【ドラマ】セクシーボイスアンドロボ2【マンガ】
つづき 3/3
「そんなしょっちゅう来れねーから、これ(封筒)先に」
「なんですか?」
「30万くらいで足りるか?」
「・・・名梨さん、本気で言ってるんですか?おやじがここにいたら殴ってますよ!
おやじが、もちろん僕も、どれだけ感謝してるか!
恩を返しをしたくてもマキナさんも名梨さんも、何処にいるのか分からないし。
だからここでずっと来てくれるのを待って革ジャンを作ってたんです。
僕はあの時、子供で何にも知らなかった!
後からおやじに聞かされて、
今の僕たちが在るのはマキナさん!名梨さん!あなたたちのおかげだと!
僕にあの時のお礼をさせてくださいよ!
今度は僕の作った革ジャンで、名梨さん!」
「そっかごめん、これは忘れてくれ!わるかったな広」
「いえ、革ジャンくらいでしかお礼できませんが」
「革ジャン屋が何言ってんだよ!最高じゃねーかよ!ありがとな。
それじゃ、寸方チェックとかあったらまた電話してくれよな?いつ来れるかわかんねーけど」
「僕が地蔵堂?へ伺います、マキナさんにも会いたいし。
おぉ!そりゃいいな!じゃっ待ってるからな またな!」
「ありがとうございました、それではまたぁ!」
バイクが去り、よっちゃんの消えた方向を見つめる広に女性店員が近寄り。
「あの人が名梨さんだったのね。
名梨さんが着てた革ジャン、お義父さんが作った物だったんだ」
「あぁ、
おやじは昔、マキナさんと同じ組織にいてね、仲間だったんだ。
でも母さんやオレたちを危険な事に巻き込みたくないのと、
大好きだった革ジャン屋を本業にしたくて組織を止めると決めて・・・
その時、マキナさんがいろんな人に頭を下げ、体を張って俺たちとこの工房を守ってくれたんだ。
名梨さんは、まだスパイの見習いでマキナさんの弟子だったんだ。
オレはそんなの知らなくてさっ、おもしろい兄ちゃんが来て遊んで、」
「兄ちゃんが来て遊んでくれた。何回も聞いたわよ、覚えちゃった」
「これはオレたち家族の歴史なんだ、子供ができたら話して聞かせるし、忘れちゃいけない」
「そうね、この子にも早く聞かせてあげたいわ」(お腹に手を当て)
「え?もしかして・・・」
帰って来たよっちゃんはバイクをねぎらう様にピカピカに磨き上げ、地蔵堂へ。
「ただいま戻りました〜、あれ?何で社長、そんなモン(カップラーメン)食べてるんですか?
カレーあったでしょ?」
「あぁ〜あれね、夕方、ニコとロボが来て全部食べちゃった」
「あいつら〜」
「見てたら、どんどん食べちゃうの。
何だか最近、ニコもロボに似てきたんじゃない?おいしそうに食べてたわよ〜」
「何か作りますよ」
「いいわよ、ニコとロボにコンビニ連れて行ってもらってこれ(カップラーメン)買って食べたから。
楽しいのねーコンビニって、また行こうかしら。
何やってるの?休みは明日の朝までよ!ボヤボヤしてていいの?」
「わかりましたっ!遊びにいってきます」
再び、地蔵堂の外へ飛び出していくよっちゃん。
「いい顔になってきたわ!あっという間ね、人の成長なんて」
おわり
GJ!
二話の革ジャン談義に
こんないい話があったと思うと見る目がかわるなー
よっちゃんといえば革ジャン
革ジャンといえばよっちゃんw GJっす!
GJ!
よっちゃんはいいなあ。
ハートフルで和む〜
GJ!
広ってピヨ吉かと思ってしまった‥!
よっちゃん、良いキャラだなぁ!
マキマキ昔から素敵だな!尊敬!
405 :
彩り 1/3:2007/08/30(木) 10:33:03 ID:JfLeDHTN
スレ埋めに駄文ではありますがコソーリ投下。エロ無しです。
∞∞∞∞∞
あーつまらない。味気ない。
仕事から帰って、食事してロボットアニメ観て。
いつもと変わらないのに何かが足りない。
まあ、それが何かは
「わかってんだけどさー。なあ、マックス」
ニコは昨日から修学旅行に行った。
お土産買ってくるからねーって笑顔で。
修学旅行って俺にとっては懐かしい響き。
でもニコにとっては今あたりまえのように過ごす高校生活のひとつ。
「10歳も違うんだからなぁ、俺とニコ」
ニコと再会してまた、つるむようになって
でも以前とは違う少し華やいだ気持ちが自分のなかに生まれてきていた。
別に毎日会っていたわけでもないし、何日かしたら
帰って来るんだけどニコがいないと落ち着かない。
電話してみようかなぁって携帯を握りしめてみる。
「いや昨日もしたし、迷惑だよな……」
ただニコの声が聞きたいんだ。
ニコ。
少しは俺のこと思い出してくれてる?
言ってみようかな『好きだよ』って。
ヤバイかなぁ、それって。ニコが困る?
でもさぁ、なんとなく…なんとなくなんだけどニコも俺と同じ
気持ちなんじゃないのかなぁって。
ロボットだけの世界にニコが入ってきてそれが当たり前のようになってて。
だからそこにニコがいないととたんに景色が変わってしまう。
「あーっ!ロボのお土産、間違えて社長とよっちゃんに渡してきちゃった」
「俺の土産を?」
「うん、奮発して他の人より高いやつ買ってきたのに!失敗した〜。ゴメンね」
申し訳なさそうにニコは言った。
いいんだよ。 そんなこと。
ニコの顔が見れたんだから。
ニコの存在に彩られる俺がいる。
406 :
彩り 2/3:2007/08/30(木) 10:35:45 ID:JfLeDHTN
ロボがおかしい。
おかしいのは今に始まったことじゃないけど。
帰ってきてから一緒にいるとロボの視線をやけに感じる。
それに気付いてロボのほうを見るとニッコリ微笑む。
それがとびっきりの笑顔だからこっちもうれしいんだけどさっ。
会えなかった間、毎日電話をくれた。ちょっとびっくりしたけど。
ホントはあたしもロボの声が聞きたくて電話したかったけど
なんだか気恥ずかしくってメールだけいれてた。
ロボ。
もしかして、あたしがいなくて寂しかった?
