なるしまゆり作品でエロパロ 1.5

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1名無しさん@ピンキー
前スレがdat落ちしてしまったようなので…


なるしまゆり作品の魅力的なキャラ達でエロパロSSを書きましょう
キャラ萌えカプ萌えなど雑談に花を咲かせるもよし

雑談、SSともにエロ有り、エロ無し問わずで
ただし801等好みの分かれる作品は投下前に前置きをしてください



前スレ
なるしまゆり作品でエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157784604/l50
2名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 18:26:45 ID:oxH0QZJL
ぬるぽ
3名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 20:06:33 ID:prbhlzrn
ガッ
4名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 22:23:05 ID:CEnD1gFb
ディープフリーズの手白沢×ユキヤ好きな人いない?
5名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 12:04:08 ID:P9qVasMa
不死者あぎとで百合モノ読みたい
6名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 23:41:47 ID:DLV6RR46
アンヌ×レヴィで
7名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 22:34:04 ID:KjA6neWU
アンヌ様逆レイプ
8名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 21:37:19 ID:tbz6PMEc
アンヌ×幼い頃のカルノ
9名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 23:29:03 ID:O5eJV/kZ
バンビ×かぐや
10名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 00:36:38 ID:BgTZWe8Z
イドゥとサリータのほのぼのSS読みたい
11名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 11:21:31 ID:xcRrLrye
あぁ、最近あまり来てなかったから前スレ落ちてたんですね・・・スレ建て乙&感謝です。

>10
承ってみました。
てか、サリータって何歳なんだろう・・・?イドゥさんロリコン疑惑が自分の中で再燃。
12名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 11:22:37 ID:xcRrLrye
「ねー」
声が聞こえると同時に”どしっ”と背中に軽めの体重が圧し掛かって来ると、彼は振り返る。
銀色の髪が肩まで伸びて来て、自分の首筋に細くて白い腕を回している少女の姿を目視。
「サリータ?どうしたんだ、勉強してくるとか言ってたんじゃ・・」
言いかけた自分の前に彼女は回り込んで来て、鮮やかな色の花束を差し出して来るので言葉を止める。
「イドゥはいつも忙しそうで眉のトコに皺が寄ってるからね、花でも見たら気が紛れるかなって。それでね、これね」
えへへ、と言う少女は、同じ界出身の彼女の異母姉とは、違う柔らかな表情を見せて。また、えへへ、と笑って。
「これね、これね、さっきニワトリさんが摘んで来てくれたんだよ。綺麗だったから、イドゥに見せてあげたくて、それで」
ぼんやりと花束を見下ろしている事に不安になったのか、戸惑った瞳が覗き込む。
「イドゥ?ごめんね、いやだった?邪魔しちゃった?」
「いや、ちょっと驚いただけだ、ありがとう」
不安そうな表情と、綺麗に咲いている花束とを交互に見てから、花束ごと細い少女の体を抱き締めた。
「ありがとう、サリータ」
細い身体は腕の中で一瞬強張って、それから同じく細い腕が自分の体に回され、力が込められて。
「あたしを置いてかないでね、イドゥ」
「出来る限りはそうしよう、サリータ。バンヴィヴリエ殿ともちゃんと仲良くするならな?」
「う〜・・・それはどうかなあ」
腕の中で眉を顰めた少女は、次の瞬間には顔を綻ばせて軽く自分の頬に口付け一つ。
「どうせならあたしがイドゥだけの”あなないの娘”になってあげたいよ」
えへ、と笑い声と花束を残して少女はまた建物の中へと駆け出して行く。
その後ろ姿を見送ってから、腕の中に残る少女の残り香と、花の香りを胸の奥一杯に吸い込む。
「幸運の女神、にだったらなっていそうな気がするな、サリータ」
その瞳が自分を信じる限りは、きっとそんな気がする。

それと、いつの間にか背後に立っていたクラに小一時間程たっぷり厭味を言われたとか言われなかったとか。
13名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 11:24:47 ID:xcRrLrye
あ、タイトル忘れた。【花束】とでも・・・・相変わらず1レス保守物しか出来ません自分。


あぎとが今手元に無いので、あぎとと裂と主人公のフルネームだけ誰か教えて下さい・・・orz
よりによって主人公のフルネーム度忘れこいて書けませんw
14名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 11:31:42 ID:mM8vtWqw
>>12
GJ!!!!!

いつも乙です!
サリータは健気な良い娘だ…
低年齢女性キャラのアルビレオで13〜14歳だから、サリータは11〜12歳くらいでしょうか?
イドゥは疑惑どころじゃなくロリコンですw
15名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 11:35:42 ID:mM8vtWqw
おっと、あぎとキャラのフルネームですね
柩あぎと、天堂裂、遥川美奈 です

あぎとSS楽しみにしてますノシ
16名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 00:23:05 ID:HYvQfZIK
>14
名前、感謝です。

・・・・・どうやっても裂がヘタレになってしまってどうしようもないギャグにしかならない自分を誰か罵って下さい。
17名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 19:31:43 ID:Pd9VZSPH
いや、裂は元々ヘタレですからw
18名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:40:22 ID:wMCN2jXe
ありがとう、裂はヘタレでいいんですね!開き直って美奈+裂のバカップル投下。


それぷらすー、薄荷廃園話もちょろっと自分にしちゃ珍しく長目に投下。↓
19【春風】 裂+美奈 (&・・・:2007/05/22(火) 01:41:52 ID:wMCN2jXe
今まで着ていた制服も、もう、今日からは着る必要も無い。
結構裾が短いのが時々いやだったりしたのに、着なくなるとなってしまうと不思議と懐かしく感じるものだったりして。
「うーーーーーーーーーーん」
どうしよう、どうしよう。いや、でも、うーん。やっぱり、なぁ。でも、だからと言って・・・、でも、うーん。
軽く二時間ばかり悩んだ挙句、着慣れた制服を身体に纏う。鏡の前で、クルリと一回転。
「う」
ちょっと、太った・・・かな?裾から覗く太ももの肉をつまんで、溜息をついてからなにげなーく扉の方を向いてみた・・り?
「何そんな隙間から覗いてるんですか、校長先生」
「あら、バレちゃった?」
だって迷ってるのが可愛いんだもの、と笑いながら扉を閉めて出て行くシスター姿の彼女を見送る。
「別に好きで迷ってるわけじゃないんだけど、だけどなぁ」
はぁ、と溜息をついて机の上にある時計を見て、時間を把握した瞬間に体中から血の気が引く気がした。
慌てて時計の横に置いてある携帯を持つと手早くメールを打って、相手に送信。ちゃんと使えてるかは分からないけど、
とりあえず少し遅れると連絡は入れたと言う事で問題無い、と思っておきたい。
「いや、でもやっぱり不安かも」
携帯をちゃんと使えてるか不安だなんて妙な心配だよね、と一人ごちながら服を選ぶのを諦めてそのまま出かける事にする。
出かける時にまた校長先生とすれ違ってクスクス微笑まれたのはきっと気のせい。
「昨日まで着てたのに今日は恥ずかしいってどういう事よ?」
自問自答。答えは無し。
その代わりに、階段を降りる先にいた人物の赤面っぷりが答えを出してくれたような、そうでも無いような。
「み、美奈・・・なんで今日も制服!?」
両手で携帯を握り締めたまま、うわ、うわわ、と叫びそうな逃げ出しそうな顔でこちらを見詰める相手に、最上の微笑みを。
「しまうのが勿体無くて出してたから。私服の方がやっぱり良かった、裂?」
「え、いや、その方が可愛いと思・・・って、自分は何を言って」
うわぁ、と携帯を壊しそうな位に握り締めてこちらを見る相手を笑いながら見つめ返して、階段を身軽に降りて、傍に
近付いてから顔を覗き込んで。
「それで、今日はどこにデートに行くの、裂?」
「デート、と言われてもあまり分からないし・・・どうしようか、美奈」
いきなり突っ込みを貰ったせいか、困ったように視線を逸らす相手を見る。
初めて会った時から、自分の少し伸びた髪。僅かに伸びた身長。少し変わった、この世界を見る瞳。
でも、一番変わって、そして変わっていないのはきっと、この人の純粋さなのかもしれない、なんて思ったりしながら。
「じゃ、近くの公園までお散歩でもしよっか、裂」
差し出した手を、頬を染めつつ握り返してくる力強さを感じて微笑む。こちらを向いて、微笑み返して来る瞳の奥に、
もう一人の『彼』の存在をぼんやり想いながら、近くの公園まで歩き出す。
20【春風】 裂+美奈 (&・・・:2007/05/22(火) 01:43:23 ID:wMCN2jXe
「ねえ美奈」
「んー?」
平日の昼下がり、それ程人がいない春先の公園は仄かに暖かくてすごしやすい気候で。買って来た缶ジュースを手渡しながら
ベンチに腰掛けた相手を見下ろすように小首を傾げる。
「やっぱり、制服姿でいるのは見慣れてるせいかな。しっくり来るし、可愛いね」
「え、そ、そうかな」
思わず顔が紅くなる感覚に、片手を頬に当てる。
「うん、何歳になっても美奈にその制服は似合うと思うよ?」
満面の笑顔でキッパリ断言する相手。
「それは微妙だと思うけどな、裂」
やっぱりちょっとズレてるや、と諦めの溜息と一緒にジュースを開け、隣に腰掛けてから同じように蓋を開けて飲む姿を
横目で見る。もう一人の『彼』とは全く正反対なのに、時々ダブって見えるのはどうしてだろうか。
「美奈?」
「ううん、何でも無い」
心配そうに見てくる視線は、やっぱりどこか違うなぁ、なんて思ったりして。比べたら悪いとは思うのだけど、も。
「・・・どうしてるのかなぁ、元気にしてるのかな」
ボソ、と呟いた言葉は春風に乗って消えずに届いたのか、ジュースを持っていない方の手を急に握られた。
心臓が驚いて口から飛び出て来るような、そんな感じを押し殺して、なるべく動揺を見せないようにしながら隣に座っている
『彼』の顔を横目で見る。こっちを向いているのかと思っていたその顔が、予想に反して前を向いたままジュースを飲む姿に
ホッとしたような、少し残念なような、なんとも言えない微妙な心持ちになって、キュッと手を握り返す。
「美奈、こっち向いて」
「え?」
不意に声をかけられ、反射的に顔を上げたと同時に、間近に顔が見えたような、気が、した。
と思えば視界が一瞬暗くなり、微かに甘い香りと一緒に、柔らかくて温かい感触が唇に移って、一瞬で離れて。
でも、何をされたか気付けば、頬が、顔が、首が、体全体が紅く染まって行く感覚にクラクラと軽い眩暈がしてしまう。
「れ、れ、裂〜・・・・」
かぁぁぁ、と音が出そうな位に紅く染まっているのを実感しながら、こちらを見て笑う相手に向かって肩を震わせる。
「そうなって赤くなるのも、可愛いと思うけど?」
笑いながら手を差し伸べられれば、何も言い返せる筈も無くて、素直に相手が自分の頬を撫でるのを、ただ、ひたすら
ひたすら、耐える・・・と言うよりも、薄く目を閉じてその温もりを感じていた。
その、薄く開かれた視界の中の相手が、また微笑みながら顔を近付けて来るのを見て、思わず体が自然に一歩、後ろに後退り。
「あらあら残念」
「おやおや残念」
反射的に目を開く。目の前にいる『彼』が、自分ではなくその後ろを見て硬直しているのを見、ゆっくりと振り返る。
麗らかな春の陽射しの中、いかにも呑気そうな神父といかにも温厚そうなシスターが、そこにいた。と言うか、知り合い。
「神父様も、校長先生も人の背後でコソコソと何してるんですかーっ!」
「あら、だって。心配だったんだもの」
「そうそう、君達が心配で心配で、ねぇ?」
うふふ、あはは、と笑い合う二人に対して、また美奈が何か叫ぶ。
穏やかな公園に響き渡る美奈の叫び声と笑う二人の声の中、一人裂だけが何があったのか理解出来なかったらしい。
21名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:44:46 ID:wMCN2jXe
ま、卒業式の次の日デートとかってどうなんだろうと。携帯いじれない裂とか可愛いと
途中で思って自分の事を自分で罵っt(ry


