【MH】モンスターハンターでエロパロ 6匹目【モンハン】

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1名無しさん@ピンキー
ここはモンハンのエロパロです。
擬人化・龍姦なんでも来い!
基本的にsage進行で。

初代スレ
MHでエロパロ!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141488219/

容量限界となった栄えある2代目スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171548741/l50#tag698

前スレのお方が個人的に残された前々スレのログ(.txt)
ttp://zetubou.mine.nu/timer/upload.cgi
[bomber37410_d60.txt]

モンスターハンターSS保管庫
ttp://ss.ares-ac.com/mh/

【MH】モンスターハンターでエロパロ 5匹目【モンハン】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183566134/
2名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 01:15:57 ID:aSEfWzH8
SS投下し終えた途端、容量オーバーになりました……orz

で、初めてのスレ立てです。問題あったらご指摘下さい……。
何分初めてなので、何か間違ってやしないかとドキドキしてます……。
3名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 01:19:30 ID:aSEfWzH8
テンプレでリンクしてない部分があるのに今気づいた。
ただコピペするだけじゃダメなのか。
申し訳ないです……orz

申し訳ないついでに私用をレスを。
自分は、前スレ778「飛竜の主人」の著者です。
SS投下してあとがきも投下しようと思ったら容量オーバーでした。
問題がなければ「飛竜の主人」は今しばらく続く予定。
引き続き、ご感想、ご意見お待ちしております……。
4名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 01:30:35 ID:YCVVeTXR
お疲れ様どす
急に投稿止まったから生殺しかと思ってしまったよ

とりあえずGJ
5名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 01:33:33 ID:Kui5FFp/
>>1
スレ立て乙

今回の投下はあそこまでなんだろうか?いいところで切られてて、ますます先が楽しみ。
『生き物』を書いてらっしゃるところが、とても好きだ。
途中までイイよイイよーって見てたのに、レウス空気読めw
6名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 02:03:19 ID:YCVVeTXR

  /| ________
< TO BE CONTINUED |
  \|-----------------

7名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 02:03:57 ID:YCVVeTXR
っと誤射 スレ汚しスマナイ
8名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 07:28:32 ID:jP3DOWfC
つか前スレ456で容量限界てどんだけはやいんだ
9名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 08:02:16 ID:b1JW9Vjk
>>1
スレ立て乙&GJ!
設定への凝り方みたいなのが好きだ。絶妙な所で切られて、自分も続きが気になる。
しかし主人公は、あの立ち回りをすべて全裸でやってるってのが
男前度MAXなとこだと思うw

>>8
だよな。前スレはなんとも盛況だったって事だなー
近頃このスレが楽しみでたまらん
10名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 11:24:49 ID:JObS/pzS
いつになったら続きが来るんだ…と待ちきれなくなってレスしてやっと容量限界に気づいたw
>>1乙&GJ!
裸でレウスと戦うなんざ考えられないだろうな…
11名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 12:52:00 ID:ria9UHcx
ゲーム内なら褌室伏がウロウロしてても違和感を感じないが、な

>>1乙GJ。あのレイア俺にもくれ。
12前スレ418:2007/07/19(木) 14:32:12 ID:JObS/pzS
ドドブラ×♀ハンターのを書いてたものです。
……すんません。前後編じゃなくて、前中後編になってしまいました。申し訳ない。
何か前編エロとあんま代わりがない気がしますが……
とりあえず中編を投下します。

・ドドブラ和姦
・割りと甘い
・長い

と言う所で、見てくださる人は是非よろしくお願いします。
13とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:33:11 ID:JObS/pzS
 *        *        *

今の時間は昼の2時くらい。陽光が次第に収まってくるその時間に、空を仰ぎながら自身に活を入れる。

「今度こそ、退治してやるんだからっ」

あれから1週間ほどの期間を置き、私は再度ドドブランゴ退治の依頼を受けて雪山ベースキャンプへ降り立っていた。
今度の装備は鳥幣弓Uと言われる、安価ながら初心者にも使いやすいと評判の弓。
防具もクックフル装備にして、防御力自体は以前より下がったが、戦闘能力は向上させていた。
ちなみに、材料自体はそろっていたので直ぐに作成する事ができた。時間を置いた理由は、単純に弓の習熟に要したからである。
ドドブランゴに襲われて村に帰還した私は、まず1日目はモンスターにレイプされた現実に落ち込んでいた。
2日目になると気を取り直し、今度は熟練ハンターがそろう集会所に行ってドドブランゴ対策を聞いてきたのだ。
先輩ハンター曰く「どうしてもアイツが苦手なら弓かボウガン使うといい。離れてみれば動きも見切りやすいぜ」との事。
成る程、と納得した私はまず最初からボックスにいれてあった練習用のハンターボウTで練習を重ねた。
その結果、つい先日この鳥幣弓Uでゲリョス退治に成功したため、自信を持って雪山に訪れた……という訳だ。

「ふっふーん。今度こそ、きっちり退治して牙とか頂いてあげるんだから。」

支給品ボックスから道具を取り出しサックに詰め、準備完了と意気揚揚に道を歩いていく。
……ただ、少し不安があった。
出発する直前に村の人の噂話に耳を傾けたのだが、最近ドドブランゴが姿を見せないらしい。
正確にいうと一度は見かける事はできるのだが、その後めっきり姿を隠してしまい、
結局50時間の制限時間切れで泣く泣く帰還するハンターがいるそうだ。
もし今回もそんな事態になったら泣くに泣けない。
その人の場合はただ依頼があったから受けたという単純な理由だったが……
私はこの依頼を完遂しなければ火山での仕事を受けられないのだ。
という事は、即ち私がこれ以上ハンターとして成長しないという事になる。それは困る。

「どうにかきちっと出てきて、あわよくば楽〜に倒されてくれますように〜……」
14とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:33:38 ID:JObS/pzS
滅多に考えた事もない神様に祈るような呟きを漏らし、雪山麓の湖辺にたどり着く。
そこで私は、さっきの考えが杞憂に済んだ事を知る事となったのだ。なぜなら……

「な、なぁっ!?」

私が湖辺にたどり着いた瞬間、目の前にあのドドブランゴが降ってきた。
慌てて弓を伸ばし矢を腰から引き抜こうとするが、そんな間もなくなぜかドドブランゴに抱きかかえられてしまう。

「え、い、う、えぇぇぇぇぇぇぇ……っ」

更に次の瞬間。ドドブランゴはその強靭な脚力を使い、その場から一気に飛び去ってしまったのだ。
……情けない声を上げた理由は、他にもある。
浚われる、と思った瞬間、身を護ろうとして弓を突き出したせいで弓が破損。
半分に折れた弓はそのエリア1に落ちたまま、連れ去られたのだから……

 *        *        *

十数秒間の空中遊泳。途中の岩でさらに距離を稼ぎながら飛び跳ねるドドブランゴにきつく抱きしめられながら味わうそれに、
私は少しだけ楽しさを感じていたことを素直に白状しよう。
……だけど、流石にこれはちょっと。

「え、えーとー……」

たどり着いた場所は地図でいうエリア3。ちょうど、此処を根城とするモンスターの巣となっている場所だ。
所で、皆さんは見たことあるだろうか?
エリア2から3に入る洞窟を抜けてすぐ。細い道から少し左上を見上げると、そこに空間があるのを。
そう、私はドドブランゴに抱きかかえられたまま、その場所に着地して。そこにおろされたのだ。
流石に、言葉を失い呆然となる。たぶん……いや、きっと、今までここはハンターが訪れた事はないんじゃないだろうか。
少なくとも私はないし、地図にもこんな場所はかかれていない。
目の前の穴から飛び降りれば逃げられるだろうが、そこはドドブランゴがなぜか嬉しそうな顔をしてふさいでいる。
後ろを見れば……おや、以外に広いというか。実はここが巣なのではないか、と思えた。
少し窪み、広がっているそこは天井が氷の屋根となっており陽光が透けて入り意外に明るい。
更に奥の壁付近にはポポやらブランゴやらの毛皮が敷き詰められてまるでベッドのようになっている。
その近くにはなにやらキノコや花が生えていて、ちょっとした家庭菜園に見えなくもない……かも。
何でこんな場所につれてきたんだろうか……
そう悩んでいると、背後から生暖かい風に首をなでられ、ひゃっ!と声を上げてしまった。
15とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:33:59 ID:JObS/pzS
「な、な……うあっ!?」

驚いたのも無理はないだろう。
まるであの時のようにドドブランゴが私に迫り、私の匂いを嗅いでいる。……体臭はそんなにないはずだよ。きっと。
少しして再び満足そうにドドブランゴが笑みを浮かべ、私の体に手を伸ばしてくる。
だがその動きは緩慢で、命を奪うような動きではない。……というか、うん。
クックレジストの上から、私の乳房を触ろうとする動きは……

「またかっ!? またする気っ!?」

慌てて後ろに下がる。……見れば、ドドブランゴは不満そうな顔をしていた。
やばい、武器がない。いや、正確には腰に刺している剥ぎ取り用ナイフがあるにはあるが、流石に戦うのは無理。
どうしよう、と悩んでいると更にドドブランゴは手を伸ばし、私の鎧に指をかけ力をこめ始めた。

「わ、わぁっ!? ま、待って、待って待ってちょっとタンマっ!!」

あの時やすやすとハンターフォールドを破壊した腕ならば、ガンナー用の軽い防具は容易く破壊されてしまうだろう。
そうなっては、困る。非常に。あの時でさえ、破壊された鎧と布を腰に巻いただけの姿に同情されたのだから。
あんな目で見られたくない、と思っての抑止だったが。なんと、通用した。
ドドブランゴが……あ、意外に可愛い目してる。じゃなくて、疑問の色を目に浮かべ、手を鎧にかけたまま首をかしげたのだ。

「え、言葉、通じる? ……ね、その、鎧壊すの、勘弁して、ね?」

少しの期待。もし言葉が通じるようなら、もう来ないから、とでも約束すればここから無事に帰してくれるかもしれないし。
だが現実はそこまで甘くなかった。少しだけ待ってくれたものの、再び鎧を壊そうとドドブランゴが力をこめ始めたのだ。
メキメキと鎧の寿命が尽きる音に慌てて、再度声を上げる。

「わーわー!! ま、まってまって! 判った、判ったから、脱ぐから、脱げばいいんでしょー!?」
16とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:34:20 ID:JObS/pzS
ぴたり。とドドブランゴの動きが止まる。
……本当はこいつ、言葉わかるんじゃないのか。
そんな疑念が首をもたげるが、ドドブランゴはただ手を少し引っ込めてこちらの顔を見つめるだけ。
……これ以上待たせると、今度こそ鎧を壊されてしまいそう。
むぅ……と、悩む唸りを上げながら、諦めて自分で鎧の繋ぎをはずす。
ガチャ、パチッ、と金属――というか、キチン質?の擦れる音を立てながら分解されていくクックレジストとクックコート。
ちら、と脱ぎながらドドブランゴを見ると……あいつめ。また満足そうな顔して待ってやがる。
どうにかして出し抜いてやりたいが、そんな手はドドブランゴの領域で思いつくはずもなく……
やがて私はインナーのみの姿となってその場に立っていた。

「つ、冷たっ、寒っ」

流石に麓に近いとはいえ雪山の岩肌は肌を刺すほどに冷たく。足の裏から痛みを感じて私は近くにあった毛皮の上に移動した。
……わぉ。あったかい。
少し現実逃避しながら毛皮の暖かさにとろんとしていると、背後からドドブランゴに突かれてその場にうつぶせに転がった。

「うぁたっ、な……」

何するのよ! という言葉が出なかったのには訳がある。と言うか、コレはきっと誰でも絶句する。
ドドブランゴは既に股間のモノを勃起させ、赤黒いそれを私に突き出していたのだ。
……っていうと、さっき背中に当たった熱い感触ってあれで、少し背中についてるねばってしてるのは……?
うひー! と内心叫びながら仰向けになり、後ろに下がりながら両手を振る。

「いやだからちょっとまって! あんたはドドブランゴで、私はハンターでしょ!?
 戦うってのはよくわかるけど、その、何。こ、交尾は相手間違ってない!?」

既に1回ヤっちゃいましたが。そんな内心のツッコミはさておき、再び慌てて言葉を投げる。
くり、っと首を傾げ、やっぱり勃起させたまま近寄ってくるドドブランゴ。
やる気満々。せめて「やる」が「殺る」ならこっちも覚悟できるものを……!
下がろうとする私の背中は壁にかけられた毛皮に止められてしまい、両脇をその筋骨隆々な腕に阻まれ、目の前にはドドブランゴの腹。
逃げ場はなく、ただ、性欲に滾るドドブランゴの『雄』が再び私の腹に擦りつけられた。
17とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:34:38 ID:JObS/pzS
「ひゃっ……!」

にちゃっとする先走りの汁。一度私を貫いたその熱い肉棒を腹に当てられ、なぜか私は体の奥に火が灯るのを感じていた。
何で、モンスター相手に発情してんの私ー!!
という心の突っ込みにも体は反応せず、むしろずっと擦りつけられるペニスの熱さに、次第に体の芯が溶かされ力が抜けていく。
最初の時に比べ、体に余裕はあるはずなのに、なぜか逃げられない。
むしろ視線はグロテスクな筈のドドブランゴのペニスに注がれてしまっていた。
赤黒く、つるんとした槍の先が臍からショーツまでを撫でて透明な汁を塗りつけていく。
もう何度そこを往復しているのか、下腹部は既にドドブランゴの匂いを漂わせて下着まで汚しはじめていた。

「う、うぅ……ぁ……」

感じている。下着の内側で、そこは『男』を期待し、準備を始めているのを感じている。
触られていない乳房もインナーの内側で先端を尖らせ、少し窮屈になってきているのを感じている。
ホットドリンクの効果もまだ続いているのか全身にうっすらと汗を帯び、肌に朱色がさしていった。
たまにペニスがショーツを擦ると、そこから電気が流れたかのように体が震え、
ガウシカテールと言われる髪型に結い上げた私の自慢の銀髪が、まるで尻尾を揺らすように震えていく。
もう既に、体はドドブランゴの『雄』に屈服し、力は抜けてなすがままとなっていた。

「っふ……あ、ぅっ?」

ふと腹から熱が消えたのを感じて下を見ると、ドドブランゴは挿入しようとペニスを股の間に擦りつけていた。
だが、ショーツが邪魔で先端を無理にねじ込もうとするだけで少しも膣に進入できていない。
そんな動きがもどかしく……

「……し、下着、破かれたら、帰りに穿くのが、無いもん……」

と、言い訳でしかない言葉を吐き、手が下に伸びて……ゆっくりと、自分で下着を脱ぎ始めた。
その間ドドブランゴが何もしなかったのは、既に抵抗の気配が無い事を察していたからだろうか?
やがて片足からショーツを完全にとり、左の足首に絡まっているだけの状態となる。
……じぃ、と私の股間を見つめる視線を感じた。さっきまで両手を私の横につきたてていた腕が、私の脚を開いたまま固定し、
その視線は私の濡れて男を待ち望む秘所へ注がれている。
18とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:34:56 ID:JObS/pzS
「何……ぃぁぅ!」

恥ずかしさに顔を真っ赤に染めながら疑問の声を投げようとするも、それは直ぐに悲鳴と変わった。
ざらついた、猫のようなドドブランゴの舌が私の股間を一舐めしたからだった。
急に出た声にドドブランゴが驚いたのか、一度視線が混じりあう。
だが、私の視線に何を見たのか……再びドドブランゴは舐める行為を続けていった。

「ひ……っ!! ん……っ、っひゅ……ぅ!!」

ざりゅっ、ざりゅっと体を伝い聞こえてくる音と共に、若干薄い恥毛に護れた秘所から耐え切れない刺激が脳に叩きつけられる。
性行為の経験はないが、年齢的に性知識はあったためにそれはクンニリングスと言われる行為だとはわかっていたが、
ここまで……うん、素直に言ってここまで気持ちがイイものだとは考えもしなかった。
普通他人に見せたりしない、やもすれば不浄の場所とされる場所なんて、
舐めるほうが可笑しいし、気持ち悪いだろうとさえ思っていた。
だがそんな考えなど一蹴されるように、その快楽に酔ってしまっていた。だから、我慢など出来るはずもなかった。

「イ、いいっ! きも、っちぃっ……っよ…んん!! っは、い、イクっ! イっちゃうぅぅっっっ!!!」

ドドブランゴの舌が膣の中を少し舐め、更に割れ目の端につく肉芽をざら、っとなめ上げた瞬間。
私は人生2度目の絶頂を感じてその場で痙攣するように動きを止め。彼の口に股間を押し付けて固まっていた。
ぴゅる、と何かが股間から漏れたような……そんな感覚に酔いつつ、やがて体は弛緩し毛皮のベッドに横たわる。
荒い息を吐きながら視線を再び彼に移すと、今度はその猛る肉棒を挿入しようと腰を動かしていた。
だが、こちらが仰向けなせいか、どうにも上手くいっていない。
顔は興奮しババゴンガのように真っ赤にしながら、髭を揺らして腰をゆする彼の姿に、なぜか笑みが浮かび。

「ちょっと、待って……ん、しょ、これで、いい……?」

一度手で動きを制すと、初めての時のように私はうつぶせになって自分から尻を突き上げた。
すると彼の方も意を汲んだのか、私の腰を掴み……一気に、ずぶっと奥までその肉棒をねじ入れてきた。
19とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:35:13 ID:JObS/pzS
「――っっ!!」

一気に体の中に何かを満たされる感覚。始めての時はあんなに痛かったというのに、奥まで貫かれたその刺激が心地よかった。
言い換えるなら、幸福感に包まれたとも言える感覚に、私の心は震えていた。
背後で彼の快感をこらえるような、辛そうな鼻息が聞こえ。それは直ぐに腰の動きとそろった短い息に変わる。
ほんと、何でこんな事まで分かるのか。彼の肉棒が一度抜けて、一瞬の間隙も置かず再度根元まで挿入してくる。
そんな事が下半身で理解できていた。彼のペニスがどのように動き、私膣穴をどう攻めるかが理解できていた。

「は、ァ……っ! んん!! っく、っふ、っひ、んんん!!!」

まるで私がケダモノになったように……あれ、これは1回目の時にも思ったぞ?
意味にならない言葉が、挿入されるたびに口から溢れる。
これちょっと幸せすぎる。……なんていうか、番になっても、いいような気になってきた。
いつのまにか彼の匂いに包まれている事に幸せを感じていることに気づきながら、何度も何度も彼の体を受け止めて。

「ひぃぃうぁぁぁっっ!!! イクっ! イクイクイっちゃぅぅぅぅぅぅ!!!」

あの時のように、快楽に染まった声で鳴きながら、私は彼の精液を子宮に受け止め絶頂に達していた……

 *        *        *

「ん……ふぐ……っぷ……」

あれから……えぇと、2日近く経った頃だろうか。
私は彼のペニスを口一杯に頬張り、舌を絡めて奉仕していた。
……別に気が狂ったとか、そういう訳じゃない。なんとなく、して見たくなったからしているだけ。
20とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:35:34 ID:JObS/pzS
「っぷぅ……っふ、どう……?」

返事はないが、彼は実に気持ちよさそうに目を閉じていて。
口が離れると我慢できない、といった風に今まで頭を撫でていた手で、私の口に再びペニスを突き入れていた。
もう、しょうがないなぁ。
再び口での奉仕。フェラチオを開始しながら、過去を振り返ってみる。
まず最初、あのセックスの後、彼は3時間近くずっと私を犯しつづけた。
さすがに私の体力が切れたのに気づくと、彼はそこで諦めて私を抱きながら眠りについた。
そして6時間くらいたって目がさめると、彼はポポを1匹絞めて持ち帰ってきていた。
そこでおなかが鳴ったのを思い出して、銜えたままで笑ってしまう。
あ、びくってふるえた。……ちょっと可愛いなぁ。
そのポポを焼いて食べると、再び彼は私に襲い掛かってきた。今度は向かい合って。
さらに5時間くらい交わると、今度は彼が私を抱いて部屋から飛び出した。
向かった先はエリア2の更に西側。歩いてかえるのもちょっと無理な所には温泉が沸いており、そこに2人で入った。
帰ってくると、今度は彼は果物なんかも取ってきてくれた。
まるで、番であるかのような扱いに、驚いたりしたものだ。……まぁ、間違ってないような気もするが。
……何か忘れているような気もしないでもないのだが。

「っふ……っじゅ、じゅる……っちゅうぅぅぅっ……」

何度も言うが、私に性経験は無かった。ので、このフェラチオも上手く出来ているか判らない。
とりあえず彼が気持ちよさそうにしているので問題はなさそう、だとは思っている。
……最初はちょっと戸惑った。けど、割りとそんな思ったほど変な味じゃない。むしろ彼の口の周りのほうが、変な味。
舐めていると先端からとろりとした液が出てきたので飲んでみようと吸い込んだら、ちょっとはしたない音が出た。
あと、彼がうめくような声も聞こえた。……お、これが気持ちいいのか。
ちょっと楽しくなってきて、舐めたり吸ったり。たまに指で撫でてみたりしながら行為を続ける。
21とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:36:04 ID:JObS/pzS
「ちゅ、ちゅぅっ……ん、じゅっ……じゅ、んっぷ!?」

ちょっと息が足りなくなったので口をあけて息を吸った瞬間、彼の腕が私の頭を掴み、まるでセックスするかのように腰を動かし始める。
少し慌てて両手をばたつかせたが、結末までそう時間はかからなかった。
ほんの3回か4回ほど腰を動かしただけで、彼の先端からねばっこい精液が私の口へ吐き出される。
……うぇ、苦……臭っ!?
何かと喉に絡まり、嘔吐感を与えてくるその粘液に目から涙が溢れてくるが、彼は私の頭を離そうとしない。
だから、んぐ、っと噎せるような匂いの精液は飲み下すより他になく、喉を鳴らして胃へと落としていった。

「っぷ……う、っふ……げぷっ……ぉぅ」

やっと離してくれたので口からペニスを抜き出すが、口内はまだ青臭く舌の裏や歯の隙間にまで精液が溜まり、匂いがこもっていた。
あぐらをかいた彼の脚に座ったまま、何度かえずきながら残った精液を飲み込んでいると、彼が上から私を見ているのに気づいた。

「えふ……へ、平気……だけど、んぷ……量多いってか、濃っ……」

まだ何か口の中が粘つく感覚があるが、彼に笑顔を見せる。
すると嬉しそうな顔で私を抱いて、胸に収めながらまだ堅いペニスを腹に押し当ててきた。
仕方ないなぁ、と笑いながら少し腕の力を緩めてもらい、少し体を離して彼のペニスを手で撫でる。
ぴくん、と振るえたそれを再度握り、もう片手で自分の秘所を開きながら照準を合わせ……腰を落とし、彼のペニスを奥まで飲み込む。

「んん……っは、入った……よ、ぅっ!?」

向かい合い抱き合った形となり、彼のペニスを根元まで銜え込むと、今度は彼が激しく突き上げてきた。
私はそれに翻弄され、何度も何度も彼の膝の上で上下に振られ踊りながら性感を高めてゆく。
そんな交わりを何度も行い、やがて彼の精液は何時ものようにたっぷりと、私の子宮へ納められていった。

「はふ……っも、最近、手加減ない……んだからぁ……」

どんどん注がれる精を感じつつ、甘い声で囁き。そろそろご飯の時間かな、なんて考えていると。
22とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:36:23 ID:JObS/pzS
にゃーにゃー! にゃーにゃー!

びくっと体が跳ねて、音で意識が覚醒される。
この音は鎧につけられていたタイマーと呼ばれるもので、50時間経過すると依頼失敗の知らせを流してくれるものだった。
もしこの音が鳴り、3時間以内にベースキャンプに戻れなかった場合は死亡と認定され、ギルドナイツの山狩りが行われる。

「あ、あ、まず、やば……」

彼は何事か、とその音源を見ていたが、無論理解できるはずもなく。
私が慌てて彼から離れると、悲しげな声を上げた。

「……っ、ご、ごめん……私、帰らないと……だからっ……」

何故。
何故、私はこんなにも悲しい気持ちで胸が満たされているのだろうか。
……言われなくても、考えなくても判っている。
既に私の心は、彼の。ドドブランゴの物となってしまっていたからだ。
けれど、ここで私が帰らない場合、私など足元にも及ばない屈強なギルドナイトが何人もやってきて、彼を殺してしまうだろう。
だから、私は一つの決心と決意を持って彼から離れる。

「また……うん、また、いつか来るから。だから、今日、帰るね」

言葉は理解できないだろうが、心で理解できたのだろう。
彼は悲しげに再び吼え、その場にうな垂れた。
そんな彼の頭を一度撫でて、私は慌ててクック装備を身につける。
……何となく、違和感を感じる。……まぁ、ここ50時間ほどずっと全裸でいたからだろうが。
ともかく準備を整えて帰ろうとすると、再び背後から彼に抱きかかえられた。
23とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:37:00 ID:JObS/pzS
「あ、えと、その、だからね?」

と、再び説明をしなければ、と思っていると、彼は大地を蹴って空に飛び上がる。
再び、十数秒の空中遊泳の後…つれてこられた場所はベースキャンプ入り口の、湖辺だった。

「あ……ありがとう……」

お礼を言うと、彼もぐる、と少し唸って頭を一度下げる。
その彼の頭を撫でて牙に軽くキスをして、私はベースキャンプへ走っていった。
背後で、彼が大地を蹴る音を聞きながら。

 *        *        *

「お帰りニャー。どうだったニャー?」

久しぶりに会うアイルーたちの心配は、やっぱりドドブランゴに出会えなかったのか、という意味の内容だった。
それに私は少し嘘をつく苦しさを覚えながら、頷いて返す。

「そうかニャー。別の場所に移動したのかもしれないニャ―……? 何か臭いニャ」

少し悩んだように首をかしげるアイルーたち。続く言葉に、私は肝を冷やした。
……ごぽ、と子宮から彼の精が零れた感触があったからだ。

「あ、ご、ごめん。お風呂にも入らないでずっと探しつづけてたから……ちょっと、湖で水浴びしてくるっ!」

これ以上同じ場所にいては、感づかれてしまうかもしれない。
私は慌て、嘘をつきながらその場を後にして……湖につかりながら彼の匂いを落とし、その日は村に帰ったのだった……
24とあるハンターとドドブランゴの関係:2007/07/19(木) 14:41:02 ID:JObS/pzS
 *        *        *

「あの後は困ったなぁ……」

なんとあの後、ドドブランゴが去った、と判断されてしまったせいで私はここへ来ることが出来なかったのだ。
確かに他の雪山での依頼をこなせば会えるかもしれない……
そう思って雪山素材ツアーに参加してみたものの、出会う事はなかった。

「1月もかかるなんて思わなかったから……」

その間、私は他の依頼をこなして再び彼が出てくるのを待った。
村長は、別の代替クエストを用意するから、といってくれたが、私はドドブランゴに借りがあるから、と断ったのだ。
故に村長もドドブランゴを探してくれて……再び、この日になった、という訳だ。

「ちょっとした準備もある。……今度は、きっと。」

きっと……
人には言えないこの気持ちを抱えたまま、私は雪山を見上げる。
今日は彼が此処へ降りてくる事はない。……とりあえず、山に登って探してみよう。
私は決意を固め、洞窟へともぐっていった……
25前スレ418:2007/07/19(木) 14:43:01 ID:JObS/pzS
以上となります。
結局、前編が1回目の敗北。中編が2回目の敗北?になりました。
ちょっとプロットと形が変わってしまった、というオチもあったりしますが……
ともかく、明日のこの時間くらいに後編(これで絶対完結)出す予定です。
よろしくお願いします。
26名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 20:50:36 ID:4rJVQsbV
27名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 20:51:19 ID:4rJVQsbV
ミスorz
>>25GJ

やっぱ俺ギルドとギルドナイト大嫌いだわw
28名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 21:28:55 ID:y/vohKIr
>>25
この子装備壊されたりレイプされたり、かなり悲惨な目に遭ってる割に
雰囲気が暗くないのがいいな。
そしてドドブラとのハートフルな獣姦に和んだ。なんか可愛いw

この流れだとグッドエンドで終わってほしい気もするが、
いずれにしてもあと一回楽しみにしてる。がんばれ!
29名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:39:55 ID:vi2JywXE
GJ!

我もハートフルな獣姦にフルフルがブレス発射してしまった。次回も期待しているです。
30名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:49:32 ID:+vqAUCoe
>>25
和んだ!!GJ!!
>>28
同感。

この和みムードから急転直下のバッドエンドなんてのは勘弁な。
31名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 23:18:46 ID:aSEfWzH8
>>25 GJ!
うらやましいよドドブラ
ドドブラうらやましいよ

何がグッドで何がバッドなのかは人によって違う気もするんだが……
少なくともヒロイン自身が不幸だと思うような終わり方でないことを祈るばかりだぜー。
32名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 00:15:43 ID:H75S5Ykd
ついさっき雪獅子討伐した俺参上('A`)
せめて捕獲すれば良かったよ
33名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 00:32:31 ID:bTZGiYlc
今夜も投下すべく馳せ参じ。
今更ながらフルベビはユムシの味に違いねぇ。アイスの味は想像不能。
※諸注意
・ぬるくエロ。人♀×擬人化水竜♂。別な意味でファンタジー
・むず痒い展開
・「カギ括弧だらけ」地の文どうしたよ
・設定間違っててももう知らね
・長め
以上が許せる方はご覧あれ。不可だと仰るならばスルーをお願いしたく。
34ナナさん:2007/07/20(金) 00:33:26 ID:rDXHe7hx
遅くなりましたが続きが出来ましたので、投下したいと思います。
相変わらずの文才の無さ&エロ無しですが、読んでもらえると幸いです。

35珍味とその喰らい方:2007/07/20(金) 00:34:18 ID:bTZGiYlc
そういえば、なんか出るって言われてたのに半ば忘れかけていた。知っていたのに迂濶なものだ。
ヤツから口を離して、中に出された粘っこいものをどうしようかと考えた。えぐい苦い。
しかし、あのサボテンをも飲み込んだ私の根性を舐めて貰っては困る。誰が何を言うわけでもないのに、変な負けず嫌い根性が燃え上がった。
女は度胸だ。片手で口元を押さえ、目を閉じ、やや顔を上向け、歯の間から息を吸い、覚悟を決めて粘つく液体を飲み込んだ。喉に絡むな、これ。
暫くえずくのを堪えてから目を開けると、ヤツと視線が合った。その目に浮かぶのは呆れに似ているが、それ以外もあるような。
「よくもまあそんな変な臭いのモン飲めるな」
私だってそう思う。味の解説でもしてやろうかと口を開くと、ヤツの顔が寄せて来た。
この状況で口付けかますか、しかも舌突っ込むか。
暫く舌を絡めたり口の中を探ったりした後、思いっきり顔をしかめつつ、ヤツは口を離した。
「味も酷ぇもんだ」
この冒険野郎め。変な方向でときめかすな。

もうよかろうか、多分いいだろう。ヤツの昂りが冷めない内に、早く食らうとしよう。
ヤツに背を向け、地面に座ったままブーツを脱いで投げ、腰のベルトを解き、一瞬ためらった後に下着ごとズボンから脚を抜いた。
ずり下げるだけでも良いかと思わなくもなかったが、やっぱり邪魔だからこれでいい。
ヤツの方に向き直り、胴を跨ぐように膝立つ。
「覚悟はよろしくて?」
気恥ずかしさから口調が少し変になった気もする。ふわつく体を支えるように、ヤツの肩に手をかけ、笑って見せた。
「おうよ。ガッツリ来い」
ヤツもニヤリと笑い返してきた。
片手をヤツ自身に添え、涎のような粘液まみれになっているそこにあてがう。待ちわびたと言わんばかりに自分が蠢く感触に、少し身を震わせた。
ほんの僅かに先端をめり込ませてみた後、体重をかけて腰を降ろし、一気に根本まで飲み込む。
……おや。

顔のやや下の位置、つまりは胸の前くらいか。そこからすごい歯ぎしりの音がする。
辛うじて目に入るヤツの額には、青筋と汗が浮きまくっているのが見て取れる。
騙し討ちみたいだものな。そりゃ怒りたくもなるはずだ。
ヤツがえらくドスの利いた声で呟いた。
「痛ぇよ」
そうだろうよ。

無言のまま、動きもしない私にヤツはぶちギレた。
「なんだよこりゃ!痛いなんて話じゃねぇぞ!これまでのは罠かなんかで、このキツくて狭いので俺を殺す気だったのかよっ!?」
今は怒鳴らないで欲しい。響くなんてものじゃない、正しい意味の方で疼く。
「すまない、私の落ち度だ。貴方を害そうとは欠片も思わなかった本心だけは、信じて欲しい。……私も驚いているんだ」
声が震えるのは抑えられたろうか。全く自信がない。なだめるようにヤツの髪の中に手を入れた。
おや、後ろ頭にもヒレが立ってる。そんなところにも有ったのか。
「どういう意味だ」
ヤツが唸りながら訊く。脂汗かいて可哀想に。デリケートな部分をいきなりギチギチに締め付けられたら、そうもなるか。
「交わる時に、男の方にもそれなりな準備が要るものなのは判るね。女にもそれは必要なわけだが」
万端だと思ったのになあ。まさかの事態だ。
「どんなのだよ、そりゃ」
ヤツはまだ憮然とはしているものの、とりあえず怒気は散じたらしい。うん、よかった。
「なんと言うか。貴方が今入っているそこをほぐしておくことと、ぬめりを得ることとだね」
話す間に少しずつ、私がヤツに馴染んでいこうとしている。そうだとも、生娘みたいな反応している場合じゃないんだよ、私の体よ。
ヤツは「で?」と先を促した。
「ぬめりの方は万端だった。気分が盛り上がれば自然に湧いたりもするものだから」
なんだか恥ずかしいことを言わされてないか。ヤツにその気は無かろうが。また少し、熱が上がる。
「本当に初めての頃は指一本入れるのだって痛いくらいなんだけれど、私は子どもも産んだ体だもの。ほぐしの方は、必要無いと思ってたんだ」
多分は体がびっくりしている状態なんだろう。時間をおけばマシにはなるはず。
36珍味とその喰らい方:2007/07/20(金) 00:35:12 ID:bTZGiYlc
おや、被った?
後にしましょうかね
37ナナさん:2007/07/20(金) 00:35:37 ID:rDXHe7hx
いろいろありすぎた夜が明け、ユーリは目を覚ました。
(夢だったのかな・・・)
そこにユーナの姿がなかったからだ。安心したような、少し淋しいような・・・感傷に浸っていると、後ろから声がかかった。
「あ!起きてたんですか?」
突然のことにユーリの体が小さく跳ねる。
「え!?あ、うん。今・・起きたとこだけど・・・」
「朝ごはん出来ましたのでどうぞこちらへ」
どうやら夢ではなかったらしい。ユーリは、昨夜のことを思い出し思わず顔が赤くなる。
「ユーリさん?顔が赤いですけど・・・」
「な、何でもない」
ユーリの慌てようを見て、ユーナはキョトンとしている。
「キッチンだよね?わかった!」
妙なテンションのままユーリはベッドから飛び起き、キッチンへ直行する。そんなユーリをやはり不思議そうに見ていた。

キッチンに入って、まず目に入ってきたのはテーブルに置かれた料理だった。
「これユーナが作ったの?」
「お口に合うか分かりませんが・・・」
「なんか、悪いな」
「そんな!とんでもないです!!」
ユーナは何故か慌てている。その姿を不思議そうにユーリは見ていた。
「ありがとう。あ、食べていい?」
「はい!遠慮しないでくださいね」
誰かに料理を作ってもらうことなど今まで無かったので、こんな時どう対処すればいいのかユーリは戸惑っていた。
とりあえず、どんな味であれ誉めるべきなのだろうと勝手に思い、料理を口に運ぶ。
「あの・・・どうでしょうか?」
彼女はユーリの顔を不安そうに伺っている。
「・・・・美味しい」
「本当ですか!?」
「少なくとも、自分で作るより数倍美味しいよ」
誉め言葉なのかどうかは別として、冗談やお世辞ではなく、本当だった。顔にはあまり出さないが、彼なりに相当誉めている。
しかし、ここでユーリにある疑問が生じた。
「なんでユーナは料理出来るの?」
至極当然の疑問だ。古龍である彼女がなぜ料理が出来るのか?
「えと、たまに人の姿で生活してましたから・・・料理はその時覚えました。」
「人の姿で生活って・・・もしかして自由に姿変えられたりする?」
「ええ。変えられますよ」
「あはは・・・・そうなんだ・・・」
ユーリは顔が青ざめた。彼女が自由に変身出来るのならば、古龍全般そうすることが出来るかもしれない。
人の社会に、化けた古龍が一人二人・・・これ以上は考えたくない。
ユーリは無言で料理を食べた。


38ナナさん:2007/07/20(金) 00:36:31 ID:rDXHe7hx
料理を食べ終え、ユーリが片付けようとすると、彼女がそれを見て、慌てて止めに入った。
「な、なに?」
「私が片付けますから!ユーリさんは座ってお茶でも飲んでいてください」
「いや、でもさ・・・」
「座っててください!!」
「はい・・・すいませんでした・・・」
渋々ユーリは彼女の言う通りにした。これ以上逆らうと、何をされるか分からない。仮にも、彼女は古龍なのだから。
その証拠に、さっきから左右に尻尾が揺れている。ユーリはこれを見る度に現実に戻され、頭を抱えた。
この際だからと思い、ユーリは彼女に色々聞くことにした。
「あのさ、ちょっと聞いてもいい?」
「何でしょうか?」
彼女は皿を洗う手を止めた。
「何故にあの時グラビモスに襲われてた?」
「それは・・・ですね・・・彼の子供を殺してしまったので」
いきなりの衝撃発言。それなりに覚悟はしていたが、まさかそれほどとは・・・
(マズイこと聞いたかな・・・ってかあいつ雄だったのか)
ユーリは自分の間の悪さを恨んだ。
「悪い、変なこと聞いたな」
「いえ、事実なので・・・」
ユーリは改めて自然の厳しさを知る。それと同時に、飛竜も人間も同じようなものだと言うことも。
あえて理由は聞かなかった。いや、本当は聞きたくなかった。
「この話しは止めよう。悪かった」
「ユーリさんは悪くないですよ」
二人の間に微妙な空気が漂う。
そんな空気を振り払うかのごとく、ユーリは無理やり話題を変えた。
「ユーナはこれからどうするんだ?」
「どうって・・・どうしましょう?」
「どうしましょう?って・・・行く所あるのか?」
「え!?ユーリさんと一緒じゃ駄目ですか?」
「それって・・・ここに住むってこと?」
「はい!」
「な、何!?」
思わず大声をあげてしまった。とりあえず、理由を聞いてみる。
「えーっと、それは何故に・・・」
「ユーリさんには命を救って頂いたんです。命の恩人を放っておくことは出来ません。だから、私はユーリさんに一生尽くすつもりです!」
「つ、つく、尽くすってそれってつまり・・・」
「ユーリさんさえ良ければお嫁さんに・・・」
お嫁さん、と言う響きに若干19歳の少年は赤面した。
39ナナさん:2007/07/20(金) 00:37:50 ID:rDXHe7hx
「オヨメサン!?って、ちょ、、ええ!?」
いきなりの求婚。しかも、相手は昨日殺そうとした人物(元い古龍)。さらに、ユーリにとって初めての女性(異性として。マリアは姉の様な存在)。
どうする!?どうするの俺!?
・・・・しばらくて、無言になったユーリの異変を察したのか、ユーナは声を掛けた。
「あの・・・ユーリさん?大丈夫ですか?もしもーし」
案の定大丈夫ではない。昨夜といい、ユーリには刺激が強すぎたのか、再び気を失っていた。本当に情けない男だ。


しばらくしてユーリが目を覚ました。
「あ!気が付きましたか!?」
「んん・・・」
「びっくりしましたよ!座りながら気絶するなんて・・・具合でも悪いんですか?」
「・・・?」
何故彼女に上から覗き込まれているのか?それに、頭に感じる妙な感触は一体・・・
「・・・・!?」
ユーリは気付いた。今まで彼女に膝枕をしていてもらっていたことに。
「うぉ!?」
「キャッ!?」
ユーリが恥ずかしさのあまり飛び起きる。そのことに彼女は驚いた。
「ご、ごめん」
「いえ、元気そうなので安心しました」
笑顔の彼女をユーリは直視出来なかった。顔を見るとさっきのことを思い出す・・・
「あの、ええっと・・・」
「さっきの答えはいつでもいいですよ」
意外な発言にユーリは戸惑った。
「え?」
「突然無理をいってしまって申し訳ないと思っています。でも・・・私は本気です。」
オレンジ色の瞳は真剣そのものだ。ここから、時間無制限の根比べが始まった。
(俺は負けねぇ)
ユーリは彼女の方に目をやる。
そこには、依然としてユーリのことをを見つめているユーナ。
(そんな目で見るな!)
しかし、彼女は依然として目を逸らさない。
(反則だろチクショ〜)
ついに決着がついた。
「・・・わかった。ここにいていいよ」
ユーリの完敗である。最初から勝負は決まっていた気もするが・・・
「ほ、本当ですか!?」
「ああ。ユーナの質問に答えられるかは別だけど・・・まぁ、改めてよろしくな。」
「はい!ありがとうございます!!」  
礼を言うのと同時に、ユーリに抱きついた。
「ちょ、ちょっとストップ」
「はい?」
彼女を引き剥がし、ユーリは「う〜ん」と低く唸りながら彼女を見つめる。
今の彼女はユーリのシャツ一枚。多少大きい様だが、いろんな所が見え隠れしていた。
(マリアに服貰うしかないか・・・)
そう思い、ユーリはにおもむろに立ち上がった。
「ユーリさん?」
「ちょっと集会所に行ってくる。すぐ戻ってくるから」
「え?ユ、ユーリさん!?」
ユーリは足早に集会所へ向った。

40ナナさん:2007/07/20(金) 00:39:50 ID:rDXHe7hx
昼前の集会所は、朝や夜のそれとはまた違った雰囲気がある。ここにいる大抵の者が、酔い潰れ、爆睡している者が殆んどだ。
そんなハンター達を尻目に、ユーリは机に突っ伏しているマリアに声をかけた。
「ちょっといい?」
「ふぇ?ユーリ君?」
どうやらマリアも寝ていたらしい。
「仕事中に寝ていいわけ?」
「だって眠いんだもん」
眠そうな目を擦りながら、マリアは話を続けた。
「私服ってことは依頼見に来たの?」
「ん?・・まぁ、その・・・そんなとこかな。それと報酬金受け取りに」
「そういえば、昨日来なかったよね。ちょっと待ってて」
「一応来たんだけどな、忙しそうだったからさ」
ユーリは中々本題を切り出せない。よく考ると、男が女性用の服を欲しがるなど普通あり得ない。
(どうするか・・・)
ユーナを連れて来ようにも、シャツ一枚&尻尾をどう説明すればいいのか・・・
そもそも、ユーリが女を連れていると他のハンターに知られれば、いいネタにされる。それだけは何としても避けたかった。
「ユーリ君、何かいいことあったでしょ?」
唐突な質問に少し焦る。
「な、なんで?」
「敬語じゃないよ」
「気のせいだろ」
「そうかな〜?」
本当はこんなこと話してる場合ではない。
困り果てたユーリは傍らに置いてあった依頼書の束に目をやった。
「これ、見てもいい?」
「いいよ。少し更新してるしね」
ユーリは、カウンターに置かれた報酬金を無造作にポケットへ突っ込み、依頼書を見始める。何枚か捲ると、一枚の依頼書がユーリの目に止まった。
「フルフルか・・・ここら辺じゃ珍しいな」
「結構強いらしいわよ。街の方じゃ討伐隊が全滅だって」
「それはそれは。んで周辺の村に協力要請か。」
「ユーリ君なら倒せるんじゃないかな?」
「どうだろうな。それに、何だかコイツはどうも苦手だ・・・」
「似てるしね。ユーリ君に」
「は?」
「その白髪とか」
「白髪じゃない!どう見ても銀色だろ!!つーか、全然似てねーよ」
確かに、ユーリの外見は、銀髪に藍緑色の瞳。肌の色は他のハンターと比べて白く華奢な体格と、どことなくフルフルに似ているかもしれない。
しかし、似てると言っても色だけなのだが・・・
「冗談よ。それにしても、いつもそんな怒ってるとストレスとかで早死にしちゃうよ?」
「ストレスって・・・何なんだよ突然。それに、どの道長生きなんか出来るはずないだろ」
縁起でもないことをユーリは口走る。
「なんで?」
「むやみやたらに殺生してる奴が長生きしようなんて傲慢すぎるからな」
「そうかな・・・」
「そんなもんだろ。まぁ、長生きしようなんて思ったこともないしな」
「ふ〜ん。何かユーリ君って、たまに年寄りみたいなこと言うよね。でさ、さっきからユーリ君の後ろに立ってる女の子は誰かな?」
「何?」
ユーリは嫌な予感がした。恐る恐る後ろを振り替えると、そこにはユーナが泣きそうな顔で立っている。
「ユーリさん・・・死んじゃうんですか!?」
「え!?いや・・・・てか、いつからそこに?」
彼女の代わりにマリアが答えた。
「ユーリ君がフルフル討伐の依頼書見てた時くらいからいたわよ」
そんな前から・・・ユーリは軽くパニックだ。
「で、誰かな?」
「彼女は・・・その・・・」
「ユーリ君。お姉さんに話なさい」
「・・・はい」
マリアには勝てない。ここは正直に話すしかないと悟る。ユーリは事の顛末を話した。

41ナナさん:2007/07/20(金) 00:41:34 ID:rDXHe7hx
「そんなことホントにあるんだね・・・」
「他言無用だからな」
「大丈夫よ!私の口は堅いんだから!!」
(本当かよ・・・)
だが、信じるしかない。
「マリア、それでお願いなんだけど・・・」
「何かな?」
「服を何着か貰いたいんだけど・・・」
やっと言えた。まぁ、結果オーライとでも言うべきか。
「確かにね。さすがに、その格好じゃねぇ・・・」
「頼む」
「いいわよ。ユーナちゃんだっけ?付いてきて」
「は、はい!」
「ユーリ君も来る?」
「何で?」
「着替え。見なくていいの?」
「見ねぇよ!!」
ユーリは顔を真っ赤にして叫んだ。

まずは一段落。これからのことは後で考えればいい。ユーナ達が戻ってくるまで、また依頼書見ることにしたその時、後ろから声をかけられた。
「はい?」
振り向いてみると、そこには見知らぬ男が立っていた。
「ユーリ・ビンセント様ですね?」
「そうだけど・・・誰だ?」
男の服装からして、ハンターとは考えにくい。
「申し遅れました。私はポッケ村の者です。この度、あなた様にティガレックス討伐のご案内を申し上げに参りました」
ユーリは、こういったバカ丁寧な人間があまり好きではない。だか、仕事の話だ。ここは我慢しよう。
「詳しく聞かせてくれ」
「依頼内容は、ポッケ村周辺のフラヒヤ山に出現したティガレックスの討伐をお願い申し上げます」
ロット村からポッケ村はそう遠くない。しかし、他の村の依頼が来るのは稀なことだ。
「あそこはポッケ村の管轄だろ?どうして俺なんかに?」
「その通りです。しかし、ある方がユーリ様に是非来て欲しいとのことで・・・」
ある方?ユーリは眉をひそめる。男が話を続けた。
「レイ・グラッドマンと言う方をご存知ですか?」
「レイ?ああ、あいつか」

レイ・グラッドマンとは、ユーリがこの村に来て初めて知り合った人間で、5ヶ月前に、ロット村からポッケ村に拠点を移したハンターだ。
また、以前、街がシェンガオレンに襲われた時にたった1人で退け、それ以来『街守のレイ』と呼ばれている。
「集合場所はポッケ村の集会所、出発は明日の昼です。それでは、私はこれで失礼します」
男は早口にそう言い、去って行った。
(無理矢理だな・・・しかも拒否権無しかよ)
たが、この村にある依頼はどれもイマイチだった。
「しょーがない。やるか」
ユーリが集会所を出ようとすると、丁度マリアが戻ってきた。
「あれ?帰るの?」
「ああ。さっきポッケ村の人間が来てな。ティガレックス討伐を引き受けた。」
「ずいぶん大物ね。あ、ユーナちゃんは先に家に帰ったわよ」
「ありがとな」
「かわいい弟の頼みだもんね!聞いてあげるのが当たり前でしょ!!」
確かに、二人の関係は姉弟みたいだ。だが、ユーリはそう呼ばれるのを嫌がっている。
「誰が弟だ」
ユーリはそう言い残し家に帰った。
42ナナさん:2007/07/20(金) 00:42:33 ID:rDXHe7hx
「ただいま」
「あ!ユーリさん!!お帰りなさい!」
目の前には、マリアの服を着たユーナが出迎えてくれた。
「ユーナ・・・それ・・・」
「えと・・・・似合うでしょうか?」
彼女は頬を染めながらユーリに尋ねる。
「え?・・あ、うん。すごい似合ってるよ」
ややピンク色のセーターに、山吹色のスカート。長さは尻尾が隠れるぐらいだ。
似合うなんてもんじゃない。”ガンギマリ”である。ユーリは顔を赤くし、照れ隠しのつもりか唐突に仕事話を切り出す。
「これから仕事だから少しの間家を空けるな。何かあったら、マリアに聞けばいい。俺の方からも言っとくから」
「それは・・・どのくらいですか?」
淋しそうにユーナが尋ねた。
「早ければ明日の夜中か・・・まぁ、明後日には帰るよ」
弓の確認をしつつユーリは答えた。
準備が整い、出発しようとしたユーリをユーナが呼び止める。
「死んじゃったりしませんよね?」
「・・・努力する」
「待ってますから・・・帰ってきてくださいね」
「わ、わかった」
そう言いってユーリは一人、ポッケ村に向かった。
43ナナさん:2007/07/20(金) 00:44:54 ID:rDXHe7hx
以上です。
次回は戦闘メインなんで、多少は話が進展します。
批判・感想があれば何なりと。
44名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 00:56:11 ID:g3r8ldp+
GJ

あれ?シャツ一枚ってことは下は
45珍味のひと:2007/07/20(金) 01:48:15 ID:bTZGiYlc
今更書くのもなんだけど、出直して来ます。

>>ナナさん氏
割り込んでしまってすみません。不注意でした。
まだまだ先の読めない展開、続きを楽しみにしてます。
とりあえず……ナナのおぜうさん、料理の前に服装について学ぼうぜw
46名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 01:52:47 ID:FyO46lF1
珍味じらし自重wwwwww俺…なみだめ……
47名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 01:58:29 ID:w8hm5pZF
珍味の話の先もすごい心待ちにしてるんで、
釣られたガノみたいにジタバタしながら待っとります
48名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 02:06:04 ID:UgPdIB8i
割り込みなんてひでぇよナナさん!でもGJ!

体当りしようとして落とし穴に落ちたガノみたくジタバタしつつ珍味の続きを待ってる。
49名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 05:59:05 ID:huXxB5Gq
両人ともGJ
50名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 06:02:15 ID:bTZGiYlc
云時間しか経ってないが、改めて投下する。今度は大丈夫だといいな。
諸注意は>>33
>>35の続き。投下回数更に増えてるのはご勘弁を。

読み返してみりゃ、ブツ突っ込んでからのカエルもどきの心境が俺の心境。
準備万端だと思ったのに、まさかの事態だ。シンクロっぷりにいっそ笑えるぜー

>>48
ナナさん氏はひどかないさ。アクセスできる時間の限られた、お忙しい方なのかもしんないぜ。
そうで有ろうと無かろうと、投下は結構緊張するもんだから色々あろうよ。
……とか、パニクった上、投下宣言ほったらかして風呂に入った俺が言うのもアレだ。
51珍味とその喰らい方:2007/07/20(金) 06:04:03 ID:bTZGiYlc
ヤツはキリキリと歯ぎしりをしつつ、顔側面のヒレをはためかせた。
後ろ頭のヒレはもう見えない。さっき触ったのに、どうして気付かなかったんだろう、あのヒレの存在。
そんなことを考えているうちに、ヤツはヒレの動きを止め、歯ぎしりも止め、こちらを見上げてきた。その顔は妙に嬉しげに見える。何だろう。
ニタつく口元からギザギザの歯を覗かせながら、ヤツは言った。
「てぇことはなんだ。テメェは、テメェの体が男のカタチを忘れるくらいに久しぶりだってんだな」
なんだかやたらにヤラシイことぬかしやがったぞ、この人間男二年生(筆下ろし真っ最中)。

ヤツは悪者くさく喉の奥で笑いながら、私の背中に腕を回す。
返す言葉もなく絶句している私の顔をニヤニヤと眺めながら、なお言いやがる。
「なら俺のカタチだけ憶えとけ。絶対忘れねぇくらいに刻んでやらぁ」
おいこら、意味わかってんのか。
言われるうちに、体が急速にヤツに馴染んでしまうのを感じる。ああ、もう。こっちも嬉しがりの正直者め。
「随分とよくなったもんだな。ああ?」
ヤツも酷い締め付けが柔らかなものに変化したのに気付いたのだろう。言い方がなんだが。
「全く、言葉責めとは恐れ入る」
篭った熱を少しでも放そうと、涎やら汗の染みた白スカーフを外し、襟元を開いた。
一度ヤツの頭を軽く胸に抱き、片方のヒレに軽く口付ける。
ピッピとそれが振るわれる中、逆の方をねぶってやった。
「うわ」
どういう反応だろう、この声。
感覚器官だと言うから、例えば耳でなくもっと奥の鼓膜が舐められたら?それは「うわ」だな。
他には眼球を舐められたとしたら?それも「うわ」だ。
「それは止めてくれ」
あからさまに嫌そうな声が上がる。
「そうするよ」
私は素直にそれを聞き入れ、改めてヤツの肩に手をおく。続きをするとしよう。
52珍味とその喰らい方:2007/07/20(金) 06:05:45 ID:bTZGiYlc
軽く腰を揺するだけで、繋がっている場所から何とも言い難い快感が脳天へ突き抜けていく。
思っていたより深い繋がりなせいか、久しぶりなせいか、異様にイイ。なんだこれ。長くは意識がもたないかもしれない。
それもそれで、楽しいじゃないか。フツフツと笑いが沸き上がる。
目を閉じれば、自分の背中が裂けて、中から生白い自分が出てくる様子が見えた。
新しくなる、なれる。
ヒト一人の世界は、日々生まれ滅んでまた生まれる。私も死ぬまで新しく成り続けていくだろう。
いや、死ぬことすら新しく何かの一部になることかもしれない。楽しみだな、それもまた。
なんだ、この妄想。……またメルホアか?こんな時までか?

また小さく笑っていた私を、ヤツは見ていた。鼻の頭にシワを寄せ、唸るのが聞こえる。
「余裕かましやがって、むかつく野郎だ」
そういうわけでもない。正直よすぎて意識が飛びそうなくらいだ。私から仕掛けておいて、それも申し訳ない気もする。
ならどうしたものか。答えは直ぐに出た。
早速ヤツの首に腕を回し、もたれかかりながら囁く。
「貴方のイイように動いてみなよ。多少荒くても多分大丈夫だからさ、貴方の好きにして欲しい」
現状やっぱりマグロだもの、ヤツは。少しこちらだって食われてみたい。
ヤツは唾を飲み込んでから、また少し掠れた声で言う。今夜は掠れっぱなしだな。
「良いのかよ」
おや、もしかしてヤツにも遠慮とかいうものがあったんだろうか。
「刻んでくれるんだろう、貴方が」
期待半分、投げやり半分で囁いた言葉だった。
「後でやだったとか言われても知らねぇかんな」
ギタリとギザギザの歯が覗くのが雰囲気でわかる。この上なく嬉しげに言われて、少しだけ不安が頭をもたげた。
「噛みつくのだけは止めて欲しいな」
舌打ちが聞こえる。釘刺しておいて良かった。
そんな刻まれ方は、うっかり死にそうで。どうせ死ぬなら、もっとちゃんとヤツを味わってから死にたい。
「口付けるのは良いのか?」
「それも今ならどこなりと、どうぞ。舐めるのも構わない」
一度に許し過ぎだろうか。痛い思いをさせた後ろめたさも多少はある。
ヤツは少し考える素振りを見せて、呟いた。
「毒食わば皿まで、ってか。あたって死ぬのもまた一興かもな」
賢くなってきたヤツの発言に感心する間に、がっしりと腰を掴まれた。
ヤツは私の首に口付けながら、無遠慮に突き上げてくる。
先に言っておくべきだったろうか。変な声が出るけれど気にするなと。
53珍味とその喰らい方:2007/07/20(金) 06:07:34 ID:bTZGiYlc
水面が揺れる音に目を覚ました。
ぼんやりしたまま、身を起こす。月の角度が変わったらしく、岩壁に囲まれたオアシスはやたらに明るい。
青々とした月の下、横たわる私は一人でくしゃみした。
ここは砂漠の中にあっても昼夜の寒暖の影響を余り受けずに済む場所ではあるが、野外で下半身ほぼ丸出しじゃ、寒かろう。
私は体にかけてあったズボンに脚を突っ込みかけ、下着はどうしようかとふと思う。
見れば、なんだかねろねろとした液に汚れきった布きれと化している自分の下着。原因は自分だが、これをそのまま身につけるのは気が進まない。
加えてやたらにだるい下半身、体の内側からぬめりがまた滑り落ちる感触もあるが、その口の付近は確認するのも嫌なほど様々な液にまみれている。
寒いが、少しばかり下着と下半身を洗っておくのが良さそうだ。
私は水辺へ向けて、裸足でぺたりと歩きだした。浮遊感はもうない。

水音がする。そういえばこの音で目を覚ましたはずだった。
そちらに目を向ければ、水面から生えた、走る一対のヒレが見えた。その間にも、そのまた少し後ろの方にも小さなヒレが帆を張っている。
薄い水の膜の下では暗い青の線が流れていた。ああ、なんだ。ガノトトスか。
水辺にしゃがみこみ、水面をピタンピタンと叩いてみると、ヒレが走るのを止めて、ヒコヒコ動く。
もう一度、水面を叩くとヒレがこちらに向かってきた。
水中から見覚えある頭頂が出て、生え際が現れ、狭くないデコが通った後に、吊り上がる眉が生えてきて、眉とほぼ同じ角度の黒目がちな目と視線が合った。
濡れて虹色を纏うヤツの髪を見て思い出した。あれは瑠璃色というものだ。
整った鼻筋、薄い唇、しっかりした顎、太いとは言い難い首、そんなものが現れるのをぼんやりと見守った。
ちゃんと筋肉のついた胸が見えた辺りで、もしかしてと思ったが、割れた腹筋がお出ましになる時点で疑惑は確信に変わりつつあった。
すっかり水から上がったヤツは、雫を滴らせながら眉間にシワを寄せた。そして指を差して言いやがる。
「おい、下もなんか着とけよ」
こいつにゃ言われたかないな。せめて下くらい着とけ、この裸ん坊万歳男児が。
蟹に鋏まれでもしたらどうする気なんだ。

ヤツが装備を着ける間、私は下半身と下着を洗って、ヤツに言われた通りに何かは着た。
下着は水に濡れたままで冷たいが、背に腹は変えられまい。
取ったスカーフや投げたブーツやどこかに置いた羽付き帽子、脱いだグラブも回収しなければだが、こう明るいと見付けるのも大した手間ではなかろう。
ギルドガード蒼の一式も、随分着崩してしまったものだ。着崩して何をしたか、そちらについては考えたくもない。
何故だか知らないが、正気ではなかったのだ。私は。野外も砂漠で、いつも殺す殺す言ってくる竜と、今までしたこともないようなあれやそれをした上、自分から乗るなんて。
ヒトとして正に狂気の成せる業といえるそれらの記憶は、いっそ悪夢であってくれと思うのだが、体の中からこぼれ出すぬめりがそれを真っ向から否定する。
中に出させたのは自分といっても間違いでない。頭の中で日を数え、子どもは孕まないだろうと結論付けた。
装備を拾い集め、着直しが済んだ辺りで、ヤツに声をかけられた。
話したくない気分だが、不機嫌にさせるのも面倒だ。応じてやるか。
54珍味とその喰らい方:2007/07/20(金) 06:09:11 ID:bTZGiYlc
ヤツはと言えば、人に声をかけておきながら、空に浮かぶ月を見上げていた。
無駄に綺麗な造作の顔が神秘的な雰囲気を纏うのは、視覚の錯覚でしかない。
ヤツの本性はどす黒い凶悪な笑みを浮かべるアホ魚竜。うん、そうだとも。ときめいたりはしない。してない。
私が自分に言い聞かせている中、ヤツの変に穏やかな声が届く。それはもう、いやに静かだった。
「アレがなんだったのか判った」
アレ、か。殺気だつ私の目と似ていたと言う、ヤツがガノトトスの頃に触れたいと望んで得られなかったもの。
水の上にある平たく不確かなアレとやらが何だったのか、少し興味が無いでもない。
ヤツがついと指を差す。つられてそちらに目をやると、水面に映る月があった。青白く輝き揺らめくそれは、確かに触れられはしないだろう。
「久しぶりに見掛けて触ってみようとしたんだが、やっぱり無理だった。映った月ならそりゃ無理だ」
ヤツはもうメルホアラーマの青色に包まれた手を、わきわきさせながら言った。
その目にあるのは、憧れだろうか。
「でもアレは、相も変わらず、むかつくくらいに……」
いや、諦めかもしれない。ヤツは言葉を切れ切れに、せつなげに発する。
「ひどく、キレイだ」
竜も綺麗なものには触れてみたいと願うものか。少しずれた形でだが、水竜だった頃のヤツは月を愛でるなんて風流なことをしていたらしい。
空の月も水面に映る月も、美しいのに手は届かない。過ぎ去った幸せのようなものかと、少し感傷に浸ることを思い出した。
「アレは無理でも、アレに似た目のテメェにゃさわれるはずだから。さわれそうなそれを、どうにか俺のもんにしたいとかも思った」
気付けばヤツは月でも水面の月でもなく、私を見ていた。真っ直ぐなその視線がかえって怖い。知らない生き物みたいだ。
「好きな食い物だの、好きな場所だの、体擦るに具合のいい石だの、そういうもんにしかこだわったことがねぇんだ。食い物以外の生き物の手に入れ方なんざわからねぇ」
何が言いたいんだろう、この竜は。近寄って来るのから逃げたくて堪らないのに、体が思うように動かない。
「だから、初めて会ったあの時も、テメェを食おうと思った」
昔話をしていたのか。それはいいからそれ以上近寄るな、竜めと言いたい。なのに声すら出ない。
「途中で、食っちまえば、その目は見られねぇことに気付いた。どうしたもんかって考えてる間に、うっかり死にかけてて、気付きゃあのクソ忌忌しい穴に落ちてた」
人が割と死闘だと思っていたあの戦いを、竜のくせに考え事してただと。
余裕綽々にも程があるだろう、命掛ってたんだぞ、そんなのだから落とし穴にはまるんだ、このアホ魚竜めが。
何でこっちに腕伸ばして来るんだ。何する気だよ、触るな。
「テメェは俺をあんな目にあわせといて、さっさと逃げやがるし、網に鱗が引っ掛かるし、余力も尽きてて、体が重くて穴から出られもしやがらねぇ」
気安く抱きついてるんじゃない。一度寝たくらいでいい気になるな。ついでに喜ぶな、私め。
「テメェを追っかけるのに、邪魔な鱗もデカくて渇きに弱い体も要らねぇ。テメェと似たような体なら、追いかけられるのにって、それだけ考えてた」
その無意味に美形な面での頬擦りも止めろ。ヒレの縁の棘が危険なんだよ。
いや、それ以前に触るな。
「何だか知らんがヒトになって、追っかけるのに好都合だと思ったのに、テメェは俺のことは気付きもしやがらねぇ」
気になってた不思議ポイントを、何だか知らんがで済ませやがったな。
私は悪くない。ガノトトスがヒトになるなんて考え付く方がおかしいくらいだ。
55珍味とその喰らい方:2007/07/20(金) 06:10:34 ID:bTZGiYlc
だいたい、さっきから黙って聞いていればなんだか話の雲行きが怪しいじゃないか、なんだこれは。
「アレに似た目をしねぇかって見てただけのハズなのに、あの目じゃねぇって判ってても見ちまう。何で俺ばっかりテメェを見て、テメェは俺を見やがらねぇんだ」
これだけ聞いてたら、あれみたいだな。
歳若い子の告白大会。こいつは竜だが。
「腹は立つし、テメェの首だの何だのは旨そうだし、何度本気で食い殺してやろうと思ったことか」
ほらみろ、やっぱり食欲じゃないか。
こんな不穏な話をしているというのに、相変わらず静かな声なのが酷く違和感を感じるが。
「食いてぇが、食ったらテメェが居なくなってつまらねぇ。どうすりゃ気が済むのか判らねぇのは、竜だった時とおんなじだ」
だから頬擦りは止めろ。さっきと違って変な気分になったりはせんが、帽子が落ちてしまうわ。
「でも、さっきテメェとあれこれやらかして判った」
「それは忘れて欲しいことだよ。私は正気ではなかったからね」
やっと出た私の言葉に対して、ヤツのヒレが少しはためく。
「……あんまり黙ってるから、寝てんのかと思ってたが」
寝てる相手に喋り過ぎだろ、それは。
ヤツは変わらない調子で「まあいい」と呟く。ブチきれないのか?
「テメェに触るのも触られるのもイイ。やっぱり殺して食うより生かしてる方がいい」
なんだ今度は性欲の話か、このエロ魚竜。
軽く失望なんかしてないとも、ちょっと呆れてるだけだからな。
「判ってみりゃ簡単なことだ。知っている言葉で言えることでしかねぇ」
何がだよ。舞い上がってた自分が馬鹿みたいだ。泣くものか、くそう。
馴れ馴れしく頬に手をかけるな。目を見るな。竜のくせに。
「テメェが好きだ。だから俺のもんになれ」
……なんだと。
「代わりになるかは知らんが、俺の一生丸ごとくれてやる」
なんだよ、これ。まるで結婚申し込みじゃないか。
竜め、体が目当てのくせにか。

私は苦労して、言葉を絞り出したものだ。
「……お断りだ」
ああ、もう。なんだか知らんが目頭が熱い。
ヤツは目だけで静かに問い返す。悟ったような面しやがって。
「さっきの私は変になってただけだ。見た目がヒトなだけの竜を受け入れるなんて、私にはできない」
そうだとも、私はどうかしていた。なのにヤツは怯まない。
「気にすんな。俺なんざ竜だった時点でヒトのテメェに惚れてたみたいなもんだ」
ヤツめ……、あんな黒くつぶらなおメメしてたくせに、何考えてたんだよ。
私なんかあの時点じゃ、ヤツの内臓は温かいのかくらいしか考えてなかったのに。
「俺から逃げるな。嫌ならもう殺せ。恨みゃしねぇから」
メルホアの香り漂わせる装備のこの竜は、色々と無茶を言う。
「テメェが俺に興味ねぇってんなら仕方ねぇだろ。俺はテメェ目当てでヒトに成り下がったんだからな」
変に罪悪感を煽ってくれるなこんちくしょう。
「見た目がヒトでも竜だ。何の問題もなく殺せるだろ」
いつも殺す殺す言うくせに、今は殺せかい。厄介過ぎるわ。
「でもまぁ、変になってたっつっても、テメェが普段から何とも思わねぇ男に股ぐらかして『刻んでくれるんだろう』とかは言わねぇと思ってんだが」
「いきなり何を言うんだ!忘れろっ!記憶消せっ!!」
私が頭に血を上らせて胸ぐらをひっ掴み、ヤツをがくがく揺さぶっているのに、ヤツはと言えば、実に楽しげにキハハハハとか笑ってやがる。
どこでそんな品のない物言いを憶えてきたんだ。
「無茶言うな、刻まれたのは俺だ。テメェだって初めては忘れちゃいまいよ」
それにはぐうの音も出ない。
ヤツが「それはそれでムカつく」と呟いてキリキリ歯ぎしりする意味がわからないが。
竜め、竜のくせに、竜が。
56珍味とその喰らい方:2007/07/20(金) 06:12:35 ID:bTZGiYlc
一度目蓋を閉じ、開いて、ヤツの目を見返す。息を吸い、声を吐き出した。
「十を三十回数えて待てるかい。少し考えたいんだ」
ヤツは片眉を少し上げて、応と言った。

さっきが正気でなかったのはある意味そうだ。感情の激しい起伏、おかしな幸福感、浮遊感。そして見えないものまで見てとれるような感覚、幻覚というのだろうか。
ただ、やった行動が本音でなかったかといえばそこはどうだろう。概ね本音で、竜でもなんでもヤツを愛しく思うのも嘘ではない。
竜への殺意も、家族を亡くした痛みも、諦めようとしたヤツへの恋心も、全部無くならず私の中に有っただけだ。
色の鮮やかさを取り戻して溢れただけで、全て偽りではない。
さっきと同じだ。ただ、今また認めたくないだけで。
だが、ヤツの好意を否定して、今更ヤツの居ない生活など考えられるのか。悔しいほどに、その答えは否だ。
ヤツを竜だからと決め付け、ヒトに馴染みつつある事実に目を背けるのも愚かしいことだ。自身の異端ぶりを自覚し、ただ異端だからと忌むのも愚かしい。
そんなことは知っていた。一度この思考をしたばかりじゃないか。
私がヤツの名前を呼ばなくなったのは、いつからだろう。始めは素顔を見た辺りからで、竜だと知って完璧に呼ばなくなった。
ヤツをヒトと認識してしまえば、もう好意が自分で誤魔化せないからだ。
身内によって名付けられたあの名前は、もう長いこと呼んでいない。
何処の言葉だかは知らない。その意味は夏の終わりに吹く南風。嵐を運ぶもの。時に暖かく、時に疫をもたらし、時に激しく吹き、実りを台無しにしてしまうもの。

軽く肩を叩かれた。もう五分経ったか。答えは出たというか、もう有ったようなものだ。
見上げずとも、ほぼ自分と同じ高さにある黒い目を見る。竜の頃と変わらない色の目だ。
その名前を、私はどんな声で言ってやろうか。それは口に任せてみよう。
「ノトス」
我ながらびっくりの甘い声色だった。口が、ずっとこの名前を呼びたかったと言わんばかりだ。
いきなり名前を呼ばれた目の前の男は、ヒレをヒコヒコはためかせた。だからそれはどんな反応なんだって。
彼は無表情に少し首を傾げた後、そのままの角度で「あんだ?」と応えた。大の男がする、鳥に似たそのしぐさすら愛しい。
愛しいと思うから、賭けを一つ仕掛けてやろう。
「私の名前を呼んでみて」

そうだ。私はこの男には一度だって名前を呼ばれた事がない。いつも『テメェ』か『カエルもどき』だった。
名乗った覚えはあるものの、別段短くもないそれを彼が憶えているかは怪しいものだ。呼べたなら、その手をとって彼のものになってやる。
忘れたとか知らんとか言われたら……、遠くの街に旅立とう。何処かの村で猟師になるのもいいかもしれない。
そう決めた。覚悟を決めた。

男は傾げたままだった首を、もう一段階傾げる。私の胸に暗いものがじわりと染みた。そういえばアホだものな、こいつ。
号泣する準備は出来ていた、とかひとりごちようとすると、男の顔がそのまま寄ってくる。
耳たぶに唇が押し付けられて、低い声で囁かれたそれは、まさに睦言の甘さとせつなさが込められていた。
「ナハエゥア」
上出来じゃないか、この凶悪面めが。
私はヒレを生やした男を抱き締めた。


月下の砂漠を二人で帰る。
美味い物を食べて寝て、『贅沢』は実に幸せな時間だった。アドバイスしてくれた身内には、感謝してもし足りないくらいだ。
オマケに素材採集のツアーだったのに、思わぬ報酬付きだ。ガノトトスハートとでも言うべきか、それは。
途中のあの変な気分になったのには、いまだに腑に落ちないが、何かの食あたりかもしれない。帰ったらきちんと調べる必要が有りそうだ。
サバイバルにはそこそこの自信があるのに、やはり砂漠は専門外だからだろうか。
彼も言ったではないか、『毒有るかもしれねぇとか思えよ』と。
次が有るなら森と丘だな。下調べをちゃんとして、この大食漢を満たせる様なものを得よう。
いつかこの男に言ってやろうとも。デートに行きましょうと。


―完(食)―
57おまけとその他:2007/07/20(金) 06:15:34 ID:bTZGiYlc
―ある日の義兄妹の会話―
妹:サボテンステーキって、ひどく苦マズイものなのね。
兄:いや、旨いもんじゃないのは確かだけど、そこまで酷くはなかったぞ?
妹:地面に丸平べったく生えてた、あんまり棘のないのを食べたけど、本当にひどかった。
兄:俺が言ってたのは、葉が平たくて棘の少ないヤツだが。なんか違うと思わんか?
妹:……図鑑があればかしてもらえる?
兄:心行くまで観るがいい。
妹:ああ、これだ。ウバダマ?
兄:よりによってそんなの食ったか、やるな……
妹:バッドトリップって何?
兄:食ったサボテンが、見事に毒物だってことだーね。
妹:生兵法は怪我の元、か。生きてたことを良かったと思おう。
 
 
―ある日の義兄妹の会話―
妹:あいつがうなじを怪しい目付きで観てくる。いつかガブッといかれそうで少し怖いな。
兄:それは仕方ないことだな。あいつの種は交尾ん時に、オスがメスの首の後ろ噛むトコから開始らしいから。
妹:……前々から首が旨そうって言ってたのは、まさか?
兄:まあ、そういうこって。人前では言わんように教えとくか。
妹:ずっと知らなかった、あいつめ。
兄:ちなみにガブッといった時に、オスが興奮し過ぎてメスを噛み殺すこともあるそうだ。
妹:なんとも、デンジャーな生態してるなぁ
兄:首筋が見えて、ヒレっぽいものが付いてるメルホアフロール女性用が好きだとか言ってたっけ。
妹:それも衣装フェチってやつになるの?


