213です。特に「うpろだスレ行け」等のレスがつかないようなので投下します。
『パンプキンシザーズ』の二次。
前フリも話も長いです。前フリ表記しておくのでうざい方はすっ飛ばしてください。
オーランド伍長×アリス少尉←レオニール(婚約者)寝とり(性描写はないです)
恋人の浮気にキレた男が、つながりっぱなしで恋人を苛めて、心を壊しちゃうという
よくあるパターンの話です。
シチュ萌えで書いたのでキャラはかなり壊れています。原作ファンの方はご用心。
投下予告みたいな形になってしまい、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
薄暗い安ホテルの一室で、男はズボンのポケットから懐中時計を取り出した。
停戦から数年、巷の物資はまだ豊かとは言えず、部屋の灯りは暗く目を凝らさないと文字盤がよく見えない。
短針は一時と二時の間を指し、長針は七時を過ぎようとしていた。秒針が気ぜわしく動いている。
ベッドの端に腰を下ろしていた男は苦笑いを浮かべると、二メートル半ば近くある大きな図体をことさらかがめ、膝にボサ
ボサの黒い前髪が届きそうになるほどがっくりと頭を垂れた。
昨日の日暮れ前、何度も求め合い互いの絆を確認しあった後で恋人は、
『今日中には必ず戻る』
と言ってこの部屋を出て行ったが、時計の針はもうとっくに深夜を過ぎている。
舞踏会なんか嫌いだから顔見せ程度で抜け出してくる、という恋人の言葉を信じて待っているのだが……以前ちらりとだけ
見たことのある彼女のハンサムな婚約者のことを思い出し、男は不安そうに唇を噛んだ。
帝国陸軍三課の小隊長としてカーキ色の指揮官服を身につけた恋人には、部下としていつも絶大な信頼を置いている彼だが、
貴族の令嬢らしい胸元もあらわなイブニングドレスをまとう彼女にはひどく女を感じてしまい、心配でたまらなくなる。
今夜の舞踏会は婚約者の新邸宅建造のお披露目も兼ねている。貴族のしきたりなど平民の――娼婦の母を持ち父親の顔も知
らず、軍隊に売られるまでは戸籍さえなかった――この男にはまるでわからなかったが、両家の親の意向でお膳立てされた婚
約が、あの人の言うとおり個人的な意思で単純に破談になるものだろうかとも思う。
そろどころかこれまでの経緯を話す彼女の話の端々には、相手の男はむしろ彼女を気に入っているのではないかと思われる
フシさえ感じられる。
だが、恋人は心配する男に平気な顔でこう告げた。
『私は不誠実な婚約者だとお伝えした。今夜の舞踏会ではきっとレオニール殿から婚約破棄を申し渡されるだろう』
幼い頃から一族の継承者たるべく、武人としての教育のみを優先して育てられた彼女は、男女の機微に関しては幼児並みの
理解しかない。
だから、部下と深い仲になったと告げることで婚約は解消できたも同然と思っているようだ。
しかし自分の所有物を寝取られたと知った婚約者がどんな行動に走るかと思うと、男は気が気ではない。
そんなわけで。舞踏会当日である今日、支度に忙しい恋人を無理に誘い出し、男は半ば強引に抱いた。
婚約者は相当なプレイボーイらしいので、あからさまに他人の手垢のついた女などシラけてきっと相手にしないだろうと考
えたのだ。
……本音は恋人がこのまま夢中になって、舞踏会などすっぽかしてくれればいいと思っていたのだけど。
胸や腹や内腿に無数の赤い痣をつけ、股間を不快気に何度もぬぐいながら、恋人は恨めしそうに男をにらみつけると慌てふ
ためいてホテルの部屋を出て行った。
ドレスに着替えるだけで手一杯だ、シャワーを浴びる時間もない、とプンプン怒って。
時間がない、というのにしつこく抱いて、中で出すな、と言われたのにいっぱい出してしまった。
だって今日はもう大丈夫な日のはずだ。婚約者さんとのダンスの最中に漏れてきたって俺は知らない。
……婚約をうやむやにしたままだったあの人が悪い。俺に舞踏会のこと隠してたくせに。
約束どおりドレスに隠れない肩や首筋にはキスマークはつけなかったんだから、あの人もちょっとぐらい困ればいいと思う。
「少尉……」
男はぽつりとつぶやいた。彼は恋人をアリス、と名前で呼んだことがない。
皇帝からL(レイ=切り裂くもの)のあざなを承りし拝命十三貴族、マルヴィン家の令嬢と平民以下の生まれの自分とを繋
ぐ糸は、同じ部隊の少尉と伍長という関係だけだ。
ため息をつきながら悩ましげに両手で顔を覆うと、手のひらが鼻を横切る派手なサンマ傷に触れる。
男の顔も両手も、いや全身、無数の傷で覆われている。盛り上がった縫合痕に人殺ししか能のない自分を思い知らされ、男
はうつむいた。
不意に、いかにも貴族然とした美貌の婚約者の姿が脳裏に浮かぶ。経済界の若き貴公子と呼ばれるあの青年貴族と、しがな
い軍のプロパガンダ部隊の自分。
だけど。俺を選んだのはあの人自身だから……。
不意にノックの音が響き、男は顔を上げた。
サイドテーブルに時計を置くと主人の帰りを聞きつけた飼い犬のような勢いで立ち上がり、ドアの元へ急ぐ。
しかし扉を開けると、立っていたのは意外な人物だった。
「ほう。君がランデル・オーランド伍長か」
「……レ、レオニール……テイラーさん!?」
「なるほど大きなものだ。私が見上げなければならない人物なんて大人になってからは君がはじめてだよ」
明るいブロンドの髪をオールバックに撫で付けた長身の貴公子が、にこやかな笑みを浮かべ彼を見上げていた。
そしてその腕には……。
「少尉!?」
「ごらんのとおりアリスは具合が悪くなってね。氷菓に使われていたローデリアの酒のせいかもしれない。……あれは甘くて口当たりはいいけれど強いから、ご婦人には忠告しておくべきだったかな? でもきちんと介抱したから、しばらく寝ていればじきよくなるよ」
婚約者に抱きかかえられたアリス少尉は、オーランド伍長が見たこともないブルーのイブニングドレスを着ていた。
上半身は白い毛皮のショールをまとっているので、ドレスはほっそりしたウェストとスカート部分しか見えない。
しかし具合が悪いという割りには顔色は良くないどころか少しばかり赤らみ、なぜかうっすら汗さえ浮かんでいる。
夜会巻き風にまとめられたショートボブの金髪も妙に乱れ、あちこちほつれていた。
それに対になるように、レオニールの隙なく着こなした夜会服もなんとなく着崩れているように見え、オーランドは胸騒ぎ
を覚える。
「今宵、私はホストなので客人を放っておくわけにはいかない……それで我が未来の妻の忠実な部下である君に、後は任せようと思ってね。彼女がホテルの住所のメモを持っていてくれたおかげで助かったよ」
