788 :
名無しさん@ピンキー:2011/05/26(木) 15:43:32.72 ID:WGxfdO8s
なんで過疎る・・・
いるぞ!
790 :
1/3:2011/06/14(火) 23:48:33.09 ID:WN9fe3E+
「ん…んん…ふぁ…」
意識がゆっくりと浮上して行く。頬と身体の前面に温かいもの、背中にふわふわとした感触。
「あさぁ…?」
上半身を起こして背伸び。
「ふぁ〜〜〜〜…ぁんっ♪」
身体から力が抜ける瞬間、股間を甘い痺れが襲った。
「え?…あら〜」
視線を下げてみると、私の性器が彼のそれを飲み込んだままだった。
「入れたまま寝ちゃったのか…よく抜けなかったわね」
そういえば、昨夜は二人とも珍しく早く帰れたので、夕食後はずっとイチャついていたのだった。
「朝ですよ?起きてくださいな、あ・な・た♪」
「むぅ…くぅ…」
声をかけてみるが、少し反応しただけでまた眠りについてしまったようだ。
昨日は随分と頑張ってくれていたっけ…覚えているだけでも8回も射精してくれていた。
「もう…ま、いっか」
どうせ今日は休日だ。特にこれと言った予定もない。たまにはゆっくり寝かせてあげるのも、良妻の務めというものだろう。
「さて、まずは洗濯物を干さないと…ひゃんっ!」
胎内に挿さったままの肉棒を抜こうとした瞬間、それは私の弱いトコロを引っ掻いた。
791 :
2/3:2011/06/14(火) 23:50:13.57 ID:WN9fe3E+
「ぅぅ…相変わらず凶悪…っていうかピッタリな…」
結婚してから数年。彼のモノは私のソコをイヤというほど蹂躙しつくした。恐らく、今では彼以外の肉棒では、私の肢体は満足しなくなっているだろう。まあ、彼以外の男など要らないが。
しかもタチの悪いことに、
「ぁんっ♪…きゃんっ♪」
彼のソレを抜こうと下半身に力を入れると、必ず膣内の弱点が刺激されるのだ。
「くぅ…朝立ちがこんなに厄介だったなんて…」
何度も抜こうと挑戦してみるが結果は同じ。開発された体を恨めしいと思ったのは初めてだ。
「あん♪…んんっ♪…はんっ♪」
気付けば、既に抜こうとする意思はなく、彼のモノで弱点を刺激されることを楽しむようになっていた。
「あはっ♪…あんっ♪…朝立ちチンポイイッ♪」
彼の意識がないため騎乗位しか取れないが、この体位は結構好きな部類に入る。ちなみに一番はやはり対面座位だ。
身体の表面積の半分以上が触れ合い、彼の身体をこの腕の中に、彼の腕の中にこの身体を丸ごと預けられるあの安心感と幸福感は、簡単には言葉に表せない。
「はぁっ♪…はぁっ♪…んーっ♪」
上体を倒し、覆いかぶさってキス。本当は口の中に舌をねじ込みたいが、意識のない状態でそれをやると、最悪窒息しかねない。
仕方ないので触れ合うだけにしておく。
792 :
3/3:2011/06/14(火) 23:51:56.46 ID:WN9fe3E+
「ちゅっ♪…ちゅっちゅっ♪…ちゅぱちゅぱ♪」
恐らく、今の私はとてもだらしない顔をしているのだろう。
だが、そんなことはもうどうでもよかった。今の幸せを、今の快楽を享受したい。
頭の中はそれだけだった。
「んちゅぅ♪…あっ、おちんちんがぴくぴくしてきた♪…出したいの?私の中に出したいの?…昨日もあんなに射精しておいてまだ足りないの?もう、えっちなんだから♪」
スパートに向けて腰を振り動かす。彼のペニスが膨らんでいくのを感じる。
「ほら、出して♪出して♪朝立ちチンポから一番絞りミルク射精して♪…ふあああああああああああああっ♪♪♪♪」
体中を強烈なパルスが奔る。そして、
ドクン! ドクン!
胎内を熱い迸りが駆け巡って行くのを感じる。
「アハ♪…キモチイイ…♪」
「むぅ…ぐぅ…」
結局、彼は最後まで起きることはなかった。
だがまあ、今のところは大目に見よう。
「…愛してるわ…アナタ…」
絶頂の余韻と膣内射精の熱に浮かされながら、私は桃色の闇の中に意識を委ねていった。
“起きたら、またいっぱいセックスしようね♪”
終わりです。保守代わりにはなったかな?
久しぶりのSS!
GJ
796 :
1/5:2011/06/15(水) 17:26:16.08 ID:A24sZmp9
「でさ〜」
「え〜」
「それは困るね〜」
午後のひと時。学校帰りに友達とス○バに寄り、ガールズトークに花を咲かせる。
「ったくあのクソアニキめ。人の下着でナニやってんだか」
「え〜キモ〜い!」
「それちゃんと抗議した方がいいよ?」
「あ〜ま〜うん。気が向いたらね」
「このブラコン!」
「ぶらこ〜ん」
「うっさい!」
友達3人がワイワイと話しているのを、コーヒーをすすりながら聞く。
「そういや美凪、あんたのトコもお兄さんいるんだよね?」
「うん」
「もしかして、美凪のお兄さんも似たような事やってたりするの?」
「う〜ん…多分それはないと思うよ?」
「まあ、あんたに手を出そうものなら、返り討ちがいいところだろうけど、ちゃんと気をつけないと危ないよ?」
「あはは…」
酷い言われようだ。
だが、その辺に関しては、ハッキリ『ない』と言い切れる。
なぜなら…
「わかった。一応気をつけておく…ひゃんっ!」
突如走った快感に、思わず悲鳴を上げる。
「?」
「どったの?」
「う、ううん。なんでも…っ!」
今度は胸の辺りを、鈍い快楽が襲う。
「顔まっかだよ?大丈夫?」
「だ、大丈夫…ごめん、私用事ができたから帰るね」
797 :
2/5:2011/06/15(水) 17:27:20.38 ID:A24sZmp9
「え〜?また〜?」
「最近付き合い悪いわね」
「まあちょっとあっ♪…てね」
「解った。彼氏ができたんだろ〜?」
「え〜?」
「この裏切り者!」
「そんなんじゃないよ…っ♪」
話している間も、快感はじわじわと私の体を蝕んで行く。
だめだ。これ以上は隠し切れなくなる。
「ともかくごめんね!埋め合わせは今度するから!」
「あいあい〜」
「期待しないで待ってるよ」
「裏切り者〜!」
口々に好き勝手な事を言う友達を無視して、私は急ぎ店を飛び出す。
原因はわかっている。あの二人だ。あの二人以外にありえない。
「あの色ボケ共め!」
時と場所を考えなさいっての!まあ向こうはあれでも考えてるつもりなのかもしれないけど!
「兄さん!美鳥!」
「お帰り美凪」
「あんっ♪あんっ♪あ、お帰りお姉ちゃ…んんっ♪」
ドアを蹴り開けると、はたしてそこには予想通りの光景があった。
ベッドに座った年上の男性が、私と同じ容姿の少女を、後ろから抱きかかえながら犯していた。
「やっぱりもうおっぱじめてたのね!っていうか制服くらい脱ぎなさいよ!」
「だ、だって♪お兄ちゃんが、このままの方が興奮するっていうから…ぁっ♪」
「悪い美凪。我慢できなかった」
ああもうこの兄と妹はぁぁぁぁぁぁっ!!
今私の目の前で兄妹合体しているのは、私の実の兄と双子の妹だ。
798 :
3/5:2011/06/15(水) 17:28:23.65 ID:A24sZmp9
「美鳥ぃ〜?あなたと私は体の感覚が繋がってるって事忘れたのかしらぁ〜?そして兄さん!スルならスルで構わないけど、私が帰ってきてからって約束はどうしたの!?」
「え?そんなことないよ?…っ♪」
「いや…美鳥におねだりされちゃぁ…な?」
「お兄ちゃん好き〜♪」
「よしよし。美鳥は可愛いな〜…ふんっ!」
「きゃぅんっ♪」
「ギリッ!」
こうしてる間にも、私を襲う快楽はガリガリと理性を削り取っている。
「話してる時くらい動くのを止めなさい!」
「「だが断る」」
「シンクロ!?」
なんでこんなことになったんだか…あのクールで真面目な兄さんと、純真で大人しい美鳥は一体ドコへ…
「あはっ♪…も、もうちょっと待っててねお姉ちゃん。もう少しでイケ…んっ♪」
「美鳥がイったら交代するから、そう気を落とすな」
床に座り込んだ私をどう勘違いしたのか、そんなことをのたまうバカ二人。
「なんでこんな事に…」
いやまあ、大本の原因…っていうか元凶は他でもないこの私なんだけど。
そもそも兄を逆レイプしたのは私だ。幼い頃から私も美鳥も、兄のことが大好きだった。
クールで、かっこよくて、頭もよくて、かっこよくて、かっこよくて、かっこよくて…
と、とにかく、私は兄を男として愛していたのである。それは美鳥も同じだったようで、中学にあがっても、ずっと二人で兄のお嫁さんになろうと誓い合っていた。
その頃には、兄妹では結婚できないという事実は知っていたが、先生に聞きだしたりインターネットなりで調べて行くうちに、抜け穴があることを知ったのだ。
事実婚 ああ事実婚 事実婚
なんと響きのいい言葉か
799 :
4/5:2011/06/15(水) 17:29:27.04 ID:A24sZmp9
それからの私達は、頭の中に花が咲いているんじゃないかというくらいの浮かれっぷりだったと思う。
どうやって兄を落とすか。兄に愛されるにはどうすればいいのか。そればかり考えていた。
そして、募る想いを押さえきれなくなったその日。私は兄を襲った。勿論性的な意味で。
「ヘイマイシスター!これは一体なんのジョークだい?」
「そう震えるなマイブラザー。なに、天井のシミの数を数えていればすぐに終わるさ」
「気は確かかマイシスター!?」
「知らないのか?兄は妹で童貞喪失するんDAZE!」
「OH!新発見だマイシスター!だが知ってるか?俺の一番好きな事は、兄を襲おうとしている妹に『NO!』と言ってやることなのサ!」
「往生際が悪いぞマイブラザー。貴様の寝ている間に子種はすでに い た だ い た!」
「ナ ニ イ! これは一本とられたよマイシスター!」
「貴様のナニは1本しかなかろうが」
「「HAHAHAHAHA!!」」
ってな感じで兄の童貞は私の処女と交換したのだ。
(注意:あくまでも大筋であって、実際の出来事とは異なります)
その後は美鳥も交えて淫交三昧。丁度連休中で親もない(親戚の法事に出かけていた)こともあって、爛れに爛れた性活(誤字にあらず)を送っていた。
まあその甲斐あって、兄の理性や倫理観を『これでもか!』というほど破壊できたのはいいのだが…
「おっ♪ お兄ちゃっ♪ そんにゃ奥突いちゃっ♪ らめぇっ♪」
「いくよ身鳥?ドコに欲しい?」
「にゃかっ♪ みどりのなかにくらしゃいっ♪ おにいちゃんのおちんちんじりゅっ♪ みどりのおまんこにちょうらいぃぃぃっ♪」
「よく言えたね。じゃあ…ご褒美だ!」
「ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ♪♪♪♪」
「きゅぅっっっっ♪♪」
妹よりは幾分小さい絶頂が私を襲う。
800 :
5/5:2011/06/15(水) 17:31:57.30 ID:A24sZmp9
ホント、双子ってのは厄介極まりない。
「はぁっ♪ はぁっ♪ ふぅぅぅぅぅっ…」
どうやら美鳥は気絶したらしい。あの子は実は敏感だからなぁ…
「さて、と。次は美凪の番だな」
伸びている美鳥をベッドに寝かせると、私に向かって手を伸ばす愚兄。
「どうする?美凪」
どうするか?そんなの決まっている!