それはおまけという名の補足。または本編に入れられなかったネタともいう。

ついでに、後書きという名のアレコレ吐かせてもらおう。
当初の予定では、気だるげなオネーサンが珍味食らいついでに麻薬サボテンでラリッて、てめぇのチン身も喰らってやるぜヒャッハーてな具合に、どす黒電波系人化魚竜男を逆レイープする話を軽く書く予定だった。
蓋を開ければ、オネーサンは曲者口調ツッコミ気質に、魚竜は内面ショタ気味の変則素直ヒートに、それらの馬鹿エロ和姦へと化けていた。物語は生き物ですね。
ヒレ耳男ってどうよとか、性別逆のが良かったかもと思いつつ、元魚竜男にうなじハァハァされるオネーサンがどうしても書きたくて、敢えて人♀元竜♂。
うしろ首をガブッは、実際そんな鮫がいるのを自然番組で見た。ガノトトスがそうかっていうと捏造。シーズン毎に相手が違うのも捏造。
捏造って言えばウバダマを文中くらい食ってラリるのも捏造。トリップ時間とか資料足りずにもう開き直り。
語り手の性別が始めの方ぼかされてるのは意図的に。本当はコトに至るまでウホッか?と思わせたかった。長くて無理だったが。
あと、刀での地擦り残月が書きたかった。モンハンの刀は突きの後しか切り上げ出来ないのがどうかと思うんだ。
性欲だと自覚出来ずにうずうずするのだとか、名前を呼ばない呼べない関係だとか、食うことはエロスだよなとか、好きなこと詰め込めて楽しかった。
投下も初めてエロ書くのも初めて、感想もらうのも初めて、初めてまみれで舞い上がる。
読んでくれて有難う。応援くれて有難う。
待ってるって言ってくれて有難う。文や話を好きだって言ってくれて有難う。楽しんで貰えたなら本当に嬉しい。
これにて投下終了。
58名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 07:38:27 ID:WLNzoK2W
GJ!!!続編に期待してるぜ!!!!!


59名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 07:57:23 ID:YrjpNKzH
最後は幻想的できれいな締めでしたなー。作中でキャラ名出ない仕様が伏線だった所もやられた。
そしてラストのガノトトスハートでもう一度笑った。

ついでに、「ヤツ」がメルホア女装備好きっぽいのは何か理由があるのかとか
サボテンは何だったんだろとか、気になってた細部が最後ですっきりして実に良かった。
まさに完食って気分。ごちそうさまでした!
(最初のうち「夜だけ水の上に浮かんでるあれ」ってのが大雷光虫の事かと思ってたのは秘密)
60名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 08:10:31 ID:jTskpNkx
感想を一言に込めて


ノトス可愛いよノトス
61名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 08:51:38 ID:i00zdSA7
完食吹いた
62名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 10:06:30 ID:rgHxTBz/
すげぇ……実に職人芸を見た感じ。まるで活け造。
GJでした!
自分にゃできない綺麗な情景設定に感涙。ノトス愛してるよノトス。
63名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 12:35:50 ID:Xl2SQIku
やべぇ。ちょっと泣きそうになった。素敵ないい話だった。
主人公がヒネた性格じゃなかったらこうはいかなかったんだろな。


ラストシーン見るまでは「ちょっ>>52>>53の間を詳しく!」って思っていたのは内緒。
64名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 12:54:48 ID:2yYvAA+i
GJとしか言いようがない。
ここまで作りこまれた作品を読んだのは久々な気がするんだぜ。

こういうのを読むと、触発されて自分でも書きたくなってくるぜーフゥーハハァー。
65名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 13:15:03 ID:A5DaAZsY
>>64 いつでも歓迎
66名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 13:35:36 ID:5qsx9OzS
GJ!

非常にハイクオリティーな作品だった。我の中では『フルフルといっしょ』と同レベルだとおもっている。次回作もぜひお願いします。m(_ _)m
67名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 14:17:47 ID:H75S5Ykd
あとエロに使ってない飛竜、古龍はガレオス、大名、将軍、シェン、モノ、ディア、ヤマツくらいか?
68前スレ418:2007/07/20(金) 14:29:38 ID:rgHxTBz/
という訳で
後編が書き終わったので、投稿させていただきます。
相変わらずですが、下記を見てOKな人、どうぞお読みください。

・今回はエロなし。ごめんなさい。
・相変わらずご都合主義。
・最後、ちょい強引。
・実は九州人なんです

では、いきます。
69前スレ418:2007/07/20(金) 14:30:12 ID:rgHxTBz/
 *        *        *

「しかし、これはちょっと無いんじゃないの……っ!?」

思い切り太刀を振り下ろし、ギアノスを両断。左右に分かたれた白い蜥蜴の体の隙間から見える、追撃してきたギアノスへ刺突。
ギャッ! と断末魔の声を上げて喉を突き破られたギアノスは絶命するが、油断は出来る状況ではない。
視線を横に移せば、そこには牙を岸壁から抜いて再びこちらへ視線を向ける大蜥蜴――轟竜と呼ばれる、ティガレックスと目が合った。
視線をそらした隙を突いてくるギアノスの牙をザザミアームに包まれた左手で払い、太刀を鞘に収めて横へ走る。
案の定、ティガレックスはその特異な両腕も使い、こちらへ突進を仕掛けてきた。

「あ、んっ、もう……!」

危うい所で前にジャンプしその突き進む破壊を避け、雪原で一回転。……ぺっ、口になんか雪が入った。
雪にすべり尻尾を振るその背後を尻目に、私は山を降りるため走った。正直こんなやつと戦う余裕なんて、無い。
だがその逃走路をギアノスの群れが閉ざしていき、再び私はコイツらを切り捨てるために背中から抜刀。
……あぁもう、なんて堂堂巡り……!
抜刀からそのまま振り下ろして1匹屠り、前と同じく流れるような刺突で2匹目。
牙を伸ばしてくるギアノスから間合いを取り、払うように斬り下がって3匹目……と退治した頃には、既に背後から雄叫びが聞こえた。

「だいたい何でこんなやつが雪山にいるのよー!!」

叫びは空しく吹雪に消されて。
……思えば違和感ははじめからあったのだ、と私は20時間ほど前のことを思考の隅に思い浮かべていた……

 *        *        *

最初ベースキャンプから出て、少し歩き湖の辺に立つとそこで1時間ほど彼を待った。
だが、迎えに来るような気配が感じられないために私は彼を探しに雪山を上り始めたのだ。

「……にしても、ガウシカもポポも居ないなんて珍しいなぁ」
70前スレ418:2007/07/20(金) 14:30:35 ID:rgHxTBz/
1匹の獣も見かけない麓草原を歩き、巣穴の洞窟を抜けて中腹の雪原に至る。
更に山頂を通り山の西側を抜けて再び草原に戻り……再度、巣穴のある洞窟に入った。
それだけ歩きとおしても彼の姿を見つける事は相成らず、少し途方にくれながら数時間ほど野営を行ったものだ。
そして眠りについていくらか時間がたった頃、ギアノスの鳴き声で目を覚ます事となる。
ギアノスの群れは何処からともなく現れ、次第に倒せるような数ではなくなってしまう。
エリア2と呼ばれる西草原で野営していた私をそのまま、あれよあれよと言う間に山頂へ追い込んで……
そして、そこには鎮座する轟竜が待ち構えていたのだった。

 *        *        *

『今の時期の雪山、注意しときなよー。極稀にだけど、ティガの声が聞こえるからねぇ。』
と言っていたのは集会所の先輩ハンター。私に弓を教えてくれた、赤いナナストレートの女性ハンターだった。
その隣に座り、美味そうに肉を食らいビールを流すように飲み込む緑の髪をざんぎりにしている隻眼の男性が継いで言う。
『もしアイツにあったら注意しとけよ。あの速さは狂走毒怪鳥ってレベルじゃねぇぞ。あとは叫び声だな。あの声は――』
そう、あの声は。

「ぐ、ぅぅぅっ……!?」

離れていたにも関わらず……耳の奥を刺されたかと思うような刺激が走り、私は飛竜の目の前だというのに両手で耳をふさいでしまった。
『――あの声は伝説に謳われる古龍より激しい。音の癖に打撃力を持って、近くに居たら吹き飛ばされちまうからな』
聞いて理解するのと実践して理解するのはまた別物。あの時は、はいはい凄いですねーと流していた私も、この音には屈してしまう。

「ありゃ一種のブレスと思え……確かに、そんな感じ……っ!」

泣き言を漏らしながら私は直ぐにその場から横に飛び逃げる。案の定、やはりあの速度をもって轟竜は突進してきていた。
山頂部分は広そうに見えて案外狭く、東の道から降りようとするならば、
飛竜がぎりぎり通り抜けれる程度の細い直線を駆け抜けなければならない。
西の道は逆に広場から直結しており逃げやすいため、私はそちらに意識を向けていたのだが……
今では道を、轟竜の巨体がふさいでしまっている。こうなれば、東の道から逃げるしかない。
71前スレ418:2007/07/20(金) 14:30:57 ID:rgHxTBz/
今度こそ、と振り返りダッシュした私は。

「あぐっ!!」

ギアノスの爪を背中に受けて転倒してしまい。更に背後から轟竜の突進が迫り――
あー。なんか、前もこんな事あったっけ。
彼と初めて戦った、あの時も同じような状況でブランゴに転ばされた事を思い。これが走馬灯か、と迫り来る死を見つめて――

「そぎゃん所で転んどくなァ!!」

何処からともなく聞こえてきた野太い声。え? と思い声に視線を向けると、鋼竜の抜け殻の上に一人の人影が立っていた。
一体、どういう意味だろう。というか訛り凄すぎて今一理解できないんだけど、転んでおくな、って言ったのかな。
いやそんな事言われたって背中突かれたら仕方ないじゃん。
既に死はあと1コンマ数秒で私に降りかかるだろう。そんな時でも、私は何故かその人影から視線はそらせないで。
……!?
その影が、一瞬にして消えた。
そして、再度現れたその影は私を抱きかかえて。

「逃ぐっぞ。」

その一言と共に、ほんのコンマ秒で私を抱いたまま、轟竜の突進から高く飛び上がり避けて。
再び、最初に居たあの抜け殻の場所に降り立った。

「え。え?」

私を抱く人影は、私より身長は頭一つ高く、恐らく180くらい。
筋骨隆々な大男で、ブランゴフル装備を纏い、武器はクックツインズを腰にさしていた。
いや、そんな事はどうでもいい。問題は、何故かこの男に抱かれていると凄く安心して身を任せている自分が居る事で。

「大丈夫か? 怪我ァしちょらんか?」
72前スレ418:2007/07/20(金) 14:31:17 ID:rgHxTBz/
気遣わしげに、私の顔を上から覗いてくる黒い瞳。
その目に見つめられているだけで心は喜び、平穏に満たされていく。

「……う、うん……え、えと……?」

体は、男が誰かを理解しているが……理性が誰かを認識できていない。
だって、そうじゃないか。
彼はドドブランゴであって人間ではなく。だからこそ私は、あんな薬まで裏の世界から手に入れてやってきた、というのに。

「そぅか。良かった。……んじゃ? おぃの顔に何か付いとンか?」

食べカスでも付いとったかのー。と無邪気な事を言いつつ、白い毛皮で纏われた腕で顔を拭く。
……凄く見覚えのあるその仕草。

「え、いや……えっと、あの、ドドブランゴ……だよ、ね?」

不安ではある。もし違う、といわれたら私は何のために覚悟してここにきたのか判らなくなる。
というか、今まで別の男に冗談で抱きつかれても。似た男に見つめられても此処までの胸の高鳴りは感じる事はなかったのだし。
疑問も一度言葉が詰まった事も仕方有るまい。言葉が通じない以上、名前がわからなかったのだし。
だが、男はにこ、と笑みを浮かべてくれた。

「良ぅ判ったなァ! さすが嫁じゃ!」

凄く。これ以上ないという喜びの顔を浮かべて彼は私の頬を舐めてきた。
心が満たされるって、こういう事なんだろうなぁ。
なんて心を躍らせながら彼の愛情表現を受け止めて、こちらからも抱きしめた。
……ん? 嫁?
嬉しいとは思ったが、その言葉には少し引っかかりを感じて眉を寄せる。
確かに2日間ずっと一緒に過したが、それだけで嫁とは少し気が早くないか、と。
それに疑問はまだまだある。何で人間になっているのか。その装備は一体。今まで探して会えなかったのは何故か。
そういう疑問をぶつけようと口を開いたが、そこに轟竜とギアノスの叫びが邪魔をした。
73前スレ418:2007/07/20(金) 14:31:38 ID:rgHxTBz/
「うっさいのぉ……ちゅーても、アイツぁ執念深さじゃ此処らで一番じゃし、
 逃げよう思ぅても背中見せちょったらイタチゴッコやしなァ……ちょいと隠れち。見えんくなったら諦めっけんが」

ちょうど彼も同じような考えが浮かんだのか、崖下でこちらを睨み咆哮するトカゲたちを忌々しいとばかりに見下ろしていた。
そして言葉を吐き捨て、私を抱いたまま崖の反対側。小さな窪みの所に着地する。
……あぁ、確かにここだとあいつらは手出しできないし、少しは落ち着けるだろう。
彼も、よし。と満足そうに私を一度離してあぐらをかいて座った。そして、来い、とばかりに手を伸ばしてくる。
仕方ないなぁ、と私は笑みを隠せずに彼の股に座って身を寄せ合った。……少し寒いので、サックから布を取り出して巻く。

「おぅ、便利なもん持っちょんな。……人間ちー、不便かねぇ。此処ンそぎゃん寒かたぁ思っちょらんかったわ」

ぬくぬくと私と一緒に毛布を抱きながら、人心地ついたわー。と漏らす彼。
人心地も何も、あなたドドブランゴじゃないのよー! と突っ込みたくはあったが、まぁそういう無粋な真似はせず。
二人で、近況を話し合う事に花を咲かせていった。
……内容に関しては、まぁ、うん。たまに会話の途中でキスしたりだのなんだのしながらだったので少し飛ばすが。
大雑把に会話の内容を言うなら、さっきの疑問の解消が主となった。
まず、彼の名前はガジュア。ドドブランゴ達の言葉で『力強き者』という意味らしい。
ちなみに嫁って何! と聞いてみるとあっけらかんと、巣穴で屈服した雌は嫁にできる。との答えだった。
……確かに屈服した、ともいえるが、まぁ頷いておいた。
何故人間になっていたのか、と聞くと……少し、興味深い話を聞くことができた。
ここポッケ村では目にすることはないが、遠く離れたドントルマの町周辺の古塔と呼ばれる場所に居る、
浮岳龍という古龍の背に生える苔を煎じた薬を飲む事で、人化の力を得るというのだ。
運良く近くの山を捕食していた――意味は判らないが、彼はそう言っていた――その龍の背から苔をとり、人と成ったという。
ならなんで、私が来た時すぐに着てくれなかったのか……それを聞くと、少し可愛い行動をとられた。
ちょっと視線をずらし、そっぽを向きながら一言。

「……あん時、嫁んなったとんば行き成り人の村に帰りおって。そん上1月も帰ってこんかったじゃろうが。」

……どうやら、拗ねていたらしい。たまに見かけるが他に人間がいたので近寄れなかった、とも呟いていた。
私がそれに対してすぐ戻りたかった。けどドドブランゴの姿が見えないから、と。
一人で行くことができなかったのは、ハンターのルールで仕方なくなんだ、と。
何度も何度も謝って、説明して。それでやっと納得してくれて、今に至るという訳だ。
74前スレ418:2007/07/20(金) 14:31:56 ID:rgHxTBz/
「イグぅ〜」

とはいえ、こんな甘える声を上げて私の首に舌を這わせ、匂いを嗅いでくると。少し……こう、むらっ、と来るものがある。
だが、流石にこんな吹雪の中で脱いだりするわけにも行かないので彼の頭を撫でて押し離そうとしたところで……
ころっ。と、サックから1つの薬瓶が転げ落ちた。
蜜色の甘そうな粘度の高い液体がつまったソレにガジュアが興味を惹かれ、手にとり持ち上げる。
さらにそれを開けようとしたところで、私はそれを押し止めた。

「ま、まってまって、それ毒なの!」

慌てて止めたお陰で、彼がその蓋を開封する前に止める事ができた。だが、驚いた顔を私に向けてくる。
まぁ、そりゃそうだろなぁ。カバンから毒なんて、考えきれないはずだし。……それに、ちょっと特殊な毒だし。

「何で毒なんぞ大切に持っとん? ……殺す気やったんか?」
「違う違う! ……その、笑わないで聞いてね……?」

今はもう用無しになったその毒瓶。その効果は『魔獣変化』。
恐らくその浮岳龍の苔と同じような成分なのだろうこれは、口にした者をモンスターと姿を変えさせる毒であった。
それも、これはドドブランゴになる薬。
……そう、私は、この薬を飲んでガジュアと同じ獣となる覚悟で、この山に来たのだった。
本当、彼が人間になった今では意味がないが。

「……なんじゃ、嫌かと思っとったら、イグもおぃの嫁になる気やったとな。」

……どうも、何で嫁! と大声で聞いていたのに不満を感じていたらしい。
そりゃ仕方ないじゃない。そういうのは段取りとか雰囲気とかプロポーズとか大切なもののあとにくるものなんですっ。
内心、そんな事を考えているうちに再び強く抱きしめてられて。抱き返しながら私は彼に再度口付けていた。
75前スレ418:2007/07/20(金) 14:32:08 ID:rgHxTBz/
 *        *        *

それから先の事は、やはり省略させてもらおう。
結果から言うと、私はドドブランゴ退治を成功して村に帰る事ができた。
ガジュアに関しては、知り合いのハンターだという事で無理を通して村に連れ帰る事ができた。
……なぜ私がドドブランゴ退治を成功させたか、という話になるが……いや、ちょっと私でも信じられなかったりする。
いつまでたっても諦めない轟竜相手を討伐しようと攻勢にでた私達だったが、余りに相手は強大で次第に追い詰められていった。
だがそこで、首を突き出しながら噛み砕こうとするティガの動きをぎりぎりで避けてみると背中のサックが食いちぎられており。
その中に入っていた魔獣変化の薬がティガに作用し、小さなドドブランゴと変化してしまったのだった。
あとはまぁ、ハンターの流儀で牙と皮と髭だけ剥ぎ取らせてもらって――このときガジュアはどうにも微妙な顔をしていた――、
それをもって依頼達成としたのであった。

……あれから3ヶ月。私は十分に幸せを感じている。
愛している人と共に村に住み。……既に、お腹には子供が居る事が判っていた。
そのせいで少しの間ハンター業は休業しなくてはならなくなったのだが、その分はガジュアが頑張ってくれている。

「さて、そろそろパパが帰ってくるからね。ご飯の準備して、待ってましょうね〜」

少し膨らみ始めた下腹部を撫でつつ、アイルーたちと一緒に台所に立つ。
きっと、あと数時間で帰ってくる。
さて、今日の晩御飯は彼の大好物であるポポの丸焼きにするとしますか!

                                    END
76前スレ418:2007/07/20(金) 14:37:44 ID:rgHxTBz/
以上、です。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
方言にかんしては…多分、読めると思いますけど大丈夫でしょうか?
難しいのは使わなかったつもり…です。


個人的な愚痴。
戦闘難しすぎるよ……!
お陰で最後がどうしても変な文章になったんで、やむなくこういう形に。
どっかでSS練習して、戦闘を上手に書けるようにならないとなぁ。


最後に。
もしまた何か創作欲求が高まったら、お付き合いしてくださると嬉しいです。
それでは今回はこの辺で。
77名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 15:26:36 ID:rgHxTBz/
…名前欄の間違えに今更気づいたり。タイトルは前編中編と同じ
とあるハンターとドドブランゴの関係
になります。


…あと村に帰ってからのエロシーン入れるほうがよかったかなぁ、という後悔もあったりなかったり。
78名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 15:53:35 ID:TUWOPqm6
ナイス!ナイスよぉ〜

ヴェリィィィ〜ナイス!
79名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 16:08:03 ID:iotv2nCV
珍味愛してるよ珍味
ちょっと嬉し恥かしアラアラウフフなノトスとナハエゥアの間に割り込んでノトスに食われてくる(食欲的な意味で

そしてドドドブランゴとハンターの読んでてニヤる甘甘獣姦もGJ!
80名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 16:18:19 ID:+gfdsNLn
今更だが…
いきなりの容量オーバーで全俺がビビッた。
81名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 16:42:03 ID:P2zeEaKS
ちなみにこのスレが現在80レスで81KB
虹の輪姦スレが518レスで85KB
そりゃ1000まで行かねぇよな
82名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 18:28:05 ID:+gfdsNLn
今読み終わった…
珍味さんもドドの人もGJ!!
是非また書いてください!
83名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 19:44:35 ID:HbDQEA28
やだなぁもう
このスレすっかりレベル落ちたな
84名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 20:13:38 ID:YintZqRN
85名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 20:22:06 ID:iotv2nCV
あーエロ無くてもいいから珍味さんの続編読みたいよ〜     シュッシュッ
86名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 20:23:43 ID:X+SsLeox
珍味さんブランゴさん乙
中身初心なノトス可愛い過ぎるw
ナハエゥアのひねくれ具合が絶妙だ!
ブランゴさんのブランゴのなまりがハマリすぎだw
87名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 20:52:27 ID:UQK+c/5r
これはいい方言
88名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 21:05:00 ID:5JV63K4V
!!!!!夏休み注意報が発令されました!!!!!
!!!!!極端な書き込みは馴れ合い・殺伐に関わらず涼しい目でスルーするようお願いします!!!!!
89名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 21:15:30 ID:Uk30Ueid
>>76-77
結果的に身代わりになっちゃったティガカワイソスwwwww(でもナイス身代わり)
そしてドドブラの口調とブランゴ一式装備、似合いすぎでかっこよすぎ。一言で言うとGJ!
90名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 21:58:27 ID:cc3O+x9K
このスレは万年夏休みっぽいけどな
91ナナさん:2007/07/20(金) 22:07:05 ID:rDXHe7hx
>>珍味さん
割り込んでしまい本当に申し訳ないです。以後気を付けます。
それと、すごくGJです。続編期待してます。
92名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 00:43:26 ID:kfUlXQlM
ちょっと調べてみたがゴリラやオランウータンの
アレのサイズって3〜4センチ程度らしいな。


そう考えるとドドブランゴのが人間の女の子に入るサイズというのも納得。
93名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 00:52:12 ID:TbqdS3PY
ホントかどうかは知らんが、生き物の中で人は、身体に対してアレがでかい方だと耳にしたことがあるな。
ご立派の代名詞たる『馬並み』とやらも身体全体からしたら、そんなに大きくもないとか。
そんなもんかね?
94名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 00:56:25 ID:MnNK7XFR
まぁウマからしたらなあ…
95名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 01:11:26 ID:JnVuP9Kn
・・・思い違いだったらすまないが、主人公の得物は鳥幣弓じゃ無かったっけか。途中から太刀になってる気がする>ドドの人
96名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 01:20:45 ID:39Y0ggow
>>95
判りづらかったらすいません。
1回目:ハンターフル+クックツインズ
2回目:クックフル+鳥幣弓
3回目:ザザミフル+斬破刀
となっていたのですよー。
寝る前にちょいと確認してみたら好評いただけて幸いでした、と
良い夢が見れそうなのでありがとうございます、と。


あと、未練がましいですが。
村に帰った後のエロシーン今度書かせてもらってよろしいでしょうか。
凄い自己満足100%なんで見苦しいかとは思いますが。
ではおやすみなさい。
9795:2007/07/21(土) 01:21:21 ID:JnVuP9Kn
やはり勘違いでした。申し訳無い
98名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 01:27:48 ID:cDQmKiYg
日記かよ
99小ネタ:2007/07/21(土) 13:48:28 ID:TbqdS3PY
ヒトが森と丘と呼ぶ場所は、竜の棲まう地である。
そこでのヒトはあくまで招かれざる客であり、異物であり、弱者だ。
 
ただ何事にも例外は存在するとも言える。
 
麓に川の流れるなだらかななその丘には、普段は温厚な気質の草食竜の群れが憩う。
だが今は青い鳥竜種・ランポスがたむろしていて草食竜の姿はない。
そこに居るものが代わっても、陽光は柔らかく、風は穏やかだった。
しかし何処からともなく聞こえてくる、得体の知れない獣の鳴き声のような音により、ものものしい雰囲気が場を支配している。
太く高く響くその音は、ランポス共を色めき立たせた。
 
それは丘の上から降りてきたヒトによって運ばれてきた音だ。
巨漢が一人。その身に纏うのは、薄赤い色の毛皮を爪や牙や鋲で装飾した着衣。どこか俗悪と言う印象を与える装いだ。
コンガSシリーズと呼ばれるそれは、人の身ならぬトカゲ共の目をも惹き付け、思わず飛びかかり引き裂きたくなるような引力を持っていた。
 
男は口から角笛を離し、威嚇の声を上げるランポスの群れを前に足を止める。
彼の頭は半ば、薄赤いドクロ、あるいは皮膚を取り去った筋剥き出しのヒトの顔の如き仮面に覆われていた。
角笛を吹くために捲り上げていた、コンガSキャップと呼ばれるこの仮面の口元を改め、男は角笛を後ろ手に背負いへとしまい込む。
いよいよ男をその牙爪にかけんとランポスの群れが駆け出すのを、彼は仮面の奥から見つめた。
眼差しの色は砂漠の砂のそれだ。水に似た静けさを見せながら、いつ荒れ狂うかもしれない激しさを孕んでいた。
 
今彼の姿を目にするヒトが居たならば、その脳裏に閃く言葉があっただろう。
時はまさに世紀末、と。
その故はわからずともだ。
 
彼は腰に下げた盾と棍を手に取り構え、襲い来るランポス共に向けて穏やかによく通る声で、その言葉を発する。
「お前ら、俺の名前を言ってみろ。…ダニャー」
 
男の左手に構えられた盾は、猫の顔の描かれた小さな樽の蓋。
男の右手に握られた棍は、短く細い棒の先に獣人メラルーの手を模した物が付いていた。
彼が今構える武器は、メラルーガジェットという名だった。
 
丘の上から、楽しげにニャーニャーヒャッホイする彼を眺め、緑色に染められた上質な革鎧で身を包んだ女が呟いた。
「胸に燃え盛る思いを保ちつつ、駆け抜けてしまいたくなるね」
彼女の腕の中には、盗み出してきたばかりの飛竜の卵が抱えられていた。
巨漢は今、囮役を十二分に楽しんでいる。
 
エロも落ちもなく終。
 
 
 
スキルの特殊攻撃と属性攻撃を間違えて、コンガSシリーズを組もうとワクワクしてしまったって愚痴を今ここに。
今更ながら、攻略本で見た男物のコンガSキャップがジャギ様マスクに見えてしかたねぇ。
あと、ツレに頼んで見せてもらったメラルーガジェット振り回す男キャラの衝撃もぶち込んだ。
今は文のマズさと、若い人おいてけぼりなネタだけしか反省してない。
エロドコーとかは聞こえない。
100名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 15:22:39 ID:kfUlXQlM
>>99
ついつい似合いそうなボウガンを探してしまった。
普通のボウガンっぽいのって意外と無いもんだな。
101名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 16:54:41 ID:kjkh3lZe
>>96
いつでもおk
102名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 18:19:50 ID:TbqdS3PY
>>96
自己満足以外の何で書くというのかな。そりゃおまいさんの勝手だ
好きにすればいいだろ
つまりはなんだ。待ちゃしないが、期待はしてる。
103名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 19:17:42 ID:7joVTFFu
>>99
メラルーガジェットはデスギアSと合わせて特殊攻撃強化つけるのもすごい好きだったりする
104名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 05:19:01 ID:I8yu4JnS
短くしよう短くしようとしたら駄文になった。
今度からは視点を統一する積もりなんだが取りあえず

投下するなら人のいないこの時間帯しかない!
105桜舞う序章:2007/07/22(日) 05:22:04 ID:I8yu4JnS
(・・・ヤットキマシタカ・・・)
ここは私の巣。私は毎日周りの密林にいる餌を狩りながら比較的平和に過ごしてました。
・・・ニンゲン達に襲われて殺される仲間達に比べれば・・・
実は私はニンゲンに出会ったことがありませんでした。
ニンゲン達に殺された仲間達を考えると奇跡的な確率だったのかもしれません。

しかし、そんな私も遂にニンゲンに遭遇してしまいました。
私は直ちに威嚇し、戦闘の体勢に入りましたが、ニンゲンは何時までも襲ってきませんでした。
どうやら怪我をしているようです。
「桜色の・・・リオレイア?」
ニンゲンはそう言って倒れました。
私は少し戸惑いましたが、ニンゲンというものに興味が沸いて、ニンゲンを自分の巣で休ませてあげました。

しばらく寝かせていたら、アイルーという種族が来て、ニンゲンを連れて行きました。
私はニンゲンの話を聞いてみたかったのですがニンゲンにも帰る場所があるのでしょう。そのまま連れて行かせたのです。
もう会うこともないと思っていましたが、そのニンゲンは定期的にやってきて、肉を置いて勝手に喋り、勝手に帰って行くようになりました。


私は日を重ねる度に彼の話に夢中になっていき、毎日彼の来訪を待ち侘びるようになりました。
彼の名前、ハンターという方々の話、彼の3人の養子の話、人間の文化・・・
彼は・・・ジェイドは今日はどんな話をしてくれるのか・・・私は人間という種族に憧れさえもち始めたのです。

回想終わりです。
しかし今日はそれどころじゃないようです。
ジェイドは何時も通りやって来てくれました。
ただ・・・何時もと違うのは・・・体中が血だらけだということだけで・・・
「へ・・・へへ・・・負けちまったぁ」
ジェイドはその場で倒れます。
速く!速く巣へ運ばないと!
私は急いでジェイドに近寄りましたが
「ちょっと・・・今回ばかりは無理みてぇだ・・・」
彼は私のくちばしを拒否します。
「あぁ・・・俺が死んだら誰があいつらを・・・育ててやれるんだ・・・」
種族が違う私にもジェイドに死が近付いてるのがわかります。
でもジェイドは・・・自分の身よりも自分の養子達のことを心配しているのです。
106桜舞う序章:2007/07/22(日) 05:23:03 ID:I8yu4JnS
「ハァッ・・・すまねぇな・・・お前さんの巣を汚しちまって・・・」
そんなジェイドをみて、私は気付いてしまったのです。
私が・・・飛竜の私が・・・彼に友情という感情を感じていたことに・・・
私は始めて自分の体を呪いました。飛竜の体を


セメテ・・・セメテカレヲダキシメテアゲレタラ!!
しかし腕には敵を切り裂く翼爪が


セメテ・・・セメテカレニワカレノクチヅケヲシテアゲレタラ!!
しかし唇は獲物を切り裂く鋭い牙が


私はどうなってもいい!・・・せめて!せめて私の友達を!
初めてできた友達を!寂しい思いのまま旅立たせたくないんです!
その思いは、私が初めて神に送った思いは・・・どうやら神に届いたようでした。

「・・・な!お前!!」
「もう、喋らなくてもいいんです。後の事は・・・私に・・・私に任せて下さい」
私は彼の頭を優しく持ち上げ、膝の上に乗せてあげました。
「ハ・・・ハハ・・・長く生きてみるもんだ・・・最後に凄いもん見せてもらった。」
「ジェイド・・・」
「なぁ・・・『キルシェ』ってのはどうだ?」
「え?」
「あんたの名前さ。流石にリオハートってのはまずいだろ?せめて名前くらいは送らせてくれ・・・」
「・・・キルシェ・・・キルシェ・・・うん・・気に入りました。ありがとうジェイド」
「じゃあ・・・後は頼んだぜ・・キルシェ」
「ええ・・・任せてくださいジェイド」
そうして私はジェイドに軽いキスをしました。
初めてのキスの味は、紅い血の味がしました。

それは・・・雨風の強い夜のことでした。


さて、何時までもこうしてはいられません。私はジェイドの養子の名前しか知りませんし、資産もありません。速く動かなければ!
そうして私は走り出しました。未だ見ぬ密林の外へと
107桜舞う一章〜シルク〜:2007/07/22(日) 05:23:55 ID:I8yu4JnS
僕の名前はシルクといいます。
血は繋がっていませんが、兄と妹の三人兄弟の次男です。

兄さんは父さんが死んだ3年前に家を出て行きました。
我が家の家計の負担を軽くする為だったのでしょう。
父さんはハンターと呼ばれる職に就いていて、そのお金と僕の仕事で兄妹2人で貧しいながら暮らしていました。

僕の仕事というのは村の村長さんに来る依頼を受けてお金を貰うものです。
まだ飛竜とも戦った事がないのでハンターとはいえません。
今日もマフモフシリーズという父さんのお古の防具を着て、一応護身用にお下がりの黒刀を持って行きます。
腕の方は・・・父さんには筋がいいといわれました。
今日の依頼はポポノタンの納品。早く帰らないと妹のシェリスがお腹を空かせています。

しかし、今日の雪山はいつもと雰囲気が違いました。
「あれ?何もいない・・・」
「あら?貴方はここに何を?」
不意に声をかけられビックリして振り向くと、そこには桜色の長髪を持つ
ガンランサーの綺麗な女の人がいました。
「え・・・あ・・・ポポを狩りに・・・」
「そう・・・・最近ここいらで轟竜を見たって情報がありますので、気をつけてくださいね」
「あ・・・わざわざどうも」
「いえいえお気をつけて♪」
そうして彼女は背を向けてキャンプの方へ歩き出しました。
・・・綺麗な人だったなぁ
そんな煩悩はさて置き、僕も歩き始めました。が
「すいませ〜ん!お名前お伺いしてもよろしいでしょうか!」
と、振り返るとさっきの彼女が叫んでいました。
「シルクといいます!」
「私はキルシェです!またいつかお会いしましょう!」
そういいあうと今度こそ僕は歩き出しました。
108桜舞う序章〜キルシェ〜:2007/07/22(日) 05:24:58 ID:I8yu4JnS
可愛い人でした。
私はそう思いながらキャンプに着きました。
年齢は多分18歳くらいでしょうか。
まぁ人間になってまだ3年の私よりは年上なので可愛いという表現は彼に失礼かもしれませんが・・・

まぁそれはさておきこの付近にも彼の養子はいませんでした。そろそろまた場所を変えるべきかもしれません。
私は帰る前に考えをまとめる為に横になりました。
それにしても可愛い人でした・・・名前は確か・・・シルク、ですか。
・・・

・・・・・・

!!!!
私は跳び起きると急いで雪山の方へと走り出しました。
私としたことが失態です。シルクとはジェイドの養子の名前ではありませんか!

ケルビのような速度で雪山の山道を駆け登るとそこには・・・轟竜に襲われているシルクの姿がありました。
「この距離・・・間に合いません!」シルクは度重なる攻撃で意識を失っているようです。
威嚇する轟竜
もうアレしかありません。
私はシルクと轟竜に背を向けると地面に愛槍シルバールークを斜めに突き立て
「ツァァァァァァァ!」
地面に竜撃砲を放つと一気に空へと飛び出しました。
ゴジ○も放射能で飛んでました。きっと飛べる筈です。
「ァァァァァァイ!!」
ほら、狙い通りに轟竜の目の前に降りれました。
空からやってきた敵に威嚇する轟竜、それに対し、私は
前屈みになり、首をグルンと回し、轟竜に挑みかかりました。

轟竜の突進を盾でいなしながらシルクから少しずつ離れていく。
今轟竜にシルクが狙われたら命が危ない。
それだけはさけたかった。
ですが、轟竜はシルクの方へ向かっていく
間に合わない!!
元々足が遅いのに轟竜の突進に追いつける訳がない。

その時、私達の反対側のエリアの入口から竜を誘う旋律が聞こえてきます。
そこには

覇弓を携えた一人の男が角笛を持って立っていました。


続く
109桜舞う一章〜?〜:2007/07/22(日) 05:25:49 ID:I8yu4JnS
「なぁ・・・」
「・・・何よ」
雪山の頂上で二人のハンターが地図をみて固まっている。
一人は真っ青の男、もう一人は角の生えた女
「なんで俺達はここに来たんだ?」
「それは貴方が自分の故郷に帰りたいって言ったからでしょう?」
「それはわかっている。」
「じゃあ何よ?」
「何故雪山の頂上にいるんだ?」
「・・・地図じゃここに村がある筈なのよ」
「見せてみろ」
「あっ・・・ちょっと!」
男が地図をみてみると・・・
「なぁ相棒。北はどっちだ?」
「あっちでしょ?」
女が指したのは南だった。
「・・・ハァ」
「そ・・・そんな溜め息つかなくたっていいじゃない!」
「何で気が付かなかったんだろ・・・」
「だってそれは・・・!ちょっとアレ!」
女が指を指した方向ではいままさにキルシェが轟竜と戦い始めた所だった。
「・・・!おい助けに入るぞ!!」
「アラアラ、相手はあの轟竜よ?大丈夫なの?上位ハンターさん?」
女がニヤニヤしながら笑っている
「・・・大丈夫、俺とお前ならやれるさ」
「そういう恥ずかしいことをさらっと言わない。全くもお・・・女の人だったらすぐに本気になるんだから」
「いいから行くぞ」
「あ・・・うん。あと・・・その・・・」
「なんだ!」
「ど・・・怒鳴らないでよ。あの・・ね。シェイクいつも強撃ビン着けるときね。激しすぎるのね・・・もっと優しくしてくれると嬉しいかな・・なんて」
「・・・わかった、考慮する。」
「うん。じゃあ行こうか!」
そういうと二人は雪山の斜面を駆け降りた。
110名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 07:00:59 ID:LgCXzbva
シルバールークや覇弓を携えたハンターがティガに遅れをとるとは思えないが…
続きwktk
111名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 09:12:48 ID:0fya7cQU
誰だって調子悪い時はあるジャマイカ
サザミの穴堀攻撃連続でくらうとかランゴに秘孔突かれるとか
112名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 09:55:05 ID:bnHQSILW
…ガルルガに壁ハメされるとか…
113名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 10:41:07 ID:Cl3tdy6/
夏休み草いな
114名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 14:13:29 ID:ZdNw6CR6
シルバーソル一式にデイムで村ガルルガに三乙したことあるぞw


…lllorz
115名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 14:49:24 ID:geRFvWhD
>>114
それはさすがに…
超乙としか言えんな
116名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 16:57:10 ID:gckQ2hHH
保管庫更新まだかなぁ…
117名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 18:31:11 ID:5yK32vGJ
確かに最近更新してないな
118名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 18:33:01 ID:e/dlySyA
>>114
大丈夫!俺なんか村トトスにギザミS一式+雷神宝剣キリンで3乙したことあるぜw!               …orz
119名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 19:10:42 ID:gZ3TCcM/
レイア+ダークメタルで体力30自マキつけてドスランポッポ×2にレイプされた俺がいるから無問題!
120名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 19:50:07 ID:Cl3tdy6/
作品と無関係な馴れ合いが妙に続くな

本スレでやれ
121名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 21:03:11 ID:oSFzoMMP
ここまでアレだとは思わなんだ
122名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 21:07:16 ID:bNd0lL/2
『飛竜の主人』の人、続き詰まってんのかな?
123名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 03:06:20 ID:8VD74LaO
こんな電波を受信した。

ある二人の少年と少女。二人は幼なじみで付き合っている。
少年はハンターとして相当の強さである。
少年は少女にプレゼントをしようと計画する。
そして思いついたのは綺麗なネックレス。
それを作るため少年は
金レイア、銀レウスの鱗、サザミの黒真珠、翠ガノスの鱗、竜のナミダ等の綺麗な物を集めようとする。
124名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 03:13:42 ID:JvPb/xpo
で毎度すっぽんぽんにされて後ろの穴がアッー
1254スレ778「飛竜の主人」著者:2007/07/23(月) 16:23:13 ID:4v6jdrFE
>>122
詰まってないですよー。予定通り進めてますよー。単に筆が遅いだけですよー。
ただ、エロパロ板用の投稿作なのに肝心の?エロ描写にちっとも到達しないので
自分でも首ひねってますが。そういうわけで、のんびりお待ち下さいませ。
126名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 16:34:18 ID:OQGBtqPu
所で此処で使われていない大型モンスターって何があるっけ?
♀飛竜擬人化で考えようと思ってるんだけど、悩む。
127名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 17:14:28 ID:0/YryxFw
グラビモス

ゴツいぜこのやろう
128名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 17:34:17 ID:233pQNBZ
ガンサーに擬態するグラビ子が幻視された。
よし、ちょっくら書いてくる。
129名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 17:41:17 ID:SL5ToXd+
無脊椎動物の皆さんはまだ使われてないんじゃなかったか。
カニ3種とタコと。飛竜かっていえば違う?
130名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 18:07:11 ID:zcMEdJjx
ブロスもまだかと
131名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 18:26:21 ID:fdQDc+Ze
>>125
余計な心配、失礼しました。のんびり待ってます(^o^)/
132名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 18:33:01 ID:SL5ToXd+
ブロスって言うと、モノブロス擬人化は有ったと思う。繁殖期な白モノブロス嬢がモドリ玉踏んで云々というの。
ディアの方の直接の擬人化は無いか
133名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 18:46:14 ID:0/YryxFw
ディア話題にはなったけどな。
134名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 19:14:09 ID:LvXB5J/I
俺の脳内ではグラビはフェロモン溢れる美熟女or若奥様。
ごつさは胸のサイズで表現。つまり爆乳。
因みにバサルは十代半ば〜後半でロリ体型。


この設定で親子丼ものを考えてたんだがネタも書く時間もねえ。
135名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 19:59:44 ID:6eJ9U3V1
そういえば…ゲリョスは…?
136名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 20:01:54 ID:0/YryxFw
ヒント:鳥竜
137名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 21:24:57 ID:vJHMK9GS
バサルグラビ→胸ポロリ

鳥竜種→親子丼?
138名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 21:25:55 ID:vJHMK9GS
ごめん下げ忘れた
139名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 23:56:06 ID:6uXKIKp+
ディア亜種の方は、
 ・公式設定では雌らしい
 ・名前の意味は「悪魔」
 ・黒い
 ・トレードマークは二本角

これだけ見ると小悪魔系ロリだか妖艶おねえさんだかのキャラで
とっくに擬人化されてておかしくない気がするが、
そういえば見かけないのは不思議かも
140名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 01:32:13 ID:zCl3ZhM1
好き好んでクローディアの討伐には行かない俺、参上!

今擬人化されてるのはよく倒されるモンスターばっかりだネ!
つまりクローディアの得意な人はきっと擬人化出来るんじゃないかな……


と言いつつドスファン子擬人化の事を思い出した。
しかし続きを書けない。作品の中身忘れt
141名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 03:25:43 ID:6YUiwwTO
レウス×レイアマダー?
142名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 03:30:26 ID:+85eo7kQ
ある所に一角竜がいました。
「どうせ私は素材が集まったら見向きもされないわよ。飛竜の中で一匹だけオフ専よ。集会所にはいらん子なのよ…クスン」
どうやらは一匹だけ仲間はずれにされて落ち込んでいるようです。
そんな一角竜のところに一匹の炎妃龍がやってきました。
「そんなに落ち込まないで、モノ子。あなたには私がいるじゃない」
「ナナ姫…でも、あなたは最低10回は討伐されるわ、ミラ亜種のために。つまり必要とされているのよ…それに比べて私は…」
言い換えれば亜種のために強制されてるともいえますが、それは置いといて。
落ち込んでいる一角竜から発せられる『いぢめてオーラ』が炎妃龍のツボを刺激したようです。
「ふふっ、可愛い子。そんなこと気にしなくていいの。さぁその身を私に委ねなさい」
「ナナ姫…あっ!そ、そんなとこ舐めちゃっ!だめぇっ…!」
「そんなとこって何処かしら?ちゃんと言わないと分らないわ」
「そ、それは…」
何処を舐められていたかなんて恥ずかしくていえない一角竜。初々しくて大変よろしい。
「言えないなら問題ないわね。大丈夫、もっと気持ちよくしてあげるわ」
それにしてもこの炎妃龍ノリノリである。するとそこへ…
「待ちなさい!」
「誰!?私とモノ子の甘いひとときをジャマする無礼者は!」
「この私、ディア嬢に断りもなくモノ子とにゃんにゃんしようだなんて、絶対に許しません!」
颯爽と現れたのは黒い双角竜。どうやらかなりご立腹のようです。
「ディア嬢…あなた邪魔をする気?もしそうなら…容赦しないわ」
こちらもかなりご立腹。殺る気まんまんです。
しかし、双角竜は飄々と言ってのけます。
「いったでしょ?『断りもなく』と。つまり…」
「あなたに許可を取ればいい、ということ?」
「ええ、私にはこれがあるからね」
双角竜が示したそこには…なんということでしょう!隆々と突き立ち黒光りする2つのモノが!
つまりこの後の展開は…
「あ〜っ、すごくいい!いいわ!あなたの双角素敵すぎるのっ!」
「ん〜っ!お、おおきすぎるよ!ナカにゴリゴリ当たってるぅ!」
「はぁぁ〜っ2人のナカすごくあったかいよう」
こうなるわけですね。ここ休み明けのテストで出るから覚えて置くよーに。
「「「い、いくぅ〜〜〜〜〜!」」」
三人仲良く果てたようですね。うんうん、仲良き事は美しきかな。
仲間はずれは(・A ・) イクナイ!ですね。
皆さん、たまにはモノブロスも狩猟してあげましょう。先生との約束です。
それでは次回予告です。
143名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 03:30:42 ID:6gTeKCrV
ヤマツカミってなんなんだ・・・MH2しか無いから分からない・・・
144名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 03:31:13 ID:+85eo7kQ
次回予告
とうとうエイリアンに追いつめらたナナ姫&モノ子!
迫り来る脅威に対し、謎の男が教えてくれた「合体」の秘術を駆使することを決意!
だが、なんと2人にはどこにも結合部が存在しない!どうするっていうんだ!?

次回「SUPER ディア嬢」「組体操に学べ!」
笑撃があなたを襲う!(放送内容は変更になる可能性があります)
この番組予告はいきなり次回予告の提供でお送りしました。

蛇足
炎妃龍なのに姫なのはご愛嬌。
モノ子「結局…私、ヤられただけなんじゃ…」
うん、そうだね。
モノ子「 。・゚・(ノ∀`)・゚・。」
145名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 04:08:37 ID:TV81B8u0
ティガもまだじゃない?
146名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 09:45:46 ID:2hoLbmq8
・既に書かれた生物(?
 ・アプノトス
 ・ランポス
 ・ドスランポス
 ・ギアノス
 ・ドスガレオス
 ・ガブラス
 ・ドスファンゴ
 ・ババコンガ
 ・ドドブランゴ
 ・ラージャン
 ・レウス
 ・レイア
 ・ガルルガ
 ・フルフル
 ・モノブロス
 ・バサル 
 ・トトス
 ・ラオ
 ・キリン 
 ・ダオラ
 ・ナズチ
 ・ナナ
 ・ボレアス
 ・バルカン 
 ・ルーツ
ティガとかテオは敵としてなら登場多。
3・4・6スレ目位しか見てないので補足よろです^^;
でもまぁ書きたいものを書けばいいと思うので
無理に未登場生物にこだわる必要は無いと思いますが・・・

5スレ目で黒龍3姉妹が出てヨカタ(以前に紅龍絵UPした者です
147名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:09:23 ID:rSq5AOkd
>>146 補足
確か、ケルビもされてたかな?
148名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:19:14 ID:WEYIT1OL
レウスの亜種に青い奴と銀色の奴がいて、レイアの亜種に桃色の奴と金色の奴がいるよね?
PS2のDOSの時点までだと、そいつらも全てレウス、レイアで通されていたようだけど
防具の名前だけ違ったと記憶している。
リオソウル、シルバーソル、リオハート、ゴールドルナという風に。
実際にはこれらの名前が亜種の正式名称なんだろうか? あるいは通称?
防具のみに通用する呼び名なのかな? 飛竜擬人化SSで名前をつける時、
リオレイアならまんまリオとかレイアとかつけるのが多いと思うけど、
亜種の名称がきちんと決まっているならそっちをもじるべきなのかなーとか
悩んでる。誰かその辺り詳しい人いたら教えてくれないか?

……そういえば亜種ってレウス、レイアだけじゃなかったっけ。
白モノブロとか黒ディアなんかも何ていうのか知らないな。
149名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:38:04 ID:P4x7L9D9
>>146
まとめにアイルーとメラルーがあったよ。

同じ獣人種でもやっぱりチャチャブーはネタにはされないな。
扱いづらそうだもんな。無理矢理使うとしたら…
ガリバー風輪姦モノとかになるのかな
150名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:47:28 ID:f7YaePQB
>>146でティガがまだないと書いてあって頭の中で腹を空かしたティガが変な物食って擬人化して偶然いあわせた女ハンターの所に押し掛けるネタが浮かんだが………所詮ネタだな うん。
151名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:53:38 ID:8oHOmLp6
確かにレウスレイアの亜種だけ、ソウルハートにゴールドルナ・シルバーソルついてんだよなぁ。
半端な事しないで他の亜種にも別名あればいいのに。
152名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 12:56:48 ID:Tj3AKCkV
>>143
どうでもいいが、MH2にヤマツカミ出てくるぞ?MHP2ndとの勘違いだとは思うが
153名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:08:00 ID:fVI1Qw6T
オフ専なんだろ
154名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:10:02 ID:uvRCK4fe
白モノ→モノデビル
155名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:12:21 ID:8oHOmLp6
誰かMHP2ndかフロンティアあたりの髪型一覧のあるサイトとか知らないかな?
髪型に悩んでるんだ…
156名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:15:36 ID:WEYIT1OL
白モノ→モノデビル、なら
黒ディア→ディアデビル、あるいはディアデーモンとかだろうか?
ディアブロってのがすでに悪魔を意味してるからダブるな……。
157名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:19:30 ID:uvRCK4fe
職人さんの捏造に任せるか…
158名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:20:08 ID:CPZKkqxl
>>148
それ言うとミラバルカンとミラルーツも「ゲーム内でモンスター自体がその名で呼ばれてる」
とかじゃなくて、その素材から作れる装備品由来の通称じゃなかったっけ。

>>151
たぶん、普通のモンスターは原種と亜種の二つしかないから
亜種装備の名称にDとかUとかつけるだけで原種装備と区別できるけど、
レウスレイアは通常・亜種・稀少種の3つがあるから
「レウスD」とかいう呼称を装備品につけるわけにいかなくて、
その都合でそれぞれ違う名がついてるんじゃないかと今思った。
ミラ装備に名称が三種類あるのも同じ理由ではなかろうか。

その理屈だと白モノがモノデビルなのがよくわからんがな
159名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:22:36 ID:8oHOmLp6
エロパロっていうより
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/handygame/1183542000/
こっちの内容な気がしてきた俺はとっととグラビ姉SS書くことにするんだぜ
160名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:33:33 ID:TV81B8u0
>>150
ティガとか下手したら脱臼させられたり噛みちぎられたりしそうで怖いぜ…
161名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 14:08:55 ID:sK2q7xKh
ミラルーツなのかミラアンセスなのかも微妙だよな

前から思ってたんだが、祖龍は黒龍の亜種ってされてるけど、
進化の過程を考えるとむしろ祖龍こそが原種で、
紅龍、黒龍が亜種なのではないだろうか。
スレチスマソ
162名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 19:58:58 ID:ZJq1rfvG
なにを今更
163名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:19:08 ID:uJRS1f0A
151
他にもあるよ
グラビコア(黒グラビ)
フルフレア(赤フルフル)クックオーシャン(青クック)
ゲリョバイオ(紫ゲリョス)
あとは忘れた
164名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:29:21 ID:cCM1xF3F
>>163
ソースは?
なんかFF臭くて信じられん
165名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:36:31 ID:6z0vz5QF
頼むからよそでやってくれ。
投下する気になれない。
166名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:44:06 ID:PIoLHFqO
投下待ちsage
167名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:46:27 ID:cCM1xF3F
>>165
自重するから投下してくれ。頼む。
そんな俺もさっきから書いてるんだが中々完成しない。
文才が無いって辛いぜ。脳内じゃ乱れるグラビ姉がちゃんと出来てるのになぁ。
168名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:49:56 ID:y0INV2Mw
>>165
気持ちはわからんでもないがな。
貴様ら黙らせてやんぜ!これでも食らえ!!
ってばかりに投下しちまえばカッコイイかもしれんのに、おまいときたら……
 
 
それだけでも何だから、フルフルはチンコってよりは歯のあるマンコだろってイメージを置いていきますね。
どっちにしろエグいよエロいよフルフル。
169名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:08:37 ID:pn5lDCiA
半端ない夏だな
170名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 21:20:19 ID:ZJq1rfvG
>>163
ワザップ(笑)

>>165
誘い受けなのか釣りなのか知らんが時期を考えるべき

個人的には作者でもそういう物の言い方をしたら負けだと思っている
171名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 23:53:58 ID:CDMxDt2K
何にせよ、作者さんは流れ何ぞ読まずに投下出来るなら投下してくれって事だな。
ちょっと失礼な言い方だと書いてから思ったが…
172名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 23:56:04 ID:JRn0SjMK
砦に接近してきたラオシャンロン亜種の撃退を依頼された一人のハンター。
実力不足ではあったが、先輩のハンターからお下がりでもらった高級装備が功を奏したのか
しばらく戦っているとその龍は砦に背を向け撤退しはじめる。
しかし、去り際に…

岩山龍 「だが、小僧。自分ひとりの力で勝ったのではないぞ。
      その武器と防具の性能のお陰だと言うことを、忘れるなっ!」
ハンター「ま、負け惜しみを…」

(中略)

ハンター「僕は、あの龍に…勝ちたい……!!」
173名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 00:02:27 ID:5xVjWtdZ
なんかそのうち職人さん来なくなりそうな雰囲気w
まぁ、モンハンだしこんなもんか。

>>168
歯のついたマンコ?
んーブレスはどう見ても射精だし、ぶら下がりもどう見ても我慢汁、発電=自家発電…これはどっちでも当てはまるか。
まぁ、どこら辺からそう感じたのか教えてくれw

>>172
これなんてガ○ダム?
174名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 00:32:50 ID:e0ET0Lj3
>>173
攻略本でのフルフルの歯茎の赤さとか、ヨダレとか吸い付きとか、その辺からの連想。
興味があればヴァギナ・デンタータという言葉を調べて欲しい。
その言葉は心理学的なもんだが、食らうもの、口は、女ってイメージがあるんだ。
 
エロい話ではあるが、モンハンから離れた話題になっちまうな。
えーと、沼地ではファンゴたんがダニとか虫を落とすべく、泥の上でゴロゴロスリスリしてる光景が見られそうだと妄想してます。
そして泥まみれになった体を、岩とかに擦り付けて、ここ俺の縄張りってマーキングしてるに違いありません。
175名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 01:20:59 ID:5xVjWtdZ
>>174
ヴァギナ・デンタータ、か。なるほど、確かにこれならそう感じる。
モノの見方が変るな。興味深い話サンクス。

なんかモチベ上がったから書きかけの作品書くか
176名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 08:56:33 ID:SQ00FuEm
>>163
非公式、というか妄想設定らしいです。
ソウル、ハート、ソル、ルナ、デビル、アンセスあたりは公式別称っぽい。
177名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 10:58:58 ID:QjTTYe+p
捏造設定にしてもかっこよくないな。
178名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 12:45:17 ID:vsezW9D8
ティガの脚防具作ってみたけど…結構エロいな
キリン装備とかとは別のベクトルで


剣士用とガンナー用で多少違ったエロスを楽しめるのがまたいい
179名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 12:47:54 ID:cGN7xCvl
>>178
うp
180名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 14:52:34 ID:SA+KIkhN
よし、グラビ娘投下。
…ダークは俺には難しいようだ。

・調教(のつもり)
・グラビは姉です
・三人称初めてなので少し読みづらいかも。

では、いきます。
181黒鎧調教記:2007/07/25(水) 14:54:17 ID:SA+KIkhN
森と丘――
広大な草原と森で構成されるその空間は、寒暖の差も緩やかで様々な動物が生を謳歌している。
現在そこには一対の火竜の番いが訪れ、周囲の村々の安全の為にそこへ一組のハンターが訪れていた。
一人はレウスSと呼ばれる上質な火竜の甲殻で作り上げられた鎧を身に纏い、腰にクイーンレイピアと呼ばれる猛毒の小剣をさしている。
もう一人はグラビドDと呼ばれる黒い重厚な鎧を身に付け、背にディープフィッシャーという魚素材のガンランスを背負っていた。
その二人組みは、早くもリオレウスを仕留め……今は、巣穴の外で夫の死骸を見て猛り狂うリオレイアを相手にしていた。

「おい、シェラ。判ってんだろうな? アイツを倒さねぇと、お前は開放されねぇんだぜ」

男が戦いの構えも見せず、高台から段下のシェラと呼ばれた女に声をかける。
シェラは紅潮した顔で、わかっている、と言葉少なに答えてリオレイアの前へ飛び出した。
体を震わせ盾を構える姿に、リオレイアはまず目の前の獲物から始末しようと身を低くし突進する。
一方のシェラはその突進にあわせて盾を掲げ、真正面から雌火竜の牙を受け止めた。

「はぁ……はぁ……ん、ふぅ……」

荒い吐息。何処か体調が悪い人間のようなその息の吐き方であっても、その目は輝くように意思を示し雌火竜と正面から睨みあった。
盾の構えに使っていた右手を下ろし、そのまま背にある槍の柄を掴む。
盾の向こう側からは、噛み砕こうとしているのか牙の擦れ合う音が響いていた。

「……リオレイアよ……既に、お前の命運は尽きた……!」

一瞬で抜いたガンランスの先端が、微かにズラされた盾の横から突き出されてレイアの頬を抉る。
更にひき、突き上げる動きでその顎を無理に閉じさせるとシェラは槍につけられた引き金を引き、その咥内へと炸薬を打ち込んだ。
激しい痛みを受けたのだろう、リオレイアは絶叫し数歩後ずさり顔を振って口内に火球を産み出す。
殺意の十分に乗った視線と共に開かれた竜の顎から吐き出される火球は、狙いたがわずシェラの体に直撃。炸裂した。
182黒鎧調教記:2007/07/25(水) 14:54:37 ID:SA+KIkhN
――だが、そこでリオレイアは信じられないものを眼にし、恐怖に足を振るわせる。
人間に対して必殺の威力を誇るその火球を受け、なお、シェラは盾と槍を構えていたのだ。
炎に未だ包まれたまま、槍を構え……シェラが火の中で口を開く。
すると、なんと驚くべき事にシェラの口の中へ全ての炎が吸い込まれてしまった。
それだけではない。口腔の奥にリオレイアのものとは比べ物にならぬ赫光が生まれ――

「ァァァ―――ッ!!!」

一条の光線と化したその光にリオレイアは体の中心を打ち貫かれ、そのまま物言わぬ骸と成り果て地に落ちた。
熱気を排出しているのか、ケルビテールの形に結った黒髪がゆらり、と揺れる。
どうやらあの熱線を放射するにも体力を消費するのだろう、シェラはその場にうずくまってしまった。

「さすがグラビモスの熱線、リオレイアすら一撃ってのはすげぇなぁ」
「エトニック……竜は、倒した……だから、その、早くぅ……っ」

男――エトニックが言った通り、シェラは元グラビモス。それも亜種といわれる黒鎧竜であった。
彼女は人間に捕まり、生きたまま実験材料とされ、その結果としてこのような人間の姿になったのだ。
朦朧とする意識の中、人間になった自分を助けてくれた赤い髪のハンターの姿だけを記憶し、
命の恩人であるそのハンターに仕えたいがため、こうしてエトニックの元にやってきたのである。

「……あぁ、その臭ぇ鎧脱いで乳出して待ってな。すぐチンポ食わせてやるからよ」

エトニックは悪意の浮かぶ笑みを見せつつ、シェラに命令する。
実は彼は、彼女を助けた記憶などない。……恐らく、彼に似た『誰か』と勘違いしているのだろう。
過去似たような経験が何度もあったため、その事実には直ぐに思いついていた。
だが、その原因である男はエトニックの世界で最も嫌いな相手であり、更に勘違いしているシェラは本来頭も体も優れた女である。
利用するに越した事はない、と考え……このように、篭絡したのであった。
183黒鎧調教記:2007/07/25(水) 14:54:56 ID:SA+KIkhN
見れば、彼女はもたつきながらグラビドDメイルを脱いでいる。その中にあるはずのインナーは無く、乳房はすぐに露出された。
しかもその豊満な谷間から臍にかけ、精液が付着している。
そう、シェラはエトニックの命令のまま、朝の情事でつけられた精をぬぐわず、インナーも身につけないで戦わされていたのだ。
最初は貞節が服を着て歩いているかのようなシェラであったが、ティガレックス・リオレウス・ドドブランゴの精巣から作られた媚薬により、
嫌々ながらも彼の望みを聞いてしまう、そんな女に仕立て上げられてしまっていたのだ。

「あぁ……エトニック……頼む、もう、我慢できないんだ……」

年の頃は20を過ぎた娘に見える。透き通る陶磁のような白い肌に木目の細やかな黒い髪。
燃える炎のような赤い瞳と唇を持ち、その乳房は豊満にして重力に抗い形を保っている。
そんな極上の女が朱の挿した頬で近づいてくる。男ならば勃って当たり前のような光景を、エトニックは独り占めていた。

「準備はいいんだよな? じゃ、そこに手をついて尻突き出せよ。たっぷり犯してやる」

シェラの股間を見て、そこに彼女自身の粘液と精がこびりついているのを見てエトニックが岩を指差す。
それに従いながら、シェラは恥ずかしそうに尻をエトニックにむけ突き出した。
陽光の下、シェラの秘所と尻穴から朝の精液が零れているのを見ながらエトニックはペニスを取り出し、それに媚薬を塗りつける。
精力促進と避妊の効果も持つそれは、何度も彼女を味わうのに適していた。

「じゃ、行く……ぜっ!」
「ふわぁぁぁんんんっっ!!」

手を添え照準を合わせ、一気にペニスを彼女の膣奥までねじ込んだ。それだけで軽く達したのか、シェラが背を震わせて鳴く。
きつく締め上げてくる膣肉の感触を味わいながら、エトニックはシェラの膣壁に媚薬を刷り込むようにゆっくりと腰を動かし馴染ませていく。
少しずつ膣穴からペニスを抜き、桃色の軟膏が吸収された事を確認して再び穴を突き上げる。

「あ、っふぅうううっぅ!!! っひ、ぃん!!」

先ほどまで残っていた理性的な顔が消え、性感に支配されただらしない声を吐き出す姿に満足を得ながら何度も何度も彼女の奥を貫く。
そのたびに柔らかい肉はペニスに絡まり、舐めまわし。その感覚にエトニックの方も次第に気が乗り乱暴に動き始めた。
184黒鎧調教記:2007/07/25(水) 14:55:14 ID:SA+KIkhN
「ったくよぉ! シェラのまんこは、いっつもいい具合だなァ!!」
「ひあぃ!! ああ、いいっっ!! ん、うれ、うれしぃ……おぅっ!!!」

足を震わせながら岩に抱きつき、シェラが甘えた声で喘ぐ。エトニックはカリの部分だけを残して秘所から抜き、再び奥までねじ込む。
粘液の混じる音に肉のぶつかり合う原始的な音と共に、二人の声が周囲に響いていた。
5分かそこらか、時間の経つ頃にはエトニックに早くも1回目の限界を迎え、腰の動きを早く、深くしていく。

「さぁ、出すぞ、シェラ!! お前のまんこに、俺のザーメンぶちまけてやる……っくぉぉぉっっ!!」
「は、はひぃ!! ください! おなか、一杯にぃ……っっ!!!!」

それでもやはり、シェラは教えられた淫語をつむぐ事はなく。エトニックは少し不快を感じながら一気に彼女の奥までを貫き、
子宮の入り口に先端を押し当てると一気に大量の精液を吐き出した。
断続的に大量の精液を吐き出し、そのたびにシェラの体が飛び跳ねる。
ハンターの精液は濃い。たんぱく質の元となる肉の量は言わずもがなだし、過剰な程に運動を行う。
更に常に生命の危険に冒されている為か、遺伝子を残そうと一回の精液を濃く、多くしているのだ。
そんな大量の濃い精液で子宮を満たされ、シェラは気をやり岩に抱いたまま体を振るわせる。

「一人で満足してんじゃねぇよ。ほら、とっとと掃除しろ」

卑猥な粘液の音を立て、少し萎えたとは言え未だ硬度を保つ黒光りしたエトニックの肉棒がシェラから引き抜かれる。
それだけの刺激でシェラの体は震え、彼の形に開いたままの穴から子宮に入りきらなかった精液が地面に零れおちた。

「は、はぃ……綺麗に、します……」

水気のある音を立てられペニスで頬を叩かれたことに気づいたシェラは、のそのそと体の向きを変えて岩に背を預ける。
そして口を大きく開き、自分から二人の粘液と媚薬に汚れたペニスを飲み込んだ。

「んっぷ……んぐ、じゅる……っちゅ……んちゅ……」

眼を閉じ、うっとりとした表情で自分のペニスを貪る姿にエトニックの棒は再び硬度を高めた。
185黒鎧調教記:2007/07/25(水) 14:55:31 ID:SA+KIkhN
「大分フェラも上手くなったな……っく……」

最初はそれこそ、行為自体を嫌悪していたシェラだったが、現在ではこのように、自ら銜えしゃぶるほどになっていた。
そうする事に媚薬の力を使った事に不満足ではあるが、できる限り早くシェラを堕とすためには仕方ないと割り切っていた。

「……そろそろ、薬も要らねぇかもな……」

舌が絡み、喉で吸い付き陰嚢を揉まれ刺激される。娼婦のようなその動きすら見せるようになった姿には満足を感じて
エトニックはシェラの頭を撫でてつつ言葉を漏らしていた。
シェラの方は撫でられた事で誉められたと感じ、さらに奉仕に熱が篭る。
唇をすぼめぴったりと肉棒を銜えながら音を立てるほどに激しく吸い上げ、根元を扱く。

「う、うぐぉぅっ……!? でる、出すぞ、シェラ……!!」

いきなりのバキュームフェラに不意を付かれて一気に射精感を引き上げられ、少し情けない声を上げながらエトニックはシェラの頭を掴み、
その喉奥へ先端を突き入れながら2度目の精を吐き出した。

「――ッッ!! ん、んんん……っ……!」

口をふさがれているために声は出ないものの、眼を見開きながら口内で精を受け止める。
その表情には何処か倒錯的な快感を浮かばせており、喉を鳴らしてその精を飲み下していく。
2度目とは思えぬその量を受け、口の端から飲みきれない精を零して乳房に白濁を零しながらシェラは3度目になる絶頂へ達していた。

「さて……まだまだ、時間はあるからな。たっぷり使わせてもらうぜ、シェラ」

存分に口内射精を愉しみ、唾液で綺麗にされたペニスを抜き出しながらエトニックは呟く。
シェラの方は体力の問題もあってか反応が弱くなってきているが、彼にはそんな事は関係ない。
エトニックは彼女の体を貪り尽くすように、再びペニスを構えて彼女の穴へ狙いをすまし――――
186黒鎧調教記:2007/07/25(水) 14:55:43 ID:SA+KIkhN
あれから数時間経った頃、ようやく媚薬の効果も切れたかエトニックは萎えたペニスを布で拭き、草原に身を横たえた。

「う……ぁ……ぷ……」

うめくような声を立てているのはシェラ。一体何度犯されたのか、全身余す所なく白濁に塗れ、その股間のところには小水の水溜りすらできている。
起き上がる体力すら残されていないのか、彼女はうめくだけで大地に横たわっていた。

「大分調教は出来てきた、か……次からは道具だな。まずは縄とディルドーあたりから覚えさせていくか」

虚ろな眼をこちらに向けているシェラを見て、エトニックは呟く。

「アイツが……クラークスが来る前に完全に落としてしまわねぇと、俺の身が危ういからな……」

ポケットから紙煙草を取り出し、紫煙を燻らせる。
頭に浮かぶのは、エトニックの双子の弟であるクラークスの姿だった。
クラークスはエトニックとは違い、品行方正という言葉が正しいハンターであり、二人は性格の違いから犬猿の仲となっていた。
恐らくシェラを助けたのも、クラークスなのであろう。そして、未だ抵抗のそぶりを見せる事があるシェラがその事実に気づいたならば……
あの熱線に貫かれる姿を想像し、エトニックが身を震わせる。

「ま、帰ってからとっととヤるか……いっそ孕ませてもいいかもな。……あぁ、薬飲ませてレウスあたりと交配させてみるのもいいか」

竜同士意外といい子を産むかもしれねぇしな。と、誰にも聞こえないような言葉を呟き立ち上がる。
二匹の竜の死骸から皮と鱗を剥ぎ取り、エトニックはシェラの調教プランを考えながら帰り支度を済ませていった。
187名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 14:58:49 ID:SA+KIkhN
以上となります。読んでくれた方ありがとうございました。
続き……あったほうがいいでしょうか。一応ここで終わるつもりで書いたんですが。



グラビは擬人化すると姉です。ここは譲れません。
あと、ドドブラのエロかかずにこっちに逃げてごめんなさい。
188名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 17:47:08 ID:x4QAAsvc
終わらせるつもりで書いたなら続ける必要ないと思います
それ位自分で決めろよ
189187:2007/07/25(水) 18:04:02 ID:1/j5ot4p
ちょっとつなぎなおしたんでID変わってるかもしれん。
うむ、女々しい事言ってすまんかった。これはこれできっちり終了宣言。
また別のやつを考える事にするさー
190名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 18:11:44 ID:e0ET0Lj3
>>180
姉という定義がよくわからぬがこれを差し上げよう。
つGJ
 
続きがどうこうもドドブラエロもそうだが、貴殿の成したいようにするがいい、としか言えん。
待ちはしない。期待はほんのりしておく。
誘い受けかよと言われる前に、そういう物言いは止した方が良いと思う、という老婆心をお伝えしたい。
……とか書いてる間に答えが出たか。
191名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 18:19:02 ID:Lxj3l9F5
面白い日本語だな
192名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 19:46:26 ID:YzCNsuZR
>>190もそうだが>>187も大概面白い日本語だけどなー。
193名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 19:48:09 ID:7lJiCXqr
おおお、珍しいくらいに直球の鬼畜ドエロ系キター!
>>187GJ!
本人が続きを執筆する気がないんじゃしかたないが書く気があるなら歓迎だぜ
194名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 20:13:22 ID:vsezW9D8
>>187
別の作品では妹が出るのかな、と軽く期待しつつGJ

>>179
ゲームか攻略本で確認してくれwww
195名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 23:51:34 ID:y18UCpOk
>>187
GJ!
俺は微鬼畜好きだから最高だよ!
196名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 10:59:53 ID:7W/k6mjr
うートイレトイレ
今トイレを求めて全力飛翔している僕は森丘に棲むごく一般的な鳥竜種
強いて違うところをあげるとすれば雄に興味があるってことかナー
名前はイャンクック

そんなわけで帰り道にある森丘6にやってきたのだ

ふと見ると断崖の上に一頭の若い雄火竜が座っていた
ウホッ! いい飛竜……

ハッ
そう思ってると
突然その雄火竜は僕の見ている前でバインドボイスを発したのだ……!

