1 :
● :
2007/06/10(日) 10:24:24 ID:kLcpm/3f
3 :
妄想屋(仮名) :2007/06/10(日) 10:38:05 ID:OVujj7Oy
>>1 乙!
さあ、あふ☆いや第三話、4レス投下始めるザマスよ。
相変わらず、非エロ&非恋愛ものですorz
----------------------------------------------
4 :
1/4 :2007/06/10(日) 10:38:55 ID:OVujj7Oy
爆音と銃火に彩られた大広間。菫色のツインテールをなびかせて、少女が踊る。 【BGMとキーを叩く音に彩られた部屋。青いロングヘアを後ろで束ねて、作者がうなる】 少女の掌から、怒りと悲しみが銃弾に乗って放たれる。 【作者の掌から、勢いとノリが文字に乗って放たれる】 彼女の腕の一振りで、次々となぎ倒されていく兵士達。 【作者の指の一振りで、次々となぎ倒されていく物語の中の兵士達】 ―戦いは、まだ終わらない。 【―執筆(たたかい)は、まだ終わらない】 日向こなた、ただいま猛然と新作執筆中。今回はアクションシーン満載ですよ。 『物語の神様』が降りてきた今、私に怖いものはない。 ばら撒いた伏線の糸が整然と絡み合って、一本の綺麗な組み紐が現れるこの快感。 話の緩急もバッチリ決まって、なだれ込むように飛び込むクライマックス。 ……これが!これこそが!!小説家(ストーリーテラー)稼業の醍醐味ってもんですヨ!!! 食事?睡眠?そんなもん後回し、後回し♪ ……いやー、今回はかなりギリッギリだったんだけどね、神様降臨。 ――――――――――――――――――― あふ☆いや 〜らき☆すたAfter Years〜 Episode 3. ともだち ――――――――――――――――――― 「……あ、うん、大丈夫。間に合うよ〜」 『無理されてませんか?睡眠はきちんと取られてますか?』 「いやー、ここ一週間で3時間ぐらいかな?……まあ、締め切り間際はいつもこんな感じだし、寝てなくても不思議と調子がいいんだよね」 『ダメですよ、泉さん……忙しいのに身体の調子がいいと思っていたら、急に倒れることもあるんですから』 ……あ、それは聞いたことあるな。いくらでも働ける気がする、とか言ってた人がバタンと…… 「だいじょぶだいじょぶ、無問題(もーまんたい)。あと少しだから。ちゃちゃっと仕上げて打ち上げやって、あとは三日間ぐらい寝てやるんだ♪」 『泉さん……やっぱり、日を改めたほうが……』 「ちっちっち。せっかくみゆきさんが時間取れたんだから、がっつり迎撃させていただきますヨ?」 『でも……』 「もー、相変わらず心配性だなぁ、みゆきさんは。自分の身体は自分がよく知ってるよ。大丈夫だって。……んじゃ、待ってるからねー」 一方的に通話を切って、ケータイを充電器に戻す。 そして私は、『♪ヤンマーニヤンマーニ……♪』のリフレインとともに、再び戦火の中に身を投じるのでありました。 原稿が上がったら、つかさのお店で打ち上げだ。気合も入ろうってもんですよ。 頑張れ、日向こなた先生!うまいビールが待ってるぞ! −x− −x− −x− −x− −x−
5 :
2/4 :2007/06/10(日) 10:39:38 ID:OVujj7Oy
誤字脱字や変な言い回し、論理の破綻やヤバイ表現……ん、大丈夫。問題なし。 いつものように、ボタン一発で編集部へメール送信。 それから、担当のトミタさんに電話。受信の確認と、次回作打ち合わせのアポ取り。 『OKです。……それじゃ、お疲れ様でした』 「あじゅじゅしたー(笑)」 ……よっし、終わったっ!! 日向こなたは店じまい。泉こなたに戻りましょー。 壁の時計は、待ち合わせ時刻を5分ばかり過ぎてる。もうすぐみゆきさんが迎えに来るはず。 そういえば、新車買ったって言ってたなあ。 赤いMINIだったっけ?みゆきさんらしいって感じするよね。 そろそろ秋風も冷たくなってきたし、フォークロア調のブラウスにタイトなGパン、男物のGジャンとぶかぶかの鳥打帽で武装完了。 気の置けない仲間だし、服装も堅っ苦しくない感じのほうがいいよね。 ……なに、センスないって?うっさいやい。 よっこらしょ、と立ち上がる。足元がちょっとふらつく。 おー、やっぱちょっとグロッキーだなこりゃ。打ち上げ済んだらさっさと寝よう。 窓の下に、白い屋根の赤い車が停まる。短いクラクションが二回。……来た来た、みゆきさんだ。 とたとたと階段を下りる。ひっそりとした家の中。 お父さんは取材旅行中。くっそー、売れっ子はいいなあ。 まあ、こちらはこちらで楽しませてもらうからいいけどね。 さーて、どの靴にしようかなー…… と、下駄箱に手をかけた、その時。 世界がぐらり、と回って、横倒しになって止まった。 左の頬に感じる、ひんやりとした床の感触。 ……あれ? 擦り切れたフィルム映画のような視界。みゆきさんが私を見下ろし、立ちすくんでいる。 淡い桃色の髪が、白い肌が……色を失って、闇の中へと、溶けていく。 「泉さん!?……泉さんっ!!」 暗闇の中、呼び声がやけに遠い。 額に触れる指先の感触が、痺れに飲み込まれて、消えて、いく。 『……泉さん!しっかりしてください!…………いず…………』 ……あは、ちょっと、転んじゃった。 「………ずみ………ん…………」 ……今……起きる……からね。 『………………』 だってさ……久しぶりに……みんな……で……………… …………
6 :
3/4 :2007/06/10(日) 10:40:20 ID:OVujj7Oy
−x− −x− −x− −x− −x− 「……ん……」 ……暗闇に、一筋の光。 眩い光が、ゆっくりと暗闇を押し広げていく。 淡い桃色と菫色の影が、ゆっくりと像を結ぶ。 「泉さん!……よかった、お気づきになられたんですね」 「こなちゃん!……よかったぁ……」 みゆきさんとつかさが、目に涙を浮かべて私の傍に座ってる。 「私……どうしたんだろ?」 見慣れない白い部屋。 左腕に違和感を感じて視線を移す。二の腕から伸びたチューブが、点滴のパックに繋がってる。 ……ああ、そうか。ここは…… 「泉さんは、過労で倒れられたんですよ」 吊り上がった眉と、鋭い視線。そこそこ付き合いは長いのに、一度も見たことのなかった、みゆきさんの険しい表情。 「あー、いや、その……約束、パーにしちゃってごめん」 残った右手で、頭を掻く。 「そんなことを怒ってるんじゃありません」 声のトーンが一段と低い。隣でオロオロしてるつかさが、小動物みたいでちょっと可愛い。くそぅ。 「……どうして、そんな無理をされたんですか?私のためですか?」 うぅっ、妙な緊迫感。しかも、こちらは逃げも隠れもできないベッドの上。 「いや、そういうわけじゃないけど……」 みゆきさんの表情が、少し崩れた。 怒りと悲しさが入り混じった、微妙な視線。 「泉さん?」 「は、はいっ?」 思わず敬語になってしまう私。 「私は……お友達に約束を反故にされることよりも、お友達が私のために無理をすることのほうが……ずっと辛いです」 声が震えてる……みゆきさん、泣いてる? 「みゆきさん……」 「……そんなになるまで無理をされていたのに、……どうして……」 そこで、言葉が続かなくなった。 軽く握ったみゆきさんの両手が、小刻みに震えてる……
7 :
4/4 :2007/06/10(日) 10:41:45 ID:OVujj7Oy
「……みゆきさん?」 右手を伸ばして、みゆきさんの左手に重ねる。 「本当、ごめん。ちょっと無理したのは事実。あやまるよ」 「泉さん……」 「それより、ありがとね。そんなに私のこと、心配してくれてたんだ……」 みゆきさんの向こう側で、つかさも泣いてる。 私のことを思って、泣いてくれる"ともだち"が二人。 私って、やっぱり幸せもんだよね。 ネットの中になら"友達"はたくさんいたけど、それはモニター越しだけの付き合い。 ログインしなくなればすぐに疎遠になってしまうぐらいの、緩やかな付き合いでしかなかったけど…… こんなに私のことを思ってくれてる、"ともだち"がいるんだから。 ……あぁもう、こっちまで泣けてきちゃったじゃん。 「……こなちゃん?」 涙をぐしぐしと袖で拭いながら、つかさ。ちゃんとハンカチで拭かないと、せっかくのよそ行きが台無しだよ? 「おねえちゃんには、連絡しなくていい?」 「ん、かがみには黙ってて」 「……え?」 きょとん、とした顔。ほんと、小動物チックだなぁ。 「命に別状があるわけでもないんだし、大事な時期にこんなことで、余計な心配かけたくないからさ」 かがみは今、大事な時期。 遠い街で、弁護士を……自分の夢を目指して頑張ってる。 今は私のことなんて考えないで、夢に向かって一直線に突き進んでほしいから。 『困った時に頼るのが友人、困った時には頼らないのが真の友人』、って言ったのは誰だったかな。 ……いや、みゆきさんやつかさが真の友人じゃないって意味じゃなくて、えーと。 「うーん、こなちゃんがそれでいいなら、そうするけど……」 つかさは、なんとなく納得してない感じ。 みゆきさんは優しく微笑んでる。私の気持ちを察してくれたみたい。あとでつかさに説明しといてね。 「本当、二人ともありがと。この埋め合わせはきっとするからね」 私はめいっぱいの笑顔で、二人の気持ちに応えた。 その時。 「こなた!大丈夫かっ!?」 病室の扉が勢いよく開かれて、お父さんが飛び込んできた。ゆーちゃんも一緒だ。 「うわぁっ!?」 思わず飛び退る一同。……でも、時すでに遅し。 お父さんの顔が「いいもの見せてもらいました」とでも言いたげに、ニンマリとほころんだ。 感動の名シーン、ばっちり目撃されちゃいましたヨ。 ……は、恥ずい。これは恥ずい。うぁぁあああ。 ― Fin. ―
8 :
妄想屋(仮名) :2007/06/10(日) 10:42:26 ID:OVujj7Oy
--------------------------- 以上です。あじゅじゅしたー。 次回でいったん最終回です。 あらすじは出来てるんだけど、うまくまとめられるかなあ。
>>1 乙、そして妄想屋さんも乙!
こなたせんせの執筆シーンに「あるある」と膝を打ち、みゆきさんとつかさとこなたせんせの、
三者三様の変わらぬ友情にほっこり暖かくなりました。
お出かけ前にいいもん見ました、GJ〜♪
10 :
妄想屋(仮名) :2007/06/10(日) 11:02:13 ID:OVujj7Oy
>>5 >「………ずみ………ん…………」
カギカッコ間違えた・・・orz
>『………ずみ………ん…………』
が正解デス。うぁぅ。
>>1 乙ザマスよ
こなたはやっぱり総受けで
妄想屋氏GJ!
>>妄想屋氏 次はついにかがみ登場? wktkして待ってますw
新スレそうそう良い物をありがとう ダメダメだった簿記のことなんて気にならないほど暖かい気持ちになったぜ
妄想屋氏乙ー! 今回も堪能させて頂きましたよ、GJです。 ところでみゆきさん→こなたの呼称って「こなたさん」だったような。
15 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/10(日) 13:38:34 ID:xY7TP8B7
>>14 だが一話の見舞いシーンではかがみに「泉さんなりの思いやりかもしれませんね」って言ってるし
二話の勉強会のシーンでは「泉さんも勉強会ですか?」って言ってる
すまん、勝手な思い込みだった。
17 :
15 :2007/06/10(日) 13:59:15 ID:xY7TP8B7
>>16 だが、まりみてこなたに対しては「こなたさん、ごきげんよう」と言ってる。。
7話はそこ以外も「こなたさん」になってる
>>1 乙
行くでガンス
>>8 ー=y;、 (⌒
\\ γノ~り))
\\从=ω=)) ヤンマーニ
\ / /⌒ヽ ヤンマーニ
( ̄ ̄.| へ \ ヤンマーニ
/ / \\ GJ♪
/ │ ヽ_つ;y=‐
/ / \
/ /\
/ /\ \
/___ /~ \ \_
/ /| ~~ |\ \
直接呼ぶときはこなたさん、誰かと会話してるときは泉さんって言ってるのか さすがお嬢様育ちは違う
フラグ立ったからこなたさんになったんだろう
ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ /ヽ ,.‐'´ `''‐- 、._ヽ /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、 [ |、! /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | } ゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''  ̄ ̄ |l !ニ! !⌒ // . i.! l .::::: ソ;;:.. ヽ、._ _,ノ' ゞ)ノ./ ` ー==--‐'´(__,. ..、  ̄ ̄ ̄ i/‐'/ i .:::ト、  ̄ ´ l、_/::| ! |: | ヽ ー‐==:ニニニ⊃ !:: ト、 俺達はとんでもない思い違いをしていたようだ。アニメ七話を見てみろ。 みゆきはこなたのことを「こなたさん」と呼んでいる。しかし八話では「泉さん」に戻っている。 「こなたさん」と呼ぶようになったのは夏休み中に親密度が上がったのが原因と推測される。 ならば何故8話で「泉さん」に戻っているのか? みゆきはこなたを直接呼びかけたり独白している時は「こなたさん」と呼び、 他の誰かとの会話では「泉さん」と呼んでいる。これは典型的な「周囲の状況による態度の変化」だ。 つまり! ツン→「泉さん」 デレ→「こなたさん」 みゆきはこなたに対するツンデレ属性を備えていたんだよ!!
23 :
妄想屋(仮名) :2007/06/10(日) 16:17:04 ID:YHwWndT2
ぐはぁ、なんだかわからなくなってきましたヨ!? 電話のシーンだけ「こなたさん」に直すかな、うーーむ
空気を… まあ基本「泉さん」だしそれでいいでしょ。 「こなたさん」にしても間違ってないってことで。
友人を何と呼べばいいのか自分の中でハッキリ定着していない・・・・・ というのはリアルでもあるんではないかと。 特にみゆきがこなたを「一クラスメート」としか認識していない場合にはw こなた「み、みゆきさんー!ヒドイヨー・・・・orz」
みゆき: 心情的には、「苗字読み」で統一したいのですが、柊さんを区別するには 「かがみさん」「つかささん」と呼び分ける必要があるんです。 でも、結果的にグループ内で一人だけ「泉さん」になってしまうと、なんだか 泉さんだけ距離を置いてしまっているような気がするので・・・・・。 今は「泉さん」と呼んでみたり「こなたさん」と呼んでみたりしてしまうのです。 お恥ずかしながら・・・(///;)
>>1 乙
>>16 他
原作でも、初期は泉さんだった。
多分、クラスに慣れると同時に打ち解けてきたって解釈で良いんじゃないかな。
ここまで考察されるとこなた×みゆきSSを読みたくなる。 ところで「こなかが」のように名前を略す形でカップリングを 名づけると「こなゆき」になるんだろうか。
>>28 うっ…言っちゃいけない……言っちゃいけないフレーズが頭に…
こなあぁぁぁぁぁぁぁ
>>31 つまりこういうことである
こなかが かがこな つかこな ゆきこな
こなつか かがつか つかかが ゆきかが
こなゆき かがゆき つかゆき ゆきつか
なんだか語呂悪いの多いな…
原作で百合は否定されているからな…
前スレの埋めSSに感化されたこなた自慰。1レス。 深夜。いつもであれば何かしらの音と光を発しているこなたの部屋には今現在何もない。 くぐもった喘ぎ声以外は。 「ん……ふぅっ………」 時折声を漏らしながら、こなたは秘所に指を擦り立てる。 「くぅ……ん」 声を出来るだけ上げないようにと、必死に噛んでいるシーツは、涎でうっすら滲んでいる。 そのこなたの脳裏に浮かんでいるのはゲームの場面でもなく、見知らぬ男の姿でもなく。 「っは………か…がみ……ん…」 唯一無二の親友の姿。 「ふ………う…か……が……」 限界を近くに感じ、こなたはまともな声すら上げられなくなっていく。 「か……が…みぃ……!っ!!」 秘所を擦り上げる指が淫核に触れた時、こなたは達した。 「………かがみん……」 許されない、ましてや受け入れられるはずがないだろう思い。 行為が終わる度にそれを深く感じる。けれど止めることなど出来そうにない。 鼻の奥が痛む。流れ出る涙を無理やりに拭い取った後にベッドにくるまり、こなたは深い眠りに落ちていった。
相思相愛wktk
刀、 , ヘ
/´ ̄`ヽ /: : : \_____/: : : : ヽ、
,. -‐┴─‐- <^ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
/: : : : : : : : : : : : : :`.ヽl____: : : : : : : : : : : : : : : : : : /
,. -──「`: : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :\ `ヽ ̄ ̄ ̄ フ: : : : :/
/: :.,.-ァ: : : |: : : : : : : : : :\: : : : :: : : :ヽ \ /: : : :/
 ̄ ̄/: : : : ヽ: : : . . . . . . . . . . .、 \=--: : : :.i / /: : : : :/
/: : ∧: \: : : : : : : : : : ヽ: :\: : : 〃}/ /: : : : :/ 、
. /: : / . : : :! ヽ: : l\_\/: : : : :\: ヽ彡: : | /: : : : :/ |\
/: : ィ: : : : :.i: : | \!___/ ヽ:: : : : : : :\|:.:.:.:/:! ,': : : : / |: : \
/ / !: : : : :.ト‐|- ヽ \: : : : : l::::__:' :/ i: : : : :{ |: : : :.ヽ
l/ |: : :!: : .l: :| \: : : l´r. Y {: : : : :丶_______.ノ: : : : : :}
l: : :l: : :ト、| 、___,ィ ヽ: :| ゝ ノ '.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
|: : :ト、: |: :ヽ ___,彡 ´ ̄´ ヽl-‐' \: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ
!: :从ヽ!ヽ.ハ=≠' , ///// ///u /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
V ヽ| }/// r‐'⌒ヽ イ〉、
ヽ、______ー‐‐' ィ´ /:/:7rt‐---、 こ、これは
>>1 乙じゃなくて
ィ幵ノ ./:/:./:.! !: : : : :!`ヽ ポニーテールなんだから
r‐'T¨「 |: | !:.∨:/:./: :| |: : : : .l: : : :\ 変な勘違いしないでよね!
/: : .|: :| !:.!ィ¨¨ヾ、:.:/ !: : : : l: : : : : :.\
あ、SS作者様こういうのまずかったらすぐ消します てか無断描きかつヘタレ絵ですいませんorz
みんなヘタれ絵から始まるが、もうちょっと頑張った方がいい。
要修行なのは目線かなぁ。焦点が定まっていない気がする。 あとはセーラー服の襟付近とか。 影の付け方とかは結構しっかりしてると思うな。 自分も絵書くけど、どうも色使いがプレーンで平面的だからちょっと羨ましい。
44 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/10(日) 22:57:22 ID:QcR4zmLE
>>32 のこなゆきに吹いた
こなあああああゆきいいいいいい
45 :
えすこな :2007/06/10(日) 23:24:57 ID:vhsgDf10
かがみ:こなたが好きで仕方ない。 つかさ:かがみが好きで仕方ない。 こなた:かがみの気持ちを知っている。つかさの気持ちも知っている。かがみを精神的にイヂめるのが好き。 という設定で、 まず、こなたがつかさをからかう。 次に、こなたがかがみを…。 最後は、かがみが…。 こなたが双子を弄ぶ話、会話分主体。 ―柊家、つかさの部屋 遊びに来ているこなた、 「そう言えば、かがみは?」 「お姉ちゃん、クラスの友達と出掛けるんだって」 「へぇ…」 「…」 こなたが寂しそうにするので、少しばかり困ってしまうつかさ。 とりあえず、この沈黙をやぶるための話題を必死に考えている。 「…あのさぁ」 「な、何? こなちゃん」 「つかさってさぁ、かがみんのこと好きなんだよね」 ボっと火が着いたように赤面するつかさ。 「あわわわ、おっ、お姉ちゃんのことは、そっ、そそそそ、その、あの、え〜と…」 こなたはその慌てる様子を見て、微笑ましいなぁと思う。 「いや〜、照れなくたってイイってぇ、好きなんでしょー?」 「…う、うん。私、お姉ちゃんのこと思うと…、胸がドキドキして、…って変だよね? 姉妹なのに…」 「いやいや、ギャルゲーじゃ結構フツーにある設定だし、かがみんカワイイし、私も味見したいなーって思うし」 「え!?」 場が氷りついたように静まり返る。 「あはは、冗談だから、もぉ、ここは「それはダメぇ」とか言って涙目になるトコロでしょー」 「…」 恥ずかしくて俯くつかさは耳まで真っ赤にしてる。 こなたに言わせれば素で可愛いなこの娘な状態。 「じゃあ、キスとかしてるの?」 「え!?え!?え!? そ、それは、えと、ま、まだ、あの、その、そんな、し、してないよ〜」 「へぇ〜、そうなんだ。でも、『まだ』ってことは、したいってことなんだよね?」 「え!? あぅ…」 意地悪な笑みを浮かべ、さらに追い討ちをかける。 「だって、つかさはその先もしたいんだもんねー?」 つかさの答えをニヤニヤしながら待つこなた。 「…う、うん」
(゚Д゚)ねぇ
47 :
えすこな :2007/06/10(日) 23:27:51 ID:vhsgDf10
45の続き 「じゃあ、練習しとこうか、つかさ」 スルスルと服を脱ぎながら、つかさに迫っていくこなた。 「へ!? だ、だめだよ〜そんなの、こなちゃん」 あわてて、後ろに退くつかさ。 「むっ、なんで?」 「…だって、私が好きなのは、そ、その、お姉ちゃんなワケじゃない(↑)。だから、こなちゃんとそーゆうことするのは、あの、やっぱり…」 ビシッと人差し指立てて、こなたが語りだす 「わかってないなぁ〜。こ〜ゆうのは、初めが肝心なんだよぉ、つかさっ」 「うん」 「初めてのときにかがみを満足させられなかったら、きっと、かがみん冷めちゃうよぉ〜」 「ええええ!!?、そ、そうかなぁ」 「そだよー、だから、さ、やろう」 「う、うん」 少しの戸惑いが残るつかさであったが、それは一時のことに過ぎなかった。 「はぁっ、はぁっ、こなちゃん、こなちゃん…」 結構な時間が経ち、2人とも汗まみれ、液まみれ。 「ふふふ、本当につかさは好きだねぇ」 「え〜? こなちゃんには敵わないよぅ」 そこに ガチャッと部屋のドアが開く。 つかさの顔から血の気が引いていく。 「お、お姉ちゃんっ…!?」 バタンッ ドアを閉め、自分の部屋に走り去っていくかがみ。 堪えきれずにつかさは泣き出してしまう。 「ううううう、お姉ちゃん、お姉ちゃん…」 「つかさ、大丈夫だよ、私がちゃんとかがみに説明するから…」 そう言って、服を着て、立ち上がりかがみの部屋に向かうこなたは、 「盛り上がってきたぞー」 とつぶやくのであった。 次回「こなたのS 対 かがみのツン」 は需要に応じて明日書く。
がんヴぁれ あとsageな
続きは明日か……日付変わるまでもうすぐだなw
乙! 是非続きを!
R-20エロゲ 「らきすた。」攻略法 6/17│ゲマズへ行く │本屋へ行く │ 図書館へ行く │ │ │ 6/18│当然、声をかける │当然、声をかける │なんかかけづらいかも… │ │ │ 6/19│貧乳 │実はおれ、ポニーテール萌えなんだ│実はおれも虫歯なんだと告白する │だが断る。 │もちろん。 │うーん、できれば… │ │ │ 6/20│当たり前田のクラッカー │当たり前田のクラッカー .. │当たり前田のクラッカー │ │ │ 6/21│ そんなことよりオ○ニーだ . │よし、お金を貸してやろう ...│よし、お金を貸してやろう │ │ │ 6/22│何が何でもこなたを守る │何が何でもかがみを守る │ 何が何でもつかさを守る │ │ │ 6/24│行ってみる │ │(自由) │こなたとふたりきりがいいな │ │……自分で食べます │ │ │ ■■ここで分岐■■ 6/25│待て、これは孔明の罠だ . │考えるまでもなくかがみ優先 ....│ふたりがきになる│みゆきについていく │久々に困る │ │柊家に行く │みゆきさんお願いします │ │ │ ..│ 6/26│ │かがみが気になるから断る ....│かがみが好き │ つかさが好き │ │ │ .│話を聞いてみる │ │ │ .│ 6/27│とにかくこなたと屋上へ行こう ..│ │姉妹ルート │全員ルート │ │ │ 6/28│ │かがみに内緒でエッチはできない.....│ │ │ │ 6/29│そうじろうさんに聞いてみよう .│かがみと屋上にいく │ │こなたが心配だから会いに行く│ │ │ │こなたルート .│かがみルート 某無料エロゲの解答改変してみました
姉妹ルートも捨てがたいが、みwikiルートが設定されて無いのが哀しいw
3レスほど失礼します 今日、長年連れ添ってきた親友に先立たれてしまった……。 ずっと大切にしてきたのに、ちょっとした事故で、彼女はかえらなくなった。 幼いときからの思い出だけが、走馬灯のように甦る。 ――それまでは、誰とも触れたことがなかった。 触れようと試みることもなかった。 そんな状況を打破してくれたのは、彼女だった。 彼女と一緒にいると、"楽しい"や"嬉しい"とは少し違う、不思議な気持ちになれた――。 彼女には姉妹がいて、年をとるごとにお姉さんへと成長していった。 そんな彼女を、自分は羨ましく思っていたのかもしれない。 ときには乱暴に扱ったり、冷たくあたったりもした。 でもそれは、なんとも表現できない心の中を隠すための行為だった。 "もしかしたら、恋をしているのかもしれない" そう考えたこともあったが、世間が言う『常識』では、 二人の間で愛が成立することはありえない、となっていた。 禁断の恋、一方向だけの愛。
――P.M.10:25 いずみ家―― 「いや〜〜!! わたしの幼馴染が……」 こなたの私室から、部屋の主の声が聞えた。 彼女の前には、ピンセット・螺旋回し・刷毛・ガワの外された携帯ゲーム機が置かれている。 随分と日焼けし、変色したプラスチックからは、数年とは思えない年季が感じられた。 「うかつに解剖してゴメン……。お願い、生き返って!」 持ち主の呼びかけにも、音声認識機能のない旧式GBは無反応である。 なぜこのようなことになってしまったのか。 それは音量ダイヤルの感度が悪くなったGBを、こなたが修理しようとしたところから始まる。 埃を巻き込んだだけだから中を開けて掃除すれば直る! と確信したこなたは、手馴れた様子で埃を除去していった。 しかし、ピンセットへの力の入れ加減を間違え、基盤を傷つけてしまったのだ。 「うう、もう二度と解剖なんかしない。クソゲーやっても投げたりしないから、戻ってきて!! マイ・ラバー」 "るー"という泣き声が、今にも聞えてきそうな別れの夜だった……。
2レスで収まりましたね…… これでお終いです。ありがとうございました。 設定を細かく見ていないので、矛盾しているところがあるかもしれません。 誰とも触れたことがなかった→ゲームを触ったことがなかった 彼女には姉妹がいて→GBC・GBA・NDSなど と脳内変換していただければ幸いです。 元ネタは、作者が先ほど、実際に犯した過ちですorz
鬱モノかと思ったらギャグかよ!wwwwww つからきすたとあんまかんけーねーよ!wwwwwwwwwww
>>51 くっ、そんな事書くからエロゲ作りたくなってしまったじゃないかw
絵描けんけどね・・・
ナイスミスリード誘発!
昔、兄がファミコンやらなんやら分解していたのを思い出した。 初代GBとは懐かしいな こういう一発ギャグ大好きですw
俺、埃取るためにPCバラそうとしたことあるw
かがみの部屋の前に立つこなた。 「かがみー、かがみー、聞いてるぅ」 「な、なによ」 ドア越しのかがみの声は普段より弱弱しく感じる。 「さっきの、アレさぁ、かがみ気にならない」 「…」 「もう、無視しないでよ〜。まあ、イイや。」 はぁ〜っと長いため息をわざとらしくするこなた。 「いやね、つかさがね、かがみーとしたいからーって、それでね、練習がしたいからってつかさがしつこく頼んでくるのよ、私に。 でね、私もいつもお世話になってるしぃーで、OKしちゃったワケよ。そしたら、途中でやぁめられなくなっちゃってぇ」 ドアの向こうのかがみの様子を想像してワクワクするこなた。 「あのさ、ギャルゲーで普段おとなしいのにそうゆうシーンになると積極的な娘っているじゃん、つかさってそーゆうタイプだよね」 「いや、そっち方面の話はわからないから…」 「あーっ、でも、つかさの口唇やわらかかったなぁー。 つかさってキス好きだよね。舌づかいが最高でさ、私のおマンコもペロペロ舐めるし、おかげで、私、2回もイっちゃったよ〜。胸も小っちゃいけど感度が良くて、私がチクビを指でちょろ〜んと突っついたら、体ビクンってさせて、そこがつかさらしくて萌え」 「…」 「でもさぁ、ゲームとかラノベとかで百合って流行ってるけど、リアルで女の子好きーなつかさって、かなりやばいよね。 しかも、相手が双子のお姉ちゃんなんてね」 「…」 「双子だし、かがみも女の子がすきっだりしてー」 「な!? そ、そんなワケ…」 「何、図星? 図星ぃ? やっぱり、相手はつかさぁ?」 「ち、ちがうっ!」 「そうだよね、もしそうだったら変態だもんね、変態。」 「そ、そうね…」 「いや〜、でもかがみがそっちの趣味がなくて良かったよ」 「何よ」 「だってぇ、今、かがみがつかさとキスしたらぁ、私と間接キスになるじゃな〜い」 「な!?」 「うん? 何その反応? もしかしてかがみ、私とキスしたかったりとか?」 「ち、ちがうわよっ、バカっ!」 「だよねー。ちがうよねー。そんなの変態がすることだもんねー。 それじゃぁ、変態だよ。あぁ、良かった、かがみんが変態じゃなくて」 「もういいっ! 帰れよっ!!!」 「あらそう、じゃーにー」 こなたが去った後、かがみはベットに突っ伏していた。 部屋にはすすり泣くかがみの声だけが小さく響いていた。 悲しみにくれるかがみ、ふと先ほどのこなたの言葉が脳裏に浮かぶ。 「間接キスか…」 次回「かがみとつかさ」も需要があれば、ということで。
いいぞ!もっとやr……もっとやって下さい
>>60 はて、それって定期的にするもんじゃないの?
という俺は自作PC使い。
>>61 続きよろハァハァハァハァ
萌えドリルの巫女祭壇ネタとか需要あるのだろうか。 べ、別にあったら書くってワケじゃないんだからね!勘違いしないでよ!
突然、部屋のドアが開いて驚くつかさ。 「お姉ちゃん…」 2人とも涙のあとが頬に残っている。 黙って目も合わせられない2人。 「ごめんね…」 そう言って、かがみがつかさに抱きつく。 「お姉ちゃん」 つかさは頬を赤らめる。 「こなたのにおいがする…」 「え!?」 んぐっ つかさの口をふさぐようにキスするかがみ。 互いに舌を絡めあう。 「こなたの味がする…」 「さ、さっきから何を言ってるの?」 と聞いたつかさの顔はすでに不安の色に染まっている。 バンッとかがみがつかさを押し倒す。 再びキスしようとするかがみをつかさが押し返す。 「わ、私は…、こなたを、こなたを感じたい…。 だから、あんたのことなんかなんとも思っていないんだからねっ…」 涙を浮かべながらの告白である。 姉としての自分と、つかさの気持ちを踏みにじる自分、そして、こなたが好きな自分も、全てに嫌気がさす。 体を強張らせるつかさに対して、 「わかったら、さっき、こなたに何されたか言いなさいよ」 と言い放つ。 泣きながらからみあう双子の姉妹。 「さあ、次! 次は何されたの?」 「う、う、おマンコを…」 「おマンコを?」 「おマンコを指でいじられて、それから、舌で…」 つかさの顔面を殴りつけ、そして、つかさの下腹部に顔を近づけるかがみ。 「うううう、こんなの…、こんなのヤだよぉ…」 「うるさいっ」 いやらしい音を立てて、舐めだすかがみ。 「はぁっ、はぁっ」 2人の過ごす今日が悲しみに暮れていく。 終わり
>>68 GJ!!
ただどうも個人的に、萌えキャラが「マンコ」言ってるのを聞くと萎える・・・(´・ω・`)
そういう需要が多いことは判ってるつもりなのだが・・
70 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/11(月) 12:24:46 ID:uSHEs9db
保守
ごめん上げちゃった
いきなりだが、平仮名のまんこと片仮名のマンコどっちが好きだい?
>>68 乙です。
突き放したような、救いのない展開が、なんともいえませんな・・・
スレみてたら触発された ちょっと頑張って あきらx白石でも書いてみる
自分もSSに触発された。 ちょっと変化球の練習してくる。
78 :
かがこな :2007/06/11(月) 20:01:16 ID:rBNYyPuI
甘々です。注意っちゃあ注意。 今日はこなたと自室デート。 たまたま家族も居なくて、久しぶりに二人っきりになれた。 しかも他愛も無い話を続けている内に、なんだか段々いいムードに。 こなたも機嫌良さそうだし…この前も我慢したんだから、いいよね。 「…ねぇ、こなた」 言いつつこなたに近づいていく。 こなたも察したらしく、恥ずかしそうにしながら動きを止める。 背中に手を回し、長い髪ごとこなたを抱きしめる。 あったかい。 こなたは何も言わず、目を閉じている。 こうして触れ合っているだけでもう心臓が破裂しそうなほどドキドキしているというのに、私は更に顔を近づけていく。 ぎゅっ、と回した腕に力を込めつつ、軽く唇を重ねた。 …やわらかい。 いつまでもくっつけているわけにもいかず、一旦顔を離す。 頭がくらくらする。もう体中がフルスロットルでこなたを求めているのがわかって、私は続きをしようとしたが、こなたの空気を読まない発言によって遮られた。 おやつとして出してあった皿の中のさくらんぼを指差しつつ言うこなた。
79 :
かがこな :2007/06/11(月) 20:03:17 ID:rBNYyPuI
「さくらんぼのへたを舌で結べる人はキスが上手いって言うよね」 「…言う、確かに言う。だけど何故今…」 これは焦らされているんだろうか? さっきの赤面は演技とは思えなかったけど。 「いやね、ちょっとこれを見てくれたまへ、かがみん」 そう言うや否やさくらんぼを幾つか掴んで口に放り込む。 「ん…むぐっ、んむぅ…」 可愛らしく目を瞑りながら口の辺りをむぐむぐと動かしている。 恐らくは口内でへたを結んでいるんだろう。 でも、はっきり言ってその扇情的な効果音に私はそれどころじゃない。 「んぐっ…できた」 こなたが口から結ばれたへたを吐き出し、ずい、と見せてくる。 にぱー、と自慢げに笑みを浮かべ、やり遂げた顔をしている。 「凄いけど…実戦で通用するの?」
80 :
かがこな :2007/06/11(月) 20:04:33 ID:rBNYyPuI
前触れも無く口づけを再開する。 今度は舌を入れる。待たされた分こなたの口の中を思う存分味わわせてもらうことにする。 「んっ…んうっ、んー」 ちゅく、といういやらしい水音が響く。 そのまま舌で歯茎をなぞり、突然のキスで混乱したのか全く動いていないこなたの舌を絡めあう。 「んーっ、んぅっ、んぁ…」 体を密着させたまま、更に激しくこなたの口内を掻き回す。口の隙間から溢れた唾液が零れ、スカートに染みを作った。 最後にこなたの唾液を嚥下し、ゆっくりと唇を離す。それに合わせてつー、と銀色の糸が出来た。 顔を上気させ、焦点の合わない目でこちらを見ているこなた。 「…折角の技術も意味がなかったわね」 息を荒くしながらあぅー、とうなだれる。 「これじゃ、私、マグロじゃんかー。ちぇ、いけると、思ったんだけどなー」 言葉の節々に息継ぎを混ぜながら言い終えると、そのまま倒れ掛かってきた。体重をこっちに預けたあとなんかぶつぶつ言ってる。 「だいたい、かがみんはツンデレの筈なのに、なんでこういうときだけ、そんなに強気?」 「そんなの知らないわよ。愛ゆえじゃない?」 「疑問文を疑問文で…まぁいいや。ちっ、こいつも精神が肉体を凌駕してるクチか」 「…素直に嬉しいっていいなさいよ」
81 :
かがこな :2007/06/11(月) 20:05:50 ID:rBNYyPuI
私の胸に頬を摺り寄せているこなたの頭を撫でる。さらさらの髪の毛が指に心地良い。 少しすると息が整ったらしく、会話を再開する。 「じゃ、かがみん。続きを…と言いたい所なんだけど」 「何?なんかあるわけ?言っとくけどあんたが思ってるほど私の限界は遠くないわよ」 「そんなストレートに…ほんとに強気だ」 また顔を赤く染め、言いにくそうに視線を外す。 「いいから。なんなのよ」 意を決したらしく女の子座りのまま言うこなた。 「えーっと…腰が抜けちゃって立てない、から…ベッドまで運んで?」 …え? くそぅ、駄目だ。可愛すぎる、こいつ。 「? どしたの?かがみ?わたし軽いから、かがみでも大丈夫だと思うよ。あ、なんならお姫様だっこでも」 腰が抜けたままウィンクする。 あえてもう一度言おう。駄目だ。可愛すぎる、こいつ。 お姫様抱っこも捨てがたいけど、もう我慢できない! 「ここでいいよね?もうちょっと無理」 「へ?あ、ちょ、かがみ、んっ」 「いただきます」
続く…といいたいところなんだけど、終わり。 なんというバカップルw
>>82 ごちそうさま。なんつーかもう、いろんな意味でごちそうさまとしか。ぐっじょぶ!
乙!エロス! わっふるしたいが終わりのようなので抑えて、自分の妄想でカバーしとくっす。 強気かがみんも、新鮮ながらええもんですなw
>>85 GJ!
>エロが書けない
最初は誰だってそうさ!
俺もそうだったが今じゃほぼエロ専に……orz
>>82 エロGJ!
このスレには一体何人そうじろうさんが住んでおられるのですか!
>>82 GJ
可愛すぎだこの二人。もう結婚しちゃえよ。
あまーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!
>>81 の続き。
えろくないと思うけどそこらへんあんま気にしないで。
もう一度キスをする。
そのままこなたの甘い口内を楽しみつつ、右手でこなたのファッションセンスの欠片も感じられない男物のTシャツを捲り上げる。
飾り気の無いブラを上にずらすと、控えめな胸が顔を出した。
(まぁ、私より大きかったりしたらそれはそれでショックだし)
「むっ…今何か良からぬ感想を漏らさなかった…?」
「そんなものは漏らさないわよ。あくまで客観的な事実を連想しただけだし」
「ノリいいねぇ、かがみん…んっ」
下から押し上げるようにふにふにと揉みしだく。
小振りながらも柔らかく、手に力を入れるたび形を変える。
「ふっ…ん…ゃ…」
甘い声を確認し、更に愛撫を激しくする。
指先で螺旋を描くように胸をなぞり、だんだんと一つの目的へと向かわせていく。
「んんっ…は、ぁっ…ぁっ…」
指がぴん、と自己主張している桜色の突起に到達すると、それを摘み、軽く捻る。
「あっ…!?うぁっ、あぁぁっ…」
呼応するかのように喘ぎが大きくなる。すでにこなたは十分快感を感じていた。
それが楽しくなり、、執拗に繰り返す。
「ふぅっ…ぁ…!ひぁっ…!」
「ちっちゃいのに感度いいわね…いや、ちっちゃいからいいのか」
「んひぃっ!ぁあっ、ちっちゃいとかっ、ゆーな…!」
うつろな目で抗議するこなた。それを無視し、今度は乳首に舌を這わせ、舌先で愛撫を始める。
「ぁっ…!やあっ、ぃあぁっ!ぅぁぅっ、あっ、ひぅ…」
こなたが首を振り、弱弱しく言う。 「ぎ、ぎぶ…」 「…だーめ。あんたのイッた顔、見たいし」 「ちょ、そんなぁっ」 続行。 左手でゆっくりと乳輪をなぞりつつ、右の乳首を舌で責める。 「ふぁっ、あぁっ、あっ、んんっ、ひぅんっ」 声に強さが増してきた。蓄積された分も加え、そろそろ限界だろう。 「やっ…!かがみ、かがみぃ、いっちゃうぅ…」 …こなたのこんな姿、他じゃちょっと見られない。 愛しさの余り、ついべろちゅーしてしまう。 「ふっ、んんんっ…!んぁっ、ぁっ、んっ」 こなたの舌と口内を犯しつつ、フィニッシュとばかりに左の乳首を強めに捻り、右の乳首をかり、と甘噛みする。 「んひぃぃぃぃっ!!んぁっ…!んんん…!」 ぎゅうぅ、と強く私の体を抱きしめながら一際大きくこなたの体が揺れる。 零距離なのでびくびくと震えながら絶頂に達しているのが良くわかる。 「はぁっ…んっ…ぁぅ…」 「余韻に浸ってるところ悪いんだけど、もう下行くわよ」 「ちょっ…まっ…そんなごむたいな…」 「わ、私だって…もう凄いんだから。あんたの見てたら」 「…このかがみの攻めとしての成長ぶりは喜んでいいことなのか、悲しんでいいことなのか…」 続…く?
誘い受けはやめておけ
見切った! 醒めたのでログ削除。 さらば!
話に水をさすようですまないが、こなたはスポブラだったぞ原作で
95 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/11(月) 23:56:56 ID:rBNYyPuI
ぐぁぁ下げ忘れ もうだめだ吊ってくるごめん
>>94-96 いや、かがみんと××だからこそその日はスポブラじゃない可能性が高い。。
皆厳しいなw まあとりあえず気軽に書けばいいんじゃない
皆デレツンといったところか GJ。まあ気負わずにのんびり すぐ確認出来る口調や呼称を間違えたりすることもあるしどんまい
こなた×かがみの非エロ投下します。 保管庫管理人の方へ すみません。前スレの949は1-808です。
「かがみー、トランプしよー」 柊家のかがみの部屋。遊びに来ていたこなたがそんなことを言い出した。 「珍しいわね。あんたがそういうアナログな遊びやりたがるなんて」 「私だって四六時中モニタと向き合ってるわけじゃないよ」 「そりゃ悪かった。でもそう言いながら、また何かのアニメの影響じゃないでしょうね」 「うん」 「当たりかよ!」 「昨日久しぶりにテレビアニメの方を見てさ。いやー何度見てもあのシーンは切ないねー。というわけで、往人さんトランプ」 「誰が往人さんだ」 呆れながらも、とりあえずトランプで遊ぶことは了承するかがみだった。 「で、何するの?」 「んー、何にしよっか……」 「二人でやって面白いのっていうと……」 「スピードはどう?」 「あ、いいわね。勝負が早いからサクサク進むし」 「んじゃ決まりね」 こなたがカーペットの上を軽く払って空間を作る。かがみがジョーカーを抜いたカードの束を赤と黒の二つに分ける。分けたカードをそれぞれよく切る。場札をお互い四枚ずつ出し、手札を持って準備完了だ。 「それじゃ始めようか」 「いつでもOKよ」 程よい緊張感が二人を包む。 「「いっせーのっ」」 掛け声と共にお互いが手札からカードを一枚ずつ場に出した。間を置かずに二人の手と目が凄い勢いで動き、次々にカードを出していく。 スピードはその名の通り速度が求められる勝負だ。反射神経と動体視力ならこなたが上だが、状況分析と判断力ならかがみに分がある。互いに譲らぬ、白熱した攻防が繰り広げられた。 「〜〜……よしっ! 勝った!」 紙一重で先に手札を空にしたのは、かがみだった。 「あちゃー、負けちゃったか」 「惜しかったわねー」 「よしっ、もう一勝負!」 「いいわよ」 一勝負にかかる時間は、早ければ一分に満たない。繰り返し遊べるのもスピードの良いところだ。 「あ、ちょっと待って。せっかくだから何か賭けた方が面白くない?」 「賭けるって、何を? お金賭けたら犯罪だし……そもそも賭けるほど持ってないし」 「うーん…………そうだ」 しばらく唸って考え込んでいたこなたは、何か思いついたらしくポンと手を打った。 「こうしよう」 そう言うと、羽織っていた上着を脱いだ。 「……何それ?」 「脱衣ルールだよ。負けた方が服を一枚脱ぐ。これでいこう」 「なっ!? ……馬鹿かあんたは! そんなの出来るわけ――」 「さあ次の勝負を始めようか、かがみん」 「聞けよ人の話! 何でそんな質の悪い酔っぱらいの遊びみたいなルールを――」 「おっとかがみ。それは二十年以上の歴史を誇る脱衣麻雀に対する冒涜だよ」 「関係ねえだろ! 麻雀じゃなくてトランプだし!」 「いいじゃん、別に減るもんじゃなし。ほら、もう始めちゃうよ」 まだ何か言おうとするかがみに構わず、こなたはカードを切って次の準備をする。 「ま、待ちなさいよこなた! 本気でそんなのやる気!?」 「当たり前だのクラッカー」 「古っ……じゃなくて――」 「脱ぐのが嫌ならかがみが勝てばいいじゃん。それとも、連戦になると私に勝つ自信が無いのかな〜?」 「なっ……そんなことないわよ!」 「それじゃあ二戦目、始めようか」 「っ……わ、分かったわよ!」 まんまとこなたの術中に嵌められたとは自覚せず、かがみは再び勝負の席についた。
「ふっふっふ……勝負が終わる頃にはこの部屋は新宿二丁目のサウナのような光景に――って、女だからそれは違うか」 「何をぶつぶつ呟いてんのよ……」 「いや何でも。ところで脱衣完了した後はもちろん一枚絵だけじゃなくてイベントもありだよね?」 「意味わかんねーよ!!」 「ま、いいか。いざとなったらこっちで強制的にイベント発動させてもらうし」 こなたの眼光にただならぬ妖気を感じ、かがみの背中に冷たいものが走った。 (こ、この勝負……何としてでも勝たないと……!) 勝ったら勝ったでこなたが裸になるわけだが、それはかがみ的にどうでもいい。どうでもいいはずだ。多分。 「「いっせーのっ」」 かがみにとってまことに不本意なルールが採択されたスピード対決が、改めて火蓋を切られた。 一戦目が本気でなかったというわけではないだろうが、具体的な目標を得たこなたは動きが違っている。 (くっ……はやいっ……!) 負けたくない一心でかがみも気負うが、それがかえって焦りとミスを生む。 結局、二戦目はこなたの圧勝だった。 「よっしゃー! 勝ったー!」 「ちょっとこなた! あんた動き良くなり過ぎ!」 「確かに。こう、カードを取るたびにキラリーンと閃きが頭に走ってたね。人の革新ってのはこれなのかも。今ならファンネルとか使えそうだよ」 「脱衣ゲームで覚醒するな!」 「さあかがみ。負けたんだから一枚脱いで」 「くっ……靴下でいいわね」 かがみがそう言って靴下に手をかけた瞬間、こなたはものすご〜く残念そうな顔をした。 「靴下を最後に取っておいて欲しかったのに……」 「いやもう、何て言うか……突っ込む気も失せるわ」 とにかく靴下を脱いだかがみ。三戦目に臨む。 持ち前の高性能にNT補正まで加わったこなたは、フル改造νもかくやといった機動力を発揮していた。だが、かがみも負けまいとする執念でそれに追いすがる。 勝負はこなたの優位をかがみが追う形になりながら、それでも互いに一進一退の様相を見せていた。 「一撃で何もかも一切合切決着する。眼前の萌えを放置して何がオタクか!? 何が秋葉原か!?」 「まだだ! まだ終わらんよ!」 「俺達の萌えは――それは職業ではない。生き方だろうかがみ。ならば譲れぬときもある!」 「これもひとのサガか……」 「お前に足りないものは、それは! 情熱、思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、勤勉さ! そして何よりも―――― 速 さ が 足 り な い ! ! 」 「いちいちうるさいわよ、こなた……」 勝負の節目節目でかがみには半分以上元ネタの分からない台詞を叫ぶこなた。騒がしいことこの上なかった。 数回の勝負を経て、こなたが残すのはブラとショーツとズボンと靴下の計四着。 一方かがみはブラとショーツとズボンの残り三着。あと一敗すれば下着姿にされる。 「むふふ……かがみって意外に着やせするタイプだよね」 「じろじろ見るな! オヤジかおのれは!」 にやにや笑っているこなたとは対称的に、かがみは羞恥で顔を真っ赤にしている。 (これ以上負けたらマジでシャレにならん……いっそ――) 「今さら棄権とか無しだからね。受けた勝負はしっかり最後までやってもらうよ」 心を読んだかのようにこなたが釘を刺す。かがみは内心ギクリとしながらも、深呼吸を一つして、腹をくくった。 「棄権なんてしないわよ。最後までやってやるわ」 「はッ……ははッ……ははははッ……了解。そうだ。それこそが最後のいちじくの葉だ。なんとも素晴らしい! 股ぐらがいきり立つ! かがみん!」 「また何かのアニメネタか……」 終盤戦開始。
で、結果。こなたが三着の余裕を残して勝ちましたとさ。下着と靴下だけでも恥じることなく、堂々と胡座などかいている。 「さあ、かがみ。最後の一枚脱いで貰おうか」 「うぅ……ねえ、本当に脱がなきゃいけないの?」 かがみは両手で胸を隠しながら、すがるような目をこなたに向ける。 「ルールの通りだよ。私だって下着になってるんだし」 「うう……」 悔しさと恥ずかしさが綯い交ぜになっているかがみを、こなたは無慈悲に見据えている。 旅館で一緒にお風呂に入ったこともある仲だが、こういう状況で肌を晒すのとは事情が違う。 「早くしないとつかさが帰ってくるよ」 「わ、分かってるわよ。……言っておくけど、こんな馬鹿な遊びのこと、つかさには絶対言わないでよ」 「はいはい」 「ちゃんと返事しろ! つかさがこんなこと知ったら――」 「お姉ちゃん呼んだー?」 「「あ……」」 「え……」 唐突にドアを開けてつかさ参上。二人とも勝負に夢中で気付いていなかったが、数分前にもう帰ってきていた。 ほぼ裸のかがみと下着姿のこなたが部屋で向かい合っているのを目撃したつかさは、ドアを開けた姿勢のまま数秒硬直していた。 そしてその姿勢を保持したまま、肩関節だけが動いてドアをパタンと閉めた。 「ちょっ、ちょっと待ってつかさ!」 慌てふためき、かがみがその後を追う。 「ごごごごごごごめんなさいごめんなさい! まさかお姉ちゃんとこなちゃんがこんなことしてたなんて思わなくて――」 狼狽しきったつかさは、涙目になりながら頭を下げる。 「待てつかさ! あんたはひどく誤解をしている!」 「私、その、女の子同士っていうのはよく分からないけど、お姉ちゃん達がそれでいいなら受け入れるから――」 「話を聞けーっ!!」 「かがみ。説得する前に服着たら?」 パンツ一丁のかがみにそう指摘するこなたは、ちゃっかりシャツとズボンを身に付けていた。 「お……お前が言うなーっっ!!」 いっそぶん殴りたい衝動を必死で抑え込み、大声を上げるかがみだった。 「惜しかったなー……もうちょいだったのに」 おわり
読んで下さった方、ありがとうございました。
GJ! ネタの連発に大いに笑わせてもらいました。 てかかがみんこんなもんに乗るなよw このあと誤解とくの大変だったろうな。 「だからこれはゲームなんだって!」 「こなちゃんがやってるっていうエッチなゲーム?」 「そこまでやらないってば!」
GJ。これはよいもの… テンポの良い展開に思わず脱帽させられます。
ヘルヲタ兼スクライドヲタの俺大興奮。
スクライドネタだったのか・・・・ しかし、いい物を見せてもらったGJ!!
>>105 すげえ・・・あんたすげえよ!
これほどキャラの性格をパーフェクトに再現したSSがかつてあっただろうか(いやない)
GJと言わざるを得ない!
ゆたかがレイプされまくったあげくバラバラにされて殺されて みなみが復讐に走り、相手を全員惨殺するも最後には捕まって でもその際ゆいには「ありがとう」と言われる鬱話キボン
いやいやGJそしてまらん
>>105 ぬう、シンプルイズベスト。悔しいけど面白い、GJ!
……俺も負けるもんかー!
>>105 あおられたら乗ってしまうかがみんに萌えww
負けちゃった上に、更につかさには勘違いされ…ツイてないなぁ、かがみんww
GJです!
>>113 wktkしながら貴方の作品を待ってます!