言い終わると、婚約者はにっこり微笑んだ。さわやかな、見るものをとりこにするような笑顔。顔立ちが整っているだけでな
く表情も魅力的だった。
オーランドはその笑顔に引き込まれるように、眠れる恋人に腕を差し出す。
小柄な女は足元まで覆う長いドレスを着ていても羽のように軽かった。
抱き上げたアリスの体は妙に熱く……汗でじっとりと湿っている。かすかに酒の匂いがした。
「彼女の屋敷には二、三日我が家でお預かりすると使いを出したから心配はいらない。継承器も持たせたので色々と察して下さるだろう。まったく色恋にあのようなものは無粋だ……短剣など。では、馬車を待たせているのでこれで失礼」
衣擦れの音を立てながら貴公子は優雅に退場しようとしたが、ふと何を思い出したのか、私服の上官を抱き上げたまま声もな
く戸口でたたずんでいる男を振り返った。シルクのドレスシャツが引きつれ喉元があらわになる。
普通そこにあるべきタイもボウもなく、ボタンが二つも外れていた。それでなんだか着こなしに違和感があったのだろう。
青年貴族の相も変らぬ笑顔の中に真っ白な歯がきらめき、口元が醜く歪む。
「そうそう。“初めて”なところがまだ残っていたんで、色々と楽しませてもらったよ。夫婦間の不倫の自由は認めるつもりだから、せいぜい飽きられないように努力したまえ、オーランド君」
婚約者は去っていったが、立ちすくむ男の耳には靴音さえ聞こえなかった。
安ホテルの硬いベッドの上に、アリス少尉は横たわっている。
頬は赤らみ呼吸は浅い。上半身に巻きつくショールを剥ぎ、窮屈なドレスを緩めなければ、とオーランドは思う。
しかし彼は小さな足からドレスと共布の華奢なハイヒールを脱がせただけで、眠れる彼女に触ることもできなかった。
苦しげな様子に何度も迷う。早く楽にしてあげなければ、と思うが、なんだか恐ろしくて直視さえはばかられる。
たまらなくなって彼は目を逸らそうとしたが、アリスが苦しげに身をよじらせたので、毛皮のショールに手をかけ、ゆっく
りと開いた。
まず目に飛び込んできたのは豊かな胸の前で祈るような形に白い布で結わえられた、彼女の手首だった。布は貴族の男がよ
く首に結んでいるシルクのやつで、レオニールの胸がはだけていたのはそのせいかと外しながらぼんやりと考える。
こんな痕も残らないようなゆるい縛り方なら、普段の少尉だったら自力で外したろうに……そんなことを思いながらさらに
ショールを開いていくと、白い胸元に赤い痣があるのに気づいた。
胸の谷間、鎖骨の窪み。喉元、肩。
舞踏会に出かける前、恋人が『絶対つけるな!』と男に命じたところに、はっきりと赤い痣がついている。
人目につくむき出しの肩や首についた、無数のキスマーク。
服と肌の境目にも赤い痣があり、オーランドは震えだした手で胸元の布地をずらした。痣はドレスの下にも続いている。
ドレスの胸の部分をもっと引き下げると左の胸がこぼれるように飛び出して、桃色の乳首の辺りに赤い痣が二つ、三つ。
俺、こんなところにキスマークつけたかな……。オーランドが急に回転の鈍くなった頭で思い出そうとしていると、不意に
アリスが身じろぎし、スカートの中で脚が動いた。
男の目は青い布に覆われた下半身に移動する。視線は迷っていた。
今、少尉に必要なことは窮屈な上半身を緩めてあげることで、もう靴は脱がせたし靴下はそのままでも……。
締めあげられたウェストに続くなめらかな腹部。
しなやかな脚のラインが服の上からでもはっきりわかる。腿のあわいの窪みも。
夢遊病者のような眼差しでオーランドはドレスの裾をつまんだ。
今、上官が目覚めたらきっと『この不埒者め!!』と頬をひっぱたかれるに違いない。
むしろひっぱたいて欲しいと思いながら、ドレスをそっとまくり上げた。
薄いストッキングで包まれたスラリとした脚が現れ、続いて小さな膝小僧が、そしてレースで縁取られたストッキングの履
き口とガーターベルトの留め具が見え……彼の残したキスマークが白い腿に点々とついているのが見える。
しばらくそのまま数えるように赤い痣を見つめていたが、やがてウェストまで一気にドレスをまくった。
白いガーターベルトの下の痣の散らばるなめらかな下腹に、髪の色より少し濃い金色の恥毛が見える。
彼女は下着を身につけていなかった。
ドレスの裾を離すとふわりとたなびき、アリスの上半身は喉元まで隠れる。まるで青い上掛けを顎まで引き上げ、静かに眠
っている少女のようだ。
オーランドは幼い寝顔から顔をそむけ、ぴったりと閉じられた股間を見つめた。金色の恥毛はしっとりと湿っている。
少尉が目を覚まして俺をビンタしてくれたらいいのに、と願ったが、彼女はぐったりと横たわったままで。
男は泣き出しそうに目を伏せると小さな膝を立て、白い腿を左右に開いた。
亀裂が灯りに照らし出される。内側のピンクのヒダまでぱっくり開いて。はずみで中から何かがあふれ出した。
白い白濁した汁。男にはなじみの、胸のむかつくにおい。
俺が少尉の中に出したの、まだ残ってたんだ。……男は液体がトロリと股間を伝っていくのを見守った。
いっぱい出したもんな。それに長いこと何回も抱いたから、……だからまだやった直後みたいに、開いたままなんだ。
ドロドロした汁は股間を伝っていった。シーツを汚しそうになったので、広げた腿を前へ倒す。小振りの引き締まった尻が
持ち上がり、同じく引き締まった小さな小穴が……。
見慣れた小穴は、妙にほぐれ膨らんでいる。いつもよりピンク味を増したそこからもドロリと汁があふれ出た。
前のが垂れてきたんだ、とオーランドは痺れた頭で考えたが、次から次へと内側から、白濁した汁は漏れ出る。
彼は小穴へ中指を伸ばした。巨体に相応しくその指は長く太く、皮膚は度重なる戦闘で荒れ果てていた。
小柄で華奢な恋人を傷つけるのが怖くて、今まで決して後ろの穴をもてあそぶようなことはしなかったのに、男は無造作に
指を押し入れる。
太くゴツイ指はほとんど無抵抗に滑り込んだ。
「レオニール殿」
恋人が、高いかすれた声を上げた。
内部がヒクッと動き、吸い込まれそうになる。男は恋人を見つめながら、指を動かした。
「あ……レオニール殿……あ……ぁん」
節くれ立った指を根元まで突き入れ、指先だけ残して引き抜く。少し曲げ、かき回す。
尻穴を広げるように左右に動かしてみる。白い汁が指を伝った。ずいぶん奥のほうで出したんだな、とぼんやり思う。
「レオニールどのっ……ぁん……イイッ」
尻穴の動きにあわせ、ピンク色の亀裂までヒクつき始めた。
亀裂の合わせめに突き出た肉芽が、包皮からゆっくりと顔を出し始める。