あたしに会いたかった?
あたしが『好き』って言ったら、ロボどうするかなぁ。
人を好きになるとなんでこんなに欲張りになってくるんだろう。
また出会えて傍にいられることがうれしかったのに今度はその人の気持ちが欲しくなる。
あたしだけを見ててほしい。 ロボの色に染まりたいって。
「ねえ、ロボ。またロボット増えてるよねぇ……?」
「あっ、わかった!?」
そりゃあ、ロボん家入り浸ってんだから、わかるよ。
「で、ロボットアニメも飽きずに観てるわけか」
「えーっ、飽きるわけないじゃん!おもしろいのに」
「おかげであたしも、ロボットに詳しくなったよ。
マックスロボ以外のロボットアニメの歌覚えちゃったし」
うんうん、いい傾向だなんて言ってロボは頷いている。
これってロボの色に染まるっていうより
ロボの好きなもの(ロボット)に染まってる感じ?
「アハハッ」
あたしはなんだかおかしくなって笑ってしまった。
「どうしたの、ニコ?」
急にあたしが笑いだしたのでロボは面くらったみたいだった。
「ううん、なんでもない」
「ふーん。 あっ、そうだニコ。今度の日曜日、公園行かない?
バージョンアップした萌えモン、ニコに見せてあげたいから」
「うん、いーよ」
ロボは楽しそうだ。
今はそれもひとつの幸せかな。
ロボと同じものを見て、感じて傍にいる幸せ。
いつかロボにもあたしを感じてあたしの色に少しでも染まってくれたらうれしいなって思った。
407 :
彩り 3/3:2007/08/30(木) 10:39:02 ID:JfLeDHTN
日曜日。朝からの曇り空が本降りになってしまった。
ニコは窓から外を見ていた。
「残念だなぁ……(デート気分だったのに)」
いつもと同じロボの部屋にふたりはいた。
「ん、これうまい!」
ニコが作ってきたお弁当をロボは口に運び言った。
「ありがと。でも、ロボのほうがうまいじゃん、料理。今度はロボが作って」
「えーっ、やだ。俺、ニコが作ったのが食べたい!ニコのがいい!」
真面目な顔で言われ、ニコはうれしく思いつつも
「そ、そんなに言うんだったら作ってやってもいいけどっ」
照れ隠しにぶっきらぼうに答えた。
顔が熱い。こんなことぐらいで反応しちゃダメだよ〜あたし。
そんなニコを楽しそうにロボは見つめていた。
「俺ねぇ、今すっごい幸せなんだ」
「えっ」
その言葉に彼のほうへ視線を向ける。
「ロボット達がいて、ニコがいて……大切なものと一緒にいることが」
「ロボ……」
「もう、誰も置いて行ったりしない」
ロボへの想いで胸が熱くなる。
「あたし、ずっとロボの傍にいていいの……?」
「うん。いて。いてくれなきゃ困る」
まっすぐにニコを見つめる。
「ニコがいないと俺のまわりの景色が変わる。
これからすべて真っ白な状態からいろんな色をつけて行こう。
楽しいことも悲しいことも俺と一緒に」
「あたし、あたしも……」
胸が一杯でうまく言えない。
心配そうにロボが覗き込む。
「あたし、もうロボの傍を離れない」
想いがこみあげてくる。
「あれーもしかしてニコ、泣いてるー??」
「バ、バッカじゃないの!違うわよっ。ちょっと目にゴミが入ったの!」
とそっぽ向く。
ロボはふーんといった感じでニヤニヤしながらニコを見つめている。
「もーホントにニコは…可愛いんだから〜」
ニコを引き寄せ抱き締めた
「えっ、ちょっ、ロボ!?」
突然のことに驚いたニコだったがそのままロボの熱い鼓動を心地よく感じていた。
「ニコが好きだよ」
「あたしもロボが好き」
∞∞∞∞∞
終わり
の、覗いて良かった……(ノД<)ぐ、GJ!
ツンデレニコがカワユス
ツンデレニコは萌えるなー
ロボも可愛いくてしかたないでしょ
GJでした!
>>405-
>>407 GJ!
