から愛してる♯kimeenndayo:2007/11/04(日) 19:53:16 ID:05FfID3H
テスト
665一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 19:54:15 ID:05FfID3H
間違えた?
666一万年と二千年前から愛してる:2007/11/04(日) 19:54:56 ID:05FfID3H
これをやるとどうなるんですか?
667一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 19:56:28 ID:05FfID3H
テストその2
668気象予報士 ◆Wm/bvCu4Dw :2007/11/04(日) 19:56:34 ID:5ACv94C+
NG推奨
669一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 19:57:00 ID:05FfID3H
意味がわかりました。ありがとうございました
670名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 19:57:19 ID:RrgrFqjB
いくらなんでも滑稽すぎるなお前
671一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 19:59:06 ID:05FfID3H
申し訳ありません。
672名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:04:30 ID:4eIp2yf7
NGしとこ
673名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:15:51 ID:FAEPtXRK
一万年と二千年前から愛してる♯kimeenndayo

↑どう見ても荒らしです
ありがとうございました。

いい加減に荒らすのはやめてほしいんですが・・・・・・・・・
674一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 20:17:12 ID:05FfID3H
荒らすつもりじゃなくて、シャープの半角が分からなくて、あと、その後の文字も変えました。
675名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:19:41 ID:FAEPtXRK
♯kimeenndayo

きめんだよ


確定事項だな
化けの皮が剥がれましたね
676一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 20:22:47 ID:05FfID3H
キモ姉小説からふと浮かんだんですが。
677名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:25:53 ID:FAEPtXRK
NG指定しておこう
678名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:26:50 ID:8vfrDTFl
見なかったことに。
679名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:28:35 ID:G++tMGw4
続きが来ると思って、期待してたのに・・・
680名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:31:35 ID:800t59GX
>>679
まあまて、まだ今日はあと3時間半もあるじゃないか
飯でも食って待とうぜ?

俺もちょっと妹がご飯できたって呼んでるからイってくsth
681名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:41:00 ID:ft/0p6OQ
ハハハ何釣られてるんだお前ら
こんなドジッ娘全開な嵐がいる訳ないじゃないか

てかヘタに煽らないでくれ、頼むから
682名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 20:45:14 ID:FAEPtXRK
>>680
妹が作った食事をゴミ箱に捨てたら、彼に死亡フラグが!!

あの誠のように後ろから包丁で刺されますw
683一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 20:59:53 ID:05FfID3H
整理出来たので投下します。前回の続きです。


あの女も人間だからかつて彼を殺した記憶はないのだろう。
この際だからその事は不問にしてやる。
だが、私の彼への想いを邪魔をする罪は現在進行形だ。
入学式の日の帰り、満開の桜の木の下で彼とあの女が一緒にいるのを偶然見た。
悔しかったが、認めたくは無かったが、お似合いだった。
かつて殺した者と殺された者とは思えない程、二人の穏やかな表情は絵になっていた。
お互いそんな記憶が無いのだから当然か。
理屈では分かっていたが、やはりどうしても感情が納得行かなかった。
彼とあの女が一万二千年の中で何回転生したか分からない。
少なくとも、表に出ている記憶は完全に無いだろう。
あるいは魂に刻まれた記憶でさえ、その後に刻まれた思い出に埋もれて失われているかもしれない。
それはとても寂しいが、仕方ないことだから諦めるしかない。
彼が覚えていなくても私は永遠に覚えているから。
せめてこの現世で彼と結ばれることが出来ればそれで私は良かった。
だが、それも叶わぬこととなった。
二人は誰がどう見ても付き合っているように見えたからだ。
私は二人の間に入り込む自信が無かったが、今更他に乗り換える気も沸かなかった。
彼があの女と楽しそうに話すのを見るたびに死んでしまいたくなった。
毎晩ベッドの中で息を殺して泣いた。
一万年以上も探し続けたのだから、その落胆は凄まじかった。
それから、もう一つ、地獄のような時間が始まった。
684一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 21:00:18 ID:05FfID3H
もはや全てがどうでもよくなった私は、ただ現世の両親の期待に応える為に勉強するだけの女になった。
近所の人や先生は私を賢いねと褒めてくれたが、そんなこと、自分の乾いた心には何の潤いももたらさなかった。
そんな私は、当然クラスでも浮いたし、苛められた。
でも全てが信じられなくなった私は誰に相談する気も起こらず、耐える以外の選択肢を持たなかった。
転生してからも優しかった彼が私を助けてくれるまでは。
それはいつもと変わらない孤独な昼休みだった。
ただし、新たなイジメが一つ増えた。
母が持たせてくれた弁当が、明らかに酷い有様になっていた。
別にゴミが入っていたとか、その類じゃない。
その類ならさすがに大騒動になるからだ。
された事はきわめて単純であると同時に悪質。
炭酸飲料などでおなじみの悪戯、弁当箱を振り回されたのだ。
中身がぐちゃぐちゃにされていたが、これなら証拠は残らない。
自分でカバンを振り回してやっちゃったんじゃないかと言われればそれまでだからだ。
コレはキツかった。
現世で唯一の心の支えだった母の愛情すら嘲笑われた。
いつも通り教室ではなく中庭の隅で食べようとしていたので、誰にも泣くところは見られなかったが。
「あの、大丈夫ですか?良かったら、ハンカチ、使いますか?」
誰かに声をかけられたが、顔を上げることもできなかった。
ただ、ハンカチを借り、涙を拭いた後、返そうと思って顔を上げたとき、私は固まった。
心配そうな顔をした彼だった。
私は彼に苛められている事を話した。
それから、私は彼と一緒にお弁当を食べるようになった。
恋人にはなれなかったけど、少しだけ救われた気がした。
二年生になり、彼と同じクラスになれた。
あの女も同じクラスだったのが少し気に食わなかったが。
そして、ある日、他の女子の話を偶然聞いて、私は嬉しすぎる驚愕を抱いた。
彼はフリーだったのだ。
そして、今日、告白した。
返事は保留だったけど、それは脈ありだからだろう。
神様、お願いします、彼の心を私に傾けてください。
685一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 21:01:10 ID:05FfID3H
投下終了ですです。誤字脱字や不自然な表現ががあったらご指摘下さい。
686一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 21:01:45 ID:05FfID3H
↑すみません。ですをにかい書いてしまいました。
687一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 21:03:45 ID:05FfID3H
他に、設定上の質問や、アイディアがございましたら遠慮なくお願いします。
688名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 21:08:03 ID:800t59GX
>>682
今飯から戻ってきたぜ
普通に美味かった・・・て、なんかねむたくなっt
689名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 21:17:31 ID:Q3b4+toz
酷い文章だな・・・まず活字読んでもらいたい
690名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 21:29:58 ID:oN4lwn6p
>>687
一万年と二千年前から出直して来い
691名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 21:30:31 ID:5ACv94C+
■NG推奨■
ID:05FfID3H
一万年と二千年前から愛してる

■種別■
職人偽装
初心者偽装
叩き誘導
擁護誘導

■威力■

一切の無反応が望ましい
692一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 21:34:45 ID:05FfID3H
   ||
 Λ||Λ
( / ⌒ヽ
 | |   |
 ∪ 亅|
  | | |
  ∪∪
   :
   :

 ‐ニ三ニ‐
693名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 21:41:00 ID:3cKalZfy
     ||
   ∧||∧
  (  ⌒ ヽ
   ∪  ノ
   ∩∪∩
   (・∀・| | ウヒョー
    |     |
  ⊂⊂____ノ
       彡
694名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 21:41:13 ID:459J8H6r
話の最初から、ヒロインが主人公好きですごく嫉妬深いっていうよりも、
最初は普通の友人関係だったりして、ある日ふとしたことで好きになってしまって
今までそんな感情なんて無かったのに、男が他の子と会話してると「なに…これ…
なんか…すごく嫌な気分だ…」ってだんだん嫉妬深くなってくなっていく…
っていう方がツボだな
695名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 21:45:50 ID:FHwsym6K
>>694
激同意


んで俺の場合は
男がその他の子と段々惹かれ合っていって「やだ…胸が痛い……変だよぉ…」
って苦しんでいくのがツボ
696名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:11:17 ID:DMV7y1SF
>>694
初めは主人公以外に惚れてるって設定だとまじで俺のツボ
697名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:13:33 ID:oPN6k5JO
>>696
それだとビッチ臭が・・・。
処女厨の妄言ですかそうですか・・・orz
698名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:19:20 ID:kgORafuz
>>697
兄とかに惚れていた、とか
699名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:22:11 ID:Shlntvcx
伸びてると思ったらまたか
あんだけ酷評されてまだ懲りないのか
とりあえず2chに慣れてからというか18になったら来い
700名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:23:52 ID:800t59GX
>>696
そういう設定のSSよく探して読んでるわw

主人公(A)が惚れてるヒロイン(B)は他の男(C)が好き
AはBのために、BとCをくっ付けてあげようとする
んで、Aのことが好きなヒロイン2(D)が登場でAに告白
AとDが付き合うことに・・・
しかしAとDが付き合うことになってなぜか心がモヤモヤするB
そしてBがCを振ってAに告白した時、悲劇が始まる・・・

この最初の主人公の健気さと、最後にAがBを振ってDとくっ付くカタルシスがたまらんw
701名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:29:17 ID:DMV7y1SF
>>697
ヒロインがどんなに好意見せても友達としてとか、
失恋で慰めてほしいだけとか勘違いの正当性が出来るじゃん。
その上、主人公がヒロインの恋を応援してたりしたら……
ほら、素敵な修羅場が見えてきた。
702名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:31:48 ID:DMV7y1SF
連レススマン

>>700
お前とは良い酒が飲めそうだ。
703名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:32:54 ID:yOj2XDL1
>>700
あんたよく分かってるな
Cの位置づけがどんなふうかで内容が大きく変わりそうだな
704一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 22:38:09 ID:05FfID3H
>>699さんへ。
一応二十歳さんだけど・・・
705一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 22:38:54 ID:05FfID3H
修正。二十歳なんだけど
706名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:40:50 ID:3LoUNk/z
はいはい、半年ROMってね
707名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:45:28 ID:JY1viezf
何故構う
708名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:46:58 ID:ypS+9lr5
>>704
嵐には完全放置で行こうぜ!
709名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:47:48 ID:800t59GX
>>703
そうそう
CがAの親友だったり、兄弟だったりするとだいぶ展開が変わるよな
あとCが美形・秀才・スポーツ万能で、AがCに劣等感持ってたりするとなお良し
710名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:53:48 ID:BsusMsOM
本気で荒らしとかじゃないなら、一つだけアドバイス
「た」で毎回区切ると読みづらい
まるで、小学生低学年の日記や感想文を読んでいるような気分になる
711一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 22:56:11 ID:05FfID3H
何で終わらせれば良いでしょうか?
712名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:59:39 ID:JUqwCmvm
>>711
本でも他のSSでも何でもいいからとにかく文章を読んで
713一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/04(日) 23:03:36 ID:05FfID3H
ご指摘ありがとうございます。直前に投下したのは翼の回想みたいなものなので
どうしても事実を述べる都合上、僕の文章レベルだと「だ」や「た」で終わってしまうんです。
読みにくいようなので、次の投下の時に色々修正します。
714名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:09:21 ID:hLrzvbWi
>>700
もやもやしそう
715名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:10:15 ID:800t59GX
一度だけレスさせてもらう
こういうスレがあるから文章云々の技法は↓で聞くか自分で本読め、てか少しは自分で調べようとする事が大切

SS書きの控え室 71号室
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1193139993/

あと、>>663-667みたいなことはするな、荒らしと思われてもしょうがない
これで改善されないようならもう投下はしない方が、あんたやスレのためになる
716名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:13:32 ID:800t59GX
>>714
でもそのもやもやが晴れるときのカタルシスといったら・・・たまらないんだぜ?
717名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:15:30 ID:RpfB5dRb
荒れてるな
718名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:31:03 ID:RrgrFqjB
分からず屋のスカポンタン
質問する前に半年ROMれ
719名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:36:35 ID:DcGD3PD1
いや、一万年と二千年ROMれ
720 ◆SVNDcoHudE :2007/11/04(日) 23:39:02 ID:r/QcMBi6
投下します。
721冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/04(日) 23:39:48 ID:r/QcMBi6
なんでだろう。ずっとコールしてるのに、要が出てくれない。
「……どうしちゃったんだろう」
携帯電話を操作し、リダイアル画面を表示する。
要の番号を表示した状態のまま、もう一度通話ボタンを押す。
「……………………」
だめだ。さっきからずっとこうだ。
留守番電話に繋がるわけでもなく、ただずっと待機音が聞こえてくる。
なんでだろう。なんで出てくれないんだろう。
お昼にちゃんと言ったのに。連絡するって。それなのに…
「……………要」
これじゃどうしようもない。
学校じゃ涼子と麻希に阻まれて全然話ができなかった。
あんなにあの二人が要を嫌ってるなんて思わなかった。
いつも学校じゃ目も合わせない様にしてたから、気づかなかっただけなんだ。
ほんとは皆、私が考えてる以上に要の事……
でもそのおかげで要の事、今まで独り占めにすることができた。
今更後悔したって遅い。もうやってしまったことだ。それよりも……
「秋穂…」
そうだ。秋穂だ。今日の放課後も、要は秋穂や飯田君達と一緒に下校したんだ。
きっと秋穂がなにかしてるんだ!そうだ!そうに違いない!

勢いをつけてベッドから起き上がり、コートを引っつかむ。
そのまま部屋に設置してある鏡の前に立ち、容姿を整える。
こうなったら要の家まで行こう。昨日だってほんとは行くつもりだったし。
多分今日は桜さんはいないし、要がいるかどうかすぐわかる。
もしいなかったら…行きたくないけど、秋穂の家まで……
「よし!」
決意を固め、自分を鼓舞するために声を出す。
鏡の前から離れ、まっすぐ部屋のドアへと向かう。
…だいじょうぶ、きっとだいじょうぶ。だから――
何度も自分に言い聞かせ、心を落ち着かせる。
勇気を持って取っ手に手をかけ、ノブを回したその時、向こう側から独りでにドアが開いた。
722冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/04(日) 23:40:42 ID:r/QcMBi6
「きゃっ!」
「お姉ちゃん!大変大変!」
開いたドアの先には、何か雑誌を持った舞が立っていた。
ひどく興奮している様で、私の様子や状態になどまるで気づいていない。
「お姉ちゃん、見て見て!お姉ちゃんと麻希さん、また載ってるよ!」
舞はハイテンションのまま雑誌をめくり、両手で開いたページを見せつけてくる。
「ほらっ!ここ!」
「……んん?」
舞に指差されたページを、目を凝らしてよく見てみる。
…たしかに私と麻希の写真が載ってる。
周りにも女の子の写真が載っているが、私たちだけやけに扱いが大きい。
「ああ、これね。そういえばこれで4度目ね」
でもこれはいままでと違って、麻希に誘われて自分から撮影に行ったものだ。
この雑誌は毎月発売されているファッション誌で、結構学生に人気がある。
私も話のネタとして買っているけど、熱心に見てるわけじゃない。
大体こういうの要は好きじゃないし。
「……で、なに?これがどうしたの?」
「どうしたのじゃないよ!すごいじゃん!麻希さんに誘われたんでしょ?いいなぁ〜」
「なにがすごいのよ。麻希だって載ってるじゃない」
「麻希さんは元々モデルしてるじゃん!お姉ちゃんは一般人なんだよ?いいなぁ〜」
まずい。このパターンは。
この状態に入ると、舞は止まらなくなる。
「いいなぁ〜いいなぁ〜私も載りたいな〜」
「……ねえ、舞」
「いいなぁ〜お姉ちゃん。髪はサラサラストレートだし、顔は可愛いし、スタイルだって悪くないし」
「…ちょ、ちょっと。舞!」
「いいなぁ、いいなぁ〜!私も載りたい〜!お金ももらったんでしょ?」
…確かに麻希からちょっとだけもらったけど。
「いいなぁいいなぁ〜。お姉ちゃんほんとすごいよ〜!」
舞の目がキラキラ輝いてるように見える。
けどたぶんこれから…
「いいなぁ、いいなぁ!…それに比べて私は」
急に舞が肩を落とし、顔を俯かせる。…始まった。
723冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/04(日) 23:41:31 ID:r/QcMBi6
「髪もくせっ毛だし、背も低いし、幼児体型だし…」
「ま、舞。あのね、私これから…」
「センスもださいし、頭もよくないしそれに…」
「……………」
出た出た。舞の悪い癖だ。
いつもは自信満々な感じなのに、私が目立つことをするとすぐ自分と比較してネガティブになる。
わざとやってるのか、天然なのか、それがわかりづらいから厄介だ。
なまじ他人の心の動きに敏感な子だけに、余計たちが悪い。
「私ってほんとだめな子だよね。この前だって……」
「…………」
今日はダメっぽいな…。
明日から連休だし、要の家には明日行こう。
「…だし、それに前も………」
「はぁ………」
…でも明日までに終わるのかな?これ。





結局、舞の愚痴は夜中まで続いた。
どうにかなだめることはできたけど、おかげで要に連絡する気力がまるでなくなってしまった。
「…………ふう」
それでも、私は今こうして要の家の前まで来ている。
「………………」
相変わらず大きな一軒家だ。相当なお金持ちじゃないとこんな家建てられないだろう。
……でもその代わりこの家には、要と桜さん以外ほとんど誰も寄り付かない。
近所付き合いも、例の事件があってからほとんどなくなってしまったらしい。
桜さんのおかげでそれなりに修復され始めたらしいけど、
それでも要はいつも自分のせいだって言って悩んでた。

――ほんとは私のせいなのに。
724冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/04(日) 23:42:23 ID:r/QcMBi6
「……………」
駐車場には車がない。いつもは青い軽自動車が止まっているはずだ。
今日は桜さんがいないんだろう。たぶん仕事から帰ってきてないんだ。
腕時計を見て時間を確認する。時刻は朝の11時。
要は休みの日、大体昼過ぎまで寝てることが多い。この時間なら家にいると思う。
もしかしたら出かけてるかもしれないけれど…そのときはそのときだ。
「……よし」
少し震える指先で、インターホンを押す。
ここに来るのも久しぶりだし、このインターホンを押すのも久しぶりだ。
「…………………」
二度、三度と青いボタンを押す。
家の中でチャイムの音が反復されているのが聞こえる。
日曜の騒がしい住宅街で、この家だけ隔離されているかのような静寂が訪れる。
「……………要」
もしかしたらまだ起きていないのかもしれない。
もしかしたら出かけているのかもしれない。
だけど………

しばらくして、思考の渦に飲み込まれそうな私の耳に低い男の子の声が響いてきた。
『…はい』
「あっ!!…あ、あの、私。美希」
あれ?なんでだろう。覚悟はしてきたずなのに声が震えてる。
『……………』
「え、えっと、全然電話繋がらないし、ちゃんと話したかったから、ここまで来ちゃった…」
『……………』
おかしい。いつもならもっと喜んでくれるのに。
やっぱり高田君のこと…だよね。
「あのね、高田君のことは……」
『……ごめん。帰ってくれ』
…え?
「えっ?要?」
『いいから帰ってくれ!しばらく会いたくないし、連絡も取りたくない!』
725冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/04(日) 23:43:05 ID:r/QcMBi6
…へ?えっ?なんで?え?
「え?要?…要!」
『…………ごめん。ちょっと考えさせてほしいんだ。ごめん…』
それっきり、要の声は途絶えてしまった。
「要っ!要っ!」
何度も何度もドアを叩く。
けどまるで反応がない。何度声をかけても、要は返事をしてくれない。
なんで?やっぱり秋穂がなにかしたの?なんで、どうして…
「要………」




――――なにがなんだかわからない。
でもなんだろう、この感じは。ものすごく嫌な予感がする。
なにかはわからないけど、とてつもなくまずいことが私達に起ころうとしてる。

……それだけは、理解できた。
726 ◆SVNDcoHudE :2007/11/04(日) 23:46:19 ID:r/QcMBi6
終わりです。展開遅くてすいません。ここら辺はじっくりやりたいので・・。
実は最初>>700まんまの設定にしようと思ってました。アブネー
>>606
>>639
>>645
みなさん乙です!母物マジ好みです


727名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:54:18 ID:hLrzvbWi
もやが晴れても、もやがあったことを忘れられない
俺は柔軟性がないな
728名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:58:59 ID:qYbZwMX0
>>726
GJ!
良い感じになってきたな。
どうぞ思う存分じっくり書いてくれ!
俺はこういう描写大好きだからw
729名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:22:10 ID:0mliZ5pt
>>726
GJ!!
とうとう拒否されてしまった美希・・・次はどうなるのか
秋穂の方も気になるし・・・wktk
あと>>700みたいな嫉妬物としては王道なのもこれが終わったら是非書いて欲しいな
730名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:36:54 ID:0Q6c28qY
みんな一万年と二千年前から愛してるを嫌いすぎだろ?
ぶっちゃけ、俺は数少ない面白いと思っている派なんだぜ?
最初は文章がおかしいって指摘されてけど、ちゃんと直したじゃん。
そんでもって、叩かれても頑張って書いて投下しているんだから良いと思うんだが。
まぁ、人それぞれだし。
俺がとやかく言ってもしょうがないと分かってるけど、もう少し様子を見てみようや。
731名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:40:21 ID:0Q6c28qY
連投で悪いんだけど、IDがG++tMGw4だったやつです。
あと、冬の星空GJ!!
美希と秋穂の直接対決はまだか?
732名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:44:48 ID:u8J4EO7v
>>726
GJです
今回で要から完全に拒否されてしまった美希、次回はどんな凶行にでるのでしょうか
私も>>700のような設定は大好きです
733名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:59:51 ID:yIBEX6sv
>>726 GJ!
美希はこのまま終わるのか……否!断じて否!!
そんな訳で続きに期待してます、それと俺も>>700みたいなの大好き。
RedPepperもうまく行けばそんな感じになりそうだよね。
734名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:04:52 ID:vhhJy/44
GJ。
これからが本番なのか…!?

>>727
心が繊細なんだね。
好意に値するよ

>>730
あんた優しい人だな。
まぁ叩いても仕方ないし。
嫌ならスルーすべきじゃね?
735名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:08:15 ID:xN/mxBGA
>>726 GJ!
ってか、無駄な雑談鬱陶しいんで自重してくれ。
736名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:17:01 ID:qXui1CcX
GJ!!
いいねいいね要の拒否いいね。
しかし美希覚醒フラグがビンビンに立ってるな。
いったいどんな覚醒を果たすことか秋穂と美希の対決楽しみ。
あと秋穂、色々ネタばらしして高田を嘲笑してくれないかな。
自分の物にした要を大事にしてるところを見せてほしい。
737名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:23:42 ID:N+jS0+Da
>>726 GJ
根本的になんか美希がアホっぽいんだが。
やっぱり秋穂に勝つには刀傷沙汰を起こしてしまうのだろうか・・・

>>700の設定いいね。
個人的にはBは幼馴染でDはその親友。
AがBを好きなのをDは知ってる。
これでDが腹黒で全てわかった上でころがしてたりするとなお良い。
当然DはAのことB以上に執着してなくてはダメだが。
738名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 02:09:13 ID:DdatEuj7
要を見て君望の孝之を思い出した
けなす意味ではなくて立場が似てるような気がする
元々孝之をそんな悪くは思ってないし
739名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 02:50:20 ID:xBDargfE
避難所に書き込もうとしたら弾かれた……
>アクセス規制.jp以外からのホストのアクセス制限です
と出たんだがどうすればいいんだ
ちなみにbbtec.net
740名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 02:56:39 ID:nkaO4c94
串使え
741名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 03:17:22 ID:SicBbSTu
ふとここのレスの何割が同一人物によるものなのか気になった。
742名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 03:20:59 ID:RkPawr69
はいっ!ということで、俺は「一番目の彼女」を全裸で待ってるぜ!
743名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 03:38:24 ID:tWiBe/ps
修羅場引起こす主人公って鈍感さや優柔不断が悪い方面に出てるのばかりだけど
良い意味での鈍感な性格なのに修羅場引起こすようなのないかな
馬鹿と書いていいおとことよむってタイプの前だけを見て突っ走るタイプの鈍感とか
優柔不断じゃなく何か漢らしい理由で誰も選ばないってのをきっぱり告げたのに修羅場起こったり
ともかく全く問題のない主人公で修羅場ってのも見たい
744名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 07:36:26 ID:h8t9Xurb
>>743スクランの播磨か
745名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 10:16:51 ID:PV7Otu8h
>>738
美希は遥ではなくて水月の方かもしれんなw
ビッチなところがそっくりだしw
746名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 10:38:50 ID:rhz34TIb
>>721
あんなにあの二人が要を嫌ってるなんて思わなかった。
とか、
>>723
――ほんとは私のせいなのに。

とか、すまなそうに思っているように見えるけど、優位な立場にいる者の余裕があるから出来る
上っ面な同情に見えて反感を感じるのは俺がひねすぎてるだけなのか。
でももし読み手がそう感じるよう狙って書いてるなら作者さんすごいな。
美希がなりふりかまわなくなる時が今から楽しみだぜ!

