2 :
2get ◆gsOVxybfZ. :2007/09/25(火) 21:23:13 ID:0HhzkVH4
スレ立てついでに、即死回避
1レスSS行きます
「……そうそう、かがみ様、先ほど日めくりを見たのですが今日は十五夜なんだそうでございますよ」
こなたは突然そんなことを言い出した。
受話器越しでも、なにやら含みのある声だとが解る。
それにおかしな敬語、とてもあやしい。
地雷と知りつつわざわざ踏みたくないし、ここは避けて通るべきか。
「ふーん。そうね。そういえば、昨日のことなんだけど――」
「……。せめて様付けの敬称に怒るなり、話題を広げるなりの努力しようよ〜」
「あんたにいちいちツッコミ入れてたらキリがないんだもの」
「かがみがツッコミ役やめちゃったら誰が代わりを務めるのさ」
「たとえば――」
「十五夜のことなんだけど」
「むりやり話を戻すな!」
結局、回避できなかった。
「はぁ……。それで? あんたは何が言いたい」
「簡潔に言うと、かがみ様は今夜どうなさるおつもりなのでしょうか、と」
「どうするもなにも、家にずっと居るわよ」
「そうじゃなくてだねぇ……フフフ」
こなたのわらいごえがこわい。
いますぐでんわをきってにげたい。
「質問いち。かがみの家は、今日の夕飯なんでしたか」
「……月見うどん」
「質問に。おいしかったですか」
「……はい」
「質問さん。月見だんごは用意しましたか」
「……い、イエス」
だんだんこなたの言わんとすることがわかってきた。
「質問よん。食べますか。食べませんか」
「……たべ、ます」
「質問ご。これから体重計に乗れますか。乗れませんか」
「…………」
「そんなに食べて、太るよ?」
「…………」
「あれ? かがみ、さっきから返事がないよ。どしたの」
あんたのせいよ……。
「今日ぐらいは寝る前にお団子食べても大丈夫よねって思ってたんじゃないの?」
図星。
「まあ、お月様を見ながら何かするってのはいいことだよね。風流だよね」
「あんたは」
「え?」
「そういうあんたはどうなの!! 月見しながらなにかしないの?」
「私は今日もちょっと――」
『――コラ、泉! なにやっとんのや』
「はいはーい、ちょっと待っててくださいね」
「今の先生?」
「そう。先生と、月見ネトゲ」
「……」
「もしかして、哀れむような目で見てる?」
また図星。
「先生がカンカンに怒ってるからもう切るね。
あと、落ち込んでるかがみなんて見たくないから、お団子はほどほどに」
こなたは言うだけ言って、私に反論させないで通話を終了させた。
これでも、こなたなりの思いやりだったのかな……。
5 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 21:29:08 ID:r7BIqjun BE:97975875-2BP(3100)
黒井先生の科白は、ドラマCDの『長電話は混線中』より引用しました
挿絵は描いておりませんので、あしからず
かがみ×つかさの非エロ投下します。
9 :
十五夜(1/1):2007/09/25(火) 22:02:09 ID:LxQpZAPN
夜。かがみは自室で机に向かっていた。一日中蒸し暑かった夏は終わり、涼しい季節になったので勉強もはかどりやすい。
十時を過ぎた頃、
「……ちょっと小腹空いてきたな」
時計を見ながら呟いた。何か夜食をつまもうかと思ったが、すぐにその考えを引っ込める。
(秋はただでさえ食べ過ぎがちだし……体重計で悲鳴を上げるような事態は避けなければ……)
空いた小腹は気合いでカバーすることにして、問題集の続きに取り掛かる。
と、不意に部屋のドアがノックされた。
「お姉ちゃん、ちょっといい?」
「つかさ?」
普段はもう寝ている時間なのにどうしたのだろうと、かがみは少し訝しげに思った。
「あのね、お夜食作ったんだけど、良かったら一緒にどうかな……?」
部屋に顔を出したつかさは、遠慮がちに聞いてきた。
一瞬、かがみの顔が石のように強張った。ついさっき夜食は控えようと決心した矢先である。
料理上手なつかさのことだから、さぞかし美味しい夜食だろう。今までも時折、夜の空きっ腹に程よいおやつや軽食を作ってくれた。
だがそのお陰で体重が増えたことも事実である。
かがみにとってつかさの善意と裏の無い微笑みは、肥満という名の堕落へ貶める小悪魔の誘惑だ。
「…………」
コンマ何秒かの間に何十回もの逡巡が繰り返された末、かがみの出した決断は、
「す……少しだけ、食べようかしら。それほどはお腹空いてないから……」
妥協に見せかけた敗北だった。
「それじゃあ、準備するね」
「準備?」
一端引っ込んだつかさは、白いお団子を盛ったお皿と、小さなススキを飾った花瓶をお盆に乗せて入ってきた。
「どうしたのそれ?」
「今夜はお月見だから」
「あ、そっか」
言われてようやく思い出す。今夜は十五夜、中秋の名月だ。
「それじゃあ、ちょっとカーテン空けるね」
つかさは部屋のカーテンを空けて、窓の近くにお盆を置いた。
「電気消してもいい?」
「いいわよ」
折良く雲一つ無い夜空だった。
鮮やかに光る月が、遠くぽっかりと浮かんでいる。
「綺麗だねー……」
「うん……」
しばらく二人して、ぼんやり月を眺めていた。
「……さて、と」
「それじゃあ、お団子食べよっか」
つかさはいそいそと二人分の小皿とお箸を用意した。小皿とは別にきな粉を盛った鉢もある。
「つかさ、一人でこれ用意したの?」
「うん。……ちっちゃい頃はみんな揃ってお月見とかよくしてたけど、最近はこういうのもやらなくなっちゃったね」
つかさはやりたかったのだろう。だから思い切って準備して、かがみを誘ったわけか。
少し照れたような顔をしているつかさが、かがみには何ともいじらしかった。
「……ん。美味しいわねこれ」
お団子を一つ口にしたかがみが呟く。
「本当? ちょっと固かったと思ったんだけど」
「そんなことないわよ。きな粉の甘さも丁度良いし」
また一つ頬張る。せっかくつかさが作ってくれたお月見団子なのだから、もう体重など気にしないことにした。
「お姉ちゃん、あんまりお腹空いてないんじゃなかったの?」
「甘い物とつかさの作ってくれた物は別腹よ」
ほくほく笑顔でお団子を頬張るかがみに、つかさも嬉しそうに微笑む。
月より団子の風情を、十五夜の月が静かに照らしていた。
後日、かがみの体重はばっちり増えました。
おわり
読んで下さった方、ありがとうございました。
携帯からなのでちゃんと行けるか心配ですが、いきます。4レス使用予定です
17-234
前回の続き
「アシスタントの役目」
あきら様×白石 パートA(エロなし)
彼女は僕の目の前で、気持ち良さそうに寝息をたてている。
起こさないように、そっと髪を撫でる…ねこっけ…っていうのかな、これ。違うかな…
しかし、僕の腕を枕にして寝てる顔は可愛いんだけど…
いい加減便所に行きたいんです。
そーっとそーっと腕を彼女の頭から外す。あれ、よだれついてる…
問題はこれだ…赤いリボン。
軽く結ばれていたので、結び目を壊すことなく外すことができた。
「ちょっと、便所に行かせて下さいね…」
ぽふぽふ、と頭を軽く撫でてから、僕は立ち上がった。
部屋を出て…さて…どこだ?とりあえず外側に電気のスイッチのある部屋を手探りで探して見る。
フローリングが冷たくて気持ち良い。足音をたてぬように、目的の部屋を探す。
「右だよ」
ひぃぃぃぃぃ!!!
目を擦りながら、この家の居住者の一人、小神あきらが僕のすぐ後ろで呟いた。
こんな暗闇で、しかもぼそっと言われたら驚きますよそりゃ!あーびっくりした…やめてくださいよあきら様ぁ!!僕涙目w
あきら様はそんな僕をみて笑っている。そんなに僕の行動面白いですか…?
あきら様に案内してもらって、やっとすっきりしました…よかったー…
手を洗ってから、あきら様の髪をくしゃくしゃ撫でる。
まだ眠そうな彼女を抱き抱えるーお姫様だっこ、っていうのかな、これ…あってるよな?とにかくお姫様をお姫様だっこで寝室へお運びする。
あきら様の腕が、僕の首に纏わりつく。
「みのるー…」
初めて名前で呼ばれたのでびっくりした。
「な…なんですか?あきらさま」
「みーのーるー?」
つんつん、と鼻をつつかれる。眉が上がっているところをみると、ちょっとお怒りのようだ。
「えっ…と……あきら?あきらさん?」
「あきら!なのっ!」
呼び捨てで良いのだろうか、いつもの癖が抜けずに、普通に「あきら様」と呼びそうだ。
部屋のベッドに彼女を下ろして、電気を消す。
二人で横になり、互いの顔をみつめる。しかし、夜というのはこんなに暗かっただろうか、彼女の顔が見えなくなる。
「彼女」という響きに慣れない。あきら様は、ずっとあきら様だったからだ。
しかし「あきら」と呼ぶことによって、僕は今までの僕ではないことに気付いた。
だからさっきから「彼女、彼女」っ言ってるのだ。自分に言い聞かせているのだ。
あの、甘い魔法を、
かけられてから。
月明りのおかげで、彼女の顔が見える。なんだか赤いのは、気のせいではないようだ。
「な…なによ」
「いいえ、可愛い顔を見てただけですよ、あきらさ…ん」
ダメだ、どうしても癖が抜けない!すいません、本当すいません!
「むー…今度<様>とか<さん>つけたらスクワット150回」
「わ…わかりましたよ…あきらにゃん」
「しゃー!!」
「もー、しっかり寝ましょうねーあきらにゃん」
「ばかー!みのるのばかー!!」
僕の腕から猫のように素早く後ろを向かれたので、逃げないように後ろから抱き締める。
何故抱き締めるだけで、僕の心臓は早くなるのだろう…自分の中で、何かが変わって行くのが分かった。
「捕まえましたよ〜、逃がしませんからね〜♪」
「あのさ、みのる」
「はい?」
彼女は体ごとくるり、とこちらに向ける。顔と顔の思いがけない近さに、己の限界を知らされる。
「あたし、みのるのなに?」
「かっ…彼女…で良いんですよね…?」
「なら、彼女にふつー敬語使う?」
確かに。
あきらさ…あきらとは年も違う。ちなみに知っての通り、僕のほうが上だ。やっぱり…慣れって怖い。
でも、その言葉のおかげで、僕の中の何かが、
音を立てて壊れた。
かちり。
僕のなかのスイッチが、
入った。
以上Aパートでした。
Bパートは製作中でっす(・∀・)
遅くなりましたが、スレ立て乙です!!
>>1乙
早くも職人の皆様方が降臨 ! GJです !
前スレに投下しようとして、スレ容量を見誤ったので、こちらに投下します。
ごめんなさい。
真萌えドリルの双子シナリオの上ルート、パートナーあやののネタバレを含みます。
みさお&かがみの非エロです。
卒業間近の設定で、ちょっと暗め。おちなし。
苦手な方はスルー願います。
全7レス予定。
18 :
虹を見たかい:2007/09/25(火) 23:07:34 ID:t6hsVnu4
放課後、かがみはみさおに呼び出され、屋上に来ていた。
今は晴れているが、先ほどまで小雨が降っていたせいか、少し冷える。
かがみは小走りでみさおの元へ向かった。
「おまたせ、日下部。今日は突然どうしたの?」
みさおはフェンス越しに校庭を見ていた。かがみに気づいた様子は、無い。
そっと近寄り、みさおの隣に立つ。三学期ももう後半で、校庭には生徒は余りいない。
二人を照らす夕日が感傷的にさせるのだろうか、かがみも無言で校庭を見ていた。
「……よっ、柊。来てくれたのか」
力無くみさおがあいさつをする。いつもの元気さは欠片も見られなかった。
「日下部……」
かがみは驚きの余り、二の句が継げなかった。
この時期になると、授業も短縮になり、互いに会う機会が少ない。それでもみさおは普段と変わらずにいたと、
かがみはそう思っていた。
「いや、そんな驚かれると相談しにくいじゃん」
「そりゃ驚くわよ。あんた悩まなさそうだしさ」
「あー、ひどいなあ」
「冗談よ。悪かったわね」
かがみはふくれるみさおの頭をくしゃっと撫でた。
みさおは髪型が崩れるのを嫌がる様子もなく、されるがままにしている。
「へへっ」
「……うれしそうだな」
「まあね。柊に会いたかったんだ」
「いや、毎日会ってるじゃん」
「うー。今会いたかったんだよ」
反射的に突っ込んでしまうかがみに、みさおは口を尖らせる。そして躊躇いがちにつぶやいた。
「ちょっと相談したい事があってさ」
二人の間をやさしく風が撫でる。ツインテールが緩やかに揺れていた。
かがみは続きを急かすような事はせず、みさおが話すのを待っていた。
「……あ、あのさ。今日なんだけど、私、告白ってのをされたんだけどさ」
みさおが顔を真っ赤にして言う。モジモジと恥じらうみさおはなかなか新鮮である。
「どうしたらいいかな?」
みさおは首を傾げてかがみを見ていた。
「……あのな」
そんなみさおとは対照的にかがみは眉間を押さえている。
「あんた人選を激しく間違えていないか?」
かがみはバレンタインの前に、こなたに対して『彼氏の一人ぐらいいる』と嘘をついてしまった。
つかさともその件で喧嘩になってしまい、大変だったのだ。
それぐらい男っ気がないのだ。相談されても、あてにならないだろう。
「この間あんたにも迷惑かけたけど、忘れたのか? 峰岸の方がいいんじゃないかな」
かがみは素直にそう思う。あやのには彼氏がおり、みさおもあやのの方が相談しやすいのではと考えたのだ。
「うん、私もそう思ったけどさ」
みさおはかがみから視線を外し、空を見上げた。夕闇が近づこうとしている空に、うっすらと月が見えている。
「兄貴に伝わりそうで言いづらくて」
「あ……そっか」
あやのはみさおの兄と付き合っていると聞いている。確かに家族に知られるのは、少し恥ずかしいだろう。
「まあ峰岸なら心配ないと思うけど、そういう理由ならいいわよ。でも私でよかったのかな」
「私は柊に聞いて欲しいんだよ」
みさおは真っ直ぐにかがみを見ていた。言葉も態度も素直すぎて、かがみには眩しかった。
「そ、それで、あんたはそいつをどう思ってるの?」
かがみは思わずみさおから目を逸らし、話を続けた。
「んー。正直どうもこうも無いんだよなー」
「……は?」
「見た事無い奴でさ、『卒業するまでの間でいいから付き合って欲しい』だか何だかでさ」
みさおはそう一息で言い、次いでため息をついた。
はじめましてこんばんは
自分、普段はVIPのほうでSS投下してるんですが
ちょっとした気の迷いでエロネタ入りそうなの書いちゃったんで、こっちに投下させてもらってもいいですか?
20 :
虹を見たかい:2007/09/25(火) 23:10:38 ID:t6hsVnu4
「……わからないんだ。ドキドキはしたけど、相手にじゃなくて告白された事にだと思うし」
「知らない奴なんでしょ? 無理ないわよ」
かがみもみさおの立場になれば、同じように戸惑うだろう。
「そりゃそうだろうけど、うーん、何て言ったらいいのかな……」
その先が言いにくいのか、みさおは口ごもる。それでも意を決し、何とか先を続けた。
「……何で、私なのかなって」
「おいおい、自信持ちなよ」
らしくない、とかがみは思う。やけに自虐的だ。
「だってさ、前言った私の評判覚えてるか?」
「あー。アレね」
はっきりと覚えている。『実は男』であると。ちなみにかがみは『怖くて近寄り難い』である。
その後みさおは『私は女だー』と魂の叫びを聞かせてくれた。
「だから実はドッキリなんじゃないかなーって思う訳よ」
「……いやさすがにそれは無いだろ」
とは言うものの、時期的に中途半端ではあった。みさおが告白を受け入れたとしても、一緒にいられる時間は短い。
「卒業式じゃ遅すぎるから、かなあ」
「……」
かがみのつぶやきに、みさおは無言だ。何かをずっと考えているようだった。
「もう、卒業なんだよな……」
不意にみさおが空を見上げながら言った。
「……そうだね」
見上げる夕日が別れを彷彿とさせる。二人はしばらく無言で空を見ていた。
「柊は彼氏って欲しいのか?」
みさおの言葉が沈黙を破る。
「欲しくないと言えば嘘になるけど、今は必要ないかな」
バレンタインの喧嘩の際、つかさが教えてくれた。
彼氏は無理に作るものではないし、何しろこなたたちといるような、楽しい気持ちになれる男友達はいない。
「私は、今は友達と……みんなと一緒にいたいからさ」
かがみも空を見上げたまま言う。その横顔をみさおはじっと見つめていた。
「そっか……そうだよな」
みさおは深呼吸をすると、にはは、と笑った。
「私も、そう思うよ」
はっきりと言い切り、笑顔を浮かべたみさおにつられ、かがみも思わず笑う。
「……よかった、あんたは笑ってるのが一番よ」
「はははっ。ありがとう柊」
いつものみさおに戻った様だ。かがみはひとまず安心した。そして気になっていた事を質問してみる。
「そうだ、聞いていいかな?」
「ん? 何を?」
「何て告白されたの?」
「ちょっ……なななな何聞くのさっ」
みさおは盛大に驚いた。顔を真っ赤にしてかがみから逃げ出す。そしてそのまま建物の陰に隠れてしまった。
「ふふっ、日下部驚きすぎよ」
「いや、だって、そんなの恥ずかしいだろ」
そんな風に恥じらい、戸惑うみさおを、かがみは見た事が無い。
『恋する乙女』
みさおに歩み寄りながら、そんな言葉が脳裏によぎる。まさかみさおに対し、そういう感情を抱くとは思わなかった。
「……聞きたいのか?」
とても渋い表情をしながら、みさおが言う。それに対しかがみは満面の笑顔を浮かべ、答えた。
「とっても」
「あうー……笑わない?」
笑うような答えなのだろうか。一抹の不安を覚えたが、かがみは素直に言った。
「うーん、自信無いなあ」
「じゃあ言わない」
みさおは速攻で拒否する。
そんなみさおの頬を引き延ばし、白状させようとした。
21 :
虹を見たかい:2007/09/25(火) 23:12:24 ID:t6hsVnu4
「そんな事言わずにさあ」
「ひはなひよっ……へいっ」
かがみを振り払い、みさおは逃げ出した。そんなみさおを追いかけ、かがみも走り出す。
「待てーっ」
「やだよっ、柊のイジワル〜」
「こらー……うわっ」
みさおを追いかけていたかがみは、まだ湿り気のある地面に足を滑らせてしまった。
「え? うがっ」
そのままみさおの背中に追突してしまう。ガシャン、と音を立てながら、みさおの顔がフェンスにめり込んだ。
「……か、顔っ、痛っ」
かがみはみさおの腰に抱きつく形になっていた。見上げるとみさおの顔にフェンスの跡がついている。
「ぷっ……はははっ。ご、ごめん、日下部」
「うー。わざとやってんじゃないか?」
「やってないって」
かがみはそう言うものの、みさおはすっかりいじけてしまっていた。
「柊さー、私の事嫌いなんだろ?」
そっぽを向いてしまったみさおではあるが、腰にしがみつかれているかがみを振り払おうとはしない。
「……日下部ってかわいいわね」
かがみはそんなみさおを素直にそう思った。
「……えっ、あっ、そそそそんな恥ずかしい事言うなよっ」
ベシベシベシ。
「いてててっ。日下部、痛いっ」
みさおは恥ずかしさの余り、かがみを叩いていた。腰にしがみついたままでいるかがみも、なかなかのものである。
「だったら離れろよー」
「嫌よ。こんなかわいいあんたはなかなか……いたたたたたた」
「だから、恥ずかしいってのっ」
「わ、私に恥ずかしがるなよ……もう」
見ているかがみの方が照れてしまうほど、みさおの顔は赤い。もう少し近くで見ていたかったのだが、
これ以上叩かれるのも痛いので、そっと離れた。
「だってさー、かわいいだなんて言われた事無かったしな。言われるのは、いつもあやのの方だし」
もじもじしながらみさおは言う。こなたに『バカキャラはかわいい』と言われた時も照れていたし、
聞き慣れない言葉なのだろう。
その気持ちはかがみにもよくわかる。
言った当人にとっては些細な言葉でも、その一言が人を変える事はあるのだ。
「私もそうだったわね」
かがみが今の髪型にするきっかけの言葉でもある。
みさおはかがみの同意がうれしいのか、うなづきながら言った。
「そうだろ。何かさ、告白された事よりうれしくて」
「……あんた男に『かわいい』って言われたら落とされそうだな」
「落とされる?」
「……いや、何でもない」
すっかりこなたにギャルゲー脳にされてしまったようだ。無意識の発言に、かがみは内心頭を抱えた。
そんなかがみに気づかないまま、みさおは話を続ける。
「何しろ『男らしい貴女が好きだ』なんて言われ……あ、いけねっ」
「……は?」
みさおは思わず口を滑らせた。その言葉にかがみは固まってしまう。そしてゆっくりと動き出し――
「……柊」
「何?」
「はっきりと笑い物にしてくれた方がましだよ……」
かがみはみさおの肩に手を置き、形だけは慰めているように見える。しかし
その表情を見れば、間違いだとわかるだろう。
「むー……ぶはっ」
みさおはかがみのニヤケ顔をじっと見つめていたが、不意に吹き出した。
「ちょ、ちょっと。何で笑うのよ」
「い、いや、柊のアホ面が面白くて」
「ぐっ……日下部にだけは言われたくないっ」
「何だとー」
「何よ」
かがみとみさおが睨み合う。しかしそれも長くは続かなかった。
22 :
虹を見たかい:2007/09/25(火) 23:14:07 ID:t6hsVnu4
『……はははっ』
どちらともなく笑いだした。二人の屋上に笑い声が響く。元々、本気で怒っていた訳では無かった。
「日下部、笑ってゴメンね」
「へへっ私の方こそ……へーくしっ」
みさおは謝るのと同時にくしゃみをしてしまった。
「うー、さすがに冷えるなあ。柊、長いことごめんな」
「いや、気にしないで。……でも確かに冷えるな」
屋上な上、雨上がりという事もあり、二人の体はすっかり冷えきっていた。
その間を冷たい風が吹き抜けていく。
「うー。さびっ」
かがみより先に屋上にいた為だろう、みさおは足踏みしながら寒さを紛らわせていた。
「とりあえず中に入ろうか? ……何か相談に乗れなかった気がするけどさ」
かがみはドアノブに手をかけながら聞いた。雑談して走り回っただけな気がする。
「ん? そんな事無いよ。話したら何か楽になったよ」
「そうかなあ」
「そうそう。早く中に入ろうぜ」
みさおは立てかけてあった鞄を手に取り、足早に駆けていった。
鈍い音を立てながら扉が閉まる。外気が遮断され、冷えた体に温もりが戻ってきた。
「はー。寒かったなあ」
「そりゃ屋上だからね。……勝手に入っちゃったけど、鍵はどうなってるのかな」
「ん。壊れてるよ」
「……いいのか?」
「いんじゃね」
軽く言いながらみさおは階段を下りていく。かがみはその後を、滑らないようゆっくりと追っていった。
コッ、コッ。足音が響く。生徒のいない学校は物寂しい。
「私さ、告白されてうれしかったのもあったけど、それ以上に……何か面倒と言うか鬱陶しいと言うか」
前を歩いているみさおが不意に呟く。表情は見えない。
「……そんなこと思っちゃったんだ」
かがみは無言でみさおの言葉を聞いていた。
珍しいと思った。みさおは勉強や興味の無い事に対して煩わしく思う事はあっても、
見知らぬ相手にそう感じるとは思えなかったのだ。
「でも、柊の話で気づいたんだ」
「え? 私、何か言ったっけ」
突然かがみの名が出てきて、思わず戸惑う。特にそういう話をした記憶が無い。
「言ったよ」
みさおが振り向いた。優しい微笑みをかがみに向けていた。
「『今は友達と……みんなと一緒にいたい』ってさ。それで気づいたんだ。
私も、柊達と一緒にいたいってな」
恥ずかしかったのか、みさおはくるりと背中を向けた。そのままゆっくりと歩き出す。
「ガキだって言われるかもな」
「……ガキでいいじゃない」
かがみは階段の踊り場で立ち止まった。
通い慣れた教室。ずっとそばにいた友達。
卒業を間近に控え、大切な友達といたいという気持ちを、誰が笑えるだろうか。
「笑われるなら、私もでしょ?」
「柊……」
みさおは目を丸くして驚いている。不意にその目が潤んだ。
「ありがとうな」
そう言うと、みさおは目を擦りながら階段を駆け降りて行ってしまった。
「あ、コラ。待ちなさい」
かがみもみさおを追い、駆け降りる。
こういう風に追いかけたりするのもあと少しだと思うと、やはり寂しい。
みさおは階段を降りきった所でかがみを待っていた。
23 :
虹を見たかい:2007/09/25(火) 23:15:49 ID:t6hsVnu4
「にしても柊とは五年も一緒だったんだなー」
かがみはみさおと並んで歩いていた。横でみさおが指折り数えている。
「そうね。中学の時からだもんね」
「……んー。その割には何か私たち背景扱いだったなあ」
みさおの指折りの意味が変わっていく。かがみにとっては、何だか耳が痛い。
「昼休みには隣に行っちゃうし、付き合い悪いよなー」
「あう……」
「三年になってからは……半々?」
「……私に聞かないでお願い」
かがみは思わず涙しながら言う。みさおに責めているつもりは無いだろう。何しろ事実なのだから。
そこでふと気づいた。
「よくお互い友達でいられたわね。薄情者と言われてもおかしくないよね」
自分で言うのも何だが、そう思う。こなたのクラスに入り浸りで、クラスメイトに対する印象が薄いぐらいだ。
「何だそんな事か」
だがみさおは笑いながらあっさり一蹴した。
「柊が好きだからだよ」
みさおは何の照れもなくそんな事を言ってのけた。
「な、何言ってるの。誉めたって何も出ないわよ」
かがみは思わず照れてそっぽを向く。かがみにはまずそんな風に言えないだろう。
素直に感情の出せるみさおを羨ましく思った。
「へへっ、柊は照れ屋さんだな」
そんなかがみをみさおはツインテールをいじりながらからかう。
「ちょっ……照れてなんかないわよ」
かがみは早足で歩きだした。後ろで、みさおが髪をいじりながらついていく。
「それにしても何で今告白されたのかなあ」
歩きながらいじっていた為か、絡んでしまったかがみの髪を解きながらみさおが聞く。
「そうだな。日下部に本命がいないか確かめたかったとか? あんた割と男子と交流あるしさ」
かがみには心当たりは無いが、陸上部つながりで、もしかしたらそういう人もいるのかもしれない。
「そんな奴いないよー」
「あ、それとも実は貰う方だとか?」
「……あやのから分けてもらった柊のチョコだけだよ」
小さく「……今年は」と呟くのが聞こえた。どうやら地雷だったらしい。
「う、ごめん」
「柊のは欲しかったな」
かがみは素直に謝るが、みさおは拗ねていた。
あやのにチョコを渡したのは、かがみが世話になったお礼だが、みさおも欲しかったのだろうか。
「また来年ね」
一緒の学校では無くなるけど、友達で無くなるわけではない。きっとまた会える。
だからかがみは普段のように言った。つかさもみんなに渡したいと言っていたし、それもいいだろう。
「絶対だぞ。約束だからな」
「こだわるなあ。日下部のと交換だからな」
かがみはみさおと指切りをし約束した。
24 :
虹を見たかい:2007/09/25(火) 23:17:15 ID:t6hsVnu4
靴をはきかえ、外に出ようとした時だった。
「……そういえば、卒業式で男子の第二ボタンをもらうってのあるけどさ、女子のはないのかな」
みさおは唐突にそんな事を言いだした。
「うーん……」
かがみは考えた事が無かったが、男子の第二ボタンをもらう理由は、心臓(ハート)に一番近いからだと言う。
「ブレザータイプならボタンがあるけどね……スカーフになるのかな」
セーラー服で一番近いのは、やはりスカーフだろうか。
「なるほどな。でもスカーフ無かったらマヌケだよなあ」
かがみも想像してみるが、確かに味気ない。
「でも貰いに来る様な奇特な奴はいないから、問題無いわよ」
「いや、いるかもよ」
「いねーよ」
そういう風習があるわけでもなく、心配する必要はまず無い。
かがみは妙に拘るみさおが気になるが、心当たりが無い。とりあえず突っ込んでみる。
「それともあんたはあるのか?」
「もちろん無いよ」
「……だったら何でそんな心配するんだ?」
「さあね」
すっかりみさおにはぐらかされてしまった。かがみはそれ以上の追及を諦めた。
先に外に出たみさおを追い、かがみも外に出る。冷たい空気が肌に痛い。
「……もし柊のが貰われてったら、代わりに私のをあげるよ」
「え? 何?」
突然の強風に、かがみは髪を押さえる。みさおの呟きが流されていき、かがみには届かない。
「何でもないよ」
「……?」
みさおはそのまま空を見上げていた。その姿は、どこか寂しそうだ。
声を掛けられず、かがみはそのまま立ち止まって見ていた。
「……おっ、柊。凄いぞ」
「何が……あっ」
突然みさおに呼ばれ、かがみも空を見上げる。
――虹が出ていた。
夕日に照らされ、虹が浮かんでいる。儚くて、とても綺麗だ。
かがみもみさおも無言で見上げていた。
程なくして夕日と共に虹も消えていった。
25 :
虹を見たかい:2007/09/25(火) 23:19:21 ID:t6hsVnu4
「綺麗だったな」
「……そうだね」
すっかり日の落ちた校庭を二人は歩いていた。
「……へくしょいっ」
さらに下がった気温に、みさおは思わずくしゃみをしてしまう。
「日下部、何か暖かいものでも買いに行こうか?」
さすがに風邪を引きかねないと思い、かがみが提案をする。
「んあ? なら私が奢るよ。今日は柊には迷惑かけたし、最後にいいものも見られたしな」
鼻水をすすりながらみさおは言う。見苦しかったので、かがみはティッシュを差し出した。
「ほら、鼻はきちんとかみなよ……でも確かに綺麗だったね」
みさおにティッシュを手渡し、かがみは先に歩きだした。
みさおの中で結論は出ているのだろうが、大して役には立てなかったなと思う。
「そういえば、峰岸には何も言わないのか」
かがみは、背後で鼻をかむ音を聞きながら、みさおに問う。きっとあやのも心配しているだろう。
「……うん。ちゃんと言うよ。柊のおかげですっきりしたしな」
「鼻水がか」
「……違うよ」
冗談を言い合いながら、二人で歩いていく。
虹と共に今日の事は心に刻まれた。きっと忘れない、大切な思い出になるだろう。
「それじゃあコンビニの『うるとらまん』でいいか?」
「……何だそれは」
「期間限定の肉まんだと思う」
「曖昧だな……自分で買うのはひけるけど、奢ってもらうならいいか」
他愛のない会話をしながら歩いていく。
校門の前で、かがみは首だけ振り向き、校舎を見やる。
「どしたの? 忘れ物か?」
「ううん、何でもない」
そして校舎に背を向け、そのまま歩きだした。
26 :
7-575:2007/09/25(火) 23:21:22 ID:t6hsVnu4
スレ立て乙
立て続けに投下されてて正直ちょっとレスしづらいですが
>>4 先生の声はボイスチャット?
>>8 偶然ではなく必然なんでしょうがこっちもお団子ネタ乙
>「甘い物とつかさの作ってくれた物は別腹よ」
この台詞好きです
>>15 いよいよデレあきら様がエロいことを……
続きに期待
>>26 SSからは暗めっていうより夕暮れくらいの暗さっていう
印象を受けました。なんだか抽象的ですけど。
って
>>10さんは前スレの最後にも投下したのか。
なんというペース
かがみの声なら起きそうだけどこなたやつかさの声だったら
かえって眠くなりそうw
前スレもう埋め終わったのか……
なんというハイペースだ。埋めのみなさん、そしてこっちに投下したみなさんもGJです!
新スレおめでとうございます&みなさんGJ!
みさおとかがみ、青春の1ページって感じで、おいしゅうございました。
さて、10分ほど待って次のSSがなければ、一本いかせてもらってよかですか?
どうぞどうぞ(ダチョウ的な意味で)
>>19です
思いっきりかぶっちゃいました、ごめんなさい
寝る前に投下させていただきます
携帯からなんで不安ですが…
エロ無し・全8レス予定
こっちの空気にあまり慣れてないんで、ウザかったらスルーをお願いします
季節には、色がある。
春はピンク。桜の色。
「幸福」と「夢」の色。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
私の心に色があるのなら、きっとそれは淡いピンクだと思う。
丁度、窓の外に舞う花弁のような、甘くて淡い桜色。
散り逝く桜を眺めていると、時が経つのを忘れるようで。
「─つかさー?早く起きな、遅れるよ」
その声に振り向くと、ドアを開けたお姉ちゃんと目が合った。…いけない、ほんとに忘れてた。
「なんだ、起きてたんじゃない」
そう言って呆れた顔をするお姉ちゃん。あ、お化粧ちょっと変えたんだね、チークがほんのり桜の色だね。お姉ちゃんにはそういう薄
化粧が一番だよ、とっても似合って──
「…つかさ?どうしたのよ、ぼーっとして」
はっ、いけない。まだ完全に目が覚めてないのかな。えーっと、今何時──
「はうぅ、もうこんな時間!?遅れちゃうよ」
「何度も呼んだのよ?さっさと準備しちゃいな」
呼んだのに気付かなかったのは、桜に見とれてたせいだよ。ぼーっとしちゃったのは、お姉ちゃんに見とれちゃったせいなんだから。
─ The 1st season:Pink Spring ─
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
私は、お姉ちゃんが好き。
もう今年で18歳になるのに、とか笑わないでね。
小さい頃からいつもお姉ちゃんにべったりだったから、まだ姉離れできてないんだろうなぁ、って自覚はしてる。
だけど、好きなものはしょうがない。笑顔も、怒った顔も、たまに見せる寂しそうな横顔も、全部好き。
少し前のクラス発表で、また今年もお姉ちゃんだけ同じクラスになれなかったのは、結構ショックだったなぁ…
「おっはよー」
「おーっす」
いつものバス停で、お姉ちゃんとふたりで待ってると、いつもの青い髪の子がやってくる。
「おはよう、こなちゃん」
挨拶を返しながら、私は最近、あるものを抑え込むのが日課になってしまった。
それは、ちょっとした苛立ち。
「また邪魔されちゃった」
そんなことをちょっとでも考えちゃう自分が、嫌い。
だってこなちゃんは親友だもん。親友に、そんな酷いこと感じちゃうなんて、私は嫌な人間だよね。
「ごめん、こなちゃん」って心の中で謝りながらバスに乗るのも、最近の日課。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
私は、お昼休みが好き。
こなちゃんやゆきちゃん、それにお姉ちゃんと一緒に食べるご飯は、なんだかとってもおいしいから。
だけど、今日は──
「ごめん、今日は日下部達と食べるわ」
お姉ちゃんはそう言うと、隣のクラスに戻っちゃった。
なんだかお姉ちゃんを取られちゃったみたいで…。あんまり、いい気がしない。
「つかさー、なんだか寂しそうだネ」
そう言うこなちゃんだって、なんだかいつもより寂しそう。
「かがみさんがいないと、いつもより静かですね」
そう言うゆきちゃんも、どことなく寂しそう。
「やっぱりツッコミは必要だよね、このメンバーじゃボケても垂れ流しに──あ、」
こなちゃんの目が、私の顔で止まる。どうしたの?
「つかさ、ほっぺにご飯粒ついてるよ」
「え、ほんと?」
箸を置いて、ほっぺを拭こうとしたけど、その前にこなちゃんが指で掬って食べちゃった。
「ありがと、こなちゃん」
「いやいやぁ。こんなときかがみんなら顔真っ赤にするんだろうけど、つかさは素直な子だネ」
こなちゃんはそう言って、ネコ口で笑う。
そんな幸せそうなこなちゃんを見てると、こっちまで幸せな気分になってくるから不思議。お姉ちゃんがいなくて寂しかったのに。
そんなこなちゃんにもう一度、
「ありがと、こなちゃん」
って言ったら、ちょっと不思議な顔してた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「………。」
…なんか言ってよ、日下部、峰岸。
ふたりとも箸を空中で停止させて、口はあんぐり、目は点。おまけに汗を一筋。
なんという完璧な絶句っぷり。惚れ惚れするわ。
「…あのさ、柊」
やっとこさ石化から開放された日下部が口を開いた。
「なによ?」
「…エイプリルフールは、とっくに過ぎてんだぜ?」
「そんなのわかってるわよ。私のカレンダーが正しければ、2週間ほど前ね」
そりゃ、私が非常識なこと言ってるのはわかってるけど。
でもこんな話題、別に珍しいものじゃないんじゃない?
ホラ、現に今、教室の隅の女子グループも同じ話題で騒いでるとこだし。
何組のあの子は誰々が好きだー、とかさ。
ただ、私の場合は、相手が相手なだけで。
「…で、結局ふたりはどう思う?」
ほっとくといつまでも黙ってそうなふたりに、私は回答を促した。
相談した本人が仕切ってるのもアレな気がするけど。
「私は、気持ちだけは伝えるべきだと思うけど」
先に峰岸から来たか。貴重な彼氏持ちの意見を聞かせてもらおう。
「例え告白しても、あの子なら柊ちゃんのことちゃんと受け止めてくれそうだと思うな。成功するかは別にしても」
私もそう思う。あいつなら茶化すことはあっても、蔑むことはないんじゃないか。
…私の告白は、そういうことだ。下手を打てば嫌われる。罵られる。今まで築いてきた関係が、跡形もなく崩れ去る。
なぜなら相手は、
同性、だから。
こんなアブノーマルな相談に、固まることはあっても、決して嫌悪しないふたりに大感謝だ。
半ば口を滑らしてしまった形での相談で、最初はヒヤっとしたのだけれど。
「それにしても意外だな──」
「なによ、やっぱり変だと思う?」
「いや、そうじゃなくてさー…。そーか柊ぃ、あのちびっ子にねー」
そう。
私は、こなたが好き。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
夕飯の買い物があるから先に帰る、というつかさと駅で別れ、私はこなたと一緒に電車に揺られている。
「帰りにゲマズ寄ってくけど、つかさとかがみも来るー?」という誘いに、気付くと二つ返事でOKしていた。
教室を出るとき、視線に気付いてふと振り返ると、日下部と峰岸が揃ってガッツポーズを送ってきた。…やめてくれ、ちょっと顔が赤
くなる。
デートコースとしてはロマンの破片も無いけど、こなたと一緒ならどこでもいっか。
…いやいや待て待て、まだ告白なんかしてないしこなたにとっちゃデートでもなんでもない訳で…。なんだかひとりで舞い上がっちゃ
ってる。落ち着け自分…。
こなたは目に付いたものを適当に、私は新刊のラノベを一冊買ってから、私はこなたを公園へ誘った。
散り桜を見よう、という口上で。
告白なんか…その時は、考えてなかったんだけど。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
かがみは私の隣に座ってる。
私はかがみの隣に座ってる。
それを少し離れたところから見ている感覚。
──それくらいに、現実感がない。
かがみは今、なんて言ったの?
「好き」
たった二文字の言葉。それだけ。
あれ?うん、私も好きだよ、かがみのこと。
え?わかってるよ、かがみが私のこと、好きだなんてこと。
違うよ、わかってないよ。
違うんだよ。
「ひとりの女の子として、好き」
わかってる。私の「好き」とかがみの「好き」は違うって、わかってるよ。
だけどかがみはわかってない。わかってないから言わなきゃいけない。
「──…。」
言わなきゃいけないのに。
言わなきゃいけないのに。
言わなきゃ、かがみを傷つけるのに。
あれ?でもこれ、言っちゃってもいいのかな。
言ってもかがみ、傷付くよね。
言わなくてもかがみ、傷付くよね?
どうすればいいの。
どうすればいいの。
私も、かがみのこと、好きだよ。
でも、かがみ以上に──
私は、つかさが好き。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「こなた──」
河川敷の公園のベンチにひとり腰掛けて、桜色の舞う空を見ていた。
川沿いに桜の木が並び、それぞれが思い思いに花弁を散らす風景は、どうしようもなく淡く、可憐で、儚くて…
立ち去った「親友」の背中を追えなかったのは、多分──
この、あまりに切ない、桜の所為。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
─ Next season:Summer ─
以上です。ありがとうございます。
また割り込みみたいになっちゃいました、ごめんなさい。
夏へと続く予定です。執筆中。
>>41 GJ!
キャラクターの心情の描写が凄く上手くて思わず感情移入してしまいました。
続きに期待です。
うああ、なんという三角関係……GJ!
文体といい、。さぞかし名のある方とお見受けしましたが如何。
感想レス待ちのあと、0時30分あたりからSS投下しますね。
あまり間を空けなくてすいません。出張先から5レス行きます。
非エロ、こなた&かがみ。拙作『あふ☆いや』シリーズとは関連はありません。
こなxかが/かがxこな萌えの皆様にはお勧めできません、てかごめんなさいorz
なお、挿絵なしです。(って言わないといけないのがなんともなぁ……)
また、今回からトリップつけることにします。よろしくです。
------------------------------------------------------------
45 :
(1/5):2007/09/26(水) 00:33:51 ID:tY2Cirkx
「……はい、楠です」
「もしもし、かがみー? 私ー」
電話の向こうから聞こえたのは、いつもの声。
高校以来ずっと続いてる、大切な友達。
時は流れ、男性(ひと)と結ばれ、娘をもうけても。
――変わることのない、大事な友達。
――――――――――――――――――――――――
午後十時の電話〜もうひとつのハッピーエンド〜
――――――――――――――――――――――――
「あー、一昨日ぶりね、こなた」
受話器から流れてきたのは、いつもと変わらない、こなたの呑気な声。
全身の余分な力がほぐれていくのを感じながら、窓際のロッキングチェアに腰を下ろす。
「今、電話いいかな? 旦那さん、今日出張だったよね?」
「まあね。そうでもなきゃ、こんな時間にのんびり電話してないわよ」
「みらちゃんはもう寝た?」
傍らのベビーベッドで眠る愛娘の頬を、そっと指の腹で触れてみる。
「おかげ様で。ほんと、手のかからない子で助かるわ」
「かがみ似でよかったねぇ。これでつかさ似だったら、ものすっごい甘えん坊さんになったんだろけど」
「まあ、そもそもつかさに似るとは思いづらいけどね」
「それもそっか。双子っても二卵性だもんね」
本当に、他愛のない話。
他愛のない話かもしれないけど……
どんな時にも、私を元気づけてくれた声。
プレッシャーに押し潰されそうになった夜。
現実に打ちひしがれた夜。
主人とケンカした夜……
……そういえば、いつもこなたがいた。
楽しい事は、お互いに話して笑い合った。
つらい時はいつも、お互いがそばにいた。
……そう、かけがえのない、大切な親友。
46 :
(2/5):2007/09/26(水) 00:35:13 ID:tY2Cirkx
「ところで、こんな時間にどうしたの?」
「んー、まあ、その」
こなたにしては珍しく、言いよどむ。
「何よ、やけに歯切れ悪いわね……ひょっとして、ついに身を固める覚悟でも決めた?」
「うぉ!? かがみってひょっとしてエスパー!? あなたのハートにテレポート!?」
「……あー、ダルいからツッコまなくてもいいかー?」
「んむぅ。……まあ、ようやく作家稼業も軌道に乗ってきたし、そろそろいいかなー、って」
こなたの言葉の端々に、『照れ』が見える。ちょっと新鮮。
「相手は誰よ? やっぱあの人?」
「そだよ。ってか、伏線もなしにここでいきなり他の人が登場するわけないじゃん」
「それもそっか。あんたってほんと、リアルで男っ気なかったもんね」
「いいんだよー。その分、彼とはずっと前からなにげにフラグ立ってたもんね」
「え? 担当さんって、去年の新連載の時からの付き合いじゃなかったの?」
「いやー、変に話が合うからさー、おかしいと思ってたんだけど……」
「ふんふん」
「ほら、私高校ん時、ネトゲやってたじゃん?」
「あー、何度かつき合わされたこともあったわね」
「実は彼、私の"嫁"だったんだよねー、あっちでの」
……はぁ? 何よそれ?
「はぁ? 何よそれ?」
思っていたことが、そのまま口をついて出た。
「おまけに、知って驚く意外な事実!」
「まだ何かあるのか……」
「出身中学も同じでさ、しかも同級生でさ〜」
「……ちょっと待て。まさか、前に言ってた『魔法使い志願の親友』って……」
「ご名答!ズバリ、彼でしたー!!」
……マジっすか。
「……なんか、出来すぎてて頭痛くなってきたわ」
「知った時は私もびっくりしたよー。ほんと、世間は狭いねえ」
「狭いにもほどがあるわよ。あんた達、知らずに幼なじみみたいなもんだった、ってことじゃないの」
「幼なじみとフラグが立つのは、泉家の伝統なのかもしれないね」
「なに他人事みたいに言ってんのよ、あんたは」
電話の向こうで、すぅ、と息を吸い込む声が聞こえた。
「いやぁ、でもね。彼ってほんとにいい人なんだよ。真面目で気さくだし、将来のこともちゃんと考えてるし…」
思いっきり力説。あー、今こいつ、思いっきり目をキラキラさせてんだろうな……
「はいはい、ごちそうさま。……まぁ、ゲーム内とは言え、"結婚"するからには相性はよかったんでしょうけどね」
こなたのそういう反応を見て、私はちょっとばかり安心した。
昔から、生活感のない方面でばっかり積極的で、この子ってばこの先どうするんだろう、って思ってたから……
47 :
(3/5):2007/09/26(水) 00:36:19 ID:tY2Cirkx
「けどさ、」
よいしょ、と座り直す。ロッキングチェアが、ゆらりと揺れる。
「ん? なに?」
「それだけ前から引っ張っておいて、結局結婚は四人のうちでどん尻だったわね、あんた」
つかさは、大学在学中に今の夫と出会って、今では二児のお母さん。
みゆきも、大学を出て二年後、誰でも知ってるあの会社の御曹司と結婚した。
そしてつい一昨年、出遅れた私も、同じ法律事務所の仲間とゴールイン。一児をもうけて、今は育児休業中という身分。
……で、結局最後まで残ったのが、こなただった。
「いや、ほんっと結婚なんて予想外だったんだよ。中学卒業して疎遠になって、ネトゲ引退してからまた疎遠になってさ〜」
「どんだけ腐れ縁なのよ。運命の神様とやらも、よっぽどムキになったみたいね」
神社の娘でありながらなんだけど、神様なんて本当にいるのかしら? って、ずっと疑ってかかってた。
……けど、もしかしたら本当にいるのかもしれないわね。諦めの悪いキューピッドが。
「そもそも私、あんま男の人には興味なかったし、絶対結婚なんてしないだろうな〜って自分でも思ってたし」
「思考パターンはまるっきり中年のオッサンだったもんね、あんた」
「あれあれー? 何気にヒドイこと言われてるよー?」
「だってあんた、みゆきにセクハラまがいのことばっか言ってたじゃないの」
「あ、あれは愛情表現だよぅ」
「あーはいはい、そういう事にしといたげるわ」
「ま、オッサンっぽいのは否定しないけどね」
「しないのかよ」
背もたれに体を預けて、視線を窓の外へ向ける。
高台に建つマンションの一室。大きなガラス窓の向こうには、薄い街明かり。
遠くの鉄橋をわたって行く通勤電車が、まるでハーモニカみたいに見えた。
「でもね、私も女だったんだなー、って思うことがあってね。そしたらなんか、彼と一緒になってもいいかなー、って……」
受話器の向こうで、こなたが身をよじって照れている光景が浮かぶ。
こなたらしくないっちゃないんだけど、そこがこなたも女の子だったのね、と感じさせてくれて……なぜだか、こっちまで嬉しくなる。
「あんた、おかまいなしにノロケるなぁ。 ……って、最近妙に女らしくなってきたのはそれか!?」
……なんか気恥ずかしくて、私のほうから茶化しちゃったんだけど。
「うん。人間の身体ってすごいんだよ〜」
「すごいって、何が?」
「ほら、私って背も低いし見た目も幼いけどさ、彼に抱かれたらちゃんと濡れt」
「ストーップ!危ない発言禁止ー! てか、ちょっとは恥じらい持てよっ!」
こいつは……まったく、ほんとに。
「……でもさ、これでやっと、みんなで旦那のグチ言えるね」
「グチ前提かよ」
「わかってないなぁ、かがみは。グチも幸せの一部だよ?」
「はぁ……そんだけ割り切ってたら、倦怠期も来ないかもしれないわね」
「けど、かがみもつかさもみゆきさんも、旦那のグチって言わないよね」
「そうね。なんだかんだ言って恵まれてるのかもね、私たち」
「かがみの旦那さんなんて、婚約前から『かがみは俺の嫁!』とか公言してたし、結婚してからも溺愛だもんね〜」
電話線を伝わってくる、こなたのニヤニヤ笑い。
「ちょ、恥ずかしいからそういうのはやめて……くれ」
48 :
(4/5):2007/09/26(水) 00:37:33 ID:tY2Cirkx
「ところでさ、こなた」
「んぁ、何?」
「あんた、その……子供とか、作る気あるの?」
「あるよー、もちろんあるよ〜」
「ふぅん……」
「また、なんでそんな事聞くのカナ?カナ?」
「二度言うな。……まぁ、大した意味はないわよ」
……本当は、あるんだけどね。
「……あぁ、そっか。わかった」
「?」
「大丈夫だよ、かがみん」
こなたの口調が、すっと優しい声色に変わる。
「な、何がよ?」
「そのために、小さい頃から体力作らされてきたんだなって思うしね」
……やっぱ、見抜かれてたか。この子には敵わないなぁ。
女性にとって、出産は人生の一大事。
自らの体力を削って、大事な子供を産み落とす行為。
母体が小さかったり、体力がなかったりすれば、命に関わることだってある。
……その結果、こなたのお母さんは……
「ああ、うん、そうね。……ごめん」
「心配してくれてありがとね、かがみ」
受話器の向こうで、くすっと笑う声がした。
「ま、お父さんに老後の『萌え』を供給したげるのも、親孝行の一環ですよ」
「あんたはまた……でさ、子供が産まれたら、なんて名前つけるの?」
「また気が早いねぇ。……決まってるじゃん、『かがみ』ってつけr」
「却下」
「うぉ、申請と同時に却下ですか」
当たり前だ、バカモン。
「まあ、冗談はさておき」
そこで一呼吸置いて、こなたは言った。
「……やっぱり、『かなた』かなぁ」
遠くを見るような表情が、まるで目の前にいるかのように脳裏に浮かんだ。
「こなた、それって……」
「男の子でも女の子でもいけるし、それに……」
――あの人の分まで――
「それに、お母さんの分まで生きてほしいから、ね」
「ん、そうね……そうよね」
こなた、あんた、ほんと強いわ。
産まれてくるかなたちゃんには、めいっぱい愛情注いであげなさいよ。
あんたのお母さんが、あんたに注いであげたかっただろう分まで……ね。
49 :
(5/5):2007/09/26(水) 00:38:47 ID:tY2Cirkx
「でもさ、お母さんが私の子供になって帰ってきたら、萌え泣けるよね〜」
「萌え泣ける、ってあんた……いくつになっても、その萌え思考は変わんないわね」
しんみりした空気を読まなかったのか、それとも、空気を変えようとしてわざと言ったのか。
……きっと、後者なんだろうな。
「……でも、そういうのも素敵かもね」
「ん」
本当に、おめでと。
幸せになんなさいよ、こなた……
「……ところで、式はどうすんのよ?」
「うん、神式にしようかなって。かがみんトコで」
「って、実家(うち)かよっ」
「だめ?」
「いや、歓迎するけどさ〜……うちは古い神社だから、結構多いのよね。半年ぐらい先まで予約埋まってるんじゃないかしら」
「えぇ〜? 心の友よ、そこをなんとか〜〜」
「だーめ。神様の前ではみんな平等。特別扱いはナシよ」
「おや、リアリストなかがみ様らしからぬお言葉」
「あんた、一体私をどーいう目で見てるんだ?」
窓の外には、中秋の名月。
少し冷たくなった風が私の髪をあおり、薄(すすき)の穂を揺らして抜けていった。
積もる話は尽きないままに。
今夜も、夜は静かに更けて行く……
― fin.―
------------------------------------------------------------
以上です。
今回は、現実的な?路線で行ってみました。
四人はそれぞれ好きな人を見つけ、幸せな結婚をして。
それでも、変わらぬ仲良しのままで……
んー、あんまり。ありがとじゅしたー。
>>50 リアルタイムにて読了。出先からおつかれじゅしたー。
というか、4レス目でちょっとしんみり来ました。涼やかな一編、ぐじょーぶ。
>>50 GJ!
たまにはこんな路線もいいですね。
このスレは始めっから飛ばしてるなぁ
だがそれがいい
GJしか送る言葉ないです。ほんと。
>>50 お疲れさまです。いやぁ、こういう関係も素敵だなー……
あふ☆いやという未来物を書いてきた妄想屋さんらしい
未来の彼女たちを想起させる作品だったと思います。とってもGJでした。
今日のとあるラジオでらき☆すたのクイズ企画があったが・・・・王者キモいorz
投下しに来ました。
白石×あきら様です。
最終回で二人は本音でぶつかり合える仲になったと思えばそれはそれでいいのですが、
それでもどうしても仲直りして欲しくて自分で書いてしまいました。
エロないのにやけに長いです。31レスお借りします。
ですが、最近よく規制されてしまうので、投下が途中で止まってしまったらすみません。
その場合は何事も無かったかのようにスレを進めて下さい。間を置いて続きを投下しに来ます。
それでは始めます。
ごめんね、って、たった一言なのにどうしてそれが言えないんだろう。
言えない原因を考えて、いっぱい考えて、多分自分の周りには恐ろしく下らないプライドで
レンガ積みされた壁があるんじゃないのかな、って結論に達した。
こう、ベルリンの壁みたいに、私が内側から壊さないとずっと今のままなんだろうな、
ってやっと気付けて、それは死んでも嫌だから謝ろうって決めたのに。
でもやっぱりふたりっきりになると憎まれ口叩いてた。
なんか喋んなさいよ、じゃなくて、なにかお話して?って言えば良かったのかな。
その時の白石は、なんか怖かった。
いつもの糸目はどうしたの、ってくらい目に力をいっぱい込めて私がいない方向を睨んでいた。
直接ごめんって言うのが出来ないんだったら、せめて、と開いた携帯の画面を私は数十分前から睨み付けていた。
眉間に皺を刻みながら、メールメニューを開いて新規作成を選択して、宛先を決定するべくアドレス帳を開く。
さ行のページまで捲って、アドレス帳を閉じて、またさ行まで行って、また戻って来て。
もう、なにしてんの、あきらの意気地無し!
宛先を白石みのるにして本文に「ごめんなさい」って書いて、
余裕があったらとびっきり可愛い笑顔の写メ撮ってそれを貼って送信するだけでしょ!
ぐずぐずしてないで早くしないと、文化祭が始まってからじゃ
白石は忙しくなるばっかりで、メールに構ってる暇なんて……
「それじゃ、始まりますんで最初の人、位置に付いて下さーい」
白石の声がすぐ近くで聞こえて、こっそり隠れている体育館の舞台上の
カーテンの中から顔をちょっとだけ外に出す。
それまで舞台の上で振り付けの細かい部分の最終確認をしていた
チア衣装を着た女の子達がきっちりとした列を作って中央に並ぶ。
「一発目、頼んだからな」
「ふっふっふー、任せたまえよ白石の若旦那。私の辞書に不可能と自重という字はないのだー!」
「自重はしなさいよ」
青い髪の女の子が黄色いポンポンを握った手を元気良く突き上げて白石に見せ付けて、
隣の紫の髪の子がその子の頭をポンポンで軽くはたく。
ふたりとも余裕ぶっているけど、手も足もちょっと震えてるのが解る。他のみんなもそうだった。
かたかた震えてる子もがちがちに固まってる子もいるんだから、
一発笑えることやって、みんなの緊張ほぐすくらいの芸人魂見せなさいよ。
あんたあたしの下で何学んできたの!って突っ込んで行きたい。
喧嘩してなかったら絶対あいつのとこ行って蹴っ飛ばすのに。
あっ、白石、舞台から降りて幕の向こう側に行っちゃった。
「ん?おい、お前……小神さん。こんなとこで何してんだ、隠れんぼか。……ですか」
煙草を咥えた桜庭先生が、カーテンから頭だけを出した私の後ろを通り掛かってそのまま足を止めた。
「いえ、あの……」
隠れて白石を見ていました、なんて正直に言ったらきっと変な顔されちゃう。
「その、ええっとぉ……」
無理矢理嘘っぱちを捻り出そうとしても、こんな所に隠れる適当な理由なんてそうは思い付けない。
地味におろおろしていると、スピーカーを通して白石の声が体育館中に響いた。
「それではこれより、桜藤祭を開催します」
先生はもじもじする私を見て頭の上にはてなマークを浮かべていたけれど、
白石の声が響く空気を人差し指で掻き混ぜながら、
そういえば、って煙草を咥えたまま口をもごもごさせた。
「あの男……っつーのは昨日小神さんに紹介した白石なんだが。いや、ですが、
不真面目じゃないんだが実行委員長なんて任せられるようなタイプの生徒じゃなくてな。でして」
白石の簡単な挨拶が続く。
「それがいきなり、僕に委員長やらせて下さい、なんて職員室来て頭下げてまで寝言を言って。
んでゲストには是非あんた……小神あきらさんを
お呼びしたいだのなんだの散々無茶言いやがって、です」
全く、小神さんの予定が丁度空いてたから良かったものの、と先生は首をゆるく振った。
「うそ……」
うそ、信じられない。だって、あんなに怒ってたのに。
もう顔を見なくても済むと思ってたのに、
依りによってなんでこいつがこの学校に、って感じだったのに。
「白石が、私を……?」
うわ言みたいに呟く私に、先生は軽く頷いた。
「白石が、あんたを」
職員室、先生の真ん前に立って頭を深く下げる白石が見えた気がした。
ゲストは小神あきらで、って主張しているところも。
うわ、うわ、うわ、ちょっとあんた、どうしてそれを素直に言わないの。
>>50 GJ!!
こういう未来予想図もあるんだなって素直に感動しますた。
愛があふれてて素敵です。
ばか、白石のばか、男のツンデレは見苦しいのよ。
「せんせ、ありがとう」
先生に頭を下げた私はもう一度カーテンの中に引っ込んで、
今度こそ宛先を白石にしてメールの本文にごめんなさいって打った。
やっぱりあいつも私と仲直りしたかったんだ。
だって、嫌いな人間を自分の学校の文化祭にゲストとして、実行委員長になってまで呼ぶ筈がないもん。
早く、早く仲直りしたい。
したいけど、白石は今みんなに、はしゃぎ過ぎて怪我しないように、
もししちゃったらすぐ保健室に行きましょうって大切な話をしているところ。
だから今はまだ送信しちゃだめ。
白石がマイクから離れて、ダンスが始まって客席のみんなの注目が白石からあの子達に移ってからじゃないと。
そういえば、あの子達大丈夫かな。カーテンから顔を出して様子を見る。
みんな緊張でがっちがっちに固まっていて、
まるで芸能界に入ったばかりの頃の自分を見ているみたいだった。
ぴくりとも動かずに、深呼吸さえもできずに棒立ちになっている女の子達の姿は、
初めてふたりで番組を任された時の本番前のあいつとも重なった。
あの時、あいつにしたみたいに私が背中をばしばし叩いて、
こんなの案外ちょろいもんよ。だいじょぶ、あんたならできる
って元気付ければあの子達もきっとベストを尽くせるんじゃないのかな。
びびることなんてないんだよ、むしろ一度この楽しさを味わったら癖になっちゃうよ、
って言いに行こうとして、私はカーテンの中から一歩踏み出した。
で、カーテンを手で払った拍子に、ぽろっ、と手から滑り落ちた携帯が、
進めていた足の上、それも小指の上に直撃した。
「ん、いたぁっ!」
ずきずき痛む小指をしゃがみ込んで押さえる。
ついつい上げてしまった声は私が思っていた程大きくなかったのか、
それとも緊張し過ぎていて気付いていないのか、チアの人達はこちらを見向きもしなかった。
あー、良かった。恥ずかしいところを見られなくて…………………………………よよよよよよくないぃいぃいーーー!!!
ほっ、と息を吐きながら転がった携帯を探して、
その画面が目に入った瞬間、さぁあぁーっと血の気が引いた。
Eメール送信中、との文字が画面の真ん中に走る携帯に超高速ハイハイで駆け寄り、それを鷲掴みにする。
ばか、どじ、あきらのまぬけっ!!
落とした時にボタンが押されちゃったのかな、
慌てて中止ボタンを連打するけど無情にも画面は、Eメール送信完了とだけ告げた。
余りにもあんまりで、その場で太ももの内側をべったりと床に付けて座り込んでしまう。
どうしよう、白石の携帯がサイレントモードにしてあるのなら別に問題はないんだけど、
マナーモードだったらバイブ鳴っちゃう……
「留学生のパトリシアさんの発案で仲のいいメンバーが集まった」
白石の司会はどんどん進んでいく。
「チアリーディングです。では――」
どうか、どうかサイレントでありますように……!!
『みんみんみらくる・みーのるんるん
みんみんみらくる・みーのるんるん』
………サイレントどころかマナーモードですらねぇえぇえぇえ!!!
あほぼけなすかす!!
らっきー☆ちゃんねるで一回携帯鳴っちゃって、
後で私にもスタッフにも怒られたんだからちょっとは学習しなさいよ白石!
「わっ、ちょ、どわたたた!!」
白石の慌てた声がマイクを通して響き渡る。
続いて、ピッ、ピッ、と操作音。
ばかばか、そういう時はさっさと電源切りなさい!
いや、でも元はと言えば私のせいだ。やっちゃった、と頭を抱えるのと、
みんなの声が振って振って振りまくって蓋を開けたサイダーみたいに弾けたのはほとんど同時だった。
どっかーん!って体育館に笑い声が打ち上がって、空気が揺れる。
舞台のチアの子達も声を上げて笑って、ちょこっと涙を流している子までいた。
このハプニングのお陰で反って緊張もほぐれて場の空気も和んだみたい。
………よ、良かったぁ……
「すいません!なんかすいません!!
えーと、はいっ、さあ、それでは気を取り直していってみましょう!」
ぱたん、と携帯を閉じる音がして、白石は仕切り直す。
メール見たの?ねぇ、読んだの?