では、薄荷廃園ネタ。城ヶ崎とチロちゃんで。↓
22【予兆】 城ヶ崎+チロ:2007/05/22(火) 01:46:26 ID:wMCN2jXe
「そう言えばチロ君」
「はっ、はいっ!今日はまだ一枚しかお皿割ってませんっ!昨日は4枚割りましたけどっ!」
声をかければいつものように少し怯えたように慌てて振り返る、少し短いポニーテールに、怯えまくった黒目がちな瞳。
「もう一枚割ったわけだね。それは天引きと言う事で、とそれはともかく犬の名前・・・を自分に付けていたんだったな、君は」
こういうタイプをいぢめてみたくなるのが俺、いや私の性格と言うか悪い癖と言うべきだろう。
それでも、ここに来る前はそうでもなかった気がするのだが。坊ちゃまのせいで何か歯車が狂ってる気が。
「え、あ、あの、お給料ってまさかもうマイナスになんてなってたり・・・」
庭掃除用の箒を手に持ったまま、潤んだ瞳でこちらを見てくる様など、正に犬のようだ。
横目のまま、それを見てちょっと思い付いた事が。
「チロ君」
「はっ、はいっ!」
慌てて箒を握り直し、居住まいを正してこちらを真剣に見詰める相手に、いつものように淡々と言葉を続ける。
「わん、と言ってみてくれるかな」
「え?」
ポロ、と落ちる箒。呆気に取られる彼女の、足元に溜まった落ち葉の上へとカサリ、軽い音を立てて転がる。
「チロ君は犬の名前を付けているんだろう?まだ、君の『誇り』はハッキリしていないんだった、ね」
ニッコリと極上営業スマイルを付け足して、硬直したままの彼女に真っ直ぐ視線を向ける。
「そ、それと今私が『わん』って言うのとチロの名前を借りたままなのとどういう関係が」
「今日割った皿、実は先程既に確認済みなのだが、あれを天引きすると君は次に失敗した時点で今月マイナスだ」
極上スマイルを崩す事無く、彼女を見続ける。
「別に強要するつもりは無いよ?ただ、犬の名前を持っているとか言うなら・・・たまには犬になってみて
可愛がられてみたりするのは、どうだろうと思っただけだ。気にしないでくれ」
それだけ言って背中を向けるのと、坊ちゃまが自分を呼ぶ声が聞こえるのが同時だった。
あぁ、そろそろお茶の時間か。時計を確認し忘れるとは迂闊だったか。
「じ、城ヶ崎さんっ」
必死に叫ばれて振り返る。真っ赤な顔で、目を相変わらず潤ませたまま、肩を震わせた彼女がパクパクと口を何回かして、
「わ、わんっ!」
「・・・・・・・・・良く出来ました。どうせだから今夜、私の部屋に来てみるかい?」
ニヤリ、と意地の悪い笑みを今度は見せて、返事は待たずに坊ちゃまの所へ急ぐ。
「お待たせ致しました、坊ちゃま」
「さっきは随分と庭が騒がしかったようだが、どうかしたのか」
「いえ、少々戯れておりまして。お騒がせして申し訳ありません」
「お前が随分楽しそうだな、城ヶ崎。ところで今日の午後は乗馬がしたい気分だ、鞍を持て」
「かしこまりました坊ちゃま、鞍でございます」
「早いな・・・・・・乗馬なら、鞭も必要だな」
「はい、こちらにもうございます。ちなみに馬はとっくの昔におりませんので乗る事は無理です」
「そうか・・・・・このやり取り、そう言えば覚えがあるな」
「本日を持ちまして百五十二日目でございます」
「そうか、ご苦労。お前は実に優秀な執事で助かる」
のんびり坊ちゃまと盗賊執事、いつもの如くのいつもの会話をいつものように飽きずに継続中。
23【予兆】 城ヶ崎+チロ:2007/05/22(火) 01:47:52 ID:wMCN2jXe
さて、その頃のチロ嬢はと言えば、人買いではなく職業斡旋業者兼金貸しやら色々な職業の(らしい)鷹森さんが
久しぶりに顔を出したのをこれ幸いと、先程言われた事を涙ながらにつらつらと訴えていた。
「それでですね、城ヶ崎さんってば夜に部屋に来るかってニヤニヤしたんですよっ!どうしたらいいんですか、私〜」
キャンキャン小型犬が騒ぐような高めの声で散々嘆いた挙句、はぁ・・・と暗くなった顔の彼女の頭をぽふぽふ撫でる。
「そりゃ珍しい事だねー。彼はあまり他の人に興味を示すタイプじゃないと思ってたんだけど」
「そぉいう問題じゃないと思うんですよっ」
ぐぐ、と拳を握り締めて訴える少女を見て、これまたそれなりにそこそこに意地の悪い鷹森さんも悪巧みにノってみたり。
「それならチロ君、彼を『ぎゃふん』と言わせてみたくないかい?」
「城ヶ崎さんを、ですか?私が?そんな、まだベッドメイクすらきちんと出来ないのに無理ですよ」
しょんぼりと俯く少女の手の内へ紙袋をそっと滑り込ませる。
「鷹森さん、コレ・・・何ですか」
「どうせならソレを着けて行って、彼を驚かせてみたらどうかな?あぁ、お金はいらないから大丈夫だよ」
困った子におにぃさんは親切ですから、なんてケラケラ笑いながら怪しい斡旋業者・鷹森さんはそのまま帰って行った。
「えーと、お金いらないって言ってたけど、どうしよう。貰っちゃっていいのかな、中身・・・なんだろ」
ごそごそ、がさがさ。
しーん。いや、むしろこの場合のチロの心の中はチーン。なーむー。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え、えーと。これってどうしたらいいのかな、私」
からかわれてるのかと溜息混じりに紙袋の中身をしまって、独り言をぼやいて箒を取り上げる。その、下りた視線の先に
綺麗な靴の爪先が目に入って、箒を持ち上げつつ視線を上げると、そこにいたのはこの薄荷公路邸の坊ちゃん。
「ぼ、坊ちゃまっ!あ、いえ、サボってたわけじゃなくてですね、ちょっと鷹森さんがいらしてですね、そのっ!」
「あぁ、客が来ていたのか。用事があったのか?」
つい、と遠くを見るような視線で誰もいない門の方を見る坊ちゃんに、慌てて更に取り繕う。
「いえ、ちょっと私の顔を見に来ただけとの事だったので用事は特に無かったそうで、ですから、その城ヶ崎さんにも・・・」
名前を言って、さっき言われた事を思い出して顔が熱くなる。
「・・・?城ヶ崎がどうかしたのか?」
「いえっ!城ヶ崎さんにも言わないでいいかなと思ったので、そのっ!失礼しますっ!」
ぺこっ、とおざなりな会釈を一つ。紙袋と箒を抱き抱えるようにしながらダッシュで自分の部屋まで走って逃げる。
「坊ちゃま、こちらにいらっしゃいましたか」
「ああ城ヶ崎。どうやら質屋が来ていたようだぞ」
「今日は何の約束もしてない筈ですが・・・後でチロ君に確認しておきましょう」
「いや、彼女にだけ用事があったようだ。城ヶ崎、新しい紅茶を淹れてくれるか?」
「はい、もう用意してあります」
「やはりお前は優秀な執事で助かるな、城ヶ崎」
「ありがとうございます」
やっぱりどこにいても相変わらずな、坊ちゃまと盗賊執事。ここだけはいつでも平和です。
24【予兆】 城ヶ崎+チロ:2007/05/22(火) 01:49:04 ID:wMCN2jXe
夜も更けて、質素な夕飯を部屋に持ち込んでもしょもしょと食べながらパジャマ姿のチロは独り悩む。
ベッドの上に置いたお盆、その上に載ったお皿。そのお盆の横に広げられている、今日の午後に鷹森さんから渡された
『妖しい紙袋』の中身達。
最後の一口を食べ終えて、ベッドの横にあるサイドテーブルにお盆をどけて、改めて広げた『中身』を眺める。
「これってやっぱり、鷹森さん的には着て行けって言ってるんだよね・・・」
深い溜息をついて、ソレを手に取る。
「これ似合うのかなぁ、と言うかこんなの着けてった位で城ヶ崎さんが驚くとは思えないんだけど」
鷹森さんが言うなら驚くのかもしれない、などと純真な少女は思ってしまったりするわけです。でもその時点で負けだったり。
部屋でチロが悩んで、暫し時間が経った頃。
同じく、自室でいつものように銀製品をピカピカに磨き上げながらくつろいでいる城ヶ崎は上機嫌だった。
「綺麗に磨けたな、よしよし。明日はもっと磨いてやるからな」
あと数日したらお前ともお別れだなー、としみじみ銀のお皿を胸に抱いた時、扉が小さく、微かにノックされた。
「・・・・・・・?」
こんな時間に誰が来るのか。坊ちゃまだとしたら普通に壁を抜けてくるだろうし、それに基本的に夜には来ないだろう。
「・・・・さ・・・・ん」
僅かに震える声が、もう一度叩かれたノックの音と一緒に聞こえて来た。それは、犬のような瞳の少女の声。
磨き上げたお皿をそっと布で包んで机の上に置くと扉を開く。それから、対峙してお互い無言で見詰め合う。
ちなみに城ヶ崎は坊ちゃま程ではないにしろ、比較的沈黙に強い性格である。チロはいたって普通の少女。
当然、先に根負けして口を開いたのはチロの方だった。
「あ、あの・・・っ!」
口を開いたものの、パクパクと金魚のように口を開け閉めして、その後を続けられない彼女の頭に視線をやる。
「それは、自前なのかなチロ君?」
顎に手を当て、薄く笑いながら城ヶ崎はチロの髪に着いている『モノ』をじっと見る。
「昼間に・・・鷹森さんが・・・・・・・」
「あぁ、質屋か、なるほど。君が自前で持っていたら趣味を疑う所だったよ、それで何の用かな?」
顔を見て、思い出してはいるもののココは敢えて本人に言わせてみるのもまた一興。
「だって城ヶ崎さんが夜に来いって言うから・・・ッ!」
泣き出しそうな顔で見上げて来る少女の頭を、犬でも愛でるように軽く撫でる。
「夜に来たらどうだ、とは言ったが来いとまでは言った覚えは無いんだよ、私はね?まぁいい、入りなさい」
彼女が通れるようにと、軽く体を斜めにして通してやる。
特に何の装飾品も無い、質素な部屋。カーテンはついてはいるものの、明らかに古い物なのは一目瞭然。
「私の部屋と・・・あまり変わりが無いんですね」
部屋の中をくるりと見渡してから漏らされた言葉に、扉を閉めた城ヶ崎は思わず吹き出した。
「それは当然だ。ただでさえ金の無い家で、使用人の部屋が豪奢だったらおかしいだろう?」
「あ、そう言われればそうですけど・・・・って・・・・」
微妙な顔のチロの視線の先には、さっきまで磨いていた銀の皿。
「あと数日もすれば質屋・・・鷹森に買い取って貰う予定のお皿だ。綺麗にしてやるのは当然だ、うん」
「はぁ」
納得したような、まだやっぱり納得出来ないような。微妙な心境なチロであった。
25【予兆】 城ヶ崎+チロ:2007/05/22(火) 01:50:03 ID:wMCN2jXe
部屋の中に一個だけある硬い椅子に腰掛けているのは城ヶ崎で、一応柔らかいベッドに腰掛けて珈琲を啜っているのはチロ。
ただ、その姿がいつもと違う点が幾つか。
「で、それはセットで貰ったのかな、チロ君」
「はぁ、コレを見れば城ヶ崎さんも驚くぞって言われまして」
予想していたような驚きを貰えなかったせいか、しゅん。と項垂れながら俯くチロの髪には、可愛らしい『猫耳』が。
「それで、ご丁寧に自分でソレも着けて来て驚かせてみようとした、と」
うぅっ、と返答に詰まるチロの首元には、何故か首輪。腰にはご丁寧に尻尾がベルトのように巻きついていたりして。
「アレも、どうせなら犬らしい物を渡せば良いものを・・・猫だろう、これは」
溜息混じりに怪しい質屋・鷹森の姿を脳裏に思い起こしながら城ヶ崎が呟く。それを聞いて、チロが身を固くする。
「そ、そしたら私はにゃーんとか言わないといけないんでしょうか?」
珈琲カップを握り締めて、必死な顔で言ってくるチロを見て一瞬だけ城ヶ崎が硬直。その直後に、爆笑。
「なっ、じょ、城ヶ崎さんひどいっ!私頑張って凄い頑張ってコレ着けて来たのに笑うなんて」
ぐすぐすと、また涙声になって行くチロの傍に、立ち上がった城ヶ崎が近寄って行く。そして、もうほぼ泣き出しかけたチロの
頭をぽふぽふと、愛でるように撫でてやると今度はしゃがんで視線を合わせ。