や ら な い グワアアアァァァ!!!
197名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 17:06:21 ID:Qo7qImR0
いいこと思いついた、誰か>>196のケツの中で竜撃砲を撃ってみろ。きっといい気持ちだぜ!
198名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 17:55:24 ID:2ItaaE1b
>>197『ババコンガに奪われたボウガンを尻にぶち込まれるハンター』なんてのを想像しちまった責任をとってくれ
199名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 19:37:26 ID:Mf80mnqs
>>197
使うガンランスは勿論、「アベ」レージヒッターなんだろ?
200名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 19:41:12 ID:3QVpZzZd
^^;
201名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 19:43:49 ID:K+c9pjyV
お前ら………

アッー!
202名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 03:22:42 ID:zCcXY0XW
>>196のヤンククはきっと漏らして羞恥プレry(上位イャンクックが群で襲ってきました
203名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 03:58:57 ID:5xrCpgQ5
おまいらがヤマジュン好きなのはよくわかった
ところでコイツを(ryと出したいところだが、今は何にもネタがない。残念だ。ω゙
 
どうでもいいが、森丘のトイレにあたるのは1番か5番だろうな。ウンコー●あるし
204名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 09:47:11 ID:IMjj+MLZ
205名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 16:04:32 ID:YEt+ZSXJ
なんか過疎ってるな〜

206名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 16:10:29 ID:xYRLtG66
ここしばらく不思議なくらいの勢いでSSが投下されてたから余計に過疎っぽく思えるね。
完結していないSSの次の投下はまだか……。
207名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 16:26:16 ID:Z9hIhQD2
夏なんだぜ?おまえらは休みでも職人の方々の中には社会人として働いてたりなんなりと、休みがまだ貰えないんだぜ
いつものペース
というかおまえらのペースでついて行けるわけないよ

と マジレスしてる俺 テラキモス
208名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 16:43:48 ID:xYRLtG66
いや、もちろん職人さんたちに無理いう気なんてないよ。
社会人であろうとなかろうと都合ってもんがあるだろうし。

……でも急かす。続きマダー?
そんな私は社壊人。仕事さぼって2ch巡回中。
209名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 17:13:06 ID:875tJSYk
社会人だけど今月は仕事がないんで家と変わらぬネット三昧ですよ。
ただし8月と9月の中ごろまでは仕事が酷いんで昼ネット不可状態にorz

今のうちにSS書いて投下するべきかのー
210名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 18:02:30 ID:NOXvdmlO
>>209
と、小学生のぼやきをお送りしました。
宿題今の内にやっとくと後楽だよ?

211名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 18:11:49 ID:alGIqC7c
俺も小学生だけどさ、夏休みの宿題多くてやってられないね
今時『かわいそうなぞう』の感想文ってwwwww

まあ、泣いたけどね
212名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 18:42:28 ID:zn43Z/QT
>>211
このスレの俺、小学生だけどは他スレの私、女だけど位信用ならン。


というわけで、その感動を生かしたSSを書いてみようか
213名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 21:12:54 ID:f6ayd/Rw
女の睦には大量の白濁液が吐き出された。
「ひ、ひどい…私…初めてだったのに…」
「安心しろ。これからはもっと感じられる身体にしてやる。」
214名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 21:49:42 ID:xYRLtG66
エロパロ板で「かわいそうなぞう」なんて見ると別の意味に思える。
パンツ降ろしてwktkしながらSS投下を待ちわびて、結局はおあずけ食らって
涙目になってるみたいな。
215名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 22:25:03 ID:SjfU8HJi
股のぞうからこぼれる涙…ぺろ、これは(ry
216名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 22:28:00 ID:5xrCpgQ5
>>213
女の『睦』ってどこなんだぜ?
打ち間違いにしても珍しいケースだから、もしかして穏やかな目付きにムラムラしてぶっかけとか、フェチ全開文だったりするのか?
217名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 22:28:36 ID:7WtozLQ8
日頃からレイアたんやらナナたんやらにハァハァしているここの住人なら
トンキーやワンリーに萌える事など雑作もあるまい

……ってそういう話じゃないよな
218名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 05:04:13 ID:kRXIr/kH
今ミラボに徹底的にボコられた・・・・




お前・・・SSの中では覚悟しとけよなぁ?
219名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 08:28:13 ID:CVGnEWWk
いま 天然物のブロントさんを 見た
220名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 11:12:03 ID:M2vAxTL8
hosyuage
221名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 00:55:34 ID:WpWYiR0E
SS書けたから投下。
投下自体に3レスほど使う。
※諸注意
・一人称。コメディのつもり
・全編鳥フェチ全壊。実行はないものの変態的
・会話ばかり。そしてエロ行為がない
・MHP2が舞台のつもり。設定間違ってたらすまん
以上を許せないなら、スルーで頼む。
222くいたい喰えない人1:2007/07/30(月) 00:58:10 ID:WpWYiR0E
人は空を飛ぶ鳥に憧れることが多いもんだが、鳥にとっちゃ飛ぶことってのはどんな気分だろう。
歩くのよりは速いから、生き残るために飛んでるだけだろうが。
飛べば落ちる可能性だってある。あれはあれで見た目ほどには自由なもんじゃないんだろう。
抜けるように青い空の高みを飛ぶ鳥をぼんやり眺め、俺はそんなことを考える。
別に俺がポエマー志望とか言う訳じゃない。少し逃れたい現実が側にあるだけだ。
「クックたん、ああ素敵だよクックたん」
隣のメガネがハァハァうるさくてな。
 
ここは森と丘のエリア2と呼ばれる場所の高台の上。
俺の名前はラノネケイ。歳は今年で22。細々とした仕事ばっかりこなしているしがないハンターだ。
今日は隣のメガネと二人で獣人チャチャブーの討伐に来ている、はずなんだが。
肝心のチャチャブーってちっこい獣人は、擬態して隠れるのがやたらに巧く、森と丘を駆けずり回ってもろくに見つかりゃしない。
多少の数は倒したものの、楽勝に思えた討伐数にはちっとも足りず、暫く時間をおいて探し直そうって話になった。
 
その暫くの時間をおくのに、丁度この辺をうろついてやがる鳥竜種イャンクックを始末しておこうと思ったのに、メガネが持病を炸裂させやがった。
このメガネ、弱冠16歳にして上級ハンターと認められた天才として有名だが、竜フェチとしても有名な変態だ。
天才とナントカは紙一重っていうが、こいつの場合は確実にナントカの方へ踏み外している。
「あ、今あくびした!あくび一つもなんて愛くるしいのさ、クックたんっ!!」
その双眼鏡、もしかしてこのためにわざわざ持ってきたのか?
腹這い状態で双眼鏡を覗きつつ、ヨダレと鼻血をいっぺんに垂らしているこいつの姿はヤバすぎる。
これで実家はえらい学者様だってんだから、世の中わからない。
言うのを忘れてたけど、このメガネの名前はメイロウド。ド変態だが天才と呼ばれるだけあって腕は確かなちびっこガンナーだ。
 
そう、こいつはプロ意識というものを持っている。今だって決めた時間の内でハァハァ言ってやがる。
それにしたって、まだあどけなさなんてものを残した幼さげな見た目のくせに、この変態ぶり丸出し具合は俺の正気に疲労感という大ダメージを叩き込む。
「……ヨダレは拭けよ。ついでに鼻血も」
嫌嫌ながら、ハンカチを差し出してやった。
メガネはソレを手探りで受け取り、少し匂いをかいででから滴る様々をぬぐう。
「案外清潔な物をありがとう」
案外っておまえ、いいとこの出だからって酷い事言いうのな。
「あの鱗だらけの鳥脚、あのツルッとした無毛の股間がたまんない……あぁあクックたんっ!」
メガネはまただらしなく頬を弛ませ、テンションを上げていた。いかがわしい台詞にももう驚きやしないが、ただひたすら疲れる。
「らぶりーなおしりにブチ込んでやりたいよクックたん……」
切なげに卑猥極まりないことを吐くメガネ。
つーか、ブチ込むってその傘の形のライトボウガンの弾をか?それともライトボウガンそのものをか?
もしかして、見たことは無いがメガネの股間についている小さいであろうあのブツをか?
「ブチ込みたきゃヤっちまえば良いだろ」
半ば投遣りに、そう相槌を打ってやる。
するとメガネがクルッとこっちを見た。また鼻血出てんぞ、おい。
「クックたんは鳥竜種だから鳥に似てて、交接器が鶏みたいに小さいかもしれないじゃないか。そんなクックたんにブチ込むなんて痛そうなコト、僕には可哀想でできないよ!」
やっぱりそういう意味なのな。殺すのは平気でファックはダメなのか?
「やつらの卵は小さくないし、それが通るくらいだから無茶な痛さじゃないだろ」
痛んだとしても、まあ死ぬほどじゃないと思う。大人しくヤらせてくれるかどうかとか、クックファックなんかどうでもいいが。
鳥っていや、アヒルの雄の交接器は結構長かったような気もするな。
223くいたい喰えない人2:2007/07/30(月) 01:00:37 ID:WpWYiR0E
メガネは暫く悩む素振りをみせた後、また否定しやがった。
「クックたんは産卵孔も排泄孔も一緒くたっぽい気がするし、やめとくよ。尿道プレイはまだしも、僕はアナルファッカーじゃないもんね」
変態のくせに変なこだわり持ってんな、こいつ。いや、こだわるからこその変態なのか?
理解はしたかない。
 
のんびりと闊歩するクックにまた双眼鏡を構え、メガネは呟いた。
「どうせなら、森の泉のそばで観察したかったねぇ……」
エリア10と呼ばれる木々に囲まれ鬱蒼としたその地点は、飛竜が立ち寄る泉がある。そこがどうだっていうんだか。
「あそこなら腐葉土たっぷりっぽいから、きっとクックたんが地面を足でカキカキして、ミミズをつつく様子が見られるんだよ。あんな大きな体のクックたんが無心にソンナコトしてるなんて、可愛いじゃないかっ!!」
妄想膨らませた上に、それが事実であるかのように盛り上がり、恍惚としてるこいつの精神が少しだけ羨ましい。
「もしかすると、繁殖期には雄が雌に求愛行動してるのとか見られるのかもだよ?どうする、鶏みたいに雄クックたんが雌クックたんの周りで変なステップ踏んでたらさ?」
地響きがするだろうから、まあとりあえずしゃがんで頭を庇うと思う。
てか、2匹一緒に居るのを見かけた時点で離脱が定石だろ。
またも「ああクックたん!」とか、起きたまま寝言を言い出したメガネに、俺は建設的な意見をくれてやった。
「お前が歪んだ鳥好きなことはよーく判ったから、田舎にでも引っ込んで、鶏つがいで飼え。そんで交尾見守って好きなだけ悶えとけ」
鶏は雑食だから飼いやすいし殖やしやすいし、卵も肉も食えて良いぞー。
あれで人の顔くらいは憶えるし、馴れなくもない。農家の三男坊が言うんだ、間違っちゃいないはずだ。
「それは魅力的だけど、老後の楽しみにとっとく。やっぱり若い内にこそ無茶してみなきゃ」
俺のまともな意見を、メガネは双眼鏡を覗いたまま一蹴してくれた。
12で家出同然に実家を飛び出して、親の学者先生の馴染みだった老ハンターの所に無理矢理弟子入りしたってこいつの事だ。
若い内から引退なんかするわけがないか。
密かに忍び寄っていたランゴスタも一蹴しつつ、メガネは熱っぽく戯言を吐く。
「クックたん……。ブチ込めないなら、せめてあの腿にこすりつけたい。僕の昂りを受け止めて欲しいよ」
クックが言葉を理解したなら、真っ平ご免だクェとか言うんじゃないか。
 
しかし、俺も依頼を果たすための相棒を大事にしたい。投遣りにだろうと相槌だけは打ってやる。
「好きにしろよー。でもドコを擦りつけんだかは知らないが、怪鳥の体表が硬くて結構トゲトゲなのは忘れんな」
自業自得だとしても、このちびっこいのが痛い目にあうのはあんまり快いもんでもない。
こういう根性のせいか、俺の人様からの印象ってのは『いいひと』なんだそうだ。『都合のいいひと』みたいに聞こえて好かん評価だが。
メガネは顔から双眼鏡を離し、芝居がかった動作で天を仰ぐ。
「こすりつけるのさえダメなんて!あぁ、どうすれば僕の愛はクックたんに伝わるんだろう!?」
愛じゃなくて、お前のは愛欲とか肉欲とかいうのを満たしたいだけだろうが。エロガキ。
224くいたい喰えない人3:2007/07/30(月) 01:02:48 ID:WpWYiR0E
その業の深さに、ごく普通な俺の精神は麻痺しかけてた。
「柔らかいとこに擦りつけりゃいいだろー。耳とか翼膜とか」
メガネは、その小動物みたいな顔を驚きの表情でいっぱいにする。
「素晴らしい思い付きだね。君は、もしかして僕の同志なの?」
冗談は止せ。俺は極ノーマルに人間のおねーちゃん好きだ。
「そう思いたいならそれでも構わないが、多分間違いだぞ」
俺の呟きをほとんど聞かず、メガネは勝手に納得していた。
「そうかそうか。てっきり君は僕のおしりが目当てで追っかけてるんだと思ってたのに。違ったんだね。勘違いしててごめんよ」
爽やかに、にこやかに、とんでもないこと言いくさった。
メガネは変態ぶりで有名な上、人間相手では男女問わず肉体関係が派手ときている。そこに恋愛感情は皆無だと。
相当床上手らしいが、俺はそっちにはお世話になった事はない。
「竜相手にさかるのも実に楽しいけれど、命がけだものね。君もたまにはイイコトしてくれるお姉さんが居るお店とかで、出すもの出しておきなよ?」
なんで6つも年下のお前にそんな事心配されなきゃならんのだ。確かに最近行ってないが、思わず溜め息も出るわ。
俺の溜め息をどうとったのか、メガネ小動物は無邪気な声色でまた寝言を垂れ流す。
「お金使いたくないとかなら、僕がおしり借そうか。君には割とお世話になってるしさ」
ざけんな。お義理でガキのケツ出されて、美味しく戴くほど俺は腐れちゃいないつもりだ。
うっかり半勃ちになった俺の節操無しとメガネを黙らせるため、俺は言葉を選んだ。
帰ったらおねーちゃんの居る店行こう。
「俺はお前と同じ性癖って訳じゃないが……」
メガネの伊達眼鏡の奥、黒い目を見ながら俺もランゴスタを蹴とばした。
「ハンターとしてのお前は尊敬に値すると思うし、お前の行動力だとか、向上心だとかは良いもんだと思う」
さすがに蹴っただけじゃくたばらないかと思ってたら、メガネがランゴスタを蹴りつぶした。なかなかやるな。
「俺は仕事の上ではお前の相棒をやってきたつもりだし、信頼していると示してきたつもりだ。身体なんざ差し出されなくても、お前の利になる事をしてやってもいいくらいには思うぞ」
メガネはきょとんとした顔をしてやがる。
「本当に悪いんだけど、僕には君が言いたい事がよくわからないよ」
申し訳なさそうに言われると、多少良心が痛む。こいつの勘違いは丸っきりの勘違いでもない。
そろそろクック観賞時間も終りだ。言うこと言って、早く仕事に戻るとしよう。
「俺はお前って友人を大事にするのに、労力をそう惜しまんってだけだ」
脇に置いていた愛剣サンダーベインを引き寄せる。
変態性は理解できなくても、どうしようもなく不快ってわけでもない。慣れつつあるくらいだからな。
いくら相手が天才でも、嫌いなやつと何度も組んで仕事をしようってほど、俺は器用な性格はしていない。
メガネはと見れば、髪を指でいじくり回しながら、何故か顔を赤らめていた。
「友だちか……僕の事、そんな風に思っててくれてたんだね」
概ねそんな風に、だ。
「ありがとう。とても嬉しい」
メガネははにかんだ笑みってものを浮かべた。不覚だが、その表情はキスでもしてやりたいくらいに可愛い。
「どー致しまして。ぼちぼち仕事再開するか」
俺は何でもないような顔を装えた。
こいつと肉体関係を持つってのの代わりに、友人という立場を得られたようだ。良い選択をしたと自分を誉めたい。
メガネは見るからに上機嫌に、淡い桃色の傘形のボウガンを背負った。
「そうだね。早く済ませてしまおう」
またランゴスタが寄って来る音がする。近くに巣でもあるのか、ここ。
メガネの黒い靴が軽く地を蹴り、プライベートフリルが翻る。
黒タイツに包まれた細い脚がランゴスタを捉え、叩き落とした。
地面の上でもがくランゴスタを撃ち抜き、メガネはやたらに良い笑顔で言った。
「ものすごく機嫌が良いんだ。ねえ、今夜夕飯一緒に行こう。僕が奢るよ」
これまでのこいつの人生、好意の示し方や示され方がどんなだったのかが不安になるが、それがどうであれ、俺はこいつを嫌いにはなれないんだろう。
俺の人生、暫く退屈はしなさそうだ。実にありがたいことで。
 
 
―おしまい―
225名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 01:05:16 ID:WpWYiR0E
以上で投下終了。
変態を書いてみたかった。うまくいったかはわからない。
 
鳥フェチのキモい情熱が少しでも伝わればいいと思う。
鳥が水を飲む時の愛らしいしぐさへの熱弁を本文に入れ損ねた事に気付いたが、もういい。
水にクチバシ突っ込んでパクパクさせた後、上向いてまたクチバシをパクパクさせるその姿、えらいらぶりーだ。
と、投票所が近所の小学校で合法的に侵入できて、飼育小屋のチャボに萌えた感動をぶちまける。
最後に一つ、諸注意からわざと抜いてすまん。メガネは僕っ娘なんだ。俺には女らしい女が書けないのかもしれん。
226名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 02:33:40 ID:a/nTgWo2
>>225GJ!
だが不覚にも変態メガネ君にときめいてしまった・・・

さて、ドラゴンふぁっく衝動に襲われたから、グラビドS最大強化シリーズ着けて、硬化薬グレート飲んで、守りの爪持ってバルカンにファックしてくる。

俺・・・生きて帰ってこれたら彼女にプロポーズするんだ・・・
227名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 02:34:29 ID:w08s/CcB
>>225
228名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 03:44:08 ID:rmXNgLWp
メガネは女?女がぶち込むのか?本文読んでる限りは男にしかみえん
まあお前が普段はいいやつなんだってことは分かった
229名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 03:55:30 ID:yiBDszg9
>>225
クリが巨大化する百合物を思い出した。

良い意味で変態乙
230名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 10:32:25 ID:rFXhfUpV

 __ __
  \ ∨ /
  <o;ω;o>
  .c(,_uuノ


231名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 10:32:45 ID:vYSsQEgz
>>225
あれ・・・?めがねショタ×ムキムキマッチョとか・・・あれ?
でも僕っ娘×ムキムキマッチョでもイけるから無問題なんだけどな
232名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 12:46:52 ID:mlv1HLzU
メガネがプライベート一式を身につけた僕っ子というのは
本文読んだ時点でわかるとして、
『見たことはないがメガネの股間についている小さいであろうあのブツ』が
意味するものがわからん。仮にクリと仮定すると今度は
『こいつと肉体関係を持つってのの代わりに』という文と
先程の『見たことはないが』という文が矛盾する気がする
233225:2007/07/30(月) 13:02:14 ID:WpWYiR0E
悔いたいとか食いたいとか、大事なものほど無茶は出来んよな。
で、アッーの方がいいのか。
エロ無しで書いておいてなんだが、それは板違いそうなんだ。
女装ショタってのは板違いでもないのか?
メガネがナニをブチ込みたかったのかは、そういう道具or心に存在する逸物ということで、メガネに立派なブツが生えてたりはしない。
メガネは素股マスター&お尻(突っ込まれ専門)マスターだけど、変態なりのこだわりで処女は死守してるとか、本編に入れろよってネタをごちゃごちゃ後出し。もっと文練れるよう精進する。
 
>>232
そこは文がまずいな。すまね。肉体関係を持つことを蹴ったが、友人の座を得たって書きたかった。
2344スレ778:2007/07/30(月) 16:01:08 ID:6rU+EwAH
5スレの77の「ランゴスタが卵を産みつけて〜」のネタを元にしたSSを投下。
以下10レスほど貰う予定(といっても完結はしていない。またもや続きモノ)。
「飛竜の主人」の続きを上げずに執筆した。だが私はあやまらない。

※鬼畜、エログロ、という言葉に不吉なものを覚えたら読まぬが吉……かも?
2354スレ778「妖蟲の虜」その1:2007/07/30(月) 16:01:58 ID:6rU+EwAH
 わたしは有り金をはたいて強化したばかりの剣を手にニンマリと笑った。
 この片手剣デッドリィポイズンは、猛毒を持つ小型肉食竜として知られるイー
オス種の毒牙と毒袋を繋がった状態のままうまく剥ぎ取り、それを竜骨製の刀身
内に埋め込んであるという特殊な品である。目標に叩きつけると牙から放たれた
毒液が獲物の体内に注入されるという仕組みで、作製に必要な素材の入手もわり
と容易でありながら強力という、わたしのようなハンターになって日が浅い者に
はありがたい品であった。

「よっし、武装も強化できたことだし、これでクックなんてイチコロね!」

 今わたしが拠点としている小さな村は、王都より遥か南方に存在する大きな湖
のほとりにあり、交易のために行商人たちが大勢行き来する街道からほんの少し
離れた場所に位置していた。
 まだ年若い竜人族の村長が「村に隣接する密林に怪鳥イャンクックが住み着く
ようになったので追っ払って欲しい」と依頼をしてきたのはつい昨日のことだ。
イャンクックは飛竜の中では小型で大人しい方だが、やはり強大な力を持つ飛竜
には違いなく縄張り意識が強い。まだ実被害は出ていないが村人や街道を往来し
ている商人たちが襲われるのは時間の問題であり、実際に誰かがケガをしてから
では遅い。飛竜を恐れて商人たちの足が途絶えてしまったら小さな村にとっては
大打撃。まさに死活問題なのである。
 そんなワケでまだハンターになって間もないわたしではあったが、これまでの
小さな仕事の積み重ねである程度の信用を勝ち取っていたこともあり、晴れて怪
鳥討伐の任を受けるに至ったというワケ。初の大物相手でわたしは緊張してはい
たが、武器もバッチリ強化したことだし、決して怖くはなかった。

「さて、問題のクックちゃんは何処かな〜?」

 わたしは剣のチェックを入念に行い、満足して背中の鞘におさめると、すでに
歩き慣れた密林の獣道を辿りながら獲物の姿を探し求めた。
 途中、ハチの巣を見つけたので蜜を探し、小瓶内に収穫する。後で荷物の中に
あった太陽草と青キノコと一緒に調合して特製の回復薬を作ろうと思いつつ、枝
をかき分け獣道を行く。
 その時一陣の風と共に頭上を大きな影が横切り、わたしはハッとして身構えた。
怪鳥イャンクックがすぐ真上を飛び去って行ったのだ。
 怪鳥はわたしに気付かなかったのか(気付いたら有無を言わさず襲いかかって
来ただろう)、そのまま何ごともなかったように飛び続け、鬱蒼と茂る木々の向
こう側に姿を消してしまった。

「……あら……逃がしちゃったか……」

 だが、わたしは少しホッとしてもいた。樹上で羽を広げて飛んでいた怪鳥の姿
は記憶中のそれよりずっと威容に満ちており、羽ばたく翼は見るからに強靱そう
で……つまりすごく強そうで、独り正面から対峙することに躊躇いを覚えないで
はいられなかったのだ。
 
「ま、まぁ、音爆弾や閃光玉だって用意してあるんだし……」

 自分自身を安心させるようにつぶやきつつ、わたしは深呼吸して気分を落ち着
けようとした。
 この時、わたしはまだ気付いていなかった。わたしにとって、いや、全ての人
間の女にとって、怪鳥イャンクックなどより遥かに恐ろしい存在が、おぞましい
運命がすぐそばに忍び寄って来ていたことを……。
2364スレ778「妖蟲の虜」その2:2007/07/30(月) 16:03:18 ID:6rU+EwAH
 わたしは怪鳥の去って行った方角を半ば惚けたように見つめていたが、こんな
密林のただ中で不用意に立ち止まっていたのが災いした。背後から巨大な昆虫の
羽音が近寄ってきていたのを聞き逃していたのだ。今では耳にうるさい程の虫の
羽音……巨大殺人昆虫、原野の嫌われ者として知られる害虫、ランゴスタの羽音
だった。

「この……っさいわね! アッチ行きなさいよ! しっしっ!」

 ランゴスタは人間大もあろうかという巨大なハチめいた外観をしており、尾の
先端の人の指ほどの長さもある針には、生き物の自由を瞬時に奪う強力な麻痺毒
が秘められている。獲物に針を突き刺して麻痺している間に、その皮膚上に卵を
産みつけていくという迷惑きわまりない生き物なのだ。
 とはいうものの、両手が自由に使える人間にとってランゴスタは大した脅威で
はない。麻痺は一時的なものであり、仮に卵を産みつけられても防具の上(最悪
でも皮膚上)にあるのですぐに排除できるからだ。連中が脅威になるとしたら何
か別のことに気を取られている時――他の大きな獲物と対峙している時など――
に麻痺させられるとか、自分の身を守れない赤ん坊が狙われた時くらいである。
大抵の場合、ただ人を苛々させるだけの存在といってよかった。

「しつこいわね……これでも喰らいなさいッ!」

 苛立ちもあらわに抜剣し、待ち構えていた所にまんまと飛んできたので、わた
しは勢いをつけて剣を振るった。飛び散った毒液が命中すると、糸が切れた操り
人形のように巨大な害虫は動きを止め、地に落ちた。

「やりぃ!」

 わたしはこの思わぬ報酬に目を輝かせ、さっそく素材の剥ぎ取りにかかった。
 薬品などを使って加工すると鋼鉄のように頑丈になるのだが、身体の構造が脆
すぎてちょっとした衝撃でバラバラになってしまうため、ランゴスタの甲殻や羽
はなかなか手に入らない逸品なのだ。これらはハンター間だけでなく、日常生活
に欠かせない品として村や街で高価に取り引きされていた。
 わたしは手に入れた素材をそっと包んで鞄にしまっておくことにした。だが、
ちょっとした土産が出来たと思ったそのわずかな気の弛み、ほんの数秒の油断が
命取りであった。飛来したランゴスタは一匹ではなく、二匹だったのである。

「……ッ!」

 羽音に気付いた時にはもう遅く、高速で滑空してきた害虫の毒針は目前に迫っ
ていた。慌てて首を捻って避けようとしたが間に合わず、針は狙ったようにわた
しの首筋を突いた。
 針の先端が皮膚を刺すチクリとした小さな痛みと同時に、熱さにも似た痺れが
ビリビリと全身を貫くのを感じ、わたしの身体は硬直した。

「くっ……しまった……」

 わたしは落ち葉と雑草の絨毯の上で膝を着いて作業していたのだが、毒針によ
るただの一突きで足が笑って力が入らず、立ち上がるどころかロクに動くことす
らできなくなってしまった。痺れはすぐに上半身をも侵し始め、正座……という
よりはお尻を地にぺたりと着けた「女の子座り」したような状態のまま仰向けに
倒れた。
 身体の感覚が失われた上にこの体勢では無防備も甚だしい。痺れは短時間で抜
けると判ってはいても、この状況は酷く不安にさせられるものだった。
2374スレ778「妖蟲の虜」その3:2007/07/30(月) 16:04:40 ID:6rU+EwAH
 わたしの防具は少しばかりちぐはぐである。上半身を被う鎧兜は小型肉食竜で
あるランポスのウロコと小型草食獣ケルビの皮、そして良質の鉄鉱石を素材に作
られたランポスシリーズで幾度かの強化を重ねていた。しかし下半身は最も安価
な皮鎧、無改造のレザーライトシリーズでまとめられていた。
 これらは対イャンクック戦のために用意したもので、わたしは自分より上背の
ある怪鳥の攻撃は正面と頭上からがほとんどであると考えた。そして同時に、男
より非力なわたしが上手く立ち回るには敏捷性が一番重要であり、足回りの軽さ、
動き易さこそ大事であるとも考えた。今の装備はその考察の結果である。
 ところが、この選択が後のわたしに悲劇をもたらすことになった。下半身、特
に下腹部の守りを薄くするべきではなかったのだ。

「……ひッ……!?」

 地面に横たわり力無くもがいていたわたしだったが、不意に強烈な嫌悪感が襲
って来て悲鳴を上げた。わたしを麻痺させたランゴスタの頭部が、すぐ目の前に
ヌッと出現したのだ。害虫はわたしの身体の上で羽を休め、被いかぶさるように
関節の多い脚をからめてきた。わたしの身体に卵を産みつけようというのだ。
 わたしはゾッと身震いしながら、成す術もなくその様子を見守ることしかでき
ないでいたが、ランゴスタはわたしの思いなど気にかけた様子もなく、獲物……
つまりわたしに逃げられないよう念を入れるつもりなのか、さらに毒針を身体に
突き立てようとしていた。
 わたしは「どうか防具で針が止まりますように」と内心で願ったが、ふと見る
とケルビ皮製の腰当てが大きくめくれ上がっていることに気付いた。ヒザ上まで
ある皮の長靴をはいてはいたが、安物の腰当てには前垂れの下にある股間や足の
付け根を守るものなど存在しない。下着の上にきつめに巻いてある腰帯くらいの
ものである。こんな風に下半身をさらけ出しているのは何とも心細く、そんな場
合ではないのにわたしは羞恥で顔を赤らめた。

「ちょ……ちょっと! 何すんのよ、この変態虫! 離せ、このっ……!」

 無防備な下半身、デリケートな部分を刺されたら痛みは相当なものだろうし、
悪くすれば痺れが抜けるのに時間がかかるかもしれない。そして何より、害虫に
関節や「大事な所」を刺されて腫れ上がりでもしたら、まともに歩くことすらで
きなくなってしまうかもしれない。そうなったらもはや狩りどころではない。初
の大物への挑戦の結果が「ランゴスタにやられました」では先が思いやられる。

「くっ……こっ、こんな奴にぃーッ……! 誰か……誰か助けてーッ!」

 助けを呼べど周囲に人の気配はない。それも全て自分がまいた種だ。大物を一
人で狩ってみせれば誰もが実力を認めてくれると思い、助けも手伝いも要らない
と豪語したのは自分自身なのだ。
 害虫が細長い腹を持ち上げ針を構えるような姿勢を取ったが、全身の痺れはど
うしても抜けない。わたしはついに観念して暴れるのをやめた(元々たいして動
けはしなかったのだけれど)。少しばかり痛い思いをするだろうが、それは我慢
するしかない。
 痺れが抜けたら絶対に叩き殺してやると復讐を胸に誓い、わたしは来るべき痛
みに備えて身体に力を入れ、歯を食いしばった。
 果たして、苦痛は想像を絶する凄まじいモノだった。

「……ッッ!? いっ、痛ッ……痛いッ……ひぃッ……!」

 ランゴスタの針の先端は、正確にわたしの身体の中心部を刺し貫いたのだ。
2384スレ778「妖蟲の虜」その4:2007/07/30(月) 16:05:36 ID:6rU+EwAH
 害虫の鋭い毒針は厚地の腰帯、そして薄い下着を容易く貫通し、わたしの膣腔
の内部に侵入してきた。
 わたしは……まだ処女だった。ハンターなどというヤクザな商売をしているた
めか、すでに恋人の一人や二人は居てもおかしくない年齢なのに、そういった浮
ついた話とはとんと無縁だったのだ。身近な男といえば同業者ばかりであったし、
ほとんどの男ハンターたちが求めているのは、なよなよした「女らしい女」が与
えてくれる快楽(がもたらす癒し、だと男たちは言う)であり、はすっぱな口を
きく男勝りな女ハンターなどには見向きもしなかった。
 とはいってもわたしとて年頃の女。武装をせずに平服で街を歩けば、必ずとい
って良いほど若い男たちに声をかけてもらえるのだから、器量にはわりと自信が
あった。身体の方も狩りによって鍛えられ引き締まって健康そのもの、出る所は
しっかり出ていたし、プロポーションもちょっとしたものだと自負していたのだ。

「や、やだ……う、ウソでしょ……こんな……ひ、酷いよ……」

 だから、いずれはわたしも素敵な相手を見つけ、身を焦がすような熱烈な恋を
することもできると信じていた。全てを捧げるに足るパートナーを見つけること
を夢見て、安易な誘惑や欲望に流されることなく自分にとって唯一と言える大切
なもの、貞操を、乙女の純潔をずっと守り続けてきたというのに……。

「やめて……やめてよぉ……ウソよ……こんな……ひぐっ……」

 腹を裂くような激痛と吐き気を催す嫌悪感、冷徹な現実の前にわたしは混乱し、
悲鳴を上げ、涙した。
 害虫は長い胴体をくねらせ、毒針をさらに奥へと押し込んでくる。痛みと恐怖
でわたしは泣き叫んだが、冷血な怪物には一切の容赦がなかった。痛みが刺激と
なって毒の効果が薄れてきたのか、徐々に身体の痺れが抜けてくるのが判ったが、
それに反比例して苦痛は度合いを増していき、今度は激痛で身動きがとれなくな
りつつあった。

「や、やめて……い、痛い……痛いの……も、もう、やめてェーッ!」

 だが、このおぞましい処女喪失の瞬間も真の恐怖の幕開けでしかなかった。
 害虫が針をそのままに細長い半透明の管のようなモノを下腹部から伸ばし、わ
たしの内部に侵入させていたことに気付くと、わたしはその意味を瞬時に悟り、
恐怖と絶望に凍りついた。害虫は私の内部……膣内に産卵したのだ。
 ランゴスタの卵は産みつけられた獲物の体温で孵化し、幼虫は獲物の皮膚を喰
い破って体内へと侵入する。そして……徐々に獲物の体内を喰い荒らしていき、
犠牲者の骸の中で蛹へと変態し、最後には成虫となって飛び立つのである。通常
は獲物の体表面に産卵するため、人間にとっては大して恐ろしい存在ではないは
ずだった。しかしそれが直接体内の、女にとって一番大切な所となると……。
 ほとんど物理的な圧迫に感じられるほどの嫌悪感が胸の奥からこみ上げ、わた
しは気を失うことも許されないでいた。

「ひっ……ひっ……い、いや……」

 わたしは声まで血の気を失っていたが、痺れの抜けつつあった腕が無意識のう
ちに跳ね上がり、手にしていた剣を力いっぱい振るっていた。
 紫がかった濁った色の液体が剣に埋め込まれたイーオスの牙からほとばしり、
ぐちゃっ、という熟れた果実が地に落ちたような音がして、ランゴスタの細い身
体が毒液にまみれて宙で砕けた。
2394スレ778「妖蟲の虜」その5:2007/07/30(月) 16:06:29 ID:6rU+EwAH
 どれ位の時間が経ったのか……やがてわたしは残骸と化した害虫の身体を払い
除け、のろのろと身を起こした。
 恐る恐る股間に手を伸ばすと、指先が赤黒い血にまみれた。無惨にも虫ケラに
奪われた、わたしの純潔の証だった。
 わたしの大切なものを踏みにじった憎むべき敵、仇である害虫は、力のない剣
の一撃で文字通り粉々になっていた。それを見下ろしている内に、奇妙な笑いの
衝動がこみ上がってきた。

「……ふふ……あは……アハハハハ……」

 滑稽だった。悲劇を通り越してもはや喜劇の域に達している。ほんのわずかな
油断から、女として、人間としての尊厳を奪われてしまったわたし。
 初体験の相手は虫でした、わたしの処女を奪ったのはランゴスタのメスでした、
害虫は産卵をしようとしていただけなので、そこに愛はありませんでした、その
相手をわたしは自分の手で殺しました……。
 これが笑わずにいられようか。こんな馬鹿な話があってよいのだろうか。
 わたしは両手で顔を覆い、声を殺して……泣いた。

 かなり長い間、そうして泣いていたような気がするが、実際にはそれほど長い
時間ではなかったのかもしれない。涙をぬぐって空を見上げたが、太陽の位置は
あまり移動していないように思われた。身体の痺れが抜けたかどうか確認しつつ
ゆっくりと立ち上がり、他に脅威はないかと周囲を見渡したが危険を感じさせる
気配はなかった。
 わたしは傷口を調べるため、鎧の、腰当てを止めている皮のベルトの留め金を
外した。もう一度周囲を見渡し、血の滲んだ腰帯と下着を降ろして下腹部を見下
ろす。いまだにジンジンと熱さにも似た痛みが残っている股間を清潔な布でそっ
と拭いて、そろそろと秘部に指を這わせた。
 途端、飛び上がりそうになるほどの痛みが走り、膣内を調べるのを断念した。
今一番気にしなければならなかったのは、傷そのものより害虫の卵の方だった。

 体内、それもよりにもよって膣内に卵を産みつけられるなど前代未聞の悲惨な
出来事だったが、それを嘆いている場合ではない。ランゴスタの卵が犠牲者の体
温で孵化するにしても、どれくらいの猶予があるものなのか正確なところをわた
しは知らない。ただ、それほど長い時間はかかるまいと思われた。
 もう怪鳥討伐どころの騒ぎではなく、一刻も早く卵を体外に取り除くことが最
優先事項だった。冗談でもなんでもなく、そうしなければ命が危ういのだ。

 わたしは血に汚れた下着を身につけたくはなかったので、鎧の腰当てだけ再び
取り付け、下着と腰帯はまとめて鞄に放り込んだ。下半身がスースーして心もと
ないが、替えの下着など持ち合わせていないので我慢するしかなかった。
 ベルトのホルスターに納めてある回復薬を傷口に塗っておくべきかどうかしば
らくの間悩んだが、その前に綺麗な水があれば患部を洗って清潔にし、さらに害
虫の卵を洗い流せると思いいたり、わたしは湖畔に向かうことにした。

「どうだ、相棒、獲物は見つかったか?」

「南の洞窟の方には見当たらんぜぇ、兄弟。東の山の方じゃねーかぁ?」

 ところが湖に近付き、木立の間から水面に陽光が照り返すのが見えてくる辺り
までやって来ると、2人組の男たちが声高に話し合っている声が聞こえてきた。
 わたしは思わず舌打ちしたい気分だった。あの声には聞き覚えがある。最近に
なって村に現れた若い(といってもわたしよりは年上の)ハンターの二人連れで、
各々が粗末な造りの兜の面頬に塗りたくった色にちなんで、赤鬼、黒鬼などと自
称していた。
 ドンドルマという有名なハンターが集まる街に、そんな名前のコンビが居ると
いう話を聞いたことはあるが、この二人はおそらくそれの騙りだろうと村人たち
はウワサしている。この二人組は口先ばかり達者な、ただの乱暴者だったのだ。
2404スレ778「妖蟲の虜」その6:2007/07/30(月) 16:07:30 ID:6rU+EwAH
 わたしは可能ならこのゴロツキ共を避けて通りたかったが、嬉しくないことに
向こうが私を見つけてしまった。夕べも酒場でしつこく誘われ、強引に唇を奪わ
れそうになった記憶がよみがえり、わたしは赤くなりながら会釈だけし、足早に
その場を離れようとした。

「よぉ、姉ちゃんよぉ、そんなにつれなくすんなってよぉ。仲良くしようぜぇ」

「そうそう、オレたちゃアンタの手伝いに来てやったんだ。助っ人って奴よ」

 実に馴れ馴れしい。誰も手伝ってくれなどと頼んだ覚えはないし、わたしが一
番助けて欲しかった時に居なかったくせに……よくもまぁそんなコトが言える。
 大方、わたしと戦って傷付いた獲物を横取りしようという魂胆か、そこまでい
かなくとも、獲物が弱ってきた辺りで現れ、楽をして手柄を分かち合おうなどと
いったところではないだろうか。自分たちは大して働かず、危険な目に遭わずに
美味しいところだけ頂戴しようという浅ましい考えには吐き気がする。ハンター
の風上にも置けない連中とは、まさにこういった奴らに違いない。

「結構よ、助けなんて要らないわ……というか、怪鳥討伐の誉れはアンタたちに
 譲ってあげる。わたしは他に用事ができたから放っておいて」

 わたしがイャンクックを狩る意志がないのだと判れば、この2人もあきらめて
帰るしかないだろうと考えた上での発言だったのだが……1人が――赤鬼の方だ
――立ち去ろうとしたわたしの腕を掴んで引き止める。

「なぁに慌ててんだよぉ、姉ちゃん? 用事って何だよぉ?」

「な、何だっていいでしょう!? アンタたちには関係ないわ、離して!」

「だから言ったろ? オレたちゃ手伝いに来たんだって。その用事とやらが済む
 まで、ちゃんとオレらが着いててやっからよ。仲良くしようや?」

 わたしの内心の焦りに気付いて興味を覚えでもしたのか、あるいは「用事」が
手っ取り早い稼ぎにつながる何かなのだとでも思ったか、男たちは掴んでいた腕
を振り切って歩きだしたわたしの後をついてくる。
 しばらく浜辺を無言で歩いて行ったが、男たちは追跡をやめようとしない。こ
れではいつまで経っても水浴びができない。このロクデナシ2人の前で裸になる
など考えられなかった。ついに堪忍袋の緒が切れ、振り返って怒鳴りつける。

「ちょっと、いつまで着いてくるつもり!? 放っておいてって言ったでしょ!」

「んだよぉ、別にイイじゃねぇのぉ。何か美味しい話なんだろぉ? 教えろよぉ」

「それとも何だ? アンタの用事ってな、もしかして下の方か? 用を足したい
 のなら、向こうの茂みのが良かったんじゃねーのか?」

「何だぁ? ションベンだったのかぁ? それともクソかぁ? 先に言えよぉ、
 そういうことならオレらがしっかり見張っててやるぜぇ? ウヒャヒャヒャ!」

 この下品なバカ者どもを本気で絞め殺してやりたくなったが、わたしは怒りを
堪えて回れ右し、再び歩きだそうとした。ところがその瞬間、未だにジンとした
痺れと熱さが残る下腹部に妙な違和感を覚え、背筋が冷たくなった。
 何かが……何かがお腹の中で……動いたような気がする……!

「……う、ウソ……ウソでしょう……? まさか……こんなに早く……?」

 私は身も凍るような恐怖に立ち尽くし、総毛立って震えだした。男たちもそん
なわたしの異常に気付いたらしく、立ち止まって怪訝そうに声をかけてくる。
2414スレ778「妖蟲の虜」その7:2007/07/30(月) 16:10:15 ID:6rU+EwAH
「どうした、姉ちゃん? 我慢しすぎて具合でも悪くなったのか?」

「ハハァ、さては腹でも下したんじゃねぇのかぁ? しっかり見張っててやる
 からよぉ、オレらのコトなら気にしないでブチまけちまってイイんだぜぇ?
 ヒャハハハハハ……!」

 もはや男たちの目などを気にしている場合ではなかった。事態はすでに、つつ
しみや恥じらいなどといった人間らしいマナーに注意を払っていられる段階では
なく、命の心配をすべき段階にまで到達していた。今すぐに湖に飛び込み、ラン
ゴスタの卵を、あるいは(考えるだけでも恐ろしいが)孵化してしまった幼虫を
洗い流さねばならない。
 わたしは一瞬だけ躊躇ったが、すぐに意を決して剣帯と楯を外し始めた。

 唐突に立ち止まり、武具、背負い袋から始まって、帽子、篭手、肩当て、胴鎧
と順に武装を解除していくわたしを見て二人組はあっけに取られ、よく動く舌の
回転を止めていた。だが腰当てのベルトが外されて砂の上に落ちた時には下品な
歓声を上げ、口笛を吹き鳴らしはやし立てた。

「おぉ〜ッ!? 何だ姉ちゃん、こんな所でストリップショーかよ!?」

「ヒュゥ! コイツぁたまらねぇ! 見ろよ兄弟、あの尻を! 最高だぜ!」

 先の騒ぎのせいで腰布どころか下着まで脱いでしまっていたので、わたしの下
半身は丸出しだった。剥き出しになったお尻に陽の光と風、何より男たちの熱い
視線が注がれるのを感じ、恥ずかしさのあまり泣きたくなった。だが腹の中で起
きた異変への恐怖心が羞恥心を上回り、わたしは耳まで真っ赤になったり青くな
ったりしながらも綿の詰められた鎧下を脱ぎ、脚甲の留め金に手を伸ばした。

「いいぞいいぞぉ、全部脱げーっ! そら、あとはシャツとブーツだけだぜ!」

「よぉ、こっち向けよ姉ちゃぁん! お、今チラッと毛が見えたぜぇ!」

「うひょぉ! 鎧で判らなかったが、アンタ着痩せするタイプだな!」

「焦らすなよぉ、シャツも脱いでオッパイ見せろよぉ! 姉ちゃぁん!」

 人間はどこまで下劣になれるのだろう。男たちは裸同然の姿となったわたしの
身体を上から下まで無遠慮に観察し、聞いているこっちが恥ずかしくなるような
台詞を吐き、失礼きわまりない批評を垂れてくる。
 コイツらはケダモノ以下だわ、と努めて気にしないようにしながらブーツを脱
ぎ捨て、わたしは身を翻して湖に駆け込もうとした。だが1人が――コイツは黒
鬼の方だ――腕を広げて行く手を塞ぎ、驚いて立ち止まったわたしは邪魔された
ことに苛ついて叫んだ。

「……ちょっ……どういうつもり!? 退きなさいよ!!」

「オイオイ〜? ここまできてそりゃぁねぇだろぉ、姉ちゃぁん?」

 もう1人の方、赤鬼が背後から抱き着いてきて、シャツの上から両乳房を乱暴
に掴まれた。わたしが驚愕と嫌悪に身をこわばらせているのをいいことに、赤鬼
は皮手袋に包まれたゴツゴツした指先で胸をまさぐり、 荒い鼻息を首筋に吹きか
けてくる。おまけに防具を着たまま身体を腰を刷り寄せてくるものだから、硬い
皮や金属の角が背中やお尻に擦れ痛くて仕方がない。

「どっ、どこ触ってんのよ、コイツ! 痛ッ……離してよ! 離せってば……!」

 怒鳴るわたしだったが、男たちはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら妙
な目配せを交わすばかりで、わたしの話を聞く気も離す気もないらしい。
2424スレ778「妖蟲の虜」その8:2007/07/30(月) 16:11:20 ID:6rU+EwAH
「何だよぉ姉ちゃん、男が欲しかったんなら最初から言ってくれりゃぁよぉ」

「な、何を馬鹿なことを! 誰がそんな……!」

「鎧の下はすっぽんぽんのケツ丸出しなんて、男を誘ってる証拠だぜぇ?
 なぁ、ホントは男が欲しくて仕方ねぇんだろぉ? ヒヒヒ……」

「狩りなんて男と寝るための口実なんだろ? こんな場所なら邪魔は入らねぇ。
 まぁ無理もねぇさ、こんなイイ身体してやがんだ。持て余してるんだろ」

「ちっ、違ッ……わたしはただ……これにはワケが……!」

「隠さなくたってイイんだぜぇ? オレ、スケベな女は嫌いじゃねーよぉ?
 望み通りタップリ可愛がってやるぜぇ……」

 いつの間にか皮手袋を脱いで素手になっていた赤鬼は、わたしが唯一身につけ
ているシャツの下から手を差し入れてきた。掌全体で乳房を包み込むように、指
でこねるように揉みしだかれる。直に肌に触れられる感触に怖気が走り、思わず
悲鳴を上げてしまう。

「……ヒッ!? や、やだ、やめ……」

「ヒヒ……イイ乳してんじゃねぇかぁ……たまらん感触だぜぇ〜……!」

 わたしは誤解していた。いかに程度の低いゴロツキであっても、相手は人間で
あると考えていた。この男たちが裸の女であれば誰彼かまわず襲いかかるような、
本当の意味でケダモノ以下の存在であるとは思っていなかった。そこまで酷い奴
らではないと信じていた……というか、まさか自分がこんな目に遭うとは思って
もいなかったのだ。
 わたしは自分の置かれた立場に初めて気がつき、怖くなって暴れだした。

「い、いや……や、やめてぇ……!」

「今さらカマトト振んなよ……おっと、もしかしてそういうプレイなのか?」

「ご、誤解なのよ! これは違うの……急いでるの! お願いだから……その、
 話は……話は後にしてよ!」

「いいとも。話なんて後回しだよな、へへ……」

 黒鬼は下品な舌舐めずりをしながらわたしの身体を上から下までじっくりと眺
め、防具を脱ぎ始めた。
 男たちが最初からわたしの身体を目的としていたのか、それとも突然のわたし
の脱衣が誤解を招いてしまったのかは判らない。今となってはどちらであっても
違いはなく、わたしはケダモノ共に蹂躙されようとしているのだった。
 ランゴスタの幼虫がもたらすのと何ら変わらない恐怖に身体が震え、四肢に力
が入らない。成す術もなく見守ることしかできないわたしの目の前で、黒鬼はブ
ーツを履いただけの姿となった。

「や、やだ……な、何よ、それ……? 何をする気なの……?」

 わたしの目は黒鬼の股の間、下腹部からそそり立つ器官に釘付けになっていた。
黒々とした茂みの中から生えている肉色をした奇形のキノコが、ビクビクと力強
く律動しているのを目の当たりにして気分が悪くなった。

「何って、ただのチンポだぜ? おかしなモンを埋め込む趣味なんてねーし、
 ヘンな病気だって持っちゃいねぇぞ?」

「ウ、ウソ……だ、だって……そ、そんなに大きくなるなんて……」
2434スレ778「妖蟲の虜」その9:2007/07/30(月) 16:12:05 ID:6rU+EwAH
 流れ者である上にハンターであるわたしには特定の異性、つまり恋人が居ない
ことはすでに話したと思うが、元々人付き合いというものが得意ではないわたし
には女友達もあまり居なかった。男について色々なことを教えてくれたのは一緒
に仕事をして、たまたま仲良くなった同業者の女や酒場で働く女たちだった。
 聞くところによると、男は女の裸を見て興奮するとアレが大きく固くなるとい
うことだったが(ハンターの1人が「皮被ってるのだと、赤フルフルって呼ばれ
てる飛竜にそっくりだよ」などと言っていたのを思い出したが本当だろうか?)、
それが実際にはどういうことなのかは想像もつかなかいでいた。
 わたしが目にしたことのある男の裸といったら、温暖期に村や街の近場の川で
遊んでいる小さな男の子のものくらいで、記憶中の子供たちのアレはもっとずっ
と小さくて可愛らしい外見をしていたし、脚の間に力なくぶら下がっているだけ
だった。
 だから……黒鬼の股間から天を突くように屹立している肉の棒(本当にそんな
風に見える)を目の当たりにしたわたしは、その大きさと凶悪な形状が信じられ
なかったのだ。このまま男たちの欲望のままに犯され、あんなモノが自分の中に
突き入れられると思うと……想像上の痛みだけで怯まずにはいられない。

「む、無理よ、そんな大きいの……お、お願い、許して……」

「へっへっへっ……人は見かけによらねぇってのはホントだな。可愛い面して、
 男を喜ばせる台詞や態度ってモンをちゃんと知っていやがるぜ」

「そんなにオレらを興奮させてどうしようってんだぁ? こりゃぁ思った以上に
 好きモノだぜぇ。激しく責められたいのぉ〜ってかぁ?」

 大人の男のアレを目にしたのは黒鬼のそれが初めてなのだから、他の男に比べ
てどうなのかわたしに判るわけがない。だが男たちの多くが、自身の持つ男性の
シンボルの大きさに妙にこだわっているらしいことは知っていた。

「……もう、いい加減にしてよ……湖に入らせてよ、お願いだから……」

 コイツらはわたしの発言をいちいち誤解しているのだが、今さら何を説明しよ
うとも聞き入れてくれるとも思えなかった。目の前に居る裸の女を好きにできる
のなら、どんな言葉も自分たちの都合の良いように解釈しようとするだろう。

「しっぽり楽しむ前に身体をきれいにしておきたいってことか?」

「オレも兄弟も女の汗のにおいなら歓迎だぜぇ、姉ちゃぁん? そぉらっ!」

 わたしは背後から抱きかかえられていた赤鬼に突然突き飛ばされ、砂浜の上に
うつ伏せに倒れた。理不尽な仕打ちに怒りを覚え怒鳴り付けてやろうかと思った
が、手をついて身を起こしたところに黒鬼のアレがヌッと現れ、わたしは言葉を
失った。
 目の前に血管の浮いた醜悪なソレを突き出してきた黒鬼は、ゴワゴワした黒い
陰毛に包まれた肉茎の根元を擦りながら、キノコのように傘を張った赤黒い先端
をわたしの頬に押し付けてきた。
 獣臭というのだろうか、汗と小便、そしてもっと不快な何かが混じったような
鼻を刺すにおいがし、思わず吐き気がこみ上げて顔を背ける。だが黒鬼はわたし
の長い髪を掴んでむりやり正面を向かせると、ビクビクと脈打つシンボルの先端
を何度も唇に擦り付ける。黒鬼が口淫と呼ばれる行為を強要させようとしている
ことに気付いたわたしは、歯を食いしばって口内に侵入するのを防ごうとした。

「……オイ、舐めろよ! 口にくわえるんだ!」

 思い通りにならないわたしに苛立ったのか、黒鬼は不快そうに命じてくる。わ
たしは怒りと憎しみを込めて睨み付けていたが、不意に背中に熱さにも似た鋭い
痛みが走って悲鳴を上げてしまい、その途端、黒鬼が口内に押し入ってきた。
2444スレ778「妖蟲の虜」その10:2007/07/30(月) 16:13:19 ID:6rU+EwAH
「ッ……むぐぅッ……!?」

「歯を立てちゃだめだぜぇ、姉ちゃぁん。そんなコトしてみなぁ、痛い思いを
 するのは姉ちゃんの方なんだからなぁ?」

 赤鬼が手にしたハンターナイフをチラつかせながら言う。背中の痛みはナイフ
の先端で刺されたものだったのだ。浅く突かれただけとはいえ痛いことには違い
がなく、咽奥を突かれる苦しさと吐き気に涙がこぼれた。逃れようにも黒鬼が髪
の毛をしっかり掴んでいるので果たせず、咽奥にまで届く太い肉の棒の苦しみか
ら少しでも解放されたくて舌で押し返そうとする。だがそれはかえって男を悦ば
せるだけの無駄な抵抗だったらしく、黒鬼は呻きながら暴力的な抽挿を繰り返し、
わたしの唇をと口腔をイヤというほど犯した。

「いぃぞぉ、姉ちゃん、舌が……絡みついてきやがる……! キタキタキタぁ!
 出るぞ出るぞぉ〜ッ! 待ってろよ……タップリ飲ませてやるからなぁ……!」

「んんっ!? んぶぅっ! んんぅ〜〜〜ッ!」

 「出る」という言葉の意味を悟ったわたしは、必死に肉棒を吐き出して逃れよ
うともがいた。一瞬だけ噛み付いてやろうかとも思ったが、先に赤鬼に傷つけら
れた背中の痛みがその後の報復が恐ろしいものになると警告していた。わたしは
泣く泣くあきらめ、せめて男根から放たれるモノを飲み込まずに済むよう意識を
集中しようとした。だが、そんなわたしに向けて赤鬼が声をかけてくる。

「チクショ〜ッ、もう我慢できねぇ〜ッ! 立て! ケツを上げろ姉ちゃん!」

 赤鬼の手にあるナイフの刃の輝きが背中の痛みを思い出させ、わたしは男たち
の言う通りにせざるをえなかった。
 ノロノロと立ち上がろうとしたが黒鬼はわたしの頭を離してくれなかったので、
結果、黒鬼の身体にしがみつくようにしてお尻を後ろに向けて突き出すという姿
勢になる。自分の無力さを改めて思い知らされる、屈辱きわまりない格好だった。

「おっと、チンポしゃぶっただけでビショ濡れじゃねぇかよ、姉ちゃぁん?」

 卑猥な台詞と共に剥き出しになった性器に熱い吐息が吐きかけられ、恥ずかし
くて顔から火が出そうだった。認めたくはなかったが赤鬼の言う通りで、わたし
は自分でも気付かぬ内に秘部から愛液を滲ませ、股間を濡らしていたのだ。頭で
は行為を嫌がっているのに、身体がそれを裏切って淫らな期待に打ち震えている
かのようだった。
 赤鬼の手が太股の上を這い回ってお尻を鷲掴みにした時には、不覚にも背筋を
ゾクゾクと快感が駆けのぼった。赤鬼は太い指でお尻の肉をかき分けるようにす
ると、愛液に濡れそぼったわたしの陰唇に熱い何かを擦り付けてきた。赤鬼はロ
クな前戯すらなく、いきなりわたしの膣内に挿入しようとしているのだった。

「……ッ! んうッ! んんぅ〜〜ッ……!!」

 抵抗空しく、赤鬼の男根は容赦なく侵入してきた。身体の奥で何かが裂けるよ
うな激烈な痛みが走り、目の前に星がちらつく。失神すら許さぬ苦痛に涙を流し
ながら許しを請うたが、口の中に黒鬼のモノが溢れていて言葉にならない。もっ
とも言葉になったところで、このケダモノ共がやめてくれるとも思えなかったが。

「くぅッ、すげぇ締まりだぜぇ……おぉっ!? 姉ちゃん初めてだったのかぁ?」

 狂ったように腰を打ちつけてくる赤鬼の動きのせいで、わたしの膣口内の傷が
再び開いて出血でもしたのだろう。しかし苦痛でそれどころではなかった。
 わたしを含むこの場の全員が気付かないでいたが、新たな出血がわたしの体内
である異変を起こそうとしていた……恐ろしい事件の発端となる、ある異変を。
2454スレ778:2007/07/30(月) 16:17:12 ID:6rU+EwAH
……というわけで次回に続く(予定)。
執筆中に思ったのが、実はきちんとした?エロ描写を文章にしたのは初めてで、
作業中は面白かったが試行錯誤の連続だった。
もっと台詞を増やして女の喘ぎとかも「」付きで台詞にしたりした方がいいんかね?
その辺りも含め、「飛竜の主人」共々ご意見、ご感想お待ちしております。
246名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 16:59:34 ID:jGMf2jXF
やべェ。超興奮した。
しかしこの後はデッドエンドしか妄想できん……!
兎も角GJ!続き期待して待ってる!
247名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 18:49:33 ID:vYSsQEgz
何かラジオ放送番組に送った葉書が読まれてる気分だぜひゃっほい!
ほんとにもう Good Job!


もし赤鬼と黒鬼がやめてくれ俺は死にたくないって言いつつも最後にはいっそ楽に殺してくれとか言いそうな悲惨な結末だったら俺はメガマックを一口で食ってやる
248名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 18:52:45 ID:WCjz3/2q
一週間後――

そこにはメガマックを喉に詰まらせて窒息した>>247の姿が!
249名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 19:07:50 ID:YfPVmyUW
ヘルブラザーズ(偽)という小ネタの効かせ方がツボった

台詞増やした方がエロく感じるかどうか、みたいなのは人によって好みの問題もあるし
俺は今のままでもたまらなくエロいと思うぞ。GJ!
250名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 19:40:35 ID:mlv1HLzU
とりあえず赤鬼黒鬼惨殺希望
251名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 19:57:14 ID:vYSsQEgz
ちなみにどうでもいい話だがメガマックは俺の好物な
252名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 02:29:13 ID:Xjytw0tU
バハハハハ!オレたちにかかっちゃ女を犯すなんて朝飯前よ!
ガハハハハ!早く都会にいって上級の女を犯したいもんだぜ!
253名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 12:31:18 ID:5Zk5zzdE
これは……一物を食われてしまうのか……?
254名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 12:50:33 ID:xvTa5gRD


何奴! ドンドルマの赤鬼黒鬼と知った上でか
立ち会いたくばあらかじめクエ名と場所を告げておくのが飛竜の作法

我ら飛竜にあらず
密林の古龍なり
255名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 12:52:58 ID:xvTa5gRD
スイマセン 許してください
遊びで書いていたら、誤って送信してしまいました。
256名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 14:33:11 ID:JcmISYxb
>>255
なんか面白そうだから、許るさん方向で
257名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 18:10:20 ID:rLcM6KxC
ものすげーどうでもいいけど、時々CGで双七の顔がオカマにしか見えないときがある
おっさんエンドの時とか
258名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 18:14:37 ID:rLcM6KxC
誤爆
259名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 23:17:00 ID:mq9xhfsy
あやかしびとw
260名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 01:52:01 ID:r77VpgoQ
やっちゃったぜ祭
261名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 04:41:40 ID:/YWJb5cA
2体同時相手クエ=3Pなんだなと今更思った。

そして色々やって使って2体同時に相手した=満足させたという変態的思考につながった。
262名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 05:29:12 ID:4Z8FtbHq
その流れでいくと、4人でクエスト参加するとド迫力の6Pっ!?
大型モンスター大発生クエストだと、未曾有の大乱交ってことでよろしいか。
263名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 07:24:42 ID:BbJoDDWp
場合によってはランポスとかがいるのを忘 れ て な い か ?
264名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 10:45:56 ID:TCZro9wL
すると古龍は「自分だけを見て!」というワガママばかりなんだな。
他の邪魔者たちをみんな遠ざけていることを考えるに
相当なヤキモチ焼き+癇癪持ちとみたぞ。
265名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 18:52:33 ID:lVTDKuTj
予定期日より一日遅くなってしまいまして、申し訳ありません。
ある程度きりのいい所まで書けましたので、投下したいと思います。

ですが、また長いです。

分量的には前回の半分ぐらいなのですが、txtにてあげたほうがよろしいでしょうか?

前スレ>212の方
申し訳ございませんが、心当たりはございません
他の方のものではないでしょうか?
266名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 18:53:13 ID:lVTDKuTj
>>265
申し訳ない 上、炎妃龍とハニー・ザ・ホルンです
267名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 19:14:54 ID:gpkFaI8O
wktk

とりあえず俺は続きが読めるのなら長さなんて一切気にならない。
268名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 19:44:11 ID:/EshWpmH
>>265
あ?もう一遍言ってみろコラ
お前さんは誰かに「読んでもらう為」に書いてるのか?
「誰かに読ませてあげる為」じゃないのか?あ?
長くても短くてもtxtでもjpegでもいいからお願いします読ませてください何でもします裸で体にハチミツかけて待ってます
269炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:04:11 ID:lVTDKuTj
ありがとうございます。
今回はこのまま投下させていただきます。
270名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:04:59 ID:lVTDKuTj
 みーんみんみんみんみん

 嗚呼。
 
 蝉が鳴いている。
 
 さんさんと照りつける太陽が心地いい。

 蝉が俺の隣で、遠慮がちに鳴いていた
 はっはっは。
 なに。
 逆らわない奴には優しいぜ?

 この辺りで俺に敵う奴は居ない。
 レウスもレイアもこの盛岡からはじき出してやったぜ。
 この世界に存在するじゃじゃ麺は全て俺のものだ!

 え? 何? クァタトレイナは? ヒアペレイアは? ハニー・ザ・ホルンは?

 はっはっは。
 あーんな超自慰SSはこうだ!

ハニー「俺達の」

レナ「戦いは」

ヒア「これからだ!」


 はい終了!
 これから、この俺が、世界を征服してハーレムにして行く物語が紡がれるぜ!

 今日も俺は空を飛ぶ。
 リオレウス?
 クシャルダオラ?
 そんなものは俺が体当たりすれば撃墜だぜ!

 真っ赤な甲殻。
 深紅の角
 鋼の如き翼
 まばゆいオーロラを思わせ煌く翅
 がちがちの足に、メス達は群がって俺のナナホシ天砲を求める。

 自己紹介するのを忘れていたな。
 俺はハニバイン!
 古代シュレイド王国の生体兵器だ!!