幕が上がろうとしている今になっても、まだ携帯を握り締めて座り込んだままの私を、
舞台脇に引っ込んでいた桜庭先生が手を掴んで立たせてくれた。そのまま舞台の脇に連れて行かれる。
賑やかな曲が始まって、先生はどうして舞台の上にへたり込んでいたのかとか、私に何も聞かずに、ただ、
「そーゆー訳で、今日一日、白石に任されてやれ。……下さい」
って言った。
私は頭をぶんぶん縦に振った。
少し前の自分なら緊張と集まる視線で石のように固まっていたのだろうが、
芸能界に入ってそれなりに慣れたのか全校生徒の前に立っても全く心拍数は上がらず、
リラックスして文化祭の司会を務めていた。
そこでまさか携帯が鳴るとは。かなり心臓に来た。
『From:あきら様
Subject:non title』
体育館中に鳴り響いた着歌を消すために慌てて開いた携帯の画面がそう表示して、思わず息を飲む。
ひゅっ、と喉が息を飲む音はマイクを通していたにも関わらず、
体育館を震わせる程の音量の大爆笑に掻き消され、誰の耳にも入っていないことだろう。
その場でメールを読むのは憚られ、何よりそんな勇気は持ち合わせていないので携帯を閉じる。
もしそこに拒絶の言葉が書かれていたとして、今それを読んでしまえば確実に司会どころではなくなる。
立っていることすら危ういかもしれない。
会場が落ち着くのを待ってからマイクを握り直し、一組目の曲名を読み上げる。
幕が開き、華やかなチアリーディングが始まり客席の目が全て
僕から舞台上へと移ったところで、マイクの電源を切って携帯を取り出す。
リハーサル前にあんなに邪険な態度を取ってしまい、その後更に舞台の上でも盾突いてしまったのだ、
文句の一言をメールで寄越されてもおかしくはない。
恐る恐る受信ボックスを開いてメールを読む。
本文に書かれた文字を順に追うに連れて、手の平に汗が滲んで携帯を落としそうになる。
そこにはたった一言しか書かれていなかった。
しかしその一言こそが、僕が彼女にずっと言おうとして結局捻くれたままで言えずにいたものだった。
文句かと思った先程の自分を蹴っ飛ばしてやりたい。
「ごめんなさい……」
呟いた声は情けないことに微かに震えていた。
ごめんなさい。僕が伝えるよりも先に、あきら様がメールで伝えてくれた。
急いで返信しようにも、なんと打てばいいのか解らない。
こちらこそすみません。気にしてないですよ。大人気なかった僕も悪いんです。
どれも心の底から思っている本音だが、会いたい。会って直接言いたい。
早く、彼女に会って謝らないと。
「白石ー、ちょっとええか?」
あきら様を探そうにも司会を放り出す訳にもいかず、
もどかしく思っていると黒井先生がやって来て僕の肩を叩いた。
お、あいつら頑張りよるな、と舞台を見上げてから先生は僕にこう告げた。
「なんや、喧しいバイクに乗った女が来てな、あんたに会わせろゆーんや」
バイクに乗った女の人……?
「どちら様ですかーって聞いてもあんたの知り合いやとしか言わんし。
まあそれでも普通の人やったらウチら職員かて普通に学校入れるんやけど、
格好が格好やからそうもいかんくてなあ。あれどっか組の人ちゃうか。
背中に金の糸で刺繍入った白い特功服に木刀担いどってな」
「ゴッ……!」
「ご?知り合いなんか?」
首を縦に振って肯定する。
白い特功服に木刀、バイク。
典型的なヤンキーの服装、その三つに当てはまり、
尚且自分の名を知っている女性だなんて一人しかいない。
何をしに来たのだろう。
高校の文化祭に興味を持つ人だとは思えないし、だとしても僕を呼ぶことには繋がらない。
「あの、司会お願いできますか」
「しゃーないなー。やったるさかい、はよ行ってき」
頭を下げ、先生にプログラムを手渡して体育館を出る。
何にしても、あの人をそのまま放ってはおけない。
校門の前まで駆けて行くと、そこにはバイクの前に立ち、
木刀で肩を軽く叩いて職員に食って掛かっている女の人がいた。
「だからあ、アタシはあんた等先公にじゃなくて白石に用があるの。
後、できればあきらも呼んで来て欲しいんだけど、
あの子は今仕事中だろうし白石だけで……」
「ゴットゥーザ様」
ふわふわとした赤色か栗色かの判断が難しい髪を人差し指に巻き付け、
威圧的な目で職員を睨み付けていた彼女に声を掛ける。
しかし奇妙な呼び名だ。
呼んでいるこちらが大分恥ずかしいのだから、
呼ばれている彼女はこれ以上に恥ずかしいのではなかろうかと思うのだが、
彼女のそのような素振りは一度も見たことがなかった。
「あ、白石。もっと早く来なさいよ、全く。
遅れて登場するのは正義のヒーローだけで間に合ってんだから」
彼女を校内に入れぬよう怖じ気を振るいながらも仁王立ちをしていた男性職員に、
彼女は自分の知り合いであり不審者ではないと説明して退いて頂く。
どう見ても不審者である彼女を胡散臭そうに一瞥し、彼は職員室へと戻って行った。
「で、何か用ですか?」
「何か用ですかーって、あんたねえ。
あれからちゃんとあきらと元鞘に収まったんでしょうね?んん?」
「いえ、それはその、これから」
ずっと前から元の鞘に収めるのは無理でもせめて謝罪だけはと思っていたが、
あきら様が先手を打ってくれたのだ。
行動にしようにも時間の都合が付かなくてもう暫く時間を要するだろうが、
彼女が舞台に立つ前には実行に移す。懸案事項を抱えたまま彼女に仕事をさせたくない。
「はー……せっかくアタシが直々に仲裁してやったってのに、ぐずぐずしてんじゃないわよ、ええ?
あんた等、そんなにアタシの顔に泥塗りたい訳?」
後頭部を掻き毟りながら顎に掛けたマスクを引き上げて、それで口を覆う。
マスクには禁則事項と黒い文字で書かれていた。
「よーし、ここはアタシが一丁お前とあきらのケツ叩いてあげるから、今度こそ……」
「仮にも女性が、ケツ叩くなんて品のないこと言わないで欲しいなあ」
柔らかな声が発せられたの方向を見ると、黒塗りのタクシーが自分達の真後ろへと徐行していた。
窓を開けて顔を覗かせていた後部座席のその人は、
「小野」
「お久し振り、ゴットゥーザ様」
ひらりと手を振り、停車した車から降りる。
ミルクティーに金色を混ぜたような髪の持ち主の手中には薔薇の花束が澄ましていた。
可愛らしい顔をしているのに木刀を担いで特功服を着て、
尚且ちぐはぐである筈のそれが特に取り上げる程の違和感を伴わないようなこの女性と、
白いスーツに真っ赤な薔薇、普通の男がやれば只のお笑いとなってしまうようなことを
恐ろしく自然にこなしてしまうこの男性に接点があるとは思わなかった。
対極の位置にある人種同士の会話が珍しくて、つい何をしに来たのか聞きそびれてしまったが、
答えは己が動かずともすぐに提示された。
「何それ、あんた何しに来たの?」
「ああ、これ?小神さんがここで舞台やるって聞いて応援に」
えらく友好的な声色で質問に答える彼が、
そのリボンでひとつに束ねた花々をあきら様に捧げるのを想像して、視線が地面に落ちる。
悔しいけれど、送る方が美形ならば送られる方は美少女だ、当然絵になる。
これを自分がしたものなら、似合わないを通り越して笑い草にしかならない。
「はい、プレゼント」
が、しかしその花束を押し付けられたのは自分だった。
「え!?俺っすか!?」
胸に押し付けられ、落とさないように咄嗟に抱えたが、素頓狂な声が口から飛び出す。
「君にあげるけど、君のものにはならないかな。ほら、ここ」
彼は半ば花に埋もれている白い長方形のメッセージカードを指差す。
それを薔薇の中から取り上げて、万年筆で丁寧に書かれた字を読む。
「あきら様へ、白石より……」
そこに差出人である筈の彼の名前はなかった。その代わりに、自分の名前が書かれている。
これは、まさか僕があきら様に渡せと、そういうことなのだろうか。
「上手くやるんですよ」
小気味良い効果音がしてもおかしくないくらいに爽やかに自分に向けてウィンクをする彼に、
先程のまさかがやっぱりに変わって慌てて花束を突き返す。
「んな、俺そーゆーキャラじゃないんで!」
そんな気障な真似がすんなりと出来てしまうのなんてこの人くらいなものだ。
それが万人にこなせるだなんて思わないで欲しい。悪気がないのは良く解るのだが。
「気に入りませんか?ちょっと派手だったかな」
ちょっとどころか……
彼は手頃な薔薇を束から一本引き抜いて、リボンを解きそれを茎に結んだ。
「はい、これでどうです?」
大袈裟な花束からささやかな一輪に変化を遂げた薔薇を彼は僕に握らせた。
「ああ、いいんじゃない?白石、あんたそれであきらんとこ行きなさい」
彼女までもがそう言うが、これでもまだ自分には派手に思えてならない。
「じゃあ残ったこれはあなたに」
「……あんたさあ、相手選ぼーよ。
アタシみたいな女がこんなん貰ったって似合わないっつーの」
そうぼやきながらも、彼女は差し出されたそれを撥ね除けることなく、乱暴にバイクの座席に置く。
「んで、あきらの舞台はいつ?」
「え、あーっと……」
携帯のサブ画面で時刻を確認して、練習をしている内に覚えたプログラムと照らし合わせる。
「げっ!もう始まってる!!」
爪先を180度回転させて体育館に向かう。花の御礼は後に回させて頂こう。
「呼び止めてごめんねー。あきらに宜しく、男見せんのよー」
「頑張れー、しろいしくーん」
走る背中に投げられる声に、しらいしだと訂正する間すら惜しい。
減速することなく体育館まで駆け抜ける。
体育の授業でだって、ここまで必死になって走ったことはなかった。
やっと見えた体育館は、外から光が入らないように全ての窓に分厚いカーテンが引いてあった。
スクリーンとプロジェクターを使用しての出し物がチアリーディングと彼女のフリートークの間にあったから、
それのためにカーテンで光を遮断させるために引いてそのままなのだろう。
出し物と出し物の間ならまだしも、真っ最中に前方の扉から入っては悪目立ちしてしまうので、
後ろの扉を薄く開いてその隙間から体育館に滑り込む。
「それでね、あきら、そこのお店のキャラメルバナナパフェ大好きになっちゃって」
舞台のみが人工の光で照らされ、その真ん中で彼女は生き生きとした表情で、
たっぷり余った袖を振って身振り手振りを加えて話す。
あきら様が立っている舞台から一番離れた体育館の後ろの扉。
そこに棒立ちになってただ見ているだけだなんて、こんなのはアシスタントの仕事ではない。
司会すら黒井先生に任せたままだ。
「そこのウェイトレスさんの制服がすっごく可愛くてー……って、あれ?
もしかしてこのお話さっきもした??なんかもう既に言った気がするんだけど……?
うーん、まあいっか」
ボケボケだけれど、ツッコミ役がいなくても、それでも彼女は一人で話を進められている。
当たり前だ。
支援
彼女と僕が組んで仕事をした時間は、彼女の長い芸能界歴に置いてほんの一瞬にしか過ぎない。
それまではずっと一人で数々の仕事や困難を乗り切って来たのだ。
僕が抜けたからといってあきら様が困る筈がなく、彼女にとってはただ前と同じ状態に戻っただけであり、
当然トークだって隣に僕がいなくても彼女一人で十分成り立つ。
僕にとっては、あきら様との仕事が全てだったけれど。
彼女が舞台に立つ前にこの蟠りを解消しようとして、それも叶わずに肩を落としたのだが、
ひょっとしたら僕が謝ろうがなかろうが、舞台に影響はなかったのかもしれない。
「えーっとお、あとひとつお話してお終いかな?時間的に」
舞台下、司会代行の黒井先生に残りの持ち時間を確認してから、あきら様は客席に笑顔を振り撒く。
「フリートークだもんね、どんなお話してもいいんだよね」
えへっ、と袖から出した人差し指で頬をつついてから、
彼女は最後になるであろうトークを始めた。
「えとね、実はこの前、あきらってばアシスタントさんと喧嘩しちゃいました」
息を飲んで彼女を見つめる。それって。
「その人ね、いっつもにこにこしてあきらの言うこと何でも聞いてくれるから、
あきらつい我儘言い
過ぎちゃって」
今度は軽く握った拳で頭を小突く。
「でね、いつもみたいに我儘……っていうか、あれは我儘の域越えてたから、意地悪?
意地悪でも表現が生温いかも。とにかく、すっごく怒らせちゃって。
笑ってても、ずうーっとあきらの意地悪に耐えてたんだなあ、それが限界越えちゃったんだなあって、
そこまで我慢させてやっと気付けたの。遅過ぎるよねえ。
後輩がそうやって我慢できなくなってブチ切れるまでずっとずっと我儘ばっかり言って、
あきらってば最低の先輩でした」
そこで言葉を一旦区切り、大きな瞳で客席だけでなく体育館全体を見渡す。
まるで誰かを探しているようだった。
「それで喧嘩別れしちゃって、その人と組んでたのもなかったことになって、
でもお仕事はあきらひとりでできるもんって思ってたんだけど……
いつも隣にいた奴が急にいなくなって、すごく寂しかった。今もだよ。
ボケてもツッコミ入んないし、いまいち張り合いがないの。
このお仕事も、喧嘩してなかったらそいつがあたしの隣にいて、
マイクも一本じゃなくて隣にもう一本あって、
一緒にお話してたんだと思うと、なんかね…………」
この話題になる前はあんなに元気に声を弾ませていたのに、
スピーカーから流れる声は空気の抜けた風船のように萎んでいた。
「そのアシスタントさん、今この体育館にいるはずなの。いるよね?あのね……」
息を吸い込み、マイクを握り直す。
「お願い、あきらのとこ戻って来て」
声が震えている。
ここからでは遠過ぎて解らないが、もし近くで見たらうっすらと涙が瞳に滲んでいるのだろうか。
「また一緒に仕事しよう、ね?」
はい、や、もちろんです、と人目を構わず声を張り上げるつもりで口を開いた矢先、
突然照明が消え、舞台にしか光がなかったために元から仄暗かった体育館が真っ暗になった。
客席がざわめく。一先ずカーテンを開けて光を入れようと直ぐ横の窓を覆うカーテンに手を伸ばした。
ブレーカーが落ちる程電気を使っていたとは思えないので、
もしかしたら誰かが故意に消したのかもしれない。
「きゃあっ!」
鼓膜を刺激した悲鳴に、はっとしてカーテンを掴み損ねる。
支援
マイクだけは生きていたらしい。
ブレーカーが落ちたのなら、それだって使えない筈なのに。やはり誰かが故意に?
だとしたら一体誰が、何のために。
そこで最悪な想像が脳内にちらついた。
彼女に何かしらの恨みをもった、芸能界に関係する人間なら暗闇の中、或いは。
その考えに至った瞬間、舞台に向かって走り出していた。
あきら様が危ない!
真っ暗なために壁側に控えていた職員にぶつかり、
空いた椅子を蹴飛ばしてしまうが、一々立ち止まってはいられない。
手探りで舞台に上がる階段を見つけ、駆け登る。
最後の一段を踏み外して脛を強打したが、痛がっている場合ではないのだ。早く、早く。
何時までたっても点かない電気に内心舌打ちしながら舞台の真ん中に備えられた大きな台へ向かって走る。
暗闇に慣れてきた目に、マイクが立ててあるその台の下に潜り込んで、
頭を抱えて背中を丸めて蹲っている彼女が映った。
「あきら様」
こちらに背中を向けて震える彼女の前に跪き、その肩に出来る限り優しく手を置く。
彼女の肩が驚きに大きく揺れるのが伝わった。
「みのる……?」
頭の上に置いていた手を下ろし、ゆっくりとこちらを顔だけで振り返る。
「はい」
「ほんと……?」
弱々しい声の持ち主を元気付けたくて、暗闇では見えないと解っていながらも力強く頷いた。
「はい。あなたのアシスタントの、白石みのるです」
刹那、顔だけでなく体ごと振り向いた彼女に抱き付かれる。
「みのる……!」
しがみつく小さな体は必死に制服の胸辺りを握り締め、
まるでまた目の前から消えてしまうのを恐れているようだった。
「ごめんなさい、ごめんね。あきら、あきら……!!」
可哀想なくらいに震える彼女の背中に手を回し、もう片方の手は頭を撫でる。
「すみません、あきら様。僕の方こそ申し訳ありませんでした。ごめんなさい……」
意固地になってしまってずっと言えなかったけれど、やっと。
やっと言いたかった言葉を紡げた。
肩に頭を押し付けられる。揺れた髪が僕の頬を撫でた。
微かな嗚咽と共に彼女の唇が熱い息を零し、制服がその熱を吸い込む。
それから一分もしない内に電気が再び点いた。今度もライトで照らされているのは舞台だけだ。
ヽ( ・ω・)ノ
支援!続きがすっごく気になります!
黒井先生の呑気な声がマイクを通して響き渡った。
「あ、点いた。なんやブレーカーでも落ちとったんか?
まあええわ、点いたから良しとしよ」
僕の制服を握る彼女の指の力が抜けたのを感じて、彼女の背中に添え、頭を撫でていた手を離す。
「そんなら気を取り直して……あれ?小神さん?小神さーん」
ゆっくりと体が離され、制服に籠った吐息の熱が空気に溶けていく。
彼女は余った袖で頬の涙の跡を拭う。
それでも光る雫が目尻に残っていたので、
壊れ物の硝子細工を扱うように慎重に僕は自分の制服の袖でそれを拭った。
「あの、あきら様。良かったら、これ」
足元に放り投げ出された一輪の薔薇が目に入り、
無意識の内にきつく握ってしまったせいで随分と痛んでしまったそれを差し出す。
「………あたしに?」
大きな瞳をより一層開いて、花と僕を交互に見つめる。
「ええと、はい」
やはりこんな真似は僕には似合わなかったのだろう。
しかし、これを仕掛けた彼の名前を教えて種明かしをすることだけはしたくなかった。
僕が頷くのを見て、彼女は見開いた目を三日月の形にして笑った。
先程まで舞台で見せていた笑顔が真夏の太陽を浴びた向日葵ならば、
この笑顔は日溜りの中に咲く朗らかで健気なたんぽぽのようだ。
皺が寄ってしまっているリボンに結ばれた茎を、
彼女が両手で宝物を扱うようにして包む。
「ありがとう」
ついさっきまであんなに引っ付いていても平常通りに機能していた心臓が、いきなり早鐘を叩き始めた。
早過ぎる、痛いくらいだ。
「そのまま、そこで見てて」
彼女は両手に花を握り、潜り込んでいた台から抜け出して再びマイクの前に立つ。
「ごめんなさーい!」
明るさを取り戻した声が体育館に木霊した。
今から出て行く訳にもいかず、言われた通りに隠れたままで窮屈な台の下に体育座りをする。
「いきなり真っ暗になって、あきらってばびっくりして
おしりと床がこんにちはしちゃってました!」
視線をどれだけ上げても顔は見えない。
見えるのは目の前に伸びる足とスカートの襞だけだ。
「もう時間だねー。あっという間でした。
皆さん、あきらのフリートーク、楽しんで頂けましたかー?」
流石プロと言うべきか、11年の芸能界歴は先程まで流していた涙の欠片も見せなかった。
ヽ( ・ω・)ノ
「じゃあ、あきらの歌でお終いね。聞いて下さい」
殊更彼女は声を弾ませる。
予定ではここで三十路岬のイントロが流れる筈だ。
しかし彼女が高らかに叫んだ曲名は、
「曖昧ねっとだーりん!」
え、と声を上げるよりも先にあきら様が屈んで、
僕の膝を抱えていた腕を掴み、立たせようと引っ張る。
いきなりそう言われても、曲は三十路岬しか用意していない。
「あきら様、三十路岬の筈じゃ……」
「アカペラよ、アカペラ!あんたと歌わないと意味ないの!」
強引に引っ張り上げられ、されるがままに台の下からスポットライトの中央、あきら様の隣へと立つ。
どうしたものかと焦っていると、掛かる筈のない派手な曲調のイントロがスピーカーから流れた。
「なんだ!ちゃんと用意してるじゃない」
彼女の瞳は天の川を閉じ込めたように輝いていた。
「いえ、そんな筈は……」
戸惑いながら他の委員が控えている舞台袖に首を向けると、薄暗いそこには人が二人いた。
どちらも白い服装で、片方はこの曲のCDを持ち、優男に相応しく空いた手をこちらに向けて優雅に振り、
もう片方は木刀を肩に担ぎ、意味深長とも不敵とも取れる笑みを浮かべて照明の電源に手を掛けている。
全く、この人達は……!
舞台袖に控えた厄介なイベントプランナーである二人に頷いて見せて、
僕はあきら様の手の上からマイクを握った。
「それでは、桜藤祭の成功を祝して!」
「かんっぱーい!!」
祭が終わった直後、片付けよりも先に打ち上げを望んだクラスメイト達に、
文化祭実行委員長だからとクラスの出し物のために特別何かをした訳でもないのに
教卓に立たされてしまった。
簡単な挨拶をしてからオレンジジュースがなみなみと注がれた紙コップを掲げる。
クラスメイト達が後を引き継いでコップ同士を軽くかち合わせた。
「やー、でも、台の下から白石が出て来た時はびびったよー」
占いの館の内装のままの教室の窓辺に凭れ、
魔女装束の纏ったままの泉こなたさんがそう言ってからジュースを一口飲む。
「ねー。サプライズイベントって言うのかな、びっくりしちゃった」
柊つかささんが、先程高良みゆきさんの物と触れ合わせていたコップに口を近付けながら同調する。
「とっても素敵でした。お二人ともにこやかな笑顔で歌ってらして」
高良みゆきさんが口元に手をやって上品に笑った。
ガンバレ
ヽ(=ω=.)ノ
もう二度とあのようなへまをしないように
隙を見てマナーモードに設定しておいた携帯が震えたのはその時だった。
歓談の花を咲かせる彼女達から目を離し、携帯を開いて画面を見る。
「ま、何はともあれ、お疲れ様だったわよね。白石……あれ?白石?」
クラスから抜け出して泉さん達の所に来ていた柊かがみさんが教卓を振り返る。
が、その時既に僕は教室に居ず、そこから抜け出して廊下を走っていた。
『From:あきら様
Subject:non title 本文: 』
『屋上。』
送ったメールの本文に書いたのはそれだけ。短文どころか単語ひとつ。
お片付けで忙しいのかもしれないけど、多分あいつはそれを放ってでもあきらのところに来てくれる、と思う。
……って、だめ、実行委員長がさぼっていい訳ない。やっぱり待たないとだめかなあ。
私は柵に肘を置いて、その上に顎を乗せて立っていた。
山に沈む夕日が良く見える、橙色になった町が見下ろせてとっても綺麗。
歌った後、白石はすぐに関西弁の先生に司会に呼び戻されたから、あれから一度も会ってない。
急いで来たらしくって、上履きに履き替えずにスニーカーのまま
舞台に上がってた白石はお客さん達の前で先生に注意された。
格好悪かったけど、すっごく格好良かったよ。
それに、あんなに気持ち良く歌えたのなんて久しぶり。
お客さんにも楽しんで貰えたし、拍手もいっぱい貰ったし、楽しかったなあ。
夕方特有の涼しい風が吹いて私の髪をまぜこぜにした。
白石が撫でてくれた頭、手の平が暖かかった。
動揺しちゃって、いつもは白石なのに、みのるって呼んじゃったんだよね、私……
……今思い出しても顔から火炎放射が出せそう。
みのるって呼んじゃったのもだけど、抱き付いたのも泣いたのも、みんなみんな恥ずかしい。
今更になって熱くなる顔に余った袖でぱたぱたと風を送る。
まだかなあ。
きいっ、って錆びた扉が軋みながら開く音がした。体ごと振り返る。
「あきら様」
大きな音を立てないようにそっと扉を閉めてから、
白石が私の方に向かおうとして、でも二歩くらい歩いただけで止まってしまった。
「あの、本当にすみま……」
「もういいよ。ステージで謝って貰ったし、悪いのはあたしだし」
「でも」
もういいって言ってるのになあ、律義な白石は再び口を開こうとする。
「あのね」
支援
頑張れ!
私はそれを自分の言葉で遮った。
「あたしってさ、ほら、全然素直じゃないでしょ?あんたもだけど、あたしはそれよりもっともっと。
だから、今みたいに勢いが付いた時に言っとかないと、多分一生言えないままだと思うの」
白石が動かないから、私の方から距離を詰めた。
白いセーラーを夕日の橙色に染めて、鏡を持ってないから解らないけど、きっと顔も赤い。
でもそれは夕日のせいじゃないの。
「あんたと喧嘩して、あんたがあたしから離れて、それでやっと気付けたの」
どんどん距離が狭くなって、とうとう私は白石の目の前まで来た。
こいつの顔も赤い。ね、それって夕日のせい?
ずっとずっと溜め込んで言えずにいたのを、今、言う。
「あたし、あたしね、あんたのこと――」
「ま、まっ、待って下さい!」
いきなり白石が両手を上げて私の口を塞いだ。
ショックだった。
文化祭が終わって、喧嘩して仲直りしたばっかりの女の子に屋上に呼び出されて、
それでこの台詞と来ているんだから、どんなに鈍い奴でも私が何を告げようとしているかは解るだろう。
多分白石も解ってる。解って止めた。
嫌ってことなの?聞きたくないって言われるのかな……?
「それは、あの、僕に言わせて貰えませんか」
…………え?
な、なっ、え?うそ、そうなの?私だけじゃないの?白石もなの?
てっきり耳を塞がれると思ってたから、びっくりして白石の顔をまじまじと見つめる。
いつもの白石だ。ちょっとおどおどして、目が泳いでいるいつもの白石。
ただ、顔が見たことないくらい真っ赤っ赤だったのがいつもと違ってた。ゆでだこみたい。
「その、あんまり気が利いたことは言えません。口べたなもんで、思ったことをそのまま言います」
白石はずっと泳がせていた目で私の目を射抜いた。
「自分から離れておいてあれなんですけど、あきら様の隣にいないとどうしても駄目でした」
綺麗な目。吸い込まれそう。………じゃなくって!
「僕、あきら様が――」
「えっ、えっ、だめ!あたしが言うの!」
ぴょんと飛び跳ねて今度は私が白石の言葉を遮る。
だって、私が呼び出したんだもん。絶対に言うんだって決めたんだもん。
「いっ、言わせて下さいよ!せっかくあきら様に男見せたくて勇気振り絞ってんですから」
「だめ、絶対だめ!人がせっかくデレてやろうってんだから大人しくしてなさい!」
「こういうのは男から言うもんなんです!」
「ばかっ、あたしは待ってるだけの女じゃないの!欲しかったら自分で動く女なのっ!」
白石がどうしても私に譲ってくれなくて、暫くふたりでぎゃあぎゃあと騒いだ。
どうしてこういう時に限ってこいつは頑固になるんだろう。
白石が私に譲ればそれで全部丸く収まるのに。
太陽が沈むどこか、山の中にすっぽり落ちてしまう頃になってまで私達は、
あたしが、いや僕が、を繰り返した。
「じゃあこうしましょう、せーのでお互い同時に言うんです」
いつまでたっても埒が明かないから、白石が妥協案を持って来た。
「せーの?せー、でフライングして先に言わない?」
仕方ないから、その妥協案飲んであげる。
そろそろ寒くなってきたし、ふたりともじたばたし過ぎて肩で息してるし。
「言いません。あきら様こそ、せーので僕だけが言ってやっぱり自分は言わないなんてなしですよ」
「そんなことする訳ないっつーの!
あんたこそちゃんと言いなさいよ、あたしだけだと恥ずかしいし」
「解ってます。……じゃ、いきますよ?」
「うん」
「………」
「「せーのっ」」
「「すき!!」」
以上で投下終了です。
読んで下さった方、ありがとうございます。
レス数間違えていました、すみません……
途中やっぱり規制されてしまいましたが、支援のお陰でなんとか最後まで投下できました。
重ね重ねありがとうございます!
あー……書いててめちゃくちゃ楽しかった。
アニメ最終回のツンツン白石とツンギレあきら様を見た時はしょんぼりしたのですが、
ラジオの方は全くいつも通りのデレデレ白石とアホデレあきら様だったので余りのギャップに吹き、
ということはあれから仲直りしたんだな!と勝手な妄想に走ってしまいました。それがこのSSです。
みのあき可愛いよみのあきと主張しつつ、それではっ!
本当にありがとうございました!
GJ! いやさGod Job!
最終回のいい補完をしてくれて、漏れ的に溜飲が下がったぜ。本当に2人が『らしく』描かれていたのが秀逸だったなー。
やっぱみのあき最高!!
>>90 長編おっつ〜
らきちゃんは生では聴けない地方なんで金曜更新が楽しみだw
みのあきか…GJですよ!
>>90 読むのに時間かかったけど一応リアルタイム遭遇!
いい話をありがとう!
>>90 話にも感動したが、長編を投下したあなたにも感動した!
>>90 GJだぜ
最終回の白石携帯着信にこんなエピソードがあったとは…
>>90 長編GJっした!
ラジオで仲良しだったのは嬉しかったけど、
仲直りの過程がすっ飛ばされた感があって物足りなかったので、
あなたのSSで全てのピースが埋まりました!
みのあき最高!
>>90 GJ
これの後と考えればラジオでのイチャつきっぷりも納得だわ
長くなりそうだが素晴らしいSSにGJを言いたいから頑張るぜ!
>>26萌えドリルやった俺には尚更楽しめた。別れの切なさと信頼できる友というのが安らげた。
GJ!!
>>41素晴らしい心情表現と三角関係ですな。続き待ってます。GJ!!
>>50こんな未来が思い付く能力に敬服。とても良質なしんみりGJ!!
>>90心地よいSSを本当にありがとう。リアルタイムGJ!!
さてパソをツインテール姉に壊されて携帯から見てるんだが、らき☆すたスレ有数の投下ラッシュで今の容量がもの凄く気になる。今どれくらい?
99 :
14-319:2007/09/26(水) 03:29:50 ID:ZIyKCmza
>>90 すごい長編が投下されてる…
おつかれさま!そしてGJ!
ラヴラヴですねー
それにしてもすごい投下ラッシュだなぁ…
そして私も投下します
隠し事1話から少し前の話をします
こなた×つかさのエロありです
8レス程度使用を…
今日私はこなちゃんと今日遊ぶ約束をして
今こなちゃんの家の前に来ていた
だけどお姉ちゃんがこれないのはちょっと残念だったな…
とりあえず私はこなちゃん家のチャイムを鳴らす
しばらくしたら玄関のドアからこなちゃんが顔を出した
「やっほーつかさー、かが…あれっ?」
「こなちゃんおはよー。
ごめんね、お姉ちゃん用事があってこれないんだって」
「いいよいいよ。私はつかさと二人でいたいし…」
「…?こなちゃん、今何て言った?」
「ん〜、聞こえなかったならいいよ」
「うぅ…」
「まぁ、そんな顔しないで。あがってあがって」
「うん」
こなちゃんと私は一緒にこなちゃんの部屋に入った
やっぱこなちゃんの部屋は凄いなぁと思う
「漫画とか凄く多いねぇ〜」
「つかさ、読みたいのある?」
「う〜ん…」
「読みたいのあるなら読んでいいよ」
「うん、ありがと」
とりあえず私は適当に本棚から漫画を一冊手に取ってみた
あれ?表紙は結構普通だけど、漫画ってこんな薄いものだったっけ…?
「じゃあ私はゲームでもやってるね。つかさも後でやる?」
「いや、私は…ゲームあまり得意じゃないからいいよ。
私はこなちゃんの楽しそうな顔見るだけでいいから…」
「つかさ?」
「いっ、今何も言ってないよ!ほ、ほんとだよ!」
「ん〜…何言ったか気になるけどいいや。
私はゲームやるね。でもつかさとゲームやりたいなぁ…」
「えーっと…わ…私でいいなら後で一緒にゲームしてもいいよ…」
「じゃ、後でやろう」
「うん、漫画読んでからでいいなら…」
「いいよ、待ってるからね」
101 :
隠し事 0話:2007/09/26(水) 03:33:29 ID:ZIyKCmza
私は借りた漫画を読み始めた
でも読んでて不思議に思ったことがあった
普通の恋愛漫画かと思って読んでたけどこの漫画の登場人物が女の子しかいないよ…?
恋愛漫画はてっきり男の子と女の子の恋愛を描くだけの物かとずっと思ってたけど
女の子同士のもやっぱあるんだ…
なんだか見ている私も恥ずかしくなってきた…
こなちゃんの方を見ると楽しそうにゲームをやってるけど…
どうしよう…本棚に戻したいけど…でも気になる…
「つかさ、どうしたの?」
「っ!…別になにもないよっ」
「そっか」
こなちゃんが急に話かけてきたからびっくりしてしまった…
とにかく私は意を決して続きを読んでみた
読んでたら女の子同士が絡みを見せ始めた…
っ…!体がなんだかムズムズしてきた…
やっぱりやめようってそう思った。
私は本棚に今読んでた漫画を戻そうとしたけど…
「あれ?つかさ、何読んでんの?ちょっと見せて」
こなちゃんに呼び止められた…
こなちゃんはすぐこっちに来た
そして私の体を掴んでこなちゃんの方に向けられた
「あっ…」
「ふ〜ん…この同人誌読んでたのか」
「へぇ、それ同人誌って言うんだ…漫画にしては薄いなぁと思ったよ」
「うん、ほんとは別の所に保管したつもりなんだけど何かの手違いでこの本棚に入っちゃったみたいだね
あぁ…わかった。つかさ、だからさっきから変だったんだね」
102 :
隠し事 0話:2007/09/26(水) 03:34:54 ID:ZIyKCmza
「わ…私、こういうのに興味ないから……」
「うんうん、わかってるよぉ。そこがつかさらしいね。
で、つかさ。なんか体に変化起こった?」
「う…うん…」
「やっぱつかさもそういうの気になる年頃なんだねぇ…」
「私は…別に…」
「ほんとかなぁ?ここは…」
こなちゃんはそう言いながら突然手を伸ばしてきた
「ひゃぅっ!」
「中々いい反応だね…それに少し濡れてるんじゃない?」
「濡れてなんかないもん…」
「でも私が触ってみたら濡れてたよ…?」
「そ…それは…」
「恥ずかしがるつかさいいよー、かわいいよー」
こなちゃんから出た言葉に私はドキッっとしてしまった…
だって…こなちゃんにこんな事言われて…嬉しくないわけがないんだもん…
「ねえ、つかさ」
「なに…?」
「この同人誌見たいな事やりたくない…?」
「えっ…こなちゃん…ほんとに…?」
「大丈夫だよ。私に任せて」
「う…うん…でも…お父さんとかはいないの…?」
「大丈夫。ゆーちゃんはみなみちゃんの家に行ってるみたいだし
お父さんは原稿出しに行ってるから気にしなくていいよ」
「じゃあ…大丈夫なんだ…」
私とこなちゃんはベットに移動した
ふとテレビの方を見るとテレビの電源が消えていた
もしかして私があれ読んでるのわかってたんじゃ…
103 :
隠し事 0話:2007/09/26(水) 03:36:35 ID:ZIyKCmza
「つかさ、こういうの初めて?
もしかしてかがみとやったことある?」
「いや、お姉ちゃんとはやった事はないよ…
こなちゃんとするのが初めてだよ…」
私はとてもドキドキしていた
だって…大好きなこなちゃんと…一緒に…
「つかさ、キスしよ…」
こなちゃんはそう言うと自分の唇を私の唇に近づけてきた
「んっ…!はぁ…あっ…」
「つかさの唇って柔らかくて気持ちいいね…」
「んっ…こなちゃんも…ちゅっ…」
こなちゃんが…私の初めてのキスを…
ずっとキスをしてたらこなちゃんはゆっくり舌を入れてきた
私も舌を絡ませてお返しをしてみる
「これが大人のキスだよ。舌で絡むの気持ちいい?
キスって心も身体もとても気持ちよくなるでしょ…?」
「うん…とても…」
「それにつかさって子犬みたいな顔しててかわいいなぁ…」
「え…そう…?」
「うん、とっても。私がかがみだったらすぐ奪っちゃうのに」
「うぅ…こなちゃんにそう言われると恥ずかしいな…」
「つかさ、服脱いで。私も脱ぐから」
「うん…」
こなちゃんに言われて私は服を脱いだ
私の肌が露になる
同時にこなちゃんの小さな体の肌も露になる
「つかさ、ここに座って」
こなちゃんの言ったとおりに座った
突然こなちゃんが後ろから私に覆いかぶさってきた
とてもドキドキして体が赤くなりそうだった…
「やっ…」
「動かないで」
そしたら後ろから手を回してきて私の胸やあそこに手をあててきた…
「やっぱ少し濡れてるねぇ…」
「ひゃっ…んっ…」
「さあ、力を抜いて後は私に身体を任せて…」
こなちゃんに体を任せるなら安心だよね…
こなちゃんのかわいい手はずっと私のあそこをなでなでしてきた
なんか…こんな気持ちになったの始めて…
「ちょっとずつ出てきたね…」
「やっ…やだ…恥ずかしい…んんっ…」
「感じてる姿いいねぇ…それにしても敏感だね…。責め甲斐があるよ」
「あっ…ん…」
「ねぇ」
「んっ…」
こなちゃんの吐息が私の体にあたりさらに気持ちよくなる…
104 :
隠し事 0話:2007/09/26(水) 03:38:06 ID:ZIyKCmza
こなちゃんが私の前に回って来た
「入れていい?」
「えっ…入れていいって…どこに…?」
こなちゃんは私のある所に触った
「んぁっ!」
「つかさ、この豆みたいなのはねクリトリスって言うんだよ
とっても充血してるね…」
「んぅ…あんっ…」
「何も知らないんだね…」
「だって…私……ひゃぁぁぁっ!」
急にこなちゃんの指が私の中に入ってきて私は大きい声をあげてしまった
「やっぱそういう純粋な所がつかさの魅力だね」
「あぁ…んん…」
甘い声が少し漏れてしまった
「ゆっくり動かすよ」
「んんんん…っ」
私はというと片手でこなちゃんの布団のシーツを掴んで我慢していた
またこなちゃんは私と口付けをしてきた
今度は舌と一緒に唾液まで入れてきた
私は迷わずにそれを飲み込んだ…
「ふあっ……こなちゃんの…おいしい…」
「つかさにそう言ってもらえて嬉しいな」
「私も凄く幸せ…んあっ!」
くちゅっくちゅ…と少しずつ私の音が大きくなっていた…
中から…とても気持ちいいものも一緒に溢れてくる…
こなちゃんは私から離れて今度は顔を私のあそこに近づけてきた
「つかさの体ってどこも可愛いな…」
「ひゃうっ…んぁぁっ…や…あぁぁぁ…!」
私から出たものを少しずつちゅぷちゅぷと音を出しながら舐めとられて…
そして一気に吸い取ってきた…
「つかさばっかりずるいな…私も気持ちよくしてよ」
「こなちゃんが…頼むならいいよでも上手く出来ないよ…」
「じゃあ一緒にやろうね」
「うん…」
私たちは膝で立ちながら一緒に口をつけて…
お互いの中に指を入れた
「くぅ…んっ…」
「ひゃんっ…!」
もう一つの手ではお互いの胸を触ってた
「こなちゃんの胸…ちっちゃくて可愛い…」
「つかさもね…」
二人で一緒に指を動かし始める
その後すぐに私たちの息はとても激しくなっていた
それに伴いキスも激しくなっていた
口を離したときには糸も見えていた
106 :
隠し事 0話:2007/09/26(水) 03:41:19 ID:ZIyKCmza
「ふあっ……こなちゃんの…おいしい…」
「つかさにそう言ってもらえて嬉しいな」
「私も凄く幸せ…んあっ!」
くちゅっくちゅ…と少しずつ私の音が大きくなっていた…
中から…とても気持ちいいものも一緒に溢れてくる…
こなちゃんは私から離れて今度は顔を私のあそこに近づけてきた
「つかさの体ってどこも可愛いな…」
「ひゃうっ…んぁぁっ…や…あぁぁぁ…!」
私から出たものを少しずつちゅぷちゅぷと音を出しながら舐めとられて…
そして一気に吸い取ってきた…
「つかさばっかりずるいな…私も気持ちよくしてよ」
「こなちゃんが…頼むならいいよでも上手く出来ないよ…」
「じゃあ一緒にやろうね」
「うん…」
私たちは膝で立ちながら一緒に口をつけて…
お互いの中に指を入れた
「くぅ…んっ…」
「ひゃんっ…!」
もう一つの手ではお互いの胸を触ってた
「こなちゃんの胸…ちっちゃくて可愛い…」
「つかさもね…」
二人で一緒に指を動かし始める
その後すぐに私たちの息はとても激しくなっていた
それに伴いキスも激しくなっていた
口を離したときには糸も見えていた
107 :
隠し事 0話:2007/09/26(水) 03:42:48 ID:ZIyKCmza
「あうっ…はぁっ…!」
「んぅ…!」
「そろそろ私…なんか…あ…」
「逝っちゃう?」
「うん…あっ…くっ…」
「私も…」
お互いの指が止まる事はなかった
「「あぁぁぁぁぁんっ!」」
私とこなちゃんの声が一緒に響いた後
突然意識が一瞬飛んでしまったような錯覚が起きた…
そのまま私はこなちゃんの方へ倒れる…
「はぁっ…はぁっ…」
「ふぅっ…んっ…」
私たちは身体がしばらく痙攣していて身動きが取れなかった
…
「つかさ、動ける?」
「あ…こなちゃんごめんね。大丈夫だよ」
私は邪魔にならないようたちあがった
「布団…びしょびしょになっちゃったね…」
「あー、このくらいなら大丈夫だよ
それよりお風呂入って身体洗おっか?」
「でも着替えは…」
「悪いけど服とズボンは今日のつかさの服のままでよろしくね
とりあえずパンツは貸すから」
「うん、ありがと」
「つかさ」
「なに?こなちゃん」
「好きだよ」
「…!」
「つかさは…?」
「私も…実は前からずっと好きだったんだ…」
「ありがと…」
「うん、私もね」
…
お風呂入った後もこなちゃんとずっとゲームをしていた
そして時計が夕方を指した頃
私は帰る準備をした
「あ、そろそろ時間だから私帰るね」
「うん。んじゃー、つかさまたねー」
「こなちゃんまたねー」
108 :
14-319:2007/09/26(水) 03:43:54 ID:ZIyKCmza
終わりです
隠し事0話っていうのはいいタイトルが見つからなかったため
適当に決めました/(^o^)\
GJ!!こなつかもなかなか^^
>>90 長編GJ!!!!読んでいて飽きませんでした!文章力もすばらしいの一言です。
白石は目を開いたらかなりイケメンに見えたんですが;^^
新スレ一発目の壊れたシリーズ投下。
シリアスっぽいですがギャグですので、
みゆき母は?とか細かいツッコミはなしでお願いします。
2レス程失礼します。
みゆきが倒れた―・・・
「・・・え、今、なんて・・・」
黒井先生に呼び出された私たちはそこで信じられないような知らせを聞いた。
「・・・なんでも、慢性的な重度の貧血で心臓がそれに堪えられんかったらしいんや・・・
危ない状態やから親友のお前らにも来て欲しいそうや・・・」
「それって・・・」
・・・自業自得じゃないか?みゆき。鼻血を吹き出すみゆきを
脳裏に浮かべながら言おうとした言葉を、かろうじて飲み込む。
余りにも不謹慎だ。
病院に行くと何本ものチューブに繋がれたみゆきが、病室で横たわっていた。
青白い肌が痛々しい。
私たちが入って来た事に気付いたのだろう、みゆきが薄く目を開けて微笑む。
「みなさん・・・わざわざすみません・・・」
「ゆきちゃん・・・!」
「みゆきさん・・・何かして欲しい事とか、ある?」
「・・・そうですね・・・私が死んだら、部屋にあるパソコンのHDD
破壊してくれると助かります・・・」
HDDに何が入ってるんだ、みゆき。
「・・・ですが、最後につかささん、かがみさん・・・そして泉さん・・・
皆さんの顔を見れてうれし・・・かっ・・・た・・・・・・」
「みゆき!?」
ピーーーーーーと無機質な音が響き渡る。
慌ててナースコールを押すと、すぐに医師や看護婦が来て
心臓マッサージを始めた。
部屋の隅ではつかさが声をあげて泣き、
こなたも滅多に見せない涙が浮かんでいる。
・・・そういえば、人間が死ぬ前に最後まで残っている感覚は聴覚だと聞いた事がある。
・・・賭けるしかない。
みゆきのHENTAI魂に。
懸命の治療を続けている医師の邪魔にならないよう
そっと近付き、みゆきの耳元で囁く。
「今起きたらこなたがキスしてくれるって」
次の瞬間、バネ仕掛けの玩具みたいに勢いよくみゆきが跳ね起きた
「本当ですか!?泉さん!!」
よかった、まだみゆきのHENTAI魂は死んでなかったようだ。
半分死にかけていたとは思えない程目は爛々と輝き
さっきまで、あんなに青白かった肌も桃色に紅潮してる。
「へぁ?」
事態がまだ飲み込めてないらしいこなたが
間の抜けた声を出す。
「泉さんがそこまで私の事を想ってくれてるなんて・・・!
さあ!!熱い口づけ(ベーゼ)を交わしましょう!」
そこまで言った所で、みゆきの上に乗って心臓マッサージをしていた
医師が急いで脈などを取り始める。
「脈、呼吸・・・ともに異常なし・・・とにかく精密検査だッ!」
「ああっ!泉さん!!ベーゼを・・・!!」
叫び声を残して、ベッドごとみゆきは運ばれていった。
「な・・・何・・・?何の事・・・?」
涙も引っ込んだらしいこなたが、クエスチョンマークを
いくつも頭の上に浮かべながら聞いて来る。
ごめん、こなた。
「・・・後でみゆきのほっぺにキスの一つでもしてやんなさい。」
「え?」
・・・もっとも今度の命の保証は出来ないかもしれないのだけれど。
以上です。
あんなに鼻血出して大丈夫なんだろうか、という妄想から生まれました。
読んで下さった方、ありがとうございます。
114 :
14-208:2007/09/26(水) 07:02:18 ID:fGh1bMFi
>>113 GJ!!!!!
さて、ネタを投下したいのですが、続けざまに投稿してよいものか……。
8レスは待つべき?
115 :
14-208:2007/09/26(水) 07:17:12 ID:fGh1bMFi
すいません、8レス待ちたかったのですがそろそろ仕事なんで
>>113に謝りつつ投下します。
こなかが、エロ無し、1〜2レスです。
「月は出ているか?」
十五夜という事で二人で月見をしていたら、突然こなたがそんなことを言って来た。
「……出てるわよ?」
「や〜、マイクロウェーブが来そうな月だね〜」
「はい? マイクロ……何?」
「マイクロウェーブだよかがみん」
また何かのネタか……。
私はスルーしようとして、
「私のかがみは狂暴です」
「なんだとっ!?」
思いっきり失敗した。
「はっはっはっ……いちいち反応するかがみん萌え〜」
「はいはい……」
全く、こいつに付き合うとろくな事がないわね……。
「私は生きる! 生きてかがみんと添い遂げるぅぅぅっ!!」
…………え?
「え、えええぇぇぇぇぇっ!?」
「……というセリフも、そのアニメのシリーズにはあったんだよ?」
「へーそーですか、ふーん」
本当にこなたと付き合うとろくな事がない。
…………けれど。
「ちなみにかがみんは私に力を与える役だからね」
「なんだそりゃ」
ろくな事はないけれど、こなたがいなければ、そんなろくでもない毎日自体もなかっただろう。
平凡に過ぎて行く学校生活に学生らしい潤いがあるのも、こいつ――こなたが居てくれたおかげだったからかな、って?
口には出さないけれど、本当に感謝してるから。
(こなたが前に言ってた私がウサギだって例え、あながち間違ってないかもしれないな……)
十五夜だからだろうか、ふとそんなことを考える。
(なんだかんだで私も淋しいと死んじゃいそうだし、だから――)
自然に横に並ぶ。
手を繋いだら、小さいけれど確かな質感を持った存在が、そこにはあった。
(淋しがりやのウサギ(わたし)を、これからもどうかよろしくね、こなた?)
「を! かがみん、急にどうしちゃったのさ!? フラグ?」
「何でもないわよ」
今宵は十五夜。
柄にも無いような事を考えている私の横顔を照らし出す、月。
<おまけ>
「ツインテールキャノン、いっけぇぇぇぇぇっ!」
「んなもん出るかぁっ!」
そういえば、私も8レス待ってなかった・・・!
>>108 ごめんなさい!!
そしていまさらながらにGJ!攻めこなた好きだー!
>>117 お気になさらずにー
こなかがGJ!
119 :
14-208:2007/09/26(水) 07:34:34 ID:fGh1bMFi
以上です。
ありがとうございました。
<訂正>
「私のかがみは『凶』暴です」が正しいです。
直した筈だったのになぁ……。
それと内容で分かると思いますが、本当は昨日投下する予定のネタでした。
昨日は寝落ちしたということで今朝の投下と相成りました。
それでは。
120 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 08:29:11 ID:2fIYW63L
>>116 朝から盛大に噴いたぜ
「行くよ、姉さん…」
「ああ、行くぞ、つかさよ・・・」
こんな柊姉妹は嫌だw
ごめんsage忘れた
あき×白でグラニュー糖噴いてこな×つかでおっきして、お月見こなかがに癒される。
今朝もこのスレは豊穣です。神々にGJ!
こなかがGJ!!!
ガンダムXネタもGJ!!!
ちょうどACE3やってたから噴いたwww
なんですかこのラッシュは……
まとめてしまって申し訳ありませんが、みなさんぐっじょです!!
125 :
アリアン:2007/09/26(水) 10:14:40 ID:GgnbkPtP
1スレ1SSを目指していたものの、投下の速さに完敗…
投下速度早すぎ&神作品大杉
SSは全部未完成なので、小ネタ二つほど
ひとつはコンプティークのこなたフィギュアネタ、もう一つは前スレ
>>624の続き(?)みたいなもの
「コンプだ〜コンプだ〜フィギュアだ〜」
「あんたはまたそんなに買って…よくおんなじ物を三冊も買えるわね」
「いやいや、今回は私のフィギュアがついてるんだよ?保存用、観賞用、布教用に三つ買わないと!」
「全くあんたは…」
「でも、そういうかがみだって買ってたじゃない。それにわたしのおきらくBOXを3つ買ったという噂が流れてるけど…?」
「えっ…!?な…なんで知ってんのよ!?!?」
「しかも毎晩私のフィギュアに話しかけてるとか…?」
「あ……あうぅ…」
「ねんどろいども公式版、キャラアニ版、HP版のを予約したとか…?」
「そ……それは……」
「すごいよね〜ひとつ4000円だよ?私でも少し躊躇してるっていうのに…」
「ううぅ………」
「そんなにかがみは私の事が好きだったの?ん?(ニマニマ)」
「う……そ…そうよ!!あんたのことが好きなのよ!悪いの!?」
「お〜お〜素直でかわいいね〜」
「(こ……こいつ…!!)」
もうひとつ
「こなちゃんは目覚めがよくなったみたいだけど、私はどうすればいいのかな…?」
「つかさの場合は…結構難しいな…」
こなたはしばらく考え込んでいたが、ふと何かをひらめいたようだ
「そうだ!いいものがある!今度持ってきてあげるよ!」
数日後
「つかさ、はいこれ」
「これ…目覚ましなの?そう見えないけど…」
「これは『起床装置 DANGERBOMBCLOCK』って言って、時限爆弾式の目ざましなんだよ。ちょっと改造してあるけどね」
「それで、どうやって使うのよ」
「三本のうち一本を抜けば目覚ましは止まるんだよ。でも三分前からカウントダウンが始まったり、正解のプラグはランダムだったり、結構本格的なんだよ」
「ありがとうこなちゃん!さっそく使ってみるよ!」
翌日
「zzz…zzz…」
「サンプンマエデス」
「うわわわ!!爆発しちゃう!!ええっと、どれをぬけばいいの…!?えいっ!!」
ドガーーーーン!!!!!!
「きゃあああ!!」
「こなた…なんか時計がものすごい勢いで爆発したんだけど…」
「ああ、改造してあるからね。あれならつかさも起きるでしょ」
「起きるどころじゃないわよ!!!本当に爆発しちゃって大変だったんだからね!」
「やっぱり本当に爆発させるのはやりすぎたかな…」
「当たり前だ」
以上です
ちなみにつかさが使った時計は実際にあります
爆発はしませんが
GJ!かがみんのおきらくBOX2つ買ったぜ
GJGJ
おきらくBOXは買わないつもりでいたけど
モロパンしてるフィギュアを見て購入を検討しだした俺は間違いなく変態。
遅くなりましたがスレ立て&多数の投下GJです
仕事の休憩中に読んでますが、量が多くて追いつかないぜ!
>>41読んで気になって、VIPのほうのSSまとめも見てみたんですが
あっちじゃ名無しがデフォなのね。
こっちじゃ長編投下するなら、投下時だけでもコテつけていただけると
いろいろ助かります
>>50 遅すぎるのは理解してるけど、それでも言わずにはいられない。GJ!!
所々に原作のセリフが出てて、結婚しても根っこの関係は変わってないんだなぁ、としみじみ。
こなたの子供…やっぱオタクになるのかなぁ。旦那さんも類友だしwww
改めて、本当にGJでした!
「それでねっ、今日ねっ、かがみ達とこんな話してたんだけどねっ……」
「あらあら、それはかがみちゃんも大変ね。姉妹も多いし」
────私の名前は泉かなた。
世間様で言うところの未亡人、やってます。
えっ? とてもそうは見えないって?
ふふ、ありがとうございます。でも、これでも高校生の娘がいるんですよ。
今元気に話しかけてきてる私似の、この子がそうなんです。
えっ? どう見ても中学生か小学生にしか見えないって?
えっえっ? 私の方が年下に見えるって言うんですか!?
…………そんな酷いこと言う人、嫌いです。ぷん。
「お母さん、今、なんか私に後ろ暗いこと考えてなかった?」
何かに気付いたのでしょうか、娘がむすっとして私に聞いてきます。
「そんなことないわよ、ほらこなた、ご飯できるから」
「はーい」
そう言って娘は、テーブルの上を片付けます。
もともと身体の弱い私では、出来る事は限られていまして……
高校生のいる家庭で、分譲とは言え、1LDKのマンション住まい。
寝るときは未だに布団をお隣り合わせです。
それでもこの子は、不自由させているような素振りを一切見せなくて……
本当にいい子です。
「いただきまーす」
「いただきます」
小さなテーブルの上で、私達は晩御飯を頂きます。
「そういえば、お母さん、そろそろ新作の締め切りじゃないの?」
食事の合間に、娘がそんなことを聞いてきます。
「ええ、でも、後は編集さん次第だから」
「さすがお母さんはいつも仕事が速いねっ。柊双子にも見習って欲しいよ。いつも私やみ
ゆきさんの宿題写しててさっ」
学校のお友達の話です。柊かがみさんとつかささんという双子のお友達がいるのですが、
よくこの子の宿題やらノートやらを写しているって言ってます。この子に言わせると、つ
かささんは純粋に忘れたり間に合わなかったりが多いのですが、かがみさんは最初から計
算ずくでやっていないのだそうです。
それから、高良みゆきさん。お金持ちのお嬢様で、成績も大変優秀だそうです。そうい
う子とお付き合いして、この子は辛くないのかと思いますが、話を聞く限りでは、みゆき
さんはとても良い方のようです。
「でもかがみはお母さんの小説いつも買ってくれてるから、それでチャラかな」
はい。一応女流小説家、なんてやらせてもらってます。
そんなに多く書いているわけでも、良く売れているわけでもないんですけれど。
今で言うライトノベル、というものでしょうか。私が書き始めた頃は、そういう言葉は
なかったように思いますが。
もともとは趣味のようなもので、主人が本職の小説家だったものですから、私も気に入
った作品なんかを見よう見まねして自分の作品を書くようになったんですけれど、それを
主人が自分の編集さんに見せて、今の担当の編集部さんに紹介されて……今に至ります。
「あー美味しかった、ごちそうさまー」
「お粗末さまでした」
満面の笑顔で言うこの子に、私も笑顔で答えます。
食器を流しに入れて、後片付け。
水音を立てながら、思います。
この子は本当に良い子だな、と……
そう、亡き主人に似て……
「ねーねーねー、お母さん、来月これ出るんだけど、お母さんの名前で通販予約しといて
良いよね! 自分で払うからさ!」
そうやって娘が見せるのは、ホントは娘の年齢と社会的立場だとちょーっとまずいレー
ティングなゲームです。
ですが、娘の好奇心旺盛な、猫のような可愛らしい顔を見て、私は断れません。
「…………しょうがないわねー」
…………ホント……そうくん……あなたに似て…………しくしくしくしく……
>>133 GJ!ちょっと意表を衝かれた。
いや、でもこれはかなり面白い。
GJついでに1レスSS置いてく
「かがみー」
「おーこなた、どうしたのよ?」
「私達をガンダムSEEDのたねキャラにしたらどうなるかを書いてみたんだけど・・・」
こなた:オタクでアホ毛でチビッコで貧乳。
かがみ:ツンデレで本当はこなたを狙うツインテール。
つかさ:かがみの「ほわi(ターン
みゆき:権力と財力と自身の身体能力を使ってこなたのハートw(ターン
ゆたか:こなたの従姉妹。初めて見たときからひt(ターン
「こなたぁぁぁ!」
「ふもっふ!?」
「私の事分かっているなんて・・・カワイイ奴め!」
「・・・これ見せるのやめた、後が怖いし・・・」
ポイ
「・・・・・・。」
カサ
「・・・・・・あ、これ15時間29前に書いたこなたの臭い。」
こうですかわかりまs(タタタタターン
>135
意味不なんだがwwwww
137 :
135:2007/09/26(水) 15:34:46 ID:TwXNWaot
>>136 書いた俺も分からん!
ただ一つ言えるのは・・・
こなフェチ病にかかったということだ!
・・・ごめん、ひかげ(CD・DS)に頭冷やされてくるわ・・・
タイトルってつけるの難しいよね
どんなタイトルにしたらかっこいいんだろ
誰か参考になりそうな人とかいたら教えて
>>138 どんなタイトルでも大事なのは中身
なにが言いたいかというとタイトルにこだわるんじゃなくて内容を頑張ってほしい
タイトルで作品を比較するわけじゃないだろうしカブらないように気楽につければいいんじゃない?
・・・なんか偉そうでスマソorz
一晩で100レス&100kbってどんだけ〜
良作ラッシュ過ぎるGJ
遅レスだが、前スレ
>>583の手乗りかがみんに萌えて高速で壁紙にさせて貰った
144 :
4-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/09/26(水) 21:34:16 ID:jkWX2iZc
sage忘れゴメンナサイ
146 :
17-234:2007/09/26(水) 21:41:18 ID:28DVdr3y
また白石×あきら様SSです。
実は3本ためていたうちの1本を仕上げてしまったので
先にこちらを投下します。
今回はちょっと鬱傾向。
「白石の災難」
以下3レスで投下します。
147 :
17-234:2007/09/26(水) 21:42:11 ID:28DVdr3y
「んじゃ、また会えるときまで!ばいにー☆」
「ばいにー☆」
とうとう終わってしまった。
らっきー☆ちゃんねるのラジオはこれで終わってしまった。
お疲れ様でした!という声をいろいろな人から言われた。
なんとなく実感がわかなかったけど、隣の男のほっとした顔を見たら、ちょっとムカッときた。
スタッフに対してピンク色の頭を下げはしたが、こいつには下げてやらなかった。
だって、あたしは悪くないもん。絶対、悪くないもん。
楽屋に逃げ帰る。あいつから話しかけられるのが怖かったから。
さっさと準備して帰らなきゃ・・・と思った矢先だった。
「コンコン、失礼しまーす。」
あたしの一番話しかけられたくない相手がやってきてしまった。
「なーんの用なのよ、白石…」
「いや、今日で最後なので…あきら様に挨拶しに、ですよ?」
白石みのる。今一番会いたくない相手。
今あんたはなにを考えてるの?なにその態度。腹立つ。
深緑の目はこちらを見ている。あの件があってから、こいつの視線は冷たくなった。そんな気がする。
「べつに、来て貰いたくなんてなかったわ…あーやっとあんたの顔見なくて済むと思ったのに!」
「そういうわけには行かないじゃないですか!礼儀ってものは守るべきじゃないですか!」
「あーあーはいはいよかったねーさよーならー」
「……もう会うことはないかもしれませんが…あきら様にお会いできて嬉しかったです。
いい面も、悪い面も、あきら様に教えていただきました…これでいいですか?」
白石はいやいやなのか、ふて腐れた様な顔をしていた。一瞬見ただけだけど。
「それじゃ、また会う日があれば。」
こと、と何か白石が置いた気がしたが、気にしない、気にしない。
148 :
17-234:2007/09/26(水) 21:43:06 ID:28DVdr3y
そのままあいつは楽屋のドアを開け、
「おい白石、お前!」「へっ?!」
あれ?白石?
白石の素頓狂な声が聞こえた瞬間、乱暴にドアは閉められた。
激しく何かがドアにぶつかる音がする。何度も、何度も。
男の人の声がする、何かを叫んでいる。ドアに何かが叩きつけられるたびに、何かが呻く。
外の喧騒は止んだ。そっと、ドアを開けてみる。
同時に、何か黒いものが足元に転がってきた。
「え…し…白石?」
見慣れた顔が、横たわっていた。
寝ているようにも見えるのだが、明らかのそのような顔ではなかった。
顔を、殴られている…何発も、何発も。
「ちょっと、白石!起きなさいよ!ねぇ!何があったの?!」
あたしは思わず白石の頬を叩いた。起きるまで、起きるまで。
「ん…あ…あきら…さま…?」
「なにが起きたのよ!こんなに痣だらけで!」
そいつはいつものにへらにへらした笑みを貼り付けて、いつものように答えた。
「いてて…だいじょぶ…ですよ…心配しないで…」
よいしょ、と立ち上がろうとするが、ふらついてしまう。
「…っ!」「ひゃぁ!」
なによ、この体勢。
白石の頭が、あたしの胸の上に乗っている。押し倒されたようにも見えるんだけど。
「ちょっと!離れなさいよ!このスケベ!変態!」
「俺は…なんで、ここにいるんでしょう…」
え?なんて?
