【MH】モンスターハンターでエロパロ 7匹目【モンハン】
<<1 乙
キリン乙レガース
>>1 乙&GJ
エロパロでフルフルを加工とおもったんだが難しかった・・・
擬人化ならいけるかな〜?
(あまり期待はしないで気まぐれで見るかなレベルで皆頼む)
>>1 乙&GJ
エロパロでフルフルを加工とおもったんだが難しかった・・・
擬人化ならいけるかな〜?
(あまり期待はしないで気まぐれで見るかなレベルで・・・・没作品なるかもしれないし)
一応聞いておく
(擬人化なる可能性が高い フルフルにしたのは 無謀な挑戦)
ベースについて
・フルフルは ♂か♀か
・受けか責めか
ENDについて
・どっちかが死ぬバッド 別れるバッド 一緒に暮らすハッピー 別れるがハッピー どっちかが死ぬが、頑張ってどうにかしてハッピー
・オチは笑える?感動?
ストーリーについて
・あまり暴力は無いほうがいい?
・ストーリーには突っ込みとかいる?いらない?
一応2〜3名をみてみるが、上手く出来なかったらごめん
モンスターハンターのエロ画像スレにて
先生「ダオラちゃん降りて来なさい」
ダオラ「…」
先生「なんで雪山の頂上なんかで脱皮したの?危ないでしょ!」
ダオラ「…だってダオラもつよいとこ見せたくて」
先生「どうして強い所を見せたいの?ダオラちゃんは充分強いでしょ?」
ダオラ「ダオラ知ってるもん!こりゅーの中でダオラが一番狩りやすいって言われてるの!」
先生「狩りやすいのは、弱いからじゃないの。正々堂々戦ってるからよ。それに他の古龍は強いんじゃなくて、ウザイのよ。」
あまりに画像とまっちしてたからつい……
反省は特にしていない
クシャルダオラは鼻の頭を甘噛みされるのに弱いという電波が・・・
>>10いやむしろ風の障壁をまとっているクシャルが一番ウザいんだが・・・
ところでどんな画像かね?
>>1 乙&GJ
続きを投下させて頂きます
女ハンター×レウス擬人化
エロ薄め 長め MH設定うそめ
無理な方はスルーをお願いします
----------3時間前
「うわぁー、変わってないなぁ・・・」
立入り制限のせいだろうか、13年の時がたっているとは思えないくらい
彼女の記憶と変わりが無かった
「うわ、なつかしー」
足元には今までの狩場ではみないキノコが生えている
たっぷりと茂っている雑草でさえ、他の場所とは違う
これ結構おいしいんだよね〜
そのうち、いくつかをポーチに詰めると
少しはしゃいでいた自分を戒め目的の場所へ歩き出した
草食竜がのんびりと草を食む草原を抜けると、
一段高くなった岩場にぽっかりと入り口を見つける
その洞窟から、そっと身を進めると広い空洞へ繋がった
ふふ、変わってないわ
前はここに居たんだけどなー・・・
恐る恐る階下をみると、大きな岩があった
ひゃっ!
瞬間彼女は思わず息を呑んだ
岩だと思ったソレはかすかに動いている
よくみると、翼があり、とげとげした尻尾もある
猫のように丸くなって
寝てるんだ・・・
これが、リオレウス?
自由に大空を羽ばたき、火炎を操る凶悪な龍
尻尾には猛毒を持つ
依頼書の内容を思い出しながら、彼女はあとずさった
どうか起きませんように・・・!
ぐらりと視界が揺れた
首の後ろがちくっと痛む
あ、ランゴ・・・・
彼女はそのまま動いている岩の上に落ちていった
------now
「やっと起きたか。ずいぶんねてたなー。」
目を開けると、隣に居た男がにかっと笑ってのびをしている
腕に当たった硬い岩も、ものすごい鼻息も見当たらない
夢みてたかな・・?
「あの、助けてくれたんですか?」
「ん?」
「あ、私、さっき岩の所で、ランゴに刺されちゃって
レウスの上に落ちちゃったみたいで・・・」
「ああ、人がいい気分で寝てるとこに、いきなり落ちてきやがって
お前じゃなきゃ、食べてたぞ。」
「???」
見かけは立派なハンターに見えるけど、少しおかしいのかしら?
よく見ると、武器すら持ってないみたいだし・・・
「えっと、とにかくありがとうございました!
ちょっと人を探しているので、失礼します!」
お礼の蜂蜜壷を押し付けると、足早に立ち去ろうとしたが
ポーチをつままれてそのまま前のめりにすっころんでしまった
いたたたた・・・・
「久しぶりに会って、それはないんじゃねーの」
・・・久しぶりって、知らないわよ
こんな男前、村の男じゃないし
流れてきたハンターの中にいたっけなぁ・・?
それとも、こないだ街へ買い物しにいったときかなぁ・・・
ぐるぐると記憶をたどっている内に、目の前が不意に暗くなった
男の顔が目の前にある
赤褐色の少し癖のある髪
綺麗に日焼けした肌
まっすぐに見つめる緑色の瞳
薄い唇が開く・・・
息がかかる・・
ペロ
転んだせいで軽くすりむいた頬をそっと舐めた
「会いたかったよ、ルー」
「ぴーちゃん・・・?」
--------
目の前の青年の影が次第に大きくなる
端正な顔は、牙を持つ頭部となり
すらりとした腕は空を覆う翼となった
ああ。こんなカッコしてっから、わかんねーか
男は一人ごちて、1歩さがった
とたんに輪郭はくずれ見上げるほどの大きな龍となったのだ
・・・レウス?
ぐぅるるるるー
甘えるように、大きな顔を彼女に擦り付けてくる
いたた、いた、
硬い鱗が刺さる
きっと、フルフルのしなやかな防具がなければ
ルーの皮膚などいっぺんで切れてしまうだろう
「いやあーーー、たべられるぅ〜!!」
再度走り去ろうとすると、今度は力強い腕で後ろから抱きとめられた
いつの間に人間に戻ったのだろう
「おい、本当にわすれちまったのかよ!」
「あんたなんて知らない!私はぴーちゃんに会いに来たんだもん!
ぴーちゃんは、もっと小さくてかわいいんだから!」
「・・・? 俺だって育つしさ・・・」
「ぴーちゃんはレイアだよ、だってレイアの卵からでてきたんだから!」
「うん、いや、まぁレウスだけど・・」
はぁーーーっ
男は大げさにため息をつくと、値踏みするような目で彼女をとらえた
「おまえ、一応ハンターだよな?
レイアとレウスが同じ種ってしってるよな?」
一応と付けられて、少々むっときたが
彼女のハンター歴にレウスとレイアはいない
何度かレイアは見たことがあるが、目の前のレウスは初めて見るものだった
そういえば、そうかも・・・
「えーーっ ぴーちゃん、♂なの!!」
「・・・・・ふぅ、ほら」
ため息とともに目の前に差し出された、懐かしいペンダントを受け取る
それは彼女が自分を見つめて鳴く、小さな龍にあげた物だった
『いつでも、ぴーちゃんだってわかるようにね』
そういって無邪気に笑った彼女の笑顔を忘れることはなかった
『私のこと、ママだと思ってるのかな?
私の名前はルー、あなたはぴーちゃんね』
「わりぃ、鎖は切れちまった
しばらく首にかけてたから、ぷちっと」
そりゃそうだろう、こんなに大きくなれば・・
頬に涙が伝う
目の前の男が思い出の龍では無いかもしれない、でもくったくなく見せる笑顔に
ずっと胸にあったしこりが、少し解けた気がした
やっと会えたこの幼馴染に・・・ようやく言える
「ごめんなさい!」
「わたし、あの頃知らなかったの もう会えなくなるなんて!
置いて行くつもりじゃなかったのに・・・」
森の龍と仲良くなったと自慢する娘に
父は渋い顔を見せて、二度と狩りに連れて行ってくれることはなかった
生まれたばかりのものは、初めて見たものを親と思う
お前はその龍から母親を奪ったんだぞ
きつい父の言葉に、生まれてすぐ母を亡くした自分と重なり胸が痛くなった
森丘が立入り禁止となるのは、その後すぐのことだった
ひっく・・ぐす・・うぇ・・
涙の止まらないルーをそっと抱き寄せる
「おこってなんかいねぇよ」
自分だっていつまでも子供ではない
一匹で生きて、成長するにつれ
自分と思い出の女の子が違う物だということは分かっていた
だから、余計にうれしかった
もう会えないと思っていたのに、ルーは来てくれた
「あいたかったよ」
もう一度つぶやく
「うん、私も・・・」
やっと笑顔を見せた彼女の頬に口付ける
「くすぐったいよ・・・」
恥ずかしそうに、視線をそらす
そして今度は白い首筋に唇を這わした
--------
「ひゃっ・・ん、ん ぴーちゃん?」
不安そうに見上げたルーに今度は唇を塞ぐ
「んっ、うう・・ん・・・うっぁ」
無遠慮に口内を探る
しばらくは緊張のためか硬く結ばれていたが、次第に緩み
諦めたように舌を招き入れる
「はぁ・・はぁ・・」
やっと開放するとルーはそのまま足元に崩れた
「・・・・ぴー・・ちゃん?」
再度唇を塞ぐ
先程よりも深く深く味わい、時折唇の端を舌でくにくにと刺激する
そのたびに小さく反応する指先がいとおしい
そして後ろに回された手でしっかりとルーを支えると
元の姿の爪を出し、滑らかに防具を切り裂いた
「んっ、むぐぅ・・」
突然、肌に触れた外気に驚き
目を開けて確認しようとするが、執拗な口付けにまた目を閉じる
「あっひゃ・・んん・・」
誰にも触られたことが無い、初心な肌をなぞられ、思わず声がこぼれる
乳房の外側から、脇へ、わき腹をなでられ体がピクンと跳ねる
やっと口付けから解放され、息を整えていると甘い衝撃が走る
意外に育った乳房の先端を口に含み、支えている手で
たえず背中をそっと撫でている
「いやぁっあんっ・・・ぁぁん・・はぁ」
上半身を覆っていた装備はすでに外れ、むき出しの肌を風がなぜる
すっかり敏感になった体は、首筋で揺れる髪の毛すら愛撫になる
外で、こんなことして・・・
だめ・・・
しかもぴーちゃんとなんて・・・
「んんん、ぁあん、うぁ・・・ん、あ」
時折冷静な考えが脳裏をよぎるが、直ぐに快楽の波に攫われる
「んんんんっ」
体の中心に切ない違和感が走る
ぐちゅ、ぴちゅ、と卑猥な水音がやけに大きく聞こえた
「くぅ、まだ、きついな・・・」
「んんんーっうぁ・・ん」
「ルー・・」
突然襲ってきた圧迫感と違和感、そして感じたことの無い傷みに
ただじっと耐えるだけだったルーは名前を呼ばれて、ふと目の前の男を見つめた
さっきまで不敵に笑っていた顔はなく、薄く汗を滲ませ
思いつめた余裕の無い瞳
「いたいか?」
泣きそうなその表情を見ていると、体の力が抜けていくのがわかる
「ううん・・・だいじょう・・ぶ」
目の前にいる
何度夢に見たか分からない、懐かしい、愛しい顔
その顔を両手で挟み、にっこりと笑った
「あっあっあっ・・んんんんぁっーーー」
リズミカルに打ち付けられる腰に翻弄され、息継ぎもろくに出来ない
やがて押し寄せる快楽の波に身を任せた・・・
---------
「やっぱり、初めてだったか・・」
朦朧としているルーの足の間からこぼれる様々な液の中に
鮮血を見つけ、そっと指で救い上げた
「いやぁっ・・あんっ」
行為が終わった直後で敏感になったそこには、掠る指ですら過剰な刺激となる
「ほんっと、かわいーっ」
龍とは思えぬ、邪気の無い笑顔で軽く口付けを落とすと、そのまま後ろへ押し倒す
あらわになっている白い胸の頂を再度含もうとすると、思いのほか強い力で押し返される
「ちょっと、まった!
もう無理!混乱してるんだから、少し考えさせて!」
「何を考えるんだよ?せっかく出会えたのに」
「色々だよ・・ていうか、何で人型なの?・・・・」
やっと出てきた単純な疑問に立派に育った懐かしい龍はしれっと答える
「だって、元の姿でやったら、ルー壊れちまうじゃん
ま、慣れてきたらチャレンジかなー」
納得できる答えではないし、なにか恐ろしいこと言っているが
無邪気な笑顔の前では反論する気力を失ってしまう
さわやかに降り注ぐ太陽、頬を撫でる風
隣にはずっと会いたかった人
ま、いいか、再会出来たんだし
腕を重ねると隣の愛しい龍に小さな口付けをあげた
----(とりあえず)fin------
ひとまず終了です
長々とお目汚し失礼致しました 精進します
これはwwww修羅場wwwww殺しあいwwww
GJ!!
ハンターが嫉妬にかられなければいいんだが・・・
>>15GJ!
謎を残しつつ、一応の完結乙。
正直この物語はコレで終わらせるにはあまりにも惜しい。
もし、続きを書いてくれる気があるならば、ぜひとも期待したい!
>>15 GJ! ……と言いたいところだが……
遠回しにプロポーズをしてのけた人間のハンター♂との掛け合いはーッ!?
1人の女を巡って飛竜と人とが競い合うシーンをwktkしながら待っているんだぜーッ!?
というわけだから是非続きも頼むぜ!
いや、このままきれいに終わるのも手だけどさ。何かもったいないんだぜー。
これはいい幼いときの約束
>>8さすがにENDまで人に聞いたらネタバレ前提でみるようなもんだから自分で考えた方がいいかと…
まあ俺はハッピーENDでクーデレ女フルフル亜種という電波をキャッチしたわけだが…
うーむ……フルフルは元の外見がアレなので脳内擬人化しても
どうしても♂のイメージが拭えんのだよなぁ。
奴のブレスが電撃弾なのが未だに納得がいかない。
ガノスやザザミのような水流系なら完璧だったのに。
水流が微妙に白濁色でこっちが女ハンターなら完璧だな
男だったら…
アッー!
31 :
yukimi:2007/08/29(水) 14:55:10 ID:Mo8fLucz
>>1さんサンクス。
初めて1スレ目が読めましたよ。しかも画像つき。
でも見てみると4スレ以降絵が無いようですね。
つーわけでUP。3スレ目投稿の色つき。
CG初塗りの上(重要)、PCの色彩がおかしく、PSPで色を確認しながら
塗る始末なので、はっきり言って下手絵ですが。
PSPで見ていただくと思惑通りの色になるかも・・・?
ttp://hinoe.s3.xrea.com/upload.cgi [e0556.jpg] コメント「狩ります」
後、お勧めのアプロダがあれば教えてください。。。
偉大なる先達マーラ様とミシャクジ様をたた(ry
34 :
yukimi:2007/08/30(木) 16:22:57 ID:g7Y6wK5q
ぎゃww
申し訳ない、パス言い忘れてました・・・
「mheroparo」で。
前スレのつづきはまだかぁぁぁぁぁ!!
age
今日もいい電波が飛び交ってますね
巨大な甲殻を背負った赤と青のザリガニに追いかけ回され、高台から飛び降りたら、蒼色と桜色の巨大な竜に待ち伏せされていた。
そんな夢を見た(*・ω・)
SSのネタ考え過ぎて疲労困憊だな…
今日は早く寝よう…
過疎ったな
それモンハンじゃね?
すんません誤爆
モンハンすれなのにモンハンじゃね?とか・・・・
待ち伏せされてきます
>>40 執筆陣はみんな暑さでバテ気味なのか、あるいは……18禁の板でこれはないと思うが、
夏休みの宿題が終わらなかったので、今になってヒーヒー言いながらやってるとかw
まさかな? そんなことないよな?
学校の新学期が始まって夏厨が居なくなるのを待ってるだけだよな?
今王立騎士団の騎士がハンターに犯されるSSを書いてるんだけど
どうも細かくなっちゃうんだよなあ…
皆って細かく書いて深くするか、率直&直結でなるべくすぐ
エロに繋げるか、どっちがいいんだろうね?
出来れば参考として教えて頂きたい。
44でつ、騎士×騎士でした、間違えて申し訳ない
>>44 今、脳味噌絞って書いてるSSは、全体を1/3ほど削って、エロシーンは1/4に圧縮しているよ〜
エロシーンは濃すぎたから、自粛したのだがw
SSサイト巡って、エロ短編はどれくらいの文量が読みやすいか、見てみるのも良いかもね。
>>43 書き終わらないだけだい
ヾ(;´д`)ノ
宿題あったら逃避力で、もっと話かけてたんじゃなかろうかと思うw
あー?
わし45kbぐらい書いたけど展開が変になったから、後に回して新しく書いてるよ
もーちょいまて
なるほど。過疎ではなく嵐の前の静けさなのだな。
皆さん超wktk
嵐の前だと!?確かに嵐の前はとても静かだ・・・
総員、嵐に備えよ
前スレでキリン擬人♂×少女ハンター言い始めた人参上
前後編に分ける予定でしたが中々前編のエロシーンが上手く行かず死んでいますory
そこで質問。
前編を二つに分けて前編の前編だけ投下して良いですか?
マジですみませんorz
>>51 ばっちこーい!
"らじお"聞きながらwktkしてる
>>52 おk、d。
擬人♂キリン×少女ハンター、投下します。
注意↓
少女ハンター視点中心。
擬人♂キリン×少女ハンター
ロリショタ寄り気味。
まだエロまで行きませんOTL
54 :
少女と蒼い雷:2007/09/01(土) 22:38:17 ID:aX1aQXKI
突然だけど。
黒き角竜の猛攻@☆8個が凶悪だと思う人挙手。
ノシ
ノシノシ
ノシノシノシ
ノシノシノシノシ
ノシノシノシノシノシ
ノシノシノシノシ
ノシノシノシ
ノシノシ
ノシ
…何人居るんだよ!
「と、いうわけで。 今からこれと一緒に黒ーディアに挑んでくるからねー。」
「今の前置き何!?つーか(これ)とか俺物扱い!?」
「じゃあお姉ちゃん、気をつけてねー。 …あとあほ古龍君。」
「…ヒドス(つДT)」
わたし、フレア(14歳)。
凄腕ハンターなお姉ちゃんと一緒にわたしもハンターやってます。
そして今日もガノス一式&鬼斬破とともに狩りに出かけます。
「おんや、フレアちゃん。ちょうどよかった。」
「どうしたんですか?」
「今なんか雪山にティガレックスが現れたらしくてねぇ。
あんたのおねえちゃんも相棒と一緒に狩りに出かけたときいてどうしようかとおもっての。」
ティガレックス。
前、お姉ちゃんと一緒に戦ったことはあったけどそれでも苦戦を強いられた相手。
それを一人で戦う…
不安と興奮が一気に沸いてきた。
「その依頼、私が受けます!」
55 :
少女と蒼い雷:2007/09/01(土) 22:39:38 ID:z1tpfYLW
雪山に向かう馬車の中、わたしは昔のことを思い出していた。
わたしとお姉ちゃんがポッケ村に来る前のことだ。
4年くらい前
「じゃあ、お姉ちゃんちょっくらディア2匹に挑んでくるから。」
「お姉ちゃん!それはちょっくらどころじゃないと思います!」
わたしがまだハンターじゃなかったころ、わたしとお姉ちゃんはココット村に住んでいた。
ちなみに相棒のあほ古龍君はポッケ村に来てから会ったのだ。
ココット村にいた頃には、わたしはもうハンターに憧れていた。
そしてそんなある日、わたしはお姉ちゃんの部屋にあったアイアンソードを勝手に持ち出して、馬車に忍び込んだのだ。
「しっかし、本当に幻獣なんているのかねぇ。」
「いるから依頼があるんでしょ。」
「でも幻獣は幻だから幻獣と」
「もういいよお前」
幻獣。
その話を聞いて、わたしはどんなものかかなりwktkしたものだ。
そして、馬車が到着してからハンターがキャンプの準備をしている間にこっそり抜け出して密林へと走りだしたのだ。
初めての狩場は、その頃のわたしにとってかなり新鮮だった。
のんびりと草を食べるアプトノス、元気に跳ね回るケルビ。
わたしは思わず夢中で追いかけまわしていた。
しかし、しばらくするとあることに気付いた。
…道に迷ったのだ。
辺りは暗くなり始めていて、恐怖感に煽られて思わず泣き出していた。
暗い、怖い、助けて、そんなことばかり考えていた。
そして、太陽が沈む直前にわたしはあるものを見たのだ。
全身にほのかに光を纏った、額に蒼い角を生やした男の子を。
その男の子は、わたしを見ると後ろに振り向いて走りだした。
わたしは思わずその男の子を追いかけた。
見失いそうになるたびにその男の子はわたしを待っていて、そしてまた走り出す。
無我夢中になって追っていると、いつのまにかベースキャンプまでついていた。
そして同時に、その男の子は密林の中へ消えていった。
56 :
少女と蒼い雷:2007/09/01(土) 22:40:39 ID:z1tpfYLW
わたしはキャンプについてから、中に居たハンターチームに無事保護された。
…村についてから、お姉ちゃんにこっぴどく怒られたっけ。
その後からだ。わたしが本格的にハンターになる練習を始めたのは。
お姉ちゃんに全ての武器の扱いかたと立ち回りを教えてもらって、たったの一ヶ月でイャンクックをソロ撃破して驚かれたっけ。
そんなある日。
わたしはお姉ちゃんの言うとおりヘビィボウガンを担いでガノトトス狩りに挑んだのだ。
飛んでくる虫を適当に潰しつつ、ガノトトスを釣る。
そして、釣れた。
わたしは言い付けを守って、お姉ちゃんに言われたとおりに戦った。
直伝の頭狙い撃ちを炸裂させ、ブレスの隙にリロードする。
しばらくはハメ同然だった。
しかし、ハメによるわたしTueeeeeeeee心が災いしたのだろう、ガノが水中に戻る時に蹴飛ばされてしまった。
「いい? ガノのブレスは強い。 でもそれと同じくらいガノキックは痛いよ。」
そう注意されていたのに、おもいっきり蹴られてしまった。
しかも、川に落とされた。
次に待つのは… 「死」。
蹴られた痛みで動けない体で、それを覚悟した。
まさにその瞬間、急に視界が変わった。
わたしは誰かに抱えられていた。
「キミ、大丈夫?」
しばらくは抱かれたままだったわたしは、とあるエリアで下ろされた。
最初は痛みで目の焦点が合わなかったが、応急手当を受けていると次第に意識がはっきりしてきた。
「あれ… もしかして…」
そこにいたのは、数カ月前に会った男の子。
「うん、久しぶりw」
男の子はかわいい笑顔をわたしに見せた。
わたしも、思わず笑顔になった。
「お久しぶりっw」
57 :
少女と蒼い雷:2007/09/01(土) 22:41:57 ID:z1tpfYLW
それからしばらくは、わたしはいつも密林に出かけていたんだ。
もちろん、その男の子に会いに行くためだけに。
そして、色々とお話をした。
その男の子の名前はライ。
ライは元々はハンターから「キリン」と呼ばれてる生き物らしいんだ。
そしてその中でごく稀にいる、人間にもなれる能力の持ち主なんだって。
わたしとライ君は色々とお話をした。
お友達のガノトトスがうっかりハレツアロワナ食べてびっくりした話
桜色リオレイアの背中に乗せてもらった話
青イャンクックが蒼レウスに掘られるシーンを見ちゃった話…(‘A`)アッー!
ライ君のお話は、色々とおもしろかったなぁ。
そんなある日、ライ君はわたしに見せたいものがあるといって、密林の中を駆け回った。
そして、そこには色とりどりの花が咲く小さな空き地があった。
「どう? ここ、僕のとっておきの場所なんだ。」
ライ君はいつもの笑顔でわたしに話しかける。
「すごく… きれいだね…。」
後ろの色鮮やかな花に、最高の笑顔。
あまりの美しさに、わたしはそれ以上声を出せなかった。
しばらくは、二人並んで座っていた。
なんかすごくはずかしくて、どきどきして、そんな空気があった。
そして、わたしは一言… 勇気を出して言った。
「ライ君…。 わたし、ずっとライ君と友達だよね?」
ライ君はそんなわたしを見てすこし恥ずかしそうに、しかしいつもの笑顔を見せて答えた。
「もちろん、ずっと友達だよっ。」
わたしは思わず、ライ君に抱きついた。
ライ君も、わたしを抱き返した。
58 :
蒼い雷の人:2007/09/01(土) 22:48:03 ID:aX1aQXKI
…とりあえず、今まで書き上がった分がここまでです。
次はお待ちかねのエロシーンですが…中々筆が進まなかったため暫く時間を頂けたらと思います。
ちなみに前半はP設定(ココット村)のためキリンが密林に居ることになっています。
注意に書き忘れたので一応。
ピュアなものを取り戻せた気がするぜ… GJ
いまなら物欲センサーも起動しない気がする
ほ〜らエッチなモノだよ
フルフル
繁殖期の雪山へドスファンゴを狩りに来た男ハンター。
しかし、時期外れの吹雪に巻き込まれ、遭難の危機に陥ってしまう。
耐寒装備を整えていなかった彼は、やっとの思いで中腹の洞窟へと逃げ込んだ。
吹雪が止めば大丈夫だな、そう考えた彼は、火を起こし暖を取り始める。
彼は気付いていなかった。
繁殖期の雪山には、オスに飢えたフルフルがいる、という事に。
そして彼は知らなかった。
そこがフルフルの寝床だという事を。
焚火の前で寛ぐ彼に狙いを定めた白い悪魔が、静かに牙を剥こうとしていた───
http://imepita.jp/20070902/536900 そんな妄想が浮かんだ、某所で見つけた擬人化フルフル(+゚-゚)
これはエロ怖いい。
貞○可愛いよ○子
某所kwsk
怪我人とエッチするとはライ君もけしからん
もっとやれ
あまりネタにされてない牙獣種で擬人化行こうと思うんだがドドブラ娘とババコンガ娘の名前が思いつかん。誰かうまいのないか?
67 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 17:39:46 ID:q1zYJIF0
牙獣キタか・・
思いつかねえww
とりあえず犯ってくる
ちなみにドドはお嬢様風でババは元気っ娘で行こうと思ってるんだ
何のひねりにないが雪と桃でどうだろう
フルフルに並んで、ババコンガの♀擬人化は連想しにくい……というか
スカ系の話しか連想できないのが困りものだぜw
元のゲーム設定でもドドブラとババコンは♂であったような気がするけど、
そのせいもあるかなぁ……。
そんな勝手なイメージがあるので、ぜひそれをブチ壊すSSを頼む!
投下前ほっしゅ
ドドはもふもふお嬢
ババはおまぬけ姐。
ラージャンは↓頼む
絶頂に達すると文字通り電気が走る
ラージャン…物理の天才、得意技はハリケーン・ミキサー
個人的に
ブラ=姉御肌
コンガ=天然、というか不思議
な感じな俺がいる。
ババコンガがショートヘアーのル○ズだと考えているのはオレだけ?
放屁猿の分際で人間様をイヌ呼ばわりするツンデレ……なのか?
79 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 10:34:58 ID:IYQ74+wQ
コンガは生態ムービー見たせいで頭のあったかい娘ってイメージが。
80 :
77:2007/09/05(水) 11:37:54 ID:IAmgsF/I
ふだんはおっちよこちょいのツン、甘える時は野性的(?)な感じ。している時は、多少変態なことを ほんとはイヤなんだからね!、と言いながらもしっかり感じている。
こんな感じでどうだろう?
ヴォルガノスやヒプノックとかどうよ
いまだ知名度が低いからどうかのう
P3が出れば…
フロンティアは糞ゲー
真っ先に部位破壊箇所を探そうとする俺は
ハンターの職業病にかかっちまってるようだな。
小話を投下致します
エロ 幼稚園並 長さ 中
あらすじ 小さい頃にあった龍を探す為、無理やり森丘クエストへ出発したルー
無事再会を果たし、ラブラブしている頃
彼女に思いを寄せるヨークは一人でもんもんとしている話
エロ無しの為、スレ違いかもしれません
無理な方はスルー願います
forest and the hill1-2
ヨークside
彼女が出発してからすでに7時間が経とうとしている
やっぱり一緒に行くべきだった・・・
ヨークは落着かず、一人部屋の中をぐるぐると歩き回っていた
今からでも追いかけようか・・・
しかしそれはできない、たった一枚あった[森丘立入り許可書]は彼女に渡しており
許可証無しでは、いくら村民とはいえ無断で立ち入ることは出来ない場所だ
もしバレれば、中央ギルドよりハンターの除名処分となる
いやいや、こんなときに自己保身など・・・
考えは堂々巡りだ
ギルドへハンターの帰還が遅いと訴えても、受けた本人はここにいる
捜索隊が出たところで、探すのは「ヨーク 22歳 男性」なのだ
事の顛末を明らかにすればヨークだけでなく彼女もまた除名となるだろう
大体一つのクエストによって掛かる時間はまちまちで、大型モンスターの討伐ともなれば
3〜4日程度こもりっきりになるのはよくある話だ。
彼女の行ったクエストを考えるとこの程度の時間で捜索など、一笑にふされてしまうだろう
大体一つのクエストによって掛かる時間はまちまちで、大型モンスターの討伐ともなれば
3〜4日程度こもりっきりになるのはよくある話だ。
彼女の行ったクエストを考えるとこの程度の時間で捜索など、一笑にふされてしまうだろう
外の空気を吸いに庭へ出る
愛用の剣を彼女に持たせた為、軽い背中がなんだか寂しく感じられた
村の中心を流れる川に無数の電光虫がきらきらとたゆたう
きれいなもんだな・・・
この風景を彼女と見たいと思った
ヨークとルーは幼馴染である
お互いの父親同士がPTを組むハンターであった為彼らは割りと一緒くたに
育てられたのだ。
3つ年下の小さい女の子は自分との遊びについてこれず
よく傷を作って泣いていたものだ
うっとうしく思うこともあったが、けなげについてくる姿はやはり愛らしかった
彼女が大人びた表情を見せるようになったのはいつからだったか
あんなに仲良かった父親とも、泣きながら口論する姿を何度も見かけた
その父親も亡くなり、彼女はハンターへの道を歩き始めた
ルーとけんかばかりする様になったのも、そのころか・・・
「おい、なにしてんだよ」
振り向くとクエストから帰ってきたタライがいた
「べつに、夕涼みだよ・・」
ふーん・・・ヨークの目がかすかに潤んでいたのに気づいたが、あえて言わないでおいた
「ところでルーは帰ってきたのか?」
その名前にヨークの心臓に小さい棘が刺さる
「まだ・・・だよ」
「そっか、出発してソッコーリタして帰ってくるもんだと思ったけどな
やばいんじゃない?あのランクがレウスなん・・」
言い終わる前にタライは宙を舞っていた
「縁起でもねぇこと言ってんじゃねーよ!
あいつは確かになんもできねぇよ、でも運だけはいいんだ!・・だから・・・」
最後は言葉にならない。
村一番の屈強な大剣使い、中央ギルドでも程ほどに名前は通る
彼が実は涙もろいことをどれくらいの人間が知っているだろうか
そんな秘密をかわいく思っていたタライは、甘んじて殴られておいた
「大体そんな本気なら、回りくどいことしねぇで、さっさと物にしちゃえばいいじゃねぇか」
タライのその言葉は二人を知る村人全員の心の声だっただろう
「狩りだって、むやみやたらに反対しねぇで一緒に行ってやるぐらい言えばいいのにさ・・・」
「女が狩りに出るなんて危ないだろ!そういうのは男の仕事だ!女は家にいればいいんだ!」
いまどき珍しい関白な考えは、村以外で叫んだら並み居る女性ハンターから袋たたきに合うだろう
[守ってやるとか言えないのかねぇ]
幼馴染をとても大切にしていることは分かるが、イマイチ言葉の選び方が悪い
大剣振り回すたくましい体とは別に、恋愛面ではまだまだランクが低いのな・・ププ
ふぅっと軽くため息をもらす
「結構カップルで狩りに出るのもいいもんだぜ?
今回も彼女と行ったけど、前衛で戦う彼女の様子をみて、弓でサポート
広域なんかもつけちゃったりして、なんかこう、絆が深まるっちゅーか・・・」
女を前衛で戦わせ、自分は後ろで回復笛・・・そんなものはヨークに言わせれば
軟弱の極みだろう・・・・しかし、少しうらやましい気もしないでもない
「ま、帰ってきたら、あつーい抱擁でもして素直な気持を伝えるんだな」
タライはひらひらと手をなびかせて、村長へ報告に向かった
たしかに一緒に狩りをしたメンバーとは、信頼関係が築かれる
しかし女と狩りに行くなんてヨークには考えられない
まして大事な女なんか連れてったら、気が気ではなくまともに戦えないだろう
ルーと一緒に狩りか・・・
採取だけだったら、安全かもしれないな
程ほどに集めたら、景色のいい広場を探して一緒にお弁当とか食べたり・・・
それとも、俺が草食竜でも剥いてきて、バーベキューとか・・・
たくましく成長した剣士が、夜にくすくすと笑いながら川べりを歩いている
一見うすら寒くなる情景だが、見慣れた村人は軽いため息と共に見送った
ふと足を止める
いつの間にここまで来たのだろう
気が付くと、主のいない家の前に着いていた
「ルー・・・」小さく家主を呼んでみる
明かりがともることもなく、返事は無い
分かっていたが、これほど頼りない気分になるとは思わなかった
オレもなかなか女々しいな・・・
自嘲気味に呟き、きびすを返し来た道を戻ろうとすると
カタッ
誰もいないはずの家内から、物音が響く
まさか帰ってるのか!?
一縷の望みを見つけ、ためらいなくドアに手をかける
もちろん鍵はかかっていたが、ヨークのバカ力に少し抵抗していたドアも白旗を揚げる
「ルー!」
返事は無い、隅の小さな窓が少しだけ開いている
風か・・・
安心半分、落胆半分の複雑な気持でドアを出ようとすると
ふいにハンターの血が騒ぐ
警戒するように、首筋の肌がぴりぴりと波立つ
神経を集中させ、ターゲットの位置を探る
モンスターと対峙するとき、重要なのは最初の一撃を避けること
来るべき攻撃に備え身構える
瞬間、ひらりと身を翻し背後から飛んできたなにかを避ける
そして回転しながら腰のハンターナイフに手をかけ、反撃のタイミングを探る
しかし・・・
ここはせまい部屋の中
鮮やかに回避を見せた大きな体はそのままベッドの上へと倒れこむ
甘い香りが・・・
ベッドの主の残り香に一瞬気が逸れる
その刹那、ヨークの顔めがけて鋭い爪が暗闇に光った
にゃぁー!
バリバリバリバリ!
いてぇーーー!
狩りに出れば無傷では帰れない
数多の傷の名残はハンターとしての自信に繋がる
そんな彼でさえ、突然顔に走った3本筋は強烈だった
フーッ
家主の留守に勝手に入り込んだ不埒者を撃退すべく
ミーアはけなげに戦いを挑んでくる
「この、馬鹿猫!」
傷口からタラリと血が流れる
手に触った布を取り上げ、傷口に当てる
布についた血を確認しようと、手を下ろして・・・
「うわぁぁぁ!」
し、したぎ、パ、パンツ・・・
混乱のあまり思わず両手で端をつまみ目の前に広げてみる
幼い頃は一緒に河辺で遊んだりもあったが、その頃の下着より布地が少ない気がする
薄いブルーの生地に小さくねこのあしあとの刺繍を見つけた
プ、ガキくせーの
幼い頃の彼女を思い出し、今の自分は昔とは違う思いでルーを見ているんだと思った
『あつーい抱擁でもして・・・』
先ほどのタライの言葉が息をもたげる
夜も更け、ルーもどこかで仮眠を取っているだろうか
そこに自分がいないことがとても悔しいと思った
一緒に眠りたいんだ・・・
一向に出て行く気配の無い侵入者に再度ミーアが攻撃を仕掛ける
ヨークの腰に隠していた、武器にがぶりと噛み付いた
---fin------
以上です
エロ無し すみません;;
現在、エロ有の小話をちまちま作成中です
ご感想頂けるとうれしいです
あの♂ハンターは見捨てられたかと思ったぜ。
なんというか乙。続きに期待してるが♂ハンターが悲しい結末になる以外思い浮かばない俺は異端?
93 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 16:31:26 ID:HgByBadr
乙かれ様です、エロ無くても十分面白いと自分は思いますよ。
続きを楽しみに待っております。
↑と同じく♂ハンターが悲惨なことになりそうで楽しみです(笑
続きキターッ! さらなる続きの投下を待つぜーっ!
♂ハンターと♂レウスがヒロインを奪い合う日も近いな!
さ、三角関係……ハァハァ……
>>91 あれ? エロパロなのに普通にニヤニヤしながら読んでた。
久方ぶりの投稿乙&GJ!
いやモンスター全部巻き込んでハーレム構成だな
新キャラの♀ハンターが、以前から気になってた彼を慰めて
そのままくっついてしまうそんな洋ドラ的展開希望
誰か台風と共にやってくるくしゃるを・・・
現代の人間のとこへやってくる台風くしゃるしか想像できねぇ
くるくるくしゃるに見えた俺はどうみてもプリンセスロール好き
くしゃる「もっともっと風を巻き起こすのですよ、くるくる〜☆」
>>101 あんたのレスでこんな脳内電波を受信した俺に謝れっwww
「くるくる〜♪ もっともっと風を集めるのですぅ〜
………はう…目もくるくるですの〜……」
>>102 と言う電波を連続滞空前爪攻撃の映像と共に飛ばしたのはおまいか!
おまいも謝れ!
まぁなんだ、おまいら仲良くリレーでもやれw
フルフルマラソンじゃなくて?
くるくるマラソンだろ?
107 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 20:30:12 ID:vWcbjmHY
wiki保管庫はまだですか?
時に質問なんだが。
ハニーって完結した?
暫く繋げなかったから現状が分からないのです
まだ。みんなマダーってwktkしてる。
111 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 10:48:02 ID:nBXi8O12
ゼルダの風車小屋にいる回るオッサン思い出した
あのおっさん、嵐の歌吹くと怒る。
クシャルちゃんは怒らないさ。
アイルーの年齢概念ってどうなってんだろ?
寿命が分かれば考える余地がありそうだがな。
適当でいっか
117 :
珍味のひと:2007/09/10(月) 10:56:40 ID:KRebAALG
続きを投下。
投下自体に13レスほど拝借。
※諸注意
・モンハンぽさが極めて希薄
・パロネタまみれ
・ヒト男女のぬるいエロ。擬人化なし。むしろ下ネタレベル
・ひたすらイチャついているだけ
・舞台は一応MHP2。設定間違ってたらすまん
以上許せる方はご覧あれ。
ダメならスルーお願いします。
幼い顔立ちに切なげな色を浮かべ、メイロウドは自身の唇を指でなぞる。
「ついばむようなキスって言い方は可愛いのに、気持ちいいよね……」
メイロウドは大きな手で両頬を包まれ、言葉を切った。再度ラノネケイの顔が近付く。
口は食み味わい取り込むための器官であり、ヒトとヒトが意思を伝え合うのに最もよく使われるものでもある。
そんな部位でも、内側を擦られることで生まれる快感があるのは、不思議なものだとメイロウドは思う。
耳を打つ息遣いと水音と衣擦れと、口腔内を掻き回す舌と、それらのはらむ熱に恍惚としながら。
ついと糸をひく粘液を、ラノネケイの指が切る。互いの唇の間に架かっていたそれを見、メイロウドは一つ納得した。
「口の中が気持ちいいのは、食べ物を口に入れる事を覚えるためか」
シャツの裾で口元を拭っていたラノネケイが怪訝な顔をしたが、彼は何も言わない。
「ヨダレって物欲しげでやらしい感じがするよね。もっと味わいたいのって具合にさ」
男は彼女のヨダレなど見慣れていたためか、そんな事は思いもよらずにいた。
だがあながち的外れな感想とも思えなかったので、ラノネケイは頷き言った。
「選べ。二つに一つだ」
メイロウドは口の周りを恋人の服で拭おうかと思案中だった。我に返り、「なにさ」と囁く。
「その服俺にひっぺがされるか、自分で脱ぐか。さーどちら」
彼なりの『もっと味わいたい』を耳にして、彼女も頷き考えた。
着衣プレイって選択は無しなんだね。それや、ひっぺがされる楽しみは今度にしようと、娘は後者を選択した。
胸元の紐を緩め、服の裾に手をかけたところで、メイロウドはラノネケイの方へ視線をやる。食い入るような目とあって、彼女は少し怯んだ。
「期待させてるなら申し訳ないんだけど、脱いだらズバッと惨状だよ」
娘は居心地悪そうに身じろぎする。
「とりあえず、華奢なのも結構好きだ。ズバッと簡潔に脱いじまえ」
じわじわチラチラ脱いでもらう楽しみはまた今度。
ラノネケイに背を向け、ワンピース状の服の裾をたくし上げ始めたメイロウドは、怪しげな鼻歌をうなり身をくねらせた。
あらわになった背中から、白い下着がぺそりと剥がれ落ちる。
服から頭を抜いて、それらを胸に抱きつつ彼女は寝台の上へ視線を泳がせた。
「探し物は多分後ろだ」
自分を心の中で目一杯褒めながら、ラノネケイは平静を装い声をかけた。
こういうのが目的ではなかったにしろ、明かりを灯したことで、素肌をさらす彼女の後ろ姿が拝み放題だ。
後ろ手に寝台の上を探るメイロウドの指が、虫の脚に似た動きで這い、落とした下着にたどり着く。
「これは装甲板にして拘束具……じゃなくてただのビスチェだから。まじまじ観たらハタくからね?」
拾い上げ丁寧に形を整え部屋着でくるみ、それらをまた胸に抱え、彼女は一息吐いた。
「そっちは見んなって割に、ヒーラーソックスのみたいな下着丸出しなのはいいのかよ」
ズロース、ブルマ、ドロワーズ、もしくはかぼちゃパンツと呼ばれる下着か、むき出しの背中か、はたまた僅かに見える横乳か。
目のやり場に困るべきかどうかに迷いながら、彼はとりあえず彼女のふくらはぎに目を落とす。
ハンターという職業の割に多くもない方といえる傷跡や火傷跡が貼り付くその肌を、少し痛ましい思いでラノネケイは見つめた。
「ドロワーズはそんなに体の線にそってないもの。ていうか、ヒーラーフリルの中見てたんだ?」
向き直り、ニタリと人の悪そうな笑みを浮かべた後、メイロウドは眉根を寄せた。
「見たくなくたって、あんな脚の出た装備じゃ目に入りもするか」
男の視線の色を理解して、彼女は呟く。
「当たらなければどうということはないとかお前は言うが、やっぱり当たる時ゃ当たるよな」
ラノネケイは細く引き締まったふくらはぎに浮く傷跡に指を伸ばし、引っ込めかけて、ためらいがちに触れた。
彼は自分の肉体的な痛みに鈍いが、他人が痛そうなのは少し苦手だ。
「重い装備が苦手な自分の体も、変な露出のある防具を造ったヤツも、全部まとめて呪ってやりたい瞬間はあるね」
ガンナー装備は比較的マシかもしれないが、男性の防具に比べ、同じ素材で作られる女性の防具というものは妙に肌が露出している場合がある。
メイロウドにも仕事には命懸けの覚悟はあるのだが、装着者が傷付かずに済む一工夫を怠り趣味に走るように思える職人に対して、腹が立たないはずもない。
「特にレックスS装備のデザインしたヤツは、褌一丁で岩場とかでおしりから転んで、モミジおろしになるがいいと毎日思うさ」
性能の良さに目を奪われ貴重な素材を投じて発注してみれば、尻丸出し防具が届き、荒れに荒れた遠くない過去。
彼女はそんな事を思い出したが、今はそれに気をとられている場合でもないと思い直した。
脚の傷跡を確かめるように触れてくるラノネケイの指に、くすぐったくも何か満たされるものを感じる。
「機能美は感じないけど見た目すんごいから、今度君には見せてあげよう。レックスS尻ーず」
「どうスゴいか知らんが、楽しみにしておこう」
男の気のない返事を聞きながら、メイロウドは片腕で胸を庇い、服をまとめた物を邪魔にならないように置く。
そして彼女はふと気付いた。自分が下着一枚だというのに、彼はまだ部屋着のままだと。
「ラノネケイ。君は自分で脱ぐのと脱がされるの、どっちが好みなの?」
「そういうのはもっと脱がし甲斐のある服装の時にきいてくれ。つまりは後者だがな」
なら狩猟場で言えってことかいと思うメイロウドの前、ラノネケイはシャツを脱ぎ捨てた。
隔てるものが無くなった男の胸に娘はむき出しの背中を預け、その脚の間に腰を落ち着ける。
ラノネケイの腕に彼女は自分の腕を絡め、我が身を抱え込ませた。
男の顎下に収まってしまうサイズのメイロウドは、小柄かつ細いながらに一応女性らしい体つきをしていると、彼の腕は知る。
「この期に及んで俺は背もたれ付き座席扱いか?」
顔立ちほどは幼くないらしい彼女の体に安堵し、その頭の上にラノネケイは顎を乗せた。
顎下からはやたらに潜めた声があがる。
「真っ正面から見せるには恥ずかしくて。君の人生の中で、最小金冠サイズ物かもしれない胸だと思うと……」
真剣そのものな声色に、男は笑いを堪えるのに苦労した。
メイロウドの腹の前で組まされた腕を緩めながら、彼女の肌を撫で上げ彼も声を潜める。
「さっきの具合からすりゃ、最小金冠ってことはなかろうよ。俺は胸にこだわってるワケでなし、気にならんぜ」
それよか金冠とかって、俺はモンタクならぬ乳拓とってる変態扱いか。ラノネケイにそんな思いが浮かぶが、彼女はそこまで考えて言ったわけでもないだろう。
乳房を掬い上げ、掌とそれに収めた柔い肉との熱を馴染ませるかのように、彼は手を止めた。
メイロウドは落ち着かなげに身をよじり、そうすることが乳房と男の手とに摩擦を生んでしまうと気付く。彼女の心身は硬直した。
「ちょっぴり不感症気味を自覚してたっていうのに、これは考えを改めざるをえないや……」
顎下から響く深刻さをまとった呟きとため息に、誰相手と比べてんだと言う代わり、ラノネケイは一度奥歯を噛み鳴らす。
骨伝導の衝撃に、娘は小さく文句を言った。
「僕のつむじをいたぶるのが今夜の君のブームかい? 指の次はとがり気味の顎でとは、また随分とマニアックな」
コトに至ってまで絶好調な彼女の戯言を封じる手段は無かろうか。
これといった良策を思い付かなかった彼は、片手をメイロウドの顎にかけ、首を捻らせた。
無理に振り向かせたようなものなのに、ラノネケイの顔を見る彼女は、潤んだ目をして笑う。
メイロウドの両腕が上がり、男の首を引き寄せようと絡み付く。
唇が触れ合う前に、互いの舌が再会を果たした。
ラノネケイは口付けを深めながら、娘の顎にかけていた手を胸へと戻す。彼女の腕が上がることで少し感触の変わった柔らかさに、指を食い込ませた。
彼にはそれは、本人が気にする程には貧弱でないと思える。
そもそも激しい動きの多い職業上、大きいよりは小さめな方が本人の負担が少なくて済むのではなかろうか。
裾野から頂きへとやんわり揉み上げつつ、ラノネケイは少し後悔を覚えた。
口付けで戯言は封じられたものの、愛撫への反応を言葉では得られない。
無理に捻らせている首も痛むんでないかと気になりだしたので、とりあえず口を離してみることにした。
口付けを解かれ、メイロウドは不服げに獣の仔のような音で鼻を鳴らす。
ラノネケイは、またもヨダレにまみれた彼女の口元を指で拭ってやり、額に触れるだけの口付けを落とした。
薄明かりの中、赤らむ耳だの首筋だのをさらしつつ、メイロウドは頬をふくらませた。
「……後ろ向きは失敗だったかも。キスするのも大変だし、なんか胸ばっかりムニムニされてるし」
再度彼女の頭上に顎を鎮座させ、男は指にまとわりついたままのヨダレをどうしたものかと思案する。
ラノネケイは指を濡れ光らせるそれを、娘の胸で存在を主張する部位に塗り付けてみる。
彼女は高い声をあげて少し仰け反ったために、男の顎に頭をぶつけて痛い思いをするはめになった。
メイロウドにとがり気味と評された顎を撫で、男は呟く。痛みに鈍い彼には、頭をぶつけられた事自体どうでもいいことだった。
「正直なところ、痛かったのか嫌だったのか驚いたのか、どれだ」
懲りずに顎下に収められた娘は、ラノネケイの片腕を胸に抱きかかえながら唸った。
「君って結構言わせたがりだね」
メイロウドの答えを促すように、抱えられた腕から伸びる手指が、彼女の鎖骨をなぞりトトンと叩く。
そんなところですら、触れられると皮膚の下に火が灯るような心地になるのはなんなのか。
「びっくりかな。嫌じゃないし痛くない。ちょっとじわじわぞわぞわするよ?」
「鳥肌立つほど嫌、みたいにも聞こえるが」
もう、と焦れた声があがる。
「平たく言ったら、なんだか気持ちいいんだから続けて欲しいってことさ」
男の体がクツクツと揺れた。笑っているのだと気付いたメイロウドは、怒りと共に踵を二度寝台へ落とす。
思うところがあって消灯を頼まなかったものの、これも失敗だったかもしれない。
寝台の上、敷布をたぐり寄せたり、寄せたシワを伸ばしたりする自分の爪先を眺めながらメイロウドは眉根を寄せた。
背後から伸びるラノネケイの大きな両手が、自分の乳房を捏ね回すのは恥ずかし過ぎて見ていられない。
乳頭を摘ままれ擦り立てられ、押し込まれ、覚える感覚はやたらに腹の底に響き、うっかり腰が動いてしまいそうになる。
吐息すら甘さを帯び始め、せめて声はもらすまいとメイロウドは口の端をぐいと引き下げたが、彼の片手が脇腹を撫で下ろすくすぐったさに、あっさりと口元が弛んだ。
腹部を撫で回されるのは、密かに皮膚下の筋肉を探られているようで、少し嫌かもしれない。
けれども、もっと奥底へと伝わる微弱な快感が確かにある。
そちらの手に気を取られていたメイロウドは、胸の頂きを爪で軽く掻かれ、唇から悩ましい声を逃してしまった。
「判りやすい反応があるのは、ありがたいもんだ」
自身の口元を両手で押さえて震えている。そんな様子の彼女の耳に唇を寄せ、ラノネケイは甘噛みを試みた。
想定外というか予想外というか勝手が違い過ぎると、メイロウドはまとまりようのない思考をバタつかせる。
肌を重ねたい欲求の強さと、快楽の得やすさとは等しくはない。彼女の人生の中で、男に触りたくられて快いと思えたことなどなかった。
彼に触れるだけで、幸せだと言ったのは本心だったが、触れられることでこうも性感を煽られるとは思いもよらず。
ましてや矯声なんてものをあげさせらせるとは、何かしら特別な手段でも用いられたのか。
耳孔に舌を差し込まれる感触に、彼女はまた声をあげかけた。
性急にならないように努めながら、思いの外良さそうな反応がある事にラノネケイは内心安堵している。
この震える小動物に関しては、床上手だの経験人数多いだのそんな前評判を耳にしていた。
コトに及べば『うぬの稚戯なぞもう飽いた。話にもならぬわ!』などと鼻で笑われる可能性もあると危惧を抱いたものだが、どうやら取り越し苦労で済みそうだ。
声を殺し時折体を引きつらせるという、見慣れた彼女の見慣れない仕草が愛しくて堪らず、ラノネケイは愛撫の手を止めメイロウドを抱きしめた。
男の腕の中、彼の変人は深呼吸の後、上擦る声で言う。
「ねぇ。僕もそっち向きたいから、ちょっと腕緩めてくんないかな」
ラノネケイの片腕が緩められ、猫でも撫でるかのような手つきで彼女の顎下を指が這う。
「別にいいけど、こっち向いたら押し倒すぜー」
相も変わらぬ投げ遣りな口調の彼だったが、メイロウドはそれが冗談でないと理解した。
なにやら腰の後ろで硬くなっているものも、持ち主も、妙に辛抱強いものだと思う。
「その宣言は律儀なのか、横暴なのか。どっちにしろ、望むところってヤツだよ」
少し腰を浮かしかけたところで、彼女は軽く首を傾げる。
「僕だって君を抱きしめたいし、自分からキスしたいと思うんだ。そっち向いてもその分だけ待ってくれる?」
少しの間の後、娘の背後の男は同じ調子で「おうよ」と応えた。
満面の笑みを浮かべて振り向いたメイロウドは、伸び上がって彼の体に腕を回し、唇を重ねる。
彼女が目を閉じると同時、ラノネケイは宣言を実行に移した。
敷布の上に横たえたメイロウドに覆いかぶさってみてから、彼はため息を吐きかけ、どうにかそれを止めた。
彼女のちんまりと小さな体躯に妙な罪悪感を覚えてしまったからだが、迂濶な反応は彼女の不安を煽りかねない。
ラノネケイの呼吸のことなどお構い無しに、彼の変人は下着の縁を折り返してみたり、もそもそ何事かをやらかしていた。
「ねぇ、ラノネケイ」
彼女は掌の上に何かを乗せ、コレどうぞと言わんばかりに彼に差し出した。
メイロウドの手中の物が輝き、その存在を報せるようにタインタインと音が響く幻覚が、ラノネケイを襲う。
それを受け取り、うっかり右手を立てて礼を示しかけ、彼は少し口を歪めた。受け取った物を見、彼の眉間にシワが寄る。
「コレは……」
「動物の腸の加工品。でも食べられません」
つまるところは一般的な避妊具だと男も知ってはいるが、彼がききたいのはそこではなかった。
「初めてくらいは直接ナカにお招きしたいところだけれど、子持ちになる気はまだないから……」
上目遣いで照れ照れと男を見上げつつ、彼女が「なんなら着けたげるけど」と囁くのに、ラノネケイはどう反応すべきかと自問する。
「心がけと用意の良さは誉めてもいい。つか、どっから出したんだよ、コレ」
「乙女最後の砦からに決まってるじゃないか」
メイロウドは誇らしげに言い放つが、意訳すれば下着の中から取り出した、ということだった。
「僕と子どもを養う覚悟かあるなら、着けなくても良いけどさ?」
つぶらな目に人の悪さを光らせて、小動物は「どーするー」と変な節をつけて歌う。
ラノネケイは今度こそため息を吐いた。
別な意味で生でしたくさせてどうする、アホめと思いつつ。
「着ける。お前はその乙女最後の砦脱いどけ」
メイロウドの上から退きながら背中を向ける男の耳に、ブツブツと呟く声が届く。
「脱がして貰おうと紐解いておいたのにー。ほとんど無血開城なのにー。君の仙高人だって酸弾撃ち放題なのにー」
流血沙汰になるかもしれんのは、むしろその砦がおちた後だろう。最後のは意味が判らなかったから受け流すにして。
精神的な疲労感にさいなまれる本体を丸無視して、張り切るブツを衣服から解放しつつ、ラノネケイは背後へ言葉を返した。
「お返しに脱がせてやるとか、着けてやるとか。そんな理由付けた挙げ句、本番前に一発抜いとく? ……なんて流れになりそうだから、遠慮したいだけだ」
む、と乙女は黙り込む。彼女の思惑は彼の言う通り、完璧に読まれてしまっていた。
渋々と下着から脚を抜くメイロウドに、男の苦々しげな一言が聞こえた。
「回復速度マイナスっぽいんだよ、俺は」
誰かと比べたことあるのかなと、彼女は首を傾げた。
ペイッと穿き物を蹴り飛ばした後、ラノネケイは改めてメイロウドに覆いかぶさる。
彼女がテカテカ輝かんばかりの笑顔で見上げてくるのが、男にはどうにも落ち着かない。
「あんまり期待すると、がっかりすんぜー」
メイロウドは無い眼鏡を押し上げる仕草をしつつ、眉を持ち上げ言う。
「無茶言うね。かつてないキモチの良さに僕の期待は有頂天だっていうのに」
その用法は当たっているのか間違っているのか、ラノネケイに判断はつかない。
男の眉間に深まるシワもなんのその、彼の変人は「ときめくぜ」とのたもうた。
遠い目になるラノネケイの脳裏に、昔、訓練場の教官から聴いたありがたいお言葉がよみがえる。
師曰く、『考えたら負けだ!』。ラノネケイはその言葉を反芻した。
彼女は男の示指が唇をつつく感触に身を引きかけて、とどまる。
撫で擦りなぞり、柔らかく摘まんでくるその指に、メイロウドは舌先で応戦してみた。
薄く開いた唇の隙間から口内にわずかに差し入れられた先端の硬さを味わうのは、舌では初めてだ。
整えられた爪のつややかさも、自分の物とは随分質の違う肌も、皮膚の下の骨の太さも、彼の指の要素は全てが好ましく思える。
唇で柔噛みしながら、指を根本まで口の中に引き込んだ。
軽く歯を立て、舌の側面を擦りつけ、頬の内側に押し付け。指は今やその持ち主の意思によっては動かされず、ただメイロウドの舌に従い口内を掻き回していた。
口から示指がゆるりと引き抜かれ、今度は中指を添えて唇にあてられた。
唇は二本の指を食み始め、その裏で舌先が嬉々としてひらめく。
情熱的な歓待にあずかりましてと、ラノネケイは唇から解放された己の指をちらと見、思う。メイロウドはやや満足げに息を吐いていた。
そちらでない口とやらも歓迎してくれるものか。考えてわかることでなし、彼は早々に試してみることにした。
男の指が彼女の秘所に触れた時、彼の変人は男の名を呼ぶ。
呼ばれた彼は手を止めず、声だけは投げ遣りに「なんだ?」と応えた。
「さっきの話の流れでわかって貰えてそうな気はするけど、念のため言っておきたいことがあるんだ」
唾液に濡れた指に別なぬめりを感じつつ、それを指に絡ませる。
「簡潔に頼む」
パターンとしては、そろそろ肩透かしか酷く萎える事を言われそうだと、ラノネケイは密かに身構えた。
口の中で何度が言葉を転がした後、メイロウドは極々小さな声で囁く。
「一応、僕は処女ってもので初めてだから、お手柔らかにってお願いしたいな」
実に状況合った真っ当な言葉の選択に、ラノネケイは感動すら覚えた。
「……努力はしてみる」
結果が伴うかは知らんがな。彼は本音を飲み込み、メイロウドの内に指をめり込ませた。
意外とすんなりと内に滑り込んだ指は、きちきちと締め付けられた。
少しずつ中を押し広げるように指を曲げ伸ばし、抜き差ししてみて、きつさを実感する。
考えたら負けと思いつつも、ラノネケイは考えてしまう。処女だからこう狭いのか、小柄な彼女だから狭いのか。入るのか怪しいものだと不安もよぎる。
「痛いなら言わなきゃ判らねぇかんな。俺だって初めての女は初めてだ」
変な事を言った気もしたが、間違ってはいなかろうと彼は短く息を吐く。
メイロウドはニタリと笑って見せた。
「うん、平気。遠慮がちでぎこちない指の動きがたまらなくそそるとか、思えてるくらいに平気」
小動物の強がりか本音か、ラノネケイには後者に思えたので、探る指を増やしてみることにした。
ただねと、彼女はほんのわずかに眉を寄せる。
「ずっと顔みられてるのは恥ずかしい。僕の顔なんか見て楽しいかい?」
彼は頷きメイロウドの顔から視線を外した。身を起こし、彼女のみぞおち辺りに口付けながら返答する。
「かわいいもんの観察は、そりゃ楽しいに決まってるだろう」
暫くの沈黙があり、その間に男の唇はメイロウドの体を下降していく。
呆然としていた彼女は、脚を割り広げられ内股に口付けられる段になって、ようやく我に返った。
「今のって……、そういうのこそ顔見て言ってよね」
あからさまに動揺したメイロウドの声色に、彼は先程の彼女と同じ表情で笑う。
指に絡み付く熱く柔らかい肉が咀嚼のようにうごめく様を詳しく解説してみたら、この娘はどんな顔をするのやら。
考えてみて、そういうのは動揺しなさそうだと思い至り、彼はそれを実行することを止めた。
彼女の細い腿にいくつも赤い跡をつけるラノネケイの耳に、甘い吐息とぬちぬちという水音が響く。
敷布と眉間にシワを寄せてかすかに身じろぐメイロウドは、黙り込んでいた。
時折体をビクつかせ、鋭く息を飲み、少しの間の後にためらいがちに細く吐く。
それなりに快楽を与えているのかもしれない。そう安堵しつつも、いつ股間のブツにご活躍願おうか彼は考えてあぐねていた。
引き止めるように絡む彼女の内から指を引き抜き、まみれる粘液が糸を引くのを見るともなく眺め、それを舐め取ってみる。
うっすら苦くてぬめる。それは酸味と言うものかもしれない。
旨くはないし独特の匂いもあるが、不味いこともないなと自分の指を舌先で拭っていたラノネケイは、ふと顔を上げる。
元からつぶらな目を真ん丸に見開いたメイロウドと、視線がかち合った。
彼の脳裏に『だめ……メイが見てる……』『見せつけてやろうゼ』といった様式美的会話が浮かぶ。
二つ三つ瞬き、男はニッと笑った。
ラノネケイは、思わず後ずさった娘の腰を捕まえ、彼女の脚の間に顔を寄せる。
指が触れなかった敏感な突起を舌に舐めあげられて、メイロウドは口元を押さえ込んだ。
悔しげに睨まれても。
上気し汗ばんだ肌にほつれた髪が貼り付き、まだ荒い息に肩を上下させ、潤んだ目をしていてる彼女の姿は、釣り上げたサシミウオの如しと男は思う。
調理は不要。もう喰えます、という状態だ。
涙目で唸る彼女の様子を気にした風もなく、ラノネケイは言った。
「メイの期待に添うよう気張ってみたつもりだが、お気に召しませなんだか」
メイロウドは鼻の頭にシワを寄せ歯噛みする。彼は舌や指で、馬鹿丁寧なまでの愛撫を陰核や秘所に施した。
丁寧を通り越してねちっこいほどのそれは、彼女が堪えきれずに高い矯声をあげようと、髪を振り乱して泣こうと、絶頂に達して体を痙攣させようと止められなかった。
「うっさい。『良い声で啼け』とか、『俺の指がそんなにいいのか、締め付けやがって』とか、『物欲しげにヒクついてんぞ。ナニが欲しいか言ってみろよ』とか言わんばかりだったくせに」
よほど恥ずかしかったのか、地団駄踏みそうな勢いで癇癪を起こしている小動物を微笑ましく見守るラノネケイは、胡散臭いほどの爽やかさを装い言った。
「お前がそーいうこと言われんのが好みなら、善処してみるか」
「全然好まないってば!」
「そりゃ何よりだ。俺もコトの最中にごちゃごちゃぬかすのは好かん」
思いっきり不機嫌そうなメイロウドの額にかかる髪を払い、男はあっさり爽やかを引っ込めた。
膨む頬はますます小動物っぽいなと思うが、ラノネケイに地雷起爆の趣味は無い。
娘の額から離そうとしていた彼の手は捕われ、掌に頬を擦りつけられる。されるがままに、男は言った。
「痛い思いさせるかもしれんなら、準備は念入りにしとくべきだろ。準備自体やってて楽しいなら尚更に」
どうせ自分は痛くもないだろうから、罪滅ぼしの先払いみたいなものだと彼は思う。
メイロウドは捕らえた掌に小さな口付けをいくつも落とし、ぽそぽそと囁く。。
「大事にしてくれてたんだね。これまで散々煽ってきたから、ここぞとばかりの憂さ晴らしかと……」
図星を指されたが、ラノネケイは動揺を完璧に押し隠した。
「選べ。とりあえず二つに一つだ」
細い両脚を抱え上げて、先程じっくりねっとりほぐし潤した入り口に、待ちわびたと言わんばかりに張り切るモノを押し付け、男は投げ遣りに声を出す。
なにかなと、緊張もあらわなメイロウドに彼は選択肢を告げる。
「じわじわ押し込まれるのと、一気にやられんのと。さーどちら」
メイロウドは目を泳がせた後、恋人の目を見上げて問うた。
「ねえ、ラノネケイ。愛ってなんだか知ってるかい?」
「それは山の彼方のあな遠く……いや、知らん」
「ためらわないことらしいよ」
愛についてはさておき、どこに愛があったのかもともかく、娘は頷きラノネケイも頷く。
「つまりは一思いに や ら な い か ってね」
少しだけ彼女の言葉の選択をどうかと思いつつ、彼は「息を吐け」と囁いて、選択どおり一気に挿し入れた。
息を詰めて歯ぎしりを響かせたメイロウドの苦悶の表情を気の毒に思いながら、ラノネケイは再度言う。
「だから息を吐けって。わめいた方が多少は気が紛れるもんらしいぞ」
彼自身、挿し込んだブツが握り潰されんばかりに締め付けられる痛みに、落ち着いてもいられない。
きつく閉じられた目蓋の端からいくつも涙が滑り落ち、彼女はようやくうめき声を出した。
「……ねっ……」
何か言いかけて、しゃくりあげたメイロウドが落ち着くのを待とうと、男は彼女の頬を撫でる。
メイロウドはしばらく浅い呼吸を繰り返した後、努めて深い呼吸へと切り換え、恋人を見上げる。
弱々しく笑い、彼女は言った。
「……ねんがんの ツキサシをてにいれたぞ……ッ!」
脳裏に「そう かんけいないね」と思い浮かびつつも、ラノネケイの顎はカクンと落ちた。
男は呆然としたまま、彼の変人の頬を撫で続けていた。
鼻を鳴らしてその手に甘える彼女の様子に少し励まされ、彼は問う。
「そのツキサシってのは何だよ。メイが滅茶苦茶痛そうなのはよく伝わるが」
ラノネケイの手にまた口付けや甘噛みを施し、整い始めた呼吸で娘は答えた。
「……知らないかな? 鎌蟹素材で出来たランス。ブレイドスティンガーの強化型だね」
うろ覚えの形状を思い描き、ラノネケイの表情は曇る。
「誰のがそんなに先細りだ」
「じゃあ、ガンランスのディープフィッシャーとかどうさ? 密かにかえしも付いて、何だか凶悪チック」
「だから誰のがドリル状だよ。つーかランス系に例えんのやめろ」
男のうんざりとした声に笑い、彼の手を解放しながら、メイロウドの言葉は続く。
「ならバリスタの弾で」
「いいから例えんのはやめろって」
痛むほどのきつさではなくなったものの、別な方向で萎えそうなのはどうしたものか。
ラノネケイはとりあえず、変人の頬をそっとつねってみた。
「あのさ、ラノネケイ」
今夜だけで何度呼びかけられた事だろう。そしてメイロウドは何を言い出すのだろう。
彼女の中を心地よく感じ始めたラノネケイは、ますます落ち着いていられない。
「なんだよ」
投げ遣りでなく、つっけんどんな彼の口調の変化に彼女は気付く。
彼の許容範囲でふざけたつもりが、機嫌を損ねてしまったろうか。
「言い方が気に食わなかったかもしれないけど、念願だったのは本当だよ。君とこうなるの」
心臓を鷲掴みにされたような気分で、男は内心うめく。
友達面をしておいて、いや、それをする前からこうなる事をどこかで望んでいたのは彼の方だ。
「したことなくても知ってたよ。君の事考えると切なくなるのは胸ばかりじゃなくて、おへその下の裏っ側もで。そこがコツコツされるときっとキモチイイって知ってるもの」
彼女は涙目で見上げ、秘密を打ち明けるように静かな興奮を含んだ声で言う。
ほんのついさっきまで処女だったはずの娘が言うには、いやに生々しく艶かしい。我慢してるんだから、煽んな。突き入れたモノが硬度を増し、ラノネケイは密かに眉をひそめた。
「今のところ君のはちょっと苦しいけど、死ヌほど痛いってわけでもない。きっと僕は君とこうするのが好きになると思うな」
入れた時はちょっとどころって顔じゃなかった。
脂汗もにじませていた苦悶の表情を思い出すに、メイロウドに無体を強いて突き動かしたい劣情が薄れる。
彼は自分に言い聞かせた。六歳年上の大人の男は、いくら煽られてもがっついてはいけません。
「ただでさえ……」
彼女は腕を伸ばし、ラノネケイの背中へ腕を回そうとしたが、あまり回らなかった。
「君の匂いとか、声とか、あったかさとか、『脱いだらスゴいんです』な筋肉とか、僕の中の君とか、そういうものをここにあるってわかる今が、胸がつまるほど幸せでね」
言葉にしろと言ったのは、解りやすく伝えろと言ったのは確かに自分だが。言葉で悶え死にそうだ。
男は理性を削り落とされながらも、彼女のらしくないほどに率直な言葉に、幸福感の感染を起こしていた。
「僕はちゃんと君に満たされてるから。だから、君はもっと僕に求めてくれていいと思うんだ」
丸ごとよこせ、俺だけを見ろって言ったら困るくせにな。理解しきれないながらに、彼は半ば諦めた。身の丈に合った幸福で、よかろうと。
「つまりは、そろそろ動いていいってお許しか」
「君が気持ちよくなれるよう動いて欲しいってお願いさ」
俺の理性は虫の息。もう少しでトドメファイナルかと観念する彼は知らない。凡人のはずの自身の理性、そのライフバーが悪名高き根性値を備えたボス仕様だったことを。
「ゆっくりやるから、痛きゃ言え。ついで言うなら、俺はちょっとばっかりイキにくいから、長丁場覚悟しろ」
鈍痛を訴える場所でズルリと大きなモノが壁を擦る感触に、メイロウドの喉が「きゅ」と鳴った。
後に、メイロウドは言う。それって回復速度マイナスっていうより、鈍足? と。
ラノネケイは少し涙目になった。
「嘘吐きだなんて罵ったりしないさ。うん」
じっとりとした恨めしげな声に、ラノネケイは口ごもる。
『俺のせいか?』と思わなくもないが、多分は自分のせいだろう。
またも宣言通り、ゆっくりねっちょり時間をかけて、口付けや撫で擦る事を交えて、大きく動いてもあからさまには痛がられなくなったところで、彼は果てた。
これで圧迫感から解放されると、少しの寂しさと大きな安堵を覚えたメイロウドは結果的に裏切られる。
「回復遅いって言ってたのに、出してまだ中で硬いの何でかなー」
今度は囃したてるような調子で。「知らんがな」と言いたいラノネケイは、遠い目をしつつぼやいた。
「これが若さというものか」
まだ22歳のこの男は老け込むには早いのだが、言動に若さが足らぬこと夥しい。
「本当はガブラス肉の強壮効果だとは思うけどね」
こうかはてきめんだーと棒読みのメイロウドに、サクッと若さを否定され彼はますます遠い目となった。
若さ。若さってなんだ? 自問するラノネケイの前で、彼の変人が小さく「振り向かないことさ!」と歌う。
「ところでラノネケイ」
自分の上でどよどよと落ち込む男へ、メイロウドが呼び掛ける。
珍しく動揺を見せる彼がかわいく思えて仕方ないが、そんなことを伝えたらどうなるか。
少しだけ腰を揺する。鈍痛はまだあるが少しの快楽も生まれ、彼女は小さく息を飲む。
「もう一回、する?」
ようやく現へと目を戻したラノネケイは、目を細めた。
「いや、今夜はやめとく。明日腰立たんとかになったら、もう立ち直れん」
深刻ぶって男は眉をひそめて見せた。
「つーか。もう一回なんて体力余ってんのかよ、お前。痛まんワケでもあるまいに、無理すんな」
声はいつもの投げ遣り調子ながら、愛しげに頬を撫でられ口付けられて、それだけで有頂天になる自分をメイロウドはおかしく思う。
「ともかく抜く。痛かったら暴れとけ」
軽く無茶を言いながら、ラノネケイはそれを入れた時とは逆に、ゆるりと引き始めた。
ただ引き抜くだけのその動きに、ぬるぬるぎちぎちと擦れる感触に、メイロウドの眉根が寄り、ラノネケイが眉の端を跳ね上げた。
「この期に及んで締め付けんない」
「知らないよ、そんなのっ!」
このままもう一度押し込んだら、避妊具を付けた意味が無くなりそうだ。
それの結果はそれなりに、魅惑的だけれども。けれど、この元友人の死活問題が絡むくらいに困る事を、彼は望まない。
孕むようなことがあれば、ハンターの仕事を続けられはしないだろう。
メイロウドが同業の親友嬢を、公私に渡り守り支える事にどれだけ心酔しているか。それが出来なくなれば、彼女がどうなるか。
この小動物っぽい娘をしばらく見ていれば、嫌でも知れる。
この娘の言った『恋人に格下げ』は照れ隠しでもなんでもない。友人のままでいたなら、親友嬢と扱いが釣り合うこともあったはずだ。
格下げを食らった後では、それは絶対に有り得ない。
関係の変化を選んだのは彼女だが、そう仕向けたのは自分だ。我知らず彼は奥歯を噛み締めた。
また名前を呼ばれた。ほんの少し探るような、だが概ねは心配そうな目が見上げてくる。
「どこか痛いの? それか名残惜しくなったかい?」
後者が図星だとは思うまいよ。ラノネケイはそれこそ投げ遣りに、呟いた。
「ああそーだ」
意外そうに「おや」と声があがる。
「なんと奇遇な。僕もそぅいッ……」
言葉が終わる前に、彼は硬いままのそれをメイロウドから抜いた。
数瞬の後、二人そろって息を吐く。ラノネケイは彼女の上から身を起こし、娘もずり上がり、膝を立てて座った。
再度、メイロウドは恨めしげな視線をラノネケイに向ける。
「喋ってる途中で引っこ抜くって、どういう了見さ。しかも、まだ入ってるみたいな感じがするのって何なのさ!」
でなけりゃまた押し込まれたかったかよと、彼はそっぽ向く。
威嚇するように唸るメイロウドの視線が、男の顔から下がる。下がる。下がり止まって、彼女はのけぞった。
「な……」
「あ?」
息を詰まらせたような声に、怪訝な表情で娘の方へ向き直ったラノネケイは、口をはくはくと動かす彼女を見た。
小さな指が彼の自律型下半身の司令塔を示す。本人の意志はがっつり無関係なそこは、まだやたらに絶好調。
固唾を呑んで、息を吸い矯めて、メイロウドは叫ぶ。
「なにさ、その撃龍槍は!!」
「誰が前後運動だけが能かよ! つうか回らねぇし先細りじゃねえっ!」
聞き捨てならぬ、いわれなき中傷にラノネケイは応戦する。
「そりゃ撃龍槍なら発動もチャージも時間かかるだろうさ! っていうか、そんなサイズのを僕にぶっ刺して、殺人未遂モノじゃないか!」
「人聞き悪い事ぬかすな。こんなもん断然フツーだ、普通。体格の差でこれくらい予想しとけ」
「ぜぇっったいフツーなもんかぁっ!!」
後ろに手をつき肩を上下させ、荒い呼吸を繰り返し。揃えた足の指でラノネケイのブツを指し示し、メイロウドは硬い声色で言う。
「それはそうと、その股間の王冠付きはりきりドスガレオス様、どうするの?」
好き放題言ってくれるが、よくもまあそれだけ例えを思い付くものだ。男は呆れを通り越して感心していた。
「とりあえず脱冠願って、その後はほっといて寝る。据え膳美味しくいただいた上に、おかわり頼むほど厚かましかねぇよ」
ラノネケイはいたたまれなくなり、体の向きを変え、彼女の視線からブツを隠した。元気よくてらっしゃるから、脱冠やりにくいじゃねぇかこん畜生。
「君が自分でして、スッキリ爽やかって選択肢も無くはないよ」
食後のお茶くらいなら出しても良かったのにね。メイロウドのぼやきは耳に入らず、この悪魔めと男は少し泣けてきた。
無理やり下着と下穿きにはりきりドスガレ雄様を押し込んだラノネケイは、靴に足を突っ込み始めた。
「どこ行くの?」
振り向けば、敷布の上で所在無さげに全裸のまま丸まる小動物似の娘が一人。
すがるような目をされ、男は変な罪悪感にかられる。
「寝る前に体拭くくらいしたいから、水取ってくるだけだ。体冷やさんように適当なもんにくるまって待ってろ」
靴の踵と己の踵をコツコツと合わせ、ラノネケイは渋面のまま言う。
夜中なのに色々騒ぎ過ぎたな、などと考えつつ。かと言って、真っ昼間っからするにも微妙なものだ。
歩き難さを堪え桶を抱え、部屋に戻ったラノネケイの目に入った光景は、ある意味幻想的だった。
揺らめく薄明かりの中、寝台の上で斜め45度、すっくと立ち、少し上向きに左手を突き出したメイロウドが居た。全裸で。
据わった目をした彼女は言う。
「きーみは きーみは きーみは 農家の三男ーだー」
んなこたぁ言われんでもわかっとるわいとか、ほっそいのに綺麗なもんだなとか、髪ほつれてるのは直した方がいいのかとか、またキてやがるとか、何でまだ全裸なんだとか。
様々な思いを抱いたまま、彼は桶を床に置く。
「何してんだよ、そこの酔っ払い」
乾いた汗で塩っぽい背中を掻きながら、思いっきり不審者を見る目をしたラノネケイの視線の先、メイロウドはへぷち、と変なくしゃみをした。
我に返ったらしい娘は「いやん」と笑いつつ、右手に握っていた布で体の前面を隠して座り込む。
よく見ればその布は、彼が脱ぎ放ったシャツだ。
ラノネケイが寝台に腰掛け、靴を脱ぎ始めると、その背中にメイロウドがへばりついた。くどいようだが全裸で。
「ねぇ、ラノネケイ」
座ってなお大きな身長差、ほとんどおぶさるように彼女は体を擦り付ける。
うなじに息がっ! 背中に乳がっ! 内心で喚く彼の耳に、メイロウドの声はしっとりと絡み付いた。
「もう一度あなたと合体したい」
ワタシタチ アツアツナンデス→ナニヨ、マタ?