ニコがツンデレじゃなくてめちゃめちゃ
甘えまくったらロボどうするんだろうな〜w
>>379で一旦切るつもりでしたがまだ大丈夫そうなんで1作品投下させて下さい。潜入編プラスキスごく微エロです。
*******
地蔵堂に社長達が帰って来てから2ヶ月が経とうとしている。
ニコは夏休みに入ってからロボの部屋か地蔵堂の店番をしながら勉強している
日が多くなった。
「遊ぶのにもそろそろ飽きちゃったのー」
なんてワガママな社長に付き合って、再びよっちゃんこと名梨もスパイ稼業に
逆戻りだ。
「ねえあなた達、そろそろ仕事引き受けて貰っていいかしら?」
8月の初めのある日、2人は真木名に呼ばれて依頼主に引き合わされた。
真木名の古くからの友人であるという初老の男性と、20代半ばの女性。
「今度こちらのお嬢さんが結婚なさるの」
「ええっ!いいなあ〜」
「おめでとうございます」
しかし当の本人は浮かない顔で俯いている。2人はまるで葬式に晴れ着で来て
しまったような気まずい雰囲気になった。
「それがねえ、あんまりおめでたくないのよねぇ」
「何がですか?」
ニコの質問に答えるよりも、地蔵堂社長としてはビジネスの方が優先らしい。
「この結婚、ぶち壊して欲しいのよ」
2人は思わず顔を見合わせた。
「私好きな人がいるんです。だから本当はこんな結婚嫌なんです!」
彼女には20近く年上の、それも父親の部下である恋人がいるのだという。
「年老いて出来た娘をなんであんな年上の男にと思ったが、奴のような野郎の
バカ息子に渡す位なら。娘に好きにさせてやりたいんですよ」
男性は裏の世界じゃ知る人ぞ知る人間で、その名を聞けば震え上がるほどの
最高の組織のトップであるらしい。
「でも、あなた程の方ならそんな事簡単にできるんじゃないんですか?」
ニコがそう言うと男性は
「昔の話だよ」
と自嘲気味に笑って溜息をついた。
「ある幹部の不始末で大損食っちまって、その穴埋めのために金と力を奴に借りた
のが全ての間違いだった。奴が欲しいのは今は名ばかりとは言えこの組織の
器と長年やってきたお陰で培った裏の人脈……まあ、腐っても鯛といった所か」
ニコはあまりの重そうな話にその場からサッサと逃げ出してしまいたかった。
だけど哀しそうな彼女を見てると何だかこっちまで切なくなってきてしまう。
「ようするに、お嬢さんも弱みの1つってわけですね?」
ニコが聞くと父娘は黙って頷いた。
「好きな人とは一緒になりたいもんね……あ、その顔は!ニコやるの?」
「だって、その人と結婚したいんでしょ?あたしだってわかるよ。そんな気持ち」
そう言うとロボは黙って微笑んで、テーブルの下でそっとニコに自分の手を重ねた。
「じゃあやるのね?そうと決まれば……よっちゃん!」
「はい社長。おう、ニコこれ目通しとけ」
名梨が数枚の書類を渡した。
「お嬢さんのプロフィールだ。頭に叩き込んどけ」
書類に目を落としてみる。
『佐蔵聖子・24歳』
他は趣味や出身校まであらゆる情報が書かれてあった。
「せいこさん、ですか?」
一応確認しておこう。
「いえ、しょうこ、と読むんです」
少しだけ、懐かしい響きにニコの胸がちくんとした気がした。
「で、何のためにこれをニコが?」
真木名はロボを見て意地悪な笑いを浮かべた。
「代わりにニコに結婚して貰うのよ」
「冗談じゃないよお〜〜っ!!何で俺以外の男にやんなきゃなんないんだあぁ!」
部屋に帰ると名梨からの指示で作業をしながら、ロボは悔し泣きに涙を
拭っていた。まあよく涙が出る男だとニコは思う。
「仕事だよ。お芝居なんだから!」
「だって、もし間に合わなかったら?」
「そうならないように、ロボとよっちゃんがいるんだよ」
その計画とは、式の直前にニコと花嫁が擦り替わり彼女を逃がす。
ニコが顔を隠して式に出席し、そこでロボと名梨が騒ぎを起こしてその隙に
逃げることになっている。
「リハーサルだと思えばいいじゃん」
誰かを幸せにするために手を貸してあげられるのなら、そしてそれを自分が
できるのなら。
「ねえロボ。これはあたし達にしか出来ない事なんだよ?あの人達を救えるのは
宇宙でロボとあたしだけなんだから!ね?」
「……宇宙とか言われたら、ときめくじゃないかもう!」
ぐっと顔を突き出して、
「ニコにもね」
「なんか火薬臭いってば」
そんなの気にしない、ってキスをせがむロボの鼻をニコは思いっきり摘んでやった。
いよいよ当日、朝早くから遠出してニコは眠くてたまらない。
「ふあー」
「花嫁が緊張感ねえなあ。色気もねえけど」
「ほっといて!」
だが名梨にからかわれたお陰ですっかり緊張が解けてしまった。本当は夕べ、
まともに眠れやしなかったんだから。
「それにしても随分遠くまで来ちゃったね〜。ちょっと走れば伊豆じゃない?」
多分あの日の事を思い出してるんだろうロボと目が合って、ニコは思わず微笑んだ。
「あのー取り込み中すんませんがねえ、着替えて貰えますう?」
名梨のツッコミに慌てて衣装箱を出す。
とりあえずトイレを探そう。
控え室の階を行き交う人に紛れて歩いているうちに、ある部屋の前で足を止めた。
『……だからさ、もうちょっとの辛抱だからよ。俺がお前以外の女と本気で
一緒になるわけないだろう?』
誰かと電話で話しているようだが、他に人がいなさそうな所をみると聞かれる
とヤバい話らしい。
何気に控え室の名前を見、ニコの何かがプチっと切れた。
「まあ、綺麗な花嫁さんですこと」
控え室では俯いたままひたすら祈るようにしている花嫁と、苦虫を噛み潰した
顔の父という、とても晴れの日とは言い難い雰囲気に包まれていた。
そこへ1発の爆音が響いた。
『従業員は直ちに安全の確認を!お客様は部屋から出ないで下さーい』
その声にその場にいた従業員は慌てて部屋から出て行った。
「一体何を……?」
呆然とする父娘の元へ若い女性従業員がやって来てドアを閉めた。
『早く!聖子さん、あたしと服換えてください』
「えっ?あ、あなた……」
その若い女は笑いながら言った。
「さっきの声はあたしです」
父娘は顔を見合わせた。
「これがあたしの特技なんです」
その頃エレベーター前には
「危険だから停止中!階段を使って下さ〜い」
と作業着姿の背の高い男、箱の中では
「おい、ちゃんと一気に1階まで動かしてくれよー?」
と髭面の男が待機していた。
** 数分後 **
「お騒がせしました。大した事はなさそうですので……では、参りましょうか」
『はい、行きましょうお父さん』
父に手を差し出すと、ヴェールの下で花嫁は小さく微笑んだ。
ヴァージンロードを歩きながらこっそり辺りを見回す。
参列客の中に長身と髭面の2人を確認すると、慣れない足下に神経を集中させる。
大丈夫、うまくいく。
誓いの言葉に反吐が出そうになりながらも、花嫁は
『誓います』
と精一杯の宣誓をする。
横に立つだらしない顔の小太りの花婿を、ムカつく気持ちを抑えながらこっそり
と睨み付ける。
「(誰がお前なんかと……)」
いよいよその時が来てしまった。
「では、誓いのくちづけを」
嘘の誓いを立てた花婿の手がヴェールに伸びようとしている。
今だ!
