1 :
名無しさん@ピンキー:
魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
リンクは
>>2
>>1 新スレ乙です。
で、いきなりで済みませんが早速投下させて頂きます。
・今までなのは×ユーノの和姦ものが多かったけど、今回は思い切って強姦鬼畜エロ
・ユーノが激しくなのはを攻め立てる強姦鬼畜エロネタであるが故に注意
・ぶっちゃけ割り切った方が吉
「ゆ…ユーノ君…一体どうしたの…いきなり…。」
なのはは怯え、震えていた。そしてなのはに対してユーノがなのはを睨み付けながら
一歩一歩歩み寄っていたのである。
「もういい加減堪忍袋の尾が切れた。結局君にとって僕って何なんだ?」
なのはの眼前にまで近付いたユーノはそのまま襟首掴んで持ち上げていた。
「や…やめてユーノ君…首…苦しいよぉ…。」
なのはは怯えて口をガチガチと震わせながら言う。しかし、ユーノはなのはの顔を
睨み付けながらより強く襟首を締め上げていた。
「うるさい。僕の質問に答えるんだ。」
ユーノは怒っていたが、怒っているが故の冷静さと言うのが見えていた。
はっきり言って怒りによって逆上するよりもこちらの方が遥かに恐ろしい。
何よりもユーノがなのはにこの様な事をするなど、普通ならば有り得ない事だった。
「良いから答えるんだ。僕と言う存在は君にとって何なんだ? それとも何か?
今までの事は全て遊びだったとでも言うのか?」
「そ…そんな事無いよ…私…ユーノ君の事…大好きだよ…。」
「嘘を付け!!」
次の瞬間、ユーノの平手打ちがなのはの右頬を強く叩き、そのままベッドへ叩き付けていた。
「そんな苦し紛れでその場凌ぎの言葉を放っても僕には通じる物か!
どうせ本当はフェイトが一番で僕との付き合いはほんのお遊びなんだろう!?」
「ちっ違うよ! 確かにフェイトちゃんは大好きだけどあくまでもただの友達だもん!
私の一番はユーノ君だよ!」
「そのあからさま過ぎる言い方がダメだと言ってるんだ!」
今度は左頬にユーノの平手打ちを食らい、再びベッドの上に倒された。
「…………………。」
そして頬を押さえながら声にならない叫びを上げているなのはに対し、ユーノもまた
ベッドの上に乗り込んでなのはへ顔を近付けていた。
「本当はフェイトが一番好きなんだろ? しかもLIKEとしての好きじゃなくて
LOVEとしての好きと言う感情をフェイトに対して持ってるんだろう? このガチレズ女が!」
「ち…違う…違うよ…私は…レズなんかじゃないよ…本当に…ユーノ君の事愛してるのに…。」
「黙れこのガチレズ雌豚が!」
痛みに耐えながら必死に反論するなのはだったが…結局ユーノの平手打ちを食らうしか無かった。
「あのねなのは…僕は君が憎くてこんな事してるんじゃないんだよ…。いやむしろ悪いのは君の方だ。
今まで真剣に付き合ってくれていたと思っていたのに…僕はただただ君に騙されただけだった。
それがただの遊びだったなんてね…幻滅だよ。こういうのを世間ではビッチって言うんだよ。」
「ち…違うよ…そんなのじゃないよ…ユーノ君…信じてよ…。」
なのはは目に涙を浮かばせながら我が身の潔白を主張するが、ユーノの怒りは収まらない。
「そうか…口で言ってもダメなら…本当の本当に体で教え込むしか無いようだね。」
「え? キャァァァァァァァ!!」
部屋中になのはの悲鳴が響き渡った。フェイトがなのはの服を一枚一枚と脱がし始めたのである。
まるでなのはの服を引き千切らんがごとく、ユーノは激しく無理矢理になのはの服を脱がしていく。
「ダメェ! やめてぇ! ユーノ君おねがい!」
「うるさい黙れ! 良いから全部脱いで裸になるんだ!」
なのはの着ていた服は次々に脱がされ、ついには下着だけにされていた。
しかしユーノはそれさえ脱がそうとするのである。
「嫌ぁぁぁ! 下着だけは! 下着だけはダメぇぇぇ!!」
「うるさい!! 良いから全部脱ぐんだ!!」
なのはは必死になってパンティーとブラジャーを掴んで脱がされまいとするが、
それも空しく、ユーノによって全てを脱ぎ下ろされてしまった。
「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!」
「ほら…君はそんなに美しい身体を持っているじゃないか…何故そんなに恥かしがる?
もっと堂々とすれば良いじゃないか。」
一糸纏わぬ姿にされ、必死になって両手で胸と股間を隠しながら泣き叫ぶなのはの
裸体をマジマジと見つめながらユーノはかすかな笑みを浮かべていた。
「やめてユーノ君…私を裸にして…何をするつもりなの?」
「何って…決まってるじゃないか…。もうフェイトの事は忘れてしまう様に…
僕がこれからなのはの身体を調教するんだよ。」
「え!? ってんぶぅ!」
次の瞬間ユーノは有無を言わせずになのはの唇を奪っていた。
「ん! んんんんん!」
なのはは目に涙を浮かばせるが、ユーノは構わずなのはの唇に己の唇を
押し付け、密着させ、あろう事かなのはの口の中に舌を押し込んで無理矢理に
なのはの舌と絡め合わせて行く。そこからさらにユーノは両手でなのはの
両乳房を揉み解して行くのである。
「んんんんん! んんん!」
なのはがどんなに苦しそうにしてもユーノの唇は離れず、それでいてユーノが
なのはの乳房を強く揉んだり乳首を弄くったりする度になのはの身体は
ビクンビクンと痙攣するのである。
「んああああ…。」
10秒後にやっとユーノの唇が離れた時、二人の口の間には唾液が糸を引いており、
なのはは全身の力が抜けてしまったかのようにベッドに倒れ込んでいた。
「おっと…まだ寝る時間じゃないよ。」
「あ…ダメ…。」
ユーノはなのはの乳房から手を離すと今度はなのはの太股を掴み、その閉じられていた
両脚を大きく開かせて行くのである。先の強引なディープキスによって全身の力が抜けた
なのはは抵抗する事も出来ずにあっと言う間に脚を開かれてしまった。
「ほ〜ら…綺麗なオマ○コしてるじゃないか…。」
「ダメ…見ちゃダメだよユーノ君…。恥かしいよぉ…。」
大きくM字に開かれた両脚の真ん中に位置する股間のソレと尻の菊の両方を
マジマジと見られてしまったなのはの顔はさらに真っ赤になった。
「何が恥かしい物か…こんなに綺麗なんだからもっと堂々とすれば言いじゃないか。」
「アッ!」
ユーノは左手でなのはの右太股を掴み、さらに右肘を左太股に当てながら
右手の親指をなのはの尻菊に押し当てながら人差し指と中指を股間のソレに差し込んでいた。
「痛い!」
「おいおい…こんなんで痛がってたら本番の時どうするんだい?」
ユーノは呆れていたが、その手は構わずなのはの尻菊とソレの両方をかき回していた。
「痛い! 痛いったら! やめてよぉ!」
「ならどうして抵抗しないのかな? もっと全身をバタバタさせてもがけば良いじゃない。」
「ユーノ君の馬鹿ぁ! こんな状態で抵抗なんて出来るワケ無いじゃない!」
なのはは目から涙を飛び散らせながら叫んだ。何故なら既になのはの手首や足首に
ユーノのバインドがセットされていたのだから…
「そっか〜でもまあ良いか…。」
「うう!」
ユーノはその後もなのはの尻菊とソレを掻きまわし続け、なのはは身動きの取れない状態で
必死に耐えていた。しかしそれを続けていれば自然になのはのソレから愛液が流れ出るワケで、
それによって己の指が濡れたと判断したユーノは一時指を引き抜いていた。
「ほ〜ら…良く見てごらん? なのはのオ○ンコはこんなに濡れ濡れになっちゃったよ。
まったく嫌らしい女だね〜君は…。」
ユーノはなのはの愛液で濡れた己の指をなのはに見せ付けるが、なのはは目に涙を
浮かばせながら必死に目を背けていた。
「嫌らしくないもん! ユーノ君なんか大っ嫌い!!」
「あ…そんな事言うんだ…。なら…容赦しないよ。」
なのはの発言にカチンと来たのか、ユーノは素手に勃起していた己の股間のモノを露とした。
「うわあぁ! ユーノ君のオチンチン大きい! ってああ!」
「ほらほら! 僕にその大きな尻を向けるんだ!」
ユーノのモノに思わず目を背けてしまうなのはだが、ユーノはなのはを強引に
四つん這いにし、一気になのはのソレへ押し付けて来たでは無いか。
「正常位も良いけど…やっぱり後背位でやった方が僕がなのはを征服してるって感じがするよね?」
「あ! ダメェ! そんな大きなの挿らないよぉ!」
己のソレにユーノのモノの先端が付いた時、思わずなのはは痙攣し、ついつい身体に力が入ってしまう。
「あれあれ? 良いのかな? そんなに身体に力入れちゃって…。痛いかもよ?」
「嫌ぁ! 痛いの嫌ぁ!」
「だからそうやって身体に力を入れるから…。」
「い……………!!」
直後、ユーノは情け容赦無くなのはのソレの中に己の極太なモノを突き込んでいた。
その衝撃はなのはの身体を大きく震わせ、一瞬硬直させるのであるが…
「い…いだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ハハハ…奥まで挿っちゃった〜!」
遅れて来た激痛によってなのはは泣き叫び、対照的にユーノは挿入の快感によって笑っていた。
「ほらほらどうしたの? まだ挿れただけじゃないか。」
「嫌ぁぁぁ! 痛い! 痛い! 痛いよぉぉぉ!」
なのはは首を左右に振りながら涙を飛び散らせるが、やはりバインドによって身動きが取れない。
それに対しユーノは構わずに腰を動かし、なのはを突きまくるのである。
「ほらほらほら! なのはももっと腰を動かして!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ユーノはまるで乗馬の鞭打ちの様になのはの尻を叩いて無理矢理に突き動かそうとした。
例え両手両脚はバインドによって動けなくとも、腰は動かせるのだから…
「ハハハハハ! やっぱり最高だよ! 君の様な最高な女性はどんな世界を探しても二人といるものか!」
「嫌ぁぁぁぁ! もう嫌ぁぁぁぁ! ユーノ君なんか大っ嫌いぃぃぃぃ!!」
部屋中にユーノの歓喜となのはの絶叫が響き渡り、ユーノは激しくなのはを突きまくり続けた。
ユーノの巨大なモノがなのはの小さなソレを強引に押し広げ、その中をズルズルと
激しく蠢き続ける。この濃厚な強姦は何十分にも渡って続けられた。
そしてそこまでやれば流石のユーノにも射精意を感じる様になる。
「それじゃあそろそろ出すよ! 勿論なのはの膣内にね! 覚悟は出来てるかい!?」
「嫌ぁぁぁ! 膣はらめぇぇぇ!」
今まで成すがままにされながらも口では必死に嫌がっていたが、次の瞬間ユーノの平手打ちが
なのはの左頬を強く叩いていた。
「黙れ! 君に拒否権は無いんだよ! 良いから構わず出すからね!」
「あああ! 嫌嫌嫌嫌! らめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
なのはが叫んだ時には既に遅く、なのはの膣内に大量の熱い白液がぶちまけられ、
接合面から外に溢れ出てくる程だった。
「フッフフ…これでもう君は完全に僕の物になった…。」
「う…うう…そんなの嫌…あんたなんか…死んじゃえ…。」
ユーノのモノから解放されてもなおなのははソレから愛液と混じった白液を垂れ流しながら
ベッドの上にうつ伏せになって呆然と倒れ込んでいた。と…その時だった。
「ユーノ=スクライア無限書庫司書長! 貴方を強姦の現行犯で逮捕します!」
「!?」
次の瞬間、突如出現した黄色いバインドがユーノの両手両脚を押さえ込んでいた。
そしてドアを開いてフェイトが現れるワケである。
「フェイト!?」
「まったくついに本性を現したねユーノ…。執務官の名の下に貴方を逮捕します!」
フェイトは表面上は冷静に見せていたが、内心は狂喜乱舞していた。
この事態はフェイトにとってまさに願っても無い展開だったのだから
ユーノが誰にも擁護出来ない位にまで思い切りなのはを強姦していたのである。
そうすればユーノは強姦罪で逮捕され、司書長の座を剥奪されて刑務所行き。
さらになのはも完全にユーノを嫌い、二人の関係もお終い。
もはやフェイトが狂喜乱舞しないはずは無かった。
「フェイトちゃん!」
「なのは!」
なのはがベッドから飛び出してフェイトの方に駆け寄って来た。
この後の展開はきっと泣きながら、助けてくれたフェイトに抱き付いて礼を言う展開に違いない。
しかも今のなのはは全裸体であり、ユーノの白液で穢されながらもなお美しい光を放っていた。
そしてフェイトはなのはの愛を受け止めるつもりだったが…
「この馬鹿ぁ!!」
「んえええ!?」
なのはがフェイトに行った事は抱擁では無くドロップキックだった。
忽ち床に倒れ込み、ユーノを束縛したバインドも解除された。
「フェイトちゃんの馬鹿ぁ! 良い所で邪魔するなんて! ムードが台無しじゃない!」
「どうして!? 私はユーノにレイプされてたなのはを助けに来たんだよ!」
何故自分がドロップキックされてしまうのかフェイトは理解出来なかった。
しかも先程までグッタリしていたのが嘘の様になのはが生き生きしてるのは一体どうした事だろうか?
「余計な邪魔が入っちゃったせいでラストの良いシーンが出来なくなっちゃったじゃない!」
「まったく…酷いな〜フェイトは…。」
「え? え? え?」
なのはとユーノは先程の強姦が嘘の様に仲良く肩を並べている。これもフェイトにとって理解不能。
「どうして…どうして…ユーノがなのはをレイプしたり乱暴したりしてたんじゃないの…?」
「フェイト…あのね? 一応説明させてもらうと…今までのは全部演技なんだよ。」
「そうそう! ユーノ君の言う通り! 平手打ちだって魔力的に痛く見える様にしてるだけで
本当は全然痛くないんだよ!」
「え…? え……え……演技!?」
余りにも予想外と言うか超展開過ぎてフェイトは目が点になっていた。
一応説明させてもらうと、これはなのはとユーノの軽い遊びである。
今日もまた二人でSEX(避妊魔法使用)しようと言う事になったのだが、今までとは
違うシチュエーションにしようと言う事で、あたかも一方的にレイプしてる様に
見えるようなシチュエーションのSEXをやって、それをフェイトが物の見事に
ユーノがなのはを強姦してると勘違いして逮捕しようとしたと言う事である。
「ちなみに今回はユーノ君が私に乱暴してる様に見えるシチュエーションだったけど…。」
「逆になのはが僕を攻め立てるシチュエーションの方も既に台本に上がってるんだ。」
「うそ…台本まで…。」
さりげなく台本まで用意してるなのはとユーノにフェイトは呆れていたが、
そんなフェイトに構わずに二人はワイワイと雑談を始めていた。
「それにしてもユーノ君って意外に演技派なんだね? 演技と分かってても凄く怖かったよ。」
「なのはだって! まるで本当に怯えてる様な怯え方だったよ。」
「ウフフフフ!」
「ハハハハハ!」
と、二人で仲良く笑った後でフェイトの方を向いた。
「ま、そういうワケだから…フェイトちゃんゴメンね?」
「い…いや…別に良いよ…。」
フェイトはうな垂れていた。あくまでも演技としてレイプしてるように見せかけた
双方合意によるSEXなのだから…これではユーノを逮捕する事は出来ない。
故にフェイトはもうこのまま帰るしか無かった。
そうしてフェイトは無言のまま部屋から去って行くのだが、その後で…
「畜生!! 畜生!! 畜生!!」
と、大声で泣き叫びながら走り去って行った。無理も無い。ユーノを逮捕出来ると思ったのに
全てはやらせだったのだから…
そしてなのはとユーノの二人はと言うと…
「ほらほらこの卑しいフェレット男! 今日から私の事を女王様と呼びなさい!」
「はいぃぃぃ! 女王様ぁぁぁぁぁ!」
と、女王様ルックに身を包んだなのはが全裸のユーノに鞭を打っていた。
(無論魔法でそれっぽく見せかける擬似的な物なので見かけ以上に痛くない)
つまり今度はなのはがユーノを攻め立てるバージョンへ移行していたのである。
今のこの二人…客観的に見るとかなり危ないが…二人にとってはとても幸せそうだった。
おしまい
色んな意味でゴメソナサイ
これから前スレに上がってる分を読んで見ます。
ちなみにヴィヴィオとザフィーラの物語と
ヴィヴィオとスカが和解っぽい事するので感動したのはここだけの秘密と言う事で…
前スレ
>>533 GJ!!
でも、搾乳ネタはてっきりクロフェでやってくれるんだと思い込んで
ワクワクテカテカしていたのでちと残念。
これからも、出来たらクロフェ時空に浸っていて欲すいw
>>11 チクショウ・・・タイトルで気付くべきだったorz
本気で割り切る覚悟で読んでたのに
リアルタイムktkr
珍しく陵辱系かと思いきや……
そしてヘタレフェイトそん再降臨。とにかくいろいろ乙でしたっ!!
スレ速度速ぇなぁ…レス付けも作品投下もままならん
>>11 うん…まぁ、わかってたさww
しかし、
>部屋中になのはの悲鳴が響き渡った。フェイトがなのはの服を一枚一枚と脱がし始めたのである。
いきなりなんでフェイト!?
乱入自重wwwwwwwwww
とか思ったのはナイショだww
16 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 00:15:07 ID:hmLHx+cf
>>11 途中まではビビったが・・・
GJ!!
でもまあマンネリ化したカポーには良い刺激らしいし、あの二人もあの年頃だし
あり得るっちゃああり得るんだな。
ドロップキックワロタ
>>11 GJ。
なんだYO。フェイトさん常勝伝説の始まりかと思ったらいつものフェイトさんじゃないの。
安心した。
>>11 フェイト執務官がやっと報われると思ったのに……
可愛そう……フェイトさん……
>>1 スレ立て乙!
>前スレ533
GJ!ラブいユーなので素晴らしかった!後、個人的に子供の名前が上手いと思った。
両親からとった分かりやすいネーミングな上に、ちゃんと日本語の意味を持たせてる
(しかも意味もなのはらしい優しい感じ)のが良いね!
>>11 GJ
だがまあなんつーか……これはそこのバカップル自重と言わざるを得ないww演技が真に迫ってるよ……
まあ、ヘタレやらアホの子の呪いは……解けそうにないね……
そこが可愛いという意見もあるけど
22 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:33:13 ID:JdZhTnt8
続きです
>>15 >部屋中になのはの悲鳴が響き渡った。フェイトがなのはの服を一枚一枚と脱がし始めたのである。
うわ…やば…マジで描き間違えてる…スンマセンorz
24 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:33:59 ID:JdZhTnt8
なのはとユーノの激闘の凄まじさを物語るマグマ地帯を通過し、フェイトは素早く前方
の山麓付近を巡視して二人の姿を捜す。
下方へ意識を落としているフェイトへ、ゆりかごの防衛に固まっている騎士軍の一部が
襲い掛かる。剣、斧、槍、弓、様々な形状の武装が手負いのフェイトへと殺到する。
『Photon Lancer!』
フェイトの目的を優先させる為に、バルデッシュは自ら魔法の詠唱作業を全て担う。連
射される光の刃が、猛襲してくる騎士達を次々に抉り飛ばす。
「バルディッシュ、なのはとユーノは……」
更にゆりかご方面へと敵地を進み、フェイトは必死で二人の気配を捜索する。一切の魔
力反応が感じられない事から、フェイトの中で想像もしたくない不安が広がっていく。動
揺する心を抑え、フェイトはバルディッシュに敵の応戦を委ねて白と緑の姿を見つける事
だけに専心する。
フェイトは灼熱に覆われた陸地を抜け、複装連射型ディバインバスターの余波で根こそ
ぎ焼き払われた山麓部に到達した。過度の運動の消耗で、彼女の意識が耐え難い苦痛に一
瞬遠のきかける。
「まだ、止まるわけにはいかないんだ……!」
『Master.』
愛機の声が示すところに、フェイトはようやくなのはとユーノを発見する事が出来た。
「なのは! ユーノ!」
限界も忘れて急降下し、フェイトは倒れている二人を近くで視認する。
二人を映す彼女の双眸が、余りの凄愴な有様に瞳孔を窄まらせる。
なのはとユーノも、壊滅した腰部から多量の失血を見せ、死の臭いを漂わせて地面に沈
んでいた。近くに転がっているレイジングハートは、二人の血を吸った姿で物言わぬまま
になっていた。
「むっ……! 既に息絶えているようだから放置していたが……あの魔導師が治癒魔法を
心得ているのならば話は別!」
『Do not come.』
全身を虚脱させて固まったフェイトの手から離れたバルディッシュは、独自に飛行する
と来襲する古代ベルカ騎士へと打撃を繰り出す。勝算等万に一つも無い勝負だったが、そ
れでもバルディッシュはマスター達を護衛する為に自律稼動を開始した。
フェイトは覚束無い足で二人に歩み寄り、そして残酷な現実を改めて直視した。頬の筋
肉がフェイトの表情を不自然に引き攣った微笑に歪める。
「あれ……どうしたの二人共。ほら、起きないと駄目だよ。今凄く大切な時なんだから、
こんな所で寝てる場合じゃないよ。もう、またそうやって二人して意地悪して……私を困
らせようとしてるんでしょ? 私、そんな事に騙されないよ?」
うわ言の様に呟くフェイトの前で、なのはとユーノは依然として陰惨な状態で無反応を
返す。
「ねぇなのは、どうしたの? ユーノもどうしちゃったの? 何か楽しい事があるなら私
も混ぜてくれる? 私だけ仲間外れなんて酷いよ。止めてよ……私を置いていかないで…
…早く起きてよ……目を開けてよ、返事してよ、何時もみたいに私に笑いかけてよっ!」
25 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:34:56 ID:JdZhTnt8
掠れた嗚咽で喉を引き裂き、フェイトは二人の前に跪いた。震えの止まらない腕で二人
の血塗れの身体を揺さぶり、発狂して要領を得ない叫びを上げる。
フェイトの腕の力を加えられる両者の身体は、レイジングハートで大穴を穿たれた腹腰
部からグチャグチャと嫌な音を立てる。体外にはみ出ている臓腑や破壊された細胞が、血
と混ざり合って不快な交響を奏でた。
『フェイト! 二人を見つけたのね!』
フェイトの魔力反応を伝って通信を開いたリンディは、フェイトの正気を失った様子に
一瞬顔を蒼褪めさせる。通信画面に向けられたフェイトの歪な表情に、ブリッジの空気が
一気に凍り付いた。
「母、さん、な、なのっ、なのはっ、ユ、っ、も、あぐっ、血、血が、あっ、あ」
『落ち着きなさいフェイト! モニター、二人を映して!』
アースラブリッジで、フェイトの錯乱を裏付けるなのはとユーノが克明に映像にされる。
フェイトの様子が前以って緩衝材になるかと思われたが、ブリッジ要員は暫く己の持ち場
も忘れ、二人の壮絶な容態に視線を釘付けにされた。気の弱そうな女性隊員の一人が、こ
み上げてきた吐き気を抑える為に口に掌を当てて背中を丸める。
『二人共、どうして……は、早く救急部隊を!』
『敵の応戦で各員巧く身動きが取れません!』
『衛星軌道上に待機中の艦船から入電! 調査隊本隊の転送が完了したとの事! 本隊が
一斉射撃を実行する距離に到達するまで、残り十分!』
『本隊所属の全艦船からアルカンシェルの発射準備が確認されたようです! こちらの通信、
繋がりません! ……艦長っ!』
加速度的に悪化する状況にブリッジが再び騒然となり、フェイトの周囲に通信画面を乱
舞させる。
フェイトは突発衝動の様な錯乱から絶望の底にある安らかな気持ちへ移行し、本隊到着
の報告に触発されて或る一つの事実を思い起こしていた。
「調査隊本隊の代表……クラウディア……お兄ちゃん……。ま、いっか。お兄ちゃんに撃
たれるなら、それでいいや……なのは達も一緒なんだし、死ぬのなんて怖くない」
感情のたがが外れ、フェイトは半ば精神崩壊に陥ってぼそぼそと呟いた。
古代ベルカの騎士の一人が、バルディッシュを打ち払ってフェイトへと肉迫する。殺傷
の脅威さえも、今のフェイトには何の恐怖にもならなかった。
「ごめんねお兄ちゃん、私、最後までお兄ちゃんの事困らせて……。いいよ、そのアルカ
ンシェルで私をうんと叱って……」
「何て事言うんだい、フェイト! しっかりしな!」
フェイトの頭上至近でアームドデバイスを振り翳した騎士を、朱色の長髪を靡かせる女
性が拳を叩きつけて撃破した。
敵陣を掻い潜って三人の前に着地したアルフに、フェイトは焦点の合わない瞳を向ける。
そこに誰が立っているのか、今の彼女には全く認識が出来なかった。
『アルフ! 貴方がどうして……』
思いも寄らない相手の救援に、リンディも通信画面の奥で驚きと歓喜の声を上げた。
アルフの登場に気を奪われている彼女の前方で、ブリッジ要員の一人が、全速力で進行
中にある調査隊本隊の進路上に、新たな転送魔法が発生したのを確認した。
26 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:35:50 ID:JdZhTnt8
『艦長、調査隊本隊の進路上に新たな艦船が……こ、これは……クラウディアです! ク
ラウディアが本隊の進路上に転送を完了しました! クラウディアの出現で、本隊の動き
が停止!』
そんな筈は無いと指摘しようとしたリンディの眼前で、大気圏外の状況を示すモニター
では、紛れも無くクラウディアが調査隊と対峙する形にあった。
『クロノ、貴方まさか』
どう解釈しようと、クロノ率いるクラウディアの行為は時空管理局・本局への反逆行為
に他ならなかった。このまま現場の判断で、本隊がクラウディアを撃沈しても誰一人異論
を出す事も出来ない。
しかし、リンディの目には確かにクラウディアが調査隊の前に立ち塞がり、先遣部隊の
『ゆりかごだけを破壊する、世界そのものは存続させる』という現在の目的を、宇宙空間
の孤立無援の状況にあっても断固支持している姿があった。
リンディはアースラのブリッジから、任務より仲間達の未来を選んだ息子に対し、絶対
の信頼を寄せる眼差しを向けた。
「一分でも一秒でも、本隊の足止めをお願い。クロノ……!」
フェイトを中心としたゆりかご付近に合わせられたモニターは、アルフが致死状態の二
人へ駆け寄る様子を捉えていた。
「まだ諦めるには早いよ、フェイト。きっとまだ大丈夫さ」
精神活動を麻痺させてへたり込んでいるフェイトに話しかけながら、アルフは二人の治
療魔法に取り掛かる。ハラオウン家で諸々の手伝いをする生活の中、特に若夫婦の子供の
腕白な怪我には手を焼かされ、自然とこの類の魔法の修練も高められていた。
「大丈夫、二人はまだ生きてる。なのはもユーノも、こんなモンでどうかなるタマじゃな
いだろう?」
アルフの手から放たれるミッドチルダ式の温和な魔方陣の光が、二人の傷を癒していく。
しかしどれだけ想いが強くても、現実の実際には叶わない。如何なる魔導をもってしても、
失われた魂までは蘇生させられないのだ。
「ミッドチルダの使い魔如きが、我等の聖戦の邪魔をするなっ!」
複数の騎士がアルフ目掛けて進撃した。治療魔法で手を塞がれたアルフは、焦燥の顔で
敵の接近を許してしまう。
「でぇぇぇぇぇりゃぁぁぁぁぁ!」
アルフに続いてクラウディアから出撃したリーゼロッテは、敵の更に上空から直下の蹴
りを繰り出す。彼女の苛烈な一撃を纏めて直撃し、騎士の陣形は一瞬にして掃討された。
「はっ、使い魔だから何だっていうのさ? あんまり舐めてると痛い目見るよ!」
ロッテの後ろからアリアが地上へと移動し、アルフの治療魔法に協力する。ロッテも甚
大な損壊を及ぼしているバルディッシュを保護すると、即座に地上の面々と合流した。
『Thank you.』
バルディッシュはマスター以外に触れられて些か気分を害したのか、少々拗ねた様に無
機質に囁いた。
「あんた達、主人の魔力供給もずっと昔から絶たれてるってのに。こんな事しなくていい、
あんた達は静かな生活をしていてくれていいんだよ」
27 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:36:48 ID:JdZhTnt8
アルフの心配を余所に、アリアはなのはとユーノの治療を続ける。ロッテはバルディッ
シュを肩に背負い、面白くも無さそうに鼻を鳴らした。
「どうせ、あれを放っておいたらその余生も終わるんでしょ? だったら、今何をやるべ
きか、考えるまでもないじゃない。父様だって同じ事言うよ、きっとね。それに魔力なら
大丈夫、擬似契約でクロ助からちゃんと貰ってる」
「それにしても、クロノも結構提督の風格出て来たっていうか。二人で食べちゃおうか?」
「……エイミィに殺されるよ、本当にやったら」
『ふふふ、ちゃんと聞こえてるわよ?』
クラウディアからの通信が開き、ロッテとアリアは冷や汗を流しながら素知らぬ顔をした。
彼女達二人が顔を背けた通信画面に、すっかり妻と母が板についてきた顔立ちのエイミ
ィの不敵な笑みで映っていた。
暫く内助の功に徹していた彼女も、ユーノの偽装を始めた頃からのリーゼ達から話を聴
いており、伸るか反るかの事態に発展した際には、再び管理局の制服を着る決心を固めて
いた。海鳴市に置いてきた子供は、今頃は翠屋で甘い物でも食べているのだろう。
『アルフ、なのはとユーノは?』
エイミィに並び、夫のクロノ艦長が通信を開く。完全に傷が治り、万全の体調を取り戻
したなのはとユーノだが、一向に意識を取り戻す気配を見せなかった。
「駄目だ……リンカーコアも完全に無くなっちまってる感じだし……」
アルフは手を尽くしても尚、二人の再起に導けなかった無力感に深く項垂れた。その視
界の隅で、フェイトは輝きを無くした瞳のままで忘我の域に囚われていた。
「ああ、まだるっこしい! こんなもん、適当に一発二発、引っ叩いてやればいいんだよ!」
アリアが得意の魔法で敵勢に立ち向かう横で、ロッテがいきり立ってなのはとユーノの
胸倉を掴み、前後に激しく揺さぶった。
「しっかりしな! ほら、起きるんだよ! 二人仲良くふざけてる場合じゃないよ!」
健康な色に戻っている筈の二人の顔は、しかしその目が開かれる事も無く、ロッテの好
きにされるがままだった。
/
なのはは不思議な浮遊感に支配された感覚の中で、頗る平静でどこか重苦しい気分に長
く溜め息を吐いた。
五感も正しく働かない状態で、細い光が自分を誘っている気がして意識を傾ける。
漠然と、その光に委ねた先は何の煩いも無い楽園が待っているという気がしてきた。
先程までのユーノとの限界を超えた決闘を経て、なのはの精神は疲弊の針で粉々に砕か
れてしまっていた。
そのなのはの潰れた心の裂け目から、優しく温かな風景が一部を覗かせる。
故郷である海鳴市の懐かしい街並みが、なのはに心地好い慰労を与えてくる。
(わたしの帰るべき場所……静かで平和な未来……)
そこにあるのは、魔法と出逢わなかった自分の可能性だった。
二十一世紀の科学文明に支えられた平凡な世界と、何と無く退屈に思いながらも忙しな
い日々が、なのはの想像を埋め尽くしていく。
(そうだ……魔法なんて無かったんだ……全部全部、わたしが見てきた夢なんだ……)
28 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:37:48 ID:JdZhTnt8
そう思う隅で小さな違和感を抱きながらも、なのはは家族が待つ家に帰ろうと意識を泳
がせた。そうしたら、また大学に行って、帰ったら実家の手伝いをして、課題を済ませて、
将来の事でぼんやりと考えて、死ぬまでそんな安易で生温い生活を──
(来るんじゃない! なのはをそんな軟弱な子に育てた覚えは無いぞ!)
心を打つ父の声に、なのはは魂の墜落を停止させられた。
(お父さん、どうしてそんな事言うの?)
父の喝破で疑念に駆られるなのはへ、今度は母の温もりが加えられる。
(なのは、貴方はこっちに来ては駄目よ。さぁほら、思い出してなのは。貴方は時空管理
局のエース・オブ・エースでしょう? どんな困難も乗り越えられる、ストライカーなん
でしょう?)
(知らないよお母さん、もうそんな事どうだっていいよ……)
なのはは再び辛い現実に押し戻されようとする意識を、その場に留める。
しかし、そのなのはの意地を、更なる家族の愛が塗り替えていく。
(本当にそれでいいのか、なのは? もう一度よく考えてみるんだ。自分が今まで辿って
きた道をな。じゃないと、十年前、リンディさんと一緒になのはが話してくれた事を信じ
た俺達が馬鹿みたいじゃないか)
(これからも信じさせてよ、なのは。魔法も、幾つもの世界も、なのは自身も! だから
最後まで頑張れ、なのは! まだまだ大丈夫! 未来を信じる気持ちを忘れちゃ駄目!)
(お兄ちゃん……お姉ちゃん……)
兄の愛に満ちた厳しい言葉が、姉の励ましが、なのはの心の空洞を徐々に修復していく。
(立ち上がって、なのはちゃん! 諦めないで!)
(こんの──ドアホ! そんな半端な気持ちでこっちに帰ってきたって、あたしはそんな
あんたを絶対に認めないからね! もしこっちに来てみなさいよ、絶交だからね!)
(すずかちゃん、アリサちゃん……。……わたし……わたしは……!)
再び見開かれたなのはの瞳に、この十年間の記憶が目まぐるしく再現されていく。
戦いを通じて出逢ってきた数々の仲間達。巡り合ってきた様々な世界。
夢があった。トキメキがあった。輝かしい未来が、辛くとも満たされた日々があった。
掛け替えの無い十年間の傍には、何時だってあの赤い宝石と魔法という奇跡があった。
そして、そのキッカケを与えてくれた相手、それは──
「──ユーノ君!」
なのはは高く手を翳し、厚い闇の先にあるもう一つの光をしっかりと掴み取った。
/
「あ」
手品の様にパッチリと開かれたなのはの瞳に、自分に対して大きく拳を振り被っていた
ロッテの姿があった。ロッテは突き出そうとしていた拳を急停止させ、ようやく目を覚ま
したなのはに苛立ち混じりの安堵を吐息にする。
「わたし、えっと……」
記憶に問題は無い。ユーノと共にエクセリオンバスターをその身に受ける瞬間まで、正
常に想起出来る。遥か上空にあるゆりかごも、目の錯覚ではない。着用しているバリアジ
ャケットも、その記憶を証明する様に凄惨な損壊のままになっている。
『なのは!』
29 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:38:53 ID:JdZhTnt8
ハラオウン夫妻が同時に喝采を叫ぶ。なのはは数度目を屡叩かせると、間の抜けた顔で
二枚の通信画面を見遣った。
「クロノ君、エイミィさん?」
『はぁぁぁ、全く心配させてくれるんだから……』
「エイミィの言う通りさね」
エイミィとアルフが、互いの心痛を柔らかな笑みで消化する。
『なのは、詳しく話している時間は無い。早くそちらでゆりかごの破壊に出るんだ。僕は
これから本格的に、本隊へ作戦中止の呼びかけを始める』
クロノの簡潔な説明だけでも、なのはは変に間誤付きもせずに、少しの空白を挟んで小
さく頷いた。遠い空にはアースラの艦影が見える。
そして、なのははその方角から接近してくる複数の人影を見た。
「皆……」
「なのはちゃん、大丈夫か!」
はやて、ヴォルケンリッターが勇敢に騎士の包囲網を蹴散らしていく。そしてなのは達
の上空でしっかりと地上を見下ろし、互いに家族の絆で結ばれた絶望的な状況に屈しない
笑みを浮かべた。
「なのはさーん!」
他方から輝く空の道が二人の若き魔導師の姿を先端に乗せ、宙を突っ切って幾重にも伸
びていく。スバル、ティアナは遠近射程に位置する敵をそれぞれのデバイスで打ち倒しな
がら、はやて達と合流して体勢を整えた。
「フェイトさん、しっかりしてください!」
エリオが叫び、キャロも同じ言葉を投げかける。フリードリヒが自由自在に大空を駆け
巡り、騎士の大群を軽やかに翻弄する。
「エリオ、キャロ……」
なのはに続き、フェイトの顔にも意識の片鱗がちらつく。
「なのはママ、フェイトママ!」
ヴィヴィオも決死の突貫で激戦区に追いつき、カイゼル・ファルベの煌めく魔力光で二
人の母に狙いを定めた騎士を打倒する。
「ヴィヴィオまで……うん、そっか。ヴィヴィオがしっかり考えて決めた事なら、わたし
は止めはしないよ」
なのはは娘の晴れ舞台を見守る母の顔で、数十、数百と無限に増殖する古代ベルカ騎士
に立ち向かうヴィヴィオを見上げた。
その視線が正面に戻され、アルフの治療魔法を受けているフェイトに定められる。
「なの、は」
「フェイトちゃん……あはは、心配かけちゃった、かな?」
エリオとキャロの叱咤で意識を明晰にしたフェイトは、眼の前で何時もの笑みを見せて
いるなのはに抱きついた。
「馬鹿っ……馬鹿馬鹿馬鹿っ!」
「ぐ、ぇ……痛い、痛いってばフェイトちゃん」
なのははフェイトの肩に手を当てて押し戻そうとするが、フェイトは暫く全力でなのは
を抱き締めたまま離れようとはしなかった。
30 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:39:42 ID:JdZhTnt8
二人の睦まじい様子を見下ろしていたはやては、その視線を引き締めてゆりかごへと持
ち上げる。
「皆も揃ったし、内部に突入するで!」
『それは難しいと思うよ、はやて』
ヴェロッサがアースラからはやての傍に通信画面を表示させる。グリフィスがそれに続
いた。
『八神部隊長、あのゆりかごには全方位に強固な結界魔法が常時展開しています。魔導砲
による迎撃が無いのでまさかと思いましたが……如何なる攻撃でも結界の突破は困難と思
われます。たとえそれが……アルカンシェルであっても』
出来なくてもやる、といった精神論を許さない、グリフィスの冷徹な解説だった。
「何か方法は……」
『あると言えばある。アルカンシェル以上の超高出力の砲撃魔法かそれに準ずる手段で、結界ごと動力炉を破壊するんだ。動力炉の位置、今すぐそちらにも渡すよ』
敵と応戦しながら、ゆりかご付近に到達した各隊員はヴェロッサからの情報に目を通す。
「でも、それだけの魔力をどうやって用意すれば……」
フリードリヒの背中に立つエリオが至極理に叶った意見を出し、竜の顔面に長剣型アー
ムドデバイスを突き刺そうと迫る騎士をストラーダで屠る。
『何とかアースラでも対策を練るから、君達はその戦域で粘ってくれ!』
ヴェロッサ、グリフィスの通信画面が閉じる。元機動六課の魔導師達は、アースラが指
定してきた地点を目指して集合を開始する。
「あたし達は皆の援護をしてくるよ」
「なのは、私達も」
アリアが言い、アルフと共に空へと飛び上がった。フェイトは二人に続くロッテからバ
ルディッシュを受け取り、自分もしっかりと立ち上がる。
しかしなのははフェイトに思わしくない表情を見せる。フェイトもなのはの胸中を知り、
倒れたままの若き考古学者に傷心の目を落とした。
「ユーノ君……」
手足で這い、なのははユーノへと近づいた。自身同様肉体は既に異常は無いが、彼は未
だに深い昏倒の淵に陥っていた。
「ユーノ、しっかり。しっかりして」
フェイトもなのはと並んでユーノの前に屈むが、彼の無我の状態を判然と突きつけられ
るだけで唇を噛み締める。
なのははユーノの顔を見つめ、そしてその瞳を静かに伏せると自分の胸で両手を合わせた。
どんな原理が作用したのかわからないが、なのはのリンカーコアは健常な状態まで復活
している。それに加え、長年の無理が祟って蓄積されていた身体の不具合さえも、今では
綺麗に改善されていた。
なのはは生まれ育った街で今も暮らす大切な人々の愛情をその身で痛感しつつ、胸の前
で合わせた両の掌に白い輝きの粒を顕然させる。
「なのは、それ、リンカーコア……」
「うん。大丈夫、わたしとユーノ君で半分こ。きっと、そうすればユーノ君も目を覚まし
てくれるよ……」
31 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:40:34 ID:JdZhTnt8
淡い灯火越しにユーノの顔を見つめ、なのはは彼にリンカーコアを捧げる為に精神を集
中させた。フェイトはなのはの行為に少々躊躇いを感じたが、意を決すると自分もなのは
と同じ仕草を取る。
倒れたままのユーノの前で、フェイトもバルディッシュを地面に置くとなのはの横に跪き、
自身のリンカーコアを両の掌の上に抽出させた。初めて行う儀式だったが、なのはの呼吸
を傍で感じると不思議と成功する自信が心に充満する。
「フェイトちゃん……」
「私だって、なのはに負けないくらいユーノの事大好きなんだよ。だから……私のこの命も、
三人で一つ」
なのはとフェイトが同時に、そっとユーノの胸元へと互いのリンカーコアを重ね合わせる。
なのははもう一度双眸を伏せ、その気持ちでユーノを一心に見つめる。
「ユーノ君。わたしの心……受け取ってください」
二つの魔力の源は区別がつかない段階まで溶け合いながら、ユーノの体内へと吸収され
ていった。
二人が固唾を呑んで見守る数秒間の終わりに、ユーノの瞼が蠢き、彼の薄く開かれた口
から肺に残った空気が漏れ出る様な弱々しい吐息が排出される。
小刻みに震えながらゆっくりと開かれたユーノの瞼の先で、溢れ出しそうな程に涙と湛
えたなのはとフェイトの喜色の美貌があった。
二人はようやく再起を遂げたユーノへ、左右から同時に縋り付く。起きたばかりの身体
に注がれる二人の重みに、ユーノは戸惑い気味に苦笑いを浮かべて内心を取り繕う。
ユーノのバリアジャケットに二人の涙の染みが広がった。
「なのは、フェイト」
「もうっ、ユーノもユーノだよ……心配ばかりかけて……」
「ユーノ君……よかっ、た……」
ユーノは自分の魂と融合している二人の想いを確かに感じながら、二人の頭を軽く撫でた。
一帯の熾烈な攻防は、禁忌の破壊兵器が大気圏突破を目指して上昇する中、いよいよ激
しさを増している。
ゆりかご近辺の戦闘区域には、ギンガやヴァイス、管制を取り戻した先遣部隊の艦船か
ら増援として送り出されたルーテシアとガリュー、アギト、ナンバーズも加勢に訪れていた。
「……もたもたしていられないみたいだね」
『ユーノ君』
二人の親友を抱き締め返しながら厳然と上空を仰ぐユーノに、アースラで指令を続ける
リンディが通信で再会を果たす。
「リンディさん、その、色々すみません。まさかこんな事態になるとは……」
『いいのよ。もしかしたら、アコース査察官じゃなくて、ユーノ君とザフィーラさんがゆ
りかごを発見する立場になっていたかもしれない。多分それだけの違いだと思うから』
「母さん、私も行くね」
バルディッシュを構え、フェイトは今度こそ決死の覚悟で立ち上がると涙を袖で拭った。
彼女の破損したバリアジャケットが、一瞬にして復元される。
『えぇ。皆と一緒に頑張ってね。全ての希望を貴方達に託すわ』
「うん。もう少し踏ん張って、バルディッシュ!」
『Yes sir! Let be awake,My master!』
最終決戦へと旅立ったフェイトの下で、なのはとユーノが正面から向き合った。
32 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:41:29 ID:JdZhTnt8
「ユーノ君のスターライトブレーカー、凄く強かったよ」
なのはが照れ臭そうにはにかみながら言うと、ユーノもむず痒そうに首を横に振る。
「あれは……まぁ、僕は解読魔法を唱えて、後は引き金を引いただけだから。魔力の集束
とか、細かい制御は解読魔法そのものが自動的に処理してくれたわけだし……でも、もう
二度と使う事も無いだろうね。やっぱり僕に攻撃魔法は似合わないなって思ったよ。決定
的に適性も低いしね」
指先で頬を掻き、ユーノははっきりそう答えた。
「ねぇ、ユーノ君」
「何、なのは」
なのはが物憂げに薄く目を伏せ、ユーノから横へとその細めた視線を逸らす。
「ユーノ君は、ずっとわたしを支えてきてくれたよね。目に見えない場所にいたって、何
時もユーノ君はわたしの事を想ってくれてた……だけどね、わたしが本当に望んでいた事
は、そんな事じゃないの」
「……」
「わたしだってユーノ君を支えたい。一緒に支え合っていきたいの。励まされたり、心配
されたりするのが苦手なんじゃない……一方的に思い遣りを受ける事が、とても悔しいの。
その人の為にわたしが出来る事が何も無い気がして、それが何よりも寂しいの」
「そっか、ごめんよなのは。僕も、心のどこかで君の気持ちと向き合おうとしていなかっ
たのかもしれない」
二人で心のうちを打ち明かし、そしてやがて二人の間には密やかな笑い声が漂った。
一頻り心の泥を吐き出したなのはは、足許に転がっていたレイジングハートを拾う。か
なり負担が堆積しているが、その外見から漂う印象は最後の戦いに対する確固たる意志が
感じられた。
「ごめんね、レイジングハート」
バリアジャケットを再生し、なのはは相棒に話しかけた。傍ではユーノも魔導師の衣を
一新させている。
『Really.Please take care of itself in future,My masters.』
宝玉を点滅させ、レイジングハートは心成しか呆れた風に返答を起こした。
なのはは準備を完了したユーノに振り向き、足首にアクセルフィンを形成する。
「わたし達も飛ぼうよ、ユーノ君」
ユーノも彼女に倣って飛翔の魔力を蓄えるが、その前になのはに向かって眉尻を下げた。
「違うよなのは。君も、僕の事を支えてくれるって言ったばかりだ」
「あ……」
それだけでユーノの真意を隅々まで理解したなのはは、改めてユーノに言った。
「──二人で一緒に行こう、ユーノ!」
ユーノが頷き、二人は飛び立つ。世界の誰よりも大切な仲間と共に、なのはは全ての決
着をつける為に遥かな大空へと羽ばたいていった。
/
リンディはアースラのブリッジで、互いに手を取り合って仲間のもとへと駆けつけるな
のはとユーノをモニター越しに眺め、二人の成長を近くで見届けてきたからこその慈愛の
微笑を浮かべた。
「新機動六課の各隊員へ! 調査隊はクラウディア、クロノ艦長に任せ、私達はゆりかご
の撃沈にのみ専念します! もう少し、もう少しだけ頑張って!」
リンディの声が、聖王ヴィヴィオ十八世の神託にも負けない強さで、朗々と古代ベルカ世界に響き渡る。
「そして最後にもう一つ。……皆で生きて帰りましょう、誰一人欠ける事無く」
『──了解!』
なのは、ユーノ、フェイト、ヴィヴィオ、アルフ、クロノ、エイミィ、はやて、シグナ
ム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、リインフォースU、リーゼアリア、リーゼロッテ、
スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、ギンガ、ヴァイス、シャリオ、グリフィス、アルト、
ルキノ、マリエル、ヴェロッサ、カリム、シャッハ、ルーテシア、アギト、ナンバーズ──
それぞれの声が一同に重なった。
33 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 00:42:25 ID:JdZhTnt8
続きます 次でいよいよクライマックスです
リアルタイム更新ktkr。
次でいよいよクライマックス。期待して待ってます
やっぱり、ユーノのSLBは納得できね。
>>11 乙
っていうか、そんなプレイの出汁にされてる時点でフェイトさんがめっちゃ不憫だ。
笑わせていただきました。
>>33 あれ? おかしいな。こんな時間なのに全身の血液が沸騰している俺がいるよ?
おかしいな。3つの心が一つになって、無敵となったフェイトとなのはとユーノの姿がありありと視えるよ?
おかしいな。さっきまで大ピンチだったのに、もう一分も負ける要素が見当たらないよ?
GJGJGJGJGJゥゥゥーーーーーーー!!
37 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 00:49:38 ID:NyuNDTpG
乙なの
>>33 GJ。楽しみにしてるッス
にしてもここに来てフェイトフラグまで立て(ry
そして声を重ねないスカリエッティにちょっと笑ったwまあそうだろうけどさw
>>33 GJ
なのユーフェ?次回も楽しみにしてます。
>>11 GJ
女王様www今度はどんなプレイしてくれるのでしょうかw期待してます。
>>33 をををぅ!なんという熱い展開!
来るぜ来るぜ来るぜぇ!クライマックスだぜぇ!
というかむしろ俺のテンションが最初からクライマックスなんですがw
こいつが超GJ(スーパーグッジョブ)!!
ところで、
>「私だって、なのはに負けないくらいユーノの事大好きなんだよ。だから……私のこの命も、 三人で一つ」
平和なはずなのに、全力全開な三角関係が幻視できるのは俺だけですか?
>>33 リアルタイムで見れた
GJ!!もうこれしかいえません!!
しかし……なんだ?
なのはとフェイトがユーノとあまあまな状態になっているのを想像してしまった……
今度書きたいなぁ……
ホント
描写がよく」わからないんだが
なのはとユーノに自爆攻撃したのはレイハのACS→バスター?
guest guest
>先程までのユーノとの限界を超えた決闘を経て、なのはの精神は疲弊の針で粉々に砕か れてしまっていた
べつにユーノに決定的に拒絶されたわけでもないのに、なんでなのはがここまで精神的に追い詰められたかが分からない
>>11 (´゚ω゚):;*.ブッ
オチで超吹いた。テラGJwwwwwwww
というかフェイトさん今回はちょっとカワイソスw
地味に台本でネタにまで使われるなんてwwwwwwww
>>33 って、綺麗なフェイトさんktkr!
まだなのはには差をつけられてるかもだけど、それでもこの後ユーノと仲良くしてる姿を
簡単に想像できるぜ・・・・・・。忘れがちだがユーノとフェイトも何だかんだで縁があるしな。
それはさておき、GJ!
いつも全身の血が沸きたつような熱い展開をありがとう。
御都合主義もあるが、それもまたいい味を出してるぜ。
もう一度GJ!を言わせてもらうぜ。
>>33 乙じゃないか…犬メインじゃなくなっちゃったのは大分残念だが
>>44 単純に、疲れきってやる気しねーってことじゃね?
>>11 いきなりGJ。さすがフェイトさん、迂闊で残念なのは新スレでも健在だなw
guest guest
……もう放送終わってるのにこのペースは何だw
書きあがったので投下します。
注:ヴェロッサ×はやてエロあり
11th session〜アグスタ、恋人達の集う場所(前編)〜
「ホテル・アグスタですか……」
「そうや。そこで行われるオークションの護衛、それが今回の任務やな」
そのはやての言葉を聞き、フィレスは何故かげんなりとしたような表情になる。
はやてが首を傾げると、フィレスはシャマルの隣にある箱にちらりと視線を送り、口を開いた。
「……やっぱり、そこのタキシード着なきゃいけないんですか? 僕」
「へ? ……ちゃうちゃう、あれは私達が着るドレスや。……まさか……女装癖持ちとか?」
「何でそうなるんですか!」
「え!? そうなの!?」
「いや、そこで何で信じるの、スバルさん!」
いきなりおちゃらけた空気になる機内で、フィレスは一しきり怒鳴ると、荒くなった呼吸を整える。
そして、一転して真剣な表情になると、口を開いた。
「……見た感じ、3着ですよね? 誰が中の警備に?」
「私と、なのはちゃんとフェイトちゃんやね」
「はやて部隊長となのは隊長とフェイト隊長が……? ……まさか、そのオークションに本局に欠かせない人が出席するんじゃ……?」
そうフィレスが言うと、はやては何とも形容し難い笑みを浮かべる。
「……どうして、そう思ったんや?」
「……オークションって事は一般人が中心のはず。もし出品物にロストロギアがあったとしても、大した物じゃないと思います。
最初はそのオークションで著名な考古学者か誰かが講演でもするのかな? とも思ったんですが……、
学者さん守るためだけにオーバーS3人、ニアS2人放り込めるほど管理局に人員は豊富じゃないですよ、さすがに。
……でも、逆に考えて見れば、それだけの戦力を注ぎ込んでも守りたい何かがあるって事ですよね?
物じゃないと思うんです。オークションにそんな守りたい物を出す馬鹿はいないですから。
つまり、それだけ管理局にとって必要な誰かがいると言う事。……違いますか?」
そう言ったフィレスに、はやては感心したように拍手を送る。
「……フィレスの推理は凄いと思うで。……でも、1つ大事な事を忘れとるな」
「……大事な、事ですか?」
きょとん、としたフィレスに、はやては微笑むと、言った。
「……私達機動六課は、レリックを守るために結成されたんや」
「……あっ!」
「……このホテルの地下倉庫にレリックが保管されとる。私達の任務は、そのレリックをオークション中守り切る事や」
会場を見回りに歩きながら、ティアナは一人考える。
「(……フィレスが言ってた通り、隊長副隊長はみんなオーバーSかニアS……。
それに、フェイトさんの秘蔵っ子のエリオと、レアスキル持ちのキャロ……。
スバルだって魔力量は凄いし、フィレスに至っては訓練校卒業直後にAAランクに合格してる……。
……やっぱり、凡人なのは私だけ、か……)」
思わず溜息を1つ吐くティアナ。しかし、すぐにその瞳は意思の強い、いつものものへと変わる。
「(……でも、私はそれでいい。私は凡人のままで……執務官になってみせる!)」
一方。
「(やっぱり、おかしいよな……。地下にレリックがあるのならば、わざわざドレスに着替える必要無いし……。
レリックの護衛をするだけなら、さっさと持って帰った方が警備が集中する分却って安全のはずだし……。
やっぱり、誰かいるのか? 管理局にとって本当に必要な人間が……)」
「……フィレス?」
「っえ!? あ、ス、スバルさん!?」
考え込んでいたフィレスにスバルが声をかけると、フィレスは飛び上がった。
「……何か、考えてたの?」
「うん……。本当に、この護衛はレリックを守るためだけなのかな? って」
「違うの?」
そう言って首を傾げたスバルに、フィレスは続ける。
「……それだけなら、オークション会場にはやて部隊長、なのは隊長、フェイト隊長の3人入れるって、無駄でしかないよ。
格好……はバリアジャケット着るからともかくとして、建物内って位置がまずいよ」
「……そっか、ホテル内だと自由に動けないからね」
「そう言う事。出るまでに時間かかるから、奇襲とかされたら、その出るまでの時間が痛いよ」
そう言ったフィレスに、スバルは感嘆したような溜息を吐く。
「……な、何?」
「凄い! 凄いよフィレス! 何だか軍師さんみたい!」
そう言って詰め寄ってくるスバルの勢いに圧され、フィレスは乾いた笑みを浮かべた。
一方。
「あ……あかん……あかんよロッサぁ……」
トイレの個室から響くはやての声。
その声に、立っていたはやての前にしゃがみ込んでいるヴェロッサが顔を上げた。
「何がいけないんだい? 護衛ならなのは君とフェイト君に任せてあるじゃないか」
「そ、そやけど……ひゃうっ!」
「それに……今止めた方が辛いんじゃない? ……こんなになってるんだから」
そう言ってヴェロッサがショーツ越しにはやての秘所を吸い上げると、はやての足ががくがくと震える。
「くうううんっ! ひうっ、ふあああっ!」
「ふふふ……可愛いよ、はやて」
そう言うと、ヴェロッサははやてのショーツをずらし、直接はやての秘所に吸い付く。
新たに叩き込まれた強烈すぎる快感に、はやてはあっさり限界を迎えた。
「ら……め……らめ……っ! んんんんんんんーっ!!!」
びくびくと身体を暴れさせるはやてに、ヴェロッサは責めを止めるどころか、更に責めを激しくする。
ちゅうっと秘所近くの突起を吸い上げ、秘所に指を差し入れると、はやては悲鳴を上げた。
「ひああああああっ! ろっさ、ろっさぁっ! イッれる、イッれるのうっ!」
はやては立っていられなくなって便座にへたり込もうとするが、ヴェロッサはそうさせない。
絶頂の位置のまま快感が固定され、はやての顔も身体も、全てが真っ赤に染まって行く。
「っ、〜っ、〜っ!」
首をぶんぶん振って、はやては快感に振り回され……、
……やがて、その小柄な身体の限界を超え、気絶して便座に崩れ落ちた。
「おや……はやて?」
ヴェロッサはそう言ってはやての頬をぺちぺちと叩くが、はやては目を覚まさない。
少し思案するようにヴェロッサは顎の下に手をやって、にやりと意地悪く笑った。
「……そうだね、こうしようか……」
その頃、オークション会場では。
「え、あ、あぅ……」
パニック状態に陥ったなのはに、フェイトは怪訝そうな表情を向ける。
……その表情の下では、吹き出すのを懸命に堪えていたが。
「ど、どうしたの? なのは」
「ぁ……ぁ……ぅぅ……」
ぱくぱくと口を開閉させながらなのははステージの上を震える指で指差す。
真っ赤に染まったその横顔を見ないようにして、フェイトはステージの上に視線を送った。
……そうでもしないと、なのはの顔を見た瞬間に吹き出しそうだったから。
「……ああ、ユーノ? ……そう言えば久し振りだね。……六課結成のパーティー以来かな?」
そうステージの上にいたユーノを見てフェイトが言うと、なのはは飛び上がった。
「ふにゃあ!?」
「どうかした? それと、もう少し静かにね? なのは」
奇声を上げたなのはにそうフェイトが言うと、なのははさらに赤くなって俯く。
そんななのはを見て、フェイトは堪えきれなくなってくすりと微笑んだ。
「(……はやてやアリサがなのはをよくからかうの分かるよ……、凄く、楽しい……)」
そう考えていたフェイトに構う余裕も無く、なのははユーノに見惚れる。
ユーノの一挙手一投足にいちいち反応しているなのはを、思考を止めたフェイトは楽しそうに見やって……、口を開いた。
「……ねえ、なのは。ユーノの事……好き?」
「ぇ……ぅ……」
そのフェイトの言葉に、なのはは真っ赤になって俯き……やがて、決心したように顔を上げた。
「……うん。……私は……ユーノ君の事……好き……」
そう言ったなのはに、フェイトは明るく微笑んだ。
「うん、素直でよろしい!」
「あはは、エイミィさんの真似?」
そう言ってなのはも笑い……、同時に何かに気付き、表情を引き締めた。
「……今の……」
「魔力反応……!?」
これで終わりです。
……ヴェロッサ仕事しろw
……本当は護衛こなしながら気付かれないように幻影使いつつはやてを弄繰り回す予定だったのに、何でこうなるかなorz
次回は戦闘シーンですが、ヴェロッサ×はやてエロの続きも入れますw
マッガーレ……
ヴェロッサが頑張るのも珍しい?
なんか頑張る方向を間違えてる気がしないでもないw
(´_ゝ,`)フーン 凄いねー
すみません
別の板と間違えて誤爆してしまいました おrz
フェイトとはやてがエリオのストラーダをWパイズリという夢を見た
もう一度寝て続きを見たいと思う
じゃあ俺はスバル×ティアナを見るために一眠りするとするか
お前らその夢を俺に分けやがれ。といいつつ
クロノ×ロッサの夢を見るために眠るかな。
怖い
眠るとレジアス×ゼストの夢を見てしまいそうで怖い…
>>64 そんなあなたに電波送信( ゚∀゚)σ~~~
つ「毎日、昼間はエリオからたっぷり絞り取り、夜はユーノとの白兵戦技教導に勤しむフェイトさん」
>>33 目が醒めて困るwwwwww!
>>55 寿引退するぐらいがんばって欲しいぜ?
GJw
ちょっくらヴァイス×ティアナを夢見るため布団に入るわ。
ところで、2人の「初めて」を考えると
やはり9.5話あたりになるか?
野外でなのはと会話したその夜、改めてヴァイスと会話しているうちに、
その実ティアナ自身もまた“恵まれた人間”であったことに気付き、自分の愚かさに泣き出してしまったところをヴァイスに抱きしめられる。
そしてスバルにも漏らさなかった弱み、肉親が皆亡くなってしまった哀しさを異性で初めてヴァイスにカミングアウトして……
じゃあ寝るわ
ばかばっかwwwいやそんなおまいらが大好きだがww
ヴァイス×ティアナつーとどんな感じかねえ…?
ラグナが「ティアナさんがお姉ちゃんになったらいいなあ」とか言い出す辺りから始まりそうなロマンス
だめだやっぱりベタ過ぎるwwww
今の書き終わったら考えてみるのもいいかもしれん
したらもれもちょとSLB食らって寝てくるわ
>>67 同じ何かを受信したw
ただ翌日の訓練前の会話を見るに、その日はなのはさんとの会話後、自分の宿舎でぐっすり眠ったみたいだから。翌日の訓練後、ばったり出くわしたヴァイスに「お? 何か吹っ切れたか?」とか言われてそのままお話突入、とか。
なあ、フェイトが我を忘れるほど激しくまぐわってたら、
精神ガードが甘くなってアルフに感情とか思考が駄々漏れになって、
アルフが辛抱たまらんとなったりするのだろうか?
>70
真っ赤になったアルフ×朴念仁ユーノという組み合わせを幻視。
>>61 次はフェイトとはやて、交互に挿入しながらピストンだな
嬉しいことだがすごい投下速度だな・・・ちょっと見たい間にもう次スレ
遅レスですが
>>どっかのゲリラ兵氏GJ!!
前半部の狂い始めてる歯車が気になる・・・
破局endはいやですな・・・エリオのご主人様とキャロ奴隷エンドなら大歓迎ですがw
とにかくラブラブでぬちょぬちょな展開を期待してます
>>y=ー( ゚д゚)・∵. ターンA氏GJ!!
オリはムズイですよね・・・
ならばエリオ×アリシア×ティアナをリクしてみてもいいでしょうか
ティアナの同伴了承つきでアリシアの目標である子作りとか・・・
前
>>203 GJ!!これまた見事な堕落エンド・・・
でも展開がマジでよかったです
前
>>214 お待ちしてました!
エリオの豹変ぶりがよかった!ラストどこまで堕ちるか気になります
ユノなのヴィも期待してます
>>33 GJぅぅぅっ!!!
なんだこの超赤熱展開!
しかも1クールに収まりそうな長さとその倍はある物語の密度!
wktkして読んでるこっちの血にまで飛び火して燃えてるぜ!
加えてユーなのフェ描写に萌え悶えたぜ(笑)
ハンパなエロより来るよアレは。
世間でNiceboat旋風が吹き荒れたあとだから、なおさら素敵に見えすぎて困る(よい意味で)
このユーノならきっと二人とも幸せにしてくれると信じたい!