<炎妃龍とハニー・ザ・ホル……。……あれ?>
271炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:05:54 ID:lVTDKuTj
 目が覚めた。 
 俺は額に手を当て、ため息を吐いた。
 なんつー夢だよおい。
 意味わかんねーよシュレイド王国の生体兵器ってなんだよ。
 
 正面、だいぶ離れたところに、張り合わされた板がある。
 視界を染める赤は、高い石壁に沈み行く夕日の色。
 耳を騒がず僅かな夕暮れの喧騒と一緒に、開かれた窓から飛び込んできているのだろう。

 とりあえずの習慣として、全身の様子を確かめる。
 胸から下、インナーに包まれた古傷だらけの体が、ベッドの上に寝転んでいた。
 俺は、ベッドの上に仰向けになっている。

 後頭部が、何かやわらかいものに乗っていた。
 俺の視界、左側が壁であるはずなのだが、
 あまりにも顔に壁が近すぎる。
 肩があるはずなのに、俺の頬の、すぐそばにある。
 俺は目をこする。
 それは壁じゃない。
 壁によりかかって眠る、ヒアペレイアの上半身だった。
 腰で絞られたスカートの上、細身の体と、すとん。と壁のように切り立った胸と、小さな頭と、かわいらしい顔がある。
 大きな瞳は、閉じられていて、静かな吐息が聞こえていた。

「うおおお……」
 つーか気付くの遅俺!
 視線を上。というか視界の上か。
 そっちに向ければ、レナがヒアの頭を自分の肩に乗せ、おなじく壁を背にして、寄り添っていた。
 やたらリラックスした顔で、二人は静かに眠っている。
 視線を右に向ける。
 砂色のワンピースの裾と、キリンのレガースから伸ばされた細い4本の素足が、ベッドの端近くにまで伸びていた。
 二人は壁を背にして、座ったまま足を投げ出して、寄り添うようにして眠り、
 俺は、その端、ヒアペレイアの左太ももを枕として、寝かされていたらしい。

 流麗な紫がかった黒髪が、交じり合って肩から胸の曲線にそって流れ落ち、
 無防備にもみ上げから突き出された、ふわふわの耳とふさふさの耳がゆれている。

 顔が近いせいで時折耳同士が触れ合うと
「……ん」
 とか
「……あ」
 とか、
 悩ましげにさえ聞こえる、小さな寝言が聞こえる。

「……うおい……」

 無防備な……。
 俺はしばらくそのまま、眠る二人の少女の顔を見上げていた。
 母親である筈のレナさえも、眠る顔はあどけないとさえ言える少女のもので、俺はしんみりとした気持ちになる。
272炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:07:11 ID:lVTDKuTj
 この少女達の、唯一の縁を、俺は殺したのだ。
 こいつ等があの時、人間の姿になっていてくれれば――

 ため息を吐いた。
 
 責任転嫁するつもりか? 俺よ。
 冗談ではない。
 そもそも戦ったこと自体、後悔していないのだから。
 ただ、殺さずに、済めば。と。
 あの時どうにかして、こいつらの理由を知っていれば、と

 ……またロクでもない事考えてるな。

 幾度、そんな<もしか>を夢想しただろうか。
 こいつ等のことではなく、別のIFだが。
 所詮過ぎ去ったことだ。
 それでも、俺は幾度もため息を吐いて来たし、これからも吐いていくだろう。
 あきらめきれずに未練がましく。
 まぁどうしょうもない。
 俺はそういうマイナス思考の塊だしなぁ。

 ただ、それでも、今の俺には出来ることがある。
 過去に浸るのは全てが終わってからでいい。
 それまでは、すくなくとも動きを止めずに居られる。
 空虚を見つめずに済むのだ。
 
 今は、この少女達に――
 そう、ナナ・テスカトリであるかどうかは関係ない。
 こいつらは俺が不幸にした少女達だ。
 
 不幸が、せめていくらか軽減される様、立ち回るだけだ。
 とまぁ、形だけの決意をしてもしょうがない。結果を出さねば。

 ただ、なんだ。
 ちゃんと仕事はするから、もうちょっとこの二人の眠る顔、見てても良いよな。

 と、俺はいいわけしつつ、単純に見たかったので、二人の顔を見上げた。
 うーむ。
 こう、なんだろ。
 本来は無機質で、人工的な感じさえ覚える冷たい顔立ちが緩められていて、
 横に生える細かな毛に覆われた耳の動きを見てると、アレだ。
 超絶に心癒される。
 ものすげー変態くさいがな。
 しかし……
             ぴくぴく
 うおお……
                  ぴぴぴく
 目の前にあると、だな。
                        ぴぴくぴくぴくぴぴくぴ〜
 さ、さわりてえええ!!!! 超さわりてええ!!
                           (ああっ、ハニー君の耳から桃色のハチミツが出てるよ!?)

 つーか感触が最高なのは確かめ済みだ。
 も、もう一度! もう一度あのふわふわを! ふさふさを! 俺の指にー!!!
273炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:07:57 ID:lVTDKuTj
 俺は決意した。
 視線を左右に飛ばす。
 当然だが誰も居ない
 次に瞳を瞑って辺りの気配を探る。

 俺の気配を探る能力は、自分で言うのもなんだが凄まじい。

 いままでだって、他人の飼ってる犬とか、道端で日向ぼっこしている猫とか、
 エサをついばむ小鳥とかを撫で撫でする時、辺りに他人が居ることを確かめてきた。 
 
 ふわふわ、ふさふさ、ぷにぷにその他を、撫でる姿を殆ど他人に見せずに生きてきたのだ!
 俺ももうすぐ三十路!
 お前、冷静に考えてみ!?

<三十路のおっさんふわもこ好き>

 殺意沸いてくるだろ!?
 俺は沸いてくる! 

 俺だけかもしれないが。
 まぁいいや。
 だから、そう、俺にとって子犬をなでたりするのは命がけなのだ!!

 というわけで集中する。
 背の方、つまり一階には数人の動く空気を感じるが、それ以外にはレナとヒアの存在しか感じない。
 ふっふっふ。
 うよし!
 辺りの安全を確認した俺は、ごふん。と一つ咳払い。
「……これくらいは正当な報酬だよなぁ……」
 などと言い訳がましくつぶやきながら、俺はとりあえず近い方の、ヒアの耳に手を伸ばしていた。
 ものすごく犯罪者の気分で気配を殺す。
 いや犯罪者か?
 だ、だがな、目の前にふわふわの据え付けられて触らないで居られるものか。
 据え膳って奴だ。
 思考が暴走を始めた事に気付きつつも、俺は気配を殺して右腕を伸ばした。
 1m 70cm 50cm 30cm 10cm 5cm 3cm
 よ、よし! 後1cm!!!!!!!!
274炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:08:48 ID:lVTDKuTj
「ん……」

 ヒアのうめき声。
 俺の手が、触る1mm前で停滞する
 もう毛はちょっと触ってんのに!
  
 俺が左耳に手を伸ばしたまま、硬直して居るうち、
 ヒアは手の甲で瞳をこすって、薄く、瞼を開いた
「あ……」
 小さく驚きの声を上げた少女が、次に浮かべたのは頬を緩める喜びの笑み。
「起きた」
 ぽつりとつぶやいて俺を笑みのまま、見下ろす。
 いや、確かに目が覚めたけどな。
 ええと、その、何故にそんな喜びの顔を?
「だって、吹っ飛んでぴくりともしないんだもん。ピタフ、大慌てで、あっはっは力入りすぎちゃった☆ って」
 何っ。
 あっはっは☆ってあいつわあああ!
「慌ててこの部屋運び込んで、ハニーの鎧脱がせたピタフと話して、
 後は、お母さんも私も眠たかったから、起きるまで寝てようって」
 成程な。
「うん」
 頷いたヒアは、自然な動作で首をかしげ、
「……で、何、これ?」
 指差したのは、俺の右手だ。
 首を傾けたせいで、ヒアの耳が触れ、甘美な感触を人差し指は味わっている。
「ええと、だな。そ、その、これは、だな」
 俺は指をつまみたい衝動に耐えつつ、言い訳を探すが、
 その間に唇を曲げて、いたずらっぽく笑うヒア。
「……寝てる間に触ろうと思った……とか?」
 はっはっは。
 バレてやがる。
 そりゃまぁ、それ以外のなんだってんだろうなこの格好。
 あからさまにうらやましそうな視線も向けてたしな。
「……変態」
 ……くすくすと笑いながら言われたよ。
 ……意味解ってんのか?
「ええと、とりあえず、ハニーと一緒に居るなら、これから必ず、絶対、間違いなく、変な事するだろうから、
 なんかあったらそう言ってやれって、ピタフが」
 あいつは人をなんだと思ってるんだ……
「ええと、無防備に寝てる隙をついて、許可も得ず、勝手に耳を触ろうとするんだと思ってたんじゃないかな」
 どう見ても変態です本当に(ry
 俺は笑みを硬直させた。
 うーむ。
 改めて省みるとどれほど変態的行為だろうか。
 最悪だ。
 逆の事を考えてみよう。
 はい。
 俺が寝ている間にむさくるしいおっさんに耳をいじられまくってました。
 はっはっは。

 おーい誰か滅おっさん弾持ってきて!
275炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:10:38 ID:lVTDKuTj
 つまりはそう言うことだ。
 あーあ。
 言い訳の余地などないな、こりゃ。
「……すまん。いや言い訳も出来ないが、」
「……何か、言いたい事は、あるの? 言い訳、させてあげるよ」
 めちゃくちゃ怖いセリフをはいて、でもヒアはにこにこと笑っている。
 怖!
 ……うーんと、素直に言おう。
「……あまりにもその耳が魅力的すぎて……な」
 素直に言うと、僅かだけ、ヒアは驚いたように瞳を見開いて、次に瞳を弓にした。
 何か、子供がいたずらを思いついたときのような笑みだ。
「いいよ?」
 ……何が?
 いや、解ってますけどね。

 俺は壮絶に動揺した
「何……、何を言ってんだよ」
 ヒアは、俺の言動を無視して、笑い。
「ただし、一秒につき、あの、甘いの1枚ね?」
……おいおい。安すぎないか?
 俺主観的には非常に安い値段だ。なーんだ。はっはっは……
 よし俺突撃っ!
 って……
「ん。触られるのは気持ち良いんだけど、敏感だから、優しくしてね……?」
 瞳を細め、笑みを浮かべたまま、
 いっそ誘うようなヒアの声にナチュラルに手を伸ばしそうになって、俺は動きを止める。
 待て俺!
 待て待て。これはヤバいだろ。
 食べ物で吊って、少女の敏感な部分(耳だが)を触るって、お前、ヤバくない?
 小首をかしげるヒア。その際にまた指に触ってうぎゃあああ!!
「どうしたの?」
 ええい! 人の葛藤を見抜いたかのような顔でいたずらっぽく笑うな!
 人をおちょくるのが楽しいのか!
「……楽しいよ?」
 うわあ
276炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:11:14 ID:lVTDKuTj

 俺が見上げながら悶絶する姿を、ヒアは楽しそうに見下ろしてくる。
 僅かに背筋を丸めて、首を傾け、目立つところに耳を持ってくると、ぱたぱたと耳で仰いでくる。
 く、くそう人の弱点を的確に見抜きやがって!
 ここで触ったら何か人間として失格のようながする!!
 負けのような気がする!!
 既に負けてるような気もするが!
 くっ! た、耐えろ! 耐えろ俺!
 そのまま、俺が動きを止めてじっとしていると、ヒアは耳を何度も動かしたり、
 俺の鼻に軽く当てたり、耳の毛を、爪でもってこすったりする。
 それでも、俺が我慢している姿を見て、やがて首を振った。
「残念」
 お前な。人間おちょくるのもいい加減にしろよ……
「え? でも、わたしは、ちゃんと甘いのくれれば、いくらでも触っていいって、本当に思ってるのに」
 ぐっ。
 俺が顔を顰めると、今度は本当にヒアは笑った。
 ……耐えたけど、
「俺の負けだなぁ……」
「ん。だね」
 やたら嬉しそうだな。
「うん。で……どう?」
 再び、首をかしげるヒア。
「……何が?」
 訳が解らんよ主語がないと。
 俺がわざとらしく同じ動作で首をかしげると、
 ヒアは手のひらで、スカートの布一枚だけにつつまれた、右の、細い太ももを叩いた。
 ぱぷ。と軽い音がする。
 ん? 何?
「太ももを枕にするとハニーが喜ぶって、ピタフが言ってたけど?」
「ぐご!!」
 からかうような軽い声色を受け、俺は奇声を上げる。
 ピタフ!! GJじゃなくてこらあああ!!
「どう? 気持ちよくない?」
 に、二重の罠か!
 俺が何もいえずに唇を閉じたままでいると、
「そっ……か、気持ち、よくないん、だ? 私の、足? ……ふぅ」
 そんな事を言って、あからさまに大きなため息をついて、眉尻を落としたしょげた顔を見せる。
「……残念」 
 ひ、卑怯だぞ!! 罠だぞ! これは罠だぞ!! あからさまに演技だぞ!
 理性では解っていながら、額に汗を浮かべつつ、俺はつぶやく。
「あーいや、その、……気持ちよかった」
 何言ってんだ俺!
 俺の言葉に、待ってました。と言わんばかりにヒアが満面の笑みを浮かべる。
 くそう……。 
 ぼこぼこだ。
 ええ!? 何!? なんで俺翻弄されてるの?
277炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:11:56 ID:lVTDKuTj

 ただ、悪い気分ではなかった。
 悪夢を見なかったのは、久しぶりだから。

 ああいや、あれも悪夢つったら悪夢だけどさ!
 
「……。」
 大体、気恥ずかしすぎるぞこれ。
 傍から見てればいちゃいちゃしてるだけにしか見えんだろうな。
 ……。
 いちゃいちゃ、なぁ……
 いいのか? こんなことしてて。
 よくはない、よなぁ。
 俺はヒアを見上げながら言う。
「もう俺は、癒されすぎてどうにかなってしまいそうだ」
「ん。よかった」
 満面の笑みに、更に言葉を投げかける。
「……だから、アレだ。無理に俺に愛想をふりまかなくていいぜ?」
 ヒアの笑みが一瞬、固まる。
 俺は、ヒアの父親を殺した存在なのだから。
「守らせてもらってるだけでも、十分なんだ
 やることがあるってだけで、俺はものすごく楽になれる」
 その言葉の裏にある意図も伝わっただろうに、ヒアは首を振って、かしげた。
「ハニーは、こういうこと、嫌なの?」
 別に嫌じゃないです。
「なら、別にいいじゃない。わたしは、嫌々やってるわけじゃないよ」
 そう言いながら手を俺の額の上へと下ろすヒア
 愛玩動物か何かの様に、小さな掌で、俺の頭をなで始める。
「遠慮は、要らないんだよ」
 ……俺は硬直した。
「お礼、だしね。わたしがやってあげたくてしてることだから」
 屈辱かつ恥ずかしいが抵抗できん。
 しかし、なんだ。
「お礼?」
 俺は、まだ炎龍帝ふるぼっこにしてないが……
「それは別。うーんとね」
 視線は、ちらりと、レナの眠る顔へと向かい、次に俺へと戻ってくる
「お母さんがこうやって安心して眠ってるの、はじめて見たから」
 本当に、嬉しそうに。昼間のにたにたではなく、にこにこと、満面の笑みを浮かべる。
 ……。
 俺が眉を顰めると、頭をなでる手がとまった。
「うーむだったら、その礼はもらえないような……」
 その平穏を奪ったのも、俺の可能性が高い。から、な。
 野生動物が、完全に落ち着いて眠る事は少ないだろうが、
 人と同等の思考を持つ存在の、つがいならば、きっと安心して眠れる日もあっただろう。
 俺は、その当然のものを返しただけにしかすぎない。
 俺がそんな事をおもっていると、
 あ、あれ? 何? ちょっとヒアが、目を吊り上げた。
 怒ってる。
 え。なんで?
「わたしが見たのは、初めて」
 そう、短く強く言って、俺の鼻を摘まんだ。むおう。
「……んぐ!」
 俺が何か言おうとすると、ヒアは俺の口を捕む
 うご!
 い、息がッ!
278炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:13:03 ID:lVTDKuTj

「だから、それ以外は、ハニーが何を思ってても、関係ない」
 押し殺した声で言って、俺をにらみつける。
 はっはっは。
 眉を顰めたそんな顔はレナそっくりで、
 やはり、ヒアもナナ・テスカトリなのだと思った。
 というわけで!
 それはいいんだ!
 わ、解った!
 わかったから!
 息!
 ぬ……う……
 や、やばい! いい加減やばいですよ俺がヒアペレイアさん!!
 ってぐあああ!!
「だから、だか……あ」
 俺の顔が真っ青に染まっていたのに気付いたらしい
「ご、ごめんなさい!」
 ヒアが慌てて手を離す。
 俺は空気を吸い込み、咳き込んだ。
「……大丈夫?」
 ヒアが、申し訳なさそうに見下ろしてくる。
「……………………あー、いや、大丈夫、大丈夫だ」
 俺は首を振って、ヒアを見上げた。
「ごめんなさい」
 目を瞑ってあやまるヒア。
「……でも、だから、そう言う事は、言わないで
 ハニーだって、ハニーの為に私たちを助けるって言ったよね。
 なら、わたしが勝手にやることに、文句を言わないで」
 ……。
 確かに、こっちの都合は関係なしに、好き勝手やられるのなら、俺はどうしょうもない
 まったく、本当にこいつは。
 遠慮しないからな! もう!
 ありがとうよ。
「……解った」
 俺は、頷きを返す。
「その、完全に理解したとはいえないけど、大体、解った」
279炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:13:49 ID:lVTDKuTj

 いくらか、申し訳なさそうな顔しながら、瞳を開ける少女に苦笑する。
 そんな顔しなくていいって。
 まったく。
 俺は観念した。
 両手を挙げて、服従のぽーず。猫でもおんなじ格好するし、意味は通じるだろ。
 えへへ、と、俺の格好を見て、嬉しそうな笑い声を上げる。
「じゃぁ、わたしがが、ハニーに対して、なんでもいいけど、
 やりたい。と思った事があったら、いつでも、どこでも、なんでもOK、って事でね?」
 ……。
「さりげなく無茶苦茶言ってる気がするんだが?」
「ああ! お母さんハニー・ザ・ホルンが私の寝ている間に私の敏感なところを!」
「待てー!?」
 駄目だ! 
 俺は致命的な一点を握られたらしい。
 うわあ。
 俺の反応を見て、またもヒアは嬉しそうに笑った。
 まったく。
 ……俺のがどうにかなっちまいそうだ。
 釘刺しとこ。
「……一応、人間の男は非常に単純かつ自己中心的なんで、
 そういう事を連発すると勘違いするから注意な?
 特に俺は、寝てる間に勝手に耳に触ろうとする……」
「私は別に良いけれど」
「ぐげ」
「でもそういう事を許可なしにやろうっていうのは、変態だよね」
 うむ。
 返す言葉もない。
 猛省せねば。
 額に汗を浮かべる俺を見て、さらに笑われた。

 同時に。

「ん……」
 レナの、うめく声。
 起きたな。
「起きたね」
280炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:14:21 ID:lVTDKuTj

 レナの耳がまず、眠気を吹き飛ばすようにして、一度振られ、
 次に長いまつげに彩られた瞳がうっすらと開かれた。
 瞼がぐりんぐりん動くのは、奥に隠れた紫の瞳が警戒しているからだろう。
 最初に、にこにことレナを見るヒアに視線が向けられ、
 次に見上げる俺へと視線が落とされ、
 とりあえず、そのどっちもほっぽっておいて、レナは大きくあくびをした。
 口が裂けそうな、牙獣種特有の、大きなあくびだ。のどちんこまで見えとる。
「……?」
 ヒアのように小首をかしげた。
 なんか、……あれ?
「お母さん、おはよう」
 いやヒア、フツーに挨拶してる場合じゃないかもな。たぶん
「え?」
 此方に視線を落とした顔の隣、レナの、半端な開かぬ瞼は寝ぼけ眼だ。
 その、俺の記憶にある限りは凛としている顔ばかりだったレナの表情は、
 なんだかふにゃふにゃに崩れている
「……ひあぺれいあ……」
 と、寝ぼけた魚のような瞳で、猫のような笑みを浮かべ、だだ甘な声でヒアの名前を呼ぶ。
「あ、あれ?」
 そのままヒアに、崩れ落ちるようにして抱きつくと、そのぷっくりとした頬に、真っ赤な唇を押し付ける
「あ、いや、お母さ、え? ええ!? な、何!?」
 動転するヒア。
 そのまま、嬉しそうにレナは笑うと、更に、頬へと、猫が顔を洗いでもするように、同じく頬を押し付ける。
「クアア……」
 声は猫の鳴き声、というか、押さえられたナナ・テスカトリのそれ。
 ……これは、レナ、
「寝ぼけてやがる……?」
 俺がそうつぶやくと、ヒアは俺を見下ろした。
「え? 嘘。お母さん、いつも、」
「いつもどうだかわからないけどな。安眠したの見るの、初めてなんだろ?」
「あ……」
 俺の言葉にあわせてヒアの耳がはねる。と、
281炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:15:01 ID:lVTDKuTj
「ん〜……」
 丁度いいところに来ていたせいか、ぱかり、とレナの口が開いた。
 かぷっ。
 唇が、紫の細かい毛に覆われた鋭い耳を挟み込む。
「あ、や……」
 あの、レナさん? 何を耳をはむはむしてるんですか?
「あ、だ、だめ、」
 こら俺の目に毒だろう!
 うらやましいわ!!
 あいや別に口ではむはむしたいわけじゃないぞ!
「や……あ……」
 変な気分になって来たぞおい!
「こ、んな……所で、」
 え?
「見られて……」
 ええ!?
 ちょっとそれ言葉の選択間違えてない!?
「ふぇ……」
 悶絶するヒアの、うっすらと潤んだ瞳が俺へと向けられる。 
「……た、助けて」
 っは!?
 いかん。俺も駄目すぎる。
 すっかり動きを止めて見入ってしまった。
 最悪だぞ俺。しっかりしろ俺。
 だめだ頭が回らない。
 とりあえず注意をこちらに向けるか?
「え、ええと、レナ? クァタトレイナ? ……お、おきろ。起きてくれ」
 レナの視線が俺に向いた。
「……」
 むすーと、不機嫌そうな顔が俺へと向けられる。
 ゆるく丸められた猫手で、俺の額をこんこんと叩いた。
「グウ!」
 唸るな!
 ええい獣に戻りおってからに!
 というか別にナナ・テスカトリの姿でも理性がなくなるわけでもないんだろうが!!
「……つまり、お母さんの素……!」
 なに妙にそんなセリフに力入れてるんだよ?
 唇が耳から離れて、ヒアは息を付いていた。
 うむうむ。よかったよかった。

 今度は俺がピンチになってるけどな!
「……あ痛! う、ぐ、ぐうあ!! オウチッ!!! ヒャッホーィ!!!」
 猫がいたずらをするように、ヒアによりかかったまま、俺の頭を片手でぺちぺち叩くレナ
 他にも額の皮をいじったり、眉毛を抜いたり、鼻をつまんだりええいうわやめろ髪の毛引っ張るのは洒落にならん!!!
「ググゥ……」
 マジで痛!!! 
「グ!」
 俺の悶絶する顔で笑うなレナ!!
 た、たすけて!
 ん。と俺の声に頷いたヒアは、何故かちょっとだけ、嬉しそうなのを耐える表情。
「お母さん」
 ヒアの呼びかけで、ヒアの方を向いたレナ
「グゥ……?」
 まだ寝ぼけて首を傾げてる。
 そのレナへ、ヒアは深呼吸して息を吸い込み
「ん……」
「グ? ん、んんんんん――」
 思いっきりレナの紅い唇へと、同じ色をした自分の唇を押し付ける。
282炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:15:39 ID:lVTDKuTj

 ……。

 えーーーーー!!!

「……ぁ」
「――っ」
 唇に僅かな動き、緩やかにヒアのそれが上下に広がるのにあわせて、レナの唇も動いてって
 舌入ってる動きですよそれ!
 暫く、成すがままにされているレナだったが、やがて、レナも舌を伸ばして、絡ませあう。
 お互いに、絡ませあい、唇を吸いあって、空気と水の混じる独特の音が、他に音の立てるもののない部屋中に響く。
 粘つくようなディープキス。
 なにやてんの
 じゃないなにやってんの。
 ああいかんナチュラルに動揺してるよわし。
 しばし、そのまま、唇を吸いあっていた二人だったが、
「ん……」
 レナのうめき声に、ヒアは唇を離した。
 透明の糸が唇の間を伝って、落ちる。
「っふ……は……」
 息を荒くしたまま、満足げに唇をなでるヒア。
 俺は一瞬、背筋に寒気が走る。
 見た目は、いまだ幼いとさえ言える少女だと言うのに、なんだこの艶は……
「……え、あ……あれ?」
 ぺたりと尻を落として、ベッドに座り込んだレナ。
 もとの顔に戻ったヒアがぺたぺたと、やさしく頬を叩く。
「ん。お母さん、おはよう」
「……あー……起きたか?」
 俺は、非常に複雑な気分で、ヒアの太ももからレナを見上げた。
 レナは、辺りを見回して
「……私、……あ、れ。あ……」
 勢い良く首を振って
「……あれは……」
 やがて、目に焦点が合って来た。
「ええと」
 辺りを見回し。
 その後、硬直した。
「成程」
 唇が歪む。
「なぁ、るぅ、ほぉ、どぉ、なぁ……」
 頷く声は、地獄から噴き上げる炎の様。
 言葉の奥に隠された炎に炙られた、俺とヒアが硬直する。
 体は、例によって大型モンスに見つけられたときの様に動いてくれない。
 レナはまず、俺をにらみつけた。
「ヒ、ヒィ!?」
 ああ、やめて! 発見硬直に誘導つきのタックルかますのはやめて!!
 双剣じゃガードできない! 出来ないってばー!
 俺が掘り起こされたトラウマにガクガクと震えていると
「ハニー・ザ・ホルン」
「な、なんですか!?」
 レナはきっぱりと言う
「忘れろ」
「え、ええ、了解、解った! 解った! 解りました! わ、忘れます!」
「忘れろ」
「え、ええとー!! 僕レナさんが何を言っているのかわからないなぁー」
 俺がわざとあほの様に口をぽかーんとあけて、視線を上に向けて白目を出すと、
「気持ち悪いぞ」
 酷!
283炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:16:39 ID:lVTDKuTj
「……まぁいい。……いいだろう」
 俺は胸をなでおろす。
 次に、ぐりん。と、音を立てそうな、大きな動きで、レナがヒアへと首を向ける。
「何かっ、言うことはっ、あるかぁ……?」
 なんでそんなおやっさんかつ甘いタレが似合いそうで神とか裁きとか言いなら地球に落ちそうな口調で!
 俺と同じく額からだらだら汗を流すヒア。
「え、ええと、そ、その、お、お母さん」
「何だ」
 強烈な視線に耐えながらも、幼い、子供っぽい笑みを顔中に浮かべるヒア。
 何を言うのだろうか。
 と俺たちの視線が集まる中、くちびるを開いて叫ぶ。
「可愛かったよ!」
 うおいこらー!? あおってどうする!?
 同時にヒアの耳がもみ上げの中に引っ込む。
 器用だな!
 俺もならって耳をふさいだ。

 絶叫。

 おおおお。
 全身に凄まじい響きに未だ震えたままであーりませんか?

 フルディアグラ程じゃないが、やはりその咆哮は強烈だ。
 そうして、ぎろり、と目をむいたレナ。
「うわあお母さんごめんなさいー!」
「ひぃーぁあああぺぇれぇぇぇいぃぃぃあぁぁぁ!!!」
「ちょっと待ってこの位置関係だと俺にも直接的な被害がー!!」
「うるさいー!!!!」
 がっくんがっくんとヒアの首を揺らしまくるレナ。

 その、……怒りというよりも、恥ずかしさに顔を真っ赤にするレナの瞳の端から
「へ?」
 俺の間抜けな声が場違いに響く。
 大粒の涙が、頬へと流れ落ちた。
「おかあ、さん……?」
 対応できない俺たちの視線の集まる先、吊りあがった瞳の端から、白い頬へと大粒の涙が流れ落ちている
 最初、レナは俺たちの顔の意味が解らなかったらしい。
 次に叫びをあげようとしていたまま、口が固定され、首をかしげる。
「おま……! ……? 何だ? 何が、どうした……?」
 だって、お前、頬に……
「え。……え?」 
284炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:17:23 ID:lVTDKuTj

 俺の言葉に、最初、レナは頬に手の甲を当て、白い肌をぬらす透明な液体に視線を向けると、驚きに目を丸くして、
「……あ、これ、は……く……」
 あわてたように、目をつぶって、瞼をこすり始める。
 俺は起き上がった。
 一人用のベッドがたわむ。
「おい……?」
「お母さん……?」
 心配げなヒアが、ぬぐっても、ぬぐっても流れ落ちる涙が汚した頬に、手を差し伸べてぬぐう
「大丈夫……?」
「いや、く、大丈夫……だ。寝ぼけていた」
「ごめん、なさい、そんな……え、わたし、そんなに」
 どうしたらいいか解らないらしいヒアに、レナは涙を流しながらも首を振って、笑みを向けた。
「ち、がう、違う……違うんだ。これは……」
「これは……?」
 言ってから、しまった。という顔をして、目を辺りにさまよわせるレナ。
 ベッドサイドのテーブルから窓、装飾、そこらへんに転がってる俺の防具と、
 俺が持ち歩いていたオカリナにバルーンにドラムに移り、
 次に大タル爆弾やらなんやらの持ち運びにくいアイテムに移り、
 最後に俺が元気ドリンコを作ろうとして失敗した燃えないゴミに移って
「………………目に、ゴミが」
 明らかな嘘。
 というか嘘を通り越して冗談染みてさえいたが、俺とヒアは、どちらもその事を突っ込まなかった。
 当然だ。
 そんな雰囲気じゃない。
 ベッドの上、気まずい空気が漂う。

 どーしたものか。
 
285炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:17:55 ID:lVTDKuTj

 しばし、俺は言葉に迷い
 幾許かの沈黙の後、
「なんか、く、あっつい、なぁ……つーか、何。何おんなじベッドに3人も上がってるんだか」
 結局、ボケに逃げてしまう。
 そのごまかしもちょっと無理っぽいな。
 次に来たのは、あきれ混じりの痛い沈黙。
「……ふ」
 だが、レナは俺の言葉で少しだけ笑ってしまったらしい。
 いや、こっけいな俺の姿に、だろうか?
 どっちでもいいや。結果が全てだ。
「……私は寒いぐらい、だがな」
 まぁ溶岩の中に平気で居られる存在だからな。お前さんは。
 言いながらレナはヒアの腕を取って、自分の膝の上に抱き寄せて、抱き締める。
「ほら、これでちょうどいい」
 涙をぬぐうようにして、顔をワンピースの肩に擦り付ける。
「お、かあ、さん」
 表情は、細いヒアの肩にうずめられたまま、隠されている
「おうおういちゃいちゃしゃーがってうらやましくないもんね」
「……ん」
 息を吐いたヒアが、いたずらっぽく俺のほうを見た。
「ごめんね。ハニー、やっぱりこっちのほうがいい」
 そりゃそうだろうさ。
「羨ましいだろう? ハニー・ザ・ホルン」
 続いたのはくぐもった声だ
 羨ましいけど、抱きつきたいかといえばそうではなく。
「……冗談抜きで熱いしなぁ……」
 インナーの襟首をぱたぱたした。 
 ふ、と小さく笑ってしまった。
「……ハニー・ザ・ホルン」
 レナが首を起こす。
 瞳は赤く、けれど涙はもう流していない、凛とした顔が俺に向いていた。
 何かを、決意したかのような。
 ふむ。
 マジメな話、か?
「何だ?」
「私達の信頼を代価として、正直に言ってほしいことがある」
 また、唐突に。 
「うーむ。まだ結果を出していないのに信用しちゃっていいのかいー?
 さっきもヒアに言ったんだけどさ。そこまで安いのかい? 炎妃龍の信頼は?」
 俺の、軽い挑発じみた言葉に、レナは、むしろ感心混じりの笑みを溢した。
 あれ?
「……本当に臆病なのだな貴様は」
 へ?
「あのピタフという人間から、貴様の過去を、ある程度は聞いている」
 ……。
 なんだと?
 じゃないなんですと!?
 え?
 え? え? え? え? え?
「ま、まじで……?」
「ふむ。その顔からすると、やはり嘘ではないようだな」
 まぁ、そうだろうな。ピタフなら俺よりも俺に詳しいかもしれない。
 アイツは嘘が上手いが、嘘をつくのが嫌いだしな。
 しかし、それゆえに最悪だ。
 最悪だ。
 本当に最悪だ。
 ちなみに。
 今のような、俺が悶絶するような局面において、絶対に嘘をつかないだろうからな!
286炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:18:49 ID:lVTDKuTj

 うわあうわあうわあ
 俺の過去は痛いしイタいし愉快だしアレだしイカレてるし可笑しいしオカしいし
 つーか嬉々として言いまくったに違いない!!
 もうだめだ。
 何言われててもおしまいだ。

「な、何。た、たとえば、何を聞いたの?」
「「……」」
 レナとヒアは俺の問いかけに沈黙し、次にお互い視線を合わせて沈黙し、
 最後、同時に俺を見て、ため息をはいた。
 お、おい!
 何その反応。
 何を聞いたんだッ!?
 まさか作りたてのメラルーラグドールに一日中頬ずりし続けて一発も撃たずにぶっ壊した話か!?
「チャチャブーラグドールとか言って泣きながらリオレウスに突っ込んでって死に掛けたとか」
 もしやハチミツ風呂! とか言いつつ湯船に入る前に滑ってこけた話か!?
「後から行ってみたらハ血ミツ風呂で気絶してたとかは、聞いたが……
 こ、このノリだとまだまだ出るな俺の汚点!
「……うわあアイツは他人の人生勝手にばらまきやがって!」
 憤る俺に、ヒアは、本気で疑問の口調でもって、首をかしげた。
「え? まだそのくらい、ぬるいほうだったよね」
 うおい!
「……そうだな。だからそう言えば、貴様は観念する。とも言っていたな」
 うわあ。
 さいあくだ……
 ベッドにつっぷしでひんひんと鼻息すすって泣き始めた俺に、
「……ふ」
 吐息交じりの押し殺した笑みが向けられる。
「……ハニー・ザ・ホルン」
 俺が顔を上げると、マジメな顔をしたレナが居た。
 見つめてくる瞳は懇願さえ伴うもので、
 ……今は、真剣な場面、か。
 俺は、解った。と頷いて見せた。 
 レナも、満足げに頷いて。
 ぽつり、と言う。
「貴様は、上手く行くと思っているのか?」
 それは?
 ええと。
「……お前さんらを逃がすことがか?」
 それ以外に何がある、とレナが俺を見る視線はどこまでも真剣だ。
 といっても、なぁ。
「ぶっちゃけ炎龍帝しだいだ。炎龍帝が強ければ強いほど、上手くいく確立は減る。
 あとは此方の戦力も、か。
287炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:19:51 ID:lVTDKuTj
「正直、炎龍帝がどんなもんか今日中にギルドに聞きに行くはずだったんだがな」
 言いながら外を見る。
 どたばたしている内に、日は暮れようとしていた。
 それは夕日の赤ではなく、夜空に近い濃い赤紫、天の頂には僅か星が見え始めている。
 そう、だな。ちょっと時間無駄にしてしまったか。
「……まぁ、明日、朝一で聞きに行くさ」
 情報こそが全ての生命線だが、手元にだって優秀な情報源はあるしな。
 俺は、その情報源に眼を向けっぱなしだ。
「……逆に聞くけど、どの程度のもんなんだ? 炎龍帝ってのは?
 ええと、そうだな。
 俺の基準的に、フツーのテオ・テスカトル一匹だったら、逃げるだけなら楽勝だ
 お前さんを戦力に入れなくともな」
 だが。
 テオ一匹分とは、到底思えない、な。ありゃ。
 俺はレナに視線を向けたまま、
「……レナ、お前さんが、」
 言いかけて首をふる。
 少々言いにくいことだが、今は感情は切り捨てる場面だろう
「『お前達』が、人間の領域……つー事もないんだろうけどさ、
 5年前、俺たちと戦うことになったのは、炎龍帝の縄張りで、ヒアを育てられなかったから、
 というのも一因だったな?
 つまり、あの炎龍帝は、5年前のお前さんたち二人より、更に上を行っている。
 そうだな?」
「……む」
 俺の遠慮ない言葉に、レナは幾らか憤りの表情を見せつつも、素直に頷いた。

 つまり、ほぼ引き分け同然であった、5年前の俺たち4人より上。という事である。
 俺だって5年前よりかなり腕は上がっているつもりではあるが、
 正直、今だって5年前のレナと、その夫と一人で戦え。とか言われたら死ぬと思う。
288炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:20:45 ID:lVTDKuTj
 そもそもこいつ等だっていわゆる上位クラスの化け物だったのだ。
 そこまで言うと、レナは眉尻を下げて、不安そうに瞳を細める
 ヒアを抱いていた腕にこめた力が、更に強くなる
 ヒアも不安げな顔をしているが、その不安は、炎龍帝に対するそれじゃ、ないな……。
「……では」
 怯える様に紡がれた言葉に、俺は慌てて首を振る
「結論出すのは早い。忘れんなよ。人間社会全体が、今は炎龍帝を敵にするつもりなんだぜ」
 少なくとも、炎龍帝一匹より、人間の社会は強い。
 これもまた真実だろう。
 あーいや、絶対じゃないかね。
 でも、たぶん強い。
「だからまぁ、ちょびちょび逃げればいい、さ。
 そんなに分の悪い賭けでもない。こっちの戦力だってそんなに悪くないさ」
 俺の読みが正しければ、今の、人間としての装備を持ったレナが、
 ハンターとしての戦術を身につければ、俺以上の戦力として換算できるだろう。
 つまり、今の俺とレナならば、すぐに、5年前のレナと、その夫たるテオ・テスカトル以上の戦力になる。
 大丈夫、それはすぐだ。
 レナに戦闘の才能は間違いなくあるし
 一応、これでも駆け出しハンターの育成をちまちました事だってあるのだ。
 ナナに戻れば、ヒアペレイアの足の速さは十分に期待できるだろうし。

 逃げるだけなら、なんとかなる……と思いたい。
 
 そして、縄張りから追い出された。という事は、
 逆に言えば、追い出されるだけで済んでいるわけでもある。
 殺されずに、在る事が出来たと、そう言うことである。

 下手なハンターを仲間にしても、巻き込んで殺してしまうだけだろうし。
 あとは……ギルド頼み、だ。
 情けない話だが、うだぐだ言っている場合じゃない。
 とっとと動かせるよう、多少は本気で立ち回るとしよう。
 今、一番ぶっといギルドへのコネが使えないのが残念ではあるが。
「……絶対に、とは言えないのだな?」
 俺は、ヒアを抱きしめるレナと、レナの腕を抱きしめるヒアに、顔を引き締めたつもりで言う
 まぁ、ものすげー適当な事しか言えんのだけどさ
「……絶対に大丈夫とは口が裂けても言えないな」
「そうか」
 つぶやいたレナは、
「そうだろう、な」
 俺は、頷くレナの姿に、妙な恐怖? いや、悪寒?
 なんだろ、何時かどこかで見た様な、デジャヴを感じていた。
 俺は、その姿に慌てて
「……ただまぁ、絶望的かってーと、別段そうでもない」
 んじゃないかなーという希望的観測でしかないが。
「……そう、か」
 あまり納得していない感じのレナを見る。
 ……。
 実際の所、一発やってみないと、解らないし、な。
 これ以上、安心させるのは、無理、か。
289炎妃龍とハニー・ザ・ホルン:2007/08/01(水) 20:21:34 ID:lVTDKuTj

 ……遠慮はやめよう。
 せっかくの炎龍帝との戦闘経験者だ。
「なんか、こー、フツーのテオと違う点とかあるか? 炎龍帝には」
「普通と、違う?」
「炎龍帝にしか、出来ない行動があるかどうか、ってな事なんだが……
 ほら、グラビモスには、首を振ってビームで薙ぐ奴とかいるだろ? あんな感じで、
 炎龍帝が、図体デカいだけのテオ・テスカトルってだけなら対処法はあるし、な」
 テオ・テスカトルは、単純に最悪のモンスターの一つであり、
 その超大型固体なんぞ、正直、それだけでやばいんだろうが。 
 俺の視線にレナは首を振った
「すまない。解らない……貴様が、何をもってして、普通の炎王と言っているのかも解らないのだ」
「……か」
 確かに、テスカ側から見ればそうかもな。
 もう一度、申し訳なさそうにレナはつぶやく
「……すまない」
 レナの腕に回っている、ヒアの指が、こめられた力に白くなっていた。
「仕方がないことだろ」
 俺は笑いながらぽりぽりと頬を掻いて。
「――すまない」
「もういいって」
 俺が、そう言っても、レナは何かを考えているかのように、ヒアを抱きしめて考えている。
「おかあ、さん?」
「大丈夫だ。ヒアペレイア」
 声を掛けられたレナは腕の中のヒアに頬ずりをする。
「あ、や、ちょっと……」
「お前のことは、守る」
「お母さん、あのね」
 ヒアの声を無視して、つぶやくレナ。
「お前のことだけは、絶対に護るから」
「……わたしは、」
 不安げなヒアの声に、頬を摺り寄せたまま、首を振った。
「解っている……解っているよ、ヒアペレイア」
 いとおしそうな声に、ヒアは沈黙し
「……なら、いいよ」
 そう、つぶやいた。

 ……なんか……
 ってもな。
 俺の、立ち入る領域じゃない、……か?
 抱き合う二人のやり取りを聞かなった事にした
「大体、決まった、な。明日は朝一でギルド行って、その後、すぐにこの町を経つ。
 においに注意し、なるべく見つからないルートを辿って、ドントルマ、ええと、
 龍を迎撃できる施設のある町を目指す」
 情報は流しておく。ギルドが利用価値があると判断したなら、向こうから接触してくるだろう。
 その可能性は高い。俺が、ギルドのお偉いさんならそうするし、
 少なくとも、俺はその程度の判断が出来る程度には、ギルドに詳しいつもりだ。
「了解した」
 腕の中のヒアも、レナと同時に頷いた。
290名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:22:21 ID:lVTDKuTj
 ふぅ。と息を吐いて、ヒアペレイアが笑う
「……疲れた」
「私もだ」
 気の抜けた顔は、やっぱりそっくりだ。
 ともかく、それもそうだろうな。
「んじゃ、まぁ、寝るか」
 俺のつぶやきに、レナは部屋を見回し、
 シーツのたわんだベッドを見て、
「ここで、人間は寝るのだったな。3人は、少し狭いか……?」
 と眉を顰めながら言う。
 いやおんなじベッドじゃ寝ませんて。
「そうなの? でも、わたしたちさっきまで寝てたのに」
 いやそうなんだけどさ
 俺は苦笑しながら、
「まぁ、親子の邪魔はしない、さ」
 俺がそう言うと、二人は硬直した。
「……。」
「……。」
 え? 何この沈黙? 
「ああ、いや、すまん」
「ええと、その、ありがとう」
 ……。
 まぁいいや。
「そうだな。ええと、隣に部屋を取ってあるんだが……」
 俺は、ベッドに座り込んだままの二人を見た。
「どーする? なんか疲れてるみたいだし、俺がそっちに行こうか?
 いや、俺が一日寝てたベッドでアレだが。大丈夫か? におい」
 言うと、二人は鼻をひくひくと蠢かせて
「そもそも、わたしたち、ここでさっきまで寝てたんだし」
「というか、さっきっからハチミツのにおいしかしない」
 え。嘘?
 俺は自分の体をかぎまわる
 うーむ? わからんが。
「人間の鼻では解らぬだろうな」
「そりゃそうかって、……あー、ヒア?」
「何?」
 俺に鼻を向けてくんかくんかするヒア。
 マジな顔でにおいかがれるのも怖いんですが
「ヒアペレイア。お前の鼻は、まだ未成熟だ。もう少しすれば、わかるようになるだろう」
「そうなの?」
 そんなものなのかね。
 そうだ。とレナは頷いた。
「……貴様の言葉に甘えさせてもらおう。私達はここで休む事にする」
「了解ー」
 俺は言いながら、ベッドを降りた。
291名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:23:03 ID:lVTDKuTj

 歩いて、扉前に行きながら、片方の壁を、正確にはその向こうの部屋を指差し
「じゃ、二人とも、この部屋で休んでくれ、俺は、下で軽食取ってから、隣の部屋で寝る。
 なんか有ったら言ってくれ、大声だせば聞こえるし、あとはそうだな。ノックつって」
 俺は扉をこんこんと叩く
「俺の部屋の扉でも、壁でも、どっちでもいいけどこうするとなんか用事あるってわかる」
「了解した」
「あとは、そうだな。一応、人の部屋にはいるときの礼儀して、人間は部屋に入る前にこのノックを扉にする。
 扉を開けるのは中の人間だから、まぁ、覚えておいてくれ」
「はーい」
 素直な二人をに、僅か笑みを浮かべながら
 俺は扉を出た
「お休み」
 声を掛ける
「おやすみ?」
 不思議そうな顔をするヒアに、俺は笑って。
「人間が、寝るときにかける挨拶だ」
 成程と頷いたヒアの横、レナも頷いて。
「おやすみ」
「お休み」
 俺が軽く手を振ると、ヒアも手を振った。
「……お休み」
 俺は笑みを浮かべながら、今度こそ、部屋を出る。
 後ろ手に扉を閉じた。

 さて、と。
 メシを食ったら、俺も寝ますか。
 ほとんど食ってないから腹へってしょうがない。

「あはははごめんごめん」
 カウンターに座った俺の目の前では、店じまいして、テーブルに座ったピタフと、
 テーブルの間を器用にすり抜け、給仕の仕事をしていたスィフが、
 甘辛いタレに漬け込んだアプケロス肉のあまった所をおかずに、夕飯を食べていた。
「ったくお前は、人のイタい過去をおもいっきし晒しやがって、お前、お前なぁ……」
 俺がぶちぶちと文句をたれつつ、つついているのはモス肉のいいところのバターソテーだ。
 ごめんなさーいとかにこにこ笑いつつ、こんなのだされたら黙るしかない。
 ビールかエールがほしいところだが、我慢して水である。
 具がなくなったスープに再び野菜の切れ端とひき肉のラビオリを突っ込んだものへとパンを浸し、
 俺は口にほおりこむ。
「ごめんね」
 ちろり。と唇の間から紅い舌先を覗かせるピタフ
「でも、おかげで信頼されたでしょ?」
「そのおかげ、なのかね。本当に」
 あと、言っとくけど二十台後半気持ちが悪いだけだぜ?
「そう? 若い子達にも結構好評なんだけどね。ハニーは女に目が肥えてるから」
「そか?」
 別にそんなつもりはないんだが……
「何せ最低基準が私だし。こ、の、わ、た、し、だ、し!」
 そう、下からシャツを押し上げる、豊かな胸をこれ見よがしに張ってピタフは言い切る。
 俺はしばし考えて。
「……それって俺は一切ほめてなくて、お前さんを直接的にほめてるよな?」
 俺たちのやり取りのスキに、
 サラダに乗っていたピーマンのスライスを自分の皿からピタフの更に移動しているスィフが見えるが、
 とりあえず無視して、
「それは人間としてどーなんだ……」
「事実だからしょうがないじゃないの」
 か。
 俺は苦笑する
292名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:24:13 ID:lVTDKuTj

「なに」
 首を傾げるピタフに、笑って
「……いや、まぁ、また、頭の悪いやり取りをしたいもんだな。と
 ……俺は、もう、今日、寝るよ。明日は早い。……世話になったな」
 俺の言葉に少しだけ、ピタフは笑みを曇らせる。すぐに、元の明るい声色で
「まぁ、どーせハニーが好きでやることなんでしょ? だったらがんばんなさい。待ってるからね」
 大体の予想が付いてるのか、知らぬままで居てくれているのか。
 けれど、実際の所どうでもいい。
 どちらにしろ有り難い、話だ。
「ごっそさん、美味かったぜ」
「どういたしまして」
 そろりそろり、と、立ち上がって、部屋から逃げ出そうとしているスィフを無視しつつ
 俺は、空になった皿を返すと、部屋へと戻る。
 階段を上っていると、後ろから叫びが聞こえてくる。
「スィフ!! こらあああー!!! ピーマン残すな!!」
「いいじゃんかー!! ぴーまんたべなくたってしなないよ!」
「ダメ! 好き嫌いしてるとハニーみたいになっちゃうよ!」
 お前な。
 ッ直後、がきん。と音がして。
「ぎゃん!」
 スィフの悲鳴
「あたたた……あーもうホントにこの子はクシャ頭なんだから!」
 演技くさいつーか、演技な平穏を背に受けて、浮かぶのは笑みだ。
 また、飯を食いに来たいものだが。

 俺は二階に上った。
 今日、泊り客は俺達だけらしい。
 真っ暗な廊下はしんとしている
 幸いにして、俺はかなり夜目が効くほうだ。
 重厚な板張りの床は、足を踏み出しても軋みなどしないが、
 俺は、一応、眠っているかもしれないレナとヒアの為、忍び足で歩く。

『――』

 妙な、声。
「……」

 俺は反射的に、腰の投げナイフに手を伸ばす。
 集中と同時に、視界に移る全ては怜悧に。
 薄暗闇の廊下は、瞬時に明るく、そう見える。
 
 はて?
 反射的にナイフに指を触れさせておいてから、俺は首をかしげた。
 だって、おかしいのである。
 二階に居るのは、レナとヒアだけの筈なのだが。

 ナイフに伸ばした指を体の横に、ぶらん。と倒して、俺はがくり。と首をかしげた。

 耳を澄ませば、
 聞こえてくるそれは、
 間違いなく、
293名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:24:58 ID:lVTDKuTj

『……ぁ……っ……ああ……』

 嬌声だったのだから。
 別に聞き慣れては居ないが、聞いたことはある、快感に耐えるそれ。
 最後の声は、抑えようとして、抑えきれなかったもの
 
「……。」

 え?

 
 ナニやってんのー!?
 うわあ俺は今まさに大好評混乱中!!

『……おかあさん、いい顔、してるよ……』

 ええ!?

『……や、やぁだ……お願い……ピタフ……やっ……あ……ああっ……!』

 しかもクライマックスですか!?

『っ―――!』

 こらえるような声。
 ……。
 はっはっは!
 おめでとう! エンディングまでイったかな!?
 まぁ俺は何時だってクライマックスだったけどな!(人生が
 つーか今でもクーライマックス!
 何故なら状況わけわかめー!
 麒麟・極!
 うわあわかめがいっぱいだー!

 って
 だー! めー! だー!
 俺は混乱しすぎている。
 どうしよう
 さて。
 こんなときには頭で考えちゃダメだ。考えちゃダメだ。考えちゃダメだ。
 頭が混乱したときどうすればいい俺の体よ?

 状況把握だよ頭!

 OK理解した体!

 俺は、理性外の、半ば本能と化した<それ>の指示のまま、
 腰を落とすと、静かに二人が居る筈の部屋の扉へと移動した。
 左足首のアンクレットから、ひそかに針金を二本取り出す。
 油と綿その他はないが……まぁいいや。
 木製の分厚い扉についているのは、やたら重厚かつ、ラオが百匹踏んでも壊れないって鍵だが……
 このくらいならちょいちょいちょちょいちょいちょいちょいちょいちょいちょいっと。
 俺は最後に、ゆっくりと、金具が音を立てないように手首を回す。
 確かな手ごたえはない。空いたとは解るが。
294名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:25:36 ID:lVTDKuTj

 隙間から、蒼光に……月明かりに照らし出される部屋を覗いた。
 むぅちょっと見にくい。
 俺は更に隙間を開いた。
 左手に俺の装備がごっちゃになっていて、右手にしっかりとした作りのベッドがある。

 たわんだシーツの上、折り重なるようにして、青白い裸体が重なり合っていた。
 レナが仰向けになって、頭の両側に腕を伸ばしている。シーツでもつかんでいたのだろうか。
 瞳には、僅かかけただけの月が、虚ろに映っている
 その瞳からは涙か汗かが流れ落ち、顔中を汚して、髪の中に消えていた
 口の端には溢れたのであろう透明な唾液の光。
 その唾液を、レナの上に乗り、片肘で体重を支えているヒアの舌がなめ取る。
 ヒアのもう片手は、ここからは見えないレナの下半身のほうに伸ばされていたが、
 やがて、レナの顔の前に、その細い指を見せ付けた。
 手の全てにまとわりついているのは乳白色にまで変色した液体。
 さらに、耳に顔を近づけて何事か呟いた。
 レナは、まるでいやいやをする子供の様に首を振り、視線をそらす。
 その様子を、とても、とても嬉しそうに見て、自分の手を舐めるヒア。

 俺は、背筋に寒気を感じた。

 今日の朝から、いや、出会った当初からの、妙な違和感は……
 ……これ、か……?

 視線をそらしたレナに唇を押し付けるヒア。
 そのまま、貪る様なキスをする。
 最初は嫌がっていた様子だったレナも、すぐに受け入れて、自分とヒアの舌を積極的に絡ませている
 両者の頬が交互に膨れあうのは、絡ませた舌を交互に出し入れしているからだろう。
 
 ……ギャグ抜きに言うけど、何やってんだこいつら、は。
 そりゃエロいことしてるの、か。

 ……。

 あれこれ今更だけど超覗きじゃね?
 ナチュラルに変態乙俺?
 ……。
 いや、そういうレベルじゃない、か……?
 他人が覗いちゃいけない領域、だよな。
 こりゃ、さ。

 ……いろいろと解ったような気もするが。
 あれだけベタベタも、そりゃ、する……か。

 俺は無音に扉を閉めると、一旦階段そばまで隠密状態で撤退。
 今度は堂々とぎしぎし足音を立てつつ、二人の隣の部屋へと向かう。
 その間、二人の部屋からは何も音がしなかった。
 俺は、ベッドが有るきりの部屋へと、入ると。
 わざとらしく、背を伸ばしながら声を立てる
295名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:26:11 ID:lVTDKuTj

「ふぃぃあーーーー……疲れた」

 そして耳を済ませる。
 反応は、ない。
 これ以上、余計なことはやめておく、か。 

 ……さて。
 ……どうしよう。
 さっき、見たものの事だ。
 えーっと、何? 母娘レズ? しかもガチ? 
 うーんっと。
 ……。
 見なかったことにしよう。
 俺はそうしようと思った。
 あれは、きっとあの二人の、あの二人だけだった二人の、他者に入られてはいけない領域のものだろうと思う。
 絶対に、他人には触れられたくないもの筈だ。
 ならば、忘れよう。
 別に、どうという事もない。
 あの程度の歪みなど、歪みと呼ぶにもおこがましいものだ。
 昔見た幾つかに比べれば、だが。

 明日も早い。寝よう。

 うん。
 と頷いて、俺はベッドに寝転び……。

 ふと、気付く。

 あ、あれ。
 どうしようこれ。
 え? なにかって?
 うん。それはね。

 俺の股間のフルフルホルンが黄黄青青白黄青白黄青黄白青という状態になっている。

 ……解りにくいか?
 じゃあ解りやすく言おう。
 


    チンコたった!
296名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:27:02 ID:lVTDKuTj
 それも大変なことになっている。
 俺は思わずインナーを覗いてみた。
 すぐさま閉じた。
 描写したくない。
 つーかフルフルっつーよりなに? ガノトトス? ラオシャンロン? 
 ラオ?
 自分で言ってて豪儀だなぁ俺。
 ともかく。
 どうしようこれどうしようこれ。

 隣に耳を澄ませる。
 もはや一切の物音はせず、訪れるのは静寂のみ。
 
 立ち上がるとガラス張りの、窓の外へ、俺はそっと歩み寄る
 見下ろした。
 まだ、見下ろした町には明かりが残っている。
 砂漠の旅は夜行うのが基本ではあるし、これから町に着くキャラバンやハンターも居る筈だ。
 まだまだ夜は終わらないだろう。

 よし。と俺は頷いた。
 娼館にでも行こ。
 このいきりたったMYホルンを収めなければ。

 ええと。
 俺は脳内に記憶してあったピンク色リストを展開。
 ちなみに合法的なのしかないぞ。
 
 非合法なのは俺とヘヴィーガンナーと、もう二人男でPT組んでた
 ……それこそ結婚するよりはるか前、調子に乗って徹底して潰したからな!
 しかもいろんなとこの!
 はっはっは。あの頃はイタかった。
 ひどい目にあったし、結局あんま意味がなかったしな。
 <娼館潰し>とか呼ばれてた。(物理的な意味で

 いまじゃほら、ハンター専用の娼館が増えたせいで、ギルドが目を利かせてるし、
 変なのもだいぶ普通に減って来たんだが。
 
 つーかそういえば、あいつ元気かなー。

 王都の娼館に居たある娼婦を、あの龍を倒した直後、身請けしようとして、向かったら、
 数日前に、貴族の愛妾として、先に身請けされていたのだ。
 まぁ、それもあって、あのテオの所に行って、現状があるわけで……

 元気でやってるといいんだが……。

 ええと、思考がずれてるな。
 まぁしょうがない。いろいろと動揺しているからな。

 今は股間の奏でる演奏を静かにさせるのが大事。
 たしかハンター用の娼館でオススメは……。この町だと……

<激吸ディープスロート>
 と
<笛コキ名人>
 か。
297名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:27:38 ID:lVTDKuTj
 うーむ。たしか激吸の方は本番はほぼなしで口がメイン。その代わり安くて連射可能。
 うなれ俺のジェイドテンペスト! ってな感じだ。

 名人の方はねっとりまったりぬっとりと多種多様。高めだが本番OKの筈。
 うーん。このバベルにぬちゃぬちゃぐちゃぐちゃ色んな事色んな事って……。

 うむ。
 気分的に名人の方にしておこう。
 
 俺が立ち上がる。
 同時。
 隣の部屋の扉が、開く音がした。
 俺は硬直した。
 同時に有能な体は勝手に息を殺して気配を探る。
 静かな足音は、しだいにこの部屋から離れて――つまり階段の方に向かっている。
 俺はため息を吐いた。
 どっちかが、水をのみにかトイレにでもか行ったのだろう。
 いや、炎妃龍がトイレに行くかは知らないが別に言ってもおかしくはないだろう。
 燃炭石が主食かと思いきや、いろんなモン食えるしな。
 ふぅ。と息を吐く。
 さり気ないしぐさで通り過ぎればお互い知らなかったことに出来る、かな。
 俺が、こそこそと扉の前へと移動し、扉のノブに手をかけた瞬間、

 コンコン。

 扉をノックする音がした。
298名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:29:35 ID:lVTDKuTj
今回は以上です
次回いろいろとクライマックス。
ようやく物語が動きます。

次回八月中盤ごろの投下を予定しておりますが、遅くなるかもかもしれません

それでは失礼します
299名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 20:35:41 ID:0LyWYmuN
リアタイで見れた。GJ!
300名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 21:22:33 ID:31JVNgoI
大雷光蟲を擬人化したら・・・
モノをつっこんだら集ってくるマイクロ幼女が浮かんだ。
ちょっとやったことないガンスで俺の竜撃砲ぶちこんでくる

>ハニーGJ
301名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 21:57:43 ID:4Z8FtbHq
いつも思うが言葉のセンスに脱帽。GJ!
お盆辺りを楽しみに待ってる
302名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:20:23 ID:mh/aUb5e
前回長かったせいかな…ちょっと物足りない感じがする


つまりはGJということ
100レスぐらいあっても一気に読めてしまいそうだよ
303名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:37:54 ID:yMK092l9
GJ!

なんつー隠密スキルだハニーw
もう、"ハニー・ザ・ホルン"改め"ハニー・ザ・スネーク"だわ、こりゃ。
304名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 22:52:28 ID:/EshWpmH
GGGGGGGJ!
305名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 03:07:00 ID:Vnnh7AJw
>>ハニーの人
もうね、GJとしか言えない
次も楽しみに待ってる


ところで誰だ『ショタレウス』なんて電波送ってきたのは
306名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 04:06:38 ID:dMM9dVFC
ハニー氏GJ!!あいかわらずの神っぷりですね。
軽い文体が俺には最高です。続き待ってます。


>>305つまりそれは閃光玉で不意打ちを受けた所に、淫乱ハンターに精液を搾られ
硬直が回復したら又閃光玉をやられ搾られ×42回(支給&現地&光ちゅう大量発生)
を繰り返した後ほうほうの体で逃げようとしたショタレウスが捕獲され、モドリ玉で擬人化させられ、その後も搾られるという事でおk?
307名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 04:12:38 ID:NL210+U0
ヒアたんとちゅっちゅしたいよー
308名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 11:30:26 ID:2+aNRdfL
>>298
GJ!!
>>1
に書いてあるアプロダが無くなってるので
4スレ目のtxtを持っている方がいらっしゃいましたら
頂けないでしょうか
309名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 12:20:34 ID:qvn8hHWl
>>308
つ"【ttp://up-sv.ath.cx/up/1/upup2.html
  [No_0403.lzh] お狩りします
310名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 15:50:43 ID:sty7co0E
次回は炎妃龍2体同時討伐か
負けるな我らのハチミツオヤジ
311名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 17:59:24 ID:X2cnYJxg
滅おっさん弾吹いたwww
312名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 22:51:20 ID:cyoqXXpb
笑い死ぬwww
>ハニーGJ
313名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 23:15:28 ID:2+aNRdfL
>>308
ありがとうございます。。
314名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 23:43:43 ID:3uZAvqWz
開幕の撲天ネタですでに緑のゲージが1ドットになったwww
315名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 03:48:16 ID:sgWGPtda
異常震域でティガ2体を同じエリアで捕獲したんだが、その光景が3Pして疲れて眠ったティガ姉妹にしか見えなかった。(または親子丼)


病気かな・・・俺・・・
316名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 10:48:19 ID:Tp38ZCju
ハニーさん面白かったGJ。
ただ>>293の11行目、なんでピタフがレナさんとギシアンやってんのwww
って思ったのは俺だけだよな。な。
317名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 12:13:03 ID:apU5oPxh
ではクァタトレィナは俺が………


…あれ?

何で

超滅なんか

△+○しようと











We can fly!
318名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 22:31:23 ID:UfMA1PKI
Sロリだけど微ツンデレとか俺のストライクゾーンにジャストミィィィィィトゥ!
319名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 23:23:09 ID:oCIDlk6N
続きにMHP2発売前並みの待ち遠しさを感じる

GJ
320名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 23:50:56 ID:djuerB81
ハニーさんGJ!

スパロボネタ吹いたwww
マップ兵器使って自分だけ被弾する残念な緑わかめ乙wwww
321名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 21:04:18 ID:TsrczHBD
MHFの新モンスはどんなもんじゃろ
屍食いと足つきシーラカンスじゃネタにしにくいか?

322名無しっち:2007/08/05(日) 13:36:50 ID:8yX9ZD01
ギアノス×女が読みタ〜イ!
ハニーさんやっぱりGJ!!
323名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 15:34:04 ID:y7x5mmsk
>>322
黙れ
324名無しっち:2007/08/05(日) 16:52:37 ID:8yX9ZD01
すんません!
325名無しさん:2007/08/05(日) 19:15:05 ID:8yX9ZD01
じゃねえよ!
荒らしてやるYOオタク共!
うんこ〜
326名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 20:31:28 ID:FVzYZ3zL
死●執●人かとおもた
327名無しっち:2007/08/05(日) 21:26:50 ID:8yX9ZD01
というのは冗談で、
早く小説が読みタいYO!
328名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 21:38:45 ID:3lVAzNpn
夏だな…
痛々し過ぎる
329名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 21:58:23 ID:0SAiP5Vh
いやこのくらいなら大丈夫でないかい
>>327
自分で書いてみるのはどうだ?
今まで誰もが期待してきたランポスチンコでイキまくりの女ハンターとか
330名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 02:58:28 ID:bvSai28f
カンタロスとかランゴスタも擬人化してやってください
331名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 04:54:03 ID:BCKO6ihe
抱き締めるとバキッといきそうなイメージだな、タロスやランゴ擬人化って。
正直、虫擬人化はチカちゃんを思い出して、エロ妄想どころじゃないorz
332名無しっち:2007/08/06(月) 09:44:31 ID:W6VkTWNf
かなりヘタですが、いいんですか?
333名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 09:47:34 ID:tFY+ZXLb
問題ない。投下してくれ。
334名無しっち@:2007/08/06(月) 10:22:31 ID:W6VkTWNf
では投下。
「さーて、ギアノスを討伐しに行くか!」
そう言ったのは、ギアノスーツ系の装備をした、
いかにも、コスプレイヤーなハンターであった。

これでいいなら、続きいきます。
335名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 10:23:37 ID:tFY+ZXLb
おkk
一気に投下いっておけ
336名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 11:21:41 ID:PlwR+rXE
3行では評価できん
とりあえず短編で良いから投下してみなさい
337名無しっち@:2007/08/06(月) 12:01:51 ID:W6VkTWNf
私は、雪山を登ってゆく。そして・・・。
キシャアアアアアア!
「出た!ドスギアノスだ!繁殖期に入っていて、凶暴化してるんだ!」
そのドスギアノスは今まで見た中で一番大きかったと思う。
「えいっ!やっ!はっ!」私は、レッドサーベルで斬りつけたのに、全然効かない。
キシャアア!ガキィ!そんな、武器を飛ばされてしまうなんて・・・。
私は死ぬのを覚悟した。なのに、ドスギアノスの目が妙におだやかだ。
この鎧のお陰かな?しかし安心するのはまだ早かった、ドスギアノスが、私のお尻に自分のモノをあてがったのだ。
「マジ!?ちょっと待って、わたしはドスギアノスじゃない・・・・」
そういったのに、だんだんこのオスとしたくなってきてしまった。
このスーツのせいで、心がギアノスになっているのかも・・・・
キシャアアアア!そういって、まずは私のアナルを貫いた。
「イヤァァァァァ!!!」しかし、こんなものはまだまだ序の口だったと後で思い知ってしまうことになる。
338名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 12:24:42 ID:nWEBLCc3
あ、うん・・・。
339名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 12:34:51 ID:tFY+ZXLb
うん、まぁ、なんか、うん。
340名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 13:43:20 ID:HcCE01uY
熱い要望?に応えてランゴとカンタロスの擬人化SSを投下だぜ!



「オレっちランゴスタのラン吉」

「オイラはカンタロスのカン太」

『二人合わせて害虫(ヘボ)ブラザーズ! イェーッ! 一度獲物にまとわり
 ついたら、ずっとしつこく着け回しちゃうんだぜ、イェーッ!』

「オレっちの得意技は、柔軟な腰使いと宙を舞う絹服のように繊細なタッチ。
 今日も抜群の腰使いで痺れさせてやるぜぇ!」

「オイラは地に足を付けたパワフルな突きと脅威のスタミナの持ち主よ!
 さぁ、今日も突いて突いて突きまくるぜ!」

「おっとぉ、あそこに行くは人間の女ハンター! 獲物だぜぇ兄弟!」

「おぉ、なかなかイカしたスケじゃねーか、相棒!」

『今日もタップリ女のエキスを吸わせてもらおうかい! ヒャハーッ!』

「……またうるさいのが来たわね。しっしっ! あっち行きなさい、虫ケラ!
 所詮アンタたちは物語の冒頭でヒロインを犯すだけしか見せ場がない悲しき
 チョイ役でしかないんだから! 読者の要望で無惨に死にそうだし!」

 つ【毒けむり玉】

『……ッギャアァァァーーッス! 毒ノォーッ! オレたちイチコロ! 
 マジ死んじゃう、死んじゃうって! 畜生、何だよ読者って!』

 こうして害虫(ヘボ)ブラザーズは倒され、平和が戻ってきた!
 ありがとう、名も無い女ハンター! ありがとう、ありがとう!


 ……ダメだ、部屋の気温が殺人的で何もやる気がおきん。日ざしが暑いという
よりすでに熱いというレベルだぜー……死ぬぜー死ぬしぬー
341名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 14:29:33 ID:PQdPXOZ/
>>331
こんな所でチカちゃんなどという話題を見かけるとは

>>340
うけたwwww
342名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 15:53:27 ID:NlPNr2GQ
>>330

> ランゴスタ擬人化
男  「龍人族のお姉さまって美人だよなぁ・・・」
ランゴ(なによ・・・デレデレしてっ・・・!!)
ブスッ
男  「アッー!!身体が痺れッ−!!」
ランゴ「ほらっ!だらしなく鼻の下伸ばしてないで!さっさと行くわよ!」
男  「シビシビシビシビ」
ランゴ(・・・浮気なんてしたら許さないんだからね!)

そして夜
男  「かっ・・・体が動かなッ・・・」
ランゴ「ふふっ・・・v 感覚はそのままで体は動かない特製麻痺毒よ!」
男  「何をするつもりだアッー!!」
ランゴ「だって熱いんだもん・・・v!」
男  「暑いのは温暖期だからだろ!強姦はいけないと思うな俺は!」
ランゴ「もうダメ。我慢できない。」
男  「アッー!!」


ランゴ「ハァハァ・・・すっごく気持ちよかった・・・v」
男  「ヒックヒック・・・初めてだったのに・・・」

こうですか?わかりません><
343名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 16:07:44 ID:NlPNr2GQ
アッー!!しかも被ったァッー!!
344名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 20:42:25 ID:WGRhG2FJ
>>340
暑さにやられてるそうだがGJ!腹痛ぇ
台詞にいちいちセンスが光るのがすげぇな。つかコレ擬人化なのかよ?w
 
>>342
バイオレンスなハニーでも良いんじゃない♪とか思い付いた。
短いのにちゃんとエロ入れてるとか、期待に応えるあんたのコトが好きかもしれん
345名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 00:14:01 ID:+QaRuMuI
>>342
S系女キャラktkr
マゾゲーMH好きにはたまりませんな
346名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 03:06:38 ID:L92u1xp7
>>340>>342俺のくだらない戯れ言を現実にしてくれる。
そんなあなたたちが大好きです。GJ!

