>>1乙でございます。
新スレでも神々を待つ。
エロゴシカァ〜ン
スレ立て乙!
いつのまにかPC版のまとめサイト出来てたのな。こちらも乙です
>>4 携帯可、だからPCでも見れますですよー
>>1乙
いつも色々感謝なのですよ。
まとめ管理人はそこそこ元気れす
15スレ目なので来てみますた
反映を祈るます!!!!!!
スレ立て乙!まとめ管理人さんにはいつもお世話になっておりますです。
今週は、人前で弥子をいじる魔人と、普通に会話しているヒグチに笑った。
あれ、ソファーにしてるんだろうが、性的な意味でせめながら普通に話しして
いる図を想像したら萌えた。
>>1 乙
埋めネタには間に合わなかったっぽいので
新スレ一発目になっちゃいましたが、小ネタの投下を。
私立小学生睦月の独白。
性的なものを匂わせる描写はありますが、直接的なものはなし。
少々設定の捏造アリ。
二レスで完結。
と、まあこんな感じになりますがよろしく。
睦月はおじいちゃんがすき。だいすき。
抹茶クリームあんみつよりも、
オシャレ昆虫ムシandキングのゲームよりも、
まいにち一緒にねているタヌキのぬいぐるみよりも、
今日始めて会ったちょっと面白いたんていさんよりも、
そしておかあさんよりも、ずっとずっとだいすき。
おじいちゃんも、わたしの事をすきでいてくれる。
おじいちゃんは睦月が「あそぼう」って言ったら、お仕事を休んででも一緒に遊んでくれる。
おじいちゃんは睦月が「こんなの欲しいな」って思ったおもちゃをゼロから作りだしてくれる。
おじいちゃんは睦月が「さみしい」って泣いてる時はどこに居ても30分で会いに来てくれる。
……でも、おじいちゃんはわたしの事をいつまですきでいてくれるんだろう?
それを考えるとわたしはいつも、とてもとても不安になる。
わたしは知ってる。
おじいちゃんは子供がだいすきだということを。
わたしは知ってる。
おじいちゃんは、カバンにいつも女の子のお人形を入れてることを。
わたしは知ってる。
おじいちゃんのしごと部屋にある机には、
わたしぐらいの小さな女の子の写真がたくさん入っていることを。
おじいちゃんは子供だ。大人だけど子供なんだ。
子供なので子供しか好きになれない。大人の事は嫌いなんだ。
だからおじいちゃんは今しか睦月のことを見てくれない。
だからおじいちゃんは今の睦月しか好きになってくれない。
いまじゃないと。
いまのわたしだけを。
大人になったらだめなんだ。
わたしは見て欲しい。
おじいちゃんのお人形みたいに。
わたしは脱がされたい。
おじいちゃんのお人形みたいに。
わたしは触られたい。
おじいちゃんのお人形みたいに。
だけどダメ。
おじいちゃんは睦月のおじいちゃんだからガマンしてしまう。
睦月が孫だから。睦月がおじいちゃんの実の孫だからガマンしてしまう。
わたしが孫でさえ、実の孫でさえなかったら、
おじいちゃんはもっともっと睦月のことをすきに出来るのに。
―――でもね、あともうちょっとなんだ。
わたしはどりょくした。
おじいちゃんに、わたしのことをもっともっと好きになってもらうためにどりょくした。
ことばづかいを変えた。
いなくなったおとうさんのしゃべり方をマネするのをやめて
おかあさんのしゃべり方をみならうことにした。
おかあさんも小さなころはおじいちゃんにとてもとても好かれていたからだ。
髪を伸ばした。
髪は短い方が遊ぶ時に引っかかったりしないで楽なんだけど、それでも伸ばすことにした。
だっておじいちゃんは髪の長い子が好きだから。
のばした髪は「ファング」って美容院でかわいくととのえてもらった。
あそこの美容師さんは髪にほおずりしてきたりして、すごくキモチ悪かったけどガマンした。
おじいちゃんにすきになってもらうためだから。
パンツルックはやめて、いつもスカートをはくことにした。
すうすうして寒かったけど、おじいちゃんの好みの子になれると思えば気にならなくなった。
もう、半年前のわたしとは違う。
知らない人に「そこのボク」だなんて、男の子に間違えられたりなんかしない。
今はもう、どこからどう見てもかわいらしい女の子だと見てもらえる自信がある。
わたしが変わり始めてから、おじいちゃんも変わった。
スカートをはき始めたころ、まだ慣れてなくてほとんどぱんつをさらけ出していた事があった。
ぱんつが丸見えになってるのに気づいてはずかしくなって隠そうとしたら、視線を感じた。
おじいちゃんの視線に。
おじいちゃんは食い入るようにして、わたしのぱんつをのぞきこんでいた。
ぞくぞくした。
どきどきした。
そしてたぶん……うれしかった。
それ以来、おじいちゃんはちょっとづつ大胆になってきた。
びみょうな角度でもスカートを覗き込んでくるようになり、
事故をよそおってスカートをめくりあげるようになってきて、
ついには「ぱんつ見せて」とストレートに頼んでくるようになった。
(もちろん「いいよ」と笑顔で答えてあげた)
そしておじいちゃんはついに一ヶ月前には大技「這って動く白ッ!!」を完成させた。
でもこの技はあんまり好きじゃない。
おじいちゃんが他所の子のぱんつも見に行ったりするから。
どうせ見るなら、わたしのだけをもっともっと見て欲しい。
このままおじいちゃんがエスカレートすれば、たぶん、来月か、さ来月ぐらいには、
睦月が実の孫でもガマンできなくなっちゃうだろう。
そうなったらわたしは壊れちゃうかもしれない。
でも、それでいい。わたしはおじいちゃんになら壊されたってかまわない。
そのためにも、おじいちゃんを殺そうだなんて人は許せない。
だから睦月はおじいちゃんを守るために、たんていさんにお願いする事にした。
ちょっと頼りなく見えたけど、あの怖いHALだってやっつけた人なんだ。
きっときっとおじいちゃんの力になってくれるに違いない。
だって、睦月はいつまでもおじいちゃんの事がだいすきなんだから。
おじいちゃんは私が怖い大人たちから守ってあげなきゃダメなんだから。
<了>
投下終了。お邪魔しました。
小ネタといえば、ココ数週の本編ショートショートシリーズに
睦月が登場しなかったのは『対シックス向け死亡フラグ』が
睦月に対して立たなかったからだと思いたい。
単に出番が無かったとか松井先生が忘れてたとかじゃなくてな!
只今、前スレ埋め立て完了。
よって移動してきた。ここでも色々と何か書けるかな。
今週の二人の警官コスは良かったー。
これで書けるネタが出てくるといいけど。
ネウロはさりげにコスが多くて妄想のしがいのあるキャラだ。これまでで
一番妄想出来たのは、やっぱりメガネアナと教師かな。
>>1乙!
そして、
>>7も乙
幼女モノは少々苦手だったが、百舌と大技には笑ったよ。
老人にあの体勢は腰がきつかろうに、あの高齢で完成させたのはパンツへの飽くなき執念かW
勢いで書いたものを投下。
ネウヤコ、あるというのも申し訳ないほど微妙なエロ描写あり
84話の扉絵だけ、なぜかコミックスにもあおり文が残っていたから気になって…
思いっきりページを開くと、綴じ代部分に残ってるよな…?(まさか俺だけの錯覚?)
「ネウロ来たよー・・・って、ナニコレ?」
「ム?蓄音機だが?」
「イヤイヤ、蓄音機に顔とか口とかついてないから」
事件の謎解きのため、ついこの間買ってきた蓄音機のラッパ部分には
確実に昨日まではなかった、ピエロじみた顔のようなものがついていた。
「なに、さすがに年代物のせいか少々調子が悪かったのでな、軽く修理してみたのだ」
「いや、修理ってか、もうこれ改造だよね。でも蓄音機っていうのも結構いいもんだね」
ピエロの不気味さはおいておくとして、その口元から流れるかすかなノイズ交じりのノスタルジックな音は
確かに蓄音機のそれだった。
彼女の知らない間に、意外にこの事務所の新の主に活用されていたらしく、
机の上には見覚えのないレコードが何枚も重ねられていた。
「あ、この曲知ってる」
蓄音機からは清流を流れるようなピアノの伴奏がこぼれてきた。
続いて、重なるゆったりとしてそれでいて切ないような女性の歌声。
「えへへっ」
「…何のつもりだ?だんごむし」
弥子はなにを思ったか、トテトテとネウロの前まで来ると、その膝にちょこんとすわった。
「我輩を椅子代わりにするとはいい度胸だ。それとも誘っているのか?」
「もー!いいじゃない、アンタはいつも人のこと椅子だのなんだの好きにしてるんだから、これくらい」
ネウロはふん、とひとつ息をつくと、腕を弥子の腰に回してきた。
「じつはさ、この曲…えっと、もともとオペラだっけ?ちっちゃいときに家族3人で見に行ったんだ。
でもやっぱり、子供だったからオペラなんて難しくてさ、お父さんにこうやって抱っこしてもらって、
ほとんど寝てたんだよねー」
背中から伝わるぬくもりと、時々するりと耳をなでていく歌声はちょうどいい子守唄で、
始終微温湯にたゆたうようにうとうととしていた。
結局、気づけばいつのまにか家のベッドで、すでに朝を迎えていた。
「その時のことはほとんどおぼえてないんだけど、でも、なんでかこの歌だけは憶えてるんだよね。懐かしいなー」
「つまり、我輩を父親に見立てて追慕の念に浸っているというわけか」
「んっ、まっさかぁ、アンタのどこが『お父さん』だって言うのよ」
耳元でささやかれ、そのまま甘噛みされれば、思わず甘い吐息がこぼれる。腰にまわしていた片手は
いつのまにか位置をずらし、スカートから覗く素肌の部分をさわさわとなでていた。
「ねぇ、この曲有名な曲なんでしょ?よく聞くし。なんて題名?」
ほんの一瞬ネウロの手の動きが止まった。いぶかしがる前に、顔を無理やり仰向けにされ、口をふさがれる。
「……”O mio babbino caro”」
「…できれば日本語でお願いシマス」
思う存分口内を蹂躙し、零れ落ちた唾液をぬぐうように舌を這わされたあと、
呟くように至近距離で囁かれた異国語に、思わず上がった息のまま疲れたように反論する。
「直訳すれば、『私の愛しいお父様』だ」
「ひゃうっっ!!」
腿を緩やかに愛撫していた手がすばやくスカートにもぐりこんだかと思うと、
その敏感な突起をきゅっ、と捻った。
「さらに具体的にいうならば、『愛しいお父様』と煽てておきながら、『恋人と別れるくらいなら死んでやる』
と脅迫する飴と鞭の使い方の詰めが甘いノータリン娘の歌だ」
「ちょっ…!それっ、ぁはあ、」
それ、どこまでアンタの曲解だよ。
くちゅくちゅと鳴る水音に混じって、カタカタと演奏がおわったレコードを針が虚しくなでていく音が聞こえる。
「ヤコよ、我輩貴様の『父親』になる気はないぞ?」
「頼まれてもこっちから断るよ。だから…」
与えられた愉楽に濡れた目で見上げれば、ネウロは満足そうに笑い、弥子を抱きなおした。
「この曲の思い出がないと言うのなら、我輩が作ってやろう」
「…どんな思い出よ」
せめて紡いだ皮肉は、自身の熱で浮かされ、溶かされ既に意味がなくなっていた。
ソファーに倒れこむその瞬間に、何気ない仕草でネウロは蓄音機に手を伸ばす。
再び流れ出したアリアと、それに重なった幽かな嬌声が事務所を満たした。
終了。
お眼汚し失礼しました。
殺さないよ。それ以外のことはするけどね
あ、しばらく入れなかったけど、何とか書き込めそうだ。
今のうちに置いていこう。
19 :
変化:2007/10/08(月) 00:14:27 ID:ULqMTuQB
今、街は馨しい金木犀の香に包まれていて、弥子は思わず足を止めてしまう。
日差しは夏の頃に比べれば随分穏やかになって、それも嬉しい要因だった。しかしそんな
のどかで幸せな気分をネウロは察してくれる訳もない。
「毎度のことだが、貴様は気楽だな。弥子」
日常の中に少しずつ堆積していくネウロとの時間はかけがえのないものだけれど、この
王様然とした傲慢な男にもう少し情があれば。いつもそう思ってしまう。女子高生探偵と
冠された偽りの姿など、いらないから。相変わらずパソコンの向こうにいて無表情なまま
の魔人に、弥子はこっそりと溜息をついた。
結局のところは只のわがままなのだろう。ネウロは道具としての価値しか弥子に望まず成
果が上がることを重視している。それに甘んじてきたのは弥子自身なのだ。
にべもない様子のネウロはどのみちこの先も変わることはないだろう。ならば変わる方なの
は弥子なのだ。弥子のみが人間の不完全さゆえに成長を遂げながらネウロの所業に常に
驚愕し続け、それでも懲りずに追いかけていくのだろう。そういう運命なのだ。
「いいじゃない、別に。あんたはそれでも構わないんでしょ」
ただの女子高生だった筈の弥子は、そう言ってのけて軽く笑った。
おわる。
今のところこんなことを考えてる最中。
おお!続きが気になる・・・
ゴカァンを読み返してたら
某杉本彩の映画みたく
ネウロがヘビ使って弥子いじめてる様子がうかんだ
・・・誰か書いてくれ!!
ウィキペディアのヤコの紹介欄「(ネウロと)二人だけでいる場合には常軌を逸した主従関係が成立している」
でエロい主従関係のことを想像してしまった自分はクシカツされるべきでしょうか
笹塚と等々力…(*´Д`)
>>20 自分は9巻でヤコを縛る縄が蛇になるところでその映画思い出したw
25 :
19:2007/10/08(月) 23:49:37 ID:ULqMTuQB
まとめサイト管理人様。及びに手伝い人様各位へ。
拙作を迅速にアップして頂き、誠に恭悦至極の極みですがただ一つ言いたい
ことがあります。
「変化」は投下時のまま改行なしで掲載して頂きたいのです。
何故って、あれはただの縦読み作品だから。
「今のところこんなことを考えてる最中。」とは、予想外の結果に終わった
ことに呆然としている最中だったからです。
てか、チョウサンは予想外すぎ…orz
26 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 23:56:56 ID:L/XpjBZ6
笹弥子はもうあまり出てこないのかなぁ…orz
いつか自己生産できるようがんばろう
28 :
19:2007/10/09(火) 00:44:57 ID:pEAGgdRb
手伝い人様。
只今確認しました。
ホンマ無理言って申し訳ない。けれど他の作品はともかく、こればかりは
こだわりがあったので修正には重ねて感謝致しまするるる。
今後は何かあれば直通メルフォにて連絡しますので、今回の数々の無礼の
ほど何卒平に御容赦をば。orz orz
一介の馬好き職人より。
>26
頑張れ待ってる超待ってる!
30 :
哀【ai】 1:2007/10/09(火) 04:34:31 ID:xX5YnDV1
エロなしで申し訳ないが、13巻を読んで捏造で追悼。
一応、ネウヤコでサイアイのつもり。
本誌を捨ててしまったので細かいトコロは間違っていると思うが、
なにぶん小説初投下につき見逃してくれ。
**********
哀【ai】
その瞬間に何が起こったのか。それは傍観者である弥子達だけでなく、当事者であるサイで
すら飲み込めなかっただろう。
「そこで焼け焦げていく女、某国国家工作員『飛行機落とし』のイミナ」
サイの体を無造作に片手で貫き、アンドリュー“だった”男が淡々と語る。潰れた機体の下
で炎にゆっくりと飲まれつつある彼女を、サイも弥子も、凍りついたようにただ見つめていた。
揺らめく炎が映りこむ瞳は虚ろで、既にその命が事切れていることは明白だった。
「ァ……イ…」
あまりにも非現実的かつ残酷なルーツを、一方的に告げられたのはたった今。しかしその内
容に驚くよりも、むしろアイと呼んでいた相棒が“壊れて”しまったことのほうがサイには衝
撃だったらしく、力なく伸ばされた腕はひたすらにアイの姿を追い求めていた。
その瞳の色はたしかにサイのものであったが、同時にまだ“弥子”のものでもあった。
「ァ、ィ…や…だ……アイ!」
せり上がる血液を押しのけて、咽喉を震わせ彼女の名を紡ぐ。
それは、紛れもない慟哭の悲鳴。
これ以上ないくらい見開かれた瞳が、再び目まぐるしく色を変える。ありとあらゆる色が乱
反射を起こしたような不可思議な色の奥で、真円を描いていた瞳孔が一瞬にして4つのアルフ
ァベットを重ねたものに変わる。
「………っっっっ!!」
謎の男の放つ気配に押し潰されていた弥子の細い体が、別の衝撃に大きく震える。両手で頭
を抱えたその顔に、みるまに苦悶の色が浮かび上がったことに気付き、必至に体を支えていた
笹塚はなんとか顔だけをそちらへ向けることに成功した。
「弥子ちゃん!?」
「無、理……ダメ、やめて。サ、イ…」
何かに必至に抗うように、小さく頭を振る弥子の言葉は、それまでの事情を知らぬ笹塚達に
とっては不可解なものであったはずである。しかし、今の弥子にはそんな些事を気にするだけ
の余裕はなかった。
なけなしの抵抗をあざ笑うように、弥子の意識とサイの激情は共振していく。
「だめだよ。ねぇ、返事してよ、アイ!」
「いやぁっっ!!」
二つの悲鳴が重なった刹那、突如として弥子の細い腕が、ひしゃげたヘリコプターの残骸か
ら鉄骨を片手で引き抜いた。大の男ですら持ち上げることは難しいであろう鉄骨を軽々と振り
かざし、弥子の体が大きく宙に舞う。感情を失った瞳の先にあるのは、自らのクローンを腕に
吊り下げる謎の男。事態の急変にも眉一つ動かさないその冷徹な顔へと、弥子は鉄骨を振り下
ろした。
31 :
哀【ai】 2:2007/10/09(火) 04:36:09 ID:xX5YnDV1
常識的にありえない光景に目を見張る警官達の前で、男は造作もなくその一撃を受け止めた。
「……ほう?筋力の強化と脳の支配だけでなく、精神同調をさせてあるのか。随分と面白いア
レンジを加えているね」
「「ア、イ」」
2人の“サイ”が、唇を震わせただ一つの言葉を呟く。空いた腕で軽々と弾き飛ばされた弥
子は、くるりと体をひねると、着地と同時に再び地を蹴った。今度は男の眉間ではなく心臓に
狙いを定め、両手で鉄骨を握り締める。しかし、電子ドラッグとサイのパワーの二つをもって
繰り出した鋭い突きも、再び男にいなされた。
「しかし、完全ではない」
凄まじい速度で突き出された鉄骨を無造作に掴むと、男は弥子の体を容赦なく足元へと叩き
つけた。その衝撃を物語るように、冷たいコンクリートの上で細い体が大きく弾む。
「かは……っ!」
「弥子ちゃん!」
意思の力というものを失った弥子の瞳が一瞬だけ苦痛に歪み、笹塚の口から半ば悲鳴のよう
な声が反射的に出る。しかし、すぐに起き上がり体制を整えた弥子は、迷うことなく男の姿だ
けを睨み続けていた。
そこには、笹塚や警官達はもちろんのこと、ネウロの姿すらも映っていない。
まるで親の仇を睨むように、あるいは恋い慕うように、サイに同調した弥子の瞳は、謎の男
だけを見つめている。その事実が面白くなかったのか、急激な展開を見せる状況に観劇を決め
込んでいたネウロの瞳に、みるみるうちに不快な色が浮かんでゆく。
「筋力と同時に、シンクロ率がどんどん低下しているね。おそらく、定期的に何らかの接触、
もしくは刺激を与えなければ、効果が継続できない。電子ドラッグの使い方としてはなかなか
いい方法だが、まだまだ詰めが甘いな。名もなき我が子よ」
「ぅ、ぐ……っっ」
より強く咽喉を締め上げられ、サイの顔が大きく歪む。それでも、サイの目はまだ力を失っ
ていなかった。中身がないと言っていた存在の、その感情の全てを代弁するように、弥子は渾
身の力を込めて男へと踊りかかった。
しかし鉄骨を振り上げたその腕で、限界を迎えた筋繊維が裂ける音がする。徐々に荒くなっ
ていく息と、僅かに落ちたスピードが、弥子の体の限界を如実に物語っていた。
「操り人形としてはよく動いた方だが、そろそろ終わりのようだね」
「「っっ!!」」
飛び掛ってきた弥子を、男はなんとサイの体で弾き飛ばした。激突した衝撃で、2人の息が
詰まる。
それが、同調が終わる引き金となった。
コンクリートの上を転がった体が、屋上の縁で辛うじて止まる。最後の力を振り絞るように
して、弥子がふらつく体をなんとか立たせる一方、サイはもはや失神寸前といった体である。
その様子を、男は悠然と見守り、笹塚等警官は呆然と見守っていた。
ただ一人、冷静な目で自体を見つめていたネウロの顔には、酷薄な笑みが小さく浮かんでい
た。
「さて、時間だ。残念だが、そろそろお暇しよう」
「まて、そいつを渡せ。さもなきゃ撃つぞ」
「それができないのも、日本の警察だ」
まるでTVドラマが終わったかのように、男があっさりと変事の終焉を告げる。そうはさせま
いと、拳銃をかざし懸命に威嚇する笹塚へと嘲るかのように見下ろした男は、支配者然とした
倣岸な視線をネウロへと向けた。
「さらばだ、異なる者よ。精神同調の効果は非常に興味深いが、とりあえずそちらの玩具は君
に返しておこう」
すべての者を見下す傲慢な笑みと共に、男は音と同時に飛び込んできた戦闘機に素手でつか
まると、瞬く間に空の彼方へと消えていった。
32 :
哀【ai】 3:2007/10/09(火) 04:38:33 ID:xX5YnDV1
音すら飲み込む激しい気流に、脆弱な人間の体で笹塚達が必至に抵抗する。しかし電子ドラ
ッグに極限まで酷使した少女の体が、その気流に逆らえるはずもない。屋上の縁にかろうじて
立っていた弥子は、風に押されるままにゆっくりと力尽きた体を傾けた。
「サ、イ……」
電子ドラッグの狂気から解放され、全身の筋繊維をずたずたに引き裂かれた体と共に奈落の
底へと意識を落とし込むその瞬間、弥子は一粒の涙と共に本来ならば憎むべき相手の名を口に
した。
洗脳が解かれたにもかかわらず、その声には慈しむような響きがある。
血と汚れにまみれた、もはやワンピースとも呼べないボロボロの粗末な服が風にはためく。
そのまま遥か彼方の地上へと引き寄せられかけた体を、青い布に包まれた腕が造作もなく抱き
とめた。
「だから貴様は愚かなのだ」
力を失った体を軽々と抱き上げ、ネウロは冷酷ともいえる声でそう言い放った。その声の硬
さに反応したのか、弥子の瞳が僅かに開かれる。
「ネ、ウロ……」
「ウジムシの分際で、従うべき主人を間違えるとは何事だ。貴様は我が輩の声だけを聞いてい
れば良いと、あれほど言ったはずだ」
言外に、サイとの2度目の同調を非難しているネウロの言葉に、弥子は申し訳なさそうに小
さく微笑んだ。
優しさ故に、完全に相手を拒みきれない愚かさ。それが弥子の持つ長所であり、また短所で
もある。切れかけた電子ドラッグの効果だけでは、あそこまで引きずられはしない。ネウロは
そこに弥子の意思が介在したと、そう指摘しているのだ。
それを否定しきれないのか、弥子は素直に侘びの言葉を囁いた。
「ごめ、ん」
「見るがいい。せっかく我が輩手ずから無傷で助け出してやったというのに、貴様はいらぬ怪
我でずたボロになっているではないか。全く、恩を仇で返しおって」
「うん、ごめん……」
「詫びるぐらいなら、最初からするな。このボロ雑巾」
そう言うネウロの腕は、言葉に反し確りと弥子の体を抱いている。普段の暴力的な抱え方で
はなく、傷ついた体を抱き上げる動作は優しいといっても過言ではない。そのことに気付いた
弥子は、先ほどとは違う意味の涙を滲ませた。
「あはは、本当にボロボロだし」
「分かっているのなら、さっさと治せ。ただでさえ貧相な体が、より見苦しくなる」
「うん、治すよ。じゃないと、あんたも食事、できな、い、し……」
さらに呼吸を荒くした弥子は、苦しそうに目を閉ざすと、肩を使って大きく息をし始めた。
心拍と血圧の急激な変化に、ネウロが僅かに眉をひそめる。僅かに死の気配を手繰り寄せる体
を震わせ、弥子は最後に一言だけ付け加えた。
「来てくれて、ありが……と…」
かくん、と力を失った弥子の体を抱き、ネウロは鮮やかな緑の瞳を煩悶するかのように微か
に歪めた。弥子という存在が、まだ其処にあることを確認するように、僅かに腕の力を強める。
人間じみた感情を滲ませるその表情は、およそ魔人には似つかわしくないであろう。自らの
顔を歪めるソレの正体を知らぬまま、魔人は腕の中の少女を壊さぬ程度の力で抱きしめた。
「もう二度と、他の者に従属することは許さん。貴様は我が輩のモノだ、弥子」
イマイチ落としきれてない気がするが、とりあえず落ちたことにしてくれ。
アイさん……orz
マジで初投下か?
原作に無理のないオリジナル展開が上手すぎる。
GJです!
神の皆さん乙カレー
今おいらちと体調崩してんだ
なのでなんかあったら直接手伝い人(上記参照)か
VIPPERなおいら
3wo@rds.vip.co.jp
に連絡取ってくんろ
お手数かけてすんまそ(´・ω・`)
>>30 GJ!!!!!
何だこのクオリティ!
初だとは思えない。
>>30 ゴッジョォブ!!
これが初投下とは…うますぐる
そしてIDがDV…
>>32 GJ!だけどアイさんに続き弥子まで…?
切なすぐる…
筑紫×弥子 エロ薄めで初投下します。
**
「休日なんて夢みたいだよ〜。呼び出しがない日がこんなにも幸せだなんてっ!」
カツカレーを頬張りながら、弥子は嬉しそうにニコニコ顔だ。向かいの席ではテーブルに肘を着いた叶絵が、保護者みたいに優しく微笑んでいる。
もちろん休みなのは学校じゃなくて事務所のほうだ。ドS魔…いや助手のネウロが一日だけ「深呼吸」をしに行くらしい。今朝、あかねちゃんからのメールを読んで、弥子は迷わず『普通の女子高生』を満喫することに決めたのだ。
「弥子、もうお代わり止めないと昼休み終わっちゃうよ。」
「ん、分った。…よいしょ、っと」
叶絵と、山のような皿を持ち上げた弥子は席を立った。午後の授業も今日は楽勝な気がした。
**
「今夜は何しようかなー」
学校の帰り道がとっても新鮮だ。このまま家に帰れるなんて、久し振りすぎて涙が出そう。
コンビニに寄り道して鼻歌を歌いながら帰る。上機嫌の弥子だったが、ふと家のことを思い出した。
あ、美和子さん今日お休みだっけ。お母さんも居ないし、独りなんだ。なんだか寂しいなぁ。晩ご飯も何にしよっか…
急にテンションが下がってしまった。暫くぼんやりしていたようだ。足を止めていたせいで、流れて来る人達に混じって、見覚えのある姿が目立った。
「あれ?」
えっと、確かあの人、いつも笛吹さんの側に居る…
「つ、筑紫さん!?」
「こんにちは。お久し振りですね、桂木探偵。」
軽く礼をした筑紫はスーツ姿だ。仕事中なのだろうか?それなら笛吹が一緒でもおかしくない。弥子はキョロキョロと辺りを見回した。折角『普通の女子高生』なのに、笛吹の小言を聞くのはあまり嬉しくない。と言うより勘弁してほしい。
「こんにちは筑紫さん。あのー、笛吹さんはどこですか?」
「笛吹さんに会いたいのですか?まだ本庁で会議中だと思います。急ぎなら連絡を取りますが。」
「いやいやいや、いいです!取らなくていいです!むしろ会いたくないです!」
内ポケットから携帯を出しかけた筑紫に首をブンブン振ってみせ、弥子は携帯をしまわせる事に成功した。
笛吹と離れているなら、筑紫は何か別の事件にでも当たっているのだろうか。でも、それも考えにくかった。筑紫もエリートだ。現場には出ないだろう。
「今、筑紫さん一人なんですか?」
「ええ。自分はこれから帰宅するところです。明日の午前中まで休みが取れましたので。」
律義に答えてから去ろうとする筑紫を、弥子は咄嗟に呼び止めてしまった。
「あの、よかったら晩ご飯一緒に食べませんか?私、帰っても家に誰も居なくて。」
「それは構いませんが…」
珍しく言葉を濁す筑紫に、弥子は慌てて言葉を続けた。
「もちろん割り勘です!お休みの日なのに、ご迷惑はおかけしませんから!」
「いえ、そういう事を考えていた訳ではありません。…あなたは制服を着ているでしょう。周りから不審に見られても仕方ないが、それは不本意です。」
「そっか…そうですよね。」
暗い表情で俯いた弥子だったが、パッと顔を上げると真っ直ぐに筑紫を見た。今度は満面の笑みだ。
「なら、筑紫さんの家にお邪魔してご飯作るのはダメですか?」
筑紫はグッと詰まった。女子高生を自宅へ入れるスーツの男など、怪しいどころではない。
「桂木探偵、それはあまりにも…」
しかし、筑紫は見てしまった。弥子が手に持つコンビニの袋を。その中にありったけ詰め込まれた例のヨーグルトを。
「筑紫さんが良いなら、これ丁度良かったかも。高かったけど、嬉しかったからいっぱい買っちゃったんです。筑紫さんはヨーグルト、嫌いですか?」
見事な追い討ちだ。
「…いえ。」
こうして筑紫は負けた。
**
筑紫は虚ろな目でテーブルを眺めていた。
あれから迅速に買い物を済ませたまでは良かった。そこで上手く家に帰すつもりが押し切られ、女子高生を部屋に入れてしまったばかりか、料理まで作らせてしまった。罪悪感が込み上げる。
弥子はキッチンへ空の皿(大量)を持って行った。これから洗い物をするつもりだ。まだ例のヨーグルトの山は消費されず冷蔵庫にいるが…いい加減、もう夜遅い。
筑紫は罪悪感を軽減するべく、次の手を講じる事にした。やはり家へ送り届けるのが最善策だ。
決心した筑紫はキッチンへ向かった。
「桂木探偵。後片付けは自分がやります。もう遅いですから御自宅まで送ります。準備をしてください。ヨーグルトも忘れずに。」
「えっ、すぐですか!?だって食べたのほとんど私だし、後片付けぐらいさせてください。」
泡まみれの皿を一枚、水で流しかけていた弥子が筑紫を見上げる。
「いや、気にしないでください。遅くなる方が問題です。」
今度は有無を言わせない筑紫の迫力に、弥子は頷くしかなかった。申し訳なさそうに小声で「じゃ、この一枚だけ…」と皿に残った泡を流した。
弥子が水を止めようとコックに手を掛けた。途端、
「ギャーー!!」
「うっ!」
一気に全開にされたコックから大量の水が噴き出して、皿に直撃。皿から勢いもそのまま、弥子と筑紫に降り注ぐ。
筑紫が手を伸ばしてコックを下ろすまで、二人は水を浴び続け…当然のようにずぶ濡れ。
「すすすみません筑紫さん、ごめんなさい!水の止め方が家のと逆で」
髪からセーターからずぶ濡れになりながら涙目で謝る弥子に、筑紫は直ぐに帰れと言えなくなってしまった。この時期、家に着くより風邪を引く方が先だろう。
「…桂木探偵。風邪を引きます。シャワーを浴びて来てください。とりあえず着替えは自分のを用意しておきます。」
「えっ…、あ、すみません…。」
筑紫は黙々と着替えとタオルを出し、風呂場の位置を教えて弥子を放り込んだ。
もう一つバスタオルを出して自分を拭く。拭きながら深く溜め息を吐いた。
「もう泊めるしか、道はないのか…。」
諦めのBGMはシャワーの音だ。
**
「桂木探偵、あなたはベッドで寝てください。自分はソファで寝ます。」
「そんな、大丈夫です!ほら、私って筑紫さんより身体も小さいしソファが大好きですから、良く眠れます!」
筑紫もシャワーを済ませ、いざ寝るとなってベッドを勧めたらこうなった。弥子は顔を真っ赤にして捲し立てる。筑紫は黙った。これ以上強く言っても仕方ないだろう。
「分かりました。ではソファから落ちないように気をつけて寝てください。」
筑紫が掛け布団を渡すと、弥子は嬉しそうに笑った。
「ありがとうございます!ソファ借ります。筑紫さん、お休みなさい。」
細い身体に筑紫の大きなシャツを着た弥子が、掛け布団を両手に抱えて無邪気に笑う。
シャツの丈は制服のスカート程度だ。そのせいか一枚だけでも弥子はあまり気にしていない様子だった。
「はい、では…」
こんな構図にクラッと来ない男は居ない。少なくとも筑紫はそう思った。思って実際クラッときた。だが何とか落ち着いて一言「お休みなさい。」と言って寝室のドアを閉めた。
ベッドに入って一日を反芻すると、なぜか笛吹の顔と弥子の笑顔が頭から離れない。笛吹の顔は罪悪感の裏返しだ。だが、弥子の笑顔は…
意識が朦朧となった頃、居間から"ドーン"と音がした。
「!」
物音に飛び起きて、寝室のドアを細めに、そして一気に開ける。
「…桂木探偵…」
見事にソファから落ちている。テーブルとの隙間に転がっていたのは、布団で簀巻き状態の物体。しかも動かない。中身はまだ寝たままのようだ。
「仕方ない、か。」
こんな所に寝ていたらいずれテーブルの足に頭をぶつけかねない。
筑紫はテーブルを引いて場所を空けると、布団ごと弥子を抱え上げて寝室へ運び込んだ。抱え上げた拍子に布団が緩み、弥子の腕がダラリと下がる。それに気を払いつつベッドに寝かせた。淡い色の髪がベッドに広がる。
「ん…」
弥子が小さく呻いた。起こさないように注意して丁寧に布団を掛け直し、暫くその寝顔を眺めた。
…なぜそうしたのか分からない。筑紫は弥子の頬へ、静かに唇を落とした。
弥子はまだ眠っているようだ。ソファへ行こうと、筑紫は自分の掛け布団を持ち上げる。
「ん?」
だが、行けなかった。何かに服の裾が引っ掛かっている。ゆっくり振り返ると、それは弥子の指だった。
「…って…」
「桂木探偵。」
「待って…筑紫さん待ってください。」
強引に振り払う事は出来なかった。服を放してもらうには、弥子の手に触れるしかない。
ベッドの端に腰掛け、身体を弥子へ向けて手を握る。後ろめたさを隠して穏やかに声を掛ける。
「どうしました?眠れませんか?」
「筑紫さん、さっきした事の意味を教えてください。」
弥子の両目の強い光が"なぜなのか知りたい"と言っている。
「先ほどした事…」
やはり弥子は気付いていたのだ。もう誤魔化せなかった。犯人みたいだ、と思った。
「正直に言います。なぜそうしたのか自分でも分かりません。ただ、眠る前にあなたの、…っ」
筑紫は息を詰めて手を見下ろす。弥子が手首を強く掴んでいた。逃げないのに、と思いながら息を整える。
「…あなたの笑顔を思い出していたせいかもしれません。もしかしたら、自分はあなたを好きなのかもしれない。」
「え…?」
弥子が手の力を弱め、深呼吸を繰り返す。やがて囁くように話し始めた。
「それなら…いいんです。理由は推測でもいい。分からないのが、一番嫌だったから…」
筑紫の手を離し、弥子は身体を起こす。
「でもびっくりしちゃいました。筑紫さんに『好きかもしれない』って言われるなんて。」
弥子は筑紫を見てエヘヘ、と照れたように笑った。
夜中、ベッドの上。
自分を見つめる少女。
男物のシャツが着崩れて、肩が半分見える。
こんな構図にグラッと来ない男は居ない。弥子に自覚が無いのが火に油だ。そして今度は…
「桂木探偵。」
筑紫は弥子の肩を強く抱いた。
「筑紫、さん…?」
「謝りはしません。責任はとります。」
震える唇を自分のそれで塞ぐ。
「んん…!」
上司の顔はいつの間にか頭の中から消えていた。
**
「あなたは可愛いですね。」
唇を離して筑紫が囁く。掴んだ弥子の肩は肉が薄くて、華奢な身体だと改めて思った。
「つ…筑紫さ…ん!」
今度は噛み付くように激しく唇を奪った。舌を差し入れ、絡み付く唾液と、弥子の舌を味わう。
邪魔な布団は片手で剥いだ。弥子の両脚が晒される。
「はぁっ、はぁ…っ」
酸素を求めて顔をそむけた弥子へ、筑紫は覆い被さった。膝立ちになって弥子を見下ろし、シャツのボタンへ手を伸ばす。その腕を弥子がギュッと掴んだ。
「待って、待って筑紫さん」
「嫌ですか?」
「嫌じゃないです。でも、なんだか怖くて…」
「怖い?」
「いつもの筑紫さんと全然違うから」
「…桂木探偵。女性を抱く時にいつも通りいる男はいません。」
筑紫は微かに笑って、弥子の手を優しく外した。シャツのボタンが三つ開けられた。それだけで弥子の上半身が晒される。筑紫はシャツの隙間へ手を滑らせて、白いブラジャーのホックを外した。
「綺麗です、桂木探偵。」
はだけられた胸の輪郭をなぞるように、弄るように舌を滑らせる。
「あっ…は…」
ギュッと目を閉じたまま弥子が喘ぐ。時々、筑紫の髪が乳首を掠める。その度に弥子は声を漏らした。
固くなった中心を舌でチュッと吸い上げる。太腿を撫でていた手が下着の横から潜り込んで、秘所をスウッと撫でた。
「あぁっ、ダメ…!」
「敏感なんですね。とてもいい反応をする。ほら、こちらも濡れています。」
筑紫はゆっくり弥子のショーツを下ろした。親指の腹でクリトリスを捏ねながら、中指を腟へズブズブと埋める。
「ひ…あぁぁ!つくしさ…ぁ…」
弥子の中は熱く潤っていて、筑紫の指をキュウキュウと締め付けてくる。指をクッと曲げる度、抜けなくなるぐらい締め上げる。段々と掌に愛液が零れてくる。半端に着せたままのシャツが余計にいやらしい、と思った。
弥子は蕩けきった女の表情で、筑紫を煽る。その顔を見て、ふと気になった。今自分はどんな顔をしているのだろうか。
「もう…っ、いっちゃ…!」
「まだ駄目です。」
筑紫は下に穿いているものを脱ぎ捨てた。先走りで自分が濡れているのを感じる。"子供じゃあるまいし"と、心の中で苦笑いをする。
「…上に座ってください、桂木探偵。」
「んくっ…え…?」
急に消えた快感に弥子は虚ろな目をしている。その背に片腕を回して抱え上げた。
「ふぇ?…ひっ」
「くっ…」
「そ、んな…んんんっ!!」
対面座位だ。筑紫は弥子を一気に自分の上に沈めた。熱い液体に締められる。筑紫は思わず声を上げた。
弥子も突然押し込められた筑紫のものに息が出来ない様子だ。繋がったまま、お互いの息が落ち着くのを待って、筑紫はある事を囁いた。
「目を開けて見ていてください、桂木探偵。自分がどんな顔であなたを抱いているのか、教えてください。」
そして筑紫は腰を緩く突き上げた。
「や、そんな無…いっ、ぁぁ!つ、つくしさんっ!」
目を合わせて、突き上げる。何度も何度も。弥子の瞳を覗き込むと、中と同じように濡れていた。涙に苦しさと快楽が混ざっている。
「いい表情です、桂木探偵…」
視角から入った快感が、繋がった部分を押し上げる。
弥子にとっては拷問に近かった。ただでさえ恥ずかしくて、目を瞑ってしまいたいのに、筑紫の射る様な視線はそれを許してくれない。
「あっ、あぁっ!も…もう…!」
「気持ち…良いですか。」
弥子の目に映る筑紫は、表情を大きく歪めたりしなかった。
でも目の色が。少し乱れた髪が。浅い呼吸が。
「んっ、きもち…イイよぉ…!」
いつもと違う。ほんの少しちがう。それだけなのに、つくしさんは、こんなにいやらしい、おとこのひとのかおをする──
「弥子、さん…っ!」
「いや、イく…ああぁぁぁ!」
筑紫が弥子の名前を呼んだ瞬間、弥子はキツく目を閉じて、身体を反らした。
頭の中と身体の中が、真っ白になった。
**
「…木探偵。桂木探偵。起きてください。」
「う…ん…。!」
弥子が目を覚ますと、既に筑紫はスーツ姿だった。
「筑紫さん、お仕事…行くんですか。」
「ええ。ただ、一時間程度で一旦戻ります。それまでに身支度をお願いします。シャワーを使って、シャツは洗濯機に入れておいてください。」
「…はい。起きるの遅くてごめんなさい…」
「あなたが謝る必要はありません。」
筑紫はスーツの襟を軽く整え鞄を持ち上げた。
「遅くまで付き合わせてしまいましたから。
では。…昨夜の答えを楽しみにしています。」
バタン。
ドアが閉まってから、弥子はしばらく真っ赤な顔をして固まっていた。
「筑紫さんって、実は鬼かもしれない…。」
キッチンは綺麗に片付いている。
冷蔵庫のヨーグルトは、律義に一個だけ消えていた。
完
長々と失礼しました。
筑紫さんは密かに怖いと思う今日この頃です。
筑紫オールバックにしない日があってもいいんだがなあ
GJ!
筑紫×弥子の無限の可能性・・・
萌えすぎて呼吸もままならなかった。GJGJ
45 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 04:53:28 ID:ekj+RX48
筑紫弥子(゚∀゚)イイ!
ストイックな男のエロは危険な香りがする。
30代×弥子たんイイよゴシカァン!
イイ!凄くイイ!!
久々にネウヤコ以外を見ると新鮮に感じる…。
GJ!
なんかこのスレのせいで同人熱が復活しそうだ…
そういうノリこのスレに持ち込まないで
49 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 16:41:06 ID:ekj+RX48
ごめんあげてしまった
マジすまんorz
これから等々力さんと警察関係増えるかもしれないと思うとwktk
今まで弥子総受け状態だったからなぁ
笹塚×等々力
石垣×等々力
笛吹×等々力
筑紫×等々力
ひ口×等々力
(*´Д`)ハァハァ
早く等々力のキャラが知りたい
ここ1週間書き込み出来なくてうずうずしてた
神々にGJ!!!
しかしネウヤコ好きの自分は懲りずにネウヤコを所望する
いつものように裸正座で待機
遅ればせながら筑紫弥子GJ
久々にネウ弥子以外の弥子受けを見れた気が・・・しかもレア物で目から鱗だったよ
これで他の弥子受けの神々も触発されればいいな
そして今後の等々力さんにも無限の可能性を期待
今週のアニメでネウロが弥子をぐりぐりするシーンがどうしてもフェラに見えてしまうのだが。
身体がいい具合に重なっていたと思う。
>>55 あれはわざとそう見せてるんじゃないかと思ってかなり悶えた。
単行本派で先日読んだばかりなんだが、113話あたりからの
ヤコがサイに捕らえられるシーン見て、このスレ思い出して久々に来てみたよ
あのシーン、後から入ってきた吾代から見たら
フェラ中にしか見えない角度じゃないかとそっちに悶えた
って、乗っておいて何なんだけど、ここではアニメ話はどうなんだろう?
見られる人がかなり限られてるみたいだし、元から興味無い人もいるよなあ
>>57 他の住民がよければ構わないのだろうけど、
放送圏外のオレから言わせていただくと、
刹那すぎるから、是非やめていただきたい。
見れねぇんだよ、見たくても(´Д`;)
東海地方は放送禁止ですか?
東海地方はやってねえですよ
○京テレビめ、このウジムシが……
同じく観れないけど自分はまあ構わない
ただし今回放送地域がかなり狭いらしいし
動画サイト使って観るような不埒者ばかりとも思えないので
観れてる人はやさしさと気遣いをもって対応してもらいたい
あとSSでアニメネタ出すときには注意書き入れてください……
ニコニコかようつべで見ればおk
>>60 この板にまでもってくんな。そしてお前は一つ前のレスも読めないのか、不埒者。
アニメ見れないからってアニメネタやめろってほうが横暴だろ?
コミック派の人はネタバレスレ見ないように自重してるのに
だから動画を薦めたまで
マターリマターリ
今手伝い人が対策中ぞぬ
しばらくみんなこれ食っててくださいぬ
つ「ぞぬ肉」
手伝い人さま 激しく乙です。
賛否両論でぐだぐだするよりご提案通りで対応するのが大人の道かと。
実際こちとらアニメどころかオフあさりにイベントに行くのもままならん九州の民なもんで、
アニメネタが入るか入らないか程度の事で
萌え補給にかかせない唯一のスレの雰囲気悪くなるの困るんだわ〜。
SS書き諸ネ申方、
アニメネタでも連載ネタでもCDネタでも
どんと! 投下を!!
全裸にネクタイで待ってます。
仕方ないのかもしれんが細分化が進んでいくのう…
>>65 オフだのイベントだのそういう話をここで出すのはやめれ
このスレで筑ヤコ読んだ直後に保管庫行ったら既にうpされてた…
手伝い人さんいつもありがとうございます(*´Д`)
手伝い人は俺の誉れ。
読み手もROMもおはようございます。
何度か問題が起きている同人発言ですが、隔離作りましょうか?
>手伝い人
これ読んだら連絡よろ
<細分化
住民のみんなさんがマターリしてくださるんがおいらの幸せですたい
そのためには多少仕方ないことかなーとか思ったり。
まとめもできる限りの事はするんで皆さん意見plz
まとめ管理人氏、手伝い人氏乙
同人隔離まではいらないと思うなー
板は板、同人サイトは同人サイトで
それぞれ別のところと理解してわきまえればいいだけだと思う
アニメは観れる人観れない人いるがこれはマナーの問題だと思うから
実際、職人の中にはそれ系のサイトやりつつも
普段はしれっと投下してる人もいるしね
今後何度も荒れるようならテンプレに入れるのもいいかもと思います
自分が同人やってるのをなんでチラつかせるのか分からない
これだから腐女子は嫌いだ
だからさ、みんなこの板が平和にマターリやっていけるよう
いろいろ意見を言っているんだろ?
なぜそういうひねくれたこと言うかね。
嫌いだと思っても自分の胸にとどめておけよ。
手伝い人様乙。
仕事の速さに感謝。
エロパロも広義での同人かと思ってたんだが…なんか複雑なんだな
ここは匿名掲示板だからなあ
同人て出されると途端に個人の顔がチラついてきて何か萎えるというか…
実際ここで同人関係の発言する人って大抵軽く自分がたり入ってるから
微妙な気分になる人が多いのでは無いだろうか
きちんとわきまえてやってる人にも迷惑だろうし、次回から
テンプレに入れた方がいいんじゃないか?
つうかここであえて同人という単語を出す事ほど野暮な事は無いと思ってたのだが
他の人は少なからずそうではないのかな。
まあまあマターリ。
前スレで携帯から見にくいと言っていた者ですが
このスレの見やすい方法を教えてくれた人どうもありがとう!
これでようやく普通に見れる様になりました…。
まあアニメで新規ファンも増えただろうし仕方がないかもしれんがな
マターリしようぜ。
マターリするかは判らんが何かが降って来たので
警官コスプレネウヤコを置いていきますね 無駄に長い
「ヤコ。ヤコ!」
この上なく嬉しそうに貼り付いたような笑みを浮かべる魔人に、私はがっくりと肩を落とす。その手に
持っている青いシャツと紺色のタイトスカートを見て、更に更に落ちる。壁ではあかねちゃんがキャベ
ツ畑を信じている少女のように夢見がちな様子で遠くを見ているのだから、救援は望めないだろう。
都合よく依頼人がアポなしで訪れるということも無く、つまり言うなれば、絶体絶命というやつで。そし
てこの魔人に相対するとき、私に迫る絶体絶命と言うのは、文字通りに命が掛かっている。か弱い
女子高生探偵に逃げ場はない。しかし質問の余地ぐらいは、ある。と思う。むしろ、突っ込みの余地。
「……どこから出したの、その制服」
「その筋の店から高額で買い取ったが、何か問題があるか?」
「問題以外見当たらないぐらいだよ!!」
笑う魔人はすでに警官のコスプレをして、事務所の真ん中に佇んでいた。
小道具大道具を弄して私と言う奴隷人形をいじり倒すのが大好きなネウロと言う魔人は、意外とコス
チュームプレイというものを気に入っているらしい。いつぞや私がサンタの格好をしてみた時も合わせ
てトナカイの角を生やし大はしゃぎだったし(無論その後訪れたのは嬌声ジングルベルだった)、メガ
ネを掛けてみたら理数系教師ごっこを始めたりもして。
とは言え一般的によくあるような、看護師だとかスチュワーデスだとかブルマだとかを求めてきたこと
は無かった。だから私の心構えがいまいち出来ていないのは、仕方ないだろう。肉体的虐待レベルな
らいつものことだから慣れてるけど、こういう小道具はちょっと珍しいのだ。特定の職業の制服に興奮
する性癖って言うのはあるらしいけど、物事に大概無関心なネウロに関しては、やっぱり考えとして除
外していたし。ああでも、果てしなくどうでも良いことに対しては労力を惜しまない性質だから、ある意味
で納得の結果か。あくまで、ある意味で。
渡された制服は綺麗に畳まれてパッキングされていた。不本意ながら見慣れているそれは、婦人警官
の夏服。御丁寧に帽子も付いていて、勿論さっき階下に向かったネウロの頭にもそれはあった。『五分
以内に着替えて下に来い』、ってことは、また何かミョーなプレイでもするつもりなんだろう。
誰も居ないと判っていても、念のために給湯室の物陰で私は制服を脱ぐ。と、足元に何故か銭湯でよく
見かける脱衣籠が置かれていた。更に中にはパンプスとストッキングが入れられている。そんなどうでも
良い行動とか、読まなくて良いし……とりあえず指示に従う自分は、どこまで懐柔されてしまっているん
だか。
おもちゃにしてはやたら重厚感のある拳銃を持って、私は内階段で下に降りる。踵でかぱかぱと抜ける
パンプスは穿き慣れなくて少ししんどい。テナントが入ってなくて埃っぽい三階、スチールのドアに手を掛
けながら、やっぱり私の肩は落ちっぱなしだった。なんだって、こう……
「着たよーネウ」
ちゅいんっ。
「え゛」
あれ、なんか、えっと。
今明らかに足元で何かが兆弾したんですけど。
って言うか、床が焦げて煙が立ってるんですけれど!?
「桂木さん伏せて!」
「ぎ、ぎゃあああ!!」
ドアの影から伸びた大きな影が飛び掛るように私を突き飛ばすと、大きな音でドアが閉じられた。同時に
私が居た場所にレーザーだかビームだかそういうものが伸びて、壁を軽く蒸発させる。
ぴったり閉じられてしまった部屋の中を見渡すと、それは明らかに事務所と同じビルの中ではない様相を
していた。奥行きも天井の高さも何もかもが違う、雑居ビルの一角ではなく、どこかもっと広い廃墟のよう
な場所。大きな柱や廃材があちこちに転がって、私が押し倒された床もコンクリートのひんやりとした冷た
さを含んでいる。
「危なかったですね桂木さん、不用意に頭を上げてはいけませんよ。相手がどこにいるか判らないんです
から、注意して姿勢を低く保って下さい」
「って、何しとるんじゃー!!何これ何事、なんでこんな地味に閉鎖空間作られてるの!?」
「ム、ノリの悪い下僕だな……以前貴様にも見せただろう、『禁断の退屈<イビルステーション>』の能力
だ。これはサバゲー体感ソフトで、人間にも判りやすいよう、ランブル20000シリーズのものを使用している」
「判りやすくなくて良い!!あんたそんなに本格的に警官プレイを楽しみたいの!?」
「その通りだ。貴様はドジでノロマなカメの新米婦警、我が輩はお守りを押し付けられた先輩警官という
設定で行くぞ」
「それはスチュワーデスだ!!ってそれも突っ込みどころじゃ、ヒィィ!!」
薄暗いネウロの背中からヌッと飛び出した銀色の銃口に私が悲鳴を上げると、ネウロはすぐに身体を
反転させて銃を撃った。照準をつける余裕はなかったけれど、怯んだ相手は慌てるように物陰に隠れ
る。何か豪く不定形な生き物がうじゅるうじゅるしながら移動していたような気がするけれど、そんなこ
とは今更突っ込んでも仕方がない。私は身体を起こして、這うように物陰に隠れた。ネウロも同じよう
にして、私と背中をくっ付け合う。
渡された銃をぎゅっと握ってみる。オモチャだとしても、こういうのはなんて言うか、ぞっとしない。大体
使い方とか判んないし。でも離したら確実に攻撃手段を失ってしまうことになるから、それは避けたい。
どうしても。
「桂木さんは実技も座学も殆ど最低ラインでしたね、あまり動かないようにしていて下さい」
「ってやっぱり設定使うんかい!!しかも扱い悪ッ!せめて取り説読む暇ぐらい頂戴よ……」
「実戦でマニュアルなんて役に立つわけないじゃありませんか。ほら、安全装置ぐらい外して下さい。
まったくドジな人ですね」
「ぐっ……」
役に徹してる相手に何を言っても無駄な気がして、私はぎゅぅっと銃を握ってみる。手の中は汗がべた
ついてちょっと気持ち悪い感じだった。ぺったりおしりをつけて座っているとネウロに寄り掛かっている
みたいだから、膝立ちに直す。やっぱり靴に踵が擦れて、ちょっと痛かった。薄いパンストじゃ摩擦を
あんまり減らしてくれない、じりじり痛い。
ちらりとネウロを伺えば、背中合わせなものだから後姿しか見えなかった。制服って言うのはある程
度の人間に似合うように出来てる、悪く言えば人を没個性化させるものだと思うのに、この魔人は変
に着こなしてしまっていて逆におかしい。そう言えばフォーマルな格好とかも結構似合うんだよなあ、
顔が良いとやっぱり得するんだろーか。なんか悔しいなあ。背中も大きいし。
じりじりと床を靴で擦りながら、私は廃材の影からそっと顔を出してみる。見通しが悪くてよく判らない
けれど、あのうじゅるっとしたものの姿は見えなかった。壊れた電灯だとか所々で剥き出しの鉄骨だ
とかが妙にリアルで、ここが本当にビルの中なのか段々忘れてくる。私が入ったドアの上に、魔界文
字っぽいのと算用数字で並んでいることだけが、唯一の実感だ。『vs5』――つまり、敵は五匹、か。
出来ればネウロに何もかも任せたい。でもなー。多分そろそろ来る……。
「動きがないと埒が開きませんね」
やっぱり来た。
ぽつりと呟くネウロの声は、トーンが押さえられてて囁きのようだった。いつもの朗々とした声とは違う
それが少しくすぐったくて、私は首を竦める。
きっとここで囮になれとか言われるに違いない、或いは言うまでもなく蹴り出されるかもしれない。身体
を硬くして衝撃に備えてみるけれど、意外にも普通にも、ネウロは足元に落ちていた礫を拾ったらしか
った。かしゅ、と乾いて硬いものが擦れる音と共に、後ろ手にそれを渡される。え、と惰性で受け取る
と、ネウロは顎で向こう側の柱を指した。放れ、と言っているらしい。
言われるままにすれば、どこかで何かが這う音がした。周囲に気を配っていたネウロはそれに耳ざと
く反応して、立て続けに三回引き金を引く。ドアの表示を見れば、きっちり三匹マイナスされて残りは
二匹になっていた。百発百中、笹塚さんも銃の腕は良かったけど、流石に魔人。動体視力とか天然
暗視スコープとかすごいんだろうな。鳥目っぽい印象は、本性の所為だろうか。
「すごいね、ネウロ」
「職場では先輩と呼んでください」
まだ言うか。まあ良いけど。ともかくさっさと終わってさえくれれば――私は自分の足元の礫を拾って、
さっきと同じようにまた別の方向へと放る。けれど、反応はなかった。流石に同じ手に、二度は引っ掛
からない――
「桂木さん!」
「え、うわ、わああ!」
どん、ッと突き飛ばされて、私はコンクリートの床に転がされた。夏服でむき出しの腕がざりざりと嫌
な音で床に擦れ、ひりひりとした痛みが肌に広がる。じゅ、っと焼ける音がしたのは、私がいた場所
だ。逆方向に飛んだネウロが銃を撃つ音、発射の瞬間に上がる仄かな明かりがぼんやりと広がっ
て儚く消える。
二度目は礫の出所を注視されていたんだろう、二度使える手じゃなかった――あわあわと立ち上が
って、私は柱の影に隠れる。ネウロと離れるのは少し不安だったけど、まさか死ぬことはないだろうし、
一匹ぐらいなら私だって倒せないこともない。と思う。銃声が止んでネウロもどこかに隠れたらしい、
薄暗がりで自分の心音しか聞こえないような気がして、ざわざわと鳥肌が立った。ぞっとしない。本当、
ぞっとしない。
タイトスカートの裾から、夏服の袖口から、冷えた空気がせり上がって来る気がした。冷静に考えて、
このまま黙っていればネウロが何かアクションを起こして残りの二匹も片付けてくれるはず。ドアが見
えなくて確認は出来ないけど、もしかしたらさっきの発砲で一匹ぐらい倒してるかもしれない。気休め
を重ねて、ぐっと唾を飲む。
そもそもサバゲーなんて経験ないし、銃も重いし、足指が詰まって痛いし、コケた腕も痛いし。コスプレ
どころかすでにシチュエーションプレイになってるって一体どう言うことなのか、そんな根本的な事を今
更考え始めても仕方がないか。ともかく早く終わって欲しくて、ひたすら息を殺す。あんまり、緊張する
のは、苦手だ。ホラーとかサプライズムービーとか、そんなに好きじゃないし。ついでに自分が能動的
に何かを攻撃すると言うのも、別にドSじゃないからなあ……。
はあっと少し大きな溜息を吐いてしまったのは、確実に油断だった。
がちんっと撃鉄を起こす音が思いのほか近くに聞こえて、私はびくんっと身体を竦ませる。
パンプスの底がざりっと床を擦って、自分がへたり込んだままだと言うことに気付いた。
逃げられない立ち上がれない、目の前に突きつけられているのは銀色の銃口。
不定形の何者かがうじゅるりと音を立てて、引き金に引っ掛かって。
ぐ、っと力を込められたのが判って、背中をつぅっと冷や汗が滑る。
「う、っわああああああ!!」
腕を振り上げて殆ど無意識に引き金を引くけれど、それは空砲だった。警察の銃は一発目が空砲ら
しいとは聞いた事があるけれど、この状況でそんな細かい演出までされてるとは思わなくて、頭が一
気にパニックになる。もう一度引き金を引くけれど、がちがちと金属が引っ掛かる手ごたえが伝わっ
てくるだけで、やっぱり弾は発射されなかった。
銃を構えた腕が震えて、突っ張る。痛い。やばい。さっきネウロが使ってた銃からは火花が散ってい
た。結構な威力なんだろう、勿論相手のソレも。魔界製のゲームだし、下手すると人間ぐらい死ぬの
かも――ざわざわ身体中の産毛が立つ、頭を抱えて身体を丸めるようにする瞬間、パンッと乾いた
音が頭の奥に響いた。
…………。
にも関わらず、衝撃はなかった。
そっと目を開けてみると、目の前には黒い犬みたいな生き物が銃を持つ手を背中から生やした形で、
びくびくと震えていた。ぺいっとそれを蹴り避けた、長い脚といつものブーツ。見上げるまでもないその
姿に、ふっと身体の力が抜ける。伸ばされた手はいつものように、滑らかな皮の手袋に包まれていた。
硬直した私の手の中、銃を取り上げて、彼は、ネウロは、ふうっと息を吐く。
「撃鉄を起こさなければ弾が出ないのは当たり前でしょう、初歩中の初歩ですよ、桂木さん。まったく
本当に仕方のない人ですね、僕がいなければどうなっていたことやら……先が思いやられます」
まだそのゴッコをやるのか。硬い帽子の上からぽんぽんと頭を叩かれて、私は言葉に詰まる。この余
裕ってことは、やっぱりあの時に一匹倒していたんだろう。これでゲームも終了、ステージを残してい
るのは、次の遊びのためか。目尻に溜まっていた涙を拭って、私はすんっと鼻を鳴らす。
あんなのさせられるぐらいなら、大人しくコスプレのルールに従ってる方がよっぽどマシだ。よろよろ
立ち上がろうとすると、パンストが破れて伝線しているのに気付く。ちりちりむず痒くて、変な感じだ。
腕を取られて胸に引き寄せられると、その大きさに思わず安心してしまう。ぎゅっと背中を抱かれて、
ガラにもない仕種に照れて、みたり。
「怪我はありませんか?」
「今更心配とか……」
「しますよ、大切な後輩なんですからね」
「じゃあちゃんと、……守ってください、よ、センパイ」
うわッ何これ恥ずかしい。一気に耳まで熱くなるのを自覚しながら、ネウロが笑う息遣いを聞く。着替
えだけならまだしも、こういう成り切りって言うのは、理性が邪魔をしてどうにもならない。じたじた暴れ
て離れようとしてみたけれど、ネウロは私の背中に回した腕を離さなかった。どころか片手は腰に回
って、身体がぴったり密着する。
いつものスーツとは違う抱き心地、否これは、抱かれ心地だろうか。長袖のシャツ、ごつごつ痛い階
級章。後頭部を大きな手に掴まれて、顔を上げさせられた。赤味の引かない頬が嫌で、眼だけでもそ
らしてみる。にっこり邪悪そうに笑ったネウロは、身体を屈めてそっと私の耳元に口唇を寄せる。
「当たり前ですよ?こんなに可愛い貴方を、危険な目に遭わせたりするはずないでしょう」
「どの口が……」
「事実守ったじゃありませんか」
「結果論!」
「難しい言葉はもっと有効に使いましょうね」
かぷっと耳朶を食まれて、私は言葉を失った。
舌を差し出すキスは、濃い唾液が零れてしまうのが恥ずかしいと思う。ぬめるそれがつるつると舌を
擦れ違わせて、ほんの少しもどかしい。首を反らして差し出しても屈んでもらわなきゃ届かない身長差
と同じぐらいに。背伸びをしようとすると足がじんわり痛んで、思わず眼をきつく閉じる。気付いたネウ
ロは差し出した舌をそのままに、ゆっくり顔を離した。薄暗い空間、艶かしい舌先。わけもなく恥ずかし
くて、やっぱり私はそれを直視できない。
「脚が痛むのですか?どこか、怪我でも?」
「ん、違って……パンプス慣れてなくて、痛い」
「支給品ですから、硬くて不便なのでしょうね。脱いでしまって結構ですよ、僕が支えてあげましょう」
支給したのはあんただろ、とは突っ込まない。腰を抱かれて身体を軽く浮かされ、促されるままに私
は靴を片方だけ脱ぐ。指先が圧迫から解放されて、それだけでも随分楽になった。ひんやりしたコンク
リートの床にストッキング越しで降り立つと、小さな砂粒がざりざりとして変わった感触。抱えられてる
腰とか背中とかも、らしくなく優しくて変な感じ。
身体を隠していた柱にぺたんっと背中を押し付けられて、キスの続きをする。今度は口唇同士を合わ
せるもので、音は内側で篭っていた。くちゅくちゅ唾液が泡立つような音に、頭の奥がぼうっとしてくる。
ぎゅっと肩を押さえられて、肩章が少し歪んだ。身体を屈めて目線の高さを合わせて、ネウロは優し
げに私を見詰める。潤んだ視界に、それは心地良く融けていく。
ちゅる、と音を立てて口唇が離れると、名残惜しそうにネウロは私の口唇を舐めた。小さく舌を差し出
してみると、くすりと笑って手袋の指先が差し出される。唾液を塗りたくるように舐めると、頭が傾いだ
のか、帽子がぽとりと足元に落ちた。いつものヘアピンもしてないから、サイドの髪が零れて煩わしい。
手で掻き上げると、それに手を重ねられた。額にちゅっと音を立てるキスをされて、また頬が染まる。
「脚は、痛みますか?」
「ん……少し、痛い」
「腰を下ろした方が?」
「それは、平気」
ノッていると思われるのが嫌で、返す言葉はそっけなくなってしまう。ネウロは気にした素振りも無く、
さらさらと私の髪を遊んだ。指は舌先を弄ぶようにして、唾液を顎まで滴らせる。篭った息が音を立て
て、それにすら眼が潤んだ。別に革の手袋なんて美味しいものじゃないのに、なんでだろう。ひゅっと
喉を鳴らすと指が抜かれて、濡れたそれが顎から首を撫でて落ちていく。
ネクタイに引っ掛けられた指が、結び目をずるりと解いていく。襟のボタンも外された。キャミソールの
レースがちらりと覗くと、ネウロは顔を寄せてそれに噛み付いてくる。無防備な身体の真ん中に人の
顔が近付いてくるのは、怖いようで、愛しいようで。ぎざぎざの牙を引っ掛けるようにしながら、指先は
ボタンをぷつぷつと解いていく。
胸の下辺りまで外れたところで、ぐいっとキャミソールが引っ張り上げられた。同時に制服を大きく広
げられる。ブラも押し上げられて、あまり大きくない胸が空気に晒された。ぷくりと立ち上がっている小
さなそれに吸い付かれて、腰が跳ねてしまう。行き場のない手をネウロの肩章に引っ掛けて縋れば、
くすくすと笑いが漏らされた。
「怖いですか?こんなところで、こんなことをするのは」
「別に、そういうわけじゃ……」
「その割りに随分脈が速いようですね。嘘はいけませんよ、桂木さん」
「っん、ぅ!せ、んぱ……ぃ」
かりっと音を立てて乳首を噛まれ、ぞくりとする。崩れそうな身体を支えられて、柱に体重を預けるよう
にさせられた。動きやすいようになのだろう、短めのスカートの中に手を差し入れられ、太腿の内側に
震えが走る。伝線したストッキングの穴をするすると撫でられたり、膝の裏を引っ掛かれたりして、顎が
上がった。足指をきゅぅっと曲げて耐えようとするのに、下着の奥が湿ってくるのは止められない。
ずりずりとタイトスカートが捲り上げられて、ネウロの手は脚の付け根にたどり着く。パンスト越しにす
るすると撫でられて焦らされて、思わず睨んでしまった。胸元に顔を埋める魔人はニヤリと笑って、
白々しく『どうしたんですか』なんて訊いて来る。腰を揺らしてみても手は逃げるだけ。この、ドSは。
「随分湿っているようですね……どうしたいんです、桂木さん。僕の指にそんなに擦り付けたりして、
いやらしく腰をくねらせて。言ってみてくださいな、ねえ」
「……ちゃんと、触って」
「先輩にはもう少し丁寧な言葉遣いをするものですよ」
甘く痺れる痛みが、胸に。
「ください、せんぱい」
満足そうに頷いて、ネウロは刃物に変えた指先をそこに突き立てた。
「ん、ッ……!!」
敏感な場所に鋭利な刺激を与えられて、私は思わず背中を逸らす。ストッキングに穴を開けるため
のそれだとしても、そんなところに刃物を立てられるのは恐怖だった。それでも下着が余計に濡れる
のは、快楽と密接している所為。指先でぐりぐり穴を広げる仕種も、意地悪に下着の上から内側を
確認するのも、何もかも。
くるくると円を描くように下着をなぞられて、腰が不規則にびくびくとした。すっかりぷくりと膨らんだ小
さな部分を潰されて、甲高い声が漏れる。薄暗い周囲にそれが反響して消えていくのが、ひどく恥ず
かしい。床に膝を付いたネウロがそこに鼻先を埋めると、いよいよ足腰に力が入らなくなった。
「や……っ、ゃああ、そんな、したらッ」
「したら、どうなるんです?桂木さん」
タイトスカートとストッキングで蒸れていた部分を、ネウロは鼻を鳴らして嗅ぐようにした。高い鼻先が
下着越しに筋をなぞって、淡い痺れと疼きに涙が零れ出す。露出させられた胸は、ぷっくりと尖って
いた。硬い生地に擦れるそれがひりひり痛くて、思わず手で押さえる。指先で優しく転がしてみると、
頭がぼうっと気持ち良くなった。恥ずかしいことしてる、そう思うのに、指は止まらない。上目遣いに
こっちを見上げながら、ネウロが邪悪そうに笑う。
鋭い牙が下着越しにかぷかぷと立てられた。裏地はすっかり湿って、くっしょりとしている。気持ちの
悪いそれを早く脱がせて欲しくて腰を揺らすと、ネウロは口を開けて僅かに盛り上がっているその部
分を口に含んだ。柔らかい口唇に包まれて、じっとり濡れた舌を押し付けられると、内側から一気に
熱いものが零れ出す。曖昧な刺激のもどかしさが脳髄を焼いて、胸を弄っていた指も爪を立ててしま
う。柱に付いた手で、コンクリートのそれにかしかしと爪を立てた。末端から送られる微かな痛みが、
辛うじて理性を支えている。
大きく口を開けて喘ぐと、唾液が顎を伝って胸まで伝う。じゅくじゅくと音を立てて下着を吸うネウロは、
大腿に空いたストッキングの穴を指先で広げながら、私の様子を伺って楽しんでいるようだった。ず
り落ちてくるスカートを何度も捲り直しながら、目元だけがにやにやと笑っている。
ドSだ。こんなドSな警官は、いたら困る。捕まったら最後嬲られるし、同僚だとしてもこんな仕打ちを
受けるんだから、ごっこでなくちゃやってられない。
ひゅーひゅーと細い音を立てる喉を、ごくりと鳴らす。口元の唾液を指で拭って、私はネウロを呼ぶ。
甘く鼻に掛かった声に、ネウロはぴくりと眉を揺らしたけれど、それだけだった。この野郎。私は耳まで
熱くしながら、呼び直す。
「せんぱ、い」
ネウロは笑って、何ですか、と問う。
「直に、触っ……て、ください」
「触るだけですか?もう充分に濡れている様子ですが、本当にそれだけで良いんですか?桂木さん」
「っく、ぅ」
舌でぐにぐにと捏ねるようにそこを押し潰しながら、ネウロはくぅっと眼で弧を描く。口元に当てていた
指をぎゅっと噛めば、痛みと快感がない交ぜになって頭がぐらぐらした。眼が眩んで息が出来なくて、
喉が細く音を立てる。意味のない言葉が舌先で縺れて、結局零れ出すのは喘ぎだ。
ぎゅっとクリトリスを抓られる刺激に、眼の裏が白く染まる。意地の悪い魔人の笑みはますます深くな
る。敏感になった肌に触れる制服は、ごわごわと硬い。いつもと違う、肌に馴染まない感じが、余計に
感覚を追い詰める。
このままじゃ、言っちゃう。
「落ち零れのあなたでも、おねだりぐらいは出来るはずでしょう?」
「……センパイの、いじわる」
「後輩指導と言って欲しいものですね」
「ん、せんぱい、んん」
「さあ、上手に言ってみて下さい。桂木さん」
緑色の眼がぎらりとしたのは、気のせいじゃない。
「……挿れて、ください」
「よく出来ました」
にっこりと化け物は、笑う。
ぐるりと身体をひっくり返されて、柱に手と頬をくっ付ける。むき出しの胸元が冷えて、つんと立ち上
がった先端がざりざりしたコンクリートに擦れると、肌がぞくりと粟立った。背中から大きな身体に覆
い被られて、耳元に息遣いが近い。濡れた舌が音を立てて耳殻を辿ると、自分でも驚くぐらいか細い
声が漏れてしまった。片足だけパンプスの足元は覚束なくて、腰がゆらゆらする。
大きな手に掴まれて、スカートをたくし上げられる。おしりを突き出す格好にされてから、ストッキング
に空けられた穴をぐんっと広げられた。引っ掛けられた指で乱暴に引っ張られて、繊維の切れる音
が響く。下着を軽くずらされやっと直に触れられて、甘い溜息が零れ出した。革手袋の指先がぬる
ぬると滑る、感触が気持ち良い。
背中でベルトを解く金属質な音がかちゃかちゃと響き、ジッパーの下りる音がした。むき出しにされた
脚の奥に太い熱が触れて、ぞくりと下腹部に痺れが走る。ぬるぬると擦るたびに硬く持ち上がるそれ
が、薄く開いた割れ目を緩やかに押し広げた。湛えられていた温い愛液がとろりと零れて、濡らしていく。
腰を抱かれて突き入れられると、入り込んできた圧迫感に身体がびくりと仰け反った。
「っ……ひ、んぁ、あああああっ!!」
「おやおや――ナカは慣らしていなかったと言うのに、すんなり入ってしまいましたね?桂木さん。手
も使わずに、一気に咥え込んで……声が、響いていますよ。ははッ、恥ずかしくはないんですか?」
「や、言わないで、って……んっく、うぁあん!あ、っつ……ネウロ、ネウロぉ」
「先輩、でしょう?桂木さんッ」
「ひぃい、せんぱい、センパイっ!」
内側を掻き回す熱と快感で、頭の奥がのぼせていくのが判る。火照った身体を押し付ける柱はひん
やり冷たい、嬌声を受け止める廃墟は広く静かだ。自分達だけが熱くて、首筋に震えが走る。コンク
リートに爪を立てる手に、やんわりとネウロの手袋が重ねられた。指を絡ませ合うと胸の中に幸福感
が浮いてきて、きゅぅっと力が篭る。やわやわ胸を揉まれながら、腰を打ちつけられて、耳朶を舐め転
がされて。
濡れた音がじゅくじゅくと響き、激しい腰の律動に合わせて私は声を上げる。背中に感じるネウロの
身体は大きい。硬い生地の制服は、それでもいつもの上着ほど厚くはない。ちょっとだけ肌と肌の距
離が近い気がして、口元に知らず笑みが浮かんだ。覗き込まれて、鼻先にキスをされる。これもシチュ
エーションプレイの一環なのかな、思ってみて、突き上げに忘れてしまう。
奥の方をぐりぐりと擦られて、歯を食い縛る。隙間から漏れる声は唸るようで色気がない。だけどネウ
ロは嬉しそうに、私の肩を抱く。薄い胸を優しく揉み込んで、小さな淡い乳首を転がす。
「気持ち良いですか?桂木さん。僕はとても、気持ち良いですよ。きつくて熱くて堪らない――勤務中
にこんなことをしているのに、興奮していますね?いけない、淫乱な婦警だ。恥を知りなさい、まったく」
「っふ、ぃいん……せんぱい、が、始めたくせにっ。自分だって、スケベで、えっちで……やん、あ、
あああ!いきなり、そこ、やだあ!ひ、いぐぅっ」
「先輩に逆らうんですか?ますますいけない子ですね、きちんと指導してあげますよ――ふふ。まずは、
口答えのお仕置き、ですねッ!」
「ぃやあん、んううーッ!?」
かぷんっと首に噛み付かれて、服の中に流れ込んでくる唾液に肌が粟立つ。震える指先をぎゅっと握
られて、腰を押し付ける強さが一気に増した。どころかびくびく震えて内側で大きくなって、圧迫感に脚
ががくがく震える。膝に力が入らなくて、痺れたみたいに踏ん張れない。
顎を捉えられて無理矢理にキスをされると、ネウロの帽子の奥に大きなツノが見えた。魔力を使って
る、お腹を突き破られそうな恐怖に、思わずぼろぼろ涙が零れる。それを丁寧に舐め取られると、変
化は収まったようだった。それでもぼこぼことした突起を得たものに内側を掻き混ぜられると、凶暴な
悦楽に悲鳴が上がる。
「あ、ああ、やッも、やあああ、いた、いぃい!」
「言っていることが判りませんよ、桂木さん。痛いんですか?それとも、良いんですか?」
「いた、ぁいぃ、も、ぬいて……ぬいて、くださひ……ぃうう、うああんんんッ!」
「お仕置きだと言ったでしょう。もう少し、耐えて下さい――ん」
「ん、っちゅ、んん」
とろとろ唾液を交わすキスを与えられて、その優しさに身体から少し力が抜けた。緊張を解くと痛みは
少し治まって、呼吸も落ち着く。ずりおちるスカートの裾は濡れて、下着ももうべとべとだ。濡れた生地
がクリトリスを擦る微かな刺激に、愛液が奥から奥から滲み出す。
凶暴な突き上げが奥で止まって、身体がまた緊張する。ぐちゅぐちゅと掻き混ぜる動きでナカを広げ
られて、今度は快感で涙が出た。柱にしがみ付いて眼を閉じ、耐えるように呼吸をする。ネウロももう
声がない、荒い呼吸だけが背中から響いて、感覚が集中していく。揺れる腰を押さえられて、奥の奥
を、突き上げられて。
短い断続的な声は、どんどん音階が上がっていく。喉が痛いぐらい高い声が出た。ネウロは笑って、
唾液をだらだら垂らしている。制服の背中にそれが落ちた。やっぱり気にならない。こくんっと喉を鳴
らして、私はネウロを呼ぶ。
「せんぱ、ぁい」
「……ん、ッ」
「も、イく……イ、って?」
「ああ――良いですよ。たっぷり、折檻をあげましょうね」
「あ、はぁ……んんっ、たくさん、ですか?」
「ええ。たくさん、ですよ」
「はッ、あ、……はひ、ぃ、んんッ!っく、んぁ、せんぱいっ!!」
きゅぅうっと一生懸命に締め付けると、ネウロは短く喘いで腰を押し進めた。奥をこつんっと突き上げ
られ、一瞬膨張したそれからどぷどぷと熱い精液が私の中に吐き出される。射精しながらも腰を揺ら
すその刺激に、私も脚をがくがくと震わせた。逆流して零れたものが下着の中に滲んで、クリトリスを
じゅわじゅわと覆う。すかさずそこを抓られて、悲鳴が上がった。反響はもう、聞こえない。何もかも、
判らない。
何度かの脈動の後で長い射精が終わると――私がしがみ付いていた柱は、ふっと消えた。
支えを失った私は当然、盛大に床へと顔面ダイブする。
「ふぎゃんッ!!い、いきなり消さないでよ、ネウロっ!」
「ム。仕方ないだろう、ゲームが終わったらステージが消えるようにしていたのだからな」
「えええ?ゲームが終わったら、って、敵はとっくに倒して……」
すっかり現実空間に戻った埃っぽい部屋、その真ん中に転がっているイビルステーションには、
『GAME OVER』の文字がアルファベットと魔界語で綴られている。こっちのルールだと、それはプレイ
ヤーが負けた時に出る文句のはずだ。おかしいな、なんだって――あ、と、唐突に私は理解する。
思い当たる、と言っても良い。
「まさか最後の一匹って……」
「我が輩だが?プレイヤーは貴様一人、その貴様が我が輩に撃たれたのだから、ゲームオーバーに
なっても仕方あるまい。フハハハハ、中々楽しいプレイだったぞヤコ。貴様もノリノリだったのではないか?」
「ち、ちがッ……あんたが凝ったことするからでしょ、何やってんの、ば、バカー!!」
「次はやはりナースと患者プレイか」
「良いから早くもう、なんて言うかちんこしまえ!!」
後日、都内某警察署のロッカールームから、警官の夏服が男女一名分ずつ盗まれたニュースを見
た私は、そっと事務所の隅にあるごみ袋を眺めて――そのままにしておいた。
クリーニングでも取れなかったアレ染みコレ染みのついたそれを返す気には、どうしてもなれなかっ
た……。なんかもう、次は看護師の人、逃げて。全力でナース服を守って下さい。私に魔人の下半身
は、止められません。
おわり
クリーニング出したんだw乙すぐる
看護婦と医者を待っています。全裸に白衣で。
ネ申GJ!絵で脳内再生されてタマラン…警官ネウヤコに(*´Д`)ハァハァ
不覚にもランブル20000に噴いた…ものすごく高級なゲームっぽいw
亀だけど・・・
>>26 このスレではあんまないよね、笹弥子
ネウヤコの次くらいに人気あると思ってたからちょっと驚いたかも
笹塚はネウロと違って弥子が嫌な事はしなさそうだからエロは書き難いのかも
関谷あさみの同人で笹弥子見てから好きになったなー。
わざとか?わざとなのか?