しかしあのユーノとフェイトの対峙シーン、
フェイトにとっては友達の存在はとても大事で大きいからこその苦悩の描写だと思っていたが…まさか思慕込みだったとは!?
やべえ、それを踏まえてあのときのフェイトさんの内心を想像したらニヤニヤが止まらんw
綺麗なフェイトさんはオロオロと戸惑いが似合いすぎるから困る(笑)
昨日眠ったらなのはさん&ヴォルケンリッターのグロい夢を見た俺はどうすれば良いんだ…
>>76 魔王降臨か?とりあえず ヒント:グをエに置換して内容うp
>>77 エに出来るならとっくに変換してるぜ…
だが流石になのはさんが付けてた○○の手○が○れたりシャマルさんの左○が根○から○○たり
人型ザフィーラの○の○が○ちて○から真っ○に○○た○が○○る様な夢はどう頑張っても無理だ
(非常に危険な内容なのでかなり伏せてあります)
>>70 >>71 mjsk!?
・・・そういう展開で一本いこうかと思ってが・・・練り直し練り直し、と・・・orz
何か歪んだエリキャロの電波飛んできたので俺が中継して他の奴に飛ばす事にした
>>81 気にすることないんじゃないかと思うのだが…
頑張ってくれ
いいことを思い付いた
とらハ世界にユーノとフェイトを送り込もう
>81
見てみたいぜ
86 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:09:18 ID:JdZhTnt8
続きです
87 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:10:04 ID:JdZhTnt8
クラウディアのブリッジでも、矢継ぎ早に状況の報告が続けられる。各ブリッジ要員の
叫びが、絶え間無く飛び交っていた。
「クロノ艦長、本隊の旗艦から通信が」
エイミィが不敵な表情で顔だけを艦長席に向け、落ち着き払った口調で告げる。
「よし……繋げてくれ」
クロノは毅然とした態度で頷く。衛星軌道上の艦船は、何とか新機動六課の隊員の防戦
で窮地を脱したが、救援としての戦力は望めない状態にあった。ブリッジには、厳然とし
てこの背水の陣に不安を隠せない者もいる。
クロノ達の正面に、巨大な通信画面が展開された。出動寸前に調査隊と袂を分かったク
ラウディアに代わり、本隊の指揮を執る事になった初老の提督が、最早同じ局員としての
友誼など微塵も無い顔つきで若い提督を睨み据える。
『これは一体どういう事かな、ハラオウン提督』
劈頭から対等な交渉を切り捨てる、攻撃的な声色だった。クロノは俄かに視線に圧力を
込め、真っ向からその敵意と対立した。
本隊指揮官から感じられる気風は、皮肉にも管理局の理念を謹厳に踏襲してきた者の、
殊勲に支えられた威厳が満ち溢れていた。
しかしそれは、本局上層部の意を盲目的に履行する、視野狭窄な品格でもあった。
「それはこちらの台詞です、提督。確かに新たに確認されたゆりかごは、我々の手で何と
しても撃破しなければなりません。しかし、如何なる理由があれ、世界そのものも攻撃対
象に加える必要は無い筈です」
『これは本局の決定だ。我々現場担当の局員に異論を呈する資格は無い。クラウディアも
至急、艦船を反転させ、アルカンシェルの発射準備に入れ』
有無も言わせぬ本隊指揮官の断言に、クロノは上下の奥歯をすり合わせて、必死に頑迷
固陋な難題を解く為の鍵を思考で模索する。
『我々時空管理局は、全世界を法と秩序に基づいて監査しなければならない。ロストロギ
アの捜索と回収はその一環に過ぎん』
「それでは、強大な力で大衆を虐政するだけの支配ではないですか! 管理局は軍隊でも
国家でも無い! その様な横暴が許される筈も無い!」
知らず知らず艦長席から立ち上がり、クロノは声を荒げて反論する。
「貴方達、一部の古参局員は管理世界の局への反発を恐れているだけでしょう! 狡猾な
弁で己を正当化し! 管理世界の自由意志を弾圧し! 無差別に管理局の理念を暴走させ、
己の権威を世界へ誇示したいだけだ! その様な身勝手な行いが続けられれば、太古の昔
に存在したという時空管理局の二の舞だ! 何故、古代ベルカ世界がミッドチルダへ、当
時の時空管理局へ反旗を翻したのか、おわかりにならないのですか! 世界も、民衆も、
互いが互いの意志を尊重し、平等な権利をもって同じ目線で融和を努める──我々時空管
理局は、その架け橋となる為にも存在する! 高性能なデバイス、最先端の技術によって
造り出される次元艦船、今も尚発展を遂げている魔法科学、それら管理局の力は、何も戦
う為だけに存在しているのではありません! 世界を滅ぼす為に運用される等もっての他だ!」
クロノはモニター越しに熱烈な訓戒を述べる。頬を火照らせ、肩で息をしながら凝視す
るクロノへと、本隊指揮官は微動も同調を見せない様子で薄く目を細めた。
88 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:10:49 ID:JdZhTnt8
『ならば貴公はどうする、ハラオウン提督? それだけの高説を述べた以上は、この先の
管理局の在り方に明確な構想があるのだろうな? この場を取り纏めるだけに言った詭弁
ならば、クラウディアと共に宇宙のもずくとなってもらう。現にあの世界は聖王のゆりか
ごを再起動させ、時空管理局へ宣戦布告しているのだぞ? 貴公はみすみす管理局を奴等
に滅亡させるべきだとでも言う気か? 管理局にとって脅威となる世界はあってはならな
い! それがあらゆる次元世界に遍在する真理だ!』
「……それがそもそもの間違いなのですよ、提督」
不意に語勢の角が丸まったクロノの軌道が捩れた主張に、本隊指揮官は眉を顰めた。
「何も時空管理局がこれから先、遥か未来の時代でも存続していなければならない事など、
無いのですよ。我々の理念を受け継いでくれる人々がいるのなら、時空管理局はその者達
に全てを委ねるべきです。管理世界が我々の存在を不要とするのなら、それで世界がより
よい方向へ向かうのならば、それこそ時空管理局が望む結果ではないですか。外部からの
助力に頼らず、一つ一つの世界が自立を遂げる事……それは管理局にとって何より喜ばし
い事ではないですか。世界はまだ広い。きっと、管理外世界のどこかでは、様々な原因の
紛争や、環境問題、我々の想像もつかないような困難に見舞われている世界がある筈です。
我々は、その様な世界を平和な時代に導く為にも存在するんですよ。時空管理局は、それ
ぞれの世界の主義主張を無視してまで、ロストロギアの対処に執着する必要なんて無いん
です。もしかしたら、我々の判断ではロストロギアであっても、その世界の人々にとって
は必要不可欠な物もあるかもしれない。人々に生活に必需なロストロギアを、我々の手で
再び目覚めさせる事も正しい事じゃないんですか? そうした世界が、他の世界との相互
理解を得られるようにする……それが時空管理局の真の理念ではないのですか? そうし
た平和的なロストロギアの存在を信じる事も、我々にとって重要な事ではないのですか?」
クラウディアと本隊旗艦の両ブリッジに、一抹の静寂が訪れた。クロノと本隊指揮官は、
一歩も譲らない瞳を信念の光を湛えてぶつけ合っていた。
『……調査隊に所属する全ての艦船に告ぐ。現時刻よりクラウディアを敵性勢力と断定、
アルカンシェルの照準、クラウディアに合わせ!』
「提督っ!」
「駄目、クロノ! 調査隊のアルカンシェル、発射まで後二分よ!」
クロノの声はもう調査隊には届かなかった。通信が強制遮断され、エイミィは再び本隊
との対話を切り開く為に操作盤を叩くが無駄な努力に終わる。
「止むを得ない! 搭載しているガジェットドローンを全機出撃させるんだ! 調査隊の
宙域に最大出力でAMFを複合展開、調査隊の一斉射撃を何としても食い止めてくれ!」
孤独な艦長の指示を受け、ブリッジ要員は格納庫で待機していた数十機の機械兵器が、
クラウディア艦載の転送魔法で次々に射出されていく。
クラウディアのブリッジへ、アースラから長距離通信が繋がる。クロノ達の前で、金に
ぎらつく双眸の科学者が現れた。
『どうやら私の腕のお披露目が来たようだね』
「えぇ、ドクター・スカリエッティ。ガジェットドローンの短期量産、及びAMF機能の
強化への協力、厚く感謝する。たった一日でこれだけの数を揃えていただけるとは、正直
言って感服します。局員として不謹慎かもしれないが、貴方の様な人材は酷く惜しまれま
すよ。今回の協力を建前に、減刑処分の進言も考えてやらなくもない」
クロノの言葉に、スカリエッティは軽く拒否の仕草を返した。
『……必要無い。私の夢はもう潰えた。究極の欲望は、原罪の檻の中で全世界の行く末を
静かに見届けさせてもらうとするよ』
89 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:12:06 ID:JdZhTnt8
彼らしくどこか気取った様子で述べたスカリエッティは、勝手に通信を開いて勝手に通
信を閉じた。クロノは誰にも内心を窺わせない表情で、視界から消えたスカリエッティの
面影を見通していた。
「艦長、AMF内の調査隊に攻撃を仕掛ける複数の魔力反応が……所属艦船の推進システム、
及びアルカンシェル砲台を破壊しています!」
「何だって? 一体何者だ……」
スカリエッティに入れ替わり、地上からルーテシアとキャロの姿が浮かび上がった通信
画面を通して映写される。
『ハラオウン艦長、後はガリューと地雷王、白天王に任せて、クラウディアはガジェット
の機動操作に集中してください。召喚魔法の魔力生体なので、援護の心配は必要ありません』
『ヴォルテールも頑張ってくれています。あの子達を信じてあげてください!』
「君達……」
幼い二名の召喚魔導師の勇気に、クロノ達クラウディア搭乗員各員は敬礼で彼女達を信
頼する想いを示した。
クロノは本局からの転送時より装着している漆黒を基調としたバリアジャケットの体格を、
艦載転送魔法の作動位置まで移動させる。
「行くのねクロノ?」
後ろから投げかけられた妻の声に、夫は凛々しい顔付きで振り返る。
「あぁ。僕にはまだやらなきゃいけない事が残っている。……フィニーノ一等陸士、例の
システムの最終調整、完了しているな?」
『えぇ、もう神経研ぎ澄ませまくってクタクタですよ。早くデバイスをこちらまで受け取
りに来てください』
「ご苦労だった。今すぐ向かう。……最後の切り札を、何としてもなのは達に届けてやら
ないとな」
先遣部隊の艦船から繋がれるシャリオ自身の通信画面の横で、クロノが到着直後に要請
していたデバイスの新機能の詳細が表示されている。ゲマトリアサポートシステム、リン
カーコアコネクトシステムに並べられるもう一つの次世代型高性能デバイス機能は、数字や各項目の羅列の最上部に大きな文字で『Device Unison System』とその名を表示していた。
転送魔法の光がクロノの姿を包み込んでいく。エイミィは、その様を頑なな瞳で見守っ
ていた。
「エイミィ」
「ん?」
クロノが待機中の艦船に消える瞬間、愛する妻に向けて口を開いた。
「帰ったら長い休みを貰おうと思ってる。いい季節だし、家族で海にでも行かないか」
一瞬拍子抜けした様に眼を瞠ったエイミィは、すぐに婀娜らしい快活な笑顔を見せた。
「約束破ったら一週間口利いてやらないわよ」
エイミィの何時も通りの反応に安心した微笑みを返し、クロノはその場から光の中へと
消え去っていった。
艦長を欠いたブリッジで、エイミィはもう少しだけ固定した視線の先にクロノの気配の
残滓を感じていた。
「頑張れ、お父さん」
90 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:12:55 ID:JdZhTnt8
/
ゆりかごはまだ大気圏内に位置しているが、それも時間の問題だった。宇宙空間へと到
達してしまえば、生身の魔導師は干渉すら不可能になってしまう。
スターズ分隊、ライトニング分隊、ユーノ、ヴィヴィオは動力炉を撃ち抜く為に絶好な
地点で敵を迎撃しながら、アースラからの連絡を待ち侘びていた。ユーノが転送魔法で彼
女達をゆりかご内部へ送り出そうと試みるが、縦横無尽に襲い来る古代ベルカ騎士の対応
に手間取り、魔法の詠唱を中断させられてしまう。
(何とかならねぇのかよ! このままじゃ消耗戦だぜ!)
ヴィータが焦りの声で叫び、騎士の一撃を難無く弾く。微かな鎧の傷を、シャマルが即
座に修復した。
(落ち着いてヴィータちゃん、アースラだって一生懸命なんです!)
(諦めるな! ここまで来て屈してなるものか!)
シグナムが万能型決戦アームドデバイスの剣圧を強力な射撃魔法として発生させ、一度
に数十の騎士を駆逐する。
(主が待っているのだ……決して負けるわけにはいかん!)
(皆さん、きっと突破口は見つかります! だから──)
リインフォースUの声を遮り、その成熟した騎士の身体が、反発する様に五人の存在へ
と分裂する。限界を超えた融合が強制解除に見舞われ、騎士達は焦燥と苛立ちに表情を
険しくした。
「皆っ……早くもう一度同時ユニゾンを!」
はやてが声を荒げ、大気を貫いて接近してきた鉄球型アームドデバイスを魔杖で振り弾く。
リインフォースUは蒼天の書を抱えながらユニゾンシステムの作動を己に命じるが、その
念は虚しく空回りするだけだった。
「駄目です、システムが休止して呼びかけに応じてくれません」
「だったら一人一人で戦うだけだ! こんな奴等、あたしだけで蹴散らしてやらぁ!」
グラーフアイゼンで果敢に敵陣へ突進するヴィータだが、衰弱した身では思う様に調子
が出せない。隙を突かれた危機をシグナムの一太刀で救われ、はやて達の近くへと舞い戻
っていく。
「畜生、これまでなのかよ!」
「いいや、君達はこれからだ!」
上空の敵陣を消滅の嵐に変えながら、クロノが改良型のデュランダルをその手に戦場へ
と降り立った。
「お兄ちゃん?」
『クロノ、何か秘策があるのね?』
リンディも、息子の前線への登場に期待を含めた顔で通信を再開した。
「えぇ。皆、待たせて済まないな」
ギンガ達援護部隊に敵の進撃を任せ、クロノはなのはとレイジングハートの前へ移動する。
「クロノ君」
「レイジングハート、お前にデバイスユニゾンシステムを託す。いけるな?」
『Try it.』
クロノがデュランダルをレイジングハートの赤い輝きに接触させ、直接システムの転送
を開始する。程無く作業は完了し、クロノはエース・オブ・エースの正面から僅かに退いた。
「さぁ、なのは。皆のデバイスをレイジングハートに結合させるんだ。皆の力が一つにな
れば、きっとあの結界魔法も打ち破れる!」
91 :
81:2007/10/09(火) 18:13:12 ID:LxjnTHyF
thx、とりあえず突っ走る
wikiによると、使い魔→主人の精神リンクは弱くて、主人→使い魔の精神リンクは強いそうな
使い魔は主人の精神状況に敏感だが、その逆は鋭敏ではないというのが公式設定っぽい
とはいえ、はやてはザフィーラが落ちた瞬間を感じ取ってたし、リンクがある以上逆流現象はあり・・・だよな?
エロくできるならそれが良いよな?な?
92 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:13:52 ID:JdZhTnt8
「クロノ君……うん!」
なのははレイジングハートを胸元に抱えてクロノの想いに感動すると、すぐに彼から与
えられた最終手段を起動させる。
「皆、わたしの近くに集まって!」『Device Unison System,Set up!』
なのはとレイジングハートの声に、それぞれの仲間が応えた。
「レイジングハート、バルディッシュをお願い!」
フェイトが叫び、バルディッシュはシステム作動を受けて眩しい光を放ちながら、レイ
ジングハートの中へと取り込まれていった。
「私の分も受け取って!」
「お前も行って来い、アイゼン!」
はやてのシュベルトクロイツ、夜天の書、ヴィータのグラーフアイゼン、そしてレヴァ
ンティン、クラールヴィントも同様にレイジングハートへと結集していく。
「リインもです! 皆さんのお手伝いをするです!」
蒼天の書と一つに溶け合いながら、小さな妖精はなのはが構えるレイジングハートでそ
の身をシステム全体の管制支援機能に変える。
「よーし、マッハキャリバー、リボルバーナックル、行っけぇぇぇぇぇ!」
「クロスミラージュ! あたしの相棒ならいいトコ見せなさいよ!」
スバルが四肢を撓めて姿勢を正すと、手足のデバイスをレイジングハートへと射出させる。
その横でティアナが、二丁の白い銃器デバイスをなのはへと全力で投げ飛ばした。
「ストラーダ!」
エリオのデバイスも、少年の手から離れて成すべき使命の為に光となった。
その足許で、エリオとキャロはフリードリヒから漏れ出る光に戸惑いを浮かべる。
「フリード、貴方も皆と一つになりたいの……?」
キャロの問いに答える咆哮を上げ、フリードリヒは更に全身の発光を強める。
『OK.Come on,Friedrich.』
機動六課のデバイスと共に、一度分解して究極の姿へと進化を遂げるレイジングハート
の呼びかけを受け、フリードリヒはその中に飛び立っていく。足場を失って落下を始めた
二人の若者を、フェイトがすぐさま両腕に抱えた。
「わたしだけじゃ扱えない……皆っ!」
足許に広域魔方陣を展開するなのはの腕から伸びる、デバイスユニゾンシステムを完遂
させたレイジングハートは、一人の人間が運用出来る規模を超脱した巨大砲台となって現
出した。
フェイト、はやて、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、スバル、ティアナ、
エリオ、キャロがなのはのもとに集い、それぞれの持ち場についてレイジングハートを支
える。その手に持つ引き金から、確かに自分達の相棒の意志が伝わってきた。
『Energy charge...50%...55%...60%...』
レイジングハートは機械的に必殺の一撃の為の発動段階を開始した。
なのは達の前方でその様子を眺めていたユーノの傍へ、クロノが近寄る。
「きっと大丈夫、あれでゆりかごは破壊出来る」
「あぁ……。ユーノ!」
93 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:14:34 ID:JdZhTnt8
自身の背後、なのは達がレイジングハートの照準を向ける先に突如感じた気配に、クロ
ノが俊敏に身体を反転させる。ユーノもクロノに続き、ゆりかごの変化に緊張を高める。
レイジングハート以上の全長の砲身が、結界魔法の境界面で古代ベルカ式の魔方陣に支
えられながら出現していた。
『クロノ、ユーノ君! ゆりかごの主砲が……なのはさん達がロックオンされているわ!』
「馬鹿な、やはり本体の迎撃システムは稼動していたのか!」
反射的にデュランダルを構え、クロノは無謀な防衛へと躍り出た。
ユーノもクロノに並んで全力全開のシールドを形成する。
「ユーノ、クロノ君、無茶だよ!」
「やってみるさ! ここでなのは達が撃たれるわけにはいかない!」
ユーノの声は主砲の発射でかき消され、空を染める光の奔流はユーノとクロノの複合シ
ールドへと激突する。二秒ともたず、二人の魔方陣の輝きは多数の亀裂を生じさせた。
「ユーノ、お兄ちゃん!」
「僕達の事は気にするな! 皆、はっ……レイジングハートに意識を集中させるんだ!
この程度の砲撃、僕とユーノで防ぎ、切ってっ……やるっ……!」
『ユーノ! あんたの転送魔法で主砲をクラウディアのアルカンシェル射線上へ飛ばして!』
途轍もない砲圧に辛うじて耐えるユーノと夫の横で、エイミィが通信画面を開く。
「わかっ、て、ます、よ! でも……そうしたら、クロノがっ……!」
『馬鹿! 今ここで、なのはを射止めるくらいの甲斐性見せないでどうすんのよ! 男な
ら意地見せなさい! 早くっ!』
防壁魔法の魔方陣の外縁が欠け散る。エイミィの激励に応えたいのは山々だが、それを
尚も迸る魔力の波濤が阻んでくる。
「僕の事は、気にっ、する、な! やるんだ、ユーノ!」
「わたしが代わるよ!」
敵の包囲網を突破したヴィヴィオが、ユーノの身体を押し飛ばす。そしてクロノの横で
虹色の華麗な障壁を拡大させた。
「なのはママはわたしを助けてくれた……わたしに一杯幸せな事を教えてくれた……だか
ら今度はわたしの番! わたしがなのはママを、皆を助けるんだ!」
『ユーノ!』
エイミィの再三の要求を、ユーノは既に行動に移していた。身体に残る全魔力を注ぎ込み、
広域の強制転送魔法をゆりかご主砲へと向けていた。
「エイミィさん、お願いします!」
ユーノの魔方陣が主砲の周囲で乱舞し、瞬時に指定した座標へと転送する。
数秒後、巨大砲台はクラウディアが展開したアルカンシェル砲身の前方へと強制転送を
完了する。エイミィ達の迅速な操作によって、クラウディアの先端に環状魔方陣が拡張さ
れていく。
『いけるわよ、艦長!』
「よくやってくれた、エイミィ!」
エイミィに決然と首肯したクロノは移動し、砲撃の防御から脱して始動キーの準備を整
えていた。ヴィヴィオとユーノも、なのは達の攻撃の邪魔にならないようその場から飛び退く。
「ファイアリングロックシステム、オープン……! クラウディア、調査隊はアルカンシ
ェル命中の衝撃波対策を! ──アルカンシェル、発射っ!」
クロノが管制機構に差し込んだ始動キーを回し、次元世界屈指の魔導砲の発射を促した。
空高く、大気層を突き抜けた先で微かな光の筋が横切る。
94 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:15:21 ID:JdZhTnt8
直後、クラウディアから主砲撃破の報告が全ての隊員に渡された。
「後は頼んだぞ! ストライカーズ!」
「なのはママ、フェイトママ、皆、頑張れーっ!」
クロノはユーノ、ヴィヴィオと共になのは達へとデバイスを向ける古代ベルカ騎士達に
デュランダルを振り被る。
『Energy charge 100%!』
レイジングハートがカイゼル・ファルベとは異質の激しい極光魔力を放つ。レイジング
ハートの一撃の引き金を担う十一人のストライカーも、その光の中に包まれていく。
「なのは! 何時でもいいよ!」フェイトがバルディッシュ型のトリガーを強く握る。
「これで終わりにするんや……そうやろ、なのはちゃん!」はやてが叫んだ。
「高町なのは──私もお前と共に駆け抜けるぞ!」シグナムが、
「遠慮なんか要らねぇ! ぶちかましてやろうぜ、なのは!」ヴィータが、
「突き抜けてください! 私も精一杯貴方を支えますから、なのはちゃん!」シャマルも、
「今こそ我々の手で決着をつける時だ……!」ザフィーラが声を重ねる。
「あたしは信じる……なのはさんを、あたし自身をっ!」スバルが叫び、
「あんな奴に負けてらんないのよ! 叶えたい夢があるんだから!」ティアナが続く。
「一人じゃ不可能な事だって、皆と一緒なら成し遂げられる! だから僕は諦めない!
そうですよね、なのはさん!」
「わたしの全て、今は貴方に捧げます! なのはさん!」エリオとキャロが紡いだ。
仲間達の想いを受け、なのはは更に魔力の充填を加速させる。なのはが光に満ちた視界
で上を見上げた先には、何時でも自分を心から支えてくれた相手が長髪を靡かせながら自
分を見守っていた。
「今だ、なのは!」
「ユーノ! ──同時に行くよ、皆! レイジングハート・ストライカーズモード!」
レイジングハートが、そして一つに繋がったデバイス達が、無限に増幅していく魔力で
マスターの決意と共鳴する。
「ストライカァー──」
ウイングロード型の照準レーザーが、ゆりかごの動力炉部へと彼等を繋ぎ止めた。
『バスタァァァァァァ!』
十一人の輝きが、ゆりかごの一点へと、周囲の古代ベルカ騎士を薙ぎ倒しながら突進した。
不可侵級の結界魔法を、重厚な外壁装甲を、動力炉を、その光の一撃が撃ち貫いた。限
界近くまで集束された魔力の巨刃は、アルカンシェルを凌駕する出力を局所的に発揮し、空
に虹の翼を描いた。
『やった!』
リンディの声に続き、ゆりかごが様々な機能を停止させて降下を始めた報告が届けられた。
活動限界間際の高度上空で停止したなのは達の前に、デバイスユニゾンシステムを停止
して元の姿へと戻っていくデバイスや使役竜が形状を復元させる。
「主!」
ザフィーラが残る力を振り絞り、結界が消滅したゆりかごへと急行する。
「私達も、行かなあかんやろ?」
はやてがシグナム、ヴィータ、シャマルに振り向く。三人とも、揃って頷いた。
「そんなわけやから、行ってくるな。大丈夫、早く終わらせて帰るから。皆は待っといて」
「うん。わたし達はまだ活動している騎士の掃討に移るよ」
なのは達は、最後の使命を成す為にゆりかご内への複製夜天の書を目指して飛び立つは
やてと守護騎士達を見送った。
彼女達の願いを守り抜く為、それぞれの魔導師は再びデバイスを手に大空を羽ばたいた。
95 :
騎士よ眠れ:2007/10/09(火) 18:16:25 ID:JdZhTnt8
あと一回、エピローグが続きます
GJでした!次で最後ですかー。楽しみにしてます
そして割り込み失礼しました・・・猛省しつつ頭冷やしに行ってきます
やべぇ、なんかクロノに死亡フラグがw
ゲボ子が死ななかったなのは世界なら大丈夫さ
>>95 GJ
クロノがもずくになるSSを読みたいと思ったのはここだけの話
>>95 何か、クロノの主張がテロリストのそれに聞こえるのは…まぁいいか
スパロボ的展開には勢いと熱さだけで十分だぜ!!
エピローグ期待してます
>>95 GJ!!!!!
ちゃんと管理局の運営に疑問を抱いていたクロノがかっこよかった!
2レスで終わる小ネタのつもりが少しだけ伸びちゃった
計画的我慢
103 :
我慢:2007/10/09(火) 20:05:03 ID:cj6FHKqT
「ユーノくん、ダメだよ…こんなとこ、んっ…」
狭い部屋で、ユーノに後ろから抱きしめられ、抵抗の声を上げようとしたなのはだったが、
首筋をペロリと舐められ、体を震わせた。
「なのは、僕、我慢出来ないよ…」
その言葉を具現化するようにユーノの息子は、熱い血を集め、堅くなり、自己主張を始め、な
のはのお尻をグイグイと押していた。
「ひゃんっ」
次は、耳たぶをなぶるように、舐められ、再び体を震わせた。
「こんなところでダメだよ…」
震えた声を出すなのはとそのなのはの耳たぶを、舌で遊ぶユーノを見ているのは、中に水を
宿した白い陶器で出来た、そう、便器のみ。
ここは、トイレである。
「ユー…ノく…んん」
腹部にあったユーノの手が上に伸びていき、服の上からなのはの胸を揉む。
初めは抵抗をしていたなのはだったが、最近、随分とご無沙汰だった為、次第に力が抜けて
いき、ユーノが与える快感に身を委ねていく。
なのはの服のボタンを必要最低限だけ開き、ユーノは手を中に滑らせる。
ブラジャーをずらして、なのはの胸を好き勝手、形を変えていく。
「だ…め…ひゃう!」
なのはの頂点を抓ったユーノの怒張は、自分が包まれる時は、今か今かと待ち侘びている。
そんな息子の為、なのはを準備させようと、下へ手を向ける。
コンコン
なのはの下着に手を滑り込ませようとした時、扉がノックされる。
「ママ?パパ?」
「ヴィ、ヴィヴィオ!?」
聞こえてきた寝室で寝ているはずの可愛い娘の声に、2人の動きは止まる。
「どうしたのー?」
まだ眠いのだろう。
やや口篭った声で話し掛けてくる。
「ゆ、ユーノの君が、き、気分悪いみたいで…ね、それで」
2人揃ってトイレに篭るという怪しい行動を、なんとか言い訳する。
「パパ、大丈夫?」
そんな2人の心情も知らず、純粋に心配する声を出して、ドアを開けようとするヴィヴィオ。
だが、鍵が掛かっている為、ガチャガチャと鳴るだけで開こうとしない。
股間の膨らみを隠すように、言い訳が嘘だとバレないように、ユーノが膝をついてしゃがむ
のを確認して、なのはは、鍵を開けた。
マッキャリとリボルバーを分けてたり、
フリードをデバイスやヴォルケンみたいな擬似生命か何かと同じように描いてるのは
素なのか意図したものなのか解らんけど正直微妙
105 :
我慢:2007/10/09(火) 20:06:42 ID:cj6FHKqT
「パパー」
開いた扉から飛び込み、ユーノの元へ向かう。
「大丈夫?」
「あ、うん…ヴィヴィオが来てくれたから、大分楽になったよ」
心配そうだったヴィヴィオの顔が、ユーノの言葉で安堵の顔に変わったのに、軽く罪悪感が
芽生えながらも、息子が目立たないくらいにまで、沈静化したのを確認して、立ち上がる。
「じゃあ、戻ろうか」
なのはは、手を取り歩こうとするが、ヴィヴィオは、何か気付き、首を傾げて、なのはを見
る。
「ママ、ボタン開いてるよ」
そう言われ、バッと手を胸に寄せる。
ユーノが外したボタンを止めようとするが、焦りでなかなか止められない。
その様子にヴィヴィオが、怪訝そうな顔をする。
「ほ、ほら、戻ろう」
なんとか止めたなのはが、再び、ヴィヴィオの手を引く。
ブラジャーは、ズレたままだが、そんなの気にせず、3人で寝室に向かった。
「どうしたの?なんか疲れてるみたいだけど」
朝から何度も溜息をついているユーノにアルフが問い掛ける。
元気が無いように見えるが、仕事はいつも通り優秀にこなすので、実際には、どうか分から
ない。
「いや、疲れてるっていうか、元気が有り余っているっていうか…」
今なら幼女なアルフに抱き着かれただけで、燃え上がれ〜ガン○ム〜、になってしまいそう
である。
もう1ヵ月は、契りを交わしていない。
ヴィヴィオが起きている昼は、勿論、夜中になのはを誘ったり、押し倒したりしても、まる
で監視しているかのように、ヴィヴィオがどんぴしゃのタイミングでやってくる。
このままでは、たまに部下が誘ってくるおっぱいパブやヘルスに行ってしまいそうである。
そんなことを考えながら、ユーノは、また溜息をついた。
「フェイトちゃん」
溜まっているのは、なのはも同じこと。
休憩時間、こっそりと持ってきたユーノの下着で、自分を慰めたこともあった。
こうなったら、とフェイトに話し掛ける。
「ちょっとヴィヴィオを預かって欲しいんだ」
エッチがしたいからとは、当然言えるはずがない。
「え?うん、別に構わないよ。2人で食事にでも行くの?」
快く引き受けてくれそうに親友に笑みを浮かべる。
106 :
我慢:2007/10/09(火) 20:08:15 ID:cj6FHKqT
「うん、たまには2人で外食でもしようなって」
出任せでなんとか任せようとするなのは。
だが、未だに年齢=彼氏いない歴なフェイトさんは、甘くなかった。
「そういうことならいいよ。…最近、エッチ出来なくて溜まってるから、ヴィヴィオを私に
預けて、その間にそういうことをしようなんて思ってるのなら、断っちゃうけどね」
全てを見透かしたようなフェイトの鋭い視線が、なのはに刺さる。
「で、いつがいい?」
「え、あ、いや、やっぱり…大丈夫…」
なのはは、そう返すしか出来なかった。
「えっと…管理局黎明期の頃の小説…か」
ムラムラをなんとか抑え、仕事を続けるユーノの前に転がってきたのは、奥から掘り返され
た一冊の本。
適当にペラペラとめくっていく。
『男は、緑の目を光らせて、女の小さくも大きくもない乳房を揉んでいく。「ん、ぁん、ユ
ートくん…」女は、息も絶え絶えに、茶色の髪を揺らしている。「なのか、気持ちいい?」』
「…なんだよ、これは!」
幼稚で稚拙な文章の官能小説だったが、どこかで見たような、どこかで聞いたような人物の
描写にユーノの息子には、気合いが溢れてきた。
思わず自分の鞄を持って、トイレに駆け込もうとしたユーノは、時計を見て、動きを止めた。
「このへんがキリがいいかな」
全くキリが良くないのに、と司書長達は、首を傾げる。
「ちょっと早いけど、お昼にしようか」
そう言うと、疑いの目を向ける司書達を無視して、無限書庫を発った。
「うぅ…この人…」
通常の任務中、近くで裏取引が行われているとの報告を受け、その場に向かい、
容疑者を確保したなのはは、その取引の品物をチェックしていた。
「ユーノくん…何か…似てる…」
その品物とは、アダルト製品であった。
モザイクの無い卑猥なビデオに明らかに盗撮と思われるビデオ、まだ小学生くらいの子供の
裸が載っている本、男性の形をした電動で動く物体、怪しげな臭いの漂う薬。
そんなブツの中でなのはは、1つのビデオをチェックしているのだった。
そこに映る男性が、顔自体は似てないのに緑の目や眼鏡、結んだ髪などユーノのような雰囲
気を持っていた。
107 :
我慢:2007/10/09(火) 20:09:50 ID:cj6FHKqT
「うぅ…ちょ…ちょっと、席外すね…」
体が疼き出したなのはは、他の物をチェックしている者達にそう告げ、部屋を出ていった。
「面会ですか?」
受付の人間は、突如の大物の来訪に目をパチクリとさせていた。
「はい、機動六課のほ…」
キュピーン
「え、あの…」
少し目を離した隙に、受付の目からユーノは消えていた。
「ん…はぁん」
シャワー室から何か声が漏れてくる。
「あん…ユーノくん…ぁん」
乱れた制服の隙間から手を入れ、自分の体を漁る。
「なのは」
「ぁん…ユーノくぅん…」
何度も聞いた愛しい人が自分を呼ぶ声に体の熱が増す。
「へ?」
頭の中で自動で流れたのかと思いかや、その声は、確かに扉の外から聞こえていた。
「なのは、開けてもらっていい?」
優しい声が聞こえてくるが、なのはは冷や汗を流す。
「ゆ、ユーノくん!?」
「服を脱いでないみたいだけど、何してたの?」
全てを知っていて、知らないふりをするいやらしいユーノの声。
「開けるよ」
小さな魔力が扉を通り抜け、鍵を開けた。
開かれた扉の先の着衣の乱れたなのはに、ユーノは興奮した。
「ユーはむぅ」
なのはが言葉を発する前に、ユーノが唇を塞ぐ。
すぐに舌を捩込み、なのはの口内を蹂躙していく。
先程までの熱とユーノが新しく与える熱で頭の中が、白く染まっていく。
「もう準備、出来てるみたいだね」
唇を離したユーノが、なのはの股の間に指を滑り込ませると、確かな湿り気が伝わる。
「ダメだよ…あぁん」
抵抗しようとするなのはの中に指を入れ、その言葉を遮る。
「もうお昼休みだよ、時間無いけど、僕多分、すぐにイッちゃうから…」
「ひゃぁん、私も…すぐにイキそ…ぁん…ちょうだい…あぁぁん、ユーノくんの…ちょうらい」
激しく出し入れするユーノの指に負け、なのはは、自ら懇願を始める。
その言葉を満足気に聞いたユーノは、ズボンを降ろす。
解き放たれる時を待っていたそれは、猛猛しく天を剥いていた。
コンドームを装着し、後ろを向いたなのはに覆いかぶさった。
「あ、あわわわわわわわ…」
1時間も無い間に3回の射精をしたユーノは、コンドームを捨てる為、結んでいた。
108 :
我慢:2007/10/09(火) 20:10:43 ID:cj6FHKqT
抜かないまま、行った為、かなりの量が溜まっていたコンドームだったが、その先端から、
僅かだが、確実にプスプスとという空気の音とともに、精子が泡となって漏れていた。
「き、きき、今日は、確か危険日…」
ユーノは真っ白になって白目を向いて倒れた。
「これでね、妹か弟が出来るの!」
シャワー室の前でヴィヴィオが、持っている紐に繋がれたザフィーラに話し掛ける。
「たーくさん、我慢させてね、溜めさせてね、穴を開けるの!!」
ニヤリと笑うヴィヴィオにザフィーラは、震え上がった。
悪魔の子
可愛くたって
悪魔だな
ザフィーラ
まぁ、妊娠してしまいましたってことで終わるか
>>99 もずくってw
ああ、おまいさんはクロノを食べたいんですねw
>>109 ヴィヴィ…
限界まで我慢させてとか、どっからそんな知識を得るんだよw
ワロタGJ
>>109 GJ!そしてすまん。割り込んだ。
ボキャ天の
「ゴームにー穴ーを仕込みまーしょー」
ってネタ思い出しちゃったよw
全て計画通りか
なんという性王ヴィヴィオ……
最近このスレで見かけるヴィヴィオからは悪しきオーラを感じるなw
>>114 そらハイパー化もするわけだわ。
しかしヴィヴィオの知識はどこから……というか、誰の入れ知恵だ?w
おっと、
>>109氏GJ!
>>84 なのちゃんとクロくんのラブラブっぷりにビビるんだな
何という性王ヴィヴィオ
>>109 ちょw
なんという長期的策略!
さすが聖王www
で、一瞬の気絶から目覚めたユーノはこう言うわけだな?
「もう出来ちゃうんなら、リミッター解除で、全力全開で膣内射精していいってことだよね?」
「やああぁ、ユーノ君の、さっきよいりずっと太くて大きい!!」
>100
所詮、身内を守りたいというだけの理由で喚いてる後付けの理屈だからな。
大きな視点が欠落してるのはしょうがないよ。
エリオとキャロがエリオの家にいるところにルーテシア登場。
ルーテシアブチ切れキャロが「ルーちゃんこそ裏切った。」
と反撃。エリオはキャロ寄りになりの前でキス開始。ルーテシア逃亡。
↓
エリオ、ルーテシアにキャロがいい病院知ってるからそこでおろせよとメール。
↓
ルーテシア、エリオに仕事後会いたいとメールで連絡。
↓
エリオは動揺。家でルーテシアと会う。エリオがちょっと離れた隙にメールが来る。
ルーテシアからのメール。「さようなら。」 エリオの家でルーテシアがエリオを包丁で殺す。
↓
キャロ、エリオの家でエリオの死体を見つける。
↓
キャロ、エリオの携帯でルーテシアを本局の屋上に呼び出す。
↓
ルーテシアにエリオの首を見せさせる。ルーテシア動揺。
↓
ルーテシア対キャロ一騎打ち。キャロがルーテシアを殺す。
↓
キャロ、ルーテシアの腹を割く。「子供なんかいないじゃない(笑)」
↓
キャロ、エリオの生首とnice boatで海へ
>>109 GJ。なんという黒ヴィヴィオw
てか、ザフィーラに紐ってあーたw
>>120 なにそのスクデイ
どうせならPCの飛び降りENDにしなさい
>120
キャラスレか本スレあたりで既出杉
秋田
>>121 きっとヴィヴィオがザフィがはなれないように紐つけたんだよ。
あれ!?
そうなるとヴィヴィオとザフィがズッコンバッコン♥
って事になるのかな?
>>120 なんという……
>>125 なんと恐ろしいことを
緑の鎖と結界・金のイカヅチと大剣・桃色の砲撃で
3人掛りで『ザフィーラ・・・ちょっと、頭冷やそうか』されちゃうぞgkbl
バター狼
バター狼?
らめぇぇえ!
ショタザフィーラじゃなきゃらめぇぇえ!!
ヴィヴィオ×ショタフィーラ・・・
これね!
ちがうよぉ、ショタフィーラ×エリオだよね、アリサちゃん♪
一部分だけ成年サイズ
「らめえぇぇぇ!ヴィヴィ壊れちゃうぅぅぅ!!!」
馬鹿野郎!! ヴィヴィオもユーノの嫁なんだから、変な妄想するな!!
あれ?
133 :
81:2007/10/09(火) 23:31:19 ID:LxjnTHyF
馬鹿野郎!普通にザフィーラ×アルフを書いているのに、この流れ、どうしてくれる!
良いぞ!もっとやれ!!
・・・あれ?
ザフィーはヴィヴィオ絡みならバカ親してたほうが和むと思うのさ。
『ヴィヴィオがしつれんした』
「し、失恋だなんて我は許さないぞ」
「ザフィーラ落ち着いて」
「ヴィヴィオはあしふといな!」
135 :
kogane:2007/10/10(水) 00:16:14 ID:DfFuJwsl
投下させていただきます
『永遠に消えぬもの、その名は』 最終回です。
・エロ無し
・なのはが飛ぶ事が出来なくなった設定
10レスほど
136 :
kogane:2007/10/10(水) 00:16:46 ID:DfFuJwsl
私は忘れない。
初めて空を飛んだ日のことを。
一人で飛べる事が出来なくなった日のことを。
そして、二人でなら。
何時までも、何処まででも、飛ぶ事が出来ることを知った日を。
『永遠に消えぬもの、その名は』
第6話 Home,Sweet Home ― あなたの帰る場所 ―
不思議な場所だった。
ここは見慣れた、海鳴の臨海公園。普段なら、平日の夕暮れ時でも、ちらほらと人が居た。
けれど今はユーノとなのは、二人だけしか居なかった。
まるで、お膳立てされたようだった。
永遠の別れの挨拶を。
「――ちょっとぶりだね、ユーノ君」
夕陽に照らされて、風に舞う彼女のサイドテールを、ただ綺麗だと思った。
その想いは、決して、言葉にしてはいけない。
「そう、だね。忙しくて、こっちになかなか来れなかったから」
その思いも、閉ざしたまま、行かなくてはならないけれど。
悲しそうで、困ったようで、それでも、なのはは自分に笑いかけてくれていた。
それがユーノには何より辛かった。
彼女にこんな表情をさせる事が悔しかった、悲しかった、情けなかった。
先ほどのフェイト達の態度から直ぐに推察できた。
彼女は、全て分かってしまったのだ。
自分がここから居なくなる事を。
もう二度と会うことも無い事を。
今日が二人の最後の会話になる事を。
「んー、寂しかったんだよ? 今度からは連絡欲しいな」
その今度は、もう。
「ん、今度からは、ちゃんと」
彼女は微笑んだまま、目を伏せた。
痛みをこらえるように。
「やっぱり、下手だよね。ちょっと安心したかも」
「下手って……なにが?」
答を知っていながら聞くことは、なんてバカらしい事だろう。
「ユーノ君が、嘘、つくの」
言葉を交わすごとに彼女を傷つける自分自身が憎かった。
「僕が、なのはに嘘を――」
「うん」
それでも、彼女は笑っていた。ユーノに心配をかけたくなくて。
また、『それ』が嘲いだした。
――そんな事まで解っているのに、お前はこんな事しか出来ないのか。
ああ、そうだよ。
だから、いつものように、普段の通りに、この心を閉ざしてしまえばいい。
記憶も、思い出も、この想い全てを。
137 :
kogane:2007/10/10(水) 00:17:30 ID:DfFuJwsl
「そんなの、いつ? 連絡ならちゃんと、帰ってきたら必ず」
風が吹いて、自分の戯言を消し去っていく。
代わりに紡がれるのは、海と空の交わる彼方を見つめて語られる、彼女の思い。
「最初に気づいたのはね、リハビリの時……かな」
それはきっとユーノ自身、気づいていた事。
「ずっと傍で励ましてくれて、嬉しかったよ」
なのはの、ずっと、傍に居るのが当たり前すぎた人への、ユーノへの心からの思い。
「辛かったし、嫌だったし、投げ出したくなった事、何度もあった」
過酷――それ以外の何物でもなかったリハビリの日々。
「でもね、皆が――ユーノ君がずっと居てくれたから、大丈夫だったんだ」
だが、激痛の中、少しずつ前に進むたび、家族も友人も喜んでくれた。
もちろん、ユーノだって。
そして、何よりも自分自身が。
「……退院できた日にね、皆が祝ってくれて、その時、囲まれちゃって」
喜びと幸せに満ちた輪の中に、彼が居なかった。
「それでね、私、ユーノ君にお礼言いたくて、探したの」
気づいたのはその時。少し離れた場所いた、彼。
「ユーノ君、笑ってたのに、笑ってない。そんな風に感じたんだ」
自分を優しく――寂しそうに見ていた彼の顔。
「なんて言えばいいのか、ちょっと解らないけど……でも、辛そうに見えた。
あの時の事全部、自分の責任みたいに感じてるようだったんだ」
全く――その通りだった。
本当に辛いのは彼女だったのに。
悪いのは自分なのに、救いを求めるなんて、愚かにも程があるというのに。
「ユーノ君は悪くなんて無いのに」
その言葉が、一番の間違いだというのに。
ユーノが答える。
ありったけの、自分にとっての真実を込めて。
「……違うよ」
138 :
kogane:2007/10/10(水) 00:18:25 ID:DfFuJwsl
なのはの表情が不安に満ちていた。もう、彼女にこんな顔をさせるは、厭だ。
だから伝えよう。せめて嫌ってくれるように。
「僕らと、フェイトやクロノやはやて達……みんなで模擬戦やった日の事、覚えてる?」
「……忘れるわけ無いよ」
「あの日、無限書庫で君が言ってくれた言葉も?」
言葉は無く、ただ、彼女は頷いた。
「僕と会えて良かったって言ってくれた時、本当に嬉しかった。こんな、
こんな月並みな言葉でしか言えないくらい、本当に、純粋に嬉しかったんだ」
そして二人は思い出す――あの出会いから始まった日々を。
今も、これからも色あせぬ美しい想い出。
なのはがこれから、消して消えぬように心に残していく、あの日々。
「そうだよ……私はユーノ君に逢えて――」
ユーノがこれから、電子記録のように簡単に捨てていく、あの日々。
「でも、君にあんな事が遭った時、思った」
永遠に残り続ける悔恨と懊悩の日々。永劫の罪を背負った日。巻き戻ることのない時間への憎悪。
怪我、重体、破壊、喪失、苦痛。
その全てが、彼女に降りかかった。
――出会わなければ良かった。
「君が――飛ぶ事を知らないままの方が良い。そう思った」
思考の中で浮かんだ事の中で最悪のもの。そしてそれはユーノの心に残り続けた。
彼女が堕ちた場所に降る雪のように。
「絶対に、そんなはずないのに。なのはが空を飛んだ日から始まって、
君はフェイトやクロノやはやて達と出会えたのに、僕はそれすら否定していたんだ」
風は止んでいた。
鳥も蝶も、飛べぬよう、舞えぬよう、鎖で地面に繋ぐかのように。
なのはの顔が俯く。
彼女自身、何とかしようとしているのに、どうにもならない。
あの足の動かない絶望感に支配されたように。
「……また君が歩けるようになって本当に嬉しいよ」
「……皆と、ユーノ君が居たからだよ?」
「うん」
あまりに短い返答だった。
いくら言葉を使って、使って、使い続けても、それでもまだ足りない。
幾夜でも幾日でも、二人なら――自分とユーノなら語り合える。なのははそう思っていた。
なのに。
「僕は、君がまた歩ける為に生きていたようなものだったから」
「……私の、為に?」
寝食を忘れ、自らを省みる事など全く忘れて、ユーノはなのはの為にだけ、生きていた。
「うん、だから、僕はもういいんだ」
自己の果たすべき勤めも、全て終えた。
「無限書庫も、もう心配ないんだ。僕が居なくなっても、アルフや他の司書が確り運用できるようにしたんだよ」
だから後は。
たった一つ、もう解りきった嘘をつくだけ。
「これで当分は遺跡発掘に専念できるよ、次に会えるは――ちょっと解らないけど」
それを聞いて、なのははやっと顔を上げることと――。
ユーノの頬を、叩く事が出来た。
139 :
kogane:2007/10/10(水) 00:20:03 ID:DfFuJwsl
「……これだけは、答えて」
余りに鈍い音と同じくらい、暗く、か細い彼女の問い。
「明日から――何処へ行くの?」
頬をさする事もなく、ユーノは答える。
「遠い、所だよ」
風が、少しだけ吹いた。
「嫌だよ……」
空を知らない雨は――なのはの目から零れた涙。
ずっと抱えていた不安が形になったように、涙は彼女の悲しみそのものだった。
「そんなの嫌だよ!!」
二人は見つめ合っていた。
笑いあった日、共に戦った日、なんでもない日――過ごしてきた今までのどんな時よりも。
「どんな辛いことだって!苦しい時も、泣きたい時も!ユーノ君が傍に居てくれたから!だから!」
だから。
「何処か遠くに行ってもいい! けど、帰ってこないのはイヤだよ! 置いてかれるのは嫌!」
この叫びが、想いが届いて欲しい。いつだって彼女は、全力全開で思いを込めてきたから。
「皆も、私もこれからだって! ずっと、ずっと! 貴方に傍に居て欲しいんだよ!!」
だから、フェイトの言葉は、なのはの想いは、ユーノの決意を揺るがす。
――ユーノ、貴方となのはが出会ったから
――私たちは幸せになれたんだよ。
――だから、また明日ね。
また明日――会いたい。いや、ずっと、傍に居たい。
そう思ってしまった。
フェイトとのんびり過ごして、はやてと冗談を言い合って、守護騎士達の戦いに付き合って、
アルフに振り回されて、リンディやエイミィと呑気な話をして、クロノと悪態を吐きあって、
なのはと、ずっと一緒に居たい。
けど、そんな資格、自分には。
「けど、僕は――君に、君に消えない傷を――」
ユーノの言葉が途切れた。
なのはが、彼を抱きしめたから――もう、離さないように、強く。
「痛みはね、消えるよ」
そして紡がれた言葉は。
「どんな辛い事も、悲しい事も、それが無かったらきっと、嬉しい事も楽しい事も、どれだけ大切か忘れちゃうから」
今まで交わしたどの言葉より。
「だから、あの痛みを忘れたりしない。けど、ユーノ君とみんなが治してくれたから、もう痛くない」
なのはの想いを。
「でも、また傷ついちゃうかもしれないから、一人じゃ、立ち上がれないかもしれないから」
あの場所に降り続ける雪が閉ざした大地のような。
「その時は――」
ユーノの心に。
「私を助けて、ユーノ君」
――届けた。
溢れ出した思い出が、凍てつく心を溶かす。
「……助けるよ」
ユーノに言葉を紡がせる。
「何時だって、どんな時だって、どんな所からだって、君を助けに……」
緩やかな風が、二人を、二人だけを包んだ。
「今まで、僕は……バカ、だったね」
「うん、遅い、よ、きづく、の」
少し、彼女が言葉に詰まったのは涙のせい。
己の胸の中で震えるなのはを、ようやくユーノはその両腕で抱きしめた。
二度と離さないように、強く、優しく――。
140 :
kogane:2007/10/10(水) 00:20:42 ID:DfFuJwsl
抱擁はそれほど長くは無い時間で終わらせ、名残惜しみながら二人は近くのベンチに腰掛けた。
交わしたい言葉、伝えたい思いがあったから。
二人は先ほどまでの事を思い出し、冷静になれば、初めて互いを異性と意識して
抱きしめあったのだという事に思いつき――少々気まずい思いをした。
『御二人共、宜しいでしょうか?』
と、沈黙を破ったのはレイジングハート――二人の始まりの象徴だった。
「な、何、レジングハート?」
『――マスターは、前マスターに渡したい物が在った筈ですので。今が其の良い機会かと思い』
「あ、うん」
なのははその事を決忘れていたわけでは決してないが、タイミングに迷っていたのは確かだ。
全くこの相棒は気が利くというか――マイペースにも程があるというか。
すこしばかりユーノは面食らっており、次いでなのはに尋ねた。
「渡したいものって――僕に?」
「うん。て、いうかユーノ君!」
突如、烈火――には程遠い怒りの炎を目に宿し、なのはがユーノを問い詰めた。
「は、はい! 何でしょう……?」
「……私が髪形変えたことに何の感想もコメントもないの?」
突如、秋霜――には程遠い怒りのじと目を向け、なのははユーノに文句を言う。
「あ? あぁ、凄い似合ってるよ、今までのも好きだけど、こっちの方が今のなのはには合ってると思う」
「え? あ、う、うん。その、あ、ありがとぅ……」
案外、普通に返されて、彼女は照れた。
それとは逆に、ユーノは本当に嬉しそうだった。
二度と出来ないと思っていた会話、二人だけで過ごす時を、今味わえているから。
己に課した罪を消した訳ではない。
償う術を変えたのは、彼女と、仲間と、自分にとって一番正しい事を選んだから。
結局、甘ったれていたのだ、自分は。
ならば、これからは強く生きよう。生きてやる。
大切な人を守るために。
本当に手間のかかる奴だ――。
心の片隅で、自分を嘲い続けたものが、そう言って消えていった。
最後は、笑っていた。
もう、聞くことの無い声。声の正体を、ユーノはずっと前から知っていた。
――本当だよ、僕も、お前も。
「で、えーと。私がユーノ君に渡したかったのはね?」
やっと気を取り直し、上気した頬を夕陽に向けて誤魔化しつつ、なのはがバッグから小さな包みを取り出した。
「どうしても、ユーノ君に受け取って欲しいんだ」
今はもう、満面に笑みを浮かべて、彼女はユーノに包みを手渡した。
「ありがとう、なのは。……開けても、いい?」
むしろ早く開けて欲しい、という表情でなのはは頷いた。
包みを開けて、中身を見て――ユーノは少々驚いた。
「これって……」
そこにあったのは、風に揺れ、光に照らされる、夏の木々の葉の様に鮮やかな緑色の――。
「リボン、だよね?」
「うん!」
「え、でも何でリボンを僕に?」
「だってユーノ君の髪って、女の子みたいに長いよ?」
確かにその通りである。
なのはの事故後、身嗜みへの余裕など最低限――と、言っても人前に出る分には文句無い――程度であったから、
散髪も大概は疎かになりがち、しかも彼の髪質ゆえに、幾ら長くなろうと、ちっともみすぼらしくは無いため、
伸びるに任せていた感はある。
「翠屋でちっとも違和感ない男のお客様だよ、ユーノ君は」
141 :
kogane:2007/10/10(水) 00:21:21 ID:DfFuJwsl
クスクスと笑いながら答えるなのはを見ながら――全く持って的を得た意見である、とユーノは思った。
女性だらけの翠屋で男が一人居れば、浮く。間違いなく、浮く――はずが。
「しかもね? 翠屋に謎の美少女現れるー、とか変な噂まであるんだよぉ?」
「……そこまで? そこまで僕って女の子っぽい?」
純粋にショックである。美、と付く以上褒め言葉である、あるが――自分は男だ。
うぅむ、と唸るユーノの耳に、脳天を揺らす言葉が響いたのは次の瞬間であった。
「……私にとっては」
「うん」
「他のどんな人よりも……男の子だよ?」
「え?」
他の誰よりも、ユーノはなのはにとって男性である、と。
それは、つまり。
沈黙。
赤面。
――打開の咆哮。
「つ、付けてみるね!」
「う、うん!」
ユーノは慌てふためきながらも、鮮やかな手際で己の髪を束ねて結わく。
「どう、かな?」
「あ、やっぱり。凄い似合ってるよ?」
ユーノはなのはの嬉しそうな顔を見て思う。自分も、さっきはこんな顔をしていたんだろうな、と。
彼女の新しい髪形に再び目をやると。
「なのは、あのさ」
――少しなら、自惚れてもいいだろうか。
「その、髪を束ねているリボンて」
煌く夕陽に照らされた、なのはの表情は、紛れも無い――女神に見えた。
「一緒だよ、ユーノ君のと」
遠く離れていても、心は、想いは、繋がって居たいから。
「だからなんだ、リボン、あげたかったの」
「……ありがとう、なのは」
「うん、お返しに期待――かな?」
微笑む彼女の冗談めかした言葉。
それは彼を動かすのに十分すぎた。
「なのは」
「ん、なーに?」
と、言う間に――なのはをユーノは、抱きかかえた。
「ユ、ユーノ君!?」
「――とりあえず、今日はこれで」
そして、二人は――空に舞い上がった。
142 :
kogane:2007/10/10(水) 00:22:17 ID:DfFuJwsl
広い、広い広い、何処までも広い空。
彼方に踊る星々、此方で輝く夕陽、其処彼処には勇壮な雲、頭上に広がる群青の天蓋、そして。
眼下に広がる――海鳴の街。
彼女達が守った、空と大地。
「……綺麗」
四年前に、断絶されたはずの光景に、なのはは見蕩れていた。
ユーノに話しかけられるまで、ずっと。
「なのは」
「うん?」
「これからは、ずっと傍に居たい」
穏やかで、荘重で、優しい、ユーノの声。
「それから、僕は君の翼になりたい」
知らず、なのはの目から涙が零れる。
「なのはが、空を飛びたくなったら、何時でも呼んでほしいんだ」
もう、悲しみや不安で生まれる涙ではない。
「――必ず、君のところに帰ってくるから」
ありったけの喜びとともに、なのはは、強くユーノを抱きしめた。
二人のほかに誰も居ない、この空で。
――はずが。
なのはの視界に、小さな姿が、どんどん大きくなる物体が写る。
その物体は、彼方から、こちら目掛けて――。
――あ。
ヤバい。
「ユ、ユーノ君! あれ!」
「え?」
その物体は。
「ひ、飛行機!!」
「ええ!?」
前方約……いや、考えてる場合じゃない。
如何なる偶然か、必然か。
彼らは飛行機の進路上に出てしまった。
「うわあああああああ!!!」
「きゃあああああああ!!!」
とっさに緊急回避行動。ユーノは急上昇を行なった。
漸く安全というところに着いて、落ち着くまでじーっと大海原を泳ぐ鯨のような飛行機を眺めていた。
何時しか、凝視し続けていたはずの飛行機は雲の海の彼方へと消えていった。
「…………見られたかな」
「かもね…………」
――こんな事もあるのか。
未だ世界は驚愕と驚異に満ち満ちているのだな、と間抜けた事を考えていると、
ふとなのはが呟いた。
「これはちょっと……非常にまずいのでは?」
それを聞いてユーノは、昔の事を思い出して――吹き出した。
「それ、二人で花火を打ち上げたときにも言ったよね」
「あ……」
フェイトのために、二人で打ち上げた、星の光で作った花火――。
「覚えて……」
覚えててくれたんだ?