尻穴をかき混ぜながら、空いた手の中指と親指で皮を押し下げ、赤色の小さな先端を指先でこすり上げた。
亀裂がビクビク動くたびに内部から尻穴のと同じ汁があふれ出し、女は何度も婚約者の名を叫んだ。
そんな恋人の様子を見つめていると、なぜか身体が熱くなってくる。
男は今頃になって、自分の股間が痛いほど張り詰めているのに気づいた。
怒りなのか悲しみなのか、苦しくて辛くて欲情どころではないのに……何も考えられず、機械的な動作でそれを取り出して
から、挿入に邪魔な尻穴の指を引き抜いた。
「レ、レオニールどのやめないで」
小穴はそのままにして物欲しげにヒキつくピンクの亀裂のほうへ、赤く膨れ上がったものを押し当てる。
かつて入院で採尿の際にLサイズの尿瓶を粉砕した前歴を持つ男は、彼が初体験だった恋人をひどいめにあわせたことをひ
どく気にしていた。だから、少しでも彼女の調子がよくないようだと我慢したり自慰で済ますこともしばしばで、いつも舌や
指で入念にほぐしてからでないと挿入したことはなかった。
だが今の彼は触れもしなかった肉ヒダを指先で乱暴に押し広げ、何のためらいもなく小さな桃色の亀裂に、凶暴なくらい不
釣合いな大きさのモノを一気に押し込んだ。
……初めての時みたい裂けて血が出ればいい。
シーツが真っ赤に染まって、翌朝も止まらないぐらい出血して、歩くのもつらいぐらいになればいいんだ。
初めての時みたいに……欲情する体と血の涙を流してる心。頭と体がバラバラになったように感じる。
体重をかけ最奥まで突き入れる。彼のサイズなら、一気に子宮口まで突くのは造作もないことだった。
普段はこんな乱暴には、決してしないのだが。
「ひゃうんっ!?……ご、ごちょ?!」
青い眼が彼を見上げた。戸惑ったような眼差しで。
「やっと俺だと気づいてくれた」
男は胸の下の青い瞳を覗き込みながら、最奥をぐりぐりと押した。かぼそい声が上がり、金色の眉根が寄せられる。
よがってるみたいだ、と思うと、怪我をしなくてよかったとホッとすると同時にどす黒い怒りのような感情も湧いている。
俺はこの人を傷つけたいんだろうか? 何がしたいのが、自分でもわからない。
「ごちょう……あ……ん…すごいぃ」
「今度は俺を呼ぶですか、さっきはレオニールどのって叫んでたのに……何度も」
彼女が再び目を開ける。広がる混乱の色に、本当は慰めなければいけないのに、と男は思う。
すべては、酔わされて体の自由を奪われた上でのことだ。
……でも俺は舞踏会に行かないで、気をつけてって警告したはずだ。
それにあんなゆるい縛めなんか、少尉が本気で逃れる気ならいつでも外せたはず。
……いや、酔わされていたからだ。これは酒の上での事故……。
「すまない、伍長」
胸の下で小さな声がする。
二人は大人と子供ほどの体格差があり、男がのしかかった体位だと互いの顔が見えない。
「……お酒に酔っ払って、意識がなかったんですよね? 何にも知らないうちに、気がついたらホテルに戻っていたんですよ
ね? そうですよね、少尉」
彼は恋人の子供のように真っ正直なところを愛していた。
どこまでも真っ直ぐで嘘のつけない、愚かともいえる純真さを。
でも今は、女の嘘で誤魔化して欲しい。
空涙を流して、怖くて抵抗できなかったとかまったく何にも覚えていないとか。見え透いた嘘でかまわないから。
「申し訳……ない」
小さな声は繰り返すだけだった。
「意識がなかったんですよね? だってそんな手の縛り方じゃ、いつもの少尉ならすぐ外せるはずだから」
「そうだな。外せたはずなのに、私は……あ、そ、そんなに……んぁっ……すまない。本当にすまない。許してくれとは……
ンッ……言、わ、ぬ、本当に申し訳……あっ!駄目ぇっ深いぃ!! ……すごぉいぃ……ぁんっ……もっと突いてぇ、いぃ、
ごちょ、いいよぉ……」
「俺、少尉の正直なところが好き……でした……子供みたいに純真で嘘のつけないところ……今でも……」
もう何も聞きたくない。よがり声と俺の名前だけ口にしていればいい。
男は自分自身の快楽はそっちのけで、あえぐ女の様子を観察しながら腰を揺すり続ける。
こんな冷酷な気持ちで恋人と交わるのは、はじめてだった。
やがて女の体が震えた。つかんで引っ張られているような感触に男も耐えられなくなる。
放出して、いつもなら心地よい充足感に浸る頃なのに、今はなぜかせきたてられるような飢えしか感じられない。
小さな身体を軽々と抱き上げて。人形でも扱うように。青い高価な布地を引き裂き、でも腰の動きは緩めずに。
腹の上で何度も揺さぶり、逃げ出そうとした腰を捉えて後ろから獣みたいに。
弛緩した体を抱き上げ膝に乗せて。終わっても抜かないで。疲れきり乾き始めた体をいじくり、また無理やりに濡らして。
恋人の一番感じる、一番奥を何度も何度も。途切れなく逝かせて、声がかすれるまで自分の名を叫ばせる。
よがり声がすすり泣きに変わっても。声すら上がらなくなり、内部のいやらしいヒクツキが止まってしまっても。
男がぐったりした恋人を腹に乗せたまま一息ついたとき、空は白み始めていた。
「少尉ごめんなさい、俺ちょっと疲れました。……でも、少し休んだらまたできると思うから。大丈夫」
「もういい……お願い抜いて……壊れてしまう」
女は腰を浮かそうとしたが体に力が入らないらしく、少し尻を持ち上げだけで男の腹の上にうつぶせに崩れ落ちた。
常時でもMサイズの尿瓶に収まらないような大きさなので、萎えてしまっても男のものは自然に抜け落ちることはなく、尻
を少し浮かせたぐらいでは相変わらず繋がったままだ。
「駄目ですよ。抜いたらまたレオニールさんと間違えるでしょう? 入れるまで俺だと気づかなかったくせに」
手を腰の間に挟みこみ、少しずれたやわらかいものを、もう一度膣の中にねじ込む。
「いやぁ押し込むな……さっきは悪かった申し訳ない、二度と間違えたりしないから」
「……ずっと繋がってたいんです。少尉の中とてもあったかくて、なんか心が落ち着く……ひとりじゃないんだって……離れ
たくない」
これから彼女と別れ、一人、橋の下のねぐらに戻るなど考えたくもなかった。
家族もなく、家もなく、戦時の悪夢にさいなまれる日々。
アリス少尉と出会い、彼女が夢に現れ救ってくれるまで、オーランドは停戦から三年間なすすべもなく、夜毎、過去の亡霊
に苦しめられていた。
むろん救済は彼女のあずかり知らぬことだし、自分が勝手に依存しているだけだ。そんなことはわかっている。
それに自分にとって彼女はなくてはならないものだが、女にとってはむしろ経歴に傷をつけるだけの存在だということも理
解している。
わかっているんだ、そんなことは!