「こ〜のシスコン!!」
引きちぎるように服を脱ぎ捨てると、そのまま兄の裸体へと飛び掛っていった。
「ちゃんと私も満足させてよね!お・に・い・ちゃ・ん!!」
さっきからずっと焦らされっぱなしなのだ。双子ってのはホント厄介である。
以上終わり。スレタイとは趣旨が違うかもしれないが、これも『繋がり』の一つってことで了承…して下さい。お願いしますorz
たまにはいいと思う
これはこれで面白い
面白かったです
川柳に吹いた
糖分多め(?)につき、カロリー過剰摂取に注意
ふと、目が覚めた。
「む…ふにゃ?」
午後のリビング。自分の体勢からすると、どうも椅子か何かに座っているらしい。
あれ?…あたし何してたんだっけ?
「にゅぅ…ん〜〜〜〜〜♪」
伸びをしながら両腕を広げると、左腕に何か当たった感触があった。
「おっと?」
驚いて振り向いてみると、
「す〜…す〜…」
愛しの『まいだ〜りん♪』がすやすやと寝息を立てていた。
「あ〜…にゃふぅ」
そっか。リビングでシテたんだっけ。
昼食の後、ずっと背面座位でつながりながら、ソファーでイチャイチャしながらテレビを見ていたのだ。
さすがに裸だと寒いので、二人で毛布に包まってはいるが。
「ん〜、ど〜しよっかな〜?」
背中がべたべたするし、何度も中出しされて、いいかげん愛液と精液でオマンコはドロドロだし…
「…いいや♪めんどくさい♪」
どのみち彼が起きてくれないことには、毛布の洗濯もソファーの掃除もできない。
ならば、『愛しの王子様♪』が起きるまで、思う存分甘えるのが新妻の務めというものだろう。
「にゃ〜ん♪ごろごろ〜♪」
投げ出されていた両腕を体の前で組ませ、彼の胸元に頬をこすりつける。
「い〜匂い〜♪あったかいにゃ〜♪」
我ながら、頭の悪い台詞を吐いているという自覚はあるが、ピンク色にボケた頭は、幸せ色に染まりきった、意味のない言葉を次から次へとこぼして行く。
「うにゃ〜ん♪ぺろぺろ〜♪」
眠っているのいいことに、胸元から首筋、あご、頬へと舌を這わせていく。
「ん〜かぷぅ♪」
おもわず齧り付いてしまう。
「ぅぐ…ぅむ…」
おっと、いけないけない。
「…ふぅ」
いたずらをやめ、彼の胸に背を預ける。
「知らなかったな…」
好きな人と肌を重ねるのが、こんなに素敵なことだったなんて。
「気付かなかったな…」
彼が、私をこんなにも愛してくれていたなんて。
「知りたいな…」
私が、どれだけ彼を幸せに出来るのか。
「知って欲しいな…」
私が、どれだけ彼を愛しているのかを…
「…♪」
彼の手の上から、下腹部を撫でる。
「ここにいっぱい詰まってるんだよね…♪」
愛する人との愛の結晶。子供。昔は子供なんていらないと思っていたけど、なんて浅はかだったのだろうか?
「ううん。きっと知らなかっただけなんだ…」
子供は宝。そう、宝だ。一人で生み出せない、作り出せない最高の宝物。
「赤ちゃん…欲しいな…」
生憎と安全日の期間なので、恐らく妊娠はしていないだろうが、自分と彼との子供が、このお腹を膨らませていくことを想像すると、
「…はぅん♪」
きゅんっ♪と子宮が震えた気がした。
「…むぅ」
さっきまであんなに愛しかった彼の寝顔が、なんだか小憎らしくなってきた。
いや、愛しいのは相変わらずなのだが、折角の幸せ気分に水を差された気がしたのだ。
「…うりうり」
私の胎内にささったままの肉棒を、柔らかいひだ肉でしごきあげる。
「お〜い、おきろ〜。起きないとチンポをマンコ肉でいじめちゃうぞ〜?」
ゆるゆると腰を動かすと、いつもより鈍い、じんわりとした快感が下腹部を包む。
「ぅ…く〜…」
小声だったこともあって、少し顔を歪めただけで、彼はまだ寝続けていた。
「はぁ…もう、しょうがいないなぁ〜…ちゅっ♪」
軽くキスをすると力を抜き、私は体重を、完全に彼に預けてしまった。
「今夜は寝かせてあげないんだから♪」
例え明日の仕事に遅刻しようと知ったことではない。だから
「『今は』おやすみなさい。あ・な・た♪」
最低でも6回は搾り取ってやろうと決意すると、私は再び目を閉じた。
エロさを出すのってムズカシイorz
三月に最初だけ書いて放置プレイしてたやつ投下
高3の三月ともなるとまともな授業は残っていない。
あとはただ卒業式までの準備期間だ。
掃除当番たちがせかせかとほうきを動かし始める中、日めくりカレンダーがまた一枚破られたのを聞いた気がした。
──おいおい、高校生活あと何日ですか。
俺は焦っていた。
大学には合格した。部活は後輩たちが上手くやってる。新生活の準備もバッチリだし、この期に及んで「あ、やっぱ出席日数足りてなかった」なんてこともない。
しかし。
もうすぐ高校生活が終わるというのに……。終わるというのに!
俺、まだ童貞なんだけど!?
──どうしてこうなった。
正直俺は勝ち組だ。
顔良し、体良し、性格良しの彼女ができたのは小学校の頃。当時から多くの男どもの涙をニヤニヤ笑いながら踏みにじってきた。
中学時代にはすでに経験済みだと思われていて、そういう話になると決まってボディーブローをくらったりもした。
俺は「ホントは違うんだけどなァー」と思いつつ、「ま、遅かれ早かれ経験することだしィ?」なんて余裕をかましてきたわけだ。
中学では自重してやった。だが、高校ではもう容赦してやらないぜ! ──と、ドキドキしながらコンドームを購入した入学式の頃が懐かしい。
なんで俺は──いまだにキスすらできてないんだ!?
頭の中に『ヘタレ』の三文字が思い浮かんだが、そんなことはないと首を振る。
今日に至るまで、俺は果敢に挑んできた。
ヤラセロと言ったり、ヤラセロと言ったり、ヤラセロと言ったり、ヤラセロと言ったり……。揉ませろと言ったり、しゃぶれ、と言ったりもしたはずだ。
紳士らしく、押し倒したりはしなかったし、泣きそうな顔で「ごめんなさい……」と言われれば、わきわきする手をそのまま引っ込めたりもしてやった。
そしたらこの有り様ですよ。
もう我慢ならん!
まだ今日は終わってない。
今日こそヤッテヤル。ヤッテヤル。ヤッテヤルカラナ!!!
それにしても、亜希奈のやつ……遅いな。
俺は廊下の方に目をやった。亜希奈が戻ってきた様子はない。
教室にはカバンだけが残されていて、ほうきを置いた掃除当番が机ごと運びだそうとしていた。
トイレにしちゃ長いが……。便秘か?
亜希奈が便秘……。
瞬間、脳内に恥ずかしそうに息んでいる亜希奈の萌え萌えショットが思い浮かんだ。
よっしゃ、彼氏たるもの、迎えに行ってやるのが甲斐性というもの。
俺は亜希奈のカバンをひっつかみ、廊下をスキップして進んだ。
「げっ」
……げ?
不可解な声に振り向く。
と、屋上へと続く階段で、クラスメイトの藤枝があぐらをかいていた。
俺を見るなり、腕を大きく左右に広げてくる。
「あとちょっとだから! そっとしといてくれ! 頼む!」
「はああ?」
どうも屋上へ行かせまいとしているようだが、俺の目的地は女子トイレであって、屋上なんかではない。
……いや、待てよ? この季節に屋上だと……?
「おいおい、まさかな。そんな……、卒業間近だから、屋上で告白なんて、そんなベッタベタなこと……」
「ぎくっ」
「まさかだよなぁ? いくらなんでも今の擬音はベタすぎるもんなぁ?」
「モチロンダヨ」
「よし、おまえをぶっ飛ばしてでも俺は屋上に行く」
「わー待て待て! 違うんだって! そういうのじゃないんだって!」
タックルしてくる藤枝の横をすり抜け、手すりをつかんで一気に階段を飛ぶ。
屋上の扉は風でわずかに持ち上がっていて、隙間から亜希奈と見知らぬ男の姿が見えた。
「コロス」
つぶやいた瞬間……。風向きが変わったのか、妙にはっきり亜希奈の声が聞こえてきた。
「……ごめんなさい」
背後からため息一つ。
「ほーらな。心配しなくても、おまえらの仲をさけるなんて最初から思ってないって。……ただ、それでもあいつは伝えたくて、俺はそれを手伝ってやりたかっただけなんだよ。寝取りとか寝取られとか、そういうのじゃねーから! 思い出作りだ、思い出作り!」
藤枝は俺の背中を強く叩いた。
「それにしても、ムっカつくよなぁ。おまえイケメンってガラでもねーのに。可愛い彼女と純愛ラブラブとか、リア充爆発しろ!」
俺は内心イライラしつつ、藤枝の軽口に応えようとした。
何が思い出作りだ。思い出作りで自分のモンに唾つけられてたまるかってんだ。ただでさえ亜希奈は真面目に思い悩むタチなのに。
だがまぁ、藤枝に悪気はない。もうすぐ卒業っていうセンチメンタリズムもわからんでもない。ここはぐっとこらえて──。
「……つきあってはいないけど」
は!?