「俺、精一杯、あきら様を支えてきたつもりです…
アシスタントなんて役目、もらったことなかったし、
最初は、何だか分からなかったけど、でもこの空気が好きでした。
いろいろロケもいったし(実写EDも撮ったし)、頑張ったつもりです。」
「アレで支えてたって言うわけ?けっ、自惚れんじゃないわよ。」
「分かってます。自分のフォローが足りなかったのは、分かってますよ。
あきら様のわがままを全部聞けなかったのは、申し訳ないとは思ってますけど…」
あたしのわがまま?そんなのどうでもいいの。
あたしのこと、かまってほしかったんだもん。
かまってくれるのは、あんたしかいなかったんだもん。
だから、だから
「俺、もう、いらないんですよね…」
どういうこと?
白石は寂しく笑う。なにか、全てを諦めているような顔だ。
「っ…うっ…」
「なに、どうしたの、白石?苦しいの?」
「大丈夫、ですから、構わないで、ください…」
へへっ、と笑って。
「もう…いきます、ね…」
「どこに行くのよ!ねぇ!」
ふらふら、と立ち上がり、白石はドアのほうへ向かう。
「俺、もう会えないかもしれませんけど、楽しかったです…」
くるり、と白石の体がこちらを向く。
「あきら様…大好きです…」
なんでこの人はこんなに笑顔なんだろう。
あたしがそう思った瞬間。
149 :
17-234:2007/09/26(水) 21:43:48 ID:28DVdr3y
ばたん…
もう白石は笑ってはいなかった。
青白い顔をして、倒れていた。
「あたしも好きなの」
そういいたかったのに…
あたしはそれだけ言いたかったのに!!
あたしはその後何したか覚えてない。
とにかく人を呼んだのだったか、電話をしたのか忘れたけど、
いつの間にあたしは病院にいた。
白石の隣に、いることしかできなかった。
「あ…あきら…様?」
ふと、声が聞こえた。
「…しら…いし?」
いつの間にあたしはこいつの手を握っていたんだろう、
ぜんぜん覚えてない。
「おきた?大丈夫?」
あたしは白石の顔を覗き込む。
相変わらずへらへらと笑ってやがる。
人が心配してやってるのに。
「あきら様?なに、泣いてるんですか…」
はっ、と気づくと、あたしは泣いていた。
自分でもわからなかった。
白石はあたしの涙をぬぐってくれる。
でも、ごめん、
とまらないの。
あたしがどれだけ心配したか、わかってるの?
あたし、白石が、白石のことが
「あきら様?おーい?」
あたしの目の前で手のひらをひらひらさせやがって。
まったく、こいつは鈍感なんだから。
「白石」
「はい?」
あたしは大きく息を吸い込んだ。
「大好き。」
程なくして
「僕も、大好きですよ♪」
白石の顔が赤いのは気のせいだろうか。
いつもよりにこにこ笑っている気がした。
まったく、何がそんなにうれしいのよ!
150 :
17-234:2007/09/26(水) 21:44:29 ID:28DVdr3y
以上です。
ちなみに21話終了後に思いついた話なので
まだ2人は関係的によろしくない状態です。
補足すると、
最終回のEDに批判殺到だったので
こういうこともありえなくもないな、と思ったことも事実ですw
白石さんごめんなさいwww
すいません、いやまじでwww
GJ
最近勢いがやっとゆっくりになってきたな
それでもまだかなり速いし昨晩はヤバかったけど
今までこのスレにかなりの時間拘束されていたので
やっと落ち着けそうです
152 :
7-896:2007/09/26(水) 22:40:13 ID:3JZhzqEf
いつの間にやら病名がついてますね。
どうも、7-896です。
らき☆すたを見直していて降りてきたネタを1つ。いつもよりほんのちょっと長め。
『回転寿司』
今日は4人で回転寿司。
もちろん一皿100円のところだ。
私とこなたが隣同士で、つかさとみゆきが向かい側といったポジション。
一生懸命お寿司を見ながら、回るお皿に合わせて首を動かすこなたに、私は既に興奮状態だ。
そんな私を知ってか、みゆきが満面の笑みでティッシュを手渡してきた。
一緒にするな。
私はそんな頻繁に鼻血出ないから。
「おーあれだ!!むぃむぃ〜、誰も取っちゃだめだぞぉ〜」
遠くから流れてくるいくらを見つめ、目をきらきら輝かせながら待つこなた。
健気だ。マジ萌える。
いくらになりたい。でも、のりすけが父親なのは嫌だ。
「きたぁー♪」
順調に流れてきたいくらが今、こなたの手に渡った。
宝物を手に入れたかのようにはしゃぐこなた。
向かい側のつかさが死にかけている。
「いっただっきむぁ〜す♪」
こなたは、幸せそうにいくらを頬張った。
本当に幸せそうなその表情に、自然と私たちの頬も緩む。
「興奮しますね」
なんでだよ。
は!!……もしかして……『すし占い』か!?
そうか、あの時は確か、私とつかさがかっぱ巻き、みゆきがいくらでこなたがガリだったっけ。
そのせいでみゆきが……
「泉さん、どんどん私……いくらを食べてくださいね」
「え、いやぁいくらばっかりってのはちょっと……」
生殺しですね、と意味不明な言葉を発しながら、大量のガリをなぜか優雅に口に運ぶみゆき。
咳き込みながら、大慌てでお茶を飲み干した。そりゃあそんなに大量に食べればなぁ。
お茶が熱かったのか、むせっている。
「お姉……ちゃん、ガ、ガリっておいしい、ね」
つかさがガリを次々と口に放り込んでいる。
涙目だ。
無理しなければいいのに。
「かがみぃ〜私の中トロがぁ〜」
1つ前の席で狙ってたネタを取られたらしいこなたが、私に抱きついてきた。
全く、落ち着きなさいよ。シャリに乗せて食べるわよ?
153 :
7-896:2007/09/26(水) 22:41:27 ID:3JZhzqEf
「……おいしそうかも」
「ん?」
おっと、思わず口に出してしまったわ。
さて、私もガリを……既に4分の1くらいしか残っていない。
「こなちゃんこなちゃん、はいこれどうぞ♪」
いつの間に取ったのか、大量のかっぱ巻きをこなたに差し出すつかさ。
「お、さんきゅーつかさ。ちょうどさっぱりしたの食べたかったんだ」
そう言ってかっぱ巻きに手を伸ばすこなた。
そしてそのまま口に……
「あむ……ん〜む、やっぱり巻物は味がシンプルでおいしいね」
向かい側ではつかさが仰け反って悶絶している。
そういえばかっぱ巻きって、私の占いのお寿司でもあるんじゃないか。
……こなたが私を食べテイル?
負けてらんないわ、私もこなたを食べなくちゃ。
……ってうわ!!何これやばい、塊で口に入れるとやばい!!
口の中が、口の中がぁあぁぁあああぁああ!!
「か、かがみ大丈夫?はい、お茶」
「だ、だい……じょうぶ……ありがと」
急いでお茶を飲み込む。
熱!!あっつ!!
「か、かがみ……」
「うぅ」
私いったいなにかしたのか?
……したか……こなたにいろいろ。
これは罰なのだろうか……うぅ
取り敢えず私は残りのガリをつまみつつ、赤身とか甘エビとかいろいろ食べたんだけど
結局私たち4人で一番消費したのは
ガリだった。
複雑な心境の私たち3人は、上機嫌なこなたに引率されるように帰路についた。
これからはいろいろ気をつけよう……特にこなた関係のことで。
以上です。3人にはちょっとした罰を受けてもらいました。
あと暇だったので描いた、こなた寿司です。
こなトロ
つ【
ttp://1rg.org/up/51495.jpg】
おまいら自重wwww
そろそろ来るか?「こなた うま」がw
>>153 あなたは大変なものを奪っていきました
私の 血液とかその他いろいろな液体です
>>153 あなたが書くかがみが大好きだW
そのネタ、どこに行けば売ってますか?
またも出張先から、6レスいきます。
今日は一日ここに来られなくて、移動中の飛行機の中でシコシコこれを書いてたんですが、
スレを読んでびっくり。◆kd.2f.1cKcさんと微妙にかぶりましたorz
(未亡人かなたさん、GJっす!)
いささか先を越されちゃった感はありますが、もったいないので投下させてください。スマソ
非エロ、カップルなし。盛り上がりもなにもない、シミュレーション小説ですorz
------------------------------------------------------
>>153 GJだしこのネタも好きなのだが、そろそろあなたの別ネタが読んで見たいのは私だけだろうか
キャラ壊れてないネタで。
159 :
(1/6):2007/09/26(水) 23:14:36 ID:fRGFh7II
夜のうちに雨雲が通り過ぎて、埃っぽい空気を洗い流していった。
空気の清々しい、ある休日の朝。私はつかさと一緒に、こなたの家の前に立っていた。
今日は勉強会ということで、こうして朝からやってきたわけだけど……こなたのやつ、ちゃんと起きてるかしら。
軽やかなチャイムの音。少し間を置いて、とたとたという足音が近づく。
細い桟が並ぶ古風な引き戸が引き開けられて……こなたが顔を出した。
――――――――――――――――
ぱら☆すた - Palarrel Star -
その1『いるべき人がいる世界』
――――――――――――――――
「おーっす、こなた」
「おー、いらっしゃーい、つかさにかがみ」
「ふーん、今日は珍しくちゃんと起きてるわね」
「お母さんに叩き起こされちゃったよ〜」
「自分で起きられんのか、あんたは」
……まったく、いつまでも親に頼ってて大丈夫なのかしら。
こなたの部屋に入ると、みゆきがノートを広げてた。
「おはようございます、かがみさん、つかささん」
「おはよ、みゆき。もう来てたんだ。……こなたのやつ、ちゃんと起きてた?」
「はい、ちゃんと起きられてましたよ」
「こなた、あんた今日何時に起きたのよ」
「んー、七時前ぐらいかな。お母さんが出かける時に一緒に起こされたよ」
「先せ……おばさん、出かけちゃったんだ〜」
ちょっと残念そうな、つかさ。
人見知りなこの子にしては珍しく、泉先生とは変に馬が合うみたい。時々料理を教わったり教えたりする仲みたいだしね。
「んー、学校行ってるよ」
「休日なのに?」
「生徒と違って、教師は忙しいものなのだよ、かがみ」
人差し指を立てて、得意げに胸を張る。
……てか、なんでそこであんたが偉そうなんだ。
「そういえば、セバスチャンが昨日、美術で赤点引いたー、って嘆いてたね」
「そーそー。それで、今日は補習の日なんだってさ」
「まったく……芸能活動に凝りすぎだってのよね、あいつ。学生の本分ってものを忘れてるんじゃないかしら」
教師って大変なのね……泉先生に、ちょっと同情。
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― ―x―
160 :
(2/6):2007/09/26(水) 23:15:42 ID:fRGFh7II
「……ねえこなちゃん、ここわかんないんだけど……」
「あーそこはね、『ぶれている』は『軸が』にかかってるわけだから……」
「あ、そっかー」
古文をさっさと終わらせて、苦手な理数系を前に頭を抱えていたこなただけど、国語となると、俄然生き生きとしてる。
「あんた、国語だけは得意よね。やっぱ血筋かしら?」
「ふっふっふ、直木川賞受賞作家を擁する文学一家を舐めてはいかんのだよ」
……得意げだな、こいつ。
「おばさんが厳しいんだっけ?」
「まあね〜。成績低かったらいろいろ制約されちゃうし」
……あ、凹んだ。分かりやすいわね。
「そうなんですか?」
数式を解く手を止めて、みゆき。
「1科目赤点だとネット接続止められるし、2科目だとPCの電源根元から切られちゃうしね」
「ふーん。あんたの場合、1科目赤点でもダメージ大きそうね」
「まあそんなわけで、頑張らざるを得ないわけだよ〜。トホホ」
何をどうやったらこんな口ができるのか、実に見事な正三角形。
「でも、なんで1科目赤点の時は制約緩いのかしらね?」
「ちっとも緩くないよ〜……ぶん、自分にも後ろ暗いところがあるからじゃないかな」
「後ろ暗いところ?何それ」
「お母さん、数学苦手だし」
「ああ、なるほど。それであんたも、数学だけはいつも赤点ギリギリなわけね」
「うぐっ……お母さんの血筋だからしょうがないじゃん」
血筋のせいにして逃げるのも、どうかと思うけどね。
「でも、お姉ちゃんもゆきちゃんも、数学得意だからよかったよね〜。わからなかったらお姉ちゃんに聞けるもん」
……ちょっと待ちなさいよ、つかさ。私は頼られるのが前提か?
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― ―x―
161 :
(3/6):2007/09/26(水) 23:16:51 ID:fRGFh7II
「そういえば、こないださー」
ようやく、苦手な数学と向き合う気になった……かと思ったら、こなたはいきなり脱線した。
「あんたは……真面目にやんなさいよ」
「なになに? どしたの、こなちゃん?」
つかさが、チャンスとばかりに話題に食いつく。
「ほら、テスト前の土曜日。軟禁食らっちゃって、本屋行けなかったんだよね」
「軟禁されないと勉強しないってのもどうなのよ……あんたも受験生でしょうに」
「だって、今度の新刊は何が何でも発売日にゲットしたかったし」
いや、だからあんた受験生だろ。
「ネット通販とか使えばいいじゃないの」
「お母さんが受け取ったら、そのままテスト終了まで取り上げられちゃうし」
「あー、まあ、そりゃそうかもね……って、せめてテスト終了までぐらい自重しろよ」
「だからさ、変装して出かけようとしたんだよね」
おい、受験生。
「変装、ですか?」
「うん。お母さんが出かけてる時に、お母さんの服借りて、ホクロ塗りつぶしてさ」
受験……
「あんたって子は、ホントに……」
「でも、お父さんにすぐバレた。やっぱ、雰囲気でわかるのかな?」
「あんたね……出かけてるはずのおばさんがもう一度出かけようとしたら、わからないほうがおかしいわよ」
雰囲気以前の問題だと思う。
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― ―x―
>>153 店員さんに注文するとき思わず
「こなトロください」って言っちゃうんですね
まあ罰を受けて反省も自重もしないだろうがw
163 :
(4/6):2007/09/26(水) 23:18:03 ID:fRGFh7II
二科目ほど片付けたところで、みゆきと二人で小休止。
すっかり高くなった秋空の中、一組のトンボがランデブー。
こなたは答え合わせ中。つかさは……あと三ページってところかしら。
「……しっかし、あのしっかりしたおばさんがいて、なんであんたはこうもオタクになっちゃったのかしらね」
「お父さんの英才教育の賜物だよ」
問題集から顔を上げて、こなたが得意げに笑う。
いや、それ英才教育じゃないから。
「小中学と、オタクな友達にも恵まれたしね〜」
……それはなんだろう、『恵まれた』と言っていいのか?
「むしろ、最近お母さんのほうがねー」
「え?」
「時々、勝手に私の漫画借りて読んでるみたい」
「朱に交われば……ってやつね。おじさんがあれだからねえ……」
「で、そのお父さんなんだけどさ」
「ふんふん」
今をときめく流行作家・『宗 次郎』先生の私生活。
一ファンとしてはやっぱり気になるわけで、つい身を乗り出してしまう。
……聞くところによると、かーなーりエキセントリックなんだけどね。
「最近、お母さんとペアルックさせたがって困るんだよね〜。こないだも紫のワンピース持ってきてさ」
「……ちょっと待て、それは何かのネタなのか?」
……ああ、宗 次郎先生。
お願いですから、ファンの幻想(ゆめ)を打ち砕かないでください……(涙)。
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― ―x―
164 :
(5/6):2007/09/26(水) 23:19:17 ID:fRGFh7II
つかさがようやく問題集を解き終えたところで、チャイムが鳴った。
「泉先輩、こんちわーッス」
「あれ、ひよりんどったの? 今日ゆーちゃん出かけてるよ」
「いやー、泉先生に急ぎで渡す原稿があったもんで……」
「そういえば、先せ……おばさんって、アニ研の顧問だったっけ?」
学校では『泉先生』、プライベートでは『こなちゃん家のおばさん』。
つかさなりのこだわりらしいんだけど、学校で『おばさん』とか口走らないうちに、やめたほうがいいと思う。
「桜庭先生があまりにも放任主義すぎるから、代わりに顔出してるだけみたいだよ」
「ああ、そういうことね。まったく……」
「担任と副担任だもんね、C組の」
「それはあんまり関係ないんじゃないかしら」
「でも、担任と副担任が二人揃って背がちっちゃいって、なんか萌えるよね」
「だから、何でも萌えに結びつけるなっての」
「えーと……泉先輩?」
半ば置いてけぼりを食らった田村さんが、苦笑いしながら話に割り込んだ。
「ああ、ごめんごめん。なんか放置しちゃった」
「で、その泉先生は?」
「学校行ってるよー」
「げ。無駄足っスか」
相変わらず報われないわね、田村さん。
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― ―x―
165 :
(6/6):2007/09/26(水) 23:21:46 ID:fRGFh7II
田村さんが泉家を辞して、学校に向かってから数分後。その人は帰ってきた。
こなたとそう変わらない身長と、長い髪。こなたと似ているけれども違う、優しげな瞳。
陵桜学園高等部・3年C組とD組の副担任にして美術教師。
泉 かなた先生。……こなたの、お母さん。
「ただいま、こなた」
「あーお母さん、おかえり〜」
「おじゃましてます、おばさん」
やけに嬉しそうなつかさ。姉としては嬉しくもあり、ねたましくもあり。
「あら、つかささんにかがみさん、みゆきさんもいらっしゃい。……こなた、ちゃんと真面目に勉強してた?」
「ええ、それはもう」
みゆきが持ち上げて、
「よく脱線してましたけどね」
私が落とす。
「か、かがみぃ〜〜……」
こなたが嘆いて、
「え、えへへ……」
つかさが、身につまされて照れ笑い。
「もう、しょうがないわね……あとで冷たいトマト持っていってあげるから、もうひと頑張り。ね」
「こなちゃん、トマトって……あのトマト?」
「そだよ〜。しっかり熟してから収穫したトマトって甘いんだよ、おやつ代わりになるんだよ」
「そういえば、お姉ちゃんから聞いたことあるよ。すっごく楽しみ〜♪」
先生の作った、家庭菜園のトマトの美味しさは折り紙つき。私が保証する。
……でも、うれしそうな二人に水を差すのもなんだけど、やることはやらないとね。
「ほら二人とも、残りニ科目、ちゃちゃっと片付けるわよ」
「んぁーい……って、あ! お母さん!!」
思い出したように、こなたが叫んだ。
「どうしたの、こなた?」
「さっき、ひよりん……田村さんと会わなかった?」
「ううん、会ってないけど? お母さん、車で帰ってきたし……」
思案顔の泉先生。……先生の運転する車って、外からドライバーが見えなくて怖いんですけど。
「……あちゃー、行き違いかぁ……今日はとことんついてないね、ひよりんは」
「あ〜ららららら、だぁ〜めだよミッキ〜」
こなたとつかさが顔を見合わせ、お気の毒に、と苦笑い。
何も知らない泉先生は、頭の上にハテナマークを浮かべたまんま、笑ってるだけだった。
― おわり ―
------------------------------------------------------------------------
以上です。
トマトのくだりとか、ちょっと先達の皆様のシチュを拝借してます。多謝&平謝。
……どっちかというと、4コマ漫画にしたほうがよかったかもしれないなぁ。
割り込みすいませんorz
ほのぼのとしたSS乙でした
お母さんがいてもやっぱり根っこの部分は変わらないのねw
関係ないけどオカリナ奏者の宗次郎が俺の母校のOBだったりする
妄想屋氏に未亡人かなたさんの絵をキボンヌ。
SSはGJした。
すし占いで赤身だった俺が来ましたよ
>>150 おお しらいし しんでしまうとはなさけn(ry
え、死んでない…?いやいやいや、あきら様の愛の力で復活した、そうに違いn(ry
>>153 おまいら……ムチャシヤガッテ(AA略
―――ベルトコンベア越しに4人を見ていた店員の反応
「店長!伝説の少女たちの消費目標は、寿司ではありません!」
「なにーっ!!」(稲光エフェクト)
>>166 こ、このシチュは……!
とりあえず、そうじろうの「勝ち組度」が約260%(当社比)ぐらいに強くなっている気がするw
代理のようなものとはいえ、事実上のアニ研顧問→ときどきこなたの漫画を読む→呆れながらも、夫の
趣味を理解しようと努力している→「だから、愛だよ」
こういう風に俺の中では解釈されたようだ。
とにかく各氏ともGJ!
>>166 GJです。
妄想氏の書くSSは、なんかこういい感じのパラレルで大好きですww
>>168 塗りが苦手な自分にとって、これは嬉しすぎます。
ありがとうです!!
>>158 一応壊れてないSSは3つほど書いているのですが
どれも途中で止まってしまっていて(´・ω・`)
書いてる途中で、どうもこういった壊れネタの方ばかり受信してしまうんです……
とは言っても、少し他の職人さんたちの書くちゃんとしたSSに甘んじていた感が否めません。
よし、少し気合入れて書いてきまっす(д・´)ゝ
172 :
15-613:2007/09/27(木) 00:14:15 ID:o18gBIJn
神様が沢山…
速度速いです。
壊れネタも好きだし、ほんわかな作品もやっぱ好きです。
まとめて申し訳ないですが、God Job!ナノです。
さて、てーそ書いた人です。そんな作品の後で申し訳ないですが、何もなければ投下します。
非エロ。かがみ&こなた。ダラダラなので嫌な人は回避をお願いします。
「All things must pass.」
直訳すれば、「全ての事は過ぎ去って行かざるを得ない。」となる。
意訳すれば、「行く川の流れは絶えずして。」
最近その言葉を実感する。
そんなことを考えるとは歳をとったなとは思うが、年齢を実感するとまた、時間の流れも感じてしまう。
その台詞を言ったのは高校時代に出来た親友。
その台詞を聞いたのは高校の卒業式。
いつもはそんなことは言わない。何故、あの時あんなことを言ったのかは結局分からず仕舞い。
適当に誤魔化していたのが本当は事実だったのかも知れない。
その時のことをふと思い出して−−−
「All things must pass.」
「え、何?」
私はこなたの呟きを聞き取れず、聞き返した。
「All things must pass.だって。」
妙に良い発音でこなたがリピートする。
「全ての事は過ぎ去って行かざるを得ない?」
「流石かがみだね。でも、もうちょっと。」
私が訳してみるとこなたはダメ出しをしてきた。誰が宿題の英語を教えたんだ?
「どういうこと?」
「ん〜。行く川の流れは絶えずしてって訳すんだよ。」
「方丈記?」
「うん。」
「またゲームか〜?」
「ん〜。」
こなたは肯定とも否定とも取れない声を上げる。
暫くふたりの間に沈黙がおりる。堪えられなくなったのは、私。
「なんでまた?」
「ん〜。なんとなくかな。」
「ふ〜ん。」
そこで、式で泣いたつかさとつかさをトイレまで連れて行ったみゆきが帰って来てその会話は終わりになった。
もしかしたら、彼女は彼女なりに浸っていたのかもしれない。
卒業してからも、大学に行っている間も私達四人はお互いに連絡をしあったり、愚痴を言い合ったりしていた。
みゆきより、多分、家族のつかさよりも相談にはのってもらったのはこなただと思う。
恋や勉強、バイトやなんでもないことまで相談した。
高校のときには毎日会っていて、それだけで楽しかった。
大学に入ってからは毎晩のように電話をした。夏や冬には集まって話をした。
それが、電話の回数が減り、次第にメールになり、メールも週に数回するだけになった。
そのうち、偶に集まるだけになってしまうのかもしれない。
寂しい、とは思う。当然、とも思う。
All things must pass.
まさにその通り。川のような時間は留まる事なく流れていく。
ふと、久々に電話をしてみようと思い立った。
携帯を開いてこなたのナンバーを呼び出す。
いきなりで迷惑じゃないかな、と一瞬逡巡したものの、
疎遠になっても私とこなたの仲だと思い、通話ボタンを押す。
接続音の後、通話中の音。一度電話を切る。
どうしようか。
もう一度だけ。もう一度だけ掛けてみよう。
そう決心すると、リダイヤルを呼び出し、一番上で通話ボタンを押す。
再び、接続音。
−−プ、プ、プ……プルル…
今度は呼び出し音。そして、ワンコールで繋がる。
「もしもし、かがみ〜?」
変わらない声。それに安心している私がいる。
「久しぶり、こなた。」
「さっき、電話したんだけど。通話中だったし、止めようかなって思ってたんだ。」
「え?私もさっき掛けてたんだけど。」
どうやらお互いに掛け合ってたらしい。
「そうだったんだ。で、どったの、かがみ?」
「ん〜、何となくね。そっちは?」
「同じく。」
…………
それから一時間私達は話し続けた。
積もる話もあったが、ある程度でどちらからともなく通話の終わりの挨拶をして電話を切った。
確かに色々な事が変わっていく。
しかし、変わらないものもあるんだと信じたい。
例えば、縁。例えば、大事な友達。例えば、大事な気持ち。
それらはずっと、変わらなければ良い。それを切に願う。
ふと、自室の窓から空を見上げると、綺麗な月が私を見下ろしていた−−−
175 :
15-613:2007/09/27(木) 00:28:17 ID:o18gBIJn
スレ汚し失礼しました。
楽しんで頂ければ幸いです。
では、失礼致します。
>>170 ナイス解釈!
そのうち、泣きゲーで感涙にむせぶかなたさんが見られそうですなw
>>175 絶えず流れゆく水の中に、流れに負けずどっかりと据わった、4つの大きな石がある。
水の流れに少しずつ削られても、それはいつまでもそこにあって……
巌となりて、苔のむすまで。GJっした!
こなた「う〜んいまいち萌えにかけるなぁ〜」
かがみ「ストナァァァーサンシャイィィィン」
かがみ「ミサイルストーム!」
かがみ「大雪山おろし!って私なに叫んでんだろ……」
つかさ「およよ〜」
みゆき「あらあら雑魚が意気がってますね。これは調教してあげなきゃいけませんね」
白石「へっくしょい!!」
あきら「なんか変な噂されてんじゃないの?」
白石「たとえば?」
あきら「あんたが雑魚だとか」
(´Д`)
>>177さん、勝手にくっつけてすみません…
雑魚って目についたので思わず……!
>>178 みゆき(雑魚は調教してあげなければ)×白石(雑魚(の疑い))の調教モノフラグか。
これはなかなか斬新なカプ
数日来てないだけでこの進みよう
脅威だなこのスレ
まとめで恐縮ですが職人さんGJです
投下します。
前スレ
>>420『私のすべて』の続きになります
ゆたこなの話ですが、微妙につかこなっぽくもあります
嫌いな人は見ないようにしてください
6レス使用します
あの時、私は眠りに落ちそうにはなっていたけれど、完全に記憶をなくすほど深い夢の中にいたわけでもない。
触られて動いたり、話しかけられて小さくでも返事をしていたわけだからゆーちゃんだって分かっているはず。
でも……私はあの時の事が『現実』だったのか、確固たる自信がない。
あまりにも突拍子がなくてどうやって信じていいのか分かってない。
それでも心の奥でつっかかっていて、普通に振舞おうとするたびに胸に変な痛みが発生する。
だから冷静に対処して、何事もなかったの様にいつもの日々を繰返す方法を探していた。
いや、今でも現在進行形で探している。
「ちゃーっす。遊びに来たよー」
「あ、こなちゃんいらっしゃい」
玄関をくぐると、つかさが出迎えてくれた。
私はここ三日間ずっと柊家に遊びに来ている。
「暇だから」って理由をつけてるけど、本当はゆーちゃんとどう接したらいいか分からなくて家から逃げてるだけ。
ゆーちゃんに目隠しをされキスをされてから、今日で三日目。
ゆーちゃんと話す時間が格段に減ってから、今日で三日目になる。
あのキスの時、パニックになった私が慌てて起き上がってもゆーちゃんは笑顔で。
妙に悲しい笑顔で一言だけ呟いた。
「お姉ちゃん、知らないでしょ?」
なんでこういう事をしたの?とか。
なにが知らないって言いたいの?とか。
なんでそんなに悲しそうなの?とか。
言いたいことはそれこそ山のようにあったけど、優先順位が決まらなくてただパクパクと動く口を手で押さえていた。
首にかけていたタオルが落ちて、ゆーちゃんがそれを拾って、たぶん洗濯機に持っていこうとして立ち上がる。
リビングを出て行こうとする後姿に、ようやく私は一言だけ言葉を投げかけることが出来た。
「……どう、して?」
言いたいことすべてをその一言に乗せた。
ゆーちゃんは一瞬だけ足を止めた……気がする。だけどそのままリビングを出て行った。
私の声は小さかったし、まだ口を押さえたままだったから聞こえなかった可能性だってある。
でも。
ゆーちゃんは私には言えない『ナニカ』があるんだと確信した。
それから三日間、ゆーちゃんとは必要最低限……
お父さんもあわせて家族三人での食事の時だけしか話していない。
「あれ、今日かがみは?」
「えっと……日下部さん? と……峰岸さん? と出かけてるよ」
勝手知ったる柊家。
いつものようにPS2に格ゲーのソフトをセットして、電源を入れつつ訊ねる。
今日はかがみがいないんだ、とちょっと物足りない気もするけど、かがみだって他の人とも遊ぶさと冷静な自分もいる。
つかさはいつものように私の隣に座ってゲーム観戦。
前につかさにも格ゲーの相手をさせたけど案の定弱かったのでそれ以来ずっとロム専門になってる。
たまには違うキャラを使ってみようと白い紙袋をかぶったキャラを選択。
変則的なキャラって事ではちょっと私に似てる部分もあるかもしれない。
バトルが始まり、画面の中のキャラを動かしながら、フッとつかさに聞いてみたいことが浮かんだ。
聞いたところで答えも予想できたし、言ったら誤解を生む(実際は誤解だとも言えないけど)と分かっていたけど。
「ねぇつかさ」
「なに?」
「姉妹でキスって普通かな?」
「……ええぇ!? ど、どうしたのこなちゃん!!」
予想通りの驚きが返ってきたから「いや〜、つかさってば本当にいい驚きっぷりだよね」と画面から目を離さずにからかう。
見てないけど「うぅ〜」って言いながらリボンまで垂れてるつかさの姿が簡単に想像できた。
「ないと思うけど、かがみとキスしたことある?」
「な、ないよ!」
「だよね〜」
反応は予想しきってるのに、つかさの反応が予想通り可愛くて面白くてつい笑ってしまう。
画面内ではそろそろ私の操作キャラが勝ちそうだった。
ちょっと集中してキャラを操る。
「……ねえ、こなちゃん」
「ん?」
少し上の空だった。
普通なら、さっきとつかさの声色が違うって気づいていたかもしれないけど。
「ゆたかちゃんと――何かあった?」
「っ!?」
言葉と言うより、息を呑んだ音を出してしまった。
あぁっ!! 操作ミスった!!
相殺させるつもりだったのに攻撃を食らってしまう。
ノーダメージ目指してたのに。
でもそれがショックというより、つかさにそれを見抜かれたことがショックというか……驚きだった。
これはもう集中できないかなってポーズをかけてつかさの方を見る。
心配そうな表情と真剣な表情が五分五分って感じだった。
「……何もなかった」
かもしれないし、あるかもしれない。
どちらとも自信がなくて言えないから、希望的推測を口にする。
それでも心配そうに見つめてくるつかさの瞳が、ウソをついたことに対する罪悪感を増加させた。
口の中が渇く。物凄く悪いことをしているような気がする。
「何もなかったよ」
自分にも言い聞かせるように強く言い切る。
つかさはまだ怪訝な表情で、でも追求は諦めたのか「そっか」と視線を私から画面に戻した。
安堵の息をつきたいけど出来ずに少し自分の中の糸が張り詰めたままポーズを解除してバトルを再開する。
――集中が切れたのか、結果は珍しく逆転負け。
敗因は、慣れてないキャラ使ったからか、動揺か。
思わずながーいため息を付いてコントローラーを投げ出して机につっぷした。
つかさの方を向いてつっぷしたために視線が合致する。
……つかさ、ゲーム見てたんじゃないの?
「珍しいね、こなちゃんが負けるの」
「……そだね。ちょっと寝不足だったのかも」
これは本当。
ゆーちゃんの事が気になって、気を紛らわすために夜はネトゲばっかりしてたし。
「ちゃんと寝ないとまた風邪引いちゃうよ」
「そこまで私は病弱キャラじゃないって」
「でも、今本調子じゃなかったし。熱とかある?」
純粋に心配してたからだって、分かってた。
机につっぷしている私の額に手を当てて体温を測ろうとしたんだって理解は出来てた。
それでも。
「――っ!?」
額に伸ばされた手が、あの時のゆーちゃんの手とダブって見えて。
あの時見たゆーちゃんの、何とも言えない自嘲じみた笑顔がフラッシュバックして。
慌ててつかさの手から逃げるために立ち上がったら机で膝を強打して、
それでも何とか立ち上がろうとしたらバランスを崩して仰向けに畳に倒れてしまった。
後頭部強打まではしなかったけど背中を激しくぶつけて肺の空気が一気に抜ける。
「いっ!? ご、ごほっ……た、た……」
「だ、大丈夫こなちゃん!?」
「へ……へいきー」
私よりつかさの方が驚いてた。
確かに、目の前でここまでドジっぷりを発揮されたら誰だって驚くかも。
ドジはつかさの専売特許なのに。
「ご、ごめんね、私なにかした?」
寝転がっている私をつかさが見下ろす。
つかさの頭の上に『おろおろ』って擬音が見えそうだった。
「つかさの所為じゃないよ、ただ思い出しちゃったから」
「何を?」
「ゆ――」
ゆーちゃんを、と言いそうになって言葉を飲み込む。
背中を激しくぶつけた所為で思考能力も低下してるんじゃないだろうか。
「夢を……だよ。何かおかしな夢を見た気がして、その夢を」
「そうなの?」
我ながら苦しい言い訳だと思っているけど、つかさは納得した。
嘘だって分かっていながら納得してくれてるのかもしれない。
「えっと……じゃあ、額に手を当てるけど……いい?」
「んぁ?」
「さっきはいきなりしちゃったから驚いたのかなって思って……だから最初に宣言すれば大丈夫かなって」
そんなに気にしなくていいのに。
私は嘘をついて、それをつかさだって少しは気づいているかもしれないのに。
謝るべきは、反射的に逃げてしまった私の方なのに。
「……つかさって」
「なに?」
――本当に、怖いほど優しいよね
「本当に……面白いね」
「ひ、ひどいよこなちゃん! 心配してるのに!」
子犬みたいにしょげた表情が無性におかしくて羨ましい。
無意識に口元が緩んでしまってることに気づいて、私はこの空気が結構好きなんだって思った。
自分で自分の前髪をあげて、でこを晒す。
『?』って表情で首を傾げるつかさを見つめると、しばらくしてようやく私の行動の意図に気づいたようだった。
「熱を測るんだね!」
「そっちから言い出したのに気づくの遅いよ」
「だっていきなりそんな事されても分からないよ」
つかさが手を伸ばして、額にまず指が触れる。それから徐々に指の付け根、手の平が押し付けられてくる。
同じぐらいの体温だからか暖かいとか冷たいとかはないけど、他人に触れられている感覚がすこしくすぐったい。
何となく目を瞑る。手を少し下にずらされれば、あの時と殆ど同じ状況になる。
瞼の向こうに感じる蛍光灯の光、そして額に感じるつかさの手。
「熱はないみたいだね」
「そりゃそうだよ」
「……こなちゃん、眠いの?」
「少しだけ、ね」
私が寝ると思ったのか会話が止まる。
でもつかさは私の額に手を置いたままだった。
意識が少しずつ拡散していく。つかさの手の平からヒーリング効果のあるような何かが広がっているような気がする。
マンガで書いてあったっけ。『手当て』の語源は、患部に手を当てるだけでも痛みを抑えるからだって。
「……ねぇ、つかさ」
「なに?」
「なんで……さっきゆーちゃんの名前出したの?」
「だって、こなちゃんこの頃よく遊びに来るから家で何かあったのかなって思ってたし。
そんな風に思ってたら、姉妹でキスする? なんて変な事聞いてきたから、ゆたかちゃん関係でなにかあったのかなって」
うわ、つかさらしからぬ鋭さ。
驚いているけれど、どんどん思考がぼやけてきて返事が出来ない。
ああもう、ここまで鋭いなら……聞いてみようかな。
「……回避方法って、ある……?」
「何からの?」
何から? なんだろう。私は何から逃げたいんだろう。
ゆーちゃんから? 少し違う気がする。確かにゆーちゃんを避けているけど、私が本当に避けているのは。
「非現実からの……かな」
ああ、そろそろ意識が途切れる。
それでもつかさの答えを聞くまでは何とか持ちこたえようと目を開けて……それでも真っ暗だった。
いつの間にか、つかさは手を下にずらして私を目隠ししていた。
あの時と同じように。
何でだろうって思いながらも、脳が睡眠を優先させて再び瞼が落ちてくる。
意識が沈む瞬間、とても近いところでつかさの声を聞いた気がした。
「――きっと、非現実が現実になればいいんだよ」
以上です
ゆーちゃんがドンドン黒くなるからほのぼのにしようとしたら
つかさまで影響されてるような感じに
GJ!
しっとりしたつかさがイイ!
伸びんのはえーぞ・・・・GJ!!
こなた&ゆたか
の話はあんま見かけないので
期待大
192 :
ぶーわ:2007/09/27(木) 06:45:46 ID:P1HYqRf7
昨日の夜の出来事は、私の中でまだ尾を引いていた。
あの日下部との、苦い思い出。
……一晩泣きはらしたおかげで、少しは気分も晴れたけど。
まぁ先の長い話よね、いい機会だしここで少し話を整理しましょう。
まず一枚目の手紙。
誰からかも分からない、大学ノートに書かれた一文。
『貴方が平成十七年の朝を向かえるためには、貴方が失くした***が必要です』
私の失くした何かを見つけなければ、私は自分の世界には帰れない……ということでいいだろう。
でもその『何か』が……分からない。
勢いで破いて、未だに行方知れず。
そして二枚目。
『違うものを恐れては居ません。
それは貴方に、鍵を与えてくれるでしょう』
この違うもの……これもまた、何か分からない。
鍵、という単語もあやふやだ。
つまりは、分からないことだらけ……はぁ、世知辛い。
そして『三枚目』の手紙。
そう、日下部に盗られてようやく戻ってきた手紙。
そしてこれがまた何ともいえない難易度を誇っているのだが……。
「もうやだっ、歩けないーっ!」
その時、こなたの声が耳を劈く。
人が考え事してるってのにこいつは……。
「ほらこなちゃん、もうすぐだから頑張って」
往来の真ん中で癇癪を起こすこなたに、つかさが駆け寄る。
今私たちは、昨日話したとおりゆたかちゃんの邸に向かっている。
……徒歩で。
近いから、というのもあるが網代車が出払っていたので仕方がない。
明日にでも回せばいいものを……どうしても今日行くと決めていたらしい。
それで出発し、いつもの不平不満が爆発している様子。
「あんたが言い出したんでしょ? ほら、置いていくわよ」
「……」
私の体がしゃがみ込んだこなたに手を差し伸べるが、返事がない。
ああ、そうだった。
問題がもう一つ。
「……行こっ、つかさ」
「あっ……」
私の差し出した手をすり抜け、つかさの横に。
これが所謂当面の問題、だ。
喧嘩みたいなものかな……一方的な。
原因は、『私』。
ああ、体じゃなくて上澄みのほう私ね……ってもっといい呼び方がないかしら。
昨日の事を考えればまぁ、当然の結果かも。
あの後、対屋に走って戻ると、つかさとこなたが居た。
そりゃそうだ、私がそうこなたに言ったわけだ……仮病まで使って。
それなのに部屋に戻ってきた私はその二人を有無言わさず追い出し、部屋に一人篭って泣いていた。
そして次の日、問い詰めてきた二人に『体の』私が何て言ったと思う?
「なにそれ」の四文字……そりゃ、怒るわ。
つかさはあまり気にしてない、というか泣いてたほうを気にしてくれたんだけど……。
こなたのほうは、ご立腹という訳だ。
http://bbs.freedeai.com/src/up6236.jpg ゆたかちゃんの邸に行くのだって、無理矢理ついてきたようなものだしね。
……ともあれそんな長々と説明したわりにショボい理由の所為で、朝から気分は最悪。
体のほうが、だけど私だってこう無視され続ければ気分が悪い。
はぁ……何はともあれゴメン、私。
ちょっと暴走しすぎた、反省しよう。
「おーいらっしゃいこなたぁー、遅かったねー。歩いてきたの? そりゃびっくりだ」
こなたをつかさが引っ張り、ようやく到着した邸で迎えてくれたのは……これまた見覚えある顔。
ああそっか、ゆたかちゃんがこなたの所に居ないなら、この人の所に居るわけね。
「ゆい姉さーん、こんちわー」
御簾ごしに適当に手を振るこなた。
はぁ……少しは礼儀作法を覚えて欲しいわよね。
まぁ向こうも似たような挨拶をしてきたからいいけど。
「ゆたかも迎えたがってたんだけど朝から具合悪くてさー、悪いけど対屋(たいのや)まで行ってあげてくんないかな?」
やはり文の通り、ゆたかちゃんの具合は良くないらしい。
まぁ今日はお見舞いみたいなもんだし、静かにしなさいよ。
「ゆーちゃーんっ! 久しぶりーっ!」
……と思ったのも束の間、対屋にこなたの声が響く。
案内されてすぐそれかよ!
「あ、こなたお姉ちゃん」
中には見覚えのある顔が横になっていた。
あまり顔色は優れないが、こなたを見て少しは笑顔が戻る。
「お、こっちも久しぶりー」
「ややっ、どうもお久しぶりッス」
すると部屋に居た女房にも声をかけるこなた。
丁寧にお辞儀するその姿は……はて、見覚えがあるかな。
ああそうか。印象が違うのは多分、眼鏡がない所為かな。
「お二人も、お久しぶりッス」
「うん久しぶりー、ひよりちゃん」
こちらにも気がつき、頭を下げあう。
田村ひより……ゆたかちゃんのクラスメイト、だったっけ?
こなたと一緒に騒いでるのしか覚えてないなぁ。
こっちの世界では、どうやらゆたかちゃん付きの女房らしい。
ええと、こっちで田村さんって呼んでもしょうがないのか……ひより、でいいわよね。
「ゆーちゃん具合どう? 熱とかない?」
ゆたかちゃんの横に座り、こなたが心配そうに声をかける。
昨日の私のときもそうだったっけ……もしかして、ゆたかちゃんがこの様子だから私のことも?
……まさかね。
「うん大丈夫……ちょっと熱っぽいけど」
「あっはっは、ただの寝不足ッスよ」
「へっ?」
二人の間に、笑い声が割って入る。
女房の……ひより。
寝不足?
それってあれよね、夜寝てないとなるやつ。
「夜な夜な部屋を抜け出しては。殿方の下へと足を運び……くぅー!」
「ちょ、ちょっとっ!」
慌てて顔を真っ赤にするゆたかちゃん。
……なんとまぁ、何時の間に。
「殿方のとこって……まさか夜這いにっ!?」
「ち、違うよっ! あの人はそんな事しないもんっ!」
ゆたかちゃんから声が上がる。
その後に、墓穴を掘ったことに気がつく。
「あっはっは、いーじゃないッスかぁ」
と、真っ赤になったゆたかちゃんを後ろから羽交い絞めにするひより。
「むぅ……意地悪」
「いやいや、ここまで従順な女房はそうはいないッスよぉ?」
ケラケラと笑う女房にぷくーっとふくれる主人。
これはこれで仲がいいのかもしれない。
でも私的には『あの子』が来ると思ってたんだけどなぁ。
ほらあの背の高いええとあれ? ……名前が出てこないな。
「はぁー、そっかぁ。ゆーちゃんもそんなお年頃なんだねー」
目を丸くしていたこなたも、ようやく事態を飲み込む。
まぁ、この年頃ならそれぐらい居ても普通な時代なのか。
むしろこいつもいい加減相手を作らないと貰い手がなぁ……。
「で、どんな人どんな人?」
こなたも興味津々なのか、ゆたかちゃんに詰め寄る。
つかさも何処か鼻息荒いし、みんな好きよねそういう話。
「ど、どんな人ってその……背高くて、えと」
「あ、これその人に出した文の写しッスよー」
「ってわぁぁぁぁっ!」
ゆたかちゃんの叫び声が耳を劈く。
おいおい、苛め過ぎだろさすがに。
いや確かに、可愛いから苛めたくなるけど……いい加減顔が赤すぎる。ゆたかちゃんが死んじゃった! このひとでなしっ! ってな事態にならないことを祈ろう。
「だ、駄目っ。これは駄目ぇっ!」
「もー、見せてよー。ゆーちゃーん」
「そうそう、減るもんじゃないッスよぉー?」
手紙を取り上げたゆたかちゃんに小悪魔二人が襲い掛かる。
でもそのゆたかちゃんの表情が曇る。
「駄目だよこんな手紙……返事も、貰えないし」
「え、へ、返事まだなんスかっ!?」
その言葉に、固まる小悪魔二人。
どうやら地雷を踏んだみたい……南無。
そっからゆたかちゃんを慰めるのに小一時間かかるわけだけど……長いので割愛しよう。
「うーん、結構切実そうな人と思ってたんスけどねぇ……見当違いッスわ」
「知ってるの? ひよりん」
「もちろんッスよ。いつも抜け出す手引きしてるのは、自分ッスから!」
と、胸を張る。
てゆーか抜け出してるのか、見かけによらず大胆ね。
なんでもゆたかちゃんにどうしても、と頼まれたらしい。
「もう喋っちゃって……いいッスよね?」
「……うん」
ゆたかちゃんに促すと、渋々首を縦に振る。
どうやらもう観念したらしい。
「それが不思議な人でして……喋らないからまだ声すら聞いた事ないんスよね」
「声も?」
こなたが首を傾げる。
そりゃそうか、私も傾げたいくらい。
「で、でも優しい人だもんっ」
「んー、自分には怖そうな人にしか見えなかったッスけど」
そりゃ無言ならねぇ。
「本当に喋らないの? 一言も?」
「う、うん……私がいつも、一方的に喋るだけ。名前も……教えてくれない」
何だそりゃ!
逢瀬って言うにはショボすぎるだろ!
……っと、いかんいかん。つい癖が。
「でも何故か、いつもの場所に毎日来てくれるんスよねぇ……多分今日も、来るんじゃないッスか?」
それに毎夜毎夜会いに行ってる、と。
本当、甲斐甲斐しい子だなぁ。
うちのお姫様も見習って欲しいものね。
「そっか……毎日、来てるんだ」
とか思ってると、うちのお姫様が何かに反応する。
……。
あ、今凄い嫌な予感がした。
「でも今日は駄目ッスね。この様子じゃ」
「だ、大丈夫だよっ。行けるもんっ」
意気込むゆたかちゃん。
でもさすがに熱もあるらしいし、体の方が心配かも。
「駄目ッスよ。抜け出したらお姉さまに言いつけちゃいますから」
「う……」
その言葉に怖気ずくゆたかちゃん。
どうやら成美さんにも内緒で抜け出している様子。
あの人もなかなかどうして、妹煩悩だもんなぁ。
妹が夜な夜な抜け出してる、なんて知ったら卒倒するかも。「びっくりだよ!」とか言いながら。
「一日ぐらい放っておいてもいいッスよ、返事もくれない殿方なんて」
「で、でも……」
「そーだよゆーちゃん、もっと優しい人のほうがいいと思うな」
「や、優しいもんっ……私に合わせて、歩いてくれたりするし」
必死に擁護する姿がまたいじらしい。
恋は盲目、とはよく言ったものだ。バーミリオン? 色を使う意味が分からない。
「じゃ、じゃあえと……文だけ、書かせて」
「はぁ……まぁ、それぐらいならいいッスかね。自分がちゃんと渡してきますから」
結局どちらもしぶしぶ妥協する。
何処の女房も大変よね、我侭なお姫様を持つと。
「よしっ、じゃあ私らはそろそろ帰ろっか。つかさ」
こなたなりに、今にも文を書こうとソワソワしてるゆたかちゃんを気遣ったのだろう。
いつもなら「もっと遊ぶー」とかごねそうな所なのに早々と席を立つ。
あと何気にまだ無視です……みょーん。
「じゃあ、ゆーちゃん。また遊びにくるから」
「うんっ、待ってるね」
仲良く手を振り合う二人。
少し短かったが、お見舞いだしこれくらいでもいいだろう。
後は成美さんや親御さんにも軽く挨拶を済ませて、早々と邸を後にすることになるだろう。
……しかし、私は感じていた。
何かこなたが、やらかしそうな気配を……本能で。
その不安はその夜、上澄みの私の時間のときに的中することになる。
はぁ……せめてもう少し早く事件を起こしてくれれば、それに巻き込まれることもなかったのに。
……いや、どの道巻き込まれたのだろう。そういうやつだよ、あいつは。
結論から言おう。
この夜、私はとある人物と会うことになる。
その人に出会ったおかげで私は……ある事に気付かされることになってしまうわけで。
それはとても簡単なこと。
だけど……とても、難しいこと。
それに気がついた所為で、私の世界は一変してしまう。
でもそれも、仕方がないのかもしれない。
いつかそうなる予感は、日下部に出会った頃からほのかに感じていたのだから。
……そう、あいつにもそれを微かに教えられてしまったわけ。残念ながら。
その話は……今はいいわよね、癪なだけだし。
そうね、どうせだから話を一番最初に戻しましょう。
最初の――ノートの話。
私にはこれまで、三枚のノートが送られた。
私の危機をしらせてくれた一枚目。
意味の分からないヒントを残してくれた二枚目。
そして『これ』が、その三枚目。
……最初に言っておく、私が『これ』の意味が理解出来たのはあくまで偶然だ。
みゆきにいつか聞いたのを記憶の奥の引き出しに締まっていたのが、たまたま出てきただけ。
見る人が見ればすぐに分かるが……分からない人にはただの語群の羅列にしか見えないだろう。
でもとにかく、そこには書いてあったわけよ。
大学ノートにはお似合いといえばお似合いの……暗号が。
■ノート その3
『cogito, ergo sum』
199 :
ぶーわ:2007/09/27(木) 07:10:12 ID:P1HYqRf7
>>199 GJ!!!!!
……なんスけど、最後の暗号にばっかり気を取られてたりしてます;;;
解読出来ない……。
ヒ、ヒントを……orz
>>199 GJです!
あの人とは、当然あの人ですよね?
>暗号
まさか、こんなところで倫理の授業が役に立つとは。
初めて先生に感謝しました。
>>199 GJ
そして落とす方向まで完璧に見えてきてしまった。
>>199 3レス目で感じた予感がイメージイラストで確信になったような希ガス。
そう来るのか、そう来てしまうのか? はらはらしながらGJ。
だめだ…俺には先が見えない…
続きが気になってしょうがないZE!
職人達の波状攻撃にノックダウン寸前だぜ
…しかし、せっかくのエロパロ板なんだから
久々に純粋なガチエロが読みたくなってきた
さて、どうしたらいい?
>>205 お前の目の前にあるものは何だ?
答えはそこにあるぞ。
さあ、お前のその思いを思いっきり書きとめろ!
おまえらwwwwwwww
>205
見せてくれよ……君の、小宇宙を
>202
俺も多分同じこと思ったが、そう簡単に信じていいものか
ミスリードだったりして
>>199 GJ!そしてひよりん(せんせいのお時間的な意味で)に感謝!
こなかがを要求する!
>>213 ここでは要求すると
自分で書かなきゃいけないんだZE!
ららら、こなかが♪ららら、こなかが♪
らららいつも変わらない二人
ららら、こなかが♪ららら、こなかが♪
らららエロ特設まである
ネコミミでも、小さくなっても、結局はこなかが
ららら、こなかが♪ららら、こなかが♪
ツンデレとオタクの二人
ららら、こなかが♪ららら、こなかが♪
今日のカップリングはこれ
大きな声で気迫を込めてこなかがをよこせぇ(
>>213)♪
らららこなかが、らららこなかが、自分で書かなきゃいけないんだZE(
>>214)♪
ららら、こなかが♪ららら、こなかが♪
らららいつも変わらない二人
ららら、こなかが♪ららら、こなかが♪
らららエロ特設まである
ゆたみなでも、こなつかでもなく、要求はこなかが♪
だけどいっつもツンデレしてるかわいいこなかが♪
ららららこなかが♪
>>205 一つ、書き終わってるのがあるんだけど、まとめサイトを見てたら少し表現が似てるのを発見してしまい、投下を躊躇しているんですが、それでもよろしければ。
ただ、今日はちょっと忙しいので、投下するとなるとどうしても明日か明後日になってしまうのですが
シチュが被るのなんて誰も全然気にしないと思うんだ
まとめサイトの逆転☆裁判シリーズかなりいい!!
こういう冷たい感じのこなたっていいと思うんだ
シチュが被る=感性が似ている
それだけいいSSが書けた、そう考えるんだ
>>216の明日か明後日に期待
特にこなかがなんてかなりのパターン出尽くしてるしな
ここでもなんか既存の同人誌と被ったらしくて、
パクリ扱いされてたのとかあった気が
同人でパクリとかどんだけーっ
>>220 逆じゃないか?
ここのネタがアンソロ自慰に載ってて
「作者絶対ここ見てるだろw」
って書かれてたような……
「つかさぁ!今日いつもの空き地でリサイタルだからね!来なかったらひどいわよ!」
「コ、コナえも〜ん!(泣)」
「ん〜?」
っていう夢を今朝見た。
もっと長かった気もするが覚えてない。。
ぶーわ氏 GJ!
ここで哲学に来るのか。
Je pense, donc je suisか。
>>222 それで思い出したが
こなたんクエストの続き待ってます
227 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:54:53 ID:tX28Q3uD
有料で一人で楽しむ同人より
無料でみんなで楽しむここが好き
かぶっても気にせずどんどん書いて乗せてw
>>228 石景山w
みゆきさんは出来杉のポジションかと思ってた
3スレ前にリクエスト受けたやつ投下します
とか言いつつ初投稿なわけですが……
では以下注意事項をば
・エロなし
・オリキャラ注意
・かが×こな(?)
あと携帯からなので短文になってしまいます
では
学校の帰り、私はこなたに誘われて一緒にアニメショップへと立ち寄ることになった。
「しかしあんたもよく来るわよね」
「まあほぼ毎日通ってるぐらいだしね〜」
そんな会話をしつつ私たちは店に到着した。
そして店に入ろうとしたときに、同い年ぐらいの男の子とぶつかりそうになる。
「うわっ……と?」
「おっと。ごめんなさい……って、あれ?」
何故か語尾に?がつく2人。
すると男の子のほうが
「ひょっとして……こなたさん?」
と、そんな台詞を口にした。
「もしかして……」
「久しぶりだね」
「おおう、久しぶり!元気だった?」
「もちろん。こなたさんも元気そうだね。でも……」
そう言うと彼はこなたの頭に手をポンと乗せた。
「相変わらず背はちっちゃいままかな」
「む〜。私じゃどうにもならないんだから仕方ないじゃん」
「でも少しは健康な生活を送らないとだめだよ?」
「48時間耐久でゲームしてた人に言われたくないよ……」
状況が呑み込めない私をおいて仲良く話す2人。
というか入口でこういう会話してて大丈夫なのだろうか……
そんなことを思っていると、こなたが話をやめてこちらに向く。
「いや〜ごめんかがみ。すっかり忘れてたよ」
「何気に酷いこと言うわね……。で?そっちにいる人は誰なの?」
「ああ。前に話さなかったっけ?ほら、中学のときの友達だよ」
そういえば前にそんな話をしたような気がする。
確か……
「魔法使いさん……だったっけ?」
「そうそう、その人だよ」
そして彼―――魔法使いさんの方へと向いた。
「えーと。初めまして、柊かがみです」
「こちらこそ初めまして。僕は――」
「『魔法使いさん』でよくない?あの時からのあだ名みたいなもんだし」
魔法使いさんが名前を口にしようとした瞬間にこなたが割りこんできた。
「まあ確かにそうだけど……」
「じゃあ『魔法使いさん』で決定ね〜」
「拒否権は……ないよなぁ」
そのまましょんぼりしてしまう魔法使いさん。
「あのー、大丈夫ですか?」
「ああ、うん、大丈夫。友達になったときからのことだから……」
いや、全然大丈夫そうに見えないのだけど。
というかこなたよ、あんたはこの人に何をしたのか。
「こういう絡みも久しぶりだねぇ」
「ははは……。まあ確かに」
「魔法使いさんは今日は何でここに?」
「多分2人と同じ。今日発売のマンガとか、そういうのを買いに来ただけだよ」
「なるほど。これも一期一会ってやつだね」
ふむふむ、と一人で納得するこなた。
……もうすっかり雑談ムードだが本来の目的を忘れていないだろうか。
少し心配になったのでこなたに声をかける。
「ねぇ、こなた」
「何だいかがみんや」
「あんた買い物は?」
「―――あ」
「やっぱり忘れてたか……」
その台詞と共にため息をつく。
「えーと……どうする?もう帰っちゃう?」
心配そうな声で魔法使いさんに話しかけるこなた。
「用は済ませちゃったし今日はこの後用事があるんだけど……。それじゃあこなたさんが来るまで外で待ってるよ。それくらいの時間はあるしね」
「分かった、なるべく早く買って来るよ!」
言うが早いかそのままダッシュ――をしようとしたところでこなたがこちらを向いた。
「―――と、かがみはどうする?」
「私?」
一応こなたに付き合って来たわけだし、本当は行くべきなのだろう。
けどすぐに買い物が終わるのだったら私が居てもあまり意味は無いわけで。
私は後者を取ることにした。
「私も外で待ってるわ。だからさっさと買い物済ましちゃいなさいよ」
「りょーかいっ!」
その言葉を合図に今度こそこなたはダッシュで店の中へと消えた。
残された私たちは店の前からちょっと離れた所にあるベンチに腰掛ける。
ふう、と息をつくと魔法使いさんが話しかけてきた。
「こなたさん……もしかして学校でもあんな感じ?」
「そうですね、いつもあんな感じです」
即答する。
「なるほど。相変わらず回りを巻き込んでるわけだ」
昔を懐かしむように話す魔法使いさん。
こなたのああいう性格は3年前から変化がないようだ。
「それじゃあもう一つ質問いいかな」
「何ですか?」
「もしかしてこなたさんのこと好きなのかな?」
「なっ!?」
突然投下された爆弾発言に驚いた。
私は冷静に返答しようとする。
「なななななな何を言って……!」
駄目だ、こんなこと言われた後で冷静になれる筈がない……。
「ふむふむ。これは正解かな?」
上擦った声でしか返答出来ない私をよそに、魔法使いさんは一人で納得していた。
「な、なんで分かったんですか」
「ん、何が?」
「そ、その……」
自分の顔が真っ赤になっていくのが分かるが、それを必死に抑える。
「私がこなたのこと……その、好きになったってことを」
「柊さん、こなたさんに話しかけられる度に顔がちょっと赤くなってたからね。もしかしたら―――と思ったわけだよ」
「そうなんですか……って、ええええ!?」
そんなこと自覚すらしていなかった。
他人から見れば毎回そんな反応をしていたのか……!
思わず頭を抱えてうずくまる。
「柊さん」
「何でしょうか……」
真っ赤になった顔を上げると、目の前に同じく真っ赤な色をした物が視界に入る。
「これ、柊さんにあげるよ」
その魔法使いさんの手に握られていたのは、少し小さめのお守りだった。
「これって……」
「まあ世間一般で言う恋愛成就のお守りだね」
そう言って魔法使いさんは私の手にそのお守りを握らせる。
「貰ってもいいんですか?」
「もちろん。大切にしてね。そのかわり頑張ってね」
「……はい」
私はそのお守りをなくさないようポケットへとしまった。
そして魔法使いさんは少し寂しそうに、
「でも効果はあんまり期待しないように。何と言ったって3年前のだから」
そう呟いた。
「え?」
「おまたせ〜!」
シリアスな空気をぶち壊すかのように戻ってくるこなた。
……頼むからもう少し空気読んでくれ。
「いや〜買った買った……って2人ともどしたの?」
こなたの視線が私と彼の顔を言ったり来たりする。
すると急にニヤニヤし始めた。
「なるほど、一目惚れかぁ……。かがみも女の子だねぇ」
「違うわよ!っていうかあんたも女だろうが!」
「……こういう妙にオヤジくさい所も相変わらずだね」
「はっはっは」
偉そうに笑うこなたを見てると、自然に笑みがこぼれた。
おもむろに魔法使いさんのほうを見ると携帯の時刻をみていた。
そして別れの言葉を口にする。
「じゃあ悪いけど時間だから。ごめんね?」
「気にしなくていいよ。それにこっちも待たせちゃってごめん」
「それこと気にすることじゃないよ。それじゃあこなたさん、柊さん。縁があったらまた」
またね〜、と手を振るこなたと一緒に魔法使いさん別れを告げた。
そしてこなたの方へと向く。
私と、魔法使いさんの想いを告げる為に。
「こなた」
「ん、何?」
いつもの様に話しかけてくるこなた。
私はポケットの中にあるお守りを握りしめて、
「私ね―――」
end.
投下終了です、駄文失礼しました
また機会があれば何かしら投下したいと思います
あと……リクエストの嫉妬分が皆無ですみませんorz
では
GJ!!!魔法使いさん何者wwww
240 :
14-208:2007/09/27(木) 21:53:20 ID:gq5jMVLS
>>238 GJ!!!!!
自分もあと少しでSSが仕上がる…………黒つかさが。
241 :
7-896:2007/09/27(木) 21:54:28 ID:nT4DjyGq
どうも、何時間寝ても疲れがとれない7-896です。
たまには普通のSSも書きたいなと思い書きました。
本当は1週間ほど前に書き始めたのに……こんなにかかってしまいました。
みゆき視点(今回は自重して壊れてません)
ゆき×こな
エロ有り
需要あるのかは分かりませんが
投下します。
242 :
7-896:2007/09/27(木) 21:55:38 ID:nT4DjyGq
言い忘れました
9レスいただきます
心の底から湧き出る気持ち
傍にいたい、手を繋ぎたい
抱きしめたい、口付けたい
あなたが……欲しい
無理やりに押し込もうとすればするほどに、それは溢れ出し
『私』を押し流す
だからこそ私は余計に、あなたを欲してしまう
しかしそんなものは結局、自分自信に対する言い訳
自分のせいではないのだと
あなたが悪いのだと
そう、それは単なるエゴイズム
それは、愛情?
それは、渇望?