「……いい加減眠らせてくれ」
女は弱々しくつぶやいた。
「このまま俺の上で眠ればいいです。少尉は羽みたいに軽いからぜんぜん平気。……こうして、ずうっと繋がっていましょう」
「お前おかしい、どうかしてる……私のせいなのか」
彼女は涙ぐんでいるようだった。大きな手が慰めるように金色の髪をまさぐる。
「そうかもしれない。……既成事実ができてしまったから、もう婚約破棄なんかできないですよ。レオニールさんは夫婦間の
不倫は自由だって言ってたけど、……あの人や少尉は貴族だから平気でも、俺は違う」
男の手がうなじに触れ、指先が細い喉にまわった。
親指が喉仏に触れる。このまま力がこもれば、この男の握力なら女の細い骨など容易く砕けるだろう。
男の親指が内側に曲がってくる。アリスは観念したように息を止めたが、オーランドは指を離すと小さな体を撫で回し、抱
きしめた。
オーランドは全身でやわらかい素肌を味わい、女の心臓の鼓動を、呼吸を感じ取った。
そして、あたたかく包み込まれる感触も。全部、俺だけのものだった……。
「伍長?! もういや、眠らせてっ」
また身動きした小さな尻をがっちりと押さえ込み、男は決して離そうとしなかった。
「朝食はちゃんと食べなきゃ駄目ですよ。でないと、またトンネル工事の時みたいにお腹が空きすぎて倒れます」
男は優しくそういうと女の取り落としたスプーンを再び握らせた。
室内に射し込む日差しはかなり高く、ブランチというよりは昼食の時間である。
ちょうど父親が娘を膝にのせ、後ろから抱きかかえているように、オーランドはアリスを脚の上に座らせテーブルについて
いた。
身長が二メートルを超えている巨漢の上だと、小柄な体格で金髪をおかっぱ風に切りそろえた女は本当に少女のように見え
る。
「貴族のお姫様の口には合いませんか」
先ほどから顔を赤らめ苦しげに吐息を漏らしていたアリスは、薄目を開けると部下のほうをキッと睨み、利かん気な顔つきで冷えたスープの具を口に運んだ。安ホテルのルームサービスに相応しく、スープというよりは汁気の多い謎のごった煮である。
しばらく咀嚼し飲み込もうとしたところで、彼女は声を上げてしまい、慌てて口を閉じた。
食べ物の混ざったよだれが顎を伝う。しかし彼女はぬぐおうともせず、スプーンを握り締めたまま部下の膝の上で身をよじ
る。
女はストッキングも取り去った完全な裸体で、男も同様だった。
小柄な体の割には十分すぎるぐらい発達した乳房を、男の傷だらけの無骨な手がまさぐっている。
小振りに見えるがそれは男の手が大きすぎるせいで、普通の手のひらならはみ出したことだろう。
無数の赤痣や歯形に彩られた中で桃色の小さな乳首がツンと突き立っている様子はそれだけで十分に扇情的だが、テーブル
の下の光景はもっと淫らだった。
父親の膝の上にまたがる少女のように広げられた股間……金色の柔らかい恥毛を割るようにして、濃い桃色の尖った肉芽の
上を男の無骨な太い指先が執拗に蠢いていたが、その下に続く谷間はぱっくりと開き、赤黒い男のものを根元まで飲み込んでいる。
テーブルの上の悪戯も加わり、女は感じてきたのだろう。かわいいうめき声が上がるたびに透明な汁が肉棒を伝い、重たげ
に垂れる皺んだ袋に流れ落ち、椅子を濡らした。
昨夜から何度も繰り返し止むことなく触れられているため、乳首も肉芽も過敏になり、ささいな刺激にも反応する。
そして、それは男のものをずっと受け入れ続けている亀裂も同様だった。
彼の言うとおり、本当に繋がったまま眠ったのか彼女には定かではないが、体の内部が一杯になる感覚で目覚めると、ほどなくして腰を揺さぶられ……後は日が昇る前と同じだった。
遅すぎるルームサービスが来るまで、アリスは何も考える事を許されず、ただ男を呼び続けた。
ブランチが来た時、やっと解放されると安堵したのも束の間、オーランドは自分のものが萎えても抜けないのをいいことに、
繋がったままテーブルに移動する。
かくしてアリスは下の口いっぱいにほおばったまま、上の口でも食事しなければならなくなった。
自分はさっさと食事を済ませつつ、男は思い出したように女の体をまさぐる。
そのたびに彼女は身悶え、口の中身をこぼした。
スープがすっかり冷めてしまったのは口に合わなかったからではなく、こんな事情があったせいである。
よだれは顎を伝い、首筋に達する。
股間の透明な汁をぬぐうと、オーランドの指先はそれを潤滑剤に、肉芽を押さえつけるようにぬるぬるとこすった。
咀嚼を続けるアリスはよがり声をあげることもできない。
小さな手が無骨な指先を除けようと動いたが、男の大きく力強い手は微動だにせず、涙目になりかなりの苦労をしながら、
彼女はどうにか食べ物を飲み下した。
すぐに漏れ出るよがり声を必死で押しとどめると、部下に怒りの眼差しを向ける。
「いい加減にせんか! これでは食事などできぬ」
「だって乾いてきたから。きちんと濡れてないと出血します、俺、少尉に怪我させたくない」
萎えているくせにいつまでも繋がってないで、さっさと抜けばいい話であろう、とアリスは振り向きざま部下の頬を打とうし
たが、男の暗い目に振り上げた手を引っ込めた。
今回のことは何もかもすべて自分が悪い。アイツを責める資格など私にはない。
もしも自分が伍長の立場だったら、信頼を踏みにじった浮気な女に激昂し、相手共々重ねて切り捨てていただろう。
男が今朝方、自分の喉に手を回したのを彼女は思い出した。そして彼が思いとどまったのも。
だからアリスは手を下ろし、大人しく自分を抑えたが……だが、どうしても抑えられないものもある。
彼女は顔をしかめると、スプーンから手を離しテーブルに置いた。
「もうお腹がいっぱいだ。これ以上は食べられない」
「スープ、ほとんど飲んでませんよ……そういえば水も手付かずですね。パンはパサパサだったし玉子も塩辛かったのに」
「……いらぬ」