「今夜一晩、犬みたいに可愛がって貰うのと、猫みたいに可愛がられるのと、どっちが良いかな?」
昼間見せた以上に、とびっきり極上の笑顔を見せて、チロに問い掛ける。
「かわいがられ・・・?」
「チロ君。確か君は言っていたね、『誰かが私に誇りを持って可愛がられてくれるような大人になる』・・・だったかな」
「そこまで詳しく覚えてなくていいです」
「素直に反論は出来るみたいだな、良い子だ。で、犬みたいなのと猫みたいなの、どっちが良い?」
「え、あの、何で犬か猫かになるんでしょう・・・・」
「君が今している姿は何になるのか、こっちが問い返してみたいんだけれどね」
城ヶ崎がクスリと笑いを一つ。言われてみて、改めて自分の姿に気付いて真っ赤になる、チロ。
その手から珈琲カップを抜き取り、お皿にぶつからないように机に置きながら城ヶ崎が口を開く。
「今夜一晩位なら、君の言う『かわいがられて』と言うのを叶えてみても面白いと思ったんだが・・・・止めておこうか?」
コトリと机の上に完全にカップを置いてから、チロに視線を走らせる。
「チロ・・・は、18年も生きた可愛い犬だったんです。取って来いは出来なかったけど、可愛い犬で・・ッ」
「それじゃ、君は『取って来い』が出来る犬になれるか?」
真っ赤になってうぅ、と小さく唸りながら、やはり小さくチロは首を縦に振る。
「なら、これからは『わん』としか言っちゃダメと言う事で」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「出来ないなら可愛がれないなぁ、あー残念残念」
しれっと言い放つ城ヶ崎と、真っ赤になって激しく葛藤するチロ。
「ま、語尾に『わん』とか付けると言うのも可愛いとオレは・・・とと、じゃない、私は思うがね?」
悪魔の魅惑の微笑み。一瞬、そんな言葉がチロの脳裏を過ぎったのは気のせい。
26【予兆】 城ヶ崎+チロ:2007/05/22(火) 01:51:15 ID:wMCN2jXe
で、やっぱりと言うか結局負けたのはチロでした。
「それで?どうして欲しいのかな、チロ君」
「え、どうしてって、どうしてと言われましても・・・・・・あ、わん」
慌てて付け足す語尾。怒られないかと、恐る恐るこちらを見上げる仕草は確かに小型犬。着け耳はどう見ても猫だが。
そんな様子を見て、軽く思案を巡らせる。ベッドに腰掛けた彼女の隣へ、自然に座って自分の膝をぽんぽん、と叩いてやる。
「・・・・わ、わんっ?」
「膝枕。厭か?」
黒目がちの瞳が丸くなって、それからちょっと自分の顔と膝を交互に見やって、頬が紅く染まってから膝の上に
着け耳をしたままの髪の毛がぱさりと落ちる。
「あぁ、今気付いたけれど髪の毛解いて来たのか・・・確かに着け耳はインパクトがあったかもしれないな」
クスクスと笑いながら、膝の上にある頭を優しく撫でてやる。
「それって、少しは驚いて貰えたって事ですか?」
「語尾」
「あ、すっ!すみませ…わんっ」
「はい、良く出来ました」
寝そべったまま、慌てて語尾を改めて付け加えるチロの本当の耳の方を軽くつまむ。
「・・・・ッ!」
慌てたように、手で耳を隠す仕草。隠れていない頬は、真っ赤なまま。
「犬と言うモノは、主人に従順だからこそ可愛がられるモノだと私は思うんだけどね」
笑いを噛み殺しながら、少し体を屈めて、耳を隠す手に吐息がかかる位まで顔を一瞬近付ける。
「しゅ、主人って!どうい・・・・・う、わんっ」
吐息がかかる程に間近に見える顔に驚いたのか、上を向いたと思った顔が慌ててまた横に向き直って、更に顔を隠す。
「今夜一晩、君は『犬』のように私に可愛がられる。そうだろう?なら、今だけは私が君の主人で問題無いと」
違うかな、と姿勢を正しながら言葉を紡いでやる。ここまで物分かりが悪いのか良いのか分からないのは、初めてだ。
返事が何も返って来ない。
数分経過しても、何も返って来ない。
「さては耳が弱いのかな、チロ君」
「そ、そういうワケじゃないですがっ・・・・あ、えっと、わんっ」
「そうやって隠していると、せっかく珍しく下ろしている髪も見えないし、第一着け耳が取れてしまうんじゃ」
「あああああああああああ!」
きゃぁ、と叫びながら慌てて体を起こし、着け耳が取れていないか、髪が乱れてないかを手で探る仕草に、軽く吹き出す。
「そうだな・・・着けてなくても、髪を下ろした姿は充分可愛いと思うけれど?」
ニッコリ爽やかな笑顔と、普段は見慣れない髪を下ろした城ヶ崎の姿に一瞬見とれてしまう、チロであった。やはり弱い。
27【予兆】 城ヶ崎+チロ:2007/05/22(火) 01:52:21 ID:wMCN2jXe
「ほら、こっちに来なさい。もう夜も冷えるんだから」
「あ、はい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・あ!わ、わんっ」
良い子だ、と近寄って来たチロの髪を優しく撫でてやる。カチューシャ状の着け耳をついでに取り払って邪魔な物を無くす。
髪を撫でつつも、その髪越しに耳をつまむと、体がピクリと反射的に動く。
「犬は、主人に従順・・・・じゃなかったかな、チロ君?」
「わ、わん・・・・」
髪の隙間から見える耳朶は既に真っ赤で、髪越しでもその熱が指に伝わって来る。
本人はと言えば、既にこちらを見るのも恥ずかしいのか、耐えているのか。目を堅く瞑って、口も一文字にして、
手は本人の膝の上で小刻みに震えていたりしてて、その様子と言うか、仕草が本当に可愛らしい。
そんな姿を見て、悪戯心なのか、それともまた別の心なのか、何かが自分の中で動いて。
優しく、ふわりと啄ばむだけの口付けをチロに。
「・・・ひゃっ!?」
素っ頓狂な声と同時に、慌てたように体を反らす、チロ。だがその先は壁なわけで、このままだとぶつかるわけで。
「危ないだろうが」
おっと、と声を出しながら反射的に手を出して体を抱き寄せて胸元に引き寄せる。
「じょ、城ヶ崎さっなっなっなっなっわんっ」
「語尾は気にしなくていいから、ちゃんとした言葉を喋ってくれるかね、チロ君」
ここまで初心者だとは思わなかった、と軽く暴れる体を腕の中に抑えながら小さな溜息ひとつ。
「わっ、私」
「私?」
「初めてだったのに、こんないきなりだなんて、夢が無いですーっ酷いですよーっ」
そっちの問題か。違うだろう、いや、少し年齢が違うし性別が違うから、こういうのは違うのかも、なんて呑気な事を
城ヶ崎はぼんやり考える。と言うか待て。初めてのキスがいきなりでいやだと言う事・・・は?
「いきなりじゃなかったら、良いのか、チロ君?」
暴れる顔を軽く抑えて、真っ直ぐに瞳を覗いて問うてみる。黒目がちな瞳、綺麗な黒曜石のようで綺麗だ、なんて考えが。
「だ、だって無理やりなんて夢の欠片も無いじゃないですかぁ」
見詰める瞳からぽたり、と一つの雫が流れ落ちる。抑えていた手を離し、それを指ですくって、ペロリと舐めて。
「可愛い子にキスをしてみたくなる、と言うのは男として当然だと言えば当然なのだがね、チロ君」
その言葉を聞くと同時に、音を立てて茹蛸状態になるチロ。
「さて、可愛いわんこにキスをしても良いのかな?」
「・・・・・・・う゛っ」
茹蛸わんこのチロが、迷った瞳のまま、小さくコクリと頷いて。
28【予兆】 城ヶ崎+チロ:2007/05/22(火) 01:53:11 ID:wMCN2jXe
城ヶ崎が手馴れた仕草でチロの顎を持つ。堅く目を瞑ったまま微かに震える頬をひと撫でしてから、唇を合わせる。
空いている手は、やはり固く握られた彼女の手を優しく上から重ねて握って。
最初は啄ばむように、何度も何度もつんつんと、突付くように純粋な『口付け』だけを繰り返して、気持ちを解す。
握っている手の力が少し抜けた頃合いを見計らって、軽く舌先を口の中へと進め入れる。
「・・・・っ!」
ピクリとほんの一瞬、唇も強張ったのが、すぐに力が抜けて、こちらの舌を受け入れて、ぎこちない舌が出迎えて。
戸惑う舌がどうしたらいいのか分からないまま、咥内で微妙に動くのを追いかけて、自分の舌を絡めて、突付き、
また絡めて、解けば時折歯茎や上顎を舌先で突付いてみたり。
「・・・はふ・・・」
合わせた唇と唇の隙間から、苦しそうな吐息が漏れる。それが耳に届けば唇を離す。
つ、と一瞬だけ垂れる銀の糸が二人を繋いで、すぐに途切れて。
「初めての、ちゃんとしたキスはどうだったかな、チロ君?」
「・・・・あ・・・え、っと、あの?」
ぼんやりと焦点の合わない瞳が自分の方を虚ろに見詰め返す。
「酸欠なら、酸素を送り込むべきかね、これは」
クスクス笑いを含ませて、冗談半分本気半分の言葉を呟くと、チロの瞳の焦点がいきなり合って、それから顔がまた茹蛸に。
「そ、そういう事は普通は聞かないものなんですよぉっ!」
もおぉぉぉ、と真っ赤になったままの顔を両手で隠して、俯けば、ふわりと髪が揺れてやはり真っ赤な耳朶が露わになって、
顔を隠す彼女の唇へのキスの代わりにそこをペロリと舐め上げてやる。
「んっ・・・・」
今度は明らかに肩が大きく、揺れた。
「チロ君、やっぱり耳弱いんだね」
逃げないように腕の中に抱き抱え、わざと耳に吐息がかかるように囁いてやればその度に小さな声を上げて身を捩らせる。
その姿が、また自分の中に火を点けるなんて、本人は全く自覚が無いのだろうけれども。
「そっ、んぁ・・・こっ・・・・と無い・・・・ッ」
言葉の途中でパクリ、と耳朶を食む。そのまま、口の中に入った耳朶をじわりと舐め上げて、軽く噛んで。
「や、あ、じょ・・・・が・・・・さ・・・」
震える手が自分の服の裾を握り締めるのに気付いて視線を顔に移すと、涙目で何かを訴えかけてくるようなチロの瞳。
「恐い?」
こくこく、と何度も頷くチロ。
「相手がオレ・・・違う・・・あぁ、もういいか。オレでも恐いかな、チロ君?」
「恐くないけど、恐いんで・・・す・・・」
ごめんなさい、と声にならない呟きがその後に続いて。
それを見てからしばらく思案を巡らせる。
29【予兆】 城ヶ崎+チロ:2007/05/22(火) 01:54:42 ID:wMCN2jXe
「それなら、続きはまた今度、と言う事にしようかチロ君」
「・・・・・・・・・・・え?」
「続き、今したいならしても良いのだけどね、オレは」
「え、いえ、あの、それは私があまり良くないと言うか続きって何がですかっ!?」
「それは秘密だ。チロ君がオレを嫌いじゃないと言うなら、いつかしてあげよう」
ちゅ、とその代わりに戸惑う彼女の額にキスを落として。
「部屋まで戻るか、それとも今日はこのままオレの部屋に泊まるか。それ位の選択肢はあげようかチロ君」
クツクツと悪戯っぽい笑いを浮かべて、腕の中の犬の名前の少女に問いかける。
「な、何もしないなら、このまま腕枕でおやすみなさいとか・・・・ダメ、でしょうか」
「腕枕か・・・随分した覚えが無いな、なるほど。わかった、では寝るとしよう」
ばさり、とベッドの布団をめくって彼女を先に中に押し込む。そして、素早く自分もその隣に滑り込むと、腕をパタリと倒して
「ご希望の腕枕。滅多にあげないご褒美だぞ、チロ君?」
分かってるね、と笑いかけると涙目のままの少女がにっこりと微笑み返して来て、自分の腕にそっと頭を乗せた。
「おやすみなさい、城ヶ崎さん」
「・・・・・・・・・こういう二人だけの時位は七騎・・・ななき、と呼んでも構わないさ」
「え?」
「まぁ良い。おやすみ、チロ君。明日もまたいつも通りの仕事が待ってるんだぞ、早く寝なさい」
きょとん、と目を丸くしてこちらを見る顔が見えないように、先に目を瞑る。
その額にキスをされたような気がするが、きっとそれは幸せな気のせい。