>>86 つうかネウヤコ以外の弥子受けが少なすぎるというのが正しいような
他のをリクエストしてもその後投下されるのネウヤコばっかだし
嫌いなわけではないが他の弥子受けが好みな自分は肩身が狭い・・・
人気あるしエロ書きやすいってものあるんだろうけどさ
気分悪くしたらスマン
>>76 ネウロを「先輩」と呼ばされる弥子が新鮮だ
たまにはこういうのもアリだな……GJ!
ちんこしまえで爆笑したのは俺だけでいい
ネウヤコ以外の弥子受けが少なすぎるというなら自分で書いてみればいいと思うよ
そしたら書きたいものが書けて読みたいものが読めてみんなハッピーさ
>>89 ここの職人達は自分の書きたいものを書いて投下してるだけで、
リクエストに応える義務は無い
運良く書いてもらえる時もあるけど、それを当然の様に思って
愚痴るのはお門違いだろ
まあなんだ、その思いもぶつけて作品にチャレンジしてみたら
新たな道が開かれるかもだぜ
>>91 同意
そしてそれが暗黙のルールとして受け止められているこのスレの住人は素晴らしいと思う
職人、まとめ管理してる方も全部がクオリティ高い
>>89 主にネウヤコ書いてる職人だが、やっぱり書きたいものが降ってきたら
さくっと筆が進むだけのこと。それが個人的にはネウヤコだった。
人によっては別のカップリングだったり、シチュだったりするだろうし
自由にやっていいんじゃないかな。
数の少ないカップリングなら、なおさらイメージを湧かせて書いてみる
ことを勧める。
94 :
89:2007/10/13(土) 01:21:05 ID:gANfh1ny
・・・数々のお言葉はありがたいんだが
自分には書くことができないから色んな作品を読みたいだけなんだけどな・・・
発想力も上手くまとめる力もないが何より時間が取れないし
それに仮に書けたとしても今までの流れからして
他の人が触発されて書いてくれる気があまりしない
>>91>リクエストに応える義務は無い
そりゃ当然分かっているが
ここ最近は本気でネウヤコ以外が少ないから仮に他の職人がネウヤコ以外にも興味があったら
書いてくれないかなーと思っただけだよ、渇望している人間はいますからってことで
まあ我侭といわれればそれまでだけども・・・
95 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 01:28:37 ID:hrdAZaJ1
ネウヤコ職人が書きにくくなっただけというオチ
>>93 いつもご苦労様です神よ。
ここにいる神々のお陰で日々癒されております。
これからも素晴らしい作品の投下を願ってエーロ・ゴシカァン!
>>95 元々それが89の狙いだろ?
くれくれしかできないとか居直ってみたり、そもそも「肩身が狭い」とか
89はこの場所に対して何か勘違いしてないか?
だだっ子はもうスルーしてエーロ・ゴシカァン!
94みたいなバカはほっておいてエーロ・ゴシカァン!
100getかな。
自分が書いた非ネウロ×ヤコ組合せを他の方が書いてくれた事は殆んど無い。
大概パラレルだから余計にな。当然反応も(ry
どんな組合せや傾向でもどんどん来やがれ、のスレで続いてくれ
ここは捏造カプだってコスプレだって鬼畜プレイだって何だって
受け入れてくれる優しいスレなんだぜ!
そして自分は13巻表紙のアイに感動したので
ネウアイあるいはネウロに化けたサイ×アイをリクエストしてみる
どなたかそそられる職人様はおられぬか
>>89は非ネウヤコ者として軸がぶれている
こういうスレは投下されてたらラッキー!ってスレだって事を頭に置いておかないと
89はここにくるよりピンポイントで好きカプサイト巡りした方が幸せになれるんじゃないかと思った
13巻表紙はやばいよやばいよ!
以前投下されたサイの目の前でアイを陵辱するネウロSS思い出した
>>101 それはシチュプレイになるのか。それともコスか?
よりリアリティを求め、女子高生コスをアイさんに頼んで冷たく拒絶されるサイが浮かんだwwww
>>89 ネウヤコが他のカップリングに比べて書きやすいのは、原作を見るまでも
なく分かるだろう。主人公とヒロイン。しかも、アレやコレや妄想しやすい
シチュに満ちている。
とはいえ、この手のエロパロは想像力ありきの世界だしな。
他の笹ヤコなどのカップリングだって過去には名作があったし、今後も登場
するだろう。ただ、それも職人の書きたい気分次第だってことだ。
読みたい気持ちは良く分かるが、こればかりは如何ともし難いので心静かに
待ってて欲しいものだと思う。
元々投下頻度の高いスレなので、いずれは好みのものが読めるかもよ。
職人だって学生や勤め人ばかりだろうし、時間がないのは同じこと。少ない
時間を遣り繰りして好きなものを書いているんだから、それは汲んでくれ。
折角の神有月だ。エーロ・ゴシカァンしようぜ!
それエーロ・ゴシカァァァン!!
ひぐちが妄想を文章化してもらえるソフトを開発
してたら嬉しいんだが
>>107 そんなソフトあれば激しく欲しい。
朝からスレ見てたら何だか切なくなってきたので、
急遽、自分がネウヤコ以外を書いてみました。
仕事山積み絶好調。
てな訳で、笹ヤコです。
「あ、笹塚さ〜ん」
久しぶりの休日を部屋でのんびり過ごすことなく外に出てみれば、
どこをどう見ても見間違うことのできない顔が、
こちらに向かって手を振りながら駆けてくる。
良く見れば、
片手にはシュークリームが溢れんばかりに詰め込まれた紙袋。
「弥子ちゃん…」
気まぐれに外にでるのもいいものだな……と心の中で呟く。
彼女は俺の前までくると小さく息を整えて、にっこりと微笑んだ。
「珍しいですね、こんなところで会うなんて。今日はお休みですか?」
「ああ…」
「あ、そうだ、シュークリーム食べます?
ここのシュークリームは絶品なんですよ!
このシューのサクサクした食感に、
甘過ぎず、くど過ぎずもしない完璧なカスタード!」
相変わらず食には人並みならぬこだわりがあるようで、
彼女は手に持っているシュークリームがいかに素晴しいのかを語っていた。
この先どうしたものかと悩んでいると、彼女が、遠慮がちに俺を見る。
「ん?どうした?」
突然の上目遣いに一瞬ドキリとしながら、俺は尋ねた。
「えーとですね。大変恐縮なんですが…
迷惑じゃなければ、笹塚さんの家とかで
ゆっくり食べさせていただけないかと…」
「はぁ?」
予想もしなかった展開に、間の抜けた声が出る。
「今、お母さんが料理に熱中していまして…とても家には帰れないんですよ。
で、どこかに非難したいんですけど、事務所には人畜有害な……
あ、いや、事務所じゃ落ち着かないし、
友達は昼間から合コンに出ていて会えないし、
避難場所として…というのは大変申し訳ないんですが…」
一瞬、ほんの一瞬、期待してしまった自分に自己嫌悪。
事務所じゃ落ち着かないというのは解かる。
誰だって職場で落ち着くことは少ないだろう。
しかし、母親が家で料理をしているのに非難というのは理解しがたい。
…が………
「………あー…じゃあ、来る?」
本人がその気でなくても、二度とないであろうチャンスに、
俺の口は自然とそう答えていた。
俺の言葉に彼女はぽっと明るい笑顔を取り戻す。
「はい!お願いします」
さっきまでの申し訳なさそうな顔が嘘のように、
彼女は、いつもと変わらぬ笑顔で元気にそう答えた。
「汚い部屋だけど、どうぞ」
「おじゃましま〜す」
玄関の鍵を開け彼女を部屋の中へと通す。
この部屋に女を通すことなど何年ぶりだろうか。
ふと、そんな考えが頭を過ぎる。
けれどそれはどうでもいいことだ。
今は、彼女、桂木弥子のことだけ考えよう。
「わー…想像はしてましたけど、殺風景ですね」
彼女はキョロキョロと部屋の中を見渡し、そう呟いた。
小さな1LDKの部屋に、小さなテーブルとベッドと適当な家具。
男一人暮らしなのだから、そんなものだと思うのだが…
「まぁ、適当に座ってよ。今、お茶入れるから」
「あ、お茶なら私が私入れます!丁度紅茶持ってて…
キッチンお借りしますね」
彼女はシュークリームの詰まった袋から
小さな紅茶のティーパックを取り出し、
手際よく準備を始めた。
彼女の入れたお茶を飲みながら、
黙々とシュークリームを口にする。
「あ、笹塚さん」
長い長い沈黙を破り、彼女が口を開いた。
俺を指差し、ふふっと小さく笑う。
「唇の横にクリームついてますよ」
俺が確認しようと手を伸ばすより早く、
彼女は、俺の顔についたクリームをペロリと舐め取った。
「えっ?!ちょっ…弥子ちゃ……」
突然のことに驚く俺の唇に、彼女の人差し指が当てられる。
「中々、気付いてくれないから言いますけど…。
下心無しに、私がお家に入れて欲しいって言ったと思ってます?笹塚さん」
カスタードに入っているバニラビーンズだろうか。
甘い香りが鼻をくすぐる。
「私、笹塚さんのことが好きなんです」
「…弥子ちゃん……」
下を向き、今にも消え入りそうな声で紡がれた彼女の告白に、
俺は動揺を隠せなかった。
彼女が、俺のことを好きだって?
ずっと気付かないようにしていた自分の気持ちが
激しく揺さぶられる。
「………迷惑…でしたよね。すみません。帰ります」
そんな俺の無言の葛藤を彼女は拒絶と取ったのか、
目にほんのり涙を浮かべ、素早く手荷物をまとめると腰を上げる。
「待って、弥子ちゃん」
俺は無意識のうちに彼女の腕を握っていた。
だって、俺は…
「俺も、好きだよ、弥子ちゃんのこと」
自分の気持ちを、言葉として搾り出す。
ずっと押し込めてきた気持ち。
どこか、妹と重ねていたからかもしれないが、
それで彼女を傷つけるくらいなら、解放してしまえばいいと思った。
「本当…ですか?」
「ああ、本当だ。だけど、俺は弥子ちゃんは
あの助手のことが好きなんだと思ってたんだが…」
「ネウロは…確かに好きですけど、
笹塚さんを好きな気持ちとは種類が違うんです。
上手く説明できないけど…私が好きなのは、
笹塚さんなんです」
俺の言葉に彼女は照れくさそうに、
けれどはっきりと、そう言った。
口付けが甘いのは、
先ほどのシュークリームだろうか。
「…ぁはっ…んっ…」
ベッドの上で重なって、
何度も何度も口付けて、舌を絡めてお互いを貪る。
彼女の唇から自身の唇を離すと、今度は耳と首筋へ唇を寄せる。
「やっ…くすぐったい…」
先ほどより赤みを帯びた頬に濡れた瞳で見つめられて、
理性が溶かされていく。
下へと手を伸ばし、ショーツ越しにそっと触れると
彼女は小さく声をあげた。
「あっ…はふっ……んっ…」
擦る度に漏れる小さな声と、湿り気を帯びてきてショーツに
きちんと感じてくれているのだと、内心俺はほっとした。
「…弥子ちゃんて、処女?」
「………」
俺の質問に彼女は無言で目を伏せる。
それならば、できるだけ痛くないようにしてやりたい。
「そっか…じゃあ、しっかり濡らさないとな…」
足を開かせショーツをずらし、そっと核心に下を這わせる。
「!!やだっ…あっ…そん…なところ、汚いっ…」
「汚くないよ」
慌てて彼女が俺をどかそうと手を伸ばしたが、
俺はその手を掴み、行為を続ける。
「んんっ!!やっ…あぁっ…」
丹念にやさしく下を這わせながら、
空いていた方の手で、秘部を攻める。
クチュクチュと、卑猥な音が殺風景な部屋にこだまする。
少しずつ指を入れながら、
少しでも痛い思いをしないように徐々に緊張を解していく。
「あはぁっ…あぁ……さ…さづか…さ…ん…」
「これくらい濡れれば…大丈夫かな…」
挿入していた指を引き抜けば、
彼女の愛液が糸が引くほど絡みついている。
俺は既に誇張している自身をとり出し、
そっと彼女の秘部に宛がう。
「入れるよ?」
こくり、小さくと頷いた彼女を確認し、
俺はゆっくりと自身を挿入していく。
「いっ…あっ……」
初めてだけあって、相当痛いのだろう。
顔は苦痛に歪んでいる。
なんとか全て治めることができたものの、
瞳に涙を浮かべて荒い呼吸を繰り返す彼女。
見かねて腰を引こうとすると、ぎゅっと腕が捕まれる。
「…あ…やめないで…お願い…」
痛みに耐えながらも求めてくる彼女に、
我慢できる筈も無かった。
「じゃあ、動くから…」
きつく締め上げる膣内を、ゆっくりと擦りあげる。
「んっ……」
彼女は少しでも痛みを紛らわそうと、
シーツをぎゅっと掴んでいる。
「辛かったら言えばいいから」
俺は少しでも早く終わらせられるように、
ゆっくりと、しかし確実に腰のスピードを上げた。
「あっ……ん…」
注送を繰り返すうちに先ほどよりも濡れてきたのか
彼女の声に苦痛の色が少なくなる。
「弥子ちゃん、俺…もう…」
感じ始めた彼女に激しく締め付けられ、
あっという間に俺は果てた。
「え…と……ごめんね…」
色々と後悔をしながら、
汚してしまった彼女の体をシャワーで洗い流す。
「何で謝るんですか…覚悟してましたから、大丈夫です」
「や、ほんと、色々とごめん…。
今度するときは…ちゃんと弥子ちゃんも気持ちよくしてあげるから」
「ふふ…じゃあ、楽しみにしています」
お互い顔を見合わせて、微笑むと、
どちらからともなく、約束のキスを交わした。
おしまい。
115 :
108:2007/10/13(土) 14:10:33 ID:1Sonjb6i
急いで書き上げたので、誤字脱字チェックがあれば
そっと脳内変換して見逃してください。
自分の文章じゃ物足りないかもしれないが、
89や諸々の他の弥子受けを待ってる人に、
少しでも潤ってもらえれば幸いだ。
ただ、自分もネウヤコカプを今まで沢山投下してきてるので、
焦らず待って欲しいな…と思う。
やっぱり、思いつくものが無いと中々難しいんだ…。
>>115 優しい神にGJ!!
皆の為にというのは本当にありがたい事だが
やっぱり神が書きたい時に書きたいものを書いて頂きたい
だけどもう一度、GJ!!!
108神GJ!久々の笹弥子分堪能した!!
リク流されて拗ねてる子供が腐ってくだまいてるだけなのに皆優しいな…
本来大人しかいないはずの板だから当たり前かもだが
味しめた駄々っ子厨が増えない事を祈りながら
それもアニメ効果のひとつかとあきらめつつ
このスレの更なる繁栄を願ってエ〜ロ・クシカッ!!
笹弥子ムハー(゚∀゚)GJ!
美味しく頂かせてもらったよ!
神には無理せず好きなものを投下していってほしいぞ
エロエロ・ゴシカァン!!
>>115 サンクス!
優しい神が降臨なされたGJ!!
心なしか内容にも優しさがにじみ出ていたような気がする
投下しづらい空気を変えてくださった神に敬礼!
笹弥子いいよいいよー
こいつらは初体験ものが想像しやすい気がする
ヤコが非処女だった場合ショック大きそうだなw
笹ヤコ神激しくgjでっす!!
>>121 ネウヤコ←笹でヤコがネウロの物って知ってるのに微妙な気持ちで無理矢理ヤコを犯してしまう切ない笹塚を想像した。
毎度ながら神職人様達の文章を読むだけで脳髄から満たされます。ありがとう。
長々と失礼しました。えーろゴシカアン!!
>>108 大きいよ…大きすぎるよ…あんたのやさしさ袋。
GJ!!笹塚の大人の男っぷりが良いな。
弥子受けはそれぞれに違った萌え所みたいのがあるよな。
自分も基本はネウヤコ・ネタ系の職人だが、久しぶりに違うのを
投下したくなって来た。等々力のキャラ立ちも待ち遠しいぜ。
性欲の秋にエーロ・ゴシカアン!!
そういや昔、江戸時代のエロ本だったかで
セクロスに1番向いてる季節は秋だって奨励してる文章を見つけたことがある
>>108神
激しくグッジョブ!!甘くて素敵な笹ヤコをありがとう!
>>123 「やさしさ袋」新しいな…。
想像したらモッチーがいっぱい詰まってる袋が出てきた。
やさしさの単位がモッチーなのか俺は…
GJ!素敵な文章を読めて幸せです。
医者と患者シュチュだったら、普通はネウロ=医者、弥子=患者と思うかも
しれないが、自分は逆を想像した。
女医弥子とわがまま患者ネウロ。むしろ患者が医者にセクハラ。
ちょっと新しいかも。
や…ヤヴァい…!
ぇはんに投下されてる婦警コス弥子絵見ながら
>>76読むと萌え倍増ハァハァ
sugeeeeeeGJ!!
優しい
>>108の神もGJ!!
全ての神々とカプ者に幸あれ!!
ほんとに皆やさしいな…優しい神にもGJ!!
だからこのスレ好きなんだぜ
そして
>>126のシチュ読みたすぐる…!!!
>>126 看護婦でも保険医でも俺はいけるぜよ!!(*´Д`)ハァハァ
ああ何かいいなこの流れ…
このスレ住人の優しさに全俺が泣いた
これ以上スレが荒れないように
>>94が笹ヤコ者であることを心の底から祈るw
はいはいクマクマ。
あんなDQNと一緒にされたら他の笹ヤコ者が迷惑だろ
優しい神&住人賛美もそろそろこの返で終りにして仕切り直そうぜー
神有月エーロ・ゴシカァン!!
ある日の夕暮れ。学校から事務所に向かう途中でとある人物を見つけた。
「あ、えっと…石垣さん!」
振り向いたのは軽いノリと低いプライドの石垣。
のはずが、何だかどんよりとした雰囲気、そして涙目。
「あ、あの、人違いで」
「探偵、聞いてくれよ…俺、クビになっちゃった」
「はあ!?」
逃げようとしたところを肩をつかまれ、いきなり涙を流しながら思いもかけないことを言われたので、弥子は面食らった。
「なんでまたそんなことに」
弥子としては詳しく事情を聞いてみたいが、今、石垣は通りの真ん中で泣いている。
スーツ姿の男性が制服を着た女子高生の前で泣いているのは、どうみても目立ちすぎだ。
通行人がヒソヒソとこちらを見ながら噂をしているようでは、落ち着いて話が出来ない。
仕方がないので、弥子は石垣を事務所に連れて行くことにした。
事務所に入るなり、石垣は語り出した。弥子はソファに座るように促すが、聞いていないようだ。
「なるほどー」
石垣が涙ながらに語ったことを簡単にまとめると、“笹塚さんのパートナーが等々力さんになった”ようだ。
―てっきり、警察をクビになったかと思ったけど…。
弥子はあかねちゃんがいれてくれた紅茶を一口飲む。
「大体さ、なんで俺が屋上から突き落とされそうになるんだよ」
―睦月ちゃんの時の事ね。
「ふんどしソムリエとかわけ分かんないし」
―匪口さんのハッキングかぁ。
「チビメガネとデク野郎にはこき使われるし」
―笛吹さんと筑紫さんかな?
「笹塚さんには何度プラモを破壊されたことか」
―うわ…大変だなぁ…。
「でも笹塚さんは憧れなんだよ!」
「うわっ!!」
いきなり飛びかかってきた石垣に、弥子はあっさりソファの上に押し倒される。
「ちょっ…なにするんですか!」
弥子は石垣を押し退けようとするが、体は動かせない。
流石は刑事だなんて、感心している場合ではない。
「ううっ…せっかく憧れの笹塚さんとコンビが組めたのに…グスッ」
石垣が弥子の貧相な胸に顔を埋めて泣きじゃくっている。
「あの…泣きたいだけ泣いていいですから…元気、出して下さいね」
弥子は仕方なく石垣に胸を貸すことにした。
「探偵、優しいんだね」
ひとしきり泣いた事で大分スッキリしたのか、石垣が呟いた。
「泣いている人を放っておくわけには…」
「そんな優しいと俺、つけこんじゃおうかな」
「は?」
石垣は弥子の胸をなで回す。
「なにするんですかっ!」
弥子は必死で逃げようともがく。
「胸ちっちゃいと感度がいいんだっけ」
石垣の手が制服のボタンを外し、ブラのホックも外そうとする。
「あれ?どうやるんだろ?」
背中をごそごそとまさぐって、なんとか外したようだ。
弥子の胸を露わにして、石垣が尖端に顔を近付ける。
「えっと…吸うんだよな」
「やめて!」
「あ、ハイ」
素直に動きを止めた石垣に、弥子の眉が寄る。
「石垣さん、もしかして経験ナシ、ですか?」
「あ、あるよ!バカにするなよ…」
石垣は真っ赤になってうつ向く。
―ちょっとだけ、悪戯してみようかな…。
弥子は、石垣にキスした。最初は軽く唇に触れて、ゆっくりと舌を差し入れる。
石垣は固まったまま、反応出来ていない。
唇を離して、弥子が囁く。
「石垣さん、キスも初めて?」
「…っ、そうだよ!悪いか!?」
―あれ?開き直った。
弥子は石垣をからかいたくなった。
それは、多分、ほんのちょっとの出来心。
「石垣さん、続き…したいですか?」
石垣は首を縦に振った。
弥子は、もう一度石垣にキスする。今度は舌を絡めて、石垣の耳を塞ぐ。
「息、止めてたら苦しくないですか?」
唇と手を離して、弥子は微かに笑いながら尋ねる。
「してもいいんだ…」
トロンとした顔で石垣は言う。
「恥ずかしいですか?でも、そんなの気にしないでいいですから」
弥子はそう言いながら、石垣のスーツを脱がせていく。
下着は流石にふんどしではなかった事に安堵しながら、弥子も制服を脱ぎ捨てて下着姿になる。
「ソファで狭いですけど、勘弁して下さいね」
弥子は石垣の下着越しに膨らみを撫でさする。
「あ…」
石垣が体を震わせる。
「キモチイイ、ですか?…でも、まだまだこれからですよ」
弥子は石垣のモノを下着越しに舐め始めた。
「あ…あっ、探偵…」
石垣は限界が近いのか、声が切羽詰まっている。
「石垣さん…出しても、いいですよ…」
「んっ!」
弥子のその一言を待っていたかのように石垣は射精した。
「は…ぁ、気持ちいいや…」
「まだまだ、続きありますよ」
そう言いながら、弥子は石垣の下着を脱がせる。
ベタベタになっているモノを綺麗にするように、丁寧に舐める。
「あっ、あ…」
しなびていたモノが、再び与えられた快感に膨らみ始める。
「一応、ちゃんと最後までしますからね?覚悟して下さいね」
弥子はそう言い放つと、自分も下着を脱いだ。
そしておもむろに石垣の上に乗り、自らの秘所にモノを押し当てた。
「いきますね…」
弥子はゆっくりと腰を沈めていく。
「ん…入ってくる…」
弥子は気持ち良さそうに呟く。
全部入った所で、石垣に尋ねた。
「中、どんな感じですか?」
「暖かくてなんか…締め付けられて…」
そういい終わらないうちに、弥子は腰を上下させる。
「あ、また、出ちゃう!」
弥子は、体の奥に熱いものが満たされるのを感じた。
「出ちゃいましたか…じゃ、今日はここまでですね」
弥子はゆっくりと膝をついて体を離す。
秘所からは白い液体が流れ出している。
「石垣さん、今度するときは私も気持ち良くして下さいね?」
「…ハイ」
石垣は身支度を済ませ、帰って行った後。
事務所で弥子はひとり呟いた。
「面白かったけど…やりすぎたかな…?」
手に持った石垣のケータイ番号を眺めて、ため息をつく。
「まぁ、いいや」
弥子は、自分も身支度をして帰途についた。
おしまい。
弥子がエッチなのは仕様です。
後、タイトル3の次、4を打ちミスりました。
うわああっww
まさかの石弥子GJ!!
石垣は今まさに本誌でも旬だからね!
本誌でも彼の行く末はどうなるのやら
警官コスネタで立ちバックしてたので思い出したが
ネウロと弥子って身長差ありすぎるので
立ちバックだと魔人めっちゃガニ股になるんだよな
つーかどのカプでもそうなるんだが…男性キャラ高身長すぐる
>立ちバックだと魔人めっちゃガニ股になるんだよな
なんか想像するとめっちゃマヌケだなww
この漫画背高いキャラ多いからねえ
170前半・・・石垣ヒグチ辺りならまだバランス取れるかな
笛吹だと低すぎか
魔人ならガニ股になるより、弥子をひょいと持ち上げてそうだ。
ガニ股もマヌケだが、男の方が背が低い場合爪先立ちみたいになって
微妙だと何かで見た覚えがあるw
ちょw何この流れwww
あまり笑わせないでくれ
石弥子グッジョブ!
マスター、彼にこの言葉を っ【どど童貞ちゃうわ!】
ガニ股だの爪先立ちだのってwww
もう立位書けないじゃねーかwwww
経験すれば分かるけど、身長差がある場合の立ちバックは下から突き
上げる形になるので女がだんだんずり上がってくるから、それほど
違和感はないよ。
秘技☆空中浮遊立ちバック!! てことか
「懐かしい。この毒々しいチラシは魔界の店からだな。どれ…」
パラリ
『魔界777ッ能力…空中の束縛(イビル・バック)
これでどんな体位も思いのまま!パートナーを貴方の思い通りに調教できます!』
※長く保つ能力ではありません。使用時はご注意ください。
……。
「ふむ。」
ガサガサガサ(スーツの中へしまう)
その後、魔界へ直行。
何か沸いた。反省している。
150 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 13:05:52 ID:NwikyNZs
空中元也チョップを思いだしますた…(´・ω・`)…
ネウロぐらいデカくて体力ある奴だったら、わざわざバックにこだわる
よりも駅弁するだろな。
今月の課題が48手と聞いて飛んできました!
なんか魔人専用48手ありそうだなww
そのうち職人さんが全部開発しそうww
こりゃ大変だ!
魔界48手と警視庁48手の戦いになるぞ!
というわけで俺は魔界48ツ体位について妄想でもしてみるかな。
裏社会48手もお願いします
>>157 元闇金のチンピラと胡散臭い香辛料扱う兄弟と亡命した元スパイ×12=48手ですねw
死人が確実にでますね
いま刑法勉強してるんだが,
排他的支配可能性というワードに妄想がそそられていかん・・・
とてもネウヤコ臭いキーワードだな
萌え萌えしてきたぜ
そして勉強がんがれ
>>76 亀で申し訳ないがGJ。ちんこしまえが何故かものすごくワロタ。
ナース服も松井先生が描いてくれればいいんだがな。きっとアレな注射を弥子が
されてしまうんだぜ!
立ちバックやら48手やら見てて浮かんだんだが、
ネウロなら手を使わないでも、突っ込んだナニだけで弥子の身体
持ち上げるのも可能そうだよな。
>>163 ネウロなら余裕だよな
だけど変幻自在の魔人ならナニを変形させて後も前も同時に攻めれそうな気がするぞ
エロパロでネウヤコに人気があるのは原作の影響だけでなく
魔人がラブラブやシリアス、グロまでマルチにエロ対応してるからなのか?
一つは魔界777ッ道具に空きナンバーがたくさんありそうだからだと思う
流れも読まずに等々力エーロ・ゴシカァン!!!!!!!!
>>167 石垣と等々力で、
どちらが笹塚にふさわしいか対決してる姿が思い浮かんだ。
それは石垣×等々力のアレな勝負か!
石垣×等々力の「どっちが淡白な笹塚をねっとりその気にさせるかご奉仕勝負」
笹塚と仲良さげな弥子に仕事共々ライバル心を燃やす等々力さん
今週号読んで想像したこと。
弥子とネウロの行動がランチデートにしか見えない俺は大分病んでいる
石垣×等々力に燃えそうな俺がいる
へたれ年上×有能年下ってイイよなあ
>>172 病んでないよ。自分もそう見えたよ。
腕組か恋人繋ぎしてもおかしくない雰囲気だった。
「うん、入ろっか」とか仲良さすぎ。
石垣と等々力なら等々力×石垣だろうと思うのだが少数派?
しかしクールビューティのくせに笹塚に褒められて喜んだり照れたりしてる等々力さんも可愛いと思ったり
>>172 自分もちょっとそう思ったのだが本スレで書き込むのは勘弁して欲しいよな・・・
釣りかもしれんが
ここの進行はそう早い訳でもないんだから、
妄想ならここに思う存分ぶちまけてくれればいいものを!
エーロエロゴシカァン!!
自分も萌えたけど、エロ妄想とカプ語りは違うんでない
作品に昇華するなら有りだと思うが
スマソ
まあまあ、エロとカプ萌えは関連深いしいいんじゃない?
ここの進行もゆったりしてるし雑談の一種と思えば。語る内容に職人さんが触発されるかもしんないしさ。
鬼畜系モノならともかく
純愛モノはまずカプ雑談ありきだと思う
唐突にクリ○ゾンのガイドラインネタにかけたネウヤコが降ってきた
が、ここに晒していいものか迷っている
ここって禁則事項とかあるかい?
やおい以外ならいいんジャマイカ。
ありがとう、初投稿だもんでちょっとびびりながら投下してみる
ク○ムゾンのガイドラインを元ネタにした会話だけの短いギャグ
全然エロくないけど一応ネウヤコ
没収された土下座最中を取り戻すために事務所に潜入する弥子。
だが、それはネウロの巧妙な罠だった。
「先生の純潔は僕に汚されるために築いてきたんですものね」
「いつもの力が出せれば…こんな胡散臭い助手なんかに…!」
「よかったじゃないですか、魔人の力のせいにできて」
「んんんんんんんっ!」
「フハハ…アカネ、吾代と早坂兄弟を招集しろ。みんなで気持ちよくしてやる」
(耐えなきゃ…!!今は耐えるしかない…!!)
「探偵の生胸ゲ〜ット!意外に柔かいじゃねーか・・・」
(いけない…!私の下着の中がびしょびしょになってるのを悟られたら…!)
「桂木弥子…君の生ヴァギナを見てもいいかね?」
「早坂さんまで…くやしい…!でも…感じちゃう!」(ビクッビクッ
「おっと、クリトリスに当たったようだな。ククク、甘い痺れがいつまでも取れないだろう?」
***
「……ヤコ、ちょっとこれを見てみろ」
「ん?何か面白いのでもネットに載ってたの……ってうわああああああ何これ!」
「某巨大掲示板に書き込まれていたものだが」
「ちょ……これって……しかも吾代さんの『意外』ってのは……」
「ふむ、ク○ムゾンのガイドラインだそうだ」
「私何も見てない!見てないっ…って痛い痛い痛い!」
「逃げるなヤコ」
「笑いながら画面に顔を押しつけるなっ!しかもその笑顔恐いっ!」
「なんなら今から試してみるか?」
「試すなーーーーっ!いやマジでお断りしてもいいですか……」
「安心しろ、他の男は呼ばん。貴様の痴態を見られるのは我が輩だけ!」
「そういう問題じゃないでしょっ!しかもジ○ンプの広告みたいに言うな!」
「何なら縛りあげて24時間耐久ペッティングでもいいぞ」
「私は拒絶するーーーっ!断固拒絶しますさせてくださいお願いします」
「遠慮するなどうせ貴様は我が輩のモノだ。処女くらい黙って差し出さんか」
「丁重にご遠慮するって!簡単に初めてなんてあげられないって!」
「先生の純潔は僕に汚されるために築いてきたんですものね♪」
「やめてやめて助けてあかねちゃーーーんっ!!」
(ここで助けるってすごく野暮なことなんじゃ……)
ーそして数時間ほど事務所の扉が開かれることはなかったそうな。
以上でごじます
初投下GJ!
ジ○ンプの広告がツボったw
おつでごじます。
こっそり『まだ』な関係がすてき。
◆ ぽてんしゃる!
ちょ、エロパロ住人のどせいさんは嫌だw
早坂好きな自分はこっそり>184に
萌えちゃったんだぜ
GJ!
ネウロのジャイアニズム堪能した!
どうしても「生乳ゲ〜ット」で吹いてしまうクリムゾンクオリティw
等々力の流れをぶった切ってスマンが投下いきます。
全部で6レスの予定。
カップリングはサイ弥子。
ただし、実質、書かれてるエロは『弥子X弥子』
XIに捉えられていた時のシンクロ調教中、ってシチュの為、
弥子を観察してそれを真似るXIと、
電子ドラッグで記憶と作戦を植えつけられた弥子の
同化がかなり進んでいるという設定。
かなり特殊なカプの上、百合全開のエロなので苦手な人はご注意を。
私はXIか。
XIは私か。
どっちがどうだったのだろう?
最近では本当に分からなくなってきた。
昨日、XIがXIの時に聞いたらば「どっちがどーでもいいよ」と素っ気無い返事が返ってきた。
多分そうなんだと思う。どちらがどうでもいい。今の私たちはふたりでひとつ。
ただ、お互いがもっともっとお互いのことを知り合って、もっともっとお互いに近づかなければならない。
―――だから、私たちは今夜も体を重ねあう。
私が『私』を知るには。『私』が私を観察するには。「箱にする」以外ではコレが一番やりやすい。
ほとんど毎晩のようにやってるコレも最初のうちは『桂木弥子』がひどく嫌がったのを覚えている。
えーと、嫌がってたのは私だっけ? それとも『私』だっけ?
「じゃ、今日もしよっか、私?」
「うん、しよっか。『桂木弥子』の事もっともっと分かり合わないとね」
『私』が私の唇に唇を重ねてくる。
ネウロ以外には許したことの無い、その唇。
同じ形、同じ色、同じ柔らかさ、同じ体温の唇が、ぴたり、と重なり合う。
私も、『私』も、同じタイミングでもっと深いキスが欲しくなり、
唇を軽く開くと、舌を絡めあい、求め合う。
「やわらかいね……」
「キモチイイね……」
『私』は唇を離さないまま、私の胸元へとするりと腕を進入させてくる。
私は今、貫頭衣だけを身にまとってる。下着はつけていない。
阻むものなど何も無く『私』の手は、私の控えめな乳房にたどり着き、手の平全体で責めてくる。
そして申し訳程度に付属する乳首を、人差し指と親指でつまみ、浅く、だけど激しく責めてくる。
「ちっちゃいね……ちっちゃくて可愛いよ、私のココ」
「やぁ……もぅ……ちっちゃいって言わないでよ、自分だってちっちゃいクセに」
だって私は『私』なんだから、しっている。私の気持ちいいトコロを。
だって『私』は私なんだから、しっている。『私』の気持ちいいトコロを。
お互いがお互いの感じる部分を、完全をこえた完全なレベルで知り尽くしている。
だってXIは私を遺伝子レベルで観察し、ほぼ完全にコピーしてしまったので。
だって完璧といって良いほどに『桂木弥子』はXIにコピーされてしまったので。
私は『私』だったのか、私がXIだったのか。
「や、やぁぁあああっ……好き……それ好きだよぅ…」
「好きなはずだよね『私』? ココ……毎日毎日ネウロにかわいがってもらってたモンね……」
そんなちょっと怖い考えを忘れるために、私は『私』に反撃をする。
『私』も布きれ一枚みたいな服の他は何も身にまとっていない。
私は裾から手を入れると、下穿きさえはいてない股座に手を伸ばし、
ちょっとした愛撫で濡れてしまう割れ目に指先をそえると、優しく、優しく、甘く、撫で上げていった。
「ひゃぁっ! そ、そんなのダメだよ! そんなの気持ちよすぎるよ!
「私は、コレ、だいすきだよね? ネウロに毎日いじめてもらってたから……」
だけど、『私』は私なので、すぐに『私』が私を気持ちよくしてくる。
『私』は、くるりと体制を変え、裾の中に顔全体を突っ込むと、
ちょっとした愛撫ですぐに堅くなってしまう私のクリトリスの包皮を剥き
舌で、甘く、甘く、優しく、舐め上げてくる。
クリトリスを舐め上げられると、女性器全体が怪しい感覚に蠢き、
快感の余りぱっくりと開ききった秘裂からは溢れんばかりに蜜が漏れでてくる。
私の内股は愛液でもうドロドロだ。
『私』の内股も愛液でもうドロドロだ。
でも、今、気持ちよくなっているのは、私の元からの感覚なのだろうか?
それともXIの目的の為に必要な、新たに植えつけられた感覚なのだろうか?
「忘れる為」に、快感に溺れていたいのに、私の脳は心の奥から勝手に不安の種をすくい上げてしまう。
「自分は何者なのか?」
つまるところ、今の私の不安はそれであり、XIに至っては行動原理そのものだ。
こうやって、私が『私』を責めたり、逆に私が『私』に責められたりするのも、
XIが己の出自を知るための一つの手段だとも言っていた。
何を好み何を嫌い何を楽しみ何を求めるのか?
誰に怒り誰を憎み誰を恐れ誰を愛するのか?
そういったものの積み重ねを知ることが、自分のルーツに繋がるのだと、XIは信じているようだ。
私は……『桂木弥子』は何を求める人間だっただろうか?
おそらく……特に強く求めるものは、被虐の屈辱と……ヒトの雌としての肉体の満足感。
余り楽しくない話だが、ただただ強く、素早く、そして賢い雄に犯される事を望む雌というのは存在する。
そして残念ながら私は、狂おしいほどにそのタイプの雌なのだ。
好きな男の雄器官が私の膣を蹂躙するのを許してしまう……いや、求めてしまう。
ネウロのペニスが私の膣を犯しているとき、私は痛みと、苦しみと、
そして言い知れないほどの悦びを感じてしまう。
『桂木弥子』に模しているXIもまた、そういった被虐の喜びを感じるのだろうか?
いや、アレほど『痛い目』にあってなお、ネウロに挑戦し続けるというのは
わざわざ桂木弥子の真似をするまでも無く、XIは弥子以上のマゾヒストなのかもしれない。
あるいはXIのネウロに対する思いの強さでは、ある意味『桂木弥子』にさえ勝るかもしれない。
むしろ、XIはそれに気づいたら喜ぶかもしれない。
「ふーん、俺ってばそんな奴だったんだ」と。
私がXIだったとして、XIである前は誰だったのだろうか? なにだったのだろうか?
私が元から桂木弥子だとすれば、こんなにもXIに身を任せられるものなのだろうか?
―――だが、やがて、不安でぐるぐる渦巻く『私たち』の心にも安らぐときがやってきた。
深くて深く、激しくて激しい快感が、脳を麻痺させ、理性を溶かし、
『気持ちよくなる以外に何にも考えないでいること』をようやく許してくれたのだ。
「ねぇ……」
「なんなの『私』?」
私の股間を舐めるのを止めた『私』が、
なんだか片栗粉を頭から被ったとき以上に、とろん、とした目で私を見つめてくる。
「膣内に…指……入れてくれる?」
『私』が服を脱ぎだしたかと思うと、お尻を突き出しておねだりしてきた。
「私の膣内にも入れてくれる良いなら良いよ……」
私も一枚しかない服を脱ぎ捨てると、お尻を相手の顔に突き出し、カラダを重ねあう。
多分私も、とろん、とした目つきをしているのだろう。
ひとりだけが気持ち良いのはダメだ。自分だけ気持ち良いのはダメだ。
なんだかさみしいから。
だから私は『私』といっしょに気持ちよくなりたい。
そして、ふたりじゃなくて、3人だったらもっと楽しいかも、気持ちよいのかもと思って、
一度だけアイさんを誘った事がある。
―――そしたらもー、なんだかものっすごく怒られた。
いや、アイさんは怒らない。少なくとも言葉の上では怒らない。
ただアイさんは怒りを行為で示す。
燃費の悪い桂木弥子の肉体と、燃費の悪い桂木弥子の肉体を模したXIは、
『一般人が食べる程度の量しかない食事の提供』という形でアイさんの怒りの報いをうけることになった。
一日に三食しか食べられないだなんて信じられない。たったの三食だ。2000kカロリーにも満たない。
あの時は『飢えこそが自分を殺すのだ』と痛いほどに思い知った。思い知らされた。
特に最近不機嫌なのはそれだけが理由でもないのだろう。
あの人は、アイは、XIだけを見ているのだ。愛しているのだ。 そのぐらいは『桂木弥子』にだって分かる。
こうやって今のこの「XIを奪っている状態」の桂木弥子に対しては心中言い知れないものがあるのだろう。
しかたがないので、こうやって、今でも私は『私』の肉体だけを慰めている。
しかたがないので、こうやって、いまでも『私』は私の肉体だけを慰めてくれる。
こういうのも、自慰行為というのだろうか?
「入れるから、入れてちょうだいね?」そう、私が言う。
「入れてあげるから、入れてね?」そう、『私』も言う。
鏡合わせのようにうなづきあうと、同時に、私たちは膣内に異物感と、そして強い快感を感じる。
「ふあぁっ!」 私の指が『私』の膣を犯していく。
「ひゃあっ!」『私』の指も私の膣を犯してくる。
燃費が最悪といって良いほどに悪く、食べる割りには痩せぎすの私の体は脂肪が少なく、少々硬い。
膣内だって例外ではない。少しゴリゴリとしていて、正直、他人が触って面白いモノだとは思わない。
体も小さいので指一本とはいえ、抽迭もスムーズとはいえない。
でも、だからこそ、ゆっくりと、膣内に指を沈めていく。
でも、だからこそ、深く、膣内に指を沈めていく。
私は『私』を。
『私』は私を。
「入っちゃったね……」
「入っちゃったよ……」
私の指をくわえ込んだ『私』の膣内は、暖かく湿っていて、きゅうきゅうと指を締め付けてくる。
私の膣内もきゅうきゅうと『私』の指を締め上げているのだろう。
でも、自慢になるのかどうかはわからないが、
膣内の硬さとは裏腹に、愛液だけは豊富に分泌されている。
『私』の膣を犯し続ける私の指は、たっぷりと愛液にまみれ、光を反射してつやつやと輝いている。
この体勢では直接は見えないのでよくわからないが、『私』の手指もそんな感じなのだろう。
「ダメ! ダメだよ『私』! それ深すぎるよぅ!」
最初は浅く。そして深く。
「ダメ! ダメだよ私! それ激しすぎるよぅ!」
最初はゆっくりと。そして激しく。
「あは……だんだんやわらかくなってきたよ……」
私の膣肉がほぐれてきたのだろう、膣内に侵入した『私』の指が「く」の字に曲がったかと思うと
ますます大胆に私の膣を犯していく。
「ここ……だんだんかたぁくなってきたよ……」
左人差し指で豊富に溢れだす蜜をすくいあげ、カチカチに勃起した『私』淫核を撫で回してあげると、
指をくわえた『私』の膣はますますきつくしまっていく。
たっぷりと濡れた秘裂から立ち上る雌の匂いは二人分で。
くちゃりくちゃりと響くいやらしい水音も二人分で。
快感にこらえきれずはぁはぁと漏れ出す吐息と喘ぎも二人分で。
「あのね、もう……ガマンできないよぅ……おしまいにしよう?」
「うん、おしまいにしよっか……」
私たちは膣から指を引き抜くと、お互いの一糸まとわぬ体を重ねあわせ絡めあう。
厚く火照った掌と掌を。
熱い吐息が漏れ出す唇と唇を。
少々脂肪分不足で厚みの足りない乳房と乳房を。
そして、
女の蜜に濡れそぼり、快感を求める為に開ききった『唇』と『唇』を。
『私』が私の『唇』に『唇』を重ねてくる。
ネウロ以外には許したことの無い、その『唇』。
同じ形、同じ色、同じ柔らかさ、同じ体温の『唇』が、ぴたり、と重なり合う。
最初はコレもディルドを使って繋がったり、
XIがペニスを生やして繋がったりしたこともあったけど、そんなものはもういらない。
ちょっともどかしいくらいにソフトなこの繋がりが「私たち」にはあっている。
「うごくよ」
「うごくよ」
言葉で確認すると目と目を合わせ、「私たち」は、重なり合った雌器官をこすり合わせ始める。
こすれる部分からぴちゃぴちゃとわずかに響く水音が、「私たち」の耳を、脳をますます興奮させていく。
「ん…」「ん…」
ふたり同時に痺れ
「ふぁ」「ふぁ」
ふたり同時に震え
「ああっ!」「ああっ!」
同時に喘ぐ、私と『私』
嗚呼……私たち……今すっごく、ひとつになってる
「あのね……イキそう…イっちゃそう……」
「うん……イキそう…イっちゃいそう……」
これ以上「私たち」に言葉は要らなかった。
ただただ気持ちよくなりたい。
その想いをひとつにして「私たち」はお互いを深く、硬く、強く、抱きしめあった。
「 」「 」
達したときに口から出たのは、たったの吐息一個分。
本当にひとつになりすぎて、本当に気持ちがよすぎて、叫び声さえ出なかった。
「私たち」が達したのは、コンマ一秒のズレさえないまったく同時。
続けて、肺が空気を求め、すう、と一口空気を呑むと
「ネウロ」「ネウロ」
私はネウロの名を呼んでいた。
『私』もまたネウロの名を呼んでいた。
それは桂木弥子の思いだったのだろうか? 怪物強盗XIの殺意だったのだろうか?
わからない。
わからない、けど、ふたりの想いは間違いなくひとつだった。
<了>
投下終了お邪魔しました。
なんか手間取って、長いことスレ占拠して申し訳なかったです。
なんとパラダイスな情景…GJ!!!
GJ!
そうか。原作でサイがヤコを燃費良く改造したのは
対ネウロ戦のためではなく、アイの飯抜き対策か…
キタ――(゚∀゚)――!!
なんというヤコヤコ。
GJ!!!
サイ(W)ヤコGJ!!エロいし不思議な感覚で良い!
シリアスっぽくもあるし、雰囲気あるなぁ。
ま
じ
ネ申
サイアイ2レス投下。 暗くならないようにしたらやっぱりこっちもバカップル!
「おはようございます」
いつもの時間、いつもの通りの手順でカーテンを開き、朝陽を部屋に入れてからベッドの中にいる相手に声をかける。
「んん」
もぞもぞと動いて白い布団の下から出て来た少年は眩しそうに目をぱちくりとさせて、細い手を伸ばす。
「アイ、今なんじ?」
「いつも通りに6時ちょうど・・・を過ぎた所ですが?」
何でしょう、と伸ばされた手に近寄るとその手に引き寄せられて倒れる、細い肢体。
その彼女の身体をクンクンと犬のように嗅いでから笑う、サイ。
「今日の香水・・・いつもと違うね?えーと、今思い出すからね、頑張って。うーん、うーん」
「ベビードールです、この前サイが盗って来た物を使ってみようかと思いまして。私には少々甘過ぎるのが難点ですね」
「あー、人が言う前に答え言うとかアイってばひどっ!さいあくっ!」
言葉とは裏腹に笑いながら細い腕は両方自分の首へと回されて、そのまま抱き締められてベッドの中へ。
「朝ご飯を召し上がらないのですか?」
「ん〜。朝ご飯はねぇ〜」
腕の中、身動ぎもせずに聞けばニッコリと笑う少年はその鼻先にキスをして答える。
「アイが食べたい」
「バラさない程度にお願い致します」
「そういう意味じゃないって」
分かっています、と言う返事の代わりに彼に優しい口付けを。
合わせた唇の熱は既に熱くて、もどかしげに差し込まれる彼の舌先を受け入れ、絡め、唾液をコクリと飲み込んで。
「ん・・・」
いつの間にか下ろされていたサイの手は優しく動くのに、その『力』は簡単にアイの服を裂いてしまう。
裂かれた服の隙間から見える下着も触れれば簡単に裂いてしまう彼の指先。それでも、肌を傷つける事は無くて、でも
微妙に触れる指先の『力』は普段はポーカーフェイスな彼女をもどかしくさせるには充分なもので。
「ぁ・・・、サ・・・」
「声出しちゃだーめー、ご飯が喋ったら変でしょ?」
裂いた服をさっさとベッドの下へ落とされながら、身体をごろりと転がされ、その上に跨るのはいつものような
悪戯っ子の微笑みを浮かべる少年の姿。ただ、違うのは自分の前でしか見せない類の微笑みと言う所。
ちゅ、と音を立てて白い喉へキスを落とされれば自然にぴくりと反応をしてしまう自分の身体が恥ずかしい。
普段ならこんな、こんな風に声を出すなとか言われる事は無いの、に。
「・・・ッ・・」
微かに甘い吐息が漏れる。慌てて視線を落とすと目を細めてこちらを見上げるサイの視線と自分の視線が絡み合う。
「今、声出したでしょ?」
声に出さずに、ぷるぷると首を左右に振るとサイの目が更に細く、愉しげに歪む。
「アイは俺の朝ご飯なんだからねー、声出さないでね?」
こくり、と頷きをひとつ。口元へ、片手を押し当てて吐息に混じって声が出ないように耐える。
ただ、部屋の中に自分の淫水の音だけが響くのが、恥ずかしかった。
普段なら、アイの甘い声を聞くのが好きなのに、今朝は違った。
何故かアイの身体から匂う香りが、甘くて甘くて美味しそうで、それを味わってみたくて、アイに声を出すなと言ってみた。
自分がそう言った後のアイは触ればいつもよりもよく反応するし、いつも以上によく濡れるし。
指ですくったアイの蜜を舐めてみる。
「んー、変なの」
犬がミルクを舐めるように、アイの脚を広げさせてその中心にある秘所から溢れる蜜をぺちゃぺちゃと舐める。
アイの身体から香る匂いは甘いのに、蜜は違う甘さと香りがする。いつも通りだけど、少し違うような。
つん、と秘所の外側にある尖った場所を舌先で突付けば声は出さないけれど、代わりに腰が震えて蜜がたくさん溢れ出す。
舌先を秘所に入れればそれだけでひくひくと肩に乗せた脚が震えて、アイの心拍数がどれだけ速いか伝わって来る。
溢れて来る蜜は、サイだけの物。
今朝の蜜は、サイへの、朝ご飯。
そこにいる彼女は、サイへの、供物。
「アイ、欲しい?」
ペロリと口の周りを舐めながら顔を上げると、真っ赤な顔をしたまま彼女がこちらを見て、小さく、ほんの僅かに首を上下に。
いつも着ている白い服を脱ぎ捨てて、自身を取り出せばもうそこは張り詰めていて、自分でも面白いなぁと一瞬見とれたり。
脚をまた広げさせて、細い腰を抱え上げる。身体に触れるだけでピクリと震えるのは気のせいじゃなくて、楽しい。
指を入れて焦らしたわけでも無くただ単に舐めていただけのアイの秘所へ自身をあてがう。
合図も何も無しに一気に貫くと、一瞬だけアイの身体中が大きく爆ぜた。
やんわりと締め付けて来る胎内を味わうように、挿れたまま動かずにじっくりとその感覚を『味わう』。
数分位経ったのか、しばらくぼーっとしているとアイの身体がじわじわともどかしそうに動いて来て中断された。
「アイ、欲しいんだったっけ、忘れてたや」
ごめんごめん、と笑いながら腰をまた抱き直すと自分の体を動かす。にちゃり、と淫水の音が部屋に響く度にアイの顔が
苦しそうに、でもどこか恥ずかしそうに紅く染まっては手を必死に口に抑えるのが楽しくて、今度は動かすのに夢中になる。
それをまた続けながら、香りを嗅ぎたくなって体を軽く前に倒してアイの首元に鼻先を近付けた瞬間。
「・・・・・ッ!あ、サイ・・・ッ」
堪えていた物を上げるように、甲高い声を立ててアイの胎内が爆ぜるように一気に収縮して、自身を締め付けて、
思わず自分も反射的にアイの胎内に出してしまった。まだ、出すつもり無かったのに。
くんくん、とそれでも挿れたまま首筋に鼻先を押し当てて匂いを嗅ぐ。
甘い香りは鼻をくすぐる。でも、さっきよりも甘く感じるのは・・・
「サイ・・・すみま、せ・・」
「あー、そっかー」
「はい?」
真っ赤な顔で荒い息をつきながら、声を出した事を謝るアイを見て気付いた。
「アイだからなんだね、これって。うん、わかった。ありがと、アイ。とりあえずご飯食べたいな、俺」
ずるりと胎内から引き出した自身と、吐き出した物が流れる身体を起こした彼女が無言で俺の頬をむにっと摘んでから
ベッドを降りるのを、俺はベッドの上に座ったまま眺める。白くて、綺麗な肌。いつもと違う、甘い香り。
「アイだから、良い匂いだなって思ったんだね、俺。アイじゃなかったら反応しないよ多分」
「・・・褒め言葉として受け取ってよろしいのでしょうか?」
服の代わりにシーツを纏い振り返るアイの顔は、朝焼けに照らされたせいか、それとも余韻のせいか、いつもより紅く見え、
とても、とっても綺麗だった。儚くて今にも消えそうで、綺麗だと『俺』が思った。
それだけは、きっと、いつまでも消える事の無い、『サイ』の記憶。『彼』の想い。
ヤコヤコGJを叫びたくてサイアイ書いた。
ちなみにベビードールはアイさん位の年齢の人がつけるにはちょっと甘過ぎるので似合わないと思う。
ちなみに等々力x石垣だな、と普通に思ったのここにいるから安心してくれ同士。
百億の乙と千億のGJを
幸せなサイアイ、いいっ!