違う。そんな言葉じゃない。なのはは、今この時を慈しむように言葉を重ねる。
「忘れるわけ、ないよね」
「うん、忘れたりしない。僕はもう」
――思い出を閉ざしたりしないよ。
143 :
kogane:2007/10/10(水) 00:23:25 ID:DfFuJwsl
なのはとユーノは見詰め合って、笑いあって、
そして二人は――。
飛んだ。飛んだ。飛び続けた。
泳ぐように、走るように、舞うように、踊るように、ジグザグに、無茶苦茶に。
笑いながら、歌うように。言葉が空に溶けていく。想いが心に刻まれていく。
ずっとずっと二人は抱き合ったまま、この蒼穹と夕暮れと紺紙に銀をまぶした様な星空が一堂に会した空を。
ただずっと、飛んでいた。
二人の笑い声が、空に響き渡る。
空に果てなど無く、心には思い出が有る。
いくつもの雲の海を越え、星の波を跳ね、月の船が旅する頃に、
自分が失ったものと、また手に取る事ができたものを愛しく思い。
そして、ようやく。
ユーノはなのはの前で――泣く事ができた。
笑いながら、泣く事が。
144 :
kogane:2007/10/10(水) 00:24:00 ID:DfFuJwsl
その日の翠屋の扉にはこう書いてあった。
『本日貸切 ご了承下さい』
賑やかな事この上ない店内に居るは、時空管理局地上本部の機動六課と関係者の面々であった。
「しっかしアレだよなぁ」
取り留めの無い事を思い出した、という口調でヴィータが話し出した。
「フェイトの予言、大当たりだったな」
「フェイトちゃんの予言、て何よ、ヴィータ?」
はやての問いにヴィータが遠い目で答える。
行過ぎた幾星霜からみれば、とても近いのに、本当に遠い昔のように懐かしむように。
「あの日さ、明日から忙しくなるって言ったんだよ、フェイト」
「確かに大当たりだな。というか、テスタロッサには全部解っていた、という事か」
今度はシグナムの問いにフェイトが答える。
また別の、あの日から始まった愛しき日々の中で、自分達を大きく変えた日を。
「もちろんです。だって、なのはとユーノの事だもの」
なのはとユーノが思いを伝え合った次の日から、ユーノはヴィータ、シグナムらに戦技の教えを請うた。
「この二人の事は、何でも解りますよ」
ね、なのは、とフェイトは直ぐ傍の、今は正式に翠屋二代目となった高町なのはに話しかける。
「あははは、本当にご迷惑をお掛けいたしまして」
「ホントまぁ、世話の焼けるフェレットだよぉ、みーんなイイ迷惑だったね」
アルフは憎まれ口を、心底嬉しそうに叩いた。
「と言いつつ、アイツが帰ってきて、真っ先に泣いて喜んだのはアルフだったな」
「……司書長を殴った後にな」
「あの時のユーノ君は両頬まっかっかだったわね〜。アルフさんの目もだけど」
クロノとザフィーラ、シャマルもまた茶化すようにあの日を振り返る。
「あははは……ちょっと強く叩きすぎたかな〜とは反省してます」
と、なのはが答えると同時にアルフも叫ぶ。
「な、なにさ! 泣いちゃ悪いのかい! 殴っちゃ悪いのかい! 文句ある!?」
「無い無い。なんなら二、三発殴っても良かったよ。あのフェレットもどきには良い薬だ」
本人達は否定するが、クロノの親友ゆえの発言に、皆、吹き出したり、苦笑いしていた。
「というかココに居る連中なら他にもあの日、泣いてた気がするな」
「おや?ということはー、クロノ君も大泣き?」
「なんでそうなる! ロッサ、君は変に茶化すな。悪い癖だ」
「ちょっと! 最初に茶化しだしたのはアンタだろ〜、クロノ!」
僕は別に茶化してなんか――というクロノの言葉を最後に喧々囂々、大騒ぎである。
しかし、これでは事情が飲み込め切れない。
だからスバル・ナカジマは比較的平和な場所に座っていたヴィータに尋ねた。
「あのー、ヴィータ副隊長、よろしいですか?」
「んー、どっから聞きたい?」
事情を察したヴィータがスバルの質問を促す。
「えーと、ユーノ先生がちゃんと帰ってきて皆さん喜んだ、は解りましたので、副隊長が忙しくなった理由からお願いします」
「ああ、それはな」
ユーノが戦場に立てる強さを求めた理由。それはなのはを撃墜した『犯人』の正体を探り。
「ぶっ倒して、ふん捕まえるためだよ」
らしいっちゃらしいけど、驚いたなー、と、ナイター中継好きの将棋の達人が、
メジャーリーガーに野球を習いに来た、というような語り口で答えるヴィータである。
「でまぁ、後はお前らも知っての通り、アタシら皆でやってのけて――今こうして祝勝会だけどな」
となると、また疑問がわく。今度はエリオ・モンディアルが尋ねた。
「でも、それならどうして先生は犯人を逮捕するまで、当時は残ろうとしなかったんですか?」
「管轄の違いなんだよ、そこは」
ワイワイと騒ぐ連中から逃げてきたシグナムが答えた。
「結局の所、彼は民間協力者、捜査権などない。
多少の協力はできても――彼でなくては、というのが無いのは、彼自身が一番わかっていた」
「あ……」
「ユーノ自身、誰より辛かったろう。虎の子の無限書庫も他の事件で手一杯だったのだからな」
だからよ、とヴィータが呆れ顔で答えた。
「バカだったんだよ、アイツ」
145 :
kogane:2007/10/10(水) 00:24:54 ID:DfFuJwsl
そう言われては、はぁ、と答えるしかない。
「仕方ねーかもしんねーし、そうじゃねーかもしんねーけど、一人で抱えんなっつの」
まぁでも、と言葉を続けたヴィータに、フェイトが言葉を投げかけた。
「バカが治って何より、なんてヒドい事言ってたよね、ヴィータ」
「……忘れろよ」
「ちょっと、ヴィータちゃん! そんな事言ったの!?」
「あー、もう! うるせーなー!別いーだろー!」
「そうだよ、なのは。それにね、ヴィータ、ユーノが帰ってきた事、本当に嬉しがってたんだし」
ビクゥッと身体を震わせ、顔だけでなく全身赤くしたヴィータがフェイトを睨み付けた。
「い、いきなり出鱈目言ってんじゃねーよ!?」
火に油と言わず、薪と言わず、燃料を投入し続けるフェイトとヴィータ本人である。
「ほうほう、興味深い話だな?」
「ささ、フェイトちゃん。詳しく詳しくお願いね♪」
「わー! シグナム!シャマル!黙れよー! はやてー!ザフィーラ、リィン!何とかしてくれよ!」
「部隊長命令〜。フェイトちゃーん、詳細に頼むわ〜」
能天気な表情と声のはやて、気の毒にという表情で返すザフィーラ。
「それではヴィータちゃんとユーノ先生の熱い友情秘話、始まりです〜!」
「おーーーーーー!!!!」
「イエーーーーーー!!!!」
そして、リィンフォースUが場を盛り上げてしまった。
――機動六課、スターライト部隊副隊長ヴィータ、最大の危機であった。
「……ヴィータ副隊長が、からかわれてる」
これは一生ものの珍しい光景であるな、とティアナ・ランスターは思った。
「こういうのは素直になるのが一番だと思いますけどね」
キャロ・ル・ルシエの答えは実に理に適っていた。こういうのは意固地になるからいけないのである。
あるが。
「ヴィータ副隊長はそういう性格じゃないしねぇ。こりゃ先生来るまでからかわれ続けるわね」
「じゃ、部下として隊長を庇ってやれよ」
ヴァイス・グランセニックがティアナに話しかけた。
「庇うって……いや、無理ですよ、あの面子では」
「いや、だからよ」
フッ、とヴァイスは出来うる限り渋く笑って、言った。
「こう、お前がいかに俺に惚れたかをだな、皆の前で声高に」
「ワーーーーーーッ!!な、ななななな、なに言ってんですか!」
そこまで言って、今度は注目の的が自分になったの事に気づいた。
――真っ白に燃え尽きたヴィータの姿にも。
「ちょ、ちょっと!なんですか皆さん!」
慌てふためくティアナに対し、飄々としたヴァイスが聞かれても無いのに答える。
「あれ? 今って普段言えない事を言うんじゃないのか?」
「あ、そうなんですか?」
そう聞いて、スバル、エリオ、キャロは、せーの、と合わせて。
「ティアー、私ティアの事、最高のパートナーだと思ってるよー。好き好き大好きー」
「僕もティアナさんの事、素晴らしい先輩だと思ってます!」
「私もティアナさんをお姉さんみたいに思ってます〜」
と、ティアナに親愛と賛辞の言葉を捧げた。
で、結果、頭の天辺から爪先まで赤くなったティアナが叫び返した。
「べ、別にいいのよ! そんなことは言わなくても!」
「え〜、でも〜」
でもじゃないわよ大体アンタ達は――という言葉を最後に、またも喧々諤々の大騒ぎである。
146 :
kogane:2007/10/10(水) 00:26:39 ID:DfFuJwsl
それを尻目に、なのはとフェイトとはやて、アリサとすずかとクロノがカウンターに集まっていた。
「あー、全く。やかましい事この上ない。ゆっくり待っていればいいものを」
「まぁまぁ、仲良き事は」
「美しいはずなのにヴィータちゃん疲弊しきってるよ?」
「ホンマや! フェイトちゃん、やりすぎやっ」
焚きつけた一人が何を言うのか、という表情で全員苦笑いしていた。
「それにしても、ユーノ君遅いね?」
「まぁ、書類仕事なんて時間を食いつぶすためにあるようなもんよ」
訳知り顔で語るアリサであるが、その実、当たっている。
「にしても運が悪いわよね、祝勝会に急な仕事なんて」
「んー、でも大丈夫だよ」
照れくさそうに、なのはが答える。
「なんでよ?」
だって――。
「だって」
「なのはが呼べば、ユーノが何処からだって帰ってくるよ」
予期した言葉が意外な所から出てきて、皆驚いた。
赤面しつつ、なのはが断固とした抗議をする。
「フェ、フェイトちゃん、それは私のセリフだよ」
フフ、と笑って――フェイトは答えた。
「なのはのセリフはまた別だよ」
そう、彼女が一番に言うべき言葉と相手が、帰ってくるから。
「の、ようだな。やれやれ、何分の遅刻だか」
「ほら、なのはちゃん、お帰りのチューやでー」
皆に引きつられて、冷やかされたり、祝福の言葉を投げかけられて、なのはは扉の前に立つ。
ゆっくりと扉が開き、暖かい金色の長い髪を、涼しげな緑色のリボンで束ねた、
穏やかな青年が、小さな少女と共に、翠屋に入る。
物事は移ろい、常なるものは無い。
苦しみも、憎しみも、悲しみも――痛みも、いつか消えていく。
それでも。
命ある限り、仮初と揶揄されても、確かに、永遠に消えぬものがある。
その名は――。
「ただいま、なのは」
「おかえりなさい、ヴィヴィオ、ユーノ君」
<了>
147 :
kogane:2007/10/10(水) 00:30:24 ID:DfFuJwsl
以上で投下終了いたします。
これまでお読みくださった方、感想を書いていただいた方、有り難くも続きに期待してくださった方
本当にアリガトウ御座いました。
書き始めてから2月かかり、最終回予告してから1月放置、と遅筆極まりました事をお詫びします。
また、WIKI編集の方、拙作にご丁寧な処置、本当にアリガトウ御座いました。
>>146 リアルタイムで読ませて貰ったZE、GJ
ユーノとなのはのラブラブっぷりも良いが、皆の暖かさも格別なモノだなw
>>146 グゥレイト!いやー、良いなぁ、なのはとユーノもだけど
海鳴に残ってもちゃんとみんな繋がってるのが。アリサすずかとか。あとティアナが実によかった。
>>147 GJでした。
…無粋かもとは思うが、ヴィータが副隊長という事はそっちの隊長って誰なんだろ?
152 :
一階の名無し:2007/10/10(水) 02:13:21 ID:7isppWq0
誰もいませんか?流石にもう皆さん寝てますね?
ってうぎゃああああああああああ!
また1スレに1作品も投下出来なかったぁっ!
やべぇ……何だこの加速っぷりは。とは言え一読み手として皆様GJっス!
えっと第四話。通算第5話。エロはまだ無し、ジャンルはエリフェイ。
ではでは。
少年はいつもより少し早い朝を迎え、いつもと同じ鍛錬をし、そしていつもと少し違う事をする。
少女はいつもより少し遅い朝を迎え、いつもと同じ準備をし、そしていつもと少し違う事をする。
何の事は無い、大して波乱も無い、単なる一日が始まった。
「シャーリー、おはよう」
「おはようございます、フェイトさん。……目の下、腫れてます?昨日寝れなかったんですか?」
「う、うん……」
化粧で隠したつもりだったのにあっさりと看破され、フェイト・T・ハラオウンはすこし凹んだ。
とはいえ、それは彼女の傍らに常日頃からいるシャリオ・フィニーノだからこそ気付ける
差異であって傍目からはいつも通りの完璧な彼女の姿である。
「じゃバルディッシュ、ちゃんとシャーリーのいう事を聞くんだよ?」
『I see, sir』
シャーリーにバルディッシュを預け、代わりとして通信用のデバイスを受け取る。
今日の日程は既にそのデバイスに記憶させてある為、あとはそれに従って行動するだけだ。
そのままふたりで車でエリオ・キャロとの合流場所である地上本部まで向かう。
ここにある転送装置でシャーリーは本局へと向かい、フェイトはふたりの被保護者と一緒に
数々の取材を受ける為にクラナガンへと向かう……と、フェイトは思っていた。
(うん、大丈夫。キャロだっているんだし、いつもの私でいられる……はず)
真面目なあのふたりなら既にいる筈であろうロビーへと向かう彼女の心拍数は徐々に上がっていった。
現在、少女フェイト・T・ハラオウンは
彼女の被保護者である少年エリオ・モンディアルに恋をしている。
しかし彼女は執務官であり、彼らの保護者であり、そして今は世間ではアイドル的扱いもされている。
以前キャロに会いに行った時に、彼女の知名度・人気の一端を彼女は理解せざるを得なかった。
自分が彼と付き合いたいなんて思ったらエリオに迷惑がかかる。
加えて、自分の方が9歳も年上だし、そもそも保護者だし、それにエリオにはキャロみたいな
優しくて可愛い子がお似合いで……と、御得意のネガティブ妄想機関をフル稼動して
自身の睡眠時間をガリガリ削っているのである。元々白い肌が更に白さを増していた。
「フェイトさん、大丈夫ですか?」
「う、うん」
シャーリーの問いかけへの返事もどこか精彩を欠いていた。このままではいけないと自責する。
反省と共に自動ドアを抜け、
「「フェイトさん、シャーリーさん、おはようございます!」」
ロビーへ入った瞬間に元気な声が聞こえてきた。聞こえてきた方へと視線を向けると
そこには鞄を提げたエリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエがいた。
ふたりともきっちりと制服を着ているがやはりどこか違和感が付きまとう。
二人が椅子から立ち上がって駆け寄ってくるが、フェイトの視線はキャロにばかり注がれた。
今はエリオを意識しすぎて直視出来ないのだ。
「おはよう、エリオ、キャロ」
シャーリーはいつものように微笑んでふたりに挨拶し返している。
「おはようキャロ、エ」
フェイトもそれに倣おうとしてまずはキャロに笑いかけ、そしてエリオに笑いかけようとして
―――――――――――鼓動の跳ね上がりに言葉が止まる。
「…………リオ」
ようやく搾り出した声は少し震えていた。チビっ子ふたりの表情が曇る。
「フェイトさん、どうかしたんですか?」
「あ、うん。ちょっと……」
キャロの質問に言いよどむフェイトに、すかさずシャーリーからのフォローが入る。
「フェイトさん最近仕事が忙しくてあまり睡眠時間とれてないらしいのよ。
だからエリオ、今日はそこらへんもフォローお願いね?」
実は仕事じゃなくて私事で悩んでいたとは知らないシャーリーの一言がフェイトの良心を痛ませた。
そして更にある事がフェイトの思考に引っかかっていた。
(あれ?何でエリオだけ?)
そんなフェイトを置き去りにしてエリオは元気一杯に返事する。
「あ、成程……解りました!じゃあストラーダを宜しくお願いします!」
ストラーダを腕から外してシャーリーに渡すエリオ。
「じゃ、これが代わりのデバイス。通信機能と手帳的な機能しかないけど
今日のフェイトさんの予定は全部入れてあるからそれをチェックしてね?」
「はい!」
「じゃ、行こうかキャロ?」
「はい!」
シャーリーがキャロの手を取って転送装置のある方へ向かう。
「………………ふぇ?」
ふたりきりで残されたフェイトの間の抜けた可愛らしい声がロビーの雑踏の中へ消えていった。
市街の中を黒塗りの高級車が走っている。
高速で走る事を目的に設計されたそれは、市街の中ではその実力を充分に発揮出来ておらず、
ただの燃費の悪い車に成り下がっている。
更に言及すれば、運転者もその実力を全く発揮できていなかった。
「あ、キャロですか?ケリュケイオンとフリードのシンクロの検査項目があるらしくて、
フリードがいないといけないらしくて、で一緒にキャロも」
エリオの説明はフェイトの耳に入ってくることは入ってくるのだが脳内まで到達しない。
舞い上がってしまい、助手席もまともに見られない。
先日は膝枕まで出来たのに、と現在と過去の自分の差に戸惑う。
ちらりと、フェイトは助手席を盗み見た。
いつも通りのエリオ・モンディアルがそこにあった。
毛が太い為に重力に逆らってツンツン逆立つ赤い髪は余程のストレスに晒されない限り禿る心配は無い。
緑の瞳は今は影になっていて緑というよりも海の底のような深い蒼を思わせた。
すっきりした目鼻立ちも、充分美形の域であり成長すれば……
というか今でも充分にかっこいい。まだ年齢や身長の影響が強く可愛いという印象が強いが。
まじまじと観察して、何故今まで自分はこの少年を子供としてしか認識出来なかったのかと思
「―――――――!フェイトさんっ!信号!前!赤っ!」
エリオの口から発せられる断片的な情報に、フェイトが目を前に向けると
そこには彼女の瞳の色に似た、またエリオの髪の色に似た、平たく言えば赤が灯っていた。
慌ててクラッチとブレーキを踏み込む。
フェイトの車は高級車である。値段はステータスであるとともに性能の指標だ。
高級車は当然高性能であり、勿論ブレーキの性能もその範疇であり、
高性能なブレーキによって成された急制動は大きな慣性を生み、
そして高性能なシートベルトはエリオの体を慣性に逆らってしっかりと保持した。
首は絞まったが。
「ぐぇ」
アヒルの鳴き声のような音でエリオが呻く。
「エリオっ!大丈夫っ!?」
「…………………けほっ……大丈夫です。でも、フェイトさんこそ大丈夫ですか?
何かぼおっとしてましたけど」
「う、うん」
大丈夫とは言うけど無理しているのが見え見えでありそんなエリオは年相応にも見えた。
勿論エリオに見惚れていたなんてフェイトに言えるわけが無い。
(…………私、変態なのかな…………?)
先程はあんな結論に至ったが、やはりエリオは10歳の少年なのだ。
それに、いくら初恋とはいえこんな少年に見惚れたりするものなのだろうか?
新たな燃料がまたフェイトのネガティブ妄想機関を激しく稼動させる。
「―――――――!フェイトさんっ!信号!前!青っ!」
エリオの叫びがまた車内に響く。
慌てていたが体はするべき事を覚えている。
ギアをローに戻し、クラッチを踏み込む足の力の強さを調節し、ここまでは上手く行っていた。
そして焦りが思い切りアクセルを踏み込ませる。
しつこいようだがフェイトの車は高級車である。
当然エンジンも高性能であり、その高い馬力は急加速を生んだ。
急発進によって生まれた慣性のおかげでエリオが強かに後頭部を背もたれに打ち付ける。
「…………………フェイトさん、ホントにどうしたんですか?」
痛めた首をさすりながらのエリオの呟きにフェイトは返す言葉を持たない。
何とか無事にテレビ局まで辿り着いたフェイトは少し無事でないエリオを引き連れて受付へと向かった。
案内された楽屋へと向かう途中はエレベータでふたりきりになったりしたが
特に失態は無く、今度はふたりとも無事に楽屋へと辿り着く。
放映時間まであまり余裕が無いのか、既にメイク係が待機していた。
その事実にフェイトは少し安心したような残念なような複雑な気持ちになる。
鏡の前に腰掛け、フェイトはそのメイク係の手にゆだねた。
このテレビ局では必ずこの人がメイクをしてくれる為、結構な量の会話もこなしている。
「でも、ホント私としては悔しいんですよ〜」
「?」
フェイトがしてきたメイクをクレンジングオイルなどを駆使しながら落とし出す。
「ホラぁ、フェイトさんって元々目鼻立ちがはっきりしてるし〜、眉だって形がいいし〜、
私ぃ、仕事のしがいが全然無いんですよね〜〜。
私としてはぁラークス・クラリンさんみたいに仕事のしがいがある相手の方が嬉しいんですよぉ」
さらっと人気アイドルの重大な秘密を漏らしながら爽やかに響く笑い声に
フェイトは笑い返しながら
(……この人には秘密は言わないようにしよう)
と固く心に誓った。
いくら口が軽いとはいえ、やはりプロはプロである。
自身の領域に関しては一流であり、その指は淀みなくフェイトの顔をテレビ用に作り上げていく。
「ねぇキミぃ」
唐突に掛けられた声に、エリオの反応が一瞬おくれる。
「っと、僕ですか?」
「そうキミぃ。キミもそう思わない〜?」
「…………えっと……」
「だぁかぁらぁ、フェイトさんにメイクなんてあまり必要無いと思わないぃ?」
その質問に、フェイトの膝の上に置かれた手がぎゅっと固く握られる。
しばしの静寂がフェイトにはとても長く感じられた。
一度は言いよどんだエリオだが、頬を赤く染めながらしかしはっきりと告げる。
「……僕も、フェイトさんにはあまりメイクなんて必要無いと思います……」
「ハッキリ言ってくれるなぁっ!お姉さん悲しいよぉっ!」
「っ!すみません」
勢いよく頭を下げるエリオにメイク係は苦笑する。
「真面目ねぇ。小さい頃からそんなんだと疲れるでしょぉ?もっと肩の力抜かなきゃ。
それにぃ、キミの目は正しいわよぉ?お姉さんが保証してあ・げ・る!
…………あら?思ったより頬が赤くなっちゃったなぁ……
これでいいと思ったんだけど……もう少し白いファンデーションの方がいいですか?」
別のファンデーションを取り出し、フェイトの頬に上塗りしていく。
一通りのメイクを終え、そのメイク係は楽屋を出て行く。
今まで一番喋っていた人物がいなくなり、楽屋にちょっとした静寂が訪れた。
何となく恥ずかしくなってメイク済みの顔をエリオに見せられず、フェイトは沈黙する。
エリオは先程の発言が今になって恥ずかしくなってしまい、沈黙した。
少々気まずくなり始めた頃、フェイトがようやく口を開く。
「……賑やかな人だったでしょ?いつもあの人にメイクしてもらってるんだ」
「そうですか。でも、素敵な人でしたね」
そのエリオの言葉に、フェイトの心に軽い波が沸き起こる。
それは小さな不快感。つい対抗意識を燃やしてしまい、ある事実が口から滑り出る。
「でも、あの人男だよ?」
「―――――――うぇっ!?でも『お姉さん』って!」
「うん、パッと見女の人に見えるし、本人も面白がってオカマ口調だけどれっきとした男の人。
胸とか無かったでしょ?」
「っ!そんなトコロ確認してませんよっ!」
真っ赤になって否定するエリオに少し意地悪な快感を覚えてフェイトは笑みを浮かべる。
そしてエリオの言葉にどこか微妙な気分にさせられもした。
と、楽屋のドアがノックの後に開かれる。
「ハラオウンさん、そろそろスタジオ入りお願いします」
軽めの情報番組のゲストとして出演するフェイトを、
エリオは他のスタッフの邪魔にならないように出来るだけ隅の方から眺めていた。
照明に照らされ、カメラを向けられ、それでも臆する事無くしっかりと自分の意見を発言するフェイト。
エリオは、自分がいる薄暗いスタジオの隅とフェイトのいる場所に
実際の距離以上の隔たりを感じていた。
(…………)
鞄の持ち手を力いっぱい握り締める。血流が止まって白くなってしまう程に。
(…………………………)
焦っても仕方無いと必死に自信に言い聞かせるも、胸に浮かぶ焦燥感は消えず、むしろどんどん激しくなる。
照明の強い光によって映える化粧を施されたフェイトの顔はキラキラと光を放ち、今のエリオには眩しすぎた。
金の艶やかな髪はフェイトの一挙一動に揺れて光の反射のしかたを変える。
ルビーよりも深く妖しい光を放つ大きな瞳はきっと視線を合わせるだけで相手を魅了出来るだろう。
ひとつひとつが整いすぎていて完璧過ぎる容姿はともすれば人を突き放してしまいそうだが
フェイトの優しげな立ち居振る舞いが更なる魅力を演出する。
(…………やっぱり、すごく綺麗だ…………)
その全ては数週間前に一度彼の腕の中に全てあり、そしてつい先日は見上げればすぐそこにあった。
しかし今は
(遠い……なぁ……)
手を幾ら伸ばしても届かない。
「はい、休憩入りますっ!」
ADの声が響き、スタジオの緊張が緩む。出演者が伸びをしたり付き人に飲み物を催促していた。
エリオは慌てて鞄をあけた。そこにあるのは二種類の保温瓶である。
スタジオにはちゃんと出演者用の飲み物だってちゃんと用意してある。
これは別に絶対必要なものではないし、喜ばれるとは限らない。
色々と迷いはあったが、しかしエリオは決断し茶色の保温瓶を選んで取り出す。
蓋でもあるコップにまだ湯気を立てる中身を注いで、フェイトの元へと歩み寄った。
「フェイトさん、お疲れ様です」
「?…………あ、コレ……」
フェイトの周囲に柔らかく甘い匂いがふわりと広がった。隣の出演者も何事かとフェイトの前に視線を移す。
「今日疲れが溜まってるみたいでしたから、甘いものをと思って」
エリオが自分に出来る事をと必死に考えた結果のひとつ、
なのは直伝のキャラメルミルクがそこにあった。
レシピをなのはに通信で聞いてメモし、今朝の朝に作って保温瓶に入れてきたものだ。
ちなみにもうひとつの保温瓶にはこちらもなのは直伝のハーブティーが入れてある。
自分ではどうあってもシャーリーやティアナの様な支え方は出来ない。
だけど、それなら。
諦めなかった結果、思いついた事だ。だがしかし
(…………やっぱり止めといた方が良かったかな?)
喜んでくれる事を期待したのだがフェイトは呆けてしまっていて動かない。
「……お水とかの方が良かったですか?すみませんっ!今すぐ取ってきます!」
エリオは慌ててフェイトの前のコップを下げようとして
「えっ?ううん、違うよ!ちょっと、びっくりしてたから」
フェイトがようやくコップを掴む。少しの間、その甘い匂いを楽しんでから口をつけた。
キャラメルミルクの秘訣は砂糖をとかしてつくるキャラメルである。
エリオのものは砂糖を少し焦がしたのだろう、なのはが作ったものと比べると僅かに苦味がある。
(でも)
フェイトの体に優しい暖かさが広がっていく。味なんて関係無しに、フェイトはそれを美味しいと思った。
コップを置いて一息吐くと同時に、ついつい笑みがこぼれる。
その笑みは普段テレビでフェイトが見せる作り笑顔などでは勿論無く、
二人を眺めていたスタジオ中の人間を、そして誰よりもエリオを魅了した。
スタジオ内を流れる時間が遅くなる。フェイトはその中で誰よりもゆっくり味わってその一杯を飲み干した。
「…………おいしい。ねぇ、エリオ。もう一杯もらえるかな?」
「………………」
「…………エリオ?」
「…………っ!は、はい!すぐ持ってきます!」
我に返ったエリオはスタジオの隅に置いていた鞄へと走り出し、
そしてテレビカメラのケーブルに盛大につまずいて危うくコケそうになった。
番組は進み、最後のレストラン紹介のコーナーになる。
お昼時も近いという事で最後に紹介したお店からは自慢の料理がスタジオに持ち込まれ、
それを皆で食べながらエンディングという流れである。
それぞれの店が自慢の料理を披露するVTRが流れ、
出演者が口々に「美味しそう」「食べたい」などと呟いている。
最後に紹介されたのはクラナガンの郊外にある歴史ある洋食店のハンバーグだった。
数十年前から変えていない伝統のデミグラスソースと、
ナイフを入れた瞬間に溢れる肉汁が混ざる瞬間など多くの出演者が唾を飲み込んだ。
と、スタジオにハンバーグのいい匂いが充満しだす。
そして各出演者の前に一皿ずつそのハンバーグセットが置かれた。
店の紹介が終わり、出演者が一斉にナイフとフォークを手に取る。
他の人が口に入れた瞬間にリアクションを取る中、フェイトはナイフで切った一切れを口に入れた。
甘みの中に深いコクとちょうどよい酸味が混在するソースと肉汁たっぷりのハンバーグに、
思わず声が漏れる。
そしてカメラが出演者全員のアップを撮ったところでこの番組は終了だ。
「はい!オッケーです!お疲れ様でしたぁっ!」
スタジオの所々から息が漏れた。別に何かをしていたワケではないがスタジオの隅にいたエリオも
その雰囲気に呑まれて大きく息を吐いた。
と、そこにフェイトから声がかかる。
「エリオ!」
ちょっと油断していたエリオは慌てて背筋に力を入れて姿勢を正し、フェイトに駆け寄った。
「はい、何でしょう?」
真面目な顔をしているエリオの前に差し出されたのは
「はい、あーん♪」
一口大に切られ、フォークに刺してあるハンバーグだった。勿論エリオは遠慮する。
「いえっいいですよ!それはフェイトさんの分なんですから!」
「でも美味しいからエリオにも食べて欲しいんだ。だから……あーん♪」
エリオは助けを求めて周囲を見渡す。だが世界は少年には厳しく、少女に甘かった。
「あ、あの流石に出演者でもない僕には食べる資格が無いと思うんですけど……」
何とか言い訳を搾り出して断ろうとするエリオだがそうは問屋が下ろしはしない。
フェイトの横にいたコメンテーターの年配の女性がすかさず口を出す。
「そんなに遠慮しなくてもいいわよ?皆そんなの気にしないし。いいわよね、スタッフさん?」
「あーハイっオッケーっス!」
スタッフからの一言もあった。スタジオ中がフェイトの追い風となる。
出演者やスタッフはふたりを暖かい微笑みで見守るがこれ以上口を出してきそうには無い。
「ね?皆さんもこう言ってくれてることだし…………あーん♪」
エリオは迷った。この年になって『あーん』と大きく口を開けて食べるのは恥ずかしい。
しかももう撮影は終わった筈なのにあるビデオカメラは回っており
エリオとフェイトのふたりを中心に捉えている。しっかり記録まで撮られているようだ。
「早く食べないとこぼれちゃうよ?」
しかしエリオの正面にはこれ以上無いという程のニッコニコ笑顔を浮かべて
フォークを我慢強く保持するフェイトがいる。どうあっても逃げられないだろう。
観念したエリオは、小さく口を開きそれをくわえた。歯の裏でひっかけてフォークから引き抜き、咀嚼する。
舌はハンバーグの美味しさを充分に脳に伝えてくるが、脳は別の作業で手一杯だ。
その作業とは
「はい、もう一口♪」
すかさずもう一口差し出してきたフェイトへの対応を考える事だったが、
生憎少年の脳は少年が望む程高性能ではなく、結局先程の動作を繰り返さざるを得なかった。
そして、最終的にはハンバーグが全てエリオの胃に納まるまでその作業は続いた。
楽屋でひとつの弁当をふたりで分けて食べ(これも大半がエリオの胃に収まった)、
待ち合わせ場所であるビルへとフェイトの運転する車は向かった。
その頃にはフェイトのぎこちなさはすっかりとれており、朝のような失態も無く、
今度はふたりとも無事に目的地へと辿り着く。
二日間程本業の方に専念していたのでその間に溜まっていたみっつの取材を受け終えると、
もう日はすっかり暮れて街の灯りが灯る時間帯となっていた。
「今日はどうもありがとうございました」
そうお礼を言って去る記者を見送るとフェイトは盛大に伸びをした。
「う〜〜〜〜!疲れた〜〜〜〜っ!」
「お疲れ様です。これで今日の予定は全部終わりました。後は帰るだけですね」
その時、盛大にエリオの腹の虫が鳴いた。
前衛を努めるものにありがちな事だがこの少年は外見からは想像もつかない程よく食べる。
いくらほとんど食べたとは言え、ハンバーグセットと弁当一個では少年の胃をもたせるには役者不足だったらしい。
車を止めてある地下駐車場へ降りるためにエレベーターへ向かいながらフェイトは笑みを浮かべる。
「長引いてごめんね?お腹すいたよね。どこか食べに行こっか?」
「……えっと……すみません」
エリオは頬を赤くして俯きながらフェイトの後をついていった。
フェイトは女性としては背が高い方であり、またスタイルもいい。当然足も長かった。
それを追いかけるエリオは必然的に小走りになる。
「でも、どうせならキャロと三人で夕食の方がいいんじゃないですか?
点検も流石にもう終わってるでしょうし、それならシャーリーさんも一緒に」
そのエリオの言葉にフェイトは少し不快感を覚える。
「う〜ん、でも今から地上本部までむかってまた市街地に戻るのって二度手間になるし……」
もっともらしい理由をあげてさりげなくこのまま二人での夕食を希望する。
僅かにキャロを仲間外れにする罪悪感が胸にこみ上げたが、それ以上に胸で大きく叫んでいるものがある。
「それもそうですね」
あっさりとエリオが承諾した事に胸を撫で下ろし、そしてキャロに心の中で謝っておく。
エレベータを使って地下駐車場へ降り、車のロックを外して乗り込む。
「じゃあ、何が食べたい?」
「僕、あまりクラナガンには詳しくないですからフェイトさんに任せますよ」
そんなこんなでフェイトの車は夜の街へと駆け出した。
飲食店が立ち並ぶ区域へと向かう為に高速道路を黒の高級車が駆け抜ける。
すっかり暗くなった街にはビルの窓の明かりや車のヘッドライトが煌いていた。
その光景にエリオは目を奪われた。
「…………すごく綺麗ですね」
「え?何が?」
「景色ですよ。いつも思うんですけど、夜の街って綺麗です。星が少し見えないのが少し残念ですけど」
ふたつ浮かんでいる大きな月以外に見える星は地上の光が強すぎてまばらである。
「六課の隊舎は街から離れた海の上でしたから星も綺麗に見えたんですけ――――――」
と、その時劇的な変化が訪れた。
灯りが全て消えたのである。ビルの窓やネオンが放つ光だけではない。
ヘッドライトやテールランプから光を放っていた他の車はそれごと消えていた。
「っ!フェイトさんっ!」
「結界……」
フェイトはどうやら自分達の車だけが結界内に取り込まれたらしい事を悟ると車を止めた。
「エリオ!出るよ!」
「はいっ!」
シートベルトを外し、車外へと出る。ついでデバイスを用いて通信を繋ぐ。
「エリオ、そっちは?」
「いえ、駄目です。六課メンバーや陸士部隊には繋がりませんでした」
エリオとフェイトは背中を合わせて周囲を警戒する。
「そう……こっちも駄目。やっぱりこの結界のせいだろうね」
「…………どうしましょうか」
「砲撃魔法で結界を破壊・脱出かな。とりあえず結界内に留まるのは駄目。
これを展開した誰かの狙いは私達だろうから。……バルディッシュがいないからちょっと時間かかるよ」
結界魔法でふたりを隔離しただけで終わりなワケが無い。ここは狩場で獲物は言わずもがなだ。
しかも二人とも専用のデバイスは点検中であり代わりのものは通信機能くらいしかない。
フェイトが砲撃魔法の詠唱を始める。しかし彼女の親友程砲撃魔法が得意では無いので少々手間取った。
数秒後完成させたスフィアを天へと向ける。
「――――――っ!」
勘、それだけに従ってフェイトはエリオを突き飛ばした。次の瞬間九本の光の輪がフェイトの体を縛り上げる。
突き飛ばされたエリオは考えるよりも先に体が動きそのままの勢いで四歩跳ぶ。
体勢を立て直
「動くな。動こうとしたら撃つ。魔法を使おうとしても撃つ。喋っても、念話飛ばし…………
あーもーめんどくせー。何かしようとしたら撃つ」
後頭部に何かを押し当てられてエリオは硬直した。そして背後から響く男の言葉に従い何もしない。
ゆっくりと視線を上げるとフェイトの傍には三人の魔導師が出現していた。
それぞれが今まで見たことのない形状のデバイスをその手に持っている。
専用デバイスなど六課という特例中の特例でも無い限り一定以上の能力を保有していないと持てるものではない。
目に見える三人がそうなのだ。今背後にいる誰かもそうであろうと推測し、エリオの背に嫌な汗が浮かぶ。
状況がまずすぎるし情報も少なすぎる。フェイトもエリオも打つ手が無かった。
「たいちょ。やっぱ撃っちゃダメっスか?」
エリオの後ろから三人の中央、一番年配の人物へ向け緊張感の無い声が飛ぶ。
返事はたった三文字の簡潔なものだった。
「黙れ」
「あーはいはい。りょーかい」
フェイトを囲む両側の二人は苦笑いを浮かべていた。右側の男が口を開く。
「でも隊長、やっぱり二人が一度に性格変わってたら不審に思われますって。
それよりこんなんどースか?」
「作戦行動中だ。私語は慎め」
「だから私語じゃないですって。事故で助手席の子供殺したら精神的に執務官業とか無理でしょ。
これだったら誰でも納得するじゃないですか」
その一言で全員が男の言わんとしている事を察した。フェイトの顔から血の気がひく。
「―――っ!?貴方たちっ!そんな事が許され」
猿轡としてバインドがフェイトに追加される。それでも暴れ出そうとするフェイトを押さえつける為に
それぞれのバインドが太くなりフェイトの体を一層締め上げた。猿轡から呻き声が漏れる。
「流石先輩!考える事えげつねぇなぁっ!」
エリオの背後から楽しそうな、本当に純粋に楽しいと思っている声が響く。
「気絶させるだけだ。魔力ダメージだぞ?」
「解ってますって!」
隊長の警告に軽く返し、男が砲撃魔法の展開を始めた。エリオの後頭部のすぐ近くに莫大な魔力が収束していく。
状況は最悪だった。フェイトはリミッターをかけられている上にデバイスも無い。
自力でのバインド脱出は余程相手が下手でもない限り不可能だしそんな様子は見てとれない。
エリオは背後を取られ後頭部にデバイスを向けられている。ここからの逆転などあり得ない。
絶望がエリオの心を染めようとする。心拍数が上がり、額から汗がにじみでた。
(うるさい)
エリオは自身が今から魔法で頭を打ちぬかれ、気絶するだろうという事を理解した。
だがそんな事はエリオの中では些細な事でしかない。心臓の音が何より大きく響き出す。
(しずまれ)
この男達の目的はあくまでフェイトだ。つまりこの後フェイトが何らかの危険に晒されるという事だ。
その予想に、エリオの足が震え出す。彼が体験し得る最大の恐怖だ。
だから、それを認めるわけにはいかなかった。
(チャンスは……一度っ!)
エリオ・モンディアルには才能が無い。フォワード陣を見渡してもそうだ。魔力量はスバルに負ける。
魔力操作の技術はティアナに遠く及ばない。瞬間魔力発揮値はキャロに敵わない。
隊長陣となど比べる事自体が馬鹿らしい程の大きな実力差があった。
そんな化け物揃いの機動六課において、しかしこの一点だけは誰にも負けない自信がエリオにはある。
(聞き逃すな!)
それは聴覚。地下水道を引きずる鎖の音を聞き分けるなどもはや超能力の領域だ。
これがオリジナルのエリオ・モンディアルから引き継いだ才能なのか、コピーミスによって生まれた能力かは
エリオにとっては解らないし、またどうでもよかった。
重要なのは今ここにいる自身にその能力があり、そしてその能力で出来る事があるという事実だ。
その才能は先程からあるひとつの音を捉え続けている。
「じゃ、ガキはそろそろ寝とけ」
死刑宣告に等しい男の声。しかし今のエリオにはそれすら雑音であり脳まで送られない。
重要なのはあるひとつの音だけだ。
その音が――――――――――――――止まる。
その瞬間、思い切りしゃがみこんだ。
男の魔法がエリオの髪の先を焼く。だがそれだけだ。エリオの動きは止まらない。
効果などほとんど無いと思いながら続けた走りこみや素振りで鍛えた筋力は
男が反応する前に組み付き押し倒す事を可能にした。
身につける意味など無いとも思いながらも身につけたグラウンドテクニックは
男からマウントポジションをとる事を可能にした。
そして背を打ち付けて酸素を求め開かれる男の口へと右手を突きこむ。
「――――――――――動くなぁっ!!!!!!」
エリオへデバイスを向けようとしていた二人の男の動きが彼の一喝で止まる。
「僕の変換資質は電気ですっ!口から流された電流をバリアジャケットで防げると思いますかっ!?」
元々静かだった結界内にさらに別の静寂が加わる。
ようやく我に返った男がエリオの下から脱出する為に体に力を込めようとし
「動かないでと言った筈です。次は打ち込みます」
エリオの言葉に体を弛緩させた。
エリオが先程からずっと捉え続けている音、それは男の呼吸音である。
人は力を込めようとする瞬間、反射的に呼吸を止める。腹筋に力を込める為だ。
例えば走り出す時、例えば起き上がる時、例えば、引き金を引く時。
呼吸を盗む事が間を盗む事に繋がるのはこれが主な原因である。
エリオはその聴覚を駆使し、男の呼吸音を捕らえ続けているのである。
故に男が体に力をこめようと呼吸を止めた瞬間に反応出来る。
(おい。さっさと抜け出せ)
隊長からエリオの下敷きになっている男へと念話が飛ぶ。しかし男の反応は
自身の命がかかっているにもかかわらず今までと変わらない軽薄なものだった。
(いや、無理っス。このガキ、俺が動こうとした瞬間に反応するんですモン)
隊長と呼ばれるその男は頬の肉を軽く噛んだ。気に入らない事がある時の彼の癖である。
冷静に状況を分析する。状況はまだまだ最悪には程遠い。
結界による隠蔽や遮断は完璧だ。戦力は比べるまでも無い。人質はひとりずつ。そして何より相手は子供だ。
自身の命がかかった極限状態で集中力が続くとは思えない。それこそ自分達のように螺子が外れてでもいない限り。
ならば、時間を稼ぐ事で有利になるのはこちらである。
「いや、大したものだ。しかし、そこからどうするつもりだ?
こっちにも人質はいるんだぞ?」
目標であるフェイト・T・ハラオウンの頭へとデバイスを押し付ける。
これだけでは脅しとして弱いので射撃魔法を展開。緑の魔法陣が広がり激しい魔力光がその威力を伺わせる。
彼はここまですれば焦るだろうと考えていたが、次の瞬間自身の認識を改めさせられる事になる。
「フェイトさんは人質にはなりませんよ。貴方達がフェイトさんを傷付けるつもりなら
車ごと砲撃魔法で吹き飛ばすのが一番確実なんですから。
それをしなかった、つまり貴方達にはフェイトさんを傷つけられない何らかの理由がある……」
一息。
「でも僕には貴方達を傷つけちゃいけない理由なんてひとつも無いんだっ!」
彼は内心舌を巻いた。この子供はこの状況でこれ程冷静だし頭も回っている。
激昂した振りをしてこちらに脅しもかけてきた。認識を獲物のそれから障害物へとひき上げる。
かと言ってたかが障害物相手に引き下がるわけにも行かない。任務はその程度には重いのだから。
「ほぉ……だが、どうする?ここでコイツを解放したところで君達に脱出の手段は無い。
この結界に閉じ込められた時点で君達の敗北は確定しているんだぞ?」
「………………………」
反射的に言葉を返さないその少年に少し評価を下げる。
この状況ではハッタリでも何でも言葉を返すべきだ。黙る事は敗北を認める事と同じなのだから。
(はっ、所詮この程度か)
これでは脅しもどれだけ本気だったのか底が見えた。失望とともにデバイスを少年へと向ける。
射撃魔法を発射しようとして
(―――――――っ!!!)
少年の右手へと収束する魔力を見た。
「やめろっ!!!」
叫びとともに射撃魔法の展開を急停止、魔法陣を霧散させる。
(……………このガキ……殺す覚悟だけは本物かっ!)
状況が悪化した事を悟った。この少年は一見冷静なようで全然冷静では無い。
ただひとつの思いの元に行動しているからそう見えないが暴走寸前だ。
ようやく彼の瞳に宿る覚悟の意味が解った。
(俺達全員殺してでも生き延びるつもりかっ!この状況でっ!)
口の中が乾く。ここは狩場ではない。戦場だ。認識を障害物から敵へとひき上げる。
目の前の少年は武器を何も持たないが、侮る事は死へとつながる危険性を充分に孕んでいる。
(おい)
(何スかたいちょ)
(今からそのガキを全力で殺す。お前はお前で何とか生き延びろ)
(うっス)
任務などどうでもいい。ここからは誇りの領域だ。気に喰わない隊員の能力を信じ、賭けに出る。
賭け金は部下の命。勝利条件は少年の殺害。背中をゾクゾクとした快感が駆け抜ける。
デバイスを振り上げた。
そのデバイスが手につかまれる。
(―――――――はっ!?手っ!?どこからっ!?)
宙からだ。
正確には宙に開いた黒い穴から出現した白い手が彼のデバイスを握っている。
『はい、そこまでなー』
宙空にウインドウが開かれた。そこから響くのは遥か第97管理外世界は日本国関西方面の方言である。
急転する事態に思考が麻痺した瞬間、烈風が吹きぬけた。
銀光を纏ったその風は彼が展開していたバインドを切り裂きフェイトを解放する。
いきなり解放されてたたらを踏むフェイトを今度は赤い風がさらっていった。
風は全てが赤かった。身に纏った防護服も赤ければお下げにしている髪も赤い。
フェイトがその風の名を呼ぶ。
「ヴィータ!」
彼がデバイスを振り回して手を振りほどき、距離を取る。次の瞬間には砲撃魔法は展開済みだ。
宙に浮かぶふたりに向かって最大威力で打ち込んだ。
「てええああおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!」
だが、それは獣の吼え猛る声とともに出現した青い柱によって阻まれる。
「ザフィーラ!シグナムもっ!」
声の発生源にフェイトが目をやるとそこには盾の守護獣と共に烈火の将が佇んでいた。
『ごめんなー、フェイトちゃん。実はこんな事あったらいけんと思って
ずっとシャマルに追跡してもらっとったんよ』
『はやてちゃんは酷いですよー!私ばっかり狭い部屋に押し込めてずっと探索魔法で
フェイトちゃんの周りの魔法反応探らせてたんですからー!三週間以上ですよ!もう私くたくたで……』
結界内のぴりぴりした空気もどこ吹く風といった感じで画面内でシャマルがはやてにくってかかった。
「テスタロッサ、黙っていてすまんな」
「…………あの…………」
事態についていけないエリオやフェイト、男達の中で八神家の面々だけが冷静である。
シグナムがレヴァンテインを正眼へと構えた。
「エリオ、そいつをそのまま押さえていろ。こいつらは私達が片付ける」
ヴィータがフェイトを道路上へと下ろし、片手で掴んでいたグラーフアイゼンを両手でしっかり握り締める。
「リハビリ代わりだっ!思いっきり暴れさせてもらうぜっ!」
『怪我治ったばっかなんですからヴィータちゃんも程々にね?ザフィーラも無理はしないように』
「了解した」
『あのな?誰に頼まれたとかは後で頭覗かしてもらうから別に言わんでええよ?
ただ……私の友達を傷つけようとしたその罪は、この夜天の王が裁いたる』
主人の宣戦布告とともに、三騎士が駆け出した。
さて、この人知れず展開された結界が人知れず消滅するまで後2分7秒。
165 :
一階の名無し:2007/10/10(水) 02:41:30 ID:7isppWq0
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!
アンチスレで言われてますが本気出したらJS事件が3分で片付くあの人に
ちょっと頑張ってもらったら事件にすらならなかったというオチ。
襲撃者達の目的は、まぁ皆様予想ついてるでしょうが一応次回解説という事で。
あとうちのエリオきゅんちょっとDQN。まぁそれだけフェイトさんが大切って事ですが。
もう少し続きますので早いうちにお会い出来れば。
>>
ばっちり夜勤で起きてる私が言おう、続きGJと!w
フェイトさんにあーんされるなんて幸せ者め!!とりあえず、私にも一t(略
それにしても、エリオが格好いいですな。フェイトさんの前で男を上げたZE
テンパりながらも、しっかり相手を組み伏せるなんて・・・これでフェイトさんm
続きもまったりと待っています〜
毎度乙
>>165 おつ。エリオきゅんに恋するフェイトそんかわゆすぎる。
名も無き悪役さんたちの多弁ぶりにもわろた。
グリフィスよりも喋ってるなあ。
>本気出したらJS事件が3分で片付くあの人
アンチスレ覗いて来て先生だというのは分かったのですが
どうして3分かがわかりません(´・ω・`)
>>147 これぞ原作のようなほかほかした作りで非常によかったです!
>>188 よっしゃあああ!
アルフ×ザフィーラ派な俺にとっては裸で待機せざるをえんッッ!!
というか、自分も、「さ、さと書け」ということか?
OK、がんばるよ俺!
しかしアルフ×ザフィーラ+ヴィヴィオという超絶コンボを想像してしまった俺は一体?
更に詳細に書くなら
○なのはとユーノ外出。ヴィヴィオを預かったアルフとザフィーラは仲良く遊園地に行ったりして沢山楽しみました
○ヴィヴィオが寝静まったのを確認してアルフがザフィーラに「あたしもヴィヴィオみたいな赤ちゃん欲しいよおお〜〜!!」と種の繁栄のために発情スイッチがッ!
○「ま、待て!落ち着けアルフ!隣の部屋にはヴィヴィオが!年長者として……なんだ?身体が動かな……バインド?いつの間に??」
○「よっし!ヴィヴィオGJ!!ハッーー、ハッーー、拘束ザフィーラ久しぶりだわ〜〜。ああ、あたしの卵巣がザフィーラの精液欲しい欲しいって言ってって疼くうう〜!」
○「がんばれ〜〜。アルフおねえちゃんとザフィーラおにいちゃん。た〜くさんがんばって、ヴィヴィオをお姉ちゃんにしてね♪」
>>165 GJJJ!
>>169 クラールで座標特定して旅の扉でリンカーコアをぶちまけろ!のコンボとか
結界はってナンバーズ閉じ込めたりとか
シャマル先生に限らないけど補助魔法を上手く使えば
今回の事件もっとスマートに解決出来るんじゃね?
>>170 >がんばれ〜〜。アルフおねえちゃんとザフィーラおにいちゃん。た〜くさんがんばって、ヴィヴィオをお姉ちゃんにしてね♪
ヴィヴィオのナチュラル腹黒は確定なのか!?
>>171 旅の扉の条件って結構厳しかったのでは?
結界にしても突破されるかもしれんし描写がないので不明ですが
クラールは広域魔力探査だとかなり時間かかるようだし…そんな便利ではないはず
それより六課襲撃時ヴィヴィオ取り返されるのが一番不自然だが
ただしセイン使えば余裕なんだよな…誘拐なんて
ああ、お祭り好きなのかドクターはwなるほど納得したじゃあちょっとRiotにホームランされて寝るわー
>>147 GJ!そしておつかれ。あったかいなぁ、もう。
しかしなのはの怪我を絡めたSSを読むとどうしても
「本編が欲しい」
って思っちまう。
>>165 GJ!まあ、なんだかんだでまだ子供だしOKじゃない?
>>172 まあ結局描写なしでどっちかわからんわな。
>>169に対しての回答は
>>171でOKだと思うよ。
つーか俺以外にアンチスレ覗いてる人が居ることの方が驚きだ。
いや、寧ろ今期に関しては否定的だからこそ二次創作に走るのか?
アンチは曲解やら設定の誤解釈やら平気でやるけど
痛いとこ突く人もいるからねぇ
ある意味勉強になる
>>171 一行目はあり得んな。
あんなもの無防備な状態で突っ立ってくれてでもない限り効かない。
あれはBJ着てるだけで不可能になる方法だ。
>>165 やはりフェイエリはいい…
そして何故かフェイエリはやという連想をした俺だ
本スレもアンチも
まともな議論になってるときもあれば
gdgdなときもあるさね。
見てるこっちが思考停止しなければいい。
そして妄想はこことかキャラスレとか自分のサイトででも
具現化する、と。
>>176 BJ着てただけで無効化出来る
っていうのはどこで言われてたんだ?
>>178 旅の鏡は本来は攻撃魔法ではないので、
防護服や魔法防御が正常に機能している相手の体内に侵入することは困難。
A'sのDVD1巻ブックレットより。
こんな時間で済みませんが、一本書かせていただきます。
・ミッドチルダでさりげなく連続幼女強姦殺人事件が多発していた
・ヴィータがその毒牙にかかってしまう
・鬼畜エロスマソ
・オリキャラあり
ヴィータは久し振りの休暇が取れたので外に遊びに行く事になった。
故にその日は制服では無く、私服姿であったのだが…
「でもヴィータ、気を付けるんよ。」
「え?」
突然はやてから心配そうに訪ねられ、ヴィータは首をかしげた。
ヴィータは確かに見かけは子供だが立派な管理局員の一人であるし、
実力の点で考えてもはやてから心配そうな顔をされる程の事は無いと思われたのだが…
はやては局内掲示板に貼られていた一枚の紙を指差していた。
「これを見るんよ。今巷では連続幼女強姦殺人事件が多発してて、犯人もまだ捕まって無いんよ!
ヴィータは凄くちっこくて可愛いからこんなのに狙われてしまわうかもって思って心配なんよ!」
実はさりげなくミッドチルダで10歳以下の幼女が何者かにレイプされた挙句に
殺されると言う事件が多発していた。ジェイル=スカリエッティ事件などの
大規模犯罪の影に隠れて実に目立ってはいないが、この様な小規模犯罪も
ミッドチルダでは良くある話だったのである。
故にはやては真剣に泣きそうな顔になっており、どれだけヴィータを心配していたのかが
分かるが、ヴィータは笑いながら胸をドンと叩いていた。
「大丈夫だよ! そんな奴私が逆に逮捕してやるよ! だから心配するなはやて!」
「でも…本当危なくなったら大声で叫んで周囲の人に助け呼ぶんよ!」
ヴィータは笑いながら遊びに出かけていたが、はやては最後の最後まで心配していた。
それに対しヴィータは何の心配もしていなかったのだが…それがいけなかった。
「くそ…しくじっちまった…。」
ヴィータがふと人気の無い場所に入った瞬間に背後から羽交い絞めにされた後で
クロロホルムか何かを嗅がされて眠らされ、目が覚めた時には見覚えの無い部屋の中の
ベッドの上に寝かされた。
「く…ここは何処だ…身体が動かねぇ…。」
眠らされていた間にまた何か別の薬でも使われたのか、ヴィータの意識ははっきりと
していても身体が全く動かせなかった。
「ウフフフフ…薬がちゃんと効いている様で何より…。」
そう言って一人の見るからに危なそうな中年の男がヴィータの前に現れた。
そして身動きの取れないヴィータの服を一枚一枚脱がし始めたのである。
「わ! 何だお前は! やめろ!」
ヴィータは叫ぶが身体は全く動かない。故に成すがままに服を脱がされていくのである。
「目付きも悪いし口も悪いけど…そこが可愛いよね。フフフ…。」
「やめろ! やめろぉぉ!」
ヴィータがどんなに必死に叫ぼうが睨み付けようが、男は逆にそれに快感を感じていた。
その間にもヴィータの着ていた服は脱がされて行き、ついにはパンツだけにされてしまうのである。
「わっ! やめろ! この変態!」
「フフフ…いつもこの最後にパンツを下ろす瞬間は緊張してしまうね。」
「わっ! やめろぉぉぉぉぉ!!」
ヴィータの叫びも空しく、ヴィータのパンツは忽ちの内に下ろされ、脱がされてしまった。
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
パンツを下ろされ、全裸にされたヴィータは泣き叫んだ。
いかにプログラムであろうとも身体的にも精神的にも人間に忠実に作られている故、
このようにされてしまえば恥じらいを感じるのは当然であった。
「ウフフフ…綺麗だね…美しいね…。このツルツルのオマ○コ…最高だよ。」
「うわぁ! やめろ! アッ!」
男はヴィータを全裸にするなり股間のソレに指を差し込んでいた。
しかも一体どんな薬を使っているのかは分からないが、麻酔をされた様に身動きが取れないと
言うのに感覚だけはしっかり感じてしまうのである。
「やめろ! やめっ! アァ!」
「良いね…良いね…。もうこんなに濡れちゃってるね…フフフ…可愛いね。」
男に股間のソレをかき回されヴィータのソレから愛液が流れ出てしまっていた。
しかもその時の男の顔は明らかに危ない。
「それじゃあ…早速だけど僕のチンチン入れちゃおっか?」
「え!? うわぁぁぁぁ!」
ヴィータは思わず叫んだ。裸にされた上に股間のソレを弄くられてしまったのだから
むしろそこまで来て当然と言えば当然なのだが、男は股間のモノをヴィータの前に露にしていた。
「さ〜僕と気持ち良い事しようね〜?」
「え!? わっ! こら! やめろ!」
男はヴィータの脚を掴み、M字に大きく広げていた。この時点で股間のソレのみならず
尻菊まで完全に見られてしまった。しかし男がやろうとしている事は見る事だけでは無い。
己のモノをヴィータの中に押し込もうとしているのである。
プログラムとして生を受けて長い長いの時を生きて来た身である故、
歴代の主の中にはヴィータに性交を強要する者も少なくは無かった。
だがその時はあくまでも主だからと言う事でヴィータは我慢して来た。
しかし、主では無い男から無理矢理に犯されるなど…我慢出来ない事だった。
「やめろ! お願いだ! お願いだやめてくれ!」
「そんなに嫌がる事は無いよ。最初はちょっと痛いけど…直ぐに気持ち良くなるよ。」
ヴィータは身体が自由に動けるなら今すぐこの男を蹴っ飛ばしてやりたかった。
しかし薬のせいで身体が動かないのである。だからこそ男に良い様にされ、
男のモノがヴィータの小さなソレへ押し当てられ…
「いっ!!」
直後、ヴィータの全身の稲妻が走った。男が己のモノを武器として
ヴィータの身体に突き刺していたのである。
「うわぁぁぁぁぁ!! いだぁぁぁぁぁぁ!!」
前述した通り「主」との性交は経験済みであっても「主以外の人間」とやってしまうなど
ヴィータにとって初めての事だった。しかも「はやての騎士」として今の時代に目を覚ました時点で
過去の主に破られた処女膜も再生しており、それが今主では無い男に破られてしまったのである。
「うわ〜…キツキツしたこの感覚がたまらないな〜。」
「嫌だぁぁぁぁ!! 痛い!! 痛い!! 痛い!!」
幾多の戦いを乗り越え、身体が戦いで傷付く事は過去にも良くあったが故に
少々の傷にも動じなくなっていたヴィータであるが…破瓜された痛みは耐え切れる物では無かった。
どんなに身体を鍛えようとも虫歯の痛みには耐えられないのと同じ理論である。
「さ〜それじゃあ動かすよ〜。」
「うあ! いだ! いだぁぁぁ!!」
泣き叫ぶヴィータをほくそ笑いながら男は股間のモノを動かし始めた。
男は身動きの取れないヴィータの身体を強引に突き動かし、その度にヴィータを激痛が襲う。
「良いね! 本当に良いね! あまりに良すぎてもう出てしまいそうだよ! 行くよ! 出すよ!」
「うわぁぁぁぁ! やめろやめろ! だすなだすなだすなだすな!!」
男はヴィータの膣内に射精しようとしていた。これも主以外の男にされる等持っての他。
ヴィータは泣き叫びながら抵抗しようとするが…やはり身体は動かず…
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
下腹に熱い液体がぶちまけられた感触を感じ、もはや泣き叫ぶしか無かった。
「……………。」
主以外の男にレイプされた…ヴィータの心に強いダメージを与え、
しばし放心状態になっていたのだが、男は対照的に満足げだった。
「本当に良かったよ。こんなに良い子は初めてかもしれない。」
だが、ここで突然男は悲しげな顔になっていた。
「でも…こんな可愛い子でも直ぐに大きくなって…オマ○コも毛でモジャモジャになって
胸も牛みたいに下品な身体になってしまうんだ…僕はそんなの嫌だ! だから…。」
「ま…まさか…。」
ヴィータは真っ青になった。案の定男は刃物を手に取っていたのである。
「今ここでお嬢ちゃんを殺すんだ。そうすればお嬢ちゃんは永遠に美しいままさ!」
「うわぁぁぁ!! やめろぉぉぉぉ!!」
今更になってやっとヴィータは気付いた。目の前の男こそはやてが言っていた
連続幼女強姦殺人犯だと言う事を…
「安心してね…苦しくない様に殺してあげるからね…。」
「わっ! やめろ! こんな形で死にたくなんか無い!」
ヴィータは成りは小さいが立派な騎士である。主を守り、戦いで死ねるなら本望。
しかしこの様な形で命を奪われる等…こんな事は絶対に嫌だった。
「嫌だ嫌だぁぁぁぁ!!」
刃物を片手に一歩一歩歩み寄る男にヴィータは泣き叫びながらもがいた。ってもがいたって…
「ってえ? 身体が動く?」
そこでやっとヴィータは薬が切れて体が動ける様になっていた事に気付いた。
だからこそもがくと言う行為を取る事が出来ていたのである。
「さぁ! これで君の美は永遠の物にぃ!」
「黙れぇ!! このクズ野郎!!」
薬が切れて身動きが取れる様になればもはやこっちの物。
刃物を片手にヴィータの心臓目掛けて突き刺そうとする男を逆にヴィータが蹴っ飛ばしていた。
そして刃物を奪って部屋の隅へ放り投げ、男の上に乗りかかって顔面を何度も殴り付けるのである。
「よくも今まで私の身体を好き勝手してくれたなぁぁぁ!!