俺の意識は光速で屋上の二人へと飛んだ。
「えっ。本当に? 神楽坂と笹原って、つきあっていなかったのか?」
明らかに弾んだ声で男が言う。
亜希奈はそれに対して、おずおずと頷いた。
「う、ん……。私とかずくん……。えっと、笹原くんは、幼なじみだけど、つきあってるわけじゃ……」
「じゃあ!」
「ち、違うのっ。私は誰ともつきあう気はないからっ! ただ誤解を解きたくてっ」
それ以上は風の音で聞こえなかった。
俺の脳みそに立錐の余地無く詰まっていた脳細胞が空中分解したような気がしたが、かき集める気にもならない。
背後で藤枝がそーっと離れる気配がする。
俺はその首を肘で捕らえて、有無を言わさず引きずった。
「笹原っ、やめろっ。首絞まってる! 死ぬっ! 死ぬって!」
「……藤枝、多次元宇宙論って知ってるか? どうやら俺はこの世界とは別の世界から来たらしい」
「……笹原、言いたかないが、次元の壁はおまえの脳内と現実の狭間にあるみたいだぞ?」
俺は藤枝の首を絞めた。
「やーめーろ! マジで死ぬからっ!」
下校途中の生徒たちが何事かとこっちを見ている。
亜希奈が来ないところまで行こうと思ったら、校門の前まで来てしまったようだ。
教室に戻った亜希奈はカバンの消えた机を見て、すぐに俺が亜希奈を探しに行ったと気づくだろう。となると行き違いにならないように教室で待とうと思うはずだ。
例えカバンがあったとしても、亜希奈は教室で俺を待っている。
置いて帰るなんてことはあり得ない。100%。
なんだが……。
「……藤枝にも、聞こえたんだよな、さっきのセリフ」
「ああ……。ビックリだわ。俺も、っていうか、クラス全員、おまえと神楽坂はつきあってると思ってたからなぁ」
「だよな!? だよなぁ!?」
おかしいだろ!? 俺と亜希奈が彼氏彼女でなかったら一体この世の誰がカップルだっつーんだ!?
それともあれか? 亜希奈はドMで、俺との関係はご主人様とペットの……。あ、それもありな気がしてきた。キスさえまだな俺たちだが、それも全然ありな気がしてきた。
「専用肉奴隷って、ロマンだよな……」
「待て、笹原。男のヤンデレは勘弁だ」
「はぁ? 何言ってんだおまえ」
「いや、こっちのセリフなんだが……。そもそもおまえと神楽坂って、どういういきさつでつきあい始め……、た、つもりだったんだよ?」
「つもり言うな。どういういきさつって、家が近くて……」
「あー……。そのナァナァがダメなんじゃねぇの? 神楽坂はおまえからの告白を待ってるとかさ」
「いや、そういうのはちゃんと言ったぞ? 小学生のときに、『おまえのことは俺がもらってやる』って」
「告白飛ばしていきなりプロポーズかよ! 怖ぇーよっ! しかも小学生って、それ絶対本気にされてねぇって!」
「そんなことは……」
「もしくは……」
「もしくは?」
「あー……。……キープ君?」
「……」
「……」
とりあえず殴った。
「いってぇ! 真面目に考察してやったのに!」
「バカかおまえ! 亜希奈にそんな器用なマネができるかっ! あいつは正真正銘の処女だ! ファースト・キスにだって夢見ちゃってる絶滅危惧種の聖少女なんだっ! たぶん! そうに決まってるっ!」
「……ファースト・キスって、おまえ……」
藤枝は途端に同情に充ち満ちた顔になった。
「なぁ、女紹介してやろうか?」
「は?」
「童貞食いたいだけの女なら何人か知ってるからさ、色んな子ー試して、世界広げてみちゃあどうよ。そうすりゃ神楽坂のことも、冷静な目で見つめ直せるようになるんじゃねぇの?」
藤枝は携帯を取り出してボタンを押し始めた。
「笹原の好きそうな清楚系はいねぇけど、手っ取り早くセックスすんなら……」
「いや、待て。なんでそうなる」
「だからさー、とりあえずヌいとかないと考えられるもんも考えられないだろ?」
俺は押し黙った。
正直、ビッチだろうが穴は穴だ。興味がある。
クスコで広げて電動歯ブラシで肉襞ズリズリ削ってやりたいくらいにはちょっとだけ興味がある。
が、自分のムスコを突っ込むことを考えると、途端にヤる気がしおれてしまう。
「……なんつーか、他人専用ダッチを借りる気分っつーか……。ないわー……」
「処女厨かよ。別に嫁さん選ぶわけじゃないんだし、気持ちよけりゃいいじゃん」
「いや……。んー、すぐそこにみずみずしい果物があんのになんでしなびた野菜を食わねばならんのかっつー、
しかも野菜のせいで果物が食えなくなったらどーすんの。どーすんの!? って、それだけじゃなくてだなぁ、あー……。……上手く説明できん! とにかく!」俺は宣言した。
「今日という今日は亜希奈の処女膜ブチ抜いてやる……! あいつがどういう腹でも、子宮の底から刷り込みしてやるっ! 寝取られてたら寝取られてたで、一から俺色に……」
はっとして屋上を見る。
「まさか、さっきの野郎……っ!」
「いや、そりゃないって! あいつは俺と違ってカタブ……」
「固くて太い!? ふざけんなよ早漏野郎がぁぁぁぁ……っ!」
俺はカール・ルイスも真っ青な速さで階段を駆け上がった。
屋上に亜希奈はいなかった。さっきの男が一人で失意体前屈していたが、知ったこっちゃない。
気勢をそがれて廊下に戻る。
大多数は下校したようで、人の声はほとんどしない。
三年間にぎやかな校舎を見てきたからか、まるで別の世界のようだった。
こう静かだと余計なことを考える。
例えば、「向学のために、肉襞ズリズリまではやらせてもらってもよかったんじゃねーの?」とかだ。
しかし藤枝はもう帰っただろうし、わざわざ蒸し返すのも面倒だった。
第一、俺はポケットにコンドームを常備しているが、クスコも電動歯ブラシも持ってはいない。
持ってても、なぁ……。
しょせん妄想。
ちょっと残念な気もするが、脳内エロボックスにためておけばいつかは実践するときも来るだろう。亜希奈で。
──亜希奈。
キスもしたことのない、俺の女。
一方通行だと思ったことは一度もなかった。
一方通行にするつもりも、させるつもりもなかったが、俺は亜希奈が俺を想っていると、ごく自然にそう信じていたのだ。
何度ヤラセロと言って、何度ごめんなさいと言われても、疑ったことはなかった。
「亜希──」
教室をのぞくと、美少女がいた。
逆光で影になっていたが、可愛い子っていうのはシルエットでもわかるものなのだ。
そんなことは、小学生の頃から知っている。
「かずくん」
亜希奈は変わらない呼び方で俺を呼んだ。
「……どこに行ってたの? ……いないから、びっくりした」
控えめに微笑む表情の癖も、あの頃と同じまま。……変わってはいないが、印象は随分と明るくなった。
昔の亜希奈は常にうつむきがちで、可愛いのに暗いとケチのついている女だった。
といっても、俺たちは亜希奈が気になって仕方なかった。
俺と亜希奈の家は斜向かいだ。
田舎から送ってきた果物を挨拶がてら配りに行く程度の繋がりしかなかったが、それでも俺はクラスの男どもの中で一番近いんだと優越感を持っていた。
「……かずくん?」
……今でもはっきり思い出せる。
あの日、亜希奈は、いつものように、放課後の教室に一人残っていて。
あの日は今日と違って、雨が降っていた。
「傘を持ってないのか?」と俺が聞くと、亜希奈は首を横に振った。
俺はそれまで全然気づけなかったが、亜希奈の両親は上手くいっていなかった。
亜希奈に対しては優しいが、夫婦の関係は冷え切っていたらしい。
俺の両親は仲が良かったから、俺はあまりピンときていなかった。
亜希奈にもそれがわかったんだろう。苦笑して、「かずくんのところは仲良しだもんね」と言った。
「大変だな」とも、「元気出せよ」とも言うタイミングを逃した俺は、「じゃあ、俺がおまえをもらってやるよ」と軽口を叩いた。
亜希奈はそのとき、初めて“笑って”──。
俺は衝動的に亜希奈の手をつかんで、同じ言葉を言い直したんだった。
──おまえのことは、俺がもらう。
「かずくん……?」
十八歳の女として成長した亜希奈が、不安げに首を傾げている。
俺はへらりと笑顔を作って、何気なく言った。
「……ああ。おまえを探しに行ったら、途中でなんと告白されてな」
「え……っ?」
「先輩っ、ずっとお慕いしてましたぁっ! って。俺も捨てたもんじゃねーなぁ。なんつって」
「え? え? かずくんっ?」
「嘘だよ。あー。可愛いなァー、可愛いなァー、亜希奈は。俺の一言一言に本気で焦るもんなぁーっ」
「っ」
「あれ? 怒ってんの? なに、怒ってんの?」
「怒って……ない。もう、帰ろう?」
「わーった。じゃあ帰るか」
俺はその場で踵を返し、亜希奈よりも先に教室を出た。
ポケットに手を突っ込んで、鼻歌を歌いながら階段を下りる。
「かずくん……?」
「ん?」
「えっと、あの……」
「そうそう、今日うち来いよ。一緒にゲームやろうぜ」
「……うん」
家が近くなると、俺たちは次第に無言になった。
最後の角を曲がったところで、亜希奈が恐れるように歩みを止めた。
「かずくん……。あの、今日、は……」
「都合が悪いのか?」
「……違うっ。そうじゃ、なく、て……」
俺は亜希奈の手を取った。
「あっ」
「じゃあとりあえず家に来いよ。茶ー飲みながらでいいだろ?」
「う、うん……!」
……まったく、手を繋ぐタイミングをいつもとちょっと変えただけでこれだ。
亜希奈は微笑みながら、まんまと俺のテリトリーに引き込まれた。
今日、両親は二人とも帰ってこない……とは言わないが、父は出張で泊まり、母は同窓会で遅くなる。それなりに都合のいい状況だ。