脳裏でうっかり死亡フラグを立てながら、男の正気は結構速く返ってきた。根性値持ちは伊達じゃない。
もう靴は脱ぎ終えたのに、体勢を変えることもままならない。
首筋の匂いをフルフルばりにふんふんと嗅がれつつ、ラノネケイは事態の把握を試みる。
「一体何事だよ。俺が居ない間に何でそんなに出来上がってやがる」
肩の上で「背中も素敵さ」とにぎやかな変態に、彼は疑問を投げ掛けた。
一瞬黙って、メイロウドは答える。
「君の部屋に、君の匂いが満ちてるのに君は居ないんだ。なんだかね、そういうのってさ。興奮しちゃうじゃないか」
ラノネケイは思う。つくづく、その言葉の選択はどうなんだと。
「ねえいいよね。僕としようよ。今度はちゃんとおもてなしするさ。君をここちよく締め付け、舐めあげ、鳴いたげよう」
ヤぁってやるぜと言わんばかりの雰囲気に、男は冷や汗をにじませた。
この卑猥なのかも怪しい流れは、なんだか不味い。ていうかマ王か。
カプッと首筋に噛み付かれながら、マ王っていえばディアソルテメイルとやらを作ってみたかったなんて憧れを思い出す。
「愛しているよ、ラノネケイ。君の素敵な手がたまらない。殺してでも うばいとる!」
男は既に、現実逃避していた。
「違うの混じってる気がしてならん。つーかそんな流れで初めて『愛している』とか言われても」
彼は自分の手がやたらに気に入られているのは気付いていたが、彼女はパーツにしか用がないのだろうかと危ぶむ。
「照れずに言うのも大変だもの。普通に言ったら『あっそ』で済まされそうさ」
僅かに拗ねを含んだ口調でメイロウドは言い、はむはむとラノネケイの耳をかじる。
男は耳をぞろりと舐められていることより、言われた事に驚き、眉をひそめる。そういえば、メイロウドに「好き」の類を言った記憶がないと気付いた。
好意を持っているとは伝えた気がしていたのだが、ハッキリと言葉にしたかは怪しい。
彼女に友達のままで良いかと思われるはずだ。彼は今更納得した。
「なあ、メイよ」
「なにさ」
頬の横に頬を並べ、メイロウドが囁き返す。
汗が乾いた肌のぺっとりとした感触と女のいいにおいが、じりじりと欲を掻き立てる。
彼の鼻は汗や体臭以外の匂いを嗅ぎ付け、彼女の出来上がりっぷりに少し納得した。
「もう一回ったって、孕まされたら困るのはお前だろ。中で出さなきゃいいってもんでなし」
したいくせにどうにも言い方が卑怯だ。彼は自分の物言いにうんざりした。
そんな内心を抱えるラノネケイの横、娘はふふんと鼻で笑う。
実に得意気に。男を後ろから抱き締めながら。
「乙女最後の砦の備えを甘く見てもらっては困るね。予備の二つや三つ、有るに決まってるじゃないか」
だからねと、声を潜めるメイロウドの左腕を取り、彼はその手に口付けその指に舌を這わせた。
指からする匂いと味は、彼女が部屋に一人で居た間に何をしていたかを雄弁に語る。
「さすがにもう二、三回は無理だと思うが。望み望まれる関係ってものは、こっぱずかしいくらいに幸せかもしれん」
「むずかゆいね」
茶化すでなし、同意するように笑い、メイロウドは左手を引っ込める。
「んじゃ、乙女最後の砦の支給品よこせ」
「現地に僕がお届け、ではいけないかい?」
彼女はラノネケイの背中から身を起こし、彼の真横に腰をおろす。
「つまりゃ、お前が着けたいと?」
うんうんと頷くメイロウドに、彼はためらいを含ませ好きにしろと応えた。
ここちよく締め付け舐めあげる、それは情熱的なおもてなしを受けた。鳴かされるのは辛うじて免れた。
ラノネケイは、彼の腰の前で「支給品が到着しました」なんて嬉しげにぬかす娘のつむじを、つい忌々しげに見つめる。めくるめく悦楽恐るべし。
「上手に付けましたー! ……とか言って欲しいか?」
ラノネケイの投げ遣りな声に、彼女は口の端を吊り上げ、誇らしげな笑顔なんてものを持ち出した。
「素直に誉め讃える事を許したげよう。そっちじゃなくてむしろ、手とお口の感想をきいてみたいけど、言ってくれなさそうだよね」
上目遣いで上から目線の物言い。彼女は図に乗ってみている。
避妊具の装着を口実に彼の股間に取り付き、もののついでとばかり手淫口淫に及んだ娘の技量は、まさに達人そのものだった。
「敢えて言わんわ。禁じ手にしてくれと」
「今後ともよろしくって解釈でいいかな。君が望んでくれるならそう成る」
ニッと笑ったメイロウドの口元はヨダレで濡れ、それは首にも伝い滴る。
手の甲でそれを拭い、じゅるりといわせている様は、彼の中の『普段の彼女』の姿とそう懸け離れていないとも言える。
「攻め手にまわる方が楽しいって思ってたんだ。恥ずかしくないし、触られたって気持ちよくなかったし。でも君からなら、受け手の方がいい」
小さな体は彼の太股をまたいだ。膝で立つ彼女の目の高さは、珍しくもラノネケイとあまりかわらない。やや霞がかかった目は、それでも食い入るようにラノネケイをみる。
彼はその目にのまれた。
「好きな人とするから気持ちいい、なんてこと、本当にあるんだね」
乙女な台詞を吐きつつも、その目は狩る者の目に変じていた。
向かい合う形で、メイロウドは男の下腹部へと腰を落とす。
彼女の言動の不一致を指摘することも忘れ、ラノネケイは思った。性交渉において男って喰われる側だよなと。
たたかいすんであさがくる。まだよるだけど。
ほとんど目蓋は下がりっぱなしと、眠気もあらわな娘は細い声で何事かを呟く。その素肌を甲斐甲斐しく拭い清める男は、正しい意味での寝言だろうと判断した。
「ピロートークとか云うものは無しれすかー」
ラノネケイはろれつの回らぬ彼女の一言に、一瞬動きを止め即再開した。
「寝言だな」
小言で断定する。そういえばこの娘、酒も入っていたはずだ。
「寝言やないよぅ。まだ眠かせてくんないキチクが君さぁ」
もぞもぞと不機嫌そうに身じろぐメイロウドの口調は、かなり怪しい。彼女が寝台に伏して寝入りかけていたところを引き起こしたのは、ラノネケイだ。
俺の寝床を汗臭くさせる気かと言ったのは確かながら、鬼畜呼ばわりはあんまりでなかろうか。
メイロウドにもうしばらく持ち堪えて欲しい彼は、妥協することにした。
「どういう話題が良いか言ってみろ」
重たげに目蓋を開き、娘は己の鼻先を睨むような顔をする。はたりと目蓋が落ちて、彼女は細く息を吸う。
「君がハンターになったワケをききたいね」
ピロートークってそんなもんかと思ったものの、ラノネケイは頷いた。
「十六んなった年に兄貴と大喧嘩して勘当されて。飯のタネも無いから、そこそこ食ってける職をと思ったらハンターになってた。以上だ」
彼は短く言いきった。詳しく語るなら少し長い話になる。
彼が十六歳となり成人年齢に達したその日、二番目の兄に『大事にするからお前の嫁を俺にくれ』と言った。
彼の兄嫁は、同い年の幼なじみで結婚するまでは彼と恋仲という間柄だった女性だ。結婚してからは体の関係は無かったものの、当然修羅場が展開された。
勘当され、手に職といった技術も芸も無かったラノネケイは考えた。
幸い頑丈に育っていたし、無くすものなど何もない状態だ。命かかるがそこそこ食っていける職に就けるなと。
一方の幼なじみは、今も彼の兄嫁でいるらしい。穏やかで他人を落胆させる事を苦手とする、基本的に優しい性格といえる。
優しい幼なじみは彼の耳に逆らう事柄に、言わなくてもわかってくれるという態度を通した。はっきり振ってくれたら良かったのにだの、更に自分が惨めになる事を彼は言わない。
故郷を出るはめになったものの、彼は別段後悔や恨みなどというものは抱いていない。ただの自業自得だったと思うだけ。
大人しく肌を拭われるまま、メイロウドが囁く。
「もっとつまびらかにってわけにはいかないかな」
簡潔で悪くないだろうにと彼は首をひねり、切り返した。
「手本を見せてくれるなら、考えんでもない。お前もなんでハンターやってるのか言ってみろよ」
娘はうっすらと目を開き、呟く。
「いつか言わなかったっけ?」
「……いいからもう一度」
ラノネケイは、女の話し方というものを甘くみていた。それは広がり逸れ続けるものだというのに。
少し目蓋の隙間を広げ、彼女は咳払いを入れた。彼女の様子に構わず、男は手を進める。
「実家はちょっと貧乏気味な学者の家系でね。僕は取り柄のないダメな末っ子だった」
半ば囁きのようなメイロウドの語りに、ラノネケイが彼女の肌を拭う音が上塗りされていた。
「家に出入りしてた半隠居ハンターの話に出てくる竜に憧れて、弟子入りしようと家出したのが十二の時でね」
ラノネケイの手が止まる。娘の半身を粗方拭い終えたからだ。
「下半身は自分でやるか?」
桶の中で布を軽くゆすぎ、男はメイロウドに声をかけた。
やだ、と短い返事に彼は軽く肩をすくめ、娘の足に手を伸ばす。
「不自由の無い暮らしからの家出なんて、ダメな子の逃げだったはずなのに、僕は運命に出会うんだ」
声に熱がこもる。『運命』などと芝居がかった言葉を彼女は大真面目に持ち出している。
爪先から脚を丹念に拭われながら、メイロウドは視線をさ迷わせた。
ラノネケイの眉が軽くひそめられる。
「師匠がわたしの弟子入りを許したのは、サーの友達になれそうな子が欲しかったからじゃないかなって思うの」
夢見るような目と口調で、メイロウドは親友嬢の愛称を呼んだ。
親友嬢は、今はない騎士の家の出だ。メイロウドが弟子入りする半年ほど前に、かのハンターの保護下に入っていた。
「あんなに綺麗で、あんなに特別な人、見たことなかったな。わたしは、彼女に惹き付けられた」
メイロウドが言うように、親友嬢の存在は劇的だ。
冷たさを感じる程に整った容姿、中性的な振る舞い、気品を匂わせる物腰。
小柄な体で大きなランスを得物として振るう様は、何処の物語から抜け出してきたかと思わせる。
「あの子のためになら、サーの側に居れば、僕も特別になれるって思ったんだ」
やや膝を持ち上げられ、色気も何もあったものじゃないなと思いながら、メイロウドはくすぐったさを我慢した。
ラノネケイの内心は穏やかでない。この話題は、思いっきり彼の恋敵と言える女の話だ。それをこの娘はうっとりと語る。
天才ハンターと呼ばれるメイロウドの行動原理は、何せこれだ。親友嬢にとって役立つ友達であること、ただそれだけ。
ラノネケイは嫌になるほど知っていた。元々生真面目とは言い難い性格のメイロウドが、何故仕事にこだわるか。それは本当にただ、彼女の親友のためだけだ。
「ハンターになろうとしたのは、竜に興味があったから。なるって決めたのは、僕のお姫様の側に居て必要とされたかったから。結構単純だよ、僕って」
事も無げに彼女は言うが、それに向いた才能と努力があったのは確かだろう。
でなければ、上級ハンターになるどころか早々に死ぬか、引退するはめになるか。
ラノネケイの手が娘の脚を拭い終えて再び止まり、メイロウドに布を差し出し、男は言う。
「腰は自分でやれ。よそ向いとくけど、話は聴いとく」
「ハンターなんて一生は出来ないし、どうしようかなって最近思うんだ」
まだ十六歳の娘は、遠い眼をして言った。
それは男も同じ事。メイロウドより稼ぎが良くなく宿無しの分、却って深刻だ。
「僕の事でなく、サーのことね。僕は実家に帰るとか片田舎に引っ込むとか、どうなとできるけど。彼女は知っての通り、色々不器用なんだもの」
親友嬢の不器用っぷりを思い出したラノネケイは、思わずうなる。
肉を焼けば焦がし、調合しては燃えないゴミを量産する。男性が苦手だとかで、喋れば妙に高圧的でつっけんどん。
聞いた話では、裁縫掃除と茶を淹れる事以外の家事が壊滅的だとか。
メイロウドが親友嬢の身の回りの世話をせっせと焼くのを見、どっちが歳上だか分かりゃしないと思ったものだ。
「近頃はお偉いさんからも仕事依頼を請けるからさ。もっとお仕事頑張って、名声を得て人脈作って、サーをどこかの貴族の御子息のお嫁さんにでも、ねじ込めないかなって思ったりもする」
冗談めかして言う娘の目が大マジなのを、見ずとも彼にはわかっている。
メイロウドが手の中の布を眺めていると、明後日の方向を向いたままの男は言った。
「拭き終わってんなら布よこせよ。俺を拭くのがまだだかんなー」
拭いたげようかと囁く彼女に、男は手を横に振る。
衣服を身に付け始めた娘の横、ラノネケイはワッシワッシと我が身を拭う。
「結局お前がどう悩もうが、そこはあの姫さんの問題だろ。頼りなく見えるんだろうが、あっちも大人だぜー」
彼は内心に嫉妬を抱えながら正論をいう己に、反吐が出そうな気分だった。
言いたいことは単に、親友嬢に執着するなという押し付けだ。
メイロウドがうんと頷き、部屋着に頭を突っ込む。
「そうだね。僕がサーの特別にすがってる。自分がすごい人だって、必要とされてるんだって思いたいばっかりに」
話の内容でなく酷くパサついた声色に、男はぎょっとして娘の方を見た。その顔はまだ部屋着から出てこない。
「僕はサーのためなら死ねるよ」
頭を出して、やや据わった目の彼女はお下げを襟から引っ張り出す。
二本とも引っ張り出したところで、それらを振り振り「でもね」と呟いて、ラノネケイの方を見た。
しばし固まっていた彼は、かち合う視線にようやく我に返った。
「君のためなら生きられる」
男の表情が何かに似ている。メイロウドは目を細め、思いを巡らせ答えに至る。
「なんでそんな、大音にビックリしたクックたんみたいな顔してんのさ?」
クックは元から驚いたような顔してるだろうというつっこみさえ入れられず、彼は呆然と娘の顔を見返す。
メイロウドはニヒと笑った。
「今は、ただ君一人の特別になりたいと思うよ。実に欲張りだと思わないかい?」
思わぬ話の展開に、ラノネケイの思考は追い付かない。『好き・即・合体』どころの話ではない。
「欲張りどころか、お手頃過ぎでないか、それ。マタタビで大喜びするアイルーばりにお手軽だ」
そもそも親友嬢のことはいいのかよと、動揺しつつもラノネケイは問う。
そろそろ服着なよと返したメイロウドは、眉を上げてみせた。
「猫はマタタビで酔うけれど、マタタビにとって猫は特別かっていうとどうだろう。お手軽さの例えだったっていうのはわかってるよ」
ようやく衣服に手を伸ばした男を横目に、娘は自分のおさげをもてあそび始める。
「友達だもの。大好きで大事だから、守りたいと思うよ。でも背中にかばって大事大事に傷付けないようにするだけじゃ、ダメな気がしてきたんだ」
下着を引っ張り上げる彼は、友達だった自分は守りたいとは思われなかったろうななどと、小さく鼻を鳴らす。
この小さな娘から、そんなふうに思われたいわけでもないが。
「僕が居なくなっても困らないように、一緒に育つの。離れることも決めつけないことも、きっと大事さ」
「本人に言ってやれよ、そーいうことは」
小動物似の娘は、最近知人と似たやりとりがあったことを思い出し、ニヤリと笑んだ。
シャツを探して首を巡らせていたラノネケイは、それに気付かない。
敷布を換える男の背中を眺めつつ、メイロウドは椅子から垂らした脚をふらふらさせた。たまに舟を漕ぎかけ、如何にも眠そうだった。
汁汁しいことをやらかしたからには、換えないわけにはいかないが、洗濯がまた面倒くさいんだ。あれは。
「ところで、ラノネケイ。つまびらかにって話はどうなったの」
ん、と気のない声が返る。
「詳しくはせん。言葉を惜しんで泥沼な修羅場が発生した結果、故郷を追ん出されたとだけ言っておこうか」
「なにさソレ?」
「細かい事は気にすんな。つーか忘れろ。話は明日だ」
追窮する気も見せず、娘は眠気丸出しで頷いた。
換えの敷布を翻し、ラノネケイはあくびを噛み殺した。
どうにもメイロウドが部屋に押し掛けてくるという状況は、成功条件がタイムアップというクエストを思い出す。
戦わなければ生き残れないということもない。
交戦せずとも理性が瀕死だとか、交戦したが追加報酬はあるのだろうかとか、とりとめのない考えが眠気と共に脳裏を駆ける。
ある意味二回喰われてるから、報酬金は減るよな。そもそも出ないけど。
泥試合のような夜が明ける頃には、泥のような眠りの中か。
すっかり寝床を整えたラノネケイは、そこに潜り込んでから、タンタンと二度敷布の表面を叩いた。
メイロウドが椅子から立ち上がり、のろのろと寝台へと入り込む。
狭い寝床の中、娘と折り重なるように男は眠りに落ちた。
男の寝息が整う頃、むくりとメイロウドは身を起こす。
しばらくラノネケイの様子を観察した後、娘はぼんやりとした、だが底光りする目で呟いた。
「てきを やっつけた! ……ってね」
酒の酔いなど元よりまわっていない。娘は雰囲気に酔う質だった。
体力は消耗しきっていたが、彼女も気付いてしまったのだ。
明かりを落とすのも忘れて寝てしまった男の顔を、メイロウドはとっくりと眺める。
「言葉を惜しんで修羅場が発生、か。懲りてないなら、再発も大いに有り得るって知ってるかい?」
思いを伝えるのは言葉だけではない上、それは充分に伝わっていたけれど。
据え膳美味しく頂いた彼女の恋人は、彼女に好意を明確には告げていない事に、娘は今更気が付いた。
「食べてしまいたいくらい大好きって、絶妙な表現だよね」
へたれガレオスのにくが
おちている
ニア たべる
たべない
デュアルソードは
ガレオスブリーダーに へんかした
メイロウドは
ゆうじんを
うしないこいびとを えた
それは夜明け前のこと。タイムアップ直前でラノネケイは三乙となった。
第二部『結構淡白魚肉風味』
完(食)
132 :
珍味のひと:2007/09/10(月) 11:45:02 ID:KRebAALG
投下終了。話もこれで完結。コピペミスってやんの。本文長すぎって弾かれまくってやんの。
あとは蛇足とその他。
―断末魔のようなもの―
女:お目覚めかね。
男:な なにをする きさまー!
女:君はいい友人であったが、君の言葉足らずがいけないのだよ。で、君は僕に何か言いたい事があるはずさ。
男:好き好き♪好き好き♪あ い し て る♪
……これで満足か?
女:帝の御子息な小坊主物語主題歌なんかで誤魔化すの!?
男:うむ。それとプライベートタイツは、いつの間にサイハイソックス仕様になったんだ。しかもレース付き。フトモモの白さが眩しいゼ。
女:くしゃあがれ(意訳:何をぬかす)
男:ナイスちらりずむ。
女:オレサマ オマエ マルカジリ。
男:早まるな、若者よ……。
―食後に一言―
男:終わってみれば、コトの行為自体は至極普通だったな。
女:まあ、僕も乙女だから。て言うか何さ。最中に
『クックたんはそんなこと言わない!』とか、
『ふふ、さっきのガブラス肉に仕込んでたマヒダケ由来の痺れ薬、効いてきたみたいだね』とか、
『このドキドキノコで出来たお薬飲んだら、君はどうなっちゃうのかな』とか、
『取り出しましたるは、強走エキス。ひと塗りすれば、君の性欲も大暴走!』とか。
そんな流れになると思ったのかい?
男:そこまで想像してねぇよ。やけに具体的だな……。
女:企んだことあるもの。でも、求めてもらいたいのに、薬盛ってもねー。竜に突っ込まれたい願望も皆無だし。
男:さよか。(企んだって、おい)
手元に資料ないけど、ドスからですかね?プライベートタイツがタイツでないの。
『くしゃあがれ』は岡山弁のはずだけど、クシャルダオラとガレオス組み合わせたみたいと思った。
正直、エロでガラハドねたを使いたかっただけなんだが、またも長々しく。土用にウナギの卵とじ作ってた時に閃いた、火山で蛇食いと合わせたのが食い合わせ悪かった。
関西ではウナギをマムシと言ったりするよとか、蛇のマムシは魚っぽい味だとか補足。
擬人化でもないハンター2人が、ただ屋内でいちゃつくという設定にした自分が憎い。SaGaネタ好き過ぎでごめん。
焼きそばに牛乳という言葉が目に染みる。
言い訳は以上。
では名無しに戻り、他の書き手さんの続編新作を楽しみに待ってます。
超GJ!つーか親友嬢?新キャラディスか?また次回作期待してもよろしいディスか?
注ぎ込まれたパロはよくわからないので↓の読み手にパス。
とりあえず「ツキサシをてにいれたぞ」のとこで
家人が怪しむほどの大声出して笑った。
ラノネケイ氏にはこの言葉を捧げよう。
「あばよ涙、ヨロシク勇気。コンゴトモヨロシク」
135 :
名無し@ピンキー:2007/09/10(月) 16:00:04 ID:rxIHYKEz
ガレオス君の曲芸で〜す!!
ガレ「がぅ、がぅ」
(ガレオスが砂上に上半身出してヘコヘコする。)
結局何がしたいのか・・。
>>134 よう俺。
ここまで抜けないエロは初めてだ。(褒め言葉
エロシーンよりピロートークでぬきますた。
三乙ワロタwwwwww
サガネタ少ないと思ったらいい締めだった。GJ!
>>132 GJ!
溢れ出る語彙のボキャブラリーに嫉妬(いい意味で
珍味の人Good job!
1万と2000時間前からあぁぁぁぁいしぃぃてるぅぅぅぅぅぅ
お食事シリーズはなんか、好きだな
相変わらず不思議な雰囲気を醸し出してくれる。
他の作品の処女喪失シーンならこんなに
まったりとはそうそうなるまい。
勿論GJだ。
反面、エロは苦手なのかと邪推してしまったり。
珍味のひとキテター!!GJ!!
龍騎やシャアネタまでフォローする、珍味氏のセンスが最高にイエス。
好みが似通ってるかもしれない…
つーか楽曲の方の魔王に吹いた
痴女な♀モンスターもみたいわけだが
当然に擬人化で
ババコンガ姉さんはノーブラTシャツ、下はパンツ一丁で
ウロウロしてそうなイメージがある・・・汚物とかは置いといてね。
過疎ってるんでほす
過疎ってるんで今書いてるやつの最初だけちょこっと投下していいですか?
150 :
小ネタ?:2007/09/12(水) 22:28:24 ID:/XKjr9i5
「ふん、今日こそ貴女の緑色の紅玉(?)を貰いに来たからねリオレイアちゃん!」
威勢良く叫ぶ少女狩人。
吼えるリオレイア。
「ふふん、そんなことだろうと思って今日は高級耳栓持参!大剣使いの私でも安心!」
ガードの存在を無視する少女。
突進してくるリオレイア。
「ふふふん、まだ抜刀もしてない機動力バ・ツ・グ・ンの私に突っ込んでくるとはいい度きょわうっ!?」
ひたすら無駄口叩く少女。
突如、突進キャンセル再突進の鬼畜コンボを繰り出すリオレイア。
「ふ、ふふふふん、避けられずとも(たった今思い出した)ガードってものが私には―――!?」
竜の突進を剣の腹で見事に受け止める少女。
しかし再突進すらもキャンセルして、バックステップで距離を取るリオレイア。
「ふ、ふ、ふふふふふふふん、ちょちょちょっっとま待ったほうがいいいわよレイアちゃ――――」
焦る少女。焦る少女。焦る少女。しかし動けない少女。ガードの反動が厳しく圧し掛かる少女の体。
構えるリオレイア。睨むリオレイア。勝ち誇るリオレイア。そして地を蹴るリオレイア。華麗に宙を舞い、空を裂く女王の毒尾。
「しっ、しっぽらめええええええええええ!!!!」
吹っ飛ぶ少女。身体を蝕む棘の猛毒。虚ろな瞳で空中浮遊。
着地するリオレイア。嘆美を極む王尾の蹴撃。未だ倒れぬ獲物を射抜く眼光。
「らめえええええええ!起き上がりに突進重ねちゃらめなのおおおおおおおおお!!!!!」
立ち上がったかと思うと、再度吹き飛ぶ少女。
正直、本気で容赦ないリオレイア。
「んあっ、らめっ、もうっ、だめっ、逝っちゃうっ、毒で逝っちゃうよおおおおおおおおおお!!!」
毒にオカされる少女。瞬く間に減少する緑ゲージ。そして増えていく赤ゲージ。
毒を撒き散らした女王。瞬く間に立ち上がる巨体。そしてしつこく突進していく巨体。
「ふああああああああっ!!!!!もっ、らめええええええええええええええええええ!!!!!!」
一際大きな声で(生命の)絶頂を迎える少女。最後に大きく痙攣(しながら吐血)すると、動かなくなった。
一際強力な突進で少女(の人生)を果てさせたリオレイア。最後に大きく咆哮すると、どこかへ飛び去った。
―――――――――――――
執筆時間5分。反省するくらいなら投稿していない。後悔はしている。
もう夜もいい時間だってのに笑わせるんじゃねぇw
>>149 d
男ハンター×ロリアイルーいきます
※注意
・前スレで投下しようか悩んでたSS初挑戦の新参なんでド下手間違いなし
・モンハンも初心者なんで色々設定が間違ってます
・舞台はMHP 初心者なんで(ry
大丈夫じゃなさそうな人はスルーおねがいします
「はじみぇまして、ごしゅじんしゃま。コティともぉしますにゃ。」
丸顔、折耳というアイルーにはめずらしい組み合わせの顔立ちをした小さな小さな給仕猫が震えた声でおずおずと自己紹介した
それがかわいい、俺のコティとの出会いだった
「ただいまー」
「あ!ごしゅじんしゃま!おかえりなさいませにゃー!」
主人と呼ばれた男、カイルは壁に立てかけた斬破刀の代わりにトテトテと走りよってきた小さな給仕ネコのコティを抱き上げた
「良い子にしてたかー?」
「はいですにゃ!お部屋もきちんとお掃除してお洗濯もしましたにゃ!」
「そっかそっか、よしよし」
喉をゴロゴロならして頬をすりつけてくるコティの頭をやさしくなでて褒めてやる
ふわふわの毛並みが仕事明けの手のひらに心地よい
「あ、お食事のご用意しますにゃ!今日はポポノタンたっぷりのホクホク鍋にしますにゃ」
肉球をぽむっと叩くとコティは俺の腕から抜け出てまたトテトテと走ってキッチンに向かっていった
カイルはカイルで装備を解きながら家の中を見渡す
綺麗に磨かれた窓、チリひとつ見当たらない本棚、きちんと整えられたベッド・・・
留守の間もコティはきちんとやってくれていたようだ
「あ!お隣のおじさんからお酒もらいましたにゃー!」
キッチンからタイミングよく声がかけられた
「隣?なんかあったのかー?」
フルフルメイルだのなんだのかんだのをボックスにほうりこみ、インナーだけになったカイルはキッチンに行くと
テーブルに置かれていた黄金芋酒をちびちびやり始める
「にゃんでもハンターになった息子さんが初討伐クエストに成功したとかで今日はお祝いらしいですにゃ」
「ああ、そういやランポス倒しに行くとか言ってたなぁ・・・」
「・・・今日はうちもお祝いですにゃ」
煮立ち始めたナベにフタをすると、コティはカイルの傍に来て気恥ずかしそうにぽつりとつぶやいた
「ん?なんかあったっけ?」
「もー!ごしゅじんしゃまったら!今日がなんの日だったか忘れたんですかにゃ!?今日は―」
「コティがうちに来た日、だろ?」
そう、ちょうど2年前の今日
ほんの小さな子アイルーだったコティを俺は雇ったのだ
1レスで収まってしまったwwww
今日はここまでです
短くてサーセンwwwwww
攻略系スレに妙な物が
854:名無しさん@お腹いっぱい。sage2007/09/12(水) 10:43:29 ID:qvr0v3Eh
>>852 Guild Night Saver
ギルドの夜の救援隊
855:名無しさん@お腹いっぱい。sage2007/09/12(水) 13:46:47 ID:L8JexvBF
最近旦那が構ってくれなくなったそこの貴女
夜のことなら我々GNSにご相談下さい
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貴女を虜にすること間違いなし!!
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>>150 テンポが良いなw
こういう作品は、けっこう好きだね。
つか、吹き飛んだ眠気を返して下さいw
>>153 一人称と三人称が少々混ざり気味ですねぃ。
舌足らずの給仕ネコ…一匹欲しいな。
かなり癒されるかもかも。
小話投下致します
エロ 中学生妄想並 長さ中 レウス(擬人化)×♀ハンター げりょ甘
あらすじ 思い出の龍に会うため、無理やり森丘へ出かけたルー
彼女に思いを寄せるヨークは心配でムラムラしている頃
再会したルーと龍はやっぱりイチャイチャしている話です
3投目となります
ご無理な方はスルー願います
forest1-3
「きゃー、ごめんなさーいぃ!」
ルーは慌てて茂みから飛び出し、そのまま段差の下へ落ちた
「いたたた・・・・」ハッ!
後ろから追いかけてきた大群を見つけ、慌てて起きあがるとトンネルのような
小道を走り出した
彼女を追いかける虫の大群は、拾い物にいそしんでいるアイルー達にも
針を向ける。
「ああ、ごめんなさい・・・」
とんだとばっちりを受けて ミギャっと声を上げるアイルーに心の中で素早くわびを
浮かべると、振り返りもせずにひたすらトンネルを駆け抜ける
チクっとむき出しの腹に疝痛がはしる
蜜蜂が巣を荒らされた報復の証を小さく残した
それでも走る足をゆるめる訳にはいかない
なぜならルーは今ほとんど防具を身につけていないのだ
セパレートのインナーの上下
そのインナーすらも中央で破れ、ツタの蔓で何とか結びつけてある
足だけは肉厚のたっぷりとしたプヨ皮に覆われているが
こんなかっこで蜂にかこまれたら・・・
自分のあられもない姿を思い浮かべ、ぞっとする
大枚叩いた装備を遠慮なく切り裂いた龍を恨めしく思った
チリチリチリ・・・背後で導火線の焼ける音
とばっちりを受けたアイルーが爆弾を抱え、ルーを追ってくる
げ、しかも大樽・・・!
爆風が頬を掠める
焦げ飛んでいくアイルーを目の端で確認した
同刻、目が覚め隣に小さなぬくもりがないことに気づいた龍は
ふぅっとため息を落とすとそのまま大空へと翼を広げた
軽やかに大空を滑りながら、眼光鋭く下に目を向ける
木々の隙間からにぎやかな爆発の光を見つけ
すぐさま下降すると、先頭を走る愛しきものを爪先に引っかけた
「!!!!」
飛んでる・・・
目を開けると眼下に焦げたアイルーとちりぢりにはじける蜂の惨状が映る
助けてくれた主はすぐにわかったものの
この状態は・・・・
片足を飛竜に引っ掛けられ、逆さ釣り
唯一無傷だった脚防具に、鋭い爪がぷっすりと穴を開けている
ああ、まだそんなに着てないのに・・・・ボロボロだよ・・
串刺しにされているお気に入りを眺めながら、そんなことが悠長に浮かんだ
しかしいくら弾力のあるプヨ皮で出来ているとはいえ、鋭い爪で貫かれれば
そうはもたない
真珠色の柔皮は次第に悲鳴をあげ、じりじりと穴を広げる
「うゎぁあぁん、ぴーちゃん!おろしてぇーー・・」
硬い鱗を持たない彼女の肌では龍の爪ではすぐに傷が付く
とっさに考え、唯一防具に覆われている足に鋭い爪を引っかけ、上空へと連れ出したのだ
このまま、日課のテリトリー回遊を付き合ってもらおうと思っていたが
これ以上泣かれては構わないので、奥の水場へそっと着地した
「うわぁ、ハチミツでべとべとー・・・」
がぶがぶと水を飲み、振り向きながら口に付いた水気を払うと
影はみるみる小さくなり、彼女と同じ姿をとった
「なにやってんだよ?一人で出歩くなよ、この辺結構あぶないぞ」
ちっヨークみたいなこと言っちゃって・・・
呆れたようにため息をつく龍を見ながら、背中の大剣の重みを感じ
真っ赤な顔で貸してくれた天敵を思い浮かべた
ルーの意識が他に向いていることに気づくと、龍は彼女から大剣を奪い取り
まじまじと見つめる
「あ、だめ、返して 借り物なの」
ドラゴンキラーか・・・
龍である彼にとってあまり歓迎したくないモノだ
しかし気になるのはそこではない
「男の匂いがする・・・・」
「へ?そりゃそうだよ、借り物だもん
ほら、ぴーちゃん、危ないから返して 一応龍なんだから」
さっきの仕返しのように、わざと諭すような口ぶりで手を差し出す
ルーはけらけらと笑い剣を受け取ると、茂みの奥を指差した
「ね、あっちのほうに滝があったよね?まだある?」
「ああ、てか、滝はなくなったりしねーよ」
そっけなく返すと
じゃ、ちょっとまっててねと言って歩き出した後姿に不敵な笑みを捧げた
ふっ甘いな・・・
少し時間を空けて追いかけると、案の定ルーはブーツを脱ぎ捨て滝に向かっていた
ハチミツを被ったせいで、不愉快に張り付くインナーをどうしようか迷っているようだったが
野外であることが気になったのか、結局脱がないまま、落ちてくる天然のシャワーへ向う
細かな水しぶきがひんやりと気持いい
茂る木々の隙間から差し込む細い光が手の中におぼろげな虹を映し出す
「綺麗だな・・」
不意にかけられた感嘆の声に慌てて振り向いた
「ちょっ、ぴーちゃん、待ってて言ったでしょ」
あわてたルーの言葉を受け流すと背後から首筋をぺろっと舐めた
「甘い・・・」
低いかすれた声と艶かしい感触に酔い、膝が震える
「・・っん、当たり前でしょ・・ハチミツかぶっちゃったんだから・・」
気丈に返す言葉にも、官能の色が隠し切れない
「んんっ・・ふぁ、いたっ」
甘い刺激の中に針を刺したような痛みが走る
蜂に刺され、小さく腫れたそこを龍の手がなぞったのだ
「虫にやられたのか、傷なんかつけんなよ、俺のなんだから・・」
「なっ・・・うぅ、ん」
傍若無人な物言いに言い返そうとしたが、うまく言葉が紡げない
刺された箇所の周りを静かに舌が這い回る
うっすら痛いが、じりじりとした動きに泣きたくなるような感覚が生まれる
インナーをかろうじて留めておいたツタの蔓はするりと抜かれ
小さな布地は左右に別れて滝の滴とともに流れる
霧雨の水気を含んだことで、ハチミツはとろりと薄くなり
肌をなぞる手をスムーズに手助けする
「はぁ・・あん、うぅん・・ふぁ・・
ぴー・・ちゃんは・龍でしょ?んぁっ・・なのに人の女の子がスキなの?・・」
絶えず体中をなぞる刺激に朦朧としながら、聞いてみるが
「んんんんっーーーーっ」
答えをもらえないまま、中心に訪れた刺激に思わず声を荒げる
日に焼けた長い指がルーを感覚を弄ぶ
体を流れ落ちるハチミツと次第に沸き出る欲情の滴を、複雑な動きで混ぜ合わせる
「じゃ、ルーは龍と人とどっちがスキなんだ・・?」
逆に聞かれてしまい、応えようにも、一向にやまない快感の風が
向けられた言葉をはらはらと舞い飛ばしてゆく
「いやぁ・・も・・だ・め・・ぇ・
なんっか、あつぃ・・・んんんっーーーーー」
上り詰めた彼女を確かめると意地悪そうな笑みを残し、わずかな距離を取る
「はぁっ・・・んん・・・」
「・・・なぁ、ルー、どうなんだ?」
自分の体に何が起こったのか、経験不足な彼女にはよく分からない
ただ、目の前の男が、この手が、体が、ひたすらに恋しい
不意に失われた男の体温が欲しい・・・だから健気に言葉を拾う
「はぁ・・よく分からないよ・・・
龍が・・好きなわけじゃないと思うけど・・・ふぅ・・
したいと思うのは・・ぴー・・だけだよ・・
ぴーちゃん、こそ・・ぁっあぁっ」
必死に息を整え言葉がこぼれ落ちるのを待たず、龍は己なりの答えを彼女にあてがい
じらすように押し付け、唇を貪る
オレだって、欲しいのはルーだけだ・・・
再度やってきた刺激に最後の理性が吹き飛ばされる
「もぅ、いれ・・てょ・・・」
恥も外聞もない望みが口を出る
男心の機微を知らない彼女は、自分がとても変なことを口走った気がしてならない
もうだめ、恥ずかしすぎる・・・!
一息分の沈黙さえ彼女を追い詰める
下を向いているルーのあごを持ち上げ目じりに溜まった涙で唇を潤した
彼女の片足を持ち上げためらいなく貫いた
「−−−−−−っん!」
------
「いてぇぇぇーーーーっ!!!」
森に響き渡った悲鳴に、木々で休息を取っていた鳥たちが一斉に引越しを余儀なくされた
「やっぱり痛いんじゃない!」
心配そうに見つめるルーの手には、火竜の鱗が握られている
しかも他の鱗とは違い、つやつやと透き通るような光沢に包まれている
「・・・うぐぐぐ・・・
だ・大丈夫だから、それ、なくさずに持ってろよ」
涙を浮かべながら何とか笑顔を浮かべる
発端は、昔ルーが渡したペンダントチャームの石を自らの耳に鎖のかけらで貫きぶら下げたことだ
「これなら元に戻ってもはずれねーから、なくす心配ないだろ?」
満足げに笑う男の耳元で、ゆらゆらと不思議な色合いをみせる
「それね、ユニオン鉱石って言うの
母さんの形見なんだ 死ぬときに私にくれたんだって
ちっちゃくて、全然覚えてないけどね・・
願い事がかなう石って言われてるんだよ?」
まぶしそうに見つめるルーに返したほうがいいのだろうかと少し迷う
でも自分にとっても唯一のものだ
かわりにルーに渡せるものを探した
そして本来の姿を太陽の下にさらすと、尻尾の先方を差した
その辺に、なんか色の違うヤツあんだろ?
それ、やるから、ひっこぬけ・・
ぐるりと目の前に回された迫力の尻尾を見ると確かに、一際目を引くものがある
「・・・でも、痛いんじゃない?」
いや、大丈夫と笑うので、鱗を握る手に力を込めた
じくじくと痛む尻尾をいたわるように、大きな顔の前に回しぺろぺろとなめている
その姿が無性にいとおしく
ルーは恐る恐る手を伸ばし、ピアスをする色気づいた龍の首にまわした
「大スキだよ!」
龍は当たり前だとでも言いたげに、のどをぐるると鳴らす
硬い鱗で覆われた頭部の、頬と思われる所に小さく口付けをあげた
------fin-----
以上です
エロはこれで限界です・・;;
難しいです
現在、村へ帰った後の本編を作成中です
前回頂いたレスでラストを決めましたw
感想をいただけたら、うれしいんです
テラ甘wwwwwwwwwwwwwwwwヨークの恋心死亡確認wwwwwwwwwwwwwwwwww
いや別に学生の頃に想い焦がれていたヒトに「好きでした!」と告白したら
「あはは、面白い冗談だねw」って満面の笑みで言われて「だ、だよね?ウケた?」とか抜かして
そのまんま卒業を迎えた悲しき過去なんて気にしてないんだからねっ
めっちゃ気にしてるゥゥゥゥ!(ガビーン!)
まぁ、まだいい方だ。学生時代、好きな人が俺の友人の
学年一のイケメンと付き合いだして、あまつさえそいつは俺の事を
対等扱い(彼女がどっち好きになっても恨みっこなし等)
してくれたにも関わらず結局何も言い出せず(好きなのバレバレ
だったけど)卒業した俺と比べればな!
……………さぁて久しぶりにヴォルカニックロック担いでアカム狩りじゃぁぁぁぁぁぁ!
>>162 GJ
甘い。つか青春の香りすら漂ってきそうだwww
鱗は鱗でも実は逆鱗じゃねえの?と思った俺は末期のMH中毒か
俺もそう思った>逆鱗
なんでMHて逆鱗尻尾にあるんだろ。
167 :
>153:2007/09/14(金) 01:32:57 ID:aXHXStr0
>156
亀ですが、あざっす
最初一人称にしててあとから三人称に変えたんで混ざってるのは直し忘れです
次からは気をつけます
>>166 神経が表面に露出して変形したものだから、だそうだ
大型の恐竜(ウルトラザウルス等)は腰に第二の脳と言える神経瘤があったそうだし、尻尾の方に感覚器官があるのは不思議では無いね
アンジェラっていいな
>>168 逆鱗は一般の竜はのどとか首と言い伝えられてるから今まで疑問だった。尻尾に感覚神経か…不思議だぜ?でももしかして性感帯なのか?
>>170 き、貴様ッ! 尻尾が性感帯だと? また新たなエロ妄想をしてしまうではないかっ!
尻尾の先端って膨らんでるよね
つまりあそこに子供が入ってて
子竜の逆鱗を剥いでるんじゃないかと
>神経が表面に露出して変形したものだから、だそうだ
リオの尻尾の刺は猫の爪みたいに伸縮自在で(攻略本などのイラストは
しまっている状態。あれが瞬間的に三〜四割増しで伸びる)、サマーソルト、空中蹴りなどの攻撃の際に逆鱗が
標的の体温を感知するとブワッと飛び出す仕組みになってるんだな
だから回避した筈なのに当たり判定&毒状態……
とか考えた俺はここよりもぶちまけスレこそが相応しいヘタレorz
その理屈で行っても、しっぽ切断後のサマソで毒をくらう不条理は説明できないから
諦めた方がいいと思うんだ
逆鱗だけに逆に考えるんだ
尻尾内に残っていた毒素を必死で擦り付けてるんだと
なんかイヤダ
>>174 毒の有無は尻尾にゃ関係ないからなあ。
雌火竜の棘の説明みりゃ分かるが、背中の棘から分泌されたのを尻尾周辺に流してるだけなら、あんな先っぽ切断したって意味がない。
つまり結論としては
レイアたんは背中から尻尾までアレな分泌液でそりゃもうぐちょぐちょヌレヌレなのよって事でよろしいか
それならゲリョスたんは…
……嘔吐癖があり、薬の力で疲れを知らず、時折フラッシュバックに襲われる少女……?
180 :
4スレ778:2007/09/15(土) 00:06:59 ID:Lx1eMFls
前回の投下から時間が経ち過ぎて、ストーリーどころかSSの存在そのものを
忘れられているかもしれないが、猛暑の季節が過ぎ、だんだん過ごしやすくなってき
て
ようやくその続きが上がった。
というワケで今回分を投下。以下、10レス前後頂く。
光と共に炎が奔って周囲の空気を焦がす臭いがし、生きたまま焼き殺されるの
だと悟った。すぐにも訪れる死……それを待つ間、せめて苦痛が長く続かないで
ほしいと祈りつつ、震えながらかたく目を閉じる。
戦術の失敗を悔いてはいた……だが惹かれた……いや、惚れた女を守ろうとし
て戦った結果だ。他人が聞いたらバカバカしいと嘲笑うかもしれないが、己の選
んだ道が間違っていたとは思わなかった。彼女を最後まで守ってやれなかったの
が残念ではあるが、全く後悔はしていなかった。
しかし……待ち受けていた破滅の瞬間は……いつまでもやってこない……?
火竜の吐き出す火の玉――鋼鉄の鎧を赤熱化させるほど高温の一抱えはある炎
の塊――が目標に命中したのであろう、鈍い破裂音が密林の木々の間に轟いた。
恐怖によってかたく閉ざされた目蓋の裏側からでも判る、強烈な閃光と爆発音
は3回たて続けに炸裂し、その度に苦悶の呻きが上がった……オレではない他の
何者かの呻きが。
オレは今さらながらにその意味に思い至り、視界の定まらぬ目を見開く。
今のは……リオレイア種特有の3連ブレス……!?
雄火竜がオレに炎の息吹を浴びせるより早く、彼女は火の玉を放っていた……
だからオレはまだ生きていられるのだ。彼女が……彼女がオレの命を救ってくれ
たのだ……。
『羽ナシ、立て!』
「……ぉッ、おう……!」
彼女の声音が萎えかけた足腰に力を与えてくれる。しかしムリヤリ立ち上がっ
たものの、途端に立ちくらみがして地に立てた剣にしがみつく。周囲のモノを確
認することもままならない内に、剣を地に突きながらその場を離れる。雄火竜の
体当たりを防ごうとした際に踏ん張った足を挫いたらしく、鈍い痛みが全身を貫
いたが、まずは雄火竜の正面から逃げるのが先決だった。
数歩足を踏み出したところでようやく意識と視界とがハッキリしてくる。
『……ぅぐ……な、なぜ、オレを焼く……? なぜ……オレに火を吐く!?』
雄火竜は白い石畳の上でうつ伏せになり、苦し気に喘いでいた。火の玉が直撃
したらしい後頭部と首筋、背中の甲殻はヒビ割れて黒いススに汚れ、深紅のウロ
コが吹っ飛ばされて剥げ落ちている。そこから細い煙りが立ちのぼり、周囲には
「飛竜」の血肉が焦げるイヤな臭いが立ちこめていた。
『なぜ羽ナシを狙わない? なぜ羽ナシを喰わない……!?』
我が身に降りかかったこと、今起きたことが信じられないといった口調で彼女
に問う雄火竜と、それに応える彼女の言葉に耳を傾けながら息を整える。
『オマエ、キライ! オマエ、敵! 私、狩り場、出て行け!』
『オレ、敵違う! 火を吐く、間違い! 敵、羽ナシ!』
再び戦闘形態をとってウロコに覆われている彼女の首筋には、青緑色の滓――
乾いた特製回復薬の名残り――がこびりつき、すでに傷口は見当たらない。オレ
の言ったことをちゃんと理解してくれたのだと判り(そして薬が「飛竜」種にも
効果があると判り)、ややホッとしてようやく次の行動に移る余裕が生まれた。
『羽ナシ、敵違う! 獲物違う! 敵、オマエ! 出て行く、オマエ!』
『羽ナシ敵! 獲物! 殺す、喰う正しい! オレ敵、間違い! 火を吐く、
良くない! オマエの考え、正しくない! オマエ、間違ってる……!』
「飛竜」同士だから戦うのは当然だとしても、意外なことにそうした行動の中
でも禁忌とされる事柄があるらしい。「飛竜」が己の持つ武器を使うのは、あく
まで外敵に対してか獲物を逃しそうになった時に限られるようだ。何でそんな決
まりごとがあるのか、また誰が決めたことなのかは皆目見当もつかないが、どう
やらそいういうことらしいのだ。
もしかすると、本当に全力で殺し合いをしたら自らの種が滅びかねないという
ことを、彼らは本能的に知っているのかもしれない……。
雄火竜はひどく狼狽していた。本来なら獲物か外敵でしかない人間に味方し、
同種族の自分を攻撃する彼女の行動は「飛竜」としては異端中の異端なのだろう
から無理もない。
『羽ナシ、欲しい! でも、獲物違う! オマエ、いらない! 出て行け!』
『ま、間違いだ! 正しくない! メス、メス、オマエ、それはダメだ!
