ノエインでエロい話お願いします2

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1名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 19:27:27 ID:F0izFRP3
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前スレ
ノエインでエロい話お願いします
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137908871/l50
2名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:38:34 ID:vA/pveNS
以上です。ありがとうございました
3名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 22:45:14 ID:DIcw5SsP
>>1をのばしたら届きそうな乙
4名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:40:11 ID:j7F8QUay
>>1乙そして保守
5名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 21:41:15 ID:jma+ndAc
>>1

もう逢えないかと思った
6名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 08:41:47 ID:zCDy2uko
神降臨に期待
7(アト×ミホ 1/10):2007/10/28(日) 01:43:52 ID:MLDyJ7K4

でけた。新スレ祝いにアトリ×ミホやや鬼畜で。



 デジタルの数字は38.8を映し出し、まだなお数値を更新したげに点滅を繰り返していた。それ以上眺めていても
意味はなさそうだったので私はぱったりと体温計を握りしめたまま腕を投げ出す。喉は唾を飲み込むのも辛い。頭
はぼうっとして考えが纏まらない。首の後ろも背中も熱く、髪が汗でへばりついている。耳もなんだか良く聞こえな
いし体が十センチぐらい宙に浮いている気がする。そう、典型的な風邪、だ。

 冷やすとよくないからと勧められるままに首に巻いたタオルはとうに汗でぐっしょりだった。ずるりとはずして足元
に落とす。途端に首元がすうすうして、私は少し咳込む。様にはならないがどうやら効果はあったようだ。よろよろ
と起きだして、暗闇の中手探りで引出しから新しいものを取り出し、再び首に掛け襟元にねじこむ。格好悪いけれ
ど仕方がない。ついでにさっきのも拾い上げておこう。既に熱を失って重くなったそれは気持ち悪かった。着替えも
出しておいた方がいいかな。

 寒気がして、タオル地の薄いブランケットを押し入れから引っ張り出したのは昨夜の事。喉の痛みを感じたのは
二日前。少し肌寒かったのに夜風にあたりすぎたのが三日前。きっと、それがよくなかったのだ。
 少し動いたせいで体が熱くなってきた。熱がまた出てきたようだ。なのに、一日横になってた所為か体はだるいの
に目は冴えてきた。壁の文字盤はよく見えないが夜の一時か二時あたりに短針が傾いている気がする。もう一度
起き上がる気力もないので、私は余り期待せずに目を閉じ、この性質の悪い風邪の元凶について思いを巡らす。


 今、私は嵐の只中に居る。災厄を呼び寄せたのは不思議な青い雪、中心には不吉を纏う一人の男。私は少し前
にその渦(にして禍だ)に巻き込まれ、今なお揉まれに揉まれ翻弄され続けている。ゆうべは比較的穏やかな風で
はあったが反面扱いの難しい厄介なしろものだった。
 溜息ひとつ、私の中で猛威を奮う「熱病」をもたらした男の横顔は、少し影を帯びていた。

 男は自身についてあまり多くを語らない。口を開けば皮肉や暴言ばかり飛び出す。恐怖と暴力で私を支配し蹂躙
した彼が求めたものは、従属ではなく抵抗、死んだ器ではなく意志を持って抗い続ける血肉だった。物理法則も常
識も倫理も無視した圧倒的な力の前に、私など一瞬で消し飛ばされてしまいそうだが、彼は気に入った玩具を簡
単に手放す気は無いらしい。
 そんな偏屈な暴君を少しずつ軟化せしめたのは意外にも「言葉」だった。

8(アト×ミホ 2/10):2007/10/28(日) 01:47:08 ID:MLDyJ7K4

 何故私なのか、たまたま私だったのか、わからない。ただ諾々と従うだけではなく、無駄でも小さな声でも言い返
し、抗い、拒絶する、それはただの虚勢に過ぎなかったのだが、彼の興味を惹いたのはそれだった。大人しいだけ
の兎ではなく、ときに牙をむいてかかってくるもののほうが狩猟本能や支配欲が疼くのか。子供だと思って侮って
いたら予想外の反駁を見せた、ただそのもの珍しさかもしれない。実際彼は面白がってますます私をいたぶるし、
彼から折れるということも滅多にないのだが、負けず嫌いな私の性格が良かったのか悪かったのか、彼は度々私
の元を訪ねて来るようになった。甚だ迷惑な話だ。