747 ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/05(月) 11:19:04 ID:m0vuKj7w
ふと思い立って人生初SSを書いてみた
初SSという事で駄作です、ですが駄作をアップする勇気という事で投下します
駄作が過ぎるという方はお手数ですがNG指定を宜しくお願いします

前置きが長くなりましたが投下します
748世界のetc:2007/11/05(月) 11:20:59 ID:m0vuKj7w
駅前で一人空を見上げてみる。
その空は灰色で確かに重そうで、世界を圧迫しているみたいだった。
その下で冬のせいか足早にかけていく音を聞くと
どこか遠く知らない場所でたった一人、たたずんでいる様な気がしてくる。
目を細めてみても何も変わらない、そんな世界を確認して視線を戻した。
「寒いな、しかし」
何かを確認したくて吐いた言葉には何の意味も無い。
意味も価値も無いけど、受け止めてくれるヒトがいるならそれでいいのかもしれない。
「寒いね、ホントに」
言葉より前に絡められた腕の温かさが心地よくて嬉しくて、
「遅れてごめんね」
なんて言葉にも素直になれる。間の抜けた返事を返して、笑い合いながら僕らは歩き出した。
749世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/05(月) 11:27:17 ID:m0vuKj7w
「なんか二人で出かけるのって久しぶりだよな」
「まー、部活が忙しかったからしょうがないけど。寂しかった?」
「帰って来る時必ず家に顔出すじゃないか、そんな暇無いよ。隣だからって別にいいのに」
親公認とはいえしょっちゅう出入りするのはいかがなものか。そんな考えは無視するのだろうけど。
「だって心配じゃない? 色々と」
「色々って疑問形で聞かれても。
それにヒカルに心配されるような事は無いだろ、一人は慣れてるし」
「外食ばっかで済ますのが慣れてるっていうんだ。
それともあれですか、私のこと邪険にしちゃってますか。そうですか」
「そういうつもりじゃないってば。ただ疲れてるのに家事の手伝いとかは別にいいのにと思ってさ」
後ヒカルの来る時間が門限みたいになってる、というのもあるのだけど。
一回遅れて酷い目にあったし、僕でもちょっとは自由な時間も欲しいわけで。
なんて軽く考えてた時、ヒカルが立ち止まった。
つられて僕も立ち止まる。反応できなかった分だけ空いた少しの間がやけに冷たく感じられた。
そうして見つめた、見つめられた瞳は。少し茶味がかった、ガラスみたいな瞳で。
「私の決めた事だから別に気にしなくていいんだけどね。嫌だったんなら止めるけど――」
「嫌じゃないって、感謝してるよ。ヒカルにも、おじさんにもおばさんにも。
もしヒカルと一緒じゃなかったらきっと一人だったろうからね。
嬉しいよ。ヒカルと一緒にいるとそう感じる」
不安そうな言葉とは裏腹に強い意志を感じさせる、少なくとも僕には。
そんな力に抗えそうにもない、言ってから恥ずかしくなっている位考え無しの僕には。
「ごめんね、ありがと。……ごめん。
だけどさ、もしかしたら。私じゃなくても、
私がいなくても誰かと一緒にいるかもしれない。
けどシンは今私と一緒にいるんでしょ。だったらさ、一人が良い様な事言わないでよ」
一人になるのは誰だって嫌だ。まして彼女は僕の特別で、僕は彼女の……特別、なんだから。
「うん……ごめん。来てくれてずいぶん助かってる。一緒にいてくれて嬉しい」
ヒカルは手を伸ばせば届く距離に居る。
一緒にいて欲しいから手をとるだけだ。その資格はある筈なんだ。
言い聞かせても鼓動は早くなって精神は緊張するだけ。
自分から何かする時はいつもこう、情けない。
おずおずと言った風にしか出せなかったが、
それでも手をヒカルの方へ向けた。
ヒカルは俯いてしまっているけど、……雰囲気で分かる。
きっと笑ってる。それで僕もいつもの様に笑う事が出来るんだ。
そうして近づく距離、手を通り越して強く握られる腕の感触、腕に顔を埋める仕草が
一つ一つ恥ずかしくて、こそばゆい。
決して不快じゃないのに落ち着かない。だから余計な事を言ってしまうんだろう。
「だけどさ、自由な時間も欲しい訳で。とりあえず八時に帰る位別に良くない?」
「んー、そんな時間まで何やってるの。別にやる事無いくせに」
言葉尻が厳しいけど虎穴に入らずんば虎児を得ずの格言通り突撃あるのみ、
僕にはライフワークがある。
「いやゲーセンに」
……視線まで厳しくなったのは気のせいだろ、多分。
「服がタバコ臭くなってるのはその所為だったんだ、そんなとこ行くの止めなさい」
「嗅がないでよ」
掴まれている腕をちょっと遠ざける様にして言った。
一瞬で赤くなるヒカルの耳と、それでも離さずにいてくれる手の感覚。
にやける口が止められない。そうしてやっぱり、ヒカルは怒った。
「嗅いでない! 匂ってくるの。洗濯しても取れないんだから」
「いや――。悪い事している訳じゃないしクレーンゲームとかで景品取れるかもしんないし。
アレだ、前あげた景品喜んでたよね。ビークル犬のやつ」
UFOキャッチャーは故あって自ら封印して久しいが
(アレは悪魔の様な機械だ)確かあげた筈、多分。
「誰にあげた話をしているのかな?私はもらってないんだけど」
「……」
750 ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/05(月) 11:38:09 ID:m0vuKj7w
投下終了します
次回はもう少し読み易くなる様に
出来たらいいな……と
751名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 13:02:28 ID:hGxCJ+TJ
ここのSSとかは作者のスキルがないほど
主人公がヘタレだな 特に冬の星空

主人公がヘタレだとこういう嫉妬や修羅場もんは
書くの楽だからなー作者がいかに技量ないのか隠せるし。

もうヘタレ主人公飽きたよ なんとかしてくれ
752名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 13:25:22 ID:YaFLbYUy
やべ、舞がかわいいとか思っちゃった俺は異端なのか
>>750
GJ!次回に期待してるぜ
>>751
次は星空かよ。要のどこがヘタレなんだよ。人気作品出るとすぐ作者けなすよなお前
自分に技量ないからって作者に嫉妬すると見苦しいですよw
とりあえず自分のスキル上げてから作品書きましょうね。きっと感想レスもらえるよw
753名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 13:37:08 ID:T5MvpbTG
>>750
gj!
(他のssと比べると)少し重ための文章だけど
空気感に合ってて、とっても良いです!
続きに期待
754名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 15:30:17 ID:yp9aIBf7
.>>751
自分で書けよ
755名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 15:37:39 ID:PFPyM7wz
>>750
GJ!ヤバイヤバイこの主人公のボケっぷりはヤバイ(褒め言葉)
>>752
いやいや舞はウザカワユイと俺も思う、姉に憧れとコンプレックス持った自虐癖の妹。
いや、ホントこのスレ的にはなんでこんなキャラが姉の恋人に絡んで修羅場にならないのかと(笑)
756名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 15:39:49 ID:0mliZ5pt
>>750
良い感じですな
次の展開に期待
757名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 15:56:41 ID:eNnQaTRB
GJ

結構好みの文体です。続きも期待して待ってます。
758名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 16:48:56 ID:6tsErS22
GJ!
759名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 17:18:00 ID:xBDargfE
>>750
GJ
ただ卑屈過ぎる態度は直した方が良いです
760気まぐれ屋 ◆0aHsq3Lky6 :2007/11/05(月) 18:31:20 ID:0Q6c28qY
>>750が勇気をだして、人生初のSSを投下した。
だから、俺も勇気をだして人生初のSSを投下します。

761 ◆0aHsq3Lky6 :2007/11/05(月) 18:32:48 ID:0Q6c28qY
生まれた時から人はそれぞれの人生が決まっている。嬉しい事も、悲しい事も・・・

僕、沢風 晃(さわかぜ あきら)は小学校3年生の時に父親と母親を亡くしている。
僕の9歳の誕生日に、レストランで外食をするために車で向かう途中で交通事故に遭ったせいである。
事故の原因は相手の信号無視だった。事故の時、僕は後ろで母親と一緒に座っていた。
そして、車が衝突する前に母親が僕を庇うようにしてくれたおかげで、僕は奇跡的にかすり傷だけで済んだ。

両親の葬儀はどうだったか、はっきりとは覚えていない。
ただ、もう僕の好きだった2人はいなくなったんだということだけが深く心に刻みついた。
僕は父親と仲の良かった倉川家に引き取ってもらうことになった。
そこでは叔父さんと叔母さんが僕の境遇に同情して、僕を息子同然のように扱ってくれた。
しかし、それを面白くない人物がいたのである。倉川家の娘で僕より1つ年下の倉川 ツバメ。
ツバメは叔父さんと叔母さんが見ていないところでイジメてきたのだ。
僕のことを無視したり、ノートや教科書をハサミで切ったり、靴を隠されたりもした。
僕は何でこんなことをされるのか分からなかった。
だけど、叔父さんと叔母さんが僕に優しくしている時、ツバメが僕を見ている目を見て気づいた。
ツバメは親からの愛情を取られたくなかったのだ。
僕が倉川家にやって来てから、叔父さんと叔母さんが僕ばっかり世話をしているのを見ていて両親が取られてしまうと思ったのだろう。
もうこの世に僕の両親はいないが、ツバメの両親はまだいる。まだまだ親に甘えていたい時期だというのに。
(ああ、そうゆうことだんだな。なんでもっと早く気がつかなかったのだろうか?)
それから僕は2人から距離を置くことにした。
それと同時に早く家族になれるように、ツバメに認められるように努力しようと思った。
そして、早く天国の両親を安心させてあげようと決めた。
762 ◆0aHsq3Lky6 :2007/11/05(月) 18:34:14 ID:0Q6c28qY
両親が亡くなり、倉川家に引き取られてから8年が過ぎた。
僕は高校に通いながら、バイトをする日々を過ごしている。

学校は放課後となり、僕はバイト先へ向かおうと校門を出ようとした時、
「兄さん」
僕は同じ高校に通っているツバメに呼び止められた。
「どうしたんだいツバメ?何か用事でもあるの?」
「いえ、用事というほどでもないのですが、一緒に帰りませんか?」
「悪いけど、これからバイトだから・・・」
「では、私もバイト先までご一緒させて下さい。」
「でも、家に帰るのが遅くなっちゃうよ?」
「構いません。」
「う〜ん・・・。じゃあ、一緒に行こうか?」
「はい」
僕とツバメは2人で校門を出ていくことになった。
横で歩いているツバメを見て、僕は綺麗になったなぁと思う。
小さい頃も綺麗だったが、今のツバメは女子高生の平均身長よりは少し高いし、サラサラの黒髪は腰まで伸びている。
肌も白く透き通っているし、胸も豊かとはいえないが並くらいにはある。
何度か告白されていると聞いたことはあるが、全て断っているらしい。
もったいないなぁ。僕なんか一度も告白されたことがないのに。
そんなどうでもいいことを考えながら、どこか寂しい雰囲気がする夕方を2人で歩いていった。
763気まぐれ屋 ◆0aHsq3Lky6 :2007/11/05(月) 18:38:45 ID:0Q6c28qY
初めての作品なので誤字脱字、不適切な表現の仕方やおかしいところがあると思います。
読んでみて、素直に思った意見を聞かせてもらうとうれしいです。
あと、タイトルが良いのが思い浮かばないので、何か良いのがありませんか?
自分では決められないヘタレです。orz
764名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 19:03:04 ID:XDtZK/+q
GJ! 今日は新人が二人もでびうか 良き日だ
キモウトスキーな漏れにとって義妹モノは嬉しい限り
文体も読みやすくてよかったよ
タイトルに冠しては気にしなくても纏め管理人の阿修羅様がつけてくださるので大丈夫
自分も投下した作品の殆どのタイトルは阿修羅さまに付けていただいたから
765名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 19:32:04 ID:VayVntKk
>>750 >>763
二人ともGJ!
これからが楽しみな感じだな!
766名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 19:52:29 ID:0mliZ5pt
>>763
うおおおおおおおおおおおおおGJ!!
これは俺のアンテナにビンビン来ちゃったぜ!
こういう「昔は確執があったけど今はデレてる」って設定に弱いんだ・・・
是非とも続いてください
767名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 20:52:21 ID:rerj2iwH
初SSって書くと、余計に文章が下手に見えるな。
768名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 21:07:19 ID:qqb/2IDO
お二方GJ!!!
初めてで色々大変かもしれないけど頑張ってね!
769名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 21:08:46 ID:pX33xwNZ
みんな幸せをありがとう
770名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 21:29:13 ID:zSkFICDD
うがぁ〜うがぁ??
771一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/05(月) 23:28:56 ID:t1T0DrVr
投下いたします。今回ちょっと長めです。まだまだ下手ですがどうかご容赦ください

目の前に不思議な光景が広がっている。
周りは夕日に照らされた山道で、空気が驚くほど澄んでいる。
眼下に望む同じく夕日に照らされた家々はコンクリ製はおろかレンガなどの近代的なものも無く、
ただ木や石などで出来た簡素なものばかり。映画などで見た古代ヨーロッパのようにもみえる。
「ここ数日朝晩土砂降り続きで雷も鳴ってて、薬草も果物も採りに行けなくて本当に困ったけど、
底が尽きる前に雨も上がって、しばらく誰も山に来れなかったおかげで大量に採れて良かったね、お兄ちゃん」
「ああ、これだけ採れればしばらく採りに行かなくても大丈夫だな」
自分と視界を共有し、山道を降りている『誰か』と、その視線の先を歩く見知らぬ可愛らしい少女は
そう言って笑いながら背負っている大きな縄の網籠を見る。
『誰か』と少女の発した声は全く聞いた事の無い言語である筈なのに、何故か自分にはちゃんと理解できた。
籠の中には様々な果物や薬草と思われる葉や、蛇と小さな獣や死体及び、それらを捕まえた道具であろう、
血にぬれた棍棒などがいくつも詰まっている。
「あ、ねえ、お兄ちゃん、アレ何かな?」
「え?何処?」
「ホラ、あそこの草の陰。何か光ってるでしょ?」
「あ、本当だ、何だろ?」
『誰か』は白い薄明かりに近づいていくと、そこにいたのは破れた白い服を背中から流れる
血に赤く塗らして倒れている美しい十五、六くらいの少女だった。その血の流れる背中には
比較的無事そうな翼と、もう完全に使えないであろう破れた翼がある。
「この人、翼が生えてるけど誰なんだろ?とにかく息はあるみたいだし、まだ助かるかも」
「そうだな、傷口にこの薬を塗ってみよう」
『誰か』は薬草をすり潰して近くの湧き水に溶かして、破れた翼に塗る。
「う・・」
まだ目を覚まさないが、薬が沁みたのか、傷付いた少女が少し呻いた。
「よし、後は包帯を巻いて、抱きかかえて家まで運ぼう。あ、ちょっとお願いがあるんだけど、良いかな?」
「ん、何?」
「俺の荷物、少し持ってくれない?ほら、怪我してる人を落としちゃいけないからさ」
「うん、分かった」
少女は『誰か』の籠の中の棍棒を受け取り両腕で抱え、『誰か』は傷付いた少女を抱きかかえて山を下りた。
772一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/05(月) 23:30:08 ID:t1T0DrVr
山を下りたところで丁度近所の気立ての良いおばあさんと会った。
「おや、ユウにマーヤじゃないか。どうしたんだねそんなに急いで」
「この子が山で倒れていて、急いで手当てしようと思ったんです」
「おや、その子・・・天使じゃないか!!」
「天使?この子の事、何か知ってるんですか?」
「アタシも直に見た事がある訳じゃあ無いんだけどね、雲の上には天使達が沢山住んでて、
時々悪魔や悪い神々と戦うことがあるらしいんだ。でね、雲の上でやり合うわけだから空が
荒れまくって雷やら大雨やらが降るらしいんだ。つまり・・・」
「昨日までのあの空の荒れ模様はその戦いのせい・・ってことですか?」
「そう、その子、翼が片方だけやられてるだろ?きっと悪魔の矢にやられたんだ」
「それで、悪魔の矢なんかで撃たれたこの子は助かるんですか?」
「人間だったらイチコロだろうけど、天使だし一発くらいなら大丈夫だろうさ。とにかく手当てしてやんな」
「は、はい」
ユウと呼ばれた『誰か』とマーヤと呼ばれた少女は腕の中にいる天使であるらしい少女を介抱すべく家に走った。

「これで良し、後はしばらく静かに寝かせとこう」
「お兄ちゃん、枕元に果物置いとこ」
「ああ、けが人が寝てて、うるさくしても悪いし、今日お前の家で夕飯食べて良いか?」
「あ、うん、良いよ」
773一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/05(月) 23:31:04 ID:t1T0DrVr

『ユウ』が家に帰ってきた頃にはもうすっかり辺りは暗くなっていた。暖炉に火を点したとき、
部屋から物音がした。彼女が起きたのかもしれない。
「あ、あの、もう入って良いですか?」
「え、あ、はい」
ドアを開けると少女がこっちを見ていた。窓から差し込む月光が彼女の澄んだ目に反射して
昼間よりも更に美しい印象を見る者に与える。
「傷の痛みはもう良くなった?山で倒れてたとき結構血が出てたけど」
「は、はい。助けてくださり、ありがとうございました。あの、私がベッド使ってもよろしかったのですか?」
「うん、父さんと母さんが使ってたベッドが余ってるからさ」
「お父様とお母様は今いらっしゃらないのですか?」
「うん、昔、山で死んじゃってさ」
「あ、ご、ごめんなさい。私って何て事・・・」
「良いって。ずいぶん前のことだし。それに、マーヤと彼女のお母さんやお父さんが
僕の事を実の息子のように可愛がってくれたからさ。あ、マーヤってのは僕の幼馴染だよ」
「そうなんですか・・・・」
「そういえば、君の名前は?」
「あ、見習い天使で、リーンと申します。実は私、翼が破れてもう天界へ帰れないんです。
掃除でも料理でも何でもしますから、ここで雇って頂けないでしょうか?」
「そっか、君も今、一人なんだね。じゃあ、僕の家族になってくれない?」
「え?」
「周りの人たちは皆優しかったけど、何と言うか、その、家族っていうのが欲しくてさ、
あ、別に駄目だったら駄目だって言って良いよ?別にこの家から追い出したりしないからさ」
「あ、いえ、そうじゃなくて、私も、家族がいなかったので、嬉しくて」
「そうなの?」
「はい、父も母も私が物心付く前に悪魔にやられちゃって・・・。ですから、すっごく嬉しいんです。
よろしくお願いします、ユウさん」
「ユウ、で良いよ。僕もリーンって呼ぶから。よろしくね、リーン」
774一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/05(月) 23:32:02 ID:t1T0DrVr




「ん・・・もう、朝か・・・」
朝日が差し込み、神山優は目を覚ました。時計を見ると六時半。どうやらいつもの癖で起きてしまったようだ。
「それにしても、変な夢だったな・・・・何だったんだろ?」
昨日、大空翼に告白され、返事をどうしようか考えているうちにいつの間にか眠ってしまった。
「だからあんな変な夢見ちまったのか?」
しかし、ずいぶん生々しく鮮明な夢だった。夢の内容を全部覚えている。
「特に、あの『ユウ』って名前が引っかかるんだよな・・・あと、
リーンっていう怪我した天使・・・顔立ちとか雰囲気とか大空さんにそっくりだったし」
夢の中での行動はその人間の潜在的な欲求の表れだとか。両親が家にいない所や、
幼馴染が支えてくれたことなど、自分の境遇と符合する部分がかなりあった。
「やっぱ俺も大空さんの事が好きってことなのかなあ」
今まで他人と距離を置いて、というか、自然に距離が出来ていたから、イマイチ人を好きになる事や
他者から向けられる感情に疎い自分には、彼女の事を一人の女性として好きなのかそれとも同じ境遇に
同情してるだけなのかすら判別がつかない。
「自分のことだってのに・・・全く情けない。ま、顔洗ってくるか」

ピンポーン・・・

「ん?誰だろ?まだ7時だよな・・・はい、どちら様で・・・って舞香か、どうしたんだこんな朝早くから」
「あ、優君・・・えと、その・・・・」
妙だ、舞香はいつも用件をはっきり言うのに・・・
「そういえばおじさんやおばさんはどうしたんだ?」
「あ、お父さんとお母さんは昨日の夜から用事があって家にいないの」
「そっか」
「でね、お互いに一人だし一緒に朝ごはん食べない?」
「あ、そのためにわざわざ早起きしてくれたのか?平日だけじゃなくて休日まで悪いな」
「ううん、良いの・・・だって、私も朝早く起きちゃったし、それに・・・・きな・ひととな・・・」
「え?何だって?最後の方聞こえなかった」
「あ、ううん、何でもない。じゃ、すぐ作るからね」
775一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/05(月) 23:34:28 ID:t1T0DrVr
今日はここまでです。下手な文章を読んでくださりありがとうございました。
776 ◆SVNDcoHudE :2007/11/06(火) 00:08:51 ID:kLWobSQ3
>>750
>>763
乙です!次回も期待してます!
投下します
777冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/06(火) 00:09:43 ID:kLWobSQ3
相も変わらずこの駅は人が多い。
道行く学生、サラリーマン。みんな別々の方向へ散っていく。
これから年末にかけてもっと忙しくなるんだろう。学生には受験が待っている。
こんな朝早くから、ほんとご苦労様って感じだ。
「……………………」
そんな慌しい駅の入り口で、私は一人、携帯をいじくる。
「………だめだ」
携帯の液晶画面には、メール送信完了の表示が出ている。
でもこのメールの返信が来ることは、たぶんない。
「要………」
一昨日要の家に行ってから、ずっと返信を待ってる。
何度も何度も電話をかけて、何度もメールを送って。それでも返事はこない。
着信拒否にはされてないみたいだけど、だからこそ、余計につらい。
「…………うう」
まずい。また涙が出てきた。
別れを切り出されたわけじゃない、嫌いだって言われたわけでもない。
でもこれは、それに近い感情が要にあるっていう証拠だ。
……どうして?なんで?どうしたら、どうしたらいいんだろう。


「美希っ〜!おっはよー!」
「……っ!」
突然背中を押され、慌てて涙を拭く。
振り向くと、そこにはいつもの2人組が立っていた。
「…あれ?どしたの?」
「あ、な、なんでもないよ!おはよう涼子」
不思議そそうに私の顔を覗き込む涼子。
そしてそんな涼子の横には、あの子がいた。
「おはよう。美希ちゃん」
「…おはよう。美穂」
トレードマークだった三つ編みをほどき、ウェーブのかかったロングに変えた美穂。
微妙に大人っぽくなったその姿は、なんとなく見るものを威圧する。
778冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/06(火) 00:10:20 ID:kLWobSQ3
「……………」
「なぁに?美希ちゃん。そんなにジロジロみないでよぉ」
美穂が口元に手をあてながら、クスクス笑う。
…怖い。なんだかすごく怖い。
「さぁてと、あんたの王子様はまだなのかな〜?」
わざとらしげに声を上げながら、周囲を見回す涼子。
探している人が誰なのか、私には分かってる。…もちろん美穂にも。
たぶんその人はそろそろこの駅に着く。
「あ〜いたいた!高田君〜こっちこっち」
「…あ、おはよう。村田さん、緑川さん。…三浦さんも」
「おはよう。高田君」
「…おはよう」
相変わらず、どこかのモデルのようなルックスをした高田君は目立つ。
この混雑した駅でも、目のいい涼子ならすぐ見つけることができたようだ。
「ん〜じゃ行こうか。麻希達はどうせ遅いでしょ」
先陣をきって通学路を歩き出す涼子。
私と高田君も、涼子の後をゆったりとついていく。
………美穂の鋭い視線を、背中に感じながら。




「…それでさぁその後……」
「ははは。村田さんが悪いんじゃないの、それ?」
「失礼ね!私は……」
「ははは……」
「………………」
「………………」
涼子と高田君が馬鹿笑いしながら楽しそうに前を歩く。
その後ろを、私と美穂が黙りこみながら、揃って歩く。
あの放課後からずっとこんな感じだ。
たぶん、涼子もどうしていいのかわかんないんだと思う。
私と高田君を二人っきりにしたほうがいいのか、美穂とバラバラにするべきなのか。
………私には選択肢がないのに。
779 ◆SVNDcoHudE :2007/11/06(火) 00:11:08 ID:kLWobSQ3
「…うまくいってるみたいだね、美希ちゃん」
「……え?」
ボソッと、美穂が突然つぶやいた。
目線は目の前で涼子と歩く、高田君に固定されたままだ。
「よかったよ。これで私も安心できる」
「………そ、そう」
口元を歪め、薄く笑う美穂。
私はうなずくしかない。
「ちゃんと約束、守ってくれてるね。私達友達だもんね?」
「……う、うん」
「…うん。じゃあ、二人でごゆっくり」
「…え?」
そう言うや否や、突然美穂の歩みが速くなる。
そのまま前を歩く涼子の手を取り、勢いよく走り出した。
「ちょっ、ちょっと!美穂!」
「はやくいこ!涼子ちゃん。二人の邪魔しちゃ悪いよ!」
慌てふためきながら、なすがまま美穂につれらていく涼子。
チラチラ私達の方を見ながら、静かにうなずく。
「…それもそうね。いこっか!美穂」
「うん!」
「じゃあ二人ともごゆっくり!もし休んじゃっても担任には言い訳しとくからだいじょぶよ〜」
笑いながら走り去っていく涼子の声が小さくなっていく。
美穂もチラッと私と目を合わせると、不気味な笑いを浮かべたまま走り去ってしまった。