― 鷹森に後で色々言われるんだろうな、どうしてくれるか。面倒な事にならないと良いが・・・ ―

城ヶ崎がそんな事を考えつつ、チロは何やら胸にモヤッと感を抱いたまま、薄荷公路邸の執事の部屋で
新米メイドと謎の盗賊執事は仲良く眠りについたとか。


ちなみに次の日、チロが目を醒ました時には既に隣に城ヶ崎の姿は無かったと言う。
30名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 01:57:01 ID:wMCN2jXe
チロと城ヶ崎がくっついたら面白いや!とか、わんこなチロってどうだよ!と変な天啓が
いきなり降って沸いたので勢いだけで書いたらこんなバカップルに仕上がりましたと。

その内、きっと続けられそうです。ゼーン達並にバカで楽しいです。


原獣文書分が自分に足りない・・・と言うか連投で申し訳無い・・・・orz
31名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 23:18:30 ID:NjOStP8j
GJGJ!!!!!!

>春風
出歯亀の保護者付きデートというのが裂と美奈の二人らしいw
ヘタレの割に裂が積極的でナイスです
あとは、細かいことですが校長じゃなくて園長先生ですね

>予兆
思いもよらないカップリングでしたがわんわん言ってるチロに萌えました
犬なのに猫耳かよ!と執事と一緒につっこんでしまったw

お次は原獣?楽しみに待ってます
32名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 09:31:19 ID:+fb1C9WR
グッジョブ!
チロが素直で可愛い
33名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 00:30:54 ID:unsXmmWy
ほす
34名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 17:45:30 ID:cGkQt6gF
自分も何か書いてみようかな
35名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 00:47:18 ID:Vdql/psD
36名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 00:01:46 ID:7mRTfyKL
高次生物のナギの体ってどうなってんだろ
男になったこともあるよね
37名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 00:01:39 ID:0NaIAaeG
人外だから何でもあり
38名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 22:45:26 ID:jU0LBvNc
素で園長→校長に脳内変換されておりました、前回は失礼致しました。