>>105 最近の作品はらき☆すたぐらいしか知らない、「出戻り」である俺にはできないGJだだだだだ〜〜・・・orz
「GJ、と言ってやれ」
「は?」
「GJ、だ!」
>>105 GJ、そして褒美をやろう
つチェーンソー
●ちょっと長めの中編を投下します。34〜35レスになる予定。 ●非エロ。こなた&かがみのコンビ+○○○○○×○○○のカップリングです。 ●土台は原作1〜4巻。独自設定が入っている部分もあるのでご了承ください。
118 :
(1/34) :2007/06/12(火) 10:54:09 ID:yu37O4j1
『あーかがみー、明日ってヒマかい?』 「何よ、電話してきたと思ったら藪から棒に」 『いやーちょっとヒマしちゃってさー。どだい? 久しぶりにアキバでも』 「まあ、私もヒマはヒマだけど。またショップ巡りでもするつもり?」 『んにゃー、そこはかがみにもおまかせしますヨ? 誘ってるのは私だし』 「へえ、あんたにしちゃ珍しいわね。つかさは補習で来れないけど、それでもいいなら」 『じゃ、朝9時に糟日部駅のホームで待ち合わせってことで』 「うん、わかった」 いつもと変わらない、こなたからの他愛ないお誘い。 普通のお出かけになると思ってたのに……まさか、あんなことに巻き込まれるなんて、想像すらできなかった。 =========================================== 二人の足跡 - アキハバラ1988 - =========================================== 『次は、二の割、二の割です』 「やー、やっぱり日曜は空いてるなー」 「いつもだったら人がいっぱいで息苦しいのにね」 自動放送のアナウンスを聞きながら、私とこなたは座席に座った。 前の駅で始発だったのか、この車両にいるのは私とこなただけ。他の車両も、人の姿は まばらだった。 「それにしても、突然秋葉原に行こうって珍しいわね。いつも学校で誘ってくるのに」 「んー、いろいろ思うところがありまして」 頬をかりかりかきながら、苦笑いするこなた。 「思うところ?」 「たまには親孝行でもしようかなってね」 「親孝行って、おじさんに?」
119 :
(2/34) :2007/06/12(火) 10:55:10 ID:yu37O4j1
「そ。お父さんも一人でいろいろ頑張ってるし、お疲れさまってことでたまにはプレゼントの 一つでもしなきゃって思って」 「へえ、あんたにしては殊勝な心がけじゃない」 こなたのお父さん――そうじろうさんは、こなたのことを生まれてからすぐ、ずっと一人で 育ててきたらしい。確かに、男手一つで女の子を育てるってのは大変なことだろうから、 こなたの考えもよくわかる。 「それで、どうして私を誘ったわけ?」 「いやー、ほら、私だけじゃギャルゲー買ってはーいって終わっちゃいそうだからさ」 「そういう考えを自重すればいいんでしょうがっ」 そうじろうさん、本当にこいつはそうじろうさんそっくりですね。 「そういう……なんてーのかな、『プレイしたー、終わったー』ってのじゃなくて、 手元に残るものをプレゼントしてあげたいわけですよ」 「まあ、確かにゲームは終わったら本当にそれまでだものね」 「それで、たまには他の分野からのアドバイスなんかも欲しいなーって」 いつもののほほんとした顔じゃなく、どこか真面目な表情のこなた。 こいつはこいつなりに、ちゃんといろいろ考えてるんだ。 「だから私を呼んだってわけだ」 「そゆことそゆこと」 「それなら、早めに言ってくれれば良かったじゃない」 「やー、そこらへんも色々迷いまして」 「迷った?」 私が相づちを打つと、こなたの表情に少し影がさした。 「私の誕生日ってさ、5月28日でしょ?」 「ついこないだね」 「その次の日がさ」 こなたは一言、呟くようにして―― 「お母さんの命日なんだよ」
120 :
(3/34) :2007/06/12(火) 10:56:04 ID:yu37O4j1
「えっ……」 確かに、それとなくこなたが言っていたことがある。『すごく小さいとき、お母さんが死んだ』って。 「私を生んだ次の日、産後の肥立ち、っていうのかな。それが悪くなっちゃったらしくて。 それでこの時期って、お父さんは祝ってくれたりするけど、ちょっとブルー入っちゃってるんだ」 最初にこのことを話したときは、こなたはさらっと流していたけど……やっぱり、こなたの心にも、 そうじろうさんの心にも影を落としてるんだ。 「そっか……」 「たけど、お父さんの百面相を見るのも飽きたし、そろそろエサでもやって元気になってもらわなきゃって思って」 「あんたのお父さんはどこかのペットか!」 「ほら、め○ん一刻の犬みたいな」 「それは惣一郎さんでしょ!」 こいつってば、ホントすぐコロコロ変わるんだから! でも、こなたはそういちろうさん……じゃなくて、そうじろうさんのことが大好きだって いうことはよくわかった。 「にゃはははは……ふぁ〜」 「なによ、あくびなんかしちゃって」 「いやー、何がいいかなーってネット巡ってたら朝方になっちゃってまして」 「はっ? もしかして、あんた眠ってないの!?」 確かに、よくみたらこなたの目の下にはちょっとくまがあるけど……あんた、どこまで そうじろうさんが好きなのよ。 「ま、そんなとこで。だからかがみ、アキバについたら起こしてくれる?」 「しょうがないわね。いいわよ、まだ1時間ぐらいかかるし」 「んじゃ、おやすみなさ〜い……ぐー」 こら、すぐ寝るなんてあんたどこののび太だ。 おでこをつついてもぴくりともしないし……あーもう、しょうがないわね。 肩に頬のぬくもりと、体にがたんごとんという揺れを感じながら、私はこいつの枕になってやることにした。
121 :
(4/34) :2007/06/12(火) 10:57:37 ID:yu37O4j1
――はばら、次は、秋葉原です。JR総武線、山手線はお乗り換えです。 「ふぁ……?」 あれっ……あれ? 私、眠っちゃってた? 外は真っ暗ってことは地下だし、さっき次は秋葉原って言ってたわよね。 こいつは……あー、もうぐっすり。まだ私の肩を枕にしてるよ。でも、さすがにそろそろね。 「こなたー。そろそろアキバにつくわよ」 「ん〜、あと三十分……」 何をベタなこと言ってるのよ。しかも微妙に長いし。 「あーもー……ていっ」 「いたっ!」 私のデコピン一閃で、こなたは弾かれるように身を起こした。 「もー……なにすんのさー、せっかく人がぐっすり寝てるってのにー」 「別に寝ててもいいけど、次なんだからとっとと起きなさい」 「もう着くのかー……ところでかがみ」 「なに?」 「なんか、ちょっと暑くない?」 「そりゃ夏なんだから、ちょっとは暑いでしょ? 冷房が入ってるならともか――」 あれ? 冷房? 上を見ると、あるはずの冷房が無い。というか、窓が所々開いててそこから風が入ってきてる。 冷房が壊れたってわけじゃなく、最初から無いって……どうして? 寝る前まではあったのに……
122 :
(5/34) :2007/06/12(火) 10:58:43 ID:yu37O4j1
『まもなく、秋葉原、秋葉原です。降り口は左側です』 渋い声のアナウンスが、車内に響く……って、これもさっきは自動放送じゃなかった? 頭の中が混乱したまま、電車はだんだんスピードを落としてホームに滑り込んでいく。 「うわっ」 窓から見るホームまで、私の記憶と全然違う。 「おわっ、なんかホームがぼろっちいですケド?!」 こなたもびびったみたいで、なんか大げさに仰け反ってる。 でも、確かに壁はタイル貼りじゃないし、所々ひび割れてるし……絶対、こなたじゃなくても驚く。 「と、とりあえず降りましょ。ね」 「う、うん」 とにかく、今は事態を把握することが先だもの。 ドアが開いて、私はこなたと一緒にホームに降り立った。 「げっ」 「うおっ」 いや、降りたらちょっとは現状把握が出来ると思ったけど……その、甘かった。 ホームは車内から見る以上にボロボロ。行き先表示は電気式じゃなくてパタパタ式。 そしてトドメが…… 「私、クリーム色の電車なんて初めて見たよ」 「私も……って、私らが乗ったのと違う!」 ドアが閉まって走っていく電車は、今の東京メトロや棟武線で見たことがないクリーム色の 電車。しかも、向かいのホームに停まってるのはドアの窓が高い……うっすらと、私が小さい頃の 記憶に残っている電車。
123 :
(6/34) :2007/06/12(火) 11:00:09 ID:yu37O4j1
わからない。こんなのわからない。私たちの記憶と全然違う。なんで、こんなところに私たちがいるの? だめ、混乱しちゃって、何がなんだか―― 「い、行こっか。かがみ」 「あっ」 不安そうに私を見上げながら、こなたが手をぎゅっと握ってきた。 こなたも、突然こんな所に来て戸惑っているんだ。 「そ、そうね」 私もこなたの手をぎゅっと握り返しながら、記憶を頼りに階段を上がっていった。 でも、上がったその先も未知の世界。自動改札じゃないのに、誰もいない改札。さっき一緒に 降りていった人は、その中にポイポイときっぷを放り込んでいた。 「うわー、なんて懐かしい……」 「というか、これって夢なのかね。夢しかないわよね」 驚く私と、苦笑いしているこなた。 でも、確かにこれって夢っていうか―― 「あ」 「どしたの?」 「えーと……あれ、あれ」 「あれって……?!!?」 こなたが指さす先には、パタパタ式のカレンダー。 確かに、今日は6月5日。6月5日だけど…… ”1988年 6月5日” って! 「「あんですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ?!」」
124 :
(7/34) :2007/06/12(火) 11:01:18 ID:yu37O4j1
一通り絶叫した私たちは、周りの視線に耐えきれなくなって階段を駆け上がった。 本来ならちょこっとした広場があるはずなのに、それも無くて書泉ブックタワーも無い。 いや、建物はあるんだけど、中はフツーの電機店で……私の記憶とは、全然違う。 「いやー、まさかホントに88年に来ちゃうとは」 「なに落ち着いてんのよあんたはっ!」 さっきの不安げな顔とは打って変わって、お気楽極楽にのほほんと笑ってるこなた。 こいつの順応力には、ホント頭が下がるわ…… 「しょーがないじゃん。夢だったら夢で面白いしさ、なるよーになるって」 「まあ、夢だったらそりゃ夢のほうがいいけど」 現実にこんなことが起きてたら、精神力が何千何万あったって足りないわよ。 「とにかく、昔のアキバをエンジョイってことで」 「いっぺんあんたのほっぺたつねってみよっか。そしたら目が覚めるかもしれないし」 「さっきのデコピンでもう十分だって。もー、かがみのいけず」 「いけずってあんたね。目が覚めたら中目黒につきましたーなんてことにでもなったら」 「それはそれ、これはこれ。別に折り返せばいいじゃん」 強引なワタクシ様論を展開しながら、こなたが握っている私の手ごと腕をぶんぶん振り回す。 「あーもー、マイペースにもほどがあるっての」 でも、さっきまでの不安はちょっとずつ小さくなってて……繋いでくれてるこなたの手が、 私と一緒にいてくれるんだって安心させてくれた。
125 :
(8/34) :2007/06/12(火) 11:02:34 ID:yu37O4j1
「とはいえ、どっから行こうかねー」 「私はこの時代のことはよくわからないから、あんたに任せるわ」 「私もさすがにこの時代のことはー……」 そうのんびりと言ったこなたの言葉が、不意に止まる。 「なに、どしたの?」 ふと見下ろすと、こなたがある一点を見つめて固まっていた。 私もつられてその方向を見てみると…… 「いやー、やっぱりちょっと暑いな……大丈夫か? かなた」 「大丈夫よ。帽子もちゃんと被ったもの」 地下鉄の出口から出てきたのは、アホ毛の無いこなたと、無精髭が無くて若々しいそうじろうさん。 ……って、あれ? ここにいるのはかなたで、そうじろうさんは家にいるはずで。 ――ダメデスヨソウジロウサンコナタソックリダカラッテユウカイシチャエカナタサンデスカソウデスカ 一瞬、頭の中をぐるっとそんな字幕が渦巻いたけど、これって……もしかして…… 「お、おかーさむぐぅぅぅぅぅぅぅ!?!?!?!!!?」 私は絶叫しかけたこなたを担いで、岩本町方向へダッシュを仕掛けた。
126 :
(9/34) :2007/06/12(火) 11:03:46 ID:yu37O4j1
「ぷはっ! な、なにすんのさかがみ!」 「なにすんのじゃないっ! 絶叫して気付かれでもしたらどうすんのよ!」 岩本町駅前まで運んだこなたに噛みつかれて、私はすぐにたしなめるように言い返す。 「別に気付かれてもいいじゃん! だって……お父さんと……お父さんと……」 まるで、言いたい言葉だけど言い慣れていないみたいに、こなたの声がだんだん小さくなっていく。 「ちょっとは考えてみなさい。いくら夢の中でも、いきなり『お母さん』って言って飛び出したって、 変な目で見られるだけよ。こなたはそれでもいいの?」 「うっ、それは……」 「ね。だから、まずは整理しましょ。 ここは88年の秋葉原。そして、さっき見かけた二人は若い日のそうじろうさんと――」 「……お母さん」 感慨深そうに、こなたは小さく、でもはっきりと呟いた。 亡くなったはずの、こなたのお母さん――かなたさん。その人が今、私たちの間近にいる。 「そう……」 とても小さい背に、長い青がかった髪の毛。 一瞬見ただけでも、隣にいるこなたと見間違えそうな姿だった。 「でも、こなたはどうしたい?」 「え?」 「どうしたいって聞いてるの」 「どうしたいって言われても、会っちゃだめなんじゃ……」 「そうは言ってないでしょ。いきなり会って、お母さんって言うのはどうかってこと。 それ以外だったら、あの二人のことをジャマさえしなければいいんじゃないの?」 私だって、ここでこなたをかなたさんと引き離すほど鬼じゃない。逝ってしまった人と 会いたいのは当然のことだし、それをこなたは強く望んでる。 私はただ、最悪の結末を避けたいだけ。
「それ以外って?」 「まあ、こういうのはあんま気が進まないけど…… その……なんというか……こっそり後をつけて、見守ってみるとか」 だんだん私の呟きが小さくなっていくのに対して、だんだん目がきらきらと輝いていくこなた。 「うんっ! それいい! それいいね!」 ぶんぶんと何回も頷きながら、こなたは私の手を握ってぴょんぴょんと飛び跳ねた。 よかった、いつものこなたに戻って……って、ホントに私ってばこいつ中心に振り回されてるわ。 まあ、そう愚痴るのも今更よね。乗りかかった船なんだし。 「でも、これからまたあの二人を捜さないといけないか」 「あ、それだったら私にすっごい心当たりが」 「へ?」 そう言うと、こなたはまた私の手を取ってさっきの道を戻り始めた。 「小さい頃ね、お父さんが私の手を繋いで連れてってくれたルートがあって、いつだったか、 『ここはお母さんとのデートコースだったんだ』って言ってたから」 「そいつはまた、秋葉原なんて華の無いデートコースで……」 いやまあ、そうじろうさんらしいったらそうじろうさんらしいかもしれないけど…… デートコースってのは、ちょっと……ねぇ? 「そんじゃ、私は悟られないようにこれを被ってと」 バッグから帽子を取って、こなたが深々とそれを被る。 「かがみもさ、ツインテールからポニテにしてみなよ」 「なんで私まで。別に誰も知らないだろうし」 「いやー気分気分。それに私、実はポニテ萌えなんだ」 「どこの知識かわからないげと、遠慮しとくわ」 すっかり元通りになったのはいいけど、やっぱり疲れるわ。こいつの世話は。
こなたに連れられるまま『昔のデートコース』を歩く私たち。 ワシントンホテルを通り過ぎたあたりで、確かにさっきの二人――若いそうじろうさんと かなたさんの姿が見えてきた。なんだか、店頭のものを眺めてるみたいだ。 「あそこって、今は居酒屋じゃなかったっけ?」 「そだね。昔はロケットがここにあったんだー」 「ロケット?」 「今は別の所で無線専門店をやってるけど、昔はパソコンとかも売ってたのさ」 「へえ」 さすがはアキバの申し子。そうじろうさん、あなたの子は純粋にあなたのように育ってますよ。 そんなことを思いながら、私たちは距離を取って二人を見ている。 最初はかなたさんを気遣いながら店頭のパソコンを見ていたそうじろうさんだけど、そのうち 熱が入ってきたのか、腕を組んであーでもないこーでもないという感じでパソコンとにらめっこし始めた。 ……あ、かなたさん苦笑いしてる。 「……お父さん、自分からフラグクラッシュしてどうするよ」 確かに、置いてきぼりはさすがにどーかと。 次に入ったのは、山手線のガードを少し越えたところにあるお店。 ここはちょっと薄暗くて、こなたの言う「ジャンク店」みたいな雰囲気だった。 「よくこんなところに女の人を連れてこれるわね」 「まー、好きな人は好きだろうし」 「かなたさんは?」 「……お父さんの話だと、多分違う」 「でしょうね。でも、なんかテレビとか色々見てるみたいよ」 「そういえば、この頃って結婚してまだそんなに経ってなかったような」 「ということは、家財道具も探してるのかも」 「そだね」 ウキウキしながら、テレビやカセットコンポを眺めてるかなたさん。 その姿は新妻っていうより、私たちと同年代の女の子っぽくてなんだか可愛らしかった。
その次に入ったのは、もう少し先にあるラジオ会館。 ここにはこなたにも連れられて来たことがあるし、ちょっとはわかると思ったんだけど、 「おわー、今とは全然店が違う……」 「同人ショップじゃなくて、オーディオショップだらけね」 K-BOOKS……だっけ? そこは姿形も無くて、レコードやらCDプレイヤー、スピーカーが 所狭しと置かれていた。 そのままエスカレーターを昇っていくと、今度は広いスペースにパソコンのショールームが 設けられていた。っていうか、見たことがないパソコンだらけなんですけど。 「おわっ、ここは『Bit-inn』!」 「ここって、パソコン発祥の地ってプレートがあったところ?」 「そう、そうだよ! 好きにパソコンをさわれたんだよ! うっわー、懐かしいなー…… 8インチディスクもあるし、データーレコーダーも。あ、ポプコムにテクノポリスにMSX-FAN、Beepまで!」 「こらこら、ハードや雑誌で暴走しない暴走しない」 でも、ここもそうじろうさんによく連れられてきたんだっけ。 そう考えると、今はもう無い場所に来れて嬉しいのは当然か。 「うーん、なかなか難しそうだな」 「私は別に、ノートに書くだけでもいいんだよ?」 そうじろうさんはというと、どうやら設置されてたパソコンを悪戦苦闘しながら弄ってるみたい。 あれは……表計算ソフトかな? 「いや、こういうのは慣れれば楽になりそうなんだが……ああ、また違った」 「ふふ、あんまり無理しないの。慣れてから、そういうソフトを使ってみてもいいんじゃない?」 「はははっ、そうだな」 たおやかに笑うかなたさんと、苦笑いするそうじろうさん。 ……確かに二人は「夫婦」なんだなって思える、そんなやりとり。 「楽しそーだね」 「そうね」 いつの間にか暴走を止めて、こなたも嬉しそうに二人を見ている。 誰がどう見ても、幸せそうな光景。 だからこそ…… "現在"で見ることは叶わないこの光景に、胸が痛んだ。
その後もいろんな店をまわったけど、二人は何を買う気配も無く昼食へ。 私たちも、二人と同じ店――「キッチンジロー」に入って、そのまま二人の様子を見ることにした。 「やー、まさかこの時代からここがあるとは」 「ホント、案外ここも長いんだ」 小声で話しながら、少し騒がしい店を見回す私たち。 こなたに連れられてアキバに来たけど、通りがかったことはあってもここに入ったことは無かった。 「とはいっても、ここらへんにはここしか無かったみたいだけど」 「確かに、お店が少なかったわね」 私たちの時代にはファーストフードとかいっぱいあるけど、この時代はマクドナルドも 無いみたいで、こういう小さなレストランかラーメン屋ぐらいしかなかった。 「メイド喫茶が出来るのは、まだ十年ぐらい先だしねー」 「この時代からあったら怖いっての」 「ま、あるだけ有り難いってことで」 「そういうことそういうこと」 そう締めて、左側をちらっと見てみる。 かなたさんとそうじろうさんは、二つ向こう側の席でランチ中。 私たちと同じぐらいのタイミングで頼んだみたいで、まだテーブルにはお水だけ。 「ごめんな、なかなかいいのが見つからなくて」 「ううん。こうやってそう君とお出かけできたんだもの」 「だったらいいんだが、疲れたらいつでも言ってくれよ」 「大丈夫、無理はしないよ」 そんなやりとりを聞きながら、ふとこなたを見てみる。 嬉しい時によく出てくるネコ口をしながら、まるで好きな音楽を聴いているように耳を傾け…… でも…… 「ねえ、こなた」 「うん?」 「こなたは……二人のやりとりを見て、聞いてるだけでいいの?」 私は、さっかから心でくすぶっていたことを口にした。
「えー、だってさっき、会っちゃダメって感じで言ってたじゃん」 ちょっとばかりぶーたれるこなた。確かにそう言ったから、反論はできないけど…… 「そりゃ、さっきはそう言ったけど……こなたは、本当はどう思ってるの?」 「本当は……ねー」 こなたはちょっと考え込むと、水を一口飲んでため息をついて…… 「そりゃ、最初はかがみの鬼! とも思ったけど……でも、言われてみればたしかにそうで」 苦笑いしてみせて、 「少し離れたところで二人を見てたら、それもいいかなーって思えて」 いつものネコ口で首を傾げてみせて、 「でも、やっぱり話してみたくて……」 また、苦笑いの表情に戻っていって、 「なんだろ、頭の中がぐるぐるしててよくわかんないや」 あははと笑って、こなたはまた水を飲んだ。 その表情を見て、ふと思うことがある。 ”会っちゃダメ”じゃなくて、もっと別の方法があったんじゃないかって。 そうすれば、さっきのやりとりの時にそうじろうさんやかなたさんとお喋りできるかもしれなかったし、 こなたの想いを抑えつけることもなかったかもしれない。 私は、ただ気持ちが任せるままに……バカなことやっちゃったんだ。 「こなた、その……」 「うん?」 そう思ったら、自然と、 「あの……ごめん、ね」 唇が、滅多に出ない言葉を紡いでいた。 「か、かがみ?」 「こなたはかなたさんと喋ったことがないのに、抑えつけるようなことしちゃって…… こなたの気が済むようなこと、できなくて」 「ちょ、ちょっと待った、かがみ。それ違う、それ違うって」 「え?」 「かがみが止めてくれなかったら、あそこで終わってたかもしれない。こうやって、お父さんと お母さんのことを見られるのはかがみのおかげなんだから、別に謝るようなことじゃないよ」 「こなた……」 そう言うと、こなたはまたネコ口を見せてにんまりと笑った。
「第一さー、かがみにごめんって言葉は似合わないよ。いつもみたいにツンデレツンデレ してなきゃかがみじゃないって」 「ツンデレ言うなっ! そして二回言うなっ!」 「そーそー、かがみはそれが一番。そうやって私のブレーキになってくれれば安心安心」 「まったく」 でも…… 「あんたとこうやってると、落ち込んでるヒマもないわ」 こうやって、簡単に重い空気をぶっ壊しちゃうんだから。 「どういたしましてー」 「褒めてないっての」 ホント、たいしたヤツ。 「お待たせしました。しょうが焼き定食とエビフライ定食です」 その声に振り向くと、ウエイトレスさんが持っていたお盆を二つテーブルに置くところだった。 「おー来た来た。んじゃ、午後に向けて腹ごしらえといきますか」 「そうね」 「んで、ちょっとモノは相談なんだけど」 「あによ」 「私のエビフライ一本と、そのしょうが焼き半分のトレードはどうかなーって」 「甘い! そっちは三本なんだから三分の一!」 「えーそこをなんとかー」 「だめったらだめっ!」 あー、ほんと図々しくて図太くてたいしたヤツですよコイツは。
そうじろうさんとかなたさんが会計し終わったのを見計らって、私たちも会計を済ませて 店を出る。 少し距離を取って二人を見てるのは変わらないけど、こなたのおかげで不安はすっかり解消。 今はただ、二人とこなたを見守ってあげないと。 「あ、あの店に入るみたいよ」 結局、日比谷線の駅のほうに戻ってきた二人は一軒のショップへと入っていった。 さっきはまだ開いてなかったけど、ワシントンホテルの横にもショップがあったんだ。 「あのお店って……コム?」 「こなた、知ってるの?」 「うん、私が四歳か五歳のときに無くなっちゃったんだけど、ここにもよく連れてきてもらってた」 「そうなんだ。前通った時はパソコン教室があるなーって思ってたけど」 「もう辞めてから十年以上経っちゃってたからねー。ほらかがみ、行こ」 「うん」 こなたに連れられて、私はそのコムっていう店に入っていった。 「うわ、知らないパソコンがいっぱい……」 そこは私にとって『Bit-inn』以上にカオスな場所でした。ええ、十分カオスです。 赤・黒・白・ベージュにクリーム色、灰色。しかもゴツゴツしたのがそのまま置かれてるんだもの。 「うーん、どれもゴツくてでっかいやねー。私たちの時代じゃもうどれもビンテージモノだよ」 「そりゃ、十九年前だからそうだろうけど」 「ちなみに、これほとんど違うマシンだからソフトの互換性も無いよ」 「ウソッ?!」 「無い無い。X1もX68000もFM-77も8801も6601も9801も8201もMSXもぜーんぶ別物だから」 「うわー」 「いくつかマシン持ってた人なんか全部制覇してたし、続編が一個ずつ違う機種で出たり」 「絶対考えられないわ、それ」 おかしい、絶対それはおかしい。私たちのある世界じゃ絶対ありえないから。
「まあ、今はいくつかのOSといくつかのコンシューマーだけだもんねー」 「パワフルな時代だったのね、この時代って……うわ、値段もすごっ!」 パソコン一台イコール諭吉さん五十枚なんて、絶対どうかしてるわよこの時代! 「今じゃこの十分の一の値段でも充分なのにねー」 「もう、見てるだけで疲れたわ……って、こっち来た!」 「うわっ!」 精神的に疲れる暇もなく、かなたさんとそうじろうさんが店の奥からこっちのほうにやってきた。 よし、客のふり客のふり。 「うーん……目移りするなぁ」 「だいたいの目星はついてるんでしょ?」 「ああ、確かに候補はいくつかあるんだが、どれも決め手に欠けてなー」 「お値段とか?」 「それもあるけど、安くてもワープロとか使い物にならないのがあるのが痛いんだよ。 プリンタを買えるまでは、編集部と同じシリーズのマシンにしないといけないし」 「安いのを買っても、お仕事にならないのね?」 「お、わかってきたじゃないかかなたも」 真剣に眺め続けるそうじろうさんと、それを後ろで見守るかなたさん。 まだ若いはずなのに、まるで長年連れ添っているみたいにぴったりな二人。 もしもかなたさんが生きていたら……そんな考えは、さっきのこなたとのやりとりがあっても やっぱり消えない。 「うーむ……お?」 「どうしたの?」 「いや、これってなんかよさそうだなぁと」 そうじろうさんは、棚に展示されてた一台のマシンに手をぽんと置いた。 「それ、ディスクが今までのとはちょっと違わない?」 「ああ、5インチじゃなくて3.5インチだな。今流行ってるのとは違って少し小さいんだ」 「ふうん」
「それに、マシン自体も小さくて置きやすそうだし。値段、値段はっと」 「そう君、これこれ」 「うん? おお、18万かー。これだったらなかなか。編集部もこのシリーズだし、なんといっても小さいな」 「本当、小さいのが大好きなのね、そう君って」 「こらこら、小さいの"も"好きだって言ってるだろ? それに」 「それに?」 いたずらっぽく笑うと、そうじろうさんはかなたさんの頭にぽんっと手を置いて、優しくなで始めた。 「小さいほうが、逆に存在感があることもあるってもんだ」 「……そうなの?」 「そうなの」 うわー、なんか桃色空間作り出してますよこの人たち。 まさか、ここまでラブラブだったとはねー。もしも一度だけ聞けるなら、どうして そうじろうさんのことを好きになったのかって聞いてみたい気分だわ。 「んじゃ、これとディスプレイはさっきのにして、ワープロは『松』で、あとDOSも買うか。 すいません、これお願いしたいんですけどー」 そうじろうさんは店の奥のほうに声をかけて、店員さんを呼び出した。 ……うん? なんか、袖がぐいぐいって引っ張られて 「こなた?」 「か、かがみ、ちょ、外……」 外を見てるから表情はわからないけど、こなたは私の袖を強く引っ張って外へ出ようとしていた。 「な、なんなのよもうっ」 仕方が無く、私は引っ張られるまま外へと出て、店から少し離れたところに連れて行かれた。 「どうしたの? 突然外に出て」 「あ、あのマシン……あのマシン……」 「あのマシンって、そうじろうさんが買ってたマシンがどうしたの?」 「あのマシン……U君! PC-286U! お父さんが今も大事にしてるマシンだよっ!」
「今も大事にしてるって、さっきのマシンを?!」 「そうだよ! 立ち上げなくなっても掃除は欠かさないし、捨てないからどうしてかなって 思ったけど、そうだよ! お母さんと一緒に買いに来てたんだよ!」 「かなたさんとって、あんたのお父さんは教えてくれなかったの?」 「『想い出が詰まったマシンだからなー』って言ってたけど、詳しいことまでは教えてくれなかった。 でも、やっと謎が解けたよ! そうだよ! お母さんとの想い出だったんだよ!」 見た目相応に、こなたが子供のようにはしゃぎだす。 「夢だから、これはホントは違うかもしれない。でも、お父さんがずっと大事に掃除して とっておくのはそうとしか考えられないって! 絶対、絶対!」 いつもの飄々とした態度じゃない、感情をいっぱいに出すこなたなんて初めて見たけど、 それはとっても新鮮で…… 「よかったね、こなた!」 「うん、よかったよー!」 素直にそう言えるほど、とっても可愛らしかった。
少しずつ、低くなっていく太陽。 時間が経つのは、ゆっくりなようでとっても早い。 夢の中のはずなのに、それはここでも変わらないみたいで…… 「お疲れ、こなた」 「やー、満喫、満喫ですよー」 私たちは、JRの昭和通り口横にある秋葉原公園に来ていた。 ここも私たちの時代とは違って、ちょっと狭め。それでも子供たちははしゃいで遊んでるし、 すぐそこのビルの前では、どこの国かもわからないゲームを並べたおじさんが堂々と売り 子をしていた。 「夢の中とはいえ、お父さんとお母さんのデートを見守れたし、懐かしい街並みも見れたし」 「ほんと、充分楽しんだみたいね」 「あー、でも」 こなたは苦笑すると、ぽりぽりと泣きぼくろのあたりをかきだした。 「ごめんねー、私だけ楽しんだ形になっちゃって」 「なーに言ってるの。あんたに巻き込まれるのは今に始まったわけじゃないでしょ」 「そりゃそうだけどさ」 「それに、夢にまで巻き込まれるなんて、貴重な経験させてもらったわよ。あんた、 もしかしたらかなたさんに会いたいーとか強く願ったりしなかった?」 「あう、そいつは痛いとこをついてきますなー……」 おや、図星? 「いやー、ほら、お父さんってばこの時期百面相するって言ったでしょ? 毎年毎年毎年 毎年するからいーかげんウザくなって『お母さんが「めっ」てすれば多分万事解決なはず なのにー』とか、そーゆーことを考えてしまったわけですよ」 「かなたさんが、あんたのお父さんを叱れば万事解決って?」 「そーそー」 「……その妄想が、この夢を見せたかもしれないってわけ」 「あー、そういうことになるかもしれませんなー」 ネコ口でとぼけて見せるこなただけど…… 「ホント、あんたの将来末恐ろしいわ。いろんな分野に渡って」 「いやーそれほどでも」 「だから褒めてないっ」
こんな会話をしてたら、いいかげん疲れるわ…… これで目が覚めて気分爽快に、なーんて絶対無理ね、これは。 「はぁ……」 ため息をつきながら、私は公園の向かい側を眺めてみた。 向かい側には、ベンチに座って楽しそうにおしゃべりをしているかなたさんとそうじろうさんの姿。 パソコンとかは重いからか全部送ったみたいで、荷物は最初に追いかけ始めた時とほとんど変わっていなかった。 木漏れ日がきらきらと降り注ぐ中、幸せそうに笑い合ってる二人。 ――ずっと、こんな時間が続いていけばよかったのに。 そう思ってどうあがこうとしても、目が覚めたら歴史が変わってるなんてことはない。 通り過ぎていった時間が、既に決められてしまった真実なんだから。 「目が覚めてさー」 「え?」 「家に帰ったら、お父さん孝行しないといけないなーって思うよ。あの二人見てると」 「こなた……」 「私が、あそこにいるお母さんの分もお父さんのことを支えてかないとね」 のほほんとした顔だけど、感慨深そうにこなたが呟く。 「あーでも、さすがに背徳行為だけは勘弁デスヨ? 私ゃそのケはないし」 「だからあんたってばどうして真面目な雰囲気の時にそうぶち壊しなセリフ吐くかねっ!」 「おやおや、かがみさんは背徳感に興味がおありですかな?」 「ちーがーうーっ!!」 結論。こいつといる時にシリアスな雰囲気にしちゃダメ。絶対壊しにくるから。 ……ま、ちょっとだけ例外があるかもしれないけど。ほんのちょっとだけ、ね。
「あ、お父さんがどこかに行くみたい」 「『ちょっと待ってろ』って感じだったし、ジュースか何か買いにでも行ったんじゃない?」 「なるほどー」 ほのぼのとした二人を眺めながら過ぎていく時間。 私たちの目が覚めたらそれでおしまいだけど、最後まで二人のことを見てから覚めて欲しい。 「ん?」 「あれ?」 そうじろうさんを見送ると、かなたさんはゆっくり立ち上がって、 「え」 「あ、あの」 しずしずと、にっこりと微笑みをたたえながら、 「ちょ、おま」 「う、うそ」 こっちに歩いてきて、 「こんにちは」 帽子を取ると、私たちに挨拶してきた。 「こ、こんにちは」 「こんにちは……」 呆然としていた私たちだけど、なんとか再起動してかなたさんに挨拶を返す。 こなたは、さすがに帽子は取ろうとはしないみたい。 「いいお天気ですねー」 「そ、そうですね」 他愛のない話題でも、いきなり振られるとしどろもどろになっちゃうわけで…… よく見てみると、かなたさんはこなたと瓜二つに見えてちょっと違う。 最初に見たときのようにアホ毛は無いし、白いワンピースのせいか、のほほんとしたこなたと 違ってお淑やかな感じ。目はちょっとタレ目で、そして何より、頬に泣きぼくろがない。 でも……なんで私たちのところに来たんだろう。
「あなたたち、朝からずーっと私たちをつけてたでしょう」 って、ば、バレてるーっ!! にっこり笑ってるから怖い。なおさら怖い! 「ご、ごめんなさい、そのっ、あの」 どうしよう、まさか「こなたのお母さんそっくりだったから」なんて言えるわけないし…… って、そうだ! 「あ、あの、お二人ともすっごく素敵そうなカップルだって思ったんです!」 苦しいけど、こっちのほうがずっとマシ! なはず…… 「…………」 「…………」 「…………」 お願い、怪しまないで…… 「ふふふっ、お似合いだなんてそんなー」 頬をぽっと赤らめると、かなたさんはぱたぱたと手を振ってみせた。 「それで、理想のカップルってどんな感じかなってこの子と追っかけてたんです。そうだよね?」 「ふぇ? う、うんっ」 こなたに強引に作った笑顔を向けて、返事を強要する。 よし、これでこなたもなんとかなりそうだ。 「それなら最初からそう言ってくれればいいのに。そう君……あ、アイスを買いに行ってくれた 彼は気付いてなかったみたいだけど、私はちゃんと気付いていたんですよ?」 「あ、そうだったんですか。本当にごめんなさい」 よかった、変な行動をしないで……って、尾行も充分変なことか。 「それで、ちょっと聞きたいんですけど……今日はパソコンを買いに来てたんですか?」 「ええ。そう君は小説を書いてるから、ちょっとでも効率を良くしようって買いに来てたの」 「へえ」 しばらくにこにことしていたかなたさんだったけど、しばらくすると思い出し笑いをしたみたいに ぷっと吹き出した。
「あの、どうかしたんですか?」 「ううん、そう君のパソコンを買う本当の理由がおかしくってね」 「本当の理由、ですか?」 「そう。『ずっとペンを持ってたら腕をおかしくする。そしたらかなたの手伝いが出来ないし、 生まれてきた赤ん坊に高い高いが出来ない!』って力説して、絶対にパソコンを買うんだーって 小説をいっぱい書いて、採用されるまでがんばってたの」 「た、高い高いって」 「子供がいつ生まれるのか、いつできるのかもわからないのによ? ……でもね」 くすくすと笑っていたかなたさんの表情が、また優しい微笑みに変わっていく。 「ああ、この人なら生まれてきた子供を精いっぱい愛してくれるって、そう思ったの。 美少女ゲームが大好きで、漫画が大好きで、アニメも大好きだけど、それ以上に産まれてくる 子供のことを想ってくれて……私のことも、想っていてくれて」 そう言って、さっきそうじろうさんが歩いていった道を振り返る。 「だから、そう君が一緒にいてくれて本当によかった」 振り向いた今、かなたさんがいったいどんな表情をしてるかわからない。 だけど、実感が強くこもった言葉。 「幸せ――」 「うん?」 ふと、黙っていたこなたが口を開いた。 「幸せ、なんですね。 想える人と一緒にいて、想ってくれる人が一緒にいてくれて」 それは、疑問じゃなくて確認。 きっと、こなたが産まれたときから聞きたかったはずの言葉。 「ええ」 そうはっきり言うと、かなたさんはゆっくりと振り向いて―― 「これからも、きっと幸せ」 白い花が咲くように、にっこりと笑ってくれた。 「そうですか」 こなたも、それに応えるようににっこりと笑う。 帽子の影から見えるその笑顔は、かなたさんそっくりの笑顔だった。
「あれ? かなた、その子達どうしたの?」 二人の幸せオーラにあてられていると、そうじろうさんが公園に戻ってきていた。 「うん、たった今友達になったの」 「たった今? へー、珍しい」 そうじろうさんは一瞬じろっと私たちを見ると、目を閉じて自分の顎に手を添えた。 無精髭がないし、若々しく見える……って、当たり前か。 「うーん、二股ポニテの子は巫女服。ちっこい子はスポーティーな格好が似合ってそうだな」 「うげ」 こ、この人は何を言い当ててますか?! 「おいたはしちゃだめですよ、そう君」 「じょ、冗談だってば、かなたー」 かなたさんが頬を膨らませると、そうじろうさんは焦りながら謝り倒していた。 ほ、本当にこの人ってば…… 「そだそだ、ちょっとストップ」 「ん?」 こなたは二人を手で制すると、カバンの中からゴソゴソと何かを取り出した。 「お近づきの印ってことで、お二人の写真を一枚いいですかねー」 「写真?」 こなたが取り出したのは、この時代には無いはずのデジカメ……って、ちょっと待った! 「こ、こなた!」 「はい?」 私はこなたの肩を抱くと、強引に二人に背を向けて小声で説教を始めた。 「ここでデジカメって、何考えてるのよ!」 「いーじゃん、どうせ夢だし。それにさ」 「それに?」 「最後ぐらいさ、二人の姿を目に焼き付けておきたいんだ」 お気楽に言ってるけど……それはきっと、こなたの切実な願い。 「……そうね。夢の中じゃ、なんでもありだもの」 「さんきゅ、かがみ」 だから…… 「いい写真、撮りなさいよ」 これが、私のこなたへの願い。
んー、もうちょっと木漏れ日があるところに移動かな。 そうそう、そこらへんそこらへん。 あ、おねーさんは帽子をそっと右手で抱きかかえて。そう、そんな感じ。 ほら、おにーさんはデレデレしない。男のデレデレは需要低いよー。 そうそう、凛々しく笑うのが今の腐女子にははやって――え? 腐女子? 気にしない気にしない。 二人とも、もうちょっと寄り添って……あー、肩が触れないぐらい。それ、いーねー。 じゃあ、仕上げに二人で手を握って。もー、照れないの照れない。夫婦なんでしょ? そう……そう、しっかり握って。簡単にほどけないようにしといて。 離さないでね、絶対に……いつまでも、その手を離しちゃだめだからね。 ん、オッケー! それじゃあいくよっ! はいっ、ちーずっ!
葉っぱが風にゆられて、そっとざわめく。 目を開くと、そこにあるのはたくさんの木々といつもの駅。 見慣れていたはずの秋葉原公園だけど……ここに、人は誰もいない。 さっきまで聞こえた売り子の声もしないし、遊具と一緒に、子供のざわめきも。 そして……かなたさんとそうじろうさんも。 立ち上がって写真を撮っていたはずの私たちは、一緒にベンチに座って眠りこけていた。 「ん……」 しばらくして、こなたも目を覚ます。 私と同じようにきょろきょろと辺りを見回すと、慌てたようにカバンの中からデジカメを取り出した。 ピッ、ピッ、ピッ…… 一枚ずつ、順送りされていく画像。 「あっ」 確かに、公園の写真があった。 でも、それは…… 「私と……こなた?」 この時代のここで撮ったらしい、私たちの写真。 こなたがあの二人に言ったように、ぎゅっと手を繋いだ写真……
「……かがみ」 「え?」 「ありがとね」 「こなた……」 「一緒に、お母さんに会ってくれて」 「……うん」 「私……お母さんに会えたんだよね?」 「……うん」 「二人のあしあと、一緒にたどってくれたよね?」 「……うんっ」 「夢だけど……夢じゃなかったよね?」 「夢じゃないよ……」 「一緒におしゃべりして、お父さんのこと聞いて……」 「幸せそうだったよね……」 「それで、最後に写真も撮って……」 「……うん」 「……お母さん」 「…………」 「……おかーさん、おかーさん……おかーさんっ……」 声を潤ませながら、こなたが私にぎゅっと抱きついてくる。 私はただ、そんなこなたのことを抱き締めてあげるしかなかった。
六月十八日、晴れっ! ……と行きたいとこだけど、なんかこー、微妙な天気だねー。 まあ、そんな日でも雨が降ってなきゃアキバに来ちゃうわけで。 しかも今日は、でっかいお買い物があるんだねーこれが。 「すいません、予約しといたこれくださーい」 「はい、少々お待ち下さい」 「予約って……こなた、何を予約したんだ?」 「それは見てからのお楽しみにー……ってほら、来た来た」 「へ? ……げげっ!!」 「Net's Noteになります。お会計よろしいですか?」 「はーい」 「おい、まさかオレに払えってんじゃないだろうな!」 「違うってば。はい、163000円でお願いします」 「こ、こなたが自分で買ってる?!」 「それでは、440円のお釣りになります」 「しかもホントに受け取ってる?!」 「ありがとうございました」 あー、顎外れちゃいそうだよお父さんってば。 ま、いっか。 「お父さん、いつもありがとう」 「へ?」 「それと、これからもよろしくお願いします」 「あ、ああ」 「とゆーわけで、はい、コレ」 「……コレ?」 「ほら、今日は父の日だし」 私はニヤッと笑いながら、受け取ったばかりの箱を手渡した。 「えええええええええええええええええええええええええ?!?!?!?!」
「いやー、まさか娘にこんなどえらいものを買ってもらってしまうとは……」 私は絶叫して石像と化したお父さんを連れて、秋葉原公園へとやってきていた。 復活したら大事そうに箱を抱えてくれてるし、娘冥利につきるわー。 「でも、本当に大丈夫なのか? お前もいろいろ買いたいのがあるだろうに」 「そこらへんはバイト代でどーにかなるって。それに、お父さんにあげるのはちゃんと手元に 残るものにしたかったし」 「手元に残るって、これはいくらなんでも高いだろ……」 「そっかな?」 そんなに高くないと思うんだけど。 「私はお父さんから、今までいろんなものをもらってきたんだから」 それに比べたら、パソコンなんて安い安い。 「むう……んじゃ、有り難く使わせていただきます」 「簡単に壊さないでよ? せめて286のU君ぐらい大事にしてもらわないと」 「大丈夫、娘に貰ったパソコンを簡単には壊さんよ……って、そこでどうして286が出てくるんだ?」 「いやー、古くなって使わなくなった今でも大切に掃除してるんだもん。お父さんの宝物 なんだってよくわかりますヨ」 私が生まれたときから、ずっと我が家に一緒にいるU君。 そして、夢の中でお母さんと一緒に買っていたU君。 それからお母さんと過ごした時間は短かったかもしれないけど、お母さんとの想い出が いっぱい詰まったU君は、今でもお父さんと一緒に過ごしている。 「だから、コレもお父さんの宝物の一つにしてもらわないと」 「娘からこんな凄いモノを貰っといて、宝物にしない父親がどこにいるっ」 「んー、どっちかというとエロゲのほうを大事にしそうな感じ?」 「……お父さん、そんなに信用ないのかね」 「冗談だから真に受けない真に受けない」 大丈夫大丈夫。 お母さんとの想い出を大事にしてるお父さん、ちゃーんと信用してますヨ。
「まあ、286なー……あれは特別だよ」 「お母さんとの想い出が詰まってたり?」 「お、よくわかったな。 もうずーっと前にな、ここをぐるぐる探し回ってまわってな。なかなかいいのが見つから なくて、最後にしようと思った店で『これだっ!』て見付けたのが286だったんだよ」 「へー」 「でも、何故かなたが『ほんとに小さいのが好きなのね』ってスネちゃって」 「あはははっ」 夢の中の二人のやりとりがあったから、すぐにでも思い浮かぶなー、それ。 「しかし、あれからもう何年も経って……ここも色々変わったもんだ。久しぶりにかなた とのデートコースを歩いたけど、ほとんどお店が無くなってたのはちょっと残念だったな」 「寂しかった?」 「まあ、寂しくないって言ったらウソになる。でも、変わらないものなんてあるはずないんだ。 今日こなたと歩いて、いろいろお喋りして、こんなに素敵な贈り物をくれるまで育ってくれて、 よーくわかった」 にこにこと笑いながら、お父さんが深々とうなずく。 「それに、想い出は覚えてさえいればずっとそこにある。今日歩いてても『ああ、ここで かなたとこんなことがあったな』とか『こんなのを食べたな』とか、色々思い出したよ」 「そっか」 もしかしたら荒療治になるかなとも思ったけど、一緒に散歩して良かった……かな。 「おっ、そうだそうだ」 何かを思い出したように、お父さんが両手をぽんと打つ。 「ちょうどここの公園にも想い出があってな」 そう言いながら、お父さんはお財布を取り出した。
「286を買った後にここで休んでたら、かなたがいきなり見知らぬ子と仲良くなったんだ」 えっ? 「『素敵なカップルですね、写真一枚撮らせてください』とか、変わった子たちだったよ」 それって…… 「ついでに、俺らも一枚写真を撮ってもらって……ほら、これこれ」 そう言って、お父さんが開いた財布の中から出てきたのは、 「よく撮れてるよなー、これ」 ……夢の中で、私が撮った写真だ! 「かなたも大事にしてて、焼き増ししたのをアルバムに貼ってたっけ」 想い出を確かめるように、お父さんが微笑む。 それは寂しそうなものじゃなくて、まるで想い出を確かめるみたいで…… 「お父さん」 「ん?」 「お母さんと過ごした日々……幸せだったんだね」 私も、確認するようにお父さんに問いかける。 「もちろん」 お父さんは満面の笑顔で頷くと、 「ずーっと幸せだったさ。それに」 私の頭にそっと手を置いて、 「かなたが遺してくれたこなたがいてくれて、今でも幸せだよ」 優しく、撫でてくれて…… 「……うんっ!」 ちょっぴり、涙が出てきた。
私たちを見守ってくれる、お母さん。 「じゃあさ」 「おっ?」 「私たちもさ、この写真と同じように写真撮ろうよ」 美少女ゲームが大好きで、漫画が大好きで、アニメも大好きなお父さんだけど、 「写真って、デジカメでか?」 「そーそー、想い出作り想い出作り」 「ふーむ……ま、そだな。娘との想い出作りってのも良いか」 お母さんの想い出と一緒に、前へ歩き続けているみたいです。 「でしょ? んじゃ、誰かに頼んでっと……」 「あ、すいません。写真撮ってもらってもいいですか?」 「えっ、未成年誘拐略取? 違いますよ、ただの親子ですってば。失敬だなー」 まー、私にもいろいろ伝染しちゃったけど、そこは諦めてください。
「あ、いいですか? それじゃあお願いします」 「ほらほらお父さん、手を繋いで」 「いいのか?」 私も、一緒に歩いてくれる友達がいます。まあ、ツンデレたけど。 「当然。お母さんにもやったんだから、私にもやってもらわないと」 「うーん、改めて言われると照れるなぁ」 「実の娘に照れるなっ」 そうだ、かがみにも写真のこと、ちゃんと教えてあげなくちゃ。 「んじゃ、ちゃーんと手を絡めて」 「そうそう、ちゃんと離さないように」 「……うん、これでよしと。それじゃ、お願いしまーす」 まあ、そんなこんなで騒がしくて、退屈するヒマもない日々だけど、 「「はいっ、ちーず!」」 ――私たちは、元気だよっ!
……というわけで「二人の足跡 - アキハバラ1988 -」をお送りしました。 全てのきっかけは妄想屋さんの「Welcome Back」を読んだこと。 そして、前スレ135さんのレス。 135 :名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 00:08:30 ID:pdCiU+7h 2巻P121〜123、泉父子がかなたの思い出を話してるけど、 変にジメジメしていないところが、ちょっといいなと思った。 お互いにいい思い出だけを残して、未練なく旅立ったんだなぁ……って。 このレスを読んで「この二人の想い出って、どういう感じだったんだろう」 と想像し始めたこと……あと、もうすぐ近づいてくる「父の日」がきっかけでした。 初のらき☆すたSSで拙い所もあるでしょうが、お楽しみ頂けましたら幸いです。
(;_;) 大作お疲れ様です。 読んでいて四者四様の表情が自然に浮かんできました。 現在の秋葉原しか知りませんが原作のような 「オタク話においてきぼり感」と「あるある感」を 同居させる情景描写が面白いです。 とてもいい話でした。
154 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/12(火) 12:06:31 ID:UiT5CWW/
全俺が泣いた……GJ!
sage忘れ、すまん
>>152 渾身の一作、しかと拝読しました。圧巻とはこの事か。
ただ、今は万雷の拍手を。
ネタにニヤニヤして、こなかがにほんわかして、そうかなに新鮮さを感じて… 最後に感動をいただきました。 本当にGJでした!
ごめんなさい、大ボケの謝罪です。 >146の「六月十八日」は「六月十七日」の間違いでした。 去 年 の カ レ ン ダ ー を 見 て い た と い う ボ ケ で す 。 ちょっくら穴に入ってきます……
胸が温かくなって、ジーンとしました。 泉家のとても幸せな感じが伝わってきます。GJ!
161 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/12(火) 12:43:22 ID:IzPmEvEz
お前のSSに俺が泣いた。GJ!
34レスに渡る超大作 しかと見届けました GJ!
本当にGJ 1冊の長編小説を読んでいるようだったよ 笑ったり泣いたり忙しかったけど楽しく読めた 乙だだだ!
遅出の通勤時間が気持ち良く過ごせたよ。 ありがとう。GJ!
#SS以外ではコテ外してるんですが、今回だけ失礼します。
>>152 大作お疲れさまでした!そしてGJ!
あの頃の秋葉原の描写がすごいです。資料集め大変だったんじゃ?
そして、写真をガジェットとした、過去と未来のリンクが秀逸です!
「Welcome Back」の作者、そして前スレ
>>135 として、面映ゆい限りです。
素敵な話をありがとうございました。
なんという大作・・・俺の涙腺は間違いなく崩壊 GJ!!!
神作すぎるだろ…常識的に考えて…
これはまさにgod job!!!
>>159 大丈夫!
アニメ版の時代設定は(10話現在)2006年ですから!
皆様ありがとうございます。
また何か機会がありましたら、らき☆すたSSを書いてみたいと思います。
>>165 当時の秋葉原の描写は、当時秋葉原で遊んでいた小さい頃の自分の記憶を頼りにしました。
作品を書いていて、二人が歩いた道を追体験したようなそんな気持ちになりました。
>>167 そ、そうでしたか。それならよかったよかった……
……ってやっぱり自分のうかつさがががorz
>>152 違ったらすまんが、VIPのSSスレでかなたのビデオレターの話書いた人?
作風が似てる気がしたんだが
あれもいい話だったな
>>153 涙が止まらないよぅ…
GJすぎるよぅ…
大作テラGJ!!(:_;) きっとこなかがが乗ったのはデンラi(ry
174 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/12(火) 16:50:02 ID:O0IVOYvd
>>152 GJ
中盤からグッとき始めて、最後に泣いちまったよ
(´;ω;`)
感動をありがとう
sage忘れスマン
筆不精でせいぜい原稿用紙7〜8枚が限度な俺にとって、その文才は羨ましい限りだ GJ
つまり二人は時空旅行をしていたと言うわけですな _,,,,._ 、-r r--, 、-r ,.','" ̄',〈... _,,,_ _,,,_ _,,,,,| | ~`l | _,,,_ | |,,,,,_ { { ,___ ,'r⌒!゙! ,'r⌒!゙! ,.'r⌒| l .| | ,'r⌒!゙! ..| |⌒','i ゝヽ、 ~]| ,i i i l i l i i .i i .i .i .| | i i i l .| i .i | `ー-‐'" ゞ_,.'ノ ゞ_,.'ノ ゞ__,.',、'ュ ..l l ゞ_,.'ノ.. .L、-_,'ノ (~'-'ノ `~~
超GJ!! 涙腺崩壊しますた(>_<) クリーム色の電車って東武の旧型のやつか
180 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/12(火) 19:11:42 ID:S+1Q3vA1
面白い。よくあんな話思いつくな〜
亀レスですが乙です 自分も小さい頃両親が離婚しまして、このテの話を読むと うちの親もこれくらい仲がよかったらなあ……と 明日、こんな真っ赤な目で会社いけるかな……
あのぅ、食事の会計、どうやって支払ったの? 旧札を持ってたの? ああなんて無粋なんだ俺。スマン!
SUGEEEEEEEE! これはGJレスをしないわけにはいくまい。 というわけでGJ!
>>169 らき☆すたではこの作品が初めてですので、違うということになります。申し訳ありません。
>>178 形式とかそういうのは忘れましたが、冷房が無くてジトッとした東武の旧型車です。
>>184 かがみが神社の娘さんだから、そのあたりで古いお金とか持ってそうだなとか
すいません後付けですorz
それでは、そろそろ名無しに戻ります。
と、ここで作者さんへちょっと質問をば。 wikiに保存しようとしたのですが、どうやら容量の問題で無理なようで…。 全文を2つに分けてページを作成する必要がありそうです。 勝手に分けて構成を崩してしまうのもアレなので、 どこで切ったらいいかご意見を下されば幸いかと…。
>>188 まとめ作業お疲れさまです。
(12/34)と(13/34)を境界線として保存して頂ければ幸いです。
それでは、宜しくお願い致します。
>>185 いや、1982年には500円玉が開始してるし2007年現在夏目は意外と残存(略
無粋でごめん(苦笑)昨日職場でニトベ5000円を2枚も見たもんで…
>>185 こなたのデジカメと一緒で、その時代に適合するような復元力が働いたんじゃね?
>>191 となると、もしDSを持ってたらゲームウォッチに?w
(※ゲームボーイは翌89年発売)
PSPあたりはPCエンジンポータブルに?ww
麻宮の「ヴァグランツ」で言うところの「シフト」が発生したんジャマイカ? 技術的レベル差を保った状態でズレるというアレ。 金は時代に関係なく、同じ価値でシフトして旧札になる。 デジカメは技術的レベル差を保ったままでシフトして、35万画素ぐらいの機種になってたかも
>>193 あんた何歳だwwと連載生読みしていた俺が言ってみる
>>193 なるほど。
現在も、旧札はその額面で使えるしなぁ。
しかし、麻宮か、サイレントメビウスで角川春樹プレゼンツ映画前後作出たなぁ。
何故か前巻はマクロビジョン有り、後編の冬香編では無し、不思議だ。
萌えドリルの特典の小説本に掲載されていたとしても全く問題がない素晴らしい良作!
>>184 諭吉さんで払ったんじゃ?裏の絵違うけど気付かなかったり。
ってかそんな深く突っ込まんでもw
>>189 ありがとうございます。
早速保管させていただきましたー。
>>193 そういやサイメビで似たような話がなかった?
ユキが街中を歩いてたら突然過去に飛ばされて・・・みたいな
SSの出来の素晴らしさもさることながら、 >ドアが閉まって走っていく電車は、今の東京メトロや棟武線で見たことがないクリーム色の電車。 15年ほど前まで伊勢崎線沿線に住んでたので懐かしさも感じました。 小学生の頃まではクリーム色の地下鉄直通電車は現役でした。 春日部にしても越谷にしても北千住にしても自分の記憶にある姿からは大分変わっているんでしょうね・・・。 何はともあれ、作者さん大作お疲れさまでした。
>>105 GJ。負けず嫌いのかがみも策士のこなたもつかさもみんなかわええのお。
>>152 長編乙GJ!
長い筈なのに長さを感じなかったよ。
みんなもう幸せそうで幸せそうでいいなあ。
こなた非エロss投下 こなた視点 親戚云々は完全に妄想です
私とお父さんは、休みを利用してある親戚の家に滞在している。 大自然がすぐそこら辺に転がっているようなところで、昼は蝉の声、夜は蛙の声が音を支配する人口の少ない村だった。 インドア派の私がこんなところに来たのは理由がある。 一夜明け、水筒にお茶をもらった私は、その目的を果たすべくお父さんに許可を得た後どことも知れぬ脇道へ入っていった。 空気が澄み、緩やかな風が流れていく山道。 雲一つ無い青空。青天っていうのはこういう天気のことを言うんだろう。 私は額の汗を拭いながら、雑木林で囲まれた道なき道を歩いていた。 途中から坂になっていて、結構な体力を消費する。 ただでさえ田舎なのに、少し奥に向かうとすでに未開拓地だ。 肩から下げたバッグから水筒を取り出し、蓋を開ける。 注いだ麦茶をちびちびと飲みながら、道程は続いていく。 どれくらい経ったんだろう。 歩き始めたころに比べてかなりスピードが落ちてはいたが、それでも着々と進んでいた。 気づけば一方向から光が差し込んできている。あと少しで開けた場所に出るようだ。 ゆっくりとその光に向かって進んでいく。
坂がゆるやかになっていき、平地になったとき、わたしは一面に広がる向日葵に見惚れていた。 鼻腔をくすぐる匂い。太陽に照らされた真っ黄色の空間が、そこにあった。 ざぁっ、と涼しい風が流れる。髪がなびき、抵抗を感じたので、片手で麦わら帽子を抑えた。 そのまま、向日葵の中へ進んでいくことにした。 踏み出す。先ほどまでのだるさは消え、爽快感が体を包んでいる。自分の体ながら現金だ。 周囲が全て向日葵の黄色い世界。どれも太陽をしっかりと見つめ、輝いている。 せめて見晴らしのいいところにと思ったが、これだけの場所を見つけられたのは誤算だった。 わたしがこんな田舎に来たのには理由がある。 それは、皆に手紙を書くことだ。 自分らしくないとは思ったが、この時期には少し感傷に浸ってしまうこともあったりするのだ。 みんなの雰囲気もなるべく壊したくなかったし、ここに来れたのは僥倖だった。 一人でやってみたいことも、ある。 さて。
------------------------------ 拝啓 初夏の気配が感じられる今日この頃、皆様方におかれましては如何お過ごしでしょうか。 なんてね。 なんとなく、皆に手紙を書いてみました。今私は向日葵がいっぱいあって凄く綺麗な場所に居ます。 皆に言いたいことがあるけど、やっぱり少し恥ずかしいから、元気な向日葵に後押ししてもらいました。 手紙を書くのは久しぶりなので、いつもと違うところがあるかもしれないけど。 これに書くことはぜんぶわたしの真面目な気持ちなので、最後まで読んでくれると嬉しいかな。 まず、つかさへ。 つかさは、いつもほんわかしているように見えるけど、本当はずっと皆とのことを考えてくれていること、知っています。 でも、そんなに気張りすぎることはないと思います。 一人で空回りするのはともかく、皆が繋ぎとめようと思えば消えないものだから。 どう努めてもなくなってしまうものはあるかもしれません。可能性がある限り、それは仕方ないことだから。 いつか離れていってしまうものなのかもしれません。変わらないものなんてないから。 でも、距離とか、会えない時間とかは、皆で持ち寄って埋めればなんとかなるものだと思います。 やっぱり、さびしいかもしれないけど。その寂しさは、きっとわたしたちの時間があった証だから。 …ごめん。だんだん、わけわかんなくなってるね。 それでも、寂しくて嫌な気持ちが爆発しそうになったら、言ってね。 一緒に悩むことぐらいは出来るから。 つかさ、ありがとう。
みゆきさんへ。 まずは、いつもいろいろ教えてくれてありがとう。 わたしのしょうもない疑問に一々応答してくれて、感謝してます。 でも、たまに答えられなくても、落ち込むことはないと思います。 皆みゆきさんのことを尊敬してるし、みゆきさんの良いところは他にもあるから。 だから、疑問に答えるためだけに物知りになろうとしなくても大丈夫です。 わたしの早とちりだったらごめんなさい。でも、みゆきさんは引っ込みがつかなくなりそうだから、少し心配でした。 目が悪かったり、ちょっとドジっ娘だったりして大変なときもあるかもしれません。 そんなときはぜひわたしを頼って下さい。 迷惑どころかみゆきさんから頼られるとかなり嬉しいと思うので。 歯医者、早めに行った方がいいと思います。 みゆきさん、ありがとう。 そんで、かがみへ。 かがみは、もう少し素直になった方がいいと思います。 例えばクラスのこととか。 疎外感を感じたくないのは同じなので、皆にもう少し言ってもいいんじゃないかなー、と思います。 …ごめん。わたしのせいだよね。 いつも色々酷いこといってごめん。 かがみは優しいし、わたしの趣味も理解できるので、ついからかってしまいます。 信頼してるからこそ出来ることなので、わたしはかがみとこういう仲で居られることを密かに自慢に思っています。 でも、かがみがわたしにからかわれることでむかついたり、自分の気持ちを誰にも素直に出せなくなったりしたら言って下さい。 頑張って改善します。 あと、無理してうちのクラスにずっと来なくてもいいです。 別にたまに来ないだけで何かあるということはないので、自分のクラスでの付き合いを犠牲にしなくても、わたしはかがみが大切な仲間だってちゃんとわかってます。 あんまり心配しなくても大丈夫です。 いつも、叱ってくれてありがとう。わたしがかがみのことや皆のことを嫌いになったりするのはまずないので、これからもわたしが悪いことをしたら皆で叱って下さい。 かがみがいるから、わたしは安心してアクセルを踏めます。 かがみ、ありがとう。
最後に…お母さんへ。 私なりにだけど、友達は大事にしてます。 背もほんの少しだけど伸びたし、だいたい全部順調です。 こなたは良い子にしてます。 だから、たまには様子を見にきてください。 お父さんも寂しがってます。 他にもいろいろ伝えたいことはあるけど、なんだか泣いちゃいそうなので、これぐらいにしておきます。 お母さん、ありがとう。また手紙書きます。 みんな、いつもありがとう。 これからも私をよろしく。 敬具 ------------------------------
210 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/12(火) 22:54:08 ID:CCikDvbt
気づけば陽が赤く染まっている。 熱中して書いている内に、思わぬ時間が経ってしまった。急がないと陽が落ちてしまう。 長時間休ませていたので思うように動かない足に喝を入れ、数枚の手紙を持って立ち上がり、周りを見渡す。 思わず目を細める。 先ほどまで強い日射しに光り輝いていた向日葵たちは、今度は沈んでいく夕日のオレンジに染まっていた。 手で軽く目を覆う。何故か涙ぐんでしまった。最近涙腺が緩くてだめだ。 私は風情を漂わせながら佇む向日葵に背を向け、歩き出した。陽光が影を作る。 雑木林の入り口で一旦立ち止まり、後ろを振り向く。 向日葵はこちらを見ず、ただ太陽だけを見ている。 また踵を反すと、帰路につくべくバッグに手紙をまとめて仕舞った。
終わり。 こなたもいろいろ考えちゃうときもあるんじゃないか。
GJ! こなたはいい加減に見えて実はちゃんと考えてそうな雰囲気があるな。
GJ 何て多感でアンニュイなこなちゃんなんだ!