私にとってあなたは全て
では……
あなたにとって、私は?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
『さかさまこんぷれっくす』
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ」
またこの夢だ。
何の映像も流れずに、ただただフレーズだけが自分の声で再生される。
気持ちの悪い夢。
この夢を見るたびに、私の目じりから頬にかけて、何かの通った跡が残る。
心が溶け出して零れた、雫の軌跡。
私は立ち上がり洗面所へと向かった。
顔を洗えば、その傷は消える。
でも、体の真ん中にある大きな傷は、癒えるどころかますます痛んだ。
だけど、それを表に晒すことはしない。
そんなことをしたら、やさしいあの人はきっと、私を気にかけてしまうから。
だから私は笑う。
作り笑いでも構わない。
私は仮面を被る。
それがどんなに罪深いことでも、私は……
「おはようゆきちゃん」
「おっはよーみゆきさん」
「おはようございます。泉さん、つかささん」
いつものように私より後から来る2人。
いつものようにHRが始まるまで談笑して
いつものように授業を受けながら、時々『こなたさん』を横目に見る。
これは私のルール。
心の中では名前で呼びたい。
これは今の私にできる精一杯の我侭。
>>238 柊家って神社だから、お守りには困らないんじゃないかとか思ったり……
でも開運招福・家内安全・学業成就のみで、恋愛は管轄外かな
GJ。
ちょっと細かな事言うと、ダーシは奇数個の箇所があってそれが気になったかな
三点リーダは二個で統一されている分、余計に目立ったので
昼休みになって、いつもの4人でお弁当を突く。
話題振りに一所懸命なこなたさん。それに突っ込みを入れることに一所懸命なかがみさん。
なんてことのない日常。
なんてことのないやり取り。
なんてことのない……
そして、やっぱり生まれるこの黒い気持ち。
……嫉妬。
こなたさんが他の人と話しているのを見るだけで、その気持ちは現れる。
――いつからだろう、こんなにも想うようになったのは
始めて話したのは……そう、文化祭の準備の時だった。
自分の性格上、困っている人は放っておけなかった。
オロオロとする可愛い2人に惹かれた、ということもあるのか
私は他の生徒達には眼もくれず、一直線に2人の元へと向かった。
ありがとうという言葉は、やっぱりうれしい。
あぁ、手伝ってよかったなぁ……なんて思う。
しかしそれよりも、もっとうれしかったのは
この人と、話しができたこと。
一緒のクラスになったときから気になっていた。
まだ高校生であるにも関わらず、母と間違えられてしまう私とは正反対で
まるで成長していないんじゃないかとすら思えるほどに、幼い容姿。
話をしていくうちに、私はどんどん彼女に惹かれていった。
何があってもいつも前向きで、私たちを引っ張ってくれる。
どんなことでも、楽しいことに変えてしまう。
そこにいるだけで、周りを引き寄せてしまう力がある。
いざというときは、私たちのことを心の底から考えてくれる。
――コンプレックス
私の持っていないものを持っている彼女が
いつの間にか、愛しくて愛しくて……仕方なくなってしまっていた。
隣にいるのが当たり前になって。
目で追うことが当たり前になって……
そして今となっては、頭のどこかには必ずこなたさんがいた。
そして理解した。
――恋を
「みゆきさん」
「はい?」
笑顔で応答。
仮面は絶対に外さない。
「何かあった?もしかして調子悪かったりする?」
「……え?」
「突然何言ってんのよあんた」
「うん。……ゆきちゃん、何かおかしいところでもあったのこなちゃん?」
「……んぅ」
正直、驚いた。
今日は特に、しっかり芝居をうったはずだったのに。
会話も、食事も、笑顔も。何一つ完璧にこなしたはず。
それなのにこの人は、私の嘘を……軽々と飛び越えて
私の中に入ってくる。
「別に何もありませんけど。……ちょっとお手洗いに行ってきますね」
「はいよ」
「うん、いってらっしゃい」
「あ……みゆ」
全部聞く前に、私は席を立つ。
そしてそのまま振り返らずに、足早に教室を出た。
何かから逃げるように、自分を見せないために
私は足を進めた。
「みゆきさん!!」
……こなたさんだ。
「泉さん、どうかしましたか?」
「……やっぱり」
何がやっぱりなのだろうか。
いいえ、私はもう分かっていた。
この人には隠し通せないと……
「みゆきさん……放課後、屋上に来て。待ってるから」
呟くように、私たち2人だけにしか聞こえないような声で言ったこなたさんは
踵を返して、小走りに駆けていってしまった。
太陽が半分ほど沈みはじめた頃。
私は屋上のドアノブへ手を掛けた。金属の擦れる音と共に、ゆっくりと開く扉。
その隙間から、オレンジ色の光が差し込む。
躊躇しながらも足を踏み出すと、夕焼けを眺めるようにして、その人は待っていた。
不気味なほどに真っ赤な空は、私たち2人をどこか別の世界に連れて行こうとしているかのように
面妖に闇を誘い始めている。
私に気づいたこなたさんは、掴んでいたフェンスを離すと、ゆっくりこちらに歩み寄ってきた。
私の2mほど先で動きを止めて、少し微笑む。
夕日に照らされているせいか、その顔はいつも以上に私の心臓を高鳴らせた。
「ごめんねみゆきさん、こんな時間に」
「いえ、特に用事もなかったので」
沈黙。
いつもなら、2人きりでもこんなことはない。
こなたさんが言い淀んでいるせいもあるけれど
私自身、何を言われるのかが不安で仕方なかったせいでもあるだろう。
永遠にさえ感じたその時間を断ち切るように、こなたさんが口を開いた。
「みゆきさん……なんか最近、無理してるよね」
「……」
「他の2人はさ、気づいてないかもしれないけど……私は分かっちゃうんだよね、なんか」
「そう、ですか」
あまりに突然のことだからか、はたまた予想できなかった言葉だからか。
いや、たぶん両方だろう。
私は、否定することすら忘れてしまっていた。
「いつもみゆきさんのこと……見てるせいかな。ちょっとした変化とかでもわかっちゃうんだよね」
「……」
「理由は分からないけど、みゆきさんには笑っていてほしいんだ」
「……」
「私はさ、笑顔のみゆきさん……大好きだから」
「……え?」
最初、意味が分からなかった。
だから思わず、俯いていた顔を上げてこなたさんの顔を見た。
耳まで真っ赤だ。
「いや……その……」
「泉さん、顔……真っ赤ですよ」
「ゆ、夕日のせいだよ!!」
こなたさんはベタな誤魔化しをしながら、大きく踏み込んで私の目の前に来た。
「だから……私の前だけではさ、本当の笑顔……見せて欲しい」
頬に温もり。
こなたさんが、私よりも少し暖かい手を、私の頬に添えていた。
一生懸命に背伸びをしながら私を見つめるその瞳は、心なしか潤んでいるように見える。
「私が協力できることがあれば……なんでもするから」
なんでもするから。
その言葉が私の脳内で何度も響いた。まるで今の私の頭の中が空っぽであるように、何度も何度も跳ね返る。
直接的には言っていないけれど
こなたさんは、きっとそういう意味でいっているのだと、私は燻っていた気持ちを奮い立たせた。
「こなたさん、好きです」
「……みゆきさん」
「私は、あなたのことが……ほ、欲しいです」
言ってしまった。もう後には戻れない。
「やっと……名前で呼んでくれたね……みゆきさん」
優しく、大事なものを抱きしめるように、ゆっくりと私の腰に手を回してきた。
といっても、体の大きさ上、抱きつくといった方が正しいかもしれません。
……戻る必要はなかったみたいです。
「私も好きだよ、みゆきさん」
「はい」
目を瞑ると、こなたさんの心臓の音だけが
トクン トクン
と、私に伝わってきた。
「だからさ……いいよ」
「……なにがですか?」
「……だから……その」
「?」
「さっきの……ほ、欲しいって……言ったの」
「!!」
そ、それって……
「私も……みゆきさんになら、その」
「い、いいんですか?」
「……うん」
本当はそういう意味で言ったわけではないんですけど
結ばれてからこんな短時間で、してしまってもいいのだろうか。
なんて、頭では思案していたのだけれど。
いつの間にやら体は、こなたさんを押し倒していた。
両手を使い、体の線を確かめるように服をたくし上げてゆく。
すると、こなたさんが何かを求めるような顔をする。
私はその何かが何なのか、すぐに理解した。
「すみませんこなたさん、がっついてしまって……ん」
目の前の愛しい人の唇に、自分のそれを重ねる。
暖かくて、不思議な感覚。その感覚を確かめるように、舌でこなたさんの唇をなぞった。
小さく震え、高音の声が聞こえたけれど、それは否定ではないと分かっていたので、続けて舌を口内にさし入れた。
こなたさんの発した声が、私の口内に響く。
歯茎や頬の裏、舌を舐めながら、こなたさんの慎ましやかな胸へと手を伸ばす。
ブラジャーの下に手を入れると、小さいけれど確かな弾力で私の掌を押し返してきた。
少し力を入れて優しく撫でた。
「んぁ」
少しだけ硬くなった突起に指が当たると、こなたさんが艶っぽい声を出す。
自分でも驚いたのだろうか、口を押さえて眼を大きく見開いていた。
感じてくれていることが分かって、私の行為は更にエスカレートしてゆく。
胸を弄っていた手を、片方だけ少しづつ下に移動させながら
おへその少し上の部分にキスをした。
その唇も、ゆっくりと下に下ろしていき、下着越しに大事なところへと口付けた。
「みゆき……さん」
名前を呼ばれたことを合図と取り、かわいらしい緑色のショーツを静かに脱がせる。
大きく上下する胸と、いつもの面影がない弱々しい表情。
その幼い外見もあいまってか『母性本能+好きな人への想い』によって、私の心臓は喉から飛び出て踊りだしてしまうんじゃないか
とすら思えるほどに、限界のスピードで鼓動を刻む。
布を取り去られたそこは、既に濡れそぼっていた。
他人に触れられたことすらないであろうそこに、私は指を這わせる。
「んっ……つるつるでごめんねみゆきさん。せめてもうちょっと体が大きければ、あはは」
恥ずかしさが限界を超えたのか、こなたさんは笑い始めた。
「私は、好きですよ。こなたさんのものなら、全部好きです」
「……そ、そんな恥ずかしいことをはっきりと」
続けますね、とこなたさんに言い、小さく頷いたことを確認して、行為を再開した。
今度はちょっとだけ中指を入れてみる。
1本だけなのに、痛いほどに締め付けてきた。
こんなに狭い穴……もし男の人の手に渡っていたかと思うと、青ざめてしまいます。
第2関節まで入れて、くいっくいっと小刻みに動かす。
ピクンピクンという体の動きにあわせて、口から感じている声が漏れる。
顔を見てみると、おぼろ気な瞳で遠くの雲を見ていた。
いや、何も見ていないのかもしれません。
「こなたさん」
「み、ゆきさ……」
まだそれほどに攻めたわけではないけれど、私に向けられた視線は、焦点が合っておらず
秘所から溢れた蜜は、お尻の線を伝って、床に水溜りを作っている。
イきそうなんだということを私に教えてくれた。
「イかせてさしあげますね」
間髪いれずに、花弁に口をつけて舌を差し込んだ。
「うぁ!!み、みゆきさん……ん、ぅ!!」
舌を伸ばしたり縮めたり、上下に舐めまわしたり。
とにかく感じてほしくて、舌の動きを強くした。
いつもよりずっと大胆だったのは、こなたさんの淫らな姿を見たから、というのもあったかもしれないけれど
ここが学校だという背徳感が、更に私を掻き立てていたことも大きな要因だろう。
差し込んでいた舌で、今度は鼻先にある小さな蕾を突く。
「っつあ!?」
今まで一際大きく跳ねた。
唇を使って中身を露出させて、舌でねっとりと舐めあげた瞬間。
私の顔を挟む太ももの力が強くなり、声にならない声をあげたと同時に
ぴゅっぴゅっと、秘所から液体が飛び出した。
……イったみたいです。
こなたさんは余韻に浸りつつ、隣で私の肩に頭を預けている。
「みゆきさん、本当に今日はいいの?私だけ気持ちよくなっちゃって」
「はい。今日はこなたさんを抱けただけで満足です。それに、時間はたくさんありますし」
そっか、と呟きながら私を引き寄せて、ギュッと抱きしめてくるこなたさん。
穏やかな心音が腕を媒体にして、私に届く。
2人の鼓動が重なって、心地よい空間を作り出していた。
これが幸せ。
なるほど、本当に暖かいんですね。
動かせる方の腕で、隣にいる小さな恋人の肩を抱く。
本当に小さい。恋人というか、娘の方が正しいような……
「みゆきさん、今私に後ろめたいようなこと考えてなかった?」
「え!?あの、いえ、その……そそそ、そんなことは」
「むぅ〜。みゆきさん許すまじ」
いつものこなたさん。
さっきみたいな大人しいこなたさんも好きですけど
やっぱり、元気なこなたさんが一番です。
私は、やっと手に入れた幸せを
小さな幸せを、力いっぱい抱きしめた。
――だけど
目の前の幸せばかりに目がいってしまっていて
私は見えていなかった。
いいえ、見ようとしていなかったのかもしれません。
屋上へと続く扉の向こう側。
こちらからでは開いているかどうかなんて分からないほどに、ほんの少し開いた扉の向こう。
息を荒げながらこちらを盗み見ていた、2人の少女に
――私は全く気づいていなかった
【 fin 】
253 :
7-896:2007/09/27(木) 22:04:57 ID:nT4DjyGq
以上です。
もうちょっと描写増やしたかったんですが、こんな感じで完成してしまいました。
たぶん鼻血みゆきのせいです。
こんな終わり方ですが、続きはないと思います。
たぶん鼻血みゆきのせいです。
今までみゆきさんを壊しすぎたせいか、ものすごく書きづらかったです……
たぶん鼻血みゆきのセイデス。
>>253 リロ忘れorz
割り込んでしまって本当に申し訳ない
なんという正統派SS間違いなくこれはGJ
壊れキャラもいいがラヴラヴ系もいとおかし
そして続編にはwktkせざるを得ない
ふむ、失礼。続編はないのか。
………気が向いたら是非ともお願いします。
>>253 GJGJGJ!!!!!!!!
壊れなくても素敵なみゆきさんでしたよ……っ!
……でさ、俺、多分高良みゆきと鼻血みゆきは別人だと思うんだ。
鼻血みゆきは鼻血が名字でみゆきが名前。
時々高良みゆきと入れ替わりで登校して来るんだっぜ!
とか言ってみたり。
258 :
223:2007/09/27(木) 22:21:05 ID:ie319egB
>>228 ちょww俺の夢具現化ktkr
俺がみたコナえもんと微妙にデザインが違うようだがwww
そこにGJ!!!
>>229 色塗り直前で思い立ち、顔を変えました
似てるように見えてもまったくの別物ですw
出木杉は特徴が無くて難しいかもw
>>258 Q「これ、ドラえもんではないですか?」
A「いいえ。まったくのオリジナルキャラ、コナえもんです」
>>226 こなクエは萌えドリルのミニゲームだったような……。
>>253 GJ !
息を荒げながらって・・・嫉妬?
うわぁ・・・修羅場の予感w かがみ辺り、なりふり構わなくなってしまう気が (汗)
>>245 うお、ご指摘ありがとうございます
次からは気をつけます……
>>253 GJ
というか2人覗いてるとかww
>>253 GJ!このままだとなんかこな☆フェチのダーク展開バージョンになりそう。
続きが気になるなぁ・・・。
くそう!鼻血みゆきめっ!お前って奴は!
>>253 ちょw鼻血みゆきへの責任転嫁イクナイwでもGJ!
できることなら続きに激しく期待したいところ
そうですね、もしいいシナリオが浮かんできたら
続編書いてみますね。
ただ最近壊れネタばかりしか受信しないんです……
たぶん鼻血みy(ry
覗いてる二人wwwwwwwww絶対オナってるよww
GJ!!
>>265 おk、どんどんやっちゃってくれい。
あなたの作品はマジで楽しみだから、頑張ってくれよ〜。
>>253 ぬう、壊れてない話も上手いな貴方。
屋上でなんて背徳的過ぎて鼻血みゆきになっちまうぜ。ぐじょーぶ。
あ、あと。覗いてた柊姉妹も含めて仲良く4Pすれば円満解決だと思うんだ(思うな
>>268 4Pなんてしたら俺の理性がとんでもないことに(ry
>>266 さらにその現場を、後をつけてきたみさおに見つかり…
SSとも呼べないんだけど出来たので投下
エロ無し
脚本風
このレス内で終了
ゆたか×白石
正直微妙なんで心にゆとりのある方だけお読み下さい。
時間を少し戻して、ゆたかが、まだ中学3年の頃……
ゆたかは、学校帰りの人通りの多い道で、人とぶつかり、鞄の中身をぶちまけてしまう。
慌てて、中身を拾うゆたかだが、多くの人のせいで中々拾えない。
無関心な人々……
やがて、踏まれてぼろぼろになってしまう教科書やノート。
泣きそうになってしまう、ゆたか。
だが、1人の少年が、それに気付き、拾い始める。
ゆたかから、離れているいくつかを拾って、ゆたかの持ってくる。
踏まれてしまったノートを見る少年……
「あー……ひどいなー……手伝うから、これ以上酷くなる前に拾っちゃおう。」
「すいません…ありがとうございます。」
やがて、すべてを拾い終わる2人……
その時、少年を呼ぶ声。
「おーい!!白石!!なにやってんだよー!!早くこいよー!!」
慌てて、拾った物を、ゆたかに全て私て走り去っていく。
「でね!!その人、お姉ちゃんの学校の制服着てたんだけど、知らない?」
「んー……白石……知らないなぁ……
ウチも結構生徒いるから、学年とかクラス違っちゃうと全然知らないもんねー」
「そっかぁ……」
ゆたかも、入学する頃には、すっかり忘れてて、ラブには発展しなかったとか。
END
>>253 このオチで続編が無いなんて、なんという蛇の生殺し…
みゆき×こなた好きなんで、またお願いします。
ちょっとしたSS投下するんで少しレス使用します。
「ひよりん……わかってんの?もうとっくに当初の締め切りをブッチしてるのよ?」
「はい……すみません……ホントなんとかするっス……」
ある日の放課後。私はアニ研の部室にいた……と、言うより呼び出された。
どうしてか。というのも毎度の如く、冬コミ前なのに私の原稿はまだ真っ白のまま。
で、これまたコミケ前の定番の様に、先輩に叱咤を受けてる、というわけ。
「ほんと頼むよー?うちはたださえ部員が少ないんだから、ひよりんがしっかりしてくれないと部誌が成り立たないんだからね?」
「わ、わかってます……ホントになんとかするんで……はい」
こんな時、私は先輩に泣いて平謝りすることしか出来ない。
「……まったく」
先輩はため息をついて、近くの机に頬杖を立てて座った。
「もう、そんなにネタが出ないんなら、前みたいにあんたの友達の……えーとなんて名前だっけ。みなみちゃんとゆたかちゃんだっけ?あの子達をネタにすれば?」
「せ、先輩それだけはご勘弁を……」
私は全力で先輩の提案を退けた。
もしそんなことをして、泉先輩を通してゆたかちゃんに本を見られでもしたら、もう二度と彼女に顔向けられない。
「……ワガママなやつだな。じゃあそれなら、ひよりんがよくつるんでる青い髪したちっこい奴とそいつの友達の、つり目でツインテールでいかにもツンデレ!って感じがするあの二人をネタにでもすれば……」
「それはもっとご勘弁で」
なんというか、あの二人の関係はネタにするにしてはあまりに生々しい感じがする。
「まあ出来てないならしゃーない。それで?いつまでだったら出来そう?」
「え、えと……明日は祝日で休みですし、今日と明日頑張って明後日には必ず仕上げてきます」
「わかった。じゃあ明後日ね。頼むよ?」
「が、頑張ります……」
出来る自信はないけど、やっぱり無理ですとは言えないので、そう力なく答えた。
なんとか家に帰ってきた私はとりあえずベッドになだれ込む。
ベッドはふかふかでとても気持ちが良い。
あー……幸せ……このまま眠ってしまいたい……
って!いかんいかん!こんなことしてる暇などない!
名残惜しいけど、私はベッドから起きあがって机に向かうことにした。
……一時間後。
原稿は見事なまでにまだ真っ白のまんま。
まあ、描くネタがないから、絵も描けないのは当たり前のことなんスけど。
もういっそのこと、真っ白なままこれを新興芸術ということにして出してしまおうかとも思ったけど、それをやったら先輩に東京湾へ沈められそうなのでやめといた。
諦めて私はまた机に向かう。
……さらに一時間後。
やっぱり真っ白なままの原稿が私の机の上に広がっている。
「あー!もうやめたやめた!少し休憩!」
こういうネタのないときに無理矢理捻り出しても、大抵ロクなものになんないことだし、少し原稿から離れてみた方がいいよね。
ちょっと前に「DSP」で「ファイナルドラゴンファンタジー9」も出たことだし、ネタの参考と休憩を兼ねてやろ〜っと。
……決して現実逃避なんかじゃないっスよ?
……あーあれ?……なんで私、布団に居るんだろ……
確か昨日、原稿が行き詰まって、休憩がてらにゲームやって、で知らないうちに長々やって疲れて寝て……
そこまで記憶をたどり寄せて一気に目がさめるのが解る。
やってしまった!!うっかり寝てしまったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
ど、どうしよう!これはやばいっス!締め切りは明日だっていうのに……
と、とりあえず時間を確認してみよう。私は机に置いてあった目覚し時計を手にとって時刻を見た。
デジタル時計は七時ちょうどを示している。
し、七時か……よかった。
私はホッと胸を撫で下ろした。
どうやらまだ朝も早いようだし、今から必死でやれば間に合いそう。
よし、そうとなったら早速取りかかるとするか。
まずはカーテンを空けて、朝の光をたっぷり浴びて目を覚ますか。
まだ間に合う。そんな微かな希望を抱いて、私は窓のカーテンを勢いよく空けた。
ザザッーー!!
カーテンを開いた窓の外には真っ暗な空が広がり、そして空には綺麗な満月が輝いていた。
な!なんで!?今確かに七時って……!
全く予想してなかった目の前の光景に、私は混乱している。
が、ここであることに気づいた。まさか!
私はさっきのデジタル時計をもう一度見てみる。
時計の七時の表示の右下。そこにはやはりと言うかなんというか、小さく「PM」の表示があった……
それを確認した途端、私はさっきまでの微かな希望が、見事木っ端微塵に崩れさる音を聞いた。
そ、そんなバカな……まさかこんな遅くまで寝てしまってたの……?
希望を失った私はただ、焦点の合わない虚ろな眼でうな垂れるばかりであった……
ダカダカダカーンダカダカダカーン♪
携帯の着メロで意識がようやく戻ってきた。
電話……?一体誰なんだろう。
目覚めたての意識でふらふらと机に向かって、携帯のディスプレイを見て発信主を確認する。
発信主は…………「八坂こう」
ま、まそっぷ!!
どうしてまたこんな凄いタイミング悪いときに電話をかけてきますかね、先輩は!!
流石に無視するわけにもいかず、私はおそるおそる携帯の通話ボタンを押した。
「は、はい……田村です」
「おう、ひよりん。原稿の調子はどう?明日には出来あがりそう?」
「げ、原稿ですか?え、えーと……その……」
「……その様子からみると、出来あがりそうにないな……?」
「ギクッ!」
「図星のようだな……」
「あ、あの……その……」
なにか言い訳をしないといけないとは思いつつも、言い訳の理由も思いつかず、ただ口が空回りした。
「ひよりん、君はどうしていつも自分で言った締めきりが守れないかなぁ……」
先輩は、はぁ、とため息をついた。
「す、すみません、すみま……」
「ちゃんとやらんか!このドアホーーーーー!!!」
「ご、ごめんなさーーーーい!」
先輩の怒りの雷が電話を通して私の頭に直撃した。
「すみません!本当にすみません!だからそ、そんなに怒らないで……」
こんなとき、ただ謝ることしか出来ない自分が情けないっス……
「もういい。怒るだけ時間の無駄だからな。とにかく今すぐ取りかかれ。わかった?」
「わ……わかりました……」
「よし。じゃあ私はもう電話切るよ。しっかりやってね。頼むよ?」
「は、はい。しっかりやるっス」
「じゃ、よろしく。……あ、最後に一つだけ」
「ナ、ナンデスカ?」
また何か怒られるんじゃないかと思って声が上ずってしまう。
「きつい事言ったけど……根詰めて、無理だけはするな」
がちゃ。ツーツーツー……
「あ、あれ?」
ポカンとする私を尻目に、先輩はそう言って通話を切った。
再び机に戻った私は、原稿用紙とにらめっこしている。
といっても、やっぱり筆が進む気配はなくただて、ボーっとしているだけ。
だけどそのまま時間を過ごすわけにもいかないから、改めてネタを考えてみる。
けど、いろいろ考えてみても本当に思いつく気配がない。
「……どうしたもんか」
みなみちゃんとゆたかちゃんをネタにするのも、泉先輩と柊先輩をネタにするのもためらうし……
そうやって色々考えていたその時、
『無理だけはするな』
さっきの先輩の言葉が頭によぎった。
そしてその言葉が私の頭で急にグルグルと再生され続ける。
「無理はしてないんだけどなぁ……」
あれは先輩の気遣いだったんだろうか。
「ただ、私がずぼらなだけなんだけどな……」
今はその優しい気遣いがただ辛かった。
けれど、その時。
「こ、これだーーーー!!」
今までの苦しみがまるで嘘のように、急にネタが閃いた。
「いける!これならいける!」
ずっと机の上で放置されていたペンを取って、ようやく私は原稿に取りかかった。
「……しかしまさか、あれから一晩で原稿仕上げてくるとは……」
次の日。先輩の手には完成された私の原稿があった。
「いやー、頑張って徹夜で仕上げたっスよ」
眼の下にバッチリとクマが出来た顔で私は笑った。
そう、あれから私は徹夜して原稿を描き上げたのだった。
「漫画家と、その編集者の二人で百合モノねぇ……まぁありがちと言えばありがちなんだけどいいんじゃない?一晩でやり上げたにしては絵も話もまとまっているし」
「よ、よかったー……」
リテイクを食らわなくてホッとした。
「……ただね、これさぁ……」
先輩は原稿をじーっと見て言った。
「な、なにか悪いところでも?」
「いや、なんかさ、この編集者がどーも私に似てる気がするのよねぇ……」
「ドキッ!」
「え、何?まさか……」
「あ、いや、ぐ、偶然ですよ偶然!そんなに気にしないでくださいよ!」
「偶然ねぇ……偶然だと思うんだけど……」
しかし先輩はまだ原稿をじっくり見ている。
「あ、原稿も渡したことですし、私はあの、これで……」
「待った」
「な、なんでしょう……」
「なーんかこの漫画の話、デジャブを感じるんだよねぇ……」
「え?普通に原稿のやりとりするよくある話じゃないっすか」
「いや、ここ」
先輩は私の原稿のある一場面を指差した。
=============================
『ねぇ。原稿の調子はどう?明日には出来あがりそう?」
『げ、原稿ですか?え、えーと……その……』
『……その様子からみると、出来あがりそうにないわね……?』
『ギクッ!』
『図星のようね……』
『あ、あの……その……』
『ねぇ、あなたはどうしていつも自分で言った締めきりが守れないかなぁ……』
『す、すみません、すみま……』
『ちゃんとやりなさいよ!このドアホーーーーー!!!』
『ご、ごめんなさいーー!』
『すみません!本当にすみません!だからそ、そんなに怒らないで……』
『はぁ……もういいわ。怒るだけ時間の無駄だからね。とにかく今すぐ取りかかって。わかった?』
『わ……わかりました……』
『よし。じゃあ私はもう電話切るよ。しっかりやってね。頼むよ?』
『は、はい。しっかりやります』
『じゃ、よろしくね。……あ、最後に一つだけ』
『ナ、ナンデスカ?』
『きつい事言っちゃったけど……無理だけはしないでね……無理してあなたが倒れちゃったりしたら嫌だから!』
=============================
「……な、なにか?」
「んー、なんかさ、昨日の私とひよりんとの会話にデジャブを感じるんだよねぇ……」
「そ、それも気のせいっスよ!」
「そうなのかなぁ……」
「そうっスよ!あんまり検証しないでください……ボロでちゃうから……」
「ん?なんか言った?」
「あ、いえ!何も!」
「……まあいっか」
釈然としない様子ではあったけど、先輩は手にしていた原稿を机の上に置いた。
「なんだかんだ言って無事に原稿も仕上げて来たことだし、頑張ったひよりんを労うってことで、久しぶりにマ○クでも行ってささやかな打ち上げにでも行くか!」
「マジっすか!おごりですか!?」
私は目をキラキラ輝かせて聞いた。
「図々しい奴だなぁ……まぁ奢ってあげるよ」
「やった!ラッキー!やっぱり先輩は優しいっス!」
「優しい……のか?」
そうっスよ。先輩は優しいっス。
いつも手厳しい事も沢山言うけど、それ以上に私のことを色々と気をかけてくれているのもわかるっス。
そんな先輩だから、ついネタにしたくなっちゃうのかも。もちろん本人にはそんなこと絶対に言えないんだけどね。
「じゃ、早速ですが行きましょう!ネタ作り……いやいや、思い出作りの為に!」
「な、なんだ!?今度は急に絡むようになったなぁ……」
「先輩!早く早く!」
「あ、ちょ!待った、ひよりん!窓!窓しめてないってーー!!」
私はそんな叫びも聞かず、先輩の腕を引っぱって勢いよくアニ研の部屋を飛び出した。
ついでに机の上に置いてあった原稿も、窓から勢いよく飛び出した。
おしまい。
GJ!
ひよりんらしさがでてていいなw
281 :
273:2007/09/28(金) 00:00:05 ID:QXD4GW1Y
以上です。テンポ良い展開を目指したら、強引な展開になってしまった感が……
まだまだスキルアップが必要だなぁ……
>>281 面白かった、GJ!
>窓から勢いよく飛び出した。
ごめん、こんなイメージしか浮かばないww
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□■□■□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□■■□□□□□□□□■□■□□□□□□□□□□
□□□□□□□□■□□■□□□□□□■□□■□□□□□□□□□□
□□□□□□□□■□□■□□□□□□■□■□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□■□□■□□□□□■□■□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□■□□■□□□□■□□■□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□■□■□□□□■□■□□□□□■■□□□□□
□□□□□□□□□□■□□■□□□■□■□□□■■□□■□□□□
□□□□□□□□□■■■□■□□■□□■□■■□□□□■□□□□
□□□□□□□□■□□□■■□□■□□■■□□□□■■□□□□□
□□□□□□□■□□□□□■□□■■■□□□□■■□□□□□□□
□□□□□□□■□□□□□■■■□□□□□■■□□□□□□□□□
□□□□□□□■□□□□□■□□□□■■■□□□□□□□□□□□
□□■■■■■□■□□□■□□□□□■□□□□□□□□□□□□□
□■□□□□□□□■■■□□□□□□■□□□□□□□□□□□□□
□□■■■■■■□□□□□□□□□■□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□■□□□□□□□■□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□■□□□□■■□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□■■□□■■□□□■□□■■□□□□□■□□■□■□■■■□□
□■□■□■□■□■□■□■□■□□□■□■□■□■□□■□□□
□■□■□■■□□■□■□■■□□□□■□■□■□■□□■□□□
□■■□□■□■□□■□□■□□□□□□■□□□■□□□■□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
原稿あの世行きwww
いや、窓から飛び出した原稿が
外の生徒たちに拾われて
「こ、殺してくださいっス…一思いに、殺してくださいっス…」
>>281 GJ!!
ちょwww徹夜で仕上げた原稿がwww
GJでした!
ひよりんらしいなー…
>>282 おまwDROPOUTww
>>281 GJです。
てかひよりん、その百合はエロあり?エロあり?
ひよりんのこ……じゃなかった。漫画家と編集者、どっちが受け攻め?
ってか、自分が主人公の百合でいいのか!!
最近ひよりのSSが増えてきて幸せだなぁ……
>>289 ひよりもいいけど、ゆい姉さんの事も時々でいいから思い出してくれると嬉しいです……。
そういえば、DCDなんかだとコミフェだったのに
アニメじゃまんまコミケって名前出してたよね
言わんとすることは伝わると思うけど
どっちを使ったほうがいいのかね……?
『コミケ』は商標登録されていると聞く
同人で使用する分には寛容だと思うけれど、
商業の場合は許可をとるかとらないかで問題があるんだろ
久々に投稿させていただきます。
物書きにとって、読者の感想ってのが一番ありがたいです。
>>218様。ありがとうございます。お陰でずいぶんと筆が進みました。
☆いつもの通り、「オタク少女は恋する乙女の夢を見るか」の続きです
☆オリジナル男注意……って、今回出番なしだけれど
☆投下量は一レス+三レス分です
☆そーいえばここ、エロパロやん!!ってことで、エロ描写初挑戦してみました。
不要な方は最初の一レス分読み飛ばしてください。
パティを絡ませる際に、コミフェコミフェ連呼してた印象が頭に残ってて
『コミケ』って言わせるとなんか違和感が…
だからといって、認知度の低いコミフェをあえて使用して、
「○○レス目の何行目、コミフェじゃなくてコミケじゃね?」とかレスされると
二度手間だしな…
>>281 ちょwww最後爽やかに終わるかと思ったらなんというオチwwwww
眠れない。
一人でベッドの中、悶々と寝返りを繰り返す。
彼の告白を受ければ、少しはこのドキドキが収まるかと思ったのに。
目を閉じれば思い返される、彼とのキス。
深く、私の奥底まで侵そうとする彼の舌。
そして、私の体を撫でる彼の手、密着した彼の体温。
「んんっ……」
下半身へと伸びてしまう手。
くちゅりと音を立てて、私の指は秘所に達する。
すでにそこは、水気を帯びている。
少しづつ、撫でるように指を動かす。
私は小早川さんのような清純な乙女じゃない。
本の中であんなシーンやこんなシーンも書いた事もあるし、
時にはそんなシーンを思い出してこうやって指を伸ばす事もあった。
でも、彼のことを想いながらするのは、思っていた以上に私の体を高ぶらせる。
指が言う事をきかない。秘肉をかき分けるのは彼の指。
瞼の裏の彼は私を激しく攻め立てる。
空いた右手も私の小ぶりな胸をまさぐる。
「ふうっ……ん、んんっ……」
彼を抱きしめたい、すべてを受け入れたい。
彼の前では恥ずかしくて出せないイメージが、瞼の裏で踊り狂う。
声を立てないようにシーツを食いしばる。
それでも私の体を攻め立てる手は止まらない。
動きを増した指が肉芽に触れる。
「くぅっ……」
びりっと体に走る強烈な快感とともに、私の体がはねる。
びくっ、びくっと強烈な快感に身を任せる。
彼のことを考えながらの自慰は、今まで一人でしてたときよりも何倍も気持ちいい。
シーツから口を離し、荒い息をつく。
うっすらかいた汗がシャツを体にまとわりつかせ、シーツには唾液がしみこんでいる。
そして、私の左手には濡れた蜜の感覚。
反対の手で、いつもはペン先を拭いているティッシュを手繰り寄せる。
荒い息も次第に収まっていって、次第に頭に冷静さがよみがえる。
「……なんで……だろ」
蜜を拭う間、急に襲ってきた罪悪感。
布団にもぐりこんでも、その顔は消えなかった。
なんども瞼に浮かんでくる、今にも泣き出しそうな小早川さんの顔……
「……ねむっ」
早朝一番のバスの時間。
眠い目を擦りながら私は早い時間の学校行きのバスを待っていた。
多少眠いけれど、授業が始まるまで机に寝そべっていればいいだけだ。
朝早い時間のバスだったら、小早川さんも岩崎さんも乗っていない。
知り合いとは顔を合わせたくなかった。
友達が、クラスメイトが、みんなみんな冷たい目線で私を見ているような気がして。
みんなが私を、あざ笑っているようにしか見えなくて。
排気ガスの臭いとともに、乗りなれたバスがやってくる。
朝一番のバスに乗る人は私一人。
がらんとした車内はいつもと同じバスなのに、どこか新鮮。
部活の朝練習がある生徒がいるかと思っていたけれど、さすがに早すぎたらしい。
ガラガラの席に座り、読みかけのラノベを開く。
ラノベの中にのめりこんでしまえば外は気にならない。
たとえ、誰が悪口を言っていようと……
「ここ、空いてるかな?」
ラノベの世界にのめり込もうと意識を集中させようとしたとき、邪魔するように横からかけられた声。
がらがらのバスなのに、何でわざわざ私の隣に?
鬱陶しいと思いつつ上げた視線の先には、思いもしなかった人がいた。
腰まで届く長い髪。いつも一本飛び出ているアホ毛。
私の本を理解してくれた、私の大事な理解者……
「やほー、元気……じゃなさそうだね、ひよりん」
「泉……先輩」
がらがらのバスの中、二人会話もなく並んで座る。
仲良くおしゃべりをしているなら微笑ましいものだろうけれど、
がらがらの車内で並んで座っているのに会話がないというのはかなり奇妙な風景。
私はずっとラノベに視線を落としたままで、先輩は窓の外を眺めたまま。
ぎゅっと重い、気まずい空気。
体が前に引っ張られる。バスが止まる。信号待ち。
それをきっかけに泉センパイが口を開く。
「田村さんさ、どうして私がここにいると思う?」
そんなの、考えるまでもない。
小早川さんと泉センパイはいとこ。同じ家に住んでいて、泉先輩は小早川さんを妹のようにかわいがっている。
「小早川さんのことですね」
昨日のこと、泉センパイに言いつけたんだろうか?
だとしたら、小早川さん、最低だ。
昔から私の同人誌を買ってくれていたという泉センパイ。
こんな身近に私の本を買ってくれている人がいるってのは、少しびっくりで、
そして、私の本を気に入ってくれたのは、本当に嬉しかった。
同じ高校で私の本を買ってくれている人に出会えるなんて、ちょっぴり運命的とまで思ってしまった。
そんなセンパイとの関係まで、小早川さんは壊そうとするの?
でも、泉センパイは口元に指を当てて、
「んー、半分正解で半分不正解かな? 昨日ゆーちゃんが何だか元気なかったから。
ゆーちゃん、田村さんとケンカしちゃったとしか教えてくれなかったしさ。
二人に仲直りしてもらいたかったってのもあるけれど……」
泉センパイがずずっと私の顔を覗き込む。
うおっ、か、顔が近いっす。泉センパイ……
「ひよりんの今の表情、似てるんだ。中学の頃、誰も友達を作ろうとしなかった私に」
え、今、なんて……
「ほら〜、オタクって引きこもりで友達いない奴多いじゃん。昔は私もそういうタイプだったしね。
クラスメイトにもあんまり友達いなかったし、だからひよりんがそんな顔してるの、ほっとけなくてさ」
泉センパイが私のほっぺたをつまんで……痛い、痛いっすよ、泉センパイ。
そんなほっぺた引っ張らないでください。伸びちゃいますよ!!
「ほらほら、いつまでもそんな顔してたら、友達いなくなっちゃうよ、ひよりん」
「離してください。私がどんな顔してても泉センパイには関係ありません!!」
泉センパイの手を振り払う。
そうだ、私に友達なんて要らない。
私のことを嘲笑うだけの友人なんて、必要ない。
「関係なくなんてないよ」
その泉センパイの珍しく真剣な声に振り返る。
いや、声だけじゃない。いつもはふざけてばかりのセンパイに珍しい、真剣な表情。
「だって、私とひよりん。友達でしょ? 友達の心配するの、当たり前じゃん」
その一言で、ほろりと曇っていた目からウロコがこぼれ落ちた。
いや、ポロポロこぼれ落ちるたびに滲む視界。
私を覆っていた"不信"のウロコを洗い流すように、あふれ出てくる涙。
あのときの小早川さんの泣き出しそうな顔。
どうしてあの時、信じてあげられなかったの……
「泉……センパイ」
私の頭を、泉センパイはぎゅっと抱きしめてくれる。
泉センパイの体温と、さらりと長い髪の匂い。
いとこ同士だからなのか、同じ家でシャンプーを使っているのか、
泉センパイの髪の匂いは小早川さんの匂いに似ていて、
それを拒絶してしまったことを思い出し、また涙があふれ……
優しく頭を撫でてくれる泉センパイの手の感触を感じながら、私は涙を流し続けた。
「そっか」
私の頭を撫でながら、えづき混じりの私の話を聞いてくれた先輩。
早朝のバスは人が少ない。
泣くところを他の人に見られなくてよかった。
「センパイ、私、どうしたらいいんですか?」
「さぁ……」
さぁ……って、センパイ。そんな無責任な……
「私だって田村さんがどうしたらいいかなんて分からないよ。
私は神様じゃないんだし、昨日からずっと考えている田村さんよりいい考えがすぐに浮かんだりはしないよ」
そうっすよね……
泉センパイは私を泣かせてくれただけなのに、そこまでは求めすぎ。
スポーツもできて、オタクの知識も詳しくて、成績も人からノートを借りるだけで人並み以上にできる。
そんな万能選手な泉センパイだからついつい甘えすぎちゃう。
「私にできるのは田村さんとゆーちゃんの仲を取り持つ事だけだから。それすらもうまくできないけれどね。
でも、私でよかったら、泣き言ならいくらでも聞いてあげるヨ」
いつの間にかバスは門をくぐり、バス停へと到着する。
バスが止まるや否や、泉センパイはドアに向かって駆け出し、くるりと振り返る。
「今は気持ちの整理がつかないかもしれない。急になんて仲直りできないかもしれない。
でもね、ゆーちゃんは田村さんのこと、信じているから。田村さんもゆーちゃんのこと信じてくれると嬉しいな」
トタタと小さい体でステップを降り、私の返事も聞かずに泉センパイは行ってしまった。
ぎゅっと締め付けられるような感触に私は胸を押さえる。
私は小早川さんと岩崎さんを、信じられるだろうか……
>>300 割り込み失礼
保管庫は更新停止しているし、本スレに誘導しちゃったほうが早いかもね
>>300 GJ!
ゆたか関係の仲裁はやっぱりというか流石と言うか、こなたが一番合ってるな…と再度実感。
ちょっとズレるが、ひよりのキャラソン、凄い事になってるな…。
>>302 突きぬけろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
か?
>>300 GJ! ぐひひ、さぁ旦那、早く続きを。
ひよりんのキャラソンはセリフの部分でいっつも笑ってしまう。
百合百合ゆりゆりユリ
最初聞いたときは笑ったw
216です。
昨日言っていたものを投下したいと思います。
先に自己申告、触ってもないのに〜→寒いから〜の流れは
本当すみません
多めに見てくれるとうれしいです。
それではこなかがでエロ
『はじめて』
4レス失礼します。
307 :
はじめて:2007/09/28(金) 05:08:47 ID:2E/MoulA
正直、自分という人間は恋愛に対してもっと淡泊だと思っていた。
恋は盲目だ、と言うけれど先人達は上手い事言うものだな、と頭の片隅で考える。
そういった余計な事を考えていないと不埒な考えに支配されてしまいそうだった。
――やっぱりあの時「うん」なんて簡単にいわなきゃ良かった。
恋人、こなたの家に泊まれるという目先の利益に、後先考えず飛びついた
二日前の自分をひっぱたいてやりたい。
こなたと晴れて両想いになれて一ヶ月。
手を繋いで、抱きしめあって、キスをして。
だけれど所謂、抱かれるという行為にはまだ知らない事に対する
恐れの方が勝っていた。
別々の寝床に入り、電気を消したさっきまでは。
こなたも私のそんな気持ちに気付いているのだろうか、
―つかさはやはり最近恋人同士になったみゆきの所に泊まりに行き、
おじさんも取材旅行で居ない―お約束のようなこの状況でも
キス以上のことはしてこなかった。
勉強を教えて、ご飯を食べて、ゲームをして、一緒の部屋で寝る。
それで満足していたのは私の方だったはずなのに・・・。
今や恐怖感よりも、別の感情―期待感の方が大きくなっていた。
暗い部屋の中、こなたのベッドの下にしいた布団にくるまりながら
すでに一時間以上悶々としている。
当のこなたと言えば三分程前に「トイレぇ・・・」と呟きつつ、ベッドからでていった。
こなたとしたいか、と問われればしたいんだろう。
その、抱き合ってキスをして、そして、それ以上の事を。
ただ、それを自分から言うのはひどく気恥ずかしくて。
結果、布団の中でぐるぐるどうでもいい事を考えている自分がいる。
―カチャ・・・
トイレからこなたが戻って来たらしい。
私が寝てると思っているんだろう、足音すらたてずゆっくりと部屋の中に進み・・・
そして自分のベッドに、戻らなかった。
308 :
はじめて:2007/09/28(金) 05:10:19 ID:2E/MoulA
え?と思う間もなく、するりと私の布団に入りこんできて、
後ろからぎゅうと抱きつかれ思わず声をあげた。
「うひゃ!?」
「ふふー、やっぱりかがみん起きてた♪」
首すじに吐息を感じてふるりと体が震えそうになるのを
堪えながら、必死に言葉を絞りだす。
「な・・・・・・っ!寝ぼけてんの!?あんたのベッドはあっちでしょ!」
「ちっちっち、解ってないなあかがみんや。
こんな状況でやることといったら一つでしょ」
「な、なによ・・・」
「よ・ば・い♪」
言いながらこなたが、むきだしのうなじに舌を這わせる。
・・・いや!たしかに期待はしてたけど、まだ心の準備が・・・!
「ちょ・・・っ、ちょっと待って・・・っ!」
「もう待てないよー。それにかがみだって、覚悟も期待もしてたでしょ?」
「・・・っ!」
「あ、図星なんだ」
くふふと笑いながら体を90度回転させられ、私は仰向けに、
その上にこなたが乗った状態にさせられる。
反論しようと、口を開いた瞬間を狙ってキスをされた。
それも今までのようなただ合わせるだけの軽いものじゃなくて、
情欲を煽るような―激しいキス。
「ーーーっふ、んん・・・!!」
こなたの小さな舌が歯列を割って、舌の裏から上あごまで丹念に舐めあげる。
くちゅくちゅと粘着質な水の音だけが、この部屋で聞こえる唯一の音で、
唇の端からは、飲み込みきれなかった唾液がのどを伝って零れた。
その間にもこなたは器用にパジャマのボタンをぷちぷち外していく。
ブラジャーのホックを外されるのと同時にちゅうう、と
名残惜しそうに舌を吸われて、頭がじぃん・・・と痺れるような感覚を覚える。
「ん、んんんうっ・・・!」
「ほら、まだ触ってもないのに勃ってるじゃん、乳首」
「さ・・・寒いからよ!」
もう夏も終わりで、朝と夜は肌寒い日が多くなって来たのは
事実だったけれど、それが原因でない事は自分でも解っていた。
「ふぅん・・・?じゃあ、あっためてあげるヨ」
「へ・・・?ひゃ、ああああっ!?」
言い終わるのとほとんど同時に、こなたは私の小さな胸の尖りを口に含んできた。
もう片方は親指と人差し指で捏ねくりまわされる。
舌でねぶって吸われて、爪をたてられて。
乾いた指とぬめる舌との違った刺激が、背中を駆け巡って
腰のあたりに溜まっていく。
309 :
はじめて:2007/09/28(金) 05:11:53 ID:2E/MoulA
甘噛みをされると、どうしようもない疼きが広がって、
じっとしてられなくなってふともも同士を擦り合わせた。
それに気付いたこなたがにんまりと笑う。
「かがみんは甘噛みがお好きなようだネ。
ちょっと痛いぐらいがいいのかな?」
「うあ、あっ・・・私・・・も・・・っ!」
「うんうん♪快感に流されてデレになるかがみん萌えー」
私はこなたのからかいにも言い返せなくなって。
こなたが私のパジャマのズボンとショーツを一緒くたに
引き下ろして、自分以外触れたことがない場所へと指をいれても
ただ、声をあげることしか出来なかった。
「ひゃんっ、ああっあ・・・っ!んう・・・!」
こなたの指が秘所を掻き回すたびに、恥ずかしい音が聞こえて
それがさらに快感へと繋がっていく。
自分だけきもちよくなっているのは悔しくて
こなたのパジャマ代わりのTシャツを捲くりあげて、さっきやられたように
両方の乳首をきゅっとつまむ。
「っひゃうっ!・・・かがみん・・・ヨユーだね?」
にやりと笑ったかと思うと、着ていたものを脱ぎ捨てちゅっと
一つキスを落とされる。
「いく、よ」
こなたはすでにぐちゃぐちゃになっている私のそこと、
こなたのを合わせてゆっくりと動き始めた。
「ぅあああっ!んああっ、あああ・・・っ!!」
陰核同士が擦れあうたびに、例えようもない快感が襲ってきて、私は
すぐに限界を迎える。
「こな、たっ・・・私・・・も・・・っちゃう・・・!!」
「ん、私もイきそ・・・っ・・・一緒にイこ・・・?」
荒い息をついて腰を動かしていたこなたも
頷いて、動きを早める。
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響き、こなたが屈んで
ぴんと勃った乳首を噛んだ瞬間。
「っあああああああああっ!!」
「ーーーーーーーっ!!」
頭のてっぺんから爪先まで電撃が走って、目の前で
白い光が爆ぜたのを最後に私の意識は途切れてしまった・・・
310 :
はじめて:2007/09/28(金) 05:13:38 ID:2E/MoulA
「―――うん・・・?」
あれから何時間経ったんだろうか。
カーテンの隙間から漏れる日差しから、日がでてからもう大分
時間が経っているらしいことがわかる。
今日は土曜日だからいいんだけれど。
「・・・・・・あれ?」
ふと、自分の体の違和感に気付く。
あれだけ汗やらなにやらでぐちゃぐちゃになったはずなのに
妙にさっぱりしてるし、服も着てる。
何となく、だるいような気はするんだけど。
「・・・・・・夢・・・・・・?」
だとしたらヤバイ。あんなえっちな夢見るなんて・・・!
うああああああ!と頭を抱えてると隣から声がかかる。
「夢じゃないヨ。失礼な。かがみってばさっさと気失っちゃって。
私、大変だったからね。風邪引かないように
体拭いたり、服着せたり・・・」
言葉の意味を理解するのと同時に、私の布団に入ってる
こなたを認識して、顔が急激に赤くなっていくのがわかる。
くそう、頬があっつい。
「でね、かがみん」
「何よ」
「さっきも言ったんだけど、昨日かがみってば
さっさと寝ちゃったじゃん」
「?・・・うん・・・」
口調はいつもと同じなんだけど、なんでだろう笑顔が怖い気が・・・
じりじりと近づいてくるこなたに、同じように後ずさりしながら答える。
「私はまだ、満足してないヨ?」
「うぇ?えええええっ?」
素早い動きで私を押し倒すと、手際よくボタンを外していく。
「ちょっ!こんな朝っぱらから何やって・・・!」
「ふふー一ヶ月以上我慢したんだからいーじゃーん♪」
「そーいう問題じゃ・・・うわああああ!! 」
朝の清涼な空気は、私の叫び声に掻き消されていった――・・・
以上です。
朝からこんなもの投下していいのかと思いつつ、昼間は時間取れそうにないので。
読んで下さった方、ありがとうございます
>>311 GJ!
こなかがだとかがみんの受けが絶妙すぎるw最高だ!
>>303 そうそっち。
アッー!とか自重しろとかw
>>294 夏コミ、冬コミ表記にすれば桶。
楽しみにしてるよ
※まとめ保管庫に関するご連絡:
> 7-896氏
前スレ
>>343の『こなたxこなた』ですが、容量の関係でまとめサイトにUPできなかったとの
管理人さんコメントを見かけましたので、こちらで縮小しまとめサイトの報告フォームにて
申請をかけてあります
http://1rg.org/up/51761.jpg 事後連絡になり、すみません
319 :
7-896:2007/09/28(金) 17:59:01 ID:lu7V8PEP
>4-243 ◆X9xLTlcDnY氏
わざわざすいません……
お手数おかけして申し訳ないです。
感謝します!!
320 :
17-234:2007/09/28(金) 18:45:08 ID:2mw84dDs
ラジオ版らっきー☆ちゃんねる・第12回を聞いていて思い付いたネタです。
あきら様×白石 エロ有り
白石が女装させられます。
多少SM要素が入ってますので、嫌いな方はスルーでお願いします。
以下5レス使用予定。
「忠誠の印」
321 :
17-234:2007/09/28(金) 18:45:49 ID:2mw84dDs
「…これで、良いですか?あきら様…」
「白石ぃぃー!言葉がなってなーい!!しかもご主人様って言え!!」
「すすすすいません、ご主人様!!」
ある日、あきらの家に呼ばれた僕は、メイドさんのコスプレをさせられていた。
白と黒のふりふりのついたメイド服を着せられ白のニーソ、慣れないハイヒール
を穿いている。
「いてて…無理ですってこれ……」
「なぁんか言った?」
「なんでもございませんっ!ご主人様!!」
来てそうそうメイド服着用(しかも何故か女性ものの下着…しかもひもぱんって…)
を義務づけられ、一緒に置いてあったものに戸惑いながらも、それをつけた。
鏡にうつる自分の顔が、なんとも情けなかった。
―首輪―
なぜこれがあったのかはよく分からない。よくSMの道具として出て来るのは知
ってる。しかし何故…
白黒のメイド服に一際目立つ赤い首輪。
その光景に、早くも疼き始めた。こんなことで、何故…僕は生粋のMなんだろう
か…。
いつもの下着じゃないので収まりが悪い。なんという屈辱…屈辱?そう?
なんだか声がうわずっているのは気のせいではないだろう。前に女装したときも
こんな感じだったような。
心臓がばくばくしているのは不安からだろうか。それとも…
――――
322 :
17-234:2007/09/28(金) 18:46:40 ID:2mw84dDs
がしゃん!
「ひぁっ!ごめんなさい…ごめんなさい!!」
またコケてしまった。ハイヒールなんて穿いたことないし、それでお茶運ぶとか
本当に無理…
ポットに入っていた紅茶は無残にも床の上にぶちまけられ、しかもあきら様にし
っかり目撃されてしまった。
「白石ぃー…」
「はいっあき…ご主人様っ!」
すごい目で見下されてる。その鋭い眼光に、僕は目を背ける。
「今日はこのあたしにご奉仕しろって言ったわよね?言ったわよね?」
「はい…申し訳ありません…」
「なんであんたはそう何から何までどんくさいの?」
「申し訳ありません…靴に慣れなくて…」
「言い訳しないっ!」
「は…はいっ!!」
恥ずかしいよ恥ずかしすぎる!しかもなんで女装してるからって仕草も女の子ら
しくなっちゃうかな…正座を崩したようにへたりこんでしまった僕を、あきら様
はまだ睨んでいる。膝の間にあったポットを除け、僕の目の前に立つ。
「あんたねー、これで失敗したの何度目よ?」
「えっと…3回目、です…」
省略してしまったが、実はこの失敗の前に、2度失敗している。1つめは掃除の
時に掃除機の紙パックのはずし方が分からずゴミを誤って散らかしてしまった。
2つめは、水の入ったバケツを持って歩いていたら、靴のせいでコケてしまった
。しかし何故部屋の中で靴を履いているのかは分からない。大丈夫なのだろうか
。
「白石、いらない心配はしなくて良いのよ?」
「申し訳…ございません…」
なんであきら様はニコニコしてるんだろう…ぞくり、一瞬寒気がした。
323 :
17-234:2007/09/28(金) 18:47:34 ID:2mw84dDs
嫌な予感がする。
「そんなダメな白石には、お仕置が必要だよね〜♪」
「っ……!」
予感が的中した。
にこにこ、というよりにやにやしているあきら様とは対称的に、僕はとうとうさ
れる「お仕置」に興奮してしまっていた。あー、やっぱり僕は変態なんだろうか
…
気付いたら、僕の頭は床とくっついていた。おなかの上にはあきら様がのっかっ
ており、にやにやした顔をまだしている。僕は慌てて目をそらす。お願いだから
、見ないで…
「さて白石さん、あきらはお仕置をしてあげることにしたんだー」
「……はい」
「あれー?白石さん、顔が赤いですよー?どうしましたかー?」
「なんでも…ございません…」
「ふーん…素直じゃないなぁ…ここはこんなに主張してるのに…」
「…んっ!」
思いがけず後ろ手で撫でられたそこは、もう硬くなっていた。
「うわぁ、すっごいよ、スカートの上からでも熱が伝わってくるよ?」
「やめ…て…下さい…っぁ…」
僕にはどうも出来なかった。真っ赤になった顔を隠すために、ふるふる、顔をふ
るだけになってしまう。
ふと、あきら様が腰を浮かす。ちょっと僕の足の方へ下がり、僕のスカートをめ
くる。
「ご主人様っ…もう…ひあっ!」
下着の紐を解かれる。なんの抵抗もなく布ははぎ取られ、勢いよく飛び出す僕の
肉棒を、あきら様は指でなぞった。
「あーあ、もうこんなにたっちゃってるよ〜?うわ、先のほうから汁出してるよ
〜?」
「ぅ…やめっ…んっ…!」
その可愛い手で握られた瞬間、体に電流が走るかのように反応してしまう。
「ダメ…です…汚いですよ…っ」
「んじゃ汚くて白い液体を出してあげたら、綺麗になるのかな〜?」
あきら様はにっこり微笑んで、僕の汚い肉棒を、口に含んだ。
「っぁ…ダメです…ご主人様っ…!」
可愛い唇に挟まれた自分のものを見て、ぴくん、と動いてしまう。ちゅぅ、と軽
く吸われながら、手を上下に動かす様を見ていると、それだけで暴発しそうにな
る。
この角度から見るのは…やばい、可愛い…。
324 :
17-234:2007/09/28(金) 18:48:36 ID:2mw84dDs
亀頭を、竿をちろちろと舐められながら、細い指は僕のタマをやわやわと揉む。
「ぷにぷにしてて、気持ち良いね、これ。」
それに返答する余裕がない。僕はあきら様の頭を撫でる…なにも出来ない代わり
に。
「ご主人様…気持ち良い…です…っぁ!」
じゅぷ、じゅぷ…とあきら様の口の中に入って行く肉棒と唾液が絡み合い、卑猥
な音をたてる。
あきら様の頭が上下するのが徐々に早くなる。ぴょこぴょこ、ピンク色のアホ毛
が揺れている。
あぁ、そんな…早くしたら…!
「っく…あぁっご主人様…もうダメです!イっちゃう……!!」
「んっ…?ひゃっ!」
びゅる、びゅるる、と勢いよく音をたてて、僕の精液はあきら様の口の中へ発射
された…はずだった。
しかし発射される瞬間、あきら様は僕の肉棒から唇を離し、僕がなにを言ったの
か、尋ねようとしていたようだ。
そのせいで、僕の精液はあきら様の髪、顔、そして制服へ、白い不規則な水玉を
作った。長い射精だったようで、その規模は広かった。
「あ…ご…ごめんなさい…」
僕は思わず起き上がって謝る。
「たくさん…出たね…」
にこっ、とあきら様は笑っている。顔についた精液を、指で掬いとって口に含む
。
「美味しいよ…白石さんの…せーえき…」
僕は頭を撫でられた。なんとなく恥ずかしくて、あきら様に抱き付く。
「恥ずかしいの?…可愛いなぁ…犬みたい!わんは?」
「……わん」
「よしよし♪」
僕の頭を撫でながら、ぎゅぅっとしてくれる。暖かくて、ものすごく安心してい
たのだが
「白石さんがいっちゃったから、またお仕置しなきゃね!」
って嬉しいですけど!
永遠ループだけはやめて下さいね!ちょっとー、聞いてますか〜?!
終わり
325 :
17-234:2007/09/28(金) 18:50:13 ID:2mw84dDs
以上です、半端な感じで申し訳ないです(´・ω・`)
ちなみに第1話の収録で白石本人がメイド服を着ていた
というラジオの内容からこの話を思いつきましたw
お目汚し失礼しました。
なんかSMみたいなきっついの期待してたのに蓋を開けたらデレデレじゃないか!
この野郎!裏切られちまったぜ!!(良い意味でww)
GJ!!!!!!!
GJ!メイド白石はあまり想像したくないから自重したが
プレイを想像して勃ってしまった
まあ、俺が女の子にこんなふうにされたいっていう
願望があるからかもしれないけどorz
うはwwwwww
白石羨ましいぞ俺とかわr(ry
とにかくGJの一言に尽きる
329 :
7-896:2007/09/28(金) 21:16:37 ID:lu7V8PEP
どうも、九月病(そんなものはない)にかかって、やる気のおきない7-896です。
ちょっと今までとは違ったSSを書いてみたので投稿させてもらいます。
オリキャラ視点
カップリングなし
非エロ
9レス
※オリキャラ2人出現注意(共に女の子)
※何気に物語の進行がオリキャラ中心になってしまっています。
※『独自の世界感』があるので気をつけてください。
ちなみに名前はらき☆すたになぞって、男でも女でも使えそうなやつをピックアップしてみました。
報われない可愛そうな子なので、イラッときても許してあげてください。
オリキャラ自体受け付けないという人は見ない方がいいかもしれません。
さて、これだけ書いておけば大丈夫かな……
では、投下します。
11月上旬。
夏もとっくに終わりを告げて。時々冷たい風が吹き始める。
焼き芋がおいしくなる季節だ。あ、栗なんかもいいかも……
あとはキノコ?秋刀魚も外せないよね。
……なんか食べ物ばっかり。
分かってるよ?食欲の秋の他にも、読書の秋とか芸術の秋とかあるのは……
でも、読書はすぐ眠くなっちゃうし、芸術は……絵苦手だし……
「ちひろ?ちょっと、何ぼーっとしてんの?」
隣で携帯を弄っていたあゆむが、不意に私に話しかけてきた。
「秋について……ちょっと考えてた」
「は?」
私達の間を抜けてゆく風に撫でられて、揺れた木の枝から僅かに葉が落ちる。
地面に降り立った木の葉に、少し強めの風が追い討ちをかけるように吹き、葉を隅っこに追いやる。
「ついにいかれたの?今までも、やばいやばいって感じてはいたけれど」
「むぅ、ひどいよぉ」
「あはは、ごめんごめん……あ、こう先輩おはようございます」
その方向に目を向けると、アニ研の部長のこう先輩が小走りで校門に向かっているところだった。
それに続くようにしてクラスメイトの田村さんが、げっそりした様子でスライド移動で付いて行く。
「ん?おーおはよう」
「お、おはよう……お2人さん」
「田村さん、大丈夫?」
明らかに大丈夫じゃないけど、一応聞いてみた。
「自業自得だから心配しなくていいよ。ねーひよりん?」
「し、しかしですねこーちゃん先輩……あと一日で仕上げるというのは無理があるっス」
「そこは気合でなんとかしなよ」
「鬼っス……先輩は人の皮を被った悪魔っス」
「なんとでもいいな。じゃあ私達急ぐから、ばいばい2人とも」
そういい残し、田村さんの首根っこを掴んだこう先輩は、足早に私達の視界から消えていってしまった。
ふと静かになったあゆむの方を向くと、怪訝そうな顔をしながら何かを考えるような仕草をしていた。
「どうしたの?」
「いや、最近女の子同士のカップル増えたよね。ってかそれを疑問に思わない私もどうかと思うんだけど」
女の子同士?