ベビードールとかよくわからんかったのでぐぐってみた
……うまそうだなあ
サイアイGJ!
確かにアイさんにはベビードールは甘いかな
等々力と石垣の女性上位っぽいSS希望
>>212 「俺の方が先輩にふさわしいと証明してやるー!」
と意気込んだものの、
結局、等々力にリードされる石垣が思い浮かんだ…
石「ねえ、いきそう?いきそう?」
等「そういうこと聞かれると集中できない」
みたいなのか!敬語使ってたっけ…
>石「ねえ、いきそう?いきそう?」
キモいwww
キモいなw
言いそうだけどwww
言いそうできめぇww
「ねえあんま声出てなかったけど俺あんま良くなかった?」とかも言いそうだww
なんという萌え…
エーロゴシカァン
ウザキショくて新鮮だなw
過去あった石弥子は微笑ましくて可愛かった記憶があるのに…
>>217 石垣「ねえあんま声出てなかったけど俺あんま良くなかった?」
等々力「エロア…AVの見すぎなんじゃないですか?」
あえて言いなおす等々力たんのデレ成分 プライスレス
石垣が二次元以外にも興奮するのかが問題だな・・・
この流れでちょっと石垣×等々力に嵌まりそうだ
大丈夫大丈夫フィギュアは三次元だから。
クール&ビューティで、エッチの最中にもあんまし表情変わんない
フィギュアみたいな娘の方が好みだったりするかも知れんぜ?
石垣「お前、こうしてこの角度から見るとドシロート娘メインボーカルの子に似てるんだな・・・・・・ウッ」
等々力「はぁ・・・・・・」
こうですか解りません><
ネ「本誌に等々力刑事が出てきてから何故『石垣×等々力』ばかり話題になるのだ。
少数CPで一度投下されているのだし『笹塚×等々力』が話題になっても良いのではないか?」
弥「さ……さあ?なんでだろうね」
ネ「まさか笹ヤコ派だらけではあるまいな…我が輩は許さんぞ…」
弥「いやそんなこと言われても…って荒木フォントでゴゴゴはやめて!
そしてさりげなく脱がしにかかるなっ!」
ネ「貴様は我が輩のものだと分かるように目立つ場所に痕を残してやろう」
弥「いやあああああああああああ!叶絵にまた突っ込まれる!」
ネ「突っ込むのも我が輩だけの特権だっ!」
弥「その突っ込み違う!あんたどっちかというとボケだから!」
ごめん、笹ヤコも好き。でも笹×等もちょっと期待。
等々力さんが攻めだって良いじゃないか
等々力×笹塚か……
新しいな!
等々力さんのおかげで警察関係者×等々力が出来るね
筑紫×等々力なんてどうかなあ…
二人ともストイックそうで萌える
何かと笹塚に食ってかかる笛吹と、笹塚を尊敬してやまない等々力……
パワハラ的なあれこれがエーロ・ゴシカァンに発展するんですね!!(*´Д`)ハァハァ
いしとど
ささとど
うすとど
つくとど
ひぐとど
まきとど
ひらとど
どれも和む響きだ
石垣「お前の子供の頃のあだ名、トドだろ!や〜いトド!トド!」
等々力「(冷笑)」
等々力は余裕があるのでなくて、優等生キャラだと思う。男だらけの職場の中で
気を張ってきちんと仕事をしなきゃ!と気張ってる。
石垣にからかわれて、最初はなんでもないフリをしてるけど、そのうち耐え切れず
怒ってしまうんじゃないか。そして、いつの間にか石垣にペースを崩されていると
気づいて…みたいな。
この流れで本気で石等々力にはまりそうなんですが。
まじで誰か書いて下さい(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ
まあまあまだ展開もこれからなんだしもちつけww
等々力ブームをぶった切ってすまんがよくわからんネタが降ってきたので投下。
ジョジョ1部のあのラグビー実況からの改変。
元ネタがネットに転がってなかったので住人各位の漫画知識に期待。
***
とったァーーーーーーッ!
壮大なる逆ハーレム状態から弥子をかっさらったのは魔界探偵事務所の助手ーーッ
脳噛ネウロだァーーーーーッ!
普段は静かなる男!
身長188cm魔界出身脳噛ネウロ、雄叫びをあげて弥子の実家へ突進するゥ!
桂木家への婿入りを目標にしたこの奪取! 成功でかざれるかァーーーッ!
おおーっと 未成年への淫行と戸籍の不正取得容疑がかけられたァーッ!
警視庁勤務のくたびれ刑事が脳噛ネウロに職務質問!
し・・・しかし!全く動じていない!巧みな話術でスルーするぞォ脳噛ネウロ!
また2人目ハッカー刑事!つかまったッ 3人目ヨーグルト好き刑事!
すっごぉ〜〜〜〜〜いッ
3人に職質されたまま火花を飛ばされながらも惚気をやめないッ!
脳噛ネウロッ!
なんという執着心、なんという傲慢さ!
まるで気に入りのオモチャは絶対に人に貸さない子供ですッ!
4人目はかつて子猫ちゃんと呼ばれた男ッ!
さすがにぐらついたッ!特上寿司で弥子を吊るチンピラ副社長をかわせるか脳噛!
ああッ!
小卒と罵倒したうえに思いきり足蹴にしたァーーーーーーーーッ!
待ち構えていたのは・・・・・・・・・・!?
サイ! やはり箱詰め大好き怪盗サイですッ!
華麗なHALの目で洗脳ですッ!操られた弥子を元に戻せるかッ!!
戻すッ!戻ったァーーーーーーッ 電気責めですッ!
華麗だ!あいかわらず華麗なドSっぷり!
桂木家へ到着!
やったァーーーッ 母親への説得を成功で飾りましたァーーーッ!!
***
以上でごじます!
3人目誰にするかで迷った……荒木ファンすまん反省はしていないッ!
ディオポジションでサイを持ってくるのはどうかと思ったが他に考え付かなかったんだ…
三人に職質されるネウロ、シュールすぎるwwww
荒木絵のネウロキャラが脳裏から離れなくなったじゃないかどうしてくれる
GJでごじます!
雄叫びをあげて突進するネウロwww
>>236 グッジョブ!!ジョジョの知識ないけど笑えたよw
ネウロが弥子を小脇に抱えてる図を想像して萌えww
>>236 すげえwジョジョ立ちするネウロがはっきり頭に浮かんだwww
あんまし違和感なくてバロスwwwww
ジョジョ立ちネウロバロスwwwwwwwww
「我が輩は魔人をやめるぞ!ヤコーッ!!」
ゴメン、言ってみただけw
流れ豚切りで、ややネウロ×等々力なブツ投下。
でもエロくないんだ…エロはリハビリ中なんだ…。
なので精神的エロスを目指してみた。
244 :
蜘蛛の罠 1:2007/10/22(月) 00:00:39 ID:NR5E5OVG
世の中は秋真っ盛りということで、どこか浮かれた空気が漂っている。
どこも色鮮やかになる時期だから心情として無理もない。しかし何となく同調する気に
もなれない。
念願叶って最近ようやく捜査一課に配属され、更にその高い操作能力ゆえにかねがね
一目置いていた笹塚と組むことになった等々力は、普段の生真面目な性格からか粗
相のないよう慌てないようにと必要以上に気の張る日々を送っていた。
そして今日も、とうに日はとっぷりと落ちている。なのに事件は休んでくれる筈もなく、
等々力は笹塚と共に数日前に捜査を終えたばかりの数件の殺人事件の調書作りに
追われていた。それが終わったら明日捜査に出向く事件の概要を纏めておかなけれ
ばいけない。このままでは日付が変わるまで残業することになるかも知れないが、等
々力としては満足だった。
どのみちコツコツと仕事をこなすのは向いている上に、笹塚と一緒にいられるのだ。例
えろくに口を聞かない相手だとしても、意味もなく嬉しい気分になる。だからといって何
か発展があることを期待出来ないのは最初から分かっていた。
時計の針は午後九時を過ぎていた。
「先輩、何か買って来ましょうか」
調書はあらかた終わりかけていた。もう一息と溜息をついた等々力は、二人とも昼過ぎ
から何も食べていないことをようやく思い出してデスクを立った。室内にいるのは二人だ
け。声すらもうわんと空間に響いている。
同じぐらい作業に没頭していた笹塚は、その声でようやく顔を上げてゴキゴキと首を回
した。
「…そうだな。じゃ、頼むとするか」
「はい!それではすぐに買ってきますね。待ってて下さい」
勢い良く飛び出したものの、庁舎の長い階段を降りながらいつもならあまりつかない
二度目の溜息をうっかりついてしまう。
規制でもかかったか?支援
246 :
蜘蛛の罠 2:2007/10/22(月) 00:47:04 ID:NR5E5OVG
願いは叶っているのに、何となくつまらない。その原因は分かっている。だからこそどう
することも出来ないジレンマが日増しに強くなっていたのだ。
ちょっとぐらい優秀だからといって、何の役にも立たない。
等々力は長い階段の踊り場に立ち止まって、三度目の溜息をついた。
「おや、奇遇ですね」
そんな時に夜の闇から抜け出たように階下から現れたのは、この前一度だけ見たこと
のある女子高生探偵の助手という男だった。
「どうしたのですか、ここは部外者が立ち入れる場所じゃないですよ」
「御存知ないようですね、先生の言伝であれば笹塚刑事はいつでも受けてくれること
になっていますが」
「先生…?」
一瞬、どんな醜い顔をしたかと等々力は内心焦る。忘れたくても忘れられない顔には
違いない。あの笹塚をして一目置くような凄腕の名探偵だ。見かけは只の呑気な女子
高生だが、数々の難事件を解決しているのは等々力ですら知っている。ならば多少は
何かあれば情報を流すというのも納得出来る話だ。
「ええ、昨日の強盗殺人事件の件についてです。当事務所で独自に調査したことがあ
りましてね…あ、これは先生からの差し入れですので召し上がって下さい」
さらりと笑う長身の助手から差し出されたコンビニの袋の中には、あんパンと缶コーヒ
ーが二つずつ、それと袋入りのスナック菓子が一つ入っていた。
「…それはどうも御馳走様です。では先輩には私から伝えますので」
「それは出来ませんね」
「え?」
夜の闇がそう見せているのか、あの時はあくまでも女子高生探偵の影にいた形の助
手が禍々しいほどに微笑している。理屈ではなく本能が危険だと訴えていたが、それ
以上の好奇心が今のなけなしの矜持を支えていた。
「先生は、笹塚刑事に直々に情報を伝えようとしているのですよ。あの桂木弥子がで
す。その意味が分からないあなた…等々力さんといいましたか…ではないでしょう」
「失礼ですがそれは」
「融通の利かない人ですね」
助手の男はますます笑みを深くした。
247 :
蜘蛛の罠 3:2007/10/22(月) 00:49:39 ID:NR5E5OVG
「等々力さん、あなた子供の頃から誰にも負けたことがないでしょう。勉強でも、スポー
ツでも、弁論においても。それで通ってきたしこれからもそうするつもりの所謂優秀な
人ですね。その反面面白味のない人です。捜査というものは時にインスピレーションに
頼る部分もある訳で、その意味では等々力さんの能力は極めて凡庸に過ぎるでしょう
ね。それでいて捜査の前線に出て来られては」
「何、迷惑だっていうの」
「いいえ…先生はそのようなことは一切申しません。これは僕個人の主観でして。どう
か御容赦を。ただ、出張られては何かとやりにくいとは感じているでしょうね」
「そんなの!」
揶揄するような笑みにつられて、等々力は思わず声を上げてしまった。
「自分でも分かってる、でも仕方ないじゃない…!今更簡単に変えられない。どうすれ
ばいいっていうの、私は何か間違ってたの、あなたになんか分からない…」
叫んで駆け出そうとした刹那、階段の踊り場だったことを忘れてうっかり段を踏み外し
そうになる。
「あっ!」
「いけませんね、慌てふためいては」
寸でのところでその身体を支えたのは、悔しいが女子高生探偵の助手だった。思いが
けない力強い腕に、呆気に取られてしまう。
「は、離しなさい」
「それは構いませんが、落ちますよ。一気に下までね」
ぐっと近付いてきた顔が、にやーりと歪んだ笑みを浮かべたことがもう不快ではないの
は不思議だった。
「どうせ落ちても構わない、私なんて」
「何を弱気なことを」
駆け引きのような言葉が、するすると耳を通過していく。気分だけではなく襟元が緩ん
でいったのはのはきっと何かの間違いだろう。
「先輩、只今戻りました」
何食わぬ顔で元の場所に戻っていく等々力は少しも変わらなかった。その振りをして
いた。少なくとも他者に影響されたなど、到底考えられもしなかった。とりあえず今のう
ちは。
それが矜持の源でもあったから。
見えない箇所まで綿密に糸を張る、悪意を秘めた蜘蛛の意思などもちろん考えられる
筈もない。
書けなくなったエロスは絶え間なく挑戦中。
>>247 GJ!!風景描写の細かさが好きだ
エロスの方も全力で応援&wktkして待ってる
249 :
26:2007/10/22(月) 15:35:54 ID:ghrwFz4h
等々力タンの流れの中スマソ。笹弥子キタ――(゚∀゚)――!!ので投下。
無駄に長いので規制されないことを願うんだぜ!
250 :
26:2007/10/22(月) 15:36:28 ID:ghrwFz4h
無機質な携帯電話の奥から聞こえてくるのは、やっぱり無機質で抑揚のない声だ。
心なしか、声に混ざる吐息の雑音が一割増な気がするのは多分仕事に追われているからだろう。
犯罪者なんていなくなってしまえばいいのに、とこんなときいつも弥子は思う。
『…そんなわけだからさ。事務所、出たら先入って待っててくれるかな』
最近の携帯電話は高性能だ。そんなリアルに彼の声を再現したら、余計切なさが募るだけなのに。
「分かりました。そうしますね。あんまり無理、しないで下さいね。遅くなっても、私、平気ですから」
ああ、今、微かに笑ったなぁ…。その吐息まで再現しなくてもいいのに、高性能も困りモノだ。
『ありがと。なるべく遅くならないようにするよ。イイコで待ってなね…?』
きっとこの人はいつものあの変わらない表情で言ってるんだろうな。こっちは嬉しくて嬉しくてほっぺたが痛いくらい、ニヤけてるのに。
了解の意を伝えて、仕事の邪魔にならないように手短に通話を終えた。
ネウロの謎調達も終わって、事務所に荷物を取りに帰る途中のこの電話。なんていいタイミングなんだろう。
謎を喰べたばかりでネウロは機嫌が良い。今からすぐ帰ることもできそうだ。頭の中に、今日これからの予定に関する計算が一気に構築されていく。
「うわぁ、すごいですね先生!そのくらい頭が早く回るなら、何故毎度テストで赤点くらってるんですかね!?」
「ちょっ…またアンタ人の頭の中読んだわけ!?やめてよ、もう…!」
相変わらずこの外道魔人は性が悪い。ああ、今考えていた構築式が崩れそうになる。……コイツの狙いはそれだ、今気付いた、今。
「ネウロ、約束通り謎を喰べれたんだから今日は私、帰るからね!今日だけはアンタの電話番号、着拒否するから。何かあったらメールにしてよね」
携帯の着信拒否設定を変えながら、手短に話を進める。弥子がこんなに強気に出れるのも、今日の謎が良質且つ通常の二割増のサイズだったからだろう。
その証拠に、ネウロは言葉を遮ることなく興味なさげに相槌を打っている。ネウロの興味の対象は、
どうやら今日の事件現場に居合た眼鏡をかけた不思議な小学生にあるらしい。
頭脳と身体の年齢バランスがどうのこうのと言っていた。これから跡をつける気なのだろう。
「ゴチャゴチャ煩いぞ、ワラジムシ。我が輩これから用があるのだ、いつまでも奴隷風情に構ってなどいたくはない」
ほら来た…!眼鏡の坊や、全力で逃げてと祈る。
「次は月曜4時に事務所に来い。遅れたら全身の関節を逆向き仕様にしてやろう」
「ハイハイ…」
そう返して、弥子達はスクランブル交差点を思い思いの方角へ進む。今日は土曜日…大事な大事な、邪魔の入らない週末なのだ。
事務所に帰って荷物を取る。真昼の陽射しは強いとはいえ、朝夕は冷える。今はまだ通学時にしか着ないブレザーを羽織り、事務所の鍵を占める。
施錠後、笹塚に貰ったANNARUIのキーケースを見つめて、また笑みが広がるのが分かって自分でも恥ずかしくなった。
手元のキーケースには、自宅や事務所の鍵の中に紛れて、真新しい鍵が不釣り合いな新品独特の金属光沢を放っている。
「貰っちゃった…んだなぁ…」
弥子にとって部屋の合鍵といえば、コイビト同志を象徴するアイテムのような気がした。
世間一般のコイビト達程進展が早いわけではなかったし、会える時間も電話の数も行為の回数も満足とは言い切れない。
笹塚の忙しさを知っている弥子は、それに対して不満はなかった。だからこそ、合鍵というアイテムは弥子にとって革命的だった。
251 :
笹弥子2:2007/10/22(月) 15:39:41 ID:ghrwFz4h
この鍵がキーケースに仲間入りしたのは、つい最近だ。いつも通り事件現場で笹塚に出会した帰り道、自宅まで送ってもらった際のこと。
ブレザーを羽織らなけば風邪をひいてしまいそうな朝夕の気温だった。
『弥子ちゃん…着いたよ、起きな』
左手で軽く右頬をむにむに揉まれ、夢現の境にいた弥子がぼんやりと目を覚ます。
『ふぁ……あ、ごめんなさい…わたし、ねちゃったんですね…』
目を眠たそうに擦りながら弥子が答える。
『ん、別に良いよ。疲れてるんだろ、ゆっくり休みな』
右頬を揉んでいた手を、そのまま弥子の薄い色素の髪へ伸ばし、ゆるゆると撫ぜる。
『はい…ありがとうございます、そうしますね』
『じゃ、おやすみ…弥子ちゃん』
運転席から身を乗り出し、弥子の額に優しく口付ける。笹塚の視線が柔らかい。滅多に見せない眼差しが印象的だったのを、弥子はよく覚えている。
笹塚の車を見送り、自宅の鍵を開けるため、ブレザーのポケットを探る。
眠たいなぁ、明日はまた学校だ…数学の宿題、終わっていないや。明日叶絵に見せてもらおう……。
そんなことを考えながらキーケースを開き、自宅の鍵を……そこで弥子は驚愕した。真新しい鍵が付けられている。ご丁寧にリボンまで巻かれて。
『うぁっ…!』
こんなことをするのは一人しかいない。すぐさま携帯電話を取りだし、メモリ番号0の相手を呼び出す。彼が出るまでのコール音すらとても長ったらしく感じた。
『あぁ、弥子ちゃん、気付いた?弥子ちゃん眠たそうだったし、今日は気付かないかと思ったよ』
第一声でこの台詞ということは、最初から計画済みだったのであろう。
『は、はい……じゃなくて、な 何ですか、これ!?』
『んー…何でショ?当ててみなよ』
こうなったときの笹塚は頑として引かない。普段の緩やかな感情の中に、愛情故の意地の悪さがあることを弥子は理解している。
『…鍵』
『ん、まぁそりゃあどっから見ても鍵だねぇ…』
『……』
『ん?何の鍵か分かんないかな…?』
分からないわけはない。弥子もこの鍵の意味に気付かない程鈍感ではない。ただ、それを口にするのが気恥ずかしくてたまらないのだ。
『……ど、どうしても言わなきゃダメですかっ?』
受話器の向こうで真っ赤になって慌てているであろう様子が手にとれて、笹塚の口角がわずかに上がる。
『うん、聞きたい…それ、何の鍵?』
逃げられない。観念したように、弥子は深く息を吸い、言葉を紡ぎ出す。
『…笹塚さんの…おうちの、鍵…?』
『ご名答』
ああ、また更に真っ赤になっちゃってるんだろうな…意地悪しがいのある子だよ、全く。
通学鞄を地面にブチ撒ける音が聴こえる。どうやら余程テンパっているらしい。
何故直接渡さなかったのか弥子に追求され、まさかこの年になって君相手に鍵を渡すのが照れ臭かったからだよとも言えない笹塚は、巧く回避する言葉を探し出す。
『あー…ん、まぁさ、そっちの方が弥子ちゃん、びっくりするかなと思ってさ』
全く大人はズルい。
252 :
笹弥子3:2007/10/22(月) 15:40:11 ID:ghrwFz4h
鍵を渡された宵のやりとりを思い出し、弥子はまたニヤニヤと笑っていたことに気付く。恥ずかしいなぁ、でも、嬉しいんだから仕方ない。
弥子は暫く真新しい鍵を見つめていたが、そうしている間にも空はどんどん変わっていくことに気付き、事務所を後にした。
もう十月も半分を過ぎたのだ。燃えるような橙が切ない藍紫を帯びていく。
今日は先週から取り付けていた大切な約束の日なのだ。今週末家を空けることは母には伝えてある。準備は万端だ。
電車の中は帰路につく人々で一杯だった。誰も彼も皆、疲れた顔をしている。
携帯電話を機械的にいじる女子高生もいれば、虚ろな目を泳がせているサラリーマンもいる。
ふと、座っている弥子の前で揺れる男性の影に気が付く。相当疲れているのだろう、吊革に手をかけたままうとうととまどろむその様子が、
一瞬電話の向こうの笹塚の影と重なる。
「あ あの、すいませ〜ん………あ、私、降りる駅すくそこなんで、どうぞ。座って下さいっ」
突然の弥子の申し出に驚いたのか、寝ていたことを悟られたのが照れくさかったのか。
密かに耳を赤くした三十路手前の男性は弥子に丁寧に礼を言い、そしてまたまどろみの中に溶けていった。
――笹塚さんも、早くお仕事終わるといいなぁ。
疲れた男性の寝顔に笹塚を再度重ねた。笹塚の自宅の最寄り駅までの間、電車の吊革に揺すられながら弥子の頭の中はフル稼働していた。
あの電話の口振りでは笹塚が帰るのは日が変わる頃になりそうだ。それまでに掃除して、洗濯…は流石にできないかな、明日の朝に回そう。
笹塚さん、きっと捜査のことで精一杯でご飯食べてないんだろうなぁ…何かおいしいもの、作ってなきゃ…
そう考えていると、ゆっくりなんてしていられない。一刻も早く笹塚の部屋に行ってしまわなければならない気持ちで一杯になった。
駅に着き、扉が開く。いったいどこにこれだけの人がいたのだろう、一斉に人々が出入りを繰り返し、流れていった。
人の動く気配にまどろみから醒めた先の男は、疲労を抱え流動する群衆の中で軽やかに揺れる、金色の希望を見た。
「うぅ…冷えるなぁ…」
電車に揺られている時間は30分も無かったはずなのに、事務所を出たときよりも日は落ちていて、風の冷たさに鳥肌が立った。
――きっと笹塚さんも寒いんだろうなぁ、今日は温まるお料理にしよう。スープスパとか、いいかもしれない。
最寄のスーパーで秋鮭・野菜等必要なものを買い込み、笹塚のマンションへ向かう。スパゲッティは青の洞穴特用2kgをチョイスしたのは言うまでもない。
いつも通い慣れた筈の道・通い慣れた筈の階段を上っているだけなのに、いつもと違う感じがするのはきっと緊張しているからだ、と弥子は思った。
たかだか合鍵を渡された程度なのにこれだけ緊張していることに可笑しく感じながら、また一歩と足を進めた。
笹塚の部屋の前で、制服のブレザーからキーケースを取り出す。表札が無いのもまた彼らしい。
恐る恐る、ゆっくりと鍵穴に差し込む。カタン。錠の回る音が静かにドアに吸い込まれる。
「…お邪魔、しま〜す…」
誰が部屋にいるというわけでもないのに、自然とこう言ってしまうのは仕方ない。
部屋に篭るタバコの匂い。雑然としたキッチン。適当に干された洗濯物。ああ、こんな時間まで干していたら洗濯物、冷たくなってしまう。
静かに玄関のドアを閉め、大荷物を床に置く弥子の瞳はやる気に満ち溢れていた。
253 :
笹弥子4:2007/10/22(月) 15:41:04 ID:ghrwFz4h
「先輩、後は自分がします。そろそろ上がられてはいかがですか」
笹塚の書類を強引に取り上げた等々力が冷たく言い放つ。どうやら時計をことあるごとに見ていたのを悟られてしまったようだ。
「や、それはできないっしょ。ホラ、早く書類返して」
「先輩、明日は非番でしょう。折角の日曜休みなんですから日が変わる前に早く帰って下さい。それに、こんな時間まで女性を待たせる気ですか?」
「…気付いてたの、アンタ」
「丸聞こえでしたから、お電話。その点に関しては謝ります」
相変わらず等々力は勘が良い。バツが悪そうに頭を掻き揚げる笹塚に、等々力が追い討ちをかける。
「今まで早く帰して頂いている礼です。このお返しは月曜のお昼奢って頂く、てことで!」
「…ちゃっかりそこは譲らないわけね、りょーかい」
有能な部下が来て、笹塚にも余暇が取れる日が来たようだ。この日を何度夢見たことか。
等々力のこの申し出は実にありがたいものであった。実際、笹塚は弥子のことが気にかかって本来の集中力を出し切れていなかったのだから。
等々力は隅でフィギュアの塗装をしている石垣に思いっきり悪意と殺意を込めた肘鉄を5コンボ程決め、ずるずる引き摺って仕事に押し戻している。
これまで以上に機敏且つイキイキとした等々力の瞳に笹塚は一抹の不安を覚えつつ、せんぱぁいと泣き付かれないうちに手早く荷物をまとめ、警視庁を後にしたのであった。
流石に夜中は冷える。
自宅のマンションの駐車場から降りた途端、思わず身震いがした。車内と外気の温度差は思っていた以上に激しい。
そして、ふと見上げたときに気付く。自分の部屋に灯る明かりを。
柄にもなくそれが嬉しくて仕方が無くなる。自分より先に部屋に入っているというだけなのに、この幸福感は如何なるものか。
普段は疲れて上るのも億劫な階段が、今日は何てこと無いように感じられた。
――案外ゲンキンだな、俺も。
カチャリ、かすかに聞こえるドアの開く音に弥子は確かに反応した。
「笹塚さん…」
安堵したような、嬉しくてならないような笑顔が広がった。
「おかえりなさい。思ったより早かったから、ビックリしちゃいました」
「あー…うん、まぁね」
言えない。ただいまの一言が出てこないだなんて。
「どうかしましたか?あ、中、入ってください!…笹塚さんのおたく、ですけど…」
表情が二転三転する弥子を見ていると、そんなことはどうでもいいらしいことが伺えた。
笹塚が奥のリビングに入ると、想像はしていたが、やはり別世界が広がっていた。
「すごいな…」
思わず感嘆の言葉が洩れる。
なんということでしょう。山積みだった灰皿は勿論のこと、散らかったビール缶やおつまみの袋は綺麗さっぱり取り除かれました。
無機質で煤汚れた部屋は、観葉植物を取り入れるという匠の手によってモダン且つどこか温かみのある部屋へと一新しました。
問題だったタバコの匂いはどこへやら。匠はシャブリーズを使うことでこれらを一掃してしまいました。
笹塚の脳内でバックミュージック付きのナレーションが流れる。
「笹塚さん?あ、私…何かマズいもの、動かしたりしちゃいましたか?ごめんなさい……」
「いや、そうじゃないよ。少し驚いただけ…さんきゅな、弥子ちゃん」
言って色素の薄い髪をいつものように撫ぜる。弥子は照れ臭そうに笹塚の顔を見上げ、笑った。
254 :
笹弥子5:2007/10/22(月) 15:42:24 ID:ghrwFz4h
「あ、そうそう。笹塚さん、上着貸して下さい」
「上着…?」
言われるがままスーツの上着を脱ぎ、弥子に渡す。弥子はそのハンガーに上着を掛けつつ答えた。
「ふふ〜やってみたかったんです、フナさんみたいなこと〜」
「フナさん?…ああ、あれね」
言い返して思い出した。日曜のご長寿番組『アワビさん』に出てくるアワビさんの母であり、髪平の妻であるフナさん。
「私、フナさんこそが在るべき大和撫子の姿だと思うんです」笹塚は一理あるような気もした。家事における点やや和服姿は大和撫子と言うに妥当すぎる。
しかし、普段差し出がましいことはしないが、いざというときの夫の扱い方は心得ている点はこれぞまさに大和撫子そのものだろう。
「ま、普段ぎゃあぎゃあ言わないってのはいいね」
「ふふっ そうですよね〜」
まぁ弥子ちゃん、君も十分合格なんだけどね…そう言うか否か一瞬考えて止めておいた。
笹塚の上着にシャブリーズを熱心にかける弥子を見て、どうやらこれは意外にも尻に敷かれそうだと直感したからだ。
――いや、もしかしたらシャブリーズにハマったのかな、弥子ちゃん?
後者であることは言うまでもない。
「笹塚さん、何かご飯食べてきちゃいましたか?」
熱心なシャブリーズを終えた弥子が問いかける。
「あー…メシねぇ。食うの忘れてた」
「やっぱり!笹塚さんらしいなぁ。でも、ちゃんと食べなきゃダメですよ?」
「ん、努力シマス」
やっぱりという部分に内心耳が痛かったが、弥子は全く気にしていないようだ。
表情の移り変わりは見ていて本当に飽きない。
「夜だし軽めがいいかなと思って、スープスパなんか作ってみたんですけど…どうですか?」
もう夜も寒い時期ですし、弥子は付け加える。そんなこと誰しもが気付くことなのに、ほんの五、六分前に自分が感じたこととシンクロしたのが嬉しくなる。
「あぁ、いいねソレ。頂こうかな」
はぁ〜いとニコニコしながらキッチンへ向かう弥子を見送る。弥子が完全にキッチンに消えたのを見届けると、鞄から捜査資料を取り出し目を通す。
等々力に甘えっぱなしではいけない。
「ごちそうさま」
「お粗末様でした」
秋鮭を使ったスープスパは、クリーム系統だというのにくどくなく、あっさりと胃に収まった。
「うまかったよ、ありがと、弥子ちゃん」
弥子は照れ臭そうにニコニコ笑って食器を片付ける。
「洗い物、済ませてきちゃいますね」
「ん、ありがと」
どう考えても四人分はあるであろう食器を器用に片付けていく。笹塚は食後の一服のためタバコをポケットから取り出し、ライターに手をかける。
そこで弥子が熱心にシャブリーズしていたことを思い出し、灰皿を持ってベランダに出ることにした。
外に出るとやはり空気が冷たい。薄いシャツ一枚では心許無い気もしたが、そうそう長くタバコを吸っている気も無いので放っておいた。
今日も長い一日だった。普段なら部屋に入ってスーツをソファに適当に投げ、シャワーを浴びて寝てしまうところだ。
それが今日はどうだ。女子高生が手作りの夕飯を作って待っていてくれている。
――俺、どうやら幸せ者みたいね…
そんなことを考えタバコを深く吸っていると、ベランダの窓がカラカラと開いた。
「笹塚さん、風邪、引いちゃいますよ…?」
こうやって弥子が気にかけてくれるのであれば、ホタル族も悪くはない。
255 :
笹弥子6:2007/10/22(月) 15:45:50 ID:ghrwFz4h
ベランダから室内へ戻る。成程、弥子が熱心にシャブリーズをしただけあって、部屋の中はタバコ臭がしない。
「あ、…まだ十一時だったんだな…」
時計の針が示す時刻を見て改めて驚く。
「今日は早かったみたいですから、笹塚さん」
まぁたまにはね、と返してソファに腰掛けた。ふぅ、と一度深い深呼吸をすると、隣に座った弥子がそっと囁いた。
「お疲れ様でした」
弥子の顔は穏やかだ。その笑顔が、日頃事件事件と忙しい日々を送る笹塚にとってどれだけの癒しであったことか知れない。
「うん…色々ありがとうな、弥子ちゃん」
「私、何も特別なことしてませんけど?」
「それでもいいよ、あまり気にしちゃいけません」
「?…はい」
暫く笹塚の横で話を聞いていた弥子は、洗い物ついでに風呂の用意をしていたことを思い出した。
「あぁそうだ、笹塚さん。お風呂出来てるんです。入ってきちゃって下さい」
笹塚は用意が良いことに感心した。将来フナさん並の大和撫子になるだろう。
「お〜…手際いいね。流石弥子ちゃ「お先、ど〜ぞ、ご主人様♪」
「……」
この動揺は満面の笑みでふかふかのタオルを渡されたからではないのだ。漢・笹塚衛士三十一歳、新たな自分を構築した瞬間であった。
風呂場に行くと、洗濯機の上に入浴剤のパックが並んでいた。
檜、紅葉、さくら、いちご、メロン、腐蒲…?
入浴剤など使うのは本当に久方ぶりだ。数ある入浴剤の中に、時折“入浴”には向いていない香りがあることはスルーしておく。
さてどれを使うかと笹塚は思案した。腐蒲温泉のものはあの胡散臭い助手の顔が浮かぶので選択肢には入れていない。
一分程迷った末、無難な檜を選ぶ。湯船に投入すれば、入浴剤独特の如何わしい様な、癒される様な香りで風呂場が満たされる。
手早く服を脱いで椅子に腰掛けた。頭から一気に湯をかぶり、髪から滴る水滴を首を振って払う。それでも尚滴るものは放っておいた。
薄いエメラルドグリーンの香りと温度が心地良い。笹塚の肌には少しぬるいくらいだが、その温度が弥子らしくて愛おしい。
数回頭から湯を被り、程よく温まったところで、背中に風の当たる気配を感じ振り向く。
「あ、檜にしたんですね。笹塚さんらしいなぁ」
「…どうしたの弥子ちゃん」
靴下を脱ぎ、長袖のワイシャツを腕まくりさせた弥子が立っている。リボンも付けてはいない。身に纏うのはプリーツスカートとシャツだ。
弥子が風呂場に入ってくるのは極めて珍しい。普段一緒に風呂に入ろうとどれだけ誘っても恥ずかしがってしまい、することはないのだ。
ああ、弥子ちゃん君は制服着たままだったね。そう考えて納得する。いつも見ているから気恥ずかしがることなんかないのに。
「ええと、あれです。お背中流しにきました〜…」
語尾の音量が小さい。今度は顔中を真っ赤にさせて、胸の前で所在無さそうに手を絡めている。
余程勇気を出したのだろう、耳が赤いのが隠しきれていない。
「あ、あぁ…そういうことね…」
まさかココでヤりたいのかとふと思った自分に嘲笑してしまう。落ち着け笹塚衛士。素数だ、素数だけがお前の理性を味方している。
「いいですか…?迷惑じゃ、ないですか…?」
「ん、全然。お願いするよ」
この申し出を迷惑だと思う輩がいるのならその理由を問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
「よかった、嬉しいです」
嬉しいのはこっちだよ、頭の中に反響したが、言葉に紡ぎだすことは流石に笹塚の羞恥心が邪魔をした。
そう考えている間に、弥子はてきぱきとスポンジに石鹸を付け、泡を立てている。
「へへっ じゃあ、失礼しま〜す」
「どーぞ…」
さわさわとスポンジが凹凸のある笹塚の肌を撫ぜた。
256 :
笹弥子7:2007/10/22(月) 15:46:26 ID:ghrwFz4h
――笹塚さんの背中、大きいなぁ…
触ったときの肩甲骨の感じだとか、背筋の付き方が完全に異性のもので、弥子の鼓動は高鳴っていって仕方が無い。
洗うのに紛れて、普段触ることの無い背中の感触に浸る。
お湯に触れたせいだろう、笹塚の背中が熱い。赤みをほんの少し帯びた肌がどうしようもなく魅力的で、思考が鈍る。
「笹塚さんの、せなか…」
「ん?俺の背中、どうかした?」
「あぁぁあぁいやなんでもないnでsす!!!!!」
うっかり口に出していたことに恥ずかしくなり、弥子の頬が茹蛸のようになる。
「なに、やましいことでも考えてた?」
「いえいえいえいえいえそんなんじゃないんですけdふぉ!!!!!」
冗談で言ったつもりの“やましいこと”に盛大な反応を見せる。まーた何かアレなこと、考えていたんだろうな…笹塚の嗜虐性がむくりと起き上がった。
「…ねぇ。何考えてたの、言って」
逃げられないよう弥子の手を掴んだ笹塚が濡れた髪を掻き揚げ、弥子の方に向き直す。濡れた髪を少し邪魔そうに掻き揚げる仕草のなんと色っぽいことか。
――っ笹塚さん、それは、反則です…!!
堪らず弥子は風呂場のタイルの上にへたり込んでしまう。腰砕けってこんなことを指すのかな、弥子の頭の冷静な部分が囁く。
腕まくりをしていた弥子のワイシャツの裾が、激しいやりとりに耐え切れずにずり下がった。
「どんなこと考えてたの、教えてよ」
弥子の細い腕を、さらにワイシャツ越しからまた掴む。じんわりと湯が浸透し、白いワイシャツが肌に張り付いていく。
掻き揚げた笹塚の髪がはらりと彼の顔にかかる。その破壊力のある色気に弥子は敵わないと悟った。こうなればなるままにしてしまえ。
「さ、ささづかさんの、」「うん」
「背中とかですね、あまり触る機会なかったものでですね、」「ん」
「その、おっきいなぁとか広いなぁとかかっこいいなぁとかすてきだなぁとか色々思ってた、んです」「ほぉ」
言い切って即後悔する。これはダメだ。至近距離で手を掴まれて逃げられないし、色々と弥子の欲情を掻き立てるものが多すぎる。
濡れた髪から滴り落ちる水滴だとか、熱い体温だとか、張り付いて気持ちの悪い制服だとか、その、吐息だとか。
「で、」
また一歩弥子に詰め寄った笹塚が、わざとらしく弥子の耳元で呟く。
「さっきからパンツ見えてるんだけど、誘ってると取ってもいいんだよね?」
そう囁くや否や、弥子がスカートの裾を押さえる前に、強引に身体を弥子の両足の間に滑り込ませる。
「ぅあっ…」
突然の行動に驚いた弥子が身体をぶつけないよう、抱きしめて細い身体をタイルに倒す。
弥子は、普段その低体温が嘘の様な熱い身体に包まれ、恥ずかしさと劣情が自身を覆いこんでくることを感じた。
乱れた制服にじっとりと水滴が染込んでいく。クリーニングしたての生地が弥子の一番感じるところを食む。
水分を含んだプリーツスカートの荒い生地の先端が、弥子の素肌に刺激を与え続けた。チクチクして痛い位なのに、どうしてだろう、繊維ですら、弥子の劣情に火を灯していく。
「…ささづかさぁ…布、きもちわるい…です…」
「あー…脱がしてほしいのね?りょーかい…」
弥子の足の間に陣取って、笹塚は器用に弥子のプリーツスカートを脱がしていく。否、理由をこじつけて剥ぐという方が的確か。
わざと脇腹のあたりをいやらしくさすり、スカートのホックにゆっくりと手をかける。
そして、弥子に聞こえるようにファスナーをゆっくり、ゆっくり下ろしていく。一刻も早くこの気持ち悪さから解放かれたいのに、笹塚がそれを許さない。
257 :
笹弥子8:2007/10/22(月) 15:48:29 ID:ghrwFz4h
「…弥子ちゃんはそのままじゃ寒いよね」
笹塚はおもむろに洗面器に張った湯を弥子の身体に少しずつかけた。
「あっ…ゃ…っ」
ますます繊維が弥子の身体から離れまいと吸い付く。服を着たまま濡れることは日常生活でそうそう無いだろう。その非日常が弥子の羞恥と身体を確実に煽っていた。
笹塚は弥子の全身が濡れたのを確認すると、スカートを脱がす作業に戻った。
「じゃ、脱がしてくから。いい?」
弥子は恥ずかしくて首を縦に振ることしか出来ないようだ。
「聞こえない」
そう言い放って笹塚は弥子の唇に口付ける。触れるだけの緩いキス。
「ちゃんと言って」
濡れた生地の上から弥子の感じるピンポイントを刺激する。まずは鎖骨を舌で丁寧に舐め上げた。
「ふぁっ…やぁ…」
想像通り、もどかしそうな声を上げる。張り付いた生地の上からでは舌の感触もダイレクトに伝わることは無い。
「どうして欲しいか、言ってごらん?」
器用に濡れたワイシャツのボタンを外しながら、いやいやと幼子の様に焦れる弥子の首元に唇を寄せた。
荒い息遣いは彼女のものだけではないようだ。年甲斐もなく盛っている自分を可笑しくも思いながら、勘の良い他人なら気付きそうな首の付け根や鎖骨のラインに跡を残す。
柔らかい皮膚を舐め上げて、きつく吸い付ける度に弥子の小さな口から嬌声が上がる。
自分で付けた赤い跡を確認するように指でぬぐう。すぐには脱がしてくれそうにない笹塚に、弥子は潤んだ瞳で訴えかけた。
「ホラ、言わないといつまでもこうしたまんまだよ…」
「ぁっ…」
右手でボタンを一つずつ解し、左手で薄いピンク色の下着の上から割れ目を摩る。下着の上からでも、湯とは違うとろみで濡れているのが分かった。
その手をそのまま弥子の唇に運び、丁寧に舐めさせる。赤い舌を小さくチロチロと出し、ゴツゴツとした指を舐める姿に下肢が疼いた。
「…ぬがして、ください…」
とろみを全て舐め終えた指を引き抜くと、漸く弥子が囁いた。
「よく言えました」
ご褒美だと言わんばかりに唇を重ねる。今度は深く、貪る様に。弥子の口内は熱くてやわらかい。その柔らかさを存分に味わうため、その行為に没頭していく。
―このままこの子が他の誰の目にもつくことなく、俺だけのものであればいい―
どこか危険じみた思想に頭がくらくらとする。より深く弥子を求めようと、弥子の細い身体をきつく抱きしめ、濡れた髪に指を差し入れ掻き乱す。
弥子もそれに応じて、笹塚の首に手を回し、同じように髪を撫ぜた。ぬるぬるとした弥子の舌は心地が良い。
弥子の歯列をなぞり、その小ささに愛おしい気持ちになる。
成長期を過ぎて尚、小さいままの身体にどうしようもなく興奮をしてしまう。小さな身体をぐちゃぐちゃに壊してしまったら、どうなるのだろう。
長い長い口付けを終えると、弥子の瞳も身体も溶けきっていた。喉に通しきれなかった唾液が口を飾る姿もいやらしい。
先刻の指を舐める姿が気に入った笹塚は、再度その指を弥子の舌に絡めた。
「ん…ふ…ぁっ…」
夢中になって指に吸い付く痴態を眺めつつ、弥子の下肢を持ち上げてスカートを腰から下ろす。
弥子の腰からスカートを剥ぎ取ると、ぐっしょりと湿ったスカートはウールの繊維を尖らせながら、所在無さ気に浴室の床に落ちていった。
スカートを剥ぎ取ってしまった弥子の身体に在るのはぐっしょりと濡れたシャツと下着になる。
湯を吸って肌に張り付いたシャツは本来の白さを失い、不純な透明を以って弥子の肌の色を伝えた。
指を懸命に舐めながら、弥子が呂律の回らない口で囁く。
「はぁ…ささづ、かさぁん…あついの、…ぁっ…」
腰をくねらせて恥部を笹塚のそれを重ね合わせてくる。熱に惹かれて、どうやら弥子の理性が既に飛んでいるらしい。
――まだまだこれからなんだけどな。大丈夫かね、弥子ちゃん。
笹塚が腰を引いたことにすら気付かず、悩ましげに身体を摺り寄せている。淡いピンクの下着が弥子の肢体に張り付き、僅かに肌の色を感じさせた。
「弥子ちゃん…マジモンでヤベェよ、そのカッコ…」
笹塚は一旦上半身を離し、弥子の姿をまじまじと見つめた。滅多に見ることはできない光景なのだから。
258 :
笹弥子9:2007/10/22(月) 15:49:38 ID:ghrwFz4h
「やぁ…いじわる、しないでくださ…ぁっ…」
「ん、じゃあ弥子ちゃんはどーしたい?」
優しく尋ねながら弥子の左手を取り、ゆっくり上体を起こしてやる。風呂場に足を立てて座る形になった弥子はぼんやりとした瞳で、笹塚の胸に身を寄せた。
「弥子ちゃんがしたいように、していいよ?」
「じゃあ…ぁの…」
「うん?」
恥ずかしさと熱で潤む弥子の瞳が、笹塚を見つめる。
「…さいごまで、して…ください…」
「ん、りょーかい」
額に優しくキスを落とした。
額から頬へ。頬から耳元へと唇を進める。
今日の弥子は恥ずかしさと非日常のおかげで感度も増しているらしい。快感に身を委ねて激しく乱れている。
「やらしいね、今日の弥子ちゃん。久しぶりだから興奮してるんだ…?」
「はっ…あっ…そこ、いいの…きもち、いいっ…」
「ね、教えてよ。気持ち良いーんでしょ…?」
弥子は滅法耳が弱い。執拗に舐め上げ熱い吐息を拭き掛けるほどに、弥子は身悶えて堕ちていった。
ワイシャツのボタンは全て外された。手を差し入れてブラジャーを上へ押し上げる。弥子はブラジャーを外すよりもこうする方が興奮することを、笹塚は知っているからだ。
「やぁぁっ…擦れるの、だめっ…」
「ダメ?気持ちいいの間違いじゃねーの?」
ブラジャーを押し上げると、桜色に染まった頂がピンと存在を際立たせていた。指の腹で押しつぶすと、切ないような細い声が上がる。
「あッ……いい、ですっ…きもちい…」
次第に大胆になる弥子に気を良くした笹塚は、更に刺激を加えて弥子の劣情を煽る。桜色のそれに舌を這わせ、巧みに転がす。
「やぁぁぁっ!やぁっ…ダメ、変になっちゃうよぉっ…!」
「コラ、逃げないの」
身を捩じらせて快感から逃れようとする弥子の腰を掴み引き寄せた。向かい合わせの状態の弥子の足を持ち上げ、座位の様な体制に持っていく。
ついでにきつく弥子の胸を吸い上げた。
「あぁっ…!や、だ、いいっ…いいよぉ…んっ…やぁっ…」
弥子は、下腹部のあたりに熱く誇張した笹塚のそれが当たるのを感じた。快感に泳いでいた意識が少しだけクリアになる。
「はぁっ…待って…まって、ください…」
弥子の変化に気付いた笹塚が緩やかに行為を止める。汗と唾液とで濡れた弥子の胸部はテラテラと光っていやらしい。
「どうしたの、弥子ちゃん?」
「わ、たし、笹塚さんに、喜んでほしかったんですっ…でも、これじゃ逆じゃないですか…」
――十分これでも喜んでるんだけどな。
そう心で呟く。
「ひさしぶりだったから、よろこんでほしいんです…」
焦点の定まらない瞳の弥子は、ゆっくりと笹塚の膝から降りると、濡れた風呂場の床に四つん這いになった。笹塚の堅く隆起したそれに手を這わせ、徐々に口に含んでいく。
「弥子ちゃん…?」
弥子が口で奉仕をするのは初めてではない。普段行為の際に恥ずかしがる弥子を見ていると、それをさせる気にはならなかったので要求はしていなかっただけだ。
「きもち、いいですか…?」
たどたどしい舌使いで、猛るそれに愛撫を加えていく。たまに見える赤い舌がなんとも扇情的で、ともすれば姿だけであっけなく果ててしまいそうになる。
亀頭の部分を口に含み、舌を器用に使いながら下へ降りていく。笹塚の起ち上がったそれは弥子には太すぎるので、自然と弥子の息が上がってしまう。
「ふ…っ…ん、あっ…」
裏筋を丁寧に舐め上げ、先端から滲む液を優しく吸い、そして時折愛おしそうに隠茎にキスをする。
――全身濡れた姿でこんなことまでしてくれちゃうワケね…
少しでも笹塚が気持ちよくなるようにと、弥子は無我夢中で笹塚のそれをしゃぶっている。弥子のたまに見せる無邪気な奉仕心は、いつだって笹塚を深く捕えて離さない。
「…今日は一段と大胆なのね」
「んっ…だって、さみしかった、んですもん……」
「………」
弥子には淋しい思いばかりさせてきた。仕事の多忙さに追われて、電話どころかメールも碌に変えせていない。
毎日日が変わる前に「お疲れ様でした」メールを寄越してくれるのだが、笹塚はそれを確認するので手一杯なのだ。
それにどれだけ救われているか知れないのに。
そうした媒介を通じて弥子が捧げてくれるのは、無償の愛だ。打算的なそれとは違う。自分にはもったいないほどの愛を、弥子は屈託の無い笑顔で運んでくれる。
――大事にしなくちゃバチが当たるな、これは。
笹塚は以前とはまた少し違う感情を弥子に持ち始めていた。コイビトとは少し違う、温かさ。それはまるで、家族のような。
今までそれを持ち合わせるだけの余裕も相手もいなかったが、確実に今は違う。時は来たのかも知れない。
259 :
笹弥子10:2007/10/22(月) 15:51:43 ID:ghrwFz4h
「…んっ…笹塚さ…あんまり、きもちよく、ないですか…?」
思考に耽っていると、弥子が不安そうに尋ねた。技術的に乏しいことを十分に自覚しているのだ。
笹塚のそれを握ったまま、涙目で、真っ赤な顔をして、全身濡れた格好で、四ん這いで。
――…弥子ちゃん、君は恐ろしい程無自覚に、ピンポイントで攻めてくるんだな…
うっかり他の野郎の前に出すことがあってはならないなと頭の中で思案しつつ、その手は優しく弥子の頭に添えた。
「や、スゲーイイよ。気持ち良い」
念願の一言を聞くことができたのが嬉しかったのだろう。弥子に笑みが広がっていく。これもまた、実に好ましい。
弥子の笑顔が笹塚の意識の背後を確実に渦巻かせる。大切にしたい感情と愛しい気持ちが行き過ぎて、時折無性に、汚して壊してしまいたくなる。
「でもね弥子ちゃん」
「ひぁっ…!」
笹塚は手早く弥子の身体を引き寄せ、床に正常位の様な体勢になるよう押し倒す。あまりに突然なものだから、弥子の口から驚きの声が上がった。
「君のこんな姿、他のヤローに見せちゃダメだよ?いいね…?」
いつになく笹塚の視線が鋭い。普段のような余裕たっぷりの振る舞いも出来ない程、切羽詰まっているのが取れて、弥子は思わず嬉しくて頬が緩んだ。
実は今回のこの弥子の行動は、笹塚を喜ばせたいが為の計画だった。いつも笹塚に気持ち良くされっぱなしだったので、今回こそはと弥子なりに頑張って練った計画だ。
それが功を奏したことだけではなく、笹塚のテンションをほんの少しでも上げられたこともまた、純粋に嬉しかった。
「笹塚さんじゃなきゃ、こんなこと…しませんっ」
言って笹塚の唇に口付ける。
「笹塚さん…だいすきです…」
「弥子ちゃん…」
笹塚は一瞬切なげに眉をしかめたかと思うと、性急に弥子の全身に愛撫を加えて高ぶらせていく。
「んっ…ゃっ…」
耳を舌と唇で食めば、途端に快感に堪える喘ぐ声が洩れる。
「弥子ちゃんはコレ、感じるんだよね…」
耳元で吐息まじりに語りかけると、弥子の瞳が一層大きく見開き、悶える声も連れて大きくなる。笹塚はこれが一番弥子の理性を壊していくと心得ているのだ。
「ひ…やぁっ!ぁっ…ダメェッ!やぁぁ!」
「ダメじゃない、でしょ?」
「やぁぁぁっ…!おかし、く、なっ…!ふっ…、ぁっ…」
弥子の耳元を執拗に攻めながら、横たえた身体を右に向かせる。左足を持ち上げ、薄ピンクの下着をずらした隙間から指を侵入させ、弥子を刺激していく。
下着の中はとろとろに溶けきって、秘所に指を入れるとなまめかしく飲み込んだ。もう一本指を追加し、軽く中の準備を整えるように掻き乱す。
くちゅくちゅとした水音が熱く蒸せかえる浴室に響く。激しい愛撫でも、時間を掛けているわけでもないのに、弥子のそこは受け入れる準備が既に出来ているようだ。
「ぁぁ…ひぁ、んっ……いいっ…きもち、い…!」
弥子は快感の波に流されて、もう思考が追い付かないという風だ。
笹塚は今度は大きく左足を抱え、下着の隙間から弥子のナカに自身を埋め込んだ。
「あぁぁっ!やっ…ひぁっ…おっきぃっ…!」
熱く猛ったものが入り込んでくる感覚に背筋が粟立った。柔らかい弥子の内部がそれに反応して収縮する。
「キッツ…」
笹塚から唸る様に、低い声が漏れた。横から挿入しているおかげで、弥子の胎内に入る笹塚のものがいつもと違う場所に当たる。
おまけに下着をずらしての挿入であったから、キツさも普段の比ではない。快感から逃れる様に身体をくねらせると、濡れた床に胸の先端が擦れて快感を煽った。
260 :
笹弥子11:2007/10/22(月) 15:52:25 ID:ghrwFz4h
「や、ぁ…っ…揺さぶっちゃ、やぁぁぁっ」
笹塚が律動を繰り返す度に、擦れた胸が気持ち良くてならない。
「あっ…、いいっ…あ…おく、こすれ…やぁ、ひぁっ…!」
「今日はすごい感じてんだね、弥子ちゃん」
浅い律動を重ねただけで、弥子の思考は飛んでしまう。ゆるゆると身体を揺さぶられているだけなのに。これ以上、激しくされたら。
弥子の意識の中で警鐘が鳴る。それでも快感には勝てずに、自ら腰を浅ましく動かしてしまう自分に益々興奮してしまう。
そんな痴態を見られていることもまた恥ずかしくて、消え入ってしまいたい。でも、気持ちが良い。もう何も分からない。
突き上げが少しずつ激しくなる。注挿に合わせて、弥子の身体が揺らされ、甘い嬌声が始終上がった。
普段当たらない場所に擦れて、もどかしい様な、目新しい様な快感に擽られる。笹塚もまた、いつもとは違った収縮に快感を見出していた。
笹塚は、らしくもなく自制の利かなくなっている自分の動きを小さく細い身体で受け止める弥子の手を取り、指を絡めた。小さな掌、細い、指。
「ん、あぁっ、さ、さづかさ…っ!あたる、の、おくっ…あつい、のっ…!!」
「弥子ちゃん…っ」
「ふぁっ、やああぁっ!ささづかさ、おおきぃっ…」
若干太さを増した笹塚のそれに、思考を掻き消された。
擦れて擦れて、じんじんと痛い程に痺れている感覚が襲う。痛いのか気持ち良いのか、いや、その両方なのだろう。
快感に浮かされて目を虚ろに開いた弥子の姿は美しかった。少女から女へ、声も顔立ちも身体も格段に成長して美しくなっているのだ。綺麗な心はそのままに。
絡めた指も、身体もどうしようもなく熱い。笹塚の切羽詰った、鋭い視線が弥子の瞳に映る。いつもは低温のその瞳に宿る熱は、痛い程に、切ない。
「ささ、づかさんっ…はぁ、んっ、やぁっ…」
うわごとの様に呟く弥子を全て手に入れて、掻き乱したくなる。瞳も唇も身体も心ですらも穿って、自分で埋めてしまいたい衝動が過る。
もっと。もっと深く求めて、汚してしまおう。
弥子の足を掴む指先に更に力が入る。若い皮膚の弾力は心地よく、弥子も食い込む笹塚の爪先に身体が反応し、花弁がまた濡れていくのを感じた。
律動のリズムがより一層高まり、弥子にはもう指先一つ動かす力も残っていない。それでも弥子の身体のまんなかから、嬌声は上がり続ける。
「あっ、んっ!ッ…あ、やぁ、ささづかさん、も、わたし、イッちゃうよぉっ…!!」
「いいよ、イッて」
腰を激しく打ちつけると、高い喘ぎ声が上がる。その快感に歪んだ顔も声も自分しか知らない、それが何とも征服感を擽る。
俺ってこんな人間だったけな?…殊更弥子に関しては独占欲も嫉妬心も剥き出しになる。
――参ったね、これは…
振り払う様に弥子の身体に覆い被さる。控えめな乳房を揉み上げ、首筋や耳元を舌で味わい尽くす。
「やぁぁぁっ、らめ、イッちゃう、やぁっ…あああああああッ!」
「は、…………弥子ッ!」
心臓が壊れる程高鳴る。頭の奥がジンジン響く。
笹塚は弥子に壊れてしまう様な律動をぶつけ、その赤い唇に喰らいついた。舌が絡まって、息をするのも苦しい程に。
「んんっ、ふ…ん、あ…」
瞬間、笹塚のそれがドクドクと波打って、弥子の胎内に白い濁流が注ぎ込まれた。
少女を汚している背徳と、何ともし難い征服感で心地良い。弥子の瞳には、刺す様な視線で荒く呼吸をしている自分が映った。よく弥子が怯えないものだと自分ですら思う。
「…ふ、あ…笹塚さん、きもち、よかったです…」
「ん、そりゃどーも」
弥子の笑顔は少しだけ恥ずかしそうで、穏やかだ。
――どうも参ったね、弥子ちゃんには敵いそうもないね。
笹塚の口角が角度にして数度上がったことに、まだ意識がフワフワとしている弥子は気付いていない。
261 :
笹弥子12:2007/10/22(月) 15:55:11 ID:ghrwFz4h
「俺を喜ばせようと…ねぇ。まーた弥子ちゃんもヘンなこと考えて…」
「変じゃないですっ!ていうかもうその話しないで下さい、恥ずかしいんですけど!」
「やー、ね、いきなりジョシコーセーが制服姿で男の風呂場に入ってくるなんてアレでしょ」
事後の余韻に浸りながら、弥子の背中を抱える形で二人バスタブに浸かる。小さな弥子の背中は、笹塚に背後から抱えられるとすっぽりと包まれた。
濡れた弥子の制服は、これもまた所在なさげに浴室の床に項垂れている。
「も〜やだっ 笹塚さんなんか知らない〜!」
「拗ねんなって。十分嬉しかったよ」
「う〜……ほだされないもん…」
うっかり弥子が『計画』なんぞ口走ったものだから、その後尋問されてこの有様だ。やはり刑事は騙されない。
「ゴム無しでヤッちゃうんですもん…赤ちゃん、できちゃったら…」
「心配要らないよ。俺、こう見えて赤ん坊あやすの上手いから」
あ、それ見てみたいかも、いやいやそういう問題じゃなくてですね、と恥ずかしそうに呟く弥子を抱える腕に力を込める。やはり弥子の身体は細い。
抱えこんだ弥子の耳元で、わざと響く様に甘い声で囁く。
「 」
敏感な耳の中で甘い言葉が反芻して、薄紅色の弥子の頬が一気に赤くなる。
「ささ、さ、笹塚さん!!それって!!!」
「んー、言葉通りの意味だけど。そのまま受け取ってくれればいいよ。……あれ、茹っちゃった?大丈夫、弥子ちゃん…?」
それから弥子を風呂から引き上げて冷たい水を飲ませる頃には、弥子もあの言葉が受け取れたらしく、再び頬を赤く染めてわたわたと身振り手振りで何かを呟いている。
その様子を見つめながら、事件から今まで『奥さん』呼びだった遥にこれから何と呼べばいいのかと笹塚は思考に耽るのであった。
―糸冬―
普段ファ○リーズを「ファ○る」というものだから、うっかり「シャブる」と言わないかとハラハラしっぱなしですた(´・ω・`)
風呂シーンから笹塚全裸って考えると物凄くマヌケデスヨネー。フリ珍…
フネさんは完璧な大和撫子なのです。異論は認めない。
初めてだったからよく勝手が分からなくて、途中何回も「一レスが長すぎだカス」と怒られた。次は気をつけるんだぜ!
>>26 自己生産GJ!
楽しませてもらった!
何気に某小学生や等々力と石垣なんかが
絡んでるのがよかった!
改めて GJ!
「ちょっとそれシャブっといて〜」
「はーい」
吹いたwww
大穴のネウロ等々力と笹弥子GJ!
上の方で警察×等々力が上がっていた中
最初に投下相手がネウロとはw
いや全然いいんだけど
笹弥子はアワビさんワロタww
上の方のもだけどこの2人のやりとりはなんか優しい感じがするわ
本誌のヤコネウロの指咥えてるのな
どういう意図の虐待なのか掴めないw
まさか公開指フェラとはな・・松井め・・どういうつもりだ!
革手袋のまま指フェラ…松井…恐ろしい子…。
これは、俺たちへの挑戦か?
なっ!なんだってー!
ちょっとコンビニ行ってくる
笹ヤコ、可愛くてエロくてもうッ…!
たまらんです。超GJ!!
赤ん坊をあやす笹塚想像してフイタwww
ビフォーアフターといいアワビさんといい髪平といい小ネタ多いなwwwwGJ!
石「エリートだっと聞いてたけど、実はこんなエロいメス豚だったなんてな」
等「こんな男に……くやしい……!」
やべえ、石垣に殺気沸いた
誰 か 等 々 力 ハ ー ド を た の む
どっかのサイトにあったやつ
いかくしゃげき【威嚇射撃】〈名詞〉
標的をはずしたときの言い訳に使われる言葉
「今のは〜だったんだよ」
これでものすごく石垣を思い出した
指フェラ記念にネウヤコエロを激しく読みたいです神・・・!
27日から読書週間だそうだけど、微妙に難しいネタかな…
とにかく週末に向けて神降臨を裸正座で待機!
>>274 笹塚の為を思ってアレコレ奉仕する等々力さんとかよさそうですね!
>>276 弥子に官能小説を読ませながら同じプレイをする魔人が浮かんだ…
280 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 02:15:03 ID:zWdC6JO8
>>278 シチュまんまそのまんま団鬼六だよな。
いいねそのプレイ
なんとなく思いついた小ネタ投下。
弥子の食欲について。ヒグチ・吾代→弥子。
でも、結局イビルジャイアン発動…。
-−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ごちそうさまーvヒグチさんも吾代さんもありがとうねv」
「「あ、あぁ…(こいつに会わなかったら、俺がこれ全部一人で支払ってたのか…)」」
「さてと、じゃあ、ちょっとスープバーにでも…」
「また!?」
「おまっ、何回目だよ!!」
「やだな〜、まだたったの36回目じゃないですか」
「「(こいつの胃袋は底が知れねー…)」」
「ったくよー、コイツんちの食費はどうなってんだ?」
「とにかく、エンゲル係数がとんでもないことになってるのだけはわかるよ…」
「ちなみに、父親の生命保険で補填してはいるが、もうそろそろそれも底がつくそうだ」
「人一人の人生の値段でも補完不可能?!」
「ふむ、小卒のローン持ちや、しがない一公務員の給料などでは到底養いきれるものではないな」
「「やかましいっ!!!」」
「にしても、あそこまでいくと食欲ってより、なんか病気に近いものを感じるよね…」
「あいつ、胃に穴でも開いてんじゃね−のか?」
「いや、桂木は胃潰瘍とは無縁でしょ」
「だってよく『胃に穴が開く』っていうじゃねーか」
「「……」」
「なんだよ、ふたりそろってそのバカにした顔はぁぁぁぁ!!!」
「(ハッ)ひょっとして桂木って胃下垂だったりするんじゃ…!」
「なんだ、イカスイって?腹に烏賊でも住んでんのか?」
(無視)「胃下垂なら治療法もあるって聞くし、あいつのあの大食いも治るんじゃないのか?!」
「そうか、病気なら治せばいいんだもんな!!」
「「(そうすれば、俺たちの給料でも…)」」
「弥子は胃下垂ではないぞ」
「「へ?」」
「胃下垂には痩せ型の女性が多いという点では、確かに、弥子も外見上はそれに一致してはいるが…。
一般に胃下垂の者は大食いだという認識がなされているが、実は一度に大量の食物を摂取できないため、
その分食事回数が多くなり、それを見て、『いつも食べている』=(イコール)『大食い』という
誤認が起こったのだ。既にこの時点で、一度の食事で大量の食物を摂取する弥子とは一線を隔す。
さらにいうと、胃下垂の原因は下腹部の筋力低下によるものであり、その場合下腹部、
つまり膣付近の筋力も衰え膣圧が下がりゆるくなるのが常だが、弥子の場合はさすがに処女時とは比べ物に
ならずとも、毎週4回以上の拡張にもかかわらず、未だ我輩を十分楽しませる締め付けを保っている。
まあ、貴様らでは物足りんかもしれんがな」
「「どういう意味だぁぁぁぁぁぁ!!!!(涙目)」」
GJ! イビルジャイアンじゃあ、仕方ないな( ´∀`)
>>276 そのシチュでたった今、書きたい場面が浮かんだんだが何故か江戸時代の艶本ネタ
だったりするんだ。
「さあ、先生。続きをおっしゃって下さい」
軽く囁けば、腕の中の弥子は既に軽く上気した頬をして夢中で呟くように言葉の続きを
唇に乗せていく。
「ただ廷尉のなすところに従うのみ。違わば罰あらん。他に誓うべきあらば君教えよ…
も、やあぁ…」
「それでいいのですよ、可愛い先生」
言葉に満足したのか、ネウロは作中の睦事に習って無防備に投げ出されている弥子の
脚に手をかけた。
てな感じになると思う。
壇ノ浦夜合戦記、ぐぐってみた。
あまりにダイレクトなのにすんげー雅でワロタ。
>>282 GJ!!