俺は亜希奈を部屋に招いて、ベッドの上をぽんと叩いた。
「座れ」
亜希奈はわずかに身じろいで、顔を背けながら俺の横に腰を下ろした。
すり寄ってくる華奢な肩。俺の体に触れてはいない。亜希奈からしたら、「さりげなく距離を詰めた」といったところだ。
しかし、甘い香りが誘う。
背中の方から腕を回して、たわわな胸をぷにっと摘んだ。
「かっ、かずくんっ、ゲーム! しようっ? ……は、なし、て?」
──誰が離すか。
「突然ですが、今日プレイするゲームは18禁です」
「かずくんっ?」
「その名も、『亜希奈調教げぇーむっ』! どんどんぱふぱふー。……えー、これは高校を卒業する亜希奈が俺からも卒業するなんて事態を防ぐために、俺のチンポで少女時代卒業させてやんよ、という、いかにも春めいたゲームです。安心して発情してくださいねー?」
「何言って……っ」
亜希奈は慌てて上半身を離したが、それだけ。俺の横に腰掛けたまま冗談だと信じきって、赤くなった頬を隠したり、風を送って冷やしたりなんかしている。
その様子がまたモーレツ可愛いので、イラッときた。
「はぁ。おまえなー……。もっと怖がれよ。彼氏でもない男に犯されんだから」
にこにこにこにこ。
「まぁ、俺はおまえの彼氏だと思っちゃってたけどなー?」
にこにこにこにこ。
「“神楽坂と笹原って、つきあっていなかったのか?”」
亜希奈の顔から面白いように血の気が引いた。
「聞い、て……たの?」
「うん! いっやー、ショックだった。ほんっとーにショックだった。ショックすぎて踏ん切りがついた。やっぱ今の世の中、純愛よりも鬼畜だよな。何からシよう? ヤりたい放題すぎて困っちゃうっ」
「ま、待って……! かずくっ」
うろたえる亜希奈が可愛い。まるでこの世の終わりって顔だ。
神経全部、俺に向いてる。
いつもならもうちょい弄って、しょーがねーから勘弁してやる、って流れだ。
いつもなら。
俺は亜希奈ににじり寄った。
「……今までは、おまえが泣きそうな顔で言うから、キスもやめといてやったけど……」
どうせ手に入るものと思っていた。
すでに手に入れていると思っていた。
微塵の疑いもなかったから、何年でも待っていてやれた。
──舐めんな。
我慢の限界なんて、最初から超えてんだよ。
「あ……っ」
吐息ごと亜希奈の口に噛みついた。
無防備な唇にずぬりと舌を差し込んで、付け根から絡みつく。
震える舌を亜希奈そのもののように、捕らえては締め付けた。
きつくきつく吸い付いて。
──蛇の交尾。
くちゅ、くちゅり、と、耳にこもる音もまるでそれだ。
ここもまた、亜希奈のナカ。
たまらなくなって、細身の体をかき抱いた。
やわらかい……。温かい。
「ふぇ……っ」
「亜希奈……?」
「う……っ、くっ」
「亜希奈? おい」
腕に抱いた体が震えている。
俺は慌てて亜希奈の顔を上向かせた。
一瞬こっちを見たが、瞬時に視線をはがされる。
「亜希……」
亜希奈は、しょっちゅう泣きそうになって、それでいて涙はこぼさない女だ。
小学生のときも、中学生のときも。……いつだって我慢する。どれほどつらいことでも。控えめに微笑みながら。
俺は──。
俺はこれでも、ファースト・キスなんつーもんにも興味があって。
気持ちよさの方は全然期待しちゃいなかったが、シた後の亜希奈の反応を妄想したりなんかしていた。
亜希奈は恥ずかしそうに微笑むだろう。目を少し潤ませて、俺にすがりついてきて……。
「ひ、ど、い、よ……っ」
亜希奈は両手で顔を覆った。
「ふぁ、すと、キ……ス……」
逃げようとして身をよじるのを、俺は反射的に捕まえた。
「ふぁすときすっ、だった、の、に……っ!」
……なら処女だな。と、暗い喜びを覚える。
やわらかい肉を、力いっぱい締め付けた。
亜希奈はいやいやと、ちぎれるんじゃないかと思うくらい首を振った。
「ファースト、キスっ、だった、のにっ! べろちゅー、したぁぁぁ……っ!」
「──はぁっ?」
亜希奈はすん、と鼻を鳴らす。
「は、初めてのっ、……はっ、色々、そうぞ、してたの、にっ。……え、えっちなキス、とは、ちがった、のにっ。な、でっ。い、一緒、に、する、のぉ……っ?」
「え。マジでそれで泣いてんの?」
「だっ、だいじなこと……! だもの……っ!」
うつむいている亜希奈の耳は真っ赤になっていたが、泣いているせいか羞恥のためか、よくわからなかった。
ずっといやいやしているのも、怒っているのか拗ねているのか、よくわからない。
「……なんだよ」
ただ俺は亜希奈を抱きしめて、ものすごく、脱力した。
「なんだよ……」
ところがその途端、亜希奈は妙に怯えた声音になった。
「……かずくん、と、しちゃっ、……た、よぅ」
「嫌なのか?」
亜希奈の首がふるふると動く。
俺は少なからず安心したが、亜希奈が一向に顔を見せようとしないのが気になっていた。
もっとさらけだしゃいいのに。
目が真っ赤になっていようが、鼻水がだらだら垂れていようが、見せりゃあいいのに。
「あの……」
亜希奈はいっそう深くうつむいてしまった。
「……な、なんとなく、ね、本気で、信じてるわけじゃ、なくて。なんとなく、なんだけど……」
──ファースト・キスの相手が、運命の人になる気がしたの。
……運命の人であればいいのにって、思ってたの。
震える吐息は、ごく小さな声になった。
消えそうにしぼんでいくたびに、みるみる背中も丸まって、最終的に亀と見まごう防御態勢。恥ずかしくてたまりません、って感じだ。
俺には何が悪いのかさっぱりわからなかった。
「……だからつまり、問題ないんだろ?」
亜希奈が息をのむ。
長い沈黙の後、
「だって……!」
亀は急に顔を上げた。
「だって、怖いよ……っ」
「あー、もー。わけわからん」
いちいちビクついている動きも、今はただただめんどくさい。
「いいからおまえ、全部話せ。しかし最初に言っておく。何を言われようが今日はヤる。ヤ・る・か・ら・な!」
鬼畜ルートはギリギリのところで回避できたが、こればっかりは曲げる気はない。
亜希奈はぐっと怯んだが、すぐに恨めしげな表情に変わった。
「か、かずくんと、……え、えっち、して。私がっ、かずくんを気持ちよくできなかったらっ、ど、すればいい、の……?」
「はあ?」
「かずくんは、優しいから! そ、な、理由で、私のこと、捨てたり、しない……。たぶん、しないっ、けどっ、嫌だよ……っ」
「なに?」
「かずくんに、気持ちいいって、思ってもらえないの、やだ。……か、体の相性って、あるん、でしょ?」
「……」
「がっ、頑張るよ! けどっ、頑張るけど……。相性いい人より、気持ちいいって、思ってもらえないの、や……っ」
「……」
「それにっ、飽きられたら、どうしよ、とか……っ。か、ずくんが、いつ他の人を好きになるか、わからなくて……っ」
「……」
「全部、あげて。……も、いらないって、言われたら。そのあとどうすればいいか、わかんない……っ。わかんない、よ……」
「おまえなぁ……」
「ごめ、なさ……っ! ごめんなさいっ。……それでも、かずくんとっ。いられるだけ、一緒に、いたかったの……っ」
「じゃあ何か? つきあってないっていうのは」
「わ、別れるって、言われる、の、怖かった……から……。最初、から、何もないって、思って、たら……、我慢、できる。かも……」
……あー──。
「馬鹿か」
「っ」
「俺とおまえは、何もないのか」
「かず、く……」
「俺とおまえは、何もなかったのか」
「だって、だって……っ! 私、わがままなんだもん……! かずくんと一緒にいたいけど! ずっと一緒にいられる関係なんてあるわけない……っ! 新しいことを試せば試すほど、きっと合わないことが多くなって、
かずくんが我慢するようになって、我慢できなくなってっ、私のこと、嫌いになる……! 嫌いなのに、一度関係を築いてしまったから、捨てにくくてっ。ただそれだけで、仕方なく一緒にいるようになるんだ……っ。私のせいで!」
「……」
「そんなの……、やだよ……。運命の相手は……。私のためにいるみたいに、ぴったりの人じゃないと、やなの。……最後まで幸せになるように。……馬鹿みたい、だよ、ね。そんなの、あるわけないのに」
「はぁ……」
再びうつむいていった亜希奈を見て、俺は海よりも深ーいため息をついた。
ピクリと震える肩が、わざとやってんのか? ってくらい、かんに障る。
……なんだっけか、こういうの。
取らぬ狸の皮算用? 違うな。
人間万事塞翁が馬? 違うな。案ずるより産むが易し?
頑張れ受験用脳みそ。まだ眠るのは早い。
……来年のことを言えば鬼が笑う?
とにかく、俺と亜希奈の親父さんを混同されたって困る。
ていうか、仕方ないことだとは思うんだが、俺と今までの人生経験とを天秤に掛けて、亜希奈は俺の方を軽く見たわけだ。
……ふーん。ふーん。
「つまり、あれだな。……俺は今まで紳士すぎたと」
「え?」
「元々ネガティブなのは知ってたけど、想像以上だったわ」
「……っ」
「いい、わかった。安心しろ。膜がなくなったら八割方なくなる悩みだから。たぶん」
「ちがっ、違うよ! かずくん!」
「あー、はいはい」
俺は亜希奈の顎を持ち上げて、唇に唇でそっと触れた。
割り入れたくてしょうがなかったが、舐めるだけにしてすぐに離す。
「俺が好きだろ?」
亜希奈は絶句している。
「おーれーがーすーきーだーろー?」
亜希奈はくしゃりと顔を歪めて、自分で自分を抱きしめるように身を固くして、……かすかにうなずいた。
それで充分だった。
イヤッッホォォォオオォオウ!