こなたが病気で余命わずか…とかいうオチじゃなくてよかった… 4人がいつまでも仲良くいられますように。
何という・・・・何という心温まるSSの数々・・・ 目から鼻から水が止まらない
エロドウジンダイスキーな俺だが、らき☆すたのエロ同人はあんまり見たいと思わん。 むしろこのスレで挙がっている非エロのSSがすんばらしくよい
>>216 に激しく同意
ここのSSはみんな質が高いなーと思う
っていうか自分の好きな作品全体にいえることかもしれないな、このことは
>>216-218 気持ちはわかる
が やはりエロが欲しいという気持ちも・・・・
結論・職人の皆さんGJ
>>117 脳内再生が容易な書き方で感情移入してしまいました
>>204 だれかキャラの視点で書くのってかなり大変なはずなのにすばらしかったです。
エロが見たくない、というよりはエロがイマイチ想像できないというかw 原作がああいう感じなだけに。
うおあそうはいっても保管庫のエロSSにもいいものは沢山あるじゃないか つまり俺が言いたいのはみんなGJ!ということだ!
ある女子高生の日記 May 9, 2007 夜、友達のかがみとつかさ、いとこのゆーちゃんとゲームをやった。 かがみんめ、全然HPゲージ減らなかったけどきっとPARにちがいない。 あたしたちをばかにして。 May 10, 2007 今日、黒井せんせーから新しいPK連中の世話を頼まれた。 皮をひんむいたゴリラのような奴だ。 生きたエサがいいってんで、何も知らない初心者集団を誘い込んだら 奴ら、足をもぎ取ったり内臓を引き出したり遊んだあげくやっと食ってるし。 May 11, 2007 今朝 5 時頃、宇宙服みたいな防護衣を着たおとーさんに突然たたき起こされてあたしも宇宙服を着せられた。 なんでも、この町で事故があったらしい。 さいたま市長ときたら、夜も寝ないで○○ばかりやってるからこんな事になるんだ。 May 12, 2007 昨日からこのいまいましい宇宙服をつけたままなんで、背中がむれちゃって妙にかゆい。 いらいらするんで、腹いせにゆーちゃんをゴハン抜きにしてやった。 いい気味だ。 May 13, 2007 あまりに背中がかゆいんで病院にいったら、背中にでっかいバンソウコウを貼られた。 それから、もうあたしは宇宙服を着なくていいと医者がいった。 おかげで今夜はよく眠れそうだ。 May 14, 2007 朝起きたら、背中だけでなく足にも腫物ができてた。 ゆーちゃんの部屋がやけに静かなんで、足引きずって見に行ったら誰もいない。 ゴハンを三日抜いたくらいで逃げやがって。 ゆいねーさんに見つかったら大変だ。 May 16, 2007 昨日、この町から逃げ出そとしたセバスチャンが一人、射さつされた、て はなしだ。 夜、からだ中 あついかゆい。 胸のはれ物 かきむし たら 肉がくさり落ちちゃた。 いったいあた し どうな て May 19, 2007 やと ねつ ひいた も とてもかゆい 今日 はらへったの、いぬ のエサ くう May 21, 2007 かゆい かゆい つかさ− きた ひどいかおなんで ころし うまかっ です。 4 かがみ うま
みゆき×つかさ&みゆき×かがみ&こなた×みゆき投下します。
Σ案 人気の失せた放課後の学校。薄暗い資料室の中で、二人の女生徒が互いの指を絡ませ見つめ合っている。 高良みゆきと柊つかさ。二人は絡ませた指をそのまま強く握り、顔を近付けていく。そのまま、二人の唇が重なった。 「ん……ぁ……ゆき、ちゃん」 「そんなに緊張しなくていいですよ、つかささん……」 みゆきの表情はいつもと変わらず、聖母のような温もりを湛えている。だがその濡れた眼差しには、妖艶な光が灯っていた。 「うん……」 従順な子犬の目をして、つかさは頷いた。 「ふふ……良い子ですね……」 みゆきの腕がつかさの背に回され、その体を優しく抱きしめる。 もう一度、みゆきがつかさに口付けた。 オレンジ色の斜陽がうっすら差し込む中で、二人は体を重ね、唇を重ねる。 みゆきの舌がつかさの中へ侵入し、縮こまっているつかさの舌を探り始めた。 「んっ……!」 目を閉じていたつかさが声を漏らす。みゆきは抱きしめる手に力を込め、ほのかに甘酸っぱいつかさの口腔をくまなく舐め回した。 甘く暖かい感触をたっぷり楽しんでから、唇を話す。二人の唾液が銀色の糸を引いた。 みゆきは抱きしめたつかさの首筋に口付け、舌を這わせる。 「ふぁ、あ……」 羞恥に顔を染めながら、つかさは身悶えする。 みゆきは制服越しにつかさの控えめな乳房に手を這わせた。 「そ、そんなに触らないで……私の、ゆきちゃんみたいに大きくないし」 「そんなこと、関係ないですよ」 「でも……」 「つかささんは、とても可愛いです……」 耳元で囁く。吐息のくすぐったさに、つかさの体が熱くなった。 みゆきはつかさのネクタイを解き始めた。 「や……だめだよ。誰か来たら……」 「こんな時間の資料室に、誰も来たりしませんよ」 「あの、そうじゃなくて、やっぱり学校で恥ずかしいし……」 「それじゃあ、私も一緒に脱ぎますね」 にっこり笑ってそう言うみゆきに、つかさはもう何も言い返せなかった。 みゆきは瞬く間につかさのセーラー服をたくし上げた。シンプルなデザインのブラを軽くずらすと、まだ成長途上といった感じの可愛らしい乳房が露わになった。 「つかささん……」 みゆきは愛しげに名を呼びながら、つかさの双丘を手の平で円を描くように撫で回す。 つかさの小振りな乳房は、みゆきの手の平にでも収まってしまう。細い指先が、固くなった乳首を弄ぶ。 「あっ……ふぁ……」 せわしない呼吸に、つかさの小さな胸が上下する。 みゆきの唇が、首筋から胸元、そして乳房へ這い降りる。乳首を吸われた途端、つかさの足が力を失い、そのまま体重をみゆきに預けた。 「ご、ごめん、ゆきちゃん」 「いいんですよ。さあ、それよりも……」 みゆきは自らネクタイを解き、セーラー服をたくし上げた。白磁のような肌が零れる。果実のように瑞々しく白い乳房が、純白のブラジャーに包まれていた。 「今度は、つかささんからもしてください……」 「……うん――」 つかさの手が、みゆきの胸へ伸びる。豊かな乳房は、飲み込まれてしまいそうなほど柔らかく、暖かかった――
Λ案 柔らかなベッドが、二人分の体重で軋む。 「あ、あのさ。みゆき……」 ベッドに背を預けているかがみのすぐ目の前、真上に、みゆきの顔がある。両手でかがみの手首を押さえながら、痛いほど真剣な顔をしている。 「こういう冗談は、私ちょっとリアクションに困るって言うか……」 「冗談でこんなこと、しませんよ」 ひきつった笑みを浮かべるかがみとは対称的に、みゆきはあくまで真剣だ。 「私は、かがみさんのことが――」 「ちょ、ちょっと待ってってば! 私もみゆきのこと好きだけど、こういうのは、意味が違ってるっていうか……」 「なら、意味を変えてあげます」 「な……!」 みゆきらしからぬ強引な物言いに唖然とする。 「と、とにかく落ち着いて! こんな押し倒されたみたいな状況じゃ――」 「あら、私ははっきり押し倒しているのですけど」 「う……」 みゆきがゆっくりと顔を寄せた。少しだけ癖のある髪がかかる。シャンプーの匂いか、ほのかに甘い香りがかがみの鼻孔をくすぐった。 「かがみさん、今の状況、分かってますか?」 優しく、そして蠱惑的にみゆきが笑った。 「私はあなたを襲ってるんですよ」 何か言おうとしたかがみの唇が、みゆきのそれで塞がれた。 吐息の甘さと唇の温かさに酔わされたように、かがみの体から力が抜ける。 たっぷり十秒以上口付けてから、みゆきはようやく離れる。 「っぁ……みゆき、何でこんな――」 「知りたいんです」 一度言葉を区切り、両手をかがみの頬に当てる。 「かがみさんのことを、もっと……」 切なげな声音で呟き、みゆきは二度目のキスをした。 「ん……っ」 かがみの口内をみゆきの舌がまさぐる。かがみの頭の中は、混乱して真っ白だった。ただされるがままに、何度も唇を貪られ、舌を絡み合わされる。 「抵抗……したければしていいんですよ」 優しく囁く声に、嘘の響きは無い。 「ただし、逃がすつもりはありませんので」 ただ瞳に映る光だけが、妖しい艶を帯びていた。 抵抗しようにも、かがみの体は魔法を掛けられたように動かなかった。動く意志を溶かすほどに、みゆきの口付けは優しく、激しかった――
Ω案 天は二物を与えずという。だがそれは嘘だ。世の中には二物も三物も持っている人が確実にいる。 「不公平とは言うまい……だけど、持つ者は持たざる者に施すのが徳行てもんだよね」 「え? 何のことですか?」 学校の更衣室。たまたまみゆきとこなたが二人きりで着替えていた。みゆきのブラに包まれたたわわな胸が、こなたの視界を圧倒している。 「あのさ、みゆきさん。一つ頼みがあるんだけど」 「はい、何でしょう?」 「胸、揉ませて」 「……は?」 一歩間違えなくてもセクハラなお願いに、みゆきの目が点になる。 「い、いきなりなんですか? そんなこと言われても……」 「そこを何とか、お願い」 こなたは両手を合わせて懇願する。 「そう言われても、そんなふしだらな行為を――」 「いや、それは違うよみゆきさん。私がみゆきさんの胸を揉みたいのは、これは純粋な知的好奇心からなのだよ」 「え……そうなんですか?」 「うむ!」 大きく頷いたこなたは、不意に寂しげな表情を作り上げる。 「見ての通り、私は出るとこも出ず、くびれるとこもくびれない幼児体型……みゆきさんのように女性らしい魅力的な体付きとは無縁な存在……」 「そ、そんなに自分を卑下しなくても……」 「大丈夫。私はこんな自分を惨めに思ったりはしないよ」 こなたは諦めを含んだ切ない微笑みを浮かべる。そのまましばらく間を置いて、クワッと目を見開いた。 「だけどみゆきさん! 私は知りたいのだよ! 巨乳とは如何なる物なのか!? 肩こりするほどのおっぱいって一体どんなもんなのか!? だからみゆきさん! 私のこの願いを聞いてはもらえないだろうか!」 熱意を込めたド真剣な表情で、こなたが懇願する。 「え……えっと……はい。私で力になれるなら……」 勢いに押されたか熱意にほだされたか不明だが、なし崩しに了承してしまうみゆきだった。 (計画通り!!) 一瞬、新世界の神みたいな表情になったこなただが、みゆきは気付かない。 「それでは失礼して……」 こなたは一応遠慮しがちに、手をみゆきの乳房に伸ばした。手の平にはとても収まらないそれは、揉むというより持ち上げるといった感覚だ。 「うわ、やわらか……」 ブラの生地越しでも、その何とも言えない柔らかさと暖かさが分かった。少し力を入れると、程よい弾力と瑞々しい張りを指先に感じる。 「ぁ……」 みゆきが小さく声を漏らした。 「あの、あんまり強く触られると……」 「あ、ごめん。痛い?」 「痛いのとは違うんですけど、その……」 恥ずかしそうに顔を赤らめながら、みゆきは言葉を濁す。 「ひょっとしてみゆきさん、結構敏感だったりするの?」 尋ねながら、こなたは乳首の当たりをブラの上から指で押してみた。 「ひぁっ!?」 みゆきの体がびくりと震え、力が抜けてバランスを崩す。慌ててこなたが支えた。予想以上の反応だ。 「す、すみません……」 「いや、こちらこそ……みゆきさん、胸が感じやすいんだね」 「えっと……そういうことに、なるのでしょうか」 「ふーん……このサイズでなおかつ感じやすいなんて、大変じゃないの?」 「そ、そうですね……ブラジャーを付けていないと、その、擦れたりして……」 「なるほどなるほど……それじゃあ、続けるよ」 「え……まだ、するんですか」 「うむ。あくまで知的好奇心を満たすためにだよ、みゆきさん」 「わ、分かりました」 「じゃあ、ブラはずすね」 「へっ……?」 反応する間もなく、こなたはみゆきの背後に回り込んでブラのホックを外してしまった。メロンのようなサイズの乳房が、勢いよく露わになる。 「なっ、何を――」 「いやぁ、やっぱり生で揉ましてもらわないと、色々とね。分かりづらいっていうか」 「ちょっ、ちょっと待ってくだ……ひぁぁぁ!?」 背後から直に鷲掴みされ、みゆきは思わず嬌声を上げる。こなたの『知的好奇心』とやらが満たされるのには、もうしばらくかかりそうだ――
「……うーむ」 握っていたシャープペンを机の上に放り出し、ひよりは手の甲を額に当てた。 「さて困った……」 描き終えた三つのネームを、穴が空くほど睨み据える。 今回の本は、ある人物をモデルとして描こうと決めた。その人物とは、美人で巨乳で成績優秀なお嬢様そして眼鏡っ娘と、ひよりの知る限り最高のスペックを持つ萌えキャラ、高良みゆき。 だがカップリングをどうするかが定まらず、とにかく勢い趣くままペンを走らせてみれば、いつのまにやら「ジェットストリームアタックをかけるぞ!」とばかりにエロい三連星の出来上がりだ。 このうちの二つは「俺を踏み台にした!?」てな感じでボツとなる。前回のような無茶はそうそう出来るものではない。 「なら何で私はネームを三つも切っちゃうんだか……」 描いてしまった物はしかたがない。苦笑いとため息を半分ずつ。そのまま、机に突っ伏した。無意識に目を閉じる。 その時、ひよりの耳にまたあの声が聞こえてきた。 神:おおひよりよ! 死んでしまうとは情けない! ひ:死んでないっスよ。あとそれ王様の台詞っス。 神:細かいことを気にするのではありません。ひよりよ。またネームの選択で悩んでいますね。そんな時は―― ひ:あー、この前みたく全部描くのはパスで。お陰で死にそーだったんスから。 神:しかしその甲斐あって好評だったでしょう。 ひ:そりゃまあ……でも、今回はちょっと気力が保ちそうにないっス。 神:……フッ、やれやれ。あなたの漫画にかける情熱はその程度でしたか。 ひ:なっ……!? 神:プロットもネームも絞り込むことができない。ボツったネタの再利用すらできない。 気力が尽きたらペンを持つことすらできない。貴様それでも創作者(クリエイター)のつもりか。恥を知れ! ひ:ぐ……そんな改変まで使って……! 神:違うというなら証明してみせなさい。 ひ:……! 神:ド根性を出せ! 意識を変化させろ! ネタを再構築して立ち上がれ! ハリー! ハリー! ハリー!! ひ:……いいでしょう。そこまで言うのなら、やってみせます。私は犬の餌じゃないっスから。 神:良い心がけです。期待していますよ――…… 神の声が遠ざかっていった。 「……はっ!」 ビクッと体を震わせ目を覚ます。口端に付いていた涎を拭う。三十分ほど寝ていたらしい。 「……三つ、全てか……」 夢の記憶は残っていた。神様は時に無茶を言う。むしろ無茶しか言わないのかもしれない。 だが、その無茶を通せる人間こそが―― 「……よしっ」 ペンと原稿用紙を机に用意し、ひよりは深呼吸する。そして吼えた。 「やぁぁぁってやるぜっっ!!」 嗚呼、ひよりんが行く……解られることなく、浮き世から離れし彼女等を動かすもの。それは、創る意思を持つ者の意地に他ならない。 数日後。陵桜学園一年D組の教室。 「田村さん欠席なんだって?」 ゆたかが尋ねると、みなみは普段の無表情に心配の色を浮かべて頷く。 「過労で倒れたらしい」 「過労!? 何があったの? 最近、何か疲れてるみたいだったけど……」 「それは分からない……」 「心配だなぁ……ねえ、今日の放課後、田村さんのお見舞いに行かない?」 「私もそう思っていた……一緒に行こう」 「うん」 作者急病のため次回はお休みします。 田村ひより先生にはげましのおたよりを!
読んで下さった方、ありがとうございました。
>>228 滅多に見かけないみゆきさんネタ3連発でついニヤついてしまった・・・・GJJJJJ!!
でもさすがに3つ同時進行は体持たなくて当然ですから!!wwwww
次回は是非一つに絞って最後までお願いしますひより様
>>228 ひより自重しろwwwしかしGJ
次回作見てぇ
>>228 ひよりの妄想凄いw というかひよりは作り手の鑑だよ!
というわけで続きを楽しみにしてます。GJでした。
か「少しはかがこな派っていないものかしらね」 こ「しょーがないじゃん、私が受けでも可愛くないんだし」 そんなことないわよ……ほら。 私はこなたの腰を抱えて、女の子に指を入れた。 こ「ちょ……あああっ…!!」 か「何回だって証明してあげる、こなたは凄く可愛いわ」 こ「んんっ…かっ…かががみは…変わってるんだよ…」 本当はコンプレックスだらけのこなた。私は虜だってのに。 か「ふふ、今夜のこなちゃんはどれくらいで素直になるのかしら?」 愛を込めて指を動かす。こなたの愛を求めて、貪る。 こ「ふぁああああんっ、ああああああんっ!」 か「はあ、ハァ、かわいいぃ…その声たまらないの」 こ「あああんっ!あああああああんっ!」
か「こなた…気持ちいいよね?」 こ「やだ…やだっ!聞かないでぇ…あぁ、ああああっ!」 か「ごめんね、確かめたりなんかして」 指を左右前後、まぜるようにこなたを奏でると、いよいよ締め付けが強くなる。 こ「そ、それっ、だめだってばぁあああああああっ!」 知ってるからね、こなたの好きなことは。 こ「ふぁあああああああんっ!」 か「スキだよ」 こ「わ、私もっ…私も…ああああああああああああああんっ!」 こなたの体が激しく痙攣した。 こ「ふぁ…あぁ…」 余韻に浸るこなたの髪を、いい子いい子と撫でる。 か「もっと……するよね」 こなたは、私だけの笑顔で肯定する。 あんまりやみつきにさせるなよ。
可愛いこなたと生き生きとしたかがみ妄想がとまらなかった、朝から
朝から性欲をもてあました。 腹筋してくる
>>224-228 ひより……恐ろしい娘!!ww
いや、GJでした。
特に新世界の神は思わずフいたwww
>>211 一瞬、すわ鬱展開かと身構えたけど……良いこなたでした。GJ。
そして。あの手紙を読む事がもしもあったら、本人もかがみ達も真っ赤になるんだろうなあ。
>>228 やがて一つの良作は、その萌えをみゆきさんへと回帰させ、記憶の深淵に刻まれた乙の意識を
思い起こさせるだろう。 故に、ひよりんは行く……。ぐっじょぶ!
「これで良かったのか?」 「大丈夫・・・何時か、きっとわかり合える日が来る」 「そして、遠い未来へ・・・エロパロの魂は受け継がれるから」 こうですか?わかりま(ry
239 :
1レスSS :2007/06/13(水) 12:47:39 ID:s+BK1pjM
「さーて、今日も積みゲの消化といきますか」 学校から帰ってすぐに、パソコンスイッチオン。 今日は何のゲームからやるかなー。あ、その前に着替えて楽になろっと。 いつものよーにタンクトップと短パンにして……ん、これでいっか。 まだ起動まで時間がかかるし、麦茶とせんべいでも持ってこようかね。 「たっだいまー」 さてさて、これであとはゲームに集中集中……って、あれ? なんかデスクトップの アイコンが減ってる?! 「ちょ、おま、えっ、えーっ?!」 私なんもしてないのに、今朝はもっといっぱいあったのに! ……まさか、お父さんがいじったとかじゃないよね。 「ちょっと、おとー――」 「んぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!! 俺のエロゲ全部消えてるぅぅぅぅぅぅ!!」 うおーい! お父さんもっと酷いじゃん!! まさか、新手のウイルス? いやいや、ここ最近アブナイとこにはつっこんでないし、 そーゆーのを立ち上げるなんてもっての他だし、んじゃあ一体何が……って、また少なくなってるし?! 「ま、まさか全部アンインスコ? そ、それはさすがに勘弁願いたいところなんだけど……」 って、今なんか動いたような? 画面をじーっと見てると、右のほうからちっこいキャラが出てきて、アイコンをかついで、あっ、ゴミ箱にぽいっと投げた。 そのちびキャラは左側に消えていって……なんか、私にそっくりだったよーな。いや、アホ毛が 無かったってことは、まさか?! と思ってたら、いきなりメモ帳が開いて、 『えっちなのはいけないとおもいます』 「ちょーーーーーーーー!!!!! おかーさーーーーーーーーん?!?!」 てけてけかなたさん 完
なんか変な電波が降りてきました。今は反省している。
GJ かなたさんかわいいww これは是非DVD特典にして欲しい
>>240 大長編の次はショートショート、しかも極上。
その完璧っぷり、貴様みゆきさんだな!? 結婚してくr(壮絶な打撃音
……いやなんつーか、重ねてぐっじょぶ。ミニかなたさん、ものっそい可愛かった。
かっわえええええええ
あ!メモ帳だったか! 描き直すorz
>>243 ちょwwwおまwwwwかわええええええええええ
>>247 す、Sugeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!
254 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/13(水) 17:24:32 ID:SrhjrcSq
__ '´:::::::::`ヽ i::::::/ハ)ヽハ i::q ´ ー`リ| こなた れいりょくで 18きんゲームをすてておきました |:: ( とス) 人:: /f##〉
(⌒ '´ ̄ ̄ ヽ i .ノリ)))i ひどいや 母さん・・・ i(リ;=ω=.ノリ i/ \| / / ̄ ̄ ̄ ̄/ __(__ニつ/ Dell ./ ____ \/____/
256 :
ハァハァ :2007/06/13(水) 17:43:16 ID:TdPjaX0/
誰かチャットHしよ??うち女!!
>>243 >>247 >>252 おわっ?! まさかCGを投下して頂けるとは!
本当にありがとうございます。こうCGで見るとかわいいですなー。
「足跡」、修正点が散見されて今更ながらorzです……
それでは、また名無しに戻ります。
258 :
黒井ななこ :2007/06/13(水) 17:55:18 ID:Djkn+f3m
>>256 コラ泉!遊んどらんと勉強せい。成績悪かったら怒るで!
>243&257氏 えーと、まとめにうpしてもOKでしょうか?
ちょwww電気あんまスレにらき☆すたssが……っ!!?
262 :
257 :2007/06/13(水) 19:23:40 ID:BGTLOTRT
ぎゃわ。 浮かれて自No間違えた・・・orz | ⊂⊃ | ∧ ∧ | ( ⌒ヽ ∧|∧ ∪ ノ ( ⌒ヽ彡 V ∪ ノ フワーリ ∪∪
>>263 ドン( ゚д゚)マイ そして乙
なんでクラナドなのかと思ったら中の人繋がりかw
これって自作絵?
>>265 かなたは自作絵
クラナドは画像検索で落としたのを適当に弄ったり画質落としたり目線入れたり
デスクトップとメモ帳は自前
です(´・ω・`)
>>262 「あれ以外の何か with 偽春菜」を思い出したぜ。
>>260 >>262 ありがとうございます。
では「てけてけかなたさん」のページにうpしておきますね。
すっげえw 神が降臨なさってるw
かなたさんPC常駐してるんすかww
かなたさんの魂はコンピュータに…… こなた「トチローだトチローだ」
GJ 久しぶりに伺かを起動したくなったw
ちょっとメモリたん起動してくr
>>264 中の人繋がってたの??
京アニ繋がりってだけで使っちゃってました・・・orz
>>267 テラナツカシスwww
>>271 かなた「おかあさんトチローなんて知りません。せめてトモロ0117って言って」
こなた「いや、どっちかっていうとそっちの方がマイナーだし、元ネタはトチローだし・・」
トモロと聞いたらオーガーン!しか思い付かない……あれはトモルだったか
|-`).。oO(かなたさんが暴走すればもっとこういうCGが増えるんだろうか
>>274 ええと、涼だか杏だか忘れたけど、声が広橋さん(=ゲーム版こなた)なんだっけ?
というか。かなたさん、死後に放送されてるアニメをなぜ知っているんですか。
(アニメ版劇中の時間軸から逆算すると、ガオ○イガー放映はこなたが7〜8歳の頃)
>>274 確か杏とドラマCD版こなたが同じだったはずー
こなたが時折見せる昭和知識はかなたママンの憑依によるものと思うんだ でもリアルそれっぽいから困る・・・
>>277 かなた「(ハッ!)・・・・・東300m地点ノ砂嵐強化・・・西250m催眠塔作動・・・南異常ナシ」
こなた「またしらばっくれる」
> 広橋さん繋がり
なるほどー。ゲーム版こなたでしたか(^^)
流れを読まずにSS6レス、行くでがんす。 またも非エロ……ってか、この展開でエロは無理っすorz ------------------------------------------------------------
282 :
1/6 :2007/06/13(水) 23:35:06 ID:l/9w8Nk3
「……はァ、はァ、はァ……」 夕日に照らされた校庭を、二人の少女がよろよろと走っている。 汗に濡れたシャツは身体に張り付き、むき出しの腕を、脚を、額を玉のような汗が流れる。 おぼつかない足元で、歩くのと変わらないほどの遅さで。 それでも、隣を走るライバルに負けまいと、必死で身体を進めている。 ……どうして、こんなことになってしまったんだろう。 ……私のせいだ。 私が、二人を炊きつけるような真似をしたから…… 「……やめてぇっ!もう、やめてよぉっ!」 いつ終わるとも知らない、意地の張り合い。 私は、そんな二人に向かって駆け出していた…… ―――――――――――― 『喧嘩をやめて』 ―――――――――――― それは、昼休みの何気ない一言がきっかけだった。 「お姉ちゃん、いつも私たちのクラスでお昼食べるよね〜」 白いご飯を箸で切り分けながら、つかさ。 「べっ、別にいいじゃない」 と、私。 「……もしかして、クラスで孤立されているということはないですよね?」 心配そうに、みゆき。 「いやいやいや、それも私の魅力ゆえなのだよ、ねぇかがみん」 噛みちぎったチョココロネをもごもごやりながら、こなた。……つか、口に物を入れたまま喋るな。 「C組の友達より、私の方が魅力的だってことだよねー」 「……その自信がどこから来るのか、いっぺんじっくり問いただしてみたいわ」 ううっ、たぶん今、顔真っ赤なんだろうなあ、私。 こなたの指摘は、半分図星と言えなくもない。 重度のヲタ(しかも言動は男ヲタのそれだ)で、何かというと私をからかうこなた。 なぜ一緒にいるのか、と言われると、即答する自信はない。自分でもわからないんだから。 それでもなぜか、こなたといると変に安心している自分がいる。 こなたがいないと、何か物足りない自分がいる…… 自分でもよくわからないけど、この目の前にいる小さな女の子が、気になってしかたがない。 「ん〜?お顔が赤いのではないですかな、かがみんや」 「うっ、うるさいっ!!」 「かがみは素直でいい子だね〜、よしよし」 いつの間にか後ろに回りこんだこなたが、私の背中に頬をすり寄せ、頭を撫でながら言った。 「……う、う、う、う〜〜〜〜っ!!」 それは、いつもの昼食の光景。 ……でも、この『いつもの光景』が、まさかこんな事態を招くことになるなんて……
283 :
2/6 :2007/06/13(水) 23:35:50 ID:l/9w8Nk3
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― 「聞いたぞぉ、柊〜」 みさおが話しかけてきたのは、その日の放課後だった。 風紀委員会に出るために、あやのが教室を出たその後。 いつもの連中と、いつものように帰ろうと、B組に行こうとした時のこと。 「へ? 聞いたって、何をよ?」 「あんたさー、あのちびっ子とデキてるんだって?」 「で、デキ……人聞きの悪いこと・」 『言うなぁっ!』……と、叫ぼうとした私。 ……でも、そこで何も言えなくなった。 だってみさおは、いつにもなく真剣な顔をしていたから。 「……あのさ、今日という今日は言おうと思ってんだけど」 射るような視線に、気押される私。 「あんたにとって、私達って何なわけ?」 「ぅ……」 すぅ、と息を吸い込んで、……みさおは一気にまくし立てた。 「私達だって、中学校からの腐れ縁だぜ?それを差し置いて、何かというとちびっ子ちびっ子…… 親友を持ってかれて、残される私の気持ちって、あんたわかってんのか? 私だって、我慢の限界だっての!」 「…………」 何も言えない。言い返せない。 「あんた、気づいてないかも知れないけどさ。あんたがちびっ子とくっついてると……」 そこで急に、声のトーンが小さくなる。 「……その……なんか、その、すっげぇくやしいっていうか……その……」 ちょ、え、それって、どういう意味? なんかちょっと、雲行き変じゃない? そんな『プチ修羅場』を知ってか知らずか、こなたが現れた。 「おーい、かがみ様〜、帰りましょ〜」 「その呼び方はやめれっていっとろーが!」 うつむいたままのみさおの身体が、ぴくっ、と動いた。 「お、かがみのクラスメイトの……えーと、名前なんだっけ……」 未だにみさおの名前を覚えていない、こなた。失礼なヤツ…… 「……だ」 「ん?」 うつむいたままのみさおを、下から覗き込もうとするこなた。 そのこなたをビシッ、と指差し、 「勝負だ、ちびっ子!!」 渾身の力を込めて、みさおが吼えた。
284 :
3/6 :2007/06/13(水) 23:36:34 ID:l/9w8Nk3
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― 梅雨も開けて、夏の太陽が降り注ぐ校庭。 ようやく日がかげり始めたといっても、まだまだ日は高い。 陽炎が揺らめくトラックを、こなたとみさおは走り続ける。 ただ、驚くしかなかった。 普段運動なんてしないこなたなのに、みさおが圧倒されるほどの気迫で走り続けている。 陸上部とはいえ、スプリント型のみさお。彼女もぶっちゃけ、もうヘトヘトだ。 動かず立っているだけでも、汗が吹き出る灼熱の太陽の下。 二人はもう一時間以上、『どちらかが倒れるまで』のデスマッチを繰り広げている…… ―x― ―x― ―x― ―x― ―x― 「勝負?」 きょとん、とした顔で、こなたが言った。 「もしこの勝負に私が勝ったら、柊はもうそっちのクラスには行かせない! 私が負けたら、潔くあきらめる!もう柊にとやかく言わない!」 熱血モードに入ってしまったみさおが、一方的に宣言する。 「あのー……話がよく読めないんだけど?」 こなたの頭上に、巨大な「?」が浮かんだような気がした。 ……でも、その数秒後。こなたは、手をポン、と打った。 「……ああ、なるほど。フラグ立っちゃったんだネ?」 いつものネコ口で、にんまりと笑う。 ……だから、現実世界にゲームの概念を持ち込むのはやめろっつーに。 とは言っても、こなたの解釈は間違ってはいない。 こう見えて、意外に勘の鋭いところがあるからね、こなたは。 「んで、その勝負って何さ?」 まったく受ける気はないけどね〜、といった調子で、こなたが聞く。 そんなこなたを再び指差して、みさおは言い放った。 「『耐久マラソンデスマッチ』でどーだ!」 ……いや、ちょっと待てみさお。普通こういう時って、勝負を挑まれたほうが種目を決めるんじゃないのか? しかも、陸上部だろお前。 「うげ……この暑いのに、なんて競技持ち出すかな」 げんなりした顔。そりゃそうだわ。 「大体さー、当のかがみの思惑もわかんないのに、その勝負ってどうなんだろ」 お、的を得た指摘。 ……でもこの後、私はとんでもないことを言っちゃったんだ……
285 :
4/6 :2007/06/13(水) 23:37:18 ID:l/9w8Nk3
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― いつしか日はすっかり傾いて、ねぐらへ帰るカラスの鳴き声が響いている。 走り出してからもう二時間。二人とも、歩くのと変わらないようなスピードで……それでも、足を止めようとはしない。 一歩でも、相手より前へ。一歩でも。 涙が、止まらなかった。 私のために……私なんかのために、二人とも……どうして…… ―x― ―x― ―x― ―x― ―x― ……私は、こなたの気持ちを試そうとしてしまった。 「いいわよ、私は」 「……へ?」 「みさおが勝ったら、もうこなたのクラスには行かない」 「…………」 黙りこくってしまう、こなた。 ……そして、 「……いいよ、その勝負、受ける」 こなたはみさおをキッと睨み付けて、言った。 「ちょ、ちょっと?あんた、いくら運動できるったって帰宅部でしょ?ヲタ生活まっしぐらでしょ? そんな勝ち目のない勝負……」 「……男には、負けるとわかっていても戦わねばならぬ時がある!」 拳を握り締めて言い放つこなたの背後に、漆黒の海賊旗がはためいたような気がした。 『いや、あんたは女だろ』 いつもなら、そうツッコんでいたと思う。 でも、こなたの顔を……今までに見たことのない真剣な表情を見たとき、私はもう何も言えなかった……
286 :
5/6 :2007/06/13(水) 23:38:01 ID:l/9w8Nk3
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― 二人とももう、まっすぐ走ることすらやっとの状態。 おぼつかない足元で、歩くのと変わらないほどの遅さで。 それでも、隣を走るライバルに負けまいと、必死で…… 「……やめてぇっ!もう、やめてよぉっ!」 トラックの向こう側、ただひたすら前進を続ける二人に向かって、駆け出す。 汗が噴き出す太ももに、夏服のスカートがまとわりつく。 見えないゴールを目指して、よろよろと歩みつづける二人。あっという間に差が縮まる。 ……こんなになるまで、二人は…… 二人の背中から間に割り込み、首に腕を回す。 「……もう……もういいから……やめてぇ……」 涙で、前がよく見えない。 私に抱きつかれた二人は、まるで糸が切れた人形のように、その場に崩れ落ちた…… ―x― ―x― ―x― ―x― ―x― 校庭の向こう、箱根の山の方で、夕日が揺らいでいる。 私の横で息づいている、二つの荒い息。 「……ごめん……ごめぇん……」 私はただ、泣くことしかできなかった…… ……でも、この後まさか、あんな大どんでん返しが待っていようとは。 「……や……」 先に声を出したのは、みさおだった。 「……やるねぇ……ちびっ子……」 普段お世辞など言わないみさおの口から、初めて聞く賛辞の言葉。 「……あんたも……さすがだねぇ……」 こなたも、喋るのがやっと、という感じでみさおを讃える。 ……そして。 「……ふっ……あはははははははは!」 「あっははははははは!」 戦いすんで日が暮れて。 大の字になって校庭に転がった二人は、大声で笑いあっていた。 ……な、何なのよ、この青春ドラマな展開?
287 :
6/6 :2007/06/13(水) 23:38:45 ID:l/9w8Nk3
―x― ―x― ―x― ―x― ―x― それから、数日後の昼休みであるところの今。 私はC組の教室で、つかさが作ったお弁当をぱくついている。 「……でさー、それがケッサクなわけよ」 ご機嫌な顔で、みさおが箸を振り回しながら喋る。 「みさちゃん、お行儀悪いよ?」 あやのが、やんわりと叱る。 「そりゃまた貴重な体験ってやつだねぇ、みさお〜」 チョココロネをかじりながら、こなた。 「あれって臭いよね〜」 タコさんウインナーを箸でつまみながら、つかさ。 「臭いですよね〜」 サンドイッチを包んだラップをめくりながら、あやの。 「太いのも困りものですよね〜」 今日も『豪華な残り物』のお弁当がちょっとうらやましい、みゆき。 ……そうよね、最初からこうすればよかったんじゃない。 今の今まで気づかない、私も私だけど。 「いや〜、あれはこなたにも見せたかったよ〜マジで……ゔ・」 「おや、またも口内炎フラグですかな、みさおん?」 「うぁぁぁぁぁ、ぶるーだー……orz」 ― Fin. ―
----------------------------------------------------- 以上です。あじゅじゅしたー。 ……いや、その、こういう展開もありかな、と。
>>288 乙
まさかあの定番のパターンが来るとは……
主役のはずなのにおいてけぼりかがみん萌え
太陽が落ちるまで拳を握り殴り合って 傷だらけのままで似たもの同士と笑ってた 某アニメの主題歌でこんな歌詞があったなぁ ある意味定番中の定番をうまいこと味付けした SSにGJ!
みさおは神楽キャラなのね
いや、妄想屋さんの中ではってことね
どうしよう 妄想屋(仮名)氏にトキメキが止まらない 感動できるストーリーでそのうえ、湿っぽく終わらないところがいつもいいですな GJです
こなたとみさおが組んだらすごいことになりそうだなぁ・・・ かがみんもツッコミが大変だ。GJ!
>>288 GJ、そして乙です!!
こなかがとみさおが大好きな俺にはクリティカルでしたwww
…そういや、かがみんにたってるみさおフラグはどうなるんだろう…
>>288 なんつーか。すごく青春ですなあ。かがみが二人を抱き止めるシーン、脳内で一枚絵が上映されました。
拳で語る友情、ぐっじょぶ!
というか。みさおもかがみを好きでこなたと友情を結んだなら……。
「かがみんはお肌すべすべだねぇ」
「髪もさらさらだしなあ、うらやましいよなあ」
「こ、こら! ぺたぺた触んないでよ!」
「そーいやちびっ子、知ってた? こいつこれで結構胸あるんだぜ」
「ひゃぁ! く、日下部! 揉むな! こねるな!」
「み・さ・お。私もこいつも引き分けたんだから、取り扱いは平等にしてもらわないとなー」
「そうそう♪ 『なまえでよんで』ってさー。んじゃあ、私はみさおだから『みさおん』って呼べばいいのかな」
「いいねえそれ、イデオンみたいで強そうだ。これからよろしくな、こなた」
「お。お若いのにお目が高いやねえ、みさおんや」
「いや、兄貴のスパロボで使ってたし。適当に何発か食らうと勝手に強くなるから楽でさあ」
「……そもそも! なんであんたら、私とおんなじシャワーに二人して入ってくるのよ! 隣行け、隣!」
『えー、だってー』
「ハモってるし!」
「こなたも私もあんたのこと好きだしさぁ」
「友情の証として、仲良く半分こってことで。初回特典と思ってエンジョイしたまへー」
「こ、こらっ、ふあ、石鹸塗りたくるな、ていうか身体でこすりつけ、ないでよ、あぁ……なに、するのよぉ……」
……こうですか? わかりません!!
そして。
>>280 えーと。砂嵐ってことはもしかして。
♪かなピューターに 守られた こなたの塔に 住んでいる 超ヲタク少女 こなた2世
♪スレの平和を 守るため 三つのしもべに 命令だ(やあ!)
♪怪鳥かがみん 空を飛べ みゆきさんは 海を行け つかさ変身 転ぶなよ
……ごめん。
>>290 TrustYouForeverかー
背中を大地に合わせて二人で星を見たりするわけだな。
●短編8レス投下します。 ●非エロ? 微? どっちも微妙かも。かがみ×こなた、こなた×かがみのリバーシブルです。 ●土台は原作1〜4巻。独自設定が入っているかもしれません。
299 :
(1/8) :2007/06/14(木) 12:28:40 ID:U/kTcKDt
「すー……すー……」 「あー、こりゃ完全に寝ちゃってるわね」 頬をつついてみたりぐにゅっとつまんでみても、つかさが起きる気配はない。 10時半時を過ぎてからうつらうつらしてたけど、まさかこのまま寝入っちゃうとは。 「しょうがないよ、このまま寝かしてあげよ」 「ごめんね、こなたのベッドなのに」 「いーのいーの、こういうときはゆっくり寝かせてあげないと」 そう言いながら、こなたは毛布と布団をつかさにかけてくれた。 「ふーん、なかなか手慣れてるじゃない」 「よくゆーちゃんを看てたりするからね」 こいつってば普段はマニアックな言動が多いけど、料理のことといい、今のことといい、 妙に家庭的なところもある。本当、不思議なヤツよね。 「んじゃ、私らもそろそろ寝よっか。明日は朝一でアキバだし」 「うん、布団はこれでいいとして……あ、枕借りてもいい?」 「どーぞどーぞ、押し入れから好きなの持ってっちゃってよ」 「ありがと」 こなたの言葉を聞いて、押し入れをそっと開ける。 えーっと……あ、これこれ。この黄色い枕。 私はそれを手にして、ぎゅっと抱きしめた。 ……うん、この匂い。 こなたのシャンプーの匂い……それと、こなたの匂い。 この匂いが、なぜかすごく落ち着くんだ。 「おーい、かがみん。立ったまま寝ちゃだめだよー」 「ね、寝てないわよっ」 振り返った私は、のほほんと寝転がってるこなたに慌てて言葉を投げつけた。 それでも、この枕は投げたりしない。 私の、この家での一番のお気に入りなんだから。
300 :
(2/8) :2007/06/14(木) 12:29:56 ID:U/kTcKDt
==================================================== ホントのお気に入り、ホントの気持ち ==================================================== 「おやすみー」 「うん、おやすみ」 部屋の灯りを消して、布団にごろんと寝転がる。 いつもこの家に来るとつかさと一緒だったけど、今日はこなたと一緒。そして、枕はいつもの枕。 これなら、いい夢見れそうね。 すうっ…… うつぶせになって、枕の匂いをゆっくりと吸う。 ……うん、いつもの「こなたの匂い」だ。 この匂いを感じてるだけで、こなたが間近にいるって思える。 どうしようもないと思うときもあるし、キツく当たっちゃうときもあるけど、そんな時も 私を受け入れてくれて、一緒に遊んでくれて、一緒にいてくれて……そんなこなたが隣に いるだけで、とっても落ち着く。 大切なともだちだからなのかな。これって。 あんまり認めたくないし、本人にも絶対言いたくはないけど、これだけは心の中で素直に思える。 それに、今日は枕だけじゃなく……こなた本人も隣にいる。 つかさと一緒に寝るときの落ち着きとは、また別の安心感。 「ふぁ……」 枕のぬくもりを味わっているうちに、あくびと一緒に眠気が私の頭を覆っていった。 ほんと、良い夢見られそう……
301 :
(3/8) :2007/06/14(木) 12:31:07 ID:U/kTcKDt
* * * * * ………… ………… あぅ…… まくらのにおい……なくなっちゃった。 せっかく、いいきもちでねてたのに…… ………… そうだ…… 「うみゅ……?」 ここに、まくらがある…… ぎゅっと、だきついちゃえ…… 「ふぇっ?」 ああ、あったかい…… それに……こなたのにおいが、いっぱい。 すん、すん…… とっても、おちつくにおい…… わたしの、だいすきなにおい…… 「んー、なんかくるしー……」 ずっと、このままでいたい…… このまま、こなたといっしょ…… 「ううっ、いったいなに……って、えっ?」 いつか、こういうふうにだきしめて…… 「ちょっ、かがみ! ムネ、ムネ!」
302 :
(4/8) :2007/06/14(木) 12:32:04 ID:U/kTcKDt
おかーさんのかわりじゃないけど…… さみしそうなとき、いてあげたい。 「ううっ、やーらかいけど、気持ちいいような、くやしいような、なんかフクザツ……」 ごめんね、いつもあたっちゃって…… でも、こなたもすなおじゃないんだから…… 「……なんか、抱きしめられるのも悪くないかも?」 いつも、はぐらかしたりして…… だから、わたしもすなおになれないっていうのに…… 「でも、ああっ、なんか目覚めちゃいそう」 ちんまりしてて、かわいっくて…… のほほんとしてて、じぶんのみちをはしりつづけて…… そのままはしっていっちゃいそうで、なんか、ふあんになる…… 「……まあ、このままでもいっか」 こなたは、きづいてないんだろうな…… わたしが、こなたのことがすきだって…… 「かがみ、気持ちよさそうに寝てるし」 だから、ぎゅっとだきしめて…… ぜったい、はなしたくない…… ずっと、だいすきでいたいから……
303 :
(5/8) :2007/06/14(木) 12:33:15 ID:U/kTcKDt
――こなたー… ――ん? ――だいすきだよー…… ――……もー、そういうのは寝言じゃだめだよー
304 :
(6/8) :2007/06/14(木) 12:33:55 ID:U/kTcKDt
――がみー ……うん? ――かがみー ……こな……た? 「ほれっ、かがみ、朝だよ。朝ー」 んっ……もう、朝? 聞き慣れた声に目を開けると、こなたの顔がすぐ前にあった。 「おはよー」 「おはよう……」 「よく寝れたかい?」 「うん、ぐっすり……ってこなた、ちょっと近すぎない?」 「いや、確かに私もそうは思うんだけどー」 そう言って、こなたが苦笑いする。 「ほら、こー、ガッチリ抱きしめられちゃってたら、ね?」 「……え?」 そう言われて、私は視線を下に向けてみる。 腕……がっちりこなたをホールド。 足……がっちりこなたをホールド。 体温……こなたのぬくもりでこっちもぬくぬく。 ……??!??!?!?!??!?!??!??!? 「ちょっ、ちょっとあんた、何やってるのよ!」 「何って、かがみが私を抱き枕にしたんじゃん」 「そんなことしてないわよっ! ほらっ、早く離れなさい!」 「さすがに抱きしめられたらそれもできませんよ、かがみ様ー」 「だー! かがみ様って呼ぶな!」 「なんか、こうリリィな世界に目覚めちゃいそうで」 「目覚めるなー!!」
305 :
(7/8) :2007/06/14(木) 12:34:47 ID:U/kTcKDt
私は叫びながらこなたのことを離そうとしたけど、横に寝てたせいか、絡めた腕も足も楽に外せない。 うー、こうなったら一回こなたを下にして……よし。 「お、おねーちゃん?!」 「つ、つかさっ?!」 首だけで後ろを向くと、つかさは枕を抱きしめながら壁に寄りかかってこっちを見ていた。 あー、ドン引きされてる…… 「…………」 「…………」 「…………」 「……れ、恋愛の形は、私は自由だと思うよ?」 「だからそうじゃなくてっ!!」 ああもうっ、こなたもこなたならつかさもつかさなんだからっ! 「もっと素直になりなよ、かがみ」 「私はいつだって素直よっ!」 「そうじゃないと思うよ? 私は」 「な、なによそれ」 「……まあ、気付かないならいいや」 そう言いながら、こなたは私の下からするっと抜けだした。 ……あれ、なんだろ。 「あー、寝疲れしたー」 なんか、いきなり心にぽかっと穴が開いたみたいで…… 「め、迷惑かけたわね」 よくわかんないけど、そう言っておきたかった。 「んにゃ、別にー。私もかがみのおかげでぬっくぬくだったし」 「そ、そう?」
306 :
(8/8) :2007/06/14(木) 12:36:30 ID:U/kTcKDt
「それに、かがみのムネもやーらかかったしね」 「あ、あんた触ったの?!」 「んーにゃ?」 そう言うと、こなたは私にいつものネコ口を見せて。 「かがみがムネぎゅーしてくれたんじゃん」 ポッと、頬を赤らめた……って! 「忘れられない一夜になりそうやねー」 「そんなこと私はしないっ! させないっ! さわらせないっ!!」 「ふ、二人ともやめなよー!」 もうっ! こなたってばいっつもこうやってふざけるんだから。 でも……こんなやりとりも、楽しく思ってる自分がいる。 「まあまあ、まずは朝ごはんでも食べて。それからまた思い出話でも」 「はあ、一生思い出さなくていいわよ……」 「あ、あはははは」 なんだかんだで、私は、 「機嫌直しなよ。卵焼きに浅漬けもつけたげるから」 「……焼きのりもつけてよね」 「まっかせなさい!」 こいつのことがお気に入りらしい。
というわけで「ホントのお気に入り、ホントの気持ち」をお送りしました。
人は寝ぼけてるときに一番ココロのガードが弱くなるみたいです。
普段ガードが堅そう(でいて脆そう)なかがみなら、こういう風になるかなということで。
>>276 暴走。
暴走と申したか(シグルイの形相で)
なんというGJ この時間帯の氏の作品は間違いなく食後のデザート かがみの幸せそうな表情が浮かんでくるね こなたもまんざらじゃなさそうなところがまたいい
>>307 えーと。4レス目でピヨって5レス目で轟沈しました。
ああもう、頬が緩む緩む。素晴らしきかな、かがこなかが。ぐっじょぶでしたっ!
こなたとかがみの二人はいいな まさかあの訳の分らんCMからこんなしかも百合で嵌ると思わんかったw
>>307 超GJ
つ、続きはまだなの?
ってことで続編を楽しみにしてます
嗚呼、妄想が止まらない
泉こなたの一日 19:534 起床
翌日の3:54ッスか…
>>307 乙です
三段活用でとうとう飲んでたコンデンスミルク吹いた
このスレ、part1の頃は一月に10も進まなかったのに凄いな。 あやのコスプレHでも書くか。
>>317 こなた
「うわぁ……すごく濃いのが出たね」
かがみ
「……とりあえず一発殴らせろ」
超短編3+1レス初投下します。 非エロ、そうじろう×かなた+こなたです
「絶望でよかった〜虚無だけを望んだ〜♪」 畳の上に横になり、眺める雲を眺めるひととき。 開け放たれた窓、涼しい風が頬をくすぐり、畳の匂いが仄かに香る。 これで、原稿がすでにあがっていれば何一つ心配事のない午後なのだが。 がらんと静まり返る家。俺一人の家。 中学のときはどちらかといえば一人ぼっちだったこなたも、高校になってからは仲のよい友達ができたみたいで、 それは同時に、父親である自分と接する時間が短くなったということで。 「約束と絆と思い出と時間と それだけが乾く命を潤す 軋む心を優しく包み込む〜♪」 いつか、こなたが嫁に行ったら、一人ぼっちで過ごす日々が毎日になるのだろうか。 かなたが生きていたら、二人で縁側でお茶をすすりながらのんびりと過ごすという選択肢もあっただろう。 でも、がらんとした家は一人で過ごすには寂しすぎる。 こんな家で、かなたもこなたもいない家で一人ぼっちで過ごすのには、何十年という余生は長すぎる。 いっそ、かなたのところに行ってしまうのもいいかもしれない。 死んで来世で結ばれる手もあるじゃないか。本棚の『曽根崎心中』や『うたかたの恋』が語りかけてくる。
「そうなったら、こなたはどうするの?」 優しく髪を撫でる感触。頭の後ろの、やわらかい感触。 大好きな、かなたの膝枕。 「こなたも、もういい年だろう。いつまでもお父さんお父さんってくっついてるわけでもないだろうし」 「ふふっ、そうくん。強がっちゃって」 髪に触れる、かなたの優しい、柔らかい手。 昔はよくこうやって膝枕してもらったっけ。 「こなたもね、そうくんのこと大好きなんだよ。いつもはそっけない態度とってるけれど」 「そりゃないだろ、この前なんて『お父さんウザい』って言われたんだぞ。あんなにかわいかったこなたが〜」 口に手を当てて、おかしそうに笑うかなた。 あれ、実はけっこー傷ついてたんだぞ。 「こなたもお年頃だし、恥ずかしがってるだけだよ。インターネットの向こうでも、高校でも こなたの友達はいっぱいいるけれど、こなたの側にいてこなたの事一番分かってあげられるのはそうくんだけなんだから」 「なんだ〜、リアルでこなたの趣味を分かってあげられるってのが俺だけってことか?」 「ううん、それだけじゃないの。いつも容赦ない事言ってるけど、それはそうくんの事が大好きだからだよ。 自分の側にいつもいてくれて、自分のことを一番大切にしてくれる、こなただって分かってるんだから」 膝の上にあった俺の頭を、畳の上にゆっくりと戻すかなた。 正座してた足を伸ばして、大きく伸びをする。 「それじゃ、私。ちっょと行ってくるから」 「あ、おい。待ってくれ」 手を伸ばそうとする。でも、身体は動かない。金縛りにかかったように。 「大丈夫、今日は……だし、ね」 視界からかなたが消える。 意思に反してまぶたがだんだん閉じていき……
「かなたっ!!」 そこは、さっきと変わらない自分の部屋。 いつしか窓から差し込む光はオレンジ色を帯びて、幾分涼しくなった風に混じるひぐらしの鳴き声。 いつもとかわらない、一人ぼっちの日常…… ガラガラと扉の開く音。反射的に駆け出した。 もつれる足、玄関へ繋がる扉を開ける。 玄関先に腰掛ける、長い髪の愛らしい姿。 「かな……」 「あ、おとーさん。ただいま」 振り返った顔には、かなたにはない左目の泣きぼくろ。 頭の上にはいつもはねている毛。いつも通りのこなた。 「ん?お父さん。どしたの?」 「い、いや〜、なんでもないんだ」 さすがにかなたの夢を見てて、かなたが帰ってきたと思って飛び出してきたなんて恥ずかしくて言えるわけもない。 しどろもどろになってのを見て、こなたはニマニマとしたネコ口で、 「そっか〜、お父さんそんなにお腹減ってたんだ。ちょっと待ってて。そうめんだからすぐ出来るから」 と、ビニール袋を掲げて台所へと走っていく。 手早く鍋を日にかけ、葱を刻む自慢の愛娘。 「あ、お父さん暇ならこれやっといて」 食材の入ったビニール袋からぽんぽーんと放り投げられたものをキャッチ。 大き目のナスとキュウリが一つづつ。 「なんだ、これでもう一品作るのか?」 「違う違う。今日が何の日か覚えてないの?」 そう言われてぼんやりと今日が何日か思い出す。 「ほら、早く作らないと、お母さん帰ってこれないよ」 もうさっき、帰ってきてた気がしたんだけれどな。 ナスとキュウリの馬を作るのなんて何年ぶりだろう。 戸棚から割り箸を探し出す。あとはカッターも。 四つに折った割り箸を差し込み終えた頃には、出来上がったそうめんがテーブルの中央に置かれる。 大きなガラスの入れ物に盛られたそうめん。こなたが麺つゆの入った入れ物を置く。一個、二個、三個…… 三つ目の麺つゆの前に置かれた、ナスとキュウリの精霊馬。 「じゃ、食べよっか。三人で」 「お、おお」 向かいに座ったこなたの無邪気な笑顔。 二人で手を合わせ…… 「「「いただきま〜す」」」
以上です。最近そうじろう物が書きたくて仕方なくて……
>>257 さま、お借りしました
>>325 乙です。そうじろうさん、ああ見えて一人っきりになったりすると
そういう風にしんみりしてしまったりするんでしょうなぁ……
しかしかなたさん、いくらお盆に帰ってきたとはいえ帰ってきてまずソレですかw
ともあれGJでした。
>>325 三人で、という台詞がほっこりと暖まりますな。精霊馬、今年のお盆はうちでも作ろうかな。
GJでしたー、ていうかオチで噴きましたw
328 :
325 :2007/06/14(木) 22:49:51 ID:CuXtkhaH
2の下から六行目 「それじゃ、私。ちっょと行ってくるから」 ↓ 「それじゃ、私。ちょっと行ってくるから」 で CROSS†CHANNEL、なかなかいい作品だけどマイナーだなぁ…… 七香好きでかなた好きな俺は間違いなく人妻&母親キャラ好き
330 :
325 :2007/06/14(木) 22:58:52 ID:CuXtkhaH
描いた人とgif作った人を混同してた……
すみません、
>>243 さま…… かなた最高です
なすときゅうりで卑猥な想像をした俺はとりあえず吊ってくる。 だが、その前にGJ!