短いのにすごい満足感だった!萌えた。
久々にヒステリア編読み返して突発的に書いてみた
ケンちゃん誕生前のヒステリア夫婦ネタです
絵本を読み聞かせている間に子どもは眠ってしまった。
毛布を掛け直してあげているところに夫が部屋に入ってきた。
しー、と口に指を当てると夫は頷いてそぅっと近付いてくる。
そのまま二人で無垢な寝顔を堪能し、顔を見合わせて微笑む。
こんな時胸が切なくなるほど実感する。
私はなんて幸せ者なんだろう。
子どもは素直で可愛いし、夫は優しくて包容力がある。
今の生活に文句を言ったら罰が当たる。
「安由美」
夫が私の肩を抱いた。
頷き返して子ども部屋を出る。
声のトーンで彼の言いたいことはすぐ分かるのだ。
私達は夫婦の寝室へ移動した。
夫は私をベッドに寝かせパジャマを捲くり上げた。
夫は私の弱い所を全て知り尽くしている。
そこを激しく責め立てられる度に私はみっともなく乱れてしまうのだ。
まるで獣のように――。
「あなた、早くっ…」
夫のモノが私の中へ押し入り、膣壁は精を絞り取ろうとキツく締め付ける。
――ああ、まただ。
私の中にいるカレが頭の中で騒ぐ。
早く外に出してくれと。
この破壊衝動を解放したいと。
でもまだ早い。
カレの顔を外に出すにはまだ準備がいる。
ただ壊すだけではなく、皆の中のカレを解放してあげるために。
「あなた、もっとちょうだい、もっとぉっ!」
頭の中のカレを黙らせるように目の前の夫にしがみついて叫ぶ。
夫の動きが激しくなり、やがて子宮の奥に熱い欲望を放たれた。
そろそろ二人目が欲しい。
家族が四人になったらきっと我が家はますますにぎやかになるだろう。
今だって十分幸せだけれど、もっともっと幸せになりたい。
幸せを追求するのも人間の本能だから。
私は抜こうとする夫を制して、今度は自分が上になって動き始めた。
カレは牙を立てて唸り声を上げ、よだれを垂らしながらもひたすら待っている。
思うがままにブッちゃけられるその時を。
おそまつ
>>286-287 GJ!ヒステリアってよく考えたらすんげーエロいなww
ちっと読書週間にちなんだネウヤコが降ってきたので書き上げたんだが
どうにもぐだぐだになったので外部にうpしようと思うんだ
この板に適したロダが分からんので教えてエロい人
以前誰かが使ってたおかまの美学ロダでもおkかいな
>>290 素早いレスありがとー!
でも今おかまロダがすっごく重くてうpできないorz
ロダ どこか たのむ
利用した事ないけど、まとめサイトの掲示板になんかあった気がする
>>292 情報ありがと、でも見つからなかった…
海外ロダまで回ったけどもう思い切ってここに投下します。ビビりで本当にすまん。
指フェラ記念でネウヤコ。でも本誌と逆パターン。スマン。エロは初めてなんでドキドキしながら投下。
高校生の読書週間といえば読書感想文だぜ、ということで村上○樹のとある小説を元ネタにしたSSです。
若干アブノーマルというかフェチぃので足指舐めとか嫌いな人は注意汁。
そして魔人がサディストじゃなくてサービスのSになってるので苦手な人はやっぱり注意汁。
一部元ネタ小説を読んでないと分からない場面もあったりでgdgd。反省している。
テーマが重たい且つ散漫、村上ファンに怒られそうな内容でごめん。
294 :
赤と緑1:2007/10/28(日) 03:07:57 ID:nucNYTYe
本を読むのは嫌いじゃない。でも読書感想文を書くのは昔から嫌いだった。
本を読んだときの感動ってものはレビューとかならともかく、強制されて書くものではないと思う。
毎年毎年夏休みの宿題に読書感想文を書かされて読書嫌いになった人も多いらしい。
「またこの季節かあ…」
「嫌になるよね、高校生になっても読書週間だからって感想文書けって言われるの」
「いくら大学入試の小論対策って言ってもねー」
学校からの帰りがけ、他のクラスの女の子たちがそう愚痴っていた。やはり考えることはみんな同じなのだろう。
提出日まであと1週間。
課題に選んだ本はさっき読み終えたし時間はまだまだあるけれど、私は全然感想を書く気になれなかった。
事務所のソファに座って、センターテーブルに置かれた原稿用紙と向かい合ったまますでに30分は経過している。
なんでこんな本を選んでしまったのか。本当に欝々とした気分だった。
赤と緑の装丁の綺麗さと知名度だけで選んだ上下二冊の文庫本が恨めしく見えた。
「はぁー……」
あかねちゃんに淹れてもらったミルクティーをこくりと飲んで、溜息をつく。
西日が射し込む事務所は温くなった紅茶と同じ色に染まっていて、いつもより静かだ。
時計の秒針が動く音と、カタカタというキーボードの音しかしない。
秋の夕暮れほど寂しいものはない、とふと思う。ちゃんと回りに人は居るのに、ぽつんと取り残されたような気分になる。
なんで私こんなにしんみりしちゃってるんだか。やっぱりこれもさっき読んだ本のせいなのか。
「何を考えているのだヤコよ」
「いったぁーーっ!」
突然真上から降ってきた声と頭のてっぺんに走った衝撃に顔を上げると、いつの間にか魔人がソファ越しの背後に立っていた。
手には人が殺せそうなくらい分厚いハードカバーの洋書。
295 :
赤と緑2:2007/10/28(日) 03:08:39 ID:nucNYTYe
こいつは何もかも理不尽でなおかつ突然なのでもう今さら驚くこともないが、やっぱり痛いものは痛い。
「そんな分厚い本で叩かないでよ!脳細胞死んじゃうよ」
「それ以上バカになられるのは困るな」
「そうだよ、つーかいきなり何さ」
「ふむ、貴様が随分と暗い顔をしていたのでな」
「心配したの?」
「さあな」
笑う口元、尖った歯の先にある舌はさっき読んだ本の上巻のカバーと同じ深い赤。
覗き込む瞳の色は下巻のカバーと同じ深い緑。引き込まれるような色だと思った。
「その本のせいか?」
そう言ってソファの背もたれを乗り越えて私の真横に座ると、テーブルに置かれた本を手に取ってぱらぱらとめくりはじめる。
「あんた小説なんて読むの?」
「基本的に知識の吸収に役に立ちそうにない本は読まん、それに感情が雑多に織り込まれた文章などは我が輩には理解出来ん。
だが貴様がここまで塞ぎ込む内容というのは少し興味がある」
「嫌がらせのためじゃないよね」
「さあ、どうだろうな」
長い脚を組んで片手で器用にページをめくりながら、もう片方の手は手持ち無沙汰なのか私の髪をせわしなく透いている。
普段よりも柔かいその仕草が私にとっては何故か苦しかった。
青い生地で覆われた骨ばった肩に頭をもたせかけて、膝の上の原稿用紙を見つめる。
きっとこいつはこの本を読んでも今の私の気持ちなんて分かんないんだろう。当然だ、自分でも自分の気持ちがよく分からないのだから。
本の中の鬱屈とした世界観の中にぽんと放りこまれたまま、いまだに意識がそこから抜け出せない。
普段から人の死を見つめているくせに、私はこの本の中の人たちには何故か共感出来なかった。
主人公は、恋人の女の子を愛していたくせに何故他の人に気持ちを向けるようなことができたのか。
恋人が死んだショックから抜け出せなくなるくらいなら、どうしてただ一人をすっきり愛することが出来なかったのか。
そして自ら死を選んでこの世から居なくなる人たち。取り残される側の寂しさを知っていれば、こんな振舞いは出来ないはずだ。
何を思ってこの作者はこんな話を書いたんだろう。分からない。私には何もかも分からない。
10分程経ってからネウロは下巻をぱたりと閉じた。私が3日かけたものをこの短時間で読み終えたらしい。
「破天荒な連中ばかりが出てくる話だな」
「うん、確かに。自殺する人物も多いしこれが現実かと思うと嫌になるよ」
「貴様はこの連中とは違うだろう。現実に適応出来ない訳でもなければ過剰に適応しようと自己を歪めてしまうわけでもない。
貴様は現実にきちんと適応出来ている、それでいいのではないか?何故この話でそこまで凹むのかよくわからんぞ」
「あんたといる現実とはまた違う現実を垣間見た気がしたの」
「人間とは実に複雑だな」
「そうよ、複雑なのよ」
296 :
赤と緑3:2007/10/28(日) 03:09:27 ID:nucNYTYe
いつの間にかこちらを向いている視線を感じて、その主を見る。カバーと同じ深い緑。
普段と違う穏やかで静かな瞳に戸惑っていると、大きな手が肩に置かれそして冷たい唇が私の唇に触れた。
いつもの様に乱暴で性急なものではなくて、ひそやかで触れるだけのキス。
目を閉じると世界がふっつりと途切れてしまって、自分が感じられるものは肩に触れる手と唇の感触だけになる。
少し心細くなって目の前にいる人の感触を確かめようと手を伸ばした。
「いたっ」
突然走った痛みの元を見ると、人差指の先にうっすらと赤い筋が走っていた。
どうやら原稿用紙に触れたときに少しだけ切ってしまったようだった。
ゆっくり溢れ出た血はやがて雫になって切口からこぼれ、緩いカーブを描きながら指を伝い落ちていく。
「どれ、見せてみろ」
黒皮で包まれた指先に自分の手を乗せる。私の人差指から流れる血をネウロは興味深そうに見つめていた。
いつもの皮肉っぽい笑いは鳴りを潜めている。
「…人間とは脆弱なものだな…たかが紙切れ一枚で怪我をするなど」
「そだね…人間って弱いんだと思うよ。いろいろな面でさ」
「そうだな、自ら死のうと思う輩も居る…だがその気持ちなど我が輩には分からん」
ひとしきり切れた部分を検分してから、私の右の人差指をぱくりと口に咥えた。
一瞬例の唾液で溶けるんじゃないかと思って身構えてしまう。
「安心しろ、ちゃんと弱めてある」
指を咥えたままなのに器用にそう言って、指先をとろとろと舐めている。冷たくてぬるりとした感触に思わず背筋がぞくっとした。
ちゅぽ、と音を立てて指を口から引き抜くと、念入りに舐められた部分をこちらに向ける。どういうわけか血は止まっていた。
「消毒しておいてやったぞ、感謝しろ」
「ん…ありがと」
素直に返した言葉に気を良くしたのか、何故かもう一度手を取られて、怪我もしていない中指を咥えられた。
首を少しだけ傾げているのがまるで猫みたいで少し可笑しい。
今度は指先だけでなく、指の間の皮膚の薄いところを舐めてくる。ざらっとした部分が指の股を通るたびに脚がぴくりと動いてしまう。
他の指もかぷっと咥えられて、尖った歯を立てないように丁寧に丁寧に舐め上げられて。
「なんか…やらしいよ…」
くつくつと喉の奥で嗤う音が指先に伝わってくる。
長くて冷たい舌が手の平を伝って、手首に移動する。そして反対の手も同じようにゆっくり喰まれる。
妙にエロティックで煽情的なその光景に、私は普段言わない言葉を口にしていた。
「…しよっか」
「奇遇だな、我が輩も同じことを考えていた」
297 :
赤と緑4:2007/10/28(日) 03:10:12 ID:nucNYTYe
長い脚が私の脚に寄せられる。肩に手を置かれて後ろにゆっくり倒されて、皮張りのソファの座面がぎしりと音を立てた。
左手首に挨拶のように軽くキスをして、今度は耳元に。
「貴様は優しくされても痛くされても感じるのか、実にいやらしい体だな」
甘さのある低い声は、すぐ近くで囁かれるだけで心が一気に溶けてしまいそうだ。思わず短い溜息を漏らしてしまう。
耳たぶを喰まれて、産毛を逆立てるように舐め上げられて、ほんの軽く歯を立てられて、ふぅっと息を吹き込まれて。
耳の裏から頚動脈あたりを押さえるように舌でなぞられると、背骨を駆け上がってくるような快楽が沸き上がる。
まだほとんど触られていないのに、指先から感じていたものと合わさって涙が出そうなくらいに気持ちいい。
「あ、ぁ、や…だめ…」
「ダメではないだろう?」
「う…いじわるだ…」
「貴様が好きな場所ではないか」
鼻先から頬に、まぶたに、両ほほに、最後に唇にキスが落とされる。
温度の上がった口内に差し込まれた舌が冷たくて少しだけ体が震えた。
交じりあった唾液が飲み込みきれずに口の端からこぼれていく。唇が離されると、つ、と糸を引いて喉元に落ちた。
「ヤコ」
呼びかけられた声に目を向けると、そこには全てを射貫くような眼差し。ほんの少し浮かべた笑みは少しだけ寂しそうにも見えた。
「何の感傷に浸っていたのかは知らんが、仮想の世界など見ずに現実だけを見ろ。
目の前に居るのは誰だ?貴様に触れているのは誰だ?」
こちらの答えを聞かないまま、もう一度唇が塞がれる。
片方の手は私の手をきゅっと握って、もう片方の手はブラウスのボタンを器用に外していく。
冷えた空気が胸元に当たってそれすらも感じてしまう。脚の付け根、その奥からじわりと染みだしてくる感触。
スカートをはぎ取られている間に自分からブラウスとブラを脱ぐと、こつんとおでこを合わせられて毒気の無い顔で笑われた。
「今日は随分と従順だな」
「普段から抵抗なんてさせてくれないくせに。でもこうされるのは嫌いじゃない」
「良い答えだヤコ、貴様はそれでいい。従順で在れ、たまに抵抗もしろ。そして常に我が輩のことだけ考えろ。」
「要求が多いんだけどー」
「その分貴様にも与えてやっているではないか」
「何をよ」
「快楽と試練を、だ」
「ひどいなあ」
くすくす笑いあって、キスしあって、これじゃまるで普通の恋人同士みたいだ。
人間じゃないのに人間みたいに笑って、ドSのくせに優しくして。
デリカシーのかけらも無いくせに、たまに人間を全て理解したような口を聞いて、私のもやもやすらも取り払ってしまう。
298 :
赤と緑5:2007/10/28(日) 03:10:46 ID:nucNYTYe
心臓の真上に唇が落ちて、ちりっとした痛みが走る。頭を上げて見ると、したり顔の魔人。
「あー…またキスマークつけてるし…」
「いつものことではないか。主人が奴隷に所有印をつけて何が悪い」
「そんなことしなくたって他の人とはしないよ」
「殊勝なことだな」
「や…ぁっ!」
ぷっくり立ち上がった胸の先端を親指で軽く押し潰すようにされて、びりっとした痛みと快感が走った。
もう片方も口に含まれて、舌先でこりこり弄ばれる。甘噛みされるたびに鼻にかかった声が漏れてしまう。
「あぁ、やっ、や…」
「や、じゃないぞヤコ。拒絶など何の意味も為さない。見てみろ、貴様の体はとても素直だぞ?
我が輩を既に受け入れる準備をしている、このようにな」
「んぁあっ!」
するりと下着に手が入り込んで、すでにくっしょりと湿っているそこに指を押し当てられる。
ぬめりをなじませるように縁をなぞった後、ごつごつした指が1本、2本と次々にナカに入ってきた。
かき回すような動きと抜き差しを交互にやられて、その気持ちよさに背中が痛くなりそうな程反ってしまう。
ショーツと同時にハイソックスの片方だけがするすると脱がされ、ふくらはぎの柔かい部分に冷たい舌が這い回っている。
片方だけ脚が高く上げられた状態ではがすべて見られてしまう。もう十分恥ずかしい格好なのにそれだけでは済まなかった。
「ひゃっ!?」
くすぐったいような奇妙な感覚に思わず間抜けな声が出てしまう。足の指が、ぱくりと咥えられていた。
「やっ!やめてっ!…そ、そんなとこ!」
恥ずかしさで顔がかっと赤く染まるのが自分でも分かる。慌てて逃げようとしてもがっちり足首を掴まれていて無理だった。
それどころかあそこに埋まっている指を激しく動かされて力が入れられない。
「う、うあぁ…やだぁっ……!」
ネウロはサディスティックな笑みを浮かべたまま私の恥ずかしがる様子を眺めている。
足の指一本一本をねっとりとしゃぶられて、指の間を這い回る舌のぬるぬるした感触に思わず腰が動いてしまう。
すでに足先から感じるものはくすぐったさを飛び越えて快楽に刷り変わってしまっていた。
奉仕することと同じなのに、何でこいつだと自分が蹂躙されているような感覚に陥ってしまうんだろう。
それとも、これも私の羞恥心を煽るための一種のプレイなんだろうか。
普段がムチなら今はとびきりに甘い飴だ。
飴を与えられてるのは私なのに、いつのまにか私自身が飴玉になってしまっているようだった。
このまま爪先から頭のてっぺんまで全部舐められて溶かされて、ネウロのお腹の中に収まってしまえたらいいのに。
そうしたら置いていくことも置いていかれることもなくずっと一緒に居られるのに。
299 :
赤と緑6:2007/10/28(日) 03:11:33 ID:nucNYTYe
「そんな顔をするな」
「ひっ…ぁああ!」
「何も考えるな、ヤコ。ただ感じていればいい」
中に入っている指がくっ、と曲がって一番感じるところを抉られる。入口がぬちゃぬちゃ音を立てて耳も犯されているような気分になる。
足の親指と人差指の間を這うネウロの舌と、私の中でばらばらに動く指。
一番敏感なところを親指で押し潰されて、痛いくらいの疼きが走る。
感じる箇所も感覚も違うのに快感は頭の中でいっしょくたになってしまって、言われたとおりもう何も考えられなくなった。
私を見るその視線も、聞こえる声もふくらはぎを軽く掴んでいる指も全てが私を追い詰める。
「ふぁ…ぁ、も、もぉっ…」
「いいぞ、イけ、イってしまえ」
「ひ、やぁっ…ぁあああーーー………っ!」
頭の中で何かがスパークした。
けいれんする脚と同調して、中に入ったままのネウロの指をきゅうきゅう締めつけているのが自分でも分かる。
はあはあと肩で息をしていると、ずるりと指が引き抜かれて硬いものがあてがわれる。
続けざまに与えられる快楽を予想して一瞬身構えた。
でもそれは入口に擦りつけるようにゆるゆると動いているだけで、私の中に入ってこようとはしなかった。
一度達している体はほんの少しの刺激でまた火が点ってしまう。もどかしくなって見上げると、そこには支配者の視線。
「ヤコ、これが欲しいか」
屹立したものの先端が脚の付け根にぴたりとくっつけられている。
その光景に恥ずかしさを感じながらも、体の奥はそれを欲している。
「欲しいのだろう?ならば求めろ」
絶対的な命令を下すその声は押しつけられたものと同様、少し切羽詰まっているように聞こえた。
命令であると同時にそれは懇願でもあった。
熱をもった視線とその声音が残りわずかな理性をぐらぐらと崩していく。そして今度は私が懇願めいた声で命令を下す。
「ネウロのそれ、ちょうだい」
「…上出来だ」
ネウロはにぃっと満足そうに笑った直後、思い切り腰を打ち付けた。
「…ぅ…っああぁぁっ!」
一気に奥まで入り込まれて、思わず悲鳴じみた声があがる。太股を抱えられて擦りつけるように深く深く腰を進められる。
脚から感じる温度は冷たいのに、低く掠れた声と体内にあるそれから感じるのは、沸るような熱。
吊りそうなくらいに突っ張った脚をほぐすように撫でられて、ほっと息をつく。
「ふぁ、あ…」
300 :
赤と緑7:2007/10/28(日) 03:12:16 ID:nucNYTYe
「…求めろ、ヤコ。貴様が求めるなら好きなだけ与えてやろう」
「ぁあ…もっと、もっと…ちょうだい…」
ぴちゃっと湿った音を立てて唇を舐められる。屈みこんだ拍子に熱い杭がぐっと押し込まれて痛い程だった。
抉られるような感触と合わせるように侵入者が蠢いて、その圧迫感に息が詰まりそうになる。
「はっ…ネウロぉ……あ、あ、ぁあ…」
「…いいぞヤコ、もっと鳴け、もっと我が輩を求めろ」
「あぁあっ!もっとっ、ネウロ、あぁっ、はっ…んぁっ!」
深々と貫いていたものがぎりぎりまで引き抜かれ、また奥まで差し込まれる。
限界まで膝を曲げられて叩きつけるように腰を激しく落とされてもう頭がおかしくなりそうだった。
奥の奥までこじ開けてくるような強い打ち付けの刺激で涙がぼろぼろこぼれていく。
こめかみを伝う水滴を猫みたいに舐めあげられて、それから喰い尽くされそうなキスをされる。
つながった部分から洩れるぐちゅぐちゅという音が事務所中に響いているような気がして一瞬、理性が戻る。
涙で歪んだ視界の中には天井と、金色の髪。
それと突き込まれるたびにぶらぶら揺れる私の足。さっきまでネウロに咥えられていた足の指先。
その短く切られた爪を見て、何故だかとても切なくなった。
支配者でありながら、私に求められることを求めるネウロ。被支配者でありながら、ネウロに求めることを求められる私。
倒錯したこの関係。果たしてどちらが満たされているのだろう。
間近で囁かれる掠れた声に思考が引き戻される。普段は涼しげな眼差しが妙に熱をもっていた。
「何も思うな、求めろ、全身で感じろ、我が輩を感じろ」
「あっぁ、ネウロ、も、だめっ…!」
「そう、それでいい、イけ、ヤコ、狂ってしまえっ」
意識すら奪われそうなひときわ激しい抽送に体が軋みをあげる。
がくがくと腰が揺さぶられ、追い詰められる感覚と浮遊感に思わず目を閉じた。もう、限界だった。
「うぁ、あ、あっ、ぁぁああああーーーー……っ!」
「ヤコ……っ!」
最奥にどろっと熱いものが注ぎこまれるのを感じながら、私は意識を手放した。
***
301 :
赤と緑8:2007/10/28(日) 03:13:05 ID:nucNYTYe
ぼんやりとした視界の中に剥き出しの腕と黒い皮手袋が見える。
その指先はあの文庫本をぱらりとめくっていた。
「んー……」
「気がついたか」
頭の後ろから声が聞こえる。ソファに寝かされたまま後ろから抱きしめられているようだった。
ご丁寧にも私の上半身は例の青いスーツで包まれていた。
もうすっかり日が暮れて窓の外は濃紺に染まっている。いつの間に灯りをつけたのか、天井にある蛍光灯の光が眩しかった。
ソファから落ちないようにもそもそと体の向きを変えて向かい合い、顔を上げてネウロを見ると額にキスを落とされる。
「…まだそれ読んでたんだ」
「貴様が落ち込む理由が分からんのでな」
「今は大丈夫だよ」
「別に心配していたわけではないぞ」
「はいはい……って苦しい苦しいギブギブギブ!」
折れそうな勢いで首を拘束していた腕から解放され、ほっと息をつく。
ネウロの胸の真ん中におでこをくっつけていると、背後のテーブルからぱたりと本が置かれる音。
男にしては細めの顎がつむじにぐりぐりと押しつけられて私は小さなうめき声を上げた。
「ヤコ、この本から読み取れるものというのはやはり我が輩にはよく理解出来ん。
だが『死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいる』というくだりは漠然とだが解かる。
あれは死を見つめよということではなく今生きる生を見つめよということではないのか?
『大切なものは決して手放すな、そして全うに生きろ』それが読者へのメッセージだと我が輩は思うのだが」
死ぬことを悲観せず畏れもしない、こいつらしい感想だと思った。読む側によってこんなに抱くものが違うとは。
「…そういう視点もあったのか」
「心を汲み取る能力があるくせに文章は読み取れんのかこのミジンコめ」
「だって作中に死を連想させることばかり書いてあるんだもの。どうしても後向きになっちゃうよ」
「どの生物も死からは逃れられん。生と死は別個ではない一連のプロセスだろう。
まったく…メメント・モリの言葉を作り出した人間と貴様が同じ種族だとは思えんぞ、この豆腐頭が」
「う、うるさいな…哲学とかよく分かんないよ」
「莫迦め、あれはただの警句だ。いずれ死ぬのだから今を精一杯生きろというただの呼びかけに過ぎん」
「へぶッ」
302 :
赤と緑9:2007/10/28(日) 03:13:58 ID:nucNYTYe
両手でばちんと頬を挟まれてカエルみたいな妙な声が出た。
ブラックジャックのピノコみたいな顔にされたまま、無理矢理上を向かされる。
「ヤコ、よく聞け」
その先には深緑の鋭い視線。全てを捉えて離さない、猛禽のような瞳。
「我が輩も生きるために貴様を側に置いている。ならば貴様も生きるために我が輩と共に在り、そして試練に抗うがいい。
全てを忘れることも死を畏れて立ち止まることもせず、日々成長していけ。
我が輩とて完全ではないのだ。それを補うのが貴様の役目、そうだろう?ヤコよ」
支配者的な不遜な笑みを浮かべているわりには、その目と言葉はとてもまっすぐだった。
いつか『忘れるな』と言われたときと同じ、私の悩みを無理矢理払拭させるための、力強くて傲慢な、それでいて優しい言葉。
頬を緩めて力いっぱい頷くと、よろしい、と満足気な言葉と啄むようなキスが返ってきた。
「それにしてもやけにセックス描写の多い話だったな。どれも単調過ぎて食指は動かんが」
「あはは、確かになー」
「貴様もこの『ミドリ』くらい想像たくましくなってみてはどうだ。なんなら今からSMポルノでも観に行くか?」
「うーん、あんたのプレイ助長しそうだからやめとく。それに私はあの女の子ほどあけっぴろげになれないよ。
男の人のマスターベーションなんて見たくないし、お父さんの遺影の前でM字開脚だってしないもの」
「確かにな。我が輩もあの主人公のような曖昧な男ではないし、貴様とセックスしたいと思えばそれを止めようなどとは思わん」
「そうだよ、あんたはネウロで私は弥子なんだから」
「そうだ、ここが現実だ」
私の現実は確かにここで、本の中とは違う。
これからも私は人の死を見ていかなくちゃならなくて、それはこいつと居る限り変わらないだろう。
あの作者からのメッセージはやっぱりこいつほど明確には分からない。
それでもいい。私が出来ることはただ前向きに生きていくだけだ。
去った人も涙も悲しみも忘れずに、大事なものを手放さないように必死に生きる。それだけしか私には出来ない。
ぼんやりと輪郭が見えてきた私なりのこの本の感想文。その書き出しを考えながら、もう一度目を閉じた。
(了)
元ネタ小説は村上春樹「ノルウェイの森」でした。重ね重ねファンの人ごめん。
GJGJ!ノルウェイ好きだからとんでもなく嬉しかったんだぜ!
これでえろ初とはけしからん!誠にけしからん!
劇乙!
一瞬赤いきつね緑のたぬきを連想してしまった
GJ!すばらしい文章力と構成力だ!
もう君も神のひとりだ。自信をもって
ガンガン投下してくれ!
GJGJGJGJ!
なんというエロさ、なんという甘さ、
実にけしからん、けしからんですよ!
カッコよくて甘〜いネウロがツボすぎます。
また投下してください、新しい神よ。
神の後でいささか恐縮だが、旬を逃さないうちに投下!
でも、もうすでに逃しまくった気も…。
もともと指フェラネウヤコだったはずが、むしろそっちが蛇足に…。
前半はヒグヤコ。ヒグヤコだけでまったりしたい、
もしくは文章に余分な話はいらん!という本格思考の人はC以降は読まぬが吉。
てんびん座のあなた!
今日の運勢は6位。思わぬ幸運に恵まれるけど、それもすぐに逃げてしまうかも。
後悔しないよう準備は万端にv
ラッキーアイテムは…
何気なくつけっぱなしにしていたTVから流れてきた「今日の占い」が耳に流れ込む。
別に占いなんて、信じるほうじゃない。大体単純計算、世界中の1/12の人間の今日の人生が同じなんてありえないだろ?
でもどういうわけだか自分の星座に関しては無意識に反応してしまう。
でも、6位ってビミョーだよな。
つまり『フツーの日』ってことじゃん。
……太陽が眩しい。
就寝時刻が今朝の7時半の俺にとっては、日差しの温くなった午後の太陽すらもわずらわしかった。
合計睡眠時間は十分なほど足りているハズでも、やっぱり体内時計に逆らった時間に寝ているためか、
未だに体中に倦怠感がドロドロとまとわりつく。
ビニール製の買い物袋が指に食い込む。地味に痛い。
プリンタ用紙やらDVD-ROMやらが、歩くたびに足に当たって余計な自己主張をする。
前日は徹夜でネットサーフィン、昼日中はほとんど寝て過ごして、起きたあとはPC用品の買いだめ。
何も特別なことはない、いつも通りの休日。
あとは、そこらへんのネットカフェで夕食代わりの食事をして、部屋に帰って買ってきたものの整理をすれば終わり。
そう、これがデフォ。可もなく不可もなく。
突然鳴り出した携帯に一瞬からだが強張る。
俺に電話してくるヤツなんてほとんどが笛吹サンとか、筑紫サンとかとにかく仕事関係の人間ばっかだ。
でも、みんな今日は仕事のはず。他に俺に電話してくる人間といえば…。
音楽に合わせて手の中でキラメキながら踊る着信画面に表示されてる文字は…。
OK。占いってのを今日ぐらいは信じてやってもいいよ。
てんびん座のあなた!
今日の運勢は6位。思わぬ幸運に恵まれるけど、それもすぐに逃げてしまうかも。
後悔しないよう準備は万端にv
ラッキーアイテムは…
何気なくつけっぱなしにしていたTVから流れてきた「今日の占い」が耳に流れ込む。
別に占いなんて、信じるほうじゃない。大体単純計算、世界中の1/12の人間の今日の人生が同じなんてありえないだろ?
でもどういうわけだか自分の星座に関しては無意識に反応してしまう。
でも、6位ってビミョーだよな。
つまり『フツーの日』ってことじゃん。
……太陽が眩しい。
就寝時刻が今朝の7時半の俺にとっては、日差しの温くなった午後の太陽すらもわずらわしかった。
合計睡眠時間は十分なほど足りているハズでも、やっぱり体内時計に逆らった時間に寝ているためか、
未だに体中に倦怠感がドロドロとまとわりつく。
ビニール製の買い物袋が指に食い込む。地味に痛い。
プリンタ用紙やらDVD-ROMやらが、歩くたびに足に当たって余計な自己主張をする。
前日は徹夜でネットサーフィン、昼日中はほとんど寝て過ごして、起きたあとはPC用品の買いだめ。
何も特別なことはない、いつも通りの休日。
あとは、そこらへんのネットカフェで夕食代わりの食事をして、部屋に帰って買ってきたものの整理をすれば終わり。
そう、これがデフォ。可もなく不可もなく。
突然鳴り出した携帯に一瞬からだが強張る。
俺に電話してくるヤツなんてほとんどが笛吹サンとか、筑紫サンとかとにかく仕事関係の人間ばっかだ。
でも、みんな今日は仕事のはず。他に俺に電話してくる人間といえば…。
音楽に合わせて手の中でキラメキながら踊る着信画面に表示されてる文字は…。
OK。占いってのを今日ぐらいは信じてやってもいいよ。
「まさかこんなところでヒグチさんに会えるなんて思わなかった。本当、偶然ですね」
桂木はケーキ用のフォークを握ったまま屈託なく笑いかけてきた。
「そうだな、俺も驚いたよ」
『ヒグチさんっ』
携帯から響いてきた声は、いつくもの機械越しでもわかるくらい明るくはじける声だった。
『あ、やっぱりヒグチさんだ。えっと、左のビルの2階です』
きょろきょろと首を振ると、すぐに見つかった。
喫茶店の2階部分、窓際の席から彼女は子供のようにブンブンと手を振っていた。
「すみません、お仕事中でした?」
「いや、今日は休みだったんだ」
ニコニコとうれしそうにフォークを動かす様は、見ていて微笑ましい。
…そう、見てるだけなら……。
隣に詰まれた皿の山とか、いったい合計いくらなんだとかそういう現実問題を無視すれば…。
「何気なく外見たら、ヒグチさんらしい人みつけて、思わず電話しちゃったんです」
「よく、俺だってわかったな」
無意識につばを飲み込む。それって、ひょっとして『俺』だから…?
「そりゃもう、視力には自信があるんで」
いや、あの、さ。俺の求めてるのはもっとこう、さ、………。
まあ、このフラグクラッシャーぶりが桂木らしいといえば桂木らしい。
でも理由がどうあれ、あの人ごみの中から俺一人を見つけ出してくれたということが純粋にうれしい。
たとえ今のこの笑顔の半分以上がケーキに向けられたものだとしても、胸の奥からひそやかにあふれてくる
感情を否定することはできない。
「なに?お前も今日は探偵は休み?アイツは一緒じゃないの?」
「ああ、たまには叶絵…友達と一緒に遊びたいって、散々粘って勝ち取ったんですよ、休み。
で、さっきまでその子と一緒にいたんですけど、夜に彼氏とデートが入っちゃったんで、先に帰ったんです」
「へー…。桂木はさ、そういうのいないの?彼氏、とか」
何気なく聞いてみる。
「彼氏ですか?まだいませんよ」
心臓が一瞬不思議なリズムを刻んだ。なんともいえない軽く締め付けるような甘酸っぱさが胸に広がる。
いつも二人ワンセット状態のあの魔人はいない。
今の空気ならいけるはずだ。
そう、何気ない風を装って。
もし断られても傷つかないように。「冗談だよ」って笑い飛ばせるように…。
「なら…」
「そもそも、まだそういうの興味ないですし。だいたい、ネウロがいる限り無理ですよ」
ゴン。
「ちょ、ヒグチさんどうしたんですか!?大丈夫ですか!」
「…うん、大丈夫。ちょっと、脱力しただけだから」
「?」
さすがだよ、フラグクラッシャー。
そうだ、前向きに考えよう。
『彼氏はいない』と明言したからにはネウロは彼氏ではないということが決定されたわけだ。
まだ俺にも希望があるはず…。
「あ、ひょっとしてお腹すいてます?ここのペペロンチーノは絶品ですよ」
メニューを取って、そのページを差し出してくる。
「夕飯にはちょと早いかもしれないけど、一緒にどうですか?」
「……でも、桂木はもう帰るつもりじゃなかったのか?」
既に十分食べてるみたいだし…。という言葉はさすがに自重する。
やだなー、もう一皿くらいいけますよvという台詞を思わず、遠い目で受け流す。
「それに、ひとりで食べるよりも、ふたりで食べたほうがきっとおいしいですよ」
にこっと微笑む。
メニューを渡してくれる手が少し触れる。そこから伝わるぬくもり。
俺だけを見つめる視線。声。何気ない息遣い。そこに確実にいるというこの空気。
モニター越しでは、フォント越しでは触れられないもの、感じられないもの。
すでにあたりまえすぎて最近では忘れ去ってたそれを、改めて知覚した。
昔はあんなに渇望してたのに…。
まったく、それは反則だよ。
「いいよ、じゃ、一緒に食べよっか」
そう、まさに絵に描いたような『花より団子』の子供には、まだこの打算まみれの愛情を押し付けるには
早すぎる。何かを変質させてしまうかもしれない。
まだいまはこの関係でいいじゃないか。
ささやかながらも、彼女のことを見て、聞いて、感じて、触れることができるんだから。
「他になにかおいしいのある?」
メニューを覗き込むふりをして顔を寄せる。
写真の上をすべる指に追いつくふりをして、指先で触れる。
そう、いまはまだこれだけで十分満足できるんだから。
『すっぱいブドウの原理』?
いいんだよ、いまはまだモラトリアムの最中なんだから。
そう、だからしばらくはこのぬるま湯の関係に浸っていよう。
「こんなところで何をしている、コメツキバッタが」
「ふぎゃっ!」
「なっ!」
むりやり縦回転を余儀なくされた桂木の首が「グギッ」とやな音をたてる。
いつのまにか桂木の背後に現れた男の神出鬼没ぶりに言葉が出ない。
「ネウロ!いつの間に?」
さすがに慣れているらしく、桂木が至極もっともな質問をする。
しかし、その顎はその間もずりずりと引き倒され、すでに椅子の背もたれ越しにイナバウアー状態だった。
「ふん、友人と遊びたいなどという身分不相応な願いを聞き入れてやり、せっかく休みをやったというのに、
その感謝もせんとは奴隷としての自己認知度がひくいぞ」
「なによ、お礼ならちゃんと事務所で言ったでしょ!」
「貴様の友人なら1時間前に帰っただろうが。用事がすんだらまっさきに主人のところに帰って、
奉仕に精を出すのが奴隷の感謝の仕方だろう」
「それ休日違う!!!てか、なんで叶絵が帰ったことしっってんのさ!」
「我輩にかかれば貴様のプライベートなど筒抜けだ。
それに、日本にはすばらしい格言があるだろう。『お前の物は俺のもの、俺のものも俺のもの』だったか?」
「ナチュラルにストーカー宣言とか止めて!ついでにそれ格言違う!あんたはどこのガキ大将だ!」
いや、桂木、気持ちはわかるけど、ツッコミを入れる前にまずは自分の体を鑑みよう。
つーか、その体勢でも普通に会話できるってスゲーな。
どんだけ慣らされてんだよ…。
「だいたい、ヒグチさんだって立派な『友達』でしょ!」
グサッ
…………いや、わかっちゃいるけどさ、そんな大声で宣言されると、こっちもさすがに傷つくっていうか…。
それもそうだと思ったのか、ネウロは「フン」とひとつ面白くなさそうに鼻を鳴らして、手を離した。
「仕方がない、貴様が注文した料理を食べ終わるくらいまでは待ってやろう。まったく、我輩も寛大になったものだ」
「はいはい、そうですねー」
ネウロは何の躊躇もなく桂木の隣に座った。
とたんに空気が重苦しくなる。
わかってる。そう思っているのは俺だけだ。せっかく桂木を独り占めできてたのに…。
でも…。
「ごめんねー、ヒグチさん。せっかく二人でまったりしてたのに…」
そのことばだけで。彼女も自分と二人の空間を楽しんでた。それがわかっただけで、この不満の半分くらいは
解消されるあたり、自分も大概げんきんな性格だと思う。
「まったく、貴様も男を釣るぐらいならあの眼鏡チビクラスを釣って来い。そうすれば事件への介入も
これまで以上に容易になる」
「あんたねー、人間関係をなんだと思っ……って、あたしのパンプキンケーキ!!!!!!!」
店中に響き渡らん限りの絶叫がこだました。
キンキン響く耳を押さえつつ見ると、ネウロの人差し指の先ではケーキが一皿器用にバランスをとっていた」
「返してよ!それ、期間・数量限定の超貴重品なのよ!せっかく最後に味わおうと取っておいたのに!」
「ふん、いつでも食べれるとタカをくくっていた貴様が悪い。食べれるときに食べておかないと、
取り逃がすというよい教訓だろう」
ついっ、と皿のバランスが崩れたかと思うと、優雅に手をひらめかせ空中で皿の上のケーキだけを握りつぶした。
既に桂木は声も出ない様子で、頬を押さえたまま絶叫の形で固まっていた。
「今日は貴様の休日のおかげで、謎の気配をひとつ取り逃がしたのだ。にくらべて、貴様はすでに平均日本人男性の
倍近いカロリーを摂取したのだろう。ケーキの一つくらい仕置きの代わりにもならんわ」
ゆっくり開いた手の中のケーキの残骸からは、どうしたことか植物がうねうねと生えていた。
その蔓の先端は見る見るうちに膨らみ、つぶれたジャック・オ・ランタンのような顔が浮き出たかと思うと、
ケラケラ笑い出した。
俺は、その異形の事態に目が釘付けだったが、桂木はそれどころではないらしく、
「ケーキが…、パンプキンと生クリームのハーモニーが…」
とぶつぶつつぶやいていた。
改めて思う、いくら電子ドラッグに犯されてたとはいえ、俺よくこんなヤツに喧嘩売って助かったな…。
「ちょっとまって、ネウロ」
ジャックもどきがひとしきり笑い、枯れた後、紙ナフキンに手を伸ばした手を桂木がむんずと掴んだ。
なぜかその目は据わっている。
「ふき取るんなら、それ頂戴」
……『ソレ』。
俺とネウロの顔が桂木の目線の先、未だクリームがこびりついた皮手袋に向けられる。
俺は思わず固まり、ネウロの顔は、ニタァと邪悪な笑みに染められた。
「主人の汚れを自ら清めようとは、見上げた奴隷根性だ」
「あーもー、何とでも言ってよ」
差し出された右手に、桂木の手が添えられる。
え?ちょっとまて…。
半開きの口がクリームにまみれた人差し指に近づけられる。
それは、さすがにヤバイんじゃ…。
ぱくん。
ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!
「んぅ、ぅっく、…はぁ、あむっ」
ぴちゃ、くちゅくちゅ、ちゅる。
声と音がやけに響いて聞こえる。いやいやいや、ここ喫茶だよ?しかも窓際だよ!?
なのに、何してんのアンタら!!
音だけ聞けば、どう考えてもヤッてる最中です、ありがとうございました。だよ!!
桂木はお目当てのケーキをわずかながらも味わえたからか、うれしそうに目を細め、頬まで染めている。
指を咥えながらその顔はヤバすぎだって!
「まったく、貪欲な口だな。何本も頬張って、涎までたらして。卑しい豚が。
いや、豚という呼称すら、貴様には値しないな。粘液を垂らすだけのナメクジが」
アンタはどこのAV男優の台詞だぁぁぁぁぁ!!!!
「ぁんっ、指、動かさないで、くすぐったい。舐めれないじゃん」
そういいつつも、桂木は丁寧に指から手のひらまでチロチロと舐めつづける。
いつのまにか俺は、心の中の突っ込みすらやめて見入っていた。
時折ネウロは戯れに桂木の舌をつまんで、いたぶる。
人差し指と中指ではさんで引き出した舌先を親指でちろちろと嬲ると、桂木は苦しさに眉を寄せながらも、
くすぐったそうに短い吐息を漏らし、猫ののどをさするように上あごをくすぐれば、
甘いため息と飲み込み切れなかった唾液が口元から零れ落ちる。
染められた頬、指を頬張る口元、そこから除く赤い舌先、顎をぬらす唾液、こぼれる吐息と、水音。
そして、黒の皮手袋とのコントラストでやたら映えて見える白のクリームが、別のものに置き代えれる
ことに気づいた時にはもう遅かった。
ヤバイ、トイレに行きたい。でも、この光景を見逃したくはない。
誰だよ、桂木のこと『花より団子の子供』って言ったのは!俺だよ!!
「ふぁっ…、くちゅ、ぅんっ、んっ…ちゅっ」
すでに、目の前の桂木はそこら辺のAV女優にも引けをとらない色香を振りまいているように見える。
ちくしょう!なんで今日に限ってデジカメ持ってこなかったんだよ!いや、デジカメはだめだ、目立ちすぎる。
そうだ、携帯のカメラ。メールを打つ振りして…。それもだめだ音でばれる。
目の前で繰り広げられる生々しい行為に妄想が暴走する。
もし、あの指が俺の指だったら。いや指なんかじゃなくて…。
まずい、誤爆しそうだ。
「んっ、ちゅぱっ、…はあっ。ごちそうさまでした」
桂木の食事が終わったのと、俺がトイレにダッシュしたのはほぼ同時だった。
…「フツーの日」だったはずなんだけどな。
たった2時間弱のできごとが、いまでもまだぐらぐらと脳味噌を煮え立たせる。
とりあえず、今回のことでわかったことがある。
恐ろしいことにこいつら二人とも、あの行為に『そういう』意識をもっていなかったということだ。
桂木はまだしも、魔人に関しては正直意外だった。
トイレに走る俺を、あいつは、いつものあの見下した笑みで見送るではなく、本当にきょとんとした表情で見ていたのだ。
戻った後にあの行為についてそれとなく聞けば、ステレオ音声よろしく。
「いつもの調教/虐待、だが?/だけど?」
と返ってきた。
つまり、意識していないからこそできる芸当。
小学生が意味もわからず卑猥な単語を大声で連呼できるようなものだ。
はっきりいって、第三者からみれば、いちゃつくバカップルにほかならない。視線汚染にも程がある。
もし、どちらかがそのことを意識しだしたら。特に魔人…。ぞっとしないなぁ…。
桂木弥子。犯すべからざる子供の実像と、娼婦の偶像をあわせもった少女…。
そのきれいな二律背反が共存する様は、はっきりいって、電子ドラッグ中毒者(完全態)よりやっかいだ。
実像と接すれば時折見せる偶像にまどわされ、偶像を追い求めればその実像に拒否されるだろう。
どうしよう、意外に俺のモラトリアムは残り少ないかもしれない。
『食べれるときに食べておかないと、取り逃がす』
そうだね、ネウロ。ほんとにいい教訓だ。
本当にほしいのなら、早いうちに手に入れないと。手遅れになる。
後悔しないよう、準備をしないと。
「とりあえず、明日あの店のケーキ持っていってみようかな…」
もちろん、食べ損ねたパンプキンケーキを。
きっと彼女はあの笑顔で迎えてくれるだろう。
そう、まずはできることからはじめてみよう。
投下終了。
つか、間違って、1を二回書き込みしてた…!orz
GJ!動揺するヒグチがかわいすぐる。
乙!
前半のほのぼの良いね
後半は全くその気がない2人とヒグチの心のツッコミの対比がナイスw
GJGJ!
フラグクラッシャーとかすげーヒグチらしい言い回しで
読みながらニヤけてしもたwww
何気にハロウィンネタも入ってるなんて!
超絶GJ!!!ヒヤコ好きなんでごっつり堪能しちゃったぜ
ひぐっちゃんの心のツッコミ爆笑したwwww
ヒグヤコGJ!!!
何だこのケーキのように甘い話は!
けしからん!
ヤヴァイよ、ひぐち…ひぐち…
何だお前は、コノヤロウ!
GJ! 二重投下は…次回気を付ければおkかな。
原作的にも恐ろしい程自然な関係だなどちらの組も。
神有月もあと3日ばかり!どんどん濃い!!
323 :
葛西×アイ:2007/10/29(月) 20:50:11 ID:Ifo6kj7P
葛西×アイ投下します
ちょっと凌辱寄りの和姦
計23レス予定と長いんで途中で規制受けたりするかも……
ひと仕事終わって帽子を脱いでみると、汗に濡れそぼった髪が額に貼りついていた。
べたついた感触を指先でかきわける。
季節は晩夏。湿気も気温もまだまだこたえる時期だが、額ににじむ汗の原因はそればかりではない。
つい数十メートル先で一軒の民家を抱き込み、火の粉を巻き上げる炎の熱。そして犯行時の緊張・興奮
状態から分泌されるドーパミン。
「お疲れ、葛西」
背後からかけられた無邪気な声に、葛西善二郎は振り返った。
オレンジ色のさざなみのような、うずまく炎の照り返し。それを顔に受けてひとりの少年が笑っている。
幾つの命を飲み込んだかも、これから幾つ飲み込んでいくかも知れぬ火を見つめながら、愛らしく無邪
気に微笑んでいる。
「……サイ」
怪盗"X"。超常の細胞を持つ猟奇殺人鬼。
「燃やして証拠隠滅ってのも、たまには悪くないかもしれないね。
アイは『怪盗キャラの演出としてはスマートさが足りない』って嫌がってたけど……
これなら後腐れがなくて楽だし、何より見た目のハデさが俺好みだ」
悪のカリスマと称される彼の目には、この炎上も単なるショーにすぎない。
ボリショイのリングで繰り広げられる、芸術的なアクロバットと同じ部類の。
サーカスは訓練されたアーティストが演じ、炎は炭素と酸素とちょっとした人為で燃え盛る。違いはそれだけ。
「ごめんね葛西」
いきなり謝られた。
「は?」
「正直、放火魔なんて仲間にしても何の得もないと思ってた。
でも実際やらせてみるとなかなかどうして、早くて正確でいい仕事するじゃん。見直したよ」
「あんまり誉めないでくださいよ」
脱いだ帽子を葛西はまた被りなおす。
「……調子に乗っちまうタチなもんで」
「いいじゃん、素直に受け取りなよ。俺に誉められるなんて機会もう二度とないかもしれないよ?
自分で言うのも何だけど、今までいろんな人間観察してきて点が辛くなってるからね」
葛西は帽子のつばをくいっと下げ、屈託なく笑う怪盗から視線を外した。
パチパチと火の粉の音が耳にやかましい。
「そう仰るんならまあ、ありがたく貰っとくとしますがね……
いい加減にそろそろ、ずらかった方が賢いんじゃないですかい?
消防やら警官やら野次馬やら、小うるさい連中がタカり出す頃ですよ。サイはともかく俺がこの場に残る
のは、ちょっと……」
「うーん、俺はもうちょっと見てたいんだけど。まあ今回は本職の放火魔のアドバイスに従うとするかな」
炎に包まれた民家の中で、メリメリ、と何かが崩れる音がした。
それに重なって肺を掻きむしるような凄まじい悲鳴が響き、ほどなく絶えた。
*
「いや楽しかったよ今回は。こんなに楽しかったの久々かも」
放火魔の働きによほど満足したらしく、アジトに帰ってもサイは上機嫌だった。
仕事が終わっても葛西を追い出さず、むしろ『一緒にお茶でもどう?』と誘ってきたことからも、それが
分かる。これまでは呼び立てられたとしても、用件が終わればさっさと追い払われるのが常だったのだ。
今日の犯行でようやく、『こいつは自分にとって価値のある人間だ』と認識したらしい。
「デカイ火っていいね。あのゆらゆら揺れる感じがなんともいえない。色もキレイだし。
あんたが魅せられるのも分かる気がするよ」
「それは何より。お望みならもっとハデな火の手も上げてみせますよ」
「そうだね、色々ほかにも見せてもらおうか。これからもよろしく、葛西」
テーブルをはさんで握手する二人のもとに、アイが姿を現した。
茶菓子の盆を手にしたまま一礼し、とん、とアイスコーヒーのグラスを置く。
続いて並べられたのは、涼しげな透明の器に入ったバニラアイスである。
黒っぽい色をした果実酢を回しかけてある。添えられているのはレモンと、ミントの葉と――
「……トマト?」
大輪の花のように鮮やかな、トマトの輪切りが添えられていた。
「今週は、野菜を食べよう強化週間か何かでしたっけ?」
「ううん、最近トマトにはまってて。
俺の正体はもしかしたらトマト農家の出だったんじゃないかと思うんだよね。
ちなみに昨日はシャーベットにして食ったけど、あれも美味かったなー」
おそるおそるスプーンで掬って食してみると、これが意外なまでによく合った。
「それでさあ葛西、俺考えてたんだけどさ」
スプーンをべろっと舐めながらサイが言う。
「ご褒美とか、欲しくない?」
「は?」
「だから、ご・ほ・う・び。美術品でも宝石でも高い酒でも何でも」
くすくす笑うサイ。
「遠慮はいらないよ、俺がその気になれば大抵のものは手に入れられるからね。
今日は楽しませてもらったから、ちょっとしたお礼。
何でも好きなものをあんたにあげる。欲しいものがあったら気軽に言っていいよ」
葛西は思わず眉をはね上げていた。
機嫌がいいのは分かっていたが、まさかここまでとは思っていなかった。
確かにサイには価値観や金銭感覚が麻痺したところがあるが、それを差し引いても破格の申し出だ。
――この機会を利用しない手はない。
「本当に何でもいいんですか?」
「いいっていいって。俺はやるって言ったことはちゃんとやる主義だよ。
まあその前に脳細胞が変異しちゃえば別だけど」
「二言はありませんね?」
「くどいなあ。ないよ。何でもあんたの欲しいものをあげるよ」
笑いながら言い切るサイ。
葛西は唇の端を歪めた。
「それじゃあ、ちょいとお耳を拝借。無闇とでかい声で言いふらすようなもんでもないんで」
「へえ、ひょっとして何か後ろ暗いもの? あんたの脳もたいがい生粋の――」
身を乗り出すサイの小さな耳に口を寄せ、葛西は望みのものの名を言った。
テーブルの脇に控えるアイが、盆を脇に抱えて無表情にそれを見ている。
「え?」
ちゃりん、とスプーンが床に落ちる。サイの顔色が変わった。
「ちょっと、それは……」
声音に困惑がにじむ。
「今確かに『何でも』と仰ったじゃないですか。『二言はない』とも言いましたよね?」
「言ったよ、言ったけどさ、その答えは反則じゃない?
ジョーカー一枚でババ抜きやってたはずが二枚入ってたみたいな……あーこれ何か違う、えっと」
腕を組んで低く唸る。
「大体そういうことは本人に言いなよ、わざわざそんな持って回ったことしなくたってさ……
俺そういうの極力関わりあいになりたくないんだよ。こじれたときに面倒くさいし……」
「あの通りのお堅い性格で、素直にハイって言ってくれるわけねえじゃねえですか。
サイがひとこと言ってくれさえすりゃ、さすがに折れるだろうと思いましてね」
粘ついた笑みを浮かべ葛西は畳み掛けた。
「で、どうなんですか。下さらないんですか、ご褒美。何でも構わないとご自分で仰っておいて?」
アイが腰をかがめ、サイの落としたスプーンを拾い上げた。
二次性徴もまだのような少年に中年男が物をねだるという奇妙な構図に、さして興味も示さずキッチンへと
出て行く。新しいものと取り替えてくるつもりだろう。
アイが部屋を出て行く間際、サイはちらっと彼女に視線をやり――そして眉根を寄せて黙り込んでしまった。
何かにつけてあっけらかんとした態度を見せるこの怪盗が、自分自身のこと以外でこのような顔を見せる
ことは滅多にない。
「まさかあなたともあろう人が、こんなつまんねぇことにこだわってんですか?」
「別にこだわってるとかそういうわけじゃ」
「だったらさっきのお言葉どおりで、何ひとつ構わないじゃありませんか。
何を迷ってらっしゃるんです、サイ」
葛西の笑みが深くなった。
「それともまさか自分ひとりで独占して、他の奴には渡したくないとか……
そんなトチ狂ったこと考えてんじゃないでしょうね?」
「っ!」
サイがぐっと息を呑むのが分かった。
幼げな顔立ちが屈辱に歪み、薔薇色の頬が見る見るうちに血色を失っていく。
一度白くなったかと思いきや、今度は過呼吸に陥ったように淡紅色を帯びる。
へたな見世物より面白い光景だった。
「……何を根拠に」
「ただの口から出まかせですよ。何の根拠もありゃしません」
反応が分かりやすすぎるんだよ、小僧――
一気に度を失った少年を、葛西は内心でせせら笑った。
「ああ分かったよ。好きにすればいいよ」
少年は勢い良く立ち上がる。
そのままテーブルに身を乗り出し、葛西の顔に息がかかるほどの距離で宣言した。
「一回だけ、いいね一回だけあんたの望みどおりにしてあげるよ。
でもあとで物足りないとかごねたって、苦情は一切受け付けないからね」
「充分ですよ」
指を突きつけて睨むサイの目と葛西のニヤついた目が相絡んだとき、アイがキッチンから戻ってきた。
適度かつ自然な恭しさで、サイの食器の脇に新しいスプーンを置く。
忠実な従者が下がる前にサイは、彼女の目を見ずに言った。
「アイ」
「は……」
「葛西があんたと寝たいってさ」
東洋的な美を湛えた黒い瞳が、稀に見るほど大きく見開かれた。
「……サイ?」
「あんたもウブな小娘じゃないんだし、一晩くらいならどうってことないでしょ。言うこと聞いてやんなよ」
滅多に変化しないアイの顔に、浮かんだ色は戸惑いだったろうか。
「それは……私への命令、ですか。サイ」
「命令だよ」
答えるサイ。あくまでもアイの顔は見ない。中空を睨むようにしてそう言い切る。
「葛西もいろいろ欲求不満抱えてるだろうし……せいぜいサービスしてやれば」
アイは小さく呼吸した。
沈黙の下りた室内に、彼女が息を吸い、吐く音までが、はっきりと響き渡るように思われた。
もちろん錯覚にすぎなかったが。
「かしこまりました、サイ。お心のままに」
どこまでも忠実な彼の従者は、長いまつげを伏せて深々と一礼した。
*
行為は、二階にあるアイの部屋で行うことになった。
葛西に顔を向け『こちらへ』と小さく呟き、アイがダイニングを出る。
葛西はテーブルにスプーンを置いてその後を追う。
出る寸前軽く振り返ると、食べかけのトマトを放置したまま、サイがこちらに視線を送っているのが見えた。
押してはいけませんと言われていたスイッチを押してしまった直後のような、なんとも言えない表情をして
いた。
帽子を脱いで会釈してみせた一瞬、口元に浮かんだ嘲笑を隠しきれていたかは定かでない。
アイを追って階段を昇る。ここに滞在する間彼女が寝起きしている部屋は、昇りきってすぐのところにある。
部屋の主が扉を開け、脇に控えて『どうぞ』と囁いた。
「お入りください」
「ああ、お言葉に――」
答えながら、ドアを押さえる彼女の手首を掴んだ。
「甘えさせてもらうとする……よっと!」
「!」
不意を突かれたアイは、葛西の渾身の力と体重で部屋の中へと引き込まれた。
勢い余って帽子が落ちる。
細い肢体が床に押し倒され、葛西の体の下になる。
一瞬遅れて、支えを失ったドアが背後で閉まる音。
「っ……か、さ……」
「柔らけー体してんじゃねえか、アイ」
片手で両腕をまとめて押さえつけ、もう片方をしなやかな肢体に這わせる。
腰の上へとのしかかり、息を呑むアイの上半身を探るように撫でまわしていく。
何の繊維でできているのか、作業着にも似た地味な上着はごわごわと肌に障るように硬い。
しかしその下には確かに乳房の存在が感じられる。
柔らかく温かく、誘うように甘やかな膨らんだ胸の感触が。
そして更にその下では握りこぶしほどの肉塊が、肋骨の防壁に守られてとくとく脈を打っているのも
分かった。
「性格と一緒で、マネキンみてぇにガチガチだったらどうしようかと思ってたんだがよ。
どうやら体の方は普通の女と変わんねーみてぇだな。安心したぜ」
葛西の言葉に、アイは顔を横に向ける。
お前の繰り言などどうでもいいというポーズか、粘っこくニヤついている葛西の顔を見たくないのか。
どちらだとしても、葛西にはどうでもいい事だ。
首まできっちり詰まった前開きの上着を、掴んで勢いよく引き開ける。
白い肌を隠しているのは、ひらひらと飾りのついた薄手のインナー。
厚手の上着を着ているときよりも、はるかにはっきりと膨らみが分かる。
「内側は可愛いの着てんじゃねえか。その恰好のほうが俺ぁ好みだぜ? 普段からそれで通したらどうだ」
「……あなたの好みに合わせる義務などありません」
「火火、確かにな」
手のひらを大きく開き、包み込むように斜め下から掴む。
それなりに大きな葛西の手だが、アイの乳房はそれでも掴みきれないほどの量感があった。
こぼれ落ちんばかりの肉を押し上げるように揉んでいく。
アイが顔をしかめた。快感より嫌悪感のほうが勝るらしい。
「そんなツラすんなよ。サイにサービスしてやれって言われただろ?」
胸の先端のありかは、下着とインナーの上からでは判然としない。
葛西はインナーの胸元に手を伸ばし、ゆっくりと一つずつボタンを外していく。
プチン、という音が響くたびに、アイのまつげの先がかすかに震える。
無表情を保とうとする端整な顔の、ごくごく微細な、しかし明らかに心の揺れを映す変化。
それは生粋の犯罪者である葛西の嗜虐の本能をよりいっそう煽り立てた。
半ばほどまで外してしまうと、残りは力任せに引きちぎる。
弾け飛んだボタンは床に転がり、どこに行ったのかも分からなくなってしまう。
「葛西、服を……」
「拾って縫いつけりゃ済む話だろ。ガタガタ言うんじゃねえよ」
「……っ」
抗議の声を上げるアイの、肩から首筋のラインを舐め上げると、息を呑む気配とともに声も飲み込まれた。
下着は黒。実用重視のすっきりとしたデザインだが、ポイントにはラインストーンが輝いている。
フロントホックを咥えて外すと、眩しいほどに白い胸がまろび出る。
桜色の先端は、まだ尖ってはいない。
「思った通りそそる乳してやがるな。やっぱり隠してんのは勿体ねぇと思うんだがなぁ。
おじさんが谷間の見える服でも買ってやろうかぁ?」
「結構で……、っ! や、舐め……」
唾液でてらてら光る舌が、アイの頬にピチャリ、と貼りついた。
整った顔に、ナメクジが這った跡のように透き通ったぬめりが広がっていく。
ヘビースモーカーである葛西の唾液は、強烈なヤニの匂いがするという。
過去に抱いた何人もの女の一人から聞いた話だった。
加えて今はさっき食べたばかりの、トマトの匂いもしているかもしれない。
いずれにしても自分では分からないが。
ぬめる感触とかかる息を避けようと、目を閉じ首を振って抵抗するアイ。
葛西は押さえつけてそれを封じ込み、逃げられない体勢のアイの顔を、唇、額、まぶたに至るまで舐め尽くす。
この取り澄ました女を自分の体液で思うさま汚す行為は、直接の快感こそ得られなくとも、相当の興奮と
征服感を葛西にもたらした。
顔を舐めながら、葛西はアイの胸にまた手を伸ばす。
「あ……」
豊かな乳房を手のひらで掴む様は、五本足の巨大な蟲が、丸い果実を捕食しているように見える。
葛西はそのまま胸を揉みしだいた。指の腹を先端の上に乗せ、こすりたてながら時間差をつけて指を動かした。
肌理の細やかな肌とその下の肉は、若さと熟れを半々の割合で備えている。
弾力のある乳房は葛西の指の動きにほどよい反発を返し、先端は次第に硬さを帯びはじめた。
「顔が赤いな。先っぽもだいぶ尖ってきたぜ?」
舐める舌を引っ込め、葛西が笑った。
「お硬いお前でも、こうやって触られてりゃ人並みに感じるわけだ。その辺の女と変わんねーな」
「………………」
「お? 怒ったか。悪ぃ悪ぃ、挑発してるつもりはねえよ。ちょいと親近感ってやつを覚えただけだ。
感じもしなけりゃ喘ぎもしねえ、ダッチワイフみたいな女とやっても楽しかねえからよ。睨むな睨むな」
手を伸ばしたのは下半身。
着たまま捲り上げて楽しむのも一興だが、アイのスカートは足首近くまである。
この長さではさすがに邪魔だ。ホックを外して脚から引き抜こうと、腰の辺りを手でまさぐる。
と――
「自分で脱ぎます」
弾みつつある息を抑えながら、アイが言った。
「ですからどうか……この体をどけてください。これでは動けません」
ほう、と、葛西は目を細める。
押さえつけて脱がせる行為はまるで犯しているようで、葛西の身の内のサディズムを満足させてくれる。
だが、自ら一枚一枚脱いでいく様子を目の前で見るというのも悪くはない。
常にお高く留まり、無関心とも侮蔑ともつかぬ視線を常に葛西に注ぐこの女が、彼に抱かれるためだけに
生まれたままの姿になるのを観賞できるのだ。
葛西は唇を舐めた。
「分かったよ。どいてやるから脱げよ。ただし、なるべく色っぽくな」
葛西の体重から解放されたアイは、立ち上がってまず髪を縛る紐を解いた。まっすぐな髪がさらりと流れる。
次に手をかけるのは半脱ぎの上着。
あらわになった裸の腕はどきりとするほど細く、華奢でさえある。
その華奢な腕がインナーの袖をすうっとくぐって一本ずつ抜かれていく様は、フランス映画にでも出てきそ
うな光景だった。
フロントホックだけが外され、胸元でゆらゆら揺れているブラはひとまず放置。
ロングスカートに手を伸ばす。
脇のホックを外し、ジッと音を立て一息に下ろした。
アイの太腿は、成熟した女体ならではの適度な脂肪を乗せている。
ただし然るべき者が見れば、脂肪の下に鍛え上げられた筋肉が隠されていることも分かるはずだ。
葛西は"然るべき者"ではなかった。
むっちりと柔らかそうでありながらしなやかさも秘めたラインに、ただ淫欲とも食欲ともつかぬ奇妙な衝動を
覚え生唾を飲んだ。
その太腿を覆うストッキングはガーターベルトで留められている。ショーツはブラジャーと揃いだ。
それ専用らしい台に足を乗せてベルトを外し、ショーツの下をくぐらせる。
伸縮性のない柔らかいストッキングを、爪先部分をつまんでスルッと数秒で脱いでしまった。
もう片方も全く同様に。
羽衣のように薄いストッキングが一揃い、床の上へと落とされる。
次にアイはショーツに手をかけ、わずかに躊躇うような顔を見せた。
「どうした?」
既に充分扇情的な恰好で固まるアイに、ニヤニヤしながら葛西が声を投げる。
「これ以上は恥ずかしくて脱げねぇってんなら、続きは俺が代わりにやってやっても……」
「……………。結構です。これくらいは何でもありません」
ショーツが下ろされ、ストッキングの上をくぐっていく。
太腿の付け根に淡い茂みが覗いた。閉じ合わせて晒さないよう努めているのが、逆にエロティックだった。
葛西の淫蕩な笑みが深くなった。
粘りを帯びた視線を、必死で無視しようとするかのようにアイは彼に背を向ける。
かすかに震える手で、ショーツを脚から引き抜く。
と……
「ご苦労さん。そん位で構わねぇよ」
「ひっ、や……!?」
ジャケットとシャツを脱いだ葛西が、上半身裸になった体で、後ろから抱きすくめて胸板に背を押し付けた。
首からうなじにかけて舌で舐め上げる。
ブラジャーのストラップが残った肩が、ひくん、と震える。
「あ……駄目っ、ぁ……!」
嫌悪感にかられたのか、葛西を振り払おうともがくアイ。
その細い手首を葛西が掴んだ。
「俺とやる気になんねぇってんならそれでもいいが――いいのかよ? ご主人様の命令に逆らっても」
「……!」
「俺の言うこと聞けって言われたんだろ?」
瞳が揺れたのは一瞬だった。
緊張に強張った筋肉から、諦めたように力が抜けていった。
「よーし、いい子だ」
葛西はまた笑う。
前に回した右手で胸の先端を、下に持っていった左手で尻の肉を弄ぶ。
「先っぽ、さっきより硬くなってんなぁ。見られて感じたか?