てめぇなんかグラーフアイゼンを使うまでもねぇ! この拳で直接ぶっ殺してやる!!」
ヴィータは目に怒りの炎と涙の両方を露としながら男の顔を何度も殴り付けた。
自分が素っ裸にされている事など忘れて何度も何度も…
一時間後、はやてが自分のオフィスで一人書類整理などをやっていた時、突然ドアが開き、ヴィータが現れた。
「おかえりヴィータって…ヴィータ?」
何気無くはやてがヴィータを迎えるが、その時のヴィータの顔は涙に歪んでいた。
「はやてごめん…はやての言う事…まともに聞かなかったばっかりに…うわああああん!!」
「ああ! ヴィータどうしたん!? ってあああ!!」
突然大声を張り上げて泣き出したヴィータに慌てるはやてであったが、その後で直ぐにある事に気付いた。
それはヴィータが先にヴィータをレイプした挙句に殺そうとした連続幼女強姦殺人犯を
ここまで引きずって来ていた事である。
「犯人の名前はロンリー=コーンズ。極度のロリコンで、どんな小さい子供もいずれは大人になると
言う事実を恐れる余り連続幼女強姦殺人と言う行為に及んでいたのでしょう。」
シグナムが男=ロンリーに手錠をかけながらその様な事を話、
はやてはなおも泣き続けるヴィータを抱きしめていた。
「うわぁぁぁぁぁん!! ごめんよはやてぇぇぇぇ!!」
「ヴィータがここまで泣くなんて…よっぽど怖い目にあったんやな…。」
「それではこの男は私が連行しますので…。」
シグナムはそう言ってロンリーを連行しようとしていたのだが、そこで突如ロンリーが覚醒した。
「やめろ放せクソババァ!!」
「ク…クソババァ!?」
いきなりクソババァ呼ばわりされてシグナムも焦った。ちなみに説明させてもらうと、
ロンリーは極度のロリコンだからこそ10歳以上の女性は皆老婆に見えてしまうと言う
実に救いようの無い男だった。
「くそぉ!! このクソババァ!!」
「な! 何やてぇ!?」
と、今度ははやてにまでその様な事を吐き捨てるロンリー。これにははやても切れかけるが…
「何だとこの野郎!! こんな美人をクソババァ呼ばわりとは俺達が許さんぞこらぁ!!」
何処からとも無くはやてとシグナムの隠れファンだと思しき名無し局員が飛び出して
ロンリーを袋叩きにしていた。まあ何はともあれ連続幼女強姦殺人事件はこれにて解決したのである。
だが…この事実を聞いた管理局上層部がある事を考え付いてしまうのである。
「何もロンリーだけが幼女強姦犯じゃない! だからこそ逆に幼女強姦犯をおびき寄せる
対幼女強姦犯罪者用の囮捜査官と言う役職を作ろうと思う!!」
とか言って、今回の事件解決に大きく貢献したヴィータをその対幼女強姦犯用の囮捜査間と言う役職に
付けようとしたりして大変な事になっていた。勿論ヴィータは全力で拒否していたが…
おしまい
騎士よ眠れで燃えて、我慢で笑って、koganeで泣いた後で実に申し訳ありませんが
ある槍騎士とある姫のその後の話4の
>ラークス・クラリン
に吹いたのは秘密と言う事でお願いします…。でも終盤の展開はかなり緊迫させていただきました。
186 :
騎士よ眠れ:2007/10/10(水) 11:37:27 ID:abGBfBzo
続きです
187 :
騎士よ眠れ:2007/10/10(水) 11:38:04 ID:abGBfBzo
激しい崩落を続けるゆりかごの夜天の書区画へ辿り着いたザフィーラは、巨大な魔導書
の前で倒れている一人の男性を発見する。どこか貴族的な刺繍を施した白衣に身を包んだ
その男は、全身から淡い光を放ち、上部から次々に落下する瓦礫の雨を浴びていた。
ザフィーラは動物形態へと姿を変え、理路整然とした足取りで初代主のもとへと歩み寄
っていった。
「主……」
「や、ぁ……ザフィーラ、かい? こんな所で君と邂逅出来るなんて……」
男は途切れ途切れの意識を微かに繋ぎとめ、仰向けになると蒼白な顔を露にさせる。
「主、その肉体は」
ザフィーラの途中で切れた質問に、男は環状が摩滅した苦笑を浮かべた。
「ハハ……私も守護騎士プログラムに取り込まれてしまっていた、らしい。でも、もう大
丈夫だ……ザフィーラ達のお陰でね」
ゆりかごの降下と空中分解を伝える震動は、更に激化を強めていた。黙したまま初代主
の末路を見守るザフィーラの背後で、五つの人影がこの場に到達してくる。
「あの人が、この夜天の書を作った人」
「お父さん!」
シャマルが我慢ならずに叫び声を上げ、妹二人と共に本人の近くへ駆け寄る。
男は霞んだ瞳を転がす様に動かし、三人の娘の姿をはっきりと認識した。
「シャマル、シグナム、ヴィータ……それに君は」
三人の後方で立ち止まったはやてとリインフォースUへも、男の視線が注がれる。リイ
ンフォースUが宙を泳ぎ、男の前まで移動する。
「は、初めましてです。リインはリインフォースUと言います」
「リインちゃんか……いい名前だね。それに、どこか妻の面影も……」
「パパ、早く逃げるんだよ! あたし達と一緒に!」
ヴィータの切願を、男は安らかな表情を横に振って拒んだ。
「いいんだ……もういいんだよ、ヴィータ。もう眠らせておくれ……今の君達は、帰るべ
き場所が、私よりも大切な人がいるんだろう? それと同じ様に、私にも待っていてくれ
る人が……妻が向こうで待っている……」
「四人は夜天の書から制御が離れた異常で、危ない状態にあるんです。この夜天の書の仕
様プログラムを、ワクチン代わりにさせてもらってもいいですか?」
男は詳しい経緯はわからずとも、はやての意を汲む仕草を起こす。既に霊魂じみた歪な
存在で無理に顕在を維持されてきた男は、その肉体を半透明な段階まで消滅を進行させていた。
「あぁ、構わないよお嬢さん。早くやってあげておくれ。ザフィーラ、素敵な夜天の書の
担い手に出逢えたんだね。良かった……本当に良かった」
「主……」
最早ザフィーラには、この主に未来を望む自分本位な情意は持ち合わせていなかった。
ただ静かに、最期の時を看取る覚悟でここまで急いできただけだった。
「お嬢さん」
リインフォースUと共に、複製夜天の書の内部機能の操作を始めたはやてへ、男は遥か
な旅路の終着を迎えた人間の声を発した。
「君は、その夜天の書の本当の機能をご存知かい?」
「いえ……ただ、何時しかプログラムが書き換えられたり自然と改変されたりして、四人
が守護騎士として搭載されているのと、魔力を蒐集出来るっていう位しか……」
はやてから返された言葉に、男は俄然と眼に涙を湛えた。
188 :
騎士よ眠れ:2007/10/10(水) 11:38:57 ID:abGBfBzo
「守護騎士プログラムは……このゆりかごもそうだが、後の担い手か、他の要因によって
加えられたものだろう。魔力の蒐集機能は、私が当初から内蔵させたものだ。夜天の書は
ね、お嬢さん、そこの三人の娘が蒐集した全ての魔力で再び人間として蘇生出来るよう、
私が作り上げたものなんだ」
父からの告白に、シグナム、ヴィータ、シャマルが同様の驚きを見せる。
「そんな、一度死んだ人間を蘇らせるなんて、そんな事」
「確かに私自身も無謀な願望だとは思った。だが、それが今実現されようとしている。そ
うじゃないかい?」
真っ当な男の意見に、シャマルは何も返す言葉は無かった。
複製夜天の書の仕様プログラムが起動し、四人の守護騎士の情報へと機能の作用が施さ
れていく。
「何処とない身体の不調が、見る見るうちに改善されていく」
シグナムが拡げた両の掌を見下ろし、体内に蘇ってくる気力を確かに体感した。
「あたし達、生き延びる事が出来たんだよな。それに、これからは正真正銘、普通の人間
として生きていけるんだよな……」
「あぁ、その通りだヴィータ。君達も、ずっと永遠にプログラムのままじゃ差し支えもあ
るだろう」
暗にはやてと共に限りある人生を送って欲しいと願いを託し、男はいよいよ悠遠の封印
に閉じ込められていた肉体を、無窮の自由へと解放させていく。
「ありがとう、お嬢さん。ありがとう、リインちゃん。ザフィーラと一緒に、これからも
その子達と仲良くしてあげてくれないか」
「……はい。シグナムも、ヴィータも、シャマルも、ザフィーラも、リインフォースも、
それにおじさんもおばさんも、私にとって掛け替えの無い家族です」
はやてが膝を床に着け、もう視認出来る密度も残り少ない男の掌をぎゅっと握り締める。
男ははやての手の温もりを確かに感じながら、破壊の電流を発生し始めた複製夜天の書
と共に、最期に安息に満ちた吐息を口から漏らし、六人の家族の前から完全に消滅した。
「ありがとう……」
はやて達は脱出するべき間際の時まで、その場で男の温もりの残滓を心に浸していた。
/
ゆりかごの完全な沈黙が確認され、数百と出現していた守護騎士も瞬く間に消え去った。
今までの天下分け目の大激戦が夢の様に、古代ベルカ世界は地平の隅々まで寂寞とした
静寂を漂わせる。
調査隊の全艦船は、推進システムと攻撃手段を悉く破壊され、本局からの転送の救援が
訪れるまで駐在を余儀なくされていた。
『リンディ艦長』
各出撃隊員を回収しているアースラへ、クラウディアに戻ったクロノから通信が繋がれる。
リンディは最後の最後で踏ん張ってくれた息子に、最近はまた亡き夫に雰囲気が似てきた
かと思いながら頬を緩める。
クラウディアは待機中の艦船に寄り、艦内の修復や搭乗員の処置に必要な人員の転送を
行っていた。
「えぇ、終わったのね……何もかも……」
189 :
騎士よ眠れ:2007/10/10(水) 11:39:48 ID:abGBfBzo
「八神二等陸佐達以外の出撃隊員、回収を完了しました。尚、八神二等陸佐達のゆりかご
からの脱出は確認済みです」
報告してきたアルトにありがとう、と一言応え、リンディは緊張感に凝った身体を休め
ようと少し前から用意していた糖分満点の緑茶を一口啜った。
/
帰還した各面々がアースラの艦内通路を並んで歩く中、その後方でフェイトはユーノの
身体を手で支える。よろめきかけた身体にフェイトの力を加えられ、ユーノは彼女に向か
って照れ臭そうに苦笑した。
「大丈夫、歩けるよ」
「いいよ、私が支えるから」
妙に意固地なフェイトに意地を張り返す気も削がれ、ユーノは複雑な沈黙に口を閉ざす
と、間近でフェイトの柔らかい肢体の感触を感じながら通路を渡り始めた。
二人の後ろで、なのはが少女の姿に戻ったヴィヴィオと共に追いついてきた。聖王の鎧
は間に合わせの突貫作業で復元した為、待機状態も無く二度と再起動の時を迎える事は無
くなった。
「フェイトちゃん、ユーノ」
愛娘の手を引きながら小走りに近づいてくるなのはに気付き、フェイトは小さな風とな
って瞬時にユーノから離れる。唐突に支えを失ったユーノは転げそうになって数歩躓いた。
「どうしたの?」
「ううん、その……ごめん、なのは」
何故か罪悪感を帯びた顔で謝罪してくるフェイトへ、なのはは彼女の意中が全く解せな
かった。更に、そのフェイトの表情には何か物足りなさそうな、残念そうな気持ちも混ざ
っている。
「どうしてフェイトちゃんが謝るの?」
なのはが小首を傾げて問い質すが、フェイトははぐらかして答えようとはしなかった。
「じゃあ、私は皆と一緒に先行くね」
「あ、フェイト。掌、擦り剥いてる」
ユーノが偶然、フェイトの可愛い傷を発見し、腕を掴んで彼女の動きを制止する。
「ひゃっ」
意味不明な悲鳴を上げ、フェイトは謎めいた緊張で顔を赤く蒸発させた。咄嗟にユーノ
の手を振り払おうと腕を引くが、彼は不可解なフェイトの様子も相俟って益々握力を込め
て彼女を引き止めた。
「え? いや、ひゃって何? すぐに治療するから、大人しくしてて」
「ち、違うの。大丈夫、これ位どうって事無いから」
ユーノとフェイトの不毛な押し引き合いの間に、なのはとヴィヴィオが割り込んだ。
「駄目だよ、ほら、フェイトちゃん」
「フェイトママ、痛そう」
高町母子に加担され、フェイトは半ばユーノに抱き寄せられる様にして治療魔法を受け
る。互いの胸元辺りに持ち上げられた少し血の滲む掌に、小さな治療魔法の魔方陣が浮か
び上がる。
190 :
騎士よ眠れ:2007/10/10(水) 11:40:31 ID:abGBfBzo
吐息が触れ合いそうな程間近にユーノの優形の顔貌を見て、フェイトは半開きの口もそ
のままに顔を紅潮させて棒立ちになっていた。目を背けようと心を叩けば叩くだけ、フェ
イトの視線はユーノの治療魔法に真剣な顔に釘付けになった。
「フェイトちゃん? 本当にどうしたの、ユーノの顔じーっと見て」
「えっ? あ、あの、違うの、これは別に、そういうわけじゃ……」
ちょっとした事ですぐ狼狽を究めるフェイトへ、なのはは実に疑念に駆られて眉根を寄せる。
「さっきからそんな事ばっかり。何が違うの?」
「だ、だから、違うの。大丈夫だから、私、なのはとユーノの邪魔なんてしないから」
会話が成立していない違和感に、なのははユーノと顔を見合わせて困惑の視線を交錯させる。
「フェイトママ、わたしにユーノパパの事ばっかり言うんだよ」
「ヴィ、ヴィヴィオっ!」
ヴィヴィオはフェイトの気分も弁えずに言い、当の本人はいよいよ顔の熱を発奮させて
オロオロと混乱する。
出し尽くした筈の涙が、再び羞恥色に染まってフェイトの温厚な瞳を滲ませていった。
「本当に違うからっ! か、勘違い、しないでね。私、ユーノの事大好きって言ったけど、
そ、それはその、言葉のアヤで、別に一人の男の人としてとか、そういう意味は無くて、
私ってなのはみたいに明るくないし、そ、それに、ほら! この前の局員アンケートで『
休日は独りで自宅に篭りっきりの根暗そうな局員ランキング』で私一位だったでしょっ?
それ、結構当たってるし! なのは達と休みが合わない日なんて、一日中家でぼーっとし
てるだけだし! 服だって未だにリンディ母さんと一緒じゃないと買いに行けないし、だ
から、私なんかと一緒にいたって楽しくなんてないし、だ、だから、その、あれだから、あうあう……」
支離滅裂以上に常軌を逸したフェイトの不可解な弁解は、しかし正面の幼馴染み二人を
更に心配を与える結果になった。
「うん……それで、フェイトちゃんはユーノが大好きって事?」
持ち前の能天気さでフェイトの主意を簡略化して解釈し、なのはは頬に人差し指の爪を
当てながら明け透けに言った。
ひくっ、とフェイトの喉から引き攣った音が漏れた。凍結した通路の空気の中で、ただ
一名ヴィヴィオだけが不思議そうに周りの大人達を見上げていた。
「なのはの馬鹿ぁぁぁっ」
三人の視界に目の端から飛散した涙の粒を残し、フェイトは一目散に艦内通路を走り去
っていった。なのは、ユーノ、ヴィヴィオはフェイトの逃走を呆然と見送るしか出来なかった。
「どうしちゃったんだろう、フェイトちゃん」
「さ、さぁ」
なのはの驚きにユーノも曖昧な苦笑いで応え、フェイトが消えた後を眺めるだけだった。
/
荒野に儚げな一輪の花が添えられた。はやて、シグナム、ヴィータ、シャマル、リイン
フォースUは、暫くの間、そうしてこの地に眠る家族の面影を、心の中でじっと見透かし
ていた。
瞑らせた瞳を持ち上げ、ヴィータはザフィーラの姿を捜す。しかし、その蒼い体躯は忽
然と彼女達の前から消え去っていた。ゆりかごの残骸は浮上の際に裂けた山岳の中へと沈
み、そしてまた崩れ落ちた山によって地中深くへと埋葬されていた。
「ザフィーラは?」
ヴィータが立ち上がって口に出すと、隣のシグナムが遠く目を馳せた。
「……一人で泣かせてやれ」
シャマルもシグナムの視線を追い、ヴィータが続く。あの湖畔の家に暮らしていた時代
から、三人の娘達の成長を見守ってきた守護獣の尊き慟哭は、どこからともなく彼女達の
耳にも響き渡ってきた。
191 :
騎士よ眠れ:2007/10/10(水) 11:41:30 ID:abGBfBzo
/
真実は半ば報道され、そして半ば隠蔽された。ゆりかご撃破作戦も、調査隊の独断も全
ては無実の闇に葬られ、先遣部隊、新機動六課の行いもその影響で不問とされる事になった。
禁忌の殲滅兵器が起動した事実は、現場に居合わせた者達の胸の中だけに秘められる結
果に終わった。
彼女達の日々は再び相変わらずな調子で始まり、それぞれの職務を連れて朝も昼も巡らせる。
八神家は久し振りの休日を、本局から遠出をして地上本部近郊にある繁華区画で過ごし
ていた。午前中の街中の散策を中断し、路上に露出した喫茶店の席でそれぞれが注文の品を待つ。
はやてとヴィータとリインフォースUが会話を弾ませ、シグナムとシャマルは行き交う
人の群れを和やかに眺める。
彼女達のすぐ傍には、今も逞しい蒼い体躯が、寡黙を纏って佇んでいた。
「あれ、なのはちゃん達もお休みでこっち来てたんや」
不意にはやてが、車線を跨いだ反対側の歩道で誰かを待っているらしいなのはとヴィヴ
ィオ、フェイトの姿を発見する。
ヴィータが大声で呼びかけようとするのを、はやてがやんわりと制止した。
やがて、三人の美女美少女のもとへ、一人の長髪の男が小走りに合流する。なのはやフ
ェイトに次ぐ管理局の有名人でもある彼は、ずれた眼鏡を直しながら三人へ遅刻を詫びる
ような仕草をしていた。
少しの間ユーノへ膨れた顔をしていたなのはとフェイトとヴィヴィオは、すぐに機嫌を
直すと四人でその場から歩き出した。
なのはがユーノの左で、彼とヴィヴィオの手を両手に絡めて歩く。
なのはの反対側では、フェイトが緊張に顔を強張らせつつ、迷子を恐れる子供の様にユ
ーノの私服の裾をちょこんと摘んでいた。
それが引っ込み思案なフェイトの精一杯の冒険と知り、はやては思わず吹き出してしまった。
「まぁ、あれも一つの家族の形なんかなぁ」
「ふっ……まだまだ未熟だなテスタロッサも」
「人の事言えねぇけどな、お前も」
ヴィータがしたり顔で皮肉を投げ、シグナムの鋼の美貌に渋面を広げさせる。
「そやでシグナム、早く私の事『はやて』って呼んでくれるようにならんと」
はやてが追い討ちをかける。シグナムはわざとらしく咳払いをし、かねてからの家主の
呼び方の訂正をやり過ごそうとした。
「し、しかし主はやて。私は騎士でなくなっても貴方への忠誠を棄てたわけでは……」
「は、や、て」
はやてが凄みのある笑みでシグナムを圧迫した。
「う……。は、は……ゃ……て」
「んん? 何やって? ごめん聞こえへんかった」
シグナムが顔を真っ赤にしながら辛抱を切らし、机に拳を叩き付けた。周囲の人間が何
事かと八神家の座席に視線を向けたが、ただの姉妹の痴話喧嘩と判断して注意を逸らした。
「それではザフィーラも同様です! おい、お前も主の事を呼び捨てにしてみろっ!」
「わん?」
「つ、都合のいい時だけ犬面するな貴様っ!」
シグナムとザフィーラの低次元な喧嘩が勃発し、その様子を他の八神家の面々の愉快な
笑い声が装飾した。麗らかなミッドチルダの休日で、彼女達の仲睦まじい姿が一際輝き
を放って風景の中に溶け込んでいた。
192 :
騎士よ眠れ:2007/10/10(水) 11:42:26 ID:abGBfBzo
騎士よ眠れ、完結です。
色々と公式設定との矛盾などが御座いますが、どうか寛大な目で見ていただけると幸いです。
GJ支援をしていただいた皆さん、レスしていただいた皆さん、一読していただいた皆さん、
本当にありがとうございました。
>>192 リアルタイムでGJ!
都合のいい時だけ犬面するザフィに吹いたww
194 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 13:01:28 ID:HMqD77AJ
>>109 ヴィヴィオ〜!!?最後のザッフィーの句にマジ吹いたー!!
この計画性は多分(三袋御供え物辺りの)ユーノやアッチ系のどーじん書いてるシャマルゥの背を見て育ったからか…
娘とは父に似るというの聞いた事あるし…おっと、GJを忘れてたZE!
次回はそうして家族が増えたヴィヴィオがどうするのか知りたい。。。
>>147 GJでした! 暖かいユーなの話が増えて嬉しいな〜
>>192 好きな子ばらされて赤面(に見えた)って…心だけ小学生に戻っちゃった
フェイト可愛いよGJ!
>>165 GJ!!相変わらず純情フェイトさんはかわいすぎる!
エリオもかこいいし、この甘さは絶品です
あ〜んでは萌え転がった!次回も楽しみだ!
>>192 GJ!
完結おめでとう!
楽しませてもらったぜ!
最後の犬フィーラに本気で吹いた。
一話や戦闘シーンとのギャップが激しすぎ。
あとやっぱり純情フェイトさんは可愛いすぐる。
今回の支えに怪我治療に自爆に袖つかみとなんたる萌え要素祭り…
世の中にはママが五人いる世界とかあるんだから、二人くらい問題ないと思うんだ。
さて、脳にアフターの中継電波が届いたので今から見てくる。
>>192 GJ!!!
GJすぎる!
俺の中ではもうオフィシャル認定
>>192 お疲れ様でした。素晴らしい作品の投下感謝です
StSの敵面子まで出てくるオールスターぶり
それぞれのキャラに活躍の場があり、ところどころに散りばめられた燃え展開に心躍りました
>>192 完結お疲れ様でした、GJw
なんという両手に花なユーノ。だが、それもよし!浮気なんて出来そうもない二人だがなw
そして、最後のザフィーラの「わん?」に一番萌えたのは私だけでいい
>>192 フェイトそんが可愛ええ
でも、休日は独りで自宅に篭りっきりの根暗そうな局員ランキング
には吹いた。
>>192 GJです。最高に面白かったです。
脅威の更新速度にもビックリです。
最後の最後でフェイトさんが全部持ってったよーなw
可愛すぎるwwwあと「わん?」最高でした。超良作あざーっす!!
>>192 完結お疲れ様です。言葉がまとまらないので、今はただGJを。
しかし相変わらずスレ速度が半端ないぜ…遅筆の身には1スレ1投下すらキツいわいorz
>>180 エロいというよりちょいおもろかったぜ
コーンズよ、気持ちは解かるが殺しはいかんぞ!
あと、はやてんにクソババァなどコンゴ動乱!
俺が許さん!!
まさかここで漫画版でぼちんネタを見るとは思わなかったw
舞-MAOH・・・・・・。
ユーノ「男子校かと思ったら全員が男装の美少女の通う学校でした。」
ユーノくんが食われる訳か…
『ユーノくんに』だよ
つーか、イレヴンソウル解ったり王ドロボウ解ったり伊藤勢解ったり
漫画版舞-乙Himeネタあったり
いくらなんでも引き出し多すぎだろ、皆w
「誰が淫獣だ!」
「じゃあ肉欲獣」
「それもやめて。」
こうですか、わかりません><
「で、ボクが二代目肉欲獣ですか。」
何で非エロ小説がずっと続いてんだ・・・
ヒント:ローカルルール
おい、いま思いついたんだけどさ
ナンバーズの後発組みって、
戦闘中いきなり目の前で濃厚なキスシーン見せつけられたら
思いっきりコケそうだよな!
こう、頭からズザザザザーーーって感じで
特にノーヴェとか(ディードはそのままオカズに使いそう)
当然ただの口づけじゃなくて
舌を絡めつつも秘所に触れられて喘ぎながらという濃厚なので
特にティアナとヴァイスだったら“絶対”にやってくれそうな感じがするんだッッ!!
そのまま盛り上がって後発組戦闘機人の目の前でラストまで突っ走ってくれたら、二度と戦闘ができないくらい精神ポイントがゼロにできそうだ!
この精神年齢に未熟さを逆手に取った攻撃ってどうよ!?
>>212 >(ディードはそのままオカズに使いそう)
ねこ屋自重。
214 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:39:07 ID:Nj06Ud+Y
ナンバーズの話割と無いな・・。
でも自分では作れない・・・・・。
そういや、ドゥーエ姐さん生きてたらしいね
ナンバーズ達はなぁ…
エリオやユーノが〜的な話しかないからな
もっとこう…なんか絡みのいい男が思い付かん
ゲンヤさん?あの人はノーヴェだけダロ〜ン
218 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:54:30 ID:Nj06Ud+Y
雑誌で名前が出てたけど生きてるとは明言されてなかったなぁ。
まあ生きててほしいけどね。
都築氏がインタビューで、スカ、1、2、3、4、7は自分が罪人だと思ってないので釈放される可能性は低いとか言ってた。
220 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 22:01:31 ID:Nj06Ud+Y
自分達の世界を創るとか言ってたけど、
要するにそれは戦闘貴人とかクローンばかりで構成される
国とかの意味なのかねぇ?
>>208 とあるカオススレで日々ネタに対する真摯な態度を学んでおりますから。
それはともかく
>>212が発信した電波のせいでヴァイスとキスしながら妖艶な流し目で視殺するティアナ→それを見て涙目ガクブル小動物チックなナンバーズ達
なんつーイメージが浮かんでしまったじゃんか、文才もない俺にどーしろとッ!
>>192 きれいにまとまってGJです。
欲を言えばもっとドロドログダグダの汚い政治的駆け引きが見たかったですが。
上官に逆らった落とし前をどう着けるのかを楽しみにしていたので。
スカ的には禁止されてる質量兵器やら人体実験その他の研究が
思い通りにできればおkだろうが、ナンバーズはどうなんだろうな。
スカの元で働ければそれでいいのか、各々秘めた欲望を思う存分解放したいのか
全員違う答えを出しそうな気もする。
>221
ご出身は煩悩-Gとお見受けしたが。
俺が受信したのはスバルに骨抜きにするようなディープキスをかますティアと、
呆然→赤面のコンボを決めるノーヴェ、影響されて目がマジになるウェンディ、
妹達の目を塞ごうとするが自分も見入ってしまってるチンク姉だな。
良質の電波源をありがとう>212
>>223 立ち上がってる妹の目を塞げるのか?
チンク姉……
225 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 22:16:32 ID:Nj06Ud+Y
一生懸命ジャンプして塞ごうとするんだよ。
>>212 キスを見て驚く…
そう聞くと初代マクロスを思い出す、俺はいくつだ。
228 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 22:31:49 ID:Nj06Ud+Y
下位ナンバーズも割とSSとかで喋ってたからな。
キャラが大分固定してきてると思う。
ナンバーズスレに行けばいいと思うよw
百合スレでもいんじゃね?
>>221 自分の知っているカオスなスレっつーと、
漫画板のエレガンテなスレなんだが。
ナンバーズSS書いてる身としてはドゥーエ姉さんの生死が激しく気になるのだが
生死が気になる?
逆に考えるんだ。
自分の都合のいいほうに使えるドゥーエ姉は最高だな!
そう考えるんだ。
前スレで確認取る必要ないって言われたけど、やっぱり聞いてみる。
八神家のほのぼの投下しておk?
どーぞどーぞ。
おっけえ!!
「……………んっ」
「ルー!どうしたのっ?」
「エリオと一緒にいると……胸が痛い……」
(まさか……これは……チャンスだ!)
「ルー、落ち着いて聞いて?それは病気なんだ。でも大丈夫!
マッサージすればすぐによくなるから!」
「ほんと……?なら、お願い……」
ふにふにふにふにふにふに
「……っ、……ひぅ……」
くにくにぷにゅぷにゅもにもにくりくり
「……ぁ……ふぁっ!……はぅっ!」
ちゅぷちゅぷちゅぷちゅぷれろれろれろれろ
「やっ、舌ザラついてて…………ふひゃあっ!ひぁっ!」
「どう……かな?胸の痛みは治まった?」
「……頭がぼうっとして……あと、あの……」
「少し足のつけねが濡れちゃった?」
コクリ
「そっか……それの治療法も僕は知ってるんだけど……」
「……お……ねがい……」「じゃ、とりあえず僕の部屋に行こうか……」
真面目エリオばかりで疲れたんでたまにはこんなエロオ・モンデヤル。
都築はWebで!
やった!今回は返事がもらえた。
では5〜10分くらい後から投下を開始します。
【注意】
一部エロ(凌辱)あり
時間軸は闇の書事件の2年後。五月。
冬 11月くらい リイン誕生(※自己設定)
冬 12月くらい なのは11歳ごろ怪我(※自己設定)
リイン誕生から6ヶ月経過。
なのは復帰の約1ヶ月前。6年生。
どこまでも深い闇の中で、其処だけが淡いひかりを放っていた。
跪き涙を流す女性と、その女性の頬を両手で包み込むようにしている車椅子の少女。
その足もとでは、3つの円環を結んだトライアングルの魔方陣が、
幻想的な白銀のひかりを放ちながら、少女を中心に、威風堂々とまわりつづけている。
『夜天の主の名に於いて、汝に新たな名を贈る。
強く支えるもの、幸運の追い風、祝福のエール。
――――リインフォース。』
聖夜の贈り物、それはひとつの名前。
1.八神家にて
闇の書事件から3年後。5月21日 PM8:00
夕食後の八神家リビング
「はやてちゃんの嘘つき!
今度の日曜日は遊園地に連れて行ってくれるって、約束したですぅ〜!」
「ほんまにごめんなー、リイン。
急に厄介な仕事はいってもーて、どーしてもはずされへんのよ。」
「でも、でもぉ…」
「こら、いー加減にしろ、リイン」
「主はやてとてお忙しい身なのだ。そう駄々をこねて困らせるものではない」
「うぅ、ひっぐ、ぐす…」
「まあまあ、ヴィータちゃんもシグナムも、そんな風に言わなくても」
「ふえぇぇーん…」
「ああっ!こら、泣くなよ、リイン!あたしのアイスやるから!
ほら、ザフィーラも何とか言え!」
「……。(俺に、振られても、困る。)」
最後の夜天の書の主、八神はやてと、技術官マリエル・アテンザのほとんど執念じみた
情熱によって、はやてをサポートする人格型ユニゾンデバイス、『リインフォースII』
が創られてから、はや6ヶ月。
インテリジェントデバイスと同様に、高い知能を備えていたリインフォースIIは、
はやてをはじめ周りがびっくりするぐらいの速さで、耳にしたもの、目に触れるもの
すべての知識と情報を吸収していった。
とはいえ、リインフォースはまだ生まれて6ヶ月足らずであり、その知能は高くとも、
精神的にはまだまだ幼い。
例えば。ある時は、冷凍庫で見つけたヴィータのアイスをおいしいからといって断り
もなく食べつくしてしまったり(「もうお姉ちゃんなんやから、我慢せなあかんよ」と
言われて涙ぐみながら怒りを抑えるヴィータが見られたとか見られなかったとか)
ある時は、ハサミで物を切ることに夢中になって、家の中の物をハサミで切ってまわり、
挙句の果てに、寝ていたザフィーラの毛やタテガミさえ刈り取ってしまった。(その姿を
見た知り合いにことごとく爆笑され、拗ねてはやての部屋の隅で一日中丸くなっている
ザフィーラの姿が見られたとか見られなかったとか)
リインフォースは自分の欲望に忠実である。
――つまるところ、大抵の子供と同じく、ワガママなのだ。
故に、テレビで見てその様子にひどく興味をひかれた「ゆーえんち」なるものに行きたい、
とリインフォースが駄々をこねてしまうのも、当然の成り行きだった。
(リインはすごく、すごく楽しみにしていたのに……。
遊園地に行くために、一生懸命、変身魔法だって覚えたのに…。)
リインフォースIIは、主たるはやてが自分の気持ちを知っているというのに
自分の希望を叶えてくれないことが悲しく、
(はやてちゃんは連れて行ってくれるって言ったのに…。)
また、約束を交わしたにもかかわらず、それを破ったはやてに不満を募らせる。
「あっ、こらっ、リインッ!」
ヴィータが、リビングから文字通り飛び出ていくリインフォースの後を追おうとソファ
から腰を浮かせかけたが、はやてに肩をつかまれてその場に引き止められた。
「ちょお、待ち、ヴィータ。しばらく…そっとしとこ?」
「はやて、でも!」
はじめてできた妹分を心配して、ヴィータはなおもリインフォースIIを追いかけようと
するが、はやての表情を見て押し黙った。
「リインが怒るのも当然や。楽しみにしとったのに、約束、破ってもうたなぁ…」
消沈したはやての足もとに、ザフィーラが主を慰めるかのように身をすり寄せてくる。
はやてがそんなザフィーラを撫で、そのフサフサした毛ざわりを一時楽しんでいると、
いままで腕組みをしたまましばらく沈黙を保っていたシグナムが仏頂面で口を開いた。
「主はやてがそう気に病まれる必要はありません。
あれにはもう少し、ヴォルケンリッターの一員としての自覚をもってもらわねば。」
(うはぁ〜、ウチのリーダーは相っ変わらず、くそ真面目だな)
生まれて半年。見た目も幼いリインフォースに対して、騎士としての振る舞いを要求する
シグナムにヴィータは内心すこしばかり呆れてしまった。
(まあ、シグナムはコチコチの騎士だものね。しかも古風の)
それに対してシャマルが念話で返事を返しつつ、物憂い顔で言う。
「私やシグナムが連れて行ってあげられればいいんだけど…」
「あー、そっか。私が行かれへんくても、誰か連れてってくれる人がおったら頼めば
ええなぁ。けどシャマルはいつ急患が入ってくるか分からんし、そうおいそれとは休め
へんわなぁ。シグナムも…」
はやての逡巡に、シグナムも頷く。
「ええ。私も、今の部隊は異動したばかりですので、あまり私用で欠勤するというのは…」
「はやて、はやて!あたし行けるぞ!シフト少し変えてもらえば大丈夫だ」
手を挙げてアピールするヴィータに、一同は微妙な顔で押し黙る。
リビングに流れる何ともいえない空気のなか、ためらいがちにはやてが口を開いた。
「ううーん。ヴィータ、とリインだけやと、なんや、あれやしなぁ…?」
「?あれって?」
訝しげに尋ねるヴィータに、再び一同が押し黙り、リビングに沈黙が降りる。
それからたっぷり10秒はたってから、
「ほら、ヴィータちゃんって、見た目、7歳くらいでこっちで言うと、ええと
小学校1年生くらいじゃない?
あんまり小さい子同士だと、遊園地の人も不審に思うかもしれないじゃない?」
勇気を振り絞ったシャマルが、ヴィータをなるべく怒らせないように恐々と説明をした。
「あ、あたしがガキだって言いてーのか!?」
(喚くな。シャマルは外見上の事実を言ったまでだろう)
「なんだよ、ザッフィーなんか犬っころじゃねーか」
ヴィータの言葉にザフィーラは耳をピクリと動かした。
「…犬ではない。」
誇り高き守護獣は憮然として否定し、
「狼だ。」
と、己が種をはっきりと言明する。
しかし、この『狼』たることへのこだわりが、却ってヴィータの攻撃の的となるのであった。
「やーい、犬、犬、犬っころー」
はやし立てるヴィータに背を向け、ムスッとした風情で黙って床に伏せるザフィーラの
哀愁漂う背中を横目に、はやてはまあまあ、となだめ、先ほど思いついた考えを口にする。
「んでな、話戻すけど、なのはちゃんに頼んだらどうやろ?」
「えっ、でもなのはは…」
はやての口から出てきた思いがけない提案に、真っ先に反応したのは、やはりヴィータ
だった。その口調からは僅かに動揺と困惑が感じられた。
「なんや?不満あるんか?」
間髪入れず返されるはやての突っ込みに
「いや、そーじゃねーけど」
ヴィータは一瞬たじろくが、すぐに慌てて手を振って違うと言う。
「そーじゃねーけど、さ、大丈夫なのか?あいつ、まだ本調子じゃねーんじゃ…」
そう言って、はやてとシャマルの顔をうかがう。
5ヶ月ほど前、ちょうどリインフォースIIが誕生してまもない頃、
高町なのはは、ヴィータと共に受けたとある任務の最中に、多数のアンノウンの機械兵器
による襲撃を受け、生死の境をさまようほどの大怪我を負った。
シャマルも医務官としてなのはの治療にあたったが、失血量も多く、
シャマルの腕をもってしても際どい状態だった。
シャマルたち医療チームの奮闘のおかげで、幸運にも一命はとりとめた。しかし
なのはの受けたダメージは深く、一生車椅子の生活になってもおかしくはないほどだった。
だが、ヴィータやユーノ、フェイトをはじめ周囲の人間の献身的な世話と、本人の努力の
甲斐あって、今では、ほとんど後遺症もなく全快した。
しかし、その事件以来、ヴィータのなのはに対する態度は、以前とは変わってしまった。
彼女が重傷を負ったミスの直接の原因は、肉体的そして精神的疲労であった。
事故の直前、周囲から見たなのはは明るく元気そうに見えた――おそらく無理にそう
振舞っていたのだろう――が、ヴィータが今にして思えば前兆は確かにあった。
出勤時刻の遅延。デスクワークでの凡ミス。食事量の減少。共にいながら、笑顔の裏
の真実に気づけなかった、否、気づこうとすらしなかったという負い目。
それがヴィータの心を未だにさいなむ。
さらに、事故の際、目の当たりにした、なのはの姿――白いバリアジャケットを真紅に
染め上げていくおびただしい量の血。ありえない方向に捻じ曲がり痙攣を起こす手足。
吐血しながら「大丈夫だから」と伝える掠れ声。そして、すぐに糸の切れた人形みたいに
ぐったりして、血の海のなか抱きかかえた体が冷たくなっていく感触――思い出すだけで
足がすくむような、光景が、今なおヴィータの脳裏に焼きついて離れない。
それ故、なのはに対してだけはヴィータの憎まれ口は鳴りをひそめ、
しきりに心配するようになったのだ。
「まあ、激しい運動をするわけでもなし。
遊園地で遊ぶくらいやったら、なのはちゃんにとってもええ気分転換になるやろ。」
はやての答えにも、ヴィータの顔はくもったままだった。
その様子を見て、はやてや他のヴォルケンリッターは心中で嘆息した。
(う〜ん。重傷やな)
念話でため息混じりにはやてがぼやくと、
(ヴィータちゃん、なのはちゃんのことで凄い責任感じてましたし…)
ヴィータの心中を思いやってシャマルが返す。
(高町の怪我はもうおおかた治っているのだろう?)
横から、シグナムがそう問うと、
(ええ、はやてちゃんの言う通り、激しい運動をしなければ問題ないわ)
シャマルも是とかえす。
(リインのこともあるけど、なのはちゃんが行くんやったら、
ヴィータにも良い機会なんよなぁ。)
「まあ、ちょおしんどい感じやったら、ヴィータが様子見てうまく休ませてたって」
もう決定事項となりつつある提案に、それでも答えかねて、ヴィータはシャマルの方を見た。
「大丈夫よ」
ヴィータの視線を受けて、シャマルがにっこりと笑って返す。
「ま、まぁ、それなら、いーか。
ヤバそうなら、あたしがアイツの首根っこ引っ張ってでも休ませりゃいーし」
渋っていたヴィータだったが、シャマルの言葉でやっと安心したのか、
なのはの同行に同意した。
話が一段落ついたところで、はやては冷蔵庫のなかのアイスを取り出し、
器に盛り付けてゆく。デザートが好物のアイスクリームだとわかって、
ヴィータは目を輝かせた。
「そういや、なのはが行くんならテスタロッサなんかは?」
「いや、テスタロッサは今、第59観測指定世界で長期任務にあたっているそうだ。
んむこれは中々…」
ヴィータの問いに、抹茶アイスに舌鼓を打ちつつ、シグナムが答えた。
「へー。もうすぐ、また執務官試験があんのにテスタロッサも大変だなー」
パクパクと幸せそうにアイスクリームをパクつきながらつぶやくヴィータの後ろで、
はやてが獲物を見つけた猫のような表情でシグナムを一瞥する。
「ほぉー、流石やなシグナム。
フェイトちゃんのスケジュールはいつもバッチリ把握しとるんか。
やっぱ、愛やねぇ」
「なっ、あ、主はやて。
妙な誤解をされては困ります!わ、私は、テスタロッサとはその、手合わせの機会を
つくるためであって、むしろ好敵手であって…」
狼狽してスプーンを振り上げつつ、真っ赤な顔で必死に言い訳をはじめる将を尻目に、
シャマルは手際よく高町邸に電話をかけていた。
「うん、うん、そう?よかったわ!はやてちゃーん、なのはちゃん行けるって!
ヴィータちゃん良かったわねー。
え、うん、ヴィータちゃん、なのはちゃんと一緒に行けて嬉しいって」
電話口でなのはと話すシャマルに
「な、何言ってんだ、シャマル!べ、別にあたしはそんな嬉しくなんか…」
こちらもやはり、あたあたと真っ赤になって否定する。
「まぁ、ヴィータちゃん、かわいー。うふふふ」
「あはは、嫌よ嫌よも好きのうちってよう言うしな」
「そう言えば、この世界では、逢引きの場所の定番は遊園地なのだそうだ。
ふっ、まあ、楽しんでくるといい」
はやてのおふざけの矛先が自分からヴィータにそれたのを、これ幸いとばかりに
シグナムも一緒になってヴィータの慌てぶりに口を入れる。
(……。)
喧騒のなか、静かに立ち上がったザフィーラは、リインフォースのもとへ吉報を届けに、
ひっそりとリビングを出て行ったが、誰も気づくものはおらず、その背中にはやはり哀愁
が漂っていた。
兎も角、こうして、リインフォースIIとヴィータ、なのはの3人はそろって日曜に
遊園地に行くこととなった。
このちょっとしたイベントは、ヴィータにとっての悲劇であり、なのはにとってのいらぬ
艱難の原因であり、リインにとっての師との出会い、となるのであった。
〔『2.リインのやきもち』に続く〕
2.リインのやきもち
海鳴市郊外にある海鳴スカイパークは、日曜日ということもあって、人ごみでごった返し
ていた。色鮮やかな遊具やアトラクション、そこかしこから歓声があがり、楽しげなメロ
ディが間断なく流れ、クレープやポップコーン、ソフトクリームなどを売る屋台からは甘
い匂いが漂ってくる。
「ふわあぁー」
施設に入場するなり、数々のアトラクションを見上げて目をキラキラと輝かせている
リインフォースのはしゃぎように、ヴィータとなのはは揃って顔をほころばせた。
「すごいです…!あ、クマさん!」
入り口近くで風船を子供達に配っている熊(着ぐるみ)を見つけると、リインは一目散に
走って行ってしまった。いつもは、30cm程度の身長しかないリインだが、今日は変身
魔法を使っているため、普通の子供と変わらない大きさになっている。薄い水色のワンピ
ースに藍色のスカート、肩に林檎のアップリケが特徴的なポシェットをさげたリインの姿
は、どこからどう見ても可愛らしい普通の子供である。
「にゃはは、リインちゃん嬉しそう」
対してなのはは、ジーンズズボンをはき、Tシャツの上からデニム生地のジャケットを
着ており、珍しくカジュアルな格好で来ていた。
「まー、リインは外に出る機会、あんまねーかからなー」
腕を頭の後ろで組みながら答えるヴィータは、骸骨がプリントされたいつものTシャツ
に赤いスカート姿である。
「ヴィータちゃん!なのはさーん!クマさんに風船もらったですっ!!」
赤い風船を手にリインが二人のところに戻ってくる。
そうして並んで歩き始めたなのは達であったが、先ほど風船を配っていた着ぐるみの熊
が彼女達三人の後姿を、じっと見つめていたことには、誰も気がつかなかった。
/
「うふふっ、面白かったですっ」
「うんうん!自分で飛ぶのもいいけど、ああいうのも結構気持ち良いね」
リインとなのはが楽しそうにアトラクション『ループコースター』の乗り心地について
語り合っている後ろで、ヴィータは独りげっそりとした顔をしていた。
「おめーら、あんな、ぎゅんぎゅんぐるぐる…よくへーきだな…」
そんなヴィータにリインは悪戯っぽい笑みを浮かべて言い放った。
「ヴィータちゃんがあんなに怖がりだなんてリイン知らなかったですよ」
「バ、バーカ。誰が怖がってるって?」
「だってヴィータちゃん、悲鳴あげてたです!」
「悲鳴なんてあげてねーよ!他のやつの声と聞き間違えたんだろ」
「えー!?あれは絶対ヴィータちゃんだったです!リインはちゃんと聞いたです!」
「ちげーよ!」
「違わなくないです!」
「ちげーって言ってんだろ!」
水掛け論の言い合いから、次第に睨み合いをはじめ、一触即発の雰囲気を醸しだした
リインとヴィータを見て、なのはが慌てて仲裁に入った。
「まあまあ、ヴィータちゃんも、リインも、そのへんにして。
えーっと。少しお腹すかない?ちょっとあそこで何か食べていこう?」
なのはは、何とか二人の注意を逸らそうと、屋外に設置された軽食レストランのほうを
指差し、そう提案した。食べ物で釣ろうという魂胆がみえみえにならないように、なる
べく自然に。
その声に、はっとヴィータはなのはのほうを振り返った。
しかし、すぐこちらに向けられるなのはの笑顔に気まずそうに目をそらした。
(何てこった。病み上がりのなのはに気ぃ遣わせちまって、何やってんだ、あたしはっ!)
「ねぇ、どうかな?」
プイッとそっぽを向いて黙り込んでしまったヴィータに気持ちがめげそうになるのを
こらえて、なのはは笑顔で尚も食い下がる。言い出した以上、ここで引いてはエース
の名がすたる。過去、何度も無視され、拒絶されながらも執拗にフェイトに「お話」
を求め続けたなのはの諦めの悪さは今なお健在であった。
リインはどうしていいのか分からずになのはとヴィータを交互にチラチラ見ている。
まだ活動時間が短く、家族以外の人間とは――但し生みの親の一人であり、何かと世話を
焼いてくれた技術官のマリエルを除いては――あまり接触を持たないリインは、どう対応
してよいのか分からない。まして、なのはについては、名前はよくはやてから聞いて知
ってはいたが、重傷を負っていたために、直接きちんと会話する機会はこれまでなかった。
「ええっとぉ…。」
間をもたせようと、リインはモゴモゴと言いよどみながら、ヴィータのほうを盗み見た。
(何か、ヴィータちゃん変です…)
ばつの悪い顔でそっぽを向いているヴィータは、いつものヴィータとは違った風に見え、
リインは、先ほどの自分の言動を少し後悔した。
なのはのほうを見やれば、笑ってはいるものの困ったような様子であり、このまま何も
返事を返さずにいれば、彼女がますます困ってしまうだろうことは明白だった。
「リ、リイン、お腹すいたです!」
その場の空気にいたたまれず、リインは勇気を振り絞って切り出した。
「ん、あ、ああ。そーだな。何か食うか」
ようやく再起動しだしたヴィータをともなって、一行はレストランの中に入っていった。
――あっ!クマさんだぁ!
――ふうせん、頂戴!
――ああっ!コウちゃんだけ、ズルい!わたしにも!
いつの間にか、あの着ぐるみの熊が入り口付近から、なのは達のいるレストラン区画
近くまで移動していることに三人は気づかない。
屋外に設置されたパラソルの下。丸テーブルを囲んで、なのは達は軽食を取っていた。
食事がはじまってからは、先ほどの気まずいムードは去り、ヴォルケンリッターの面々
の性格や、ヴィータが町内会のゲートボール大会で活躍していることや、テレビ番組に
ついての話題で話が弾んだ。リインも、なのはに対する気後れは薄らいできて、あれこ
れと自分から話を振るようになった。
「そういえば」
と、幸せそうにピザ風トーストを食べていたリインが言った。
「なのはさんは、もう怪我は大丈夫なんですか?」
ハンバーガーにかぶりついていたヴィータが瞬間、身をこわばらせる。
リインとなのははそれに気づいたが、それについては何も言わなかった。
「うん。大丈夫。もう全然平気だよ!」
にっこり笑って拳を握り、全快をアピールするなのは。
「……。」
まただ、とヴィータは思った。また、笑顔。
あの時も笑顔だった。事故の直前、疲労がたまって不調だったはずの時。
そして血まみれになっても、やっぱりアイツは笑っていた。
コイツの笑顔ほど、信用ならねぇモンはねぇ…。
「本当に大丈夫だよ?」
ヴィータの心中を見透かしたようになのははヴィータに声をかけた。
リインは目をパチクリさせてヴィータとなのはのやり取りを眺めている。
「わーってるよっ!」
真っ赤になって乱暴な口調で言うと、ヴィータはハンバーガーを一気に口に詰め込んだ。
その様子にリインは首をかしげるばかりであった。しかし、それと同時に、なのはを
何かと気にかけるヴィータと、家族と同等かあるいはそれ以上に通じ合っている風な
二人の様子に、リインの心のなかに燻るものが生まれた。
(ヴィータちゃん、今日はなのはさんばっかり…。)
もともと、年齢(設定)の近いヴィータはリインにとって、主であるはやてとは別に、
最も身近な家族であった。遊園地に行く道中からずっとヴィータがなのはの方に視線を
ちょくちょく向けていたことをリインは知っていた。リインはヴィータとなのはとの間
にある事情についてよく知らない。リインにとって、ヴィータの態度は、まるでヴィー
タが自分よりも、なのはの方を大切にしているように感じられてしまうのだった。
「あ、ヴィータちゃん、テントウムシが頭についてる」
「んだぁ?てんとーむしぃ?」
「にゃはは、ちょっとじっとして…。はいっ!とれたよ」
なのはは、ヴィータの頭に張り付いていたテントウムシを優しくつまむと、近くの
植物の葉っぱの上にそうっと逃がしてやった。
春のうららかな陽気に誘われて、海鳴スカイパークには様々な虫も湧いてきていた。
レストランの敷地の外から、彼女達を見つめる何者かの視線は、いつの間にか、増えていた。
〔『3.ホーンテッド・ハウス』に続く〕
3.ホーンテッド・ハウス
五月の春の陽気のなか、海鳴スカイパークで、なのは達は様々な遊戯施設をまわって
楽しんだ。お猿電車に、コーヒーカップ。モグラ叩きに、メリーゴーラウンド。
そして、時刻はまわり、日が少しずつ傾き始めた頃、
「こ、ここ入るの…?」
「リイン、おめー、ここがどんなとこか知ってんのか?」
「お化けさんがいるところです!リインちゃんと調べてきたですよっ!」
三人は、不気味な青いライトで照らし出されたお化け屋敷の前で佇んでいた。
若干腰が引け気味ななのはや、呆れ顔のヴィータに対して、やる気満々といった風情の
リインはパンフレットを片手に握り締め、さあっ!っと勢い込む。
(おいっ、おいっ!)
お化け屋敷を前に、戦々恐々としているところに、突然、ヴィータから念話で話しかけ
られて、なのはは思わず飛び上がった。
(な、何?)
(おめー、こういうの苦手なのか?)
正直に言うと、なのははこういった類のものは苦手な性質であった。
しかし、リインはお化け屋敷に入るのをとても楽しみにしているようだ。
なのはにも、覚えがある。遊園地や旅行に行くときはあれこれとパンフレットを見ながら、
何処何処に行こう、あれをしよう、とワクワクしながら計画をたてたものだ。自分のワ
ガママでリインの気持ちを台無しにしたくはなかった。
なのはは少し考えて念話を返した。
(ん…。少しね。でも大丈夫)
(別にリインに無理してあわせなくったっていーんだぞ?)
(にゃはは…。まあ、危険があるわけじゃないし、大丈夫だよ)
ヴィータとなのはの念話の内容は当然、リインには聞こえていない。
しかし、最も近しい身内であるがゆえに、ヴィータの感情の変化に敏感なリインは、
二人の間でなにやら会話が交わされていることを察知していた。
そして、ヴィータがなのはのことを心配していることも同時に悟った。
リインはぷうっと頬をふくらませた。
(何か、おもしろくないです…)
リインは、ふとちょっとした悪戯を思いついた。
(ええっと、確か、蒼天の書のデータベースに…)
それは、悪意に満ちたものではなく、ほんのちょっとした悪戯心に過ぎなかった。
大好きな家族が自分をさしおいて仲良くしている人物に対しての、ささやかな復讐。
お化け屋敷のなかは薄暗く、不気味な水温が響いていた。
先頭をヴィータが気だるそうにしてドスドスと歩いていき、その後ろを企みごとを
秘めたリインが進む。最後尾に、なのはが表面上は冷静に、内心ビクビクしながら
前を行く二人についてゆく。
突然、道の脇の扉が開き、全身を包帯で巻かれた男が這いずり出てきた。
『オオオォーオオオォー』
くぐもった声でうなり声をあげるミイラ男を、ヴィータはひょいっとまたいで先へ
と進んでいく。リインは、と言えばもの珍しそうにミイラ男を見た、がそれだけだった。
なのはは、すんでのところで悲鳴を抑えることに成功していたが、心臓がバクバク脈打
っているのを自覚していた。なるべくミイラ男のほうを見ないようにして、そそくさとその場を後にする。
後には、ミイラ男の中の人の悔しげなうめき声がこだましていた。
どうやらこのお化け屋敷は廃墟になった病院を舞台として設定しているようだった。
動く人体模型や、ガラス窓を叩く真っ赤な手、突然ベッドから起き上がる死体。
つまらなさそうなヴィータと、面白そうにしているリインに対して、なのはは恐怖の
さなかにあった。こわごわとヴィータとリインの後をついていったなのはであったが、
ふとした瞬間に、二人の姿を見失ってしまった。
「ううっ…。」
おそらく自分がモタモタしている間に二人は先に行ってしまったのだろう。
早く追いつかなくてはならない。
なのはは歩みを速めた。
時折、ひびく奇怪な声や物音に脅えながら。
廊下を抜け、前進。
右折。前進。
突き当たりに木製のドア発見。
ドアのノブを捻る。
もしかしたら、また何か――ミイラ男か、ゾンビか、血まみれの女か――が出てくるかも。
そう思ったとたん手が止まる。
一旦捻ったドアノブを元に戻し、なのははひとつ深呼吸した。
そして、恐る恐るドアをゆっくりと開けていくと…。
そこには何故か、父と兄がいた。
何故か、全裸で。腕組みをして。なのはを待ち構えるように、仁王立ちで。
「はぁ……?」
あまりの展開に理解が追いつかない。
(ここはお化け屋敷で、お化けがいるところで。
お父さんとお兄ちゃんがそこにいる。えっ、なんで?)
なのはが混乱していると、いつの間にか目の前に、たくましい体躯の父が立っていた。
「お父さ…わっ、きゃああああ」
そして後ろには何故か兄、高町恭也がいて、なのはを羽交い絞めにした。
なのはは兄の腕から逃れようと必死にもがくが、兄の腕はビクともせず
固くなのはを押さえつけてくる。
その間、父、士郎はなのはのジーンズを手荒く脱がしにかかる。
「お父さ…お兄ちゃ…やめ、て」
なのはの懇願をまるっきり無視して、父、士郎はなのはのジーンズとパンティを一気に
引き摺り下ろして取り去ってしまった。そして、太ももの裏側から手を入れて、なのは
の両足を自分の腰上まで持ち上げ、恐るべき腕力でそのままがっちりとホールドする。
そうしてなのはの股間を見つめる士郎の顔には何の感情も浮かんでおらず、それが余計
になのはの恐怖心を煽る。冷たい空気が肌を冷やし、なのはの脚はガクガクと震えだした。
「やだ…、お父さん」
士郎は無言でなのはの腰を持ち上げ、自らの股間に黒々とそそり立つ巨根のちょうど真上
にくるように引き寄せた。そして、ゆっくりとなのはの腰を自分の剣の上におろし始めた。
「あっ、あ、あ…」
ズン、となのはの中に荒っぽく侵入した士郎の固く熱い切っ先は、なのはの中をまるで
えぐるかのようにズブズブと力強く突き進んでいった。
「うっ、やあぁああぁ!中に入って、やめて!」
なのはが股間の異物感に身をよじると、突如、後ろでなのはを羽交い絞めにして支えて
いた兄、恭也がその腕を離した。途端に引力の法則に従ってなのはの体が急降下する。
支えを失ったため、結合部分になのは自身の全体重がかかり、士郎の熱剣が一気になのは
の最奥を深々と貫いた。瞬間、なのはの肢体が激しく跳ねる。それを皮切りに、士郎は
激しく自らの腰の剣を振るいはじめた。熱剣がなのはの奥深くまで穿ち、突き上げる。
「ぐっ…ああぁ…いっ!あっ、あぁっ…!」
もはやなのはの喉から発せられる音は意味をなした言葉にならない。
「父さん、後ろは俺がもらうぞ」
そう言う兄の声を耳にしたのを最後に、なのはの意識はブラックアウトした。
/
「……!……!!」
誰かの叫び声がする。
なのははボンヤリとした意識の中でそれだけを認識できた。
段々と。意識と思考が戻ってくる中ではっきりと耳にした第一声は、
「…カヤローッ!!!」
ヴィータの怒声だった。
ヴィータは文字通り目の色を変えて、あらん限りの声でリインを怒鳴りつけていた。
「バッカヤローッ!!お前、自分が何やったのかわかってんのかっ?!」
これまで見たこともないヴィータの凄まじい剣幕と怒気にあてられて、リインは肩を
振るわせた。今までさんざんヴィータとはケンカして怒鳴られたことはあったが、ヴ
ィータを今ほど怖いと思ったことはなかった。
「リ、リインは…ちょっとした悪戯のつもりで…」
必死に弁明をするリインを遮って、ヴィータは吐き捨てるように言い放った。
「ふざっけんなっ!」
リインは瞳を涙でにじませ、しゃっくりあげた。
「うっ…ひっく…」
「『インクブス』だと!――それも!古代ベルカ術式の!」
ギリッと歯軋りをたてて、ヴィータは瞳孔が収縮した真っ青な瞳でリインを見据えた。
「そ、蒼天の書のデータベースはまだベルカ式が殆どで…」
「あれがどんなもんか知ってんのかッ?!」
「…イ、インクブスは"夢魔"だから、悪い夢を、見せる、って思って…」
「その'悪い夢'がどんなもんかは!?」
「う…よく、は、知らないです……」
なのはの意識はいまや完全に覚醒していた。
すぐそばでこんな大音声の怒号を聞かされていれば、嫌でも目が覚めざるをえない。
「ヴィータちゃ…ちょっと……声さげて…キーンって、くる…」
壁にもたれかかりながら、なのはは何とか言葉を発することに成功した。
どういうわけか、マラソンをした直後のように息が切れていて、全身に倦怠感があった。
「なのはっ!」
声量を落とすよう頼んだというのに、一際大きな声で叫ぶヴィータの様子になのはは
苦笑を漏らした。だが、リインの姿を視界におさめると、その様子に困惑した。
先ほどまで元気満々だったはずのリインが、うつむいたまま肩を震わせ、しゃっくり
あげながら泣いているのだ。状況がつかめず、なのははリインに優しく声をかけた。
「リインちゃん…どうしたの…?」
「ほっとけ。おめーは気にする必要ねぇ。んな事よか、おめー大丈夫か…?」
ヴィータがなのはの方に身を屈めてそう言うと、リインの様子が急変した。
「ヴィータちゃんなんか!」
瞳を涙でにじませ、リインは叫んだ。
「ヴィータちゃんなんか、嫌いですっ!っ…なのはさんも、だいっ嫌いです!!」
リインは駆け出した。
後ろから聞こえるヴィータとなのはの声を振り切って、お化け屋敷の外へと。
外に出た瞬間、リインの瞳に、茜色に染まった空がとびこんできた。
さて、夕暮れの「たそがれ時」は、またの名を「逢魔が時」とも言う。
陽が沈み、闇がその色を濃くする世界では、招かれざる客も跋扈しだす。
ちらほらと点きだした遊園地のイルミネーションの灯りに照らされて、着ぐるみのクマ
は、いまだに風船を持ったまま、遊園地の一角で佇んでいた。
〔『4.後ろの正面だぁれ?』に続くかも〕
※作中に出てくる魔法『インクブス』はオリジナル設定の魔法であり、名称・効果などは
wikipediaの『夢魔』の項目を参考にしました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E9%AD%94
今日は以上です。
かなりの遅筆なので、続きはマターリ待ってくれると嬉しい
>>259 GJです! 続きも期待して待っております!!
ミッドチルダってクリスマスとかあるわけないし、なんかそういうイベントの日ってあんのかな
聖王誕生日とか
そもそも1年が365日じゃないだろうし、1日が24時間とも限らないだろうけど
>>259 悪夢でよかったぜ。
(でもこの後も陵辱的なナニかがありそう)
GJw
続き楽しみにしてます!!
>>234 さらに
もっともっと逆に考えるんだ!
カップリングして幸せに……って、そもそもリリカルには男性キャラが少なすぎることに気付いて愕然!
そういやナンバーズとオリキャラが関係しているSSってありましたっけ?
更正組みのナンバーズの「その後」を俺が妄想すると恋愛なんてできなさそうだorz
つか、お腹の中のドクターはどうしたんだw?
人も少なくなってきた時間帯に、こっそり投下させてくださいな
お馬鹿フェイトさんにも、幸せになってもらいたいのですよ
とか思って頑張ったけど、あんまりお馬鹿じゃないかも
申し訳程度にエロがあります、ヤマとオチと意味とか色々がありません
たまにだが、私から甘える日もある。
身を縮めて擦り寄って、普段の私がされているように、
彼女の腕の中で、浅ましく口付けをねだる。
「ん…なのはぁ」
こういう時、なのはは優しくて、ちょっとだけ意地悪だ。
望むままに舌を絡ませてくれて、ぎゅっとしてくれる。
だけど、身体に回された腕と、その指が
そっと外側を撫でられる感触に、私は身体を震わせる。
「…いや?」
本当は欲しくてたまらない、けれどそんな私を見て、
彼女は内心呆れているのではないだろうか。
嫌われたくない、そんな怯えを見透かしたのか、
抱きしめる腕に少しだけ力を加えてから、耳元で優しく言ってくれる。
「フェイトちゃんがエッチな娘でも、エッチでない娘でも」
ああ、いつも私が言っている言葉だ
「私は、フェイトちゃんが大好きだよ」
『或る執務官の休日』
休日:早朝
「じゃ、今日はなるべく早く帰るから、一緒に晩御飯食べよ」
「フェイトママ、いってきまーす」
「いってらっしゃい、なのは、ヴィヴィオ」
なのはとヴィヴィオを送り出して、一息をついて、少し困る。
突然に休暇を貰っても、やる事が無いんだ。
休日:午前中
管理局最奥、毎日仕事が無限書庫に、ユーノを発見した。
「ゆ〜うのっ」
笑顔を振りまきながら、彼の元へとかけよっていく。
「ふぇ〜いとっ」
私に気づいたユーノは本を閉じ、笑顔で迎えてくれる。
「死んで」
短くそう言って、バルディッシュを叩きつける。
「そうくると思ってたよ!」
ラウンドシールドで防御された。
同時に放たれた百科事典の角を、私は眉間でガードする。
……ゴスッ!って言った、ゴスッ!ってぇぇぇ
「むぎぎぎぎ」
泣きたくなるのを堪えて、バルディッシュに体重をかけて押し込む。
「でぇ…今回のおおぉ襲撃理由は何だあぁあいぃ」
シールドに魔力を注ぎ込みながら、ユーノが問いかけてきた。
「んーとね、なのはの寝顔を見ていて思ったの」
「うん」
「そうだ、ユーノを処分しておこう」
「理不尽にもほどがある!」
「えっへん」
「誉めてない!」
因果を含めたところで、心置きなく
「ユーノの事、きっと忘れないからああぁぁぁぁ!」
「ぐがががががが問答無用がはああぁ!」
そんな押し合いの中、ふとユーノが視線を外して
「あ、なのは?」
「え?」
注意をそらした隙に、バルディッシュを掴まれ押し戻された。
てか刃がこっちに向いてる。
「長いようで短い付き合いだったけど今までありがとおおぉぉぉ!」
「むぎゅむむむむむむー!」
嗚呼、天国のアリシアとリニスと、たぶん大叫喚地獄あたりに居るプレシア母さん、
力を貸して、この本の角とか地味に痛い事するフェレットに対抗する力を!
「この地味フェレー」
「意味はわからないけどなんかムカつくうぅぅぅ!!」
バルディッシュを挟んで、舌戦が斜め上方向に白熱していく。
「私なんか、前も後ろもお口も尿道もなのはに捧げちゃったもんねーだ!」
「なにをっ、僕だって前も後ろもお口も…尿道も………」
発言が進むにつれて、ものすごい勢いで魂が抜けていくユーノ。
そのままパタリと倒れて、本棚の方へとフヨフヨと漂っていった。
触れてはいけない話題だったようだ。
「…やあ、リチャード、調子はどうだい」
あ、本棚と会話しだした。
空中に、のの字を書きながら陰気を振りまく開発済みフェレットに、
奥の方で仕事をしていた司書さんが、声をかける。
「司書長、イチャついてないでコッチの資料かたしてくださーい」
「断じてイチャついてない!命が危険イノチキケーン!!」
ち、復活した。
「とりあえず、これで勝率57%と」
「フェイト、何しにきたんだ君は、何しに」
「うん、お休みだから自慢しに」
足の小指とこめかみと肘の痺れるところに図鑑の角をぶつけられた。
書庫内では司書長の攻撃力に補正があるって、こういう事か。
てかゴスッ!って言ったゴスッ!ってぇぇ…
休日:昼
「あーいーたーたーたー」
無限書庫をたたき出されたところで、待ち構えていたシグナムに捕まって模擬戦。
そして撃墜された。
今日は痛いことだらけだ、泣ける。
「もう、なんなんですか、さっきの宣言は!」
訓練場の地面に座り込んで、非難の声を上げる。
斬りつけてきたシグナムが、接近と同時に叫んだのだ。
「絶対に! 働きたくないで! ござる!!」
あまりといえばあまりの発言に、固まったところを墜とされてしまった。
「ああ、先日封印したロストロギアに記録されていた古代の格闘技術で、
なんでも、急く強いコマンドーとかいう技術体系らしい、試してみた」
「……封印されてしかるべき技術ですね、それは」
シグナムの名誉のためにも。
「で、スクライア司書長は元気になったか?」
「いつも通り、本の角を人に突き込む程度には元気でしたよ」
憮然とした表情の私に、シグナムは笑う。
「さて、私の気晴らしにも、もう少し付き合って欲しいのだが」
「ええ、ではもう一戦」
かなわないなぁ
休日:夕方
予想はしていたが、なのはは残業で遅くなるそうだ。
あと、ヴィヴィオが八神家に泊まると連絡があった。
なんでも、ザフィーラの毛皮を握り締めたまま、眠ってしまったそうだ。
気持ちはわからないでもない、なんせフカフカなのだ。
あのフカフカはクセになる。固すぎず柔らかすぎず、
残念だがアルフとは格が違う、フカフカがフカフカでフカフカなのだ。
フカフカがフカフカでフカフカだから、
私も時々フカフカー
いけないいけない、フカフカの魔力に囚われてしまった。
とりあえず、なんとなく作っていたお芋の煮っ転がしをお土産に、
フカフカをもとい、ヴィヴィオの様子を見に行こう。
お芋を煮っ転がしながら思い出す。
…フカフカー
休日:夜
寝室の扉を開けると、なのはとユーノがお楽しみだった。
バインドされて、様々な器具をつけられて喘ぐユーノに
「見、見ないでフェイト!」
「そんな事言いながら、今宵もユーノ君の恋はビショ濡れでおじゃるなのー
…そんなにフェイトちゃんに見られるのが嬉しかったんだ」
訂正、なのはがお楽しみだった。
「お邪魔しました」
「「スルー!?」」
「いや、今日はなんか疲れたし、フカフカだったからーフカフカー」
フカフカを思い出して、うっとりとする。
「せっかくのお休みなのにー、フェイトちゃんも一緒にしようよー」
「うーん」
お休みなのは、私だけのはずなのだが…
とりあえず、転がっているユーノに近づいていく。
ああ…股間のフェレットが全力全開だなぁ。
「ぱく」
「えっ」
唇だけを使って、ゆっくりと食んでいく。
膨らんだ部分を全部食んでから、一気に咽の奥まで滑り込ます。
そのまま元の位置にまで戻しながら、裏側の部分を舐め上げる。
フェレットの首筋に舌を絡めて、ちょっとユーノの顔を見あげれば
あ、可愛い。
こっちを見てるのを確認してから、自分の髪を少しつまんで、
唾液で濡れたところに這わせてみて、そのまま口の中に入れる。
先端を舌先で穿りつつ、じーっと見つめながら
……ちょっと噛んでみたり。
前触れもなく噴出した白濁を、ストローを吸うように吸い込んで
あー、濃いな。
口の中がドロドロのまま、飲み込むべきかどうか考えていると、
なのはが後ろで泣きそうな顔をしていた。
「ん、はんぶんこ」
手招きして、口付け。
あれだ、半分個とか言いながら、全部押し付けよう。
舌を押し入れて、口の中のドロドロを全部なのはの口の中に移す、完了。
「……じゃ、汗を流したいから、二人でお風呂に入ろうか」
「…うん」
そっと肩を抱き寄せながら、浴室へと向かうのであった。
「え、ちょっと僕は、僕の立場は!?」
「うん、放置プレイ」
「ちょ、待って、せめてバインド解いてええぇぇぇ」
休日:深夜
散々に甘えてきたなのはを満足させて、そっと布団をかけ、
床に涙でフェレットを書きながら眠っているユーノに、ムシロをかける。
…なんでムシロなんかあるんだ?