 彼は狷介にして孤高、執拗にして残虐。好きなときに突然現われて傍若無人に振舞うのに依然変わりはないが、
近頃では殺伐とした雰囲気も鳴りを潜め、彼にしてはかなり手加減してくれるなど譲歩も見せるようになった。それ
に呼応して、どうやら気に入られたようだという不本意な安堵感が些か私を大胆にしていた。気に食わなければ逢
いになど来ない。だからと言って好きなように扱われるのは我慢ならないが、素直に応じてくれるかどうかを別にす
れば話も聞いてくれるし、意味のない暴力も収まったのだけでも良しとすべきではないか。
 ・・・懐柔されたのは私?

 それと同時にいろんなことが見えてくる。大人のくせに妙に子供っぽいところや、時折その横顔がなんとも言えな
い寂寥感を湛えている、ということなど。認識の積み重ねは未知なるものへの本能的な恐怖を払拭してくれるが、
同時に余計なフィルターをも重ねてしまう。直感が鈍ること、判断に迷うこと、本能に背くこと。それはおそらく、物理
的な攻撃に晒されるより危険なことなのだ。

 彼は、人の姿をしているが人ではないモノなのだ。私に抗う術は無い。(間違ってないでしょう?)
 絆されてはいけない。迎合してはいけない。望まぬ事を強いられているのだから。(そうよね?)


 おとといの晩。
 部屋で寝ていたはずなのに、肌寒さにふと目を覚ますとそこは見渡す限り暗い森、樹の頂だった。遠くには暗い
海、街の明かりがちいさく瞬く、そんな景色ももう何度目だろう。
 細身だけれどもがっしり強い腕の中、ひどく不安定な場所に攫われて来ている筈なのに不思議と怖くはなかった。
もう慣れてしまったからかもしれない。彼の傍は逃げられないが安全でもあったのだ。

 彼は遠く目線を飛ばし、強い風の中、あれは何だそれは何だと短く問いかけてきた。私にはよく見えなかったが
彼にはいろいろなものが能く見えていたようだった。彼の向かう方向に目を凝らし、その形の建物ならあれかもし
れない、その方向ならあれかも、と私はばさばさと巻き上げられる髪を押えながら彼の横顔に懸命に答えた。いつ
になく感情の籠らない声に、応えてあげたかった。私からの問いかけは憚られるほどの雰囲気を彼は纏っていた。
9(アト×ミホ 3/10):2007/10/28(日) 01:49:47 ID:MLDyJ7K4

 この小さな世界は彼にどう映るのか。こういう時の彼はまるで別人のようだ。彼が何処から来て本当は何をしよう
としているのか知らない。何者なのかも知らない。何故あんな目で遠くを見るのか、私にはわからない。腕に抱え
た私など居ないもののように見もしない。けれど離さない。話さない。どうしてあげるのがいいのか、私に何を望む
のかまだわからない。仕方が無いので、こんなときは彼の気のすむまで静かに寄り添うことにしている。

 いつもなら暫く夜風にあたっていれば気が紛れるのか、小一時間程で部屋に戻してくれるのだが、その日は口数
も少なく、問いかけが途切れたきり彼は黙りこくってしまい、吹き荒ぶ風に揺れる梢に座り込んだままじっと動かな
くなってしまった。マントにくるまれて寒くはなかったのだが、この神経の張りつめた長期戦の合間にいつしか私は
眠ってしまい、気付けば朝方近くにもなっていた。冷えた空気に晒され続けた喉は、ひとたまりもなかったというわ
けだ。

 (私と居ない時、彼はそうして朝まで一人遠くを眺めて過ごすことがあるのだろうか?)