もうちっと純な女かと思ってたが、意外に好きモンだな」
「ん、違いま……、っ!」
愛撫を休めぬまま耳たぶを甘く噛むと、背が弓のように大きく反り返った。
尻を揉む指を更に激しく動かす。
動かしながら尻の割れ目の更に奥、男を受け入れるための器官へと近づいていく。
アイの口から喘ぎが漏れるのは、触れられる予感による歓喜によるものか。
だが葛西はまだそこには触れない。
代わりに、胸元で中途半端に揺れていたブラをむしり取る。
そして豊かな胸の突起を爪で弾く。
「ひぁっ!」
充分に勃ち上がり充血した先端は、普段ならどうということのない刺激にも敏感に反応した。
葛西の腕の中で、鞭で打たれたかのようにアイは痙攣する。
間髪入れずに弾いた箇所を、指でつまんでくりくりと転がすと、白い喉が限界まで仰け反った。
「おお、よく鳴くねえ。そう来なくちゃあな。
せっかく可愛い声してんだ、思う存分聞かせてもらおうじゃねえか」
太い指の先が秘所へと到達した。
合わせ目をなぞるように、まずはゆっくりと触れる。
彼女のそこが濡れ始めているのが、それだけで分かった。
「ん、んっ……」
強固な理性が未だに拒むのか、きつく目を閉じ身をよじるアイ。
葛西は彼女を嘲笑うように、舌と唇で耳たぶを嬲り、乳房を揉みしだきながら先端を弄り、人差し指と
中指で秘所の裂け目を広げながらゆっくりと沈めていく。
ほんの一センチかそこら挿れただけで、胎内の熱としとどに濡れた感触、膣圧と興奮による締めつけが
伝わってきた。
八重の花のような肉の襞が、切なげにひくひく震えているのも分かった。
神経の密集した裂け目の淵を、差し込んだ余りの親指や薬指で刺激した。
差し込んだ指は襞をこする。快楽を掻き出そうとするようにリズミカルに、指の腹を使って何度も何度も。
アイの唇から甘い吐息が漏れる。
葛西は指を増やした。二本の指に薬指も加えて、めり込ませるようにグッと突いた。
「あ……っ!」
狭い胎内をかき分けて、子宮口のすぐ手前まで。
「かさ、い……っ」
振り仰ぐように葛西を見上げたアイの目には、涙が浮かんでいた。
多少の躊躇は残っているものの、普段のポーカーフェイスからは想像もつかない、紅潮し乱れた顔。
――もういいだろう。
葛西はアイの秘所から指を抜いた。
ズボンのベルトを引き抜いて前をくつろげ、必要なものを取り出す。
腰を突き出させ、手首を掴んで、手前の壁で体を支えさせた。いわゆる"立ちバック"の体勢だ。
いっぱいに怒張した男根に、乳房を弄んでいた手を添える。
裂け目の入り口をもう一方の手で広げ、不恰好な矢尻のようにグロテスクに膨れた雁首を飲み込ませた。
「や……ぁん、あぁぁっ、だめぇっ」
壁についた手に力がこもる。ピンク色の爪の先が色を失う。
葛西はそのまま男根を押し込んだ。
敏感な粘膜を嬲りながら、肉でできた狭い道を進んでいく。
「ひっ……!」
そのうち先端が最奥に突き当たる感触があった。
圧迫にアイの体がわななく。白い胸が揺れる。
男根に吸い付いてくる粘膜の感覚に、葛西は歯と歯の間から息を漏らした。
「……いいもん持ってんじゃねーか、お前。こんなとこでくすぶらしとくにゃ勿体ねえな」
後ろから攻めたのは失敗だったかもしれない。
自分のものを受け入れて悶えるこの女の顔は、さぞかし扇情的なものに違いない。
そんなことを考えつつも、胸を揉みながら突き上げる。
腰を進めて引くたびに、アイの口から悲鳴とも喘ぎともつかない高い声がれる。
「全く、すげぇ変わりようだな。――サイにも見せてやりてぇよ」
「! サ……」
アイの肩が震え、腰がわずかに引かれた。
葛西は逃がすまいと腰骨を強く掴み、アイの動きを完全に封じ込む。
自由を奪われたアイの秘所に出し入れを繰り返す。
「っく、ぁ」
「ああ、今キュッて締まったな。名前出されて感じちまったか。
……なあ、アイよ。あいつとはもうやったのか? どうなんだ?」
「やぁっ! 葛西……っ」
唇の内側を肩に滑らせ、緩急をつけて噛む。
最初は軽く。そのうち歯型が残るほどに、強く。
「珍しく動揺してやがったな、あの傍若無人なクソガキがよ。ちょいと挑発してみたらあっさり乗ってきたが」
「ん……んん、んっ……」
「今頃一人で何やってんだろうな。あんたが俺にやられてんの想像して、こっそりシコッてるかもしれねぇな」
アイは葛西に顔を向けた。
眉をたわめ、頬を淡く染めている。半開きの唇が官能を煽った。
ひときわ強く、ぐん、と突くと、性器同士がこすれる感覚にアイは呼吸を詰まらせる。
――だが今回は快楽に流されず、足を突っ張って感覚を押さえ込み、自分を抱き込む葛西を見据えた。
睨むように。
「葛西、あなたは……何が目的……んっ……なの、です、か」
とろんと蕩けた双瞳からは、しかし理性の光が消え去ってはいなかった。
逞しい男の肉茎を背後から受け入れ、何度も何度も最奥まで突き込まれながらも、途切れ途切れの声で問う。
「前から……っくぁ……思っては、いましたが……
あなたは、サイに心酔して彼に従っているわけでは……ぁ、ふっ……な、い……」
蜜が溢れて太腿をつたっていく。
全身に広がる快感の波に、一呼吸ごとに喘ぎを漏らしながら、白くすべらかな肌をうっすらと染め汗に濡ら
しながら、それでも脳は高速回転を続けている。
葛西は唇を歪ませる。
鋼のような揺らがぬ心、それでこそこの女だ。
それでいて肉体はどこまでも柔らかい。芸術的なまでのアンバランスがそこにある。
「お前が俺を疑ってるのは気づいてたよ」
収縮する入り口を激しく突き上げながら、葛西。
ぎゅっ、と腰を抱え込んで、アイの体を浮かせる。
挿入が深くなる。
「っ、あ」
腰を視点に持ち上げられるような形で、つま先立ちにさせられるアイ。
不安定な体勢にがくがくと足が揺れる。
耳元に口を寄せ囁いた。
「こないだ俺の荷物に、爪の先サイズの盗聴器が紛れ込んでたんだが……ありゃお前だな?」
「…………っ」
「見つからなけりゃそれで良し、見つかったら見つかったで反応を見るつもりで忍ばせた、ってとこか。
あん時ゃ思わずヒヤッとしたぜ。――だが残念だったな、俺は確かにお前ほど有能じゃねえが、そんな安い
手にあっさり引っかかるほどの無能でもねえんだよ」
「何の、ことで……っひ、ぃ、あぅっ!」
このアンバランスな女を征服したい。
初めて見たときからその欲望にかられていた。
無慈悲なまでに感情を排除し、理性の奴隷として動くこの女を、押さえ込み捕らえて身動きを封じ我がもの
にしたい。身の内の本能を激しく燃え上がらせ、これには抗えぬと思い知らせてやりたい。
襲いくる快感に身も世もなくよがり狂い、犯して貫いてと懇願するのを見てみたい。
――それは、葛西の本来の任務からは、大幅に外れた望みではあったが。
「はっ……あぁん、や、ぁ……、あなたの、後ろには一体、誰が……っ」
「後ろねぇ。悪ぃが皆目心当たりがねぇな。そんなことよりこっちに集中しろよ」
「とぼけないで……あっ駄目、つ、よ……いや、ぁあぁん!」
そらっとぼけながらぐんぐん突き上げる。
粘液の絡まりあう濡れた音が響く。アイの喘ぐ声が高く、甘くなる。
「飛行機の落とし方もプラットフォームの組み立て方も、まあ知っといて損はねえこったが――」
びくびくと腰が揺れている。絶頂が近い。
柔肉に包み込まれた男根も限界まで張り詰め、先端に先走りの液を滲ませていた。
「女なら、男に媚びるやり方ぐれぇは身につけとかねぇとなぁ。おら、もっと可愛く鳴いてみろよ。
俺を悦ばせるようなこと言ってみろよ。気持ちいいですとかもっと突いてくださいとか何とかよ」
「や……ぁ、あ、ぁん、んっふ、ぅ……」
言葉で嬲られて、アイは涙の溜まった目で首を振る。
立ちバックは快感こそ深いが達しにくい体位だ。
絶頂一歩手前で吊り下げられているようなもどかしさが、今の彼女の体を支配しているはずだった。
「葛西、話を……」
問いかけに、熱をはらんだ息遣いだけが返る。
葛西は鼻で笑った。
「この期に及んで無粋なこと言ってんじゃねえよ」
腰を抱えた手の片方を放し、前に回してアイの顎を掴む。無理やりに自分の方を向かせた。
「いきてぇんだろ?」
有無を言わせぬ口調。
アイの眉根がきゅっとひそめられる。
だんまりを決め込むつもりか。
葛西は何も言わず、ただアイと繋がった自分の腰を深く激しく揺り動かした。
結合部から粘ついた音が響く。
「あ、あぁあっ! やめてぇ、や、ぃやあぁ!」
「ほぉ、やめて欲しいのか? そりゃあ残念。だがお前が嫌だってんなら仕方ねえなあ」
「っ! だめ、抜かないで……!」
唐突に律動を止め、男根を引き抜こうと腰を引くと、アイが切ない声を上げる。
「いき、たい……です……葛西、だからっ……もっと……」
そのとき葛西の口に浮かんだ笑みは、それまでで一番深いものだった。
「よーく言えたなぁ、意地っぱりのアイちゃんよぉ」
幼い少女にするように、小さな頭をぽんぽんと叩く。
「そんじゃあ素直に言えたご褒美に、たっぷりいかせてやんねぇとな……」
壁についたアイの手を離させ、腰骨をなお強くわしづかみにする。
葛西の腰に押しつけられるような形になり、アイの体が海老のように跳ねる。
「ああっ!」
もつれあうようにして横に倒れ込んだ。
床の上で重なりあう二つの体。
「そろそろ顔が見てぇな」
呟きとともに葛西は、秘所から男根を半ばほどズッ、と抜いた。
男根を軸にアイの体を回転させる。繋がりあったまま向かい合う体勢になる。
すかさず両脚を抱え込み、アイの上にのしかかる葛西。
リップの潤いが残る、薄い唇を舌で嘗め回す。
「ん……」
また深く、挿入。みちり、と内部を押し広げられる感覚に、鼻から抜けるような声が漏れた。
正常位でアイの中を蹂躙しながら、葛西はゆっくりと舌を動かしていく。
唇から顎、首筋に鎖骨のくぼみ、そして柔らかく盛り上がった乳房。その先端の尖りきった部分。
吸い付くしぐさは赤ん坊のそれというより、飢えた獣が獲物に歯を立てるのに近かった。
「ひ、っく、あぁ……あっああっ」
痙攣する体。
目の焦点が合わなくなってきている。
愉悦に蕩けきった顔は、葛西が見たいと密かに熱望していた表情そのものだ。
更に掻き乱してやろうと、唾液を絡めた舌で先端をつつこうとしたとき、
「や……っ」
アイが顔を歪ませ、くっと腰を引いた。
脚を抱えられているため、男根が抜けるには至らない。
だが薄らいだ密着感に葛西は、もどかしいような物足りないような奇妙な感覚に襲われる。
「? おい」
突き入れようとするとまた身をよじるアイ。葛西の肩に乗せられた脚のうち、右脚だけが力なくずり落ちる。
うつ伏せになって這って逃げようとするが、この体勢では無論うまくいかない。
後ろから突いていたときは大人しくなすがままになっていたものを――
そう考えたときピンと来るものがあった。
「いく時の顔見られんのが恥ずかしい……ってトコか?」
アイの肩が震えた。図星だ。
くぐもった笑い声が葛西の喉から漏れる。
「さんざん喘いで鳴いて腰振っといて今更、つまんねーコトにこだわるもんだなあ。
こりゃあ女だからなのか、それともお前だからなのか? 何にしろ奥ゆかしいこって」
「……………!」
「だがなあ」
アイの左脚、葛西から見れば右肩の上にあるそれを、高く掲げて左の肩に乗せ替え、抱え込む。
「ひっ!」
ぬちゃ、と男根が擦れる感覚に喘ぐアイ。
掲げたアイの脚の根元を、葛西はそのまま自分の脚で挟んだ。
さながら松葉が交差するような外観。
「お前のつまんねえプライドわざわざ守ってやるほど、俺は優しかぁねえんだよ」
「葛西、やぁっ……放し……駄目、だめぇ、ああぁんっ!」
腰を揺さぶる。激しく律動する。
喘ぎが悲鳴に近いものに変わる。
痛むのではない。反り返った男根と内壁が摩擦しあって、目も眩むような快感が絶え間なく襲ってくるのだ。
葛西は嗜虐の笑みを浮かべて、ひたすらに腰を動かした。
掲げた脚を曲げ伸ばししてやると、内部はぐちゅぐちゅと蜜をしたたらせて嬉しげに収縮した。
アイの喘ぎはもう既に、声にもならない気のぬけたような息へと変じている。
「いく顔見せろよ。ほら」
無理に脚を抱え上げられたせいで、横向きになった顔を無理やりに前に向かせた。
思いきり腰を引き――突き上げる。
「っくう、ぅ、やぁ……ぁぁぁあ――――――――っ!」
涙の湧いた目をきつく閉じ、限界まで喉を反らし、口から透明な唾液をこぼしながら、アイは達した。
*
中に出すのは勘弁しておいてやった。
この女が自分の子を孕むというのも、面白いかもしれないと思う。
彼女自身の反応もそうだが、何よりあの怪盗がどんな顔をするか興味深い。
だがそんなことになれば確実に、葛西のここでの立場が危うくなる。
"あの人"の情報端末として潜入活動を続けるためには、もうしばらく大人しくしている必要があった。
少なくともサイに対しては、忠実な協力者として猫を被り続けなくてはならない。
意識があるのかないのか、目を閉じて動かなくなってしまったアイの、長い髪に指を差し入れ、梳いた。
こうして見るとやはり、ただの女だ。
"飛行機落としのイミナ"として、四桁に届こうという人間を惨たらしく殺してきたことも、怪盗"X"の
忠実な従者として、彼が死を振り撒く手助けをしてきたことも、とても信じられそうにない。
ただ信じる信じないに関わらず、事実は事実として厳然と存在するのだ。
「勿体ねぇよなあ……」
ぴくりともしないアイを眺めてぼやく。
葛西の偽らざる本音だった。
この女はもうじき死ぬ。"あの人"がこの女に狙いを定めた以上、そう遠くない将来確実にそうなるだろう。
鋼の理性と柔らかい肉体、ひた隠しにした淫らな本能。
滑稽なまでにいびつなくせに、どうしようもなく美しいこの三角形が、完膚なきまでに破壊されてしまうのは
葛西の望むところではなかった。
"あの人"が欲しがっているのはこの女の死だが、生きたまま彼女をこちらに引き込めるなら、むろんその方が
良いに決まっている。彼女の突出した能力は、多数の一流犯罪者たちを擁する"あの人"にとっても、充分に有用
なものであるはずだ。
しかし一方で葛西は、どれだけ金子を積んでも思いつく限りのおべっかを並べても、あるいは肉欲で絡めとろう
としたところで、この女を篭絡するのは不可能と知っていた。
黒絹の糸のような髪を、くるくると指に絡める。
今のうちに堪能しておくべきだろう。恐らくはもう二度と味わえない感触だ。
と――
「葛西」
心臓が跳ねた。
黒曜石のようなアイの目が、葛西の顔を映していた。
失神まではしていなかったようだ。
「さきほどの質問を繰り返します。あなたの後ろにいるのは誰ですか」
熱で浮かされたさっきまでとは打って変わって、冬の湖の底のように冷え切った声だった。
巻きついていた長い髪がはらり、と指から落ちる。
自分の唇が、普段の酷薄な笑みと真逆の方向に歪んでいるのを葛西は自覚した。
何とかそれを押さえ込み、口の端を強引に吊り上げようとしたが、成功していたかどうかは怪しい。
「おいおいアイ、さっきも思ったが何言ってんだ? 感心しねぇなあ仲間を疑うなんざ」
「"仲間"という言葉があなたの言語領域において、どのような意味を指すのか分かりませんが……
少なくとも私にとっては、百パーセントの信頼の置けない人間はその名で呼ぶに値しないものです」
首筋に伝わる指の冷たさ。
恐ろしいまでの速さ正確さで、アイが葛西の頚動脈に手をかけた感触だった。
「…………!」
「あなたが影で不穏な動きをしているのは分かっています。
下手な言い訳や妙な動きは、命取り――とまでは言わずとも、限りなくそれに近い状況を招くとお考えください」
薄く頼りない首筋の皮膚が、指の腹ですうっと撫で上げられる。
飲み込んだ生唾がひどく苦く感じられた。
「あなたに指示を与えているのが誰なのか、何が目的でサイに近づいたのか、洗いざらい喋っていただきましょう。
それらを全てサイにお伝えした上で、あなたの最終的な処分は彼に任せます。
寛大な扱いを受けられるかどうかは、あなたの態度とそのときのサイの機嫌次第です」
ライターはどこに入れたろうか?
マッチは?
とっさに考えてそして気づく。
己が肉体の一部ともいえる道具たちは、さっき脱ぎ捨てたジャケットのポケットの中だった。
頚動脈を押さえるアイの手に力がこもる。
その瞳に行為直後の脱力はなく、ただ静かな意志だけがほの暗く燃えていた。
「アイ、てめえ」
ひくひく震える気管から浅い息を吐く。
「サイの命令聞いたときからこうするつもりでいやがったな。それともまさか奴とグルになって最初から」
「サイは無関係です。彼はああ見えて多忙な身、確かな事実を掴むまで極力煩わせたくないもので。今回はたまたまこの機会を利用しましたが、彼の命令がなくともそのうちいずれ、とは
考えていました。――そんなことより葛西、そろそろ最初の質問の答えを聞かせていただきたいのですが」
喋らなければこの女かサイに殺される。
喋れば崇拝する"あの人"に、苦痛を与えられ続けた末殺される。
残酷な二択を前に葛西が息を詰まらせたとき、部屋のドアが開いた。
「アイ、いる? サイがあんたの部屋にあるピジョンブラッドのネックレス取って来いって……」
ドアを開けた蛭は部屋の主へと呼びかけ――
そして固まった。
彼の目に映るのは一糸まとわぬ姿のアイと、上半身裸の葛西。
「蛭!?」
声を上げるアイ。
蛭は目の前の光景に息を呑み、
「ごっ、ごごごごごめん邪魔したっ! 俺消えるからあとはごゆっくり!」
ドアを放し、二人に背を向けその場から逃げ出す。
その一瞬、アイの注意が自分から逸れたのを、危機的状況で研ぎ澄まされた葛西の本能は見逃さなかった。
自分を捕らえる白い手から身を引き剥がし、閉じていくドアめがけて突進した。
「! 葛西」
床に落ちたシャツとジャケットを引っつかんでいくのも忘れない。
「葛西!」
「残念だったなアイ、尋問はまた今度だ。俺としちゃ、その機会が二度とねぇことを祈ってるがな」
閉じきる寸前に外に出る。ゆっくりと閉じていくドアと壁の隙間から、いっぱいに唇を歪めて笑みかける。
「そうそう。お前、見た目だけじゃなく具合もいい女だなあ。
もれなく物騒な話がついて来なきゃあ、是非またお願いしてえのによ。……じゃあな」
目を見開いたアイが何か言ったようだったが、閉じたドアに遮られて聞こえなくなってしまった。
*
アイが追ってきたときのために慌てて服を着、ライターとマッチのありかを確認した。
こうなってしまったからには、一刻も早くこのアジトを出たほうがいい。
ほとぼりが冷めるまで近づかないのが賢明だろう。
問題はあのアイが、時間の経過で警戒を緩めてくれるような甘い女とは思えないことだが、その辺りの対処
は後でゆっくり考えるしかない。
階段を走り降りて一階へ。キッチンの前を通らなければ、外には出られない構造になっている。
足早に出て行こうとして、
「葛西?」
声をかけられて立ち止まる。
キッチンのテーブルの前に、まだサイがいた。片肘をつき、拗ねたような顔でこちらを見ていた。
テーブルの上には、さっき食べていたはずのトマトがまだ残っている。
最近はまっていると言っていたはずのその果実は、しかし葛西が辞したときからほとんど減っていない。
出されたときはよく冷えて美味だったが、恐らくはもう、すっかりぬるくなってしまっているはずだ。
あれからずっとここに座っていたのだろうか。
「帰んの?」
「すいません。急用を思い出しまして」
「そう、気をつけて帰りなよ。じゃね」
帽子を取って頭を下げると、ひらひらとぞんざいなしぐさで手が振られる。
かぶり直してまた歩き出そうとしたとき、ふと、思いつきにも似た推測が胸に湧いた。
「サイ」
「何?」
肘をついたまま気だるそうに答えるサイ。トマトを出されたときの上機嫌はどこにもない。
「今さっき蛭が、『サイに頼まれた』みたいなこと言って部屋に入ってきたんですが。
何でわざわざあのタイミングでそんなこと奴に頼んだんですか?
俺とアイがあの部屋でヤッてんのを、あなたは承知してたはずじゃありませんか」
サイの口元がぴく、と震えた。
「……気に入ってるんだよね、あの指輪。久々に見たくなっただけさ。間が悪かったのはただの偶然」
答えが返るまでにかかったほんの数秒の間が、葛西に己の推測の正しさを確信させた。
ちら、と天井を見上げた目つきは、質問の内容や意図を推し量るものではなく、どう言えばこの問いを
やりすごせるか思案するときのものだった。
「ああ、ひょっとして真っ最中だったりとかした?
そりゃ悪いことしたね。蛭の奴も真っ赤になって戻ってきて、今は部屋に篭もっちゃってるよ。
ったくあいつったら幾つになっても中学生みたいにウブで、ホントに」
「見たくもないもん見ちまった蛭の災難は、俺にとっちゃあどうでもいいんです。
奴が来たときにはもう終わったあとだったんでそっちも構いやしません。
ちと気になって聞いてみただけで……そうですか、すいませんでした」
長話をするほどの暇はない。会釈して背を向け歩き出す。
一分弱のごく短い会話だったが、それでもありありと想像できた。
葛西とアイが去ったあとのキッチンで、好物の皿に手もつけずひとりテーブルに肘をついている様。
自分の行動を反芻し、下した選択に煩悶する様。
堪えきれなくなってそれでも自分では動けず、蛭を呼びつけ水を差させようとする様。
愚かだ。
前から感じてはいたが決定的には下さずにいた彼への評価を、葛西は胸中で確定させた。
怪物の強盗? 笑わせる。
あれはただの子供だ。
稚気と独占欲に支配された、幼くそして愚かな子供。
まあ彼のその愚かさのおかげで葛西はこうして逃げて来られたのだから、あまり嘲笑うのも可哀想かもしれない。。
だが――
「火火火」
アジトの外で、こらえきれずに葛西は笑った。
「ほんと、馬鹿だよなぁ……従者がせっかく体張ったっつーのに」
サイが蛭を割り込ませることさえしなければ、今頃葛西はアイに吊るし上げられていたろう。
自白の一つや二つさせられていたかもしれない。
迫る黒い影の存在に気づく、千載一遇のチャンスをアイが作ってくれたのに、サイは自らそれを潰してしまった
のだ。皮肉にも彼女への執着ゆえに。
アイに睨まれてしまったからには、しばらくの間やりにくくなるだろう。
だが葛西としても自分の命がかかっている。このような失態はもう決して冒さない。二度目はない。
つまりさっきのあれが唯一の機会。そしてその機会は既に失われてしまった。
「全く、勿体ねぇよなあ……」
葛西はまた呟いた。
あの女は近々主人のために、主人の幼さ愚かさゆえに、その命を儚く散らされることになる。
別に悲しいとも寂しいとも思わない。"あの人"が望んでいることが現実になるだけだ。
ただほんの少しだけ、惜しいな、と思う。
あの女の存在が失われることを、小指の先ほど残念に思いながら、葛西は煙草に火をつけた。
何時間ぶりかで口にするJOKERは、天上の滋味のように旨く感じられた。
おしまい。
こないだカップリング別まとめサイトを見て葛西×アイがないのに驚いた
この二人すげえエロいと思うんだけど……
超GJ!!すげぇぇ!!!
一気に読んだよ。葛西とアイさんの絶妙な力関係を書きあげてて脱帽した!
ネ申だ…ネ申がいる…ッ
GJGJ!!!!!!
大人だ!大人のエロだ!
すまん、感動しすぎてどう感想言えばいいのかわからん!
とにかくGJ!
350 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 22:19:32 ID:qTSr5IIC
素晴らしすぎるっ!GJ!!流石アイさんいかなる時も隙がない
GJ!
ひさびさにダークなエロスを堪能した!
葛西のちょいワル親父ぶりがたまらねえ!GJ!
本誌でもあの台詞が本心かはわからんが軽く口説いてたなww
サイアイ的にも萌えたし素晴らしいエロだ。
急に!
「桂木に天までイって欲しくてさぁ!」
というネタが思い付いた。
だめだ書けねえ
イッて欲しくてさぁ!
この棒で天まで昇って欲しくてさぁ!
ってか?
ひぐやこ大好きなんだ書いてくれ頼む
356 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 16:54:43 ID:UkHZb+PD
アニメ5話ヤコがネウロにくっついて詰め寄ったり、
ネウロがヤコの腰に手を置いててやばかった
>>354 ひぐち自重しろwwwwwwwwww
そう言ってオナって勝手に天まで昇ってれりゃいいwww
>>356 腰やばかったな
アニメは何故か色んな意味でエロイ
子安が出てたセーラームーンのエロパロアニメ思い出したぜ…
まぁ子安ってだけでエロくなるのは必然であった訳だが
>>359 ダンディライオン様 だっけ?
>>353-354 桂木にイッて欲しくてさぁ!
この棒で天まで昇って欲しくてさぁ!
奇 才 現 る w
>>354 たった2行なのになんだこの破壊力www
363 :
353:2007/10/31(水) 21:49:46 ID:GB7FAnfY
>>354 悪い、別カプと同時進行で書くのは無理なんだ…イビルジャイアン発動してしまう
キミの出番だ!書け!今こそ書くんだ!
>>363 何か書いてるのか
wktkして待っておりまつ(・∀・)
イビルジャイアンってことはネウヤコ?
同時進行が無理ならその後でもいいから書いておくれ
どっちも待ってるからさ
そして
>>354にも期待しときます
自分もヒヤコ好物なんで
ヒイイイイプレッシャープレッシャー!
超遅筆なんでしばらく無理そうだぜwwwwwあべしwwwww
自分でネタ投下しておいてなんだが
ヒグヤコはギャグ小ネタ程度しか書けそうにない罠
せっかく、ハロウィンだったんで、ハロウィンネタを書いていたのに間に合わなかった…orz
しかし、くやしいんで、流れも読まずに投下!
ちなみに、コミックス派(しかも新刊は未読)なんで、吾代と匪口がほとんど面識がないなど、
本誌とはどこか矛盾があるかも…。
ヒグチは匪口の漢字で代用。
エロなし・弥子、笹塚、吾代、匪口登場。
中途半端に1時間遅れなハロウィンだぜ!晒してやるぜ!笑うなら嘲笑えぇぇぇぇぇぇ!
エレベーターが動き出し、中の二人は図らずも同時にため息をついた。
「んだよ!てめぇまで」
「…別に」
常時高血圧の吾代が威嚇するも、笹塚は相変わらずのローテンションでさらりと受け流す。
「ッチ!たくよー、急いで資料持ってきてやったってのに何なんだよ、あの仕打ちはよぉ!」
「…」
「暇だからプロレス技の練習台になれだぁ!?んなもん誰がなるかぁ!命がいくつあっても足りねーよ!!」
「…」
「しかも、あの探偵は補講だとかでいないしよ…」
「…確かに」
そこの部分だけ同意した笹塚を、おもわず吾代は胡乱げに見下ろす。
笹塚が事務所を訪ねた時、吾代はネウロによって天国へのカウントダウンの真っ最中だった。
最近まぁいろいろと事情聴取に付き合ってもらってるお礼と詫びと忠告のつもりで、塩辛をもってきた
笹塚だったが、扉を開けてまず飛び込んできた場面に固まり、ついで、弥子の姿が見えないことに落胆した。
とりあえず、床で意識混濁中の吾代を無視して助手に話をきけば、弥子は補講で今日は遅くなるとのこと
だった。
そのあと、いつものあの胡散臭い笑顔と話術にに丸め込まれ、半ば強制的に吾代とともに追い出されたのだ。
…この時間だったら、いると踏んだんだがな…。
笹塚はもう一度、ちいさくため息をついた。
吾代はそんな笹塚を見て、とりあえずなにかしらの結論にいたったのか、「けっ」とおもしろくなさそうに、
顔をそむけた。
「だいたい、駐禁っつったって、そんな、20分や30分で貼られるわけ…」
「……あのミゼットUだろ?確かもう貼ってあったぞ…」
「あ゛ぁ゛!!マジで駐禁貼ってありやがる!」
「…ご愁傷様。ちゃんと払えよ」
笹塚は丸めて投げ捨てられた駐禁の紙を拾うと、吾代に投げ返した。
睨み付け舌打ちをした後、とりあえず今度はそれを腹立ち紛れに車内に投げ込むのを見届けた後、笹塚は
内ポケットからタバコを取り出した。
「テメェは帰らねぇのかよ」
「部下がおつかいにいってるんでな…」
「へっ、税金泥棒はいいご身分だな」
その皮肉には応えず、笹塚はただ煙を吐き出した。
「あっ!お前はこないだのチンピラ!!」
吾代が車に乗り込もうとしたその時、無駄に騒がしい声がかけられた。
見ると、両手に某ファーストフード店の袋を持った石垣が、ずびしっと吾代を指差していた。
笹塚は三度煙混じりのため息をつく。
「んだと、コラ。税金泥棒代表にいわれたかねーよ」
「なんだと!こう見えても俺たちはなぁ、日々身をていして町の平和を守ってんだぞ!?」
「……石垣、買出しは?」
放っておくと無駄に時間を消費しそうな低レベルな争いにため息をつきつつ、とりあえず制止する。
「はいっ!先輩どうぞ!」
「…………何これ?」
「ワックの期間限定ワクワクセットです!肉から野菜まで何が起こっても100%輸入品で作る人気の特製
バーガーと合成着色料満載のパンプキンシェイクです!」
「……………で、そっちの袋は?」
「今日まで限定のワクワクセットについてくる、「ビリジアンフィギュアセット」の隠しキャラ「四天王・
パンプキング」いや〜、これかなりレアなんで、見つけるの苦労したんすよ。ただのおまけの癖にファン
の間でもこの設計のレベルの高さは有名で、マニアが大人買いしたもんだから、ワクワクセット自体が売
り切れ続出になって、本来のターゲットだった子供が買えなくなるというちょっとした社会現象にも…」
「ふーん」
バキィィッ!!
「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!俺の『パンプキング』がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
低いテンションの相槌と反比例して神速で展開された踵落としにより、石垣の左手にかかっていた袋は
無残にも地面へと撃墜された。
ついでに、地面にへたり込んだ石垣の後頭部にも同じく一発。
「……お前も大変だな」
「…まぁな」
とりあえず、のどの渇きを覚えていたので、仕方なくシェイクのストローに口をつける。
「……甘すぎ」
「あ、笹塚さーん、吾代さんも!」
かけられた声に二人が振り返ると、道路の向こう側、信号機の下で正にその桂木弥子がチュッパチャプス
片手に手を振っていた。
そしてなぜかその隣には匪口。
「事務所に用事だったんですか?」
信号が変わり、息せき切って二人の前まで来た弥子は訪ねる。
「おう、あの化けモン相変わらず人使いが粗くってよ。新しい資料もってきたんだよ」
「…ああ、最近事情聴取で世話かけてるから、塩辛もってきた。とりあえず事務所においてきたから」
「ほんとですかっ!?やったー!!」
「…で、匪口はなんでここにいるんだ?」
「やっだなー、たまたま、偶然、ばったりそこで会っただけだよ。な、桂木?」
「……ふ〜ん、『たまたま』『偶然』『ばったり』ねぇ…」
「…そう、『たまたま』『偶然』『ばったり』」
自分の頭上で静かなる火花が散らされていることも気づかずに、弥子の意識はめくるめく「ウェルカム・
塩辛☆ワールド」へと浮遊していた。
「そういえば、昼のときに笛吹がお前のこと探してたぞ、報告書がどうとか…」
「えっ?匪口さん忙しいんですか?なら、宿題はまた今度でいいですよ?」
意識が帰還した弥子が、あわてて匪口に言う。
弥子に見えない角度で「チッ」と舌打ちすると、勉めて明るく言う。
「いいのいいの、そんな報告書なんてたいしたモンじゃないんだし。だいたい、いっつもいっつも似たよ
うな文章ばっかりでさ、もう定型文よろしく何パターンか作ってあるから、それをコピーして、ちょいち
ょいっと単語変えればOK。どーせ上は報告書なんて、碌に目を通さないしね。バレないよ。」
「…おまえそんなことしてたのか」
さすがにあきれた様子で笹塚がつぶやく。
「んだよ、このガキは…。あ゛!思い出した!!お前あれだろ!HAL事件のときスパコン持ってトラック
で逃げたガキ!」
「は?アンタ誰?」
案の定、匪口は吾代のことを覚えていなかった。あたりまえだ、電子ドラッグに犯されてたうえに当時の
ねらいはネウロだったのだから、そばに駐まっていた車を掃除していた人間など覚えているわけがない。
しかし、その様子がさらに吾代の不機嫌さを加速させた。
「っっっってめぇ!てめぇ(とあの化け物)のせいでな俺の車は…!!」
「…スパコン?」
「そっ、そういえば、紹介はまだでしたねっっ!?」
笹塚の不信そうな呟きに、弥子はあわてて三人の間に割って入る。
ネウロの正体を知らない笹塚には、当然HAL事件の際のアレやコレは伏せてあるのだ。
「えっと、この人は、匪口さん。こうみえても警視庁の刑事さんなんですよ。匪口さん、この人は吾代さん
うちの事務所の雑用、兼望月さんの会社の副社長さん(兼ネウロの下僕2号)」
「ちょっとまてやぁぁ!!なんで雑用のほうが先なんだよ!てか、最後に何かムカツク職種が追加されて
なかったか!!?」
「へ、へぇ…」
うっすら聞こえた最後の台詞で大体のことは予想がついた。
思わず匪口の目に哀れみが混じる。
「ご、吾代さんは資料持ってきてくれたんですか?」
「お、おう、もうアイツに渡してある。あ、そうだ、お前コレ好きか?」
ふと、吾代は思いついたかのようにズボンのポケットをごそごそと探り、一口サイズのチョコを取り出す。
季節にあわせて、オレンジと紫と黒の三色の真中でカボチャが笑っていた。
「あ、これは期間限定の!!」
弥子の目がそれを確認したとたん、きらきらと輝きだした。
「大好きですっっ!」
「…だろうと思ったぜ」
手のひらを凝視したままの弥子を見ながら、さっきまでの剣幕はどこへやら、吾代は呆れたように微笑んだ。
「あのオッサンがよ、どうしても懸賞のカボチャのぬいぐるみがほしいとかぬかして、俺まで巻き込んで
ここ一週間ずっとコレばっか食わせるんだぜ」
「ああ、包み紙のアタリマーク10個集めないといけないんですよね」
「そう!もう、食い飽きて普通のカボチャすらみると吐き気が…」
「あはははっ!もう、早く言ってくれれば、喜んで手伝ったのに。むしろ手伝いたかった」
「それは思ったんだがよ、こっちも忙しくてな…。しかも締め切り今日だろ?俺がこっちくるときも、
なんか、最後の一個が出てこないとか泣いてたぜ」
「なら、ここで見てみたらどうですか?チョコは私が食べるんで…」
「おう…」
話に入れなかった笹塚や匪口もなんとなく覗き込む。
開いた包み紙。チョコをどけるとその下には…
「…あ」
「アタリだ…」
『アタリ』とかかれた文字の下で、デフォルメされたジャック・オ・ランタンが笑っていた。
「すごいすごい!吾代さん、はやく望月さんに持っていってあげないと!本日消印有効ですよ。もうすぐ
郵便局しまっちゃう!」
「お、おう…」
まさかの奇跡に吾代はあっけにとられていた。
「では、チョコは私が。いっただきまーすvvv」
ぱくっ
……………………………。
え?
何?今の?
え?
ええぇぇぇ?
えええぇぇぇぇぇぇぇぇえええぇぇぇえぇ…………!?!!!????!!!!!?????
固まる三人の男も尻目に弥子はしあわせそうに、もぐもぐと咀嚼をつづけ、ごちそうさまでしたvと言った。
吾代は思わず固まったまま、さっきまでチョコを摘んでいた右手の人差し指と親指を見つめる。
ちょっとまてよ?俺はさっきまでここにチョコを摘んでたはずだ。それがなくなったということは、やっぱり
アイツが食ったってことで…。ぱくんて。ぱくんて食ったよな!?てことはなんだ?あのやわらかい感触はあ
いつの唇ってことか!?っつーことは、指先にあたった、あの硬いのはアイツの歯か!!?あの濡れた感触は…!!!!
「やっぱりハロウィンの時期って季節限定のかぼちゃ味のお菓子って多いですよねvこれもひとつの旬の
味覚ですよねっ!」
周りによどむ空気も読まずに、弥子は自分の世界に浸っていた。
「…や、弥子ちゃん、……今の…」
一番に言語機能を回復させた笹塚がなんとか言葉を吐く。
「笹塚さん?あ!ひょっとして、笹塚さんもチョコ食べたかったですか?」
「い、いや、そうじゃなくて……」
笹塚は続く言葉が出ずに思わず口篭もる。
ふと、弥子の視線が笹塚の右手――シェイクの紙コップに注がれていることに気づいた。
「…飲みたいの?」
「え、いいんですか!?…いやいやいや、さすがに人様の食べかけに手をつけるのは…。いや、友達のく
れるのは食べるんですけどね。でも最近ほんとに自分でも嫌になるくらい人として食欲が意地汚く…」
一応そういう認識はあったのか…。
笹塚と匪口の意識がシンクロした。
「いいよ、俺には甘すぎるんだ」
「じゃ、じゃあ一口だけ…」
ごくん、と大きくのどを鳴らし、紙コップを受け取る。
そして、ためらいなくそのストローに口をつける。
……ん?
あれ?これはひょっとして、間接キs……。
「おいしーvやっぱり、この独特な合成甘味料の味がワックの特徴ですよね。なんでか、この期間限定
シェイクのついたセットがどこ行っても売ってなくて…」
器用に喋りながらもとうとうと解説をつづける弥子を、笹塚と匪口は呆然と見つめる。
「ハッ!す、すみません、調子に乗って飲みすぎちゃって…。むしろ笹塚さんの分が一口しか…」
「……あ、ああ。いいよ、全部飲んじゃって」
「いえ、ちょっと、最近食欲はどうにもならなくても、せめてこの食い意地だけでもどうにかしないと
人としてヤバイなと思いまして…」
どうぞ!と、そうでもしないと手を離すことができないとでも言うように、目も向けずに笹塚に押し付ける。
笹塚は、表面上はいつものローテンションな無表情だったが、心の中はそれなりにハイテンションになっていた。
や、弥子ちゃん?これは、この残りを俺が口をつけてもいいってことか…?そうすると、間接…。いや、
確かに昔は妹としょっちゅうジュースの回し飲みなんかやってはいたけど。ま、まぁ、確かに君のことは
妹みたいに感じることもあるけど、それはあくまでも『みたい』であって、君は妹じゃなくて…!
「はっ!」
しばらくして、匪口はようやく正気をとりもどした。まわりで呆然としている大人二人を交互に見て、
ようやく現在の状況を確認する。
お、俺も何か…!!
遅れをとるまじと慌てて、ポケットをさばくるも、出てくるのはコンビニのレシートばかりで、食べ物の
たぐいはカスすらでてこなかった。アメのひとつも持ち歩かない普段の自分を全力で罵倒したくなった。
落ち着け、考えろ!考えるんだ!!
なにかないのか、この棚ぼたコンボにまぎれる手は!!!!
「っ桂木!!」
「はへ?」
途中からずっと手にもっていたチュッパを、改めて口に含んでいた弥子は思わず間抜けな声を出した。
その威勢だけはいい声に、思わず吾代と笹塚も正気に戻る。
声の勢いのまま、匪口は弥子の肩をガッ、と掴み…
「トリック・オア・トリィィィィィトッ!」
しばし、街中の一部の空気がとまった。
「あ、は、ハロウィンの?」
匪口は弥子をなにやら必死な形相で凝視したまま、コクコクと頷いた。
だってハロウィンじゃん!あげるものがなかったら、こっちがもらったっていいだろぉ!
いや、むしろ、俺は、万馬券よりも低い「(食べきって)もう持ってない」に賭ける!
そしたら……
イタズラのふりして『ほっぺにチュッ』をしてやる!!
俺だっていい目にあいたくってさぁぁぁぁぁ!!!!
すでに思考が『いたずら』というより『(性的)嫌がらせ』に近い。
しかし悲しいかな、この場に読心術ができる人間はおらず、彼にツッコミが入ることはなかった。
「えっと、ちょっとまってくださいね」
桂木は普段の笑顔に戻ると、鼻歌交じりにポケットを探り始めた。
が、ふと、一度手を止めると、両手をつかって、制服、スカートのポケットと探しはじめ、はてはカバン
の中にまで手を伸ばし始めた。
「……す、すみませ〜ん。なんか、全部食べちゃったみたいで…。あは。あはははは」
ごまかし混じりの乾いた笑いが道に響く。
支援?
や、ヤッタ――――――!!!!
匪口は心の中で感涙に咽びながらガッツポーズを決めた。
「じゃ、じゃあ、イタズラってことで…」
「う〜〜ん、これじゃだめですよね…?」
そういって、弥子は口元の棒を引き抜く。
「え?」
「「あ!」」
その棒の先にあるのは、ぬらりとひかる飴玉。
「やっぱり、食べかけなんて、嫌ですよね。あ、ちょっと待っててください、確か事務所に…」
「いや!それでいい!!」
「おいっ、このガキ!」
「匪口!ちょっとまて!」
身を翻そうとする弥子を思わず引き止める。
「え?本当にいいんですか?半分くらい舐めちゃったんですけど…」
「いい、いい!あの、さ、桂木はいいの?」
「いいですよ、いくら私でも飴の一つくらい。じゃぁ、どうぞ」
そういって、匪口の口元に差し出される。
え?これは、ひょっとして、『ア〜〜ンv』ってやつ!?
匪口はおそるおそる、口を近づけ、ぱくっと、一気に口に含んだ。
「っっ!」
「ひっ、匪口さん!?大丈夫ですか!!?まさか飴に毒でも!?」
突然口元を押さえうずくまった匪口にあわてて近寄る。
「い、いや、大丈夫…。気にしないで…」
まさか、興奮のあまり鼻血が出そうになったなんて言えない…。
やばい!ネウロに呼び出されてたんだ!!!
そう叫び、弥子は慌しく三人に挨拶をし、ビルの中へと消えていった。
後に残ったのはやや魂抜け気味な3人の男+地面に伸びている石垣。
「な、なんだったんだ…」
「…天然て怖いもんなんだな」
「恐るべし、桂木弥子」
その後しばらく、なぜかかたくなに右手を洗おうとしない副社長がいたり、警視庁の某デスクの奥に丁寧に
ハンカチに包まれたストローがあったり、ラップで厳重にぐるぐるまきにされたチュッパが某マンションの
冷凍庫にあったというのはまた別の話。
晒し投下終了
お粗末さんでした。
最後、実はさらにネウヤコ的な2行があったんだが、なんとなく、自分が書くやつが
イビルジャイアンばっかりな気がしたんで、あえて消してみた。
ちくしょう!神々に「トリック・オア・トリート」って言いたかったのに!
むしろ、『犯し』でお願いします。
うおおおおおおおおおおおおおお!
なんか色々美味しいぞ!!!!GJ!
ひぐち暴走しすぎワロタwww
吾代と笹塚もうけるがオチのヒグチがwwww
GJでした!
うはああwwwwGJ!!死ぬほど笑ったww
皆自分を見失って壊れ気味な中、ヒグチ暴走しすぎwwwゴチです。
オイラも実は遅れたハロウィンものエロを。ヒグヤコです。
なんかもう今日休みだからこんな時間でごめんよ…
――ピンポーン
『…あー…桂木?開いてるから入っていーよ』
『…は…はーい…』
事前に携帯で連絡があったので、匪口は気軽に答えた。しかし、玄関の鍵は開けておいたはずなのに
何時まで経っても弥子は入ってこない。確かに聞こえた返事は間違いなく弥子のものだが…
『…ん?…桂木ー?』
どうしたのかと不思議に思い、匪口は部屋から出て玄関先に向かう。ドアのレンズを覗き込んでみれば
うずくまって頭を抱える弥子の姿が。不審に思って匪口がドアを開けると、膝を抱えて上を向いた弥子と目が合った。
…と同時にギョっとする。
『…何してんのお前?…何そのカッコ…』
『…あ…はは…と…Trick or treat…』
そこには紫色のミニのワンピースの上に黒いフード付きのケープを羽織り、白黒ボーダーのニーソックス、
黒のロングブーツを身に着けた弥子が立っていた。どことなく魔女の様ないでたちだ。
――ああそうか。今日はハロウィンだったっけ…
『…き…気にしないで。…ネウロの罰ゲームなの…いわば公開羞恥プレイのような…まあ、あわよくば
お菓子が貰えるかもってちょっと思ってまし、たけど…』
項垂れながら説明する弥子をぼんやりと眺める匪口。その見事なまでのコスプレ具合はある種の破壊力があった。
…どうする?モンスターハンター・ヒグチ。こんな可愛い魔女っ娘が現れたら、パーティー抜けて道草するより他にない…
『…か…カボチャのプリンならあるよ』
『…ホントですか?…やったあ〜♪』
その一言ですっかり弥子の羞恥心は吹き飛んだ。お邪魔します、と上機嫌で声を上げて早々とブーツを脱ぎ、
部屋に上がるとケープを脱いだ。
既に出されたプリンを食べ終えた弥子はテレビを見ながら寛いでいた。匪口はといえば、一口食べたまま
一向に進む気配がない。メガネ男子のテンプレの様なムッツリ具合で弥子の口元ばかり見ている。
生クリームの付いたままの弥子の口元はどこか違うものを連想させ、酷く卑猥に見えた。
――落ち着け、俺。…アレに見えるとかアレした後とか考えちゃダメだ…
一人、悶々と葛藤する匪口の苦悩など露知らず、それを弥子はぺろりと舐める仕草をする。
無意識で無邪気な行動に匪口の動揺は増すばかりだ。
――ああああ違う違うっ…アレじゃなくて…あれは…ケフィアだ!…そう、ケフィア…そうだ、落ち着け…や○やだ。
『あれ〜匪口さん、全然食べてない。食べないんですか?』
『…ん?…あ、ああ…良かったら食う?…食いかけだけど…』
こんな事を考えている時に突然話しかけられ、冷や汗をかいた匪口は口篭りながら何とか答える。
罪悪感からか、既に目は弥子と合わせられない。
『わ〜い♪いただきま〜す』
匪口の分のプリンにまで嬉しそうに手をつけた弥子は、無防備に脚を投げ出して、完全にリラックス状態だ。
横で悶々とする男になど一切気づかず、満面の笑みでプリンを平らげる。
『あ〜おいしかった…ん…あ…』
ふああっと大きな欠伸が弥子の口から漏れた。超進学校でのハードな学校生活とネウロにこき使われる
探偵業の往復で疲れが溜まっているせいか、緩やかに睡魔が襲ってくる。適度な糖分で満足したせいもあるだろう。
フローリングに敷いたクッションの上に座っていた弥子は、カクカクと前後に揺れた後、背凭れにしていた匪口のベッドに
頭だけ斜めに倒れこみ、寝息を立て始めた。いつの間にか向けられていた弥子の寝顔に、匪口はいよいよ焦り始める。
――ヤバイ…これはヤバイ…このままじゃ…
『…おい、桂木!…桂木!』
既に理性がギリギリの匪口は、早く起こして送ってしまおうと弥子の肩を揺さぶる。
しかし、時々寝ぼけた様にんん〜、と声を漏らすだけで一向に起きる気配はない。
――まいったな…全然起きねーや…
仕方ないか、というように匪口は弥子を抱え上げる。持ち上げた身体は軽くて、ふにふにと柔らかい。
紫色のワンピースは裾の辺りはふわりとしているものの、上半身辺りはかなり身体にフィットしたデザインで
どうしても目が行ってしまう。可愛らしいパフスリーブからは細い腕が覗く。胸は小ぶりながらも華奢でバランスの取れた
しなやかさに、匪口はごくりと唾を飲んだ。そんな自分を否定する様に、ふるふると首を振って弥子をベッドに寝かせる。
…しかしその瞬間…
『…っ!!!』
弥子の身体を置いた瞬間、勢い余ってわずかにワンピースの裾がふわりと捲れあがる。
ギリギリ下着が見えないくらいの絶妙なチラリズム。そして何より、ニーソックスと裾の間に現れた魅惑のゾーン。
予想外の絶対領域攻撃に陥落寸前の匪口。次の瞬間、下腹にびくりと甘い痺れが走った。
『…うあ…やべ…』
下半身を見やれば、最も手強い己のモンスターが既にアレしてソレな状態である。
かくして11Rに亘って繰り広げられた匪口の欲望と理性の戦いは、欲望が勝利を収める結果になった。
『…ごめん、桂木…』
そう呟くと、無防備に眠る弥子の唇をゆっくりと塞ぐ。まだ夢の中の弥子は、少しだけ苦しそうに眉を顰めながらも
目が覚める気配はない。匪口は小さな顎に手をかけて少し唇を開かせると、今度は舌を侵入させて行く。
『…ん…ふ…』
くちゅくちゅと音を立てて舌が絡まる。何も知らない弥子の寝息に微かに声が混ざって漏れる。
そんな背徳的で扇情的な光景にますます匪口の熱は上がって行くばかりだ。
『…ん、ん…?』
口内の粘膜を撫でられる感覚は眠りの中にいる弥子に徐々に違和感をもたらして行く。
少しずつ瞼は開かれ、夢現の状態で舌を受け入れている。
…やがて完全に目を覚ますと…
『…ふっ…?ん、ん!!!!?』
数cmの至近距離で匪口と目が合う状況に、弥子は驚愕、困惑して手足をバタつかせる。
ずるりと口内から舌は抜かれ、唾液が糸を引いた。
『…あーあ…起きちゃったか…』
『…ひ…ひぐちさん…な、に…して…』
頬を紅潮させ、微かに息を乱して見上げてくる弥子に匪口は目を細めた。防御の為なのか身体の前で交差に組まれた
弥子の両腕を絡め取る。
『…やっ!?あ、の…』
『…でも起きてないとリアクション薄いから面白くないよねー』
『っ!!!?…や、ぁっ!!』
震える弥子の両手首を押さえ付け、匪口は細い首筋に唇を落とす。弥子の両腕を頭の上で纏めると、押さえ付ける手を
片手だけに変える。そのままワンピースの前ボタンにもう片方の手をかけ、器用に外していく。
『…ぁっ…』
ちゅ、と鎖骨のくぼみを吸われ、弥子は思わず声を上げる。そんな反応を楽しみながらも、匪口はてきぱきと
衣服を脱がして行く。ワンピースは左右に大きく開かれ、可愛らしい水色のドット柄のブラが覗いている。
『…へえ…食い気ばっかだと思ってたけど…可愛いの着けてるじゃん…』
『…は…ぁ…や、めて…恥ずかしい…やだあ…』
羞恥に震える弥子を眺めながら匪口は悪戯する子供のような笑みを浮かべる。
…今日はハロウィン。一年に一度、子供は悪戯を許される日。随分でかい上、性質の悪い子供だ。
『…やだ。…無防備にしてたお前が悪いんだよ…』
広げたワンピースの隙間から手を侵入させ、ホックのある背中に回す。プチンと小さな音が弾けて外れると
そのままブラを上にずり上げる。
『…ずっと我慢してたのにさあ…』
『…や、あ…』
薄い胸に片手を滑らせながら、その感触を堪能する。淡い膨らみは意外にも柔らかく吸い付いてくる。
徐々に弥子の両腕から抵抗の色が感じられなくなってくると、押さえ付けるのは止め、今度は両手で愛撫を始める。
『…男の部屋にいて全然警戒してないし…』
『…んっ…』
まだ柔らかい胸の先端を指の腹で撫でられ、弥子の身体がビクンと跳ねる。匪口は手を動かしながら
攻めるように言葉を続ける。
『…いっつもそうでしょ…お前…多分、他の男の前でも…』
『…ふ、ぁ…そんな、の…知らな…や、ああっ…』
絶妙な緩急をつけて胸が捏ね上げられ、弥子は呼吸を乱して行く。日頃、キーボードを叩き慣れた指先が
蠢くように器用に攻め立ててくる。
『…でもね…』
敏感になってきた先端を摘み上げ、捻るようにして指で弾く。
『…っや…ああああんっ』
背筋に電気の様に激しい快感が走り、弥子は堪らず大きな嬌声を上げた。少しずつ羞恥心が薄れてきた弥子を見て
匪口の瞳に妖しい炎が宿る。
『…今日という今日は…もう、ね…俺…限界だから…』
『…やっ…っく…んん…』
すっかり硬くなった先端を口に含まれ、舌で転がされる。もう片方の胸は相変わらず巧みな指先で翻弄されている。
快感のあまり、蕩けきった弥子の目尻にうっすらと涙が滲む。それを嬉しそうに匪口は舐め取った。
『……甘い…』
しょっぱいはずの涙さえも甘く感じる。恋焦がれる少女の全てを味わうように、匪口は弥子の身体に舌を這わせる。
その度に敏感な弥子の身体はびくりと震える。
『…桂木…お菓子みたい…』
『…や、だあ…んっ…ヘンなこと…いわな、いで…ひ、ぐちさん……』
『…そんな事言って、こんなにここ硬くしちゃって…』
言葉で責めた後、ぺろりと飴玉を舐めるように含み、先端に優しく歯を立てて弥子の快楽を煽る。
『…やあっ…っ噛まな…ぃ…でっ…』
這い回った舌が臍の辺りにまで下りてくると、流石に弥子は身構える。匪口は邪魔な衣服を全部脱がせると
自分も上着を脱ぎ捨て、再び弥子の身体に舌を這わせた。更に更に下方へ向かって行く舌の動きに弥子の羞恥は再び蘇ってくる。
『…やっ…やだぁ…そんなとこ…んあっ…』
弥子の脚を大きく開くと、匪口は薄い茂みを掻き分けて下唇の裂け目に沿って舌で撫でる。
隠れていた突起を舌先で転がせば、充分に潤ったそこからは、蜜が次から次へと溢れ出してくる。
『…ん、っくぅ…だ、め…は、ずかしぃ…やめっ…んっ…』
弥子は恥ずかしさのあまり、必死で身を捩じらせ脚を閉じようとする。しかし、抵抗も虚しくがっしりと両脚は押さえられ
より一層激しく舌を動かされる。
『…あっ…やあああっ…』
奥までは届かない刺激がもどかしくて弥子は腰をくねらせて甘い声を響かせる。
『…ここも甘い…』
荒い呼吸をする弥子の下腹から顔を上げた匪口は、それを指で掬い上げて弥子の前で掲げ、顔を覗き込む。
人差し指と中指を広げてとろりと糸を引くそれを悪戯な笑みで見せ付ける。
『…やーらしいな…桂木…何これ?』
『………っ』
快感のあまり、自分の身体から溢れ出した物を見せられた弥子は顔を真っ赤にして背ける。
丁度上になった弥子の左の耳元に唇を近づけ匪口はそっと囁いた。
『…そろそろいいよね?』
『…ゃ…あ…の…』
口篭る弥子の両脚の間に再び割り込み、匪口は腰を抱え上げる。ジーンズのボタンを外して前を寛げると
先程から痛いほどに張り詰めていた物を取り出し、先端を押し当てる。そのままくちゅ、と音を立て腰を沈めて行く。
程よい狭さと温かく湿った内部の感触に匪口は酔いしれる。
『…ふ、ぁっ…ああああっ…!』
何とも言えない快感と圧迫感が押し寄せて、弥子は悲鳴のような声で喘ぐ。最奥まで到達すると、匪口はゆっくりと
腰を動かし始める。
『…あっ…んっ…や…っあああああ』
くちゅくちゅと粘膜の擦れる水音が部屋中に響き渡る中、更に動きは速くなり、弥子は攻め立てられて行く。
匪口の身体をを挟み込むように両脚に力が入る。
『…っく…か…つらぎ…』
弥子の内部が波打つように蠢いて匪口を締め付ける。充分に潤い満たされた中は心地よく彼に絡み付く。
注挿が繰り返される度に、押し寄せた快楽が弥子から溢れてシーツに染みを作る。
『…ん、んっあああっ…ああ…やっ…も、いっ…イっちゃ…』
『…は…いいよ…かつら…ぎ…』
腰を動かしたまま、弥子の胸に舌を這わせると再び匪口は歯を立てる。その瞬間
弥子の身体がびくんと跳ね上がり、きゅっと内部が締め上がった。
『…やっあああああああっ…ん』
全身がぴん、と突っ張ったようになり、一瞬頭の中が真っ白になった感覚に襲われて一足先に弥子は達した。
余韻で切なげな吐息を漏らしながら、ぼんやりと焦点の合わない弥子を眺めながら、匪口は満足げに笑う。
先程の強烈な締め付けで限界が近い。ずるりと引き抜くと、絡み付いた透明な蜜が糸を引いた。
『…は、ぁ…くっ…』
弥子の下腹の上に白濁を放つとそのまま上に倒れこみ、唇を何度も重ねた。
『…なあ桂木〜機嫌直してよ…』
事後、身なりを整えた二人は口直しと水分補給も兼ねてお茶を口に含む。弥子は
五杯目のお茶を飲みながら、大変ご立腹な様子でそっぽを向いた。
『…匪口さんの馬鹿…寝込みを襲うなんて…』
『…だから、何度も謝ってるじゃん〜』
――あんなに感じてたくせに…何だよ…この切り換えの早さは…やっぱり脈は無いのか?
確かに襲ったけど途中からは一応、和かn…あああもう!
依然としてむくれたままの弥子に匪口は溜息を吐いた。
苦悶する匪口の様子を窺いながら弥子がぽつりと呟く。
『…せっかく匪口さんにもお菓子持って来たのに…ほら…クラッカー』
ゴソゴソとラッピング袋に包まれたそれを鞄の中から取り出すと、おずおずと差し出した。
そんな弥子を見て、匪口はにやりと笑う。
『…あ〜だからねえ〜…来た時にすぐ渡してくれないからさあ…』
『…?…』
キョトンとする弥子。
『…だから…イタズラしちゃったよ♪』
『…ん、なっ?!…こんな性質の悪いイタズラ、子供はしません!!!』
その後、駅前のファミレスでしこたまパンプキン系スウィーツを奢らされてるメガネ青年と大食い女子高生が
目撃されたとかしないとか。
以上で投下終わりっす。今日は池谷の誕生日みたいだな。
ツンデレ由香を書いてくれる神を待っています。
GJ!
なんなんだこのヒグチラッシュは!
ヒグヤコ強化週間か!?
ぬおおおおおおおお!!!!
ヒグチ・フラァァァァァッシュ!!!
GJ!GJ!!!
ヒグチのキャラが定着してきたなぁww
うわああああ神が二人も光臨なさってるではないかww
ヒグチラッシュ最高じゃないかww
二人ともGJ!
神々よ!グッジョオオブゥゥ!!
ヒグヤコスキーなんで最近の流れが素敵過ぎる
このスレにおけるヒグチは清く正しく性少年ですなww
すっかり暴走キャラが定着したようだw(そしてヘタレ気味)
「どう見ても精子です」「いいえ、ケフィアです」な葛藤に爆笑した GJ!
ヒグチ可愛いよヒグチ
二人ともGJ!
アニメで再燃してこのスレ見つけたんだが…ムラムラと書きたくなった。
ていうか書いた。
連載初期(ヒグチが電子ドラッグに犯されてたあたり)までしか話知らないぬるい自分だけど、
ネウヤコ投下していいかな?
ヒグヤコな流れ豚切ることになるうえにエロもなければ弥子もないから
ダメぽだったらまたROMに戻るよ(´・ω・`)
>>396 やっちゃえ、やっちゃえよ!
いえ、投下して下さいませ
398 :
独白1:2007/11/02(金) 01:07:01 ID:VnM9Bd1L
満たされない。
こちらに来てから、弥子と出会ってからというもの、どこか満たされない。脳
髄もそうだが、どこか別の、どこかが、満たされないのだ。その「どこか」がど
こであるか、我輩は既に看破している。ただ問題は、崇高なる魔界の住人である
我輩が、その事実を認めたくないというその一点。……我輩は、わかっているの
だ。
満たされないのは、恐らく、心というもの。理解はしているが、実に曖昧だ。
臓腑とは違う。思考を行う脳髄とも違う。人間はそれが胸部にあるというが、そ
んなものはそこにないことはみな知っている。だが、心は確かにある。
この心というものが実に厄介であって、我輩は満たされないでいる。我輩は人
間ではないのだから、心などもとから無いはずである。だが、現に我輩は今満た
されないでいる。満たされないとはいえ、我輩はただ謎だけを欲してきた。そし
てその謎は人間の心がつくりだす。ああ、実に厄介だ。心は謎に似ているとも思
う。何より複雑であるから。我輩も謎は喰えても心は喰えない。
だが。
……思考の反芻を止める。
あの女は、桂木弥子。奴には心を喰う力があるのかも知れない。どうも無自覚
なようだが、人を惹きつける何かがあって、そして人の心を掴んで放さない。ア
ヤが人の脳を揺さぶるというのなら、弥子は。
399 :
独白2:2007/11/02(金) 01:09:26 ID:VnM9Bd1L
人の心を、揺さぶっているのか。
そして再び、思慮の世界へ堕ち込む。
そうか。我輩には心が無い。だがあの日、我輩が弥子を選んだのではなく、単
に我輩が、弥子に惹きつけられたのだとしたら。他の人間共と同じく?……馬鹿
馬鹿しい。そう思い思考は振り出しに戻るのだが、必ず同じ局所に辿り着く。多
くの謎を喰ってきた我輩のことは我輩がよく知っている。つまり答えは出ている
のだ。是非も無く、それが真実であると。
我輩に心があったからあいつに惹きつけられたのか。
あいつに惹きつけられて我輩が心を持ったのか。
どちらかはまだわからないがどちらにしても同じこと。我輩は弥子に惹きつけ
られたのだ。そう、その考えに漂着したからには我輩が満たされるための結論も
察しが付く。
差し当たっては、まさかあの笹塚という男や、妙に弥子が仲良さ気に接する吾
代だって、X、その他の人間どもに弥子を渡さない。我輩の為だけに弥子はいる
のだ。
>>397 ありがd
別ジャンルではエロかけるんだけど、まだここでは無理ぽ(´д`;)
精進したらまた書きにきてもいいかな…
ところでこのスレに書き込まれたSSってみんなまとめサイトにうpされるのか?
これだけ除外とか無理?自分まだまだなんでうpしないでほしいな…とか…
>>400 たぶんそのレスだけでも大丈夫だと思う
そしてネウヤコ分堪能したー!エロもがんがれ!
神々GJ!!
ネウヤコといえば、
>>389のおかげで、11月1日が池谷の誕生日と知り
とりあえず絵石家から由香目当てで読み直したら
恐竜の卵を孕まされて泣いてるカンガルーのイメージ映像でネウヤコがイメージされた。
原因は、時々あるネウロの子供は卵?疑惑だな…
絶賛ヒグヤコ強化週間中だが、どうか文化の日が誕生日なチンピラ副社長も思い出してくれ。
ひぐちのなく頃に
>>403 ひぐちはKになんの?それともレナか34?
僕はヒグチ
フリーのカメラマンさ
ヒグチの人気に嫉妬ww
久々に来たら神々…神すぎる…!
SQで笹の中の人の、やこ狙ってますから発言に噴いた。
この板の笹→ヤコ思い出して。
>>403 そこですかさず
>>354ですねw
>>407 マジか
見てないんだけど吾代が弥子好きになるかもとかネウロの中の人が弥子可愛いとか発言したんだって?
中の人たちどんだけ弥子総受けなんだよwww萌え
欲を言えばヒグチがそこに入ればパーフェクトだったが
ヒグチはアニメでスルーされる可能性もあるしなぁ
>>409 HAL編やるっぽい伏線はあったから出るには出るんじゃない?