羽ナシ、獲物! 敵! オマエ、喰う! オレ、まぐわる、正しい!』
雄火竜の混乱の理由はよく判る。オレだって昨日までなら「飛竜」と人間が戦
うこともなく抱き合ってるのを見たら我が目を疑っただろうし、挙げ句その人間
が「私の恋人は「飛竜」であり、人間こそ敵である」などと言い出すのを聞いた
としたら、自分の耳と相手の正気を疑ったことは間違いないのだ。
雄火竜が直面しているのは、そういった本来ならあり得ない事態ではあったが、
そのためなのか、ここにきて雄火竜は彼女に「飛竜」独自のモラルを語って聞か
せている。強大な力で勝手気ままに暴れ回る雄火竜にも、彼らなりのタブーやル
ールがあるのだと知ってオレは何だか可笑しくなった。
『うるさい! 羽ナシ、スキ! オマエ、キライ! オマエ、邪魔!』
オレは思わず口元に笑みを浮かべてしまったが、彼女が(人間同士だったら)
とどめとなる台詞を言い放つと雄火竜は……信じられないことに、辺りにはばか
ることなく、滂沱の涙を垂れ流しつつ大声で泣き出したのだ。
『……うっ……うおぉぉぉぉぉぉッ……おおおぉぉぉぉ〜〜〜ッ……!』
こう言うと身も蓋もない言い方になるが、恐ろしく不気味な光景だった。
「飛竜」も泣くのか、という驚きで一瞬固まったオレだが、オレ以上に驚いて
いるのは彼女の方だった。隙だらけの雄火竜に攻撃をするにはまたとない好機だ
ったが、彼女は相対していた者の突然の号泣にギョッとした表情で後ずさり、不
振なモノを見る目つきで雄火竜を遠巻きに観察していた。やはり「飛竜」が心理
的要因から泣くのは珍しいことのようだ……。
オレはといえば、失恋の(?)傷心のむせぶ雄火竜に対して同情にも似た思い
が沸き上がってきたが、心を鬼にしてただちに攻撃に移ることにした。雄火竜が
負った火傷による損傷は人間なら致命傷だったが、火竜は火への耐性が強い上に、
元々どんな「飛竜」もこの程度で死にはしない。こうしている内にも爆発の衝撃
で爆ぜた背中の肉の傷口が塞がり、血が止まってしまったのが判る。少々卑怯な
気もするが、ダメージを与えるなら今をおいて他にない。
地に両膝をついて泣き喚いている雄火竜の背後から近付き、愛剣タクティクス
を肩に担ぐようにしながら深く息を吸う。
「……フウゥゥゥゥ〜ッ……!」
吸って吐いてを数回繰り替えし、つま先から足首、足首から膝を通って足の付
け根、股関節から腰、腰から腹、胸を通って肩、肩から肘、そして手首、手首か
ら指先へ……全ての関節を柔らかくリラックスさせ、筋肉には力を行き渡らせ、
血の巡りを良くすることを意識する……。
初めて大剣を手にした時、師事してくれていた老ハンターから教わった呼吸法、
隙は大きいが一撃に必殺の威力を込めることができる特殊な息吹きだった。
戦鎚、ハンマーに比べて重量バランスの悪い大剣では、この呼吸法を維持しな
がら移動することはままならないが、この技を使いこなせるか否かで大剣使いと
しての力量に大きな差が生まれる。業物による狙い澄ました一撃は、「飛竜」の
硬い甲殻すら断ち斬る威力を発揮するのだ。
「……フッッ!!」
気合い一閃、両足を踏ん張りながら身体を丸めるように上半身を下半身に引き
付け、肩から腕へ力を連動させ、鋼爪剣を振り降ろす。
重々しい音がして、金属製の刀身に獣の牙の如く並んでいる火竜の爪が、同種
の甲殻を容易く突き破り深々と抉った。
『グァッ……!!』
悲鳴が上がり、雄火竜の巨躯が跳ね上がった。オレの一撃は火竜の尾の半ば辺
りに命中し、肉を裂いて骨に大きな穴を穿ったのだ。
だが狙いは外れていた。本当は頭部と首筋、背中の傷口を狙ったのだが、オレ
の接近に気付いた雄火竜が立ち上がったために切っ先が逸れてしまったのだ。
「くそッ……!」
こうなったら尾を完全に切断してしまい、先の展開を少しでも有利にするしか
ない。雄火竜が激痛でひるんでいる間に、がむしゃらに剣を叩きつけた。3度、
4度と剣が振り降ろされ、ついに骨と腱が断ち切られた。
『……ッッギャアァァァァッ……!!』
剣の切っ先が敷石を叩いて尾の先端が宙に舞うのと同時に、先よりも凄まじい
悲鳴を上げながら雄火竜が前方に突っ伏す。しかし苦痛に喘いでいたのは一瞬で、
すぐに憎悪の視線をオレに注ぎながら体勢を立て直す。
オレはすぐさま追い討ちにかかろうとしたが、赤いウロコに覆われた目元に涙
の跡――おそらくは尾の痛みではなく、心の痛みがもたらした涙――が見られた
ためか、思わず怯んで剣を振るう手が鈍った。腰が入らず勢いの殺された攻撃な
ど「飛竜」には何の効果もない。剣の先端にあるカギ状の部分が顔面に命中した
ものの、鈍い音ともにあっさりと弾き返された。
いかに人間そっくりであっても「飛竜」は人間とは違う生き物なのだ。それは
これまでの経験で十分に判っているのだが……涙一つで非情さを失うなんてオレ
もまだまだ甘いようだ。
しかし、彼女は容赦なく雄火竜に襲いかかった。全身の体重を乗せた頭突きが
胸に命中し、先の復讐をせんと彼女の鋭い牙がひらめく。よろめいた雄火竜の首
筋を狙って牙が噛み合わされたが、これはかわされた。
尾を切断されたばかりで身体のバランスを取り辛そうにしている雄火竜の目の
前で、彼女が身を沈めるように身構える。リオレイア種が得意とする攻撃、後方
宙返りをしつつ、その勢いを全て尾に乗せて叩き付ける一撃を狙っているのだ。
『……待て! それ、間違い! オレ、打つ、よくない……!』
彼女の狙いに気付いた雄火竜が叫んだが、次の瞬間、地を蹴った彼女の身体は
宙でとんぼ返りし、伸ばされた尾が雄火竜の胸板を強く打ち据えた。
本来なら猛毒のトゲが相手のウロコを切り裂き、咽元に深い裂傷を与えること
もできたのだろうが、彼女は日中にオレとの戦いで尾の先端を失っていたために
その一撃は致命打にはならなかった。彼女は着地し損ねて尻餅をつき、雄火竜は
衝撃でよろめき片膝をついたが、すぐに立ち上がって翼を広げた。
オレは彼女の加勢に入ろうとしたが、すでに雄火竜は逃げ出そうとしていた。
力強い羽ばたきによって砂ぼこりと木の葉が乱舞し、オレは風圧で押し倒されそ
うになる。
「……くッ……!」
目に砂の粒が入り込んで痛んだが、ほとんど反射的に背負い袋に手を突っ込み、
中身を探ってそれを投げつけていた。長年の経験がなせる技か狙い違わずペイン
トボールは命中し、粘性で刺激臭のある液体が雄火竜の胸のウロコの表面に弾け
てへばり着く。
彼女は飛びついて雄火竜を引きずり落とそうと試みたが、カギ爪のあるつま先
で蹴飛ばされそうになって断念した。
雄火竜は樹上よりさらに高く舞い上がり、猛烈な速度で夜空を横切って何処か
に飛び去って行った。
「……逃げたか……いや、どっちかっつーと逃げてくれた、というべきか……」
オレは小さく呟き、安堵の吐息をついてその場に座り込んだ。何とも危うい綱
渡りだったが、この場は生き延びることができたのだ。
しかし彼女は、雄火竜が逃げた方角を睨みながら悔しそうに言った。
『仕留める、ダメだった……アイツ、また来る……』
空気中のにおいを嗅ぐと、ペイントボールの鼻にツンとくる刺激臭は急速に離
れていくのが感じられた。雄火竜は受けた傷を癒す非難場所を求め、一目散に逃
げているようだった。彼女が言う通り雄火竜がココに戻ってくるにしても、少し
は間があるだろうと思われた。
『……羽ナシ、それ、クサイ、きたない……キライ!』
変身を解いた彼女が、鼻の頭にシワをよせて批判的に言う。ペイントボールは
シビレ生肉と同様に彼女と戦った時も利用したのだが、その時から彼女はこれを
嫌っていたようだ。オレは笑いながらあやまり(「飛竜」には謝罪という概念が
無いようなので人間の言葉でである。意味が通じたのかは大いに怪しい)、改め
て現在の状況を頭の中で確認しはじめた。
雄火竜は同種の雌、つまり彼女を求めてやって来た。雄火竜にとってオレは交
尾の際に供される生け贄にすぎなかったが、彼女はそれを受け入れなかった。頑
として雄火竜を拒否し、欲しいのはオレであるとハッキリ口にした。本来なら異
種にして獲物でしかないはずのオレを守り、同種と戦ってのけたのである。
この時点で雄火竜にとってオレは無力なエサではなく、目の前から女をかっさ
らおうとしている憎むべき敵となったワケだ。おまけに尻尾まで叩き落としてや
ったのだから、オレに対する怒りは尋常なものではないだろう。今さら頭を下げ
ても許してくれるとは思えなかった。
かと言って狩猟用の小道具類も揃っておらず、オレも彼女も負傷して本調子で
はないこの状況では、正面から迎え撃つのも容易ではなかった。逃げられるのな
らそうしたいところだったが、相手が空を飛べるのでは簡単に見つかってしまう。
「飛竜」は鼻が効くので隠れても同じことだ。向こうがその気になれば、人間が
死ぬ気で走っても逃げ切れる望みはかなり薄い。オレは飛ぶことはできないし、
彼女がオレを運んだとしても追い付かれてしまうのは目に見えていた。
普通なら縄張りから出て行こうとする者に「飛竜」はそれほど執着を見せない
ものだが、今度ばかりはそれを期待することはできなさそうだった。
「……なぁ、アイツ、戻って来るとしてどのくら……っい!?」
顔を上げて彼女に問いかけようとした時、敷石に腰を降ろして座っていたオレ
の胸に、彼女が倒れかかるように飛び込んで来たので慌てて受け止めた。
『……羽ナシ……死んだ、思った……』
「え? あ、いや……あの時は危なかったよ、ありがとうな」
雄火竜のぶちかましを受けそこねて地べたに這わされた時、彼女が奴より早く
ブレスを放っていなかったら、オレは今頃こんがりキツネ色のあぶり肉になって
いたところだ。感謝してもしきれるものではない。
オレは彼女の頭にそっと手をやり、優しく撫でながら礼を言った。
『………………』
彼女はオレの胸板に頬を押し付けたまま、黙り込んでしまった。だがその沈黙
は怒りや不快さからくるものではなく、安心感からくるもののようだった。彼女
の胸の鼓動が自分のそれに重なり、オレは「飛竜」の鼓動も人間のそれとさほど
早さは変わらないものなのだな、などとぼんやり考えていた。夜半を過ぎ、川辺
の風がやや肌寒く感じられてきていたので、彼女の肌のぬくもりが心地よかった。
静けさと安らぎに満ちた時がゆっくりと流れていったが、いつまでもそうして
いるわけにもいかなかった。もちろん、雄火竜が舞い戻ってくるという脅迫感は
常につきまとっていたが、それよりもオレは、己の肉体がまたぞろ彼女の瑞々し
い肢体に反応してしまいそうなことを懸念していたのだ。
半ば気を紛らわせるために何か話題を持ち出そうとしたが、オレが口を開く前
に彼女はポツリと言った。
『……羽ナシ……逃げろ……』
彼女は身を起こし、オレの顔を至近から覗き込むようにして再び言った。
『羽ナシ、逃げろ。アイツ、オマエ、獲物、思ってる。私、戦う、アイツ、
オマエ、追わない』
正直いって驚いた。彼女はオレのことを好きだと言ってくれた。だからオレの
身を案じてくれてるのは判っていたし、それは純粋に嬉しかった。しかしまさか、
オレを逃すために自分だけ残るなどと言いだすとは思ってもいなかったのだ。
好きな相手を救いたいがために己の命をかける……人間と「飛竜」、いやオレ
と彼女との差は一体どこにあるのだろう。同じ価値観を持っているのだとしたら、
二つの種族は互いに歩み寄って共存することすらできるのではないだろうか。
これは彼女が特別なのか、それとも……。
「……オレ1人で逃げちまったら、オマエはどうするつもりなんだ?」
『ココ、私、狩り場。私、戦う、オマエ、逃げる、正しい』
「自分のモノだから自分で守るってのは立派な心がけだが……場合にもよるさ。
奴はオマエの手に負える相手じゃない。さっきだって……」
『私、負けてない! アイツ、逃げた! 私、勝ちだ!』
「運が良かっただけだ。オレたち二人ともボロボロになって、何とかようやく
追い返すことができたってだけじゃないか。何にしても1人じゃ無理だ。
オレも一緒に……いや、オマエこそ今から飛べば逃げられるぞ?」
彼女が雄火竜が逃げたのと反対方向に飛んで行けば、そのうち雄火竜がオレの
頭上を通って追いかけようとするのが見えることだろう。奴はオレを見つけて攻
撃してくるかもしれないし、気付かないまま通り過ぎようとするかもしれない。
あるいは無視する可能性もある。
だがこちらには閃光玉と角笛があった。閃光玉が放つ光は見逃しようがないし、
角笛の音色は「飛竜」たちを始めとする肉食獣たちの狩猟本能を刺激し、気を引
かずにはおかないのである。
「そうだ、それがいい。オマエが逃げ切れるまで奴を引き止められれば……」
乙女を守るために悪漢の前に立ちふさがる義勇の士、なかなか悪くない配役だ。
少しばかり自分に酔っている気がしないでもないし、第三者から見たら儚くも美
しい恋物語の主人公などではなく、雌火竜の色香にたぶらかされた愚か者の最期、
というような喜劇の道化役でしかないのかもしれないが……。
オレはこの時、すでに心を決めていた。どれだけ勝ち目が薄かろうと、彼女を
逃すことを最優先に考えるのだ。我ながら報われない騎士道精神だとは思うが、
二人そろって確実に助かる方法がない以上、せめて好きな女には無事であってほ
しかったのだ。
それに雄火竜とは戦うのは今回が初めてではなく、過去に幾度も勝利している。
雄火竜の甲殻で強化してあるオレの防具がその証拠だった。ようは時間かせぎ、
雄火竜をムリに倒す必要はない。道具がそろわずとも、鎧を着込めば何とかなる
かもしれない。
問題があるとすれば……「飛竜」の中でも火竜たちは特に飛ぶのが得意で、そ
の行動範囲が非常に広大であることだ。彼女が奴から逃げきるには遥か遠く……
荒野の彼方にまで行かねばならないだろう。人間の身であるオレの足では、到達
することすら難しい辺境にまで彼女は行かねばならない。もしココで別れれば、
これが今生の別れになるかもしれない、ということだった。
本当に名残り惜しくもあったし、寂しくもあったが……迷いを断ち斬るために
オレはキッパリと言った。
「ココで別れよう。オマエは逃げて……新たな縄張りを、狩り場を探すんだ」
彼女の本当の意味での幸せを考えたら……2人はココで袂を分かつ方が良い。
同種の雄を拒否し、異種であるオレを選んでくれるほどの好意は本当に嬉しい。
だが……数々の誤解から生じた二人の関係は所詮は錯覚に過ぎない。この先2人
が無事に生き延びて結ばれることがあったとしても、それは一時的な肉欲を満た
すだけの邪道な行為。人間相手に彼女が子を成すことはできないのだから。
「……さ、もう行けよ? 早く出発したほうがいい」
いずれ彼女はどこか知らない新たな土地に辿り着き、そこで新たな雄火竜と出
会ってつがいとなることだろう。もしかすると、そう遠くない未来にハンターた
ちと戦う日もくるかもしれない。そんな時、彼女は今日という日を、オレとの出
会い、変わり者の羽ナシのことをほんの少しは思い出してくれるだろうか……。
やや感傷的な気分になっていたオレだったが、これが正しい選択だと思ってい
たし、本来あるべき道なのだと考え、己に言い聞かせていた。心の奥に無視する
には辛すぎる痛みがあったが、オレは人間らしく感情より理論で自身を納得させ
ようとしていたのだった。
『……違う!! それ、ダメ!! 間違い!!』
だから彼女が再びオレの胸に飛び込んできて声の限りに叫んだ時、涙ながらに
何かを訴えようとしているのを目にした時には心底驚き……言葉を失った。
『私、逃げる、オマエ、逃げない、死ぬ、ダメ、間違い! イヤ……!』
「……え……」
『私……ヘンだ……オマエ、会ってから……ヘンだ……羽ナシ、温かい……
離れる、冷たい……胸、痛い……離れる、イヤ……!』
「お……オマエ……」
彼女は必死だった。眉根をよせて懸命に言葉を探しているようだった。心の内
を表現するための言葉が「飛竜」のそれには無く、それをもどかしく思い、苦し
んでいることが痛いほどに伝わってくる。
『羽ナシ、一緒、イイ……離れる、冷たい、寒い。羽ナシ、死ぬ、イヤ……
胸、痛い……私、オマエ、一緒、イイ、ずっと……ずっと……!!』
熱い何かがこみ上げ、オレは彼女を抱きしめていた。
オレは柄にもなく感動してしまい、気の効いた台詞を紡ぎ出すどころか、まと
もな言葉すら発することができなくなっていた。ただただ力強く、彼女を抱き締
めることしかできないでいた。
彼女がオレと同じ想いを抱いていたことの喜びが、大きな力となって胸の奥に
響き……涙となって両の目からこぼれた。
『……羽ナシ……羽ナシ……!』
「あぁ……あぁ! 一緒にいよう、ずっと……!」
オレたち二人は同じように互いの背中に手を回し、しっかり抱き合っていた。
本当の意味において、彼女を自分とは違う生き物、違う種であるというオレの
意識や感覚が変わったのは、おそらくこの瞬間からだったんじゃないかと思う。
ココに行き着くまでの間、オレが感じていた葛藤や戸惑いは、彼女の涙によって
きれいに洗い流されてしまったようだった。
彼女のことが好きなのだと、惚れたのだと認めるのには初めこそ抵抗があった
ものの、今ではその事実をすんなり受け入れられるようになっていた。感情や肉
体がとっくに認めていた事実を、ようやくにして理性も受け入れることができた、
そんな感じだろうか。
だから……彼女にキスしたいと思ったのも自然の成りゆきというか……きわめ
て妥当で、あたりまえの行為に思えた。
オレは彼女の両肩をそっと掴んでわずかに身を引いた。彼女がもの問いた気な
表情でオレを見上げてきたので、それに応えるように彼女の頬を両掌でそっと包
んだ。
『……羽ナシ……?』
彼女の指がそっとオレのそれに触れた時、オレは身をかがめて……わずかに開
かれた彼女の桜色の唇にそっと口づけをした。
本当は情熱を込めた熱い口付けを交わしたかったのだが、はやる心を押し殺し、
唇の先端が触れるだけの優し気なキスにとどめた。唇を近付けた際、彼女の身体
が激しい緊張で強張るのを感じたからだ。初心な少女が初めて異性と接触する際
に感じる戸惑いや抵抗、などといったものではない。「飛竜」には接吻などとい
う習慣は存在しないから、彼女はオレに噛みつかれると思ったに違いなかった。
彼女の目は大きく見開かれ、その視線はいくばくかの恐怖と警戒の入り交じっ
たものとなっていたが、オレが唇といわず頬や額、鼻筋や目蓋の上にそっとキス
の雨を降らせてやると、緊張は驚きから戸惑いへと移り変わっていった。
『……コレ、何……?』
「ん……キスだよ……こうして唇で相手に触れて……好きだ、って思いを伝える
オレたち人間の……羽ナシたちの習慣なんだ」
言いながら何度もキスをし、唇を押しつけている時間を少しずつ長くしていく。
そして人間の口づけが痛みや不快感をもたらすものではないと判った途端、彼
女の方からも積極的にキスを求めてきた。オレが頬に唇を押し付ければ彼女も同
じように返してきたし、ふっくらした唇にそっと触れるようなキスを何度かして
やると、そっくりまねるようにして応えてくれた。
何やらくすぐったくなるような、クスクスと笑いたくなるようなやりとりでは
あったが、彼女の目は真剣そのものだった。どうやら彼女は、キスという習慣に
ついてのオレの説明を文字通りに受け取ったらしく、オレに対する好意をきちん
と表現しようとがんばっている、といった感じだった。
女にそんないじらしい様子を見せられ嬉しくないわけがない。オレは彼女にも
喜びを伝えたくて、少しずつ導くように口づけを大胆なものにしていった……。
『……ン……』
石畳に尻をつけたままの状態で彼女の身体を抱き寄せると、彼女は従順といっ
てもよいほど素直に、あぐらをかいたオレの足の上に座った。左腕で肩を抱き、
右手を彼女の頭に添え、ふっくら肉感的な彼女の唇を奪う。柔らかで瑞々しい唇
を吸い上げてやると、彼女は咽奥で満足気に小さく呻いた。
キスの間、彼女は目を閉じず、瞬きする以外はぼんやりとオレの顔を見つめて
いた。オレがややためらいがちに舌を伸ばし彼女の唇を割って口腔内に侵入させ
ていくと、彼女は一瞬だけ驚いたように目を見開いたが、すぐに自分も舌を伸ば
しオレのそれに絡みつけてきた。
『……ンム……ンンッ……』
オレは興奮し、激しく貪るように彼女の舌をしゃぶり、舐めまわし、その甘い
唾液をすすった(「飛竜」は悪食で口臭もすごいのでは? などと思っていたが
全くの思い過ごしで、むしろ日ごろ不摂生な生活を続けているオレの方こそ、気
にするべきであったかもしれない)。彼女もオレの行為をなぞるかのようにそれ
に応え、絡みあう舌先が別の生き物のようにうごめく。舌の先端から腹の部分す
べてを駆使して互いの唇の表裏、歯の表裏までさすり合う。
時折、呼吸のために唇をわずかに離す間はあったものの、オレたち二人は他の
行為を忘れたかのようにキスに没頭し、情熱的に唇を奪い合っていた。
気がつくとオレは彼女の背に手を回し、程よく引き締まったその肢体を自分の
胸に押し付けるように抱きかかえていた。彼女の方からも抱き着いてくるように
腕をオレの背や首に絡めてきていたので、二人の身体はぴったりと密着していた。
彼女のツンと上を向いていた形の良い胸が、オレの胸板の上でひしゃげて柔ら
かな弾力をもって押し返してくる。その感触だけで男をいきり立たせるには十分
な威力があったが、オレの唇を吸い舌を絡めあうことに夢中になっている彼女は、
もっともっと密着してほしいとねだるかのように身体を擦り寄せ、強く抱きつい
て肌を押しつけてくる。
おかげで手や指先で確かめなくとも、川の水にしっとり濡れている彼女の柔肌
の感触を全身でタップリと感じさせられてしまった。全裸で抱き合いながらとは
いえ、キスだけでオレの息子は痛いほどに固くそそり立ち、ビクビクと脈打って
今にもはちきれんばかりだった。
「……んん……むっ……ぷはっ……はぁ、はぁ……」
オレは一旦、落ち着こうと唇を離した。息継ぎのためだったが、そうしないと
興奮しすぎてキスだけで独り達してしまいそうに思えたからでもある。
彼女との初めてのキスはあまりにも生々しくて、単なる口づけという行為では
なく性行為そのもの、あるいはその延長として感じられた。しかし、やはり男は
射精しないかぎり真の満足感は得られないものだし、彼女を悦ばせる前に独りで
イッてしまうというのも何だか情けない。しかるべき過程を得て、ちゃんと彼女
も満足させてやりたいと思っていた。
そんなわけで彼女の口元を解放してやったが、二人の唇の間に透明な糸をひく
ように唾液の橋がかかり、銀色の月光の下でそれがまた妙に扇情的に見えた。
二人で荒い息をつきながらしばらく無言で見つめ合っていたが、やがて彼女が
小さく呟いた。
『……羽ナシ……これ……イイ……スキ……』
オレはそれには答えず、腕の中から見上げてくる彼女の髪を梳くようにそっと
頭を撫でてやった。改めてよく見ると彼女は本当に美しかった。興奮に喘ぎなが
らオレの顔を見上げてくる彼女は、まさに人間の娘そのものだ。
変身前の「飛竜」が人間と瓜二つの姿をしているとはいっても、オレが目にし
たことのある「飛竜」たちは、その身体のそこかしこに人間らしからぬ特徴――
尻尾もあれば角や牙、コウモリのような羽の皮膜を持つ両腕など――を必ず備え
ていた。だから今オレの腕の中にいる彼女のように、警戒心、戦闘形態への変身
を完全に解いてしまっている「飛竜」が、こうまで人間そっくりだということを
オレは知ることがなかった。そんなことは考えたこともなかった。
「……綺麗だ……」
自分でもらしくないと思う台詞が自然とこぼれ、彼女の顔から首筋、胸へと視
線を向ける。先に受けた傷は跡形もなく消え去り、シミ1つないきめ細やかな肌
にはウロコもトゲも生えてはいない。滑らかで温かい柔肌は人間の乙女のそれで
あり、荒い呼吸に合わせて胸が上下するたびに、完璧な曲線を描く美しい双丘が
プルプルと震えていた。
思わず手を伸ばしたくなる光景から目が離せなくなってしまったオレは、気が
つくと鼻息も荒く両乳房の谷間に顔を近付けていき……彼女の肌から立ちのぼる
女の体臭に頭が芯まで痺れ、陶然となった。
視覚ばかりか嗅覚にまで強烈な刺激を与えられ、次は触覚、聴覚、そして味覚
……五感すべてで彼女のことを知りたくなった。彼女の秘密を何もかも暴き立て、
欲望のおもむくままに奪い、犯し、味わいつくし、オレという存在の全てを彼女
の内に注ぎ込み、染めあげてやりたくてたまらなくなった。
「……キス、気にいったんだよな? もっといっぱい……気持ちよくしてやる」
先程までの禁欲的な姿勢、ストイックさはどこへやら。彼女の魅力に完全に参
ってしまったオレの肉欲は、すでに抑えきれない所まで高まっていたのだった。
『羽ナシ……私、胸、苦しい……」
彼女がオレの目を見つめながら、切な気な表情で訴えかけてくる。身の内に燃
える性的な興奮のためだろう、抱きしめた彼女の身体から伝わってくる胸の鼓動
は早く、たえずドキドキと打ちつづけている。
オレは再び腕に力をこめて彼女の腰を引き寄せ、身体を密着させた。濡れ光っ
て半開きで喘いでいる彼女の唇に深々と口づけし、今度は最初から舌をからめ合
い、互いの唾液を吸い合うように濃厚なキスを堪能する。
『……羽ナシ……ンンッ……』
鼻孔だけの呼吸で苦しくなってくると唇を離すが、大きく息を吸うとすぐにま
た唇を奪い合う。
『……んんッ……ぷはッ……ハァ、ハァ……羽ナシ……もっと……』
川の流れが起こす低いせせらぎが常に背景にあったはずだが、荒く熱い吐息と
濡れた粘膜同士がからみ合って吸着する時の小さく淫らな音、重なり合う二人の
激しい心音だけしか耳に入ってこなかった。彼女以外の全ての存在がオレを取り
巻く世界から隔絶されてしまっているかのようで、その奇妙な孤独感がさらに彼
女を求めさせる。
そしていつしか、オレの舌はナメクジのように彼女の首筋の上を這い、背中と
腰に回されていた両掌は胸のふくらみとムッチリした太股をまさぐっていた。
首筋から鎖骨を通り胸の谷間まで這わせていた舌先を、不意に薄桃色の乳首に
からめつけた。唾液を塗りたくるように、ザラつく舌の腹を擦りつけるようにし
て舐めあげてやった途端、腕の中で彼女の身体がビクリと跳ねた。
「……んん……ッきゃんッ!? ぁああッ……!」
彼女の口から上がった声は半ば悲鳴にも似ていた。だがそれは「飛竜」の言語
としての声ではなく人間の女が咽から漏らす喘ぎ、よがり声と寸分違わぬ嬌声そ
のものだったので、彼女に劣らぬぐらいオレの方も驚いた。しかしこれは嬉しい
誤算であった。
「……あ、あんまり可愛い声を出してくれるなよ……あんまり刺激されると……
興奮しすぎて我慢できなくなっちまう……」
息を整えながらそうは言ったオレだが、彼女の愛らしくも色っぽい声、ややハ
スキーで艶めいた声をもっと聞かせてほしかった。
もっともっと悦ばせて……淫らな歌声を上げさせたい……。
抱いた女を自らの手で思うがままによがらせたい、惚れた女が自分の腕の中で
悦びにむせび啼く様が見たいという、男なら誰もが持つであろう願望がムクムク
と首をもたげ、オレの心を支配し始めていた。
そうしてオレがじっと見下ろしていた間、図らずして焦らされている状態にな
ったせいなのか、彼女は身体の奥にうずきを覚えているかのようにモジモジと裸
身をくねらせながら、中断された愛撫のつづきを懇願してきた。
『……ハァ……ハァ……やめないで……もっと……気持ちイイ、ほしい……』
熱く潤んだ瞳で見つめてくる美女に、そんな風におねだりされてはたまらない。
オレは思わず生唾を飲み込み、彼女の腰に回した腕に力をこめて抱き寄せた。
そして彼女と唇を重ねながら背筋にそって優しく指先を這わせる一方、もう片方
の手はくびれた腰から肉付きのよい尻の方へと撫でおろし……豊かで柔らかな尻
たぶの肉をわし掴みにした。
「……んんぅッ……!」
口付けを交わしたままの状態でしなやかな肢体を弓なりに反らせ、彼女は歓喜
に呻いた。
ムッチリした彼女の丸い尻は温かで柔らかく、かぎ爪のように曲げたオレの指
先が難なく肉に埋没してしまう。瑞々しい肌は掌に吸い付いてくるかのようで、
その弾力とあいまって何とも素晴らしい触り心地だった。
その感触をさらに楽しもうと尻の割れ目に指を這わせ、少し強めに力をいれて
揉みしだくと、彼女は呻きながら身体を震わせ、大きく背を仰け反らせた。
「んんぅッ……ンはぁッ! ……はぁッ……ハァ……ハァ…………」
唇が離れ糸をひく。二人の口唇とそのまわりは互いの唾液でベトベトになって
いた。彼女は新鮮な空気を求めて喘いでいたが、オレは構わずに彼女の胸に顔を
寄せ、これまでの行為でツンと可愛らしく起き上がっていた双乳の先端を交互に
口に含んで吸い立てる。先端から根元まで舌の表面全てを使い、綺麗な桃色の乳
輪と乳首をねぶり回し、同時に尻の肉をじっくり揉みたてる……。
「……〜〜〜〜〜ッッ!」
声もなく荒い息をついていた彼女は、この新たな刺激によって一気に絶頂へと
昇りつめたようだった。背筋がピンと伸びて身体が仰け反り、長くほっそりした
脚がその付け根からつま先まで緊張し、腰が浮かび上がった。
「……はひッ……はひッ……ハァ……ハァ……」
「お、オマエ……もしかして……イッたのか……?」
痙攣するかのようにガクガクと何度も肢体を震わせると、やがて四肢から緊張
が抜けて腰が落ちる。そのまま彼女は、力なくオレの身体にもたれかかった。
早く短い呼吸を続ける彼女の開かれた口唇からは赤い舌先が顔をのぞかせてお
り、そこからだらしなくヨダレが垂れている。ぼんやりと宙を見上げている双眸
からは、与えられた刺激が強すぎでもしたのか透明の涙がこぼれ落ちていた。
「……だ、大丈夫か……? 気持ち良かった……みたいだな?」
彼女は応えなかった。うっとりした表情のまま荒い息をつくばかりで、オレの
問いかけが聞こえているのかどうかも怪しい脱力ぶりだった。
それにしても……絶頂の余韻に陶酔しきった彼女のイキ顔、その表情の色っぽ
いことといったらなかった。涙の跡も生々しい切れ長の目は、恍惚として長い睫
の下で伏せられており、半開きの赤い唇は濡れて艶かしく、呼吸のたびに満足気
な喘ぎを漏らす。たまらなかった。もっともっと彼女の痴態が見たくなった。
「……そんなに気持ち良かったか? でも、まだ終わりじゃないんだぜ……?」
口では遊び慣れた男を装っていたが、実際にはオレ自身、興奮のあまり今にも
爆発してしまいそうだった。ずっと女っ気のない侘びしい生活を続けていたオレ
にとって、彼女との行為はあまりにも衝撃的で刺激が強すぎた。
オレは全く女性経験のない童貞ではなかったが、経験豊富なベテランというわ
けでもなかった。元々人づき合いが得意な方でもないし、特別にハンサムなわけ
でも愛想がいいわけでもない。特定の恋人など居たためしがないし、相手にして
くれたのは同業者の男勝りな女ハンターか、盛り場の女たちぐらいだったのだ。
そんなワケで、惚れた女が目の前であられもない姿をさらし、淫らな痴態を見
せつけた挙げ句無防備に身体を開いているのだから、オレが辛抱たまらず一匹の
性獣と化してしまったのも当然というものだろう。
オレは姿勢をかえ、半ば意識を失っているように見える彼女の身体を白い石畳
の上にそっと横たえた。正面に回って彼女の両足首をつかみ、脚を開かせてその
間に膝立ちで這い進み、腰を落として覆いかぶさっていく……。
固く勃起しすぎて痛みすら感じ始めていた肉の槍を彼女の茂みに近づけ、はや
る心を抑えて深呼吸を一つ。いよいよ一つになろうと彼女の顔を見て声をかけよ
うとした時、オレは気付いた。
「……すーっ……すーっ……」
初めての絶頂が刺激的すぎたのか、それとも単に疲れ果てていただけなのか…
…彼女は可愛らしい寝息をたて、ぐっすり眠り込んでいたのだった。
192 :
4スレ778:2007/09/15(土) 00:37:46 ID:Lx1eMFls
以上、今回分31話〜41話の投下終了。42話以降は現在執筆中。
本当は40話分として組んだのに、改行規制に引っかかって41話になってしまった。
毎回10話ずつ投下と心に決めていたのだが……キリが悪かったので仕方なく。
以前の投下からずいぶんと経ってしまった上に、結局最後はおあずけで主人公と
ヒロインの本番行為は描写されていない。だが私はあやまらない。
……エロSSとしての体裁は一応は整っているハズ、問題はないんだ、と信じたい……。
飛竜の主人キター超GJ!続き超wktk!
相変わらずの本番無しで次回への期待が高まるぜ。
「食らえリオレイアァ!改心−20超絶乱舞!!!!」
「ギャアアアアアアア!!こっ、こんな力押し野郎に負けないわよ!」
「ククク、それはどうかな?」
ポケットから黄色い球を出す
「うおっ、まぶしっ!」
「さてレイアさんよ・・・ショウタイムといきますか」
足元で狂走乱舞
「フヒヒ・・悶えるレイアたんもかわいいですね」
(やだ・・まけそう・・・でもここで負けたら私はッ!)
「お願い!カプコンさん!力を貸してください!」
ガガガガガガガ
「お前何を・・・・・!?」
ブルースクリーン起動!
「SOUKENが離脱しました。」
もうね('A`)
飛竜GJ!!
だれかガレオスを酷い目(凌辱)させてやってください。
あいつのせいで・・・
投下ktkr
197 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 13:11:05 ID:IY01z6hO
ぐっどじょぶ!二人の身に危険が迫る!
それでも熟練ハンターならッ…ハンターなら何とかしてくれるッ…
雄火竜に感情移入してしまった俺はどうすればOTL
レウス主人公のSSを書くんだ。ハーレムエンドの奴を。
飛竜の主人って主人公とレイアの名前って出てる?長くつづいてるっぽいけど出てなかったような
おいもまえら!おれはすごい発見をしたぞ!
ドスガレオスを捕獲して顔をよく見てみろ!眉があるぞ!タレ眉だ!好みだ!
これを見れば
>>195の怒りもおさまるに違いない!
>>201 落ち着け!そしてもっとよく見るんだ!
角度的に眉に見えるがあれは目がちょっと出っ張ってるだけだぞ!
ガレオスに限らずトトスもガノスもつぶらな瞳をしてるよな
ガノスってガノトトスのことじゃ……とか思ったが、火山にお住まいのシーラカンスのことかな?
まだ会ったことはないが、つぶらな目なのか。
ドスガレの眉毛を見に行ったら、金冠付いたよラッキーと深夜に囁こう。
ちくしょう。砂竜の桃ヒレがでねぇじゃねぇか!
かくなる上は爆弾各種に音爆弾とハンマー担いでアッハンウッフン言わせたらぁ!
しかし魚竜種は基本的にいびきがうるさいという罠
そこもまた馴れれば愛しいか…?
>>206 そんなときはコレだ
つ"【静寂のピアス】(聴覚保護+15)
ドリトルやってるのをみてるんだが、このスレの昔にそーいうネタあったよな。
レウスレイア夫婦の仲を取り持ったりするやつか
>>208 レイアに好かれるためにヘタレウスをマッチョに鍛え上げるドリトノレ先生が浮かんだw
ティガレックス……駄目だ、「オレティガレックス、オマエ、マルカジリ」な娘が浮かんじゃった
でも読んでみたいよな、ティガレックス女体化
立派な男根を目の前に舌なめずりしてるティガ女体化が頭に浮かんだ。
このスレであまり登場しないモンスターといえば
オオナヅチも見かけない気がする
あれを擬人化っつーと個人的には、電波入った不思議ちゃんとか
人を喰ったような魔法使いっぽいおねえさんとかしか想像できなかったりするんだが
>>213 甘いですな
普段のナヅチは姿を消してます、という事は…
【姿を消してる+あまり確認出来ない+気付くのが遅い=おっとりした恥ずかしがり屋】
つまり、姿を消してるのは単に恥ずかしいだけだったのだよ
だから、恥ずかしがり屋な女の子も可能です
恥ずかしがりやおっとりの毒舌さん(舌長い)か
新ジャンル?
いや、天然だから言葉のナイフを無自覚に滑らせてしまうんだよ
つまり簡単にイメージすると毒舌な「あらあらうふふ」の人って事なのか?
…な、何か怖っ生きてる自信を喪失されそうだ
キミタチ、そこまであれこれ想像(妄想?)できるのなら
SSを書きたまえよ!
>>217 ナズチの絶妙な舌ワザで、精神的にも肉体的にもハンターはイかされるワケですねw
220 :
名無し@ピンキー:2007/09/17(月) 23:22:29 ID:xzCuXsjo
ナズチのソレ妄想しただけで逝っちまった漏れはどうすりゃいいんだwww
>220
その妄想を文章に起こすしかあるまいw
>>215 あ、わしそれ出来るわ
ただ相手方の反応がサッパリ予測つかんのが……
なづちのひょこひょこした歩き方に萌えた俺はどうすれば…末期?
>>223 極度の恥ずかしがり屋でなぜか挙動不審と思えば俺だってイケる。
だけど正体は掏摸なんだぜ<ナヅチ
>>223 ちょっと距離をとった時、ドタドタ突進してくる仕草に俺は萌える…
いかにも「ねーねーあそんであそんでー」とか言ってる顔に見えるもんで
音爆投げる絶好のチャンスでもあるんだが、着弾までの間合いをミスって轢かれた場合
上位だとシャレにならん痛さなのもまあご愛嬌
尻尾でずんずんスタンプするさまが犬猫のようでお気に入り
「さあ今日こその貴女の宝玉を貰いに来たのよナズッちゃん」
「ナズッちゃん言うな!宝玉なんてあげないもん、この露出狂!」
「こ、このファッションをキリンSシリーズと心得ての暴言かー!ええい、さっさと尻尾をよこしなさい!」
「ドスケルビなんかにあげる尻尾なんかないんだもん!」
「ドスケルビ言うな!」
―――尻尾切断
「んああああああっ!しっぽ、尻尾切られたのおおおおっ!」
「イヤッホー!さすがのドスゲリョスも超滅一門サマの前には紫ゲリョス同然!」
「ドスゲリョス言うなああああ!何でもかんでもドスって付けりゃいいってモンじゃないんだから!」
「ふふん、哀れな姿で何を叫んでも私の心には響かない!
さ〜て、ナズチ様の生尻尾ゲットといきますか。ん?どうかな?目の前で尻尾剥ぎ取られてる気分は?」
「(く、くやしい……けど感じちゃう……)ビクンビクン」
「高速剥ぎ取りスキル超便利―――――――!?」
―――[霞龍の上皮を手に入れました]
「も、もう許さないんだからぁ!アンタなんかワタシの舌で散々いたぶって……あれ?」
「……………………」
「な、何かしら?お、音爆弾なら、こ、怖くなんてないんだからね!?」
「………………リタマラ、か」
―――[クエストをリタイアしました]
「あ、あれ!?どこなの!?どこ行っちゃったのねえ!?
待ってよぉ!どこ行ったのよぉ!置いてかないでよぉ!ねぇってばぁー!」
―――――――――――――
反省はしない。けど自重する。ごめんなさい。
>>229 お前が女だと信じているものが、実は男、いや漢だとしたら……
どうする……?
はははしめるじゅんびはおーけいさぼぶ!
232 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 00:37:06 ID:jFWW3S2D
>>228 いちいち、わざと違う名前で呼んでそれに反応するのがジョセフとダービーが酒にコイン入れるゲームを連想した。
次はキミの番だ、オービー君
233 :
突発ネタ:2007/09/19(水) 11:48:13 ID:hJ+vNhRW
目を覚ますと、少女…いや幼女がいた。
くりくりした碧の瞳でこちらをじっと見つめる、藤の花に似た薄紫の髪の、不思議な質感のノースリーブシャツと前が短く後ろが長いスカートで身を包んだ幼女。
「あー、と、君は誰なんd「きゃっ!?」」
誰なんだと聞こうとしたら、幼女は顔を真っ赤に染めて飛び退いた。
文字通り、翼で“飛び”退いたのだ。しかも毒霧のオマケ付き。ベッドの下に潜んでいたカンタロスが『きゅぅ〜』と言う声が聞こえた。
…はて、この行動パターン、最近、どこかで。
そこまで考えたが、やはり寝起きの何ら身構えて無い身体に毒はキツかった。意識が朦朧として、重力でベッドに叩き付けられる。
次に意識が戻って最初に感じたのは、唇が何か軟らかいモノで塞がれて、液体をのまされている感じだった。
そう言えば毒の痛みが消えているな、と思いながら目を開ける。
………先程の幼女が、口移しで、解毒薬を俺に飲ませていた。
ちゅ、と音を立てて唇が離れる。幼女はそれでようやく俺が気付いた事に気付いたようで、また顔を真っ赤に染めた。
「………えと……ごめんね……私が“潜む者”で……………あなたを……毒に巻き込んじゃって………」
>>233は力尽きた
報酬が最初から0でした
街に帰還します
Quest Failed
だれか つづき たのむ
や、やばい……
こんな幼女に胸が高鳴ってしまう。
おれにはそんな趣味があるはず…いゃあったかも
。昔腐れ縁のあるハンターの妹に一度だけ
欲情したことがあったかもしれない。
「まぁそれは置いといて」
いきなりの意味不明なに目の前の 自称「潜む者」ちゃん(?)が
首をかしげている。
wktk!wktk!
そういや、虹のMHエロ画像スレって次スレないのか?
かなり過疎だったし絵の投下少なかったから立たなくてもしょうがないだろ。あったほうが良いと思うなら立てれば?
上記とは違うオオナズチ エロなし 投下していい?
投下に許可は存在しない。
あるのは投下する勇気のある者だけだ。
てわけで投下wktk
私は一向に構わんッ
吾輩は竜である。
誰が産んだのか頓と見当がつかぬ。
ただエッグシーフと俗称される行為の途中、殻を割ってピャアピャアと鳴いていたことだけ覚えている。
そのとき母は驚いて吾輩を地面に叩きつけそうになり、慌てて吾輩を抱きかかえたそうだ。
人と竜が相容れぬものと朧気ながら悟った頃、何故殺さなかったのかと尋ねたら、「お前が孵ったら重さが増した」と答えられた。
普通は重くなったら落とすものではないのだろうか。吾輩には判らない。
まぁそれはともかく、吾輩は母の家まで持ち帰られた。
母はハンターと言う職の割にはアイルーと呼ばれる家政猫を雇っていなかった。ふわふわした毛のせいでくしゃみが止まらなくなるそうだ。
難儀なものである。そのお陰で吾輩が生き延びれた、というべきかも知れんが好かぬ。
母は吾輩を育てることにした。といえど未婚の女性で始めての育児は竜の二重苦。七転八倒してさらにもう一回立ち上がったら転ばされ、なんてことはざらであった。
それでも楽しそうに見えたのは欲目であろうか。
ヨチヨチと歩けるようになった吾輩は家の中で読み書きを学んだ。やってみれば何とかなるものである。
お陰で色んな本が読めた。
世界の仕組み。竜の生態。狩人の仕事。金の巡りに料理の仕方。中でも一番面白かったのは物語だがコレは蛇足か。
吾輩の中で世界と呼べるものは母の家の一部屋だけであった。
笛を吹くのが日課のようで、吾輩は笛の音で起き、笛の調べを子守唄にした。
でも何故かいつもある種の雰囲気の調べのところで演奏は途切れ、難しい顔をするのだ。
吾輩が見つめていると、「わたしの楽譜はこれよりどうも進まないんだ」などと笑う。寂しい笑顔など始めてみた。
ならば吾輩が続きを奏でると伝えると、少しは慰めになったようだった。
あるとき尋ねたことがある。
舌で筆を握り、紙に書き付けてヒラッと見せる。
何故吾輩は外に出てはいけないのであるかと。
母は口を貝のように噤んで扉を閉めて出てった。
理由は吾輩だって知っていた。
吾輩は竜である。今でこそ小さいが爪は人間の皮膚を容易く切り裂くし、舌に毒を纏わすこと出来る。
人の世で生きるには力強過ぎる身体なのだ。
そして何より破滅の化身である。
数分後、母は戻ってきて吾輩を抱きしめてくれた。
「完全に私の都合。だけど、お前が出たいなら絶対叶えるよ」
その言葉だけで充分であった。母の破滅など子が望むだろうか。
窓から見る子どもたちは楽しそうであった。吾輩も生まれて一年程度、身体も出来上がりつつあり、遊びまわりたい年頃なのだ。
姿を風景に溶け込ますことも出来たのではあるが、やはり万が一を考えるとしたくはなかった。
――太陽に焦がれた。屋根打つ雨に心を奪われ、壁を軽やかに回り込む風に思いを抱き、窓から覗くまでに積みあがる雪に驚きを覚えた。
どれもこの前足は届かない。
――吾輩に許されたのは数々の書物だけである。
ある日を境に母は帰ってこなくなった。
捨てられたのか。狩人として死んだのか。吾輩のことがばれて村人に吊るし上げられたのか。
帰ってこないという事実は掛け値なしの本当だった。
徐々に死に行く身体で待ち続けた。あの人は寂しがり屋だ。隠していたけれど気付かないはずが無かろうて。これでも家族のつもりである。
でなければ吾輩など育てないだろうて。
待った。待った。待ち続けて、待ち続けた。
竜という種は幾日も食事を取らないこともあるそうだ。
それでも視界が霞み始めた頃。ふっと自分の前足を見て思ったのだ。
ああ、この足が無骨でも五本の指を持つ手の平であったら。
この喉が汚くとも人の言葉を紡げる仕組みであったなら。
この肌が爛れてようとも間違いなく人の肌を持っていたのなら。
いくら仮定してもこの身は竜。破滅の権化である。
ただ、それでも、それでもこの身が人のものであったのなら――!
願い続けて、腹の内に黒く重いものを溜めて、潰れそうになってもまだ尚願って。
ふっと真っ白になった。
探しにいけたのに。
「……というわけであるよ叔父貴どの」
目の前の少女は言う。
「さよか」
他になんと言えばいいのだろうか。
やっすい御伽噺にも書いてないだろう。
姉の貸家の整理にきたら紫色をした奇龍の遺骸があり、その近くに幼い女性が倒れていたなど。
なんともはや……非常識事態だ。
互いに正対して正座する。
まじまじと観察する。
紫と水色の交じり合った髪は床まで垂れている。さっきの話を信じるならば一気に成長した影響だろう。あくまで信じるならばだが。
真っ白い身体は幼いながらもまろやかな曲線を描いている。多分突付けば張りがあることが判る。見た目ぴちぴちしてるし。
歳の割りに低めの声は子ども特有の尖りを持ってなくて聞きやすい。
今は俺の上着を被せてるが、誰が見ても俺が咎人だろうことは想像に固くない。だって顔似てないし。剥き出しの足は特殊な性癖に目覚める人もいるかもしれないと変な危惧を抱かせる。
弱っているようだったので取り合えず暖かいスープを両手に持って啜らせているが、袖が大分余っているようだ。
「……叔父貴どの?」
眉を寄せて問いかけてくる。大きな目は何処かの洞窟の水晶色。娼館に売り飛ばせばしばらく生活に困らないだろう。
はっと何かに気付いたように少女は服の前を掻き集め、瑞々しい唇を割る。
「えっちーばかーすけべー」
棒読みだ。
「うぉい!」
「……違っていたであろうか。母の本には、こんな風に反応するものだと書いてあったのであるが……」
顔の下半分を手で覆うのは俺の癖だ。……たしかあの人はそんな本も好んでいた気がする。
俯いていた少女は呟いた。
「あれは秋の収穫の季節、まだ母が幼い時であった……」
いきなりなんだろう? 抑揚と感情を込めて続ける。
「母が家に帰ると叔父貴どのが泣いていて、どうしたのと尋ねると、『僕のおちんちんが変に」
「皆まで言うなおーけい信じようごめんなさい勘弁してさあおじさんに何でも言ってみな悪いようにはしない」
若い子がそんな破廉恥な言葉を口にするものではないと思う。本意は隠しますですよ?
「わかって頂けたか。幸いである」
えーえー判りましたとも、アレは墓まで抱えていく類の話だ。つーか話したのかよ。
「確かに、人には話さない約束だったけど……だったけど……」
昔から出来ない約束はしない人だった。人には話していないだろうさ。あの人猫も駄目だし。
人が思考の腐海に沈んでいるとズバッと釣り上げられた。
「吾輩は探しに行きたいのであるよ」
本気かどうかは尋ねなくても判る。水晶の瞳が重圧をかけてくる。
もう一度何かを言いかけて、口をへの字にする。
「駄目だ」
きっぱり切り捨てる。少女は肩を落として項垂れた。
「お前がハンターとして最低限の修行を終えるまではな」
顔が跳ね上がって、髪の毛が宙を踊った。
「取り合えず家賃払って、それから言い訳考えないといけないなぁ」
「お、お、叔父貴どの!」
「金は後で返せ。それと」
「じゃなくて! 母が死んだとは考えないのであるか!?」
ふん、と鼻を鳴らした。
「死なないって約束はしてないけど、出来るだけ生き延びるって約束だったからな」
死体はまだ見つかってない。まともな遺体の残りにくいハンターだからこそ逆に欠片もないのが珍しいのだ。
ネコタクは遺品回収の意も持っている。
よっこいしょと立ち上がる。色々規格外の人だから希望を捨てるのはまだ早い。妄想ではなく事実だ。
「立てよ。立ち止まっている暇は無い」
慌てて立ち上がる少女。
うあっ!? と声を上げて転げた。足が痺れたようだ。
「な、なんであるかこれは!? 初めてぞ!?」
自分の状況を客観視する。床でもがく少女を見下す男。犯罪的だ。
「……しばらくそのままでいろ」
「な、吾輩を置き行くつもりか。この早漏!」
体が音を立てて止まった。縛るのは心だ。
助けろーという声を音楽にして早まったかもしれないともう一度思考の腐海に身を委ねるのだった。
と、ここまで。
245 :
233:2007/09/20(木) 00:55:15 ID:ROv2ZR6k
>>244 激しくGJ!
あ、わしのはリレーで適当に頼むわ
気力はナズチのガスに吸われた
GJ
このスレ読んでたらナズチが段々可愛く見えてきた
なんか好みな感じだ。これは続くのかな?
だとしたら今後に激しく期待
大雷光虫に50分の苦労をつぶされた。
てな訳で大雷光虫をレイプして無理矢理バージン奪って激痛を味あわせて苦痛の内に死んでいくグロ話が読みたいです。
>>241 文章巧ぇな…GJ
年下優位な年の差コンビにも、なんか心をくすぐられるもんがある。
できれば続きを見てみたいもんだ。
大雷光虫には挑んでみた。台本形式だがな。
寝起きのテンションは、未来への自分への羞恥プレイかもしれない。
迂濶にもあるハンターの囚われの身となった大雷光虫。
大雷光虫「ピリリ……(訳:捕まっちゃった。あたしどうなるの?)」
男「大雷光虫ゲットだぜ!ピッピカ虫!!」
大雷光(ry「……リリル…(訳:そう言うノリは光蟲にお任せしたいって思うのよ)」
男「遠慮と心配ゴ無用ぞ! ちょうどお前をボコれって依頼を請けたところだ。趣味と実益兼ねて、ボッコボコにしてやんよ!!」
大雷(ry「ピリピリピリ(訳:何よぅ、この超展開)」
男「てめぇらムシケラは、人間様に有効利用されるために生まれてきたんですものね!」
大雷「ギキリリ(訳:虫籠越しでなかったら、こんな奴…! くやしい…!)」
男「ムシだから、脚もいだり首落としたりしても生きてられんだろ? 楽しめそうだな。惨めに泣けぇっ!もがけぇっ!!」
大雷「リリンッピルリリ(訳:いや、反射で生きてるモノにそんなコト求められても。あたし達の動きなんて、ほとんどが『いっつおーとまーてぃっく♪』なのに)」
男「つーか、大雷光虫ってデカイ雷光虫なのか、蚊柱みたいなもんかはっきりしる」
おもむろに男は虫ピンを取り出し、大雷光虫をプスと虫籠の底へ繋ぎ止めた。
大雷「ギギッ……ピ(訳:ちょ、おま! そんなの入らないって……アッ-)」
迂濶にも、男は忘れていた。
雷光虫は刺激を与えられると電気を発する。
金属は電気を通しやすい。そして虫ピンは……
大雷「ピキッキ!ヂチッ(訳:いやぁあっ! ビリビリくるのぉっ! キちゃうぅっっ!!!)」
ビリバリうぎゃーと怪音の響く中、そこに他人の目があれば、なぜか骨がスケスケな男の姿がチラチラと見えたはずだった。
エロも落ちもなく終る。
外骨格生物な電撃持ち虫のバージン喪失を求むとなると、ハードル高いんだぜ…
適当な道具とかならいいけど、男のうまい棒使ったら残念なことになりそうな悪寒。
クエスト失敗どころか人生に乙?よくて宮刑か。そもそも穴ドコー
どうにかこくまろ雷光エキスを抜いてしまわんことには、どうにも。
ここまで書いて気付いたが。もしかして、擬人化前提だったのか
gj
俺みたいに擬人化なんぞ必要ない人間もいるから安心するんだ
TGS行ってる奴は一時にカプコンブースから情報を伝えてもらえばありがたい
>>253 お前えろぱろまで書き込むとか何してるんだよ
本編投下致します
エロ 寸止め昼ドラ並 長さ 割と長くなりました レウス(擬人化)×♀ハンター
前編となります
4投目 無理な方はスルー願います
forest and the hill2
the hill
ガタガタガタ・・・ガタッゴトゴト・・・
ドンドルマへ向かう馬車の中は意外と混んでいた
ひっきりなしに揺れる車内でアイルー達がころころと転がっている
それを捕まえようと無謀な子供が手を出し、ひっかかれて泣きながら
母親の方へ転がり戻る
騒然とした車内に、神妙な面持ちの剣士と暑さのなかツギハギのフルフル装備を着込んだ
まだ若そうなハンターの姿があった
「なんで、あんたまで乗ってんのよ...
いっつも、村から出るときはチャーター便使ってるくせに」
「いつもじゃないさ
あれは、タライ達とPT組むときだけだ
3人以上なら、借りたほうが安いんだぜ」
「......なぁ」
ヨークは隣に座るむくれっつらをまじまじと見る
「お前、ホントに何があったんだよ?」
3ヶ月前、目前の落ちこぼれハンターは[リオレウス討伐]という無謀なクエストに出発した
ヨークがもう待てないと単身捜索に向かおうとした3日目の夜、ルーは村への帰還を果たした
『おまえっ!その格好どうしたんだっっ!』
彼の目に飛び込んできたのは、新品の装備で身を包み意気揚々と出かけた彼女の
無残な成れの果て
白く美しかったプヨ皮は薄汚れ、こともあろうに中央でぱっくりと切り裂かれて
なんとも痛々しい
防具は裂かれながらも、ツタの蔓でどうにか露出を抑えているが
隙間々にのぞく肌の色がインナーをつけていないことを気づかせる
脚にぽかりと開いた飛竜の爪痕がヨークの心臓を締め付けた
すぐさま、ブーツを引っ張り脱がすとあまり日に焼けていない白い素足をさらした
よし、足は大丈夫みたいだな
防具がこんなになるほどの死闘だったのだ
無傷でいられる筈がない
人形のようにこねくりまわし、傷の度合いを確かめる......が
これといった怪我は見当たらない
『ちょーっとっ!いい加減離してよ、どこさわってんのよ!』
耳元で抗議され、我に返る
真っ赤な顔で睨みつけられ、自分の手の所在を確認...
ぐわっ!!!
『すっ、すまん!』
あわててひんやりとするプヨ皮の下から手を引きずり出した
うっすらと汗をかいた淑やかな肌のなんともいえないこの感触...
やべ、キモチイイ...うわっ...こんな所でマズイって...クソ
『ところで、ルー 依頼はどうなったんだい?』
必死に理性と戦うヨークの脇から、鼻息あらく待ちきれない質問がとびだす
村人たちは、ヨークとは別の意味でルーの帰還を心待ちにしていた
まだ、経験の浅いハンターが飛竜を単身討伐できるはずはない
それはすなわち、村の出世頭の結婚という祝い事へ結びつくのだ
−−−もし、失敗したら、俺と......−−−
理不尽な条件だが、不器用すぎる男と鈍い女の変わらない関係を
村人たちはやきもきしていたので非難する声は上がらなかった
おもしろがりつつも皆、両親をなくした村の子供の行く末を心配しているのだ
誰しもヨークの勝利を疑うものはいない
なかには、花束を抱えたものまでいる
『あ、なんだこれ』
酒場に集まったヨークと村人が固唾を呑んでルーの言葉を待つ中
友人の勇姿をからかいに来たタライが気の抜けた声で静寂をかち割った
乱れた髪に絡め取られていた、きらりと光る欠片を抜き取った
あああーーーー......
掲げられたソレを見止めると村人達の落胆の声が重なる
火竜の鱗ー
『まったく、ヨークも余計なこと言うからこんなことに...』
『鱗一枚でもいいなんて...あーあ』
『相変わらず 詰めが甘いんだよ...』
勝手な不満が口々を彩る
帰りすがら、ヨークの顔を気の毒そうに眺め、村人たちはすごすごと家路についた
結局3日ぶりのお湯に浸かったルーの体からは計6枚の鱗がこぼれ落ちた
「あの逆鱗も売っちまえば、一気に支払いできたのによー」
ルーは5枚の火竜の鱗を売却し、防具屋に代金の半分を支払った
残りの代金を稼ぐ為、身の丈にあったクエストを黙々とこなし
3ヶ月の延滞を経て、残金を抱えアイルーが操るドンドルマ行きの馬車へ乗ったのである
「あれだけは、売れないの!
いーじゃない、遅れたけどちゃんと支払うんだし」
口うるさいなーとぼやきつつ、馬車は目的地へと到着した
3ヶ月ぶりに足を踏み入れたメゼポルタ広場はいつも以上の賑わいを見せている
食材屋の女将の客呼びの声、PT参加者を募るハンターの声
「今日はフェスタなんだな
どうだ、ルー、馬鹿猫にぶたせんべいでも買ってやろうか?」
特売日の雰囲気に乗せられて軽口をたたくが
ルーは一睨みしてまっすぐ目的の防具屋へ向かった
「はい、ありがとよ 確かにもらったぜ」
遅くなってすみませんと頭を下げるルーの首元に光るモノを店主はめざとく見つけた
「そりゃ、逆鱗じゃねーか、どうだい?良い値で引取るよ?」
「えっ、あ、これは売りません!」
胸元に手を当て、迷うことなく断る
その顔は、うっすらと赤みを帯びていた
「なんだい、大事な人からのもらいもんかい?」
からかうような店主の言葉に、ルーは一層赤くなる
......オレには拾ったって言ったじゃねーか
あからさまなルーの反応に、出発前の悪友の言葉が思い出された
『ルーは、本当に一人だったのかな?』
森丘の警備はそんなに甘くはない
誰かと一緒だったとは考えられないがタライはルーの首筋で主張していた
キスマークのことを告げた
『虫にでも刺されたんだろ?』
ピンとこないヨークとは別にある種ランクの高いタライは神妙な面持ちで友人の肩をたたいたのだった
まさかな...
騒然とした中にひときわ通る甲高い声が響いた
「ヨークぅ〜〜〜」
人ごみを掻き分け、向かってきたのは顔見知りの女ハンター
知り合いとは言いつつも女とPTを組んだことはない
ただタライの彼女の同郷ということで、何度か食事をしたことがある程度だ
......名前なんだっけな...?
返事をしようにも思い出せない
遅れてきたもう一つの声が、ヨークの窮地を救ってくれた
「イアー、ちょっと、いきなり先に行かないでよ」
お、こいつの名前は分かるぞ!
後から追いついた友人の彼女にヨークは珍しい笑顔を向けた
「ひさしぶりだな、コッティ」
「あら、めずらしくネコ馬車なんかで来ると思ったら、そういうことね」
コッティはおかしそうに隣のルーとそっぽ向いているヨークを交互に眺めた
「タライも夜には到着するそうよ、
久しぶりにみんなで食事でもしましょう?
そこのあなたもね」
突然話を振られて、言葉に詰まるルーだったが
イアの挑むような目に押されて、しぶしぶ頷いた
ま、いっか食事くらい......
ネコ馬車の本数の関係上、どうせ1泊はしなければならないのだ
せめておいしいモノ食べて帰ろうっと
ルーがドンドルマの名産を思い浮かべていると
3人は明日から開かれる大闘技大会の話題で盛り上がっていた
それで、こんなに混んでるのね
「ね、ヨークもでるの?」
「いや、一応 行舎もってるけど肝心のペットがいない
大体、モンスターは飼うもんじゃない、狩るもんだ」
「なにいってんのよ、いつも捕獲する前に、勢い余ってやっちゃうらしいじゃない」
イアは噴出し、ヨークにしなだれかかってわらっている
ふーん、女嫌いは村の中だけなのね...
無骨なヨークの意外な一面を見て、なんとなく面白くない
闘技大会というシステムすら知らなかったルーは分からない話ばかり
タライだけはモンスターを持っていて、みんなで応援するということだった
異常なほどの賑わいを見せる街に合点がいったが
知らない話題で盛り上がる3人に居心地の悪さを感じルーは一足先に宿舎へ
向かった
お姫様の機嫌損ねちゃったわねー
わざと聞こえるようなイアの言葉が一層ルーをむかむかさせた
大またで歩きながら、ふと泉の前で足を止める
闘技大会かぁ......
ぴーちゃん出たら、すごいだろうなぁ
小金魚を眺めながら、3ヶ月ずっと考えないようにしていた
愛しい龍の顔が泉に浮かぶ
自由に会いに行けるようになるにはどうしたらいいんだろう.....
村一番のヨークでさえ、ようやく森丘クエストを受けれるに至ったのだ
まだハンターとして駆け出しの彼女には遠い道のりだった
「ぴー...ちゃん」
声に出して呼んでみる
小金魚が小さく跳ねた
孤独がより身にしみた
鼻の奥がツンと痛み、あふれる涙の予兆を感じさせた
半壊した防波堤でなんとか涙を押しとどめ、足早に宿舎を目指す
後ろからかけて来る足音に道を譲った
「ルーーーッ!!」
いきなり後ろから羽交い絞めにされ、反射的に腰のハンターナイフに手が伸びる
ヨークか?ちかんか!?
首に回された腕に噛み付こうと目を開けると
見覚えのある日に焼けた肌...
この手を知っている...
でも...こんな所にいるはずはない
違うと思いつつも、愛しい人を思い出す褐色の肌に、ルーの防波堤はもろくも崩落した
「ルー、どうした?なんで泣くんだ?
あいつか!何かされたのか!一緒にいた男だろ!?」
勢いよく捲くし立てられ、目の前に回った男を見上げる
「ぴー...ちゃぁん....」
突然ふって沸いた奇跡に、言葉が出ない
子供のようにしゃくりあげるルーに、周囲がざわめきだしたので
とりあえず、人気のない路地に二人で落着いた
「たく、せっかく会えたのに、あんま泣くなよ
俺が泣かしたみてーじゃねぇか」
「....ぴーちゃんが泣かしたんだよ
ずっと会いたかったから...
なんで、ここにいるの?」
ようやく涙もひと段落し、なんとか頭が回るようになってきた
「匂いを追ってきたんだ
すぐ来るって言って、なかなかこねーし、こっちから迎えに行こうかと」
「こんな遠くまで?」
「飛べばそんなに遠くはないさ
でも、こんなにハンターが集まってると、さすがに飛び回るわけにはいかねーな...」
そうか、考えてみれば、ハンターは彼にとっては天敵なのだ
今は人の姿をとっているから大丈夫だろうけど...
本当は自分が彼のところに行くべきなのに...