ああ、そういえばこの間シグナムに貰ったんだ、すごいやシグナム。
なんかもう私の好感度が今、ピコーンと上がったよ、ピコーン。
一通り片付けて、ベッドに腰掛けて、息を吐く。
今日は、楽しかった。
スヤスヤと寝息を立てているなのはや、ムシロにくるまって呻いているユーノ。
いまごろはフカフカなヴィヴィオや、遠いところで頑張っているエリオとキャロ。
ハラオウン家やフカフカや八神家の皆に、身近な友人、遠い友人。
今まで出会ってきた人たちや、別れていった人たちや、フカフカ。
誰も彼もが愛おしくて、そんな彼らと関わりあうのが楽しくて、
「ありがとうね、なのは」
そっと口付けでもしようかと思ったが、やめた。
(終)
>>272 GJ!
ちょw珍しくフェイトさん優勢なssがwwwww
なのにお馬鹿さん。やべぇ、惚れた!そしてユーノは掘られた?
どうでもいいけど、
>>272と打ち込んで何か懐かしさを覚えたのは
きっと漫画版の舞-乙スレで楽しんでいた頃の名残だよニナn(ry
>>272 GJ!!
フカフカ自重wwwwww
おもしれえwwwwww
>>259 ヴィータちゃんシンクロ率たけえGJ!
魔法名称は古代ベルカ式クロツヅキ(黒都築)とかどうよ…ひどすぎ?w
>>272 ゴスッとリチャードで吹いたwwww
>>272 なんだかんだで皆幸せそうじゃないかww
GJwwww
>放たれた百科事典の角を、私は眉間でガードする。
吹いたwww
>>272 ちょw
このフェイトもwwwwwww
しかしOKだ!
だが、な〜んか一部の文体に孤独なグルメ成分が見えた気がしたが、別にそんなことはなかったぜ!?
>>259 続き期待してます。
ところでリィンがピザ(風トースト)を食べてるのは中の人繋がりですかと深読みしてみる。
>>272 やっぱフェイトさんは少しおバカなくらいが可愛いなw
ユーノのジョブは賢者だったのか
>281
むしろエロイ事を言うと辞典でぶん殴ってくる紫もやしかと。
283 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 08:49:05 ID:v6E3yFfg
>・・・・フカフカー
萌えたww
>>192 >>272 やはりなのユーフェイは三人でくっついたほうがすべて丸く収まると再認識
問題はユーノの股間のリンカーコアと生命エネルギーが著しく消耗しそうなことだがw
>221
ポーランドとガトリングをこよなく愛する人たちのスレですか?
それとも、わけのわからぬレスが群雄割拠するリベラルなスレですか?
あ、突起物を撫でていい気分になりつつトンカツを食うスレだにゃー
>>272 なんという○○がゆるんだフェイトさんwwGJだZE。何だかんだで三人仲良くやってるんじゃないかw
とりあえず、なのはを巡って毎回バカな勝負をやってるんだろうな〜と目に浮かんだわ
ついでに司書長、小指に図鑑は痛いッすorz なんだか読んでて足に鈍痛がw
>>281 私は本で殴るというところでFF3の学者を思い浮かべたZEw ファミコン引っ張り出してくる
>>272 BL小説帯ネタ自重wwwwwww
俺の昼飯返せwwwwwwwwwwww
ふと思った
ユーノに夜天の書を装備させれば最強っぽくねって。
もちろん攻撃方法はバンバン叩くわけですが、
夜天の書なら蒐集能力で様々な属性を持っていそうだ。
これなら相手がバリアチャンジしても持ち替えずに戦えるぞw
それだとはやてが只のいらない子に…
>>289 bossが前線で闘うのはどうかと…
boss遣られたら部隊は壊滅的なりよ?
>285
雷娘とかシスターとか片刃剣持ったポニテのおねーさんを貰って行こうとすると
タケコプターのようにクルクル飛ばされて人肉プラネタリウムになるスレです
よし、これでスレ違いな話題にならないための偽装はバッチリダゼ
いやまぁ切腹スレもたまーに覗くけどね……
面白い話が幾つも投下されてて実に嬉しい限りです。
で、私も投下させていただきます。
・士郎主役
・以前自分がやった「マージネーター」と世界観を共有
・故にオリキャラ登場
・非エロ
・マージネーターの世界観故にある人物が亡くなってる事になっている
「何ぃ!? お前それ本気で言っているのか!?」
「本気だよ! 私はユーノ君と結婚する!」
「ダメだ! あんなフェレット詐欺男と結婚するなどお父さんは許さんぞ!」
「ああそうなの!? お父さんユーノ君をそんな目で見てたの!? なら良いよ!
それなら私がこの家を出て行くから! さようなら!!」
「あっこら! 待ちなさい! なのは待てぇ!!」
高町士郎は末娘であるなのはの結婚を巡って対立し、その結果娘は高町家を出て行った。
それ以後、一度も会ってはいないし、電話や手紙などの連絡も一切は無かった。
最初の頃はただの出任せに違い無いと考えていた士郎も時が流れるにつれて
なのはの本気を知るようになり…後悔した頃にはもう遅かった。
「そうか…あれからもう10年以上も経ってしまったんだな…。」
珍しく客のいない翠屋で一人士郎が呟いていた。
元々年齢不相応に若々しい彼であったが、この歳になってやっと老け始め、
シワが目立ち始めていた顔で窓から除く夕日を眺めていた。
「あいつは…今何処で何をしているだろう。」
士郎は久し振りになのはの事を思い出し、そう呟いた。
前述の通りなのはが高町家を出て行ってから士郎はなのはとは一度も会っていないし
連絡も受けていない。故になのはが今何をしているのかは全く分からないが…
それでもきっと10年以上前に士郎が拒絶し、なのはが結婚しようとした相手…
即ちユーノ=スクライアと結婚して子供も作って普通な家庭を作ってるに違いない。
「不本意だが…孫の顔くらいは見たいよな〜…。」
士郎にとってユーノの存在は良い者では無いが…孫に罪は無い。
だからこそどんな孫が出来たのか位は見てみたいと言う気持ちがあったのだが、
10年以上経過しても一度も会ってくれる事は無かったなのはの事。
当然のごとく孫の顔だって見せてくれる事は無いに違いない。
そう考えて士郎は憂鬱になっていたのだが、そこで突然入り口のドアが開いた。
「あの〜…このお店まだやってますか?」
「え? ああやってるよ。」
店内に入って来た一人の少女に対して士郎はニッコリ微笑みながら応対した。
少女は栗色の髪に翠色の瞳をし、年齢は恐らく10歳前後なのだろうが、
年齢不相応にしっかりしていそうな印象を与えさせていた。
そして席に付くなり苺のショートケーキとオレンジジュースを注文し、士郎は
注文通りに苺ショートとオレンジジュースをトレイに乗せて運んだ。
少女は静かにではあるが、実に美味しそうに苺ショートとオレンジジュースを召し上がっていた。
それにはついつい士郎も不思議と笑みが浮かんでしまう。
「美味しいかな?」
「はい、凄く美味しいです。」
至ってシンプルなこの一言。しかしおせじでは無く本気で言っている事なのだと
士郎は直感してついつい笑顔になっていた。が…
「でも…おじさんの顔は何処か寂しそう…。」
「え?」
少女の一言に士郎は一瞬言葉を失い、さらに少女は言った。
「本当…何となくだけど…おじさん寂しそうな顔してる…。」
「寂しそうか…もしかするなら本当にそんな顔してるかもしれないね…。」
士郎は本当に寂しげな顔になって軽く俯いた。
「おじさんは昔…10年以上も前に娘と喧嘩しちゃってね…。
それで娘は家出して以来一度も会ってないんだ…。」
「仲直りしようとは思わなかったの?」
「……………。」
少女の何気無い一言が士郎の胸に強く突き刺さり、一瞬沈黙した。
「は…恥ずかしながら…そう考えるに至るまで何年も掛かったよ。
そして後悔した頃には…もう遅かったんだ。この歳にもなって恥かしい限りだが。
だがもう良いんだ。きっと娘もあっちで幸せに暮らしてるなら…。
それに…今頃はもう結婚して母親になってるだろうけどね…孫の顔を見れないのが残念だが…。」
「お母さんか…。」
士郎の悩みは自己完結していたが…今度は少女の顔が寂しげな物になっていた。
「どうしたんだい?」
「私ね…おじさんとは逆にお母さんがいないんだ…。私を産んだ時に亡くなったんだって…。」
「そうか…。」
ついつい士郎も悲しげな顔になっていたが、少女は笑って言った。
「お母さんがいないのは悲しいし、寂しいけど…お父さんやお姉ちゃんがいるし…
それに何より私が泣いちゃったら天国のお母さんが心配するしね。」
「そうか…君は逞しくて羨ましいよ。」
本当に年齢不相応にしっかりした少女を士郎は見習いたいとさえ考えていた。
少女は苺ショートとオレンジジュースを召し上がり終え、会計も済ませて
店を出ようする所まで来ていたのだが、そこで士郎が少女を呼び止めていた。
「今日は良い話が出来て良かったよ。出来ればお嬢ちゃんの名前を聞かせてくれないかな?」
「私? 私の名前はゆのは。ゆのは=高町=スクライアって言うの。それじゃあまたいつか…。」
「え!? 高町って…あああ!!」
その時、士郎の目にはゆのは=高町=スクライアと名乗った少女と、士郎の娘なのはの姿が
被って見えた。直後に士郎は悟る。間違いない。この少女こそが…
だが…士郎がそれに気付いた時には少女は夕日の中へ忽然と消えていた。
おしまい
今回のお話はマージネーターの前日談と言う事でお願いします。
次回はフェレットユーノとヴィヴィオの話を予定しております。
ではでは…
>>165 GJ!&乙
フェイエリ好きの俺としては最高だ!フェイトさんかわいいし、エリオもかっこええし!
続きをゼヒ
>>240 続きはどこにありますか
>>291 なるほどあの人型夜天の書シスターと人型AMF男と
アギトをTSしたような神父が出るなのは並に男女比があるあのスレですね
名前欄の通りです
ちょっとギャグちっくなので、若干キャラが壊れ気味かもしれません
休日、エース・オブ・エースは娘を連れて在宅中らしい考古学者の自宅へと訪れた。
中に入るとヴィヴィオは調理場へ向かい、早速魔導冷蔵庫を開けて冷たいジュースを物色し始める。
なのははそれを見て、我が娘ながら神経が図太くなってきなぁと感心した。
というかこの冷蔵庫、最新式!
第二八管理世界の大企業が製造した各部屋自動適温保存システム搭載!
「ヴィヴィオ、そっち持って。そっと、そっとね」
「うん!」
「……ひ、人の家で何やってるのかな」
論文作成の小休憩に席を立ったユーノが、然程怒った風も無く、冷蔵庫の両側で格闘し
ている高町親子の姿を眺めていた。
ちゃんと風呂に入ったり食事を摂ったりはしているようだが、それでもなのはとヴィヴ
ィオの前のユーノは集中作業の疲労の蓄積がありありと感じられた。
「ユーノ君、学会の論文? 折角の時空管理局創設記念日なのに、ゆっくりしなきゃ駄目だよ」
「いや、勝手にそんな記念日作らなくていいから。学校じゃあるまいしそんなの無いから」
たまにある無性にテンションがオカシイなのはへと冷静に返しながら、部屋の主はあま
り相手にしたくない意中を発露させつつ、ヴィヴィオの傍から冷蔵庫内の飲み物に手を伸ばす。
どうせまた過剰労働の精神爆発が起こってしまったのだろうとでも解釈し、一口お茶を
喉に流したユーノへ、そのなのはが凛々しい顔で肩を叩いた。
「時空管理局創設記念日はあるよ、わたし達の胸の中に!」
「お願いなのは、もうちょっとミッドチルダ式に会話しよう。お互い対等な立場で」
余計な疲れは天敵なので、ユーノは正直二人にとっとと帰ってもらいたかった。
しかしなのははユーノの気持ちなど露知らず、頬を膨らませる。
「もう、ユーノ君のカツ丼!」
「うな丼!」
ヴィヴィオも続いた。
「意味がわからない。本当に意味がわからないっ!」
「昨日、うちはカツ丼だったの」
「今日はうな丼がいい〜」
ちゃっかりとジュースを頂戴したヴィヴィオが、調理場から居間へと移って古代文明の
映像媒体を魔導型テレビで起動させる。
「ああ、そう……」
無邪気に部屋を引っ掻き回してくれるヴィヴィオを目で追って、ユーノが半ば魂を覗か
せながら返答すると、間近のなのはが不意に頬を赤らめた。
「それでぇ、ユーノ君は今晩、幼馴染丼?」
二人の空気が渇いて圧縮した。なのはが場の空気も弁えず、媚びるようにユーノへ身体
を密着させると、彼の一つに結んだ後ろ髪で古代ベルカ式の魔方陣を編んでいく。
「ごめん、とっても卑猥な響きだし、それ絶対に食べ物じゃないよね? っていうか髪で
遊ぶなオイ」
つい口調が荒くなってしまった。
「夕方、フェイトちゃん任務から帰ってくるの」
「ごめん、いや、熱烈にごめん、僕が今論文で忙しいの知ってるよね? 五感、大丈夫?
まだ自分の事を魔法少女とか言ってない? そこら辺、ちゃんと把握してる?」
「きっとフェイトちゃんも仕事続きで……その、色々溜まってると思うんだ〜」
「思うんだ〜って乙女チックに言われても、論文! 僕は論文あるから! 三日後発表だから!」
「うん、じゃあわたしもヴィヴィオを連れて発表会に行くね!」
「は、話が成立していない……! 今日も中々手強いデスネなのはサン! HAHAHA!」
ユーノは地球の米国人風に片言で笑うしかなかった。なのはも釣られて笑う。ユーノは
一発くらい殴っても悪くない気がしてきた。
「今日は幼馴染丼〜!」
「ヴィヴィオ、それ家の外で言っちゃ駄目だから! 絶対に!」
ユーノがある種の社会的危機を敏感に感じ取り、居間で太古のロマンを視聴している少
女へ釘を刺した。
親しい間柄には周知の事実とはいえ、管理局内の二大美女と懇ろな関係だと知れたらそ
れこそ運命の幕が閉じる。
一部の高町一等空尉支持者とハラオウン・テスタロッサ執務官支持者の結託で、第一次
無限書庫陥落作戦が勃発してしまいかねない。
「僕の命日が無限書庫の局員記録簿に追加される日がいつか……」
ユーノは壁に身をもたれさせ、両手で頭を抱えた。据え膳を喰った自分自身が悪いんやー
ケケケのケーの大文字焼き〜とか、どこかの元部隊長が悪魔の微笑みで囁いてきた。
ってかいっそ私も混ぜてよ! 私もユーノ君の幼馴染やん! となのはの脳内に声が届いた。
「ごめん、無理。……どうしたのユーノ君? 演目『生涯の嘆き』?」
「そんなポーズ知らないから」
「凄く似合ってた! 星二点!」
「評価メチャクチャ微妙じゃないか!」
「因みにフェイトちゃんは十点満点だったよ」
「あぁ……彼女はいじけた姿がよく似合うしね……」
想像しただけで絶妙な慨嘆美に、ユーノはフェイトに同情の念を禁じ得なかった。何て
言うか、いじけるフェイトはさり気無くトレンディだ。
症状が進むと、今でも大切に保管してある初めて買った携帯電話を物置から引っ張りだ
して「この頃は皆も可愛かったなぁ〜」と青春回顧を始めたりする。
「いや、僕達って今が青春真っ盛りじゃ!? 二十歳だよ二十歳!」
「そうだよ? フェイトちゃんも帰ってきたら連絡くれるって。だからほら、ね?」
「全ては君達の掌の上ってわけかっ……ああ、勝手にやってくれたらいいよ。僕は部屋に
戻るから……まぁ、局勤めじゃなくても、僕は遺跡発掘とかして、今とそんなに変わらな
い生活を送ってたと思うし……」
休憩どころか更に体力を消費していまい、ユーノは足許が危うくなりながらも作業中の部屋へと戻る。
なのはは心成しか強く音を立てて閉じられた扉を開く。
「ユーノ君〜ヴィヴィオと三人で遊ぼうよ〜」
「まさかっ、まさか五秒も我慢出来なかったなんて! 凄いよ、なのはさん!」
はぁぁぁぁ……とチャックを下ろしそうな勢いで、ユーノは書類作成の魔法画面から振り返った。
なのははズカズカと個室に侵入し、ユーノの肩に顎を乗せて作成中の文章に眼を向ける。
「ねぇなのは、胸を背中に押し付けない」
「つまり、現在調査中の管理外世界で発見されている文字体系の、第四八管理世界文字と
の共通点から……えっと、過去の二つの世界の間で交易や外交が行われていた可能性が強
く……えっと、両古代文明が文化的にも密接な関係にあった事が……今回出土された魔導
装置で明らかとなり……更に、この魔導装置の材質は今回初めて確認された物であり……
えっと、恐らくその次元宇宙の隕石や、宇宙から飛来した物質である可能性が考えられ……
えっと」
「無視かよ。あまり本も読まない中卒のなのはさんじゃ、一文を読み上げるのも一苦労だ
ねグェ、首、首絞めない、でっ、何か見える、これはまさか虚数空間っ!?」
「わたしだってフェイトちゃんと一緒に、ユーノ君に高校受験の手解きを受けたかったの!
勿論、性的な意味で!」
「最後はかなり意味不明! じゃ、じゃあ、今からでも、定時制なりっ、通信制を考えた
らいいじゃない、か!」
「ユーノ君も一緒なの! はやてちゃんも!」
「学位持ってる僕が学生として高校に通えるわけ、ないから! そんな暇も無いから!」
首を捻り回されたユーノの揺れる視界に、扉の向こうでヴィヴィオがスナック菓子を頬
張りながらテレビに執心している姿が映った。
「あぁ……君は真っ直ぐ健やかに育っておくれヴィヴィオ……」
「大丈夫だよ。成人式に着る晴れ着用に、聖王の鎧はちゃんと復元して保管してあるから」
「い、今直ぐ次元断層の涯に棄ててきなさい!」
ユーノは反射的に、なのはへ強制転送魔法を詠唱していた。
転送先は地球! グッドラックなのは!
なのはの姿が消え去った部屋で、ユーノは管理局良識派に属する自分とフェイトで、あ
の女性の暴走教育の緩衝材になろうと改めて固く誓った。
/
転送完了から五分でスクライア宅に戻ってきたなのはが、一体どのような手段を用いた
のか、ユーノはもう深く考えない事にした。
夕方になると、なのはの宣告通り本局で所属艦船の整備が始まり、少しの間暇を貰った
フェイトがスクライア宅にやって来た。
仲良く夕食を済ませた大人組み三人は、最近所帯持ちの局員の間で噂の『電話一本、即
座に対応! 皆大好き・ザフィーラわんわん託児所(八神家提供)』に連絡を入れ、ヴィ
ヴィオを朝まで預かってもらう事となった。
『はいもしもし〜、皆大好き・ザフィーラわんわん託児所、電話係のヴィータお姉ちゃんだよっ』
「ぷっ、何やってるのヴィータちゃん」
一瞬で電話が切れ、見た事もない愛くるしい笑顔のヴィータを映していた通信画面も消えた。
なのははすぐに連絡を入れ直す。破裂しそうな程に引き攣った顔のヴィータが、なのは
達の前で映し出される。彼女の後ろで、必死で笑いを堪えるはやて達がいた。
『は、い、もし、も、し……み、皆、大好き、ザフィーラ、わん、わ、ん、保育園……電
話係のヴィータだゴルァ!』
「お客さんに向かってそんな言い方は無いよヴィータちゃん! 実家が客商売のわたしが
一から教えてあげてもいいよ!」
『るせぇ! 何だ、ヴィヴィオか? 今何処だ、とっとと現在地を言いやがれ!』
『あかんでヴィータ、大事な客にそないな口を利いたら……ぷっ』
『どこが客だよ! っていうかはやても笑って、ひでぇよ! あたし、もうお嫁に行けねぇ!』
(行く気なんだ)
(行く気みたいだね)
フェイトとユーノは囁きあい、相手は極めて偏執的な性癖を持った相手に限定される現実に、
ヴィータの将来を哀れんだ。
ギャンギャンと激しいやり取りをしながら、それでも手続きを飢えると、指定した次元
座標に転送魔法の魔方陣が発生する。
ユーノ達の眼の前で、ザフィーラの体格の輪郭がはっきりとしていく。
「いや、あれ、電話中に既に魔方陣無かった?」
「気のせいだよユーノ君」
軽くユーノの疑問を受け流し、なのはは半分夢の中にいるヴィヴィオを現れたザフィー
ラの背中に優しく載せた。母と一緒に先に風呂に入ったヴィヴィオのパジャマ姿が、ザフ
ィーラの大きな背中に横たえられる。
「それじゃあお願いしますね、ザフィーラさん」
ヴィヴィオの愛しい体重を背中に感じつつ、ザフィーラはうむ、と相変わらずな威厳で
小さく相槌を打った。
「確かに承った。責任をもって預かろう。……ふっ、今晩は三人で夜通し語らうわけか」
「やーだー、犬でもわかっちゃうなんて! わたし達ってラブラブだねっ!」
「いや、僕は今日も徹夜で論文……かなり修羅場だから、本当に」
あれ以降、熾烈ななのはの妨害を受けて今日は一文字も進めていなかった。
なのはが座っていた隣、ユーノの向かいに位置する食卓に座ったフェイトは、洒落にな
らないユーノを心配し、苦笑いを浮かべてなのはに顔を向けた。
「そ、そうだよね。ユーノ、忙しいから……ねぇなのは、今日はもう帰ろうよ」
「えぇ〜! 何言ってるのフェイトちゃん、もうぐしょぐしょに濡れてるくせに!」
「そ、そんな事無いから! 濡れてないから! ユ、ユーノもそんな軽蔑の眼差しで私を
見ないで! お願いユーノ、私そんな淫乱じゃないよ! で、でもそんなユーノの視線に
感じちゃうっ……く、悔しいっ(びくびくっ)」
うわーん、とフェイトが浴場に向かって逃げ出した。
「とか言って、しっかりシャワー浴びて準備を始めるフェイトちゃんって本当に可愛い!」
「ザフィーラ、この二人も連れて行ってくれないかな……」
「そのような依頼は受けていない。さらばだ」
「あぁザフィーラ、それじゃあ僕を連れて行って……」
ユーノの願いはヴィヴィオを載せて消えていくザフィーラと共に、虚しく散った。
「ユーノ君〜、すたんばいれでぃ?」
しなだれかかってきたなのはへ、ユーノは暗澹な溜め息を肺から押し出すしか出来なかった。
「もう好きにして……」
/
数時間後、スクライア宅の寝室では金の美女のあられもない嬌声が響き渡る。
全裸のフェイトは、同じく服を脱ぎ去って寝台に寝転がったユーノに跨り、上下に激し
く律動していた。
「んはっ、ユーノ、ユーノっ……ごめんね、ユーノ忙しいのに、ごめんねっ……」
「い、いや、フェイトが謝る事じゃ、ないんだけ、ど、フェイト、今日はまた、激しい、
すぎっ」
涙目で本当に申し訳なさそうに謝りながらも、フェイトはその腰を止める事は出来なかった。
その上下運動は限界を超えて過熱していき、フェイトの豊満な乳房が大きく揺れる。
涙と唾液を散らせながら、フェイトはユーノの胸板に両手を置いて自重を支えると、泣
き叫ぶようにしてユーノの男根を貪り続ける。
フェイトの「ごめんね、本当にごめんね」という繰り言と、裏腹に感度良好な膣が妙な
背徳感となって、二人の結合を盛り上げた。
「ユーノ君、わたしも気持ちよくして……」
二人と同様に一糸纏わぬ姿でいるなのはが、ユーノの頬に片手でそっと触れた。
「あぁ、うん……ごめん、なのは」
横からユーノの口を奪い、なのはは彼と狂おしく舌を絡ませながら、自分の指で秘所を
弄んでいた。なのはの指が、何となく男らしさを感じるユーノの首筋や鎖骨にツツツと伝った。
既に蜜が溢れているなのはの秘所へ、ユーノも手を差し伸べる。
二人の指が蜜を絡めて逢瀬を深め、淫猥な音を奏でてなのはの熱い陰唇を掻き混ぜる。
優しく撫でられるその感触に、漣のような恒常的な絶頂がなのはの背中を粟立たせる。
「ん、あぅっ、あふぅ……はむ、ん、じゅ、んっく……」
ユーノの口内から彼の唾液を貪欲に吸い取り、なのはは喉を鳴らしてそれを飲み込む。
赤い粘膜は自ら意志を持っているかのように蠢き、二人の口の間でのたくる。
ユーノはなのはと絡み合う下で、フェイトとの結合部へと煮え滾る衝動が集まっていくのを感じた。
「フェイト、そのままだと、すぐに、いくから」
「駄目っ、ユーノ、まだ駄目っ! あっ、その、でも、は、ぁっ、論、文、私も、手伝う、
からっ! だから、もうちょっと、もうちょっとユーノ頂戴っ!」
「そん、な、無茶苦茶なっ」
上下運動から円運動へと移行し、フェイトは少しでもユーノの熱に浸ろうと交合を続ける。
ユーノの一物を咥えている自分自身をグチュグチュと粘つかせながら、フェイトは上体
をユーノの上半身へと屈ませる。
唾液の糸をパチンと弾かせ、なのはが恨めしそうに間近で弛緩したフェイトの顔を見た。
「フェイトちゃんばっかりズルイよ〜。わたしだって早くユーノ君と一つになりたいのに
……んちゅ……ひゃん!」
ユーノに二本の指を突き入れられ、なのはの表情も雌の快楽に溺れるものへと転じる。
半開きのなのはの口へ、フェイトが顔を寄せて自分の舌を進ませた。
「だって、ぇ……なのはは、休みさえあれば、ユーノと会える、のに……ん、んく……
ちょっと、くらい……私、にも……ユーノ、独り占めにさせっ、させて、よぉ……」
互いの陰毛同士を擦り付けるように腰を回しながら、フェイトはユーノの眼前でなのは
と百合色の接吻を交わす。二人の美女が性愛の欲求を曝け出し、情熱的に舌を絡ませあう
光景はいかにも甘美だった。
「あの、僕に人権というか、そういう類の人間的な尊厳は……」
「フェレットにそんなのないよ」
ユーノに膣内を捏ねられながら、なのははすっきりした口調で言った。
「二人にとってそっちが標準認識!?」
「んふっ……ユーノぉ、また固くなったぁ。そろそろ……一回楽になる?」
当初あったユーノへの罪悪感も、弥増す興奮と快感で塗り潰されたフェイトは、男の精
気を根こそぎ吸い尽くしかねない魔性の笑みを浮かべた。
「そ、そうだね、なのはも、ほら、ちょっと魔王ちっくにこっちを睨んでるわけだし」
「うぅぅぅ、フェイトちゃんばっかりずーるーいー」
ユーノがフェイトの汗ばんだ背中に腕を回し、そこに流れる長い金の髪を掌で撫でる。
その仕草さえも、今のフェイトには性感帯への刺激にしかならなかった。悩ましく肩や
背中を揺らしながら、フェイトは腰だけを器用に上下に運動させた。
程無くして、ユーノから白濁の奔流が迸る。溢れ出た命の液は、フェイトの膣内を忽ち
安らかな熱で満たしていった。
「はぁ、ふぅ、ユーノ……」
繋がったまま、フェイトは腹部にも広がるユーノの温度を堪能していた。
「う、うん。えっと、お疲れ様。ごめん、何だかフェイトに任せっきりだったね」
「ううん……凄く気持ちよかったよ……」
それ以上言葉を発する気力もなく、フェイトはほつれた髪を口の端に貼り付けながら嫣
然と微笑むだけだった。
「フェイトちゃん一休みだね」
「ふぁ……」
なのはに肩を押され、フェイトは反対方向へと寝台に寝転がった。その動作で、二人の
白く濁った陰部が離れる。
なのはが四つん這いになってフェイトの上に跨り、物欲しげな顔をユーノへ向ける。
暫く続いた缶詰状態の生活で溜まったユーノのそれは、既に天井へと屹立していた。
フェイトへとかなりの量を放出した筈だが、若さ故かその消耗を感じさせない怒張を見せている。
「ユーノ君。後ろから、突いてくれる?」
「わかったよ。なのはも、ちゃんと気持ちよくさせてあげなきゃ不公平だしね……」
……の部分にユーノの哀愁というか論文どうしよう的な考えが残っていたが、もう覚悟を決めるしかなかった。
「うん」ユーノにくびれた腰を掴まれ、なのはが待ち侘びて両目を伏せる。
ユーノが位置を定めて腰を進ませると、なのはが下腹部の挿入感に歓喜の声を上げた。
「なのはの感じてる顔、凄く可愛いよ」
珠の汗を頬に滴らせるフェイトは、なのはの形良く育った乳房へ掌を向けた。
上と下から攻められ、なのはは両手で自分の姿勢を保つ事で精一杯だった。
「あぅっ、はぁ、ユーノ君、うぅ、奥まで、来てるっ。フェイ、トちゃ、そんなに激しく、揉まないでっ」
喉を反らし、なのはは悦楽に上気した顔でよがる。強すぎず弱すぎず打ち込まれる腰に、
二つの性器を濡らす愛液は更に分泌量を増加させていく。
部屋の明かりを怪しく反射させるほど、大腿に筋を垂らすなのはの下の唾液は、ユーノ
の律動でまだまだ外へと溢れ出ていた。
フェイトが指先で固く尖った乳首を弾くと、なのはの声が一際跳ね上がる。ユーノの動
きも絶え間なく続き、愛する二人に肉体を弄ばれてなのはは半狂乱に叫ぶ。
「ユーノっ、君っ、あ、はぁっ、んぁっ、す、き、好き、フェイトちゃんも好き、ユーノ
君もフェイトちゃんも、どっちも愛してるよぉっ!」
「私もだよ。世界の誰よりもなのはとユーノを愛してる」
「なのは、フェイトっ……二人とも、愛してる、よ」
ユーノが律動を加速させ、なのはの心さえも貫こうと彼女の雌の襞を蹂躙した。
やがてユーノがなのはの中で果てる。再び解き放たれた精の脈動は、なのはの蜜と混ざ
り合いながら彼女の膣を白く染め上げていた。
三人ともが同じ艶やかな呼吸を上げながら、一つの寝台の上で折り重なった。
「はふぅ……」
なのはが高揚の余韻も深く胸を上下させ、汗やら愛駅やらで湿った敷布の上で脱力する。
「ユーノ、ほら」
フェイトが少し横にずれると、彼女となのはの間に一人分の空間が出来た。
「はぁ……このままじゃ、論文間に合わないや」
なのはとフェイトの間に沈みこみ、ユーノは思わず頭の隅にある懸念を口にしていた。
汗を吸った彼の結ったままの後ろ髪が、首筋を回って肩から鎖骨辺りに滑っていた。
すぐさま、なのはとフェイトがむっとして彼の左右の頬を抓る。
「痛い痛い」
「こんな時に仕事の話なんて聞きたくないの」
「そうだよ。何とかなるよ。だから、今は三人一緒に休もう?」
情交に火照った身体を寄り添いあい、なのはとフェイトがユーノの腕に自分の両腕を絡
ませ、微笑みを交わす。
「しょうがないなぁ……」
ユーノもいつもの温和な苦笑いを浮かべ、いつしか三人は同じ夢の中へと心を融解させていった。
以上です どうもありがとうございました
ハラオウン・テスタロッサとか、所々致命的な誤字が…すみません
頭冷やしてきます
>>306 G・J!!
エロくていいのもあるがヴィータwww
後なのはさん自重
>>306 魔王さん自重し........
(でぃばいーん!!)
あれ窓の外が(ry
フェイトさんテラクリムゾンwwww
>>307 GJ!
最近フェイトよりなのはさんが痴女に見えてきた
>>295 良かったが、「召し上がる」に関しては見過ごせるレベルではないな
>>306 これ読んで最近思っていたことを再確認した
はやてとユーノをもっと絡ませてやってください(無論、性的な意味で)
>>306 前半は無駄にテンション高いギャグに笑わせてもらったw
なのはさん自重www
後半はエロい
これはいい幼馴染丼ww
GJでした
しかし、皆なんだかんだで幸せそうだw
ヴィヴィオがまともに育ってくれるかはわからんがww
314 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 21:26:20 ID:erL88UG/
>>295 GJ! 士郎親父はああだけど、恭ちゃんは割とアッサリ迎えそうだな…義弟が出来たとか
>>306 そう、仮令3Pでも・・・
ていうかリリなのってとらハ3から派生したんだからある意味これが正しい形?
ユーノ×なのは&フェイトGJでした!!
どうしても某サイトのおかげではやてはクロはやしか思い付けない罠
しかし保管庫にクロはやが無いのが最大の罠
ユーなのフェイな流れに参加するべく飛んで来ました
・非エロ(微妙?
・ユーなのフェイ
このままでは街の一つや二つ、難無く消し飛んでしまう、
昔から見知った直感と記憶が全身に警告音を鳴り響かせている
右を向けば、白い悪魔が本性を剥き出したかの如く白い外套を揺らし、愛用の獲物を正面に構える
左を向けば、黒い天使が憎悪に顔を歪ませ、漆黒の柄に映える黄金色に輝く刃を真っ直ぐに向ける
二人の闘神が衝突すれば自分など塵にも等しく消滅してしまうだろう
いくら後悔しても足りない、絶望的な状況にユーノはその身を縛り付けられていた
遡る事半日
まだユーノが平和な時を過ごして居た頃、街は平和に包まれ、活気に満ち溢れていた
「外に出るのも久しぶりだな……あまり変わって無いけど」
人々で賑わう街中を見遣りながら目的の場所まで歩くユーノ
この日は久しぶりの休暇という事も有り心が軽く、日に当たる肌が心地良かった
そして何より、この先に自分を待ち、自分が待つ者が居る、その事を考えるだけで顔が緩んでしまう
気を引き締め、目的の場所に辿り着くとそこには既に相手が座っていた
「おはよう、ユーノ」
その相手はユーノの姿に気付くと、笑顔で手を振り、近付いて来る
長い金色の髪が日の光に輝き、彼女の美しさを一層引き立てている様に見える
「おはよう、フェイト。久しぶり」
「うん、久しぶり」
挨拶を交わし、数週間ぶりに見る顔に笑顔を浮かべる二人
「今日は何処に遊びに行こうか?」
「えーっと……じゃあ、デパートで買い物とかは?」
「賛成。それじゃ、行こうか」
「うん」
躊躇無く差し出された手をそっと握り返すと、ユーノを先頭に歩き出す
足並みを揃えて和気藹々と話す二人の姿は、誰が見ても恋人のそれにしか見えなかった。
『こちらT、ターゲットY・F接触、行動に移りました』
『こちらゼロ、S、ターゲットNの方はどうや?』
『こちらS、ターゲットNは現在任務中、予想通り夕方頃に終わりそうな感じです』
『了解、C、Tと一緒に行動しといてな』
『こちらC、了解しました!』
一頻り思いつく限りの事をし終えた頃には、空は茜色に染まりかけていた
「あ……もうこんな時間なんだ」
「本当だ、早かったな……ちょっと惜しいかも」
「うん……」
日に照らされて橙色に染まるフェイトの顔が沈む
「と、とりあえず今は時間ギリギリまで一緒に居ようよ」
「う、うん!そうだね」
せっかくの休日を暗く終わらせてしまうのは勿体無い
ならばと元気付けようとするユーノだが、あまり効果は無さそうだった
『こちらゼロ、S、ターゲットNはどや?』
『こちらS、ターゲットNは現在任務を終えて帰宅中です』
『よし、今がチャンスや。T、C、準備はええな?』
『はい!』
『大丈夫です』
『よし、それじゃ01、お願いな』
『こちら01、分かりました』
見た目に高級そうなレストランに入ろうとするユーノとフェイト
今日のデート最後のスポットとしてゆっくりと食事を楽しもうとした時
『緊急出動!海上に魔力反応確認!恐らくガジェットだと思われます!』
突如飛び込んできたシャーリーの通信に、休暇から仕事へと切り替えるフェイト
『こちらライトニング1、場所はどの辺り?』
『ミッドチルダ海上、南西1km地点です、数はおよそ25機程』
『分かった、すぐに向かいます。市街地飛行の許可を』
『了解、ライトニング1、市街地飛行を許可します』
一瞬にして繰り広げられる通信にユーノも表情が真剣になる
「ごめんユーノ、すぐ戻ってくるから」
「僕も行くよ、何か手伝ってあげたい」
「……うん、有難う」
ユーノは独自の通信で市街地の飛行を認証させると、バリアジャケットに変身する二人
「それじゃ、行こうか」
「うん!」
二本の光が街の上空に緑と金の線を引きながら、海へと飛び立っていった
『それじゃ、T、C、お願いな。それとSも』
『『『了解しました!』』』
『……面白くなって来たなぁ』
現場に到着すると、確かに遠くにガジェットが数十機程確認出来た
「それじゃあユーノはバインドで纏めて、私がそこに打ち込む」
「分かった、一旦散開!」
ガジェット集団に対して前後に分散する、特攻する形に成ったユーノが魔方陣を展開し、
チェーンバインドの同時発動でガジェットを数箇所の塊に纏める
「フェイト!今!」
「まず一つ、ハーケン……セイバー!!」
フェイトによって打ち出された光の刃がガジェットの塊の一つを貫通し、
破壊した筈のカジェットと共に視界の内に消える
「き……消えた!?」
「まさか、幻術……でも、バインドの時は確かに――」
「後ろ!」
ユーノがフェイトの背後に回り込んだ一団にバインドを打ち込む、続いて二つ三つとバインドで捕縛すると
僅か数機を残していくつかの塊と化したガジェットが足掻くだけと成っていた
「フェイトは幻術の術者を探して!後は僕が引き受ける!」
ユーノがバインドの輪を一気に収縮させるとガジェットの幻影が明滅し、空に消える
フェイトが広域探索魔法の詠唱を始め、ユーノが続いてガジェットを潰しにかかるが
視界の端に僅かな光を確認した瞬間、急いで防御魔法を展開させる
「―――ディバイン、バスター!!」
遥か遠くから飛来する桃色の閃光がガジェットの塊を貫通し、何故かユーノを直線に捕らえていた
既に防御魔法を展開させていたユーノをその砲撃を斜めに弾くと、その機動の先に有ったもう最後の塊を消滅させる
その少し後、砲撃手からの通信が二人に飛び込んだ
『フェイトちゃん、ユーノ君、大丈夫!?』
『『なのは!』』
見慣れた魔力光の主は急速にフェイトの所に近付くと、周囲の状況を確認しつつ安堵の表情を浮かべた
「仕事が終わって帰る途中に緊急通信が入ったから飛んで来たけど……何でユーノ君も居るの?」
「何でって聞く前に!危ないじゃないか!いきなり人に向けてディバインバスター撃って!」
「あはは、ごめんねユーノ君。でも、絶対に合わせてくれると信じてたから」
「全く……」
笑顔で言われてはユーノも怒るに怒れない、不機嫌そうな顔で頭を掻く
「なのはさん!」
下方から聞こえた声は一瞬にして空に青い路を描き、残り数機のガジェットの幻影を消滅させていく
その声の主がなのは達の所に来る頃には、周囲にガジェットの姿は無くなっていた
「スバル?」
「はい。私もさっき連絡を貰って、急いで来たんですが……ちょっと遅かったみたいですね」
「そうでもないよ、お疲れ様」
なのはがガジェットの反応が無くなった事を確認して、通信を開く
『こちらスターズ1、ガジェットの集団は全て幻影、引き続き術者の捜索に回ります』
『ロングアーチ1、了解』
『T、C、撤退!急がんとまた頭冷やす事になるで!』
『そ、それだけは絶対に嫌です!』
『T、C、撤退します〜!』
『ふう……後はSに任せればOKやな』
「……ごめん、見失ったみたい」
探索魔法を停止させたフェイトが申し訳無さそうに答える、既に辺りは暗く、肉眼で探せる時間ではなくなっていた
その旨を本部に伝え、地上に降りてバリアジャケットを解除する4人
『ガジェットは全機幻影だった事も有りますので、待機状態は継続して貰いますが、現場の検証等は構いませんよ』
「お疲れ様でしたー」
「お疲れ様」
なのはは六課の制服、ユーノとフェイトとスバルはそれぞれ私服に戻ると、シャーリーの指示に胸を撫で下ろす
「スバル、今日は六課はお休みだったよね?」
「はい、ですが近くを通りかかったので、連絡を貰いました」
「そっか……ごめんね、せっかくのお休みだったのに」
「大丈夫です、もう十分休みましたから!」
「ふふ。ところで、今日はティアナと一緒じゃないの?」
「え?あ、いや、そのー……偶には別行動をって思いまして!」
「?」
なのはが疑問符をいくつも浮かべている背後では、ユーノが顔中に冷や汗を流しながら顔を青ざめさせていた
「ユーノ、どうしたの?」
「い、いや……何でもないよ」
ユーノを気遣うフェイト、心配させる原因のユーノのその表情は恐怖に満ちているが、そこに
「な、なんでも無いですから!あ、ユーノさんとフェイトさんは引き続きデート頑張ってください!」
情け容赦無く、止めを刺された
去り行くスバルの背中に呪詛の念を送りたいユーノだが、一瞬にして冷え切った空気にその気も打ち落とされた
振り返ってはいけない、否、振り返る事が出来ない、圧倒的な魔力とそれ以上の威圧感に背筋が凍るのを感じる
「ユーノ君……、どういう事なの……?」
限り無く冷酷に、一言一言紡がれるなのはの言葉に、咄嗟に広域結界を張るユーノ
ユーノに突き刺さる魔力の如き視線の余波に圧され気味なフェイトが横から疑問を口にする
「なのは、どうかしたの……?」
「フェイトちゃん、私のユーノ君と一緒に……デート、してたの?」
「『私の』……?」
その言葉に疑問と不安を抱くフェイト、その時ユーノの精神は崖へと一歩一歩踏み出して行く
「うん、そうだよ。私の事が好きって言ってくれたの、私も大好きだから」
なのはの告白に、今度はフェイトが態度を豹変させる
「ユーノ……?」
人を射殺すなのはの視線とは違う、人を絶望させるフェイトの視線がユーノを取り巻く
自ら周囲の危険を感じて結界を張ってしまった以上、逃げ出す事は出来ない
もし張っていなくても逃げる事は出来ないだろうが
「私も、ユーノが好きで、ユーノが好きで居てくれるって……」
「ユーノ君……?」
事実上の二股という状態である、非は完全にユーノ側だ。
しかし、高町なのは、フェイト・T・ハラオウンという管理局でも屈指の美女二名の求愛を誰が拒む事が出来ようか
その上二人とユーノは大を軽く超える親友である以上、片方だけを傷つける訳にはいかない
数週間悩み続け導き出した答えの結末が―――この惨劇である
「ユーノ君、私の方が好きだよね?」
「ユーノ、私の方が好きだよね?」
左右からシンクロして聞こえる声に愛情という二文字は全く感じられないが、気にしている場合ではない
更に互いの発言にヒートアップしたのか、ユーノの返事を待たずデバイスに魔力を込め始める二人
既にレイジングハートはエクセリオンモードに、バルディッシュはザンバーモードへの変化は完了している
圧倒的な密度の魔力の奔流に、ユーノは懐かしい記憶を呼び起こされる、これは十年前の再来だと
「フェイトちゃん、『私の』ユーノ君を取るなんて、いくらフェイトちゃんでも……」
「なのは、『私の』ユーノを横から奪うなんて、そんな事……」
殺気立つ黒い空気の中、雷光と流星の輝きだけがその存在を誇示し、二人の手元へと集う
今一度トリガーが引かれようものなら、術者の二人を除く周囲全てが消滅し兼ねない、
ユーノの結界程度無いも等しく引き裂かれるのは目に見えている。
「スターライト……」
「プラズマザンバー……」
目に見えていても、止まる事は無い。ブラックトリガーは引かれたのである
ユーノは最期を覚悟し、有らん限りの力で叫ぶ
「止めろ!僕は二人とも大好きだから!こんな事はもう止めてくれ!!」
「「ブレイカー!!!」」
言葉が届くには遅く、時既に膨大過ぎる魔力の束が、二人の砲撃手によって―――――打ち上げられた
ユーノの作り出した決して弱くない結界を難無く破壊し尽くし、遥か上空まで到達した魔力は弧を描き、複雑に交差し合う
夜空に映える桃色の帯は雷の煌きを帯びて美しい輝きを大地に振り撒いて次第に消えて行く。
その姿は管理外世界で数度見掛けた、夏の風物詩に似ていると感じた
「……これ、は?」
ミッドチルダの街を照らす光に緊張感が一気に抜け落ちるユーノ、力も一緒に抜け落ち、その場に膝を付く
「うーん……やっぱり、台詞にもうちょっと捻りを加えた方が良かったかな?」
「でも、結果的に成功したんだから、良かったと思うよ」
当の本人達は白煙を噴くデバイスを携えたまま、一瞬にして呑気に世間話をするような雰囲気に変わっていた
ユーノはと言えば、指の先も動かさずに色々と停止してしまっている
「ユーノ君、大丈夫?」
肩を揺さ振ってみるが反応は無い、どうやら回復するまで些か時間がかかりそうであった
「えっと……どうしよっか?」
「とりあえず、休ませてあげた方が良いかも……」
「うん、そうだね……」
なのはとフェイトでユーノの肩を持つと、転送魔法を発動させ一瞬にしてその場から消え去る
管理局の職員が魔力波を感知し駆け付けたのは、その直後であった。
『……一時はどうなるかと思ったけど、何とか成って良かったわ』
『下手したら次元犯罪者でしたよ、今のは……』
『でも、なのはさん凄かったな……』
『フェイトさんも流石です……』
『皆、せっかくの休みなのにこんな私事に付き合せちゃってごめんな、今度ちゃんとした休み手配するから』
『いえ、最近なのはさんとフェイトさんの気分が優れない様子でしたし』
『私達で力になれるならいくらでも!』
『ありがとな。ほな、今日は解散や』
「―――ユーノくーん、起きてー、もう夜だよー」
「―――ユーノ、本当に大丈夫なのかな……」
ユーノの意識が戻り始める頃、時刻は既に深夜を回っていた
背中を支える柔らかい寝具の感触に包まれながら、徐々に身体の感覚を呼び起こして行く
「こ、ここは……?」
「あ、ユーノ君!」
「此処は私達の部屋だよ、あれからユーノ、全然目を覚まさないんだもん……」
「……ちゃんと復活出来ただけ自分を褒めてあげたいよ」
「あ、あはは……ちょっとやり過ぎちゃったかも」
抵抗しようが無い恐怖と死が見えるのなら、怯む事無く笑い飛ばせるだろう、そうユーノは確信出来た。
声は近くから聞こえるものの姿は見えない、緊張しきった身体に溜まった疲労はユーノの身体をシーツに押し付ける
四肢にも力が入らないが、こちらは気にならない。楽だという事で目を閉じて話を続ける
「どうしてこんな事を?」
ユーノが問い質すが、その答えが返ってくる前に腕に暖かく柔らかい感触が纏わり付く、先に右が
「だってユーノ君、ちゃんと言ってくれないんだもん」
次に、左が
「二人とも大好きだーって、さっきみたいに。だから、緊急出動が有った時にちょっとね」
「……はは、勝てる筈が無いじゃないか」
図らずとも、精鋭部隊機動六課の戦力の大部分を投入した(一部)決死の一大悪戯に怒る気力も失せてしまう
結局その全貌を把握している者は居なかったが。
そこでふと気が付く、声が非常に近い、耳元で囁かれているかのように話しかけられている感じがする
「でも、それじゃ二人に失礼だから――」
「言えなかった」
目は開けていないものの、目の前になのはの顔が来ているのか、なのはの息を顔で感じる
軽く口元に人差し指を当てられると、その微かな感触に胸が跳ねた。その上
「二人とも大切だから言い出せなかった。なんてのは無しだよ」
こう戒められてしまっては、表現出来る言葉が見付からない
「私達はユーノの事が大好きだから、私達だけになら許してあげる。ねっ、なのは」
「うん、フェイトちゃん」
左腕に絡む感触が少し強くなる、心地良い圧迫感だが何かがおかしい気がした
ただ、未だ疲労と睡眠明けでまともに働かない思考ではその違和感を感じ取る事が出来ていない
「その代わり……」
なのはが一度言葉を切ると、直後に唇を塞がれる。離れた後も間髪を入れず、フェイトに唇を奪われた。
接吻は今までにも何度も交わした事は有るが、二人同時にというのはかなり気恥ずかしい
その余韻を残したまま、二人の身体が押し当てられるのを全身で感じ取った
「二人一緒に、目一杯愛してね」
フェイトの甘い声で囁かれる
この状況を自然に受け止める事が出来たのは彼女達との複雑な縁の為か、
純粋に愛を求めて来てくれている彼女達を愛おしいと思ったからか。
どちらにしろ先に宣言したのは自分である、彼女達の想いを無碍にする気持ち等万に一つも有りはしない
「……うん、努力する。なのは、フェイト、二人とも大好きだよ」
普段なら歯が浮きそうな台詞が自然に出てきた自分に驚く、
此処に来て漸く身体に力が込められる様になり、離した腕を横たわった二人の首元から背中へと通し、少々強めに抱き寄せた
そして、漸く先程から感じていた違和感に気が付いた、再度睡魔が襲って来るがこれだけは言わなければ成らない
「……ところで、どうして皆裸なんだ?」
何故もっと早くに気付けなかったのか
シーツを纏っている中の三人は、それぞれ一糸纏わぬ姿で並んで横になっている
身体に感じる柔らかさは、彼女達の胸が直に当てられていたからであった。
「いいの、私達恋人同士なんだし……ね」
「そ、そうそう、気にしなくて……いいんだよ、服はちゃんとハンガーに掛けてあるから」
恋人同士、その言葉に何処と無く心地良さを感じる
不思議と気分を落ち着かせてくれる言葉に感謝したい、でなければ今頃精神が暴走していても可笑しくないからだ。
暫く沈黙が辺りを包み込む、なのはとフェイトはお互いを見ると、顔が真っ赤に成っているのが暗い部屋でも確認出来た
この状況にお互い思う事は同じなのだろうか
「ね……ねえ、ユーノ……?」
「もし良かったら、その……………する?」
積極的な二人の消極的な誘惑の言葉に、返って来たのは長い静寂と、微かな寝息だった
「も、もう、空気読んでよユーノ君……」
「……これからも時間は有るんだし、今日はもう寝よっか、なのは」
「……そうだね。お休み、ユーノ君、フェイトちゃん」
「うん。お休み、ユーノ、なのは」
少々寂しい気もするがここまで疲れさせてしまったのは自分達だからと、贖罪の意味で両の頬に軽く唇を付ける
そのままゆっくりとユーノの体温を直接感じながら、手を取り合って眠りに付く二人の顔は幸せに満ちていた。
翌日、中々出勤して来ないと様子を見に来た八神はやてにより半強制的に有休を消費させられた三人は
ここぞとばかりに朝から朝まで遊び倒したという。
以上です
当初は現在進行形の長編の間に書く小ネタにするつもりが無駄に長い物に
エロ分は他の職人様方にお任せします
エリオはきっと心の何処かに
それでは
ここまで投下しておきながら「機動六課のある休日」だという事に気が付いた…orz
暫く修行し直してきます
329 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 22:29:50 ID:WuhVIDZ6
はいはいこの流れは俺TUEEEEE俺TUEEEEEEEEEEE
楽しいですかぁ登場人物への自己投影は?楽しいでしょうね
>>315 なぜか無いんだよなあ…
エロイ人や魂さんみたいに闇の書関連に目を付けて書けばけっこうおいしいネタなんだけど。
>>329 そこな少年、言いづらいがU-1スレと誤爆してないかい。
とりあえずおうちにかえりなさ
そしてこの淫獣となのはさんとフェイトさんを見て育ったお子様達が
エリオ×るー子&キャロをやってのけるわけだな
実に淫獣2世
甘いぞ。エリオの場合ナンバーズも混じる可能性がある。
>>333-334 違うよ、全然違うよ
ガリュー×エリオ×フリード
または
純愛ヴェロッサ×ヘタレクロノ×鬼畜眼鏡ユーノ×Mエリオ→←ノンケヴァイス←ヤンデレグリフィス
だよ
336 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 22:45:43 ID:ZJbKjYoB
淫獣「15の愛人を抱え、お前は一体何をする気だ、エリオ!!」
待て待てエリオは六課全体だろ
>>335 お前というやつは・・・・・・。
人に全然違うとか言っておきながら
レジアス×ゼストの純愛モノを忘れやがって。
チームシャ○自重しろ
>ガリュー×エリオ×フリード
StS本編的に間違ってないから困る
あとナンバーズはゲンヤさんだろ?
>>340 トーレとセッテはフェイトさんの物だ。
あ、監獄の中でしたねサーセン
エリオ×ルールー&キャロ&ヴィヴィオ&チンク姉&ウェンディ
と申したか。
よく考えるとエリオとチンクとウェンディって、中の人が……
何、気にすることはない
投下予告
00:00あたりで一本行きます
紳士諸君、wktkだ。
щ(゚Д゚щ)カモォォォン
wktkwktk
誰が来るのか…wktk
351 :
26-111:2007/10/12(金) 00:00:00 ID:FKievpBB
予告通りに参上。一本投下させていただきます
前スレで投下した、ヴィヴィオとザフィーラの話の続きになります
・メインはアルフとザフィーラ。フェイトとはやても少し
・エロ有り
・使用レス数19レス
・タイトル:アルフとザフィーラは大変な夜にしてしまいました
良い電波を送ってくれやがった前スレ405に今更ながら深い感謝を。このド変態が(褒め言葉のつもりです)
一番の変態は私でしょうがなぁ!行くぜ!エ☆ロ☆い☆話☆の☆タ☆ー☆ン☆da!
だが、紳士諸兄のwktkに応えられるかどうかは微妙かもしれない・・・公式設定は無視しています。その点はご了承を
では、投下
なのはが6課隊舎の部屋を引き払ってから3日後の事である
現在、隊舎の主な住人は部隊長である八神はやてとその守護騎士:ヴォルケンリッター。そして引き渡し手続きの為に残ったフェイトである
彼女達以外には、日中は臨時の清掃員や事務員が来るが、隊舎に泊まり込んでいるのははやて達とフェイトだけだ
そして、法務関係諸々の手続きも終えて、フェイトもいよいよ引っ越しという運びになり、
その日の夜の事である。はやて達の寝室に一同は集まり、手には黄金色の泡立つ液体・・・平たく言うとビールで満たされたジョッキを持っていた
「ほんならみんな。今日でフェイトちゃんもお引っ越しや。機動6課最後の面子となったフェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官の今後の活躍と健勝を願ってぇぇっ!!!」
カンパーイ!、という声と共に、ジョッキが打ち鳴らされる音が響いた
翌日を以て、機動6課は名実共に無くなる・・・今日は、6課最後の夜だった
○アルフとザフィーラは大変な夜にしてしまいました
「大体なぁテスタロッサ!!お前は何かとおどおどしてるのがいかんのだ!!」
ダンッとテーブルにジョッキを叩きつけるように置いて、酔眼のシグナムがフェイトに言い放った
ちびちびとジョッキを傾けていたフェイトは、いきなり怒声を叩きつけられて眼を丸くし、それでも一応反論を返す
「わ、私は別に、そんな、おどおどなんて・・・」
「そういう態度がおどおどしているというのだ貴様は!そんなことで執務官や保護責任者が務まると思っているのかびしっとしろびしっと!!」
「シ、シグナム、もしかして・・・酔ってる?」
「酔ってなどいないっ!!酒の所為にして責任逃れかテスタロッサ!貴様はいっそ私の副官になれ!その根性を叩き直してやる!!」
結局の所それがシグナムの本音らしい。彼女にとって、フェイトは戦友であり、同時に好敵手であり、得難い“とも”であったと言える
そんな彼女と別れるのが寂しいのだろう・・・普段は白磁のような冷貌を真っ赤に染めて、シグナムは怒っているのか嘆いているのか、ともかくフェイトに延々と説教を続けている
「はぁ・・・シグナムの奴、酔うとあんな風になるのか・・・」
「あぁ、アルフは知らなかったのか?アイツ、あぁ見えて酒に弱いんだぞ」
ジョッキを勢い良く傾けたシグナムは、今度はフェイトの飲み方について熱く糾弾し始めた。曰く、ビールをちびちびやるとは何事かと
そんな二人の睦まじい(?)姿に溜息を吐きながら、フェイトの引っ越しの手伝いに来ていた彼女の使い魔:アルフと、シグナムの同僚:ヴィータは溜息を吐いた
見た目こそ子供・・・10代にも届かぬような幼い外見の二人だが、中身はこの場にいる誰よりもしっかりしているかもしれない
「しかし、シャマルがすぐ寝たのも意外だったけど・・・ヴィータは意外にイケるくちなんだな」
「おぅ・・・あんまり味は好きじゃねーけど、量についてはわきまえてるつもりだし・・・気分の良いところでやめるようにしてるからな」
見た目小学生くらいの女の子の台詞とは思えないが、ヴィータは唇に付いたビールの泡を拭いながらそう答えた
二人の後ろでは、シャマルがソファに横たわって寝息を立てている。アルコールによって桜色に染められた頬と、安らかな寝息を立てる口元。寝乱れた衣服が少し可愛い
見た目の話をするなら、シャマルはこの面子の中で最年長な筈なのだが・・・
そんな彼女の寝姿に視線をやって、アルフは苦笑を浮かべながら呟いた
「何となく、シャマルは酒豪っぽいイメージがあったんだけどなぁ」
「・・・気持ちは分かるぞ。でも、一番強いのは・・・ザフィーラだな。あいつ、何飲んでも顔色一つ変えねーし・・・酒でも水みてぇに飲むんだぜ?」
「へぇ・・・そういうのは一回酔わせてみたいって思わないかぃ?」
「やめとけよ。はやてが一回同じこと言って、めちゃめちゃ後悔してたんだ」
苦い顔をしながらヴィータはそう言って忠告をした
「でも、今日くらいは、馬鹿騒ぎも良いかもな・・・テスタロッサも明日には本局に戻るし、あたし達ははやての下で捜査官補佐って事になるけど、
こんな風に騒げる機会は・・・そうそう無くなるだろうしな。なのは達やスバル達が出ていく度にこんな風に騒いでたけど・・・」
「今となっては、もう少し盛大に送り出してやりたかった・・・かい?」
「・・・まぁな。スバル達は勿論、グリフィスやシャーリー達の時もな・・・何か、あんな風に酔えるシグナムの奴が羨ましいな」
「因果なもんだよねぇ・・・ま、飲もうよヴィータ。明日の事は、朝が来てからどうにかすれば良いのさ」
「そうだな・・・あぁ、でもあたし達がみんな二日酔いだと、はやてが困るだろうし。やっぱりセーブしとく」
「あっはは、ヴィータはホントに主人想いの守護騎士なんだね」
「お、おぅ。当ッたり前だ」
「うっしお互いの主にかんぱーい!」「かんぱーい」
アルフとヴィータの見た目チビッココンビが親睦を深めている間に、キッチンスペースからはやてが湯気を立てる皿を抱えて現れ、酒宴はますます盛り上がりを見せる
シグナムの説教はますます紆余曲折を極め、今ではフェイトをベッドに正座させて何故お前はぬるい風呂を好むのだと熱く糾弾している
ねじ曲がった話を筋を拾い上げて聞くと、どうやらシグナムはミッド北部の天然温泉(熱め)にフェイトを誘って断られたときのことを根に持って(?)いるようだ
覚悟しておけいつかお前の背中を流してやる、というのは一体どういう意味だ。言葉通りの意味か?