アリスは眉を寄せ、男の膝の上で悟られぬようそっと身をよじった。
水の話などしたくもないくらい、彼女は我慢の限界にきている。
昨夜から繋がりっぱなしだと言う男の言葉を疑っているのは、彼が朝だというのに生理現象をまるで無視しているからだ。
自分から言い出すのが恥かしく情けないので男が洗面所に立つのをずっと待っているのだが、このままだと……。
否、恋人の……部下でもある男の目の前で粗相など、絶対あってはならない。
「あれ? 食事よりこっちがいいんですか、朝からさんざんしているのに。少尉ってえっちですね」
無意識に股間を押さえようとした白い指先を目ざとく見つけ払いのけると、男はさらに肉芽を弄る。
膀胱が充満した状態で内側から圧迫されているだけでも辛いのに、そんなに強くのめりこむように押さえつけられた
ら!!!
「やめっ……いやっ!」
不安定な膝の上で太腿を交差するように脚をよじる。
ぶつかったテーブルが音をたてて揺れたが、そんなことにかまうゆとりはない。
だが尿意をこらえるという行為は内部に思わぬ作用をしたらしく、男はくぐもったうめき声を上げた。
「すご、締まっ……こうすると感じるんですね!」
萎えたものを強く握られる心地よい感触に、オーランドは嬉しそうに刺激を強める。指先がすべり、尿道口に当たった。
「や、やめんか伍長、違うっ」
「しょ、少尉そんなに強く締めたら……お、押し出される」
アリスの湿った肉の中で、男の太いけれど頼りなくやわらかい塊がずるりとすべった。
なんだかわからないけれど、こんな風に力をこめていけば押し出せるかもしれない。
そうすれば少しはラクになる、もうなりふりかまっていられない……。
男が慌てて股間を押さえる様子を伺いながら、アリスは太腿を締め上げ尿道口を引っ込めるように力を入れた。
中では膣圧が一気に高まり、柔らかい肉の棒を押しつぶしてくる。
「そ、そんな、あぅ……お、俺、また」
「な?!」
伍長の反応に、アリスはすぐに自分の浅はかさを後悔する破目になった。
頼りない塊は体内でみるみる硬さを増していき、膣いっぱいに膨れ上がる。
彼女は知らなかったが、怒張したオーランドのそれは、Lサイズの尿瓶を割ってしまうような代物なのだ。
内側から拡張されているような感覚は、普通のときでも尿意を感じるほどなのに……。
「やだっ、抜け! 抜いて、早く!」
「なんで、すごくいいのに……キ、キツッ、動いていいですかっ」
「駄目だ!」
こんな状態で動かれたら!
「だって」辛抱たまらないのか男の腰が勝手に動き出す。「すごくいいっ」
膣ごしに、尿で破裂しそうな膀胱を突き上げられる。
もう我慢の限界だった。アリスは涙目で叫んだ。
「伍長、抜け! は、早く……お手洗いに行かせてっ」
「え? あ。昨日からずっと繋がりっぱなしだったから……」
腰の動きが止まり女は震えながら安堵のため息をついた。
オーランドが椅子をずらしテーブルから離れた。脚の下に手が回されたので、アリスは床に下ろされると思ったのだが。
以外なことに、男は小さな体をそのまま抱き上げるようにして立ち上がった。もちろん局部は繋がったまま。
身体が大きいことに加え、13ミリ対戦車拳銃を片手で扱う腕力を持ってすれば、小柄なアリスを繋がったまま持ち上げ立ち
上がるなど、オーランドにはしごく簡単なことだった。
「バカモノ、下ろせ、抜け!」
「ずっと我慢してたんですね。ごめんなさい、気づかなくて」
男は手足をバタつかせる女を無視して、狭いバスルームのドアをくぐった。
狭い小部屋の天井は男の頭すれすれで、巨体の目線近くで見下ろしたトイレはずいぶん遠くに感じる。
男も同じことを考えたようで、背を向けるとバスタブのほうへ向いた。
「トイレだと小さすぎて床を汚してしまいそうだから……後で流せば大丈夫ですよね」
オーランドは浴槽の真横の壁に貼られた、鏡の中のアリスに向かって話している。
古びて曇った鏡の中では父嫌が娘に、今度は用足しをさせようとしていた。
膝の下に腕を差し込まれ脚を左右に割り広げられた姿勢は、幼児に「シーシー」させるポーズそっくりだ。
……下腹にぺったりはりついた細い毛と、股間の奥の谷間に赤黒く膨れ上がった大きすぎる肉棒が埋まっていることを除け
ば。
普段の彼女ならこの屈辱に、とっくの昔に部下を殴り飛ばしてただろう。
だが今は尿意をこらえるのに必死でそれどころではない。
腿を閉じたり手で押さえることも許されず、脂汗を流しながら尿道口に意識を集中させている。
「さ、少尉……。あれ、出ないんですか。俺はとても締まって気持ちいいけど」
「貴様ァッ」
アリスは眉を吊り上げ部下を睨みつけようと首をひねりかけたが、体が傾くと男の腕力だけで支えられている不安定な体はす
ぐにずり落ちそうになり……体内に埋め込まれた肉棒がさらに奥へ入り込んだ。
感じるところに先端がモロに当たり、一瞬なにも考えられなくなる。
瞬間、ホウロウ引きの浴槽にティーポットの湯を細く注ぎ落すような音が響いた。
「だ、だめだ!!」
焦った声とともに音はすぐに止み、女は少しでも体を浮かそうと男の首に手を回す。
「途中で止めたら病気になります」
オーランドのささくれ立った指が肉芽をこすった。
体の力が抜けて重力に逆らえず尻がずり落ち、また肉棒がいっそう深くのめりこんだ。
先端がさっきよりもっと強く、最奥の一番気持ちのいいところに当たる。
肉芽の痺れるような強い刺激と、体の奥から染み出してくる深い快感。
大きすぎる肉塊で内側から拡張されている自虐めいた悦び。体に力が入らない……。
「……触るなっ」
アリスは歯を食いしばって自分を取り戻すと、無骨な指を払いのけた。
部下の前で粗相など、絶対にあってはならない。
だが尿意を我慢しようとすればするほど膣は締まり、中に収まったものの張り出し具合やくびれまでわかるほどになった。
彼女は自分が排尿をこらえているのか膨れ上がった熱い肉棒を味わおうとしているのか、だんだんわからなくなってくる。