ただ登場かなり後だろうし
ポジション的にも二次と違って他のメインキャラと同列には扱ってもらえないだろうが
やっべ!マジやっべ!!おまいら最強すぎるよ!!
久々に来たら神だらけでさっきから
下腹部が疼いてしゃーない変態はここだ!
匪ヤコ燃えが意外に多くて感涙だぜ…
もう職人も雰囲気イイろm専のおまいらもまとめて愛しいよ
長めなのにエロなしで投下しようか暫く悩んでいたら規制に遭った、
ちと季節外れなネウヤコを思い切って投下してみる。
413 :
やさしい魔人:2007/11/03(土) 07:24:20 ID:QmWOyJLp
事務所に向かう途中、値下げされていた鬼灯を見つけてなんとなく懐かしくて買ってみた。
鮮やかな朱色に思い出したのは、小さな頃に教えてもらった素朴な遊び。
事務所に着くと、ネウロは出掛けているのか姿が見えなかった。
とりあえずソファに鞄を置いてから、給湯室へ向かう。持って行くのは安く売ってたから
3パック買い込んできた卵の袋。別にハマッてるってワケでもないけど、この間から妙に卵が
食べたくて、本当はダチョウの卵でもあればいいのにそうもいかないんで普通に売ってる卵を
買って来て毎日食べている。因みに事務所の冷蔵庫にも何パックか入ってたりもする。最初
こそ眉を顰めてたネウロも呆れたのか、もう何も言ってこなくなった。
見比べてみて一番期限の早い卵を1パックだけ取り出して、残りを冷蔵庫に入れてから鍋に
水を汲んでおく。冷えてる卵を室温に戻してる間にあかねちゃんのトリートメントを終えて、
それから全部纏めて鍋に入れて火にかける。あかねちゃんを乾かして編み終わる頃には卵が
茹で上がるから、殻を剥いてテーブルへ。
茹で卵12パック分を食べ終わった後、テーブルに飾った鬼灯から朱色を一つ毟り取ると
それを見たあかねちゃんが不思議そうにしているのに気付いた。
「これ?」
手の中の朱色がよく見える様にして聞くと、あかねちゃんがこくりと毛先で頷いた。
「小さな頃、お父さんに教えてもらった遊び思い出して、なんとなく懐かしくなっちゃって
買ってみたんだ」
袋みたいになった朱色のガクの先の、少し茶色になりかけてるところを摘んで開くと、その
中から丸い実が現れる。
「これね、こうやってじっくり揉んで柔らかくしてから中身を抜いて皮だけにして、口の中で
音を鳴らすんだよ。お父さんは器用だったからちゃんと作れたけど、破らない様に抜くのって
すごく難しくてさ、私はなかなか出来なくて結局もらうばっかりしてたんだよね」
力を入れ過ぎない様気を付けて揉んでいるうちに少しずつ実が柔らかくなって、その色も
変わってくる。子供の頃はいつも焦って失敗してたんだろう、なんて事を今更実感する。
414 :
やさしい魔人:2007/11/03(土) 07:25:11 ID:QmWOyJLp
「ねぇあかねちゃん、最近のネウロってなんだか変だよね?」
手を動かしながら話しかけると、あかねちゃんもそれを少し感じていたのか、小さく頷く。
「ここの温度はいつも過ごしやすい温度にしてくれてるし、拷問も身体全体使うみたいなのは
しなくなって手足や頭だけに的絞ってる感じだし、結構色々助けてくれる様になったしさ……
それに、アレ、もしないし……」
本当に今までのあのネウロとは違いすぎて、何か良からぬ企みでもしてるんじゃないかって
不安になるくらい、最近のネウロは変わっている。
「あとさ、なんでか知らないけど最近妙に私が食べる物に口出ししてくるんだよね」
それは知らなかったのか、あかねちゃんが毛先を傾げた。
「先週出掛けた依頼先じゃ、折角奥さんが育ててるハーブで自慢のハーブティー淹れてくれる
筈だったのに、それをやめさせて謎解き始めちゃったしさぁ。しかもハーブでもアレは駄目、
コレも駄目だってわけわかんない命令してくるし……っと、あ〜…破れちゃった」
芯を抜いてたら、揉み解せてなかったらしい大きな塊があって皮が破れた。あとちょっと
だと思ったのに、やっぱり難しい。そんな事を考えてたらぱたぱたと音がして、あかねちゃん
が何か書いてるのにやっと気付いた。
「なに?」
ホワイトボードを見てみると、
『どんなハーブが駄目って言われたの?』
あかねちゃんの質問に、ネウロの言葉を思い出してみる。
「う〜んとね、よく聞くハーブだとカモミールとか、タイム、セージ、オレガノに、バジル、
ローズマリー……あ、パセリも言われたし、ミントの種類でも何か言ってたかな」
『キク科にシソ科にセリ科だね。何か思い付く共通点ってある?』
中の幾つかを一緒に使う料理くらいなら思いつくけど、全部に共通してる料理なんて何も
浮かばなくて頭を振る。
そのまま二人で悩んでると、不意にドアの音がした。入り口を見ると開いたドアの向こうに
ネウロが立っていて、聞こえた音に慌てて壁紙に潜ったあかねちゃんもほっとした様にまた
姿を現した。
「お帰り。ネウロ出掛けてたんだ」
入って来たネウロは私達の方を見るなり目付きを変えると、早足で近付いて私の腕を掴み
上げた。それはこのところなかった様な乱暴な動きだった。
「痛…っ」
籠められた強い力に思わず声を漏らして見上げたネウロの目は、怖いくらい真剣だった。
「貴様、そんな物を何にするつもりだ」
「こ、これ? これはただ皮を口の中で鳴らしてみようかって思っただけで……」
415 :
やさしい魔人:2007/11/03(土) 07:26:09 ID:QmWOyJLp
いきなりの行動の理由が分からなくて混乱しながら答えると、私の腕を掴んでる手の力が
小さくなって、ネウロの顔もどこか力の抜けたものに変わった。
「それを喰うわけではないのだな?」
「そりゃ…酸味があって美味しいとはおもうけど、そんなつもりで買ったわけじゃないよ」
「喰わないなら、いい」
どこかほっとした感じの声で言うと、漸く腕を下ろしてくれた。
突然のネウロの行動の意味が分からなくてあかねちゃんの方を窺うと、秘書としての仕事を
始めたのか、それとも何か思いついた事があったのか、パタパタとパソコンを操作し始めた。
何をしているのかちょっと気になって覗いてみようとしたら、ネウロに掴まれたままの腕が
軽く引かれた。
「……あの、ネウロ……?」
「貴様そんな風に遊んでいるが、宿題は終わらせたのか? 仕事のせいで宿題をやる時間が
削られたと文句を言っていたのはつい先日の事だが、どうせそんな事も忘れているのだろう。
貴様の努力不足が仕事に支障をきたす事など、許されると思うか?」
ネウロの的確な言葉に言い返す事なんて出来る筈もなかった。
「…わーかったよ」
仕方がないから鬼灯を片付けてからテーブルに勉強道具を広げて宿題を始めると、ネウロが
隣に腰を下ろしてくる。
「ネウロ!?」
何をされるのかと思わず構えてしまったけど、ネウロは私に伸ばしてきた指先を唇に触れ
させて、そっとなぞる事を繰り返した。
「ネウロ……?」
「ヤコ、我が輩は機嫌が良い。貴様が望むなら分からぬ箇所を教えてやってもいいぞ」
意外な言葉に驚いた。今日は金曜だから、早く宿題を片付けて土日を有効に使いたいのかも。
だけどネウロはすぐに少し考える様子を見せた。
「ム、しかしただ教えるだけでは面白くないし貴様のためにもならんな。……よし、我が輩に
教えを請いたい箇所があれば一箇所につき一度の口付けで教えてやろう。」
……なんとも楽しそうで無邪気な笑顔をちょっとだけ可愛いなんて思ってしまって、それを
ごまかすみたいに言葉を探した。
「ねぇ、なんで最近はいろいろ優しくしてくれるの? 何か企んでたり、する?」
質問に返って来たのは小さな溜息。
「ストレスで性を違える事にでもなったら面倒だからだ」
「なにそれ、ワケわかんないよ」
いつも以上に理解出来ないネウロの言葉に首を傾げてると、あかねちゃんがキーを叩く音が
急に慌しくなった。
416 :
やさしい魔人:2007/11/03(土) 07:27:12 ID:QmWOyJLp
「ほう、アカネはもう気付いている様だぞ」
「えっ…? 何? あかねちゃん何に気付いてるの?」
「自分で分からんなら訊いてみるといい」
何の事を言ってるのか分からないから教えてもらうためにあかねちゃんのところに行くと、
あかねちゃんはなんだかちょっと困った様子で文字を綴り始めた。
『最初に一つ確認したいんだけど、食べ物の好みが変わったっていうか、すごく卵が食べたく
なったのって最近急になんだよね?』
「うん。なんか最近無性に卵が欲しいんだよね」
『次、月経周期って不順な方だったよね?』
「へ? た、確かにそうだけど……なんでそんな質問?」
思ってもなかった恥ずかしい内容に怯みながら答える。
『じゃあ、前はいつ始まったんだっけ?』
「何」が始まったのかを書いてないのは、あかねちゃんもこの内容が恥ずかしいと思ってる
からなのかもしれないけど、質問に答えようとしたところでふと嫌な予感に襲われた。
「えっと…二ヶ月程、前……かな」
この仕事始めて…っていうかお父さんが殺されてから、色々なストレスなんかもあってか
明らかに生理が遅れたりする事は増えて来てたんだけど、なんだろうこの胃の辺りにもわもわ
浮かんでくる不安感は。
『あのね、駄目だって言われたハーブは妊娠中は避ける方が良い種類で、鬼灯も、昔は堕胎に
使われてたの。それから性を違えるっていうのは多分、妊娠中に妊婦さんが強いストレスとか
抱えてると赤ちゃんの性染色体の性別と身体の性別が変わっちゃって、例えばXYの染色体を
持つ男の子なのに、身体が女の子なんて事になったりもするらしい事だと思う』
文字達を目だけで追いながら、頭の中は綴られるその内容を理解する事を拒否している。
浮かぶのはネウロとして来たアレなコトで……。
そんな私の葛藤を踏みにじる様に声が聞こえた。
「最終月経開始が約二ヶ月前なら、妊娠三ヶ月に入った頃かもしれんな」
「なんだってそんな計算になんのさ……」
突きつけられた言葉に振り返り目眩を覚えながら言うと、馬鹿にした様な顔で見下ろされる。
そして何かが顔面にぶつかった。
「何すんのよ!」
「正常な月経周期を持つ場合は最終月経の初日から四週間を一月として数えるものなのだろう。
そうでない場合は推定受精日を二週目の始まりとする様だが」
ぶつけられたのは鞄に入れていた保健の教科書で、それを持っているネウロの指で示された
場所には説明の通りの図が載っている。
417 :
やさしい魔人:2007/11/03(土) 07:28:16 ID:QmWOyJLp
これ以上逃れようがない現実に思わず下腹に手をあてると、そこにネウロの手袋に包まれた
手が重ねられた。
「……つまり、ネウロとの…子供……」
「そうだ。我が輩と貴様の仔がここにいるのだ。幸い今の貴様を見る限りでは卵を好物とする
様だから貴様等と同じ物を食える筈だ」
どこか満足そうにネウロは言った。私だってもし可能ならネウロの子供が産みたいなんて
思ったりもしてたから、それは嫌な事じゃない。だけど今の私にはとんでもなく大きな問題が
あった。
「そっ、そんなコト言っても私まだ学生なんだよ!」
せっかく苦労して学校に入ったってのに。まだまだ学食が食べたいのに!
「気にするな。貴様は結婚可能な年齢にはなっているから、我が輩が婿入りするならば貴様の
姓が変わる事はないのだ、何とでもなる。校則にも結婚を禁止するなどというものはないの
だろう? そもそも『女子高生探偵』という看板とて卒業までしか使えんのだ。それならば
この際『幼な妻探偵』と架け替えてしまうのも良いかもしれんぞ」
「何言って…」
とんでもない発言に反論しようとして、気付く。ネウロは私と夫婦になる事を当然の事だと
思ってるんだ。それが分かった途端、一気に顔に血が上ってきた。
どうしよう、嬉しい。嬉しくて涙が出そう。
「何にしても確認は必要だろう。とりあえずコレを使ってみろ」
渡されたのは妊娠検査薬。当然涙なんて吹っ飛んだ。
「先程出て来たついでに雑用に買わせてきてやったのだ。感謝しろ」
……吾代さん、恥ずかしい買い物をさせてごめんなさい。ありがたく使わせてもらいます。
そのままトイレに追い遣られて、結果はネウロの読み通りだった。
「よし。では今日は貴様を送ってやるついでに貴様の母親に報告する事にして、明日は検査に
行くぞ」
「えっ、ネウロも一緒に行ってくれるの!?」
なさかそこまでしてくれるなんて思わなかった。もしかしたら下手な人間よりも、責任感が
あるのかもしれない。
「当然だ。性交を再開出来るのがいつごろになるのかも知っておくべきだしな」
……やっぱりネウロはネウロだった。
「なにより、我が輩達の愛の結晶の事なのだからな」
我ながら単純だとは思うけど、もうこの言葉だけでおそらくこれから暫くの間続くのだろう
騒ぎも、乗り越えられそうな気がした。
………まったくもう、なんて殺し文句!
終わり
418 :
やさしい魔人:2007/11/03(土) 07:29:47 ID:QmWOyJLp
最初は食べたくなるのを卵じゃなくて鶏肉にしようと思ったけど、
さすがになんだか罪悪感w
授かった夢の命をとにかく神経質な程大切にする、あまり見ない感じの
魔人様を書きたかったんだよ……。
あと、性別云々のトコを書いてた時、Xを思い出した。
GJ!GJ!!!
甘い、甘いよ神……!
超甘い!GJ!
堪能させてもらった
>>407-408 弥子の中の人は「普通でそんなに可愛い訳でも…」って言ってたのに
ネウロ「えー可愛いよ」
吾代「弥子には優しい」
笹塚「俺も狙ってる」
ハーレムワロタwww
うわ、413でミス発見!
茹で卵にしたのは「1」パック分です。
最初は2パック分で書いてたんだよ……。
見苦しいミスを済みませんでしたorz
422 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 10:21:33 ID:7O3knIny
流れぶったぎってすまん
SQてなんぞな?
うおう!朝っぱらからネウヤコGJ!!!!!!!
妊婦ヤコを気遣う紳士ネウロの描写をもっと見たいぜ神!
>>422 本誌は買ってないのかね?舐める様に見れば分かる多分
ジャンプスクエアのこと
昨日創刊されたジャンプ系列の雑誌
>>421 神GJ!
そしてヤコなら別に12パック分のゆで卵でもいいと思うんだ
最近はスク○イズとか、ひ○ぐらしとかに出るキモいヒロインが多い中で
心身ともに健康な弥子の存在は一服の清涼剤となっているようだ
いや弥子も食欲の面では結構アレじゃry
>>407 笹の中の人ちょっと前まで鰤のインタビューでは貧乳イラネ的なこと言ってたのに…
どっちなんだよ!!!!
でも萌えたから可ッ
ブリは巨乳しかいないからそう言うしかないんだろ
あ、ルキ(ry
そんな弥子の流れを切ってエロなしサイアイ投下
ダンボールに詰め込まれた大量のセーターの数を数えるのが冬の始まりを迎える恒例行事となった
のはいつ頃からだっただろう。怪盗目的の達成で塒を移動する時、私はいつもなんとなしにその箱を
注視してしまう。何処の国で調達したかも覚えていないリンゴの空き箱、中いっぱいに詰められた
毛糸の編み物。セーターだけでなく、マフラーや靴下、帽子や、防寒下着まで。
冬になると一式作らされて、次の冬にはもう彼の中から消え去っている。彼の記憶から消し去られる
ことは、『どうでもいいこと』だ。認識されず必要とされない記憶は、つまり不要のことで、だからそんな
ものを保管し続ける意味は、本当ならば無い。転勤族とは荷物を常に最小に纏めているべきだ。
にも関わらず、私はこの箱を廃棄することに戸惑いを感じている。紺色、桃色、アイボリー。年毎違う色、
毎年分。
「アイ、手編みのセーターって良くなー……いッ!?」
「っ」
彼が引越しの手伝いをすることは滅多になく、荷造りは大概が私の一人作業なのだが、
そんな私の邪魔をサイがしてくるのは、いつものことだった。床に座って衣類を纏めている、
その背中に飛びつかれて、圧し掛かられる。いつもの細身な少年の身体でされる分にはそれほどの
衝撃も感じないが、たまに青年の身体でされると、流石の私も潰れるのだ。現状私は潰れている。
幸い前に置いていたダンボールと、中の衣類に衝撃を吸収されたけれど――けらけら楽しげにする
サイの声も、いつもより低い様子だ。ということは、履いていたズボンは駄目になっただろう。ゴミが
また増える。溜息を吐く為に息を吸うと、舞った埃が鼻腔を擽った。っくち、小さなくしゃみが漏れる。
サイがくすくす、笑う気配。
「アイのくしゃみ、かーわいい♪ やっぱ最近冷えるよねー、南半球行く予定もあんまないし、
俺セーター欲しいよセーター。アイの手編み、色はー……まあお任せで。ねぇアイ、今作ってよ、今すぐ」
「サイ。私は現在、この塒を引き払うための荷造り作業をしています。次の塒で荷解きをしたら考えます
ので、出来れば背中から退いてください」
「『はい』以外の返事は聞かなーい」
「怒りますよ」
「……。お、怒っても動けなきゃ何にも出来ないでしょ」
「…………」
「…………」
「………………」
「………………」
「ごめんなさい退く、だから喋って」
しゅーんっと項垂れてやっと身体を起こしたサイの気配に、今度こそ私は溜息を吐く。畳んでいる
途中だったネイティブアメリカンの民族衣装(血糊付き)は、ぐしゃぐしゃになっていた。また畳み直し。
こういったことには多少の憂さを感じる――終わりの無い家事。自分が主婦であるとは思っていないが、
きっとやっていることは変わらないのだろう。サイの世話は、育児に似ていると思う。ムラッ気のある
行動も、そんなイメージだ。
身体をいつものサイズに縮めたサイは、ちょこんっと私の隣で膝を抱えぽてりと座る。何を唐突に
手編みのセーターなのかと思い、先ほどまで彼がいたリビングを見ると、なるほどテレビでは編み物
講座をやっていた。そこから思いついたのだろう、毎年切っ掛けはまちまちながら、することは同じだ。
去年は雑誌の編み物特集、一昨年は家庭科の授業。それから、突撃。
ぱたぱたと衣類を畳む私の手伝いをするでもなく、彼は膝に頭を乗せてじっと私を見上げていた。
作業が終わるのを待っているのだろうその姿は、少し犬のように見える。尻尾を床に投げ出して、
耳を伏せて、じっと待つ。ビクターの犬は主人の声がするレコードに耳を傾けているものだが、
どこか似ているように見えて、少しおかしい。くすり、小さく笑うと、私が怒っていないと判って、
彼も笑う。尻尾を揺らすように、裸足の足をぺたぺた床で鳴らす。
「色は本当に、お任せでよろしいんですね」
「うん、なーんでも。あ、サイズはどーしよ。めいっぱい大きい方が良いかな、
俺無意識に身体のサイズ変えたりするし……なんかもう、ばーっと長い感じに」
「脚に触れるとちくちくしますよ。面倒がらず下穿きをきちんと付けるなら、構いませんが」
「着る着る、流石に寒い時は寒いなりの格好するって」
「十月の末に池に沈んで、その後は犬になって過ごしていた人もいますが」
「誰その変人、アタマおかしいんじゃない?」
「あなたです」
「えー、俺だっていくらなんでもそこまで寒そうなことはしないでしょ。
アイってば、からかおうとしても駄目だって」
「……はあ」
いっぱいになったダンボールを押して、壁際に滑らせる。ガムテープで閉じるのは最後、一気に
してしまった方が効率が良い。大小の箱がいくつも部屋の隅においやられているのを見て、
サイはひょいと腰を上げた。眼で追うと、そちらに向かっている。
「こっちは閉じて良いの? 手伝おうか、俺」
「いえ、もう終わりますから結構です」
「いーの、するの。そんでアイにセーター作って貰うんだから」
『セーター作ってよ、アイ』。
『今度は帽子も』。
『マフラーも欲しいよね』。
『手袋も作ってくれんの?』。
『靴下だ、あんたも起用だね』。
『ちょ、毛糸のぱんつって、いやあったかいけどさ!』。
『ありがとね、アイ』。
私は彼の傍の小さな不可視、殺されて見えないただのアイ。行動基盤も行動理念もすべてが
彼に即したものであり、私個人の意思は限りなく介入させない。彼の記憶を記録し、彼の必要不必要に
応じて情報や状況を作り、そして、破棄する。
彼が忘れたことは彼にとって不要のこと、なくなってしまったものは、最初からなかったのと同じことだ。
あってもなくても同じ、瑣末で些細な事象は、彼の細胞から次々に消されて行ってしまう。絞りカスに
なった、消費されてしまった記憶の残骸を処理するのも、私の役目だ。邪魔なものは片付けて、
掃除して、新しい情報がスムーズに通るようにする。
いらないものは、いらない。
彼が忘れてしまったものは、いらない。
それは、最初から必要なかったと、同じこと。
なのに。
捨てることの出来ないダンボールがある。そろそろいっぱいになってしまうから、一回り大きな箱に
移すか、二つ目の箱を作るかしなくてはならない。捨ててしまえない、毎年編まされるそれ。セーター、
帽子、マフラー。いつかはマフも作った。一つ一つ、丁寧に。網目を数えて、それを彼は興味深そうに
観察して。飽きもせずに、じっと隣に。それはやっぱり、ビクターの犬のように。
出来上がったものを渡した時、彼はいつも嬉しそうに笑って、くすぐったそうにして、『ありがとう』と言う。
きっと私があの箱を捨てられないのは、私の記憶まで捨ててしまうような気がするからなのだろう。
証拠がなければ、本当に無かったことになってしまう気がして、だから、多分、そう。
寂しいのだろう。それは。
小娘のような感傷だと自覚はあっても、切り捨てることは、未だ出来ない。
最後の荷物も詰め終わって、ずっと曲がっていた背中を伸ばす。筋肉や骨が伸びる感覚、肩を回して
凝りをほぐすと、サイが随分と静かなことに気がついた。少し前までは、ガムテープを伸ばすビリビリと
いう音が響いていた気がするのだが――いつの間に止んでいたのだろう。気まぐれにどこかへ
行ってでもしまったのだろうか、振り返ってみると、ダンボールの影から脚が見える。
飽きて眠ってしまったのか重い荷物が崩れて潰されてもしたか、どちらにしてもいつものことだが、
二度手間が増えているような事態は出来れば勘弁して欲しい。とは言え諦めは肝心だ。彼の意思を
止めたり遮ったり、そんなことは誰にも不可能だと思う。傍若無人、唯我独尊、様々な言葉はあれど、
つまりは子供の気まぐれと我が侭の塊。私にとっての彼はそういう存在だから、覚悟は、出来ている。
ほったらかしのガムテープを拾って、テーブルに置く。そうして影を、覗き込む。
「サイ?」
見れば何枚ものセーターやマフラーを散らかして、包まって眠る彼の姿。
覚えてなどいないだろう。細胞の交代は記憶を引き継ぐことなどしない。彼のそれは、間に合わない。
ならばこれは、単純にたまたま見付けた箱の中身が、気に入っただけのこと。暖かそうな編み物の山に
埋まったら気持ち良さそうだとか、そう思ったからしてみただけの、やっぱりいつも通り気まぐれな行動。
開けられた、私の箱。
ころりと寝返りをうったサイは、ぎゅっと塊になったそれらを抱き締める。気持ちが良いのか、
くふくふ笑いを漏らして。
それは、いつも彼が私に見せるのと、同じ笑顔。
諦めのような許容のような、或いは嬉しさのようなものが込み上げてきて、表情が緩んでしまう。
堪え切れなくてくすくす笑いを漏らせば、それは自分でも驚くぐらい、楽しげに響いた。口元を指で
押さえても堪えられない、どうしてこんなにも、私は喜んでいるのだろう。それでも彼が気に入って
くれるなら。それでも彼が喜んでくれるなら。忘れていても、記憶に無くても、最初からないのと
同じことでも、いらなくても、それでも彼が笑うのなら、それは私にとって、喜ばしいことなのか。
こんなにも、嬉しいことなのか。
箱を開いて毛布を取り出し、起こさないようにゆっくりと彼に被せる。額にほんの触れるだけの
口付けをしてから、鼻先と、それから顎の先に。ゆっくりと立ち上がって部屋を出る。車の手配と、
国境を越える準備と、それから、他にすることは。
「おやすみなさい、サイ」
起きる頃には、今年の色を決めておきますね。
終わり
なんというGJ
アイさんも手間のかかるお子さんをお持ちです
GJ!
2人とも可愛いなあ
>>430 そう
笹塚の中の人は鰤では乱菊好きで巨乳マンセーしてて
さらになんかのイベントでルキアどうでもいい的な発言して横にいたルキアの中の人に酷いと怒られてた
GJGJ
思わずカレンダーを引き出して見てしまった
神の皆さん乙華麗
読み手やROMの皆さんお体気をつけて
今月は いい夫婦の日 がございますね
まとめ面子共々期待保守でございますよ
いい夫婦の日って11/22ジャマイカ?
3週間の充電期間があるってことだよ。やべえワクテカが止まらん。圧迫祭りじゃ。
>いい夫婦の日
ときめくお言葉だハァハァ
舌を弄るとかエロいな……
先々週といい、今週といい、段々魔人の虐待がエロスな方向に行ってる気がする
>>444 >>309の神作品思い出した
無意識だからこそ出来る技…もし意識しだしたら…((( ;゚Д゚)))
素直な二枚舌……。
なら精液は甘辛く感じるんだろうかとか考えてしまった
松井のえっち!
あのせつないほど肌すべすべの温泉水すらバケツ飲みできる弥子なら
ザーメンくらい問題はなかろう。
などと、本誌も読まずにレスしてみる。
最近のヒグチラッシュで、改めて単行本読み返してみたんだが、3kmが限界て…
こいつ、ヤった翌日は腰が筋肉痛で動けなくなってそうだ。
それを言ったらネウロのよだれで布団がシューシュー言っているわけだが
妄想に都合の悪い部分は鮮やかにスルー汁
>>449 そもそも本来ネウロとはキスも出来ないはずだからね原作の設定通りなら
でもそんなこと言ったら原作で恋人(夫婦)でもない2人をカプらせる時点で既に妄想なのだから
そこら辺はもう本誌とは別物として自分の好きなように歪曲すればいいのさ
二次なんて大概そんなものだ
>>448 ヒグチはヤル時も一晩一回が限度だろうな・・・
>>450 そういえば、そんな感じだな、一晩一回……
「ちょ、ヒグチさーん!まだ、一回だけじゃないですか!」
「…ゴメン、桂木ぃ、俺、もぉムリ」
「え〜〜〜〜。……えいっ!」
「うわっ!っちょ、桂木!ムリッ、これ以上はっ…、…うっ、動くなぁ!!」
一瞬脳内をヤコヒグというシロモノが駆け巡った。
>>450 ネウロは多分確信犯w
唾液の酸ぐらい調節できるんじゃね
というかまぁ、ここではネウロの酸調整は暗黙の了解になってるなw
どなたか角煮565のシチュで甘めのヤコ攻めを書いていただけないだろうか
夜這い→対面座位→ べろちゅー→ 騎乗位みたいなかんじで
>>455 弱体化による体力温存と長い睡眠時間→むやみにヤらなくなる→ヤコ欲求不満
と、勝手に脳内補完させて貰ったw
>>456 何その萌えるヤコネウw
神のどなたか一発お願いしまする〜!
よっしゃあああああああああ書きオワタ\(^o^)/
>>455のリクエストに答えてネウヤコ一部ヤコネウ。膝で恥部摩擦は都合により(ry >>456-
>>457は時間足らんかったスマン。
自分の文章じゃお好みに沿えるかどうかは分からんが、とりあえず指定されたネタは全部盛りこんでみたよ。
ヤコ攻めをお望みなのに肝心な部分が少なくて本当にすまん。
体位替えが3回なのでかなり前戯省いた。お詫びに思い切り甘味成分いろいろブチ撒けますた。
いきなり触手責めだから嫌いな人は注意汁。夢だけどー!夢じゃなかったー!
459 :
夢魔1:2007/11/06(火) 10:24:07 ID:qe9xn3HL
クレームブリュレ、モンブラン、マロンタルト、アップルパイ、カフェ・ラテプリン、ベリータルト。
ガトーショコラ、バナナタルト、シフォンケーキ、etcetc……。
目の前のテーブルに所狭しと並んだそれを見て、私は歓喜の声を上げた。
『わああああ!すごい!これ全部私一人で食べられるのね!』
人の入りの多いケーキショップのはずなのにお客は誰一人として居ない。
店員すら居ないという不自然さを訝るという思考は私の頭からはすっぽ抜けていた。
『いただきまーす!』
手始めにレアチーズタルトから食べようと思い、フォークを突き刺した瞬間。
目の前のケーキから何か細い触手のようなものが何本も飛び出し、一斉に襲いかかってきた。
『やだっ、何これ!いやああっ!』
薄茶色やクリーム色や赤紫の触手がうねうねと動いて体にまとわりついてくる。
制服のブラウスの隙間から次々に侵入してくる感触に背筋がぞわりとした。
太股を這い上がってスカートの裾に入り込んだ触手は、やがて下着の中にまで入ってきた。
『や……やぁぁんっ』
恐くてたまらないのに、自分の体がその触手からの刺激に反応していることに驚いてしまう。
くちゅくちゅ音を立てているのは、確実に私のあそこから染みだしているもので、触手のものではない。
『やだぁ……ネウロ、助け、てぇっ……!』
助けを求めても誰も来てはくれない。
触手は逃げようとする私の脚を無理矢理に開かせて、そしてその一本が私の中に入り込んできた。
『やだぁーーーーーーっ!』
細い触手が次々に侵入してくる。ぐにゅぐにゅ動くそれは、驚くほど的確に私の弱い部分を責め立てている。
自分の弱い部分なんて一人しか知らないはずなのに、こんな触手にイかされそうなのがなんだか悔しかった。
『やぁ…っ、ネウロ、ネウロぉっ…!』
触手の責め方はあまりにネウロの指の動きとそっくりで、もう……もう……!
***
「……っ!」
460 :
夢魔2:2007/11/06(火) 10:24:45 ID:qe9xn3HL
目を覚ますとケーキショップではなくちゃんと自室に居た。
ほとんど真っ暗な中にぼんやり見える時計が、現実感を取り戻させてくれる。
時刻は真夜中の2時半。まだ十分に眠れる時間だけど、あんな夢を見た後ではすぐに眠れそうになかった。
まだ体が火照っているような気がする。壮絶なほどリアルな夢だった。
ふと、自分の体にかかる妙な重さと、くちゅっという水音と肌にあたる冷気が私に嫌な予感を覚えさせた。
あの夢の妙なリアリティの余韻が、嫌な予感を確信に変える。
ようやくはっきりしてきた視界には、私に思いッきり覆いかぶさってるドS魔人。
ご丁寧にベストとスラックスだけという、いろんな意味での『臨戦態勢』だ。
かたや私と言えば、パジャマも下着も全部はぎ取られて丸裸にされていた。
「……やっぱりあんたか」
「む、バレた」
「バレバレだってば。つーか何でここに居るの」
「貴様と添い寝するついでに夜伽をさせようかと思ってな」
「だからって寝込み襲わないでよ!あんたのせいで良い夢が台無し!」
「食い物に犯される夢でも見たか?随分いい声を上げていたが」
「ぐ……」
「寝ているというのに反応はなかなかだったぞ。見てみろ」
ネウロがニヤニヤしながら掲げた右手。
その黒の皮手袋の人差指と中指の先はほとんど真っ暗な部屋の中なのにぬらぬら光っていた。
自分のものだということを見せつけられてカっと顔が火照るけど、もう弁解する余地もない。
さっきの夢のリアルさはこれが原因だったとしか言いようがなかった。
「やだっ……!あんたマジ信じられない!」
「こんなに濡らしておいて何を言う、この淫乱め」
「あう……っぅん!」
一度引き抜かれた指がもう一度差し込まれ、起き抜けの体に甘い痺れをもたらす。
1階まで聞こえないように必死で声を堪えるけれど、それを嘲笑うかのようにネウロは激しく指を前後させた。
すでに濡れてしまっているうえに、あの夢の続きのような的確な責め方が徐々に私を追い詰めていく。
頭はまだぼんやりしていて、体の刺激に思考が追い付いてくれない。
普段よりも急速にとろけて堕ちていく理性とは逆に、体は一気に高みに昇りつめようとしていた。
「やぁ、も……もぉ、いっちゃ、ぅ……んっ」
「イきそうか、ヤコ」
「そ、いくっ……いっちゃう、からっ……」
461 :
夢魔3:2007/11/06(火) 10:25:56 ID:qe9xn3HL
「ん」
私の声を抑えるように、唇が塞がれる。
食いしばっている歯の間に割り込むように舌が入り込んで、上顎のざらりとした部分を柔かく擦った。
「ん、っんーーー………っ!」
息が詰まりそうな快感に飲まれたあと、突っ張った脚から力を抜いた。
口内に入ったままの舌が引っ込んで代わりにちゅっと軽いキスが落とされる。
まだひくひく動いたままの私の中から指がぬるっと抜かれて小さく声を上げてしまう。
「……ヤコ、挿れるぞ」
耳元にキスと一緒に降ってきた声はどうにも余裕の無い声だった。
すっかり硬くなったアレの先端を押しつけられて思わず怯んでしまう。
「えっ、ちょっと待って」
「待たん、と言うより待てん。1時間近く愛撫してやったのだからもう十分だろう」
「ちょっ……やぁんっ……!」
抗議する間も与えられずにネウロのものが一気にずぶっと入り込んでくる。
そのまま背中に腕を回されて抱き起こされて、ぎゅっと抱き締められる。
細くて固い太股の上に乗せられてしまうと、入り込んだものが突き破られそうなくらいに奥に届いた。
「っうーー……」
「……痛いのか?」
「ん……大丈夫」
ちょっとだけ心配そうな顔をしたネウロに笑ってみせて、高い鼻にキスをする。
温度のない滑らかな頬にも、瞼にも唇にもキスを。
大きな手に腰が掴まれて、ほんの少しだけ上下に揺すられると、奥の痛みは段々気持ちよさに変わっていった。
手の動きに合わせるように膝を立てて自分でも腰をゆるゆると動かしてみる。
ネウロのベストのボタンを外して、腕を抜かせて、遮るもののない肌と肌を密着させてキスを交わす。
温度も心臓の鼓動も種族すらも違うけど、これだけでなんとなく一体化出来ているような気がした。
「ヤコ」
「なぁ、に?」
「夢の中で、我が輩の名を呼んだだろう?」
「うんっ……だっ、てぇ…こわか、った…のっ」
「そうか」
「ネウ、ロ、以外…にっ、さわられ、るっ…の、やだ…っ!」
462 :
夢魔4:2007/11/06(火) 10:26:45 ID:qe9xn3HL
「そうか、なら、もっと呼べ」
「んっ……ネウロぉ」
「ヤぁこ」
ほとんど光が入らない部屋の中に、繋がった部分のくちくちという水音と声だけが響く。
背中に回された腕の力が強くなるのと同じく、ネウロの腰の動きが段々激しいものになる。
体を貫かれるような軽い衝撃と快感が、どんどん高まっていく。
「ネウロ、も、……いきそ」
「ん、そうか。我が輩もだ」
「ちゅー、して」
「ん」
深い深いキスを交わしながら達した2度目の絶頂は、緩やかでずっと長く続いた。
私のなかの締めつけと同調するように、ネウロが中に熱いものを放った。
数度に分けて出された大量の精液が、私の中に飲み込みきれずに溢れ、シーツに染みていく。
ネウロの射精が終わっても、私の足のひくつきが収まっても、私達はずっとキスをしたままだった。
互いに舌を差し出して先端を絡め合わせたり、唇を摺り合わせたり軽く喰んだり。
気付けばお互いに唾液で口元がべたべたになってしまっているくらい。
「ん……ヤコ……」
私の肩にコトンと頭を落として、普段より甘ったるいというよりも眠たげな声でネウロが囁いてくる。
一度火が点いたら何回も立て続けに責めてくるネウロにしては珍しいので、少し不安になった。
「……眠いの?ネウロ」
「む……多少は眠いが貴様に心配される程ではないぞ」
「やっ」
私の中に入ったままのネウロのあれが、ぴくっと動かされた。絶対にわざとだ。
あんまり心配するほどではなさそうだけど、続きをしたそうなのにやっぱり目も声も眠たげで。
最近魔力が足りてないのかもしれないし、本当はきついのかもしれない。
「上になってあげよっか?」
そう言うと一瞬驚いたような顔をしたが、また元の不敵な笑みを浮かべた。
「……いいだろう。その代わりちゃんと満足させなければ撞木反りのまま寝てやるからな」
「あの体勢キツいからやだな……」
「ならせいぜい愉しませることだ」
「ふっ……んんっ」
463 :
夢魔5:2007/11/06(火) 10:27:37 ID:qe9xn3HL
私の体を抱き込んでキスしながら、ネウロは後ろに倒れた。
思い切り舌を伸ばして、鋭い牙に触れないようにしながらネウロの口内を探ってみる。
温度のないそこから舌を引き抜いて、キスをしてから上体を起こす。
剥き出しのお腹に手を置いて、腰を前後に動かした。
ネウロのものが一番奥をぐりぐり抉って、しかも一番敏感な部分が根元と擦れて痛いくらいの刺激だ。
「いやらしい腰使いだな、ヤコ……」
「んっ…それ、あんたのっ、せいっ…」
「ほう、我が輩の調教の成果を認めたか」
「う……る、さいっ!」
「……っ」
かすかに詰まったような息づかいにちょっとだけ優越感が湧く。
別に私はSでもMでもないと思うけど、いつも私の体を好きにいじくるネウロを征服している今の状況は悪くない。
円を描くような腰の動きをしてやると、ネウロの視線が熱を帯びた。
腰に当てた手のさするような動きが、なんだかすがりつかれているようでとても楽しい。
「ヤ、コ……」
皮手袋の指が私の唇をなぞる。指先が歯の間に割り込んで、私の舌に触れた。
味気も何もないその指先を軽くかじりながら舐める。それを見るネウロは、その指が主人の矜持だ、とでも言いたげな顔だった。
挑戦的な指をぐっと強く噛んで、後ろにあるネウロの太股に片手を置いた。
そのままのけぞって思い切り腰を上下してやると切羽詰まったような声が上がった。
「く……ぁっ」
眉間にわずかに皺を寄せて少し苦しそうにしている。楽しい。本当に楽しい。楽しくってたまらない。
自分だってネウロの感じるところくらい知っている。どの角度が好きかも、どうされると弱いのかも全部全部知っているのだ。
それを分からせるように、何度も何度も勢いをつけて腰を打ち下ろす。
引き締まった脇腹の辺りに指を這わせると、また小さく声が上がった。
ギシギシ鳴るスプリングと、腰を落とすたびに響く水音と、何度も奥を抉るネウロのそれと、切なげなネウロの顔。
普段の支配者然な顔もいいけど、こんな顔もかなり好きかもしれない。
「あはっ……ネウロ、か、わいいっ……」
あまりの気持ちよさにそのまま頂点に達してしまいそうだった。
無意識に地雷を踏んでいたことを忘れて居なければ。
「ひぁっ……!」
視界がぐるっと回って一瞬天井が目に飛び込んでくる。そして次の瞬間目の前にあるのはシーツ。
464 :
夢魔6:2007/11/06(火) 10:28:23 ID:qe9xn3HL
どういうマジックか分からないが、私の体は何時の間にかベッドにうつ伏せにされていた。
「なあヤコ……さっきの言葉はどういう意味だ……?」
猛毒のような甘さを含んだ声と、表面だけは優しそうな手が私の耳許を撫でていく。
恐くなって振り向くと、さっきの切なそうな顔はどこへやら、例の支配者の笑みを浮かべていた。
腰を持ち上げられて、一番いいときに引き抜かれてとろとろになったあそこに、もう一度先端が擦りつけられる。
「小娘が……生意気な口を聞きおって」
「え、あ、その……ごめんなさい」
「許さん。先刻の言葉で眠気すら吹っ飛んだようだ」
「やだっ……許してっ……きゃぁん!」
一気にがつんと奥にぶつけられて、悲鳴が上がる。
逃げようとした手も捕まえられてシーツに押しつけられてしまった。
「やぁぁっ!!ぁ、ぁあ、あ、っあ!」
「貴様に、支配されるのは、気に食わん」
「ゆ、ゆるし…てぇぇっ…!」
「残念だな、我が輩そこまで心が広くないのだ」
腰をがっしり押さえ付けられて、根元まで突き入れられる。
めり込むようなきつい刺激で涙が溢れ、腰をぶつけられるたびに散った。
騎乗位からこの体位にということはよっぽどプライドに障ってしまったのか。
もう痛みすら通り越して気持ち良くなってしまっているのだけど、これ以上やられたら本当に気が狂ってしまう。
「もぉ、やぁだぁぁっ!」
「駄目だ」
「おねがっ、いぃっ…!」
「あと少し我慢しろ。もうすぐだ」
「ぁあっ、や、もぉ……し、んじゃ、ぅ」
私の背中に胸板を押しつけるように、ネウロが覆いかぶさってくる。
手を重ねて、指を絡めながら、耳許に熱い吐息をかけられる。
「……ヤコ、もう出すぞ」
その言葉と同時に、責め立てが更に激しくなった。
重ねられているネウロの手にをぎゅっと握って、その衝撃に耐える。
突き破るくらいの勢いをつけたそれがぐりっと中を抉ったとき、火花が弾けた。
「やっん……あぁあーーーーーーっ……!」
「っ……!」
腰を擦りつけられながらもう一度中に温かいものが注ぎこまれるのを感じて、そのあと視界が真っ暗になった。
465 :
夢魔7:2007/11/06(火) 10:29:15 ID:qe9xn3HL
……と思ったらすぐにがくがくと肩を揺さぶられてすぐに意識を元に戻された。
上体をごろんと仰向けにさせられて軽いキスを落とされる。
ぼんやりとしたままその顔を見ると、例の支配者然な笑顔を浮かべていた。
「気絶などさせんぞ。夜が明けるまで責め続けてやるから覚悟しておけ」
冷酷な表情と言葉と裏腹に、声もキスもやけに甘ったるくてぞくぞくしてしまう。
朝まで一緒に居られるなら、もうこんな甘い地獄でも良いかもしれない。
そう思ってしまった私はやっぱりM体質なのか、悩みに悩むところだ。
(了)
やっぱり最後は弥子が責められるというオチしか思い浮かびませんでした。
本誌であくびしてたネウロに不安を覚えたのはスルーして軽く明るく!
文中に出てきた撞木反り (しゅもくぞり)は48手の一つ。ぐぐってけろ。
ハイテンションのまま書き上げますた。ほとばしるりびどー!でも自分騎乗位好きじゃねえwwwww
今から講義に出てくるぜWRYYYYYYYYYYYYYYY!!!
gj!!!なんと甘々なネウヤコ
ハイテンションにワロてしまったw
GJGJ!!堪能した
あと最後のテンションの異様さに吹いたwwww
ハイテンションワロタw
騎乗位萌えたよ騎乗位
いいなぁネウロ攻める弥子可愛いよ
GJ!!!DIO様乙ですwwwwヤコ攻めスゲー萌えた!!
GJGJGJ!!!
やこぉぉぉぉ!攻められたい!
ヒグヤコの神々GJGJGJ!!!
萌え死にました。
>>465 内容もテンションもハイでワロタwwww
いい攻めだ、GJ!!!!
>>458 角煮の中の人だけど思いがけぬコラボ&仕事の速さにアバ茶噴いた
甘々って・・・いいよね。
意外と少なかった触手ネタも拝めて最ッ高にハイってやつだァ――!!近く返礼をさせて頂こう。
しばらくあっちでリク受けてるんでよろすく。スカ以外ならなんでも描くよ
474 :
458:2007/11/06(火) 23:34:24 ID:qe9xn3HL
全部片づいたら…、きっと角煮へ訪ねていくよ。
見たいんだ。
>>473の描いた、エロや、萌えシチュや、ネウヤコを…。
すごいぞお、ラピュタは本当にあったんだぁあああああ!
うお〜一発どころの話じゃないw何このバカップルちくしょかわええっ!
神、甘いネウヤコとヤコネウをゴチでした!
どうでもいいけど、こうぎをこうびと強引に読み違えた自分も
テンション高いんだろうと思った!GJ!!!!!!
あああ甘々GJ!!!なんか・・たまの主従交代って異様に萌える。何故。
とにかくGJ!ハイテンションGJ!!
4日午後4時ごろ、東京都西京市某所のアパート2階の風俗店勤務の清掃員桂木弥子さん(32)方で、
桂木さんがベッドの上で首を吊って死亡しているのを、訪ねてきた同僚が発見し、110番通報した。
室内に乱れは無く、遺書と見られるメモも発見された事から、都警捜査1課と某署は自殺と断定。
調べによると、桂木さんは高校時代から思いを寄せていた男性が結婚した事を知り、
精神に変調をきたしていたという。
桂木さんは1人暮らしとみられ、先月21日から欠勤していた。
現場はJR某駅から南に約500メートルのスラム街。
…うpの兆し無いのでカキコします。KYでスマソ。
もうすぐ11日なので某お菓子記念日なネタを投下なされる神が降臨するのを祈ってネタ投下。
ネウヤコ。(途切れたら土下座最中)
----------------------------------------
「ヤコよ。来たる11月11日、合コンという催しを開催するぞ」
「何その脈絡のない唐突な提案。え、……は?合コン?」
「フハハ、豆腐の頭では理解できなかったようだな。では言い直そう、我が輩と貴様を含めた他愉快な下僕達で合同コンパをするぞ」
「あ、私巻き込まれてる…っていうかネウロも!?……一応聞くけど、達って?」
「決まっているだろう。某刑事や某刑事や某刑事や某怪盗だ」
「ちょっ…!最後の某さんは呼ばないでー!前者の方々と超相性悪いよ!!」
「仕方ない、某兄弟にしておくか」
「うわぁ、ギリギリだなあ……って、あれれ、女性は…?」
「貴様が居るだろう」
「いやいやいや、どう考えても足りてないよ。どんな比率なのそれ」
「イヤか?」
「嫌だよ。アイさんとかさぁ…いるじゃん、綺麗所が」
「某怪盗にストップをかけて何を言う」
「そ、そうだけど…。でもなんで合コン?」
「フム。11月11日には、男女で集まり合コンを開きポッ○ーゲームに興ずる、…とこの本に書いてあったのでな」
「そんなヤング向け雑誌読まないでよ。読者のイメージをぶち壊すよ、そのギャップは」
「フハハハハハ。我が輩、食事と奴隷弄りが生き甲斐なのでな。さあ、ヤコ、某刑事や某刑事や某刑事や某兄弟の面前で我が輩とポッ○ーゲームだ。いちご味を三箱買っておけ」
「私が買うのかよ!!って三箱も!!?」
ポッ○ーゲームで舌入れる気満々な魔人。
ちょw他の面々ギャラリーかよww
しかし他の面々にポッキーゲーム権が渡ってしまい悔しいッビクビクな魔人
ワロタwwww
魔人はポッ○ー喰えるのかw
某低血圧刑事のターンを希望したいッ!
>>482 弥子→ついついポッ○ー全部食べ進める
ネウロ→そこをいただきます
途中から王様ゲームも始まるんだz…!
それこそエロパロになる……
ポッ○ーゲームをしようとポッ○ーを買ってきて弥子にあげる→袋を開ける→そわそわ
→一気に食べられる→( ゚Д゚)→終了
ギャグにしかなりません><
>>482 (笑)
コンビニで悲しそうにポッ○ーを買う魔人を思いうかべてしまたWW
某刑事も某兄弟も皆自分用にポッ○ー用意しる
あ、なるほど
ポッ○ーくわえて待っとけばヤコが勝手に食べ尽くして迫ってくるから
魔人は無理に喰う必要ないわけかw
あまりもポッ○ーを食べるスピードが早いせいで、
触れたかどうかも解からず結局襲う魔人を想像しました。
>>489 今度はネウロのポッ○ーを喰らうわけですか
ボッキーゲーム開催w
■匪口の場合■
ドキドキしながらポッ○ーを咥えて待機。何も意識せず、お菓子に目を輝かせた弥子も向こう端を咥える。
勢いよく食べ始める弥子。ヤバイくらい興奮する匪口。
――はぁはぁ…バッファ処理中30%完了…どんどん短くなる…42%…さぁ来い桂木…
徐々に近づく弥子の顔。匪口の鼓動は高まる。
――はぁはぁ…70%…うおおっ…速くなったな…97%…よし来た!!もらったあああああ!!!
………orz
興奮のあまり勢いよく口を開けてしまい、あえなく撃沈。弥子はご機嫌で残りのポッ○ーを食べる。
覚醒。
↓
『食ってほしくてさあ!!…ポッ○ーじゃなくて俺の唇を貪ってほしくてさあっ!!!!!』
■笹塚の場合■
トカゲの様に微動だにしない姿勢で大人の余裕を見せ付ける。しかし、それも計算のうち。
下手にがっつく動きを見せれば、弥子といえど警戒するだろう。
無邪気に食べ進める弥子との距離、1cmのところでポッ○ーが落ちない程度に僅かに唇を開く。
それを食いしん坊少女は見逃さない。笹塚の口の中にあるポッ○ーを絡め取ろうと少し舌を入れる弥子。
一瞬だけ、唇で柔らかい少女の舌を堪能。笹塚衛士が策士になった瞬間だった。
『あ〜おいしかった♪』
楽しそうな弥子を眺めてほくそ笑む。ロリコン?淫行?刑事?何の事ですか?
■吾代の場合■
咥えたそばからネウロにポッ○ーを折られる。何度やっても折られる。
■ネウロの場合■
ネウロが何かしてくるんじゃ?企んでるんじゃ?と疑い、おずおずと食べ進める弥子を観察。
だが、一向に何もする気配はなく、優雅に頬杖をついている。安心してスピードを上げる弥子。
3分の2ほど食べたところで…
『――かかったな。ワラジムシ』
次の瞬間、獣の様に一気に食らいつき、立ち上がって弥子の腰を引き寄せる。
床に落ちる残りのポッ○ー。人目も憚らず舌を入れる魔人に会場は大ブーイング。
『…ふっ…ん…』
突然の事に驚いて、もがく弥子。うすら笑いを浮かべる魔人が漸く唇を離す。
『――そら、ヤコ。ポッ○ーより長くて太くて、ずっと続くモノがあるぞ』
どんどん暴走するネウロ。そして王様ゲームへ。
↓
一同 『王様だ〜れだ?』
『我が輩だ』
しゃしゃり出る魔人。
『…うっぐうう』
本当の王様である吾代の顔を掴み上げると、後ろに投げ飛ばす。王様ゲームのルールを知っているのか
いないのか、弥子を抱え上げると、勢いよく店内を疾走。
『フハハハハハハハハハハ』
そして伝説のイナバウアー。
『実に清々しい気分だーーーーーーー!』
そのまま弥子を連れ去り、ホテル街に消えて行った。
やっぱりイビル・ジャイアン発動。
>>491 面白GJ!
策士衛士と吾代に対する仕打ちに吹いたww
>俺の唇を貪ってほしくてさあ
GGGGJー!!
ネウロジャイアニズムはノンストップ
吾代カワイソスwwwww
易々と想像できたw
ネウロのテンションにフイタwwwwwww
サイアイだとポッ○ーネタは……
「アーイ。ね、これ俺がくわえてるからさ、端から食べてよ」
「なんです、サイ。そんな遊び、いったいどこで」
「ネウロからメールあったんだ。こうして…ポッ○ーを一緒に食べる事で愛が深まるんだってさ」
「…そんな間柄だったのですか」
「え?俺とネウロはメル友だよ。それとも、俺とアイの話?やだなぁ、世間では常識だよ、アイが俺の彼女だって事くらい」
「サイ、話が飛躍していませんか。そしていつ私達はそんな関係になっていたのです」
「まあまあ。某探偵事務所に負けないためにも怪盗チームも一致団結しないと。ほら、アイも早く食べてよね」
「お断りします」
「え、何が不満?いちご味嫌だった?限定の味のがよかった?」
「…私はプ○ッツ派です」
撃沈orz
>>497 萌 え た
○リッツなら食べてあげるんだなアイさん
このツンデレめ!
でもなにげに一番笑ったのはメル友
なんなんだお前ら!いちいち萌えるんだよ!!
ハアハアハア…
今更赤丸の読切版ネウロ読んだんだが
当時からネウロが弥子にくっつきすぎて吹いた
会話シーンでも何かしら動かす方が
漫画的に良いからだろうな
Xの犯行予告カード頭に刺すところとかかわいすぐる
実は物理的DV要素は連載から追加されたという事実
>>610 うははww当の
>>458だぜwwww
何であっちにカキコかとおもたら誤爆ですたか\(^o^)/
私も良いネタ投下してもらってマ ン ゾク ダ
実は角煮覗いたの初めてであの絵見た瞬間脳がフルバースト→あの速度で投下と相成った。
ガチエロのスレってここと角煮だけだからこれからも参考にするですヌヘヘ
神々……アイさん輪姦が見たいです……
警察でもイミナ時代の同志でもX蛭葛西でもいいから
>>501 えっ?
確かジャンプの時の読み切りにはあたっよ。
謎解きの時に、弥子にボディブローかますシーンがあって
こんな主人公は初めてだって衝撃うけたもん。
手元にあるからDV列挙してみるぜ
・赤丸
カレーを沸騰させられる、頭を掴まれる、頭を叩かれる、カバン持たされてアールスフェリボット状態にされる
そしてかなり密着度高い。ペタペタ触りすぎ
・2004年41号
腕を背後に固める、頭を掴まれる、本棚に勢いよく頭をぶつけられる、背後からシメられる(どう見ても抱きついてる)→気絶
背後から押さえつけられながら首を絞められる、頭を掴んで持ち上げられる
やっぱり魔人はヤコに触りすぎ
>>505 魔人かわいいよ魔人。ボディータッチしすぎww
どんだけ好きなんだ
もう読み切り読めないんかね。
コミックスにも入りそうにないしな…ファンブックとか出たら載るか。
>>505でなんとなく想像できたがw
赤丸版評価したのっていちごの作者なんだよね。
ひよっとしてこの二人の異様な関係にも注目してたりして。
それはないわ
松井彼女いるらしいし
そういう意味じゃなくて、ネウロと弥子の異常な関係にいちごの作者がって意味じゃないかな
>>510 あ、うんそういう意味。
何かエロスを感じ取ったんじゃないかなーって。
だからどうしたって言われてもアレなんだけど…
ちなみに言うと41号の助手モードネウロは異様に語尾にハートマークが付く
>>511 自分が一番エロスを感じたのはベロの上に蝶が乗ってるところだった…
懐かしくなって読み返してきたよ
41号終わりのとこのネウロの「はぐあっ!!」は爆笑できるwww
読みきりのネウロの子どもっぽさも好きだった
>>512 あのシーンのエロさは群を抜いてると思う…
ふいんき(ryがエロいよな
河下せんせには書けないエロさだもんな。
登場人物がえろ妄想を垂れ流すのがいちご、読者にえろ妄想させるのがネウロ。
何気ない場面からエロスを連想させたり、醸し出すようなエロが松井先生
は上手いもんな。
まあ河下先生にも雰囲気エロはあるしな。
鯖復帰した?
鯖復帰記念。
クリスマスまでもう少しなので、こんなものを書いてみた。
「あ、届いてるね♪」
その日、事務所にやって来た弥子はガラステーブルの上に置かれた箱を見て満足そうに
声を上げた。
「じゃあ早速飾ろうっと。せっかく池谷さんのお陰で家具も全部センスアップしたのに、な
んか足りないなーって思ってたんだよね」
弥子は一人でウキウキしながら、箱の中から取り出した真っ赤なリースやツリーを壁にか
けたり部屋の隅に飾ったりしている。奥で憮然としているネウロのことなど全く無視のまま
だ。
「うーん、いいね。こういう季節ものもあると大分印象が変わるかな」
色々と角度を変えて眺め回した挙句、ようやくどちらも良いポジションに配置し終えたらし
く、一仕事やり終えた顔でぼすっとソファーに座った。
「ヤコ、それは一体何だ」
「んー?素敵でしょ。みんな真っ赤なプリザーブドフラワーで出来てるんだよ。扱いさえ良
ければ来年も飾れるし、何年も枯れないの。ここは職場だからクリスマス用でもこれぐらい
シックな方がいいと思ってさ」
「ほう」
ずっと放っておかれたネウロの声色が不穏なものになった。付き合いの長さでヤバいと
感じた弥子が立ち上がりかける暇もなく、長身の魔人が被さってくる。
「ひゃっ、何…?」
「では、その枯れない花について説明して貰おうか。ついでに今日の二分半遅刻した理
由もな」
「えええー、この体勢で?」
「当然だ」
ようやく形勢を有利に持ち込んだネウロは、この上なく楽しそうににやーりと笑う。それが
弥子にとっては悪魔の笑みに見えた。
一時間後。
「もう…喉カラカラだよお…」
たっぷり犯され叫び過ぎたせいで、弥子は力なく横たわるばかりだ。
「つまり、そのリースとツリーの素材になっている花というのは、そういう特殊な加工をして
いるせいで枯れない、ということなのだな」
「そうだってば…まあ、何年かすればやっぱり枯れるよ。元々は生花だし」
色々な欲求を解消しまくったせいで、ネウロの方はすこぶる機嫌がいい。普段は事務所に
余計なものなど不要とばかりの態度なのに、今日は弥子が飾りつけたリースを眺め回して
触れたりもしている。気に入ったのかと思えば、別のことを考えていたらしい。
「貴様もそうなりたいか」
「は?」
一瞬、何を言われたのか良く分からなかった。
「都合良く、一番良い状態のまま長い年月を過ごしたいかと聞いているのだ」
「…まさかぁ、私はこれからも普通に生きていきたいよ。それだけ」
「そうか」
何事か思うことがあるのか、ネウロの口は重い。カバンの中に入っているお茶のボトルを
取り出して飲んでいた弥子はそのまますぐにソファーに逆戻りする羽目になった。肩に食
い込む指先が異様に硬く感じるのは気のせいだろうか。
「ま、また…?」
「花は何の為にある」
「え?」
何だろう、この禅問答のような展開は。必死に頭を巡らせて、弥子は必死で言葉を絞る。
「えーと、とりあえず人間視点でいうと目を楽しませて和ませる為…かな」
「そうだな。では何で枯れるのだ?その役目を終えて完結するからだろう。花とはいえ、咲
き誇る短い時間の中でそれなりの進化を遂げるのだ。その時の経過を無視して枯れずに
咲く花は既に進化を停止しているだけの、死んだ存在だ。貴様がそういう状態を望むという
なら我が輩、心底失望したところだがな」
「…はあ」
まだ頭がついていかずに、弥子は溜息のような声を漏らす。人類の進化に期待しているネ
ウロとすれば、その考えも当然あるだろう。だが、ひとまずの標的は只の部屋の飾りでしか
ない。
何をそんなに苛ついているのだろう。
だが、まともな弥子の思考はそこまでだった。
「安心しろ、貴様は枯れ果てるまで我が輩だけの花にしてやろう」
「いや、そこまで飛躍しなくても」
「人間の生きる時間は短い。早速続きをやるぞ」
弥子を押さえつけたまま、これ以上ないという凶悪な顔でネウロが笑う。花がどうこうとい
う問答で、変なスイッチが入ったようだ。
「結局そっちかよ!」
叫ぶ間もなく、スカートが捲くり上げられた。
また今日も延々これが続くのだと思うと、目眩がするようだ。
弥子はまだネウロの不安を知らない。
終わり
GJ!!
弥子の命は限りある命
〜なんて悲しくなって泣きながら寝ますよ
GJ!
ネウロから見れば弥子も花と同じように一瞬で咲き誇って枯れていく
儚いものの一つなんだろうな・・・。
むしろその状態を保ちつづけたいという欲求があるのはネウロのほうかもな・・・。
寿命が長い生き物故のエゴで。
自分もちょっとSSが完成したんだが、せっかく神があらわれたことだし
連投にもなるんでしばらく様子を見てから投下することにするよ。
523 :
517 :2007/11/12(月) 06:37:18 ID:7fQnPqen
投下した後、爆睡してた。
なんか湿っぽいものになったけど、ネウロにも弥子を枯れない花のように長く側に
置きたい気持ちはあると思う。しかし進化のない花にすることの無意味さも感じて
いるのかなと。
もしかしたらそういう葛藤もあるのかも知れない。
GJサンクスコ
今週はヤコの手料理が!
普通に美味しそう
でもいくら料理がうまくても
ネウロは喰ってくれないんだよな……
栄養偏ってそうなヒグチあたりに振舞えばいいと思うよ
でも一番のヒットは記憶を覗かれたサイ
もしかしてアイさんとのあんなことやこんなことも? ハァハァ
食べ専って料理できないイメージあるけど、
料理もできるっていいなあ
弥子の作った料理って
途中でつまみ食いやらなんやらして
最終的に最初の材料の半分くらいの量にしかならなさそうだw
>>525 ネウロも喰わんし笹塚も植物だからもったいないよなあ
吾代はなんでも喰いそうだけど
ヒグチはなんとなく偏食っぽいから
弥子が上手い具合に料理して嫌いなもの克服させてやれば良いよ
後、今週のお姉さまは激しくこのスレ向きですな
信じられるかよ、女子高生とホームレスだぜ?
鬼畜系官能小説が好みそうなシチュエーション。
溜まった性欲を若い弥子の体に吐き出すホームレス氏。
ホ「ごめんよー、オジさん精子濃いから、多分子供できちゃうと思うけどもういいよね(認知なんか)」
弥子の危機感のなさがけしからん!
確かにけしからんな
雑草採ってる時見えてたろ?なあおっさん
お姉さんに目が釘付けになっていた俺はまだまだだと
このスレ見て反省したよ…
>>528 似たようなのハルヒ同人にあったよね、アーカイブかどっかの
ホームレスじゃなくてドカタっぽかったけど
弥子「赤ちゃん出来たかも」
ネウロ「そうか」
ネウロがナタで弥子の腹を切り裂く
弥子「ギャーッ!」
ネウロ「誰もいないではないか」
\\ //
\\ //
\\ スクールデイズ的展開ktkr!!!! //
\\ Nice Boat. 弥子の内臓Nice Bowel. //
\\ //
/ ̄ ̄ ̄'', / ̄ ̄ ̄'', ./ ̄ ̄ ̄'',
/ ', / ', / ',
| {゚} /¨`ヽ {゚} | {{●}/¨`ヽ{{●} | {゚} /¨`ヽ {゚}
.l トェェェェイ ', .l トェェェェイ ', .l トェェェェイ ',
.| |-ーー| ', | |-ーー| ', | |-ーー| ',
リ ヘェェェノ ', リ ヘェェェノ ', リ .ヘェェェノ .',
やっぱ輪姦2か
あそこ絵もかわいいしシチュ好きなんだよな
ネウロはNice Boat.よりグギャリオン系の方が相性良さそうな気がする
血族のお姉さんと6の命を奪い合うような
24時間耐久プレイと
空腹の上、弥子の手料理を食べられる人間の男たちを見て
嫉妬のあまり、弥子を貪るネウロはまだですか?