「あれ……?」
うっそーー!話が違うじゃん!!
ヴェールの下のニコの額に汗が滲んだ。
ロボは慌てて隣りにいる名梨の肩を掴んで小声で揺さぶった。
「ちょっと、どういう事よ?話が違うじゃん!!」
「何だよ、作ったのお前だろうが!?おっかしいなリモコン効かねぇ……」
ポケットから取り出す。
「あ、ほら俺慌てん坊さんだからさ」
「バッ、バッカじゃないのおぉ〜〜!?」
和紙に包まれた紅白饅頭は名梨の手汗でヤワヤワである。
「うわあぁ〜、ニコ、ニコが」
その時名梨がロボの手に何かを握らせた。
「何コレ?」
それは小振りのナイフ。
「いいかよく聞け。今からお前はニコの脇腹の薔薇を目掛けてこれを刺せ。その
騒ぎに紛れて俺は親父さんを逃がすから」
何を言い出すんだと耳を疑った。俺にニコを殺せと言うのか?
「よっちゃん!何考えてんの?」
「いいから言う通りにしろ!いいか、刺して倒れたらニコを抱えてそのまま
車で逃げるんだ。いいな?」
「そんな」
「見ろよ」
促された目線の先には必死でヴェールを上げられまいと、慣れないドレスで
体を捩らせるニコの姿があった。
「迷ってる場合か?」
握り締めたナイフが汗で滑り落ちそうになる。
もう限界だ。これ以上時間は稼げない。参列客もざわつき始め、誓いを挙げた
夫(ゲッ!)は完全に苛立っていた。
その時
「どけぇーーーーっ !」
とその手に何かを光らせて走り迫る者がいた。
花嫁はその前に身体を翻すと、男にしがみつきながらその場に倒れた。
ドレスの脇腹の白薔薇の飾りが紅く染まりゆくと、周囲から悲鳴が挙がった。
「ど、どけ、誰も近寄らないで……くれ」
顔面蒼白のままの男は花嫁を肩に担ぐと、ナイフをかざしながら出口へ向かう。
「に、逃がすな!」
新郎側の席からいかつい男達が数人立ち上がる。
「おっとお、そうはさせるかってーの!」
別の男が花嫁の父の側に駆け寄りながら
「これでも食らえ!」
と何かをそっちへ向けて投げ付けた。
「うわあ、何だ!?」
「ガスか?」
式場は一瞬にしてパニックに陥った。
「ただの煙幕だっつーの!」
混乱の中、花嫁とその父は姿を消した。
暗くなり始めた空の下ひたすら車は走り続け、やがて静かに停まった。
運転していた男は、助手席に眠る真紅に染まったウエディングドレスの花嫁を
そっと抱き寄せると号泣し始めた。
「ニコ……ニコぉ、俺はっ……ニコが死んだら生きて行けないよ」
「それ本当?」
「うん……えっ?」
顔を上げると
「あー疲れた!死ぬかと思った」
とヴェールをむしり取るニコがいた。
「で、で、出たあ〜〜〜〜!?」
「ロボ、ちょっと、ねえってば」
大の男の物とは思えない悲鳴をあげて、狭い車の中で暴れまくるロボがいた。
「一体どういう事なのさ〜?」
ロボは、思いっきり『正気に戻れ!』とニコにひっぱたかれたのが相当痛むの
か、しきりに頬を撫でている。
「敵を欺くにはまず味方からって言うでしょ?」
つまりはこういう事だった。
式場ではニコが特技の声色を使って式の誓いを立てる。(顔はどうせ良く見え
ないし)
誓いのくちづけを合図に、名梨がリモコンで仕掛けてあった爆弾を使って
会場を混乱させる。その隙にニセ花嫁はロボと共に逃げ出す筈だった。
もし万が一失敗した時のための予備として、前日に名梨から言い渡されたのが
今回の作戦だった。
予めドレスの脇腹に仕込んであった血糊をロボが刺したというわけだ。
「花嫁がストーカーに刺されて死んだらしょうがないもんねー?」
「俺って……orz」
しょげ返ったロボが可愛く思えて、ニコは首に腕を回してキスをした。
「……俺のご機嫌取ってるのかな?」
「ううん、誓いのキスのやり直し」
しわくちゃのドレスのままで交わした2人だけの誓いのキスは、なかなか
途切れはしなかった。
【一方その頃】
「ったく冗談じゃねえぜ!……籍入れる前に死にやがって。佐蔵のじじいも
どこに行きやがったんだ?」
控え室では『ストーカーに花嫁を殺された哀れな花婿』が、イライラと煙草を
吹かしていた。
「くそう……パパに言われなきゃあんな女と結婚なんかしなかったんだ!くそう!」
ともかく腹は減った。テーブルの上に置いてある紅白饅頭に手を伸ばすと、何か
硬い物を掴んだ。
「あ?なんだこれ」
丁度掌に納まる丸くて黒いそれを何気に眺めると、ボタンがある。
人間という物はついこうせずにはいられない、という本能があるようで。
そのボタンをふとした魔がさしたその瞬間に指がつぶし、本来なら今頃披露宴
が行われる筈だった場所で爆音が響いた。
「つまりね、あの男にも恋人がいて、聖子さんに結婚後保険を掛けて殺した後、
その女とお金持って逃げるつもりだったんだよ」
「酷いね〜!」
彼女だって望まない結婚だったのに。ニコはそれを偶然聞いてしまって怒りに
震えていたのだ。
「だからよっちゃんに話して、小型カメラと盗聴機を頼んだの」
「いつの間に……てことは、そこに忘れて来たのかな〜?本当慌てん坊さん
なんだから!」
多分今頃父娘を恋人の待つ場所へ送りながら、派手にくしゃみをしているに
ちがいない、と2人は笑った。
「へーっくしょい!」
「大丈夫ですか?」
「まさか儂の身柄まで……聖子達だけは無事にと思ったが」
「よして下さいよ。俺は……俺達はプロフェッショナルですよ!それに社長命令
は絶対っすからね」