「そうなの?」
「うん、さっきの2人もそうだけどさ」
「え!?田村さんとこう先輩が!?ど、どうしてわかるの?」
「ん?オーラで分かるでしょ」
オーラって何!?
美○さん!?○輪さんなんですか!?
0120-333-906なんですか!?
「最近噂になってきたんだけどさ、この同性ブームっていうの?その発端っていうか、起源みたいな人が3年にいるらしいよ」
「女の子同志のカップル……をはやらせた人が?」
つまり元祖女の子同志カップルっていうことだよね。
「うん、校内では『あほ毛ツインテール伝説』っていうのがあってね」
女の子同志か……
まぁ私には関係ないよね。
私はあゆむの同性カップル秘話を軽く聞き流しながら、今日のお弁当何かなぁ……とか考えていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
『オリ☆スタ 〜ある女生徒の恋心〜』
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「う、腕が痺れる……重いよぅ」
3時間目の休み時間、私は先生に運ぶように言われた大量プリントを、一人で抱えていた。
同じ係りの人が休みだからって……手伝ってくれてもよかったのに……
頭の中に浮かんだ親友の顔に悪態をつきながら、曲がり角を曲がる。
階段だ……大丈夫かな。
でも、授業が始まるまであと5分もない。
迷っている時間もないので、細心の注意をはらいながら階段を一段一段踏みしめていった。
ふと、何を思ったのか今朝の同性カップルの話題を思い出した。
それがいけなかったんだろう……
案の定、私は中途半端に足を上げたため、もう一段を踏めず、バランスを崩した。
「きゃ!!」
たくさんのプリントが中を舞い、私の上履きが飛んだ。
「……あれ?」
怖くて瞑って見た目を、うっすらと開ける。
てっきり落ちたと思っていた私の体は、何か柔らかいものによって支えられていた。
「ふぅー。大丈夫?」
「え?……あ、はい」
状況が掴めずに、声のした方に顔を向けると
私よりも小さな女の子が、私の腰と、結構な量のプリントを掴んでいた。
もしかして、私を助けただけじゃなくて、プリントまで空中でキャッチしたのかな……
だとしたらこの人、人間じゃないよ。
私を壁際に寄りかからせて、彼女はばら撒かれたプリントを手早く拾ってゆく。
「はい、プリント」
「あ、ありがとうござ……っつ!!」
プリントを受け取ろうとした瞬間、足首に鈍い痛みを感じた。
「どうしたの?……わ、腫れてるじゃん。捻ったのかな」
「そうかもしれません」
そうか、さっきバランス崩したときに……
「んーしょうがない、保健室行こう。ほら、肩に手回して」
「え、あの、でも……もうすぐ授業」
「いーからいーから」
青髪の先輩は、半ば強引に私の手を掴むと、無理やり自分の肩へと回させた。
見た目以上にその体は細い。
「保健室へレッツラゴー♪」
なんで楽しそうなのかは分からないけれど、この人は妙に上機嫌に歩き出した。
かくいう私は……すぐ近くに感じる、たぶんこの人の匂いなんだろう甘い香のせいか
……今までに感じたことのない気持ちが生まれ始めていた。
「はい、これでOK」
「……あ、ありがとうございます」
ふゆき先生がいなかったので、その……先輩が私の手当てをしてくれた。
氷で足首を冷やし、シップを貼った後、器用に包帯を巻いてくれた。
「取り敢えず、プリントは私が持ってってあげるから」
「は、はい」
私が苦労して運んだプリントを軽々と持ち上げて、私に微笑む先輩。
私は頬が熱くなるのを感じて、反射的に目を背けてしまった。
「失礼します!!」
突然扉が開くと、見知った私の親友が、少しあせった様子で保健室に入ってきた。
でも、先輩に気がつくと、表情と姿勢を正してお辞儀をした。
「君、この子の友達?」
「はい」
「そっか、じゃあ後お願いね」
そう言うと、先輩は少し急いで扉の向こうへと消えていった。
それを見送った後、あゆむがこちらに向かってくる。
「大丈夫?」
「……うん」
「ごめんねちひろ、私が手伝ってあげてれば、こんなことにならなかったかもしれないのに……」
「……うん」
「一人で大丈夫かなって思っちゃってさ」
「……うん」
「……どうかした?」
「……さっきの先輩」
「泉先輩が……どうしたの?」
そっか、泉先輩っていうんだ……
そっか……
上級生の廊下っていうのは、妙に威圧感があるよね。
私は今3年B組に向かっている。
なぜって、そんなのは言わなくても分かると思うけど。
……泉先輩に会うためだ。
お礼を言いたいっていうのもあるけど、もう一度会いたかったっていうのが強かったのかも。
「あ、ここか」
そんな思考を巡らせていると、いつの間にかB組についてしまった。
どうしよう、まだ心の準備が……
「何躊躇してんの?」
「ひゃ!?」
いつの間にやら隣にいたあゆむが、私に言葉を投げかけてきた。
「何驚いてんのよ」
「い、いつからいたの?」
「……?あんたがついてきてって言ったんでしょ」
あれ、そうだったっけ?
「はぁ……もういいよ。あのーすいません」
「はい?」
小さく溜息を吐いた後、近くにいたB組の人に話しかけていた。
「ちょ、ま!!」
私を軽く無視して、あゆむは続ける。
「1年の者なんですが、このクラスの泉先輩を呼んでほしいんですけど」
「はいはい泉ね……おーい泉ぃ、1年生が呼んでるぞぉ」
すると、3人くらいの人に囲まれていた泉先輩がこちらに歩いてきた。
「ご苦労セバスチャン」
「白石ですけど」
軽くおどけた後、こちらに向き直る先輩。
その後ろには、さっきまで談笑していた3人の先輩がついてきていた。
「こなた、この子誰?」
「ほら、さっき階段から落ちそうになったのを助けたって言ったでしょ?あの子」
へーこの子が、と言って上から下まで撫で回すように見てくるツインテールの先輩……何で?
「あ、あの……その節は、危ないところを助けていただいて、本当にありがとうございました」
「いいっていいって♪足の方は大丈夫?」
ケラケラと何でもないように笑う泉先輩。
笑顔かわいいなぁ……
それに、まだ心配してくれてるんだ……
「はい、おかげさまで……えっと……それだけですので」
恥ずかしさに耐えられなくなって、私は逃げる選択肢を選んだ。
隣の友達は『あほか』みたいな顔をしている。
「えーもう戻っちゃうの?もうちょっと話」
「帰るって言ってるんだし、無理に引き止めるんじゃないわよこなた」
泉先輩の言葉を遮るように、ツインテールの先輩が言った。
「え〜、でもかがみ」
「分 か っ た ?」
泉先輩はぶーぶー言いつつも、それ以上は何も言わなかった。
かがみと言われた先輩は、なぜか不機嫌そうな顔をしている。
「何よ……こなたのやつ……私というものがありながら……ブツブツ」
何かブツブツ言っているけど、私にはよく聞こえなかった。
あゆむはなぜか隣で『なるほど、そういうことか……』と呟いて
顎に手を当てて、意味深な笑みをニヤニヤと浮かべていた……なんか怖い。
その後私達は、適当に理由をつけてB組を後にした。
3年の廊下を歩いている途中で、あゆむが話しかけてきた。
「ねぇねぇ」
「ん?何?」
「ちひろさ、泉先輩のこと好きでしょ」
「ふぇえ!?な、なんで!?なんで分かったの!?」
「何年友達やってると思ってんのよ」
ば、ばれてた……恥ずかしいよぉ。
「……あぅあぅ」
「……むふふ♪」
一頻りニヤニヤし終わったあゆむは、口を開いた。
「でもさ……ちょっと相手が悪いかもね」
……え?どういうこと?
「泉先輩を好きになったらまずいの?」
「ううん、そっちじゃなくて、ツイテの方の……ん〜まぁそのうち分かるって」
なんで今教えてくれないんだろう。
この人のことだから、たぶん面白がってるんだ。
「と、とにかく!!……私がんばってみるよ!!」
「うん……そ」
ニヤニヤじゃなくて、優しい笑顔。
こういうところ、いいんだよね……あゆむは
「応援するよ。けど……こっちとしては少し、複雑……なんだよね……」
頬をぽりぽり掻きながら右下を向く友達。
……?どういう意味?
「複雑って?」
「な、なんでもないっての!!」
あれ、今度はそっぽ向いちゃった。
ちょっとほっぺが赤い……変なの……
「先輩いるかな」
放課後になって、私はもう一度泉先輩のところに行った。
……いた。
泉先輩……と、かがみ先輩?
なぜか誰もいなくなった教室で、2人が向かい合っていた。
目のゴミ取ってぇ〜、とかかなぁ?
なんて思っていたんだけど……
「かがみぃ、何へそ曲げてんの?」
「べ、別に……へそ曲げて、なんか」
泉先輩がかがみ先輩を見つめているにも関わらず
かがみ先輩はグラウンドの方を向いてしまっている。
「むぅ〜、言ってくれなきゃ分からないじゃん」
「……知らないわよ。あんたは、あの怪我した1年生の子の面倒でも、見に行ってればいいでしょ」
「なんでそこであの子が出て……!!……むっふっふっふ♪」
見る見るうちに、泉先輩の顔が崩れんばかりのにやけ顔に変わってゆく。
かがみ先輩が『しまった!!』みたいな顔をしていた。
「そーかそーかぁ♪かがみそういうことかぁ〜♪かわいいやつよのぉ〜♪」
「な、何よ」
「あの子のことばかり話してたから、やきもちやいてたんだねぇ〜?」
「ち、違!!」
「よしよし、そんな寂しんぼかがみちゃんには、いっぱいの撫で撫でをプレゼントしてあげるからね♪」
泉先輩はそう言って、かがみ先輩に抱きつくと、頭を撫で始めた。
かがみ先輩は耳まで真っ赤だ。
「な、何すんのよ!!」
「よーしーよーしー」
「や、やめ」
「よしよし、よしよし」
「……」
「かがみ、寂しかったんだよね?」
「……だ、だって、こなたが……」
「うんうん」
「あの子のこと、可愛いとか……萌えるとか……私達の前でも、あの子のことばっかり話すんだもん」
「うんうん、うんうん♪」
「それで、こなたもしかしてあの子のこと好きになっちゃったんじゃないかって、心配になって。そう考えたら寂しくなっちゃって」
「……っつぁ〜〜〜〜〜!!可愛いよかがみぃ〜〜!!いつもとのギャップがたまらないよぉ〜。だから大好きなんだよなぁ♪」
撫で撫でをやめたと思ったら、今度は溶けてるんじゃないかとすら思うほど、心底嬉しそうな笑顔でかがみ先輩を抱きしめた。
……あれ?大好きって?
「もう……馬鹿だなぁかがみ、私の一番はかがみだよ」
「こなたぁ」
涙目のかがみ先輩のおでこに、こつんと自分のおでこをつけて微笑む泉先輩。
なんだか雰囲気が怪しいです。
「仕方ないなぁ……ん」
そしてついに恐れていた事態が起こった。
泉先輩がかがみ先輩の頬に手を添えて
キ、キキキ、キキ、キキキキキキキキスを!?
「……ふぅ……落ち着いた?」
「……」
「そっか、それじゃあ……帰ろ、かがみ」
そう言いながら、かがみ先輩の頭をまた優しく撫でる。
その時、かがみ先輩の様子が一変した。
「あ、あれ……かがみ?」
「ハァ……ハァ」
一瞬のうちに、かがみ先輩がマウントポジションになっていた。
下に組み敷かれた泉先輩は、何がなんだか分からない状態。
「こなた……私、もう我慢できないよ」
「かがみ……こんなとこでやってたら、誰かに見られちゃうよ?」
私ですか?
「別にいいもん……こなた、しよう?」
そう言葉を紡ぎながら、泉先輩のセーラー服に手をかけるかがみ先輩。
そして、優しく優しく衣服を肌蹴させていった。
も、もももももしかして、しよって……あれですかぁ!?
ガタン
「「「!?」」」
突然、乾いた音が教室中に響いた。
何の音!?
……あ、なーんだ。
私が手を付いていた扉がずれた音か♪
……やっちゃったあぁああぁああぁああああ!!
今正に、教室でことを始めようとしている女生徒2人が、こちらを向いていた。
「やっほ♪」
「Ф#*☆и$@!?!?!?!?!?」
余裕でこちらに手を振ってくる泉先輩と、言葉にならない声を出しているかがみ先輩。
あぅあぅあぅあぅあぅあぅ
「し、失礼しましたぁああぁぁぁあぁあぁああああ!!!!」
全力でその場から逃げ出す私。
いろいろなものを投げ出して、廊下を全力で走りぬけた。
結構気持ちよかった。
「はぁ〜」
これで25回目の溜息。
幸せがいっぱい逃げちゃった。でもそんなの関係ねぇ。
あ〜あ……失恋しちゃった……
戦わずして敗北ってこういうこと言うのかなぁ……まだ土俵にすら上がっていなかったっていうか。
「うぅ……さよなら、私の初恋……およよ〜」
なんて言ってたら、やっぱり幸せは逃げていってしまっていたみたい。
階段を踏み外した。しかも同じ場所。
「ひゃぁああぁあああ!!」
「……あれ?」
ところが、またもや叩きつけられたような衝撃はない。
それどころか、体全体が浮いているような……?
「あっぶねぇ〜、間に合った」
「え?」
顔を回すと、目の前に顔があった。
「怪我、ないか?」
「え、あ、はい……!!」
なんで体が浮いているのか疑問に思っていたけれど、その疑問がついに解けた。
こ、これって……お姫様だっこ!?
「よいしょ、あんた軽いな……1年生?」
「は、はい……あ、ありがとうございます」
ゆっくりと私を下ろしてくれる……多分、先輩。
向かい合って立ってみると、彼女は私よりも10cmほど大きかった。
「みさちゃーん、帰ろー」
「あー、今行くってあやの」
みさちゃんって呼ばれたその人は、一度友達の方をみた後、私のほうを向いて頭に手を置いてきた。
「ちゃんと前向いて歩かなきゃだめだぞ?」
「は、はい……」
よしよし♪と呟きながらにっこりと微笑み、私の頭を優しく撫でる。
「んじゃーな♪」
先輩は、手をブンブン振りながら、遠くに消えていった。白く光る八重歯が、私の脳裏に焼きついた。
「あ、やっとみつけた……ちひろ、どこ行ってたのよ……って、どうかした?」
「素敵な人……」
「……は?」
【 fin 】
途中まで読んじまった
本来気に入らない作品はスルーなんだが言わせてくれ
カップリング無しとか言っておきながら露骨に書いてあるじゃん
うそつき
340 :
7-896:2007/09/28(金) 21:26:25 ID:lu7V8PEP
以上です。
共学にも関わらず、みんな百合百合してるので
きっと周りもその熱にあてられちゃったりなんかしちゃうんじゃないかと思い、書きました。
なんか今回限りって雰囲気のSSになってしまいました。
2人とも悪い子じゃないので、許してやってください。
……許されるのだろうか。
そして、なんかみさおがかっこよく見える……
341 :
7-896:2007/09/28(金) 21:28:18 ID:lu7V8PEP
>>339 おわ、すんませぬ
こな×かが×こな入れんの忘れてましたorz
やっぱりCV:くじら?
オチにワラタ
陵桜がこの先百合の花園になっていくんだな
いくらちひろとあゆむが美少女でも
CV:くじらなのかw
>>344 まあ、アニメ本編でくじらだらけのギャルゲーが展開されてたこともあったぐらいだしなw
つーからきすたのキャラはみんな美男美女
>>338 アンチオリキャラ主義だったはずの俺が面白いと思うとは…!
GJですた!
>>341 GJ!!
もう少しでバタンキューするとこですた。
>>342 適当な女子の声で脳内再生させた漏れは邪道?
オリキャラが主役を食ってないからギリギリセフセフ
本編キャラと恋仲になったらアウアウ
正しいオリキャラの使い方ぐっじょぶ
「狂言回し」という言葉の意味を再確認した
>>340 GJ!
こなたとかがみは学校で最後までするつもりだったのかw
>>348 俺も居るから心配するな。
>>340 GJです ! うまいなあ・・・。感心します。
最後のオチもステキですw
353 :
17-539:2007/09/28(金) 22:48:33 ID:NtTZaBZL
みんなGJ!
続きものを書いてる途中でしたが、ちょっとしたものができたので投下します。
みさお&あやのの非エロ。
原作にあった、二人の子供時代のイラストを見てたら、なんとなく書いてみたくなりました。
3レスほど頂きます。
「なあ、ちびっ子ー」
「んー?なに?」
廊下で偶然すれ違った二人は、他になすべき用事もなかったので、壁にもたれ掛かりながら言葉を交わしていた。
「オタクっていうのはさ、普段家で何やってるんだ?やっぱりゲームとかか?」
「うーん、漫画読んだり、アニメ観たり、でもやっぱりゲームやってる時間が長いかも」
「そういうもんかー。でもさ、ずっとゲームばっかりやってて飽きないのか?」
「オタクの世界っていうのは奥深いのだよ、みさきち。キミもどう?オススメのギャルゲーがあるんだけど」
「いや、遠慮しとくよ。っていうか、ギャルゲーって男がやるもんだろ」
「みさきちは男みたいなもんじゃん」
「な、なんだとー!失敬な!」
「フヒヒ。あ、そうそう。最近はネトゲなんかにもハマッてるんだよね。これがハマるとなかなか抜け出せないんだよ」
「ネトゲ?ああ、ネットゲームか。そんなに面白いのか?」
「おもしろいよー。仲間と力を合わせてミッションに挑んだり、レアアイテムを求めて狩りしたりとか。いやー、レバ剣を拾ったときの感動はなかなか言葉では表現できないよ」
「ふーん、レアアイテムかー。なんかよくわかんねーけど」
そう呟いたみさおだったが、こなたの発した『レア』という言葉が頭に引っかかったのか、腕組みをして何かを考え込むような仕草を見せる。
「あ、待てよ。それすっげー分かるかも」
「ん?何が?」
「レアアイテムだよ。超レアなんだろ?滅多に手に入らないんだろ?」
「そうだよー。だからこそ手に入れたときの感動も大きいんだよ」
「だよなー、そうだよなー。私も経験あるぜー。昔はよくレアもの求めてそこら中駆け回ってたからなー。あいつと一緒にさ」
「駆け回る?カード収集とか?」
「ちげーよ。まあ、ちびっ子って見るからにインドア派って感じだからなー。分からないかもなー」
「むう・・・。話が見えてこないのだが」
「一度チャンスを逃すとさ、もう次は無いっていうくらい。それくらいレアなんだよ」
みさおの脳裏にある光景が浮かぶ。それは、遠く過ぎ去ったある夏の日の記憶だった。
「あやのー、早くしないとおいてっちゃうぞー」
「待ってよー、みさちゃーん」
夏の厳しい暑さが残る8月下旬のとある町。
何かを追いかけるように、人気の少ない開けた小道を駆ける少女みさおと、その後姿を必死で追いかける少女あやのがいた。
みさおは片手に虫捕り網を持ち、一見すると少年と見間違えられそうなほどラフな衣服を身にまとっていた。
あやのは虫かごを肩からぶら下げてはいたが、その服装はとうてい昆虫採集には似つかわしくない女の子らしいものであった。
体力には自信のあるみさおだったが、さすがに走り疲れたのか、ゼエゼエと息を切らしながら小道の脇に座り込んだ。
ようやく追いついたあやのも、みさおの隣にしゃがみ込む。
「おっかしいなー。確かにこっちの方に飛んでいったはずなんだけどなー」
「ねぇみさちゃん。そろそろ教えてよ。何を見つけたの?」
「オニヤンマだよ」
「オニヤンマって、あの大きなトンボ?」
「ちがーう。オニヤンマはトンボじゃない。オニヤンマはオニヤンマなのだ!」
「そうなの?」
「そうだよ」
「オニヤンマって、私は図鑑でしか見たことないけど・・・みさちゃん、本当に見たの?」
「見たんだよ。間違いなく。トンボの倍くらい大きくってさ。黒い胴体にこう黄色い模様が入っててさ。んで、エメラルドグリーンの大きな目が付いてたんだよ。あれは間違いなくオニヤンマだよ」
「で、みさちゃんは、そのオニヤンマを捕まえるの?」
「ん、もちろん。だって、なかなかお目にかかれないんだぜ?これを逃したら、もう次はないかも知れないんだぜ?」
目を輝かせながらそう語るみさおの姿は、やはり少年のようである。
「でも、見つけるだけでも大変なのに、捕まえるなんて本当に出来るの?」
「出来るってばー。前にも一度だけ捕まえたことあるし」
「え?ホント?」
あやのが驚いた表情を見せる。
「ああ。っていっても、捕まえたのは私じゃないんだけどさ」
みさおは何かを思い出すように遠くの空を見つめながら口を開いた。
「去年の夏にさ、兄貴と一緒にトンボ採りに出かけたことがあってさ。そのときに、今日みたいに偶然、オニヤンマを見つけたんだよ」
あやのは興味深そうにみさおの話を聞いている。
「で、あちこち走り回ったあげくに、やっと兄貴がそいつを捕まえたんだ」
「へえ、すごーい」
「最初はちょっと怖かったけどさ。大きくてなかなかカッコよかったんだよ。このくらい?いやこのくらいかな?」
みさおは両手を使ってオニヤンマの大きさを表現しようとするが、記憶が曖昧なのかなかなか定まらない。
「でさ、ここからがビックリなんだよ」
「え?何?」
「兄貴がさ、そこら辺にいる普通のトンボを捕まえてきて、こうやってオニヤンマと向き合わせたんだ」
みさおはそう言いながら、両手でグーをつくりそれを胸の前で向き合わせた。
片手でオニヤンマを、片手でトンボを表現しているつもりのようだ。
「で、2匹の頭をだんだん近づけていくと・・・」
「近づけていくと・・・?」
あやのが興味深そうにそう訊くと、みさおは片方の手を突然ガッと開いてもう片方の手を包み込んだ。
あやのはキョトンとした様子でみさおの手を見つめていたが、そのジェスチャーの暗示する内容を悟ったのか、次第に表情を曇らせていく。
そして、しばらくすると、あやのが声を上げて泣き出した。
「いやあああぁぁ!」
「あ、あやのっ!?」
「みさちゃんのバカッ!」
あやのが袖で目を覆いながら叫ぶ。
しまった、と思ったのか、みさおは慌てた様子であやのを見つめる。
「あやのー。な、泣くなってばー。悪かったよ、変な話してゴメンな」
みさおは泣き続けるあやのをなだめようとするが、ハンカチを持っているわけでもなく、どうして良いか分からずにその場でたじろぐ。
しばらく時間が経ち、あやのはようやく落ち着いた様子を見せたが、機嫌の方は直っていないらしく、黙ったままみさおと目を合わせようとしない。
「なあ、あやの」
しばらく何かを考え込んでいたみさおが口を開く。
「イトトンボって知ってるか?」
あやのは黙って首を横に振る。
「イトトンボのオスとメスがコービをするときにさ」
「・・・交尾?」
「そう、コービ。コービをするときに、こうやってそれぞれの体が丸まってさ、ハートの形をつくるんだよ」
「ハートの形・・・」
「な?なんかいいだろ?ハート型だぜ」
みさおが同意を求めるようにそう訊くと、それまで無表情だったあやのの顔が急に緩みだす。
「フフフ」
「な、何だよ」
「みさちゃん、おかしい」
あやのはお腹を押さえながら笑っている。
「何がおかしいんだよ」
「だって、ハート型って・・・フフフ・・・『なんかいいだろ』って・・・変なの・・・みさちゃんらしくない」
「らしくないって何だよー!シッケイな奴だなー。私だって一応女なんだぞー」
「ゴメンゴメン。でもやっぱり、みさちゃんらしくない」
「むう・・・」
「ゴメンね。さっきは泣いちゃったりして。せっかく面白い話をしてくれたのに」
「いや、私の方こそゴメンな。あやのは優しいから、ああいう話で怒っちゃうのも無理ないよ」
あやのがニコッと微笑む。それに応えるようにみさおは八重歯を見せて笑う。
「そういえば・・・」
「ん?どうしたの?」
「私もさ、兄貴があれをやったときに、泣いて怒ったっけ。『兄貴のバカヤローッ!』っつってさ。で、怒ってそのまま家に帰っちゃったんだ」
「みさちゃん」
「ん?」
「みさちゃんも、優しいね」
「な、なんだよ急にー!」
みさおは顔を赤く染めながら、あやのから目をそらす。
すると、視線をそらしたみさおの目に、黒く大きな物体が映った。
その物体を目で追うみさおに、再び輝きの表情が戻る。
あやのの目にも、みさおが見たものと同じシルエットが映っていた。
「あああああああああ!」
「みさちゃん!」
「みいいいいいいいいいつけたあああああああああ!」
みさおが慌てて立ち上がり、飛び去っていくその物体を追いかける。
「あ、みさちゃん待ってよー」
あやのも急いで立ち上がり、みさおの後姿を追う。
ふたつの長い影が、古びたアスファルトにのびる。
夏の空が、夕日に赤く染まり始めていた。
357 :
17-539:2007/09/28(金) 22:55:49 ID:NtTZaBZL
以上です。
書いてる途中で、幼馴染っていいなぁ、なんて思っちゃったYO☆
読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
>>357 なんというほのぼのとした懐かしい光景・・・GJですぞー
なんかみさおとあやののフラグが立ちまくりじゃないか!
同性じゃなかったら将来間違いなく結婚フラグ立ちまくりなのに惜しい・・・ってそれじゃ兄貴の立場無いなww
ほのぼのしていいなあ・・・・・GJ!!
>>357 何故か「三丁目の夕日」のテーマソングが脳内で流れた。
GJ!!
361 :
12-512:2007/09/29(土) 00:37:20 ID:uwv0WV00
>>357 みさおの女の子っぽい所がもっと本編でも見たかったですね。
「さよなら魔法使い」の続きを投下します。
CPは基本こな×かがです。
微エロありです。
362 :
手枷、足枷:2007/09/29(土) 00:38:36 ID:uwv0WV00
提灯のうすぼんやりした明かりの列が、鷲宮の駅前から真っ直ぐ伸びている。
沿道には露店が立ち並び、威勢のいいかけ声や食べ物の匂いで充満していた。
その道を浴衣を着た、背の低い二人の少女が歩いていた。
仲良く手を繋いで歩く二人は仲の良い姉妹のようにも見える。
「お姉ちゃんすごいね、私こんなに人が多いと思わなかったよ」
ゆたかは落ち着き無く首を左右に動かしながら言った。
「ここ歴史あるからねー。人多いけど体調悪かったらすぐ言うんだよ」
素直に頷いたゆたかを、こなたはより近くに引き寄せた。
一緒に住み始めてそろそろ四ヶ月、自然と姉のような振る舞いが身に付いてきていた。
川に突き当たると橋を渡らずに、二人はそのまま川沿いを左に進んだ。
少し先に見える、赤く塗られたもう一つの橋のたもとに三人の少女がいた。
その内のショートカットの一人が、いち早くこちらに気付いて手を挙げた。
「小早川さん……それと泉先輩、こんばんは」
「オゥ、ベリーキュートですネ、ユタカ!」
「わあ……ちょっと犯罪的かも」
ゆたかはパッとこなたの手を離して、三人の輪の中に入っていった。
友達といるゆたかは本当に楽しそうで、こなたは頬が無意識に緩むのを感じた。
「じゃあね、ゆーちゃん。待ち合わせの時間になったらまたここで」
「ウェイトプリーズ、コナタ!」
立ち去ろうとしたこなたの背中に、パティが声を掛けた。
振り返ると、パティとひよりの目が怪しく輝いていた。
「コナタ、ぜひこの神社の双子巫女を紹介してクダサイ!」
「あのー、私もちょっと見たいです……」
いつも通り無駄に熱いパティの後ろで、ひよりも手を合わせて小さく頭を下げてい
る。
パティを交えて軽く話したことはあったが、まだひよりとはそれ程親しくはない。
しかし殊勝な態度の裏に隠しきれない欲望が渦巻いているのが、こなたには良くわ
かった。
「私だって見たいんだけどさ、かがみとつかさはお正月くらいしか巫女服は着ない
んだよ。
まあ一緒にいるから、見かけたら声かけてよ」
途端に二人の顔が落胆の色に染まる。
「この世には神もホトケもないデスネ……」
「しょうがないねパティ、次はお正月に来よう……」
オタク率の高さに、少々ゆたかの将来が心配になったこなただった。
363 :
手枷、足枷:2007/09/29(土) 00:44:08 ID:uwv0WV00
姉妹は鳥居の脇にある茶屋の椅子に腰掛けて、お茶を飲んでいた。
かがみは去年と同じ浴衣だったが、何故かつかさは巫女服を着ている。
「おーっすこなたぁ」
「あーこなちゃん、いらっしゃい」
「おいーす、ねえつかさ、その格好どしたの?」
「うーん、なんか急にやる気がでちゃったの。あ、でも休憩の時間合わせてもらったか
ら1時間くらいは一緒に遊べるんだー」
妹ののんびりした口ぶりに、かがみは軽いため息をついた。
「つかさったら、三日前くらいになっていきなりやるって言い出したのよ。
全く何考えてるのやら……みゆきは今だって勉強してるんだぞ」
つかさは鼻の頭をかいて、気まずそうに笑った。
「みゆきさんは残念だけどさ、今は勉強のことは忘れて楽しもうよ。
つかさも仕事があるんだし早くいこっ!」
こなたはお説教の気配を感じて、慌ててかがみの手を引いた。
「ったく二人とも仕方ないんだから……」
かがみはまだ言い足りなかったが、手にこなたの体温を感じるとそんな気も失せた。
こなたに急かされるままに立ち上がると、飲んでいたコップを持って店の奥に入っていく。
「おばあちゃーん、ありがとね!コップここ置いておくからー!」
建物の中から響くかがみの声に続いて、おばあちゃんらしき人の返事が聞こえた。
こなたが訝しげな顔をしてつかさに訪ねる。
「おばあちゃん?」
「ここの店主さんのことだよ。お父さんが子供の頃からずっとここで商売してるんだー」
へえ、そうなんだ。つかさの説明にこなたはただそれだけ答えた。
かがみが戻ってくると三人は店を出て歩き出した。
まだ夕食をとっていなかった三人は、まずたこ焼きの屋台に目を付けた。
一人一つづつ買って食べながら歩く。
「このたこ小さいなぁ」
「なんで割に合わないと解ってるのについつい買っちゃうんだろうね?」
「しょうがないでしょー。たかが祭の屋台なんだから、あんまりけちつけるなよ」
かがみのつれない返事に、こなたが下を向いて何やら思案している。
「な、なによ。私なんか悪いこといった?」
「あ、思い出した!ほらー、海の家覚えてない?あの時も私達似たような話したよね」
「したねー!そうそうあの時もお姉ちゃん冷たい反応したんだよね」
「悪かったわね。どーせ私はノリ悪いですよー」
かがみは少しすねて見せたが、顔は笑っていた。
一年前の海の家、かがみはなぜか不機嫌だった。
砂だらけの椅子、ソースのきつい焼きそば、何がその原因だったのか、もう本人に
は思い出せなかった。
そんな話をしながら屋台を冷やかしていた三人に、後ろから声が掛けられた。
「よお、お前ら勉強もせんと余裕やな〜!」
声の主は3年B組の担任ななこだった。
缶ビールを片手に、茶のタンクトップ一枚というラフな格好をしている。
「おぉ先生、いやぁこれは戦士の休息ってやつですよ」
こなたの言い訳に、ななこは軽く頭を叩く真似をした。
「ま、最近はあんまインしてないみたいやし、信じたるわ。そういや今日は高良はおらんのか?」
「みゆきは外で別に夏期講習受けてるから忙しいんですよ。私達も残念なんですけどね」
敬語を崩さずにかがみが答えた。
「あいつは医学部志望やから仕方ないな。そういやさっき、成実さんに会ったわ。
いやーあの人もまだ一人なんやなぁ」
一年越しの誤解に、三人は吹き出しそうになるのを必死でこらえた。
「せ、先生やっぱり今年も一人なんですか?」
つかさは控えめな態度で失礼な質問した。
「柊ぃ、お前喧嘩売っとるのか?マジメに言うとこれも半分は仕事や。お前ら以外
にも結構うちの生徒が来とるからな……なあ、ところでさっきからお前ら何笑って
るんや?」
ななこは不思議そうな顔をしていたがそのうちに、あんま羽目をはずすなよ、とだ
け忠告して雑踏の中に消えていった。
364 :
手枷、足枷:2007/09/29(土) 00:46:54 ID:uwv0WV00
後ろ姿が見えなくなると、三人はお腹を抱えて笑い出した。
「あはは、先生まだゆい姉さんが独身だと思ってるんだね!」
「もう、いい加減あんた教えてあげなさいよー」
「……でもこのままのほうがちょっと面白いかも」
三人は道の真ん中で、あたり構わず笑い続けた。
道行く人々の少し迷惑そうな視線も、テンションの上がった女の子には通じない。
ひとしきり発作が収まると、つかさはふっと腕時計を確認した。
「私そろそろ交代の時間だから行くね。」
つかさはちょっと名残おしそうに言う。
「社務所まで私も一緒に行くわ。商店街のみんなに顔見せとかないといけないし」
かがみは手の平を上に向けてため息をついた。
社務所の前には特設のテントが設けられ、地域の人々が酒を酌み交わしていた。
かがみとつかさが彼らに挨拶して回るのを、こなたは少し離れて眺めた。
鷲宮神社の末娘はみんなに可愛がられているようだった。
二人もそれに応じて精一杯に愛想を振りまいている。
頭の薄い中年の男がかがみにお猪口を差し出した。
かがみはしきりに遠慮したがしつこい勧めに折れて、お猪口を受け取るとくっと一息で飲み干した。
威勢の良い飲みっぷりに酔っぱらい達の拍手喝采が巻き起こる。
そうしてようやくかがみは解放された。
「お疲れ様だったね、かがみ」
「ま、いつものことよ。本当困っちゃうわね」
なんとなく釈然としない気持ちのこなたに対して、かがみは屈託がなかった。
「ねえ、つかさも行っちゃったしちょっと家来こない?もう見るところもないでしょ」
かがみは暗に、二人きりになろうとこなたを誘った。
「そうだね、もうお店は充分見たし……いこっか」
こなたは小さく頷いた。
二人は柊家に続く暗い林の中に入っていった。
他の家族はまだ仕事中らしく、家には明かりが付いていなかった。
二人は縁側に足を投げ出して座った。
「祭の音は聞こえなくなったけど、こっちは蝉がうるさいね」
「木が多いからね、小さい頃はここでよくお姉ちゃんに遊んでもらったっけ」
幼い日々を懐かしむかがみの表情は柔らかい。
「なんだかお祭りの夜ってノスタルジックな気分になるよね」
「そうね、毎年殆ど変わらないから、時間の感覚がずれちゃうんじゃないかな。
先生なんて去年と同じ服着てたしね。ま、それは私達も一緒だけどさ」
「だけど今年はみゆきさんもいないし、つかさも仕事じゃん。
ふぅ……やっぱり医学部って大変なのかなぁ」
かがみはこなたの他人事のような口調に呆れた。
「当たり前じゃない、偏差値70とかそんなレベルよ。
大体あんたはどうなのよ?ちゃんとやってるの?」
こなたはまたかがみの説教を招いてしまった、迂闊な自分を呪った。
「それなりにはやってるよ。そんな上は目指さないけど、やっぱ東京の大学に行き
たいし」
そう言って、こなたは中堅私大の名前を幾つか挙げた。
意外と現実的なこなたの目標に、かがみは拍子抜けしたようだった。
「まあ確かにそこらが妥当な線よね……あぁ〜あ、どうせなら私と同じ所を目指す
とか言って欲しかったな」
こなたは苦笑いして首を振った。かがみの志望校は私大トップクラスだ。
三年の間に積み重なった差はいかんともし難い。そしてこなたは浪人して勉強でき
るよ
うな性格でもなかった。
「行けたらいいけどちょっと無理。まあいいじゃん、大学は違っても家はこっちな
んだし、 会おうと思えばすぐ会えるよ」
365 :
手枷、足枷:2007/09/29(土) 00:49:44 ID:uwv0WV00
「……ごめん、私は多分東京で一人暮らしになると思う」
かがみは一呼吸おいて、静かに呟いた。
予想外の話に驚いてこなたはかがみの顔をまじまじと見つめる。
「なんで?別に全然通えない距離じゃないじゃん。どうしてわざわざ?」
ああ、寂しいときの顔だ。こなたの下がった目尻を見て、かがみは冷静にそう判断した。
「大学だけなら確かにそうね。でも私は弁護士になりたいから、それの予備校とか
に通うことを考えたらこっちじゃ不便なのよ」
「そうなんだ……」
もっと早く、こんな関係になる前に言っておけばよかったとかがみは後悔した。
最近ただでさえこなたのことが頭から離れないのに、こんな顔を見せられたらこっ
ちまでどうにかなってしまいそうだ。
今日だって本当は誘わないつもりでいたのに、つい電話を手にとってしまった。
「ねえ、あんたは東京に出てこれないの?なんか下品な話だけど、あんたのおじさ
ん結構稼いでそうだし、奨学金取るとか、バイトすれば大丈夫なんじゃないの?
それこそ……ルームシェアとかって手もあるし」
「ルームシェアか。リアルでエロゲっぽいね、毎日イチャつけるじゃん。
でもやっぱ無理かな。お金の問題じゃないし……二年待ってくれれば出来ると思う
んだけど」
二人の表情は、目まぐるしく浮き沈みした。
「二年って何なのよ。おじさんが許してくれないとかか?」
「ちょっと落ち着いてよかがみ、顔が怖いよ」
いつの間にか喧嘩腰になっていたのを指摘され、かがみは恥ずかしそうに咳払いをした。
「ごめん、でも本当に何なのよ?気になるじゃん?」
「うーん……やっぱ今日は言わないでおく、ちょっとかがみ酔ってるみたいだし」
「酔ってなんか……んっ」
反論しようとしたかがみの唇が塞がれた。さらにこなたの舌が口内に差し入れられる。
初めて感じる息苦しさに、互いを抱きしめる腕に力が入る。
「もうその話はおしまい。折角二人きりなんだよ」
こなたが上目遣いでかがみに迫る。
「野外で、浴衣でイベントシーンってか?」
「何それ?」
「あんたが言ったんじゃない、覚えてないの?あんた去年のお祭りでロマンスがな
いって愚痴ってたじゃん。射的のお兄さん狙ったりもしてたし」
「それ言ったらかがみだって海でナンパされたがってたしー」
そうだっけ?二人は口々にそう言って笑い合った。
身体をぴったり寄せて、再び二人の唇が触れあう。
かがみはこなたの胸に手を当てて、やさしく指を動かした。こなたの顔が切なげに歪む。
「んっ……何だかもどかしいね」
「私が着付けできればいいんだけどね……あっ、もうがっつくなよ……」
こなたがかがみの首元に顔を埋めて、舌を使った。
鼻先で香るこなたの髪が、かがみの情欲をくすぐる。
「今度ホテル行こうよ。家はどっちもなかなか空かないだろうし」
「いいけど、ここら辺のは嫌だな。結構私は顔知られてるし……」
「……わかってるよ、かがみ。なんなら1泊して東京観光でもしよっか。きっと楽しいよ」
「ったくあんたは受験生の自覚が……んぅ、そこくすぐったいってば」
「大好きだよ、かがみ……」
薄い浴衣がどうにか二人の理性を留めていたが、それも限界に近かった。
もう脱がしてしまおうか、二人がそれぞれにそう考えた時、こなたの携帯が振動した。
「やばっ!ごめん、私ゆーちゃんと待ち合わせしてたんだ。もう帰らなきゃ」
かがみは不服そうだったが、自分でも時計を確認すると慌てて乱れた襟元を直した。
そろそろ一仕事終えた誰かが帰ってきてもおかしくない時間だった。
366 :
手枷、足枷:2007/09/29(土) 00:50:56 ID:uwv0WV00
二人が手を繋いで境内に戻ると、立ち並んでいた屋台はもう半分くらい撤収していた。
そこかしこのゴミ箱から漂う生ゴミの匂いが、夢の終わりを告げている。
待ち合わせ場所の橋の手前で二人は別れた。
向う岸には一年生四人が、おしゃべりに興じている。
そこにこなたは、いかにもすまなそう顔しながら走り込んでいった。
「あいつ、一年に混じっても全然違和感ないな」
かがみは口に手を当てて苦笑した。
特にゆたかとじゃれついている姿は、それぞれ高三と高一とはとても思えない。
しかしそれがかえって先ほどのしどけない姿を、鮮明に印象づけた。
「物足りなかったよね……こなた」
火照った身体を、一人抱きしめながらかがみは家路についた。
田んぼの中を通る農道を、こなたとゆたかが歩いていた。
稲穂をかすかに揺らす風が、汗ばんだ身体に心地良い。
「それでね、田村さんとパティさんがなんか巫女さんの写真一杯取ってたの。
あの人、多分お姉ちゃんの友達だったと思うんだけど……」
こなたにはつかさが戸惑いながら、いいように撮影されている図が容易に想像できた。
「できるな、あの二人は……ふふ、ゆーちゃん面白い友達が出来て良かったね」
「うん!ちょっと変わってるけど、好きな事には一生懸命ですごいんだよ。
私はそういうのないから、ちょっと羨ましいな」
どうしても、自分を引き合いに出して貶めてしまう癖がみなみにはあった。
こういう時こなたは、かける言葉に惑ってしまう。
こなたはゆたかが小脇に抱えている、猫のぬいぐるみに目を付けた。
「そういえば、それどうしたの?なんかの景品だよね」
「あ、これね、岩崎さんが射的で取ってくれたんだ」
ゆたかはまるで恋人からのプレゼントであるかのように、うっとりとぬいぐるみの頭を撫でた。
「すごいじゃん。いやぁ、やっぱりみなみちゃんはゆーちゃんの王子様だね」
「もうっ、お姉ちゃんからかわないでよ」
ゆたかが照れ隠しにこなたの背中を叩いた。
なんだかんだ言って、まんざらでもなさそうな所が可愛い。
もう、みなみちゃんに任せちゃえば?ふとそんな考えがこなたの脳裏をよぎる。
クラスメートのみなみの方がきっとうまくやれる。叔父との二人暮らしはきついか
もしれないが、実姉のゆいだってしょっちゅう遊びに来る。
自分がここに留まらなきゃいけない理由なんて、実はないんじゃないか?
こなたがそんな欲求に捕らわれているとも知らず、みなみが再び口を開いた。
「でもね時々怖くなるんだ。岩崎さんはいつか、私に呆れてどっか行っちゃうんじ
ゃないかって。本当、どうして私なんかのことを気に掛けてくれるんだろうね?
あっ……お姉ちゃん、この事岩崎さんに言っちゃだめだよ」。
幻の枷が地面を擦る音がした。
ゆたかの諦念によって鍵をかけられた、特別な枷。
「大丈夫だよ、みなみちゃんはゆーちゃんが好きで一緒にいるんだから」
こなたにはみなみの気持ちが良く解った。
彼女もまた、慣れない枷の重みを愛おしく感じてしまうのだろう。
「そうかな……えへへ、そうだといいな」
どうしてそんな些細な望みを、星を見るような目で語るのか。
「だからそうなんだってば、お姉ちゃんが保証するよ」
こなたはゆたかを、もっと欲張りで勝手な子にしてやろうと誓った。
ゆたかのため、そして自分のために。
367 :
12-512:2007/09/29(土) 00:52:54 ID:uwv0WV00
ここが終わりです。
なんか途中改行がおかしくなっちゃって、すいません!
>>369 仕事早っw
あやのんかわええ(*´Д`*)ポワワ
>>367 相変わらずいい話を書くなぁ。
GJです。
>>367 らき☆すたの人間関係、ほんのりしててイイですなー(*´∀`)
おいらこのぐらいの微エロが大好物ですw
読んでて気付いたですが
>>366の、
> 自分を引き合いに出して貶めてしまう癖がみなみにはあった。
> こなたがそんな欲求に捕らわれているとも知らず、みなみが再び口を開いた。
これはどちらも「ゆたか」ですかね
>>370 dd
あやのの右腕の下に描いてあった髪にペン入れしてない事にさっき気付いて軽くブルーですorz
373 :
12-512:2007/09/29(土) 01:37:31 ID:uwv0WV00
>>372 すいません、全くその通りです。
もう、まじで吊りたいっす……
時系列的にゆたかとみなみが名前呼びし合う前の時間なのか?
375 :
12-512:2007/09/29(土) 02:08:00 ID:uwv0WV00
>>367GJ!!
こういう境遇に深く感情移入しやすいから、切なくなった。
連載という形でついに宮河姉妹にも日が当たるな。
供給が増えるのを祈らせてもらうか。
377 :
16-157:2007/09/29(土) 05:40:45 ID:cUD1TxeE
暗いかがこなの続編を投下します。こなた視点で、エロありです。
展開上、ちょっと生っぽい部分があります。
人によっては不快になるかも知れませんので、ご注意を。
誰も帰ってこない家で。かがみが泊まりで。
ベッドに押し倒されたのは、夜。お風呂上りの私が部屋に戻ってすぐだった。
平坦な、私の身体。見た目はまるっきり、子供なのに。
それなのにどうして、かがみに触れられると、狂いそうなほど疼くんだろう。
おかしくなっちゃいそうだ、と思った。
そんなの、フィクションの世界だけのことかと思っていた。
お風呂で火照った身体の中に点る、別の熱。熱源はお腹の中。いつもと違って素肌で触れ合っているからなのかな?いまだかつてない早さで、火種が大きくなる。
私の舌はかがみに絡め取られていて、逃れようもなく、口の中は掻き回される。舌の裏とか、上顎とか、弱いところは全部知られていて、舐め取られるたびに、お腹の中がじんじん熱くなる。
「っ、ふ、んむぅ……っはぁ、か、が、ん、ぅくっ」
唇が離されたかと思うと、すぐにまた奪われる。少し荒っぽいくらいのキスは、私をどんどん酸欠にして、白っぽく霞んだ景色の中、身体の奥ばっかりがひくりと震える。
受け取りきれなくて溢れた唾液が、顎をつたって胸元へと垂れる。気化熱がその部分をひんやりと感じさせて、皮膚の感覚がますます鋭くなってくる。今日はもとから、いつもより鋭敏な感じだというのに。
かがみの顔が、急に私の視界から消える。あれ?ってちょっとぼんやりしたまま思っているうちに、もう歯を立てられていた。
「ぅひゃうっ!?」
思わず変な声を上げてしまう。
ささやかに過ぎる私の薄い胸は、それでも、ちゃんと感じていて。かがみに吸い付かれたり甘噛みされたりしていると、どこかが強烈に、きゅうんっ、となってくるのが分かった。
「あっ、ひゃぁ……っ!これぇっ、なぁっ?」
声が勝手に喉から出ていく。いつも、我慢すれば押し殺せていた気がするのに。
全身の力がぬけて、ふにゃふにゃになってしまう。どんな刺激にも身構えられなくなって、ただ身体のいろんなところが勝手に強張ったりひくひくしたりは止められない。
あれ、こんなに……気持ち、よかったっけ?
思えば、かがみと触れ合うのはいつも、どこか追い詰められたときだった気がする。
今日は行為に集中しているだけだから、身体ばっかりからいろんな情報がきて、それに慣れていない私は、脳がパンクしそうになるのを止められない。
「ふわあぁ!?」
追い討ちみたいに、かがみは抱き寄せている私の腰を指先でなぞる。胸のてっぺんを吸い上げるおまけ付きでだ。
変な反射ポイントがあるみたいに、私の身体が勝手に仰け反る。
ああ、きっと、皮膚の下に地雷原が広がってるんだ。でなきゃ、いまにも爆発しそうなこの感覚の説明がつかない。
なまじ熱源に近いだけに、ずきずきするほど『そこ』が疼く。
何かがとろりと溢れる感じ。
それなのにいつまでも肝心なところに触れてくれないかがみに、私はとうとう痺れを切らした。
「かがみぃ……っ、ね、おねが……っ、さわってぇ……」
どうしようもないほど、追い詰められてる。理性が消えかけていて、でも恥ずかしいのだけはまだ残ってる。それなのに、一番恥ずかしいおねだりを、こんなふうに口に出して、かがみを求めていた。
でもどうしようもなかった。
おかしくなるって、思ったから。
かがみはちょっと、意地悪そうに笑って。
ただ、その目は何となく潤んでいたから、かがみも興奮してるんだな、って分かって、ちょっとどきどきした。
「珍しいんじゃない?あんたがそこまで余裕ないのは」
……余裕なんてあったこと、ないよ。
かがみに触られてるだけで、私はいつもいっぱいいっぱいなのだ。大きい声を出したりするのは、じつはけっこう恥ずかしいからセーブがかかっているだけで。
でも、なんでだろ、今日はぜんぜん、抑えがきかない。
「ちょっと虐めすぎたか、私」
そんなことを独りで呟いて、かがみの手は私のおへその横を降りていった。
それから、辿り着いた指が、出っ張りを引っかけるように動いて。
──限界だった。
「〜〜〜っっっ!!!」
あっけなく、私は達した。
かえって声は出なかった。糊のきいたシーツが、手の中でしわくちゃになるのが分かる。感電したみたいに身体ががくんがくんと揺れた私に、かがみはちょっとびっくりしてるみたいだった。
「こなた……?ちょっと、大丈夫?」
今更心配そうに聞かれたって、返事なんてできない。軽い虚脱と、荒い呼吸が治まらない。ぜんぜん足りなかった。ますます熱くなっていた。
「もうやめとく?今日、ちょっとだるそうだったじゃない」
そりゃ酷いんじゃないですかい、かがみ。そう思うけど、だらしなく開いてしまった口は、言葉を返せない。
そんな私を見て、かがみは『ああそうか』という顔をする。簡潔に尋ねてくれた。
「まだする?」
これなら、意思表示できる。私はこくこく何度も頷いた。
かがみが苦笑する感じで言う。
「そんなにしなくても、分かるわよ。まったく、あんたは……」
小さい声で、『可愛いんだから』なんて、かがみ、ずるいよ。
恥ずかしさと、嬉しさで、身体中がぞくぞくする。鳥肌が立つっていうか、全身がぞわりと震える感じ。
共鳴するように、お腹の奥がまた熱くなった。
「わ。……こなた、これ、ちょっと……」
改めて触れたかがみが、驚いた声を上げる。
言いたいことはわかるが驚かれても困る。
頼むからそこで微妙に赤面しないで。しかも中途半端につつかないで。恥死するから。
さすがにこれ以上放っておくとまずいと思ったのか、かがみはようやく指を動かしだしてくれた。入り口のあたりを撫でるように、ゆっくりとなぞられている。
「あぅっ」
感触がぬるりとしていて、もうそれだけで気持ちよくて、声を上げてかがみの頭にしがみついた。
自然と顔を引き寄せるような形になって、唇がまた、重ねられる。
かがみの舌が唇を割って入ってきたのと、私の中に指が入ってくるのは、同時だった。
偶然かも知れない。けど、結果として間違いなく、その二重攻撃は私の腰にクリティカルヒットしていた。
「んむううぅっっ!!」
叫び声は、キスに消されて声にならない。かがみはそれにはお構いなしで、口の中とそこ、両方を掻き回してくる。
つま先がきゅっと丸まって、指が入ってるところがさっきからひっきりなしにきゅっとなって、ぴちゃ、とかぷちゅ、とか湿っぽい音が聞こえるけど、どこからなのかぜんぜん分からない。
なにこれなにこれとか、どうしようどうしよう、とか、脳内にそんな表示が浮かんだまま思考処理は完全に停止、フリーズしてる。
ただ、私に触れるかがみのすべてだけが、リアルだった。
「こなた」
そうやって名前を呼ばれるだけで、お腹の奥──たぶんこれが、子宮なんだよね──のざわざわはずきずきに変わって、血が沸騰しそうになる。
汗が目に入ってしみるけれど、なんの抑止力にもならない。
「……こなた」
だからそんな顔で呼ばないでってば。
優しいような、やらしいような、顔。
そんな表情されたら、本当に狂っちゃうからさ。
「うぁあ、あぁっ!」
こんなの、もう声じゃなくって、声帯の震え。
溶けてなくなりそうな感じ。押し上げられるような、落ちていくような。
とろとろなのは、心の方か、それとも身体の方なのか。どっちも、なのかな?
「かっ、が……み、かが、み、っか、ぁひ……んっ、が、みぃっっ!!」
ただ、呼んだ。呼ぶしかなかった。
たぶん、すごく締め付けてるんだと思う。押し広げるように、私の中で、窮屈そうに指が踊る。
気持ちよすぎて苦しくて、目の端から流れていく涙と、それを舐め取るかがみの舌、あったかい。
空いた右手に髪を撫でられていて。
足し算じゃなくて、かけ算なんだ、って思う。
ばらばらだった快感が連鎖して、ふくれあがって。
かがみの指が、奥のほう、なんだかすごく大事なところに触れた気がして──
「か、がっ、ん、あっ、あっぁあっ、うああぁあああぁっっ!!!!」
──スパークして、真っ暗。それから、真っ白だった。
抱きしめられてるのに、いつまでもびくんびくんと跳ね上がっていた身体がようやく落ち着いてくると、まぶたの裏に色とりどりの星がちかちか散ってることに気付いた。鼓動も呼吸もまだまだ速いまま、ぼやけた思考が思う。綺麗だ、なんて。
かがみと目があった。余韻が残ってる感じがなんとも気恥ずかしいけれど、触れるだけの軽いキスで応える。もう少し回復したら、こんどはかがみにもしてあげよう、と思った、その時。
「ん」
身体を起こしたかがみが、急に妙な声を上げた。
「……どしたの、かがみ?」
弛緩しきっていて、まだ起きあがれない。だから、首だけちょっと巡らせて、かがみを見る。
「ちょっと、電気点けるよ」
「え?え、ちょ、まっ……」
いきなりの言葉に対応しきれない私を放って、かがみはベッドからすとんと降りた。そのまま、有無を言わさぬ感じで電灯のスイッチを押す。
「っ、眩しいって、かがみー」
目をくらまされてる間に、かがみはもう戻ってきていた。そしてなぜか、私の股間あたりを見ている気配。
いくらかがみにだって、事後の身体を見られるなんて、さすがに勘弁してほしかった。
私が抗議しようとする気配を感じ取ったのか、かがみは、いや違うから、とシーツを指さす。
「そうじゃなくて、これ……」
「あ」
真っ白なシーツについた、チョコレート色の染み。
血だった。
「なんていうか、ごめん。シーツ、汚しちゃったわ」
「ありゃ……始まっちゃった、みたいだね」
どうも、している最中に始まったらしい。そう思うと、いろいろなことに合点がいった。
いつもより若干だるめだったこととか、皮膚感覚の鋭さとか。
ちょっとおかしいと思ってたんだよね、なんて、かがみに言ったら、周期ぐらい把握しときなさい、って軽く怒られた。
そのあと、シーツを換えたり、急遽下着を替えなおしたりで、時計を見たら3時を回っていて。
始まってしまった以上もうできないなぁ、っていう空気は変えられずに、私たちは服を着直していた。かがみは何となくもぞもぞしている感じだったけれど、もちろん何も言わず、今はベッドの中、ただ抱きしめてくれている。
背中にくっついているかがみの呼吸は規則正しいばかりで、眠ったかどうかは分からなかった。私の方はといえば、あれほどだるかったというのに今は妙に目が冴えている。
いつもよりほんの少しだけ、余計なことをいろいろと考えていた。
抱き合うことは多かったけれど、かがみにこんな風に後ろから抱きしめられたことってあったっけ?いや、そもそも。私って、誰かにこうやって抱かれたことあったかな?
しばらく考えて、結論を出す。
──やっぱり初めてみたいだ、こういうのって。
背中の方から、かがみの心臓の音が伝わってくる。かがみの体だって、そんなに大きくないのに、包み込まれるような感じが心地いい。
だから、不意に浮かんだ思考に自分で驚く。ひどい違和感だった。
……お母さんって、どんな感触だったのかな?
違和感のあとは、罪悪感だった。自分が嫌な人間に思えて仕方なかった。
言葉にしがたい、苦い悔恨があっという間に胸にこみ上げてくる。
こうなると、もうだめなのだった。
ここにかがみはいるのに。私を抱いていてくれるのに。
生理のせいにしたかった。ちょっと精神的に不安定になってるだけだよ、と思いたかった。
なんでかがみに抱かれたあとなんかに、こんなにお母さんのことなんて思い浮かぶんだろう。
目をきつく閉じて、眠ろうとする。でも、もう止まらなくなっていた。
……なんで私、こんなところに来ちゃったんだろう。
こんなところ、がどこかはよく分からない。分からないけど、ただ、こんなところ、と思った。
はじめて人を好きになって、はじめてキスして。それから、抱かれて。
そしたら、こんなに失うことが怖くなって。こんなに不安になるなんて。
今になってようやく、本当に理解できたことがある。
失って、それでもまっすぐ立っていられるお父さんは、なんて強いんだろう。
不意に、頭の中に甦るのは、お父さんがいつか言ってくれた言葉。
『お前がいたから、今までやってこれたんだ……』
心励まされる言葉。思い返して、少し安心する。
こんな私でも、お父さんの支えになっていたのかな、と、少し嬉しくなる。
けれどその時、ふとよぎったのは、ぞっとする考えだった。暖まり始めていた気持ちが、一気に凍り付く。
『……じゃあ、私は?』
もし、仮にだ。かがみを失ったとして、私にはなにが残るんだろう?
シーツについた染み、その画像が脳裏に焼きついて離れない。
ぐるぐる回る、考え。
どんなにかがみが好きでも、私がかがみとの子を宿すことはない。
かがみに遺せるものさえ、私は持ち合わせていない。
──私の体、こんなんでもちゃんと女として育ってるのにね。
そんなこと、とうに覚悟はしていたつもりだったのに。
かがみに申し訳ない考えだということは分かっている。かがみだって同じだってことぐらい、分かっている。それでも、私は思ってしまったのだった。
──お父さん、お母さん。ごめんなさい。
──次につなげていけない恋をして、ごめんなさい。
浮かんだ考え以上に、そんな考えをしている私にぞっとした。
私の方からかがみに好きって言ったのに、自分だけ、こんなこと考えて。卑怯で、自分勝手で、臆病者で、どうしようもない、ずるい自分。
後悔と自己嫌悪と、なんだか分からない感情に押し潰されそうで、どうしよう、消えてなくなりたい。涙がこぼれる。息ができない。気持ち悪い。頭が痛い。
胸が、痛い。
「こなた……!?」
強張った私の身体の感触で、異変に気付いたのか、かがみが私の肩をつかんで心配そうに覗き込んでくる。私はどんなみっともない顔をしているんだろう。
見られたくなくて、顔を伏せたまま首を横に振る。どこか壊れたんじゃないかってくらいに涙ばっかり出て、換えたばかりのシーツを濡らした。
……ごめんね。今の私には、合わせる顔なんてないんだよ、かがみ。
「かが、み……ごめ……っ、さわ……っな、いで……っ!」
しゃくり上げながら、抱きしめようとするかがみを拒絶した。
拒絶しながら、心の中は『ごめんなさい』でいっぱいだった。
──かがみ、ごめんなさい。私のこと、好きだって言ってくれたのに。ごめんなさい。
──ごめんね。ごめんなさい。かがみのこと、好き、で、ごめんなさい。
今は慰められたくなかった。かがみの優しさが辛かった。胸が痛い痛い苦しい、それは自分への罰だと思った。
「っうぁああああぁあぁっっ!!」
嗚咽と共に大きく絞り出された息は、声帯を震わせて叫び声になった。
頭の中で反響して、世界がノイズまみれの音に埋め尽くされて、真っ白になって──
「こなた」
──歪んだ音の世界で、その声だけがクリアに聞こえた。
すごく心配そうな声音が、私の名前を呼んでいるのだ。
それから、ふわり、と頭に触れるのは、柔らかく温かい感触。
困ったようにしていたかがみの手が、私の頭をそっと撫ではじめたのだった。それをもう一度拒絶するなんて、もうできなくて。
髪を撫でるその感触は、覚えてもいないお母さんとはきっとぜんぜん違うんだろう。
かがみの手はやっぱり優しくて、私は子供みたいにわんわん泣いた。
384 :
16-157:2007/09/29(土) 05:54:53 ID:cUD1TxeE
以上です。
今回はちゃんと『エロあり』と書き忘れなかったと思ったら、使用レス数忘れてました……
ちょっと吊ってきます。スレ汚し失礼しました。
>>384 早朝GJ!
前書きのおかげで抵抗無く読めたんだぜ
>>384 GJでした!
まぁ、レス数は必ず書かなきゃいけないものと違うからw
>>384 GJ!!
かがこなにも目覚めそうだ。
素敵SSを見ると自分も書きたい衝動に駆られるから困るW
>>384 こなたの中での悩みとそれを受け止めるかがみの流れがツボでした。
GJ!!
>>387 さぁ、その衝動に身をまかせるんだ。
>>384 朝からGJ。読んでてこなたにシンクロしっぱなしでした。
かがみが禁忌の契りに思い悩むケースは何度か見たけど
こなたのは初めて見た気がした。それだけ描写が難しいんだろうね。新鮮だた。
>>384 うまいなーと素直にそう思いました。
特にエロ描写がよかったです。GGGJ!
こ「むむむぅ〜」
か「人の胸みて何をうなってるあんたは」
こ「いや、私のは大きくならないのに、差が広がるばかりだなぁと」
か「ばっ……あんたが面白がって胸ばかり揉むせいよっ」
こ「嘘だっ!揉むと大きくなるなんて迷信だよ、毎晩自分でしてるけど大きくならないしっ」
か「知らないわよそんなのっ、というかあんたそんな事してたのか」
こ「むぅぅ〜……わかった、人に揉んでもらうから大きくなるんだよっ」
か「何でそうなるのよっ」
こ「え〜、だってかがみのは大きくなったし。と言う訳で早速」
か「ちょ、ま、さっきしたばかり……あっ」
電車内で見た夢を書いてみた
続きがないのはここで目が覚めた故に
もう一回寝て夢を見る作業に戻るんだ!