まあ自分でもちょっと妄想してみるか。
>空腹の上、弥子の手料理を食べられる人間の男たちを見て
>嫉妬のあまり、弥子を貪るネウロ
電波が入ってきたので書いたがなんかズレた
ネウヤコの食事絡み、ぬるいエロ投下
己の食事におけるルールやセーブに関しての疑問を感じたことはない。思考しても状況は変わらず栓のないことであるのだから、そんなものはただのカロリーの浪費なのだ。だが、と思う。
手遊びのような思考遊び、もしも己の食料があの少女達と同じだとしたら、それは喜ばしいこと
なのだろうか。彼我の食料の間にあるカロリーの比は判らずとも、同じものを食し同じものを感じ、
屈託なく喉越しを楽しむことが出来るのならば、それが心惹かれる事象でないとは言えない。
永久に腹を満たすことと、満たされずとも常に味わうこと。それは叶わないことだからこそ、
思考してみるのがほんの少し興味深く、そして苛立たしい。
ネウロは給湯室の狭い入り口から微かに覗く弥子の背中を視界に納め、ふぅっと長く息を吐いた。
組んでいた指を解き、戯れに爪の先をかしかしと掻く。
「あかねちゃん、ミックスベジタブルもう解凍されてる? ん、じゃあオムレツ作ろ」
『そっちは良いの? 揚げてるスペアリブ』
「大丈夫、火が通るまでにはもう少し時間掛かると思うから。挽肉軽く炒めて、味付けしてー……」
『油跳ねてるから気をつけて』
「あちっ! っうー、揚げ物ってこれが怖いよね……なんか防護シールドとかあれば良いのにって
昔から思うんだけど。家で焼肉とかすると、網とかじゃないから油がたまって弾けて来るんだよね。
あれは怖い」
『判る判る』
髪の房の一部で携帯を繰りながら手伝いをするあかねに、弥子は屈託ない笑みを浮かべる。
母親が留守の際に事務所へ泊まるのは初めてではないが、こうして給湯室を台所として料理を
するのは珍しいことだった。いつもは店屋物で適当に済ませる食事だが、今月は財布の状況が
厳しい。材料を買った方が安くつくし、手間を掛けた料理の方がいくらか満足感が出る所為か
満腹感にも繋がるのだ。鼻歌を零しながら菜箸でふっくらとしたオムレツを作り、弥子は
にんまりと笑う。いくらかの食料と調味料を事務所に常備しておいて、本当に良かった。
人と料理をすることは、あまりない。幼い頃は両親のいない時間、夕食の下ごしらえをする
美和子を眺めながら話をしたりして過ごしたし、休日には父が腕を奮うこともあり、やはりそれを
眺めながら心躍らせていた。小学校の頃には簡単な手伝いもしていたように思う。しかし中学高校と
段々下校時間が遅くなり、極めつけは、父の死と探偵活動の開始だ。一人で摂る食事や料理が
増えた感は、否めない。母と台所にいる際は――実験が工作といった心持の方が、近い。
綺麗な半円型のオムレツを立て続けに二つ作ったところで、弥子は中華鍋に眼を向けた。
ばちばちと音を立てて爆ぜながら浮かび上がってくる大量のスペアリブを穴あきのおたまで
掬い上げ、ボウルによそって塩を振りシンプルな味付けをする。香ばしい匂いに満面の笑みを
浮かべると、あかねにちょいちょいと腕を突かれる。綺麗に盛り付けられた深皿いっぱいの
サラダが三つ。そして炊飯器は保温ランプを灯している。
うっとりと顔を蕩かせて、弥子は皿を両手にした。
「じゃ、食べよっか、あかねちゃん!」
――とは言え死人であり髪の毛しか露出していないあかねは、弥子と一緒に食事をすることは
出来ない。結局応接セットに広げた大量の食料は、すべて弥子のものなのだ。ネウロはこの上なく
幸せそうに眼を細めて食事をする弥子を眺め、疑問に思う。
何故眼前にいる少女は身体をあかねの本体がある壁に向けているのか、何故話し掛けながら
料理を解説しては誉めているのだろうか。そして、何故それを自分には、向けてこないのだろうか。
思考に没頭している際、弥子はネウロに極力話し掛けることをしない。煩わしがられて虐待に
及ばれるのを恐れているからであるし、その思考活動を妨げるのを純粋に躊躇っているからでもある。
深く椅子に腰掛けて指を組み脚を組み視線を下げているネウロが、傍目に『思考に没頭している』
ようにしか見えないからだろうか? 或いは、食事の概念に共通事項がないから、なのか。
死体であるあかねは元人間であるからして、ある程度の情報共有が出来る。だが魔人である
ネウロには、人間の味覚を認識できても理解が出来ない。菓子も惣菜も主食も副食も加工品も
弥子の手作りもすべては同列で、彼にとっては、意味のないものなのだ。
ふっと湧き上がった不機嫌を自覚して、ネウロは少し自分に呆れる。それから音もなく椅子を引き、
弥子の座るソファーの背後に回った。
背凭れに手を付き、長い腕を伸ばして、指先にとらえたのはレタスの葉一枚。
「ネウロ?」
口に含んだそれから味を感じられないことが僅かに苛立たしく、
魔人は見上げてくる少女の顎を取って無理矢理に口付けた。
からん、と音を立てて、箸が床に落ちた。
ワケがわからない、とは、少女こと弥子の脳内に蔓延した言葉である。食事の最中に
口唇を奪われると言うのはエチケットとして如何なものかとも思うし、折角あかねと楽しんでいた
夕飯を邪魔される所以もないし、ネウロがサラダを口移ししてくる意味も、何もかもが不明だ。
大体難しい顔をして、考え事でもしていたのではなかったのか。魔人の考えることは判らない、
ふはっと息を漏らして口唇を引き剥がし、弥子は詰めていた呼吸を整える。
茶碗を置いて身体を捩りソファーの後ろを振り向いた弥子がキッと睨み上げれば、魔人は眼を
細めて機嫌悪そうにそれを見下ろした。口元にドレッシングを付けている様子が多少間抜けに見える。
弥子は口移しされたサラダをとりあえず飲み込んでから、言葉を発す。
「いきなり何してんのあんたはっ、食べてる最中にそういうことしないでよ、もう!」
「興味が沸いたので行動し実学を身に着けようと思ったまでだ。我が輩は貴様と違って知識欲が旺盛な
性質でな、アホ面下げている貴様の食事による快楽を分析しようと思ったのだが、どうにも不理解だ」
「当たり前じゃん、私だって謎の味なんか判んないんだし、今更」
「ヤコ」
呼ばれると同時に顔をぐいっと寄せられ、思わず弥子は身体を引いた。しかしソファーの上でのこと、
下がれる距離はたかが知れている。鼻先をくっ付けるように、額をくっ付けるように覗き込んでくる
ネウロは、眼が据わっていた。真剣ではあるが本気ではない。遊びのようで戯れではない。
奇妙な空気を感じ取って、弥子はなに、と返す。
食卓から立ち上っていた湯気は、既になかった。
「貴様らの食事とは、どんなものなのだ?」
※
ネウロが人間の食事そのものに対して興味を持った事はなかった、と弥子は己の記憶を手繰る。
ネウロの興味はいつも己の食欲に根差すものか、或いは弥子への虐待に繋がることだった。
食料の蹂躙は弥子への打撃でしかなく、たとえばたこ焼きをゲテモノにしたり、
カレーを煮えたぎらせたり、或いは饅頭に下剤を注入したり。
ソファーで隣に腰掛けたネウロは、食卓にある料理を指差しては弥子に説明を求める。
ある意味で当たり前の純粋な興味が珍しくて、弥子は調子が狂うのを感じずにはいられない。
「これはオムレツで、中に入ってるのは冷凍のミックスベジタブルと挽肉と卵で、
ケチャップ掛けて食べるもので……味って、えっと、卵の味ってどう説明すれば」
「ケチャップは『酸っぱい』なのだろう? その『酸っぱい』とはどういうものなのだ」
「口の中がきゅーってして、唾液が出るような」
「『きゅーっ』とは?」
「こう、窄まっちゃう感じ」
「それは反応だろう。味そのものの形容を訊いているのだ」
「……地味に難しいよ、難問だよ!」
食事もままならない、言いながらも三杯目の白米と半分以上平らげられている食卓に箸を伸ばし、
弥子は困り果てたようにむうっと小さく唸る。
ネウロは食事に奇妙な加工を与えることもなく、ただ弥子に味を訊ねるばかりで、ある意味無害と
言えば無害なのだが、共通の感覚がないことを口頭で説明すると言うのは単純に難しかった。
あかねが相手ならば『甘い』も『酸っぱい』も伝わるが、魔人のネウロにはそう言った味覚情報が人間とは
まったく異なっている。情報を限りなく解して伝えれば魔人の脳内で再構築は出来るのだろうが、
解すそのこと自体が弥子には出来なかった。甘いは甘い、しょっぱいはしょっぱい。卵の味は、
どんな味なのか。説明も出来ないものを美味しいと単純に認識していたことには、少し考えさせられる。
各皿一口ずつ残すのみとなった食卓で、弥子はサラダのレタスを何度も何度も咀嚼した。食べている
間は喋れない、答えられない事も責められない。時間稼ぎをしてどうこう出来る問題とも思わないが、
悪気のない質問であるだけに、答えを出せない自分が少し恥ずかしい。単純な虐待よりもよほど
意地が悪い、困り果てて、箸を弄ぶ。
弥子のボキャブラリーの限界に気付きつつもポーカーフェイスでそれを隠していたネウロは、
そろそろ白旗かとソファーの背凭れに大きく身体を預けた。天井に向けて首を反らし、弥子から
受け取った情報を何度か脳内で濾過していく。あまい、しょっぱい、すっぱい、からい。
実感を伴わない形容詞の羅列は、区別が出来ない。
もしも共有していたなら、カロリーにはならずともその味を理解することができたなら、弥子の料理に
対してなんらかの感想を持つことも出来るのだろう。それをもって虐待に変えたり、或いは喜びに
変えたり、行動の幅は広がる。己の持たない知識と感覚はいつも少し恨めしいものだと、ネウロは思う。
人間の心を理解する術に関しては、弥子に任せた。それはネウロと弥子の二人が他者に向かう際の
ツールであるから、どちらかが持てば良い類の感覚だ。だが食事は、一人と一人の間を繋ぐツールでも
ある。一人の魔人と一人の人間。食欲は共通しつつも、その委細を認識し共有するには至らない。
それは、不可能で不理解のこと。だからこそ興味深く、欲求は強く強く育っていく。
傍らにいる少女に関して不理解があるのは、単純に不愉快だった。
それが他の人間には容易く理解できることであるのが、何よりも不快だった。
「ネウロ、どしたの? あの、正直説明できないのを詰られても、それはそれで困るからね」
「フン。そもそも貴様の貧相な語彙にはそれほど期待もしていない」
「うわッ精一杯考えてた人間に言うことかよ。良いよネウロには判らなくったって、
人間の感覚なんだからさ。ねー、あかねちゃんっ」
「ヤコ」
「ん?」
「それを理解したいと我が輩は言っている」
ツンと拗ねてそっぽを向いた弥子が、呆けたようにネウロを見る。
「まあ暇つぶし程度にだがな」
「人間に歩み寄ったかと思ったら普通に落としやがった!」
「フハハ、我が輩とて嫉妬ぐらいはそれなりにするのだぞ」
「え、いつでもお腹いっぱい食べられる人間に対して?」
「貴様の料理を味わうことが出来る人間に対してだ」
言葉をなくした弥子の顎を捉え、ネウロは吸い付くようにその口唇を奪った。
味は、やはり判らない。
だが柔らかな感触の心地良さは理解出来、だからそのままに、細い身体を押し倒した。
※
「せめて歯磨きさせて欲しいんですけど……」
弥子の訴えは無言で退けられ、首に舌を這わせならがら魔人は手袋に包まれた手で少女の太腿を
まさぐっている。制服のスカートはたくし上げられ、大きな手に細い脚は包まれていた。身体で肩や腕を
押さえられ、弥子には抵抗の術が無い。首筋で滑る舌の感触に、ぞくりと寒気を走らせては
短い声を零す。指先は小さく、ネウロの上着に縋っている。
ネウロの食事が人間一般に通じるようなものだったらと考えたことは、弥子とてなくはなかった。
探偵として引きずりまわされる生活に慣れていなかった頃は、なんでそんな面倒なものを主食にして
いるんだとうんざりしていたこともある。だが、考えてみればそんな思考は無意味だった。現実が
変わらないからではなく、もしもネウロと言う謎喰いの魔人が存在しなければ――父の事件は
解決せず、自分は竹田にその表情を貪られ続けていただろう。その想像だけでゾッとする。
かといって、手放しで謎喰いを賛美することも出来ないのは、被る実害の多さ故に。
「っん……ぁ、ネウロ、ちょっとっ」
緩められた下着と共にたくし上げられたブラウス、べろりと舌を出したネウロは、弥子の薄い胸に
それを這わせた。ちろちろと重点的に小さな乳首を責め立てられ、弥子はびくりと背を反らす。
敏感な神経が密集している個所を濃厚に舐られるのは、むず痒さすら誘った。普段はあまり弄って
来ない個所だけに、反応も過剰になる。転がされ、齧られ、抓られ、伸ばされ、吸われ。
「ふむ。嘆かわしいものだな」
「何それムネが? ムネのサイズが?」
「そう過剰に気にするな、ストレスで抉れるぞ」
「抉れてたまるか、そもそも気にさせてるのアンタじゃん」
「仕方ないだろう事実貧相なのだから」
「フォローした直後に傷を抉るって新しいプレイかよ……いや抉れてない、抉れてないけど」
「フハハ、言葉とは難しいものだな。――嘆かわしいのは、判らないことだ」
「……何が?」
「我が輩は、貴様を味覚で味わうことは出来ん。この肌も、どんな味をしているのだろうな」
柔らかな口唇がなだらかな胸をゆっくりとなぞる感触に、弥子はぴくりと眉を寄せる。大きくはないが
他の部分より柔らかな肌の感触を確かめるように、ネウロはそっと指をなぞらせた。触覚では認識も
理解も出来る。そう伝えるような動きに、弥子はひゅっと浅い息を漏らす。太腿を這っていた指も、
下着の上から恥丘を擦るように動いていた。じわりと奥から滲んでくる熱い感触に、弥子は
一瞬目を閉じる。下着に広がっていく愛液の感覚は、いつも少し気恥ずかしい。
下腹部に向かって身体を下ろそうとするネウロの腕を掴み、弥子はふるりと首を振った。訝しげに
眉を寄せる魔人の身体を緩く引っ張り、体勢を変えさせる。仰向けになったネウロの腰に
馬乗りしながら、弥子は上着を脱いで床に落とした。細い上半身が蛍光灯に晒され、
照らされるのに、ネウロは眼を細める。
「欲張りだね、ネウロはさ」
ぽつりと呟いて、弥子はスカートの中から下着も下ろした。それからネウロのベルトを緩め、
スラックスを寛げる。露になった性器を手にとってきゅっと掌で締め付けると、まだ柔らかかった
それが反応した。びくりと脈打つのに頬を染めながら、弥子はやわやわとそれを揉む。
硬く勃起したものが上を向くと、背を丸めて先端をぺろりと一舐めした。ネウロの眉が、ぴくりと動く。
上半身が起こされ、伸ばされた手は弥子の胸を掴み、先程よりも強い力で揉み始めた。
搾るような動きに弥子は一瞬表情を蕩けさせ、鼻に掛かった甘い声を零す。
じゅくじゅくと音を立ててペニスを貪りながら、弥子は重点的に先端を責めた。くぼみのような
部分を尖らせた舌で抉りながら、時々力を抜いた下唇で裏をしごく。頬を凹ませて吸い吐いては
先走りに喉を鳴らし、僅かに表情を歪ませては、また繰り返す。ネウロは弥子の様子を観察する
ようにしながら、時々深く息を零した。そのたびに勃起した性器はより硬度を増し、ぐいぐいと
弥子の上顎を突き上げる。同時に乳首を強く捻られ、ぷはっと弥子は先端を吐き出した。
それでもすぐに、また吸いつく。
何度か喉を鳴らした弥子は、べぇっと舌を出してネウロを見上げた。その舌には透明な液体が
べっとりと貼り付いて、どろりと零れていく。小さく浮かべられた笑顔は、しかし情欲に蕩けた
ものではなく、どこか子供のように悪戯気だった。
「『苦い』よ、ネウロ」
「にがい、か」
「ん。でも、判んなくて良い」
言って弥子は身体を起こし、スカートを被せるようにネウロの性器に跨った。
挿入には至らず、だが接触した性器同士は、互いの潤みを摺り寄せあう。ゆるく腰を揺らしながら
性感を高める弥子は、自分の胸に添えられたネウロの手に手を重ねた。揉み込むのを促すような
動きに従い、ネウロはささやかな弥子の胸を握る。粒のような乳首を指で挟み転がしながら、
口唇を弥子の額に寄せた。薄く浮いた汗が乾いた口唇を湿らせる。
ぬるぬると潤んでいた弥子の性器からは愛液が溢れ、スカートの中では水音が立っていた。
先端や裏筋にクリトリスを擦らせて刺激を重ね、弥子は眉を寄せる。口唇から垂れた唾液が、胸まで
つるりと落ちていった。それを追ってネウロは吸い付く。飲み込んだものの、味はやはり感じられない。
「っ、んっぁ、あ、あふ……っんん、ネウロ、」
「ヤコ。そろそろ入れさせろ」
「あ、ああ、なんで?」
「貴様ばかりが快楽を貪るのか? いつまでも遊ばせてやるつもりはない、
自分で挿れるか我が輩に挿れさせるか、選べ」
「ナカの方が、気持ち良いから?」
「そうだ、決まっているだろう――ム」
不意に弥子の腰が止まり、顔を上げたネウロはそのまま弥子の腕を首に回され引き寄せられる。
浮かべられた笑みはやはり、悪戯気な少女のそれで。
「私はネウロが気持ち良いの、どっちだか判らないよ。
ネウロだって私が今みたいなのと挿れられるのと、どっちが気持ち良いかわかんないでしょ?」
「当たり前だ。特に知りたいとも思わんが」
「知らないことなんていっぱいあるんだからさ、今更食事がどーとか言われると思わなかったんだけど、
それだって気にしなくて良いんじゃない?」
言われて、ネウロはムッと黙る。
呼吸を整えながらも笑みを崩さない弥子を見ながら、その腰に腕を回したまま。
元々感覚の差などいくらでもあった。魔人と人間の間にある断絶は深く広く、例えば虐待に対する
罪悪感や快感の有無に始まり、人間が人間を傷付ける動機への興味であったり。その一つとして
偶々食が気になった――わけではない。だがそれを口にするのは、魔人の矜持が許さない。
食の快楽に浸る顔をあかねにばかり向けるのが気に入らなかっただとか、他人の食欲を満たす
ために料理を振舞う姿に嫉妬しただとか、そんな理由を明かすわけにはいかない。理解できない
苛立ちの根底が、知識欲でなく情欲に根差した嫉妬であるなどと、知られるわけには行かない。
かと言って理屈に納得した振りをするのも癪だし、そもそもが勘違いだし、
鈍さに苛立ちを感じないこともなく。
総合的に嗜虐的な気分へと傾いて、ネウロは弥子の腰を抱え上げる。
呆ける弥子にニヤリと笑いかけながら、ネウロはその細い身体を一気に貫いた。
「ッ、あ、こら、っぁああ!!」
緩んでいるわけではないが慣れはあるのか、弥子は一瞬顔を顰めただけで、とくに痛がる様子を
見せなかった。それがよりネウロを煽り、激しい突き上げをさせる。慣らしていない内側を凶暴に
蹂躙されて非難がましい声を上げた弥子は、徐々にその表情を曇らせていった。上がる呼吸、
ネウロの首に回っていた手はいつの間にか縋りつき、裏返った高い声が時折喉から零れていく。
ネウロはそれを観察し楽しみながら、内部の感触を味わう。
きつく締め付ける柔らかい内部は、充分に熟れて濡れていた。じゅぷじゅぷと粘着質な音を
立てながらの注挿は最奥を突き上げ、弥子の声を押し上げる。コリコリと先端で感じる子宮口の固さは
心地良く、出し入れの度に快感を煽った。ねっとりとした熱は蠕動し、より性感を煽る。縋り付いて
来る細い身体が、動きに合わせて跳ねる様子も心地良い。
速度や深度を変えての突き上げに、弥子は悲鳴のような声を漏らした。身体を倒し、脚を閉じて
腰を上げさせ、ネウロは再び押し付ける。締め付けが変わり、零れた唾液が弥子の大腿に落ちた。
縋る先を求めて伸ばされる手を取り、軽く噛み付く。味はしない、が、それも気にはならない。
「っひん、ひぃ、ああ、いやッきつ、ネウロぉ! いく、いっちゃ、やああッ! いく、イくってばぁあ!」
むずがるように喚く弥子を押し潰すように組み伏せ、ネウロはその口唇に噛み付いた。少し切れた
そこから零れる、血の味すらも判らない。それでも重ねるのは感触を楽しみたいからだ。感触だけでも
幸福感と満足感は得られる。捻じ込んだ舌で呼吸を奪いながら、ネウロは弥子の脚を
大きく広げさせた。スカートをたくし上げ、真っ赤に色付いた性器の膨らんだ小さな粒を押し潰す。
指でぐりぐりとしごき、尿道ごと潰すようにしながら、刺激を送る。
びくりとした痙攣が弥子の全身を覆い、下腹部に力が込められた。ヒクつく内部を引き裂くように
押し進み、ネウロは弥子の子宮口に先端を押し当てる。全体を揉み搾るような膣内の動きに笑みを
浮かべながら、ネウロはぐっと歯を食い縛った。同時に緊張した睾丸と膨らんだペニスの感覚に、
弥子はがくがくと頭を振る。
「あ、あ? やッやあ、ネウロ、あ、い、い、いくっ、ネウロ、ネウロぉ!! ダメ、だめ、やだ、あ!」
「ダメではないだろう? そうだな、我が輩にはいつも、貴様がそうして怯える理由は判らん――
圧倒的な感覚に押し流されるのが怖いか。ヤコ」
「ひぃ、ひんッおっきく、な、あ……あぁあああ! やだ、出て、やあ、イくぅ!」
「フハハ、中々そそる顔だぞ、弥子……ッく」
「あひ、ひぃいん!! あ、あぐっ、あつぅ、やっ……ぁあ、あんっ……ん……」
びゅるびゅると吐き出される射精に、弥子は苦悶と恍惚の入り混じったような顔を見せて絶頂に達した。
※
古来のギリシャで退屈に飽いた人々は食事の快楽を楽しみ続けるため、食っては鳥の羽を
喉に押し込み吐き出し、再び食事を摂る――と言う怠惰を行っていたらしい。彼らにとっての食事は
本能ではなく道楽であり、喉を通る快感を楽しむためのものだったのだろう。そんなことを
思い出しながら、ネウロはソファーに深く腰掛けていた。
少し気を飛ばしてから回復した弥子は、ぷりぷりと怒りながら給湯室で身体を拭いている。
テーブルには一口ずつ残された皿が並べられたままになっていた。ふと気まぐれに、
ネウロはその一つに手を伸ばす。赤いケチャップにべっとりと覆われた黄色は、オムレツだった。
口に含んで、咀嚼し、嚥下する。
やはり味は判らないし、空腹は満たされない。
それでも、『弥子の作ったものを食った』という認識は、少しの幸福感をネウロにも与える。
「食って幸せな気分になるのが食事なら、あながちこれも間違ってはいないか。
我が輩にとっては食料ではないから、食事とはまた違うのかもしれんが、まあ悪くない」
『ネウロさん』
「ム、なんだアカネよ」
『もしかして、嫉妬してました?』
「フハハ。その聡さの一割でもあのウジムシにあれば、ナメクジに引き上げてやっても良いのだがな」
「人が居ないと思って何の話よ!? って言うかスカートのシミ取れねぇーッ!」
「何、貴様が我が輩の謎解きでエクスタシーを感じることが出来れば良いなと世間話をしていただけだ」
「無茶言うなよ!!」
叫びながら、弥子は思う。
事件を通して自分が様々なことを学ぶように、ネウロも人間に混じった生活の中で
何かを感じられれば良いのに。
例えばもっと、幸せな心地とか。
終わり
ウッヒョ〜〜〜
甘いし堪能した!ゴッドジョブ!!
む
この文体はファンの嘆きコメを超絶スルーして
淡々とブログ更新を続けている件のお騒がせ神か
なんだか凄すぎて上手く言葉が出てこないんだぜ!
とにかくGJ!!!!
>>546 やっぱりそうなんかな
いつものようにネウロ視点でもヤコ視点でもないから正直悩んだんだが
まあまあ、そんな事はさておきだよな。激萌えた!
スゲェ神にGJ!!!!!!!!!!!!!!!!
>>546 オレも同じことオモタ。
神としてはGJ!
GJ!
ネウロいつも「主食は謎」って言っているが、なら副食もあるんだろうか・・・?
う〜〜ん、上手くはいえんがなんか、あの神とは違う気がする。
文体で判別などのスキルがないんで、ただの直感に近いが。
なんか、こう、地の文というか、視点が時々ふらつくというか、なんというか・・・・・・。
〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・っ!無理だ説明ができん。あ、あとあれだ、喘ぎ声が違うような・・・?
すまん、本当にただの感覚的なものなんだ。あまり気にせんでくれ。
まぁ、あの神は投下したものはちゃんと保管するから、そのうち分かるんじゃないか?
誰だったにしろ文の出来という結果は変わりない。とにかくGJだった!!
ところで、連投の判断基準ってどんなもんなんだろう?
どうも最近投下しようとすると神降臨なんで、見合わせてるんだが・・・。
何か?ただでさえできた時期が時流遅れだったから、もう投下すんなという天からの啓示か?!orz
You、投下しちゃいなよ!時期外れなネタでも気にすんなよ!
まあパターンが一緒だからいつもの人でしょう
最近は影響受けてる職人さんもいるからややこしいけど
どっちでもいいぞ!良い作品が読めるなら!
>>550 待ってるぞ!
ここで職人を特定したり詮索したりは野暮じゃないか?
作品が神であればそれでいい
という訳で
>>538GJ! 甘切なくて萌えた
連投って、一人で作品を何本も連続投下するのがまずい訳で
そうでなければ好きに投下して良いのでは。
裸にカーディガンいっちょで待ってます!
文章技術に文句付けたり、中の人を詮索したりせず、
ロムは黙ってGJが粋ってもんだろう!
という訳で、神の皆様GJ!!!
何故ネウロに高クオリティ職人がこんだけ集まるのか教えてエロイ人
松井か!?松井がなんかそういう人を引きつけるのか!?
>>556 同じ事思った…!ナカーマ!松井も神達も皆GJ!!
558 :
550:2007/11/15(木) 01:04:26 ID:ECS+nsaT
>>553-554そ、そこまで期待されるようなものでも・・・。
そうか、連投ってのは、てっきり中の人にかかわらず連続投下することかと・・・。
説明アリガト!
あと、カーディガンはやめとけ!今日の現在地の最高気温は0度だった!!
というわけで、凍死者がでるまえに投下。
基本
>>455のシチュでヤコネウのちネウヤコ
1週間前に流れ去ったネタを使ってすまん・・・。
なんで今更かというと、チラ裏的語りになってしまうんだが・・・
確か1週間前の今ごろは読書週間ネタを書いてたはずなんだ
が、煮詰まってたところに
>>455-456を読んで萌えたんだ
が、が、神の速度と書いて正に神速の神
>>459が降臨されたんだ
で、もう先に書かれたことだし・・・と、スローペースになり、今にいたる・・・。
神々よ!オラに速筆を分けてくれ!!
思い切り伸びをすると、背もたれのしなりに合わせて、背骨が音をたてた。
パソコンの画面を見つづけたせいで重くなった瞼をゆっくり閉じ、首、肩とまわして凝りをほぐす。
叶絵のおかげで、実はHALから提示されたパスワードの見当は、あの施設からもらった資料でほとんどつていた。
でも、やっぱり不安は残るわけで、今は最後の詰めとして笛吹さんのところからこっそり借りてきた春川教授の
資料CD-ROMを確認していた。
ふと、ソファの上を見る。
そこでは、ネウロがまさに昏々と眠っていた。
「しっかし、よく寝てるよね〜」
そっとまわりこんで、つんつんとほっぺをつついてみる。起きない。
ここ三日、体力温存のためか私が事務所に来るときは殆ど眠りっぱなしだった。
そういえば、服もカリパクしたときのままだな。着替えくらいしなよ。
ぶにっ。ちょっと頬を摘んでみる。やっぱり起きない。ここまでされても起きないんだもん、相当だよね。
あ、この顔結構マヌケかも。でも、写メなんか撮ったらすぐ起きちゃいそうだな。そうなったら、こっちのマヌケ顔
メモリ一杯に撮られる未来が悲しいかな、容易に想像できる…。
「いつになったら起きるんだろうね?あかねちゃん」
あかねちゃんも「わからない」とでもいうように、ふよふよと揺れるだけだった。
「ねぇ、ネウロ。もう夕方だよ?出かけなくていいの?」
ひょっとしてこのままギリギリまで眠りつづけるつもりかな?でもどうやって起きるつもりなんだろ。
う〜ん、こいつの体内時計は目覚まし機能でもついてるとか…?
それはそれでありえそうだな…。
なんとはなしに、そのまま頬から指をすべらせ、その半開きのくちびるに触れてみる。結構やわらかいんだよね、コイツのくちびる。
……キス、してみたら、さすがに起きるかな?
そっと、顔を近づけてみる。そういえば、こんなに近くでマトモにネウロの顔見るのはじめてかも…。
いつもは、虐待とかでおちおち顔なんか見てる余裕ないし。キスのときだって向こうから唐突で、目をつぶっちゃうし。
ヘンなの。キスなんていつもしてるのに、なんかいつもよりドキドキする。吐息がかかるまで近づいたら、目を閉じ、
そのままそっと触れてみる。
やっぱり反応なし。
でも、なんだかいつもよりネウロのくちびるが暖かい気がする。回復と体力温存に力を回してるせいかな?新陳代謝が
上がってるとか?
その薄いくちびるを舌先でつついてみる。そのまま隙間から口内へ…。
「…んっ」
仰向けに寝ているせいかいつもより舌の位置が遠い。自然と奥へと誘い込まれる。探り当てた舌先同士をすり合わせる。
変なの。それだけなのに、なんか、ぞくぞくする。ネウロは感じないのかな?
そういえば、最近シテないなぁ。
この3日はお互いパスワード探しと休息ばっかりだったし、よくよく考えると、その前もあんまり激しいのは
ヤってなかったな。実はあの時から疲れが溜まってたのかな?
………あ。どうしよう…、なんか、シタくなってきちゃった…。
「はぁ…っ」
口を離して、ネウロをまじまじと見つめる。
どうしよう、当分起きそうにないし…。意識し出したら、余計に…。
体の奥がぞくぞくする。
それに、ネウロが起きたって向こうがその気にならなきゃ意味ないし…。
それに…。
それにこれが最後になるかもしれないし…。
本当に、この時私はどうしちゃってたんだろう…。
「んくっ、…ちゅっ、はむっ、あ、ぅん…」
耳に入ってくる水音がやりきれない。
そう思いつつもこの行為をとめることができない自分もどうかしてる。
冷静な部分ではそう思いつつも、ネウロの男根の先端で上あごを刺激すると、そんな考えはどこかに吹き飛ばされてしまう。
奉仕してるはずなのに、こっちまで感じてくる。
汚れるのがいやだったから、下は全部脱いでしまった。もちろん下着も。
でも、さすがに全裸になるのは気がひけたから、上は着たままだ。
でも、考えようによってはよりいっそうはしたないかも。そんな倒錯的な考えすら、いまは熱を煽りたてる。
飲み込みきれなかった涎が顎を伝う。
今日は替えの服もってきてないし、上も汚れちゃうのはやだな…。いっそ、上も脱いじゃおっか?
一度離して、先端を吸い、裏筋を舐め上げ、全体に甘噛みを。
もうそろそろいいよね?
改めて上の服も脱ぐ。
全裸になってネウロに近づく。そうっと…。変なの、こんなことしてるのに、起こしたくないのかな?
ネウロの準備はもうできた。私のほうはもう濡れているけど、まだ挿入するのは早い。でも、自分で解かすのは怖い。
軽く組まれていたネウロの右手を取り、皮手袋を外す。細いけど、男の人らしく骨ばった指。そして魔人らしくちょっと長めの爪。
それにゆっくりと丁寧に舌を這わす。爪の隙間から指の間まで満遍なく。ひと通り濡れたら、次は唾液を重ねて塗りつけるように。
気づけば、ネウロの手も私の手も涎でべとべとだった。
十分濡れたことを確認して、ネウロの右手をそっとわたしの脚の間に差し入れる。
敏感な部分に触れる異物感に、思わず一瞬体が強張る。それでも、中へ差し込む。まずは一本。
「…んっ、……はぁ、ん、ぁあっ、」
その感触に慣れるたびに指を増やしていく、いつもは、好き勝手に掻き回し蹂躙する指も静かなままだ。
それが物足りなくて、いつのまにか右腕にすがるように腰をふっていた。
「あ…、ねぅろぉ…、ぁっ、んっ、んっ、…っ」
純粋に胎内に質量があるというただそのことが気持ちいい。時折手首のあたりにクリトリスを押し付け、そのピリピリした感触に慄く。
でも、足りない。
「ねぇ…ねうろぉ、おきて、よぉ…」
いつもみたいにキスしてよ。抱きしめてよ。
ネウロの手を開放し、そのまま上へずり上がる。ソファの上に伸びをして、口を覆うようなキス。半開きの口を開かせ、口内を貪る。
歯茎をなぞって、歯列をなぞって、舌を無理やり絡めて…。
これじゃ、いつもと逆だよ。
でも、私だけが熱に溺れさせられるのは一緒。
思わず、右腕を挟んだままもじもじと太ももを擦り合わせる。やわらかい夏用のシャツの感触がきもちいい。
そのままでいると、どんどんしっとりと湿ってきてしまった。はやく洗わないと、白だから染みが目立っちゃう。
でも、もう着ない可能性のほうが高いよね。
心の中で自分に対する言い訳をし。キスを堪能しながら、しばらく私はその感触に酔いしれていた。
体内にずるりと入り込んでくる質量に、思わず悲鳴をあげた。いや、もう嬌声といったほうが正しいのかもしれない。
ずるずると粘膜をこすっていくその感触が気持ちいい。待ちわびていたその感触に、秘肉が喰らいつくように締め上げ、
どろどろと愛液を吐き出す。
どうにかペニスを含み、思わず息をつく。おずおずとした腰つきにかかってしまった時間と、自重のおかげでだいぶ深くまで
入れた気がするけど、それは確実に気のせいだ。だって、いつもネウロはこっちのことなんかお構いなしに、もっと奥まで入ってくる。
一番奥に当たって、「もう無理っ」って悲鳴をあげても、無理やり押し入ってきて、そのまま突き破るようにガンガン突き上げてきて・・・。
確かにアレは気持ちいいけど、反面かなり怖い。壊される恐怖感。あまりの凶暴さに体を壊されるかもという恐怖。さらにそれだけじゃなくて、
凶暴な快楽の奔流に飲み込まれ、理性も意識も何もかもどろどろに溶解され、そのまま心まで壊されるかもしれないという恐怖。
目の前の体にすがりつく。前を開けたシャツの隙間から手を差し込み、背に回して素肌同士をぴったり密着させる。
あったかいなー。かすかに聞こえる心拍が心を落ち着かせる。変なの、セックスしてるのに落ち着くなんて。
とろとろとしたその快楽にゆっくり目をつぶる。まるでこのまま眠ってしまえそうな心地よさだ。
そのままゆっくり腰をグラインドさせる。気持ちいい。
ピストン運動もいつもとは比べ物にならないくらいゆっくりと動く。待ちにまったデザートを味わうように、甘く甘くゆっくりと。
ネウロの体勢は今はソファに腰掛けている状態だ。上半身を起こして背もたれに寄りかからせるだけだったとはいえ、
男性の身体を一人で動かすのは結構な骨だった。でもその甲斐は十分にあった。なにより体全体で体温を感じれるのは
嬉しいし、気持ちがいい。少し顔を俯けさせてキスをする。持ち主には嚥下されずにこぼれてくる唾液をすべて飲み干す。
いつもの感覚すべてを引っこ抜かれるような激しいのも気持ちいいけど、こういうぬるま湯にたゆたうような
ゆったりとしたのも気持ちがいい。
ネウロの手を取り、胸に当てさせる。でも、当然ネウロは手を動かしてくれないから、自分から動いてみる。
濡れたままのその指の隙間にピンと立った乳首をこすりつけると、なんともいえない感覚がぴりぴりと駆け巡り、
膣を戦慄かせて子宮に蓄積される。
「っはぁ・・・、・・・ぁ」
こぼれてくる嬌声は、普段のような本能剥き出しの咆哮ではなく、熱い吐息。
そうか、いつもはネウロが私を味わうけど、今は私がネウロを味わってるんだ・・・。
いつもは騎乗位や座位の体勢でも「させられてる」んであって、「してる」んじゃない。主導権をもっているのは
常にネウロだから。
そうだよね、こんな生ぬるい行為あんたじゃ物足りないもんね。
でもね、女の子ってね、激しくされて、喘いで、よがって、カンジて、イッちゃうっていうのだけが快楽じゃないんだよ?
ただぎゅって抱きしめてもらうだけで十分ってこともあるんだよ?
「まっ、あんたにはわかんないだろ―けどねっ」
ぎゅっと抱きつく。ついでに中を思い切り締め付けると中のペニスがびくっと震えた。
自分の感じるところをそっとこすると、ぐちゅりという音とともに体液がこぼれだし、ネウロのカーゴパンツに染み込む。
いつもの自動的に汚れが消える魔界製の便利スーツじゃないから、すでに結合部付近はぐちゃぐちゃに濡れている。
その感触がなんだか新鮮で。時折ピストン運動をやめては、そのぬめりさえ帯びた布地に外陰部を擦り付けるように
腰を振る。どういうわけだか、思考はクリアなのに既に羞恥心はあまりなかった。こんなの、いつもならネウロに
さんざん焦らされた挙句失神2歩手前ぐらいまでいかないとやらないのに・・・。
ペニスの先端が子宮の入り口をなで上げるたび、勝手に身体がびくつく。そこがとても気持ちがいいのはわかってる
でも、今はそんなに強烈な刺激はいらない。
・・・・・・それよりなにより、自分でするには怖すぎる。
ネウロの胸に頭を預け、すりすりとすりよる。
もう少し。もう少しで届きそう・・・。
くるのはきっと、波打ち際で沸き起こる漣のような穏やかな絶頂。いつもとは比べ物にならないくらい
ささやかなものだけど、それはきっととても気持ちがいい。
抱きしめてくれる腕がないのがちょっとさびしいかな。なんて一瞬冷静になりつつも、湧き上がってくるそれを
迎えるため、そっと目を閉じて腕二本分の体温を紛らわせるように、ネウロにしがみついた。
「・・・?―――っい、ああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ふと腰に回った体温に訝しがるまもなく、突然膣内の凶器が最奥の壁に突き立てられた。
急激なオーバーロードによる強制絶頂。一瞬何が起こったのかわからないまま、声も出せず呆然とする。
にもかかわらず、体内の凶器はその痙攣する秘肉をねじ伏せるように律動をつづける。私が怖くて踏み越えれなかった
一線を軽々と飛び越え、膣壁を思うさま抉り、突き上げ、嬲って蹂躙する。
「いやっ!いたっぁ!・・・や、キツい、ぅく、強すぎっ!・・・・・・いやぁーーー!!」
思わず暴れだす私の身体を易々と拘束し、痛いくらいに抱きしめられる。まるで、一突きするごとに、電流が脳髄まで
駆け抜けるようだ。思考が遮られて、目の前がちかちかする。涙でよくみえない。開けっ放しの口から涎がこぼれる。
息が上手く吸えない、酸素が足りない。
「――ひぃぁぁ!や、やぁ・・・、きゃ!そ、そこはダメぇ!・・・・・・っひく、やあぁぁーーーー!!」
奥の奥までくわえ込まされ、そのままぐりぐりと内側を刺激されるともうだめ。頭を振って叫び声をあげる。もう、自分で
何を言っているのかわからない。
下肢に手を差し込まれ、クリトリスを摘み上げられるのと、中に何よりもあつい熱を流し込まれたのはほぼ同時だった・・・。
「――――・・・っ、んうっ!・・・ちゅ。・・・・・・・・・ぷはっ!はぁ、はぁ」
再びの絶頂に意識を手放そうとしたとき、崩れ落ちる身体を引き上げられ、唇をふさがれたかと思うと、
そのまま濃厚なディープキスをかまされた。
危うく酸欠で別の意味で意識が飛びそうになって、ようやく口を離される。
「な、な、な、な・・・!!!」
「何だ?とうとう言語機能まで失ったか?イトミミズが」
「ね、ね、ねねね・・・ネウロ!い、いつから、その・・・、お、起き・・・」
「意識があったかということか?それなら貴様が息せき切って事務所のドアを開けて、その勢いのまま
床にスライディングをしようとしたところからだが?」
「来た時からじゃん!始めっからじゃん!!!なに!?この3日間私がここにいるあいだ、ず〜〜〜っと、狸寝入りだったワケ!!?」
「失礼な。そもそもヒトの感覚というものはそのほとんどを視覚が占めているのだ。逆を言えば目を閉じ視覚情報を遮断する
だけでも脳に相当な休息を与えることができる。もっとも、貴様がさぼったり、我輩に害でもなそうとすれば、
すぐに仕置きをしようと思ってはいたがな。今回は貴様が随分と愉快なことを始めたのでな、面白いので
どこまでやるか見物していたのだが・・・・・」
ネウロのからかうような視線に自分の状態を思い出し、思わず両手で身体を隠す。いやいやいや、ということは、私は
起きてるネウロ相手にそれと知らず、あんなことや、こんなことを・・・。
顔に一気に血が上る。顔から火をふくとはまさにこのことだ。いや、もう顔どころか身体から火をふけるよ!人体発火現象だよ!!!
いまさらぶり返した羞恥心がこみ上げてくる。穴があったら入りたい。っていうか、すでに入れられてるけど。
じゃなくて、死ねる!今なら確実に恥ずかしさで死ねる!!
「ふむ、生物は生命の危機に直面したとき種を残そうと本能的に生殖欲が高まると聞いたことがあるが」
抱きしめられ、耳元で蜜を流し込むように囁かれる。
「貴様もそうなのか?ヤコ」
わざとらしく右腕をもちあげ、目線は私を捕らえたままいまだ湿ったままの肘部の染みに口をつける。見せつけるように
そこを食み、ちぅと吸い上げる。
「あっ・・・」
その行為に思わずネウロを咥え込んだままだったそこが反応する。
それをダイレクトに感じたネウロはククっと喉で笑った。
「まったく、人の腕にすがり付いて腰を振って・・・。とうとう先祖返りでも始まったのか、ミンミンゼミが。
おお、そういえば、人間のメスは登り棒という遊具でさえエクスタシーを感じれるそうだな。どうやらそれは正しかった
ようだな、今度改めて貴様で試してみるのもいいかもしれん。どうだ、弥子?」
羞恥のあまり何も言い返せない私をあざけるように笑ってから、今度は未だ濡れぼそったまま指先に舌を這わせる。
ピチャピチャという水音が聞こえるたびに、私は体を小さくさせる他ない。だというのに、私の膣壁はそれに反して、
ギチュギチュとネウロに絡みつく。自分の体の浅ましさに涙が滲んでくる。
「ところで、さっきは何が我輩には『わかんないだろーけどねっ』なのだ?少なくとも、貴様のカラダについては、貴様以上に熟知
していると自負しているのだが?」
言えるか、バカッ!
だんまりを決め込んでいると、ふん、という馬鹿にしたような声が聞こえた。
「きゃぁ!」
「貴様の子宮はまだ飲み足りないようだな」
突然、私の下腹部に手を伸ばしたかと思うと出し抜けに掴んできた。
「まったく、貴様は上の腹だけでなく下の胎まで食い意地が張っているのか。我輩の性器を搾り出すように絡み付いてくる・・・。
それとも、これも本能故か?」
最後に独白のような呟きをこぼしたかと思うと、次の瞬間私をソファに押し倒した。
「ここしばらく構ってやらなかったからな。出立までの間貴様の相手をしてやる」
「いえいえいえいえいえ!結構です!!そ、それにさ、ほらネウロも準備万端に身体を休めないと!!」
「なに、この3日十分休んだおかげで、鈍っているくらいだ。ウォーミングアップには丁度いい。それに、貴様が欲求不満が
原因でパスワードを打ち損じても困るしな」
「そんな理由で打ち損じるか!むしろ疲労困憊で打ち損じる!!!」
「なに、安心しろ。決戦の前だ加減はする」
いや、その割にはなんでそんなにどS全開な笑顔なんですか?!
「よろこべ、晴れてHALの謎を喰ったら本格的に貴様の性欲を処理してやろう」
「むしろあんたが自分の性欲処理する気まんまんじゃん!!」
「ふむ、とりあえず今のところは子宮一杯程度注ぎ込んでおけば問題はないか」
「『ふむ』じゃねぇ!大有りだっ!!!」
思わず涙目で絶叫する。
が、続くさまざまはツッコミは魔人の無邪気に邪悪な笑顔により、喉の奥に押し込まれる。
「貴様のカラダについては基礎体温から排卵周期まで貴様以上に熟知してるというのに、わからん所があるというのは
これから最終戦に赴くまえの心理状態としては、まことに不愉快だ。さあ!『わかんないだろーけどねっ』の内容を
仔細漏らさず教えていただきましょうか、先生v?」
「―――い、い、い・・・」
いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
ちなみに数日後、ネウロが勝手に人んちの洗濯物にあのカリパクした服を放り込んでいったのが判明した。
しかもご丁寧なことに、お母さんが出張から帰ってきた翌日の洗濯籠にだ。
夕方私の洗濯物と一緒にごく自然に畳まれているのを目にして、軽く引きこもりたくなった。
さらには夕飯にお母さんお手製のマジにまっかな赤飯(恐らく油絵の具使用)を出されたときにはいろんな意味で首を括りたくなった。
ところでお母さん、なんでお父さんの未使用服一式(下着込み)が私の箪笥の中に仕舞ってあるんですか?
なんで男物の歯ブラシの買い置きが増えてんですか?!なんで、バスタオルのストックが一人分増えてんの!!?
お願いっ!こんな親心いらないからっ!!!!!!
以上。
お目汚し失礼しました。
むしろ、いろんな意味で内容がふらついてんのは自分だ。
毎度微妙に時事ネタには遅刻気味だが、次のイベントネタには乗れるといいな・・・。
神の皆様お疲れsummer
いっそもうクリスマスネタや姫はじめネタを考えてみてはどうだろう保守
ヤコネウヤコ!!GJ!!朝からすっかり元気やら萌やらもらった!!
クリスマスにはケーキプレ(ry
これは良いヤコ攻め
GJ!!
では姫はじめは着付け紐での拘束(ry
今回ネウロ本人が出てなくて寂しかったので、こんなの書いてみた。
それにしてもよくこんな物を造ったものだと、目の前のダンボールハウスを見上げて思う。
「なんだか……お父さんに見せてあげたかったなぁ……」
「ん? 父親がどうかしたか?」
思わず呟いた声はおじさんに聞こえていたらしい。
「あ、私のお父さん建築士だったから…もしこのダンボールハウス見たらびっくりしただろう
なあって思って…」
「別に連れてくればいいじゃろ。私が相手をしてやるかはわからんが」
「…ううん、無理なんだ、もう……」
出来るならそうしたかったけど、それが無理だって事はよく分かってる。改めてお父さんが
もういない事を実感して、笑顔を浮かべようとしてもどうしても視線が下がってしまう。私の
そんな様子で気付いたのか、おじさんも少し視線を下げた。
「……そうか。哀しいものだな……」
一人で暮らすのにはさびしさを感じてない筈のおじさんの言葉はどこかさびしそうで、この
人も家族を亡くす痛みを知っているんだと思った。
そういえばこのおじさん、なんとなく話しやすいのはエリート意識のあるところなんかが
お父さんを思い出すからなのかもしれない。……似てるっていうならエリート意識が強いのは
春川教授の方が近い気がするけど、やっぱり頭のいい人には変わった人が多いのかな。そんな
事を考えてたら、おじさんがこっちを見ていた。
「おまえ、いつまでもこんな所にいないで帰ったらどうだ」
「え? でもまあ今日は仕事もないと思うし」
ネウロは多分謎の発生に備えて眠ってるから、今こんな所で話し込んでても連絡が来ないん
だろう。どうせ私一人じゃ仕事なんて出来やしないし。
「仕事? おまえみたいなガキが?」
そうか。おじさんは私の虚像を知らないから、こんなに話しやすいんだ。そんな簡単な事に
やっと気が付いた。そうなると不思議なもので、今度は私のこの状況を生み出した張本人、
そして本当の私を知っている相手でもあるネウロになんだか無性に会いたくなってくる。
「うん、ちょっと…。でもやっぱりそろそろ帰るね。魚、ごちそうさまでした!」
そして早く会いたいと息せき切って事務所に駆けつけた私を待っていたのは、寄り道をして
いた事に対してのネウロからの趣向を凝らした(卑猥な)お仕置きの数々だった……。
…なんか、スローライファーにるろ剣のオイボレや隈さんのイメージを重ねてるかもしれない。
>>568 GJ!! ネウロの卑猥なお仕置きも見てみたい。
このスレには吾ヤコ分が足りない。132話ネタがあるんでネタバレ注意。
「いざ、未知なる味覚へ!! ってことで吾代さん、よろしく〜」
「ちょ、待て、落ち着けって探偵ッ!」
混乱の渦中にいる吾代をよそに、弥子は手際よく彼のズボンの前をくつろげさせていった。
あれよあれよという間に下半身を剥かれる。
年下の女相手に本気で殴りかかるべきか、さすがの吾代も逡巡している隙をついて、
「じゃあ、いっただきまーす……」
ちゅっと小さく音を立て、弥子は赤黒い先端に口づけた。
尖らせた舌で尿道口をつつき、
「ここから出て来るんだよねー」
と感慨深げだが、吾代はそれどころではない。
弥子はソフトクリームを食べる要領で、唾液をいっぱいにまぶして舐め上げる。
陰茎に手を添えていない方の手でもって、弥子は、いそいそと服を脱いでいる。
ニットを捲り上げ、シャツをはだけた先には、水色のブラに包まれた小さな乳房があった。
背中に手を回してホックを外すと、胸の先も露わになる。吾代は生唾を飲んだ。
「あ、なんか出て来た!」
したり顔で舌なめずりをしながら、弥子。
「……ッせぇな…出てねぇよ」
「出てるって。ほら」
じんわり滲み出した先走りを指先で拭い、吾代に示す。
「ね?」
勝ち誇ったように笑い、再びそこに口をつけた。
やたらと座り心地の悪いイスが、吾代が身じろぐたびに軋む。
勝手に占拠した結果、いつの間にか『副社長室』と称されるに至った部屋。その天井を見やってから視線を落とすと、
金のショートヘアが股間に顔を埋めているのが目に入る。
「あー……現実だ」
「ぷはっ……何か言った?」
疲れたのか、弥子は一旦ペニスを口から離す。
濡れた唇と亀頭が、唾液の糸で繋がってぷつりと切れた。
「あまりに状況がオヤジ向けの官能小説くせぇから現実を再確認してンだよ! 何なんだよテメェはよー!」
「まあまあ、細かいことは気にしないでー」
微笑んだ弥子は、中途半端に引っかかっていた制服を脱ぎ捨てた。
プリーツスカートのホックも外し、そのまま床へ落とす。
ブラと揃いの水色のショーツだけを身に着けて、ふたたび吾代の脚の間に顔を置いた。
左手でペニスの根元を支え、右手は茎を大事そうに撫でさする。恐る恐るといったふうで、くすぐったい。
「こら、マジでもうやめろって……! っく」
吾代は、弥子の頭を掴んで引き離そうとした。が、
「む〜!」
弥子は上目に睨んで、口の中のものをより深く咥え込んだ。
いきなりペニス全体を包み込まれて、吾代はたじろぐ。
ぐちゅぐちゅと唾液が触れ合う音、弥子の荒い息。
「……ぷはぁ」
怒張した肉棒を、すっぽりとおさめているせいで呼吸がままならないのだろう。ときおり息継ぎのような大きな息を吐く。
息がしづらいせいか、弥子の頬が徐々に紅潮していく。
「んっ……っふ」
気づけば、小さな硬いものが吾代の足を擦っていた。それは弥子が頭を振るのと同じリズムで上下する。
「乳首立ってんぞ」
「らって…気持ひいいんらもんっ……」
頬を紅潮させ、時折咳込みながらもフェラチオをやめようとしない。
熱い粘膜で包み込まれるのもさることながら、喉の奥までのスロートが吾代の快感を煽った。
むずがゆいような射精の前兆を覚えつつ、足の先で弥子の脚を割る。
「んあ……!」
爪先がショーツにかすっただけで、彼女の身体は大きく跳ねた。
しっとりと濡れているそこを足先で軽く押してやる。
「んー、っ…んぅ」
クリトリスとおぼしき部分をつついてやると、鼻声が一段階高くなった。
「しゃぶりながら濡れたのかよ」
揶揄すると、弥子は真っ赤になって睨みつけた。
それからまるで照れ隠しのように大きく頭を動かし始めたので、吾代のからかいは止まざるを得ない。
亀頭だけ含んだかと思えば、ずうっと根元までくわえ込む。直後、怒張のすべてを口から離している。
ぬるぬるの狭い粘膜が性器に感じられる。
「あ、……」
唾液を一杯に溜めたなかで先端を吸われ、射精しているかのような錯覚に陥った。
だらだらと垂れ流されているのは先走りか、精液か。
喉の奥でぎゅっと締め付けられたあとに先端を執拗にねぶられ、今度こそ吾代は精を放った。
*
「おい、洗面所あっちだぞ」
うつむいている弥子にティッシュペーパーを差し出し、ぶっきらぼうに話しかける。
が、微動だにしない――口元はなにやらもごもごしているが――さまを見て、吾代は心配になった。
「大丈夫か!? 吐きたいなら吐け……って…」
顔を上げさせると、弥子は、とろんと蕩けた表情をしていた。
唇から垂れる白い糸をもったいなさそうに舐め取り、「……出会ったぁ…」と呟いた。
「この絶妙な甘辛さ……
残念ながら坦坦麺の味じゃなかったけど、なんだろうこの眼前に広がる中国・四川省のイメージ風景……!」
「……探偵…?」
「麻婆豆腐! 麻婆豆腐だよ! お豆腐は調理途中で崩れたって脳内補正かければ、無問題で麻婆豆腐」
「おい!? 何言ってんだよ!?」
「ってことで、吾代さん」
合っていなかった焦点を取り戻し、弥子はにんまりと微笑んだ。
「さらなるご協力おねがい! 私の坦坦麺の代わりだと思って」
「何言ってるかわかんねぇよ!! ってかソープじゃねーんだからせっかくなら本番させろやァ!!」
「いやだなー吾代さん。そんなことしたら私の麻婆豆腐が味わえなくなっちゃうじゃん」
吾代の陰茎の根元に手を添え、弥子は残酷な宣告をする。
「贅沢は言わないから、せめてお腹八分目ぐらいまでは満足させてね」
何だかよく解らないが、今、自分の命が風前の灯だということだけ、吾代は理解したのだった。
【終】---------------------------
番号ミスってすまんかった。
それにしても「あ出会った」のヤコは惚れる。
>>569 神それ吾ヤコやないヤコ吾や!w
ツッコミはさておきギャグエロに癒されたw
とんでもないセンスの神にGJ!!!!!!
出会った!出会った!!二枚舌がエロパロ向けだったとは…!GJ!!!!
>>559 うおおおおおお!待っててよかったあ!!これはいい弥子攻めGJ!!!!
女子から寝込み襲いなんてエロすぎるぜ!!!
>>568 GJ!!!個人的にネウロのお仕置きが気になるんだぜ…ハアハア
…あのおじさん、刹那父だといいなと思ってる俺がいる。
>>569 吾ヤコ!久しぶりの吾ヤコじゃねえかあああああ!GJGJ!!!
最近、少ないから嬉しいぜ。萌えたよ。ありがとう!
そして、オチに吹いたぜwwwww
もうこのスレ大好きだ!
久々の吾弥子GJ!
吾代が精的な意味で食い尽くされそうだw
ネウヤコのかなりディープにスレイブとマスター(SM)なSSをば…
陵辱っぽいの苦手なヒトはスルーよろ
静かな静かな暗闇に、縄の軋む音と毀れる唾液の微かな光だけが在る。
我輩はこの女に何度も酷い目を見せてきた。今回もそうだ。いや、果たしてそ
うだろうか。今回は違う。これは虐待ではない。これは、陵辱。
貴様にはわからなかったろう。己が縛り上げられるその過程が。認識すること
なく今そうして在るこの事態が。抗う術もなく捕らえられる絶対的弱者。そして
我輩は貴様をこうした犯人である。謎も何もない。ただ我輩が貴様を縛ったとい
う真実だけが在る。
「弥子よ。我輩は貴様を愛しているのだ。」
悩ましげに言ってみせる。弥子は自由にならない体を捩り縄を軋ませボールギャ
グを噛まされた口の奥で呻く。信じないわ。下ろして。離して。そこで我輩は唇
だけで話し掛ける。"弥子"。言葉にならない声を上げていた弥子は静かに我輩を
見つめる。怯えたような目。
「我輩は貴様を愛しているのだ。」
それは先ほどと同じものなのに、弥子は黙り込む。そうして声もなく言葉を発す
る。首を上下に"うん"。と。それだけで我輩は今まで味わったこともない心地を
味わう。謎ではない。怒りではない。悲しみもでもない。我輩はおおよそ自分が
経験した乏しい感情を列挙して挙句悟った。これは心。心と、そして愛。経験し
たことがあるわけではない。だが人間界にきて暫く経っての憶測である。そこで
我輩はその感情を愛と名づけるのもそこそこに弥子に歩み寄る。こんなもの、こ
れからいくらでも味わえるだろう。弥子の存在がそれを思わせるのだ。
「弥子よ。」
我輩は繰り返す。中途半端に肌蹴させた制服。吊られ開かされた足。欲情を煽る
ような器官は悉く晒されているが、未だそのどれにも触れてなど居ない。そこで
我輩はそこを観察する。別段ヒトの雌の体が珍しいわけでもない。弥子のその場
所を目の当たりにするのが初めてだっただけであって、既成の知識と目の前の現
実とを見比べて確認しているようなものだ。
だが弥子は無駄であるのに恥じらい、無理であるのに隠そうとする。その様を
あざ笑うように弥子と目を合わせ、ゆっくりとそこに手を伸ばす。皮手袋などし
ない。直に触れなくては味わえるはずがない。
「ん、んふっ!」
まだ触れていないというのに、弥子は無粋にも声を上げた。我輩はため息交じり
にその声を塞き止めていた球体を外してやる。あまりにも簡単に地に伏すその物
体と同じように弥子は項垂れる。項垂れて、それから我輩を睨みつける。
「やだよ……ネウロ、どうして?」
目には涙。我輩はその涙を貴重な液体であるかのように掬い取り、笑う。
「貴様にはわからぬだろう。我輩にニンゲンの心というものが理解できぬように
。」
その涙を口元に持っていき、丁寧に舐め取った。少し、……いや、この味を我輩
はなんと表現しよう。まるで弥子の感情が流れているようだ。成る程、ヒトは単
に涙を流すのではなく感情を流すのか。ならば。
「貴様の愛液はどんな味がするのだろうな?」
そう言って無造作に指をそこにうずめる。触れてもいないのに潤っていたそこは
ほんの少しだけきつかったが抵抗もなく入っていく。
「あ、ああ……」
弥子の感嘆の声はこのときしか聞けない類のものがある。それは深く、哀しげで
いて甘い。我輩はこの声が好きだ。耳の奥にくすぐったいこの音をもっと聞きた
い。その思いから指を思うさま動かす。至高のその声は、弥子の愛液と同じよう
に溢れ出てくる。非常に興味深い。
「んっう、んぅ…!」
「よく見ていろ。」
言葉通り見せつけるように指を引き抜き弥子の前にかざす。そうしてその指をわ
ざと妖艶に舐めてみせる。弥子は何か言いたげに口を開いたが音は出てこない。
代わりに表情が語る。羞恥を。
「我輩は貴様を愛している。そして貴様の体も我輩を受け入れようとしている。
……残るは貴様だけだぞ、弥子。」
理解した。心というものを。たった今しがた屈服しようとしているのが体だけと
言うのなら、残るのはとどのつまり心だ。そしてそれも我輩が今から喰らう。謎
よりも簡単だが美味だ。カロリーは知らぬ。だが美味なのだ。心は嗜好品と言え
よう。
弥子の前に立つと弥子は苦しそうに口を開いた。
「ネウロ、ネウロ……。お願い、お願いだから……。」
「何がお願いなのだ。待て。当ててやろう。貴様が欲しているのはこれではない
か?」
徐にそれを取り出す。弥子はそれを目の当たりにして取り乱したがなんというこ
とはない。この女は動けないのだ。やはりゆっくりとそれを宛がい埋めていくと
弥子はまた感嘆の甘い声を漏らす。
「嫌よ…あ、あぁぁ……!」
嫌というのが多少気になるがこれは慶んでいるということは先刻承知だ。無論問
題なく腰を進める。
ズ
ズ
ズ
ズ
そのたびに縄は軋み、愛液は滴り、そして弥子は喘ぐ。
「あっあっ、ネ、ウロぉっああっん…」
そのとき唐突に悟った。何故しきりに弥子は我輩の名を呼ぶのか。心とは、ひ
いては愛とは……。その答えを我輩は初めての口付けに託して弥子の中で果てた
。
「ネウロっ……!」
それはどの弥子の声よりも美しく甘く我輩の中に響いた。
ネウロはいろいろと順番かっ飛ばしてそうだなと思って書いた。今は反省している。
だから縛ったりつるしたり犯したりいろいろとしてるけどキスはこの時が初めて、
みたいな。
お目汚し失礼しました!
これはなんて甘い凌辱・・・・GJ!!
GJ
だが弥子は〜よとか〜だわとか言わない
そこが気になった
まぁ個人の頭の中で再構築された二次なわけだしある程度はいいんでない?
というわけでGJっした!
細かいとこはまぁ脳内補修しょ
非常にGJですた!
葛西のうさんくささに激しく燃えた
しかしあいつ相手いねーのな
アイさんでも血族のおねーさんでもいいから誰かきぼん
以前にあった葛西×アイは萌えた
おうちの中に連れ込まれてるじゃないか、弥子ォーッ!
今週号をさっき読み返してたんだけど
最後から2ページ目の弥子って新しい血族を通してみたら
透けてね?
ちょwwwwwwwwwwwおまwwwwwwwww
もう一回見てくる
弥子の横乳解禁!
こ、これは…なんというエロス!
腰のラインがけしからん!誠にけしからんッ!!
一瞬新しい血族×ヤコフラグに見えるページだった。(某一名イビルジャイアンの奴が黙っていないだろうが)
いい夫婦当日あげ
笹ヤコ書きたいが良いネタが思い浮かばん…
皆さん方の知恵をお貸し下されwwww
もういっそ夫婦な笹ヤコでどうでしょ
いい夫婦の日ネタっぽいネウヤコ投下
「ッ、くふ、んっ」
口の中に突っ込んだのは黒い革の手袋。息苦しそうにしながらもそれを吐き出すことが叶わないのは、
絶えず与えられる刺激で反射的にその歯を食い縛ってしまうためだろう。荒い鼻息を鳴らしながら
弥子は顎の力を抜こうと努めるが、我が輩が指をほんの少しの角度動かしただけでその腐心は
ぱちんと泡玉のように儚く弾ける。上気した頬と零れる唾液、制服のスカートの奥からもだらだらと
分泌液が零れる。膝を折って布地を捲り上げ、覗き込めば、両足の間は薄紅色が露出してて
らてらと光っていた。片足を抱え上げてやると身体のバランスが崩れて、天井から下がった
縄がギシリと鳴る。繋がれた手がびくりと痙攣した。筋でも伸びたのだろうか、まあいい。構わない。
指で押し広げるように開いたヴァギナは、すでに潤みきっていた。粘液を奥から零し続ける淫靡な穴は
ひくひくと不随意に喘ぎ、空気を呑むように奥処の襞を見せる。口唇を唾液でたっぷりと濡らし、
口付けてやると、弥子の身体はびくりと仰け反った。ソックスに包まれた爪先までがぴんと伸びて、
張られた弦のようになる。長い舌を捻じ込んでやれば、それが引き絞られるようにわなないた。
きりきりと、きりきりと。
酸い匂いを発する愛液を、じゅるじゅると音を立てながら吸い込む。生温い体温が口唇を覆い、
垂れた露が顎を伝って首まで落ちた。煩わしさにスカーフを外し、上着も脱いで床に放る。
そうしてから弥子の大腿を掴んで、さらに脚を広げさせた。指の痕と鬱血痕がいくつも出来ている
白く柔らかな肌は、思い出したように痙攣しては脚を閉じようとか弱い抵抗を見せる。
それを押さえ込みながら、もう一度舌を伸ばす。
刺激と反応の関係は単純なもので、だからこそ簡単に押さえ込むことは出来ない。脊髄までしか
届かない触覚の愛撫は脳髄の介入を許さず、弥子の細い身体を蝕むように染めていく。
わざと音を立てて吸い付き、聴覚を。粘つく愛液を指に絡め、見せ付けることで視覚を。
「中々可愛らしいぞ。ヤコ」
気まぐれに囁くことで、精神を。
涙目になりながらも弥子はびくりと肩を竦め、頬をより赤く染める。
食い縛られた歯の力は抜けず、口を塞ぐ手袋も落ちては来ない。
「自縄自縛と言ったか、こういったものは――確かに手袋をその口に突っ込んだのは我が輩だが、
吐き出さずむしろしがみ付くように噛み締めているのは貴様の方なのだからな。自ら呼吸を遮り声を
くぐもらすとは、こちらを煽っているのか? 漏れ出る呼吸の艶かしさなど、自分では判らないか……くくく」
「っくふ、んっ、んぁ、……ぐぅう!!」
「しかし抵抗の言葉すらないと言うのは中々に味気ないものだな。押し殺された呻きでは色気に欠ける。
やはり外してやろうか」
身体を伸ばし、かぷりと耳朶を噛みながら膝で性器を乱暴に押し広げ、
弥子の口から垂れた手袋の指を軽く引っ張る。
「止めだ」
「くっん、んぐ!!」
「食い縛る力が無くなるまで、続けてやろう」
潤んだ目に宿る怒りの色を感じながら、我が輩はまた膝を曲げる。押し広げた性器を嬲るように
舐めまわしながら、だがけっしてその最奥には触れない。充血しきったクリトリスも同様に、
敏感な部分には積極的な愛撫を与えず放っておく。
内部をうごめく舌に腰をくねらせながら、弥子はがくがくと顎を揺らして目を閉じた。
※
「ヤコ、このつがい共は何をしている?」
課題の息抜きにと弥子が点けたテレビの中、仲睦まじそうな人間の男女の姿に、我が輩は指をさして
訊ねた。点けただけで目もくれずに来客用の茶菓子に手を伸ばしていた弥子は、へ、と間抜けな声を
漏らしながらその視線をあげる。確認してから『ああ』と頷いて何でもなさそうに煎餅の袋を破き、
ぺきりと一口取り敢えずは食料を補給して。
「ご飯の食べさせ合いっこだよ、仲の良いカップルとかがやるの。『はい、あーん』とか言ってさ。
この二人、芸能界ではおしどり夫婦って有名だし……ほら、ステーキ食べてるでしょ。
うわ美味しそう、どこのレストランだろこれ」
「む。不可解だな、食事がスムーズに進むわけでもないのに、何故手間を掛けてそんなことをする?