ナギの話が出てたのでナギxレヴィで↓
39【小鳥】 レヴィ+姫:2007/06/15(金) 22:47:11 ID:jU0LBvNc
「じゃ、買い出し行ってきますね」
ぺこりと会釈をして、赤毛の美少年と黒髪の少年が出て行くのを笑顔で見送る。
「レヴィ、イブキってどのベッドって言ってたんだっけー?」
振り返ればにこにこと音が出そうなくらいの満面の笑みを浮かべた、金髪の美女が一人。・・・・人かどうかはともかく。
「うん?そのページの一番下の・・・そうそう、これこれ。電話かけて頼んじゃおうか、姫」
「ご飯の準備はまだいいかな、レヴィ?」
「その辺りは姫にお任せ致しましょう」
クスクス笑いを浮かべながら、小鳥が身を寄せるように座った自分の隣に寄り添ってくる、姫。
使い慣れない日本語を使いながら、ベッドの注文を終わらせれば膝の上に頭を乗せたままこちらを見上げる、透明な瞳。
「姫?」
どうしたの、と問いかけようとすると同時にふわりと彼女の背中に浮かぶ翼。それが、自分を軽く押して。
硬い床に頭を打ちつけることも無く、押し倒してきた翼が自分の背中と、その持ち主を一緒にまとめるように、柔らかく
包んで、目の前に透明で妖しい笑みを浮かべた姫の顔が近付いてきて。
「最近レヴィってば忙しくてなーんも相手してくれなかったぞー?」
妖艶な笑みが、一瞬でくふふ、と悪戯を企む子供のような微笑みに一変。同時に啄ばむような口付けひとつ。
「で、姫の手は何をしようとしてるのか俺に教えてくれないわけだね」
通話を切った受話器を握った手を挙げて、溜息混じりに瞼を閉じて、答えの代わりにクスクスという笑い声だけが
ほんのりと白く染まる瞼の裏に響いてくる。
「だーかーらー、レヴィが最近なーんもしてくれないなら自分で美味しくいただいちゃおうかなーとか?」
カチャカチャと言う音と共に下着が外される感触。
「素直に言ってくれればいいのに、姫」
「たまにはこっちからしてみるのも良いモノでしょ?」
フッと吐息をかけられた直後、柔らかい髪の毛が耳元を掠めていくのがくすぐったくて、身をよじる。
外気に晒されているのにあたたかい空気で包まれた自分の下半身を、生暖かく湿った『何か』がつついて、くる。
「・・・っ」
「レヴィってば反応いいなぁ」
うふふ、と嬉しそうな声音が聞こえた後、ぺちゃりという音と共に湿っている感触が自分自身を舐める。
身体中が強張る感覚と、快感と、閉じた瞼の裏には妖艶に微笑みながらソレを咥えている、姫の姿が容易に想像出来て。
「んふ・・・っ・・・」
犬がミルクを飲むような音を聞きつつ、どんどんと自覚出来るほど硬くなっていく自分自身。
「ひ・・・め・・・・・・ッ」
「んー?どうしたのかな、レヴィ?」
くふくふ。含み笑いを浮かべた彼女の姿が、瞼を閉じたままなのに、また容易に想像出来る。
「おねだりの仕方も分からないのかなー?」
くすくす。また、楽しそうな悪戯っぽい含み笑いと一緒にツン、と爪の先で自分自身を弾かれて。
40【小鳥】 レヴィ+姫:2007/06/15(金) 22:48:43 ID:jU0LBvNc
「も、姫、ダメ・・・お・・・」
声を出そうとすれば途切れがちになって、懇願したいのに言葉を紡げないもどかしさ。
「はぁ〜い」
うふふ、と笑い声が聞こえると同時に、甘く芳しい香りと淫らな音が聞こえ、あたたかいものに包まれる。
瞼を開こうとすれば、その瞼をしっとりとした手が抑えつけて。
「だーめー。今日は、そのままで・・・ね、レヴィ?」
くちゅり、と音がして、自分の半身をねっとりと締め付けられていく感覚。
瞼の上に置かれた手に、空いている方の手を重ねて握りしめる。
「じゃ、姫・・・・んっ、うご・・・」
「言わなくても動いてあげるよ、レヴィ」
重ねた手の甲に小鳥の啄ばみ。締め付けられた半身が、擦られる感触、感覚。
「ぁ・・・」
小さな甘い声は自分のものか、それとも彼女のものか。それすらも、否、分からなくても良い。
ぴちゃり、くちゅり、と淫らな音が耳を通じ、脳髄まで溶けそうになったその刹那。
「っ!」
ビク、と自分が先に吐き出す気配を感じて。その後には、くすくす、うふうふ。笑い声が耳元に。
「レヴィってば、忙しいからって溜め過ぎ。早いぞー?」
甘い声で囁かれ、ペロリと耳朶を舐められれば反射的に目を見開く。
熱を持った、小鳥のような透明な眼差しがこちらを真っ直ぐに見つめていて。
「ま、レヴィのは美味しくいただいたから・・・イブキとカルノのためにも夕飯作ろうかなー、っと」
淫らな姿の小鳥は瞬く間に服を纏って、エプロンを更にその上へ。
「新妻、かんせーい」
「姫、にいづまって何だっけ?」
「ひみつー」


それからしばらく時間が経った後、あまりにもなダメ新妻っぷりをイブキに怒られたのは姫だったりする。
「スタミナがつくのがいいかもね」
二人を口実に、自分がスタミナをつけたかったと言うのは心の中にしまっておこう。
41名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 22:49:50 ID:jU0LBvNc
>34
正座して待っております。全裸d(ry
42名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 18:25:09 ID:LHXBT6zB
GJGJ!!!!!!!
イブキとカルノがいない間にナギとレヴィはこんなことをしてたんですねw
新妻ナギちゃん(;´Д`)
43名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 15:58:39 ID:2XYJs/Pi
こんなスレがあったとは!
44名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 14:20:45 ID:PNgAdNGM
保守age
45名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 20:24:48 ID:cDpeMBan
規制かかってないかカキコテスト。

原獣のバカップルネタ微妙進展版、2レスで投下↓
46【蜜月】 LV.2 ゼーン+アルビレオ:2007/07/10(火) 20:26:19 ID:cDpeMBan
ぎゅ、といきなり背後から圧し掛かってくるのはいつもの事。
そのままくるりと体を前に回して来て、こちらを見ながら声をかけてくるのも、いつもの事。

ただ、今日はいつもと違う言葉が綺麗に紅く染まっている唇から紡ぎ出された。


「なぁゼーン?俺ってさ、お前の『嫁』なんだよな?」
「ああ、そうだぞ嫁。お前も知っているだろう、運命の石を使えばお互いの『匂い』で縛られるって事g」
「そんなの当然知ってるさ、俺だって。ガキと思ってバカにすんなよ、このバカゼーンっ!」
言葉途中でぺちり、と手応えの無い平叩きを喰らった後、視線を反らしたまま、嫁は何やら口篭もっている。
「・・・嫁?どうかしたのか?」
そっぽを向いたままの嫁の髪の毛に指を通すと、こちらを向いた嫁の目元にはうっすらと、雫。・・・涙?
「え、ちょ、ちょっと待て嫁!お前何故そこで泣いている!?俺はお前に何かしたのか、したなら謝るからっ!」
アルビレオの目元に溜まった涙を拭う事すら忘れ、自分が相手に何かしたのでは無いかと狼狽してひたすら、ただひたすら
頭を何度も上下に下げては嫁の返事を待つ。
「・・・・べ、別に悲しくて泣いたワケじゃないよ。ただ、ゼーンは俺の『旦那』なのに、何もしてこなくて、それ・・で」
言葉途中に切って、それと同時に目尻に溜まった涙の雫がぽとりと膝の上にあるアルビレオの手の甲に落ちる。
「へ?」
「一回で理解しろ、この脳味噌筋肉バカーっ!」
べちん。今度は力一杯に叩かれて、一瞬目から星が散った。
クラクラする頭を抑えながら、さっきの嫁の台詞を脳内で反芻する。
「えーとだな、嫁。要するに、俺がお前に何もしないから不満だったとか、そういう事か?」
「早く気付け、この脳天気バカ魔神が」
ボソ、と小さく呟いて横を向く嫁。少し伸びた金の髪が夜風になびいて、月の光と相まって光がそこに集中している様だ。
「うー。なぁ、嫁?俺はお前が一番大事だし、大切だし、ヘタに手を出すと壊してしまいそうで不安なんだぞ?」
「俺はお前の『嫁』で『伴侶』なんだろう?お前が勝手に決めて、俺はお前の嫁になったんだろうが」
どうやら嫁は運命の石を使った時にハメられた事を未だに根に持っているらしい。執念深い、と言うんだったか?
「だから、お前は俺の『旦那』として、俺の事を自由に扱っても俺は文句も言えないんだぞ?」
「え、じ、じゆーって」
「何でも、って事。あんまりそういうの言わせんなよ、バカゼーン」
ぷぅっと膨れたアルビレオの頬が、さっきよりもほんのりと赤く染まっていて、目は潤んだままで。
「お、俺はもう覚悟決めてんだからな。ゼーンは何もしてこないし、俺が言わなきゃ何もしてこなさそうだしさ」
それには反論出来ない。俺は、通常の『男』よりも数倍以上力がある。もし、我を忘れて力を込めてしまえばこの細くて
脆くて弱い、嫁の身体は簡単に壊れてしまうだろう。その位、俺でも想像はついている。

それでも、嫁は俺を求めてくれると、言ってくれていると言う事なのか?
嬉しいけれど、もし、もしも。俺が力加減を間違えたりしたら、この明るくて口が悪い嫁が、どうなるのか分からない。
47【蜜月】 LV.2 ゼーン+アルビレオ:2007/07/10(火) 20:27:44 ID:cDpeMBan
「どうなるか俺も分からないんだからな?」
「んなの、覚悟してるから言ったんだろうが、あほたれゼーン」
潤んだまま見上げて来る瞳の中に、俺だけが映り込んでいる。恐る恐る手を出して、頬をそっと撫でる。
ぴくり、と反応する肩。開いていた瞳が固く瞑られる。顔をそっと近付けて、紅く染まった唇に口付けを一つして。
更に肩が動くのを感じながら、その肩を両手で抑えて唇の先を自分の舌で突付くように、こじ開けようとする。
「・・・は」
小さく微かな吐息と共にアルビレオの唇が開かれる。
ちゅ、と音を立てるように、唇を啄ばむ。出来る限り柔らかく、力を入れないように気を使いつつ、咥内に舌を進める。
「ん・・・・ッ」
ぺろりと舌先を絡めた時に、アルビレオが弱々しい力で俺の服の裾を掴んできた。
唇を離して、相手の顔を見る。とろりと今にも溶けそうな表情で、焦点の合わない瞳でこちらを見る、嫁の姿。
「なぁ、嫁?」
「ふぁ・・・なに、ぜーん?」
普段とは打って変わって声に締まりのない、嫁の新鮮な蕩けるような、声音。
「俺、いつだって嫁を俺だけのモノにしたくてたまんねぇんだぞ?」
視線の合わない嫁の頬に、軽くキスを一つして、顔を離す。
「んぁ・・・ッ」
頬にキスをするだけで、アルビレオの身体がぴくりと跳ねる。
うーん。もし今、これ以上やったら嫁の精神状態がおかしくなりそうな気がする。
「今日は、ここまでにしておくか、嫁」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?俺の覚悟は?」
「もうちょっと、嫁の身体が慣れてきたら、その時に思い切り覚悟しておいて貰えればいいからな」
にっこりと、嫁にだけ見せる極上の笑みを向けて、柔らかくて手障りの良い嫁の髪を撫でる。
「・・・ゼーン、知ってるか?」
「んぁ?何が?」
「こういうのは寸止めって言うんだよっ!」
本日最大級の殴りを一発。ただ、嫁の顔が照れなのか、キスで感じているせいなのか、真っ赤になっていたから
それはそれで、良しとしておこうか。