「なんだ?あの二人」
呆然と二人を見送っていた高田君がようやく口を開く。
「………………」
「…やっぱりつらいのかな、緑川さん。そりゃそうか、俺のせいだもんな」
沈痛な面持ちのまま、俯く高田君。
「……そうじゃないよ」
そう、高田君のせいじゃない。私のせいだ、なにもかも。
「…いこっか」
「…うん」
……本当にどうしたらいいんだろう、私は。
780冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/06(火) 00:12:24 ID:kLWobSQ3
結局、終始無言のまま、私達は同時に教室に入った。
そんな私達を先に席に着いていた涼子や鳩山君達が迎える。
涼子は私達を見て、ニヤニヤしながら参考書を読み込んでいる。
鳩山君は、複雑な表情で高田君と挨拶を交わしている。
…やっぱり難しいんだろう。あの二人も。
たぶん私が高田君と一緒にいるから何もないだけだ。もし私が何かしたら、あの二人は…
「…………はぁ」
「あら〜結局学校には来たわけね」
やらしい目つきでチラッと参考書から私に目を移す涼子。
「あのね、もうああいうことやめてよね。不自然すぎるでしょ、いくらなんでも」
「は〜い。ごめんなさ〜い」
…ったく。ほんとにわかってんのかな。
机に着き、鞄から教科書を出しながら、チラッと要の席を盗み見る。
まだ今日は来ていないようだ。飯田君と氷川さんの二人しかいない。
そういえば秋穂も来てない。また二人で仲良く登校してるのか。…くそっ!
「ねえ美希〜ここ教えて」
「あ〜…はいはい」
しかたない。今は、我慢するしかない。





いつも通りホームルームが始まる直前になると、残りの生徒達が一斉に教室になだれ込んできた。
その中には麻希達もいた。そして、要と秋穂の二人も。
…あれ?なんだろう。おかしい。
あの二人、やけにくっついてるような気がする。いやそれだけじゃない。
なんか明らかに様子が変だ。まるで……
「あ〜あ。見て、山下と庄田」
机に肘をつきながら、毒づく涼子。
「あ〜見た見た。あの二人さ、マジ付き合ってるみたいよ。今朝もイチャイチャしてたし」
麻希が鞄を置きながら二人を見つめる。
「ゲ〜。ま、あの二人ならお似合いか。山下もラッキーよね」
「地味子がいきなりあれだもんね。山下も一生童貞が嫌で必死だったんでしょ」
「やだ〜。キモっ!私なら飯田選ぶね、あのメンツなら」
「え〜。さらにありえないし。高田君でしょ、普通は」
「高田君には美希がいるし〜。ま、どっにしても山下はお断り!」
「だね!キャハハハ!」
781冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/06(火) 00:13:05 ID:kLWobSQ3
なんで……
「ん?あれ?どしたの美希?」
なんでよ……
「お、お〜い。美希?」
なんなのあれ……
「ちょ、ちょっと、美希!」
何よ、あれ。なんなのよ!!
「美希!美希ってば!!」
「…へ?えっ?あ!」
涼子と麻希が二人揃って私の顔を覗き込んでいる。
その表情には、心配と恐怖の念が入り混じった感情が浮かんでいる。
「み、美希。だいじょぶ?それ…」
「え……?」
涼子が震える指先で私の右手を指差す。
「痛っ!」
右の手のひらをゆっくり開いてみる。
そこでは、粉々に砕けたシャープペンシルが私の手のひらを赤く染めていた。
「み、美希……」
「………………」
痛い。痛い。心が痛い。
「お〜し。お前ら席つけ〜。ホームルーム始めるぞ!」
担任の声が教室中に響く。散らばっていた生徒達が次々に席に着いていく。


なんで?なんでなの?心が苦しいよ、痛いよ、要……
782冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/06(火) 00:14:17 ID:kLWobSQ3
――――まだ痛い。ズキズキする。もうお昼なのに。
包帯の巻かれた手のひらをさすりながら、弁当をつつく。
もうこの気温じゃ中庭や屋上じゃ食べる気にはなれない。
皆教室か、食堂か、それとも廊下か、そのどれかだ。
今日は食堂にするように私が提案した。ここなら人が多い。
要と秋穂を、じっくり観察できる………
「でもさ〜庄田もちょっと調子に乗ってるよね」
ガヤガヤとうるさい食堂でも、涼子の声はよく聞こえる。
あんまり大声で言う話題でもないだろうに、わざとやってるんだろう。
周りの人間に、聞かせたいんだ。
「ま、たしかにね〜。今朝もさ、声かけてくる人たくさんいたのに、全部無視してんの」
「………………」
「なにそれ?どういうこと?」
「なんかすましてるっていうか、あんた達なんか眼中にないわよ〜みたいな感じ?」
「うわっ!なにそれ?腹立つ〜。何様よ」
「………………」
「山下もさ、庄田のこと咎めるでもなくて、手繋いでニコニコしてんの」
「うわっ!キモっ!」
「まさに二人だけの世界ってかんじ?あ〜ウザっ!」
「………………」
「……ね、やっちゃわない?久しぶりに」
涼子の声が急に小さくなる。
「………いいね。最後の最後にまたやっちゃう?」
麻希も身を乗り出し、ニヤニヤ笑い始める。
「ちょ〜っと身の程ってヤツを分からせてやるのよ。庄田にさ」
嫌な笑みを浮かべ、クスクス笑う涼子。
「美希はどう?久しぶりにさ。受験のストレス解消にもなるよ。今後のためにも…さ」
「………………………」
…そうか。そうだ。またこの子達を利用すればいいんだ。
何で気づかなかったんだろう。今までと同じことをすればいいだけだった。
「…いいね。やっちゃおうか」
私の言葉を聴いた途端、麻希と涼子が顔を見合わせてまた笑う。
……正直気が引ける。でも、やるしかない。
このままじゃ要がおかしな方向へ進んでしまう。それだけは阻止しないと。
秋穂がいけないんだよ。せっかく忘れかけてたのに……また出てくるから。

ごめんね…秋穂。


そう思った時、自分も薄く笑っていることに、私はようやく気がついた。
783 ◆SVNDcoHudE :2007/11/06(火) 00:14:55 ID:kLWobSQ3
終わりです。イジメは良くないです。
784名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 00:22:41 ID:5QmxXzrL
>>783
乙です。
しっかしドロドロしてるなぁ。(いい意味で)
私たち友達だもんね?ってのは修羅場を生み出す魔法の言葉だな。
785名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 00:22:52 ID:A8c8vIA9
麻希、涼子←こいつら…
786気まぐれ屋 ◆0aHsq3Lky6 :2007/11/06(火) 00:28:56 ID:b5YSyZ4B
>>783
GJです!!
確かにイジメは良くないですね。しかも、また利用するって・・・
この後で投下するのはきついですが、投下させてもらいます。
787名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 00:30:51 ID:1WGf4eWo
GJ!!
イジメは良くないな、今の秋穂が大人しくやられるとは到底思えないし。
その事が要にばれたら、美希が要から絶縁もの。

このまま美希の絶望モードしか想像出来ないぜ・・・その先が楽しみだけどな!
788ツバメの巣 ◆0aHsq3Lky6 :2007/11/06(火) 00:31:12 ID:b5YSyZ4B
こうして一緒に歩いていると、ふと思ってしまう。
いつからだろうか?ツバメとこんな風に話す事ができるようになったのは。
倉川家に来た時はひどく手荒い歓迎を受けたが、いつの間にこんな関係が出来上がっていたのだろうか?
「兄さん?どうしたんですか、ぼーっとして。」
「いや、何でもないよ。気にしなくてもいいから。」
「そうですか。兄さんは普段から気が抜けているようですから、もっとシャキっとした方がいいですよ。」
「そんなに普段からぼーっとしているのかな?」
「ええ。私が見ているかぎりでは。」
「そうなんだ。でも、ツバメはよく見ているんだね?」
「当たり前です。兄さんに近づこうとしているメス猫を近づかせないためですから。」
「メス猫?」
「そうです。自分の身の程をわきまえていないメス猫が兄さんを誑かそうとしているんです。
だから、私は兄さんをメス猫から守るために日夜努力をしているんですよ。」
「よくわからないが、感謝したらいいのかな?」
「感謝しなくてもいいです。これは私のためでもありますから。それより、バイト先に着きましたよ。」
「本当だ。それじゃあ、気をつけて帰るんだよ?」
「はい。それでは、お仕事頑張って下さい。」
そして、僕はバイト先の店の中へと入っていった。












私はお店の中へと入っていく兄さんを見て語りかけました。
兄さん、覚えていますか?
あれは兄さんが家に来てから半年が経った時のことを。
私はクラスの男の子数人から帰り道にある公園でいじめられていました。
今では分かることですが、好きな人をいじめてしまうというアレだったんです。
それで、男の子達は私のランドセルを奪い仲間内でパスをして返してくれませんでした。
何もできずに、私はただ泣くことしかできませんでした。
だけど、
「僕の妹になにをするんだ!!」
そう言って兄さんはすぐに走って来てくれましたね。
圧倒的に数では不利にも関わらず、男の子達に向かっていってくれました。
ボコボコに殴られながらも、なんとか男の子達から私のランドセルを奪い返してくれましたね。
「もう大丈夫だよ。ランドセルは取り返してあげたからね?」
身体中傷だらけで顔もボロボロなのに、優しくランドセルを渡しながら兄さんはそう言ってくれました。
それを聞いて、私は兄さんの胸に飛び込み更に泣きじゃくりました。
兄さんが家に来た当初はお父さんとお母さんが取られてしまう!と思い、家から追い出そうとひどいことをしました。
それなのに、兄さんは私に仕返しもせずに、ましてやこうして私を守ってくれたのです。
私は今更ながら罪悪感を感じてしまい、兄さんの胸の中でずっとごめんなさいと謝り続けました。
兄さんはそんな私に優しく頭を撫でてくれました。私が泣き止むまで・・・
家に帰った時、お母さんとお父さんから傷の理由を聞かれても「何でもないよ。転んだだけだから」と言って隠していましたね。
その日から私は兄さんに対する感情ががらりと変わりました。
兄さんのことを好きになってしまったのです。
しかし、私は今までひどい仕打ちをしてきてしまいました。
だからこれは自らに科した贖罪です。
兄さんが私を守ってくれたように、今度は私が兄さんを守ってあげることが・・・
789ツバメの巣 ◆0aHsq3Lky6 :2007/11/06(火) 00:32:27 ID:b5YSyZ4B
「どうもお疲れ様でした!!」
「お疲れ様〜。」
バイトが終わり、挨拶も程々に店を出ると入口の近くにツバメが立っていた。
「ツバメ、どうしたんだい?」
「いえ、ただ兄さんのバイトが終わるころかと思って迎えに来ただけですよ。」
「それは嬉しいな。でも、いったい何時から居たの?」
「30分くらい前ですね。」
「それだったら店の中で待っていてくれればいいのに。」
「兄さんの仕事の邪魔をしたくはなかったので。」
「別にそんなの気にしなくてもいいのに・・・」
「ところで兄さん。」
「ん?何だい?」
「今、挨拶した”女性”は誰ですか?」
ツバメは笑顔で僕に聞いているけど、はっきり言って怖い。
いくら顔が笑っていても目が、ツバメの目がまるっきり笑ってはいない。
しかも、ひどく濁った目になっている。
何なんだろうか、この感じは。背筋がゾクっとして嫌な気分になってしまう。
しかも、何故かこの笑顔のツバメには逆らうことができない。
「あ、あぁ。今の人はバイトの先輩だよ。
僕が入った時から優しくしてもらっているんだ。」
「そう、ですか・・・」
「そうだよ。確か一緒の高校だったはずだよ。」
「同じ高校ですか?」
「うん、そうそう。一つ上の三年生だよ。」
「三年生・・・」
「でも、そんなこと聞いてどうするんだい?」
「いえ、少し躾が必要かと思いまして。」
「躾?」
「そうです。それにそれだけ情報があれば、あとは私一人でできます。
話しはこれくらいにして、それでは兄さん、帰りましょうか。」
そう言うと、ツバメは僕の横まで来たので並んで歩き始めた。
ツバメの「躾・情報」という言葉は気にはなったが、深くは追求してはいけないと思った。
とにかく、早く家に帰って空腹のお腹を満たして寝よう。明日の授業は何だったかな?
そう思いながらふと、ツバメを横目で見てしまったたことに僕は後悔した。
何故か、とても楽しそうな顔でツバメの口が三日月に笑っているのを見てしまったから。
純粋な笑いではなく、深く黒く濁ったような笑いが、家に帰るまで頭から離れないでいた。
790一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 00:35:35 ID:DA9suMIy
面白いです。自分ももっと面白いのが書けるように頑張ります。
791気まぐれ屋 ◆0aHsq3Lky6 :2007/11/06(火) 00:36:55 ID:b5YSyZ4B
投下終了です。
なんか、文が短くてすいません。
タイトルは「ツバメの巣」となりました。単に、ツバメの名前を取っただけです。安直です。
次回はかなり遅くなると思います。
792一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 00:38:33 ID:DA9suMIy
応援してますので。
793名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 00:57:24 ID:Q93E6u7V
>>783
GJ!!

前回秋穂が言ってたことは本当だったんだな…
てっきり虐め云々は気を引くための作り話だと思っていたが
もう美希はどうでもいいや
要と秋穂は幸せになってくれ
794名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 01:00:12 ID:0dghHy1n
>>783
イジメ発覚で美希絶縁モードフラグキタァー(゜∀゜)ーー!!!!
次回も楽しみだなw 
まあ、イジメをやっている時点で嫌われそうだなw

要は→ストレートと左アッパーとハミングを美希に突きつけろw
795名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 01:08:37 ID:8YrLQvlq
>>783 GJ!
それにしても美希のアホっぷりと酷さが急上昇してるな。
どう考えても秋穂をいじめる事で要との仲が終了すると思うんだが美希は
いったい何をどうしたいんだろうか。
とにかく美希が絶望するのが待ち遠しいな。
796名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 01:12:30 ID:NRqDBTfk
>>783
GJ!!
昔の秋穂には頼れる人がいなかったけど、今の秋穂には要がいるからな。
秋穂頑張れ。超頑張れ。そしてグッバイ美希。
797トライデント ◆J7GMgIOEyA :2007/11/06(火) 01:24:42 ID:x4X4N48F
では投下致します
798桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/11/06(火) 01:27:31 ID:x4X4N48F
第20話『あなたのくらやみ』

 病院に辿り着いた時、更紗と刹那の姿はまるで眠り姫のような安らかな寝息を立てていた。
これは単にあの告白を断ったことがきっかけで二人の意識はあの日からずっと眠ったままである。

そう、更紗と刹那は現実逃避をしているというのがあの店長の同じ人種である医者がそう診断したのだ。
苛酷な現実に耐えられずに人は夢の世界に逃げ込んだ。
それから、1週間も二人は意識が目覚めることなく、現在に至る。

 そして、桜荘の住人にことの事情を詳細に説明しろと言われたので俺は尋常ではない重圧を抱えながら、
安曇さん、美耶子、雪菜達から尋問されるために憩いの場に向かっている最中だ。
 事の真相が明らかになれば、皆は俺を軽蔑するだろう。自分勝手に幼馴染の二人の告白を断ってしまったせいで
更紗と刹那の意識を戻らない状態にまで追い詰めたこと。

そこに至るまでの学生だった自分が二人に突き放したことも。全て話すことにしよう。
 そんなことをやっても、更紗と刹那の意識は戻ることはないけれども。
俺は憩いの場のドアの前に立つと、軽く深呼吸してからそのドアを開けた。

 見知った桜荘の堂々たるメンバーが自分の席に座っていた。
俺がドアを開くとその冷たい視線が恰好を浴びる。

結局、1週間も何も事情を説明しなかった俺に全ての責任はあるのだから仕方ない。
自分の席に座ると真っ先に雪菜が俺に向けて口走った。

「おーにーぃーちゃーんー!! 更紗さんと刹那さんに一体何があったのかといい加減に教えてくれないのかな? 
病院で死んだように眠っている原因は全てお兄ちゃんにあるんでしょう。さっさと吐きなさい!!」

「まぁまぁ……雪菜ちゃん。ちょっと落ち着いてね。深山さんばかりを責めても仕方ないでしょう? 
元々、幼馴染の白鳥さんと進藤さんと深山のさんの間には深い確執みたいのがあったんだから。
まず、それから、私たちに話をしてくれませんか?」
 と、桜荘の唯一の良心である安曇さんは優しい口調だが、目が全く笑ってはいなかった。
静かにその怒りを自分の体で抑えているのであろう。
少なくても、俺の話をちゃんと聞き終えるまではその怒りを表に出すことはない。
その余りある些細な気遣いに感謝しながら、俺は言葉を開いた。

「今回の騒動の責任は全て俺にある。皆を騒がさせてしまったことはちゃんと謝る。
 これから、話す内容は俺と更紗と刹那の痛い青春話だ」
799名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 01:29:50 ID:HuzGEGW3
>>783
GJ!!
美希株大暴落!イジメかっこ悪っ!!

>>791
こちらもGJ!!
兄貴気づけwwww
800桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/11/06(火) 01:30:08 ID:x4X4N48F
俺と更紗と刹那は昔からの幼馴染であったこと。
 とある秋の季節に更紗と刹那が告白してきたのを俺が強引に断ったこと。
それが原因で二人の悲しむ顔が見たくないから、卒業まで更紗と刹那を避け続けたこと。

 そして、クラス全員の飲み会で女癖の悪いイケメンに絡まれているのを知りながら、俺は更紗と刹那を見捨てたこと。
すぐに故郷を捨て、桜荘に逃げたこと。
 それから、1年。

 更紗と刹那との再会。
 距離を置いた関係に疑問を抱くことなく、桜荘の生活を送っていたが。
 先日の転落事故が原因で俺の死が更紗と刹那と強く印象付けた。
 そのことがきっかけで曖昧になった更紗と刹那の想いが我慢できずに俺に告白した事。 
俺は再び更紗と刹那の想いを受けとめられなかった事。
 直後に更紗と刹那に異変が始まり、現在に至る。


 一通りの説明が終えると俺の喉は枯れていた。
真剣な眼差しで俺の話を聞く住民達に圧倒されていた。
緊張と重圧に耐えながら、額に流れる汗の滴をハンカチで拭いた。
しばらくの沈黙の時間が流されて、桜荘の住民は声を揃えて言った。

「一樹さん。最低です!!」
「お兄ちゃん。最低だよ!!」
「深山さん。最低ですね!!」
 ロンギヌスの槍が胸部に数回突き刺さるような衝撃を受けて、俺は大胆に床に倒れ伏せた。
この精神攻撃を耐えれる永遠の理想郷が欲しいと心の奥底から思った。

「一樹さんはいつもいつも女の子の裸のことばかりしか考えてない下半身野郎と思っていましたけど。
まさか、女の子の純情な気持ちをとことん傷つけるなんて。
鬼畜っていうレベルじゃあありません。
一樹さんの現在の称号は『偉大なる天然ジゴロ』ですよ!!」

「うっ……、その称号に反論したいが……。正論すぎて反論できん」

「深山さん。私、前に言いましたよね? 女の子は何気ない一言で簡単に傷つくって。
 女の子は大好きな人に告白を断るってことは『死』に等しいんですよ。2回も断ったということは死刑宣告に等しいんです!!」
「マジかよっ!!」
 と、思わず素で俺はツッコミを入れてしまった。さすがに人類の摩訶不思議である女心を理解するには俺では役不足だったのだろうか。
「雪菜はね。お兄ちゃんに冷たく避けられるだけでもう笑うことができないんだよ」
「雪菜」

「女の子はとても弱いから冷たく突き離すとすぐに壊れちゃうんだよ。
だから、大好きな人にはいつも優しくして欲しいと思っているの。
更紗さんと刹那さんの告白。お兄ちゃんは二人の内、どちらか一人を選ぶことができなくて逃げたんだよね。
でも、本当に大切に二人の事を想っているなら。それ以外の選択肢を選ぶことが出来たんだよ。
更紗さんと刹那さんが幸せに笑っていられる毎日があったんだよ」

 雪菜の言う選択肢を選べたら、どれだけ良かったことだろうか。
更紗と刹那と昔のように仲良く暮らして行ける毎日がどれほど貴重だったのか。
その絆が壊れて、始めて大切だったことを思い知らされる。
801桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/11/06(火) 01:32:31 ID:x4X4N48F
「雪菜とお兄ちゃんが始めて出会ったあの雨の日。
お兄ちゃんが優しく手を差し伸べてくれたおかげで親の愛情を知らなかった私に家族が出来たんだよ。
『桜荘』という大きな家族。雪菜の自慢の家族が。
だから、お兄ちゃんは更紗さんと刹那さんに私のように優しく接してあげれば、
元の幼馴染の仲に戻れるどころか。ずっと、3人で居られるよ」

「世は一夫多妻制の時代ですからね。鬼畜一樹さんのハーレムがいつでも作れる時代なんですから。
さっさと作るべきなんです。一樹さんのためにもね」
「雪菜。美耶子」

 二人、いや、この場にいる三人の励ましが何よりも絶望していた俺に勇気をくれる。
誰にも話さずに抱えていた暗闇の先端が溶け出す。
自分の失敗のせいで更紗と刹那を傷つけた過去に立ち向かわないとダメなんだ。

「でも、問題は深山さんが白鳥さんと進藤さんにしたことって、普通の女の子なら絶対に嫌われますよね?」
「さすがに鬼畜一樹さんのDV行為のおかげで更紗さんと刹那さんが発狂して病院に入院するハメになりましたからね。
これは一生謝っても許してもらえないんじゃないの? 
私なら慰謝料1000億円ぐらい払ってくれないと口も聞いてあげませんよ」
「真穂さんも美耶子さんも。お兄ちゃんだって少しだけ反省しているんだから。
これ以上、本当の事を言わないであげようよ。雪菜としてはちょっと酷いなと思うけど……」
 桜荘の三人娘の無責任な言葉が俺の心臓辺りにグングニルの槍が数本ぐらいまた突き刺さる。
無意識に触れないでおこうと思った問題を指摘されるとさすがの俺も酷い事をやってきたのだと自覚してきた。

「どうしようか?」
 助けを求めている困った子犬のような瞳をして、俺は周囲の人物達に訴えた。
「個人的に一樹さんは死刑確定が喜ばしいんですけど、現在ではその生やさしい死刑では誰も納得しないので。
ギロチンですっきりと首を切断することで自分の犯した過ちを償いするのはどうですか?」
「絶対にやらねぇよ」
「それは残念ですね。ヤンデレ症候群に感染した更紗さんと刹那さんが一樹さんを監禁する可能性があるので。
今のうちに死んでいた方が幸せだと思うんですけどね」

「そんなわけあるかぁぁ!!」
 とりあえず、デビル美耶子は後でボコリ決定と自分のスケジュ−ル帳に書いてから、俺は嘆息する。
「そんな深刻に考えなくてもいいですよ。白鳥さんと進藤さんの意識を目覚めてから、ゆっくりと考えたらいいんです。
まず、二人の事が心配でしたら、病院へお見舞いに行くべきですよ」

「それが無難かもな」
 桜荘の皆に真相を打ち明けた。安曇さんの言う通りに二人の意識が戻ってから、俺が犯した過ちを償う方法を考えるべきだ。
「今から病院に行ってくる」

「いってらしゃい」
 三人が笑顔で俺が去り行く姿を暖かく見守りながら、俺は憩いの場を後にした。
802桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/11/06(火) 01:33:41 ID:x4X4N48F
★一樹が行った後に
 一樹が去っていた後、三人の少女達は思わず嘆息していた。
鈍感な男の旅立ちを見送る母親の心境とはこのことを言うのであろう。
更紗と刹那がやってきたこの半月の事を振り返るだけで二人が今でも一樹の事を想っていることぐらいは誰でも理解できそうであった。
今まで隠してきた真相を一樹の口から聞かされても、茶番程度ぐらいしか聞こえないのである。
そう、幼馴染の関係以前に互いに両想いなのだから。さっさと付き合えば? 
が桜荘の住民の総意であった。
「こうなったら、私たちが一樹さんと更紗さんと刹那さんが上手く行くように手助けすることが必要だと思うのですが」
「深山さんも白鳥さんも進藤さんも妙にお互いを気遣っているのがいけないんです。
こうなったら、安曇真穂が人肌を脱いでやりましょう。うふふふっ」
「真穂さん。恐いよ〜」
「美耶子&真穂プロデュ−スで深山さんとあの子達が上手く付き合うようにしてあげるんだから。うふふふっっ……」
 凄まじい邪気のオーラーを感じさせる安曇の尋常のない迫力に雪菜はひたすら怯えているしかなかった。
803桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/11/06(火) 01:36:38 ID:x4X4N48F
★病院へ行きましょう
 最初に更紗と刹那が救急車で運ばれてから、俺が病院にお見舞いに行ったのは……たったの一回きり。
この一週間でたったそれだけしか行っていないのだ。二人に顔を合わせる機会がないと思い込んでいたから。
でも、桜荘の住民達にいろいろと背中を押してくれた。今度こそは逃げるわけにはいかないんだ。
 白鳥更紗。
 進藤刹那。
 と、書かれているプレートを確かめると俺はあのクソ医者から面会の許可を貰いに行った。
面会謝絶。意識もない二人の病状が命の危機はないと言え、一応、重病患者であるために医者の許可がないと入室することもできない。
厳重な管理体制を敷いているんだと関心しながら、あのクソの医者の部屋を尋ねた。
「解剖してやるぜーーー!!」
 ドアを開けると医者がメスを持ちながら、一人で暴れていた。一体、何をやっているのかはあえて聞かないことにしておこう。
「ん? 君は? 心の友よ!!」
「いいや。そんなボケはいらないので白鳥更紗と進藤刹那の入室許可を下さい」
「ナースの生着替えの動画をニ○ニ○動画にうpしたら。そんな許可をくれてやるが」
「風林火山!!」
 某テニス漫画のような複雑な動きでクソ医者を投げ飛ばした。
その壁で頭を打ったのか、糸が切れた人形のようにバタリと音もなく倒れていた。
「じゃあ、許可は貰ったので。勝手にしますよ」
 倒れ伏せるクソ医者の介抱することなく、俺はこの病室を後にした。

 今度こそ、二人が入院している病室の前に辿り着くと俺は軽くノックをした。
当然、返事はなかった。わかっていた。
俺はドアを開けると薄暗い部屋の中で二つのベットの上で眠っている更紗と刹那の姿が目に映った。
 以前に見舞いにやってきた時と同じで二人は眠り姫のように安らかに眠っていた。
今すぐにでも目覚めて欲しかったが、現実はそう甘くない。
 この病状は今の医学で治すことはできない。
二人の眠りはいつ目を覚ますのか神様だってわかりはしないのだ。
 俺がこの場所にやって来ても何の意味はないのだ。
その事実を把握すると俺は独り言を洩らしていた。
現実に耐え切れないことを懺悔するかのように。
804桜荘にようこそ ◆J7GMgIOEyA :2007/11/06(火) 01:37:23 ID:x4X4N48F
「本当は更紗と刹那には笑って欲しかったんだ。
こんな世界でも一人で強く生きて欲しいと思ったんだよ。
いつまでも、三人で居られるはずがないんだよ。俺達が子供のままじゃあいられない。
いつかは居心地のいい場所から巣立つんだ。卒業するんだ。
笑って、自分の生きる道を選んで欲しかったんだ。俺に依存して良かったのは学生の間だけ」

「幼馴染の関係はここで終わりにしよう。全て過去に置いてゆこう」


「だから、桜荘で最初からやり直そう。今度は俺達は普通に恋をして、日常を生きるんだよ。
桜荘の皆は暖かく迎えてくれるから……」

「目を覚ましてくれよ。もう一度、俺にあの笑顔を見せてくれよぉぉぉぉ!!」

(それが貴方の願いなんですね? 深山一樹?)