「そんな顔すんなよ
この格好してれば、問題ないんだから」
うつむくルーの考えを読んだように、龍はにかっと笑った
「帰りは一緒に帰ろうね、ネコ馬車乗せてあげる」
ルーは暗い考えを追いやり、会いに来てくれた愛しい龍にそっと唇を寄せた
「んっ...」
軽いキスだけで終わるはずはない
お互いの肌を覚えたばかりの二人には、ふれる唇が導火線に火をともす
「あっ、いや...ん...ふぁっ」
すばやく動いた手が装備の隙間に潜り込む
インナーの上からそっとふくらみをなでる
押し返すやわらかな感触の中に、すでに堅くなりつつある頂が主張をはじめた
「あっあっ...ん...んぁっ」
布地を上から小さな蕾をかるく指先でつまむと、耐えきれないように声が漏れ始める
その吐息一つすらもらさないように、深く口づける
太ももの辺りに熱を感じる
装備の上から当てられた物が何か、ルーはもう気づいていた
...あ、だめ、こんな街なかで...
誰か来るかも...
んんっ...でも、きもちいいよぅ...
様々な思いが脳裏をよぎるが、食べられてしまいそうな深い口づけに
ルーの理性は朝霧の様に頼りない
「ああっ...あっ、ぴー...ちゃぁん」
彼女の理性が飛び去り、さらなる快感をもとめて男を呼ぶ
が、龍はルーをあっさりと解放し、乱れた胸元を整えた
「...どうしたの?」
「じゃ、オレ姿隠しておくから、またあとでな」
素っ気ない言葉に、すでに熱を持った体が不平をもらす
しかし、人通りが少ないとはいえここは街中だ
今は龍の理性に感謝するべきだろう
「...うん、でもどこに行ったかわからないんじゃ、一緒に帰れないよ?」
にっこりとほほえむと、ルーの頬に軽く口づけた
「オレをなめんなよ?ルーの声ならどこにいたって聞こえる
なんかあったら、すぐ呼べよ」
いつも通りの自信過剰な笑みに、ルーはしぶしぶわかったと伝え、宿舎へ歩を進めた
ルーの後ろ姿を見送り、路地を曲がって見えなくなってから
浮かんでいた日向のような笑みが消え、本来の姿を醸し出す鋭い眼差しを後ろに向けた
「おい、のぞき魔、出てこいよ」
いきなり声をかけられ、路地からのびた大きな影はビクっとふるえた
しばらく躊躇っていた人影は、覚悟を決めたように姿を現した
「...おまえ、ルーのなんなんだ?」
動揺を押し隠すように、つとめて落ち着いて言ったつもりだが
ヨークの声はかすかに震えていた
「そりゃ、こっちがききてーよ
おまえだろ?ルーにドラゴンキラー持たせたの」
やはりあの武器をルーが持っていたことを知っているとなると
3ヶ月前の森丘でルーに会っているのだ
通常2組以上のPTが同じ狩り場で依頼を行うことはない
死線で戦うハンター同士の事故を防ぐためだ
こいつもハンターなら、中央ギルドの決まりを破ったことになる
それは除名処分に当たる罪となるだろう
こいつのハンター生命を握っていると思い、薄暗い笑みがわいてきた
「無断で森丘へ行ったことを上に言われたくなければ
二度とルーに近づくな...」
ヨークは優位に立ちながら、ひどく無様だと思った
嫉妬しているのだ
先ほどのルーの甘い声が耳にこびりついている
宿舎へ向かったはずのルーの声が路地から聞こえたとき、すぐにでも姿を現せばよかった
しかし、楽しげに話す相手の男の声に、ヨークの足は止まった
立ち去ろうか、出て行こうか迷ったそのとき
大事な女の聞いたことのない声を聞いたのだ
甘い、なまめかしい声がヨークを路地の壁へ打ち付ける
標本にされたように身動きのとれないヨークに追い打ちをかけるように
ルーのかすれた声が男を呼ぶ
想像していたよりずっと甘く切ない声は自分以外の男のせいだ
途切れがちに聞こえてくる声で、反応してしまう自分自身にヨークは泣きたくなるような敗北感を覚えた
「告げ口?かんけーねぇよ
おまえこそ、ちょっかいだしてんじゃねーぞ
ルーはもう村へは帰らない
オレが連れて行くさ」
予想外の反論にヨークは思わず相手の顔を振りかぶる
耳元でゆれるピアスが目に留まった
あれは、ルーの母親がしてたものに良く似てる...
たしか幼いルーに渡されたはずだ...
しかし、思い出に浸っている時ではない!
懐かしい記憶を振り払い
「連れて行くって、どういうことだ!」
相手の鋭い瞳に気おされながらヨークは負けじと睨み返した
「お前らのやり方にあわせてたら、ルーはいつまでたってもオレのとこにはこない
だから、こっちの流儀でやらせてもらうんだよ」
「オマエ...なに言って......」
そこまではくと目の前の男の影が次第に伸び路地を黒く塗りつぶした
!!リオレウス...?!
森丘に住む天空の王者、ヨークはその姿を初めてみた
「...わかったろ?」
静かに響く男の声にヨークは耳を疑った
今のはなんなんだ!
すでに龍の姿はなく、男が不敵な笑みを浮かべている
見間違いか...!?
混乱するヨークに、男はうすく笑い、にやりと細い火を口から除かせた
今見たことは決して幻ではないんだと、念を押すように
ヨークは男の姿が見えなくなっても、路地に立ち尽くしていた
長くのびた影が夕闇に溶け出す頃、ようやく宿舎へ向かうことができた
「やっぱ、街の料理はおいしーーっ」
「ね、村じゃ長寿ジャムなんて食べられないもの」
ヨークを除いた4人は休むことなく皿に手を伸ばす
コッティは噂ばかりのヨークの想い人をようやく見ることができ
興味深いのか、ことさらにルーをかまう
ルーもコッティとは気が合うようで、楽しそうに笑っている
ヨークは一人、目の前のポポノタンステーキを細かく刻んでいた
ルーは知っているんだろうか?
あの男の正体を....
先ほどの光景は白昼夢かなにかなんだろうか...
しかし、そのことを考えるたび、ルーの甘い声も一緒に甦る
「クソッ....!」
勢いよくたたかれたテーブルにヨークが我に返った
「あっ...ごめん なんでもないんだ...」
こぼれたビールを拭きながら、あわてて体裁を繕った
思わず口にでちまった...
訪れた沈黙をやぶったのは、やはり甲高い声だった
「ねぇー、やっぱり私も闘技大会出ることにしたの
ヨークは私の方を応援してくれるんでしょ?」
「おまえ、出せるモンスターがいないって言ってなかったか?」
さっき、ちょっとねとイアはたくらむ様にに笑った
「ま、おじいちゃんの昔話って聞いとくものねってこと」
なんだよそれ?意味深な言葉にタライが聞き返す
イアは子供が秘密を打ち明けるように、楽しそうなささやき声で言った
「ふふ...ひいおじいちゃんに聞いたことがあるんだ
人に化けたモンスターはユニオン鉱石を身につけるって」
答えにならない言葉をつむぎながら、胸元から出した石にルーは目を見張った
「!!ちょっとそれ、みせて!」手を伸ばしたルーをさらりと受け流し
再度、豊満な胸元へ隠してしまった
「なんだよ、お前、わけわかんねー」
タライもコッティもイアの言動を、酔っ払いのたわごとと受け取ったようだ
気抜けたように笑い、新たに運ばれてきた料理に手を伸ばした
...ユニオン鉱石はとても高価だが、全く流通がないわけでもない
最近は装備に使うのが主流だが、アクセサリーとしての需要もある
母だって持っていたのだ、それほど珍しいものでもないのだろう
そうは考えてみても、ざわざわとした不安がルーの胸を騒がせた
「ねぇ、ヨーク、あっちいって二人で飲み直さない?」
イアの猫なで声に、ルーはもう一度、見せてと頼もうとした言葉を飲み込んだ
琥惑的な視線がヨークを絡めとった
普段なら一蹴にするはずのヨークがうなずき、二人で店の奥へむかう
「おい、ヨーク!?」
いつもと様子の違うヨークにタライが声を掛けるが
しなだれかかるイアを払うこともせず、奥へと消えた
「ルーちゃん、いいの?」
心配そうにコッティが声を掛ける
良いかと問われても、ルーはヨークの恋人ではない
不自然なヨークの行動と、ちらりとみたユニオン鉱石
ルーの胸の中は小石がたまったみたいに重くなった
もう十分食べたからと、宿舎へ向かった
どうしてこうなったんだろう...
めずらしく飲みすぎたヨークは豊満な体を抱きしめていた
イアに飲みなおそうと誘われたとき、正直助かったと思った
これ以上、ルーの前に居たくなかった
食事をするルーの指先
笑う口元
ちらりとのぞく胸元
全てがヨークを苛む
男の腕の中で、とろけるような声をあげたルーを思い出す
そこに飛び出すことも出来なかった自分の不甲斐なさが、ヨークを深酒へと追い込んだ
「あっ...ヨークぅ...んんっあぁ」
ここまで酔いながら、どこか醒めている頭と
手は目の前の女の尻を撫でる
首筋を軽くかみながら、太ももをさすり、足をねじ込む
「んぁ、あああああっ」
ヨークの手が下着の中心部をなぞったとき、イアは甲高い声をあげた
...うるさい奴だ
しかたなく口を塞ぐと
待ち構えていたようにイアの舌はヨークの口内を探り、いやらしく動き回り欲情を誘う
その動きにあわせ、下着の脇から侵入した指で肉壁をはらう
すでにそこは潤い、訪問者を待ちわびていた
「ぁん、あんっ...いいぁ、そのまま奥まで...まぜて...」
部屋に響く淫靡な音と、かすれた女の声は、酔った耳に心地良い
痛いくらいに膨張したものをイアの腹に押し付ける
「ふふ...」
誘うような笑いで、自ら上半身を覆っていた布を取り去った
パラリと落ちた布切れと一緒に小さな石が転がり落ちる
口付けを交わしながら、落ちたものを眺めた
やっぱりこれは昼間あの男がつけていたものだ...!
ルーの母親の物かどうかは、昔の記憶で定かではないが
あの、不敵に笑ったヤツの耳元にあったものに間違いない!
急に腹に当たるモノが硬さをなくしていることに気づくと
イアは笑いながら、ヨークの手を逃れ、ひざまずき腰布に手を回した
「あら、のみすぎちゃった...?」
なぜ、これをイアが持っているのか...
おそらく明日出場する、イアのモンスターは...
そこまで考えると、ヨークは落ちていたユニオン鉱石を拾い上げ
慌ててドアへ向かった
口に含もうと舌を伸ばしていた、イアの顔に膝がぶつかり
鼻を抑えながら、一目散に走り去るヨークの後姿に
「いくじなし!この***ヤロー!使わないんなら腐って取れてしまえ!」と呪いの言葉をかけた
ヨークはルーの宿舎のドアの前で立ち尽くしていた
オレは何をしに来たんだろう...
イアのモンスターのことをルーに伝えるのか...?
男の正体も...?
そして、隠れて聞いていたこともバラすのか...
勢いでここまで来てしまったが、酔っている頭で考えがまとまらない
躊躇っていると、ドアが開いた
「ヨーク?どうしたの、こんな時間に」
ルーから風呂上りの香りがヨークの鼻腔を掠めた
「イアと一緒にいたんじゃなかったの...?」
「......」
応えないヨークを軽く睨みつけた
「用事ないなら、ちょっとどいて
私、外行くから」
ドアとヨークの隙間を抜けようとしたルーに低い声がかかる
「あいつのとこに行くのか?」
振りかぶったルーをヨークの鋭い目が射抜く
「このピアスのヤツだろう...?」
目の前にぶら下げられた石を見上げ、ルーは青ざめた
「なんで!やっぱり、イアが持ってたやつでしょ?!
どうしてここにあるの!?」
ピアスの持ち主を心配して焦るルーがヨークを追い詰める
いつものヨークらしくない、暗い笑みがルーの不安を煽った
「......何を知ってるの?」
「あいつはもう戻ってこないさ...」
「なっ...!ふぁぅっ!!」
壁際に追い込んだルーの唇を無理やり塞ぐ
ヤツを心配する声など聞きたくなかった
いっこうに緩まない唇を、上から舌でなぞる
部屋着の薄い布地を一気にめくり上げ、乱暴に手を押さえつける
「やっ、ちょっ...やめっ...」
抗議の声を上げる口にすかさず舌をねじ込む
ようやく侵入できた口内を味わい、小さな歯列を数えるように舐る
奥歯がかすかに震えていた
片手でルーを押し付けながら、空いた手をわき腹をさする
「やっ...」
風呂上りでしっとりと潤った肌が、ヨークの乾いた手を愛撫する
手がふくらみまでたどり着き、頂をかするようになでる
硬さを持ってきた蕾を時折キュっとつまむ
「...っ...だめっ...」
強引な口付けとは違い、体を這い回る手は繊細でやさしい
押し返す力は次第に弱まってきているが
ルーは唇をかみ締めいっこうに声を漏らさない
そんな態度にヨークはイライラしていた
勢いに任せ、ルーの下着を剥ぎ取る
「やっっ、やめてよっ!ばかっ!
どうしちゃったの?酔ってるの...?」
やっと聞けた言葉は全く甘くないものだった
小さな絶望に、返す言葉は出ない
ヨークの行動の先にあるものに気づき、押し返す腕の力が増すが
大剣を振り回す腕はびくともしない
指を口に含み、湿り気を与えると、ルーへゆっくりと差し込む
「いたっ...くっ...」
思っていたよりもそこは狭く硬い
それでも何度か上下するたびにようやく、うっすらと水気を帯びてきた
ヨークは自分の腰布の隙間から欲望の塊を取り出すと、ルーにあてがった
「やぁだ...んくっ...」
「なんでオレじゃないんだよ...
いつも傍にいたのに......」
思わず漏れる心の叫び
「オレだって、ずっとスキだったんだ...」
ルーが泣いている
オレが泣かしたのか...
もう少し自分の方を向いて欲しかっただけだ
あの男のように甘い声を聞かせて欲しかったんだ
ルーの母親はとても綺麗な人だったと思う
やさしく良い匂いのするその人が、正直自分の母親よりもスキだった
そんな人がそう長くないと、両親の会話から漏れ聞き、あわてて夜道を走った
まだそれほど警備の厳しくなかった森丘で薬草を拾い、忍び込んできた小さな訪問者に
温かいミルクと、微笑みをくれた
夜中に駆け回ったヨークが、つらつらと舟をこぎ始める
彼のために持ってきた毛布は掛けられることなく、床へ崩れ落ちた
『あのこをよろしくね...』
やさしい人の最後の言葉を守る為
決して村を出ようとはしなかった
なのに、今オレがルーを泣かしている
押さえつけていた手から力が抜ける
見上げたルーの頬に自分の物ではない涙が零れ落ちた
「......ごめん」
ルーはヨークの下から這い出し、一目散にドア向かって走り出す
うなだれたヨークは後を追うことはしなかった
ヨークの馬鹿!!いきなりひどいよ!!
なんなのよ!自分の方が傷ついた表情しちゃって!
泣きたいのはこっちだっ!!
心の中で罵倒しながら、夜の泉を目指す
はぁはぁはぁ...
急に走ったことと、様々なショックで立ち止まっても心臓はいっこうに休んでくれない
「ぴー...ちゃん...」
小さな声を夜の帳が吸い取る
返事はない
「ぴーちゃん!」
ウソツキ...
呼んだらすぐ来るって行ったのにっ!
「ぴーーちゃーーんっ!!」
ルーの声に驚いた鳥たちがバサバサと飛び立った
再び訪れる 夜の静寂
「なんで、こないのよ....」
自分の元へ帰ってきたユニオン鉱石を握り締めた
ヨークが力任せに掴んだ腕が痛かった
以上です
長々失礼しました;
後編は忘れられないうちに投下したいと思います
感想いただけたらありがたいです
GJ!!
MHエロパロでおもしろい人間ドラマが読めるとは思わなかった。GJ!
ヨークがいい具合にヘタレ気味で肩入れしてやりたくなるぜ!
人間同士の恋愛関係も気になるがぴーちゃんの安否も気になる・・・
gj
ヨーk…もといライサラオス最低だな
GJ
久々に来たらこれまた面白いのが沢山…。
俺も来れなかった分頑張って続きを書かねば
誠ほどではない
GJ〜、初めから見てますが続きが楽しみです、是非頑張って続きを書いてくださいm(__)m
ぴーちゃんさえ生きていれば何も求めまい・・・
擬人ばっか
>>276 ドラゴンファッカー現る。
ってか不満なら自分で書けや。
>>276 大雷光虫はムシのまんまだぜ!
…って書きかけてたら、文章的には擬人化だったな(´・ω・`)
ちょっくら羊姦のこととか調べて、ケルビファックの可能性とか探るとしよう。
ちょっと前にリアルドスランポッポが姦られていたような
やられてたね
飛竜♀がやられるのがいいんじゃないか
てか何を今さらな事を…
今初めてこのスレに来た人なんか
ドラゴンファック物は書くの難しそうだ。
竜×竜ならいいけど竜×人間じゃ物理的に無理だよな…
竜が人の女体にムラムラすんのかって自体も怪しいしな
性的でない意味でマルカジリされそうだし
人×竜も、とっても命懸けっぽい
ヘンな生き物観ながら、なんかネタねぇかなーと思ってしまう辺り、俺も相当……
>>282 真性ドラゴンファッカーで擬人なし竜相手でないと勃たない強者なのかもしれん
それなら同情しなくもないが
>>284-285 いや、女の子が発情したモンスターに犯られていやああああってのは定番中の定番かと。
過去にそういう作もいくつもあるし
>>286 うん、定番なのはわかってんだ。
でもMH世界の生き物生き物した竜を見てると、生き物としての説得力がほしいななんて思ってしまう。
生き物として、子孫を残すべく発情するのなら、竜と似ても似つかぬ(しかも卵なんて産めない)人にどうこうするか?
だいたい、雄に発情期なんてものがあるのかもわかんねぇや。
スマン、絡みたいわけじゃない。
考えるんじゃない、感じろって自分に言い聞かせてくるorz
マジレスすると現実の生物では高等な生物には発情期がない方が珍しい。
あらすじ 餌を求めて徘徊していたリオレイアがハンターに見つかってうんちゃらかんちゃら
リオレイアの放った火球がハンターの横をかすめる。後ろの蜂の巣が一瞬で真っ黒になった。
『クソッ!このレイア…強いぞ!』
バインドキューブを背負ったハンターが後退りする。
リオレイアは少し間を置いてからバインドに突進する。その瞬間は固い草地から柔らかい砂浜に入り、バインドは思わず足を取られ、しりもちをつく。
「私を甘く見ないほうがいいわよ!」
そう言ってバインドを思い切り突き飛ばす。バインドは嵐の海に飛ばされた。とっさに構えたバインドキューブの折れた柄が砂浜に刺さる。
自分の体を地面に擦り付けるようにリオレイアは停止し、次の獲物を仕留めるために後ろを振り向いた。
―――と同時に別のハンター三人が一斉に顔に向かって溜め切りをするのが見えた。
ブジュリ 「ひやぁぁああっ!」
とっさに弱点の頭を守り、、右翼に叩きつけられる溜め切り×3。骨製の刃が根元の骨を断ち、こんぼうのような刃が翼爪を折り取り、
鉤爪の刃が翼膜に刺さりそのまま横に引き裂く。右翼はもう動かなくなり力なく垂れ下がっている。
「い…や…狩る側が…狩られるなんて…」
『よし!やったか!?』
『まるで活け締めだな』
『確かにwwwこのままヤりますかwwwww』
リオレイアの穴開きの翼膜にバインドキューブの柄を突き刺す。それが楔となりリオレイアの抵抗を完全に封じた。
「ぁ…い」
もう痛みも感じない。あとは弄ばれて殺されるのを待つのみである。ハンター達がまわりを取り囲む。
『俺は口でしてもらうか』
そう言ってハンターの一人が肉棒をリオレイアの口にねじ込む。
「んっ・・・ふむっ…」
別のハンター二人は人間用としては大きい亀裂に触れる。
「あっ・・ああぅ・・・・」
『こいつかなり気持ちいいぜwwwwww』
意識が遠のいていく。亀裂にハンターの肉棒が侵入している。口に精液が吐き出される。くやしい。だんだん目の前が 見えなくなってゆく―――――
【メインターゲットを達成しました】
思い付きですごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
いくらなんでも口はやばいだろw
噛み千切られるw
しかしその竜姦に命を賭ける姿勢こそドラゴンファッカーが竜姦者である所以か…
まぁ、なんだ。
おっきした。
>>287-288 そもそもMHの竜が高等生物なのかどうかも確かめる方法なんて無いだろ?
恐竜なんて体はデカいが知能は当然のことながら人間より劣るだろうし。
古典に残る『竜』は人知を超えた力と知能を兼ね備えた『天災』とか書かれてる場合もあるけどな。
仮にMHの竜が人間と同じ程度の知能を持つ、とまず想像してだな
その後に淫乱テディーベアでググってその後に子孫を残す為の発情について小一時間考えてみな
竜姦って語句を初めて見たよw
ドスには砂漠にクシャ、沼地にテオ、密林にナズチが居たが一体なぜ居なくなったのか。
そんな事考えてるから眠れないんだな、うん
繁殖期の夜が得意なナズチとか考えると眠r(ry
>>292 ちょwそんな精神的ブラクラをググれて、なんというドS……
288のいう高等生物ってのは、知能が高い云々でなく、単細胞生物でない生物とか、そういうもんでないかとエスパー
>>294 いろいろな考えが浮んで文章にしたら10行超えた。
でも、一言で纏められる気がした
つまり竜(獣)×人 大好き!!!!!!!!!!!!11!!!!!!!!!1!!
まあ、なんだ
とりあえず落ち着けみんな
俺はランゴスタの性kうわなにをするや(ry
フルフルは公式に寄生生殖だって判明してるからな。
ランゴあたりもジガバチみたく寄生生殖しそうな感じはする。
この辺は見る人によってはグロ扱いされる可能性のあるネタ。
それ以外は基本的に卵生だからヒトなんて犯っても腹の足しにもならんし
残る可能性はドス以降大人気の猿型牙獣種くらいか。
さてこのスレではほとんど語られないチャチャブー・ガブラス・草食獣擬人化についてかたろうじゃまいか
>>297 >それ以外は基本的に卵生だからヒトなんて犯っても腹の足しにもならんし
それを言ったら全て終わる気がする
>>297 哺乳類なら同姓愛的行為が目撃されているから拡大解釈すれば異種姦もあるかもだけど卵生生物だと異種姦の可能性は…
ていうかエロパロだし竜×人も人×竜もありだろ。
俺は竜に感じてる描写あれば竜姦にもハァハァできる。
>竜に感じてる描写あれば竜姦にもハァハァできる
うむ、同意である
以前のドスラン獣姦ものは、作者はネタのつもりだったかもしれんがけっこう興奮したw
竜がなんかしらのエロパロ的超要因(そのへんツッコむのは野暮って物)
により人間化して、人間の異性とギシアン…
というのが現状だと多数だけど、逆に人間の女が超要因によって竜になってしまい
発情期の雄竜に強姦されるなんてのも、女視点にすれば割とハァハァできる仕立てになるかもしれんね
つまり、尻尾らめぇ! とか 逆鱗やなのぉ……
とか キスしてブレスの流し合いちかか
世界にはヤギとFUCKする人間♂とか、馬や犬とFUCKする人間♀も居るしな。
そりゃ竜の中にも人間♀とFUCKする竜♂とか居るだろうさ…
それより空想(ゲーム)の空想(小説化)についてあーだこーだ言ってもしょうがないだろう?
ここはあーだこーだ言うための場じゃなかったか?
そこはちょっとあーだこーだの方向が違うんじゃないかなっていうか
たとえば「隔離環境で連続殺人が起きる」系の推理物を読んでる時に
「探偵役キャラが行く先々でこう都合よく連続殺人事件に遭遇する設定はおかしい!」
と言い出すのは、そりゃー確かにその通りだけどそれは言わない約束だろ…
みたいな所ってあるじゃん。
このスレで「なんで竜が人化するんだよ」とか「異種に発情ってありえなくね?」
と言い出すのってちとそれに近い気がする。
もちろんそういう暗黙の了解を使わないで(あるいは依存度を下げて)書く方法もあるわけで
その路線を追求するのは大いによしだけど、目指す所が違うものに対して
「ここの設定が変だからこの話はおかしい」とか言うのはスレがつまんなくなるだけじゃないかと。
ぶっちゃけ、我が股間のヴェンデッタが反応すれば何でもよかろうなのだ。
つ 【砥石】
つ【キレアジ】
魚オナニィって知ってるか?
半ば伝説と化したウナニーか
関係ないけどフルフルにチンコしゃぶってもらうと気持ちよさそうだ
>>307に同意。
でも基本設定まで無視したら何か違う気がするし
最小金冠サイズとかで無理やりなんとか
出来ないだろうかとか考えてみる
312 :
236:2007/09/23(日) 23:59:01 ID:2gSH1NzR
>237
数日来んうちに落ちてもうて、
検索しても次らしきスレが無かったからどうなってるのか気になっただけ。
無いなら無いでも、別にいい。
そういえば竜の擬人化はあっても
人の竜化や巨大化は無いね
さすがに竜×竜の需要はないんだろな
>>313 そ れ は そ れ で あ り か も 知 れ ん
315 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 17:12:24 ID:OBXaKSlb
話し変わるんだけど誰か初代スレから6代目までのテキストをうpしてくれないか?
ナナテオイラネスレで見て久々にドスファン子書きたくなった一言
ファンゴ様は全身敏感すぎてひぎぃ
電撃弾一発とかどんだけ感じやすいんだよw
>>316 淫乱テディベアって知ってるか?
Hなくまさんは全身が性感帯、感じすぎる体を持て余す。
ってな
このスレッド的にナナテオは必要だバカ野郎ーーー!
随分間が空いちゃったけど投下していいかな?
というか俺のこと覚えてる人いるかな?
覚えてるとも。
さあ投下するんだ!
というか今回番外編みたいなもの書いてて異常にふざけた内容なんだ。
それでもいいかな?
エロばかりでは単調になる。
ギャグというスパイスがスレを良くするんだ。
わかるだろう?
ありがとう…。
それじゃあかなり短めのやつだけど投下してみる。エメラとルヴィがそれぞれジュリオと出会ったときの彼女達視点の話。
とりあえずどっちもバカ&手抜きモード全開注意。特にルヴィの方は注意。
本編のための場つなぎに書いたもんだけど読んでもらえたら嬉しい。本編はあと3,4日ぐらいで書き終える予定。
んじゃ、読んだあとでの罵倒を待ってるぜ!
325 :
エメラ編:2007/09/25(火) 22:27:33 ID:ro4i+ef8
実に退屈な毎日だった。
ただただ私の強さを聞きつけたハンターが狩りにやって来て、それらを食い殺す…。
それを繰り返す淡々とした日々だ。
いっそわざとハンターに殺されてやろうかと思った時もあるがなかなかに痛い。
それに死んだらやかましい奴らもいる。
…そんなことを日々感じてきていた時だった、あのハンターがやって来たのは…。
凄まじいまでの強さだった。
今までのハンターどもとは比にならないほどの。
…不覚にも、その2本の剣を振るって戦う姿に一瞬目を奪われた。
決着がつくのに時間はかからなかった。私の惨敗だ。
しかし何故だろう。今になっていきなり死ぬのが惜しくなってしまった。
楽しかったのだ。奴と戦っていて…。
こんなに強い奴がまだいるかもしれないのに、こんなところで死にたくはない。
そう思った私は逃げ出した。
…無様だった。
だが、それでいいと思った。これは私の命だ。
が、帰ると同時に私は母から衝撃の事実を耳にした。
「負けたら婿に行かなきゃならないのヨ」※セリフは少しも省略しておりません
「は?」
「この一族の掟でね、もし命を賭けた戦いに負けたらその相手に嫁がなきゃならないことになってるのヨ」
「………………はぁ!?」
「いや、だからこれは掟だからネ。破ったら処刑ヨ」
「そ、それは困るな……」
「じゃ、そういうわけで行ってらっしゃ〜い♪」
「え、ちょっと!?」
川の外に放り出された。
なんという親だろう。
…しかし戻ったところで処刑は嫌だ。
こうして、私は人間と化し、しぶしぶあの茶髪のハンターの元へ行くこととなったのだ…。
それから始まる日々など到底想像もできずに………。
エメラ母「まぁ、ホントはあんな掟ないのよネ」
エメラ父「でもエメラもそろそろ年頃なのに身近にいい男はいないからな。しかしあのハンターは人間という観点で見ればいい男だ」
エメラ母「一目であのコの好きそうなタイプとわかったワ! それに強いしネ!」
エメラ父「これで娘の将来も安泰だ!」
父母「はっはっはっはっ!!」
こっそり娘の戦いを観戦していた、実にアバウトな父母であった。
が、女の勘とは恐ろしいものでエメラは見事にその男に惚れてしまうこととなる。
※省略なしのノンフィクションです。手抜きでもありm(ry
327 :
ルヴィ編:2007/09/25(火) 22:30:39 ID:ro4i+ef8
※一部のセリフがルヴィによって少し脚色されております
「う〜〜獲物獲物」
今獲物を求めて全力疾走しているウチは沼地に住むごく一般的なフルフル。
強いて違うところをあげるとすれば体が紅いってトコかナ――名前はルヴィ。
そんなわけで住処の近くにある狩場にやってきたんや。
ふと見ると狭い道に二人のハンターが立っていた。
ウホッ!いい獲物…
そう思っていると突然片方の茶髪のハンターがウチの見ている(目ないけど)目(ry)の前で双剣を抜き始めたんや…!
「戦らないか」
そういえばこの狩場はよくハンターが来ることで有名な狩場やった。
美味そうな人間に弱いウチは誘われるままホイホイと戦いに身を投じちゃったんや☆(そういえばもう一人の女ハンターがやたらウザイ顔でこっちを見ていた)
彼…双剣のハンターは美味そうなのでウチが勝手にマツ●カギュー250gと名づけた。
狩りもやりなれているらしく、戦いに入るなりウチは頭の皮を破壊されてしまった。
「よかったのかホイホイと攻撃を受けて。僕はノンケでも構わず狩っちゃうハンターなんだぜ?」
「いいんや…ウチ、マツ●カギュー250gさんみたいな人好きやから…(食べ物的な意味で」
捕獲された。
…強い。この男、強い…。
そういえば仲間から聞いたことがある…。茶髪で双剣のやたら強い男ハンターがいると…。
名前は確かジュリオ、ポッケ村在住の19歳で趣味は川の流れを眺めること、好きなものはサシミウオ、必殺技は(ry
…さっきのセリフ、訂正せなアカンな…。
ウホッ!いい獲物…。→ウホッ!いい男…。
愛しのマイダーリンをついに見つけた瞬間だった(1秒後、深い眠りにつく)
目覚めると檻の中に入れられていた。
しかしっ! この程度、ウチのダーリンへの愛で簡単に突破したるわーーー!!!
そんなこんなで愛の力(ラヴ・パワー)で脱出。腹が減ってたのでついでに近くみえにいたポポを食べた。美味かった。
飛び続けること6時間……見えてきた……ポッケ村や!!
…おっと、この姿じゃ騒がれること間違いなしやな…。今のうちに降りて人間になっとかな。
グッバイ、モンスターライフ…。そして……
「ウェルカム、人間ライフ!!」
おお、人間ってのも案外悪くないもんや。元々二足歩行ではあったしあんまり違和感もあらへん。
自分の顔がどうなってるかは空気の触れる感じでわかる。悪くない顔や。
よし、そんじゃあ今日からダーリンの貞操を奪うための愛の生活、スタートや!!
レッツ罵倒タイム!
本当にすみませんでした。
このおーばかやろー
ばかやろー
満足か?
もっと罵倒してくれ
(*´Д`)ハァハァ
なるほど、言われて感じちゃうドMなんだね。
なら君の望み通りの言葉を掛けてあげよう。
続きをよこせ。
ハリー!ハリー!
うむ、ドMの人GJ!本編期待してますぞ。
>>332 アーカード自重もとい、いい加減にしなさい!
ドMな人、ドGJです!
sage忘れの人GJ!!ほんわかして疲れを忘れました。
久々にエメラとルビィに会えてもの凄く嬉しかったんだぜ。そして本編大いに期待してる。
今日グラビ狩ろうとして分かったんだが、胸の甲殻壊してシビレ罠にかけて乱舞してると、胸を刺激されて喘ぎ声をあげながら、悔しいでも感じryに見えたんだ。
どうしたらいいんだ・・・?
>>335 グラビさんは巨乳
バサルちゃんはロリ貧乳
異議のある人はいるかい?
>>336 俺の脳内でもそんな感じだ
更にグラビは眠気を誘うような甘い喋り方、
バサルは意外と毒舌という俺的脳内設定
擬人化ではないものを書いてみましたが・・・
私がギアノスになってから3日目
群れのボス、ドスギアノスに呼び出された
廻りの女の子達は、かっこいいーって言ってるけど・・・
白い鱗
飛び出した口ばし?
ギラギラした目玉
ひょろっとした体つき・・・どうみても、白ランポスだ
「オマエが新入りかー」
ドスギアノスは私を舐めるように見つめる
「群れに居るんだったら、オレサマの相手をしてもらわねーとな」
じゅるっと舌なめずりをすると、私の後ろに回りこむ
「えいっ」
「いたたたたーっ」
軽く前のめりにされ、いきなりの挿入
「ちょっと、いたいじゃない!
いきなりは、無理よ!濡れてないもん!」
「ぬれるってなんだ?」
私の怒りにドスギアノスは不思議そうな顔をしている
「・・・だから、胸とか触って、準備ってもんがあるでしょ」
「胸?」
とぼけるドスギアノスにしかたなく、腹のちょっと上の方を指差した
「ここよ!」
「・・・・とどかねぇよ」
手みじけーな・・・と思いつつ、仕切りなおした
「胸が無理でも、キスとかあるでしょ!」
私は自分からドスギアノスの顔に近づいた
ガチッ
硬い口元のせいで、ぶつかったらかなり痛い
二人で口元を押さえながら(手届かないけど)
「お前の言っていることはよくわからねー
つまり、ここを濡らせばいいんだな?」
そうよと応えると、顔を私の下腹部のあたりに持っていく
やだ、舐められちゃうのかな・・・恥かしくなり目を閉じる
ボコッ
大事な場所に走った痛みで慌てて目を開く
なんと、雪の塊を掃きつけやがった!
「それが解ける頃には、ビショビショだな」
ひょうひょうとのたまうドスギアノスを置いて、股間を押さえながら走り去る
下半身が雪だるまになっているせいで、うまく走れない
そのまま、群れを離れた
無理っす
本編が進まなくて、ちょっとやってみたかっただけです
・・・スミマセン
いくら書いても終わんないときってどうすればいいんだ……?
ラストシーンから書き始める。
「〜〜だったそうな。めでたしめでたし」
って書いてからその後は絶対に増やさないと自分で誓う。
長めのネタ書くときはちゃんと最初にオチを決めとかないと
そうやっていつまでも終わらなくなるから注意な。
mjd?
ラストシーンは決まってるけど、間をいくら書いてもゴールが遠いときは……って
はしょればいいのか。
>>341 納得するまで書くのも良いと思うんだぜ。
ここって、結構長いのドカンと落とす書き手さん居るスレだしな。
エロさえはしよらなければ、皆文句無いんでないかね。
うわ……4時間分のテキスト消しちまった……
がんばれ!
PCぶっ壊したくなるだろうががんばれ!
>>344 こまめに保存しながら表紙絵を描いてたら、
データ破損で完成寸前の絵が丸々吹っ飛んだ知人を思い出した。
凄まじく凹むだろうがガンバレ。
その知人も死ぬ気で描いてどうにかなった。
フルフルにフェラされたい
ヤツのよだれの効果を忘れていないなら、ドM様ご降臨と言うしかあるまいよ
>>348 ヤツのよだれは自分の内臓にもダメージあるっぽいからな…
>>348忘れる訳がないだろう。
フェラ中に電気ブレス吐いて欲しい。
酸+電撃フェラがお望みとか強者すぐるwwwwwwwww
でも電撃責めするドSフルを誰も思い付かなかったのか…
全く不覚過ぎる(俺含む全員)
>>352 考えなくもなかったが、相手役がショタハンターっつーのはさすがに無理があると思って諦めた
別に♂フルが電撃使っても構わないんじゃ…
フルフルによるハンター陵辱劇が始まりそうだと聞いて飛んできました。
包茎チンコに犯されるショタチンコか……
♂フル(擬人)が女を犯して「いやああああ!しびれちゃううううう!」てネタは
以前のスレのギャグネタであったな
人化したフルフル♀のフェラで酸ダメージってのも、だいぶ前のスレにあったよな。
両目に包帯巻いた擬人化した♀フルがケルビを電撃を使って犯して
その電撃でケルビがキリンになってしまって♀フルが逆に犯されるなんてのもあった気がする
カオスだなwwwww
随分未保管の代物があるんだな
age
ごめんなさい3,4日で書くって言ってたけどうちのボロパソコンが書いてる途中で
いきなり強制終了してデータが半分ぐらい飛んじまった…。
なのであと少し遅れることを心よりお詫びしたい
>>361 あそこもう動かないんじゃね?
新しいとこ作ろうにも過去ログ全部持ってる奴いるのか?
んー。最近あげてくれた人が居るから、たとえば俺持ってるよ
他にもいっぱいいると思うよ
オオナズチー続き落とすよー
「それでどうよ?」
量と安さだけが売りの麦酒を一杯飲みながら隣の教官に話しかける。
どうよ? とは誰のことでもない。昼間預けているオオナズチの少女のことだ。
「うーん? コレからに期待、というところだぁなぁ」
テーブルに肘を突き、干しイカの炙りを齧りながら答えるのは締まった筋肉を持つ中年間近の男性だ。訓練所にいるときのハイテンションは収まっている。というか真逆だ。気だるそうな雰囲気で芋酒を舐めている。
あれは青少年たちに悪影響を与えないためのポーズなのだそうだ。全く恐れ入る話だこと。
「てぇことは芳しくないってことか」
ふーっと鼻から空気を抜きながらため息をつく。話は少しさかのぼる。
二人のことは村ですぐに話題になった。
いなくなったハンターの家に離れた村から越してきた弟と、誰とも知れない少女が暮らし始めたのだ。
あらやだ奥さん聞きましておほほほ、なんて噂が立つのは予想していたが、一日と立たずに村中に知れ渡ったのは予想外だった。
「むぅ……」
「どうしたのだ叔父貴どの」
姉の家のとある一部屋。
奇妙な竜の遺骸に粉末にした抗菌石と不死虫を擦り込む作業の中、傍らでそれの入った桶を持たせた少女が疑問符を浮かべた。
昨日丁寧に櫛を通したせいかもともとの性質か、紫と水の色の混ざった髪は腰ほどの高さで揺れている。カツラ屋に売ったら一週間の豪華な飯代になるだろう。
いきなり水晶色の瞳を大きく開いて慄いた。そして寂しげな慈しみの笑顔を浮かべる。嫌な予感がする。
「吾輩は寛容であるからな……。叔父貴どのが吾輩の身体に獣欲を抱いても決して否定はせぬよ。」
「待てや」
続く言葉に上書きを掛けた。だが。
いやはや、母が叔父貴どのの色めいた話をせんのは常々疑問であったが、まさか竜の熟れた肉体が趣味だったとは吾輩気付かなんだ。
なんて長い台詞を掻き消すには少々短すぎたようだと反省して、身体に教えてやる。
頭で二度打撃音を響かせ床に沈む少女。
む、粉が切れた。
「おら、粉寄越せ粉。腐るだろうが」
「お、叔父貴どの! 暴力反対である!」
床から聞こえてくる喚きはその辺にほっぽって、作業を再開する。
今しているのは防腐処理。小バエよりも小さな生き物が住めないようにすると腐らなくなるなんてことがどっかの偉い人の本に書いてあったらしいが
仕組みなどどうでも良くて、この粉末によって遺骸が腐らなくなるほうがよっぽど重要な事柄だ。
しかし、見れば見るほど。
「不細工……」
目玉は飛び出しているし、死んでいるせいか舌もはしたなく垂れたがっている。足は異様にちいさいし、巨大な半円の尾はアンバランス。
「不細工と……不細工と申されましたか叔父貴どの……」
床でなにやら呟いている少女がこれの化身というのだから世の中判らないものである。
「たしかに吾輩等の姿形は人間の基準からすると大きく外れているのも止む得ないかもしれないが当人を前にして不細工だとかどうしようもならない造詣のことで
卑下するのは些か非文明的な行為であると吾輩は指摘したいしかしながら吾輩の身体が多くの人に好かれないのは事実であり……」
呪文かそれは。不幸スパイラルに自ら落ちていくのはどうかと思う。ゆえに話題を降るのも年長者の役目だろう。
「名前」
「ぅ?」
大きな瞳に目の色と似た何かを浮かべながら顔を上げる少女。忙しさにかまけて自己紹介もしてないのだ。
コホンと咳払いして語り始める。
「さて今更だが。俺はミスミ・ノルィマ。お前の母の弟で、お前から見ると義理の叔父に当たる」
ほれ、と顎で促す。少女は目を泳がせた後、小さな声でこう言った。
「……ズッチー」
思わず聞き返しそうになったが、それは酷というものだろう。目蓋は半分ほど閉じられ、下唇を噛んでいた。
「人の名前でないな……」
叱られた子どものように身体を跳ねさすズッチー。唇を更に強く噛締めていた。まぁ数少ない大好きな親から貰えたものだ。否定されりゃ悲しい。そして俺の言葉が事実だと判断できるから尚更だろう。
「こんなこともあろうかと用意していたものがある」
作業を止めて胸元から小さな紙を取り出す。
渋々白っちい腕を伸ばして受け取りしげしげと眺める少女。そこに書かれているのは俺が夜通しで考えて絞り込んだ四つの名前だ。
ズッチーは俺の顔を真正面から見て言った。
「叔父貴どの……哀れなくらいセンスが無いのであるな……」
「馬鹿な……!?」
俺のガラス細工の繊細なハートは打ち砕かれた。その場に知らぬ間にくず折れる。
「吾輩、少し用事を思い出したのであるよ」
すっと立ち上がり、扉から出て行く紫の少女。俺は放置プレイか。
ドアが閉まってたっぷり十秒数える。
「……なんてな」
どっこいしょとその場に崩れた胡坐を掻く。俺のハートは防弾ガラス。徹甲榴弾でも壊せない特別製だ。
家の外など知らないくせにどこへ行くのか。大切なものを奪われなきゃいけない状況に待ったを掛けただけだろう。
されどその心中はわからない訳ではない。むしろ、よく知っているというべきか。
「ああ、面倒臭ェなぁ」
騙された振りをしてやるもの大人の務めだと思うのだよ俺は。
翌日。叔父貴どのが着てから数日たったある日。吾輩は叔父貴どのに手を引かれ、初めて我が家の外に出た。
周りの視線が突き刺さってくるのがよく分かる。
身体がガチガチに硬くなって上手く歩けない。皮膚の盛り上がった手の平だけが命綱と言わんばかりに握り締める。
果たして叔父貴どのは握り返してくれた。しっかりとした温もりが手の平から伝わって、硬直がほどけるのを感じた。
はふぅ、と己でも意識しきれていなかった緊張が吐息に乗って抜け出す。
「行くか」
ん、と頷いて歩き出す。
右、左、右、左と意識して足を踏み出す。
人の身体は安定しない。一本の足に踵とつま先で二本足、合わせて擬似的に四本足にしないといけないのだ。
今までの一本一足の便利さを思い知る。
他にも色々できるようだが、指先の器用さが特化しているほかは、別の生き物に劣っているようにしか感じられないのだ。
というか、箸とはなんであるか箸とは。物語の中では便利そうであったのに実際は不便極まりない代物ぞ。手掴みだと叔父貴どのにはたかれるし、母は使いこなせると聞きしぶしぶ練習していたが……。
「着いたぞ」
「ふがッ?」
こんなところまでいつの間に来たのであろうか。叔父貴どのは吾輩の知らない人間の技術を行使したのやも知れぬ。周囲は窓からは見たことのない風景に変わっておった。
目の前には大きな木を組んで出来た枠組みの門がある。その真ん中に叔父貴どのより歳を召された人間の男がいらっしゃった。
「よく来たな!」
歯切れの良い大きな声に驚いた。繋いだ手を握り締める。大丈夫だ。繋がっている。
男の声の調子は楽しそうである。
「お初にお目にかかります教官殿。先日手紙をお送りしたミスミ・ノルィマと申します」
叔父貴どのは今まで聞いたことのない声色と口調で話し始めた。
「まぁ単刀直入に言いますとコイツを鍛えてやって頂きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「手紙にも書いておられましたな! ええ、勿論ですとも!」
吾輩を置き去りにして、頭の上を言葉が飛び回っていく。
人間とは一面の生き物でないことは知っていたが、実際見るとそれが知識のものでしかないことがよく分かる。なんだか、手を繋いでいる人間が叔父貴どのではないように思えた。
「それで」
ズッと近寄る厳つい面。目元に皺ができておった。
「君の名前はなんと言う?」
柔らかな口調は固まっている吾輩に対する配慮であろうか。言葉を紡ごうとするが上手く出てこず、頼るべき叔父貴どのは何やら別人のようであり。ああ、姿形が変わっても、肝心なときには使えないのだろうか。
「ミズチと言います」
助け舟はやはり叔父貴どのからであった。吾輩は動けず、そのまま聞き続ける。
「むーん? 大分東の方の竜の名前かね?」
「ええ、東生まれなもので。水に司る架空の生き物らしいです」
ミズチ、ミズチ、と口に出さずに繰り返す。それは昨日の四種類の名前には入っていなかったはずである。
談笑を打ち切ったのは教官の方からであった。重そうな身体を持ち上げ仁王立ちをする。
「ふうむ。……ではこれから訓練を始める!」
「よろしくお願いいたします」
叔父貴どのが一歩下がり、吾輩が教官殿と正対する形になる。教官殿が岩を刻んだような顔で唇を持ち上げた。
「何故下がるミスミ殿! 貴方も訓練するのだ!」
な? と口をぽっかり開けているのが気配で伝わってきた。
教官殿は吾輩の頭を大きな手の平でグシグシと掻き回して、
「まずはこの村の……服屋に案内しよう」
と母の上の服だけ着た吾輩を穏やかな瞳で見つめるのだった。
「疲れた……」
「……………」
吾輩は最早語る言葉も無くしていた。二人で我が家のベッドに倒れこむ。教官どのに連れられて村中歩き回ったのだ。
服屋では売り子のお姉さんとおば様に黄色い悲鳴と共に服を剥かれ、肉屋では吾輩より小さな子どもに尻を撫でられ、加工屋では叔父貴どのとの専門的な会話の片隅に放置され、酒場ではたらふく食わされ。
行くところ行くところで何かしらの事態が起こり、その度か弱い精神を磨り潰したのだ。
「叔父貴どのが越したときに挨拶回りしなかったせいである……」
「マジ悪ぃ……」
声に力は無い。村の人たちが会うたびに何かしらくれたのだ。それを全部持ってきたのだから厚かましいものである。半分は教官殿が運んでくださった。次にお会いするときにお礼をせねばなるまいて。
「叔父貴どのーぉ」
「駄目だズッチー。俺は眠い……」
一刻も早く聞きたいことがあるのである。
「なぜミズチなのだ?」
「ああ……それ、は…………姉さ……がせっか…つ…た名前だか……るべく生かそ……」
言葉にいつもの毒はない。発見した。この男、眠いと素直になるのである。
「……由来の説明は?」
「……舌先三寸……」
嘘であるかよ。
穏やかな寝息が聞こえてきて、顔を見ると既に深い眠りに落ちているようだった。
寝苦しいだろうと思い、服のボタンを外してやる。……何故ボタンというものは外しにくく出来ておるのであろうか。苦戦しながら一個一個外していく。
外して、今度はベルトを緩めてやる。……なんでベルトというものも外しにくく出来ておるのであろうか。むりやり引っ張る。
今なら聞こえないだろうて。小さく呟く。
「……ありがとう」
この男は男なりに吾輩の心の機微を察して色々骨を折ってくれたのである。これくらい言っても罰は当たるまい。
安定した呼吸をしているのを見て、吾輩も着せられた服を緩め、楽な格好になる。
大きな毛布を広げて叔父貴どのと吾輩の身体に被せた。叔父貴どののお腹に頭を乗せる。呼吸が心地好い。
少しずつまどろんで……。
「……どういたしまして」
小さな呟きで眠気が吹き飛んだ。胸が早鐘を突く。今日は固まって動けないことばっかりである。
寝たふりを続けたものの、しばらくは目が冴えてどうしようもなかった。
こういうのを確か、人間の言葉で闇討ちだか不意に憑かれるなどと言うのだと思った。
教官殿の訓練は、厳しかった。というよりも難しかったというべきか。
走ると転ぶ。物を投げれば見当違いの方向へ飛んでいき、キノコを摘めば握りつぶす。片手剣は容易く折れて、ハンマーは地面から抜けなくなった。
一度調合したら教官殿にしばらく自重するように言いつけられた。おなじ狩人見習いに嘲笑われて、消えたいと思ったことも一度や二度ではない。
それでも、母を探しに行くために必死だった。
「叔父貴どの。お聞きしたいことがあるのである」
家の中で一番広いのは居間である。そこで柔軟をしながら叔父貴どのに話しかけた。
「む? なんだ?」
エプロンをつけた叔父貴どのが立っているのはキッチンである。肉焼ける香りに腹を鳴らしつつ、吾輩は柔軟を続けた。
「……あの、である。吾輩は」
何処かおかしいのであろうか、と続けた。あ? の尻上がりの声に含まれている感情はよく分からない。両脚を真横に伸ばして上半身を前に倒して胸を床につける。
村に出るたびに何かの視線を感じる気がするのである。
そのまま筋を伸ばしていると尻を蹴られた。
「ひゃうっ」
「飯出来た。手と顔洗って体拭いて来い」
頭の上に降り注ぐ柔らかな布と布。恨むように見上げると、フリフリエプロンの叔父貴どのはフライパンの中身を大皿に移すところであった。
ぐへへという笑顔と、まったく似合ってないのである。
そそくさと新たに与えられた部屋へ移動する
汗まみれの運動服を蔓を編んで出来た籠に入れ、汗を濡らした布で拭う。火照った肌から熱が奪われて気持ち良い。
髪を拭きながら姿見を横目で覗く。映る吾輩の裸姿。他の人は髪の色が混ざり合ったりしていない。他の人は肌にもっと色が乗っている。他の人はもっと筋肉が付いている。
たしかに醜くとも構わないと願ったのであるが、今の吾輩がどういう風におかしいのか判らないのである。
「ううむ」
唸っても答えが出るわけではなく。部屋着に着替え、籠を持って部屋を出た。扉を閉める音がした。
食器を鳴らす音だけが響く食卓で、叔父貴どのと二人で大皿を突付く。
「なんでそんなことを思ったかは知らないが」
叔父貴どのが口を開いた。
「人間なんて誰かしらどこかおかしいもんだぞ」
取り皿の上で肉を解体しつつ続けるのを、吾輩は人参に齧り付きながら聞く。
「心外ながら、俺もどこか抜けているらしいし、教官も無駄に明るいし、服屋の母娘の耳の早さときたら最早予報レベルだぞ」
「でも、みんな人間なのであるよ」
吾輩とは違い、髪も肌も瞳の色も、同じ人がいるのである。
「頭が一つ、腕二つ、脚が二本胴体から生えていれば充分人間らしい」
「叔父貴どの、それではいつぞやの本に載っていた白い猿やら桃色の猿も、人間になるのである」
茶々入れんな、と旋毛を叩かれた。あ、の長音を上げながら、叔父貴どのの皿の上の肉が細切れになっていく。人の行儀には厳しいくせに自分には甘いのである。理不尽な。
「さて身体のほうは解決したとして」
「いつの間に!?」
「まぁ置いとけ。心の内側の話だが」
咳払いをする叔父貴どの。口元には食べかすが付いていた。
「俺は、たった一振りの剣を鍛えるために一生掛けた男とか、寂しさから常識的に考えられないものを育てた女性とか、竜を虫けらのように屠り過ぎて人間達に裏切られた男を知っている」
語る姿は小さく見えた。
「彼らは誰も常識から大きく逸脱していた。それに比べれば、母を探すなんて目標、よっぽど常識的だ」
拳を硬く握って話すさまは、どこか痛ましげであった。
「叔父貴どの……」
胸のうちがモヤモヤした。椅子から立ち上がり、テーブル越しに身体を伸ばして頭を撫でてやる。
一撫で一撫で柔らかく心を込める。
「ミズチ……」
ん? どうした叔父貴どのと微笑む。
「行儀悪い」
「ぴぎゃッ!」
鼻の頭にデコピンされた。何事も無かったかのように食事再開する叔父貴どの。
「食事中は席を立たない」
「は、鼻鼻はなが!」
鼻を押さえて呻く吾輩には届かなかった。
吾輩が一人で出歩けるようになったある日のことである。
「誰である……じゃなかった。どなたですかー?」
返事はなく、吾輩の言葉が木霊するだけだ。
ここは村はずれの廃屋である。訓練が終わった吾輩は置き手紙にで呼び出されたのだ。
誰であるかは不明だが、村人に悪人はいないということを知った吾輩が恐れる理由も無かった。
「誰かー?」
安心しきっていた。薄暗く、埃っぽい小屋の奥に進む。やはり誰もいない。件の人物が来るまで待とうと思い、反転したとき。
入り口から三つの影が飛来した。
短い悲鳴は広がる白色に遮られる。粘つく網は吾輩の身体を絡め取り、壁際に拘束する。目にも張り付いて吾輩の視界は闇に閉ざされた。
「落とし穴に使うネット、粘着力を増してある」
声は入り口から聞こえた。耳慣れたその声は、
「トラッド……先輩?」
同じ訓練所に通う先輩であった。外見年齢は吾輩と同じ。武器の使い方もさることながら、道具の使い方が誰より上手く、面倒見の良い先輩である。
床板が軋む音を立てながら近付いてくる。
「先輩……あの、これは。吾輩は誰かを待たねばならないのであるよ」
足音は止まらない。吾輩の目の前まで来て、やっと止まった。
「呼んだのはオレだ」
何かで濡れた布で顔を拭われる。顔を覆うネットが融けた。
「ミズチ、ハンター諦めろ」
口元には笑み。 目は笑っていなかった。
は? 何を言っているのであろうこの男は。分からないという顔をしていると頬に衝撃。一拍遅れて熱を持つ。
痛みより衝撃に驚いて目を見開いていると、もう肩頬も張り飛ばされた。
「ちょ、先ぱ、あぅッ!」
平手は数を追うごとに鋭さを増す。その度に吾輩は短い悲鳴を上げるのだ。
わけも分からず叩かれて、すっかり意思が削がれた頃。トラッド先輩も疲れたのか息が上がっていた。
「お前さえ……お前さえいなければ!」
「痛……!」
髪を掴まれて、顔を上げさせられる。まったく、わけがわからないのである。
「先輩……!」
絞り出すように言葉を紡ぐと、一際強く髪を毟られた。
「黙れよ。……なんで、ずっと訓練してきたオレと、お前の扱いが同じなんだ? なんで教官はお前ばかり気に掛ける!? 答えろ!」
吾輩にばかり教官が指導していたのが気に入らないらしい。別にそんなことは無いと思うのである。もっと小さな子たちのほうがよっぽど気に掛けられている。
「わ、吾輩が気に掛けられているのは、駄目だからであろう? 先輩のほうがよっぽ」
自らの恥を語り、常々思っていたことを語ろうとすると、喋るな、と腹を蹴られた。むせる。理不尽な。
「聞いたんだ。次の討伐試験はオレか、お前だって」
静かに語る言葉の裏には隠しきれない熱があった。
「オレがどれだけ訓練してきたと思ってるんだ? なんでお前だけ特別扱いなんだ? おかしいだろ、なぁ!」
小さな駄々っ子のように見えた。怒りに似てる。悲しみに似ている。吾輩にはまだ心の機微が上手く掴めないが、そのどちらでもあって微妙に異なる感情なのだろう。
その熱に当てられて逆に頭が冷えてきて、代わりにお腹が熱くなってきた。
砕けた意思を掻き集めて鋼とする。先輩、いや、トラッドの顔を睨みつける。
「んだよその目は……」
うろたえるトラッド。目の奥に見えるのは迷いであろうか。
「吾輩は……」
これがかつて憧れた先輩なのだろうか。吾輩にコツを教え、なんでも答えてくれた人間なのだろうか。
まるで迷い子だ。
一喝する。
「諦めない!」
小屋の空気が停まる。
迷い子の表情から感情が消えていく。虚の無貌まで無色になると、一変してドス黒い感情を貼り付けた。
「ああ、そうか。そうか。そうかよ!」
腰の裏に差していた短剣が閃いた。へその下辺りから喉下まで冷たい物が走りぬけ、ところどころ熱くなる。
「……んな!?」
吾輩の喉から下腹部までが外気に晒されていた。白い肌に赤い雫が玉になって滲んでくる。
ああ、せっかく貰った服なのに勿体無いのである。ものの無惨、真っ二つ。継を当てればまだ使えるであろうか。
現実逃避は胸に走る感触によって遮られた。
「痛っ……!」
痛い。指が胸を押しつぶしてすごく痛い。
「先輩……っ!?」
「お前が……お前が、お前が悪いんだ……! クソ、クソ! クソがァ!」
顔は俯いているせいか見えなかった。ほとん泣き声で喚いていて、続く言葉を出すことは、何故か躊躇われた。
なんでこんな風になったんだろう。ちょっとだけ脅すつもりだったのに。
水晶色をした瞳がこちらを睨んでいた。止めろといっても言うことは聞いてくれなかった。
『諦めない!』
まず始めに頭の中が真っ白になって。
――ああ、そう、か。
目の前が真っ赤になった。
「ああ、そうか。そうか。そうかよ!」
身体に染み付いた動作で短剣を抜き払っていた。
雪みたいに透き通った肌が、果物の皮を剥いたみたいに現れる。驚いて口を開ける様子はいつも通り可愛く感じた。
血の雫が浮き出てきて、生き物であることを教えてくれる。
綺麗だから、壊したくなった。
衝動に任せて控えめな胸を握り潰す。暖かくて柔らかい。自分に吐き気がする。
『先輩……?』
先輩なんて呼ぶなよ。なんだかとっても重いんだ。
「お前が……お前が、お前が悪いんだ……! クソ、クソ! クソがァ!」
もう何も考えたくない。感じたくない。潰して、嬲って、首筋に齧り付く。
おい止めろよ、もっと罵れよ。怒れよ。哀れんだ目でオレを見るなよ!
強く吸って、白い首筋に赤い証をつける。
くそ、クソ、クソ! クソォ!
白い頂の桜色に触れないように舌先で触れた。滑らかだ。円を描くように舐めまわす。
「ん……ふぅ……」
喘ぐなよ。言葉で斬りつけろよ。酷いことしてんだからよ。空いている手でもう片方の桜色をつっと撫でる。
体が跳ねる。サシミウオみたいな腹が怪しく踊った。
呼吸がうるさい。オレのか、彼女のか、あるいは両方か。止めたい。止めたくない。どっちだよオレ。
撫でていた手の指先を腹筋に添って滑らせる。少しだけ汗ばんだ肌が名残惜しそうに貼りついて、赤い雫が跡を残す。
オレの唾液で濡れた胸の、尖ってきたてっぺんを食む。
ひぅんっ! ……ふッ……くぅン……はぁ……。
熱い吐息が聞こえてきて、悲しくなった。誰か止めてくれよ。頭と心と体。どれがイカれてるのかさっぱり判らなかった。
取り合えず、身体はぶっ壊れてるみたいだ。
服の裏側を這って、尻を撫でている。
もっと鳴かせたいなんて考える頭も全損。舌は縦に走った傷を舐めて、ヘソを抉っていた。
通わない心に意味は無い。
「んぁ……せんぱ…ぁ……やめぇ……」
甘くて粘つくような声。誰か止めてくれ。いっそのこと殺して村の外に投げ捨ててくれ。
辛うじて貼り付いている下着。縦に入っている線はオレが入れたものだ。
手の平で撫でるようにして巻き取っていく。
艶めかしい雰囲気は扉を開け放つ音で霧散した。
「ナズチッ!」
「ん……ふぅぁ……叔父貴どの……」
側頭部をぶん殴られた。横っ飛びに倒れるオレ。
――やっと止まれた。
「この……クソガキャぁああ!」
吼えて、踏み込んだせいで床が嫌な音を立てた。迫る巨体。間一髪で制止する声が飛んだ。
「叔父貴どの! いいのである!」
拳は振りかざされたところで止まり、ミスミさんはミズチを振り返った。
「吾輩は……こんなところで止まっていられないのである……」
ミスミさんは何か言いたげに息を吸い、呑みこんで、オレを蹴った。胸倉を捕まれる。
「叔父貴どの!」
「おい……どうすれば取れる?」
「……入り口、脇の、壷」
絞り出した声は蚊の鳴くような大きさだった。
床に投げ捨てられたまま、ミズチのネットが除去剤で溶かされるのを見て、二人が去っていくのを見送った。
ミスミさんの上着を着たアイツは一度もこちらを見ることはなかった。
何てこと無い。オレとアイツでは最初から見ている場所が違ったというだけだ。オレが足元に気を取られている間に、アイツは遠い空の向こうを見ていたって、それだけの話。
気が付くと頬が濡れていて、
「ふっ……ぐぅ……ぅ」
倒れたまま泣いて、夜を明かした。
誰か、オレを消して下さい。チャンスなんていらないから、オレの生きてきた足跡を消して下さい。なんて繰り返しながら。
無言のまま家に帰る。
玄関を閉めるとホッとした。改めてミズチを見る。
なんでもない顔をしているが、膝は笑っていた。
「どうした叔父貴どの?」
声は平静そのもの。なんと笑顔さえ浮かべている。偽りに見えるのは気のせいだろうか。
「吾輩、少し疲れたから、先に寝るのであるよ。おやすみなさい」
「ちょ……待っ……」
振り返らずに歩くミズチ。部屋に戻る背中を追えなかった。
しばらくして、誰もいないキッチンでスープを作ることにした。磨り減った心に染みるように丁寧に作っていると、足音が聞こえた。
なるべく小さくなるように歩いているみたいだが、静か過ぎるこの家では意味を成さない。
この方向はトイレだ。催したのだろうか?
微かに聞こえてきたのは嘔吐音。
少し立つと足音は自分の部屋へ帰っていた。
俺は一体何をしているのだろうか。あんなことをされて傷付かないはずがない。心のケアは家族の役目だ。
お盆に出来たスープと、水差し、コップを載せて運ぶ。部屋の前まで行って気が付いた。
「ヒッ……うぇ、えぇぇ……あぅ……くぁぁぅ…………」
ミズチの嗚咽だ。一体、どんな顔をして入ればいいのか。どれだけ泣いているのか? 決まってる、部屋に篭もってからさ。
姉さん、こういうときはどうすればいいんだ?
俺は部屋の前で立ち尽くすのが精一杯だった。
NGしーん
腰の裏に差していた短剣が閃いた。へその下辺りから喉下まで冷たい物が走りぬけ、ところどころ熱くなる。
「……んな!?」
吾輩の喉から下腹部までが外気に晒されていた。白い肌に赤い雫が玉になって滲んでくる。玉は線となり、線は溝となり、はらわたがまろび出た。
「はぁ……! づぁ……!」
トラッドはやっちまったーって顔をしていた。やっちまったーじゃ……ないで……ある。
艶めかしい雰囲気は扉を開け放つ音で霧散した。
「ナズチッ!」
「ん……ふぅぁ……叔父貴どの……」
果たして現れた男はフリフリエプロンを装備して、フライパンを携えていた。もう片手にはお玉だ。
胸が高鳴る。
……なんて、ストライクゾーン……!