 深い溜息に誘われて飛び出た咳が思索を途切れさせたとき、優しい手が額に触れた。ドアが開いた気配はなか
ったのに。ママ?と問いかけようとぼんやり開いた目に不機嫌そうな細顔が飛び込んできた。「あ」の形の口で、私
は熱い息を吐いた。ようチビ、といつもならいやらしく囁く大きな口は、気のせいか神妙に引き結ばれ、大きな「へ」
の字になっている。
 病の根源が壁から生えていた。

「熱があるな。それに膿んだ粘膜の臭いがする」彼の少し冷えた掌が今は心地よかった。
「炎症を起こしてる、って言ってよ」自分の声が随分と遠くにかさかさと聞こえる。
「声になってねぇじゃねぇか」ま、そういうのもいいけどよ、と相変わらず聞き捨てならない事を云いながら、彼は壁
からずるりと肩口あたりまで出てきた。細長い指が額、頬、顎へと滑ってゆく。首筋へと辿り着いて、色気が無ぇ、と
呟きながらタオルを外して床に落としてしまう。小学生相手にそんなことでぼやかないでよ、と言い返したかったが、
有ると云われても無いと云われても釈然としないな、と思い至ってやめた。それにゆっくり引っ張ってくれたのは彼
なりに気を遣ってくれたのかもしれない。いやそうじゃなくて。諦め半分哀願半分、私はとろんとした眼で彼を見上
げる。葡萄色の大きな眼を苦々しげに細めて、彼はじろりと私をねめつける。

10(アト×ミホ 4/10):2007/10/28(日) 01:52:50 ID:MLDyJ7K4

「お前、死ぬのか」
「・・・風邪ごときで殺さないでよ」
「そうか」
「誰のせいだと思ってるのよ」
「誰だよ」
「この間の晩、寒かったでしょ」
「そうか?」
「そうよ、しかも朝になっちゃってたじゃない」この男に話すだけ無駄のようにも思えたが、僅かなりとも彼は動揺し
ていたのだと解り、少し可笑しかった。それにやっぱりこうしてあれこれ話してくれるほうが心配がなくていい。乱暴
なのは願い下げだけど。

 笑おうとした胸に首筋から冷気が伝わったのか、かわりに気管支がざりざり鳴った。やっぱりまともに声が出ない。
全くひどいものだ。クッションに凭れ、肩をずりずりと動かして少し身体を起こす。脇や下腹が痛む。リンパ腺が腫
れているのだろう。

 彼は普段以上に眉間に皺を寄せ、少し身を屈めて、神経質そうな細長い指で腫れているとおぼしき喉の部分を
ひと撫でし、そのまま胸元へ下りてボタンをちまちまと外してゆく。(今日のパジャマは、嫌がらせのようにたくさん
のボタンが胸元からつま先まで連なった裾の長いワンピースだ、)ボタンが下へ下りるに従って彼の体も壁からず
るずる這い出てくるのが妙に微笑ましい。すっかり壁から抜け出てしまうと彼は何を思ったか、はだけた私の胸に
耳を押し当てて目を閉じる。くすぐったいからやめてほしい。敵の様子を伺って地面に這い蹲る忍者みたいだ。

「・・・何が聞こえる?」
「生きてるな」
「あたりまえじゃない」
「そうだな」

 服や何やを乱暴に引きちぎらなくなったのは少し前からだ。困るからと文句を謂うとしぶしぶながらも手加減をし
てくれるようになったのだが、彼は根本的なところで間違っている。
 ざらざらいう気管支の音や、あからさまにリズムの速くなった鼓動に満足したのか、起き上がってはまた一つ、ま
た一つとボタンに指をかけていく。
「伝染るわよ」
「俺たちはそんなヤワじゃねぇよ」
 ほら、やっぱり間違ってる。