所で保管庫更新一人でやってるのか?大分ペースが遅いけど。
347sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:46:12 ID:8t6hQGNW
ハニー氏といえ何といえ、なぜ皆さんそんなにレベルの高い作品を書けるのだろう。
そんで、皆さんが感激してるとこ悪いけどヘタレの作品を投下します。
苦手なシリアスものに挑戦して支離滅裂な話になってるけどどうか見守ってくれたまへ
348sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:47:18 ID:8t6hQGNW
「最近、あまりクエストがないですねぇ…」
村長と話しているのはこげ茶色の髪のハンター、ジュリオだ。
「まあ困った事が起こっている人が少ないというのは良いことなんじゃがなぁ…。…いい加減におびえるのはやめて、集会所に行くようにしたらどうだい? あそこならいくらでも助けを待ってる人の依頼があるだろうに…」
「……すみません、やっぱりまだ決心が……」
「…ほうか、なら無理にとは言わん。だがいつまでもそんなナヨナヨしとったらあの者達も報われんぞ?」
「………わかっては…いるんですが………」
そう言い残すと、ジュリオはその場を去った。
349sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:47:59 ID:8t6hQGNW
その晩、ジュリオは悪夢に魘されていた。
……自分の所為で血塗られていく仲間……何もできずにただただ立ち尽くす自分……
そして………襲い掛かる「責任感」という名のプレッシャー……恐怖………

そこで、夢は覚めた。
「…っはぁ! ………………」
350sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:48:53 ID:8t6hQGNW
「ひゃっほー、ダーリンおはよ〜♪」
例によっていきなりジュリオに抱きつくルヴィ。
だが、その日だけはいつもと反応が違った。
「ああ、おはようございます……」
いつもなら振りほどこうとするところを、今日は全くの無抵抗だ。
「……どないしたんダーリン? なんや元気ないなぁ……」
「大丈夫ですよ…だいじょ」
そこでジュリオはようやくルヴィが抱きついていたことに気づき、その重みで倒れた。
「あ! 大丈夫、ダーリン!? ごめんな!」
「ええ、大丈夫です……」
そのままジュリオはその場を立ち去っていったが、その足取りあ明らかにいつもと比べて重かった。
彼の後姿を見送るルヴィは、何とも言えぬ複雑な気持ちだった。
「…ほんまにどないしたんやろ……?」
351sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:50:21 ID:8t6hQGNW
ジュリオはポッケ農場でただただ水面を見つめ、そこに何かを映していた。
それが何なのかはわからないが、彼の表情から楽しいことではないという事は簡単に察することができる。
「……………」
ジュリオは黙って立ち上がると、村長の所へ行くことに決めた。
この気持ちをクエストで紛らわそう、と。
…そう思っていると、ふいに水面から声がした。
「……さっきから何を考えている?」
水面から顔を出していたのは、エメラだった。
どうやらジュリオが暗い顔で水面を見つめていたのを、ずっと見ていたらしい。
「…いえ…別に、何でもありませんよ……」
そのまま立ち去ろうとするジュリオだったが、エメラはそのまま見過ごしはしなかった。
「何でもないということはないだろう! 私が殺そうとしている相手がそんなんでは張り合いがないだろうが! 話してみろ」
「……何でもないです」
「だから…」
「何でもないって言ってるでしょう! しつこく付きまとわないでください!!」
いきなりそう叫んだジュリオにエメラが一瞬、びくっとする。
いつも温厚な彼の口から到底出そうにもない言葉が出てきたからだ。
エメラは、そのまま唖然としながら彼の後姿を見ていたのだった……。
ようやく我に返ると、ジュリオの後を追っていった。
「…あ、あなたは……」
ジュリオを追っている途中、エメラは一人の男に声をかけられた。
トレジィの弟子だ。
「何か用か? 急いでいるんだが…」
「いや…ジュリオさんがなんだかやけに暗いから…何か知らないかなぁ、と…」
「…知らん。今からそれを確かめに行くところだ」
「そうなんですか…。…オレからも、よろしくお願いしますね」
「ああ、任せておけ!」
トレジィの弟子を後にし、エメラは再びジュリオの後を追い出した。
352sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:51:57 ID:8t6hQGNW
「……今日も、クエストは入ってないねぇ」
「そうですか……」
「…どうしたんだい? 今日はやけに暗いね?」
「……いえ……」
「…あの夢を見たのかい…?」
「…………」
ジュリオはその質問に答えることをしなかった。
思い出すだけでも辛いのだろう。何も言わずに、自分の家へ帰っていってしまった。
その一部始終を見ていた人物が一人。
「……あいつ、何があったんだ?」
エメラである。ようやくジュリオに追いついたらしい。
「ああ、ジュリオかい。…そうさね、あんたもそろそろジュリオとの付き合いも長いみたいだし……話したげようかね…」
村長は、静かに語りだした。
353sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:52:57 ID:8t6hQGNW
「………何で今頃、あの時の夢を…」
ジュリオはベッドに座って呟いていた。
今朝見た悪夢によって、一番思い出したくない思い出が鮮麗に蘇ったのだ。
「……僕は……僕は………!」
頭の中で蘇っていく映像に、ジュリオはひたすらに苦悩していた……。



「…ジュリオが誰かと一緒にクエストに行きたがらないのは知ってるかい?」
「ああ…前にそんな素振りを見せていたな」
「……ジュリオはね、集団でクエストに行くことにトラウマがあるんだよ…」
「…トラウマ?」
ちなみに人間の言葉をよく知らないエメラはこの時、虎と馬が合体したような謎の生物を頭に思い描いていたが、
それを察した村長によって素早く訂正された。
「…昔はね、ジュリオも普通に集会所に行って仲間と一緒にクエストを受けていたんだよ」
「そうなのか?」
「そう…。…ジュリオには、いつも一緒にクエストへ行くたいそう仲のいい仲間達がいたのさ。よくジュリオの家にも訪ねて来てたよ。
名前は……ジストとソベリルって男二人に、それにダイアって女の子…。気のいい奴らだったからよく覚えてるよ…。
そのジストとソベリルっていうのは親友で…もう一人のダイアっていう娘は……ジュリオの恋人だったんだ…」
なぜ恋人というワードにエメラはピク、と反応してしまったが、今の村長の言葉には気になる点があった。
「……気のいい奴ら……「だった」?」
「……それをこれから話すんだよ。はっきりと覚えてるよ。あれは1年前のこと……」
354sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:54:09 ID:8t6hQGNW
「ジュリオ、そっちはどうだ?」
「ダメだ…こっちにも居ないよ」
「ったく…どこに居るんだ、今回のターゲットは?」
紫色の髪の若者、大剣使いのジストはジュリオと共に雪山の上から今回のターゲットを探していた。
【轟竜】ティガレックス。雪山に生息する生物でも特に凶暴な部類に分類される大型の飛竜だ。
「お〜い、居たかぁ〜?」
「あ、ソベリル! こっちにも居なかったよ」
「そかぁ…。オイラとダイアで向こうを探してみたんだけど、向こうにも痕跡すらなかったよ…」
洞窟から出てきたのは金髪のガンナーのソベリル。
彼もまた、ジュリオらと共に『轟竜』を探していた。
「…あれ? ダイアは?」
「ああ、ダイア? 洞窟の中なら安全だからって回復薬を調合してから来るって言ってたよ」
と、噂をするやいなや、洞窟からもう一人…今度は銀髪の少女、弓使いのダイアが現れた。
「ごめん、遅れた〜!」
「ああ、気にしなくていいよ。こっちもまだ見つかってないし…」
「そーなんだ…。…あ、そうだ! 回復薬調合したからみんなに配っておくね!」
少女は自分のポーチから回復薬を3個ほど取り出すと、他の3人に手渡した。
「サンキュー! …この回復薬を使う機会があればいいけどな」
「そんなハンターとして不謹慎なことゆーなって」
「ははは…。………!?」
4人が会話していると、突然その場を大きな影が横切った。
「な…何だ!?」
上空を見上げてみると、一瞬だが翼を広げて飛んでいる巨大な竜が見えた。
間違いなく、【轟竜】である。
「よぉやく見つけたぜ…。おい、三人とも行くぞ!」
ジストはそう言うと、そのまま影を追って走り出した。
「あ、待てよジストー!」
ジストの後にソベリルが続く。
「それじゃあ、僕達も行こうか」
「あ……ジュリオ!」
ジュリオも後を追おうとすると、ダイアに呼び止められた。
「ん? どうかしたの?」
「あの…このクエストが終わったらさ、その……」
「え……?」
ダイアが次に口を開こうとした瞬間、ジストの呼び声が聞こえた。
「おいそこの二人! イチャイチャしてないで早く来い!」
「イ…イチャイチャって……そんなんじゃないよ! …ダイア、その話は後にしよう」
「そうだね…」
355sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:55:11 ID:8t6hQGNW
「……居やがったぞ…」
岩山の上からは、【轟竜】…ティがレックスがよく見えた。
岩肌のような色をしたその表皮が近寄るもの全てを威嚇するような雰囲気をかもし出している。
「…全員、用意はいいな?」
ジストの言葉に、三人がうなずく。
「ソベリル、まずアイツの気を引いて閃光玉で目を眩ませてくれ。…そこから一気に畳み掛けるぞ」
「りょーかい!」
「僕達はどうすればいい?」
「とりあえずお前らはオレが合図を出したら一緒に突撃してくれ。くれぐれも戦闘中にイチャイチャすんじゃねぇぞ」
「だから違うって!」
ジュリオのその言葉に、ジストが悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「何が違うんだ? オレはこれからイチャイチャするなって言ったんだぜ?」
「だから…」
「隠すな隠すな。お前らのことはバレバレだぜ?」
「「………………」」
ジストのからかいに、ジュリオとダイアは揃って顔を赤らめた。
「さぁてと…頼んだぜ、ソベリル」
「任せとけって!」
「無理は禁物だよ」
「気をつけてね」
「ありがとさん!」
ソベリルは石ころを拾って岩山を駆け下り、雪の上に着地すると同時に石ころを投げた。
石ころを当てられたティガレックスはゆっくりと振り向くと、ソベリルを睨んだ。
「へっ、轟竜さんよ、ここまでおいで!」
ソベリルがティガレックスを挑発すると、ティガレックスは爆音の咆哮とともに突っ込んできた。
『グルオオオオォォォォォォン!!!』
「っと!そう簡単に食らっちゃあ、ハンターは務まらねーよ!」
ソベリルは突進を避けると、ティガレックスから距離を取った。
そして、あらかじめ腰に付けていた閃光玉を握る。
「さぁ…来いよ!」
ティガレックスは再びソベリルに突進をしてきた。
そして、ソベリルの投げた閃光玉から眩い光が放たれる!
「今だ、行くぞ!」
「うん!」
ジストの掛け声で、三人が一気に岩山を駆け下りる。
そして、素早くティガレックスに近づくと、まずジストが背後から尻尾に強烈な一撃を与えた。
尻尾に深い切り傷ができ、ティガレックスが悲鳴を上げる。
しかしその悲鳴が止む前に、今度は後ろ足にダイアが放った矢が突き刺さる。
次の悲鳴を叫ぶ前に与えられたのは、双剣を使って鬼人化したジュリオによる剣の舞。
ティガレックスの体派は瞬く間に血で紅く染め上げられた。
が、すぐに痛みに悲鳴を上げるのをやめ、深呼吸をした。
「…! ヤバイ、咆哮が来るぞ!全員、耳を塞げー!」
飛竜の深呼吸は、咆哮の合図。咆哮はただでさえ巨大な音だが、ティガレックスのものは特に凄まじい。
よって、その咆哮をまともに聞いた場合、下手をすれば鼓膜が破れる。
…しかし、ここでジュリオは一つの小さなミスを犯してしまった。
鬼人化して、攻撃を続けていたせいで攻撃に気が行ってしまい、ジストの声への反応が一瞬遅れたのだ。
そのため、ジュリオはティガレックスの咆哮をまともに聞くことになってしまった。
『グルルオアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!』
「うわあぁ!?」
爆音の衝撃により、ジュリオは思わずその場に尻餅をついてしまった。
…ハンターの小さなミス。それが、どんなに小さなミスであろうと、そのミスは命に繋がる危険性がある。
「…っのバカ野郎…!」
「ジュリオ!」
ティガレックスは隙だらけのジュリオを一瞬見据えると、その口を大きく開けた。
(……しまった………!!)
一瞬のうちに近づいてくる牙に、ジュリオは目を閉じた。
356sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:56:14 ID:8t6hQGNW
…だが、次に彼が感じたのは生暖かい何かの液体の感触だった。
そっと目を開けると、そのには体に思いっきり噛み付かれ、血まみれになったジストが立っていた。
「……! ジスト!!」
「バカ野郎が……! 何ボーッとしてやがる……早く逃げろ…………!」
ティガレックスはその口にジストを銜えると、彼を遥か眼前の崖下へ放り投げた。
「ジストぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
ジュリオの声がこだますることもなく、放り投げられたジストは成すすべもなく落ちていった…。
「ジス……ト………」
突然の親友の死に直面し、ジュリオはその場に立ち尽くしていた。
だが、ティガレックスがそんなことを待ってくれるはずもなかった。
…ふと、ジュリオの耳に角笛の音が聞こえてきた。
その音でようやく我に返り、音のする方を見ると、そこには角笛を吹いているソベリルが居た。
「ソベリル!? 何を…」
「オイラがそいつを引きつけるから、お前はダイアを連れて逃げろ!」
ソベリルはそれを言うと、再び角笛を吹き出した。
「……ソベリル……。……ダイア、行こう!」
「う、うん……」
ジュリオはダイアに駆け寄り、その手を取ると、一番近くにある細い道に向かって歩き出した。そこならティガレックスも来れまいとえたのだ。
ソベリルが心配で振り返ってみると、そこには信じられない光景が広がっていた。
雪に足を取られ、一瞬動きが鈍るソベリル。その一瞬を逃さずに突進をするティガレックス。…そして、見えなくなったソベリル。
…あまりの衝撃に、ジュリオの視界に映る世界はコマ送りになっていた。
「そ……んな………」
「どうしたの、ジュリオ…?」
「振り返っちゃダメだ!! ソベリルは無事だ…だから急ごう!!」
もはや自分でも何を言っているのかを理解できないでいた。
とにかく、せめて今手を握っている大切な人だけは助けようと思っていたのだ。
…が、モンスターというのは容赦を知らない。かなり距離をあけたはずなのに、爆音の咆哮が聞こえたので再び振り返ってみると、
とてつもないスピードで突進してくるティガレックスの姿があった。
「!! ダイア、避け…」
ジュリオが言うより先に、ダイアは弓を抜いていた。
そして、素早く狙いを定めると、ティガレックスの目を射抜いた。
悲鳴を上げ、悶え苦しむティガレックス。
「ダイア、何を…」
「…あいつは怒り狂ってる…。きっとこのままじゃ二人とも助からない…。…でも、私はジュリオに生きてほしいの…。だって、ジュリオのことが……」
「そんなの僕だった同じだ!! だからこそ、二人で……」
ダイアはくるりと振り向くと、ジュリオの唇をふさいだ。
…ほんの一瞬、触れ合った唇が離れた時、ティガレックスは残った目でダイアを睨みつけていた。
「……愛してるよ、ジュリオ…………」
ダイアはその口でそう紡ぐと、ティガレックスに向かって駆け出した。
刹那に、紅く染まるジュリオの視界。
「ぁ……………」


「うわぁぁぁああああああああああああああ!!!!!」
もはやジュリオの叫びを聞くのは一匹の竜だけだった。
その竜は、その叫びさえもかき消そうとした。
…………振るわれる剣、飛び散る紅。

それは、悲愴と呼んでも足りない程の悲しみを纏った、血の色をした雨の中の出来事だった。
357sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:57:26 ID:8t6hQGNW
「…ジスト……ソベリル…………ダイア………。…僕は……」




「…そんなことが……」
「ああ…。自分でもその後のことはよく覚えてなかったそうだけども……
それからジュリオは自分のミスのせいで親友と恋人を失った自責の念で1ヶ月以上ほとんど会話すらしなかったよ…。
こっちが見ていて痛々しいぐらいだった…。…実を言うと、その時は誰も事情を知らなくてねぇ…。
もうジュリオとは長い付き合いで、子供の頃からあたしのことを慕ってくれてたけど…話してもらえたのはつい半年ぐらい前のことだよ……」
「……………」
「…今でこそは明るくなってるけど、本当はずっとあの事を抱えてるんだ…。…最初の頃は悪夢に魘されてたみたいだしね…。
今日も悪夢に魘されたらしいんだ……。…それに、表面上は明るくても…今のジュリオは決して誰かと親交を深めない……」
「…どういうことだ?」
エメラの問いに、村長はため息一つついてから話した。
「…仲のいい人物とも、ある程度距離を置くんだよ。自分のせいでもう誰かを巻き込みたくないからって……。
ジュリオは仲のいい人とも敬語で話すだろう? それもそのせいなんだ…。昔は違ったんだけどねぇ…、
そして、いつしか他人を理解しようともしなくなった…。…正直なところ、今のジュリオに本当に友人と呼べる人物はいないんだ……」
エメラはその話を聞いて愕然とした。
まさかいつもあのように明るく振舞い、ただの気楽なハンターにしか見えなかったジュリオにそんな過去があったなど…
そんなことを抱えていたなど、思いもしなかったからだ。
…だが、彼女はどうしても納得いかなかった。
「……ジュリオの家へ行ってくる」
「…今のジュリオが話を聞くとも思えないよ?」
「そんなこと関係あるか!」
エメラはそう言い残すと、ジュリオの家へ歩を進めて行った。
358sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:58:11 ID:8t6hQGNW
「……何の用ですか?」
自分の家の中へ入ってきた影を見て、ジュリオが言う。
「…話は村長から全て聞いたぞ」
「………それで、何ですか……?」
「……っ……この……大馬鹿がぁっ!!!」
叫ぶと同時に、エメラはジュリオを殴り飛ばしていた。
殴り飛ばされたジュリオが、床に背をつく。
「…!? 何するんですか…!?」
「何するんですかではない! お前はそんな事で死んだお前の仲間達が報われるとでも思っているのか!?」
「…………」
「せっかく助かった命はそんな風にしょぼくれる為にあったのか!?」
「でも、僕のせいで……」
「でもではない大馬鹿が!!」
今度はエメラの平手打ちが飛ぶ。
いつもはこのようなことはしなエメラに、ジュリオは明らかに驚いていた。
「……お前の仲間は何のためにお前を助けたと思っている……? お前に生きてほしかったからだ!
お前の親友のジストとかいう男も…お前に死んでほしくないから…生きてほしいからお前をかばったのだろう!
ソレルドという男も、お前を助けるために結果的に自分の命を犠牲にし……
そしてお前の恋人も……ただお前に生きてほしいから自分の命を犠牲にしてまでお前を助けたのだろう!?」
「………………」
「少なくとも……お前の仲間達はお前にそんな暗い顔で生きてもらうためにお前を助けたのではない!!」
「……………」
「それに……お前の事を心配している人物はまだ居るのだ! お前のそんな顔を見たくない奴が居るんだ!
あのなんとかの弟子とかいう奴も…あの赤髪女も…ここの村長も……それに……わ………」
「……?」
「……………私も、お前のそんな顔を見たくはない!!」
エメラは今の自分の言いたいことを全てぶちまけた。
最後の方は自分の感情に任せて心の奥から出てきた言葉を次々に発していたため、
もはや自分でも何を言っているのかがわからなくなっていた。
(……なぜ……なぜ私は今、こいつの暗い顔を見たくないなどと………)
それからジュリオはすっと立ち上がるとエメラの瞳を真っ直ぐに見つめた。
なぜかそれがとてつもなく照れくさかったが、やがてジュリオは口を開き、言った。
「………エメラさん」
「な……何だ?」

「………ありがとう」
その後も、ジュリオは言葉を続けた。
「……今まで、ずっと僕は仲間を死なせた自責の念で…周りの人をも退けていました……。
…その人たちの気持ちも考えずに…もう自分と苦楽を共にした親友も、愛した人もいなくなって…
自分にとって大切な人がみんないなくなったって……でも……」
話しているジュリオの瞳には、いつしか涙が溜まっていた。
「…でも……僕の事を大事に思ってくれる人は……居るん……ですね……。
その人たちの気持ちにも気づかずに、僕は…………」
溜まってきた涙が雫となり滴り落ちはじめると、ジュリオは急いでごしごしと涙を拭いた。
「……本当にありがとう、エメラさん…。……僕を助けてくれた仲間のためにも……もうあんな顔はしません」
「………ああ、それがいい」
エメラは自分の中にある胸が苦しいような暖かいようなこの感情に疑問を抱いていた。
だが、この心が安らぐような温かさを含んでいる感情が悪いものであるわけがない。
そう思うと、不思議に心まで温かくなってきた。


「あ〜あ……おいしいとこ持ってかれてもたなぁ…。……しゃーない、今回はウチの負けや…」
359sage忘れの人:2007/08/07(火) 09:59:13 ID:8t6hQGNW
翌日。
いつものように自分の家から出てくるジュリオの姿が見えた。
見た目こそはいつもの日常と変わらないが、そこには確かな変化があった。
「あ、おはよッス! どこかお出かけッスか?」
トレジィの弟子が声をかける。
「おはよう! …うん、ちょっと久々に集会所にね!」
そう言い、ジュリオは昨日と変わらないのに、どこか成長した後姿を残して
集会所へ向かって行った。
360sage忘れの人:2007/08/07(火) 10:00:21 ID:8t6hQGNW
まあ、何か無茶苦茶ですまん。
やっぱシリアスは難しいぜ。
でも残念ながら次もシリアス系なんだぜ。
あ、ジュリオが鈍感なのに恋人とかいたってどーゆーことよ!
みたいな意見が出そうだから一応説明しておくと、ジュリオは正しくは鈍感なのではなく、
誰かが自分を好いていることすら理解しようとしてなかったって事。まあ元から少し鈍感ではあるけど。
他にも色々気になるとこがあるだろうから、質問があれば答える。
今んとこ登場人物の名前は全部宝石関連。ソベリルの由来がわかった人はなかなかの宝石好きと見た。

ちなみに最近俺はこの作品について重大なことに気づいた。
即ち

タイトルがねぇ

まあ、どうでもいといえばどうでもいいけど。
ちなみに今回影の薄かったルヴィは次回活躍します(多分)。では、また
361名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 10:55:20 ID:q6J0I/4H
ヤバス
362名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 10:57:23 ID:q6J0I/4H
sage
363名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 11:20:10 ID:QYkfxQLM
エロパロで感動したの初めてだぜ
364名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 11:51:31 ID:FanoZfYw
続き物ならタイトル欲しいぜ。キャラ名が宝石で統一なら
それにちなんだタイトルとかいいかも?
365名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 12:25:31 ID:8t6hQGNW
誰か>>360のキャライラスト化してくんないかな
366名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 12:28:08 ID:8t6hQGNW
すまん自分で書いた奴読み返してたらミスったwww
正しくは>>360でなく>>298
367名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 12:41:14 ID:UyvCoNrX
1話目から読みてぇ…
368名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 21:58:07 ID:w6h+/43E
俺も、前に誰かがあげてくれてた1スレ目と、4,5スレのtxtしかもってない。
ミスって3スレ目をなくしたのは勿体無かったな。
あのモノブロのとかもっかい読みたいところだが……
369名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 22:56:35 ID:BzTY1sj9
ぜひドナタか一匹目からのtxtをお持ちじゃないだろうか。

あるならupしてぐださいましm(_ _)m
370名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 23:02:10 ID:osDDhR07
押しかけ黒龍がずっと更新されない件
371名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 23:21:46 ID:zn4oV1WL
ちょっとしたアンケート
1、男モンスター主観のギャグっぽいエロ
2、女ハンター主観の陵辱っぽいエロ
3、女ハンター主観のラブ米っぽいエロ
もし見るとしたらどれがいいと思う?
372名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 23:30:05 ID:9p9nQp2Z
>>371
1キボン
373名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 23:58:54 ID:w6h+/43E
俺も1がいいかな
374名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:12:07 ID:CJG6wyKB
俺は3かな。フルフルといっしょみたいな。


ところで最近保管庫更新されてないみたいけど
wikiでまとめ作ったりした方が良いのではないだろうか?

俺携帯だから残念ながら作れないけど
375名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:20:10 ID:hxSisEf2
要望あったので…

つ"【ttp://uproda11.2ch-library.com/
  1120671.lzh(モンスターハンターでエロパロ.lzh)
  DLキー:MH
376名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 04:56:26 ID:CWX8CGvg
確かに今のままじゃ遅すぎるにも程があるから、wikiでやった方がいいな。
>>371もち1で

今日キリンSシリーズを作ろうとしたんだ・・・
そしたら腰部分だけ作れずにサザミSのままになったんだ・・・
そこにあった光景は・・・






もっこりチンコだった
377名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 07:20:37 ID:EK+gmwiT
>>375
おおおおお
ありがとうございます
後でじっくり読みます
378371:2007/08/08(水) 14:27:43 ID:2Bh7xR9p
4人とも、返答ありがとう。
とりあえずギャグっぽいのを書いてみる。キリン×女ハンターの獣姦もので。
面白いかどうかはわかんないけど、なるべく頑張るわ。
379名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 22:54:13 ID:DKc83OqZ
>>150の妄想をした者だが序章が書けたので流れ読まずに投下する。
あと場面によって男視点 女視点とかわります
380名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 22:56:37 ID:DKc83OqZ

ハンターをしているとよく不思議な話を聞く
それはモンスターが人間になったという話である。
例えばモドリ玉の煙をかいだディアブロスが女になったり、青年が手にいれた輝く石でアカムトルムが美人な女になったり、駆け出しだったころに助けたキリンが女となって恩返しに来たり…
とあげたらきりがないのだが……なんで擬人化したモンスターは女なのよ!いくらなんでも都合良すぎよ!!
まぁ最初は全く信じてなんかいなかったしね!女に飢えた男達の妄想とかおとぎ話の世界と思ってたわ。
え?今はどうなのかって?
う〜ん……それは…その…半信…半疑…?そう!半信半疑よ!
こんな話を信じたら私まで恋人に飢えたエロエロハンターにされるわよ!
まったくぅ、こんな半信半疑の気持になるのは偏にアイツのせいねア・イ・ツ・の・せ・い!
「メシーーー!腹へったメシーーー!」

って噂をすればなんとやらって………ちょ、ちょっと!
家についたらすぐ裸になる癖やめなさいって言って……下から脱ぐな!ちょ、おっき……じゃなくて、早く服着なさい!
そして、今日も騒がしい一日が始まる。
381名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 22:58:19 ID:DKc83OqZ
その日はいつも通りの日の筈だった。ハンターという者達からティガレックスと呼ばれている俺は砂漠の寝城で昼寝をしていた。
ここは砂漠の割にはちょうど良い気候で気持ちいいんだよな。
ポポを食い荒らす素敵な夢をみているさなか頭に強い衝撃が走り俺は目を醒ました。
俺の目に三人の野郎が映る。どうやら俺を狩りにきたハンターだろう………
おい、そこのハンマーもった豚鼻野郎…何先手必勝みたいな顔してんだよ!飛竜様が気持ちよくポポを食い荒らす夢を見てたってのによ!テメーらぜってぇ潰す!
俺は猛き叫びをあげまずは高台に上がろうとしている弓使いに俺の唸る剛腕から繰り出される岩石飛ばしが直撃し気を失う弓使い
次に大剣使いが振りかざしてきた大剣をかわし剣を持ち直そうと手間取っているうちに俺の鍛えあげられた手足から繰り広げられる突進をぶちかましそのまま体を反転させ俺に背を向け逃げだしてる豚鼻ハンマー野郎を追い掛け体当たりをかました
奴は吹っ飛び地面にたたきつけられ気をうしなったみたいだ…昼寝の邪魔をされたくないから止めをさそうとしたが二足歩行のニャンコ共に連れてかれたみたいだ……てかあのニャンコ共旨そうなんだよな〜
382名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:00:26 ID:DKc83OqZ

「ぐぎゅるるるる〜」

あ〜腹へった………ひと暴れしたからなぁ……雪山にポポでも食い荒らすかぁ
空腹を満たすため俺は雪山にむかうため鍛えあげられた手足に力をこめ大地を蹴る……
勢いよく大空へ飛び上がる俺の巨体…そして腕を広げグライド飛行の状態となり俺は雪山へ向けて大空を滑空した。
やがて餌場についた俺は白き大地へ降り立つ…しかし、雪山についた途端俺は異変に気付いた。
ポポが全然見当たらない……雪山を隈無く探すが子供すら見付からない始末…麓へ降りるもやっぱりいない……
近くに村があるのでそこを襲うという考えもあったがそこにはハンターも駐在している。さすがにこの空腹で多人数を相手にするのは嫌だからな…しかたない…もう一度山に上がろう……
山に上がった俺の鼻に香ばしいにおいがした
こいつはハンターが肉を焼いたにおいじゃねぇか!俺はすぐさまにおいがするほうへ急いだ。
前に腹がへった時ハンターが焼いた肉を強奪して食った事があったがあれはすっげーうまかったなぁ…腹の足しには全然ならなかったけどあの美味さは忘れられねぇな
383名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:02:55 ID:DKc83OqZ
ウキウキワクワクしながらにおいがするほうへ行った俺はすぐさま肉を発見した!しかもハンターがいないぜ超ラッキー♪
早速肉を食おうとしたがその肉を見た瞬間俺は固まった………
この肉なんか紫なんですけど……なんで湯気が緑色なんですか………

そうか!スパイスとやらをつかったんだな!うん、そうだ!そうに違いねぇぜ!
空腹に耐えきれず自分をなんか無理矢理納得させこんがり肉(匂いだけは)を口に運んだ。


美味しいぃぃぃぃぃぃぃ!これ!
所詮ハンターが食ってる物だから俺の空腹を満たすにはまだまだ足りない。
だが、でもなんかこう、口の中に広がる匂いと肉汁が最高だぜ!もしこれがポポ位の大きさならどれだけ………


次の瞬間俺の視界が歪んで……
大地に倒れていて……

体に力が入らなくて……

俺は意識を失った



そして意識を取り戻した時俺の目に写ったのは金髪の長い髪が特徴の人が俺をまじまじと見ていた。


この時俺は自らの状況を知るよしもなかった
384名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:04:54 ID:DKc83OqZ

その日まではいつも通りだった
「わぁ、黄金石の塊だ。ラッキー♪」
私はミリー・リンガーローブ
いつもはギルドの仲間と依頼をこなしているが今回は気分が乗らないので雪山採取ツアーにでて洞窟内でピッケルをふるってるの。
「充分に採取出来たことだしそろそろ帰ろうかな」
そう思い私は道具袋をあさるが目的のモドリ玉が見付からない
あ……そういえば……さっき錬金につかったんだった……ドキドキキノコも……失敗したけど……
し、しかたないじゃない!肉焼き中にギアノスが襲ってきて応戦してる間に焦げたのよ!
で、妹マリーの彼氏のケーンに教えてもらった錬金術をいい機会だと思って試した結果……
色は紫…湯気は緑の匂いだけはこんがり肉ができたって訳……だ、騙されたんじゃないわよ!!
でも、帰ったらケーンを殴るって心に決めたけど。
ま、さっさと帰ろう……………でも…あのゲテモノこんがり肉どうなったかのかな……別に気にならないわよ!ちょっと見るだけなら……そう、ちょっとだけよ!
そういうわけで私はゲテモノこんがり肉を捨てた場所に行くと私は固まった…

人がうつ伏せで倒れてる……でも何で裸なのよ……
裸なのが気になるけどただ事じゃないのは私にも判る。すでに頭からはゲテモノ肉のことなんか消え失せてたから
とにかく私はうつ伏せで倒れてる男に駆け寄り脈をとる……体は冷えてるけどまだ大丈夫ね。
すぐさまホットドリンクを男に飲ませ背中におぶって私は急いで雪山を降りた。

だけどこの時私はきづかなかった…
この男が私の日常を一変させることになるなんて……
385名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:09:19 ID:DKc83OqZ
以上 序章です。
投下するだけでも物凄くドキドキした。





こんな駄文に感想もらえたら嬉しいです。
386名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:11:21 ID:EK+gmwiT
にゅぐまだなんともいえない
期待しているぜと言って置こう……!
387名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 01:53:51 ID:ta6z+BB6
>>379
まだ序章ってことで、どう反応したものかと様子見てる人も多いんでなかろうか。
俺は面白くなりそうだと期待してる。完投頑張れ!
個人的には文に読点(、←コレ)が欲しい。
あんたがせっかく書いた文なのに、眼が滑って読みにくく感じてしまうんだ。
388名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 04:07:52 ID:LtqK8DzY
>>385すごい・・・wktkです・・・・

個人的に肉にツンを見せる女主人公に萌えた。
おもしろいキャラだな。期待してる。
389名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 09:27:37 ID:wrPv3UVf
>>385
日本語でおkな部分が多数あるんだぜ

少し見直して見てくれ


内容は中々wktk
390名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 09:50:40 ID:OSyUznB/
今更だが>>109の覇弓もちハンターって前スレだか前々スレに同じ名前のやつがいたが、同一人物?
391名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 11:02:41 ID:EA+MZ2qA
>>385
ティガレックスが人間になったら恐ろしく凶暴な狂戦士になりそうだな。
ツン女との掛け合いに期待している。次の投下をwktkしながら待ってるぜ!


そういえば錬金術ってMHの世界の住人にはどう思われてるんだろう?
うさん臭い魔法みたいな感じかな? それとも生活の知恵レベルなんだろうか……
392名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 15:19:13 ID:Cdzj55y3
生活の知恵と思ってた俺ガイル
胡散臭い魔法でもアイルーができる程度ならタカが知れてると思う
さすがにウンコとコゲ肉混ぜるのはどうかと思うが…………
393名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 16:30:16 ID:StQdxAWB
現実世界と同じイメージで、科学的な魔法?みたいな感じじゃね。
実際の化学現象に基づいてるけど、根本的には魔法っぽい何かが働いてたりするんじゃね?みたいな感じ?
ランポスの皮に虫混ぜたら何故か生焼けの肉が出来上がるんだぜ?

特別な調合書があれば一般人でも出来る→コツ(神秘的な何か)の必要な調合?
防具スキルでも発動可能→自マキなどの例を出すべくもなく、スキルってかなり魔法がかってる。
逆説的に言えば、それらが無ければ決して成功しない(調合できない)。
アイルーの友人が錬金出来るのは調合書持ってるからだと脳内保管。

まあ要するに、今おまいが「錬金術ってどんなの?」と聞かれて思い浮かべるイメージで大体合ってるんじゃね。
394名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 16:45:25 ID:uRaorwRE
>>385のティガへの愛を感じるSSだな
ゲーム内だと最低の糞飛竜なのにこれは可愛く思えるw
395名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 16:50:45 ID:1g3NTK8a
ティガの肉感想岡村さんじゃねぇかw
396名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 18:57:56 ID:tzxXEDQr
>>394
ティガを捕獲してその寝息に耳を傾けてみな
思いの他優しい気持ちになれると思うぜ?


更に言えばその姿を見て、レックスSグリーヴを着けた
女ハンターがうつ伏せで無防備な尻を向けて寝ている姿を
妄想できれば完璧だと思うぜwww
397名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 04:16:01 ID:T3u2U/DN
火竜の紅玉を何度捕獲してもゲットできずに、やけになった女ハンターがレウスの玉をハンマーで叩き潰す。
そんなSSが読みたい今日この頃。

ちなみに老山龍や炎王龍でもおk
398名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 06:05:19 ID:lYK41gVK
需要のない方向の供給をば。
思い付いたネタが腐りそうになってきたから、書き上げてないのに投下する。
※諸注意
・一応>>222-224の続き。読んでないと解らんって事はないと思いたい
・淡々ギャグ風味。パロネタ多め
・長い。そしてエロはまだ
・竜フェチません
・舞台はMHP2。設定間違ってたらすまん
以上許せる方はご笑覧あれ。ダメならスルーお願いします。
399eat the meat:2007/08/10(金) 06:07:54 ID:lYK41gVK
 
 それは凶つ兆し、狡猾にして残忍、弱者をめざとく見い出し牙を剥く、飛竜の末席に名を連ねるもの。その姿は翼を持つ蛇、名はガブラス。
「とまあ、勿体付けて言うとそんな獲物だ。飛んでて毒吐く鳴き声のうるさい蛇竜な」
 ハサミの形を持つ弓を背負った大柄な直立赤カブトムシ、ムシ1号氏(仮称)が姿に似合わぬ通る声で言った。
 横に控える全身を赤紫のトゲトゲ鎧で包んだムシ2号氏(仮称)は、話を聴いているのか居ないのか。膝の上に抱えた水竜のヒレが付いた大剣をゆるゆると撫でている。
「で、依頼内容は『火山に不吉極まりない奴らが湧いちゃった!? ウザいから片付けてネ』って事でいいの?」
 ムシ1号氏の声に応えたのはまだ幼さの残る小動物似の伊達メガネ嬢(仮称)。
 彼女は傘を模した薄桃色のボウガンと、フリル付きの黒い衣装がトレードマークとなりつつあり、とてもハンターには見えないが、人は見かけで判断しきれるものでない。
「つまりはそんな依頼だ。岩竜も出るそうだが、協力してもらえるかな」
 ムシ1号氏はカブトムシ面な兜の奥から、二人へと視線を送る。ムシ2号氏が頷き、伊達メガネ嬢は親指をビシッと立てた。
 
 火の粉舞い散る夜空は赤く染められ、地は熱く輝く血を絶え間なく吹き出す。
 苛烈なまでの力のほとばしりを感じさせる光景だが、環境の過酷さ故に、ここ火山に棲める生物は限られている。
 止せばいいのにメラルーが出没したりもするが、靴を履かない猫獣人の肉球を心配してやるハンターはまずいない。
「暑い通り越して熱いし、変な匂いもするし、好き好んで住みたいところではないな」
 ムシ1号氏は誰に聴かせるともなく呟く。雪深い山奥の村で生まれ育った彼は、暑さというものが少し苦手だった。
「砂漠ならまだしも、ほとんど水もねぇこんなとこに棲むヤツの気が知れねぇな」
 同意するようにムシ2号氏もうめく。何処とは知れないが、おそらく密林出身の彼でもこんな暑さは好むところではない。
「がっちり全身に鎧着込んでおいて、そんなこと言うのもどうかと思うんだ。虫素材鎧だから、金属製ほどは熱くないの?」
 ほぼ黒ずくめの服装の伊達メガネ嬢は呆れを含んだ目で二人を眺めて言った。
三人ともに、体を内から冷やす作用のある飲み物を服用しているが、暑いものは暑い。
「気分的にゃ死ぬる。装備をそっちと交換してぇくらいだ……」
 ムシ2号氏の心底うんざりした声に、残る二人は思う。
交換ってまさか、そのタロスUシリーズとプライベートシリーズをか、と。
 小柄な伊達メガネ嬢に合わせあつらえたそのフリフリ服を、平均的な成人男性の身長を持つムシ2号氏が着る事はまず不可能だ。それ以前の問題だが。
「ムシ2号氏、君に女装趣味があったとは知らなかったよ。素敵な業を持ってるんだね」
「あぁん?」
 ムシ2号氏の顔の出ない兜の中から、あからさまに怪訝そうな声が上がった。
ムシ2号氏は、まだ少しは涼しげな服装が羨ましいと思っただけで、深い意図もない事を言ったつもりだ。
 しかしハンターの間でのムシ2号氏は、『ドラゴンファッカー?』や『竜食い(性的な意味で)』といったあだ名を持つ男だった。伊達メガネ嬢から誤解を受けたのも無理はない。
「そんな夢に出そうな恐ろしい事を言わんでくれないか、伊達メガネ嬢」
 ムシ1号氏のその顔は見えずとも、沈痛な面持ちをしているであろうことは声からうかがえた。
 誰からともなく頷き合い、火山の奥へと歩みを進める。早く仕事を終えて、こんなところを立ち去ろう。その思いは一致した。
 
 矢に射抜かれた蛇竜の頭を切り落とし、尻尾を掴んで逆さ吊りに持ち上げる。
首の断面から血が滴り落ち地面を黒く湿したが、この地熱なら程なく乾いて、ただのすすけた汚れに変わるのだろう。
 そんなことを考えたのかどうか、ムシ2号氏はため息を吐いた。彼は今、蛇竜ガブラスの解体真っ最中だったが、かなり退屈している。
 ムシ2号氏は振り返り、ハサミ型弓に数本まとめて矢をつがえるムシ1号氏へと声をかけた。
「なー、ムシ1号氏よ。俺はここに来た意味ねぇんじゃねぇか」
「なくはないはずさ」
 ガッシャッコンとばかりに、散弾の再装填を行う伊達メガネ嬢がガブラスを見据えたまま言う。
「少なくとも、今そのガブたんの解体は出来てるもんね」
 黙々と解体作業を再開したムシ2号氏へ、背中越しにムシ1号氏の言葉が届く。
「バサルモスの尻尾切りも期待してるぞー」
 ムシ2号氏は無言のまま、猛然と解体の手を進めた。その背中には自棄という文字が張り付いていたが、誰の目にもとまることはなかった。
400eat the meat:2007/08/10(金) 06:09:43 ID:lYK41gVK
 
 暫し後、暇そうなムシ2号氏から少し離れたところで、伊達メガネ嬢とムシ1号氏は撃ち殺したガブラスの剥ぎ取りに勤んでいた。
 ザリザリガッガッと鈍い音の響く中、伊達メガネ嬢は口を開く。
「散弾は失敗だったかな。ガブたん殺す効率は良いけど、皮が穴だらけになっちゃう」
 ザリザリガッガッ
「依頼は果たせるから、問題はないだろう」
 ザリザリガッガッ
「ガブたんと言えばさ、蛇じゃないか」
 解体用小刀を持った手の親指で、くいと眼鏡を押し上げる伊達メガネ嬢の目が光る。剥ぎ取りは終えたようだ。
「ああ、蛇だとも。脚はついてるけど」
 こちらも剥ぎ取りを終えたムシ1号氏は、剥ぎ取った皮の質を見極めんと目をすがめる。
「ということはアレかな。交尾も蛇のようにくんずほぐれつ、クネクネがっつりと? 長時間に及んだり?」
 来たな、とムシ1号氏は内心呟いた。伊達メガネ嬢は竜フェチかつ、やや変態さんだった。
 日常会話からエロ会話への移行がスムーズなのが常で、ムシ1号氏は今更驚きもしない。
 学者の家の出なせいか妙な方向で豊富なその知識には、熟練ハンターと言われるムシ1号氏も舌をまく事がある。お互い知的好奇心の固まりなので、倍くらい歳は違えど仲は良い。
「見たことないから、それは何とも言い難い。こいつらは飛ぶから行動範囲も広いだろうし、生態観察も難しそうだ」
「そうだねぇ……」
 目の光をすいと引っ込め、伊達メガネ嬢は解体用小刀を腰に収めた。
 やや変態さんではあるものの、16歳で上級ハンターと認められた彼女はプロフェッショナルな質を持つ。
 そして今は仕事中だ。趣味に浸るのは後にすると決めたのだろう。
「ねームシ2号氏、そろそろ次行こう。バサルたんもまだ見つけてないしさ」
 遠くの方で、持参の大剣のヒレをぼんやり眺めているらしきムシ2号氏に声がかけられた。
 
 火口付近にたむろしていたガミザミと呼ばれる青い蟹を、真正面からのどつき合い末にかち割り、極上ザザミソを取り出しすすりつつ、ムシ2号氏はそれを横目で見た。
 今しがた、そこに生えたというか埋まった、火口付近の黒い岩壁にそぐわぬ薄灰色の岩に見えるもの。
「岩竜って生き物は、馬鹿だな?」
 一人で極上たる珍味を完食し、兜を被り直したムシ2号氏は独り言をもらした。擬態を敵の見守る前でやってしまっては意味がない。
 バサルモスとて、火口付近で防具を外してカニミソすするような男に言われるには心外な一言だろう。
 将来鎧竜と呼ばれる巨体に育つ生き物のこと、ヒトの輩ごときを『敵』とみなすかは微妙なところだ。
「まだ幼体だから、賢いとは言い難いのも無理はない。それはさておき、伊達メガネ嬢、あれの爆破よろしく頼む」
 隅の方に剥ぎ取った素材やらを放りつつ、ムシ1号氏は弓へ薬ビンを取り付けにかかった。
 伊達メガネ嬢はそれに「おっけーぃ」と応え、擬態中のバサルモスの横へ大きな樽爆弾を設置する。
 まるで宙から樽が現れるかのような鮮やかな手並みを、誰も注視することはない。
 ムシ1号氏は樽爆弾を見ようとしないために。ムシ2号氏はバサルモスを凝視していたがために。
 連なる岩に擬態した竜から各々が距離をとったのを確認し、伊達メガネ嬢は傘を模したボウガンで竜を差して呟き、引き金を引く。
「血と汗と涙を流せ……特に最後の熱烈歓迎お願いしちゃう」
 放たれた弾は、狙い違わず大樽爆弾を起爆させた。竜が汗をかくのかは怪しいものだ。
 爆風と衝撃に岩竜は堪らず小さな翼で飛び上がる。ナミダをこぼしながら重たげに地に脚をつけ、威嚇の声をあげた。
 
(# ゚W゚) キシャー!
 
 自分に狙いを付けたらしいバサルモスの突進を避けるべく傘を背負って走りつつ、伊達メガネ嬢は頬を少しだけ弛ませる。
 重ねて言うが、彼女は竜にムラムラくる変態さんだ。竜という生き物の仕草の可愛らしさが堪らない。
「捕まえてごらんなさぁーい」
 うふふあははと笑い声まで響かせて、肘から先を横に振り振り、伊達メガネ嬢は跳ねるように駆ける。
 痺れ薬をまぶした矢をつがえ弓を引き絞りながら、余裕綽々だなとムシ1号氏は思った。
 伊達メガネ嬢はふざけているように見えなくもないが、実はなんら危なげな事もないのだろう。
 むしろ危ないのは、ガブラスの鳴き声より奇怪な笑い声を発しつつ、バサルモスの尻尾に斬りかからんとするムシ2号氏かもしれない。
「頼むから、うっかり火口に落ちたりとか、無しの方向で……」
 この場に居るヒトは上級ハンターだけのはずなのに、自分が幼児の引率になった気がするのは何故だろう。ムシ1号氏は密かに生唾を飲んだ。
401eat the meat:2007/08/10(金) 06:16:09 ID:lYK41gVK
 
 灼熱を上回るその場の熱は、炎天と呼ばれていた。
 どちらかと言えば前者の方が暑そうに聞こえなくもないが、そういう表現と決まっているものは仕方ない。
 ザリメリゴッゴッとバサルモスからの剥ぎ取りが行われる中、ムシ2号氏は尻尾の切れっぱしの小ささに首を傾げた。
 伊達メガネ嬢は、ちゃっかり拾っていた竜の大粒のナミダを光に透かし見る。
 ムシ1号氏は竜の涙腺辺りを探り、桃色の鉱石を見つけて口笛を吹いた。
「なー、ムシ1号氏。コレって良いモンか」
 少し期待が込もるムシ2号氏の声に振り向いたムシ1号氏は、暫し返事に窮する。ムシ2号氏が抱えた上げたそれは、火薬岩と呼ばれる物だ。
 現在ムシ2号氏が小さく「あーつーいー」とうめいている通り、高熱を発する物で持っているだけでもジリジリと火傷してしまう。
「納品すればなかなかの金になる悪くはない物だが、知っての通りちと重くて熱いぞ、それ」
 ほう、と頷くムシ2号氏に、ムシ1号氏は説明を急ぐ。火薬岩は取り扱いが難しい代物で、下手な衝撃を与えると爆発する性質がある。
「抱えてると、ガブラスやイーオスが何処からともなく寄って来て、襲って来る事折り紙付きだ。その上、それは食えない」
 ムシ2号氏はまた頷いた。彼にとって、聞きたかった事は食えるかどうか、そこだけだった。
 食えもしないものなら、わざわざ抱え続けて熱い思いをするのも馬鹿らしい。
「んじゃ要らねぇな」
 かなりの価値を持つ火薬岩を、ムシ2号氏は惜し気もなく放り捨てた。
「あ」
「ちょ……」
 地面にぶつかると同時、岩は見事に爆発した。
 
 まともに爆風と熱をくらって後ろに吹っ飛び、ピクリとも動かないムシ2号氏を見つめ、二人は暫く無言だった。
「……ムシ2号氏って生き物も、結構お馬鹿だね?」
 困り顔の伊達メガネ嬢はムシ2号氏へと歩み寄る。否定もフォローもできないなと、ムシ1号氏はごつい肩をすくめた。
 その時だ。倒れたままのムシ2号氏が大声で笑い出したのは。何事もなかったかのように立ち上がり、鎧の煤を軽く払った後、ムシ2号氏は力強く言い放つ。
「さすがタロスUの高級耳栓だ、なんともないぜ!」 タロスシリーズは、熱をほとんど遮断できない。冷気も雷気も、網を通る水の如く丸抜けだが、この際それらは関係無い。
「爆発音だけの問題でないだろうがっ!」
「なんともないわけないじゃないかっ!!」
 ムシ2号氏は二人からの罵声と共に、寄ってたかって怪しい白い粉まみれにされた。
 
 近くて遠い空が赤く明るく、星の一つも見当たらない。けぶって見えるのは噴煙だか雲だか、恐らくは前者のせいだろう。
 山から雪のように降る火の粉に、伊達メガネ嬢は眼鏡付きで来て良かったと思った。どうせならアイルーフェイクとマカルパシリーズだとか、顔すら露出しない格好でも良いかもしれない。
 ムシ2号氏の本体は、大した火傷もなく本当に「なんともないぜ」状態だった。しかしムシ1号氏の指示のもと大事をとってベースキャンプで休んでいる。
 ガンナー二人で残りのガブラスを狩ることになったわけだが、元々ガブラス討伐は二人だけで行っていた。ムシ2号氏が休憩に入ろうと問題はない。
 本当のところはバサルモスの討伐も含め、ムシ1号氏一人で果たせるだろう依頼だが、良くも悪くも彼は熟練ハンターだった。
 こんな暑いところへ、たった一人で来て蛇竜や岩竜に囲まれるより、数人で来た方が楽かつ安全だ。一人で依頼を果たした、などと自己満足程度の名声を、望む歳でもなかった。
 ザリザリガッガッゴツリと、ムシ1号氏が手際良くガブラスの解体を行う間、伊達メガネ嬢は熱帯イチゴを摘んでいた。
「これでオヤツを作るといい。少しムシ2号氏に分けてやってくれると有難いが」
 そう言うムシ1号氏から氷結晶を多数渡されて、用意の良さに驚くやら呆れるやら。
 イチゴ摘みが終われば二人も一時キャンプへ帰る。仕事の合間の休息は必要なものだ。
402eat the meat:2007/08/10(金) 06:18:08 ID:lYK41gVK
 
 山の唸りと潮騒と。止まらないそれらは鼓動のようでもあり、慣れてしまえば案外耳障りでもない。
 二人がベースキャンプに戻った時、高級耳栓がどうとか言っていたムシ2号氏は、舟の上の寝台で魚竜のような寝息を立てて眠っていた。
 寝そべるのに邪魔だったのだろう、兜と胴鎧が適当に脱ぎ散らかしてある。
「すごく……トゲトゲです……」
 放られた大剣にも目をやり、ポツリと伊達メガネ嬢が呟いた。
 伏して眠るムシ2号氏が頭から被った布の下より、ギリギリと歯ぎしりも聞こえ、寝ていても静かとは言い難い。
「夜中だから仮眠とっても悪かないが、遠慮の欠片もなく爆睡してるなぁ」
 ムシ1号氏は苦笑するしかない。いつかに眠れる時に寝ておけと教えはしたが、ここまで素直に実行されるのも少し複雑だ。
「バサルたんの眠くなる空気の効果でも残ってたかな?」
 先程の戦闘中にバサルモスの睡眠ガスをまともに吸い、一度ムシ2号氏は昏倒していた。それを蹴り起こした伊達メガネ嬢が首を傾げつつ言う。
「伊達メガネ嬢も少し寝ておくか?」
 夜更かしは伸び盛りの敵だからなと、心の中だけに留めるムシ1号氏。脇にはさばいたガブラスの肉を置き、荷物から幾つかの小瓶を取り出した。
 ムシ1号氏の持論は『食は生活の基本。ハンター生活もまた然り』だった。狩猟の場でもしっかり食らう気満々でいる。
「そうだね。眠れるかはわかんないけど、僕も少し横にならせてもらおっかな」
 細く小さな見た目ほどではないが、伊達メガネ嬢の体はハンターとしてそうタフではない。休めるのは実に有難い事なので提案に遠慮なく頷いた。
 かくて最年長の引率者は調理を始め、若者二人は夢の中。これは遠足の話ではない。
403eat the meat:2007/08/10(金) 06:21:16 ID:lYK41gVK
 
 鼻の奥の鉄臭さで伊達メガネ嬢は目を覚ます。頬を伝う冷たい感触と併せ、自分の脇を下にして寝る癖に軽い感謝すら覚えた。
 イイ夢を見れたのは運が良いと言えるが、寝ながらに興奮してヨダレと鼻血が出ていた。仰向けなら、うっかりこれらに溺れて死んだりしないかと伊達メガネ嬢はたまに思う。
 夢の中ではバサルモスが尻尾に釣り糸付けて、水竜を釣っていた。
 伊達メガネ嬢が竜の仕草の中で愛らしいと思うものの数々が、惜し気もなく繰り広げられるその夢の素晴らしさを、誰かに伝えたいと思った。
 いつもそういう話を嫌な顔一つせずに聴いてくれる伊達メガネ嬢の相棒、相棒氏(仮称)は今この場には居ない。
 互いのハンターランクの違いもあって、別口の仕事を請けていることも珍しくはないが、最近それが妙に寂しい。
 ハンカチで鼻血とヨダレを拭いつつ、物思いにふける伊達メガネ嬢の横で、まだ夢の中にいるらしいムシ2号氏が寝言をこぼす。
 実に嬉しげにせつなげに、ムシ2号氏はムシ1号氏の妹、妹女史(仮称)の名を呼んだ。
 伊達メガネ嬢は耳を疑う。ムシ2号氏は鱗と尻尾のない女には興味がないと、大衆の前で怒鳴ったような業の者のはず。いつかこの耳で水竜ファックを成したという言葉も聴いたというのに。
 名を呼ぶだけで胸が満たされるような、そんな声色を使う相手という事はムシ2号氏は妹女史に惚れたのかと、伊達メガネ嬢は考えた。
 げに妙なるは男女の仲よ。少し前まで妹女史の顔を見れば、ムシ2号氏は「殺す」とか喧嘩を売っていたのに、あれはあれで屈折した愛情表現だったのだろうか。
 快楽追究目的の肉体関係は男女を問わず派手めでも、恋愛経験というものはサッパリな伊達メガネ嬢は首をひねるしかない。
 
 伊達メガネ嬢の腹が小さく空腹を訴えた。鼻血を拭った今は気付けるが、糖を焦がしたような香ばしさが辺りに漂い、ひどく食欲をそそる。
 伸びをして眼鏡をかけなおし、伊達メガネ嬢は起き上がった。舟がきしむが、ムシ2号氏は起きる気配もない。
 ムシ1号氏はといえば、串に刺したガブラスの肉を焼いていた。肉には何かしらのタレが塗られているようで、それが漂う香ばしさの元らしい。
 サクサクと砂を踏む音にムシ1号氏が首を巡らせた。彼は兜と籠手を外し、後々着直しが面倒くさくない範囲で寛いでいた。
「お早うさん。もう少し寝てても良かったんだが」
 どこか草食竜を思わせる、人好きのする笑顔を浮かべ、ムシ1号氏が言う。
「ううん、おかげでよく休めたよ。ありがとう。ムシ1号氏は休まなくて大丈夫なの?」
 ムシ1号氏は「余裕」と眉の端を上げた。やたらに体格の良いムシ1号氏は、見た目どおりに頑丈だ。
 三十路を迎えてコレとは羨ましいばかりの体力だな。伊達メガネ嬢はほんのわずかな嫉妬に軽く下唇を噛んだ。
「ところで、このいい匂いはなぁに?」
 恩恵に与かっておいて、嫉妬というのもあんまりだ。内心を圧し殺し、伊達メガネ嬢は小さな鼻をすんすん鳴らす。
「ん、ガブラスの蒲焼き。タレは醤油とみりんがベースの。って言ってわかるか?」
 肉焼きセットの火の上で、タレや脂がジュワジュワ鳴る音まで食欲をそそる。皿に盛られて調理は完成だともいうが、過程は過程で重要なものだ。
「蒸した豆を醗酵させたソースと、米酒を更に醗酵させた甘味ある調味用酒、だっけ。口にしたことはあったはず……」
 うろ覚えの知識をたどるように黒い目を泳がせる伊達メガネ嬢に、ムシ1号氏は頷いてみせた。
 ムシ1号氏はガブラスの蒲焼きに目をやり、それらを火から下ろす。調味料を入れていたらしき小瓶を荷物にしまい込んでから、ムシ1号氏は立ち上がった。
「ムシ2号氏を起こして来る」
 木舟は巨漢の乗り込みに抗議をあげるように、一際音高くきしむ。
404eat the meat:2007/08/10(金) 06:23:32 ID:lYK41gVK
 
 ムシ2号氏は片手で腹をかきかき起き出した。胴鎧は相変わらず脱いだまま。食事に邪魔なせいだろう、兜も外したままだった。
 耳ごと長い髪を布で押さえ付けてあるのも、食事の邪魔になるからだろうか。
 あくびを噛み殺すムシ2号氏の口からは、のこぎりじみた歯が少し覗いてギリリと音をたてる。
 伊達メガネ嬢は、ムシ2号氏の顔が黒狼鳥に似ていると思っていた。
 片方の目蓋から頬へ走る傷や、ギザつく歯の見える口元や、眉毛共々吊り上がった目付きの悪さなどが、いかにもそれっぽい。
 一度「グーガガガゴーァ」とか鳴いてみてくれないだろうかと密かに期待していたが、そんなことをされたら怪鳥っぷりにうっかり惚れるかもしれない。
 ヒトの男として惚れられるかと言ったらキッパリ無理そうなので、やっぱりやらなくていいや、と伊達メガネ嬢は一人頷いた。
「朝……じゃねぇよな。『おはよう』でいいのか、この場合は?」
 やや涙目で眠気丸出しのまま、ムシ2号氏は首を傾げ、またあくびを噛む。
「好きに言ったらいいと思う」
 手にした小さな袋の中を覗き込みながら、伊達メガネ嬢は言った。
「今更『こんばんは』は止しとけ」
 ガブラスの身を切り分けながら、ムシ1号氏が釘を刺す。
 二人の言葉にムシ2号氏は、応と子どもじみた仕草で頷いた。成人男性がするには微妙に違和感があるものだが、眠気は時に人を幼くさせることもある。
 ムシ1号氏が手で示す位置へ、ムシ2号氏は素直に座り込んだ。
「それはそれとして、飯にするか」
 小さく切り分けられた身が盛ってある皿が、ムシ2号氏と伊達メガネ嬢の前に置かれた。フォーク代わりか、小さな楊枝も添えてある。
 まだまだ眠たげなムシ2号氏はイタダキマスァと声をあげた。
 
 蛇竜ガブラスの肉は珍味と言われる程のものでもない。アイルーを食事係として雇った者なら、一度くらいはガブリブロースなる食材を口にしたことがあるかもしれない。
「甘辛い味付けの中に土くささに似た風味があるね。悪い意味じゃなくってさ」
 美味しいと思うよと、伊達メガネ嬢は機嫌良くムシ1号氏へ告げる。ムシ2号氏も咀嚼しながら頷いた。
「うれしいこと言ってくれるじゃないの」
 照れる三十路の巨漢、ムシ1号氏のその台詞はなんだかダメだろうと、伊達メガネ嬢は思う。
 いつまでもオッサンを照れさせるのもよくないと思います! と、伊達メガネ嬢が考えた訳でもないが、彼女は話題を振ることにした。
「それにしてもさ、『不吉だからヌッ殺せぇい!』ってばかりの討伐対象を食べちゃうのもどうなんだろうね?」
 伊達メガネ嬢は「美味しいから僕はどうでもいいけど」と話題を投げっぱなしにする気満々だ。
「どっちかっていや、シメたら食うのが礼儀だろ」
 よく噛み飲み込むのを丁度終えたムシ2号氏が、話題に乗った。吉凶なんざ知ったことかと言わんばかりだ。
「食うのは相手の力を取り込む事に繋がるとも言う。それは迷信かもしれんが、ガブラス肉は精が付く気がしなくもない」
 ゲテモノ食いとは思わんよと、ムシ1号氏は付け加える。
 強走効果ならぬ強壮効果かい?そんな戯言を伊達メガネ嬢は辛うじて飲み込んだ。
「うん、この暑さだもん。スタミナはしっかり付けたいね」
 ムシ2号氏がまた頷いた、と見えたが、こっくりこっくり舟を漕いでいる。
「『なんともないぜ!』の件以外で、ムシ2号氏が僕らより疲れることしたっけ?」
 皮肉でもなんでもなく、伊達メガネ嬢は疑問を口にした。
「暇にさせ過ぎて、体力温存の方向になってるのかもしれない。飯の最中に寝るのは初めて見たが」
 どうしたもんかと呟いたムシ1号氏の鼻先へ、伊達メガネ嬢は小さな袋を差し出した。
「そんなムシ1号氏へこれを進呈」
 それを受け取り袋の中を見、ムシ1号氏は小さく笑う。伊達メガネ嬢もニッと笑った。
 
 比類なき水溜まりたる海と火を噴く山が顔を突き合わせるこの場所で。暑さに育まれた果実と寒さに研かれた氷とが、素敵なスイーツを生んだのです。
「大げさな言い方すると、そういう物だな、コレ」
「どうでもいい事を仰々しく言ってみるのも楽しいよね。でも今のはイマイチだなぁ」
 イマイチの自覚があったので、ムシ1号氏はへこまない。彼の手中の袋には、伊達メガネ嬢が作ってくれた氷結晶イチゴが入っていた。
405eat the meat:2007/08/10(金) 06:29:48 ID:lYK41gVK
 
 波は一時たりとも休みはしない。
 嫌気がさすということを知らない白い指は、砂を小石を数え続け、潮騒というものが繰り返される。
 そこに意味の有無など問わず、ただ繰り返される。
 伊達メガネ嬢は、魚の姿どころか貝殻の一枚も見当たらない浜から遠くの水面へと、視線を引き寄せられていた。
 背後で繰り広げられている光景から、目を背けたかっただけかもしれないが。
「起きろムシ2号氏。口開けてみ……だから寝るなって。寝るならせめて歯は磨こうな?」
 こんなやりとりをやらかしているのが、三十路の人畜無害っぽい顔の巨漢(直立ムシ仕様)と、造作だけは整った悪人面(眠気と腹丸出し)の野郎共なのだから、どうにも絵面がよろしくないと言うか怪しい。
 男同士なのはともかく、妹女史を含めた泥沼三角関係に発展か、などと伊達メガネ嬢の妄想はモヤモヤと育ち行く。
 
 それは空から降る星のように、突如として伊達メガネ嬢の脳裏に閃いた。
 ごつい身体にキングロブスタシリーズ剣士仕様を纏い、直立エビと化した三十路男、ムシ1号氏が爽やかに言うのだ。
「活きの良いのが大好きです(色んな意味で)」
 
 いや、否、嫌?『ワタシの知らない世界』というものもあるかもしれないが、今のところは根拠の薄い妄想だ。
 伊達メガネ嬢はそれらを払うように首を横に振った。
 ムシ1号氏も色恋沙汰に興味がない人物のような気がする。勝手に同性愛者疑惑をかけるのも、泥沼展開を想像するのも迷惑な話だ。
 ガブラスの蒲焼きを食みながら、伊達メガネ嬢は反省した。
 ムシ2号氏は口に氷結晶イチゴを押し込まれ、ようやく目を覚ましたらしい。無表情にゴリゴリとそれらを噛み砕いている。
「出した僕が言うのもなんだけど。ガブたん蒲焼きとイチゴじゃ、あんまり合わなかったかもだね」
 甘辛い味付けの後に食する、冷やされる事で甘味の抑えられた果実。それは味を楽しませようとムシ1号氏に渡したわけでもなかったが、もう少しタイミングを考えて渡すべきだったかもしれない。
「ん、コレは伊達メガネ嬢がよこしたモンか?」
 ムシ2号氏は「あんだっけ」と少し視線をさ迷わせた後、無表情に戻った。
「ええと、イタダイテマス。アリガトウ」
 伊達メガネ嬢は、目を丸くする。元から小動物似の顔がますますそれっぽくなった。
「どういたしまして。お粗末様で」
406eat the meat:2007/08/10(金) 06:30:50 ID:lYK41gVK
 
 ムシ2号氏が黙々と蒲焼きを食らう中、不意に伊達メガネ嬢へと声がかけられた。
「相棒氏も来れたら良かったかもしれんな」
 そうだねと、伊達メガネ嬢は頷いた。ムシ1号氏の言葉の意図は読めない。
「相棒氏は上級の依頼は参加できないもん。別に上級ハンターになんてならなくたって良いけどね。……でもなんでさ?」
 ムシ1号氏はやや品のない笑みを浮かべた。
「うん。彼は農家の息子って言ってたからな」
 オチが読めた伊達メガネ嬢は眼鏡の下で半眼になりつつ、「それで?」と問う。
「ガブラス肉食って、精つけて、夜の種蒔きも」
「コラおっさん」
 問答無用のチョップが、皆まで言わさずムシ1号氏のデコに食らわされた。
「僕に、妹女史と二人がかりで『ムシ2号氏の前で下ネタの自重を頼む』って言ってた人が、何自分でやらかしてんのさ」
 名前を出されたムシ2号氏は口をもぐもぐさせたまま、首を傾げている。種蒔き云々はいまいち理解していないようだ。
 ハッハッハッと無駄に爽やかに笑い出したムシ1号氏を、伊達メガネ嬢が白い目で見る。
「で。そういう事する仲でもないのか、相棒氏と伊達メガネ嬢は」
 相手によってはセクハラ確定の会話だが、伊達メガネ嬢は頓着しない。だからムシ1号氏も気兼しない。
「僕はそーいう関係でもいいんだけど、相棒氏は案外堅物でね。『友達ってのはそんなことしない仲だ』とかって拒否られてる」
 そのくせ店のお姉さんにはせっせと種と金撒いてんだから、と伊達メガネ嬢は口をとがらせた。
 ムシ1号氏は思う。そりゃ完璧脈無しか。或いは顔だけなら12、3に見えるお嬢さん相手にがっつくのは、良心が咎めるからでないかい。友達と呼ぶくらいなのだから。
「友達には手を出さんのは普通じゃないか。伊達メガネ嬢も一番の親友にはそんな気を起こしてないだろう」
 伊達メガネ嬢はハンターになる前からの親友を思い浮かべた。透明感ある美貌と、誇り高く在ろうとする内面と。あれは守るべきものであり、自分が無遠慮に触れて良いものではない。
 得心いったと頷いたものの、伊達メガネ嬢はまた口をとがらせた。
「なんだか、僕の相棒氏への友情が欲に負けてるみたいじゃないか。好きだし大事に思ってるんだよ?」
「そういうのは本人に言うのが良いんじゃないかと、おっさんは思うんだ」
 ムシ1号氏は受け流しを期待しつつ、「なぁ?」とムシ2号氏に同意を求めてみた。
 傾けていた首を嚥下のために元に戻し、一拍おいてムシ2号氏は言う。
「残り、食わねぇなら俺が全部食っちまうぜ?」
 ある意味ムシ1号氏の期待通り、ムシ2号氏はまるっきり人の話を聞いていなかった。
 
 鎧を着け直し荷物をまとめ、直立カブトムシたる三十路男、ムシ1号氏は二人へと向き直る。
「寝た。飯食った。休憩は充分かな?」
 幼い声と低い声とで「うん」「おうよ」と返事があった。
「そろそろガブラス討伐の仕上げに行くか。準備できてない人は返事をどんぞ」
 ツーンとばかりにあらぬ方向へ顔を向けながら、伊達メガネ嬢は手を腰の後ろで組んだ。
 はーいと挙手する腹丸出し男が一人。ムシ2号氏はまだ胴鎧の着直しに苦戦していた。
「何をやってんだ、ムシ2号氏」
 情け無さそうな声をあげるムシ1号氏へと、ムシ2号氏は真剣そのものの顔を見せた。
「実はだな、ムシ1号氏よ。ちっとばかり異常事態が起こってる」
 耳を貸せと手で示すムシ2号氏に合わせて、直立カブトムシが屈み、耳の位置を下げた。
「股間のブツが準備完了っぽくて鎧着るどころでないんだが、どーしたもんだと思うよ?」
 ぼそぼそと報告するムシ2号氏に、さすがに「ジブンヲトキハナて!」とも言えず、ムシ1号氏は兜の下で渋面を作る。
 すげぇぜガブラス肉!などと、ムシ1号氏の頭の片隅が感嘆の声をあげていた。我が身には利き目が見られないことに、彼はまだ気付いていない。
「ムシ2号氏は……留守番しときなさい」
 溜め息と共に、ムシ1号氏はそう言うしかなかった。
 
 世にある幸と不幸は背中合わせと言うならば、凶兆の竜を殺めたとて何処に幸せが芽吹くのだろう。火山に答えが転がっている訳もない。
 巨漢はハサミ型弓を負い、少女は傘を模した物を降り降り歩き出す。請けた仕事を果たすため。
 夜明けはまだ遠そうだ。
407eat the meat:2007/08/10(金) 06:35:50 ID:lYK41gVK
 
第一部『マムシ食ってみた』完(食?)
 