拙者、ときめき申したよ。
「おっさん! 突き合って下さい!」
「おいおい良いのかい? 俺はノンケでも構わず食っちまう男なんだぜ?」
二人は夜の村へ消えていった。
「おーい……吾輩は放置であるかー……? おーい、だれかー?」
ここまで
ナズチGJ!
NGシーンワロタwwwwwこういうの大好きwwwwww
GJ!
最後あたりの緊張感と麦茶かえせwww
ナズチGJ!普通にミズチたんに萌えたから困る
ナズチの亡骸の描写が出てきたとき「背中に切れ目があってそこから出てk(ry」とか思った俺まじサーセン
淡々とした描写の裏にいろんな感情があるんだろうなって感じがたまらん。
トラッド切ねえ…
続きも期待しているのであるよ
う、このスレ擬人化がデフォになったん?
オラみたいなのはもう時代遅れだべか・・・
MHに関係さえしてれば何でもOKだと思うけど。
変身擬人化から始まって人型してるのがデフォとかハンター同士とか
中にはハンターが襲われる、あるいは襲うなんてのもあるわけだし!
MH関係してて我が股間のエクスカリパーが反応すれば、ぶっちゃけ何でもあり
そういう時は身を隠sじゃなくてガンチャリオットがとかブレイズブレイドがとか言うんだ!
……だから、ギブアップせい!
今ランゴスタに狩りの邪魔をされて腹が立ったのでハンター集団によるランゴスタ凌辱を書く
気がつくとあたしは浜辺に倒れていました。雄のハンターさん三人、
雌のハンターさんが一人、何故かあたしを取り囲んでいます。
「へ、モドリ玉をモンスターに当てると人間に化けるって噂は本当だったんだな」
「まっさかランゴスタまでねぇ…こいつぁ驚いたぜ」
「大きな瞳、綺麗な羽に6本のほっそい手足……まるでおとぎ話に出てくる妖精みたいじゃない」
雌のハンターさんがあたしの右前脚と真ん中の左脚、左前足と真ん中の右脚を背中で合わせて縛り上げました。
「もっと気持ち悪い姿を想像してたから、意外だったぜ」
雄の一人が腰に巻いた袋からまっ黄色いキノコを取り出してあたしの背中から前足の付け根に腕を差し入れて抱き抱えました。
「そら、しっかり食えよ」
【ほがっ!?】
それは口にしただけで身体が電気に当たったように痺れて、喉が焼けそうに苦しくて。
吐き出そうとしたら口と鼻を押さえられました。
【おうぅ…う…ぶぅ】
「しっかり噛み締めなw」
顎をわしづかみにして無理矢理かみ砕かせるハンターさん。
小さな一欠けらが喉の奥に転がり落ちました。
【あびええぇっ〜〜〜〜〜!】
あたしは白目を剥いて絶叫しました。飲み込んだのは爪の先くらいのかけらなのに、
お腹の中に直接雷が落ちたみたいなショックが絶え間無く走るのです。
「流石最高級キノコの木から採れたマヒダケ様、効きが違うぜw」
「どうだぁ、初めて麻痺体験しちゃった御感想はぁ」
【うぐぅむぶふぅぅ〜っ】
あたしは泣いて許しを乞いました。
だけど、鼻を摘まれたままの状態で黄色いキノコがどんどん口に押し込まれてきます。
「みんなのうらみだ、たんと食えよ」
【ぎょびいいいぃいぃいいい!!!!!!】
あたしは4本の脚を縛られたままもんどりうって転げ回りました。!
「ランゴスタも麻痺はお嫌と見えるw」
汗と涙とよだれを飛び散らせて悶え苦しむあたしの様子を散々笑った後、もう一匹の雄が、やっと痙攣も収まって
ぐったりするあたしの脚の付け根にこれでもかというくらいたっぷりとハチミツを垂らし始めました。
【あい…ぃ……】
何をされるのかわからずに竦み上がるあたしの割れ目に蜜が満遍なく塗りたくられます。
「オレぁこいつと違って優しいんだぜ?感謝しろよ」
【いっ…ひぁ……も、許してぇ……】
中指をハチミツでぬめってるだけのあたしの入口に宛がうと、そのまま割れ目の奥に突き刺しました。
「流石に狭いな」
【ひっいっ……っやぁっいたいぃ!ムリなのぉしたら壊れちゃうぅ】
ゴツゴツした固い感触が痛くて溜まらず悲鳴を上げると雄が指を引き抜いて、腰を密着させてきました。
異様な何かが割れ目に当たってきます。
視線をそこにさまよわせ絶句しました。
指よりも太い、見たことのない巨大な赤黒いキノコが割れ目に押し入ろうとしているのです。
【あぁいやぁそんなのきもちわるいぃっ】
必死に腰を振って更なる苦痛から逃れようとするあたしをたやすく押さえ付けて雄が笑いました。
「道つけといたから平気さね」
【あ゙っああぁーっ!!!】
グプリッ。
熱い硬いキノコがあたしの中を容赦なく突き進んできます。
中を圧迫されグリグリと掻き回されるという想像を絶する痛みに新たな涙を溢れさせるあたしに雌が笑いました。
「あら、ランゴスタも刺されると一応痛がるのねw」
「刺すのは好きだけど指されるのはいやぁってかw」
「ちょwコイツすげぇ締め付けてくるわwwあ、出る」
あたしは代わる代わる雄二匹のキノコを股間に挿れられました。
「5分切ったわよ」
雌の声で雄が漸くあたしから離れました。
数え切れない挿入にすっかり緩んで口を開き、雄が放った白い胞子がコポコポ溢れる
あたしの割れ目に今度は細く冷たい物が入り込んできました。
……雌が担いでいたボウガンの銃口でした。
弾を装填しながら雌がウインクします。
「悪く思わないでねぇ、アンタで最後なのよ」
【目的を達成しました】
【巨大昆虫、発生 ランゴスタ50匹の討伐クエスト成功!】
勢いでやった
当然虫の生態一切無視
しかも先に落とした分はタイトル入れ忘れ
でも後悔はしない
反省もしない
苦情の類は受け付ける
以上
ランゴ陵辱……虫姦か……以前ランポス♀をハンター♂が竜姦するっちゅう話もあったが……
ホンマこのスレの住人の欲望には際限があらへんな。MH世界に欲情を持ち込んだモンの業は深いでぇ。
というわけでGJでっせ旦那!
ところでワシ、つい最近MHFで溶岩竜にレイプされたんだわ。誰か溶岩竜陵辱SS書いてくれへんかなw
やだ…なにこれ
ネットで関西弁ッスかwwwwwお疲れ様ッスwwwww
当スレはセルフサービスとなっております
いつになったらオオナズチをペットに出来きますか
猫を全匹解雇してエッグシーフしてれば飼えるかもしれない
>>386 携帯から見れる溶岩竜の生態データ教えてくれれば頑張りますが(ry
394 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 16:22:16 ID:V+CMCxag
保守age
「そういえばオメェ、キリンの剣作るとか言ってなかったか?」
ここはポッケ村の集会所。
今の雪山ではブランゴの長の座の激しい交代劇が行われており、
ブランゴはもちろん他のモンスターもいきり立ち、
ポッケ村周辺、及び山々ではハンターたちが依頼にことかかない状態であった。
なので、いつもよりもずっと大勢の人々が
依頼を受けたり飲んだり食ったり挑発したり喧嘩したり潰れてたりして、
集会所はカオスと化していた。
「おう。」
ぐいっ、と蛇竜の頭をつけたガブラ酒を一口飲んで、答えた。
「聞いてくれよ。キリン剣欲しかったんだが、さっぱりキリンの依頼が来なくてさ、
山間の村に襲いにくるブランゴだのギアノスだのの追い払って過ごしてたんだが、
ある日な、普段どおりドスギアノスだのなますにしてやってたらよ、
なんかその村からもうちょっと登ったあたりで雷が鳴ったんだ。
すっげえでかいの。しかも何発も。」
ぐいっ
「いそいで装備整えてそこに行ってみたらな、いいか、
キリンの群れとな、ブランゴの群れがぶつかったらしくてよ、
そいつらの死体がいくつか転がってたんだ。」
まじかよ、と向かいの黒髪のハンターはもらした。
「いや、だってな、お前ぇ、キリンは一匹でもめったに見ねぇのに
ましてや群れとか・・・しかもブランゴどもと戦ってたって?」
信じらんねー、と麦酒をあおる。
「まあそりゃ俺だってその時ぁ仰天したぜ。だが、
キリンが2頭、十数匹のブランゴにドドブラ一頭転がってたのは嘘じゃねえ。
そんで、残りの連中は逃げだんだろうと思ってだな、
俺はさっそくナイフ握って剥ぎ取りはじめたわけだが、
キリンは最後に取ることにして、・・・いや楽しみは最後にするモンだろ、なあ?」
向かいのハンターはジョッキでテーブルごつごつ叩きながら酒を大声で注文していた。
振り向いて答えた。
「どうでもいーわ、そんなの。
その話からすっと素材手に入ったんだろ?
何で剣作ってねえんだ」
おネエさーん俺もおかわりーと褐色の髪のハンターも叫び、続きをはじめた。
「それについてはまた後で話すとして・・・まあ聞け。
ブランゴども剥いて、キリンに手を掛けたんだ。
それでな、ここからなんだが・・・
二匹めのキリンの角にナイフあてた時な、電撃が走ってよ。
・・・そいつ生きてたんだ。」
早速運ばれてきた酒に口をつけ、続ける。
「もう俺ぁそいつ死んだもんだと思ってて、そりゃたまげちまって、
カブレライト(ソード)振り回して転げ逃げたんだ。
そいつ立ち上がってな、すぐこっちに来るんじゃなくて、
ああ、ありゃ確実に、なんつうかな。弔い?つうのか・・・、
死んでるキリンの方向いてなそっちに寄ってって角でつついたんだよ。
それから嘶いて…俺の方にステップしてきやがった。」
「へえー、で、最後は?」
頬杖ついて聞く。
「いやあせんなって、・・・そのままそいつとやりあってたらよ、
別のブランゴの群れがやってきたんだ。
死ぬかと思ったぜ。ドドブラ二匹もいやがったし・・・
もうキリンどころでなくて、ブランゴ追い払うので精一杯だったんだが、
キリンの方もよ、俺じゃなくて襲い掛かってくる連中に雷走らせててよ、
俺珍しくね?キリンと共闘したハンター。」
「そいつはゴイスーだな。で?」
肩を竦める。
「もっと反応しろよー、で、
しばらくして、大半を倒してドドブラも一匹仕留めたんだが、
もう一匹がラリアット、キリンにぶちかましてよ。
転がってるところに、トドメのプレスかまそうと立ち上がったんだ。
急いで閃光玉投げて、注意そらしてな、斬りかかったんだが
あの野郎むちゃくちゃに暴れまわって、目直ったら残った数匹連れて逃げてったんだ。
そしてキリンなんだがな、もともとケガしてたのにデカイのもらって
もう大分やばかったんだ。回復薬かけてやったんだが、焼け石に水で、
粉末掛けたり薬草噛ませたりホットドリンクかけたりしたんだが、くたばりそうでよ。
俺は何を思ったか・・・なんでかな?今でもわからん。
・・・ドキドキノコ食わせてみたんだ。」
「はあ?・・・んで、どうなったんよ。」
ふーむ、と褐色の髪のハンターは腕を組み、
左隣でハチミツをお湯でとかし飲み物を飲んでる銀髪の少女の頭をぽん、と叩いた。
「こうなった」
今まで少女のさらに左隣のゲリョスS装備の女剣士に気を取られ、
その存在に気づいていなかった黒髪のハンターは
酒を噴き出した。
今日はここまで・・・
プロローグみたいなもんだからエロくない、スマン
もちろん後はがっつりだぜーウヘヘ
こうなった
で吹いたwww
集会所だけじゃなくてキリンVS猿群とかカオスwwwww
もはやワクテカするしかない
ハンター人生で一度は経験してみたいな>キリンVSサル軍団
こうなったワロスwwwwwwwwwwwwwwwww
GJ
エロもがっつり!頼むぜェ
「こうなった」吹いたwwwwwその発想無かったわwwwwww
>>400 夢だな、大型モンスをバッサバッサと斬り飛ばしていくの。
だが現実はずっと奴らのターンで3乙
>>403 それでも…戦国BASARAの武将達ならなんとか(ry
スレチ失礼した
こwwwwwうwwwwwwなwwwwwwっwwwwwwたwwwwwwお前天才だわwwwwwwwwwwww
キリンにまたがって共闘とか良いな
でもきっと武器を出して臨戦態勢を見せると
こっちも攻撃してくるんだろうな
むしろ、
「いくぜ相棒!」
助けたキリンに背を向ける。
ぷすっ。
はぅっ。
キリンの蒼角を手に……もとい尻に入れました。
. l !:::! .!::::」ヽ\//./:::::::::/ / AIBO、
. |」::」_」:::|\ \」 _厶 -‐L_L..__ -‐…‐ァ もっと腕にシルバー巻くとかSA☆
____」\\:::l i \_ -‐…‐- 、 \/ / _ -┐
____r‐-く_\、l ト、 __ , ‐、_\_`く / _ |
\\:_\\ 、二斗/`ーァF汽\{ _ V / \} ト 、 / /:| |
\\:::\\ \ ̄ 〃7に}:レ' }7 /厶. -‐ァ | _、`丶、 //l/:::::::| |
\\:::} } 廴_ ヘ_>‐′ rく:::::// | |::\__、V /::::::::::::::::Ν|
> ,7 / 〃{か F干‐<_ | |「 !\_;トく::::::::::::/Lィ__`ー-、__
//:{ { {\¨'ー / ∧ヘ : : : | 」 |l! _」 }:::::/ | |::::`ー-、__`ー-、_
∠/.::::::::\\\> ___,厶rヘヘ: :_:」二二二_ソ j [ミ」 _jレ≦} | |:::::::::::::::::::`ー-、 \
 ̄ ̄ ̄ ̄\\\「{_{! 「{_} : : L|: :\_x≦ア´/厶、|/ _j L_L__r‐ 二二 -‐┘
\\\」__/Lィ≦: : : : : : \__〕 ! |{_{_}ハ r丐トミ、__─ 、\_`ヽ、
\ト、| L「!() : }: : : : : : : : : :| |!ー' | 辷i:} } |_ハ::\\ヽ`ヽ\ リオハート付けてるからいらない。
rく_:\VL「!_: : 」: : : : : i: : : : | .A.i`ー、 、二.⊥!〈 }::::Z\ト仁二二、
{\i: : `{」「(_): :{_:_:_:_: :|_: : : :| l_」i\ ヽ_ _ノ:<<´\
〉: |: : : {」{ :_:/-‐‐ 、く:_: : : | l_」l -ヘ イ二二二二二、
. / : :|: : : {」{(_)| ニ、\\} : : V\ {`「[≦ ¬h 〉、
. /:/77ア宀¬' _r‐一'´ ̄: : : :_\ \,小LL__:_:_」{}} /_/
_/ / {_Li: : : : : : : {: : : : : : : :/厂 : : >'´ {ヘヘ:(_)/L」ヽ{_/: `丶、
〉: 」_>LL{: : : : : : : l: : : : : : :/: l: : : : :\_,FV´V⌒「{_j 7: : : :/:}
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{: : : : : : : : : :_7く_}__Vゝ:_:_:/: : : :ハ: : :l: : : : | vヘ 「{」: : : : : !: : 〈
ヽ : : : r┬ 二二7/rヘ、: : : : : :〈/ ー┤: : :_j 〈rA`ヽ「{」: : : : : ! : : {
`ー‐ヘに弐三/`´ {ノ: : : : : : /: : : : ! : /二アく_〕_}F{」_: : : :!: : :!
>>397ハンターtueeeeeeeeeeeee!!!
普通大型2匹で人生オワタだろ・・・・
そしてGJ!!
てか展開が読めないwwwwwwこのままエロか閑話が入るのか全然わからないww
てなわけで続きwktk
>>397 キリンの群れ対ブランゴの群れなんてありえねー設定から
始まったから期待せずに読んでたんだがな、
いい意味で裏切られた。
あんたの書き方なら続きがエロ無しでも満足できる気がする。
まぁモンス同士戦っててもそんなおかしくは無いけどなw
てーかレイアたんだけじゃないか、普通に狙われてるの。
書いてる途中にボロパソコンがアレになっちゃったりでデータが消えて軽く鬱になったりとかで
色々大変だったけどあらかた完成したから投下してみる。
なんか長めになったんでどうせわざわざつなげる必要性もないギャグ話だし2回に分けて投下することにする。
前は「次回シリアスだよ!」みたいなこと言ったけどギャグになっちゃいました。ごめんなさい
酒の匂いに料理の匂い。
ハンター達は騒ぎ、歌い、各々の時を過ごしている。
こんな陽気なハンター達でもクエストに行けば二度とここを訪れることができなくなることもある。
それがハンターという職業だ。
「…このにおいも、久しぶりだなぁ……」
ジュリオは訪れたポッケ村の集会所の前で立っていた。
開ききったのドアからは酒と料理の匂い、そしてハンター達の騒ぎ声が聞こえる。
…やはり、まだ中に入るのにためらいがある。しかし、ここで帰るわけにはいかない。
ジュリオは大きく深呼吸をすると、集会所の中に入っていった。
中に入ると、計20人ほどのハンター達が中に居るのを確認できた。
ある者は酒を飲み、またある者はクエストボードを見ている。
ジュリオはあの事件が起こるまでは頻繁にここを利用していた。
街のハンターギルドなどに比べればこのポッケ村のはずれにあるこの集会所はかなり小さい。だが、集まるハンターは少なくない。
ポッケ村自体は人口もわずかしかいない小さな村だが、この近辺の雪山はハンター達の狩場となることが多いためだ。
その上、雪山にはティガレックスをはじめ、凶暴なモンスターが多数生息しているので集まるハンターは腕の立つ者が多い。
ジュリオは以前、そんなハンター達の中でもそこそこ名の知れたハンターだった。
なので、誰か昔の知り合いがいないかと不安だった。
やはり、まだあの話を掘り返されるのが怖かったのだ。
ジュリオが集会所に入ってすぐ、ハンター達の視線が一身に集まったが、全員すぐに視線を元に戻した。
…どうやら、知り合いはいないらしい。受け付け嬢も変わっている。
「よかった…」
安心すると同時に、ジュリオは自分が安心していることに対し不甲斐なさをも抱いていた。
もうあの頃のことをいつまでも引きずらないと決めたのに、それについて追求されなかったことを安心している自分に。
しかし、いつまでもうだうだしていては仕方がない。何かいいクエストはないか、探してみることにした。
クエストボードに向かい、いくつかの張り紙を見てみると一つだけやけに目を引くものがあった。
「…難易度未知数クエスト、ガノトトスのつがいの退治…?」
クエストは本来、1ツ星から8ツ星までの難易度を割り振られ、1ツ星ならキノコの採取などの非常に簡単なクエスト、
8ツ星ともなると凶暴なモンスターを複数退治するなどといった難易度に応じたクエストがあるのだが、8ツ星でも図りきれないほどの
難易度を誇るクエストには「未知数」という難易度が割り振られる。
大体においては、幾人もの強者のハンターが挑んだにも関わらず失敗したクエストがこれに格上げされるのが普通だ。
もっとも、この難易度のクエストがクエストボードに張られること自体珍しいのだが。
そんな最高の難易度を誇るクエストだけあり、そのクエストの張り紙だけは、他のクエストよりも目立つギラギラとした赤色で縁取られていた。
依頼主はかの有名なシュレイド王国の大臣。大臣ということは国王から大臣を通しての依頼ということもありえる。これだけでも驚くべきことだが、気になるのはクエストの説明文だ。
『挑戦したハンター達はみな、生還』
最初の文にそう書いてあった。
「生還できる程度なのに…未知数?」
さらに説明文を読んでいくと、わけのわからなくなるような内容だった
『帰還したハンター達は口を揃えて「あんなモンスター倒せない」と言う。
それほどの強敵なのだろうかと思ったが、戦ってすらいないらしい。
最後まで粘ったが、やはり戦えなかったとのこと。が、どのハンターもつがいを発見していたとか。
なぜ逃げ出したのか聞いても口を開こうとしない。依頼を受けたのは全て凄腕のハンター達。それほどまでに恐ろしい相手のようだ。
しかし、つがいが住み着いているジャングル付近は我が王国の新たな農園の建設予定地。何とかして追い払うだけでもいいのでどうにかしたい。
腕に覚えのあるハンターがこの張り紙を見てくれたなら、是非とも受注してくれることを望む。
報酬には期待してもらっていい』
「……凄腕のハンターが全員逃げ出すクエスト、か…」
ハンターとして、興味をそそられる内容だ。
おそらく、腕に自信のあるハンターなら誰しもが目を引く内容だろう。
「…兄ちゃん、そのクエストを受ける気かい?」
ふと、隣でジュリオと同じく、クエストボードを見ていた男が話しかけてきた。
なかなかにがたいのいい男だ。身に纏っている装備も上質なものなため、一目で腕のいいハンターだとわかる。
「ええ、なかなかに興味深いです」
「悪いことは言わん、やめておけ」
「はい?」
「行ったところで戦えるわけがねぇ。あんなのと……ダメだ、思い出したらまた…。……今日はもうやめにするか……」
男は離している途中でしょぼくれたような顔をすると、そのまま集会所から出て行ってしまった。
今の様子から察するに、以前にあのクエストを受けたハンターのようだ。
「………ますますもって気になるなぁ…」
「…私もこれは気になるな」
「そうですよね……ってエメラさん!?」
後ろから声がしたので振り向いてみると、そこには翠色の髪を縛り、狩りのための装備を身につけたエメラがいた。
「な…何してるんですかこんなとこで!?」
「何って…集会所というのは複数人でクエストを受けるための場所と聞いたぞ? だから私も行こうと思ってな」
「行くって…な、何でですか?」
「前と同じ理由だ」
※前と同じ理由とは・・・ジュリオは自分が殺すから他のモンスターに殺されてしまわないように、というのが表面上の理由だよ!
でも実際は(本人は気づいてないけど)ジュリオのことが好きなだけだから、所詮はツンデレってことだね!
「…はあ、でもこれは以前よりもはるかに危険な可能性が…」
「黙れ、お前の意見など求めていない。それに……私と同じ、ガノトトスというのも気になる…。同族でそれほどの実力を持つ奴など見たことがないからな…。少しばかり、血が騒ぐ…」
ジュリオ自信、すっかり忘れていたがエメラは元ガノトトスなのだ。
元々ガノトトスは凶暴で好戦的な性格のため、同族で強いものがいるとなると気になるのは当たり前なのかもしれない。
「……やっぱり、反対しても無駄なんですね…」
「何度も言わせるな」
「………聞ぃ〜たぁ〜でぇ〜……」
「……この声はまさか……」
「そのとーりっ! 赤き美少女、ルヴィちゃんただいま参上ぉ!!」
集会所のテーブルの上でそう叫びながら登場したのは、赤髪の少女、ルヴィだ。
「フフフ…エメラぁ、ウチを出し抜こうたってそうは行かんでぇ…?」
「出し抜くとは何の話だ…」
「しらばっくれんなぁ!!」
「……あの、ルヴィさん…注目の的になってますし、テーブルから降りたほうが……」
「あ、それもそうやな。さっすがはダーリン!!」
ちなみにこのルヴィはバカである。
なぜ関西弁なのかに突っ込んだら負けである。
さて、ルヴィがテーブルから降りてジュリオ達の方へ行ったがまだ彼女は注目されていた。
机に乗って叫ぶという大胆な行動のせいもあるが、彼女がかなりの美貌を持ち合わせてるせいもある。
事実、注目している殆どの人物は男だ。エメラも負けず劣らず可憐な容姿をしているため、尚更視線が集まった。
今の「ダーリン」発言のせいもあるのか、中にはジュリオに対して嫉妬の眼差しのようなものをおくる者もいた。
「…それにしても、何でルヴィさんまでここに…?」
「ダーリンの望みとあらばいくらでも説明したるわ! 話は何分か前に遡るんやけど……」
「きょお〜も〜そしてあ〜す〜も〜ぼくはがけっぷ〜ち〜〜♪」
ルヴィが陽気に歌を口ずさみながらポッケ村を歩いていると、集会所の方向にジュリオが歩いていっているのが見えた。
「あ、ダーリン! …ダーリン、立ち直れてよかったなぁ…。…エメラがおいしいとこ持ってった分、次はウチがダーリンのハートをゲットしたるでぇ! となったら善は急げ! ダーリンのクエストに同行してベースキャンプでムフフな展開に…」
が、その直後…。
翠の髪の女ハンターが集会所に入っていった。
「………今のは間違いなく……。…ハンターの格好…? ……まさか………」
ルヴィが決意を固めるのに時間はかからなかった。
KILL YOU...
「…ちゅーわけや」
「はあ、つまりエメラさんを追いかけてきた…と?」
「そうや。あ、もちろん一番の目的はダーリンやで♪」
「……馬鹿らしい。結局は逆恨みというわけか? そんなくだらないことでここに来たならさっさと帰ったらどうだ?」
その一言でルヴィのハートに火がついた。
いつもいつもエメラと喧嘩しまくって溜まっていた鬱憤が爆発へと近づいていたのだ。
「……何やアンタ、ウチがダーリンと一緒にクエスト行こうと思っとったのに先に来よって…。…アンタダーリンのこと好きでもなんでもないなら…アンタこそ失せたらどうや?」
「そういうものでなくても私にはこいつを殺すという目的があるのでな。それをお前に邪魔されるわけにはいかない。お前が帰れ。見てのとおり私は既に装備を整え、お前よりも先に来ているのでな」
殺すとか物騒な話になっているが、ジュリオはいまいち話の内容が理解できていなかった。
「…アンタはウチより先にここに来よった!! アンタはいつもそうやって! ウチのしたいことをブチこわしよるッ!! 前々からそうや! ウチがどんなに努力しても! アンタはメインヒロインの座を持っていってまうッ!!」
別に大して努力してないけどね。
「今こそッ! アンタをブッたおしッ!! 2番手ヒロインやった過去と決別したるッ!!」
「あの世でウチにわび続けろ、エメ」
「…もしかして、ルヴィさんも同行したいんですか?」
「平たく言えばそんなところやな」
もちろんルヴィの参加にジュリオは強く反対したがエメラとはまた違う「ラヴ☆パワー」で無理矢理ジュリオについていくのだった。
そのへんのくだりはまあ大体想像できると思うから省略ってことで…え、手抜き?
いやいやそんなまさか……ハハハ……。
…でも手抜きと言われるのもアレだからそのくだりを3行で説明しよう!
「ちゅーわけでウチもクエストに同行するで!」
「そんな、ダメですy」
「愛のパワーがあればどんなクエストでもちょちょいのちょいや! ほな、がんばろーなダーリン!」
こんな感じ。大体理解できたかな?
さて、それでは再び物語に戻ってみよう。
あ、装備はエメラと同じでジュリオのお古をベースにしたものを即席で作ってもらって装備したんだよ。
鍛冶屋のお兄さんが「二股…?」などと言っていたがルヴィによって一撃でノックダウンされた。
クエストの目的地であるジャングル付近はポッケ村から離れたところにあったため、3人は馬車で半日以上もゆられることとなった。
無論、馬車の中でエメラとルヴィが喧嘩をしたりもしたが、ジュリオの一言でルヴィが静まり、そのおかげでエメラも自動的に静まるので万事解決となっていた。
ちなみに目的地到着までエメラとルヴィは10回ほど喧嘩を繰り広げていた。
「…ようやく着きましたね」
「何かえらい省略されとらんか? どう考えても作者が楽しとるやろ…」
「とりあえずベースキャンプとやらを作らなければならないんだろう? まずはそこからだ。もう夜中のようだし、一度睡眠を取った方がよさそうだ…」
あたりはすでに真っ暗だ。
夜中なのかどうかがわかるのは、元モンスターであるエメラの野生の勘によるものなのだろう。
「とりあえずウチとダーリンはおんなじベッドで…」
「さすがに女性と一緒に寝るのはまずいので、僕は持ってきた寝袋で寝ることにしますよ」
「くっ…純粋故にダーリンは強敵…でもそんなところが大好きやーー!! というわけで同じ寝袋の中で…」
「いいからさっさと寝ろ色情狂!!」
その後のセリフを想像して少し顔を赤らめながら、エメラがルヴィを殴りつけた。
またもや喧嘩に発展したことは言うまでもないだろう。
とりあえず今回はここまで。
なんかやたらとルヴィが大暴れ。活躍じゃなくて大暴れ。
残りは明日か明後日あたり投下。今度は絶対に本当です。
余談だけど、LIVE A LIVEは神ゲーだと思う。それにしてもルヴィの歌ってる歌の元ネタわかる人いんのか…?
というわけで今回はこれにてさよ〜なら〜。
一番槍GJ!!!
ルビィが個性的すぎるなwwwwだがそれがいいwww
どんなガノスが出て来るのかにも期待してる。
そしてルビィは俺の嫁。異論は聞くが認めない
423 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 05:46:01 ID:QEEjwHVh
ガノス2匹が
「ゴホゴホ、すまないねぇ」
「それは言わない約束だよおとっつぁん」
してると予想
ストレイボウwwwwwwwww
>>395-6 です。(アンカーこれでいいかな)
レスありがとう。好評でうれしい!パンティあげちゃう!
続きは・・・やっぱりまだエロくない・・・すまん。
やっぱ、展開つうのがあるもんで・・・
というわけで、褐色の髪のハンターがキリンの変身を目の当たりにした
ところから・・・ 長くなりそうだな、コレ・・・
チェックはしたが、誤字脱字は脳内補完で。パラレルすまん。
男は唖然としてひたすら今の状況を理解しようとし、
結果、頭を抱えてうずくまった。
モンスターが人間になったのである。
「・・・しかも何で」
少女、しかもかわいい。裸。
ドキドキノコにそんな効果があるとは聞いたことがない。
彼はキリンが元々変化の術かなんか使えるのだと考えてみたが、
ヒトに化けるモンスターの話なんか聞いたこともない。
アザや傷の位置はキリンの負っていた部位と一致していた。
白銀の角も折られており、やはりほぼ虫の息であったが、
しかしこれで一応の手当ては出来そうだった。
キリンのままなら成す術無かったが、人間に対する応急処置なら心得ている。
手早く済ませ、さてどうしたものかと天を仰ぐとひらひら雪が降ってきた。
「(まずい。吹雪く前に村へ戻らねえと)」
男は脱ぎ捨ててあった外套を少女に巻きつけ、腕に抱くと、
剣と荷を担ぎ、累々と転がる死体を尻目に、くしゃみひとつ残して下り始めた。
ポッケ村より十数キロ離れた山間の村、サフサット。
人口は数百人程で、山中の宿として一般に知られている。
またこの村では足が速く強靭なポポが繁殖されており、それにより運搬業も盛んである。
村の経済はほとんどそれらで成り立っている。
男はこの村の一番高い宿に無料で泊めさせてもらっていた。
無論、周辺のモンスターを退治/追い払うという依頼が済むまでだったのだが。
「(結局良く分からなかったが、けどまあ、タダで泊まれるだけ感謝か)」
部屋に入り、ふぅーとため息を吐き寝床に腰掛け一息つく。
木と皮製のベッドにはキリンの少女が眠っている。
この村に着いて直ぐ、自分の部屋に少女を寝かせ、
村の竜人の村長のもとへ向かった。彼はまだ年若い竜人だが、
それでも普通の人間の老人よりずっと多くの知識と経験を持っていた。
少女の回復のために少し長居して良いかどうか、
そしてキリンはヒトに化けるのかどうか、聞くつもりだった。キノコも。
結果、
キリンが何かに化けるという話は聞いたことがある。
キノコは良くわからない。おそらく、キリンの力が角の折れ目から漏れ、
キノコはたまたまそれになんか反応したんじゃないんかなあ多分恐らくきっと。
ああそうだ宿には言っておくから、帰る時は私に連絡くれ、ということだそうだ。
まあとどのつまり何の解決にもならなかったが、宿の礼を言って帰ってきた。
その帰途に何着かの服と薬や包帯他を買い込んで。
その夜、男は自分と少女の体を拭いて、「(・・・気づかなかったが、尻尾生えてんだな)」
少女に服を着せてやり、包帯を換え、新たに薬を塗ってやった後、
ベッドは与えてやり、自分は毛布を床に敷いて荷を枕に寝た。
彼は少女の意識が戻り次第、意思疎通を試みるつもりだった。
朝。
窓から差し込む光が眩しくて、少女は目を覚ました。
ベッドから起きてその上に膝をついて座ると、ぷるぷる首を振り、
手を前につけてう〜んと伸びをする。
正座をするように居なおし、一息つくと、体が違和感に満ちているのに気づいた。
俯き体を見て「(・・・?”服”?・・・人間、が、”着る”?)」
両手を見て「(・・・??”指”?)」
周りを見渡して、「・・・ココ、どこ・・・?」
少女は見知らぬ場所で、途方に暮れた。
キョロキョロと部屋を見渡して、探した。いつも一緒にいた彼を。
「・・・お兄ちゃん・・・?・・・っ」
と、自分の発した”声”に驚いた。思わず喉を押さえる。
人間の言葉は両親からその風俗や習性、生活域を教えてもらった時に覚えたものだった。
そして、昨夜のことが思い出される。
彼女がしばらく考えこんでいると、
前方の「(”トビラ”!)」が開いた。
「おう、起きてたのか」
自分の朝食と、雑炊の入った土鍋をカゴに入れて、男が入ってきた。
少女は驚き恐れおののいているようで、話掛けられるとビクっと反応し壁際にあとずさった。
カゴを机に置き、ベッドに近づく。
少女は震えていたが、きっと睨むと四つん這いになって角を突くような仕草をした。
へその高さ程まであった銀髪が垂れ下がり、揺れる。
その威嚇の動作に、男は思わず微笑みそうになったが何とかこらえ、
「おれの、いってることが、わかるか?」と聞いた。
少女はまだ睨んでいるが、こちらの声に耳を向けたようだった。
「傷、キズだ。大丈夫か?痛くないか?」
きょとんとした顔を向けるとやっと自分がケガをしていて、
そこに何やら塗られたり巻かれたりしているのに気づいた。そして、
これは”治療”、というものである、と結論づけると、
威嚇をやめてぺたんと座り、長袖のシャツの袖を捲り上げ、
しげしげと包帯を眺める。男はしばらくその様子を見ていて、
聞いた。「・・・人間の言葉がわかるのか?」
またびくっとし、恐る恐る男を見上げ、じっと顔を見ていたが
「知ってるの。・・・ぇと・・・両親・・・から、教え、てもらったの」と答えた。
「ふーん」キリンとすげえ賢いんだなあ、と呟くと頭をぼりぼり掻いた。
「名前は?」と聞かれ、少女は首を傾げる。
「何ていうかわからない」
何て言うか?どういうこった?もう一度聞く。
「まあいいから、言ってみろ」
少女は困ったように左右に首を傾けると、口を開いた。
「---ki--gh----fa----m----」閉じる。「だよ」と付け加えた。
大部分が聞き取れなかった。
「・・・キーファ?」キリンの発声音でつけられた名前のようだ。
でも名前、あるんだなと妙な感慨を受ける。
「それでいいよ」と微笑んだ。犬歯が覗く。
つられて笑ってしまう。「おれはゼオグリッド、ゼオだ」
ゼオ、ゼオ、と何度か繰り返すと少女は「ありがとう、ゼオ」
と包帯を巻いた腕を差し出した。
はは、と笑い、飯を食おう、と机の方へ向かいカゴの中身を並べる。
「(ありがとう、って戦ってたんだぞ、覚えてねえのか?)」という疑問も次の言葉で消えた。
「お兄ちゃんの・・・角・・・とか、とったのは、ゼオ?」・・・そっちか。・・・お兄ちゃん?
「倒れてたもう一頭、お前の兄弟か?」手を止め、振り返る。
キーファは、ベッドの前に立っていた。
「お兄ちゃんは・・・」口を噤む。そして呟いた。「返して」
「あ?何を?」と怪訝そうに聞き返す。
「お兄ちゃんを」じっとゼオを見つめる。その青い目は悲痛に輝く。
兄の・・・素材、か?
元々、彼女と共にブランゴを打ち払った時から何となく、
武器を作る気は無くなってしまっていた。
それに、そのつもりだったらならキーファにトドメを差しそっちも貰っていた。
「ああ、返すさ。だがしばらく待て。」
皮など渡せるはずがない。兄のだぞ?せめて服かなんかに加工してから・・・
「角・・・」と悲しそうな瞳でゼマを見つめて、呟いた。
キリンにとって、角というのは何か大事な意味があるらしい。
「・・・わかった、だけど少し我慢しろ。
そのままだとお前が持ち歩くのに不便だろ?
首に下げられるようにでも鍛冶連中にでも加工してもらってからだ。
・・・お前だって肌身離さずにいたいだろ?」
少女はしばらく男を見つめていたが、やがてうつむいた。
「わかった・・・いいよそれで・・・」そう呟くが、
「でも」と、
ゼオに歩み寄り服の裾を引っ張る。
「少しでいいから・・・触らせて?胸に・・・抱かせて?」
目に涙が溜め、眉根を寄せてゼオを見上げる。
これには彼も折れた。
壁に掛けてある大剣のもとに置いてある皮のカバンに、それは仕舞われていた。
それは今でも薄く青白に輝く、キリンの蒼角。
少女に渡してやると、愛しく、そして暗い眼で見つめ、強く抱いた。
両親と別れ、兄妹で各地を渡り歩いていた。
兄は道すがらたくさんのことを教えてくれた。
数多の危機から彼女を救ってくれた。
しかし、あの山脈に入ってから。
おかしな雰囲気のあの山々に入ってから、戦いの連続で二人とも消耗し、
そして、斃れた。
涙が、一筋、少女の絹のような白い肌を、頬を転がり落ちた。
口を固く結んでいたが、とうとう嗚咽が漏れる。
その場にへたり込み、しゃくり上げて、強く強く角を抱きしめる。
ゼオは成す術もなく、少女の目の前に膝をつき、
彼女の頭を抱き寄せ、銀に輝く髪を撫でることしかできなかった。
ちょっと長くなった。
どうも細かく書かないと納得しない性分で・・・
遠回るけど勘弁。エロはラスト近くかも・・・
キーファ?の心情を思うと切ない…
それを主人公が慰めるわけですね(性的な意味で)
なんかランス装備の女ハンターにうっかり踏まれたり蹴られて
治療してもらう夢を見た
>>431 無理にエロにこだわらなくてもいいと思うんだけど
そのままのペースでやってくれ
>>431 ここの住人は暫くはエロなしを受け入れる度量を持ってるハズだから、エロは少なくていいと思いますよ。
あるに越したこと無いけど、バランス崩れる方が問題
とりあえず俺もエロ無しでおkだと思う。
>>435の言う通り下手すればストーリー崩壊につながりかねないからね。
無理にこだわる必要はないさ。このままで頑張ってください。期待してますぜ。
えろ無しでよかったのかー……
とてつも無いなこれは…
シリアスもギャグも上手いとまるでハチミツおやじの人みた ソウイエバドコイッタノカナ(;´・ω・`)
前スレ588の続きを書いたので勝手ながら投下させて頂きます。
あと前スレでテキストファイル等の指摘をしてくださった人がいましたが自分携帯なんで判りませんでした……すいません
「おい!おかわり!」
キッチンにて奴は八回目のおかわりを要求する。
「またなの!?あんたどれだけ食べれば気がすむのよ!」
「マジで美味しいんだよ!早くしてくれ。」
こいつの胃袋どうなってんのよ…5匹のアイルーが作る料理を一人でたいらげている…
私にいたってはよく食べて6分の1位よ!
しかもアイルー達は
「残さず食べてくれて嬉しいニャ〜♪」
「おいしそうに食べてもらって腕をふるった甲斐があったニャー」
と、喜んででる……この料理猫どもめ……
「ところでさ、お前名前なんていうんだよ?何時までもおまえ呼ばわりすんのもアレだし。うひょ!おいしぃぃぃぃぃぃこれ!」
ギガントミートに感激してるこいつから聞かれる。
そういえばゴタゴタしていて互いの名前も聞いてなかったわね。
「私はミリー・リンガーローブよ。で、あんたは?」
「俺はティガレックスだ」
「……まだ引っ張るつもり?」
ぶっちゃけどうみても人間に見える男をティガレックスなんて呼んているところを他人から見ればかなり怪しいし変な誤解が生じて厄介事になるかもしれないわね
はぁ……まいったなぁ、もう…
「そんなに嫌ならミリーが名前をつけてくれよ」
思い悩む私に対して自称ティガレックス君は突然名前をつけろ!と、言い出す。
「え?私が?」
「だって俺今人間だし、ミリーはティガレックスっていうの嫌そうだもん。だからミリーが呼びやすい用につけてくれ」
驚く私にさも当然みたいな口調で答える。
まいったなぁ…私が名付けるなんて…な、なんて名前に…え〜っと…
「ティガってのは……ど、どうかな…」
苦し紛れに出た物はレックスを抜いた簡易なもので自分でも恥ずかしかった
「ただ単にレックスを抜いただけじゃん」
「う、うるさいわね!あんたは、ティガレックスって言い張って、私はただティガレックスって言いたくなかったから…べ、別にいいでしょ!あんたがつけろって言ったじゃない!」
痛い所をつかれなんか恥ずかしさと悔しさで一杯だった。
「でも、それでいいか…ありがとな!」
子供のような笑顔を見せる
(きゅん)
え?な、何今の?なんなのこの胸の高鳴り?ちょっと笑顔見せられただけじゃない!落ち着くのよ、私!
「ひゃ〜、食った食ったぁ♪飯美味かったぜニャンコ共」
慌てる私を横にティガは満足気な顔でキッチンを出る。
「ふぁ〜〜〜ぁ……腹一杯になったらなんか眠くなってきたな。」
大きな欠伸をしながらティガがベットの近くの床で横になる。「え?ちょっと待ちなさいよここで寝る気……」
「ZZzz………」
寝るのはや!ってか普通にここに居座る気?
はぁ…まいったわね…とりあえず明日は早いから私も寝ようかな
そう思いベットに横になるが
「まだ夜は冷えるから風邪になられても困るわね……もぅ、しょうがないなぁ…」
私は彼に布団を一枚掛けてあげ自身も深い眠りについた
翌朝
「ほら、起きなさい!」
起きないティガに何度も催促するが彼は
「う〜…」
と、唸って全く起きようとしない。仕方がないので彼の布団をひっぺがす
「いい加減におき…きゃああぁぁ!」
布団をはぎとった私が見たものは男の勲章を立派に直立させている彼だった。
「う〜ん……なんだようるさいなぁ」
起きたティガに私は直ぐさま服を投げつける。
「は、はやく服を着なさいよ!だ、大体なんで裸なのよ」
「だって眠りにくかったんだもん」
まるで子供の様な言い分を放ちながら私が投げた服を着るティガ
「ブヒ!」
「おろ?」
服を着たティガにペットのミニブタが飛び付く。どうやら私の悲鳴で起きたようだ。
「ブヒ!ブヒ!」
「おいミリー!何だこの美味そうな奴は?」
美味そうな奴ってあんた食べる気満々かい
「うちのペットよ。因みに食べ物じゃないからね」
「え?食べ物じゃないの?」
なんかめっちゃ悲しそうな顔をするけど駄目なものは駄目なの!
「とりあえずその子に名前つけてみる?まだ貰ったばかりだしティガになついてるみたいだし」
「マジで?よ〜し…」
そういって考え込むティガ
私がつけた名前にいちゃもんつけてきた彼がどんな名前をつけるか見てやろうじゃないの。
「よし!お前の名前は……」
どうやら決めたようね…さぁ聞かせて貰おうじゃないの!そして、いちゃもんつけさせてもらうわよ!
「トンカツだ!」
私はその場ですっ転んだ。
「ブヒ♪ブヒ♪」
しかもミニブタは余程嬉しいのかティガに鼻をすりよせる
「お?喜んでくれるのかトンカツ!よ〜しよし、丸々と立派なブタに太ってくれよトンカツ〜♪」
なつくトンカツをよそにティガは妙に黒いオーラを出しながらトンカツを撫でる
こいつ何時か食う気だ……残念ながら何処かのナポレオンの如く暴走はしなかった
「そんなとこで何寝てんだ?ミリー」
「あんたのセンスに突っ込む気すらないのよ…」
「???」
いい加減こいつに構ってる訳にはいかないので
「これから私はクエストに行くからおとなしくしときなさいよ。ご飯はアイルー達に頼めば作ってもらえるけど昨日みたいに食べないのよ」
「えぇ〜〜〜!?」
さぞかし不満そうな顔を見せるティガ
「駄目なものは駄目なの!昨日のあれでいくら請求されたと思ってんの!?」
ティガの食費で貯金が底につくなんて洒落にならないわ!
「ちぇ、わかったよ」
と、渋々承諾してくれたので私は集会所に赴いた。
(それにしても男の勲章ってあんなに大きなモノなんだ……って馬鹿ぁぁぁ!ナニ考えてんのよ〜!)
いやらしい妄想を振りほどくため私は一心不乱に集会所を目指した。
「いや〜今回の依頼も無事にこなせたしおまけに火竜の紅玉も手に入ったしゆうこと無しだぜ!」
依頼をこなした帰り道上機嫌のケーンが意気揚々にいう
「何いってんのよあんたは高台からひたすら弓を射ってただけでしょ」
釘をさす私にケーンがつっかかってくるが
「姉さんもケーンさんも皆大きな怪我も無かったんですからいいじゃないですか」
「そうじゃわい、みなのチームワークがあってこそじゃ。」
マリーの後に引率のゴルボッホ・バンデットさんが言う
でも正直ゴルボッホさんが1番レウスにダメージをあたえてたんですけどね…
流石は伝説のチーム「ドラゴンキラー」の一員だった事はあるわね……漢布一枚に大剣を担ぐ姿は眩しいです……
そんなこんなで集会所に着き扉を開けると
「「ミリー彼氏が出来ておめでとう〜♪」」
の言葉の後にクラッカーの音が集会所内に響く
「へ?」
理解できない私を集会所にいたハンターが手を引き席に私を座らせ酒の入ったジョッキを持った途端
「ミリーちゃんのロストバージンにかんぱーい!」
と叫び、他の人もその後についた。何これ私話についていけないんですけど……
「ほらほらミリーちゃん!記念にグイッと一発♪」
既にできあがってる人からなかば強引にガブラ酒を飲まされた。
「あ、あの、姉さんは余りお酒には強く無いから無理をさせないでください。」
そう言う妹の声がしたが既に遅かった。
「ミリーのやつ遅ぇなぁ…」
眠たそうにしているトンカツを撫でながら俺は呟く。朝はやくから出ていったから聞けなかったことが一杯あったのになぁ。
ガチャッ
扉が開く音がして振り替えると
「今晩は〜、姉さんが酔い潰れちゃって……」
女の子がミリーを肩に担いで入ってきた
確かこの女の子昨日服をもってきた子だっけ…
等と考えてる内に彼女はミリーを部屋のベットに寝かせ鎧を外して布団をかける。
「一体何があったんだこりゃ?」
「姉さんお酒に弱いんですけど皆に無理矢理飲まされて酔い潰れちゃったんです。」
彼女は何があったのか俺に詳しく教えてくれたのだがイマイチ判らない事が多かった。
ただロストバージンはおめでたい事だと言うのは理解できた。
「酔い潰れた姉さんは朝まで起きないので今日は帰りますね」そう言ってた彼女は帰ろうと玄関の扉を開けた時
「あ!そういえば自己紹介をしてませんでしたね…私、マリー・リンガーローブっていいます」
彼女にいわれそういえばそうだったと俺は思った。
「俺はティガって言うんだ。ヨロシクなマリー」
「はい、こちらこそティガさん。多分姉さんは明日二日酔いだと思うので朝薬を持ってきますから」
軽く自己紹介を済ませるとマリーはまた明日といい帰った。
良くできた人だと俺は感じた
「ふあぁ〜」
なんか眠くなってきたから俺も寝るか……トンカツも寝たみたいだし。
そう思い服を脱いで裸になった俺。服を着たままだと何故か寝づらい。
ベットの隣の床に横になろうとしたがベットで寝てるミリーを見ると何故か俺も寝てみたくなった。
「たしか朝までは起きないんだよな……よし!」
いてもたってもいられなくなった俺はベットに入る事にした。
以上です。
携帯のメモの容量が少なくて余り話が進めませんでした…
乙!
トンカツわらたw
GJ!トンカツか…こっちではブタヒレだったな、確か。出番全然ないけど…。
完成したんで投下。
予告どおりの日にちに投下できたぜ…。
都合によりこの時間に投下することになったけど、トンカツの人への感想もヨロシク
「こういうところにはランゴスタやカンタロスが多く生息してますからね。注意してください」
「さっすがダーリン! くわしいなあ♪」
「うるさいぞ。モンスターに気づかれたらどうするつもりだ?」
翌朝、一行は日が昇って間もない頃に出発した。
ところでモモタロスやキンタロスの名前を聞くたびにカンタロスを思い出すのは作者だけだろうか。
「…これで翠の雌豹さえいなければダーリンと二人でイチャイチャできたものを…」
「まだやられ足りないか?」
「二人とももうやめてください。…囲まれましたよ」
「へ?」
ジュリオの言うとおり、気がつくと周囲に何かの気配が現れだした。
辺りは茂みで覆われている。そのどこかに隠れているようだ。
「…この匂い……イーオスやな!」
「その思い武器で足を引っ張るなよ?」
「うっさいわ、遠距離武器しか使えんような臆病モンが!」
今回のクエストで、二人はそれぞれ自分に合った武器を選んでいた。
ルヴィは振り回すのが爽快で一番自分の性に合っているという理由でハンマーを、
エメラは元々相手を狙って口から水を噴射するなどといった攻撃を得意としていたため、それと用途が似ているスナイプ用の武器、弓を選んだ。
「数は6匹ってとこやな…」
「どうする、撃ち込むか?」
「いや…向こうから来るのを待ちましょう」
3人が身構えると、周囲からイーオス達のうなり声が聞こえ始めた。
「ククク…美味そうな人間の女が二人に育ちの良さそうな坊ちゃんが一人か…」
「こりゃあ今夜はご馳走だな…」
「でもオレらみたいのって大体においてかませ犬だよね」
「それを言ったらおしまいだろ常考…」
ちなみにこれはイーオス達が会話しているわけだが…ん? イーオス?
イーオス…イー♂…いい♂……いい男……。……ウホッ!
…なんてことはさておき、これらの会話はルヴィやエメラには理解可能だがジュリオにはさっぱり理解できていない。
これより先は、そのことをふまえて読んでいただきたい。
「…なにをネガティブな会話繰り広げとるんやイーオスども」
「!? オ…オレ達の言葉がわかるのか!?」
「…どうしたんですかルヴィさん?」
「私やルヴィは元モンスターだからな。奴らの言葉がわかるんだ」
「そうなんですか…」
ジュリオが会話に気を取られ、一瞬だけ油断したかと思われたその時、イーオスが1匹、隙ありとばかりに茂みから飛び出してきた。
が、ジュリオとて腕利きのハンター。会話をしている間も気を抜くことはなかった。
「これしきで僕を倒せるなんて思わないことですね!」
剣までは抜いていなかったものの、ジュリオには肉体という武器がある。
無論、肉体だけではダメージなど与えられない。しかし、リオソウルの強固な甲殻から作られたその鎧による蹴りはイーオスを吹っ飛ばすには十分な威力を持っていた。
さながら格闘技選手のような見事な蹴りを決めると、ジュリオは素早く剣を抜いた。それに続いて二人も武器を手に取る。
「ク…クソ…!!」
「ええい、こうなったら仕方ねぇ! 全員、出ろ!!」
1匹の掛け声(ジュリオにとっえはただの叫び声だが)により、他のイーオスも茂みから飛び出してきた。
今しがたジュリオに蹴られたイーオスを合わせると数は6体。ルヴィの予想したとおりだ。
「覚悟はいいか、ハンターども…」
「そりゃこっちのセリフや天狗っ鼻ども!」
「天狗…っ!? テメェっ……!! …それにしてもオレらの言葉がわかるとは…何者だ、テメェは?」
「ウチか? ウチは……通りすがりのたい焼き屋さんよッ!!」
そう叫ぶと、ルヴィはハンマーを振り回しながらイーオス達に突進した。
暴走機関車のごとく走り出したルヴィのハンマーの餌食となったイーオスは3匹。
各々の断末魔を上げながら散っていったがどうでもいいので省略。
「ええっ!? そりゃねーよ!!」
散っただけで死んではいないらしく、不服を申し立ててきた。
一度走り出したルヴィは止まらず、朝もやの中へ消えていってしまった。
「あのバカ…2匹残して自分だけどこかへ行って!」
「まあでもたったの2匹です。さっさと倒して後を追いましょう!」
「やっぱりオレらかませ犬だったな…」
「…だが、オレらには普通のかませ犬と決定的に違うところがあるぞ」
「それは一体…?」
「自分達がかませ犬だと理解していることさ!」
「成る程! お前は天才だな!」
「「HAHAHAHAHA!!!」」
ヤラレチャッタ
「しまったなぁ…勢いつけすぎてもた。…朝もやのせいでどっちから来たのかもわからなくなってもうたし…どうしよ…」
水の流れる音がする。どうやら近くに川か何かがあるようだ。
「…思いっきり走ったら少しのど渇いたし、せっかくだから水飲もかなぁ…」
水の音がする方に歩いていくと、途中で何かにぶつかってしまった。
…翠色をしている。
「何や、これ?」
どうやらなかなかに大きなもののようだ。よく見れば向こうに青いものも見える。
何なのか気になり、ぐるっとそれの周りを見てみると………
「!!!」
…それの顔を見て衝撃を受けた。…ガノトトスだった。翠と青…2匹ということは、これらが今回の獲物と見て間違いない。
おそらく一休みしているのだろう。陸地で休んでいる例は実に珍しいが、ここは水辺でいくらか湿ってもいるのでその説明もつく。
「……よし、起こさないようにしてダーリンに知らせにいかな…」
すぐ傍にあった翠の方の顔を踏んだ。
「/(^o^)\」
当然これにガノトトスが反応しないわけもなく、ゆっくりとまぶたを開いていく…。
「ま、マズイ……」
そして、大きく口を開けると…………
「工エエ工エエェ('Д`)ェエエ工エエ工」
「!? な、何だ今の奇妙な悲鳴(?)は!?」
「今の声…ルヴィさんの!?」
彼女の奇妙な悲鳴(?)はジュリオ達のもとまで届いていた。
イーオス達を倒し終わり、これからルヴィを探しにいこうというときに聞こえてきたのだから焦ってしまう。
「と、とにかく声のした方へ行ってみましょう!」
ジュリオとエメラがようやく少しずつ晴れてきた朝もやの中を走り抜けると、横たわっているガノトトスの巨体が目に入ってきた。
ルヴィもすぐそこにいる。
「あれは…! ルヴィさん!!」
「ダーリン! ガ、ガノトトスガ…ガノトトスガ……」
「落ち着いてください、文字が全部カタカナになってます!」
「うっかり顔踏んで起きたと思ったらあくびしてまた寝たーーーーーー!!!」
「………は?」
「…すみません、もっとゆっくりと説明お願いできますか?」
いきなりのルヴィのわけのわからない発言にさすがにジュリオも少したじろいだ。というか早口すぎて何を言っているかよくわからなかった。
しかし、ジュリオは驚いていた。ガノトトスは非常にどう猛なモンスターであり、獲物が近寄ればすぐさま襲いにかかる。
そんなガノトトスが、目の前でぐっすりと寝ているのだから。しかも、よく見たら2匹いる。一応ルヴィの言葉から「寝た」というワードを聞き取れたので、寝ているのは確かなようだ。
寝息も聞こえてくる。心なしかとても安らかな寝息だ。
「あ、ありのまま今起こったことを話すで! 『ウチはガノトトスの頭を踏んだと思ったらガノトトトスがあくびしてまた寝た』。な…何を言ってるのかわからへんやろうけど…」
「はい、本当にわけがわからないのでもう少しわかりやすくお願いします……」
「…ウチがここに来たら、でかい翠の物体があってよく見たらガノトトスだったわけや?」
「はい」
「隣に青いのもおってこれが今回のクエストの獲物やな、と思ってダーリンに報告に行ったらうっかり翠の方の顔を踏んでもうて…。当然、起きてこっちを睨んできたんや…。
…かと思ったら、大きくあくびしてまた寝たんや……」
「…すみません、やっぱりわけわからないです…」
「そうやろ!? だってあんな凶暴なガノトトスに限ってこんなことって……」
一体どうしたことかと考えていると、二人はエメラが呆然と突っ立っていることに気がついた。
放心状態で2匹のガノトトスを見ている。
「どうしたんですか、エメラさん?」
「パ………」
「え?」
「パパ……それにママ!?」
「「…………………」」
「「工エエ工エエェ('Д`)ェエエ工エエ工」」
「エ…エメラさんパパとママって……」
「ああ、信じられん……私の……私の両親だ!!」
「…いや、それもそうなんですけど……」
「………パパ?」
「ママ?」
「…………はっ!」
どうやらジュリオとルヴィの驚きはガノトトス2匹の正体ではなく、あのクール(?)なエメラの両親に対する2人称だったらしい。
そのことに気づいたエメラは顔を真っ赤にし、再び放心状態になってしまった。
元々プライドが高いせいもあるのだろう。
「エ…エメラさん、気を確かに!」
「わたしはなにもいってないぱぱとかままだなんてひとこともいってないこのとしでおやをそんなふうによんでるなんてあるわけな」
「落ち着かんかいタコ!!」
「ギャース!!」
「………ギャース?」
おそるおそる、ガノトトスらの方へ視線を戻してみると……
ガノちゃん
おめざめ
にひきとも
「うわあっ!?」
思わずジュリオが剣に手をかける。
「…待ってやダーリン、どうやら安全みたいやで…。この女の両親だけあって……」
「え…わ、わかるんですか?」
「そりゃあウチはモンスターの言葉わかるしな。この女もわかるみたいやけどこの状態やし…。…とりあえず今の翻訳すると……」
『ボンヂュール、チミ達。なあに、そんなに怖がるんじゃない。どうだ、お茶でもいるかね?』
※以下、ガノトトス達のセリフは全てルヴィによって翻訳済み
「…すっごい気さくな方だ!!」
「ってか自分で訳しといてなんやけど何やボンヂュールて…。それにお茶なんか作れるんか…?」
『おや? よくよく見れば我らが最愛の娘、エメラもいるじゃないか』
『となると…あなたがジュリオさんかしら?』
「あ、はぁ…」
何だかやけにフレンドリーなガノトトスに戸惑いながらジュリオが返事をする。
翻訳をしているルヴィも少しあきれたような顔だ。
『どうも、娘がご迷惑をおかけしています』
『そちらの赤い髪の方は友人ですかな?』
「違うけどウチも元モンスターや」
『ほほう! 元モンスターとな!』
「……はっ!」
やっとのことでエメラが正気を取り戻すと、すぐに会話に割って入った。
上にルヴィによる翻訳って書いてあるけどエメラは翻訳なしでも会話がわかるのサ。
え? さっきも書いてあったから知ってる? …すみませんでした。
「パ……じゃない、二人(?)とも、どうしてこんなところに!?」
『そんなことよりジュリオさんとはABCどこまで行ったのかしら?』
「うるさい!!」
言うまでもないかもしれないが、あのじじい(エメラのじじい)は母方の祖父である。
翠色なのも母親の方だが別にわざわざそれを書いたところで話の進行には何の影響もない気がしてならない。
「ルヴィさん、ABCって何ですか?」
「ダーリンはまだ知らなくていいことや」
かつて恋人がいたにも関わらず、ジュリオはやけに恋愛関係のワードにうとかった。
『いや、ちょっと久々に夫婦水入らずで遠出してきたらここがやけに寝心地のいい場所でな』
『そうそう、だからしばらくここを寝床にすることにしたのヨ』
「私達はあんたらを退治するように頼まれたんだぞ! ここにいたら危ないだろうが!!」
『ほほう、ジュリオさんのお手伝いをしてるのか。偉いぞエメラ。でもいつものようにパパと呼んでくれないのはちょっと寂しいぞ』
「うるさい! というか自分達が殺されるかもしれないのに何でそんなに平然としている!!」
『ああっ、あなた! エメラがグレてしまったわワ!』
『なんてこった! こないだまではパパママ言いながら甘えてきたのn』
「わー! わーーーーーーー!!!!!」
「……ほほう、マザコンでファザコンか…。…この女の弱点を見つけたで……」
エメラの知られたくない弱点を知って笑いを浮かべているルヴィの顔は悪役そのものだった。
あと主役であるはずのジュリオがさっきから空気である。気のせいだといいのだが。
『…ところで殺されるって何のことだ?』
「うっわ、どこまでも呑気な両親やな…」
「…何度もハンターが狩りに来たんだぞ! 一度も襲ってはこなかったようだけど……殺されてたらどうするつもりだ!?」
『おお、エメラが心配してくれてるぞ』
『やっぱり私たちの娘…かわいいエメラ! ああなんてツンデレっ娘! かわいすぎるわ!』
「質問に答えろ!!」
「独特のテンションやなあの二人…」
「ルヴィさん、ツンデレって何ですか?」
「説明しづらいけど一種の性格みたいなもんや」
エメラの両親のマイペースぶりにジュリオのために翻訳をしているルヴィまでもが脱力気味だ。
ジュリオも顔にこそ出してないが、内心はかなりポカーンとしている。
「いいか、今日私達がここに来た理由は……」
「…というわけだ、わかったか!?」
『ああ、時々来てたハンターの方々はそんな目的で来てたのか』
『起きたら目の前にいたけど眠いからいつも寝ちゃってたのよネ〜。お茶でも出してあげればよかったワ…』
「……………」
『事情はわかったワ』
『私達は今夜にはここを出るとしよう』
「ああ、そうしてもらえると助かる……」
『さて、それじゃあもうひと寝入りするかな…。また会おう、我が最愛のツンデレ娘よ』
「黙れ」
エメラの両親の眠りっぷりは実に凄いもので目を閉じてからわずか10秒で寝付いたらしく、
二匹とも寝息を立て始めた。
それはまあ実に安らかで心地良さそうな顔で。例えるなら腹ばいになって寝ているハムスターのような無防備な顔で。
「……呑気にも程があるやろ、目の前にハンターがおるのに…」
「これはもう呑気とかいう次元ではない気もしますが…」
2匹の寝顔を見ているとだんだん脱力してきた。
…このままずっと見ていたら何もかもがどうでもよくなりそうなほどに脱力してきた頃。
今回のクエストは「追い払う」のでもよかったことを3人は思い出した。
「………………帰りましょうか」
「ああ………」
数日後、集会所にてジュリオがクエストボードをながめていた時のこと。
「…ん? あ…あなた、もしかして誰も退治できなかったガノトトスのつがいを追い払ってしまったジュリオさんでは!?」
「やけに説明的な口調でどうも…。…何か用ですか?」
「ええ、前々から聞いてみたかったんですが…一体どのぐらい恐ろしい相手だったんですか!?」
「…………」
「幾人もの凄腕ハンターが逃げ出すほどの強敵、やはりさぞ巨大で……ってあれ? どうしたんですかそんなうなだれて?」
「……何だかあれを思い出したらやる気が…。……今日はクエストを受注するのはやめにしよう……」
「え? え? ど、どーしたんですか!?」
なぜ誰もあのガノトトスを退治できなかったか…なぜ他人に語る気にもならないのか……
それは、あのクエストを受注した者以外にとって永遠の謎である………。
前に作中のネタでも使ったソニックアドベンチャー2モデルのソニックが
スマブラにめでたく参戦することとなって狂喜乱舞してる今日この頃。あ、いきなりモンハン関係ねぇや。
今回の話を書いててキャラに「動き」がないとカギカッコだらけになることに改めて気づかされる。
やっぱり常にキャラクターが動き回ってないと、ただ会話をしていくだけの冗長な内容になって面白みに欠けてくる。
だから、うまく説明文とかを挿入していかないといけない。
そういう意味じゃ、ただの会話よりもバトルシーンとかの方がはるかに書きやすいのかもしれない。
……なんか珍しく真面目な話になったけど今回はこのへんで。それにしても今だにタイトルが決まらない。いっそ募集してみるか。
というかいい加減グダグダになってきた気もするしそろそろ終わらせた方がいい気もする。
あ、余談だけどLIVE A LIVEの近未来編の熱さはガチだと思う
ジュリオGJ!