 俺たち、ってことは、こんなに人も他に仲間が何人も居るってことかしら、と場違いな疑問が頭をよぎる。
 彼はブランケットの上から膝立ちでのしかかっていたのだが、中途半端に掛っていたそれをぐいと捲ってぽいと
床に落とした。篭っていた熱が一気に拡散し、寒気が全身を覆った。咄嗟に漏れた悲鳴も全く声にならない。子音
と息だけだ。くしゅ、くしゅ、と立て続けのくしゃみに襲われて私は身体を丸める。頭がくらくらする。なのに、ぐいと
肩を掴れて上を向かされる。葡萄色の獣の眼がふいに近付いてきたかと思うと、おでこになにかがこつんと当たっ
た。彼の額だ。「大丈夫だ。たいした熱じゃねぇ」・・・全然嬉しくない。
11(アト×ミホ 5/10):2007/10/28(日) 01:55:35 ID:MLDyJ7K4

「そうじゃなくて、少しは病人を労わろうとは思わないの?」掠れた声が彼の手を数秒停めるのに成功した。いつも
なら有無を言わさず全部脱がせにかかる(かもしくはいきなり下着だけ剥いでしまうかだ)が、数秒の逡巡の後そ
の手が足元へ移ったところを見ると、裾を捲り上げるにとどめようと考え直してくれたらしい。小さな、いや大きな進
歩と言うべきか。

「そうも思ったんだが、そんな艶っぽい目で見られちゃな」ぐい、と抱えあげられたむき出しの腿の柔らかいところに
口唇を押し当てられて、私は声にならない悲鳴をあげる。艶っぽいんじゃなくて、本当に熱があるんだってば。そう
云いたかったのだが、鋭い歯と湿った冷たい口唇の感触が腿の付け根から膝の方へと行きつ戻りつするので、私
はびくびくと身体を躍らせながら、懸命に悲鳴を呑むしかない。

「それにやけに熱くって気持ちがいいぞ、お前。暫くこのままでいろよ」熱で自由にならない体はいつも以上に彼に
されるがままで、抗おうとする腕も脚もぐにゃりとして全く役に立たない。「最低」「知らなかったのか?」罵れば罵る
ほど、歯向かえば歯向かうほど彼は嬉しそうな顔をする。「知ってるわよ」そうして舌なめずりをしながら、全力をも
って狩りに走るか、或いは泳がせてじわじわと追い詰めるのだ。

 身体は熱っぽくて自分の身体ではないようだが、微妙な感覚だけはひどく鋭敏になっているらしい。そして彼はそ
れを私より先に感じ取っていたようで、いつもより執拗に這い回る指と口唇に私はどんどん煽られてゆく。熱もいき
おい上がってきたようで、もう身体を支えておくことも出来ない。脇腹に歯をあてられても仰け反るしか出来ないけ
れど、体の奥はどうしようもなくじっとりと気持ち悪く湿っているのが判る。そこだけが愛撫に応えようとして、勝手に
下腹部に力が入る。ひく、とつっぱった足先に、彼は満足そうな笑みを浮かべる。見なくとも判る。

 私の反応を見定めてか、敢えて遠回りして触れようとしなかったそこを彼の指が下着の上からついとなぞる。押さ
えつけられていた膝が跳ね上がる。喉がひゅうひゅう鳴って、必要以上に哀れみを誘っている筈なのだが、彼を駆
り立てる材料にしかならないようだ。脱がすのも面倒臭いとばかりにぐいと下着がずらされ、間から指が突きたてら
れる。痛みを堪えようとして一瞬息を呑んだが、思いのほかすんなりと私はそれを受け容れてしまっていた。じゅぶ
り、と湿った音がして、中でくいくいと動かされる指は露骨に滑らかに動き、私は恥ずかしさと快感で顔を覆わずに
は居られない。内腿が痙攣する。
12(アト×ミホ 6/10):2007/10/28(日) 01:58:32 ID:MLDyJ7K4

 内壁をこねくり回しては抜き差しを繰り返していた指を不意に引き抜かれて、私はさっきより大きく息を吸い込む。
咄嗟に手で口を塞ぐが、次の瞬間更なる圧迫感に攻め入られて、高い悲鳴が漏れそうになる。といっても声には
ならない。指を二本に増やされて、せり上がっている奥を深く抉られている。「中まで熱いな。蕩けそうだ」耳元で囁
かれても、いやいや、とかぶりをふるのが精一杯でこれ以上は辛い。巧く力が入らなくて脚を締め付けられない。
嫌、嫌、奥の奥まで締め付けてしまいたい。もっとぎゅっと、もっと、そうしたら、