332 :
243 :2007/06/14(木) 23:19:00 ID:r91vKluC
>>325 うは!まさかここでも使っていただけるなんて・・・(ノ∀`)
作者冥利に尽きますヨー
昨日は
>>239 を読んだ後大急ぎで描いたのですが、
もっと丁寧に描いておけばよかったーと思いましたw
描けるかどうかは別にしてorz
そうじろうxこなたコンビにかなたさんが加わると
やはりほのぼのしますね。
時々「なんでかなたさんは故人ていう設定なんだろー」
て思うことがあります・・・( ´Д`)
>二人で手を合わせ…… >「「「いただきま〜す」」」 かなた帰ってキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
そうじろうさんエロゲでいうとすごく得な役回りだな
>>332 >時々「なんでかなたさんは故人ていう設定なんだろー」 て思うことがあります・・・( ´Д`)
そこでもしもdeらき☆すたですよ
もし病弱だったのがかなたさんではなく、そうじろうでこなたが幼い頃にしんでしまっていたら………
そんな話を書いています…
が遅筆なうえ始めて書くから構成とか酷くて全然先がみえない…orz
よかったらだれか俺の変わりに書いてくだしあ
336 :
243 :2007/06/15(金) 01:42:54 ID:u+13jsuT
これはまたなんという深夜食・・・ごちそうさまでした(ー人ー)
>>335 このスレに影響されて原作読み始めたばっかだからまだ手伝えNee…アニメも映らないしorz
>>336 こうパッと出てくるのがもう。゚(゚´Д`゚)゚。
>>335 君の代わりなど君自身しかいない。安心しろ、ノリと勢いと愛がありゃ大抵の話は書けるし。
まずはメモ帳なり原稿用紙なりに、書き出しから書いてみるのだ。
340 :
243 :2007/06/15(金) 02:17:20 ID:u+13jsuT
俺、久々に惨状! えー、という訳で。これよりかが×こなで、ややエロありのを6レスほど投下いたします。
教科書良し。参考書良し。問題集良し。お泊りセット良し。勝負ぱんつ……不安はあるけどまあとりあえず良し。 私は指差し確認を繰り返す。 つかさとみゆきの交際宣言やら、こなたの生理騒動やらでどたばたしていた9月もはや下旬。 私は、テストの準備にかこつけてこなたの家を訪れるべく、数日前から綿密に準備を進めていた。 主な目的は、この時期に太平楽にも程があるこなたの家庭教師なんだけど……その、まあ。それ以外の目的も、ちょっとだけあったりする。 ……ちょっとだけ、だからね? 外泊許可、きちんとお父さんもお母さんも了解済み。おじさんは当日からかんづめ期間で大宮。 ゆたかちゃんは、みゆきとつかさとみなみちゃんとで合同お泊まり会。成美さんは、秋の交通安全運動で残業中。 黒井先生他のネトゲ仲間は……あんだけしつこく「空けといてね」ってこなたに言ってたし、多分大丈夫、のはず。 あとは勉強嫌いのあいつにどうやって勉強させるかだけど……いざという時の奥の手はあれど、やっぱり教える方としても色々工夫は必要よね。 軽いウォーミングアップ用に、漫画の英語版も何冊か忍ばせておく。後は……テストの範囲があそこからあそこまでで、だから……。 「お姉ちゃーん?」 軽いノックの音。つかさが戸を開けて入ってきた。 「おー、どしたー?」 「うーん、どしたっていうか、なんとなく」 ははーん、この甘えたさんめ。私がこなたにばっかり構ってるから寂しくなった、ってことなんだろう。その時の私は、そう思ってた。 「あんたも明日お泊りでしょ? 早く寝とかないと寝坊して遅れるわよー?」 「そ、そんなことないよぉ! 明日はちゃぁんと、ゆきちゃんがモーニングコールしてくれるもん……」 「ほほー、みゆきがねえ。あんたんとこも、案外上手く行ってるみたいじゃない?」 「ふぇあ!? あ、あわわわ、もう、お姉ちゃんの意地悪ー!」 面白いように自爆する我が妹。向こうは向こうでラブラブみたいね。 「はいはい、ごちそーさま。私はもう少し明日の準備するから、先に寝てていいよ?」 そう言いながら、明日の範囲に目を通す。眠気はとりあえず無視。濃い目のコーヒー、後で飲んでおこうっと。 と、つかさが少しだけ口篭もったあと、こんな事を言ってきた。 「……あのね、お姉ちゃん」 「なにー?」 「無茶、しないでね」 「平気よぉ、このくらい。妹に心配されるほど、私はやわじゃないわよ」 がっちり力こぶを作って見せる。それならいいけど、と返すつかさの眉が下がったままだったのが、少し気になる。 私は視線をめぐらせ、準備に没頭する。眉が下がったままのつかさが、ポケットを探って何か取り出しているのにも気づかずに。
明けて翌日、こなたの部屋。勉強会は快調に進んでいた。連日連夜夜なべして準備したんだから、それも当然なんだけど。 身体が自分のものじゃないみたいな感覚に、強引にふたをする。 「うー、だるーい……疲れたー」 テーブルに突っ伏して、こなたがいつものようにぼやく。 「ほら、こなた。まだ最後の問題残ってるじゃない。しゃんとしなさいよ」 私は平べったくなったこなたを揺り起こした。このまま抱きしめて一緒に眠れたら、そんで朝まで……カット。 「えー……。もう疲れたよかがみぃ、今日はもう終わりでいいじゃんかー」 駄々をこねるこなたに、私は一つため息。そうしてあげたいのはやまやまだけど、今日の私は家庭教師なんだから。 いつものように、ずるずると流されてあげるわけには行かない。 「だーめ。あんたの場合、そうやってずるずる先延ばしして結局私の宿題写すから、いつまでたっても身につかないんじゃない」 「うぅぅぅ〜……」 可愛い熊のついたシャープペンシルを鼻の下に挟んで、こなたは思案顔で問題とにらめっこ。 困った時のへの字口でさえ、この頃はいとおしく感じてしまうんだから、惚れた弱みもここに極まれりだ。 「うんうん唸らない。さっさかやっちゃいな?」 「……ヒントぷりーず〜」 「早っ!」 ていうか少しは考えろ……と言いたいところをぐっと我慢。丁寧に、丁寧にと心で呟いて、私は問題文を指した。 「いーい? そもそもこの文章はね、日本におけるボランティア活動の参加状況について書いてるわけだから……」 我ながら、ずいぶん手慣れてきたと思う。つかさとか日下部にも教えてるのもあるけど……やっぱり、相手がこいつだから頑張れるのかな。 丁寧に、丁寧に。勉強嫌いのこなたでも飲み込めるように、噛み砕いた表現で説明を……と思っていたら。 「くかー」 「寝るなー!」 ……ええ、お約束よね。黒井先生が拳で語りたがる気持ちが、痛いほど良く分かるわ。また揺り起こそうかと考えて、即座にそれを打ち消す。 今日の分のノルマはこの問題までだし……奥の手、使っちゃってもいいかな。 無意識に右を見て、左を見て。乾く唇を舌で湿すと、私はできるだけ艶っぽい声を作りながら、そっとこなたに囁いた。 「……ご・ほ・う・び、してあげないわよ」 この場合の「ご褒美」が何かは……多分言うまでもないと思う。 「今起きましたであります、サー!」 効果は抜群。ばね仕掛けみたいに跳ね起きたこなたは、目をらんらんと輝かせてノートに向かい始めた。 こなたの頬に、かすかに紅がさす。上ずったような想いが溢れ、私の心まで風のように揺らした。 お父さん譲りのくせ字が、今までと比べ物にならない速さでノートを埋めていく。 こなたの字をようやく正確に読めるようになってきたのが、私の密かな自慢だ。 普段はぐうたらなこなただけど、ひとたびエンジンがかかったときの集中力は人一倍。なんてったって、私の彼女なんだもの。 ……まあ、エンジンがかかるまでが本っっっ当に大変なんだけど。 「でーきたー!」 こなたは満面の笑顔で、シャープペンシルを握ったままの両手を高く突き上げた。 「お疲れー。それじゃ採点するから、ノート貸してね」 自分の分の勉強を中断して、こなたからノートを受け取る。 「いくらでも持っていきたまへー。あ、ついでに宿題の答えも書いてくれると嬉しいなー」 「それは自分でやれ」 電光の速さでツッコミを入れる。なんか、こいつと付き合ってるとそっち方面のセンスが無駄に磨かれるような気がするわ……。
「ご褒美でしょ♪ でしょ♪」 ご褒美を待ちきれず、こなたは仔猫のようにすり寄ってくる。 「言っとくけど、60点切ったらお預けだからね」 身体まで許しあってる私たちだけど、新学期に入ってからは思うところあって、ルールを設けてするようにしてる。 だってこうでもしないと、こなたが可愛すぎて受験どころじゃなくなってしまうもの。 ただでさえ女の子同士の関係はいろいろハードルが高いんだから、目先のこなたと一緒に溺れてあげるわけには行かない。 「ええー」 「ええーじゃない! ……私だって、我慢してるんだから……」 顔を真っ赤にしながら、それでもきちんと釘だけは刺しておいた。赤いボールペンで、調子よく採点していく。 だけど……ある一か所で、私のペン先は止まってしまった。英文和訳の問題なんだけど、こなたの答えだと厳密には不正解。 問題の個所を除いた点数は58点。もしも不正解にしてしまったら、ご褒美はお預けになってしまう。 大目に見れば、部分点をあげられなくもないんだけど……それに新学期からこっち、こなたともなんだかんだでご無沙汰だし……。 もとい。駄目よかがみ。ここで情にほだされてずるずるこなたとえっちしたら……でも明日からテスト期間だから、今日できないと……。 私の気持ちが、右へ左へ大きく揺れる。なんだか、メトロノームの針みたい。 まずこなたの回答をちらり、それからごろごろと上機嫌なこなたをちらり。 揺れる気持ちそのままに交互に視線を飛ばし続けて、いい加減目が回りそうになった頃。 私は意を決するとひときわ大きく三角をつけ、中心に「3」と書き入れた。その下に、さらに赤ペンで書き記す。 『おまけ(きちんと復習しておく事!)』 最後に点数を書き込んで、ボールみたいに丸い猫(つかさが集めてるキャラクターグッズだ)のシールを貼る。 これが合格と、「ご褒美」のサイン。……我ながら甘い先生だなあ。 「できたよー?」 「はーい」 期待半分……ううん、期待8割でノートを覗き込んだこなたは、期待通りのものがあるのを見るとぱっと顔をほころばせた。 「言っておくけど、今回はおまけだからね?」 「そうこなくっちゃ! さっすがかがみん、ナイスツンデレ♪」 半ばタックルするような勢いで私に飛びつくと、胸に顔を埋めて頬ずり。全身から嬉しさがにじみ出ているのが分かる。と。 ぐらりと、身体がかしいだ。まずい、という思いがよぎる前に急激な脱力感。 懸案だったこなたの勉強が何とか予定通り終わった、その安心感が裏目に出て。全身からくまなく力が抜けていく。 羽のように軽いはずのこなたの重みすら受け止めきれず、意識が、だんだん、遠くなって……。 「……かがみ? かがみー? 大丈夫? かがみってばぁ!」 目を開いた次の瞬間には、妙に重い布団を跳ね除けてばね仕掛けのように飛び起きていた。時計は……とっくに夜更け。……やっちゃった。 深く漏れるため息。せっかく、こなたと二人っきりで過ごせる夜だったのに。 こんな事だったら、つかさみたいに素直にお泊りしようって言えば良かった。部屋にこなたの姿はない。……はぁ。 なんて言って謝ればいいのか、それを考えながら寝かされていたベッドから足を下ろして、何か柔らかい感触を感じて……。 「ふげにゃ」 「こ……こなた!?」 「おー、いたた。やほーかがみん、よく寝れた?」 なんと。ベッドの下には私が跳ね除けた布団もろともこなたが転がっていた。寝入ってしまった私に、ずっと添い寝していてくれたんだ。 いつもと変わらないのほほん顔に、胸がちくりと痛む。居たたまれなさに、謝罪の言葉が口をついて出かけたとき。 こなたは優しく微笑んで。私に、そっと口づけた。
「ありがとね、かがみ」 照れくさそうな、労わるような微笑み。 「こなた……」 その笑顔が、なぜだかアルバムの中のこなたのお母さんと重なって見える。膝の上にちょこなんと腰掛け、こなたは私を胸にかき抱いた。 「つかさがさ、昨夜メールくれてたんだ。『お姉ちゃん相当無理してるみたいだから、くれぐれも休ませてあげてね』って」 髪をくしけずる指の感触。 「そんでさ、追伸で発破までかけられちゃったよ」 「発破ぁ?」 誰かを叱咤激励するつかさ……いまいち想像できない。 「『お勉強の方も頑張ってね、お姉ちゃんの疲れが取れるかどうかもこなちゃん次第だからね?』」ってさ」 なはは、とばつが悪そうに笑う。 「んで、昨夜は柄にも無く予習なんてして頑張ってみました、っとさ」 「そうだったんだ……」 受験生だから、と一人で張り詰めてたけど。つかさもこなたも、逆に私を思いやっててくれたなんて。 面はゆくて、ありがたくて、胸の奥がほっこりと暖まった。 「そ・ん・で」 「ん?」 うっすらと紅のさした頬。こなたの言いたい事が、私にはとっても良く分かった。 その……なんのかんのと理由はつけたけど、受験生だからってルールまで作って我慢したけど。 こいつが私を必要としているように、私もこいつがいなきゃ駄目なんだ。 「頑張ったかがみ先生に、私の方こそ……ご褒美、だよ」 「……もう」 耳まで赤くしちゃって、可愛いったら無い。そっと瞳を閉じるこなたに、短いキスを一つ、二つ。 三度目に深々とこなたの小さな口に舌を差し入れ、舌と舌とをしばし絡め合わせて。 私たちはさっきまで寝ていたベッドに、今度は眠るためではなく愛し合うために横たわった。 甘えん坊の仔猫みたいに、こなたが身をすり寄せる。私は胸に当たる柔らかな頬の感触を、こなたは頬に当たる胸の感触を。 互いのぬくもりを楽しみあうのが、私たちの準備運動だ。こなたの息遣いが、次第に甘さを帯びてくる。 私もそれはもちろん同じ。両手をフルに使って、引き締まったヒップから長く延びた髪、華奢な肩から柔らかな耳たぶと撫でさする。 もちろん、本当に感じるところは後のお楽しみ。 「ん……ふぅ……ぅ」 しばらくじらしてやると、こなたがもそもそと身じろぎし始める。準備完了、ってとこかな。 「さ、ばんざいしな」 「うん……はい、どーぞ」 素直に両手を上げるこなた。早速スウェットの上を脱がせてやると、可愛らしくフリルのついたシュガーピンクのブラが露わになった。 「わ、可愛い。通販?」 「うん、バイト先の子から教えてもらったとこ。今度アドレス教えたげるね」 こなたも最近はこういう事に気が回るようになって来た。ていうかこの子の場合、本気になるととことん凝りだすから侮れない。 後できっちりチェックしておこう。プレゼントとかにも役立つかもしれないし。 ズボンにも手をかけ、するりと脱がせる。下着姿になったこなたが、着せてくれていたパジャマのボタンを一つずつ外してくれる。 しまった。着替えさせてくれていたってことは、勝負下着見られてたってことか。 「可っ愛い〜いぱんつ穿いたから、見・て・ほ・し・い♪ 勝負っぱんつは、あなた落とすぱ・ん・つ・だもんっ♪」 ここぞとばかりに、えっちゲームの歌を歌いながらパジャマを脱がせにかかるこなた。 「レース付きのぱんつはね、か・が・み・用〜♪ いちご〜付きのぱんつだから……んひゃぁ!?」 歌の通りの勝負下着、レースのついたすみれ色のブラとショーツ。自信あったから、もったいつけて見せたかったんだけどなあ。 ちょっぴり悔しいので、円を描くように愛撫していた手で不意に背筋を強くなぞる。髪をかき分けて、背骨からうなじへ素早く指を滑らせた。
「うなじ、相変わらず弱いわねえ。ほれほれぇ」 「ひゃ、わ、わぁ……ふわぁぁぁぁ……♪」 なでたりさすったり、突っついたり。普段は長い髪に覆われているせいか、こいつのうなじはとっても敏感なのだ。 残り僅かなボタンを自分で外し、パジャマを脱ぎ捨ててこなたにキス。そのまま首筋、鎖骨、肩口と優しくキスしていって。 左手で邪魔な髪をまとめてこなたの右肩に追いやると、がら空きのうなじに吸血鬼みたいにむしゃぶりついた。 「あ、や、やあ、吸わ、ない、でぇ……っ!」 ぎゅっと抱きつく腕の感触、その隙を逃さず背のホックを外す。 可愛い下着をもうちょっと楽しみたい気持ちもあるけど……今は一秒でも早く、こなたと激しく愛し合いたい。 くるりと背を向かせ、ブラを取り去ってしまう。いやいやをするように差し伸べられた指にキス。 両手は可愛い乳首に添えて、指先でころころと転がしてやる。 「ん……ちゅう……こなたのうなじ、美味しいよ?」 「うぁ……かがみのえっち……」 か、可愛すぎる。辛抱たまらなくなったので、もう一度正面を向かせて私のブラを脱がさせてあげる。 早速こなたは、まっしぐらに乳首に吸い付いた。左、右、また左。 ちっちゃな手で一生懸命乳房を揉みしだきながら、赤ちゃんみたいに私の乳首を口に含む。 「ふぅ、ぅ、ぅあ……上手、上手だよ、こなた……!」 私はうなじを、こなたは胸を。互いの急所を愛し合いながら、いつしか私たちは互いの内ももをすり合わせていた。 ……そろそろ、いいかも。私はこなたを促すと、彼女の足が私の頭側に来るように体勢を変えさせた。 目の前のショーツは、指で触るだけで熱い湿り気を感じさせる。 しばらく下着越しにその湿りをなぞってやると、こなたはその動きに合わせて切なげに息を飲んだ。 内ももに少し寄り道してから、一気にショーツを下ろす。未成熟そのもののように見える秘所は、それでも充分に熱いしたたりを湛えていた。 遅れて私のショーツが下ろされる気配、私はこなたの足を割り広げる。私の指先とこなたの舌が、互いの秘所に同時に触れた。 「あ……あぁぁあぁぁ……こなたぁ♪」 「むぅっ♪ うむっ♪ むむみぃ……!」 待ちに待っていた甘やかな刺激に、私は身も心もとろかされる。 それはこなたもおんなじみたいで、私の秘所にむしゃぶりつきながらのくぐもった嬌声が聞こえてきた。 少し塩辛いこなたの体液を、口一杯に味わう。その間にもこなたの指と唇が、私の身体に快感を湧き出させてくれる。 蜜に群がるアリって、こんな感じなのかしら。そう思えてしまうくらい、私はこなたの秘所を夢中になってむさぼった。
あの、戯れに聞くんだけど…… 注記すれば飲尿あり?
「ぷぁ……かがみ、かがみぃ、わ、たし、もう、限界、きそう……!」 私の秘所に、こなたの荒い息がかかる。 「ん……んふぅ♪ んう♪ はぁっ……じゃあ、そろそろ、一緒に、いこ?」 かく言う私も、とっくに爆発寸前だ。 私はこなたの秘所に指を這わせ、あらん限りのスピードでこすり始めた。 擦り切れてしまいそうな激しい動き。けれど後から後から湧き出てくる愛液が、その刺激を快感へと変えてくれる。 赤く勃起したクリトリスは、そっと口に含んで舌先で転がす。 一方こなたは、左手で私の秘所を円を描くように刺激しながら、右手で優しくクリトリスを撫でさすっている。 チョココロネのクリームをなめ取るような可愛らしい舌使いが、時折混ざるアクセント。 「う、あ、ふわ、あ、ふわぁぁぁぁぁぁ! かがみ! かがみぃぃ!」 「んぅ! うぅん! ぶぁ……あ、ひぃんっ! 行くよ、こなた、一緒、に!」 秒読みスタート。あとは、高く高く二人で上り詰めるだけ。 「んっ……んんぅぅっ……こなたぁぁぁぁぁっ!」 「ふわぁ! かがみかがみかがみぃぃぃ……っ!」 私たちはほとんど同時に達する。こなたのクリトリスから噴き出すしぶきが、私の顔や髪を濡らしていた。 「ふはー……極楽極楽ぅ」 「こぉら、ちゃんとタオル巻きなさいよ」 「ふぇーい」 事が終わった後。私とこなたはお風呂で汗を流していた。 「いやー、こういう勉強会なら毎日でもいいなー」 「はいはい。あんたがもーちょっと勉強してくれたらね」 「うあー、藪蛇ー……」 しおしおと水没するこなた。いつも通りのやる気のなさに、思わず苦笑が漏れる。 「言っておくけど。今日のだって相当おまけしてるんだからね? しっかりやんないと、ほんとにえっちお預けにするから」 「あうあうあ……善処しますー」 「しますー、じゃなくって腹決めてやんなさい。……その、私も色々手伝ってあげるから」 ちょん、と鼻先を突っついてあげると、こなたは照れ笑いを浮かべた。 とりあえず。お風呂から上がったら、二人で朝までぐっすり眠ろう。 こいつも私もそれなりに頑張ったんだし……そのくらいの贅沢は、受験生でも許されるよね? そうそう、つかさにもお礼のメール打ってあげなきゃ……。 お湯の温かさに、とろとろとまどろみそうになる。と、その時。 「ふーっ」 「うひょえあー!?」 こなたったら、耳元に息を吹きかけてきた。 「眠るなー、眠ると死ぬぞー」 「だからって耳元はないだろ。……あんまりおいたしてると、今ここで第二ラウンドおっぱじめるわよ?」 半分からかうような口調で言ってやったけど、こいつの反応は私の斜め上を行っていた。 「ふぇ……うん、いい、よ」 じーざす。そんな恥じらった顔で言われたら、私までおかしくなっちゃうじゃない……! お湯ののぼせもそのままに、ゆっくりと唇を近づける。 夜の勉強会は、まだまだ終わってくれないみたいだった……。 (どっとはらい)
はい、お目汚しでした。
そして早速ですが訂正がありますorz
>>344 の章タイトルですが、正しくは(2/6)です。失礼しました。
で。
>>348 ありなんではないでせうか? お待ちしてますよん。
最低な内容で割り込んでしまって申し訳ありませんorz 吊ってきます……
>>351 いあいあ、無問題ですよー。お気になさらずに♪
さて、明日も7時起きだ!(自爆 おやすみなさーい。
>>350 あっまーーーい!なんか眠れなくなったけどむしろありがとう
色々と言いたいことはあるけど、とりあえずこの一言に集約させて頂きます。 みんなGJ! で、いつものごとく絵の掲載許可を頂きたい訳なのですが……>243氏 おkでしょうか?
>>325 >>333 で言ってるけど、最後の「」が3人分重なっているのは
かなたさんが帰ってきたことの暗示ってことでおk?
#気づくまで半日かかったw
356 :
325 :2007/06/15(金) 09:44:03 ID:wynDYHXX
おはよーございます……
>>340 って、起きたらすごいものキテター
ありがとうございます。まさか
>>243 さまに描いていただけるとは……
柔らかいタッチの三人の食卓、ありがとうございました
>>335 君のイメージは君の頭の中にあるものだから、誰にも真似できないさ
とりあえず、思いついたシーンだけでも書き出してると、そのうち書けてきますよ
357 :
325 :2007/06/15(金) 10:00:27 ID:wynDYHXX
>>354 さま
補完お疲れ様です&ありがとうごさまいます。
まとめサイトにUPされることを楽しみに描いている2ch専業書きなので……
まとめサイトUPとGJが最大の励みです
>>355 そこは言わぬが花というもので……ニヤニヤ
そろそろ名無しに戻ります
358 :
243 :2007/06/15(金) 10:39:03 ID:bvcuiwt1
>>354 ケータイからカキコ。
ここに投稿させて頂いたモノはドンドン登録していただけると
むしろ嬉しいデス〜
今後はこのトリップつけるようにします
>>357 ほのぼのをありがとうございましたー
トリップ使ったの久しぶりで間違えましたorz
360 :
1レスSS :2007/06/15(金) 12:00:06 ID:JoUg5ZN8
私が小さい頃に死んだはずの、お母さん。 写真の中でしか見たことなくて、今は空の上で私たちを見てくれてるはずのお母さん。 『まったく、親娘そろって』 そんなお母さんが私のパソコンにちんまりと居着いてるなんて、誰が想像するよ…… −−−−−− 「てけてけかなたさん」 その2・しかえし −−−−−− 勉強するふりをしながら画面をチラチラと見ていると、相変わらずちっちゃいお母さんは そーゆーゲームのアイコンをせっせと捨てている。まだプレイ中のもあるってゆーのに…… どうにかしたいけど、画面に近づけば画面の端に隠れちゃうし、ごみ箱から取り出しても またすぐに放り込まれちゃうからなー。 誰かのイタズラっていう考えは、時々起動されるメモ帳に『そう君のばかー!』『こなた までこんなにしちゃうなんて』って出てくることで吹っ飛んだ。そうなると、辿り着く結論 といえば……100%現実にはありえないけど……お母さんが取り憑いたってこと? 『この際だから、徹底的にやりましょ』 しかし、部屋のエロ本をサルベージされる男子高校生の気持ちをわからされるとは。 って、なんかホントにいっぱいアイコン抱えてるし?! 「ちょ、ちょっと待ったー!」 私は急いでパソコンに飛びつくと、マウスのポインタをアイコンに合わせてドラッグした。 『きゃっ!』 ドラッグしたアイコンはその場所で止まったまま、お母さんは盛大に他のアイコンをぶちまけて転んだ。 ってことは、もしかして…… イタズラ心がムラムラと湧き出てきた私は、マウスのポインタをちっちゃいお母さんに合わせて、 「ていっ」 ポチッとクリック。 『きゃっ』 おおーっ、想像通りの反応。ほっぺたぷにぷにしてたら慌てるし、ドラッグすればジタバタするし。 「だめだよおかーさん、娘の秘密勝手に捨てちゃー」 『きゃっ! や、やめてー!』 クリックし続けているうちに、お母さんは画面の中をぐるぐると逃げ始めた。わはは、 こやつめ。さっきまでの仕返しだーっ! とかやってるうちに、お母さんは涙目でこっちを睨みつけると何かのプログラムを起動し始めた。 えっと、これは……『ディスクの管理』? と、ポインタが勝手に動いて、Cドライブのところに行って ……うぉーーーーーいっ、、『フォーマット』?! 「おかーさん! ごめんなさいっ! もうしないっ! もうしませんからっ!」 私が一生懸命謝り倒すと、お母さんは体をぱんぱんと払って、私と同じナイ胸を張って見せた。 『えっへん』 え、えっへんじゃないって、おかーさん…… 完
また何かが降りてきました。 今は反省している。
>>361 いやもう、反省しなくていいのでそのまんまいろいろ降ろしちゃって下さい。
なんかこう、和む。和みすぎてたまらないです。
きっとアレかな、一人でお留守番してるときには退屈しのぎにぷよぷよとかしてるのかなあ。
ああ、可愛いよ、可愛すぎるよかなたさん。ぐっじょぶ。
GJ 貴方の書くかなたさんがかわいすぎる いいものを読ませて頂きました
激しくシリーズ化希望(*´д`*)和むわ〜
366 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/15(金) 14:01:42 ID:w701d9kF
メガネッ子LOVEのドキュメントって・・・
∋ω∈ おねいさんびっくりだぁ!
最近はかなたさん人気上昇だなww自分も好きですけどねw
ちなみに脳内ではCVがお母さんキャラの代名詞皆口裕子か個人的に好きな柚木涼香で再生されてる
>>337 >>339 >>356 ありがとうございます。
できるだけやってみますね
>361 人を萌え死にさせる気か。 いいぞ、もっとやれw
うわあああGJすぐる このスレの職人様達は降霊術の使い手か……
かなたさんは実は電脳世界の…… か「マトリクスの秘密は教えられない」
>>372 それならば、GHOST in the SHELLの素子だろ!
>>372 「1と0のかなたから、彼女はやってきた」
かの電人すら不可能だったことをいともたやすく…恐るべきは萌えの力か…
>>374 かなた「あなたと融合したい」
そうじろう「えー」
かなた「完全な統一だ、あなたもわたしも、多少は変化するかも知れないが
総体としては何ら変わらず、融合後の二者を区別する云々〜」
そうじろう「かなた……」
かなた「さらなる上部構造へシフトすのよ……ああ、天使が降臨してくるわ」
コチラ デバイス01 ターゲット捕捉、射撃する。
>>365 両バージョン蒐集完了。お忙しい中に乙ー。
>>369 あいや待たれよ、そこで平野綾さんの一人二役というのはどうか。
物静かなキャラもいける役者さんのようなので(キディ・グレイドだっけ?)。
( ゜Д゜)あらやだ!左右反転したときのホクロが残ってるううう
うあああああああ サクッと可愛い絵が描けるのがウラヤマシス orz
>>380 SUGEEEEEEEEEEEEEEE!!
らきすたの同人誌ってキャラのイメージがイマイチなのが多いと
思ってたが、
>>380 は原作とかアニメの雰囲気を捉えるのが
上手いと思った。GJ!!
>>380 こちらも蒐集完了……って……。
俺の話がイラストになってるーーーーーーー!?
なんか嬉しくて、いろんなものを噴きそうです。
まんまるっちくなってるこなたも、抱きしめてるかがみも、愛らしくてもう。
挿絵描いてもらうのは密かに憧れだったので、夢がまた一つ叶いました。
ありがとうございました、そして力いっぱいぐっじょぶ!!
383 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/15(金) 19:33:52 ID:R2a8Jwl+
ハァハァ頂きありがとうございました(*´∀`)=3
まとめの中の人も早速採用ありがとうございました
>>367 気付いて頂けて嬉しいデスw
ウチのPC名を隠す必要があったのですが、せっかくなので書き換えました。MSPゴシック12pでw
>>369 ああっ。おいらの頭の中でも皆口裕子さんが(*゚∀゚)=3
柚木さんはおいらの頭の中では女郎蜘蛛にトランスフォームするからなぁ・・
「シャーッ」
ちなみに本人美人で驚きました
>>379 実はあんましサクッと描けてないのです(´・ω・`)
まさに頭の中の萌えイメージを思い通り「サクッ」と描けるようになるべく
落書き中・・・
>>382 いつも萌え作品ありがとうです。
いろんなもの吹いちゃってくださいノシ
385 :
379 :2007/06/15(金) 20:45:45 ID:mw1Oz27Y
>>384 や、描きたいものはあるのに、思うように描けなくてゲームに逃避してしまうのですよorz
『あふ☆いや』の残り三人とか描きたいんだけどなぁ……
>>384 >女郎蜘蛛にトランスフォーム
最終回でピカチュウの物真似をするかなたさんか…
>>386 薬師丸ひろ子した記憶がとかボソッと呟いてみる。
>>388 ワロタw
ちなみにリターンズじゃ松浦亜弥とか外画の中の人とかやってたw
「ど、どう……かな……」 あやのが顔を赤くしながらおずおずと俺に問い掛ける。 あやのは今、バニースー ツを着用しており、彼女の整ったボディラインを否が応にも俺に見せつけていた。 その顔はこれから行う行為への不安と期待が入り混じった表情をしており、それが俺の劣情をそそる。 ベッドの縁にいた俺の横に座ったあやのを抱き寄せると、彼女の唇にキスをした。 「んっ、ううんっ……ちゅぴ……ちゅっ……」 相手をより多く感じようと、二人は舌を絡ませ合いながら求め続ける。やがて、 二人が唇を離すと、二人の唾液が糸を引いて千切れた。 「ふぅ……」 あやのはほうっとした表情をして、うっとりしている。俺は心なしか何時もより大きくなっていた男性自身をあやのの前に突き出した。 「うわぁ……何時もより大きくなってるね。うんっ……ぴちゃぺちゃ……ちゅぽっ……すちゅっ……ぺちゃ……」 あやのは俺のモノに舌を這わせ、口に含みながらモノを刺激してゆく。 「あはっ……さきっぽからぬるぬるが出てる…」 やがて先走りが出てくると、尿道口に口をつけそれを吸い取るようにしてくる。カリ首に舌を這わせ、尿道口をほじっているうちにあやのも興奮してきたのか自らの性器を弄っている。 最初はバニースーツ越しに軽くなぞるだけだったが、やがて強く押すようになり、バニースーツの中に手を入れてストッキング越しに強く愛撫するようになっていた。 俺はその光景に益々興奮を覚え、あやのの口腔の中で発射しようとしていた。 「じゅぽっ……どう……気持ちいい?」 あやのの問いかけに答えるように、先走りの量はどんどんと増えていき、我慢が限界に達した俺は、あやのの口膣に精をしどどに放っていた。 「んっ!んんっ!……こくっ…くぴっ…」 あやのは大量に出た精液をなんとか飲み干そうとしていたが、 「ぐぷっ!ぷあっ!はあっ、はあっ……」 次々と射精されて飲み切れず、モノを吐き出してしまう。その結果大量に発射された精液は、あやのの顔やウサギの耳を模した頭飾り、おデコなどにかかっていった。 「ふぅっ、はあっ……ふうっっ……いっぱい出たね……飲みきれないよ……」 顔が白濁液でべたべたになったあやのはそう言いながら、自らの顔にかかった精液を指ですくって舐め取る。俺はその光景に劣情を覚え、あやのをベッドに横たえた。
あやのの股間は愛液でぐしょぐしょに濡れぼそり、それを見て俺の逸物は益々堅く、大きくなっていた。 バニースーツをずらすと、ストッキング越しに自らの吐き出す愛液でテラテラと光る女性器がひくひくと蠢いており、俺の劣情を誘う。 「入れてぇ……我慢出来ないよぉ……早く……ひああっ!!」 ちょっと悪戯心が湧いてきた俺は、ストッキング越しに愛撫を始めた。一緒に胸もイジメてやろう、と胸を覆うカップをズラすと、形の良い胸がぷるん、と現れる。 ピンと勃った乳首を摘み、胸をこねくり回す。イカせないように気を遣いながら、ぐちゅぐちゅと音を立たせながら股間の愛撫を続ける。 「ふあっ!あっ!イッちゃう!はひぃっ!」 あやのは普段の澄ました物腰からは想像出来ない位乱れ、喘ぎ声をあげる。俺はストッキングを破くと、あやのの女性器に男性器をあてがう。 しかし、ぷっくりと膨れ上がったクリトリスを擦るだけで挿入はしない。 「ふあああっ!イッちゃっ!入れっ、入れてぇっ!早く入れてぇっ!」 その言葉に俺は性器を押し当てると、いわゆる正常位の状態であやのを貫いた。 「はふっ!ひっ、あっ!ああああっ!!」 今まで散々じらされたあやのは、挿入された途端に強烈な締めつけと共に果てた。 「はぁっ……はぁっ……あぁっ……動かさないでよ……ひあっ……感じちゃう……」 俺は腰を動かし、強烈な締めつけとイッたあやのが可愛く喘ぐのを楽しむ。 「ひっ!はあっ!なかでごりごりしてて……気持ち良いよぉ……」 ぱんぱんと肉を叩く音が部屋に響く。あやのは俺の背中に手を回し、快楽をより多く貪ろうとしている。 接合部からはぐちゃぐちゃと水音がしてより一層2人の興奮を高めていく。 腰を沈めると亀頭の先端があやのの膣奥にぶつかり、あやのは大きな喘ぎ声を上げる。 「……っは!……ま!またイッちゃう!」 再びあやのの膣がぎゅっと締まる。俺のモノに射精を促す様に膣襞が吸い付いてくる。 そろそろ限界が近づいてきた。快楽を貪ろうと腰の動きをより一層激しくし、あやのを強く抱きしめる。 あやのもウサギの耳を模した頭飾りをゆさゆさと揺らしながら俺を強く抱き返す。そして腰を強くあやのに叩きつけた瞬間。 「ぅはあっ!出、出てる!出てるよぉ……あ、あはあっ、あああああぁぁぁ……」 俺はあやのの膣に精液を解き放った。それが刺激となったのか、あやのも絶頂を迎え、膣壁をキツく締め付け、最後の一滴まで残らず搾り取ろうとする。
「はあぁ……まだ出てる……ひぃぅっ……いっぱい……」 しかし、俺のはまだ固さを保っている。俺は繋がったままあやのの体を回転させ、後背位の状態で精を出しきるまで突きこむ事にした。 「はあっ!きゃあぁ!ま、まだやるのぉ……ぁあっん……んぅあっ!……膣で攀じれて……」 あやのの腰を確りと掴み、本能に身を委ねて突きこみまくる。ウサギの尻尾を模した飾りが揺れ、接合部は先ほど2人が出し、溢れ出した淫液によってにちゃくちゅと音をたてながら泡だつ。 「きちゃ、あっふ!きちゃう!きちゃうよ!」 なすがままにされていたあやのは、半泣きになった様な声を出しつつも、精を飲み干そうと、コツコツした子宮口が降りて、其処を突かれるたびにあやのは嬌声を上げて再び膣を締め付ける。 先ほどの射精で敏感になっていた俺は、食いちぎられるかのような締め付けに精を吐き出しそうになる。 俺はありったけの力を込めると、あやのの腰に思いっきり叩きつけ、最奥に大量の精を放った。 「あ……あ……はあぁ……凄い……熱いの……」 ぐったりしたあやのは、うさぎの尻尾を震わせながら、精を放たれる感覚に身を委ねている。 びくびくと精液を吐き出していた俺のモノは、出し切るとあやのの膣から引き抜かれた。 しかしモノは名残り惜しそうにピッピッと精を吐き出し、ウサギの尻尾を模した飾りや尻や太ももに白濁のアクセントを付け加えた。 モノはあやのの膣と粘糸を引いていたが、それが途切れるころにはあやのの放心したかのようにぱっくり口を開けている膣口からごぽごぷと淫液が溢れ出てきた。 「はあっ、はあっ、はあっ……弄らないでぇ……ふうっ……」 あやのの性器をティッシュで拭いている時に、面白がって淫液を吐き出す膣口を弄くると、あやのがそんな声を上げた。 やがて、あやのも落ち着きバニースーツを整えて、シャワー室に向かう。 「まだぬるぬるして…溢れてきちゃう……ふふっ、次はもっと楽しませてね。」 俺は、バニースーツのクロッチ部からどろりと淫液を溢れさせ、太ももを伝っていく感触に喘ぎ声を上げるあやのを見て、また股間に血が溜まっていく感覚を感じながらあやののおデコにキスをした。 ……マジごめん。
うぉおおおおおおおお!! GJっす! あやのの初エロパロご馳走さまでしたwごとぅーざ様補正もあってすごくよかったです! よければまた書いてください
ぐっじょーぶ! ただ、男キャラものは一応断りを入れておいたほうがいいと思うな。 苦手な人もいると思うし……。
わっふるわっふる
しかし、かなたさんの声が皆口裕子さんボイスで聞こえてきてたまらないよ…… 昔、伺か入れてたからなぁ……もう入れてないけど、久々に入れたくなった。 かなたさん誰か作らないかなぁ。
>>393 「俺」キャラは注意書きしといた方がいい希ガス
てけてけかなたさんアナザー(横山光輝版) PC起動。 ……。 ジャーン!ジャーン!ジャーン! こなた「げえっ、お母さん!」
そうじろう「待て、あれはみwikiの罠だ」
>>393 うわーお、朝っぱらから濃いのをありがとう。
というかこのあやのさんえろいよ! 流石みさおのお姉さん(的存在)!!
つーわけでぐっじょぶ!
●短編8レス投下します。 ●非エロ。ななこ&こなた(非カップリング)のお話です。 ●土台は原作1〜4巻。独自設定が入っているかもしれません。 ●某球団の話題がそれなりに出てきますが、ななこさん関係で使用しているのでご了承ください。
403 :
(1/8) :2007/06/16(土) 13:08:35 ID:QkYSPNeY
『次は、新小宮山。新小宮山です。JR武蔵野線は、お乗り換えです』 おっと、ここで降りるんだっけ。 昨日貰ったメールを確認して席を立つと、電車はホームに滑り込んでいった。 いつもアキバに行くときは通り過ぎるけど、なかなかご立派な駅なよーで。これでメイトや ゲマズみたいな店があれば利用するんだろーけどね。 ドアが開くと、休日ってこともあってかホームに出る人はまばら。そのままゆっくりと 階段を下りて……確か、改札で待ち合わせだっけ。 んじゃ、Pasmo出してっと。ん? あの金髪は……って、ちょっ! 「おーい、泉。こっちや、こっちー」 なんでもうここでロッテのシャツなんて着込んでるんですか先生! ================================== 私だけの"せんせー" ================================== 「……んで、どーしてそんなカッコで来てるんですか」 「何ゆーとんねん。ファンやったら球場入る前から気合い入れるのがデフォや」 先生はにっこにこしながら言うけど……いや、そのピンストライプのシャツは目立ちすぎですヨ? 「しかし、まさか休日に先生のほうから誘われるとは」 「いつもオンで閉じこもってるってのもアレやからな。たまにはこーやってオフ会ってのもええやろ」 「そのオフ会で野球観戦ってのは全然聞いてませんでしたが」 それは昨日のこと。HRが終わった後、先生に呼び出されて、 『泉ー。明日ヒマか? たまには外にでも遊びに行かんか?』 って言われて、イベントも無いし、バイトもお休みだし、ネトゲもちょいと煮詰まりすぎてた ってことでOKしたのが、まさに運のツキ。 「来たモンはしょうがないと思っとき。昼飯も電車代もオゴるって言っとるんやし」 「それは確かにお得ですけどー……ヤですよ、あの人混みの中に行くの」 たまーにテレビで見るけど、あのチームの応援っていろんな意味で凄いからなー。 「あの中で応援するのがええんやないか! って、まあ初心者には確かにあそこはキツいわな。 今日は幕張やなく、浦和でまったりコースや」 そういえば、確かに乗ってる電車は幕張方面じゃなく浦和方面。南小宮山駅じゃ、向か い側のホームには先生のお仲間らしき人がいっぱいいたよーな…… 「浦和? 浦和で高校野球でも見るんですか」 「ちゃうって、二軍や二軍。人も少なめやし、入場も無料やからたまにはそこでまったりしよ」 「はあ、二軍ですか」 あんまり野球には詳しわけじゃないけど、そういえば二軍でも試合をやってるんだっけ。 なんか、河川敷でやってるとかそういうイメージが……
404 :
(2/8) :2007/06/16(土) 13:10:02 ID:QkYSPNeY
「で、どーして私に白羽の矢が?」 「今のネトゲもそろそろやり尽くしたって感じがしてなー。多分泉もそうやないかと思って」 うわ、ホントにビンゴだよ。 「最近は真新しいクエストもあんまり無いですからねー」 「もーちょい、こうヒネったクエスト出してもらわんと。ユーザーとしてヒマでかなわんな」 「……で、そんな理由で私と野球と」 「そやー。興味が無いってわけやなさそうやったし、たまにはええかなと思って」 「まさか、これ幸いと私にお説教でもするんじゃないでしょーね」 それに関してはアレやコレやソレやと思い当たりが無いわけでも無いんで…… とか思ってたら、先生はひらひらと手を振って苦笑いした。 「あのな、こういうお休みの日は教師と生徒ってのはナシ。海行ったときと同じ思っとき。 それに、帰りには新小宮山のアニメイトでも連れてったるから」 「えっ、あそこってアニメイトあるんですか!」 「ちょいと歩けばな。とゆーわけで、夕方頃までは付き合ってもらうで?」 「まあ、それならいーですけど。ホントにお説教はナシですからね」 「アホ、そんなん当たり前やないか」 先生はそう言うと、にかっと笑いながら私の頭をなでつけた。 武蔵浦和駅で降りて、私と先生は高架沿いをてくてくと歩き始めた。 途中のコンビニで缶ビールを買い込んでたのには閉口したけど「せっかく電車で来とるんやし、 飲まな損やろ」とかウキウキしてるし……まあ、休日だからいっか。 そんなこんなで徒歩十五分。私たちは「ロッテ浦和球場」っていう看板が出ているネットの下に立っていた。 「ほら、着いたでー」 「はー、こんなところに球場なんてあったんですか」 まわりは住宅街ってわけじゃないし、原っぱってわけでもないし……うーん、微妙だ。 「そや。あんま設備は良くないけど、これで無料やったら文句ナシ」 「んー、お得とゆーかなんとゆーか」 ファンにとってはそうなのかもしれないけど、私にはどっちでもないような。 「ほな、時間もええところやし、そろそろ行くでー」 先生はそう言うと、私の手を引いて歩き出した。 ……なんか、お父さんにしてもらって以来だな、こういうの。
405 :
(3/8) :2007/06/16(土) 13:11:21 ID:QkYSPNeY
「おー、やっとるな」 中に入ると、先生のシャツと同じピンストライプのユニフォームを着た大勢のプロ野球選手が グラウンドで練習しているところだった。 「ここ最近チームの調子も悪いみたいやけど、今日は日本晴れなんやしスッキリ勝ってほしい もんやなー」 「調子が悪いって、どのくらいなんです?」 「11勝29敗」 「ちょっ」 じゅ、11勝29敗って借金背負いまくりじゃないですか! 「でも、ななこサンが来れば今まで21勝17敗やから大丈夫!」 「いや、それもまた微妙なラインかと」 「ほっとけ、気分や気分」 あうっ、デコピンは酷いですせんせー。 「んじゃ、どこにしよかなー……そやな、あっちにしよ」 ぐるぐると辺りを見回していた先生は、三塁側の奥の方に歩き出した。途中、上段の席 に座ってるロッテの帽子を被ってたオジサンに挨拶してたけど、こんなところにも顔見知りが居るんだ。 私も先生についていって、奥の方にある席につく。 「おー、目の前すぐがグラウンドってのは意外と迫力がありますねー」 「そやろ。それがここのいいトコや」 確かに、コレでタダだったらお得かもしれない。 「それじゃ、試合始まる前にお昼にしよか」 そう言いながら、先生は肩から提げていたバッグから何かを取り出した。 えっと、コレはお弁当箱? 「あの、これってお弁当ですか?」 「そやー」 お弁当のフタが、パカッと開けられる。 「しかもなんか、手作り感にあふれてますね?」 「そやー」 おにぎりに鶏の唐揚げ、メヒカリの唐揚げに卵焼き。ほうれん草のバター炒め。お弁当 の定番メニューがB5判の同人誌大のお弁当箱に詰め込まれていた。 「お母さんに作ってもらったんでしょうか」 「アホ、ウチは一人暮らしや」 ってことは、先生の家には先生一人しか住んでいないわけで……ってことは…… ……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!? 「ちょっ、コレ、せんせーの手作りなんですかっ?!」 「言うたやろ、料理も家事も人並みに出来るって」 「いや、確かに言いましたけど、言いましたけどー!」
406 :
(4/8) :2007/06/16(土) 13:12:37 ID:QkYSPNeY
唐揚げは鶏もメヒカリも冷凍じゃなくて手作りだし、おにぎりもちんまりかわいく握られてる。 まさか、先生の手作りお弁当を食べる機会が来るとは…… 「ま、泉の口に合うかどうかはわからんけどなー。ほれ、お前の分のお箸」 「あ、ありがとうございます」 んじゃ、鶏の唐揚げを一ついただいてみますか。 あむっ。 「どや?」 「……あの、先生」 「ん?」 「手作りにしちゃ、コレってみょーに手が込んでやいませんか」 普通だったら鶏肉に唐揚げ粉をまぶして揚げて「はいオシマイ」なのに、コレはいろんな 味付けがされているっていうのが、噛むだけでよくわかる。 「ふふふっ、ななこさんをあんまり甘く見てもらったら困るなぁ。オカン直伝でな、しょう油 に酒、ハチミツ・レモン汁をちょびっととショウガの絞り汁で鶏を揉み込んで、最後に 片栗粉を混ぜ込んで揚げるんや。唐揚げ粉なんて使うたら、黒井家の名がすたるで」 おおぅっ、なんか妙に威張ってるけどそれに見合う味だー。 メヒカリの唐揚げも中までしっかり揚がってたし、卵焼きは砂糖が少し強めで私も好み。 ほうれん草もベーコンの味が混ざってていいし、おにぎりも全然ボロボロしてこない。 「ふふふっ、びっくりしたやろ」 「びっくりとゆーか、普段の先生とは180度違う繊細な料理だなーと」 「……試合終わったら、そのへんゆっくり教えてもらおか」 あう、余計な一言だったか。 「というか、ギャルゲーでもこういうイベントは実に萌えなシチュエーションですけど」 「お前、例えがなぁ――」 「リアルで経験しても萌えるもんなんですね」 「あ、アホぬかせっ」 いや、実に萌え萌えですよー。料理が美味ければさらに倍。 そんなこんなで、私は先生手作りのお弁当を美味しく頂いた。 さっきのレシピは、お父さん用にまた教えてもらおっと。
407 :
(5/8) :2007/06/16(土) 13:13:25 ID:QkYSPNeY
試合が始まると、選手とかよくわからない私はただぼーっと見てるしかなかったけど、 ロッテファンな先生はやっぱり試合にのめり込んでいった。 「こぉら大松! 上で定着したいんやったら堤内ぐらいしっかり打たんかい!」 「手嶌ー! 同期の久保が泣くよなピッチングはするなー!」 「ワティ、ズレータおらんのにここで打率一割でどーすんねん!」 「おーっ! 細やんホームラン! 角中と一軍争いしたりやー!」 「ああっ、ジョニーや! ジョニー! 上で待ってんでー!」 まわりは結構のんびりしてるのに、ここだけなんか関西の某球場みたいに空気が違うよ…… 他の観客のみなさんすいません。先生はいつもこんな感じなんです。千葉マリンでもそう だったらホントすいません。そう苦笑しながらまわりを見てると、オジサンたちもいーよ いーよという感じに手を振りながら、選手に野次や愚痴をこぼしていた。 他にも膝枕してるカップルはいるし、スコアブックをつけてる人もいるし、お酒飲んで 潰れてる人もいるし……うむー、ここは実にフリーダムな球場だ。 試合は5回が終わって4−3。千葉ロッテが湘南に1点勝ち越していて先生は結構いい 感じに出来上がっていた。 「はー、こうリードしてると気持ちいいなー」 そう先生が幸せそうに呟いてるうちに、何故か球場に「ヤングマン」がかかってグラウンドの 整備が始まった。 「そや、なんか自販機でジュースでも買ってこよか。泉は何がいい?」 「いやいや、いーですよ。ジュースぐらい自分で」 「何遠慮しとんねん。こーゆー時はウチに頼りや」 「んじゃ、スポーツドリンク系をテキトーに」 「了解」 そう言いながら、先生は小銭入れを手に来たときの道を歩いていった。 それにしても、またーりした一日ですなー。 選手が活躍したり、先生が野次る以外は応援歌とかも無くてのんびりしてるし、先生の 意外なお弁当も食べられたし、こんな間近で野球を見られてるし……ここ最近はガッツリ ネトゲをやりすぎたし、たまにはこんな風にのんびりするのもいーかもしんない。 誘い方はちょっと強引だったけど、先生には感謝、感謝……あ、ギャルゲでこういうの ってあんまりないなー。今度ひよりんにネタで提供してみよっか。 「泉、買ってきたでー」 「あ、はーい」 先生がぶらぶらと提げた「BAKARA」のボトルを受け取って、頬にちょこんとあてる。 陽射しがちょいと暑めだから、ひんやりとしてて気持ちいいや。
408 :
(6/8) :2007/06/16(土) 13:14:33 ID:QkYSPNeY
先生は隣に座って、手にしていたデカブタCのフタを開けた。 「ホント、いい休日ですねぇ」 「そやろー? たまには外に出てのんびりってのも悪くないで」 「ネトゲもやりすぎると引きこもり状態ですしー」 「第一、最近の泉は授業中にも船こいでたりするからな」 「あう、気付いてましたか」 確かに、ここ最近は明け方までネトゲをして、そのまま学校へって日もあったから…… そのせいか、昨日はホントぐっすり眠れたよ。 「気付かないわけないやろ。もーちょいと、生活サイクルしっかりしとき。それでなくても、 お前は成績とかギリギリなんやから」 「あのー、今日は説教ナシだったんじゃ? なんかネトゲで説教されたのを思い出すよーな……」 「アホ」 「あう」 先生は苦笑いすると、私のオデコを人差し指でツンと突いた。 「教師と生徒ってのはナシって言ったやろ? 先生ってだけで注意したん思ったら、大間違いや」 そう言いながら、先生はデカブタCをぐいっとあおった。 「あん時も立場上って言うたけど、教師って立場だけじゃなくて"友達"って立場でもあるから心配 して言うたんやで」 「友達、ですか?」 「そ」 確かに、学校でもネトゲでも、たまのお出かけでも先生は友達って感じではあるけど、 面と向かって先生からその言葉を聞くとは。 「泉は、暴走したらそのまま突っ走ってまうからなー。五月病言うて休んだり、高良をちょいと 困らせて怒らせたりとか」 「あうあうあう」 た、確かに、言われると思いっきり心当たりががががが…… 「確かに柊がストップ役にはなっとるけど、いつもウチのクラスにいるって訳でもないし。 他にお前を止められるのは、ウチぐらいなもんやろ」 そう言いながら、先生はボトルを弄びながら笑って、 「あー、なんかガラでもないこと言った! 今のナシ。今のナシ!」 顔をどんどん真っ赤にしていった。 「ちょ、ナシにしなくてもいいじゃないですかー!」 「自分で言うてて恥ずくなったわ。あー、今から忘れさせっからぶん殴ってもいい?」 「いやいや、先生、そろそろ試合再開ですからっ!」 「ちっ、帰り覚えてろよー」 先生はボソッと言うと、選手が散っていったグラウンドに向き直った。 でも、心配しなくてもいいですよ先生。 殴られても、ずっと私も思ってる自信がありますから。
409 :
(7/8) :2007/06/16(土) 13:15:14 ID:QkYSPNeY
実際、先生のことは先生ってよりも友達とか、おねーさんみたいな感じだと思ってたし。 ゲームとかだけじゃなく、プライベートでも……なんてゆーのかな、タマシイが響きあう っていう感じかな。 じゃなかったら、私も先生に海へ行くとき誘わなかっただろうし、殴るのもスキンシップ とは全然思わないだろうし。それに、貴重な休日も使うことはない。 「よしよしっ! 南いい肩やでー!」 そーゆー風にニコニコ笑ってる先生も、 「くぉら秦! ウチのチームの若いのにぶつけて潰すな!」 そーゆー風にドカンと怒る先生も。 「あー、折角の満塁がー……残塁グランドスラムにー……」 そーゆー風にちょっと落ち込んだりする先生も、 「内くん、ナイス三振! コバマサの後継者は君やー!」 そーゆー風に楽しむ姿を見せる先生も。 知ってました? ななこ先生。 みんな、先生のそーゆーところがスキなんですよ。 まあ、私はもっともっとスキだけどね。 でも、先生がそういうのをナシにしたいんだったら、 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ! 同点ホームランくらったー!!!」 私も、言ってやんないよーだ。 * * * * * 「はうー、結局延長10回引き分けかー」 「まー気を落とさないでください。結構いい試合だったじゃないですか」 結局、試合は延長に入っても決着がつかないで6−6の引き分け。それでも、結構いい 試合だったんじゃないだろーか。 だけど、先生はすっかり疲れたように私に寄りかかってきていた。 「あそこでまさか失投するとはー……内くん、コバマサの劇場っぷりまで受け継がなくて いいんやでー……」 うーん、よくわからないけどなんか実感がこもった言葉だ。 「ほら、そろそろみんな撤収してますし、そろそろ帰りましょうよー」 「うー、このままじゃ収まらん! どっか飲みに繰り出すで!」 先生はいきなり立ち上がると、拳を握って突然燃え上がり始めた。
410 :
(8/8) :2007/06/16(土) 13:16:14 ID:QkYSPNeY
「けど、先生」 「うん?」 「今はまだ午後3時ちょい過ぎだし、私を連れて居酒屋とか入ったら、多分お店のほうで 引っかかっていろいろ面倒になるかとー」 「…………」 私がツッコミを入れると、その拳をだらんと下げて、 「……ファミレスにしとこか」 あははと、苦笑いしてみせた。 さすがに、コレで教師生活をフイにしたくないだろーしね。 「アニメイトも忘れないでくださいよ」 「わーっとるって」 そう言って、先生は私の手を取ってそっと立ち上がらせた。 「んじゃ、まだまだ時間もあるし、もーちょい付き合ってもらうでー」 うん、いつも通りってほどじゃないけど、ちょっとは元に戻ったかな。 でも、私なりに先生を元気づけるなら…… 「お付き合いしますよ、"ななこせんせー"」 「おー。……って、ちょ、なにいきなり名前で呼んどんねん!」 こんなイタズラ心も、たまにはいいかなーとか思ったりして。 「いやほら、"友達"だってさっき言ってましたし。たまにはいいじゃないですか」 「お前、それは不意打ちってもんで……あー、まあええわ。 それじゃウチも……"こなた"、行くでー」 「はーいっ」 気の合う友達と過ごす、またーりとした日曜日。 まだまだいっぱい時間もあるし、ななこ先生と一緒に楽しみ尽くしますよー! 完
というわけで「私だけの"せんせー"」をお送りしました。 原作を見てると、二人のやりとりって先生っていうより友達っていう感じがしたので、 休日という設定を使って二人のそんなやりとりを書いてみたくなりました。 それで、黒井先生といえばあの球団の観戦と相成った訳です。 ちなみに、現実のロッテ浦和球場もこんな感じです。 チーム成績や選手の状況も現実を参考にさせていただきました。7レス目のオチも…… というわけで、休日の一場面をお楽しみ頂ければ幸いです。
雰囲気あるなぁ……GJ!
ハマファンの俺大爆笑。 堤内の名前なんて久々に見たぜ…。それにしてZGSまで知っているとは、作者はコアな野球ファンだな。 野球話はさて置き、照れる先生も年上に対するこなたも新鮮で良いですね。 キャラ像も原作からブレてないんで映像が勝手に浮かんできて良い感じ。 GJ!
以前にも様々なネタがありましたが、作者さんの各ネタのリアル度(料理関係とか)には頭が下がります 野球関係はよくわからないのですが、413氏のコメントから見ても再現度はかなり高いのでしょうねー 毎度ながらGJ!!(^^
GJです! このご時世にくだけたスキンシップを取り合える2人が羨ましい限り。 内面をつい見せすぎて照れるななこ先生が可愛かったです。
GJ! 生の野球観戦はいいですよ。テレビとは全然違う。 ひよりに是非ネタにしてもらいたい
読んでてほっこりさせていただきましたー。頬が勝手に緩むってのは今みたいな感じなんですねw そんな感想を集約するならやっぱりこれ。 GJ!!
黒井先生と同じ鴎党だが、今日の大劇場の傷を癒しに来た …ちょっと泣いていい?
>>411 貴方の引き出しは何段あるんだー!?
いやもう。こなた可愛いし料理の描写は上手いし美味そうだし、脱帽しっぱなしです。
そして。
>私も、言ってやんないよーだ。
……この台詞から、勝手にこな×なな分を抽出して盛り上がっている俺はもう駄目なようです(自爆
421 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/16(土) 19:54:16 ID:Mu/YHsGz
ゆたかがレイプされまくったあげくバラバラにされて殺されて みなみが復讐に走り、相手を全員惨殺するも最後には捕まって でもその際ゆいには「ありがとう」と言われる鬱話キボン と言ってるやつが角煮にいた。
>>421 既出だ。
ついでに言うと書こうかとも思っているが予定は未定
>>421 なんか似たような話があったような気がするんだが…
>>424 バッター243、打ったー! ぽとりとレフト正面に落ちて、タイムリーツーベース!