あ、ティガの人も乙でした。
ところで、びみょーなネタなんですが、投下OK。
>>457 本当にLIVE A LIVE好きだなwww
前回のストレイボウにも笑ったが今回の無法松にも笑ったwww
ブリキ大王の勇姿に敬礼しつつ、投下開始。
『クイーンに首ったけ』
目の前を覆う、緑色の煙が晴れると、俺は見慣れた場所――密林のキャンプ地にいた。
「クッ、また失敗か!」
ガックリと肩を落しながらも、俺は気を取り直してポーチから素材玉とドキドキノコを取り出す。
ふたつを調合してモドリ玉の出来上がりっと。よし、再びいざいかん、竜の巣へ!
10分後。
いい加減にレアに焼け焦げた俺が、再びキャンプ地で黙々とモドリ玉をこさえる光景が見られたとさ。とっぺんぱらりのぷぅ(昔話風)。
俺がモドリ玉を、今日だけで10個近く調合しているのには、深い……いや、あんまり深くもないかもしれないが、とにかくワケがある。
一昨日の話だ。
「ぃよう、景気はどうだ、マック?」
元はハンター仲間だったが、片目を負傷して以来引退して情報屋の真似事(もっとも、最近は大分板についてきたみたいだが)をやってる知人が、酒場で見るからに、"不景気です!"という顔している俺に声をかけてきやがった。
言い忘れていたが、俺の名はマック。駆け出しはとっくに卒業して、上級ランクまであと少し……といった程度の腕前のハンターだ。
「ん? ああ、おまえか。まぁ、仕事の方はそこそこ順調だな」
「にしては、エラく景気の悪い表情してるじゃないか」
隣りに腰かけ、ビールを注文しながら、不思議そうな顔をして聞いてくる。
「いや、仕事はいいんだ。”仕事は”、な」
「あ〜、察するにマック、おまえ、”また”フられたのか?」
ピクッ!
「ちっくしょおぉ、美形なんか、キライや〜!!」
「……まぁ、男にも女にもメンクイは多いからな」
オガーーーンと男泣きしている俺を、「気の毒に」と「面倒な」の中間くらいの微妙な表情で見守りつつ、ヤツがなだめた。
「だいたい、おまえの方にも問題があるだろう。女の好みが細か過ぎるんじゃねーか?」
恒例の騒ぎが一段落し、ヤツとふたりで杯を傾けていると、そんなことを言ってきた。
「そーかぁ? でも、美人でお淑やかで料理が上手い嫁って、全男性共通の夢だろう?」
「いや、まぁ、その点は否定せんが……叶わないからこそ、見果てぬ夢だと言う説もあるぞ?」
妙に悟ったことを言うヤツを尻目に、俺はヤケ酒を煽る。
「クッ、自分の嫁がちょっと美人だからって!」
何回か会ったことがあるが、生意気にも、こいつの奥さんは少なくとも第一条件は満たしているのだ。料理の腕前は知らないが、こんなヤツの嫁さんやってるってだけで、忍耐強い、よくできた性格であろうことは想像に難くはない。
「今日の午後だって、この村で、俺より年下のハンターが祝言挙げてるのを見ちまったんだ。ちっとは焦るっての」
そう、今日の午後、仕事(狩り)から帰ってきたとき、偶然集会所前で人だかりが出来てるのを見て、ちょっと覗いてみたんだが、このあいだまでヒヨッコだと侮ってた若手ハンター(男)のひとりが、年上っぽい美人と結婚式を挙げているところだったのだ。
いつも大仕事に挑戦しては返り討ちにあっている、ミソッカスと評判の坊やだったが、最近はそういう生意気なところが影を潜め、分相応な仕事を堅実にこなすようになっていた。
ヤツも一皮剥けたな、と正直感心していたんだが……女かッ!? 女と結婚するために、コツコツ資金貯めとったんかー!!
……いや、まぁ、冗談はさておき。
アイツが、いい方に変わったのは、多分あの女性の影響もあるのだろう。男が出来ると女は変わるとよく言うが、男だって惚れた女にはいい所を見せたいもんだし。
そいつはわかる。よくわかるのだが……。
「わかるわけにはいかんのだッ!」
ダンッ!!
「いや、そんなコトを島本和彦調に熱血して語られても……」
テーブルにジョッキを叩きつける俺を気の毒そうに見ながら、知人がつぶやく。
「うぅ、妬ましいったらありゃしねぇ……」
「まぁ、そうクサるな。そうそう、そう言えば、あいつの嫁さんに関して興味深い噂があるぞ。何でも、元イャンクックらしいとか」
……はぁ?
「何の冗談だ、そりゃ」
さっきのお返しに、バカにしきった目でヤツをねめつけてやる。
「ま、あくまで噂の領域は出ない話なんだがね」
「そりゃあ、昔からそのテのヨタ話にはこと欠かないけどよぅ」
傷ついていたアプトノスを可哀想に思ったハンターが介抱してやると、その晩、お礼に人間の女性になって会いに来た……といった類いのデマは、ハンターなら誰でも一度は聞いたことがある。
もちろん、そんなメルヘン溢れる民話が成立するほど、俺達ハンター稼業は甘いもんじゃない。さすがの俺もただの妄想だと切って捨てていた。
「うん? いや、モンスターが人間の姿になるって事例自体は、珍しいけどないわけじゃないぜ」
――こんなヤツが情報屋としてやっていけるなんて、意外と世間は甘っちょろいものらしい。
「あ、疑ってるな、おまえ? じゃあ、身近な実例を挙げようか。そうさなぁ……去年、街の古龍撃退戦のとき会った、蒼い鎧着た太刀使いは覚えてるか?」
「おう、凄腕だったよなぁ。あの人なら、単独でもラオシャンロン倒せるんじゃねぇか?」
「実際倒したことあるらしいぞ。で、その時、そばに大八車引いたアイルーと、小柄な女の子がいたのは?」
「ああ、あの幼女、てっきりあの人の娘か何かかと思ったら「ワシはこやつの妻じゃ!」と言われてドン引きした記憶があるからな」
おまえ、どんだけロリペドなんだと小一時間問い詰めたい気分になったが、まぁ、恋愛は人それぞれだし、将来極めて有望そうな可愛い娘だったのも事実だしな。
――そうか、光源氏か? 若紫なのか!? よし、俺もそちらを目指せばっ!
「あー、ヘンな方面に暴走し始めてるところで悪いが、あの娘、元はラオシャンロンだから。あれでも俺たちの何十倍も歳いってると思うぞ?」
ろ、ロリババァ!?
「あと、1月ほどまえ、おまえ、依頼でポッケ村に出かけただろう? そこで、美人ふたりを両天秤にかけてる、許せんモテモテ男がいるとか言ってなかったか?」
ああ、ボーイッシュで気の強そうな美人と関西弁の陽気な美女に囲まれて、ラブコメしてやがったゼ。心情的には極死に値するっ!
「クッ、ああいうモテ富豪がいるから、俺達のようなモテ貧民が生まれるのだ!」
「モテ貧民って……まぁ、ニュアンスはわかるが。ちなみに、そのふたりは元ガノトトスとフルフルらしい。あ、どっちも亜種な」
……ナンデスカー?
その後、元クシャルダオラと連れ添った太刀使いだの、目つきの悪い元ガノな彼氏とデキてる女ハンターだの、実例を挙げて説明されては、俺も半信半疑と言う気分になってくる。
「しかし、そういう元モンスターの連れ合いを娶ったヤツらって、そのままハンターを続けていけるものなんかね?」
「んー、人それぞれみたいだけど、引退するヤツも結構いるな。ほれ、ココット村にいた、例のベテラン大剣使い。ガノトトス少女と結婚したあと、観光ガイドやってるらしいぞ。それと……ほら、クリムゾンサイスを使うあいつ、おまえも覚えてるだろ?」
「ああ、あのバカか。2、3度パーティー組んだことあるから、一応な」
「ヤツもココット村に里帰りして、ドスランポスの未亡人と結婚したみたいだぞ。もっとも、嫁さんを飛竜から庇って再起不能になったらしく、ハンター廃業して畑耕してるみたいだけど」
なかなかハードな話だが……愛する人を庇っての名誉の負傷なら、むしろ漢として本望!
「まぁ、人の姿になったからって、必ずしも恋が芽生えるわけでもないらしいがな。ホレ、ちょうどあそこにいる片手剣使いの男と大剣使いの女のペア、あいつらも女のほうが元古龍じゃないかって噂がある」
マジか? あの娘、ちょっとキツそうだが美人だし、連れの男と恋人同士って感じじゃないから、密かに狙ってたのに……。
「モノブロスやラージャンが美女になったはいいものの、男ハンターが逆レイプされたって話もあるしな」
あ〜、そりゃ元モンスターだもんな。人間形態になっても元の怪力が健在なら、そりゃ屈強なハンターでも押し倒されるワ。もっとも、俺だったら、むしろバッチコイな気がするが……。
「で、まぁ、こっからは眉唾物の話なんだが、そういうモンスターが人間になったケースって、どうやらドキドキノコないしモドリ玉が関係している例が少なからずあるらしい」
ピクッ。
「ほぅほぅ、そこのところを詳しく!」
「いや、古龍とか一部の飛竜とかだと、自分を倒した強者に嫁ぐって考え方があるらしいんだがな。おまえにゃ、まだ無理くさいし」
それは嫌味かよ。どーせ、俺は、古龍討伐はクシャルを撃退したことしかねーよ!
――て言うか、俺、実行する事確定かよ?
「ん? だったら、なんで詳細を聞きたがるんだ?」
……おっしゃるとおりでございます、ハイ。
* * *
と、言うようなやりとりはしたものの。
俺も話半分で聞いてたつもりだったんだ。
しかし、昨日、俺と同期の中級ハンターが、紫の服を着たどことなく影の薄い美少女を村に連れて来て、村長に「結婚します」と報告したことで、ついにキレた。
今朝一番で、アイテムボックスからありったけのドキドキノコと素材玉をかき集めて、とりあえずリオレイア退治を引き受けて、このジャングルにやって来たわけだ。
リオレイアをターゲットにしたのに、それほど大した理由はない。ダイミョウザザミとかゲリョスだと、人化してもあんまり美人じゃなさそうな気がしたし、クックだと例の坊やとカブりそうで、何となくはばかられたからだ。
ドスランポスとかドスファンゴは微妙にザコっぽい気がしたし、ドスガレオスやガノトトスは引っ張り出すのが面倒くさい。
それに、万一人化に成功しても、オス―男だったら目も当てられない。
その点、リオレイアならそういう間違いは起こるまい。何せ”陸の女王”だからな。
情報屋の話では、子持ちの金火竜を嫁にした人もいるみたいだし、決して無理な話ではないだろう、うん。
そういった思惑で、モンスターにモドリ玉やドキドキノコを投げつける実験をしてみたんだが、これがことごとく失敗。
まぁ、閃光玉やペイント玉と違って、本来投げつけるのに不向きな形してるしなぁ。
さっきなんか、デスパライズの貧弱な盾でレイアの突撃をガードし、至近距離から投げつけるという作戦に出たんだが……。
どーして、直前で停止して、ブレスに繋ぐんだ!? おかげで危うく死に掛けた。
手持ちのモドリ玉は、あとひとつ。素材玉はまだあるし、近くの洞窟で採取すればドキドキノコのひとつやふたつは取れるかもしれんが、あ〜、もう面倒くさくなってきたなぁ。
どうせヨタ話、あるいはそうでなくても宝くじみたいな奇跡的幸運に恵まれないと無理な話だろうしなぁ。
あと1回チャレンジして、無理だったら、すっぱりあきらめよう。
しかし、そうやって肩の力を抜いたことがよかったのか。
7番エリアで絶好のチャンスが巡ってくる。
持って来てたのに使うのを忘れてたシビレ罠をセットしてみたところ、うまい具合に突っ込んで来たレイアがハマったのだ!
いやいや、クールになれ俺、焦るな俺。
この隙にレイアの顎下に潜り込んで、モドリ玉の煙を吸わせてやれ!
ドキドキしながらレイアの元へ走り込み、震える手でモドリ玉を取り出し、念の為、レイアの顔に叩きつけようと、渾身の力を込めてモドリ玉を投げる。
ヘロヘロした軌道ながら、さすがにこれだけの至近距離だと届きそうだ。
――グッバイ、雌トカゲ。あーんど、ヘロー、マイワイフ。
俺がまだ見ぬバラ色の新婚生活に想いを馳せた瞬間。
……アッ!
空気を読めないクソ虫が、突っ込んで来て俺の投げたモドリ玉にブチ当たりやがりました。
* * *
「と言うワケで、俺の雌火竜マイラバー化作戦は失敗したわけだが」
あの直後、モドリ玉の煙を吸って本日11回目のキャンプ帰還を果たした俺だったが。
「……なんで、俺の腕の中に、ムチムチボンテージのおねーさまがいらっしゃるのでしょう?」
俺の両腕に俗称お姫様抱っこ状態のまま抱きかかえられているのは、気絶した若い女性だった。
おおよそ20代半ばといったところか。メインヒロインをはるにはちょっとトウがたった年ごろだが、なかなかの美人さんだ。
皮ではない光沢のある素材でできた黒いビスチェとハイレグなボトムス、さらに膝上まであるブーツと指なしの長手袋と言う、えらく露出度の高い衣装を身に着けている。
一瞬、マイラバー作戦が成功したのかと考えるが、女性のコスチュームと髪の色がそれを否定する。
蜂蜜色と黒褐色の縞模様になった珍しい色の髪を背中まで無造作に伸ばした彼女は、明らかにある特定の生物を連想させた。
「う、うーん……こ、ここは?」
お約束な呻き声をあげて、”彼女”が意識をとり戻す。
俺の腕に抱かれた状態のまま、自分の体に目をやり、一瞬驚いたあと、すぐに得心したかのような表情になる。
「そうか。妾(わらわ)は、あの煙を吸い込んだのじゃな」
「あ〜、念のため聞いておきたいんだが、アンタはもしかして……」
「うむ。そなたら人の言葉では”ランゴスタ”と呼ばれる種族じゃ」
「……なんてこった……」
よりによって、虫か? 俺達ハンターにとって、ある意味最凶最悪の敵とも呼ばれている、チクチク来るあのウゼェ羽虫を、俺は人間にしてしまったのか?
若い女性の柔らかい身体の感触は少々惜しかったが、とりあえず下ろして話を続けようとした俺だったが、なぜだか彼女は放してはくれず、逆に俺の首に腕を回してきた。
「風の噂にモンスターが人間になることがあるとは聞いてはいたが、まさか我が身にも起こるとはのぅ。この始末、どうつけて下さるお積もりかな、我が君」
な、なんでいきなり”我が君”呼ばわり?
て言うか、顔近いから。近過ぎるから。いや、俺、あんまり美人に耐性ないから!
「つれないのぅ。この世に生まれて早20と数年。長年我が一族を導き育ててきた妾を、そなたは人にして一族より引き離したのじゃぞ。右も左もわからぬ人の身で、明日からどうやって生きていけばよいのか……」
クッ、そう言われると、微妙に罪悪感が。
「責任は取って戴かなくては。のう?」
悪戯っぽい目つきで俺を見つめていた彼女の瞳が、ふと陰る。
「それとも、こんな虫女はイヤかえ?」
あぁっ、ちょっ、その哀しそうな目は反則っ!
やや吊り目気味でツンデレと言うかあからさまに気の強そうな顔つきの美女に、そういう気弱げなところを見せられるのは、正直ヤバい。
(畜生。俺の好みは、大人しくてお淑やかな美少女なんだけどなぁ……)
そんなラチもないことを考えつつ、俺は目の前の元ランゴスタ美人の唇を奪った。
ハハッ、なんてこった。
陸の女王を捕まえる(性的な意味で)つもりが、虫の女王に捕まえられる(同上)なんてな。
……そー言えば、あの時、突っ込んで来たランゴスタ、剥ぎ取りしたら女王虫の尻尾が取れそうなくらい、大きいヤツだったなぁ。
息つぎの合間に、彼女が耳元で囁く。
「末長く可愛がってくだされ、我が君」
苦笑しながら俺は、小舟のベッドの上に、彼女を押し倒したのだった。
−とりあえずfin−
以上。15分で考えついた案をダラダラ書き連ねたため、エロにまでは辿り着けませんでした。次の機会があれば、その時には。
ガノトト娘の話はぜひ続けていただきたい所存。
なんだこのおまつりはぁっ!!
なんというけしからん投下ラッシュ。皆様GJ!
というか神々の擬人化モンスがパラレルしてるwwwww
これはいいシェアワールドwww
しかし各ネタが判らない俺、保管庫を見ても乗ってないし。
ていうかこの村人外多いな
逆に考えるんだ。人外が多いからこそ襲撃されずに残っているんだと
元イャンクック→クック女教師
美人二人 →エメラ&ルビィ
目付き悪いガノ→ノトス
クシャル →翔くん
しかわからないオレにshit!
言及順に、
・クック先生 ・翠ガノ、赤フル
・クシャルダオラ ・ガノトトス♂
・翠ガノトトス ・ドスランポス
・アカムトルム ・モノブロ亜種
・ラージャン ・オオナズチ
・ゴールドルナ
でございます。書き手のみなさま、無断借用、申し訳ありませぬ。
でございます。書き手の皆様、無断使用
全員がこの村の住人ってわけではないけど、確かにすごい人外率!
ちなみに、ランゴ女さんのルックスイメージは、「髪を下ろしたリプダイン=グァイス」です。微妙にトウの立ったところとか。
リプダイン=グァイス……懐かしい名前を聞いたぞ
これはいいオールスターwwww
この発想はなかったwwwというか俺のが作中で扱われただけで嬉しいな。
それにしても1日に3本も投下されるとは珍しい。このまま4本いくか?
どうぞぞうぞ
もう一時間強しかありませんが。
SS保管庫って更新しないんですか?
4本目を目指して執筆を開始したところ間に合いそうに無い件について
>>481 ノシ 俺も俺も。間に合わなかったが。
これまで「過去どんな作品があったっけ」「今どんな作品連載中だっけ」て話題の時、華麗にスルーされる対象だったのに。
さっきクイーンの人に出して貰って、めっちゃやる気出た!
そういえば前のスレ(?)で出ていた
新しく保管庫つくる件はどうなったんだろう?
引用その他、おおむね好意的に見てもらえたようで、ひと安心。
続きをちょっとだけ投下させてもらいます。
『クイーンに首ったけ 〜新婚編〜』 上巻・昼の部
仕事(狩り)帰りに、馴染みの酒場の片隅で、黙々とホピ酒を飲んでいる俺の肩をポンッと叩くヤツがいた。
「よッ! おげんこ?」
振り返ると、そこには例の情報屋をしている知人が立っている。
「あーー、うーー、まぁ、ボチボチだな」
珍しく俺が煮えきらない返事をしたことに興味をそそられたのか、ヤツは俺の隣りに腰かけてきた。
「なんだなんだ、いまいち元気ないじゃねーか。せっかく、お前さんにも春が来たってーのに」
こいつの言葉通り、俺は10日ほど前に村に連れ帰った”彼女”を、即日嫁にした。
今にして思えば、”男として責任を取る”という言葉の浪漫に踊らされて、少々浮ついた気持ちでとった行動だったことは否めないが、別に後悔はしていない。
「それとも何か? やっぱり新婚さんだから、毎晩ハリキリ過ぎで疲れてんのか?」
ピクッ!
「おほっ、図星かよ!?」
俺の肩が震えたことをヤツは見逃さなかったようだ。チッ、目敏いヤツめ。さすがは腐っても情報屋か。
「いやぁ、変われば変わるモンだなぁ、あの煩悩魔人のクセに素人童貞のマックが」
「素人童貞言うな!」
いや、間違ってはいませんよ?
さすがにこの歳で童貞守ってても別に不思議な力が使えるようになるわけでもなし。ドンドルマの裏通りのそういうお店のお姉さんに、去年筆下ろししてもらったのは、事実だけどよ。こんな人目のある中で言うなや、ボケ!
「アハハ、わりぃわりぃ。それで、愛しの花嫁さんと愛のあるセックスをした感想は?」
愛……愛ねぇ。
いや、確かに今では嫁さんのことをちゃんと愛しく思っているし、あいつも同様に想っていてくれると言う確信はあるよ?
しかしながら、初めて彼女と体を重ねた時は、愛情とか恋愛とか言うよりも、打算と義務と欲情がほぼ等分に混じり合っていた……というのが、真相のような気がする。
「ふーん。でも、モンスターと連れ添うことになったハンターの半分くらいは、そういう始まり方らしいぜ?」
「そういうモンなのか?」
「相手を人間にしてしまったと言う悔恨と、その相手の面倒をみてやらなければと言う義務感。プラス、相手が発情してたりしたら、言い訳もバッチリ。まさにお前が今言ったのとソックリじゃねーか」
ああ、その気持ちは何となくわかるなぁ。
「もっとも、そういうのじゃなくて、幼いころの自分を助けてくれた相手に恩返しに来て、そのまま相思相愛になったキリン娘だとか、初恋の人を追って自分も人間になった黒龍娘だとかの、純愛ストーリーも聞くけどな」
クッ、なんだか耳が痛いぜ。
「まぁ、それはともかくだ。元モンスターを嫁にすると、やっぱり何かと不都合が出てくるものか?」
不都合、かぁ。
いままで女と結婚したことなんざなんかったから(イヤ、もちろん男と結婚するシュミもないですヨ?)、正直、自分の新婚生活が普通なのかどうかわからん。
「そうだなぁ。たとえば服装とかはどうだ? 元モンスターの女性には服を着ることを嫌がる人もいると聞くぞ」
いや、人化した時こそ、エッチぃお店風な格好だったものの、村に連れ帰ってからは、キチンと服着てるぞ。東方のキモノとやらが気に入ったらしくて、小袖と緋袴とか言うのを、いつも(……少なくとも昼間は)ピシッと着こなしてるし。
「じゃあ、家事関連はどうだ? 料理とか掃除とか洗濯とか」
ああ、流石に連れ帰った当初は人間の料理なんざ出来なかったが、ご近所の奥様方に習いに通って、3日でまともなものが作れるようになった。最近じゃあ、俺なんかより断然美味いメシを作ってくれるね。
掃除は、もともとマメな性格らしくて、掃除道具の使い方を一通り教えたら、即日マスターしてくれた。洗濯もしかり。
ぶっちゃけ、今じゃ俺、家の中のことはほとんどあいつに任せっきりだな。
「……そのコトを奥さんが不満に思ってるとか?」
それが、アイツ、あの ”悪の女幹部”モドキな第一印象に反して、とことん夫に尽くすタイプらしくてさ。嬉々として家事に精を出してるんだ。手伝おうとするとむしろ俺が怒られるし。
「………近所付き合いは? 元モンスターだから、ハブにされてるとか」
さっき言ったとおり、近所の奥様連中との関係は良好だよ。村での評判も、おおむね悪くはないし……って、情報屋なんだから、お前さん、それくらい知っとろーが!
「まぁな。じゃあ、じつは初夜以来体を許してくれないとか。
……いや、そりゃないな、ウン」
……どのような根拠から、おまえがそういう判断を下したのか微妙に気になるが、確かにその通り。毎晩、夜通し励んでおりまする。
「――うがぁーーーーーーッ! 惚気か? 新婚バカップルお得意の惚気なのか?」
突然暴れ出した情報屋を必死になだめる。
「違う違う。正直に言うと問題点はひとつなんだが、そのひとつがとてつもなく深刻なんだ」
その言葉を聞いて、ヤツもすぐに平静を取り戻した。
「ほぅ、どういうことだ?」
「さっき、俺が”毎晩、夜通し励んでる”って言っただろ。アレ、まさに言葉どおりの意味なんだ」
「――それは主に”夜通し”の部分のことか?」
「うん。ブッちゃけ、この一週間、俺、妻と”おやすみ”の挨拶をした記憶がない」
ゴクリとヤツが唾を飲み込む。
「――時間と回数は、どれくらい?」
「晩飯喰って一息ついたら、一緒に風呂に入ってまず2、3発。小休止ののち、寝床に雪崩れ込んで、明け方まで精力の続く限り」
「……おまえ、絶対早死にするぞ」
「だから困ってるんだろーが! 今のところ、強壮薬もとい強走薬使って凌いでるけど、このままじゃあ、俺の身がもたん!!」
「じゃあ、適当なところで断れよ」
「バカ野郎! そんなことしたら、アイツ、「我が君、妾にどこか至らない点がありましたかえ?」とか言って、泣きそうになるんだぞ! しかも、何気に口技もアソコの締まりもお尻の具合もことごとく絶品だし」
「やっぱ惚気じゃねーか!」
ついにサジを投げられてしまった。
<下巻・夜につづく>
以上、とりあえず昼の部終了。下巻では夜のふたりの生活を描写する所存。
エロには自信ありませんが、頑張ります。
マックめ……
やべえ…ただただ迷惑だった虫を一刀で切り伏せるのをためらってしまうじゃないか。
じゃあ組み伏せるか。
GJ!
一万と二千秒前から愛してる!
>小袖に緋袴
クイーンの人、巫女さん属性なのか…
12000sec=200min=3h20min
3時間20分か…
ティガのトンカツ
エメラの両親
そしてとっぺんばらりのぷぅにクソワロタ
皆皆GJなんだ!
>493
それって何クックくらい?
(注:1クック≒クック一匹討伐する時間)
>>495 ソロでなら大体40クックくらいじゃね?
いきなり登場したクイーンシリーズに早くも夢中になる俺ガイル。
そういえばいつからか絵師が姿を消したよな、このスレ
でも前のスレには絵師さんいたような??
Lv.1ハンター一式
ハンターカリンガ改
回復薬 10
こんがり肉 9
ペイントボール 27
肉焼きセット
砥石 20
以上の状態で村☆3森丘クック先生に教授を乞い始め
時間計測のための書き込み
討伐完了
1クック≒14分35秒
腕も落ちたもんだ…
消費アイテム累計(支給品は除く)
回復薬 5
砥石 1
夜なわけだが
503 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 21:31:53 ID:1sOUpSr0
今日はやたらと過疎ってるな
ほんとに過疎ってるスレの住人は口で説明なんてしないからな口で説明するぐらいなら俺はageをするだろうな
となると俺は久々に名前のとおりsage忘れをかましちまったようだ。
申し訳ない
sage忘れさん何やってんのwwww
予定をちと変更して、これより新婚編の中巻投入です。
やっぱエロはムズいですニャ〜。
『クイーンに首ったけ 新婚編』中巻・夜の部
酒場での知人との会話をグダグダのまま終わらせたのち、俺は妻の待つ我が家へと向かった。
……やっべぇ、いまの「妻の待つ我が家」ってフレーズ、自分で使ってエラく新鮮だ。
「ただいまーっ!」
嗚呼、自宅に帰って「ただいま」と言えることの幸福感よ。
「お帰りなさいませ、我が君」
家に入ると、予想通り俺の……えっと嫁? いや奥さんってフレーズも捨てがたいな。新妻と言う響きも悪くないし……ああ、もうとにかく、結婚した相手が、玄関に正座し、三つ指ついて出迎えてくれた。
東方風のキモノを着ているので、それなりに様になっているが、この純白と朱色のキモノは、何でも東方で神事を司る"巫女"と言う職業の女性が本来着るものらしい。
そういう言わば聖職者の服装を自分の嫁さんに着せるのって、どうよ(しかも、その格好のまま……ゴニョゴニョ)? と思わないでもないが、まぁ、ウチの嫁には似合ってるので無問題だ。むしろ萌え!
まあ、それはさておき。
「おぅ、今帰ったぞ、ラン」
彼女の名前は、連れ帰った日のうちにラン(彼女いわく"お蘭")にすることに決めた。
名前の由来? 無論、"ラン"ゴスタからだ。安直な発想ではあったが、彼女自身も、正式名称を東方文字で"蘭"(花の名前らしい)と表記することを条件に、賛成してくれた。
「夕餉の支度は整っておりまするが、如何なさいますか?」
新婚さんと言えば「お風呂にする? 晩ご飯にする? それともア・タ・シ?」と言うやりとりがデフォだが、俺は夕方以降家に帰ったときは、まずメシにすると決めている。
これは以前からの習慣もあるが、酒場でヤツに話したとおり、下手に風呂に入るとそのまま夜の営みに突入して、晩飯を食いっぱぐれてしまう可能性が大だからだ。
精力不足に加えて栄養失調なんてのはシャレにならん。
なのに、わざわざランが尋ねて来たのは、俺の顔の色を見て、軽く一杯ひっかけてきたことに気づいたからだろう。まったく、俺にはもったいないくらいよくデキた嫁さんだ。
「ああ、ちょうどいい具合に腹は減ってるからな。早速いただこう」
ふたり差し向かいでテーブルに腰かけ、両手を合せて「いただきます」をする。
本日のメニューは、"クック豆の炊き込みご飯"に"ガブリロースの照り焼き・棍棒ネギ添え"、"兜ガニとくの字エビの煮つけ"、"激辛ニンジンと砲丸レタスのサラダ"ってところか。
元蜂だからか、ランはハチミツを使った甘めの味つけを好む傾向はあるが、別に食えないほど甘過ぎるわけじゃない。素材の切り方や火加減、茹で加減なども考え合わせると、むしろ十分料理が上手い部類に入るだろう。
いや、新婚さんによる愛情補正を除いても、料理を始めて一週間足らずの女性としては、出来過ぎと言ってよかった。
しかも、目の前で作った本人が、甲斐甲斐しく給仕してくれるのだ。そりゃあ、食も進むってモンだ。
「ふぅ〜、食った食った……ごちそうさん。今日も美味かったよ」
「我が君にそう言っていただけると、妾としても妻冥利に尽きまする」
にこやかに微笑みながら、食器を台所に運ぶラン。
以前、せめて食器洗いくらいは手伝おうとしたのだが、「厨房は妻女の聖域であります故」と丁重に断わられた。
従って、今の俺にはすることがない。いや、流しの前で鼻歌を口ずさみつつ腰を振り振り洗い物をしているランを眺めるのも、それなりに楽しいのだが。
……そうだ、今のうちに風呂に入っておくか。
いつもはランが背中を流してくれる(背中だけでなく色々な場所も洗ってくれる)のだが、今日は自分でサッと汗を流してしまおう。そうすれば、2、3回分は消耗を抑えられるし。
(何の? とは聞かないでいただきたい。文字通り、ナニの、だ)
てなワケで。
「アッ!」
と言う間の烏の行水で済ませて、風呂から上がる俺。
超特級で洗い物を済ませたランの乱入を許さないほどの手早さだが、今日の狩りは、ショウグンギザミ2体を3人がかりで狩る楽勝な仕事だったので、さほど汚れても疲れてもいないし、問題なかろう。
――ちょっとだけ恨めしそうなランの視線が痛かったが。
コトン
「我が君。湯冷ましにお上がり下され」
頭を拭きながら食堂兼用の居間に戻って来た俺の前に、北国みかんの匂いのする器が置かれる。これは……シャーベットか?
「はい。隣家のシャルダ殿に昼間教わったので早速作ってみたのじゃが、上手くできたと思う故、ご賞味下され」
うむ、奥様ネットワークでの交流も順調なようで何よりだ。
* * *
ふたりでお茶を飲んだあと、ランが風呂に入りに行った隙に、俺は玄関、正確には土間に置いてあるアイテムボックスの中を探った。
えーと、強走薬は……やべっ、昨日の卵運搬で使っちまったから、今日はGの方しか残ってねぇぞ。
たかだか毎晩の夫婦の営みのために、貴重な強走薬グレートを使うってのもどーよ? と言う気がしないでもないが、背に腹は変えられない。
瓶の蓋を開けてグビッと飲み干す。
……くぅーッ、キクーーーーーーーっ!!
強走薬以上の精気の横溢が全身に感じられる。これなら、当面は保つだろう。
現金なもので、自分の体力の心配がなくなると(とは言っても時間制限付きだが)、俺はワクワクしながら、寝室でランが戻るのを待った。
トントン
遠慮がちに扉がノックされる。
この寝室はふたりのための部屋だと言うのに、ランは必ずこうやって入室許可を求めてくる。それにちょっと距離を感じて寂しいと思うのは……まぁ、俺のワガママか。
「ああ、どうぞ」
「失礼します、我が君」
風呂から上がったランは、昼間の巫女装束ではなく、白い浴衣だけを羽織っている状態だ。ゆったりとした足取りで部屋に入って来ると同時に、肩からその浴衣も滑り落とす。
「さぁ、我が君……」
俺に声をかけながら、妖艶な笑みを浮かべるラン
普段は首の後ろで束ねている髪も、白いリボンを解いて自然に垂らしているため、その特徴的な黄色と黒の縞模様になった豊かな髪が、彼女のうなじから肩にかけてを豪奢に彩っている。
「あ、ああ、うん」
そう生返事しながらも、俺は目の前に立つランの一糸纏わぬ姿から目を離せない。
これまで散々見てきたはずなのに、月明りの下に佇む裸身は、どこか神々しさと、それを遥かに上回る蠱惑を湛えて、俺を魅了してくる。
「ウフフ……」
ランの手が立ち尽くす俺の腕を掴み自らの乳房へと導いていく。
むにゅっ……。
本能的に握りしめた俺の両の掌が、ランの豊満な双球の心地よい感触を認識する。
その柔らかさ、その温もりに促され、自然に手が動いていた。
「あぁん……」
反則級にグラマーな肢体を弓なりに反らしながら、切なげな嬌声をあげるラン。
あまりの心地良さに手に余るほどの大きさの果実を握る指に、意図せず少々力が入ってしまったらしい。
「我が君、激しいのも素敵ではありますれど、最初は優しくしてたもれ……」
痛みの混じった快感に、きつくそのまぶたを閉じていたランが、うっすらとその目を開いて、俺に懇願してくる。
偶然か意図してか、それはこの上なく艶っぽい流し目となって、俺の理性を粉々に破壊した。
「……も、もう、辛抱たまらーーーーん!!」
湧き上がる衝動に突き動かされるまま俺はランを寝具の上に押し倒す。
――いや、そうしたつもりだったのだが。
「いかがですか、我が君?」
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
俺は、自分から目の前の嫁を押し倒したつもりだったが、
気がついたら逆にのしかかられていた!
……いや、これまたいつものことなので、驚くほどじゃないんだが。
元が蜂(ランゴスタ)だとは欠片も思わせない妖艶さをたたえて、ランの顔が寄せられてきた。俺の唇を濡れた舌がなめ回し、ぬるぬるした感触と共に口の中に押し入ってくる。
何も着ていないランの腕が、獲物を捕らえる蜘蛛のように俺の首にまわされる。
(ランゴスタってスズメバチみたく肉食だったっけ?)
そんなことをボンヤリ考えながら、俺は押し倒され、貪られるままに任せていた。
――今はまだ反撃の時期ではないのだ。あえて受け身となり、耐えて忍ぶのだ!
全然耐えてないヨという内心の声を華麗にスルーしつつ、俺も舌を伸ばし、ランの上顎をつつき、歯をなめ回しつつ彼女の舌にからみついた。
お返しにと、ランの唇は俺の唇や舌を器用に挟み込み、しなやかな愛撫を加えてくる。
痺れるような、むずがゆいような、形容し難い気持ちよさが口の中ではじけ、俺は下半身が一段と充血するのを感じた。
押しつけた太股で察知したのか、ランの吊り気味の切れ長な目の眼尻がわずかに下がって喜びの感情を表す。
のしかかったままわずかに体勢を変えると、つぎの瞬間ランは、俺の息子をパンツ越しに握り締めていた。
「ホホホ、どくどくと脈打っておるのがわかりますのぅ、我が君」
ランは彼女の手全体を使って息子をゆっくりと撫で上げてくる。
その力加減は絶妙で、初めて触れられたときはそれだけで1回イッてしまうかと思ったくらいだが、何十回、下手すれば3ケタに届きそうな回数の房事を経て、俺もそれなりに成長している。
「まっ、こんなに……ステキですぞよ、我が君」
「あ、ちとタンマ!」
俺のバナナを剥き身にしようとする(皮じゃなくてパンツのことだぞ、念の為)ランを制して、俺は言葉を続けた。
「前々から思ってたんだがな。我が君と言う呼称もオマエらしくて悪くはないが、せめてベッドの中では、もうちょっと親しげな呼び方をしてもらえないかね?」
「はぁ……親しげ、ですかえ?」
ついさっきまで欲情に火照った"雌"の貌をしていたランが、きょとんした表情で聞き返してくるのは、妙にかわいい。
「ああ、たとえば、"あなた"とか"ダーリン"とか」
そう俺が提案した途端、ランはポンッと顔を真っ赤にして身をよじる。
「そ、そのような呼び方は、恥ずかしゅうございます。堪忍してたもれ……」
「へ? いや、だって嫁さんが旦那のこと呼ぶのって、普通はそういうものなんだが」
「で、ですが……」
俺の胸の中で、ランは両手の人差し指をつつき合わせながらモジモジしている。
うーむ。
昼は貞淑で毅然とした妻の鑑、夜は妖艶で淫蕩な雌豹いや女王蜂と化すランが、まさかこんな呼び方ひとつで照れるとは思わなかった。モンスターの感性は、ようわからんなぁ。
だが、そこがイイ!!!
もうちょっといぢめてみたいのは山々だったが、あんまり照れりこさせるのも可哀想なので、妥協案を耳元で囁いてみる。
「! は、はい。それならば妾にも何とか……」
「おーけー、じゃあ、こーるみー」
「だ、旦那さま……」 ポッ
キターーーーーーーーーーーッ!
俺より若干年上に見える(実際の年齢も見かけ通りらしいが)新妻が、微かに頬を染めながら、恥ずかしげこう呼んでくれる光景は、俺の右の脇腹にある浪漫回路と右前頭葉にある萌え脳を、大いに刺激してくれた。
彼女の「旦那様」というフレーズに刺激され、「まだだ、まだ俺は本気を出しちゃいないぜ」とばかりに、俺の息子がさらに大きくなろうと煩悶する。
その気配におののきつつ、ペースを取り戻したのか、ランは俺の袋の下部に舌をべったりと貼り付け、そして舐め始めた。
嚢部を通過した舌は、さらに竿部へと移動し、その先端に舌先をねじ入れるように弄ぶ。その攻めに、俺は軽く声を上げてしまう。
元虫だった彼女が、何処でこんなテクニックを知ったのか、大いに疑問だったが、この段階でそれを口に出せる余裕など俺にはない。このままでは、長くはもたないだろう。
「では、失礼致します、旦那様」
俺の懸念を感じ取ったのか、ランはそう断わってから、ゆっくりと俺の息子をくわえていく。 完全に飲み込まれたところで、一瞬果てそうになったが、かろうじて自制する。
しかしそれもどうにかこうにか崖っぷち踏ん張ってるといったところ。これ以上は持ちそうにない。
「旦那様、まずは妾の口にて、子種を頂戴致しまする」
流石に少し不明瞭な声でランはそう宣言すると、それまでと段違いの激しさで、俺の息子を吸い込み、しゃぶりたて、舌を激しくからませる。
「くっ……!」
三擦り半とは早漏の譬えだが、それと大して変わらぬ僅かな時間で、俺はマイボウガンを暴発させてしまった。
ドロドロの白濁液を口の端から滴らせながらも、ランは嬉しそうにそれむを飲み干していく。
「ふ……はぁ。旦那様、結構なお点前でしたぞえ」
僅かに唇に残る白い雫をペロリと舌で舐めとりながら、うっすらと微笑むラン。
その淫美な光景に、たった今果てたばかりだというのに、俺の息子は即座に臨戦態勢に突入した。
そんな俺の様子を見て、俺の妻は一層その笑みを濃くする。
「ホホホ、夜はまだまだこれからじゃ。そうじゃろう、旦那様?」
勿論、俺に異論はなかった。
<下巻に続く>
以上、とりあえずここでひと区切り。本番は下巻にて突入予定です。
ちなみに、ランさんのイメージに、ダインより適任な人を見つけてしまいました。
……バグロムのディーバ女王。あの人の髪が長ければピッタリやもしれませぬ。虫だし。
巫女服着せたのは、悪女風の風貌とのギャップがあるとおもしろいかなぁ、という程度。
メイド服(プライベートシリーズ)でもよかったんですが、ちとありきたりかと思ったので。
GJ!
いつもと違う呼び方を求められて恥じらう蘭可愛いよ蘭
ちなみに俺は、巫女は“腹黒あららうふふ”か“ツンデレ”か“ロリババァ”の三択だと思う訳で
意外性って意味ならグラビドS装備とか………
>>514 右脇腹の浪漫回路ってwww外道校長www
こんなにも良作を投下されちゃあ俺も疼いちまうぜ(主に下半身、2割創作意欲)
とはいえ他のSSにかかりっきりだし、もしかしたら熱が冷めるやもしれん。
なのでとりあえず覚え書き+どちらがいいかリクエストしてもらえれば。
1、桜レイア×女ハンター 天然娘(レイア)にいぢられる
2、THEガッツ系元黒グラ(♀)×女装ショタハンター レイプ紛いの性的いぢめ
ぜひ2で!
いや1も捨てがたいのですが、どちらかなら2で!!
GJですぜ!クイーンの人氏!個人的には我が君の方が萌え(ry
どちらも見たい!が下半身にアンケート取った結果2で。
この年になってもまだ厨ニ全開の俺も便乗してみる、どっち書こうか迷ってる
1 お坊ちゃんハンター×ヒプノック
2 ぼくのかんがえたさいきょうはんたー×ミラルーツ
どっちも厨二要素全開だがなんともないぜ!
より厨二度の高そうな2。
これから初投下しようとしている者だが
いくら此処がエロなしに寛容だといってもあまりにも戦闘シーンが長いのも考え物だよな?
一寸削ってくる
むしろ戦闘シーンを見たいオレは異端
>>521 2で。
戦闘もできれば
だれか子持ち金火竜擬人化の話があったスレのログ持ってないか?
Janeでずっと開いてたのに何を思ったか閉じてしまったorz
↑中二全開の戦闘(&エロ)を投下しようと思って書き殴ってたら、
いつの間にか「あれ?俺がいる?あれれ?こっちにm(ry」状態になって涙目な俺
もうギャグに走るしかねえな!
厨二病全開な戦闘シーン書き捨てなら俺も持ってるぞw
二代目ココットの英雄×バルカンで書こうとした黒歴史だ。
意外と結構いるんじゃないか、同じような人?
もうyouみんなうpっちゃいなYO!
厨具合が恥ずかしい人に朗報だ。
何人かで示し合わせて名無しのまま同じ時間帯にリロードせずに
ひたすら投下すればいい。
いい感じに交錯して何がなんだかカオスになるから。
そしてここで、空気を読まずに、SSの後続を投入だっ!
厨房3体を合体させて生まれたカオスドラゴンを生贄に、レディ・クイーン・ビーを召喚!
……すみません、冗談です。
前回の続き投下させていただきます。
『クイーンに首ったけ 新婚編』下巻・深夜の部1
寝室に入ってから、およそ3時間半。
とっくに強走薬グレートの効果は切れていたが、俺とランの営みはまだまだ続いていた。
――ちゅぱっ、くちゅっ、くちゃ……
長い髪が口に入らないように軽くかきあげながら俺の堅くそそり立った息子を口内に咥え込むラン。
すでに口に1回、胸で1回、アソコに2回、アナルに1回出したあとだが、俺のものはいまだ覇気を失っていない。いやいや、まだまだ俺も若いってことだな。
「ん……先程は……誠に…申し訳ございませぬ…ちゅ…お詫びに……しっかり綺麗に……させて…ちゅ…いただきまする……」
どうやら、先刻69の体勢で互いに攻め合っているときに、俺の顔の上で粗相をしたことを気に病んでいるらしい。
俺の息子をしなやかな指でしっかりと握り締め、スナップを効かせながらしごきつつ、同時に全体を綺麗に拭いていくかのごとく舐めまわしている。
とくにスカトロ趣味があるわけではないが、別にあれくらいなら気にしてないんだがなぁ……まぁ、気持ちいいからいいか。
ヌメヌメとした舌の感触が俺の背筋をゾクゾクとさせ、より一層息子の硬度が増す。
「くふぅっ……よしよし……可愛いヤツめ」
ランの軽くウェーブのかかった髪を指先ですきながら、耳元で囁いてやると、ランの顔が歓びに一層上気していくのがわかる。
「♪」
その結果、さらにフェラに気合いが入り、俺の快感も増す。何という無限コンボ!
しかし、今回はランの中で果てたかったので、名残惜しいがいったん引き剥がす。
「待て待て、次はオマエの膣内(なか)に出させてくれよ」
「あっ……んっ……はい、旦那様」
ほんの僅かに名残惜しそうな顔をしたものの、素直に俺の下肢から離れる。
うーん、次はバックでいくかな。
「ラン、布団に手を突いて四つん這いになってくれ」
「は、はぃ……」
俺の命令に素直に従うラン。言われた通り、寝具に手を突き尻を突き出す形で四つん這いになった。
美人で気の強そうな、それこそ女王様と言っても通りそうな容貌の女性が、自分の命令に従順に動く様は、それが自分の妻だと頭で理解していても、男の征服欲を満たして止まない。
おそらく俺の顔は、少々サディスティックな表情を浮かべているはずだ。
さらにもう少し腰を突き出させて足を開かせると、俺は顔を秘所へと近づけていった。
「おぉ、すげぇ。びしょびしょに濡れてるな。俺のモノしゃぶってて、感じちまったのか?」
「あぁ…意地悪をおっしゃらないでくだされ。ハァ……切ないィ……旦那様、いじって、吸って、掻き回してたもれ…」
口からこぼれ出るはしたない言葉にラン自身驚いているようだが、熱い疼きを抑える事が出来ない様子だ。
無論、俺の方も、普段とは違う弱々しいランの懇願に、脳の芯までピンク色に染められて興奮で満たされる。
ランの股間に頭を突っ込み、両手で襞を割り開くと、ねっとりとした液体が糸を引く。目の前に広がる秘蜜で濡れそぼった陰唇へと軽く息を吹き掛けただけで、ランは切なげにわなないた。
「本当にすごい濡れ具合だな。
「あぁっ……いやぁ。許してたも……」
「まったく淫乱な嫁さんだ。でも……好きだぜ」
「!」
カァーーッと羞恥と喜悦に身を赤く染めながら身をくねらせるラン。
そんな姿を楽しみつつ、俺は舌を伸ばし、綺麗なサーモンピンクの肉襞へと舌を突き込んだ。
「きひぃぃぃぃぃっ!! くふぅ……ん……」
いきなりの刺激に、ランの身体はびくびくと大きく跳ねかけたが、それを俺の両腕が押え込む。
逃げるようにずり上がる腰を、がっしりとホールドすると、さらに激しく舌を動かしてやる。
ピチャ……クチュ……チュル……
溢れ出てくる秘蜜を舐め上げ、それによりさらに溢れ出す液体をわざと大きく音を立てながら啜り上げる。
「くはっ……ふぅぅぅ…ん…ああぁっ……も、もうっ、許してたもれ……」
悲鳴のようなと言うより、悲鳴そのものの声で切れ切れに懇願するランの様子に、俺はそろそろ止めをさしてやることにした。
深く息を吐き、ぷっくりと充血している肉芽を唇で挟み込むと、そのまま息の続く限り一気に吸引してやったのだ。
「ひぃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! い、イク……うぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!!」
絶叫とともに、ランは、まるで海老のように全身をビクンビクンと跳ね上げさせる。
やがて、その動きが小刻みな痙攣に変わるころ、ついに力尽きたのか、布団の上に崩れ落ちた。
「おいおい、まだ入れてもいないんだけどな」
「か、重ね重ね…申し訳……ござりませぬ…………」
苦しい息をつきながらも、後ろを振り返り謝るランの頭をやさしく撫でつつ、俺は言い聞かせる。
「いや、いいんだって。ランの乱れる様を、こうやってじっくり見れるのは、俺としても楽しいしな」
「――もうっ、旦那様……イケズなことは、おっしゃらないで」
ああ、さっきみたいな喜悦でよがり狂ってる時の艶姿もいいが、こういうちょっと頬を染めてスネたような仕草をするところも萌え狂うほどサイコーだなぁ。
ひとりニマニマしているところに、ランが蚊の鳴くような――いや、コイツは元蜂だけどよ――声で、囁いてきた。
「あの……もう落ち着きました故……その、入れて…たもれ………」
ここで「何を?」と聞くのがセオリーかもしれんが、生憎俺の辛抱の方もそろそろ限界だ。ひとつ頷くと、俺はランの下肢を抱え直し、一気に腰を突き入れた。
「あああぁぁぁ……すごいぃ…………いひぃん……」
俺の息子がその肉襞を掻き分け侵入していくにつれて、ランは身体を仰けにのけぞらせ歓喜の声を上げる。
ランの絶叫とともに、膣内にぬるりと包み込まれ吸い込まれる感覚が強まり、たまらない刺激を俺の息子に伝えてくる。
その感覚に対抗するように、俺は無我夢中でランの腰をつかんで自らの分身をランの奥深くに打ち付けていった。
じゅっぷ……じゅっぷ…じゅぷ、じゅぷ、ずぶずぶ…………
「ひ…ぁは……らめぇ……狂う……くるぅてしまう、あはぁ!」
何回となく俺の息子はランの最深部まで到達し、亀頭の先端が子宮口にしっかりと叩いているのがわかる。
「……ひっ…………はっ………………ぃっ…………」
もはや、ランはまともに声も出せないようだ。
どれくらい往復を繰り返したのたか、腰にしびれが走り、膝立ちの姿勢にそろそろ疲労を感じるくらいの時間がたったころ、ついに俺の息子内の堤防が決壊し、溜まりに溜まったものを、ランの胎内奥深くに解き放った。
「ぁあああああああああああああアアアアアアァーーーーーーーーーっ!!!!!!」
先程以上に背中を弓なりに仰け反らせ、快楽の絶頂に浸るラン……そして、彼女はぐったりとその場にくずおれた。
俺の方も、最後の一滴まで精を吐き出すと、俺はそのままランの背中に重なるようにして崩れ落ちる。
「ふはぁ〜〜〜〜っ、ちょ、ちょっと頑張り過ぎたか」
背中から離れて除き込むと、ランの視線はいまだ定まらない様子だ。荒い息をしながらも何とか呼吸を整えようと努めているようだ。
「だ、旦那様…妾は……先程、天国と地獄を、一度に見た気分、でしたぞえ……」
何とかしゃべれるくらいには回復したのか、切れ切れに呟く。
「おお、そいつは重畳だ。いつも俺の方が極楽気分を満喫させてもらってるからな。たまには嫁さんにも、そういう"天にも昇る気分"ってヤツを味あわせてやらないとな」
* * *
やがて、徐々に快楽の波が引いていき、互いの息が平静に戻り出したら、大人の楽しみその2、ピロートークの時間だ。
恥ずかしながら素人童貞だった(と言うか、商売女とだって2、3回しかヤったことのなかった)俺は、ランを娶るまで、男女がベッドで交わす会話なんてものの重要性を認識してなかった。
いや、もちろん「言葉はいらない、ただ体を重ねればいい」なんて気分の時だって、たまにはあるだろうが、相思相愛(……言ってて照れるな)の男女が身体を寄せ合ってスキンシップしているのだ。
素面では言いづらい甘い会話とやらをするのもまた、恋人もしくは夫婦の楽しみってモンだろう。
ちなみに、決して"回復"するまでの時間稼ぎをしているワケではない。そこのところを勘違いしないように。
……ホ、本当ですヨ。
出会ってまだまだ日が浅い俺達だが、だからこそ逆に話すべきことは沢山あった。
俺の方は、今日の狩りでの苦労や笑い話になりそうなちょっとした失敗談、これまでの俺のハンター歴のこと。
ランの方は、昼間の奥様コミュニティーでの出来事、あるいはランゴスタ時代に見聞した、ふつうの人間が知らないようなモンスターたちの生態のこと。
特別艶っぽいわけでもない、そんなごくあり触れた話題を、布団の中で抱き合いながら、語り合う。それだけで、好きな相手となら十分幸せに感じられるもんだ。
「なぁ、ラン、ちょっと教えてほしいんだが……」
ふと、話が途切れた時に、俺は、前々から気になっていたことについて聞いてみた。
「オマエ、ほんの10日間ほどまえまでただの……いや、長生きした女王なのかもしれんが、とにかく一介のランゴスタだったにしては、エラく物知りじゃないか? 東方のこととかも微妙に詳しいし」
「ホホ、気になりますかえ、旦那様?」
口元を上品に押さえて微笑ったランが語ったのは、驚くべき内容だった。
やがて、徐々に快楽の波が引いていき、互いの息が平静に戻り出したら、大人の楽しみその2、ピロートークの時間だ。
恥ずかしながら素人童貞だった(と言うか、商売女とだって2、3回しかヤったことのなかった)俺は、ランを娶るまで、男女がベッドで交わす会話なんてものの重要性を認識してなかった。
いや、もちろん「言葉はいらない、ただ体を重ねればいい」なんて気分の時だって、たまにはあるだろうが、相思相愛(……言ってて照れるな)の男女が身体を寄せ合ってスキンシップしているのだ。
素面では言いづらい甘い会話とやらをするのもまた、恋人もしくは夫婦の楽しみってモンだろう。
ちなみに、決して"回復"するまでの時間稼ぎをしているワケではない。そこのところを勘違いしないように。
……ホ、本当ですヨ。
出会ってまだまだ日が浅い俺達だが、だからこそ逆に話すべきことは沢山あった。
俺の方は、今日の狩りでの苦労や笑い話になりそうなちょっとした失敗談、これまでの俺のハンター歴のこと。
ランの方は、昼間の奥様コミュニティーでの出来事、あるいはランゴスタ時代に見聞した、ふつうの人間が知らないようなモンスターたちの生態のこと。
特別艶っぽいわけでもない、そんなごくあり触れた話題を、布団の中で抱き合いながら、語り合う。それだけで、好きな相手となら十分幸せに感じられるもんだ。
「なぁ、ラン、ちょっと教えてほしいんだが……」
ふと、話が途切れた時に、俺は、前々から気になっていたことについて聞いてみた。
「オマエ、ほんの10日間ほどまえまでただの……いや、長生きした女王なのかもしれんが、とにかく一介のランゴスタだったにしては、エラく物知りじゃないか? 東方のこととかも微妙に詳しいし」
「ホホ、気になりますかえ、旦那様?」
口元を上品に押さえて微笑ったランが語ったのは、驚くべき内容だった。
野生の巨大蜂とも言うべきランゴスタの、その中でも女王種に生まれたランだが、生まれた直後は、どこでどういう手違いがあったのか、とある農場の養蜂家の作った人工蜂の巣にいたらしい。
無論、養蜂業者が育てるのは普通ただの蜜蜂だ。ただ、その元となる蜂の巣を集める段階で、どういう経緯でかランゴスタの卵が混じっていたのだろう。卵自体の大きさは、あんな巨大なランゴスタでも、それほど普通の蜂と変わらないそうだ。
そんなわけで、日々すくすく成長したランだが、幼虫の段階でもすでにスズメバチより大きかったらしい。もちろん、その養蜂家も自分の間違いに気づいたことだろう。
ところが、いかなる酔狂か、その養蜂家は、ランゴスタと知りつつ、彼女を育て上げたのだ。ただの好奇心からか、よほどの偏屈者だったか、あるいはうまく飼い馴らせば泥棒除け代わりになるとでも思ったのか。
そして、確かに成虫になった彼女は頼もしい農場の警護者になったのだ。
そこで過ごすことおよそ3年ほど。女王種としての知能の高さゆえか、いつしか彼女は主である養蜂家の言葉をおおよそ理解できるようになっていた。
ペットを飼っている人ならわかると思うが、ある程度意思疎通ができるようになると、飼い主と飼われる者は、それまで以上に親しくなる。
彼女のことを、まるで鷹匠が愛鷹を大事にするように可愛がった養蜂家は、やっぱり相応の変わり者だったのだろう。
やがて生まれて5年が過ぎるころには、彼女は眠るときは蜂の巣や屋外ではなく、養蜂家の自宅に帰ることが通例になっているほど、人間の暮らしに身近に触れるようになったのだと言う。
もっとも、その翌年、流行り病で、その"育ての親"とも言うべき人が死んだのを契機に、農場を抜け出し、各地の森林を転々とした揚げ句、10年ほど前にあの密林の洞窟に辿りついたらしい。
「うーむ、にわかには信じ難い話だが……ま、そのランゴスタが、いま人間になって、嫁さんとして俺の腕の中にいることを思えば、十分許容範囲内か」
それじゃあ、その東方趣味は、その養蜂家のオヤッさんから?
「いえ、当時、"養父"の農場には、一匹のアイルーが働いておりましたのじゃ。彼の者が東方の出で、いろいろと故郷の風習などを教えてくれました故」
……今日のビックリ事項その2、アイルーとランゴスタは会話できるらしいぞ!
「いやいや、我が君。妾の一族……いまは元一族と言うべきかのぅ、とにかく彼らは、普通、ネコ風情と話をしようなどとは思わぬし、おそらくできぬじゃろうの。知的好奇心溢れる妾だからこそ、じゃ」
アイルーとランゴスタを比べたら、どっちかって言うと前者の方が高等動物っぽいんだが……まぁ、嫁さんの出身の種族を悪く言うのも何なので、あえてここはノーコメント。
「しかし、妾がもしただのランゴスタに生まれ育っておったら、我が君と出会ってこうして妻にしていただくこともなかったろうしのぅ。巡り合わせとは不思議なものじゃ」
ああ、その点には同意する。気まぐれな運命の神様と、お前さんの"養父さん"に感謝だな。ところで……。
「なぁ、ラン。俺の聞き間違いでなかったら、オマエ、まだベッドの中なのに"我が君"って2回ほど呼んだだろう?」
「――おお、申し訳ありませぬ。閨では"旦那様"と呼ぶ約束でありましたな。許してたもれ…」
すまなさそうに頭を下げるランだが、どことなく悪戯っぽい光を瞳に宿している。
……このヤロー、わざとだな?
「いーや、許さん。お仕置きじゃーーーっ!」
「あ〜れ〜、お許しを〜」
と、まあ、そのままなし崩し的に第7か第8ラウンドに突入する俺達。
……そこ、バカップルとか言うな!!
−ひとまずfin−
以上。イチャイチャ編終了です。予定としては、このあと蘭視点の小話を入れて、そのあと第3話を書いたらひとまずシリーズ終了。よろしければ、いましばらくおつきあい下さいませ。
おk、このバカップル!
いやものすんごくGJでした。
そして初リアルタイムコメント。私の初めて、捧げます(いらんか
にしても……ンモー
>>519も
>>520も女装ショタ好きなんだからまったくー(絶対違う
よし、クイーン作者氏のおかげで踏ん切りついた(他のSSを放り出したとも言う)し、書き上げちゃる。
しまった、6の前半部分、5とダブってる…… orz
やはりギャグやボケのないエロ主体だと、どうにも調子が出ませぬ。
いえ、言い訳ではありまするが。
>>542一回ミスした位で気にしない気にしない。
そして神GJ!!
断言する。これは紛れも無く世界最高のバカップルだ(性的な意味)
今までだれも書かなかったけど、こやし玉を使ったエロが見たいです。
>>543 ♂ハンター「しまった!2頭クエなのにこやし玉を忘れた!」
♀ハンター「ええ!?合流されて大変なことになっちゃうじゃない!」
♂ハンター「俺は出掛けにたっぷり出してきたし…お前の糞をくれ!」
♀ハンター「み、見ないでへぇぇぇぇっ!!(ぶぱっ!ぶりぶりぶぼっ!ぶぴぴぃぃっ!)」
こうですか?(スカ注意)
>>542蝶GJ!
モンハンスレは名作が多いから、俺も何か書きたくなって困るよ。
というか、昨日から書き始めてるよ。
……まあ、
>>395のモロパクリな上にエロも無いからどこかに投下することはできないが
このあと予定されてる厨ラッシュに紛れてしまえば…
まず投下してから考えるんだ
>>542GJ! 流石とでも言うべきか、相変わらずの面白さ。
やはりバカップルは禁句なのだろうか。
それと俺はいつも作品中で厨臭い戦闘ばっか書いてるしその下を行くものなんて存在しないと思うから
存分に投下すればいいと思うよ
>>544 ごめん不覚にもうけた
こやし玉なんてほとんど使った事ないな…
2頭クエの合流阻害するのに使えるものなん?
>>549 使うとすぐに他のエリアに行ってくれる。
が、有効なのは発見される前なので、
・エリア移動からの着地前に着地地点に投げる
・背後から投げて視界外へ退避
・遠距離や物陰から進行ルートに投げる
…などの使い方が良いと思う。
スレ違いすまん。
でけた……。
まだ誤字脱字のチェックと推敲が残ってるけど、キリンとハンターの共闘モノ(非エロどころかバトルすらなし)。
>>545で言ったとおり
>>395のモロパクリ的なシチュエーションなのだが、投下してもいいじゃろうか。
もし「あぁ、パクリぃ!? 許すわけねーだろお前なんて全身カンタロス101匹にたかられてろ!」
と思ったらスルーしてくれると助かる。
ハリー! ハリー! ハリー!
カンタロス101匹ですむわけあるかい!
つ【釣りカエル999匹】
さぁハリハリハリイィィィ!!!!
俺が大雷光虫50匹をけしかける前に投下するんだ!
はやくしろっ! 間に合わなくなっても知らんぞー!
内容によっては俺から釣りミミズ×999プレゼントフォーユーだぜ!
さあハリーハリーハリーハリーハ(ry
さぁ一時間たったぞ
メモ帳に書いた文章をコヒペしろそして私たちを楽しませろ
ハリーハリーハリーハリーハリーハリーハリーハリーハリーハリー
吸血鬼ども自重しろw
吸血鬼たちの広い心に感動した。
それじゃあ、少し場を借りる。
……なんだ、姉ちゃん。俺に何か用か。
話を聞きたい?
なんだよ、俺はそんなに何か話したそうな顔でもしてたかよ。
…………まあ、実際話したかったんだがな?
ちょっと前に起こった、突拍子も無い話だ。
そのカッコ、あんたもハンターだろ? ならきっとホラ話だと笑うだろうし、ハンターでない奴でも噂話のネタくらいにしかできないような与太話だ。
正直、俺自身あんなことがあったのが信じられない。
今でも夢か何かだったんじゃないかと思うよ。
でもな、俺は確かに、キリンと一緒に戦ったんだ。
俺もなんだかんだでハンターが長いからな、これまでに色んなところに行って、色んなモンスターと戦ってきた。
森丘のどこに何が生えてるかなんていうのはマップが無くても頭に入ってるし、砂漠や火山の暑さにも昔と比べれば大分慣れてきた。
アプトノスの肉の味なんてもう目を閉じててもわかるし、飛竜の硬いウロコを剥がすのも今じゃ随分と楽に出来るようになった。
それでも、あんなことは今まで一度も無かったんだ。俺に限ったことじゃない、他のハンターだってきっとそうだ。
でもなぁ、実際にあったんだからしょうがないだろ?