 その少女の声の主は知っていた。いつ、どこに入ったのかはわからないが、さくらはこの病室のドアの近くに立っていた。
「二人は夢を見ています。それは大切な恋の始まり。
永遠に繰り返す夢に逃げているの。深山一樹に振られた苛酷な現実から逃げている。
絶望を受け入れることができないから」「更紗と刹那を助ける方法はないのか?」
「助ける方法はある。ただし、本来なら目を覚ますことがない人間が強制的に意識を取り戻す荒技は体のどこかに負担がかかる。
それは貴方の大切な物を奪うことになる」
「大切な物って……」
「それは白鳥更紗と進藤刹那が長年積み重ねてきた深山一樹の想い。
その想いの強さのおかげで今回の自体を引き起こしたなら、その原因を奪うだけ。
心配しないで。恋する少女の平均的な想いになるだけだから」
「それはどういう意味なんだ?」
「ようするに大好きな相手に『好き』って伝えたいのに伝えられないとこまで戻るのよ。
せっかく、告白してくれたのに。貴方が返事をするだけで幸せになれたのに。残念ですね」
「いや、それでいい。今度は俺が自分の気持ちを告げる番だからな」

「では。始めるとしましょう。
 二人の終わらない悪夢を」
805トライデント ◆J7GMgIOEyA :2007/11/06(火) 01:40:20 ID:x4X4N48F
以上で投下終了です。
桜荘にようこそはついに終りがようやく見え始めました。


>>783
GJです。
次回以降の展開から目が離すことができませんね。
毎日、楽しみに読んでいるので、続きが気になって仕方ないです。
806名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 02:23:07 ID:EVazdMgU
>>783
おおおおおお!GJ!!攻守交替か!
なんか自分がこういうのが読みたいと思ってた方向に進んで感激。
この状況打開できそうなのが要よりも高田君っぽいのが気になるけどw
807名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 05:07:10 ID:iVqeSTVm
今日は投下ラッシュ日なのか?
GJが多いぜ
808名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 05:20:39 ID:TxOI6weA
>>794
ハミングじゃなくてサミングなw
809名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 05:40:44 ID:DHO1Zg6+
>>783
GJ!
涼子と麻希の二人は普通に最低ですねw
美穂は異常に最低ですねw
高田は無意識の自分勝手で人を追い詰めてる何気に最低なタイプw
追い詰められた美希は暴走、てだけでなく本当に過去にもやってたのかw
このグログロドロドロっぷりが素晴らしいw
要は秋穂と絆を深めてるようで、縋り付いて来る美希を拒絶はカタルシスがあってイイw
とりあえず戦闘力復活で漢らしく決めてくれれば今までの全部清算できるw
>>791
GJ!
うおぉ、ストレートにヤバイ妹だーw
兄貴無意識に逃げ過ぎw
てか女から遠ざけられちゃうって、男としては全然守られてねーw
>>805
GJ!
810名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 06:24:23 ID:9+pWEB0d
>>791
どうも転帰予報の雨音ちゃんを思い出してしまう。
今後は違う妹像が展開されることを希望。
811名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 07:26:53 ID:6v9aSeRj
グッジョブ!!!
812名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 09:05:19 ID:YsXQDk+b
悪だくみをしていることが先に明かされる=逆襲されるフラグ

としか見えない俺としては、美希がしてやられる未来しか思い浮かばない。
秋穂も2度は騙されないだろうし。俺的にはむしろそうなるのは望むところだが。

やべぇ、続き超楽しみw
813名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 11:32:05 ID:CrA+3HTN
このスレのおかげで、諦めかけていた受験を再び頑張ってみようと思った
814名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 12:06:44 ID:d/hbk8N+
>>813
ついでに受験ネタSSを書くんだ
815名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 12:21:30 ID:us9R6fmd
>>813
要の分までがんばれ〜
816名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 12:38:20 ID:AxCnqoQO
>>783 GJ!
秋穂の対応によっては美希終了のお知らせが来そうですね。
wktkしながら待ってます。

>>791 こちらもGJ!
てか兄ちゃん、そこは深く追求しなきゃダメだろwww
先輩の明日が心配です。

817名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 12:53:46 ID:BQVMJFOu
>>783
処女独占厨のオレははじめから秋穂を半々の願望混じりに応援していて、明確となった要との行為後は完全に秋穂派と化したので、この展開はいい感じなんだぜ。
秋穂としては、美希が要に拘るのは想定外、いじめ再開は想定内ってあたりだろうから、いじめは対策しつつ、要については拗れるって絶妙な展開になりそうだし。
涼子と麻紀を利用すればいいと「思い出した」美希は、昔の秋穂と同一視した美穂の排除にも彼女らを利用しそうなのもいいね。
818名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 13:11:25 ID:O8gNGxnZ
一万年と二千年前から愛してる はおもしろくともなんともないから
もう切ってください お願いしますm(__)m
819名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 13:54:32 ID:W62s2gTI
>>805
やべぇ
雪菜の台詞だけでちょっと涙が沸いてきたぜ
トライデント氏GJです!!
次回が楽しみだよ
820一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 14:34:03 ID:DA9suMIy
代わりにもっと面白いの何か書いてくれたら打ち切るよ。
821名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 14:45:23 ID:VlRqYr75
>>820
いちいち反応してると厨房みたいだぞ。
俺はあんたのをスルーしてるが、あれみたいにいちいち文句言うやつはただの嵐だ。
気にしたら負けだぞ。
822名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 14:54:58 ID:1hLNDMsP
荒らしに構うのも荒らしだぜ、>>818
まあ分かっててやってんだろうが…
823名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 15:14:47 ID:eivW6fnM
気付かないって、ここまで来ると罪だな。
824 :2007/11/06(火) 16:10:23 ID:QnpLcEVA
ていうか山のように在るじゃん>面白い話。
825一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 16:46:50 ID:DA9suMIy
ですから、>>818に言い返したんです。
826一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 16:50:08 ID:DA9suMIy
>>818は嫌いなら読まなきゃ良いんです。もちろん、僕の文章も稚拙ですが。
827名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 16:55:06 ID:eLU9rQc1
だぁぁあああああああうっぜえええぇぇぇえぇえ!!!
828名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 16:56:57 ID:yCkRYj24
ここに来てるってことは大人なんだからスルーぐらいしろよ・・・
829名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 17:11:49 ID:5ukXFpkH
何が悪いのかわかってないんだなあ
半年ROMれよ本当に
830名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 17:24:45 ID:1Y8x8zWc
頼むから2ch慣れしてから来い
何が悪いか分からない限りずっとこのままだ
831名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 17:29:16 ID:J+CD7apL
おまえら、なに空白レス番相手にしてるんだよ。
とっととNGNameに指定しようぜ。
832 ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/06(火) 17:50:47 ID:K7XOFH9/
投下します
前回のきり方が不味かった為、重複分が二行あります
833世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/06(火) 17:52:50 ID:K7XOFH9/
「誰にあげた話をしているのかな?私はもらってないんだけど」
「……」
まいったな。
と一呼吸おいてから隣を見て、

笑ってる。
「もー。小夜にあげたんでしょ。その事忘れてるの知ったらあの子泣くよ?」
「ん、そうだっけ?」どうにもはっきりしない。
「それは誰にでもあげててハッキリしないという事かな」
なぜそういう方向に話を持っていくのか、と思いつつやっぱり焦ってしまう。
「いや違うって、大体あげる様な人いないし」
「へー。最近、御塚さんと仲良さそうに見えるけどー」
「いや、アレはそういうんじゃないって。
判らないとこがあるからって、勉強聞きに来てるだけだよ」
「わざわざマックで?」
「――」
「バカ」
「ッつ、抓らないで。
見かけたんなら声かけてくれればいいの――、イタッ、痛いから、本当に痛いから。
本当にそんなんじゃなくて、お礼に奢ってくれるって言うから――。止めて、
悪霊退散とか言いながら叩くの止めて」
「馬鹿、ご飯なら私がいつも用意してるのに」
「いや、その瞬間に食べたい時ってあるじゃない?まして奢りだし」
「それでほいほいついてっちゃうなんて。お猿さんですか。
ご飯なら私が作った方が美味しいよ、流石に。それに……」
――それきり何故だか言葉を続けようとしなくなったヒカルは、
だけれど何かを言いたそうにこっちを見ては視線を外しての繰り返しで、
何かう〜、む〜唸ってた。
834世界のetc:2007/11/06(火) 17:54:44 ID:K7XOFH9/
そんな様子がおかしくて
なんとなしに、笑いながら彼女を抱き寄せた。
それを嫌がらずに向こうも結局笑いながら手を絡めて離れない様にしてくれる。
後ろから抱きしめる格好になって顔に当たる髪の匂い。
懐かしい匂い、これはそんな匂いなんだろう。
昔から惹かれていた匂い。そういう事なのかな。
「浮気は駄目なんだからね。こんな事じゃ誤魔化されないよ」
そんな事しない。と意味を込めて腕に力を入れる、離さない様に。
そうして少しの間続いた沈黙が何だか息苦しく感じられて
呼吸するみたいに口を開いた。
「小夜ちゃん今年もこっち来ないんだよね」
「……そうだよ、詳しく聞いてないけど」
んっ、と言ってヒカルは離れた、手は握り合ったままだけど。
「それでも一昨年まで来てたのに。ちょっと寂しいかな」
「今年もちょっと無理みたいだね。けど都合がつけば絶対こっちに来るよ」
「そうなの?こっち来ても何にもないけど」
「分かってない感じですね。分かってたけど」
「ん?」
「とにかく小夜は今年も無理」
「そっか……」
ため息みたいに息を吐いて、すぐかき消えるそれををなんでもなく見ていた時、
手を少し強く握られた。
その感触に反応すると、ヒカルはこっちを見ずに笑っていて。
それはどこか所在なさげで悲しそうな、
あの顔を思い出させた。あの、光の中で見た顔を。
835世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/06(火) 17:56:42 ID:K7XOFH9/
「シン。……どうかした?こっち見ていきなり黙り込んで」
「いや、はは。ちょっとぼーっとしてた」
誤魔化しながら周りを見渡した。色々な人がいる。
笑いながら大きな建物に入って行く人、出て行く人。
タバコを吸いながらぼんやりしている人、早足ですたすた行ったり、
仲間で騒ぎながら歩いていたりもしている。
大きな建物、新しく出来たショッピングモール。その外観は誰もを歓迎してた。
そこへちょっと腕を引っ張って導く様に。
「やっとついた」
「本当、ちと疲れたね。っと、そんなに引っ張らないでよ。
来る前は乗り気じゃなかったくせに」
「うおっと、送迎バス出てるんだ」
「帰りはバス使おう。おばあさんには堪えるよ」
笑いながら入っていく。いつもの、一緒にいる雰囲気。
吹き抜けから見える厚い雲もここでは別世界の事
とりとめもない人たちが一つの方向を向いている、
僕らも僕らの視点で一緒の方向に歩いていく。
そうして中に入ってからヒカルは元気になり
僕の方はダウン寸前になったのはお約束だろうか。
ジジイは無理がきかない
836世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/06(火) 17:58:52 ID:K7XOFH9/
「ねえ、ちょっと休まない?」
「ん、そうだね。じゃ飲み物買ってくるからそこに座っててよ」
「いや、別に――」
「いいから、お茶でいいよね」……行ってしまった。
「別にどっかでコーヒーでも飲もうかと思ったんだけど、まあいいか」と座る、いや本当に疲れた。
ボーっと待っていたら
「あー」と声をかけられた。
「おー」と声を返す。小池、小池……何だっけ。同じクラスの人なんだけど。
「崎山君も来てたんだ。一人?」
「ん、いや違うけど」
「ハハッ、やっぱり。一人で来るわけないよね」
凄く嬉しそうな笑顔で「仲いいもんね、光と」一言付け加えられた。
「いやまあ、そうだけど」
「付き合ってるの?」
「えっと、一応そうさせてもらってるけど……」
認める事に抵抗は無くて、何でこんなに突っ込んでくるのか、それが不思議だった。
「一応はいらないって。見ててすぐわかるし、もっと胸張っていいよ。
でも、そうだよねー。光に聞いても、
付き合ってないの一点張りでさ。顔真っ赤になって否定するんだもん。
かわいーけど、そろそろ飽きてきたし、これからは公認カップルとして扱っていこうかと。
とりあえずは人前でちゅーとかする様になるとさらに見てて面白いんだけどなー」
「ちゅーって、それはないから」
「駄目ですねそんな事では立派なバカップルになれません」
「……」馬鹿にされているのだろうか。
「まあ、ちゅーは兎も角たまには判り易い位の方がいい時もあるよ。もっと判り易く
幸せオーラを出してくれないと。一緒にいて幸せとか、
嬉しいってもっとアピールしないと。
今この場で言ってごらん、好きだ好きだ好きだーって」
「何故!」
「いや嬉しいと思うけどね。私はそんな事されたら恥ずかしいけど」
「やっぱり恥ずかしいのか、そんな事やらせようとしないでよ」
「恥ずかしい事でも好きな人からされたら嬉しいもんだよ。崎山君はさ、
もっと光の事信じてもいいんじゃないかな。
二人とも何だか遠慮しあってる様に見えるから。
大きなお世話だって言うのは判ってるんだけど、うん。ごめんね」
「いや……」
他の人からそう見えるって事はそうなんだろう。
求めて拒絶されたらなんて怖くて考えられない、劣情に任せてなんて求めたくない。
そんな馬鹿な考えが透けて見えてる様でバツが悪くなった。
837世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/06(火) 18:01:20 ID:K7XOFH9/
「? まあいいけど。光を待ってるんでしょ、私行くね。
あの子、私が崎山君と二人で話してると五月蝿いから。
何話してたの? とかさりげないつもりできいてくるし。彼氏としてしっかりしてもらわないと」
「アハハ。いやそれは」僕がどうこうより昔からそうでした。
昔は直接僕の所に聞きに来てたんだけどな。じゃあと別れてからそんな事を思い出した。
おばさんと話しても聞きに来たんだよな。ちょっと笑える。
「ずいぶん楽しそうだね。不気味ですよ」
「いや幼稚園位の時の事を思い出しててさ、
おばさんとか友達とヒカルがいない時に話した事をしきりに聞きたがってたよね」
「そうだっけ。けどまあ仲間外れが嫌だったんじゃないの?多分。はい緑茶」
「ありがと。自分の事なのに曖昧だね」
「昔の自分なんてそんなものでしょ。
もう今じゃ何を考えていたのかさっぱりだったりする事だってあるし。
でもその時の感情と光景だけは覚えてたりするんだよね」
「うん」
それが記憶って事なんだろう。
「シンはこっちがヤキモキする位マイペースだったかな。遠足の時一人早弁してたし」
「はは、いやまあ、お腹減ってたんじゃないの?多分」
何考えてたんだ自分。
「結局お弁当の時間に私の分を半分にして。それを見つかってなぜか私まで先生に怒られるし」
「そうだっけ、確かおばさんに作ってもらったんだよな。おいしかった」
「懐かしいね。今でもその時のお礼は受け付けてますよ」
いやヒカルに、と言いかけた言葉は飲み込んだ。
ヒカルは凄く嬉しそうで
その時の事はきっと楽しい事だったんだ、と思わされて僕では邪魔なんか出来そうも無かった。
どんな記憶も過去の事なら笑える、嬉しい事ならなおさらだ。だから今日の事も笑える筈。
サヨナラ。僕のお銭。
結局大多数の冷やかしと少しの買い物を済ませた頃には辺りはもう薄暗く、
夕日の暖かな光は雲でさえぎられ、鈍色の世界だけがそこにある。
僕は何度も一人でそうした様に自然と見上げて目を細めた。
観測者がいて世界は決定する。観測の仕方が変われば世界は変わる。
言葉遊びではあるけれど。強く、強く信じてる。信じるに足るものがある、この世界には。
「しかし寒いな」
「日が暮れるとさらに寒いね、さっさと帰ろう」
手を握り合って、腕をからめて、寄り添いあって。
838世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/06(火) 18:03:09 ID:K7XOFH9/
帰りの電車でヒカルは寝ていた。
一人で窓ガラスのほうを見る、辺りはもう暗くて僕の顔しか映らない。
僕らの他には数人、皆一様に疲れた顔をしている。こういう所はあの頃となにも変わらない。
変わったのは僕が僕らになっただけ。
僕自身は、どうだろう、他から見たら何も変わっていないのかも知れない。
でも僕はあの時、ヒカルのいた世界を感じられた自分を信じてる。
僕だけが、でも構わない。
何度も繰り返した問答をやめて眠気に身を任せた。

帰りの電車で私は寝た振りをした。
シンの事を考えるために、シンにくっついて。
シンは分かっているのだろうか、私がどんなにシンの事考えているかって。
帰った家に居る筈の人が居なかった時の寂しさを。
その人が他の子と居たって知らされた時の哀しさを。
その子と比べて自分の方がかわいい、なんて思ってしまう私を。
シンを抱きしめるのは私だけで、
タバコの匂いの混じった雰囲気には私とシン、だけの筈なのだから。
その筈なのに不安になってしまうのは何故なんだろうか。
信じていない訳じゃない、けど言ってくれるまで不安で。
答えてくれる言葉と瞳が如何しようもなく、心に暖かく嬉しい。
有り体に言えば、惚れた方が負け。という事なんだろう。
不安だからって暴走気味にならない様にはしているのだけど。
その時遅く帰ってきたシンを家に入れないでそのままにしたっけ。
嫌な自分。あんな事をして誰が一番怯えていたか。
判っている、もう子供じゃない。私の気持ちは別に恥ずかしい事じゃない。
過度に押し付けなければいいだけ、って雑誌にもあったし。
……いいやもう、シンは私を選んでくれた、許してくれた、それは事実だし。
でも本当にそうなのか、やっぱり答えは無い。
いや答えなんて、始めからシンにくっついている時点で求めてないんだ。
初めからこれを求めてる。だからシンがいないと考えられない、怖いから。
こんな私を小夜は許してくれないだろう。
けど小夜は今年もシンに会わず、私は毎日シンに会いに行ってる。
だから、結局はそういう事なんだ。
そうしているうちに本当に落ちていった。
839 ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/06(火) 18:04:41 ID:K7XOFH9/
投下終了します
軽い嫉妬と軽い修羅場がテーマなので軽い気持ちで読んで貰えれば……

SS自体はほぼ完成しているので、話が小さく短い間になりますがコンスタントに投下します
840名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 18:42:31 ID:cyZEFdGJ
>>805
とりあえず、GJ
幼馴染の二人にモテている一樹が羨ましいですよ
841名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 18:56:41 ID:Lzg03qf8
このスレも活気が戻って来たのう
うれしいのうwwwwうれしいのうwwwww
842一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 20:38:19 ID:DA9suMIy
投下します。


二人で朝飯を食べていても、どこか舞香の雰囲気がおかしい事が気になる。
「舞香、どうした?さっきから視線が定まってないぞ」
「え?そうかな?私は別に普段どおりだよ?」
「そうか?普段のお前はもう少し雰囲気が穏やかだろ。何か不安ないし不満があるのか」
「あ、やっぱ分かっちゃう?」
「あたりまえだろ?何年一緒にいると思ってるんだ?お前の様子がおかしい事に気付かないわけないだろ?」
「そ、そっか、え〜っと、実は大空さんのことなんだけどね・・・」
「大空さんがどうした?」
「えっと、あ、あのさ、優君、その、大空さんの告白の件、だけど、結局どうするの?」
「ん〜そうだな、まあ、せっかく俺の事好きだって言ってくれてんだし、オーケーしようかな・・・
このチャンス逃したらいつ彼女が出来るかわからんし」
「え、ちょ、それって、特に好きでもない子と付き合っちゃうの?」
「好きでもない、っていうか、こう言っちゃ悪いけど大半の高校生カップルなんて、
そんなもんじゃないのか?現に相手をコロコロ変えてる奴なんてざらにいるし。それに、
大空さんは綺麗で優しいからこれから好きになってくかもしれないし」
「そ、そんなの駄目だよ!!」
「何でだ?彼女から告白してきたんだろ?」
「それじゃ大空さんに失礼でしょ!?良い!?本気の好きに応えるからには、自分も相手の事を
本気で好きじゃなきゃ駄目なの!!そんな考えじゃ後で絶対お互い嫌な気持ちになる!!」
「いや、落ち着けって」
「落ち着けないよ!!例えばさ、優君がもし心の底から好きになった女の子がいたとするよ!?
その子が生半可な気持ちで告白受け入れてたとしたら嫌でしょ!?それと一緒!!とにかく、
本当に好きじゃないんだったら、告白を断って!!それが結局は大空さんのためでもあるんだよ!?」
「じゃあさ、断れば相手は傷付かないか?もし本気の告白して玉砕したら俺は三日は引きこもるぞ?
それにな『相手も愛してくれる』っていう見返りを求めてる時点でそれは恋でも愛でもないと思うぞ」
「バカ!もう良い!!私、優君の事見損なった!!!もう知らない!!」
「おい、ちょっと待てって、おい、舞香!!」
「うるさいうるさいうるさい!!優君なんか大嫌い!!もう話し掛けてこないで!!」
843一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 20:39:58 ID:DA9suMIy
ドタドタドタドタ・・・バタン!!