いやもう。こなたの私服が可愛いし、先生めっさ楽しそうだし。技ありの一枚、ごちそうさまでした。
ぴの?<レフト前2ベース
428 :
418鴎 :2007/06/16(土) 22:46:48 ID:cZEneSY5
>>419 ありがとう…
>>424 ウチの応援でメガホンを使うことは無いんだが、先生なら普通に持ってそうだ
サウスポーと思わせといて実は右投げなとこがまたいい
感想ありがとですー( ´∀`)
>>428 > メガホン&サウスポー
ぐはっ!野球知らなさっぷりが露見したーorz
メガホンを消すのはすぐなので対応予定ー
左利きなのは完全に忘れてたw
>>424 お疲れさまです。こなたの「この人凄いや(呆れるように)」という顔が実にいいですw
ななこ先生のユニ姿もいいですねー。
>>418 ソノママイザカヤニチョッコウシテノンダクレテキタヨ アハハorz
短編3レス投下します。 非エロ。こなた×かがみの非エロです。 土台は原作1〜4巻。独自設定が入っているかもしれません。 季節外れのクリスマスものです。
ベッドに寝転んだままでかがみは時計を見た。午後九時を過ぎ、峰岸は恋人と一緒に 楽しく過ごしていると思うと溜息が漏れた。 去年と同じ、家族全員そろってのクリスマスだった。何度、携帯を見てもこなたからの着信は無 い。小説を読んでいても内容が頭に入ってこないで、暖房の音だけが部屋に響いていた。 こなたはバイトなのだから仕方がない、こなたがかがみに付き合う理由は無いとわかっている。 けど一人でいるという事実が、寂しさになってかがみのなかで渦巻き、部屋の中の空気は重い。 重い空気を打ち消すように部屋に渦巻く携帯の着信音が鳴り響く、ベッドから飛び起きた。 携帯を手に取り、着信画面を見ると、こなたからだ。反射的に通話ボタンを押していた。 「メリークリスマス、ねぇかがみ、何してるの?」 かがみの気持ちなど全くわかっていない、のんびりとした声だった。渦巻いていた寂しさが怒り が変わって、きつい言葉になる。 「……何の用?」 「もしかしてかがみ、寂しかったの?」 何も言えなくなり、黙り込んでしまった。否定したいけど、寂しかった事実なのだから仕方がない。 「かがみはかわいいねえ」 「うっ、うるさいわね」 完全にこなたの手のひらの上で踊らされているけど、電話をくれたことが嬉しかった。電話越しに こなたの得意げな笑い声が聞こえた。 「かがみ、これから出てこれる?」 「大丈夫だけど、……何?」 「秘密、駅前のツリーの前で待ってて」 そう言い残してこなたは電話を切った。コートを羽織り出かける準備をしながらながら、自然と頬が緩む のをかがみは感じていた。
駅前は電飾を施されたクリスマスツリーが立って、クリスマスソングが響いている。周りは待ち 合わせをする幸せそうな恋人たちがいた。 駅前に流れるクリスマスソングを聞きながら、今までにないくらい浮かれている。手元にある紙 袋を見つめていた。路上でアクセサリーを売っていたお兄さんから買った守護石を使ったストラッ プだ。 こなたも携帯をもつようになったからストラップぐらいなら付けるだろう。こなたが喜んでくれたら いいなと思う。 お兄さんは恋愛のお守りだと言っていたけど、お守りで恋愛が上手くいったら苦労はしないだろう。 けど効果があって欲しいとも思っていた。 大勢の人の中から、青い髪のちっこい影を見つけると、人を掻き分けて駆け寄っていた。こなた はいつもと同じつかみどころのない笑みを浮かべ、のんびりとした口調で話し掛けてきた。 「かがみ来たんだ?」 「来いって言うからよ。何の用?」 浮かれているのを悟られないように答えた。のんびりとした様子でこなたは綺麗にラッピングさ れた袋を取り出した。 「クリスマスプレゼント。かがみとつかさに。リボンだよ」 高ぶっていた気持ちが急速にしぼんでいくのをかがみは感じていた。こなたは二人のプレゼント を買ってきただけなのだ。一人で盛り上がって浮かれていた自分が馬鹿みたいに思えてきた。 「どうしたの? 嬉しくない?」 「……別に」 浮かれた自分が恥ずかしくなってそっけなく答えると、黙り込む。こなたは含みのある 意味深な笑みを浮かべて顔を寄せてきた。 「はいかがみ」 箱を手渡したこなたの顔と箱を交互に見た後で、袋を開ける。何の装飾もないシンプルなリングだった。 「かがみにプレゼント。安物だけど、かがみに似合うと思って」 顔が真っ赤になっていくのを感じた。こなたの顔を正視することが出来ず、 目を反らしストラップの入った袋を突き出した。 「……これストラップ。携帯持つようになったんだから」 「ありがと、かがみ」 横目で盗み見ると、初回特典を手に入れたときのように、こなたは目を輝かせてストラップを見つめている。
こなたは甘える猫みたいにかがみに擦り寄ってきて来て耳に近づけてくる。 耳に息が当たるような至近距離でこなたが囁く。 「ねえかがみ、私のこと好き?」 「……好きだよこなた」 答えたかがみの声は震えていた。 「好きだよ。かがみ」 頭の中が真っ白になり、何か言おうとしたが言葉にならない。 「照れてるの? かわいいねえ」 茶化すこなたに、何も言えなくなり俯いたままで聞いた。 「このために呼び出したの?」 「クリスマスだし、やっぱりギャルゲーの王道じゃない?」 「あんたねえ」 わかってはいたけど、オタクそのものの、こなたの思考に呆れていると、こなたが抱きついてきた。 「……ちょっと」 「いいじゃん、かがみ」 恋人同士になれた嬉しさと、照れくささから何も言えなくなってしまう。 「本当にかがみはかわいいねえ」 こなたの声に重なるようにクリスマスソングが聞こえる。背中にかがみの温もりを感じながらこなたの青い髪を撫でていた。 猫のような笑顔のこなたを見てると、かがみの胸に暖かいものが広がっていった。
( ;∀;) イイハナシダナー
すごく・・・暖かいです・・・ GJ
以上です。ありがとうございました。 パロディを書いたのは初めてですので拙い所もありますが、 楽しんでいただけましたら、幸いです。
王道とは王の通る道で、つまりそれが一番正しい道なのだとどこぞの赤い人が仰っておりました。 まぁ、何が言いたいかというとGJ!
>>431 実に王道ですなー。
こなたも好きな子から自分だけのものを貰えて嬉しいだろうし、
かがみも好きな子から自分だけのものを貰えて嬉しいだろうし。
ほんわかしたSSで実にGJでした。
短編を投下させていただきます。 短い時間で仕上げたのでアラが目立つかもしれませんが、ご容赦ください。
442 :
体温 :2007/06/16(土) 23:42:36 ID:aZJP3Kzd
高良みゆきは憂鬱だった。 いつもとなんら変わりない放課後、午後三時半ごろのことで、天気こそ今朝の予報 どおりからっと晴れていて清清しいくらいではあったのだが、それとは相反して 彼女はブルーを通り越してそろそろ紺色にさしかかってしまうのではないかと いうくらいに憂鬱だった。 「はあ……」 とぼとぼと道路脇歩行者通路を歩いていても、小さいため息ばかりが出てしまう。 それは学友の柊姉妹や泉こなたからはあらゆる才能の権化と言われることすらあり、 事実方々でエキセントリックな活躍をしている彼女にも勿論苦手なものがあるから であって、今日はこれからそれと真正面から対峙しなければならなかったからだ。 ボカして言うにはあまりに小規模な問題なのでもうバラしてしまうが、彼女は 歯医者が大の苦手である。しかし『小規模な』、というのは周りの身勝手な主観から おける意見であって、彼女にとってはここ最近見なかった死活問題であった。 もはや苦手を通り越して畏怖の対象である。悪魔の化身である。魔王である。 大げさだとは思うが彼女にとってはまさにそうなので納得していただきたい。 虫歯は痛い。これはもう、ここまで放っておいた自分が悪いのだから仕方がない。 しかし、歯医者にも行きたくない。 あの独特の空気、薬品のにおい、そして治療にあたって必然的に聞くことになるドリルの音。 それらすべてが苦手であったし、待合室でかかるイージーリスニングのCDも『これから あなたに起こることは決して痛くないですよー』という見え見えの嘘八百を並べ立てているようで、 余計にみゆきを不安にさせるのだった。 「うう……」 病院の自動ドアの前に立ってすでに十分。 「どうしましょう……」 そんなことを言って右往左往するのだが、そろそろ入らないと周りの視線も痛い。 それにここで帰ったら、またあのおっとりした母親が出張歯科医にもしもしコールを掛けかねない。 でも、でも…… 「ううー……」 「あれ、ゆきちゃんどしたの?」 「ひゃうう!?」
443 :
体温 :2007/06/16(土) 23:43:22 ID:aZJP3Kzd
「きゃあ!?」 驚いたのは二人ほぼ同時だった。 普段ほとんど出さない悲鳴をあげて振り向くと、よく見知ったちんまいクラスメイトがいた。 柊つかさだった。頭をおさえてぷるぷる縮こまっていた。 「つかささん……すみません、おどろいたもので」 「う、うん。私もごめん……あー、びっくりした」 どうやら本当にびっくりしたようで少し涙目である。 ヘタをすると小学生にも間違われそうな幼い顔と慎重が愛らしい。 なんとか深呼吸で落ち着いて、つかさは胸を押さえながら言った。 「ふう……びっくり、だったよ」 「す、すみません……」 「い、いいっていいって。ところで私、歯医者さんに来たんだけど。ゆきちゃんも?」 「ええ。……その、怖くて入れなくて……」 「ゆきちゃん、本当に苦手なんだね」 私もだけど、と頬をぽりぽり。そういえば今日は朝から頬をおさえていた気がする。 「……」 これは天の助けかもしれない。 うん、とみゆきは力強くうなづいた。 恥ずかしいけどこの際仕方がない。緊急事態だ。 「つかささん、ちょっと」 「え?わわ」 つかさの腕に、自分の腕をからませた。思いっきり。 「すみませんが、ちょっとその、怖いので。できればご一緒に……」 「う、うん。ゆきちゃん、ホントに歯医者さん苦手なんだね」 あまりに子供っぽいとは自分でも思ったけど、やっぱり苦手なものは苦手。 つかさの体にぴったりくっついて、おっかなびっくり、綺麗なガラス張りの自動ドアをくぐった。
444 :
体温 :2007/06/16(土) 23:44:10 ID:aZJP3Kzd
海の静かな静かな波の音は、心を落ち着けてくれる。 遠くからカモメの鳴き声が聞こえる。船の蒸気の音がする。 何かが跳ねた。イルカだろうか。海は静かな、素晴らしい音楽で楽しませてくれる。 ただし、それが待合室のCDプレイヤーからかかっているものでなければ。 「ううう……」 「ゆきちゃん、だいじょぶ……?」 正直に言うとあまり大丈夫ではない。 つかさの腕に必死にしがみついて、体を縮こませて、みゆきは声を震わせた。 「ゆきちゃん」 「はあ……大丈夫、です……」 なんとか笑みを作って顔を上げた。 受付をすませてから、みゆきはずっとつかさに体を預けていた。 実はこの間の診察で、どうやら自分の歯があまり芳しい状態でないことが発覚し、 今日はドリルで削ることになっていたのだ。 小学生のころ、一度だけ体験したあの痛み。 思い出しただけで…… つかさの腕にしがみついていなければ、とっくに逃げ出していたかもしれない。 その温かさは、少しだけではあったけどみゆきを安心させてくれた。 「ゆきちゃん」 「ええ、ええ。大丈夫、です」 なんとか笑みをつくった。ずり落ちた眼鏡をなんとか直した。 あいかわらず独特の圧迫感がある空気、薬の匂いがする空間。 CDの音楽は次のトラックに移って、風の音に馬が駆ける脚音が流れていた。 気を紛らすように、絡めた腕に力をこめた。 少しずつ、少しずつ不安が消えていくような気がする。 小さく息を吸い込んで――
GJです。 背中にかがみの温もりを感じながらこなたの青い髪を撫でていた。 最後のここなのですが 人物対象がちがう気がするのですが もし自分の勘違いでしたらすみません。
446 :
体温 :2007/06/16(土) 23:44:54 ID:aZJP3Kzd
「高良さん、高良みゆきさーん」 「はう!」 受付のお姉さんの軽い声に全身で反応する。 それに驚いたのか、つかさも『びくっ』と体をふるわせた。 「ゆ、ゆきちゃん。ほら、呼ばれたよ」 「あの、その、でも」 つかさがそっと腕をほどこうとする。それを追いかけてしまう。 腕を放すと、さっきまでの大きな不安が一度に押し寄せてきて、また 泣きそうになってしまった。 「だいじょぶだから。ほら、待ってるよ。看護婦さん」 「……はい」 「大丈夫ですよ。怖くないですから」 にこやかに言う看護婦さんの言葉がどこまで本当なのか心配だった。 ぎこちない動きでゆっくり立ち上がって、大きく深呼吸した。 「ゆきちゃん、ファイト!」 「ふぁ、ふぁいと……」 診察室のドアを閉めるとき、つかさの何かを考えているような顔が見えた。 中に入ると、もうすっかり顔なじみのお医者さんがにこやかに手を振った。 「こんにちは、高良さん」 「こ、こんにちは」 「あはは、そんなに固くなることないよー。思ってるより痛くないから」 そうは言うが、やっぱり怖いものは怖い。 さばさばした気のいい若い女の先生で、みゆきも好感を抱いてはいたのだが、こういう ときにはやっぱり無意識に警戒してしまう。 「じゃ、椅子にかけて、口ゆすいでください。まずこないだ入れた詰め物取るからね」 体をがちがちにこわばらせて椅子にかける。すぐに治療が始まった。 緊張させないようにだろうか。診察室の中でもやはりあのCDがかかっていて、 それが逆にみゆきを不安にさせる。 先生の軽いトークで少し落ち着いたが、もうすぐドリルで歯を削られるのが わかっているから気が気じゃなかった。
447 :
体温 :2007/06/16(土) 23:45:47 ID:aZJP3Kzd
「それじゃ、削りますね」 「えぅ!」 「あ、こぉら。口閉じないの」 「えぅぅ〜」 「んー。困ったわね……」 先生が本当に困った顔で頭をぽりぽり掻いた。 患者の意思を尊重しないで、ムリヤリ治療するというスタンスはとらない。 いい先生であるのには間違いなかったが……。 みゆきは気付いていなかったが、彼女はもう、少しだけ泣いていた。 子供っぽいとか高校生にもなってとか言われてもいい。 とにかく、削られるのがイヤだった。 「えふ、えふ……えぅ」 恥ずかしい。申し訳ない。少しだけ顔を赤くして、ぽろりと涙がこぼれた。 んー、と先生が唸っていると、どこかのドアががちゃりと開いた音がした。 「あら。あなた、高良さんのつきそい?」 「はい、あの。すみません、仕事中に。ゆきちゃんが怖がってるんじゃないかと思って……」 ……つかささん? 「あの、ちょっとだけ、いいですか?」 「んー……まあ、いっか」 先生が軽い調子でOKを出した。 つかささん、診察中に何を…… わ、わ、わ、恥ずかしい。こんな顔、見られたら。 そう思った矢先、みゆきの横につかさがひょっこり顔を出した。 「あふ、つ、つかささん……」 「えへへ。来ちゃった。ゆきちゃん、すっごく怖がってたからね、応援」 応援? 思った瞬間、みゆきの左手がぎゅっと握り締められた。 「あ……」 「ごめんね。これくらいしかできないんだけど」 「……」
448 :
体温 :2007/06/16(土) 23:46:28 ID:aZJP3Kzd
温かい。つかさの指。つかさの体温。 さっきのように腕をからませていたのとは違う。 てのひらとてのひらを直接重ねると、じんわりと体中が温かくなる気がする。 なんだか、ひどく安心した。 「……」 「……だいじょぶ?ゆきちゃん」 「はい」 恐怖がうすれていく。 がちがちだった体がほぐれていく感覚。 「先生。あの、お恥ずかしいのですが、このまま治療していただけますか」 「へ?」 「このままなら、私、大丈夫みたいです」 「ゆきちゃん」 つかさが少しだけ驚いた顔をしていた。今、すごく恥ずかしいことを言った気がする。 ちら、とつかさの顔を見ると少し赤くなっていた。多分、自分も同じような顔をしていると思う。 でも、本当のことだ。今この手を離されたら、きっとまた怖くなってしまう。 重なったてのひらに、ぎゅっと力をこめた。 「んー。……やったことないけど、まあいいか。それじゃあ、えーと。柊さん。悪いけど、高良さんの 手、握っててあげてくれる?」 「あ、はい!」 つかさが微妙に甲高い声で返事をした。 ちゅいーん、というドリルの音。怖かったけど、さっきほどじゃなかった。 がりがり、っていう自分の歯を削られる音も、その痛みも、左手の温かさに身をゆだねていると、 本当にそんなに痛くない気がした。 それでも何回か体を震わせて、つかさの手を思い切り握り締めてしまったのだけど。 最後に奥歯にまた詰め物をして、治療は終わった。
449 :
体温 :2007/06/16(土) 23:47:33 ID:aZJP3Kzd
「……はい、それじゃあ、二人ともおしまい」 「ありがとうございました……」 「ありがとう、ございました」 「どういたしまして。それにしても、仲良しさんなのね、あなたたち」 先生が器具を洗いながら笑った。 妙に気恥ずかしくなって、急いで病院から出た。 「……」 「……」 「あの。ごめんなさい、私のために」 「い、いいっていいって。あれくらいしかできないもん、私」 なんだか妙に気まずい。 すっごく恥ずかしいことをしてしまった、という意識が頭をぐるぐると渦巻いていた。 「あ、その、それじゃ私帰るね!」 つかさが落ち着かない様子で手をばたばたした。 「はい。それじゃ、あの。また、明日」 「うん、また明日!ばいばい!」 顔を真っ赤にして走っていってしまった。 その背中を、みゆきは見えなくなるまでじっと見詰めていた。 左手を見た。もうつかさの体温は感じられなかったけど、なんだか胸があったかかった。 「……」 今度から。 「今度から、一緒に来てもらいましょうか」 ぽつりとつぶやいた。半分本気で、半分冗談のつもりで。 すっごく恥ずかしかったけど、でももし、治療の度につかさに手を握ってもらえたら。 そして、つかさが怖がっているときに自分がその手を握ってあげられたら。 「手を、握れば」 手を握れば、どんなに怖いものもきっと怖くなくなる。そう思った。 おわり
ありがとうございました。
おつであります
やってしまったorz
>>441 さん
本当にすみません
454 :
431 :2007/06/16(土) 23:54:00 ID:+1KNJt+Y
>>445 僕のミスです。
ご指摘ありがとうございます。
うふぁぁ……甘い!甘いっ!!虫歯になりそうだぁぁぁw 目の付け所がまたいいですな!GJっす! ……しかしそうなると、歯医者仲間のつかみゆは「戦友」?w
ひより×ゆたかの非エロ投下します。
夜中に部屋で一人書きつづった文章というのは、朝になって読み返すと顔から火が出るほど恥ずかしいということがよくある。手紙にしろ何にしろ。文章とも限らないかもしれない。 とかく、夜というのは人の心を惑わせる。 「な……なんじゃこりゃあー!?」 軽やかな小鳥の声がどこからともなく響き、清々しい空気が染み渡る朝、ひよりは松田優作ばりの叫びを上げた。 昨夜は久々に脳内麻薬ビンビンで、通常の三倍の速度で原稿執筆が進んだ。が、あまりにナチュラルハイだったためか、どういう内容を描いていたのか、大半の記憶が抜け落ちている。 記憶がなくても、出来上がった原稿は今手元にあるから問題は無いのだが。 「大ありっスよ!」 ひよりは原稿を震える手で持ちながら再度叫ぶ。 「なんなんスかこのあり得ないカップリングは!?」 どうやらカップリングに難ありらしい。どんな内容かちょっと覗いてみよう。 + + + 茜色の光がじんわりと差し込んでいる、放課後の教室。グラウンドに練習を終えた運動部員の姿がちらほらと見られるぐらいで、校舎に人気は無い。 じきに下校時刻を告げるチャイムが鳴る。夕暮れ特有のアンニョイな空気が漂う中、小早川ゆたかは微妙に困惑した表情で立っていた。 「あの……大事な話って、何かな?」 問われて、窓の傍、夕日を背にして立つ生徒――田村ひよりは、ゆっくりとゆたかに向かって歩を進める。 眼鏡の下の表情は真剣そのものだ。ゆたかが気押されたように身を引きかけると、ひよりはその肩を掴んで止めた。 「小早川さん……いきなりこんなこと言って、怒るかもしれない。岩崎さんにも、悪いと思ってる」 いつものひよりらしからぬ切迫した声音は、抜き身の刃を突きつけられたような錯覚すらゆたかに感じさせた。 「田村さん……?」 「小早川さん……あなたが、好き」 その言葉と同時に、ひよりはゆたかの体を引き寄せ、抱きしめた。小さな体は力を込めれば壊れそうに華奢で、それでいて柔らかくしなやかな感触がした。 「! あっ、あのっ……」 有無を言わさず拒否されるかもしれないと、ひよりはそう覚悟もしていた。だがゆたかは拒否するよりもまず、驚き、戸惑っていた。ひよりに抱きしめられながら、本気で困っている。 まだ何も知らない少女のようにあどけなく、うぶな反応。こんな純心さが、ひよりには何よりも愛しい。 ひよりは本気だった。本気でゆたかに告白して、今、本気でゆたかを抱きしめている。 「た、田村さん……っ!」 ようやく事態の緊急性が飲み込めてきたのだろう。顔を真っ赤にしたゆたかは微かに震える体をよじり、逃れようとする。ひよりはすんなり腕を緩め、解放した。 「あの……田村さん、私は……――っ!?」 言葉を継ごうとしていたゆたかの唇を、ひよりのそれが塞いでいた。 強引で、卑怯でもあった。後悔も、するかもしれない。 だけど我慢は出来なかった。無理矢理に唇を重ねたまま、ひよりはもう一度ゆたかの肩を引き寄せた――
「何で小早川さんと私なんだよ何で小早川さんと私なんだよ!?」 何で二回言うんだよ何で二回言うんだよ。 「ここは岩崎さん入れてみな×ゆたで決まりでしょうが! 夕焼けに映える放課後の教室! 雰囲気満点なロケーション! それが何で――……馬鹿か私はーっ!」 朝からテンション高く絶叫するひよりだが、防音は割としっかりしてあるので近所迷惑にはならない、はず。家族は迷惑だろうが、末っ子の奇行にはある程度理解があるというか、慣れている。 ゆたかやみなみに限らず、身近な人間をモデル(あくまでモデル)に漫画のネタを作るのは今まで何度もやってきた。 しかしガチ百合で自分×ゆたかのカップリングというのはもう、想定の範囲外もいいところだ。素面では絶対に描けない。 それを描いてしまった。悪魔の囁きとでも言うべきか、無意識だったとはいえ、己のペンで己とゆたかの情事を。恥ずかしさで言えば中学時代に設定だけ作ったファンタジー(黒歴史)に匹敵する。 「しかも手前味噌だけどクオリティ高ぇーっ!」 デッサンなどの基本的な所から、表情の描き分け、コマ割、全体の構成なども今まで描いてきた自作品の中でトップクラスと自負していい出来映えだ。ビバ脳内麻薬。凄いぞひよりん。 「褒められても嬉しくないっス! こんなの人に見せられないしーっ!」 喚きながら頭を抱え、ひよりはベッドに突っ伏し、枕に顔を埋めた。 神:人がせっかく褒めてるのにその言い草は何ですか。 ひ:あっ、妙だと思ってたら神様だったんスか。 神:神様だったんスよ。それにしてもさっきから何を騒いでいるのです。 ひ:だって……さすがにこんな、自分を主人公にした百合漫画を人目にさらすわけには……。 神:私小説と似たようなものではないですか。 ひ:いや、そういう問題じゃないっス……ああ、何で私はこんなの描いちゃったんだろ。 神:それはあなたが描きたいと思ったからです。 ひ:へ? ……いやいやいや。確かに描いたのは私っスけど、昨日は何か憑いてたみたいな状態だったから、ほとんど無意識で―― 神:つまり無意識下に、あなたはこういう願望を抱いていたのですよ。表面に現れたのが、その漫画です。 ひ:……そ、それってつまり、私が……無意識に小早川さんを……? 神:そういうことですかね。ところでいいんですか? ひ:え? 何がっスか? 神:時間。 「あ゛ーっ!?」 時計を見ると、普段ならとっくに朝の準備を済ませている時間だった。だというのにひよりは寝間着のまま、着替えも洗顔も歯磨きも朝食も何も済ませていない。 こんな時にこそ通常の三倍で動けるといいのだが、世の中はそう都合よく出来てはいなかった。
「セーフっ!」 どうにか始業ベル前に教室に飛び込んだひより。肩で息をしながら自分の席へ歩いていく。 「おはよう」 「あ、岩崎さんおはよー」 いつも通りにみなみと挨拶を交わす。続いて―― 「田村さん、おはよう」 「!!」 過剰に反応して、ひよりはうっかり椅子からずり落ちそうになる。 「あれ? どうかしたの?」 「い、いや、何でも無いから……おはよう小早川さん……」 ひよりは視線を明後日の方向へ向けながら、ゆたかに挨拶した。 怪訝な顔をする二人に、ひよりは平静を装おうとする。しかし内面では滅茶苦茶に焦っていた。 (うあああ、何か小早川さんの顔が真っ直ぐ見られないーっ!) ゆたかの顔を見ると、あの漫画の内容がフラッシュバックして、どうにもこうにも居たたまれない気持ちになってしまう。 「田村さん、どうしたの?」 「っ!」 俯かせていた顔をゆたかに覗き込まれ、心臓が止まりそうになる。何か言おうとするが、口をパクパクするだけで言葉が出てこない。 「もしかして体調がよくないとか……」 保険委員でもあるみなみが心配そうに声を掛ける。 「えっ、そうなの?」 「い、いやそんなことは――」 「ちょっとごめんね」 「へ……?」 ゆたかはひよりのおでこに手の平を当てた。熱を計る、それだけのありきたりな行為なのだが、ひよりの顔はたちまち紅潮していく。 「ちょっと熱があるみたい」 「いやいや、それはほら、さっきまで遅刻しないよう走ってきたから、それでだよ! うん!」 「でも――」 念のため保健室に……と言いかけたゆたかだが、ひよりは大丈夫だと言い張る。折良く、チャイムが鳴った。 「それじゃあ、無理しないようにね」 「うん、ありがと……」 席に座り、ひよりはどっとため息をついた。 (確かにそっち系の漫画は描くし、読みもするけどさぁ……リアルでそういう趣味は無かったはずだよね、私……?) 頭の中を思考が渦巻く。 確かにゆたかは可愛らしい。容姿も性格も魅力的と言っていい。だがひよりはあくまで友達として見てきた。そのはずだ。 それがどうして、ゆたかの顔を見るだけで体が熱くなり、ひたすら狼狽してしまうという、絵に描いたような状態になっているのか。 本当にあの漫画の内容は、自分が無意識に願望として抱いていたものなのだろうか。 (あ〜……分かんないよぅ……) 自分の気持ちが自分で分からず、ひよりは頭を抱える。悩んでいた。ひたすら悩んでいた。 悩んでいたが、頭の片隅には、一つのプラス思考が働いていた。 即ち、この葛藤も漫画のネタに出来るのでは、と。 何はともあれ、この先しばらくの間、ひよりは自分が散々漫画のネタにしてきた世界と向き合い、悩むことになりそうだった。 おわり
読んで下さった方、ありがとうございました。
また神wwwwww ひよりのうろたえ具合が最高にいいww >恥ずかしさで言えば中学時代に設定だけ作ったファンタジー(黒歴史)に匹敵する。 あるあるwwwwww このスレだけでも10人はいるはずwww
>>460 乙です。ついにミイラ取りがミイラに……
しかし、それでもミイラ取り(ネタ使い)を続けようとするのはさすがひよりw
>恥ずかしさで言えば中学時代に設定だけ作ったファンタジー(黒歴史)に匹敵する。
よし、誰か介錯してくれ!
うろたえ具合がかわええ〜 神様との掛け合いもナイス ってか、夜中に書いたものってどうしてあそこまで暴走するのか…… >恥ずかしさで言えば中学時代に設定だけ作ったファンタジー(黒歴史)に匹敵する。 ……ふふふ、何も、何も言わないでいてくれ そうやって物を書くたびに黒歴史を量産していくのさ……
GJ!GJ! >恥ずかしさで言えば中学時代に設定だけ作ったファンタジー(黒歴史)に匹敵する。 今でも量産してる俺には適わないだろう!
>>464 お前は俺か
ともかく1-808氏GJ!
GJ! >恥ずかしさで言えば中学時代に設定だけ作ったファンタジー(黒歴史)に匹敵する。 すごく…共感です。 やっぱりみんな同じ道を通ってきたのか…。
GJ! 細かい仕込みギャグがまたいいですな。 ……一点だけよかですか? アンニョイ→アンニュイですだ。
>>467 御指摘ありがとうございます。
それにしても黒歴史に反応する人が多いですね。
やはり誰もが通ってきた道なのでしょうか……もちろん自分も例外じゃないっスよ。
>>468 ぶっちゃけ、今自分が描いてるのも将来見たら黒歴史なんだろうなー、とか思うこともあるわけですよ、ええ。orz
でも後悔はしていない。
>>469 上に同じく。
でも、黒歴史を恐れていちゃ前に進む事もできない。
創作とは黒歴史の重圧に耐えることなり……
で、今、黒歴史の校正中……もうちっとで完成
黒歴史多すぎ吹いたwww 俺もだが。 さて、俺もこのスレに投下する黒歴史作りますか…
黒歴史デキタヨ〜 ☆投下量3+1レス。ってか、長いの書けない。 ☆エロなし。ただし京アニでアニメ化予定の某ギャルゲーのちょいネタばれあり では、いきます
おかしい、どーもおかしい。 キーとなる選択肢は間違ってはいなかったし、他に間違ったところもなかったはずだ。 ギャルゲーをやるときに最初から攻略サイトを見るって人もいるけれど、 私はとりあえずは自分のセンスで選択肢を選んでプレイする事にしている。 何も前情報なしでやったほうが、なんていうかこうドキドキするし、 自分だったらどういった行動をとるか考えながらプレイするのはなかなか楽しい。でも…… 「む〜、このエンディングはちょっとないよな〜」 一通りのシナリオをクリアしたと思ったら出てきた「AFTER STORY」 今、それを進めているのだけれど、どうしてもトゥルーエンドにたどり着けない。 せっかく京アニでアニメ化されるっていうから、お父さんから借りてきただけなのに…… 「しかも、このバットエンド、重いし……」 いや、泣きゲーで有名な鍵だから分かってたんだけれどね。 自分の命と引き換えに子供を産んだヒロイン、でも、主人公はそのショックで育児放棄してしまう。 すれ違う親子。でもそれはとあるきっかけで修復されて、少しづつ本当の親子に近づいてゆく。 でも、その矢先の悲劇。母親と同じ、原因が分からない病に子供も侵されて、そして…… 「あ〜、最初に戻っちゃったか」 まだ選んでない選択肢も多くあるし、昔のに比べれば大分簡単なんだろうけれど、 でも、失敗するごとにこのエンディングは、私にとってちょっと重過ぎる。 「お母さん……か……」 ゲームを放り出してベッドに寝そべる。 私にもお母さんがいない。 私が見た事のあるお母さんは、写真の中のお母さんだけ。 ゲームに出てくる女の子と一緒、ただ、私のほうはお父さんがしっかりしてたから助かったけれど。 私のお母さんって、どんな人だったんだろう?
夢。夢を見ている……って、あれ?これって何の書き出しだっけ? まあいいや。 やわらかい、暖かいものに包まれている感触。 やさしい、子守唄。 ぼやける視界、まだ、よく開かない目。 「どうだい、かなた、身体の調子は。起きていて大丈夫かい?」 「あ、そうくん。今日はなんだか身体の具合がいいみたい。ほら、こなた。お父さんですよ」 ぼやけた視界の向こうで何かが私の顔を覗き込んでいる。 でも、どこかで嗅いだ気がする、優しい匂い。 「あ、見てそうくん。こなた、笑ってるよ」 「あ゛〜っ、なんてかわいいんだこなたは。お母さん似の美人になるんだぞ」 「ふふふ、変なゲーム好きはお父さんに似ないで欲しいけれど、お父さんみたいに元気な子に育ってくれるといいな」 そこにあったのは、幸せそうな家族。 続いたのは、ほんのちょっとの間だったけれど、ぎゅっと凝縮された幸せの塊。 その幸せに触れたくて、一生懸命、手を伸ばして……
「……っ!!」 ハッ、と目が覚める。 伸ばした手は空をむなしく切り、その向こうにジリリと蛍光灯が音を立てているだけ。 ベッドに寝転んでいるうち、気づかないうちに眠ってたみたい。 ポテン、とベッド手を下ろす。 きゅん、と心臓が締め付けられるような、そんな感触。 ん、ちょっとほっぺたが濡れている。やだな、私、そんなキャラじゃないのに。 もう一度、あのゲームを起動してみる。 ハッピーエンドのフラグは、もう一度二周目を初めのほうから繰り返したらいとも簡単に見つかった。 互いを信頼し合える、夫婦の話。最後の光の玉を集め終える。 ゲーム終盤、いままでゲームに出てきたキャラがもう一度出てくる。 かがみとつかさみたいな双子の姉妹、姉の方がツンデレで妹がおどおどしているところまでそっくりだ。 いままでクリアしてきたキャラ、いろいろな思い出が詰まっている人たち。 最後の方でトゥルーエンドへの分岐が始まる。 そして…… 「終わった……」 トゥルーエンドの、今までのエンディングとは違った歌が流れる。 いままでの荘厳な感じの歌とは違って、やわらかい、子守唄のような歌声。 いくつものバットエンドを越えて、やっとたどり着いた幸せの結末。幸せな家族。 エンディングとエピローグか終わり、最初の画面に戻る。 プログラムを閉じて、パソコンをシャットダウンすれば、幸せな夢も終わり。でも…… 「おとーさん」 私は部屋を飛び出していた。 居間でテレビを見ていたお父さんの背中に抱きつく。 「うわっ、い、いきなりどうしたんだ、こなた」 「ん、なんとなく……ね」 お父さんの大きな背中に顔をうずめる。 あの夢で嗅いだのと同じ、暖かくて、やさしい匂い。 大切な人を失った気持ち。それは本人にしか分からない。 でも、ゲームの中だけれども、ちょっとだけお父さんの気持ち、分かってあげる事ができたかな? ゲームのように繰り返せない、私たちの人生は一度だけ。 セーブとロードを何度も繰り返して、ハッピーエンドを目指すことなんてできない。 でも…… 「お父さん、ありがと」 私はお父さんと、生きてくよ。
小さな手にもいつの日か僕ら追い越してく強さ 濡れた頬にはどれだけの笑顔が映った
478 :
320 :2007/06/17(日) 02:16:26 ID:vsyI7rAm
以上
>>411 さんみたいな引き出しはないが、エロゲーの引き出しならあるぜ(自慢できない)
こなたがCLANNADやったらこんな感じになるのかな〜と思ってみました。
ってか、やると実家に帰って親孝行したくなるギャルゲーです。マジで
>セーブとロードを何度も繰り返して、ハッピーエンドを目指すことなんてできない。 >でも…… >「お父さん、ありがと」 >私はお父さんと、生きてくよ。 うわー、この4行でもう…… 原作ではゆたかもいるとはいえ、やっぱりずっと二人で生きてきただろうからなぁ。 いや、ほんとにGJでした。
小さな手でも離れても僕らこの道行くんだ。
>>478 GJ!!
積んでたクラナド崩してくるわ。
エロゲもギャルゲもやってない俺には、すべてが新鮮だという反面、 ネタがわからないゆえの細かい仕込みに気づけないという残念面もあってつまりその、GJ!
はっきり言ってSSデビューした頃のやつは恥ずかしくて読み返せない。
しかしこういうSSと「中学時代に設定だけ作ったファンタジー」はもはや
格が違う気がする。
あのエターナルフォースブリザード的な痛さは中学生じゃないと
出せないような。
>>478 乙。
いわゆるギャルゲーはやったことないけど
SSのタイトルにもなった主題歌はいい。
riyaが好きってのもあるけど。
CLANNADを思い出しただけで泣けてきた 俺もかがみ&つかさは杏&涼に似ていると思っていたんだよね アニメ放送の前にもう一度やってくるか…
かがみ/つかさの間で揺れるこなた ってのも見てみたいな
かなたが幽霊になって戻ってきて三人での暖かい生活を送るSSを誰か書いてくれないか? たった一度でいい・・・・たった一度でいいからそんなSS見てみたいんだ。
>>468 >>478 お二方ともGJ!
有名所のゲームくらいやるべきか……ネタが分からないと損した気分。
一スレ目に投下した時には纏めサイトなんてのができて黒歴史が保存されるとは思ってなかった……
クラナドはもう親子愛、家族愛をテーマにしてるから ギャルゲだと思ってやったら良い意味で死ねる
春原BADフラグ立てたところで俺のセーブデータ途切れてるからやり直すかな…… 乙です
490 :
1レスSS :2007/06/17(日) 12:20:16 ID:I6iDFMbm
結局、パソコンの中のエロゲは全部処分されちゃったよ……うう、全年齢版のゲームも どさくさ紛れにアンインストールされちゃってるし。まあ、今はそれはそれとして…… 『じーっ……』 どう、お母さんとコミュニケーションすればいいんだろう。 −−−−−− 「てけてけかなたさん」 その3・ぴこぴこ −−−−−− お母さんはゲームを捨て終わると、タスクバーの上にちょこんと座って私のことを見てた。 なんとか会話したいと思ってメッセージが出てくるメモ帳をいじってみたけど、私が何か 打ち込んでもすぐお母さんの言葉に上書きされて消えていく。言葉は確かにそういうもの だけど、こうやってパソコンの中にいるんだし……お母さんと会話してることを残したいおきたい。 『ちょっと待ってね。今ちゃんと会話できるソフトを探すから』 『ごめんなさい、こんな形でおじゃましちゃったから…』 こうやって会話できるだけでも貴重なんだし、とにかくいろんなアプリを立ち上げてみよう。 私はインストールしてあるネット用のソフトを片っ端から起動してみた。 「ICQ」はもうアカウントが消されてて「MSN」「ヤフメ」は使えるのがメンバーだけ。 「AirCraft」はもうNifty-Serveが終了しちゃったから使えないし……えーい、全部ダメか。 何か探すしかないかと思いながら、IEを起動して「お気に入り」をクリックする。 確か、このあたりにチャット用ソフトのまとめを入れてたよーな? おっと、間違えた…… って、このフォルダはエロゲ関係の! 『《H○○k》《b○nbee》《Circ○s》《きみ○る》《ぶ○ばん》……このあたりにあるのね?』 あ、おかーさん! ダメ! それダメ! 読み進めちゃだめ!! ……あ、開いちゃった。 『はうっ?!』 エロゲのそーゆーシーンが目の前でデカデカと映っちゃったら、そりゃ倒れるよね…… 『こ、これは……おしおきですねー』 「お、おかーさん?」 お母さんはにっこり笑うと、ポンッという効果音と一緒に背よりも高いピコピコハンマー を出して、両手でそれを握りしめた。 すっごいヤな予感がしてきたけど、お母さんはひょこひょこと開いたままのお気に入り を昇っていって……って、ナニ振りかぶってるんですか、その巨大ピコハン。 『せーのっ』 「ちょ、ちょっと待って! それは! 新作のチェックがー!!」 ハンマーがお気に入りのメーカー名の横を引っぱたくと『ぴこんっ』っていう音と一緒に、 その部分がダルマ落としみたいにすっ飛んでいった。 「あーーーーーーーーーっ!!!!」 ごみ箱にホールインワンしてるし……うぉ、ご丁寧に完全削除まで?! 『こうなったら、徹底的にお掃除しますよー』 「自業自得だってわかってるけど、それだけは、それだけはご勘弁をー!」 画面をぱしぱし叩いても無駄みたいで、拷問みたいなダルマ落としはそのフォルダの中が 全部綺麗さっぱり消えるまで続けられた。 うー、そこまで徹底しなくたっていーじゃん!! 完
毎度、電波です。 どんどんやりたい放題になってます。 たぶん「エロゲ関係ぽいぽい」というネタはここらへんで一旦区切りになるかと思います。 次はどうなることやら。
ナイスかなたさん!一台に一人は欲しいね! …別にエロゲ専用機が必要になるけど。 次も(あるなら)楽しみにしてる。 GJ!
エイプリル企画の妹デスクトップがここまで面白くなるとはw 乙です
なあ、こなたさぁ。ネットから切り離されたエロゲ専用PCを1台組めばいいんじゃねーの? とかいうのは無粋か。 GJ!
GJです 娘のためとはいえ、どんどん傍若無人な振る舞いをするようになってしまったかなたさん萌え
しかしオカンなんてそんなものw
これはすばらしいおかんw
かなたさんは、均一なるマトリクスの裂け目の向こうから、はるばるやってくるのかw GJ!
「こなた、忘れないで……あなたがネットにアクセスする時、私は必ずあなたの側にいる」 「ガクガク(((( ;≡A≡))))ブルブル」
(『イノセンス』映画予告編より) -------------------------------------------------- かがみ「なぜこなたはちびっ子の形、それもおじさんの理想を模して生まれてくる必要があったのか……」 そうじろう「『個体が産み落とした子供もまた、その個体同様に遺伝子の表現形だ』って言葉を思い出すな」 こなた「ヲタが旅に出たところで、一般人になって帰ってくるわけじゃないよ」 そうじろう「最近のあいつを見ていると、亡くなる前のかなたを思い出す」 みゆき「『孤独に歩め 悪を為さず 求めるところは少なく 林の中の象のように』……という言葉もありますし」 こなた「お父さんと一緒になって遜色なかったのは、お母さんだけなんじゃないかな」 そうじろう「真に萌えるキャラがいるとすれば、それは奥行きを持たない二次元のことだ」 そうじろう「あいつは行っちまったのさ……それこそ、均一なる次元の向こうへ」 ―ナンセンス それは、このレス。
>>501 そうじろうとの並列化を要求します。
って言うか、まさかこのスレで音響カプラの名前を聞くとは思わなんだww
r ‐、 良い子の諸君! | ○ | r‐‐、 「へっへっへ。俺の汚いイチモツを舐めな!」 _,;ト - イ、 ∧l☆│∧ 「いやぁ・・・むぐぅ!」 (⌒` ⌒ヽ /,、,,ト.-イ/,、 l |ヽ ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒) 良くある展開だが、実は口腔、口の中というのは │ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /| 空気中の雑菌や虫歯の原因菌などの巣でもあるのだ! │ 〉 |│ |`ー^ー― r' | オシッコや精液は無菌だから、実はチンチンより │ /───| | |/ | l ト、 | 口の中の方が汚い! | irー-、 ー ,} | / i | / `X´ ヽ / 入 | 特に、いつも口を半開きにしてる女の子は普通より 菌が多いから注意した方がいいぞ!! r ‐、 まぁ怖い。私もちゃんとうがいしなきゃ。 | (| r‐‐、 _,;ト - イ、 ∧l☆│∧ ・・・。 (⌒` ⌒ヽ /,、,,ト.-イ/,、 l |ヽ ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒) │ ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /| │ 〉 |│ |`ー^ー― r' | │ /───| | |/ | l ト、 | | irー-、 ー ,} | / i | / `X´ ヽ / 入 |
>>501 そうささやくのか、おまえのゴーストがw
役中のそうじろうさん渋いぜw
かがみ「用意できてる?」
こなた「オタクでよければ」
>>506 よし、次はつかさとかがみを描く作業に入るんだ
こっちもGJです この2人は本当にお似合いのカップルだと思うのですよ 照れながらも嬉しそうなかがみんと、そんなかがみんを見てるこなたがかわいすぎです
八千回過ぎた頃からもっと欲しくなった
一億と二千回保存してもまだ欲しい
かがこなを知ったその日から僕の地獄に萌えは絶えない
手抜きの方を修正するんじゃねーのかってツッコミはナシの方向でww
かがこなにつかみゆ、808さんの神&ひよりんシリーズにクラナドネタ、243さんのさし絵ときて、とどめはてけてけの新作……。 どれだけ豊穣で芳醇なんだ、今日のこのスレは。みんなぐっじょぶー!!
僕ですか?白石みのるっていいます!よろしくです! とあるスーパーアイドルのアシスタントに就くはずだった んですが、突然行方不明になってしまって・・・。 目撃情報を頼りに、この先にある山村へ行けと伊藤さんに 言われてしぶしぶ行くことになったんですが・・・。 ピーッ・ガチャッ 「初めまして。今回あなたのナビゲートをすることになった 高良みゆきです。よろしくお願いします。」 「どっどうも。思ったより美人っすね。えーっと、 ターゲットの名は、小神あきらでいいんですか?」 「はい。その通りです。何か情報は掴めましたか?」 「あ、いえ、まだ・・・。ちょうどあそこに家があるので、 ちょっと聞いてみるっす。それじゃ。」 「あのう、すいません・・・。この人について、 何か知ってること無いですかね?」 「ンン?フーアーユー?」 「(ちょ、血染めの斧持つの早いですよ!)あ、何も知らない のならいいんです。失礼しまし」 ゴンッ!! 「いでぇー!!」 「オウ!ソーリー!わざと外すつもりだったんデスが ついつい本気でヒットさせてしまいましたー!」 「き、気をつけてくださいよ!偽物だとはいえ目茶目茶 痛いんですから!」 チャプター2へ続く・・・。
この後何だかんだがあってようやく俺は小神あきらに接触する。 「く、来るなら来て見なさいよ!ただじゃ済まさないわ!」 「ち、違いますよ!俺は白石みのる。あなたのアシスタント やる予定で、プロデューサーから救出を依頼されてるんです!」 「え!?プロデューサーさんが?そうだったんですか〜! あきらマンモスウレピィー!」 「ふるっ!」 「何か言ったか、ああん?」 「いええ、何でもありませーん!」 「あそこにドアがあるっすね、ちょっと見てきます。」 あきらを置いて下に下りる白石みのる。その時! ブルンブルン、ギュイィーーーーン! 「うおりゃああぁぁ!!!」 「あはは〜♪バルサミコス〜♪」 「えーっと・・・まさか姉妹って事でその配役っすか?」 「・・・そうよ。何であたしがこんな役を・・・。」 「お、お姉ちゃん。チェーンソーって・・・重い・・・。」 「・・・(汗)」 「それより、小神さん連れ去られてるけどいいの?」 「こらー白石!さっさと助けろー!」 「ああ、す、すいませーん!」 また何だかんだがあってボスのいる廃屋へ。 「まさかここまで来るなんてねえ。お姉さんびっくりだぁ!」 「(流石に配役に無茶が・・・まあ大男とか居ないし仕方ないか)」 チャプター3へ続く・・・。
プロデューサーさんと聞いてアイマスが浮かぶ俺はダメだと思った。 続くの…かな?
かゆい うま
>>523 なんというクオリティ……
作者冥利に尽きるといわざるを得ないッ!!
ありがとうございました!
>>523 とるものもとりあえず保存しました。ええ、音速超過で。ぐっじょぶ!
>>536 だ、第二の絵師登場か!!
いままで2chの小説投稿系によく通ってたけれど、こんなに絵師さんが来るのは初めてだ……
ああ、回し蹴りされてぇ
気絶する寸前の一瞬の花園……
>>523 >>536 これはGJと言わざるをえない。
涙目のみゆきとか優しい笑顔のつかさとか
回し蹴りのこなたとかなんだかんだ言いながら
しっかり見ているかがみがたまらん
>>540 こっちもGJ!
やっぱりうろたえ具合がかわいい
>>540 うろたえ具合がっ!! ひよりんかわええ〜
そしてルパンダーイブ
下のトレス台とか後ろの字とか芸が細かいっすね〜
>>540 が早速半角にリンクされてる……
アニメ見ながら投下します。
8レスくらいなので2分に1レスという規制のもとなら
Aパートが終わることには投下できるはず
エロあり。夏なのに冬の話です。
カップリングは、タイトルを見ていただければわかるかと。
547 :
粉雪 :2007/06/18(月) 00:02:54 ID:AHa9SHbj
「こなああああああああゆきいいいいいいいい」 ある意味お馴染みの歌を、女子高生が叫んで歌う。いつぞやカラオケに行ったときの ような、堂に入った歌声だった。 「あ、その歌聴いたことあります。歌はあまりよく知らないのですが」 「実は私もよく知らないんだけどね」 「なぜか耳に残る歌ですよね」 「うん、それでなぜか歌いだしたくなるんだよね」 「私は歌いませんけれど……」 かがみだったら最初に「うるさい!」とつっこんで、そこで終わりだろうと思いながら、 こなたはみゆきの話に相槌を打つ。 「プロモーションビデオの映像も、ちょうどこんな感じの天気だったでしょうか」 「どうだったっけ」 実はそのPVには雪が降っている場面はほとんどないのだが、こなたはよく知らなかった。 ただ唐突に歌ってみたかっただけなのだ。 埼玉県民と東京都民であるこなたとみゆきにとって、雪は身近なものではない。しかし ここスキー場において、雪はなくてはならないものだ。 「寒いよねー。こう吹雪いてくると」 「雪がなくては困りますからね。とはいえ風除けのないリフトの上では辛いものです」 空はどんよりと曇っていて、粉雪が舞っている。PVの場面とは似ていないのだが、 こなたの歌はおあつらえ向きといえた。寒いのを承知で来ているとはいえ、寒いことに 変わりはない。スキーを楽しんでいる最中での降雪は、全くありがたくない。 「これが終わったらかがみさんたちに合流しましょうか」 「そうだね。この寒さはやばいよ」 身体を震わせながら同意する。 かがみ、つかさとこの二人の四人でスキー旅行に来ていた。一日目は初心者のつかさに 全員で付き添っていたのだが、二日目は意外とスポーツ万能のこなたとみゆきだけ上級者 コースに行ってみることにした。山の天気は崩れやすく、この日も日没が近づいてくると 雪が降り始めた。 リフトに乗ると何か孤立したような気分になり、空の暗さと風の寒さに耐えかねて、とり あえず歌ってみた、というわけである。 「そろそろですよ」 丁寧に知らせてくれたみゆきの合図に従って同時にリフトから降りた。
548 :
粉雪 :2007/06/18(月) 00:04:16 ID:AHa9SHbj
「ど、どうしましょう」 通常時間の運行を止めたリフトの前で、みゆきが右往左往していた。動いても意味はない のだが、とりあえずこなたは慌てるみゆきを見て萌えておくことにする。 ある程度スキーに慣れた者ならば、一箇所に留まらずに、リフトを乗り継いでいろいろな コースを試してみるものだ。みゆきも地図を見ながらいくつものコースを滑ることにしたの だが、運行時間を計算に入れていなかった。元いたコースに戻るためのリフトが止まって しまったのである。そんな時間だから、当然、周りには誰もいない。 「とりあえずふもとに行けるコースを滑るしかないよね」 「そうですね、ちょっと待ってください。コースを調べますから」 みゆきは真剣な表情になって地図を睨む。ゲームをやって別世界に入り込んでいたときの みゆきを、ふと思い出した。 そんなふうに集中しているみゆきはともかく、こなたは寒くてしょうがない。まだ吹雪いて いるのは相変わらずなのだ。舞い散る粉雪が視界を悪くして、不安を煽る。 「うりゃ」 「きゃあっ!」 とりあえずみゆきに抱きついてみると、可愛く反応してくれた。 「こなたさん、何をしてるんですか」 「いや、寒いからちょっと抱き合って暖め合おうかと」 「すいません、こなたさんが待っているのにこんな……」 かがみだったら条件反射的に払いのけ、つかさだったら照れながらも笑って許していた だろう。そんなことを考えながら、みゆきに何の行動もないのでそのまま抱きついている ことにする。スキーウェア越しに体温を感じることはできないが、そんなことは気にしない。 「そんなに悩まなくてもいいんじゃないかな」 「そうは行きません。雪山で遭難したら助かりませんから」 「あれやればいいじゃん。肌で暖めあうってやつ」 「そんな程度で一晩しのげませんよ」 みゆきはあくまで真面目に答える。 (みゆきさんなら本当にやるんだろうなぁ) ちょっとだけ、その光景を想像する。悪くない。 「お待たせしました。たぶんこれでいいはずです」 曇り空の下でのコースは、微妙な凹凸が見えず、危険が増す。二人は身長に滑降していった。
549 :
粉雪 :2007/06/18(月) 00:05:41 ID:AHa9SHbj
「ちょっと、遅かったじゃない! 心配したんだからね!」 「お、かがみん心配してくれたんだ」 「違う、みゆきを心配したのよ!」 やっとのことで旅館に帰ってきてかわされるいつものやりとりに、みゆきは心の底から 安心していた。 「すいません。私のミスだったんです」 「まあ、過ぎたものはしょうがないわ。とりあえず着替えなさいよ」 「私と態度が違う……」 夕食まで少し時間があるということで、二人は先に風呂に入ることにした。 寒かろうとなんだろうと、汗をかくときは汗をかく。スキーウェアを着て歩くのは運動に なるし、下りの間は緊張続きだったから、ずいぶん嫌な汗をかいた。みゆきはそれをシャワー で洗い流し、ため息をひとつついた。 「ふぅ」 湯船に漬かって、もう一度ため息。 「すいません。私のせいでこんなことになってしまって」 「いいのいいの。これはこれで楽しめたから」 きっとこなたなりに気を使っているのだろう、と思いながら、ぼやけた視界の中にいる こなたを見つめる。そのこなたも、こちらを見ているような気がした。厳密に言えば、 こちらの顔の少し下を。 「あのー……」 「やっぱり浮くんだよね、それって」 いきなり言われて、慌てて胸を手で隠した。 「そんな、恥ずかしいです……」 「いいじゃん」 こなたがそっと近づいてくると、みゆきの片手を掴んだ。こなたの意図がわからずじっと 待っていると、その手をこなたの胸へと導いた。かすかな膨らみと小さな突起があることが、 指の感触から伝わってくる。 「な、何するんですか」 「触らせてあげたからみゆきさんのも触らせて」 横暴というより他ない申し出に、みゆきは言い返すことができなかった。少なくともみゆきは 『私の胸とあなたの胸では釣り合わない』などと言えるような人間ではない。 「え、あの」 みゆきの返事を待たず、こなたはみゆきの胸を隠している手をどかし、胸を揉んだ。 「ちょっ、こなたさん、いくらなんでも」 「堪能致しました」 こなたはそれで満足したのか――さっきこなたが言い出した条件からすれば一回だけ揉む のが妥当なところではあるのだが――それでやめてしまった。 「そろそろご飯だよ、出よ」 一方的に宣言して、こなたはさっさと出て行ってしまった。 「…………」 まだ胸に残る感覚を、みゆきは一人持て余していた。
550 :
粉雪 :2007/06/18(月) 00:07:22 ID:ou04AY45
ビュウウウウウウウ。風の音が響く。 夕食もつつがなく終えてもう一度風呂に入り、就寝前の遊びも一通りやってみた。女の子 が集団で泊まるとなれば騒がしくなるのも自然の理だが、消灯して就寝時間となった今は うって変わって静かだった。外は今も吹雪いていて、粉雪も舞っているだろう。それもまた 自然の理なのだ。 他の三人が寝たかどうかは確かめていないが、みゆきは眠れないでいた。眠れない理由は、 空想。もしあのとき帰ることができずに雪山に取り残されてしまったら、という空想。 つい数時間前までそこにいたことと、みゆきの知識はその想像に現実味を付け加える。 何の装備もなしに雪山で一晩を過ごせば、まず助かる術はないとみゆきの知識は教えていた。 こなたがいたからなんとかして帰らなければならないと自分を奮い立たせることができた。 しかし、本当は怖かった。失敗したら死という単純な事実は何よりも恐怖を煽る。窓の外に 聞こえる風の音が、それが単なる妄想ではないことを伝えている。 暖房をつけていても、浴衣しか着ていなければ少し寒い。みゆきはそう感じていた。 みゆきは自分の体をぎゅっと抱きしめた。そうやって、こなたに抱きしめられたときの 感触を思い出す。誰かが傍にいることはとても心強いことなのだと思い知らされた。 (あぁ……) こなたに抱きしめられた感触を思い出すと、自然と胸を揉まれたときのことを思い出して しまう。 (あぁ……) 悪くない。どころか、気持ちよかった。胸を揉むという行為が性的な意味を持つことを みゆきは理解していた。 (こなたさん……) 自分の胸を揉みはじめる。こなたの指がやってきたことを、少しでも鮮明に思い出せる ように。そうしていると、まるでこなたに抱きつかれているかのような温もりが―― 「って、こなたさん!?」 「しっ、起きちゃうよ」 こなたに抱きつかれているかのような温もりは、こなたが抱きついてきた温もりだった。 「えっと、あの……」 さっきまでみゆきがやっていたことは、間違いなくこなたに見られていた。もしこの部屋が 明るかったら、赤面していることはすぐにバレてしまうだろうと思った。 「っていうわけだから、いいよね」 「えっ?」 みゆきの許しを待たず、こなたはみゆきの胸を揉む。
551 :
粉雪 :2007/06/18(月) 00:09:22 ID:ou04AY45
「こなたさん!」 できるかぎり声をひそめて抗議するが、こなたは聞き入れてくれない。 「いいじゃんいいじゃん」 「そんな軽く言われましても」 「じゃあ真面目に言えばいいの?」 「そ、それは」 「みゆきさん、揉ませて。私に触らせて。お願い」 闇の中で、こなたの瞳だけが輝いて見えた。どんなに暗くても見失うことはなく、どんなに 寂しくても絶望することはない、そんな輝き。その光に、みゆきは救われた。 「はい……」 か細い声でみゆきは答えた。その光が見つめてくれるなら、この体を任せてしまってもいい と、本気で思った。 「いいですよ」 答えると同時に、こなたはみゆきの浴衣をはだけさせ、いきなりブラをはずした。両の手で 両の乳房をしっかりと掴む。 「むぅ……不公平だ」 こなたの言葉がどんな意味か、考えずともわかる。他ならぬこなたから何度となく言われて きたことだ。とはいえ、揉まれながらこんなことを言われたのは初めての経験であって、恥ず かしさもひとしおだった。 こなたは両手で乳房の柔らかさを確かめるように、掌を膨らみに押し付け、握っては放しを 繰り返した。みゆきはそのこなたの指の動きを直接感じている。 「あぁ……」 ため息とも深呼吸とも言いがたい吐息が漏れた。少なくとも幸せが逃げてなどはいない。 その声に応えたのかどうか、こなたの手の動きに変化があった。乳房全体を包むように、 手が円を描きながら胸を揉む。 「あぁっ」 その手つきからは、普段のようにみゆきをからかうのとは違う、優しさが伝わってきた。 乳房の感触を楽しむのと同時にみゆきを気持ちよくしてやろうという意気が掌から感じられた。 事実、みゆきも胸を揉まれることに悦びを感じはじめている。こなたの動きに応えて、胸の 奥から何かがやってくるような気がした。 「スイッチオン」 親父ギャグチックな一言とともに、指で乳首を押した。 「やっ!」 「あんまり声出すと起きちゃうよ」 「す、すいません……」 どう考えてもこなたが悪いのだが、それを追求する者はいない。
552 :
粉雪 :2007/06/18(月) 00:10:34 ID:ou04AY45
「そりゃ」 「ひゃ、ああっ」 こなたが乳首を撫でたり摘んだりするたび、みゆきは敏感に反応する。みゆきも反応する まいと耐えようとしているのだが、乳首を直接刺激された快感には逆らえない。 「そんなに気持ちいいんだ?」 「はい、きもちぃ、いぃです」 「みゆきさんは素直でかわいいね」 「そんな……あっ」 息が乱れ初めてきた。 「感じてるんだ?」 「は、はい」 素直に肯定してしまうのは恥ずかしかった。それでも、もっとこうしてもらえるなら……。 「あむっ」 「ひゃっ」 左の乳首が急に温かくなった。こなたの声がくぐもっていることから、そこを咥えられた のだとわかる。 「あむっ、ん、んむむ〜」 「こなたさ、あ、んっ」 わざとらしくぴちゃぴちゃと音をたてながら、舌を激しく動かして乳首を舐める。 むずがゆい。くすぐったい。気持ちいい。それらを全て合わせたような感覚。それが性感 であることを、みゆきは初めて実感していた。 そこをそうすれば気持ちいいことは知識として知っていた。それでもこの感覚がもっと 欲しくなってしまって。 「こなたさん、もっと、もっとして欲しいです」 口に出してしまった。とても恥ずかしいけれど、その恥ずかしさが心地よかった。 「みゆきさんこんなに大きいのに敏感なんだね」 もっと恥ずかしくなるようなことを言ってくる。 「ほら、もうこんなにたっちゃってるよ」 「あ、はい……」 何も言い返せない。もしかしてみゆきの考えていることをわかっててやっているのだろうか、 などと考えてしまう。もっと恥ずかしくしてほしいと。
553 :
粉雪 :2007/06/18(月) 00:11:47 ID:ou04AY45
「みゆきさんって美味しいよね。やめらんない」 こなたはそう言って、もう一度乳首にしゃぶりついた。 「や、おいしぃ、だなんて」 こなたは懸命に乳首をしゃぶってくる。その分だけみゆきの快感は増していった。 乳首が美味しいはずがないとわかっていても、つい考えてしまう。 (もし私が……) もしミルクが出るのなら、本当に美味しいのだろうと。思考を止めない脳は、勝手に自分が こなたにミルクをあげているシーンを想像してしまった。 「みゆきさん、自分がおっぱいあげてるところとか考えてる?」 「!?」 ピタリと言い当てられてしまった。羞恥で身が縮こまってしまう。 「お、図星だね」 上目遣いで悪戯っぽい笑みを浮かべて覗き込んでくる。瞳は相変わらず輝いていた。 その瞳を乳房のほうへ向けて、こなたはみたび乳首を吸いはじめた。 「そ、そんな激しく」 先の二回よりもさらに激しく舐めてきた。指でもう片方の乳首を刺激することも忘れない。 「こなたさん、こなたさぁん」 胸の快感は苛烈さを増してみゆきを攻めたてる。 もうどうにかなってしまいそうだった。意識がどこかへ行ってしまいそうだった。 こなたはここにいるのだと、この快感を与えてくれるのはこなただと実感したくて、こなた を思い切り抱きしめる。頭を抱えて胸に押し付け、もっとしてほしいと要求する。 「こなたさん、もう、わたしっ」 こなたは一切容赦しない。むしろもっと激しくしてくる。 胸への刺激はこれまでにないほどみゆきを感じさせている。その限界が近いことを、みゆき は予感していた。 胸の奥からやってきた何かが解放されるような感覚。 「あ、もう、あん、んんー!!」 初めて人の手で絶頂を迎えた。無意識のうちにこなたを強く抱きしめて余韻に浸る。 「はぁ……はぁ……」 行為が終わったあとのけだるさもまた心地よい。胸に抱きしめているこなたは―― 「んー! んーっ!」 必死に右手でみゆきの体を叩いていた。格闘技用語で言うところのタップである。
554 :
粉雪 :2007/06/18(月) 00:13:05 ID:ou04AY45
翌朝、空は昨日のことなど何事もなかったかのように晴れていた。 「よかったよ」 こなたは空を見上げながら呟く。テンションの低さもやる悪戯好きそうな笑みもいつもの 通りだった。みゆきはこなたと目を合わせることもできなかったというのに。 「まあ、晴れてたほうがやりやすいわよね」 「いやー、昨日は死ぬかと思ったよ」 みゆきは昨日の夜のことを思い出してしまった。こなた曰く「一番幸せな死に方だと思う」 だそうだが。 「気をつけなさいよ。スキー場で遭難なんて洒落になれないから」 (私、何を考えて) 昨日の出来事といったら遭難しかけた事件のほうに決まっているではないか。自分の思考 が恥ずかしくなる。 「ゆきちゃん、顔が赤いよ?」 「な、なんでもありません。さあ、早く準備しましょう」 みんなごまかされてくれて、スキーの準備にとりかかった。 「こなああああああ」 「うるさいっ!」 スキー場の最初のリフト乗り場。いきなり叫びだしたこなたをかがみが止めさせる。 こんなにいつもどおりのこなたを見ると疑念がわいてくる。こなたは昨日のことを何とも 思っていないのではないか。昨日、あんなにもこなたを求めてしまったのは、窮地を共に したことによる吊り橋効果というやつではないだろうか。 「今日もみゆきさんと二人でいいかな?」 「いいけど……あんまりやりすぎないでね」 答えるかがみの、顔が赤くなっているような気がした。そういえば、昨晩の行為の前に、 かがみとつかさが寝入ったかどうかを確認していない。 「あ、あの、かがみさん」 「みゆきさん行こっ」 こなたはみゆきの返事を待たずにさっさと行ってしまう。みゆきは必死に追いかけた。 「もう一度さ、粉雪が降ってくれないかな」 リフトに乗って落ち着くと、こなたはそんなことを言ってきた。みゆきにはさっぱり 意味がわからない。 「どうしてですか?」 「ほら、あれだよ。験かつぎってやつ」 朝の光を受けたこなたの瞳は、粉雪の夜と同じく輝いているように、みゆきには見えた。 −終わり−
よくみたら40秒規制でしたが、 アニメみながらなんで間隔あいてしまいました。 ちなみに3スレ目の「ふたりのつながり」 (ななこ×こなたのチャHの話)と同じ作者なので 保管庫の中の方、よろしくお願いします。
……こ、こ、こ、 こなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁゆきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ (゚Д゚)ねぇ こなたxみゆき→こなゆき→スキー場の連想でこなゆき達成!GJ!!
こなああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい GGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!だああああああああ みゆきさんすごくよかったよおおおおおおおおおおおお
>>555 乙こなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
おっぱいが、おっぱいがぁぁ……
>>556 はっ、そ、そーゆー訳でしたか。
こな×ゆき、言われるまで気づかなかった
>>559 色つけようかなと思ってたけど、なんとなくこれはこれでいい気もしてきたので、よろすくです。
ちなみに、私は妄想屋(仮名)です。絵でバレバレですが。
>>556 と
>>557 が爆発せんばかりに死力を尽くしてGJしてるのを見て、不覚にもワロテしまたww
GJ!
>>560 あふ☆いや&22才こなたの方でしたか失礼しますたorz
改めまして今後ともよろしくお願いしますー
>>皆様&まとめサイトの管理人様
時に一つ思ったのですが、(自分もそうでしたが)まとめの中の人に
都度確認いただくのはお手数かと思うので、テンプレに
・スレ内に投稿頂いた作品はまとめサイトに保管されますので、
保管を望まない場合はその旨お書き添え下さい。
と付け加えられてはいかがでしょか?(*´∀`)
>>559 報告どうもです。
えーと、間違ってたら大変申し訳ないんですが…
何かのSSの挿絵じゃないッスよね?
>>562 こちらこそよろしくですー。
……てか、可愛い絵をバリバリ描く方法教えてくださいorz
デッサンして下書きして清書して……としないと描けないので、ネタはあるのにとにかく筆が遅いですorz
>>563 いえ、これはSSの挿絵ではなく一枚絵です。
(そういう意味では、SSスレに含めるのは微妙かも……orz)
誰かこれモチーフでSS書いてくれないかなー、とか(他力本願
歌の粉雪とこなた×みゆきをかけてたのか! 俺も気づかなかった… マジGJ!
>>564 了承っすー。
>SSスレに含めるのは微妙かも
とはいえ、寄稿して頂けるのは大変ありがたいことですので…。
謹んで保管させていただきます。ありがとうございました。
>>562 む、それはなかなか良い案で…。
個人的にはこれでいいと思いますので、あとは住人の方がどう仰るか…といったところでしょうか。
>>540 1-808です。
可愛らしいひよりをどうもありがとうございました。
>>555 おわ、俺は一体何を見ていたんだ。まさかSSが投下されているのに気づかないなんて…。
レアなこなゆきネタ、GJでした。
>「ふたりのつながり」と同じ作者なので〜
了解です。作者ページも作っておきますね。
>>564 僕も以前は紙に下書き→ペン入れ→スキャン→彩色・・・という流れだったんですが
仰るとおり時間が掛かりすぎてモチベーションが続かないのが原因で、次第に描かなく
なっちゃったのです(^^;
このスレに色々投下させていただくようになってから(つまり最近)、Photoshopのみで
落書きするようになりました。
こんな落書きベースにも関わらず皆さん喜んでくださるのでついつい調子に乗ってしまい・・(///;)
あ、黒歴史が出たついでに我が黒歴史も晒しておきます(死
http://www.geocities.jp/extream_noise/main/ 基本的に毎回塗り方とか変えてみてるので、全部習作ってことになります。
スレ違いになっちゃうので、興味のある方だけドゾー
>>555 まっまずい!あのフレーズが!
こぉぉぉぉぉなぁぁぁぁぁぁぁゆきぃぃぃぃぃぃ!!ねえ、心まで白く(精液で)そめられたならぁぁぁぁぁ!!!!
ふー・・・神GJ!!
やっとできた……眠い
とりあえず、投下予告です。
☆投下量5レス。よく計算してないから6になるかも
☆エロなし。時系列はゆーちゃん居候前
☆いちおう
>>486 のリクにお答えして……ってちょい違うけど
「う〜、眠い〜」 目を擦りながらペタペタと廊下を歩く。 昨日深夜までゲームやってたから、眠くて仕方ない。 いや、あの時間はもう今日だったっけ? その後流れで深夜アニメを見ちゃったし。 どーしてあのアニメ、日曜25:00なんて時間にやるんだろう。 お陰さまで翌日に響く人が日本中に何人も…… 「あ、こなた。おはよう」 台所から聞こえてきたのは、夏でも冷たい朝の空気のように澄んだ声。 ご飯の炊けるいい匂いと、リズムを刻む包丁の音。 そこに立つ、長い髪の女の人。 「ん、おはよう、お母さん」
「「「いただきま〜す」」」 のっそり起きてきたお父さんも一緒にご飯を食べる。 ご飯とアジの干物、ワカメのお味噌汁にほうれん草のおひたしという、いかにも一般的な朝ごはん。 でも、お父さんが作るよりも、私が作るよりもずっとおいしい朝ごはん。 「う〜、どうしても味噌汁の味だけは勝てない……」 「ふふ、私のはたっぷりと愛が入ってるからね。こなたと、そうくんへの」 その幸せ者のお父さんは、さっきからこっくりこっくり舟をこいでる。 確か、原稿に詰まっているって言っていたけれど。 わわっ、お父さんの前髪が味噌汁の中に!! 「もうっ、そうくん。昨日夜遅くまで起きてるからだよ」 すぐにお母さんはお父さんの前髪をタオルで拭いてあげる。 仲のよい、夫婦の風景。 お互いしっかりしているようで、お互い抜けているところがあって、それを二人で補い合ってる。 そんな理想的な夫婦の風景。 「んぁ? かなた、今日って何曜日だっけ?」 「もうっ、今日は月曜日。確か水曜日が締め切りの原稿、あったんじゃないの?」 ビクっ、とお父さんの身体が震える。 さすが作家、締め切りという言葉には敏感だ。 「うう〜、書けない〜、書けないよ〜、かなた〜」 お母さんに抱きつくお父さんはまるで子供みたいだ。 それをお母さんはよしよしといなす。 「大丈夫。ちょっと煮詰まっちゃってるだけだよ。もうちょっとすれば、そうくんならすらすら書けるようになるから」 いっぱいいっぱいになってきているお父さんを、上手に慰めているお母さん。 私もこれだけは真似できない。なんだかよく分からない、ぎゅっと強く結ばれた夫婦の絆って奴かな? 朝食を食べ終えたお父さんはまたふらふらと自室へ行く。 頑張れ、お父さん。我が家の家計はお父さんの売り上げにかかっている〜
さて、私はというと、学校に行く時間にはまだちょっと余裕があるみたい。 食べ終えた食器をまとめて、流し台へ持っていく。 「おかーさん。洗い物手伝うよ」 エプロン姿で台所に立つお母さんは、若妻というよりも幼妻といった感じで、 自分の母親をこういうのもなんだけれど、犯罪的な感じまでするかわいらしさだ。 我が家最強の萌えキャラのお母さんが振り返る。 「あら、ありがとう、こなた。じゃあお皿のすすぎやってくれる?」 流し台のスペースを半分空けてくれる。 お母さんが洗ってくれたお皿を受け取って、水道水でよくすすぐ。 キンと冷たい水の感触が気持ちいい。きゅっきゅっと音がするぐらいすすいで、水きり棚へ移す。 「こなたも、ずいぶん大きくなったわね。昔は踏み台ないと、流し台に届かなかったのに」 今でも台所の片隅に置いてある小さな踏み台。 昔はお父さんが料理して、私が洗い物をしてたから、背の低い私はずっとあの踏み台を使っていた。 「いまではお父さんよりも料理が上手になったんだよ。いつもは私が食事当番」 「うん、こなたはえらいね。そうくんはちょっと抜けてるところがあるから、ちゃんと面倒見てあげないとね」 うん、そこは激しく同意。今朝も味噌汁に頭突っ込んでたし。 お母さんが泡だらけにしたお皿を、私が水できゅっきゅっとすすぐ。 ただそれだけなんだけれど、なんだかとっても満たされた時間。 「あのね……お母さん……」 お母さんと一緒にいる時間は幸せで、とっても幸せで、だから…… 「……これって、夢なんだよね」 あまりにも幸せすぎて、それは夢なんだと気づいてしまった。 お母さんは、一瞬びっくりして、それからすごく悲しそうな顔になる。 どうして気づいてしまったの、というように…… ごまかす事なんてできないよ。だって、久しぶりに会ったお母さんなんだもん。 言いたい事が、いっぱいあるんだもん。 「なんで、何でお母さん、私を置いてっちゃったの。私、寂しかったんだよ」 皿の割れる音、それすらも気にならない。 ぎゅっとお母さんのエプロンに顔をうずめる。 暖かい、お母さんの匂い。 「かがみとつかさの家も、みゆきさんの家もお母さんがいるのに、どうしてうちだけお母さんがいないの? お母さんに甘えたかった、お母さんに叱られたかった、お母さんにぎゅっとしてほしかった……」 こんな事言っても、お母さんを困らせるだけだって分かっているのに。 お母さんが死んでしまった事は、どうにも変えられない事実だって分かっているのに…… 「ごめんね、一緒にいてあげられなくて……」 ぎゅっと身体を包み込む、暖かい感触。 私を包み込む、お母さんの体温。 ずっと求めていた、お母さんのぬくもり。 すごく寂しいけれど、とっても嬉しくて。 ぽろぽろと零れ落ちてくる涙が止まらなくて。 私はお母さんの胸の中で、声をあげて泣き続けた。
お母さんは私が泣き止むまで私を抱きしめていてくれた。 ぽろぽろこぼれ続けた涙も止まって、私は顔を上げて涙を拭う。 「ありがとう……もう大丈夫」 「そっか、こなたは強いね」 お母さんが頭を撫でてくれる。 こそばゆくて、でもとっても気持ちいい感触。 「私は見守ってあげる事しかできないから、私の代わりにそうくんの面倒見てあげるんだよ」 時々ちょっと頼りないお父さん。面倒見てあげるのは私の仕事。 私の、たった一人の大切な家族だから。 「友達は大切にする事。高校時代の友達は一生付き合っていける、大切な友達になれるから」 かがみやつかさ、それにみゆきさん。私の大切な友達。 大人になっても付き合っていけると思う、誰もが一番の友達。 「あと、ゲームは一日一時間」 うへぇ、それが一番大変そう。 私の顔を見て、お母さんがくすっと笑う。 「……とまでは言わないけれど、ほどほどにね。ちゃんと宿題もやること」 うん、いつまでも黒井先生を困らせてばかりはいられないもんね。 たまにはまじめに宿題やって、先生をびっくりさせてあげよう。 なんだかむずむずする、たとえようもない感覚。 多分、もうすぐ夢が終わる。 「大丈夫、こなたは私とそうくんの娘だから。頑張ればなんだってできる、自慢の娘なんだから」 ぎゅっとお母さんに抱きつく。 お母さんの匂いを、お母さんのやわらかさを、お母さんのぬくもりを、身体いっぱいに抱きしめて…… 目が……覚める。
ぼんやりと目を開ける。カーテンの隙間から差し込む朝日。 いつもどおりの日常。 目を擦りながら、台所へ向かう。 夏でも冷たい朝の空気に包まれた台所。 当然のように、ご飯も炊けてないし、朝食もできてない。 だってそれは、私の仕事だから。 「よしっ、やるか!!」 パンパンっとほっぺたを叩いて気合を入れる。 丁寧に煮干の頭と内臓をとって、水を入れた鍋に入れて火をかける。 目指すは、夢の中のお母さんの味噌汁よりも、おいしい味噌汁。 私にはお母さんはいないけれど、 「おとーさん、ご飯だよ〜」 でも、きっと空の上で見守っててくれるから。
577 :
320 :2007/06/18(月) 03:13:46 ID:SMHpEoWs
以上です。 って、夢落ちかよ!!
578 :
320 :2007/06/18(月) 03:18:45 ID:SMHpEoWs
ちなみに、
>>320 =
>>473 =
>>571 です。
>>562 やはりデフォが保存するの姿勢でいいのではないかと思います。
ちょっと自分から保存してというのは恥ずかしいですし……
これからも保管よろしくお願いします
アニメ観終わった後にこんないい作品に出会えるなんて・・・ 久しぶりに両親に朝ごはんを作ってくるわ
( ;∀;) イイハナシダナー
。・゚・(ノД`)・゚・。 こなた・・・
GJ!泣かせるねぇ〜(〒ω〒.) 泉一家には悪いけど、かなたの存在(いや不在か)によって、らき☆すたは単なる萌え4コマ/萌えアニメに終わらない幅の広さを得た、という感じがするな。
>>582 確かに、かなたがいないことでこなたやそうじろう、ゆたかやゆいの存在感が特別な感じであるといいますか。
時折出てくるエピソードも、そうじろうとかなたが強い絆で結ばれていたというのが感じられますし。
>>578 さんの二人のお互いの想い、切なかったけど暖かかったです。良いお話をありがとうございました。
なのは二期を思い出してしまった。 「……これって、夢なんだよね」
>>578 GJでしたー。
原作じゃなかなか描かれないような話を作れるのが二次創作の良い所ですな。
しっかりと堪能させていただきました。
>やはりデフォが保存するの姿勢でいいのではないかと
了解です。その旨をテンプレに入れて、念のためwikiトップと画像保管庫に注意書きしておきます。
ご意見ありがとうございました。
ではノシ
トリップ入れ忘れました(*´∀`) では♪
●短編10レス投下します。 ●非エロ。つかさ&かがみの姉妹愛(非カップリング)の話です。 ●土台は原作1〜4巻。独自設定が入っている部分もあるかもしれないのでご了承ください。
589 :
(1/10) :2007/06/18(月) 13:16:26 ID:I+ZSx7v6
こんこん 「はーい」 「えっと……つかさ、今いいかな?」 ドアのノックにふり返ると、ドアのすきまからお姉ちゃんが顔を出した。 「うん、ちょっと本読んでただけだから」 「勉強?」 「えーと、ちょっと似てるかも」 「ふうん……あ、なんだ。それ読んでたのね」 お姉ちゃんは中に入ると、私が手にしていた本を見て納得したみたいにうなずいた。 「うん。そろそろ新しいのを作ってみようと思って」 私が読んでいたのは「夏場に美味しい料理100」っていう本。だんだん暑くなってきたし、 もっとレパートリーも増やさないとって思って読んでたんだ。 「冷製トマトパスタにタンドリーチキン、バジルのサラダにミネストローネ……ミネストローネ って、冬場のスープじゃないの?」 「トマトは夏場が旬だから、この時期のトマトで作るのが一番おいしいんだって」 「ふうん、料理ってそういう旬が大事なんだ」 そう言いながら、お姉ちゃんはパラパラと本をめくった。 「あ、これいいな」 時々手を止めると、そうつぶやいてページをながめたりするお姉ちゃん。後でメモして、 今度作ってあげようっと。 「それでお姉ちゃん、何か用事なの?」 そのまま読んでいそうだったけど、何か用事だと思った私はお姉ちゃんに声をかけた。 「あっ、別に今じゃなくてもいいんだけど」 「?」 顔を上げると、お姉ちゃんは何か苦笑いしながら目を泳がせていた。 もしかしたら、言いづらいことなのかな? 「どうしたの?」 「あの、いや、ほら……明日、こなたの家に泊まりに行くわよね」 「うん。今度はゆきちゃんも来るんだよね」 前の時は用事で来れないって言ってたけど、夏休みが始まって時間が取れるようになった から泊まろうって話になったんだっけ。 「それでさ、みゆきも何か持ってくるって言ってたでしょ? つかさも何か作るって言ってたし」 「うんっ。何にしようかなーって迷ってるよー」 「で、こなたもシチューじゃないにしろ、何か作るだろうし……」 ……えーと、もしかして、これって? そう思い当たったとき、お姉ちゃんは思いっきり両手をあわせて私に頭を下げた。 「お願いっ! 私にも作れるお菓子を教えてっ!」
590 :
(2/10) :2007/06/18(月) 13:17:35 ID:I+ZSx7v6
---------------------------------------- そばにいるよ ---------------------------------------- 「そっ、そんな大声で言わなくてもー」 私があわててお姉ちゃんの手を止めると、 「だって、いのり姉やまつり姉に頼んでも『私は忙しいしー』って逃げるし、お母さんは 日頃のお料理で手一杯だし」 ため息をつきながら、お姉ちゃんは私のベッドに腰かけた。 「だから、私に?」 「つかさは家で料理が一番上手いし、丁寧だから……ねえ、お願いっ!」 「ああっ、その手はやめてよー!」 ううっ、されてるこっちのほうが恥ずかしくなっちゃう。 前も料理のことでここまで必死なお姉ちゃん、あんまり見たことないよ。 「そんなことしなくても、ちゃんと教えてあげるってばー」 「ホントっ?!」 いたたまれなくなってそう言うと、お姉ちゃんは目をきらきら輝かせながら私の手を取ってきた。 「うんっ。でも、どうして突然?」 「な、なんか私だけ作らないっていうのも居心地悪いっていうか……たまには、こなたに 泊めてもらってるお礼でもしたいなーとか思ったのよ」 ちょっと顔を赤くしながら、ぽつりと言うお姉ちゃん。 いつもこなちゃんやみさちゃんといるときは強気だけど、私にはこういうことをちゃんと 素直に話してくれる。 「それだったら、最初に言ってくれればよかったのに」 「つかさに頼ったら、なんだか頼りっぱなしになりそうでさ……」 「もう、そんなことないってばー」 うん……そんなことないよ。 「大丈夫、お姉ちゃんも作れるおいしい料理を探しておくからねっ」 「ありがと、お願いっ!」 お姉ちゃんはまた手をあわせると、申し訳なさそうにそう言った。 私のほうが、いつも頼りっぱなしなんだけどなぁ。 小さなときから、ずっと…… * * * * *
591 :
(3/10) :2007/06/18(月) 13:18:27 ID:I+ZSx7v6
「ミルクレープかぁ」 次の日の朝、私とお姉ちゃんはおそろいのエプロンをつけて台所に立っていた。 高校に入ってからお姉ちゃんと選んだエプロンだけど、こうやって一緒につけるのは 久しぶりで、なんだかうれしくなる。 「ごめんね、いつもはつかさがお菓子を作ってるのに」 「ううん。こなちゃんが台所を貸してくれるっていうから、私は夕ごはんのおかずに なりそうなものを作らせてもらうことにしたんだ」 私はそう言いながら、室温に戻しておいた材料をガス台の上に置いた。 最初はクッキーとかドーナツって思ったんだけど、お姉ちゃんはもうちょっと手の込んだ ものを作ってみたいって言ってたから、ケーキよりも簡単めなクレープの料理を選んだんだ。 「でも、ミルクレープって何枚もクレープを作るから結構手間じゃない?」 「そうでもないよー。焼くのに慣れるまではちょっと大変だけど、コツをつかんだら簡単だから」 「コツねー……ホントに私にできるかなぁ」 「お姉ちゃんだったらすぐ慣れるよー」 不安そうなお姉ちゃんの手をぎゅっと握って、私は元気づけようと笑いかけてみた。 「まあ、とりあえずはやってみましょうか。よろしくお願いします、つかさ」 「はいっ」 うん、その笑顔その笑顔。これで、少しでも元気が出てくれるといいな。 「まずはクリームから行こっか。牛乳500ccに砂糖80グラム、バニラビーンズとシナモン スティックを1本ずつに、重曹をほんの一つまみだね」 「500ccと80グラムね、わかったわ」 お姉ちゃんはうなずくと、てきぱきと牛乳をはかり始めた。こういうところは、お姉ちゃん もちゃんとできるんだけど…… 「つかさ、これって何クリームなの?」 「バニラクリームにしようって思ってるけど、それでいい?」 「うーん、だったらもうちょっと砂糖を控えても……」 ほらー、また始まっちゃった。 「ちゃんとそのあたりは計算してあるから、気にしなくても大丈夫だってばー」 「むぅ、そっか」 お姉ちゃんはカロリーとかを気にして、よくレシピにある分量を加減しすぎたりする。 これさえなかったら、もっとお料理も上手にできると思うんだけど…… 「これを全部鍋に入れて、と……で、次は?」 「次はね、混ぜながら沸騰させるの。そうしたら、今度は弱火にして煮詰めるんだよ」 「混ぜながらかー、ちょっと面倒ね」 「そうしないと、なめらかなクリームにならないから」 「はーい」 それともう一つ……ちょっと大ざっぱなところもいけないのかな。うう、結構ハードルは多いかも…… それでも、お姉ちゃんは鍋をぎゅっとにぎって、泡立て器でしっかりまぜ始めた。
592 :
(4/10) :2007/06/18(月) 13:19:52 ID:I+ZSx7v6
……お姉ちゃんは、私をいっぱい助けてくれたよね。 小さなときから、その手のひらで。 『ふぇぇぇぇぇぇぇぇ……』 『やーいっ、つかさのとろりんぼー!』 小さい頃からとろかった私は、よく小学校でいじめっ子にいじめられていた。 いじめっ子っていってもからかうぐらいだったけど、私には何もできなくて…… 『ちょっと! なにつかさをいじめてるのよっ!』 そんな時、お姉ちゃんは私の前に立っていじめっ子から守ってくれていた。 『うわっ、おこりんぼかがみだ! にげろー!』 『こらっ、まてーっ!!』 そうやってお姉ちゃんが助けてくれるうちに、いじめっ子たちはだんだん私のことを いじめなくなっていった。 そして、今もずっと守りつづけてくれている。 クリームがぐつぐつと煮立ってきて……うん、このくらいかな。 「お姉ちゃん、そろそろ弱火にしてもいいよ」 「このくらいで弱火……っと」 お姉ちゃんはコンロの火を弱めると、すんすんと匂いをかいだ。 「だんだん甘い匂いがしてきたわね」 「バニラのいい香りがするでしょ。これで、あとはコトコト50分ぐらい煮詰めるの」 「えっ、50分も?!」 「心配しなくても大丈夫だよ。その間に生地を作るんだから」 「あ、なるほど」 「こういうことは、手際よくやらないと」 「普段の勉強も、このくらい手際いいともっとできると思うんだけどなあ」 「ううっ、お姉ちゃんのいじわるー……」 そう言うと、私たちは顔を見合わせて笑い出した。 少しいじわるだけど、こういうところもお姉ちゃんらしいところかな。
593 :
(5/10) :2007/06/18(月) 13:20:47 ID:I+ZSx7v6
『このxには、答えの96をここにある8で割った数を代入するの』 『えっと、それじゃあここは……12?』 『そう、その公式を覚えておけばここは大丈夫よ』 成績が悪かったときも、お姉ちゃんは一緒に勉強に付き合ってくれた。 教科書をなぞって、わかりやすく答えを導いてくれる魔法の手。 『時間が無くなっても、あんまり慌てないこと。公式が頭からポンッと抜けないよう、 今のうちから慣らしていったほうがいいわね』 『うんっ』 少し先に行っちゃっても、お姉ちゃんは立ち止まって待ってくれた。 さしのべてくれた手は、少しずつ、少しずつ大きくなっていたよね。 材料の小麦粉をボウルにふるい終わったお姉ちゃんは、また泡立て器を手にした。 「あっ、強くまぜちゃだめだよ。これもだまができちゃうから、ゆっくり、ゆっくりなじませるの」 「ゆっくりね、わかったわ」 そう言ってまぜ始めたけど……ああっ、ちょっと早いよー。 「えっと、もう少しゆっくりかな。ちょっとごめん」 「えっ?」 私はあわてて、自分の手をお姉ちゃんの手の上にあわせた。 「こう、円を描くみたいにゆっくり、ゆっくり……そう、こんな感じ」 「ありがと、つかさ」 私がお姉ちゃんの手をはなすと、今度はちゃんとゆっくりまぜはじめてくれた。 さすがお姉ちゃん、その調子っ! 「それにても、こんなに手間がかかるなんて……お菓子作りってホントに大変なのね」 「その分、食べてもらったときに喜んでもらえると、とってもうれしいんだよ」 「だから、つかさは私たちが食べてるときにニコニコ笑ってるんだ」 「うんっ」 「じゃあ、私もその笑顔目指して頑張らなくちゃ」 「が、がんばるのはいいけど、まぜるのもがんばらなくていいんだよー?!」 私はあわてて、はりきって生地をまぜはじめたお姉ちゃんの手を止めた。 もう、お姉ちゃんってばー……
594 :
(6/10) :2007/06/18(月) 13:21:59 ID:I+ZSx7v6
『もうっ、心配したんだからねっ!』 遠くまで遊びに行って迷っちゃったときも、お姉ちゃんはずっと私を探してくれた。 『えうっ……ごめんなさい……』 隣の駅前のベンチで泣いていた私の手をとって……ぎゅっと、抱きしめてくれて。 『ほらっ、お家に帰ろ? お母さんたちも心配してるよ?』 『うんっ!』 そのぬくもりは、私のさみしさを全部溶かしてくれた。 「つかさ、このくらいでいいのかな?」 お姉ちゃんの質問を聞いて、私は泡立て器で生地をゆっくりかきまぜてみた。 「うん。だまもないし、このくらいでちょうどいいと思うよ」 「よかったぁ」 そう言って、お姉ちゃんはほっと胸をなでおろした。 「出来た生地は、冷蔵庫で1時間ぐらい寝かせておくの。クリームも冷蔵庫に入れたし、一休みしよっか」 「そうねー……はー、つかれた」 「おつかれさま、お姉ちゃん」 私は冷蔵庫からレモンティーを取り出すと、お姉ちゃんといっしょに居間へ入った。 「それにしても、見るのとやるのじゃ大違いね。テレビとか見てると簡単そうだけど、 こう作ると時間もかかるし、手間もけっこうかかるし」 「テレビだと『ここに30分煮込んだものが』とか出てきちゃうからねー」 テーブルに向かい合って座りながら、二人で苦笑いする。 「でも、つかさはいつもこうやって手間をかけて作ってるんだ……なんか、感心しちゃうわ」 「そ、そんなことないよ。私はこのくらいしかできないし……」 「『このくらい』って謙遜するんじゃないの。料理音痴の私にもここまで教えられたんだし、 十分凄いわよ」 私がいれたレモンティーを口にして、お姉ちゃんが優しく言ってくれた。 「間違ってくれるときもわかるように教えてくれたし、一緒に手をとってやってくれて、 慌てないで済んだし。ホント、つかさの手って魔法みたい」 「ま、魔法って、そんなー」 お姉ちゃんの手こそ、魔法の手なのに…… 「だって、お菓子も料理もパパッと作っちゃうんだから。さすが、将来はシェフ志望ってところね」 「あ、あはは」 あんまりこうやってほめられたことないから、なんだかこそばゆいよ。
595 :
(7/10) :2007/06/18(月) 13:23:05 ID:I+ZSx7v6
「つかさは卒業したら、調理師の専門学校に入るつもりなんでしょ?」 「うん」 「つかさだったら、きっといいシェフになれるわよ」 「ううっ、失敗しすぎないようがんばらないと」 「あんまりおどおどしないの。つかさなら大丈夫だって」 学校生活が3分の2を過ぎて……もう"卒業"って言葉が出てくる時期。 「それにしても……そっか、卒業したら、初めて学校が別れ別れになっちゃうんだ」 「そうだねー……」 18年間一緒だった私たちが、初めて別の道を進むことになる。 「近くにつかさがいなくて、ちょっと違和感を感じたりして」 「私も、お姉ちゃんがいなくて不安になっちゃったりして……」 「そんな不安になるなんて言わないでよ。家に帰れば、私は一緒にいるんだから」 「うん」 でも……本当に慣れるのかな。 ずっと、いつでも一緒だったから。 「もう、そんな不安そうな顔をしないのっ」 そう言うと、お姉ちゃんは私の手をとって、 「あっ」 上から、きゅっとにぎってくれた。 「つかさの腕なら、いろんな人に美味しいって言ってもらえるシェフになれると思うから。 ちゃんと自信を持って、自分が信じる道を進んでいくこと。いい?」 その手から、優しいぬくもりを感じた私は…… 「うんっ!」 笑顔で、大きく頷いた。 ――私が、この道を選んだのはね。 『あっ、これおいしい』 『えっと……ホント?』 『ホント。ふわふわの卵焼きで、とってもおいしい!』 小さいころ、一生懸命練習した卵焼きを食べてくれて…… 嬉しそうに、笑ってくれて。 『つかさは、きっといいコックさんになれるわよ』 そう言って、私の手をにぎってくれたからなんだよ。 お姉ちゃんみたいな、力強い手じゃないけど。 この手で、いろんな人の笑顔を…… そして、お姉ちゃんの笑顔をもっと見てみたかったから。
596 :
(8/10) :2007/06/18(月) 13:23:54 ID:I+ZSx7v6
「あちっ!」 「ああっ、そっとやっちゃだめだよー。こうやって……えいっ」 「そ、そんなに素早くやるの?」 「そっとやっちゃうと、フライパンだけじゃなくて生地の熱さも伝わっちゃうから」 「へえ。じゃあ、もう一回……えいっ!」 「そうそう、その感じ。いい焼き色だねー」 もしも離ればなれになることがあっても、私はきっと忘れないと思う。 「クリームは真ん中に丘みたいになるように……って、こう?」 「うん、外側は低くて、真ん中が少し高くなるようにするの」 「だから、ドトールのミルクレープとかは山型になってたんだ」 「思いついた人って凄いよねー。それじゃあお姉ちゃん、あと15段、がんばって!」 「……うー、やるっきゃないわね」 お姉ちゃんがにぎってくれた、手のぬくもりを。 「最後は粉砂糖を、薄化粧みたいにふりかけてと」 「あんまりかけすぎると、生地のおいしさが台無しになっちゃうんだ」 「確かに、この香ばしい匂いが甘ったるくなると思うと……慎重に、慎重に」 「うん、きれいきれい」 「こうやると、なんかパティシエになった気分ね」 「お姉ちゃんも、私といっしょに調理師の学校に行く?」 「そ、それはさすがに遠慮しとくわ」 それは、世界でいちばん大事な…… 「つかさ、箱はこれでいい?」 「うん、その大きさなら入ると思うよ」 「じゃあ、ラップをかけて、箱の中に入れて……と」 「はいっ、完成ー!」 「あー、できたー!」 私の、何よりもがんばれるお守りだから。
597 :
(9/10) :2007/06/18(月) 13:24:59 ID:I+ZSx7v6
「……おおっ、おいしい!」 「本当、おいしいですね」 こなちゃんとゆきちゃんが、切り分けたミルクレープを口にして声を上げた。 「いやー、まさか手作りのミルクレープが食べられるなんて。つかさはホントに凄い子だねー」 「普段はお店でしかお目にかかれませんよね。本当、凄いです」 「あの、その、実はね」 ちゃんと、二人に伝えないと。 「そのミルクレープ、お姉ちゃんが作ったんだよ」 「まあ」 「……へ?」 ゆきちゃんは驚いて、こなちゃんは……あ、固まってる。 「つ、つかざが教えてくれたんだけどね」 「……You?」 そ、そんなカタコトの英語で言わなくても…… 「そ、そうよ。私が作ってみたの。悪い?」 「……Really??」 「う、うん。お姉ちゃん、がんばって作ったんだよ」 私が頷くと、こなちゃんはもう一口ミルクレープを食べた。 「……美味しい。おかしい。ウマイ。おかしい。そんな、かがみがこんなに美味しく作るなんてっ!」 そう叫ぶと、こなちゃんは一気にミルクレープを食べ終わった。 「かがみ」 「え、な、なに?」 「ごちそーさま。また、夕ごはんの後にもらうからね」 「こ、こちらこそ……お粗末様でした」 そう言って顔を上げたお姉ちゃんの顔は、すっかり安心しきっていた。 よかったね、お姉ちゃん。 「あー、なんかちょっとすっごく悔しいから、私も今日は思いっきり腕を振るわせてもらうとしますかー!」 「あはは、こなちゃん言ってることがめちゃくちゃだよー」 「かがみがこんなの作るなんて絶対何かの前触れだって! だから、私が美味しいのを作って阻止してやる!」 「ちょっと、人がゴジラか何かみたいに言わないでよっ!」 「あ、あらあら」 こなちゃんは暴走して、お姉ちゃんは怒って、ゆきちゃんはおろおろしちゃって 「もう、二人ともやめてってばー!」 でも……三人とも楽しそうだから、いいのかな。
「はー、こなたってばいきなり変なスイッチ入っちゃうんだから」 「あははっ」 おやつを食べたあと、私たちは台所を借りて一緒にお片づけをしていた。 「でも、こなちゃんもゆきちゃんも喜んでくれたからよかったね」 「正直、ちょっと不安だったけど……ほんと、つかさのおかげね」 二人の笑顔を見たお姉ちゃんは、とっても嬉しそうだった。 こなちゃんとはじゃれあってたけど、それもほんとに楽しそうだったし。 「お姉ちゃんが、いっぱいがんばったからだよ」 私はそう言いながら、お姉ちゃんの手を取った。 そこは少し火傷になってて、ほんのり赤くなってるところもある。 「えっと……大丈夫?」 「大丈夫大丈夫。名誉の負傷って思えば平気よ。それよりも、さ」 「うん?」 私が首をかしげると、お姉ちゃんはほんのりほっぺたを赤くしながら、 「また、何か作りたくなったら……お願いしてもいいかな」 たまに私に見せてくれる、照れ笑いを浮かべてみせた。 その笑顔が嬉しくて、私も…… 「もちろんっ!」 お姉ちゃんの手をそっと包み込んで、大きくうなずいた。 ずっと、一緒につないでくれた手。 私が困ったときや、迷ったときにつないでくれた、あったかい手。 だから…… 私も、お姉ちゃんの手をしっかりにぎってあげなくちゃね。
というわけで「そばにいるよ」お送りしました。 原作本編でも柊姉妹のお話は多いですけど、つかさメインのお話って少ないなーと思い、 得意な料理にスポットを当てて一編書いてみました。 お楽しみ頂けましたら、幸いです。
リアルタイムで読めた GJ
601 :
こなかなもー :2007/06/18(月) 14:10:16 ID:sIqtwzLO
○11レスお借りします ○こなたSSです。 ○非エロです。すいません。 ○時系列は高校二年生、梅雨です。
朝の目覚めは、いつも通りだった。いつも通り、目覚ましの音に反応して右手を振り上げ、目覚ましに向かっ て振り下ろす。脳みそを抉るようなベルの音はそれで止んだ。 「うー……」 寝癖で跳ねる髪をぐりぐりと撫でつけながら、泉こなたは体を起こした。そこまで行けば、今日の睡魔との勝 負は、勝利といってもいいだろう。少しばかりの満足感を抱えながら、ベッドから降りると、クローゼットから 着替えを引っ張り出して、制服に着替える。 着替えを終えて部屋を出ると、階下へ。あくびをかみ殺しながら顔を洗う。鏡を見ると、いつもの自分。いつ もの眠そうな顔。 頬を引っ張ってみる。鏡の中の自分も同じように頬を引っ張った。 両目の下に指を添えて、少し下に引っ張ってみる。鏡の中に、ちょっとだけ目尻を下げた自分。 自分とのにらめっこ。 鏡の中の自分とその前に立っている自分が同時に苦笑する。なにやってるんだか。 がしがしと寝癖になって跳ねている、耳の裏の生え際を撫でつける。ブラシを通すと全体はちゃんとなったが そこだけはどうしても直らない。一瞬これでいいやと思ったが、なんとか思い直して、ぱしゃりとそこに水を つけて、押さえながらドライヤーを当てる。暑いから嫌だったけど我慢我慢。 ドライヤーを止めて、あくびをひとつ。 キッチンへ行くと、父親はまだ起きてきていないようだった。いつもの自分のエプロンを制服の上から引っか けると、冷蔵庫を覗く。パンとサラダと牛乳。あとはベーコンでも焼こう。 髪を後ろで一つ縛ると、パンをオーブンにセットして、野菜を切る。フライパンを温めて、ぺーコンを入れる。 手抜きと言うなかれ。朝はとにかく楽をしたい気分になってしまうのだ。 自分の分と、父親の分。並べ終えると、父を起こしに行くかどうか、こなたは少し考えた。制服の上にエプロ ン付けて起こしに行くのもそれはそれで萌えポイント?
仕事柄締め切り前で徹夜でもしていたのかもしれない。こなたは父親の仕事について、何をしているかぐらい は知っているが、詳しく聞いたことはない。聞けば話してくれるのだろうと思っているが、何故か聞きそびれて しまって、はや自分は十八歳になろうとしている。 聞かない方がいいことも、ある。話したくないことだってある。 自分がそうであるから、きっと父親もそうなんだろう。 父親を起こしにいくのをやめ、こなたはジャムをぺたぺたと塗りつけたパンを囓る。 朝食をお腹の中に収めてしまうと、時間はもうそんなにない。父親の分にラップをかけて、メモを一つ。『娘 が制服エプロンで作った朝食なので味わって食べるように』脊髄反射って意味がわからないから怖くて面白い。 部屋に戻って鞄を手に取る。体育の着替えと、筆箱と、DS。それから定期とバスに乗るための学生証。こん なもんだろう。 とって返すと、玄関。靴を履いて、扉に手をかける。 振り向き、家の中を見る。 いつもとどこも変わらない。ずっとここで育ってきた、自分の知っている家。 「いってきます」 例え答える人がいなくても、こなたはこの言葉を欠かしたことはない。 外は、雨だった。 もう梅雨か。ため息をひとつ吐くと、傘を広げる。 駅までの道のりを、靴を気にしながら歩く。ちらりと時計を見ると、いつもより早い時間。この時間だったら 、ひょっとしたら電車で柊姉妹に会えるかもしれない。彼女たちは(主に姉のかがみの方だが)常に決まった時 間に電車に乗っているようだし。自分もいつも同じ時間の電車に乗れたらいいのかもしれないが、それはそれ。 女にはのっぴきならない事情というものもでてくるのだ。ネトゲとか。 定期を出して、改札を通る。電車はすでにホームに停まっていた。電車に乗って、ぐるりと中を見回して、た め息を一つ。今日は目的の駅まで立ったままか。手の届かないつり革を諦めて、出口のドア付近に陣取った。
糟日部駅というアナウンスで、こなたは半分眠っていた意識を覚醒させた。おお、立ったままでも時間旅行が できてしまった、と自分でも良くわからない感慨を抱えなら、電車を降りる。改札に向かう階段を上っていると 、その先に見知った後ろ姿が見えた。左右にゆらゆら揺れているツインテール。あれはたぶん柊かがみだ。隣に つかさらしい後ろ姿が見えるからたぶん間違いないだろう。 それにしても。 「かがみは白で、つかさは……黒?」 階段を上っているアングルでは背の低い自分が普通に見上げたら見えてしまう不可抗力。眼福眼福、と思いな がら、階段を上りきったところで二人に声をかける。 「おっはよー、白かがみんに黒つかさー」 「おっす」かがみは足を止めて、振り返る。「で、なによ白だの黒だのって」 「こなちゃんおはよー」 「いや、つい」 「ついって何だ」 「かがみが白で、つかさが黒だったから」 かがみはなんのことかわからない、という顔をしている。それとは正反対に、つかさは「あっ」と呟くと瞬間 湯沸かし器のように顔を真っ赤に染める。 「み、見えてた?」 「さあ、なんのことかな〜?」 「見えちゃってた!?」 「つかさが何を言ってるのかわかんないなー」 「こなちゃんー!」 かがみはやっぱり理解していない顔。きっと理解したらまたいつもの素晴らしいツッコミが来るのだろう。楽 しみだ。つかさが必死に言い訳という名の壮大な自爆をしているのを聞き流しながら、こなたはかがみの隣に並ぶ。 「く、黒は、黒は違うのー!」 かがみはもはや理解するという行為を放棄したのか、つかさの言葉をスルーして改札をくぐる。こなたが続い て、つかさは定期を探して慌てている。 「つかさー?」 「ま、まって、まってー!」 今日一日はこのネタでイケる。つかさの狼狽っぷりに、こなたは心に決めていた。
人間には、三大欲というものがある。食欲、睡眠欲、そして性欲。この中でもっとも抗いづらいものは何か、 と聞かれたなら、迷わず睡眠欲と答えるだろう。 こなたはシャーペンで自分のこめかみをぐりぐりとつつく。そんなことで眠気が緩和されるわけはないのだが、 気分の問題だ。 どうしよう。このまま本能に従ってしまおうか。そうだ、もともと人間の本能は生きるために存在するもので あって、それをねじ曲げるなど本来の姿をねじ曲げる行為に他ならないのだ。あるがままに生きよう。そう、人 は自然に還るのだ。さあ、森に帰ろう。 理論武装終了。おやすみなさい。 腕を枕にして目を閉じた瞬間、眉間に衝撃。 「はう!」 痛みはなかったが、突然の衝撃にこなたは仰け反る。 「ストライクやな」 満足げにそう言い放ったのは、黒板の前にいる社会教師で担任の黒井ななこ(27)だった。右腕を振り抜い た姿勢で立っている。サブマリンだよ。すげー。俊介だ。てかチョーク投げなんてリアルで初めて見た。ざわざ さと流れる喧噪。こなたの目の焦点がやっと戻ってくる。こつん、と目の前に白いチョークが落ちてくる。ああ、 これが額にあたったのか。 黒井ななこ先生は晴れやかな笑顔でこちらを見ている。周囲のクラスメイトは自分と先生とをちらちら見て、 次の展開に何か期待をしている。 何か言わなくては。 えっと。 「バ、バレンタイン監督のベース投げは見事でしたよね?」 「ドアホ!」 二発目の直撃を食らい、再びこなたは仰け反った。どっと教室が沸く。 コバマサだった。
「すごかったねー」 四時間目が終了して、昼休み。お弁当を広げながら、つかさがにこにこしている。いつものお昼。いつもの場 所。こなたはくるりと椅子を後ろに向ける。自分の後ろの席は高良みゆき。席がくっついているここに、こなた、 みゆき、つかさの三人、場合によっては隣のかがみも加わって四人で昼食を食べるのがいつものセオリー。 三時間目の休み時間に買っておいたチョココロネと牛乳。つかさやみゆきのお弁当を見ていると、こういうの もいいかなと思うけれど、なかなかそこまで手が回らない。朝何時に起きているんだろう。ていうか、何時に寝 てるんだろう。 「つかさ、自分で作ってるんだよね?」 「うん、そうだよ」 つかさは卵焼きをぱくり。 「何時に起きてるの?」 「六時くらいかな?」 「何時に寝てるの?」 「……く、九時、くらい……?」 「疑問形だよこの子は。てか早っ」 九時間。なかなか素敵な睡眠時間だ。 「今日は、かがみさんいらっしゃいませんね」みゆきが言う。 「珍しいね」 「まーかがみんにも自分のクラスの付き合いとかあるでしょ」 去年から常に一人別クラスになる不幸な柊かがみ。わざわざ同じ文系を選んだにもかかわらず同じクラスにな れなかった不幸なかがみ。けれどこなたは知っている。原則的に双子は同じクラスになれないことを。あえて言 っていないけど。成績はいいけどどこか抜けている彼女のことが、こなたは好きだった。時々意地悪したくなる のも、たぶん愛だろう。それが愛でしょうと某ミリタリーアクションアニメも謳っているし。 「ねえ、つかさブラック?」 「こ、ここここ、こなちゃんー!」 「ブラック?」みゆきが首を傾げる。「それは、どういった意味合いですか?」 「それはね」 「こなちゃんだめー!」 「とつかさが言っているのでごめんね、みゆきさん」 「いえ、つかささんが嫌がっているなら聞きませんわ」 ありがとうゆきちゃん、とつかさが今にも感動の涙をこぼしそうになっているのを、微笑ましい気持ちで見る。 これもきっと愛なのかも、と思ってこなたは笑う。 愛って偉大だ。 こっちは引っこ抜かれて投げられるような愛かもしれないけれど。 「黒」 「はうっ!」
きりーつ。きょうつけー、れいー。さよーならー。みゆきの号令で今日一日の学校が終わり、がやがやと喧噪 の中で帰り支度をする。筆箱を鞄の中に。はい、帰り支度終了。 「こなちゃん、帰ろ?」 「うん」 「みゆきさんは?」 「生徒会の集まりあるんだって」 つかさと並んで教室を出ると、とっても目立つツインテール。 「かがみ」 「おっす。一緒に帰ろう?」 「うん、お姉ちゃん」 「じゃあ、いこっか、白かがみん」 「はううっ!」 「まだ朝のネタ引っ張ってるのか」 「今日はこれで引っ張ることに決めてたから」 「まーあたしには意味わかんないけどね」 かがみは肩を竦めて歩き出す。かがみにも関係あるんだけどね、とこなたも肩を竦める。 「つかさは知ってるのよね」 「ししし、知らない。知らないよ?」 「わっかりやす」 「かがみは気になる?」 こなたがかがみを見上げるようにして聞くと、かがみは少し考え込んだあと、気になるけど気にしない、と言 った。 「正直者め」 「それはどうも」 「そんなところも好きだよかがみん」 「あーはいはい」 「ぱんつの色が白でも」 「あーはいは――」 言葉が途切れる。無言。無言のままかがみは歩くのを止める。つかさも硬直している。これは色反転が起こる シーンかな、とこなたはいつでも逃げられるように筋肉を緊張させる。 一秒。 二秒。 三秒。 「朝かっ! 階段かっ!」
「おお、かがみ素晴らしい洞察力。名探偵かがみちゃん。いや不可抗力なんだけどね。ほら、私身長低いし。低 いと角度的な問題で見え」 「黙れ」 黙る。 もし視線で人が殺せるなら、今この瞬間泉こなたは死んでいたかもしれない。そう思わせるようなかがみの視 線。うん、とこなたは頷く。ネタは熟成させるほどに美味しくなるのだなぁ。朝すぐに告げていたならここまで のかがみは見られなかっただろう。 「ったく、白だの黒だの言ってたのはそれ、か……?」 あれ。とかがみは腕を組んで、まるで名探偵のトリック解説シーンのように人差し指を額に当てる。 「……黒?」 かがみがつかさを見る。 こなたもつかさを見る。 つかさ は こんらん している! つかさ は いいわけを はじめた! 「ちちち、違うの、この間ね、お姉ちゃんと買い物行ったときに、一枚くらいこういうの持ってたらって無理矢 理買って貰っちゃって、それで今日ねぼけてうっかり履いてきちゃって、それでね、それでね、気がついたのこ なちゃんに言われたときで――」 つかさはにげだした! しかし まわりこまれてしまった! 「ほほう、どれどれ」 「やめてー! めくっちゃだめー!」 「おおせくしー」 「ふえええええん!」 めくっちゃった後で今いる場所に気付いたけれど、後の祭り。つかさは半泣きだったけど、やっぱりこれも愛 ってことで。 たぶん。
帰り道にあるスーパーで買い物をして、家に帰る。制服姿で夕飯の材料の買い物ってやっぱり萌えポイントな のだろうか。きっとスーパーの袋から飛び出したネギが高ポイントのはずだ。袋をキッチンに置いて、一度部屋 へ。鞄を置いて、着替える。タンクトップがすっきり着られるというのは楽だけれど、ちょっと寂しい。脇から 見える横乳に憧れるお年頃なのだ。 朝作った食事は綺麗に片付けられていて、テーブルの上にはメモが一枚。『裸エプロンだとMOTTO美味し いだろうか』。うん、良い感じに頭が腐っている。そんなことは娘にさせないでやってくれる人を探すべきだ。 たぶん無理だろうけど。 信用してるのかな。 そうなのかも? 野菜を刻みながら、もしそんな日が来たらどうするのだろう、と考えてみる。そんな自分。そんな父。知らな い誰か。まったく想像ができなかった。 食事は、作り始めると結構楽しい。始めるまでが面倒で、後片付けも面倒だけど。 だいたいできあがったところで、父親が帰ってくる。 「ただいま」 「おかえり」 父は珍しく、余所行きのフォーマルな服装をしていた。そのまま椅子に座って、少し疲れたようなため息。 「打ち合わせ?」 「そうなんだよ。結構面倒だった」 「それがお仕事、なんだよね」 「まあ、そうかなぁ」父が苦笑する。 こなたは作った食事をテーブルに並べる。いつもはすぐに手伝おうと手を出してくる父も、今日は動かない。 そこに気が回らないほどに疲れているのだろう、とこなたは解釈した。めずらしく父は無口で、こなたも何か話 しかけづらいものを感じながら夕食を食べる。そのままほぼ無言で食べ終わり、食器を運んだところで、父がこ なたを呼んだ。 「こなた」 「なーに?」 「ちょっと、こっち来て座ってくれないか」 珍しい。 何かあったのだろうか、と考えて、先ほどの想像がまさか真実になるのか、と思う。父の隣に知らない誰かが 立つ日が来るのか。 「……再婚?」
座りながらこなたが言うと、父は肩を落とした。違っていたらしい。 父はこなたの前に、いっさつの本を差し出した。飾り気のない、落ち着いた装丁の表紙。 「これは?」 父は苦笑いのような表情。 「本当は、こなただけに見せるための本だったんだが」がしがしと父は頭を掻く。「担当に読まれてしまってな 。それでまたえらく気に入られて、出版する羽目になってしまったんだ」 こなたは首を傾げる。話が見えない。 「しかも、映画化までするって言うんだ。反対する積もりだったのに押し切られたよ」 「それは……おとーさん、すごいことじゃ?」 そうなんだが。父は言葉を濁して、ため息を吐く。 「娘がいいって言ったら、と言ったよ」 「はい?」 「だから、こなたが読んでくれ」 「私?」 「本当は」父は静かに笑って、言った。「おまえが結婚でもするときに渡す積もりだったんだ」 担当に見られたのは一生の不覚だ。父はそう言って、けれど嫌そうにはしていなかった。 「おとーさん」 「こなたに、読んで欲しい」 うん、とこなたはその本を手にとって、頷いた。
ぱたん、と本を閉じる。 これは手紙だ、とこなたは思った。世界で一通だけの、大切な人にあてた手紙。もういない誰かに当てた手紙 。いつまでも想っていると気恥ずかしげに告白する手紙。 こなたは微笑んで、ベッドから降りると、積み本の山に向かう。ひとつひとつゆっくりと崩していって、その 奥にある引き出しを空ける。こんなところにしまってあることをよく覚えていたもんだ、と自分に少し感心した 。 小さな写真立て。 写っているのは、家族三人。 父と、母と、母の腕の中にいる自分。 なんとなくそういう気分になってしまったのだから仕方がない。こなたはその写真立てを引っ張り出すと、自 分のベッドの枕元に置いた。 おとーさんと、おかーさんと、それから私の話。 出版されて、映画になって、それをたくさんの人が見たり読んだりして、いったいみんなどう思うんだろう。 ぐるぐるする思考。 それを遮るように、携帯電話が鳴っている。液晶ディスプレイを見ると、『かがみ』の名前。こなたは少し迷 いながら、通話ボタンを押した。 「はろー、こなた」 「おっす、かがみ」 あれ、とかがみは呟く。電話を耳に当てながら首を傾げるかがみの姿が見えるようだった。 「ちょっと聞きたいことあったんだけど……こなた、なんかあった?」 「かがみは鋭いね」 「そんな声出してれば誰でも分かるわよ」 「そう?」 「そうよ」 そうなのか。そんな声を、今自分は出しているらしい。
「かがみ」 「なに?」 かがみの声は、どこか優しい。なんでも話してしまいそうになる。 「言えなかったら」かがみは言った。「無理して言わなくて良いよ。言えるときになったら聞いてあげるから」 「聞いて、くれる?」 「こなたが話してくれるならね」 「……ありがと」 「なんでお礼言われるのかわかんないけど」 このツンデレめ。もう大好きだ。 「ありがとかがみん。愛してるよ?」 「あーはいはい。あたしも愛してるわよ」 じゃあ、明日学校で。そんな言葉を最後に通話が切れる。こなたはくすくす笑うと、ベッドにダイブ。枕を抱 えて目を閉じる。今日は漫画もゲームもネトゲもなしにしよう。上手く言語化できないこの気分のままで夢を見 てみよう。 そんな日があったって、いいじゃないか。 父から渡された本を抱きしめる。ここに母はきっと生きている。父の中にいる母が、この本のなかにきっと生 きている。この本を読んだ人の中にも、きっと母が生きている。もし映画になったら、映画の中でも母は生きて いる。 ねえ、それってきっと、愛だよね? 世は全て事も無し。 明日はきっと晴れ。 目が覚めて、おとーさんがいて、友達がいる。 そんな私の毎日だよ、おかーさん。 【こなたよりかなたまで】
613 :
こなかなもー :2007/06/18(月) 14:30:05 ID:sIqtwzLO
以上。『こなたよりかなたまで』でした。 わりとありがちなテーマとタイトルですが、少しでも楽しんでもらえたら幸せです。 お邪魔しましたー
>>613 確かに、そうじろうはかなたと日々のこととかを何らかの形で残していそうですね。
最後の一行に、こなたとそうじろうのかなたへの思いが込められていたと思います。
良い物語、本当にありがとうございました。
615 :
320 :2007/06/18(月) 14:45:52 ID:SMHpEoWs
>>585 まとめサイト管理人様、掲載ありがとうございました
更新いつもお疲れ様です。
自分のSSがまとめられてるとやったーって気分になります
>>586 そうこな、ありがとうございました〜
なんだかんだいってこなたはお父さんべったりな気がするんですが、どでしょう
こなたを見るそうじろうさんの目がとっても優しくてよかったです。
てけてけかなたさんもGJ うちのお気に入りは消さないで〜
>>599 GJでした。
レズレズ〜なのもいいのですが(最近保管庫振り返り中)、
なんだかこんな感じのふんわりする姉妹愛ってのもいいですね。
きっと言った本人は覚えてないような小さなエピソードなんだけれど、
それを大切に覚えているつかさ、いいですよね
>>613 『娘が制服エプロンで作った朝食なので味わって食べるように』
『裸エプロンだとMOTTO美味しいだろうか』
二人とも、頭がいい感じに腐ってます。
それはともあれ、こなたよりかなたまで、お疲れ様でした。
前半の平凡な日常風景が、最後の四行でずしっときますね
いい友達を持って、こなたは幸せだなぁ……
>>615 >レズレズ
そこは『百合百合』というべきではないだろうか?いやそういうべきである!