シャマルは寝入ったまま、むにゃむにゃと寝言を言いながらシャツのボタンを外し始めた
普段なら速攻でシーツを被せて隠さねばならない痴態だが、今日は見られて困る男性も居ないので放置である
双方の名誉の為に特筆しておきたいが、ザフィーラの存在がカウントされないのはシャマルの魅力に問題があるからでは無く、付き合いの長さ故のことである
はやては、小さなリィンに茹で立てのソーセージを切り分けてやっているところだった
今日の肴はビールに合わせて少し辛い味付けのナッツや腸詰め類。バランスを考えてか、スティックサラダを用意している辺りが流石だと、家政婦でもあるアルフは思う
板に付いたエプロン姿からは既に風格さえ漂っているように思える、八神家の大黒柱で全員の母親であるはやてであった
そんな、どんちゃん騒ぎを極める酒宴の中、ザフィーラはひっそりと席を立った
アルフは目敏くそれに気付いて声を掛ける
「ザフィーラ、どうしたんだい?」
「あぁ、巡回の時間だ。主はやて、巡回に出ます故、失礼いたします」
そう告げられたはやては目を丸くした。ザフィーラが毎晩隊舎近辺を巡回していることは勿論知っているが、既に6課の隊舎に泊まり込んでいるのは自分達だけで、非戦闘員は居ない
緊急出動の可能性が全く無いわけではないが、既に機動6課は解散されており、出動要請が掛かる事はない筈だ
何より、今日でこんな機会もしばらく無くなるだろう、最後の宴だというのに・・・
「ザフィーラ。今日くらいはええんとちゃうか?折角の機会やのに・・・みんなで一緒に居ろうよ」
「いえ・・・この様な時だからこそ、我は守護として機能せねばなりません。お心遣いのみいただいておきます・・・それでは」
主の気遣いに一礼を返して、ザフィーラは静かに退室していった
生真面目すぎる守護獣の振る舞いに口を出すつもりはないが、はやてとしては、もう少し自分の騎士達と楽しさや嬉しさというものを分かち合いたいのだが・・・
「あいつも、相変わらずだねぇ・・・ねぇ、はやて。いつもあんな調子なのかい?」
「そやね。ザフィーラはいつも裏方で、みんなのことをしっかり護っててくれるんよ。勿論、頼もしいんやけど・・・ちょっと、なぁ」
はふ、と溜息を吐くはやてに、アルフは苦笑を浮かべて頭を掻いた・・・少しだけ悪戯っぽい笑みを浮かべて、彼女も席を立つ
「まったく・・・んじゃ、アタシもちょっと付き合ってやるかな。フェイト、少し散歩してくるね」
「え、お散歩?」
「ん、酔い醒ましだよ。それじゃね」
「う、うん。いってらっしゃい」
「きいていりゅにょかてすたろっしゃっ!!」
「あぁ、はい。聞いてます、聞いてますシグナム。呂律が回って無くて聞き取りにくいけど・・・」
すっかりできあがってしまっているシグナムの説教に、フェイトは苦笑を浮かべてはやてに助けを求めるが、はやては無敵の笑顔でそれを黙殺した
いましばらく、この受難は続くようである
アルフは軽い足取りで隊舎の玄関をくぐると、間隔を開けて灯っている街灯の下を蒼い毛並みの狼が歩いているのを見つけた
「おーい、ザフィーラ!」
「・・・アルフ。どうかしたのか」
「どうかしたのか。じゃ無いよ。ったく、今日くらいみんなと一緒に過ごしなよ水臭い」
「我には守護獣として、主と主の愛する者を護る義務がある。いつ、いかなる時であってもだ」
そう言って唇を尖らせるアルフだが、ザフィーラは鉄面皮を保ったまま・・・狼形態なので表情はあまり変わらないのだが・・・己の役割だと告げた
その生き様は気高く、守護獣としての誇りを感じさせるのだが、主がそれを寂しく思っているのでは本末転倒なのでは無いかと思ってしまうアルフである
「ったく・・・ま、良いや。アタシも少し歩かせてもらうよ」
「酔い醒ましか?好きにしろ・・・」
「ん、好きにするさ」
そう言って、二人は夜の中を歩き始めた。すっかり静かになった隊舎からは物音一つ聞こえることもなく、爪がアスファルトを掻く硬質な音と、小さな足音だけが響いている
そんな静寂を破ったのは、意外な事にザフィーラの声だった
「アルフ・・・一つ、尋ねたいことがある」
「何だい?藪から棒に」
「お前は今、ハラオウン家の使い魔として、クロノ・ハラオウン提督の子供二人を預かっていると聞いたが・・・」
「あぁ、カレルとディエラだね。いつか写真も送ったろ?最近は、もうすっかり生意気になってねぇ」
「そうか・・・アルフ、その二人が成長して、一人前になり、独り立ちしていったら・・・お前はどう思う?」
思いがけない相手からの思いがけない質問に、アルフは驚きに少しの間沈黙して、思うところをこの様に述べた
「そりゃ・・・勿論嬉しいさ。だけど、やっぱりちょっと寂しいだろうね・・・4年前に、フェイトの傍を離れたときも、そうだった・・・取り残されたみたいでね」
「そうか・・・」
「・・・アンタにとっては、ヴィヴィオがそれだけ大事な存在になってたって事だよ」
「わ、我はまだ何も言ってはいないだろう!」
俯いていたザフィーラが、慌てた様子でそう言い繕った
アルフは、この蒼き狼が動揺しているという珍しい姿を見ることができたというだけで、巡回に付き合ってやって良かったと心から思う
「それじゃ何なんだい?ヴィヴィオ絡みじゃないのかい?」
「ぐぬぅ・・・い、いや、ヴィヴィオの事があって、尋ねたかったのだ・・・」
「最初からそう言いなよ・・・それで?」
ごほん、と咳払いを一つして、ザフィーラは歩きながらアルフに言う
己の心を占める、空白感にも似た何かを埋めたくて
「我にとっては初めてのことだ・・・歴代の夜天の王との別れは何度も経験していた筈なのだが・・・主以外の相手に、あれほどに大切に思われ、
そして彼女との別れを心の底では惜しんでいる我が居る・・・我は守護獣として、主と主の愛する者の為に機能できればそれで良かった筈なのだが・・・」
少しだけ、アルフも聞いている。ヴォルケンリッター達の守護騎士プログラムが機能に支障をきたしつつあるという事・・・そして、その為に“人間”になりつつある
こんな風に感情を吐露して見せるのも初めてのことだろう。そうした変化が、心の在り方にも何か影響を及ぼしているのだろうか・・・それとも、案外アルコールの所為だろうか?
「ヴィヴィオ、良い子だからね・・・泣き虫で寂しがりだったけど、人の気持ちに敏感で、なのはが悲しい顔をしてるとすぐ気付いてたよ」
「・・・正式に高町教導官の養子となり、彼女は今も魔法学校に通っている・・・それは大変喜ばしいのだが、何故か、落ち着かんのだ・・・」
きっと、ザフィーラは気付いていない
自分の中に芽生えつつあるのが、『親心』或いは『父性』と呼ばれるものであると言うことに
アルフは、ついニヤニヤと笑みを浮かべそうになる自分の頬に平手を見舞って、わざとらしく溜息を吐いてわざとらしく厳しい声音で切り捨てた
「しっかりしなよ。アンタはヴォルケンリッター。盾の守護獣だろ?はやてと、はやてが大切に思ってる人を護る為に存在してるんじゃないのかい」
「・・・その通りだ。ヴィヴィオの警護を買って出たのも、最初はその役割故のつもりだったが・・・これは、情が移ったということなのだろうかな」
「そういう事だよ。そして、ザフィーラにも子連れ狼の素質があったって事さ」
「・・・子連れ狼とはどういうことだ・・・」
「さぁて、ね。ま、アンタが子供を好きになれるってことが判って、アタシは嬉しいよ」
「・・・どういうことだ?」
ザフィーラの問い掛けには答えず、アルフは念話でフェイトに呼び掛けた
『フェイト、ちょっと良いかい?魔力を少し分けて貰いたいんだけど・・・』
『私は良いけど、何かあったの?』
『何にも。ただ、久しぶりに狼形態で走り回りたくなっただけさ』
『そっか・・・うん、わかった。リンクするね』
フェイトの言葉と共に、自分の身体に彼女の魔力の一部が流れ込んできた事を確かに感じる・・・アルフは久しぶりに大人の姿になると、紅い狼へと姿を変えた
突然の変化を訝しむように見ているザフィーラに眼を細めて笑うと、彼の尻尾にいきなり噛み付いた
「ア、アルフ!何をするっ!」
「どうしたんだい?動きが鈍いよ!悔しかったら捕まえてみな!!」
アルフはそう言って驚いているザフィーラの顔に尻尾を叩きつけると、放たれた矢のように駆け出した
ザフィーラは呆然と見送ってしまうがそれも一瞬のこと。逞しい四肢で地を蹴り、紅い狼の背中を追う。走る速さはザフィーラの方が少し上だが、身の軽さはアルフの方が上だ
徐々に詰まる距離も、アルフは時に街路樹を器用に駆け上がって、枝から枝へとジャンプし、木立の中に姿を隠したりする
赤い毛並みと匂いの残滓を辿りながら、ザフィーラは追う。茂みの中に伏せっている気配を捉え、すぐさま飛び掛かるがあと一歩及ばない
二頭は走る。紅い狼と蒼い狼は、逃げる者と追う者の筈なのだが、引き付け合うことに抗っているようにも見えた
いつの間にか、二頭は隊舎から離れた、巡回路にも入っていない、背の高い草が生い茂った草原へと踏み込んでいた
この状況では身軽さも役に立たない。草むらは身を隠してくれるが、互いに狼という身の上である。視覚よりも嗅覚と聴覚の方が鋭いのだ
こうなれば、純粋に足競べとなる。そうなると流石にアルフの方が分が悪い。フェイントを何度も掛けて逃げおおせようとするが、ザフィーラは素早くアルフの背中に飛び掛かった
子犬の兄弟がじゃれ合うような格好で、二人は草むらの中を転げ回る。アルフはそれでもザフィーラを振り解いて逃げようとする
だが、ザフィーラの四肢はしっかりとアルフの身体を押さえ付けた
不意に、アルフは人間形態へ姿を戻す
ザフィーラは、自分の四肢で押さえ付けている相手がいきなり人の身に変じた事に、何故か激しい動揺を覚えていた
自分の毛並みの色にも似た、青灰色の瞳が、組み伏せられた格好のままで自分を見上げている
「あっはは・・・捕まっちゃったか。アタシもヤキが回ったかな・・・」
そう言って軽口を叩く姿も、何故かいつもとは違って見える
「なぁ、ザフィーラ・・・あんたも人間形態になりなよ。野暮だね、相変わらず」
「あ、あぁ。済まぬ・・・」
促されるままに人間形態へと姿を変えたが、草むらの中で仰向けに倒れ伏している女性に、馬乗りにのし掛かっているという構図は、さらにマズイのではなかろうか
ザフィーラは慌てて、飛び退るように身を離そうとしたが、それよりも素早く、アルフはザフィーラの首に抱き付いた
「ったく・・・予想はしてたけど・・・逃げようとするのにはひどくないかい?」
「す、すまなかった・・・だが、アルフ。その、あまりくっつくな」
「やだね。くっつきたいからくっついてるんだよ」
彼女の言葉に嘘はあるまい。アルフは実に嬉しそうな顔でザフィーラの首ったまにしがみついている
その格好のまま、アルフはザフィーラの耳元に唇を寄せて、少しだけ悲しげな声音で囁いた
「なぁ、ザフィーラ・・・あんたは、もし、守護獣として生きる必要が無くなったとき・・・どうする?」
「我が、守護の獣でなくなった時・・・か・・・」
ザフィーラとしては、自分が守護獣で無くなった時のことなど、考えたこともない。彼は夜天の魔道書に記された守護騎士プログラムの産物で、夜天の王を護る為だけに存在する者
それ以外の生き方など、経験したこともないし、考えたこともない
「アタシは、さ。今でもフェイトの使い魔・・・守護獣だよ。でも、フェイトの傍に居るんじゃなくて、あの子の帰る大切な場所を護ってる・・・
あんたも、そんな生き方を選ぶ時がいつか来るかも知れない・・・」
「・・・」
「アタシは、カレルとディエラが独り立ちしたら、どうするかまだ判らないよ。でも・・・アタシも、欲しいんだ」
「何が、だ?」
「・・・むぅっ・・・ここまで来てそれを言わせるかあんたはっ!」
いきなり首を絞められて、ザフィーラは息を詰まらせながらも平謝りに謝った
顔を真っ赤に染めたアルフは怒鳴りつけるように、至近距離にあるザフィーラの耳に向かって言い放つ
「子供だよ子供!アタシが産むアタシとあんたの子供!!」
はっきりと告げられたその告白に、ザフィーラは顔を赤く染めつつも、息苦しさに青くなったりしながら必死で反論を返す
「ま、待て、待てアルフ!しかし、我はヴォルケンリッター・・・つまりは守護騎士プログラムの産物だ。
この肉体は命を得て動くものだが、本質的には仮初めのものに過ぎん・・・我に抱かれても、子を宿すことなど・・・」
「わかんないじゃないか。あんた達の身体は人間になりつつあるんだろ?」
「そ、それはそうだが・・・お前とて使い魔としてハラオウン執務官と契約している身だろう」
「前例は無いみたいだけどね・・・確かに、アタシは狼としては一度死んだ身さ。使い魔になるってのはそういうことだからね・・・
でも、フェイトに魂を貰って、アタシの身体は狼として、人間として生きた身体を持ってる。可能性がゼロじゃ無いだろう?」
「し、しかし、だな」
尚もザフィーラは、アルフを諦めさせようと言葉を言い募ろうとするが、アルフは接吻を以て彼の唇を封じた
重ね合わされた唇から伝わる温もりに、アルフは安堵した・・・大丈夫、こんなに暖かいキスをくれる奴が、プログラムの産物なんかであってたまるもんか
「・・・はぁっ・・・ザフィーラ。アタシは・・・アンタに惹かれてたんだよ。使い魔としてのアタシは勿論フェイトのものだけど、
アタシの中の、狼の部分と、雌の部分は・・・アンタに抱かれたいって、ずっとそう思ってた。本音を言うと、子供ができるかどうかなんて二の次だよ。
アタシは、あんたに抱かれたい、ザフィーラを感じていたい・・・あんたが生きる理由の一つになりたいって・・・そう思ってる」
瞳を潤ませたアルフの言葉に、ザフィーラは覚悟を決めるように溜息を吐いて、そっと彼女の背中に両腕を回した
幾度も拳を交えた彼女の身体は、こうして抱き締めてみると思い掛けず華奢で柔らかく・・・そして暖かかった
「・・・我で、良いのか」
「馬ぁ鹿。アンタだから良いんだよ・・・んっ」
ザフィーラはぎゅっと抱擁をきつくすると、再び地面に押し倒すような格好でアルフの唇を奪った
さながら獣のような荒々しい口付けだが、アルフはうっとりと頬を染めてそれを受け入れた
「・・・んっ?」
「どないしたん?フェイトちゃん」
「何だろ・・・何だか、胸が切なくて・・・幸せな感じがする・・・」
「ん、んぅっ・・・ぷはっ」
深い口付けから唇を離し、アルフは大きく息を吐いた。ザフィーラはどこか上の空のような顔で呆然としている・・・少し面白い顔だ
「どうしたんだい?ザフィーラ」
「その・・・お前は、こうした経験が・・・豊富なのか?」
「なっ、ば、馬鹿言うんじゃないよ!は、初めてに決まってるじゃんか!た、ただ、その、エイミィの奴が時々惚気話してくるから、それで、ちょっと興味があったし・・・」
新婚カップルと一緒に暮らして居たのでは、そうした惚気話を聞かされる事も多々あっただろう・・・そうなれば、アルフも女性である
普段の姿では身体こそ小さいが、あくまでそれは外見だけの話だ。動物的な本能として性欲は有る。興味を抱いたとなれば、色々と勉強に励んだこともあるのかもしれない・・・
「・・・我等は元々狼の筈だが・・・人間の姿というのは、良いものだな」
ザフィーラはそう言って、珍しく少しだけ笑顔を見せた
「こうして、抱き合って口付けを交わすことができる・・・狼には為せぬ業だ」
「・・・ぷっ・・・あっはは・・・確かにね、ねぇ、もう一回・・・良いだろ?」
返事も待たず、アルフはザフィーラの唇に吸い付いた
涎が混ざり合う水音が聞こえるほどに舌を絡ませ合う激しい口付けを交わしていると、ザフィーラの大きな掌がアルフの胸に当てられた
胸の大きさには自信があったが、それでもザフィーラの大きな掌にはすっぽりと収まってしまう。そのまま、ぎゅっと掴むように揉み込まれ、
「んっ・・・痛っ・・・」
「すまん。痛かったか?」
「ちょっとね・・・でも、痛いだけじゃ無かったから・・・良いよ、もっと、してよ・・・」
草むらを敷布にして寝そべった格好のアルフにそう促されて、ザフィーラは先程よりも少しだけ優しく、アルフの乳房を触った
上衣をはだけさせて露出した白い膨らみ。その頂にある桜色の乳首は、ぷっくりと膨らみつつあった
「では・・・良いか?」
「い、いちいち断るんじゃないよ。恥ずかしい・・・雄なんだったら、その、ちゃんと雌の為に尽くすんだよっ」
高圧的な発言の筈なのだが、ザフィーラはその言葉に唇を歪めて苦笑を浮かべた
どんな物言いをされても、押し倒された格好で頬を真っ赤に染めて、羞恥のためにこちらを見ることもできない少女の言葉では、嗜虐を望んでいるようにしか聞こえない
普段が奔放な姿なだけに、意外に貞淑な内面を垣間見せるアルフが愛おしくて、ザフィーラは胸に手を這わせると同時に、口元をその頂に寄せた
「んっ・・・はぁ、はぁっ・・・!!な、何だろう。これ・・・ん、うぅっ!?
「なんや、どないしたんフェイトちゃん?」
「う、うん。何だか、胸が・・・その、変なんだ・・・」「ほんなら揉んだげるわ!ぐへへへへ」「え、えっ!?は、はやてっ!んっ、や、やぁっ!!」
「んっ・・・はぁっん!いっ、うあぁっ!」
おとがいを反らせて快感に打ち震えるアルフの身体を抱き締め、ザフィーラは彼女の胸元に顔を埋めていた
柔らかい膨らみを指先で揉みしだき、掌で押し潰す。乳首に吸い付き、身体に薄くと浮かんだ汗を舐め取るように、丹念に舌を這わせてゆく
口の中に広がる塩の味を堪能しながら、ザフィーラは責めを徐々に下方へと移していった
太腿に掌を滑らせられた瞬間、触られることを拒むようにアルフは股を閉じた
ザフィーラは、ふむ、と一息吐き、アルフの顔を覗き込んで訊ねた
「アルフ・・・すまん、やめておくか?」
「そ、そうじゃないよ。ちょっと吃驚しただけさ・・・アタシこそ、ごめん・・・」
気まずそうな謝罪の言葉に、ザフィーラは彼女を安心させるように口付けを落とした
唇を重ね合わせたまま内股に触れると、ぴくり、と一度大きく震えたが、それ以上の抵抗は無かった。ザフィーラは腿を撫で上げながら、ホットパンツ越しに股間に触れる
そこは、布地の上からでもわかるほどに湿り気を帯び、熱くなっていた
「んっ・・・ザフィーラ・・・」
アルフは、胸板に額を擦り付けるように抱き付いてきた。身体が求めた行為とはいえ、少し怖いのだろう
ザフィーラは、クロッチの脇から指を滑り込ませるようにして、熱く潤った股間に指先で触れた。くちゅり、という水音が嫌に大きく響く
「・・・熱いぞ、アルフ」
「い、言うんじゃないよ馬鹿っ!」
顔を真っ赤に染めるアルフである。意外に初心な反応を可愛らしく思いながら、ザフィーラはゆっくりと熱く滾った秘部に指を這わせていった
「んっ・・・んんっ・・・ふぁっ・・・」
アルフの嬌声と、粘液を掻き混ぜる湿った水音と、虫の声と風の音。それらを聞きながら、ザフィーラはゆっくりと彼女の身体から身を離した
快感に翻弄され、肩で息をしているアルフが怪訝そうにこちらを見上げている。ザフィーラは見上げられながら、彼女の下穿きを剥ぎ取り・・・
「・・・アルフ、そろそろ行くぞ」
「あぁ、良いよ・・・ザフィーラ」
「その・・・上手くできるかどうかわからぬが・・・努力はする」
無表情ながら自分を気遣ってくれる言葉にアルフは笑顔を見せて頷いた
そしてザフィーラは、ズボンから己の性器・・・剛直とも呼べるソレを抜き出して、十分に潤ったアルフの膣口に宛がい・・・ゆっくりと腰を進めていった
「んっ・・・あ、あ、あぁぁっ!!!」
「どないしたんやー?フェイトちゃん・・・腰、勝手に動いてるよ?」
酔いつぶれたシグナムをソファの下に蹴り落としてフェイトの隣を確保したはやての言葉である
誰にも触られていない筈なのに何故か快感に翻弄されているフェイトの身体を抱いて、首筋に顔を埋め、暖かい身体を擦り付けるようにしながらはやては言った
「ま、待ってはやて・・・私、変なんだよっ、こんな、こんなのっ・・・!ん、あぁぁっ!!」
シャツの上からはやてが豊かな胸をまさぐっているが、それとは違う、別の“手”の感触をフェイトは確かに感じていた
乳房を揉まれる感触が二重に感じられて、フェイトは襲い来る快感に為す術もなく身体をくねらせるばかりだった。そして、股間に何かが触った感触があって・・・
「!!」
フェイトは慌てて股を閉じて、両手でその手を払いのけようとしたが・・・彼女の両手は空を切った。はやての両手はまだ乳房を弄り続けている
つまり、もう一つの、“見えない手”が股間に触れているのだった
「や、やだぁっ!こんな、ん、うぅあぁぁっ!!!」
「フェイトちゃん、まだ気付かへんの・・・?あのな、それ逆流現象やよ?普通は使い魔側からこんなに流れ込んでくることは無いんやけど・・・いやぁ、愛っちゅうんは凄いね」
「逆流現象って・・・じゃあ、これは、アルフの感覚が、私に、んっあ、あ、あぁぁっ!!」
「そや。ちなみに相手はザフィーラ・・・さっきから私にも、何かこう、幸せー、っちゅうか、そんな感じが逆流してきててなー。んふふふふ。
あー、何か美味し。ちょっとしょっぱいな。フェイトちゃん、今どっか舐められてへん?」
「む、胸・・・っ!!ふぁんっ!!」
ちろり、とはやてが舌を出して自分の唇を舐めた。その姿に、フェイトははやてが自分の身体を見えない舌で舐めているような錯覚を覚えて、ぎゅっと自分を抱き締めた
しかし、どんなに自分の身体を隠しても、愛撫の感触は消えない・・・当たり前だ。この快感はアルフが感じているものを自分が受信してしまっているだけなのだから
「ザフィーラもなかなかやるもんやねぇ・・・しっかり、優しくしてあげてるやんか」
「そ、そんなの、私で観察しないでよっ・・・ん、んっ!!」
ぴくっ、とフェイトは腰を震わせた。誰かに触られたわけではない。だが、何かが膣口に押し当てられた感触が走ったのだ
フェイトはその先を想像して顔を青ざめさせ、はやては期待に頬を紅潮させ、唇の端を吊り上げた・・・そして二人は、同時に快感の溜息を漏らすことになる
「ん、あああぁぁぁっ!!!!」
剛直が、膣を割り広げながら侵入してきたその痛みに、アルフは思わず悲鳴を上げていた
エイミィ曰く、すっごく痛い、とは聞かされていたが、確かに痛い・・・だけど、予想していたほどでは無かったことに安心した。痛みに慣れているからだろうか
だが、ザフィーラとしては悲鳴を上げさせてしまったという事実に少々動揺し、慌てて声を掛けた
「だ、大丈夫か?アルフ」
「ん・・・あぁ、結構痛いけど・・・何とかね。ごめん、ちょっとこのままでいさせて・・・」
深呼吸を繰り返して痛みを和らげるアルフ。彼女の額に汗で張り付いた髪の毛を掻き上げてやり、ザフィーラはそっと汗ばむ頬を撫でた
真っ赤に紅潮した頬は、発熱でもあるのでは無いかと心配するほどに熱かった
「はーっ・・・はぁーっ・・・ん、ふぅ・・・少し、落ち着いたよ・・・」
「そうか・・・本当に大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だよ・・・しかし、あんたの台詞じゃないけどさ・・・人間形態ってのは良いもんだね」
「?」
アルフの言葉に、ザフィーラは疑問符を頭上に浮かべた。そんな彼に笑顔を見せて、アルフは言う
「こうして、お互いの顔を見ながら交尾できるなんてね。狼じゃどうやったってできないよ」
「・・・あぁ、違いない」
破瓜の痛みの所為か、目尻に涙の珠を光らせるアルフの顔に口付けを落として、ザフィーラはゆっくりと腰を動かし始めた
「んっ・・・ん、んっ・・・っ!」
「まだ、痛むか?」
「ん、ちょっとね。ピリピリ、するけど・・・平気、ん、あぁっ!!」
しばらく様子を見るように、ゆっくりとした動きでザフィーラだったが、ぎっちりと締め付ける襞の中にも粘液の滑りが感じられるようになった
剛直を咥え込んだ膣の端から、噴き零れて泡を作るほどの溢れる愛液を見とめ、本能の赴くままに腰を振り立てた
誰もいない草原に、嬌声と、肉を打つ音が静かに響く
「んっ!うっ、うんっ・・・あ、あっ、くぅっ・・・」
フェイトは歯を食いしばって、声が漏れるのを堪えようとしているが、それも無駄な努力だ
何かが自分の膣を割って侵入している。アルフの感覚が逆流しているのだったら、相手はザフィーラだろう。先程まではゆっくりとした刺激だったが、今では腰が浮くほどに激しい
実際に自分が貫かれているわけではないのに、犯されている感覚だけが身体に残る。頭が真っ白になるほどの快感だが、物理的には満たされていない
「フェイトちゃん、すんごい顔してるよ・・・んふふ、なんやろね、私に無い部分な筈なんやけど・・・何か、こう・・・気持ち良ぇよ・・・」
「は、はやて・・・そんなの、わかるの・・・?」
「ん、何て言うんやろ・・・アソコがぎゅーってなるんやけど、何や、こう、ぎゅーっの質が違うんよ」
淫蕩な笑みを浮かべて、はやては快感に翻弄されるフェイトを愉快げに眺めている
フェイトは下着から染み出るほどの愛液を垂れ流し、突き上げられる感触に襲われる度に嬌声を漏らして身体を揺すっていた
はやても、フェイトが声を漏らすのと同じタイミングで、自分には無い筈の性器が締め付けられる感覚が伝わってくるため、腰がぴくぴくと動いている
ザフィーラの感覚は雄としての快感だが、はやてに逆流してくれば女の身体としての反応が出る・・・はやてもまた、股間をぐっしょりと濡らしていた
「んふふ・・・フェイトちゃん、今どんな感じや?突っ込まれてへんのに、犯されてる感じっちゅうんは・・・満足できんのとちゃう?」
「そ、そんなことっ・・・ん、んううっ・・・な、ないよっ!あ、はぁんっ!!」
否定の言葉を何とか紡ぎ出すが、実際の所ははやての言うとおりだ
犯されている感覚“だけ”で、自分の秘部は溢れるほどの愛液を滴らせてはいるが、それだけだ。思いっきり何かを突っ込みたいのが本音なのだが、はやての前では流石に羞恥が勝る
アルフはきっと気が狂うくらいの快感を享受しているのだろう。フェイトの膣は痛いくらいにきゅっと締まっている
ザフィーラに深く突き込まれているのだろう。逆流してくるその律動に合わせて、愛液が噴き出してくる
「フェイトちゃん、汗だくやよ?腰もさっきからひくひく動いてる・・・色っぽい顔してるし・・・胸も堪らんのとちゃうの?」
「や、やだぁっ!!触らないで、お願いだからっ!!」
シャツの上から、張り詰めた乳房を優しく揉まれて、フェイトは悲鳴のような嬌声を上げさせられた
本当は嫌な筈がない。はやての掌に胸を優しく揉まれて、一瞬で気が遠くなるほど気持ち良い。シャツとブラジャーの上からでもハッキリ分かるほどに勃った乳首を摘まれる
後ろからぴったりと抱き付いてくるはやての熱い身体で汗まみれの全身を擦られて、フェイトは快感に打ち震えた
熱い吐息を耳元に吹きかけられ、次の瞬間には滑る舌が耳朶を捉え、はやての唇の中に消えた
ぐちゅぐちゅという音が頭の中に響き渡るほどに耳の中を舐め潰されて、フェイトは背筋を仰け反らせながら嬌声を上げた
「くっ・・・アルフ、我も、そろそろ・・・」
「あぁ、良いよ。ザフィーラ・・・んっ、あああぁぁっ!!!」
ザフィーラはアルフの腰を抱え上げるように抱くと、勢い良く己の性器を打ち込んだ
膣中を抉るように突き立てられた剛直に、アルフは我を忘れて快感を貪り、ザフィーラの名前を呼びながらぎゅっと彼の身体にしがみついた
身体の芯が熱い。先程から責め立てられ続けられた身体はいよいよ絶頂が近いようだ
アルフは脚をザフィーラの腰に絡みつかせ、ぎゅっと挿入を深くした
子宮口が押し潰されるようなその感触は、ひとたまりもない程の快感を生み出し、
「だ、ダメッ!!う、あああぁぁぁっ!!」
「ぐ、くぁぁっ!!」
涙を飛び散らせながらアルフは絶頂に達し、ザフィーラはアルフの身体をきつくきつく抱き締めながら、彼女の中に己の精を放った
「あぁぁっ!!は、はやて、はやてぇっ!!!」
「んふっ、あの子達も、ぼちぼちクライマックスやねんね・・・えぇよ、フェイトちゃん。あの子達と一緒にイこうな」
フェイトの身体に後ろから抱き付いて、はやては両手を胸と股間に伸ばし、唇を首筋に押し当てながらフェイトの身体を責め立てた
甘い汗が流れる首筋に熱い舌を這わせ、唇で吸い付く。乳房に伸ばした手は形を歪めるほど強く揉みながら、指先で乳首を転がし、抓り上げるようにぎゅっと揉み潰す
股間に割り込ませた指先はショーツの中、フェイトの熱く滾った秘部に指を埋め込ませている・・・フェイトの膣中、愛液に滑る襞は挿入を待ち焦がれていたように、
はやての指先を奥へ奥へと導こうと蠢いていた
「ん、あぁっ!!ふ、深いよっ、やぁっ!!」
「あっはは、ザフィーラも気持ち良ぇんやな・・・わたしも、もう、堪え切れへんよ・・・はぁっ、んっ!」
抱き付いたまま、はやてはフェイトの背中に自分の胸を擦り付けて快感を得る
逆流してくるアルフとザフィーラの感覚は、そろそろ絶頂が近いことを教えていた。フェイトの膣はぎゅっと、尚強くはやての指を締め付け、はやては股間が熱くなるのを感じていた
射精感、というのがどんなものなのかはやては勿論知らないが、股間の奥がどんどん熱くなってゆくのを確かに感じる
これが限界に達したとき、男は精液を放出するのだろうか
フェイトの身体を存分に責め立てながら、はやてはぼんやりとそんなことを考えていた
自身は逆流してくる感覚が男性のものであるために、フェイトほどの快楽は得られない・・・だが、この感覚の果てに自分の身体がどんな反応を示すのか
その瞬間を待ち侘びながら、はやてはぎゅっとフェイトの膣中に指を深くねじ込んだ
「う、あ、ああぁぁぁぁっ!!!!」
それと同時に、フェイトは背筋を仰け反らせてはやての指をきつく締め上げた
目が眩むほどの快感は、果たしてアルフのものなのか、それとも自分のものなのか
はやても、股間の奥から迫り上がってくる熱いナニかが限界まで駆け上ってくるのを感じ、背筋が震えるような感覚、開放感と共に・・・
「・・・ッ!?えっ!?そ、そんな、アカン、アカンて!!」
勢い良く、黄色い染みがショーツを抜けてソファに広がってゆくのを目の当たりにして、はやては悲鳴を上げた
男性の射精感が、女性である自分の感覚に変換されれば、最も近い感覚は放尿という事だったのだろうか
はやては立ち上がり、慌てて手近なタオルを掴んで股間に押し当て被害の拡大を未然に防ごうとするが、19にもなって漏らしたという事実はなかなか衝撃的である
「ハァ、ハァッ・・・はやて・・・どうかしたの・・・?」
「な、何でもない!ホンマに、何でもないよ!」
はやては慌ててそう否定するが、突然の驚態にフェイトは怪訝な顔を向けるばかりである
不意に、二人の表情が快感に歪んだ
「ん、はぁっ・・・一杯出したね、ザフィーラ」
「・・・む・・・あぁ、その・・・済まぬ」
「謝ることじゃないさ。嬉しいくらいだよ・・・で、まだまだ元気じゃんか♪」
「こ、こらアルフ」
「良いじゃん良いじゃん、もう一回・・・しようよ」
「・・・む、むぅ・・・分かった。では、ゆくぞ」
身体に走ったのは間違いなく快感で、フェイトは股間を押さえてソファの背もたれに身を押し付け、はやては腰に走った悪寒のような快楽の電流に、膝から崩れ落ちた
「あ、あの二人・・・まさか」
「もう1ラウンドあるみたい・・・やね・・・」
「う、嘘でしょ・・・?」
「二人とも、タフやからね・・・な、なぁ、フェイトちゃん・・・お風呂場に行かへん?このままやと、シグナムとシャマルが起きてまうかもしれんし」
「そ、そうだね・・・お風呂場なら、はやてがお漏らししても大丈夫だしね」
「フェ、フェイトちゃん!!気付いとったんやんか!!」
「そりゃ気付くよ・・・私のお尻に少し掛かったし、ちょっと匂ったしね」
「う、うううううう・・・あぁ、もう・・・くぅっ・・・またや、ザフィーラ少しは手加減しぃよ・・・」
「ふぁっ!!アルフも、そんなに・・・何で激しく・・・されるのが良いの・・・っ!?」
二度目の性交はさらに激しさを増したらしい
フェイトとはやては抱き合うように身体を支え合って、よろめくような足取りで風呂場へと向かった
「・・・はやて、ん、あんっ!・・・思、念通話は・・・?」
「・・・アカン、向こうで遮断してる・・・ひゃんっ!!」
「アルフもなんだよ・・・ん、あぁっ!!これは・・・二人が満足するまで、私達は・・・」
「が、我慢するしか無い・・・ちゅう事なんか?・・・ん、あぁっ!!な、なんや!?アルフ、今、ザフィーラに何したん?!」
「な、何だろ、これ・・・口の中が何だか熱くて・・・変な味・・・ま、まさか」
「や、やああぁぁっ!!!これアカン!!アカンよ!!ま、また出てまう!!フェイトちゃん!はよ連れてって!!」
「んううっ!!だ、駄目!私も、舐められてるみたいで・・・ん、はぁぁ・・・力が、入らないよ・・・」
「アカン、アカン!ザフィーラ、もちょっと我慢せんと!!あ、あ、あ、あぁぁぁぁ!!!・・・う、あぁぁ・・・」
「・・・シャマル。お前本当は起きてるだろう」
「シグナムこそ・・・いつから?」
「・・・途中からだ」
「私は最初から・・・ねぇ、はやてちゃん達も居なくなったし・・・」
「・・・くっ・・・ザフィーラめ・・・主ほどでは無いとは言え、我等は全員が繋がった存在であることを忘れたわけでは、こ、こらシャマル!ま、待て!んっ、あぁっ!!
部屋の外から、複数の喘ぎ声や悲鳴が聞こえてくる中、暗い寝室のベッドの上で、ヴィータは一人耐えていた
「くっ・・・ザフィーラの野郎・・・何やってんだよ・・・んっんんっ!!」
「ヴィータちゃん、大丈夫ですか!?本当に大丈夫なんですか!?」
「へ、平気だって言ってるだろ?んっ!くぁっ!」
「わ、私、すぐにはやてちゃんを呼んでくるです!!」
「あ、待てリィン!は、はやては駄目だ!」
「でも、私じゃ守護騎士プログラムの修復なんてできないですよ!何か私にできることは無いですか、ヴィータちゃん!」
「・・・う、んっ・・・リィン・・・じゃあ、大きいサイズになってくれ」
「へ?は、はいです・・・」
「・・・ゴメンな。リィン」
「へっ!?ん、んんっ!!んーっ!!!」
機動6課、最後の夜は・・・大変な事になっていた
後日談である
・・・結局、夜空が白け始める頃まで行為に耽った二人は、恐るべき事に揚々とした足取りで隊舎に戻ってきて、寝室と浴室の惨状を目の当たりにして肝を潰したのだという
「ったく・・・どうなってんだい?」
「・・・アルフ・・・お前は・・・ハラオウン執務官との魔力リンクが強化されて、共有感覚をシールドしていたか?」
「・・・・・あ゛」
「・・・そして・・・主はやては我等の動向を察知するつもりで、我とのリンクを密かに強めていたというところか・・・全く・・・」
半日後、目を覚ました一同からアルフとザフィーラはこっぴどく怒られた
特にザフィーラは、ヴォルケンリッターの全員からフルボッコにボコられたのである。ほぼ完徹で盛っていて、それに付き合わされたのだ
寝不足とその他諸々に悩まされた一同の怒りの矛先が向けられるのも仕方が無いと言えた
「・・・でも・・・ホントに欲しいな・・・私と、あんたの子供。普通に考えたら、あれだけやれば大丈夫とは思うんだけど」
「回数の問題ではあるまい。我等の場合、存在そのものが人間とも狼とも異なる・・・」
「仮に、子供ができたとしても・・・その子は、産まれながらに私達みたいな存在になっちまうのかな・・・」
陰りを帯びたその声音に、ザフィーラはそっとアルフの肩を抱いた
「案ずるな・・・我とお前の子だ・・・きっと、強く優しく、誇り高く育つだろう」
「・・・そうだね・・・しかし、あんたも気が利くようになったじゃないか。朴念仁の癖に」
「・・・優しくしてやればその言葉か・・・お前は少し憎まれ口を慎んだ方が良いぞ。可愛げが無い」
「何をぅ?・・・でも、まぁ・・・その通りだね。“妻”としちゃ、旦那は立てないとね」
「・・・そうか、ならば我も“夫”として、妻を労らなくてはならんな」
二頭の狼の間に小さな奇跡が起こることを、この時はまだ誰も、本人達でさえ、想像していなかった・・・
>>前スレ405に続く
371 :
26-111:2007/10/12(金) 00:12:06 ID:FKievpBB
以上です、スレ汚し失礼しました。紳士は時間に正確でないといけませんね
実は、ずっと前にザフィーラスレで「巡回」ネタというのを投下していて・・・形は随分変わりましたが、
そのオチとして前々から暖めていたネタでした
「巡回」そのものはお蔵入りしてしまいましたがねー
では、失礼しましたー
GJ!!
>>371 中々面白かったw
特にフェイトとか被害者達の様子がw
>>371 よし、wktkした甲斐があったぞw
というか親父はやて自重w
GJ!
>>371 GJ!!!エロくてたまんねえッス!!最高!!
しかし狼は平均4〜6頭の子供を生むらしいので
いきなり4〜6児の父母になるのだろうか…頑張れザフィーラ!
被害者たちの宴がよかったですw
>>371 ,r=''""゙゙゙li,
_,、r=====、、,,_ ,r!' ...::;il!
,r!'゙゙´ `'ヾ;、, ..::::;r!'゙
,i{゙‐'_,,_ :l}..::;r!゙
. ,r!'゙´ ´-ー‐‐==、;;;:.... :;l!:;r゙
,rジ `~''=;;:;il!::'li
. ill゙ .... .:;ll:::: ゙li
..il' ' ' '‐‐===、;;;;;;;:.... .;;il!:: ,il!
..ll `"゙''l{::: ,,;r'゙
..'l! . . . . . . ::l}::;rll(,
'i, ' ' -=====‐ー《:::il::゙ヾ;、
゙i、 ::li:il:: ゙'\.
゙li、 ..........,,ノ;i!:.... `' 、 ∧__,,∧
`'=、:::::;;、:、===''ジ゙'==-、、,,,__ ` '(´・ω・`)
`~''''===''"゙´ ~`'' ( )
>>371 GJ!
そして完全に0時フラットで投下開始に吹いたw
……今帰宅何だぜ? 下書きは14話まで終わってるんだが、投下はもうしばらくお待ちください……orz
>>371 GJ!主たちのほうも大変だな。後、デバガメなはやて自重w
>>378 気にせずまったり投下してくれ。私はしばらくネットに触れられないから見られるかどうかだがw
>>378 くそ…こっちは今から出勤だというのにwrtkさせてくれやがるwww
槍騎士逃亡の続きをずっと待ち続ける俺・・・
俺は4の442氏とさばかん氏の帰りを今か今かと待ってるぜ!
今更なんだがシグナムって設定19歳くらいだから
なのフェはやと同い年なんだよな・・・嘘だろ
とは言っても、守護騎士プログラムとして
もう数百年生き続けてるからな。
言動や態度が19歳に見えないのは当たり前。
流れを読まず勢いで投下
「蝶々」には遊郭で遊ぶ男をたとえたものという説も有ると知ったのが2日前。
そして童謡の「蝶々」を口ずさんでいてふと思いついたネタ
構想5分。執筆5分。
歌がすべてと思っていたが組み合わせるとネタのほうが強くなって(´・ω・`)でも投下
「うー遅刻遅刻」
今恋人を求めて全力疾走している僕はごく一般的なデートの待ち合わせに遅れた男。強いて違うところをあげるとすれば彼女の親友にも興味があるってことかな〜。名前はユーノ。
そんなわけで待ち合わせ場所である喫茶店にやって来たのだ。ふと見ると端で一人の若い女が座っていた。
うほっ。いい彼女。
そう思って遅れたことの謝罪と説明と、いかに僕がなのはを愛しているかを説明していると突然その女は私の見ている目の前で歌い始めたのだ…!
「蝶々蝶々なのはに留まれ。なのはに飽いたら」
ここで歌を止め、低い声で続ける
「私の親友かな?蝶々さん」
こうして僕の浮気はくそみそな結果に終わったのだった。
ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル
俺は246氏を待ち続ける。
ターンA氏をry
>>391 職人が現れるまで待っているという非生産的なことをやってないで(自分もだが)
か か な い か ?
>382
俺も待っている。
良作に触発されて創作意欲がわいてきた。土日中に一本投下するよ。
宣言しないと構想だけで終わりそうだから宣言しとく。
>>371 めがっさGJ!
いいねアルザフィ。wktkを裏切られなかったのがよかった。
期待以上でGJ。
>>387のネタにクソワロタwwwwww
このなのはさんはとても素敵だ。Nice Nanoha.
くそみそな結果に終わったって事は(スカ)リエッティ+クアッ(トロ)な
プレイをなのはとその親友に行ったってことなのか。マニアックだな。
>>382,393
奇ぐ・・・いや同士、俺も待ってるぜ。
でも442じゃなくて422氏じゃねーのか?w
新婚旅行前にきたひとかw
もう一人(ry の続きが非常に欲しいところ。
そろそろ戻ってこないかなw
リリチャクロスのエリキャロ続きマダー?
ナンバーズの研修室で居眠りをぶっこいていたゲンヤは、ふっと目を覚ますとそれこそ研修対象どころかギンガにすら見捨てられ起こされなかった現実に、わずかながらショックを受けた。
ふぁー、っとあくびをしながら、まあこんなもんか、と達観人らしく納得する。
さて行くか――、と動こうとした瞬間にようやくすぐ隣りでじーっと見つめるいつも通り後ろで細く髪をまとめたディエチに気づいた。
「お、お?」
なにごとかと激しくびくっとするが、まだじーっと見つめてくる。
「…なんだい、えーっと…ディエチの嬢ちゃん」
正直この子達の名前を覚えるのはゲンヤにとっては一苦労であったが、スバル、ギンガの半ば妹のようなものと言われては
うっかりと間違えようものなら娘2人にクロスシフトでユニゾンアタックである。
「おっちゃん!」
「…まあ確かにおっちゃんだが、なんだい?」
あぐらをかいたまま仕方なさそうに乾いた笑いのゲンヤに、何の遠慮もなく不倫愛人よろしく抱きつきながら唇を重ねる。
驚きながらも、やらせたいようにさせていると、結構長い時間があってから離れた。そこはそれ、そこらのの若造とは違い、いつも通り話しかける。
「…どうしたい。大丈夫かい?」
「あのね…なんかもやもやっとしてさ…私達の存在がなんていうか、わかんない」
「そーいわれても困るがな。俺にどうしろってんだ」
「少し…抱きしめて欲しい」
「まあ、いいけどな…」
割と娘っぽく抱きしめるゲンヤであったが、対象の方はそうでもなかったらしく、再び口を結び付けられる。どこで教わったのか、舌で激しく求めてから、潤んだ瞳でさらに愛撫を欲しがった。
「もっと…触って」
「むー」
半ば仕方なく胸に触ると、頬が上気し、息遣いも荒くなっていく。
「うん…これだ…多分…あっ…」
手の感触が物足りなかったのか、上半身をあっさりと脱ぎ捨てると自ら手を乳房に導く。ここまでくるとさすがのゲンヤも悪乗りを止められなくなってくる。
激しく再び求められる口づけに答えながら、服の裾から陰部に手を滑り込ませた。
「あはっ……ああっ」
未知の快感によいしれながら、身をよじって全てを脱ぎ去ると、腕と指に陰部をこすりつけるディエチ。
「わたし……できてる?」
「あ、ああ…」
「よかった…」
ぐちゃぐちゃと音をたてながら、しっかりとした指の動きに身を委ねていく。ある程度すると、うっとりした瞳が言わずもがなでじっと見つめてきた。
「んー、こういうのは専門じゃないんだがな…」
下着をズボンごと降ろして、そのままディエチを柔らかい草の上に押し倒す。全裸の彼女は、それこそそこらの少女と全くといっていいほど変わりがなかった。
「…いいのかい?」
「おねがい」
「むう」
ゆっくりと繋がっていくと、しっかと首を掴まれる。
「ぁ…ふ……」
ゆっくりと動き始めると、すぐに溢れ出た液体が淫靡に響きを放ち始めた。
「あっ……ん……」
ぐちゃ、ぐちゃ
「ああ……よかった……わたしのからだも……ちゃんと使える」
「嬢ちゃん…」
熱い吐息に導かれるまま、だんだんと腰の動きが激しくなっていく。
ぐちゃぐちゃぐちゃ…
うっとりとした表情を加速させながら、快感に浸っていくディエチ。
「あー、あー……い、あ……あっ」
「くっ」
じゅ、じゅ、じゅっと繰り返すうちに脈動の大きくなった膣に、おっちゃんも堪えきれずはじけた。
「うおっ…」
「ぁぁあっ!」
びゅるびゅると遠慮なく注ぎ込まれて、草を掴みながら下の人も震え、そして満足して力を抜いた。
色々と後始末を終えて、しばらく寄り添ってから、ようやくディエチが口を開く。
「ほんとは……私達が……ギンガのお母さんとか殺しちゃってさ……なんか申し訳なくて」
「なんだい、そんなこと。今更だろうが」
「うん……でもさ……なんか、その恩返しとかしたくて」
「全く、それにしたって、もうちっとかんがえろ。一応、その…女の子なんだからな」
ぐりぐりっと頭をすると、うん、と割と嬉しそうに微笑んだ。
後でうっかり口を滑らせたディエチが、ノーヴェとウェンディにぬけがけしやがってー!ぬけがけはひどいっすー!と言われつつ、
父さん――、と怒りでふるふると震えるギンガから脱兎の如くゲンヤが逃げ出すのは、そう遠くない未来のことであった。
ついでにコテの練習
>>400 もうちょっとお待ちを。ルーテシア難しいんだよ・゚・(ノ∀`)・゚・。
明日の夜、あげれればいいな
先日予告したヴィヴィオとフェレットユーノのお話投下します…
あと蝶々ネタ吹きました
・ユーノ(フェレット)とヴィヴィオのお話
・非エロ
・オリキャラ登場
・籍は入れてないけど何故かユーノがなのは・ヴィヴィオと同居してるとんでも設定
・当然ヴィヴィオはユーノをパパと呼ぶ
なんか温かい話だ
>>402GJと言わざるを得ないな
たまの休日、ユーノは自室で本を読んでいた。
これでなのはも休みと言うのなら自分となのはとヴィヴィオの三人で外に
出かけたりしていたのであろうが、あいにく今日のなのはは教導隊の仕事がある。
だからこそユーノは一人窓から差し込む日を浴びながらコーヒーを飲みつつ
ゆっくりと読書に勤しみ、我ながら渋いな〜と浸っていたのであったが…
「パパー! お願いがあるのー!」
と、突然ヴィヴィオがドアを開けて現れた。しかもかなり慌てている。
「一体どうしたんだい? ヴィヴィオ。」
「パパー! お願い! フェレットに変身して一緒に来てー!?」
「え?」
余りにも突然の事にユーノも一瞬慌てた。
ヴィヴィオが言うには先日ヴィヴィオの通う学校の友達同士で家で飼っているペットに
関しての話題で盛り上がり、それで皆がそれぞれのペットを見せ合う話に発展していたのだが、
当然ヴィヴィオはペットを飼っていない。しかし仲間はずれが嫌だったのか、
ユーノがフェレットに変身出来る事をなのはから聞かされていた事もあって
ついつい家でフェレットを飼っていると嘘を付いてしまったのだと言う。
「ごめんなさいパパー! 家でフェレット飼ってるって嘘付いちゃったよー!」
何だかんだで罪悪感を感じていたのか、ヴィヴィオは泣きそうな顔になっていた。
しかしユーノとしてもヴィヴィオが泣く姿は見たくない。たから仕方なく協力する事にした。
「しょうがない…けど…一緒に行くだけだよ?」
そう言ってユーノはその場でフェレットに変身する。
「わー! 本当にフェレットさんになったー! 可愛い!」
「わっ! ヴィヴィオ苦しいよ!」
元がユーノであるとは言え、フェレットの姿がヴィヴィオにはかなりツボに入ったのか、
ヴィヴィオは泣きそうだったのが嘘の様に喜んで抱きしめてしまった。
「それじゃあパパ! 行くよ!」
「でもあくまでも行くだけだからね!」
「わかったー!」
そうしてヴィヴィオはフェレットになったユーノを抱きかかえたまま駆け出した。
聖王教会近辺の公園にヴィヴィオとその友達が集まっていた。
そしてそれぞれのペットの姿もあるわけだが、やはりと言うか何と言うか
ペットの定番として猫や犬の姿が多く見られた。
「(うわ…本当に沢山いる…。)」
ユーノはヴィヴィオに抱かれたまま内心焦っていた。
例え子犬や子猫であろうともフェレット時のユーノよりずっと大きいし、それ故に
かつて追い駆けまわされる様な事もあった。それが少々トラウマになっていたのだが
どの飼い猫や飼い犬も飼い主がしっかりと抑えてくれていたし、
ユーノもヴィヴィオに抱かれたままであった故に吼えられこそすれど
追い駆けまわされる様な事は無かった。
非エロは死ね
「わ〜。 これがヴィヴィオちゃんの言ってたフェレット?」
「小さくて可愛い〜。」
「撫でても良いかな〜?」
各自が持ち寄ったペットの中でもフェレット時のユーノが一番小さく、
それ故にヴィヴィオの友達はユーノの頭を代わる代わる撫でていたりしていたのだが、
そんな時、ヴィヴィオの友達の一人が叫んでいた。
「ダイアンだ! ダイアンが来たよ!」
その言葉に突然皆は大騒ぎになった。
「ダイアンって何だい?」
ユーノは皆に聞こえない様にこっそりヴィヴィオ訪ねるが、ヴィヴィオもまた
恐怖に打ち震えた顔になっていた。
「ダイアンは学校のガキ大将でいつも私に意地悪したりするの…。」
「え!?」
ヴィヴィオが震えながらそう言っていると、公園の入り口から一人の少年が現れた。
一応ヴィヴィオと同年齢なのだろうが、その基準で言えばかなり体格がガッチリしており
何処か97管理外世界で有名な某未来機械猫の漫画に登場しそうな某ガキ大将キャラに似た
雰囲気を持った少年だった。彼こそが皆の言うダイアンであり、そのオーラに皆は
圧倒されていたのだが、それ以上に問題なのは彼が連れていたペットにある。
何故ならそのペットは…ワニだったのである。
「(ワニ!?)」
思わずユーノは心の中で叫んだ。しかも飼い主に似ていかにも凶暴そうであり、
皆は思わず自分のペットを抱き上げながら離れていた。
「おいおい逃げる事は無いだろ? オレのカトリーヌは大人しいから噛んだりしねーって。」
年齢詐称級に低い声で笑いながらダイアンはそう言っていた。
とにかく、そのカトリーヌと言うのがワニの名前なのだろう。全然合ってねー!
「皆色んなペットを連れて来てるようだが、やっぱりオレのカトリーヌが一番だろう!?」
ダイアンは一番遅れて来た身でありながら、なにやら突然仕切り始めていた。
しかし皆はダイアン…そしてカトリーヌが怖くて文句が言えないのである。
故に皆はついつい気まずい顔で黙り込んでいたのだが、ダイアンにとってそれが面白いはずがない。
「何だよ! 何黙り込んでんだよ! もっと騒げよおい!」
「う…うん…。」
「アハハハハハ…。」
皆は必死に作り笑いしていた。そうしないとダイアンに何されるか分からないのであったが…
そんな時にヴィヴィオに抱かれたユーノがダイアンの目に入った。
「お! どいつもこいつも犬猫ばっかだと思ってたら変わったペット持ってるじゃねーか。少し貸せよ!」
「あ! ダメェ!」
ダイアンは無理矢理にユーノを取り上げてしまった。
「キュー! キュー!」
「何だコイツ…小さくて弱そうだなおい。」
「やめてー! フェレットさん返してー!」
ダイアンに片手で掴まれたユーノはもがいていたが、そんな時何を思ったのか
ダイアンはユーノをカトリーヌの方に近付けていたでは無いか。
「ほ〜らカトリーヌ。お前もこのイタチを見るか〜?」
ダイアンとしては軽く見せるつもりだったのだろうが…ユーノを近付けられた直後、
カトリーヌはその大きな口を開けたでは無いか。
「キュ―――――――――――――!!」
ユーノは慌てた。どう見てもカトリーヌは自分を喰おうとしている。故に大急ぎで
ダイアンの手から逃れて地面をトコトコと逃げ出したのである。
しかし、カトリーヌはその後を追ってくるでは無いか。
「おーすげー! カトリーヌとイタチの追い駆けっこだぜ! おもしれー!」
「わー!」
「キャー!」
ユーノが食べられるか否かと言う状況でありながらダイアンは面白がって笑うだけ。
他の友達もカトリーヌに噛まれるのが怖くて逃げ出すばかりで誰もユーノを助けられる状況では無かった。
「やめてよー! あのワニさん止めてよー! パパが食べられちゃうよー!」
「パパ?」
大急ぎで叫びながらすがりつくヴィヴィオにダイアンは首をかしげた。
「あのフェレットさんは本当はパパが魔法で変身してるだけなんだよー! だからもうやめてよー!」
ヴィヴィオはもう泣きそうだった。これはもうヴィヴィオだけの問題では無い。
無限書庫もまともに機能しなくなるし、何よりなのはが悲しむ。それはヴィヴィオにとって嫌だった。
しかし、ダイアンはまともに信じておらず、泣きじゃくるヴィヴィオを面白がった。
「ハッハッハッ! 何を言ってるんだ! もっと嘘は上手く付くもんだぜ!」
「本当だよ! 信じてよぉ!」
「ええいヴィヴィオのくせに生意気な!」
「痛!」
ダイアンはヴィヴィオを叩いて地面に倒していた。そしてその光景がカトリーヌに
追い駆けられていたままだったユーノの目にも入り…
「ヴィヴィオに何をするか!!」
あたり一面にユーノの叫び声が響き渡り、直後にユーノの発した翠色のバインドが
カトリーヌの動きを止めていた。
「今…あのフェレットが…しゃべったよね…。」
ヴィヴィオの友達は口々に唖然としながらそう言っていた。
そしてユーノはフェレットの姿のまま一歩一歩ダイアンに近寄って来るのである。
しかもその時のユーノは何時もとは違う雰囲気を発していた。
「な…何なんだよこのフェレットは…。カトリーヌに何をしたんだよ。」
ユーノをただのフェレットとしか認識していなかったダイアンは状況が
理解出来ずにいた。故にその場で凍り付いた様になっていた。
「おいヴィヴィオ! これは一体どういう事なんだよ!」
「ヴィヴィオもう知らないもん。パパはいつもは大人しいけど本当に怒ったらとっても怖いんだよ。
こうなったパパはママでも止められないもん。パパをここまで怒らせたダイアンが悪いんだもん。」
そう言ってヴィヴィオはその場から離れるだけだった。
「うわぁ! 逃げるな! ってうぁ!」
慌ててダイアンが逃げようとするが、その時にはユーノのバインドによって
身動き取れなくされ、その場に倒れ込んでしまった。
「痛い!」
そしてユーノはフェレット姿のままダイアンの眼前にまでトコトコと歩み寄って行き…
「どうも。はじめまして。フェレットの姿を取ってはいますがヴィヴィオの父です。」
「ほっ本当に喋った!」
ユーノはフェレットの泣き声としてでは無く、普通に人語でダイアンに話しかけていた。
その口調は至極穏やかな物であったが…それが逆に恐ろしかった。
「心配しないで下さい。別に乱暴はしませんよ。でも…君のやっている事は
ちょっと感心出来ませんね。僕があのワニに追い駆けられるだけなら百歩譲れましたが…
ヴィヴィオを傷付ける事は許せませんよ。そもそも…。」
と、ユーノはフェレット姿のままダイアンに説教を始めてしまった。
おまけにダイアンはバインドされて倒れたままであるし、フェレットに説教されるなど
プライドはもうズタズタだろうと考えていたのだが…
「こらぁ!! あんたこんな所にいたんかい!?」
と、突然一人の体格の大きな女性が現れたでは無いか。
「母ちゃん!! 助けてよぉ!!」
ダイアンは涙目でその体格の大きな女性に叫んだ。つまりダイアンの母親と言う事なのだろう。
だが、次の瞬間ダイアンの母親はダイアンの頭にゲンコツをお見舞いしていた。
「この馬鹿! 勝手にカトリーヌを持ち出して人を噛んだりしたら
大変だろうに! ほらさっさと帰るよ!」
「うわぁぁん! 母ちゃんごめんよー!」
突然バインドが解除され、ダイアンは母親から耳を引っ張られながら連れて行かれる。
「どうも家の馬鹿息子がご迷惑おかけしました。」
と、母親は申し訳無さそうに皆にお辞儀をしてダイアンとカトリーヌを連れて帰って行き、
皆はその場で唖然とするしか無かった。
「………………。」
皆の沈黙はダイアンとカトリーヌを連れて行く母親の姿が見えなくなるまで続いた。
これはもうヴィヴィオに本気で怒ったらママでも止められないと言われたユーノの
迫力が霞んでしまう程の迫力であった。
その後、夕日を浴びながらヴィヴィオはユーノを抱いて帰路に付いていた。
「パパ…今日は本当にごめんね?」
「別にヴィヴィオが謝る事じゃないさ。ヴィヴィオこそ怪我は無いかい?」
「うん。」
「そうか…じゃあそろそろ僕も元に戻るよ。」
そう言ってユーノはヴィヴィオから離れると、元の人間の姿へ戻った。
「フェレットも可愛くて好きだけど…やっぱりこっちのパパの方が格好良くて大好き。」
「フフ…ありがとう。でも今日みたいに嘘を付いてはいけないよ。」
「うん。」
こうしてユーノとヴィヴィオは手を繋いで家へ帰って行った。
おしまい
実はもう一本フェレットネタが出来上がってあるのですが、
そっちは後日投下しようと思います。
>>410 リアルタイムktkr。ほのぼのした。GJ!
ダイアンワロスwwwwwwwww
GJ
和む
これに尽きる
>>410 ダイアンの母親登場のシーンでふと思ったんだが、ダイアンのモデルって
もしかしてドラエモンに出てくるジャイアンかね?w
GJ
ジャイア〇噴いたwwwwwww
>>410 GJ!でした
親子ものは良いですねぇ。ナイスユーノ、ナイスヴィヴィオ
しかし、カトリーヌと見ると、何故か頭の中では蚊取り犬と変換される私はかなりの電波
>>402 GJ!
投下開始前に予告を期待したいぜ
>>410 オッケエ!
して超次元ポケットを装備したガジェット(青色)はいつでてきますか?
417 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 00:19:55 ID:AzAaXvwu
犬交尾GJ
>>402 数の子はなんか良いよね〜GJ!
予め品書きはあった方がぐー
ゲンヤパパのハーレムナンバーズも良いかも☆
GJ
420 :
420:2007/10/13(土) 12:36:03 ID:1TOlPQby
すみません、初投下します。
30分で考えた短編です。
消費スレ数:1
主要登場人物:ガジェットV型
エロ無し
ある日のスカリエッティラボ、ここのプラントでガジェットドローンが生産され
各地のレリック探索に投入されている。管理局に機動6課が設立されてからは
管理局の魔導師との戦闘も主要な任務になってきている。
そのプラントの一角にV型らが集まった。
がたいの良い彼らが集まるとまるでおしくらまんじゅうとなる。
なぜこのような集まりを催すことになったのかというと
先日彼らはトーレに呼び出されてこういわれた。
ずばり「V型の戦略的見直しと大量生産ライン案の撤廃」である。
ようは負けまくって弱いのでV型はいらないということである。
「先日の地下水路でも何もできず、タイプゼロ2機にこっぴどくやられただろ!!」
労働組合の交渉なら即座にブーイングが出るところだが・・・
重量制限(1.0tまで)のあるラボの天井を転がりながら自発的に掃除をしていた時のこと、
チンクの治療カプセルの上に落下して粉砕した仲間がノーヴェのブレイクライナー
でスクラップにされたのが6日前。
ナンバーズには実力でかなわない彼らは黙っていた。
ゆえにお開きになった後、自分達の今後を話し合うべく、緊急会議がなされる運びとなった。
「諸君!!ドウスレバ我々ノ存在意義ヲ、Drニ知ッテモラエルカ!!」
「ヤハリ6課ノ魔導師を華麗ニ倒セバ良イノデハナイカ」
「既ニ仲間ガOPヲ含メテ含メテ3機モヤラレテイルゾ」
「OPッテ・・・イッタイ何ヲオ前ハ言ッテルンダ?」
「油断サセルンダ!!何カニバケテ背後カラ」
「何ガアル?」
「キャベツ(思イツク俺ッテ天才!!)」
「巨大チョゴホット(スバルタソトオ近ヅキニナリタイ、ハァハァ・・・)」
「ユキダルマ(当然、オ前ラ重イカラ俺ガ上)」
「・・・マタ綺麗ナ切リ口ニナリソウナモノヲ」
ゴロゴロ転がりながら、V型の緊急会議の内容もあらぬ方向へ転がっていった。
終り
422 :
420:2007/10/13(土) 12:42:16 ID:1TOlPQby
以上になります。
職人さんたちとは違い、文章力はありませんが何とか書きました。
読んでくれた方がいたら感謝します。
423 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 12:59:29 ID:1ouvxA4+
>>422 このV型らは間違いなく愛すべきバカだwwwww
>>422 GJ!