「やっぱり今日は最高だな、お前」ずるりと指を引き抜いて、彼は私の目尻に音を立ててキスをした。知らないうち
に涙が零れていた。「そんなによかったか?」首を左右に振るので精一杯だ。膝ががくがくと揺れる。
「ねぇ、何か変なの、怖いの、今日は厭、ねぇ」「大丈夫だ、どうって事無ぇよ」「だって」「お前な、今度、なんて物は
無ぇ。今しか無ぇんだ」「今?」「そうさ、生きてるってのはこの今だけさ」
 彼の指先が一瞬鋭い音をたて、私の肌を傷つけることなく、もう役に立たなくなった下着だけをぷちんと切り裂い
た。私はいろいろと諦めて、彼が頬を摺り寄せてくるのに応えることにした。いつもより少しだけ、そこは温かく感じ
た。

 ぐす、と少しだけ鼻を鳴らして、それでも彼に未練がましく不満を伝えると、小さな溜息と同時に耳元でしゅんっと
何か音がした。いつもと感じが違う。頬にあたるのは彼の素肌、だった。普段は面倒臭いのか、彼は私を脱がせて
も自分は全部脱いでしまうようなことはない。だから、いつもこうされているとき闇に浮かぶものと言えば、素材のよ
く判らないやや冷たく滑らかな黒、そして獣じみた眼、だった。

 どういう仕掛けなのかわからないが、彼のマントやその下のぴったりした黒い装束は何やら便利に出来ているら
しく、必要に応じてどこかが開いたり閉じたり消えたり現れたりするので、彼の裸身をまじまじと眺める事は幸か不
幸かこれまでになかった。どちらにしても、いつも闇夜の烏といった風情なのだが、今私の纏っている布一枚越し
に私を抱く彼はただ直に体温を伝えてくる。思わず目をしばたいて、私は今度こそ悲鳴をあげそうになった。

「ちょっ、あの、やだ、何で」思わず反らせた背中をぐいと抱き寄せられて、再び押しつけられたむき出しの胸や腕
やその他もろもろの感触に一気に熱と心拍数が上昇する。あわあわと口から滑り出るのは今はどうでもいい言葉
で。「く、空中元素固定装置?」「お、小難しい事をよく識ってるじゃねぇか」「そ、そうなんだ」
 暗闇で本当に良かった、と思う。今更と思われるかもしれないが、男の人の裸なんかそうそう見るものじゃない。
そう、今更だけど。妙に納得しつつも私は小さく小さくなる。

13(アト×ミホ 7/10):2007/10/28(日) 02:02:43 ID:MLDyJ7K4

 今度は私が彼の胸に耳を押し当てる形になって固まっていたが、彼がそれ以上仕掛けてくる気配がないのにす
ぐ気がついた。そして、鼓膜を通して彼の鼓動と私の鼓動が混じり合うのを聴いた。人の心音がこんなにも心を落
ち着かせるものだとは知らなかった。私のはせわしなく、彼のリズムは穏やかで確かだった。

 おそるおそる、彼の胸に手を伸ばす。あまり見ないようにしながらぺたぺたと触れてみる。思いがけず彼の体は
温かく(そんなものまで調整できるのだろうか)、私の熱を中和してくれるようにも思える。そして自分の手の熱さが
改めて感じられる。触れたり触れられたり、というのは本当は思っていたような事ではないのかもしれない。・・・熱
でどうかしているのだ、きっと。

 ぎゅ、と腕に力を込められると、腕だけでなく胸の筋肉の躍動までも感じられる。落ち着くまで待ってくれている、
らしい。こんな譲歩は初めてで、なんだかいたたまれなくなってきた。いつものように力で捻じ伏せてくれれば何も
考えなくてすむのに。どうしよう。どうすれば。