「イキそうなのに? アソコがきゅって締まって凄く吸い込んできますよ……本当に抜いていいんですか」
男が意地悪く小さな尻を持ち上げたとたん、奥への刺激が消えてしまう。
もはや自分が何を我慢しているのかも区別できなくなっていたアリスは、欲望の命じるまま男の股間に手を伸ばし、肉棒を
重たく垂れ下がった袋ごと持ち上げるようにして、深く挿入した。
「や……やめるな」
強烈な尿意が襲ったがそんなことはどうでもいい。
そのまま結合部まで指を滑らせると、滴る汁でヌルヌルのい根元をつかみ、ぐりぐり動かした。
「いいっ! お前の奥まで届くからぁ!! すごぉい深いぃ……ひぁっ……ぁんッ……頭おかしく……」
突然、生ぬるい液体が勢いよくアリスの手にかかり、バスタブの底を何かが打つ音が響く。
勢いを増す水流を、彼女はもう止められなかった。放尿の快感と達する快感が交じり合い、分けることなどできない。
「いい! 凄いよぉごちょっ出ちゃう……ああんっ」
尿のしずくを垂らしながらアリスの腕がパタリと下に垂れ、オーランドの腕に弛緩した体の重みがかかる。
「気持ちよすぎておしっこ漏らしてしまうなんて、本当にだらしないですね、少尉は」
男の冷めた声に、体の内部はまだ歓喜に震えていたが、アリスの頭は急速に現実に帰った。
「いっ……いやぁっ見るな!!!」
排尿はまだ終わっていなかった。
内部がビクビクと締め付けるたびに、黄金色の放物線が向きや勢いを変えるのを、鏡の中の男は面白そうに眺めている。
アリスは恥かしさと屈辱で一刻も早く終えてしまいたかったが、溜まりに溜まっていたせいか尿は一向に止む気配を見せず、
放物線は勢いよくいつまでも続く。
慌てて股間を手で押さえたが、あらぬ方向に飛び散り周囲を汚すだけで、実際は数秒のことだったろうが彼女には何分にも
感じられた。
「……どうすればお前の気は済むのだ」
相変わらず繋がったままでベッドの上に座ったオーランドに、アリスはつぶやいた。
対面座位で向き合うと角度が変ったのか、体内から湯が漏れてきたので、男は何も答えずタオルを宛がい、続いて尻のほう
もぬぐう。
男が巨体過ぎるせいで二人繋がったままの入浴はタライで行水するのと大差なかったが、彼女は文字通り体の中までキレイ
にされる羽目になった。
ヘソの高さしか湯に浸かれなかったのに膣と直腸を同時にかき回されたせいで、ベッドに戻っても女はのぼせたようにフラ
フラしている。
オーランドはタオルを床に投げ捨てると、考え込むような眼つきをした。
本当に俺は何をしたいんだろう。この人をこんなに苛めて。苦しむ姿を見たいんだろうか。どこまで俺を許すか試したいのか。
女は幼子のように彼に抱かれている。無心のように見えるが疲れきっているだけなのかもしれない。
突然、罪悪感にかられ彼女を解放しようと小さな腰を持ち上げかけたが、やはりどうしてもできなかった。
離したくない。
だから結婚なんて制度があるんだな、と考える。いつも眼の届くところに置く代わりに法律で縛り付ける。
そんなことの出来る身分の相手ではないことぐらいわかっていたが、以前はそれを越える信頼があった。
でも今は。
彼女が愛しいのか憎いのかわらない。……信頼の変りになるなにかが欲しい。それが歪んでいようがねじくれていようが…
…かまいやしない。
「……さっき、少尉がお漏らしする前。自分から俺の、入れてくれました」
バスルームでの痴態を思い出したアリスが恥かしそうにうつむくのにもかまわず、男は続けた。
「俺あの時、とてもうれしかったです。伍長って呼んでくれたし。……もう一度あんなふうにして欲しい」
「なにっ」
青い瞳が戸惑うように見上げる。
「少尉が自分から俺の体で感じてるところを見たい……俺に夢中になっているところが見たいんです、婚約者さんのことなん
か忘れて、俺だけを」
「……どうしたらいいんだ?」
「そうですね、俺の上で……。あの時、深いのがいいって自分で押し込んで、好きなように動かして逝ったでしょう、他はど
こも触ってないのに、俺のだけで。あんなふうにしてください」
「……わかった」
彼女が何を考えているかオーランドにはわからなかったが、そんなことはどうでもいい気がして、女の顔を見ず繋がったまま
ゴロリと仰向けになった。
彼女は腹の上にまたがる形になったが、男の体にあんまり横幅があるのでベッドに膝をつこうとするが届かず、ほとんど腰
の上でぺたんと女の子座りをしているような体勢になる。
凹凸のある腰の上ではこんな姿勢はバランスが取りにくいため、彼女は派手な銃創の残る見事に割れた腹筋に前のめりに手
をつき、腰を上下にというよりは前後に揺すり始めた。
顎の高さの短い金髪が上気し赤らんだ頬の横で揺れている。
穏やかで大人しいセックスだが、次第にアリスは感じてきたらしく、半開きの唇からかわいい声が漏れ始めた。
「ダメですよ、少尉」
だが、オーランドは一生懸命腰を揺すっている女に難癖をつける。
自分はさっきから揺れる乳房に触れることもせず寝転んだまま、下からアリスを見上げているだけなのに。
「な、何がダメだ」
「だって少尉、今ここで感じてるでしょう?」
男は手を伸ばし金と黒の恥毛が接している部分に指を差し入れた。
コリコリした小さな突起を押さえつけ、円を描くように指の腹を回すと、女は身をそらし高い声を上げ、内部をヒクつかせ
面白いように反応する。
「ほらやっぱりココ、もう飛び出してきてる……。さっき奥だけで逝くって約束したじゃないですか、俺が昨日触ったときは婚約者さんの名前を呼んでましたよ。こんなとこで感じたらダメです」
「で、でも、こんなふうにまたがってたら」
男が股間に宛がった指を上へ押し上げた。前のめりになった女の体がつられて起き上がる。
「そう、そんなふうに膝を立てて、足の裏をベッドにつけて、……もっと体をおこしてください」
彼女は素直に言われたとおり、男の腹の上でしゃがむような姿勢を取る。