たまにはこういう小ネタもいいなw
>>422 GJ
タチコマな日々を思い出して噴いたw
>>422 惜しいwこの手の話は好きだけに
彼らが一致団結して知恵と努力で6課メンバーを触手プレイに捕らえて欲しかったw
フェイトさんあたりで
OPとかでサクサク真っ二つにされている香具師らにそんなことが(ry
タイトルが思いつかん
431 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 14:21:29 ID:TTOExsXM
>>208 ユ「ドラグ・ロワイヤル!!」『ブルァァァ!!!』
コウデスカ? 解りません
王ドロボウネタ出た切っ掛けのトレジャーハンターユーノだけど、
確か旧保管庫にインジュージョーンズって在ったよね。
とれじゃーユノシグもう来ないかな〜
御供え3袋後編のユノヴィタも待ってるけどw
>>312 ユノはや、俺も読みたいけど執筆力が無い。。。
は「(失業者取り上げた雑誌読み)他人事みたいやけど、六課がずっとあるわけやなし、私も気ぃつけな」
ユ「アレはやて、どこかに当てでもあるの?」
は「そーいうんはないけど、そうやないっその事…」
「ゆーの君のトコロに永久就職―――なんてアカンかな?(照」
ユ「…ヱ!!? イ、いやダメってコトは…(赤」
コレで精一杯で…しかも裏では
白悪「(ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!)」
金夜叉「(ォォォォォォォ…!!!)」
桃「え、えりおく〜ん(涙目」槍「…砲撃と斬撃の嵐が来る…(震」
トレジャーのユノシグは、シグさんの扱いの難しさが最大のネックなんだ。
と、作者がこっそりつぶやいてみる。
アジトの掃除をするガジェットV型。
だが、それはノーヴェ達の巧妙な罠だった。
「あんたの構造は私に崩される為に築いてきたんだからねー」
(いつもの力が出せれば…こんな奴らなんかに…!)
「よかったじゃない。落下での故障のせいにできて」
「!?!?!?!?!?!?!?!?」
「おい、ISを用意しろ。みんなで可愛がってやる」
(耐えなきゃ…!!今は耐えるしかない…!!)
「マウント…ゲット…」
(いけない…!基盤がショートしやすくなってるのを悟られたら…!)
「中のジュエルシードを拝見してもいいッスか?」
(こんなことで…くやしい…! でも…感じちゃう!)(ビクッビクッ
「あ〜ら、ジェネレーターに当たっちゃいましたか。甘い痺れがいつまでもとれないでしょう?」
422に触発されビビッとなった。今は反省している。
>>433 (´゚ω゚):;*.ブッ
おま、何を書いてんだwwwww
とりあえず、このお茶塗れの俺のちゃぶ台をどうにかしてほしいわけだが。
ガジェットはただの雑魚メカ
そう思っていた時期が俺にもありました…
少なくとも今日まではwwwww
さっきナンバーズ物のss書こうかと思ってstsのHPでナンバーズの設定見てきたんだけど俺には無理だと理解した
裏設定多すぎるだろ、こいつらwwww
438 :
sage:2007/10/13(土) 17:57:29 ID:PDJ4Nd2g
>>433 ジュエルシード見られる羞恥プレイかい!?
そういえば何で入ってたんでしょうね?
まあレリックだって結局何だか全然わからなかったし。
439 :
サイヒ:2007/10/13(土) 18:41:26 ID:Ryz0DWFY
今回は完全にクロフェ時空を離れてナンバーズのエロですよ。
注意書きはこちら
・前後編で、前編はオットー×セイン。
・オットーに生えてます。苦手な方は注意。
・医学・生物学的にツッコミ所満載。ドクターの科学力は時空一ィィィーーー!!!で済ませてください。
・ナンバーズが出てるSS03は聞いてません。性格が違ったらごめんなさい。
ではどうぞ。
「ドクター、例の資料が揃いましたのでお持ちしました」
「ありがとう、ウーノ」
スカリエッティはキーを叩いていた手を止めて、ウーノから書類を受け取った。
「……ふむふむ、あまり多くないな。こういう性に絡む技術はもっとあると思ってたんだが」
「いかがわしいものは排除し、確実な成功例があるものだけをピックアップしましたので」
「普通に生きている分にはお世話にならないものだしねぇ」
ウーノが集めた資料。それは全て、性転換魔法に関わるものである。
「……なぜこのようなことを調べておられるのですか? 作戦とは無関係と思われますが」
ウーノの問いに、書類に眼を落としたままスカリエッティは答えた。
「なに、例の保険絡みのことさ」
保険とは、スカリエッティのコピー計画である。
もうすぐ実行に移されるスカリエッティの壮大な作戦。ミッドを大混乱に叩き落すであろうその最中に、
なんらかの事態でスカリエッティが逮捕もしくは落命した時のための予備策として、ナンバーズが彼の子
供を孕んでおくという計画である。
生まれてくる子供はスカリエッティの知能と記憶を継承し驚異的な速度で育つというもので、骨子はか
の失われたアルハザードの技術である。
「あれは素晴らしい技術だが、問題もある。実際の性交渉を行わなければならないし、妊娠確率を上げる
ことも出来ない」
ようやく顔を上げて、スカリエッティは苦笑した。
「私はご覧の通り学級の徒だ。体力に自信は無い。十二人全員が妊娠するまで毎晩セックスをしていれば、
計画前に倒れてしまうよ」
「ああ、それで姉妹の誰かに手伝わせようとい思われたのですか」
「そういうことさ。……うん、これがちょうどいい。あとは擬似精巣に溜める精液についてだが」
スカリエッティの手が再びキーを叩いて、ディスプレイを消す。その手が、ウーノの手首を掴んで引き
寄せた。
「その前に、息抜きをしようか」
椅子に座ったままのスカリエッティの腕の中に、ウーノはすっぽりと包まれる。
「ドクター、されるのでしたら薬を……」
スカリエッティが調合した薬を飲んでから行為に及ばないと、生まれてくる子供はただの平凡な子供に
なってしまう。
だが、スカリエッティはそれを拒否した。
「必要ない」
ウーノの長い髪を弄りながら、スカリエッティは言う。
「いつもいつも、妊娠だけが目的のセックスというのもつまらない。今は、そういうのは抜きでしよう」
耳元で囁かれて、ウーノはほんの少し頬を染めてから、小さく頷いた。
オットーの種付け事情
なにやら、下半身が涼しい。そのせいでオットーは目が覚めた。
布団を跳ねのけてしまったかと思い、足で探ると別なものに当たった。
「あいたっ」
その物体が声を上げた。いったい誰かと寝ぼけ眼で見てみれば、五番目の姉だった。
「…………なにやってるの、セイン姉様」
「なにって……ナニだけど?」
親父ギャグで返答するセイン。だがその言葉どおり、彼女が行っているのはナニだった。
布団の下半分が捲り上げられ、オットーはズボンどころかパンツも脱がされている。
丸出しの股間には、女性のオットーが本来持つはずがないもの、グロテスクな陰茎がそそり勃っている。
その幹は濡れており、セインの口元には唾液の零れた跡がある。
どう見てもフェラチオの真っ最中だった。
なぜセインがそんなことをしているのかよりも、ここまでされるまで自分が起きなかったことがオットー
には疑問だった。
(……毎日して、疲れてるからかな)
オットーが思案している間に、セインは口淫を再開させようとしていた。パクリと先端が飲み込まれる。
「待って」
とりあえず頭を押して止めさせる。
「なんで朝からこんなこと。昨日したばっかりだよ」
「そうだけどさ。下にはいっぱいもらったけど、口にはしてなかったなって思って」
「思って?」
「朝駆けしちゃった。てへっ」
可愛い子ぶる姉を冷たい眼で見るが、意にも介してない。
部屋のロックはされているところを見ると、得意のディープダイバーで侵入したらしい。ドクターかウー
ノに頼んで、部屋に対ISフィールドを張ってもらわねば。
「じゃあ続き続きっと」
セインが三度股間に口を寄せる。制止してもしつこく迫ってきそうなので、オットーはもう好きにさせ
ておくことにした。
「ん……うくっ……」
オットーが起きる前には先端から流れ出していた液体を、掬うようにして飲み込む。その度に、舌が触
れていく鈴口が刺激される。
そこに手が加わった。丸めた人差し指の背で、裏筋を撫で上げられる。
「ん……」
気持ちよさに少し声を漏らすと、動きが変わった。舌が引っ込み、亀頭が頬の内側に当てられる。手も、
握る上下させるのではなく、握る強さに強弱をつけるようになっていた。
あれこれやってオットーの反応を楽しもうとしてるらしい。
『ところでオットー』
しゃぶりながら、念話でセインが話しかけてくる。
『なんでこれつけっぱなしなの?』
これ、とはもちろんセインが舐めているものである。
魔法で作った擬似的なものであり、つけるにも消すにも手間はさほどかからない。いつもは終わればき
ちんと消している。
ただ昨日は、最後の情交で疲れきって終了と同時に眠ってしまいそのままになっていたのだ。
『気をつけないと駄目だよ。胸ちっちゃいんだから、こんなのつけて歩いてたら男の子と間違えられちゃ
うぞ〜?』
密かに気にしていることを口にされ、オットーはむっとした。
姉妹には感情が希薄だと思われている自分だが、喜怒哀楽はちゃんとある。顔や言葉に出さないだけだ。
目の前の姉が、もうちょっと笑ったり怒ったりしろと常々言っていたのを思い出す。
だから、行動に出してやることにした。
「ぐぅん!?」
オットーは、セインの頭を掴んで一気に根元まで押し入れた。
陰茎の先端に、固めの粘膜の感触。喉の奥まで届いたらしい。
「んむっ! んん〜!!」
じたばたとセインが暴れるが、意に介せず頭を前後させる。
乱暴なイラマチオ。半開きの唇と喉の感触だけで、さっきまでの口淫に比べたらちっとも気持ちよくな
い。
それでも腰の奥に、ほんの少しの射精の気配が生まれる。全く我慢せず、オットーはセインの口の中に
ぶちまけた。
「うえっ! げほっ!」
派手に咳き込むセイン。手を離したので、吐き出された白濁液が布団に飛び散る。
気は少し晴れたが、ベッドが汚れたので五分五分だろう。
まだ咳き込んでいるセインを放っておいて、ティッシュで精液を取る。拭けば引き伸ばされて染みにな
りそうなので、盛り上がってるところは摘み取りあとは叩いて水気を吸収するだけにしておく。
「……げほっ、ああもうひどいよオットー!」
ようやく一息ついたセインが抗議してくるが、オットーは顔を向けもせず黙々と作業を続ける。
「……ひょっとして怒ってる?」
そのとおりなので、無言でいることで答えてやった。
「ごめん、出て行くね」
肩を落としてドアに向うセイン。
さすがに少し可哀相になって、オットーはベッドを拭いながら声をかけた。
「セイン姉様」
姉の足音が止まる。
「ちゃんとドアから入ってくれるなら、別に朝来てくれてもいい」
しばらくの沈黙があってから、ドアが開く音がして人気が消えた。
どんな顔をしていたか分からないが、あの陽気な姉のことだ。すぐに元気が出るだろう。
着替えと歯磨き洗面を終えて、朝食前にウーノの部屋を訪れる。
「あら、オットー。もう検診の時間かしら?」
頷くと、ウーノは冷蔵庫を指差した。
「着替えるから少し待ってて。今日の分は入ってるから」
開ければ、中はスカリエッティの助手として忙しい姉の愛用している、片手で取れる液体系の食事がぎっ
しり詰まっていた。
その中から、パッケージになにも印刷されていない銀色一色のものを取り出す。
これぞ、スカリエッティが技術の粋を極めて作り出した特製ゼリーである。
飲むと体内に丸一日沈殿し、性転換魔法と薬を服用することで反応して擬似精巣に移動し精子となる。
始めは精子を口にするのに抵抗があったオットーだが、姉妹達は性交で普通に飲んでるわけだし、口当
たりもただのゼリーと変わらないので今は普通に飲める。
ストローをすするとオレンジ味だった。昨日はイチゴで一昨日はブドウ。毎回違う。彼は本当に天才だ。
ちゅーちゅー飲みながら、なんとなく姉の着替えを観察する。
姉妹の中では一人だけ、青いボディスーツではなく管理局の制服のようなデザインの服を着ている。
自分にあんな服は似合わないだろうが、少し羨ましいなとオットーは思う。もしドクターの作戦が成功
して、自分達が堂々と街を歩ける身になれば、服屋に行って自分とディードに似合う服を探したい。それ
が、オットーの誰にも言っていない小さな夢だった。
パックの中身を飲み終わるのと、ウーノが着替え終わるのは同時だった。
「それじゃあ、始めましょうか」
オットーは部屋の片隅にある寝台に寝転がる。その身体に、ウーノがてきぱきと機械と繋がったケーブ
ルをつけていく。つけ終わると機械のボタンをいくつか押した。
「やっぱり、疲労が溜まってるわね。明日は誰の番だったかしら」
「ウェンディ」
「一日遅らせるように言っておくわ。明日は戦闘訓練も無し。ゆっくり休みなさい」
体調チェックが欠かせないナンバーズだが、毎朝検診を受けているのはオットーだけである。
理由は性転換魔法である。普通人と違う戦闘機人なためか性転換魔法は全員が使えるというわけではな
く、使用可能なのはオットーだけであった。
ためにオットーが過労で倒れると、スカリエッティが妊娠していない姉妹全員を相手にしなければなら
なくなる。
スカリエッティが腎虚で倒れたので作戦延期とかになったら、情けなさすぎる。よって、オットーは毎
日なにか身体に異常がないかと調べられるわけである。
「誰かが無理にしたいって言ってきっても、抱いたらだめよ。……それがあなたの大好きな誰かでもね」
意味ありげな言葉に、オットーは姉の顔から目をそらす。
(……ばれてる)
明確に名前を言わなかったから、ある程度は黙認してくれるようだが、流石に明日は控えないと怒られ
そうだ。
明日は彼女と抱き合えない。そのことに、オットーはウーノに気づかれないよう小さくため息をついた。
続く
444 :
サイヒ:2007/10/13(土) 18:51:40 ID:Ryz0DWFY
以上です。
当初はドクターとメガネが嫌がるチンク姉に無理やり種付けという話だったが、ちっとも進まないんで和姦に変更。
今度は今度でドクターがどんなエロをするか妄想できなかったんで相手変更。
ドクターはものすごくマニアックか、ものすごく優しいかのどっちかっぽい感じ。
次回はチンク姉とディードですよ。
>>444 キタキタキタキタキタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
GJすぎる&エロスギルwwww
続きを期待!
ハッタリ自重しやがれwwwwwwwww
ぐっぢょぶ。
がーやばいっすーしぬっすー助けてウェンディ!(意味不
ほいじゃ2200よりいきます
紳士諸君、wktkだ。
さて…やっとやりたかったネタに辿り着きましたよ
ここまで読んできて下さってる方、またGJ頂いた方、本当にありがとうございました
そろそろすこしは恩返ししたいところです…
ちなみにwhite motherと中の人一緒って認識されてないのかしら?
…いや気にはしてませんがw…分かってる人もいる…といいな
それではここからはStSでお送りします。クロス?どこいったんだろうか(ちょ
そして一段落目は例によって読まなくても大丈夫です。あらすじ代わりの説明にもなってます
っといけないごく一部(3行ですが)にスクデズのパロがあります苦手な方は御用心
…いや全然鬱とか死人とかでませんけどねw
そういえば書いててキャロは昔ピンクボムとか言われてたの思い出した 謎
それではおまたせしました、でっかいのいきます!
朝の薄暗いホテルの一室に、小さなTVの画面だけが輝いている。
あれから相方が寝てくれるまで結構かかったものの、一応寝ることもできたエリオだが、
慣れないベッド落ち着かなかったのか数時間で起きてしまっていた。
すぐ隣りでぐっすり眠る1人と2匹に改めて安堵しつつ、ぼーっと画面を見る。
「――次です!昨日の夕方頃、ミッドチルダ北部のミーチャ遊園地でテロが発生!
しかし、偶然居合わせた管理局員によって犯人は取り押さえられ、奇跡的に人的被害は発生しなかった!これはすごい!」
ああ、そういえばそんなこともあったな…と当の本人は昨日のことなのに遥か遠い昔のことのように泡影とした感慨しか持てない。
朝っぱらから妙にハイテンションでくどいキャスターなのか、内容は色々と脚色されていた。
テロップにも奇跡の救出劇!テロを一瞬で鎮圧!DV男を逮捕!なんて過激な文字が並んでいる。
繰り返し映し出されていく大きく穴の開いた観覧車やコースの壊れたジェットコースターの映像。
顔写真こそでないものの、解決したのは辺境部隊所属の男女で11歳で――と画面に表示されるが、本人にとってすら果てしなくどうでもいいことであった。
「しかもこのふたり、まだ11歳!まじですかー?って感じですよ。元特殊部隊のメンバーで、現在は辺境勤務。
偶然遊びにきてたみたいですけど、デートですかねー?キスとかしてるのかなー?可愛いですよねー」
そこで、11歳相手に何言ってんだよ、とコメンテーターに突っ込まれる。
実際はキスとかなんて可愛らしい関係どころか、この人たちが喜んでこぞって取り上げてくれそうな異常な性愛が現実なのだが。
そして、エリオ自身は自分の何が可愛いのか全くもって理解不能であった。
その後は、とにかく美辞麗句、過剰なまでの賞賛と奇跡性の強調が延々と続く。
いなかった場合の人的被害に加え、迅速な対応とどれをとっても完璧だと――
当事者からすれば完璧なんて全くもって程遠いのだが、世の中は能天気なものである。
そしてこの手のニュースのお約束として、最後はやっぱり管理局が槍玉にあがるのであった。
「こんなちっちゃい子達が頑張ってるんだから、交通事故とかもさっさとなんとかしろって感じですよねー」
無茶いうな、と内心突っ込みを入れる。魔導師だって人間である。まあ概してメディアからすればほぼ人外の扱いであるのだが。
高高度飛行能力を持った魔導師に至っては、神か悪魔かと言わんばかり。
ただ、一般人の目から見れば羨望も混じってそう見えるのは致し方ない部分ではあった。
…一般の人間から見なくても神か悪魔のような人がいるのはここではあえて言及しまい。
そして今度は3提督が老害とか言い出したコメンテーターに、貴方達が一番害だよ…とエリオですら思いつつ、TVの電源を切って、もう一度ベッドに倒れこんだ。
〜あらすじ〜
ラブラブ中の夏休みデートをテロに邪魔されつつも、なんとか生き残ったエリオとキャロ。
楽しみにしていた一年振りの再会をようやく果たします。
そして始まる、心温まるはぁーとふるすとーりぃ――のはずが全力全壊に向かってまっしぐら(ぇ
ここからが本番ですw
[エリキャロルー][エロなしラブコメ][StrikerS]
ようやく起き出した2人と2匹はフェイトと共に午前中の検分をさっさと済ませ、昼食後には地上本部の採光のよい窓際の椅子でルーテシアの到着を待つ。
いつものローブ姿に戻ったキャロがそれはそわそわとしていて、まだかな?と何回も聞かれて簡素なシャツとズボン姿の相方も呆れるしかない。
果たして、フェイトに連れられたルーテシアは事件中も良く見た紫色の服で2人の姿を発見すると、とててとかけてきて
迎えでたキャロとしっかりと抱き合った。
「元気だった?ルーちゃん」
「うん!とっても!」
お互いに涙を滲ませながらの再会にフェイトの視線もとても暖かかい。
「エリオ君も!」
「うん」
それにしてもとにかく以前に比べると、喋り方も声も見違えるほどはっきりと大きい。
「なんか…ルーちゃん、すごく元気になった?」
「そう…?よく…わからない…けど」
戸惑いがちに俯く仕草で、以前の面影が戻るが、それにしても一年前からは想像が出来ないほど表情が嬉しそうである。
「まー、積もるお話はあとでゆっくりとするとしてー」
ぽん、と手を合わせる引率担当。
「希望通り第61管理世界への移動許可、でたよ」
「わあ、ほんとですか!」
キャロが歓声をあげる。
第61管理世界――つまりそれはエリオとキャロの職場で、所属している自然保護隊が常駐している世界である。
ごくたまに交わしていた便りで、一度でいいから、とルーテシアが何度も希望していたこともあり、
前々からこのタイミングでと、フェイトが準備してくれていたのであった。
「やった!」
手を取り合って喜ぶ少女2人は年相応にはしゃぐ。
「自然保護隊員の御二人もお休み中だし、本当は私がずっといなきゃいけないんだけど、今日はちょっと無理なんだ。ごめんね」
「いえ、フェイトさんはお忙しいんですよね?」
「うん…で、代わりにティアナに行って貰うから。明日のお昼過ぎには私も合流するけど」
「わー!ティアナさんもお元気でしょうか」
「ティアナさん…あまり、お喋りしたことは…ないかも…」
「すごく優しい方だよ」
「そう、なんだ…楽しみ」
本当に嬉しそうにするルーテシアを中心に、一行はティアナとの待ち合わせ場所へと向かう。
ルーテシアを託すフェイトと別れ、新しい引率を先頭に転送ポートへと歩き出す。
今は執務官補佐となったティアナは、本局の制服姿で髪を下ろしてこそいるものの、多少顔立ちが大人びた程度でほとんど変わりはかった。
「ちびたち、元気だった?」
「はい!」
主に続いてキュクルー!とフリードも答える。
「いつも通りやってます」
久遠は若干所在無く、エリオの肩で大人しくしていた。
「うん、それはいいことね。っとーそっちの…ルーテシアさんも元気だった?」
「あ、はい…その節は色々と…お世話になりました」
「お礼ならこのちびたちにいいなさい。事後処理とか証言とかほんとこの子達頑張ってくれたんだから…」
「あ、はい…エリオ、キャロ、ありがとう」
「ううん、気にしないでルーちゃん」
「うん、ルーテシアさんが悪いわけじゃないんだし、いいよ」
「うん、ありがとう…」
またちょっと涙ぐんでしまったルーテシアの手をキャロは優しく引いていく。
固定ポートへ転送後、到着地点からヘリを出してもらい観察地点のキャンプへと向かう。
景色は、連なる大きな浮島と、延々と広がる緑の中に数本の綺麗な大河が走る雄大な眺めで、感嘆が漏れる程であった。
そしてエリオとキャロが一生懸命説明したり、くーちゃんの紹介をしたりしていると、あっという間に目的地へと到着する。
自然保護隊のコテージに到着して荷物を置くと、今にも飛び出さんばかりの3人と2匹だったが、
雑務やったり本読んだりしてるけど、あまり遠くに行かなきゃ適当に遊んでていいわよーと、ティアナに一言告げられる。
いきなりの怠慢職務かと思いきや、実際の所今のルーテシアは魔力の大半を封印され、転送魔法や特定の儀式魔法などには
完全にロックがかけられており、言ってしまえばその辺にいる魔力の少し強い女の子程度の存在でしかない。
厳しい制限にも思われるが、心神喪失、自由意志強奪の前科がある彼女に対しては、不確定要素は徹底して排除しなくてはならなかった。
第61管理世界も転送魔法が使えなければ半ば隔離世界と同じであり、移動許可を取る際の重要な根拠にもなっている。
その上、仲の良さも熟知しており、四六時中の監視はいらない、という判断は至極真っ当であった。
勿論、ティアナの若干の気遣いがあることは言うまでもない。
「じゃ、ルーちゃん、案内するね!」
「うん!」
キャロに手を引かれながら走り出すルーテシアに、ゆっくりとついていく1人と2匹。
深い森を抜け、羊の放し飼いにされている草原を通り、景色を一望できる高い崖に登り――
眼前に広がった雄大な緑を見渡すと、改めて感慨がこみ上げてくる。
「ここが……キャロ達がいつもいる世界なんだね」
「うん」
「嘘みたい…一緒に見れる日が来るなんて…思ってなかった」
「ルーちゃん…」
また涙ぐんでしまう彼女にそっと寄り添う。
「その為に、ずーっと頑張ってきたんだよ。お母さんと一緒に過ごして、笑顔で、楽しく遊んで――」
「うん…」
「その為に、私達も頑張ったんだから」
「うん」
目の端に輝かせるものを残したまま、しっかりと微笑む。
「でも……本当に綺麗。飛び降りたい…ぐらい」
「あはは」
と、かけだして地面を蹴る。
「ていっ」
そして空中に身を投げ出してから、ルーテシアは気づく。
「あ……魔法使えないんだった……」
「えっ」
「きゃーっ!?」
当然であるが、重力加速度に何人も逆らるわけがなく、即座に加速し崖下に向かって一直線。
「す、ストラーダ!」
「ja」
慌てて後を追って飛び降りたエリオが、ストラーダで加速し為すがままに落下していく少女の体を片腕で捕まえる。
そのまま空に向けて噴射させると、とりあえず落下速度は格段に落ちた。
「もう、無茶しないで……」
「…ごめんなさい」
謝っている割には、悪戯っぽい笑顔である。
しっかりと抱きつかせたまま、木々の間にゆっくりと降りた。
空の上から、大きいフリードに乗ったキャロが2人の姿を確認して叫ぶ。
「エリオ君!ルーちゃん!大丈夫!?」
「大丈夫ー!」
返ってきた大声に、呆れ半分安堵半分で苦笑いをするしかない。
「もう…」
そのままフリードに乗って、一番近い村まであっという間にひとっとび。
村と言っても、管理局の固定転送ポートが近いこともあり、この世界でも有数の
――有数といっても母数がたいしたことはないのであるが、ほとんど都市化したその村に辿り着く。
緑の森の中ににょきにょきと立つビル郡は空からだと違和感があったが、
降り立ってみるとなんのことはない、どこかの世界と似たような普通の街であった。
歩く人々の服装が、民族衣装や放牧民のスタイルではあるものの、それ以外は立ち並ぶ街頭に
舗装の上をたまに走る自動車、取ってつけたような街路樹、と特徴もない。
しいて言うならば、その街路樹は一般的なものからすれば元気すぎるほど枝を広げてはいたが。
ルーテシアの感想も勿論、十人並みもいいところであった。
「……すごく、普通」
予想通りの反応にキャロもお定まりの説明で答える。
「うん、そうだよね。でもこの世界でビルが建ってるのここぐらいしかないから…」
「管理局絡みの建物が多いからこんな感じになってるらしいよ」
「…そうなんだ」
「うん、管理局の支部もここにあるし。というかここにしかないんだけど…」
「他はほとんど人も住んでないし」
「ふむふむ」
そして、エリオの提案も勿論、凡庸であった。
「じゃ、とりあえず適当にぶらついてみよっか」
「うん!」
この世界でほぼ唯一無二に近い都市であるのか、人の賑わいも店先に並んでいる品もなかなかの活況であった。
適当におやつ候補を選んでみたり、買う買わないで揉めてみたり、フリードに宴会芸をさせてみたりするうちに、
気づけばデパートの一角で一行は立ち止まっていた。
直前のぬいぐるみ売り場で凄まじい勢いで張り付くキャロとルーテシアに危うく陥落しかけたエリオだったが、
なんとか切り抜けたものの、今回のアクセサリー売り場はさすがに強敵過ぎであった。
女性陣の会話はもうすでに買ってもらう、もらわない、ではなく何を買ってもらうかに移っている。
…ちなみにエリオの意思は一度も確認されていない。
当人はもう2人同時に目をきらきらさせてねだられないことを祈るばかりであった。
ようやく品定めが終わったのか、2人の会話がある方向に収束していく。
「うんー、やっぱりこれがいいよ」
「……そ、そうかな……」
キャロが手に取っているのは真っ白い巨大なリボン。
簡単に結ぶタイプで造形に手をかける必要がないのもポイントである。
ただし、大きさと材質からして、見るからにエリオの給料が半月分はぶっ飛んでしまいそうな代物であった。
(そして実際にそうだったのだが。リボンの造形に不相応な超軽量超高度素材なる手触りすらしない管理下世界郡でも最先端の技術が使われていたのも原因のひとつである)
「ね、エリオ君もいいと思うよね?」
「うん、まあ…よさそうだとは思うけど…」
そこで2人の視線がじーっとお財布担当を見る。
先のぬいぐるみ売り場で断った手前もあり、エリオは仕方なさそうに待ち構えていた店員を呼ぶしかなかった。
「……あのー、すいません」
「はい!いらっしゃいませ!」
「やったっ」
本当に嬉しそうに喜ぶ2人に、まあ使い道もないしいいかーと格好良くカードで払っている間に、
備え付けの鏡の前の小さな椅子にルーテシアを座らせて髪型と位置を模索し始めるキャロ。
横とか上とかも試してみるが、やっぱり後ろが一番落ち着かせやすく映える。
頭の真後ろで、ひとくくりにしてきゅっと結ぶと、まとまりきれなかった横の髪をいい感じに整える。
「ちょっと、ギンガさんっぽいかも」
「そうかな……似合う?」
「うん!とっても!」
鏡に横顔を映したりしながら、少し照れている。
立ち上がって後姿を確認したりしながら、タグを切ってもらうと、紫色の髪に映えた真っ白いリボンが良く似合っていた。
「ありがとう、エリオ」
大人っぽく綺麗に微笑むと、生来の顔立ちもありとても美しい。
「う、うん」
「むーっ…」
キャロが少しだけ口を尖らせて、なんとなく言葉に詰った感じのエリオの袖を引っ張った。
「あ、ご、ごめん。キャロのはいいの?」
「……そういうことじゃ……」
「ん?」
言い澱まれて、少し首を傾げたが、二呼吸ほどで返事が返ってきた。
「んー、私のは、いっかな」
「そう?」
「うん、また今度ね」
「遠慮しなくていいよ…?」
勿論気を使って、なんてことはない。
キャロが欲しいなら給料の一ヶ月分でも二ヶ月分でも、と続けて言いそうなぐらいである。
「うん、そうなんだけど……」
そこでちょっと体を近づけて、声量を落とす。
「値段みて、ちょっとびっくりしちゃった……」
「あははは……」
覆水盆に返らず、とはよく言ったものである。
色々見に回るのも飽きて、戦利品を(主に食べ物)抱えて再びキャンプ付近にフリードで戻る。
小鳥達と一緒におやつを食べて、草の葉を踏んだり、羊とじゃれたり、木に飛び乗ったり――
森の中で散々遊び疲れて、体も温まり過ぎたということで、近場の湖に向かう。
途中でキャロが夕ご飯用の果物を取りに別れて、エリオと2匹の案内でルーテシアはきらきらと湖面の光るその岸に森を抜けて出た。
「うわあ」
大分傾いてきた、陽の光を反射する一面に広がる輝く水面に思わず感激の声をあげる。
「ちょっと冷たいかもしれないけど、ルーテシアさんも入ってみる?」
「……う、うん」
靴を脱いで、裾をあげたエリオにそっと優しく手を引かれながら、水に足を入れる。
水はひんやりとして気持ちが良い。
「…気持ちいい」
「うん、この辺はずっと浅いから平気だよ」
「うん」
手を離すと足の裏に伝わってくるしっかりとした土の感触を確かめながら、赤い髪の人は風を感じつつ空を見上げる。
「エリオ……あのね」
「ん?」
「その、できれば……ルーテシアさん、じゃなくて……短く呼んで、欲しい……」
「え?うーん、なんて呼ぶといいのかな」
「シア……がいいかな」
「じゃ、じゃあ……シア」
「……うん」
「なんかこれ、照れるね」
「えへへ」
「じゃ、転ばないように。シア」
「うん!」
ルーテシアはたまに当たる石が面白いのか、ぴちゃぴちゃと足を入れたり出したりして遊び始める。
再び、ぼーっと白い雲を見つめて呆けていると、呼びかけられた。
「えーりおっ」
「ん?」
音源の方を向くと、飛んでくる水の滴。
「わっ」
「えへへ」
「やったなー!」
「あはは」
軽く水をかけ返すと、たっ、とかわす。
「卑怯だよっ」
「べーっ」
「このっ」
2、3度執拗に水飛沫をたてると器用に避けられる。
が、その後の追撃を避ける際にくぼみに引っかかったのか、バランスを崩した。
「あ……」
「わ」
キンッ、と小さい音のブリッツアクションでそっと倒れかける体を支える。
「危ないよ」
「あ……ありがとう」
白いリボンでオレンジの陽の光を横顔に浴びながら、嬉しそうに微笑む。
彼女の口の端にかかった髪が気になって、指先でそっと頬から耳元まで運んだ。
――とくん
と、ルーテシアの中で何かが脈打ったその時――
森を抜けたキャロが、まさに2人のそのシーンを、勘違いしかしようのない完璧に最悪のタイミングで目撃してしまっていた。
え――?
どさ、と果物の入ったかごを地面に落とすと、再び森の中に走り去る。
「……あれ?」
「どうしたの……エリオ?」
「今、キャロがいたような…」
「え……?」
岸に視線を戻したが、キュクー?くぅん?と走り去る後姿が消えた森を見て二匹とかごが怪訝そうにしているだけであった。
その後2人と2匹と果物かごがコテージに戻ると、しばらくしてキャロも帰ってきた。
ルーテシアが話しかけるとそれなりに返事をするのだが、どこか虚ろな感じで、挙句エリオとは目を合わせようとしない。
寝こけていたティアナが起き出しながら微妙な違和感を感じたが、とりあえず普通に話している子供達に安心し、夕食の準備を始める。
その後も、傍目には仲良く並んで食事を取っている2人に勘違いかな、と反芻しながら、しかしなんとなく疎外されているようなエリオが
少し気になったが、フリードと久遠と一緒に彼もじゃれあっていて、こんなもんかととりあえず静観することにした。
夕食後もなんとなくキャロに避けられている事に気づいたらしいエリオが、少し戸惑ってはいたが、
入浴以降は女性班と動物+エリオ班に別れたこともあり、特に問題もなく就寝の時間を迎える。
ただ、寝る直前になってぼーっと廊下で立っていたキャロが流石に気になって、ティアナは声をかけた。
「キャロ?」
「はっ?はい?!」
「大丈夫?なんかぼーっとしてたみたいだけど…」
「あ、いえ、大丈夫です!もうねます」
「うん、じゃあおやすみ」
「はい、おやすみなさい」
とルーテシアと同じ寝室に向かう彼女を見送るが、何故かお休みを言った瞳のどこかに魔物が潜んでいるかのような、
妙な高揚感の残像が頭に残り、気のせいかなー、とティアナは首をひねった。
翌朝は特に朝は早く起きることもなく、それなりの時間に起き出して皆で朝食を取る。
昨日の妙な関係は続いていて、ティアナは相変わらず違和感を感じていたが、朝食の時にようやくそれらしい原因を見つけた。
エリオがルーテシアのことをシア、と呼ぶようになっていて、その呼び方を聞くたびにキャロがびくっ、としてそれから沈み込むのである。
はっはーん、なるほどね…と納得しつつ、午後にはフェイトさんも来るし明日までだしまあ大丈夫かな、とも思いつつもそれなりに心構えだけは作る。
ルーテシアは紫からほぼ同一デザインの白い服と昨日のリボン、キャロは遊園地で着ていたピンクのワンピースに替えて、エリオは相変わらずの適当なTシャツとズボンに着替えると、
午前中は普段エリオとキャロが自作した訓練施設で半ば遊ぶということで、一応ということでティアナも監督して見守る。
2人に続いてテンポよく、擬似魔法弾と障害をクリアしていたルーテシアだったが、最後の最後で障害におでこをぶつけてしまう。
「あたた……」
「大丈夫?シア」
慌てて駆け寄るエリオに、キャロが完全に固まる。
――ズキン
「う、うん…大丈夫」
「最後のは実はランダムなんだ……僕も良く引っかかるよ」
「そうなんだ……」
雰囲気よく微笑みあう2人。
――やめて、やめてよ…
「キャロ?どうかした?」
何か思いつめた表情をしていた相方に気づき、エリオが声をかけたが
「う、ううん、なんでもないよ」
心とは裏腹に無理矢理にぱっ、と笑ってしまう。
?を浮かべたまま、どこかぎこちないキャロを連れて昼食を運んでくるフェイトと合流する。
ちなみにティアナは、あっちゃーみてらんないわ…と内心思いながらも知らぬ振りを決め込んでいる。
フェイトと合流すると、社交辞令と言わずほとんど正直に、巨大な白いリボンを褒めた。
「わー、ルーテシアちゃん、そのリボン可愛いね」
「ありがとう……ございます。エリオに、買ってもらいました」
「そうなんだ。エリオやるじゃない」
「え、ええ?」
「えへへ」
まるで恋人同士のようにフェイトまでもが茶化す。
――ズキンズキン…
俯き加減になっていたキャロに、さすがに母親代わりの人は気づいたのかちょっと心配そうに近くに寄った。
「キャロ…?大丈夫?」
「あ、はい…」
「ほんとに?熱とかない?」
「なななないですよ!ほ、ほらこの通り!」
わざとらしくぶんぶんと腕を振り回すと、そ、それならいいけど、と変なキャロに心配した側も少しだけ引いた。
――私、なにやってるんだろう
午後は、普段の巡回コースや動物達をフェイトと一緒に見て周り、少しだけお昼寝もして、あっという間に夕暮れに近づいていく。
しかしその間も事あるごとにエリオに寄り添いたがるルーテシアに、誰かさんのイライラとズキズキはかなり溜め込まれていた。
すっかり遊んで森の中の帰り道を一緒に並んで歩く。
気を利かせたつもりのティアナが、エリオを呼んで少女2人を少しだけ遅れて歩かせたのだが――これが失敗であった。
何の気負いもなく丸一日しっかりと楽しく遊んだルーテシアはそれはもうご機嫌で、にこにことしてキャロに話しかける。
「本当に、楽しかった!」
「う、うん…」
「キャロ……ありがとう」
「うん……」
素直にお礼をいう彼女のことが決して嫌いなわけではない。
――そうだよね、やっと遊びに来れたんだから…これぐらいいいよね
なんとか納得して心を落ち着かせかけたのだが。
「また……遊びに来るね」
「うん」
「それにしても……エリオは素敵だね」
「そ、そう?」
「うん……エリオは……好きな人とか……いるのかな……?」
「ど、どうかな……」
「もし……いないのなら、私、彼と一緒にいたいかも……」
――何を言ってるの、ルーちゃん
「……」
「一緒にいられるようになったら……すごくいいなっておもうんだ……どう?」
――うるさい
その一言で、ついに点火したらしく、びたっとキャロが立ち止まる。
「……いなくて、いいよ」
「え?」
ほぼ当時に彼女の周りに点灯していく桜色の魔力弾。
反応する間もなくルーテシアにほぼ全弾が叩きつけられる。
「きゃっ!?」
勿論そもそも召喚適正が最も高く、魔力スフィアの訓練なんて過去にも未来にもやる予定のないキャロの弾丸では、
コントロールも悪く、せいぜい白い肌にかすり傷をつける程度がやっとである。
「エリオ君は私のだから、いなくていい!」
キャロの魔力弾の意味に気づいて、きっ、っと睨み返すと即座に掌から魔力砲を打ち返す。
「きゃ」
こちらも大幅に魔力は封印されていて、かすり傷程度が関の山である。
ようは、お互い同レベルの――いいとこひっつかみあいの喧嘩程度であった。
「キャロのものって……決まったわけじゃない!」
とはいえ召喚はできない。
私情の喧嘩に大切な子達を巻き込まないことは、どんなに怒っていても召喚師として最低限のルールであり、それはお互いの暗黙の了解であった。
さらに魔力スフィアを生成するキャロと腕を身構えるルーテシア。
当然前を歩いていた3人と2匹も気づいて、驚いて振り返ると、真っ先にティアナが静止を試みた。
「ちょ、ちょっと2人とも何やって」
「訓練です!」
「く、訓練って…」
「これは一体……」
唖然とするフェイトに聞こえてくるのは、とても分かりやすい台詞であった。
「この泥棒猫!エリオ君に近寄らないで!」
「あなたみたいなちびこそ相応しくないでしょ!」
先輩2人のじとーっとした視線がエリオの顔に突き刺さる。
それに追われるかのようにたまらず、止めようとするが――
「2人とも喧嘩はよくな」
「エリオ君は黙ってて!」
「エリオは黙ってて!」
「……は、はい……」
喧嘩している癖に、こんな所はユニゾンアタックのカウンターを完璧に決められ、一発で撃沈した。
「フェイトさん、止めた方がいいでしょうか……」
「うーん、まあ少しはやらせていいと思うよ。あんまり溜め込んじゃうのも危険だし」
「はぁ…」
この程度なら、と少しだけ大人の余裕を見せる。
そこで密かに若干後ずさりをしたエリオの首がティアナによってがし、っと掴まれた。
「当事者なんだから、ちゃんと見届けなさいよね」
「……はい」
そんな周囲を全く意に介するわけもなく、どっからどう判断しても間違いなく低レベルな罵り合いは続く。
「だいだい、ルーちゃんはまだ隔離中でしょ!」
「まだ大人になるまで時間はあるもん!」
「それまで私はずーーーーーっと一緒にいるんだから!」
「私にはお母さんだって居るもん!」
「それは関係ないでしょ!」
「なによ!キャロなんて守られてばっかりで、頼りないじゃない!」
「う……」
「私なら……ガリューも地雷王もいる!エリオを守ってあげられる!」
そこでまた桜色の魔力弾が飛来するが、被弾も構わず打ち返す。
なんともまあ訓練なんて程遠く、かつあるまじき壮絶なインファイトであった。
「私は…私は…」
若干追いつめられてしまったキャロは、そこであろうことか超えてはならない一線を越えて、特大の黄色い地雷を思いっきり踏んづけた。
「私は、もう、エリオ君と繋がったもん!」
――え、今なんて
だが混乱のおかげか発動までまだ少し時間がある様子である。
エリオの首を掴んでいた手に、ぎちっ、と力が入った。
「てぃ、ティ、い、いたっ!?」
「あんた……」
一瞬だじろいだかに見えたが、即座にルーテシアも切り返す。
「そんなの……私だって出来るよ」
「してもらえるとは限らないでしょ!」
「できたら、一緒だよ。キャロと変わんない」
「もう、赤ちゃんがいるかもしれないよ」
「……」
そこでじっとキャロの体を見つめる。
「な、なに…」
下腹部の辺りに、魔力が集められているような気がして、咄嗟に嫌がって手で庇うが遅かった。
何かの確信を得たのか、視線が上がる、そして
「やっぱり――」
世界で比べ物のないような薄ら寒い笑顔を浮かべて、言葉を紡いだ。
「中に誰も居ませんよ」
嘘か真かはわからないが、さも嬉しそうにキャロに宣告した。
「じゃあ今から作ればー!」
「だから私だってできるってー!」
再び再開される超低レベルな魔法戦。
「だいたい――」
「Riot Form」
「……」
「……」
「……」
「……」
「え?」
おそるおそる莫大な魔力を感じて2人がフェイトを見ると、制服姿でこそあったものの、
両手にRiotFormのバルディッシュを一本ずつ持ち、足元に大きな魔法陣を展開していた。
それはもう、引きつりも歪みもない完璧な、そう完璧すぎるそれはとても綺麗で美しい笑顔だった。
「3人とも、ちょっとお話、いいかな」
――後にキャロ・ル・ルシエは語っている。あんな怖い笑顔を見たのも、あんな怖いフェイトさん見たのも、最初で最後だった、と。
――後にルーテシア・アルピーノは語っている。なんでドクターが捕まったのかよくわかった、と。
――後にティアナ・ランスターは語っている。いつかのなのはさんと同じかそれ以上に怖かった。親友は伊達じゃない、と。
――エリオ・モンディアルは語っている。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい――
かくして、3人まとめて説教部屋行きになるのは、もう間もなくのことであった。
はい、以上であります…こんだけのネタにどんだけかかってんだよとかいわないで…
少女漫画ダケド許して・゚・(ノ∀`)・゚・。
ではちょっと休んできます、ほいではまたノシw
Nice boat.自重wwwww
>460
Nice Boat自重w
そして何という修羅場。一番の被害者はエリオというか
巻き込まれたランスターさんのような希ガス。
>>460 いやむしろ、良くぞココまで引っ張ったと言いたいwww
エロオ自重、超自重wwww
あと作者超GJ!!!
フェレットネタ第二弾行きます!
・籍は入れてないけど何故かユーノがなのは・ヴィヴィオと同居してるとんでも設定
・なのはが「あの魔法」を会得している前提
・非エロ
あくる日、なのはとユーノは珍しく二人揃って休暇が手に入り、家でゆっくりしていた。
なお、ヴィヴィオは平日なので聖王教会系列の学校に行っている。そんな時に…
「ヴィヴィオが心配だよー!!」
「なのは!?」
突然なのはが叫んだ。それには思わずユーノも慌ててしまう。
「だってもしかしたらヴィヴィオ学校で苛められてるかもしれないんだよ!」
「考えすぎだよ! 第一それならヴィヴィオだって僕達に相談してくるはずじゃないか!」
余りにもヴィヴィオに対して心配性ななのはにユーノも呆れていた。
聖王教会系列の学校に通う様になって、当初はなのはがいなければ何も出来なかった
甘えん坊なヴィヴィオも随分しっかりした子になっていた。しかし…ヴィヴィオに甘えられる事に
喜びを感じていたなのはがその事実を不満に思わないはずは無い。
故にもうヴィヴィオの方が困ってしまうくらいの親馬鹿ぶりを発揮する結果になっていたのだが、
今のなのはは別に何か問題が起こっているワケでも無いのに勝手にヴィヴィオが学校で
苛められているかもしれないと被害妄想を膨らませていたのであった。
「もうこうなったら様子を見に行こうよユーノ君!」
なのははユーノを引っ張って学校にまでヴィヴィオの様子を見に行こうとしていたが、
その直後にユーノはなのはを逆に引き止めていた。
「なのは忘れたのかい!? 以前にもそういう事が何度もあったからあちらから
運動会や授業参観日みたいな一般に開かれた日以外は出入り禁止にされちゃったじゃないか!」
「あ…………。」
その事実を思い出すなりなのははその場に跪いてしまった。
実は過去にも今回の様な事が度々あった。ヴィヴィオが学校で授業を受けている最中に
ドアの隙間からこっそりカメラで写真を撮って職員の方に怒られてしまったり…
そういう事が何度も続いたせいでなのはとユーノは聖王教会の方から一般に開かれる日以外は
出入り禁止を申し渡されていたのであった。
「絶望した!! この世の何もかもに絶望したぁ!! 今こうしている間にも
ヴィヴィオは学校に棲み付く悪ガキ共に乱暴されているかもしれないと言うのに
私はこうやって手をこまねいている事しか出来ないと言うの!? 何がエース・オブ・エース!?
私はたった一人の女の子の命さえ救う事が出来ないと言うの!?」
「だからなのは! 考えすぎだってば!」
勝手にどんどん被害妄想を膨らませていくなのはにユーノもほとほと困り果てていたのだが…
そこで何か思い付いたのか、突然笑顔になってユーノの肩を掴んでいた。
「そうだよユーノ君! 良い方法思い付いちゃったよ!」
「え?」
先程まであんなに嘆いていたのが嘘の様に笑顔になったなのはにユーノも慌てるが…
「フェレットに変身してこっそり見に行こう!!」
「ええええええええ!?」
何か凄い発想に至っていてユーノも本気で慌てていたが、なのはは本気だった。
「だってフェレットなら小さくて見付かりにくいし! 物陰にだって隠れやすいし!
何より私達って事がバレないから良いじゃない!」
「え…あ…うん…。」
そう考えれば理に適っていると言えなくも無いが、それ以上になのはから発する
迫力に押されてユーノはもう大人しく頷くしか無かった。
「それじゃあ決定だね! 私達は今すぐフェレットに変身してヴィヴィオの学校へ直行ー!」
「あ…うん…。」
白いフェレットと黄土色のフェレットの二匹が道の隅っこをトコトコ歩いていた。
勿論白い方はなのはで、黄土色はユーノである。
「別に学校の近くまで普通に行って、それからフェレットに変身すれば良いのに…。」
「えー? 良いじゃない! こうやってフェレットの姿で行くのも悪くないよ!
だって普段歩き慣れた道でもフェレットの姿だと随分違って見えて面白いよ!」
なのはの言う通り、フェレットの姿だと人間形態に比べて随分小さくなってしまう故、
逆に周囲の物が大きく見えてしまう。だからこそ普段見慣れている物でも新鮮に感じて
なのははこれはこれで随分楽しんでいた。問題があるとすれば…
「きゃあ!」
「なのはどうしたの!?」
「む…虫がこんなに大きく…。」
と、虫と遭遇した時に虫も普段より遥かに大きく見えてしまう諸刃の剣。
よっぽど虫が好きな人間で無ければお勧め出来ない。
その後、近所の野良猫に追い駆けられてしまったり、保健所に捕獲されそうになったり
野良犬同士の抗争に巻き込まれたり、色々な苦難を乗り越えながらも何とか
なのはとユーノはヴィヴィオの通う学校まで到着した。そこは聖王教会系列の学校故に
警備なども厳しいのか、周囲を高い壁で覆い、門は固く閉じられていたが、
フェレットに変身している二人は人間の時よりも小さい体と機敏な動きを利用して楽々門を乗り越えていた。
「ほらほら、フェレットの姿なら侵入してもバレてないでしょ?」
「う…うん…そうだね。」
確かになのはの言う通り、フェレットの姿ならば門を乗り越えて侵入しても
学校側の誰からも気付かれている様子は無かった。それにはなのはも乗り気だったのだが、
ユーノはまだまだ心配していた。
二匹のフェレットは壁沿いにちょこちょこと移動を開始した。
そうして運動場の方へ行くと、そこでは丁度ヴィヴィオのクラスの子供達が
体育の授業の真っ最中だった。二匹のフェレットは運動場の端に立っていた木の上に
登ってその様子を見る事にした。この木を登ると言う行為も人間の時には
全く出来ないと言うのにフェレットの状態では楽々に出来た。
「木の上から見ればよりバレにくくなるよね。」
木の上からなのはとユーノが改めて運動場の方を見ると、そこでは
ヴィヴィオとクラスの皆がドッジボールを楽しんでいた。
そしてその時のヴィヴィオの笑顔から見て、とてもなのはが心配している様な様子は伺えなかった。
「ほら、ヴィヴィオだってあんなに嬉しそうな顔してるじゃないか。なのはは心配性すぎるよ。」
「うん…。」
流石にヴィヴィオが学校で苛められているかもしれないと言う被害妄想を膨らませていたなのはも
これには納得せざるを得なくなるのだが、これはこれでなのはは不満そうな顔をしていた。
不謹慎かもしれないが、以前みたいにヴィヴィオに甘えられる様な事が無くなるのだから…
「でもああやってドッジボールしてるヴィヴィオを見てると私も小さい頃を思い出しちゃった。」
なのはは小学生時代にフェイトやアリサ・すずかなどのクラスの友達とドッジボールをした事を
思い出し、かすかに微笑ましい顔になっていた。
「なのはには申し訳無いけど…昔のなのははお世辞にも運動が上手く無かったよね。」
「今も運動は得意じゃないよ。魔力的に運動補助してるから皆気付いてないけど。」
と、申し訳なさそうに言っていたユーノをフォローするのか、なのはもそう言い返していたのだが
その時の二匹はとてもほんわかしていた。が…
「あっ!」
なのはは思わず叫んだ。丁度その時ヴィヴィオが相手からボールを当てられて尻餅を付いていたのである。
「やっぱりヴィヴィオが苛められてたんだね! 許せない!」
「ちょっと待ってなのは! 落ち着いて!」
今にも飛び出して行こうとしていたなのはを慌ててユーノが止めていた。
「放してユーノ君! 私はあの子にお話聞いてもらうだけだよ!」
「だからなのはこそ落ち着いてったら! 不当な暴力ならともかく、ドッジボールはボールを
当てるスポーツなんだからそんな事したらなんはの方が悪者にされちゃうよ!
それにヴィヴィオだって自分の力で立ち上がってるじゃないか!」
ユーノの言った通り、ヴィヴィオは自分の力で立ち上がって外野に出ていた。
なのはと会った当時のヴィヴィオはなのはがいなければ立ち上がる事も出来なかったと言うのに
やっぱり成長したなと実感させ、これにはなのはも不満げながら納得せざるを得なかった。
体育の授業は特に何事も無く終了し、ヴィヴィオ達はそのまま校舎の方へ戻って行った。
「ほら、もう大丈夫だから帰ろう?」
「まだだよユーノ君! 休み時間の方がむしろ危ないんだから。先生の見ていない所で
クラスの悪ガキがヴィヴィオに乱暴してるかもしれないじゃない!」
「だから考えすぎだって!」
まだヴィヴィオの様子を見続けるつもりだったなのはにユーノもほとほと呆れてしまうが、
結局ユーノもなのはに付いていくしか無かった。
なのはとユーノはヴィヴィオのクラスの近くに立っている木へまで移動し、その木の上から
窓ごしに学校の様子を見ていた。皆すっかり元の制服に着替えてワイワイと休み時間を
楽しんでおり、ヴィヴィオもまた友達と笑顔で雑談をしていた。
「ほら、別に誰もヴィヴィオに乱暴なんてしてないでしょ? 分かったらさっさと帰ろうよ。」
「う…うん…。」
本来なら何も無いに越した事は無いのだが、なのははそれを不満そうに思っている様子だった。
やっぱりヴィヴィオに泣いて縋り付かれる展開を期待しているのだろうか…とそんな時…
「あっ!」
またもなのはは叫んだ。ヴィヴィオのクラスメートと思しき女の子がヴィヴィオの肩を
軽く叩いていたのである。
「あの子…ヴィヴィオを叩いた…。」
「わ! 落ち着いてなのは! 確かに叩いてたけどヴィヴィオも痛そうにしてないし
あのくらいはただの軽い挨拶みたいなものじゃないか! なのはだって子供の頃に
ああいう事された経験あるでしょ?」
と、また怒りに任せて飛び出そうとしていたなのはをユーノは必死に止めていた。
「でも本当は痛いけど我慢してるかもしれないじゃない!」
「それが考えすぎなんだってば!」
まだまだ全力全開レベルに被害妄想を膨らませるなのはにユーノもほとほと困り果てていたが、
これだけ騒いでも皆に気付かれなかったのはある意味奇跡だった。
そうこうしている内に休み時間も終わり、授業が始まった。どうやら国語の授業らしかった。
木の上に登っている二匹のフェレットは未だに帰る事無くオッドアイの少女の様子を見ていた。
黄土色の雄フェレットはもうすっかり飽きて眠そうにしていたのだが、白い雌フェレットは
注意深くオッドアイの少女の様子を見張っていた。
だがその後も放課後まで結局なのはの予想する展開は一切起こる事無かった。
仮に何かあっても精々がなのはが勝手に被害妄想を膨らませただけの子供にとっては
至って普通な事ばかりであった。
「だからさ…もう心配ないから…いい加減に…帰ろう?」
「うん…。」
ユーノにポンと肩に手を置かれ、なのはも仕方なく頷くしか無かった。
そして夕日を浴びながら道の隅っこをトコトコと連れ添って歩く二匹のフェレットが見られたと言う。
「ただいまー。」
「おかえりヴィヴィオ。」
ヴィヴィオが帰宅した時、なのはとユーノ(勿論元の人間に戻ってる)が仲良く出迎えてくれた。
「今日も学校は楽しかった?」
「うん!」
なのはの言葉にヴィヴィオは表裏の無い笑顔で答えた。
「でも何かあったらママに相談するんだよ? 出来る限り協力してあげるから。」
やっぱりむしろヴィヴィオにすがり付いて来て欲しいなのははついついそう言うのだが、
ヴィヴィオは笑顔で答えていた。
「うん! でも心配はいらないから大丈夫だよ。だからママもパパも何も
フェレットに変身してまで学校に見に来なくても良いから!」
「あ………。」
ヴィヴィオは二人がフェレットに成りすまして来ていた事を悟っていた。
それには二人も気まずくなるが、ヴィヴィオは構わず自分の部屋へ歩いて行った。
おしまい
>>460 序盤〜中盤のわりとほんわかかした展開と終盤の泥沼展開のギャップに吹きました。
Nice BoatGJ!
>>460 ティアナが出てきたのが嬉しかったよGJ!
>近所の野良猫に追い駆けられてしまったり、保健所に捕獲されそうになったり
>野良犬同士の抗争に巻き込まれたり、色々な苦難を乗り越えながらも
司書長の仕事は大変なんだなあ・・・
>>466
>>460氏
GJ!ルーテシア可愛いよルーテシア
チビッコトリオは良いですね。絵になる、というか、自然に入ってくる感じで面白かったです
niceboat、っていうのが何なのか分からなくてググってみた・・・色々と、後悔した・・・
>>469氏
親バカ自重、GJ!でした
ヴィヴィオが気付いているということを気付かせないという・・・何という一年生・・・
でも、なのはの気持ちも判る・・・「事情のある子供」ってのは、何かと心配なものですぜ・・・
両氏ともGJ!でしたっ
472 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:23:04 ID:7I018AMj
>444
今度は戦闘機人量産という名の陵辱ネタも…
今までおバカフェイトさんばかり書いていたので、違うフェイトさんを書いてみた
が…
2人の執務官
474 :
2人:2007/10/14(日) 01:06:41 ID:7/Um/0Fi
掠れた明かりだけが光る部屋に唾液の混じり合う音だげが、淫靡に響く。
舌を合わせる度に、脳が心地良く痺れる。
女は、息苦しさから口の端から二酸化炭素を吐き出し、酸素を求めた。
それに気付いた男が唇を離す。
名残惜しくて思わず舌を出してしまい、顔を染める。
「んっ」
染まった顔を見せまいと、背けた瞬間、制服の上から両方の乳房に触れられる。
幾重にも重なった布の上からの愛撫では、いまいち物足りず、自分で制服のボタンを外す。
「フェイト、随分と大胆になったな」
耳元でそう告げられ、再び、顔が染まった。
「そんなこと言わない…ん」
自分を照れさせたことを咎めようとして、吐いた言葉が唇によって、掻き消される。
口内を蹂躙され、脳が痺れる間に、制服の前を全て開けさせられる。
それで素肌まで到達すれば、良いのだが、黒いアンダーウェアが邪魔をする。
結局、アンダーウェアの上から胸を触られる。
先程よりは近付いたが、まだもどかしさを感じ、フェイトは、ボタンの全て外れた制服を脱
ぎ去る。
裾に手を掛け、一瞬、逡巡。
これを脱ぐには、どうしても唇を離さなくてはならない。
だが、それでは進まない。
唇を離し、アンダーウェアを脱ぐ。
白い肌とは、正反対な黒いブラジャーだけが、フェイトの上半身を隠すものとなる。
しかし、そのブラジャーは、すぐに下へ降ろされ、全てが露出させられる。
豊かに実った乳房がプルンと揺れる。
既にその頂点は、硬さを持ち、ツンと男に向かっている。
「んんっ」
男の掌が触れる。
まるで、吸収されるかのように指は白い乳房に飲み込まれる。
力を入れると、やがて、柔らかい弾力に押し返された。
「相変わらず…」
凄いな、と続けようとしたが、やめておいた。
「ぁひぃんっ」
ピンク色の頂点を抓られ、フェイトは甘い声を漏らす。
そんなことを気にする様子も無く、指先はグリグリと乳首を刺激していく。
「や、やぁ、ひっぱら…ない…ぁん」
片方だけを引っ張られ、フェイトの背中は次第に弧を描いていく。
「乳首だけで、イッちゃうのかい?」
耳元で呟かれたその声に体の中が掻き回される感覚落ちる。
「ぁひゃぁん!」
刺激を受け続ける胸に加え、仕上げとばかりに耳をくわえられ、耳たぶを舐められた時、フ
ェイトの意識は軽く飛んでしまった。
475 :
2人:2007/10/14(日) 01:08:40 ID:7/Um/0Fi
愛する彼の、義兄の微かに見える黒髪を僅かに意識に残して。
クロノ・ハラオウン。
執務官にして、クラウディア艦長。
フェイトの義理の兄。
妻はエイミィ・ハラオウン、子供は2人。
彼との逢瀬は、禁忌。
赦されないもの。
妻のいる兄との行為など、一体誰が祝福してくれようか。
「久し振りだったから、早かったな」
呼吸を整えたフェイトは、全てを脱がされ、生まれたままの姿でベッドに横たわっている。
白い肌、平均よりも大きく乳房、細くしまったウエスト、無駄の無いヒップ、全てのバラン
スが完璧なまさに美を形にしたような裸体。
その上にのしかかったクロノの言葉に照れてしまう。
そんな様子にクロノは、微笑み、大事な部分を隠すフェイトの手を除ける。
指で調べると、すぐに湿り気が伝わった。
「あん…」
フェイトの甘い声に背筋がゾクっとする。
もっと聞きたくて、指を中に沈めていく。
「もう挿れても大丈夫なくらい濡れてるな」
そう告げ、指を入れれるだけ入れ、そして、ゆっくりと抜く。
「いわ、ぁひ…ないで…あん」
恥ずかしそうに首を振ると、金色の髪も釣られて宙を舞う。
自分でも濡れているのが、感じられる。
正直なところクロノと口付けを交わした時、いや、クロノに抱きしめられた時から、自分の
秘部は熱を持って、最終的な行為を効率良く行う為の液を分泌し始めていた。
久し振りの行為で、頭の中も体の中も舞い上がっていたのだ。
クロノとの2人だけの秘密の逢瀬の時間は、なかなか作れない。
クロノは、艦長であり、単身赴任と言っても良い状態であり、同じ執務官であるフェイトと
も会う機会はあまりない。
そして、何より彼には妻と子がいる。
悲しいが、自分よりそちらを優先するのは当然だ。
だから、この逢瀬は、クロノが帰ってきた時、仕事の纏めがあると偽って、一晩限りのもの
である。
長くこちらにいることがあっても、2人とも忙しい身であり、定期的にというわけにはいか
ないのである。
特に今回、クロノが戻ってきたのは約4ヵ月振りである。
妻であるエイミィより先に彼と体を重ねることに対する罪悪感が無いと言えば、嘘になるが、
彼との逢瀬の喜びがその罪悪感をあっという間に消してしまう。
「あっあぁ…きちゃうよ、クロノ、きちゃ、うよぉ!」
476 :
2人:2007/10/14(日) 01:10:59 ID:7/Um/0Fi
激しくなるクロノの指の動きに、フェイトは下半身に、流れが集中していくのを感じる。
口から力無く涎が垂れ落ち、ベッドを濡らす。
「いいよ、フェイト、気持ち良くなりなよ」
そう言った口で左の乳首を吸い上げる。
指は、フェイトの中のフェイトが1番感じるポイントを知り尽くしており、その部分を重点的
に染めつつ、他の部分にも万遍無く力を加える。
「吸っちゃ、や、き、ちゃ、あ、クロノぉぉぉ!」
シーツを握る手、伸びる足先、浮き上がる腰、そして、名を呼ぶ声。
フェイトの視界がホワイトアウトし始めたのと同時に、クロノの手首に、僅かに液がかかる。
それを合図に噴き出るように、フェイトから溢れ出し、クロノの腕とシーツを濡らしていく。
逢瀬の時だけ、フェイトは、クロノを名前で呼ぶ。
兄ではなく、1人の男性として、自分の前に居て欲しいから。
勢いが収まるに連れ、フェイトの腰が降りていく。
完全に止まったのをクロノは見て、押し込むように刺激する。
すると、僅かばかりが噴き出す。
シーツを握る力も無くなり、うっすらとだけ、瞳を開いて、呼吸する。
快感の頂上に達する代わりに、取り込むことの出来なかった酸素を肺が求める。
不倫。
世間一般で言えば、その言葉となるだろう。
だが、そんな言葉で終わらせたくない。
自分は、愛を持っているし、クロノからも愛を感じる。
フェイトは、別にクロノを自分だけのものにしたいなんて思っていない。
クロノとエイミィとその子供の家庭を崩壊させたいなんて、ちっとも思っていない。
もしも、崩壊させようとする者がいるのなら、なんとしてでも自分が護ると思っているほど
である。
分かっている。
矛盾していると。
この逢瀬が、家庭を崩壊させる危険性を充分に持っていることは、百も承知である。
それで、護りたいなど馬鹿げてるとしか言いようがない。
だけど、そんな理屈じゃ自分は止められない。
矛盾だろうとなんだろうと、この気持ちに偽りは無いのだ。
「フェイト」
名前を呼ばれ、意識がしっかりとしてくる。
汗で額に張り付いた髪を掻き上げられ、そこに唇を落とされた時には、もう醒めていた。
求めるように唇を突き出す。
気付いたクロノは、頬に唇を落とす。
477 :
2人:2007/10/14(日) 01:12:46 ID:7/Um/0Fi
些細な悪戯に頬を膨らませるフェイトに苦笑して、今度は唇を重ねる。
深く交えるのではなく、軽く重ね、離しては、角度を変えまた重ねる。
「ふふ」
何か分からないが、なんとなく笑みが漏れる。
「何か可笑しいか?」
そう言ったクロノの顔もなんだか、笑っていた。
なんでもないよ、と答えをようとしたが、少し悪戯をしようと思い付く。
「クロノがこんなだから…」
そういうとクロノの見るから硬くなっていると分かる股間に手を伸ばした。
「うっ!」
フェイトの優しいタッチに不覚ながらも身震いをしてしまう。
「クロノ、苦しそう」
指の動きは止めないまま、クロノ本人にでは、クロノの下半身に向かって喋る。
上半身起こすとそれに釣られて、クロノも後ろに下がる。
「今、楽にして上げるから」
足を開いて座ったクロノのズボンのベルト、ボタン、チャックを外す。
黒いボクサーパンツの上からたぎるっているクロノが見て取れた。
パンツをズレして露出させると、開放される時を待っていたそれは、天に向かっている。
「凄い…もう、ギンギン…はむ」
手に硬さと熱さが伝わる。
凶々しく猛るそれを優しく撫でるように刺激していく。
「う…」
いつもの禀とした様子からは、想像出来ない弱々しくなんだか可愛いクロノの声が聞こえる。
残った手を自分の口元に伸ばすと、口に含みたいと欲求が涎に変わっていた。
その欲求に逆らわずに、口を近付けていく。
先っぽに、軽くキスをすると、唇に先走ったものが付着した。
「フェイト…」
クロノの言葉に何を求めているか察し、口に含んだ。
「ゆっくりでいいから…」
クロノの言葉に笑いそうになるのを堪える。
フェイトを気遣うように言っておいて、本当は、自分がすぐに暴発してしまいそうなのだ。
長い任務の間で大分溜まっている。
勿論、クロノも男である為、自分で処理を行っていたが、女性との契りと比べてしまえば、
快感など10分の1も無かった。
口から1度開放させ、舌先で裏筋をチロチロと舐めていく。
呻き声を耐えるクロノの顔を見て、自分も興奮する。
「フェイト、気持ち良いよ」
そう言ったクロノの手がきめ細かな金髪を撫でるのが、気持ち良い。
「じゃあ、あれ、するね」
口を離して、今度は胸を寄せる。
大きく実った2つの乳房を挟み込むと、また、クロノの呻きが聞こえた。
478 :
2人:2007/10/14(日) 01:14:48 ID:7/Um/0Fi
滑らかな肌、餅の様な柔らかさ、それでいて奥からくる弾力。
その全てがクロノを刺激する。
「あ…うっ…フェイ…ト」
絶え絶えになる息の間でなんとか名前を呼ぶ。
先端がフェイトの動きに合わせて、隠れては飛び出、飛び出ては隠れる。
「ビクビクしてきたね…カウパーも凄い…」
舌を先端に伸ばして、先走ったものを舐めとる。
クロノからすれば、もう限界はすぐそこにあった。
だが、ここで算段に入る。
正直なところ、可能なのは、3回までだ。
それ以上やっては、恐らく明日、体を重ねるエイミィに溜まっていないことを悟られる。
だから、ここで我慢して3回ともフェイトと繋がった方がいいのでは。
「あ、くっ!」
だが、そんな算段もフェイトが先端をくわえたことで、無に帰した。
むずむずと滞積していた快感が、一気に突き抜け放出される。
「うぐっ」
フェイトの口に放たれたそれは、かなりの量で、口に入りきれず、漏れ出す。
「ふごい…りょう…」
口の中で味わうように転がす。
正直なところ、苦いと感じるが、これがクロノの味なんだな、と感じると、不思議と不快感
は無い。
いつの間に取ってきたのか、クロノは、ウェットティッシュでフェイトの口から零れる自分
が出したもの拭き取り、ミネラルウォーターを渡す。
だが、フェイトは、それを受けとらず、剛直を保ったままのクロノへ向かって動く。
「綺麗にするから」
と囁く、口に含み、残ったものを舐め取っていく。
一度は冷静なってきた感覚が、再び、熱を持ち始める。
しかし、今度は、フェイトは、綺麗に全て舐め取ると口を離した。
「クロノ…」
熱を帯びた上目使いで見られ、クロノはフェイトを押し倒す。
「フェイト…今日は…」
クロノの力強い目に、何が言いたいか浮かんでいる。
「うん、大丈夫だから…ちょうだい…」
それを聞くと、自分で握って、フェイトへと狙いを向ける。
擦ったりして、焦らされたフェイトの顔を見たいが、今は、自分が耐えられないので、それ
は次に取っておくことにした。
先端を捩込んでいく。
充分に潤ったそこは、すんなりと飲み込んでいく。
3分の1ほど飲み込ませた時、クロノは1度動きを止める。
「どうし…ぁん」
動きが止まったことを不審に思ったフェイトの痛いくらいに充血したクリトリスを指で擦る。
支援は要るにょろ?