「まったく、あそこまで怒鳴らんでも・・・」
俺は二人分の食器を洗いながらため息を吐くが、確かに舞香の言い分も分かる。舞香にはああ言ったけど、
やっぱり、自分の本気の気持ちには本気で応えて欲しいだろう。俺だって、人を好きになればきっとそう思う。
だけど、これから好きになるかもしれないってのは本当に駄目なのだろうか。
「告白の事と言い夢の事と言い舞香の事と言い・・・随分妙な気分が続くな・・・・」





「う、クスン、えぐ、ううっ、どうして、どうして優君気付いてくれないの・・・・?」
天野舞香はベッドの中でただ泣くしかなかった。朝の一件からずっとだ。
あの時あんなに腹が立ったのは、優が自分の気持ちに全く気付いていないどころか、
『高校生の愛なんてそんなもの』と、まるで自分の気持ちが軽いような事を
言われたからである。もちろん、本当はそこまで酷い事を思っていなかっただろう。自分を心配させまいと気を
遣ってくれたに違いない。本当は分かっている。自分も、彼の冷たく見えて実は優しいところに惹かれたのだから。
だが、自分の気持ちに気付いて貰えなかったのは紛れもない事実である。本当なら『大好き』と言いたかったのに、
そのことを思い知らされて思わず『大嫌い』と叫んでしまった。おまけに彼の制止も聞かずに出ていってしまった。
もう彼と話すこともできない。
「優君、ゴメンナサイ。嫌いなんて嘘。本当は引き留めて欲しかったのに、好きだって言って欲しかったのに・・・」
今の舞香には何も出来なかった。話し掛けないでと言ってしまった以上、もう彼は話しかけてこない。
何故なら、彼は小さい時から『人の嫌がる事はせず、制止されればそれ以上踏み込まない』という信条を掲げているからだ。
それは自分が他人からの詮索や踏み込まれるのを極度に嫌う性格の裏返しでもあった。今まで彼の心の壁を通り抜けて踏み込む事を
唯一許されていた自分は、本当に幸せだった。傍にいるだけで良かった。彼が他の女の子と話をしていても、それは必要だからで、
会話が不要なら彼は自分以外に話しかけたりなどしないからだった。
「私、自分からすっごく幸せな世界を壊しちゃったよ・・・・」
何故あそこまで焦ったのか原因は分かる。以前、彼が大空翼と喋っているのを偶然見かけた事があった。その時は
入学式の教室が分からなかった翼を案内しただけだったから嫉妬など沸かなかった。実際、案内し終わるとすぐに
自分の元に返ってきてくれる。それが自分と他の女の最大にして絶対の違い。世界で唯一彼から特別な感情を抱いてもらえるという
自信、それが壊されそうになったからだ。告白されたと聞いた時、少し驚きはしたがさほど不安じゃなかった。
844一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 20:40:59 ID:DA9suMIy
でも、保留にした、付き合う可能性がある事を知った時、舞香は一瞬世界が暗くなるのを感じた。自分も本当に信じられる
人間なんて優や両親を含めても両手の指で数えるほど。世界でほんの一握りの人間。その中でも優だけは別格だった。
自分を不思議がるでも煙たがるでもなく、黙って一緒にいてくれた。実のところ、彼にイジメで直接助けられたのは
あの幼稚園の一件だけ。低レベルなイジメなら彼は放っておいた。しかしそれは、この程度でダメにならないという、
自分への、無意識の信頼故だった。そして、実際に外傷を加えられたあの時、本当に助けが必要なあの時は助けてくれた。
それ以来、自分の心の八割以上を彼が占めていた。そんな彼が自分以外の女の侵入を許すかもしれない、その恐怖に心が震えて
冷静な判断力を失ってしまったのだ。あの時叫んだ翼のため云々というのは所詮自分の世界を守る行動を正当化するための建前。
だが、結果として彼は遠いところに行ってしまった。翼と付き合うかは分からないが、少なくとも自分の心に開いた穴は決して
小さくない。もう彼の優しさを感じることも出来ないのだ。それが何より悲しい。
(優君、お願い、舞香の所に来て・・・大空さんじゃなくて、私だけを傍に置いて・・・お願いだから・・・)
舞香はそのまま悲しみの涙と共に眠りに落ちた。
845一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 20:42:12 ID:DA9suMIy
今日はここまで。ありがとうございました。
846名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 20:45:41 ID:EVazdMgU
>>845
あんた叩かれても叩かれてもそれなりにまじめに書き続けるなぁ。
改行も前より改善されてるし。その心意気にGJ。
847名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 20:58:21 ID:b7S2H0NC
                             .┌┬―゙ ̄ ゙̄―┬┐
                         _______|_,,|___,||___,|,,_|_______
                       ./====──── ============\
                       ||.0 1 T.|. 5107 .│|.・・.|| ○ ○ | ||
                       ||.─.─.| 二二二.|├.──‐.───.||
                       ||    .| |    | |│  '´  ,、`ヽ   ||
                       ||    .| |    | |│ i ,ノノ ))リ,  . ||
                       ||__,,,| |__,,| |..|  |!il "ヮ ノl|   ,||
                       ||.--.--.|-------|-''''''''''''''''''''''''''''''''''''||
                       ||__,,,|____,|  ____ _,,,,,,,||
                       ||.┌┐..|       (⌒.       .┌┐||
                       ||__llllll__,|    ,´/´^`ヽ..____llllll._||
── =≡∧_∧ =            .  ||.--.--.|-  ノ〈 从ソ)ハ.--.----.---||
── =≡( ・∀・)  ≡    ガッ      _     (リ(!;゚ロノリ゙゙――――‐┘
─ =≡○_   ⊂)_=_  \ 从/   ――  ―   ⊂ )允iつ _| ||||||||||||||
── =≡ >   __ ノ ))<   >  ――   ― 三  く/_lj〉   |||||||||||||||
─ =≡  ( / ≡__ /VV\     ̄ ̄ ――  (ノし'   |||||||||||||||||
── .=≡( ノ =≡     ./.|         |||llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll|||
               // |    /  // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\  \
            .//  .|   /  // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\  \
           //   |  /  // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\  \

>>845
つまらない作品はこうやってNG指定を入れるってぼくらは決めたんだ
                           さ よ う な ら
848名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:00:38 ID:b7S2H0NC
       /:./.:::  .:: .:::::: :ハ::: :..:.. .   : .:i:.:ヽ:ヽ  :. : :.: \ -‐''´
     /:./.:::  .:: .::::,ィ:: ::i .|:::i:..:..:.:.:.  :..:.:i:.:.:i.: :.i ::, -‐'''´
     /:./.:::. :.:i.: :.:.:ハ:.:.:| !:.ト、:ヽ:.:.:.  __,.. -‐'''´    / /
     i:.:|.:.:i.:. :.:i:.:.:.:.:i  ';::.| ';.γ--'´ ̄       / //  /      /r
     |:.|:.:ハ:.::.:.i:.:.:.:.i_,.-弋ミ V          / //i  |    __/i
     |::| l ::!:.:.:i:.:.:.:.|r'''゙,ニミ' )          ,'   l l |  |   ⌒(   
     | iヽ ::ト.├、:.:.i ト-(、◎i         l   | | l  |         
    //  ::{入Y:\{. !ゞ ノ"} !         l    | 丶 丶
    //::  ::\ヾっ ヽ  r ' |              丶 丶'
   //!:  :.:.:i::.:`ー弋   丶 }               \'
   // | : ::.:i:.:.:.:i:.:.:.::ヽ   '-ミY           ,. -'´   ∠ミーニ丶、
  // | :::.:.:.i:.:.:.:i:.:.::.:.:.|\ // )         /   r;┬':
  //  |:.:.:.:.:i.::..:.:i:.:.:.:.::.|  `  丶、_ _/ ̄>-'⌒ー‐'´


ゴミ以下の作者はこうやって殴られますのでご注意くださいね
849名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:36:27 ID:bz3pqDuv
>>845
GJ!
850名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:39:03 ID:OlOFLwLP
調子に乗るので触らないでくれ。頼むから
851名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:39:29 ID:ZqxrrgN7
その投下し続ける姿勢はなかなか好きですよ GJ

>>847の方が、今回に関して言えば惨めに見える
852名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:41:33 ID:bz3pqDuv
>>850
あんたも触れてるじゃないの^^;
853名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:46:20 ID:Fk1hzvtQ
>>845
GJ!
未完の作品が多いこのスレの中で、
コンスタントな投下量に期待してる!
854名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 22:07:43 ID:CTYrmfaw
気を使うこととつけ上がらせることを履き違えている人が。すごく、多い。
855名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 22:07:48 ID:95BI9J31
もうそろそろ次スレの季節だな
856名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 22:19:04 ID:b7S2H0NC
小「もうイヤ。頭にきた!別れる!(早く止めてよ)」
鳩「待って!ごめん、言い過ぎた。僕には君がいないとだめなんだ!」
小「・・・バカっ」ギュ
鳩「心配させんなよ。でも君も少しは僕の言う事も聞いてくれよ」
小「うん・・・」

チュッ


↑今回の民主党騒動のまとめ
857名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 22:27:36 ID:9XL5tYEf
>>856
いくら脳内変換してもあの面子は駄目だ・・・
858名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 22:30:25 ID:OlOFLwLP
福『そんな!?…私との約束はなんだったの!!(連立政権)』


あー…もうだめだ小沢死ね
859名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 22:34:57 ID:sVbX3JxN
萌えるぜ!! てか、何でもかんでも嫉妬修羅場にしてくれるスレは
恐ろしいと思うんだが・・・・・w
860名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 22:45:12 ID:R5i9jvfK
楽しみにしてるよ。

これで荒らしに触れないでいてくれりゃなあ…
861一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 23:03:10 ID:DA9suMIy
投下します。

(これは・・・・夢・・・?)

「この泥棒猫!!」
自分と視覚を共有する『誰か』は叫び、大振りのナイフをベッドの上に座る白服の麗人に振りかぶる
「ちょ、ちょっと、どうしちゃったのよマーヤちゃん!!」
白服の麗人は驚きに表情を硬くし、しかし驚異的な反応速度で周りの家具で刃を防ぎ、ベッドから下りて棍棒を構える。
「私たち、友達じゃない!!」
しかし、マーヤと呼ばれた『誰か』はナイフの構えを解かず、ひたすら強烈な憎悪を声に空気に纏わせる。
「うるさいうるさいうるさい!!お兄ちゃんの優しさに付け込んで家に居座り、挙句に交わったこの薄汚いメス猫!!
こんな心の汚い女だと知ってたならあの時助けなかった!!」
「な、何言ってるの!?ユウは私に『家族になってよ』って言ってくれたのよ!?そして、私達は村の皆に祝福されて夫婦になった!!」

(ユウ・・・優君の、名前・・・・?)

「黙れ!!お前がいなかったら、お兄ちゃんの隣には私がいて、一緒に暮らせる筈だったのに!!殺してやる!!」
「やれるもんならやってみなさいよ!!もし私を殺せたってユウから嫌われて終わりよ!!」
白服の麗人も『マーヤ』に負けず劣らずの強烈な殺気を全身に纏う。
「天使だからって調子に乗って・・・死ねェエエエエエ!!」
そのまま怒涛の勢いで『マーヤ』はナイフを麗人に突き出す――――が、
「側面ががら空きよ!!」
「!?」
麗人は一瞬の隙をついて側面に『マーヤ』の側面に回りこみ、わき腹に必殺の勢いで棍棒をたたき付ける。
「う、ぐぅああああああああ!!」
内臓が破裂したのか、獣染みた声を漏らした『マーヤ』は急いで後ずさりで距離を取り、しかし憎々しげな眼光は
変わらず麗人を睨み付ける。
「ねぇ、今ので分かったでしょ?お願いだからユウのこと諦めて。私、あなたの事も妹として好きなの。
だから殺したくないの。今ならまだ治療も間に合うわ」
「だ、まれ、お前がお兄ちゃんと交わったと知ってからどれほど殺す機会を伺ったか・・・殺してやる」
「そう・・・。悲しいけど仕方ないわ。かかってきなさい」
だが、『マーヤ』は負けを悟ったか、きびすを返し、わき腹を手で押さえながら森へと走り去る。
862一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 23:05:47 ID:DA9suMIy
「くそう、くそう、あの女・・・ケホッ、ケホッ・・・ぐ、あの女が憎い、せめて一矢報いてやりたい・・・・」
『マーヤ』はふら付きながら歩いていると森の中から籠を背負った青年が出てくる。

(嘘、優君・・・?でも、髪の色とか、肌の色とか違う・・・でも、そっくり・・・・)

「マーヤ!?どうした、誰にやられた!?」
青年は慌てて掛けてくる。そして『マーヤ』を抱きかかえたとき、

グサッ!

「う!?ま、マーヤ、何す・・・」
「ゴメンネお兄ちゃん、でもね、お兄ちゃんが悪いんだよ?あんな女と交わって・・・でも安心して?
別にお兄ちゃんが嫌いになったわけじゃないの。むしろ愛してる。だから、生まれ変わったら一緒になろ?」
「何・・・を、ぐぁあああぁ」
「ゴメンネ、あの女に死体が見えるように、お兄ちゃんをここに置いておく。でもね、また一万年後ぐらいに会おうね?」
「マー、ヤ・・・・」













「うわぁ!!」
舞香は跳ね起きた。心臓がバクバクいってる。
「何・・・夢だった・・・の?」
不思議な夢を見た。でも普段見る夢とは決定的に違う。寝ている間に見る夢とは自分の記憶と思考の結晶。
夢を構成する二つの要素、記憶と思考、両者の比率によって夢の質が決まる。夢の質は、目が覚めたときの記憶で判断できる。
記憶が要素の大半を占める夢の場合、周りの風景が比較的はっきりしており、他人の台詞も聞き取りやすい。
そして、中で起こる現象は概ね物理法則に則っており、目覚めたときに内容を良く覚えている事が多い。
一方、無秩序な思考が大半を占めるタイプの夢は、特徴が前者のほぼ逆。目が覚めても詳細が思い出せない事が多い。
これらの事を踏まえると、『視覚や聴覚がはっきりした夢は過去の回想である事が多い』ことになる。
なら、自分が見ていたのは何なのか。全く見た事のない景色の筈なのに妙にはっきり見えた。
そして自分はその夢の登場人物の一人と視界のみ共有していたらしい。だが、妙な部分があった。
飛んでる夢を見た時、自分はその状態に疑問を持つことは少ない。また、疑問を持った時点で夢と気付くか目が覚めるか、
いずれにせよ、現実に比べて人は思考能力が多少不自由で、代わりに空を飛べたりと行動的には自由である。
なのに、今回の夢はおかしい。明らかに夢だと気付いているのに目が覚めない。
そして、例えるならば他人の視覚情報と聴覚情報を無理やり自分の脳内に流されている感じ。
それが自分の抱いた率直な感想。そして、ユウと言う名の、自分の最愛の幼馴染に瓜二つな青年。マーヤ
という名の自分と視界を共有する少女。そして、大空翼にそっくりな顔の、天使・・・。
「もしかして、いわゆる・・・前世の、記憶?私、前世で優君を殺しちゃったって、事?」
全身が冷や汗でまみれる。
「ま、まさかね・・考えすぎだよね。やっぱ、大空さんに嫉妬しちゃっただけだよね・・・」
863一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 23:10:36 ID:DA9suMIy
今回はここまで。ありがとうございました
864名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 23:11:43 ID:rVBWTUbr
NGがどんどんふえてるんだがやはりなのか?
865一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/06(火) 23:15:39 ID:DA9suMIy
>>861訂正箇所あり。
側面に『マーヤ』の側面に→『マーヤ』の側面に
866愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:26:31 ID:g3y9e/2H
こんにちは。
>>44の続き投下します。今回からは遼くんの回想編です。
867愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:28:26 ID:g3y9e/2H


 それはただの、ありふれた恋の話。世界中を探せばどこにでも転がっていそうな、格好
悪くて最低な男の、なんてことのない失恋の話。
 
 あるところに、仲の良い男女のグループがいた。
 中学生活をずっと一緒に過ごしてきたその彼らは、三年生になって、高校受験を、それ
ぞれの別れをこの先に控えていた。

 その中に僕がいて、彼女も―――藤田朋子もその一人だった。

「あのさ………俺、ずっと藤田のことが好きだったんだ。良かったらさ、その………俺と
付き合ってくれないでございませんか!?」

 その十一月、僕は思い切って彼女に告白した。生まれて初めての女の子への告白、僕は
緊張でガチガチだった。場所は体育館裏。なんてベタなシチュエーションで、なんてアホ
な失敗。

「何、その『付き合ってくれないでございませんか』って?」

 緊張のあまり、変な言葉を使った僕を彼女が笑う。

「あ、あ〜もうそんなことどうでもいいだろ? ………で、どうなんだよ?」

 照れる僕をまた彼女は笑った。全く彼女はいつもこうだ、人の話を真面目に聞いてるの
か疑わしい。

「……うん、いいよ中原。あんたと付き合ってあげる」

 その言葉を聞いて、その笑顔を見て、体中に弾けるような歓喜が訪れたのを、今でも僕
は覚えている。

「マジで!? 本当に!?」
「嘘ついてどーすんのよ」

 嬉しかった。多分これまでの一生の中で一番嬉しかった瞬間だったと思う。
 
868愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:29:34 ID:g3y9e/2H


 その日の夜、僕はそのことを親友だった健二に電話で話した。もちろん健二も、僕や朋
子とよく一緒にいるグループのメンツだった。

「ようどうした、何かあったか?」

 親友なんていっても別に僕らはしょっちゅう電話をしあう仲ではなかったので、健二は
意外そうな声で電話に出た。

「あのさ……、俺藤田と付き合うことになった」

 この喜びを誰かに伝えたかった。誰かにおめでとうって言って欲しかった。こいつなら、
健二ならそうして僕らを祝福してくれるって、そう思っていた。

「―――えっ?」

 それだけ言って、健二の声が止まった。
 まあ無理もないか。今までそんな相談とかも一切してなかったし。

「………そっか、おめでと」
「おう、サンキュ」
「どっちから告ったんだ?」
「俺」

 その時の僕はとにかく彼女が出来たことに浮かれていて、健二の声の調子が普段より微
妙に低かったことに、全く気付けていなかった。

869愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:31:17 ID:g3y9e/2H

「よっ」

 次の日の朝、日に日に肌寒さの増していく十月の通学路で、僕は前を歩く健二を見つけ
て声をかけた。

「あ………よう」

 それから並んで一緒に学校に行く。
 もちろんその時の話題は、

「付き合うって言っても、一体何すりゃいいんだろうな?」

 昨日報告したことについてで、

「さあ、俺も付き合ったことなんかないから良く分かんないな」

 僕の興奮は未だに冷めてなんかいなくって

「だよな〜………あー今日はどんな顔してアイツと会えばいいんだろ」

 ――――今思うと、凄く酷なことをしていたんだと思う。

「普通でいいだろ、普通で」
 
 健二は笑いながらそう言った。

 健二のその苦笑いの中の苦悩に、僕はまたしても気付けていなかったのだ。

870愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:32:34 ID:g3y9e/2H

 それから数日経ったある日の晩、僕と朋子は電話をしていた。

「だからあのアーティストは容姿と代表曲しか皆知らないだろ? 本当は、ただクサイこ
とを怒鳴り散らしてるだけじゃなくて、結構いい曲も作ってるし、言ってることもこう…
……何か分かんないけど心に響くっていうかさ」

 会話内容は別に大したことじゃなくて、お互いの音楽の趣味についてのことだった。

「アハハ……でもあのギターの位置はないと思うんだけどなあ〜」

 僕らの関係が変わったからといって、話していることは別に前と同じだった。

「ロックはそういう見栄えでやるもんじゃないんだって」

 それでもやっぱり、その背景にあるお互いの気持ちは昔とは違うから、僕は楽しかった。

「……はいはい、大事なのはハートなんでしょ?」

 朋子は半ば呆れ気味な口調でそう言った。何となく歯切れが悪い気がするのは気のせい
だろうか。

「そう!! ソウルミュージックってやつだよ」

 それでも、僕はこうやって彼女と話していられるのが嬉しくって、格好悪いけどハシャ
ギまくっていた。


「それじゃあ……そろそろ寝るか」
「うん……………」

 もう夜も大分遅くなっていた。こんな長電話は多分生まれて初めてだろう。本当に、生
まれて初めて。生まれて初めて出来たの長電話、生まれて初めてした夜更かしの仕方、生
まれて始めての―――彼女。

 今まで生きてきた中で、女の子を好きになったことが無かったという訳ではない。だけ
ど朋子は、初めて僕の『好き』に、『好き』で返してくれた女の子だった。

 そんな初めて出来た彼女を、僕は全力で大事にしてあげようと、そう思った。
871愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:34:01 ID:g3y9e/2H
「……………あのさ、遼」
「ん、どうした?」

 電話を終わらせようとしていたとき、朋子がためらいがちに口を開いた。

「あの、ね……」
「うん」

 どうしたんだろう? 様子が変だ。いつもの朋子ならこんなことはないのに。

「私たちのこと……、みんなには秘密にしとかない?」
「え? それってどういう……」

 朋子の口から出た意外すぎる提案。どうしてだ? 僕はむしろ思いっきりみんなに見せ
びらかしてやろうと思ってたのに。残り少ない中学校生活を、彼女と一緒に楽しもうと思っ
ていたのに。

「昨日ね……、大須賀君に告白されたの」

「え………」

 健二に? どうして? アイツは僕らを祝福してくれたじゃないか、おめでとうって。
それなのに、どうして?

「遼と付き合ってるのは分かってるけど、ダメもとでって」

 健二も実は朋子のことが好きで、でも僕が先に彼女に告白してそれで付き合い始めて…
……それでそれを知っていて朋子に告白した。

 突然聞かされたその事実はまず僕に衝撃を与えて、そして徐々に怒りを僕の中に生み出
していった。

 あの野郎ふざけんなよ、他人の彼女横取りしようとするような真似しやがって、何考え
てんだよ、意味分かんねえ。ふつふつと怒りが込み上げてきて、今すぐに健二をぶん殴っ
てやりたい衝動に駆られた。

「………ゴメンね、遼。私のせいでこんなことになっちゃって」

 それでも受話器の向こうから聞こえる朋子の、その泣きそうな震えた声が、僕を正気に戻
してくれた。

「何言ってんだよ、朋子のせいなんかじゃないって!!」

 そうだ、今僕がやらなくちゃいけないのは怒りに身を委ねることなんかじゃない。
872愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:35:34 ID:g3y9e/2H

「だって二人は親友なのに……私の、私のせいでこんなことになっちゃって!!」

 確かにこれは友人関係に大きな打撃を与える出来事かもしれない。

 でも、

「誰のせいでもないんだよ」

 そうだ、誰も悪くなん健二にも僕にも、それに朋子にだって悪いところなんてどこにも
無い。健二だってきっと沢山悩んだに違いない。あいつは真面目な奴だから。朋子の泣き
そうな、いやもう泣いてるかもしれない声が、僕にそう思える程の冷静さをくれていた。

「……うっ、ごめんねえ、遼……ごめんねえ……」

 今僕がしなくちゃいけないのはこの娘を、世界で一番大切な僕の彼女を、大事にするこ
となんだ。泣かせてちゃいけないんだ。

「俺と健二なら大丈夫だから。そんなんで壊れちゃうような関係じゃないから」

 とは言ってもやっぱりしばらくは気まずくなるのは確実だった。それでも僕は格好をつ
けて、精一杯強がる。

 受話器の向こうから聞こえるのは、洟を啜る音や時々漏れる嗚咽、返事だって返事じゃ
なくなっていた。もし電話じゃなかったら、すぐ隣に朋子が居たのなら、頭でも撫でたり
して、そうやって安心させることが出来たのかも知れないな、なんて恥ずかしい妄想まで
頭をよぎった。

「朋子が秘密にしたいって言うなら、俺は何の文句もないよ」

 もうちょっとでみんな卒業して、進路もバラバラになる。それなのに、もう時間は残り
少ないのに、こういうことでみんなとの関係を壊すのは(まあもう一部壊れかけてしまっ
たけれども)、それは辛いことだろう。中学生活をずっと一緒に過ごしてきた友人たちだ、
僕だってその関係を悪戯に壊したくはない。

「うん……うん……ごめんねえ」

 さっきから何度も何度も彼女はそう繰り返していた。きっと最初の頃から微妙に歯切れ
が悪かったのは、このことを抱えていたからなんだろう。朋子は一人でこんな辛いことを
抱えていたのに、僕といったら馬鹿みたいに舞い上がっていて……全く持ってダメなやつだ。

「気にしなくていいから、ね?」

 だから笑ってくれ。

 僕は君の笑顔が好きなんだから。

873愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:36:46 ID:g3y9e/2H



 それからの日々は辛かった。

 最初のうちはそう、何とかなるって思っていた。でも受験勉強のため自由な時間はどん
どん削られていく、学校で一緒にいるときも僕らは別になんでもないただの友達、周りの
カップルがやるような手を繋いでの登下校なんて出来るはずもない。そんな分かっていた
はずの小さなことが次第に我慢できなくなっていった。

 僕らの気持ちは通じ合ったのに、通じ合っているのに、近づくことは出来なかった。

 やっぱり僕はその、年頃の、思春期の男の子というか、ともかく初めて彼女が出来て舞
い上がっていたのに何にも出来ないっていうのは、何と言うか物足りなかった。
 彼女と近づけないくらいで女々しいんだよこのゴミ屑野郎!! なんて思うのだけど、
気持ちはどうにもなってくれなくて、欲求不満が募っていった。

 そんなことを不満だと思う自分が、自分で決めたことなのにそれを受け入れられていな
い自分が、どんどん嫌いになっていった。

 朋子が他の奴と話しているだけで気分が悪くなって、笑い合っているときなんか尚更腹
が立って、そんなことを思ってしまう自分を責めて、みんなと居るのも辛くなって。

 そんな日々は確実に僕の心を疲れさせて、駄目にしていった。

 電話が、受話器が僕らの唯一のつながりだった。

「今どこから電話してると思う?」

 彼女の楽しそうな声。それを聞くだけで僕は元気になれた。

「さあ、どこ?」

 顔が見れないのは、とても残念だけど。

「ん〜、じゃあヒントです。ここからは星が見えます」
「ベランダ」
「うわっ、正解。一発ってすごいね、遼」

 だって家の敷地内で星が見えるところなんてベランダか、屋根か、あとは庭くらいじゃ
ないか。
874愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:38:10 ID:g3y9e/2H
「おおぐま座にこぐま座、あとはカシオペア座に………オリオン座」

 季節は十二月、まさに冬真っ盛り。

「あんまり長くいると、風邪引くぞ」

 僕の部屋の中でも、暖房器具が大活躍していた。

「大丈夫大丈夫。ほら遼もちょっと出てきてみてみなよ。綺麗だよ〜」

 そんな寒空の下にいるのに、朋子の声はとても楽しそうだった。

「いや、俺星座とか分かんないし」

 かろうじて分かるのは、オリオン座くらいだろうか。理科の問題で出てくるし。

「そんなの分かんなくったっていいんだよ。綺麗なものは、綺麗なの」

 朋子は星が好きだ。みんなで一緒に帰るときも、一人で上をポカーンと見ていることが
良くある。そのとき口がいつでもマヌケに半開きになっているのは、本人には内緒だ。

「うおっ、寒っ」

 窓を開けてベランダに出ると、冷たい空気が鋭く刺さってきた。

「どう? 綺麗でしょ?」
「………ああ、綺麗だ」

 星は確かに綺麗だった。

 だけどそれよりも、彼女と同じ景色を見ていることが、僕には嬉しかった。ああなんか
僕は、朋子と付き合いだしてから、妙に感傷的というかロマンチストになっていないだろうか。