「さて、いつになったら俺はちゃんと嫁と『夫婦』ってヤツになれるのかなー、っと♪」
「変な歌を唄ってないでとっとと晩飯作れよ、ゼーン」
二人だけで暮らす東屋の前で、獲物を解体いている俺を眺めながら、ほんのりと頬を染めた嫁が呟く。
俺と嫁が、心だけじゃなくて本当に結ばれる日が来るかどうかは、まだ分からない。でも、それでもいいと思う。
振り返れば、嫁の少し拗ねたような笑顔が、いつも迎えてくれているから。俺は、今はそれで充分満足出来ているから。
48名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 20:31:35 ID:cDpeMBan
この二人はどうやってもバカップルにしかならないんです。

魔法士だと姫とレヴィ、ローゼリットとカルノが一番絡みやすいんですかね。
また気長にネタを貯めてから参ります、失礼しました。
49名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 17:24:42 ID:o9RzqMYk
寸止めktkr

GJGJ!!!!!!
微妙な進展具合が良いですね
アルビレオが口が悪くて頑張ってて可愛いです。罵られたいw
50名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 02:53:40 ID:IjAvASpz
バカップー(;´Д`)ハァハァ
51名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 02:57:57 ID:IjAvASpz
>>40も(*´Д`)ハァハァ
他の作品は覚えていない・・・Orz
52名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 08:09:46 ID:9bE3RWfQ
ほすage
53名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 08:35:21 ID:ehgO0Qd+
原獣文書期待age
54名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 20:35:06 ID:vxmb1tpC
55名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 21:24:19 ID:JjHVz+fy
なンかネタないのー
56名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 22:19:23 ID:yv9VhIgf
朔ら彦×蝶子とか読んでみたいな。
つーか最近、鉄壱智読み始めたんだが蝶子好きだわ。
57名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 02:45:30 ID:bz7L+DCd
鉄壱の蛇神様の蛇で色々出来そうだが
58名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 21:20:35 ID:j0Aooe8N
蛇ってどんなプレイですかとw
59名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 00:26:16 ID:xWaMt+q4
えーっと、中に誰か巻き込んで色々良いようにすると、
60名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 01:55:39 ID:xO8DPzdU
あの場にいる女って蝶子、千花夏、雪緒だな・・・・蛇で触手プレイみたいに。
けど、雪緒か・・・雪緒では萌えられんな。あいつ女なんだよな一応・・・
61名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 10:56:46 ID:PofaxaH/
雑誌のほうで鉄が通常の人間サイズになってたので
鉄×蝶子なんてのも良いのではないかと思ったり
62名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 21:37:26 ID:zqxJuOSV
鉄な流れ豚切りすみませ・・規制解除出来たっぽいので2つ投下↓