レズレズに反応して勢いで百合百合とか書いてる俺もいい感じに脳が腐ってますね
>>613 よい話GJです。感想が上手く言語化できませんw
ぐぉ、平日の日中に大作がダブルで! さらに、いつもの人のCGもダブルでっ!! こ、このスレの住人は化け物揃いか!?GJ!! ……さすがに仕事中に没頭するとヤバイので、帰宅してからじっくり楽しませていただきますです。
GJでありまする! そして今更こなた(此方)とかなた(彼方)というネーミングが意味するところを悟って感心してたりする間抜けがここに。 四コマと言いつつこう言うところにハードな物を忍ばせてるとか侮れない……さすがだ……
>>613 ……( ;ω;)b
グッジョブが止まらねえ……つーかラストのタイトル見た瞬間に『Imaginary affair』が脳内で流れて一気にうるっときたよ……
日常って、いいよね。
なんでこんなに上手い文がかけるんだあああああああ と思いながら読ませていただきました。このスレの作者さんにびっくりだ。 姉妹愛も家族愛もとっても温かくてほんわかしました。GJ!
電車の中でry
>>613 ───┐ 三ζ゚<MOTTOMOTTO!!!!!!!
□□□│ミ ζ゚
□□□│ ζ゚ <We can fly.
□□□│
□□□│ ζ゚ ζ゚ ζ゚ <You can fly.
□□□│ ζ゚
□□□│ ζ゚ ζ゚ ζ゚<I can fly.
□□□│ ζ゚
□□□│ ζ゚ ζ゚ ζ゚ <GJ !
._. │ ζ゚ ζ゚ ζ゚
| | | │
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>620 こなたよりかなたまで…だよな?
こなた・かなたのSS読んで、真っ先にこのタイトルが頭に浮かんだ。
>>613 GJッス!
>>620 あ、俺がいる
降り止まない雨などここにはないから
僕にだけ頷いて その涙もう拭きなよ〜♪
平日の高校帰りに読んで元気がでたよ… …明日もちゃんと行く気になったよ。両氏ともありがとう
てけてけかなたさんアナザー(東映版) 今夜もネトゲに興じるこなた。 その画面上にイキナリあらわれる、かなたさんのメッセージ。 「こなたの青春は輝いていますか?本当の自分を隠してはいませんか? 「こなたの人生は満たされていますか?ちっぽけな幸せに妥協してませんか?」 こなた「おかーさん……そのネタ平成生まれにはわかんないよ!」
>>627 何その、MAC、Amiga IBM/PCで現れたウイルス起動パターンw
88年当時、米国でエロサイトに興じていた人のPCでよく見かけたなー
アルプス百万尺やメリーさんの羊、めりくりはまだいい方だったな。
凶暴なのになると、特定日時に、OSレベルならまだしも、
ハードの制御ROMまで消去したからな。
>>546-555 エロなのに、みゆきに違和感が無いのが凄いorz
おいらもエロ描けるようになろう・・・
>>567 &まとめの中の人
ひよりんですが、背景文字を入れる際、更正掛かってた「アンニョイ」
のままコピってたのに今更ながら気付いたので修正しました。
毎度お手数ですが、こちらと差し替えて頂けると助かりますm(_ _)m
http://bbs.freedeai.com/src/up3599.jpg >>571-577 ぶわっ(´;ω;`)
正統派こなかなは反則ですよぅGJ!!
>>588-599 つかかが姉妹愛もええわぁ〜(*´∀`)
もうこの姉妹には日本ベスト姉妹賞をあげたい・・・
そいえばこういう本格的な料理エピソードってあっても
いいと思うんだけど、原作(〜4巻)&アニメ無いですねー。
あたふたかがみが見れる数少ないシチュなのにw
>>601-613 ぶわっ(´;ω;`)
だから正統派そうこなかなは目から汗がGJ!!
普段キャラものパンツなのに、黒パンツなつかさワロタw
最初はドキドキしながら穿いたんだろナーとか邪推orz
--
なんか感想書くのもままならないペースで投稿って凄すぎるですこのスレ(*´∀`)ノシ
>>627 そうじろう
「コイツは凄いぜ!当時 渡辺宙明さんじゃない主題歌って
違和感あったけど、今聴くと田中公平さんの主題歌も痺れるなぁ」
>>627 かがみ「何これ?キ○イダー?パチモン?」
こなた「パチモンじゃないよ!オマージュだよ!たくもぅこれだから素人はッ」
あれ、ここってエロパr(ry
まとめWikiは、行頭の半角「-」が「■」に化けてしまうようなので、「―」とかで代用したほうがいいかも。
>>623 つまり、自分の心のままにスキルを高めろと。
>>627 こういうネタに食付きがいいのはお約束だな
…こなたは誤解を恐れなさすぎな気もするがw
>>635 神よ
貴方は何度俺達を萌え死にさせれば気が済むのですか
>>635 ワキ舐めに見えた俺がいる。
なんという・・・なんと言うことだ!!
これからウキ舐めの神と崇め奉らんw
>>577 幸せな夢っていいな。
こなたが夢だったことに落胆しないから
これを幸せな夢と思えたわけで。
>>599 姉妹愛最高!
原作にもこの二人のエピソードが
もっと欲しくなる
>>613 KOTOKOのImagnary affairを思い出した。
朝食を作ってあげる風景と歌詞の内容が
リフレインされてもう。
>>635 こなあああああああゆきいいいいいいい
自分のSSの挿絵を描いてもらえるとは感無量です
ありがとうございました
>>627 愛がほしかったので、誤解を恐れず、本当の自分を太陽(こなたさん)にさらした人<泉そうじろう
こ……このスレは一体どうしてしまったというのだろう。
レスつけきれないほどの大量投下……されど思いを込めて、いざレス仕る!
>>536 うお、妄想屋さんだー!
健康的なおみ足ですな、そしてかがみの位置からは良いぱんつが見えたことでせう(待て
>>555 こなぁぁぁぁぁぁゆk(雪崩に巻き込まれました
……ええとその、実におっぱいでした。つーかこなたになりた……こほん。
>>576 3レス目が切なくて、4レス目があったかくて、5レス目は清々しくて。
それこそ某アニメの「幸せなユメ」にすら比肩し得る良作でした。
>>584 貴様は俺か。いやむしろ俺は貴様か(待て
「現実でも、こんな風にいたかったな……」
>>569 >>586 ……というより243のひとに一括で
毎度毎度投下乙! というか、某ガ○ガサイトさんでお見かけしたル○とか出てきてGリキッド噴いた。
萌えある誓いとともにこれからもお絵かき頑張ってくれ、勇者!
>>599 なるほど、姉妹の絆が隠し味なら美味いはずだ。来月兄貴の住む町に引っ越す俺には、色々クリーンヒットでした。
向こうに行ったら料理は無理でも、二人で酒でも飲もうかな。
>>613 生き生きとした日常から、一気にラスト4レスで畳み掛け、最後の最後にタイトルを持ってくる構成の妙に轟沈しました。
暖かな絆を描ききった手腕に、敬礼!
>>627 ……。えーと。
(ズキュン! ズキュン! ズキュン!)「怒る!!」
『泉こなたの体内に秘められたエネルギーが、感情の高まりとともに頂点に達した時。彼女は、超人機コロネダーに瞬転する』
…………すまん、ついかっとなった。
というわけで、みんなみんなみーんなぐっじょぶ!!
ふなあああぁぁぁむしいいいぃぃぃ
なんという良スレ・・・ 挿絵を見ただけでワクワクしてしまった このスレは間違いなく伸びる / ̄\ | ^o^. | \_/
>>613 GJっす。
えーと、まとめに掲載する時のタイトルは「かなこなもー」の方がいいですかね?
いきなりネタバレやらかすのもナンなので…
こな×かが読める明日を追い駆けていたいー
>>651 ええい貴様の弾倉は底なしか、このGJめっ!
ほわわ〜〜〜・・・
試しにトリつけてみました
>>616 ををっ、そこは百合百合と書くべきでしたか……
百合百合も書けるようになりたいが、まだ勉強不足。
む〜、こなかがも書いてみたい……
>>651 SS書くたびにいつもありがとうございます。
「あ〜、やっぱり書いてもらえるのかなぁ。どんな絵になるのかなぁ」
と毎度楽しみにしています。
ぎゅっとしてもらっているこなた、とてもいいもの頂きました
ちょっと読者アンケート。書く際の参考までに
真・らき☆すた 萌えドリル特典の「RAvish Romance」のこなたルート、
ニコニコ経由でもいいんで知ってる方はどれぐらいいますか?
>>657 どうもありがとうございます。報われます(^^)
ただ、みなさんの力作に対し飛び飛びでの投稿になってしまっており
描けていないSSとその作家さんには申し訳ない限り。。
あ、自分の中で投稿が義務化しないようにwktkしながら描いてますので
期待しないで待ってて頂けると幸いですー( ´∀`)b
みなさんがGJコメントされるように挿絵投稿していきたいと思うのですが
神作品が怒濤のように投稿されるので、読んでハァハァする毎日。。
こなかが来てくれー
>>657 >こなたルート
取り合えず知ってる奴一名ノシ
660 :
こなかなもー :2007/06/19(火) 01:27:22 ID:i6S9Daa4
作者です。たくさんのGJありがとうございました。 『Imagnary affair』はやっぱり意識しました。ある意味やったもん勝ちのネタのように思ったので、楽しんでもらえてほっとしています。 >649 お手数おかけします。収録の際はタイトル出してくださって結構です 「こなかなもー」で置いてあるとどんなSSかよくわからないような気がしますので。 >320 こなたルート書かれるなら楽しみに待たせていただきます。
ニコニコで一通りみたー。 とりあえず白石はフルボッコ。
ただ名前付けられただけなのにフルボッコにされる白石カワイソス。 さておきキャラは好きだが、百合苦手な俺は、ゲームがでたら絶対買う。 ななこ先生とか攻略したいです・・・・・・
>>664 >らきすたのギャルゲ
たしかにでるとしたらちょいと欲しいかもw
ひよりん攻略したいし
ただゆいねーさんは攻略不可だろうねw
で、アニメ版とドラマCD版のキャストを変更する機能は絶対につけてほしい
これはまじで一粒で二度美味しいしw
パ〇フェとかショ〇ラはPS2版キャストはラ〇ズばっかりでできたもんじゃなかったが………でもらきすたならどっちでも可能だ!
>>665 いやいやいや、キャスト変更は色んな意味で難しいだろ、大人の事情とかでw
しかも出るとしたらキャラ多いから攻略キャラしぼられるだろうしなー…少し不安
メインの4人、1年3人だけで合計7人…この時点でけっこういっぱいいっぱいだから
ななこ先生とかは難しいのかなー…好きなんだが
「あれ?確か台本ではここで城主と会う事に・・・。」 「飛ばしちゃえば?ハプニングに柔軟に対応するのも、 アイドルには重要なことだから。覚えときなさい。」 「は、はい!わかりました。」 「あのぉ、ここですよ〜!気づいてくださ〜い!」 「そんなちっさい声やったら聞こえへんやろ。」 「・・・同感。」 「め・・眼鏡は何処ですか?アレがないと私・・・ああ痛っ!」 「オペレーター何やってんの。」 (白石単独行動中) 「久しぶりだねぇ、セバスチャン。」 「白石です。」 「も〜、そんなのどっちでもいいじゃん。」 「よくないって。」 「リベンジするかセバスチャン。」 「何のだよ。」 (あきら様単独行動中) 「いっひっひ、つかまえろ〜」 「ひゃううぅ、来ないで〜。・・・あっ、灰皿。」 A 投げる 「笑わせんじゃねえ!」 「あだぁっ!・・・うえぇ、ケホッ、ケホッ。」 「み・・・みさちゃん・・・。って次は私!?」 チャプター4へ続く・・・。
「うおわっ、黒井先生なぜここに?」 「さっき泉んとこの妹さんがゆうとったやろ。右腕を送るて。」 「(・・・言ってたっけ?)」 「まあほんな訳で覚悟しいや〜。」 「(・・・そういえばあちこちに水入りバケツがあったな。)」 A 浴びせる 「ひいいいいぃぃぃぃ・・・めちゃつめたい・・・」 「すまんごゆっくりぃー!」 「だりゃああああぁぁぁ!」 「今度は変な袋被って再登場ですか。」 「・・・そうよ。何か文句ある?」 「お姉ちゃんどこ〜?前が見えないよぉ(泣)」 「つかさ落ち着いて・・・ってこっち来ちゃだめぇ!!」 バチィーン←虎バサミ 「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」 「・・・本当は仲悪・・・どんだけー?」 「え、えーっと、ここまでたどり着いたあなたの勇気に大して、 私もそれなりの敬意を払ってあげましょぅ。」 「(・・・相変わらず声小さいなあ)」 「ね、ねぇ、みなみちゃん・・・何これ?」 「これ・・・触手!?」 「あ、ちょ、ちょっと・・・やだよぉ〜。」 「あ・・・んん・・・。」 「どう見ても触手プレイです。本当にありがとうございました。」 「・・・てなストーリーなんスけどどうッスかね?」 「うーん、最後はいいが他がイマイチだな。」 「このロリコン親父めぇ〜」 完
つーか かがみもこなたも 本当にエロが似合わんキャラだな...
だからななこ先生。関西弁属性持ちだぜ?
>>663 延々流れる
わけのわからんメッセージは何?
ニコ動のコメントじゃないの
17:36 *** Konata has joined channel #泉家 17:36 *** #泉家 = @Konata ふう、これで大丈夫かな。 色々なホームページを回って探した末に、ようやくいいチャットツールが見つかった。 「CHOCOA」ってツールで、HDDを換える前はよく使ってたんだけど……うーん、盲点。 あとは、これでお母さんが接続できればいいんだけど。 お母さんは首をかしげると、しばらくウインドウを見上げたあと、ひらめいたようにぽんと手を打った。 そして、ウインドウの中に新しい行が加わる。 17:36 *** Kanata has joined channel #泉家 よし、来れた。 これから、私とお母さんの初めての会話が始まるんだ。 −−−−−− 「てけてけかなたさん」 その4・おはなし −−−−−− ツールを探し始めたとき、一番言いたかったこと。 『おかえり、お母さん』 私がそれを打ち込むと、ウインドウの中のお母さんは嬉しそうに笑って、 『ただいま、こなた』 聞きたかった言葉で、返事してくれた。 『赤ちゃんだったこなたが、私そっくりになっちゃって……』 『お母さんゆずりの体つきだよー』 その言葉に、お母さんは苦笑いする。 『お母さんは、もっとちっちゃくなっちゃって』 『うう、ちっちゃいっていうのは禁句ですよー……』 『大丈夫、私もちっちゃいんだから』 どうしよう…… 『追い打ちはやめてー』 このやりとりだけでも、なんだか楽しくてたまらないや。 『お母さんってば、かわいい』 文字だけのはずなのに、ちっちゃいお母さんの姿があって、 『よく、そう君にもそう言って抱きしめられました』 『……犯罪者と被害者に間違われなかった?』 『ひ、否定できないです……』 知らないはずのお母さんの声が、聞こえてくる気がする。 今ここにいるのは、プログラムじゃない。 正真正銘、私のお母さんなんだ。
『"神様からのごほうび"って言ったら……信じる?』 ちょっと照れながらの、お母さんの言葉。 普通に言ったら、誰も信じないはずだけど…… 『だって、お母さんがここにいるんだもん。絶対信じるよ』 今なら、何を言われても信じられる。 −−−−−− 「てけてけかなたさん」 その5・りゆう −−−−−− 『ずっとそう君とかなたを見守ってきて……そのごほうびにってね』 そう言うと、画面の中のお母さんの背中にぽんっと小さな翼が現れた。ごていねいに、 頭には輪っかまであるし。 『本当ならただそばにいるだけでもよかったんだけど、それだとすぐに力が無くなっちゃうから。 それで、他の人から『無機物に依れば、力の消費が抑えられるから』って聞いて』 『……で、私のパソコンに?』 『ええ。ケーブルで繋ってるから、そうくんのパソコンにも』 ああ、だからさっきお父さんも叫んでたんだ。 『それは嬉しいんだけど……エロゲを捨てることまでしなくても』 『親としての監督責任です』 うわ、1秒で返事が来たよ! 『まったく、こなたったらネットゲーム以外はほとんど美少女ゲームなんか入れて。 そう君もそう君です。私みたいな体つきの女の子キャラだけじゃなくて、胸の大きい キャラの美少女ゲームも大好きだなんて……ぶつぶつ』 あ、あの、おかあさーん。翼でウインドウをぺちぺちしながらいじけないでー。 『というわけで、連帯責任で二人の美少女ゲームは全部捨てさせてもらいました』 『うー、まだクリアしてないゲームもあるのにー……』 『プレイしたいなら、18歳になってからです』 『あの、ついこないだ18歳になったんだけど?』 『えっ……』 ……お、お母さん? 『……ま、まあ、それはそれとして』 ちょ、おまっ! えっ、勘違いーっ!? そうツッコミを入れようとしたけど、次の言葉でキーを打つ手が止まった。 『そういうわけで、しばらくこなたのパソコンのお世話になりたいんだけど……いい?』 ……まったく、ダメなんて言うわけないじゃん。 私の、たった一人のお母さんなんだから。 『エロゲーをインストールしてもいいなら』 『ハードディスクをフォーマットしてもいいなら』 『うー、厳しいんだからー』 そう打ち込んで、私と画面の中のお母さんは思わず笑い合っていた。 ――よろしくね、お母さん。
今回は電波じゃありませんでした。 でも2話1編。今は反省している。
>>673 おおお、ついにファーストコンタクト!
CHOCOAって昔使ってたけど、開発終了してなかったっけ、とか。
富士通だよな?
>>676 開発終了したけど、ライセンスの有効期限延長を3年ほど繰り返してるというシロモノですw
ぐーっどじょーぶ!そう君との出会いもあるのかな。 続きが楽しみだー。 「力の消費が抑えられる」 という言葉に、やがて来る(かもしれない)別れを感じて落ち着かない俺ガイルorz
CHOCOA用のkanataBOT作りたくなったじゃねえかw
>>675 お、家庭内IRCと来たか。翼ぺちぺちに萌えつつGJ。
というか「しばらく」という事は、やっぱり……?
>>675 てけてけかなたさん。いつも楽しみに読んでます。
うちのパソコンにもきてくれ、かなたさん〜
>>678 同じフラグを感じちゃってる人ここにも一名。
>>681 ををっ、リアルてけてけチャット。
ちょっと字が潰れてるのが惜しいかも……
うん、絶対あんなの間違ってますよね。 朝の伊勢崎線、いつもよりずっと早い時間の電車。 いつもは学生で埋め尽くされる電車もいつもと雰囲気が違う。 ワンカップの酒を片手に寝てる人、派手な格好をしたお姉さん。 ちょっぴり新鮮な車内を、高良みゆきは緊張しながら見回していた。 昨日のかがみの怪我、代役に決まった白石。 でも、こなたの言っていた「萌えさせる」という言葉が気になっていた。 みゆきはあまりオタクについて詳しくないが、なんとなく言いたい事は分かっている。 白石がキスシーンに抵抗あるからって、だから恋人になるなんて…… (そんなの、絶対ダメに決まってるじゃないですか!!) みゆきだって劇は成功させたい。 いままで何日も打ち込んできた劇だ。このまま終わるなんて耐えられない。 でも、だからといって無理やり白石にこなたと恋人になってもらうってのも間違ってると思う。 みゆきはあんまり恋愛には詳しくない。 でも、小さい頃から読んでいた本の中のような恋愛にもあこがれていた。 朝日の差し込む車内。手元に開いた台本を、窓枠の影が何度も横切る。 『おお、ロミオ、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの? 私を想うなら、あなたのお父さまをすてて、お名前を名乗らないでくださいな。 もしそうなさらないなら、私への愛を誓って欲しいですわ。 そうすれば、私はキャピュレット家の人でなくなりましょう』 みゆきの一番好きなシーン。一番好きなセリフ。 何度も読み返したその部分。ジュリエットが愛を告白するシーン。 みゆきにはまだ好きな人はいない、けれどもロミオに恋焦がれるジュリエットの気持ちに憧れていた。 愛するもののためなら、家も、名誉も、命だって惜しくない。 そんな気持ちが恋だと信じていた。だから、 (無理やり恋人にするなんて、間違ってます!!) 見慣れた駅、でもいつもよりもずっと人の少ない駅。 いつも乗るバス、でも今日降りるのはいつもよりも三つ手前のバス停。 (絶対、こなたさんを止めます) みゆきの目は使命感に燃えていた。
前日にちゃんと調べておいたお陰で、白石の家は簡単に見つかった。 白石の両親に事情を(萌えさせるなどを一部当たり障りのない事に変えて)説明する。 両親は以外にもすんなりと白石の部屋に通してくれた。 (でも、お二人ともなんだかにやにやしていたのは何故でしょう?) 下の階では「転校して早々すぐに女の子を引っかけるなんて、あの子もなかなかやるものね」 などという会話がされている事を、みゆきは知る由もない。 白石の部屋の前。どきどきする。兄以外の男の人の部屋に入るのなんて、初めてだ。 ノックをする。返事は返ってこない。両親は開けていいといっていたけれど、ノックのない部屋を空けるのは緊張する。 「失礼します……」 恐る恐るドアを開ける。 部屋の中は思ったよりも綺麗に整頓されている。引っ越してきたばかりだからだろうか。 白石はベッドの上で熟睡していた。 両親にもまだこなたが来ていないか聞いてみたのだけれど、やっぱりまだ何もされていないのをみて安堵の息をつく。 こなたなら窓から忍び込むぐらいやりかねないし。 (ふぅっ、落ち着いたらなんだか眠くなっちゃいました) もともと都内からの遠距離通学を強いられているみゆきは早起きだ。 しかし今日はこなたに先を越されないためにさらに早起きをしてきている。 連日の監督としての疲労もたまってきていれば、眠気もなおさらだ。 (あ、毛布、直してあげないと) やわらかい布団の誘惑に誘われ、乱れている毛布に手をかける。 ふわっとした感触。程よいぬくもりにだんだん降りてくるまぶたを押さえることも辛くなる。 毛布を直すとそのままみゆきはベッドにもたれかかる。 (ふふっ、白石さんって、寝顔、かわいいですね) 眠りに落ちつつある思考の隅で、ちょっとだけみゆきはそんな事を考えた。
眠りの向こうでなにやら騒がしい声が聞こえる。 腕にぎゅっと抱いた温かみが気持ちいい。 その抱いている中かがもぞもぞと動く。 「んん……ふぁぁ……どうされました?」 「――それは俺のセリフだ!なぁ、何なんだよこれは?」 ああ、そうだ。たしかこなたさんが白石さんに何かするからそれを止めないと…… あれ、でもさっき電車に乗って白石さんの家に…… 「これといわれましても……どれのことでしょう?」 「これのことだよ、何で一緒に寝てるんだよ!!」 「……え?そんなことは…………」 周りを見回す。目の前にいる白石の顔。 ふかふかのベッド、見覚えのない部屋。それとニヤニヤ笑いながら見ているこなた…… 「あ」 やっと理解する。白石の家に着いて、毛布を直してそれから…… 「すすすすすすいませーんっ!」 慌ててベッドから飛びのく。 さっきからぎゅっと腕を抱きしめていたみたいで、恥ずかしくてたまらない。 「これは、あの、かくかくしかじかで……!」 寝起きの混乱した頭に、目の前に白石の顔があった事実。 みゆきの顔は真っ赤になっている。自分で何を言ってるのかすらさっぱりだ。 (うう〜、お、男の人と同じベッドで寝るなんて……恥ずかしい事をしていました) その言い方、どこか誤解を招きそうだが、それ以前に本人も分かって言っているのか。 (恥ずかしい、恥ずかしいです。それに、勝手に腕ぎゅっとして、怒っていらっしゃらないでしょうか……) 「いや、だからちゃんと説明してくれよ」 白石といえば、怒っているというより疲れたといった感触。 ただ、ちょっぴり赤くなっている。 こなたとみゆきが事の顛末を説明する。 白石はベッドに胡坐をかき、その説明を聞く。 「本当にすみません。ご迷惑をおかけしました」 ぺこりとみゆきが頭を下げる。 「別にいいって。元凶はこっちだし」 白石が気にしていないことに、みゆきは安堵する。 指差されたこなたはぷくーっと頬を膨らませる。 「そんなことないもーん。私、何もしてないもーん」 「未遂に終わっただけ、寝坊してなかったら今頃……」 「ああああ、もうこんな時間だ! 準備よろしくねーっ!」 逃げるように降りてゆくこなた。 それを呆れたように白石は見送る。
「……ったく、逃げ足の早い……」 「でも、時間ありませんよ。急がないと遅刻かと」 「あ、ごめん、すぐ支度するよ」 「はい。下でお待ちしますね」 小さく頭を下げて、扉を閉める。 白石の姿が見えなくなって、やっとみゆきは小さく息をつく。 「あ……」 手の平に残った感触。 白石の腕をぎゅっと抱きしめたときの感触を思い出して真っ赤になるみゆき。 「ん?どしたのみゆきさん。もしかしてフラグ立っちゃった?」 「ひゃうっ!!」 気づけばさっき部屋を出て行ったはずのこなたが目の前にいた。 「む〜、やっぱりみのるくんもおっきい方が好きなのかなぁ…… やっぱり私でフラグ立てるよりも、みゆきさんのほうが楽かも。属性も多いし」 「な、何の話ですか!!」 赤くなった顔を隠せない。 こなたの頭をぽこぽこ叩く。「みゆきさん、痛いよ〜」と笑うこなた。 「お支度、よろしいですか?そろそろ時間ですよー」 「わ、わかってるよ。今行くから」 素早く着替えを済ませ、部屋を飛び出してくる白石。 こなたがその口にジャムを塗ったパンを咥えさせる。 「朝急いでいるときはパンを咥えながらダッシュってのが基本なの。ほら、行くよ」 こなたがすごいスピードで走り出す。 白石とみゆきも慌てて後を追いかける。 でも、少しだけ、白石の事が気になって、まっすぐ白石の方を向けないみゆきがいた。
『らっきー☆ちゃんねる』 「おはらっきー☆ さて、始まってしまいましたらっきー☆ちゃんねる出張版、私、ナビゲーターの小神あきらです」 「どうも、アシスタントの白石みの……」 ドンっ!! 「ひぃっ!!」 「あのさぁ……あんたさ、主人公気取り? 何?この私を差し置いて?」 「い、いえ、これは勝手に主人公の名前を私の名前に……」 ドンっ!! 「ひぃっ!!」 「ああん? 本編に出てるだけでも気に食わないってのに、あんた何様のつもり?」 「ひ、ひぃぃっ、す、すみません」 「あ、そーだ。白石くん? 君にこーんなにはがき届いてるんだよ。は・が・き」 「あ、は、はいっ。あ、ありがとうございます」 「はーい、一枚読みますよ……『白石、お前は俺を怒らせた』」 「ひぃぃっ!!」 『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね』『もはや貴様には死すら生ぬるい!!!』 『白石くたばれ』『つまりぶっ殺すってことですよね^^』『OK、殺せばいいんだな』 「よかったね〜、君を応援するはがきがこんなに届いてるんだよ〜」 「殺される殺される殺される殺される殺される、俺は絶対殺される〜っ」 「そうだ、次回はリスナーから白石の殺し方募集して、その中から実際一個やってみるってのはどうかな?」 「いやいやいや、そんなことしたらその次回ありませんから。ってか、僕の人権無視っすか!?」 「え〜、だって、視聴者の期待にこたえるのがアイドルの仕事なんだよ。 ということで、次回はみんなのアイドル、白石くんが素晴らしい死に方をしてくれまーす」 「ちょ、ちょっと待ってください。そんなのあんまりで……」 「ばいにー☆」
以上です。 いえ、ニコニコ動画はコメントを見るのが楽しいのです。 別に、白石に対して殺意を抱いてるわけでは……
>>689 GJ!
思考や行動がみゆきさんらしくて、とても楽しめました〜。
起きたら部屋にみゆきさんが、とかのフラグ俺も欲しい…
…白石はフルボッコかな、主題歌どおr(ry
243さん 私はチョコア使いなので、出来心で作ったw勘弁 チャンネル名の空白が気になるが私より出来はいいと思われ 私のはそうじろうがログを見たらというコンセプトで作ったw
>>692 CHOCOA使ったことないので、CHOCOA画面キャプを漁ってたんですが
画面廻りの記載がチンプンカンプンで実は困ってました(^^;
ていうか、ログ時間にミスがあったり、kanataさんがログインしてなかったり・・・とミス連発なので、
チャンネル名の記載とか、もし助言いただければ今夜にでも反映させていただきたいですー。
こなたとかがみのキスシーン……見たかったな……
2ch上でIRCの話してるのを初めて見たw 2chIRCとか誰か来ないかなぁ
>>689 裏切ったな!こなたルートを期待してた僕の気持ちを裏切ったな!!
でも、あえて難しそうなみゆきルートで行くとこに男気を感じる。
まだ序盤みたいなんで以降期待します。
で、良かったらこなたルーt(ry
>>697 2chIRC上になんか部屋作って集まる?w
>>693 下のログ表示は他のチャンネルと同時入室のとき以外は 表示無しが正解なので空白で良いと思われ。 もし、凝るならこなたのネトゲの部屋でも作っておけば下のログ表示に 17:36 *kanata mode +o konata で@の配布でもすれば完璧
>>700 なるほど。助言ありがとうです。
今回はかなたさんとの会話の為に新規セットアップしてるっぽいので、
他のチャンネルは無しの方が自然かなーと思います。
ログ画面は空白にしときますねー
マイク繋いでボイチャとか、 逆に、草の根BBS時代しか知らないかなたさんがカルチャーショックとか、 仮想現実でお母さんと握手!(提供:高良電機産業株式会社)とか いろいろと夢が広がる、そんなてけてけかなたさんGJ。
>>704 変態め!この変態めッ!GJと言うほかないじゃないか!
711 :
こなたルート :2007/06/19(火) 21:39:33 ID:i6S9Daa4
読みたければ自分で書けばいいじゃない、ということでこなたルート少し書いてみました。 あ、昨日のこなかなもーの中の人です。 また場所をお借りします ○11レスです ○非エロです ○主人公の名前は白石みのるです ○主人公補正がかかってます。 ○ゲーム使用なのでこなたが別人かもしれません ○ゲームとも少し齟齬があります。笑って流してください。
――三日目 「萌えぬなら、萌えさせてみせようホトトギス」 目の前でそうきっぱりと言い切るちびっ子、もとい、泉こなたを俺は呆然と眺めていた。 なんだろう。もうなんか頭がいっぱいいっぱいって感じ? 俺、ひょっとして告白されてんの? もし告白だとしたらえらく男前で色気のない告白だけど。告白ってそういうものなんだろうか? 「さあさ、着替えないと遅れちゃうよ?」 その言葉で、俺は我に返る。時計はもう結構危険な時間を指している。毛布をはねのけて起き上がると、シャ ツを脱――ごうとしたところで気付く。自分の部屋に女の子が存在していることに。 視線が合う。 何故か俺はじっと見られている。 「……着替えたいんだけど」 「残念」泉さんはちっ、と小さく舌打ちする。「目の前で着替えはじめられて、『きゃっ、えっちっ』っていう のもいいイベントかなって思ったのに」 そのイベント分かりづらいよ。ていうか時間ないし。 「んじゃあ、下で待ってるからねー」 そう言って彼女は手をひらひらと振ると、軽快な足音を残しながら階下へ降りていく。 俺はため息を一つ吐くと、どこまで本気なんだろうと考えながら制服に着替え始めた。
俺たちの通っている綾桜学園へは、駅から電車で四駅、そこからさらにバスに乗らなければいけないという、 微妙に不便な場所にある。こんな朝っぱらから泉さんが何故俺の家に来られたのかという疑問が湧いたので彼女 に尋ねて見ると、彼女の家と駅のちょうど中間地点に俺が引っ越してきた家があるということらしい。 そもそもなんで俺の家を知っていたかという疑問は残るが、あえて突っ込まないことにした。隣を歩く彼女は 同年代と比較してもかなり小さくて、俺の肩ほどしかない。落ち着いて考えてみると、女の子に朝起こされると いうものなかなか悪くないじゃないか。ちょっと性格的にアレかもしれないけど、可愛い子には違いない。 「そうそう、これはリサーチなんだけど」 「ん?」 「みのるくんの萌えポイントは?」 なにか今不思議な単語を聞いたような気がする。 萌えポイント? 「あー、うん、そうだね、こう、心の琴線に触れてキュンとなっちゃうようなシチュや仕草のこと」 なんだそれ。 俺が答えに困っているのを察したのか、泉さんはうんうん、と腕を組んで頷く。 「まだ早かったかな。ま、焦ることないよね」 何をだ。と問いかけてしまうのは藪を突いて虎を出してしまうようなものだと思ったので口には出さなかった 。 そもそも、と俺は思う。彼女はどこまで本気なんだ。ちらりと盗み見た横顔はどこか楽しそうで、そして何かを 企んでいるように笑っている。 駅に着いて、改札を通り、電車が入ってくるホームへ。俺たちがそこに立ったのとほぼ同時に、電車が軋むよ うなうなり声を上げて滑り込んでくる。ドアを開けた電車の中に、俺は彼女の後に付き従うように乗り込む。運 良く席は空いていて、俺と彼女は並んでシートに座った。 少しでも台詞を覚えないといけないのを思い出して、俺は鞄から台本を取り出して、開いた。
「お、練習熱心だね」 「そうでもないんだ」 昨夜はほんとうにざっと眺めるだけで終わってしまったので、台本を見ずに台詞を言える状態じゃない。 「泉さんは?」 「私は覚えてきたよ」 マジで? 聞き返した俺に、彼女は頷く。肩をくっつけるようにして俺の見ている台本を覗き込んでいる彼女の目の下に 、 隈があることに俺は気付いた。昨夜は睡眠時間を削って暗記していたのだろう。 「かがみのこと考えると、もう後には引けないしね」 そう言って彼女は俺を見ずに、唇の両端を少しだけ持ち上げた。 昨日のあの瞬間の、自分の決意を俺は思い出す。雰囲気に流されていただけなのかもしれないと思ったけれど 、 俺はもう引き受けてしまっている。なら、やらなければならないんだ。もう、後には引けない。 泉さんは俺の隣で、目を閉じて、今俺が開いているページの台詞を諳んじている。 まだ三日目で、彼女たちのことなんてなんにもわかってないけど、それでも彼女たちが俺にかけてくれる小さ な期待を裏切ってはいけないんだと思った。 裏切りたくない、と俺は思った。
教室に入って、俺は自分の待遇が昨日までとは一変していることを感じた。そりゃーもう感じた。嫌ってほど 感じた。泉さんと一緒に教室に入った俺を貫いていったのは、幾つもの同情を含んだ視線だった。何故かすれ違 い様に俺の肩をぽんと叩いて「がんばれよ」と声をかけていく奴までいた。 なんだこれ。 首を傾げながら自分の席に座ると、前の席に座っている男――確か谷口という名前だったような気がする―― がくるりと振り向いて、「よ」と軽く手を上げる。 おはよう、と声をかけると、谷口は苦笑いのような顔を俺に向けた。 「いやー噂になってんぜ?」 「何が?」 「オマエ、柊の代役で高良の劇の主役やるんだろ?」 「ん、まあ、そうなった」 「いやー、みんなめんどくさがってやりたがらなかったポジションだからな」 「そうなのか」 「そりゃそうだろ」 そうかもしれない。確かに普通に考えたらめんどくさくてやる気はしないだろう。劇って結構恥ずかしいし。 あ、やべ、なんか決意が揺らぎそう。 「ま、オマエの男気に敬礼、だな」 そう言うと谷口はわざとらしく俺に向かって右手を上げて敬礼の姿勢なんてとってくれる。それってなんて言 うか、猿回しの猿に対する敬意みたいなものじゃないかという気もする。 「そう思うなら手伝ってくれよ」 「なんだ、役は埋まってんだろ?」 「大道具とか、全然足りないな」 そっか、と谷口は少しの間だ視線を宙に放り投げる。 「まーオレも自分の部活でやるのの準備とかあるから、手が空くようなら顔出してやるよ」 「さんきゅー」 「いいってことよ」 おお、こいつはひょっとしたらイイ奴かもしれない。社交辞令でもそう言ってくれると少し気が楽になるよう な気がする。やっぱりそれぞれに仕事があるから、他のところに顔を出すのはそんなに簡単なことではないだろ う。 「揃ってるかー、出席とるでー」 そんな声と共に、担任の黒井先生が教室に入ってくる。谷口が体を前に向けたのを見て、俺は鞄の中から今日 の分の教科書を引っ張り出して、机の引き出しに押し込んだ。
昼休み。 この学校の学食というものに一度行ってみようと思っていた俺は、四時間目終了のチャイムと同時に席を立っ た。しかしながら、歩き出そうとした瞬間、誰かに腕をロックされる。 なんとなく誰かなんてことは予想できてしまったが、俺はロックされている自分の左腕を見る。そこにはやっ ぱり俺の予想通り、学年ちびっ子ナンバーワン、俺を攻略すると宣言かましてくれた泉さんがいる。 「さ、昼休みもれんしゅーだよ、れんしゅー」 「え」 「文化祭終わるまでは拘束させてもらうからね」 「え」 なんてことだ。助けを求めるように谷口を見ると、ご愁傷様、と俺に向かって手を合わせている。今日は学食 案内してやるって言ってたじゃないか。俺を裏切るのか。 「あきらめろ」 そんな無慈悲な谷口の言葉を貰って、俺は泉さんに引きずられていく。ちっさいのになんかパワー強い。ずる ずると引っ張られながら、俺は思う。 頼むから、そんな売られていく子牛を見るような視線で俺を見ないでくれ、クラスのみんな。
俺が彼女に連れ込まれたのは部室等の一室、『文芸部』と書かれた札が下がっている部屋だった。連れ込まれ た、と言ったが性的な意味は一切無い。あってたまるか。いや、あったらちょっと嬉しいかもしれないというの は否定できないような気がしなくもないというのは認めるのにやぶさかではないが。 俺を連れ込んだ張本人はというと、適当な椅子に俺を座らせると、机を引っ張って動かし、その上に手にして いた大きめの(と思うのは彼女が小さいせいで相対的に俺がそう感じるだけかもしれないが)鞄をどすんと、そ の机の上に置いた。 「泉さん、文芸部なんだ?」 「んにゃ、違うよ」 「だろうね」 そうだと思った。文化祭の準備で夕方のアニメを見られないと嘆いていた彼女がどこかの部活に所属している とは考えがたい。 「文芸部の子には昼休み使う許可貰ってるから」 そうなのか。それ以上俺に何と言えと。 彼女は鞄を空けると、その中から幾つかの箱を取り出して、机の上に並べている。何をしているのだろうとぼ ーっと眺めていたら、俺たちが入って来たドアが開き、新たな登場人物が二人現れる。 「こなちゃん早いよー」 「すごい勢いでしたね」 入ってきたのは、柊つかささんと、高良みゆきさんだった。どっちも文化祭の劇の関係者だ。 「おー、来たね」 いいながら、彼女が机の上に並べていたのが昼食だと今更ながら気付く。 でも、それにしてはやけに量が多いような。
「わ、こなちゃん、すごい……」 柊さんがびっくりしたような声を出して、適当に転がっていた椅子を持ってくると、机の周りに座る。彼女は 自分の分の弁当箱を机の上に広げた。高良さんも同じように自分の昼食を広げる。 いや、お昼食べるのはいいんだけど、俺、昼食持ってないし。 「さ、とりあえず食べよっか。打ち合わせは食べながらね」 泉さんはそう言って、俺の隣に自分も腰を下ろす。いや、どうしろと? 「みのるくんの分は、こ・れ☆」 語尾になにかキラキラしたものがくっついているような台詞を俺に向かって言う彼女。俺の前に置かれたのは どこにでもありそうな普通の弁当箱。彼女が焦らすようにゆっくりと蓋を取ると、そこにあったのはやっぱり普 通の、どこにでもあるような昼食だった。 これ? 俺の? 「箸もあるよ。あ、ここは『あーん』ってするべき?」 「いいいいや、自分で食べられるっ」 とっさに答えて彼女から箸を受け取る。 とはいえ、目の前の昼食、これ本当に俺の? 「ささ、食べて食べてー」 ずずいっと勧められる。なにこれ。ひょっとしてバツゲーム? ドッキリ? どっかから撮影されてる? 辺りを見回しても逃げ場はない。わー、柊さんも高良さんもすっげ生温い笑顔だ。もう逃げ場はない。それを 悟った俺は、目の前の泉さんが作ったとおぼしき昼食に箸を付ける。 「……あ、美味しい」 恐る恐る食べた一口目。非常に控えめに言っても、美味しかった。 泉さんは嬉しそうに笑って、ぱちんと指を鳴らす。 「お弁当はフラグの基本だよネ」 とても不穏当な単語が聞こえたような気がしたが、食欲の前には風の前の塵と同じだった。諸行無常。どんな 高尚な哲学も目の前のご飯には勝てないのだ。俺は目の前の昼食を片付けることに集中した。三人の笑顔が先ほ どよりもさらに生ぬるいものになっているような気がしたが、やっぱり美味しいご飯の前ではどうということは ない。
「……結構なお手前で」 「お粗末様でした」 礼儀正しく手を合わせると、泉さんも同じように手を合わせる。彼女が食べていた自分の分の昼食は、俺にく れたものよりも一回り小さい。タイミング良く目の前にお茶が差し出され、俺は何も考えずにそれを受け取る。 ああ、お茶が美味しい。 ……あれ? 「練習するんじゃなかったけ?」 少なくとも教室を連れ出されるときはそんなこと言ってたような。 「そうだっけ?」 泉さんは素知らぬ顔で食後のお茶を楽しんでいる。あれ、ひょっとして俺、いろんな意味ではめられた? 「いい食べっぷりだねー」 「そうですね」 柊さんと高良さんがうんうん、と頷いている。なんかこう、思わずまったりしてしまいそうな雰囲気だ。なん だ、流されればいいのか。流されてもいいのか。本当にいいのか。 「ねえつかさ、かがみは今日は休み?」 泉さんがそう言うと、柊さんは表情を曇らせる。昨日の怪我と、その後の痛がり方を思い出す。 「うん」柊さんはまるで自分が怪我をしたような顔で言った。「午前中お医者さん行って、午後から行けるかも 、みたいなことは言ってた」 「そっか……」 気になることがある。昨日はあんな形で話がまとまってしまったけれど、俺が代役になったことを、彼女はど う思っているのだろう。あんまりいい感情を持たれていないんじゃないかという気がする。昨日少し練習を見た だけだけれど、彼女がとても真剣だったのは分かったから。 「柊さんのお姉さんはさ」俺は言った。「俺が代役になったこと、なんか言ってた?」 うーん、と柊さんは首を傾げる。 「お姉ちゃんね、みんなに申し訳ないって、私の前では言ってた」 でも。 柊さんは俯く。 「でも、後で私がお部屋にそっと様子を見に行ったとき、泣いてた」 そう言って、柊さんはまるで自分が泣いているような顔で、小さく息を吐いた。 そのまま、会話も弾まずに、昼休みは終わる。 連れだって一緒に教室に戻り、五時間目のチャイムが鳴ったところで、俺は泉さんにお弁当のお礼をまともに 言っていなかったことに気付いた。
「巡礼さま」その女性は言った。「あなたのご信心はあまりにもお行儀よく、お上品でございます。聖者にだっ て手はございますもの、巡礼がお触れになってもよろしゅうございます。でも、接吻はいけませんわ」 「聖者には唇がないのでしょうか、それに巡礼には?」ロミオは言った。 「いえ」娘は言った。「お祈りに使わなければならないのですから、唇はございます」 「それならば、私の愛する聖女さま」ロミオは言った。「私の祈りを聞き届けてください。でなければ、私は絶 望してしまいます」 はいそこで手の甲にキスをしてください。舞台監督高良さんの指示が細かい台詞や動作ごとにどんどん飛んで くる。右から左へそれを受け流すことができたらどんなに楽だろうかと思いながら、指示されたことをいちいち 台本に書き込んでいく。ついでに午後から学校に来て練習も見に来ているかがみさんからは台詞の読み方につい てのアドバイス。 泉さんは特にメモを取っている様子はない。けれど、一度指示されたことは次からはばっちりこなしている。 たぶん俺なんかとは比べものにならないCPUを搭載しているのだろう。そんな彼女はにやにや笑いながら俺に 左手を差し出している。これはアレか。キスしろということか。今日は本読みだけって最初に監督言ってたじゃ ん。 ほれほれ、と伸ばした手をひらひらとさせている彼女。 なんかいいように振り回されっぱなしな今日。自分の中にふつふつと沸き上がるものがあるのを感じる。少し ぐらいやり返したっていいじゃないか。そうだ、振り回されっぱなしヨクナイ。 「お手を拝借」俺は彼女の手を取って、彼女の前に跪く。「私の愛する聖女さま」 初めて触れた彼女の手は思っていたよりもずっと小さく、唇が触れた手の甲はひんやりとしていた。 やばい。 勢いでやっちゃったのはいいけど、顔が上げられない。俺は今たぶん、とても軽率で恥ずかしいことをした。 彼女の手を取ったまま動けずにいる。く、とその小さな手に力が込められたような気がした瞬間、高良さんから 次のシーンへ行ってください、と指示が飛んだ。その声が、硬直していた俺の体を動かした。 手が離れた後で見えた泉さんの表情は普段と変わらないもので、そのことに俺は安堵する。 いったい何に安堵したのかわからないまま、練習は続く。
「おつかれさまでしたー!」 俺にとっての一日目終了。残る日は六日間。高良監督から明日までにできるようにしてきて欲しいことリスト を受け取って、後片付けに入る。関係者全員で体育館の掃除をして、戸締まりをして、電気を落とす。 全部が終わって、さあ帰ろう、としたところで、ぱしんと俺の背中を誰かが叩いた。そのまま俺の隣に並んだ のは、泉さん。 「おつかれ」 「おつかれさま」 「いやー疲れた。慣れないことは疲れるネ」 うーん、と彼女はひとつのびをする。その様子に、なんだ意識してたのは俺だけか、と小さく肩を竦める。 ま、こんなもんだろう。 「いやーホントにキスしてくれるとは思わなかったよ」 「そっちが要求したんじゃないか」 まあそうだけどね。彼女は笑う。 「泉さんは」 言いかけた俺の口に、彼女は人差し指を突きつける。驚いて俺が動きも言葉も止めると、「ちっちっち」と自 分で言いながらその指を左右に揺らす。 「こなた」 「え?」 「こ・な・た」 なんだこの展開。つまり名前で呼べと、そういうことか。 「こ、こなた?」 「も一回」 「こなた」 「うん」頷いて、彼女は笑う。今日一番の笑顔。「あしたもがんばろうね、みのる」 ――つづく?
722 :
こなたルート :2007/06/19(火) 21:57:25 ID:i6S9Daa4
すいませんミスってました。10レスで終了です。もう限界です。 投げっぱなしみたいですがこんな感じでとりあえず書いてみました。 読んでくださった方、ありがとうございました。
>つづく? こういうのは誘い受けだから注意
リアルタイム遭遇ktkr
>>722 GJ
つづき待ってます!
未完なら未完と堂々と書いてくれると嬉しいカナー 何はともあれGJでした。
おお、リアルタイムに遭遇した、GJですよ
>>722 誘いうけ 攻めてみせよう ホトトギス
いやぁ〜、お疲れ様でした。
さすがエロゲーマスターこなた。
お弁当フラグはきっちり抑えてますな。
睡眠時間削ってしっかり練習してきてるのにも萌え。
そして、こっそりとかがみの萌えポイントも高いですなぁ
誘ったからには受けてもらいましょう。
こっそりと続きも楽しみにしています。
自分も負けじとみゆきルート書こう
728 :
こなたルート :2007/06/19(火) 22:23:46 ID:i6S9Daa4
すいませんすいません。無自覚だったのは言い訳にもなりません。<誘い受け 以後気をつけます……
>>728 いえいえ、書いていただけるのならば、それが一番。
今回も素晴らしい出来でしたし、ぜひとも次も、書いていただきたいな〜
もちろん、あなたのイメージが浮かんでくるのならば、ですが。
気負いせずに〜
……むしろ、みゆきシナリオ、続きどうしようかと
長いの書きなれてない……
733 :
3-822 :2007/06/19(火) 23:21:13 ID:ZN6QY2Jy
前スレで書かせてもらった、822です。また作品ができたので、投下させていただきます。 前回の作品とのつながりはありません。 短編、非エロ、カップリング無し
「たまにはさ、みんなでこうパーッと何かやらない?」 「は?」 チョココロネをはもはもとほおばりながら、こなたが言う。今は昼休み、いつものメンバーで昼食を取っていた時のことである。 向かい合わせの位置で弁当を食べていたかがみは、思わず間の抜けた返事をする。 「いやほら、テストもひと段落した事だし、息抜きとかしたいなって思ったんだけど」 「あんたはいつも抜きっぱなしじゃない」 「つかさとみゆきさんはどう?」 「私はこなちゃんに賛成〜。せっかくテスト終わったんだし、何かやりたいな」 「私も賛成ですよ」 こなたが両側の2人に声をかける。同じく弁当を食べていたつかさとみゆきも乗り気だ。 「ほらほらかがみ、みんなノリノリじゃん?」 「別に反対してる訳じゃないわよ。私だって息抜きはしたいわ。でも、どこで何をするかとか、具体的に考えてるの?」 「ううん、今思いついたから言ってみただけー」 「やっぱそんなとこかい。 ・・私は特に希望は無いかな。つかさ、あんたは?」 「私、お弁当とお菓子作ってピクニック行きたいな。お天気の日にみんなで食べるお弁当、きっと美味しいよ」 「それは楽しそうです。ぜひ行ってみたいですね」 「じゃあ、それで決まりー。お弁当とか飲み物とかは、かがみ以外の3人が分担して用意すれば大丈夫だよね」 「ちょっと待て。私以外、は余計だ」 「だってかがみんは作るより食べる方が得意じゃーん」 「うるさい! 私だってつかさに教えてもらいながら作ればちゃんとできるわよ。 ・・で、いつ行く?」 「天気予報だと、今週の土曜日が晴れていたと思います」 「じゃあ、土曜日に決定だね。お弁当の材料、買いに行かなくちゃ。お姉ちゃん、帰りに寄って行こうよ」 「そうね。こなた、あんたが言い出したんだから忘れるんじゃないわよ」 予定を確認し合い、また4人はいつものように世間話を始めた。 こなたは合いの手を入れながらチョココロネをほおばっている。他3人の弁当箱は、既に空になっていた。 季節は梅雨時、どんよりと曇った蒸し暑い日であった。
< --柊姉妹-- > 「―これくらいでいいかな、お姉ちゃん?」 「こなたとみゆきも作ってくるから、これくらいあれば十分でしょ。あとは飲み物とお菓子ね」 「なんかわくわくするね。私、すごく楽しみー」 「私もよ。みんなで出かけるんだもん、楽しみに決まってるじゃない」 「お姉ちゃん、どこかに出かける時はいつも大喜びだったよね。てるてる坊主とか一緒に作ったりして」 「い、いつの話を持ち出すのよ! もう・・こなたに聞かれたらどうするのよ」 「 (・・こなちゃんは笑ったりしないと思うんだけどなあ) ねえ、お姉ちゃんもお弁当作ってみる?」 「私? うーん、どうしようかなあ・・失敗してみんなのテンション下げたりしたくないし・・」 「一緒に作れば大丈夫だよ。それに、お姉ちゃんの料理、ちゃんとお姉ちゃんの気持ちが詰まってるから美味しいよ」 「つかさ・・・・うん、分かった。頑張って作るから、教えてね」 この日、台所ではかがみが休む暇もなく動き回っていた。 < --みゆき-- > (味付けは・・こんな感じでいいかしら。みなさん薄めがお好きだったと思いますが・・) みゆきは、母から教わったとおりに味付けを施していく。家族以外の人に食べてもらう、久しぶりの食事。 いきなりぶっつけ本番で作るのには不安があったので、予行演習としてカンを取り戻している最中である。 一応、人並みに料理は作れるのだが、せっかくのピクニックでまずいものを作っては申し訳ない。 (ん・・少し焦がしてしまいました。次は火加減に気をつけて焼いてみましょう) 出し巻き卵を皿に盛り付けながら、今の火加減とおおよその時間をメモする。同じ失敗をしないためだ。 しかし、どんな些細な事も逐一書き込むため、机の上は作った料理とメモ用紙で溢れかえっていた。 (次はこれを作ってみて・・ああっ、もうこんな時間です・・) < --こなた-- > 「ん、こなた? こんな夜遅くに何作ってるんだ?」 「あ、おとーさん。今度みんなでピクニックに行く事になったから、その時に持って行くお弁当の練習」 「そうか、まあ楽しんできなさい。 ―どれどれ」 「ちょ、何勝手につまみ食いしてんの」 「いや、美味いぞ。上手にできてるじゃないか、これならみんな喜んでくれるさ」 「そう言ってもらえると、作った方としてもありがたいよ」 「ははは、ごちそうさま。あんまり頑張りすぎて、カゼひいたりしないようにな」 「分かった。あれ、おとーさん、何持ってんの?」 「これか? 新しく発売したゲームだよ」 「あ、それ私も目をつけてたやつだ。さっそく遊―」 「こなたと一緒に遊ぼうかと思ってたんだが、邪魔しちゃ悪いみたいだしな。先に楽しませてもらうから、また今度一緒にやろうな」 「・・・・」
そして、土曜日。 天気予報どおり、空は快晴。空気も乾いていて、暑さもどことなく心地よい。 4人はおもいおもいの服装で、こなたの家の近くの原っぱに腰を下ろしていた。 この暑さの中、4人以外に人の姿は無い。 「んーっ、気持ちいいなあ。来てよかったね」 「たまにはこうやって、1日中のんびりするのも悪くないわね」 「とりあえず、お弁当でも食べない? お腹減ったよ」 「では、飲み物を注いでおきますね」 レジャーシートを寄せて、全員が向かい合って座れるようにする。 それぞれが作って持ってきた弁当の箱を空け、カップにお茶を注ぐ。まるでお花見をしているような光景だ。 「私は肉じゃがとハンバーグ作ってきたよ」 「私は出し巻き卵と焼き魚、それにスープを作ってきました。スープはこの水筒に入ってます」 「私たちは野菜サラダとチャーハン、あとおやつにクッキー。お姉ちゃんと一緒に作ったんだよ」 「まじで!? かがみ、お主やりおるな」 「とは言っても、ほとんどつかさが1人で作ったようなものだけどね」 「そんな事ないよ、お姉ちゃん頑張ってたよ」 「じゃ、さっそくいただきまーす」 各自料理を取り分け、それぞれ口に運ぶ。どの料理も、素晴らしく美味しかった。 かがみたちが持ってきたチャーハンは2人で作ったものだが、クッキーはつかさに教わりながらかがみが1人で作った。 2人ともそれを黙っていたが、こなたもみゆきも、美味しいと言ってくれた。 ・・そ知らぬ顔で肉じゃがをつつきながらも嬉しそうに微笑んでいたかがみを知っているのは、つかさだけ。 やがて、3つの弁当箱と水筒の中身は空になった。代わりに4人が、少しだけ重たくなった事だろう。 「食べた食べたー。天気もいいし、このまま眠っちゃいそう」 「私もー。ふわぁぁ・・」 「あんたらは幸せそうでいいわね」 「でも、分かるような気がします。こうやって座っていると、気持ちいいですから」 「もう、みゆきまで・・まあ、たまにはいいかもね」 4人とも、レジャーシートにごろんと仰向けになる。 爽やかな風が吹いている。少しだけ汗ばんだ肌に、時折当たる風になんともいえない涼しさを感じる。 少しだけ、ほんの少しだけ目を閉じているつもりだった。 だが開放感と風の心地よさが眠気を誘い、ほどなく4人はひきずり込まれてしまった・・。
「――っ、いけない! みんな、起きて!」 「んー、どしたのかがみん?」 「お姉ちゃん、おはよう〜」 「気持ちよかったので、ついうとうとしてしまいました」 携帯電話の時計を見る。時刻は・・午後9時半。 特に遅くなるとは言ってなかったので、みんな心配しているに違いない。 「安眠するにもほどがあるわよ! ほら、さっさと帰るわよ!」 「えー、まだ眠いよお姉ちゃん・・」 「つかささん、お家で休まれた方が疲れがよく取れるかと思いますよ」 「ほら、こなたも帰る用意して。不可抗力とはいえ、こんなに遅くなってるんだから」 「分かってるよー。あと5分、あと5ふ・・。 ―あ」 「何? どうしたの?」 「きれい・・」 こなたは寝ていた時の姿勢のままで、焦点の定まらない寝ぼけまなこで空を見上げている。 3人もそのまま空を見上げた。 ―星空。雲ひとつ無い、吸い込まれそうな空に、満天の星々が輝いていた。 本当に澄んだ空気の下でしか見られないような、透き通った漆黒の夜空。それを彩る星は、どれもが宝石のようだった。 「私、もうちょっとだけ、この空眺めていたいな。かがみ、お願い」 「・・・・いいわよ。私も・・、同じ気分」 気付けば、また4人とも仰向けになっていた。誰が何を言うでもなく、同じ空を見つめている。 「・・あと何回」 「え?」 「あと何回、一緒になってこんな事できるのかな」 こなたが呟いた一言。それは、他の3人にも聞こえていた。 今は、ここでこうして繋がっていられる。けど、卒業したら・・それぞれが別々の道を歩き始めたら。 みんな、分かっているから喋れなかった。もしかすると、これが最後になるかも知れない。そう思っているから、声を出せなかった。 風も吹いておらず、辺りは静寂に包まれている。 やがて、かがみがゆっくりと口を開いた。 「また、集まればいいじゃない」 『え?』 「誕生日でも、お祭りでも、クリスマスでもお正月でも。あと何回、じゃない。何回でも、やるのよ。ずっと一緒よ、私たち」 満面の笑みを浮かべながら話すかがみ。こなたも、つかさも、みゆきも、笑いながらその言葉に耳を傾けていた。 夜がゆっくりと更けていく。時間を忘れて語り合う4人を、どこまでも続く星空が照らしていた。
「って、長々と話し込んでる場合じゃないわよ! ほら、そろそろ帰るわよ」 「ちぇー、はいはい。どうせ明日休みじゃん」 「そういう問題か」 「家に電話しておこうっと。怒られるかなぁ・・」 「ちゃんと事情を話せば、ご両親も許してくださると思います」 「でも、ここでお弁当食べて眠ってただけなんだけどねー」 それぞれが家に電話を入れる。やはり、みんな心配していたようだ。 こなたの家に遊びに来ていた、従妹のゆいに迎えに来てもらう。夜道は何があるか分からないからだ。 人数オーバーなどお構い無しに、4人はパトカーで帰宅した。 それぞれの家でこってりとしぼられ、3組の親から説教をくらったこなた。当分息抜きはこりごりとでも言い出しそうだが・・ 「・・あ、かがみー? あのさ、次のテストが終わった後にでも――」 「いや、気が早えよ。というか懲りろよ」
以上、完結です。
読んでくださった方、ありがとうございました。
>>722 GJです
個人的にはこのシリーズ、続いて欲しいです
>>730 いつも絵の方見させてもらってます。
今にも動き出しそうならき☆すたキャラがかわいいので、応援しています
リアルタイムGJ とても和むなあ
和んだ〜〜〜 みんなもたまには近くの原っぱでのんびりしよう!お兄さんとの約束だぞ!