 
 
「……とまぁ、連載第一話始まったばっかりなのに次回予告に『早くも好評連載中!』とか書いちゃうのはどうかって思うのさ」
 小さなテーブルが隔てる向こうで、酔いがまわってきたのだろうが。自分の身を抱え込むように椅子の上に片膝を立てる娘の目は、とろけた光を帯び始めていた。
 人の部屋に酒と飯を持参で押し掛けるのは悪いとは言わない。何せ相手は友達だから。
 ただ、友達だからと押し掛けられる毎に泊まられる、こちらの身にもなってくれとラノネケイは思う。
 彼女はいつもの傘型ボウガンどころか、プライベートシリーズも伊達眼鏡も身に付けていない。短い袖の付いた丈の長い部屋着姿は伊達メガネ嬢こと、メイロウドを酷く幼く見せた。
「話を聴いてくれてるのかい、ラノネケイ」
 ザザミ結びにされた艶やかな黒髪を揺らし、彼女は小動物を思わせる顔に疑わしげな表情を浮かべる。
 相棒氏こと、ラノネケイという名の彼は、この酔っ払いにガブラスの蒲焼き(アイルーに頼んで作ってもらったそうだ)を振る舞われながら、彼女の最近の仕事中の出来事を聞かされていた。
 歪んだ方向での竜好きな彼女にしては珍しく、飛竜の描写に力を入れていないのが気になるが、ラノネケイは薮をつつかない男だった。
 彼女がバサルモスの顔真似を声付きでやったのは、忘れることにする。
「とりあえず、おまえは酒が回るにつれポエマーになることがよくわかった」
 波の白い指がどうとか、と彼は続ける。
 メイロウドの黒い目がやや見開かれ、ラノネケイの焦げ茶色の目とあうと、にへらと笑った。
「やだなぁ、ポエマーは乙女の潜在スキルだよ。それは世界の常識さ」
 乙女。竜フェチの本性を間近で見、相手の性別を問わない肉体関係の派手さを知るに、彼女にその表現は当てはまるのかどうかは、ひたすらに怪しい。
 幼げに見える彼女の体を思う様貪った者が何人も居るのかと思うと、痛ましいような胸が悪くなるような。
 ラノネケイが口を開く前に、自称『乙女』の言葉が発された。
「気付いたかもだけど、彼もポエマーなんだよね。あの人が乙女かは置いとくけど」
 メイロウドが少し眉を寄せながら、『ムシ1号氏』の事を持ち出した。それこそ『乙女』とは程遠い巨漢の姿を思い浮かべ、ラノネケイは少し噴き出しかける。
「お前もあの人も、言葉をいじくり回すのが好きなんだろ。どうすれば良い表現が出来るかを考えるのが楽しいってやつか」
 多少の憧れを抱く熟練ハンターの話とまでなると、ついフォローにまわるラノネケイ。
「そんなふうに言って貰えるのは嬉しいな。君の優しいところが大好きだよ」
 メイロウドは幸せそうな表情のまま喉で笑いながら、部屋着の裾にすっぽり包まれた自身の膝に頬をすりつける。
 彼女が言うその『大好き』が曲者だ。誰彼構わず言うわけでもないが、ラノネケイにとっては嬉しさと苛立ちを半々に与える言葉だった。
「優しかなんかない。好ましい事をそうだって言ってるだけだ」
 彼のため息の混じりそうな口調にも、メイロウドはうんうんと頷くばかり。
 そんな風に信用されたって困ると、ラノネケイの心中は穏やかでない。
「君はさ……」
 酒にだか眠気にだかで潤む目を伏せがちにし、メイロウドは熱っぽく息を吐く。
 相棒のその様子に、見た目の幼さに似合わない艶を見い出してしまったラノネケイは、密かに奥歯を噛み締めた。
「僕の変なトコを知ってても、まだ僕をみようとしてる。……ちゃんと話も聴いてくれるし」
 彼女の言う『変』には、諸々の性的倒錯や快楽への貪欲さ、言葉遣いや一番の親友への執着など、様々な意味が込められていた。
 年若い上級ハンター、天才と呼ばれるメイロウドは言動の奇抜さ故に敵も友も出来にくい。彼女は他人からの評価を気にするようにも見えないが。
 彼女に関わらなければならない者の多くは、腫れ物に触れるような態度をとるのが常だった。
「俺だって、お前の事は理解は出来んとか、天才からナントカの方へ踏み外してるとか、そーいう風に思ってんだがな」
 好意的な評価ばかりを聞かされていると、まぜっかえしたくなるのは照れのせいか。言ったことも彼の紛れもない本心だが。
 自身の膝にもたれるように目を閉じたメイロウドは「そうかい?」と囁く。
「理解は出来ないが、お前は見てて面白い。ありがたい事に、俺はその面白いもんを『友人』って特等席で見てられるワケだ」
408eat the meat:2007/08/10(金) 06:40:02 ID:lYK41gVK
 
 本当はもう少し違う席で見たいものだと、ラノネケイは胸中でぼやく。だが農家の三男坊育ちの彼は、高望みをしない性格だ。
 並みよりほんの少し体格に恵まれていて、痛みを感じにくい体質を持つだけで、ハンターとしてのラノネケイは実に凡庸な存在だった。
 彼女という特異な存在の友人の座に収まれただけでも、一生有るか無しかの幸運だと彼は考えた。
 ただ見ているだけで満足していられる状態がいつまでなのか、わかったものではないが。
 目を閉じたまま頷くメイロウドの髪の隙間から、そう陽に焼けていない首筋が覗く。それから視線をもぎ放して、ラノネケイはテーブルの上を片付け始めた。
「メーイー、そこで寝るなよ」
 額をぺちっと軽く叩くと、恨めしげな目が目蓋の下から現れ、ラノネケイを睨んだ。
「寝る前に歯磨け。でなきゃ、せめて口はすすごうぜ」
 どこかで聞いたような台詞だなと、二人ともが思った。
 
 
 外から部屋へと戻り、椅子に座り直したメイロウドは、幾分か眠気が飛んだ事に気付いた。
「さて二人ともに歯も磨いた。後は寝るだけ、と言いたいところだけれど……」
 背中で語るのは何も男の特権ではない。両の裸足をふらふらと振りながら、メイロウドは背後の男に無言の要求を突き付ける。
 ラノネケイには見えないが、彼女の頬はこれから触れてくるであろう彼の指の感触を想像し、幾分か弛んでいた。
 手を膝の上で組み背中をしゃんと伸ばして椅子に座るメイロウドの足のぱたつきを暫く見守った後、ラノネケイはおもむろに口を開く。
「また俺にやれってのな」
「なにさ。僕が自分でするのを見たいの?」
 振り向きもせず、娘は僅かばかり不満の色を声に滲ませた。
「そっちのが断然俺は楽だが……」
 まあいいと、ラノネケイは小さく呟いて、メイロウドへと手を伸ばし紐を解き始めた。
 
 黒く柔らかな毛を何度か掻き分けた後、それらの指は地肌の上に辿り着く。
 ただ指が添えられただけだというのに、この心地好さと安心感はなんだろう。
 指の腹がメイロウドの形を確かめるように、熱を伝えるように、やわやわと肌を撫で擦る。それが彼女へもたらすのは、間違いなく快感であった。
 そうでなくても、ラノネケイの指が触れていること自体がメイロウドを悦ばせる。
「ねえ、すごく……いい」
 我知らず恍惚とした声を出してしまい、彼女は少し身を竦めた。
 何せ触れて来るのは指だ。ヒトの、何かを得るために伸ばされる部位。それはある意味、口よりも貪欲に舐め噛み食み味わうことができるものだ。
 この指は、先程持ち主の口に含まれたのかもしれない。遠くない過去に、持ち主が自身を慰めるのに使ったのかもしれない。
409eat the meat:2007/08/10(金) 06:42:32 ID:lYK41gVK
 
 あらぬ妄想に浸りつつあった自分を、彼女は辛うじて現実に引き戻し、言葉を接いだ。
「君の手は案外キレイだよね」
 メイロウドが言うのは、衛生上の話や形の話ではない。剣を扱う者として、丁寧に手入れがされている事を指している。
「案外って、お前な。俺はけなされてんのか」
 言葉の割に声にはふてくされた様子もないラノネケイは、彼女の肌に指を立て小刻みに動かし始めた。
 間近から降る声にうっとりと目蓋を閉じながら、メイロウドは返す。
「素敵な甲斐性だって誉めてるつもりだけど? 女の素肌に触れるのに、爪伸びっぱなしな男は嫌いだもの」
 指による振動が直に声を震わせるのを、彼女はおかしく思った。この手は与えてくれはするが、メイロウドを求めようとはしない。
「お褒めに与り恐悦至極」
 いかにも棒読み口調でラノネケイは言うが、指は熱心に彼女の心地好さのためだけに動かされていた。
「気持ちいいけど、それはもういいよ。そろそろお願いできるかな」
 この快楽は主な目的ではない。あくまでおまけだ。メイロウドは目を開けて、膝に汗をなすり付ける自分の手を見つめる。
 肌から離れていくラノネケイの指に少しの寂しさを覚えた。まだ自分の一部に触れられていることには変わりない。メイロウドは背を伸ばし直した。
 
「で、タオヤメだったか、一本の三つ編みで良いか?」
 髪を毛先から少しずつ手櫛ですきながら、ラノネケイが問う。
 寝床へ入る前に、ラノネケイに髪を結わせる事と頭のマッサージをさせる事が、メイロウドの楽しみになっていた。傍目から見れば、それは毛づくろいそのものだ。
 
「僕はポッケ編みが良いな。三つ編み二本のやつ」
 つややかで柔らかな彼女の細い毛髪はとても触り心地が良いが、扱い易い質とは言い難い。
「はいはい。仰せのままに……って、ポッケ編みは三つ編み二本だっけか? お前の言うポッケ編みはどんなのだ」
 同じように表現されても男女でポッケ編みは違う髪型だと、彼はなんとなしに察しつつあった。
「えっとね……」
 メイロウドによるポッケ編みの説明を聞きながら、この関係は友達と言うより、もしかして下僕でなかろうかとラノネケイは思う。
 彼女から甘えられる立場に悪い気もしない事実が、彼には恐ろしい。
 木櫛を手に取り、言われるままに髪を分けてメイロウドの小さな耳たぶを露にする。
 彼女の髪に鼻っ面を突っ込んで、この耳や髪や首筋に口付けてやりたいものだと、それらを邪な目で見てしまうことを止められない。
 明日はおねーちゃんがいる店に行こう。自制心の怪しさにラノネケイはそう心に決めた。
410名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 06:47:06 ID:lYK41gVK
投下終了。続きは月末までには落としに来るかと。
本文長すぎってハネられまくって焦った。
今度から気を付ける。
後半、モンハンぽさがどっか飛んでるのがアレだ。
411名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 08:49:35 ID:OQd56Ttn
ノトス可愛いよノトス
412名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 09:13:11 ID:kwuCCkSq
ノトス無邪気だよノトス
413名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 09:33:45 ID:H1iR3o1Y
これはGJとしか言えない。
続きにも期待。
414名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 09:33:56 ID:roFQB8eA
ムシ一号(仮)氏の一撃でまたもやクエスト失敗(要は笑死)。

この前の珍味と重なってるんだな。ムシ二号=ガノスにーちゃんでムシ一号=友人。
415名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 09:37:53 ID:roFQB8eA
あ、ごめん。
ムシ一号=身内だった。
416名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 10:52:39 ID:TxfJaSpT
で、妹女史=月の瞳の狂戦士で伊達メガネ嬢=クックハァハァそんで相棒氏=クックハァハァの友達宣言した人だな。
417名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 12:22:34 ID:I5ErPLan
ああ。珍味の話の時、ノトスに「どの竜とヤったのか聞いた」人ってのは伊達メガネさんだったのかw
418名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 12:58:17 ID:LLz0C5/O
GJだ。GJ過ぎる。
ノトスにまた会えるとは思わなかった。
身内が思っていたよりも個性的だったのもまた良い。

今後のメイロウドの恋?の行方を楽しみにしています。



あと>>400のアラケスにフイタwww
419名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 14:23:05 ID:4A2d70B5
すごく……GJです……。
続きもwktkしながら待ってるぜ
420名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 14:32:49 ID:LLz0C5/O
このスレの珍味のあとがき見直したがロマサガ好きなんだなwww


ところで、作品を投下する予告時とあとがきの時ぐらいは
コテをつけてはどうだろうか。珍味のひと、とか。
421名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 15:53:34 ID:E4oCX7nD
SAGA2やりたくなった
422名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 16:00:26 ID:oI+r2LlM

  _ヾ ∩
( ゚∀゚)彡 ノットス!ノットス! ナッハエゥアとノットス!
 ⊂彡

423名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 16:27:59 ID:oJqGtR8Z
クックハァハァとノトス書いてた人は同じ人だったのかww全く気づかんかったww
続き楽しみにして待ってる
424名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 07:39:38 ID:79UZaX18
超GJ。珍味氏(とりあえずこれで)の想像力がおかしいと思う。
うらやましいったらないんだぜ。
バサルの尻尾でガノス釣りなんて、そんなあなたの吹っ飛んだ想像が大好きだ。
これからも待ってるぜ。
425名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:05:06 ID:XaFvnX0M
 「黄色い飛竜?」
ポッケ村の村長の口から出た言葉に思わずコウノトリの如く聞き返す。
パチパチ、という木の弾けるような音が暖炉から漏れ、それが唯一温かみのある炎を生み出していた。
「あたしに聞くんじゃないよ。でも長年住んでてそんな話聞いたことも無いねぇ。あ〜たなんか知ってるかい?」
「さぁ……。あの子が言ったんですか?」
「そうさね、なんでもそいつが自分の親父を目の前で食べたんだと。そしてそいつの特徴を元に書いたのががこれだわさ。」
俺は村長が取り出した一枚の羊皮紙に目を通す。
そこには謎の「黄色い飛竜」の特徴を端的に現しすぎた前衛芸術もどきの一枚絵とそれの特徴が箇条書きになっている。
「正直、よくわかりませんね……」
黄色い、と聞いた時点でディアブロスが思い浮かんだが、奴一番の特徴である角が生えているという記述は見当たらない。
それにディアは砂漠の生き物だ。間違っても雪山なんぞにくるはずがない。
「そうかい……どうしたもんかねぇ……」
村長は小さいその身体を丸め、顎をなでる。
「あの子はちょうど今くらいの時期にポポと共に見たのですよね?」
「なんだいあーた? まさかコイツを見に行くのかい?」
テーブルから身を乗り出し、驚いたような口調が向いから聞こえる。
 確かに、雪山から自力でここまでたどり着いた彼がある程度の特徴を覚えていたとはいえ、弱点すら分からない相手に挑むのは愚の骨頂。
そんなことは既に分かりすぎるほどに分かっている。
だからこそ
「彼らがポポを狩る『ついで』に殺されたというのなら、ポポを飼っているここも安全ではありません。ある程度奴の行動が分かれば、万全には程遠いとはいえ対策を立てることも不可能ではありません。」
そう、あくまで情報収集だ。それ以上のことを行うのはいくら自分がハンターといえども危険すぎる。
相手は少なくともディアブロス以上の相手とみて間違いは無いだろう。逃げるだけなら、という甘い考えで準備はできない。
「なら、頼むよ。あいつがどんな存在か分かるだけでもいい。今のウチらには情報が足りなさ過ぎるんだしねぇ。
もしかしたら古龍かもしれないしねぇ」
「わかりました、今すぐにでも準備します。」
426名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:06:08 ID:XaFvnX0M
「ご主人様お帰りなさいだニャ、あの子はまだ動けそうにないかニャ?」
家に帰ると早速アイルーのお出迎えが来た。
よほど自分が酷い顔をしていたのか、少しばかりおびえている。
「なに、あの子のほうは問題は無い、あと一ヶ月もすれば普通に動ける様になるだろう。
メシの準備をしてくれ、今夜から出発する。」
「他にも生存者の報告があったのかニャ!?」
「いや、残念ながら違う。黄色い飛竜が来たときに備えて近くを一回りするだけだ。」
分かったニャ。そう答えて厨房に消える。
キッチンにかかった暖簾が揺れるのを見届けた後、アイテムボックスから調合書を引っ張り出した。
調合書にベタベタと貼り付けられた付箋の中から音爆弾と閃光弾の項目を探し出し、調合方法を確認しながら次々と出来上がったそれらを床に並べる。
何が有効かすら解っていないんだ、出来るものは準備しておいて損は無い。
 作り終えた音爆弾と閃光弾を一つにまとめ、丁寧に確認しながら詰め込んでいく。
調合書と回復薬、回復薬G、解毒薬、ホットドリンク、こんがり肉G、音爆弾、閃光弾、秘薬、砥石、トラップツール、ゲネポスの麻痺牙、シビレ罠、蜂蜜、薬草、アオキノコ
全て限界になるまで積み込んで膨らんだポーチを下げ、暖簾をくぐる。
そこには俺のお気に入りの――黄金芋酒と幻獣チーズをふんだんに使った料理――が出来上がっていた。
あいつめ、わかってやがる。

外は相変わらずの吹雪だ。
暴風に乗った雪が鎧の隙間から入り込み、ホットドリンクを飲んだ状態でさえ急激に体温を奪ってゆく。
 持ってきた時計を見てみると、既に8時間ほど経過している。
一応、黄色い飛竜の最後の発見現場まで来てはみたが、奴はおろかポポすらもいない。
             妙だ
通常、ポポは一箇所に留まって生活する傾向があり、例え飛竜やブランゴ等が現れても安全を確認できれば簡単に戻ってくる。
「まさか」
 近くに、いるのか?
背中に氷の塊を放り込まれたかのような感触が全身を巡る。
寒いはずなのに汗が頬を伝う。
手足の震えが収まらない。

恐い、恐い、恐い。
後ろに何かの気配を感じる。
だが、振り向いてもそこにあるのは雪と崖のみ
何がいる、落ち着け、何処から? 何時から? どうやって来る?
 雪を踏み潰す独特の感触が足から伝わる。息が上がっている。
落ち着け、走って逃げればあ足音で気付かれれる。
がが崖を背にににしてればばすすすすす少なくとももももはは背後からのしゅうげげえええええkhああああああああああああ

ガゴン
自分の手で鎧を打つ。鍛えられた筋肉の一撃により凄まじい衝撃が頭蓋を襲うが、少なくともパニックからは抜けられた。
こんな状態でどうする? あの子に示しがつかないぞ。
無理矢理に自分を戒め、気を落ち着かせる。
自分も、まだまだだな。
よし、自嘲気味な感傷に浸れるほどには回復している。
ふと、視界の隅に乳白色の角が見え、すぐに引っ込んでいった。
微かに聞こえたポポの悲鳴。
             いた。
 再び恐怖が舞い降りるが、もう自分を見失ったりなどしない。
すくなくとも位置は割れたのだ。あとは待ち伏せに気をつければ良い。奴は切り立った崖の向こう側にいる。
 素早く、足音を極力消して近づき、岩肌に背中を押し付け、持ってきた鏡で向こう側の様子を探る。
やはりだ、間違いなくアレだ。あいつが、いた。
427名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:09:09 ID:XaFvnX0M
「Gonna TIGA Take me take me higher
熱い鼓動信じてぇーーーー
Wanna take you,baby,take me higher
愛を抱きしめて いーーーまーーーー」

しかし、何なのだ、あの男は。
薄っぺらい茶髪に東洋人風の顔立ちの男が、ポポの上で踊っている。
隣にはレイバンサングラス、黒いスーツを着た男が黒いマイクを持っている。
「どうも、司会を勤めさせていただくタモ○です。」
いつの間にか隣に来ていたタ○リと名乗る中年男性。
どうやって、ここまで来た? 誰だ? 様々な疑問が脳内を駆け巡る。
「えっえ〜、どうでしたか堂真さん? マドカ・ダイゴ隊員のTAKE ME HI○HER」
「いや、どうでしたか? ってアンタ誰? 堂真って誰よ?」
様々な疑問を投げかけてみるが、相手がサングラスを着用しているせいで表情が読み取りづらい。
「おーい2人とも何やってんすか〜〜〜〜〜〜カルビ全部頂いちゃいますよ〜〜〜〜〜」
○モリにマドカ・ダイゴと呼ばれた男が、ポポを捌きながら網で焼いている。勿論トング持って。
「っていうかお前ら誰だよ!? どこから来たんだよ!!?
こんなところで何やってんだよ!!!!!?」
「堂真さんいま僕ら収録中ですよ。」
「何だよ収録って!!!! お前ら誰だよ質問に答えろ!!!!」
「TIGA 勇 TIGA!! 今 足りな〜い」
「あ〜カメラマンさん、今のNGお願いできますか?」
「人の話を聞け〜〜〜〜!!!!」

その後、このハンターを見たものはいない。
ティガに食われたのでは? と言う者もいた。
遭難したのでは? と言う者もいた。
やめておけば良かったのに、と言う者もいた。
だが、真実は彼しか知らない
彼の故郷、ポッケ村には、今なお彼の帰りを待ち続けるアイルーがいるという
428名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 08:11:14 ID:XaFvnX0M
以上、ティガ擬人化がないと聞いたので即座に浮かんだ電波をいま書き上げてみた。
ティガって擬人化するとどうしても男になっちゃうなと猛反省中。
誰かティガ♀書ける人、お願いします書いて下さい。
429名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 11:32:59 ID:/QRzP8aK
ウル○ラマンティガわろたwwwww


いや、ティガ♂×女ハンターとかも十分アリだと思うぜよ?
430名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 12:32:16 ID:TLVh8rtu
光の巨人かいw
ところで>>423のコウノトリの如くって何故にコウノトリなの?オウムとかでなく。
奴ら、ヒナの時は兎も角、成鳥になったら鳴かない鳥なんだぜ?
431名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 14:17:11 ID:5pf1QiOf
>>430
>>425
どうやら出張中マガジン一本分撃ちこまれたせいで日本語おかしくなった模様

オウムなりクックなりに脳内変換してくれ

ちなみにこれCloud9と微妙にリンクしてたりする
432名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 14:17:33 ID:brWTCimi
想像力なら有余ってるが、それを文章にする文才も語彙も無い俺の才能を決めた神は死んでしまえ
433430:2007/08/11(土) 15:03:09 ID:TLVh8rtu
うぉ…アンカーミスってたか。423よ、すまん。
 
>>431
ならャンククに脳内変換しとく。関係ないがコウノトリで思い出したんだ。
昔その鳥の郷と呼ばれる場所で『珍しいアマガエル見つかりました』って、鮮やかな水色の蛙が展示されてたのを。
まさにアマガエル亜種なアイツは、ャンクク亜種そっくりな色だった。
 
>>432
つ『絵で表現』
文章での表現と、どっちがハードル高いんだろな…
434名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 15:32:36 ID:brWTCimi
>>433
俺の画力をナメんなよ?
高校の頃の美術の時間に花と花瓶と果物を描いたら
美術の先生に「これは前衛的なry」とか言われたんだぜ
ピカソと3歳の子供を足して2で掛けた感じだな、うん
435名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 15:44:03 ID:OScpsygV
>>432
ならば一つ俺からアドバイスだ。
メモ帳を開き、ただひたすらに想像力を叩きつけ、見直さないで投下するんだ。

後はなるようになる
436名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 21:29:45 ID:e11NNHio
ただし後で悶える事間違いなし。
それがまたいいもの作る原動力になるんだけどな!
437名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 21:50:10 ID:Pf8/bWJ1
レスがつくまでのワクドキビクビク感を味わうがよいわっ!
てコトですね?
438名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 21:54:32 ID:TzfypgNJ
同人書きやってる友人曰く
最初は黒歴史であっても、それが後々何かを作る時に活きる
積み重ねることが大事
439名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 03:02:35 ID:XMYW7EPE
読書のとき、上手い表現を意識したりとか、脳内で悪文添削したりとかしてると自分の文章力も上がるよ。
440名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 11:55:00 ID:c0QJzrX2
書き手スレ化してんぜ。
文章も絵も、才能が有った方がいいもんはかけそうだが、技術技法は自分で磨くことが可能だわな。
エロパロ板なんだし、自分が楽しく書く事と、自分が読んで面白いと思える物を書く事が大事なんじゃね?
って誰かに言って欲しいことを、自分で言ってみた。
 
これだけじゃなんだから、カニを擬人化したらおもっくそ直情になるに違いない、という妄想を置いておこう。
嬉しいと抱きつき、ムカッとしたら即カニパンチ。
何せ無脊椎の輩だ。反射で生きてるかんな。食事は小さく千切ってチマチマ口に運ぶんだー。
…実在の生物のイメージに縛られ過ぎなのは、頭が固いんかもしれんね。
441名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 13:00:57 ID:rjZ01GdI
>>440
> …実在の生物のイメージに縛られ過ぎなのは、頭が固いんかもしれんね。
いいんじゃね?
キャラ作りやすい、読み手にも伝わりやすいって利点も有るし。
442名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 22:35:20 ID:WOSF7Ayc
ランゴスタが飛んでいる
ランゴスタが飛んでいる
ランゴスタが飛んでいる
ランゴスタが……………
…うぜぇ
ランゴスタが脇腹にたかった
怒りにまかせて拳を落とした
肝臓に衝撃が走った
ランゴスタは逃げ去った
あまりの痛さに倒れ込んだ
米虫が鼻の穴に入った
米虫が鼻の穴に入った
ノリコネバッタが口に入った
ロイヤルカブトの角が頬っぺに刺さった
ケルヒに頭を踏まれた
ノリコネバッタを噛んでしまった
ハンターは半泣きで家に帰った
443名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 23:08:28 ID:UzCZ5Phv
吹いたwwwwwwwww
444名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 00:58:44 ID:l8nvp9j5
誰か5匹のtxtないですかー?orz
445名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 01:02:33 ID:II9ixKcc
OTM
446名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 03:42:53 ID:mrsGpNTg
>>442
ワケわからんがワロスw
つ〇 【毒けむり玉】
つ@ 【モスキートコイル】
447名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 08:29:25 ID:ak68/Bmc
>>442
どこぞの土着の歌みたいな感じで良いなwww
448名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 11:23:52 ID:f7MH2rUo
カンタロスが跳んでいる
カンタロスが跳んでいる
カンタロスが跳んでいる
カンタロスが……………
…うぜぇ
カンタロスが背中にたかった
怒りにまかせて背中からダイブした
草むらの中に大きめの石があった
背骨に衝撃が走った
カンタロスは跳び去った
あまりの痛みに転げまわった
また米虫が鼻の穴に入った
また米虫が鼻の穴に入った
キラビートルの角が頬っぺに刺さった
またノリコネバッタが口の中に入った
今度はモスの大群に踏まれた
またノリコネバッタを噛んでしまった
さらにブルファンゴのウンコが付着した
ハンターは泣きながら家に帰った
今度こそハンターを辞めようと思った
449名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 18:44:52 ID:e/3NxGWt
>>448
正直またかうぜぇとか思った。
読み進めた。
ガムが画面に張り付いた。
もっとやってくれ。
450名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 18:52:45 ID:Z2opD91l
職人さん来ないなぁ・・・
451名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 22:13:48 ID:VU22YwIc
今は我慢の時…
その内、神が降臨するさ。
452名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 00:11:24 ID:Hm/GJ6re
大雷光虫が飛んでいる
大雷光虫が飛んでいる
大雷光虫が飛んでいる
大雷光虫が……………
…うぜぇ
大雷光虫が背中に突っ込んできた
すかさず盾で殴りつけた
盾が金属で電流が流れた
全身に電流が流れた
大雷光虫は飛び去った
あまりの痛みに這い回った
鼻にのりこねバッタが入った
鼻の穴がくっついた
ドスヘラクレスの角が頬っぺに刺さった
今度はアプトノスに蹴られた
こやし玉を噛んでしまった
さらにレウスが糞爆弾を落としてきた
ハンターは泣きながらギルドへ行った
ハンターは辞表を提出してきた
453名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 00:15:36 ID:o77Xyism
ああ
454名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 01:04:16 ID:Uuza2eqE
三本目は俺じゃねぇです
大雷光虫でもやろうと思ってましたけど、先こされましたね
米虫が両鼻に詰まるのは外せない、個人的に
455名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 06:55:32 ID:hFibzSyj
虫唄シリーズワロス
作者は二人なのかな。GJ
456名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 10:56:02 ID:vBUVnopU
今までのエロパロを纏めた保管庫とかって無いかな?
457名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 13:39:42 ID:nP0qqt9M
テンプレ見れって言いかけたが、貼ってなかったっぽいからコレどんぞ。
直リンクでいいかな。
http://ss.ares-ac.com/mh/
管理人さんお忙しいのか、更新頻度はあんまし…
458名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 14:34:32 ID:vBUVnopU
>>457
レベルの高さに絶望した/(^o^)\
やっぱなれない事はするもんじゃないな。
素直に一読者に留まる事にするぜ
459名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 15:44:30 ID:nP0qqt9M
>>458
待てぇい。さみしいこと言うなよ。
はじめっから書き手な人も少ないと思うんだぜ。
おまいさまが書く楽しみを知っているなら、その楽しさの産物をこのスレを落としてみないかい?
ギャグだって燃えだって萌えだって美味しく頂くぜー
460名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 20:20:35 ID:r4WLsH1s
>>457
更新してるのか?
461名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 21:11:14 ID:ax/MY3Hy
つかこのスレで過去ログあげてくれてた人いたやんけ
462名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 03:04:19 ID:thLtn+NQ
wikiで作って更新しやすいようにしないか?


ぶっちゃけ、どれだけ忙しくても、この遅さはあり得ないし、さぼってるとしか思えない。
463名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 03:52:42 ID:+F0mF+tC
こういう保管庫の管理ってのは強いられてやるもんじゃないし、
更新できなくて仕方ない事情があるのかも知れないから
「さぼってる」までは言わないけど。
もしそこの管理人さんが円滑に更新できない現状なら、
別の形で保管庫を作る事も検討していいかも、とは思う。
464名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 09:51:25 ID:vGJv3K7n
保管庫は一人でやるのには限度ってのが有るからな wikiなら皆で出来るから効率は良いと思うね
465名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 10:33:25 ID:SQs9+t+J
荒らされる危険はあるがな
466名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 11:03:19 ID:k5yTaAuf
>>457
>テンプレ見れって言いかけたが、貼ってなかったっぽいから

>>1にあるよ
467名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 12:02:40 ID:kwuUIggr
メラルーが寄ってくる
メラルーが寄ってくる
メラルーが寄ってくる
メラルーが……………
……うぜぇ
メラルーが荷物にしがみついた
怒りまかせて荷物を振り回した
メラルーは飛んでいった
ハンターは崖の下に落ちた
鼻水が飛び出した
よだれが風になびいた
全身を激しく打ち付けた
ツタが絡みついた
例によって米虫が鼻に詰まった
例によって米虫が鼻に詰まった
メラルーに荷物を盗まれた
ブルファンゴに踏まれた
ケルヒが背中でヘコヘコした
崖の上からタル爆弾(大)が落ちてきた
ハンターは吹き飛ばされた
そのあしで田舎に帰っていった
468名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 16:41:53 ID:SQs9+t+J
ケルビじゃね?
469名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 17:31:43 ID:ggZSZ860
ケルビだな。一回目もケルヒて書いてたし、なんか今更なつっこみだが。
>>467
ネタ切れかと思いきゃ、またこれが来るとは。
このシリーズがどこまで行けるのか、ワクワクしてきた。
470名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 17:35:35 ID:iUVKqASA
そろそろハチミツの人来るかなぁ
471名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 17:45:02 ID:YVCmZMu4
レイアのためにレウスと戦う全裸マンはまだですか
472名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 18:13:51 ID:kwuUIggr
ギアノスが飛んでいる
ギアノスが飛んでいる
ギアノスが飛んでいる
ギアノスが……………
……う、助けて下さい
トラウマになっていた
ハンターは逃げ出した
塔の頂上まで逃げた
ギアノスが増えた
キリンもいた
雷を落とされた
ギアノスに尻を噛まれた
塔から落下した
驚異的な確率で空中で鼻に米虫が詰まった
驚異的な確率で空中で鼻に米虫が詰まった
股間に大雷光虫がヒットした
幸か不幸か川に落下した
ハンターはそのままどこかに流されていった
473名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 18:28:42 ID:lTUUax1u
助けてくださいwwwwww
474名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 18:29:04 ID:ixLw/Srg
米虫いい加減に自重しろwwwwww
いや、やっぱしないでwwww
475ハチミツの人:2007/08/15(水) 19:00:43 ID:AFrU2YV+
ごめんなさい
夏休みが消えました……

ちょっと間に合いそうになく……
未定にしていただければ幸いです
本当にすみません
476名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 19:10:47 ID:Y4HpieOq
>>475
気にしなくてもいいさ
好きな時に好きな事を書いて、それをここに残してくれれば万々歳さ。


でも悪魔の囁き置いておきますね
つ「USBフラッシュメモリ」
477名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 00:02:08 ID:RHQSP+mC
前スレ240です。
少しずつ書いていたものの、アクセス規制に巻き込まれてました orz。
ようやくアクセス規制が解かれたので、書いていた分を投下させてください。
478金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:04:45 ID:RHQSP+mC
 先程までは穏やかな空気が流れていた塔の屋上は、今や一瞬で生死が分かれる戦場の空気に変化していた。
 俺の目の前にいるのは、伝説とも謳われる金色の飛竜の女王であるリオレイア希少種である。
 彼女は炎の吐息を吐きながら、攻撃態勢を整えようとしていた。
 その口元や強靭な足の爪は、鮮やかな紅に染まり、毒を持つ尻尾には黒い布が巻き付いていた。
 どうやら血の匂いの元になったのは、俺の元依頼人代理達らしい。
 武器も防具も持たない人間が飛竜と遭遇したら、逃げるしかない。
 逃げ切れれば生き残れる。逃げ切れなければその先に待っている結末など、火を見るより明らかである。
「……どうやら彼女の食事になったみたいだな」
 その事に気付いたものの、別に依頼人達に対して同情する気持ちは沸いて来なかった。
 それは仕事を破棄したという理由からではない。
 一瞬でも気を抜けば、俺も彼らと同じ運命を辿る事になると知っているからだ。

 俺は抜刀せずに、彼女を見据えた。武器を手にすれば、咄嗟の行動に支障が出るからだ。
 今は入り口を背にして、中央付近に立ちリオレイアと向かい合っている。
 今の装備と俺の状態では、討伐することは不可能に近いだろう。
 しかし逃げるためには彼女に背中を向けなければならず、それはあまりにもリスクが大きい。
 ならばどうするか? 相手に隙を作りだしてその間に次の手を考える。
 俺が作戦を頭の中で構築したと同時に、彼女は首を大きく後ろに反らした。
「っ!?」
 咄嗟の判断で横に回避する。先程まで俺がいた場所を炎のブレスが通り過ぎ、背後に着弾する。
 瞬時に回避行動に移っていなかったら、一瞬で炭と化していただろう。
 普通種や亜種とは何度か戦った事があるが、何度やっても近距離でブレスを回避するのは冷や汗ものである。
 回避したものの、またもや彼女はブレスを放つ。しかも先程と違い、連続での攻撃だ。
「当たってたまるか!!」
 ひたすら回避行動を続ける。俺の背後ではブレスが着弾する音が鳴り響く。
 ブレスが当たらないと判断したのか、彼女はその強靭な足で地面を蹴りつけるような動作をし始めた。
 リオレイアの脅威の一つである突進攻撃のモーションである。俺は彼女の狩りの間合いに入ってしまったのである。
「ガァァァァッ!!!!」
 咆哮と共に此方に突進してくるリオレイアであるが、それは俺も予測済みの行動であった。
「!! ここだっ!!」
 俺は逆にリオレイアの方へ向かって走り出した。
 彼女の視界には自分に向かって突っ込んでくる人間が映っていただろう。
 そして彼女はそのまま人間に体当たりをかまして押しつぶす。それで全てが終わると考えていただろう。
479金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:06:02 ID:RHQSP+mC
 俺は心の中で彼女の歩幅とタイミングを計りながら、リオレイアの突進に自ら突っ込んでいった。
 傍から見れば自殺行為にしか思えないような行動に出たのである。もちろん自殺行為ではない。
「ここだっ!!」
 彼女の足が俺を踏み潰す、その直前の僅かなタイミングに合わせ、
 俺は仰向けになって滑り込み、彼女の下を潜り抜けたのである。
 もちろん失敗すれば死ぬわけであるが、成功すれば相手に隙を作り出すことが出来る。
 そして体を起こした俺の視線の先には、外壁に突っ込む彼女の姿が映っていた。
 逃げるなら今しかない。俺はそう思い逃げるために背後にある入り口の方を振り向いたのである。

「………嘘だろ………?」
 振り向いた俺の先にあったのは、無残にも崩れたガレキの山に塞がれてしまった入り口だった。
 どうやら何度も連続して放ったブレスが、地面や壁を破壊し、そのガレキが入り口を覆い隠してしまったのである。
 更に背後では彼女が外壁から抜け出し、ゆっくりとこちらへ近づき始めた。
 まるで、この場から逃げる事ができないと分かっているかのように、確実にこちらとの距離をつめて来る。
「ったく、しょうがないな。出来れば争わずに帰りたかったんだけどな」
 俺はため息混じりに呟きながらも、ようやく愛刀に手を掛けた。
 この頂上から生きて帰るには、彼女を倒すしかないらしい。
「……お手柔らかに頼みますよ、女王様っ!!」
 俺はそのまま彼女に向かって走り出した。それに対して彼女はブレスで迎撃する。
 迫ってくる炎の塊を必要最小限の動きで回避すると、そのまま彼女に近づき、抜刀して切りかかる。
「ギシャァァァァッッ!!!!」
 傷つけられた怒りの叫びを轟かせ、更にブレスを連発する。
 俺は片手剣特有の手数と素早さを生かして、攻撃しては回避し、回避しながら攻撃をする、ということを繰り返す。
 しかし、相手は金属並の硬い鱗や堅殻に覆われた飛竜である。なかなかダメージを与えることが出来ない。
 またこちらのクイーンレイピアは、彼女と戦う以前に多くのモンスターを切り倒している。
 そのため、切れ味の低下が普段以上に顕著だった。幾度目の斬撃だっただろうか。
 甲高い金属音と共に、クイーンレイピアは彼女の体に弾かれてしまった。
「っ!? しまった!!」
 俺に出来た致命的と言える隙を見逃すほど、彼女は狩り手として愚かではなかった。
 一撃で巨木をもなぎ払う尻尾を俺に対して叩きつけてきたのである。
「やられてたまるか!!」
 完全に回避することは出来なかったが、瞬時に右手の盾で防ぐ事で直撃は避けられた。
480金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:06:57 ID:RHQSP+mC
 しかし、決してこちらも無傷で済んだわけではない。
 叩きつけてきたその衝撃を、全て緩衝させることは出来ず吹き飛ばされてしまった。
「なんて衝撃なんだよ、右手が持ってかれると思ったぜ」
 何より不十分な状態でガードしたため、右手が痺れ切ってしまった。
 攻撃も殆ど通じなくなり、盾は有っても攻撃を防ぎきることは出来ないという状況である。
「さて、ここからどうやって生き延びるかがハンターの腕の見せ所か……」
 敢えて冷静に自分の状況を口に出し、俺は距離が離れてしまった彼女をもう一度見据えた。
 彼女と俺との距離は、ブレスと突進そのどちらの攻撃も来る可能性がある距離である。
 彼女の間合いの圏内に俺はいる。ならば、そのどちらも回避しつつ、相手の懐に入り込むのはどうだろうか?
 そうした場合、あの尻尾攻撃に対処しなければならない。しかも入り込んだところで攻撃する手段が無い。
 何より厄介なのが、彼女が怒っているという事だ。
 こうなるとこちらの予測以上の行動を取る事も有るからだ。
「本当にどうするべきか……」
 彼女がまた攻撃前の予備動作を取り始める。
 俺もいつでも動き出せるように、必要最低限の力を体に込めて集中力を高める。


「……………キュウッ?」


 と、その時俺は気付いた。今まで聞こえていなかった小さな声が聞こえてくる。
「………!?」
 あくまで彼女に注意しながら、その声の出所を探していたが、俺は自分の目を疑いたくなってしまった。
「………またなのかよ!?」
 疑っても仕方が無いのだが、事実であるから仕方が無い。俺と彼女の間に、その小さな声の主がいた。
 そう、生まれたてのリオレイアがいたのである。
 どうやら俺と彼女が戦っている間に孵化したらしい。
 しかもまだ目が開ききっていないようであり、音や匂いを辿って巣の中から出てきてしまったようである。
 思わず彼女ではなく子竜の方に注意が向いてしまったが、彼女が首を反らすのを見て回避行動に移る。
 距離が離れているため難なく回避できたが、問題は別の所に生じていた。
 連続して放ったブレスの内の一つが、子竜の近くに着弾したのである。
「子竜のことが目に入ってないのか!?」
 どうやら怒っている状態のため、子竜の存在に気付いていないらしい。
 このままだとあの子竜は、いつかは巻き添えを喰らってしまうだろう。
 俺はその時、ハンター稼業を始めた頃にベテランのハンターから聞いた話を思い出していた。
 力なき命が失われていくのは自然の摂理である。弱い命だから助けるというのは偽善者の理論だ。
 それに助けたいと思っても、命のやり取りの場にそんな余裕は無い。いつこちらが殺されるかも知れない状況なのだ。
 ハンターは冷徹に行動することが求められる。決して自分以外の物を助けるために命を投げ出そうとするな。と。
「そうだよな。それが正しいハンターのする事だよな」
 俺は自分にそう言い聞かせた。
481金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:07:44 ID:RHQSP+mC
 言い聞かせたものの、俺は彼女の攻撃後の一瞬の隙をつくと、子竜に向かって駆け出した。
「こんなことするなんて正しいハンター失格だよ!!」
 ああ、やっぱり俺は皆が言うように甘いらしい。子竜を拾い上げながら俺は叫んでいた。
「ピギャアッ!?」
 いきなりの事に驚いた子竜が、本気で腕に噛み付いてくる。
 まだ歯が生え揃っていないとはいえ、かなり痛い。
 背後から放たれるブレスを避けながら、卵があった巣まで子竜を連れてきた。
 子竜は相変わらず俺の腕に噛み付いている。俺は腕から引き剥がすと、卵の中に子竜を押し込んだ。
 ふと隣を見ると、亜種の子竜は眠り続けていた。

「……全く、とんでもない一日だ」
 二匹の子竜を苦笑しながら眺めて、そしてもう一度彼女と向き合う。
「さてと……そろそろ終わりにしようか」
 俺はそう言って駆け出した。同時に彼女も突進してくる。リオレイアの突進は近距離の方が実は回避しやすい。
 そのため、あえて先に動く事で彼女の突進を誘発させたのである。
 ところが、俺の予測は裏切られてしまう。
 突然その場で止まったかと思うと、その巨大な顎で噛み付いてきたのである。
 咄嗟に愛刀で噛み付かれるのを防いだものの、その刀身が真っ二つに砕けてしまう。
 さらに彼女は追撃の手を緩めることなく、爪で、顎で、ブレスで俺を追い詰める。
「ガァァァァッ!!!!」
 体を低くして力を溜めると、サマーソルトアタックを仕掛けてきた。
 さすがに盾を使っても防ぎきれず、俺は相殺し切れないままに衝撃を喰らってしまったのである。
 吹き飛ばされ外壁に叩きつけられる。あまりのダメージに、うめき声を出すのも厳しい。
 咽込んだ際には血を吐き出した。腹の辺りに異常な熱さと痛みを感じることから、骨を何本かやられてしまったと判断する。
 霞む視界には、止めをさそうとする彼女が映っていた。

「ほんとに……最悪だよ」
 そう言いながら、俺は剥ぎ取り用ナイフを取り出した。手持ちの武器がこれしかないからだ。
「だけど最後に一太刀だけでも浴びてもらうからな」
 彼女が咆哮と共に、俺の所まで突進してきた。覚悟を決めて最後の一撃を繰り出そうとした瞬間、
「なっ!?」
 俺の叩きつけられた外壁部分が、足場と共に崩壊してしまい、俺は空に投げ出されてしまったのである。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
 覚悟を決めたとは言え、こんな事になるとは普通思わないんではないだろうか。
 流れるように変わって行く視界の中で、金色の飛竜はいつまでも映っているような気がした。
 視界に映った彼女の姿は果たして本物だったのだろうか? それとも俺の幻覚だったのだろうか。
 それが最後に考えた事だった。自由落下の旅の終着点は古塔の周りに広がる湖だった。
 湖に落ちた瞬間、俺の意識は途絶えたのであった。
482金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:08:36 ID:RHQSP+mC
 古塔の頂上から湖に落ちた俺は、ベースキャンプまで川を流れてきたらしい。
 そして偶然にも、他の仕事のため付近に滞在していたハンターに助けられたのである。
 彼らによると、釣りをしていたら上流から俺が流れてきたらしい。
 さすがにただ事ではないと思い、陸に引き上げネコタクでポッケ村まで送ってくれたのだ。
 というのが、俺が目覚めてから聞かされた事の顛末であった。ちなみに現在自宅のベットで療養中。
 俺を診てくれたハンター御用達の医者に言わせると、
 飛竜と戦って傷ついた体で古塔の頂上から落下するハンターなんて今まで誰もいないのだそうだ。
 死んでもおかしくない中で、命が助かったのが奇跡みたいなものなのだそうだ。
「さすが旦那さんだニャ〜。ゴキブリ並みの生命力ニャ〜」
「やかましいぞネコ。あまり五月蠅くしているとクビにするぞ」

 俺はギルドから送られてきた報告書を読みながら、アイルー達の相手をしていた。
 報告書にはこの依頼がキャンセルされた依頼であると注意書きされた上で、事の顛末が書かれていた。
 こういう場合、本来なら報告書は作成されないが今回は特例として作成された。
 理由の一つがあの場にいた依頼人の代理である黒服達が、突如現れた彼女によって全員殺されてしまったためである。
 本来狩猟エリアにはハンター以外の人間が入ることは無い。それが暗黙の了解となっているからだ。
 常識的に考えるなら、命が惜しければ入ってくるはずは無い。それで死んだなら自分の勝手である。
 しかしながら、ハンターではない民間人が狩猟エリア内で飛竜に殺されたわけで、
 さすがにギルド側としても放置しておく事はできないと考えたのだろう。

 そしてもう一つが、あの依頼主が問題を起こしていたという事だった。
 出発する時には知らなかった話であるが、今回の依頼人の貴族と商人はどうやら裏の世界の人間だったようなのだ。
 人身売買、賭博行為、禁止されている薬物の横流し等々、相当手広く行っていたらしい。
 しかも怨まれる事が多かったのか、あの依頼の最中に何者かに暗殺されてしまったのだそうだ。
 ギルドでは基本的にどのような依頼主からの依頼でも受注していし、ハンターと依頼人はその依頼限りの関係である。
 しかし、依頼主が問題を起こした場合、ハンターにまで責任が及ぶ事があるのだ。最悪、ハンターも同罪になる事もある。
 ハンター自身の注意を喚起する意図もギルド側には有るのだろう。

「結局今回の依頼で得たものは何も無い……ってことか」
 溜息混じりに呟く。今回の依頼での収入はゼロ。
 得たものどころか、愛刀は折られてしまったし、大怪我の代償は高い治療代と来たものだ。
「やっぱり正式な依頼で地道に稼ぐべきだったな〜」
 今更ながら後悔してしまう。
「とりあえず………寝よ」
 俺は読んでいた報告書を投げ捨てると布団に包まった。
 せめて夢の中では嫌な現実を忘れる事が出来ますように。
 アイルー達の鳴き声を聞きながら俺は眠りの世界へ落ちていった。
483金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:09:30 ID:RHQSP+mC
 さて、あの依頼から二週間。
 顔馴染みのハンター仲間が、冷やかし次いでに見舞いに来る事もほとんど無くなったある日の夜のことである。
 俺が唸りながら我が家の台所事情を考えていた時の事である。
「そろそろ五桁を切るのか……本気でどうしよう」
 いっその事、アイルーをリストラさせようか。いや、あいつらにも仕事をさせたらどうだろうか。
 そんな事を本気で思っていた時、ドアを叩く音が聞こえた。
「? こんな時間に一体誰なんだ?」
 知り合い達ならドアを叩くなんて事はせず、いきなり「今夜も飲むぞ!!」とか言って乱入してくるからだ。
 不思議に思いながらも、俺は突然の訪問客を確かめるためにドアを開けた。
「はい、どちら様で………」
 ドアを開けた俺はそのまま止まってしまった。


 その夜は光り輝く満月の夜だった。
 俺の目の前には月の光に照らされた、一人の女性が立っていたのである。
 美しさと可愛らしさが同時に存在する整った顔立ちと、思わず抱きしめたくなるような体。
 そして何より俺が目を奪われたのは、その月光に輝く彼女の髪であった。
 光輝いているが何時までも見ていたいと思える、どこか暖かさを秘めた優しい金色。
 それは正に金色の月の神秘的な輝きそのものであった。
 俺が彼女を見て固まってしまってからどのぐらいの時間が過ぎたのだろうか?
 ほんの数秒の事かもしれないが、俺にはかなりの時間が過ぎ去ったように感じた。


 俺とその神秘的な女性との間に静寂が停滞し続ける中、おずおずと彼女が口を開いた。
「………あの………こちらはラウル様のお宅でしょうか?」
 鈴のように澄んだ声が俺に問いかける。
「っ……ああ、そうだけど?」
 思わずぶっきらぼうに答えてしまう。別に機嫌が悪かったわけではない。
 気の利いた答えが返せないほど、俺は彼女に見とれていたのである。
「そうですか……逢えて良かった……」
 嬉しそうに微笑して小さな声で彼女が何かを呟いた。
 何か言ったのかと俺が聞き返そうとすると、彼女は目をつぶり深呼吸を幾度か行う。
 そして、よし、と呟いて拳を握ると目を開けて
「ごめんなさいっ!!」
 と、いきなり俺に謝ったのである。
484金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:12:21 ID:RHQSP+mC
 俺は困惑の真っ只中にいた。
 全く面識の無い神秘的な女性が夜に尋ねて来たかと思うと、いきなり謝りだしたのである。
 そんな時間の止まってしまった俺を他所に、彼女はひたすら謝り続けていた。
「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ!! 本当にごめんなさいっ!!! 
 わたしったら子供達の命の恩人と知らず貴方に攻撃を加えてしまいました!!
 それどころか貴方の大切な武器まで壊してしまって!! 
 っ、お身体は大丈夫ですか!? どこか痛い所がありませんか!?
 貴方がわたしを憎んでいるのでしたらどのようなばつ”っ!!………」
 どうやら謝っている最中に、思いっきり舌を噛んでしまったらしい。
 あれは確かに痛そうだな〜とか、どこか遠くに飛んでいった思考でそんなことを考えていた。
「う〜……いひゃいでふ」
 目に涙をためて彼女は訴えている。
 先程まで身にまとっていた神秘的な雰囲気が一気に消え去って、逆に親近感が沸いて来た。
 どうにか思考を手繰り寄せて取り戻した俺は、彼女が落ち着いてから疑問をぶつける事にした。

「あ〜、一つ聞きたいことがあるんだが、良いか?」
「はい? 何でしょうか?」
 ちょこん、と首をかしげる彼女に対して、俺は最大の問い掛けをした。
「君は一体誰なんだ? 俺達初対面だよな?」
「ええっ!? 違いますよ、わたしたちは以前にも逢ってるじゃないですか」
 逆に俺の疑問は深まってしまった。とりあえず記憶を探り直す。
 こんな目を引く女性と逢っているなら絶対に忘れるはずが無い。しかし、全く思い当たる記憶がない。
「………ごめん、思い当たらないんで次の疑問。子供達の命の恩人ってのは?」
「わたしの子供達を助け出してくれたのですから命の恩人です」
 うれしそうに胸を反らして答えてくれる。いや、全く答えになっていないのですが。
485金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:13:26 ID:RHQSP+mC
 と、その時、背中に軽い衝撃が走った。
「お兄ちゃんだ〜!! 逢いたかったよ〜!!」
 その衝撃の原因を見るために振り返ると、うれしそうな声を挙げる少女が背中に抱きついていたのである。
 天真爛漫、元気いっぱいという感じが体中から溢れている女の子である。
 何より淡い桜色の髪が華やかさを引き立たせていた。
「え〜っと………?」
 何か言おうと思っていたら、くいくいと腰の辺りの服の裾が引っ張られた。
 視線を下に向けると、背中の女の子と顔立ちが良く似た女の子がいた。
「……にーさま〜、逢いたかったです……」
 嬉しそうに目を細める彼女からは、物静かで優しげな雰囲気が感じられた。
 背中の女の子と違い、この子は新緑の若葉を連想させる緑色の髪であった。

「あらあら、お兄さんに逢えて嬉しそうね」
 目の前の彼女は、そんな様子を見ながら嬉しそうに言う。
「………本当に初対面じゃないんですか?」
「そうですよ、だって二週間前に逢っていますもの」
 俺の疑問に微笑みを浮かべながら彼女は答える。
「二週間前ですか………二週間前?」
 その時俺は何をしていた? あの依頼で古塔に行ったぐらいだ。
「でも俺はその時依頼で古塔に行っていたのですが」
「そうですよ、だからそこで逢ったじゃないですか」
「そこで?……だってあの時にあの場で遭遇したのはリオレイアぐらいしか」
「良かった。ちゃんと覚えてるじゃないですか」
 
 はい?

「わたし達が貴方と出逢ったのは、二週間前の古塔の頂上です」
 俺がその時遭遇したのは三頭のリオレイア達だった。
 そう、金色の希少種、桜色の亜種と翠色の普通種の子竜…………まさか………
 余りにも現実離れした事態に空いた口が塞がらない。
 何度目かも分からないが、またもや俺は硬直してしまった。
「………まさか………」
「はい、その通りです」
 金色の髪を掻き上げて、嬉しそうに彼女は言った。
「私達がその時のリオレイアです。思いだして頂いて光栄です」
 微笑む彼女を見ながら、今度という今度こそ、俺の時間は完全に止まってしまったのであった。
486金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:14:26 ID:RHQSP+mC
 ある程度ハンター稼業をやっていると、多少の理不尽な出来事に対しては納得出来るようになる。
 例えば、切り落とした飛竜の尻尾が自分達の手の届かない場所に吹っ飛んでいくとか、
 ガノトトスを水中にいる時に討伐してしまうとか、アカムトルムがマグマの中で息絶えるとか。
 俺も多少の理不尽さには動じない自信が最近付き始めた。否、付き始めたはずだった。
 そう、自分の目の前に、命のやり取りをした飛竜が人の姿で現れるまでは。


「………? もしも〜し。聞こえてますか?」
 彼女が俺の目の前で手をひらひらと振っている。
「あはは、お兄ちゃん変な顔〜」
 背中にしがみ付いた女の子は、俺の固まった表情を見て嬉しそうにしている。
「か〜さま、に〜さまが固まってますよ」
 服の裾を握っている女の子が、困ったように彼女に告げる。
 そして三人から注目されている俺は、彼女が楽しそうに教えてくれた真実を理解する事に全てを費やしていた。
 そして全てを費やして、自分なりの一つの答えを導き出した。
「な…………何だよそれぇぇぇぇっっっ!!!???」
 夜のポッケ村に、ある一人のハンターの壮絶な叫びが木霊したのであった。


 さすがに飛竜(?)とはいえ、訪ねてきた客人と長々と立ち話をするのは礼儀に欠けるという事で、
 俺は三人を家の中に入れて話を聞くことにした。
「とりあえずもう一度確認させてもらうけど………本当にあの時のリオレイアなのか?」
「はい、そうです。あの時のリオレイアがわたし達です」
 キッチンのテーブルに向かい合って座っている彼女、いや、本人の言葉を信じるならリオレイア希少種が肯定の返事をする。
「それとも信じていただけませんか?」
「……正直に言うと未だに半信半疑なんだ。というか今まで飛竜が人間になるなんて聞いたこともなかったからな」
 そう答えた俺に対して、彼女は苦笑気味に答える。
「確かに、余程の事が無い限りは人の姿になる事はありませんからね」
「余程の事とは?」
 俺の問いに対して、彼女は紅茶を一口飲んでから、俺の目を見据えて言葉を紡ぎだした。
「竜の姿を捨てる程強い思いです。一つは現世に残した未練のような負の感情。そしてもう一つは……」
 一度言葉を区切り、自分の子ども達を見てから俺に向き直って、信じがたい言葉を告げる。
「限りなく純粋な好意です」
 彼女の口から出た言葉は、余りにも予想外な答えであった。
487金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:15:25 ID:RHQSP+mC
 その後彼女は、あの古塔での戦いの後に何が起こったのかを話してくれた。
 俺が落下してしばらくしてから、彼女は落ち着きを取り戻したのだそうだ。
 あの時彼女は、生まれたばかりの亜種と普通種が俺の手で狩られると思ったらしく、必死で守ろうとしたらしい。
 それでこども達に聞いたところ、どうやら自分のある意味勘違いだった事が発覚した。
「こども達の命の恩人だった方に失礼を働き、その事を詫びないのは飛竜の道に反します」
 その事を謝るため人の姿になり、俺の所にやって来た。こども達の頭を撫でながら俺に話してくれた。
 ちなみにその助けられたこども達は俺が出したお菓子を美味しそうに食べていた。
 彼女によると、双子の姉妹で、桜色の髪の女の子が亜種で姉、翠色の髪の女の子が普通種で妹なのだそうだ。
「まぁ話は分かったよ。ところで、俺に謝った後どうするつもりだったんだ?」
「………さぁ?」
 何気なく聞いた問いに対して、返って来たのはこれまた予想もしない答えであった。
「もしかして………何も考えていなかったのか」
「恥ずかしながら………その通りです」
 彼女は少し照れたように俯きながら答えてくれた。どうやら本当に俺に謝りに来る事だけで行動したらしい。
 しかも先程彼女に聞いた話だと、人の姿になった飛竜がもう一度竜の姿になる事は、まず無理なのだそうだ。
「それで、この先人としてどうやって暮らしていくんだ?」
「正直言うと分かりません。でも、せめてこの子達は立派に育てて見せます」
 凛とした、決意を秘めた声で彼女は言った。
「そうか………なぁ、キミらはこれからどうしたい?」
 俺は今まで聞き役に徹していた、子供たちに話を振ってみた。
「う〜ん………お母さんと一緒だったらうれしいな。あと、お兄ちゃんも」
「そうですね………か〜さまとね〜さまと一緒が良いです。それと………に〜さまのそばにいたいです」
 二人とも彼女と、そして俺と一緒にいたいと、つぶらな瞳で俺を見ながら言った。
 その意見を聞き、俺は腕組みをして目を瞑った。


 彼女達三人は元々リオレイアだったが、俺と出会ってしまった事でその姿を人へと変える羽目になった。
 もし俺と出会わなければ、彼女達は飛竜として、自然の摂理の中で生きていく筈だったのだろう。
 という事はだ。俺には彼女達の本来あるべき姿では無いようにしてしまった責任があるわけだ。
 自分はどれだけ甘い性格なんだろうと思う。ハンターが飛竜に掛ける情けなんか存在しない。
 それでも俺はこの飛竜達に責任を感じてしまうのだ。全く持って正しいハンターの道を踏み外している。
 目を開けると、そこには不安と期待が入り混じったような三人の眼差しがあった。
 今から彼女達に言う事は、俺のこの先の生活に大きな変化を与えるものである事は重々承知している。
 

 俺は溜息をつくと、意を決して彼女達に告げた。
「一つ聞いておきたい事がある。これから住む場所はあるのか?」
「有りません。けれど、雨風さえ凌げれば……」
 予想通りの答えだった。天井を見上げて、心の中で正しいハンターの道に別れを告げてから、彼女達を見て
「なら……ここに住めばいい。どうせ家を改築したばかりで一人暮らしには広すぎるぐらいだ。
 それに顔見知りになった女性が野宿しているってのも後味が悪いしな。どうだ?」
 なるべくぶっきらぼうに言い切った。
488金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:16:30 ID:RHQSP+mC
「お兄ちゃんと一緒にいられるの!?」
「に〜さまといっしょ………ほんとうに?」
 こども達は嬉しそうに瞳を輝かせている。本当に俺と一緒にいられる事がうれしいみたいだ。
「本当に良いんですか? ご迷惑ではありませんか?」
「迷惑じゃないさ。それにさっきも言ったけど、顔見知りを野宿させるよりはこちらも良心が痛まなくて済むんでね」
 心配げに呟く彼女に苦笑しながら答える。
 それを聞いても少し迷っているようだったが、嬉しそうなこども達を見て心が決まったのだろう。
「それではラウル様、よろしくお願いします」
 と丁寧に俺に頭を下げたのであった。
「ああ、こちらこそ………」
 よろしくと言いかけたところで、ふと思い出した事がある。
「そういえば今まで聞いてなかったんだけど、なんていう名前なんだ」
 これから一緒に暮らしていく相手の名前を知らないというのはさすがに問題である。
 俺はそう思って聞いたのだが、

「「「リオレイアです(だよ)(なの)」」」

 と、人間と飛竜の間に存在する壁を認識させる答えが、三人から同時に返ってきた。
「いや、まぁ確かにそうなんだけどさ……」
「私達飛竜には、個体をいちいち識別して名づけるという概念がありませんからね」
 頭を悩ませる大人組であるが、
「それじゃあ私達の名前を、お兄ちゃんが付けるってのはどうかな?」
 桜色の髪の子が上目遣いで俺を見ながら提案した。
「そうですね。やはり人間であるラウル様が名付けた方が自然に聞こえますよね」
「に〜さま……お願いします……」
 そう言われると、ものすごい責任感という名の重圧が生じてしまう。しかも三人とも期待に満ちた目で見ているし。
 俺は女性に名前を付けるという未知の作業に、殆ど無い感性と脳みそをフル稼動させていた。
「………それじゃあ、お母さんがルナ、お姉ちゃんがオウカ、君がリア、でどうかな………?」
「ルナ……いい響きの名前ですね」
「オウカってなんだか強そうな名前だね」
「に〜さま、リアは嬉しいです」
 ありがたい事に三人とも気に入ってくれたみたいである。
「そうか、それじゃあ三人とも、これからよろしくな」
「「「はい!!!」」」
 このようにして我が家には、元リオレイアの三人が新しく住み付く事になったのである。
 そしてそれは、半分以上騙され高い金を支払って行われたリフォームが始めて役に立った瞬間でもあった。
489金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:19:46 ID:RHQSP+mC
「こうして我が家には三人の住人が住むことになりました………か」
 俺は風呂上りの火照った身体をベッドに横たえ、開いた寝室の窓から吹き込む風で冷やしていた。
 その後、オウカとリアがはしゃぎ過ぎて疲れたのか眠り始めたのでその場はお開きとなったのだ。
 ちなみにルナは風呂に入っている。決して覗こうなんて不埒な事を考えなかった理性に乾杯したい。
 というかこの先の生活に関して俺は考えていたから、そんなことは思いつきもしなかったのだ。
 正直な話、不安な事が多い。なんと言っても彼女達は人の姿をしているが飛竜である。
 飛竜と一緒に暮らした事がある人間なんて全く存在しないだろう。不安の種は尽きない。
 特に彼女達の正体が何時かばれてしまうのではないか。というのが最大の不安要素なのだ。
 余り認めたくは無いのだが、世の中にいるのは、俺みたいに正しい道を踏み外したハンターばかりではない。
 健全なハンターというのも多数いる。飛竜によって被害を被った人にとっては憎悪の対象にしかならないだろう。
 答えが導き出されない問い掛けに、悩めば悩むほど頭が痛くなってくる。
「………まぁ、なんとかなるだろ」
 結局の所、考えても解決策なんて出てこないのだからそういう事態が起きてからでなければどうしようもない。
 俺は強引に、出たところ勝負でいこう、という結論を出して目を瞑った。
 元飛竜が現れて同居人になった、という衝撃の体験のせいでやはり精神的に疲れていたのだろう。
 すぐに訪れた睡魔に、抵抗する間もなく夢の世界へ連れて行かれてしまったのだった。



 どのぐらい時間が経ったのだろうか。ふと、自分の名前が呼ばれたような気がした。
 夢か現か、それは鈴の鳴る様な澄んだ声だった。
「………ん。………ルさん」
 どうやら夢ではないようだ。俺はまだ半分以上睡魔に拉致されている状態で、声の元を探していた。
「ラウルさん」
 声の主は俺のいるベッドに腰掛けて、俺の頭を撫でながら名前を呼んでいた。
「………ルナ?」
「はい」
 俺が目を覚ましたのに気が付いたのか、嬉しそうな顔をする。
「………どうしたんだ?」
「ええ、お礼がまだ済んでいなかったので、そのお礼をしに参りました」
「お礼?……ああ、もう済んだから気にしなくていいよ……」
 寝ぼけ眼で彼女を見ながら呟く。
「違います。先程までのお礼はオウカとリアの母親としてのお礼です」
 何か彼女は難しそうな事を言っている、と俺の寝ぼけた思考は判断する。
「そして今からするお礼は………ルナという一人の女性としてするお礼です」
 そう言うと彼女は俺の唇に、自らの唇を合わせてきた。
 ああ、柔らかいな〜いい匂いがするな〜俺もしかしてキスをしている…………?って誰とだ…………!?
 そこでようやく睡魔から思考が完全に解放される。そして今何が起こっていたのかやっと把握出来た。
 俺は、今、ルナと、キスをしていた。
「ルナ!?」
 思わずベッドの上に跳ね起きた俺に対して、ルナは潤んだ瞳で俺を見つめて
「ラウルさん。この身を貴方に捧げに来ました」
 唇を重ね合わせたのだった。
490金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:21:09 ID:RHQSP+mC
 動けないでいる俺にされたキスは、先程の啄ばむ様なキスとは違っていた。
 ルナは俺の口なかに自らの舌を入れると、自らの舌を俺の舌と絡め、口腔内をなぞり始めた。
 どのくらい時間そうやっていたのだろうか。ルナがゆっくりと顔を俺から離した。
 俺とルナの口の間には亜互いの交じり合った唾液が糸を引いていた。
「ふふ……どうですか?」
「気持ちよかった……ってそうじゃなくて!?」
 そういって妖艶に微笑むルナの肩を掴む。危うく場の雰囲気に流されてしまう所だった。
「いきなりどうしたんだよ」
「ですからわたしからのお礼ですよ」
 あくまで彼女はお礼だと言う。
「それとも気に入りませんでしたか?」
「いや……そんな事はないけど……」
 俺は少しばつが悪そうに横を向いて呟いた。
 新たな同居人といきなり肉体関係をもつ後ろめたさと、美女を抱ける歓びという男の正直な気持ちが葛藤していたのだ。
 そんな俺の葛藤を知ってか知らずか、ルナは両手で俺の頬を挟んで自分の方を向けると、またキスをしてきた。
「んっ……ラウルさんは何も気にしなくていいんです。これがわたしの気持ちですから」
「だけど悪いよ………」
 俺はなんとかルナに抵抗を試みていた。
「それに……こちらはとても嬉しそうですよ」
 彼女に言われるまでも無いが、俺の股間は既に熱く滾っていた。なんて節操の無い悪食だろう。
「我慢は身体に毒ですよ? 今すぐ鎮めて差し上げます」
 
 そう言って彼女は俺の一物を取り出すと、その手で摩り出した。
 ひんやりとした手が強く、弱く、緩急をつけて俺の分身を摩る。
 その行為は俺の欲望を静めるどころか、返って増徴させてしまう。
「困りました……余計に熱くなりましたね」
「ルナ、もういいから……」
 懇願するような俺の声を聞いてその行為が中断された。この間に何とか言い訳を考えなければならない。
 そんな事を考えていた一瞬に、彼女は次の行動に出たのであった。
「っ!?」
 先程まで彼女の手によって摩り続けられた俺の物が、突然何か暖かいものに包まれたかと思うと、
 俺の背筋を痺れるような感覚が走り抜けたのだ。
「……これならどうですか?」
 俺の股間にルナが頭をうずめて、嬉しそうに舐めていた。
 舐めるだけではなく、口の中にそれを加えて愛おしそうに刺激し続ける。
 彼女は本気だとようやく悟った。そして最早、俺には彼女を諭す余裕なんて残っていなかった。
 俺に出来る事はその欲望を少しでもいいから我慢し続ける事だった。
 もし我慢する事を止めたら、直ぐにでも彼女の美しい顔に欲望をぶちまけてしまうだろう。
 俺はひたすら今まで狩ってきたランゴスタの数を数えて、気を紛らせようとしていた。
491金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:22:30 ID:RHQSP+mC
「ラウルさん気持ちいいですか?」
「っ……ああ」
 ランゴスタの数を数えながら我慢し続ける俺に彼女が問いかける。
「良かった。それではもっと気持ちよくなってくださいね」
 しゅるり、と衣擦れのような音がした。そして俺の物が暖かく柔らかいものに挟まれた。
 新しく襲ってきた刺激に、思わず欲望があふれ出しそうになる。
 なんとか我慢して暗がりに目を凝らすと、ルナがその胸で俺の物を挟み込んでいた。
 手とも口とも違った柔らかさが、一物を濡らした彼女の唾液を潤滑液として俺の物を摩りあげる。
 やばい、これ以上は本当に我慢できるかどうか分からない。
 そろそろカウント数も3桁に突入しそうになったその時、彼女が胸と口の両方で刺激した。
 そしてそれが引き金だった。
「ルナっ!! 出る!!」
 俺は彼女の口から一物を引き抜こうとした。しかし、彼女はそれを拒んだ。
 結果として俺の分身が吐き出した欲望は、全て彼女の口腔内に注ぎ込まれたのであった。
「おい大丈夫か!?」
 慌てて俺は彼女から白濁としたそれ吐き出させようとする。
 一応毒ではないため害は無いのだろうが、間違っても飲むものではない。
 