──亜希奈の唾液、マジうめぇ。
話もついたことだし、早速押し倒して──と思ったのだが、亜希奈があまりにもビクビクしててムカついたので、俺はずっとキスだけを染みこませている。
期待と恥じらいでビクつかれるのは大歓迎だが、恐れでビクつかれるのは心外だ。
俺を選んだんなら、おとなしく甘えてろっつーんだ。
……仕方ない。
しょうもないことでいっぱいになってる亜希奈の脳髄、どろっどろにしてやんぜ!
──と、もう10分以上吸い付いているはずだが、全然飽きがくる感じがしない。
キスってのは予想外にイイものだ。
手のひらで自在にムニっているおっぱいの感触もサイコーに気持ちいいが、ちゅぷちゅぷ音立てながら粘膜犯す、この感じはたまんねぇ。
最初はガチガチだった亜希奈も次第にとろけて、俺の背中に腕を回してすがっている。
時々ぎゅっと服を握ったり、思わず、といった調子で離したり。
制服まさぐって乳首を弄れば舌が跳ねるし、腰のイチモツをうりうりとすりつけてやれば、体と一緒に舌も逃げてく。
何より、
「……亜希奈、下の口からも音出てんぞ」
「……やぁっ」
置き去りにされた下半身が勝手にくねり始めている。
誰も教えちゃいない、亜希奈の無意識から引きずり出された淫らな動き。
……まだキスだけだっつーのに。ファースト・キスに夢見てたガチ処女のくせに。
「──なんでこんな、やらしーの?」
耳元で囁けば、弾む吐息がますます温度を上げた。
やっべー。すっげーたのしー。
俺のムスコはビンビンどころかビキンビキンきてて正直痛いが、楽しすぎて止めてやれない。
亜希奈は非難がましく俺を見て、しかし、何も言わずにでこをくっつけた。
「なんだ? 言ってみろよ」
俺はニヤニヤがこらえきらえない。
亜希奈は拗ねた調子でつぶやいた。
「いぃ、もん……。……かずくんの、好きに。……ぜんぶ、たべて」
……。
「……っあー。録音させろっ。じゃなくて! ……それもイイけど、いや、すっげーイイけど! 今度そのパターンでいきてぇーけど!」
いかん、脱線した。
「つまり、もっとこう……。お願い入れてェー! もう私我慢できないッ、とか、ねーの?」
「そ、その方、が……?」
「違うだろ!」
咄嗟に声が荒くなった。
また体を固くする亜希奈に、俺は強引に舌をねじ込む。
ちゅっ。
「ンっ、……ふぁっ」
わかってない。こいつは全然わかってないぞ。
「……俺がおまえを気づかってこんなことやってるとでも思ってんのか?」
「え……っ」
冗談じゃない。
下手に出てお願いしたり、主導権握って言わせたいこと言わせるだけなら最悪亜希奈の気持ちがなくたってできるじゃねーか。
亜希奈にぞっこんラブラブされてるこの俺が、なんだって初回からそんなプレイに甘んじねばならん。
──“恥ずかしいけど見てぇ……っ。舐めてっ。触ってぇ……っ。違うのぉ。あなただからっ。あなただからこんな風におねだりしちゃうのぉ……っ。あなただから、全部、見せられる……っ。見てほしいんだもんっ”
……てな感じが俺の理想だ。
ぴったりって言うからには、偏ってちゃダメだろう。
「好きに抱いて、は70点。……いや、やっぱサービスで80点。俺はおまえを好きに抱いてる。おまえは俺に、どう抱かれたいんだよ」
「でもっ」
ムニムニ。ちゅっ、ちゅーっ。
「……んんっ」
「興奮するアイディアがあったら採用してやる」
「っもう……。かずくんは……」
光る唾液が弧を描く。
か細くなった糸が途切れる前に、亜希奈は目を閉じ、俺にそっと寄り添った。
「あの……、ね。……かずくんと、ちゅーするの、すき。……だいすき。……でも」
ぎゅっと、シャツの背中が緊張する。
「や、やっぱり……っ、早く。もっと、奥まで。いっぱい、さわって? ……いっぱい、一番、奥まで。ぴったりに、なりたいっ。かずくんのに、ぜんぶっ」
そうして、亜希奈はおずおずと俺を見つめた。
命綱のようにシャツを握って、滑稽なほど真剣に目を合わせた。
今にもはちきれそうな瞳孔。歯なんかカチカチ鳴り出しそうだ。口元についてる涎も相まって、美少女台無し。テンパりすぎ。
「……すき」
声もガクガク。うわずりすぎて、音の外れた楽器状態。
「かずくんがっ、……すきっ」
俺は笑った。
「──それ、すっげーチンポ勃つ」
トランクスを部屋の隅に蹴り出して、亜希奈にずかずか近づいていく。
「か、かずくん……っ!」
「なんだよ。俺もいいかげんヤバイから、お口でしゃぶってもらうのはまた今度な」
亜希奈は涙目で後ずさった。
「ちがっ。そ、それ、入るの……、かな?」
「入れる」
亜希奈の背中が壁にぶつかる。
「はーいバンザイしてー。全部脱がすからなー。そんままだとたぶんべっちゃべちゃになるから。あらかじめ脱ぎ脱ぎしとこうなー」
本当はもっとねちっこく一枚一枚はがしてやりたかったが、それもまた今度。俺がもたない。
チャック下げた瞬間封印解除って感じで、無理。もう無理。
「だーいじょうぶだって。さすがに充分濡れてなかったら慣らすくらいの理性は……」
チッチッチッチッチ……。
「ある?」
たっぷり10秒は考えたが、疑問符は付けておかざるを得ない。
大丈夫だろう。きっと。たぶん。たぶん大丈夫。
「う、うん……」
信用しているのかいないのか、亜希奈はおざなりにうなずいて、その間もずっと俺のムスコに釘付けだった。
よく見ると、もぞもぞと太ももを擦り合わせている。
「想像してんのか?」
「……っ!」
「なんだ、ちゃんと期待してんじゃん」
俺は制服のブラウスを脱がせて鼻にかぶせた。
生地はほのかに汗ばんでいて、女の香りをまとわせていた。
亜希奈は見ていられない、といった感じで顔を背ける。
「だ、だってっ。あんなえっちなキスした後だから……っ!」
「穴ん中いじくり回すのは一緒だからなァ」
「う……っ」
鎖骨まで赤くなっているのを見届けながら、順当にブラジャーゲット。桃まんのようなおっぱいが、ぷるん、と抗議している。
「……うああーっ、俺だって挟みたいっ。なすりつけてぶちまけたいが、それもまた今度だ……っ!」
俺はブラジャーに鼻を寄せながら身悶えた。
い、今生身の方に行ったら暴発するからじゃあないんだからねっ!
「挟む、の……?」
亜希奈がひもを引っぱるが、蒸れた感じがたまらんから渡す気はない。
片手でプリーツスカートのホックを外す。
「当たり前だろ、普通挟むだろ。けど今はとにかく入れる。イレル。というわけでパンツ脱がすから。あと今度から汚れてもいいやつはいてこい。そっちにも挟む。ていうか太ももやらけー。やわやわー。うはっはー」
「……なんか、かずくんは、普通の人よりえっちなんじゃないかな……」
亜希奈はうなだれた。
「そんなこと言っていいのか?」
「え?」
俺の指はすでに亜希奈の最後の砦にかかっている。
その中心からは甘い香りなんてもんじゃない、いやらしい匂いがぷんぷん漂ってくるのだ。
「前戯いらないんじゃね? これ」
どうしても声が笑ってしまう。
俺はその頼りない布きれを一旦くい込ませ、一気に引き抜いた。
「んっ」
ぬちゃあぁぁあ……。
レースの装飾に似合わない、粘液の橋。
ひとまずしみチェックといきたいところだが、俺は橋の始点から目を離せない。
「……見ろよ。糸ひいてんぞ」
「やだぁっ!」
亜希奈は力いっぱい足を閉じた。
しかし反射的に膝も折り曲げたので、俺はすかさずそこに手を突っ込んだ。
「あ……っ!」
──ぐちゅり。
その肉はどこよりやわらかかった。
ここに毛が生えるのは保護のためなんだろうに、こんなに濡れてちゃなんの役にもたってない。
音を立ててかき分け、ぬらぬらした感触に誘い込まれて、……もっと深く、突き入れそうになる。
「おっと」
血を流させるのは俺の肉棒でと決めている。
俺は腕を引き、亜希奈の足を割り開いた。
「きゃっ!」
「膜見とこう、膜」
「や、やだっ、そんなとこ……っ!」
「なんで。最初で最後だぞ。記念だろ? おまえは見てほしくねーの? 全部俺のもんになる、ある意味……、入学届けみたいな?」
「んっ。で、でもっ。は、ずかしぃっ、よ!」
「よし、今ので俺のテンションが倍増した」
「かずくん……っ!」
じたばた暴れる足を太ももの下から抱え込み、ぐいっと鼻を近づける。
淫靡な空気が濃密になり、においの温度が伝わってくる。
俺は両手の親指と人差し指でゆっくりとそこを開いた。
「やだ……っ、やだ……っ。かずくん、やめて……」
──ピンクだ。
そして粘ついた白。
……透明の糸の格子の奥に、ひくひくと呼吸を繰り返す洞穴がある。隠すような襞が呼吸の度に形を変えて、ひくひく、くぱぁ……ぬちゅり、ぬちゃり、と。
「かずくん……っ、かずくん……っ」
くぱぁ……、ひくひく。
「かずくんっ、みないで……っ」
ひくひく、……とぷり。
「かずくぅん……っ!」
亜希奈が計算で動かしてんのかと思うくらい、粘液の一筋までが雄弁だった。
「亜希奈、亜希奈……っ」
俺は思わずそこにキスを贈った。
「ひあぁっ!」
なおも逃げようとする腰を抱え直して、ドーナツ状の処女膜を執拗に舐め回す。
形をなぞって円を描いては、真ん中の穴を舌先で穿った。
何度も、何度も。
未踏の洞窟からあふれ出す蜜液を、思うさま吸い込んだ。
「んんんんん……っ!」
亜希奈の膣口が打ち震える。
俺はがばりと身を起こした。
無理だ。──無理だ!