こ「……かがみぃ〜」
か「……何よ」
こ「何でまたかがみのばっかり大きくなるんだよ〜」
か「あんたが私をいじり倒して揉む暇くれないからよっ」
うん、もう一度寝たら後日談になってた
395 :
7-896:2007/09/29(土) 14:03:47 ID:f6EVnQX/
どうも、7-896です。
ネタ行かせてもらいます。
『パーツ』
「ねぇねぇみんな、萌え要素交換してみない?」
「……は?」
いつものように4人で昼食をとっていると、こなたがそう言い放った。
つかさはヒジキと格闘していて聞こえていないみたい。
みゆきは……なんでもう鼻血出てんだ。
「どういう意味よ」
みゆきの鼻血を拭いてやりながら、疑問を投げかける。
なぜかみゆきは目を細めて嬉しそうにしている。
「んむ、だからね?ツインテールとかカチューシャリボンとか眼鏡とか、みんなの萌え要素を交換してみようよ」
「なんか面白そうだねこなちゃん」
にっこり笑うつかさ。
ヒジキが髭を模っている……器用だな。
「でも、あんた交換できるものないじゃない」
「ふお……た、確かに」
「そのあほ毛抜いてみる?」
「それは勘弁」
何か考え込むように目を瞑るこなた。なんでこの程度のことでそんなに悩むんだろう……
みゆきキスしようとするな。
「取り敢えず今ある萌え要素だけでなんとかしよ……うお、みゆきさん何?近いって」
「じゃあ、はいこれ。私のリボンだよ♪……ゆきちゃん、なんでそんなに嬉しそうなの?」
「じゃあこれ、私のリボンね……みゆきそこ笑うところじゃないから」
「どきどきしますね」
私達とは違う思案をしている一人を軽くスルーして、つかさのリボンを受け取る。
「私は前にこれつけたことあるんだけどね」
「かがみはそれつけると大人っぽく見えるよね」
「ふーん、そ……ふぉおぉおおぉぉおぉおおお!?」
「?」
そこには私のリボンで髪を2つに分けたこなたがいた。
ツツツツツ、ツインテールこなたぁああぁぁあぁあああ!!
つかさは端っこの方でうなじをトントン叩いている。
ふと、みゆきのほうからものすごい数のシャッター音が聞こえてきた。
でもカメラ持ってないな……あれ……この音は眼鏡から?
396 :
7-896:2007/09/29(土) 14:04:55 ID:f6EVnQX/
「みゆきさん眼鏡貸してよ」
「私と泉さんが1つになるわけですね」
「違うっての」
みゆきは震える手で、眼鏡をこなたに渡した。
なんで振るえてんだ。
「かがみぃ、どお?どお?」
「ん?う〜んなんか……」
「むぅ……あ、そうか……髪をこうして」
「こなた?何して……うぉおおぉおぉぉぉおおお!?」
「これならどお、かがみ?」
こ、これは……変にやばい、変にやばいってぇえぇええ!!
委員長こなた……委員長こなたぁああぁあぁぁあああ!! ※2巻P.61参照
「こ、こここ、こなこ、こなこなこ!!」
「ちょ、かがみ落ち着いて?」
「こ、こなこな……こなこなこなこな、っこ、こなっこなこな!!」
「か、かが……ひゃあぁぁあああぁああ!!」
思わずその可愛い物体に襲いかかってしまった。
するとみゆきがこちらにやってきた。
「かがみさん、泉さん大好きな私なんですが、最近ツンデレもいいなと思ってるんです」
そう言って微妙に頬を染めながらこちらに微笑みをとばしてくるみゆき。
「そ、そう」
全身に悪寒が走った。
「それよりも、大変なんですかがみさん」
「な……何よみゆき」
「不思議なことに、今何も見えないんです」
「そりゃあ……」
以上です。
みゆきは少しずつ雑食になっていくみたいです。
>>386 毎度ながら吹いたwww
そしてみwikiのメガネは間違いなく高性能デバイス。
そのうち人格とか個性が(ry
( 3A3)<GJ!
>>399 みゆき「この眼鏡、高性能のデバイスなんですよ…お恥ずかしながら」
眼鏡『Don'tworry.』
むしろ、高性能デバイスは一般にみゆきと呼ばれている人型の方で、本体はメガネ
こなたとひとつに〜のセリフもこれで納得でき
きっとつかさも本体はリボン
てことはかがみの本体はツインテールか
片方がツンで片方がデレ
こなたは…アホ毛か
ふむ・・・それでいくとみさおは八重歯であやのはでこ?
みゆき眼鏡はwikiカートリッジとか主要9教科カートリッジとかセットできるようになってて
1枚目のレンズが鏡になってて斜め後ろの人の答案とか見たりできるんぜ
そんな空気も読まずに色塗り完了したので再うpさせてもらうZE(>∀<)
http://1rg.org/up/51938.jpg
ゆたかのパーツは病原菌か
みなみの本体は実はチェリー
だから五巻でゆたかの…に…
>>396 みゆきさん、性欲をもてあましすぎです。スネークにも程がある。GJ。
あ、あとみゆきさんのデバイス眼鏡は振り子に変形するといいと思うんだ。イメージ的にぴったりだし。
おっとりしてるところとか影が薄いところとか出番が少ないところとk
>>396GJ!!
あなたの書くみゆきさんはいつもなぜか憎めないっ!
本編のみゆきさんもこれくらいクセがあったらみんなに愛されてたかもしれないorz
あとなのは厨
頼むスレ違いネタは勘弁してくれ
>>396 ワロスwwwww
みゆき眼鏡ってカメラ内臓かよ !
旅行で一週間家を開けたら2スレ進んでて、そのあと風邪で数日寝こんだらもう1スレ進むとかどんだけー
ss投下します。
作者:10-54
タイトル「痴漢」
みゆき&つかさ、エロあり、微妙に死人あり、ちょっとみゆきが黒い……というよりつかさ至上主義的かも、8レスくらい
がたんごとん、がたんごとん。
……うふふふっ。
今日は水曜日。私は今、学校に向かっている最中です。私はいつも早めに出るので、通勤ラッシュ
というものには無縁で、座って登校できることのほうが多いくらいです。ですが、今日はちょっと
遅くなってしまいまして、目下混雑のなかに巻き込まれているという状態です。ものすごい熱気です。
隣の方々が互いに押しくらまんじゅうをしているような状態ですので、何が何だかわかりません。
上に伸びている手が誰のものなのか分りませんし、そもそも周りにいる人の顔さえ見えません。
たとえ知っている人が周りに乗っていたとしてもたぶん気付かないでしょう。
ちなみになぜ遅くなってしまったかというと……うふふふっ。実は、明日つかささんが私の家に
泊まりに来るのです。愛おしいつかささんが。その準備をしているときにもわくわく、明日のことを
想像するだけでどきどきしまして、それはそのまま寝る時までにも続きまして……。それで寝る時間
が遅くなって、結果として起きる時間も遅くなってしまったというわけです。もう数え切れないほど
つかささんは私の家に泊まりに来ていますけれど、これだけは慣れることはできません。
うふふふっ。それにしても顔がに焼け顔のまま戻りません。いけません。回りの人が見たら
きっと変な人だと思われてしまうでしょう。さすがに変質者として駅員さんに突き出されは
しないでしょうが……。まあ、私がほかの方々の顔を見ることができないのと同様、ほかの方々も
私の顔を見ることができないでしょうし、見ようとも思っていないでしょうから気にすることは
ないのでしょうけれど。でもやっぱり気になります……。
と、浮かれていると、私のお尻に誰かの手のひらの感触がありました。一瞬痴漢かとも
思いましたがこんなに混んでいると過失でそのようなところに触れてしまうこともあるでしょう。
確か、何かの小説にもそのようなことが書いてあったような気がします。……ですよね。
痴漢じゃないですよね。
……などと考えていたのですが。その手はそのまま私のお尻から動く様子はありません。
それどころか何やらもぞもぞと私のお尻をまさぐっています。……痴漢です。間違いなく痴漢です!
とても気持ち悪い。触れられた部分が腐っていくような感覚に陥ります。思わず鞄を握る力が
強くなります。動いている手が、大きな虫のように思えてきました。いったいこのようなことを
しているのは誰なのでしょう。それを知ろうと周りを見渡してみても、全然何が何だかわかりません。
そもそも人が多いせいで振り向くこともできません。……いやです、やめてください。触らないで、
触らないでください!
その時です。私が降りる駅のアナウンスが流れました。しかも幸運にも私がいる場所のすぐ近くの
ほうのドアが開くようです。私にはそのアナウンスが天からの救いの声に聞こえました。
ぷしゅー。
ドアが開きます。私は懸命に人の波に乗って、手に握っていた鞄を落とさないように、電車の外に
出ました。そのまま電車からできるだけ早く離れます。人が来ないような端まで来て、振り返ると、
丁度電車が発車するところでした。
電車が見えなくなると、私の全身から力が抜けました。どうやら今まで体がこわばっていた
ようです。
朝から不愉快な出来事に遭ってしまいました。おかげで朝から気分がブルーです。つかささんが
今日私の家に泊まりに来るということである程度気分は相殺されますが、そうでなかったら、きっと私の気分は地獄の第九層の辺りにまで落ち込んでしまっていたでしょう。
一旦トイレに入り、服装の乱れがないことを確認すると、学校に向かいました。
私が学校についたときは遅くなったとはいえ普通の人から見れば早いだろう時間だったので、
まだ皆さんいませんでした。席について数分すると、つかささんと泉さんが教室に入ってきました。
つかささんは席に荷物をおくなり私のところに来ました。
「おはよう、ゆきちゃん」
「おはようございます、つかささん」
「……なんか暗いね。何かあったの?」
……驚きました。普段……失礼ながらかなり天然ですので、つかささんに気付かれるとは
思っていませんでした。
驚いていると、扉が開く音がして、ふと見ると、かがみさんが教室に入って来るのが見えました。
かがみさんは泉さんと一緒に私の机のそばにやってきました。そして、私に声をかけるなり、やはり
私がいつもより暗いことを指摘してきました。
「実は……今朝電車で痴漢に遭いまして……」
「ええっ!? ゆきちゃん大丈夫!?」
「ええ、おかげさまで」
「それにしてもみゆきさんに手を出すとは……。痴漢め……、許さん」
「まあ、なんにしても無事でよかったわ」
三方の目には私への心配、無事だったことに対する安心、そして犯人に対する怒りが、それぞれ
割合や強度は違うにせよ、はっきり見えました。……私は良い友達、恋人を持ったものです。
「もう大丈夫みたいだね」
「え、何がですか?」
「朝はとってもおちこんでたよね。でも今はいつも以上に明るいように見えるよ。だからもう
痴漢のことは吹っ切れたのかと思って」
「そうですね、朝痴漢に遭ってからかなりブルーでしたけど、かがみさんや泉さん、それに
つかささんと話しているうちにだんだん気にならなくなってきました。そのうえ、つかささんが
私の家に来てくれましたから。それだけで元気になりますよ」
「……ありがとう。ゆきちゃんが元気になってくれて私もうれしいよ」
はにかみながらつかささんがそう言います。……かわいいです。たまりません。我慢
できなくなって私はつかささんを押し倒しつつ、唇を重ねて舌を入れます。ちなみにここはベットの
上で、さっきお母さんに二人で「お休み」を言ったわけですから、つかささんを襲っても、何の問題もありません。
しばらくして唇を離すと、息を切らせながら、とろんとした目で、でも私をまっすぐ見ています。
……可愛すぎます。
いつものように我慢できなくなって、再びキスをしながら、つかささんのパジャマを脱がせに
かかります。この前、勢い良く脱がせすぎて、私の家に置いておく用のつかささんのパジャマが
破けたとつかささんに怒られてしまいましたので、今日はゆっくりと、自分を抑えながら、を
心がけることにします。
「ゆきちゃん、好きぃ……」
唇を離したとき、つかささんがそう言いながら、私のパジャマに手を伸ばしてきました。
初めのころは私のされるがままだったつかささん。最近では積極的に私を責めてきます。そして、
私の理性を崩壊させていくのです。
「私も大好きですよ……」
自分を抑えようと思っていたのですが、やはり自己制御の理性はつかささんによって
崩壊させられてしまいました。どうも近頃の理性はたるんでいるような気がします。昔はもっと
耐えられたのに……。
「あ、ああ、っふぁああ、ああっ」
昔のことを振り返ってなんとか理性の崩壊速度を緩めようとしていると、つかささんがお尻を
触ってきました。だ、だめです。お尻は弱いんです。……つかささんに触られるならどこでも
性感帯になってしまいますが、そこは特に弱いんです。
「ゆきちゃん、気持ちいい?」
「ふぁああ、っ、ああ、あああ」
つかささんが質問してきましたが、答えられません。私が答えないでいるのを不満に思ったのか、
片方の手でお尻を触りながら、もう片方の手で私のパジャマ、そしてブラをとり、胸を直接
触ってきました。
「っふぁあああああああ!」
……木曜日、電車の中。結局昨日は互いに五、六回ずつイカせ合い、そのまま寝てしまった
ようです。付き合い始めのころは腰が抜けて一日中立てないということもありましたが、今では
そういうことはありません。ですがやはりちょっとの間は立てなくなってしまうわけで、今日は
昨日よりもさらに遅くなってしまいました。当然昨日よりも電車の中は混んでいて、気を抜くと
つぶされてしまいそうです。たぶんこの中に長くいたら、そのうち内臓が破裂してしまうかも
しれません。そんな中、私とつかささんはちょうど向かい合うような位置関係にいます。こんなに
混んでいると、痴漢にあわないか心配なのですが……。
ふと、つかささんを見てみると、つかささんが震えています。……まさか!
「つかささん、どうしましたか!?」
「ゆ、ゆきちゃん……。あのね……」
つかささんはそういうと後ろを振り向くようなしぐさをします。私はあわててつかささんの
後ろのほうを、周りの人を押しのけながら見てみます。……やっぱり! 誰かの手がつかささんの
お尻を触っているではありませんか。
頭に血が上ります。素早くその手が誰のものであるのかを確認すると、そのサラリーマン風の
痴漢のスーツの襟の辺りをつかみます。
「何してるんですか、あなた?」
にっこりと笑いながら言います。もちろん壮絶なオーラが私の周りから発せられていたと思います。
――私が怒った時に発するオーラには定評がありまして、丁度私が眼鏡をかけ始めたころでしょうか、
父の仕事の関係で私の家に暴力団の幹部がやってきたことがあったんです。その時に、何が
あったのかは覚えてないですが、私がものすごく怒ったことがあったそうです。その時に私が出した
オーラはその暴力団幹部をも黙らせたと聞いています。少なくとも今の私に、つかささんに
手を出されること以上にはらわたが煮えくりかえることはないですし、昔の私と比べてもそれ以上に
腹の立つことはないと思いますから、今の私から出ているオーラはさぞ壮絶でしょう。
案の定、その痴漢は私にスーツを掴まれたまま、蒼白になって、黙りこくっています。
ついでに言うと、その痴漢だけでなく、私とつかささん、そして痴漢が乗っている車両にいる
すべての人が固まっていたと思います。聞こえる音は、電車の車輪とレールの隙間によって
発せられる音と、ちょうど私たちが降りる駅が近づいていることを伝えるアナウンスだけです。
ぷしゅー。アナウンスが告げていたとおり、すぐに電車は駅に着きました。
「さあ、行きましょうか」
私は痴漢に対して言います。続いて、つかささんに優しく声をかけようとした時です。
「いたっ!」
「わっ! 待ちなさい!」
痴漢はつかささんを突き飛ばして、スーツを脱ぎすててそのまま走り去ったのです! あわてて
叫びましたがもちろん止まるはずもありません。周りの人が呆然と見守る中、痴漢はワイシャツの
まま、走り去ってしまいました。この人ごみの中では追跡は不可能でしょうし、つかささんが私の上
に乗っかっていますので立ち上がることもできません。何より、今はつかささんのケアのほうが
大事です。
「つかささん、大丈夫ですか?」
「う、うん……。あっ!」
「ど、どうしました?」
見てみると、つかささんの左手首が赤くはれ上がっています。さっき突き飛ばされた時に
ひねったのだと思います。
とりあえずなんとか立ち上がって、電車から降ります。あとからぞろぞろと私の車両から
降りる人々に巻き込まれないように人が少ないところに行きます。
「大丈夫ですか?」
「う、うん、なんとか……」
「とりあえず、学校についたら、保健室に行きましょう」
「うん……。ゆきちゃん……」
「はい」
「手首も痛いんだけどね、その、痴漢されたということが……ショックで……」
つかささんを見てみると、涙目でした。私は思わずつかささんを抱きしめました。
「落ち着いてください。大丈夫ですよ……」
「うん、ありがと……」
つかささんは昨日私が受けたダメージ以上に傷ついている。そのことを認識しました。それと
同時に、つかささんをここまで傷つけた痴漢に殺意が芽生えました。……アイツを殺す。私は
つかささんを抱きしめながら、そう誓いました。
スーツの胸ポケットに写真付き名刺があったので、それを握りつぶしてポケットの中に入れて
おきました。スーツは駅員さんに渡し、その時の状況を駅員さんに話しました。どうやら私が
回収した名刺だけがアイツを特定できるものだったみたいで、そんな名刺があることを知らない
駅員さんによると、今の状況だとどうにもできないといわれました。……まあいいです。むしろ
好都合です。つかささんの手を握りながら、そう思いました。
学校につくと、すぐに保健室に向かいました。保険の先生によると、軽いねんざであるとのこと。
ホッとしました。それから、教室に向かいます。教室には、もうすでに泉さんとかがみさんが
いました。
「おはよー、つかさ、みゆきさん……って、どしたの? その手」
「おはよう。実は……」
「何かあったか?」
「実は、今日はつかささんが痴漢に遭いまして……。痴漢に突き飛ばされまして……」
「ええっ!?」
「すいません、私が付いていながら」
「いやいや、みゆきさんのせいじゃないから」
「そうよ。それはそうと、つかさ、大丈夫?」
「え、うん。ええとね、痴漢された時はかなりショックだったんだけど、そのあとゆきちゃんが
ぎゅってしてくれたの。それでね、その後もね、ずっと手を握っててくれたんだ。それで、
だいぶ気が楽になったんだ。ありがとう、ゆきちゃん」
「い、いえいえ」
その後も泉さんとかがみさんはつかささんと私に対して気を使ってくださいました。
冷やかされもしましたが……。私は良い友達に恵まれたものです。と再び思いました。
一生一緒にいたい、という気持ちを再確認しました。
かがみさんにつかささんのことを頼んで、今日は一人で帰宅です。帰りの電車はそれなりに
すいていて、座ることはできないにしろ、痴漢ができるような混雑具合ではありません。ですが、
やはりちょっと恐怖めいたものはあります。昨日の帰りはつかささんと楽しく話しながら帰ったので
感じませんでしたが、今日は一人なので余計に。……つかささんは大丈夫でしょうか?
つかささんは私以上に傷を負っていますし、痴漢に遭ったのは今朝のことです。……心配に
なってきました。蒸し返してしまうかもしれませんが、今夜聞いてみましょう。
帰宅。母にたた今戻ったことを知らせると、私の部屋に鞄をおき、お弁当箱を洗いに行きます。
それがすむと、父の部屋に向かいます。
父の部屋に入るのは何年ぶりでしょうか。一枚で何千万の価値がある情報とかがあるから父から
入ってはいけないといわれている場所です。かぎは当然かかっていますが、万が一の時の
マスターキーをもらっていますので、それを使います。
ぎぎ。ドアを開け、部屋に入ります。窓のないこの部屋は、昼間でも真っ暗です。ですから電気を
つけます。……やがて、無機質な蛍光灯が点灯します。部屋には左に本棚にぎっしりと並んだ書物、
それから正面に大きなデスクと、それに付属する本棚にびっしり詰まっているファイル。デスクには
いろいろと引出が付いています。そのほかには何もありません。床には何も落ちておらず、壁は真白。
天井にはスプリンクラーが一つあるだけで他には模様すらありません。生活感というものは皆無です。
私はデスクに向かい、ファイルをあさります。
目的のものはすぐに見つかりました。「暗殺者の雇い方」です。昔父と例の暴力団幹部がこの
ファイルの存在について話していたのを覚えています。聞いただけだったので少々存在が怪しかったのですがやはりありました。私はそれをもって父の部屋から出ました。
ファイルを熟読します。そのあと、母に少し出かけるということを言い、家を出ます、それから
バス、電車と乗り継いで、適当な場所で降ります。そして駅から出て最初に目にとまった
ネットカフェに入りました。身分証明を適当にごまかし、パソコンを起動します。そしてファイルに
書いてあるとおりに、適当なフリーメールから適当に偽造してアイツの暗殺依頼を出します。
ついでに、あの名刺の顔写真の部分をスキャンして添付しました。そして、ネットバンクで前金を
振り込みます。ちなみに、お金は父の口座から調達しました。毎日億単位の金が出たり入ったりして
いますから、きっと数百万ぐらいならばれないでしょう。……お父さん、ごめんなさい。
それにしても、つかささんたちにばれたら、きっともう一緒にはいられないでしょう。ですから、
ばれないかどうかだけが心配です。
金曜日、今日は早めに登校しました。早めに登校したおかげで座って登校できました。今日は
あまり痴漢に対する恐怖心みたいなものを感じませんでした。ちなみに、昨日の夜つかささんに
聞いてみたところ、やはり電車に乗ると恐怖心を感じるということですので、心配です。
しばらくして、つかささんにかがみさん、泉さんがやってきました。
「おはようございます」
「おーす」
「おはよう」
「おはよー」
「あの、皆さん今日は大丈夫でしたか?」
「あ、うん、みんな大丈夫だよ」
「そうですか、よかったです……」
「ゆきちゃんは大丈夫だった?」
「あ、はい、大丈夫です」
「でも、なんかやっぱり怖かったよ……。そこらじゅうにいる人が痴漢じゃないかという気が
してきて」
やっぱり。心配していたとおりです。
「それでね、ゆきちゃん、今日って予定ある?」
「え、いえ、ありませんが」
「じゃあ、今日、泊まりに来ない……? なんだか一緒に居たくて……」
「え、ええ、ぜひ」
願ってもない申し出です。つかささんのためならなんだってしたいと思っていますし、この前の
ときはつかささんと一日中いたことでだいぶ気が楽になりましたから、今回私がつかささんの家に
泊まることによってつかささんを安心させることができるならば本望です。そのうえ、私自身は
いつもつかささんと一緒にいたいと考えているのですから。
放課後、お泊りの荷物を取ってくるため、つかささんをかがみさんに任せて、いったん家に帰る
ことになりました。そして少々の恐怖を感じながらの電車内で、私は用事を思い出して、家からの
最寄駅のひとつ前で降りました。
駅の近くのネットカフェに、身分証明を適当にごまかして入ります。この前のフリーメールに
アクセスすると、報告書が出ていました。見てみます。
アイツは急性アルコール中毒で昨日死んだそうです。シアナミドでも使ったのでしょうか。
報告書によると司法解剖は行われていないようです。安心しました。ほかに気になる個所は
ないようです。再び父の口座からお金を調達して報酬として支払いました。
「おじゃまします」
「ゆきちゃんいらっしゃい」
「おーみゆきちゃん、いらっしゃい」
「こんにちは、まつりおねえさん」
ネットカフェから出たあと、すぐ家に帰り、お泊り道具を用意して、つかささんの家に行きました。
つかささんの家族は私のことを家族であるかのように扱ってくれます。かがみさんは微妙に
違いますが……。
「もう大丈夫みたいですね」
「え、何が?」
「痴漢のことですよ。今じゃもう、すっかり元気みたいですね」
「うん。ゆきちゃんと過ごしてたらなんだか元気になったみたい。ありがとう、ゆきちゃん」
「い、いえ……」
「ありがとう」と笑うつかささんは反則です。それだけで壊れかけの理性のストッパーが
復元不可能なまでに粉々になってしまいます。しかもここはベットの上で、みきお母さんに二人で
「お休み」を言った後なのです。自慢できることではありませんが、三秒以内には理性は跡形もなく
消え去っているだろう自信があります。
「でも、まだちょっと不安かも……」
「では、その不安を取り除いてあげますよ」
私はそういうとつかささんが反論する前に唇を押しつけ、舌をつかささんの口内に差し込みます。
そのままベットに押し倒します。そのままつかささんをベットに張り付けたまま、パジャマの
前ボタンをはずします。外しながら、つかささんのかわいい胸を刺激します。
「むうう、ん、ううう」
私が口をふさいでいるのにもかかわらず、つかささんは声にならない声を出し、それを聞いて私は
嬉しくなります。私は、片手でパジャマを外しながら、もう片方の手を下のパジャマに入れ、お尻を
触ります。
「んー! むうう」
私はキスをいったん止め、つかささんのかわいい乳首を口に含みます。もちろん両手の動きは
止めません。
「はああ! うあああぁ! あああー!」
ぐったり。どうやらイッてしまったようです。
「つかささん、大好きですよ……」
「わ、私も……私も、大好きぃ……ゆきちゃぁん」
つかささんが、イッたばかりの、舌が回らない状態で、そう言われました。……つかささんに
触られるならどこでも性感帯になってしまいますし、この状態で「好き」なんて言われたら、
それだけでもうイキそうになってしまいます。
「はああぁ! あああああああ!」
つ、つかささん! つかささんの手が私の股間をまさぐってきました。今の状態でつかささんに
股間をまさぐられたら、すぐイッちゃいます!
「ああああ! っああああああ!」
……朝。結局あのあと、互いに五、六回イカせ合ったみたいですが、あまり覚えていません。
そういえば今日は土曜日ですね。今日は一日中つかささんと一緒に居れます。
つかささんは私の腕の中ですやすや、幸せそうに眠っています。私は腕に力を入れてつかささんを
抱きしめます。あたたかくて柔らかい。……幸せです。
私は、つかささんと一生一緒にいたい。一緒に遊んだり、ご飯を食べたり、エッチしたり、
という関係で一生いたい。そのためにはなんでもやります。そう再び誓いました。
以上
書き忘れてましたが、みゆき視点です。
1/8は改行ミスです。
みゆきの父親ってどんな人だろう、何やってるんだろう、という疑問からこのssは生まれたわけなのですが、誰かみゆきの父親について知っていることがあればどしどし教えてほしいです。
いま読んだ
GJ!
原作にも入学案内書にもアニメにもみゆき父に関する情報って出てないですよね…
>>401 (はっ! ゆきちゃんはあの眼鏡に操られてるんだ)
「ゆきちゃん!助けてあげる!」
つかさがみゆきの眼鏡を強引に取ると、数秒間の沈黙の後、みゆきは目を見開いたまま倒れた。
「あ……、ああ……!」
恐怖と混乱と罪悪感から、つかさは、しばらくまともに声が出せなくなってしまう。
「ごめん……、ゆきちゃん。 外し方が、間違ってたかな……」
そういう問題ではないのでは。
「私なんて、この眼鏡に操られちゃえばいいんだー!」
つかさ、みゆきから奪った眼鏡をかける。
くらっ。
「ゆきちゃんの眼鏡……、度、きついよ……」 ぱたり。
>>424 みゆき、恐ろしい娘…!
でも本当に、みゆき父の情報ってないよなぁ
みゆきこえええええええええええええええええええ
GJ!
>>426 「こんなに甘いのに……かがみはおいしいという……」
今現在、情報が出揃っていないのは
・みゆきの父 ・みさおの兄、父母、父方の祖父母
・あやのの姉、父母 ・こうの兄弟、父母
・ゆたか(ゆい)の父母 ・みなみの父母
・ひよりの兄x2、父母 ・パティの妹、父母、父方の祖母
・ななこの父母 ・ひかるの父母 ・ふゆきの父母
・成実きよたか ・あきらの妹、父母
・おおはら ・なかたに ・おとなし
このくらいかな?
あと、チェリーはシベリアンハスキーってことになってるけど
どう見ても忠吉さんと同じグレートピレニーズです、本当に(ry
好きとか嫌いとかはいい。 チョココロネを食べるんだ
>>425 >原作にも入学案内書にもアニメにもみゆき父に関する情報って出てないですよね…
オレはてっきり、母子家庭なのかと思ったぜ。未亡人のゆかりさんねえ。ちょっとソソられるよな。
>>430 都内に戸建を構えられ、ゆかりさんが専業主婦をやっていられるとなると
みゆき父は莫大な遺産があったか、もしくは相当な額の保険金が……
虫も殺さぬような普段の未亡人ゆかりさんは仮の姿で
本当は暗躍を得意とする、やり手のヒットマンだった!
なんてね
4人で必殺仕事人か……
みゆき父は仕事を生きがいとする男、そしてきっと歯医者あたり。
家庭には目もくれず、父の顔をあまり見たことのないみゆきは
歯医者という仕事自体が嫌いだった
みゆきが歯医者苦手な理由は、ドリルとか匂いではなく
父を奪っていった憎たらしい仕事だからなんだ(違
俺結構前からみゆき父は死んでんだと思ってた。
で母親のいないこなたと父親のいないみゆきが意気投合みたいな。
そうじろう×ゆかりフラグが
>>424にインスパイヤを受けて、即興で書きました。
非エロ、一応シリアス? 鬱っぽいかも。
最初に謝っておきます。すいませんorz
-----------------------------------
「お帰りなさいませ、ご主人様☆」
今日もいつものように、コスプレ喫茶で仕事仕事。
そろそろ冬のコミケの軍資金を稼がにゃ〜。いろいろ買わにゃ〜。
……でも、いくらコスプレ喫茶のバイト代がいいといっても、あのお祭りじゃ焼け石に水なんだよね。
あー、そろそろ例の仕事入らないかな……
「ご注文お伺いします〜」
案内したお客は、こういう店には似つかわしくない初老のおじさん。
こーゆー人がこんな店に来るのは、ちょっとというか、かなり珍しい。
……もしかしたら、これは期待できるかな?
おじさんが、手渡した紙ナプキンを利き手と反対の方向にずらした。
そして、その跡地にお冷やのコップを置いて、呟くように言った。
「バルサミコ酢のペペロンチーノ、大盛りで頼む」
……き、来たぁっ!!
× × × × ×
「ふ〜っ、今日もちかれたびー」
鞄を投げ出して、普段着に着替えて、ベッドにごろん。
今日は天気がよかったから、お母さんがお布団を干してくれたみたい。お日様の匂いがしてほんわか幸せ。
♪なんじゃこりゃ〜 なんじゃこりゃ〜 なんじゃこりゃ〜♪
その時、机に置いたケータイが鳴った。……誰だろ?
ケータイを手にとって、パカッと開いて……あれ、開かないよ?
……ヒンジが逆だったみたい。どんだけー。
着信したメールは、知らない人からだった。
件名はナシ、本分にはたった一言だけ。
『バルサミコ酢至急送れ 頼む』
……うわぁ、久しぶりに来ちゃったよ!どうしよ、どうしよう!?
× × × × ×
ラノベ片手にポッキーを咥える、それが私の至福の時間。
新進気鋭のあの作家が書いた、漫画からのスピンオフ作品。
荒削りだけど、読者をグイグイ引きこむこの筆致は悪くないわね。こんどこなたにも勧めてみよっかな。
お話も佳境に入り、私の脳内映画館もクライマックスの盛り上がりに入ろうというその時、ケータイが鳴った。
……ったく、せっかくいいところなのに、誰よいったい。
「はい、もしもし?」
電話の向こうの声は、聞いたことのない初老のおじさんの声だった。
『……すまない、番号違いだ。ひとつよろしく』
言葉の後に、プッシュホンのボタンを押す短い音が三つ。
……何も、こんな時にこなくてもいいのに、まったく。
× × × × ×
……糖武動物公園駅前のロータリーに停めた、白いミニバンの中。時間は午前零時。
シートを回転させて、向かい合わせになって座った、私たち三人。
「…………」
運転手が無言のまま差し出したワンセグケータイの画面には、後姿の男性の影。
今まで何度となく見てきた光景だけど、未だに一度もその顔を見たことはない。
……ま、いいんだけどね。
男性の手がわずかに動いたかと思うと、画面は何かの写真のアップに切り替わった。
見栄えの良くない、三十歳ぐらいのサラリーマン。
何をしでかしたのか知らないけれど……悪く思わないでよね。
「やれやれ、ぱっとしない相手ね」
「おぉ。楽勝っぽいね〜♪」
こなたはちょっとハイテンション。まったく、現金なもんね。
「ふぁ〜〜……眠いよぅ」
つかさはさっきから生あくび。大丈夫なのかしら、この子。
間を置かず、私たちのケータイが鳴る。
届いたメールには、一見なんだかわからない文字列。……普通の人たちにはね。
「ふ〜ん……」
内容を頭に入れて、私たちはメールを削除した。
× × × × ×
「さて、行きますか」
こなたの衣装は、いつものセーラー服。
「ちょっとあんた、その服で行くつもり?」
「こういう格好のほうが普通だし、バレないもんだよ」
「いや、午前零時に女子高生がうろついてたら余計目立つだろ」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ♪」
指先のないグローブをはめながら、こなた。
指の付け根の部分には金属製のプレートがつけられ、手首から伸びたカールコードがセーラー服の袖に潜りこんでる。
「やれやれ……」
「そういうかがみだって、普段着じゃん」
「つかさ、どうする?眠そうだけど」
「ん〜、大丈夫だよぅ、ちゃんとお仕事はするから」
「ほんとに大丈夫なのかしら……」
つかさはというと……黒一色のファッション。
手にはバルサミコ酢の瓶。一本で十万円はくだらない高級品を、逆手に持ってる。
その瓶を除けば、この"仕事"としては正統派なんだろうけど……リボンがかえって目立つから、外して行きなさいよね。
スライドドアを開けて、夜の街に降り立つ。
ひんやりとした風が頬を撫で、私は気を引き締める。
「んじゃ、行こっか」
こなたの表情からいつものユルさが消え、いっぱしの仕事師の顔になる。
「そだね、こなちゃん」
さっきまでの眠そうな顔がウソのような、つかさ。
「じゃ、また後で」
そういい残して、私は商店街の石畳を歩き始める。
さっきのメールによれば、問題の彼はまだ残業中。
……さて、どうしようかしらね。会社に乗り込むか、帰宅を狙うか。
さっきのラノベの展開を思い出して、私は帰宅を待つことにした。
……あんたが何をしでかしたのかは知らないし、知る気もないけど。
ま、私たちに狙われたのが運の尽きだと思って、あきらめてよね。
いずれ、地獄で会いましょ。可哀想なターゲットさん。
― Fin. ―
-----------------------------------
以上です。
時間的には、
>>421と
>>422の間でしょうか。
最後にもう一度。
>>424さん、勝手にアホな三次創作書いてすみませんorz
キャ……キャッ○ツカードだと!?
何か原作とアニメとここの作品との相乗効果がすげえw
職人さん達、GJGJ
(ピッ)こちら、瀬戸内地区。先ほど、アニメらきすた24話の放送が終了した。
これにより、全エリアでアニメ放送が終了したことになるはずだ。
以上、報告を終了する。どうぞ(ピッ)
今見たら、また名乗るの忘れてたがな俺orz
ちょっくら誤字もあるし、まとめwikiに載ったら直そう……
(管理人様、いつも更新ご苦労様ですorz)
>>444 おおお、キャッツカードktkr!
>>441は仕事人のつもりで書いたんだけど、これはカコイイw
>>445了解。報告ご苦労だった。
この素晴らしい妄想の場を与えてくれた、京アニとらき☆すたへ、感謝の意を込めて。
一同、敬礼!
……さあ、これからが妄想の始まりだZE!w
同じく瀬戸内。スレでEDがどうのこうのというのを聞いていて、
確かにあの終わり方はどうかと思った。
でもゆたかとみなみの新婚が見れたのでほとんど問題ありません^^
チェリーがゆたかに頭突っ込んだって話が出てたけど、3巻見直したらゆたかもチェリーの際どい部分を触ってた
おかえしのつもりだったのかもしれん
「むかつく。ここでもこなちゃんはわたしのものなのに」
>>448うはwwwwこれはなんという獣姦フラグwwwww
DVDでここにある彼方見て、そうじろうの変わりに、かなたが生きているSS思い出した。
是非また見たいのだがあれはもう続きは無いのかね?
>>447 おかしいな
俺が見たENDは、今までの話は全て柊姉妹に監禁されたこなたの現実逃避だったのです、というオチだったぞ
え、俺が見た最終回は青いユニフォームのみさおからこなたが千葉マリンでサヨナラの一打を放って胴上げ。
スタンドで号泣するななこセンセ達に向かって『次は日本シリーズだね!』と宣言して終わってたぞ?
おいおめぇら、何を言ってるんだ?
チア本番の直後、こなたが倒れ、母親と同じ病気で会ったことが発覚。
こなたは最初で最後の逢瀬を重ねた後、
かがみの腕の中で眠るように息を引き取る、っていうのが俺が知る最終話だぞ?
SSのネタが豊富ですね
>>447 こういうことですね
きれいな部屋に二人っきり…
これから私たちはここで幸せな生活を送るんだなぁ…
「はぁぁ〜…ついに結婚したんだね…」
「…」
「みなみちゃん…照れないでよ…私まで…」
「ごめん…ゆたか…」
「いや、謝らなくて大丈夫だよ。みなみちゃん」
「うん…」
「思えば初めて出会ったのはあの頃か…時間がたつのは早いね…」
「…うん」
「ここまで応援してくれたこなたお姉ちゃん達に感謝しないとね」
「…」
私たち…やっと二人っきりになれたね…みなみちゃん…
「いよいよチア本番だね!みゆきさん!」
「なんだか、ちょっと緊張しますね……」
「私はそうでもないな〜、なんでだろ?」
「それにしても、暑いっすね〜」
「モー!セミの声がうるさくて集中できまセーン!」
(……おかしいわね、つかさが動じてないなんて……
そういえば……もう何度も何度も『本番』を迎えているような気が……?)
「俺の夢?そうだなー……
学園祭がいつまでも続いたらいいなぁ、ってことかな?女子高生のチアコスが堂々と見れるし♪」
>>451 こういう事ですね
なんでこんな事になったんだろう…
―こなた
かがみ…?
―こなちゃん
つかさ…?
―泉さん
みゆきさん…?
私はハッと目を覚ました
ああ…そうか…夢…だったんだ…
「おはよう、こなちゃん。幸せな顔でよく眠ってたね」
「…」
「いい夢見てたんだろうね。」
「…」
「でもこなちゃんらしいね。今起きたって事はこれから朝までずっと起きてゲームするんでしょ?」
「…」
私は今何時なのかは全然知らなかった
「でもこんなんじゃゲームなんて出来ないね」
「つかさー、そろそろ交代よ」
「はーい」
「じゃあね、こなちゃん」
つかさと入れ替わりにかがみがやってきた
「あ、お姉ちゃん。こなちゃん今起きたから話相手にでもなってあげてね」
「わかったわ」
「どう?こなた?夢は楽しかったかしら?幸せそうに眠ってたんだって?」」
「…」
「こんな状態ならきっといい夢でも見てたんでしょうね」
「…」
二人はいつまで私をこんな状態にするんだろう…
なんで…
>>454 ゆたかの病気をこなたが「吸収」した、ってことで、一時期多用されたみなみの
「ぺたぺた」あたりがそれの伏線になってたってことだったのか
>>457 そうじろう何やってんだw
>>456,458 GJ!
しかし、書くの早いな。尊敬する
>>457 そうじろう(21)という事になりますがよろしいか
<<ばるさみこす(∵)>>
こんな意味の無いメールをつかさは出してきたことがなかった。
……最後の記号はなんだろう? 顔文字のようだけど……。
……(∵)。
どうみても無表情……素の顔よね……
<<訳分からないわよ(^^;)>>
すぐ返事が戻ってくる。
<<ごめんね、ちょっと送りたかっただけ(∵)>>
なんかどーでもよさそう……
<<横でこなたが「クッキーおかわりまだぁ?」って待ってるわよ(苦笑)>>
そう送ってみる。
<<うふふ(∵)>>
笑ってない、笑ってない。
>>452 こういう事?
注:私は野球の事なんてあまり知りません。変な文になってる場合があります。
「9回裏、4対7、ツーアウト、ツーストライク、スリーボール、そして満塁!
後がなくなった千葉ロッテ…しかし最大のサヨナラチャンスでもありますッ!
打者は泉…その相手は日下部。日下部、ここを抑えられるか…。」
ここで満塁ホームランを…打たなきゃ…
ななこ先生…見ててください…
「プレイボール!」
どんな球が来るか…
日下部の得意な変化球は…カーブと…フォーク…
それとも全く違う奴か…
日下部を凝視する…
うなずいた…?
さて、なにがくる…?
「両者ともずっと睨み合ってます…」
「日下部、構えを見せたッ!
そして投げたッ!」
…っ!これはっ!
なぜか私は無意識のうちに手が出た
「泉、ストレート打ったぁぁーーッ!大きく飛んでますッ!
右中間を超えたッ!入ったッ!ボールはライトスタンド入ったッ!ホーームラン!満塁ホームラン出ました!
ここでゲームセットォ!日下部、膝をつきました!」
え…入ったの…?
私はまだ入ったとは信じ切れなかったけど…千葉ロッテ側の観客がすごく盛り上がってるって事は入ったんだよね…?
とりあえずホームインしよう
「泉、よくやった!」
ホームインしたらチームメイトたちが迎えてくれた
「うん…あれは、偶然だよ」
「いや、お前の力だって!」
「そう…かな」
その後も監督胴上げなどをした…みんな…見ててくれたかな…?
…
そして私は今インタビューを受けていた
「泉選手!」
「はい」
「最後の一打、すごかったですね!」
「えー、いやぁ…そうでしたか?」
「この気持ち誰に伝えたいですか?」
「えーっと…監督たちは勿論ですが、高校時代に私の世話をしてくれた恩師に伝えたいですね」
「では、その恩師の方に一言を」
「ありがとうございました、…それに…」
「…?」
「ななこ先生!次は日本シリーズですね!」
…なぜか今更とても恥ずかしくなってきた…
ななこ先生…見ててくれたかな…
先生の事だからきっと号泣してそうだよね
そう思っていたら私までなぜか涙が出てきた…
最後に一言だけ呟いた
「みんな…ありがと…」
>>457 「かがみ……私夢を見たんだ。
かがみがいて、つかさがいて、みゆきさんやゆたかや、みなみちゃん達がいて……」
「こなた……それは夢よ」
>>465の別パターン(スマ
立ち位置的にはこっちじゃないかなと。
--------------------------------
「こなた……私、夢を見てたみたい。
こなたがいて、つかさがいて、みゆきやみんながいて……」
「それは夢だよ、かがみ……それは夢」
「こなた……」
(二人の唇が近づく……)
「うぉっほん!不純異性交遊はあかんでー」
「く、黒井先生っ!?」
「かがみ、続き〜」
「……ばっ、バカっ! 何考えてんのよあんた! そんなことできるわけないでしょっ!!」
「あー、せっかくデレてたのに、ツンに戻っちゃったよ〜(=△=.)」
「泉ー、あとで指導室来い」
つ【
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1109290】
(※一応自作、ニコニコでスマorz)
467 :
16-187:2007/09/30(日) 17:24:07 ID:Xkdu/b5F
SS投下します。注意書きが沢山あります。
※【オリジナルで複雑なSF設定が存在します。しかもその設定が根幹になります】※
・『ハルヒ』のパロディです。知らないと意味が通じない可能性があります。
・こなかがで、非エロです。
・岩崎みなみに対して甚大なキャラ破壊が行われています。
・シリアスで暗い雰囲気があったりします。
・ぶっちゃけ自分でも色々ちょっとアレだと思います。
では、全部で12レスです。
泉こなたは寂しかった。
泉こなたは甘えたかった。
泉こなたは泣きたかった。
でも泉こなたは寂しいといったことがない。いえば父のそうじろうが悲しむと知ってい
たから。
でも泉こなたは甘えたことがない。甘えるべき母親はいなかったから。
でも泉こなたは泣いたことがない。一度でも甘い自己憐憫に溺れてしまえば、自分がど
んどん溶け崩れていってしまうと感じていたから。
たとえば小学校の6年間、泉こなたは父親に授業参観日を知らせたことがない。
知らせればそうじろうは締め切りを放ってでもくるだろう。けれど泉こなたが本当に来
て欲しいのは母親だった。いつも家ではだらけている母親がしっかりと化粧をしていると
ころをみて、『お母さんもまだまだ若いじゃん』などと少し誇りに思ったりして。泉こなた
にとって、授業参観とはそういうイベントでなければならなかった。
初潮がきたのは6年生のときだった。保健体育の時間に習ってはいたし、ネットで調べ
ることもできたから、冷静に一人で対処することができた。
汚れた下着を自分で洗いながら、泉こなたは鼻の奥につんとくるものを感じていた。そ
の感情はなかなか一人で対処することが難しかった。そうじろうもすぐに気づいただろう
が、さすがに躊躇い、声をかけることはできなかった。
結局、泉こなたは一人でそれに慣れていった。
泉こなたは次第にフィクションへとのめりこむようになっていった。逃避といえばそう
なのだろう。ここではないどこか別の場所にいきたい、そういう感情がなかったといえば
嘘になる。けれどその動機はむしろ、色々な世界を作り上げることができる人間の能力に
感動したからであったはずだ。
人のちっぽけな脳みそが、世界を丸ごと作り出す。そしてその世界を人と共有していく
うち、次第に強固な形となっていく。現実の少し裏側にあるその世界は、けれども人と人
の意志の中にのみ存在する世界。泉こなたは、そうした人間意志の妙に耽溺していった。
けれども、そのことを表に出したことはなかった。
ただでさえ片親であるという特徴を持った自分が、少しでもオタク的なところをみせれ
ば、即座にいじめに会うだろう。
泉こなたは、小学校でも中学校でも、自分の正体を隠しおおせてきた。みんながみるテ
レビをみて、みんなと同じ会話をし、みんなと同じように笑う。泉こなたにとってそれは
たやすいことだった。
台本はいつも同じ、たまにアドリブもいれたほうがリアリティも増す。アドリブにも許
せるものと許せないものがある。演技はわざとらしいくらいで丁度いい。
泉こなたは空気のようにそれをこなしていき、たまに自分でも、それが本当の自分なの
ではないかと勘違いすることもできた。
けれど泉こなたはずっと寂しかった。
自分の抱えたでっかい世界をまるごと誰かと共有したかった。
心から笑えるような、全てをさらけ出せるような、本気で喧嘩できるような。
そんな友達が、ずっと欲しかったのだ。
【泉こなたの寂寞】
※ ※ ※
――そうして――私たちがここにいる。
みなみちゃんはそういった。
何をいっているのかわからない。いや、わかるのだけど、どこから突っ込んでいいのか
わからない。
こなた相手だったらとりあえずなんでもいいから突っ込むのだけど、さすがにみなみち
ゃん相手にそれは気が引ける。というか、私が突っ込むとこなたが嬉しそうな顔をして悶
えるのが面白くて突っ込んでるだけで、別に突っ込みキャラってわけじゃないぞ、私。
とりあえずどう返事すればいいのだろう。
みなみちゃんって、無口かと思ったら意外と喋るのね、とか。
私一人だけを家に呼ぶなんて、凄い珍しいよね、とか。
いくらちんちくりんだからって、先輩をこなたこなたって呼び捨てにするのもどうかと
思うよ、とか。
「……えっと。みなみちゃんって随分こなたのこと詳しいのね。そんなに凄い仲良いよう
にはみえなかったけど」
悩んだあげくこんな返事。ぶっちゃけ会話が繋がってない。といっても、時速100マイ
ルの消えるボーリング玉をオーバースローで放られて、ちゃんとキャッチボールしろとい
うのも無理がある。
「……ちがう。直接聞いたのではない。……泉こなたの存在によっ現実化された-52次元
の微少宇宙の影が三次元に投影されて実体化した素粒子がヒッグス場で対消滅する際の輻
射を三十二次元のストリングスから再構成した」
「全っ然わかんねぇよ!」
「……わかる必要はない。……でも聞いて」
みなみちゃんは、眉一つ動かさずに淡々と話を続ける。
「聞いてるじゃない。わかんないってのはさ、いってる意味がわかんないってことだけじ
ゃなくって、なんで私にそんな話するのかがわかんないわけよ」
っていうか、この状況からしてわけがわからないのだ。
土曜に急にみなみちゃんから電話が掛かってきたと思ったら、今から家に来て欲しいな
んて。てっきりみゆきがいるのかと思って来てみたら、高良家は親子で買い物だそうで。
相変わらずみゆきん家は友達みたいに仲いいなあ、と思ってるうちにみなみちゃん家の
リビングに通されて、紅茶を何杯もふるまわれた。どうやらこちらのお母さんも留守らし
い。紅茶は凄く美味しくて、やっぱりお金持ちの家はお茶からして違うんだなぁ、と思っ
たりした。
そしてみなみちゃんは突然冒頭の独白を始めたのだった。
みなみちゃんが語ったこなたの子供のころの話は(今でも子供みたいだけど)、なんだか
真に迫っていて、あのいつも明るく飄々としたこなたが、こんな風に育ってきたなんて、
とちょっとうるうるきちゃったのは秘密。
――意味はおいおいわかる――どうしても今あなたに聞いて欲しいから。
みなみちゃんはそう前置きしてから、私に問いかけた。
「……細部まで完璧にシミュレートされたシミュレーションは、現実と区別がつくと思
う?」
いきなりなにをいうんだろうこの人。
「えっと……細部まで完璧って、もうあらゆる物理法則も完璧に同じなんだよね?」
「……そう」
「なら…区別つかないんじゃないかな。あ、でも、外から眺めてる人はそのシミュレーシ
ョンが現実じゃないって知ってるわね」
「……そう。……理解が早い」
どういう話をしたいのかはわからないけど、さっきまでの話に比べたら、まだ理解はで
きる話だよね。
「……逆にいう。そのシミュレーション系の内部にいる存在にとって、その世界が現実か
シミュラークルかの区別はつかない。無矛盾な公理的集合論は自己そのものの無矛盾性を
証明できない――ゲーデル問題。……実は、この宇宙もそういった系の一つ」
甘かった。もうついていけない。
「えーっと……これは哲学の話?」
「……ちがう。科学」
なんか楽しくなってきたぞ!
「……百億年前、あるいは百億年後、誰かがどこかの宇宙でそういった系をくみ上げた。
……セル・オートマトン。あらゆる純粋数学を導き出すエデンの園配置にくみ上げられた
量子コンピュータは、N次元で動作し、自己そのものをセルフリファレンスして組み替え
うる機能をもっていた。
……無限に拡大していくセル・オートマトンはやがてシミュラークル内部に意志を生み
出し、閉鎖宇宙系となっていった。……どうしてセル・オートマトンが意志を生み出した
か、わかる?」
「それは、なん…」
「それは、閉鎖系の内部において“自己そのものの無矛盾性を証明できないような存在”
が存在しなければ、無矛盾な公理的集合論とならないから」
自分から聞いておいて被んな! ってか、返事いらないなら聞くな! もういい、絶対
喋らん。
「……この宇宙は内在して宇宙を認識する意志が存在しなければ、ただのシミュレーショ
ンとなり、崩壊する。……だから、宇宙は宇宙を認識する意志をシミュレートしている」
ふーん、そうなんだー。
気にしないで鞄にはいっていた『灼眼のシャナ』の新刊を読む私。もうそろそろこれも
マンネリかなー。
「そして閉鎖宇宙系はシミュラークルであるがゆえにあらゆる可能性をシミュレートして
いく。そのシミュレーションは系内部において完璧な整合性を保つがゆえに、現実と区別
がつかない。
……そこではあらゆる可能性は全く等価。セル・オートマトンがシミュレートされてい
る宇宙すらシミュレートされうる。……つまり、宇宙は無限に重ね合わされ、無限に入れ
子となった多元宇宙となる」
なんだ、今回シャナたちでてこないのか。メインから離れて番外編とかやり始めたら末
期だよねー。
「……このところ、そのセル・オートマトン複合体に不連続な断絶が発生している。……
それを引き起こしているのは泉こなた」
思わず顔を上げる。羊肉だか車のギアチェンジ方式だかしらないが、あのこなたがなん
でそんなものに関わってるっていうんだろう。
――2007年4月――それは、泉こなたが春日部共栄に入学した日。大きな期待と若干の
不安で小さな胸をふくらませた泉こなたが校門をくぐったとき、最初の断絶は起きた。
みなみちゃんは無表情に言葉を紡いでいく。それはまるで台本を読み上げるように抑揚
に乏しいしゃべり方で。ってかあいつもみなみちゃんに胸のこといわれたくないだろう。
――その断絶は、2006年4月2日に起きた事件に端を発している。その事件とは『涼宮
ハルヒの憂鬱』の放映。その日の24時、埼玉テレビで放映を開始したアニメーション。
「ちょ、ちょっとちょっと、みなみちゃん! 正直いおう、みなみちゃんが何をいってい
るのか、私にはさっぱりわからない」
「……信じて」
みなみちゃんはみたことがないほど真摯な顔でそういった。
「いや、信じる信じないじゃなくてね? 断絶とかハルヒとか、言葉の意味はわかるんだ
けど、文意がさっぱり理解できないのよ」
――っていうか。
「――んー、っていうかさ、なんかさっきから妙なデジャブを感じるなって思ったら、こ
んなシーンってまさにそのハルヒにでてこなかったっけ。みなみちゃんなんて、まんま長
門みたい」
「……そう。慧眼。わたしはこの銀河を統括する情報統合思念体によって造られた対有機
生命体用ヒューマノイド・インターフェース。…………ではない」
“違うのかよ!”
もう声にだして突っ込み気力もないわ。――っていうかこれはもしかしてボケだったの
か? 心なしかみなみちゃんの顔が赤い気がする。
「……私は長門有希ではない……岩崎みなみ。でも半分長門になっている。これは『涼宮
ハルヒの憂鬱』のパロディ。……泉こなたの多世界選択能力に対抗するには、この宇宙が
一番無理がなかった」
――声が、同じだったから。
みなみちゃんはそういってうなずいた。
私もうなずきを返す。全然何もわかってないけど。
なんだか私ってバカキャラになってないか? こういうのは本来私の役目じゃない。日
下部あたりにやらせておけばいいのに。
「……それはともかく、泉こなたにとって『涼宮ハルヒの憂鬱』は特別だった」
みなみちゃんは淡々と言葉を重ねていく。
「現実改変能力を有する涼宮ハルヒをみて、泉こなたは気づいてしまった。――人は、自
分の好む現実を選び取ることができることを。放送回を重ねるごとに泉こなたは覚醒して
いった。自らが抱える夢の世界。現実の裏側にある空想の世界。そういった世界も全て、
想像できる以上あり得るのだと。
……泉こなたはある宇宙を選び取った。無限に分岐するセル・オートマトンの多元宇宙
から、自らの意志で自分の理想とする世界を選び取った。それが断絶。あらゆる分岐を無
視し隔絶されているはずの多元宇宙に接続すること」
――そうして――私たちがここにいる。
その言葉は二回目だ。
つまり、どういうことだろう。さみしくてひとりぼっちで、自分を隠して暮らしてきた
こなたは、本当の自分をさらけだせる理想の友達を求めてきた。
そのあいつが選んだ理想の世界――それが、今のこの宇宙。
で、合ってるのか?
尋ねてみると、みなみちゃんはこくりとうなずいて、
――大体あってる。
といった。
「……考えてみて。この現実はまるで泉こなたが希求する萌え系アニメのよう。……おし
とやかで博学、亡くした母の代わりに母性を体現するちょっとドジな眼鏡っ娘――高良み
ゆき。……天然ボケで可愛らしく、料理の得意な妹属性キャラ――柊つかさ。……小動物
のように愛らしくて病弱、お姉ちゃんお姉ちゃんと泉こなたを慕い、ほんわかとした笑顔
はみる人をなごませてつい抱きしめたくなってしまう、健気で引っ込み思案で、でも誰よ
りも優しくて一緒にいるだけで周りの人を幸せにする癒し系妹キャラ――小早川ゆたか」
「ちょっとまてーい! なんかゆたかちゃんだけやたら属性多くないか!?」
「あってる。……ゆたかはいい子」
みなみちゃんは憮然とした表情でそう答える。
「ふーん、へー、ほー?」
にやにやと笑いながらみつめると、頬を染めて目を逸らすみなみちゃん。なんだ、みな
みちゃんはクールでかっこいい系かと思ってたけど、可愛いとこあるのね。
仕切り直すように咳払いをして、みなみちゃんはこういった。
「……そしてツインテールでツリ目のツンデレキャラ、柊かがみ――あなたこそ、近隣平
行宇宙八千那由多を貫く特異点。……泉こなたのもっとも愛する人」
今度は私が赤面する番だった。
ちょ、いきなり、あ、愛って! 愛ってなんだっ! 振り向かないことか! 好きとか
大事とかふっとばして愛って!
「……みて」
みなみちゃんはそういうと、凄い早口でなにか呪文のようなものを唱えだした。
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
いまふじこっていわなかった?
けれどそのとき起きた出来事は、そんなつっこみを忘れさせるほどだった。部屋の一面
を占める大きな窓が突然スクリーンになり、そこに様々な映像が映しだされていったのだ。
同じベッドで朝を迎える私とこなた。
なぜか私が男になっていて、結婚式を挙げるところの私とこなた。
マスターとサーヴァントとして聖杯戦争に参加する私とこなた。
ガリレオ衛星統一連合の戦士として、レーザーガンを片手に地球からの独立戦争を戦い
抜く私とこなた。etcetc...
それはただの映像ではなかった。みただけではわかるはずもない、周囲の状況や私たち
の感情などが直接私の心に飛び込んできて、どうしようもなく、それがリアルのできごと
なのだと私にわからせた。
「なによ……これ……」
正直にいって、それをみるまで私は結構のんきしていた。みなみちゃんはなんかわけわ
かんないことをいっているけれど、全部私とは関係ないことなのだと。どう言い繕ってこ
の場を抜けだそうかということばかり考えていた。
でも今みたこの映像は、みなみちゃんがいってきたことが全て真実なのだということを、
私につきつけた。
「……さっきいった。近隣平行宇宙のできごと。……様々な可能性をシミュレートした平
行宇宙には、柊つかさや高良みゆきが存在しない宇宙もある。……私や田村ひよりなどは
さらに存在確率は下がる。白石みのるに至ってはわずか数十。……けれど、あなたはそれ
ら近隣の平行宇宙全てに存在している。この確率はセル・オートマトン複合体全体からみ
ても異常」
「……えっと…つまりどういうことなのよ?」
っていうか白石みのるって誰だっけ。
「……つまり……泉こなたにとってあなたはあらゆる宇宙で一番大事な人だということ。
……自分でも気づかぬうちに多元宇宙の取捨選択能力をみにつけた泉こなたは、無意識の
うちにあなたのいない宇宙の計算を停止させ、あなたの存在する宇宙を再計算させ始めた。
……いつでもあなたといられるように。……宇宙がどう分岐してもあなたがそばにいるよ
うに。
そうして泉こなたは平行宇宙を駆け抜ける。毎日少しでもあなたといられる時間を探し
ては、断絶を繰りかえし、平行宇宙を飛ぶ。……その過負荷はセル・オートマトンに甚大
なラグを原因させた。この停止と再計算の繰りかえしによりクラスター化したビットは、
平行宇宙50兆個に相当する」
細かい部分はよくわからないけれど、話の大筋はなんとなくわかってきた。平行宇宙と
か多元宇宙とか、SFもののラノベでもよくでてくる概念だし。
どうやら、こなたはその平行宇宙をどれだけふっとばしてでも私と一緒にいられる世界
を望んだらしい。あいつになんでそんなことができるのかは、よくわからないけれど。
――こなたが、そんなに私のことを?