いつものテーマを口ずさみながら、車は夜道を走り続けた。
ドレスを着替えると車の外からロボが呼んでいる。
「なあに?」
「見てごらん」
見上げるとそこには綺麗な星空が広がっていた。
「わあー、こんなの初めてだ」
「今度は俺の田舎で見せてあげるよ」
「うん……」
草原の真ん中で、ロボが敷き物を広げた上に2人は寝転んでしばらく空を眺めた。
ふいに電話が鳴った。
「もしもし?」
『あなたはニコさんですね?』
この声。ニコは聞いた事がある、と思う。
「あの……どちら様ですか?」
いきなりの出来事に密かに胸が高まっていった。
『今彼女も会長も無事に着きました。ありがとうございます』
ああ、彼が恋人だったんだ。
「お幸せに」
そう告げるとロボにもよろしくと言って電話は切れた。
「何?」
「うん、あのね……」
昔ロボと成り行きで伊豆へ行った事があった。その時の間違い電話の主は、
またこうしてちょっとだけニコの人生に関わった。
「そっか、無事だったか。幸せになれたらいいねぇ」
「聖子さん達きっと幸せになれるよね?」
この空の下にいる、もう1人のあの人に想いを馳せる。
「大丈夫だよ。あの人はきっと自分で幸せを見つけられる人だから」
ニコは驚いてロボを見た。
「ニコの考える事位わかるよ。俺達は2人で幸せになろう」
満天の星空の下2人は抱き合ってキスをした。
「このまま溶けてしまいたい」
「ニコ、俺もだよ……愛してる」
ニコは、ロボの肩越しに見える空に吸い込まれそうな気がしながら身を任せる。
「ロボ……あたし後悔しない。何があっても」
「俺も。ニコは絶対守るから」
ロボの手が胸を這う。
「なんか恥かしい」
「大丈夫……お星様しかいないから」
「……ぁ」
輝く夜空の下で求めるままに2人は愛を確かめた。
「夕べの内に3人とも無事に海外へ脱出したわよ」
翌日2人は地蔵堂へ報告に行った。
組織は既に解散。バカ息子は爆破したのが新婦席だったため、殺人未遂の疑い
でもしょっぴかれて、自分達の組織の危機にそれどころじゃないらしい。
警察に社長の繋がりで例の盗聴テープも渡っているから、事を荒立てたく
なければ向こうで勝手に片付けるだろうとの事だ。
「で、報酬なんだけど。随分目茶苦茶にしちゃったのねぇ?」
「は?」
「だって今回の報酬、そのドレスだったのよ」
2人は顔を見合わせた。
「こんなの2度と着れないじゃん!」
ズタズタのドレスを眺めながら溜息をついたが、何だか気分は悪くなかった。
「よっちゃんは?」
ロボが聞くと
「ああ、よっちゃんはノルマ未達成なの」
と先輩スパイは表で紅白饅頭を売らされていた。
「でもニコ綺麗だったよ?俺にとってはあれが報酬かな〜、なんて」
「幸せだな、ロボは」
「ニコも幸せにするよ。きっと、必ず」
病める時も健やかなる時も。
いつかロボと本物の愛を誓いたいと昨夜の星空にニコは思った。
だが思わぬ事が起こるのも人生で……。
*******終
おお〜!スパイだよ!
ニコ、かっこいいなあ〜。ロボは相変わらすだけどw
GJでした!!
GJです!
ドラマ本編でみたいくらいだこんなスパイ物
よっちゃんの紅白まんじゅう食べたいww
そろそろ次スレ移動ですか。まだ、早い?
ある日 1/1
エロなし・恋なし、ごめんなさい。
時期はドラマの8話より前の話。
「おじゃましまーす」
「おう!ニコか何かようか?」
「別にヒマだったから寄っただけよ」
「用がなきゃ来るなとは言わねーが、ここは一応スパイの本部なんだぜ、
もっとこうなんてーの?こう、な?あれの〜」
「よっちゃん、何にもないなら無理しなくていいよ」
「お!ゆうね〜」
「でも、マジメな話ここ(地蔵堂)って近所の人達からどう思われてんだろうね〜」
「ん?ニコお前、何気に鋭いじゃねーか。
実際ここに何年だ?ひぃふぅみぃの・・・わかんね、まぁけっこう長いコトいるけどよ
今だにオレから挨拶しねーと目も合わせてくれないんだぜ」
「ははは、そりゃーよっちゃん、いい人に見えないもん!」
「よっちゃんだぜ!こんな年してちゃん付けで呼ばれてる奴に悪い奴いるかぁ?」
「名前はともかく、初めてあった頃『オレがいい人にみえるか?』って私にのど輪かましたんだよ、女子中学生にぃ」
「それは強いものには弱く、弱いものには強く出るというオレの生き様が現れた心温まる・・・、すまんニコ許してくれ」
「まぁいいや、それに客層だって問題だよ」
「客の何が問題なんだ?」
「だって、私がここに来るようになった頃から考えても、
客のメインが殺し屋だよ!しかもみんな手ぶらで帰るし、何であの店潰れないんだろうってみんな不思議がってるよ。
一回はロボの車が壁突き破ってさぁ」
「しかたないだろ!客は選べねーんだよ。
その客が骨董品買ってかね−んだからよ、依頼のついでに壁掛け時計くらい買っていけよ!ったく。
そうだ!壁付き破った車にお前も乗ってただろうが、このやろー」
「えぇ!あの後、壁直すの手伝わなかったっけ(おろおろ)」
「とぼけやがって、ロボは車バックしてそのまま帰るし、お前もポーッとしてフラフラ歩いて帰るし、
近所の連中は壁の穴からこの時とばかりに覗くし、大変だったんだぞ」
「あぁ、ごめん」
「あの時はほんっと辛かったなぁ・・・、お!そろそろ社長が帰って来る頃だな、え〜と」(話ながら台所へ)
「そうだよ!社長のイメージが地蔵堂そのものなんだよ!