「何だかなあ………」
「ん、どうかした?」
「いや、何でもないよ」

 でも別に、それも悪くはない気がした。そう思える自分が、どうにもむず痒かった。
875愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:39:49 ID:g3y9e/2H
「流れ星でも来ないかな?」
「さあ、どうだろうな」
「もし流れ星が来たらさ、何をお願いする?」

 ああ、あの三回言うと叶うってやつか。

「う〜ん………」

 少し考えたあと、

「このまま時間をとめて下さい、とか」

 僕はそう言った。

 このまま時間が止まってくれたのなら、この幸せな気分のまま時間が止まってくれたの
なら、それはどんなにいいだろう。ただ星は綺麗で、僕と朋子は受話器越しではあるけれ
ど繋がっていて、大嫌いな自分の我侭さも忘れられて。

「え、何で?」

 それでもそんな情けないことは、彼女に言えないから
「………寒いから」

 僕は精一杯格好をつける。

「どういう意味?」
「寒いの好きなんだよ」

 泣き言なんかは言えない、言いたくない。

「………あのさ」

 普段思っていることが格好悪いのだから、これくらいしないと帳消しにはならないだろう。

「ん?」

 どんなに僕がダメな人間でも、彼女の前くらいでは格好良くいたかった。

「遼ってひょっとしてマゾ?」
「あのねえ……」

 まあ僕のそんな意図に、彼女は全く気付いていないのかもしれないけど。
876名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 23:49:54 ID:OlOFLwLP
連投制限?割り込んだなら光速で土下座するが
877愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:51:23 ID:g3y9e/2H

 それから僕らは部屋の中に戻って、またいつものように他愛のない話をして、またいつ
ものように笑った。

 そして、別れの時間がやってくる。

「それじゃ……また明日ね」

 また明日学校で会うのは僕の彼女の『朋子』じゃなくて、ただの友達の『藤田』だ。

「ああ、おやすみ………」

 奥歯を噛み締めて、その苦しみに耐える。

「おやすみ、遼………」

 僕らの唯一のつながりが、今絶たれる。

「――――朋子」

「ん?」

 良かった、まだ受話器から離れていなかった。

「………好きだよ」

 この一言にありったけの気持ちを込めて、彼女への想いの全てを込めて、僕は言った。

「………うん。ありがとう、遼。私もだよ」

 こうやって彼女が僕の想いを受け入れてくれるから、こうやって気持ちを返してくれる
から、だから僕は何とか生きていけていた。

 電話を切ってから、もう一度ベランダにでて空を見上げる。寒いのに僕は何をやってい
るんだろな、なんて半ば呆れながら星を探す。

「………おやすみ、朋子」

 オリオン座が、冷たく、光っていた。
878愛しさと心の壁  ◆oNTNicc3Mg :2007/11/06(火) 23:55:06 ID:g3y9e/2H
以上で今回分終了です。
>>876
こちらこそ申し訳ないです。ひっかかったぽかったです。
今回はちょっと長すぎたかもしれないですね……。

回想編はもうちょっと続きます。
それでは次回もよろしくお願いします。
879名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 00:20:06 ID:pv+behpV
ちくしょう……切なくなってきた
880名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 00:20:46 ID:uHuUd7dI
>>878
GJ!!
まだまだ回想が続くのか。
いったい遼はどうなるんだろうか?
気になる・・・
881名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 00:27:14 ID:No+m95Jo
gj!
882名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 00:28:15 ID:No+m95Jo
それにしても良作の多いこと多いことww
883名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 00:36:28 ID:Vcz6GaR/
>>878 GJ!
でもなんで秘密にしなきゃならないのかよくわかんないんだけど。
親友が知っちゃってる時点で他に知られて困る人はいなくない?
もしかして二股されるパターンですか?
884 ◆oNTNicc3Mg :2007/11/07(水) 01:03:40 ID:qSEE4hfX
>>883
あー、やっぱり説明足らなかったですね……。

えーと、今回冒頭に書いた「仲の良い男女のグループ」には遼・朋子・健二の他にも数人いて、
二人の交際がバレることで、またこのようなことが起こったり、気まずい空気が出来てしまったら嫌だなあ、卒業も近いのに友達と変にギクシャクしたくないなあ……
とかそういうことを思って朋子は秘密にすることを提案した、とそういうこと何ですけど
……分かりにくいし描写足りないですね。申し訳ないです。
ちなみに二股とか寝取られとかありません。
885名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01:15:03 ID:Vcz6GaR/
>>884
なるほど。
親友はあっさり振られちゃったのか。
それなのに見えるところでは恋人でない振りするって逆に残酷だな・・・
ま、中学生ってそんなもんか。
というわけで続き楽しみにしてます。
886名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01:15:52 ID:46pWoHJS
漏れもww
887名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01:18:26 ID:1Y0je6i/
今日初めてコトノハ様を拝見したんだが…すごいなあれは
888名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01:40:47 ID:DwJoQWez
>>878
GJ
愛しさと心の壁のファンっす。
サンボも借りました。
889 ◆SVNDcoHudE :2007/11/07(水) 02:25:26 ID:5UL2uCV7
みなさんGJです!ほんと活気が戻ってきて嬉しいです。
>>878
切ないですね…NTRかと思ってビビッてたんですがちょっと安心してしまいましたw
てかそちらの方が星空って題名合ってますね…ヤベー
では投下します
890冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/07(水) 02:26:13 ID:5UL2uCV7
どんな物事にも、必ず表と裏がある。光と闇がある。
どれだけ多くの人に好かれていようと、すべての人間に好かれているわけではない。
どんなに人気者であろうと、それを嫌う人間も必ず存在する。
私のときもそうだった。
あの時の私は、性格を変え、容姿を変え、すべてを偽って生活していた。
けれど、元々の性格を完全に偽るなんて事はやっぱり不可能だった。
人と群れる事があまり好きでなかった私は、あまり周りの人間に深く関わることがなかったのだ。
そこに目をつけたのが戸田と村田だ。
私と違い天性の「人気者」として生まれたあの二人には、私のような人間が勘に触ったのだろう。
気取っている、すまし面してる、なんて思われるのも仕方がない。
あの二人に取って、私は不愉快な存在でしかなかったのだ。

美希はそんな二人をうまく利用した。

結果、私はクラスで地味な暗い存在と認知されることとなった。
……あの頃のことは思い出したくもない。すべてに絶望した。まさに地獄だった。
厄介だったのが、それが狡猾で陰惨な、周りの人間に知られないような手段だったことだ。
おかげで誰にも相談することもできなかった上、信じてももらえなかった。
頭のいい人間がこういうことをすると誰にも止められない、そう思い知らされた。
でも美希の本当に恐ろしさはそこじゃない。
あの子は私を見て、学習したのだ。
一人でいると危険だ、自分を守る「壁」が必要だ、と。
そこで美希は、さらに村田達を利用し学校内外の人間にネットワークを張った。
そうすることで「人気者の自分」の周りに「他の人気者達の壁」を作り、自分を守ったのだ。
そのおかげであの子は、自分を嫌う人間からも身を守ることができるようになった。
たとえなにかのターゲットにされても周りにいる「他の人気者達」のおかげで、それは拡散する。
自分に被害が及ぶことは限りなく少なくなる。
完全に計算された鉄壁の守り。それがあの子をここまで押し上げたのだ。


―――でもね、美希。学習したのはあんただけじゃないのよ。
私も成長したの。「私なりの壁」ってやつを、作れるようになったのよ……
891冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/07(水) 02:27:02 ID:5UL2uCV7
――――そう、こういうときのための壁を、ね。


「………………」
やっぱりこうなったか。少し遅すぎる気もするけど。
美希の事だから自分から提案したわけじゃないんだろう。
たぶん、また村田だな。そこから話が広がったんだ。
ま、村田にしろ戸田にしろやり方がパターン化している。
これじゃ誰がやったかなんて、すぐにわかる……
「秋穂?どうかしたの?」
下駄箱を見つめたままの私を見て、要君が怪訝な顔をしながら近づいてくる。
「…ううん、なんでもないよ」
笑顔を作り、下駄箱を覗こうとする要君を遮る。
「でも……」
「えっと…私、忘れ物しちゃったみたい!先、行ってて?」
「えっ?だけど…」
「いいから!先行ってて!」
要君は執拗に私の下駄箱を覗こうとする。
性格上、異変に気づいてるとは思えないけどなにかあるとは思ってるんだろう。
「ホラ!いいからいいから!」
「わ、わかったよ。じゃあまた後でね」
私に背中を押され、しぶしぶと階段を上り始める要君。
何度も何度も私のほうを振り返り、やがてあきらめたように教室へ向かっていった。
…ちょっと寂しそうな顔してたな。後で慰めておかなきゃ。
「……さてと」
気を取り直し、もう一度下駄箱の中を確認する。
どこをどうみても空っぽだ。
下履きもなにもない。
灰色の空間だけが、下駄箱の中を支配している。
「ま、たぶんあそこだよね」
下駄箱から離れ、あたりを見回す。
…あった。たぶんあの中だ。
892冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/07(水) 02:27:55 ID:5UL2uCV7
靴下のまま、冷たい廊下に設置されている大きなゴミ箱へ向かう。
中を視認し、大したものが捨てられていない事を確認するとそのまま両手を突っ込む。
たぶん、一番下だ。あの時期もそうだったし。
「……あった」
両手をゴミ箱から取り出し、下履きの感触を確かめる。
どうやら特にいじられてはいないようだ。
まあ最初だし、こんなものだろう。
そのまま埃をはらって下履きを履き、周りを見渡す。
…誰かに見られたりはしていないようだ。
見られたら見られたで、面白くなるんだけど。
「………………」
鞄をしっかり持ち直し、教室への階段を上る。
ここからだ。ここからが今までと違うところ。
前までの私だったら、困惑したまま教室へ入っていたことだろう。
でも今は違う。確かに私は「学習」した。
この後村田や戸田がなにをしてくるのか、大体予想がつく。

見てなさい美希。あんたの思うようには、絶対ならないわよ……
893冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/07(水) 02:29:00 ID:5UL2uCV7
教室に入った私を迎えたのは、要君や由梨絵達ではなかった。
最近毎日のように私に絡んでくる、まともに話もしたことのないような連中だ。
「おはよう!庄田さん」
「早いね〜庄田さん!」
「…おはよう。皆」
正直反吐が出る。こういう連中は父の影響で嫌というほど見てきた。
父が有名になった途端、ハイエナのように群がり始めた親族達や友人達。
どれだけ父が苦労しても見向きもしなかった連中。
こいつらも同じだ。前は私に見向きもしなかった。
…だからなんだろう。私があまり人と深く関わろうとしなかったのは。
どんなに性格を偽っても、こういうやつらが根本的に嫌いなんだ。
「皆も早いのね?勉強?」
「う、うん。そうなんだ」
「庄田さんってそういえばどこの大学行くの?」
「頭いいもんね〜庄田さん」
「あはは。そんなことないって」
……でも今は我慢するしかない。これが私の「学習」だ。
前はこういう連中には、常に冷たく接してきたが今度は違う。
距離を置きながら、それでもある程度仲良くする振りをする。
こうしておけば、私の周りから人がいなくなることはない。
これが私の「壁」。まさに肉の壁だ。
「……チッ」
村田達の苦々しい視線を感じる。
人に囲まれている私を見て、手を出したくても出せなくなっているんだ。
…ふふっ。ざまあみろ。
さあ、なにかしてみなさいよ?できるもんならね。
「ねえ、庄田さんここ教えて〜」
「あ、俺も俺も」
「うん、いいよ。どれどれ……」
それに、こういうのも悪くない。
馬鹿面したやつらを手の内で転がしてる、そんな気分になれる。
おまけに…………
894冬の星空 ◆SVNDcoHudE :2007/11/07(水) 02:29:36 ID:5UL2uCV7
「そんなことないよ〜。秋穂、ちゃんと私達と一緒にいてくれてるじゃん」
「んでも昼とかだけじゃん?もう朝は完璧俺ら3人になってるさ〜」
「ん〜…そうだけど、きっと秋穂は私たちの事考えてるよ」
「どうだかな〜。なあ、山下はどう思うよ?」
「……………」
「…あれ?お〜い山下」
「山下君?お〜い」
「…え?あっ!ごめん。…そうだね。ははは」
…ふふふ。やっぱり。
要君、すごい顔してたよ。自分で気づいてるのかな?
前から思ってたけど、要君って結構独占欲強いよね。
なかなか表に出さないけど、たま〜にすごい顔して私の周りのヤツを睨んでる。
きっと美希の時もそんな風に思ってたんだろうね。
…余計美希が憎くなるよ、ほんと。
「庄田さん〜次はここ教えて〜」
「うん〜分かったよ」
でもほんといいなぁ。こういうの。
由梨絵達と離れるのはきついけど、要君の心が私で占められていってるのがわかる。
どんどん私の色で染まっていってるのが、手に取るようにわかる。
美希は要君と私が離れてくれて内心ほくそ笑んでるだろう。
手を出せなくなるのはともかく、美希にとってはそれだけでも十分なはずだ。
…でも実際はちがうの。正反対なのよ。
離れることで、要君と私はより「近づく」ことができるようになる。
より、離れられなくなる。より、私に夢中になる。
たぶん美希も無意識のうちか、計算上か、こういうことをやってたんだろう。
だからあれだけ要君も夢中になったのね。全く対した悪女ね、ほんと。
……次は私がそれを利用させてもらうわ。
こうやって会えない分は、ちゃんと夜に「補って」あげてるから。
アメと鞭。押すだけでなく、引くこと。

これもあんたから学んだのよ?美希。
895 ◆SVNDcoHudE :2007/11/07(水) 02:30:51 ID:5UL2uCV7
終わりです。秋穂視点で書いてたら超長くなりそうだったので3分割することにしました。
>>700みたいなやつも、ホントに書いてみたいです。
896名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 02:48:53 ID:Rs+z7MC3
とりあえず…

美希ざまあwww
897名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 02:56:51 ID:BliidvXP
GJ!!
みんな独占欲が強いな、おそらく秋穂も。
いじめ対策とはいえ要がむごい……いや、要の調教と一石二鳥なのか!!
898名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 03:01:20 ID:lrE5hvNA
>>895

超GJ!
美希の悪事が次々と・・・・

こうなるとい、改めて要が色々と可哀そうだな

さて、美希はどう動くのかが楽しみだ

俺も>>895さんが描く>>700が読んでみたいです
899 ◆SVNDcoHudE :2007/11/07(水) 03:01:28 ID:5UL2uCV7
アッー!!!すいません!下履きじゃないです!上履きです!マジごめんなさい!
900名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 03:04:18 ID:fnBcn/S8
>>878
>>895

GJ!!
色々勉強になりますね……



ときに読み手に質問なんですが…
軽めの男×男要素なら予め警告しとけば大丈夫ですか?
あ、ガチホモとかじゃないです。

ある人物(♂)が主人公を一方的に好きだけど、主人公は全くその気がない
そしてそこで主人公に女ができて……

そんな感じです。
女みたいな男の嫉妬なら可ですかね?
901名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 05:31:58 ID:Y2U9WH4T
>>895
超GJ!
最近の秋穂視点は本当に要に拘ってるのが分かるのが良いです
でも美希の時といい、大事にされるのはいいけど、要は飼われるタイプなのか?
今回の秋穂の独白見て、美希が高田の強引さに流されてたのって
秋穂の言う「無意識」に要の嫉妬煽って秋穂から離すのに利用しようとしたんじゃないかとか妄想して見る
もしそうなら、それが仇となった今、美希にとって高田は((((;゜Д゜)))
902名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 05:34:48 ID:8ap102lF
>>900
まずは書いて投下してからだな
903名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 05:40:46 ID:KOjxzUDj
現在413KBで901だから微妙じゃの
950まで行くか500KB到達が先か
904名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 06:07:10 ID:72LXoNRL
要・・・もう美希のことは完全に忘れて秋穂に夢中で独占欲丸出しですか・・
なんかなあ・・面白いんだけどどいつもこいつも性格が・・
要も最近何かおかしい
905名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 06:34:57 ID:Bd9CrO+Y
>>901
高田が刺されるのかw
殺っちゃっても問題ないけど
906名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 07:00:57 ID:gZPs9MBa
高田も喧嘩では勝っても美希の気持ちに関しては要に勝てないってのもなんだか哀れだな
この上自分がたんなる当て馬だったなんて展開になったらもう立場がない
まぁ要に感情移入して読んでる身としてはざまぁwって感じだけどな
907名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 07:20:20 ID:8M6sPlkx
>>878 GJです!!
ちなみにですが長い坂道は出てくるのですか?
908 ◆CLgKiOOc1g :2007/11/07(水) 07:31:40 ID:DApC8YPl
>>902
確かにその通りですね。では冒頭部分ですが投下します
神の投下ラッシュの後で恐縮ですが・・・・・・
909貴方だけしか見えない(冒頭部) ◆CLgKiOOc1g :2007/11/07(水) 07:32:57 ID:DApC8YPl
 朝、いつもと変わらぬ穏やかな日差しが窓から差し込む部屋にて。
 その部屋の主こと朝倉義一(あさくら よしかず)は未だ目覚める気配も無く、安らかな寝息を立
てていた。
 頬を緩ませ、幸せそうに眠る義一。
 その枕元には先程までけたたましい音を鳴り響かせていた目覚まし時計が転がっている。
 随分とのんびりと惰眠を貪っているが、彼はれっきとした学生、近隣の高校に通う高校生である。
 時刻は既に8時を回っており、彼の通う高校までの移動時間を考えると、そろそろ起きなければま
ずかった。
 しかし、義一は目を覚まそうする素振りもまったく見せず、頼みの綱の目覚まし時計も持ち主によ
って早々にスイッチを切られ、その役目を果たすこともできずに無念のリタイアを遂げている。
 彼にとっては今日もまったく、いつも通りの朝であった。
 が、さりとてそんな義一が遅刻の常習犯であるということはなかった。
 その訳は―――――


「兄さん〜〜って、また寝てるよ・・・・・・しょうがないなぁ、もう。
ちょっと、兄さん! もう8時過ぎてるよ!! いい加減起きないと遅刻しちゃうよ!?」
 ドンドンと乱暴にドアを叩く音が響いたかと思うと、勢いよく部屋のドアが開け放たれる。
 何の遠慮も無く部屋に入ってきた人物、朝倉義美(あさくら よしみ)は入るなり目の前に広がる
最早見慣れた光景に呆れたように首を振り、深く溜息を吐く。
 だが直ぐに呆れている場合ではないと思い直し、透き通るような声を精一杯張り上げて、兄を起こ
しにかかる。
「うう〜〜ん・・・・・・ひみ・・・・・・ふぁぁ、静かにしろよ・・・・・・・くぅーー」
「静かにしろよ、じゃないって! ほら、もう起きてよ!! 本当に遅刻するよ!!」
 義美は整った眉を吊り上げ、端整な顔立ちに困りきった表情を浮かべつつも、義一をゆさゆさと揺
さぶり懸命に起こそうとする。
 そう。義一が毎朝毎朝寝坊を繰り返しつつも、間一髪で遅刻を免れている最大の理由が、義美がこ
うして部屋まで起こしに来てくれるからであった。


「もうっ、いい加減に起きてってば兄さん!」
 昨夜は遅くまで起きていたのだろうか。いつもよりも深い眠りに入り、目を覚ます様子を見せない
義一。
 若干の焦りを見せながら、細い腕によりいっそうの力を込めて兄の体をがくがくと揺らし、耳元で
「義一〜起きろ〜っ!!」とどさくさに紛れ兄の名を叫ぶ義美。
 一方、そこまでされては流石の義一も眠り続けることはできないらしく、まどろみの状態から徐々
に意識を覚醒させていく。
 そんな彼がまず感じたのは、密着した体から微かに香る、洗い立ての毛布のように柔らかい体臭。
自分の名前を繰り返し呼ぶ、鈴を転がすような澄んだ声。
 夢現のままに瞼を開ければ、体をゆさゆさと激しく・・・けれども痛くはないように配慮して揺さぶ
る、白く、折れそうなほど細い腕。
 そして自分の首筋に垂れる、長くさらさらと流れる黒髪に、耳元に寄せられた目鼻口と各パーツの
一つ一つが繊細に整った顔が義一の視界に入ってくる。
 義美が義一に呼びかける合間に呼吸する度、吐息が義一の耳朶をくすぐった。

910貴方だけしか見えない(冒頭部) ◆CLgKiOOc1g :2007/11/07(水) 07:34:55 ID:DApC8YPl

「うう〜〜ん・・・・・・今はダメだって、かわぐちさぁん・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・っ」
 その妖しい快感に思わず身悶えし、入手した幾つかの情報によって連想した女性の名前を、甘えた
声でつい口にしてしまう義一。
 が、どうやらそれは大変な、取り返しのつかないほどの失言だったようだ。
「だ、誰・・・・・・が・・・・・・」
 先程まで困りきった表情を浮かべつつもどこか愛しげな眼差しで見つめていた義美だったが、義一
の言葉を聞いた瞬間、全ての表情が掻き消え能面のような無表情に変わる。
 次にそれは悲しみに変わったかと思うと、急速に顔に朱が差し込み、眉がつり上がっていった。
 細い肩をわなわなと震わせ、先程まで義一の体に置かれていた手が義一の枕元へ―――主を目覚め
させること無く、途中退場した目覚まし時計へとゆっくりと伸ばされる。
 それにもう一度活躍の場を与えるべく、義一の頭上へと目覚まし時計を鷲掴みにしたまま腕を振り
上げる義美。
 口角をひくひく痙攣させながら、一度大きく深呼吸する。
 そして次の瞬間、
「誰が、川口さんだぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!」
「ぐあっ、っつうーーーーーー!!!???」
 義美の叫び声とともに勢いよく腕が振り下ろされ、一瞬の後、義一の情けない悲鳴が部屋中に盛大
に響き渡った。


「お前なぁ・・・・・・確かに起こしてくれるのは助かるけど、もっと優しい起こし方があるだろう
が・・・・・・!?」
「はぁ、何言ってるのさ。大体普通に起こしても起きない、兄さんが悪いんでしょ?」
「うっ・・・・・・そ、そりゃそうだが・・・・・・」
 結局文字通り『叩き起こされ』、頭にたんこぶを作ることになった義一。
 ひりひり痛むそれをさすりながら義美に愚痴る義一だったが、とうの義美は涼しい顔で受け流すと、
用意していた制服一式を兄に乱暴に渡す。
「ほら、兄さんさっさと着替える! 今日はいつにもまして時間が無いんだから、ゆっくりしてる暇
なんてないよ!」
「・・・・・・朝飯は?」
 暫く両者の間に広がる沈黙。
「食べたかったら後十分早く起きようね、兄さん?」
 その後にこやかな笑みを浮かべ、爽やかにそう答える義美に義一は絶望の声を上げた。
 ただ、そこで完全に突き放すことも義美にはできず、「昼までもたねえよ・・・・・・」とぶつくさ呟く
義一を見かねて、
「もう・・・・・・どうせこんなことだろうと思って、おにぎりなら用意してるから、休み時間にでも食べ
ちゃいなさい」
 兄の情けない姿に内心呆れながらも、結局はそう口にしてしまうのだが。
 こちらもいつもと変わらず、兄に対してはどこまでも甘い義美なのだった。

911貴方だけしか見えない(冒頭部) ◆CLgKiOOc1g :2007/11/07(水) 07:35:33 ID:DApC8YPl
「よっしゃ、んじゃさっさと着替えるかな」
「わ、わわ・・・・・・兄さん!! い、いきなり脱ぐかな普通!!」
 自身の頭を強かに強打した後、そのまま床に転がっていた時計を見て流石に焦ったのか、勢いよく
パジャマの上着を脱ぎ捨てると、続いてズボンに手をかける義一。
 目の前で着替えを始めた義一を見て、義美は慌てて顔を覆うと後ろを向く。
「何だよ。別に着替えくらい大したことない・・・・・・って、何本気で照れてんだよ、お前は!?」
「なっ、べ、別に照れてなんてない・・・・・・!」
「嘘付け、だったらなんで耳が赤いんだよ!」
 後ろを向いているためその表情はわからないが、確かにその左右の耳は普段の透き通るような白で
はなく、真っ赤に染まっていた。
「・・・・・・もういいや。ほら、着替え終わったからもう行くぞ、急ぐんだろ?」
 これ以上不毛な言い争いを続けるくらいなら義美の用意してくれたおにぎりを一刻も早く口にし
たい、というのが義一の本音だった。
 半裸の状態から素早く上下の学生服(母親か義美がアイロンをかけてくれたのか、皺一つ無い)を
身に纏うと義美にそう声を掛ける。
「はぁ・・・・・・まったく、兄さんは乙女に対しての配慮が全然足りてないよ!」
 まだ赤みの残る顔を向け、少し怒ったように言うと自分の鞄を持って一足先に部屋から出て行く義
美。
 一人取り残された義一は心底うんざりしたように呟く。
「乙女って・・・・・・お前は俺の弟、正真正銘の男だろうが・・・・・・」
 急に広くなった部屋に小さく漏れた彼の心からの叫びが届くことは無く、その代わりに玄関から
「兄さん〜!!」と呼び声が響いてくる。
 やがて義一は諦めたように溜息を一度吐くと、玄関に向って駆け出すのだった。
912 ◆CLgKiOOc1g :2007/11/07(水) 07:37:54 ID:DApC8YPl
・・・・・・すいません、今見返して気付きましたが、
自分一番重要な「男×男」要素があることを警告し忘れてますね・・・・・・
うっかりしていたとはいえ、申し訳ないです。次は気をつけます。
913名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 08:27:02 ID:JyPs+9Qe
GJ!
ジョソーショタスキーとしてはこれだけでドンブリ3杯はいける
914名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 11:16:30 ID:VshgXtD6
一万年と二千年前から愛してる はほんとつまんないは
これでGJいうやつはなんなの?
915名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 11:34:26 ID:xo8sBSmm
ここで奴が反応したらもはや荒らしだよな作者じゃなくて・・
いい加減作者としての自覚を持ってほしい
916名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 12:08:30 ID:pCEw982/
作者(笑)
917名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 14:41:42 ID:hf/Aff0U
>>912
GJ!
…だが俺の中で義一は朝倉義景、
義美は足利義視で脳内変換されてしまう不思議。