先走りにまみれた亀頭を押し当てる。
「かず、く……」
「……入れるからな」
白い腹が、不規則な心電図のように跳びはねた。
「……全部感じろよ? おまえんナカ拡げていく俺のこれも。ミチミチ拡げられてくナカの感じも。おまえのハジメテ。取り返しのつかない瞬間だってわかった上で、全部感じて、全部おぼえろ」
「……あっ」
「亜希奈……っ!」
「ひっ。あ……! う、ぎ……っ!」
──抵抗は予想以上に大きかった。
熱のこもった内壁が締め上げてくる。
いまだかつてこれほどの息苦しさに包まれたことはない。
しかしその温度と圧力は、他人の人体──亜希奈の体を、生殖器で無理やりこじ開けているんだと、脳細胞が焼き切れるほどの実感をくれた。
「……っ」
「いっ、あ、ぐ……っ」
亜希奈の顔はぐしゃりと歪んでいる。
頬の肉を強ばらせ、歯を食いしばって耐えている。
目尻にたまってあふれてしまった涙を舐めた。
「……っ痛いなら、痛いって言っていい。言えよ。痛いんだろ?」
亜希奈はぎこちなく首を振った。
「い、たく……ない。きもち……い」
「嘘つけ。俺は痛い」
「っ」
「締めすぎ。きつすぎ。マジちぎれる」
「うそ……っ」
亜希奈が真っ青になる。
「……俺が痛いんだから、おまえはすっげー痛い。だろ?」
亜希奈が身じろぐと、それだけで持って行かれそうになる。
俺は奥歯を噛みしめた。
「……っ」
途端、
「いた、い……。いたい……っ。痛いよ……。かずくん、痛いよぅ……っ」
どうしよう、どうしよう。
亜希奈はそう泣きじゃくった。
「いや……っ。やだぁっ。かずくんがいい……っ。かずくんじゃなきゃやなのにっ! ど……して、きもちよくなれないの……っ」
「おまえ……処女と童貞でムチャ言うなよ」
「だ、だって! 初めてなのに……感じちゃうって、書いてあったもん……」
「何読んでんだ」
俺は呆れた。
それで、ちょっとムカついた。
「で、どうすんの?」
「えっ?」
「もうおまえの処女膜ねーよ。ファースト・キスも俺がもらったし、べろちゅー合わせてセカンド、サードどころの話じゃねーし。服脱がしたのも、裸見たのも全部俺。俺のチンポ股に突き刺さったまま、痛いって泣いて、おまえ、どうすんの?」
亜希奈は俺を見つめて、迷わなかった。
「……ひろげ……て。かずくんの、サイズになる。それで、……いたいのも、すきになる」
「馬鹿か」
「だって!」
「だってじゃねーよ。拡げるところまではいい。だがな、俺にSM嗜好は……ないとはいわん。ないとはいわんが、そういうの、趣味じゃねーんだよ」
「だっ、て……」
「ていうかおまえ、入れて出して、それで終わりだと思ってる?」
俺は亜希奈の脇腹をゆっくりとなで上げた。
「ひゃっ!?」
「今日という日を迎えるまでに俺がどんだけ精子無駄にしたと思ってんだ。もうおまえ、どこもかしこもなでられてるし、舐められてるし、ぶっかけまくられてるし。実物にだっておんなじことするに決まってんだろ」
「う……?」
「おまえの体、知りつくしてやる」
俺は亜希奈の唇を厚くふさいだ。
どういう動きに弱いのか、ついさっきまでの交歓で少しはパターンがわかっている。
「ん……っ」
イイ反応ばかりを引き出しながら、届く範囲の肌のすべてに手を這わせた。
手のひらに産毛が触れるか触れないかくらいの距離を、少しずつ、繰り返しなぞっていく。
「……亜希奈。ここすげー、触ってて気持ちいい。まずここで感じるように教育してやるからな。それと」
「……っ」
「やっぱ、乳首弱いよなァ。きつく摘むか? そっと摘むか? 先端の割れ目に爪立てて、カリカリってしてやろうか?」
「かずくん……っ」
「……っと」
ヤメテ、とか、ヤダ、なんて言われそうだったので、俺はすぐにまた舌を突っ込んだ。
本気じゃないのはわかっているが、形だけでも理性の歯止めになるなら、そんなものは、今はいらない。
「んぅ……! ふ……っ」
尖らせた舌をピストンして、まさに擬似性交の動きを刷り込んでやる。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぢゅぷぷっ。ちゅうー、ちゅぷっ。
わざと下品な音を立てながら、指では言ってやった通りのことを。胸元を飾る小さな突起を捕まえて、射精を煽るみたいに急き立てた。
「んんん……っ! んー!」
「まだ出ないよなァ」
ちょんちょん、と爪でつつくと、亜希奈の太ももが小刻みに震える。
足の指を折り曲げて耐えているらしい。
俺は勃起しきった胸の突起を執拗にしごき続けた。
「ひぁ……っ。あ……!」
筋肉が張りつめているときに、さっきの性感帯候補をさわさわと刺激する。
「……っ!」
声にも快感を逃がさせない。舌を絡めて締め付ける。
「……! ……! んーっ! んーっ!」
足先が痙攣するのを見届けた。……と同時に、亜希奈の膣壁がようやく綻ぶ兆しを見せてきた。
俺はすぐには動かず、大殿筋を締めたり緩めたりを繰り返した。
波紋が徐々に広がるように……亜希奈の知らないうちに律動をナカになじませる。
が、誤算があった。
「やべぇ……。出そう」
力の抜けてきた亜希奈のナカは、そりゃあもうとんでもなくイイ。良すぎる。汁もじゅわじゅわ出てきたし、ヒダヒダがそれぞれうねって、ねだるように絡みつく。
「で、る……? なに……?」
痛みを忘れてとろけきった亜希奈の顔も、いいから出せ! といわんばかりのシチュエーション。
「……いや、待て。待て待て。俺にだってプライドがあるわけよ。ピストンで気持ちよくイクならともかく、入れてるだけで出すって、なんなの……」
色即是空だ。今すぐ悟りを開け。あとちょっとで動けんだから。耐えろ。耐えてくれ……!
「かずくぅん……」
「いっ!?」
何を思ったか、亜希奈が腰を動かし出した。
「馬鹿! やめろ!」
案の定、上下する毎に顔を歪めて、まぶたをぎゅっと固くしている。
つーか出る。マジで出る。……が。
「……そんなことしなくてもっ、時間の問題なんだって!」
亜希奈は不思議そうに俺を見た。
「……気づいてねーの? 俺が体を触ってる間、おまえのナカ、きゅうぅって締め付けてきたり、ぎゅうぎゅう引き込んできたり。……も、すっげー全力で誘ってくる」
「え……っ?」
「……まだわかんねーかぁ」
圧倒的に痛みの方が強いらしい。
俺は考えた。
変なプライドにこだわらずに一度出してしまえば滑りも良くなるし、動けるようになるんじゃああるまいか。
決して負け惜しみではない。断じて違う。
「……とにかく。さっきの続き……な。まだ動くなよ。放っときゃ勝手に射精すっから」
亜希奈は喜びを隠しきれないといった様子で、こくこくと頷いた。
……というかこいつ、わかってんのかな。
俺、ゴムしてないんだけど。
まぁ、丁寧に「いいのか?」なんて聞いてやる気持ちはもはやさらさらない。
下のお口でミルクをごっくんしてもらおう。
俺は知らんぷりを決め込んで上の口のセックスに耽溺した。
「ん……っ」
ちゅっ、ちゅっ。
「か、ず……、んん……っ」
あー……。
「亜希奈、出すぞ。もう、出……っ」
──大変気持ちようございました。
我慢してた分大量の精液を撃ち込んだ。なんかどくどくいってた。すっげぇヨかった。
途中かっとなって尿道口を一番奥になすりつけちまったんだけど……。
「亜希奈?」
亜希奈は目を見開いて固まっている。
「おーい、亜希奈?」
「か、かずくん、あの……。なんか、熱いの、が……」
「早くおっぱい出せるようになろうな?」
俺は爽やかな笑顔で言った。
「……いいだろ、別に。高3だし、卒業だし、結婚できるし。おまえだって、子ども作るなら〜って話、前乗り気だったじゃん」
「あ、あれはっ、もしもの理想……、というか、……夢、で」
「実現すりゃいいだけだろ」
土下座も殴られるのも、覚悟はできてる。
死ぬ気になれば出産費用くらい稼げるだろう。
完全に冷静とは言い難い、勢いに任せた思考なのはわかっているが、後悔するつもりはさらさらなかった。
後悔させないかどうかは、結局のところ俺次第でなんとでもなる。
心残りといえば、童貞時代の夢と怨念をこれでもかと背負ったコンドームを使う機会がなくなったこと……。しかし、
──こいつが悪い。
「おまえがハナから破局することばっかり考えてたのが、一番悪い」
亜希奈は瞳を揺らせて目をそらした。
「で、も……。避妊……。ぴったりじゃないのに、子どものせいで……。だったら……」
「っお、まえ、なぁ……っ! いいかげんにしろよっ!」
俺は亜希奈の細腰を両手でつかんだ。
「ひぅっ!?」
俺のサイズになるだの、痛いの好きになるだのとまで言っといて、これだ。
俺からのリターンは期待されてない。蚊帳の外だ。
妥協を覚えただけで、何一つ信じちゃいない。
──めんどくせー女! めっっっっっんっどっくせぇー女!!!
どっからどう見ても俺の女のくせに。
粘膜と粘膜を擦り合わせて、奥の奥まで俺を受け入れてるくせに。
そのさらに奥まったところ、心と言われるやわらかい淵で、いつまでも俺との未来を排除している。頑として!
……体の相性が悪いって?
「俺が何しても、おまえが何しても、どうしようもないことはどうしようもないって言いたいのか?」
初めてでお互いイかなきゃ運命失格だってのか?