なんか、ぱっと見、綺麗でやさしそうなんだけど怪しくてさぁ、!!(誰?)」
「怖くて・意地が悪くて・人使い荒くて・金数えてる時の顔がすごくて」(ニコに聞こえるように大声で)
「楽しそうな話ね〜わたしもまぜて貰おうかしら」
「ひぃーしゃっちょー、いつのまに」
(ニコは耳がいい、逃げ足も速い)
「あいつ〜、オレに恨みでもあるのか?ちくしょう」
「よっちゃん、どーしたの?もう終わり?」
「すみません、終わりたくありません。オレは終わりたくないです」
おわり
ニコの鬼ぃ〜!w
GJ!
>>420 この様子ではまだ大丈夫なのでは?
SS長編は微妙かな。次スレがいいかも。
500KB越えたら完全に書き込めなくなるの?
425 :
明日:2007/09/02(日) 22:12:53 ID:Zsw3ZGcL
明日から学校だ('A`)
誰か元気になる呪文を教えて(速急で)
426 :
明日:2007/09/02(日) 22:22:14 ID:Zsw3ZGcL
あのできれば、三日坊主が好きだったあの詩を教えて(おまえの額には、ふとあせが見えるとかなんとかというやつ)
((<(・∀・)>バテレン
<(・∀・)>))レンコン
<(・∀・)>トマトハ
(・∀・)/マーックス!
(・∀・)/~ガンガレ〜
…ゴメン
>>426 これかな?
お前には不意に明日が見える
明後日が・・・・・
十年先が
脱ぎ捨てられたシャツの形で
食べ残されたパンの形で
お前のささやかな家はまだ建たない
お前の妻の手は荒れたままだ
お前の娘の学資は乏しいまま
小さな夢は小さな夢のままで
お前のなかに
そのままの形で
醜くぶら下がっている
色あせながら
半ばくずれかけながら・・・・・
世界 1/3
ニコとロボ、二人のスパイとしての成長を想像してたら、こんな話になりました。
ちょっと補足。
三年後、地蔵堂が帰って来たのを知ったニコはロボとスパイに復帰しました。
離れていた間も二人は自らの心の中に相手を感じ、すごしていた。
そんな二人に再会の機会を与えてくれた地蔵堂とスパイという危険な仕事。
二人には見えてなかった、再会の喜びとわずかの経験で得た自信(油断)という名の霧の向こうにあるプロの世界が。
スパイを再開し、更に一年(再会から四年後)。
「あなたたち出て行きなさい!!それから二度とここには来ないでちょうだい!」
「そりゃ社長、いくらなんでもいいすぎじゃ」
「よっちゃん、あなたは黙ってなさい!」
「さぁ!はっきり言われないと分からないの?
あなたたちは、クビよ!!聞こえたでしょ出て行きなさい!!」
ニコとロボは社長のあまりの激昂ぶりに何も言えず地蔵堂を飛び出した。
「あの社長、二人も反省して〜」
「よっちゃん!!おねがい、一人にして」
「・・・、わかりました。上(自室)にいます、何かあったら呼んでください」
「ロボ、どうしよう?まさか社長、あんなに怒るなんて」
「わからないよ!オレだって!!どーしたら・・・」
事の発端は、先日に請け負った地蔵堂の仕事。
当初、この仕事はごくありふれた探し物の依頼であったはずが、それを狙う別の組織が介入し
ニコとロボは何の準備もないまま巻き込まれその組織に捕らわれた。
その際、ロボは手に入れた品物をニコの命と引き換えに渡してしまい、二人は助かったものの当然仕事は失敗。
そして、二人はクビに。
三日後。
「あの二人どーしてんのかなぁ」(独り言を装って社長の反応をみる)
「しばらくはションボリしてるだろうけど、そのうち忘れるわよ」(あっさりと言い放つ)
「クビ宣告は撤回しないんですか?」
数秒考え、
「四年前、三日坊主の前に立ちふさがった不思議な女子中学生、その彼女の横で震える大男をみて
スパイを育てたくなったの、かつての私と彼のようなコンビをね。
あの二人は一度離れ離れになった事で、お互い会えなくなる事への恐怖が知らず知らずの内に大きくなって
最後の状況ではそれが何事にも勝ってしまうのよ。
それが露呈したのがこの前の仕事。
「あのレベルの仕事であんな状況になるとは誰も想像できないですよ!」
「でも、そうなった・・・
全部、私が悪いのよ。私の好奇心であの二人をこの世界に巻き込んだ。
今なら、まだ間に合うわ。
これでいいのよ、さみしいけど。 ねえ、よっちゃん」
「しゃちょう・・・」
一ヵ月後、地蔵堂店内。
数メートル先で銃をかまえる男に気付かない程、ニコとロボとの別れは二人の仕事感を鈍らせていた。
つづく
つづき 2/3
「あなた!?」
「てめぇ、なんで?おとしまえ付けただろうが!」
「いえね、この一ヶ月どーしても気が治まらなくてねぇ、
来ちゃいました、殺しに」
銃をかまえる男は、一ヶ月前ニコとロボが失敗した仕事の依頼主だった。
「そちらのスパイがヘマをして奪われたブツは返してもらいました。
良い人ばかりでスンナリ返してもらいましたよ、まるで寝ているみたいで。
それでこちらにもお礼をしないと失礼かと思いましてね、参った次第です。
それではそろそろ〜」
ドッオーーン、ガンッ
四年前、同じ事がありました。
「そっち!」
「おぉ!」
地蔵堂の壁を突き破り飛び込んできた車から女子高生と大男が飛び出し、
女子高生は男が手放した銃を奪い、大男はその男を押さえつけ手と足を縛り社長の前に放り出す。
その直後、男の仲間が店内に駆け込んでくるが女子高生がすばやく近寄り銃を突きつける。
「ニコ!ロボ!」
「あなたたち、どうして?」
「私たち、スパイを止めたくなくて。
二人で相談して、この仕事やり遂げようと思って依頼品を奪った組織を調べてたんです。
そしたら、この人達がやって来てその組織の人達を殺して依頼品を奪って、
帰りぎわに『次はマキナ社長を殺す』って言い出して、こうなっちゃいました」
「・・・そう、よっちゃん」(社長が目で指示を出す)
「はい!」(二人目の男を拘束し並べて座らせる)