その日、俺はキリン討伐のクエストを受けて、現場に向かった。
そのキリンが目撃されたのは村に結構近いところだったからな、村へ近づくかどうかはわからないけど、とりあえず追っ払って欲しいとのことだった。
あいつらみたいな古龍が相手だとそういう風に変なところに現れることもたまにあるから、ランスを持って防具を着込んで、アイテムかついで行ったらキリンがいて、いつもどおりに戦った。
強いキリンだった。
特別大きいわけじゃなかったし、見失うほど速くも無い。それなのに突きは軽く避けるわ盾で防いでも衝撃はこっちの体の芯まで響くわこっちがそうやって体勢崩したときを狙い澄まして雷落とすわ、そりゃもう厄介なキリンだったよ。力じゃなく技で戦う感じか。
それでも俺だって古龍討伐を許されたハンターだ。あのまま続けても倒せてたかどうかはわからないが、やられなかった自信はある。
あのヤロ、どっか逃げればクエスト成功になるから俺は追撃するつもりなんて無いのに、ムキになったみたいに突っ込んできやがるから救いがねぇよ。
ん? モンスターを人間みたいに言ってるって? うるせ。いいじゃねぇか別に。そういうハンターだっているんだよ!
……どこまで話したっけか? ああ、そうそう。キリンと俺との激闘までだったな。
とにかく、俺とキリンは戦ってた。一進一退の攻防って言うのはああいうのだろう。お互いに致命傷を与えることは出来ないからちまちまと削りあって、結構長く戦ってたよ。
よく聞けよ、ここからが本番だ。
俺とアイツの戦いに、水を差した奴がいたんだ。
リオレウス。
それも、見たことも無いほどデカイ奴だった。
どのくらいデカイって、とんでもなくだよ。一瞬、羽の生えたラオシャンロンじゃないかと思ったくらいで、尻尾の太さなんかそのとき持ってたランスの長さくらいありやがった。
あ、疑ってやがるな? まあいいさ。俺だって、キリンと一緒に戦ったのと同じくらい信じられないんだからな。
勝つとか負けるとか以前に、戦うなんて選択肢は考えられなかった。あんなサイズのリオレウス、もし目の前に現れたらどんなハンターだってすくみ上がるさ。
でもそのリオレウスはばっちり俺とキリンをエモノだと思ってるらしくて、一声吼えて襲ってきた。
すんげぇよ。俺はあの時、ブレスを吐かれてそれが直撃したんだと思った。ただの威嚇のハズのその声で、半分くらい意識を持っていかれたんだ。
だから多分、本当なら俺はあの時死んでた。
あのまま意識を全部刈り取られて、無様に失神してるところをおいしくぺロリだ。
だけどな、そうやって恐さとか焦りとかでぶっ壊れかけた俺の脳みそに、なんでかはっきりと、キリンが嘶いたのが聞こえたんだ。
ハッとして見たら、そのキリンはちらっとこっちを見てから、飛び上がって突っ込んでくるリオレウスに向かって行ったんだぜ?
体中に雷纏わせて、自分の十倍じゃきかないような飛竜めがけて。
それを見て、俺も思い出したんだ。
俺が受けたクエストは、村を守るためにキリンを狩ること。
だけど、もし俺がこのキリンを狩ったとしてもこのリオレウスはどうなるか? 考えるまでも無い。こんなに大きく育ってるってことはそれまで人に見つからないようなところにいたってこと。そんな奴が人里の近くに来たなら、目的は決まってる。村を襲う気だ。
飛竜の考えてることなんてわからないが、どうせ俺たちはメインディッシュの前に偶然見かけたオードブルくらいのつもりだったんだろうよ。
そう思ったら、勝手に体が動いてた。
どの道、ここまでとんでもない飛竜からは逃げられるはずも無い。俺が生きて、ついでに村も守るには、今はとりあえずキリンのことは置いといてこのリオレウスを倒しかないからな。
ひでぇもんだったよ。
今までにリオレウスは何体か狩ったけど、そいつらの怨念でも篭ってるんじゃないかって位タフで、どれだけ深く突いても軽く振り払いやがるし、尻尾でなぎ払えばそこらへんに生えてるぶっとい木が根こそぎすっ飛んでくんだぜ?
あんなもん一発でも喰らったら確実に一発でお陀仏だろうよ。
そんな状況だったからかな。俺とキリンはもちろん仲間ってワケじゃないのに、びっくりするくらい上手く戦ったよ。
俺が飛竜の気を引いてブレスを吐かせた隙にキリンがリオレウスの脳天に雷を落としたり、逆にキリンを追っかけてる足元に俺が突撃してすっ転ばせたり。
きっと、俺だけでもキリンだけでもあのリオレウスには敵わなかっただろうさ。でも、二対一っていう条件を少なくとも俺は最大限に生かして、なんとかリオレウスを突き続けた。
だけどなぁ、さすがに敵わなかった。
俺もキリンもその前から戦ってたからボロボロだったし、俺の力でもキリンの力でも、どうやったってあのリオレウスは倒せなかった。
何でって? 簡単なことだ。あと一手が足りなかったんだよ。俺もキリンもな。
俺にはもう槍をリオレウスの体の中まで深く突き刺すような力は残ってなかったし、キリンの雷もウロコに弾かれて中まで届かなかった。
ほとんど、万事休すだったよ。
ハンターになってから絶体絶命って言葉を思い出したことは何度もあったけど、あそこまでヤバかったのは初めてだ。
だからかね、キリンと意思が通じたみたいに思ったのは。
俺はもうほとんど立ってるのがやっとで、キリンも雷を防御に回す余裕が無いみたいだった。
そんな俺達は一回だけ目を合わせて、リオレウスに向かっていった。
俺が前で、キリンはその後ろ。二人してリオレウスへ一直線に。
真正面から突っ込んだからな。ブレスの格好の的だったよ。
おかげでそれを防いだ俺の盾は一瞬だけ耐えて、そのあとドロドロに溶け出しやがった。
最初から投げ捨てる気でなけりゃあ、きっとあのまま溶けた盾をモロに浴びて大火傷してただろうよ。後ろに続くキリンに当たらないように、ブレスの勢いに煽られるのに任せて横へ投げ捨てた。
あのリオレウスに対しては防具なんて紙同然だからな。もう自分の身を守るものなんてないって言っていい。だから、俺は走った。ブレスを吐いた後に動けないでいるその瞬間を逃したら、きっと俺はもう立ち上がることすら出来やしない。
走って走って、でもリオレウスが動き出すほうが早い。届かない。
きっと、アイツもそのことをわかってた。
だからキリンは、俺のことを後ろから角で放り上げて、自分の背中に乗せたんだ。
すごかったよ。リオレウスに向かっていくキリンは。
避けることも考えないで、ただまっすぐ走るキリンは本当に速くて、なんだか笑いがこみ上げてくるくらいだった。
俺は、鬣に必死でしがみついてランスを構えた。チャンスは一回。それこそもう一秒もなくやってくる。
腕は半分バカになってたからな。切っ先の下がってたランスを最後のクソ力で持ち上げて、顔を上げるリオレウスの顎に向かって、突き出した。
狙ったとおりウロコの隙間に滑り込んだランスは今まで見たこともないくらい深々と突き刺さった。
そのときの衝撃で俺はキリンの背から放り出されて、もう受身も取れずにそこらへんをゴロゴロ転がった。手応えは、当然あった。
だけど、リオレウスはまだ生きてやがったんだよ。
普通の飛竜だったら確実に致命傷になっただろうに、図体がデカイからきっと急所まで届かなかったんだろ。
痛みで最初のときとは比べ物にならないほど大きな叫び声を、喉を逸らして空に上げてた。
きっとすぐ、あいつは怒りにギラついた目でこっちを睨みつける。それでもう終わり。俺は踏み潰されてジ・エンド。
キリンが、さっきまでのは手加減してたんじゃないかって思うくらいの雷を、俺が突き刺したランスに落とさなかったらな。
それからのことはあんまり覚えてない。俺もキリンも立ち上がることすら出来なかったし、完全にやられたわけじゃないからネコタクだって来なかった。
最後に残ってた回復薬をキリンと俺に半分ずつ使ったところで力尽きて、気づいたらベースキャンプのベッドで横になってた。
事情を聞いたら、クエストの終了時間になってネコタクに運ばれたんだそうだ。
キリンはいなくなってたらしいから一応クエストは成功ってことになった。その代わり、あのバカデカリオレウスもいなかったらしいがな。
俺が倒れていたところに落ちてたのはほとんど溶けた盾と、根元からぽっきり折れたランス。それだけ。
あの巨大なリオレウスがいた証拠も、もちろん俺がキリンと一緒に戦った証拠もなんにもなかったんだ。
ハンターは話し終えると、その手の杯を一気に呷り、中が空になっていることに初めて気付いた。
舌打ちをしようとすると、横合いからなみなみと見たことのない金色の液体を満たした大きな酒盃が差し出される。酒盃の内側からは白く小さな泡が絶え間なく上がっていた。
鼻腔に滑り込む香りはハンターの知らない刺激的な爽やかさで、かなりの銘酒であることを窺わせた。
酒盃の元を辿れば、いつの間に注文したのか、話を聞いていた女ハンターがもう片方の手にも同じ酒の満たされたグラスを持っている。
「話のお礼だ」
「お、おう」
ハンターは話しに没頭していたので不意を突かれたような気分になったが、その酒の味への興味が自然と杯を受け取らせた。
一口だけ呷り舌の上を滑らせれば、舌を貫く苦味と濃厚な穀物の香りが薄めのアルコールに乗って脳へふわりと浮かんでいった。
「うまい」
月並みだが、自然な賛辞が口をつく。女ハンターはそれを聞いて、豊かな金髪を掻き揚げながらよかったとつぶやき、艶やかな唇に嬉しげな笑みを浮かべた。
「とても楽しい話だったよ、ありがとう」
「いや、こっちこそ悪いな、こんな美味い酒」
「何、お互い様だ」
女は機嫌が良さそうに酒を呷る。この酒を飲み慣れているのか、その味わいを楽しんでいる様子こそあるものの、ハンターのように惜しむさまは見せずに勢いよく杯を傾ける。
「ところで、一ついいか?」
「ぷはっ。なんだろう、私からも君に話せることがあるならば言ってくれ」
ハンターは少しためらいながらも、女に問う。誰かに聞いて欲しくとも話すことを戸惑うようなこの話。聞いてくれたこの女に感謝の念はあるが、それでも疑問に思う。
「あんたは、今の話を信じたのか……?」
ハンターは、確かにキリンとともに戦った。だがそれは自分が経験したからこそ信じられたことであって、人から聞いたのであれば間違いなく一笑に付す。そんな荒唐無稽な出来事なのだ。
女はしばらく男の目を見て微笑んでいたが、やがて視線を逸らして口を開く。
「君は、そのキリンはどうして君と一緒に戦ったんだと思う?」
「は?」
身構えていた男の耳に飛び込んできたのは、男への返答ではなく女からの質問だった。
「キリンは、君も知っての通り珍しいモンスターだ。その力が強大である上に、いつも同じ場所にいるわけでもない。だから見つければそれを打ち倒せるほどの力を持ったハンターが我先にと駆けつけ、狩り尽す」
むろん返り討ちにあって逃げられることも多いがね、と女はさも愉快そうに笑う。
女の言っていることは真実だ。キリンは姿こそ獣だが、その枠をはるかに超えた力から古龍に数えられる幻獣。それを倒せば得られる恩恵は果てしなく、それを力で以って求めるハンターも、金銭の力で求める好事家や商人にも事欠かない。
「そんなキリンに対して、君はさほど興味を持っていない風だった。ただ村を守るように頼まれたから戦ったという、ただそれだけ。いつも欲にギラついた目をしたハンターしか知らないキリンの目からすれば、そんな君はとても興味深く映るのではないかな?」
そう言うと女は立ち上がった。
ハンターは呆然として声も出ない。ただ呆けたように女の金色の瞳を見続けるだけ。
女はそんなハンターの様子に気付くとクスリと笑い、ハンターの両頬を手で包み込み、身を寄せるようにしてしなだれかかり、耳元へと囁いた。
「お前の槍、痛かったぞ」
「痛ッ!」
女の言葉とともに、頬へと走る鈍い痛み。
頬をつねられた。しかも両側。
それだけ言うと女はするりとハンターから身を放し、颯爽と酒場の出口へと歩いていく。
ハンターが先ほどまでの女の手に代わって、自分の両手でつねられた頬を抑えて振り向くともはや女の姿は無い。揺れる扉へありがとざいっしたー、と忙しげに叫ぶウェイトレスの声だけが、女がそこにいた名残を感じさせる。
しばらく動くことを忘れたように女の去った酒場の出口を見つめていた男は、自分の胸元に違和感を覚えた。
まだ思考の回らない頭は半ば自動的に視線を落とす。
懐には、羊皮紙が差し込まれていた。
のろのろとつまみ出して広げてみると、文面にはただ一文。
「また会おう。今度は私をキズモノにした責任を取ってもらうぞ」
とだけ。
隅には、キリンの蹄の痕がついていた。
てことで失礼。
なんかハンターの台詞回しが微妙に変わってるような気がしたり、改行がおかしかったり
バトルに迫力なかったり女の容姿をほとんど描写してなかったりするのはカンタロス10匹
けしかけるくらいで勘弁してもらえるとありがたい。
最後に行っておく。
>>395、ぐぉめんなさぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!
麒麟女の人の傷は治っていたのけ?
一言だけ、一言だけ言わせてもらおう。
ジィィィィッッッジェイ!!!!
いやいや、語り口が読んでて快かったよ。GJ!
キリンビールという小ネタかw
あと
>>395でもない奴がこんな事言うのはなんだが、
キリン♀とハンターが助け合うってシチュそのものは割と定番系な気がするんで
そこまで「パクリかよゴルァ」とは読んでて感じなかったぞ
じゃあ、父さんも書いちゃうぞー
♂キリン×♂ハンターで
冗談だがな。
一瞬、脳内でイメージが構築されたが。
「うほっ!いいキリン」
そう言ったのはボク道下正樹、モンスターの♂に興味がある(性的な意味で)以外は訓練所に通う極普通のハンターだ。
訓練所はいろんなモンスターと戦える。今回の相手はキリンだ。
キリンの訓練は眠り投げナイフが支給される。今回はこれを使ってあんなことやこんなことをしよう。
ヌハハハハハ!
キリンにあんなことやこんなことをしたいだと?
それには私のように無傷で訓練所までモンスターを担ぎ込むだけの力量が必要だぞ!
GJ!なんでキリンにランスなんだぜ?と思ったがなるほどランスでないと映えないな。
しかしレウスの死骸はどこへ…まさか何かの伏(ry
>>574まさか続くのか?
>>575 それはつまり、訓練所のキリンは凶漢…もとい教官に
あんなことやこんなことをとっくにされ済みだという解釈でよろしいか
>>577 そ れ だ !
強姦がキリン♂をレイプして脱力したキリンを訓練所へ
>>578そんなキモいのらめぇぇぇぇ!!!
今日始めてラージャン捕獲したんだが
いびきうるせぇぇぇぇぇぇ!!!
てな訳でこのスレの変態アイデアで、いびきがうるさいラージャンに萌えさせてくれ。
称号「生け捕り」のために全モンスター捕獲したが
猿系牙獣種が相手だといつも捕獲後に脚の間で「悔しがる」モーション取る俺。
ほら、顔を上下させる動きがなんとなく…ねぇ?
プロット変更する事2回。
書き直すこと3回。
凄まじい難産でした。
言い訳でしかありませんが。
遅くなりました、これより続きを投下します。
なお、やっぱり<ハニー・ザ・ホルンと炎妃龍>が正式タイトルという事でお願いします。
あらかじめ言っておきます。
ごめんなさい続きはすぐ上げますっ!!
これまでの適当なあらすじ
ナナ・テスカトリの母娘を助けたハンター、ハニー・ザ・ホルン
なんか近親ガチレズやってた所を覗いてしまって股間のフルフルホルンが大変だ
部屋に戻って娼館でも行くかとか考えてたら扉ノックされてどうしよう。
窓の外には、未だ喧騒続く砂岩の町。
ハンターはそうも言っていられないが、砂漠の旅は夜にするのが常識だ。
夜の帳は眠りに下ろすものではなく、旅の始まりに上がるものである。
覗けば、炎の暖かな光が窓から広場から漏れだして、ひどく明るい。
この部屋には届かないけれど。
黒い板張りの床を、白い月の光が、窓の形に四角く切り取っている。
その、狭い部屋の中。
扉をノックする音がした
<ハニー・ザ・ホルンと炎妃龍>
俺は硬直する。
まぁ想像してみてほしい。
チンコはギンギン。
部屋に誰が入ってこようとしている。
そりゃ剛直ごと硬直しますよ先生!!! せんせぇぇぇぇーーーーーーー!!!!
/||ヽ_
/ || \ _ ヘ、
ノ | |_ ヽ_/ \
〈 ヽ _/、 _/` 〉
ヽ ヽノ、◎ _/ ̄ ノ
( ヽノ `_ノ /
ヽ_ ノ |/ _ /
\__|_ ̄ヽ__\ ヽ 、
∠ 人_ \`´/ |
∠_/ 人  ̄ _ノ
∠ __ノノ ヽ、_ /
/ j、
_, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
ヽ、 ー / ー 〉
/ `ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
/||ヽ_
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ヽ ヽノ、◎ _/ ̄ ノ
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∠_/ 人  ̄ _ノ
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{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー〜'´ ̄__っ八 ノ
ヽ、 ー / ー 〉
/ `ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
よんでねーよ!!
コンコン
いかん、脳内世界でボケていようと、現実世界は待ってくれない
おい、誰だか知らんがちょっと待て。
ゴンゴンゴンゴン!!
俺がチンコを収めるべく、意識を集中していると、
凄まじい勢いで扉が叩かれ始めた
お、おおい!?
「ちょっと待て!」
俺は叫びを上げると、深く、深く息を吐く。
ま、まずい、股間のラオシャンロンは未だ咆哮状態だ。
インナーがテント状にってだから描写したくねぇんだよ!
静まれー……静まれ俺のフルフルホルン!!
といって静まってくれるわけもなく。
深呼吸し……
何を考えようか。萎えること萎えること。
ええと、とりあえず……そうだな。
メゼポルタのナナストレート高すぎて萎えェェェェッ!!!!!!
素材マゾ過ぎて萎えェェェェッ!!!!!!
金稼ぎ面倒くさすぎて萎えェェェェッ!!!!!!
ギザミマラソンはもう嫌だァァァァッ!!!!!!
何がフロンティアだ!
何が大型アップデートだ!!
こん畜生オオオオオオオオォォォォ!!!!!!!!!!
……演奏状態は静まった。
ふぅぅぅぅ。
額の汗をぬぐいながら息を吐く。
扉の向こうに声を掛けた。
「……いいぜ」
重厚な作りの扉が、僅かに軋む音を立てる。
開かれた扉の隙間、顔を覗かせたのは、幾らか怯えたような顔をしている、レナだ。
紫がかった黒髪、その端から覗いている、暗い紫色の毛に覆われた耳が、
警戒するように、ぴんと伸ばされていた。
顔だけ、隙間から突っ込んだレナが、僅か首をかしげながら、問う。
「入っても、構わないだろうか?」
その様子が、すこしおかしくて、俺は苦笑しながら頷いた。
「ああ。かまわんぜ」
さっきの今だ。
可能な限り、声を落ち着かせる。
何事も、なかったかのように。
バレたら向こうも気まずいだろうし、なぁ。
レナは静かな足取りで辺りをきょろきょろを見回しながら、――竜の卵を狙うハンターの様に入って来た。
少し噴き出してしまう。
「おいおい。俺、怯えるほどの人間じゃないですのことよ?」
「……その気になれば、私を簡単に屠れるような奴が、何を言っている……?」
レナは鼻を鳴らして。俺を見る。
一歩を踏み出て、窓枠が切り取った月光の中に、レナは身をさらした。
白いインナーが、薄いけれど張りの有る細身の曲線を露にして、美しい陰影を作る。
つい、視線をまじまじと上から下まで走らせてしまう。
くびれた腰と、細い尻と、ケルピを思わせる細い、今は裸足の足。
どうでもいいが、本来の外見は肉食獣が一番近いのにケルピってのは愉快な話だ。
一番目をとめてしまったのが、すらりと伸びた生足やらだったりするあたり、
どーもおっさん化が進んでるな。俺も。
「……おい……?」
俺がガン見してたからだろうな。レナは居心地悪そうに身をよじった。
「っあ、……悪い」
タイミング悪く感じる『女』に、心臓が一瞬、どきりとはねる。
沈黙のまま此方を見たレナに、何事も無かったかのように一言。
内心の動揺を、可能な限り押し殺して。
「で、またなんでこんな夜遅くに俺の部屋へ。
はっはっは。あんまり油断してるとおじさんエロモンスターになって襲い掛かっちゃうぞー」
「隣に座っても構わないか?」
俺の軽口を無視したレナが、俺のほうに顔を向けながら僅か首をかしげた。
拍子に、もみ上げから耳が飛び出る。
「……はい?」
俺の口から飛び出た間抜けな声に、レナは首をかしげたまま不安げな顔をした。
ぱたり。と感情を表すかのごとく、耳が伏せられる。
「……駄目、か?」
「いや、別に駄目って事はないけどよ。つか、その。だから、何を」
「……そうか」
頷いたレナは、つかつかと俺のベッドの前までやってくると、身を翻し、俺の隣にとすん。と、腰を下ろした。
絵的には、どすんと描写したい大きな動作だったのだが、軽いせいでそうとしか思えない。
僅かに膝を開いて、その間に両手を置いて前傾姿勢の体を支える。
妙に、子供っぽく感じて、その上子犬の様に見えてしまって、
俺はつい、状況も考えず。僅かに笑ってしまう。
「……どうした」
本当に不思議そうな顔をして、俺の隣で見上げてくるレナ。
俺は笑いながら首を振った。
「あいや、その、なんだ。一瞬、お前さんがやたら可愛く見えたんでな」
嘘じゃないぜ?
俺の言葉に、レナは瞳を丸くし、
「な、」
次に俺から顔を背けると
「……」
何事かを呟いていたが、
「……ふん」
やがて思い出したように首を振ると鼻を鳴らした。
此方をにらみつけてくる。
なんだよ。
「この姿をほめられた所で嬉しくはないのでな」
ああ。
そういえばそうだったな。
いかん俺ナチュラルに何言ってるんだろう。
……ただ、レナの顔は不機嫌そうだが、雰囲気は、前、同じ言葉を言った時ほどとげとげしくない。
よし。
じゃぁ、だな。
俺は、ぴんっ。と跳ねて、もみあげの横から飛び出している耳に視線を向けた。
「お前さんの色は綺麗だよな。鬣とか鱗とか」
俺たちはろくでなしなので、当時レナの尻尾からちゃーんと剥ぎ取ってしまったのだが、
エンプレスやらなんやらのの素材にするには堅すぎて使えず、
こりゃ<炎妃龍の堅殻>だなとか言われたのだ。
伴って……かどうかは知らないが、レナの甲殻や鬣の色は、酷く美しい紫だった記憶が有る。
耳見れば解るけどな。
「明らかに色艶が今まで見てきたナナとはレベルが違うってもんぴゅふ」
語尾が変になったのは、レナに顔面をぶったたかれたからだ。
もっとも、軽かったので痛みはない。
そのまま掌が押し付けられていて、非常に熱い。
やっぱり体温が高いな。
「あおれあさん?」
あのレナさん?
ずるり。と言った感じで、ゆっくりと掌が俺の顔から滑り落ちた。
長いまつげに彩られた紫の瞳を物凄く鋭くして、
敵意さえ感じられるジト目で、レナが俺を見ている。
なによ。
「貴様は……」
「ん? 何」
レナは、はぁ。と大きく、あからさまにため息を吐いて、首を振った
「……私を口説いている、つもり、か……?」
そう、皮肉げな笑みを、無理やり。と言った感じに、大きく浮かべた。
あ。
なるほど。
否定するように首を振りまくった。
確かに俺、口説いているみたいだな。しかも下手な口説き方だ。
駄目すぎるぞ。ノリで何を言ってるんだ俺は。
「いや別にそんなつもりはなかったんだが」
再び大きなため息。
「……だろうな……」
いやお前ため息つきすぎだろうが。
「……貴様が悪い」
むちゃくちゃだ。
だが、言葉ではひどい事を言っているものの、
何故か隣で俺の方を見上げたまま、レナは瞳を困ったように細めている。
「何」
「……いや……その、だな……」
「その?」
俺が言葉を追うと、レナは黙ってしまう。
……気まずいってか、
ええと、なんかこの方向性はヤバイ。わ、話題を。話題をそらさねばッ!
「ええと、だな。で、何の用だ? わざわざ、この部屋にまで来る理由はさ?」
俺が、わざときょとんとした顔をしたまま、レナを見ていると、
やがてレナは、俺の視線にはっ、と目を見開いて、
「……あ……」
呟き、視線を下に向けて俺から逸らす。
「……おい?」
俺の言葉にびくんと振るえ、ゆっくりと、視線を、上目遣いで俺の方に見上げてきた。
その顔に有ったのは、少しの怯えと、大きな躊躇と、
こりゃ……何だ?
そのまま、俺の方を見上げ、唇を半開きにしては閉じ、半開きにしては閉じて。
何か言葉を言おうとして、言えずに居る。
俺は、頬を右の人差し指でぽりぽりと描いた。
俺の言葉にレナは、瞳を細めて言葉を選んでいる様子だったが、次に浮かべたのは苦笑だ。
白い頬を、歪ませるように緩める。
「……いや、大した内容では、ない、のだがな……」
たいしたことがない割には大仰な動作だが。
「……?」
「……?」
俺が首をかしげると、レナも首をかしげた。
あれ? と、目を丸くして俺を見ている。
何か、予定していた事態が起こらなかったような顔だ。
「……?????」
「……どうした?」
あまりにも不思議そうなので、つい、聞いてしまう。と、
「……いや、その……足らないのか?」
「何が」
わけ解らん。
「あ、いや……む。うむ。……少し、待って欲しい……」
んー?
どういうことだ。と言いかけてやめた。
階下の気配が階段を上り始めたからだ。
おそらくは、ってかんな大げさな表現は要らないだろうが、ヒアペレイアだな。
「……解った」
俺は頷く。
ヒアを待つのな。
はっはっは待つのはいいんだけどなんだろう嫌な予感がするんだが。
どんどん、追い詰められているような気がするのは、
どうしても、先ほどの事が頭をよぎる。
いかん考えるな。
沈黙が落ち、僅かに軋む音がして。
再び、ノック。
「……入っていい、……ぜっておい」
俺の呟きが終わるより早く、扉が開かれて、その奥から現れたのは、
レナの同じデザインの白いインナーに、
ほんの僅かだけ、肉付き始め子供から離れ始めた身体を包んだヒアペレイアだ。
扉を開いて小さな顔を突き出し、不安げに中の様子を伺い――
レナを見つけたのだろう、僅か安心した様子のヒアペレイア。
だが、次に、さっきのレナの様にあれ? という不思議そうな顔をする。
なんなんだかな。
「ふ……」
俺は、またもや少しだけ笑ってしまった。
なにごとかと集まる二つの視線に、ぽつりと。
「行動パターンが同じだな」
「そうなの?」
空気が、急に弛緩した。
ヒアはうれしそうにくすりと笑い、苦笑いのレナの前へ、歩いてくる。
手に持っているのは、小さな盆。その中にコップが二つに水差しが一つ、入っている。
これをもってきたのな。
レナの目の前に立つと、レナはコップをひっくり返して、
水滴の付く程冷やされた水差しから、コップに二つ水を注ぐと、ひとつを手に取る。
「ん。ハニー、これもってて」
俺にお盆を突き出して、俺が受け取るのを確認すると、
ヒアペレイアは、そのままレナの隣か、膝の上にでも座るのかと思いきや……
……?
何故か俺をはさんで、レナの反対側へと回り込んで、やはり足を開いて、その間に手を置く、
レナと同じ格好をすると、その場に座った。
「はい。ちょうだい」
手を突き出したので、盆を返す。
「……おい?」
俺は変な声を出した。
ヒアは赤い頬をにやにやとゆがめながら、俺を見上げている。
耳はさっきっから嬉しそうにぱたぱたしっぱなしだ。
表情はにこにこと表現すべきものだが、時折、唇の歪み方が強くなる。
オーラはにやにやしていやがる。
(にやにや)
(にやにや)
(にやにや)
俺は耐え切れずに視線をそらすとレナに向けた。
こちらは、眉を顰めて、妙に困った感じの顔で、俺をやっぱり見上げている。
……妙に焦る。
な、何? 何これ!?
挟み撃ち!?
俺が感じたのは妙な悪寒。いや、両側にやたら体温の高いのがいるので寒くはないが、
な、なんだろ。
ええと、これはアレだ。
モンスターに攻撃しまくったせいで自分にばかりヘイトが溜まっているときのアレだ。
俺はいま、狙われている!?
しかも両側を挟みこまれているので、どちらかを見ればどちらかに無防備な背をさらすわけで。
きっと4人PTでフルボッコにした時のモンスターはこんな気分になるのだろうな。
……いやそんな事はどうでもいい。
右をみればにやにや。
左をみれば困った顔。
そして二人とも何も言わない。
それでいて、 ……なんかこう、なによこの浮ついた雰囲気?
落ち着かないってか落ち着け俺の股間。
アレを思い出すな。
いまこの状況でベースキャンプを張るのはまずいぜ?
しかし居心地悪過ぎる。
おい。どうすりゃいいんだこれ?
俺が次の手をどうするか考えていると、片側から高い、伺うような声
「おかあさん、駄目だったの?」
何が
「あいや……、む……ダメだったようだ」
「解った」
ヒアを見ると、まだまだ子供っぽいはずの顔に、
やたらうれしそうな笑みを浮かべて、ヒアが此方を見上げていた。
なんだよ。
「え? いや、ハニーの困った顔、いいよね……」
俺はずっこけそうになった
お前いきなりなに言っとんねん。
「あれ……?」
俺の眼前、不思議そうに首をかしげるヒア
あ。という顔をしたヒアは、すぐにその表情をつくろって、少しだけ恥ずかしそうに頬を染めて
「……ん。ごめんなさい……間違えちゃった」
それだけならやたら可愛いんだろうが、この表情ももはや演技としか思えないしなぁ……
「ひどいー!」
じたばたするヒアを無視し、俺はとりあえず復讐を終えたので、
一息をついて、愉快状態に突入した思考をまともに戻して。
……。
嫌な予感がするのは何故だろう?
「えー、では改めて聞くが、」
左右に視線を交互に飛ばしながら。
「お前ら、何しに来たんだ?」
ええと、と俺の右隣でヒアが呟く。
「……おかあさん?」
俺の右隣、顔を俺ごしに突き出して、何故か楽しそうにレナに問いかけた。
「……ああ……解った」
「というかお前らなんでわざわざ俺を挟んでるんだよ……」
両の二の腕の辺りに、二人の小さな顔がある形だ。
「……いいのか……?」
そう、か細く紡がれたレナの声は掠れていた。
白い手のひらに包まれているコップには、未だ水が入りっぱなし。
水滴の粒が、浮き始めている。
「あのね。おかあさん」
ヒアの顔は、微笑みのまま。
「ずるいよ。それは」
獲物をいたぶる猫を思わせてる笑みだった顔が、そう呟く瞬間だけ、責めるように瞳を細める。
レナの頬が一瞬だけ迷うように振るえ。
視線がコップに落ちて、三人の吐息だけしか聞こえなくなって。
「っ」
レナは一息で、水の入ったコップを飲み干す。
僅か顎からこぼれた一筋を、レナは手の甲でぬぐうと、薄く、本当に薄く、笑った。
「解った」
顔を挙げたレナは、ヒアペレイアと笑みを交し合う。
俺ごしにな!
因みに俺はさっきっから顔を左右に振りまくっている。
表情を伝えるのも大変だっ!
「……あの、えーっと、……もういいか?」
おどおどとした声を、どうにか挟んだ。。
視線が、ようやく俺に集まる。
ってか、あいや、別に俺に注目してほしかったわけじゃないけどさあああああ。
「……ハニー・ザ・ホルン」
「……なんだ?」
ハスキーな声に呼ばれて、俺はレナを見た。
つまりヒアペレイアに、背中を晒した。
ターゲットにされていない者が攻撃の中心となるのは狩りの基本である。
「……やれ」
え?
俺が疑問の声をあげるよりも早く
レナの呟きと同時に。
がっし。
俺の、両方の手首に熱さ。
それが、それぞれ、レナとヒアが俺の両手首を強く握ったと気付くのに一秒。
その一秒で、レナは細い腕からは考えも付かない剛力でもって、俺の手を俺の背中にまわす。
途中胸が顔に当たったりするが気にする余裕がない。
「あいたッ!? アイテテテテテッ!?」
「OK!」
何故かやたら楽しそうに叫びながら、ヒアが俺の左手首を掴み、
「それ」
「えーい!」
「ぬわがっ!?」
俺の肩にいつの間にか両手を乗せていたレナが、俺を引き倒すと同時、
ヒアが俺にタックルをぶちかました。
俺よりも遥かに強い力で、だ。
軽い痛みとかなりの衝撃。
「うむ」
「はーい」
レナの満足げな声と、ヒアの嬉しそうな声。
俺は、たった一秒で、ベッドの上にうつぶせになり、
両腕は、俺の背中に腰掛けたヒアの両手に拘束されていた。
見えないが暖かいのでたぶんそうだろう。
反射的に跳ね飛ばそうと暴れる俺の背中に、
小さくて平たくて熱いものが押し付けれられ、強く押される。
「なっ、ぬっ、がっ!?」
どうにか顔だけ起こして、ベッド脇のレナを見る。
ベッドの傍ら、俺の背中に掌を置き、それだけで俺を押さえ込んでいるのだ。
「お、おい!?」
「暴れるな」
言い聞かせるように言われて、俺はしぶしぶながら暴れるのをやめた。
背中の掌が離れて、重圧は、ヒアの軽い体重だけになる……って、おい、これは……
やたら腕が熱い。それは背中の上にヒアペレイアが乗っているせいだが、
首を回して、可能な限り後ろを見れば、俺の尻の脇、細い太ももと、ふくらはぎが転がっている。
俺の頭に背を向けて座ってるんだろう。
てことは。
この、芯は固いけれど、とてもやわらかな、そりゃもー心地よすぎる感触は……、
ヒアは、両足を俺の尻の左右に投げ出し、手首を手で拘束するだけでなく、
俺の両腕を尻の下においているのだった。
ていうか無防備すぎないかおい。
「……」
俺は沈黙する。
「……。えーっと、これは」
なんとなーく状況が把握できて来ましたよ?
そんな俺に、後ろから笑み交じりの声が届く。
「これが今度の実験体か」
無理に低くされたヒアの声。
……
これはオウビートレンジャー第4話
『強敵! デスオウビートあらわる!』の冒頭のセリフッ!?
解るのか。
いやおかしくはないか。スィフが大好きだしなぁ。
あの流れなら見せててもおかしくはない。
ぺちぺち
ええと。
とりあえず。
「な、なにィッ!?」
俺はヒア付き合ってオーバーリアクション。
「う、うわあやめろ! やめろ! ぶっとばすぞシェンガァァァ!!!???」
俺が叫ぶと、ヒアがごほん。と咳払いした。
あ。了解了解。
ヒアにあわせて俺は一人二役。
「腕は相当なものだったそうですよ」
ぺちぺち
「夢破れたか……」
ぺちぺち
デスオウビートは借金50000ゼニーを嵌められて課せられ、売られたハンターなのだ。
ぺちぺちぺちぺちぺちぺち。
ちなみに。さっきっから鳴ってるこの音は、ヒアが俺の尻を連打する音である。
「それはやめて」
俺の声に、手の動きがとまり、
……。
ぐにぐに。
「……揉むのも駄目だァッ!!」
「けちー」
「ケチじゃなーい!」
硬くて揉みがいはあるかもしれんがな!
じたばたと軽く暴れると、やたら嬉しそうにしやがるので気分はいい。
ひととおり改造手術を受けるデスオウビートの心情を演出した後、
俺はシーツに顔をつっぷした。
顔面に、清潔な布の触れるの感触。
……。
ええと、だね。
じゃれあいはこのくらいにして、
……。
どうしよう。
ていうか、俺、どうしたらいいの?
俺は顔を上げた。
こちらを見おろすレナは眉を顰め、瞳を細め、
口元は、笑っていいのか引き締めればいいのか解らないのだろう。
顔に険はなく、やたら安心してそうだったから、言いにくいのもあった。
……何?
何でこの子達は俺を拘束してるの?
い、いや、大体、原因は予想付くよ?
予想付くけど、さ……。
こうなる理由がわからんと言うか……。
……。どうしたいんだ。お前らは。
俺は、ぽりぽりと頬を……掻けないので、唇をゆがめてへらへらと笑うだけだ。
冷や汗が額から出ているが。
「ふっふっふっふっふ」
俺が動揺しているうち、背中から、ヒアの声。
「な、なんだよ」
「んー。そのね」
「ヒアペレィア」
緩やかにインナーを押し上げる胸の向こう、
月光を受けて、獣の様に輝く紫の瞳へと、間抜けな顔をした、傷だらけの男の影が映っている。
レナの瞳は少しだけ細められ、潤んでいた。
沈黙が落ちる。
「……おい?」
俺が妙な声を上げると同時、尻に妙な感触。というか。
がっし。
と俺の尻に、ヒアの細い指が食い込み、インナー越しに、その筋肉の塊を撫で回していた。
くすぐったい感触に、俺は身をくねらせる。
ええいっ! ケツの谷間を広げるなあっ!?
「ぐ、え! ひ、ヒア!? 尻はやめいと――」
「ハニー、撫ぜちゃ駄目とは、言ってないもん」
やたら勝ち誇って嬉しそうな声が聞こえる。
ぐええ!!!
「な、なら撫ぜるのみゅっ」
俺は、その言葉を最後まで言い切れなかった。
口の中に、何かあって、まともにしゃべれない。
一瞬混乱する。
すぐにわかった。
俺の唇の中に、レナの指が突っ込まれていたのだ。それも二本。
危うく、細い指を思いっきり噛んでしまいそうになる。
いや、そのー。噛んじゃった。
俺は痛くはないんだが……
「〜〜〜〜〜〜〜」
俺が非難がましい目でレナを見上げると、僅かにレナは片方の眉を吊り上げ、そしてそれだけだ。
「気にはしていない。痛くもなんともない」
そう、俺を励ますように言ってくる。
いや指は平気よかったけど、そうじゃないだろ!?
「みょにょっとぬにょにょきょ!?」
もっと別のことを気にしろよ!?
そんな声さえでない。
「ぐぇ」
恨めしげに見上げるた俺の口へ、更にレナは指を突っ込むと俺の舌を掴んだ。
舌に感じる指の圧力が強まって、レナ軽い力で引っ張る。
「出せ。別に引っこ抜くつもりはない」
……あの、なぁ。
その気になれば引っこ抜ける。という事だ。
見下ろしながら言うレナに、俺はしぶしぶながら舌を出した。
唾液が外気に晒されて、気化し、舌の熱を取っていく。
ヒアペレイアは俺の両の尻たぶを、もはや遠慮なくがっしとつかみ、
ぐにぐに、ともみしだく。
くすぐったい。
つ、つーか描写したくねえ。
男の尻はたとえ俺の尻でも説明したくねぇよ。
「にゃ、にゃなんな」
や、やめんか。
変な声しか出ない。
ベッドの上、その、もだえる俺の舌を、レナの白い指がなぶる。
桜貝を思わせる美しい、長めの爪に彩られた親指が、俺の舌にまとわり付く唾液に汚れていく。
それも構わずに、レナは俺の舌の中央を、根元から先へと、なんども、何度もなぞる。
胸に、僅かに積もるくすぐったい何か。
……お、おい?
な、何を、
「な、むをすえけだおまあら!?」
な、何をする気だお前ら!?
明らかに狼狽する俺を見下ろしながらも、レナはどこか緊張した様子だ。
「ハニー、さっきっから何を言っているのか、さっぱり解らないよ?」
さっきっから尻を揉みまくりのヒアの言葉には、微かな悦楽さえ混じっている。。
嘘をつけー!?
わ、解ってるだろ!?
「んー?」
楽しそうなヒアペレイアの声。
同時に。
ぎゅっ。
俺はのけぞった。
尻の割れ目を左右に広げられ、ヒアペレイアの指がそれぞれを深く掴んだ。
ぎゅむぎゅむと、
インナーごしでも解るほど細い指が。
それでいて、少女とは思えない力が。
締め付けてくる。
や、やめろ。
それはちょ、ちょっと気持ちいいというか。
揉みこまれるたび、足の付け根から、下腹の辺りにまで、いつの間にか甘い痺れが生まれていた。
やばい。
このままだとやばいッ!?
だが、俺がじたばた暴れようとするのを制すように、レナが舌をつまむ力をほんの少しだけ強くする。
それでもう、動けなくなった。
背中から、くすりと、笑い声。
「……んー? どうしたの……? 何? さっきからもじもじして?」
からかうような声は、幾らかの熱と、震えを帯びていた。
解ってんだろうが。
前からは舌を持ったレナが、今度は舌の裏を曲げた人差し指の裏で撫ぜている。
尻は先ほどから執念深くもみこまれ、時折、インナー越しに尻の表面を細い指が滑っていく。
せっかく納めたフルフルホルンの根元に、血が集まりだしている。
ちょっと待ちやがれ。
訳がわからない。
お前、お前ら……。何で、何でまた、コレは、おい?
俺は舌をつままれたまま、レナを見る。
声は出ない。けれど、眉を寄せ、瞳を細めて、可能な限り疑問の表情を浮かべて見せた。
やめろ。
やめておけ。
おい?
なんで、そんな事をする?
俺の混乱を見たレナは、少しだけ、緊張を解いて。
「ハニー・ザ・ホルン」
なん、だよ……
「私には人間の表情が解らんのでな……。貴様が何が言いたいのか、さっぱりわからん」
こ、このアマァァァァ……!?
ばりばり解ってるじゃねーか!?
にらみ付ける俺の視線を無視し、レナは視線を俺の背中の上に向ける。
「ヒアペレイア」
「はーい」
レナがヒアの名前を呼び、ヒアがその声に答えた。
全く同時に尻が寒くなった。
「……んがー!?」
俺は奇声を上げる。
そりゃそうだ。何せケツが丸出しになっちまってるんだからな!
ヒアペレイアが俺のインナーをずり下げやがった。
しかもちょっと前が痛い。
ひ、引っかかってる!ブラッドホルンへ進化をし始めたMYフルフルホルンが引っかかってるよ!
「……えへへ……うわ、すごい。こんなとこまで傷だらけ……!」
悪かったな。
ともかく。ヒアが照れくさそうな声を上げつつ、改めてケツの谷間を開きやがる。
や、止めなさい!
晒されたケツの穴の周りが冷たいッ!?
おい、お前こら汚い事は止めなさい!
取り返しが、もう、取り返しが付かなくなるぞ!?
「……あれ?」
ヒアペレイアの不思議そうな声を上げた。
僅かくぐもっているのは、体越しに聞こえているからだろう。
つまり、ヒアペレイアは丸出しになった俺のケツを見下ろしているわけで。
「何……これ??」
次の瞬間、俺は息を吸って仰け反った。
舌が引っ張られて痛む。
陰嚢の裏側、その付け根が突つかれたのだ。
足を閉じているせいで、そこしか出てなかったというか。
「あれ……? ち、がう……?」
どういう意味だ!?
目をむく俺に、レナが唇を開いた。
「これは、男、だからな。炎王と、私たちが違うように、人の男と、
今は人の姿をしている私たちも微細に違う」
あー……なる、ほど。
ヒア、人間の男の裸を見るのは初めてなのか……
ただ、な。
というか、な。
それ以前に、だな?
性教育を人の股間を使ってやるなァァァァァ!!!!!
「……ふぅーん」
納得したような声と共に、同じ所が何度も突かれる。
「にょっお!?」
そのたびに俺は幾度も、仰け反る。
その間にも、レナは俺の舌を指でしごいている。
幾度も、幾度も、根元から舌先へと、指が舌を嬲っていく。
僅か、その白い指が甘く感じるのは、俺の錯覚だろうか。
口を閉じれない。唇の端からよだれがたれ始めた。
口の脇に流れたそれを、レナが、空いている人差し指で掬い上げると、
その、俺の唾液に濡れた左の人差し指を、俺の頬に塗りつける。
く、屈辱にも程が有るッ!
「……成程……こうなって……」
後ろ何かを納得したようなヒアの声。
あのー、袋引っ張るの止めてくれませんか痛いんですけど
……いや痛いだけじゃないけど、
身体をゆすって抵抗するが、こちらは急所を握られているわけで。
ゆっくりと指が伸びてくる。陰嚢の根元にかすか、指先だけを触れるように、軽く、擦らせてくる。
「でも、やっぱり、ここ、気持ちいいんだ……?」
そのとおりだよこん畜生!
繊細なタッチのくすぐったさに、身悶えすると同時に恐怖した。
もうやばいぞ。
こ、これ以上やらせてなるものかッ!?
俺は足を強張らせた。ザザミが身を固めるように、足をすり合わせようとする。
ザザミがぁーっど!!!!
ただ、それは逆効果だったが。
「……はにー、足、開いて?」
俺の背中の上、ヒアが命令してくる。
「……ううん、開きなさい」
笑みをこめつつも毅然と、逆らうなど、考えられないように
「開きなさい」
その声は、幼くとも、やはり、こいつは炎妃龍なのだと、俺に思い知らせる。
「にゃがるるる!」
だが断る!
へへーんだバーロー!
いまさらナナ・テスカトリにびびるかぁぁぁッ!
俺は舌を掴まれてるのにも関わらず、首を振る。い、いたい。いたいが我慢ッ!
振動で、理解したのか、ヒアが笑う。
笑って、どこか冷たい、笑い混じりの声で。
「……わたしが、ハニーに対して、やりたい。と思った事があったら、
何してもいい、って、言わなかったけ……?」
その言葉は同時に、レナの舌を掴む力が強くなって、一瞬痛みを覚えた。すぐに緩んだが。
……い、言った! 言ったけどさ! お前な!?
ヒアペレイアが、その、俺の嫌がる感情さえも理解してか、笑う。
「じゃぁ、ひらいて?」
俺は脚を硬くした。
い、いや、お前ね?
お前、それ、
意味、解ってるのか?
助けを求めるようにレナを見上げるが、
レナは、舌をなぶりながら冷たい視線を降り注ぐだけだ。
うわあああいッ!?
お前子供の危険な行為推奨するのかよ!?
解ってるだろ!? わかってるだろろおおお!?
お前、これ、一線越える行為だぞ!?
俺はじたばたするしかない。
ど、どうするッ!?
「……逆らうんだ? じゃぁ、ね」
俺の思考は、愉快そうな声に遮られる。
そう、逆らう事さえも、待っていました。と言わんばかりの声に。
「うそつきには、おしおき……」
ちゅ。
何かを吸う、水気混じりの音がして。
「――!?」
今度こそ俺は本気で、マジで、思いっきり仰け反った。
熱い何かに、恐らくは自身の唾液に濡れた、ヒアの指が、俺の尻の穴に触れたのだ。
ヒィィィッ!?
そこは汚いぃぃぃ!?
ってか女のセリフだこれじゃぁァァ!
うわあああああ!?
「しゃ、へら、せ、ろっ!」
喋らせろッ!
絶叫したいが絶叫できない。
今度ばかりは洒落にならねぇ!
俺は全力でレナをにらみつけたが、何処吹く風。気にもしている様子はない。
舌をなぶるのにも飽きたのか、ただ指は押さえ込んでいるだけ。
その間にも、ヒアは俺の尻をゆっくりと刺激している。
その、濡れた人差し指は、唾液によって弱く、同時に滑らかになった摩擦にのり、
ぬらぬらと窄まりをなぞる。
やーばーいー!!!
男としての死活問題だ――ッ!!!
身をくねらせるしかできない俺を、執拗に。時折爪を刷り付け、刺激にアクセントを加えつつ、
皺を、一つ一つ、はがすように、揉みこむ。
こすれて摩擦が足りなくなるたび、唾液を足して。途切れる事のないように。
て、いう、か。
何!? ヒア! お前やたら慣れすぎじゃないか!?
空いている片方の手は、その間、背筋を撫で、尻たぶに触れ、なぞるようにして、腰骨に掌が当てられる。
当てられた、とても暖かい掌は、肌の上を滑って、再び俺の大いなる遺産に戻ってきた。
女にするような愛撫だなぁ。と状況を考えもせず俺の低性能ヘッドは考えやがる。
なんかもう、俺、あきらめ気味である。
そのまま、陰嚢の付け根に、立てた指を何本も押し付けるヒア。
「……? あれ?」
何その疑問の声?
……いや、理由はわかっている。
「……ここ、固い……?」
ヒアペレイアが触っているのは、イチモツの根元だ。
こ、コリコリと押すのは止めてっ!?
俺の股間のそれは、少女の柔らかな愛撫を受けただけで、
既にフルフルホルン・エクセリオンと化していた。
ビンビンのマイウェポン。
インナーに先っちょが引っかかって痛い。
所詮、男なんぞ単純な生き物である。
泣きたい……。
情けない……。
ああああ……
くっ、前に、身請けに行って失敗して、そのときついでにやって、
その後は一月ご無沙汰だったから……
い、言い訳かコレ……?
ちょっと視界が潤んできました……。
「……む」
あー、その、レナさん。
俺の顔みて申し訳なさそうにするならその手離してくれませんかね……?
「……いい、だろう……」
言いながら、レナは、俺の舌から手を離した。
右手を口元に持っていくと、下を伸ばして、汚れを無造作に、何の躊躇もなく舐め取った。
よし口が空いたっ!
「……お前ら、」
言いかけた俺から顔をそらすと、身体を翻してベッドから離れるレナ。
踊るように流れた黒髪が背中に月光を跳ね返して揺れる。
無視かああ!?
そのまま、部屋を出て行った。
「……おい」
「……。んー????」
因みにその間も、不思議そうな声を上げながら、ひたすらヒアは、俺の股間をいじり倒している。
「……あの、それの根元をつっつくの止めてくれませんかヒアさん……?」
俺は首を曲げて後ろを見た。
肩越しに、同じく此方を振り向いたヒアを見る。
ヒアは、本当に、単純に不思議そうな顔をしていた。
意味が解らないらしい。
「え……? その、何? ……これ、何かの、根元、なの……?」
言いながらも、向こうで腕を動かしている。
だからつっつくなあああああ!!!!!!
「何かって言うか……ええと、だな……」
い、いや待て。待て俺。そういう細かい事を話してる場合か?
俺大絶賛混乱中!
扉の軋む音がして、俺はそっちに顔を向ける。
後ろ手に扉を閉じたレナは
右手に俺の荷物の中から引っ張り出したのであろう、ぶっといロープの束をぶら下げていた。
お前、それ一体何に使うつもりだ?
口が自由になっているにもかかわらず、目で訴えかける俺を無視し、
無言のまま、ベッドの脇に歩いてきたレナは、ヒアに一言。
「……ヒアペレイア。手首を押さえていろ」
俺は、三度シーツの中に頭を突っ込んだ。
はぁぁぁ。。
で。
手首を縛られごろりと転がる俺が居る。
この姿勢じゃ溜めも出来ないぜ。
レイアの様に羽ばたきたいのにッ!
背中には、まだヒアが乗っている。
ケツは全開。
チンコはフルパワー。
引っかかって痛い。
俺は後ろ手のまま、手首をぐるぐると拘束されていた。
あんまり的確な縛り方を知らないらしいっぽいが。
頭の先、ベッドに沈んだ感触が有る。
レナが先ほどと同じように座ったのだろう。
「……気分はどうだ?」
そんな言葉が俺に耳に飛び込んでくる。
口を開こうとして、シーツに突っ伏したままだと話しにくいと気付く。
顔を横へと向ける。瞳は閉じたまま。
「……お前ら、な……」
言い掛けて。
何を言ったものか。と。
そう、思う。
だってそうだろうが。
「何、考えてんだよ。……こんな、ええと、」
どう言ったものか。
俺は暫く考え、思った事を素直に言った。
「えっちっ☆ ――ぐあああああ!?」
べちりと尻たぶを、かなり強烈にぶったたかれて俺は悶絶する。
「ヒアペレイアお前たぶん俺より力あるんだから自重しろぉっ!?」
「貴様、ずいぶんと余裕が有るな……?」
落ちてくる声は、少し残念そうに聞こえた。
いや、まぁ俺もなすがままにさせてたからな。
だって、別に命の危険は感じなかったし。
こんな縛りじゃな。
「動揺はしたぜ? それに、俺、今、大変な事になってるしな」
主に股間が
「それは、良かった」
いいのかよ。
そう言うレナは、別に嬉しそうでもなんともない。ただ、落ち着いた様子ではあるが。
「気持ちよかった?」
機嫌よさそうなヒアの声。
どうやら俺のケツを解放したらしいヒアペレイアは、向きを変え、
今度は俺の背中に両の掌を置いているらしい。
温かい背中に、軽い重さ。
正直、心地いい。
「……ハニー・ザ・ホルン」
呼ばれたので顔を見る。
「もう、解ってるとは、思うが……」
レナの瞳が鋭く細められていた。
「貴様、覗いて居たな?」
吐き出された言葉は、冷え切ったそれ。
俺はため息を吐いて。
次にがっくりとうなだれた。
やっぱりばれてるぅぅぅぅぅぅ
ぐおおおおおおと、奇声を上げつつ頭をシーツに押し付ける。
と、後ろから声。
「ええと、ハニー、まさか、ハニーって……あれで、見つかって、なかったつもり……だったの……?」
呆れを通り越して、不安げでさえある。
俺は何度もシーツへと鼻をこすりつけた。
外から見れば頷いてるように見えるだろう。
一応、その手の気配殺しには自信があったのだ。
有名な老ハンターの名前を借りて、ハニー・ザ・スネークと呼ばれた事さえある!
「あたまがおかしいのではないのか……?」
うわあごめんなさい!
ハニー・ザ・スネークどころの騒ぎじゃありませんでした!
ていうか、
「……?」
「……むむ……」
俺の頭をぺたぺたさわってくるのはやめて下さいレナさんヒアさん。
大丈夫ですから頭は
とりあえず。
やるべきことをやっておこう。
俺は顔を一旦持ち上げて。
ヒアは見えないが状況的にしかたない。
「ごめんなさい。申し訳ない」
重力に任せて落とした。
がっくり。
尻丸出しじゃぁ締まらないが、仕方ない。
この体勢じゃ締められるのはケツの穴ぐらいのもんだ。
もごもごと、顔を清潔な布に押し付けたまま。
「だが、一応言っておけば悪気はなかったというか、
変な声が聞こえたというか……あれ?」
……俺、明らかーに睦み事って解ってて扉開けたような?
うわあい
「……殺されても文句は言わん」
うめくように言う。
この現状は、やっぱりそれが原因か……。
……原因……
原因?
俺はシーツに顔をうずめながら考える。
原因、か?
……この、その、ええと。。
おかしくね。
睦み事覗かれたからって、覗いた相手に居間みたいな事するかフツー?
いやしないよなぁ。
ナナ・テスカトリがそんな種族ならアレなんだがそうとも思えず。
……じゃぁ何よこの現状。
顔を上げる。
さっきっから上げ下げしまくりでいい加減首が痛くなってくるが、我慢して。
レナは、すこしだけ唇を歪めていた。
笑ってる?
耳は緊張したようにぴんと跳ねていたけれども。
……。
あれぇ?
「……コレは、ええと、さっきの復讐とか仕置きって感じじゃ、ない、よなぁ?」
俺が首をかしげて見せると、鼻で笑いやがる。
そのまま、レナは瞳を瞑った、口元に笑みを湛えたまま、淡々と言う。
「……確かに、あれは、見られたく、なかったものではあるが……」
うむぅ……
「すまん」
ようやくそれだけを吐き出した。いえる事はほかにはない。
そのまま見ていると、レナの紅い唇が開かれる。
「……別に、貴様を責めるつもりはない」
苦笑交じりに、そう、言われた。
「ただ……」
揺れる声。
「……貴様は……何も、」
開かれた瞳の、紫光も、声と同じように震えていた。
「貴様は何も、言わないのか?」
え?
???????
何を?
意味解らん。
「私たちが、」
言い掛けて、
「私たちの……」
幾度も開け開けされて、言葉に、迷うような。
促すために唇を開いた俺の背中が、急に熱くなった。
ヒアペレイアが、身を翻して、俺の背中に抱きついて来たのだ。
押し付けられているのは、まだ固い子供の、それでも僅か、肉付きはじめた身体。
露出した背中に、柔らかなヒアの肌が触れている。
俺のわき腹に、細い指が食い込み、頭が、首筋に乗せられていた。
生えかけの角に押される、柔らかな前髪があたってくすぐったい。
因みに体重の掛けられた腕は非常に痛い。
痛いが……なんかやばい所に触ってるような……。
「おい?」
「……別に、それは、いいでしょう? おかあさん」
顔が押し付けられているせいで、振動が直接伝わってくる。
ぱふり。と、耳まで俺の耳に押し付けられた。
ヒアの言葉に、レナは目を見開いた。
「そう……」
次に苦笑を浮かべ。
「そう、だったな。ああ。……これは、関係ないか」
「うん……」
ヒアの頷きは、俺の首筋に額を押し付ける形になる。
……何なんだ。
「何でもない」
嘘だろうが。
まぁ……突っ込むのはやめとこか。言いたくないのなら言わせたくない。
ふぅ。と吐息。
さっきっからテンションがあがったり下がったりで忙しいなもう。
ただ、そろそろ本題に入れるか?
……こんままだと大変な事になる。
俺はともかく、こいつ等に。
……何を考えてるかは解らないが、何しようかは解るんでな
「ええと、だな。ハンターとして指示させてもらうが、お前ら、今日はもう寝たほうがいいぜ?
俺たちは、一応、追われる身だしな」
あからさまに言ってみる。
さっきまで娼館行くつもりだったんがな!
適当な事を言いつつ、レナを見ていると背中に動き。
首筋が涼しくなり、同時、レナが視線を俺からヒアに向ける。
薄く顎を動かしたのは、たぶん頷きあったのだろうか。
もごもごとした動きを感じる。芋虫の様にヒアが俺の背中を上っているのだろう。
腹に触れていた手に、今は太ももが押し付けられている。
耳に吐息がかかるような距離で、俺の背中に体重をかけながら、俺を、からかうように
「わたしたちが、何しに来たのかってね……、」
いっそ挑発するように、そう言う。
「ハニーは、解ってるんでしょう……?」
まぁ、そりゃ解る。わかるけどね。うん。
一応、そこまでにぶちんではないですよ?
「……ん」
小さな一音に、矛盾する幼さと、色っぽさと、笑みと、
「わたし達はね、はにーに、ね?」
そして僅かな何かが混ざった吐息が、首筋に掛かった。
「えっちなこと、しに、来たんだよ……?」
はっはっはマジでそのとおりかこんちくしょう
「んー、驚いてくれないのが、不満かな」
背中から無茶な言葉が振りかけられる。
「……その余裕も、気に食わん、な」
前からも滅茶苦茶に言われる。
お前らな。
いや、あれだけされれば予想もつくし、別に余裕なんてない。
ただね。
レナが、伺うようにこちらを見た。
「何だ……?」
何で? と思うわけだ
この現状は、明らかに不自然だろうが。
ええ? 夜這いに来るようなやり取りや感情が俺達にあったか?
「普通なら聞くのは野暮なんだろうが……俺は……えーっと、ほら、」
何で言おうか。
「……多少イカレてるんでな」
こいつ等の何かを疑うわけじゃないが。
何か。目的が有るのじゃないか。と思う。
いや、それ自体はいいのだ。別に。
ただ――
「……納得できない状況を残しておくのは、不安なんだよ……病気だな。」
俺の言葉に、レナの耳はたれ下がり、背中の熱い重みは硬直する。
あからさまだなぁおい!?
レナはうっすらと、うっすらと唇をゆがめた。
瞼を瞬かせて、一度、細い息を吐く。
「……おかあさん?」
「……すまないな。ヒアペレィア。やはり聞いていた話とは、違うようだ……」
んが……?
「なんか、またピタフからロクでもない事聞いたってのか?」
俺の言葉にレナは首を振る。
「……話の出所は私の姉だ」
あー、芸人教えたって、あの?
「人間というのは、年中発情期で、特に雄はすぐに興奮し、
ベッドの上で雌に近づかれた日には、狼の姿になって襲い掛かってくるものだと聞いた……のだが」
「どんな大嘘ついとるねんその姉は!?」
それ本当にナナ・テスカトリなのか?
芸人知ってるナナ・テスカトリってどーよ? 有りか? 有りなのか?
無しだろうそれは。
レナも幾らか唇を引きつらせている。
「……確かに炎妃龍なの、だがな……そうだな。『変人』というのが的確なのだろうか……?」
ナナなんだろおい?
「……ああ。そうだ。一応、はか。……姉はだな。一切、この姿に抵抗がないらしい」
ふむ?
「詳しい事は知らないが、だから、普段は人間として生きている、らしい
人間にまぎれて、人の……社会、と言うのだったか。貴様等が形作っているものは」
あー……
「だが、時折、そう、気まぐれに、どこからか私の匂いを辿って、私に会いに来る事が有った。
その時に、……」
言いかけて、情けなさそうに耳をたたんで肩を落として。がくりと頭を下げる。
「……今知ったのだが、嘘を教えていくらしい……」
最後はしぼんだ声になった。
それ酷い姉だなぁ。
気分は解る。
物凄くよく解る。
「……だが」
うんうん頷きまくっている俺へ、視線を向けて。
「……姉がそう在ってくれたおかげで、私はこの姿になる事を選べた。
そうでなければ、……」
背中の上で、ヒアが身を縮めた。
「……ヒアペレイア諸共死ぬ事を選んでいた可能性もある。
だから、感謝している……」
なるほど、ねぇ。
「……話が、ずれてしまったな」
そう言って、もう一度レナは自嘲気味に唇をゆがめた。
ああ。そうだな。
と俺は思考を引きずり戻した。
で、戻した故に気が付いた。
待て待て待て。
お前さっき、物凄い事言わなかったか?
ええーっと、ちょっと合点がいきましたよ?
「……つまり何? 君等は俺が襲い掛かるの前提にしてたのか?」
だから、何? 俺の横で待ってたりあれって顔してたの?
俺の背中で頷く動き。
「でも……ハニー、まったく襲い掛かってこなかったから……」
すこしだけ恥ずかしそうにヒアが言う。
「えへへ、しっぱいしっぱい」
媚び媚びの声。照れるような笑い。
ははは、とつい俺もつられて微笑み
「当たり前だアアアアァァァ!!」
俺の咆哮に身をすくめるレナと、
きゃあああと背中でうそっぽい悲鳴をあげるヒア
えええいこいつ等はッ!?
「俺を何だと思ってるんだっ!?」
「に、人間の雄……?」
疑問系で不安げに言うレナ。
それはどんなケダモノだッ!?
コンガだってもうちょっと状況選ぶわ!
性犯罪者だろうが駆け引きするわ!?
だから実力行使かッ!?
俺を押し倒したわけかッ!?
ぐるぐる吼えて暴れる俺の上、俺の後頭部をぺちぺち楽しそうに連打しながらヒアが言う。
「そのとおり!」
反省の色などありゃしない。
「酷でぇぇ……」
俺は急に脱力感に包まれて、再びシーツとランデブー。
ああ。すまんなシーツよ。お前も何度もおっさんの顔を押し付けられてご苦労だ。
どうせなら美少女のほうがいいよなぁ。
いやいいケツが乗ってるから大丈夫か……?