嬉しいと思う反面、話が大きすぎてまるで実感が沸かない。
帰りにゲマズ寄ろうと駄々をこねて、私の髪をひっぱるこなた。
いじわるな笑みを浮かべながら、私にオトコができたんじゃないかとからかうこなた。
お泊まり会の朝、ふざけて私の布団に飛び込んでくるこなた。
宿題みせてといって私の家にきたくせに、なにもしないでだらだらとゲームやってるこ
なた。
そんなどうでもいいような日常が、なんでもないスキンシップが、宇宙をねじ曲げてま
であいつが欲したことだったのだろうか。
「で、結局なにが問題なの? そのこなたのせいで平行宇宙だかがクラスター化? した
のが駄目なの? でも、こなたはただ願っただけなんでしょ、自分が幸せになれるように
って。そんなの誰でも思うことじゃない。たまたまあいつがなんだかわかんないチカラを
もってたのが罪なわけ?」
「……いいえ、罪ではない。平行宇宙がどれだけ閉鎖されようと、大した問題ではない。
そして泉こなたは気づいていない。自分がセル・オートマトンにアクセスしていることを。
……だから、自分が幸運な人間だと思っていた。……不幸せだった子供時代を埋め合わせ
るかのように、今大好きな人たちにかこまれて……自分はなんと幸福なのだと」
「――だったら!」
「……それで問題はなかった――今までなら」
――そう、いった。
「……今までなら?」
うなずく。
「今は問題があるっていうこと?」
うなずく。
一拍おいて、みなみちゃんは私に問いかける。
「……文化祭で踊った『もってけ! セーラー服』……覚えている?」
「そりゃね」
忘れるわけないでしょ。あんな滅茶苦茶恥ずかしくて、死ぬほど楽しかった思い出を、
一生忘れるもんか。
「ふりつけをみせるとき……Patricia Martinがケータイで動画をみせた。……その内容
を覚えている?」
ってか発音いいなおい。
「ええ? 私をバカにしてるのか? そんなのもちろん覚えて……って……あれ?」
覚えて、いなかった。
曲は覚えている。振り付けも忘れない。でもその動画がどういう動画だったのか、まる
で覚えていなかった。虫食いの穴のように、そこだけ記憶がぽっかりと抜け落ちている。
私が目を白黒させているのをみて、みなみちゃんはいった。
「……覚えていないはず。……あれは本来あってはならない映像」
そういうと、みなみちゃんはテレビのリモコンを手に取って、ものすごい勢いでキーを
たたき始めた。
「……みて」
みなみちゃんがリモコンから手を離すと、ラックにあった薄型テレビに電源が点り、な
にかの映像を映し始めた。またさっきのように別の宇宙の出来事が映るのだろうか。
『さんねーん、びーぐみー、くろーいせんせーい』
どこかで聞いたことがある元気な声がテレビから流れだす。どうやらなにかのアニメの
オープニングらしい。
「……って、え、えぇぇぇぇえ!? なにこれ、私たちじゃない!」
みゆき、つかさ、私、――そしてこなた。みたことある風景をバックに、私たち四人が
『もってけ! セーラー服』を踊っている。
「……京都アニメーションの新作テレビアニメ『らき☆すた』。私たちがキャラクターとし
て登場するアニメ」
「わ、わたしたちが……アニメにでてるって…? はぁ!?」
「……泉こなたは私たちと同じ学校で暮らしたかった。でも都合良くそのような宇宙を探
すのは難しい。……さきほど見せた平行宇宙も、なんでもありのようにみえて……その宇
宙の因果律に則って展開されている。……突拍子もない宇宙は存在しない」
私からしたら十分突拍子もないようにみえたけどな。
「だからまず漫画を想像した。……自分を主人公として、大好きな人たちに囲まれている
世界を。そうしてその想像上の漫画はシミュレーションとなり、小さな宇宙の種子を生み
出した。その宇宙から分岐していった平行宇宙は、やがてその四コマ漫画がアニメ化され
た宇宙にたどり着く。……それが『らき☆すた』」
言葉もない。自分が完全に思考停止していると感じる。えーっと、なにか、つまり、な
んだ。
もう何も考えたくなくて、思わずお茶受けにでていたポッキーに手を伸ばす。ぽりぽり。
あ、おいしい。
「……私たちの存在は、この『らき☆すた』の視聴者の思考に支えられている。……彼ら
彼女らが妄想し、頭の中で展開していった『らき☆すた』世界のできごとが宇宙の種子と
なり、私たちが実在しているこの宇宙をシミュレートしている。……その妄想は特にアド
レス
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/で顕著……」
ぽりぽりぽりぽりぽりぽり。太るぞー。でもそんなの関係ねー。
「……お茶……。煎れる……」
急に口調を変えてみなみちゃんはそういうと、お湯を沸かしに流しに立った。
「あ、ありがとう?」
あれ、なんか今のみなみちゃんは私が知ってるみなみちゃんな気がする。
美味しいお茶を煎れるには、沸きかけのお湯を最初にポットとカップに注いで温めてお
くのが大事らしい。十分温まったらそのお湯を捨て、慎重に計った茶葉をポットに入れる。
ティースプーンを水平にして、真剣な顔でにらめっこをするみなみちゃんをみているう
ち、だんだん心の棘が溶けていく気がした。
十分に沸騰させたお湯を勢いよくポットに注ぐと、対流で茶葉がさっと舞い上がる。こ
うやって、沸き立てで空気をたっぷり含んだお湯をしっかり茶葉全体に潜らせるのがコツ
なんだそうな。
みなみちゃんはちょっと照れた顔で教えてくれた。
「美味しい!」
みなみちゃんが煎れてくれたお茶は、やっぱり美味しかった。
「そう……よかった……」
「私最初、高いお茶だから美味しいのかと思ったけど、みなみちゃんがちゃんと煎れてく
れたからだったのね」
「ありがとう……。でも、葉も確かにいい物。……それでも素材がいいだけじゃ美味しく
ないのは、あなたのいうとおり……」
暖かくて美味しいお茶で、少し落ち着くことが出来た。
みなみちゃんはそんな私を問いかけるようにみつめている。私はそれにうなずいて、話
を戻していった。
「……それでさ、その、『らき☆すた』ってアニメがあるっていうのは……もしかして、私
たちが創作されたキャラクターだっていうこと?」
みなみちゃんもちょっと残念そうな顔をして答える。
「……それはちがう。あくまで原作やアニメはこの宇宙の種子。シミュレーションの最初
の一行にすぎない。……多元宇宙であっても、各々の宇宙は自律している。……私たちが
過ごしてきた時間も、悩みながら生きてきた過去も、作り物ではない……それが不安だっ
たなら……大丈夫」
画面ではオープニングが終わって本編が始まっている。仲良く手をつないで買い物にい
く私とこなた。ああ、やっぱりね、この世界でもこな×かが公式なんだ。
「なるほど、それはとりあえずそれとして信じるよ。で、話を繰り返すけど、何が問題だ
ったのよ。このアニメを作るためにどっかのアニメーターが過労で鬱になったり、監督が
更迭されたりしたこと?」
「……ちがう。それは問題ない。問題は、私たちの宇宙に『らき☆すた』のオープニング
テーマが現れたこと。
……私たちが実在する宇宙とアニメ『らき☆すた』が放映されている宇宙はねじれの位
置になければならない。作品世界のキャラが実在する宇宙は、宇宙の理に反している。
……ところが、あの日Patricia Martinがみせた動画は、さっきみせた『らき☆すた』
のオープニングだった。これはあってはならない。……今、全宇宙の絶対的な物理法則が
崩壊しつつある」
そしてみなみちゃんはこういった。
――それを引き起こしているのが、泉こなたの寂寞。
※ ※ ※
みなみちゃんの家から外にでたら、もう陽が暮れかけていた。このところめっきり冷え
込んできた空気に、吐く息が白い。ぶるっと小さく体を震わせて、マフラーを首元にたく
し上げた。
街角を大きなでぶ猫が歩いている。でもあの猫もどうせシミュレーション。きっと私が
みていないところでは、生きたり死んだりしているのだろう。
家にかえりついたときには、太陽はほとんど地平線の陰に隠れていた。少しだけ残った
天辺から差し込む夕陽は、街をオレンジ色に染め上げていて、その補色で家々は群青色に
うずくまる塊のようだった。
自宅の前に小さな小さな影がいた。
一人ぽつねんと佇むその女の子は、血のような色の夕陽を背負い、地面に長い長い影を
曳いている。その光景は私に、なぜだか胸をわしづかみにされたような情動を与えた。
「……こなた……?」
「……あ、かがみー!」
こなたは私をみつけると、こちらに駈けつけてくる。表情は群青色の影にとけ込んでい
てわからない。なぜだかその動作はスローモーションのようにゆっくりで、一瞬これが現
実なのかどうか、わからなくなる。
こなたはそのまま抱きついてきた。その感触に、私は途端に現実に引き戻された。
「うわ、冷たっ。あんた体凄い冷えてるじゃない! なにやってたのよ!」
「んー……それがさ、なんか暇になったからかがみんちに遊びにきたんだけど、誰もいな
くてさー。二人とも今日はお出かけしないっていってなかったっけ? かがみにかけても
圏外だし、つかさにかけても、家にかけても誰もでないしで、途方にくれてたところなん
だよ」
あわててケータイをとりだす。ディスプレイには『禁則事項です』といってほほえむみ
なみちゃんの画像が映っていた。なんだかわからないが、あの会話の間じゃまされたくな
かったのだろうか。それとも、あそこがすでに私たちがいる宇宙とはちがう場所だったの
かもしれない。
「ごめん、ちょっと急用があって……。お父さん達は今日地鎮祭で、まつり姉ちゃんはデ
ートだろうし。つかさは……どこいってんだろ? って、いいから早く入んなさい! が
たがたふるえてるじゃない、もー!」
鍵をあけてこなたを家に招き入れる。
つかさは部屋にいた。机に突っ伏してすーすか寝ていた。問題集をやってるうちに力尽
きたようで、ノートには『あっちょんぶりけ』と謎のダイイング・メッセージが残ってい
た。とりあえず答えに全部『やっさいもっさい』と書いて、あとついでに毛布もかけてお
いた。
「ほらこなた、お風呂沸いたよ」
「えぇ〜、いいってば、もー。かがみ過保護だー」
「ダメだって、こんな時期に風邪ひいたらどうすんのよ! もう受験まで間がないんだ
ぞ!」
鼻をすするこなたを部屋からつれだして、お風呂場に向かう。こんなに冷えるまで……
こいつどのくらいあそこで待ってたんだろう。
「あ、じゃ、かがみも一緒に入ろうよ〜」
それもいいかな。って、んなわけあるか! なんかやばい、さっきみなみちゃんに見せ
られた映像に影響されてる。多分顔を真っ赤にさせて黙り込んでる私に、慌てた様子でこ
なたがいう。
「あ、あの……かがみんや〜? じょ、冗談だよ?」
「……わかってるわよ」
こなたがお湯を使う音を聞きながら、私は思い出している。今日みなみちゃんにいわれ
たこと――
――泉こなたは卒業したくないと思っている。
みなみちゃんは私の目をみつめながらそういった。
――高校を卒業したら、いやでも4人は離ればなれになる。それはどう宇宙を再計算し
ても逃れることができない未来。高校制度そのものから離れない限り、卒業は必然。その
寂寞が問題。
――泉こなたは賢明に宇宙を探し回った。4人ずっと同じ学校で、誰も大人にならず、
恋人も作らず、全てを棚上げにして今と同じように一緒に笑っていられる世界。そんな世
界を探してかけずり回った。その煽りをうけて『らき☆すた』は、原作からもアニメから
も時間経過がなくなった。永遠に繰りかえされる高校3年の冬。その状況が2007年9月以
降続いている。
――そして泉こなたはついに宇宙を造り始めた。セル・オートマトンによらない全く新
しいオリジナル宇宙。そこはあらゆる純粋数学がねじまげられ、1+1が0になる世界。そ
こでなら4人でずっと一緒にいられる。その過負荷はセル・オートマトンに誤作動を引き
起こし、本来あってはならない多元宇宙の自律性を侵犯した。そしてこの宇宙に「もって
け! セーラー服』をもたらした。
周りの風景はもうなにもみえなかった。その中でみなみちゃんの口だけが言葉を紡ぎ出
していた。
――すでに先日、そのようなオリジナル宇宙の萌芽が観測されている。そこは死者が蘇
る世界。今は亡き泉かなたが存在している宇宙。
――その宇宙への接続はあやういところで破られた。オリジナル宇宙が宇宙として自律
しうるほどの数学的無矛盾性を確立できていなかったせいもある。泉そうじろうの誠実さ
が泉こなたをこの宇宙にひきとめたせいもある。
――けれどこの状況が続く限り、泉こなたはまた新たなオリジナル宇宙を創造するだろ
う。宇宙律に縛られたセル・オートマトン世界を離れて、全く新しい数学が支配する宇宙
を。
――そしてあなたたち4人以外の登場人物は、未来永劫、存在可能性ごと完全に消え失
せる。
「やふ〜、いいお湯だったよ。ありがとうね、かがみ」
頭からほこほこと湯気をだしながら、こなたがいう。
そのだらけきった、のほほんとしたタレ目はいつもどおりで。でもその裏に、この宇宙
では収まりきらないほどの寂寞をこいつは抱えていて。
思わずぎゅっと抱きしめた。
わかってる、たぶんこれはみなみちゃんの思うつぼだ。でも、それでもいいと思った。
こなたの体は細くて軽くてどこもかしこも小さくて。こいつはこんな小さな体で、たっ
た一人無限の宇宙相手に立ち回ってきたんだ。
「……え?……か、かがみ? あれ? あれ?……わたし、いつのまになんかフラグ立て
てた?」
顔を真っ赤にしながら、いつもみたいな軽口。
「……そうだよ、悪いか。ほんとはずっと前から立ってたんだよ。……あんたが学校入っ
たその日からさ」
『ん〜』とか『ほえ〜』とか、なんだかわかんないうなり声をあげるこなた。こいつが
口ごもるところなんて初めてみた。いざこういうことになると意外と弱いのな。
「……かがみ…わたしのこと、好き……なの?」
「あたりまえでしょ、なんのために毎日そっちのクラスいってると思ってたのよ?」
「そりゃ……ま、ね。でも好きっていってもいろいろあるじゃん? 友達としてとか、恋
人としてとか……」
抱きしめた腕を離して隣に座る。一瞬こなたの手が、私の腕を引き留めるように動いた
のに気づく。こなたとの密着率が下がって急に寒くなった気がした。夜風ががたがたと窓
枠を揺らしている。
どういう好き? 私はこなたをどう好きなのだろう。
考えてもわからなかったので、そのまま答えた。
「そんなの、わかんないわよ……っていうか、恋人とか友達とか家族とか、好きって気持
ちにそんなに違いがあるのかな?……セックスしたら恋人か? じゃ、お父さんとお母さ
んは恋人? 家族?」
「わかんない……お母さんいないし……」
「えーい、そんなところでへこむな」
こなたの頭をぐりぐりする。いつもやられてきたからお返しだ。
「どう好きなのかなんてわかんないけど……でもずっと一緒に生きていきたいって思うん
だよ。一緒に悩んで、一緒に成長して、一緒に変わっていくの。……もしかしたら恋人に
なるかもしれないし、お互い異性の恋人つくるかもしれない。……遠く離れることもある
かもしれないし、喧嘩することもあるかもしれない。でもなんていうか……物語の主人公
達がずっと書かれ続けるみたいに、一緒にいたいんだ。それは、私とこなただけじゃなく
て、つかさもみゆきもいて、黒井先生とかゆたかちゃんとかパトリシアさんとかゆいさん
とかもいて……」
「だからこなた、そんなに寂しそうな顔するなー!」
そのとき、なにかが変わった気がした。
窓の外から急にいろいろな音が聞こえ始めた。犬の遠吠え。自転車が通る音。豆腐売り
のらっぱの音。虫の声。
今の今まで、生き物が立てる音が全く聞こえていなかったことに気づいた。
「ふぇ……さびしい? ……わたしが? さびしんぼはかがみでしょ〜?」
きょとんとした顔で私を見上げるこなた。そのとき、隣の部屋で何かが椅子から転げ落
ちるような音と、『ヌルハチ!』という謎の悲鳴が聞こえてきた。
こなたと私は顔を見合わせて、同時に噴き出した。
「あ、お姉ちゃん帰ってたんだ、おかえり〜。って、あー! わーい、こなちゃんがいる
よ〜」
お尻をさすりながら部屋に入ってくるつかさに、ヌルハチは清の開祖だぞ、と声をかけ
る。こなたはさっきまでの雰囲気をまるで感じさせない様子で、つかさと笑いあっている。
階下から戸を開ける音と、お父さんの「ただいまー」という声が聞こえてくる。ケータ
イが鳴り、みると、みゆきからのメールが届いていた。
急に賑やかになってきた世界には、さっきまでのまるで宇宙に二人きりだったような寂
寥感は微塵も残っていない。
いつものやりとり、いつもの風景。
それはこれからも変わらず、私たちはみんなの中で生きていくんだと思う。だから私は、
なんのためらいもなくこなたに笑いかけることができる。
「こなた、今日泊まっていきなさいよ」
そういうと、こなたも満面の笑みで答えた。
「うん!」
(了)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「やふ〜、かがみ、お風呂上がったよ〜。って……なななな、なにみてんのさ〜!!」
「おー、こなたー、勝手に読ませてもらったわよ」
かがみはニヤニヤ笑いながらこなたにいった。モニタには『泉こなたの寂寞』という名
前のテキストファイルが表示されている。
「むきゃ〜! かがみのオニ! アクマ! ツンデレ! 普通、人のパソコンのDドライ
ブ勝手に覗かないよね!」
こなたは顔を真っ赤にしてまくし立てる。
「ご、ごめん、ごめんって。でもこれ普通にデスクトップにあったぞ?」
「……あ、ああ、そっか、改稿する前のバックアップをデスクトップにおいといたんだ!
しくったー!」
頭を抱えて回転しながら泣き崩れるこなた。
「まあ、まあ、でもこれ面白かったよ。いろんな意味でな!」
かがみはそう声をかけてなぐさめようとするが、ニヤニヤ笑いを隠す様子もなかった。
そもそもなぐさめになっていない。
「でも、そっか、あんたが小説ね〜。たしかにあのお父さんの子どもなんだから書けても
おかしくないわね」
こなたは多少落ち着いたのか、ベッドの上であぐらを組んで答える。
「んー、運動神経とかとちがって、遺伝が関係あるかどうかはわかんないけどね、なんと
なく書いてみようかなっておもったのさ。とりあえず私小説っぽいのが書きやすそうだっ
たから」
「ふーん、私は書こうと思ったことないからなー。ってかそれにしてもあんたの中の私っ
て、こんなに昔からこなた好き好きにみえてたのか〜?」
そういうと、こなたはまた顔を真っ赤にして答える。
「い、いいでしょ! その方がお話にしやすかったんだよ! 適度に恋愛要素とか入れな
いと、読者は読んでくれないんだよ!」
へー? ほー? などと意地悪く笑いながらベッドに向かうかがみを、こなたは布団を
めくって招き入れる。
「それにしても……『らき☆すた』だっけ? 私たちがアニメだか漫画だかになってるっ
て設定、どっから思いついたの?」
こなたの隣に潜り込みながら、かがみは尋ねる。
「……え?……あ、そっか。ふふ、どうかな?」
そういって浮かべたこなたの笑みは、かがみが未だかつてみたことがない表情で――
窓の外を、でぶ猫が通っていくのがみえた。
(了)
480 :
16-187:2007/09/30(日) 17:31:33 ID:Xkdu/b5F
以上です。なんか色々ごめんなさい。
最初は軽くパロってみようと思っただけだったんですが……。
読んでくださったかた、いたらありがとうございます。
「お父さ─ん、たーだいま」
「よっ、おかえり」
家に戻ると、いつも通りに居間にいるお父さんに背中から抱きついた、
ちょと今日は甘え気味なとこを見せてみる私だよ。
「今日はえらい早かったな、バイトは休みなのか?」
「うん、そうだよ─」
ふむっ、少し照れてるな…普段から親子のスキンシップは豊かなウチだが、
まぁここまでするのは、そうそう無いからね。
そして…やはりというか、何だかソワソワしてきてるみたいだよ、
こないだしたのが一週間前だったしね。
「ねぇ、お父さん…もしかして溜まってる?」
「な、なぜ…それを!」
「だってソワソワしてるじゃん、いつもの事だし〜」
まぁ、なんだ…いつごろか私はお父さんの性欲処理を手伝っていたりする、
死んだお母さん代わりといえばそんなとこだろう、よくアッチの世界ではあるパターンだよね、
実際は親に襲われたら、子供は激しく傷つくらしいのだけども…なぜか私はそうはならなかった。
私自身は覚えていないのだけど…どうやら始めたのは私かららしい、うむぅ…。
「ゆ─ちゃんも居ないし、今の内に抜いてあげようか?」
「おっ、今日はえらく積極的だな…こなかから誘うなんて」
「ん〜、ちょっと私も今そんな気分だからね─」
エッチする事は特に嫌いでは無いよ、気持ちいいしね…
まぁだからと言って見ず知らずの奴とはごめんだけども。
「エッチな娘に育ったものだな…父さんは嬉しいが」
「このまま奥まで…入れちゃうよ〜!」
体重をかけながら、根っこまで挿入してしまう程に私はおちんちんを中に迎えていた。
そして…入るだけ全てが入りきるのでした。
「んぐっ…奥に当たってる…お父さんのおちんちんの先が、私の子宮に当たってるみたい…」
「うぉっ…先に一回出しとかなかったら、もう出してたかもしれないな…いいぞ、こなた!」
そして膣内が満たされると、私は腰を動かせていく…上下に揺らして何度も出入りさせていく…
中の感じる箇所を擦られて…快感が全身を満たしていくようだった。
「お父さん…お父さん!中にいっぱいで…私も感じるよ!」
お父さんも気持ちよくなってるけども…私も相当に感じまくりだ、
頭がほわっとした浮いた気分になってきて、段々と変になっていくよ。
「気持ちいい…ねぇお父さん…胸も触ってよ…」
「はぁはぁ…よし…」
お父さんの手が、胸を触ってる…その小さなおっぱいを揉み弄るの。
例え僅かな膨らみでも十分に感じるみたいだね…胸とまんこのWの快感に酔いしれていくよ。
「おう…はは、まるでかなたとしているみたいだ…」
「…あんっ…むぅっ…お母さんの代わりですか私は?」
「いや…ちゃんとこなたとして抱いてるからな…代わりじゃないから…うっ!」
それならいいけど…うーんでも、これで嬉しくなっちゃいけないような気が…
まぁいいか、それよりも互いに限界の兆しが見えてきてるしね。
「そ…そろそろまた…」
「はぁ…あんっ…今度はどっち…膣?外?」
「…今日は大丈夫な日なのか?」
「んっ…その問いに対しては、お答えできませ─ん!」
>480
面白かった!
お馬鹿でマジメでcoolでGJ!
>>480 ごめん、みなみ→長門の時点で読むの止めた。
声優ネタで馬鹿騒ぎする厨を思い出してどうしても駄目だ
>>480 これはいい、GJ!
1〜11の部分でなるほどと思って、12でそうもっていくという発想はなかったぜ。
いろいろと巧いな。
だめだ…
>>454みたいなこなかがネタ書くと必ず詰まる…
こなかがネタ以外ならどんどん続きが沸いてくるのに…
というか俺、頼まれもしてないのになんで書いてるんだろう…
>>480 乙!そしてGJ!
一つ言う事あるとしたらもう少し読みやすくして欲しかった
>>480 ハルヒ良く知らないんだけど、そのおかげでかがみと現状把握がリンクできて、むしろ面白く見れた気がしたりする俺は勝ち組
12レス一気に読めたよ、GJ
>>480 GJですよ
そういうオチに持ってくるとは思わなかったぜ
あと随所のネタの仕込み具合がすばらしい
だがあえてひとつ突っ込ませてもらうと
愛とはためらわないことさ
ちわー。
ROM専だったオレが初投下す。
ド素人丸出しだが読んで頂けるとありがたい。
助言なんてくれた日には、天に召される気分だ。
というわけで、
タイトル『桜吹雪』
・こな×かが
・非エロ
・何スレかわかんねぇ、すまん。
491 :
桜吹雪:2007/09/30(日) 19:51:34 ID:BEil+IhR
桜が満開に咲き誇る、そう季節は春。
高校受験も無事終わり、待ちわびていた春が始まった。
合格圏の高校を受けた私が自分の合格より心配していた妹も、なんとか無事合格し、新たな学園生活に心踊らせ、二人仲良く新しい校門をくぐった。
「あちゃー、またクラスバラバラかー」
「はぅぅ、残念だね」
この会話ももう何回目だろう。
双子の私達がクラスが別になるのは当たり前って言えばそうなのだけれども、やはり慣れ親しんだ妹が同じクラスにいて欲しいと思ってしまう。
「大丈夫よ、つかさ。中学みたくちょくちょくそっちのクラスにお邪魔するし」
どうも我が妹はゆったりというかマイペースというか、少々どんくさい性格上、小中学校共にクラスに馴染めるまでに時間がかかるのだ。
その為私が休み時間ごとにつかさのクラスまで行き、クラスに慣れるまでの掛け橋役になっていた。
まぁ私自身も新しい環境の変化に多少の不安もあるからなんだけど…。
>>480 すげええええええええええええええ ! 上手いよ ! プロですか?
お話の最後がとても意味深なのですが、ただいま脳内で絶賛深読み中です。
493 :
桜吹雪:2007/09/30(日) 19:54:02 ID:BEil+IhR
格式通りの入学式が終わり、新しいクラスへ腐れ縁である日下部や峰岸と向う。
「高校生つったって、あんま変わんねぇのな。」
「その台詞中学ん時も言ってなかったか?」
「みさちゃんは幼稚園の頃から変わってないもんねー」
峰岸、それフォローになってないと思うぞ。
「そういえば、今日は入学式だけですぐ帰れるんだよなー。せっかく高校生になったし、いっちょ遊びにでも行くか!!!」
びしっ!と効果音のするように親指を立てて提案する日下部。
「いいね、受験勉強でなかなか遊べなかったし。柊ちゃんも、ね?」
「あー悪い。今日はつかさと帰る約束してるのよ。」
高校生活初日でオロオロしてるだろう妹を想像し、苦笑しながら答える。
「えー、なんだよ柊ぃー。ノリ悪ぃなぁ。」
「まぁまぁ、みさちゃん。柊ちゃんも妹ちゃんが心配なのよ。」
口を3にして不平を言う日下部をなだめる峰岸、高校になっても相変わらずな二人をみて自然に笑みがこぼれる。
「しっかたねぇなぁ、じゃあまた今度遊ぼうな、絶対だぞ!!!」
「はいはい」
日下部はまだ不満そうだったが、私の同意を聞いて納得したのか、「よしっ!なら今度の日曜な」などと半ば強制的に予定を組み始めていた。
494 :
桜吹雪:2007/09/30(日) 19:55:41 ID:BEil+IhR
自己紹介や委員会決めなど簡単なHRが終わり、下校のチャイムとともにつかさの教室へと向う。
「つかさー、帰るよー」
「あ、お姉ちゃん。ちょっと待って!
こなちゃん、あたし帰るね。」
教室の扉からつかさを呼ぶと新しくできた友達だろうか、『こなちゃん』とやらに別れを告げ、帰る支度を始めた。
「おーまたね、つかさ〜」
あっけらかんと答えるその子を見る。
床に届きそうな位長い青髪、頭には重力に逆らったあほ毛、ネコのような口の一見小学生にも見える体型の女の子であった。
小学生ってのは失礼すぎるな、私。
一人つっこみをしていると私の視線に気付いたのか、その子と目が合った。
「ふふ〜ん♪」
と一層口をネコにして観察される。
「つり目にツインテール、まさしくツンデレ要素フル完備ですな」
先ほどの日下部と同じようにビシッとGJポーズをされる。
「…は、はぁ」
言ってる事の半分も理解出来なかったが、とりあえず返事をする私。
『変な奴』、それが私が最初に抱いたこなたへの印象だった。まぁ仲良くなってからも相変わらず『変な奴』ではあるけれど。
その後、つかさの帰る支度が終わり、私達の会話も終了した。
帰り道に「新しい友達が出来たのー。泉こなたちゃん、って言うんだよ」
とつかさが嬉しそうに説明してくれた。
「あぁ、あの青髪の子?」
「うん!!」
人見知りのつかさが入学初日で友達が出来るなんて私が知る限り今回が始めてだ。
『変な奴』と思ったが、意外にいい子なのかもしれない。
言ってることはよく分からなかったけれど。
495 :
桜吹雪:2007/09/30(日) 19:57:29 ID:BEil+IhR
帰り道も夕飯の時もつかさは新しい友達『こなちゃん』の話題で持ち切りだった。
「でね、緊張してたらこなちゃんが『もはやトゥーハーの?!』って聞いてきてね。」
「こなちゃん、ゲームとか漫画とかとっても詳しいんだってー」
つかさ、その話4回目よ。
なんて野暮なつっこみを入れられない位楽しそうに話す、つかさ。
「お姉ちゃんも絶対すぐに友達になれるよー」
「そうね」
妹の友達だし、よろしく程度に友達になるのも悪くないか。
「じゃあ明日昼休みにでもそっちのクラス行ってみるわ」
そう言い残し、自分の部屋へと向った。
翌朝。
私は一人で学校へと登校していた。
理由は至極簡潔、双子の片割れ、つまりつかさの寝坊だ。
「お母さん!なんで起こしてくれなかったのー」
「起こしたわよ、返事だってしたじゃない」
「ふぇぇ、知らないよー」
高校生の台詞じゃないな、なんて先程のやりとりを思い出す。
中学時代の私なら一緒に走って学校へ行くところだが、妹への戒めの為に一足先に家を出たのだ。
「あの子はいつまでたっても甘えん坊だからねー」
なんて独り言をこぼす。
バスを降りてふと周囲を見回すと、桜並木が広がっていた。
「やっぱ春はいいわね」
あったかいし、気分もはれるし。
「特にこんな桜吹雪の中じゃ…って、えぇ?!!」
いくらなんでもこんな大量に桜が舞う事はないだろっていうくらい桜が舞っていた。
というか人為的に舞わされてる?!
「やっふぃ〜い♪」
声のする方を仰ぎ見ると、桜を纏いながらこっちへダイブしてくる女の子。
…ってこっちに来る?!
「ちょ、ま…」
「…どぅあっ!!!」
静止の声と同時にその子と私はぶつかった。
いや一方的にぶつかってきたのだけど。
496 :
桜吹雪:2007/09/30(日) 20:00:04 ID:BEil+IhR
「いててて、失敗失敗、やはり人は鳥にはなれんか」
むむ、と顎に手をあててその子は言った。逆行でよく顔が見えない。
第一声にそれか、などと心の中でつっこみを入れ、上半身を上げる。
「…っ、大丈夫?!」
この場合私が聞かれる方なんじゃないか、と思いつつもこのダイブ女の子に問う。
「うん、着地点にツンデレ要素盛り沢山な子がいたからねw」
昨日も同じ様な事を聞いた覚えが…と、その女の子を見ると、昨日つかさが散々語っていた『泉こなた』だった。
「ちょ、あんた、つかさのクラスの…」
「うん、泉こなた。よろしくね、つかさ姉」
目を細め、例の如く猫口で手を差しのべられる。
「え…あ、うん」
よく分からないが手を握ると、ひょいっと引っ張られた。
そんなちっさい体のどこにそんな力があるのだろう。
「ふんふん、今日はつかさと一緒じゃないの?」
「そ、そうよ」
急に話かけられ何故か焦る私。
というか肝心な事を聞けていない。
「てゆーか、えっと…泉さん、は何で飛んできたの?」
まさかつかさみたく『こなちゃん』と呼べる訳もなく無難な呼び方で、先程の行動の動機を尋ねてみた。
497 :
桜吹雪:2007/09/30(日) 20:04:16 ID:BEil+IhR
「いやさー、漫画とかギャルゲみたく桜吹雪の中出会うシチュを体験してみたくて」
昨日に引き続き意味が分からない。
「えっと、ギャルゲ?」
「うん、ギャルゲ。」
いやそんな胸張られても…何で飛んできたかの答えになっていない。
はぁ、と溜め息をつくとそれに気付いたのか泉さんが話を続けた。
「でも今日全然風吹いてなくてさー桜吹雪いてないじゃん?!で、桜の木に登って揺さぶってたら、つかさ姉が見えたから飛び込んでみたのだよ」
「かがみでいいわよ、つかさ姉じゃ不便でしょ。」
飛びこんできた理由は未だ意味不明だが、楽しそうに話すこの子に感化され笑みがこぼれる。
「うん。ねぇ、かがみ。」
「……なによ」
始めて名前を呼ばれる気恥ずかしさで顔をちょっと背ける私。
「私達桜吹雪の中、出会っちゃったね」
「確かにね、まぁでも出会ったと言えば昨日出会ってたけどね」
「かがみには夢ってのがないのかねー」
口を三角にして不満げな顔をする、泉…えっと…名前で良いわよね、こなたちゃん。
「こなたでいいよ」
「え」
498 :
桜吹雪:2007/09/30(日) 20:05:05 ID:BEil+IhR
いつの間にか猫口に戻ってるこなたがニヤニヤしながらこっちを見て言った。
なんで思ってる事分かったんだろう。こなたは驚きを隠しきれない私に近付き、私の左手をとり、握った。
「かがみ、遅刻するよ」
そう言うと、もの凄いスピードで走り出す。
最初は足がもつれて転びそうだった私もなんとかこなたに付いて行く。
風を切って走る私達の後ろには先程の人為的な桜吹雪よりは小さいけれど、小さな桜吹雪が出来ていた。
初めて繋いだ手と手の感触は心地よくて、高まる鼓動は走っているからっていうのとはちょっと違うみたい。
この鼓動の原因は後々に分かることなのだけれど、それはまだ遠くて近い未来のお話。
い、以上す。
こなたとかがみってどんなシチュで出会ったのかな、という疑問とオレの妄想がこの形っす。
スレ汚しサーセン。
とりあえずおまけ↓
〜おまけ〜
「…未来のお話。完。っと…
んー、やっと全部書き終えたー」
「…何を書き終えたって?」
「何って、こなたと私が出会った日の日記……ってえぇぇ」
「へー、かがみって意外に乙女じゃんw見せて、見せて」
「ちょ、こな、なん…」
驚きで上手く言葉が発せられない私。
それもそのはず、時計はもう夜の2時を指していて、今日はお泊り会でもなんでもない。
なのに何故、恋人であるこなたが私の後ろにいるのだろう。というかどこから私の部屋に入ったんだ。
「ん?どこからって、窓から」
「ちょ、おま、ここ2階だぞ!!」
「いやー空飛ぶ扇子に乗せて貰ったから、余裕だったよ」
「またコアな漫画のネタなのか、ていうか何しに来たのよ」
「何しにって、こんな夜中に愛しの恋人の部屋に忍び込む目的は一つしかないっしょ」
フフフと不敵な笑みを浮かべるこなた、後退りする私。
「夜這いだよ、かがみんや」
ドサッとベッドに押し倒されると同時に耳元で呟かれた。
「やっぱりそれかー!!!」
夜はまだまだ長い。
続く…かも?
>>499 な、なんという理想的出会い・・・!GJ!初にしてはうまいと思いますよ!
リアルタイムで遭遇GJ!!
これからの作品にも期待大
>>499 初めてにしては良くできてると思う。
でもつかさとこなたの出会いが原作と違うのがちょっと気になったかな。
でも乙女なかがみもイイ感じだし、これからにも期待します。
書き続ければもっと伸びるよ!
間違いっぽいのを報告しとく
>>495 もはやトゥーハーの?!
→もしや〜〜
>>496 逆行→逆光
俺が間違ってたらごめん
>>499 乙ーん
だが、こなたとかがみのファーストコンタクトは既に4コマになっていたり……
(詳しくは入学案内の書き下ろし参照)
ちょっと細かいこと書くと、本編1レス目の3行目を何回か読み返しちゃった
これは私の読解力がないのが原因かもしれないけどね
あとは気になったのは約物だけど、これは何度か書いてくうちに慣れるからいいか
今後に期待
実は入学前につかさはこなたに助けられていて、入学式で偶然同じクラスになって
「あ、あのときのー」
「おー、また会たねー」
…とか言うのはダメかなw
※ファーストコンタクトのエピソード見返すの面倒なので適当に思いだしてみたorz
皆さん、オレなんかの駄文の為にアドヴァイスさんくすです(つД`)
いやー自分で読み返すと吊りたくなりますorz
>>503 指摘トンクスです、オレの変換ミスす。ちょっと吊ってきます。
>>502、
>>504 …(゚A゚)
らき☆すた単行本1巻しか持ってないオレをどうか許して下さい。
吊る前に全巻買って来ますorz
>>506 あ、入学案内ってのはガイドブックなんで気をつけてね
>506
全巻買ってくるのはいいが、吊るのは許さんw
ああ、まだ次のSSを書くという重要な仕事が残されてるからな
遅くなったがGJ
510 :
6-690:2007/09/30(日) 21:48:23 ID:zMOZ0U2o
>>506 GJ
そして、ガンガレ
怪電波とまではいかないけど、変な電波を受信したので1レス投下
まあ、時事ネタですわ
いつものようにゆたか×みなみだけど、今回はこなた視点で
511 :
ないすぼーと:2007/09/30(日) 21:51:19 ID:zMOZ0U2o
『地上波放送自粛』でネット上で話題になってたあのアニメ
ニ○ニ○で今見たけど、あれは放送したらBPOに苦情入れちゃう人出たな・・・
そして、その苦情が誇張されて大騒ぎと
なんで、実写の映画やドラマだと苦情入っても叩かれづらいのに、アニメはこんなに叩かれなきゃいけないのさ
それにしても、人ってあそこまで憎しみの感情持てるものなのかな?
もちろん、あれがフィクションなのはわかってるけど
・・・考えるだけ無駄な気がする
お茶飲んで、ネトゲでもしようっと
あれ?0時過ぎてるのにゆーちゃんの部屋電気ついてる
今日はみなみちゃんが泊まりに来てるから、まだ起きてるのかな?
コンコン 「ゆーちゃん入るよ」
あれ、2人とも寝てる?
ちょww 2人とも抱き合って寝てるんですか
布団からはゆーちゃんの頭しか出てないし、みなみちゃんの腕がゆーちゃんの頭を抱きかかえてるし
これでゆーちゃんの体が無かったら、さっきのラストシーンまんまじゃん
ゆーちゃんの体あるよね??
バサッ
よかった、体がちゃんとある
って、普通はあるよ。あたしとしたことが二次元と三次元を混同してるなんて
どっからどう見てもラブラブな2人が死ぬわけないじゃん
動揺してるな 落ち着け、落ち着けあたし
「ん・・・?お姉ちゃん何してるの?」
「いっ、いや、12時過ぎてるのに電気がついてるから、どうしたのかなと思って」
「部屋の豆電球が切れちゃったから、電気つけたままにしてただけだよ」
「なんだ、そうだったんだ、びっくりしちゃったよ」
「ごめんね、心配かけちゃって」
「いやいや、ところで2人とも抱き合って眠ってたよ」
「ん!?!?そっ、それは」
「あたしこそ、邪魔してごめんね、おやすみ ゆーちゃん」
「おやすみなさい」
ばたんと ふう
何動揺してるんだろうか
このもやもやはどうしたらいいんだろうか
とりあえず、ネトゲやろうっと
512 :
6-690:2007/09/30(日) 21:53:48 ID:zMOZ0U2o
以上です
久々に書けたと思ったら、こんなネタorz
全部誠が悪いんだ
誠s(ry
>>506 本棚に置く「保存用」と枕元に置いてSSネタを練る「観賞用」の2冊を買うんだ。
>>512 ナチュラルに抱き合ってる二人に感動
ゆーちゃんの体を確認するために布団を剥いだら
裸だったっていうオチを期待してたw
>>513 同志よ
もう誠は死んじゃったから、「誠氏ね」とは言えないんだな
>>512 まあ誠が死んで万事解決・・・ではなかったかw
もっとむごい死に方してほしかったorz
>>513-514 エロパロにいるのに、エロが書けないとはこれいかにorz
やっぱり、m(ry
新しい方々や続きものなど、このスレは相変わらず活況てすなー。
というわけで、自分も久しぶりに2レスほど投下させていただきます。
かがみ×こなたのちょいコメディ。非エロっぽいですが、ソフトSMの要素があるので要注意です。
ドライヤーの熱い風が、こなたの髪をなびかせる。
「おー……人にやってもらうってのは気持ちいいねー」
ブラシで髪を梳くと、こなたは心地よさそうにのんびりと言った。
「あんたの髪って長いから、梳かしがいがあるわね」
「そう? めんどくさいから、たまーに放置して乾かしたりするんだけど」
「曲がりなりにも女の子なんだから、そのあたりはちゃんとしなさいっての」
そう言うわりには、こなたの髪は乾かすとさらさらしてて心地良い。
私の髪がお手入れしてても痛みやすいのを考えると、こういう髪質がうらやましく思える。
「腰下らへんまであるけど、煩わしく思ったことはないの?」
「んー、たまにね。でも、朝いちいち結ってる時間のほうがもっと煩わしいかなって」
「お寝坊さんらしい答えね」
「つかさだってよく寝坊するじゃん」
「……つかさの場合は体質ってゆーか、あんたと違ってショートだし」
「煩わしいものは煩わしいのですよー」
ホント、マイペースだこと。これだけ髪が長ければ、いろんなヘアスタイルが試せて面白いと思うんだけど。
「素材は十分いいはずなんだけどねー……」
そう思いながら、ブラシをさっと髪に通していく。
「ポニテとか浴衣用にまとめたりはするよ」
「どれもコスプレ用でしょーが」
「さすがかがみ様、よくお見通しで」
「勝ち誇って言うんじゃないの」
でも、このまま梳かしておしまいってのも面白くないわね。
ここはちょっと、こなたの髪で遊んでみようかしら。
「それじゃ、私がお手本ってのを見せてあげましょうか」
「んー?」
ドライヤーを止めてから、手で髪を梳く。ほどよく乾いたのを確認した私は、お風呂の
前に解いたリボンを手にしてこなたの髪をまとめ始めた。
「ワンポイントを使ってまとめるだけでも、見た目の印象が違うものなのよ」
手早く、首の後ろあたりでリボンを結う。あとはそのまま、ワンポイントで大きい蝶結びを作っていけば……っと。
「ほら、ちょっとはすっきりした雰囲気になったでしょ」
「おー?!」
ベッドサイドにあった手鏡を持たせてから、私は自分のバッグにあったコンパクトを
こなたの後頭部にかざしてリボンで結んだあたりを見せた。
「こうワンポイントがあるだけで、萌え要素が追加されるなんて……しかも、自分に萌えそうになったヨ!」
「やっぱりあんたの判断基準は萌えか」
だけど、確かにいつものこなたと違ってスポーツ好きの女の子とか、活発そうな感じがする。
やっぱり、磨けば光るんじゃないの。
「でもさー、やっぱり自分でやるとなるとねー。萌えないんだよねー」
「やっぱりめんどくさいとか言うのね」
「んにゃ。こういう風に誰かにやってもらうほうが楽しいとゆーか……その、気持ちよかったし」
「なっ!」
い、いきなり面と向かってなんてことを言うかなー、こなたってば!
「こういう萌えイベントは、やっぱり人にしてもらってこそだと思うんだよね。私は」
「はあ……よくわかんないけど、あんたらしい発想よね、それって」
「とゆーわけで、今度は私の番」
「はい?」
私が返事するが早いか、こなたはこっちに振り向くと、私を強引に後ろへと向かせた。
「私が、かがみの髪をセットしてあげる番だよー」
「あははっ、そういうこと」
こういうイベントがあると、こなたはすぐに実践したがるのよね。
たまには、こなたのわがままに身を任せてみましょうか。
「かがみの髪って、いつさわってもさらさらだね」
手で髪を梳きながら、こなたが気持ちよさそうにつぶやいた。
「それなりに、お手入れには気を遣ってるもの」
お姉ちゃんにいいシャンプーやトリートメントを教えてもらったり、椿油とかもたまに
使わせてもらってるから、髪質には結構自信がある。それを考えると、こなたの髪って
しっかりお手入れすれば、もっといい感じになるはずなのよねー。ホント、もったいない。
ブラシで梳かれる心地いい感覚に身を任せながら、こなたのヘアスタイルをどうしよう
かなって頭の中で想像していく。リボンで耳元をまとめてもよさそうだし、大きめの三つ
編みにしてもよさそうだし……
「かがみ、リボン借りるね」
「いいわよ」
こなたの髪を結んだ他にもう一本のリボンがあるから、きっとそれを使うんだろう。
「ところでこなた」
「うん?」
「こなたって、人の髪を結ったりしたことはあるの?」
「んにゃ、ないよー」
「……え?」
したことがないのに、私の髪をいじくるっていうのは……
「ちょ、ちょっとこなた」
「大丈夫大丈夫。軽くまとめるだけだからさー」
多分、私の髪を指でくるくると弄んでるような、そんな感触。
楽しそうに言うこなたとは反対に、私はちょっと不安になっていたんだけど、
「本当、ちょっとだけだからね」
こなたのやる気を削ぐことはしたくないから、そのまま身を任せることにした。
「あいあいさー」
のんびりした声で言いながら、こなたは私の髪をセットし始めた。
「どーしよっかなー」
「こら、迷いながら髪をぐりぐりいじるな」
髪が痛む元なんだから、やめれって。
「いつものツインテールじゃなくて、シンプルにポニテにまとめてみますかねー……いや、
たまに見せてもらったお団子頭もよさそうだし、たまにはおでこを見せる形にしても面白そうだしー」
「だから人の話を聞けっての」
それでもこなたは手を止めることなく、私の髪を好き勝手にぐりぐりいじってる。
「あー、その、こなた……ちょっと鏡貸してくれない?」
「うん、いいよー」
お気楽にそう言うこなたから手鏡を受け取って、おそるおそるのぞき込むと……
「ちょ、ちょっとこなた!」
さっき梳いてもらったはずの髪は、こなたの手によってすっかりぼさぼさにされていた。
「いいじゃん、後でどうせまたセットするんだからさー」
「だから、そう言いながら髪をくるくるいじるなっ!」
あまりいじりすぎるとダメージの元だし、枝毛になりやすいらしいんだからっ!
「まったく、人がせっかくやってあげたのに……いいわ、また後ろ向きなさい」
私はさっきとは逆に、こなたを強引に後ろへ向かせてから結んだリボンを解いていった。
「ちょっとしたオシオキをしてあげる」
「え? い、一体何を……」
「い・い・か・ら・そ・の・ま・ま」
「は、はいぃっ!」
プレッシャーをかけて、またこなたを前に向かせる。
乙女の大事な髪を好き勝手にした罰、ちゃーんとあげないとね……
ガタガタ震えるこなたの髪を手で軽く梳いてから、その上に重ねるようにして後ろ手を置く。
次に、後ろ髪を真ん中で分けて……で、ぐるっと輪っかを作る。
その輪っかに髪の束を通して、ぎゅーっと結んで、それをもう片方でも同じようにやれば、
「はい、出来上がり」
「ちょっ! か、かがみっ?! なんで私の腕が拘束されてるんデスカ?!」
こなたの言うとおり、私は長い髪を使ってこなたの両手首をふん縛ることに成功した。
「ふうっ……まさか、小さい頃にまつりお姉ちゃんにされたイタズラが役に立つなんてね」
『囚人だー』とか言いながらお姉ちゃんにやられたけど、確かに悪い子を捕らえるにはいい罰かもしれない。
「ちょっ、こ、これ地味に痛いってば! 手も伸ばせないし、かがみにもさわれないし!
わ、悪かったから、離してっ、離してよっ! HA☆NA☆SE!!」
こなたは必死に両脚をじたばたさせながら、私のほうににじり寄ってきて……あ、転がった。
「ダーメ。人の髪を簡単にオモチャにした罰よ。そうね、明日の朝ぐらいまではそのままにしておこうかな」
「そ、そんなー……わ、悪かったよ。悪かったってばー」
観念したのか、後ろ手で転がったままこなたが涙目で懇願してくる。
なんか、こっちが悪いことしてる感じになってきたわね……見た目も凄いことになってるし。
「わ、わかったわよ。でも、あんまり変な風に髪をいじったりしないこと。いいわね?」
「うんっ、うんっ」
髪をほどいてあげると、まるでご主人様に許された猫のようにこなたがぎゅーっと体をすり寄せてくる。
……やばっ、なんかちょっとクセになりそうかも。
こなたの頭を撫でている私の胸は、その潤んだ目と伝わってくる温もりでドキドキと高鳴っていった。
こなたの長い髪を見ていたら、ついついぷちサドなかがみが……
というわけで「天然モノは癖になる」でした。
>HA☆NA☆SE!!
吹いたww
直毛なだけいいじゃないか・・・天パに比べたらさ・・・
すごい直毛は巻いても巻かないという悩みがあるらしいよ?
>>524 でも天パはまじで死にたくなるZE・・・それにしてもお前のIDメタルギア5wwww
>>521 GJ!!
縛られたこなたが、かがみに何されるのがwktkしてしまった俺は間違いなくこのスレの住人 (゚∀゚*)rz
527 :
9-727:2007/09/30(日) 23:33:34 ID:ZLMFA1X+
>>521 髪フェチの自分にとってはなんとも嬉しいSS…。GJでした!
私も一年生ズのエロSSを投下させていただきます。
8レス使用します。後半ちょっとゆたかが黒いです。
田村ひよりは眼前に広がる光景にひどく興奮していた。
その美しさはひよりが今までに見てきた同人誌やゲームなどでは到底表すことはできない。
唯一彼女の頭の中、つまり『妄想』においては表しえたかもしれないが、
先ほどの二つのようなもので得た知識ではたかが知れているものだ。
その光景には圧倒的な『生々しさ』があった。
どれほど官能的な絵であっても、現実のそれには敵わない。
目の前の耽美を求めるのは人間の本能か、はたまたひよりの好奇心か。
ひよりの目はただ真っ直ぐに体を重ねあう友人達を見つめていた。
彼女はなぜこのような状況下に置かれているのだろうか。
時刻は二十分ほど前に遡る。
「大丈夫かなー、小早川さん」
放課後の少し騒がしくなった廊下を独り言を呟きながら歩く。
午後になって少し体調を崩してしまったゆたかと
そのゆたかに付き添って看病をしているみなみの様子を見に、
ひよりはもうすっかり通いなれてしまった保健室へ向かう途中だ。
廊下の窓から青々と生い茂った木が風に揺らされて踊っているのが見え、
それと同時にアニ研の部室の窓も視界に入り、ひよりは自分の原稿の
締め切りが近いことを思い出して小さく溜息をついた。
「天原先生いないんだ……」
保健室のドアには養護教諭の天原ふゆきは職員会議のため
室内にいないという旨の張り紙がされている。
すなわち今保健室の中には他に体調を崩して休んでいる生徒がいなければ
みなみとゆたかの二人きりのはずなのだ。
保健室に二人きりというのは学校モノではお決まりのおいしいシチュエーションであり、
ひよりも何度かその設定の同人誌を書いたことがあった。
張り紙を見た瞬間にひよりの脳内では一本のストーリーが構築されていき、
数秒間いつものトリップ状態に入ってしまったが、
はっと本来の目的を思い出して頭を振り、何とか意識を現実へと引き戻した。
「このまま入るのも何だし、そーっと入ってちょっとびっくりさせちゃおうかな」
特に深い意味はなかったが、ひよりは気付かれないように室内に入り、二人を脅かすことにした。
もしかしたらさっき繰り広げた妄想のようなことを二人がしていないかなと考えてしまったが、
最近の自分の頭のあまりの汚れ具合に嫌気がさしたのか、すぐさま脳内で自重した。
音をたてないように静かにドアをスライドさせ、保健室の中に入る。
やや薄暗い室内の奥に、仕切りのカーテンが閉められているベッドが一つ見えた。
向こう側からもこちら側からもお互いの姿は見えないようで、
脅かすという当初の目的は難なく達成できそうであったが、
ひよりはベッドの方から聞こえてくる音に思わずその目的を忘れてしまいそうになった。
あまりそういうゲームはやったことがないのだが、
形容するならば『アダルトゲームのキスシーンの音』。
向こうから聞こえてくる音はそれにとても『似ていた』。
まさか、とひよりは思った。
そんなはずはない。そんなのは自分の妄想だけで十分だ。
一瞬でもそんなことを考えてしまった自分が嫌になる。
しかし、聞けば聞くほどにその考えは払拭できなくなっていく。
ぴちゃぴちゃ、ちゅくちゅくという水音。
そして時々漏れたように聞こえてくる息のような音。
違うと思いたい。でももしそうだったら……そう思うと体の動きが止まってしまう。
この場にいてはいけないような、そんな気になってくる。
普段はみなみとゆたかのことを好き勝手妄想しているひよりだが、
この時ばかりはいつもと逆の思いであった。
妄想はありえないことだからこそして楽しいものであり、願望とは違う。
それが現実のものとなったとき、人は喜ぶよりもまず驚き、困惑してしまうだろう。
ひよりは今まさにその状態であった。
自分は立ち去ったほうがいいのだろうか。
しかし、単なる勘違いという可能性もある。どちらかは正直分からない。
真偽を、確かめたい。
ひよりは先ほどまで耳に集中させていた神経を足に移し、
二人に気付かれないようにゆっくり歩みをすすめていった。
足音はもちろん呼吸の音でさえも最小限に留め、静かにベッドに近づいていく。
「んっ……ちゅく……ふぅ……ん……」
ベッドに近づくにつれ、さっきの『キスのような音』がより鮮明に聞こえてくる。
体の奥の何かを刺激されるような、甘い音。
ひよりの中で疑惑はほとんど確信へ変わっていた。
ベッドの前にたどり着く。さて、ここからどうしたものだろうか。
「ぷはっ……はぅ……みなみちゃん、何だかえっちだったよぅ……」
あれこれ思案していると、カーテンの中から聞きなれたゆたかの声がしてきた。
それまでもしかしたら違う人がいるのではないだろうかと
ひよりは思っていたのだが、その可能性もこれで否定されたことになる。
しかし今ひよりはそんなことを考えている場合ではなかった。
たった今聞いたゆたかの台詞。それはひよりの精神をぐらつかせるのには十分であった。
そして続くみなみの言葉でひよりは完全にノックアウトされた。
「そんなこと……ない……。ゆたかのが……その……えっち、だった……」
体を後ろにのけぞらせ、際限なくにやけてくる顔を両手で覆う。
足が震えてくる。武者震いというやつだ。
(くはぁっ……やばいやばいやばいやばいヤバイヤバイぃぃぃぃ!!
純粋そうな小早川さんとクールな岩崎さんが……え、えっちだなんて言葉をっ……!!
ふふ、ふふふふふ……落ち着け、落ち着け私……顔がにやけてるぞ……フヒヒ……
見たい、見たい見たいみたいミタイミタイ……あの中で一体何が……!!)
ちなみにその時のひよりの心境を表すとこんな感じである。
「ゆたか……触っても、いい?」
求めるようなみなみの声が聞こえ、
少したった後、布の擦れる音と共にさきほどのキスの音がした。
たたみかけるような展開に、ひよりの脳内はもう暴走寸前になっていた。
少し前までの困惑はどこへやら、彼女の頭の中は
いかにしてカーテンの中を覗き見るかということでいっぱいであった。
高揚する心を落ち着かせ、カーテンに隙間がないか確認する。
しかし両側から閉められたカーテンは光が差さないようにきちんと交差しており、
当然中を除き見れるような隙間は開いていなかった。
ただ、ひよりはここで諦めるような人間ではない。
夢にまで見た百合の花咲き乱れる世界。それが布一枚隔てた先に広がっているのだ。
何としても見たい。いや、見なくてはならない。
ひよりは眼鏡を不気味に光らせ、ゆっくりとカーテンに近づいていく。
中からは相変わらず布の擦れる音が聞こえ、一層想像力を掻きたてられる。
気付かれたらそれまで。
仮にも友人の秘密を覗き見ようとしているのだ。リスクは大きい。
少しずつ、ばれないように少しづつカーテンをずらしていく。
きっとゆたか達も『行為』に夢中なはずだから、こっちには気付かないはず。
緊迫した空気が流れる。脳内ではゴゴゴやドドドといった擬音が渦巻いていた。
「ぁう……みなみちゃん……」
切なげな声を出すゆたかに一瞬余計な力が入りそうになったが、何とか堪える。
そしてついにひよりの目の前に一筋の光が差した。
言われないと分からないほどのごくわずかな隙間。
ひよりは二人にばれることなくついに新世界への扉を開いたのであった。
そこから先のひよりは何度叫びそうになったか分からない。
ベッドではみなみがゆたかに覆いかぶさるようにしてキスをしており、
二人は開いた手を制服の下からしのばせてお互いの胸を触りあっているようだった。
みなみの姿はひよりの側からは後ろ姿しか見えなかったが、
時々びくりと反応する体のせいでスカートからショーツがちらちら見え、
普段冷静な彼女が大胆にもひよりに不埒な姿を晒すことになっていた。
「あっ、ああぅ……み、みなみちゃん……」
声色が少し変わり、ゆたかは表情を歪ませた。
みなみは体を起こしてゆたかの腰の上に女の子座りで乗っかり、
ゆたかの大事な部分を触っているようだ。
そして倒れるこむようにしてゆたかの顔に近づき、
「もっとゆたかの可愛い声、聞かせて……」と囁いた。
「んんぁっ……! お、おかしくなっちゃうよぅ……みなみちゃん……」
憂いを込めた声でゆたかが言ったが、みなみは何も言わずにゆたかを愛撫し続けた。
(う、うおおおおぉぉぉぉぉっ!! い、岩崎さんが『攻め』!!!
ふふ、ふふふふふふ……みな×ゆた……みな×ゆたか……。
妄想が加速する……はぁーっ……はぁーっ……落ち着け……自重しろ私……
いや、自重してないのは向こうの方か……ふふふふ……
だ、だめだ……フヒヒヒヒ……にやけが止まらない……)
一方でひよりの精神もおかしくなりそうであったが、二人には関係のない話である。
「はぁっ……はぅぅ……」
「ゆたか、気持ちいい……?」
「はぁぁっ……うん……気持ちいいよ……みなみちゃん……」
「ならもっとしてもいい、よね……? ゆたか……?」
「えっ? だ、駄目、これいじょ……あっ……あぁぁ、ん……!!」
「声、出しちゃだめ、ゆたか……我慢して……」
さながら恋人のような(と言ってももう恋人同士なのかもしれないが)甘い会話が二人を結ぶ。
ゆたかはみなみに言われた通りに口を塞いで声を出さないように我慢しているが、
時々耐え切れなかったのかよがった声が指の隙間を縫って出てきていた。
「ん……、ふっ…………ぁっ……」
(こ、小早川さん……エロっ……!)
みなみの手から伝わる快感を必死に堪えているゆたかは
いつもの無邪気な彼女からは想像もつかないほど乱れきっていた。
しかし息を荒くし、体を小さく震えさせ、
愛する人と行為に及ぶその姿は普段より何倍も『女性的』であった。
「……!! だ、め……ゆたか……」
「えへへ……おかえしだよ、みなみちゃん……」
ゆたかが自分の上に馬乗りになっているみなみの秘部に手を伸ばす。
みなみはやや制止する素振は見せたもののそれ以上の抵抗はせず、
二人はお互いのそこを触りあって快感を募らせていった。
「あっ……あぁ……」
「みなみちゃん、声出しちゃ駄目だよ……我慢しなきゃ、ね?」
先ほどとは打って変わってゆたかが優勢に出る。
ゆたかの表情はとても楽しそうであった。
ひよりからは見ることができなかったが、ゆたかを攻めているときのみなみも
いつも感情を露にしない彼女が他人から見ても分かるほどに嬉しそうな顔をしていた。
両人とも攻め気質なのか受け気質なのかは分からないが、、
二人はひよりの妄想を突っ走らせることには長けているようである。
「ぁ、あっ……ふっ……んん……」
「み、みなみちゃん……も、我慢できないよ……しよっ?」
ゆたかが震える声で訴えるとみなみはその手を止め、ゆたかのショーツを下ろした。
そして自分のショーツも脱ぎ、片方の足をゆたかの足の下に、
もう片方をゆたかの足の上に来るような形に体勢を変えた。
つまりこの体位は、
(かっ、かかかかか貝合わせ!!!?)
「あ、はぁっ……ん、ん、んんっ……」
「はぅぅ……みなみちゃん……気持ちいいよぅ……」
クチュクチュといやらしい音が保健室に響く。
貝合わせはあまり気持ちよくならないと聞くが、
二人はお互いのツボを心得ているのか、十分に快感を得ているようであった。
ここでようやく時刻は冒頭に戻る。
ゆたかとみなみがこういう関係だったことや
二人の普段とは違う一面、そして今目の前で行われている行為を目の当たりにし、
この短時間でひよりはすっかり興奮しきっていた。
「はぁ、ん……あ、あぁ……ああぁ……」
「ん……んふっ……はぁぅ……」
相変わらず二人はひよりに見られていることなど知らずに
一心不乱に腰を動かし続けている。
あまりに生々しい絡み合い、ぬちゅぬちゅと聞こえてくる水音、
そしてベッドから漂う独特の女の子の匂い。
視覚、聴覚、嗅覚で性感を刺激され、ひよりの体は疼きに疼いていた。
「はぁっ…………はぁっ…………」
呼吸が深いのが自分でも分かる。
あんなものを見せられて健全な女子高生が欲情しないわけはない。
ひよりは片手を自分の秘部へと近づけ、立ったまま自慰を始めてしまった。
今まで我慢していたこともあってそこはすでに濡れそぼっており、
少しの刺激でも敏感に反応してしまうほど感度が上がっていた。
指の腹で自分の一番気持ちの良いところを弄び、
刺すような鋭い快感に大きく喘ぎそうになったが、
二人に気付かれてはいけないことを思い出し、無理矢理声を殺した。
目をとろんとさせ、口を少し開けて自慰に勤しむひよりの姿は
ベッドで行為をしている二人以上にあまりにも淫らだった。
「……っ……はぁっ…………、んっ……」
(駄目……友達をネタにしてこんなこと……しちゃ……)
頭では分かっていても体は止まらない。ひよりはあまりに欲望に忠実であった。
段々と支えがなくては立っていられなくなり、開いている手でカーテンを掴んで耐える。
快感を得られるならいっそバレてもいい。
そんな考えすらひよりの頭には浮かんでいた。
「はぅ……みなみちゃ……私、もう……」
「私も……限界……ゆたか、一緒に……」
ベッドで互いの秘唇を擦り合わせていた二人はもう消えそうになるほどのか弱い声だった。
二人の動きはラストスパートとばかりに激しくなり、
やがて目を見詰め合ったまま小さく叫び声を上げて絶頂を迎えた。
「っはぁ……ゆ、たか……」
「みなみ……ちゃん」
体を起こしていたみなみがゆたかの方にぐったりと倒れこみ、
お互いの愛を確かめ合うかのように二人は抱き合った。
それと同じくしてひよりも顔を歪ませ声を殺すようにして歯を食いしばり、
「――――――――――――!!!」
と言葉にならない叫び声を上げ、体を大きく痙攣させた。
しかし襲い来る快楽に耐えられず、ついにひよりの体は足から崩れていってしまった。
「た、田村さん……!?」
ゆたかが物音のした方を向くと、ひよりが居た。
倒れたときに手にもっていたカーテンが開いてしまったようで、
しりもちをついてベッドを見上げているひよりの姿はゆたかから丸見えであった。
これにはみなみも驚きの表情を隠せないようで、
ゆたかの顔とひよりの顔を交互に見ては信じられないといった目をしていた。
「ひょっとして……見てたの……?」
「えっ……あの……その……これは……」
まだ完全に回らない頭で必死に弁解の言葉を探してみるものの、
この状況を打開できるような理由などあるはずもない。
ついに観念したのかひよりは、
「ご、ごめん……なさいっ……!!