一個目・ ユーハxシェーラ 
二個目・ いつものバカップル
63【狂月】 ユーハXシェーラ:2007/09/05(水) 21:38:47 ID:zqxJuOSV
窓から見えるのは満月。夜風もあまり入らなくて、壁際がかろうじて冷たくて。
二人並んでぼんやりと窓の外を眺めるように、壁にもたれかかり。
「夏だなー」
「へふー。そうッスねー」
「暑いなー」
「そうッスねー。つか人の部屋来て文句言わないでくれますー?」
「なー、この場冷やすようなモン無いのか?」
「思い切りスルーするんスか。んじゃ、コレあげますから」
「あ?」
渡された布を手に、シェーラが不思議そうな視線を相手に向ける。もぐもぐとアイスをくわえたまま、ユーハがにんまりと
笑って着るように手で示す。
「あたしさぁ、コレの着方わかんないんだけどー?」
「アタシが教えてあげるッスから問題無いッスよ」
「んー、ま、それならいいんだけどさ」
「ちなみに着物の下って下着穿かないのって知ってるッスか?」
「げ。それマジ?」
「さー」
それから30分程かかって、ユーハがシェーラに浴衣を着せ付ける。黒地に紫の蝶柄が舞っている、大人っぽい感じの浴衣。
その姿をじぃっ、と少し離れた所から見つめてユーハがボソリと呟く。
「・・・・・馬子にも衣装?」
「あたしでもそれが用法間違ってんのはわかるんだけどな、ユーハ〜?」
ジロリと睨んでから、いつも着ている服とは違って締め付ける帯。涼しく見えて意外と暑い、浴衣の布地。
パタパタと襟元を扇ぎながらシェーラが溜息を一つ零す。
「これだったらさっきの服のままにしときゃ良かったぜ、ほんっと」
「へほー。まぁまぁ、そう文句垂れずに。アンタ、背中で手ぇ合わせられるッスか?」
「その位出来るっつの、ほら」
急に何を言い出すのかと訝しげな表情で、身体の後ろで両手を合わせるシェーラ。それを見せるように、ユーハに向かって
背中を向けて、顔を振り返させようとしたその、瞬間。
「ふへー。アンタ、身内にはほんっと甘いッスねぇ」
「なにを言っ・・・」
ぱちん、と弾ける音がするのと同時に、両手の親指が【何か】で拘束される感触。
反射的に両手を離そうとしても、親指と親指がなぜかくっついているようで、離す事が出来ない。
「ユーハッ!てめぇ、何を!」
「確か〜、親指を拘束されると動けなくなっちまう。そう教わったンスよねぇ」
クスクスと笑う声が首元から這い上がってくる。部屋の中は暑いのに、凍りつく背筋。
「あんまし親指に力入れちゃうと、将来困る事になっちまいますよぉ?指が切れちゃったー、なーんて嫌っしょ?」
ふへ、と笑う声を聞きながら撫でられる首筋、腰の辺り。ざわざわとする感触。
「アタシ、アンタに興味あったんスよ。どういう味するんスかねぇ、とかどういう鳴き声聞かせてくれるんスかねぇ、って」
「・・・・!」
首だけで振り返った視線の先。いつもとは違う表情を湛えた少女の笑顔が、そこにあった。
「だから、愉しませてもらいたいんスよ。ねー?」
64【狂月】 ユーハXシェーラ:2007/09/05(水) 21:40:09 ID:zqxJuOSV
膝を押され、肩を押されると床に向かって自然に前のめりに倒れ込む。
前傾姿勢のままで腰を上げた姿。こんな状態の姿、ユーハだけじゃなく、もし、もし・・・
「今のカッコ、他のヤツに見られたらアンタの立場的にも確実にヤバいんじゃないッスかぁ?」
びく、と自分の体が揺れるのを感じた。
「”静か”にしてなきゃ誰か来ちゃうかもしれないッスよぉ?」
さわさわと、腰を撫でてくる感触に喉の奥から小さな声が出そうになる。それを抑え込むように、瞼を固く閉じる。
「我慢出来るんスねぇ、さすが頭領務めるだけの事はあるってやつッスか」
含み笑いが混じった声が聞こえたと思った次の瞬間。襟の袷から、手を差し入れられた。
「ッ!」
驚きで出そうになった声を、慌てて飲み込む。
「まーまー、そう硬くなる事無いッスから。すーぐにイイ感じにしてあげるッスから」
「な、に抜かして」
「知らないつもりッスか?ココ、色んな趣味の奴らいるッスからねぇ。色々知ってるんスよ、アタシ」
今度は声にならない声を飲み込む番だった。
「んー、見た目からして筋肉質だと思ってたけど〜、アタシよりは胸あるッスねぇ?」
直接触ってくる、柔らかくて温かい手の感触。いつも触れてくる、あの手と違うのは容赦が無いと言う所だろうか。
柔らかさを確かめるようにか、ただ感触を楽しんでいるだけなのか、握り締めては離して、指の先で突付いて、捻って。
時折胸の先を掠めていく度、一瞬だけ体が震える。
「胸だけで感じるなんて、アンタも結構好きモノってやつッスかぁ?」
唇を噛んで声を出さずに、首を左右に振って否定の意思を示す。
「そ、れ、じゃあー。ホントかどうか確かめてあげるッスよ」
まさか、と思う間もなく着ていた浴衣の裾がめくられる。浴衣で篭もっていた熱が、一気に外気で冷やされて。
その冷やされて行く肌の中、一部だけが熱を帯びたままなのが自分でも自覚出来る。
「そーいやアンタ素直に騙されてくれたッスけどねぇ、昔は下着を着ける習慣無かったらしいッスけどー」
つつ、と何か硬い物が熱くなっている部分を撫でる感覚。
「今のご時世、浴衣でも着物でも下着を着けないなーんて習慣、ほぼ消えちまってるんスよぉ。お陰でよく見えるッスけど」
含み笑いが入った声。片手は未だ胸を触っているし、もう片手が熱い部分をさわっているのだろうか?
ぼんやりとしてきた頭でそんな事を考えていたら、首筋を舐められ、覚醒する意識。
「この位で意識飛ばして逃げようなんざ、甘っちょろい事考えないで欲しいッスねぇ。アタシ、良いモノ持ってるんスよ?」
コトリと小さな物が床に置かれる音に瞼を開ける。その視界に入ったのは、コードらしきものが付いた楕円形の、物体。
「なん、だ、そりゃ」
「使ってみりゃわかる事ッスよ。何個かあるッスから、とりあえず〜」
視界から消えたソレ。袷から手と一緒に入ってくる、硬い物体の感触。ソレが、ちょうど胸の一番先の所に
当てられたと思った時。
「じゃ、声出さないよーにしないとケツ出してる姿見られちゃうんでぇ、気ぃ付けて下さいよぉ」
クスクスと笑う声を付け足して、何かのスイッチが入る音がした。
65【狂月】 ユーハXシェーラ:2007/09/05(水) 21:41:30 ID:zqxJuOSV
ぶぅん、と最初は小さな振動が来たと思った。それが段々と大きくなって、胸の一番先の、敏感な部分を容赦なく震えさせる。
「・・・っ!ぁ・・・・はッ」
抑えられた親指。離そうにも離せない、両手。微妙にずれていく振動の場所を、直したい。
声を出してはいけないという思いと裏腹に、頭の中が白く染まって行く。
「アンタ、胸けっこー弱いんスか?」
こちらの顔を覗きこむように顔を下げて来る少女の姿。滲んで見えるその顔をぼんやりと見つめ返す。
息は切れ切れで、胸から来る振動で意識が飛ばないように、声を出さないようにするのが精一杯。
頭の中、意識が途切れそうになっている所以外を埋めているのは声を出さないようにするという事と、もう一つ。
「それじゃ、メインの方も弄ってあげなきゃ可哀相ッスよねぇ?胸はもう手ぇいらないし」
滲んだ視界の中、少女の顔が極上の笑みを形作った。
脚の間の一番熱くなっていて、さっきから疼いていて、でも、自分ではどうしようもなかった部分。
そこを温かい吐息と、モノが触れる。
「おー、綺麗綺麗。それに気付いたら水溜りまで出来てるじゃないッスか、アンタどうしようもないッスねぇ?」
「や、ちが・・ッ」
「違わないッスよ。ほら、こんなになっちゃって」
くちゅり、と音を立てて当てられたモノが僅かに動く。ゆったりと、焦らすように円を描くように。
「ん」
違う、そこじゃない。もっと、もっと違う所を。でも、言えない。声は出したらいけない。
「腰動かしてまで、ナニが欲しいんスかねぇ、アンタって」
ねぇ?と笑いかけられながら、細い何かが胎内に入り込んでくる。でも、違う。それじゃない、欲しいのは、違う。
「指じゃ物足りないんスか?じゃ、コレだったらイイんスかねぇ」
コリ、と音がしそうな感覚と同時に、指ではない無機質の感触が熱い部分の中、一番敏感な場所に触れる。
「・・・・ま、さか」
「正解。そのまさか、ッスよ。涎垂らしてヨロコんじゃって下さいよ」
また、スイッチが入る音がした。そして振動と同時に、体中を走る電撃に似た、感覚。
「ふぁっ」
「一番弱いのにしてンのに、そこまで感じるなんてよほど弱いんスかねぇ、アンタ?」
違う、と言いたいけれども声にならない。声を出してはいけないと分かっていても、甘い声は出てしまう。
体は自然に一番気持ちイイ場所を探そうと、微妙に揺れて。
「もっと良くなりたいんスか?」
笑いを含んだ声が聞こえたと思ったら、胸に与えられている振動が更に強くなった。
でも、違う。
「ん?あー。ずれてたんスねぇ、言ってくれりゃいいのに」
袷から手を差し入れられ、振動の位置が胸の中でも一番敏感な場所へとずらされる。体中に走る電撃が、更に増える。
でも、その代わりに脚の間にあった振動が消えて。
「や、おね・・・が・・」
「んー?何がッスか?」
床に肩を付け、滲む視界の中に嗤う少女を見上げて小さな声を絞り出す。
「たえら、れ」
「自分でスるって事ッスか?」
66【狂月】 ユーハXシェーラ:2007/09/05(水) 21:42:26 ID:zqxJuOSV
一瞬の躊躇。ゆっくりと頷く、シェーラの首。
「ま、アタシはそうやって悶えてるアンタを眺めてるのも楽しいんスけどねぇ。あ、暴れるとかしたら今度は」
親指の縛めを解放しながら、耳元でポツリとユーハが囁く。
「”寝首をかく”んじゃなくて寝込みを襲って次の日足腰立たなくしてやるッスからね」
その言葉にぞくりとしたのは、期待なのか、恐怖なのか、わからない。
解放された両手。ずりずりと力の入らない体を壁に預けて、視線を彷徨わせる。
床に転がっている、楕円形の物体に目をやる。おずおずとソレを手に取ってみても、何の反応も無い。
「スイッチ入れなきゃ動かないッスよ?まぁ、当てて下さいッス」
こくり、とまたゆっくりと頷いてシェーラが自分の秘所に楕円形のソレを当て、抑えて一番気持ち良い場所を探す。
この辺りなのに、指でされるのとは違って、無機質な物体のせいなのか何も感じない。
ふ、と視線を上げたらユーハと視線が合った。そして、その瞬間。
「イイ感じにしてあげるッスよ?」
にんまりと哂う少女の顔が認識出来た瞬間、手と秘所、同時に振動が走った。
「ふ、あッ」
体の中、内側に熱が集まって行くような感覚。振動音と、自分の息しか聞こえない、不思議な世界。
でも、でも、何か足りない。
「あ、んぁ、ぁ・・・っ」
「初めてでローター動かすとか、ヤり慣れてるって事なんスかねぇ。てゆーかー、アタシも我慢出来ないってゆーかー?」
滲んで霞んでいる視界の中、ユーハが近付いて来るのが見える。
「ちっとアンタ、さっきみたいにうつ伏せになってくれるッスか?もーっとイイ事してあげるッスから」
物体を秘所にあてがいながら、素直にうつ伏せになる。一瞬、普通は自分が言う事を聞く立場じゃないだろうと思いつつ。
「ほら、腰上げてくんないとアタシがヤれないっしょ」
ぐっと腰を上げさせられ、慌てて後ろを振り向けば、ユーハの手には見た事の無い、蛇のような細長い物体があって。
「ん?何見てるんスか。アンタは自分で自分を気持ち良くしておきゃいいんスよ」
さわさわと尻を撫でられ、体が自然に反応して震え、甘い吐息が小さく唇から漏れ出す。
甘い感覚にいざなわれるように、自分で自分の気持ちイイ場所にアレを当てる。まだ、足りない。でも、気持ちイイ。
背後から、ユーハの甘い声が一瞬聞こえたのは気のせいか否か。次の瞬間、秘所の入り口に『何か』が当てられる感覚。
「ッ!?」
「力、抜かないと痛いだけッスよ?」
息を飲む自分の気配を感じたのか、背後ではくふふと笑う声。そして、貫かれる感覚。
「ん、ぐ・・・」
人とは違って温もりの無い、無機質な物体が胎内を埋めて行く。でも、気持ち悪くはない。
ぬるり、と太ももを垂れていく液体。
「は」
自分の唇から甘い声が出ると、ずるりと出て行く『何か』。出て行く時に、とっかかりが引っかかる感触があって、
それがまた気持ちイイ感触を生んで。秘所に当てた物体を、更に押し付ける。
「や、も、っと・・・っ」
「気持ちイイんスか?」
答えを返す代わりに、何度も首を上下に動かす。もっと、欲しい。今までこんな感覚、感触、味わった事が無かった。
67【狂月】 ユーハXシェーラ:2007/09/05(水) 21:43:45 ID:zqxJuOSV
「今、ホントにアンタとアタシ、繋がってるんスよ?説明してもわかんないでしょーけどねぇー」
くすくすと笑う声が、耳元に響く。体重が、背中に圧し掛かって。それがまた、快感を誘って、自分の胸を自分で掴んで、
もう片方の手で、自分の濡れて蕩けてしまいそうな秘所に怪しい物体を押し付けて振動を貪り喰って。
ぬちゃり、ぴちゃり、と音がする度に胎内から出入りする、何か。それが、更に気持ちが良くて、頭が真っ白になりそうで、
でも。
「足り、なっ」
「貪欲ッスねぇ?ま、アタシも物足りないと思ってるトコですしぃ〜」
耳朶を噛まれた時、その耳に入って来たのはカチリと言う、何かのスイッチの音。今までとは、違う音。
そして、胎内に響く振動。
「んぁっ!」
首を反らし、胸を触っていた手を離し、床を思わず掴もうと爪を立てる。
「ねぇアンタ、今すっごいイイ顔してるッスよ〜?」
笑いを含んでいる、熱い息が耳にかかる。ぺろりと舐め上げるその唇から、熱い息が更にかけられて。
「そのまんま、何も考えないでアタシに任せちまって下さいよぉ」
背中にかけられていた体重が消え、腰に手が当てられるのを感じる。
胎内、そして自分で当てている秘所への振動。その二つが強く感じられて、そして。
部屋の中に淫らな水音を響かせて、シェーラは胎内を突かれ始める。抑えている手が落ちそうになると、動きが止められて
「ちゃんと当ててないと気持ち良くしてあげないッスよ?」
首筋や、耳朶を舐め上げられて注意をされるので、どうにか自分自身で自分の秘所への振動を抑え付けていた。
「や、ふぁ、あ・・んっ」
ガクガクと膝が震え始める。秘所に当てたソレを、ユーハの動きに合わせて無意識で前後に動かす。
「は、ダメ、は・・・ッ!」
自分の体の中、一点に集中している熱が弾けるような感覚と同時に、シェーラの体が崩れ落ちた。
それに気付いたユーハが動きを止める。つん、と突付く背中。当然、無反応。
「ん?あれ、イっちゃった?しかも失神ッスか?」
つまんないッスねぇ、と呟きながらユーハがシェーラの顔を覗き込む。荒い息をついて、瞼を閉じた顔。
「・・・・ふ」
小さな笑みを漏らすと、シェーラの胎内から長い物を引きずり出す。そして、その先に繋がっている自分の胎内に
付いている物も、引きずり出す。真ん中で曲がっている、その長い物体に目をやると床に放り投げて、
シェーラの体を仰向けに転がして。
「ねぇ。聞いてねーでしょーけどー、コレだったら、いくらでもアタシが教えるのって可能っぽくないッスか?」
くふくふと哂う少女の傍ら、浴衣を蜜にまみれさせ、短く揃えた髪は汗で額に張り付かせて、シェーラは眠りに堕ちていた
68名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 21:44:48 ID:zqxJuOSV
本当なら↑のは8月中に投下したかったんです、時期外れでしたorz
次、
ゼーン+アルビレオ ↓
69【蜜月】 LV.3 ゼーン+アルビレオ:2007/09/05(水) 21:46:05 ID:zqxJuOSV
月明かりに浮かぶ泉。煌く水飛沫の中、白く柔らかい肢体が浮かび上がる。
白く細い腕を上げれば濡れていつもよりも金色に光る髪が月の光に映えて、足元を見つめる顔を照らし出す。
「・・・つめたい」
「俺はもうあったまったぞ」
「なんかその言葉、前にも聞いた記憶あるんだけど?」
泉のほとりに座っていても、水浴びをしているアルビレオがこちらを見つめ返して来るのが、月明かりの中でハッキリ見えて。
「嫁はやっぱり綺麗だなぁ」
「またそうやって誤魔化すんだからな、ゼーンのバカたれ」
ふん、と自分の足元に視線を落としては水を身体にかけては軽く擦っていく、嫁の肢体。細くて、柔らかそうで、そして
「この位置からでも嫁の香りがすごく来るなー。いーいにおーい」
クンクンと嗅ぐと、自分でも判る位に顔がニンマリと緩んでいるのが、癪にさわったのかどうか。
勢いよく水をかけられ、せっかく乾いた服がまた濡れてしまったりして。
「・・・・・・嫁、そんなひどいそんなひどい・・・」
「ゼーンが変な事言うからだろ?それに、俺が水浴びしてるトコをそうやって眺めてるって時点で怒るってんだよ」
水飛沫を乱暴に飛び散らせ、こちらに水をかけてくる。更に濡れていく、服。せっかく乾いたってのに。
「ちょ、ちょっと待て嫁!俺が耳イカれてるのは知ってんだろ?顔見てないと何言ってるか」
「そりゃ知ってるけど、こういう時位待ってればいいじゃん。ゼーン、そんなに見てないとダメなわけ?」
水浴びしてる嫁の姿が見たいから、なんて素直に言ったら多分、いや確実に水をかけられるだけじゃ済まない気が。
「無言で答えにしようとか、ゼーンはずるっこいなー」
ぱしゃり。聞こえの悪い耳でも聞こえる位の音を月明かりの下に響かせながら、嫁が泉のほとりへ戻って来る。
「ゼーン」
「う?」
「手。ちょっと両方の手ぇ出してくれる?」
目を瞬かせてから、言われた通りに嫁に向かって両手を差し伸べる。
「人の水浴びを覗くヤツは、こうするのが一番、だーーっ!!」
満面の笑みが濡れた金の髪の下で輝いたと思った次の瞬間、腕を引っ張られて泉の中に顔からダイブしてしまった。
慌てて起こす上半身。咳き込む俺の顔を覗きこむ顔は、とても楽しそうで、嬉しそうで、無邪気そうで。
「嫁、そんなひどい」
「そんなひどいは却下」
「そんなひどい」
「ループ却下。ゼーン、水ん中に頭沈ませるぞ?」
額を突き合わせるようにして、笑顔の嫁の顔を間近に見つめる。
「んじゃ、どうしたら嫁は許してくれるのか教えてくれるかー」
「さあ。ゼーン、その位考えてやればいいじゃん」
視線を逸らす嫁の横顔。月明かりに映えて、いつもよりも白く浮かび上がって、水に濡れているせいで艶っぽい顔が見える。
70【蜜月】 LV.3 ゼーン+アルビレオ:2007/09/05(水) 21:46:58 ID:zqxJuOSV
無意識のうちに、その横顔に手を伸ばしていた。
慌ててこちらを見返す唇が何かを言おうとする前に、強引に塞いでしまう。
「・・・んーっ」
暴れる手を片手で抑えて、咥内に舌を挿れる。柔らかい舌先を突付き、綺麗に並んだ歯列をなぞって、染み出て来る唾液を
こちらの口の中へと移しては飲み込んで、こちらの唾液は移して飲み込ませて。
「ぁ・・・ふ」
何度かお互いの交換を終わらせた頃には、嫁の手からは力が抜けていた。
「ぜーん、ずるい」
「嫁が可愛いのがズルいって言うんだぞ〜」
「そ、そんな事言われても嬉しくない!」
クスクスと笑いながら濡れたままの金の髪を撫でれば、ぴくり、と反応して動く肩。
「んんん?嫁、もしかしてヨロコんでる?」
「よ、ヨロコんでないっ!」
「へぇ」
ニンマリ笑いをもう一度。月が雲に隠れて、少し暗くなったけれどもそれでも光るように見える、嫁の白い肌。首筋。
その細い首筋に口付けをひとつ。
「・・・・・ッ!」
びくん、と今度は確実に身体が跳ねるように反応を。
それには何も言わず、更に首筋をなぞっていくように、舐め上げれば泉の水の味と、僅かにアルビレオの匂いが混ざっていて。
「ん〜、嫁は良い匂いがするなぁ」
そう言いながらもぺろり、と首筋を舐めるのは止めず。
「ば・・・・かッ」
ふるふると小刻みに震えながらアルビレオの力が抜け、ゼーンの肩に寄りかかる。ふわり、とそれを受け止めるゼーンの
手の先は自然に腰の辺りを支える。すると泉の水とは違う温もりと、明らかに水とは違う液体の感触が触れて。
「なぁ嫁、コレなんだ?」
微妙な粘り気のあるソレが付いていると思われる腰の辺りを指でさすれば、肩に顔を埋めたアルビレオの口から出るのは
艶の混じった甘い吐息と、微かに鼻にかかった言葉にならない声。
「や・・・・んッ・・・し、知らな・・・っ」
甘い吐息を吐きながら、力の入らない手でゼーンの胸板を叩きつつ潤んだ瞳で、見上げて来る。その仕草がまた可愛らしくて、
そして自分とは違って柔らかい金の髪。ハラリと落ちて耳元にかかるのを掬い上げると耳元で囁くように、また問いを。
「で、嫁はやっぱりヨロコんでるのか?」
小さな笑いを含んだ問いかけに、アルビレオが頬を染めて目を瞑り、顔を背けると細い首筋がまた薄明りの中照らし出される。
吸いつくように、噛むように歯を立てるとしがみついているアルビレオの手がぶるり、とまた震えて。
空いている方の手で、泉の水で濡れた身体を優しく撫でる。
そっと触れたのは、泉の水面から少し上の位置にあるアルビレオの尻の部分。”女”と言うにはまだ程遠い、でも柔らかな
曲線を描き出しているそこを撫でると、甘くて熱い吐息を漏らしながら、体をよじらせるアルビレオ。
「んっ・・・や、ちょ・・・ま、て、ぜー・・んッ」
はふ、と悩ましく艶かしい声音をあげながら潤んだ瞳でまた、見上げて来る。
「どうした、嫁?」
その瞳を見て、ほんのりと染まった耳朶を軽く噛む。
「やッ!も、ダメ・・ちから・・・はいらな・・・」
言葉はそこで途切れて。それと同時に、ゼーンが支える腕の中に力を失い、意識の途切れたアルビレオの身体は崩れ落ちた。
71【蜜月】 LV.3 ゼーン+アルビレオ:2007/09/05(水) 21:48:43 ID:zqxJuOSV
慌てたゼーンが泉のほとりへとアルビレオを運び、何度か揺すったり声をかけたり、泉で冷えたと思われる身体を
相手よりも体温の若干高い自分の手で暖めてしばらくの後、ぼんやりと目を開いて起き上がるアルビレオを見、ゼーンがほっと
一息ついたのも束の間の事で。
振り上げられた手。
べちん、と無言でゼーンの頭を叩くアルビレオ。
きょとん、と何が起きたのか理解出来ずに目を丸くして手を振り上げたアルビレオを見るゼーン。
「今度変な事したら俺、本当に怒るからな!」
「え、何だソレは?オレは変な事したつもりは全然な・・・」
「とにかく!変だって言ったら変だったんだよっ」
寝床まで運べよ、と小さく呟いて泉のほとり、ゼーンに背中を向けて丸くなるアルビレオ。
「よめぇ〜・・・オレ何か悪い事したか?嫌いになったか?」
背中を向けていても、声音だけでその表情が落ち込んでいるのが判る。その声に小さな溜息をついて、背中を向けたままに
「別にそういうのは無いからな、変な事しなきゃいいだけだからな」
と、それだけを伝えるとアルビレオは目を閉じる。身体には微かに甘い気だるさと、気持ちの良い眠気が来ている。
ただ一つだけ言うとすれば。
(何か脚のトコ、ぬるぬるして気持ち悪い。変な感じ・・・でも、何かコレはコレでいいのかも・・な?)
まだ背中越しに弁明してくる声を聞きながら、甘い眠りへと誘われて。