うっうっうっ。おじさんがふがいないばっかりにお前には迷惑をかける……。
その、つっぷして泣きまねをする俺の後頭部に、レナの掌が置かれた。
そのまま、頭を撫でられる。
「……いい、だろう。……私は、いいと思う」
何が。
って……俺じゃなくてヒアへのセリフか。
次に頭を撫でていた手は、俺の顎の下に回る。
人差し指を顎の下に通して、俺の顔を上向きにさせる。
俺は、もう逆らうつもりもない。そのまま、レナに任せてレナを見る。
……なんだよ。
「ヒアペレィア」
俺の視線に気付いていつつも、レナが呼んだのはヒアの名前。
あ。という、気付いた声と、はぁい。と、楽しげに返された声に、幾らかの緊張を感じる。
俺の背中から降りると、ヒアはベッドに片膝をついて、俺肩と腰の辺りに手を差し入れ、
軽い、浮遊感にも似た、不安。
「えい」
ごろり、と天地が回る。
俺は、仰向けにさせられていた。
いや、それだけでなくて、今度は両肩の下に熱さ。
後ろ手に縛られたまま、上半身を起こされる。
背中に、インナー越しでさえ、人よりも遥かに高い掌の熱さを感じる。
つーかコレ自体が気持ちいい。
動けない老人みたいだなおい……。
場違いにそんな事を考えていると、
「その壁に背をつけろ」
背中から、鋭い声が投げかけられる。
「おい……?」
振り向こうとする俺を制すように、
「やらないのならば私が投げるぞ……?」
投げるのかよ。
背中を突っつかれると同時に、左からのにこにことした視線に、俺は長いため息。
それしたら俺が積むだろうが。
「……あのさ、お前らさり気なく話をそらして、まだ俺の質問に答えてないよな?」
いや話に乗った俺も悪いんだが。
む。と唸るような声。
「……そうだな」
思考の一瞬か。その後、レナはにやりと笑う。
いや見えないけど間違いない。笑ってる。
茶番だからな。
もう、どうなるかは、決まったようなものだから。
「その壁に背をつければ教えてやろう」
……。
あくまで実行するか。
据え膳食わねば恥つーけどな。
幸いにフルフルホルンは大分落ち着いてきているし。
ほら腰にかろうじて引っかかったインナーにどうにか引っかかって。
「……」
俺が様子見に、というか半ば言われたとおりに動くのがいや。という意地もあるのだが。
暫くその場でじっとしてみると、レナが立ち上がる動作を見せる。
……はぁ。
駄目だ。実力行使するつもりか。
……。
仕方有るまい。
レナが本気で今の俺を押さえ込もうと思えば簡単なのだ。
武器もないハンターなんぞモンスターにとっちゃ小動物と変わらん。
はっはっは。僕は可愛いウサギさん。
はい。今気持ち悪いと思った人手を上げて。
)ノ
……。
まあ、いいか。
「解ったよ」
俺は小さく呟いて、もぞもぞと、未だ半脱ぎのインナーが、完全には脱げてしまわないように、
膝を曲げ伸ばしする、尺取虫のような、大きな身振りで移動。
どん。と壁に背中をつける。勿論腕は拘束されたままなので、肩を押し付けるだけだが。
露出した肌に、磨かれた木の冷たい感触して、片方の瞳を細くした。
膝は距離をとる様に立てる。
正面には、ベッドの上に正座で、両手を膝の外脇に付く前傾姿勢のヒアが
今にもテオジャンプを繰り出さんばかりに、にこにこと笑いながら、
そして緊張に腕を震わせて構えており、
隣にはベッドの縁に腰掛け、こちらに半身を向け、俺を薄く笑みながら見ているレナが居る。
感情の薄い笑みには、決意を通り越して、開き直りさえ感じられた。
うわあなにこのプレッシャー?
一人で、二匹の大型モンスターと退治してる気分だよ。全くその通りだが。
レナが唇を開く。
「――」
俺の名前が呼ばれて……
「……。ハニー・ザ・ホルン」
ええ何でそこで呼びなおすのッ!?
「やはり発音しにくい……」
おおおおいッ!?
俺の狼狽する表情を見てか、レナは満足げな吐息と共に頬を緩めた。
今、歪んだ、薄い、つややかな唇は紅い。
紅も塗っても居ないのに。と、今更ながらに気付く。
一瞬、裸身をさらして折り重なるレナとヒアの二人、あの光景が一瞬、脳裏をよぎる。
や、やばい。
白の線画。白石膏の石像。侵してはいけない芸術作品。
敵意に満ちた冷たい陶器人形の美しさは、
先ほどの絡み合う一幕で。
そして、先ほどの陵辱で(俺が男だからいいようなものの、想像して欲しい。俺が女だったら陵辱だあれは)
しっかりとした肉感と実感を伴って、いまや俺の目には魅力的過ぎる二人の少女に見えている。
月光に煌く青白い肌に、そこだけ燃える様な赤と紫の瞳が、俺を凝視していた。
「……。貴様に頼みが有る」
一音一音が揺れる、ハスキーな声が、緊張する俺の心をちりちりと、微かに焦がしていく。
やばいぞ俺!
雰囲気に飲まれてるッ!
どうようしてるぞどうしよう!
「な……なんだよ……?」
どうにか、そう吐き出すのがやっとだ。
俺の動揺する姿を目にしてか、額に汗を浮かせたまま、二人は薄く笑んだ。
ヒアなど、くすくすと声さえもらしている。
レナがシーツに手を突く。軽い体重に少しだけ布がたわむ。
「貴様が、私達を、……」
赤い唇が、揺らぐ声を紡ぐ。
言いかけて、一度、レナはつばを飲み込んだ。
ぽん。と、小さな手が、苦しそうなレナを励ますように、その細い肩へと乗った。
白い肌、掌のついた痕だけが水分で月光を照り返していた。
レナは、幾らか、楽になった様子で吐息する。
……でも。ヒアの顔はレナの横顔を、一瞬だけ見ると、更に目を細めてたりする。
この状況下でもサディスト全開でレナの悶絶を楽しむのは止めなさい。
ほらお前の手も汗かいてるんだから。
まぁ、俺もちょっと額に汗掻いてるんだがな!
前髪に吸い取られて見えないだけで。
白い、細い喉が大きくうごめく。
レナの額から、緊張で流れる汗が頬を伝って顎に落ちる。
俺は、じっと、少々情けない格好のままで言葉を待つ。
顎から、汗が流れ落ちて、シーツに一つ、染みを作った。
「妻と娘のかわりとして守るのならば、
「……な、ら?」
「その役割も、代価として、果たさせてほしい」
沈黙が落ちて。
二人は俺を伺うように、見ている。
だから、ここに来た。と。
あの振る舞いが有った、と?
「きもちよく、なかった……?」
正面から、不安を伴う伺うような声。
心配そうな顔で、俺を見ている。
「お、おい……ちょっと待て……お前らなぁ、意味、解ってるのか……?」
「……。解っている」
レナは言い切った。当たり前だ。俺は本気でいじられたしな。
……整理しよう。
俺が俺の喪失を埋めるが為に、この二人を守るというのならば、
こいつ等は、俺の喪失の代替となろうと、
そう、言っているのだ。
「俺は、俺のためにやってるって、既に癒されてるって、おい、ヒア、言ったよな?」
俺の言葉に、ヒアは待ってました。と言わんばかりの笑み。
「昼間も言ったけど、私達が好きでやる事に、ハニーにどうこう言われる筋合い、ないよね?」
ぐぅぐえええ。
正論だ。
や、やばいぞこのままだとヤバイ。
二人は、ベッドに乗ってから、一切俺に近づいてきてはいないのだが、
なぜか俺は、じりじりと近づかれている様な気がしていた。
ま、待て、待ってくれ。
どうするどうしたどうすれ
ばというか俺はどうし
たいどうにかこの状況を
打破しようと俺がどう
しようかどうようしなが
らどうようを考えていると
「……そもそも、なんで、ハニーはそんなに嫌がってるの?」
正面のヒアから、普段の声よりくぐもって高い、幾らか、悲しげな声。
半分まで、下ろされた瞼の、長いまつげがやけに目立つ。
僅か、傾げられた小首。上側の耳が、垂れ落ちた長い髪の間から飛び出ていた。
俺は正気に戻る。
童謡を考えてどうする俺よ。
えーっと、と、前置きして、ヒアを見る。
「……俺、嫌がってる?」
「うん」
頷きから視線を外して、隣のレナに目を向ける、今度は神妙な頷きが帰ってくた。
あれれ?
……自分を振り返る。
……。
俺、何を嫌がってんの?
お前、おいハニー・ザ・ホルン。
こんな上玉二人だぞ? えっちなことしてもらえばいいだろうが常考。
ならば何故だ?
俺は何を嫌がってるんだ?
一瞬考えて、すぐ結論に思い至った。
やっぱ。これか。
俺は、瞳を細めた。
「……ええと、だな」
考えるまでもない。
「俺は、まだ後ろめたいんだ」
レナが、一瞬目を見開いて、直後に眉尻を落とす、泣きそうな顔になる。
ほーらお前もわかってんじゃねぇか。
「……そうして、まるで入れ替わりの様に、本来『彼』が居る場所へ入るのが、な」
なんかぁ、ハニィ超間男って感じぃ?
まぁ、俺がろくでもない人間だってのはよーわかっとる。
もう、既に入り込んでいる。
あとは、もう一つ。
「それは、別によくはないが、まぁ、いいとして置いとこう。優先順位は低い」
俺の感情などどうでもいいのだ。
ちらり、と、視線を落とすレナと、レナを心配そうに見るヒアへ目線を走らせ
ただ、さ。
「あと……お前さん等に無理、させたくないってか……」
あれ? こっちのほうがよっぽど俺の自己満足。エゴかね。
「少しでも、嫌な感情を感じるようなら、絶対にして欲しくない。と、俺はそう思ってるんだな。
で、その上で、俺はお前さん等が、俺に対して、完全に、平気でそんな事ができるとは思っていない。
そういうことだな。原因は。……もっとぶっちゃけようか?」
言い切って、俺は頬をぽりぽりと掻けないので、肩を竦めて。
……昼間、聞けなかった事を、聞いてしまおう。
「……俺のことが憎くはないのか? 平気じゃないだろ、そんな事」
少なくとも、俺は、憎かった。
全てを奪ったあれが。
今でも、その喪失は埋められていない。
今は傷口を意識しないで居られるけれど。
俺の視線の先、レナは震えていた。
耳はぴん。と強く張られ、
ぐっ。と、シーツを強く裂けるほど。ってかホントに裂いちまってるよ。
掴んで、その腕を震わせている。
あちゃーーー。やっちまったか?
俺は顔を顰める。
んー。この焼けるような雰囲気は、怒り、かな。
まぁ、怒るか、ものすげー傲慢な事言ってるしな。俺。
「……き、さま、は、」
レナが小さく呟きた。、
次に来るであろう咆哮に対し、一応、身を固めて耐えてみようとする俺。
顔には微笑を浮かべてみせる。まぁエゴを通すなら意地も居るだろう。
引きつってるかもしれないけれど。
「ず、るい……ずるい」
……え?
レナが顔を上げる。
俺を見る紫の瞳は涙に濡れ、責める様に、悲しげに俺を見ていた。
表情は、今まで見たこともないもの。
母親とは思えぬ見た目どおりの、何かを悔やむ少女のような、いや、少女そのものの顔。
俺の心臓が、やばい感じに跳ねる。
たぶん、まん前で目を丸くしているヒアと、俺もおんなじ顔をしてるんだろな。
「ゆる、しては……、くれない……のか?」
ようやく、と言った感じで、切れ切れに吐き出される言葉。
「ええと、ゆる、す? 許す? 何を? 俺が」
間抜けな質問をする俺。また動揺してるよまったく。ホントに今日は落ち着かない日だ。
レナは、俺の言葉に瞳を狭めた。
刃を思わせる、冷たく鋭い視線。
「わからない、だろうな……わかる……筈が……」
敵意。とでも言っていいものを、俺に向けている。
俺にナイフを突きつけて、見下ろしていたときと、表情は全く同じだ。
もっとも、感情はあれほどに強くないけれど。
……ついでに言えば、まだ涙で目は潤んでるので、そのええと。
正直。
正直かなり可愛い。
……もっと泣き顔みたいかもしれない。
って、あれぇ俺加虐嗜好なかった筈なんだけどなぁ……
レナが、ベッドに上がった。ヒアと同じように、四つんばいになって
少しづつ、俺をにらみながら俺に近づいてくる。
少しづつ、近づいて……。
「あ、お、おい?」
俺の、左隣までくると、俺と同じように、壁へと背中をつけた。
両足を伸ばして、ぺたりと座る。
細い肩が、俺の二の腕に、触れ合わされている。
「レナ……?」
横に顔を向けてレナを見るが、レナは俺を見ていない
前髪に隠されて、表情をうかがい知る事はできない。
長い耳が、俺の肩に押し付けられている。
「……ヒアペレィア」
見ているのは、当然ヒア。
くぐもった声で名前を呼びながら、ここに来いと言わんばかりに細い太ももを叩く。
「おかあ、さん?」
「ヒアペレィア」
「あ……うん」
不思議そうな顔を浮かべるヒアの名前を、もう一度強く呼ぶ。
おずおずとレナに近づいて、それでも当然の如く、その太ももの上に収まるヒア。
どうしよう。と言った感じに、俺を目を合わせるが、……いや、俺に振られても。
そのヒアの腹に腕を回し、軽く抱きしめて、レナはようやく落ち着いたように息を吐く。
「……すまない」
その言葉は誰に言ったのか。
レナが顔を上げた。
俺は、息を呑んだ。
眉をハの字にして、眉間に僅か、皺を寄せた何かにすがるような顔。
両頬を涙嫡がぬらしている。耳は、頼りなさげに畳まれた耳が、髪の毛の端から覗いていた。
唇は自嘲するように歪められて、たぶん。笑っているのは自分自身か。
「……貴様は、酷いな……」
意味わからんですて。
俺が首を傾げて見せると、レナは更に唇の歪みを大きくし
「……貴様と対等であろうとする事も、赦してはくれないのか……?」
悲しげにそんな事を言いやがる。
「……はい?」
だから意味わからないっての
「……貴様は、私より強い。それは、純然たる事実だ。
それでも私はな、我慢できないのだ。この子が……私達が、貴様の庇護下に有る事を……な」
庇護下って。
「そうだろう? 人としての衣服、食事、そして住処と、一時的な安全まで、全て――」
振り絞るように、レナは言う。
「――全て貴様に与えられたものなのだぞ? これを……これを庇護でなければなんだというのだ……?」
言いながら、レナは濡れた頬を、ごしごしと手の甲で擦った。
確かに、今はそうなんだが。
「そして、それは……私にとって屈辱なのだ。他の何よりも」
そういって、レナは、自らの腕の中で身をすくめるヒアを見た。
その瞬間。
――ああ。
俺は納得していた。
それは、きっと、悔しいに違いない。
自分の夫を殺した相手の庇護下に入らねば、自分の娘が守れないなど。
どれほどの屈辱だろう。。
自力で、自分の大切な存在を守れないことが、どれほど悔しいのか。
自分が力ある存在だと思っていたのならば、なおさらに。
まったく同じとはいえないが、俺は、それに近い感情を、とても。とても良く知っている。
――
転がってくる服の切れ端と、腕の切れ端。
――
首筋を剥ぎ取りナイフで切り裂きたい衝動にかられる。
だが、今現在、俺は拘束中。
その代わり、思いっきり、これ以上無いほど、顔を醜く歪めてしまった事だろう
レナが、今度は薄く微笑んだ。俺の苦痛を見て、だ。
「理解、してくれたな……?」
俺は、頷くしかない。
よく、解る。
けれど。
「それに、まだ、俺の事が憎い。って、事、だよな?
いや、それでいいんだ。でも、だったら、無理は、」
「違う、それは違う」
泣きながら首を振るレナ。黒髪が涙に濡れる頬に張り付く。
その、張り付いた神を、払いながら、れなは苦しげに言う
「確かに、ああ、貴様は憎い。それは、否定しない。
けれど、な。私が、私が一番憎いのは……私なのだ」
……あ……。
レナの顔がくしゃくしゃに歪む
「彼を守れず、この子を守れない、この、無力な私が!
貴様の庇護下に在りながら、貴様を憎んでいる、醜い私が!」
レナはヒアを抱き寄せる。強く抱きしめる。
ヒアは目を瞑って、静かに話しを聴いていた。
……。
「ならばこそ、……私は、相応しい代価を払う事で、貴様と対等に在りたい……
……仮初にでも、守っているのだと、そう、思いたい」
再び、視線は俺に。
いっそ、媚びるように俺を、上目遣いで見つめて。
「……人間には性的欲求を満たす事を、日々の糧を得る為の手段としている者が居る、と聞いた」
それ、また例によって非道姉情報か……?
正解だけどな。実際に行くつもりだったしな!
「ならば、貴様を満足させる事は、庇護の代価足りえるな……?」
言ったレナは、幾らか不安げに、更に瞳を細めた。
「所詮は自己満足、だがな……。」
悲しげに笑う
「浅ましいな。私は……」
「うれしいよ、わたしは」
胸の中で、ヒアが小さく呟く。
レナが、ヒアの肩に、顎を乗せた。
……何も俺は言えない。
俺は自己満足のためにやっているのだきあら。
それは、俺がずっと抱いていたものと、何一つ違わないのだから。
俺は、俺を殺したかった。
けれど、出来なかった。
あの龍を殺すか、殺されるまでは、俺は生き続けるつもりで、
俺は仲間に恵まれて、結局今まで生きながらえてしまったが。
一瞬、涙を流すレナを抱きしめたくなる衝動にとらわれ、それをどうにかこらえる。
その涙は、俺が流させているのだから。
いやまぁ後ろ手に縛られてるからそもそも無理なんだけどさ
レナが、俺を見上げた。
「だから、これは私の問題だから、貴様がどう思おうが関係ない
……既に充分な代価を貰っているなどというたわ言など、聞くにも価しない」
でも、お前なぁ……
「……それだと、何か俺が身体目当てに守る、見たいな感じじゃねぇか?」
「私は、そうして欲しいのだと、言って、いる……」
「なら、せめて、それ、成功報酬に出来ないか? 俺はまだお前さん等を守れていない」
くしゃくしゃにした顔を、更にゆがめて。
「仮に、仮に、だ。貴様がこの先、私達を守れなかったとして、それが、何だと言うのだ……?」
「結果が全てじゃないのか?」
レナは首を、強く振る。髪が乱れて、頬に張り付く。
「違う、違う……貴様は、わかっていない……」
ヒアペレイアが、レナの胸の中で目を開いた。
俺を見上げながら、言う。
「……前も、言ったでしょう?
この、数日は、わたし達にとって、それだけの価値があったんだよ?」
「なのに……この期に、及んで……まだ、そんな……」
苦々しげに呟くレナ
まー。確かに俺、空気読めって感じでは在るが。
はっはっは。
気まずくなって慌てて弁解しようとする。
「いやほら、まぁ、このままだと無理矢理にでもなりそうなんだが、……一応、主張しとかねば、と。
ええと、冷静に考えてみて、俺自身は嫌じゃないけど、お前さん等が不快な思いするのは嫌というか」
「黙れ」
レナは俺をにらみつけていた。
ひぃぃぃぃぃッ!? また余計な事を言ったか!?
「そんな事を、言うから……」
その、鋭い顔が言葉と共に緩み、何か眩しい物でも見るかのように、顔が緩められる。
「……やはり、貴様は、ずるい……」
言いながら、レナは目を瞑る。
「ヒアペレィア」
伺うように、首を曲げて、背後に在る、瞳を瞑ったレナの顔を仰ぎ見るヒア。
「……すまないな。ヒアペレィア。……少し、予定が狂った。
……こんな話を、お前に聞かせるつもりはなかったし……
お前を裏切るようで、心苦しいが……私は」
一瞬だけ、ヒアは驚いた顔をするが、
すぐにレナの腕の中で、髪が乱れるほど強く首を振った。何度も何度も。
高級な絹糸でさえ霞んでしまいそうな、輝く黒髪が舞い、
俺の肌にも当たって、心地いい冷たさを残していく。
「わたしは、もう、何だってうれしいんだから、ね?」
そう、微笑みを浮かべた。
「……ありがとう。……私も、だ」
レナは呟き、息をついて。
レナは瞳を開いた。
俺を見る。
目は赤く腫れていたけれど、その顔は吹っ切れたようで、落ち着いていた。
何かを、決めた様な。
薄い微笑みを浮かべている。
自然な、少女のようなそれに、
一瞬、見惚れた。
その、俺の膨大な隙。
レナは自然な動作で左手を伸ばして、先ほどと同じように俺の顎を掴んだ。
「え……?」
俺が反応するより早く。
とても柔らかな、湿ったものが、唇に当たる感触。
ついばむ様な口づけを、レナからされたと気付くまで、三秒ほど掛かった。
「え、な、え、ええ!? なっ、お前? ええっ」
我ながら情けない狼狽の仕方だった。
小さな笑い声が二重に響く。
レナとヒアが、可笑しそうに笑っているのだ。
「お、おい?」
唐突な展開に付いていけない。
何がどうしてどうなったんだおい?
「察しが、悪いな……?」
悪かったな
「おもしろいからそのままでいいよ」
ほっといてくれ
どうにか、笑いを抑えたレナが、半笑いのままで言う。
「参ったものだ」
「えへへ」
微笑を湛えたままのヒアが、レナの胸から俺を見上げる。
ふぅ。と息を吐いて。
俺を、すっと、真正面にレナが見据えた。
再び、泣きそうになりながらの笑み。
「……お前が、ふざけた事を言うから……」
否、涙のこぼれる、それは泣き笑いだ。
「え? え? ええ?」
「ん。はい。はにー、積みだよ」
ヒアが嬉しそうに言う。
何?
何なの?
「さっきはにー言ったもんね。少しでも気になるのなら、嫌だって」
つまり、と、前置きして。
「私達が嫌じゃなかったら、はにーも嫌じゃないんでしょう?」
ヒアの瞳の奥が、嗜虐心に輝いている。
……い、言いました。
言いましたとも!
だ、だけどな
俺のぐだぐだな反応に、
目の前で、レナが不安げな顔になる。
「……、まさか、だが……」
ん? 何。
眉を顰め、見上げて
「本当に、嫌、なのか……?」
……。
もうね。
その、ね。
拒む理由も正直、思い浮かばない。
ていうか、
拒みたくないんだけどね本音は。
俺、一月近く抜いてないわけなんだよ。
それがさっきっからもう、なんどもなんどもおっ立っては萎れおっ立っては萎れ。
挑発的に仕掛けられるわで、もう我慢ならんのだよ。
こいつらの思惑通りに。
しかもね。
こいつ等、素で物凄く綺麗で愛らしいってのに、いじらしいこと言いまくるわけだよ。
しかも、自分は度外視して。
こういう感情を俺が抱くのはものすげー傲慢としか言いようがないのだけれど。
物凄く魅力的なのだよ。
はっきり言いますけどね。
ものすげえヤりたい。
俺は、振り絞るようにして、言う
「……そんな事は、ない。……。ていうかんな筈あるか。
お前なぁ、俺が、どれ程理性を総動員してるのか……」
言いかけて、ため息を吐いた。
情けない話だ。
なるほど、と、レナは泣き腫らした瞳のまま肩をすくめて。
涙もぬぐわず、作った笑みを見せて。
「つまり、唇では証明として不十分だと言うのだな?」
うおおおいっ!?
「じゃぁ、うん。わたし達、もっと凄い事しないと信用してもらえないんだね。
しょうがないなぁ」
王手ッ?!
王手、だなぁ。
うん。
……ってあれ。
「……ええと、その、ちょっと待って待って」
俺の声に、なんだよ。と言わんばかりに二人が俺を見る
「あのー。その? ええと、今更ですけど、……レナ? 有りなのか?」
「……何がだ?」
首を傾げられた。そりゃそうだな。主語言ってないし。
俺は一回ヒアを見て。
もう一度レナを見た。
「……」
意味、伝わる、よな?
なんか、話的に、ナチュラルにヒアまで入っているような。
それ、レナさん的にはOKなのですか?
今更だけどな!
「……一応、弁解しておくが、この部屋に来る前に、反対はした」
そうなのか。
「……ただ、その、」
レナはちょっと肩を落として。
「……論破された」
弱ッ?!
「だって、ずるいもん」
声に視線を奪われて、向ければ頬でも膨らましそうな、不満げな顔が俺を見ていた。
「おんなじに助けてもらって、わたしだけ何もさせないなんて、おかあさん、ずるいもん」
レナの手に、自分の手を重ねて、何事でもないように言いきった。
「それに、……だって、ね?」
頬を染め、緩ませて、はにかむような笑みを浮かべ、
濡れきった熱い吐息は、少女とは思えぬ色気を湛えていて。
「さっきの続きだと、わたしは思ってるんだよ……?」
どちらかと言えば、俺よりも、レナを誘うようにそう呟いた。
言葉は、震えていたけれども。
むうぅぅ。
レナは何も言わず、ただ、ヒアの頬に、自分の頬を摺り寄せた。
ヒアはその潤む視線を、ゆっくりと俺に向け。
「あと、はにー? 勘違い、していない?」
何を?
「あなたはね。わたしと、おかあさんを助けてくれたんだよ。
だから、いいの。はにーなら、いいよ」
妖艶に、笑む。
「勿論、私一人だったら嫌だけれど」
おかあさんといっしょ(性的な意味で
ならOKだと。
「ただ、ね」
その一瞬だけぎらりと、獲物を見る肉食獣の様に瞳が輝く。
「今更何か言い分けつけて、わたしをはじこうとしたら、ゆるさないから、ね?」
ひぃぃぃッ!?
硬直する俺を見て、ヒアは笑う。いや、嗤うと言ったほうがいい、か?
「……ふぅん? やっぱり、考えて、たんだ?」
「いやぁ、だってなぁ。うん。一応やばいような気が、いや俺の理性的に」
ヒアの外見年齢は、まぁ、結婚してても可笑しくないぐらいではあるが。
俺別にロリコンじゃないしなぁ。
実際の所、ひあぺれいあたん○歳! だしな。
いや既にエロ行為に励んでたようだから今更だけどさ。
俺の言葉に、ヒアは考えるように首をかしげて
「んー。んん」
一度頷き。
「んーっとね。たぶん、だけどね? もう大丈夫じゃないのかな」
うむ。
「わたし、もう、子供産めるんじゃないかな。たぶん。」
俺はベッドに崩れ落ちた。
「え? 何、はにー、どうしたの?」
ぺちぺちと尻を叩かれる。
いやぁ、余りにも強烈なぱんちを精神的に食らいましてね。
何を言ってるんだいきなり。
「いや、だってはにーが余計な心配してるから」
レナの苦笑が聞こえる
「人間の成長は遅いからな。独り立ちするのに、三期が10回必要などと、不便な種族だ」
俺はゆっくりと起き上がる。
確かに、野生動物はン10年生きるのでも数年で生殖可能になるからなぁ……
炎妃龍がどうかはわからないが、少なくとも人間より早熟だろう。
つーか、……炎龍帝、アホだなぁ……。
このノリなら、間違いなく親子丼実現のチャンスだったというのに……。
俺がそんなどうでもいい事を考えていると、
「さて」
レナが呟いた。
ヒアが俺のインナーの袖口を引っ張る。
「……な、何?」
二人ともすまし顔でこちらを見ていた。
「はにー、言うべき事、あるんじゃないかな?」
………………。
流石に、解っている。
いや、うーむ。
……。
薄く笑いながら俺の言葉を待つ二人を、俺はまっすぐ見て、
「……。ええと、ではお願いしようかな」
と情けない事を言ったのだった。
……やっぱ締まらんな俺。
今回は以上です。
寸止めごめんなさい。
続きはたぶん、すぐに上げられると思うのですが……
それでは失礼します。
はい、なーまーごーろーしー。
クック先生の部分でヒアの「子供産める」発言喰らったハニーのように死亡。
そして早く続きを書いてください 切 実 に い や マ ジ で !!!
あー、夜勤明けで今日も夜勤だってのに寝れなくなっちまった。
GJGJ!フルフルホルンと萎えテラワロタ
GJ!
クックで壮絶に吹いたわけだが
強化人間ハニー・ザ・ホルン噴いた。GJ
フルフルホルンwwwww
あらゆる意味でGJ!
腹いてえwwwwww
おれは今からGJと書いてハニーザホルンと読もう!!
あ
あまり調子に乗っていると裏世界でひっそり幕を下ろすことになる
ハニー氏GJ!レナかあいいよ
なんという生殺し
とりあえずワッフルワッフル
金竜の話のログだれか持ってない?
うっはwww日課の巡回にきたらハニーさんの続きktkr!!!
次の話も楽しみに待たせていただきます!
ハニーGJ!!やっぱり文が読んでて面白いですな。
そしてここまで楽しみな親子丼も初めてだし、ここまで辛辣な生殺しも30年近く生きて初めてだよ。
wktkしてずっと待ってる
PS・ここ見る5時間前に竜刀【朧火】作るためにナナ2体殺しました。
ごめんなさい。
借金5万ゼニーって、微妙に微妙な額だなデスオウビートw
>>644 ハンターとして頑張れば返せる額だよなwwww
>>646 現役レイヴンの俺に言わせてもらえればその一万倍は最初期のミッションで稼げる。1z=1円換算なら。
でももし1z=10万円だったkら…?
村レウス討伐の報酬が約4000z、キノコ集めの報酬が約500z。
流石に命掛けの竜討伐で4000円は無いんだぜ……学生の小遣い一か月分より少ないんだぜ……。
かといってキノコ集めてきただけで5000万円はちょっとインフレし過ぎなんだぜ……。
だが最上位のクエでも契約金が2〜3万だから
伝説のハンターが一仕事で返せない額と考えると莫大なのかも知れない
リアルに例えるとビルゲイツの日給で返せないくらいの額?
ぶっちゃけMHの世界じゃ全てのミッションが命がけなんだぜ?
小型とは言え肉食獣もうろうろしてんだぜ?
一般人が足を踏み込めばそれこそ1分たらずで3死しちまうぜ?
つまりキノコで5000万は妥当な金額なんだと思うんだがどうなんだぜ?
命の値段の安い世界だと思う
キノコ5万
レウス撃退400万
うわあなにをするやめろあqwせdrftgyふじこlp;@:「」5000万でどうよ
アプトノスの肉をこんがり焼くだけで100z(=1000万円)だぜ。
アプトノスもモスもランポスもハンターナイフで数回切れば死んじまうんだぜ。
ちなみにランポス討伐の依頼文章は「近所に出てきたランポスに娘が噛まれて怪我した。誰か追っ払って」(意訳)なんだぜ。
比較的命の価値の重いリアル世界でだって死と隣り合わせの紛争地域に送られる傭兵の日給は10万とかそんなん
まして人命がより軽そうなMH世界では命がけの仕事でもそう大した金額は貰えないかと
伝説の傭兵やら伝説のハンターが稼ぐ金額は桁が違うだろうが
MHPのネコ飯の値段から考えると1z=10円ぐらいと俺は思う
納品クエストで日給数千円+現地で取った物は持ち帰り自由
って考えるとそれなりに妥当ではないか?
50000ゼニーと言うと…
ハムオブハムズ
雷神剣キリン
ウォーボンゴ
正式採用機械鋸
斬老刀スサノオ
龍頭琴
これらの製作「依頼」費用と人一人の命の値段が同額なのか
657 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 02:30:43 ID:ZZjaNvKc
つーか小さい村のオヤジが伝説の鍛冶屋過ぎだろw
製法は口伝のみで伝わるとか余裕で作るしな。
実際1Z=1円として、5万Z返すなら、アカム一匹殺しても足りないんだよな・・・
多数の死傷者がでてる中で、その原因を止めても3万6千だぜ?
月に2回位狩猟クエ行けるとして、(事前準備や往復時間や討伐時間や休息・治療時間など)下位☆5が大体平均7000×2Z、上位☆8が大体平均11000×2Z
下位の年収168000Z(円)
上位の年収264000Z(円)
どこのネカフェ難民だよこれ・・・・・・
ちなみにアカム毎月2回倒すとして、36000×2で年収が864000Z(円)
ハンター・・・可哀相だ
つくづく命の安い世界ですねぇ。
個人的感覚では、1z=100円くらいかと思ってました。
いっちゃん安いネコ飯が50zですから、5000円くらい?
特殊効果を持つコース料理と考えれば、妥当かな〜と。
閑話休題。先日予告したラン視点の小品を投下します。
いつもとノリが多少異なるシリアス路線ですので、ご留意ください。
『クイーンに首ったけ 番外編』 奥様はランゴスタ
早朝。夜明け近くまで続いた夫婦の営みに疲れて眠っている我が背の君を起こさぬように、ひそやかに布団から出ると、風呂場で水を浴び、情事の名残りを洗い流す。
我が君との愛(ポッ)の行為の痕跡を消してしまうのは少々惜しいが、どの道、妾の首筋や乳房、あるいは他人には言い難いような部位には、我が君がきつく接吻した跡がついておるのだ。なに、それだけでも十分、絆は感じられるものよ。
15分ほどで身体を拭き、手早く身仕度を整えると、早速朝餉の用意に取り掛かる。
今日の仕事は、雪山での大猿狩りじゃと、我が君は言うておったからのぅ。防寒用飲料があるとはいえ、スタミナをつけておくに越したことはない。
妾はポポ肉を主菜とする献立を頭の中で組み立てた。
♪上手に焼けました〜
ほどよくあぶったポポ肉を細かく裂き、マイルドハーブの細切りとチリチーズを合わせて和え物にする。
銀シャリ草のみじん切りを散らした大雪米のご飯と、ウォーミル麦の味噌で作ったスープは、やはり朝餉の基本じゃ。スネークサーモンの一夜干物もひとつ焼いておくかの。
おおよその準備ができた段階で、我が背の君を寝床から引きずり出す。
むぅ? 「新婚さんにしては穏やかじゃない」とな?
無論、妾とて、我が君に"御目覚めの接吻"などして優しゅう起こしたいのは山々よ。
しかし、我が君の唯一……ではないが数少ない欠点のひとつが、「朝の寝起きが悪い」ことなのじゃ。甘い声で「我が君、起きてたもれ」などと囁いても、起きるどころか寝返りひとつうたなんだわ。 ←新婚2日目で体験済み
まして、今日は昼までに必ず出発せねばならぬお仕事とのこと。少々手荒な起こし方になるのも致し方あるまい。
……決して、せっかく作った朝餉を温かいうちに食べて欲しかったからではないぞえ?
「うぅーーーー、おはやう、らん……」
「御目覚めですか、我が君。朝餉の用意が整っております故、早う起きて顔を洗いなされ」
「うぃーっス」
モゾモゾと我が君が起き出す様を見守っているだけで、何やら心が癒されるような気がするのじゃから、まこと恋慕の情とは不思議なものよ。
* * *
朝食を平らげて我が君が仕事に出かけたのち、妾は手早く新居の掃除と手入れを始めたが、さして広い家でもないため、すぐに済む。
むぅ……暇じゃ。
普段なら、隣家のシャルダ殿なりお向いのラミ殿なりが料理や手芸の類いを伝授してくださるのじゃが、ここ数日お二方のご亭主が仕事がお休みとのことで、夫婦揃って小旅行に行ってしまわれた。
主婦としての先輩であり、また人外より人にその身を変えた女性の先達でもあるお二方は、元が古龍の身でありながら歯牙にもかからぬ元羽虫たる妾にもよくしてくださる。
その点については感謝してもしきれぬ。
されど、先のような理由とは別の懸念から、妾は時折無性に彼女達が羨ましゅうてならなくなるのじゃ。
ふと、昨夜のしとねでの我が君との会話を思い出す。
――「巡り合わせとは不思議なものじゃ」…か。どの口がそれを言うのかのぅ。
決して嘘をついたつもりはないが、あのとき、妾は一切を包み隠さず我が背の君、マクドゥガル・ホレイショ・フィーン殿に語ったわけではない。
我が君は、妾が人間の女性に変わったのは偶然だと思われているやもしれぬが、あれは妾が意図して緑の玉へと突っ込んだのじゃから。
* * *
こんな逸話をご存知であろうか?
赤子の頃より、親から引き離され、人の手で育てられたアイルーやピーギーは、時として己れのことを人間なのだと誤解するようになるらしい。
巨大蜂の身でありながら蜜蜂のごとく人の手にて育てられた妾も、あるいはそれと近いのかもしれぬ。
ただ、その、言わば幸福なうつけ者どもと異なるのは、妾が己れがほどただの羽虫であり、決して人ではないことを残酷なほどに自覚しておったことであろう。
妾は――"人"になりたかった。
自覚はなかったが、農場で働くアイルーのトモエにいろいろ話をねだったのも、育て親が家にいるときは極力そのあとをついて回ったのも、せめて人の暮らしあるいは常識なるものを知りたいと願ったからじゃろう。
養父は、早くに妻を亡くし、ふたりいる子も10年以上前に成人して独立したため、一人暮らしであった。そのことを後悔している素振りはなかったが、時折寂しげな目をしていることは、妾も気づいていた。
妾が人であれば。
血の繋がりはないとはいえ、せめて幾許かの支えにはなれたものを。
トモエが丁度里帰りしている際に、折悪しく病に倒れて床に伏せる養父を見て、何度そう思ったかもしれぬ。
妾を人に、せめて人の手助けをできるアイルーなりの獣人にしたまえ、と何度未だ見ぬ神に祈ったことか。
勿論、その願いは叶わなんだ。
養父が帰らぬ人となり、農場が息子らの手で売りに出されることとなったときも、妾がせめて人であれば、養女でないまでも人間の使用人か何かであれば、思い出深き我が家をむざむざ人手に渡さずに済んだものを!
一晩哭いた妾は、一緒に自分の故郷に来ないかというトモエの誘いを丁重に断り、野生へと帰るべく、生まれて6年もの時を過ごした場所を飛び出した。
友の誘いは、涙を流せぬ妾にとってすら涙が出るかと思うほど嬉しかったのじゃが、人のあいだでランゴスタを連れたアイルーが旅をしていては、迷惑になるであろうことは疑いなきことじゃった故に。
それから20年近い時が過ぎた。
人に近い知性を手に入れた妾にとって、ただの羽虫としての暮らしは退屈極まりないものじゃったが、それ以外に生きる術もない。
妾はひたすらに孤独であった。
戯れ(人に近いメンタリティーを持つ妾にとっては、それはまさに獣姦にも等しい行為じゃった)に雄虫と交わり、仔を産んだりもしてみたものの、その仔の中にも我に近い知性を持つものはおらなんだ。
それを知った時、妾は呪うた。
妾の孤独を介せぬ周囲の虫けらを。
妾を慈しみ、わずかなりとも愛情というものを与えた農夫を。
妾に乞われるまま、人並の知識と言葉を教えたアイルーを。
そして……ただのランゴスタの数倍の寿命を持つ女王種のこの身を。
それでもなお、自ら死を選べぬ我が身に宿りし浅ましき生存本能を。
ただ流されるままに灰色の世界を生きていた妾が、仲間うちでマックと呼ばれておる狩人を見かけたのは、そんな時じゃった。
とりたてて腕がたつわけではない。
片手剣の扱いはどうにか及第点ではあったが、アイテムの使い方はむしろ下手な部類に入るじゃろう。攻撃力の不足しがちな片手剣使いにとっては、ある意味致命的な弱点じゃ。
ただ、どこか気になった。
それが彼の者の狩猟中の行動だと気づいたのは、ここ1年ほどのことじゃ。
彼の者は、標的以外を極力殺さぬ。
彼の者は、殺した相手からは必ず剥ぎ取りを行う。
標的以外を狩らぬのは、ただのものぐさなのやもしれぬ。
ザザミに小突かれながらもモスから剥ぎ取りを行うのも、つまらぬ貧乏性のためか。
それでも、折りにふれ妾の目が彼の者の動向を気にするようになったのも事実じゃった。
そして運命のあの日、彼の者が雌火竜にモドリ玉を投げつけようと、虚しい努力を続けている場面に出くわしたのじゃ。
好機、と妾は思うた。
モドリ玉の煙を吸って人になった竜の話は、妾もトモエより聞いたことがあった。
どの道、いまのような暮らしに未練はない。失敗して火竜の炎に焼かれ散るのも、一興であろう。
そして……それから後のことは、知ってのとおりじゃ。
あえて言及するなら、妾の彼の者に抱く感情が、"恋"であったことに気づいたのは、人となり、彼――我が背の君となるお方に初めて抱き締められた時じゃった、と言うことくらいかの。
何? お惚気はいい? 「はいはい、ご馳走様」?
ホホホ……暇潰しに何か語れと申したのはそちであろう。
おお、もう間もなく我が君が仕事り戻る頃合いじゃ。
さて、昼餉の用意に取り掛からねばならぬ故、話はここまでじゃ。
我が愛しの背の君には、しっかり精をつけていただかねばならぬからのぅ。
<fin>
以上です。ランが処女?でなかったと知って、ショックを受けた方がいらしたら、申し訳ありませぬ。
まぁ、ふたりの出会いは、ただの偶然ではなかった、と言うことで。
……もしかして、ランさん、腹黒? 計画的犯行?
一応、「可愛い悪女風新妻」を目指しているんですが。
666 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 07:53:06 ID:QL1DSjzR
朝からいいものを見た
>>664GJ!
すげ−わ、人外だらけの村&奥様ネットワークw
きっとココでメシ頼んで食うと、必ず"モンスターとの交渉術"
スキルが発動するんだぜ?
ハンター「盗んだ高級肉焼きセットを返して下さいっ!」
メラルー「ニャニャ…嫌だニャ。どうしてもと言うなら―――ニャを娶ってでもみるんだニャ!」
ハンター「…………それもまた人生……か」
ワケ
ワカ
ラン
さてはともあれクイーンの人GJ!
メラルーがネコ耳尻尾付き少女になると聞いて会社のPCから飛んできました
>>664 こんなにレベル高い作品を見せ付けられると段々自分に自信がなくなってくる。
ってぐらいに面白い。とにかくGJ!!
>>669 昔そんなのが投下されてた覚えが。
フェラのみで本番はなかったと思う。
>>664 筆早いわ巧いわGJ!
ここ最近の調子じゃ、次スレの季節ももうすぐか?
ホントだ。もう477かよ
>>660 GJ過ぎる。
あんたの執筆速度はどうなってるんだ。
獣姦同然ってシーンでちょっと興奮したのは秘密
化け物みたいな長編と豊富に落とされる短編と尽きない妄想小ネタ
しかも中身は二次創作よりはシェアーワールドに近い
なんだかんだで勢いはエロパロ版TOP20位に食い込む
いいスレだよ
しかし、この村なら竜に襲われても逆に返り討ちしそうだよなぁ……
オレの村を竜に襲わせる計画が……
>>675 いやいや。それはそれ、これはこれって事で何の問題もない
>>660 ハニーシリーズとか珍味の話とかもそうだけど、
飯の描写が旨そうなのも個人的ツボだったりする。
腹へってきた…
次スレどうする?
もう容量まずいんだか
>>677 485KBあたりになったらヒマ見て立てとくよ。
ルーキーズガイドだかで「モンハンスタッフは製作中、実によく焼肉を食いに行ってた」
みたいな事が書いてあったけど、あれ如実にわかる。
モンハンやってると肉食いたくなるよな
モンハン特別性媚薬というのを思い付いた。
リン(キリン)「はーい、じゃあさっそく作ってみましょー」
ナナ「はいはい、仕方ないから付き合ってあげるわよ。それで何使うの?」
リン「えーっと・・・材料は強走薬、強走薬G、栄養剤、栄養剤G、活力剤、増強剤、漢方薬、鬼人薬、鬼人薬G、硬化薬、硬化薬G、秘薬、いにしえの秘薬、狂走エキス、アルビノエキス、こんがり肉、こんがり肉G、ハチミツ、ホットドリンク、飛竜のフンだよ」
ナナ「お・・・多いわね・・・てか最後・・・
まぁいいわ、私は手伝わないから自分でしなさい」
リン「え〜?ひど〜い・・・まあいいや。じゃあ調合するね」
ナナ「失敗するんじゃないわよ。・・・ってあんた調合書忘れ・・・!」
ボカーン!!
ナナ「はぁ・・・んで?このヘドロ色で七色に点滅しながら泡がボコボコふいてる媚薬になる予定だった物体はどうするのよ?」
リン「・・・彼に飲ませたら効くかな・・・?」
ナナ「あんた・・・」
ドジッ娘キリンと、しっかりお姉さんナナという電波も受信したから並行して書いてみた。
>>664 あまりにGJ過ぎてランゴスタを斬る度にためらうようになったじゃないか! ありがとう!
1zがいくらとか少なからずゲーム補正入ってるんだから
ゲーム内だけでは分からないと思う
猫の飯は400z(だっけ?)で作れるし。
武器も実際あそこまで金かからんだろ、間違いなくゲーム補正
防具に鎧玉蒸着させる費用が元の防具より高くなったりする品。
それに、ギルドが総力あげても
追い込むのが精一杯の化け物を討伐して、飯100回喰えないてどうよ
ハンターも一日3食だとすると100÷3=33,33333・・・
で、一ヶ月分。リアルに考えると殆ど1z=1円、よくて2円。
が、あの豪華な飯が400円で食えるなんて思えないし(ドラゴンテールはドスで売却200z)
そんな化け物倒して36000円ってちょっと裕福なガキのお年玉レベルじゃないか
リオレイア討伐だと一週間喰えないし、飯代とか報酬金額とかかなり補正入ってるはず
シェン擬人化は難しいかねぇ……
中の人が居てもおかしくはないと思うんだが
>>684 ・つぶらな瞳
・常に何かにくるまってないとダメ
・動きはおっとり
・よくダダをこねる(鋏を叩きつける)
・天然系
・ところかまわずゲロを吐く
・ゲロは爆発する
・ところかまわず屁をこく
・屁の飛距離は弾道ミサイルクラス
・むしろゲロ=屁
・最強最大の攻撃手段にして防御手段こそがゲロ=屁
シェンガオレン?
中の人は何かの理由で人間化してしまった老山龍(ロリババア)で
シェンガオレンは以前負けたハンターに復讐する為に建造した巨大ロボットということにしてしまえば!
シェンガオレンを撃退しました
「うわーん、また負けたのぢゃー! 覚えておれよー!」
そして更に強力な巨大ロボ、アカムトルムを建造してですね……
ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'', / 時 .あ ま ヽ
ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{ | 間 .わ だ |
ヽ::r----―‐;:::::| | じ て |
ィ:f_、 、_,..,ヽrリ .| ゃ る |
L|` "' ' " ´bノ | な よ |
', 、,.. ,イ ヽ い う /
_ト, ‐;:- / トr-、_ \ な /
,./;:;:;:;:;: ヽ..,, あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
.,____.... _../:;:;:;:;:;:; ,. ヽ,,_..__ 『バケツ相手にダメ元で咆哮したら怯えていた』
,./.:.:.:.: .. .~~~ 、"" ,丿,/ ., ~ヽ,_,_,.,
.,/,,,,wWw, ::.:.:.:. . ヽ /,:: 丿 . .,__,,,........ ̄ ̄> な…何を言ってるのか解らねぇと思うが
,|.,W:::;;;;;,::"ヽ:. .W. ̄ ̄"" :~) ̄ ̄ ̄~" 俺も何が起こったのか解らなかった…
..|:{::::::,,,::::,,:::ミ) :::::: :::;;;;;ゞ,,;; ../
. ,|{::::::::;;;;;:..,,ミノ::::::: .,,,/"/ ヾ, .|.
"ヾ,M从w/,,,,;;;;::''''"~~|~:::丿 ,.| ↓
~~~~~ ,ノ_;;,,ゝ ..∠_;;,,ゝ
>>685 シェン「zzz・・・」
男「おい」
シェン「zzz・・・」
男「起きろよ」
シェン「・・・ぷ?」
男「もうすぐ夜だぞ」
シェン「おかえり(にぱぁー)」
男「くっ、にぱぁしてもだめだぞ!ほら!おきなさい」
シェン「夜は寝るもんですー」
男「今朝ご飯食ってからずっとねてたのはどこのどいつだ!」
シェン「あーうー(もそもそ)」
男「ほらっ!すまきになってないで毛布よこしなさい!」
シェン「やぁだぁー!やぁなのぉー!うっうぇええええええん!!やだやだやだやだぁー!!!(ばたばた)」
男「いでっいででっ!わかったわかった!だから泣くな!叩くな!かみつくな!」
シェン「ぐすっぐすっ」
男「はぁ・・・なんでこんなんひろっちまったんだろ・・・・」
シェン「zzz・・・」
男「・・・でも、寝顔かわいいよな・・・」
シェン「んー・・・(ころん)」
男「仕返しにチュゥしてやる・・・そーっと・・・そーっと・・・・」
シェン「(ぷぅっ)」
男「!!!!あwせdrftgyふじこlp!!クサッ!目!目がぁあああっ!!」
よくわからんくなってしまった
あれ?
なんか壊れてると出るな
くぱぁに見えた俺ダメ人間
そろそろ次スレ立てるよー
>>694 乙ガオレン
…スタイリッシュ系格闘型ガルルガ娘という電波を受信してしまった
>>694 乙ランポス
ガルルガは、全モンスの中でも「こいつを擬人化したらどんな姿になりそうか」
というのがまるで見てきたかのように鮮明に脳裏に浮かぶ(男版でも女版でも)
モンスターナンバーワンだなあ。個人的に。
ガルルガは男でも女でも可
>>696 ガルルガ、クックはあっという間に浮かぶよね。
むしろそのままドラゴンファkkウワナニヲ
「力尽きました…」
流れを超電磁ボールVの字切りして・・・
>>395-3966、
>>426-430の続き。
いくらか冷えてしまったが、それでも十分うまそうである。
ようやく泣き止んだ少女と朝食を摂ることにした男は
食器をかごから出し並べ始めた。
「これなぁに?」
木のスプーンで小ぶりな鍋をこんこん叩く。
「雑炊だ。衰弱したお前でも食えるよう、おカミさんが作ってくれた」
ほほぅ、とあんまり理解してなさそうな風で答え、
教えてもらったようにスプーンを握り、
具を掬って口に運ぶ。
「んー」と笑う。
「そういうときは”おいしい”って言うんだ」とゼオ。
もう一口入れ「おいしい!」と微笑む少女に、はは、と笑顔をつられた。
「わたし何でヒトになってるんだろ」と
こんがり肉に噛みついているゼオに唐突に聞いた。
がふがふ咀嚼し飲み込む。
「さあ。よくわからねえや。お前にこれ食わせたらそうなっちまった」
と、カバンを引き寄せドキドキノコを取り出した。
「・・・なんで?」そんなの食べさせたの。目が聞く。
特に理由は無い。
キーファはキノコを一口かじり、むせた。
じっと眺めていた男は特に何の変化の兆しの無いことを見届けると
おにぎりを頬張って、少女に言った。
「そういうときは”まずい”って言うんだ」
キーファは「まずい」と呟くとキノコを男に返し鍋の残りをかっこんだ
朝食を食べ終わり、食器をかごにしまい、
階下の台所へと返してきたゼオはそのまま今日の”仕事”の準備を始めた。
毛布に包まってベッドに腰掛けていたキーファは聞く。
「なにしてるの?」
ああ、とカバンの一つを整理していた手を止める。
「ここら辺のモンスターを追い払う依頼受けててな。
北から順に回って今日は西側を見てくる予定だ」
と答え、キーファの方を向き、「おとなしく寝てろよ」と言う。
「あと、俺がいない時は、この宿のおカミさんの娘の、
・・・えーとナキさんがお前の面倒見てくれるそうだ。
服もお古くれるってよ」少女の隣に座る。
長袖の毛皮の上着を羽織っているだけの少女の頭を撫でる。
「・・・髪も編んでもらえ。ずるずる長いからな」
そーかな、と自分の髪を指に巻いてあそぶ。
・・・こいつは何歳なんだろう
ふと疑問が湧いたけれど、果たしてキリンにとっての一年と
人間にとってのそれとの価値や感覚がどれ程異なるのか、
想像がまったくつかなかったので、思うだけにしといた。
「じゃ、夜までには帰ってくる」
と言い残すと立ち上がり、装備を背負い、大剣を担いで、
外套を巻きつけると部屋から出て行った。
夜。
帰ってきたゼオと夕食を摂った後、少女は今日の出来事を男に話し始めた。
ナキはとってもいいヒトだったとか、
自分の(折れてしまっているが)角を見て心底驚いていたとか、
元気になったら服をくれるだとか、
髪を褒められてバンダナで纏めてもらったとか、
「(髪を纏めてる赤いのはそれか)」
(民族的な刺繍が施された赤地をベースとしたバンダナで
少女の髪がうなじのところで留められていた。)
包帯を巻きなおしてもらった時に一体どうしてこんなキズを負ったのか聞かれた、とか。
後半は適当に聞き流して、
へぇ、ふぅん、ほお、はあ、そう、よかったな、などと相槌を打っていると
「・・・聞いてる?」気づかれた。
聞いてませんでした。
寝る前。お湯の入った桶とタオルを持ってきて、
自分と少女の体を拭いてやる。
ごしごし
「(・・・ずいぶんと直りが早いな)」
包帯を外して一糸纏わぬ少女の肢体を見て思う。
キズの半ば、主に浅いものの殆どがふさがっていた。
ごしごし
ひどい裂傷も縫うまでも無く、二、三日で直ってしまいそうだった。
ごしごし
「(キリンってそんなもんなのか?
まあ何にせよ直りが早いに越したこたないが)」
ごしごし
キーファがくすぐったそうに身じろぎをした。
・・・あのね」
とっとと寝ろよ、と少女をベッドに寝かし、自分は床に毛布を敷いて寝転がると、
少女が顔を覗いてきた。
「何だ」と起き上がると、ベッドの上で少女は正座をしてもじもじしていた。
「あのー・・・私、ゼオに助けてもらって、世話もしてもらって・・・」
そのー、と視線をあっちに向けたりそっちに向けたりしていた少女は、
真っ赤な顔できっ、と男を見据えた。
「お礼をっ」と言うなり服の裾に手を掛け、捲り上げ
ようとしてゼオにふとんを被せられた。
「気にすんな。助けたのは気の迷いみたいなもんだ」事も無げに言う。
うー、とふとんに包まり羞恥の唸りを上げるが、
知ってか知らずか男はぽんぽんと少女をはたくと
お前が早く快復するのが何よりだ、というと横になってしまった。
「じゃ、じゃあ、一緒に寝よ?」少女は再び声をかける。
「あ?」と聞き返され、もごもごと答えた。
「何か・・・その、悪いから。このベッド私にはおっきいし、
ね、私3人は寝れるよ!それに、ゼオがベッドで寝るべきじゃ・・・」
「お前はケガ人でしかもキリンのくせにやたら気を揉むなあ!」
起き上がって言った。
「キ、キリンのくせにって何さっ」言い返す。
「何でもねえよ。・・・それでお前の気がおさまるならいいけどな」
と起き上がり、毛布を抱えてベッドに座る。
「俺が壁際に寝るわ」とキーファをどけて寝転がり、
「ほら、入れ」上掛けを持ち上げて言う。
少女はおじゃましまーす・・・、と呟いてもぐりこむ。
何とか二人で寝れそうだ。
えへへ、と微笑み、少女は甘えるように男に寄り添い、その腕を抱く。
「・・・・・・」
ゼオはちらとキーファを見て、目を閉じた。
人肌を堪能して少女も目を閉じる。
と、「誰にあんなの教わった」ゼオが聞く。
びくっ、と予期していなかった発言に少し驚き、
「あんなの、て?」聞き返す。
「いきなり脱ぎだしたやつだ」男は横目で少女を見ていた。
「えーと・・・」
少女はもぞもぞふとんにもぐる。
「お姉ちゃんが・・・いたんだけど、ヒトに変身できるの・・・、
それでね、えー、お姉ちゃんが前にハンターに
助けてもらったことがあったらしくて、そのとき、
ヒトに変身して、そのー・・・えー・・・」
「それで?」促す。
「それで・・・あの・・・お礼に、『女』?を?あげたら、
とっても喜ばれたって・・・それで、よく覚えてないけど、
たしか手順では最初に裸になって、えーと、後は・・・何だっけ。
そんなかんじで、とりあえず何とかなるかな、て、
ゼオも喜ぶのかなあ、て」
ははあ、と男は頷く。
こいつの姉さんとやらが変なことを吹き込んだらしい。
いやしかし。
思考が別のベクトルを向く。
キリンの中にはやはり人間に変身できるやつがいるんだな。
こいつはできない、いやできなかった?できない?ようだった?が・・・
「わかった。もうそんなこた、しなくていいから」
「・・・うん」
と答える少女だが、彼女もいろいろ思考していた!
ヒトのカタチ→裸→『女』をあげる→男喜ぶ→
生殖行為では!?→初めての人がずっと一緒の人のハズ→
お姉ちゃんは浮気ものだった?→なんてことだ!
うー、と唸りだした少女に、男は声を掛ける。
「・・・なあ、キーファ、キズ、直ったらどうする?」
え、とふとんから顔を出し、男を見つめる少女。
「・・・どうしよう」
兄はもう死んでしまった。一人で旅を続けるのも正直心もとない。怖い。
答えない少女に続ける。
「それなら・・・村にこいよ。俺が面倒みてやるから。
村にならお前でも大きくなりゃ仕事も見つからなくもないだろうし。」
助けて、助けっぱなしはありえないだろう。
責任はとんなきゃならない(衣食住の点で)。と男は思っていた。
「・・・いいの?」
ぽかんとした顔を向ける少女の頭をがしがし撫でる。
「どんとこい」
ぱあ、と少女の顔が明るくなり、寝ながら抱きついてきた。
まあ、そんなかんじで、夜は更ける。
うへえ、アンカorz
おかしいな・・・予定よりずっと長くなっちまったぞこのシーン。
>ガルルガ
短髪 短気 ムチムチ ツンデレ スパッツ
という電波を受信した!
GJ!!
すごくいいんだぜ!
新スレにわりとみんな移動しちゃってるからそっちであげたげると喜ばれそうだぜ!
>>706 君にはGJ弾×99発を撃ってあげよう
キーファかわいいよキーファ
ガルルガ娘には短パンだと思うんだ
>>706GJ!
キーファのキャラが出てきて、ますます面白いっす!
でもオイラの中で『キーファ』って単語は、真っ先に『サザーランド』を連想しちまうw
前回までのおれとキリンとガブラ酒…
なんちゃっtうわなにをするやめくぁw背drftgyふじこlp;@:「」
GJ!
ガルルガ娘は…いな、かった、か?
…黒歴史ですかソウデスカ………
MH世界でなくてリアル世界観で擬人化したら
・整えられて居ないセミロング
・視力が悪いのか片目で物を見る癖がある
・八重歯
・引き締まった体付き
・無乳
・黒スパッツ
・蹴り技については玄人裸足
・直情即動、ちょっと頭悪いけど悪知恵は回るし口撃も激しい
・ツンクール
だと思うのだがどうだろうか!ガルルガ娘!
・巨乳ムチムチ
・罠を避けたりしてずるがしこい悪女
・アの時の声が凄い
ということでわかってます
まあ、ぶっちゃけサイズによって体型というかスタイルは変わるんだろうけどな。モンスター的に。
というか擬人化のイメージも人それぞれですな
確定してるのは多分レウス・テオは♂。バサルたんはロリ。くらいじゃないか。
黒ディアは♀。フルフルはチンコ。これも確定。
クックは先生。
>擬人化のイメージも人それぞれですな
だがそこがこのスレのいいところでもある
>>ガルルガ娘
何か物凄いインスピレーションが沸いてきた
俺の勝手なイメージでいいのなら書いてくる
で、一つ質問なんだが
今まで擬人化モンスターの相方(元から人間な方々)が使ったことの無い武器ってあったっけ?
全種類使ったのならムロフシにするが
全部の作品にきっちり目通してるわけじゃないからあれだけど、
双剣も目立つ形で使ってるキャラはそんなに多くないような…
見たかんじ、主役格キャラは太刀や大剣(時点くらいで片手剣?)・
サブキャラにボウガン使いが多いような印象だ
あ、よく考えたらガンスや弓も少なめかも。
ムロフシも確かに多くはなさそう
かりぴーは、使用キャラ数そのものは少ないけど
ハニーザホルンがあるから妙に印象が強いんだよな
>>719 "ロリババアな岩山龍"で主人公が最後のほうでめっちゃ超絶を振るっていた
読み応えのある戦闘シーンがあったなぁ…
たしかにボウガンや弓を使ってる主人公の話は数えるほどしかないかもしれない…
弓は「無限に出てくる矢」と「一回で大量に放つ矢」がSSとして曲者なんだよなぁ…
我はムロフシは確か見たことない気がするが
笛はあったん?
>>723 珍味の話で、主人公のおねえさんが中華鍋を使っていた
あのキャラも別に常時ハンマー専門なわけじゃないようだが
>>707-710 レスあんがとう!
そうか・・・新スレにも載せときまスよ。
ガンランスかっこいよガンランス。
関係無いが、女ハンターがハンマーやランスやら
エンシェントプレートやらデカイ武器振り回す様がツボなのは俺だけでいい。
じゃあヘビィボウガンでスタイリッシュガンアクションする女ハンターは俺が
>>721 また懐かしいものを
そういえばガンスって見た事無い気がする
男性ハンターが自分の立派なガンスを
元飛龍の女性に使っているのは見るがな
擬人化した大型モンスターのイメージの話題はよく上がる。
人間化した後に主人公とくっついてハンターになる、というネタもよく上がる。
その際、人間化した元大型モンスたちにピッタリの武器防具は何か、という話題はあまりない気がする。
クックさん → クチバシのイメージからハンマー?
レイアさん → 尻尾サマーから切り上げ上等の大剣?
モノブロスさん → 角から連想してランス?
みたいな? 他に何があるかな……
ババコンガさん→コヤシ玉、ペイントボール
スレ埋めついでの小ネタ。
ムロフシ相手にエロパロ書こうなんて、君達どれだけ勇者なんだ!
俺はキリンである。名前はまだない。付ける予定もない。
キリンはキリンでも、火山在住の所謂上位キリンと呼ばれるヤツだ。
つまり他のキリンとは一線と言わず三線くらい画す存在なワケである。文句あるなら防具無装備で討伐してみろ。
まあ、そんな俺だから当然ハンター達の格好の猟敵として、来る日も来る日も命を狙われているのである。
超絶双剣使いだとか、高橋名人だとか、実に様々な狩人が俺の特上皮と雷尾を狙ってやってくる。
だがしかし。俺とて一応は、幻と銘付された獣なワケである。
たとえ睡眠弾撃たれてボマースキルを発動させた大タル爆弾Gが目の前で二個ぐらい爆発しても、その程度じゃ負けやしねぇ。
つまる所で、俺を狩れるハンターなど存在しないのではないか、と。そう思ってしまってもおかしくない程度には、俺は強かったのだ。
―――――しかし、その男は、違った。
眼前に立ち塞がる、小柄な狩人。否。小柄というのも、身長だけを見た話だ。
筋肉。筋肉。筋肉筋肉筋肉筋肉筋肉。男の身体はひたすらに筋骨で構成されていた。
―――――まるで城砦。
体は筋で出来ている。血潮は肉で、心は甲骨。その全身に無為は無く。
ただ只管に鍛え抜かれた造形美―――――!
そして、男の手に握られた巨大な槌。龍を壊すると謂われる棍。
一撃で龍の眼を潰し、二撃で鼻を叩き折り、三撃目で脳髄を叩き潰すとさえ伝えられる、伝説の龍殺し。
全身を包む装具は、覇竜と呼ばれる怪物の堅甲から作られたモノだ。
何を言うでもなく、男は俺を見つめる。その口に、僅かな微笑みを湛えて。