 熱で冷静な判断が鈍っているうちに、私は思い切って勇気を振り絞る。もぞ、と動いて少し腕を緩めてもらい、自
分で袖を引き抜く。ボタンはほとんど外されてしまっていたので、するりと肩から滑り落ちる。悩んだわりにはそれで
あっけなく終わりだった。邪魔にならないよう床に落として、もう一度腕の中に納まると彼の肌に触れる面積が格段
に増えていっそう頬が熱くなる。脚に当たる感触で、彼が待ち兼ねているのも、途中で諦める気など更々無いのも
判る。肌を晒して冷やりとしたのは一瞬で、もう指先までじんじんしている。

 してやられたな、と思いつつも私は少し伸びあがって彼の頬に頬をよせる。鳥同士のキスのようにすりすりと頬を
寄せ合って小さく頷き、私は熱を言い訳にして総てを彼に委ねた。


 ぐにゃりと力の入らない私を抱きあげ、彼は私を跨らせるように膝に乗せた。向かい合わせだと顔が見えて恥ず
かしい。顔を見られて恥ずかしい。いつもは目を閉じてしまうけれど、熱でとろんとした私は少し首を傾けてぼんや
りと彼の眼を見る。満足そうにニヤニヤしているので、やっぱり恥ずかしくなって怖くなって、だっこをねだる小さい
子供のように彼の首に手を力の入らない腕を伸ばした。

 もう一度抱き上げられたと思ったら、ゆっくりと彼の上に下ろされる。硬くなった彼がずぶずぶと私を貫いてゆく。
彼の支えがないと不安定だった身体が硬直する。奥へ奥へと自ら彼を導く形になって、気持ちの悪い圧迫感に私
は声も出ない。いつもと違うところを刺し貫かれたような感覚で、やっぱり怖い。体の中に確かに彼を詳細に感じ
る。「やっぱり熱いな」耳元でかすれた声がした。

14(アト×ミホ 8/10):2007/10/28(日) 02:05:45 ID:MLDyJ7K4

 充分に馴らされて痛みはないが、それでも背中は攣ったようで動けない。少し動いただけで暗く不安定な闇へ堕
ちてゆきそうで、私はつい彼の肩を押し退けようと腕を突っ張って身体を反らす。するとまた違うところを抉られるよ
うな感覚が走り、驚いて腰で支えようとすると更に深い場所まで彼を呑み込み、食い締めることになった。下腹に
奇妙な痛みのような感覚が広がる。

「まぁそう慌てるな、最初からそんなに締めつけるなって」「だって、」
 宥めるように抱きすくめられて私は肩で息をつく。しがみつくだけの力はない。「だっていつもより、」「何だ」「・・・な
んでもない」いつもより彼を大きく感じる、どこもかしこも。

 ゆっくりと焦らすように揺らされて、しゃんと座らない首がぐらぐらする。目が廻る、熱に浮かされるまま体の芯を
責められていると指先まで痺れが広がって段々と恐れが和らいでいく。そのうちに、脚のどの辺りに力を込めれば
いいかが思い出す。おなかにどう力を入れれば彼に応えられるのかが解ってくる。

「おいおい、あんまり苛めないでくれよ」彼が深くで動きを止める。「あ、ぁ」どくん、と脈打つそれを締め付けないよう
にとっさに力を抜くと、より奥を突き上げられ刺激が倍増する。逃げようと大きく仰け反った肩を押さえつけるように
彼は私を抱きとめる。

 はぁ、と大きく肩で息をする私を押さえつけたまま彼の動きは大きく早くなる。殆ど私からはみ出してしまいそうな
ところまで引き抜いては打ち降ろし突き上げる。リズムに合わせて絞り出される荒い息と、ぐちゅん、ぐちゅんという
粘ついた音が響く。息が止まりそう、奥を圧迫されてどうにかなってしまいそう。

「だめ、待って、」「今日は充分待ってやったろ」「ん、」唇が塞がれる、熱い舌が言葉を奪って唾液を送り込んでくる、
咽ないように懸命に嚥下しては懸命に応えようと意識を集中しているとまた腰をぐいと突き上げられる。「んふ、
あ、」彼は、私がどちらが疎かになっても手を緩めたりしない。何度も角度を変えて息を継ぎながら舌を絡め、なん
とか腰を揺らめかせるがこちらはどう動いたらいいのか解らなくて泣きそうになる。受けとめるので精一杯だ。