「助けてもらっといて何だけど、あなたたちはクビにしたはずよ。
後でお礼はさせてもらうわ、今日は帰りなさい」
「社長!そりゃあんまりじゃ」
「社長!オレたち考えたんです。社長が何故、オレたちをクビにしたか。
オレとニコはとても絆が深い、それはオレたちの強みであり一番の弱点です。
それがあの時の仕事でイヤッっていうほど思い知らされた。
社長はオレたちが離れ離れになる前に、普通の世界に戻して苦しまないようにしてくれたんでしょ」
「でも社長?私たちはもう地蔵堂のない、社長もよっちゃんもいない世界になんて帰りたくない
クビになんてしないで下さい、おねがいします」
「ニコ、それにロボ、あなたたちの言いたい事はとてもわかるわ。
でも、またあの時と同じ状況になったらどうするの?」
「あんな事には二度となりません!今後どんな仕事も油断せずやります!」
「私も二度と捕まったり、失敗しません!社長!」
「オレもこいつら一生懸命フォローしますんでっ社長!」
「・・・口で言うのは容易いものよ、大切な人を失って後悔するのはあなたたちなのよ」
「口だけではありません!、ニコ」(おちついた口調でニコを呼ぶ)
(そう言うとロボは左手を広げて挙手をするように顔の高さに上げる)
「いくよ、ロボ」(何かを悟り、緊張を押さえ込むようにおちついた口調で)
バーン
「あ”あー」(ニコは奪った銃でロボの左手を撃ち向いた)
「ニコォ!!おめぇ何やってんだー!」(信じられない光景に動けない)
つづく
つづき 3/3
「ロボ(ロボの流血・よっちゃんの怒鳴り声を無視し淡々と銃をロボに手渡す)、
いいよ」(ロボから数歩離れ、ニコも小さく震える右手を上げる)
「やめなさい!!(今まで聞いた事のない大きな声でマキナが怒鳴る)
よっちゃん!ろぼを○○先生の所へ、早くっ!」
「はい!」
「ちょっと待って!よっちゃん、
社長!どーしても、どうしてもダメな時は!オレがニコをころ・・・」
「バカな事言ってないで早く病院行きなさい!」(ロボの声を掻き消すように)
ロボとよっちゃんのいなくなった店内で
「(パチン、ニコをビンタする)ニコ、なに考えてるの!自分の手を打たせようだなんて!
こんなに震えてるじゃない、女が自分で自分の体にキズを付けるなんて絶対にダメ、わかった?」
「はい、・・・ほんとはナイフで手の平を切って証明しようと思ってて、」(社長の顔を見れず、うつむいたまま)
「そんな事を言ってるんじゃないの!
あなたたちは、まちがってるわ![どうしてもダメな時は自分の手でパートナーを殺す?]、とんでもない間違いよ!
どんなに完璧と思える準備をしても、どうしようもない時は来るかも知れない」
「どうしようもない時はどうしたらいんですか?」(泣きながらふるえる声で)
「あきらめるしかないわね、だってどうにもならないんだから。
だから私たちは努力するの、生き残る為のね。
[何が何でも生き残る、そして必ず愛する人を救い出し生還する]そのくらいでなきゃスパイなんて勤まらないわよ」
「(泣きじゃくり、うなずく)」
「○○先生はアノ手の治療が得意なの、ロボのキズはさいわい弾もかすった程度みたいだし心配しなくていいわ」
「・・・」
「そんなにスパイを続けたいなら好きになさい!そして、早くプロになりなさい!
どんなに傷ついても知らないわよ、一緒に泣いてあげる事ぐらいしかできないんだから」
「しゃちょう、ごめんなさい」
「ほらっ!せっかくのかわいい顔が涙と鼻水でグチャグチャよ、顔洗ってきなさい」
「はい」
社長が自分を殺しに来た二人に歩み寄り。
「どうするの?あなたたちのせいよ!
あの二人、ニコとロボ とんでもないコンビになるわ!覚えといた方が良いわよ、生きていればね」
その後、ニコとロボはマキナに誓ったように最高のコンビとなり、
ある世界の住人にはセクシーボイスアンドロボの名は、
コンビを評価する際に用いられる最高のほめ言葉として永く記憶に残りました。
・
・
・
数十年後の未来。
「まったく、お前らはこんな仕事(依頼)もこなせねーのかよ、
お前らにセクシーボイスアンドロボの十分の一でも能力がありゃな〜」
「セクシーボイスアンドロボって何ですか?」
「お前ら、そんなコトも知らねーでスパイやってんのかよ!
セクシーボイスアンドロボってのはな昔、夫婦でコンビのサイコーのスパイだった伝説の奴らさ、
その仕事ぶりは〜」
おわり
>>430 ごめん、まちがえた。
スパイを再開し、更に一年(再会から四年後)ではなくて
↑
ドラマ終了時から四年後です
社長、格好いい!ニコロボ、よっちゃんも。
そうだよねぇ、スパイになるって余程の覚悟がいるよね。
GJ!
うんうん、社長カッコいいね。この4人のからみ好きだな。
で、梅梅に小ネタ
↓↓↓
ある日のロボの部屋
「ねーニコ。ニコってさあ、俺の事ずっとロボ呼びだけど
まあこれからもそうなんだろうけど、俺の本当の名前忘れてないよね……?」
「えーっ、なに急に。当たり前じゃん!えーっと、えー……」
「……………………」
「……………………」
やばっ、なんだっけ!?
さとう?…えとう……違うな〜
下の名前が何とか郎だったはず。
すずきいちろう!いや、これは野球選手だっけ。
困ったな。もし将来、ロボと結婚ってなって相手の名前
覚えてませんじゃ、シャレにならないよねえ…。
はっ!結婚って、何考えてんのっ、あたし!
「ニコ〜、もしかして……」
「あ、あぁ〜、ちょっとお腹すいたなーって思ってて…。な、名前ねっ」
うーんとはやし…はあたしか。
めんどくさいなあ、もうロボがうちに婿養子に来たらいいんだよ。
あ〜違う。そういう話じゃないって。
ふと、横のほうへ目をやると郵便物が。
「須藤威一郎……??………ああっ!(それだ!!)」
「……ニコ、やっぱり忘れてたんじゃ…」
「やあね〜、そんな細かい事気にしないの!