 しかしルナは恍惚とした表情で口の中の物の味を確かめていた。そしてコクリと飲んでしまった。
「ラウルさんの子種……とっても濃くて、美味しかったですよ」
 そう言って微笑む彼女はとても妖艶で、同時にとても清らかなものであるように俺には感じられた。
「わたしばかりが楽しむのは不公平ですよね?」
 彼女は身に纏っていた衣服を全て脱ぎ去った。そしてベッドに横たわる。
「それじゃあ次はラウルさんが食べてください」
 俺に向かって楽しそうに彼女は言う。その時、窓から月明かりが差し込んだ。
 その月光に、横たわるルナの裸身が照らし出された。宵闇の中に、白く整った裸身が良く映える。
 俺は熱病にうなされる患者が水を求めるかのように、仰向けの彼女に手を伸ばす。
 そして彼女に触れる、ぎりぎりの所で、最後の理性の破片を振り絞った。
「なぁ……これ以上いくと止められないんだけど」
 暗に最後までいっても良いのか、というメッセージを込めて尋ねた。
 彼女はまるで、聖母の様に微笑むと両腕で俺の頭を抱きかかえ、
「好きにして下さい」
 と耳もとで囁いたのだった。その言葉によって俺の理性は全て破壊された。
492金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:23:21 ID:RHQSP+mC
 俺も服を脱ぎ去ると、先程まで俺の一物を挟み込んでいた彼女の柔らかな胸に手を伸ばした。
 俺が胸を弄ぶ度に、俺の手の中でルナの胸は形を変える。俺は心行くまで彼女の胸を揉み続けた。
 彼女も昂ぶっているのだろう、聞いているだけで脳が蕩けてしまいそうな甘い声を出していた。
 その様子は俺の中の雄としての本能をますます刺激する。彼女をもっと昂ぶらせたいと。
 こねくり回すように乳房にしていた愛撫を止めて、感じているのかピンと立った乳首を握ってみた。
「ああっ!?」
 効果は絶大だった。今までよりもひときわ高く甘い声を彼女は出した。
 その声からすると軽く達してしまったのかもしれない。
 荒い息を付いている彼女の上半身から下半身に目を移す。既に下腹部は愛撫をしなくても十分な位湿っていた。
 試しに彼女の秘部に指を入れてみると、くちゅりという音と共にすんなりと受け入れられた。
 指をゆっくりと彼女の中に出し入れする。すると彼女が切なそうな声で鳴く。
「ラウルさん………もっと」
 俺はその言葉を聞くと、彼女の中から愛液を纏った指を引き抜いた。
 引き抜く際に彼女が悩ましげな声を挙げた。
「ルナ……最後までいくけどいいか……?」
 俺は自分の分身を彼女の中に入れる準備をしながら、彼女に聞いた。ルナは潤んだ瞳で俺を俺を見て
「わたしの中をラウルさんでいっぱいにしてくださいっ……!」
 と答えたのだった。その答えを聞いて、彼女の中に一気に突き入れる。
 
 俺が彼女に与えた快感と、彼女が俺に与える快感はどちらがより大きかったのだろうか。
 結合の瞬間、俺とルナ、両方の口から快楽に震える声が上がった。
 彼女の中はとても暖かく、俺を迎え入れた。結合した直後、俺は動く事が出来なかった。
 気を抜いたら一瞬で果ててしまいそうだったからだ。
 彼女の中の感覚に慣れてきた頃、俺はようやく動き始める事が出来た。
「ラウルさん……っ」
 俺とルナは正面を向き合って抱き合っていた。
 神秘的なまでの魅力を持つ女性が、俺が動くたびに俺の下で娼婦のように淫らな声で鳴く。
 その事がますます俺の快楽と本能を刺激させる。彼女をもっと悦ばせたい。
 その考えに支配されるかのように俺は腰を打ち付ける。
 ゆっくりと、そして次第に早く。俺とルナがぶつかり合う音と水音が宵闇の中に響いた。
「ルナ、そろそろいきそうだ!」
「来て下さいラウルさん!!」
 二人とも限界に達そうとしていた。俺はルナを抱きしめると最後の一突きと共に、彼女の中に大量に欲望をぶちまけた。
 彼女が恍惚に打ち震える声を聞きながら、荒い息をついて俺はベッドに倒れ伏した。
493金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:24:00 ID:RHQSP+mC
 情事の後の気だるさを残しつつ、俺はルナと同じベッドの上で横たわっていた。
 彼女は俺の名前を呼んでは嬉しそうにしている。
「ラウルさん、ラウルさん」
 そういって俺の胸に擦り寄ってくる。
「なぁ……さっきから何してるんだ?」
 先程から彼女がやっている行為に、なんとなく興味を持ったのだ。
「これですか? これはですね………マーキングです」
 ルナの説明によると、飛竜は自分が交尾した相手に対して、自分の匂いを付ける習性があるらしい。
 そうする事で自分のつがいを他の飛竜に取られない様にするのだそうだ。
「だから、ラウルさんはわたしのつがいですし、わたしはラウルさんのつがいなんです」
 嬉しそうに彼女は言った。俺は多少呆れつつ、俺を取る相手なんかいないと苦笑する。しかし彼女の反応は違った。
「何を言ってるんですか。ラウルさんには他の飛竜の匂いが付いていたから、私が新しく付け直しているんですよ?」
 
 意外にも、不機嫌そうな表情をする。その事に内心驚きつつ、彼女の言葉が気になった。
「なぁ、他の飛竜の匂いって何だ?」
「……オウカとリアがラウルさんに最初に出会った時、殆ど敵と認識していませんでしたよね」
 俺はその時の情景を思い出す。
 あの時は確か、リアは驚いたから噛み付いてきたが、オウカは全く警戒心を持っていなかった。
「ああ、そうだったな。でもそれって刷り込みだがらじゃないのか?」
「刷り込みとは?」
 今度は逆に、俺がルナに刷り込みの説明をする。説明後、彼女は何故か面白そうに小さく笑い出した。
「あはは………人間っておもしろい事を考えるんですね」
「違うのか?」
「ええ、確かにそういう事も無いわけではありません。
 オウカとリアがラウルさんを敵と認識しなかったのは、ラウルさんの匂いの為です」
「ああ、さっきもそんなこと言ってたな」
「子竜が最初に認識するのは匂いなんです。自分達と同じ匂いなのかどうかで親か敵を識別するんですよ」
「それじゃあ何で俺は敵と認識されなかったんだ? 飛竜の匂いなんかしないはずなのに」
 
 そう聞くと、彼女は少し答えにくそうにしていたが、
「あの時ラウルさんが使っていた武器ですけど、どれ位使ってましたか?」
「あの武器は……数年位は使い込んでいたと思うけど……」
 と尋ねてきた。俺はあの時ルナに壊された愛刀クイーンレイピアを思い出した。
 あの武器は俺が下位のプリンセスレイピアだったころから使い込んできた武器だった。
「それで匂いがしたんですよ。分かりません? あの武器は何を材料にしていたのですか?」
 あの武器はプリンセスレイピアの上位武器である。そして両方の武器に必要な素材は共通している。
「……リオレイアに関係するものばかりだ!!」
「その通りです。長い間わたし達の素材によって作られた武器を使い込んでいた事で、雌火竜の匂いが染み付いたんです。
 だからオウカもリアも、ラウルさんを兄だと勘違いしたんですよ」
 彼女の話を聞く限り、俺はあの時こども達にリオレウスだと勘違いされていた、ということになるらしい。
「………偶然って凄いな」
 俺は思わず呟いてしまった。
 もしあの時クイーンレイピア以外を装備していったら、オウカやリアに慕われることは無かったかもしれない。
 あのキャンセルした卵運びの依頼を請けなかったら、ルナとも出会わなかっただろう。
 何よりもこの大きな買い物をしなかったら、三人と一緒に生活をするなんて出来なかったに違いない。
494金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:24:39 ID:RHQSP+mC
「そうですね……でもたとえ偶然だとしても、わたしはわたし達が出会えた事は意味が有ると思いたいです」
 ルナが嬉しそうに言った。そしてまたもや俺に擦り寄ってくる。
「確かに………ところで何時までそれを続けるんだ?」
 彼女が言うマーキング行為に対して、俺は尋ねた。
「………わたしの匂いが付くまでです」
 やはり気まずそうにしていたが、意を決したようにルナは言った。
「もしかして武器に嫉妬したとか?」
 冗談半分に聞いたのだが、ルナから反論は返って来ない。本当なのかと聞くと、彼女は小さく頷いた。
 二人の間に静寂が訪れる。が、俺の笑い声によってそれは破られた。
「もぉ、笑わないでくださいよ! わたしは真剣なんですから!!」
 少し怒った顔で、恥ずかしさを誤魔化しながら言い寄ってくる。
 しかしこちらの笑いは止まらない。
 伝説とまで謳われる金色の飛竜が、単なる武器に嫉妬しているというのだ。
「いや、悪かったって」
「笑いながら言わないでください!」
「本当にすまなかったって思っているから」
「全然思ってそうじゃありません!!」
 顔を赤らめながら怒る彼女を見ていると、この先の生活の不安なんて小さなものに感じられてきた。
 きっと何とかなるさ。そんな事を呑気に考えていたが、
「分かりました……言う事を聞いてくれない悪い人にはお仕置きが必要ですよね?」
 ルナはそう言うと、俺の唇を自らの唇で封じてきた。また部屋には静寂が戻る。
「しっかりと謝ってもらいますよ?」
 彼女は嬉しそうに微笑んだ。どうやら夜はまだまだ続くらしい。
 明日の朝日は見れるのだろうか。というか、普段と違う色の朝日を見る覚悟をした方が良いかも。
 そんな事を考えながら、俺はルナにベッドに押し倒されたのであった。



 窓から入ってくる朝日を浴びて彼女は目を覚ました。覚醒しきっていない頭で考える。
 昨晩自分は何をしていたのだろうか。風呂から出た後、のどが渇いたのでキッチンに行った。
 そこには良い香りがする液体が入ったビンがあったので、そこからコップに移して一杯ほど飲んだ。
 そこから先は記憶が無い。そういえば、と彼女は気付く。心地よい感覚が体中に広がっている。
 今気付いたが、衣服を全く纏っていない。あらわになっている肌艶がいつもより良い。本当に何をしていたのだろう。
 ふと声がしたので何気なく隣を見てみた。そこにはこの家の主が何一つ身に付けていない姿で眠っていた。
 そこで自分が掛けていたシーツの中を見てみると、下腹部から白い液体が零れていた。
 ここまできて、ようやく頭が覚醒した。次々と組み合わせられるパーツから、自分が知らない真実が見えてきた。
 そしてそれを理解した瞬間、彼女は大きく息を吸い込み
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
 叫んだのであった。
495金色の飛竜:2007/08/16(木) 00:26:13 ID:RHQSP+mC
 心地よいまどろみは、突然隣から聞こえてきた悲鳴によって破られた。
 思わず飛び起き、何かあったのかと警戒する俺の目に飛び込んできたのは、ベッドの端で盛り上がっているシーツであった。
 そのシーツの中身は、昨夜濃厚な時間を過ごした彼女なんだろう。しかし一体何をやっているんだろうか?
「……ルナ?」
 とりあえず声をかけると、飛び跳ねんばかりにシーツが動いた。あからさまに動揺している仕草である。
 人がシーツを頭から被って見られないように隠れる状況は、恐怖に怯えている時が考えられる。
 しかし、今この部屋の中に彼女を怯えさせるようなものは存在していない。
 もう一つ考えられるのは、極端に何かに対して恥ずかしがっている、という事である。
 そこまで考えた時、ルナがおずおずと話しかけてきた。
「………あの……昨夜の事ですけど………」
 本当に消え入りそうな声である。そして俺は昨夜何があったのか記憶を探る。
「っ!?」
 濃厚な夜が一瞬で脳内に再現された。自分の事とはいえ思わず顔が赤くなってしまう。
 顔だけなら良いが、昨夜何度も使用した一物まで思わず反応してしまいそうになった。
「お、思い出さなくて結構です!っていうかお願いです忘れてください!!本当にご迷惑をお掛けしました!!!」
 そんな俺を見て、彼女が慌てふためき出したのであった。

 いつまでも全裸のままでいるわけにもいかないので、とりあえず脱ぎ散らかした衣服を身に纏う。
 彼女は余程恥ずかしかったのか、まだシーツに包まっている。中からは自己嫌悪に満ちた唸り声が聞こえる。
 しばらく彼女はそうしていたのだが、やがてぽつりぽつりと語り始めた。
「……昨日お風呂からあがったら喉が渇いたのでキッチンに行ったんです……」
 どうやら俺が少し眠っていた時の事らしい。
「そうしたらいい香りがする飲み物があったので、一杯ほど頂きました」
 そういえばアイルー達が料理に使う酒で、黄金芋酒がキッチンに置いてあったことを思い出す。
 俺も時々飲むが、かなり薄めて飲んでいる。酒に弱いわけではない。あの酒が強すぎるのだ。
 あれをそのまま薄めずに飲むと、ぶっ倒れるか、お花畑が見えてくるかのどちらかだと言われている。
「それで何だかものすごく良い気分になって……」
「その話をまとめると、昨日のアレは酒が起こした……って事なのか?」
「そうなんです、お酒のせいなんです!!」
 シーツから恥ずかしさで赤くなった顔だけ出して、涙を浮かべながら釈明する。そしてまた静かになる。

 何となく俺とルナの間に微妙な空気が流れ始めている。さすがに俺がフォローした方が良いのかもしれない。
「え〜っと、ルナ、聞いてくれるか?」
 気の利いた言葉なんか思い浮かばないが、伝える事に意味がある。
「昨日の夜の事なんだけどさ、ルナが悪いんじゃない。だからそんなに気に病む事は無いさ」
「……ラウルさん」
「いや、誰だって酒が入ったら何するか分からないしさ。あと……」
「あと?」
「俺は迷惑だなんて感じてないから。正直嬉しかったし、それに昨日のルナは凄く綺麗で可愛かった……って!?」
「っ!?」 
 言い切った瞬間ルナの顔が更に赤くなった。先程とはまた違った空気が二人の間に生まれる。
 何だか自分がものすごい墓穴を掘ってしまった様な気がした。俺まで顔が火照ってきた。
「まぁそういうわけだから朝飯食おうぜ! 俺、オウカとリアを起こしに行ってくるから!!」
 空気に耐え切れなくなって、こども達を起こしに行くという名目で俺はその場から緊急に全力離脱を試みた。
 部屋の中に一人残されたルナは、ラウルが慌しく出て行くのを呆然と見ていたが、
 しばらくしてから、ぱたんと後ろ向きにベッドに倒れこんだ。
「……ラウルさん……」
 恥ずかしそうにその名前を呟く。誰にも聞かれる事無く風に運ばれたその呟きは、どこか嬉しそうであった。
 そして赤く染まったルナの顔には幸せそうな微笑みが浮かんでいた。
496名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 00:34:06 ID:RHQSP+mC
書いていた分は全て投下しました。
長々とした文章ですが、お付き合い頂き感謝の極みです。

戦闘、濡れ場の書き方ともまだまだ勉強不足ですね。
書いてみて初めて職人さんの凄さを実感しました orz
もう少し続けるつもりなので、宜しければまたお付き合いください。
497名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 01:07:00 ID:EICUw3gi
旦那その作品をずっと待ってたぜ!
GJですわ
次も期待してます!
498名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 03:10:44 ID:70zMr0BF
上に同じ
499名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 06:22:15 ID:GxA4yjYQ
>>496
GJ!!ちょっとレイア3種類狩ってくる。
500名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 07:09:43 ID:kfnQsNvk
>496
テラGJ!!

お酒の勢いとはいえ,ルナかわいいよルナ

個人的にはオウカたんリアたんとの3Pk(ry
501名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 07:11:06 ID:8yS30fWT
GJ
エロスな人妻かと思いきや酔っ払いの暴走だったかw
続きも期待してる
502名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 08:14:50 ID:xh9mqsU1
GJ!
頼まれなくてもまたお付き合いさしてもらうぜw
503名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 12:11:46 ID:ymcB/mMp
過去ログがみたいぜ・・・
504名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 20:42:37 ID:+VbMpCP8
ダイミョウザザミが現れた
ダイミョウザザミが現れた
ダイミョウザザミが現れた
ダイミョウザザミが………
……う、うわぁああああ!!
ハンターは流れ着いていた
ハンターはウンコをしていた
ダイミョウザザミに気付かれた
ハンターは逃げ出した
下ろしたズボンが絡んで転んだ
ダイミョウザザミが水を吹いた
ハンターのケツが綺麗になった
ハンターは海まで飛ばされた
鼻に水が入った
ズボンがどこかに流された
奇跡的に泳いでいた米虫が鼻に詰まった
奇跡的に泳いでいた米虫が鼻に詰まった
ガノトトスの子供にくわえられた
ハンターはそのまま何処かに持って行かれた
505名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 21:21:53 ID:8fXzoX/o
突然だが、縦横の字数の限界を教えてくれないか?
携帯だとよく分からない…
506名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 22:38:27 ID:jPlVoTp0
ハチミツの人がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


早く続きが読みたくてうずうずしてしまうんだぜ
507名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 04:07:15 ID:Fgmd8Zql
>>503
過 去 ロ グ が 読 み た い か




読 み た い な ら




く  れ  て  や  る !!!!

ttp://hako2wa.dyndns.org/upload3/
「up0397.zip」

>>505
とりあえず40文字以内が読みやすいらしいが俺も詳しくは解らん
書き手スレに移動推奨
508名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 08:15:03 ID:XXUDfzK/
>>507
まぁ、なんだ、お約束なんだ



ARMS乙
509名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 13:56:14 ID:ZxoRKpML
しかし毎度毎度ハンターの鼻の穴にジャストミートしちゃう米虫も気の毒なw
510名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 14:08:25 ID:IlbVLh/Y
ザザミウォシュレットw
ガノスウォシュレットでなくて良かったな。あっちなら尻が無事では済まなさそうだ。
511アンラッキーハンター漂流記:2007/08/17(金) 18:49:04 ID:aQKCV3dU
痛ぇ…
いったい俺が何をしたっていうんだよ。
不幸だ。不幸過ぎる。

 虫を追い払えば酷い目に会うし
――米虫は鼻に詰まるし
 アイルーを追い払えば、崖から落ちるし、爆弾くらうし、荷物は盗まれるし
――米虫は鼻に詰まるし
 塔に昇ればありえない数のギアノスに追い立てられるし、キリンにもシバかれるし、塔から落ちるし、川に流されるし
――空中で米虫が鼻に詰まるし
 流れ着いた島でウンコしてたらダイミョウザザミがに囲まれるし、蟹泡ウォシュレット(最凶)をくらうし、海にハマるし、ズボンはどっか行くし、ちっさいガノトトスにくわえられるし
――水中で米虫が鼻に詰まるし

……一体俺は米虫に何をしたんだろうか。
 何故かいつも両方の鼻に詰まるヤツら

――そんな事よりも、アレだけ酷い目にあってよく無事だったな、俺。
 いや、それよりもまず…………此処は何処だろうか?

 確か、ちっこいガノトトスにくわえられて……

ヘ、ヘ、フェブスョイ!!!!

米虫が鼻から飛び出した
米虫が鼻から飛び出した

…コイツら
いや、もう何も言うまい


あ、気がついた?
キミ、何で水の中であの姿になってたの?
しかも溺れてたし……

 振り向くと、驚く程綺麗な碧色の髪と瞳を持った愛らしい少女が立っていた。


※ノリで書いた、続編未定、しかし私は謝らない、いや、申し訳ない。
512名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 20:45:34 ID:dQFuYzBD
謝ってるじゃねぇかwww

続きに期待
513名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 21:37:04 ID:HQDIg+M5
米虫wwww
続きを!早く続きを!




ここでチラ裏。
しばらくハンター引退してたけど、また始めからやる事にするわ。
514小ネタ:2007/08/18(土) 01:34:59 ID:qjZZ8ou7
目の前をうろつかれて嬉しくないモノは、実に多種多様といえましょう。
例えばランゴスタ。例えば手癖の悪い泥棒猫。例えばランポス。例えば、半裸の男。
 
ああ、わかっておりますとも。
本業は剣士である彼に、飛竜の捕獲依頼のサポートをガンナーでと、無理矢理頼んだ私が悪いのです。
けれども、本当にもう少しマシな装備は無かったものでしょうか。
 
同業の親友の知人という無理を言える間柄でもないのに、人の良いことで知られる彼は、私の要請に応えてくれました。
彼の格好といえば、まず得物としてガンナー入門用もいいところのクロスボウガンを背負っています。
そして赤みがかった茶色の短髪を無理矢理撫で付け、キノコを素材に作られた風変わりな帽子を後ろ頭に引っ付けていました。
あとは、ランポスの気持ちになれると噂の、鮮やかな青い袖に赤い爪飾りが付いた腕防具。
以上です。
 
はい。私とてハンターに成り立ての頃は、ろくな防具を揃えることもかなわず、ほとんど下着のような格好で森に分け入ったものでした。
しかしながら、全身をきちんと覆った装備に見慣れてきましたこの頃。思った以上に、野郎の半裸は目障りでした。
走り回るブルファンゴでなく、ヤツに向かって槍を繰り出してやりたくなるのを、私は堪えました。
「やはりその装備では危険だ。私が毒怪鳥の捕獲に失敗するまで、キャンプで待機していてはくれないか」
私は彼を気遣うふりをして、彼をベースキャンプへ追い返そうと試みました。
「当たらなければどうということはない。……って根性で、あんたをがっちりサポートしろって、あんたの親友にキツく言い含められててな」
並みの男性より少し大柄な彼は、投げ遣りにそう言うのでした。
ああ、なんてありがた迷惑ッ!
 
……いやいや、彼も親友も、私を心配してくれているのです。
何故親友が別の依頼を請けると同時に、こんな厄介めな依頼を請けてしまったのやら。
普通の討伐依頼なら、問題なく一人でこなせたでしょうに。
死に真似が得意な毒怪鳥の捕獲というこの仕事は、なかなかに骨が折れるものになりそうです。
 
 
エロも落ちもなく終。
 
 
 
MHPで捕獲依頼、ツレから麻酔弾のためにガンナーでの同行を頼まれた。俺剣士装備しかない。
レウスヘルムとイーオスーツハンドとジャージて、変な格好で出撃するハメになったトホホ感を今ここに。
515名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 22:01:05 ID:siK+SVt9
>>514
ああ、わかる。Pの頃、友達に麻痺ガンナーで緊急ボレアス手伝ってくれと言われたが大した装備がフルバルカンしかなく、仕方なく急遽作ったボーンS脚とビストロ胴のみ装備して行って肉焼いてた。
その友人は二死したが「おまえがまともな装備で来れば俺は死ななかった」と何故か怒られた。
516名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 22:38:09 ID:t0oKAjJX
ガンナー装備がないのは理解の範囲内だけどなんで肉焼いてんのw
517名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 23:41:06 ID:DqwDvFe1
ふと思ったんだが、まだ完結してない作品っていくつ位あるのだろうか?
518名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 23:46:33 ID:92sW688J
ネタを遺失して永遠の未完品になってるのが俺のだけでもひとつ

…フルフル?ケルピ?何の事だねHAHAHAHA!
519名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 02:17:43 ID:bkPKd1Fz
なんかクシャルと戦闘してたら脳内で
擬人化クシャル♂×俺のキャラ♀が再生されて困る

携帯厨な俺だがこの妄想を投下するべきだろうか?
520名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 06:26:48 ID:qDeBnKqv
>>519とあるツンデレハンターはこう言いました


「べ・・・別にアンタの作品なんか全然期待してないんだからね!!!米虫!!
でも・・・アンタが私に見て欲しいってなら、楽しみに待っててあげるわよ!米虫!!
だから絶対投下しなさいよね!!米虫!!」と
521名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 07:06:34 ID:8M16nr7O
>>520
やめて米虫鼻につめないで
522名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 07:33:32 ID:JhUaivmq
米虫なんかに!く、悔しい!
でも、ビクビク
523名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 08:22:17 ID:brHBB0Sj
米虫の人気に嫉妬
524名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 09:13:10 ID:F5FFim4W
米虫自重しろ
525名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 11:16:09 ID:g0I/d+Q8
米虫米虫言うから米虫氏の作品の続きが気になるじゃないかwww
526名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 12:08:23 ID:YU7ah6jJ
>>507のがみれないぜ
ファイルなくなったの?
527名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 16:10:48 ID:Mffzkrbi
>>526
今見たら三ページ目に移動してた
528名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 16:38:18 ID:YU7ah6jJ
hako2waのどこにアプロダがあるかわかんない
直リン禁止とでるし
529名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 20:38:43 ID:5qujmToT
>>517
アカムのやつ(石が光って人になったからどうこう)
キリンのやつ(昔助けた〜じゃない方)
黒龍のやつ(親同士が勝手に生まれてきた子の性別が違えば結婚させると約束してた奴 押しかけ黒龍だっけか)
ナナのやつ(グラビから逃がしてやったら恩返しに家に来たやつ)

ハッキリ思い出せるのはこれ位
530名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 21:16:31 ID:k3GakpDt
>>529
サンクス
色々と思い出せたよ。
531名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 22:45:58 ID:efIGb7F4
すまん、米虫の中の人はキリンのを書いてた奴だ。
エロで行き詰まる&一応書いてたデータが機種変でどっか行ってしまってブルーになってたんだ…
大変申し訳ない。

何かエロ表現とか描写で、いい参考になるものはないだろうか?
知っている人がいれば是非紹介して欲しい。
532名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 22:54:02 ID:o6d8U+6k
米虫愛してるよ米虫。
けど、そゆのは書き手スレできこうぜ?
いかにモンスターをエロく表現するかなら、このスレできくことだろうけどな!
533名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 23:24:20 ID:IR1qelOA
>>529
ランゴ&女ハンター&偽ヘルブラザーズのやつも完結してないな
俺はいつまでも待ってるぜ…
534名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 23:27:54 ID:Qxf5dihm
全裸VSレウスマダー?
535名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 23:33:00 ID:z+cHRdR9
なあ、もう一度保管庫作りなおさないか?
個人に任せるのは荷が重すぎるだろうし
wikiでも借りてさ
536名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 01:15:37 ID:PwdxPhty
現時点で保管庫に収録されてない作品も多いようだし賛成したいが、携帯厨な自分では保管の手伝いが出来るか怪しい。
賛成というのも無責任になる身分が残念だ。
537名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 01:24:42 ID:ltHhhCTz
>>535

言い出しっぺの法則
538名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 01:43:49 ID:P3RPgGBN
>>529

sage忘れカイザー氏の扱いに涙を禁じえない
539名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 02:09:18 ID:aQOqDWE4
皆、「幻獣チーズ」という食材を見たことがあるだろうか?
「幻獣」と「チーズ」これら単語を見て何か思い当たることは無いか?
・・そう、「幻獣」といえばキリン。「チーズ」といえば乳製品。つまり何が言いたいかというと・・・
   ,ィィr--  ..__、j
   ル! {       `ヽ,       ∧
  N { l `    ,、   i _|\/ ∨ ∨
  ゝヽ   _,,ィjjハ、   | \
  `ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ   >幻獣チーズはキリン娘のお乳を原料に作られていたんだよ! 
     {___,リ ヽ二´ノ  }ソ ∠ よってモンハンの次回作はエロゲになる。
    '、 `,-_-ュ  u /|   ∠
      ヽ`┴ ' //l\  |/\∧  /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ /  |`ー ..__   `´
    く__レ1;';';';>、  / __ |  ,=、 ___
   「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
   |  |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,|  , -,
    ! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | |   | | .l / 〃 ))

角煮で相手にされなかったから貼りに来ただけとです・・
540名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 03:47:38 ID:X9yD68Ai
な、何だ(ry

それはともかく、俺も(携帯からだが)保管庫のwiki移行に賛成。
今の保管庫の更新状況からしてこのままだと管理人さんもキツいだろうし。
541519:2007/08/20(月) 05:15:57 ID:6CTP/waq
結局擬人クシャル♂×女ハンター完成させた俺参上。
今から投下します。

注意事項↓

基本的に女ハンターの一人称視点で進行。

無駄に長い。10レス借ります。

全体的にコメディ調。

女ハンターの性格がなぜかちょくちょく変わる。

以上が苦手な人はスルー水晶いや推奨

苦情は受け付ける。
542黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:18:37 ID:6CTP/waq
ある日。雪山。

「グゥオオオォォォオ!」
咆哮と共に飛び去るクシャルダオラ。
そしてそれを見送る、兜の代わりにピアスをつけたフルガルルガの女ハンター。「あらら… 今日はもうお別れか…;」
そう思い、クシャルの飛び去る方角を向いて一言。
「翔ー! また今度ねー!」


私はラケシス。 趣味は武器集めの17歳。
そして(何故か)凄腕やら最終兵器やら言われてる女ハンター。
正直、最終兵器とか私は最終兵器○女かと。
そんなことを思いつつ、私は今、村への帰路についている。
「しかし… もうちょっとだけ翔君と居たかったなぁ…。」

翔(しょう)、というのは私がクシャルダオラを呼ぶ時に使う愛称である。
そう、愛称を使うほど私はクシャルダオラが大好きなのだ。
あのかっこよさ、あの飛翔の姿、閃光で落とされた時の慌てる仕草の可愛さ、あの(以下略)

「しかし、堅殻が出なかったのは残念だったなー;」
私が今日、上位クシャルに挑んだのは素材のためである。
愛銃であるデルフ=ダオラは持っているが、それの上位版であるグラン=ダオラを作ろうと思って行ったのである。
まあ、素材が足りないし堅殻以外にも「古龍の血」も集めなきゃいけないので完成には時間がかかりそうだけどね。
…宝玉は前友達に手伝い頼まれたときに偶然(二個も)手に入れちゃったけど、それは禁句。

そんなこんなで、気がつけば村に着いていた。
私はギルドから報酬を受け取り、先の戦いで受けた傷を癒すことになった。
543黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:20:35 ID:6CTP/waq
あれから一週間ほど経っただろうか、怪我をほぼ完治させた私は、集会所で依頼を見ていた。
「…あった。」
クエストレベル8、氷点下の支配者。

−間違いない、あいつだ。−

私は即準備を整えると、依頼を受けて再び雪山に向かっていった。


「しかし流石は上位、相変わらず何処へ出るかわからないランダムっぷりね。」
すぐ後ろに彼の気配を感じながら、私は愛刀の一つ、招雷剣・麒麟王の柄を握った。
そして一度間合いを離し、咆哮に怯まない距離に着いた直後に彼が「吠えた」。

戦いが始まった。
二度目の咆哮の直後の隙をついてすぐに一太刀を頭に叩き込む。
そして前に転がり、横に回り込む。
振り向く彼の頭にもう一度、回転斬りを叩き込む。
ブレス直後に一撃を叩き込む。
バックステップの後の威嚇中にry

そんな感じでしばらくはずっと私のターン!してただろうか。
突然、彼が飛翔した。
もちろん、たたき落とすために閃光玉を掴んで投げようとした。
しかし、それよりも速く、彼の尻尾が私の足元を薙ぎ払った。

私は前のめりになって倒れた。
ここが雪山で助かった。
もし密林だったら木や石に顔をぶつけていたであろう。
しかし、次の瞬間、私はここが雪山であることに不幸を感じた。

…起き上がりにブレス自重汁。
運よく乙までは逝かなかったものの、体中に雪がこびりついた。
このままではすぐにやられると判断した私は、隣のエリアまで全力疾走した。
そして、通路まであと少しというところまで来た。

−やった!逃げ切れる!−
そう思った次の瞬間、私はクシャルに掴まれていた。
544黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:22:14 ID:6CTP/waq
「…え?」
我が目を疑いたくなるような光景が広がった。
どうみてもクシャルに掴まれてます。本当にry
「なんて言ってる場合じゃないわよ! 降ろせ!いやいっそ落とせ〜っ!!!」

流石にクシャルダオラ大好きな私でも、戦闘中にこういうことされると好き嫌い関係なく誰だってパニクると私は思う。
私は必死の抵抗を試みる。しかし、しっかりと私を掴んでいる後ろ脚は少しも動じない。
「おい、暴れるな、つーか暴れないでむしろ暴れないでくださいお願いします」
一瞬そんな声が聞こえた気がした。

8番から飛び去り、7、3、2と連れ回された私は、いわゆる秘境?そんなエリアに連れて来られた。
そして、やっと下ろされた私はこの状況をどう切り抜けるか考えていた。
逃げるにはクシャルの後ろのツタを登るしかない。

閃光投げて後ろをとるか、それとも突進の隙をついて後ろを取るか…

どうしようか本気で頭をフル回転させていると、突然声をかけられた。
「おk、考え中のところ悪いが俺はお前を殺す気はないから安心しろ。」
やや低めで、力強いが美しい声。
ふと顔を上げると、そこには先程まで戦っていた鋼龍の姿はなく、
代わりにその翼と尾を持った青年が立っていた。
545黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:24:45 ID:6CTP/waq
「えーと…?」
うん、誰かは一応わかる。
だけど把握はミリ。

そんな感じで思考をまとめていると、また突然そいつが声をかけてきた。
「わからないのか?」
いやわかってはいますけど脳が追い付いてないみたいで。
「俺はさっきのクシャルダオラだよ。」
あー、やっぱりね…て、

「エエエエェェェェエ!?!!?」
その瞬間、静かな雪山に、ティガレックスよりでかい叫び声が響き渡った。

「あーうるせー…; お前の先祖はティガレックスじゃねえのか?」
いやなんかの冗談でしょ。
つかティガはさっき私が使ってるから。
第一に古龍が人間になるなんて物理の法則を無視というレベルじゃねーよ。
「まあ信じられないだろーな。 第一俺のような古龍が人間になるなんて話は聞いたことないだろ?」
だからなんで私の考えを口にするのかと。
「…まあいい。それより俺はお前に会いたかったんだぜ?」

はい?

私は思わず間抜けな顔をしてしまった。
「一週間前にお前と戦ってからというものの、ずっとお前の事を考えていたんだ。」
何言ってるんだこいつは。
「あの時お前は、俺に名前をくれた。」
いやわけわかめなんですけど。
つーか名前って何。いやその前に抱きつくな。
「そして、また会おうねと言ってくれた。 しかも、また来てくれた。」
確かに言ったけどあれは戦いたいだけであってけしてこういう意味ではないと。
…というより、こいつ、ガルルガメイルの棘が刺さってるけど痛くないのか?
546黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:26:18 ID:6CTP/waq
「…で、名前って何?」
何の事か思い当たらない私は、とりあえず聞いてみた。
「別れ際に言ったじゃないか。『翔、また今度』って。」
なるほど。 私の使う愛称を名前にしたわけか。
「正直、嬉しかった。 戦いの最中ですら楽しかったのに、さらに名前を貰い、また会おうと言ってくれた。」
いやそれはわかったから抱きつくのやめろよ。
つーか刺さってるのはスルーですかそうですか。
「だから、ラケシス。お前に俺の全てを捧げたい。」

…え?
それっていわゆるプロポーズですか?

「…馬鹿言ってんじゃないわよ!」
気がつけばアッパーカットをぶちかましていた。
手が痺れる。
流石は擬人クシャルダオラだ、硬すぎるぜ!
綺麗に放物線を描いて吹っ飛ぶあいつ… 翔を見ながら、ふと思った。
「…あれ?私、あんたに名前名乗ったっけ?」

「名乗ったじゃないか。 初対面の時に。」
復活速っ!
というよりあんたに名乗ったシーン今までに無いよ!

その時、私の目の前をカンペらしき物を持った二匹のランゴスタが通過した。
『出来るだけ前置きを抑えコメディ部分を増やしたかったために
本来最初に入れる予定の戦闘描写をカットしました。
正直すまんかったOTL  by中の人』

…つまり何?
こういうギャグを入れるために戦闘シーンをカットしたと。
おk、だれかはきゅんと火竜弩とラオ砲・皇持ってこい。
547黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:27:39 ID:6CTP/waq
そんな私の心境を気付いてか気付かないでか、あいつはまたもや抱きつく。
「お前を俺の物にしたい。いや、俺をお前の物にさせたい。」
何言ってるんだこのアホ古龍。 日本語でおk。
というよりかまたガルルガメイルの棘が刺さってるんですが。
血が滲んで痛々しいんですが。
「ラケシス、大好きだ。」
そういうとこいつは私の顔をまっすぐ見つめて、唇を重ねて…

はい?
もしかしないでも、キスしてる?
ちょっとたんま。 私のファーストをよくも奪ったな。
もし今の私の武器が麒麟王じゃなくてチェーンソー(正式採用機械鋸)だったら奪った瞬間にバラバラにしてるぞ。
しかも続けてキス連発ですかそうですか。
でも、味は悪くないかも… て、何考えてるの私!

そんな事を考えていると、翔はいきなり私を押し倒した。
ちょっとまって。 こいつ絶対発情してる。
しかも私のガルルガフォールドの棘が刺さってる。 内股は絶対痛い。
それに気付かないでか、こいつは私のガルルガメイルの紐を解き始めた。

こいつ、絶対ヤる気だ。
恐らくこいつの股間のダオラ砲は装填済だろう。
「ラケシス…」
こいつの熱っぽい声と視線からして抑制はもう無理だろう。
もういい、私も諦めがついた。

このアホ古龍に、つきあってやるか。
548黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:29:07 ID:6CTP/waq
こいつがメイルを脱がしている間に、私はグリーヴやアームを外し、下着だけの姿になった。
一方こいつは、ご丁寧にも上半身裸になって、元の姿に似合わない華奢な細い体をさらしていた。
…全く、準備のいい変態古龍だこと。
そう考えていると、こいつはまず胸に手を伸ばして揉み始めた。

…くそぅなかなか上手いじゃないか。
こいつは大きいとも小さいとも言えない私の乳房をしっかりと揉みほぐしながら、指を使って先端の突起を刺激してくる。
「ラケシスの胸、柔らかいな…。」
「…ありがと。」
とりあえず言葉は返す。
「…吸いたいなら、吸ってもいいよ?」

あれ? 私、今何て言った?
ちょっとまって、今の無し。
今、私、全く言う気の無い言葉を無意識に言ってた。
「そうか… いただきます。」
うわ、やめろっ、やめてくれっ
「召し上がれ。w」
ちょwwwwww何言ってんの自分wwwww

そう思う間もなく、この変態古龍は私の胸に口をつけた。
「く… んあぁ…」
先端を吸われ、甘噛みされ、舌で舐められ。
その行為のひとつひとつに私は快楽を感じ、情けない声を漏らしていた。
やばい、これ以上は狂いそう。 むしろ絶対狂う。
しかし、そんな考えをよそに、無意識の内にこいつの頭を抱きかかえて…
「クシャル… いや、翔…。 私を好きなようにしていいよ…?」

理性が本能に負けているな。 うん。
それを悟った瞬間、私はもう何も考えないようにしようと心に決めた。
549黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:30:49 ID:6CTP/waq
恐らくあの一言でお互い理性が吹っ飛んだんだろう。
私も翔も、残りの衣服を全て脱ぎ去った。
その辺に残りの衣服を放り投げ、シックスナインの体型をとる。
そして、目の前にある、翔のそれを口にくわえ込み、舐め始めた。
一方の翔は、私の股間に顔をうずめ、秘部を舐め始めている。

胸の時とは比べ物にならないほど、強い快楽を私は感じた。
その刺激に負けじと、私はこいつの物を吸ったり、先端を舐めるなど、刺激を与え続けた。

そうして、お互いの行為が一層激しさを増した頃に絶頂が来た。
「うっ…!ラケシス…!!」
「ん…っ!んん〜っ!!!」
翔のそれから吐き出された物を口いっぱいに味わいながら、私は初めての絶頂を感じていた。

口の中に注ぎ込まれた、翔の濃い精を十分味わい飲み込むと、翔はそれを待ってたかのように体位を変え始めた。
準備完了。正面から向き合う体位だ。
そして、今まさに翔のそれが私の中に入ろうとするる直前、私はあることを思い出した。
「し…翔? その…初めてだから、優しくして…ね?」そう、私はまだ処女なのだ。
翔はそんな私を見て、ちょっと笑って答える。
「大丈夫、実は俺も初めてだからさ。」
じゃあ私が飲んだのは初物なのか、と聞くと、翔はああ、と応えた。

少しの沈黙。
そして直後の笑い声。
「ふいんき(なぜか変換ry)も何もないねwww」
「まあ、いいじゃないかw 変に緊張するよりは良いと思うぜwww」

少し笑った後、お互い体位を立て直し、そして聞いた。
「よし、入れるぜ?」
「いいよ、翔。」
その言葉を合図に、翔は一気に私の処女を貫いた
550黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:31:44 ID:6CTP/waq
翔が私の中に入った瞬間、私は激痛を堪えなければならなかった。
そのため、しばらくは目を強く閉じて、翔をしっかりと抱きしめていた。
そして、やっと痛みを感じなくなった頃に目を開き、自分と翔の繋がっている部分を見た。

処女を失った証として、血が僅かに出ているのが見える。
そして、翔のが自分の中の奥まで入っている。
これは感覚でもわかった。
そして、翔の顔を見て、私はこう言った。
「…入ったね。」
そんな翔は私を見つめ返して、一言、聞いた。
「そうだな…。 もう動いて大丈夫か?」
「いいよ…。 私を翔でいっぱいにして…?」
直後のキスを合図に、私と翔は再び動き出した。

最初は本当にゆっくりと腰を動かしていたが、私は段々と速く激しく、翔との行為を求めた。
翔も、それに応えるように私の中に入って来る。
そして、再び絶頂の時を迎えた。

私と翔は、お互いの名を呼び合いながら最後の仕上げへと入っていた。
「翔…! 翔…!!」
「ラケシス…!!出そう…!!!」
「いいよ…! 出して、翔…!」
お互いに強く抱き合い、そして、奥まで入った翔のそれから吐き出された精を、私は全て受け入れた。
そして、おもいっきり疲弊した私は、そのまま眠りに落ちてしまった。
551黒狼の鎧と風翔龍:2007/08/20(月) 05:43:38 ID:6CTP/waq
目を覚ますと、そこはベースキャンプだった。

−今のは夢だったのかな?−
辺りを見回しても翔の姿はない。
しかし、恰好はインナーの状態で、いつもの(頭以外の)ガルルガ一式は丁寧にも一カ所にまとめられていた。
もちろん、愛用武器の一つ、麒麟王もだ。

とりあえず鎧をきて、お腹が空いたので肉でも焼こうかと外に出ると、そこには・・・



「ん?起きたか。 おはよう、ラケシス。」
その声、その翼と尻尾、その顔。

夢じゃない。

翔がいた。

「翔…!!!」
私は思わず翔に抱き着いていた。
「どうしたんだ、いきなり…、てっ棘が!ガルルガシリーズの棘が刺さってるって!!!」
しばらく、私は翔をしっかりと抱きしめていた。


あれから数ヶ月。
今では私と翔は有名を通り越したハンターコンビとして活躍している。

「上位ティガレックスか、流石にきついなw」
「二匹じゃないだけいいじゃない。 二匹だと死亡フラグよ。」
「俺は、二匹でもいいから雪山が良かったな〜。」
「じゃあ今度さ、雪山素材採集ツアーに一緒に行こうね。」
「ああ。そうだな。」
「その前に、仕事ね。」
「おk、じゃあお互い無事を祈って…」
「「GOOD RACK!!」」

−完−
552黒狼の鎧と風翔龍 あとがき:2007/08/20(月) 05:59:21 ID:6CTP/waq
以上になります。
一話完結の予定だったので続編を書く予定はありません。

クシャルダオラと戦ってるときに思い付いたネタですが、いざ文にすると難しさ☆8…OTL
ちなみになぜガルルガ一式にしたかというと自分のキャラがそうだから。
棘が刺さるネタは即興で思い付きました。

後は何故擬人化したのかは設定はあったのですが文才なくカット、
最初に入れる予定だった戦闘一回目もカット。
カットだらけでごめんなさいOTL

以上駄文にお付き合い下さりありがとうございました。


ちなみに、翔の名前の由来は風「翔」龍…
ネーミングセンスの無さに絶望OTL
553名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 08:48:04 ID:yqb2LQ+D
good rack?
554名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 08:58:33 ID:jDtiX2db
GOOD RACK=良い棚
555黒狼の人:2007/08/20(月) 09:30:12 ID:Bjz4gtT6
失敗したOTL
日本語の前に英語勉強しろよ俺…orz

ちょっとガルルガに啄まれてくる
556名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 09:55:26 ID:RBIje53/
吹いたwwwGJ!!!翔君の装備が気になるなw


>>537
別に借りるはいいんだが過去ログないんだな、これが
557名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 10:23:13 ID:f27U6w3i
LUCKだね。運は。

LをKにするとKUCK。


…イャンクック?
558名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 11:34:56 ID:Moc+5aE+
Good kuck = うほっ、いいクック


それはさておきクシャ男氏GJGJ
559名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 11:39:53 ID:T3w20nqS
「待って!私…わたし……!」
無言で去ろうとする男の前に、一人の女が立ち塞がった。
恋人、ではない。だが、最も永い時間を共にした二人。その関係が、今終焉を迎えようとしていた。
「お前はもう一人前だ。俺がいなくても大丈夫だろう」
よく通る、美しい低音の声。
其に混じるは突き放す冷酷さ、理解を得られぬ苛立ち、…そして一抹の、哀しみと慈愛。
「でも…、でも!」
青の女は、僅かに含まれたそれらに気付かない。捨てられる、という悲嘆だけが彼女を包んでいた。
「親父さんを殺した俺を倒すんだろう?俺に従うばかりでは、いつまで経っても俺を超えられんぞ」
いっそ酷薄な笑みを浮かべ、黒き男はそれを口にした。彼と彼女が共に在った、その理由を。
「違う…」
だが女は弱々しく首を振る。
「わたしは、貴方の事が……!」
それは、禁断の果実。口にしては全てが崩壊する魔性の言ノ葉。彼女はその罪を犯そうとし――
…故に、彼はその唇を奪った。
「っ…!」
一瞬、しかし確実に触れ合った二人の唇。二人の心。
彼女は彼の深い哀しみを知り、彼は彼女の想いの強さを知った。
故に結果は変わらずとも、しかし、彼女は彼を笑って送り出すことに決めた。
「いつか…帰って来てね。私の元に」
黙して答えず、

「Good Kuck」

彼はそう言い残して飛び去って行った。

「ガルルガーーーッ!!」
蒼のイャンクックの声を背に、シュレイドへ。彼女が父を失うことになった元凶――黒龍を討ちに。

「帰ってくるさ…例え、この身の最後の一片まで灰と消されても。この南洋の風に乗って」

黒き狼が、吠えた。
560名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 11:40:32 ID:T3w20nqS
何か受信したw続かない。
561名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 11:54:27 ID:T3w20nqS
…って大事な事書き忘れてるorz
クシャ男さんGJ!

ついでに小ネタはギャグのつもりで書いたことを明記しておきます。

あとレス見るまでは
『煌剣レウスでゲリョス行ったら「ずっと俺のターン」「おしりはらめぇ」な感じになった!』
て書きに来た事を思い出した。

…昼間から何してんだ俺。
562名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 15:50:25 ID:wA2fOlZM
全裸マンvsレウスこと飛竜の主人、偽ヘルブラザーズこと妖蟲の虜の著者です。
お盆休み中に両方続きを上げるつもりだったんだけど……色々あって停滞中。
待ってると言ってくれる人(が居たことに驚きと喜びを感じてイマス……)には申し訳ない、
今しばらくお待ち下さい。多分、次は全裸マンの方が先に上がると思います。
しかし暑い。PCが熱暴走しそうな暑さ……というかマシンより先に自分がエラー起こしそう……orz
誰かリアルでクーラードリンク売ってくれんかなー……。
563名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 18:28:20 ID:yzEreepq
・クーラードリンクの作り方
まず、室温でも溶けない氷をすりおろします。
常温で溶けないということは、つまり世にも珍しい生温いかき氷です。
そしておもむろに苦い虫を投入します。
できあがり。

…飲みたくねぇー(ノ∀`)
564名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 19:35:36 ID:5dOZE3J1
>>562
のんびりかつ楽しみに待ってます。がんばれー

>>563
ホットドリンクも味を想像するとちょっと飲みたくないよな
辛いものと苦いものの調合…

元気ドリンコはそこそこおいしそうだと調合する時いつも思うけど
565名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 19:37:02 ID:9N2gdoiR
>>563-564
良薬口に苦し
566名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 20:44:28 ID:jDtiX2db
>>562
同じ人だったのかw
方向性が全然違うから気付かなかった
567名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 21:29:12 ID:VV3OBz9T
>>563
案外苦虫って炭酸系かも知れないぞ。ヌューダみたく。
568名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 22:18:52 ID:loCxC5uU
>>567
あのむせかたは尋常じゃない……
569名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 23:06:41 ID:LwF74+Gj
「苦虫を噛み潰したような顔」って言葉もあるしな
きっと噛んだ瞬間に何とも言えない苦味が口中に広がるんだぜ…
570名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 02:13:04 ID:j65FUjXc
どこソースかは忘れたが…
にが虫は糖分が詰まってるらしい。んで確か食われないように苦くなってるらしい。
だからきっと調合する時苦みを抜く高度な処理してるんじゃないか?
ただの灰汁抜きかも知れんが。
571名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 04:47:41 ID:OJqwQCuA
とりあえずにが虫を女ハンターに食わせまくってる俺はサドなんだな
572名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 09:58:13 ID:AgBO8fUh
ハンタ「ケホッケホッ…苦いよぅ…」

こうですか?わk(ry
573名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 10:20:07 ID:q/oPgMo6
なんていやらしい
574名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 12:39:46 ID:G/0m6F8I
なんていらまちお
575名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 13:20:25 ID:D3kDw3jO
人はそれをファインプレイと呼ぶ
576名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 18:13:07 ID:ATxyfWPx
昼間TV見てたら、こんなモン出来ちまった。反省はしてない。
ま、SS職人が光臨されるまでもうしばらくの辛抱だ。


ミナガルデで鳴らした俺たち特攻部隊は、濡れ衣を着せられギルド当局に逮捕された。
が、なんとか監獄を抜け出し、地下に一度は潜った。
しかし、地下でいつまでもくすぶっているような俺たちじゃあない。
筋さえ通りゃ、金次第で何でもやってのける命知らず。
不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、

俺たち特攻野郎○チーム!


「俺はリーダーのジョン・スミス大佐。通称"ハンニバル"
 奇襲戦法と罠の達人。
 俺のような天才策略家でなけりゃ、百戦錬磨のツワモノどものリーダーは務まらん」

「オレはテンプルトン・ペック。通称"フェイスマン"
 自慢のルックスにオンナはみんなイ☆チ☆コ☆ロさ。
 ハッタリかまして、米虫からギルドコインまで何でも揃えてみせるぜ!」

「YO!お待ちどぉ!
 おれ様こそマードック。通称"クレイジーモンキー"
 麻痺ガンナーとしての腕は天下一品。
 奇人? 変人? だからナニ?」

「B・A・バラカス。通称"コング"
 武器作成の天才だ。
 大長老でもブン殴ってみせらぁ! …でも、カチ上げだけはカンベンな?」


俺達は、道理の通らぬ世の中にあえて挑戦する、頼りになる神出鬼没の、

特攻野郎○チーム!

助けを借りたい時は、いつでも言ってくれ!
577名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 20:33:36 ID:2aMRn2A9
>>576
Aチーム乙。
何気面白いよな。
578名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 21:56:50 ID:AV5j9j5B
じゃ早速♂ハンターににが虫食わせたらガッツポーズとられて
がっかりしてるおれのために厳選キノコ狩りで珍道中を頼むわ>>576
579名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:23:14 ID:APlKiD5T
>>384の続き書けたので投下します
ほぼ女視点です
580名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:24:17 ID:APlKiD5T


「はぁ…はぁ…」
激しい息切れをしながらやっと集会所についたが、流石に人を担いだまま走る疲れたわ…
私は彼の肩を支えるようにして集会所の扉を開けた……

ガチャ

扉を開け中に入った途端、騒がしかった集会所の喧騒は一瞬で静かになってしまった……
皆私を見てる……中には目を丸くして口に入れたスープとかをボタボタ溢してる輩もいる始末……
そうよね……だって、今まで彼氏なんか作ったことのない事で有名な私が突然男を連れて来たんだから……しかも裸の……
で、でもしかたないじゃない!だって、あのままほっといたらこの人死んじゃうし、防寒服も体を隠すような布もないから急いだのよ!
あ、でも…ちん………男性特有のアレは見てないわよ!
彼をおぶってる間背中に当たってた妙な感触は、絶対、絶対アレなんかじゃないんだからね!
と、なんか自分でもナニイッてるか判らなくなっている内に、一つの小さな物音が、静寂を打破り集会所は騒然となった。
581名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:25:54 ID:APlKiD5T

「エマァァァァァジェンシィィィィィ〜〜!」

「スクランブル!スクランブル〜!」

え?ちょ、ちょっと落ち着い…
「ミリーが全裸の男を連れてきた〜!しかも息を切らして!これはもう既にヤッチャッタかー!?」
「なら祝いじゃー!赤飯たけ〜い!」
「ち、違うわよ!私はただ人助けをしただけなの!勘違いしないで!」

私は声を張り上げ必死に反論するが誰も聞いてはくれず既に御祝いの準備をしている……
でも中には……
「こ、これは何かが起こる前兆では……ま、まさか伝説の黒龍が?お、終わりだ……この世の終わりだ〜!」
と、いうふうに取り乱す人もでる始末………それよりこの世の終わりって言い方はあんまりじゃない?
私に彼氏ができたら伝説になるの?結婚でもしたら伝承として語られるの?
「姉さん!」
声がした方を見るとお祭り状態で騒がしい集会所の人混みをかきわけて来た妹のマリーの姿があった
「ち、違うのよマリー!私はただ人助けしただけであって!皆が想像してるような淫らな事は何一つのしてないんだからね!」
582名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:27:20 ID:APlKiD5T
「ね、姉さん…ちょっと落ち着いて…まだ私何も言ってないよ」
妹に言われ我を取り戻す私
そうよ落ち着くのよ私……私は倒れてる人を助けたのであってムキになって否定するようなやましい事は何一つなかったじゃない。
そうよ!とりあえず流すようにすれば問題なんて何も起きないわ。
「あぁ、ごめんねマリー。とにかく私はこの人を部屋でやすませて……」
「寝ている彼の〇〇〇でパコパコしたあげく彼に責任取らせて無理矢理彼氏にすると言う悪どいグボハァ!」
気を取り直してる私の元に突如現れアフォな事を言い出す妹の彼氏であり、私の幼馴染みのケーン・バパストゥの腹に私の拳をいれる。
ケーンは腹を押さえながら崩れて何かい言いたそうにしている…
やりすぎたかしら?でも、これ以上こいつにかまっているわけにはいかないので本題に戻す。
「マリー、とにかく私はこの人ベットに休ませるから後でケーンの服をもってきて、この人に着せるやつがないからね。」
「う、うん。わかったよ姉さん。」
うずくまるケーンを心配そうに見ながら承諾してくれたマリー。
「じゃ、頼んだわ」
そして彼を背中におぶって興奮冷めやまぬ集会所を後にした
583名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:30:08 ID:APlKiD5T
「はぁ……」
家に着き彼をベットに休ませた私の第一声はため息だった。
集会所では散々な目にあったわ……
ケーンの馬鹿の事だから明日辺りかなりやらしい尋問をしてくるに違いないわ。
あいつは三度の飯より私をイジルのが大好きな最っ低男だからなんて言い訳すればいいのやら……
ま、考えてもしょうがないわね。私は正しい事をした!これだけは自身をもって言えることね。
ベットで休ませている彼の様子を見る。脈は正常、ホットドリンクのおかげで体温も大丈夫。
呼吸もしてるからとりあえず命に別状はなし!あとは彼の回復を待つのみね
しかし何故雪山に裸で?生死に関わる事だからハンターじゃなかろうと普通なら有り得ないわ
でも体を見てみるとめだった外傷はなし……
それに……ふぅ〜ん…意外といい体付きね
でも、そのわりには寝顔は……か、可愛いじゃない……
そんな彼の顔をまじまじと見ていると…
「う〜………」
小さくうめき声をあげながら彼が目を開ける………

そこには黄色で野生的な雰囲気をかもしだす瞳が私を見ていた
584名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:33:28 ID:APlKiD5T

目を醒ました俺の目の前に金髪の人間がいた。
しかも俺をまじまじと見ているそれ以前にここ何処だよ?少なくとも雪山じゃないな…
俺は捕まったのか?
だとしたら俺を見ているこの人間も恐らくハンターだろう…
だが完全とはいえないけど体は動かせるし今このハンターは武器をもってないみたいだ……
殺られる前に殺るしかねぇ!!
俺は力を振り絞りハンターの肩を掴み、押し倒す。
「ちょ、ちょっと何するのよ!?」
反応が遅れたハンターの上に乗り止めを刺そうと首に手をかけ力をこめようとした瞬間……

俺は自らの異変に気付いた……
ハンターの首にかけている手が人間と同じ形をしていた……
ど、どうなってるんだ?なんで……?
その隙にハンターは俺の下から脱け出し
「あ、あんた、命の恩人を押し倒すって……ま、まさか倒れたフリして助けられた所を襲うって魂胆だったわけ?」
と、いっていたが今はどうでも良かった…
周りを見回した俺はあるものが目に写り固まった……
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
人間が己を見るときに使う鏡というやつに写った俺の姿は人間そのものだった。
585名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:38:05 ID:APlKiD5T
今日は厄日なのだろうか……
雪山に行ったら裸で倒れてる男を発見して連れて帰ったら集会所の皆に誤解されてひやかされ……
その後家で休ませていた彼が目を覚ました途端襲いかかって来たが鏡に写った自分を見るなり絶叫して固まった……
と、思ったら次はいきなり
「なんで俺人間になってんだ!?」
と、私に聞いてくるけど、そんな事聞かれても困るのよ!
そしてしまいには
「俺は人間達からティガレックスって呼ばれてたんだよ!」
と、訳の判らない事を言い出す。
このままだと埒があかないので彼を落ち着かせ話を聞く事にした。

なだめること数分、意外と早く落ち着いた彼は現在にいたるまでの事を話した。



「えぇっと……つまりあんたは砂漠を寝城にするティガレックスで、空腹を満たすため雪山に行ったがポポが全然見当たらず偶然発見した肉を食ったら気を失い…気付いたら人間になっていた……OK?」
私の問いにたいして自らをティガレックスと名乗る男は首を大きく縦に振った。

有り得ないわ…モンスターが人間になるなんて、それなんて「週刊ハンターライフ」の人気コーナー「モンスターハンターでエロパロ」の世界な訳?
え?女の癖して愛読してんのって?
べ、別に読んでる訳じゃないわよ!ただ、ハニー・ザ・ホルンの続きは凄く気になるけど……
って、話がそれてるじゃない!

586名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:41:39 ID:APlKiD5T

「いくらなんでもモンスターが人間になるなんて聞いたことないわよ。変な物食べて頭おかしくなったんじゃないの?」
失礼かもしれないが今の私にはこの男が頭のネジが飛んだ人にしかみえない…立派な人の形をしていて自分はモンスターと言い張る奴はまずいないわ。

「だから本当に俺は轟竜だったんだよ!紫色で緑の湯気を出した肉を食うまでは!」

紫色で緑の湯気を出した肉

その言葉を聞いて私は氷ついた……それって私が錬金失敗で作り出し捨てた肉じゃない……
ど…どうしよう…

「ん?どうしたんだ?急に黙りこんで……まさか、俺が食った肉について何かしってんのか!?頼む!多分あれのせいで俺は人間になっちまったんだ!」

黙りこくった私を見て感付いたのか男は突然私の肩を掴み激しく私を揺さぶり肉のことについて問い詰める。
しかしこんな状況じゃ話すに話せなうえ
「ちょ、ちょっとあぶ、危ないから離し…きゃあ!!」
案の定私はバランスを崩し後ろに倒れ
「うぉっ!」
彼も又バランスを崩し私に引きこまれるように倒れた。
587名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:47:12 ID:APlKiD5T
「いたた……もう…あんたのせいで…」

ガチャ

「姉さん。頼まれてた服を……あ……」
声がしたほうを見ると服を入れた籠をもっているマリーと異常なまでにニヤニヤするケーンの姿があった
「おやおや〜どうやら邪魔したようだね〜♪」
わざとらしく言うケーンの言葉で私は今の状況を理解した
それは裸の男がインナー姿の私の胸に顔を埋めてるというはたからみたらお楽しみの真っ最中な光景
「姉さん、服はここに置いとくから……その、ごめんなさい!」
顔を真っ赤にしながら家を飛び出すマリー
「マ、マリー!誤解よ!これはごか…」
「明日のクエストに支障をきたさないようお願いしますね。それではお熱い夜をお楽しみに♪」
私の言い分を遮りニヤニヤしながらケーンは家を出ていった。暫くの沈黙の後
「まぁ……その……よくわかんねぇがわりい……」

私の胸に埋もれていた顔を出した彼は申し訳なさそうに言った
あぁ、これから私はこの村の伝説となるのね……

「あともうひとつわりぃけどよ…腹減ったからなんか食い物食わせてくれ」
さっきとはうってかわって無邪気な子供みたいな彼の態度に私の頬を一筋の涙がこぼれた
やっぱり今日は厄日だ……


588名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:53:16 ID:APlKiD5T
今回はここまでです。
完結までかなり長くなりそうで最後まで書けるか自分でも心配です……






あとハニーさん、貴方様の名前を勝手にネタに使って本当にすいませんでした。
589名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:54:13 ID:6JOK/X39
長文投稿する時はテキストファイルにしてうpするって知ってたかい?
590名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 22:59:38 ID:sfhzL4Vj
しかしいずれも3〜5分という微妙な間の空き方だな…………
まさか手書きの文章をPCで打ちこんでるのか?
591sage:2007/08/21(火) 23:03:28 ID:wvljRHA4
この投下はそんなに長かったか(?_?)
我は普通だとおもうが…
592名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:07:19 ID:GMCTuNSn
ここはずいぶんと上から視点の読者が多いスレですね

何度目だよ
593sage:2007/08/21(火) 23:13:41 ID:wvljRHA4
》591です

言い方が悪かったでしょうか?不快感を与えたのなら謝ります。すいませんでした。

そして次回に期待しています。GJ
594名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:14:59 ID:p+d8ndbe
吹いた
ありとあらゆるものにツンデレなのか

長くはないな
メモ帳があるから、それに書いてコピー&ペーストして投稿するといいぜ

>>591
ブロント名前欄名前欄!!
595名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:15:49 ID:6JOK/X39
上から目線のつもりはなかった、そうとられるような書き込みをしてしまって申し訳ない

>>588
テキストファイルにまとめてもらえると読みやすいから今度からはそうしてもらえると助かる
596名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:18:32 ID:GMCTuNSn
>>593>>595
>>595はアレだが謝ったしおk

問題は>>590
597名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:25:27 ID:6JOK/X39
>>596
今度はお前が上から目線になるのかよwwww
598名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:37:34 ID:GMCTuNSn
>>597
アッー!
しまった>>596は無かった事にしてくれwwwwww
599名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:51:22 ID:p+d8ndbe
いいスレだw
600名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 00:26:31 ID:P5bLTge6
えまーじぇんしーで苦虫汁吹いたwwwww

きっとあのアクマ祓い漫画を読んでいるのではなかろうかと疑った俺Dグレ厨
601名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 00:59:52 ID:/pDbuKYd
>>588
GJwwwwwwww
個人的にこのあとのティガ君の運命が気になるなwwwwwww
602名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 09:33:34 ID:MVPnV9V/
苦虫米虫グッドクック!
603名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 09:47:45 ID:p7rj+ssN
このスレ読んでて擬人化魂に火が着いた。

今から描いてくる。
604名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 10:41:56 ID:MVPnV9V/
>>603
俺はもう一年前に点火済みだがwktkして待ってるぜ!

どうでもいいがなぜロリガノスという単語が俺の脳内で繰り返し再生されるのかkwsk教えてほしい。
605名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 13:08:20 ID:JStEOoe5
それはロリガノスが書いてくれ、と言っているのさb
606名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 13:09:29 ID:p7rj+ssN
>>604

そのロリガノスとやらに挑戦してみる
607名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 14:42:58 ID:Gx887GwN
ロリときたらラオシャンロンだろ…条項

しかもじじぃ口調
608名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 16:09:27 ID:JStEOoe5
でた〜〜〜〜〜!!!