ヒゲがっ…ヒゲがぁぁぁぁっ!
918名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 15:11:53 ID:gZPs9MBa
ラストはまだ見ぬ泥棒猫が義一の頭蓋骨で酒を飲むんだな
919名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 15:58:06 ID:46pWoHJS
なんか周りのことに注意を払いすぎて秋穂が"策士策に溺れる"とか
それによって肝心の要にまで気が回らなくなり
美希に取られる"本末転倒"状態にならないか心配だ(´・ω・`)
920名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 16:27:11 ID:xYXAsWTI
>>919
やっていることは美希とあんまり変わらない=美希と同じ失敗に遭いそう乙
ようするにだ。要の悪評を信じていない女子クラスメイトがいれば・・・・
美希も秋穂もあぼーんなわけだがw

それにしても、高田はどうなったんだろう
まさか、寝取る気まんまんかな
921名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 17:05:24 ID:N+dmb2hn
>>920
ここに来ておいしいところをかっさらう第三者がいたら、それはそれでおもしろそうだが。
さすがにそれは無いか。

話題にはよく出るわりに最近の本編では空気と化してる高田に期待。
こいつの動きが一番物語を左右しそうな気がする。
良くも悪くも「いい奴」っぽいしクラスの人気者だし、美希のことを知ったらどうなるんだろう。

922名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 17:19:41 ID:8ap102lF
>>912
結構面白かったです、GJ
923名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 17:54:58 ID:46pWoHJS
>>921高田なら気付いてもあんまし不思議ではないよな
924名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 18:02:48 ID:1Y0je6i/
個人向けには要に手の内ばらしというかなんというか…
ある程度色々なこと打ち明けてる分、美希の時よりは大分印象はいいと思う

例えは変かもしんないけど
風俗嬢と分かった上でも付き合うのと、
幸せ一杯で付き合ってた彼女が実は(元?)風俗嬢だと判明した時の心情?みたいな
925名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 18:03:57 ID:1Y0je6i/
×個人向け→○個人的

なんてこったいorz
926名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 18:21:46 ID:luUxcIeU
今の要がどうしようも無さ杉だが、
クライマックス前の主人公(?)を凹ますのはよくあることだから、
これからハッスルしてくれることを祈る。
927名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 18:38:56 ID:46pWoHJS
まあなんにせよwktkがとまりませんね(*´∇`*)
928 ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/07(水) 19:39:56 ID:Pw3V3c1d
空気を読まずに
投下します
929世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/07(水) 19:43:53 ID:Pw3V3c1d
起こされて地元に着いた事を知る。
地元では暗闇の中を雪がちらついて、
ホームに下りた途端に寒気が襲ってくる。
「また降ってるんだ、十分積もってるのに」
「昨日も降ってたからね、まあこうすれば暖かいし」
笑いながら寄り添っていく。そんな時間を携帯に邪魔された。
ブー、ブー五月蠅いですねホントに、……家からか。
「はい」
「あ、お母さんだけど。今どこ? 電話大丈夫?」
「今丁度駅のホームに降りた所だから大丈夫、もうすぐ帰れるよ」
「いや……、ちょっと困ってね。悪いんだけど帰る前にやって欲しい事があって」
「ん、いいけど。多分。何?」
「うん、小夜ちゃんを探してほしいのよ」
「うん? いや小夜は東京に――」
「いないのよ。小夜ちゃん櫻子の家に」
「……」
「東京の知り合いももちろん当たっているけど、こっちにも万が一って事で櫻子から連絡が来たの。
『私たちの勝手な都合でこっちに来るのを止めたから、小夜凄く怒った』って櫻子凄く弱ってた。
小夜ちゃんが本当にこっちに来ているかは分からない。
けど、それでも小夜ちゃんを探して欲しいの。
初詣に行ってた神社はお父さんに行って貰っているから。その他の場所を探して。
……こっちで小夜ちゃんの事知っているのはヒカルと新ちゃんだけだから。探せるのは」
「んーっと。分かった、一応探してみる。けど、……雲を掴むみたいな話だね。正直」
「新ちゃんが一緒なら無理はしないでしょ。それに何かあったら電話して。
帰ってきたらシチューがあるから。あんまり遅くならない様にね」
「シンはまだ探すなんて言ってないから」
「でも光は探すんでしょ。なら新ちゃんも絶対一緒に探してくれるよ。
光が何かするって言ったら何も言わずについてきてくれるよ、新ちゃんは」
「……兎に角シンにもお願いして一緒に探してもらうから。
正直私は小夜がこっちにきてるって思えないし見つからなくたってしょうがないよ?
何かあったら電話する。じゃあ切るからね」
「ええ、よろしくね。
光、しょうがない事なんて無いんだからね。動けば動いただけの結果はついてくるから。
……なんだかんだで光はやってくれるけど。それだけじゃ駄目なんだよ。
心を込めないと、意識しないとどんどんこぼれていっちゃうよ」
「もー、とにかく探すから。またね。シチューはシンも食べるから」
「当然。じゃあまたね」
930世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/07(水) 19:46:22 ID:Pw3V3c1d
しょうがない事が無いなんてそんな事を私に期待してどうするんだ。
今までたった十数年の中でもしょうがない事なんて一杯あった。
十全に得られないものばかりだった。
「……シン、お願いがあるんだけど――」
「小夜ちゃん探すんだろ」
「聞こえてた?」
「ヒカルは結構声大きいし。で、どこを探そうか」
「一緒に探してくれるの?」
「ヒカルは探すんだろ。
それより、小夜ちゃん自分の家にいないなんて、なんかあったの?」
あった、確かにあった……が。シンに言っていいものか。結局私は言わない事にした。
「わかんない、けどあの子、思い込んだら、ってとこあるから……」
シンは同意するように頷いて。
「そっか。小夜ちゃんと一緒に行った場所ってどこがあったっけ」落ち着いた声でそう言った。
「いつも新年のお参りに行った神社は父さんに行って貰ったらしいから……。
後はスーパーとか古墳とか図書館」
正直いまいち、スーパーにいるとは思えないし、
古墳は原っぱと変わりない、残りは閉まっている。
「……図書館か」考える時に唇に手を当てる、いつの頃からかのシンの癖。
学校では口唇期なんて風に教わった癖だっけ。別にどうでもいいけど。
「学校に行こう」
「学校? 駅が違うよ」私たちは電車通学だし、
大体小夜は私たちの学校なんて……って。
「小学校の事だよ、一回行った事があるんだ」
当たり前か。けどそんな事あったっけ、覚えていない。
そんな様子を見て取ったのか
「小夜ちゃんと二人の時だったんだ」そう付け加えられた。
そう、か。始めの頃か。
あの頃は小夜の反応が面白くてよく二人にしてみてたし。なにより、
私が嫌だったんだ。シンと一緒にいるのが。
子供らしい、とても馬鹿な子供だった自分。
思い出したくも無い。けど忘れる事なんて出来ない。
「どうしたの、何か引っかかる?」
「ううん、早く行こう。シンの勘は良くあたるしね」
「勘ってわけでもないんだけど……」
931世界のetc ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/07(水) 19:49:06 ID:Pw3V3c1d
手をいつもより強く、握って歩き出す。
駅の大通りは明るいけれど、少し道を外れればもう暗い。
車の音もどこか遠くに聞こえる。積もった雪を踏みしめる音を聞きながら。
遠くに見えるのは能天気についているネオンと家の光、近くは自分の息と二人の靴。
雪だけがシンシンと降って、それを正面から見るとなんだか自分が責められているみたいだった。
そんな暗闇の中を二人で黙って歩く。手の温もりだけが何かの慰みかの様に。
今日は本当に寒い。こんな時に小夜は何処かで一人、彷徨っているのか。
あの子は東京の事話したがらなかったけど、いつもはどういう風なんだろう。
当たり前の様に生活してて、今は何処か東京の友達の家にいるといいのだけど。
学校にはあんまり親しい人がいないのかもしれない、
まったく、どうしてそんな所に通わなくてはいけないのか。
ひっそり建っている白い校舎を見やる。
懐かしさなんか感じない学校、
校庭は何もかも白で埋め尽くされ、
そんな雪の白に混じれず余所余所しく建っている校舎。
フェンス越しだからそんな事を考えてしまうのかもしれない。
「で校門閉まってるけど、本当にいるのかな」
「うーん。まあ、前の時も閉まってたし。よっと、滑らない様に気をつけて」
「平気だよ。っと、ここまではいいけど、校舎の中は入れないでしょ。何してたの?」
近くの広場で走り回ってたずっと小さな頃がなんとなく思い出されて嬉しかった。
「いや入れたんだよ。昔鍵が壊れてる窓があってさ、そこから入ったんだ」
「へえ、けど一回全部、窓新しくしたんじゃなかったけ」
だから不用意だった。
そう、割れると危ないから強化ガラスにした、ガラスが割れて問題になったから。
シンが当事者で、結局ガラスが割れて表面化した問題は強化ガラスによって解決とあいなったんだ。
「うん、まあだからその前の事だよ。懐かしいな、本当に」
表情をうかがう勇気は無い。これまでこの時期の話題を出す事なんて無かったから。
バツが悪くなってシンから目をそむけた。
そむけた先に。いる筈無い、いるわけが無い少女が居た。
顔どころか輪郭すらおぼろげなのに、その子は私を殺したい位憎んでる。
その事に疑問の余地は無く、だけれどアレはいる筈が無い。私が確かに殺したんだから。
「こっち。たしかここら辺だったんだけど」
そんな筈は無いのに何も言えず、息しか呑めずに。
そうしてそのまま見続けるのは耐えられない。
何かが歪み、体は制御を離れ、首は垂れた。
「?、どうかした?あんまり深刻にならない方がいいよ」
「うん……」
ゆっくり顔を起こしてもう一度校庭を見る。
其処にはナニも、誰も居なかった。雪だけが静かに積もっていく。
目を閉じる。
体に溜まった何かを吐き出して、冬の冷たい空気を代わりに入れる。
頭の芯から冷えていく感覚が心地良い。
改めて目を開け、確認できたのはシンの心配そうな顔で、何だか自然に笑えた。
これが私の本当なんだ、そう思えた。
「大丈夫だよ。この辺から入ったんだよね?
っと。あの窓、鍵がかかってないんじゃない……。ほら、やっぱり」
「ん。本当だ、職務怠慢か、それとも小夜ちゃんが本当に来ているのかも。
何だか誘われているみたいだ」
「……」
スッと、音も無く、入り口は開いた。
932 ◆7Mwamp2Ksg :2007/11/07(水) 19:58:15 ID:Pw3V3c1d
投下終了します
>>912
野郎にときめく事があろうとは、続きwktkして待ってます
933名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:14:01 ID:Q+gwxivS
次スレは>>950辺りか?
934名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:47:43 ID:4g9bPgGr
次スレです。
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 42なさい…!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1194439151/
935一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/07(水) 22:05:54 ID:yZd9HDPM
投下します。


「ん・・・もう朝だね・・・」
結局、あれから一睡も出来なかった。特に、『マーヤ』に殺された瞬間の『ユウ』という青年の表情が脳裏から離れないのだ。
寝ようと思って難しい本を読んだのだが、常にあの苦しそうな顔がフラッシュバックする。
その度に胸が苦しくなって結局朝まで寝付けなかった。
「優君が大空さんのところにいっちゃったら、私、あのマーヤって子みたいに優君を殺しちゃうのかな・・・・?」
考えたくない。自分が独りぼっちになり、更に彼が他の女子と楽しそうにする姿など。
「私って、こんなに嫉妬深かったんだ・・・・」
だが、悲しくはあっても、大空翼に敵意をぶつける事が出来ない。何故なら一年生の時、親友と喋っていたときに偶然聞いた、
苛められているという生徒、それが翼だったからだ。かつての自分と同じ境遇にいる翼を責めるのは、自分の心を引き裂かれるようで
とても出来ない。その気持ちは、中庭で一人弁当を食べる翼の姿を偶然見た事によって更に強まった。
出来れば助けてあげたい、何度もそう思った。けど、彼女を助ける事により自分まで再び苛めの標的になったら・・・・・。
いつも恐怖が舞香の体を縛っていた。結局舞香は今でも臆病なのだった。見て見ぬ振りをする癖に彼女を心配する自分は偽善者だと、
何度も自己嫌悪に陥ったが、それでも生まれてから今まで体に心に染み付いた恐怖に打ち勝つことは出来なかった。
そんなある日の事、中庭で話している優と翼の姿を見かけた。きっと彼は傷付いた彼女の姿を見かねて助けようとしたのだろう。
それに比べて自分は見てるだけの臆病者だなと情けない気持ちになったが、せめて、自分も何か力になってあげれないかと思い、
翌日、翼と優が一緒に弁当を食べているであろう中庭に行ってみた。だが、翼は自分の顔を見た時、一瞬だが確かな殺意を瞳に宿らせた。
まるで、自分が翼を苛めた主犯であるかのように。もちろん自分はそんな事していない。弱い者苛めは自分と優が最も嫌う事の一つだ。
だが、彼女の目を見た時、妙に後ろめたいような気持ちになった。自分がその場にいてはいけないような気になり、その場から逃げた。
数日後、再び優は自分と二人で弁当を食べるようになった。何となく大空翼は放っておいていいのか尋ねてみた。
優はただ一言、『立ち直ったからもう良い。これ以上やるとかえって変な噂が立って彼女に迷惑が掛かる』と言った。
その時の自分は『彼女が立ち直って良かった』という気持ち以上に『彼を取られなくって良かった』という気持ちの方が強かった。
彼が自分の元に返ってきた、もう大空翼が寄ってきても他の人間と同じ堅く閉ざされた心の壁越しに話す最低限の事務応対。
そう思った自分はやっぱり意地汚い偽善者だと思いつつも。
「でも、このままじゃ絶対優君を取られちゃうよね。やっぱり謝らなきゃ、そして・・・今夜、好きだって言おう」
そう決めた舞香は起き上がり着替えると、目覚ましのコーヒーを飲みに一階に下りていった。
936一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/07(水) 22:06:52 ID:yZd9HDPM



「ん・・・・もう朝か・・・・」
結局、告白の返答が決まらなかった。舞香の言う事も一理あるし、けど無下に断ることも出来ず、ずるずると考えていたのだ。
普通の男子高校生なら即受け入れるだろう。だが、彼女の真剣さに見合うだけの気持ちが、どうしても自覚出来ないのだ。
もしかしたら、自分は本当は舞香の事が好きなのかもしれない。オーケーしようかみたいな事を言ったのは、今思えば、
舞香の気持ちが知りたかったのだろうか。今の自分なら、舞香が好きだと言ってくれたら、間違いなく舞香を選んでいたと思う。
だが、結果として愛想をつかされてしまったようだ。
「あの時舞香に告白しときゃ良かったな・・・」
そんな自分が傷心を癒す為に大空翼を選んだら間違いなく翼への侮辱である。頭では分かっているのに決められない理由は恐らく、
「あの夢のせいだろな・・・・」
実は昨晩、あの夢の続きを見た。リーンと名乗る天使と暮らしてるうちに愛情を交わし、結婚して暮らす夢。
その先は急に視界が暗くなって覚えていない。ともかくも、あの夢のせいで翼に対して妙な親近感を抱いてしまったのだ。
それが、自分の行動を鈍らせていた。
「ま、とりあえず舞香に謝る事から始めるか・・・返事はそれから決めよう」
そう決めた優は起き上がり着替えると、舞香との目覚ましのコーヒーを飲みに一階に下りていった。
937一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/07(水) 22:08:39 ID:yZd9HDPM
修正します。↑の一番下の行の『舞香との』っての消し忘れでした。
938一万年と二千年前から愛してる ◆RKfY.eXwSY :2007/11/07(水) 22:09:19 ID:yZd9HDPM
今回はここまでです。ありがとうございました
939名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:42:13 ID:YkeCRCd9
次スレ立ったのか
埋めネタが楽しみだ
940名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 22:56:34 ID:fT/LKdjS
                     彡彡二二三≡ミ-_ ミミ|ノノj )||ヽ, )、
                 __,,,,,,,,,/彡二二二    ,- __ミ|/ノ ノノノノ) ||
                -=二ミミミミ----==--'彡 ∠ミミ_ソノノノノ ノ
                  //>=''"二二=-'"_/   ノ''''')λ彡/
        ,,/ ̄''l       彡/-'''"" ̄-=彡彡/ ,,-''",,,,,,,ノ .彡''"
       (,  ,--(      彡 ,,-- ===彡彡彡"_,-_   ヽ Υ
       ヾ-( r'''''\    //=二二''''''彡ソ ̄ ∠__\ .\ソ  .|
         \;;;;  \   Ζ彡≡彡-'''',r-、>   l_"t。ミ\ノ,,r-v  
           \;;;;  \  彡""彡彡-//ヽ" ''''''"" ̄'''""(エア/   皆、いつ泥棒猫と戦っているんだ?
            \;;  \'''''')彡ヽ// | (tv   /|  , r_>'|  誰かリアル実況できる場所を教えてくれ
             \;;;  \'"  \ ,,"''-,,ノ,r-", /  r'''-, .j   
               \;;;  \ /,,>--'''二"''' r-|   二'" /  __  
                \;;r'""彡_l:::::::::::::::::::::: /./_   " / ̄ ̄"===-,
                  )''//rl_--::::::::::::::::/:/ヽ"'=--"::'  .//-'''""
               ,,,,/'-''"⌒ヽ'''--、:::::::::::::::"=〒/  \:::  .|=|_,,,,---,____
941名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:13:42 ID:e2GiYLGt
一万年と二千年ROMってから来てください
942名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:37:37 ID:2ftwOAGo
埋めネタマダー?
943名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 03:47:47 ID:vxCeI4ED
NGワードあぼ〜ん設定済みの漏れは勝組み
944名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 07:03:51 ID:ZU5b2SAF
>>938
945名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 08:51:48 ID:v/PTPUG/
一万年と二千年前から愛してる 
はうだうだうざいからもう次で決着つけろ

946名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 09:27:19 ID:SATTYGNu
一万年と二千年前は取り合えずここにおいで
嫉妬・三角関係・修羅場系総合雑談スレ in 避難所
http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/dorobouneko/4/
947名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 10:29:51 ID:6ayCTFLg
一万年〜 をとやかく言ってるのはせいぜい2、3人だってことを自覚しろ。

たしかに前はヒドかったが、最近はそんなでも無いでしょうが……

過去は過去ってことでいいじゃないか。黙って埋めネタ待とうぜ
948名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 10:50:41 ID:fcQlVHZA
一万年はいちいち荒らしに反応するから困る上に、2chのルールをわかってないからな
正直学習能力があるのか問いたくなる
949名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 10:55:01 ID:ylUWSWrt
てか、NG指定しているからさ・・・・・・・
一万年と二千年前が投稿されているのに気付かなかったw
便利良すぎだな専ブラw

まあ、誉めている奴も2、3人だってことを自覚しろ

スレを荒らしたくない派
こちらに移行しろ

http://www2.atchs.jp/test/read.cgi/dorobouneko/3/
950名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 11:02:43 ID:KVcJUcQK
>>948
一万年は空気も読めないし、皆が親切に教えているスレのテンプレも守らないし
変な荒らしに反応するし・・・・・3回以上も同じことを繰り返すからさ
皆が荒らし認定しているわけですよ。

更に他の荒らしが調子に乗って書き込むから余計にスレが荒れるからな

皆、スルーしろいい加減に
951名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 11:10:45 ID:FFTXS4ia
いい加減にウザイというレベルからキモレベルまでランクアップした
一万年を俺は追放したいと思うのだが

いいかな?
952名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 11:13:44 ID:FFTXS4ia
>>951
              _, -‐--....、
           /..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
              / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
          /..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
          l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
          l/i::l:::N`|メ、_|ム|/.,j/レ|::|::ト!
          f^i:::l ''ZTー   ィ'Zト.|::|::レ'^ヽ、
     ,...-',,⌒ゞミ、l::|.      l   l::!Y::::::::::::::.ヽ、        ───って
    /::/..::::::::::::..ヽl_      〉   /v':::::::::::ノ::_;;:::::j,ト、
   /:::::::::::::::::::..`ー-、:l、  f===r  ,ヘ:::::;::::::/ ̄ ゙''ヘュ_ノ     追放処分OKだ!!
   /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:、L_,,リ /:>:l/:::/
  ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..`''ヾ、ー_-イ, 〉<.|/ _ノ⌒ ー - ,,,__  _
  }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..゙ヾ!、!;::|:|,r‐'゙           //   ヽ
 「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf     ヽ        l /    l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ニ,-'"      \___        /
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ./ l          \X=-、,,__/
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::| |  ノ     ` 、      ヽ ,ヘ./
:::::::::::::::::::::..ヽ、:::::::::::::::::::::::::::| l i´       ` 、    ノ ヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..`ヽ;::::::::::::::::::::| | |    、     `'rイ  ,ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..\∩:::::::::| l\      `=、..__,ノ   ̄
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i\∩:/  | ヽ、_    ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|  \:!`ー、  ,,=''::::`、'‐-'゙
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l  l ヽ_;;ァ'~ヽ;::::::::::.ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|  | i    ヽ;::::::::::..\
953名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 12:08:15 ID:T1XVvTFK
イヤならほっとけばいいじゃん。
やいのやいの言うからうっとうしいレスが来るんだから。
954名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 14:09:32 ID:378J1aI7
気に入らないのはスルー
荒らしもスルー
この原則だけ守ってくれればいいよ
955名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 14:47:56 ID:OFxI7gqA
>>951
賛成\(-_-)




956名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 14:51:00 ID:eP5wDKPh
追放も何もNGにしとけバカたれ
957名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 18:33:27 ID:ysswCJr0
これはいいマッチポンプですね
958名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 02:56:19 ID:+elD152e
ここ2スレでみんなのレスの精神年齢、10才は下がってるね!