「ちがっ。……こ、わい……の。こわいの……! ……だって、おとぎ話じゃないんだもん……っ」
──へェ、そう。
「……ぴったりならいいんだな?」
「かず……くん?」
……なら、そうしてやる。
なじむのも待たずに。追いつくものも突き放して。
今すぐ、そう作り替えてやる。
ずっぷりと埋め込んだままの欲望を、──一気に引き抜き、一気に突いた。
「うああぁぁ……っ!」
ちゅっと唇を重ね合わせて、ずんと腰を送り込む。
「いっ、あ……っ! ひぃっ」
さっさと拡がれとばかりにねじ込み、締め付けてくるヒダヒダを、削り落とすように振り切った。
「かずくん……っ、いっ、い、た……いっ」
「だな。けど俺、出したばっかだから。今度は亜希奈が出す番だよなァ? 出せよ、愛液。俺らのためにさ。初めてでも感じまくって出しちゃえよ。……なぁ?」
繋がっている付け根付近をまさぐって、すでに固くなっていた蕾をぎゅっと摘んだ。……つもりだったが、指が滑った。
「ひあぁぁっ!」
「……ふーん、やっぱ、ここが一番感じんだな。あらかた開発してから弄る気だったのに。ま、いっか。おかしくなれ」
「ひぅうっ!」
「……てか、ぬるぬるで摘めねーじゃんか、これ」
何度も挑戦するのだが、亜希奈が身じろぐせいもあって上手くいかない。
ぬるっ。
「んぁっ!」
ぬるっ。
「あふ……っ!」
面倒くさくなってきたので、二本の指で逃げられないように固定して、小刻みに摩擦した。
「んっ、あっ、……うっ、あぁ……っ! あぁぁんっ!」
時折包皮の縁をなぞるように拡げていくと、ピクン、ピクンと腰が跳ねる。
「はっ、ひっ。……んんっ。……あっ」
「……全然剥けてねーじゃん。クリオナとかしてねーの?」
「うっ?」
「やらしー本読みながら、剥かなかったのか? こうして、こうして……」
「あっ、あっ、あひっ」
「俺にずる剥けにされたかった?」
「ふやぁぁぁっ」
亜希奈の声が痛みを忘れる。
俺は不意に指を離した。
「……やめた」
「っ」
思わず俺をすがった亜希奈の意識の間断に、ぐっと、子宮に奇襲を叩き込む。
「んぎうっ!」
「……ほら。こっち集中しろよ。ここがぴったりじゃないと嫌なんだろ? クリだけで気持ちよくなってんじゃねーよ。人のことくわえたままさぁ……」
奥の壁から入り口まで。……ゆっくりとなで上げて、浅く、ことさら優しく抜いて刺した。
くち……、くち……っ。
「……この辺、まだ膜の一部が残ってるかもなァ。カリ首の、一番太いところで、ちゃあんと拡げてやっから。忘れろよ? 処女の体は。十八年間の感覚、全部俺で塗り替えろ」
にゅー……。じゅぷ……っ。
「か、ずくん……」
「見ろって。俺の。やらしー液で光ってるだろ? 俺の白いのと。おまえの赤いのと。混ざってる。今頃その腹ン中はどうなってんのかなぁ。卵子、精子にツプツプ輪姦されて、泣いてんの?」
「かずくん……っ、ご、め……っ」
「メンツ、増やしてやるっ、よ……っ」
「あ……っ。ひっ、ああぁ……っ!」
浅いところで射精する。亜希奈のナカ全体が俺の味を覚えるように。精巣の底から注ぎ込む。
そうして、未だ萎えきらないイチモツを、じわりじわりと、わずかずつ奥に進めた。
「タンポンってあるじゃん。あれに俺の精液染みこませて、ここに入れっぱなしにしとこうか。卒業証書授与の時とか、子宮だけじゃなく、ヒダヒダの隅の隅まで俺の精子、泳がせてさ」
「んっ、やぁ……っ」
「精子ってどんな形してるか、教科書の写真見たことあるか? いやに長い尻尾ついてんの。正直キモイ。イトミミズみてぇ。……今おまえの大事なとこで、長ーい尻尾がわしゃわしゃ蠢いてるわけよ。どんな感じ? 教えろよ」
「ひぁ……っ、あっ、……んっ、うぁっ」
「……もうすぐ子宮の入り口に、俺のチンポついちまう。こーんな狭いとこ、一度に何本の尻尾が通り抜けるんだろうな? 生きのいいやつに子宮口こじ開けられて、感じたりすんの?」
「あっ、あっ、あっ」
「答えろって」
「もっ、や……っ。かずくん……っ、ごめ、なさ……っ。お願い……! 普通にして……っ! 怒ってるの、やだぁあ……っ!」
「遅ぇよ」
「ひっ」
「何回も、何回も、何回もさぁ……。ホントいらいらすっから、望み通りにしてやるって言ってんだろうが」
「……の、ぞみ?」
「運命みたいにぴったり、俺と相性のいい体になりたいんだろ? その辺の女なんか目じゃないくらい。何を試しても、俺に捨てられない女になりたいんだろ?」
「う……。……んんっ」
「だからっ」
「ひっ、ああぁああっ!」
「こうして! 使い込んでやるんだろっ!」
「かず、く……っ!」
「自家用酒作るみたいにさぁ、一から仕込んで、仕上げてやるよ……! 失敗しても、俺好みになるまで育ててやる……! 手間暇使って、おまえ以外考えられねーってほど、俺専用に熟れさせてやる……っ!」
「う……っ、あっ、あぁ……っ」
「……逃がさねぇよ。今日中にナカイキ覚えさせて、今日中に孕ませる。肉襞の一枚一枚、子宮も、卵巣も、俺のために排卵して、感じる体に変えて、使い込まれた道具みたいに、全部躾け直してやる……!」
「あっ、あ……っ、うああああぁぁぁぁぁ……っ!」
「っ、……亜希奈?」
膣壁が万力のように俺を締め付けたかと思うと、次の瞬間、放心していた。
腹の肉はピクピク動いているが、亜希奈の瞳は夢を見ているかのようにぼんやりとしている。
俺は唖然としたが、すぐに笑いがこみ上げてきた。
「……は。なにおまえ、イったのか。俺に躾けられるの想像して、イっちゃったわけ? ……へぇ」
──けど、今のはナカイキじゃあないよな?
俺は亜希奈の耳に囁いて、再び内壁を掻き回し始めた。
ずちゅっ、ずちゅっ。
「あっ、あっ」
ぶちゅっ、ぶちゅっ、ずりゅう……っ。
「んっ、んはっ、ふんんぅ……っ!」
こつ。
「あひぃっ!」
「……亜希奈ァっ、子宮口、おぼえたか? 俺の鈴口とぴったりちゅーする感触、おぼえたか?」
「んんんんん……っ!」
「答えられなきゃまた復習テストだなぁ。……ほらっ!」
「んひぃぃぃぃ……っ!」
「……あっ、はぁ……っ、ふぁぁっ」
「腹の上から子宮なでられて、そんなイイのか?」
「んんっ! ひろが……る。ひろがるのぉ……」
「びゅるるーって染みこんでいくの、気持ちよくなってきた?」
「……ん。きも、ちっ……」
「なら、排卵だろ? たまご出さないと。子宮の壁犯されるだけで終わっちゃダメだろ?」
「……ん。どっ、ち、も……ほし……よぉ」
「じゃあまた腹ン中かけてやろうな。たっぷり注いで、卵管から膣口まで、精液だまり作ってやっから。ちゃんとたまご産むんだぞ?」
「うんっ。うんっ! 産むっ。産むぅっ。たまご……っ。排卵するぅ……っ!」
「んっ、むむむっ」
「んんんっ、ぷはっ」
「かずくんっ、かずくんっ、かずくぅぅんっ!」
「亜希奈っ、イクぞっ! またイクぞ……っ!」
「きて……! きてぇ……っ! あっ」
「ぐ……っ」
「ひゃあぁぁぁぁぁんっ! あついっ、あついよぉお……っ!」
「受精したかっ?」
「するっ、するぅ……! するからっ! おなかもっと! 泳いでっ! げんきなせーし、おくのおくちに、もっとぉ……っ!」
──そして、何時間たったのか。
さすがに腰が疲れてきたので、小休止も兼ねて俺たちはまたキスを繰り返していた。
といっても、最初の頃の様相とはまったく違う。
亜希奈が俺に負けず劣らず積極的に快感をむさぼっている。繋がったままの下腹部も、今では亜希奈が上にしなだれかかり、ゆるり、ゆるりと動かしていた。
「んっ、ん……っ」
とにかくあらゆるところを密着させているので、胸の頂、ぬかるみの縁、ビンビンにうずいているのがよくわかる。
そうした勃起だけでなく、俺が手を動かせばどこもかしこも跳ね上がった。
触られることを予感しただけで感じる体……。
もはや産毛の一本一本が性感帯といってよかった。
キスマークが斑に刻まれてしまった白い肌は、鎖骨のくぼみに唾液がたまり、淫靡な流れを光らせている。
……なんていうか、自分でやったこととはいえ、ビフォーとアフターが違いすぎる。
さっきまで処女だった胎内に、何度注ぎ込んだかわからない。
「ぐ……っ」
「あはっ!」
──とか思ってたらまた絶頂ですよ。
それにしても全然萎えない。蜜壺の中ですぐさまムクムクと起きあがる。
一日にも満たないこの短時間で、亜希奈の体はすっかりと俺になじんでいた。
──くそっ。
「……かず、くん?」
「あー?」
「ど、どうしたの……? 気持ちよくないの……っ?」
「……気持ちよくなかったら勃たねーよ」
「でも……」
亜希奈の表情に影が差す。
俺は亜希奈の髪をかき混ぜた。
なんとなく止まらなくて、どんどんぐちゃぐちゃになっていったが、亜希奈は文句も言わずに俺の様子をうかがっている。
「かずくん……?」
「俺は……」
言葉の先をどう予想したか、小さく跳ねる亜希奈の肩。
今の今まで淫欲剥き出しに腰振ってたくせに、こんなところは変わらない。
……俺は。
「俺はなァ……っ!」
……今さら。
説得力なんて、欠片ほどもありはしないが。
「……だった」
……優しく、……するつもり、だったんだ。
優しく、してやりたかったんだ。
俺が亜希奈を、好きなように抱いて。亜希奈は俺に、好きなように抱かれて。
俺の希望なんか関係なく、わがままを言って甘えて、自分をさらけ出して、ぶつけ合って……。“笑って”。
それで、大丈夫なんだって、何も怯えることなんかないんだって、教えてやりたかった。
それが──。
理性が飛んだ。我を忘れた。
強引に熱を押しつけて。脳を揺さぶり。
粘土をこね回すように、亜希奈で遊んだ。
刻みつけるのは、楽しかった。
奥の奥の奥まで、犯して、侵して、冒して──、やっと、満足できた気がした。
……畜生っ。
なんで、まだ勃起してんだ……っ。
なんで、気持ちいいんだよ……!