 意地悪く緩急をつけられて、耐え切れず私はがっくり仰け反る。容赦なく、耳元、首筋に彼が柔らかく歯を立てて
くる。伸ばしたきりの腕の内側、鎖骨、肩、柔らかい処を彼の唇が探ってくる。身体は動かせないが、下腹部だけが
じんじんとそれに反応し続ける。「動いてみろよ」「駄目、そんなの無理よ、むり、んっ、」
 意識が朦朧としてくる。もうだめ、内腿が引き攣れる、奥がきゅうきゅうと締め付ける、おなかが苦しい、息が苦し
い、肺が苦しい、彼の胸が熱い、腕が熱い、手が熱い、だめ、だめ、いや、怖い、もう、私、いや、ぁ、

15(アト×ミホ 9/10):2007/10/28(日) 02:09:48 ID:MLDyJ7K4

「ん、」彼の短い呻き声が聞こえた気がしてぼんやり目を開くと、にや、と嬉しそうに開いた口が見えた。やっぱり肉
食獣だ。突き上げる動きが激しくなる、ぺろりと舌が出てきて唇を舐め、薄い唇が引き結ばれる。ぐい、と深く穿た
れる、あ、あ、あ、もう目を開けていられない、怖い、下腹部にぎゅっと力が入る、腰が押さえつけられて杭が何度
も打ち込まれ、全身が強張り仰け反る、だめ、耳元でどくどく心臓の音が聞こえる、私の息がざりざり聞こえる、彼
の荒い息、体の外の音は全部遠くに聞こえる。確かなのはこの心臓の音、私の中で暴れまわる彼、私、形のない
私、彼を取り巻く私、私を包み込む彼、あ、ああ、あああああ。

 ばしゅ、と私の中で彼が大きく爆ぜ、どくどくと私を満たしてゆく。精一杯腕を突っ張って仰け反る上半身を支え、
力の限り彼を締め付ける。そうして何一つ逃がさないように閉じ込め受けとめる。奥を突き破ろうとする彼と相まっ
て、私たちは境目がなくなったようにきつくきつく絡み合う。手加減無しで抱きすくめられて肺の酸素が押し出され、
ひゅぅ、と喉が鳴る。は、ぁ、は、ぁ、とひどくゆっくり大きくしか息が出来ない。時が止まる。音が消える。暫くそのま
ま、私たちは一つの心臓でつながった一つの塊になった。


 彼はぐにゃぐにゃの私を静かに横たえる。繋がったまま、暫しの解放に私はぜぇぜぇと息をつく。ひどい汗だ。そ
れに熱気の層に全身包まれたように熱い。間違いなく熱がまた上がっている。こんなに手荒に扱われれば無理も
ない。手加減なしなんて酷すぎる。涙がつぅっと溢れた。
 それを解ってか、大丈夫かというように大きく上下する胸から脇腹を彼の指先がつつっとなぞる。くすぐったいの
だが、ぴく、としか反応できない。駄目、と私は首をふる。彼はまだ繋がったまま、時折とん、と突いてくる。なかは
二人が入り混じってべたべたして気持ちが悪い。でも眠ってしまいそう。眠りたい。このまま眠りたい。


 ・・・いつもなら収まれば乾いてゆくものが、いつまでも湿ったままなのはやはり熱のせいかもしれない・・・「おい」
彼がぐい、と腰を突き出す。心なしか、さっきまで萎んでいたものが硬さを取り戻しているような。ちゅく、ちゅく、と
湿った音がする。

「もう少し付き合え」「え?」ゆさゆさと揺さぶりながら、ぐいと私を引き寄せる。くん、と奥を突き当てられて私は思わ
ず腰を浮かせる。「ひゃん、何、ちょっと」あれよあれよという間に彼は元通りになって、さっきとは違うかたちで絶妙
なポイントをぐいぐい突いてくる。「やん、ちょっと、もう駄目だったら、いや、あ」「死にゃしないんだろ。悪いがこんな
のは滅多にないんでな」「や、ぁ、待っ」