前に手をつくと仰向けに倒れそうになるので、片手を後ろにまわした。
男が指を離し合図するように腰を軽く突き上げ、女は促されたように動きはじめる。
膝を立てたせいで陰部が前を向き、狭い亀裂に太すぎるものが収まっているのが、男の目にはっきり見えるようになった。上下するたびに桃色の肉ヒダの間から透明な汁にまみれた赤黒いものが姿をあらわし、テラテラと光る。
「俺この体位好き。少尉の中に俺のチンポ、出たり入ったりしてるのはっきり見える」
「バ、バカッ!!」
下品な言葉に頬を染めた女が、腹に置いた片手を上げ局部を隠そうとするのを捕らえ、男は小さな手を女の後ろにまわした。
アリスは仰向けに男の腿に手をつき、腰の上で体をそらした姿勢になる。
恥かしい場所が見せびらかされるように、さらにむき出しになった。
「あんまりじろじろ……見るな」
日は高く昇り、日当たりの悪い安ホテルの部屋でも十分に明るい。
カーテンから漏れる日差しがちょうどベッドに射して、日光浴をしているみたいにあたたかい。
男の視線があまりにも恥かしく、彼女は目を閉じて行為に集中する事にした。
脚を広げた姿勢は肉ヒダもぱっくり開くせいか、揺するたびに蜜が漏れ、クチュクチュいやらしい音をたてる。
「少尉ビショビショ……またお漏らししたんじゃないですか」
部下の言葉にバスルームでの粗相を思い出したアリスは、ギョッとして思わず股間に力を込める。
膣が締まり、あの時のように中に納めているものの形がわかるようになった。
くびれているところ、でっぱっているところ……何かが、内部のどこかに引っかかる。
「あ」
ココも……いい。内側のどこかに引っかかっている感じ。
もっと感じようと早く腰を揺すると乳房が大きく揺れ、男にじろじろ見られているのを感じるが、やめることができない。
「ン、引っかかってるぅ……あっ?!」
不意に、腰を抱きとめられた。快感が中断され、アリスは目を開ける。
「ダメですよ、少尉」
「今度は何がダメなんだ!」
息を弾ませながら彼女は訴えた。
「奥だけで逝くって約束したのに、膣でばっか感じてる。締めるの、やめてください」
「そ、そんなこと言われても」
「勝手に締めてしまうんですか? 本当にいやらしいなぁ。じゃあ締まらないように指で広げてください」
青い瞳に動揺の色が広がったが、男がひとたび腰を突き上げると乱れたように散っていった。
V字に広げた細い指がおずおずと伸びてきて、恥ずかしい亀裂をそっと控えめに押し開く。
男が抱きとめる手を緩めたので、白い腰が再び動き出したが、またがっちりと止められてしまう。
「駄目ですね。まだギュウギュウ締めてきますよ……ちゃんと両手で広げてください。そのかわり腰は俺が動かしてあげるか
ら。でも揺するだけだから、感じる位置は自分で探してくださいね」
アリスは眉をひそめ困惑の極みのような表情を浮かべたが、結局素直に従った。
男の腹にまたがり自分の腕ほどもあるものを飲み込みながら、いつもは隠されている場所を両手で見せつけるように広げる。うっすら毛の生えた肉を外へ広げると、むき出しになった粘膜に外気が冷たい。
内側の桃色の肉ヒダも、きっとぱっくり広がっているだろう。そう考えると彼女は羞恥で体が震えそうだった。
脇の下に腕をまわしたオーランドがアリスの体を揺すり始めた。男の眼が股間を見つめているのがわかる。
「少尉、目を開けてちゃんと見て」
わざとグラインドを大きくして、彼女の側からも肉棒が見えるように調節する。
結合部は見えないが、自分の押し広げている部分の向こうに、汁にまみれた赤黒い肉がテラテラしながら出入りしているの
は見えたのだろう。女の頬が朱を散らしたように赤くなる。
先端の一番太いところまで引き抜いてから、膣の腹がわをこするようにして根元が隠れるまで挿入すると、先っぽがわっか
のようなコリコリした部分にはまった。
「ひっ、ごちょ……ふかぁい……引っかかってるとこも奥も気持ちいい!」
「まったく少尉は……ど、どんなに広げても締めるのやめられないみたいですね」
男の掠れた声に、またダメ出しされたら、と慌ててアリスはもっと指を広げた。
「し、締めてなんかないから! やめちゃいやっ」
ぐいっと開くと、つられて包皮が横に引き伸ばされ、放ったらかしにされ疼いていた肉芽にわずかだが刺激が加わる。
もっともっと気持ちよくなりたくて、彼女はさらに広げた。
亀裂は太すぎるものを咥えたまま横長に変形し、固く尖った桃色の突起は完全に露出する。
「そんなに広げて、ガバガバになったって知りませんよ」
非難めいたことを口にしているくせに、オーランドはめちゃくちゃに小さな白い体を動かした。もうそろそろ彼も限界だった。
「ガバガバになっていいもん、だって気持ちいい!」
「知りませんよ……クッ……ユルユルになったって……ッ!!!!」
「ユルユルでもいいもん……あ、ごちょの、ピクピクって……んぁッ…ひぁぁっ」
プシャッと音が出たかはわからないが、飛び出した突起のすぐ下から噴水みたいに生温かい液体が飛び出し、男の胸の辺りま
で飛び散る。
アリス自身は気づいていないらしく、しばらく体を震わせた後、男の腕に体重をあずけるとがくりと顎をのけぞらせた。
広げていた両手から力が抜け左右に落ちる。
快楽の余韻に浸りきり、下敷きにしている男のことも、後始末のことも忘れて彼女がぼーっとしていると、体を起こそうと
したオーランドの困ったような声が聞こえてきた。
「あーあ、少尉ったら」
「なんだ……」
もっと浸っていたいのにとアリスはいやいや薄目を開ける。
「また漏らしましたね」
「なっ……。そ、そんなバカな」
「でも、ほら。俺の腹みてくださいよ」
彼女が恐る恐る目を向けると、みぞおちの辺りに水溜りが出来ていて、ベッドに滴っていた。
「こ、これ本当に?」
そんな、まったく覚えがないのに……愕然とした女にオーランドが畳みかけてくる。