忘れてたからって、あたしがロボを好きな事に変わりはないんだからっ」
ニッコリ微笑みつつ。
「ロボもお腹すいたでしょ?あたしカレー作ってあげる♪」
「あ…うん」
なんだかうまくかわされたような気がするが
好きって言ってくれたから名前なんてどうでもいいか〜と
思うロボであった。
結局、二人は似たもの同士ってことで。
おわり
>>435 そういう何気ない日常っぽい小ネタが平和で好きだw
GJ!
次はそちらですね。
了解しました!ニコリン大佐!
こちらはウメ作業しますか?
救えるのは宇宙で私だけ!
準備 1/1
エロなし・恋なし、ごめんなさい
「よし!これでお歯黒女に弱点はわかった。
次はこの情報を元に武器を作ろう!」
「え?武器って、ロボそんなの作れるの?」
「ニコ、きみってヤツはオレを何だと思ってるんだ?」
「ロボットオタクでしょ」
「・・・、さぁ!時間はない早速製作に取りかかろう!」
次の日。
「ロボいるー?
わー、なんかそれっぽいのが出来たじゃん」
「ニコ、頼んどいた椎茸と捕獲ネット持って来てくれた?」
「うん、持って来たよ!はい椎茸、ネットは重いから階段の下に置いて来たから
ロボ持ってきて」
「んー、やっぱりそこら辺は女の子だなー
どれ、オレがちょちょいともってくるよ!」
「ごめんね」
カンカンカンカン(階段下りて)
「お!おもっ カン カン カン カン(階段上がって) ニコォ よくここまで持ってきたね」
「そうなんだよー重いは、人にジロジロ見られるはで大変だったよ」
「(ニコ、あんなちっこいのに力あるんだな) 捕獲ネット、これはナシだな)」
「じゃぁ、後は椎茸を取り付けたら完成だ!
ニコはこのヌンチャクに椎茸付けて、自分の使う武器は自分で作るんだ!」
「え?これ持って私に闘えって言うの?」
「それだけじゃないさ〜、このマックスシールドもあげるから。
ニコは力持ちなんだから大丈夫だよー」
なんかよく分からないが、とりあえず褒められたみたいなので納得してしまうニコ。
「これでいいの?」(椎茸ヌンチャク完成)
「おお!上出来だ」
「ほんとに、こんなで闘えるかな〜」(ヌンチャクの扱いに手間取る)
「何してんの!そうじゃないでしょうが、まったく〜
アチャーッ 投げて戻す!投げて戻す!!
(見てないな)ちょっと、練習しないとー」
「お歯黒女の泣き声だ
ロボ、出動だ!」
おわり
なかなか、埋まりませんなー
大丈夫だよ。過疎ってるけど
もう少しだからそのうち埋まるよ
満腹なのにまだ書き込める…。なぜだ。もぐもぐ
母ちゃんの耳 1/1
エロなし、時期はニコが高2、まぁアバウトに。
「ロボいるー?」(返事の有無に関らず部屋に上がり込む)
「ん?あんた、確かニコちゃんだったよね。
威一郎なら今、私の友達を車で迎えに行ってもらってるんだよ。
もうすぐ帰ってくるよ、待ってやってくれるかい?」
「あ!ロボのお母さんですよね、おひさしぶりです。
ああ、じゃちょっと待ってよっかな」
「でも、ありがたいねー。
あんなロボットばっかりいじってる男に、あんたみたいな可愛らしい娘が友達になってくれてぇ」
「はぁ、それほどでもないですけど」
「謙遜なんかしてぇほんといい娘だね〜。
さっ これでも食べて、のんびりしてておくれよ」
「あ、パンの耳揚げ。
これってお母さん譲りだったんですね」
「へぇ、威一郎もこれ作って食べてんのかい?」
「はい、時々作って食べてますよ。
お金がないからだと思ってたけど、昔から好きだったんだ。 ふ〜ん」
「私たちは共稼ぎで、晩御飯も遅くなる事が多くてね。
だからお菓子やらプリンとかおやつに買って置いといたんだけどね、
たまの休みなんかは私がコレ(パンの耳揚げ)作ってやってたんだよ。
『油が散るから、あっち行ってな』って言っても私のそばを離れなくて、うれしそうに学校の話をしてさ。
あの子には、ずいぶん寂しい想いをさせたんだろうね」
「・・・」
「それである時、またコレ作ってやったんだけどね。
うっかりしてて、賞味期限がその日までのプリンがあってもったいないからプリン食べなって言っても、
『母ちゃんの作ったパンの耳がいい』って聞かなくてさ。
でも結局、プリンも両方食べて気分悪くなってバカな子だよー」
「いい話ですね、ロボ、昔からやさしかったんだ」
「あの子はニコちゃんにも、優しいかい?」
「私にだけじゃなく、出会う人みんなにやさしいです」
「そうかい、みんなに優しいのかい」
「かあちゃん、帰ったよー。 あ!ニコ、来てたんだ。
○○さん達、商店街に茶菓子買いに行ったから後で来るよ」
「じゃっ私、帰ろっかな」
「え?何か用があるんじゃなかったのかい?」
「たいした事じゃないんで、
ロボのお母さん、コレちょっともらいます」(パンの耳揚げ二つ取って)
「また、来てやっておくれニコちゃん!」
「はい!それじゃ失礼します、ロボ またねっ」
「あぁ、またな」
ニコがいなくなって
「母ちゃん、ニコと何話してたの?」
「なんでもないよ!あんたの点数、上げといてやっただけだよ」
「・・・?」
おわり
母ちゃん、GJ!
梅完了?
まだいける?
ニコロボ大好きだー!
社長もよっちゃんも林家もロボ母ちゃんもケロ山も好きだー!
>「私にだけじゃなく、出会う人みんなにやさしいです」
いや〜、いい台詞だわ