ただし。次の日の妙な気だるさ加減にまたゼーンに苛立ちをぶつけたのは言うまでもなく、いつもの事。
72名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 21:50:51 ID:zqxJuOSV
以上、終わり。

蝶子が朔ら彦の下のお世話をしても上手に出来なくてへこんで朔らに頭なでなでされるとか
そういうバカップル加減ならちょっと妄想した事も無くは無いです・・・
73名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 18:52:46 ID:Y+XNrDhI
GJGJ!!!!

百合カプキター!
立場逆転でユーハに攻められるシェーラがイイ!

バカップルはエロ度が徐々に上がっていて(;´Д`)ハァハァ
どこまでレベルが上がるのか楽しみにしてます
74名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 22:38:44 ID:rvSV2QAt
職人さんが来てたとは
いつもながらGJ!
75名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 04:50:26 ID:yYRyLtqn
GJ、そして周りに降臨したのを知らせage
76名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 23:00:59 ID:XGUvdaJv
本スレの話題を見て、触手責めされるアルビレオを想像してしまった
77名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 09:37:57 ID:7WfqP4CQ
ほす
78名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 00:40:04 ID:nXBvN9Vu
79名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 18:28:22 ID:y8d5iAZy
80名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 12:07:54 ID:KG6OlW2z
圧縮来るので念のため保守
81名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 01:16:53 ID:2qAR0EX8
82名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 23:33:09 ID:JhO9GOQC
ほっしゅほっしゅ


何かネタ投下しようぜ
83名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 23:17:07 ID:w4eRgWfx
エロパロスレっぽい雑談でもする?
84名無しさん@ピンキー
もうすぐ鉄の発売日だなあ