以前、十八歳にもなるというのに真顔で『男とは下半身の神経が独立している生物らしいな』などと口にして、彼を呆れさ
せたアリスであった。
一族の次期継承者として女らしさを無用なものであるかのように歪に育てられた彼女は、生物学的なことはともかく性愛的
なことに関しては幼児並みの知識しかない。
男はそんな女の弱みに付け込んだ。
「汗がこんなに溜まるわけないでしょう。俺ビュって飛んできたの見たし。いくら気持ちいいからって自分がおしっこ漏らし
たのに気づかないなんて、癖になったのかな?」
「そ、そんなバカなことがあるか」
見るからに取り乱している恋人を男は見守った。何にも知らず、素直に信じ込んでいる。俺はなんて卑劣な男なんだろう。で
もみんな……あなたが悪い。
男は意地悪く女に言った。
「それともガバガバになったせいか」
「なに!?」
「ガバガバ。ユルユルってことですよ。最近の俺、逝くの遅くなったでしょう? 初めての頃は先っぽ入れただけで我慢でき
なかったのに」
「そんな……」
女は股間を隠すのも忘れ、不安な面持ちで記憶の糸を探っている。
男の口元に残酷な笑みが浮かぶのにもまるで気づいていない。
「あ、ひょっとしたら」
男が股間に手を伸ばす。ゴボゴボと音を立てて、ようやく昨夜から入りっぱなしの大きすぎるものが引き抜かれた。
「あーあ、やっぱり」
女の体を軽々と持ち上げ後ろを向かせる。
ベッドの向こうの鏡台に向かって、膝の下に腕を入れ局部がすっかり見えるように大きく開脚し、両手で広げて見せた。
「ほら、見てください」
すぐに顔をそむけようとしたアリスだったが、股間に不気味な影が見えたので、思わず目を凝らして見つめる。
影の正体は子供の握りこぶし大の穴だった。
桃色の突起のすぐ下の、いつもはヒダが合わさっているところに、洞窟のように黒い穴がぽっかりと開いている。
「お、お前が広げているからだ!!」
男が手を離したのでアリスは急いで太腿を閉じ、股間をしっかり押さえた。しばらくそうしてから、恐る恐る股を広げる。
黒い穴は少しばかり小さくなったようだが、まだぽっかりと口を開けていた。どんなに力を込めても閉じる気配がない。
「……いや……」
「あれ、自分で締められないんですか? いくら気持ちがいいからってあんなに広げるからこんなことになるんですよ」
女の無知に付け込み、自分が一晩かけてじっくり拡張したことは棚に上げ、男は意地悪く言った。暗い喜びが胸に湧いてくる。
「……ウソ……」
「おまけに逝くたびにお漏らししちゃうなんて、本当にどうしようもないガバガバになっちゃいましたね。婚約者さん、お気
の毒に」
アリスは自分のおヘソをのぞき込む子供のように背中を丸め、細い指先で探りだした。
閉じることのできない穴から白いどろどろの汁が流れてきて、指先を伝う。
「普通のチンポなら少尉の指で三本分ぐらいかな。ね、ほら、隙間だらけでユルユルでしょ。四本でも五本でも、こんなマン
コだったらきっと握りこぶしでも入る。入れてみますか?」
オーランドは三本挿入した指を慌てて引き抜いた女の手をとると、親指をそろえるように手のひらをつかみ、有無を言わさず
ぽっかり開いた黒い穴にずぼずぼ差し入れた。
小さな手は親指から小指まですっかり体内にもぐりこむ。
「……イヤ。……イヤァッ!」
真っ青な目を見開いたまま否定するように首を振り、ガタガタ震え始めた女の肩をオーランドは優しく抱きとめ、白い手のひ
らを離すと今度は素早く手首をつかみ、そのまま押し込む。
小さな手はずっぽり手首まで肉ビラの奥に消えた。
「あーあ、片手が全部入っちゃった。戦場で色んな娼婦と寝たけど、こんなユルマンみたことないですよ……でも心配しない
で。俺はお上品な貴族じゃないからヤルたびにションベン漏らしたって気にしないし、それに他の男にはユルユルでも俺には
ピッタリだから。少尉は俺専用になればいいんですよ」
「伍長専用……」
涙でいっぱいのうつろな青い瞳が見上げる。オーランドは股間から女の手を引き抜くと、真面目な顔で言った。
「そう、俺専用の、何? 言えますよね」
そして貴族の姫君が知りもしないような卑猥な言葉を耳元でささやく。
アリスはうつろな目つきのまま顔を赤らめもせず素直に聞き入り、まるで小さな女の子のように無邪気に復唱した。
「伍長専用のガバガバまんこ。……私、拝命十三貴族・アリス・L・マルヴィンは、ランデル・オーランド専用のガバガバまん
こです。……いつも腕ぐらい太くて大きいチンポでおもらしするほど奥まで突いてもらわないと、満足できないの」
オーランドを見上げにっこり微笑んだアリスの目から、涙のしずくがこぼれ落ちる。
「レオニールさんにもそう言える? 両親や親戚の前でもそう言って、婚約を断れる?」
女は金髪が揺れるぐらい大きくうなずき、顔を上げた。
青い瞳はどこまでも……寒気を感じるほど澄み切っていて、男はとても綺麗だと思った。
おしまい。
今更で申し訳ないですが、
>>236 と
>>237 の間、文章が抜けてましたorz
ようやく水音が止み、惨めさに打ちひしがれたアリスがふと下に目をやると、浴槽の底に黄色い液体がうっすら溜まってい
る。
谷間も恥毛もビショ濡れで雫がだらしなく垂れているのに、秘肉はまだ達していない男の張り切ったものを吸い取ろうと貧
欲にビクビクと痙攣を続け、そのたびに黄色い水滴に混じって透明な汁がこぼれた。
恋人であり部下でもある男の目の前でおもらしを……しかも達しながら放尿してしまうなんて。
最低の行為にすっかり大人しくなってしまったアリスを抱えたまま、オーランドは蛇口をひねり一度すっかりきれいに流し
てから湯を張りはじめた。
「だらしなくても仕方ないですよね。俺と婚約者さんの区別もつかないような人だから。……さ、体をキレイにしましょう。
アソコがおしっこでビショ濡れですよ」
以上です。あーサイテー。
本当に申し訳ありませんでした。