埋めネタ桜と紫苑待ち。
959名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 04:20:30 ID:kfaceO6K
そうなると俺の精神年齢はマイナスだな
960名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 08:32:49 ID:D/6GA+3m
わしの年齢は108あるぞ
961名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 09:26:00 ID:VXjvczmY
テラ煩悩
それとも波動球かw
962 ◆88FzqwpUTw :2007/11/10(土) 02:38:23 ID:oCtGuSm6
ひっそりと投下します。
963しにがみのバラード ◆88FzqwpUTw :2007/11/10(土) 02:40:51 ID:oCtGuSm6

サッカー部には現在マネージャーが三人もいる。
もともと部員も少なく、また量より質が重視されるこの学校のサッカー部には朝練がなく、
しかも午後の練習時間も三時間程度なので、そんな部活にマネージャー三人とはいかにも多い。
その三人のマネージャーの中では環が一番の古株で、高校に入学したての去年の四月に入部した。
真守に拝み倒されて仕方なくマネージャーの仕事を引き受けた時には、環以外にマネが一人もいなくて、毎日が激務だった。
しかし、去年の秋に一人増え、県大会優勝した翌日にもう一人増えて三人になった今では、あの忙しさが懐かしいくらい仕事が楽になった。
とは言え、最近は県大会優勝のあおりを受けてそれなりに忙しいのだが。
さて、その三人のマネージャーの内の一人、去年加わった家本楓に呼び出されたのは、この日の昼休みの事であった。


四限の終了を告げるチャイムとほぼ同時に、スカートのポケットの中で震え出した携帯電話。
授業を終えた教師が教室から出ていくのを見計らい、環は携帯をポケットから取り出してその内容を確認した。
どうもメールらしい。
差出人はマネ仲間の家本楓だった。
そこで環は妙だな、と思う。
何の用だか検討もつかないが、どうせ後二時間で授業は終わるわけだし、用があるなら放課後の部活で話せばいいはずである。
それでもわざわざメールを寄越したのは、なにか余程大事な内容なのだろうか。
と、無駄に勘繰りつつ、そのメールを開くと中身はこんな内容だった。
「昼休み、部室で待ってる」
部室に呼び出すなんて、ますますもって不思議である。まぁ、どうせ昼休みにやる事はないので別に構わないのだが。
そんなわけで、お弁当を食べ終えると環は、部室棟の一角にあるサッカー部部室へと向かうために席を立った。
どこに行くの、と訊いてきた真守を無視して、廊下に出る。廊下の奥の階段を下り玄関から校舎を出た。
964しにがみのバラード ◆88FzqwpUTw :2007/11/10(土) 02:43:00 ID:oCtGuSm6

ところで、この学校には校舎が二つある。片方が第二校舎と呼ばれる一、二年校舎で、こちらは教室だけで構成されている。
それに対し、もう一方の校舎、第一校舎は三年の教室、職員室、並びに学食、購買、図書室など、
学生生活を過ごす上で外せない設備が搭載されていて、何かにつけて利用機会は多い。明らかに不公平だ。
さて、その二つの校舎は、グラウンドを挟んで向かいあっている。
二つの校舎を結ぶ渡り廊下は南北にひとつづつあり、昼休みになると北の渡り廊下は購買や学食に向かう生徒でごった返すのに対し、
南にはまず人影がない。理由は簡単、南側の通路は校門には近道だが、第一校舎に渡るには圧倒的に遠回りだからだ。
現在、環がその南側の渡り廊下を歩く唯一の人なのは、その道の途中に部室棟があるからであり、環の目的地もそこだからである。
元々部活動が盛んとは言えないこの学校には運動部が数えるほどしかない。
そのため、二階建ての部室棟には空き部屋がちらほら散見でき、その余った部屋のいくつかをサッカー部が使わせてもらっていた。
おかげでサッカー部は現在、一階に部室を連続して4つも所有している。
問題はその4つの中、呼び出しのメールを寄越した楓がどこにいるのか、なのだが、環にはあらかた予想がついていた。
部室棟についた環は、外をグルリと回って、一番奥の部屋まで行く。
この部屋は、無駄に部室が4つもある事にこきつけて、もはやマネージャーの控室として勝手に占領していた。
男子禁制のその部屋は他の部屋のように汗臭くなく、環はもちろん他のマネージャーの憩いの場でもあった。
わざわざ汗臭い部屋にいる必要もないので、楓がいるならこの部屋だろう。
うっかりノックするのを忘れてノブを捻ると、鍵の感触が手首に残ることなく、カチャリと音を立ててドアが開いた。
ドアに鍵がかかっていなかった時点で、ほとんど当たりは確定していたわけなのだが、中を覗くと予想通り、そこに家本楓がいた。
楓は部屋に入った環に気付いた様子もなく、物憂げな表情をガラスに写して窓の外をただただ眺めていた。
965しにがみのバラード ◆88FzqwpUTw :2007/11/10(土) 02:46:35 ID:oCtGuSm6

窓の外、グラウンドに何かあるのだろうか。
彼女の様子からそう思い、環は背伸びをして窓から外を伺う。
しかし、そこには当たり前のように何もなく、まっさらな土のグラウンドが陽炎で揺らいでるだけであった。
そこに特別目を引くような物は影も形も見当たらない。
それでも、楓は飽きもせず窓の外をただただ眺めている。
時折思い出したように桃色吐息を吐きながら、まるで恋する乙女のように。
「……楓?」
たそがれる楓に後ろから声をかけると、彼女は悪事を暴かれた泥棒のようにビクリと体を震わせて、恐る恐る環に振り返る。
が、自分に声をかけたのが環だと分かると、楓は胸に手を当てて安心したように息をついて、
「も、もう、おどかさないでよ。びっくりしたじゃない」
そう、少し怒ったそぶりを見せて、はにかんだ。
「別に、おどかしてないわよ。それより、何してたの?ボーッと窓の外なんか見て」
環が窓の外と楓の顔を見比べながら問うと、楓はえっ、と気の抜けたような声をあげた。
そして次の瞬間には頬がみるみる赤くなり、最後にはとうとうその熱に耐えかねたように下を向いてしまった。
「何? もしかして、具合でも悪いの?」
心配した環の問いに楓は小さく首を横に振る。
「じゃあ、どうしたの?」
「……ない」
ボソリと、消えるように何事か呟く楓。しかし、その声は小さすぎて、環にはほとんど聞き取れなかった。
「え、何?」
「……でもない」
曖昧な言葉だけを残して、楓はむっつりと黙りこくってしまった。
その楓の態度がじれったくて苛々する。この程度の質問くらいはっきりと答えればいいのだ。
とはいえ、彼女がもともとそういう子である事を重々承知している環は、
雪のようにしんしんと降り積もる苛々を受け流すように溜め息をついて、
「まぁ、いいわ。で、用って何?」
「……えっ?」
ポカンとした表情で楓が顔を上げる。
「えっ、て、楓が私を呼び出したんでしょっ!?」
溜め息では流し切れなかった苛々が言葉に宿ってしまって、環は少し後悔する。これでは逆効果だ、余計楓が萎縮してしまう。
966しにがみのバラード ◆88FzqwpUTw :2007/11/10(土) 02:48:25 ID:oCtGuSm6

しかし、幸いにも楓は気にならなかったようで、慌てたように肩を揺らして、
「あ、そ、そのね、」
で、結局、言葉を濁らせる。長い髪を指でくるくると遊ばせながら、言いにくそうに視線をさ迷わす。
「早く言いなさいよ」
この場に呼び出しておいて、用件さえ言い淀む楓がやはりじれったくて、静かに言おうと気を付けても、
言葉の節々に刺が入ってしまう。
楓がいい子だとは分かってはいるのだが、彼女の口下手を遥かに通り越した曖昧さを、環はどうも許容できないのだ。
訪れたしばしの沈黙を、苛立ちを募らせながら待つ。
やがて、ようやく。本当にようやく、体中の勇気をかき集めたらしい楓が、まるで機嫌を伺うような上目遣いでこう訊いた。
「あ、あの、たまちゃんはね、その、ま、真守くんと、付き合ってるの?」
楓の言葉が耳に入った瞬間、考えるより先に感情が否定していた。
「ば、馬鹿言わないでよっ!!そんなわけないでしょ!?ど、どうしてそんな事……」
「だ、だって、二人はすごく仲よさそうだし、だ、だから……」
「はっ、冗談。そんな事ありえないわ。絶対にね。あたしは、幼馴染みとして仕方なく、本当に仕方なく面倒見てあげてるだけよ」
「ほ、本当?」
探るように環を覗きこむ楓の瞳はどこか嬉しそうだった。
「当たり前じゃない」
胸を張ってそう答えると、今度ははっきりと分かるほど嬉しそうに楓は胸に当てた手を握った。
何か、予感がする。いや、予感までには至らない、胸騒ぎのような。
「ちょ、ちょっと、待って、楓。え〜とね、あんた何でこんな事を──」言いながら、答えは自ずから見つかった。
「──ま、まさか」
真守が好きなの、とまでは言えない。何か、感情の塊のようなものが喉の奥で詰まっていて、声が出ないのだ。
それでも環の言わんとした言葉を感じ取ったのだろう、楓は恥ずかしそうに頬を朱に染めてコクリと頷いた。
環は絶句する。
その拍子に、心の中に転がっていたはずの感情の塊がゴロリと口から転げ落ちた。
「ど、どうしてよっ!? あんな奴のどこがいいのっ!?」
967しにがみのバラード ◆88FzqwpUTw :2007/11/10(土) 02:53:17 ID:oCtGuSm6

「ど、どこがって、その。あの、や、優しいし、かっこいい……」
優しい、かっこいい。
およそ真守からは想像出来ない単語が深く頭の芯に響き、その余韻が消え去った後で驚くほど動揺している自分に気付く。
すると急に頭が冷えた気がした。
おかしい。
なぜ、自分が動揺する必要があるのか。
真守がどうなろうと自分には関係ないはずだろう。だって真守はただの幼馴染みなのだから。
そう反芻しつつ深呼吸をして、環はわざとらしい咳払いを一つ。
それから、目の前の美少女を死神の魔の手から救うべく、神父のような神妙な声で、
「あのね、楓。あんた、よ〜く考えなさい。本当に真守なんかでいいの? だって、あなた、すごくかわいいじゃない、
間違いなく引く手数多よ。わざわざ真守にまで望みを落とさなくても、」
「……そんな事、ないよ」
静かな声だった。
だけど、その声ははっきりと環の言葉を否定していた。何故だろう、心臓がズキリと鈍く痛み、環は思わず胸を押さえた。
そんな環を楓は真っ直ぐ、強い決意を宿した瞳で見つめていた。そして彼女はいつになくキッパリと自分の意思を宣言する。
「私、真守くんがいいの。ううん、真守くんじゃなきゃだめ。私、真守くんの事、す、好き、だから……」
話の流れから予想はしていたし、分かっていた事だった。
だけど、楓の口から直接「真守が好き」と言われると、覚悟をはるかに超える衝撃が環を襲い、
「そ、そう。そうなんだ……」
それだけ捻り出すので精一杯だった。
「う、うん。だからね、たまちゃんにね、その、お、お願いがあるの……」
「え……お願い……?」
「その、き、今日呼び出したのもそのためなんだけど、」楓は口許を右手で押さえて、僅かな沈黙を作り、
それから少しだけ言いにくそうに、「あ、あのね、その、手伝ってくれないかな?」
「て、手伝うって、な、何を?」
「その……こ、告白」
言ってから、楓は頬を朱に染めて、恥ずかしそうに身を小さくして黙りこんだ。
一方の環は楓の言葉の意味を噛み砕けずに、まるで魂を刈り取られたように呆然としていた。
968しにがみのバラード ◆88FzqwpUTw :2007/11/10(土) 02:54:43 ID:oCtGuSm6

楓が、
真守に告白……?
──ダメ。
そんなのダメだ。ダメに決まっている。
「だ、ダメよ。そんな事。ダメ、絶対っ!!」
理屈より先に、感情が否定していた。自分でもよく分からない、焦りにも似たその感情が無意識に環を突き動かしていた。
ふと気付くと、楓は、あっ、と悲しそうな声をあげ、何か知ってはいけない事を知ってしまったような、
悲愴感にくれたその瞳をふせて、
「そ、そうだよね。ダメだよね、たまちゃんも、真守くんが、好きなんだもんね……」
「え……?」
あたしが?
真守を好き?
我に返ったように環はぶんぶんと首を振り、その最悪な思考を排除する。
ありえない。
そんな事は絶対にありえない。
自分が真守を好きなわけない。
だって、真守はただの幼馴染みで、泣き虫で、でかいだけのでくのぼうで、一回も好きなんて感じた事はない。
おまけに自分がいないと何も出来なくて、苛ついていたくらいだ。自分は断じて真守が好きなわけではない。絶対に、だ。
環がそう心を固めていると、目の前の楓は申し訳なさそうに、それでいて悲しそうに、
「ご、ごめんね。たまちゃんの気持ち、考えないで、わ、私、諦める、から……」
「わ、分かったわ」環は、慌てて楓の話に割り込んだ。「その告白、手伝ってあげるわよ」
変な誤解をされるのは、嫌だった。

969 ◆88FzqwpUTw :2007/11/10(土) 02:56:44 ID:oCtGuSm6
投下終了。
本当はもっと早く投下するつもりだったんですが、推敲に思った以上の時間がかかってしまって遅れてしまいました。
では、また。
次の埋めネタで。
970名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 03:17:10 ID:LIUKFjdq
GJ!!
これからどうなる事やら、続きに期待してます。
971名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 08:42:58 ID:nrOIZhqB
埋めGJ!!

今回は500kより先に1000いくな
972名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 11:43:06 ID:C0f3WLxl
なうにぃの方ごっすんでした
レミ1セット目のJKめくりは自分でも予想外
それにしてもなんと言う昇竜合戦
973名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 11:43:59 ID:C0f3WLxl
って誤爆ったorz
974名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 11:54:58 ID:Q7mrCE5O
駄目でしょう…他の女の相手をしたら――



アナタはココだけを見てればいいのよ…
975名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 14:37:41 ID:mSA7Yoo5
でもアイツは……アイツは俺がいないとダメなんだ…

解ってくれ……
976名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 14:41:09 ID:u9DoFbKj
           _
          '´/ ,、ヽ
  ____ i (ノノ"))i
  {l,、,、,、,、l|l=i l| "ワノlOi!   キャハハハハ♪
   ・     リ⊂)允iソ  
  ;*     (( く/_lj〉))
  ・゚'        (./J
977名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 16:59:18 ID:ui3P8yqP
残り23レスは、前スレの埋めネタの為にこの俺が死守する!!
978名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 19:45:34 ID:lCQIIyKq
埋め
979名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 20:57:37 ID:h7hnYcbK
 初めて交合したのは、十六のときです。
カーテンを閉め切られた薄暗い部屋の中、美奈子と二人、向かい合って寝台に横臥して、お互いに相手の体をおっかなびっくりもてあそび合いました。
その頃の私は一般的な青少年らしく性というものに興味津々であり、悪友から押し付けられた春画などで夜な夜な自らを穢してもおりましたし、美奈子に誘われるまま、欲望に任せるがまま、何ら罪も感じずに、婚前交渉という無責任な偽善的行為に踏み切ってしまいました。
はい。それは偽善的行為です。好きだの、愛してるだの、口先だけは達者に回っておりましたけれども、実際はもっと単純な、男としての享楽のための行為です。
下半身に感じるぬるま湯のように蕩ける快感と、一人の女を征服したことによる、背筋がしびれる自尊心の満足。そして、悪友に先立ち筆を下ろしてやろうという虚栄心。
メディアがやたらと奨励して回る通俗的恋愛感を真に受けて、観念も知らずに愛という言葉を無闇大仰に垂れ流し、極々単純な、畜生に対する人間の汚点、本来自然には存在すべきではない歪で汚らしい虚栄という欲望を鍍金で覆い隠したもの。
それを巧みに簡略化させて打ち出した耳障りのいい言葉を一丁前に説いて、ただただ純粋に私という人間を好いてくれる乙女を誘惑してやったのです。
これが偽善以外の何でありましょうか。あの頃の私にとっては、愛という観念でさえ、銀細工と同じものでした。
見得を張るための装飾品。退屈紛れの人間あそび。これ見よがしに行う慈善。吐き気がします。
無知は罪です。青年の私は、阿呆でした。口を開けっぴろげにして、押し込まれる糞尿全て旨そうに飲み下す、白痴でした。
そして、今でもそれは変わりありません。いいえ、今の私のほうが、余程性質が悪いといえるでしょう。
知っておりながら、過ちを犯しているのですから。過失より、故意のほうが罪が重いのは当たり前のことです。
今も昔も、私は暗いじめじめした部屋の中、猿のように腰を振っております。
口先聖者。聖人気取りの放蕩漢。見かけだけが善い偽善者。スカートを穿いた卑屈な似非男です。
980名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:01:38 ID:h7hnYcbK
 物心ついたころ、私は肉が食べられませんでした。血生臭いそれが、どうも気持悪くてならなかったのです。
動物の血を絞り、皮を剥ぎ、ぴくぴくと動く肢体を切り、痙攣するはらわたを引きずり出し、串刺しにし、火であぶり、黒く固まった血のへばりついたそれを頬張り、噛み千切るとなれば、もしかすると自分の腹のなかにうめき声を聞くかもしれない。
肉食に対して、同情からではない、純粋な嫌悪感を持っておりました。
先ほどまで鳴いたり、吠えたり、歩いたり、見たりしていた汚物を口に放り込む人間に、どれほどの勇気があるのだろうかと考えるほどでした。
けれども、成長して、ある日両親に好き嫌いはいけないと無理矢理肉を食べさせられると、まず私は口の中に広がる濃厚な味に驚き、それに続いて、どうしていままでこんないいものを嫌っていたのだろうと後悔しました。
そうして、私は肉を味わう快感を覚えたのです。
肉欲もそれと同じです。一度覚えてしまうとなると、猫味というやつで、それで味わった快楽の残滓が体の芯まで染み渡って、次はいつ、早く欲しいと、今まで無かったはずの欲求がこころに生じます。
十歳そこそこのころは、私は性欲というものをあまり好いてはおりませんでした。むしろ、少年らしい潔癖さから嫌悪さえしておりました。
けれども思春期を迎えるにつれ、異性への好奇心や、性教育による臆見、聞きかじった知識への期待がじわじわと私と私のまわりの子供たちの間に広がっていき、
嫌悪どころか、そういう方向の好奇心を持たねば拙いという風潮になり、周囲に合わせて、しだいに、自分自身をすっかり作り変えてしまい、その反動から自分の潔癖さえ嫌悪するという、馬鹿馬鹿しい話にもなりました。
981名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:04:45 ID:h7hnYcbK
 一人遊びを覚えたときにはもう手遅れでした。私は性器をもてあそぶ快感に夢中になり、毎日のように自分を穢しました。
そうして、美奈子という恰好のはけ口を見つけ、さらには女を征服する気持ちよさを覚えてしまった私は、猿のように熱中して穢れた愛をささやき、獣のように喘ぐ、罪深い日々を送るようになりました。
魂の髄まで染み付いた性の味は、拭いがたいものです。愛といえば性愛、人生といえば恋愛、どこもかしこも背徳奨励、十代の私にとって、世界とはそのようなものでした。
去勢された犬でさえ、春になると盛っているのです。たとえ飼い主の人間が肉体に直接的な禁欲を強いたとしても、長続きはしないでしょう。
畜生と比べても、余計なものが多すぎますから。
私はもう、この抗いがたい習慣に逆らうことを、諦めました。
適当に誤魔化し誤魔化し、折り合いをつけて付き合っていくと決めてしまいました。
克服なんて持っての外、手痛いしっぺ返しを食らわないよう、分別を持った大人の付き合いというやつを、職場などで行っておりました。
そうそう、神父様。獣欲を抑えるものは理性ではなく、羞恥心なのですよ。
理性とは、元来どこまでも本能的で、打算的なものですからね。
結局のところ、性欲というものに対して私たちは、力なく、はにかんでいるしかないのです。
 その晩、私は酔っておりました。
前日の出来事に加えて、職場で、女性関係のもつれからいざこざを起こしたことがいまいましさのたねとなり、酒精でそれを誤魔化そうと、さくらに酌をさせておりました。
紫苑は部屋で勉強中でした。そのころの彼女は、あまり成績が芳しくないようで、食事を終えるなり部屋に篭ることが多くなっていました。
私はさくらと二人きりで、酒を飲みました。愛娘に自分の女遊びのことなど話せるわけもなく、職場の上司に対する愚痴を有ること無いこと喚いて、取り繕った、上辺だけの憤慨を態度に出しておりました。
いつもの晩酌では、ある程度飲んだときやんわりとした口調でさくらが飲みすぎを注意するのですけれど、その日は、私が何度お猪口を傾けても、何もいわず、にこにこと笑い、かえって酒を勧めてくる始末でした。
さくらは何か察しているようで、私も娘の労いに甘え、次々と杯を空にしました。
いつの間にか前後不覚。酩酊を通り越し泥酔状態となり、ふらふらと立ち上がり、ろれつの回らぬ口でさくらに片付けを任せると、そのまま自室の寝台へ倒れこみました。
982名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:09:06 ID:h7hnYcbK
 私は咽喉の乾きで目を覚ましました。体が動きませんでした。腕と足が何かで縛られていました。まさか強盗が、と思い、私は錯乱して娘たちの名を叫びました。
暗闇の中に、もぞもぞとうごめく物体がありました。私の枕の横に、人が立っているようでした。
耳元で囁かれる、優しげな、柔らかい声。さくらでした。
さくらは私の身体をひとしきり撫で回すと、お父さんがいけないんだからね、と独り言のように呟いて、私の男性に、彼女のほの白い肌を重ねました。
さくらは欲情していました。私も興奮しておりました。二人は、薄暗い部屋で、盛った猿のように交わりました。
私に跨り、息も絶え絶えに愛してると呻くさくら。やめるんだ、親子じゃないかと口だけは抵抗してみせていた私。
美奈子と呼んでもいい。その言葉に、私の中に辛うじて残っていた羞恥心は吹き飛んで、みなこ、みなこ、と娘の姿を亡妻に重ね合わせ、あの淫蕩な日々を思い描きながら腰を振りました。
さくらは美奈子でした。吊り目がちの大きな瞳。汗で頬に張り付いた栗色の髪。男を虜にする瑞々しい肢体。
妻の生き写しを辱める快感に、私は夢中になりました。
背徳は快楽を何乗にも高めます。羞恥と美はうらはらです。酒精でぼやけた思考の中、美奈子と愛娘の姿は、たまらなく美しくみえました。
罪の肌着の艶かしさ。汗を舐めとり、唾液をむしゃぶり、蜜を啜り、むせ返るような香を肺一杯に吸い込んで、私たちは意識を手放しました。
その翌朝、シーツを染み付いた深緋の斑点を眺めて、私は慟哭しました。
 気持ちの切り替えというものは苦手です。そんな器用な真似は、どうも私には出来そうにありません。
朝食の最中は一言もものを言えなくなり、職場でもつまらない失敗を連発しました。
町を歩くと幸せそうな親子連れを見かけ、自分もかつてはそうだった、けれども今は、と、暗い気持ちでうつむきました。
さくらが憎たらしいとさえ、思いました。あの娘が姦淫なんぞするから、おれは良心の呵責で苦しんでいるのだ。この思念は、昔、美奈子について感じたものと同種のものでした。そしてその事実に気が付くと、私は自らの身勝手さに身もだえしました。
983名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:14:01 ID:h7hnYcbK
 私は沈んだ気持ちのまま帰宅しました。紫苑一人が私を出迎え、姉さんは部屋で勉強してるから、と言い、二人だけの夕食と成りました。
紫苑が高校へ上がると、我が家の食卓は私に代わって彼女が用意することが多くなり、今では師の私をも越える腕前でして、夕食の時間は私の数少ない毎日の楽しみとなっておりました。
昨日の今日でさくらと顔を合わせるのが辛かったこともあり、私はいくぶんあからさまな空元気を見せつつも、とりとめのないことで紫苑と語らいながら、やや塩辛いおかずを頬張り、うまいうまいと過剰なおべっかともとれるほどの賛美で彼女の料理を褒めちぎりました。
食事を終えると、紫苑がお祖父さんから貰ったと言って、一本の高級そうな日本酒を取り出し、私は勧められるがまま、娘の酌を受けました。
幾度となく酒で失敗しているというのに、学習能力の無い男です。
私はやけっぱちな気分で杯を傾け、ぐいぐいと癖のある酒精を飲み干しました。
けれど、それがいけなかったのでしょう。
けなげに父を労う娘の姿に、私は配分を狂わされ、不味い不味いと感じながらも、断ることも出来ず次々と杯を重ねてしまい、前日と同様に、前後不覚に陥ってしまいました。
 紫苑に肩を持たれながら布団に寝転ぶと、いつの間にか眠り込んでしまって、気が付けばレミュエル・ガリヴァ氏です。
前回と異なっている点は、私がいくぶんか落ち着いていることと、私に抱きついている人間が、次女の紫苑であること。
私は誘われるように唇を紫苑のそれに重ね、酔いに任せて、汚らしい欲望を少女にぶつけました。
そうやって、品樹七誌という卑劣漢は、二人の娘を穢したのです。
 陳腐な苦悩です。近親相姦の後ろめたさ。倫理に反する罪悪感。どこにでもある、つまらない三文小説です。
二人の娘を抱いたあと、私がどのように苦しみ、苛まれたのかは、今となってはどうでもいい、お話しする必要のないことでしょう。
そこにあったのは、言ってしまえば、痛苦と自己弁護の繰り返し、論理循環に陥った男の戯言です。
人間は、大抵の事物には三日で慣れてしまうものだと、私はこのときの経験で学びました。
984名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:17:46 ID:h7hnYcbK
 あれから、私は一日置きにさくらと紫苑を抱きました。
なけなしの羞恥心を振り絞って抵抗はしましたけれど、やはりそれは身振りだけで、さくらの、他の人にばらされたくないよねという、脅しにもならない一言を聞くと、私は閉口してしまい、どうにでもなれさという気持ちのまま、ずるずると関係を続けていきました。
それどころか、もしかすると、この事態をこころのどこかで喜んでいたのかもしれません。
以前の私は、時が経つにつれて成長する二人の娘の姿を、寂しさ交じりに見つめておりました。
いつか、私の愛した二人の女性の生き写しともいえる彼女たちがどこの馬の骨だか知らない男と腕を組んで歩く有様を見せ付けられることを想像すると、やるせない気持ちになり、自分という人間がとてもちっぽけな、情けない存在のように思えるのです。
しかし現実はそれと異なり、手を握る男は父親の私。組み伏せる相手は、七誌という男。少女たちは父の手で育てられ、父によって男を知る。
親子の縁は切れません。父は子より早く死にます。今後生涯、私は、娘たちに必要とされ、愛され続けます。
潜在的に在った、独占慾の充足。私だけが、彼女らに愛され、彼女らを抱き、彼女らのこころを所有するという、おぞましい、けれども甘美な妄念が私の背筋を震わせ、唇を歪ませました。
そして私はその喩えようの無い陶酔に我を忘れて有頂天になり、今まで以上に娘たちに媚を売るようになりました。
元気なさくら。大人びた紫苑。両方とも、私だけのもの。私は二人に愛を囁きます。さくらには、美奈子に贈った情熱的な言葉を。紫苑には、美弥にしたように上辺だけの実直さを。
私は不誠実な男です。けれども、その爛れた生活を過ごしていたころの私は、それさえも、自らの個性として肯定してのけてました。
このうつろな幸せが、いつまでも続いてくれるだろうと、根拠も無く信じ切っておりました。
 さくらは美奈子の娘であり、紫苑はやはり美弥の娘であることを本当に理解したのは、全てが手遅れになってからでした。
やはり私は、罪深い人間です。罪を犯すべくして犯す、生まれ着いたときから、原罪の宿命というものを普通の人よりか余計に多く背負わされた人間なのです。
どうしてこんな私だけが、のうのうと生きていられるのでしょうか、神父様。





985名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:19:23 ID:h7hnYcbK
以上、前スレの続きの埋めネタです。次回でようやく完結です。
嫉妬のかけらもなくてごめんなさい。
986名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:26:12 ID:TLxjcVx+
GJ

楽しみに待ちます。
987名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 22:08:52 ID:nrOIZhqB
乙ー

次のスレで待ってますね
988名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 23:24:28 ID:czkgaErC
すばらしい
早く、次スレ埋めねば
989名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 23:31:54 ID:pF3YWcHW
何言ってんだw
990名無しさん@ピンキー
>>989
きっと>>988がSS書きまくって埋めてくれるはず