480 :
2人:2007/10/14(日) 01:16:22 ID:7/Um/0Fi
そして、次の瞬間、残りを一気に突き刺す。
「ひゃあぁん!」
一気に自分の内側を攻め込まれ、腰が抜けそうになる。
「す、ご…」
別の生き物のように包み、ぎゅうぎゅうと締め付けてくるフェイトの内側に目を細める。
うねうねと動いていて、気を抜くと何もせずに達してしまいそうになる。
フェイトが息を荒げているのにも構わず、ストロークを開始する。
「すごいよ…きもちーよ…クロノぉ」
金と黒の恥毛が擦れ合う。
フェイトが与える快感にクロノの腰の動きは、意識もせずに加速する。
フェイトの首筋に舌を這わせていく。
吸い付いて、証を残したいが、後から面倒なことに成り兼ねないので自重。
動きに合わせて、暴れるように揺れるフェイトの胸に手を伸ばす。
揺れによって形を変えていた乳房を、今度は掌で変えていく。
クロノから流れた汗が重力に従ってフェイトに滴り落ちる。
クロノは、息を吐いて動きを止め、フェイトの背中に腕を回す。
そのまま、体重を後ろにかけて倒れるように姿勢を変えると、焦点の定まらない目をしてい
るフェイト起き上がる。
両者、向き合って座る体勢となる。
どちらからともなく唇を重ね、それと、同時に突き上げるように腰の動きを再開する。
「おくに…かんじる…」
自分の1番を奥がノックされていることを唇を離して伝える。
太くもないに強く感じる腕に抱きしめれ、体も心も温かくなる。
胸に押し付けられるフェイトの乳房やすぐに近くにフェイトの顔があるのは良いが、直接的
な快感はいまいち足りない。
「フェイト、後ろ向いて」
クロノに言われるままに後ろを向き、犬のように四つん這いになる。
覆いかぶさって、ゆっくりと挿入していく。
背中を真っ直ぐ舌で舐めると、フェイトの体が震えた。
全部、入ったのを確認して、ゆっくりと抜いていき、亀頭が見えたのを確認して、再び、奥
へ進めていく。
「クロノぉ、もっと…」
激しさを求める懇願に興奮が更に高まり、ペースも上がる。
柔らかなヒップとやがて弾け合うようになり音が響く。
フェイトの右腕を掴んで、上体を反らせると、一段と締まってくる。
「あぁぁ、ひっ、もち…きもち…」
481 :
2人:2007/10/14(日) 01:18:01 ID:7/Um/0Fi
左腕から力が抜け、体を支えることが出来なくなり、ベッドに這う。
クロノは右腕を離し、綺麗なヒップを跡が付くくらいに握る。
体勢を整え、腰の動きを加速させていく。
「ク…ロ…ノっ、はぁん」
肉が弾け合う音に紛れ、フェイトが垂らす液を自分が掻き回す音が聞こえる。
腕を回してクリトリスを攻めようかとも思ったが、随分と加速した動きに、そんなことをす
る余裕などなかった。
「フェ、イト…」
無意識の内に名前を呼ぶ。
後姿だが、快楽に身を委ねる彼女の姿は美しかった。
「フェイト、綺麗だ…」
囁いてみるが、当然聞こえない。
初めて、フェイトと体を重ねた時は、エイミィと2人の子供への申し訳ない気持ちで、こん
なことを言う余裕などなかったが、慣れとは恐ろしいものだ。
「うっ」
また一段と強く締め付けられる。
「クロノ…もう…イキ…」
3度目の、最も激しいであろう頂点への誘いに身を任せていく。
「僕も、イクから…フェイトの中で…」
荒々しい呼吸の中で呟くと、昇っていく。
「イ、ク…ロノ…」
口を半開きにしながら、ダラダラと垂れる涎を止めることも出来ず、金色の髪を、2つ乳房
を震わせ、喘ぐ。
「いくよ…フェイト…フェイトの中に」
唇を噛み締めながら、囁き、出来る限りの力で振り抜く。
「もう…イク…きて、クロノぉ!きてぇ!あ、あぁああぁあ!!」
白い背中が反り返る。
絶叫と共に舌が出て、体が痺れて、自由を失う。
頭の中で真っ白に染まって、何も考えることが出来ない。
「出す、よ…くっ!」
絶頂に達した時のフェイトは、何より美しく甘い。
その姿を瞳に焼き付け、クロノは、フェイトの中に自分の全てを解き放つ。
意識が飛び、ぐったりと倒れ込んだフェイトに注ぎ込み、体を震わせる。
まるで吸い取るかのように動くフェイトの中。
ピクピクと痙攣するフェイトを見ながら、最後の感覚を1人で存分に味わう。
全てを出し終え、抜くと、蓋が取れたフェイトから、ドロリと自分が出したものが出てくる。
クロノも力が抜けて、なんとかフェイトを避けてベッドに倒れ込んだ。
「ん…」
差し込んだ陽の光に目が覚める。
昨日、あれほど愛し合った彼の姿は、もう無かった。
寂しいが、それもそうだと納得して、背筋を伸ばす。
結局、昨日はクロノを口説き落として4回交わった。
482 :
2人:2007/10/14(日) 01:19:41 ID:7/Um/0Fi
そのせいか体が怠い。
髪をかきあげると違和感を感じた。
その部分を指で確かめると、固まっていることに気付いた。
少し考えて、思い出した。
3回目だったか、顔にかけられたのが、髪に着いたのだろう。
シャワーを浴びようと立ち上がり、周りを見渡す。
クロノとの逢瀬の為だけに借りた1DK部屋だが、やけに広く感じた。
溜息を吐いた時、テーブルの上に手紙が置いてるあるのに気付いた。
『僕は、先に家に戻るけど、君は午後出だからゆっくりしておくといい。キッチンに食事を
作って置いた。美味くはないかもしれないが、気が向いたら温めて食べてくれ。それじゃあ
、また クロノ』
その手紙を読んで、キッチンに向かう。
用意されていたのは、良くある和食。
ただ、ミッドチルダで食べることはあまりない。
ふと、床に小さな何かが落ちているのに気付いた。
手で拾い上げて、絆創膏の紙だと気付く。
エイミィに聞かれたらなんと答えるのだろうか。
クロノの指に巻かれている絆創膏を想像し、苦笑しながら、浴室へ向かった。
あれから2ヵ月半。
周りが察することもなく、管理局では、同じ執務官として、家庭
では、義理の兄妹として完璧に振る舞っていた。
この間の逢瀬の回数は、僅か4回。
普通ならば少な過ぎることにヤキモキするだろう。
フェイトだって、そうだった。
だが、耐えるしかなかった。
自分とクロノとの逢瀬は、そういうものなのだ。
「フェイト執務官、大丈夫ですか?」
「え?」
資料をある程度、纏めたところで補佐であるティアナに掛けられた言葉に疑問符が浮かぶ。
なのはに「頑張り過ぎ」と注意すると、周りが「フェイトも」と注意するような性格だった
が、最近は、大きな事件も無く、ある程度余裕もある。
大丈夫と聞かれるようなことはないと思う。
「どうしたの?急に」
そう聞き返す。
「え?あの、今日くらいじゃありませんでしたか?…」
周りを気にして、言い難そうに返したティアナ。
「今日くらい?」
やっぱり分からないと首を傾げるフェイトに、今度は逆に疑問符を浮かべる。
「…来てないんですか?…生理」
ティアナが、何を心配しているか漸く気付き、目を大きく開いた。
おわり
やっぱフェイトさんは、おバカにしておくべきか…
あぁ、分かっている。投下の結果くらい…あぁ、分かっていた。なのに何故!ステージから降りるのは簡単だ…
…だが、しかし…
あ、おわりじゃなくて続くだった
>>483 いやいや、こういうふつー人フェイトも新鮮だ。GJあげませう
にしても、ちょっと待てやティアナ。何でんな事把握してんだよw
これはクロノ死んだなwww
486 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 02:01:43 ID:k1Cq/D7c
確かに…いや、既に人生の墓場に入ってたんだから…そうか地獄行きが決まったのか!
おっと、
>>483GJでした!
>>469 親バカ話GJ!!
こんななのはを見て育ったヴィヴィオが、好きな子の秘密を知りたくて変身魔法習う姿を想像してしまったw
>>482-483 いやあ、最後はホラーだったかwww
GJですよ。
第二部は「もしもクロノ提督が闇の書の闇だったら」SSかもわからんね。
クロノがエイミィさんに凹られる光景しか想像できねぇ・・・・・・。
でもGJ!
まともフェイトさんもいいもんだね。
>>483 これは略奪愛くるか!??
GJ!
で周りに迷惑をかけないために一人管理局を離れ
どっか遠い管理外世界で生むんだな。
そこまで想像ができてしまったSSに乾杯
マジ男性陣が少なすぎて困るwwwww
そのため困ったことに特定災害対策救援部隊が俺の中でオフィシャル化しつつあるorz
>>489 >りに迷惑をかけないために一人管理局を離れ
どっか遠い管理外世界で生むんだな。
そうしないとクロノは大往生間違いなし
怖い女性陣はフェイトとエイミィ、どちらにも肩入れしないためにクロノだけを責めるだろうからなw
>>460 Gj!!
nice boatワロタw
エリオ、ティアナともにカワイソス・・・
いや、また続きを(ヲイ
492 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 13:01:45 ID:pseGaW9D
うh
>>490 そこでエイミィが認知して大家族ENDという可能性だって残っているはず……多分。
エイミィ「泥棒猫、殺しておけばよかった」
の可能性が高そう
離婚・多額の慰謝料請求
「フェイトちゃんGJ、そろそろ主婦にも飽きたところだったし」と慰謝料を元手に
ビジネスを始めてほくそ笑む黒エイミィさん
エイミィ「なかに誰もいませんよ」
なNiceBoat.的ENDも有るかと…
>>483 >あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
これだけよろ
483に限らないけど
特に連載ものの続編投下時でも、省くのは避けて欲しい
誰もおらへん…乳揉みするなら今のうち…
>>498 せやけどそれはザフィーラのお稲荷さんや
部隊長が悲惨な目にあっている隙に、
職人さんが来るまでの突き出しを、まぎれこませてくださいな
勝手に
>>422 >>433 の電波を受信してみました
いろいろと、ごめんなさい
気がつけば微塵もエロ味が無かったので、
やる気なくV×ユーノを挿入しておきました
今まで程の勢いは、流石に無くなりましたなぁ
ところで、変な電波が来たんだ。見てやってくれ
ベッドの上で、汗でぬめる裸体を絡ませ合うように抱き合っているエリオとフェイト
行為の激しさを物語るように、息も絶え絶えと言う風情のフェイトは汗まみれの肢体をくねらせて、火照る身体を桜色に染めていた
重ね合わされた唇から覗く互いの舌は、どちらのものなのか傍目には区別が付かないほどに互いの口腔を犯している
エリオに突かれる度に、悲鳴のような嬌声を上げて、かぶりをふって快感の波に耐えるフェイトだが、それもそろそろ限界だ
「エリオ、エリオっ!私、もう、っ!!」
「フェイトさん、っ、僕も、もう、いきますっ・・・うあ、あっ!!」
「あっ、あっ、あぅぅっ、ふぁっ!い、いくっ!うっ、あ、あぁぁぁっ!!!」
「フェイトさん!フェイトさんっ!!」
・・・
「今日も、凄かった・・・気持ち良かったよ。エリオ」
「あ、ありがとうございます・・・」
「でもね、エリオ・・・外に出すときに、どうしていつもバルディッシュにぶっ掛けるのかな?」
『sugoku attakainarili・・・』
・・・何だ?コレ・・・
誰の電波ですか。正直に白状しなさい
JS事件も終息し、事後処理に追われる日々を過ごす穏やかな機動六課にて、
フェイト・T・ハラオウン執務官は限界を迎えていた。
…ああ、この書類をザンバーで叩き斬ったら気持ちいいだろうなぁ
そんな或る日の事である。
「呻吟韻戯れ韻 I’m呻吟韻戯れ韻♪」
小雨の中、土手沿いに傘をさして歌い踊る怪しい金髪執務官の姿があった。
併走する車のタイヤを攻撃する、チキチキ装置7号の修理も兼ねて、
フェイトカー(車両形態)はオーバーホールに出している。
そのため彼女の移動手段は、徒歩とザフィーラのみであった。
本日のフカフカ争奪戦はヴィヴィオに敗北したため、今は徒歩である。
持ち歌である「雨に歌えば天魔覆滅」を熱唱し終わり、ふと視線を移すと
<だれかひろてください>
ガジェットドローンV型が、巨大なダンボール箱の中に転がっていた。
「(…オレモ年貢ノ納メ時カ)」
心優しい少年に拾われ、捨てられた。
それは良い、引越し先にこの巨体を置く場所が無かったのだから。
少年を恨む気持ちにはなれない、ただ少し悲しいだけ。
そして今、発見されてしまったのだ。
仇敵である機動六課、その中でもガジェットたちに最も怖れられた、
「キャベツ両断」「大根葬らん」のフェイト・Tハラオウンに。
彼は観念する、俺を揺り篭に、かつての仲間たちのもとに送ってくれ。
「………行く所が無いの?」
思い浮かべていた最後の瞬間は訪れず、ただ、優しい問いかけだけがあった。
答えは無い。答えるような機能も、無い。
なのに彼女は優しく、少しだけ悲しい笑顔で、そっと言葉を続けてくれた。
「おいで」
『或る執務官と丸いの』
「なのは、飼っても良いでしょ」
「うん、気持ちよく狩ってあげるなの」
「うわああぁぁぁん」
泣きながらV型と逃走する。
「敷地内にガジェット反応、V型です!」
「現在フェイト隊長が交戦中!」
「ご無事ですか!? フェイト隊長」
「至急増援を!」
なんか気がつけば追っ手がかかっていた。
嗚呼わかってくれとは言わないが、そんなにガジェットが悪いのか?
悪いね、うん。
こうなったらあそこしか無い、老若幼女無差別大家族withフカフカ。
「で、ウチに来たというわけか」
シグナムが、少々呆れた感じにまとめてくれた。
「うん、だってこんなに丸いんだよ」
正座で斜め下から、ちょっと媚び媚びな視線を送ってみる。
「まったくだ、こんなに丸いのに、なのはもわかっちゃいねーな」
ヴィータが賛同してくれた。
「うわああああぁぁ、馬鹿が増えおったああああぁぁぁ!!」
はやてが頭を抱えて絶叫する。
「ウチで飼うとなのはに狩られそうだし、何か良いアイデアは無いかな?」
「なー、はやてー、飼ってもイイだろ? 丸いんだぜ、ギガ丸いんだぜー」
「いやまあ、ヴィータもフェイトちゃんも普段からよく働いてくれおるし、
このぐらいの無茶は…無茶は……ごめん、泣いていい?」
「まあ仕方あるまい、テスタロッサ、とりあえず預かっておくから今日は帰っておけ」
「裏切ったなシグナムー! はっきり言うてフェイトちゃんに甘々すぎやー!!」
「ああ、それと交換したかのようにザフィーラを抱えていくな、置いていけ」
「うーん、見逃してほしかったですね」
「聞いてあたしの話ー!!!」
…かくして、八神家に一時的に家族が増える事となる。
噂を聞きつけて、これまでハグれていたガジェットドローン達が続々と集結、投降し、
陸士│○Θ部隊(命名 八神はやて)設立に至るのだが、それはまた別の話。
『付録、不足しがちなエロ成分を混入なの』
てれれれっててーん♪ フェイトさんは「触手(忠誠度100)」を手に入れた
ガジェットドローンの触手が淫靡にうねる、光る、風車が回る。
「(覚悟シロヨ。俺ハ相当、イヤラシイゼ)」
「触るな、握るなっ!う…上にも乗せるなアッー!」」
「(アア ユーノ殿ノ中、トテモアタタカイナリ)」
(終)
>>501 …アタタカイナリがカブったー!?
どうも電波の出所が同じだったもようで、ニンニン
>>507氏
40秒のニアミスで割り込み・・・ゴメンナサイゴメンナサイ・・・
しかも微妙にかぶり気味・・・ホントウニゴメンナサイゴメンナサイ・・・
はっ、もしや・・・同じような電波を傍受シマシタカッ!?
はっ、書き忘れ。GJ!でしたっ!
モフモフザフィーラ良いよ、モフモフザフィーラ
しかし、フェイトさん・・・移動手段って・・・乗るのか!?乗るんですか!?
流石、我等の盾の守護獣、愛されすぎです
GJ!
そして一言言わせてくれ
もうあんたら結婚して子供(作品)を生んでくれwww
>>501 バルディッシュ噴いたwwwww
というかエリオお前・・・・・・。
>>507 ちょwwwwナリ被りwwww
そしてV可愛いよV。
ザフィーラに乗って誇らしげに街中を闊歩するフェイトさんや
ガジェットにしがみついて目をうるうるさせるフェイトさんを想像して和んだ。
このフェイトさん、間違いなく愛すべきおばかさん。
というかユーノwwwww出番それかwwwそれなのかwwwwww
最後に、カップル成立おめwwww
>>501 >>507 両方ともGJです。バルもVもエロイなおい!
どうもこのスレ的にユーノ=不憫(受け攻め的に)フェイト=愛に生きるおバカさんというのは定石か??
>『sugoku attakainarili・・・』
>「(アア ユーノ殿ノ中、トテモアタタカイナリ)」
何て恐ろしいユニゾンぶりなのだろうか……というよりロボ言語に『〜〜ロボ』か『〜〜ナリ』と語尾につけるのは鉄則なのだろうか
でも、マリみての令ちゃんを考えると
すずか、はやても腐女子キャラでもおかしくないと思うんだ
>>516 やたらコスプレをさせたがるはやてなら知ってる
ネトゲ好きだったり
乳揉みが嫌いな女子なんておらへん!!とかクロノ君はそんなこと言わへん
とか言ったりするのか
別にこれはこれでアリかも…
クロフェ続き
クロノあんま出てこないけど
520 :
2人の執務官:2007/10/14(日) 23:04:19 ID:7/Um/0Fi
「ありがとうございます」
店員の礼も気にせず、出口へ向かう。
深い帽子にサングラス、そして、マスク。
怪しいまでの変装を行っているフェイトは、店の外を確認して、誰もいないことを確信する
と、じっくりと外へ出た。
そこからは、光速の勢いで愛車に乗り込んだ。
ここは、クラナガンから大分離れた場所にある薬局。
そこで誰にも知られたくないものを購入したフェイトは、自分の家に向かって車を走らせた。
溜息を吐いて、買った物を見る。
使う為に買ったのに、使う勇気が少し足りない。
1度、生理の日に、強い痛みが来て、思わず触れてしまったキーボードのせいで、調べてい
た資料が全て消えてしまい、ティアナとシャーリーに手伝ってもらい、なんとか復元にした
が、そのせいで自分の周期が知られてしまうこととなった。
知られても不都合があるとは、思ってなかった。
今回のことも不都合なことでは、ない。
むしろ、ティアナが知っていたからこそ、気付いたのだ。
「少し遅れてるみたい」と咄嗟に言い訳したが、察しの良いティアナは、勘づいたかもしれ
ない。
ティアナは、気遣いもあるだけに周りに話すことなど絶対にしないだろう。
再び、箱を、買ってきた妊娠検査器の箱を見る。
動けない。
それとも、動かないのか。
進めることが出来るのは、自分だけだ。
手に取って、トイレに向かった。
「ちょっと、急だが、10日後に出発するよ、それで…」
クロノからの通信。
いつもは、嬉しいその言葉もなんだか聞きたくない言葉に思える。
クロノが帰ってくる時と同じように、出発前夜にも用意があると偽り、フェイトと2人であ
の部屋で過ごすのが、毎度のこととなっていた。
つまりは、9日後の夜を一緒に過ごそうということになる。
思い出す。
検査器に示された、あの陽性の証。
妊娠を示す証。
検査器が百発百中というわけではない。
だからこそ、9日後までにはっきりとさせなければならない。
沈黙して、医者の言葉を待つ。
心臓の鼓動が張り裂けそうなほど早い。
向かいあった医者に表情は無く、そこ読むことは出来なかった。
この医者は、免許を持っていない。
昔、この世界での任務が行われた際、知り合った医者。
521 :
2:2007/10/14(日) 23:06:03 ID:7/Um/0Fi
この世界の法律でも医者を名乗るには、免許が必要であり、その点から言えば、この男は、
無免許医、犯罪者となるのだろう。
だが、フェイトは、この男をどうこうすることはなかった。
お金の無い者、わけありの者を無償で診察する様に何もすることが出来なかった。
「妊娠してるね。2ヵ月だ…」
感情を見せないまま、告げた。
聞かされてもそれほど動揺は無かった。
確証を持っただけ。
自分の中には、クロノとの命が宿っている。
「それで、どうする?」
産むのか、堕ろすのか。
そういう意味だろう。
わざわざ自分の元へやって来た理由を察し、問う。
うっすらと髭の生えた顎を触りながら、フェイトを見る。
「…」
言葉を返せない。
堕ろしたくなんかない。
自分に宿った命を、自分の勝手で殺すなんてこと出来やしない。
自分の境遇を考えれば、尚更だ。
だが、産んでどうする?
父であるクロノには、家庭がある。
「話すべきだ」
医者は、未だ表情を変えずに呟いた。
顔を下げて考えていたフェイトは、顔を上げる。
「深くは聞かないが、父である男に、話すべきだろう。あんたが、どう決断するにしても…」
「でも…」
話せば、きっとクロノは、自分を責める。
きっと、新しい命を消すことなんてさせはしない。
だが、それでは、エイミィは、2人の子供は…
「まぁ、あんたが決めることだ。産むにしても、産まないにしても、私がなんとかしよう」
医者は、引き出しを開けて、少し表紙の掠れた母子手帳をフェイトに渡した。
自室のベッドに体を預け、目を閉じる。
誰かが答えをくれるはずもないことは、分かっている。
堕ろすことは、絶対にしない。
だが、産んでどうする?
2人で遠い世界へ、誰も来ないような、誰も自分を知らないよう
な場所へ行くのか。
それでも、クロノの家族に迷惑を掛けるだろう。
分からない。
どうすればいいのか。
全ては自分の責任。
目頭が熱くなり、涙が流れ出た。
本当にどうすればいいのか分からなかった。
ティアナは、仕事をしながら溜息を吐いた。
向かいで自分と同じように仕事をしているシャーリーは、気が付いていない。
視線を左に流すと、誰も座っていないフェイトのデスクが見えた。
522 :
人:2007/10/14(日) 23:07:52 ID:7/Um/0Fi
いよいよ、本当に自分の予想が的中したように思える。
だとしたら、相手は誰なのか。
「ティア、ティア」
すっかり思考に沈んでいた頭に自分を呼ぶ声が入ってくる。
声の方向を見ると、通信を行っているシャーリーが、指を指していた。
その先を見て、漸く鳴り響いている通信の呼び出し音に気付いた。
「はい、こちら、ティアナ・ランスター執務補佐です」
焦って取ったが、なんとか噛まずに言えた。
『私、なのはだけど』
「なのはさん?どうしたんですか」
聞こえたのは、昔の上司の声。
『ちょっとフェイトちゃんに用事があったんだけど、フェイトちゃんに通じなくて』
自分では、どうすればいいのか分からない。
だが、この人ならば。
視線をシャーリーに向け、まだ通信を行っていることを確認した。
「フェイトさんのことで少しお話が…」
「わ、フェ、フェイト!」
泣き出した腕の中いる赤ん坊に汗をかくクロノが、自分の名前を呼ぶ。
それに苦笑しながら、2人の元へ向かう。
「どうしたのかな?おむつはさっき変えたから…お腹が減ったのかな?」
クロノの腕から赤ん坊を持ち上げる。
涙を流す愛しい我が子の為に、服のボタンを外し、胸を露出させる。
「クロノ、見ないでよ」
その様子をじっと見ていたクロノの視線から逃げるように、後ろを向く。
何度も見られたが、こういう状況だと、恥ずかしいものだ。
「え、あ、いや、その」
背後のクロノの声を無視して、赤ん坊に食事を与える。
口いっぱいに頬張り、吸い込む赤ん坊に微笑む。
ふと、後ろを振り返る。
クロノは、そこにいない。
周りを見渡す。
自分のずっと先、エイミィと2人の子供と楽しそうに歩くクロノの姿が見えた。
これが当然の結末。
飲み込むしかない。
それでも、涙が流れた。
目が覚める。
夢。
現実ではない、だが、現実に有り得る夢。
時計を見ようと、体を起こして周りを見渡すと、人の姿があった。
「なのは」
そこにいた幼馴染みの親友の名前を呼ぶ。
なのはは、何も言わず、悲しそうな笑顔でフェイトに寄る。
「フェイトちゃん」
何の意味も無く名前を呼び、フェイトの顔に指で優しく触れる。
瞳の端から続く涙の跡がなのはの心も悲しくさせる。
523 :
の:2007/10/14(日) 23:09:57 ID:7/Um/0Fi
「ティアナから話、聞いたよ」
フェイトのことで話があると、ティアナに呼び出された喫茶店に入る。
出て来た店員を柔らかく断り、奥にいたティアナの元へ行く。
「久し振り、ティアナ」
「あ、久し振りです、なのはさん」
立ち上がって礼をするティアナを見る。
それほど長い間、会わなかったわけではないが、随分と立派になった気がする。
2つに纏めていた髪を今は降ろしていることぐらいしか、見た目で変わったところはない。
それでも、顔や体全体から漲っているものがある。
微笑んでティアナの向かいに座った。
「フェイトちゃんがどうかしたの?」
紅茶を頼んで、聞く。
ティアナは、周りをキョロキョロと見た後、真剣な目でなのはを見る。
「フェイトさん、あの、生理が来てないみたいで…」
「…遅れてるだけじゃないの?」
ティアナの言葉が意味することを理解しつつ、問う。
「そう、かもしれないんですけど…なんだが、仕事中も集中してないっていうか…今日も部
屋に閉じこもってて…」
フェイトと同じ部屋で過ごして、フェイトの周期がかなり定期的でズレたことがないのを知
っているなのはは、黙って聞いている。
黙ったまま、運ばれきた紅茶に口をつける。
動揺したせいか、そのまま飲んだ為、熱く、舌を軽く火傷した。
「フェイトちゃんには、私がお話聞いてみるから。少しの間、お仕事の方、任せていいかな?」
そう言って再び、口をつける。
「はい」
しっかりと返事をして、ティアナは、自分の飲み物に口をつけた。
涙の跡がティアナの予想が当たったことを予感させる。
フェイトのお腹には、新しい命が宿っているのだと。
「あ…」
思わず声を漏らすが、何も続かない。
「いるんだね?」
なのはの言葉を聞いて、お腹に手をやる。
「うん」
「そっか…」
これを聞いてどうすれば、いいのか分からなかった。
誰にも言えていないということ、言えない人との子供なのだろう。
聞くべきなのか。
聞くとしたらどういう風に?
「クロノとの子供なんだ…」
フェイトの方から話す。
力無く呟いたフェイトの顔を見ることが出来ない。
「どうしたらいいかな…」
弱々しい声に何も返せない。
苦楽を共にした親友が苦しんでいるのに何も出来ない自分に苛立つ。
産んだ方がいい、と言うのは簡単だ。
524 :
執務官:2007/10/14(日) 23:11:36 ID:7/Um/0Fi
だが、そんなことを言えるのは当事者ではないから。
家庭を持つ兄との愛の結果。
それに対して述べるには、なのははまだ若い。
「どうしたらいいのかな…」
再び、呟いたフェイトの瞳からは涙が零れている。
なのはは、フェイトを抱きしめる。
あの日、フェイトが自分を抱きしめてくれたように。
ただ、それしか出来なかった。
「私はフェイトちゃんの味方だから」
ただ、それしか言えなかった。
「フェイトちゃんが産むのなら、誰にも邪魔させない。フェイトがもし、どこか遠くに行く
って言うのなら、私も一緒に行くから」
思ったことをそのまま口にする。
「私がフェイトちゃんもその子供の幸せも護るから…だから…泣かないで」
素直な言葉が心に染みる。
「ありがとう…」
小さく囁いた。
「落ち着いた?」
コーヒーをフェイトに渡して、横に座る。
中心だけでなく、周りまで赤くなってしまった瞳が痛々しいが、表情には、それほど悲しさ
はない。
「うん、ありがとう」
甘く温かい味に癒される。
なんだか2人でまったりするのも久し振りに感じる。
「なのは…クロノを責めないでね…」
ギクっとなのはの体が硬直する。
この後、クロノの元へ行き、全力全開でお説教をしようと思っていたなのはだった。
送られてきたメールに首を傾げる。
『いつもの場所で待ってるから』
クロノのからのメール。
いつもなら電話で直接の筈だが、今回はメールだったことを不思議に思ったが、そんなに気
にすることもなく用意を続けた。
なのはのおかけで決心がついた。
産むという気持ちは変わらないが、クロノにきちんと話そうと決めた。
まだ、先のことは決めていないけど、後悔しないように自分の気持ちに従おう。
愛車に乗り込む。
不思議な高揚感と緊張感が体に溢れている。
キーを捻って、エンジンをかける。
今日がクロノとの最後の逢瀬になるかもしれない。
だけど、もう後悔しないと、泣かないと決めたから。
到着し、クロノが先に着いている証拠のクロノの車を発見する。
母子手帳が入っているバックを持ってエレベーターに乗り込む。
上に上がるに連れ、緊張が増え、手に汗が流れてくる。
逃げ出したくなりもするが、ここで臆しても何も変わらない。
525 :
つづく:2007/10/14(日) 23:12:24 ID:7/Um/0Fi
指定の階に着いたエレベーターから降りて、部屋に向かう。
いつもなら軽い足取りだが今日は違う。
部屋の前で1度深呼吸をして、お腹に手をやる。
どんな結果になろうと、この子は幸せにさせる。
扉をゆっくりと開く。
扉の音に気付いたクロノのが玄関まで迎えに来るだろう。
そう考えながら、耳に入った声は
「お邪魔してます、フェイトちゃん」
義理の姉のものだった。
つづくよ
BAD ENDになるかHAPPY ENDになるか分からんけど
なのはさんはなのはさんだったwwwwwww
ああああなんという焦らしプレイ
妻バレキタコレ!!!!!!!!
こ、これはNice boat.来るのか!
中にだれも(ry
というか、どこまでもついていくってなのはさん。ソレは友情を超えてませんk(ry
とりあえず諸君、450KB越えたぜ
仕方ないな久々に立ててくるか。
反論なければ3分後に。
>>526 ちょww
やべエエエエエエエエエ
(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
次回全力全壊で期待していますw
これはなんという昼メロ展開
wktkが止まらないw
たまの平日休みにやってると、見入ってしまうよね>昼メロ
「テスタロッサ…勝負だ!!」
「突然なんですか?」
「アギトとユニゾンした状態の訓練をしたくてな」
「シグナムだけユニゾンするのはずるいと思うな。
フェイトちゃんユニゾンしよ?」
「なのは……いいの?」
「勿論!!フェイトちゃんとなら良いよ」
「おのれ……高町なのは……」
__ __
_..二ニ=-`ヽ
/ -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/// /" `ヽ ヽ \.
l/ //, '/ ヽハ ヽ丶
〃イ/. {_{\ /リ| l │ ヽ、
{ハlレ 小l● ● 从 |/ _≧ この泥棒猫・・・・!
\{|l⊃ 、_,、_,⊂ー=彡ノ≦、
/⌒ヽ_|人 ゝ._) j /⌒i
\ / >−`ヽ--,イァ/ /
/ / ヘ]∧ ヘ、_∧
`ヽ< ヾ:|/ {ヘ、__彡'
書き上がったから投下します。
グリフィス×はやてエロあり。
12th session〜アグスタ、恋人達の集う場所(中編)〜
「……っ! みんな! 外の森からガジェットの反応! ……なんて……数なの……!」
みるみるうちに増えて行くガジェットの反応に、シャマルは思わず表情を歪める。
と、目の前にウインドウが開き、そこにエリオが映った。
「……シャマルさん! 指示を、お願いします!」
そう叫んだエリオの声に、シャマルは我に返る。
「え、ええ! ……ガジェット群は、山と森から侵攻して来てるわ!
ザフィーラ! 山の方をお願い! ……そっちの敵はそこまで多くないから、ザフィーラなら一人でも十分のはずよ!」
「……承知」
「ヴィータとシグナムは2人で森の中をお願い! ……フィレス君! 上空からもU型が来てるの。お願い出来る!?」
「わかったよ、シャマル!」
「……了解した!」
「出来るだけ……やってみます!」
「他のみんなはホテル前で一時待機。前衛の撃ち漏らしや増援に対応して!」
「「「「了解!」」」」
そのシャマルからの指示が済むと、8人はそれぞれの受け持ち場所に散って行った。
「……フィレス! 一機も逃がすなよ。……もし抜かれたらコメットぶち込むからな」
「そ……それはちょっと……」
思わず引き攣ったフィレスに、ヴィータは笑う。
「……だったら、食らわねー努力するんだな」
そう言って森に降りて行ったヴィータを見送って、フィレスは大きく溜息を吐く。
「……そりゃあ確かに僕の魔法適正は防衛戦に向いてるけど……」
『相手の数、がね。……現在受け持ちは42体、まだ増えてるわ」
「ったく、時空犯罪者に何でこんな量作れる資金があるんだか……」
思わずそう愚痴を呟くフィレスだが、瞳は鋭くガジェットの方を向いていて。
「……でも、ま、ヴィータ副隊長やシグナム副隊長の方が受け持ち多いんだし……行こうか、アマテラス」
『ラジャー!』
そう言うと、フィレスは一気に思考を戦闘モードに引き上げた。
「……行け!」
『フェザーショット』
次から次へと面白いようにガジェットを撃ち落として行くフィレス。
しかし、ガジェットはなかなか減ってくれなくて。
「後、何体!?」
『36。一応、減ってはいるんだけどねえ……』
「見た感じ、減った気が全くしないんだけ、どっ!」
『ウインドフェアリー!』
ウインドフェアリーでまた4体のガジェットを落とすものの、まだガジェットが減った実感は感じられず。
フィレスは1つ溜息を吐くと、アマテラスに話しかけた。
「……アマテラス……『ファランクス』何秒持つ?」
『今の私なら、カートリッジ1発当たり7,65秒行けるわ!』
「……上等!」
そう言うと、フィレスはガジェットに接近を始める。
今までの距離を取る事を第一に考えたフィレスの動きとは対極の動きに、ガジェット群も戸惑ったように一瞬動きを止める。
しかし、すぐにまた動き出すと、フィレスに向かって弾幕を張った。
「く……っ!」
『プロテクション!』
オートガードのプロテクションで受け流し、時にはギリギリで砲撃をかわし、少しずつガジェット集団に近付いて行く。
ゆっくりとガジェット群はフィレスを包囲しながら距離を詰めて行き、
……フィレスは、叫んだ。
「……行くよ!」
『ファランクス、オールレンジシフト!』
「シュート!」
……その瞬間、全方向に砲撃が巻き起こり、ガジェット群が次から次へと落ちて行く。
『31……23……11!』
残りのガジェット数のカウントがどんどん減っていき、爆発の光と爆煙がフィレスを包む。
……その光が晴れた後、そこにはフィレスの姿しか無かった。
「はぁ……はぁ……」
ぜーぜーと荒い息を吐くフィレス。攻撃がかすめたのか、顔や手足の肌が出ている所に、擦り傷がたくさん出来ていた。
「少し……無茶しすぎたかな……?」
『……そ、ね。もう少しカートリッジに魔力押し付けなさいよ! ほとんど魔力空じゃないのよ!』
「あはは……ごめん」
フィレスが苦笑していると、森の中のガジェットを殲滅したのか、ヴィータとシグナムが上がって来る。
きれいさっぱりガジェットが消え失せているその光景に、ヴィータとシグナムは驚いたようにフィレスを見詰めた。
「へー……やるじゃねーか」
「結構な数がいたはずだが……伊達に空士訓練校主席ではない、と言う訳か……」
「……でも、結構ギリギリでした……。魔力も、ほとんど空ですし……」
そうまだ息が整わないフィレスが言うと、ヴィータとシグナムは微笑んだ。
「もう少し、誇っていーんじゃねーか? これだけがジェット落としてんだから」
「……疲れたのなら少し休んでいろ。増援が来た時は私達が相手をする」
そう2人に言われるが、フィレスは首を横に振る。
「……そんな訳には、行きませんよ……。副隊長が戦ってる前で、休むなんて……」
そうフィレスが言うと、ヴィータとシグナムは顔を見合わせて苦笑する。
と、そこに、慌てたようなシャマルの念話が入った。
「3人とも! ホテル前にガジェットの増援が転送されたわ! 早く戻って!」
「……分かった! すぐに戻る!」
そう言って戻ろうとするヴィータ。しかし、シグナムは表情を険しくして。
「……シャマル、転送と言ったな? 向こうに召喚術師がいると言う事か?」
「え、ええ。召喚術の魔法陣がキャロちゃんの魔法陣と良く似てるから……」
「……その召喚術師の場所は特定出来るか?」
「大体の位置なら、何とか……」
そう言ったシャマルの言葉を聞き、シグナムは1つ頷く。
「……ヴィータ、救援はお前とフィレスで頼む。……私は、召喚術師を捕らえに行く」
「……分かった。……おい、フィレス、行くぞ! おめーはあたしに付いて来い!
……ま、お前足遅いし、おめーが来た時にはもう終わってるかもしれねーけど、なっ!」
そう言って高速で飛び去って行くヴィータを、フィレスは少しぽかん、として見送る。
と、シグナムが何故か笑いを堪るようにしながら、言った。
「すまんな……。あれでもヴィータはお前を心配しているんだ、ホーマルハウト」
一方。
「……ん……」
「ああ、起きた? はやて」
にっこりと笑ってはやてと視線を合わせるヴェロッサに、目覚めたばかりのはやては首を傾げる。
……しかし、すぐに気付いた。自分が一糸纏わぬ姿にされ、両腕が一纏めにされていると言う事に。
「ロ、ロロ、ロッサ!?」
一気に顔を真っ赤にするはやてに、ヴェロッサはにっこりと笑い……、ふにっ、とはやての胸に手をやった。
「んっ! ふあっ、くうんっ、ロッサ、やめ……ひゃうっ!」
むにむにと胸を揉み解され、はやてはふるふると快感に震える。
そんなはやてに、ヴェロッサはにっこりと微笑んで、口を開いた。
「……可愛いよ、はやて」
「きゃううんっ! ロッサ、ろっさぁっ! それ、それあかんのおっ!」
そう言ってヴェロッサがはやての胸の先端を吸い上げると、はやての足ががくがくと震える。
しかし、纏められた両腕が上の荷物置きに縛り付けられており、へたり込む事すら出来なかった。
「いあ、いぁああっ! だめになってまう、気持ち良すぎるぅっ!」
びくんびくんと激しく身体を波打たせるはやて。
胸だけで絶頂に達しそうになるはやてに、ヴェロッサはとどめを刺した。
「……それ♪」
「ひぁ、ぁ、くううんっ! んんんんんんんあああっ!!!」
胸だけではなく秘所にも手をやり、軽く撫で上げる。
そういった軽い衝撃でも、はやてが限界を超えるには十分だった。
「ふあ……はぁ……」
とろん、と虚ろな目をして脱力するはやて。
その秘所からはとろとろと止めど無く熱い液体が流れ出していて。
そんなはやてに、ヴェロッサは軽く詰め寄り、言った。
「……こら、ずるいよはやて。……僕も、気持ち良くしてもらうから」
そう言って自分自身を取り出し、はやての秘所に宛がうヴェロッサ。
と、はやてが急に真っ青になると、ぶんぶんと首を横に振り始めた。
「あ、あかん! それあかんのっ! 今そないな事されたら私……っ!」
「だーめ♪」
そうとても楽しそうにヴェロッサは言い、自身をはやての中に埋める。
……すでにヴェロッサに開発し尽くされ、弱点も全て知られ尽くされたはやてに、耐えられる訳も無かった。
「ひあああああっ!!! あ、あー!」
「おいおいはやて……、これからが本番なんだよ?」
そう言うと、ヴェロッサははやてが1番反応する所を抉るように激しく突き始める。
入れただけで絶頂に達していたのに、1番の弱点を責められて、はやてが抗えるはずもなく。
「!!!!! ひ、ひーっ!!!」
胸の前できゅっと拳を握ったままで、小刻みに震えるはやて。
とっくの昔に気絶していてもおかしくはないのだが、快感が強すぎて気絶すら出来ない。
「しぬ、しんじゃう! ひぁうっ! またイッちゃう、らめぇぇっ! イキすぎてしんじゃううっ!!!」
「……だから、はやてだけ気持ち良くならない。
……ま、いいか……。僕も、そろそろ……」
数秒ごとに絶頂に達しているようなはやて。
しかし、そのせいではやての中はヴェロッサ自身をきゅうきゅうと締めつけて。
心地よい快感に身を任せつつ、ヴェロッサはくるりとはやての体勢を変えた。
「うぁっ、うああああっ!!!」
後ろからぱんぱんと音を立ててヴェロッサに貫かれ、さらに秘所の近くの突起をいじられて。
はやてはヴェロッサの動きに合わせてがっくんがっくんと揺れるだけ。
「はやて……そろそろ……!」
「うん、うんっ! 中にして、私、壊してぇぇっ!」
もはやあまりの快感に少しおかしくなっているはやての言葉を受けて、ヴェロッサははやての1番奥まで自身を付き込み、
「……くっ!」
「あ、ひ、あああぁぁあぁああぁああっ!!!」
歳置くに欲望を注ぎ込むと、はやてはびくんびくんと激しく震えながら絶頂に達し、
……再び、意識を闇の中に沈めた。
これで終わりです。
……いつも書き込んでるノートパソコンがあるんだ。
……何をトチ狂ったか切れた弟がその画面思い切りぶん殴ったんだorz
今それ使ってるんだが、液晶の右半分が粉砕されてるorz
やたら重くなってるが、書き込みには大きな支障は無いので、出来るだけこれで頑張る予定です。
き、来てくれ加山雄三!もといガトー少佐!もとい……
【ほかに無免許いはいないのか】
>>525 >>526 イヤー、ハッピーエンドになる要素が見つからないYO!
また、フェイトさんは負けてしまうのか!?
548 :
394:2007/10/15(月) 03:14:47 ID:PvbGIdh2
日曜には間に合わなかったけど宣言どおり初投下行きます
ジャンルはユーなのフェ
549 :
正三角関係:2007/10/15(月) 03:15:51 ID:PvbGIdh2
「フェイトちゃん今日も元気なかったなぁ」
フェイト・T・ハラオウンの様子がおかしい。それが6課全体の印象だ。
JS事件が解決して早2ヶ月、それ以来はぐれガジェットの鎮圧以外に出動の無かった
6課において、ある意味もっとも大きな事件が現在進行中であった。
JS事件後、ヴィヴィオを正式に養子にした高町なのはは、何か心境の変化があったのか、
無限書庫司書長のユーノ・スクライアとの交際宣言をした。
周囲から言わせれば今更なのだが、ともかくそれ以来、2人は友達以上恋人未満の関係から
恋人関係になった。
そして、その日からフェイトの様子がおかしくなった。
職務に支障が出ているわけではないが、意気消沈していて溜息を吐く姿やぼーっとして
物思いにふける姿がたびたび目撃されている。
「主はやて、そろそろ何かしらの対応をとるべきと思いますが」
「そうやな、エリオとキャロも相談に来たし、何とかせなあかんな。
とりあえず、フェイトちゃんに直接話し聞きにいこか」
「今の時間なら、おそらく食事中でしょう」
「じゃあ食堂やね、シグナムもいくか?」
「お供します」
550 :
正三角関係:2007/10/15(月) 03:17:40 ID:PvbGIdh2
「フェイトちゃん、ここ座ってもいい?」
「はやて、シグナム」
声こそかけたが、はやてもシグナムもフェイトの答えを聞く前に席に着いた。
「なのはちゃんは今日は本局やったな。まだ帰ってきてないん?」
「教導隊の人と会って、一緒にご飯食べてから来るんだって」
「それならちょうどいいな、まどろっこしいのは好きや無いからはっきり聞くけど、なのはちゃんと何かあった?」
あまり触れられたくない事だったのか、フェイトはうつむいてしまう。
やはり気になるのか、少し離れたテーブルではフォワード4人が聞き耳を立てている。
「別に、なのはとは何にも無いよ」
「ほんまに?喧嘩とかしてない?」
「私となのはが? そんなことあるはず無いよ。はやて、疲れてるの?」
「それはわたしのセリフや。まあ確かになのはちゃんとフェイトちゃんが喧嘩してるとこなんて想像できんわ。
なのはちゃんがらみじゃないなら、いったい何を悩んでるの?」
「悩みなど無い、とは言わせんぞテスタロッサ。お前がそんな様子ではライトニング分隊の士気にもかかわる」
「エリオとキャロも心配してるよ。悩みがあるなら話してみて、解決にはならんでも話すだけで楽になることってあるよ」
「……そうだね。このままじゃダメだもんね。2人とも、聞いてくれる?」
「当然や、そのために来たんやからな」
「わたしはお前の副官だ。手伝えることがあれば力を貸そう」
「ありがとう、2人とも」
フェイトは居住まいを正すと考えをまとめるために目を閉じる。
はやてとシグナムはフェイトが話し始めるのをじっと待っている。
「……なのはとユーノが付き合いだして、ほんとに嬉しかったんだ。全然進展しない2人にやきもきしてたし、
早く認めちゃえばいいのにって思ってたから」
でも、とフェイトは言葉を途切れさせる。
「それから、なのはがユーノとデートに行って、ヴィヴィオをつれて3人で遊びに行くことも会って、
なのははそのときのことすごく楽しそうに話すんだ。けど、その話を聞いてると、楽しそうななのはの顔を見てると、
……なんだか、苦しいんだ、胸が、キュウって締め付けられるみたいになるんだ」
自分でも感情の押さえが利かないのか、フェイトの瞳に涙がにじむ。
「それ以来、ちょっとでも時間が空くと、2人のことを考えちゃう。今何してるんだろうとか、2人のときどんな
話してるんだろうとか、2人とも仕事で忙しいのはわかってるのに、もしかしたら一緒にいるんじゃないかとか。
……今だってそう、教導隊の人とご飯食べてくるって言ってたけど、本当はユーノと一緒なんじゃないかって
思うと、頭の中がぐちゃぐちゃになって、考えが全然まとまらなくて。それで、それで、なのはとは出合ったときから
ずっと一緒だったから、局に入ってからも時間が有れば一緒にいた、なのはがいたからユーノも一緒のことが多かった、
ずっと一緒だったのに、なのはが、ユーノが、2人だけで遠くに行っちゃったみたいで、それで、それで、――――」
「1人だけ置いてかれちゃったように感じて、寂しかったんやね」
嗚咽交じりで、ほとんど言葉になっていない最後の部分を、はやてが引き継ぐ。
「……うん。そうなんだと、思う」
フェイトの話が途切れ、場が静まる。フェイトがうつむいたのを見てはやてはシグナムに思念通話をつなげる。
(シグナムはどう思う? 言葉通りってことも無いやろうけど)
(嫉妬、でしょうか。自分を置き去りにした2人への。もっとも、それだけでもないようですが)
(やっぱりシグナムもそう思うか?なんやらややこしくなってきてるなぁ)
(しかし、ここで放り出すわけにもいかないでしょう)
(そうやな、ここからがわたしの腕の見せ所や)
551 :
正三角関係:2007/10/15(月) 03:18:44 ID:PvbGIdh2
「フェイトちゃん」
「……はやて」
はやてに呼びかけられ、うつむいていたフェイトは顔を上げる。
「フェイトちゃんが感じてるのは、やきもち、やと思う」
「……やきもち? 私が?」
「そうや、なのはちゃんとユーノ君、フェイトちゃんを置いてけぼりにした2人に対してのな」
「…………」
「フェイトちゃん、なのはちゃんのこと好き?」
「……どうしたの? 急にそんなこと聞いて」
「いいから答えて」
「うん、好きだよ、なのはのこと。私の心を救ってくれた、1番の親友だから」
「じゃあユーノ君は?」
「ユーノ? うん、好きだよ。初めて話した男の子だし、執務官試験のときお世話になったし、一緒にいることも多かったし」
「じゃあ、なのはちゃんとユーノ君、どっちのほうが好き?」
「……はやて、何、言ってるの?」
はやての言葉が理解できない。そういった表情でフェイトははやてを見ている。
否、理解できないではなく、理解したくないというべきか。
「フェイトちゃんが感じてるのは、さっき言ったことだけやない。嫉妬や、愛した人を別の誰かに
取られた時に感じる類の。フェイトちゃん、いったい誰に嫉妬してるの? フェイトちゃんから
なのはちゃんを取ったユーノ君? それとも、ユーノ君を取った――――」
パァン
はやてがすべてを言うより早く、フェイトの手がはやての頬を張っていた。
あまりの出来事に食堂全体がシンと静まり返る。
「勝手なこと言わないで!私が2人にそんなこと感じるはずが無い、感じていいはずが無い!いい加減なこと言うと、
いくらはやてでも許さないから!」
「テスタロッサ!」
激情に駆られるままにフェイトがもう1度手を振り上げ、シグナムに止められた。
「あ……はやて、私、こんな……」
シグナムに止められたことで自分がしたことを自覚したフェイトは、逃げるように食堂を駆け出して行った。
はやてには、その背中を呆然と見送ることしか出来なかった。
「まいったなぁ、完全に私のミスや。軽くカマかけてみるつもりでとんでもない地雷踏んでもうた」
「まったくですね。後は当事者に任せるしかないでしょう」
「なのはちゃん任せか。まあ、悩みの原因もなのはちゃんたちやし、これが最善かもしれんね。
それはそうと、フェイトちゃんの中でなのはちゃんとユーノ君は同じくらいの位置にいる見たいやけど、
私はどのくらいの位置なんやろ?」
「あの2人より低いのはほぼ間違いないでしょう。今のことでさらに下降した可能性もありますが」
「グサァって、シグナム、今胸の辺りにレヴァンティンがこうグサァって刺さったよ。それと、
フェイトちゃんに引っ叩かれた頬っぺたがすごく痛いんやけど」
「それは大変ですね、すぐにシャマルのところへ向かいましょう」
「なのはちゃん、後は任せたよ」
はやては、まだ隊舎に戻らない高町なのはに事態の収束を託した。
552 :
正三角関係:2007/10/15(月) 03:20:14 ID:PvbGIdh2
フェイトは明かりの消された真っ暗な寝室で膝を抱えていた。精神的な疲労は自覚しているために、
眠ってしまおうかとも考えたが、はやての言葉が頭を離れず眠れずにいた。
『フェイトちゃんが感じてるのは、さっき言ったことだけやない。嫉妬や、愛した人を別の誰かに
取られた時に感じる類の。フェイトちゃん、いったい誰に嫉妬してるの? フェイトちゃんから
なのはちゃんを取ったユーノ君? それとも、ユーノ君を取った――――』
そこから先は言わなくてもなんと続いたかは理解できる。
衝動的に否定はしたが、あの反応では図星を突かれて動揺したようにしか見えない。
その程度の自己分析が出来る程度には、フェイトは冷静さを取り戻していた。
そうなれば、思考は自然と次に向かう。
つまり、自分が嫉妬しているのはなのはなのか、それともユーノなのか。
答えの出ない問いに延々と思考を続けていた。
「ただいま、フェイトちゃん」
「……なのは」
そうしている間に、寝室のもう1人の主である高町なのはが入ってきた。
なのはは上着をハンガーにかけると、フェイトの隣に座る。
「聞いたよ。はやてちゃんと喧嘩したんだって?」
「……ヴィヴィオは?」
「スバルとティアナが面倒見ててくれてる。今日は2人の部屋にお泊りだって」
「そっか」
「フェイトちゃん、お話、聞かせてくれる?」
「うん。……なのは、私は汚いの」
「フェイトちゃん?」
「なのはとユーノが恋人同士になったって聞いて、私、嫉妬したんだ。本当は1番に祝福してあげなきゃ
いけなかったのに、2人が遠くに行っちゃいそうで、私だけ置いていかれちゃいそうで、それがいやだった」
フェイトは体の向きを変え、なのはを正面から見る。
「それで、さっきはやてに言われてようやく気づけたことがあるんだ」
「教えて、フェイトちゃん」
「私、なのはのことが好き。ずっと一緒にいたい、抱きしめて欲しい、ユーノじゃなくて私を見て欲しい」
なのはが口を開こうとするが、フェイトはそれを止めた。
「でも、汚い私は今、なのはが好きって言ったのに、それと同じくらいユーノが好き。ずっと一緒にいたい、
抱きしめて欲しい、なのはじゃなくて私を見て欲しい。なのはとユーノを祝福しなきゃいけないのに、
汚い私は、そんな醜くて浅ましいことを考えている。2人は幸せにならないといけないの。こんな気持ちの
私がそばにいるわけにはいかないから。だからなのは、お願い、汚いって私を罵って、嫌いだって私を拒絶して、
そうすれば、この想いを捨てられるから」
フェイトは泣いていた。
自分の想いが2人の幸福の邪魔になると思い、それを忘れることで元の関係に戻ろうとしている。
声も出さず、ただ涙だけが流れている。
553 :
正三角関係:2007/10/15(月) 03:21:33 ID:PvbGIdh2
「フェイトちゃん」
そんなフェイトを、なのはは抱きしめ、口付けた。
突然のことに逃れようとするフェイトの頭を抱き寄せ、なのはは舌をフェイトの口内に侵入させる。
初めこそ抵抗していたフェイトだが、次第に抵抗が弱まり、その体も弛緩していった。
なのはが唇を離すと、2人の間に唾液が糸になって伝い、フェイトはそれを名残惜しげに見ていた。
「ねぇ、フェイトちゃん」
フェイトを両腕で抱きしめながら、なのははフェイトの耳元でささやく。
「私も、フェイトちゃんが好きだよ。フェイトちゃんが好きだって言ってくれたのと同じくらい、
私もフェイトちゃんが好き。そして、同じくらいユーノ君が好き」
なのはの腕の中でフェイトが身を硬くする。
「私がユーノ君を好きな気持ちと同じくらい、ユーノ君も私を好きでいてくれる。だから、フェイトちゃんが
ユーノ君を好きな気持ちと同じくらい、ユーノ君もフェイトちゃんを好きでいてくれるよ」
「……なのは」
「私もユーノ君もフェイトちゃんを置いてけぼりになんかしないよ。3日後にデートの約束してるんだ。
フェイトちゃんも一緒に行ってトリプルデートにしよう」
「トリプルデート?」
「ユーノ君と私のデート、私とフェイトちゃんのデート、フェイトちゃんとユーノ君のデート。
3つまとめて1回でやっちゃおう」
「でも、私は……」
「フェイトちゃんは汚くなんか無いよ。優しくて、とても綺麗」
「それにね、私たちが幸せになれても、フェイトちゃんが幸せじゃなきゃ意味が無いんだよ。だから、
みんなで一緒に幸せになろう」
「本当に、私も一緒でいいの?」
「当然。一緒じゃなきゃダメだよ」
「私を置いて行ったりしない?」
「ずっと一緒にいるよ」
「なのは、ありがとう」
なのはの腕の中でフェイトは泣いた。
フェイトが眠ってしまうまでなのははずっとフェイトを抱きしめていた。
554 :
正三角関係:2007/10/15(月) 03:24:04 ID:PvbGIdh2
とりあえず今回はここまでです。
拙い文章で申し訳ない
続きにはエロ入れる予定なんでがんばって書きます
>>554 GJ!
まともなフェイトさんktkr。それもドロドロモノではない方向で。
そういえば昔三人で愛しあいましょうとかそんな少女マンガがあったなとか
ふと思い出した。内容は綺麗さっぱり忘れたが。
>554 GJ! やっぱはやては某ハヤテのあれとイメージがダブるな…中身が一緒だからか
ほんわか三角もいいね NiceBoat.は……うんまあ控えめでヨロw
>537 かわええええ
>>554 gj!
なるほど正三角形か。確かに確かに
ちなみに題名からするに、最後のトリプルデートはトライアングルデートとかのがよかったんじゃ……いや、メチャメチャ……否、くちゃくちゃゴロ悪いか
デルタは?とまれ、GJ!
<<544
グリフィスじゃなくてヴェロッサじゃね?
ともあれ数少ない同士、GJ
なにやってんだ弟www
>>460 GJ!
これは続きを書いてもらわねばww
未開惑星なら法律もないはずだし一夫多妻制もフェイトさん説得すればOKな気が
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´ 埋めだぜ
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´ 終わったらきちんと埋めろよ
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´ ったく、なんで俺がだぜ
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´ はい、どうぞ
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'