雛に餌を与えるわけでもなければ、傷病者でもなしに」
「デリカシーもないけどロマンもないよねあんたは」
至極当然の疑問を口にしただけだったのだが、奴隷は肩を竦めて呆れたような声になる。
机の引き出し(フライデー待機場所、二十匹常駐)を抜いて投げ付ける素振りを見せれば、
慌てた様子でぶんぶんと頭を横に振った。そうしながらも煎餅を食い続けるのは止めないとは、
なんと意地汚い娘なのか。この便所雑巾にデリカシーを説かれるのは屈辱だ。中のフライデーだけを
ブンッと投げ付けると、何か目玉まみれの新しい生物と化した弥子が、ひっくり返ってソファーから落ちる。
「次は引き出しの番だ」
「いっ、ちょ、タンマ流石にそれは痛い! だからさ、えーっと、ご飯食べるって結構大事な事でしょ!?」
「否定はせん。魔界生物である我が輩にとっても貴様ら人間にとっても共通する数少ない事象だからな」
「納得したところで振り上げた引き出しを戻して。その、大事な食事を相手に任せることで、親愛の情を
示してるって言うか……よく考えたことないけど、世話を焼くことで愛情の度合を見せてるんじゃないかな」
「ふむ。本能に刷り込まれているはずの食事行動をわざわざ手伝うことで、か」
「そうそう」
「ならばヤコよ、我が輩達もその『おしどり夫婦』とやらなのか?」
ぽかん、と弥子は呆けた顔をする。身体に貼り付けたフライデー越しにもそれを見ながら
にっこりと笑ってやるが、弥子はどこまでも不可解そうに首を傾げるばかりだ。
「なんでそう……なるの?」
「食事を手伝うという行為が親愛の情を示すものならば、我が輩と貴様の関係は互いに親愛の情を
示しあう、つまりはつがいとして成立しているということになるだろう」
「百歩譲って私があんたの食事を手伝ってるって言うベクトルは成立してると言って良いけど、
あんたがいつ私の食事を手伝ってくれたわけよ」
「何を言うんです先生、毎夜毎夜あんなに激しいお食事のため、僕は身を粉にして先生に献身的な
ご奉仕をしているではありませんか!」
「そりゃあんたが勝手にやってるだけじゃああぁあ!! っあぷ」
フライデーを吹っ飛ばす勢いで腕を振り上げ怒号する弥子の口を、むんずと掴む。
トロイからソファーまでの短い距離程度、この娘の眼を盗んで移動するのに一瞬も掛からない。
ソファーの背凭れに膝を曲げて座り、床にへたっている弥子の身体を宙吊りにした。ほがもが、
顎を押さえつけられて言葉を発せない口に、脱いだ手袋を突っ込んでしまう。
むぐっと喉を詰まらせた弥子が噎せている間に、先日から吊るしっぱなしのロープでその腕を
縛り付けた。全体重が掛かったとしても千切れる心配がない程度には丈夫なロープを、固く結んでやる。
手袋を吐き出そうとする口元に、反対側のもう一枚も突っ込んだ。顔を真っ赤にして逃げる、
その顎を掴んで、にっこりと見下ろす。
「欲しがっていない、とは言わせんぞヤコよ。そう生意気なことを言われては我が輩、
貴様が泣き喚くほどに餓えるまで苛めたくなってしまう」
「ぐ、む、んっんん!?」
「今朝ニュースで聞いたところによると、十一月二十二日と言うのは『良い夫婦の日』らしいな。
我が輩達もおしどり夫婦となるため、今日はたっぷりと貴様を教育してやろう」
ちょい、と指先で、我が輩は弥子の鼻を撫でた。
「まずは食べさせ合いっこだ☆」
「む、むぐぁあああ――――ッ!!」
「フハハハ、何も聞こえんな。では下ごしらえを始めるとしよう」
引き裂いて落とした下着がカピバラ柄であったことに、ひっそりと我が輩は
己の中のギアをトップに引き上げた。
※
大体そんなやり取りがあったのは何時間前だったか。最初は必死に手足を動かして抵抗していた
弥子だったが、時間が経つにつれて気力と体力が消耗したのか、今はただ天井からぶら下がって
与えられる快感を享受するばかりとなっていた。口に突っ込んだ手袋がまだ落ちないところを見ると、
歯を食い縛るだけの力は残っているのだろう。まだ足りないかと、指で性器の襞を引っ張る。
ぬめる粘膜に口唇を押し付けるようにしながら、舌でクリトリスの裏側を押し上げる。
「っくぷ……っぱ、ぁ……ッ」
零れた唾液が髪に落ちてくる感覚に視線を上げれば、弥子は身体を屈めるようにしせめて
腰を引こうとしている様子だった。健気な抵抗が嗜虐心をそそり、ぞくぞくと昂揚感が背筋を昇る。
手を腰の裏に回し、尻の肉を掴んで掻き分けるようにすると、アヌスが晒された。皮膚が引き伸ばされる
感覚に弥子は小さく眉根を寄せ、それから気付いたように、ふるふると首を振る。やはりまだ余力が
あるのだろう。もう少し、消耗させておかなければならない。丁寧に唾液で濡らした指を一本、
肛虐のために突き入れる。
抵抗するような締め付けは一拍遅れに指を揉み絞ったが、長続きはしなかった。生温い刺激を続け、
絶頂に近付けては引き剥がすような行為を続けていれば、下半身には力が篭らなくなってくるのだろう。
異物を押し出そうとする力は弱く、蹂躙は容易い。広げるように掻き混ぜると、手前の部分が膣の裏に
当たった。舌先に感じた刺激に、挟むような刺激を両方から与えてやる。弥子は諤々と顎を揺らして、
掠れた喘ぎを零した。
指の腹で腸壁を撫で擦りながら、舌先で膣の襞を突く。薄紅色の肉穴は既に広がりきって、収縮する
力もない。生温い愛液がぽたぽたと床に落ちる音を聞きながら、ゆっくりと、けっして激しくはせずに、
指を繰る。
後ろに指をもう一本捻じ込むと同時に、ぱさりと顔に何かが落ちた。
見ればそれは、弥子の口に捻じ込んでいた手袋だった。
だらりと唾液が込み上げる。
後ろから指を引き抜き、膝を伸ばして立ち上がり、我が輩は弥子の顎を捉える。
既に力のない口元は、ただ解放を求めてかたかたと歯を鳴らすばかり。
「どうしたヤコ、貴様が口に入れたものを吐き出すとは」
「ひ……ぅや、ふぁぅう……」
「餓えに言葉もないか。――終わらせたいか、ヤコよ。生温く連続する止め処ない快楽を、断ち切りたいか」
虚ろな目元が揺らめくように緩慢な様子で我が輩を見上げる。こくりと鳴らされる喉の様子に
肯定を見て取り、歯を見せて笑う。込み上げる唾液が零れ出し、顎にまで滴った。
弥子はひゅぅひゅぅと喉を鳴らして、か細い呼吸を繰り返す。
「『食いたい』と思うのならば、目を閉じろ。我が輩が手ずから貴様に餌をくれてやる」
肌に直接囁くように告げれば、弥子は視線を逃がして数瞬逡巡したようだった。
しかしその瞼はすぐ、諦めるように閉じられる。
無防備そうな表情に、欲情が加速する。脳から来る快楽で、生殖器が勃起した。
細い脚を抱え上げて腰を引き寄せる。貫く寸前で、色の薄い口唇に軽くキスをしてやった。
それからにっこりと笑って、囁く。
「ほら。あーん」
ぽかんとして眼を開きかけた弥子は、衝撃にやはりそれをきゅぅっ閉じた。
「っあ、あぁああー……っんん!!」
「フハハ、慣らし過ぎたか、なんとも締め付けが緩いな……悪くはないぞ、ヤコ。
包まれて味わわれてでもいるようだ。貴様もゆっくり楽しめるだろう」
「や……ぁ、も、やぁっ……」
「堪え性の無いことを言うな。我が輩も味わいたいのだ、貴様をな」
ねっとりとした内部の感触が、陰茎を包み込むようにきゅぅきゅぅと締め付ける。腕のロープを
片方切ってやると、痺れて動かせないのか、だらりと肩から垂れ下がった。それを取って首に
引っ掛けさせ、閉じた瞼や鼻先、口唇に啄ばむような口付けを繰り返す。半開きになっていた口元が
きゅっと閉じられ、喉が唾液を嚥下した。正気を僅かに取り戻した眼が開かれると、そこには
我が輩が写り込んでいる。
「……食べさせ、合いっこだから?」
「そうだ。こちらばかりががっついていると思われるのは好かん。等しく貴様も求めていると
思い知っただろう? だから貴様も、我が輩に差し出すが良い」
「ぁっ、ん、カラダ、を?」
「心も、身体も、脳髄まで」
弥子は非難がましい視線で我が輩を睨み、それからかぷりと鼻先に噛み付いてきた。甘噛みの刺激に
性器が反応し膨張する。脳髄に意味が届くよりも早いそれに、己も結局はこの少女と同じ地平の
生物でしかないのかと、認識が走った。このゴミムシと同じか。悪くもないが。
もう片方の手も解放してやり、ぐったりと疲れ果てた身体を抱いて支える。壁際に腰を下ろし、
なるべく負担が掛からないように腰に乗せて背中を抱いた。力のない肢体をゆるく動かして、
刺激を重ねながら性感を高めていく。互いに貪りあうように。
固くしこった子宮口を突き上げると、弥子の身体がびくりと跳ねた。ブラウスをたくし上げて浮いた
肋骨を軽くなぞり、ブラの下に指を捻じ込んでささやかな乳房を愛撫する。いつの間にか涙を流すのを
止めた弥子は小さく、だが精一杯に腰を揺らす。いじらしくもいじましい、その様子にやはり唾液が
込み上げて、さらに欲求が加速する。爪を立てて乳首を転がすと、ほぅっと篭った吐息が漏らされた。
動くようになったらしい腕が、我が輩の上着に縋る。
「ッ謎、以外なんか、食べらんない……くせに、ぃ」
「物理的な満足感と精神的な多幸感の要因は必ずしもイクォールで結ばれるものではないからな。
貴様を貪るのは後者故だ、問題あるまい」
「どこまで、貪欲、っあぁん! っふひ、ご、ごりごりすんの、やめ……ッ!!」
「貴様には言われたくもない。結局は、互いに満足しているのだからな」
くっく、喉で笑いながら我が輩は弥子の頬を撫でる。
恍惚と笑みを浮かべる口唇をなぞれば、かぷりと指に噛み付いてくる。
いつもこうして悦ぶのだから、やはり貪られているのはこちらだろう。
食い合い、食わせ合い、つがいの行為。結局のところは過不足無く釣り合っている。
「ぁ、あ……ッネウロ、やば、ぁ、イくっ」
「ム、我が輩としてはもう少し楽しんでも良いのだがな……まあいい、つがいに合わせてやるのも良い夫婦とやらには必要な条件なのだろう」
「ふ、夫婦じゃ、ねぇッ! っくふ、んぁあ、もぉダメッ」
「ヤコ」
「ふえっ?」
眼を閉じて顔を寄せる。弥子は当たり前のように、口唇を重ねてきた。
「っひん、あ、あぅっ、ぁああんん!!」
まずは脳が絶頂に至り、身体が釣られて射精に至る。
「ッふ、零すなよ。ヤコ」
「無茶、ぁあ! っあ、あんっ、い、ぃい……ッ」
「ム、膣を緩めすぎたか? では今度から括約筋を信じてアナルに射精することに」
「マジで黙ってデリカシーなし雄……んっぅ、う」
力が抜けたように弥子は我が輩の胸に頭を預ける。それを受け止め髪を軽くなでてやると、弥子は
くすぐったそうにして眼を閉じた。このまま声を掛けずにいれば、恐らくは疲れのままに眠ってしまう
のだろう。まったく、満足そうな顔をして、腹いっぱいの子供と同じではないか。軽く息を吐いて、
我が輩は床に捨て置いていた上着を引き寄せ弥子に掛ける。
つがいと呼ぶには未だ稚い、それでも手放せない傍らの少女は、くすりとひとつ笑みを漏らしてから
寝息を零し始めた。
(…………)
(今日種を仕込めば、卵が産まれる頃にはこの娘も成熟しているものだろうか?)
(或いはそれを切っ掛けに夫婦関係をなしくずしながら認める結果にならないものか……)
くぁ、と欠伸を逃がして、取り敢えずは我が輩も目を閉じ睡眠をとることにした。
※
「ネウロ」
「なんだウジムシ」
「あーんして」
「あー」
「んちゅ」
「…………。」
「ちょっ離し、んっ、ぎゃああー!! そ、そういうつもりじゃないってばぁああ!!」
終わり。ラブの口移し。
おおおお!!いい夫婦GJ神!!
実はちょっと期待してた!期待通りの神作品で感激だ!!
うわぁぁっぁぁ!!神だ!エロだ!GJ!!
神の後では気が引けますが、せっかく書いたのでいい夫婦の日ネタ投下。
ネウヤコで妊娠ネタです。
元ネタは基本「家庭の医学」より。
SSというか、続き物小ネタの10連発です。
どうぞ、ご笑納ください。
――― 妊娠初期にはほとんどすべての女性が、タバコの匂いに敏感になったり、
食欲がなくなったり、胸がむかつく、普段はあまり食べないようなものが
食べたくなる、などの症状を経験するものです。
<弥子の場合>
「う〜〜ん、やっぱりご飯といったら白米だよね〜。この湧き上がる湯気!このにおい!早く炊けないかなぁ〜」
「・・・ちょっと、弥子、お釜抱き込んで待つのやめなよ。ヤケドするよ・・・?」
「先生〜、課題の料理が出来ました!!早く!桂木さんに食べられる前に、早く採点してくださいっ!」
「さすが叶絵!弥子にご飯係任せるなんて冴えてるね」
「やっぱりさ、もんじゃは鉄板一枚分作ってこそのものだよね」
「…そう思ってるのはあんただけだから。ていうか、一枚分どころか鉄板二枚分食べてたでしょ…って、今度は何?」
「いや〜デザートでも食べようかなって…、すみませ〜ん!アイス全種5個ずつおねがいしま〜す!」
「え、全種ってこの『白子アイス』とか『レバーアイス』とかまで食べる気?」
「いやいや、新商品はまずはチェックしておかないと。食わず嫌いはもったいないよ」
「………あんたってさ、味にこだわりはあるけど許容範囲は恐ろしくだだっ広いよね…」
「…やぁ、弥子ちゃん今下校なの?」
「笹塚さん。いいえ、今から事務所に出勤ですよ」
「…へぇ、大変だね。よかったら乗ってく?ちょっとタバコ臭いかもしれないけど…」
「いいんですか?!ありがとうございます!いいですよ、タバコの匂いなんて気にしませんから。
あ、車内でこのたこ焼きたべててもいいですか?」
「どーぞ」
「……単細胞生物である貴様に世間一般の高等哺乳類の常識を当て嵌めようとした我輩が愚かだった」
「いたいいたいいたい!!!何?何なの突然!ってあれ、どこ行くの?また謎の気配?」
「安心しろ、産婦人科への初診はズボンよりもスカートのほうが抵抗感は少ないと聞く。ここ数ヶ月の月経周期に
ついても我輩が覚えているから問題はない」
「…え?産婦人科…?………って、まさか!!!?」
「大丈夫だ、ちゃんと貴様の母親には事情を話して念のために保険証まで借りてある」
「なに勝手に根回ししてんだーーーーーっ!!!」
2
――― 働いている女性の場合、妊娠したら出産後の生活設計を立てる必要があります。
出産後も仕事を続けるのか、これを機会に退職するのか夫婦でよく話し合って決める必要があります。
「出来れば退職させていただきたいんですが……」
「却下」
「うう〜〜〜」
「何が不満だ、ちゃんと出産休暇も育児休暇も取らせてやるではないか」
「職場待機は休暇とは言わねぇっ!」
「なにを言うか、父親も全力で出産・育児に手を貸してやれるのだ、この保守的な国柄においてこんなに先進的な職場もあるまい?」
「うっ。……う〜ん、まぁ確かに、お母さんも出張の多い仕事だし、あんたもいっしょに面倒をみてくれるのは多少心強いかも…」
「では、さっそく魔界式スパルタ調教(胎教編)でも始めるとするか」
「って、結局DVかよ!!」
3
――― 以前に流産を繰り返したことのある人や、出血や下腹部の痛みがあって現在流産の恐れがある人を除いては、
妊娠中の性生活は続けて差し支えありません。過度の性生活で流産する可能性はありませんが、あまり興奮
しすぎて疲れしまっては困ります。
「…というわけだ、性交に何ら問題はない」
「いやいやいやいや!でもさ…、ほら、初期のうちはまだ安定してないから控えたほうがいいって、聞くし…」
「情報を提示するのならソースをもってこい」
「え、ソースって言ったって…なんか、ほら、雑誌とか…、ってコラ!進めるな…っひゃん!」
「ほう、妊娠初期には乳首が敏感になるというのは本当のようだな。…乳房の発達はこれからか…」
「や、やぁ…!っ、痛!あっ…、ね、ねうろっ、強い!ひぁっ、い、痛いよぉ…!」
「痛いというわりには随分と濡れてきたな。いつもより多いではないか。それとも、こういうほうが好きか?」
「…っん、んなわけ、な、あぁっ!」
「何も膣への挿入だけが性交ではない。貴様がどうしてもいやだというのであれば方法はいくらでもある。例えば素股や、
口や……、ここなどな…」
「っ!!やっ!やだっ!そこ、違う!」
「なにを騒ぐ。ここも立派な性感帯だ。…あと7ヶ月か、開発するには十分だな」
「や、やっ、やめ、っぁあぁぁぁっっ!」
――― 妊娠中はホルモンの影響や、子宮により血管が圧迫され下半身の血流が悪くなるため痔になりやすくなります。
便秘を避け、肛門を清潔にしましょう。
4
―――職場では妊娠したら早めに上司や同僚に知らせ、時差出勤や職場の配置転換が
必要なら申し出て考慮してもらいましょう。
「笛吹警視、筑紫警視、お久しぶりです。え?先生ですか?はい、あちらで休ませていただいております。
やはり、殺人現場というものは視覚的にも胎教に悪いですし、なによりも立ち仕事は母体に負荷がかかりますからね」
「笹塚刑事すみません、今後先生の前ではタバコは控えていただけますか?副流煙は妊婦に対して母子ともに悪影響ですので」
「ヒグチ、今後は弥子をあまり連れまわすな。遊園地などもってのほか、水族館ならば許容範囲だが休憩を多めに取れ、
妊娠中のもっとも適当な運動は散歩だからな。ああ、それとネットカフェに連れて行くならば全席禁煙の場所に限り許可する」
「寄るな触るな近づくな。子供に小卒菌が伝染る」
* * *
「笛吹警視、例の中学生誘拐事件の被疑者に関してなんですが、少女も被疑者も愛し合っていたと言っているのですよ、
実際拘束していたわけでもなく、少女は自由に逃げることもできる状態だったようで…。少女の父親はまだ怒り心頭な様子ですが、
母親からは減刑はできないものかといわれておりまして…」
「なに?減刑だとぉ?そんなものがまかり通るか!そもそも未成年者との恋愛など許されるわけがなかろう!!」
「そうですね、笛吹さん。本当に愛しているというのならば成人するまで待てばいいではありませんか。
なにも知らない無垢な未成年に手を出すような男は終身刑でも足りないぐらいですね」
「……は、はぁ」
「ちょっと、石垣さん!職場でプラモデルなんか作らないでちゃんとしごとしてください!」
「あーもーうっせーなぁ、今は休憩中だからいいだろ。それにこれはプラモじゃなくてフィギュア」
「マナーの問題です。ほら、笹塚さん来ましたよ」
「先輩、おはようございますっ!ほら、見てください、『魔法幼女プリンちゃん』幼女なのにナイスバディが
ウリなんすよ。かわいいでしょう!」
「(どうせまた壊されるのに、懲りないな…)」
「………ああ、そうだな可愛いな」
「「へ?」」
「…こういうのもいいかもしれないな」
「「先輩が壊れたーーー!!!」」
「ちょっと、石垣さん!謝ってください!きっと、あなたの仕事の出来なさっぷりがストレスになって、
笹塚さんがおかしくなっちゃったんですよ!」
「せ、先輩!すみません、もう仕事中にプラモとかフィギュアとか作ったりしないんで、元の先輩にもどってください!!」
「……いや、最近どうにもタバコが手放せなくってな…あれ?火がつかない…」
「「それタバコじゃなくて爪切り!ライターじゃなくてシェーバー!!」
「ヒグチさん?大家だけど。いるんだろう?どうしたんだい?新聞が随分たまってるけど!ヒグチさん!ヒグチさん!?」
「大変だ!副社長からなんか不透明な液がでてる!!」
「しっかりしてください!あなたがいなければ、我々は…この会社はどうすればいいのか…!」
「副社長ぉ〜!」
「吾代君、5面の空気男が倒せないんだが」
「「「あんたは仕事をしろ!!!」」」
5
――― 妊娠中期乳首が敏感になり胸全体が張り痛みなどを伴うようになります。
――― 妊娠中から乳首の皮膚を丈夫にしておくと、お乳を飲ませ始めてから乳首が
切れて痛くなるのをある程度防げます。入浴のあとなどに指先にオリーブオ
イルかクリームをつけて指先で軽くマッサージをします。
乳首が平らな人や引っ込んでいる人はそのままでは赤ちゃんがお乳を飲みに
くいので、乳首を十分に引っ張り出すようにします。
「あっ、や、やめぇ、んぁ・・・、やぁ、コリコリしちゃっ、あぁっ!っはぁ、いた、痛い!」
「なにをいうか、せっかく人がマッサージを手伝ってやっているというのに」
「絶対違う!ていうか、入浴後なのに、んっ、入浴中って・・・、ひゃぁぁぁっ!!だめ!引っ張っちゃっっ―――!」
「貴様の貧相すぎる体が悪い、これでは子供が乳を飲めんではないか。しかも、子供のための行為だというのに貴様ときたら・・・」
「やっ、だ、だめだって!開いちゃダメっ!お湯が、入っちゃ・・・あっ!」
「ふん、そんなことわかっている。雑菌が入いるようなミスを犯すとでも?そら、これでも股間に挟んでおけ」
「ひゃっ、ん、んん・・・」
「ククッ、この調子なら今日は胸だけでイけそうだな。・・・続きは貴様がイッた後でベッドでしてやろう」
「ん、・・・はぁ、はぁ、――あっ!」
「搾乳マッサージがいまから楽しみだな、ヤコ」
6
―――妊娠の中期になると誰でも食欲が非常に盛んになります。この時期に
食べたいだけ食べていると太りすぎてしまいます。妊娠中はいかにた
くさんの栄養を取るかではなく、いかにバランスのよい栄養を取るか
を考える必要があります。
「もうすぐ5ヶ月だったか?まだあんまり腹は目立たねぇな」
「なに言ってんだよ、おなかが目立ち始めるのは6ヶ月になってから位だよ」
「んだよ。なんでテメェはそんなに詳しいんだよ」
「うっ、み、未成年者特有の興味本位だよっ!・・・・・・にしても」
「「よく食べるな」」
「はひ?」
「現在のこいつの食事量は通常の2倍といったところか」
「2倍!?どこに圧縮されてんの?」
「単純計算して食費も2倍かよ・・・」
「ほう、小卒といえどもその程度の計算はできるのか」
「テメェェェェェェェ!!!!」
「ていうか、妊婦ってある程度の食事制限とかあるんじゃ・・・。ドクターストップかかるよこの量は・・・」
「医者への申告は偽造してあるに決まっているだろう。でなければヤコの主治医は今ごろショック死している」
「・・・まぁ、確かに」
「んぐんぐ、はぁ。う〜ん、それどころか『痩せ過ぎだからもっと太りなさい』って言われちゃったんだよねぇ」
「・・・痩せの大食いも大変だな」
「まあ、今のうちに食べておけ。妊娠後期に入ったら食事制限を設ける」
「ウソっ!」
「妊婦として当然のことだ。うどんや練り物などの塩分過多の食品はことごとく禁止だ」
「そんなぁっ!なら今のうちにっっ。すみませ〜ん、さぬきうどんとおでんのセット3つ追加してくださ〜い」
「「まだ食べる気か!」」
7
―――8〜11週目 指足があらわれ、つめが生える。男女の区別も明らかになる。
エコー検査などで性別が分かるようになるのは大体これ以降。
「へ〜、女の子だったんだ」
「うん、ほら、これエコー写真」
「ふ〜ん、よくわかんないけどスゴイね。でもさ、男の子なら間違いはないけど、女の子だと角度によって
『ナニが見えなかった』ってこともあるらしいよ?」
「いや、ネウロが間違いないっていってたから、女の子だよ」
「はいはい、お熱いことで。っていうか、父親も一緒に病院に行ってくれるんだ。べた惚れって感じだね」
「う〜ん・・・、ていうか、いろいろ写ったら(卵とか角とか羽とか嘴とか)いろいろしないと(記憶操作とか)だしね・・・」
「?・・・ああ、まぁ、先に性別分かったほうが名前とか服とか準備はしやすいからね」
「ははは・・・」
8
――― 胎児は妊娠中期から聴覚、味覚、視覚、記憶力などがあることが知られています。
ですから外界の音の刺激に胎児は反応しますし、母親の声や子宮内の音を聞き、
記憶しています。
「やぁ、弥子ちゃん。悪いね、昔の事件の再事情聴取だなんて」
「いえいえ、いいですよ。たまにはちょっと遠出もしないと却って体に悪い気もしますし。
それに今日は吾代さんが送ってくれたんで」
「・・・本当に悪かったね。帰りはこっちが送ってくから」
「どうゆういみだコラァァァァ!!!」
「ふんっ、よくぞのこのこ天下の警視庁に顔を出せたものだな。この不良探偵が!」
「お久しぶりです」
「笛吹さん、筑紫さん!本当にお久しぶりですね」
「あれ、桂木?ひさしぶりー。おおっ、結構お腹が大きくなったな。すげ―・・・」
「もうね、ちょくちょくお腹蹴るんですよ。女の子なのにお転婆で・・・」
「・・・へぇ、女の子なんだ」
「あ、そうだ、よかったら話し掛けてあげてください、もう外の音とか聞こえて、
場合によっては大きくなっても覚えてるらしいですよ。皆の声を覚えてて、人見知りせずに懐いてくれると
いいんですけどねぇ・・・」
「おっ、俺のことは『ゆう兄』でいいからね?」「ご、吾代お兄ちゃんだぞ!」「・・・笹塚だよ」
「笛吹さんだぞ!?う・す・い・さ・ん!」「筑紫です。つんちゃんでいいですよ」
* * *
「笛吹警視、今回の小学生誘拐事件の被疑者なんですが、前回の中学生誘拐事件と同様、
被害者ともどもお互いに愛し合っていたと主張しているんですが・・・」
「何?そうか愛し合っていたのならばしかたがないな。・・・ならば、減刑を望めぬものか、自分の方から
検察の知り合いに掛け合ってみよう」
「そうですね、やはり真実の愛に年齢などは関係ありませんからね」
「あんたら何があった!」
「あれ、笹塚先輩禁煙っすか?」
「・・・ああ、やっぱり子供にタバコは悪いからな」
「?」
「ねぇ、大家さん、お隣のヒグチさんなんですけどね。なんだか最近また部屋に引きこもり気味で・・・。
しかも、子供向けのおもちゃとか買い込んでたりするんですよ。彼、独身なのに・・・。ほら、最近警察官の不祥事が
続いてるでしょう?ちょっと不安で・・・」
「テメェ!こっちのクライアントを優先させろって言っただろ!おまえはすぐに2班引き連れて現地に飛んで、情報拾って来い!
この件に関してはここに書いてある会社の広報部の部長強請ればすぐに分かる!」
「吾代君、6面の・・・」
「おら、この攻略本の198ページ!!」
「おお!仕事が速いねぇ!随分熱心だけど、なにかほしいものでもあるのかい?」
「・・・ま、まぁ。なんていうか、そのうち倍以上食費が必要になるかもしんねーしな」
「彼女でも出来たのかい?まあ、こっちとしても仕事に励んでくれれば願ったり叶ったりだけどね」
9
――― 妊娠中から夫婦で妊娠中の心得や出産に関して講義を受け、お産が始まったら
夫がそばにつきっきりで、呼吸法、補助動作などをいっしょにしたりする夫立
会い分娩を行っている施設が増えてきました。
夫婦がいっしょになって苦しみを乗り越えて大きな希望を達成するという具体
的な行為としては、大変に意義のあることだと思います。
「あれ、ネウロ!迎えにきてくれたの?」
「今日は立会い分娩の説明会がある日ですよ先生」
「・・・・・・貴様は夫婦になっても妻をその呼び方で呼ぶのか?」
「いやだなぁ、笛吹警視、ちゃんとプライベートでは名前で呼びますよ」
「あ、そっか忘れてた。じゃ、このまま病院行こうか」
「は?テメェが立ち会い分娩?」
「似合わな・・・」
「まあ、いろいろ(角とか羽とか嘴とか)あったら、それなりの対処(記憶操作とか)が必要なんでな」
「・・・いや、問題が起こったらそれこそ医者に任せておくべきだろう?」
「ははは、ま、まぁいろいろありまして・・・。あ、いろいろあるっていえば、まさか刷り込みとかってないよね?
あの、始めて見た物を親だと思っちゃうって言う・・・」
「・・・ほう?どういう意味だ?」
「だって、あんた(本性鳥っぽい)の子供だし・・・っていたいいたいいたい!―――う〜だってさ、もし刷り込み
とかがあって、私よりも先にあんたの顔見たりして、将来『パパのお嫁さんになるのー』とか言い出したら、
救われないにもほどが・・・って痛いイタイイタイ!!お腹に響く!」
「あったとしても、娘の初恋が父親なんて珍しくもないでしょう、先生v」
「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
* * *
「分娩がはじまりましたので、桂木弥子さんの旦那様は・・・・・・どなたですか?」
「はい、僕です。え?後ろの人たちですか?ああ、気にしないでください。さしずめ後産を狙う餓えた
野犬のように無関係な方々ですから」
「「「「「―――」」」」」
10
「目の色はネウロ似だったね」
「だが、今のところ容姿はほとんど貴様似だな。まるでサルのようだ」
「・・・それ誉められてる気がしないんですけど・・」
「でも、髪の色は桂木似だよな」
「・・・髪質も弥子ちゃんっぽいな」
「まゆのあたりも探偵似だな」
「寝ていてわかりずらいが、眦のあたりも小娘似だな」
「口元もよくにていらっしゃいますね」
「「「「「とにかく、100%母親似でよかった!」」」」」
「ですが、子供とは二親の遺伝子を平等に受け継いでくるものですからね、外見がこれだけ母親似
ということはきっと中身は僕似ですね」
「どんな女王様よそれって!!」
「「「「「(それはさすがに・・・)」」」」」
既にちょっと決意が揺らぎだした男が5人。
お粗末さまでした。
はじめ、「家庭の医学」でその5の乳首マッサージの部分を読んで
そこから、こんな感じに・・・。
とりあえず、11月22日中に書けてよかった。
うはあっ神連続降臨!!
燃えました…!眼福!!
キター
これはよい夫婦の日
どちらの神もGJ!!
なんだかんだ言って超仲いい夫婦
やべぇ癒されたわ
GJ!
618 :
517 :2007/11/23(金) 01:35:52 ID:+wES+Pso
うはー、堪能しましたっす。
いずれの神々も、まさにこの日でなければ成しえなかったGJ!
か、神が二人も…!!!!
うおおおおおぉぉ、御二方ともGJ!!!
神ぃぃぃッ!!!
萌えた。死ぬほど萌えた。
11月22日…なんて素晴らしい日なんだ!!!!
ホントGJでした!!愛してる!
勤労感謝の日も期待なんだぜ
ご奉仕したり
警察のみなさんに感謝したり
日頃探偵頑張ってる女子高生に感謝の気持ちを込めていろえろしたりしたり!
うおおおおお!
いい夫婦かわいいよいい夫婦
萌えさせて頂きました神!
ニヤニヤが止まりません神!
GJでした!!
なんというGJ…
素晴しきGJ!
22日 0:00
ネウロ「さて、今日はいい夫婦の日とやららしいな………よし、ヤコ。まぐわうぞ!」
ヤコ「はああ!?」
23日 0:00
ヤコ「はぁ……はぁ……この、絶倫魔人め……っ!いい加減離せ!もう22日も終わったよ!」
ネウロ「このゴミ虫め、何を言う。今日は勤労感謝の日ではないか。…………淫乱な先生が満足するまでじっくりねっとりご奉仕させていただきますよ♪」
ヤコ「ちょ、馬鹿じゃn……やぁ、ああ、ぁあん……!!!」
←今この辺
こんな48時間耐久レースみたいなのが見たいです神……!
_, ,_ パーン
( ‘д‘)←弥子<私の笹塚さんをとらないでよ!!
⊂彡☆))Д´)←等々力
628 :
笹ヤコ1:2007/11/23(金) 20:14:08 ID:f6OpMogg
携帯からなので見にくいと思いますが・・
チマチマ書いていきますw
ちなみに笹塚視点。
軽く汚系も有りますので嫌な方はスルーで。
─たこわさ。俺の持っている袋にはたこわさが入っている。
それが別になんだという訳ではないが、心のどこかで彼女の喜ぶ顔を見たいと思っているのだろう。
彼女が今日も事務所に居る確証は無いが、ただたこわさを置いてくるだけでも別に良い。
それにこんな真っ昼間だ、彼女は学校かもしれない。
俺はたまたま非番で、たまたま一人だっただけで。
そんな事を考えながら事務所までの階段を昇る。
─コンコン。
ノックするとすぐに返事が返ってきた。
ガチャリと扉が開く。
「あれ、笹塚さんこんにちは。どうしたんですか?」
「…たこわさ、また食べたいとか言ってたから遠出したついでに買ってきた。」
「わぁ!有難う御座います!あ、立ち話もなんですから入って下さい!」
たこわさを受け取った彼女は、満面の笑みで俺を中へ入れてくれる。
─やっぱりまだ子供なんだな、とふと思いながらソファに腰掛ける。
629 :
笹ヤコ2:2007/11/23(金) 20:34:16 ID:f6OpMogg
「笹塚さんは紅茶より珈琲の方が好きなんでしたっけ?」
彼女はカップを出し、お茶を淹れる準備している。
首を傾げて、人なつっこい笑顔を浮かべ。
「…好きっていうより、よく飲むだけだよ。ブラック。……お構いなく」
「私はブラック全然ダメなんですよ、でも飲める人って大人って感じしますよね」
お湯をコップに注ぎながら、彼女は苦笑めいた表情をしている。
そんなころころ変わる表情を俺はただ眺めていて。
「……いつも一緒に居る助手の、今日は居ないな」
「へ?ああ、ネウロはちょっと調べたい事が有るってどっか行っちゃいました」
「…そう」
自分の分であろう紅茶を作っている彼女はきっと俺が『男』とは認識していないだろう。
あの助手といる時とどこか同じ空気をしていて。
何故俺はあの助手がこんなにも気になっているなんて、自分でも不思議に思っていた。
フツフツと沸き上がって来る感情に、俺はイヤに従順だった。
体調が良いせいだろうか、それとも彼女を今独り占め出来ている優越感からだろうか。
630 :
笹ヤコ3:2007/11/23(金) 20:50:51 ID:f6OpMogg
きっとどちらもだろう、俺は音も立てずにソファから立ち上がった。
「…弥子ちゃん、学校は?」
「いやだなぁ笹塚さん!今日は勤労感謝の日でお休みですよ、だから朝から来てるんです。………ネウロに呼び出されたんだけど(小声)」
「…そっか、休みとか不定期だから気付かなかったよ」
「刑事って大変ですよね、いつも有難う御座いま……え?」
俺は彼女と話しながら、後ろに回り込んでシュル、と外したネクタイで目隠しをした。
視界を遮断され困惑している様で、両手を伸ばして慌てている。
「ちょ、さ、笹塚さん?何も見えないんですけど…何かしましたか?」
「……目隠し」
「じょ、冗談はやめて下さいよー!これじゃあお茶が淹れられないですよ、ヒッ!」
彼女の腰に手を回し、耳朶に唇を寄せる。
ビクッと彼女の体は反応し、徐々に頬が赤くなっていく。
俺は構いもせずに、耳に舌を這わせ始める。
「…冗談じゃない。……弥子ちゃん、」
「な、何ですか……?」
「あの助手とは、どういう関係?」
耳元でわざとらしく囁くと、彼女の背中がツンと伸びる。
逃げようとする彼女の体を、固定した腕で引き寄せる。
631 :
笹ヤコ4:2007/11/23(金) 21:10:50 ID:f6OpMogg
「ど、どういう関係って…ただの探偵と助手ですよ!べ、別に他には何もないです…」
「本当?」
「本当で…すっ……!」
腰から腕を離し、彼女の両手を後ろで一まとめにする。
少し痛みが有ったのか、苦しげに問い掛けに答える。
俺はその隙にポケットに入れていた手錠を彼女に掛けた。
「笹塚さん、い、いま…」
「……手錠掛けたけど」
「は、外して下さい!大体何でこんな事…!」
「弥子ちゃんとしたいから、こういう事」
「…っ!!」
自分でも不思議だった。
こんなにも積極的で、こんなにも彼女を欲しているとは。
…ああ。きっと昨日、石垣のヤツが言ってたことが原因だろう。
──…
「やっぱり何にも無い訳ないですよ!だって男女がひとつの部屋にずっと居て何にもしない、なんて…俺だったらしちゃいますよ!そういう事!高校生ですよ?ピッチピチじゃないスか!!」
「……そういうもんかね」
「先輩、気になってるんでしょ?あの探偵!…あ、でもそしたら先輩もロリコあっー!!!!俺が丹精込めて作った初音ミク1/8フィギュアがー!!」
…──
632 :
笹ヤコ5:2007/11/23(金) 21:40:27 ID:f6OpMogg
反復する。
あの助手と彼女が男女の関係だったらと。
心にドス黒い渦が巻き始める。
ジタバタと暴れる彼女を抱きかかえ、足を割って彼女を後ろから抱き締めソファに座らせる。
「本当にやめて下さい、笹塚さん…!」
「…嫌だって言ったら?」
「えっ…」
ピタリとおさまった抵抗にシャツの下から手を進入し、やわやわと僅かな膨らみの胸を揉み始める。
「ひゃうっ…!っ…ダメ、ダメです笹塚さん……!」
「…どうして?俺は弥子ちゃんのこと、好きだよ」
「なッ……でっ、でも…!ダメなものはダメなんです…!!」
「…あの助手が好きだから?あの助手の感触を忘れたくない?」
「ち、ちがっ…あッ…!」
コリコリと乳首を摘み、もう片方の胸を強弱をつけ揉み続ける。
さっきと同じ様に、耳元でわざと囁きながら。
彼女の体は小刻みに震えていて、それは俺に対する恐怖からなのか、気持ち良さに従順に反応しているのか、理解は出来なかった。
耳から首筋に掛けて口付けをしていくと、ふとめくれたスカートに隠れていた太股に目がいく。
─赤い痕。
頭の中に色々な事が駆け巡る。
633 :
笹ヤコ6:2007/11/23(金) 22:04:57 ID:f6OpMogg
「…嘘つきは嫌いだよ、弥子ちゃん」
「何言って…いたっ……!!」
胸に思い切り爪を立てる。
痛みに彼女の顔は歪み、まだ抵抗するのをやめようとしない。
無駄とも気付かないなんて、やっぱり子供だ。
それに付けられた痕にも気付いていない。
彼女のスカートの中に手を伸ばすと僅かに湿り気を帯びていて、こんなにも簡単に触ってくる手に反応してしまうなんて、あの助手に幾度となく飼い慣らされた結果だろうと、俺は自己完結していた。
「…もう濡れてる。嫌じゃなかったの?俺に触られるの」
「い、嫌です…っ…嫌です…!」
彼女が動く度にガチャガチャと手錠が音を立てる。
その音が妙に耳に残って、俺の『何か』を高ぶらせる。
無理矢理足を開かせようとすると、彼女の力で押し戻される。
だが、俺にはそんなのは関係無い。
じんわりと下着に滲んだシミが感じているサインを俺に示していた。
下着の上から人差し指で何往復も筋をなぞる。
「あっ…っ……」
唇を噛んで声を出すまいと堪えている彼女の顔もまた、俺を煽っていく。
何度も何度も、ただ往復させて。
彼女の体がゆっくりと動いて、何か焦れったそうにしている。
「…どうしたの」
「どうも…しませっ……ん………」
彼女の耳朶を甘噛みしながら問い掛ける。
耳まで赤く熱くなっていて、もう彼女は抵抗しないと不確かな確信があった。
634 :
笹ヤコ7:2007/11/23(金) 22:34:11 ID:f6OpMogg
「…触って欲しい?直に」
湿り気は先程より広範囲になり、彼女の呼吸も不規則に乱れていく。
俺は彼女の口から言われるまで、何度も何度も往復させる。
尿道付近を指で押すと、プシュ、プシュ、と空気が抜ける様な音がする。
「そこは…違う…っ…!」
「…何が違うの?ちゃんと言ってくれないと分からないよ、弥子ちゃん」
執拗に尿道を責め続けると、ピクピクとそこが反応し始める。
噛んでいた唇も、緩まっていく。
「…気持ち良いの?弥子ちゃん」
「……ふ……ううっ…っ…!」
「声出して良いんだよ、素直な子の方が俺は好きだから」
彼女の体が大きく震えたかと思うと、そこからしゃあ、という音とともに黄色い液体が床に垂れた。
「わ、わた…し……っ…」
「…あーあ、おもらししちゃったね。弥子ちゃん」
「ごめ…なさ……」
「…はじめてだった?あの助手にもされた事なかった?」
「………」
無言のまま、彼女はゆっくりと頷いた。
ドクン、と心臓が跳ねる。先程感じた優越感とはまた違う、それに勝る新たな優越感。
ネクタイに手を伸ばし、しゅるりと解く。それに気付くと彼女は俺の顔を潤んだ瞳で振り返って見つめてきた。
635 :
笹ヤコ8:2007/11/23(金) 23:00:43 ID:f6OpMogg
「…そう」
ぽんぽんと彼女の頭を優しく撫でる。彼女は恥ずかしげに目を伏せ、俯く。
無意識にそんな誘う表情をする彼女に俺は胸の高鳴りと、怒りを感じていた。
あの助手にもこんな顔を見せているのかと思うと、怒りの感情が勝り始める。
「…慣らしてないけど、良い?入るよね、いつもあの助手と「笹塚さん…っ」
俺の言葉を遮り、彼女は首を左右に大きく振っている。
否定している。
ああ、今は。今は俺とそういう事をしていたいと、君は言いたいのか。
「…ごめん、弥子ちゃん」
彼女の頬にちゅっ、とキスを落とすと彼女の腰を浮かせベルトを外し自身を取り出す。
十分過ぎるほどいきり立ったそれは、今すぐにでも「楽になりたい」と言っているように思えた。
「笹塚さんの…おっきい……」
「…そうでもないよ……力抜いてね、弥子ちゃん」
吐息を漏らし彼女が唾を飲む音が聞こえる。
既に先から流れ出ている汁を彼女の膣の入り口に塗り込む。
焦らして、彼女の口から願われるまで。
「…いれて……」
「…ん?」
「いれて、下さい…笹塚さんの……」
「…いいよ」
彼女からその言葉を聞くと、彼女の腰から手を浮かせ一気に貫く。
636 :
笹ヤコ9:2007/11/23(金) 23:19:43 ID:f6OpMogg
「ぃあ…!!!」
「…痛かった?」
「……うっ…く…」
彼女の目尻からは涙がつぅ、と頬に伝っていた。
その涙を俺はペロリと舌で掬い取る。
「…すぐ気持ち良くなるよ、大丈夫。……動くよ」
「はい……っ」
そう告げるとゆっくりと律動を始める。何度もき上げると彼女も徐々に腰を動かしていく。いやらしい動きはこの行為を幾度も知っていて、慣れている腰つき。
「んっ…あぁっ……くふぅ…!!」
「…気持ち良い?弥子ちゃん」
「あっ……きもち…いい…です……っ!」
「……弥子ちゃんのナカ、凄く暖かいよ。いっぱい締め付けてくる」
「ひゃあっ!あっああ!!ささ、づかさん…っ!」
律動を激しくすると、縋る様に腰を振ってくる。
締め付けもかなり強く、俺も限界が近い。
「…名前、名前で呼んで…っ……俺も限界…」
「あっ…うっ……!えい、…えいし……さんっ…!!」
「…弥子、弥子………ぐッ……」
「あ、あ、ああ!イッちゃう!笹塚さん…!!」
「…弥子ちゃんっ………」
果てる前に彼女の腰を浮かせ、びゅるびゅると床に精液を吐き出す。
彼女の体からは力が抜け、ガクッと俺にもたれかかってきた。
637 :
笹ヤコ10:2007/11/23(金) 23:31:51 ID:f6OpMogg
床に散乱した汚物を処理し、萎えた自身を下着にしまい、ベルトを付け身仕度を整える。
彼女はまだ肩で息をしていて、ソファに横になっている。
「…名前で呼べって言ったのに」
胸ポケットから煙草を取り出し、火をつけくわえる。
皺皺になったネクタイを締め直し、彼女の頭を撫でる。
「…俺もか。弥子なんて、初めて呼んだ」
彼女の息は整ってきて、その内スヤスヤと寝息を立て始める。
幸せそうな、例えるなら食べ物を腹いっぱい食べ終えた後のような・・・
そんな表情を彼女はしていた。
「…嫉妬とは、俺も子供だな」
彼女が風邪をひかない様、服を着せる。
そして初めての口付けをした。
─すぐ近くで、あの助手が聞き耳を立てているとも知らずに。
終
638 :
笹ヤコ反省会:2007/11/23(金) 23:36:34 ID:f6OpMogg
長々と駄文投下失礼しました…!
こういうのは初めて書いたので弥子とか何かかなりネウロに調教されて慣れてる感じになってしまい…orz
笹ヤコ大好物なんですが微塵も感じさせない出来で…もっと精進してきます……orz
ノシ
gj
…いやそのなんてーか……
うん……
orzしなきゃならないのはその点じゃないような…
うん…まあその…
長時間投下超乙……………
>>638 乙。
これからゆっくり読むけど次からはコピペしてからの投下をお勧めします。
ぐっじょぶ。
しかし水をさすようで悪いが、
>>1にも書いてあるように、文は書き終えてから分割コピペして順番に投下するといい。
乙でした。
2550円分の乙とGJの賞賛をあなたに
南下空気悪いな…
携帯書き手としては、個条書きで…
・文句多いって事はその分読んでくれた輩が多いって事
・最初は短編で試す(投下時間感覚やエラー除去)
・例えば俺の携帯メモは一文45字全5レスが限界
…以下省略。
…15話目も480kbを超えるので、
自宅にブロードバンドはおろか下水道も来ない俺に代わって
↓スレ立てをお願いします!
よし、行ってこよう
乙です。
ちなみに、勤労感謝の日だったので何か書いたんだけど、もう日付け変わって
しまった。規制もかかってたし。
やっと投下出来そうなのでネウヤコ置いてく。
人間の価値を否定し、血族のみの新しい世界を築こうとしている者がいる。
かたや、最初は謎を喰うという都合上から人間に興味を持ったに過ぎなかった
筈の魔人。
どちらがより人間を理解しようとしているのかは明白だ。
その根源が食欲だとしても。
「なあ、ヤコよ」
少女の滑らかな頬をぺろりと舐め上げて、今夜もネウロはなかなかに機嫌が
いい。当たり前のように繰り返される戯れの中に弥子の抵抗が少なくなってき
たのを感じ取ったのだろう。
「何よ。もう」
ぐったりとソファーに身を沈めて、前戯か後戯か判然としない愛撫を受けるが
ままの弥子はとろんとした眠気で重く垂れた瞼をうっすらと開く。このまま眠っ
てしまいたいのが本音だけれど、まだしきりと身体中まさぐってくるネウロの
熱は冷めやらない。このままでは、また本番に持ち込まれそうだ。
「言いたいことがあるなら、言ってってば」
「人間とは、つくづく面白いものだな」
「…今更?」
この期に及んで何を、と尖らせた唇に魔人の熱が重なる。悪巧みのように軽
く尖った歯で噛まれて思わず睨めば、意外に程に緑の双眸は澄みきった光
を湛えていて、吸い込まれそうだ。
「貴様がいい例だ。人間とはその気にさえなれば、望みさえすれば幾らでも
進化を遂げる生き物だ。卑小ではあるがな」
「卑小って何よ」
「事実だろう。卑小だからこそ、より上を目指そうとするのではないか?言う
なれば人間とは、自らの弱さを鑑みて強さを身につけることの出来る稀有の
性質を有しているということだ」
「はーそうですか…」
眠気を堪えつつ、弥子は溜息をついた。全く、一度人間に興味を持ったが最
後どこまでも尽きる気配がない。それこそが進化が途絶えない証拠でもある
のだろう。
人間の進化は絶えない。
悪意もまた途絶えることはない。よって、ネウロが地上にいる限りは謎の供
給に困ることはないに違いない。今のところはきわめて不安定極まりないの
だが。
謎は悪意から滲み出すネクタル。上質で美味なものほど芳香を放ち、ネウロ
はその嗅覚で突き止める。人間が進化を遂げれば遂げるほどに、更に謎は
複雑化した美味なものとなるに違いない。だからこそ最近のネウロは機嫌が
いいのだ。
「さあ、卑小な人間のヤコ。もっと我が輩を喜ばせるがいい。貴様は進化すれ
ばするほど一層我が輩に尽くすべきなのだからな」
相変わらずそんな身勝手なことを言ってのけると、指一本動かせないほど疲
れきっている弥子の上でネウロが身体を反転させる。その拍子に、今日も何
度となく敏感な膣内に突き入れてきたものがこれ見よがしに弥子の目前に差
し出された。
「ひゃっ…」
「舐めろ。我が輩も舐めてやろう。貴様なくして我が輩は地上で謎を喰うこと
は出来ないのだからな。それぐらいの慰労はしてやる」
言うなり強引な指先が、甘く痺れている花弁を開く。ずっと注ぎ込まれていた
精液がその刺激でとぷんと零れ落ちたのを感じて、思わず脚を閉じようとした
のだが、もうがっちりと押さえつけられていて叶わなかった。
「やぁ…離して」
「我が輩を満足させたらな。貴様ほど人間のサンプルデータとして適格な者も
いないのだからな。その敬意として破格の扱いをしてやっているのだから感
謝しろ」
長い舌で濡れたそこを舐められる刺激に負けそうになって、仕方なく弥子も目
の前で威容を誇っている男の一物に手を伸ばし、口を開いた。ようやく思いの
ままになったとほくそ笑むネウロの声は、じんと痺れる弥子の耳にエコーのよ
うに響いた。
「そうだヤコ。そうやって迷い嫌悪しつつ、人間の限界を超えていけ。それこそ
が6とその血族には欠落しているものなのだ。最初から人間を見下し否定する
ばかりで本質を知ろうとしないで慢心する連中よりは、ウジムシ程度の貴様
一匹の方がより価値がある」
「…ぁ…ネウロ…」
「肯定しろ。我が輩がそれを許してやろう」
「う、ん…ネウロ…」
こんな風な戯れは何度となく重ねた経験ではあるけれど、今夜は特別なこと
に思えた。進化を遂げたと自負出来るほどに、ネウロとの関係すらも変わって
いく。最初に感じた屈辱など忘れ果てるほどの素晴らしい恍惚と法悦。それ
が決して夢幻ではなかったことの喜び。
その時、弥子もまた自らの恋から生じる歓喜というネクタルの味を知ったのだ
った。蕩けるように甘く魅惑的な滋味からは、もう逃れられない。
終わり
ネタの元になったのは、血族のムチムチねーちゃんの靴舐めかな。
自分から6の靴を舐める従属性は、ネウロから見たとするなら進化を否定した
に過ぎない下劣なことで、人間とは比べ物にならないものではないかと。
多分、弥子が頑として靴を舐めないことは誇りある人間としてのことと、一応
の評価をしてるんじゃないかな。
とか考えた。
GJ
今夜はよく眠れそうだ
自分もあの靴舐めは弥子と対比してると思った
今後の展開が楽しみだ
事後GJ。
>>651の言う事はなんだか頷ける。よかった…!よかった…!!
グッジョブ!!
ナイス勤労感謝!!
スレが埋まってしまう前に
>>605の神に確認しておきたい事はただ一つだけだ
妊娠によって弥子の乳のサイズはどれくらいあpしたのかね!?(`・ω・´) シャキーン
「ふむ、妊娠前と妊娠・出産後のバストの変化は平均2カップらしいが・・・。
弥子の場合はようやく人並み程度と言ったところか」
「律儀に答えんでいいわ!」
「ちなみに授乳が終わるころは−2〜3カップが平均らしい。フハハ、このカルデラが」
「ウソっ!?なにそのネガティブな365歩のマーチは!」
「なに、問題はない。孕みつづければバストは維持できる。
さあ、ここももうすぐ幕引きだ。思う存分、産め」
「ちょ、ちょっと!子どもが見て・・・!やぁっ、ん・・・、っんぅ・・・」
結局どんな状況(バスト)でも発情するわけですねw
それが弥子の乳なら、どんなサイズでも欲情するんだろう。
まさに炎の孕ませ助手
孕ませ転校生自重
ここは姉妹いじりでってネウロには姉妹いないのか
そこでサイアイですよ
「俺、実は女だったんだ」で姉妹成立
>>861 それは純粋な姉妹よりも百合姉妹とかスールとかエトワールとかそっちに近くね
私はいっこうにかまわんッ
うっかり今週の石垣と等々力の様子に萌えた小ネタ
石「とりゃあああ、志津香ちゃんのお風呂覗き見だああ!!」
等「きゃー、石垣さんのえっちー」バキューン
石「滅茶苦茶棒読み!? って言うかなんでお前風呂に銃持って入るんだよ!!」
等「しずかちゃん歴二十余年の人間を舐めないで下さい。こんなことは日常茶飯事です」
石「まじで!? 全国のしずかちゃんすげぇぇ!!」
等「私はしづかなので関係ないんですけれど」
石「え? え、なんで銃口こっちに向けんの? え? え? いや冗談……ギャアアアア!!」
笹「……。石垣に裸見られても動じねぇ理由にはなってねぇよなあ」
>>664 噴いたwww
その発想はなかったわ
石垣等々力いいよなあ
怒りの三角目がいいよね、二人とも
>>664 はじめて等々力もえを感じた瞬間だった。GJ!!!!
埋めネタマダー?
>>668 つ雪崩
「雪崩だー!子供が埋まっているぞー!」
…いや、マジでそのネタで書いてたんだ。
リアルタイムで実際に遭難死者出て凹んだ。話違うのになったが
間に合ったら持って来る。
自粛しながら注意書きして投下すれば良いと思う
生き埋め凍死さんには合掌
671 :
連続ごめん:2007/11/30(金) 18:39:06 ID:/QEE0bdK
梅がてら叫ぶ
サンタさん
禁断のサイ受けが読みたいです
ずるいよ とか言う女サイが読みたいんです
必要ならば注意書きも付けてくださって構いませんから
よし。布団に靴下つけて寝る。
女サイっつっても基本的にホモ臭いからお断りです。
はーい、靴下没収!
くやしいのう くやしいのう
なにこいつ
そうです私が変なおじさんです
>>672 そこでアイ攻めヤコ攻め6の部下(女)攻め
サイのどこがホモくさいんだ?
失礼な。可愛いじゃないか。
過去にネウロと弥子の姿になったサイという名作があってだな…
ああいうのなら良いと思うんだが
最低ふたりはスレにサイ可愛いと思うのが
いるのにな…。
嫌われキャラなのか?
自分はイミナと出逢ったときのあの幼女の姿ならおk
普段の少年の姿で体だけ女ってのはNG
スレ住民にそれNGっていう人がいるやつは
投下禁止?
残念ながら幼女には興味ないし、
ヤコの姿になるなら、普通にネウロとヤコのがいい。
リク?見て書きかけてたんだがだめっぽいね。
残念。失礼しました。
絵師屋の時は体女っぽくなかったっけ?
>>681 別に嫌な奴はスルーすればいいんじゃないか?
自分はぶっちゃげネウヤコ者じゃないからイビルジャイアンな物は苦手なんだが
そういうのはスルーしてる
ただ注意書きがないとオチまで読んでしまってしまったと思うことがしばしばあるから
人選びそうな作品は最初に念押しとけば大丈夫だと思う
ネウロとヤコはW主人公だから、一番描き易いといえばそうなんだ。
それだけに、本来の作品で「あいつら絶対デキてる」と思われると
何故か全俺が凹む。
>>681 単に俺が苦手なだけだよ
読みたい奴もいると思うし読んで目覚める奴もいるかもしれないし
書き始めちゃったんならせっかくだから書いて投下してくれ
ただし注意書きは必須で頼む
住人の誰かにとって地雷かも……ってだけで落とすの躊躇してたら
スレは回っていかないんだぜ
さてと、埋める為のネタは書いてみた。
・ネウロ×ヤコ。だが全くヤッてない
『寒い 〜寝るな。寝たら死ぬぞ。〜』
心地よさや琴線の位置は人それぞれ、と云うものと知る。
…――増してや人種性別信条門地が大雑把に異なる2名ともなれば当然の事に。
「はァ。まー仕方ないよね」ヤコは懐中電灯片手に暗闇へと目を凝らした。
「ここは、」ヤコは振り返り叫んだ。「一体どこなんだーっ!!」
「隣街の病院跡だ。今でこそ廃墟だが、在りし日の賑わいは今も語り種。
欲望と怨念の積もり具合も相当でな。瘴気を引き寄せている」
「そりゃあんたには快適だろうね、」
床に落ちていた薄っぺらい毛布一枚を羽折り、弥子が恨めしく呟いた。
「常時は事務所以外の何処で寝ているのか、と詰め寄って来たのは貴様だろう、ヤコ」
フン、と嘲笑う。人間とは好みも違う。虫の鳴く音も絶え、底冷えのする晩秋の夜長だ…。
侘びしさ余って精神の狂わぬように、寝所の警戒をする犬の一匹も
足元に居てほしいものだ。粗縄で簡単に首輪を作り、床に這いつくばらせ、と。
「うー…」わん。とでも言えば完璧だが、ヤコが口の端に上らせる言葉は
「寒いー…」だった。自らを毛布で素巻きにして床を転げ回る。「さ゛む゛い゛」
こういう時こそ、買置きしていた極太鎖で柱に縛っておくべきだろう。
だが生憎、今回は手錠一山くらいしか持ち合わせが無く、勝手に素巻きに
なった毛布を、態々引き剥がして使うのも何やら面倒で。…それに既に眠かった。
枕も掛け布もないが、厚手のマットにシーツだけは綺麗に牽かれた
寝台に横たわった。夢見心地に浸れる程地上の空気は爽やかではない。
只々、水底の泥のような倦怠に呑まれて逝く、そんな休息でしかない。
…「さむ…お腹…空いた…くぅぅん」ヤコの微かに唸る声を…
聞かされ…ながら…
687 :
寒いに:2007/12/01(土) 18:48:24 ID:kxmY7oVl
不意に、頬をぺろりと舐められた。ハッ、ハッと切れ切れの息が鼻先に架った。
目を瞑ったまま、顔前に手を延べた。サラリと擦れるのは、クセの出易い
中途半端な長さの毛並。目を開けずとも、麦わら色と判る。が、
「…ヤコ?」手を頚から下へと滑らせ気付いた。軟らかな肌は自らの産毛以外に
何一つ纏うもの無く、外気に暫く晒されてひんやりとしていた。
「寒いよぉネウロ」ヤコが唸り、当然だろう、と言葉を返そうとして口ごもる。
肋の下まで指先を延べてなお一糸すら触れない。
「ヤコ、服はどうした」「寒いから…脱いだ」「?」「暖まりたくて」
今度は唇をぺろりと舐められた。
「ネウロの体温で」
いつの間にやら、ヤコは素っ裸で我が輩の腰に跨っていた。
何の真似だとは視点の合わぬ虚ろな目を見れば聞く気にもならなかった。
「寒い?なら頭からガソリンでも被って火を付けたら良かろう」
上体を起こしてヤコの頭をがしりと掴み、ニヤリと嘲笑って脅すが、
「ううん、魔界の業火にも耐えられるアンタの方がきっと温かいよ…」
力の抜けた、おっとりとした口調とは裏腹に、わっし、と抱きついてきた。
絡み付いた腕は、瑞々しく柔く弾力があり――冷たい。貴様はわらびもちか。
「あったか〜い」
貴様は自販機か。
何の遠慮も無く、頬や胸を我が輩に刷り寄せた。どうにも気に食わないので、
左胸を平手で押してヤコの躯を引き離した。――この胸はせんべいか。
「ネウロのエッチぃ…」ハハ…とヤコは笑った。執拗に我が輩の体温を、冷えた手でぺたぺたと
触れて削ぎ落としてゆく。普段のヤコと較べたなら遥かに低い筈の体温を、
徒に求めて。胸から手を外してやると、膝立ちになってまじまじと見つめてきた。
ほぅ、と息を吐いて一言。「お腹空いた」つい、とこちらに顔を近付けたかと
思えば、ぺろりと唇を舐められた。「竜田揚、串焼…」
…。
「…じぶ煮、香味焼、タル・クック、貴妃鶏、棒々鶏」
「…全部鶏料理か」
「そうだよ?」またぺろりと唇を舐められたかと思う間も無く、唇を重ねられた。
狡猾な舌が唇の隙間から入り込んでくる。――それはいかん。幾ら阿呆でも。
片腕でヤコの腰をするすると撫でてやると、思惑通り少し飛び退いた。「っや、…うー」
688 :
寒いさ:2007/12/01(土) 18:53:09 ID:kxmY7oVl
眉を寄せて、唸った。「…寒いの。逃げないでよ」懲りもせず、唇を重ねてきた。
滑らかで圧せば潰れそうな軟かさの、この冷たいものは何だ。
「冷奴だな」
「んー、何」
「冷えたヤコだ」
舌を入れさせないよう、我の舌で阻止する。回避する動きには、絡め取ってから
いなす。ぴちゃ、ぴちゃ、と音が立つ位で、大して手応えも『味』も無かった。
飢えも充たさぬ舌の戯れに飽きたのは我が輩だけではなかった。ヤコはじきに
顔を離し、我が輩の胴体にすりすりと躯を擦り寄せてきた。毛並は揺れても
胸は揺れない、が、乳頭は堅く起ち上がっていた。鳥肌と同じで寒冷時の生理現象だ。
ヤコの頬に触れてみた。血色が失せて冷たかった。平手を一発食らわせても、尚。
平たい胸を掴む振りをして、内側で蠢く心臓の様子を窺った。
やはり何処か異変が生じていた。トキ…トキ…、と、直ぐにでも停まりそうな鈍さ。
虚ろな目。
普段の振舞いからは予測不能な言動。
「…そろそろ、遊んでいる場合ではなくなってきたか、」
「…んっ、温かいよ、ネウロ」相変わらず我が輩の体温を貪っていたヤコは、
疾うに上衣を剥ぎ取って直接胸を合わせてきていた。伊達に凹凸の乏しい躯では
なく、密着の度合いも半端ではなかった。しかもぎゅうぎゅうと有らん限りの
力でしがみついてくるのだった。奪われた熱を補填する以外に、腹の底で
憤りに似た余分な熱が造られかけていた。――ふむ。マズいな。
「…ヤコ。そんなに温まりたいか?」
「うん…カラダの芯から温まりたいの」
「なら、我が輩の躯で温めてやろう。その代り、貴様は死ぬまで我が輩の奴隷だぞ?」
「うん、いいよ」債務ブラックゾーン突入の提案はあっさりと受け入れられた。
書類や録音資料に残らないのが非常に残念。しかしいつであろうと妥協は必要。
「では、温めてやろう。――心臓からな!」
ヤコの背中に回した手をスタンガン及びその他の伝熱装置に変換して、
電 撃 ☆
少々逸ったか…いや…これも仕方の無い事だ。
震えのような軽い痙攣から開放されると、ヤコは唐突に叫んだ。
「ぎゃーーーっ!寒いーっ!服がーっ!」
「おお、気が付いたか」
「ちょっとネウローーーっ!私に一体何したのよ!」
一瞬、我が輩が‘温めて’やらない方が良かったかも知れない、と考えた。「…フン」
>>684 深読みせず純粋な気持ちで原作を楽しんでるだけなら
お前ここに来ずに原作だけ読んでればいいんじゃね?
原作にカプなんて存在しないしな
690 :
寒いし:2007/12/01(土) 19:01:41 ID:kxmY7oVl
目を醒まさせる事を望んだのは我が輩なのに。
「何と可愛げの無い奴隷だ…寒い寒いと言いながらマッパになる錯乱した貴様を
折角正気に返してやったと云うのに、礼の一つも無いのか」
「…こんな所に来なけりゃ、こんな事には、」脱ぎ散らかした服を拾いながら
ヤコがぼやいた。隙を見て首ねっこを掴み上げた。――普段通りに温かい。
「苦し゛い゛」じたばたと暴れるヤコの耳元に囁いた。
「――賞味期限切れの保存食品に、錆の浮いた携帯コンロ、虫の死骸塗れの防寒シート」
「…へ?」
「――が、階段脇の部屋に積まれていた。貴様には充分だろう」
ヤコは懐中電灯を手に駆け出していった。これで、今度こそ朝方まで何事も無く
眠れると良いのだが。彼奴と我が輩では何もかもが異なる。耐熱性も耐寒性も。
同じように考えたなら何処かで歪みが出る。
違うのだ、種族…も、…性別…も、…心情…も…。
完
次スレ期待してます。神の皆様お体に気を付けて。
>>689 我ながら時にそう思うよ。つーか、原作は原作で楽しく読んでいる。
最近は凹んでもいろんな人間がいるんだな、と思う事にしている。2ちゃんだし。
>>691 まるでネウヤコ妄想する奴が悪いかのようなその物言いはちょっとどうよ
自分が気に入らないものをこんなところで吐き捨てないでくれ
全俺が気分悪くなるから
>>686 ちょっと変な改行のせいで読みにくかったが埋めネタGJ!
ぐっじょ!!
容量的に埋めネタはこれが最後になるかな?
次スレはクリスマスネタ年末年始ネタでたくさん埋まるといいな
楽しみだ!