ロリババァ降臨だ( ̄∀ ̄)
609珍味のひと:2007/08/22(水) 17:34:46 ID:AlVddwhN
色々燃え尽きそうだが、完投だけはしたいもの。
続き投下する。
※諸注意
・モンハンぽさが行方不明
・パロディネタごった煮。かつ多め
・捏造設定有り。嘘吐きになってたらスマン
・未エロ。
・今回も長い
以上が許せる方はご覧あれ。
駄目ならスルー頼みます。
610eat the meat:2007/08/22(水) 17:35:53 ID:AlVddwhN
 
 二つに束ねた後ろ髪をそれぞれ三つ編みにし、その根元へと耳の下を通した前髪と横髪の束を合わせて、髪紐で固定する。
 メイロウドが岩竜と水竜の夢の話を交えつつ説明した髪型は、そんなものだった。
 仕上げてから、前髪等の束がすぐに乱れそうだとラノネケイは気付いた。乱れたそれを直せとまでは言われないだろうから、あまり気にしない。
 自分で出来るはずの事を敢えて人の手に委ねるなら、そのデキに期待し過ぎてはいけない。そういうことにしておこうと彼は思う。
「うん、いい具合」
 ラノネケイの思惑を知ってか知らずか、自分の髪をやんわりと撫で形を探っていたメイロウドは、嬉しげに笑った。
「耳周りの鬱陶しさがマシだし、抜け毛だの毛害だのと換毛期の猫みたいに叱られなくて済みそうだし、アホ毛がくすぐったいとか、イチャモン付きそうにもないや」
 ふん、と男は鼻を鳴らした。寝床から彼女の抜け毛が何度も出てきて辟易したと言ったことはあるが、こう返ってくるとは。
「人をこきつかった上に皮肉吐くかよ」
 ラノネケイの声色に含まれるのは、軽い呆れだけだった。
 それは彼がメイロウドの物の言い方に慣れてしまっているのと、彼女なりに怒られない程度を見極めた言葉選びの成果だ。
 早速お下げ一本を手で弄び、メイロウドはどう言葉を捻ろうか思案する。
「必要は発明の母って言うか、困ってる人ほど真剣に対処を考えるよね」
 言葉には頷けるが、ふとそれにそわない事柄がラノネケイの脳裏をよぎる。ハンターは自分じゃ武器開発しないよな、と。
 意見や発案がハンターからって事も有るには有るんだろう。彼はそう考え直した。
「言うなれば、君が僕と快適に寝るための創意工夫みたいなものなんだ。この髪型」
 編んだ髪の感触を上唇の端で楽しみつつメイロウドが言った事は、言葉通りの意味しかない。
「お気遣い有り難うございます」
 また棒読み口調で返した彼は、床に落ちた髪を掃き取るため猫の手型小ボウキ片手に、屈んでいた。
 抜け落ちた本数は僅かなのに、長さと色の濃さから妙に量があるように見えてしまう。それは照明の光量が少なく薄暗いせいかもしれない。
 彼女は椅子の上で身をねじり、男の背中を見ながら潜めた声で名を呼んだ。
「それでね、ラノネケイ」
 床板の隙間に入り込んだ見え難い毛髪をつつき出すのに躍起になるラノネケイは、顔を上げずに「おう」と応える。
 その小ボウキの出処に興味を覚えながら、メイロウドは更に小さな声で言った。
「いつもありがとう。大好きさ」
 チリ取りを掴みかけていた彼の手が、開いた形で固まる。
 照れだか恥じらいだかを含みながら言うのは卑怯だと、ラノネケイは思い切り口をひん曲げた。彼はまだ知らない。追い討ちがすぐ背後に迫っていたことを。
「持つべきものは、良い友人ってよく言ったもんだね」
 この小動物の皮を被った悪魔め。だからコイツの『大好き』はタチが悪い。ラノネケイは胃と胸が抉られるような苛立ちに、一際深いため息を吐く。
 この関係の始まりは自分の友人宣言だとわかっているだけに、腹立たしい。
 頭を殴り付けられたかの如き目眩までする辺り、彼は自身が相当重症だと理解せざるを得ない。
 チリ取りを引き寄せ、髪を掃き入れてから部屋の隅へ小ボウキと共に置いた。中身のに処分ついて明日の朝にでも彼女にきくことにする。
「もう寝るぞ」
 疲労感に満ち満ちたラノネケイの声を耳にし、メイロウドは首をひねる。その疲労感の理由は彼女にまだ解らない。
611eat the meat:2007/08/22(水) 17:38:13 ID:AlVddwhN
 
 そう言えばハンターとして狩猟に出ている時は、意外と辺り一面真っ暗という状況にはならないものだと、メイロウドは思い至る。
 洞窟に入る機会もあるが、陽光が差し込んでいたり輝く鉱石が岩壁から突き出ていたりと、光源がなくもない。
 明かりを消した部屋の中、壁際に一つあるだけの寝台の縁に腰掛けて、またも脚をふらふらさせながら、物の形がかろうじて判る程度の暗さに目を凝らす。
 彼女の後ろでは、ラノネケイが狭い寝床に可能な限りコンパクトに収まるべくゴソゴソやっている。
「真っ暗な中に、使ってないライトクリスタルを置くと星みたいでキレイだよ。照明にはならないけどね」
 無言の間に満ちる衣ずれに上塗りするように、彼女は話し出した。
「ノヴァクリスタルってもっと明るいのだと、照明になるかも。いろんな装備の材料に使える貴重な鉱石だから、灯かり代わりに使う余裕はないのが残念さ」
 いつか使わない在庫が出たら、色硝子製の可愛い花型のランプシェードを発注しよう。それをベッドサイドに置こうなどと、親友と話したことを思い出し、メイロウドは笑う。
 タンタンと二度寝床を叩く音がした。入っていいというラノネケイの合図だ。
 二人の間にある無言で通じる符丁を愛しく思いながら、メイロウドは彼に背を向け、その横へと滑り込む。
 
 この広くもない部屋に寝台は一つ。
 部屋の主は、しょっちゅう押し掛けては泊まっていく厚かましい友人に、寝床を丸ごと明け渡したりはしない。
「狭いねぇ」
「嫌なら椅子か床で寝るか、お前が」
 にべもない言葉がメイロウドの頭上から降り、背中からも伝わる。
 彼女もハンターなどという職業柄、多少の不自由がある状況でも眠れなくはないが、好き好んでそういう寝方をしたい訳でもない。
「狭いのがやだって言ってないじゃない。こう、仕方なく密着してますって感じは、結構そそるものがあるよ?」
 仕事中に目付きの悪い男とベースキャンプで並んで寝た時も、そんなことを考えたのかどうか。
 食器棚の中の立てて並べられた皿みたいな状況で、そそるもクソもあるかよと、ラノネケイは心の中で悪態をついた。
 元々一人用の部屋に備え付けられていた寝台に、二人で寝るのは無理がある。いくら彼女が細いちびっこだからといって、かなり狭い。
 彼は壁に背を付け脇を下に、メイロウドは彼に背を向けやはり脇を下にして、どうにかお互いが寝れなくもない体勢がとれる。
 とはいえ、ラノネケイの胸にメイロウドが背中を預けるほど密着する必要性は、どこにもない。
 いっそ壁の方を向いておけば良かったか。
 けれど、この極悪小動物に背中を見せるのは色々と危険だろう。我が友人ながら対処は悩まされるところだと、ラノネケイは思う。
 
「ところでラノネケイ」
 来たか、と彼は心の中で呟いた。
「寝言は寝て言え」
 ラノネケイが一応釘を刺してみたものの、メイロウドはあまり人の話を聞く方でもない。
「真夜中部屋に若い男女が二人きり。何かすべきコトがあるとか思わないかい?」
 彼はコレと目付きの悪いのとの引率をこなした人生の先輩へと、思いをはせる。
 寛容と忍耐とは、如何にして鍛えられるものなのだろう。
「強いて言うなら、睡眠をとることだろうな」
「そうだろうとも。だから僕とめくるめく悦楽に溺れてみようじゃないか」
 芝居じみた言い回しの内容はアホくさいのに、何故にこうも声色は艶めくものか。
 なにが『だから』だよとか、『めくるめく悦楽』てえらい自信だなとか、つっこみたいところはいろいろあれど、彼はあえてそこも切り捨てた。
「黙って寝ろ、酔っ払いが」
612eat the meat:2007/08/22(水) 17:39:56 ID:AlVddwhN
 
 しばらくブチブチと何事かを呟いていた小動物のツムジに、突如ラノネケイの指が突き立てられた。
 ねじり込むように打つべしとばかりに食い込む鈍い痛みに、メイロウドは身をすくませる。
「選べ。二つに一つだ」
 ぐりぐりと指の圧力は保ちつつ、ラノネケイは言葉を続けた。
「大人しく黙って寝るか、指はこのままに加えて一晩中俺に『森ジジの如く禿げろ』って呪いをかけられるか。さーどちら」
 実力行使に出た辺り、彼の心に余裕はあまり無いんだろう。娘はラノネケイの察して欲しくないであろう部分だけ敏く感じ取る。
 引き際なのだろうが、メイロウドはもう一ふざけしてみることにした。
「一晩中、僕に触れたままささやいてくれるの? 情熱的なんだね」
 ほう、と男が低い声を出す。
「お前の選択は後者か。粋狂モンめ」
 ラノネケイの声はあくまで穏やかだが、それだけに妙な威圧感をはらんでいた。
 メイロウドとて禿げの呪いとやらは望みはしない。何より頭のてっぺんが痛いのは、元から低い背丈がさらに縮みそうでいただけない。
「君の加虐性愛の片鱗が垣間見られたことにはゾクゾクしちゃうけど、正直痛いのは好きじゃない。前者を選択させて貰おうかな」
 とたんに彼女の頭頂への圧力が失せ、代わりなのか、慰めるように撫でられた。
「痛い思いさせたら、すぐは寝れんわな。俺はアホか」
 押し切ればいいところでさえ、そうやって自分の非を認めてしまうためにメイロウドが付け上がってみるのを、ラノネケイは理解している。
 彼には彼なりの良心があり、彼はそれと友人を裏切りたくはない。
 娘は自分の頭からラノネケイの手をひっぺがし、それを自分の頬へとそえさせた。
「君のね、手先は器用な割りに、立ち回りが不器用な所もすごく好きだよ」
 その好きはどういう好きだ、黙る気ねぇなこいつ、などと思いながら、彼は諦観というものの尻尾を掴みかけた気がした。
 先程ツムジをいたぶっていた指の爪の根元に口付けながら、メイロウドは囁く。
「子ども扱いは嫌だけど、眠れるまで君が何か話して」
 闇の中、とられている手からの感覚に気をとられたラノネケイは軽く瞬く。お伽話が好きなのは子どもばかりでもなかろうよ。
 彼は話上手というわけでもないが、彼女の気に入りそうな話のストックもなくはない。
 ほんのわずかな沈黙の後、ラノネケイは話題を選んだ。
「目付きと口の悪い男が居る。コイツにあだ名を付けてみろ」
 メイロウドの脳裏には『ドラゴンファッカー?』の無表情な顔が浮かんだ。
 
 背後のラノネケイがこの話を振る意図を娘は読めないが、話題の男は多分二人共通の知人だ。
「……それってさ、食いしん坊万歳かつ顔だけちょっと男前で、右目蓋から頬に傷のある狂暴な性格の覆面好き?」
「ノーコメントというか、ご想像におまかせする」
 否定はしないんだなとメイロウドは思いつつ、あだ名を考えた。そもそも話とは彼についてなのだろうか。
「じゃ、ガルルガ野郎で」
 ラノネケイの頭の中、件の男が四肢を大きく広げ「ぎぉーん」と鳴いた。
613eat the meat:2007/08/22(水) 17:42:40 ID:AlVddwhN
 
「僕の感性が君と通じるものがあったのは嬉しいけど、ウケ過ぎだと思うんだ。ねぇ、お話まだー?」
 声を殺して笑い震えるラノネケイの胸に、後ろ頭を押し付けて、メイロウドは続きを催促した。
 ガルルガ野郎がツボに入ったらしい彼は、体をひくつかせながら言葉を切れ切れに絞り出す。
「ソイツから、聞いた話を、しようか……と思って。でももう一人」
 この話の流れで人を眠らそうと思っているなら、この男は少し天然さんかもしれないなとメイロウドはこっそり心の中で独り言。
 どうにか笑いを抑えつけたラノネケイが、改めて話を続けた。
「背が高くて飄々とした女性がいる。この人にもあだ名を付けてみろ。二人からそれぞれ聞いた話をどちらか一つ、語ってやる」
 今度メイロウドに思い当たるのは、ガルルガ野郎の想い人疑惑がかかる女性ハンターだった。
「その人、君より一つ二つ歳上で、サッパリした男前な性格で、髪を緑色に染めてて、左に泣きボクロがある、投擲苦手で稀にあさっての方向に閃光玉投げては、照れ隠しに『うぉっ、まぶしっ!』とか言ってるお姉様かな」
「最後のは知らな……じゃなくて、ご想像におまかせする」
 今度も否定しないのね。メイロウドはまたもあだ名を考える。この女性も二人共通の知人だ。
「じゃあさ、いい漢(おとこ)で」
 暫し場を包むのは、静けさと闇。そして。いいのかよそれ、いいんだよと言わんばかりの空気。
 沈黙を破るのはラノネケイの問いだった。
「おい、メイ。ガルルガ野郎といい漢と、どっちが好きだ?」
「きくまでもなかろうよ! ……と言いたいところだけど、悩むね。今回はガルルガ野郎でひとつ」
 彼は頷き、語り始めた。
 
「お前の好きそうな話だ。話はガノトトスのヒレについて。
 聞くところによれば、ガノトトスのヒレってものは、舵の役割は当然として、個体の美醜を左右するポイントなんだと。
 魚にいるだろ、体が長い方がカッコイイとか、クチがでかいオスのがモテるとか、そういうの。
 鳥なら歌が巧いヤツが男前とか、尾羽根が綺麗な方が選ばれるとか。
 装飾面の意味合いも強いってことか。そういうヒレだが、アレには知っての通りにトゲが付いてて、そのトゲには気を失うような毒があるわな。
 結構すごい毒だと思うが、ヤツらがヒトとの戦闘でそのトゲをブッ刺したなんて話は聞いたこともないな?
 なんでかって言えば、そのトゲは主に同族から身を守るためにあるからだそうだ。
 繁殖期に無理矢理メスに乗っかろうとするオスは、思いっきりトゲが突き刺さるハメになってるんだと。
 メスがオスを受け入れる場合だと、背中のヒレが斜めに畳まれるんだそうな。
 弱った時にしょげるのに似てるが、もうちっと艶めかしいらしいぜ。
 ガノトトスの色っぽさなんか、俺にはわからんが。
 ……メイ?……静かにしてるけど、寝たか?」
614eat the meat:2007/08/22(水) 17:45:04 ID:AlVddwhN
 
 メイロウドはぐるりとラノネケイの方へ向き直った。それは寝返りではない。彼女の目は闇に輝かんばかりに開かれている。
 ラノネケイの胸の前、小動物を思わせる雰囲気の娘は、怒りに似た感情をあらわにした。
「耳寄りなお話をありがとう。でもそんな話されて僕が安らかに眠れるワケがないじゃないかっ!」
 確かに話題は彼女の好む類いの物だった。しかし一口に好きというにも様々な方向性があり、竜の話題は彼女にとって興奮を呼ぶものだ。
 胸板へメイロウドの額や頬を擦り付けられて、話題の選択を間違ったのかとラノネケイは疑問を抱く。
 こう部屋に押し掛けて来るようになる前の彼女なら、反応が違っただろう。
 竜の話題に興奮して眠れなくなるまでは同じかもしれない。しかし、その後は竜についての妄想に耽り、こちらに矛先が向く事は無かろうに。
 彼女が鼻血とヨダレを垂らすならまだしも、何故にこのような事態に陥るのか。
 埋まれとばかりに顔を擦り付けているメイロウドが、本当は服で鼻血やヨダレを拭っているんだと言う方が、幾らかマシかもしれない。
 年甲斐も無く迂濶な自分を、彼は少し呪わしく思った。
 
 動きがますます小動物っぽい相棒を我が身から離すべく、ラノネケイは軽く身をよじり彼女の細い肩を押した。彼が思うより呆気なく、事は成った。
 肩にあるラノネケイの手を押さえ、メイロウドは囁く。
「いつも思うんだ。僕の心の内なんか、大人な君には透き通って見えることオオナズッちの如しなんだろう」
 ラノネケイには『オオナズッち』とやらが何のことなのか理解できなかった。意訳するところは多分、大人を自称するなら私が望むことを察して成せよ、か。
 大人にだって、変態心と女心と子ども心の一緒くたになった酔っ払いの思いを窺い知るのは至難というか不可能に近い。
「思いってものは、はっきり言葉にしなきゃ案外伝わらん。俺を買いかぶっても良いことなんかないぞ」
 細くはあるが、あまり柔らかとは言えないメイロウドの指先が、男の手の甲から手首を下り腕を上る。
「もう好きだか隙だかスキまみれ、はっきり言ってあげるよ。君との接触は僕に幸福感をもたらすんだ。この胸の奥にある心とやらが住む部屋に、君の手をお招きできるものなら、それを証明できるのに」
 興がのったらしい酔っ払いの『乙女』は、詠うようによどみなく、芝居くさい台詞を吐いた。
 言う間に彼女の指は、上腕から肩へ渡り鎖骨を伝って首元へとたどり着き、首をよじ登るつもりを見せている。
 妙な事を言い出す前に、釘を刺そうと開きかけたラノネケイの唇に、メイロウドの指が一本押し当てられた。
「触れるだけでこうも幸せなら、それ以上の事をしたらどうなるのか興味深いね。というワケで、今宵僕と一戦交えてみないかい、ラノネケイ」
 友人と呼ぶ割りに一線を越えたがる彼女の心境が、彼には理解し難い。
「俺は嫌だぜ」
 いい加減、脇腹を下に寝る姿勢に疲れたラノネケイは、無理矢理にでも寝台の上に仰向けになることにした。
 
 メイロウドよりだいぶ幅広な体が上向きに寝そべった分、彼女は随分と窮屈そうだった。
 いつかはランゴスタを蹴り潰したその小さな足が、男の脛を軽く蹴る。
「なんで僕じゃダメなんだよ」
 足の指で脛をつねってくるメイロウドに、ラノネケイは応戦する気すらみせない。
「お前だからだ。俺とお前の関係は何だ、言ってみろよ相棒」
 娘は怪訝そうに鼻をならし、答えた。
「友だち、だよね。君がそう言ってくれた事は忘れもしない」
「で、メイ。お前はその『友達』に対して、今どう思ってんだ」
 娘は更に唸るように鼻をならす。彼に見えはしないが、その額にはきっちり二本の縦ジワが刻まれていた。
 暫し後、メイロウドはつっかえつっかえ、思いを伝えようとする。
「ともだち、だけど。……おいしそう?」
 美味しそうなのはガブラスの蒲焼きだけで十二分じゃねぇかと、男は娘と同意見ながら内心毒を吐く。
615eat the meat:2007/08/22(水) 17:48:27 ID:AlVddwhN
 
「美味しそうでもあくまで俺はお前の友達だ。空きっぱら堪えて眠ってくれんかね。寝る子は育つって言うぜー」
 やや投げ遣りに発されたその言葉に、闇の中、メイロウドは今度は鼻の頭にシワを寄せた。
 気だるげに寝台の上に投げ出された男の体にのしかかり、よじ登るように顔の高さを合わせ、彼の鼻先で噛みつくように言う。
「君って人は、どうせ僕が来る晩はろくに寝られやしないくせに。次の日には持て余した性欲をお金で処理しに行くのに。僕は君が触れるに値しない子どもって事なの?」
「誰もんなコト言っ……」
「君が僕を観る目がとってもいやらしい時があるのに自覚はある? 君の体が僕にちゃんと反応する事だってあるのに、抜くのはバインバインなお姉さんじゃなきゃ嫌だってのかい」
「いや、人の話……」
「そりゃ僕はバインバインじゃないさ。でも最近は我ながら『レベルアップですぜ。あんたもせいちょうしたもんだ』って言いたくなるんだから!」
「だから何の……」
「努力は実を結ぶこともあるんだよ。多分その内、バインバインは無理でも、ふんわり美乳になるものっ!」
「俺の話も聴けぇっ!!」
 ついにラノネケイは叫ぶに至る。
 
 押し掛けて来られて泊まられた時、いつも眠れないのを気付かれていたとは思わなかった。
 あまっさえ、翌日のことや馴染みのおねーちゃんの乳の様子まで、何故に知られているのやら。
 動揺を努めて押し殺し、ラノネケイは言葉での理解を得ようとした。
「お前の見た目や体型は大した問題じゃない。俺は友達に手ぇ出すのが無理なだけだ」
 視界はほぼ闇に包まれてはいるが、お互いの顔は息がかかる程に近い。
 メイロウドは自身の細い腕で支えていた上体を、ゆっくりと臥す形へと近付けた。
 ラノネケイの胸に、自分の胸を重ね、彼女はため息を吐いた。
「仕事仲間とはややこしい関係にはなりたくないってことかな。僕は、君に快楽を提供できるだけで構わないわけだけれど」
 互いの部屋着の布越しに、メイロウドの乳房の柔らかさや尖る部位を認識してしまい、男はうめく。
 てっきり、密林やジャングルのベースキャンプもかくやという絶壁ぶりに違いないと思っていたのに、言うだけあって、なかなかに。
 どんな努力をしたのか、そこに多少の興味を覚えたが、ラノネケイはそれどころでなかった。
「俺は今更自分が言った事を覆せない。友達を欲の捌け口するなんぞ、納得してコトにゃ及べない」
 男の言葉は謎かけのようにメイロウドの耳に染みる。判ることは、彼がひどく素直でないということくらいだった。
「君が、納得できればいいのか」
 胸と胸の間、どちらの物ともしれない脈が速まる。
 それがどちらの物であれ、もっと伝えられ伝えてやろうと彼女は胸をすりつけた。
 ラノネケイは気まずげに口を開く。体は正直だとか、ベタなことは言ってくれるなよと祈りつつ。
「物知りなお前はご存知だろうが、男の下半身はなんつぅか自律型だ。そっちへの直接交渉は禁止な」
「禁止を破るとどうなる?」
「同意無しにコトに及んだとみなして、俺がお前を軽蔑するだけ。何も起こりゃしないっちゃそうだ」
 釘を刺しておかないと、めくるめく悦楽とやらにほだされて、うっかりその気にさせられかねない。男は危ぶむ。
616eat the meat:2007/08/22(水) 17:50:17 ID:AlVddwhN
 
 触れなば落ちんというのは二人のどちらの状態か、はたまた二人ともか。確信を持ったつもりで動くのは、真っ平だった。
 友達面を始めてみたからに、自分でそれを引っ込められない男は、寝台を下りて部屋の明かりを灯し直した。
「眠れそうにないのはお互い様だと思うのだけれど、話に応じてはくれるのかな」
「押し掛けて来てはいてもお前は友達で客だからな。まるっきり無視はせん」
 寝台の上で毛布にくるまりながら、小動物はもぞついている。
 人も竜も鳥も蟹さえも、丸くなるのは何故だろうと、ラノネケイはどうでもいいことに思いを巡らせた。
 毛布の中から黒い目を光らせて、メイロウドは寝台の隅に腰掛ける部屋の主に言葉をかける。
「なら聴いてよ。君が僕以外の女の人に触るのが嫌だ。君が触られるのも嫌だ。とっても嫌なんだ」
 火の光に赤く透ける髪に触れたい手を、毛布の中に閉じ込め、娘はただラノネケイを見つめた。
「お前が男だの女だのと体の関係をもってた時、俺が今のお前と同じ事を思ってたのは知ってるか?」
 メイロウドの目を見つめ返す男は、癖になりつつある投げ遣りな口調で言う。娘の首が小さく横に振られた。
「そうは思っても、俺は止めろと言える立場でもない。今のお前だってそうだ」
 
 この話題の終わる気配もなく、ラノネケイはため息を吐きかけてやめた。
 ミノムシもどきと化したメイロウドは、眉をひそめて難しい顔をしていた。
「止めろと言える立場に立つには、どうすれば?」
 神妙な面しやがって、と男はミノムシをつつきまわしたい衝動を堪えて言う。
「……互いに納得してコトに及べる関係とか、他のヤツに手ぇ出すなって言える権利がある関係の名前はなんだと思うよ?」
 暫しの無言の後、メイロウドは答えを思い付いたのか「あ」と嬉しげな声をあげる。
「リオ夫婦!」
 ラノネケイは顔をしかめ、メイロウドはしまったと言わんばかりの表情を浮かべた。
「どこからつっこめば良いのかわからんボケは勘弁願いたい」
「口が滑っただけだよ。リオを抜きにして夫婦って言いたかったんだ」
 焦ったように言い直すミノムシだが、フォローにもなっていない。
「どっちにしろ、リオ夫婦なだけにカッ飛んだ答え出しやがって。間違ってないだけにタチが悪いぞ」
 もう少し前段階があるだろう、と男はぼやく。
 再び思案顔を見せたメイロウドは、その関係の名前を理解したらしく、ますます難しい顔になった。
「なら、恋愛関係ってヤツか。それはちょっとね……。友人の方が相手のことを思い遣れる関係だと思わないかい?」
 恋人より上位、それが友人という名の存在だと、鼻息荒く熱弁をふるう一応成人女性をうろんげな目で見ながら、ラノネケイは言う。また投げ遣りに。
「俺が眠れなくなると知りつつ押し掛けるわ、断わってんのに何度もコトに誘うわ。お前は俺って友人を、お前の親友嬢みたいに思い遣れてると思うのか?」
 気安さからの無遠慮といえ、やっぱり友人から下僕への格下げされてんのかもなと、男は少し泣きたくなった。
 メイロウドは、また黙り込んだ後、首を傾げた。
 呆然と、深く納得したように、彼女は独り言を呟いた。
「ああ、大好きなのに思い遣れなくなってたんだ。なるほど。こんなのだから恋に落ちるって言うんだね」
617eat the meat:2007/08/22(水) 17:52:04 ID:AlVddwhN
 
 もそっと這い寄るお布団、もとい毛布にくるまるメイロウドはラノネケイの膝下へと進み、彼を見上げて名前を呼んだ。
 男と目が合うと、彼女は少し毛布の中へ首を引っ込め、おずおずと伸び上がりまた彼の名前を呼ぶ。
 何度もその名を幸せそうに口にし、メイロウドはニヤリと笑う。可能な限り、低い声を作り彼女は言った。
「君たちに最新情報を公k……」
「なんか知らんがそれは止せ」
 彼女の言葉が全ての姿を露にする前に、ラノネケイの制止が突き刺さる。
 メイロウドは唇をとがらせた後、不満げに鼻を鳴らした。
「照れ隠しってものを挟まなきゃ、言えないようなことを言う予定なんだよ?」
 恥じらいというものは、魔力を持つらしい。彼女の特殊な性癖を知っていてもなお、今、彼の目に彼女は可憐に映る。
 ヨダレと鼻血を垂れ流し、鼻息荒く「クックたんハァハァ」などと言う変態ぶりを散々見せつけられていたラノネケイは、幻を見る心地だった。
「今更、俺に照れるようなことをがあるのかよ」
 同衾の誘いなら、照れるどころか神託でも受けているかの如く、変なノリで言ってくるのが彼女だ。
 男の膝の上はメイロウドの頭によって、ジワジワと占領されつつあった。
「よくいうじゃない。甘いものは別腹だって」
 
 誰を納得させられるのか判らないような理屈を湧かせる口は、更なる言葉をあふれさせる。
「僕にとっての君を、友人から恋人に格下げすることを許してほしい」
 格下げだけど特等席さと、ミノムシもどきは仰向けのまま軽く胸を張る。
「心身共に君が僕のモノになって欲しい。君に僕を求めて欲しい。君の恋人になるためには、僕はどうしたらいいの?」
 ラノネケイは頷いた。
「お前が望んで解りやすく伝えてくれるなら、関係の変化も思いのままだ」
 期待に満ち満ちたキラキラしい目で見上げてくるメイロウドの顔が、好物を前にした小動物に見えて男は苦笑する。
 彼女は毛布からもそもそと脱皮を始めた。
「渇える程に望むさ! 君が大好きなんだ。お付き合い頼むよ、ラノネケイ」
「おうよ」
 オレハ ゲボク ラノネケイ。コンゴトモヨロシク……
 首にぶら下がるように抱きつかれながら、ラノネケイはうっかり口にしそうになった戯言を飲み込んだ。
 
「ヒトは命の危機に瀕すると、子孫を残そうって本能が働くらしいよ。知ってたかい?」
 彼女の話が唐突なのは、珍しくもない。抱きつかれながらも、ラノネケイは大人しく話の続きを待った。
「だからこそ、ハンターっていうお仕事は、仕事中にムラムラしちゃうんじゃないかなって思うんだ」
 そのムラムラの対象が竜になるのはお前くらいのもんだ。男は変人へのつっこみを密かに胸にしまい込む。
「まあ僕らも明日をも知れない命ってヤツだから、殺那的快楽に走っちゃうのも致し方ない。ということにしておこうか」
 というわけでと囁きながら、メイロウドはまたもラノネケイに身を押し付ける。
「あなたと合体したい」
 あまりにもな。
 彼の胸に収めるには、彼の内に湧き出る言葉が多すぎた。
「その、『好き・即・合体!』て流れはどうなんだ。それ以前に別な言い方無いのかよ」
「わかりやすく、やわらかめに言ってみたじゃないか。特に二人称の辺りが丁寧に」
 言い返しながらも、メイロウドは男の首辺りに頬を寄せるだけで大人しくしていた。『好き・即・合体』って『悪即斬』みたいだよね、などと思いつつ。
618eat the meat:2007/08/22(水) 17:55:06 ID:AlVddwhN
 
「要求自体は承諾するに願ったり叶ったりだが、俺にもお前と共通の性癖があるから、お断りせにゃならん」
 息を飲む音が静かな部屋に響く。
「……やっぱり、君は僕の同志だったりするのかい? グラビモスのビッグスケールな逞しさと、熟成された豊満さにメロメロなんだとか言い出すのっ!?」
「そっちじゃねーっての!」
 ラノネケイは、オロオロと世迷い言を吐き始めた竜フェチを抱え、耳に口付ける。
 途端にメイロウドは小さく声をもらした後、くたりと彼に身を預けた。
 唇の位置はそのまま、男は耳打ちを始める。
「聞くところによれば、お前はフルフルベビーを飼育中だそうだな。その、前のというか、下の口というかで」
 命懸け過ぎやしないかと疑問の湧く噂だが、こいつならばやりかねないと思わせるくらいの変人が彼女だ。
「だからコトに及ぶには後ろしか使わないって話だが。フルベビとご対面は勘弁願いたいし、俺はお前と同じく尻に突っ込む趣味はない」
 男の腕の中、メイロウドは小さな体をふるりふるりと震わせ、噴き出した。
 暫く仰け反らんばかりに笑った彼女は、目の端に浮いた涙を顔ごとラノネケイの肩に擦り付ける。
「それ嘘だよ。吐いたの僕だけど、君の耳にまで入ってて、信じられてるとは思わなかったね」
「嘘なのは何よりだが、どんな状況でそんな話が飛び出んだ」
「それは操の危機にだよ」 足とかいろんなとこでもするのにおしりだけなんて失礼なと、メイロウドの見当違いな方向のぼやきは男の耳に留まらなかった。
 
 ラノネケイの胸に指でのの字を書きながら、彼の変人は照れくさそうにしていた。
「笑わないで聞いて欲しいんだけどさ……」
 男は頷く。笑うことより、つっこまずにいられるかが怪しい。
「僕にも『やっぱり初めては好きな人と』とかいう夢があったワケだよ。でも恥ずかしながら、僕は好奇心と性欲ともなかなか旺盛な性質でね」
 彼女の指の描く線が複雑な物に変わりつつある。
「好きな人も居なかったし、理性と欲の協議の結果、『本番はおしりならノーカン』というところに軟着陸を果たしたんだ」
 そこからはラノネケイも知る通り、派手に様々な男女を食い散らかしたらしいが。
 
「前はらめぇっ! って言ってたのに、無理矢理やろうとする馬鹿が居たから、とっさに吐いた嘘がフルベビ飼育設定だったのさ。突っ込んだらフルベビがガブッだよって言ったら、顔色変わって面白かったなぁ」
 彼はうかっりとガブッを想像してしまい、自分の股間をかばいたくなった。笑うどころの話でない。
 眉間にシワを寄せたラノネケイの顔を変人は不思議そうに見上げる。
「それはそれとして。何度求めれば、僕の恋人は応じてくれるんだろうね、ラノネケイ?」
「お前のせいでないが、今の話の直後で使い物になると思うのか」
「……その気になって貰うよう、僕が頑張ろうか」
 余計にその気が逃げそうに思えて、彼はメイロウドの口をふさぐため、彼女に顔を近付ける。
 幸せそうに目を閉じる娘の顔に焦点が合わなくなる頃、ラノネケイも目を閉じた。
619珍味のひと:2007/08/22(水) 17:58:07 ID:AlVddwhN
投下終了。次回で最後。
コスプレ物で衣装脱いじゃったみたいな失敗を犯した気がしてならない。
620名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 18:24:30 ID:5w9fgKsj
GJGJ
二人の掛け合いが面白い
621名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 19:10:18 ID:LqxqX+rP
>>619GJ!
想像掻き立てられる文章は読んでて楽しい。最終回wktk。

そうそう、"ロリババァな岩山龍"を憶えている方は
今どのくらいおられるだろうか?

初代スレ664先生、ご無沙汰してます。
まだココを訪れてるかわかりませんが、ゲム化の経過報告です。
随分と月日が経ってしまったのだけど、ようやくメンツが揃って
本格始動しはじめましたよ。

とりあえず絵師さんがシャロを描いてくれました。決定稿ではないのですが…。

ttp://uproda11.2ch-library.com/
1124161.jpg お狩りします 54KB image_0.jpg 【DLキー:MH】

完成はまだずっと先になりそうですが、気長にお待ちくだされ。
622名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 20:14:42 ID:6hGFFG6L
>>619
Sagaネタに夢中でちゃんと読めなかったじゃねーかwwwww
623名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 20:43:22 ID:P5bLTge6
GJ! おしりならノーカンは万国共通思考なのかwwwww


そして>>621、おまいの報告で鼻から食いかけのメロン吹いて苦しむハメになった
だから俺と言う犠牲を無駄にしない為にも、きっちり完成させやがれよ…!
624名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 20:55:49 ID:MVPnV9V/
>>619
GJとしか言いようがないっ!

>>621
俺はこのスレから入った新参だがwktkしてまってるぜ!
>>607>>608の言葉の意味がはじめてわかったwww
625名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 21:13:18 ID:2HEhJKnQ
GJ!!
メイロウドがいじらしくてイィですねwww


>>621
我はしっています。ってか初代からの読者です。
626名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 21:46:32 ID:MlRKuEIN
念身! 合体! GO! ア(自主規制)


とにかく、乙
627名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 22:06:31 ID:NDHHsinS
乙。最終回楽しみだぜ。

ラオは立ち上がったときの曲線がたまらないと思ってたが…ロリか。超wktk
628名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 22:30:46 ID:INcUgZ5W
>>619
ガルルガ野郎!ガルルガ野郎!
>>621
え?何これkwsk
629名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 22:59:24 ID:A3lhEJh7
次回……俺はマジで萌え死ぬかもしれん…
GJ、GJだよ
630名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 23:18:10 ID:hQuWyBSr
>>617
殺那的じゃなくて刹那的だよな?
631名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 23:26:02 ID:3/HhkMYU
>>619
GJ!
しかしSAGAに加えてメガテンネタもいけるとは・・
632名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 03:00:57 ID:kXmu6Pxh
そういえば新保管庫の進み具合はどう?
ロリババア衝動が爆発してラオ狩りまくってるんだが収まる気配が無い
633名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 12:33:53 ID:7uSC5w8F
男ハンター×♂アイルーorメラルーのSSを読みたいと思った俺は…。

誰か書いてくれい!
634名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 13:32:33 ID:xOoLIQAS
少女ハンター×ショタキリンなら出たわけだが
635名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 13:53:25 ID:xOoLIQAS
と、今気付いた。

>>633
アッーーーー!!!!!!!!!
636名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 13:56:49 ID:lrIIhnaL
>>634

ショタキリン少年でたっけ?
637名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 14:33:28 ID:xOoLIQAS
失敗

>>636
思い付いたに脳内変換頼むorz
638名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 17:23:17 ID:Iba8sGaS
>>633
アイルーキッチンにて
ガツガツ、ガツガツ
「うぐっ…」
ドサッ
「旦那様には悪いけどしびれ薬を料理に盛らせていただいたにゃ」
「な、なんでんなことを…」
「旦那様がいけないのにゃ。そんなにがたいがいいのに風呂上がりに腰にタオルもまかないでうろつくから。ボクもう我慢できにゃいのにゃ!」
「うぎゃぁぁぁぁぁ!!」
「旦那様!そのケツもらったにゃ!!唸れ!ボクのジャンゴーネギ!!」


<<刺激的な味だった…>>
639名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 18:08:20 ID:buJoTSzO
ワロタw
ネコのアレって逆棘があるんじゃなかったっけ?
体力もスタミナも減りそうなんですが・・・
640名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 18:58:51 ID:OpzCnBYM
フイタw
でも、盛ってる時のネコの挙動ってすげー怖いのな。
メスの首根っこ噛み付いてくるし、目付きもギラギラしてるし。
飼い主には平気で手を上げてくるし…orz
641名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 19:11:08 ID:Z36DSXJw
つまり>>634がショタキリンを書いてくれるわけか。
超wktk
642名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 21:19:00 ID:Iba8sGaS
>>641
ビリッ!
俺の体にキリンの落雷が当たった。しかも運が悪く、麻痺というおまけ付き。
「ぐ、ぐぞ〜、動けねぇ…まさか最小キリンに負けるのか?」
キリンがとどめを刺そうとしたのか近寄ってくる。
(やるならやれ!)
そう思った次の瞬間…


目の前のキリンが色白な幼い少年の姿に変わった。
「な!何が起きたんだ!?」
俺が疑問を投げかけると元キリンは
「おじさんいいガタイしてるね、ヤっていい?」
といい始めた。
「殺るならやれ!ハンターはモンスターには屈しないからな!」
「ふふ、じゃあ遠慮なくヤらせてもらいますね。ボク、おじさんみたいな強情な人好きなんだ」
元キリン少年はそういった後、俺の…ケツを………?
ケツ?
次の瞬間、「スブリ!」
麻痺で筋肉が弛んでいたせいですんなりと入った

ジャンゴーネギが。

続かない
643634:2007/08/23(木) 21:33:38 ID:z/Pge3IX
>>642
吹いたwwwww

>>641
>>642は俺じゃ無いからなwwwww
644名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 21:34:01 ID:neaMotL4
ネギ自重w
いや、やっぱりあらゆるシチュに挑んで欲しい
645名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 21:44:11 ID:19U9SO7J
岩山龍プロジェクト………生きてたのか………!

あの作品は良かった………あの作品完結位に抜けて最近また見始めたんだが、保管庫に岩山龍が無い→何故か咄嗟に携帯投擲→前携帯中破(半ば大破?)のコンボをかましましたよ……orz


粋な相棒と親父譲りの練気と黒龍の理不尽な強さ、練気併用(及び愛パワー)による鬼人化ならぬ鬼神化の超絶燃え展開………



ヽ(`д´)ノまた読みてえよウワアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!
作者さんどうしてるんだろ…………
646名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 22:08:17 ID:283ixepi
>>642
ちょwww元ネタの>>634は少女ハンター×キリンwww
647633:2007/08/23(木) 22:11:55 ID:7uSC5w8F
華麗に緊急回避されてるだろうな〜、とか思ってたら…。

お二人ともGJw
俺も何か書こうかな〜。
648名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 22:37:29 ID:Iba8sGaS
>>647
お二人ともって、IDを見ればわかるとおり同じ人が書いております。
649名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 00:13:34 ID:VnyhRXh6
シャロマジもっかいみてえ。
保管してほしいね
650名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 00:34:48 ID:JU3YXINt
そうだった小説保管計画はどうなんたんだ?
651はるにゃん:2007/08/24(金) 03:31:09 ID:44L1wcLZ
はぃ携帯からでスイマセン
ハニーsマダー?
めちゃ楽しみなのだが
652名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 08:09:01 ID:3SPslAg+
これはひどい
653名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 13:28:19 ID:8vtzh/jx
654名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 14:44:45 ID:8vtzh/jx
ガツガツ、ムシャムシャ、バクバク、ゴックン!

「ぷは〜。今日も美味かったぜ。ご馳走さん。」
といつものように近くにいた料理長のアイルー(♂)に話しかける。
「いつもありがとうございますにゃ、旦那様。…そうにゃ、お礼にこれをあげますにゃ。」
時々貰えるお礼は結構、役に立つ。
前に貰えたチケットを武器屋のおっさんに何枚かあげたら珍しい武具を造ってくれたし(さすがに無料ではなかったが)
そして今回も期待していたのだが、
「?…紐?いや、リボンか?」
正直、がっくりした。
リボンなんか貰ったところで使い道など男の俺にはまったく無い。
薬草ひとつのほうがよっぽどマシだ。
「ご主人、このリボンはぷれぜんとをくくるためのリボンですにゃ。くくり終わるまで少し後ろを向いていてくださいにゃ。」
…今までリボンどころか紐でさえくくっていなかったのに?とか色々疑問が頭を横切ったが、
「…まあ良いだろ。」
リボンをくくるぐらいだからきっとチケットよりも良い物に違いない。という考えにあっさり頭から消え去っていた。

5分後

「ふ〜。やっと巻き終わりましたにゃ〜。もうこっちを向いても良いですにゃ、旦那様。」
待ちに待った言葉と同時に期待に胸を膨らませつつ勢いよく振り向く。
そこに見たものは、


はい、いったんここで切ります。多分、次はエロに突入します。
が、
正直こんな感じで良いのか不安なんで、続き読みたい人が何人かいたら欠かさせていただきます。
655名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 16:57:15 ID:pK0biDwz
なんという僕がプレゼントだニャ…
読んだだけでドキドキワクワクしてきた
このFFは間違いなく俺好み



ラージャン(牙獣・23歳)
656名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 17:16:27 ID:mKeNcWGj
続き読みたい人がいたら欠かされるのか。
つまり読みたいて言ったら書いてもらえないのだな?
なんという天の邪鬼。
657燃料投下@携帯ゲー板から:2007/08/24(金) 17:23:13 ID:eLF+xV8p
777新着 :枯れた名無しの水平思考 sage :2007/08/24(金) 15:49:48 ID:Q5nrf4T90
>>775
黒龍倒してそのまま黒龍にプロポーズすると思ったじゃまいか

ハンター「どうだ、まいったか黒龍め」
黒龍「いたた・・・」
ハンター「さて、負けた方は勝った方の言うことを何でも聞くんだったな」
黒龍「く・・・煮るなり焼くなり好きにしろ」
ハンター「では遠慮なく。俺と・・・結婚してくれ!」
黒龍「・・・はい」


こうですか?わかりません><
658はるにゃん:2007/08/24(金) 17:25:47 ID:44L1wcLZ
前半だけでもGJ!
新参者のクセに偉そうな事を言わせてもらうが
ぜひとも書いてもらいたい

そしてハニーsマダー?
659名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 17:27:42 ID:eLF+xV8p
>>658
死んでもらいましょうか
660はるにゃん:2007/08/24(金) 17:30:02 ID:44L1wcLZ
連書きマジすまそ;

↑は、お二方に大してだと変換してくれ
661キリン♂小ネタ:2007/08/24(金) 18:01:31 ID:lJzTZxlN
小ネタと言う程のネタでもないわけで。エロ無しオチ無しつまんねえ。
この後にエロが続きますので、まあプロローグとして読んであげてください。
関係ないですが文章は茸風味です。

━━━━━━━━━━━━ここから━━━━━━━━━━━━━

 ――――それは剣と言うにはあまりに大きすぎた。大きく分厚く重く、そして大雑把すぎた。
 ――――それはまさに、鉄塊だった。
「一・刀・両・断・けーん!」
 ザグン、と土を削る音が聞こえた。続けて、空を裂く様な擦れた音。
 間に合わないか、いや、まだ、間に合う。
 俺は四本の脚に力を篭めて、これでもかと後ろに跳ぶ。
 間髪の後に振り下ろされる鉄塊。白銀と碧色の配色。
 かつて【超滅一門】と銘を打たれた対龍兵装、封龍剣と呼ばれる巨大な剣。
 剣が叩きつけられた地面は、表面の地盤ごと砕かれて哀れな内層を晒している。

「あちゃ、外しちゃったかなー?」
 間の抜けた声。それは間違いなく、今の瞬間に大剣を振り下ろした少女狩人の声である。
「逃げ足はやいねー。さっすが幻獣?」
 歳の程は幾つだろうか。思うには15〜16と言った所か。あどけなさと大人らしさを持ち合わせた少女の顔だ。
 かと言って油断など出来るワケが無い。
 この狩人は、その若さにあっても、身の丈以上の大剣、それもあろう事に、かの【超滅一門】を振るっている。
 今まで幾人ものハンターと相対してきたが、ここまで規格外の化物には出会った事などない。
「むぅ、マボロシのケモノって言うからもっとカッコ良くてデッカいのを想像したんだけどなー。
 なんかつまんなーい。」
 ……………まぁ、何だ。今はこんな戯言、気にしないのだ。だって俺幻獣。

 気を取り直して。
 戦いが始まって十数分。それだけの時間、あの鉄塊を振るい続けて尚、彼女は息一つ切らさない。
 どころか、段々と俺のスピードに慣れている。先の一撃も、あと数瞬遅れていたら角ごと頭を両断されていただろう。
「―――――しょうがないな。そろそろ、本気で狩ろうか。」
 少女の表情が、変わる。狩りを愉しむ子どもの顔から、狩りを生業にする狩人の顔へ。
 まるで、スイッチを切り替えるように。自分の中の何かに、合図を告げるように。

 確かに。眼前の狩人は、飛竜を片手で屠り得る程に強い。
 そして。この身は、その一撃すらも耐え得ない程に弱い。

 ―――――されど、この身は幻獣。古の龍の脈を継ぐ、穢れ無き『起源』の血脈。
 よもや名も無き人間風情に殺されるなど、万に一つも在り得るモノか――――!


「――――今だッ!ピーちゃァァァんッッ!!」
「――――サー、イエッサー!」

 瞬間。背後から、劈く様な銃声が聞こえた。
662名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 18:01:33 ID:VnhlsmeJ
>>660
まずコテハンをどうにかしようか。
663キリン♂小ネタ:2007/08/24(金) 18:04:56 ID:lJzTZxlN
 あれれ?
 いや、何か凄い痛い。むしろ吹っ飛ばされてる。
 角辺りが特に痛い。具体的に言えば撤甲榴弾を直接的にブチ込まれた痛さ。ゲロ痛い。
 今までのサシで殺しあおうぜ人間!的なシリアス空気もついでにぶっ飛んでる。

 数秒の空中散歩を楽しんだ後に、力強く地面に叩きつけられる俺。
「いゃっほー!騙されたねバカキリン!
私が気を引いてる間にガンナーのピーちゃんに狙撃準備をしてもらってたのさ!」
 これ以上ないってくらい満面の笑みでVサインを掲げる卑怯少女。

 いや、ちょ、本気で狩ろうかってこの事かよマジ容赦ねえなコイツ!
 普通キリンっつったらアレだろ!?ピョンピョン跳ね回ってる強敵のを一人で討伐してこそ達成感あんだろ!?
 俺みてーなちっちぇえキリンをパーティでいじめるとかどんだけチキンだよお前ら!
「誰が立ち上がっても良いと言ったのだーっ!」
 必死に立ち上がろうとしてた俺の横っ面を、鉄の塊が殴打した。再び吹っ飛ぶ俺。
 何コイツ、マジありえないんすけど。ずっと狩人のターンですか。ドスランポスじゃねーんだぞ。
「ふふーん、いい気味だねドスケルビ君」
 だから俺はキリンだっつーかその名前で呼ぶんじゃねえええええ!

「サー、もう討伐完了ですかサー!」
 ひょっこり現れるガンナー。ピーちゃんとかいうふざけた名前の憎いコンチクショウ。
 手にしたボウガンは、メテオキャノン。顔立ちと声色から察するに、こちらも少女のようだ。
「まだ終わってないけど、終わったようなもんかな。一度膝付いたらこっちのもんだね。
はいそこまた立ち上がってるあああああっ!」
 はい2回目ー。
 ああ、何かよく見たらガンナーの装備、海賊ハットにスーツとグラブ、腰はランポスで脚はイーオスか。
 剥ぎ取るだけ剥ぎ取る気ですねピーちゃん。ちょっと自重しろよお前。
「サー、もう剥ぎ取り準備入っていいですかサー!」
「うん?しょうがないな。もうちょっと遊びたかったのに」
 サー、怖いですサー。所詮俺なんて遊びだったのね。恐ろしい子……!
 さっきの表情云々は俺の幻覚ですね。ああ合図が何たらってのはもしかして伏線ですか。とんでもないすねアンタ。

 ああ、最早立ち上がる気力もない。否、立ち上がる意味がない。
 仮にココで(無事に)立ち上がる事が出来たとしよう。そして戦闘再開出来たとしよう。
 落雷を自在に操り光速の異名を持つ高貴なる♂キリン様が華麗にバトルするとしよう。
 だが、相手は大剣使いとヘヴィガンナー。
 身体を使った攻撃は剣身とシールドに阻まれ、落雷を使おうものなら即座に撤甲榴弾と薙ぎ払いが襲ってくる。
 既に相当のダメージを負った身体ではここ一番の粘り強さも見せられない。
 故に、如何な足掻きも無駄。既に勝敗は決している。

「サー、キリンがぐったりしてるでありますサー!剥ぎ取っていいですか^^サー!」
「いつから高橋名人になったのピーちゃん。今トドメ刺すから、待ってて」
 高橋ガンナーと卑怯少女に敗北する俺。悔しすぎて涙も出ない。
 卑怯少女が剣を大きく振り被る。両手で柄を握り締め、ギリギリと、狙いを定める弓の様に力を引き絞る。
「カナカナ流派最終超絶奥義ぃぃぃ……」
 前置きはいい。つーかその台詞聞いたの二度目だぞ俺。
 いや待て。二度目。二度目と言う事は。
 あの一撃。地盤を抉る大剣の一撃が。再び。
 諦めて倒れ伏す俺のか弱い角を。ピンポイントで仕留めに来る………!
「はやくしてくださいね^^サー」
 うるさい黙れ高橋……!

 そして。

「一・刀・両・断・剣ッッ!!」

 ああ。最後に。G級キリンってヤツに、一度でも会ってみたかった―――――


      [メインターゲットを達成しました]
664名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 18:19:59 ID:rVOzN5RW
茸風味GJ
ワロタwwwww

ちょっとドラゴンキラーでキリン狩ってくるわ…
665名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 18:59:15 ID:UuMhyN6S
そろそろ容量が次スレを視野に入れた方が良い位になってね?
雑談続きならまだ保つかな?
666名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 19:55:53 ID:mKeNcWGj
>>660
荒らしでも釣りでもないなら聞いてくれ。









半年ROMれ
667はるにゃん:2007/08/24(金) 20:44:18 ID:44L1wcLZ
案外冷たい人ばっかだなーw
まぁ半年後に出直しま
668634:2007/08/24(金) 20:53:10 ID:FJPtvVI5
>>661>>663
吹いたwwwww


さて、言い出しっぺの俺は現在難航中…orz
気長にお待ちくだされOTLマジスイマセン
669名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 21:18:12 ID:tLcLY19Y
これはいいドスケルビwww
670名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 21:19:03 ID:tLcLY19Y
スマンあげた
671名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 21:59:06 ID:70rodjen
FF13ネタに吹いたwww
光速のドスケルビwwwwww
672名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 23:07:14 ID:vF8bgvcT
ふと、
モーション的にはドスガウシカでは?
とか言ってみるテスト

しかし>>663
GJ!
673名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 01:58:14 ID:bqE8jjGz
674名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 07:47:42 ID:bYIe3ACJ
擬人化レウス蒼♂×ハンター♀の妄想が浮かんで来たから文章にしているんだが…
「妄想を形にする」って、かなり難しいんだね…(=ω=.;;)
エロ妄想書きの邪神でも降臨してくれないかしらん…
675名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 08:16:46 ID:OweV3jla
邪神はダメだろう…
(読み手の)魂抜けるぞ?
676名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 11:57:33 ID:xuzCA+aG
>765
タマが抜ける程邪神さまに抜かれるって事か!
ミラ♀にすべて吸い尽くされる妄想ががが
677名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 12:14:45 ID:bYIe3ACJ
>>765に期待wktk

今の調子で書き続けると、軽く3000文字は突破しちゃうんですっていうw
どこか無料HPでも登録しようかね(=ω=.)
678名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 12:44:11 ID:OweV3jla
3000文字は大した量でないだろうよ。
長いと感じるなら、完成してから分割して投下すりゃいいと思う
679名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 14:10:20 ID:oadBpAEc
ライとメイの話に今最もドキドキしている俺は多分変態。
680元654ですにゃ〜:2007/08/25(土) 15:43:39 ID:8MrTh7Bd
今後半のSSを投下しようとしたら、「本文が長すぎます」
って出て投下できなかった(泣)
なんでですか?
誰か教えて〜。
681名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 16:40:33 ID:URlNU52q
そんな表示大型AAでも作らん限りでないぞw
どんだけ多いんだよw
すこし分けれw きりのいいところで2レスとかにw
682名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 17:00:59 ID:mcIU1cTf
最近あんま来てなかったから教えてほしいんだけど主人公が倒したテオの妻と子どもが擬人化した話ってまだやってるの?
すんごい楽しみなんだけど
683名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 17:01:52 ID:URlNU52q
やっとるよ
夏休みがなくなってしまったそうだけど(汗)
684名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 17:28:22 ID:mcIU1cTf
>>683
題名は?もしやハニーザホルン?
685名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 17:31:11 ID:mcIU1cTf
ついくせで。下げ忘れスマソ
686名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 17:35:22 ID:URlNU52q
>>684

うむ 楽しみだ
687名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 17:41:52 ID:mcIU1cTf
>>686
dorz

ぶっちゃけ言うと妻と子どものナナがキングサイズクラスのテオから逃げて主人公と出会ってちょっとなんかあったくらいまでしか見てない・・・

これは保管庫に期待!
688654の続きですにゃ〜:2007/08/25(土) 17:55:49 ID:8MrTh7Bd
前回のあらすじ    プレゼントがもらえるかもね    あらすじ終〜了〜。

それでは本編をどうぞ


そこに見たものは、

「…ま、まさか。こ、これがプレゼント…なのか?」
正直がっくりした。期待したプレゼントが紫色の薬の入った薄汚れた瓶一本だけなんて…。
「そうですにゃ。これは凄い飲み物で、効果は…え〜と、とにかく試しに飲んでみるにゃ!」
と言って強引に瓶を押し付けるアイルー。あまりの迫力にビビリつつとりあえず飲んでみる。
「ゴクッゴクッゴクッ、う…うげ〜、何だこれ。腐ってるんじゃないのか?この薬。」
腐った卵の味と獣くさい匂いが口いっぱいに広がる。吐き気が込み上がってくるが必死で我慢して飲み下す。
「良薬口に苦し、ですにゃ。さ、旦那様。効果は現れましたかにゃ?」
…効果も何も、今のところ体の変化は特に無い。疲労感や怠惰感等は消えたが、それだけだ。
「…いや、特に無いぞ。疲労感とかは消えたけどな。」

その時、
頭の中に(ドクンッ!)という音が鳴り響いた。その音は次第に大きく早くなり、俺は何も考えられなくなった。
そして、頭に声が響き渡った。俺の声なのだが、まるで幾千もの時を過ごしたような、そんな声だった。
「犯せ、目の前の餌を。蹂躙せよ、お前に恋慕の情を抱く者を。さすれば我は力を取り戻し、この世に蘇える!」

そして俺の意識は闇の中に沈んでいった…。

はい、次はお待ちかねのエロです。
ただし、注意。
私書くの初めてです、エロパロはもちろんSSも(笑)
期待しないでください。
689名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 22:33:39 ID:CQQnMVlu
ケルビが跳んでいる
ケルビが跳んでいる
ケルビが跳んでいる
ケルビが・・・・・・・・
・・・うぜぇ
ケルビがすりついてきた
オレはケルビをなでてやった
頬に衝撃が走った
ケルビが頬に平手パンチ
あまりの痛さに泣き出した
米虫が鼻の穴に入った
米虫が鼻の穴に入った
米虫がケルビの鼻の穴に入った
米虫がケルビの鼻の穴に入った
ケルビが米虫を飛ばした
オレの口に入った
(ケルビの鼻くそ・鼻水)付の米虫を飲み込んでしまった
ハンターはケルビを殺した後自殺を試みた
690名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 22:36:17 ID:URlNU52q
ちょwww早まるなwww
691名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 22:38:30 ID:5AhOcvap
でっていう
692名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 22:43:27 ID:rHKy4YXE
>>689
自殺成功直前にクシャルダオラに掴まれるんだろ?w
つか米虫マジ自重…しなくていいwwwww
693名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 23:27:47 ID:ZEbzN2IT
>>689
また米虫かwwwwwwwww


ちなみに冗談抜きで命に関わる危機に会ったため投稿が遅れることをsage忘れの人より
お伝えする。あ、このレスに対する返信は容量が無駄になって他の職人に申し訳ないので遠慮してもらえるとありがたい
694名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 23:48:25 ID:GOxH/GXj
闘技訓練用のモンスターって教官が飼ってるのかな
695名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 00:50:24 ID:iaD+TMui
モンスターを捜索して、そいつを囲むように折りたたみ式の闘技場を展開し(ry
696名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 01:38:51 ID:EUlfAgbZ
多分本物の飛竜じゃなくて中に教官が乗ってるカラクリだ。
だから二匹づつしか出てこれない。(教官♂・♀)
697名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 10:19:07 ID:scSvr0bg
教官♀なんて都市伝説
698名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 12:55:09 ID:jR2pjKVq
最近クレクレ厨の出現率が高い
699名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 18:07:02 ID:h0p+SBui
きっと、きっと教官女はみんなの心の中に……
まぁたぶんいるんじゃねぇかなぁ……?
700名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 18:52:06 ID:DC+STURi
>>695
落とし穴が携帯できる事を考えると、
あながちありえん話でもなさげな気がしてくる

のはたぶん錯覚だろう
701名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 20:26:08 ID:ytuASL1g
>>700
錯覚というよりそれはもうs(宇和何をするヤメr
702名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 20:40:15 ID:EUlfAgbZ
全てはゲッター線のせいだから気にしなくていいや
703名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 21:22:10 ID:SdEhAy4+
単純に考えるんだ!

ティガ「おっこんなところにうまそうな肉が!むしゃむしゃ
     んっあっちにもある! むこうにも! 今日はツイてるなあ〜むしゃむしゃ」


バターン!(決闘城の扉が閉まる音)
704名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 23:09:14 ID:nR4MQpTJ
ちょwwティガ独自の進化しすぎwww
705名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 23:21:14 ID:EUlfAgbZ
>>703
飛んで逃げろ
706名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 00:33:17 ID:hJmybi/7
捕獲可能なモンスターならまだしも
キリンが闘技場に出るのは本当に謎

つーか闘技場で飼ってるんなら、あの世界の人から見て
ぜんぜん幻の獣とかいう感じじゃないと思うんだが
707名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 01:00:27 ID:RIwqVPAL
ドラクエ、FFを見ろ、闘技場というのはそういうものなんだ
708名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 01:26:27 ID:sgk41UE4
もう教官は、闘技場を動物園にして観光産業で稼げばいいと思います
709名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 01:33:11 ID:NTLBCWqh
もう訓練場はVR訓練でいいんじゃね?
710名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 02:02:27 ID:GWtj0CbS
んあ?ライデンか、食事中だから後にしてくれ
711名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 02:12:39 ID:rx9qivYX
訓練場はきっとヤバめなお薬とか暗示とかでの、脳内劇場なんだよ。
ホラ、見たことある(知ってる)敵しか出ないだろう?
教官ってば、ヤバいくらいに廃テンションだろう?
俺強ぇー補正で敵の体力が低めだろう?
見たこともない装備があるじゃねぇかって?
あれは本物なんだよ。戦うとこだけ脳内なの。
端から見たら、闘技場で何もいないとこへ向かって武器を振り回すハンターの姿があったりしてな。
…てことで、どうですか
712名無しさん:2007/08/27(月) 02:20:45 ID:0ONVmtp5
きっと…子供(化け物の)を親が餌探しに行ってる間にさらってモドリ玉で帰る。
その後丁寧に育てて大人にした後で教官は化け物に、教官が涙ちょちょぎれで興奮剤を投与して狩り場(訓練用)に放つ。興奮剤を投与するのは、人間に慣れた化け物を無理に戦わせる為。
これで訓練所の化け物が弱いのにも説明がつく。ほら、温室育ちの化け物だからさ。
以上、推測と憶測の塊でした。


とある青年の証言

お・・・俺は見てしまったんだ・・・雪山でキリンにチンコぶちこんでいる教官を・・・
そしてその後キリンとラブラブになっていた教官を・・・

その2日後には火山でグラビモスと犯っていたんだよ・・・
しかもフェラ的な事までされてたんだぜ・・・
両方とも双眼鏡でこっそり覗いてたからばれてないと思うけど・・・
まあ気にしてても仕方ないか。クエストに行ってくるよ。


このクエストで青年は大変無惨な死に方をしたそうです。
そう・・・同時に10匹程度の中〜大型モンスターに襲われたような状態で・・・

死体にはイャンクックにつつかれた痕、ババコンガのオナラの臭い、フルフルに噛みつかれた痕、ダイミョウザザミに水を吹きかけられ濡れていた痕、トドブランゴの牙の痕、
イャンガガルガの毒、ティガレックスの牙の痕、ディアブロスの角に突き刺された痕、グラビモスの熱線に左足を焼かれ、全身はキリンの雷撃でヤケドだらけだったそうです・・・

そう・・・彼の死体の傷は全て教官の個人演習で出てくる敵ばかりの物なのです・・・
714名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 06:11:33 ID:6QnEnsrI
ホラーだなwwww
なるほど。教官は身体でお付き合いしてモンスターと仲良くなってたのか
715名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 10:15:24 ID:P325anlk
それってつまり、教官が訓練に引っ張ってくるモンスターは
教官の愛人(?)もしくはその子供、ということなのか……?
716名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 11:13:54 ID:rCHpFPvy
>>711
某格闘漫画にあった"イメージトレーニング"ってやつだな
717名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 11:38:14 ID:RS1pEQLG
テスト
718forest and the hill:2007/08/27(月) 13:20:49 ID:RS1pEQLG
初投下させて頂きます
女ハンター×レウス(擬人化)
エロ薄め
長め

生暖かく見守って下さい
無理な片はスルーで

forest and the hill

もう助からないよ
今は無き父の声が静かに響く

次第に冷たくなっていく、深緑色の美しい龍
生きる場所が違うことを理解できない幼い彼女は
ただ悲しくて仕方がなかった

パキ・・バリバリ・・・
重そうな腹の下から何か音がする
彼女の頭より大きな卵にヒビが広がっていく

ピーッ
ピグゥー

小さな龍の赤ちゃん
まだ柔らかい爪で必死に彼女のひざに登ってくる
濡れた瞳でじっと見つめるとぺロっと頬の滴を舐めた

--------
719forest and the hill:2007/08/27(月) 13:21:29 ID:RS1pEQLG

さらさらと風が頬をなでていく。
目をつぶっていても、明るい日差しが差しているのが解る。
土のにおい、遠くの水音...

気持いいなぁ...
こんなに安らかな気分は久しぶりかも
あの夢も久しぶり・・・

そっと手をのばすと何かに触れる
彼女が眠っているときは必ず枕元で丸くなっているはずの
愛猫をゆっくりと引き寄せる。

「おいで、ミーア」

いつものようにミーアにほお擦りをすると、痛い
伸ばした手に岩のように硬いものが当たる

ぐぅるるるるるー
んっ!?

...ミーアじゃない?

瞬時に意識が覚醒していく

自分の部屋のベッドであるはずが無い
意識を失う前の状況を少しずつ思い出し、今度は冷や汗が浮かぶ
意を決して恐る恐る目を開く

やっと、起きたか。

耳元で呆れたように呟く、知らない男

そうだ、私はあのとき...
720forest and the hill:2007/08/27(月) 13:22:44 ID:RS1pEQLG

さらさらと風が頬をなでていく。
目をつぶっていても、明るい日差しが差しているのが解る。
土のにおい、遠くの水音...

気持いいなぁ...
こんなに安らかな気分は久しぶりかも
あの夢も久しぶり・・・

そっと手をのばすと何かに触れる
彼女が眠っているときは必ず枕元で丸くなっているはずの
愛猫をゆっくりと引き寄せる。

「おいで、ミーア」

いつものようにミーアにほお擦りをすると、痛い
伸ばした手に岩のように硬いものが当たる

ぐぅるるるるるー
んっ!?

...ミーアじゃない?

瞬時に意識が覚醒していく

自分の部屋のベッドであるはずが無い
意識を失う前の状況を少しずつ思い出し、今度は冷や汗が浮かぶ
意を決して恐る恐る目を開く

やっと、起きたか。

耳元で呆れたように呟く、知らない男

そうだ、私はあのとき...
721forest and the hill:2007/08/27(月) 13:24:07 ID:RS1pEQLG
---------13時間前

「ちょーっと、もう少し割りの良いやつまわしてよ!」

「そういわれてもねぇ、あんたこの間もそういって
 報奨金掛かってるガノトトスいって、失敗したじゃない?」

「ぐぅ...
 そりゃそうだけど、だからって採取ばっかり回さなくてもいいじゃないの!」

「知ってる?失敗したハンターを回収するアイルー便だって、
 タダじゃないのよ?
 それに、支給品だって結構かかるんだから
 成功しないハンターに回す経費はないのよ」

冷たく言い放つギルドの受付穣を、恨めしそうに睨む
しかし、返す言葉がないのも本当なのだ

覚えてる限り、成功したクエストはここ最近では採取ばかり
討伐にいたっては、3ヶ月前に村に滞在していたパーティの
荷物持ち要員として同行させてもらったフルフルくらいだ
それですら、強烈な放電に近寄れず、やっとのことで罠を置いて
捕獲玉をなげたくらいであったが...
それでも、何度か同行させてもらいとうとう念願のフルフル装備を作る事が出来たのだった

その支払期限が迫っている・・・
両手に一杯の素材を抱え、満面の笑顔で依頼する彼女を武器屋の主も
凄腕のハンターだと思ったらしく、ツケで装備を作ってくれたのだ。
722forest and the hill:2007/08/27(月) 13:24:52 ID:RS1pEQLG
ホント、どうしよう・・・

なみだ目で手のひらをじっと眺めていると、背後から妙に甲高い笑い声が響いた

「ハハハハ、これだから女のハンターは駄目なんだよ。
 大人しく家で待ってて おかえりなさいあなたって
 にっこりしてりゃぁ良いんだよ。」

嫌なやつ!

「ヨーク、あんたまだいたの!さっさとドンドルマにでも行きなさいよ!
 なによ、こんな小さな村じゃ腕を生かすクエストがないってほざいてたじゃないの!」

3つほど年上のヨーク、この村では一番のハンターだけど
事あるごとに、絡んできては
お前はハンターに向かないとか採取がお似合いだ、などと
いちいち腹立たしい
おまけに村に回ってくる数少ない討伐クエストばかり狙う為
余計に割りの良いものが彼女には回ってこないのだ

「フンッ」

ヨークは鼻息荒く2枚の羊皮紙をテーブルの上に投げた

なによ・・・
ぶつぶついいながら目の前に降ってきた物をひろげると
そこには夢に見た文字が躍っていた

ー森・丘 立入り許可書ー

「なんですってーーーーっ
 なんでこれをあんたが持ってるのよ!」
723forest and the hill:2007/08/27(月) 13:26:05 ID:RS1pEQLG
森丘と呼ばれるその狩地はこの村から割りと近いにもかかわらず
村人はめったに足を踏み入れない。
時折、中央ギルドから屈強なハンターたちがやってくるので
入り口まで案内するぐらいである。
森丘には貴種なモンスターや植物の生態系があるため、ごく限られた者しか
入ることは許されていないのだ。

そして、許された一握りの者にはこの許可書が配布されるのである。

ー討伐依頼書 リオレウス 1頭ー

もう一枚の羊皮紙

「わかっただろ、俺はこいつをしとめるまで
 出て行くわけにはいかねーの
 ま、せいぜい俺のために蜂蜜でも大量に納品してくれよ。」

ぽんっと頭の上に手を置かれて、慌てて振りほどく

「ねぇ、このクエスト、私に譲って!」

言われたヨークも周りで眺めていたハンターも受付穣も
挙句の果てには、酔いつぶれて寝入っていたものまでいっせいに見つめた

「・・・・・
 な、なにいってるんだ、採取ハンターが!
 無理に決ってんだろう。」

「そんなの、やってみなければ分からないじゃない!」

いや、自分自身も分かりきっていた。
でも、長年の夢が目の前にある今、簡単に引き下がるわけにはいかないのだ
724forest and the hill:2007/08/27(月) 13:27:02 ID:RS1pEQLG
・・森丘に行きたいから、ハンターになったの・・・。
それまで諦めるわけにはいかないって・・・。

誰ともなしにこぼれた呟きを聞くと、ヨークは背中に背負っていた大剣を
押し付けてきた。

「そうだな、討伐じゃ荷が重いだろうから、サブだけでもいいぞ
 鱗の一枚でもとってきたら認めてやるよ・・・・」

相変わらず馬鹿にしたような口調だか、なぜ愛用の剣まで貸してくれるのだろう?
支えるだけで精一杯の大剣を両手でおさえ、不思議そうにヨークを見上げる
なぜか、真っ赤だ

「そのかわり・・・・
 また失敗したら、その時はハンターを引退して・・・
 俺と・・・その・・」

「いいわよ」

ヨークが口ごもっている間に、パッキリと応えた。
どんな過酷なペナルティだろうと、念願の狩場へいけるのだ。
秤にかけられるはずが無い。

おおーっ!

やったな、賭けはかったも同然
これでお前も一人前だなぁ!
あんたたち、見てると歯がゆくてねぇ
725forest and the hill:2007/08/27(月) 13:28:28 ID:RS1pEQLG
二人のやり取りを固唾を呑んで見守っていた村の熟練ハンターたちが
急に盛り上り、ヨークを囲んでいる

なんだろ?

いきなりのお祝いムードにさして気を向けることも無く
準備をする為に急いで家へ向かう
その後姿に、真っ赤になったヨークが
「すぐ帰ってこいよ!」と叫んでいた。

じょーだんじゃない!
直ぐに帰って溜まるか!
森丘に行くには目的があるのだ
13年前に生まれた、あの子を探すのだ

エロまでたどり着いていませんが、いかがでしょうか?
続き投下してもよかですか・・・
726名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 14:11:46 ID:rx9qivYX
>>718
新たな書き手さんか。乙。
改行と空行が多めだなぁとか思うけど、話は何だか面白そうですよ?
ヨークがかわいいw
このスレの残り容量あと7KBばかしだが、多分それで収まりはしないよな…
残りは次スレが立ってから投下されてはいかがか。
727名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 14:38:33 ID:HMSO2Iec
>>725
続き楽しみだが、容量限界なので次スレへの投下、期待します。
728名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 16:07:55 ID:P325anlk
新たな狩人が来たか。レウスとヨーク青年、そしてヒロインの三角関係が描かれるのか!?
このスレではすでに指摘されているように容量不足になりそうだが、次の投下を楽しみにしているぜ!
729名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 17:07:50 ID:6QnEnsrI
文章力も有りそうだし話にも期待大。
でも誘い受けよくない。
730名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 17:50:00 ID:TrW2AF9C
ヨークの死亡フラグ
731名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 21:39:15 ID:d3L2UPVr
嬉しい事なんだがここは本当に容量の進行が速いな
今まで見た中で五本の指に入りそうだ
732名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 21:39:19 ID:Tv4sJA+y
次スレ立てちゃっていいのかな?
SS職人さんの続きモノとか残りの容量じゃ苦しいし…
733名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 21:43:35 ID:8hiN6gtU
ヨーク「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ!」
734名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 21:47:06 ID:akeNUoe5
事前に用意しておけばみんな安心。
735名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 22:04:31 ID:Tv4sJA+y
次スレ立てました。

【MH】モンスターハンターでエロパロ 7匹目【モンハン】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188219502/
736名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 22:17:57 ID:96jnPlhX
ぱっとゲリョデリあ〜
ぱっとゲリョデリあ〜
大好きな沼だーからー
はなれられーないー
いつまでーもーこのぬまでー、くらしていたいぃぃぃ〜〜〜〜

ゲリョス娘とかは無理だろうか
737名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 22:36:19 ID:vwWsgCFB
酔って襲い掛かろうとするもゲ(ry
738名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 22:45:00 ID:LLdP0S53
サイ〇リア…なんつう懐かしいものを。
ゲリョス娘というと、イメージは
・毒吐き ・嘘吐き ・タフネス ・ゴムゴム軟体 ・光る!回る!音が出る! ・トサカ付き
…すんごいキャラがたってそう
739名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 23:35:19 ID:dAi6nlgK
>>731
昔は「MHでエロパロ」なんてスレタイだったからまったく人が居なかったんだがな
740名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 23:50:16 ID:96jnPlhX
わしがきたのは3すれめ
それぐらいからかそくしたかんじ?
741名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 04:12:50 ID:cAmz7EWm
もう5kbしかないしログ保存してしまっていいのかね?
742名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 07:39:41 ID:g6OeRn+N
その昔MH=モーターヘッドと誤認してたP2参入組の俺がきましたよw
743名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 12:57:43 ID:mDjarCc0
>>742
FSS吹いたww
……俺も最近になってその読み方知ったが
744名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 00:41:22 ID:lDXxGHJe
おしえてクック先生
745名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 21:02:31 ID:xy5tj3DC
ようこそここーへ♪
クッククック♪
746名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 14:13:36 ID:P9SCg2pq
>>619
なんのモンスターの擬人化?ってか男と女どっちが?
747名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 17:55:43 ID:8gpP6PtB
>>746
メインの男女は肉体的に普通の人で擬人化じゃない。
擬人化な登場人物がいるにはいたが、脇役でエロに絡んでない。
そういや擬人化でないハンター同士って、最近少なめだったかも。
748名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 16:12:17 ID:okR9EMrx
ダッシュ!ダッシュ!ゲリョス
ダッシュ!ダッシュ!ゲリョス
トサカの閃光 気に障る
やめろ!ダッシュ!ゲリョス
 
ウロコの生えない ゴム質ボディ
ムロフシの打撃 はねかえす
明後日の方向 毒液吐けば
ランゴスタなんて 怖くない
 
走り出したら 止まらないぜ ゲロ!
ついばみついでに かすめ盗るぜ ゲロ!
騙し通せぬ 嘘があるのさ
ゲロ!ゲロ!ゲロ!ゲリョス
 
 
『超毒怪鳥ゲリョス』
 
SSが一向に書き終わらないので魔がさした。
ゲリョスならなんでもよかった。
今は反省している。
 
特撮ネタなのは趣味。ところでゲリョスって何食べるんだろ。
749名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 17:54:04 ID:/KM+LNf/
クックはミミズだの昆虫の類いを主食にするんだっけ?
ゲリョスは……キノコ類ならなんでも喰うとかかね? 毒ゲロをまき散らすし?
何を喰うのかよくわからんモンスターっているよな、確かに。

クック……ミミズ他
ゲリョス……?
ガレオス……肉?
ガノトトス……カエル+肉? 
レイア・レウス……肉
フルフル……肉
ディア・モノ……?
バサル・グラビ……岩+?
750名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 22:54:26 ID:YUzcixXl
物書き初参戦な上に、まだモンハン初心者で妄想による舞台補正してるんだが投下よろしいか?
751名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 23:16:08 ID:enbzTtFL
>>750
ここはもう落ちるから次スレにいってみな
752名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 02:40:08 ID:K7xALC5Y
『ここはもう落ちる』なんか妙にかっこよく見えた…
書くのにお伺い立てなくってもいいんだぜ。
書き上げてからの投下をオススメするんだぜ。
753名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 23:12:25 ID:uHxp+V5k
ここのが過去ログにはいるのは何時…?
故に保守…?
754名無しさん@ピンキー
今日はクックの日。
…だといいな