始めは覗くつもりはなかったんだけど……小早川さんの様子を見に来ただけで……
その……ちょっと脅かそうと思って静かに入ったら……二人の声が聞こえてきて……
ほ、ホントに……ごめんな……さいっ……」
目に涙を浮かべながら二人に向かって頭を下げた。
許してもらえるとは思えない。絶交されることも覚悟した。
不可抗力とは言え二人の行為を隠れ見たことは事実。
最低なことをしてしまったと、後悔の念がひよりを支配した。
あの時立ち去っていればよかったのに、好奇心に勝てなかった。
あわよくば新刊のネタに……などと考えていた自分を消してしまいたかった。
永遠に感じられる沈黙の中、ひよりは自分のしたことを真剣に悔いた。
「許して……ほしい?」
「えっ……?」
ひよりは自分の耳を疑った。
まさかゆたかがそんな救済の言葉をかけてくれるとは思わなかったからだ。
「田村さんが反省してるなら私達もそんなに気にしてないから……許してあげるね」
「小早川さ……」
「でも、覗いたことは事実だから、ちゃんと罰は受けてもらわないとね?」
天使のような、しかし小悪魔の笑みにも見える顔でゆたかは言った。
罰とは一体なんだろうか。しかし二人はこんな自分を尚受け入れてくれた。
どんなことでもしよう。
ひよりはそう誓った。
「みなみちゃん、さっき話した通りね? じゃあ田村さん、こっちに来て〜」
ゆたかがベッドから降り、手招きをした。
ひよりはまだ少しふらふらする足でベッドのほうへ向かう。
一体何をする気だろうか――
「!!?」
と考える間もなく、ひよりは突然ゆたかとみなみにベッドに押し倒された。
わけがわからず、ひよりは狼狽して二人の顔を見る。
「こっ、小早川さん? 岩崎さん?」
「私達、田村さんに恥ずかしいところ見られちゃったから、
今度は私達が田村さんの恥ずかしいところ見たいなぁ……ねっ、みなみちゃん?」
「ゆたかがそういうから……我慢して、田村さん……」
ゆたかのあまりの笑顔に、ひよりは自分の血の気が引く音が聞こえた。
よくもまぁ、こんな恐ろしい罰が思いつけるものだと。
「んっ……んはぁっ……や、やめ……小早川、さん……」
「だーめ。みなみちゃん、もっと強くしてあげていいよ〜」
「わかった……ごめんね、田村さん……」
「……!! はぁぁっ……!!」
ひよりは二人の少女に両方の胸を辱められていた。
苦痛になっていない分、罰かどうかは微妙なところであるが、
ひよりの羞恥は相当なものだった。
「もうこんなになってるんだ……ひょっとして、私達がしてるの見て一人でシちゃった?」
「こ、小早川さん……キャラが……」
「したの? してないの?」
「し、しました……」
ゆたかの小悪魔的な笑顔にひよりはなすすべもなく言いなりになるしかなかった。
「じゃあ、今どんな風にしてたかここで見せて〜?」
抵抗するのも無駄だと気付いたのか、ひよりはゆたかの言うとおりに自慰を開始した。
みなみは「ちょっとやりすぎじゃ……」と言いたそうな目をしているが、
相変わらずひよりの胸をゆたかと共に攻め続けていた。
「はぁぅ……んっ……あぁっ……あ、ああぁっ……」
絶え間ない快感がひよりを包む。次第に思考がストップし、
みなみとゆたかが居ることなど構わずにひたすらに自分を攻め続けた。
さっき一度果てたこともあり、感度は相当なものであった。
「ん……イ、ク…………も……駄目ぇ……」
枕をぎゅっと握りしめ、これから来る快感に備える。
そして一気に絶頂への階段を上り始めた、そのときだった。
「だめだよ田村さん、勝手に気持ちよくなっちゃ……」
ゆたかに手を掴まれ、ひよりは強制的に自慰をやめさせられてしまった。
中途半端に止められた体は疼いたまま行き場をなくしていた。
させるなら最後までさせてほしい、とひよりは思った。
ひょっとしたらこれこそが一番罰に近いのではないだろうか。
しかしその願いはゆたかが「最後は私がしてあげるね……」
と言ったことによって叶えられることとなった。
「……あぁっ!! 小早川さ……激し……あぁんんっ……!!!」
「田村さん、静かにねっ?」
ゆたかがひよりの秘唇を激しく愛撫し、保健室にぴちゃぴちゃと水音が響く。
ひよりは声を抑えることが出来ずに口に手を当てて必死に耐えている。
当然口で息が出来ないので鼻で息をするが、
興奮しきったひよりには鼻のみの呼吸では酸素が足りず、ひよりは半ば酸欠状態で喘いでいた。
みなみは「私でもそんなに激しくされたことないのに……」と
若干ひよりに対して言いようのない嫉妬感を感じているようであった。
「はぁっ……はぁぁっ……も、イク……イクぅぅっ……」
全身の毛穴を開き体を痙攣させ、ひよりは限界に近づく。
「お疲れ様、田村さん♪」
ゆたかがにっこり微笑み、愛撫を強めた。そして、
「……はぁっ、あ、あっ、あぁぁんっ、ああぁぁ……あっ、ああっ――――!!!」
とひよりが叫び、快感を示すかのように体を大きく仰け反らせた。
その後事切れたようにぐったりとしてしまったが、
快楽そのものはまだ残っているのか体は尚もびくびくと動いていた。
「うわぁ……びしょびしょになっちゃったね……。あれ、田村さん?」
「気を失ってしまったみたい……とりあえず服だけでも元に戻してあげよう……
それとゆたか、さっき田村さんにしたことを今度私にも――」
「しっ、先生が戻ってきたみたい」
「…………」
ゆたかの言うとおり、会議から戻ってきたふゆきが保健室のドアを開けた。
「小早川さん、良くなったかしら……」
心配そうなふゆきの前に、ゆたかが仕切りのカーテンを開けて飛び出した。
「あ、先生。私ならもう大丈夫ですよ。
でも今度は田村さんが調子悪くなっちゃったみたいで……」
ゆたかは友人を気遣う目つきでひよりの寝ているベッドを見た。
みなみはゆたかの機転と、それを実行できるほどの演技力と度胸に少しだけ恐怖を感じた。
「しばらく休ませてあげてもらってもいいですか? お願いします」
「あらあら、わかりました。こちらでしっかり看病させてもらいますね」
「じゃあまた後で来るからね、田村さん。帰りにいっぱいお話しようね〜」
無邪気な笑顔で手をふるゆたかに、
みなみはもう彼女には絶対に逆らわないようにしようと心の中で決めた。
ゆたかの開けたドアから入った爽やかな風が保健室の中を駆け巡る。
仲の良い三人の友情関係が少し、いやかなり変わった一日であった。
「それと……保健室であんまりオイタしちゃだめですよ……?
私は保健の先生なんですから……匂いでわかりますからねっ」
ふゆきは少し顔を赤らめて言った。
536 :
9-727:2007/09/30(日) 23:45:34 ID:ZLMFA1X+
これで終わりです。
ひよりんのキャラソン聞いてから妄想が加速し放題で困ります。
しかしどうも自分はゆたかを黒化させたがる傾向にあるようで…。
つかさは黒くならないのに…なんでだ。
尚、タイトルは某・パニックの短編集から取りました。
読んでくださった方、ありがとうございました。
ふゆきせんせえええええええ!!!俺と付き合っ・・いや、俺にはかがみんがあああ・・!
ともかくGJ!
>>536 GJ!
ひよりが覗いたりイかされちゃったりで肉体的にも精神的にもエロいよ
やきもちみなみが何気にかわいい
昼に確認したときは400KB弱だったのにもう444KBか
ここの書き手さんの活動はハンパねぇ……
皆さんに盛大なG.J.を与えたい
こりゃ今日のうちに次スレ行っちゃうかな?
>>536 1年生ズってなんかえろいよね、うん、潜在的にえろい
そしてゆたか攻めを激しく肯定。GJ!
先ほどてけかな読んで泣いてきた俺だか
他にお勧めのシリーズものって何かない?
>>542 まとめの作者別で投稿数が多い人から探すといいと思うよ
私的な最近のお気に入りは『こな☆フェチ』シリーズだが、感動系とはいい意味で程遠い
>>536 GJです
同じくやきもちみなみがかわいい
今現在進行形で続いてるシリーズものってどんだけあるのかも気になる
>>539 GJ!一瞬みゆきに見えたのは秘密だ
てかさっきの地震に素でビビッた俺って…orz
>>546 俺もみゆきに見えた
こなたお揃いにしたのかとオモタ
>>539GJ!!こなたとみゆきが合体したみたいな感じだな。
さて・・・では久々に・・・
こなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁゆきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!
ねぇ
てかこれを壊れみゆきさんが見たら本気で融合装置とか作りそうだな。(鼻血出して失血死寸前までいってからだがwww)
311です。
SS投下したいと思います。『はじめて』の続きを書いて
いたんですが、詰まったので逆に前の話を書いてみました。
こなかがで非エロ
シリアス目です
4レス失礼します。
550 :
君に届け:2007/10/01(月) 05:58:32 ID:XAp8J4RK
『シャボン玉に願いを込めながら吹いて、見えなくなるまで
それが割れなかったら、その願いは叶うんだよ』
うんと小さい頃に教えて貰ったおまじない。
二人の姉のうちのどちらだったか、それとも両親だったのか
誰が教えてくれたのかはもう覚えてないけれど。
今だったら、どんな願いを込めるだろうか?
『君に届け』
「かーがみーんっ!」
「うおっ!?」
廊下で勢いよくこなたが背中に飛び付いてきた。
…まったく、二つの意味で心臓に悪いから止めて欲しい。
いきなりの衝撃に驚いただけじゃない理由で高鳴る胸の鼓動を
悟られないように、まだ背中に張り付いているこなたを引っぺがす。
「で、なんなのよ」
「んー、昨日のテレビで壊れにくいシャボン玉の作り方
っていうのをやっててネ。懐かしくて作ってみたんだけど、
作りすぎちゃって」
もったいないからおすそ分け、とか言いながら
こなたが私の手に小ビンとストローを渡してくる。
「おま…小学生じゃないんだから…」
はあ…とため息を付くけど突き返すような事はしない。
「むう、たまには童心に返ってみるのもいいもんだよー?」
「あんたはたまにじゃないでしょーが」
ぷくっと膨れるこなたの頬をつつきながら、答え返す。
「あ、そろそろ次の授業だから行くね」
これ以上、ぼろを出さない内に離れる事にする。
「ん、じゃねー」
最近の私はやばい。
こなたを好きだって自覚した日から、抑えようとすればするほど
溢れそうになるこの想いを、持て余している。
日に日に気持ちは大きくなっていって、正直そろそろ限界な気がする。
不毛だな、と心の中で自嘲する。
私かこなた、どっちかが男の子だったらこんなに悩む事もないんだろう。
女の子同士だからとか、それ以上に、
今の関係を壊してしまうのが怖かった。
貰った小ビンとストローを握りしめながら
教室へと入っていくこなたを見つめる。
どうしたらいいんだろう?伝える事も、ましてや諦める事もできない。
何十回と繰り返したこの問いに、今日も答えを出す事が出来ず
私もまた、自分の席へと腰をおろした。
551 :
君に届け:2007/10/01(月) 06:00:17 ID:XAp8J4RK
「お姉ちゃん、帰ろー?」
放課後、つかさがこなたと一緒に私の教室に入って来た。
「ごめん、今日は用事があるから先に帰ってて?」
一瞬、こなたの眉根が寄せられたような気がするけど、
次の瞬間にはいつもの笑顔になる。…気のせい…かな?
「そっか、じゃ、つかさ帰ろっか」
「うん、じゃあねお姉ちゃん」
手を振りながら、帰る二人を見送ってから
私はまたひとつため息を付く。
気付かれていないだろうか。
自分が限界に近づいている事を知って、私はほんの少しだけ
こなたと顔を合わせるのを減らすようにした。
もちろん、今日も用事なんてない。
(さて、どうやって時間を潰そう…)
用事があると言った手前、あんまり早く帰ると怪しまれるし
かといってこれからどこかに行く気にもならない。
ふと、鞄の中に入れた、あの小ビンの事を思いだした。
「あ…シャボン玉…」
こなたの言うように、童心に返るわけじゃないけど
いい暇つぶしにはなるかもしれない。
(さすがに教室でやるわけにはいかないし…屋上…?)
鞄を持って屋上へと向かう。
普段からそんなに人が来る所ではないし、放課後と言う事もあってか
屋上には、誰も居なかった。
ふわり、と風が頬を撫でる。
柵ぎりぎりの所まで近づいて、鞄から小ビンとストローを
取り出して蓋を開けた。
シャボン玉なんて何年ぶりだろう?
覚えているのは誰かの言葉。
幼かった私とつかさは、何度も吹いては割れていく
シャボン玉に落ち込んでいたっけ…。
おまじないだとか、占いは信じていないけれど
少しだけならいいかもしれない。
ストローの先をビンの中の液体につけて、ふうっと
鮮やかな色彩を放つ空に向かって吹いた。
「好き」とか「一緒にいたい」という気持ちを込めて。
いくつも舞い上がったシャボン玉が、夕焼けにきらきら照らされているのが
泣きたくなるぐらい綺麗だった。
壊れにくいといっても段々と膜が薄くなっていって
一つ、また一つと割れていく。
ふわふわと不安定に浮き沈みを繰り返す姿が、まるで私の心のよう。
だけど、たった一つ残ったシャボン玉が
オレンジ色の空へ、まるで溶けるようにすうっと消えていった。
552 :
君に届け:2007/10/01(月) 06:01:43 ID:XAp8J4RK
「え……?」
光の加減かも、と目を凝らしてもう一度見てみるけど目に映るのは
雲一つないオレンジ色の空だけで。
割れたのが消えたように見えただけかもしれない。
それでも、口に出さずにはいられなかった。
「叶うかな……」
「何が?」
「ずっと一緒に居たいって…」
「誰と?」
「それは…ってええ!?」
反射的に質問に答えていたけど、居るはずのない人物の声に
驚いて振り向く。
そこにはさっき帰ったはずの――こなたが居た。
「んな…な、なんでここに…?つかさは!?」
「忘れ物があるっていって先に帰ってもらった。
…で、誰と?」
こなたがいつになく真剣な顔で、一歩づつ近づいて来る。
逃げ道を探すけど、後ろはすぐ柵で、逃げられない事を悟る。
「…最近、私たち…っていうか主に私、を避けてたよね?
…それが、原因?」
「――――――っ!!」
バレてた。上手くやってたつもりなのに。
違う、と言いたいのに言葉が喉の奥で絡まる。
ぱくぱくと、酸欠の金魚みたいに、ただ口を開けたり閉じたり
する事しかできない。
何も言えずにいると、突然こなたが立ち止まった。
手を伸ばせば届く距離なのに、なぜかひどく遠い所に居るような錯覚を覚える。
「…そうだよね。好きな人が居るんなら、そっちの方に
行きたいよね。私たちがいたら邪魔、だよね。
ごめん、これからはもっと気をつかうからさ」
もう一度、ごめん、と言いながら、こなたが
もと来た方へと戻ろうとする。
「ま…待って!」
今、呼び止めなきゃいけないような気がした。
拒絶されたらどうしようとか、そんな考えは
意識の外に追いやって、叫んだ。
「こなた、だからっ!!」
「……何が?」
足を止めて、でもこっちは振り向かずにこなたが答える。
覚悟をきめて言う。
「だからっ!私が好きで、ずっと一緒に居たいのはこなたなのっ!!」
「え………?」
こなたが私を見たけど、私はこなたから
目をそらして、心の中にあった想いを全部吐き出す。
553 :
君に届け:2007/10/01(月) 06:03:48 ID:XAp8J4RK
「こなたを避けてたのも、今日用事があるって嘘ついたのも
全部、これ以上こなたと一緒に居たら
抑えられなくなりそうだったから…!」
今の私の顔は夕焼けに負けないぐらい真っ赤に違いない。
暫くの沈黙の後、呟くようにこなたが言う。
「かがみも…?」
……え、『も』って…?
「私もかがみの事、好きだよ。友達として、じゃなくて」
ぽつりぽつりとこなたが話し始める。
「みゆきさんとつかさは気付いてなかったみたいだけど、
かがみの様子がおかしかったから、つかさに協力してもらって
後をつけてみたら、さっきのが聞こえて…」
いきなりの事に頭が上手くまわらない。
こなたも、私を?
「かがみに好きな人が居るなら諦めようと思った。
…やっぱり、世間的には認められないしね」
こなたの顔がびっくりするぐらい近くにあって、
自分の心臓の音がやけにうるさく聞こえる。
背中に手を回されてぎゅっと抱きしめられ
でも、とこなたが私の胸に顔を押し付けながら続ける。
「かがみも、好きだって言ってくれるなら、
もう離さないから、ね?」
望むところじゃないか。
漸く思考が回復してきて、私もこなたの小さな体を抱きしめ返した。
「かがみん顔真っ赤ー」
「うるさいっ!あんただって赤いじゃないか!」
手を繋いで一緒に帰りながら軽口をたたき合う。
シャボン玉に乗せた願いは無事に届いたみたいだ。
おまじないも、案外バカにできないものなのかもしれない。
そう認識を改めつつ、私はこなたの手を握り直した。
以上です。
読んで下さった方、ありがとうございます。
ひかる×ふゆきも書きたいけどネタがない…
朝からGJ!!
遅刻覚悟で読んでよかった!!
>>554 GJ!朝からいいもの読ませてもらった^^
>>554 GJ!
ひかる×ふゆきにもwktk。前自分で投下したけど出来がアレだったし…
GJ
ひかふゆとなると大学時代あたりからに制限されて
中学時代や高校時代が書けないのがいたいな
大人同士のかけあいもいいんだけど
>>543 さんくす
取り敢えず読んできて
こなたとかがみの両視点のやつと、平安パラレル、それからぼけぼけあたりが面白いなと感じたわけだが
………最後に呼んだせいだろうか
あんたのお気にだというこな☆フェチを先ほど読んだんだ
あまりのインパクトでいろいろ吹き飛んだZE
……腹筋がぶっこわれた
最近来たばっかりで疑問に思っていた壊れみゆきだの鼻血みゆきだのがなんなのかようやくわかったぜwwwwwwwwwww
なんだか最近こなかがが食傷気味
「悪いが、俺の魂はこう言ってる…… "もっとこなかがを!"」
お婆ちゃんは言っていた……良質なこな×かがに限界など無いと……
こなかがに関しては専用スレがあるぐらいだし、非エロ作品はそっちでやった方がいいかもね
>>564 あ り が と う !!
今まで見つけられなかったんだ!
「むー……『こなかが』は食傷なんだってサ」
「ふーん、別に良いんじゃない?」
「え……っ」
「誰が好き好んで見世物になりますかっての。こっちに興味がなくなってくれるなら清々するわ」
「か、かがみ、それって……本当はかがみはわたしの事……んむっ!?」
「ちゅ……っ……ふぅっ……誰もいなければ、心置きなくこなたとこういうことも出来るじゃない?」
「はぁっ……ん……不意打ちはずるいよ、かがみ……ぁんっ♪」
俺らがどう動こうと、ふたりにはまるで関係の無いこと
そんな風に思ったエロ時はかがこな派の俺
ずっとここにお世話になっていたからここに投下したいけど、
やっぱ非エロだとあっちのほうがいいんだろうなという俺アンビバレンツ(´・ω・`)
他カップリングのSSも負けじと投下されればいいことだぜ
というわけで集え同志よ
と言うか気付いたけど後容量が40kだな
続きものってかくもんじゃないな
全然思い付かなくて投下できない俺がいる
続き物書いてるとなぜか変な電波受信しちまって3作くらい平行執筆してしまう俺
ゆたか&みなみの非エロ投下します。5レスほど。
「みなみちゃん、ごめんね……」
みなみちゃんとケンカした。
どんなケンカをしたのか、なんでケンカをしたのか、そんなことはもうどうでもよかった。
ただ、謝りたかった。許してもらえるかわからないけど、みなみちゃんに謝りたかった。
「みなみちゃん……」
いくら言っても、みなみちゃんはここにはいない。ここは私の部屋で、みなみちゃんは
学校にいるはずだから。こなたお姉ちゃんはもちろん学校で、おじさんも今日は仕事で
どこかに出るみたいで、家には私一人だった。
本当は、どうしても学校に行きたかった。みなみちゃんに会って、昨日のことを謝り
たかった。行くって言ったけど、こなたお姉ちゃんに止められた。
私は悪い子だ。あんなに優しいみなみちゃんを怒らせちゃったんだから。
せめて謝ろうと思っても、私の体はそれすら許してくれなかった。よりによってこんな
日に、学校を休まなくちゃいけないくらい体調が悪くなった。
本当に、自分が嫌になる。
いつも誰かに迷惑をかけてばっかりだった。ゆいお姉ちゃん、こなたお姉ちゃん、
みなみちゃん……今までの私のクラスメートに先生たち。みんな、こんな私にでも優しく
してくれた。
全部、私のせいだ。今日、学校を休むはめになったのも天罰なのかもしれない。
それでも。
「みなみちゃん……」
会いたいよ。
瞳からこぼれた涙を枕で拭き取って、それでもまたこぼれてきた。
「みなみちゃん……」
会いたいよ、みなみちゃん。
もう許してくれなくてもいいから。もう一生立てなくなってもいいから。
今だけでいいから、みなみちゃんに会いたいよ。
「みなみちゃん、ごめんね……」
「私のほうこそごめん、ゆたか」
「えっ?」
来るはずないと思っていた。
部屋の入り口に、息を切らせたみなみちゃんが立っていた。
「みなみちゃん、なんで……」
みなみちゃんが来てくれた。嬉しかった。来てくれると思ってなかったから。
「泉先輩が開けてくれた。不法侵入とかはしてない」
って、時計を見てみたらもう放課後の時間だった。授業が終わる時間から計算すると、
終わってから真っ直ぐここに来たことになる。
「泉先輩に頼まれた。ゆたかに会ってやってって」
こなたお姉ちゃん、私がケンカしたこと気づいてたんだ……。
「みなみちゃん、ごめんね……私のせいで」
「いや、あれは私が悪かった。ごめんなさい……」
やっぱりみなみちゃんは優しいんだ。でも、やっぱり……。
「ごめんって、それだけじゃないよ」
言わなくちゃいけない。
「私はこんな体だから、いっつも誰かに迷惑かけてばっかりなんだ」
もう思ってること全部言っちゃおうと思った。
「みなみちゃんにもいっぱい迷惑かけちゃって、それなのにもっと助けてもらいたいって
思ってるんだ」
もうみなみちゃんとケンカなんかしたくない。だから私の思ってること全部しゃべって、
二度とケンカできないようにしてやろうって思った。
みなみちゃんに嫌われちゃうかもしれない。それでも、ケンカするくらいなら嫌われ
ちゃったほうがいい。もう二度とこんな思いはしたくないから。さっきみたいな、寂しくて
泣きたい気持ちにはなりたくないから。
「みなみちゃんに優しくしてもらってるのに、まだ足りないんだ。田村さんにも優しくして
もらってるのに、みなみちゃんの方がいいとか、そんなこと考えてるんだ」
嫌われちゃってもいいなんて思ったのに、みなみちゃんがどんな顔をして聞いているのか、
怖くて見れない。
「本当はね、私ってすっごくわがままなんだよ。こなたお姉ちゃんのこと好きなのに、
さっきまでみなみちゃんのことばっかり考えてたんだ。今ここにきたのがこなたお姉ちゃん
だったら、多分がっかりしてた」
こなたお姉ちゃんだけじゃなくって、おじさんも田村さんも私によくしてくれてる。ゆい
お姉ちゃんのことも大好きで、来てくれたら嬉しかっただろうけど、多分満足してなかった。
みなみちゃん以外だったら、私は不満だった。
「私ってそんなこと考えてるんだよ……。みんなのこと好きなのに、こんなに自分勝手
なんだよ。嫌いになったでしょ……。もう私なんか友達に……うっ……ひくっ……」
言えない。言えないよ。
「もう、友達……ともだちに、なんて……やだ、やだよぉ……」
みなみちゃんに嫌われるなんてやだよ。みなみちゃんのこと好きだもん。
みなみちゃんにばっかり甘えちゃいけないよ。それなのに嫌いになってとも言えない。
「やだよぉ……うくっ……もう……」
どうすればいいのか、わからないよ。
*
「ひよりんにもついて来させて、悪かったね」
「とんでもないっス。頼んででも来させてもらいたかったっスよ」
小早川さんは岩崎さんに任せて、私は泉先輩とまったりお茶をしてた。今日の仕事を終えた
成実さんと泉先輩のお父さんも一緒に待ってるんだけど……。
「ゆいちゃん、ごめんな。こんなことになってるなら何がなんでもオレが側にいてやらなきゃ
いけなかったんだよな。ゆきから預かった大事な娘なんだから……」
「こんなおじさんにいてもらってもゆーちゃんには迷惑だよ」
「なっ!?」
さすが泉先輩、実の親が相手でも容赦がないっス。
「まあ、みなみちゃんには悪いけど、私はこれでよかったって思ってますよ」
お茶を一啜り。
「ゆたかはわがまま言わない子ですから。いつも自分のせいで周りに迷惑がかかってると
思ってるから、いつも欲求を隠してるんです。ケンカできるような相手ができたんなら、
少しはわがままを言えるようになったんだと思います」
成実さんのことをちょっとすごいと思った。この人は、小早川さんと岩崎さんが仲違い
したままになるとは、ちっとも考えてないんだ。
「これからもゆたかが迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします。こなたも、
おじさんも、ひよりちゃんも」
「オレはゆたかの親代わりのつもりだからな。いくらでも任されるよ」
「そうそう。ゆーちゃんは妹みたいなもんだし」
二人にとってはそれが当たり前のことで、迷惑だとは考えてないんだよね。
それなら私は……。
「私も小早川さんの友達ですから。いくらでも来いっスよ」
小早川さんと岩崎さんの仲睦まじい姿を見るのが好きで、二人と友達になって、それでも
これだけ一緒にいれば情も移る。昨日の時点でケンカを止められなかったことも後悔してる。
小早川さんと岩崎さんの間には誰も割り込んじゃいけないと思って、私はそんなふうに
していた。それが、私が仲直りの手助けをできなかった理由なのかも。
こんなときに力になれないのが、ちょっと寂しい。なんでこんなことになったかって
いえば、私が二人を同人誌のネタにしようと思って、少し距離をおいていたからだと
思う。私は二人の友達なのに……ちょっと反省。
「ありがとうね。田村さんもゆたかのこと好きでいてくれる?」
「当たり前っスよ。それに、小早川さんと岩崎さんが仲良くしてるのが嬉しいっスから」
変な意味じゃないよ。決して。
「ゆたかには友達がいてくれるんだから、ここはみなみちゃんに任せるよ。ゆたかが姉離れ
するのはちょっと寂しいけど、先に妹離れしたのは私のほうだしね……ま、もう少し待ち
ましょっか」
やっぱりお姉さんも小早川さんも好きなんだ。寂しいっていう気持ちは私よりずっと
大きいんだろうな。
考えてみれば、小早川さんもこれまでずっと苦労してきてるんだよね。身体が自分の
思い通りになってくれないのってすごく辛いだろうし、小早川さんは良い子だから学校を
休むだけでも後ろ暗い気持ちになるんだろうな。
私だったらいくらでも小早川さんを助けてやれる気になるけど、小早川さんにとっては
それが負い目になってるんだと思う。
でもそれが萌え……じゃなくて好感を持てるし、やっぱり岩崎さんとうまくいってほしい。
変な意味じゃないよ。決して。
*
「みなみちゃん……ひぐっ……」
ゆたかが私に何か言おうとしているのはわかるけど、ただ泣きじゃくるだけだった。
ゆたかに何て言ってやればいいのかわからない。何て言えばゆたかは泣き止むのだろう。
口のうまい人なら何かいいことを言ってやれるのだろうけど、私にはできなかった。
昔からそうだ。伝えたいことがあるのに伝わらない。伝えるべきことを正しく伝えることが
できない。だから、ゆたかともあんなケンカになった。
全部、私のせいなんだ。
無口で愛想がないと、よく人に言われた。そんな私を友達と呼んでくれるゆたかを、
どんな理由であれ怒らせてしまったのだ。つくづく、自分が嫌になる。
そんな私にゆたかが愛想を尽かしたというのなら、それはしょうがないと思う。私でさえ
自分を好きになれないのだから。
――それでも。それでも、ゆたかのために何かをしたかった。私はゆたかのことが好き
なんだから。ここでゆたかのために何かをするべきなのが誰かではなく私だってことくらい、
私にもわかる。
それなのに、どうすればいいのかわからない。
何もわからない。どうしてこんな私に友達ができたのか……。
……そうだ。そうだった。
「ゆたか、これ……」
私はハンカチを差し出して涙を拭う。奇しくも、それはあのときと同じハンカチだった。
泣き止ませることはできなくても、涙を拭くことなら、私にもできる。
「みなみちゃん……」
ゆたかの手をとって、ゆたかと手を繋ぐ。少しだけ、勇気が欲しかった。
何て言えばいいのかわからない。だから、思ってることをそのまま言うことにした。
「私は、ゆたかのこと好き。何があっても、ゆたかのことが好き」
たったこれだけで私の気持ちがゆたかにどれだけ伝わったかのかはわからない。でも、
これが私にできる精一杯だった。
ゆたかの瞳から、また涙が溢れてきた。私がハンカチで拭う前に……
「わたしだって……ひくっ……みなみちゃんのこと……嫌いになったりなんか、しないもん」
私の胸にすがりついてきた。そのままゆたかのことを抱きしめる。なぜかそうしたかった。
よかった。ゆたかは私のことを好きでいてくれる。
「ごめんね……みなみちゃんから、離れたくなんかなかったのに……」
「いいの? 私はこんなに無口で無愛想で、人から好かれることなんか」
「そんなふうに言わないでっ!」
まだ泣き止まないゆたかの声は、意外なほどに強かった。
「みなみちゃんは優しくて、かっこよくて……私は大好きだよっ」
私が、どれだけ自分を好きになれるのかはわからない。でも、ゆたかが好きでいてくれる
なら、それでいいと思った。
「私が……こんな身体じゃなければ……もっと、みなみちゃんと……うくっ」
泣き声交じりのゆたかが何を言おうとしているのかはわからない。
それでも、なんとなく私と同じことを言おうとしているのだとわかった。
「私はゆたかのこと好きだから。ゆたかのこと、全部」
「みなみちゃ……」
小さなゆたかの身体は、とても抱き心地がよかった。
*
「みんな……ごめんなさい……」
私のために、こんなにも人が集まっていたなんて。いつのまにかゆいお姉ちゃんまで。
「いいっていいって。みんなゆたかのこと好きなんだよ」
「うん」
胸につかえてたものがなくなって、すごく爽やかな気分だった。
「あの、田村さんもごめんなさい。こんなことに巻き込んじゃって」
「あはは。これは私が好きで巻き込まれたんだから」
そう言って、田村さんは気まずそうに目をそらした。何かあったのかな?
「私のこと心配してくれてる人がこんなにいるんだよね。私のクラスにも」
「そうそう。ゆーちゃんが思ってるより、世の中恵まれてるものなんだよ」
明るく笑うこなたお姉ちゃんにも、何か思うところがあるのかもしれない。
おばさんはもう亡くなっちゃってるけど、こなたお姉ちゃんはこんなにも元気なんだ。
「そうだよね……私はこんな身体だけど、みなみちゃんがいてくれるから。みなみちゃんと
友達になれてよかったよ。入試で会ってから入学のときまで、ずっと楽しみだったんだ」
「私は……ゆたかが元気になっても友達でいたい」
「うん、ずっと一緒だよ! もうみなみちゃんと離れるのはいやなんだから」
「ありがとう……私も、ゆたかと離れたくない」
みなみちゃんのことを見つめると、すごくまぶしかった。やっぱり私はみなみちゃんの
こと、好きなんだな。
そうだ、みんなにもお礼を言わないとね。みんなのこと、好きだもん。
……って、あれ? なんでみんな赤くなってるの?
「えー……あとは若い者に任せて我々は退散しましょうか」
「そ、そうっスね」
なぜかみんなそそくさと部屋を出ていって、あとには私と赤面してるみなみちゃん
だけが取り残された。
「な、なんでーっ!?」
みんなにも伝えたいことがあるのに!
−終わり−
579 :
3-283:2007/10/01(月) 18:49:41 ID:U6ItMxen
SS書きのみなさんがみなさんなりに
ゆたか、みなみ、ひよりの関係を描いてますが、
これが自分なりの解釈です。
ちなみにタイトルは片霧烈火の歌に由来します。
( ゚д゚ )
(*゚д゚*)
ふおぉぉぉ!
GJ!
暖かくて素敵でした!
心暖まる話をありがとう!GJ!
さて秋と共に次スレの季節が到来しました
今回は6日か…まだまだ勢いは衰えちゃいないな。
>>579 GJ
伝えたいことってあれだな
婚約発表とか
ちょっと早いような気もするが次スレ立てチャレンジしちゃおうか?
10分待つので、その間にテンプレ変更案とかなければやってみるけど
>>585 まだ慌てるような容量じゃないはず
…遅かったか?
いざとなったら俺が埋めてやんよ
二つあわせて20kぐらいのやつで
でも、他の所に投下したやつだからなぁ…
その投下した所といろいろと違う所あるけど
>>579 GJ!
こうゆう話が……もとい、こうゆう話も大好きだ!w
ところで、ひよりんの「変な意味じゃないよ。決して。」がどうしても信じられない俺ガイルw
いや正確には、ひよりんは真にそう思っているし、邪な意味でもそう思っていそうにしか見えないっていうかw
>>587 「うわ、ちょっと早すぎじゃないかな?エロゲの主人公だとしたらへたれ受けタイプだね」
「ちょ、わ、あんた!もうちょっと我慢できないの!?え、らきすただから?バ、バカ!」
「わわっ……あ、わ、わたしは早すぎても気にしないよ?うん、頑張ったよね?」
「うふふ、早すぎ遅すぎなんて個人差ですから……それに、それだけ楽しんでもらえたと思えば嬉しいものですよ?」
埋めネタ一気にいいですか?
結構長いですけど
594 :
14-319:2007/10/01(月) 23:09:04 ID:ggNrgBH7
分かりました
えーっと、最初に言っておきますが
他所のスレで一回投下した物です
見た事ある人、もしかしたらいると思います
しかし、内容はほんの少しだけ違う所があります
12レスぐらい使用します
カップリングは特にありません
入れ替えネタ+私の文章力ないので混乱する人も出てくると思いますので
混乱しそうな人はスルーお願いします
あぁ…今日もいい目覚めだなっと…
「よいしょっと」
周りを見渡してみるとなんか自分の部屋と違うような…
…?あれ?なんで私つかさの部屋にいるの…?
ちゃんと自分の部屋で寝たわよね…?
そんな事考えながらとりあえず自分の体を見てみる
…
ええええええええええ!?
なんで私、つかさの体になってんの!?
髪も短いし…どうすんのよ…ったく…
そんな事考えてる場合じゃないし…
えーっと…ようはつかさの体で私の性格になってて
私の体がつかさの性格になってるのかな…?
とにかくつかさを起こしに行って見よう
…
「つかさー?起きろー」
私の部屋に行き幸せそうに眠ってる私の顔を見ながら体を揺すってみる
「ん…お姉ちゃん…?
って…あれぇ?なんで私が私を起こしているの…?」
予想通りつかさはこの状況を見て混乱しているようだった
とにかく声はその体のまんまで安心した。声まで変わってたら学校行ったとき…
「つかさ、落ち着いて聞いてね。
なぜか朝起きたらこんな事になってたのよ。簡単に言えば心が入れ替わったって感じね」
「えーっと…よくわかんないけど…私の体にお姉ちゃんの心が移って、お姉ちゃんの体に私の心が移ったの…?」
「案外物分り早くてよかったわ」
「でもどうするの…?」
「んー…とりあえず声は大丈夫だけど…言葉遣いがね…」
「…お姉ちゃん呼ぶ時はつかさって呼んだ方がいいんだよね…
なんか私の名前を呼ぶのって変な感じがするよぉ…
そしてこなちゃんとかも呼ぶ時は…こなた?ゆきちゃんは…みゆきって…?
ん〜…全く慣れないよ…」
「しょうがないじゃない。私だって今度はちゃん付けで呼ぶのは…」
「とにかくさ、下行こうよ」
「わかったけど…私にも言えることだけど…みんなの前でボロださないでね…」
「うん」
…
えっと…私がつかさになってるから…お姉ちゃんって呼ぶのか…
「「おはよー」」
私たちはお姉さんたちに挨拶する
「かがみとつかさおはよー」
上手くできるかな…というか上手く出来なきゃバレるじゃない…
朝食の準備はもう出来てるようで私はいつもの席に座ろうとしたけど
今私はつかさになってるじゃない…
ふぅ…
色々と疲れるわね…
「あ、つか…じゃなくてお姉ちゃんの席はそこじゃないの?」
「あ、ごめん。おね…じゃなくてつかさ」
私もだけどほんと大丈夫かしら…
「なんか二人とも変じゃない?」
案の定まつり姉さんから突っ込まれた
「だ…大丈夫だよお姉ちゃん」
「うん、大丈夫だから。気にしないで」
私もだけどつかさもきっと冷や汗かいてるだろうね…
「まぁ、ご飯食べよ」
「うん」
「つかさ、そこの醤油取って」
えーっと…つかさだから…私よね…
「はい、いのりおね…姉さん」
って、ちょ…おま…
「あ、かがみありがと」
ったく…ややこしすぎるわ…
つかさも反応しないでよ…
とにかく私たちは大変な朝食をとり終えた
朝食だけでもこんな大変だったら…学校はさらに大変ね…
「そうだ、弁当はどっち作るの?」
「私が作るよ」
「うん、わかった。頑張ってお姉ちゃん」
少しでもこの呼び方に慣れておかないとね…
「って、なんで照れてるのよ?」
「だって…私お姉ちゃんって呼ばれた事…ないから…」
「あー、そうだったわね。でも慣れとかなきゃ大変よ」
「うん、そうだね…」
…
「つかさー、出来たよー」
「あ、お姉ちゃん上手く出来たね」
「う…うん…まあね…」
やっぱ慣れてないみたいなのかまだ照れが見える
「あら、かがみいつのまに私より上手くなったのよ」
いつのまにかまつり姉さんが来ていた
「ま…まぁつかさに教えてもらったから…」
「へぇ、でもなんでつかさこういうの上手いんだろうね」
「まぁ…私は毎日やってるからね」
「あ、そろそろ学校の時間だから行こ」
「そうね」
しまった…癖で…
「二人共、言葉遣いが変よ?」
「大丈夫だから。まつり姉さんは気にしないで…」
つかさも少しずつ慣れてちゃんとやってくれてるようだけど…疲れる…
…
「そうだお姉ちゃん、髪結ばないと」
「やったことないでしょ?私が結んであげるわ」
「うん」
「よし、出来た」
「やっぱいつ見てもこの髪型可愛いよね」
「うん、ありがと。まぁ、とりあえず行こうよ」
「そうだね」
「大変だね。お姉ちゃん」
「慣れるしかないわよ」
私たちは二人っきりでいる時は元の自分に戻ってるけど…誰かに見られたらまずいわね…
えーっと…私はつかさだからつかさのクラスに行って…
つかさは私だから私のクラスに行くのよね…
私は多分大丈夫だけど…つかさは…大丈夫かしら…
この子、日下部と峰岸と全然話した事ないし…
ま…まぁこの際だから…という事で…
「やっほー、かがみとつかさー」
早速…来た…
けどこなたなら…気付かれないわよね
「こ…こなちゃん…おはよー」
「こなち…こなたおはよう」
気付かれなきゃいいけど…
「「………」」
「あれ?二人ともどうした?」
「い…いや、なんもないわよ?」
「あれ?つかさ言葉遣いかがみみたいになってない?」
「あ…なんでもないよ」
自分のせいで早速危ない事になったわね…
「後、なんでかがみさっきから黙ってるの?」
「え?そう?ずっと黙ってた?」
「まぁいいや。気にしたってなにも変わんないよね。学校行こう」
心臓が飛び出そうなほどドキドキしてる…
緊張してるのか…それともバレそうだったからか…
あぁ〜…なんで学校行くだけでこんな精神的に疲れなきゃいけないのよ…
やっと学校着いたわ…早く時間たたないかしら…
「お姉ちゃん…?それ、私の上履きなんだけど…」
「え?あ…ごめんつかさ…」
まぁ、こんな事も起こるわよね…
つかさらしいと言えばつかさらしいわね
「私の上履きってどこだったっけ…?」
「お姉ちゃん、忘れないでよ。ここでしょ?」
「あ、そうだったね。ごめんね」
「んー…かがみがなんかつかさっぽくなったような…」
「こな…ちゃん、気にしない気にしない」
「ん〜…そんな事言われてもねぇ…なんか気になる…」
「ほらこな…た、行くわよ」
う〜ん…大丈夫かしら…
…
…
あ〜…朝から大変だよぉ…
「お姉ちゃん、なんでこっちのクラスに…?」
「あ…鞄置いてくるわね」
朝からバレそうな勢い…お姉ちゃん、ごめんね…
でも…お姉ちゃんの席どこ…?
「おーっす、柊ぃ〜」
「おはよう柊ちゃん」
「えーっと、おはよう日下部さんに峰岸さん」
「…?柊?なんか変なもん食った?さん付けなんて普段しないのによ。」
「…」
「柊ちゃん、大丈夫?それにそんなにオドオドしてどうしたの?」
「うん、大丈夫…だけど…。
あ…えっと…私の席ってどこだっけ?」
「自分の席とか忘れるもんか?それとも記憶喪失?とりあえずここ。
席なんて忘れるなよー」
「あ、ありがと…日下部…」
「うおっ…柊の口からありがとなんて言葉出るとは思わなかったぜ…」
「柊ちゃん、大丈夫なの?」
「わ…私とりあえずあっちのクラスに行ってくるね」
私はそういうとそそくさとお姉ちゃんのクラスを出て自分のクラスへ向かった
「おねえ…つかさーちょっと来て。話あるんだけど…」
「うん、今行くー。じゃあこなちゃん、ゆきちゃんまた後でね」
お姉ちゃんは急いで私に近寄ってきて小声で話しかけてきた
「で、つかさなんか用あるの?」
「うん、ここじゃちょっとあれだから人いない場所行こうよ。」
私たちは人があまりこない所に移動した
「それで、話ってなに?」
「お姉ちゃん…」
「ちょっ…いきなり抱きついて…」
「私…」
「つかさ…。私だってさ、こなたやみゆきの前で少し…元の自分が出ちゃったわよ…。
辛いのはわかるわよ。いきなりこんな事になってしかもあまり知らない人といるのは辛いよね。
それに今日一日の辛抱よ。多分…」
「うん…頑張ないとね…まだ朝なのに私がこんなんで…ごめんね…。
私自身が変わらないとお姉ちゃんにずっと迷惑かけちゃうからね…」
「つかさはつかさのままで大丈夫よ。私がいなきゃ少し心配だけど…」
「うん…ごめんね、こんなことで呼んじゃって…」
「別にいいわよ。それにそろそろチャイム鳴るわよ」
「うん…お姉ちゃん…ありがと…」
「それに後、私はつかさみたいにできるだけニコニコしてるけど
つかさは私みたいにあまりニコニコとしないでね」
「うん…難しそうだけど頑張ってみるね」
…
う〜ん…いま授業中だけど…早く終わってほしい…
「ほい、じゃあここの問題柊」
え…まって…私…お姉ちゃんじゃないから…わかんないや…
「え…えーっと…すいません、わかりません…」
「ほー、柊がわかんないなんて珍しいな」
「はい…」
「じゃあ他の奴頼む」
だめだなぁ…私は…
…
ふぅ…やっと昼か…
いつもより時間の流れが遅く感じる…
「おーい、柊ぃさっきなんかずっとぼーっとしてたな。なんで?」
「えーっと…あれはちょっとね…」
「ふーん、恋の悩みってやつかぁ?」
「ち…違う…わよ…」
「声が弱くなってくる所が怪しいもんだけどな」
「からかわないでよ…ったく…」
慣れない言葉遣いが難しい…
「柊ちゃん、恋の悩みだったら遠慮なく私たちに相談してもいいのよ?」
「二人は心配しなくてもいいよ。それより私は向こうで弁当食べるから」
「おう、じゃあまた後でなー」
う〜ん…一難去ってまた一難ってこう言う事なのかな…
「こな…た、お…つかさー、ゆ…みゆき…弁当食べるわよ」
「おー、かがみいらっしゃーい」
「あ、つ…お姉ちゃん」
「かがみさん、こんにちは」
「でもつかさもかがみも朝から変だよね」
「だから、なんでもないってば」
「そう、こなちゃんは気にしなくていいよ」
お姉ちゃん、大分慣れてきてるね…
私まだまだ…
「かがみさん?」
「あ、気にしなくて大丈夫よ」
「とりあえず食べようか」
「そうだね」
「この前アニメの最終回が酷くってね…」
「へーどんなの?」
「いや…ちょっと言葉にしたら…まずいというか…やばい」
「どれだけ酷いんですか?」
「ん〜…言葉にできないなぁ…」
「そんなに酷いなら見てみたい様な…」
「一言で言うなら…ってレベルじゃねーぞ!かな…」
「…こなたは見てて我慢出来たの?」
あ…お姉ちゃん…
「うん、まぁそういうのには耐性あったから大丈夫だったかな?
でもつかさが見たら絶対失神するだろうねぇ…」
「えぇ!?わ…私は失神なんかしないよ…」
しまった…私もやっちゃった…
「あ…」
「あぅ…」
「ん?つかさ、かがみ、何か言った?」
「あ…あぁ…いや、なんでもないよ」
「んー、まぁいいや。それでね…」
「…」
ふぅ…ばれなくてよかったぁ…
「あの…かがみさん…」
「ん?なに?」
「後で少しお話してもよろしいですか?」
「う…うん、いいよ」
あぁ…ゆきちゃんにはわかっちゃったかな…
「では、お弁当を食べた後で…」
「わ…かったわ」
「で、み…ゆき、話って何…?」
「はい、えーっと、あの…つかささんとかがみさんの事で…」
うぅ…どう説明すればいいんだろう…
お姉ちゃんが私に説明したようにすればいいかな…?
「朝から変でしたがどうしたんでしょうか?」
「うん…驚かないで聞いてよ?」
「はい」
「えーっとね、朝起きたらね、お姉ちゃんと心が入れ替わってたんだ…」
「ほんとうですか?って、本当のようですね…」
「うん…ゆきちゃん、誰にも言わないでね…」
「はい、大丈夫ですよ。えーと、では今あなたがつかささんという事ですね?」
「うん、そうだよ」
「では、今のつかささんはかがみさんになってるわけですね」
「うん」
「大変ですね…。それに少しややこしいですね」
「うん、大変だよぉ…明日には戻ってればいいけど…」
「きっと大丈夫ですよ」
「じゃあ……みゆき戻ろうか」
「はい、わかりました」
さすがゆきちゃんだなぁ…動揺しないなんて…
「二人共おかえりー」
こなちゃんが出迎えてくれた
そこでお姉ちゃんが小声で話しかけてくる
「ねぇ、なに話していたの?」
「うん、ゆきちゃんにほんとの事言ったよ」
私も小声で返す
「えっ…って大丈夫なの?」
「うん、お姉ちゃんと私に少し違和感を感じてたみたいだよ」
「あぁ…ごめんね」
「大丈夫だよ。もう」
「二人とも、何話してるの?」
「いや、別に…」
なんだかんだ言って私も慣れて来たなぁ…
「やっぱり変だよぉ?」
「泉さん、大丈夫ですよ。それほど気になる話でもなさそうですし」
ゆきちゃん、ありがとう
「えー?そう?私としては気になるけど…まぁいいや」
「あ、そろそろチャイム鳴るわね。じゃあ私は戻るわね」
「うん、お姉ちゃんまたあとでねー」
ふぅ…早く学校終わんないかな…
ため息ついてばっか…
…
…
授業中は少し退屈ね…こんな状況だからかしら…
つかさのノートもきれいだけど…なんか色々抜けてるわね…
そしてこなたのやつは…寝てるわね。いつもこんな感じなのかな?
私の知ったこっちゃ無いけどね
「じゃあ今日の授業はここまでだ」
お、終わったようね
やっと帰りのHRも終わったかぁ…長く感じたわ…
チャイムと共と一緒にこなたも起きたわね…
ったく、こいつは…
「つかさ〜…おはよ〜…」
「あ、こなちゃん授業中ずっと寝てたね」
「うん…ほんとは朝から眠くってさ…それにもうすぐ家帰れるから体力回復?って感じで寝てたね」
「へぇ〜。こなちゃんらしいね」
話してたらつかさがやってきた
色々危ない一日だったけど大丈夫だったわね
「おっす、終わったね」
「そうだかがみ今日秋葉寄ってかない?」
「えーと…」
なんでつかさこっちチラチラ見るのよ…
とりあえず指で×を作って見せた
「あー、ごめんね。こな…た。今日は用事あるから無理。
また今度にしようか」
「うー…じゃあまた今度ね」
私がこなたと一緒に秋葉行ってる間ってつかさは一人で帰ってるのよね…
そんな事考えてたら私まで寂しくなってきたわ…
つかさはそんな事気にして無いだろうけど…
「とりあえずさ、そろそろ帰ろうよ」
「そうだね」
…
「じゃあまたねー」
「またねーこなちゃん」
こなたと私たちは駅別れた
ふぅ…やっとこれで…安心できるわ…
なんかいつにもまして夕日が眩しいわね…
「お姉ちゃん、疲れたね…」
「ほんとにね…それで、どうだった?」
「なにが?」
「えーっと、日下部たちとは上手く行った?」
「う〜ん…まぁまぁかな…でも、こなちゃんみたいで面白かったね」
「あー、つかさもそう思うんだ」
「へぇー。お姉ちゃんもなんだ。でもとても疲れたなぁ…」
「まぁ、疲れるだろうね日下部は」
「私ねずっとお姉ちゃんになってみたかったなって思ってたの」
「なによ、急に」
「でもねこうなってみて私分かったんだ。やっぱり私はお姉ちゃんにはなれないんだなぁって」
「育ってきた環境が環境だからね
それより早く家帰ってゆっくりしましょう」
「うん、疲れたもんね」
…
ふぅ…疲れた…
というか今日…私ため息してばっかじゃない…
とにかくご飯を食べてつかさと一緒に二階へあがった
「なんかやっとここまで帰ってこれたって感じね」
「うん、なんかずっとどこかを彷徨ってたような気がするね…。
それに言葉遣いを変えるだけでもとても疲れるね…」
「でもどうやったら元に戻れるんでしょうね」
「お姉ちゃん」
「…?」
「キスしてみよっか」
「なんでいきなりそうなるのよ…」
「もしかしたら戻るかもよ?」
「だからなんでそういう発想が来るのよ…」
「やっぱだめだよね…してみたかったな…お姉ちゃんと…」
「なんか言った?」
「え…うぅ…何も言ってないよ?」
「まぁいいわ、宿題はある?」
「ん〜…なかったよ。お姉ちゃんの方は?」
「こっちもなかったわね」
「じゃあ、何もやることないね…」
「お風呂、二人で入る?」
「ん〜…どうしようか…」
「ね、お姉ちゃんこんな時だからこそ」
「わかったわよ…もう…」
でも…なんか変な感じ…
自分を見てるようで…
昔は…私からつかさを誘ってたからかな…
けど最近は…
「お姉ちゃんどうしたの?行こ?」
「ごめん、今行く」
…
「ふぅ、二人で入るの久しぶりだったね」
「おやぁ…二人で入ってたんだぁ…」
と、いきなりまつり姉さんがやってきた
なんというか…神出鬼没ね…
「二人で入ったっていいじゃんね、お姉ちゃん」
「そ…そうね」
「はいはい、仲良くてよかったですね」
と言いながらどっか行ってしまった
なにがしたいのかよくわからん…
「じゃ、つかさおやすみ」
「お姉ちゃんおやすみ」
やっと…ねぇ…
こんな疲れる一日は初めてね
二度とこないよう祈るばかりね…
明日になれば戻って欲しいけど…
戻ってなければどうすればいいのよ…
また今日みたいな一日送んなきゃいけないのか…
私はいろいろと考えながら目を閉じた
…
「ふぅ〜〜っと…」
とりあえず私は周りを見渡す…
ここは…?
ちゃんと戻ってるわね
よかったぁ…
つかさも起こしに行かなきゃ…
「おーい」
「ん…お姉ちゃん…?あれ?私?」
「ちゃんと見なさい。戻ってるわ」
「えぇっ!?どうすんの!?」
「どうすんのって…大丈夫?なんでまだ混乱してんのよ」
「えっ?あ…あぁ…ほんとだ。戻ってたね」
…
「はぁ…いい朝だぁ…」
あれ?この部屋は…ゆーちゃんの部屋…?
続
>>606 リアルタイム!!!
GJ!!!!!!!!!11
608 :
14-319:2007/10/01(月) 23:34:12 ID:ggNrgBH7
微妙な作品に付き合いましてありがとうございました
続なので続きます
あぁ…まだ完成してないのあるのに…
リアルタイムにてGJ。そして泉家編もwktkしたい所存。
リアルタイムgj!!!!
最後だけよくわからなかったのはおれだけだなorz
>>608 SSスレで投下したやつですか
終わり方がよくなってますねww
GJっす
さあ埋めるでガンスよ
『泉家の日常』
「か〜なたっ」
「わっ! ちょ、お父さん!」
「あ、すまん。こなたか。てっきりかなたのつもりで……」
「も〜、毎回毎回、なんでこんな頻繁に妻と娘を間違えるかな?」
「いやあ、こうやって台所に立ってる姿見ると、ホント瓜二つで」
「はいはい。わかったからあっち行って。今忙しいんだから」
「ちぇっ、つれないなー」
「……そう君」
「お? どうした、かなた」
「ちょっといいかしら?」
「ん? ああ。こなた、メシ出来たら呼んでくれな」
「あーい」
「で、どうかしたのか?」
「…………」
「な、なんだよかなた。怖い顔して」
「……いい加減、こなたに抱きつくための口実に私を使うの、やめてくれません?」
「(ドキッ)な、なんのことかな〜?」
「まったく……いい年してやってることは子供なんだから」
「……でもさあ、かなた」
「わっ!?」
「こうやって俺がいきなり抱きついても、かなたは嫌がったりしないだろ?」
「そりゃあ、まあ……夫婦ですし……いきなりだと、多少驚いたりはするけど」
「だろ? それなのにこなたときたら、俺がこういう風に抱きついたら露骨に嫌がるんだよ。
この前なんか『お父さんウザイ』って言われたんだぞ」
「……それはそうですよ。こなただっていつまでも子供じゃないんですもの」
「まあ、分かってはいるんだけどなー。あーあ、やっぱり男親は辛いなあ」
「…………」
「? どうした?」
「あ、いえ……」
「? なんだよ、気になるじゃないか」
「……ま、まあ、その……私は、こういうのされても、嫌じゃないから……」
「え?」
「だから、その、そう君がこういうことしたくなったときは、こなたじゃなくて私に……」
「かなた、お前……」
「…………」
「……妬いてたのか……こなたに」
「! べ、別に私はそんなんじゃっ……」
「かなた」
「あっ……そ、そう、君……」
「かな……って、こなた!?」
「えっ!!」
「……ご飯できたから呼びに来たんだけど……もうちょっと後にしたほうがよかったみたいだね」
「いや、こな、ちが、違うぞ!? なあ?」
「え、ええ。私たちは別に何も……って、そう君、手、手!」
「え? あ、ああ! すまんかなた、つい……」
「も、もう……///」
(……なんだかんだで似たもの夫婦だネ(=ω=.) )
しんすれのたつ頃に 〜埋め潰し編〜
「また微妙なタイトルね……」
「『頃に』だけ掛けて、なんとなく流行に乗ってみましたー、みたいな感じだよね。
でもわかってないねー、それに掛けるんなら、ちゃんと『な』……あ、この場合は『た』かな?の
文字だけ赤い字で表示させなきゃ」
「つっこむところはそこじゃないだろ……。というか、ここでそれは無理じゃないか?」
「嘘だッ!」
「うわっ、びっくりした!―――っていうか、あんた何持ってんのよ!」
「こんなに早く新スレが立ってしまうなんて、嘘だッ!」
「こなた、あんたどうしちゃったのよ!てか危ないって!それ鉈!? 振り回すなって!マジ危ないから!」
「死ぬのっていや?殺されたくない?私には―――」
「それは違う作品だって!っていうか、いつまでこんな芝居いつまで続ける気よ!―――きゃっ!」
「はっはっは、終点が玉座の間とは、上出来じゃないか」
(だめだ、早く何とかしないと……、このままじゃ私の命か、そうでなくとも髪あたりが危ない!)
(ふっふっふ、ずっと俺のターン!この状況なら、かがみを好きなように―――)
「あれ、こなちゃん、お姉ちゃん、何してるの?」
「!?」
「!? ―――(はっ!もしかしてチャンス!?) こなたー、逮捕ーっ!」
「と、とっつぁん!?」
「なんか途中から、タイトルとか全く関係なくなっちゃったね」
「あんたのせいでしょ!」
「絶望した!作品として軸がぶれまくったこの小ネタに絶望した!」
「この上さらにするかっ!」
何やってんだ俺orz
615 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 00:13:55 ID:24wCZDuH
>>512 かなたが生きてたらこんな感じの家庭なのかな
とか思いながら読んでたら泣きそうになった
616 :
14-319:2007/10/02(火) 00:19:06 ID:pzAU/L6r
まだまだ余裕ありそうなのでもう一つ
例の如くまた他の所で投下した物です
なので、これも見た事ある人いると思います
が、少し違う所があります
他の所で投下した物をもう一回投下する自分で、すいません
かがみ&つかさになっています
4レス程度使用
鳩と機関銃
「かがみ?此処違わない?」
「え?あ、ホントだ……」
「どったの、みんな?鳩が機関銃喰らったような顔して。」
「いや、いつもと逆だなって思って。」
「つかさらしいけど、そうじゃないんだよ。」
「?」
「泉さん?それを言うなら鳩が豆鉄砲を喰らったような、では?」
「正しいんだけど……違うんだよ。」
「?」
「ていうか、まず、鳩が機関銃喰らったら、死ぬんじゃないか?」
「そうだよ!私が欲しかったのはこのツッコミだよ!!流石、かがみ。わかってるねぇ。」
「っていう、夢を見たんだけど。」
「意味が分からん。」
618 :
柊家の月:2007/10/02(火) 00:20:44 ID:pzAU/L6r
髪の短い少女と髪を二つに分けた少女が肩を並べて夕方の道を歩いていた
服装から見るに学校の帰りだろう。
しばらくすると髪の短い少女が少し空を見た後に喋り始めた
「あっ!お姉ちゃん、きれいな満月出てるよ!」
「あら、ほんとね」
「こんなきれいな満月最後に見たのはいつごろかなぁ…?」
「そうね…
そういえば昔家族みんなでお祭に行った時つかさが迷子になったときあったわよねぇ…」
「えっ、そんな事あったっけ…?」
「あったわよ、覚えてないの?」
「う〜ん…」
「家族みんなにに聞いてもきっと同じ事言うわよ。
でもそうね、あれは10年ぐらい前だから覚えてないのも無理ないわね
だけど私の記憶の中にはちゃーんと全部残ってるから」
そう言うと髪を二つに分けた少女は
しばらくしてからゆっくりと話し始めた
…
619 :
柊家の月:2007/10/02(火) 00:21:49 ID:pzAU/L6r
…
街灯の光や屋台の光で祭はとても盛り上がってる状態だったわね
「ねぇ…お母さん…つかさ大丈夫かな…?」
「大丈夫よ、かがみ。お父さんといのりとまつりが探してるわ。私たちも一緒に探そうね
それにつかさならそんな遠くまで行かないわよ」
「うん…」
しばらくお母さんと一緒に歩いてたらお父さんたちが戻ってきたわ
「あら、お父さんたちが戻ってきたようね。どう見つかった?」
「いやぁ…まだ全然見つからなくって…」
「そう…」
確かあの時、つかさがまだいなくて私は泣きそうになったのよね…
「かがみ、泣かないの。今はつかさの方が辛いのよ。だから我慢しなさい。」
「いのりお姉ちゃん…うん…そうだよね…」
いのり姉さんがそう言ってくれたおかげで私は泣く事なんて出来なくなったわ
「リボンがあるからわかりやすいと思うんだけどね…」
「つかさの泣いてる声が聞こえればいいんだけど…」
「でもこんな人ごみの中で、しかも周りが騒がしい中で見つかれば苦労もしないわね…」
「迷子センターにいないかな?」
お父さんとお母さん、お姉さんたちがみんなでずっと話合ってる状態だった
でもみんなで色々考えてたようだけどいい案が浮かばなかったようなの
「急いで探したって見つかる物も見つからないわ。ゆっくり探しましょう」
お母さんがそう言うとみんなでゆっくり探し始めたわ
そして少し歩いてたらどこからか私の耳に誰かが泣いてる声が聞こえてきたのよ
でもなぜか他のみんなは聞こえてないみたいだったの
その時になぜか私はつかさの泣き声だと確信したわ
そこで私は泣き声が聞こえる方向へ向かって走った
「かがみ!どこ行くの!」
お母さんたちがびっくりしてその後すぐに私についてきたわ
620 :
柊家の月:2007/10/02(火) 00:22:51 ID:pzAU/L6r
「つかさ!」
私はその泣き声が聞こえる方向に走って向かった後にそう叫んだの
「お姉ちゃ〜ん!」
つかさはすぐ私だとわかってくれたようで私はすごく嬉しかったわね…その時…
そしてつかさは泣きながら私に抱きついてきたっけ…
本当は私も泣きそうだったんだけどね…
でもなんでつかさの泣いてる声が私にしか聞こえなかったのでしょうね。
「あら、見つかったようね」
「でもなんでかがみだけ気付いたんだろう?」
「それはきっと双子だからよ」
お母さんがそう言ってもお姉さんたちはずっと不思議そうな顔してたわね
その後はすぐに家に帰ったわ
つかさも家帰ったら泣きつかれたのかすぐ寝ちゃったんだから…
あの時のつかさの安心した寝顔は可愛くて印象に残ってるわ
…
621 :
柊家の月:2007/10/02(火) 00:23:43 ID:pzAU/L6r
…
「へぇ…そんな事あったんだ…」
「って、なんであんたそんな他人事の様に言ってるのよ。自分の事でしょ?」
「うん、そうだったね…えへへ…」
髪の短い少女は照れた
「そこは照れる所なのか?別にいいけど。
その前ぐらいまで私たちはずっと一緒って事は多くなかったけど、
その頃あたりからかしらね。つかさが私にずっとついてくるようになったのは。
だけど私もあの時からつかさが心配で離れられないんだけどね…」
「お姉ちゃん」
「なに?」
「いつもありがとう」
「っ…!ばかっ…!いきなりそんな事……わ…私だって…」
髪を二つに分けた少女は俯きながら照れていた
「急に言いたくなっちゃったから…」
そんな風に言っている少女も照れていた
「だからって…もう…」
「でもなんで急にそんな話を?」
「…さっき月がどうのこうの言ってたじゃない?」
「うん」
「その話で思い出したのよ」
「…?」
「まぁ…そうね…」
一息入れた後に髪を二つに分けた少女は言った
「その祭の日に今日みたいなきれいな満月が出てたからよ」
終わり
なんか…ごめんなさい
続きも新作も頑張ります
埋まったッ!第18部完!
(´・ω・`)
_
__r 7-<´
/ イ、 \ /ノ
,.--f--ァ , -// | ゝト ヽト _,、, イ っ)
{:::::ハ:::/ /ィ/ ィ,ヤ、 ∨ i || Y`´
∨l 7イ / _, ヒソ|ハトヘ _Y ´
/ 〉, ∨, 二´ , ノ´ /
/ / ヽニァ─、`ヶイ| / /
/ { <_/ \ヽ !ノ \
! | / _,〈リV jハ \
/ | |ヽ イ、 / }、! \ \
. / /| l \/彡〉ー彳ノj \ ヽ\
|/ | | `>イソ ̄ |/! \ |\\
| \ \ // i i ! i L__ l } \!
\ Y_/__| ! |=Y リ |
7ー三|=|ミK´ \
/ / リ ̄ 〉 /
/_/ /ー/
/ / / /
/ / ノ、/
ハ-イ ヽ_夂
ー‐' ー'
らき☆すたの女の子でエロパロ19
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191244724/