待って、と言って待ってくれた試しなどなく、やめてと懇願すれば必ず遂行する、そういう男だった、とぼんやりした
頭で思ったときにはもう押さえつけられ、ひっくり返されてまた違う姿勢を取らされていた。

16(アト×ミホ 10/10):2007/10/28(日) 02:16:29 ID:MLDyJ7K4

 一度目よりも時間こそ短かったが、果てそうになると緩められ、一息ついてはまた突き上げられ、を意地悪く繰り
返されて、朦朧とした意識の中で本当に死ぬかもと何度も思ってぼろぼろ泣いた。しがみつこうにも手は全く力が
入らず、膝も体重を支えるだけの力はなかったが、彼を感じる部分だけははしたないほどに貪欲で、結局泣いて憐
憫を乞う私とひどく嬉しそうな彼という図式だけは変わらなかった。鬼だ。



 何が何でも断固として拒否すべきだったな、やっぱり人でなしだわこの男は、と思いながらも、私はやっと休息を
許されて彼の腕の中に納まっていた。逃げ場はないし動けないのでそうなっているだけだ。腕を投げ出して横たわ
る私を彼は背中から抱きすくめる。こんなにもぴったりと体温を感じられるのは初めてで妙な感じなのだが、如何
せん高熱で朦朧とした頭と身体には、もう情報処理する余力が残っていない。

「無理して治さなくてもいいぞ」項に唇を這わせながら彼はとんでもない事を言う。「・・・んたって人は!!」言いか
けて私はげほげほと咽る。よしよし、と後ろから胸を撫で擦る手の暖かさに免じて許してやろうかな、と思っている
と、だんだん手の動きが不穏になってくる。
「ちょっと!!」
「怒るなよ、また熱が出るぞ」
「誰のせいよ!」
「誰のせいだ」
「あんたよ!」
「そうか」
「そうよ」 そうか、と彼は抱き締める腕を強くする。私は頬に一段と熱を感じて、けほん、と嘘の咳をする。そうなん
だから。私は小さく呟く。ふん、と少し笑う気配がする。

 身体に廻されていた腕が解けて、替わりに床に落ちていたブランケットがふわりとかけられる。意外にも出してあ
った着替えにも気付いていたようで、ちゃんと着とけ、と枕元に押しやってくれる。驚くべき進歩だ。「寝てるのが一
番だからな」「だから寝てたんだってば!」にや、と笑い、怒るなよと私の額をとん、と軽く小突いたかと思うと、次の
瞬間にはあっという間にいつもどおりの黒い装束を纏って、彼は宙に浮かぶ。「くうちゅうげんそ、」「固定装置、だ」
伸ばした腕にマントがしゅるり、と出現し、彼を包み込む。この瞬間だけはいつ見てもかっこいいと思う。
「だけどお前の病気は治してやれねぇからな」
 うん、と私は無言でこっくり頷く。
「じゃあな」


 少しだけ目を細めた彼に私は手を伸ばす。自分からねだるのは初めてかな、と思いながら。裾を引かれるまま彼
は屈みこんで望みどおりのものを私にくれると、とぷん、と壁に消えていった。

 一人に戻った部屋の中で、けほん、と、私は誰にともなく嘘の咳をして、ごそごそと身づくろいをし、目を閉じる。そ
うして、一人分ではない熱の名残りを感じながら今度こそ眠った。







おわり。
カラスに「ハニーフラッシュ!」を叫ばせ隊。
17名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 08:16:59 ID:lnB3ObBd
遅レスだけどGJ!!

そして何その隊www
18名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 03:10:08 ID:CqZIMsgK
俺が叫ぶんじゃだめか?
19名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01:24:22 ID:6GdQRPF6
>>18
叫んで・・・
20名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 09:09:27 ID:Ru82uiBx
ほしゅ
21名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 12:06:35 ID:YX6HfC7U
保守
22名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 18:08:53 ID:MRCIbUrc
23名無しさん@ピンキー
ほしゅ