「──ごめん」
時間は元に戻らない。
「かずくん……。謝らないで。……悪いのは、私だもの」
亜希奈は震えた。
瞳も声も、肌も震わせながら、ゆっくりと腰を揺らし始めた。
「やめ……」
「でもねっ! 私、うれしかった! ……かずくんを気持ちよくする道具になって……、いっぱい、いっぱい使い込んでもらったら、……もう私、なんの心配もしなくていい。
……一番っ、気持ちよく、するんだもん。できなくても、できるまで仕込んでもらうんだもん……っ。私が一番、長く使ってもらってっ。使いなじんでもらってっ。ホントの一番に、なるんだもん……! ね? かずくん、そう言ったよね……っ?」
すがるようにナカを締め付けながら、まるでそれが唯一の救いのように、ひたむきに俺を見つめる。
「……おまえが、そうなりたいんだな?」
「うん……っ。私が、そうなりたいの……っ」
「ふーん……」
それが俺たちにとって一番良い道なのかといえば、たぶん違うだろう。
確かに専用肉奴隷はロマンだが、あくまで非現実のロマンであって、つまり……。
どこのエロゲーだ。
俺の対亜希奈妄想の根底を腐らせて、健全さとはかけ離れすぎている。
しかしそれは亜希奈が当初から選んでいた選択肢で、まぎれもなくこの俺が暴走して叩きつけた欲望だ。
何回も、何時間も注ぎ込んだ精液は、すでに亜希奈の内側に深く染みこんでいる。
──責任を取る、という言葉が浮かんだ。
すぐに振り払った。
認める。
亜希奈を蹂躙しきって、俺は、楽しかった。
まどろっこしい過程を全部すっとばして、これでやっと手中に収めたと、俺は本当に、うれしかったんだ。
「あんっ」
揺らめく亜希奈を抱きとめて、密着したまま奥を小突いた。
「ひゃんっ」
動きとしては生ぬるい。ツン、ツンと、確かめるような動きだ。
亜希奈は上気した頬に快感をにじませ、どこかくすぐったそうに“笑って”いる。
少しの憂いも含まない、鈴の転がるような笑み。
──その顔を、ずっと見ていたかった。
「……あとで嫌だって言ったって、遅いんだからな」
「うんっ」
「……何人も子ども、産ませるからな」
「……うんっ」
「なら──、……もう、……馬鹿なこと、言わねーな?」
「えと……」
「おいっ!」
この期に及んでまだこれなのか!
俺は全力でつっこんだ。
亜希奈は小さな声で、
「使い……こんでも、あきない、よね……?」
「……おまえ、ホント馬鹿だな」
俺は深あぁぁぁぁぁいため息をついた。
「いいか! くだらないこと考えてる暇があるんならなぁっ! アンアンあえいで、気持ちよさそうに悶えてっ、……俺がっ、好きだってっ、ずっと言ってろ……っ!」
──結局のところ、こいつにはわからないのだ。
俺が何を何べん言ったって、気概は伝わるかもしれないが、未来にはならない。
だったらもう言葉なんかいらないだろう?
そう思えば、亜希奈もこくこくと頷いた。
「で、きる……よ。かずくんが……。ず、ずっと……っ! ずっと……。私のナカに、いて……くれたらっ」
「っ」
「あ……っ! お、おっき、く……!」
──やってくれる。
俺は何度もそうしたように、ムスコを入れっぱなしにしたまま体勢を入れ替えた。
「かずくん……っ」
亜希奈が期待に頬を染める。
そのとき──。
「ただいまー」
階下から、声がした。
「ふぇっ?」
「しまった……。同窓会から帰ってきやがった……」
「お、おばさん……っ?」
どんだけヤってたんだ俺は……。
時計を見ると短針が9を差している。
学校から帰ったのが3時頃だったから、普通に計算して……。
わおー。抑圧された性欲パネェ。もしかしてギネス載るんじゃね? って……。
「冗談じゃねぇぞっ! ここでやめられるか……っ!」
「か、かずくんっ?」
「ずっとナカにいてほしいんだろ?」
俺はニタァと頬を歪めて奥を突き始めた。
「ひぅっ! ……んっ、んんっ、う」
亜希奈が健気にも指を噛んで堪えようとする。
「おっと。やめとけ。おまえはよがってりゃいいんだよ」
「ば、ばれたらどうするのっ、かずくんっ!」
「問題ないだろ。嫁にもらうし。種も仕込むし」
「うっ。あ……る、よ。恥ずかしいよ……っ! それに……っ」
「それに?」
「……まだ一緒にいてくれないと……やだぁっ」
俺は亜希奈の口をふさいだ。
「んん……っ!」
下の口と上の口をお構いなしにちゅぷちゅぷ喘がせる。
「……かずー? 寝てるのー?」
ビクンとナカが締まったが、すぐに引き込むように蠢いた。
さんざん擦り立ててやったのに、亜希奈の膣道はねだり上手だ。
膣奥に潜む口は甘えたで、俺の先端にちゅうちゅう吸い付いてくる。
「ほしいか?」
亜希奈は精いっぱいの動きで首を横に振った。
階段を上る音が聞こえてくる。
一歩、また一歩と近づいてくるたび、亜希奈のナカがぎゅううっと締まる。
「……かず?」
ノックがやけに大きく聞こえた。
俺は勢いよく腰を打ち付けた。
「……っ! っ……! っ……!」
亜希奈の痙攣が引き潮になってから唇を解放する。
すがりつく爪が、抗議のように俺の背中をひっかいた。
「っ、はっ」
亜希奈の呼気が少しずつ静寂を破り始める。
真っ青になる亜希奈の耳元で、俺は聞いた。
「バレたくないんなら、一度抜くか?」
声は隠しようもなく笑っていたが、亜希奈はただただ必死に首を振った。
ベッドのきしむ音。抜き刺しであふれる多弁な淫水。懸命に押し込められる乱れた呼吸。
辺りに充満している獣めいたにおい、この酔いつぶれるような熱気が、扉の隙間から漏れ出てバレちゃうんじゃねーの? なんて。
熱に浮かされながら、教え込んだ中でも念入りに調教した子宮に狙いをさだめて、小刻みな波を送り込む。
鈴口と子宮口が互いの唇を食んで嬲る。
たっぷりとミルクを含んでも、まだ足りないと降りてくる神聖な子袋。
「……ほしいか?」
貪欲に拡がっていく可愛い口に、すりつける。
亜希奈は濡れそぼった瞳で俺を見上げた。
小さな喉仏がゆっくりと上下して、それはまるで下の口と連動しているかのように。
のみこむように、うなずいた。
「……かずー? ホントにもう寝たのー?」
扉一枚隔てたところに母親の声を聞きながら、大量の精子を解き放つ。
どくん。どくん。
一群、二群。かたまりを銃弾みたいに、亜希奈の奥の奥めがけて。
「っ、っ、っ、っ、っ……っ!」
こめかみの血管が切れそうになったが、最後の一滴まで注ぎ込んだ。
腕の中で亜希奈の体が。口の中では亜希奈の舌が打ち震える。
ありったけの力でもがいて、筋肉繊維に快感を逃がそうとする。
「っ……! っ! っ! っ、っ……っ!」
全部を捕まえて、沈黙でつぶした。
「……ご飯作らなくて良いなら寝ちゃうわよー! おやすみーっ!」
階段を下りる音がして、扉の向こうも静かになった。
亜希奈は胸をぜえぜえと言わせている。
「っは……。うぅっ。……こ、わかった……よぅ」
「めちゃくちゃ感じてたみたいだったけど?」
「ち、ちがうっ」
「じゃあ、感じるようにしてやるからな。なんせ、これから朝までオールナイトだ」
俺は爽やかに親指を立ててやった。
「うぇっ?」
「一回寝たらめったに起きないから、だーいじょうぶだって。親父の方は出張で今日泊まりだし。おまえの親にはメールでも送っとけ」
「かずくんっ?」
「朝までずっとナカにいてやるからな?」
俺は笑った。
有無を言わさず笑った。
亜希奈が物言いたげに俺を見たが、拒否権なんか二度と与えてやらん。
快楽漬けにして欲しい欲しいって言わせるのだって、心の底から俺を求めているなら、紛れもなく亜希奈自身の意志だろう?
──なぁ、おまえが道具にまでも堕ちたいって思うのは、俺だけだろう?
そして、心の奥の奥の奥まで溺れさせないと気がすまない女だって、おまえだけなのだ。
断固たる意志で見つめ返してやると、亜希奈はついにおずおずとはにかんだ。
「は、は……ずかしぃ、から、ずっと、キスしてて……、くれる?」
「任せろ!」
そしてまた、俺たちはあらゆるところを擦り合わせた。
上のキス。下のキス。
ちゅっ、ちゅっと粘膜に空気を孕ませて。とろり、とろりと蜜を交わして。
俺は亜希奈を使い込み。亜希奈は俺に仕込まれる。
……当初の予定とはほんの少しずれてしまったが、突き詰めれば同じことなので問題はなかった。
頭の片隅でミクロな俺が何か言っているが、ぷちっとつぶしておくから問題はないっ!
このまま……。壊れるまで使って、壊れても使い倒して、破片まで嬲って、いいように作り替えて、何度でも壊して、……最後の一粒まで。
俺のものだ。俺の、俺だけの女だ。
だから……。
意に染まぬ方に行ったって、最終的には強引に、無理やりにでも、──絶対、
「……幸せにしてやる」
そう決めてるんだ。
あの頃から、ずっと。
運命は絡み合って離れない。
これからもずっと、繋がったまま。
何度言っても信じないなら、手っ取り早く、一緒の未来を見せてやるから。
とりあえずは8、9時間先の未来まで──ずっと、このまま。
おわり。
ヤバイ
ギリギリセーフのつもりだったのに
スレが480KB越えてしまったorz
一週間書き込み無しで落ちるんだっけ
長くてごめん!
GJ!
>>830 GJなんだぜ。
亜希奈が始終ビクビクしてるのがめちゃかわいかった
次スレいらんよね
GJ!
長いのが繋がりっぱなしの醍醐味だよな。
ところで次スレ、どうするよ
立てるだけ立ててみたらいいんじゃないか
なんだかんだ保守人口いるみたいだし
短いのいくつか投下してくれ始めてたとこだったから
長くねちねち繋がり責めしてほしいけど
短いのも気軽に読めていい
このスレ2007年からあるんだな