>>739 GJです。4人の絆を見てて和みますねー。
最後はこなたらしいといえばこなたらしいw
>>741 原っぱ……最近無くなっちゃったなぁ(つД`)
感想、ありがとうございます。
文章等に違和感無く読んでいただけたなら幸いです。
>>742 そちらの作品も、いつも楽しみながら読んでます。
とどまるところを知らないかなたさんパワー、毎回GJです
>>739 和みましたGJ〜!
もーいつまでも卒業しないで欲しいですヨー(ノ∀`)
>>739 かがみの台詞に笑みがこぼれ、おまけで別の方角に笑みがこぼれました。GJ。
>>739 GJ。日常風景大好き。
………こなかが分が不足してきた。
くそうらきすたCPは百合以外受け付けられん。
>>746 >こなかが分不足
激同。一時期は天国のようだったがw
最近は皆そうでもないのかね?
>>704 >>730 >>746 くそっ、最近のエロパロはすごすぎる。
ってか、羽根つきかなたさんかわええ……
それに、嬉しそうなこなたも
>>739 高校時代の友達は一生の友達。
高校時代の友達とメールしたくなっちゃったな〜
GJです
>>748 もはやエロパロのエロはどこへ行った……
>>747 嬉しそうなこなたの顔がもう、ガード不能です。GJ。
そして妄想屋さんの力作の直後で心苦しいのですが。こなかが非エロで1レスSS(もしかしたら2レス)を投下します。
今回は
>>564 で妄想屋さんがおっしゃった事を真に受けて、妄想屋さんの描かれたイラスト(まとめサイト収録済み)を元に書いてみました。
高校に上がってからひと月半。つかさを迎えに隣の教室に顔を出すと、変な奴がいた。 「……しゅっ。はっ、せっ……ふんっ」 小柄な女生徒が、こともあろうに教室内で拳法か何かを練習している。 あらかたの生徒が出てゆき、空っぽになってしまった教室。そんな中で彼女は一人、拳を振るい蹴りを放つ。 腰まである長い髪が、彼女の動きにつれて躍る。 中学生か、下手すると小学生と見まがうような華奢な手足が、技を放つ度に力強く空気を引き裂く。 けれどその横顔は、退屈そうにも、憂いを秘めているようにも見えて。 その眼差しは、眠たそうにも、ここでないどこかを見ているようにも見えて。 気が付くと、そいつが勝手に机をどかして作った練習場の、かぶりつきの位置にまで近づいていた。 教室を占拠して拳法やってる非常識な馬鹿なのに……気が付くと、私の目はその馬鹿の一挙手一投足を逃すまいと必死に追っていた。 何本かの髪が汗に濡れて顔に張り付くけど、漫画かなにかのキャラクターみたいに頭の一房だけがぴんと立ち、ぴょこぴょこ揺れ動く。 その姿は妙に場違いで。それこそ、漫画から抜け出たかのように場違いで……だからこそ、妙に綺麗に見えた。 それにしてもこいつ、制服のままでこんな蹴り出してるけど……スカート大丈夫なのかしら。 勝手な心配をよそに、名前も知らないこいつは回し蹴りの態勢に入り……。 「うりゃっ」 「……見えるっての」 私の危惧通りに、ボーイレングスのショーツをもろにさらけ出した。
「……あ」 「……ん?」 蹴りぬいた姿勢のまま、そいつの動きが止まる。きょとんとした表情でこちらを見つめて。 そいつの視線を受けてはじめて、私は自分が思ったことをそのまま口にしていたのを知った。 「びっくりした……なんかのイベントかと思っちゃった」 「……は?」 蹴り足を下ろし、僅かに上気した頬でそいつは言ってのける。 見とがめるとか誰何するとかそういうのはかけらもなくって、ここに誰かがいてくれたことが嬉しくてたまらない、って顔で。 ……なんか、こう。無警戒にこんな顔されると、毒気とか警戒感とかがすぽーんと抜けていってしまう。 小さな背中が、ぴょこぴょこと遠ざかる。机を適当に元の位置に戻すと、椅子を一つ拝借して逆向きに腰掛けて。 そして彼女は、私をきらきらした瞳で見つめた。どうも目の前のこいつは、拳法ごっこなんかより面白いおもちゃを見つけたみたい。 それが誰なのかは薄々感づいてたけど、今さら「はいさようなら」なんてちょっとできそうにない。 だって……私の方が先に、こいつに見とれてしまってたんだから。 「その、さ。あんたのそれって、どっかで習ったの?」 観念して椅子を拝借し、拳法女(仮名)と向かい合わせに座ってみる。 「んー? んー、ちっちゃい頃にね。お父さんに言われて道場に通ってただけだったけど」 こいつの顔には、屈託なんてひとかけらもありゃしない。 「なるほどねえ。で、昔取った杵柄ってわけ?」 「そそそ。こないだ思いがけず、実生活でも役立ったし」 「……どういうシチュエーションよ、それ」 痴漢退治でもしたんだろうか。あまりに突拍子も無いので、後になるまで私はそれを聞こうとすらしなかった。 「でも良かった。今日の私、ついてるよ」 自分勝手に話題を変えて。そいつは、人なつっこい仔猫のように目を細めた。 「なんでよ?」 「だってさ。ついこないだ友達になった子のお姉さんともう逢えたんだよ?」 「……はい?」 聞き返そうとしたとき、教室の外から声がする。 「お姉ちゃーん、こなちゃーん!」 私ともう一人を呼ぶつかさの声。そう言えば一昨日の夕食でつかさが言ってた、「面白い子と友達になった」って。 「ちょっ、つかさ!?」 思わずこいつとつかさを見比べる。もしかして、本気でこいつと知り合いなの!? 「いやあ、愛されてるねえおねーさん。つかさも二言目には、『お姉ちゃんがね』って話してくれてたよ?」 うぅ……なんか無性に気恥ずかしい。 「……どういう偶然よ、これ……」 「もしかしたら、運命の出逢いって奴かもねー」 頭を振る私に、こなちゃんとやらはにんまり笑って左手を差し出す。 「私、泉こなた。よろしくね」 「柊かがみよ。……妹の分もよろしく、とは言っとくわ」 渋々差し出した手を、痛いくらいの力で握り返される。 お義理で取ったはずの手が、ほんとに運命の出逢いだったと気づくのは……ずっと後になってからのことだった。 (どっとはらい)
はい、お目汚しでした。 また章タイトル打ち間違えたり(すみません)、結局2レス食ってしまったりでなんですが。 ご笑覧いただければ幸いです。そして妄想屋さん、お目汚しで改めて失礼しました。では。
>>747 線画がお手軽に柔〜らかくなるので色無しの時は特に多用しますw( ´∀`)
うひゃー!感謝GJっす! たわいないラクガキネタが、出会いの物語に!!! あの絵の方は鋭意修正中。どーも顔とか納得いかなくて……orz 久しぶりに彩色まで行く予定です。
おっとっと。リロードしたら行き違ってました(汗
>>754 この処理いいですよねー。
俺も線画の時はわりと……てか、彩色画でも一枚主線をコピーしてぼかします。
「強めにぼかすとセルアニメっぽくなる」という利点と、あと自分のヨレヨレな主線がうまくごまかされtゲフゲフン orz
>>753 うぉあ!リロードせずに発言してました。
長編に割り込むトコでしたゴメンナサイ。
シチュをあれこれ想像してましたがファーストコンタクトだったとは(^^)
運命の出逢いktkr!
そういえば妄想屋さんの投稿のすぐあとの放送でこなたの空手が流れて
なんてタイムリーな・・・・とか思いました(*´∀`)
>>747 のサウンドデータはやっぱし天国からダウンロードしてくるんでしょか・・・
こなたの笑顔がタマリマセン♪
> あと自分のヨレヨレな主線がうまくごまかされtゲフゲフン むしろそれがメインなおいら(;´∀`)
/,.ァ、\ ( ノo o ) ) み )ヽ ◎/(. wi (/.(・)(・)\ ki (/| x |\) //\\ . (/ \) も誰か書いてください・・・
てけてけかなたさんアナザー(優雅なる母編) こなた「……?」 PC画面に、いきなりペイントソフトが立ち上がった。 左下の、色が並んだパレットの所に、ちっちゃいお母さんが。 ぺたぺた……と手に色をつけては、自分の顔にもっていく。 化粧?お化粧してるの? すると、いつの間にか隣にきていたお父さんが唸るように叫んだ。 そうじろう「彼女は『化粧』をすると……性格が変わる…… メイクによって『別人の性格』がもてる『少女』なのだ 『変装』では……ないぞ! 彼女はなりきってしまうのだ! 恐怖が一夜にして人を老人にするように 彼女の精神は自分の肉体をも微妙に変えるぞ!」 かなた「わたし……残酷ですわよ」 こなた(……お母さんっていったい……)
ゴージャスかなたん・・・(゜Д゜)
荒木自重www
師匠なにやってんすか
>750 こなた、つかさの出会いはいろんな妄想がひろがりんぐなところですが、 これは、夕焼けに染まる放課後の教室でのこなたのシルエットが 見えてきそう。運命の出逢いか…。 そして元ネタのイラストってどんなんだっけと>536を見に行ったら もう消えてたorz
まとめサイトに保管されておりますです
>>760 変身(メイクアップ)中の喘ぎ声は………
さすがに娘の前ではできないかw
767 :
らきげもの :2007/06/20(水) 01:58:02 ID:F4goUVL5
こなた「なんと…なんというツンデレ… 一切の無駄がなく… 姉であることすら主張せず… ただ…ただツンにしてデレ… もはや幼馴染み いいんちょ属性など小賢しきもの… ツンデレ・ツインテールは世のあらゆる物に優れております…」 かがみ「…今度は何の漫画だ…? …てか髪さわんな!」
>>747 これとアニメ11話を併せて見ると
こなたがますます好きになるw
最近こなかがすらないな、くすぶってる経験者はかがこなにチャレンジして欲しい
そうじろうとかなたをキボンヌ
>>747 スロット漫画書いてませんか?パニックで
すっごいな、このスレ。 二日来てなかっただけなのに、この書き込みの量……。 ただ、惜しむらくは百合分が不足し始めている、ということだ……。
神様のごほうびとかで、私のパソコンに住むことになったお母さん。 さっきまでは、初めての親娘の会話をチャットで楽しんでいたんだけど…… 「う〜」 『む〜』 今は何故か、画面を挟んでにらみ合いをしている。 −−−−−− 「てけてけかなたさん」 その6・こんどはせんそうだ −−−−−− 『入れちゃだめですからね』 『入れちゃだめなんて、そんなウブじゃないんだからさー』 『そ、そういう風にとらないでくださいっ! とにかく、だめなものはだめですからねっ!』 『せっかく娘が大人の階段を昇り始めてるっていうのにー』 私はそう言いながら、手にしているものをお母さんに見せつけた。 『そんな卑猥なものを見せつけないでください!』 『もー、初々しいんだから』 手にしているのは、こないだ中古で買ったエロゲのパッケージ。表側は全然えっちくない のに、お母さんってばエクスプローラーの後ろから顔を赤くして見ている。 「まあいいや、CD−ROMだし、どうせ中身まで消されることはないもんねー」 『きゃぁぁぁぁぁぁ!』 トレイを開いてCD−ROMをのっけて、んでもってクローズと。 がしょーん……がしょーん、がちゃんっ 「……ん?」 閉じたトレイが勝手に開いたけど……っておーい! 『はあっ、はあっ』 なに右クリックメニューの『取り出し』を押してるのさっ! 『ぜーったい、ダメですっ!』 『うー、けちーっ!』 こうなったら、ちゃんと入るまでやってやる! がしょんがしょんがちゃっ、がしょんがしょんがちゃっ、がしょんがしょんがちゃっ がしょんがしょんがちゃっ、がしょんがしょんがちゃっ、がしょんがしょんがちゃっ、がしょん…… 「ぜえっ、ぜえっ」 『はあっ、はあっ』 うう、もう何十回目だろ……このままじゃドライブも壊れるよ……えーいっ、これが最後の勝負! お母さんが肩で息をしているスキに、私はまたトレイをクローズした。 『ううっ、もー……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』 そう叫んで、お母さんは思いっきり『取り出し』に正拳突きをして、 ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅがしょんっ! ……ごいんっ!! 「ぷぎゃっ?!」 私のおでこに……CDが……CDが…… 『あっ、だ……大丈夫?』 さ、さすがは私のお母さん……見事な……突き……で…… 『わーっ! こなたーっ!?』 がっくり。 完
何か来たと思ったらまた電波でした。
今は反省している。
>>678 >>680 >>682 このお話の結末に関しては、ある程度形にはしてあります。
それがどういう形になるかは、終盤までお待ち下さい。
とりあえず、まだお話の過半までは行っていないのでご安心を。
それでは、また後程……
>>774 ワロスGJっす!FM−TOWNSのCD発射装置を思い出した俺はヲサーン。
>>771 商業誌はやってませんorz。同人誌は以前にちょっとだけ。
>>774 パッケージですでに真っ赤になってるかなたさん、可愛いなあ。ぐっじょぶ!
あと、「取り出し」ボタンを思いっきり突くかなたさんに「プログラム、ドラーイブっ!!」とか
脳内で呟いたのは内緒。
>>774 毎度ながらGJなかなたさん(*゚∀゚)=3
原作にもかなたさんエピソードほとんど無いのに
脳内ではもうすっかりこの性格で固定化されてますw
ちょっと思いついたので小ネタ投下 ○月×日 私がお世話になってる泉叔父さんの娘さんの こなたおねえちゃんはスゴイです。 私と同じくらいに背が小さいのに運動神経も抜群で 格闘技をやってたりもします。 この間もこなたお姉ちゃんよりもひとまわり大きなかがみさんを ベッドの中で押さえ込んでました。
思いっ切り遭遇したのかこっそり見たのかどっちだゆーちゃんw
781 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/20(水) 16:44:49 ID:1JzsF8at
>>773 私のおでこにCDが・・・って言われると
プッチ神父を連想してしまう俺は救いようの無いジョジョオタ
かがみ「こなた、君の肉親を私はどんどんお見舞いしていくぞぉ」 こなた「お父さんに手ぇ出すなよ」 かがみ「何言ってやがる。選べよ、学校かそれとも君の家か?どっちだ?」 かがみ「どーも、つかさ、知ってるでしょう?柊かがみでございます おいパイ食わねぇか ゆたかちゃんもおいでぇ。パイ焼くぞぉ 辛いかい?私はもっと辛いものを君のお姉さんに食べさせられてるんだよ 残さず食えよぉ」 こなた「片手にこう包丁を持って座ってるわけだろう。 シェフの格好をしたやつがテーブルの上に。 それでみゆきさんが泣きながら 『私が食べます!』」 かがみ「そうだよ、お前も食えよ。 で、それが終わったら私は家に行くのさ。」 かがみ「お父ぉさん知ってるでしょう?かがみでございます。 パイくわねぇか? お父さんすぐ行くぞぉ。パイ届けに。」
>>779 わずか数行の中で色々と妄想させられたw
てかゆーちゃんなら本当に書きかねなさそうw
>>779 押さえ込まれているかがみん、押さえ込んでいるこなた
目撃してしまったゆーちゃん
あわてて真っ赤になった顔を隠すかがみん
まるで何事も無かったかの様に、ゆたかに対応するこなた
シーンが目に浮かぶ様だw Gj!
>>782 まさかここで水どうネタを見るとは思わなかった
>>775 FM-TOWNSモデル2は「インディージョーンズ」とかやるために今でも現役です。
やっぱり時々ディスクが飛び出そうとしますw
>>777 夏休みという感じがしますなー。なんか暑中見舞いっぽくてGJです。
>>779 た、短文でこんなに想像力がかき立てられるとは……
というかゆたか、なんでこんな日記を残しているんだ!w
>>782 ちょwどうでしょうって! しかもシェフ大泉夏野菜スペシャルて!
さて。
そろそろ夜も近づき大人の時間も近づいてきたというわけで、SSを投下します。
●中短編13レス投下します。
●えっちぃお話。きよたか×ゆいのお話です。
●土台は原作1〜4巻。参考は1卷のクリスマスですが、基本的にはそれ以降のクリスマスということで。
●【!!注意!!】このSSの視点は女性視点・女性受けです。それでもいい方のみご覧下さい【!!注意!!】
787 :
(1/13) :2007/06/20(水) 17:20:45 ID:ZqRQ0ZMJ
駆ける、駆ける。 「はあっ、はあっ」 とにかく、前へ。 あの人が待つ、私たちの場所に。 見慣れた街並みの、もっと見慣れた場所に入って、 ぱたんっ! 私たちの家のドアを、力いっぱい開けた。 「おかえり、ゆい」 そこには、世界でいちばんいとしい人の姿があって…… 「……おかえり。 おかえりっ、きよたかさんっ!」 私は、きよたかさんの胸に思いっきり飛び込んだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 聖夜の約束 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 思いっきり、きよたかさんの胸に顔をうずめる。 ああっ、きよたかさんのにおいだ。 私が、世界でいちばん大好きなひとのにおいだ。 「あははっ、甘えん坊だな、ゆいは」 「だって、だって、きよたかさんが、きよたかさんがー」 さっきまでお酒に酔っていたのに、今はきれいさっぱりさめている。 そのかわり、きよたかさんのぬくもりに酔っちゃいそうだー…… 「きよたかさんパワー充電ー」 「んじゃ、僕もゆいパワーを充電っと」 そう言って、きよたかさんも私のことを抱きしめてくれる。 うー、ぬくぬくだよー…… ずっと、単身赴任で遠くにいるきよたかさん。 とてもさみしいけど、こうやって時々帰ってくるたび、優しく包み込んでくれるのが嬉しい。 毎日メールするし、電話もするし、お互いの写真も持ってる。 でも、直接ふれあうのが、やっぱり一番だ。 「きよたかさん……大丈夫なの? お仕事」 顔を上げて、私はきよたかさんに気になっていたことをたずねてみる。 「明日の夕方には戻らないといけないけど、もうすぐ年末だから大みそかと三が日は一緒にいられるよ」 そう言って、きよたかさんはにこっと笑ってくれた。 「4日間……4日間も一緒にいられるんだー」 人が聞いたら「たった4日間」って言うかもしれない。
788 :
(2/13) :2007/06/20(水) 17:21:28 ID:ZqRQ0ZMJ
でも、私にとっては大事な4日間。1年間の中で、一緒にいられる数少ない時間だから。 「ごめんね、本当はもうちょっといてあげたいんだけど」 「ううん、大丈夫。4日間もきよたかさんパワーを充電できるんだし、それに……」 また、私はきよたかさんの胸にぽふっと顔を埋める。 「今日、こうやって帰ってきてくれたんだもん」 「……そっか」 きよたかさんも、私のことをぎゅっと抱きしめてくれた。 ねえ、きよたかさん。 私はね……この世で何より、あなたのぬくもりを感じてるのがいちばん幸せなんだよ。 * * * * * しばらく二人でパワーを充電しあった後は、きよたかさんが買ってきてくれたチキンと ケーキでちょっとしたパーティー。 その後は、久しぶりに二人で、あの、その、お風呂にはいったりして。 ああ、もうっ、きよたかさんってばたくましすぎだよ。びっくりだ。 そして、そして…… 「ぬふふー」 「あははー」 日付が変わる頃、私たちはふたりしてベッドの上でじゃれ合っていた。 きよたかさんは私の髪をもてあそんだり、私はぎゅーぎゅー抱きついたり。 結婚して、初めてのクリスマス。最初は寂しいと思ったけど、こうやってきよたかさんが 帰ってきてくれて、とっても幸せ。 私にとっての、クリスマスプレゼントだよ……って、ちょっと待った。 「ご、ごめん、きよたかさん」 「うん?」 きよたかさんが、私の髪をくるくるいじっていた手を止める。 「あの、その、クリスマスプレゼント、買ってくるの忘れちゃった」 「あっ。じ、実は僕も。急いで帰って来ちゃったから」 「な、なーんだ」 そう言って、二人してあははと笑う。ううっ、二人してドジなんだから。 それじゃあ……ちょっと恥ずかしいけど、言っちゃおうかな。 「じゃあ、あの、きよたかさん。欲しいプレゼントがあるんだけど」 「うん? 何だい、欲しいものって」 にっこりと笑うきよたかさんだったけど、私はというと、顔がすっかり熱くなって、 「あの、その……きよたかさんとの、こども……ほしいなって……」 そう、つぶやくことしかできなかった。
789 :
(3/13) :2007/06/20(水) 17:22:17 ID:ZqRQ0ZMJ
聞こえるのは、私たちの息遣いだけ。 きよたかさんは、きょとんと私を見たまま固まっていた。 ううっ……えっちな女だって思われちゃったかな。 「ゆい」 「えっ?」 私が顔を上げると、きよたかさんは私のあごに手を添えて、 「んむっ?!」 「…………」 そっと、くちづけをしてくれた。 ゆるく閉じられた、きよたかさんの瞳。 すぐ間近に感じられる息遣い。 そして、くちびるから伝わってくるほんわかとしたぬくもり。 どうしよう…… これだけで、私はとろけそうになってる…… 「ふうっ……」 「ん……」 1分ぐらい経って、きよたかさんがゆっくりくちびるを離す。 なんか、名残惜しいとゆーか……もっと、してたいのに…… 「僕も」 「え?」 「僕も、ゆいとの子供……欲しい……」 「ほ、ほんと?」 「うん。そうしたら、ゆいもさみしくないだろうし……僕も、がんばれるから」 その言葉にたまらなくなった私は、 「……きよたかさんっ」 「わっ」 きよたかさんの胸に飛び込んで…… 「んっ」 「んむっ……」 そのまま、きよたかさんに口づけした。
790 :
(4/13) :2007/06/20(水) 17:23:15 ID:ZqRQ0ZMJ
くちゅっ、くちゅっ 「んっ……ふぅっ……」 きよたかさんの舌が、私のくちびるに割って入ってくる。 あたたかいきよたかさんの舌に、私も舌をからめた。 「んんっ、ふぁっ……」 とろとろした感覚で、あたままでとろけちゃいそう…… 私をなでるきよたかさんの手も、あたまから首筋、首筋から肩って下がっていって、 「き、きよたかふぁん……?」 ぼうっとした目を開けると、その手はパジャマのボタンにかかっていた。 恥ずかしげに、私を見つめるきよたかさん。 私も、とってもはずかしかったけど…… 「うん……」 小さくうなずいて、もう一度きよたかさんにくちづけをした。 次々と、ボタンが外れて脱がされていくパジャマ。 冬の夜で寒いはずなのに、私の肌はもうすっかりぽっかぽかになっている。 「ぷはっ……」 絡まっていた舌がゆっくり外れて、きよたかさんの顔が離れた。 「あっ」 一瞬、さみしさが頭をよぎった。けど…… 「んっ?! き、きよたかさん?」 その顔が私の左胸に近づくと、 ちゅっ 「んっ……!!」 私の小さな乳首に吸い付いて、からだに電気が走る。 「やっ、やぁっ」 軽く頭を押しても、離れてくれない。それどころか、 「んふぁっ……」 右胸を、きよたかさんの手が包んで……優しく、もみはじめた。 「だめっ、んぁ、だめだってばぁ……!」 とってもはずかしいけど……きもちよくて、体に力がはいらない。
791 :
(5/13) :2007/06/20(水) 17:23:59 ID:ZqRQ0ZMJ
ずっと離れていたぶん、甘えたくなったのかな…… 「もうっ、んっ……きよたかさんったら……」 胸を吸い続けるきよたかさんの頭を、私はぎゅっと抱きしめた。 「んっ、やぁ……ふぁ……」 あたまをやさしくなでると、子供のようにすいつくきよたかさん。 本当に、今ここにいてくれるんだ…… 「っ?!」 ぼうっとしていた頭に、また電気が走る。 かりっと乳首を噛んだみたいで……からだから、力が抜ける。 「はあっ、はあっ……はあっ」 崩れ落ちそうな体を、きよたかさんにあずける。 「きよたかさんっ……」 「……うん?」 私は、紅くなった顔を上げたきよたかさんの胸に抱きついて、 「だいすきっ……!」 「うぁっ」 パジャマを脱がせながら、首筋にゆっくり吸いついた。 「んっ、ふぁ……」 「ゆい、そこ、いいよ……」 きよたかさんの首や、うなじや、鎖骨をついばんでいく。 色白いけどたくましい体に、ひとつひとつ、痕をつけるようにして。 そして、胸やおなかにもキスしていった私は、きよたかさんを上目遣いで見上げると…… 「あの、その……きよたかさん……」 ううっ、恥ずかしいけど…… 「……脱がしっこ、かい?」 「……うんっ」 たぶん、トマトみたいに真っ赤になってるはずの顔で、小さくうなずいた。 「んぁ……」 きよたかさんの手が、私の下着をパジャマごと下ろしていく。 指が肌に触れるだけで、とっても気持ちいい…… 「ゆい……濡れてる……?」 「ばっ……ばかぁ」 さっきからされるがままで、たしかにそうなってるかもしれないけど……なにも、今言わなくても…… 「ありがと、気持ちよくなってくれて」 ……でも、だめだ。 どうしても、この笑顔で全部許せちゃう。
792 :
(6/13) :2007/06/20(水) 17:25:16 ID:ZqRQ0ZMJ
「ちょ、んっ……き、きよたかさん……」 そのまま、きよたかさんの指が私のそこをいじめだす。 ぴりっ、ぴりっとして、きもちいいけど…… 「やぁっ、だめっ、きよたかさん、まだっ……」 私はあわてて手をのばして、きよたかさんのパジャマに下着ごと手をかけて、そっと……下ろした。 「……きよたかさんも」 「うん……?」 「きよたかさんも……気持ちよくなってくれたんだ」 そこは、もうすっかり元気で…… ほんと、びっくりだ。 「ゆい……一緒に、きもちよくなろ?」 「……うんっ」 私のそこに、きよたかさんの手がふれて、 「んぅっ……」 私も、きよたかさんの元気なそこをそっとにぎって、 「んっ……」 お互いの顔を見合って、なぜだか照れ笑い。 「あんっ、き、きよたかさん……」 「ゆい……っ」 きよたかさんの指が、私の中をくりくりっとかきまぜる。 深くないけど、入り口のあたりがぴりぴりして……いい…… 「うんっ……そう……」 私も手を止めないようにして、きよたかさんのそこを上に、下にとこする。 元気なそこの先っぽは、少しずつきらっと光っていた。 「んぁっ、あはっ……きよたかさんも、濡れてる……」 「ゆいも、いっぱい濡れてる……」 「うんっ……」 ももにまでこぼれるなんて、自分でもわかるほど濡れてるみたい…… そして、からだの奥のほうからぴりっとしびれてくる…… 「……ゆい?」 「はあっ、はいっ……うん?」 きよたかさんは私の肩に手を置くと、そっとベッドに押し倒した。 「そろそろ、いいかな……?」 うるんでいて、だけど、私をまっすぐ見つめる瞳。 大好きなその瞳に、私はうなずいて…… 「んっ……いいよっ……」 両腕を、大きく広げた。
793 :
(7/13) :2007/06/20(水) 17:26:14 ID:ZqRQ0ZMJ
ちゅくっ…… 「んっ……」 「うっ……」 きよたかさんの先っぽが私のそこにふれると、背中に何かが走って小さく震える。 まるで電気みたいに、気持ちよくて…… 「ゆい……大丈夫?」 「た、たぶん……大丈夫」 ここ最近はブルーになってて、一人ですることも少なかったけど……多分。 私の返事を聞いて、きよたかさんは右手をそえて私のそこに狙いをさだめると…… ずちゅっ! 「うっ……!」 ……っ、だ、だめ…… きよたかさんのがはいっただけで……なにも、かんがえられない…… 「だ、大丈夫……?」 きよたかさんがそうきいてくるけど、ただくびをふるしかない。 ぎゅっ 「ふぁぁぁぁぁっ?!」 そして、きよたかさんがわたしをだきしめたしゅんかん…… びくんっ、びくんっ、びくんっ わたしのからだに、いっぱいでんきが…… 「ゆ、ゆい……イッちゃった」 ああ、いっちゃったのかな…… そうかもと思って、くびをこくんとさせて……あ、きよたかさん、だきしめてくれてる…… 「しばらく、こうしてよっか」 「で、でも……」 きよたかさんがきもちよくないと…… 「次に気持ちよくなるときは、いっしょだよ」 ああ…… だから、きよたかさんがだいすきだ……
794 :
(8/13) :2007/06/20(水) 17:26:55 ID:ZqRQ0ZMJ
ぐちゅっ、ずちゅっ、ぶちゅっ 「すきっ、すきっ……んっ……だいすきっ」 きよたかさんがわたしのなかでうごくたび、わたしのなかのきもちがあふれていく。 ずりゅっ、ぶちゅっ、ぐしゅっ 「僕もっ、好きだっ……んっ……ゆいっ!」 そして、きよたかさんのきもちもあふれてくる。 わたしは、しあわせなんだ。 こんなわたしを、あいしてくれるひとがいて。 「ゆいっ……僕、そろそろっ……」 「きよたかさんっ、いいよっ……きてぇっ!」 きよたかさんのうごきが、どんどんはやくなっていく。 わたしのせなかも、あたまも、でんきがあばれだす。 「うぁっ、きよたかさん……きよたかさん……っ!」 わたしはきよたかさんのこしに、あしをからめて…… 「ゆいっ……ゆいっ!」 きよたかさんは、わたしのからだをだきしめて…… どくんっ! 「ふぁっ?!」 「んっ!」 どくんっ、どくんっ、びゅるっ、ずにゅっ……どくんっ、びゅるっ…… わたしのなかに……いっぱいの"きもち"があふれて…… 「あぁぁぁぁぁぁぁっ!! ああっ……んあっ……」 わたしのあたまのなかが……まっしろに、とけていった……
795 :
(9/13) :2007/06/20(水) 17:27:40 ID:ZqRQ0ZMJ
「はあっ、はあっ……はあっ……」 ぼんやりした意識が、また戻ってくる…… 「んっ……ふぁっ……はあっ……」 きよたかさんは、私の上で全力疾走したみたいにぐったりしていて…… 「ゆ、ゆい……」 「きよたかさん……きよたかさん……」 私は抱きつきながら……まだ私の中にいるきよたかさんを感じていた。 「ゆいっ……」 「んっ……」 また、やさしいきよたかさんのキス。 何度してもあきないし、いくらでもほしいキス…… ぎゅっ 「んっ……」 抱きつかれるだけで、体がふるえる。 まだ、きもちいい電気があばれまわってるみたい…… ここちよく、そう思ってたときだった。 こぽっ 「えっ……?」 私ときよたかさんのすきまから、きよたかさんがくれた"きもち"が流れていく。 「やっ、やだ……」 それが、なんかとってもさみしくて…… 「でていかないでよぅ……」 とってもいやで……涙が出そうになる…… 「ゆい」 「えっ?」 流れそうになった涙を、きよたかさんがすくった。 「大丈夫だよ」 「……きよたかさん?」 「今日は……ゆいの中を、僕でいっぱいにしてあげるから」 ……ううっ。 ずるい、ずるいよぅ…… 私の気持ち、全部わかっちゃうなんて……
「もうちょっと、あっちで仕事があると思う」 「……うん」 「しばらくは……こんな生活も続くと思う」 「……うん」 「まだ……ゆいを、寂しくさせちゃうかもしれない」 「ううん」 その言葉だけには、私は首を振る。 「大丈夫だよ……遠くにいても、きよたかさんがいてくれるってわかるから……」 「ウソが下手だな、ゆいは」 「えっ?」 「涙、すくってもすくっても出てくるじゃないか」 だめだ。 私のココロ、すっかりきよたかさんに正直になってる…… 「寂しかったら、電話してきてもいい。メールでもいい。会いにくるのは……ちょっと難しいか。 でも……やっぱり、僕もゆいにいてほしいんだよ」 「きよたかさん……」 「子供が出来たら……ううん、その前にでも仕事を終わらせないとね」 その、優しいきよたかさんの決意に…… 「だから、ゆい。 もうちょっと……待っててくれるかな」 「はいっ!」 涙を流したまま、私ははっきりとうなずいてみせた。 「だめだよ、泣いちゃ……寂しくなくさせてあげるから」 「あ、んっ……もうっ、きよたかさんったら……」 「もっと、気持ちよくさせてあげる」 「……うんっ」 そして、次の日の朝…… 私は結婚後、初めて欠勤届を提出した。
「荷物、全部大丈夫だよね?」 「うん、ちゃんと持ってるよ」 夕方になって、私はきよたかさんを送りに駅へ来ていた。 「あっちについたら、ちゃんと連絡するんだよー?」 「大丈夫だよ。途中メールもするし、あっちでも電話するから」 優しい眼差しで、そう約束してくれるきよたかさん。 少しの間見られないけど、また大みそかには帰ってきてくれるし、きよたかさんパワーも十分充電した。 今は、ちゃんと送ってあげないと! 「それじゃあ、そろそろ……」 「あ、きよたかさん」 「うん?」 私は、後ろ手に隠していた紙袋をきよたかさんに手渡した。 「これは……あ、もしかして」 「くふふっ、なにかなー?」 「ゆい特製のお弁当でしょ」 「ぴんぽーんっ!」 お昼ごはんといっしょに、こっそり夕ごはん用のおかずも作っておいた私は、出掛ける前に おにぎりを作って、お弁当に仕立ててみたのさ。 「きよたかさんの大好きなハンバーグも入ってるし、野菜炒めもたっぷり入ってるよ」 「なら、じっくり頂かないとね」 ああっ、大事そうに抱きしめてくれて……嬉しいよー! うきうきしながら、構内にある時計を見る。 「それじゃあ……そろそろ、時間かな」 「あっ、うん。大みそかの夕方頃には帰ってくるから」 「うんっ。また、大みそかに」 私はにっこり笑って、職場でやるように小さく敬礼した。 笑いながら、きよたかさんも敬礼してくれる。 「じゃあ、いってきます」 「いってらっしゃーい!」 改札のほうに歩いていくきよたかさんに、大きく手を振る。 きよたかさんも大きく手を振って……そして、人混みの中に消えていった。
寂しくないって言ったら、それはウソ。 きよたかさんにとなりにいてほしいのは、当たり前のこと。 でも、約束してくれたから。 約束して……いっぱい、きもちをくれたから。 「もー、ちゃんと生まれてくるんだぞー?」 車のドアを閉めながら、あの人のきもちでいっぱいになったおなかをさすった。 「生まれてこなくても、生まれてくるまでいっぱいきもちをもらっちゃうんだからね」 まだ、きよたかさんのきもちがいっぱいみたいで…… ココロも、カラダも、いっぱいぽっかぽかだった。 「んじゃ、ゆたかとこなたに会いに行きますかねー」 私はキーをまわして、ナビを立ち上げた。 さーてとっ! 明日からも、がんばりますかっ!
しばらく二人で抱き合っているうちに、意識が少しはっきりしてきた。 私の中にきよたかさんがいて……とくん、とくんっていってて。 そこを中心に、体がふわふわした気分になっていた。 「きよたかさん……そろそろ、いいよ」 「大丈夫?」 「うんっ。いっしょに……いこ?」 私の言葉にうなずくと、きよたかさんは少し体を起こして、 ずんっ 「ふぁっ?!」 私の中を、ゆっくり動きはじめた。 ぐちゅっ、ずちゅっ……ずにゅっ 「んっ、ふぅっ……んんっ」 いっかいうごくだけでもからだがびりっとするのに…… なんども、なんどもからだがしびれていく。 「んぅっ、き、きよたかさん…… も、もっと、つよくして……いいよ……」 わたしのことばにしんぱいそうだったけど、 「だ、だいじょーぶ……んぁぁぁっ!」 おおきくうなずくと、きよたかさんはちからづよくうごきだした。 ずむっ、ずにゅっ、ぐちゅ…… 「ふぁっ! ああっ、んぅっ」 あたまのなかは、ぼうっと…… でも、からだはびりっと…… まるで、じぶんものじゃないみたいだけど、 「きよたかさんっ! ああっ……いいよぉっ!」 だいすきなひとが、わたしのなかにいるってわかるの。 「僕も……んんっ、気持ち、いいよっ!」 そのことばをきくだけで、からだのなかが……おなかのなかが、きゅんとなるの。 だけど、それでもものたりなくて 「きよたかさんっ……!」 「んむっ……」 かおをよせて……きよたかさんにくちづけをした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− すいません、上部が抜け落ちてました……
本当ならきよたか視点でのゆいとのえっちSSが書きたかったのに女性視点だし。 ちゃんと挿入部分も書いてたのに書き忘れるし。 何故か桃色電波を受信してるし。 今は反省している。 というわけで、このスレでは初めてのえっちSSです。 新婚さんのまま単身赴任状態になっちゃったから、まだ初々しいかなーとかそんな妄想をば。 知人に「萌えドリル」をプレイさせてもらってて、その時の「きよたかさん助けてー!」 「きよたかさんに会いたいよー」というボイスにやられて、このSSを仕立ててみました。 人妻結構、夫も結構。そういうことで。
>>800 うーん、うまく表現できないこの思い、一言で言えばGJ!!
思えばきよたかさんってまだ出てないよね?コミックスでゆい姉さんと電話で会話してるシーンはあったが。
そんなきよたかさんをここまで描いたあなたに今一度GJ!!
>>782 ちょww水どうww
俺もう五年ぐらいずっと見てるけど、らきすたでこれをやるって言う発想は無かったわ。
洋ちゃんがこなた、藤やんがかがみだとして、他のミスターとうれしーは誰が当てはまるかな・・・。
激しくすれ違いスマソ。
>>777 ちょw
あんなSSに挿絵が…
感謝です!
>>777 なんというスリー7
しかも神絵ときたもんだ
>>802-803 感想ありがとです。
最初ぬこ口だったんですが、縮小したら普通の口になっちゃいました。
気に入っていただければおkですw
なんというペース、そしてGJ・・・ 忙しくてなかなか描けない&書けない俺は間違いなく負け組orz
>>800 GJだぜ旦那!
しかしこのスレには百合分が足りないな…
百合SS書きさんいなくなっちゃったのか?
>>773 母娘の戦い……
エクスプローラーの後ろ側から顔を赤くしてみているかなたさんがかわいらしいです。
なんかPSPのディスク発射を思い出した。
>>777 ラッキーセブンおめです
こなたの格好がいかにも夏休みの小学生みたいで……ん、小学生?
大きめの帽子とサンダルがとっても似合ってます。
>>800 久々のエロキター
本編では出番ないきよたかさんですが、
たっぷりとアツアツっぷりを見せつけていただきました。
「セーフッ!!」 俺たちが教室に到着したのはまさに時間ギリギリだった。 開いた扉の向こうでは、黒井先生が名簿を開こうとしていたところだったからだ。 「ギリギリな〜。しかし、学級委員の高良が遅刻ギリギリとは、世も末やなぁ」 「すみません……みのるさんの家に迎えに行ってたら遅くなりまして……」 高良さんは息も切れ切れだ。対して泉さんは余裕の表情。 運動に慣れているのか、はたまた胸の質量の違いかと妙な想像をしてしまう。 「白石〜、運動後の女の子を観察するのもええけどな。女の子二人連れて遅刻とはええ度胸やな」 クラスメイトからの笑い声。 なんだか俺、女好きキャラのイメージつけられちゃってる!?
「さて、当時はモンロー主義を貫いていたアメリカ合衆国やけど、1915年のルシタニア事件を……」 きーんこーんかーんこーん、と校内にチャイムが響き渡る。 「えーっと、何か質問は……」 と黒井先生は教室を見回そうとして、びくっと引いた。 昼休みを前にした生徒の飢えた顔。一刻も早い昼休みをという、呪詛の視線。 「えー、終わります」 「起立。礼っ」「「ありがとうございましたー」」 日直の合図が終わるが早いか、ダッシュで教室を出る人。 黒井先生も呆れ顔だ。 「みのるくん。台本の読み合わせも兼ねて一緒にご飯食べない?」 教科書とノートをしまい終えた俺に、つかささんが話しかけてきた。 「ああ、いいよ。高良さんと泉さん、あとかがみさんもいるの?」 「こなちゃんは購買にパンを買いに行ってる。あ、おーい、ゆきちゃん」 パタパタと手を振るつかささんに、高良さんは小さく手を振って答える。かがみさんも一緒だ。 「かがみさん。足の具合は……」 「うん、それがちょっと……」 かがみさんの左足にはぐるぐると巻かれた包帯。 さっきから引きずるように歩いている。 「普通に生活する分には問題ないんだけれど……ディバルトとの戦いのシーンがあるじゃない。 さすがにああいった立ち回りは無理みたいだし……」 かがみさんの声は沈んでいる。 そりゃ、大分楽しみにしていたし、今まで練習を積み重ねてきたんだ。 それが台無しになってしまうなんて、悲しすぎる。 「で、でも、教える分には問題ないから。私の代役、充分に果たしてもらわないとね。厳しくいくわよ〜」 さっきの沈んだ気分を振り払うかのように、明るくかがみさんが言う。 そうだよな、沈んでても仕方ない。しっかりかがみさんに指導してもらわないと。 「むふふ〜、わざと明るく振舞うかがみの健気さに萌え」 にょろーんといつの間にか後ろに立ち、かがみさんの頭に手を伸ばす泉さん。 「うひゃっ、人の後ろに立つな!!」 「オオッ、かがみんは実は凄腕の暗殺者だったのかい?」 「だから意味分からないって!!」 がやがや騒ぎながらも机を四つくっつけ合わせる。 しかし、こんなに女の子に囲まれて昼食というのも初めてだな…… 「そうだ。みのるくんの弁当は?どんなのか見てみたいな〜」 つかささんが興味津々で見てくる。 そうそう、自分も弁当を忘れちゃならない。 鞄の中に手を伸ばし……
「え?」 も一度、鞄の中に、手を伸ばし…… 「嘘だろ!?」 鞄の中に入れた手が何も掴まずにすり抜ける。 中を覗いてみても一緒。つまり…… 「弁当忘れた……」 やっちまった〜。昨日弁当頼んだんだけれど、朝のどたばたで受け取るのをさっぱり忘れていた。 「パンはもう売り切れてたよ。義理の妹とかいないの?」 泉さんがチョココロネ片手に聞いてくる。 「え、どうして義理の妹?」 「こーゆーとき、『お兄ちゃん。弁当忘れてるよ』って来るのが王道でしょ」 「あんたはまた訳分からない事言って……仕方ないわね。ほら」 かがみさんが裏返した弁当箱のフタの上に、ひょいひょいとおかずを乗せていく。 「ほら、ちょっと量少ないけれど、ないよりはマシでしょ?」 「じゃ、私も〜」 つかささんもその横におかずを乗せる。 「私のでよければ……」 と高良さんまで。 「う、じゃあ私も……」 その横にぽんと置かれるチョココロネ。泉さんのだ。 みんなの優しさが身にしみる。 「ああ、皆さん。ありがとうございます……白石はなんとか生きていけます……」 「大げさだよ〜。あ、でも箸ないけどどうやって食べるの? やっぱりあーんって?」 ……まったくその点に思い至りませんでした。 泉さんはニヤニヤ見ていらっしゃる。またフラグか何かか? 「あ、私おっちょこちょいだから落とした時用にもう一個箸あるんだ。はい」 つかささんがかわいらしい箸入れに入った箸を差し出してくれる。 女の子から箸を借りるのも充分恥ずかしいのだけど、あーんしてもらうよりよっぽどマシだ。 「くそっ、私がせっかくフラグ立てようと思ったのに。つかさのフラグクラッシャーめ」 「どんだけ〜?」 泉さんが小さく呟き、つかささんが目を丸くして首をかしげる。かがみさんはそれを見て呆れるばかり。 「あ、あの。時間もありますし、そろそろ食べませんか?」 高良さんの声にみんな頷き、手を合わせる。 「「「「「いただきまーす」」」」」
「もう一度話しておくれ、輝く天使。まさしくそうだ。あなたは人々が……ごめん、なんだっけ?」 シーンごとにセリフを覚えつつ読み合わせをしている。 短いセリフや動作などはすぐに頭に入っていくんだけれど、長台詞となるとさすがに覚えきれない。 指を挟んだ台本を取り出そうとすると…… 「もう一度話しておくれ、輝く天使。まさしくそうだ。あなたは人々がうち退いて見つめる、 天上からやってきたお使いのように、ぼくの頭上にいるのだから。」 すらすらとよどみなく、高良さんがセリフを読み上げる。 しかも、その声にはしっかりと感情がこもっている。 抑揚も発声も、まさに完璧だ。 「このシーンは物陰からジュリエットの様を伺うシーンです。こっそりと見つからないようにしているシーンなのですが、 私たちは舞台でやっているので大きな声を出さないと後ろの席まで声が届きません。 ですので、ここは仰々しくはなく、若干大人しめで、けれども後ろに届く大きな声でお願いします」 高良さんがにっこりと笑う。 ……今のシーン、台本を一瞥もしてなかった。 「あ、あの、高良さん?」 「あ、え?私、セリフ間違ってましたか?」 慌てて台本を開く高良さん。 「いや、セリフは多分合っているけれど、もしかしてすべてのシーン暗記してるの?」 「そうそう、すごいんだから、みゆきは」 かがみさんが自慢げに胸を張る。 「すべてのシーンの照明、音響、舞台効果に役者の立ち回り、すべてみゆきが考えたんだから」 「え、いえ、私はこの台本の通りにやっているだけで……」 「ううん、セリフと動作しか書いてない台本からイメージ作ったのはゆきちゃんだから、さすがゆきちゃんだね」 高良さんは真っ赤になって恐縮している。 監督といえば後ろで踏ん反り返っていろいろ命令を出しているというイメージが強かったんだけれど、 台本からイメージを膨らませて舞台を作るのは監督の仕事なんだよな。 チャイムが鳴り響く。もうすぐ昼休みも終わりだ。 「じゃあ、続きは放課後ですね」 台本をしまい、くっつけていた机を戻す。 さて、ここからがまた辛い授業の再開だ。 「あ、そだ、みのるくん。みのるくんは誰のお弁当が一番おいしかった?」 藪から棒に、泉さんが聞いてきた。 「かがみとつかさのお弁当? それともみゆきさんの? 思い切って私のチョココロネ?」 ずいずいっと身を乗り出して聞いてくる。 そうだな、一番おいしかったのは…… 「高良さんの……かな。卵焼き、ふわふわでおいしかったし」 卵焼きは二人からもらったけれど、自分としては高良さんの卵焼きの方がおいしかった。 つかささんとかがみさんの卵焼きもおいしかったけれど、なんだか高良さんの卵焼きはふんわりしていて、バターの柔らかい香りがした。 なんだか、家で食べる卵焼きと違う、ホテルで食べるような上品な味がした。 「あ、ありがとうございます。朝、急いで作ってきたのですがお口に合ったか心配で……」 こっちが気の毒になるほど真っ赤になって小さくなる高良さん。 ってか、こっちが卵焼きもらった方なんだし、こっちの方が悪いぐらいだ。 「にょほほ、じゃあ今日の卵焼きはかがみが作ったんだね」 「何よ。悪い? どーせ私の作った卵焼きはおいしくないですよ」 「や、かがみさん。そういうわけじゃなくて……」 「そうだよ、お姉ちゃん上手になってきてるよ」 慌ててつかささんと揃ってフォローする。 泉さんはにょほほと笑っている。 「しかし、ここでチョココロネを選べば私ルートだったけれど、そっか、みゆきさんルートか」 いや、訳分からないって。 ガラガラと扉の開く音、次の授業の先生が来る。 「ほら〜、さっさと席に着け〜」 「ををっ、もう来た。それじゃ」 みんなそれぞれの席に慌てて戻る。 授業の再開だ。
「おーい、みんな。そろそろ時間や。はよ帰れ〜」 放課後の練習。日も暮れて大分外が暗くなってきた頃。 見回りに来た黒井先生がまだ残っている生徒に声をかける。 そろそろ下校の時間も迫っている、みんながいっせいに片づけを始める。 「はい、お疲れ様でした。今日はここまでですね」 みゆきさんの声に、床に崩れ落ちるように座り込む。 演劇って、ここまで疲れるものなんだと改めて思い知る。 「ほら、へたり込んでる場合じゃないよ。さっさと後片付け」 かがみさんに背中を叩かれ、立ち上がる。 いつまでもへたり込んでいる場合じゃない。とっとと片付けしないといつまでたっても帰れない。 くたくたの身体に鞭を打って立ち上がる。 とりあえず、昼間読んでみたところまで動きをつけながらやってみたものの、出来具合はさっぱりだ。 そりゃ昼間読み合わせしてその日の夕方に劇ができるなんて思ってもいなかったけれど、 それにしても相当ひどい有様だった。 「つかささん。そっちは手伝う事ない?」 「ううん、こっちはおしまい」 他のところも一通り片づけが終わったらしい。 やった、これで帰ることができる。 「皆さんお疲れ様でした。では、明日もよろしくお願いいたします」 高良さんの終了の声とともに、みんながばらばらと帰り始める。 「あ〜、もう本っ当に疲れたよ。帰ってネトゲする元気もないかも」 「ネトゲする余裕あるなら少しでも練習しろっての。みのるくんもお疲れさん」 片付けを済ませたみんなはぞろぞろとバス停の方へ帰っていく。 大分人が減ってき体育館。高良さんはまだ舞台の方で何か作業をしている。 「高良さん。お疲れ様っ」 俺の声に振り向いて、手を振ってくれる高良さん。 いつまでも俺のミスで迷惑かけてばかりもいられない。 今夜は台本の読みこみ、頑張らないとな。
『らっきー☆ちゃんねる』 「おはらっきー☆ パソコンの前の皆さんこんばんわ〜。らっきー☆ちゃんねる出張版、私、ナビゲーターの小神あきらです」 「どうも、アシスタントの白石みの……ぐはっ……」 「さて、今回は新企画『白石をぶっ殺せ』のコーナーです」 「いやだから、そのコーナー名、放送コード引っかかりますって……ぐふっ……」 「さて、さっきからみんなのアイドル白石さんがどうなっているか説明しますと、このはがきのように、ふるぼっこされてます〜」 「って、あきら様が蹴っ飛ばしているだけで……のぅわ……」 「東京都のPN.白石暗殺教教祖さまからのお葉書です。『ぼっこぼっこ ふるぼっこ ぼっこぼっこ 白石みのる』だそうです」 「いや、それってオープニングの替え歌……ひでぶっ……」 「いやぁ、素晴らしい替え歌ですね。歌はいいよ歌は。人類の文化の極みだよ」 「そのネタも……大分古いですよ」 「大体さ〜、何。転校して三日で女の子と一緒にお弁当? 何それ、そんな事あるわけないじゃん。ゲームじゃあるまいし」 「いや、かがみさま、これはゲーム……」 「こーゆーのってロクに女と付き合えないようなオタクがやるんでしょ? こんなのばかりやってるから現実の女の子と付き合えないんだよね〜」 「あ、あきら様。それ以上はリスナーの方に失礼じゃないかと……」 「それにさ、いつになったら私の出番あるわけ? こんな端役で終わる器じゃないのよ、私だってお弁当ぐらい……」 (ま、まずい。何とかこの暴走を止めなければ!!)「そういえば、あきら様はどんな料理が得意なんですか?」 「は? そんな暇あると思ってるの? 私は女優。料理なんて下っ端がやればいいの!!」 (そんな無茶苦茶な話を!!ってかさっきのお弁当発言と矛盾してるし) 「あ、そうだ。白石さーん。白石さんって魚捌けるんだよね。あきら、お刺身食べたいな〜」 「え、や、そんな事言われても……」 「白石さんって魚釣りが趣味だとか。あと、魚もさばけたりするんですよね〜」 「あ、ええ、そうですけれど(ラジオ版らっきー☆ちゃんねる参照)」 「ということで、来週は白石さんがマグロ漁船に乗ってくれるそうです〜」 「は? ち、ちょっとマグロ漁船ってなんだすか!? 突然何を……」 「らっきー☆ちゃんねる発、スタジオを飛び出してのロケ。次回をお楽しみに〜」 「……って、ちょっとあきら様。なんですかその契約書……いーやーだー、判子は押したくない〜」 「ばいにー☆」
以上です ……いえ、白石にはいつもいい目見てる分、最後ぐらい不幸になってくれないと割に合わなくて
>>806 別スレで百合物投下していて、ここではかがみ×つかさや
こなた×かがみを書きたいけど、進行中のものを完結させていないのに
掛け持ち参戦するのは無責任だしROMってる……。
幸せ量保存の法則(ちょっと違う?)が発動ですか 乙です
>>815 乙です
ところでこなた×きよたかの禁断の愛とか考えた俺はもうだめだ
こなたがきー兄って呼んでるところから割りと仲はいいはず
途中でゆいを混ぜれば完璧ッ、皆幸せ!
>>818 ゆいさん混じったらその場で嫉妬の鬼と化すんじゃないだろか(^^;
次スレってたってましたっけ?
>>820 まだみたいなので、頑張って立ててくる。
822 :
821 :2007/06/20(水) 21:41:58 ID:7mylZT+j
新スレ立て失敗。すまないみんな、後を頼む。
なんで次スレかと思ったら500KBになるのか 立ててくる
●持ちじゃないと無理だけどがんばれー
さあ埋めるざますよ
いくでがんす
ふんがー
ふんがー
ふんがー
ふんがー
もう書き込めなくなったのか?
それ百合ってことかい?ちょ
ペッティングが制服?
839 :
名無しさん@ピンキー :2007/06/20(水) 22:20:48 ID:jsZTX7u5
だぁぁ百合ってこたない? ぷ。
ヤッちゃっちゃう? イッっちゃっちゃう?
そんときゃキャッチアンリリースよ
胸(Fuu!)々(Fuu!)の谷間にKagamin' Kagamin' P L E A S E !!
交換日記 ・一日目 こなた はろーかがみん☆ まずは記念すべき交換日記一日目だね。正直かがみがこういうの引き受けてくれると思わなかったからすごく嬉しいよ。ありがと。 それにしてもこういう普通のノートで交換日記っていうのはいまどき珍しいだろうね。日記でも最近じゃネットでブログやmixiなんか使うのが多いだろうし。 でもこれはこれで味があるっていうかアナログな感覚がかえって新鮮だね。 とりあえず今日はここまで。また明日からよろしく〜♪ ・一日目 かがみ 私はあんたがどうしてもってしつこいから、この日記引き受けたんだからね。勉強とか忙しくなったら打ち切るかもしれない。予め言っておく。 確かにこういうの、最近の高校生とかはやりそうにないわね。でも手書きで文章書くのには慣れておいた方がいいわよ。 大学受ける所にもよるだろうけど、小論文とかは手書きだから、普段キーボードばかり使ってると苦労するからね。 明日の予習あるからこの辺で。 ・二日目 こなた ご忠告あり。家じゃ文章書くのに九割以上パソコン使ってるからね。この日記で多少はそのへん何とかできるといいな。 ところでさっきまでゆーちゃんと遊んでたんだけど、ゆーちゃんって意外にパソコンやネット関係詳しいんだよね。小さい頃から家にいることが多くてネットがおもちゃ代わりみたいなとこがあったみたい。 そんな環境であれだけ純心さを保っているってのは奇特というか何というか……ネット社会の黒い部分から上手い具合に逃れてたんだろうねぇ。 とまあそういう思考をする私ってやっぱり汚れてるのかなー、と今さらながら考える夜でございました。 それじゃまた明日。 PS しりとりしよう。しりとりの「り」で……「リトバス」 ・二日目 かがみ 未成年の時分からアダルトゲームに手を出してる人間が今さら何言ってんだか。 それにしてもゆたかちゃんってそうなんだ。てっきり機械関係には疎いイメージ持ってたわ。 ネットの黒い部分云々は、お姉さんとか家の人がそういうサイトを見られないように設定とかしてたんじゃないの? ウイルス対策ソフトにそういう機能があるし。 ウイルスといえば最近、風邪が流行ってるわね。 実は今日、家に帰ってからつかさがちょっと熱出したの。大したことないから学校休むほどじゃないと思うけど、大事を取って早めに休んでるわ。 こなたも気を付けなさいよ。外から帰ったら手洗いうがいを忘れずに。 「す」……「スイカ」 ・三日目 こなた いやいや黒い部分ってのは何もアダルトサイトのことだけを言うのではないのだよ。 まあそれはさておき。 つかさの風邪は本当に大したことなかったみたいだね。よかったよかった。 それにしてもかがみってばわざわざ日記に書いてるのに学校でも「あんたも風邪ひかないよう気を付けなさいよ」って、そんなに心配してくれて嬉しいなぁ。 かがみんの言葉を胸に、心を込めて手洗いうがいをしたよ♡ 「か」……「カラシニコフ」 ・三日目 かがみ 風邪に気を付けろぐらい誰でも言うでしょうが! あとハートマークはやめろ! 冗談で言ってるんじゃないんだから、本当に気を付けなさい。手洗いうがいだけじゃなくて、暖房のつけすぎや厚着のしすぎにも気を付けなさいよ。それとこたつでうたた寝とかも絶対しないこと。 あとビタミンやカロチンなんかをよく摂っておくのが風邪予防になるらしいから。しっかり野菜も食べなさいよ。 それじゃ、宿題多いから今日はこのくらいで。 「ふ」……「不二家」